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63回国会参議院1970/05/06

内閣委員会 第13号

発言数
169
登壇者
16
会派数
4
開催日
1970/05/06

会議録

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 農林省設置法の一部改正案の内容は、農業技術会議を中心とした改正でありますので、問題をそこに中心点を踏まえながら、若干お尋ねをいたしたいと思います。  私はこの問題については予算委員会の一般質問、あるいは四月十三日の予算第三分科会等でもお尋ねを申し上げました。あとで速記録を読んでみますと、どうも大臣の御答弁が抽象的でありますので、きょうは法案そのものでもありますし、もう少し具体的な御所信なり、また構想等について明らかにしていただきたい、このことを最初に御要望申し上げておきたいと思います。  昭和四十二年九月に農林水産技術会議の議を経て農林省が公表いたしました「今後の技術展望」の問題でありますが、この水稲の部に、私読んでみて非常に感じさせられましたが、大臣はもちろん御多忙ですからお読みになっておらぬと思いますけれども、これは相当重要な文献だろうと思うのです。十年の展望をやっているわけです、実際に。これを見て私が感じますことは、水稲の部にこういう一節があるんです。「現在の技術の開発普及等の動向からみて、今後十年間の変化を見通したもの」、こういう一項もありまして、以下作目別の技術体系なり経営体系について述べておるわけでありますが、私が一番遺憾に思いますことは、四十二年の九月に出たときに十年の展望をしたものが、三年たたぬ間に、米を中心としてこのような状態になった。それの見通しなどについては全く一言も触れていない。これは私はばらばら行政の最たるものではないか、こういうふうに思うわけです。まあ御就任は二度目でありますし、いろいろと部下からお話を中心点についてはお聞きになっておると思いますが、お読みになっておらないと思いますけれども、私のいま申し上げたこういう十年の展望が全くこういう状態に対して、一言の見通しもないというようなことについていかように御判断になりますか、私は農林大臣の率直な御意見でけっこうです、承っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 技術会議の将来の展望についてただいまお話しのございましたこのことは、私ども国会議員としてもそうでありますが、いろいろな角度で将来の見通しをいたしますときに、やはり昭和三十六年に基本法が制定されまして、三十七年に将来の展望について農林省は出しておりますが、その中にはやはり、やや需給は緩和するであろうということを書いております。しかし三十七年、三十八年がやや生産が少なく、それから四十一年、四十二年、引き続いて生産が非常に増強されましたことは御存じのとおりであります。私、技術会議のいまお読み上げのようなことにつきまして、どういう見地に立って判断されておるか、よく理解しておらないわけでありますが、やはりその第一には、御存じのように、われわれが農基法制定いたしまして後においても、かなり大きな経済成長を見るようになりました。この経済成長は、われわれが農政に対して想定いたしましたことについて、何と申しますか、かなりのひずみを生じました一つの大きな原因ではないかと思うんでありますが、したがって、だんだんとちょうど生産が上がってくる、そういうときに、国民の全般の経済成長に伴っての食生活等に著しい変化を生じてまいったことも御存じのとおりであります。したがって、最近の統計を見ましても、一人当たりの米の消費量が逐年低減いたしておるような状態であります。私ども一人の地方から選出された国会議員といたしましても、やはりこういう技術は改良され、生産性は上がるようになりましても、そこでこのままでいけばどうなるかというふうなことについては、なかなか国会議員としての私どもも、統計等によって将来のことに警告を出しているものはありましても、私どもでもやっぱりそういうことについて、将来のことを予測して、発言することもいたしませんでした。このことは多くの方々もそれぞれお考えになっておったことであろうと思いますが、技術会議のただいまのお話につきましては、私よく読んでおりませんので、どういうことであるか、その事情をつまびらかにいたしませんので、はなはだ申しわけないことだと思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 この簡単な、一ページですから、あとはみんな純粋な技術的なことが述べてあるだけです。で、午後は何か他のほうへ御用もあるようですから、次においでになるまでによくひとつ読んでいただいて、率直な感じを……。  そこで、これと対照的な、同じこの農業技術会議に所属しております農業総合研究所というのがある。これはどういう業績を持っておるか、私は最近つまびらかにいたしませんが、これは四月八日、参議院の公聴会に御出席になりました渡辺兵力君という人、これはあとで調べてみましたら、農業技術会議に属する農業総合研究所の計画部長だったということがわかったわけであります。  これは詳しくこれを読むいとまもありませんから、私が大事と思う点を抜粋しておりますので、お聞き取り願って御判断願いたいと思いますが、渡辺兵力君の公述は、大胆きわまるものでありますが、その一、二を申し上げてみますと、まず第一に、いろいろ約三十分の公述でありますが、「従来ややもすると、個々の手法がばらばらに実施されていて、それらの総合効果と言いますか、そういうことを十分考えずに行なわれていた」云云ということの自己反省をしております。これは速記録のとおりであります。さらにいろいろとそれを裏づけるものを述べて、「ややもするといわゆる縦割り行政といわれる体質があえて農政に限らずございますが、非常に困難な問題かも存じませんけれども、この縦割り行政の壁をぶち破って、」いかなければならない云々とはっきり述べております。さらに、「基本法農政は産業としての」、ここは大事であります。「基本法農政は産業としての農業というものを政策の対象にしてきたかと思います。しかし、これからの日本農業を考えますと、産業としての農業を政策の対象にするという考えに固執していたのでは、今後の農政の基本的な対象といいますか、課題を見失うのではないかというふうな意見を持っておるわけであります。」、思い切った、これは産業としてのいわゆる対象に農業を考えないという意見、これをどういうことか説明をしまして、結論的に言いますと、「農地というものが今後国民にとってきわめて重要な緑地空間資源になるのではないかと、さよう思うわけであります。」云々、「そういう農地を維持していくための農業、いわば主客転倒の形になりますけれども、そういう側面からも農業の問題を考える必要がある」、これがつまり農業を産業として対象にしない、いわゆる緑地空間、つまり日本が工業化していく過程にあって緑地空間を維持していく役割りを農業に付与していこう、こういう見通しですね。  これは私は聞いて、あとであまりのことにがく然としまして、これがしかも農業技術会議に所属する農業総合研究所の計画部長としての御発言であるのには私はあ然といたしました。これは言論は自由でありますからいたし方ありませんとしまして、私は質問を通じて公述人として御出席になっておる方を難詰するというか、見解の相違を述べるべきではないと思いまして、やんわりと、所見を異にする点もありますがと断わって、私は二、三の意見を述べておりますが、技術会議に所属するこの二つの姿、一方は純技術的で全く見通しはつかぬ、技術そのものに立てこもって一歩も外界の動きには目を配らない。一方は非常に先走りといいますか、農業を産業としての対象から除外し、緑地空間という形でいわゆる調和のとれた姿における農地、農業の果たす役割りをそういうふうに評価しようとしておる。まさにばらばら行政の姿をこれほど端的に示しておるものは私はないと思うんです。したがいまして、これはいずれが妥当であるか、私はいずれも妥当でないと思う。少なくともこういうことはあり得べからざることではないかと思うんです。大臣の御決断がいかに必要であるか、つまりかかる技術会議の内部矛盾を打破して、真の農業技術政策というものの総合的な確立を——一面には農政を踏まえ、一面には技術を踏まえた会長がございます。この会長は一方では農政審議会の会長をしておる、一方ではこの技術会議の議長をしておって、このようなことの調整のとれないようなことでは、私はいやしくも農政を牛耳るという重要な立場におられる方としては不見識きわまるものだと思う。大臣の威信にかけてこのような問題に対しては御善処なさる必要があると思いますが、いかがなものでしょうか、ひとつ御所見を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお読み聞けのような意見を持っております者のその公述を、私はまあ承っておりませんでしたけれども、私どもとは考えが非常に違うわけでございます。私どもは、農業はどこまでもりっぱな一つの産業として育成してまいりたい、こういう考えに立って農政を推進しておるわけでありますが、いまのお話しのようなことは、私どもとしては全く考え方の違う、これは個人的な見解であったろうと思いますが、それにいたしましても、農業総合研究所はやはり技術会議にも関係のあるところでございますので、よくまた調査研究いたしてみたいと思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 大臣みずからがこういう公聴会の記録を目を通しておられるとは思いませんので、やはりこの技術会議の所管しておるものの中に、こういう総合研究所が見解を持っておる、総合研究所としてのまとまった意見かどうか知りませんが、少なくとも参議院の公聴会で堂々と述べる。これは国の農政に真向から弓を引くようなものじゃございませんか、言うならば片一方は技術に執着をして、十年の見通しはおろか、五年の見通しも立たない、まことにお粗末な状態だと。これを総括しておるものは月に二回しか出ておらない、いわゆる議長が六人の委員をときどき集めて会議をなさる。下には行政機構として、いままで改良普及局であったものが、ここ五、六年の間に農業会議に再編成された。しかも、農林水産と欲ばって、非常に横に広げておる。私はこういう農民の下からの知恵というものについてよくこれを吸い上げながら、技術の開発普及ということをもっと踏まえて、やはり農業技術会議というものは運営されてしかるべきものではないか。つまり会議体での技術展望など、私は一言にして言うならば非現実的である。いま述べた渡辺君の総合研究所が、そういうメンバーを含めてディスカッションしておるということはわかりますが、少なくとも国策のいまの姿とは全く違ったものを、異質な考え方をしかも公聴会で述べる。これでは私は技術会議そのものの持つ構造的な欠陥があらわれておるんじゃないか。したがって、この前から予算委員会の一般質問なり、分科会で大臣に申し上げてきたわけでありますけれども、あとで速記録を見ますと、大臣のこういう現実を踏まえた決断なり御所信というものがどうもはっきりうかがえないのです。そこできょうは、この構造的な欠陥をどう是正されますか、お認めになって今後御善処になりますかどうか、善処の方向はどうかというようなことについて、ひとつ御所見があれば承りたい。  あるはずだと思う。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 三十一年に技術会議が設けられましてから今日までの間、やはり試験研究の充実強化等についてはかなり仕事をしてまいったと思います。また、御存じのように、技術会議は、各全国にまたがっております試験研究所等を統括いたしまして、それに専門家たちの委員をお願いをいたしまして、そうして技術の開発に努力してきているところでございます。これの運営につきましても、私どもは現状をもって満足いたしておるわけではございませんので、さらに当事者ともよく相談をいたしまして、何にいたしましても、今日の農政における技術研究ということは、最も重要な一つの部門でございますので、その運営について十分に善処してまいりたいと思っております。  それから、いまお話しのありましたようなことにつきましては、どういうことでありますか、いずれにいたしましても、ただいま御指摘の総合研究所は、役所としても若干の関係を持っておるところでありますので、十分調査をいたして対処いたしてまいりたいと思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 大臣は労働行政の権威でありますが、事こまかな技術会議の中身にまで立ち至って御答弁を具体的に求めることも私はどうかと思うのですけれども、いまのあり方に私は不満です、率直にいって。大臣がこれに不満の意を公式の場においてお述べになるということも、なかなかむずかしいでありましょう。が、よくわかっていただきたい。こういうあり方では、私はとても今後のこの困難な日本の農業を背負い、農民の期待にこたえ、これをりっぱな産業として、いわゆる近代的な産業として育てる、育てると、大臣はあらゆる機会に言われておるにもかかわらず、この実態ではうまくいかないのではないか。  そこで私の一つの構想を申し上げますが、地方における技術普及の現状というものは、進んだ農家は改良普及員よりもレベルが高いのです。そういう面もあります。おくれた者は全く惰農化して、いわゆる収奪農業という形になりつつあります。両極分解をしつつある。国立の膨大な試験研究機関あり、地方庁は地方庁でこれまた縦割りの試験研究機関を持っておる。私立の試験研究機関もたくさんございます。これらを統括していくためには、私は、抽象的な大臣の御答弁をひとつまとめてお聞きしたいことは、月二日程度の会議体を頭にいただく行政機構というものは私はあまり例を見ないと思うのです。あくまでもこれは諮問委員会の形であって、この農林省設置令を見ても、これはもう明らかに、農林水産技術会議令というものがありまして、これは明らかに専門委員を置いておりますが、非常勤でありますね。その下に横尾さんが事務局長として百六十名近い膨大な機構を持っている。その中に技術研究所もあり、いま私が例に申し上げた農業総合研究所もあり、渡辺君のような意見を持っている人もおる。ですから、私は月二回の非常勤制というようなものをやめられて、はっきりとした行政の、大臣の手足になり得るような常設機関の性格に改められるべきではないか。少なくとも言えることは、このことは私は間違いないと思う。いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私も実は、前にはたびたびこの委員の諸君と接触いたしましたこともございますが、今回は、就任いたしましてからすぐ国会でありまして、まだそういう機会を持つに至りませんでしたが、私は元来、この統計とかあるいは技術研究というものに特段の重要性を感じておる一人でございまして、技術会議のあり方につきましても、本日は足鹿さんの御意見でありますが、他からもいろいろな御意見も承っております。技術会議の目ざす仕事はきわめて重要なものでございまして、その効果をあげるためには、できるだけ機動性のあるものが必要であろうと存じております。各方面の御意見等を承りまして、せっかくこういう機構を持っておるのでありますから、行政能率のあがりますように検討をいたしてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 まあいろいろと相談して対処したいということでありますが、この諮問機関の性格だということは、これを見てもよくわかるのですが、「農林水産技術会議は、会長及び三人以上の委員が出席しなければ会議を開き、議決をすることができない。」、「農林水産技術会議の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。」、「会長は、会務を総理する。」、それから「専門委員を置く」、「会長、委員及び専門委員は、非常勤とする。」、こういうことになっているのですね。で横尾さんが、私はだからよく事務局長に聞いているんですが、あんたは位でいうと局長の位ですか何ですか、事務局長というものは、と言って、このごろお会いしたときに聞いてみるのですが、横尾さんは何も言われません。はたで聞いてみるというと、官房に加賀山審議官というのがおりまして、これがそのほうで実質的には位が高い。このごろ審議官あり参事官あり調査官あり、ちょっと私どもも昔のような単純明快な農林省の機構と違って位がわからぬのです。したがって権限がわからぬ。いわんや上の会長は行政命令権がない、そういう会長をいただいて、事務局長はしかも保守的な傾向が強い。保守とは革新とか保守とは違った、いわゆる自分の気持ちに固執したがるのです。技術者というものは、だれでも信念をかけているのですから、そういう傾向がある。それをかりに保守的というのです、悪い意味ではありません。そういうものを総合調整していかれるということは、私容易じゃないと思うのです。したがってこれは大臣の御決断を私はなさるときだと思うのです。世はあげてシステム化、情報化の時代ではありませんか。だのにこういう体制では、私はとても今後うまくいくはずはない。したがって、たとえば農業技術省、あるいはもとへ戻して改良技術局でもいいし、名前には私はこだわりません。そうしていわゆる技術会議は技術会議として、もっと末端まで英知や、農業の移り変わりなりを反映するような、これを農政局単位にやはり持たれるべきだと思うのです。今度も統計を農政局に付随せしめた。原案には林野行政も含んでおったけれども、これは先国会で修正になった。こういうような点から見て、中央の農政の技術会議、また地方の民の声を聞き、農業者の意見を徴するためには、農政局単位に技術会議というようなものを持たれる必要が私はあるのではないか、こういうふうにして技術会議は諮問機関として少なくとも対応されるように、もっと拡充強化され、そうしていまの技術会議というものは、少なくとも行政として大臣の命を受けて、その命が農政局を経て末端にまですみやかに浸透していくように改めるべきではないか、私はいろいろと今日まで検討してみました。しかもよく過去の経過からもずっと技術会議になった経過を聞いてみました。私は少なくともそういう段階ではないかと思うのです。  特に大臣申し上げておきますがね、陰の農林大臣という声がちまたにあるのです。失礼でありますけれども、大臣はよほどのことがない限り大部分の人が一年前後でおやめになる、こういう情勢であります。私どもはいい姿とは思いません。中には倉石さんのように続けて、間はありますけれども、二期農林大臣に御就任になる、こういう方もありますが、一度きりの人が相当あります。したがって一方農政審議会を握り、一方技術会議を握り、米価審議会の会長を握っておれば、これは時の日本の農政を左右するくらいのことは、これは私は実力者、いわゆる陰の農林大臣だといわれる立場にあるのではなかろうか。時にはいま言ったような傍若無人な論議もそういうような人々の背景に出てくるかもしれない。今日の農業の全面的な撤退作戦が今日のような状態になったということについては、陰でだれが一体これを指導し、だれがそういうサゼスチョンをしておるのか。大臣のお耳には入りますまいが、ちまたでは最近のこの深刻な農業情勢を踏まえていろいろと模索をし、疑惑を持ち、非常に心配をしております。少なくとも農政審議会を押え、技術会議を押え、米価を押え、さらに重要なポストを握る者が現実にいるわけです。とすればそれが陰の農林大臣、大臣はかわってもこれはかわらない。東畑先生が技術会議の会長をおやりになったあとは全然動いておりません。私はそういう人についてその能力をとやかく言っておるのではありません。そういう機構は私は是正すべきだと思う。あまりにも一人でものごとをやれば、独断が入ってもこれを是正することができない。いわんや技術、農政、価格を今日その要衝を握った者は、これは事実上私は大きな力だろうと思うのです。人を得ているかいないかは、これは大臣の御判断なり世論がこれから判断することでありましょうが、少なくともこういうあり方は改めるべきではないか、かように思いますが、私の考えが間違っておるでしょうか、大臣の率直な御見解を承りたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 率直に申しまして、ごりっぱな御見識だと思います。先ほど申し上げましたように、私どもも技術会議はたいへん大事な、ほかも大事ですけれども、これは特に大事な仕事でございますので、各方面の御意見を承りながら対処してまいるつもりであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 私がいま言ったことは、大臣はりっぱな見識だという表現をなさいましたが、間違っていないと、まあ大体そういうことについて検討してみる、各方面と、次期農林大臣も間違いないでしょうね、大きな業績をあげられるわけですから、ですが、少なくとも今任期中に、聞けば秋ごろにはいろいろと動きもあるやに聞いておりますが、どうですか、おやりになりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) りっぱな御見識だと申し上げてから同感でございますと言うと、私の見識もりっぱなようになっていけませんから、同感だとは申し上げませんでしたけれども、私はおっしゃることは全くごもっともだと思っております。したがって、このことばかりではありませんん、私ども省内にもいろいろ改めたいこともございますし、したがって十分ひとつ各方面の御意見を承って善処してまいるようにいたしたいと、このように存じます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 それでは、まああまりくどくなりますから、農林水産技術会議の問題はいまの御所信で次へ進みます。  今度のこの改正法案は、前国会で政府原案に本委員会が修正を加え、それを政府原案として御提出になっておるんですね。そうなんですね。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) はい。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そうしますとね、私は今後の林野行政というものと民有林との関係をどうなさるおつもりか伺いたい。林野をはずしたでしょう、地方農林局から。どうなさるつもりですか。

松本守雄林野庁長官

○政府委員(松本守雄君) 前国会で四党共同修正、原案が修正されまして、その結果、林野行政が地方農林局構想から除外をされました。林野庁としましては、これから総合農政、各地域のきめのこまかい農林行政をさらに推進しなければいけないということで、いまあります林野庁、営林局、営林署、また各都道府県の林務関係組織がございます。そういうものを十分指導いたしまして、万遺憾のないような行政を推進してまいりたいと、このように考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そういう抽象的なことでは長官、答弁には私はならないと思うんです。前はあなた方が必要と認めて現在の地方農政局を農林局に改めて、民有林行政を進めていくためにああいう機構改革案が出たんでしょう。それがはずされて、そしてそれをまた原案として出される。一体どういう御所存ですか、私にはよくわかりません。矛盾があるんじゃないですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは民有林の行政というのは、最近の一般的社会情勢の変化によりまして、御存じのような状態であります。そこで、この民有林にも特段の力を入れなければならないということはかねがね考えておった次第でございます。四十五年度予算などにあたりましても、私どもは林道、造林等に特段の予算的努力をいたしましたのも、そういう立場に立ったわけでございまして、一般の農林省の全体の組織から見ましたならば、やはり地方の農政局にこれを統一いたしまして、さらに農政局が一般の農政についてお世話をすると同じような立場で、民有林のめんどうを見ることが必要であると存じまして、前回そういう立場で法案を提出いたしたわけでありますが、やっぱり国会の御希望も御意見もございましたので、これは尊重しなければならないことがまず第一に一つ。  もう一つといたしましては、やはりそういう国会内の御意見もありますことにかんがみまして、民有林については特段の力を入れ、造林等をしてまいらなければならぬという考え方は少しも変わっておらないのでありますが、今回そういう趣旨でこれを分離いたしまして、従来どおり林野庁において農林省としてめんどうを見てまいるという態度にきめたわけでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 まあ、そういうお気持ちだろうと思うんですけれども、それならそれで林野庁そのものに残るわけですから、都道府県を通じて云々という御答弁でありますが、都道府県を通ずるということは、これはもちろんでしょう。が、しかし本庁としては、国会の意を受けてこれを原案としてもとへ戻されたならば、それ相応の民有林に力こぶを入れる、今後視野を拡大して、対策を講ずる基本姿勢に新しい取り組みがあってしかるべきではないかと思うのです。民有林の面積比でいきますとね、六八%、これはもう釈迦に説法ですが、全林野の三分の二を占めております民有林が、蓄積の比では五一・三%、約二分の一にすぎないという、わずか二分の一にしか達しないということはね、一ヘクタール当たりの国有林の半分だということですよ。これは長官、今日まで私は全国をいろいろと歩いてみて、国有林は北に片寄っておる、これは歴然だ。私は関西でありますが、民有林が中心である、こういう分布になっておる。あとで資料でひとついただいてもけっこうですが、都道府県別の民有林と国有林の分布、これに対してどのような施策が講じられておるかということを、あとでけっこうですから承りたいと思いますが、この現在の林野行政は国有林行政だと、私はいつも、いわゆる国有林管理庁、現在の林野庁は残念ながらそういう形態なんです。で、直営の林業の一部を民有林に協力する体制をとっておるにすぎない。地域的にも北海道、東北等の国有林の所在地に限定されております。これはおおうべからざる事実じゃありませんか。だから前はこれを地方農政局に移管されたということは、私は一つの見識であったと思う。現在の地方農政局は、そもそも生まれるときから中二階だといわれて悪口をつかれてきた。いわゆる農地行政を担当している農地事務所を中心に改編したものである。ですから私どもが地方民のもっともな要請を、どう行政に反映するかということについては中途はんぱで、地方農政局にも行かなければならぬ、また政府のほうにも事と次第によっては陳情しなければならぬという声をずいぶん聞くんです。あちこち行かなければならぬ、まことに不便です、こういうことなんです。  そこでですね、この民有林を、公有林中心の林政に方向を変えるべきではないか、それならそれで、もっと県にしっかりした財源を与え、指導陣を強化する、いまの森林組合というものは森林法の中に規定された組合ですよ、これは御承知のように。そういう性格を持った農林団体というものはおそらく他にありません。森林法の中に森林組合があって、それがあなた方の末端行政になっておる。従来私は、これは農協でも統一していくことが好ましいのではないかということも考えたこともありました。ただし、なかなか官庁には一つのなわ張りもあるし、そうはいかないと、こういうふうにも思いまして、あえてこれを固執しておりませんが、少なくともどんでん返しになった今日、ただいまのあなたの答弁では、私どもはもの足りませんし、一つの政策の方向づけもないし、非常に遺憾に思います。当面の責任者としてどうされますか。

松本守雄林野庁長官

○政府委員(松本守雄君) 先国会で修正をいただきまして、その修正を尊重いたしまして除外したことは、先ほど申し上げましたが、その際になお検討するようにという御注文がついております。林政は非常にむずかしい局面を迎えております一方、行政管理庁の行政改革、第二次行政改革が、これは昭和四十四年の七月に閣議で決定をされておりますが、その中でも、農林省の国有林野事業につきまして、公企業形態への移行を含めて、その経営の効率化を検討するということがいわれております。そこで林野庁としても、今後の国有林のあり方をその後もずっと検討を進めております一方、民有林に対しましても、今後どのように持っていったらいいのかという、予算面ではある程度の、ある程度というか、できるだけの力を入れております。まあ最善、最大の努力はしておるつもりでございますが、なお今後一そうその必要性を認めまして、今後の行き方について十分な検討を進めてまいりたい、このように思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 大臣の答弁よりもあなたのほうが大臣みたいな答弁をする。かわられた当分ですから、そう無理なことも私は、申せとは申せませんが、もう少し具体的にじゃ申し上げましょう。  現在の外材依存率というものは年々高まっていくばかりですね。これは国有林でまかない切れるものではない。民有林にその生産性が高まり、蓄積が高まれば、外材依存率というものは減るんじゃないですか。いまのままでいけば、どこまで外材依存がいくのか、果てしがないじゃないですか。そういう現実を私は踏まえていかれるべきだと思うんです。そのためにこういう手を打つと、こういう考え方を持っておる、地方農政局への移管は、なるほど国会の意思を尊重してやめにしたけれども、それにかわるべき中心点はこれとこれとこれだというようなものでない限りは、おかしいじゃありませんか。ますますいまのままでは外材依存率は高まっていくばかりであります。今後のいわゆる民有林の蓄積ということが問題になると思います。大きなパルプ会社が大面積をあちこち買っておる。さらに観光資本が目ぼしいところにはどんどん手をつけておる、御存じでしょう。そういう点を踏まえて、いわゆる地方の山の情勢というものが著しく変わりつつある。そういう現実を踏まえ、さらに昨年の国会の修正の点を考慮されて、いまの大臣の御意向を受けて、どう具体的に外材輸入の防遏なり、蓄積の増大のために、どういう手を打つか、その新しい決意がこれに見られない限り、おかしいじゃありませんか。あなたのいまの御答弁では私納得できませんね。

松本守雄林野庁長官

○政府委員(松本守雄君) いまの御質問でございますが、確かに外材依存率は高まっております。四十四年度の外材輸入の中間推計でございますが、五〇%にほとんどなんなんとしようとしております。そこで、その依存率を下げるという方向が、林政の一つの将来の大きな方向でございます。一応昭和四十一年に策定をされました森林資源に関する基本計画、また長期の見通しというものがございますが、それには、昭和九十年度に各種の施策を推進することによって九〇%ぐらいの国内自給ができるような姿に持っていかなければいけない、持っていけるだろうということで、その計画が策定されております。  そこでどんな政策をしなければいけないかということでございますが、その第一は、生産基盤の整備ということで、林道の開発、推進ということが第一にあげられております。それから第二には、造林事業の拡充、強化ということであります。これが生産対策の二つの大きな柱でございます。そのあと構造対策、またその他の各種の施策というものも当然考えていかなければいけない。そういうことにつきましても、今後さらにその施策の内容の強化、充実ということに努力をしてまいりたい、このように思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 これは大臣、物価対策の面からいいましても、家賃が高い一つの原因にもなる。外材の依存率は高くなるわ、大体その山持ちの大山林地主が売り惜しみをしておるのですよ、値上がりを見越しまして。これに対する手が打たれていないということが私は一つの欠陥だと思うのです。これは物価対策なり、その他の面から見ても、もっと考えられなければならないはずだと思う。そういうやはり国有林にほとんど偏向したいまの林野行政というものが、民有林を今日まで放任というと語弊がありますが、あまり力がかかっていなかった。そこへ持ってきて、この一つの建築ブームを起こし、足らないから外材を入れる。ますます上がるからますます値上がりを予期して、大地主のいわゆる売り惜しみがつのる。これらに対する規制措置なり強硬な行政指導というものは何にもないじゃありませんか。そしてさっきも言いましたように、大きなパルプ会社は山林を思い切って買って、そしてあとに造林を進めている。大きな観光資本は次から次へと、いわゆる今回の設置法の一部改正の中にある草地試験場設置の適地等にもどんどん手を伸ばしておりますよ。そういう点で、非常に総合的な林野の活用という面がおくれ、かつ大地主の、大山持ちのいわゆる値上がりを待つ、売り惜しみというようなところに対する対策というものが私は欠けておると断言してはばかりません。  要するに山野の開発によって、新しい農業の展開のために林野がどういうふうに寄与するのかということを、私はとくと新しい視点から考え直してもらわなければならぬと思う。それと、いわゆる大きなパルプ資本や観光資本が山を荒らす、これが国土の保全の面から言いましても危険千万なことである。また、山林労務者がほとんど影を没して、少なくなってくる。それは山に依存しておったら食えないからである。農村よりももっと山村はひどい。それが今日の過疎現象を来たしておる。すべて今日の林野行政に押しつけることは酷でありますが、いまの林野庁は国有林中心の行政であると言っても、私は弁明の余地はないと思うのです。新しい視点に立ってどうされる御所存か。  私は少なくとも森林基本法を制定した際に、私ども社会党は、国土保全を含めた基本立法を立てましたけれども、あなた方の政府の案にわれわれの意見を織り込めてもらって、そして基本法は成立いたしましたけれども、自来二十年の日子がたっておりますけれども、今日の民有林対策は遅々として進んでいないじゃありませんか。しかるにもかかわらず、二年置きに長官がかわり、これはまあ柴田さん申しわけないのですけれども、みんな長官は立候補されるのです、参議院の全国区に立候補される、そういう先例がある。国政の面で大いに御協力いただくことはけっこうですけれども、それをとやかく言っておるわけじゃありませんよ。あなたも立候補されるかもしれませんが、とにかくもっと腰を落ちつけて林野行政と取り組む段階じゃないですか。民有林問題、この点は私は憎まれ口をたたくようでありますけれども、ひとつとくと腰を据えてじっくりとやってもらいたいと思いますが、御所信があれば承っておきたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○政府委員(松本守雄君) 私就任をいたしましてからまだ数カ月でございます。林業関係の行政部門に携わる者、国有林経営に関係する者、いずれもじっくりと腰を落ちつけてこの与えられた仕事に専念しようという方針で、人事その他も大幅にその考え方を変えてきております。先ほどお話しのありました大山林所有者の売り惜しみという点がございましたが、そういった傾向が見られるところが一部には確かにございます。しかし全国的に押しなべてみますと、必ずしも売り惜しみは全般、一般的な趨勢ではないではないか。数字で申し上げますと、人工林で四十一年生以上、これは伐期に達しておるという山でございますが、四十一年生以上の山は人工林の全体の面積で七%ぐらいしかございません。あとは四十年生以下の林でございます。したがって全国的に見ると、まだまだ伐採までに至らない若い幼齢林が多いというのが実態でございます。  そこで、ただそういう売り惜しみもなきにしもあらず、どういう実態になっておるのかということにつきまして、昭和四十五年度には調査費を要求をいたしておりまして、これをひとつ森林所有者ごとに当たってみようという大規模な調査を進めるつもりでございます。その結果、この売り惜しみの実態があるならば、それを是正するような方策で新しく施策を考えてまいりたい。現在も施業計画制度ということで、売り惜しみをなくすような施策も現在四十四年度から実施をしておるところでございます。自給率の向上、日本民有林業の発展というものにつきまして、なお全力をもって推進してまいらなければいけない、今後ともそのように努力をするつもりでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 もう一問で大体林野問題を終わりますから、大臣に、後段の点については長官から御答弁いただくことはちょっと無理だろうと思うのですが、この林野の総合活用の問題ですね。私の手元に、これはもと系統農家の技師をしておりました人で、大山のほうへ入植をしておる人が、この間こういう一文を送ってよこしました。これは京都大学の人々が中心になって出しております  「農業と経済」というものに載せたものの増し刷をとって、自分の体験を書いたものです。肥育牛を百十頭、ナシ、カキ園二ヘクタール、水田六十アール、飼料畑一ヘクタールという経営の農場主です。これは一文なしで大山へ入ってここまで来たわけなんです。その人が「農政への期待と不満」、「畜産の国策を打ち建てよ」、こういう題で、たった半ぴらのこういう薄いものですが、そこで私は正月その人をたずねたら、泣かんばかりに激励をしたあとでこれをよこして、あとでまた詳しいのを送るというので送ってくれました。鳥取県西伯郡中山町住吉岡崎金治氏ですが、大事な点は、「日本は、少ない平地は水田作にとられ、あとは山地ばかりである。この山地を畜産に活用することを痛感する。すみやかに総合計画をたて、林地と牧野に区分けして、悪い条件のところは肉牛、よい条件のところは乳牛にあてるべきである。まずモデル農場をつくり、そこで人材を実際に養成する」云々ということで、長期低利の融資等をよこせと、こういうことを言っておりますが、特にこの間この人は自費でヨーロッパを回ってきたようです。山地の利用法はスイスのように自然を利用する方法、肉牛放牧はフランスのシャロレー牛の飼い方、悪い草地でも可能である、農協経営法はデンマークのように規模拡大を主眼とする農場制度を見習うべきである、最後に、「スイスの山地利用の徹底ぶり、西ドイツの不良土壌の開拓の手厚い保護施策、オランダの干拓入植政策等、どこの政府も、基本的な国策として長年月をかけ、徹底した施策を実施しているのを国は素直に認めて勇気ある英断を切望する。」という、こういうきわめて簡単なものでありますけれども、まさにそのものぴたりだろうと思うのですね。  その人が一文なしからここまで築いた、そしてその蓄積の中からヨーロッパを歩いてみて、いかにわが国の林野の総合活用ということがおくれておるかということを示しておりまして、私は非常に心打たれたわけであります。そういう面について、今度草地試験場を設けられることもけっこうでありますし、私どもは何ら異論はありません。ありませんが、少なくとも今後国有林の活用法案を異常な執着を与党の諸君は持っておられるようでありますけれども、私はそれだけの熱意を持たれるならば、民有林に依存しておる地域はあの法案が関係ありません、そうなんです。ですから国有、民有を問わず、いま述べたようなこういうほんとうの大自然の声を聞いて、総合活用をはかられなければ、今後の新しい日本の農業の開発というものはできないじゃないでしょうか。いたずらに林地に固執をするということでもいけませんし、また、いたずらにこれを伐採をするだけでもいけませんが、新しい一つの視点があるのではないか、これは当然のことでありますけれども、この際、林野庁のあり方は、もっと姿勢を変えてもらいたいということと、総合的ないわゆる農政の期待と不満を持っておる率直ないまの声について、私は愚論を述べるよりも、この一文がよくあらわしておると思いますので、総合開発に対する勇断ある施策が必要だと思いますが、林野との関係において大臣の御所見を承りたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお話しのございましたような考え方というものは、私どもも非常に賛成でございます。農林省でも数年前から国有林野の中でありますが、最初四カ所ほど、二百五十頭ぐらいの肉牛を放牧いたしまして、だんだん、いまは十カ所になっているようでございます。これなどはたいへん地方においても評判のよろしいものでありますが、御存じのように、民有林、ことに里山付近は薪炭材が、もう山の農家でも薪炭というものはあまり使わなくなりまして、切りっ放しで放置してある面積がかなりございます。そういうところについて、林業として適地であるところ、あるいはまた草地造成等をして酪農、肉牛等に転換してまいるという適地もございましょう。そういうようなことで、私どもは、先ほどもちょっと申し上げましたように、林道、造林等の予算について、四十五年度の予算編成にはたいへん努力をいたしまして、予算を獲得いたしたような次第でありますが、それはいまお読みになりましたような趣旨と私どもは全く同じ考え方に立っておるわけでありまして、したがって、民有林で草地を造成して肉牛、酪農等に進出をいたしたいという方面につきましては、できるだけの努力を政府はいたしてまいりたいと思っております。それからまた、このごろはいろいろなレジャーの関係等で、自然を愛好する人種が非常にふえてまいりまして、そういうようなことなども、健康的な、健全なそういう地域を活用していただくために、そういったような方面にも、むしろわれわれが積極的に努力すべきではないか、このように思っておりますので、森林それ自体のことはもちろんのことでありますが、その地域の活用につきましては、私ども特に民有林を含めて大いに力を入れなければならないと実は考えておる、そういう方針で進みたいと思っておる次第でございます。

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。  午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時十三分休憩     —————————————    午後一時四十八分開会

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 次に、熱帯農業研究所、まあこれから熱研と言わしていただきますが、これについてお尋ねをいたしますが、後進国に対する技術援助は、その目的は、後進国の解放、有効需要の開発、そういう見地からなされなければならぬと思います。最近大資本の海外進出が盛んであるようですが、特にこれは通産関係に多いようでありますが、この農業関係につきましても、技術開発、あるいはこれに関連する各種の開発事業が進められておると聞いておりますが、技術開発は、機械プラントの輸出をまず先頭にいたしまして、安い農産物をかわりに一手に輸入して一もうけしよう、こういう機械メーカーや貿易資本の進出が盛んになり、その目的の立場を守る限り、私どもは、これは現地住民の人々の立場よりも、むしろ資本の植民地支配、こういう形に通ずると思うのであります。したがって今度の熱研のほんとうの趣旨は、かかる後進国の収奪に通ずるようなものであってはならず、熱研の真の目的は、後進国農民の解放、生活の向上、社会福祉を充実していく、社会資本の形成に寄与していく、そういうものでなければならないと思いますが、えてして、いわゆる開発輸入方式の手段に供されがちでありますが、熱研がその手段に利用されないという確信と保証が、私どもがいままで聞いた説明では得られないような一種の不安を持っておりますが、最近日本の東南アジアにおける評判は必ずしもよくないというときでもありますし、このたびの熱研が、真の目的を達成していくことをわれわれは何ら妨げる意思はございません。そういう点において、大臣のこの際、熱研に対するわれわれの持つ不安や、また現地が持つ警戒心に対して、特段の配慮なり御所見があってしかるべきではないか、かように思いますが、いかがでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 開発途上国、ことにわが国に接近しております東南アジアの地域の農業、それぞれ国によって事情は違っておりますけれども、御存じのように、まず第一には、一番大きなものは農産物でございます。そこで私ども近接しております各地域の産業の状態、それから生活水準の状態等を考えてみますると、やはりこれらの人々にできるだけ経済安定をさせ、そうしてアジアが平和になるように、ひいては世界の平和がもたらされるように技術的な協力をするということは、わが国に課せられたる使命であると、このように政府は理解をいたしておるわけであります。したがって、農業問題等につきましても、従来も農林省はそれらの国の依頼に応じて技術的に指導、協力をいたしておりますけれども、だんだんとそれらの国々がやはりプロジェクトのようなものを待望するようになってきておることは、御承知のとおりでありますが、私どもいま前段に申し上げましたような趣旨で農業開発の技術を指導しよう、協力しようというのでありますので、そこから出てくる農産物につきまして、わが国の農産物と競合するようなものについて、われわれが力を入れるということはいたさないわけであります。しかし多くの国々で、やはりわれわれと同じように、米を主たる食物といたしておる国々が多いわけであります。わが国の米の状況から見ましても、そういうことについて、逆にわれわれと競合するようなことを私どもはいたすはずはないわけであります。  それからまた、なるほどいま御指摘のように、商社等で、地域的にはこれらの後進国においてやはり開発に協力をしておる面もあるようでありますが、私ども、たとえばトウモロコシのような濃厚飼料の原料、こういうものは最も多く外国に依存しておるわけでありますので、われわれが地域を同じうするアジアの開発途上国で、もしそういうものが生産を多くされるならば、これは私どもにとってもコマーシャルベースで、どこからでも買うほうがけっこうでありますから、こういうものにつきましては、もちろん将来はあるいはプロジェクト等について政府においても考慮しなければならなくなるかもしれませんが、大体において、たとえば先ほど御説明申し上げましたインドネシアのこともあるようでありますけれども、この間、インドネシアの農業協同組合の会長という人が見えまして、われわれに期待しておるものについて先方の考え方を説明いたしておりましたが、やっぱり野ネズミを退治するといったようなことも技術協力の一つのようでありまして、ちょっとわれわれにとっては意外なことでありますけれども、そういうきわめてラフなことから、わりあいに精緻な農業技術のことまで、われわれに期待いたしております。  そういう意味で東南アジアの開発をし、彼らの生活が安定し、世界平和に貢献し得る目的のために農業の技術的協力をしよう、こういうのが私どものこの地域に対する考え方の基本でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そういう御趣旨であることは私ども信じておるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、総合商社を軸としまして、民間資本による開発輸入が通産関係には著しく見られるわけなんです。いまも大臣が言われましたように、国内農畜産業と競合するようなものについてはやる意思はない、こういうことでありますけれども、必ずしも民間資本はそういうことは、利潤の前にはあまり念頭に置かないこともあるでしょう。したがって、日本農業に将来大きな脅威を与えるような事態を私どもはおそれておるのであります。  一例をあげて、これは大臣でなくてもけっこうですが、伺いたいと思いますが、東南アジアで生産される外米について、最近の試験では、内地米でも品種と栽培法によっては可能であるということが実証された。こういうことをわれわれは聞いておるのでありますが、この辺の事情はいかがでありますか。

加賀山国雄農林大臣官房技術審議官

○説明員(加賀山国雄君) ただいまのお尋ねでございますけれども、東南アジアでつくられておりますインリカをわが国においてつくるということは、まだ現在研究も十分でございませんし、そういう需要もございません。ただ、東南アジアでジャポニカをつくるということは可能でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 ジャポニカは現にもう試作されてどんどん生産されておるのですが、言うならば中国米のようなものですね。中国には日本の品種をそのまま導入して、そうして小站米にしろ、あるいはもとの満州方面にはずいぶん「青森五号」とか、その他の優良品種が入って今日をなしておる。ですからそういうことが、いわゆる東南アジアに可能であるということを、技術者の中では言われておるんですが、そういうことはないんですか。まだもう少し詳しく……。

加賀山国雄農林大臣官房技術審議官

○説明員(加賀山国雄君) その点につきましては、ただいまお答え申し上げたんでございますが、東南アジアの地域でジャポニカをつくることは不可能ではないと、そういうふうにお答え申し上げたわけでございます。たとえばタイの北部のチュンマイというふうな地帯でございますと、ジャポニカを全くつくれないかというと、そういうことはないであろう。しかしこれまで中国以外の地域でジャポニカをつくったという、そういう経験もわれわれたくさん持っておりませんので、正確な点につきましてはお答えをしかねるわけでございますが、決して技術的に不可能ということはないと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 内地米でも品種と栽培方法によっては東南アジアで生産されるんだと、しかしこのような、名前は外米であっても、ジャポニカ以上のものが生産される、またそういうことを研究して現地住民の食糧難の解決に寄与すると、こういうことは、私はそれ自体悪いことではないと思う。だからそういう場合には必ず機械や農薬や肥料を通産関係が送って、その見返りに取らないという保証はない。食管制度がわれわれはあくまでも堅持されるものだと、そういう確信の上に立っておりますから、まさか政府が、そういうものができたからといってお買いになるということは私はないと思いますがね。聞くところによると、多収で、しかもジャポニカ系で純内地米程度の品質を持つものができた。こういう情報も得ておりますし、内地米自体でも、その品種によってというんですが、どういう品種か、まだ私はそこまではよく突きとめておりませんが、そういうことを熱研は御研究になりますか。どういうことなんですか、具体的には。

加賀山国雄農林大臣官房技術審議官

○説明員(加賀山国雄君) 技術的な問題にわたりますから、私から先にお答えしておきますけれども、東南アジアの地域でジャポニカ系統の米をつくるということは、私としてはちょっと考えられない。と申しますのは、先ほど技術的には可能性があると申し上げましたけれども、東南アジアにおきます実際の東南アジアの方々の食べていらっしゃるというのは、ほとんどインリカでございますから、東南アジアではやはりほとんどインリカというのが将来もつくられていくであろう、そういうふうに考えるわけでございまして、現在食糧がだいぶ前よりは好転をしたと申しますけれども、やはり東南アジアの食糧事情というのは、決して良好だとはわれわれは判断ができないわけでございまして、その国内の自給率を上げていくためには、やはり、インリカを中心に増産をする、品質のいいものをつくるという前に、やはり量的な増産ということを、われわれはそのインリカの米づくりに対しまして、われわれの持っておる技術でもって指導いたしたいわけでございますが、後ほど技術会議の局長からお答えがあると思いますけれども、少なくともわれわれは、インリカの米につきましては、ジャポニカほど知見を持っておりません、御承知のように。インリカにつきましてはジャポニカほど知見を持っておりませんので、熱帯農業研究所、そういうところで、やはりわれわれ研究者がインリカにつきましての研究なり、栽培技術上のいろいろの問題点というものを早く学ばないと、東南アジア各国に技術的な援助ができない。その技術的な援助というのは、先ほど大臣からもお答えがございましたように、やはりそこの農民農業の向上ということでございまして、やはりそこのインリカの米であればインリカの反当収量の増加ということに中心があると、そう考えるわけでございます。

横尾正之農林水産技術会議事務局長

○政府委員(横尾正之君) ただいま加賀山審議官からも御答弁がございましたが、さらにつけ加えてお答え申し上げたいと存じますが、熱帯農業研究の稲に関しましては、現地の諸事情を考えまして、先ほど先生の御指摘もございましたけれども、現地の社会福祉に資するというような観点から、自給農業あるいは農民農業の振興のための技術ということを考えておりまして、技術的側面から申しましても、先ほど先生から御質問のございました稲の品種につきましては、インリカを中心にやってきておりますし、今後もその線で拡充をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 まあインリカを中心になさるということで、現地の声も、また求めておるものもそれだということであれば、私は別に、あなた方技術者でありますから、技術者には二言はまさかないと思うんです。ジャポニカに変わったり何かするということは私はないと、あなた方に関する限りは。ただ商社系の者が向こうでジャポニカ系のものを開発し、それを栽培し、普及し、輸入を考えたとしても、これは政府が差しとめたり制止したりするその権限はないと、こういうところに一つの問題点が残ると思うのです。だから熱研そのものに、私はいまの御答弁によって、その線を堅持してやられることによって、何か間違いは起きないと、こういうふうに思いますが、大臣、そのいま後者のほうですね、商社がインリカでなしにジャポニカ系のもの、あるいは内地の特別の品種を入れて、向こうで自分でつくって普及して、これを見返りに入れられるということになりますと、これは一つの脅威になる。これは熱研そのものではないですけれども、これに関連して、そういう点についての、いま食管制度を堅持をしばしば言明されてまいりました農林大臣としては、そういうものがかりにできたとしても、これの輸入許可等については断固たる態度をとられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように米の輸出輸入は農林省所管でございまするが、ただいまのような実情にありますときに、そろばんを無視して商社が、私どもの食べるような米をつくるはずはないと思いますから、政府の方針というのは一貫をしておりますので、そういう御心配はないと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そこで、この際明らかにしておいていただきたいんですが、この政府の援助構想と農業開発協力の現状についてでありますが、大体一九六五、六年ごろに、わが国が主宰して第一回東南アジア閣僚会議が持たれたと思うのです。相次いで通産省から第一次産品問題処理対策協議会を設けて、調査団が派遣をされまして、国別、品目別調査研究が行なわれたと聞いております。自来機械や農薬や肥料や、その他通産省所管のものは相当進んでおるようですね。まあ直接関係ありませんから、きょうはそれについては省略いたしますが、相当なものですね。相当大きな額です。これを一々申し上げることは省略いたしますが、農業関係だけにしぼって伺ってみますが、私の資料によりますと、三菱商事がインドネシア、南ボルネオ方面に約二十万ヘクタールの水田をつくることを大体考えている。タイはでん粉の開発、丸紅飯田はインドネシアで油脂作物に手をつけておる。住友商事はインドネシアでジャカルタ・カルビン社と共同で水田の開発を約十万ヘクタール。石原産業グループがインドネシアで大豆と米の開発、三井物産がインドネシアでマイロと米、米は大体三千ヘクタール程度の試験田を設けておるようで、あと三井物産、三菱商事、丸紅飯田、伊藤忠、日綿実業、住友商事など共同六社で、イランのギャラン地区で一万ヘクタールの米の開発、同じくイランのデス地区では三十万ヘクタールの果樹、小麦、牧草というものに手をつけようとしているという情報を得ておるわけであります。  そこでその真偽等は私どもは確かめる手段がございません。現在海外経済協力基金関係の融資関係から見た実績は、いま私が述べたものは、自力でやっておる場合もありましょうし、この基金融資関係を活用しておる向きもあると思われます。そこでその関係についての政府が得ておる情報なり資料、どういう状態にあるか、農業関係の状況をひとつ伺いたい。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) ただいまお述べになりました中に、私どもの調査には出ておらないお話もあるようでございまして、これらのものは、まだ政府関係の金融を受けようという意図がないか、あるいはその準備が整わないかということであろうかと思いますが、役所のほうには、海外経済協力基金の融資を受ける希望のもとに将来の計画を含めて若干の報告を求めております。  その概略を申し上げますと、商社の名前はひとつ、実施中の場合は別といたしまして、計画中のものは、企業のある程度の秘密といったような意味合いもございましょうし、役所の調査活動に今後も協力させたいという気持ちもございますので、名前をあげないということを御了承いただきたいと思います。  まずA社のグループでは、現に実施しておりますものはインドネシア関係で、スマトラ中部のメーズの開発事業、それから西イリアンのエビの開発事業、それからスマトラのエビトロール漁業といったようなものがございます。また同じA社が森林開発関係で中部カリマンタン、南部カリマンタン、中部スマトラ等で各種の森林開発の事業をやっております。それからこのグループでの、全くのまだ計画中でございますが、インドネシアで落花生を栽培して、契約に基づいて全量買い上げということができないかということを検討中であるというふうに聞いております。  それからB社のグループでございますが、これはインドネシアの関係では、やはり南部カリマンタンの森林開発事業、あるいはスラウェシというところのメーズ開発事業というものが実施されております。そのほかにB社のグループではインドネシア政府の食糧増産計画、これに協力いたしまして、こちらから肥料、農薬等を輸出いたします際に、現地でその代金を一部延べ払いにいたしまして、インドネシア側の食糧増産計画の中で、これを増産した結果で返すというふうな形の仕組みになっております。これらのものに協力しておる例は、このB社のグループがございます。その他やはりエビの開発事業、あるいは合板、チップといったような木材関係のものがございます。C社の関係グループでは、これはすべてインドネシアでございますが、農業開発につきましてはソルガム——コーリャンのたぐいでございますが、これの開発を実施しているのがございます。それ以外はすべて計画中でございますが、やはり森林関係とエビということでございます。  あと一々全部申し上げますと時間がかかりますが、大体各商社のグループごとにざっと見まして、一番多いのがやはり森林開発、それからエビの開発輸入、あるいはえさとしてのトウモロコシ関係——メーズの開発といったようなものを計画しておるものが数としては最も多く、ほかに特殊の例として、たとえば沖繩で落花生を栽培したい、あるいはインドネシアでソバを栽培したいといったようなものが小規模ですがございます。全体としては、いま申し上げましたように、そのほかに漁業関係の計画が若干ございますが、森林開発、漁業開発、それからえさ用のトウモロコシあるいはその他の若干の雑穀、それからエビ、こういったものがこれまで海外経済協力基金の融資を今後において希望するという形で、目下いろいろ民間において計画中のものの概略でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 私の資料とはだいぶ食い違っているようですけれども、これは自力でやるものもあるでしょうし、基金融資の面から見ては局長のおっしゃるようなことになって、米の問題はそこではあまり大きくクローズアップしておらぬようですが、これに関連いたしまして、最近の農業関係の海外投資状況、民間ベースのそれをお調べになっておるものはありますか。私どもはまとまった資料というものはないわけでして、一応あげますと、これは外務省関係の方呼んでおけばよかったのですけれども、これは四月二十六日なんですが、「ラオスにモデル農場」「協定に調印」という見出しで、「日本、アジア開銀が協力」ということで、全体資金三百万ドル、このうち約二百三十六万ドルはラオスの通貨以外でやって、さらに約二百三十万ドルについては、アジア開銀が百二十四万八千ドルを持って、日本の負担はその残り、計画と運営、機械等らしいのですが、相当これ具体的に地名も示しておりますからまあ間違いないと思うのですけれども、これらは民間ベースになるのでしょうか、いまあなたがおっしゃったもののワクに入るのでしょうか、どうなんでしょうか。私のほうは全くわからないのです。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) ただいま御指摘のものは、純粋民間の開発輸入といったようなグループでなくて、アジア開銀による融資という形での援助でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そうすると、アジア開銀の援助関係のものはまた別にあるわけですか。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) アジア開銀によりまして直接ただいまのような計画を実施することにいたしましたのは、今回のラオスが初めてでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 将来もこういうケースが出てきますか。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) インドネシアのタジム地区、その他目下実態調査中のものがございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 将来のことですからわかりませんが、そういうケースが出てくるだろうと思いますが、さっき言いました農業関係の海外投資状況は、私のものといまの基金融資関係と、いずれに属しておるかわかりませんが、あなた方のお手元でおまとめになったものがありますか。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) 先ほど先生御指摘の問題と私の説明とが、ソースが違うためにかみ合わなかったようでございますが、特に御指摘の米の問題に直接関連いたすと思います整理を、ちょっと中間的にいたしたのがございますので申し上げますと、先ほど一部触れましたインドネシア政府のビマス計画というふうに言っておりますが、食糧自給計画というふうに御理解いただいていいと思いますが、この計画の一環として、肥料、農薬等をてことしていたします開発援助が、それぞれの商社がこれに参加しておりますから、これらを総括しますとかなりの規模になります。Aの会社が参加いたしておりますものが西部ジャワ地区で二十二万五千ヘクタールの計画と七万五千ヘクタールの計画、六九年と七〇年にそれぞれいたしております。それからB社が中部ジャワに五万ヘクタール、それからC社が中部、東部ジャワに四万五千ヘクタール、これはいずれも先ほど申しましたような形でのインドネシア政府のビマス計画のもとで、インドネシアの食糧増産をいたしますために、関係の商社がこれに協力しておるものでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 これは次々と心配の種が散見するので、畜産局長に伺いますが、これはことしの初めごろ出た情報なんですが、伊藤忠と末広食品が豪州で肉牛を飼育する、現地業者と提携をする、向こうですき焼きをやる、大量に輸入する、こういう話が起こっておりますね。一つも国内産業との競合関係が楽になるのではなくして、圧迫を受けるような情報ばかり、私どもは少し神経過敏になっているかもしれませんが、そういう情報があるのですね。そういう企業に一々規制を加えるということもできないでしょうけれども、農業基本法第十三条によれば、競合する農畜産物についてはこれを関税その他の規制をすることができると明文がちゃんとあるわけですから、むやみやたらに入ってくるとは思いませんが、未開発国は未開発国でどんどんいまのような投資が行なわれて、開発輸入方式がとられてくるであろう。これは直接はいまえさに中心がある、餌料に中心があるというのですから、今度はいわゆる成長した国であるオーストラリア、ニュージーランドからは従来も肉が入っておりますが、その上にすき焼き関係の肉までどんどん日本に入れられる。こういうことになると、やはり畜産には相当響くんじゃないかという心配もありますが、何かこういうことに対して御検討になっておりますか。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 私、実は具体的にそういった話があるということを存じ上げていないので、そのことに関しましてのお話は申し上げかねるわけでありますが、御承知のように牛肉につきましては、一応たてまえは国内自給のたてまえをとって政策を進めておりますが、現実に国内の供給では旺盛な需要に対応できない。そこで割当制度のもとにおきまして、年々必要な数量の輸入割り当てをいたしておるのでございますが、まあ世界の貿易事情を見ましても、牛肉というのはやや不足気味でございまして、全体の中で約五%ぐらいが現実の輸出可能量ということになっておりまして、どこの国でも自給をたてまえに政策の運営が行なわれているようでございます。われわれのほうとしましても、そういったことをたてまえにいたしまして、現在せっかく肉用牛の増強の対策を講じておる段階でございますが、さればとてあまり輸入を押えますと、逆に国内の資源を食いつぶされるというようなおそれもございますので、先ほど来申し上げておりまするように、不足する部分についてはある程度割当制度のもとで輸入をせざるを得ないというような実情になっておるわけでございますが、できる限り早い機会に国内自給の達成ということで政策の強化につとめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 まあいずれにいたしましても、この熱研についての心配は、いま申しましたような従来の植民地搾取のような形にならないように、純粋の技術提携ないし技術指導、あるいは農業開発に中心を置いたものであるように私どもは期待をしておるわけでありまして、今後の運用を注目いたしたい、かように思います。  直接の本法に関する問題は、それであと一つだけ大事な点で、いま農地法、農協法が農林水産委員会で改正されようとしております。私は、政府がどのように行政に力を入れられましても、行政の力だけで日本農業の近代化、生産性の向上ということはなかなかむずかしい。問題は、この農業団体の姿勢なり、具体的活動いかんということにつながってこざるを得ないと思う。そこで請負耕作の問題や、農協の大型化に伴う代議員の複数性の問題等を中心にした農協法のきわめて微々たる改正案を出しておいでになるようでありますが、私はこの模範定款について、このごろ具体的な問題にぶつかっておりますので、ひとつ伺いますが、このあなた方が連合会に対して模範定款で指導されるにあたって、現在の単協の場合は届け出数と、いわゆる立候補または推薦届け出制度をしいて、しかも定員で競争はないという場合でも投票せしめるというような、そういう複雑な方式をとっておいでになる。これは単協の場合。それから県連の場合は、これはまことに理解のできないような模範定款例をおつくりになっておる。つまり県連の理事を選ぶには、たとえば鳥取県なら鳥取県を東、中、西に分けて、その地区で推薦された者の中からこれが総会で選挙の形で役員に就任をする。そういう指導をしておられるのですね。これはまことに合点のいかぬ指導でありまして、この一個の投票権を持ってみなお互いに今日まできておる。今度の改正法でどうなるか知りませんが、それを地区で推薦した者の中からさらにまた投票せしめるというような、そういう非民主的な模範定款例というもので県連段階を締めつけている。私はどうも農協法というものは、農民のための農協をつくるためにあるにもかかわらず、いろいろな締めつけが行なわれておりまして、理解に苦しむのでありますが、こういう点について、農協の実情と現在合わないじゃないですか。いわゆる立候補したいという者はだれでも立候補させる、そういう定款例を指導すべきではないのか。これでは持ち回るか、自由なる意欲を持っておっても、順番が来なければ出ていけないような仕組みになっている。これは私はおかしいと思うのですが、どこですか、これは。農政局ですか、どうですか。

板野権二農林省農政局農業協同組合課長

○説明員(板野権二君) いま御指摘になりましたように、連合会の役員の選挙につきましては、われわれの指導といたしましては、これは法律上、選挙による方法と、それから選任による方法と二つあるわけでございますが、それでいま先生の御指摘になりましたのは、選任による方法の選挙規定の模範例であろうというふうに思うわけでありますが、それによりますと、いま先生おっしゃいましたように、推薦制をとっておるわけでございますが、方向といたしましては、総会で役員を選任いたします場合には、議案の提案は会長が行なうということになっております。ただ会長が議案を提案いたします場合に、会長が独断でやるということはまずいということで、推薦会議というものを設けておるわけでありますが、推薦会議の委員につきましては、連合会ごとに地区を幾つかに割りまして、その地区ごとから選ばれた代表者をもって推薦会議を構成するという形になっておるわけでございます。そのような推薦会議でだれを推薦するかということを決定いたしまして、その案を会長が聞きまして、それによって選任をする、こういう方法をとっておるわけであります。  それから、もちろん選挙によります場合には、そういうことでなしに、これは立候補者がありまして、それについて選挙するという方法をとっておるわけでありますが、したがいまして、いまおっしゃいました点は、結局選挙によるか、選任によるかということと関連するわけでありますが、役員の選出方法といたしまして、選挙がいいか、選任がいいかという問題が一つあろうかと思いますが、選任制を現在とっておるわけでございますが、その選任制でまいります場合には、現在の推薦会議のような方法をとることのほうが、むしろりっぱな役員を選ぶという意味から適当なのではなかろうかということでこういう制度をとっておるわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 大臣、これはおかしいですよね。単協の場合、選挙ということになっている。総代会で選任する場合と選挙する場合とありますが、合併した大単協になりますと小選挙区制で大体やっている。農業委員会などは公職選挙法に準ずる、いわゆる立候補届け出を提出して、締め切って、定員一ぱいであれば無投票で当選がきまるようになっておる。だれでも立てるようになっておる。ところがこの農協の場合は、いわゆる定員一名という小選挙区で、一名立っても、これは推薦か、または立候補の届け出をさせるのですね。そうしてまた投票もさせる。ですから届け出をしておっても、立った人に言わせると安心ができない、だれが立つかわからない。こういうことを一方においてしながら、今度は県連の役員になりますと、選任だと、いま課長は言われますが、こういう指導をしておる。役員の選任に関する議案を総会に提出して、左に掲げる、つまり地区、地区ですね、者をもって構成する会議、つまり地区組合長会議において推薦し、その者について議案を作成して提出しなければならない、こういう持って回った、事実上は単協の場合ではこの届け出をさせておきながら自由投票を認めさせる。今度は県連の場合は、立候補はさせない。この地区の推薦会議で議案を作成して提出をさせる。全く首尾一貫しないやり方をとっている。これは実際の運用に当たった者でないとわかりません。全く不合理もはなはだしい指導をやっているのです。これは、私は模範定款例がよほど以前にできたものだろうと思います。今日の時代には即応しません。合併が行なわれまして、推薦会議を持つといたしますと、たとえば十五町村の合併農協から一人出てきます。他の未合併地域から、旧村地域の小単協からたくさん出てきて、合併農協、政府の方針に従って合併した農協は一、片一方はたくさんおりますから、いつでも合併農協がふるいを受ける、こういうことになっておるのです、現状は。これは今度の農協法の改正で、いわゆる一組合一票主義というものが、国際農業協同組合同盟の原則も変わったこともあり、複数制が認められたということは、私はいいことだと思いますが、それでもなお現実には合わないのです。これはこの模範定款例を改められないと、それでなくても農協というものに対していろいろと風当たりが強くなってきておる、また農協もしっかりやらなければならぬというときに、こういう、役員の自由な意思によって立候補することを事実上できないように、県連では縛り上げていく。私はこれはおかしいと思う。単協の場合は、逆に立候補させながら、だれが出るのだかわからぬような定款例を指導している。おかしいじゃないかと思うのです。この点について大臣、いかがでしょうか。こういうことは、法律ではありませんし、すみやかに是正されてしかるべきだと思いますが、いかがですか。

板野権二農林省農政局農業協同組合課長

○説明員(板野権二君) 現在の制度のことにつきまして、ちょっと補足して御説明申し上げておきますが、先ほど申し落とした点がございますが、先生おっしゃいますように、制度といたしましては、実はわれわれも、実態は別としまして、われわれが指導いたしております模範定款例では、制度的には組合と連合会は同じでございます。それで、方法といたしましては、組合も連合会も、選挙によるか選任によるか、どちらでもよろしい。それは組合なり連合会の定款で、選挙の方法によるか、選任の方法によるかは定款できめる、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、組合の場合につきましても、選任という方法がございますと同時に、連合会の場合につきましても選挙制によるということを総会できめれば、選挙という方法をとるわけでございます。ただ連合会の場合は、実際問題といたしまして選任制によっているのがほとんどであろうというふうには考えておりますが、制度的にはそういうふうになっているわけでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 それが私はおかしいというのですが、わからないですかね。そういう指導がおかしいと言っておるんですよ。とにかく自由だのに——それは各連合会が、おのおのが適当な選挙規定を設けることは、それは自由でしょうけれども、あなた方がこういう模範定款制を示しておりますから、全部それでいっています。そうすると、実際の運用がどうなるかというと、合併した大単協も一でしょう、あと地区から出てくるのは、未合併の連中が一ばい出てくると、全然相撲にならないということなんです。政府の方針を尊重して、三年も五年も前から合併して苦労しておる者がばかを見るということなんです。連合会の運用権は、その政府の方針をまだ尊重せずに、未合併であるところが、結局推薦権においては多数の力で押えてしまうという結果になっておるんですよ。あなた、そういう事実知っていないのじゃないですか。こういう矛盾をやっておりますから、特に非民主的な運営になるというのですよ。大単協は得るものはありません。要するに、そういう県連の意思決定機関へは、大単協になればなるほど出にくくなる。今度の複数制などでは解決がつきません。これはお改めにならなければならぬと私は思います。  それから単協の場合は、立候補して、定員数であれば、これは無投票にすべきですよ。何ですか、一体、届け出をさせておいて、定員一ぱいだのに投票させる。だからこれはやみ討ちを食わせることができる。現にそういう事実があるんです。ですから、こういう定款例の指導を十年一日のごとく守っておられて、そうしてその大単協の投票権を二個以上なんというようなことでは現実に合わないのですよ。これは大臣ね、私は無理なことを言っておりません。現実的な運用が私はなっておらぬと思うのです。ぜひ模範定款例の再検討をして、実情に即応するように民主的に御考慮を願いたいと思いますが、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農協にわれわれが期待する役割りがだんだん大きくなるわけでありまして、農協運営はしっかりやってもらわなければなりません。ことに、御存じのように合併が一応行なわれまして、なお合併を希望しておる単協がかなり多いようであります。そういうやさきでありますので、ただいま御指摘のようなことは、私は実はつまびらかにいたしておりませんでしたけれども、御指摘がございましたので、部内で十分検討いたしまして善処いたしたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 法案と直接関係のないことで恐縮ですけれども、非常に大事な点であります。あなた方が農協とすべて協力関係を結んでいかれるいまの姿勢ですからね、根本の姿勢につながるので、近く政令改正も行なわれますので、これはぜひやり直していただきたいと思っております。ぜひ御善処をいただきたい。  もう一点は、各車協は——私のところは四千六百ほどの十五カ町村の合併地域でありますが、総代会で、約四百人の総代会でやっております。三年に一ぺんは総会を開くということになりまして、とてもたいへんですが、その総会を開けという要請もあって、いま準備をいたしておりますが、私は総会に越したことはないと思う。しかしこの総代会たるや、四百人からの各地区の総代が出てきて、いわゆる単協の執行部というものはこの総代会において追及を受けるわけです。いわゆる組合員の審判を受けるわけです。そこで各項目別に全部事前に要望や注意事項を聞き、そうして地区総代協議会というものを開いて、そこから吸い上げたものを事業計画に反映をさせて、そうしてその総会でやってもなおなかなか議論があって、総会の乗り切りというものは容易じゃない。そういうものなんですね。ところが県段階と中央段階というものは、大臣ね、県連を構成している四、五十の組合長会議即総会なんですね。ですから、はなはだしきに至っては、ある連合会とある連合会の二つの総会を午前と午後にやっつけてしまう。こういう事例もあるんですね。そこで組合員の総会を結集するということはなかなかできませんから、農協大会というものを聞くわけです。その農協大会というものは、定款、農協法、何にも根拠がない。  そこで、これは私の県の恥を申し上げることになって、私は実際言うことをちゅうちょしたわけですけれども、ひとつ改正のために、改革をしていくためには、どうしても私は言わなければならぬと思っておるので申し上げますが、二、三年前の鳥取県の農協の大会で、いわゆるコンピューターの導入ということを中央会が提案した。このときは役員会で検討するということで、異議なし異議なしということで、まあお祭りみたいなことですからね。表彰式やったり、いろんなことをして、これも形式化しておりますから。そこでいよいよコンピューターを導入して、電電公社と契約結んでやったら三億五千万、来年の三月いよいよ実施ということになって、一方的にずんずん進んでいる。ところが大事な県連の経済連とか、信連も共済連もみんな反対なんです。いわんや単協は反対せざるを得ない。一農家当たり八千円かかるのです。この間も私は予算分科会で、いわゆるコンピューターを導入していく、これが一般に普及していくということはけっこうですけれども、こんなに高いということは、回線のいわゆる電電公社独占からきているんだと、したがってこの回線数をもっとふやし、その回数使用料を下げなければ、とてもこれはたいへんな負担をしいることになる。しかも鳥取県のような小さなところでそういうことを思いついた。ただし、農協大会の決定をいわゆるにしきの御旗に責められると、結局押し切られそうにもなるし、抵抗もあるしするので、片方、電電公社からは契約履行を迫られる。単協や県連の、四つの県連の三つまでそっぽを向いておる、こういうことでもめ続けているわけですね。この農協大会というものは中央にもありますし、三年に一ぺんぐらいありますし、県連はたいてい年一回開きますが、何ら定款、法律に根拠のないお祭りみたいな年中行事化しておる。そこで大会の決定だというので押してくる。これは悪いとは言いません。そういう制度を置くならば、農協法そのものに根拠を置き、定款その他に根拠を置いて、少なくとも構成、運用については組合員なり構成員の総意がそこに凝集されていくような形にならなければ、公正を期することは私はできないと思う。何でも大会の決定だ、こういうことでやる、これだけが、いわゆる組合員あるいは構成団体が、その大会のときにまあ発言の機会があるといえばあるわけだ、しかしそれは法的な根拠はない。事業計画や収支予定を変えさせしめる何らの権限もない。そこで県連と全国連にこの大会を制度化されるか、あるいは別な一つの単協の総代会に類するような、民意を反映するような私は運用があってしかるべきでないか。でない限り、私は今度の農協法の改正をもってしては、農協の真の今後の魂の入った農協運動というものにならない。したがっておかしなことになりはしないか。これは農民がよく言うんです、私に。足鹿さん、農協の本店はどこですか。本店は単協にきまっているじゃないか。いや、いや、東京でしょう。いわゆる本店は東京、支店は県連、単協は出張所という逆ピラミットです、いまの形は。私はそう思う。そう言わざるを得ない。私自身が農協の運営にあたって過去いろんな経験も積み、現在も関心を深く持っておりますので、大臣は事を運ぶに非常に農協の意思ということを大事に取り扱っておられますから申せるわけでありますが、こういう形の中からはほんとうの農民の、生きたなまの声が中央につながっていくことには、なかなかならないのではないか。その点は私は大会の制度化、あるいはこれにかかわるべき組合員の総意が事業計画や収支予定の中に織り込まれるような、いわゆるお祭りであったり、あるいは一時間や二時間の県連の総会で事が足りるような、そういう安易なあり方というものは私は間違いではないか。私が理事者になっても、私は一日でも二日でも、論議の対象になって、お互いがほんとうに真剣に対議をしていくということにおいて、初めて農協に魂も入り、根性は商社であっても、魂はいわゆる農民の魂において仕事が運ぶのではないか。どうもいまの運用状況を見ておりますと、私はここらで、農協法それ自体の法改正はそうたびたびできぬでしょうが、運用の面で考えることがありますし、来たるべき機会にはぜひそういう面について御検討をわずらわしたい。そうして、農協がほんとうの農民からたよりになる農協として再生していかなければならない、こういうふうに思います。  最近、農協と生協との提携論も出ておりますが、私は、そういう点について、農林大臣に一度何かの機会に申し上げたいと思っておりました。きょうは、この法案に関連してこういうことを申し上げることは、他の議員にもどうかと思いますが、非常に大事なことでありますので、ひとつ申し上げたわけでありますが、御所見を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) たいへん大事なことを御指摘になったと思いますが、今後の農業、農協をめぐる困難な状況に対処をいたしますためには、農協が組合員に対する最大奉仕原則と申しますか、そういうたてまえに立って、農協本来の趣旨に基づきまして、組合員の事業運営を刷新し、それからして、とかく定型化に陥りやすい事業の運営方法を、組合員の需要に即応するように改善していかなければならないと、その必要性を痛感いたす次第でございます。  これらの点につきましては、ただいまもるる実情について御指摘がございましたので、私といたしましても、農協の運営等について、先ほどのお話しをも含めて、善処をいたすようにいたしたいと思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 よく御了承いただきましたので、ひとつ御善処をいただきたい、早急にひとつ御善処をいただきたい。  もう大臣のお時間が迫っているそうでありますから、一点だけ申し上げて終わります。  去る四月十三日の予算第三分科会におきましても問題になりましたが、食糧庁の食糧行政の弛緩の問題であります。相次ぐ食糧庁の出先にかんばしからない事態が続出しております。これについては厳重に自己批判をされ、反省をされておるようでございますが、あとを断たないことを非常に遺憾に思います。一々あげつらうことを避けますが、加工業者への流出米を払い下げる問題、いま一つの問題は、東京食糧事務所の別館に米穀業者が十八社から一人ずつ常駐をし、情報が筒抜けに二十一年間なっておったと言われる話ですね。話にしては私は実に真実とするならばまことに遺憾千万だと思う。もち米がこれだけ足らないときに増ワクしてこれを横流しする事件、これら一つ一つはみな私は長年のあかが食糧行政にたまって、そしていまや食管制度がかなえの軽重を問われ、食管堅持は消費者も農民もかかってこれに期待をしているときに、このような事態が解決されないといたしますならば、国民の信頼は食管制度から失われていくに相違ありません。  そこで私が大臣に申し上げたいことは、真実かどうか知りませんが、機構と人事等に停滞があるのではないか、ある週刊誌によりますと、係長以下の下の者がやっと係長になって六万円前後の給料、課長は一、二年来ては素通りをして次々と変わっていく、いつまでたってもうだつが上がらぬ、給料、待遇はよくない。そこへ誘惑の手が伸びてくる。こういうことは、これは週刊誌のみならず、あり得ることではないか、こういう点で私はあなた方の責任を追及するということよりも、食管制度が大事なんです。この食管制度がこのような点からくずれるというような、国民の信を失われるようなことになったら、きわめてこれは遺憾なことになると思いますので、そういう点において突っ込んだ対策をお考えになっておると思いまするが、この点についてくどくは申し上げません。いかように今日まで、これは警察当局が調べておるから何も言えないという予算委員会での森本さんの御答弁でありましたが、それはそれとして、今後の粛正、弛緩を引き締め、粛正を行なわれ、食管制度に対する国民の信頼を失われるようなことのないようにしていただきたいと思います。この点についての御決意を承っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) このたびの食糧庁の東京食糧事務所に勤務いたします農林省職員の不正事件が発生いたしましたことは、まことに申しわけないことであると存じます。事件が起きましてから関係の職員が捜査当局に逮捕勾留されておりますので、いま全部が司直の手にかかっておる段階でございますので、詳細なことは不明でございますが、何といたしましても、ああいう大事な仕事をいたしておりますものにこのような事件が起きましたことは、何とも不行き届きでございまして、申しわけないことに存じております。私どもといたしましては、この事件が明らかになりますれば、そのどういうところに欠陥があったのであるかということもわれわれが知るよすがにもなるわけでありまして、そういうこと等もあわせ、十分に検討をいたしまして、部内全般の綱紀の粛正のために努力いたしますほか、ただいまお話しのように、国民主食の大事な食糧制度に、いやしくも国民大衆に疑惑を持たれることのないように、われわれがしっかりした態度をとらなければならないのではないかと、このようにいま部内を引き締めておるところであります。なお、今後とも十分検討いたしまして、国民に対して申しわけないことでありますので、十分戒心いたしてやってまいりたい、こういう決意でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 いま御決意のほどを承りましたので、これ以上は申し上げません。もう時間もございませんし、あとまだ二、三ありますが、別の機会に譲りまして、私の質問はこれできょうは打ち切りたいと思います。

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。     —————————————

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) 次に、許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 さきの委員会より続きまして、行政改革の問題につきまして、二、三質問をしたいと思います。  初めに、特に行政改革の問題の中でも、私はきょうは質問したい中でも、ちょっと予定になかったんですけれども、行政管理庁で先般から国家行政組織法の改正について検討を重ねているということでありますが、この進捗状況、並びにいつごろそういうふうな原案等ができてくるのか、そこら辺の事情について初めに伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体次の通常国会に、要すれば間に合わせたいということで検討を加えております。まだ本格的な検討には入っておりませんけれども、その間の経過等につきまして政府委員からお答えさせます。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  国家行政組織法の改正の検討につきましては、行政改革第二次計画の検討事項の第二に掲げられておりますものでございまして、この検討事項として、国家行政組織法等の検討を行なうということがきまっておりますが、その閣議決定に基づきまして、国家行政組織法等検討協議会を昭和四十四年の八月六日の行革本部の決定によって決定いたしております。この協議会は、構成員は内閣官房の内閣審議室長、法制局の第二部長、同総務主幹、それから内閣総理大臣の官房の総務課長、それから私、行政管理局長と、行政管理局の審議官及び大蔵省の主計局長、これだけを構成員といたしておりまして、八月二十八日に設置を決定いたしまして以来、現在まで六回集まりを開いております。集まりを開いて検討いたしましたおもな点は、行政機関の調整、企画、機能を所掌する組織がどうあるべきか、これは具体的に申しますと、たとえば事務次官補を設置するというような、各省の予算要求の際の要求にも出ておりまして、それに対してどういうふうな考え方をしていくか、臨調答申にもこういう趣旨のことが載っておりまして、これに対してどういう考え方をするか、あるいは合議制機関についての考え方、行政委員会というものは戦後できておりますが、それをどういう考え方をするか、また、行政委員会の中にも国の意思決定をいたします行政委員会もございますれば、諮問委員会もございます。そういうものの扱いをどうする、あるいは現在、外局がございますが、外局制度につきまして、これは今後どう持っていくべきか、戦前から外局制度がございましたが、外局というものは内局とどう違うか、まあそういう点につきましても非常にはっきりした、何と申しますか、基準がございませんので、いろいろとばくとした考えに基づいては外局というものを考えておりますが、そういうものを組織法上はっきり考えるべきかどうか、あるいは現在、組織法の八条によりまして、いろいろと諮問機関その他の調査研究機関、あるいは調査研究部局、それからその他の機関をつくっておりますが、これが非常に多くのいろいろな性格の機関が八条に基づいていろいろとございます。これがいささか混乱を来たしていないかというような点につきましていろいろと検討をいたしております。検討といたしましては、関係各省庁——先ほど申し上げましたように、構成メンバーが、それぞれどんな考え方を持っているかということをフリーに意見を交換するという委員会でございまして、これからだんだんとそういう点につきましてのまとめをしていくというような考え方をいたしております。以上、概略説明申し上げました。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 きのうの新聞によりますと、これは国家行政組織法の検討にあたって、大臣の写真つきでずいぶん載っているわけですけれども、問題点一点だけ申し上げておきたいのでありますが、先般、総定員法によりまして定員が法律できまっておったのが、いわゆる政令できめられるように一括されたわけですね。それに続いて、今度は国家行政組織法の改正で、機構の問題が改正になって、そして機構がまた総まとめにぽんと政令でされるようになるんじゃないかという危惧があるわけです。いまのお話の中には出てこなかったのですけれども、新聞の中でも、いわゆる国会の審議に一々かけていては非能率である。したがって、行政改革を進める上で不都合だから、どうしてもこういうことをしなければいけないじゃないか、そういうような意味のことに書かれているわけですけれどもね。そういうことになると、これは要するに国会の審議権の軽視ということにも私はなるんじゃないか。もう定員のほうはなくなり、機構のほうはなくなりすると、内閣委員会の存在すら問題になってくる。そういう点から言うと、私はこういう点には十分留意して、いわゆる行政管理庁がこの組織法の改正の中心になってやっていらっしゃるわけですから、この点については十分留意してやっていただかなければいけないじゃないか。またこれはこういうふうにおっしゃったのかどうか私わかりませんけれども、実際にその新聞の最後のほうには、黒木次官はきょう来ておりませんが、次官は、自民党は三百ほど議席があるからゆとりあるかまえと書いておりますけれども、こんなことを言うわけないと思うのですが、もし言ったとすると、非常に私はたいへんだと思うんですよ。そういうような意味で、私はこの点について、初めにやはり今後慎重に検討を進めてもらいたいと思いますし、また国会の審議権のいわゆる軽視なんということにつながらないような検討のしかたをしてもらいたいと思うのですが、この点いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん国会の審議権を尊重することは当然のことであります。自民党が三百人などと申したことはございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この問題についてはどうせあとでまたそれぞれ提案されることもあるでしょうから、そのときに詳細にやることにします。きょう私は行政改革の問題について始終質問をしたいと思います。  初めに、この行政改革三ヵ年計画ができましてもうずいぶんになります。その間すでに昭和四十三年の十月には第一次、また四十四年の七月には第二次の行政改革の計画を策定しているわけであります。当然この三ヵ年計画の中にもありますように、おおむね三ヵ年間をその実現のめどとすると、こういうぐあいに考えます。そういう点からいきましても、私は当然四十四年度を初年度として、そして四十七年までにこの行政改革を終える、そういうふうになるんじゃないかと思うのですが、現在この行政改革三ヵ年計画として出されたこの計画は、いつ終わるつもりなのか、この点について初めにお伺いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおり、第一次、第二次計画を立てておりますが、御指摘のとおり四十六年度実施を目ざして検討準備中でございます。具体的な内容については、要すれば政府委員からお答えさせます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 具体的な内容につきましては、あまり詳細になりますので、初めにこの第一次、第二次計画のうち、大きく見てみますと、実施事項というのと、それからそれに続いて検討事項と、こういうぐあいに二つに全体的にふれているようであります。したがいまして、私は四十六年までに完成する、完了するというんですが、この計画についてまず実施事項について、その進捗状況について具体的に各項目別にお伺いしたいと思います。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  実施事項のうち、第一の許認可等の整理につきましては、今回御審議いただいております法律案によりまして——ただいま御審議をいただいているわけでございますが、さらに年次計画といたしまして、三年間で許認可及び報告二千四百八十二件のうち千九百七件はすでに措置済みでございます。残りの分につきまして、四十六年度一ぱいでこれを終えるという予定でございます。  第二の補助金等の整理につきましては、四十四年度で四百十七件の補助金の整理、統合、簡素化をいたしております。このうち廃止、減額になりましたものは、金額にいたしまして百五十五億円でございます。また、四十五年度におきましては三百二十六件の廃止、統合、簡素化をいたしておりますが、このうち金額にいたしまして廃止、減額いたしましたものは二百九十四億円でございます。なお四十六年度につきましては、さらに行革三年計画できめております方針に基づきまして、予算査定の際にこれを行なうという考え方でございます。  共管、競合行政につきましては、交通安全対策会議につきましては、交通安全対策に関する交通安全対策会議を設置いたしまする法律案を御審議いただいております。  また、観光関係の閣僚協を設置する予定でございまして、これにつきましては現在内閣におきまして慎重に検討いたしまして、これの実施に移す予定でございます。  行政機構の簡素合理化につきましては、審議会の整理、統合につきましては、この三年計画全体で二十一の審議会の整理を予定いたしておりますが、そのうち四十四年で四を整理いたしました。四十五年度で十五の整理をいたす予定でございまして、すべて法案提出済みでございます。地方支分部局の整理統合につきましては、海運局出張所、財務局あるいは財務部の出張所、法務省の保護矯正関係出先機関等につきまして、これを逐次実施いたしております。  また、農林省統計事務所につきましては、これは地方農林局に統合いたすことにつきまして、関係法案を御審議いただいております。以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま実施事項についてお話ございましたけれども、実施事項と、それからもう一つあるんですが、要するに、いま話がありました実施事項だけ、それで結局行政改革の三ヵ年計画というものはそれで終わりなのか、または検討事項というのは、これは要するに三ヵ年以内に終わるんじゃなくて、またそれから幾らかかけてやるという考えなのか、これはどうですか。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘の検討事項につきましては、計画といたしましては三年間で検討を終えて結論を出すということでございますが、実施につきましては三年以内と限ってはおりません。ただ、実施できますものはできるだけ早い時期に実施すべきものだと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、この検討事項についても三ヵ年計画でほぼ結論を出すということであれば、もう相当進んでいなければいけないと思うんですよね。これから具体的に申し上げますけれども、いずれにしてもこれは両方とも三ヵ年計画と見ていいのかどうか、この実施事項も両方ともですね。要するに、実施に移せるものは移せるということになると、移せないものは移せないということになりますし——これはまあ当然のことですけれどもね。ということは、三ヵ年で終了するのじゃなくて、もっと長期のいわゆる期限を切ってというか、計画が延びるのか、そこら辺のところはどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 実施事項、検討事項と分けましたのは、実施事項は具体的に実施可能なものと閣議決定までに検討がついたもの、検討事項というのは、検討を加えていって、実施に移すべく努力をする。したがって、その努力によって三年間に結論を得ますものはどしどし実行に移していくという含みのものでございまして、実施事項、検討事項を分けましたそもそもの理由は、その区別を明確にしようという点にあったのでありまして、検討事項となったから等閑に付してぐずぐずと検討の名に隠れて検討を加えていくということではないという含みのもとの事項でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうもわかりにくいのですけれども、私は先ほど許認可の問題についても、これはきのうか、おとついの新聞ですけれども、要するに、今回の法案が通ればずいぶん許認可のいわゆる整理統合が進んでいく、先般、同僚議員から質問ございましたけれども、きのうの新聞によると、当然この法案が成立すれば、政府はこれをきっかけに今後とも不必要なものをどんどん整理統合していく、そういうふうな意向であると、こういうぐあいに言っていらっしゃるわけですけれども、行政監理委員会の安西さんですね、名前を出して申しわけないのですけれども、ほんとうにこの人がこう言うたのかどうか、私は知りません。これは新聞によるのですけれども、この新聞では、要するに、今回法律案を出しただけでは、いわゆる許認可のこれは当然整理できるものだけであって、どうしても整理をやらなければならないというものじゃない、まあそういうふうな言い方をしているわけですね。それではたしてこれで整理したことになるのかと、非常にきびしく非難している、そういうふうに書いてあるわけです。こういう点から考えてみても、私は何というか、検討事項についてもこれはあとで私質問したいと思っておりますが、許認可についても三ヵ年で終わったあと、どういうぐあいにいわゆる整理統合について検討を進めてきたか。たとえばこの第二次計画の許認可の項については、「今後引き続き許認可および報告等の整理を図るとともに、その新設を極力抑制するものとし、そのための措置を検討する。」と、こうありますけれども、当然いまごろになれば許認可の検討もうんと進んで、どういうぐあいにするかという方針は、基本的なものは私はもう現在の時点ではできていなければいけない。それでなければ続いてのいわゆる許認可の整理というものはできないのじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、この点いかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 安西委員の激励のことばは激励のことばとして受けとめております。そこで、三ヵ年に許認可を整理するという年次割り、さっき御報告申し上げましたように、第三年度分が残っておりますが、これはぜひとも次の通常国会に間に合わせたいという含みのもとに検討を加えております。  それから新規の許認可事項については、これはいつかもお答えしたように思いますが、行政組織法の検討を加える課題の一つに、行政管理庁に許認可の新設のときにチェックする機能を与えるかどうかということの検討を加えたいと思っております。そのことがはっきりしませんと、お約束を申し上げることはできません。お約束を申し上げることができないという意味は、話し合いで事前にチェックする機会を持つことができるかどうかということにまかされる意味合いにおいて不確実でございます。確実に事前検討をすることができるという機能を与えるかどうか、適当かどうかということを検討を加えつつあるところであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、この行政改革三ヵ年計画というのは、初めあの三ヵ年計画をつくるときに行政監理委員会から行政改革の三ヵ年計画の初年度に実施すべき事項に関する意見というのが現実に出ております。それによりましても、臨調の意見をたな上げにするようなことになってはいけない、また、初年度に実施する事項としては、いろんな面でずいぶん積極的な意見が出ております。まあこれと突き合わせてみますと、実際問題としてはこれらの意見はほとんど取り上げられていない、そういうぐあいに思うんです、実際問題はですね。いまいろいろ答弁ございましたけれども、一部を除いて、行政改革の三ヵ年計画の内容ですね、実際、国民の生活に直接関係のある問題については案外かけ声だけで終わっているんじゃないかと、そういうぐあいに私思うんですがね、この辺のところはどうですかね、まず第一点。それから、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この機構改革の面も、実は総定員法がきまって、この機構の問題についてのいわゆる行政改革というか、そういう面は全然進んでいないんじゃないか、こういうぐあいに思うんです。初めにそのいまの二点について答弁をお願いします。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  第一点につきましては、御指摘のとおり行政監理委員会が指摘しております事項につきまして、その大部分が実施されているということにはなっておりませんが、たとえば地方支分部局の整理簡素化の一部、あるいは行政事務の地方委譲、あるいは補助金の整理、あるいは交通安全行政の改善というような点では、行政監理委員会の指摘のありました分につきまして、行革三年計画にこれを実施いたしているわけでございます。また、内閣機能の強化、あるいは保険料徴収事務の一元化というような点につきましても、これは検討事項として、この趣旨に沿って検討をしている次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの検討事項、私は検討事項というのが一番問題だと思うんです。この検討事項がやはり私たち国民の生活にも、一番密接に関係もありますし、行政改革の一番ポイントになる点じゃないかと思うんです。いわゆる検討事項でぼかして、できそうな分を初めに実施事項にしちゃったわけですから、検討事項の中においても私は重大な問題が含まれていると、こういうぐあいに思うんですけどね。先ほども一番初めにちょっと話がありましたけれども、いずれにしましても、この検討事項について、実際問題、どういうぐあいに実施していくかということが私は大事じゃないかと思うんですがね、この点どうでしょう。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) 検討事項につきましては、個々の事項につきまして簡単に御説明申し上げますと、検討事項の第一点は、行政機構の簡素合理化でございまして、その中の第一といたしまして、内閣及び総理府の機能の強化という項目が載っております。これにつきましては従来、御承知と思いますが、内閣補佐官という考え方を検討いたしておりましたが、現在の段階におきましては、当面はこれは内閣の総理大臣官房に内閣の管理室というものを置きまして、従来の内閣審議室の行なっておりました事務を純化させるために管理室を置きまして事務を分担させるということによりまして、内閣機能の強化の第一歩というふうに考えております。  それから、国家行政組織法等の再検討につきましては、これは先ほど申しましたように、国家行政組織法検討協議会を中心といたしまして現在検討中でございまして、大臣から申し上げましたように、次期通常国会に提案いたすことを目途として検討を進めている次第でございます。  それから第三の政府企業の経営の効率化でございますが、これにつきましては、国有林野、郵政につきましての経営の効率化につきまして、それぞれ現在関係省庁で検討中でございまして、国有林野についてはこれは現在の林野行政の効率化のみならず、さらにこの現在の経営形態自体につきまして、どういう方向に持っていくべきかということにつきましても関係各省庁において検討をされております。郵政につきましては、御承知のように郵政審議会で郵政の公社化につきましての答申が出ておりまして、その答申を現在郵政省において検討しているところでございます。  地方事務官制度の廃止につきましては、これは運輸省関係、労働省関係の二種類の地方事務官については、それぞれ関係三大臣の覚え書きが作成されておりまして、この覚え書きの趣旨に基づきまして、現在関係省庁で検討をしているところでございます。  地方支分部局の整理につきましては、実施事項に載せましたもののほか、法務局の出張所でありますとか、あるいは国立病院、国立療養所、あるいは郵政省の地方支分部局等につきまして、その簡素合理化につきまして現在各省庁で検討中でございます。  第二の電子計算機の利用につきましては、これは行政管理庁が中心になりまして、四十三年の八月の閣議決定に基づきまして、行政管理庁が各省庁のお世話役という形で各省庁の中の共通的事項、具体的に申しますと、各省庁間のシステムの共通化の方法でございますとか、あるいは各省庁間の電子計算機利用に関するまあ中継センターのようなものをつくって、これの効率化をはかったらどうかというようなことにつきまして具体的な検討に入っているところでございます。  事務の民間委託につきましては、これはそれぞれ閣議決定していただきました一次、二次の計画に掲げましたような単純労務でございますとか、あるいは計算業務とかにつきまして、それぞれ各省庁で事務の民間委託の方向で検討していただいておりまして、四十五年度予算査定の際にも、この趣旨に基づきまして、民間委託できるものは民間委託に移していくということで実施に入っている面もございます。  共管、競合行政については、労働省関係の保険料の徴収の一元化につきましては、これは労働省につきましては前国会におきましても保険料の徴収の一元化の法律を成立させていただいておりまして、なお労働保険と厚生保険の徴収の一元化につきましては、現在その方向に基づきまして検討を進めているところでございます。  概略申しまして以上のような点でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうすると、いまいろいろお話ございましたけれども、すべて検討しているとか、いま答申を待っているとか、いろいろあるわけですね。ということは、実施に移す、実際に行なうまでにはずいぶん日にちがかかりそうなんですね、日にちがぴしっときまっているわけではないんですね。国家行政組織の問題については、先ほど問題になりましたので、次の国会に出す予定で検討を進めているというだけで、それだけであとはほとんど具体的にいつ実施されるのか、いつ検討の結果が出るのか、いつその審議会の答申が出るのか、これは要するにこの委員会でいろいろ検討しておりましたら時間がかかりますから、それぞれ具体的に検討事項についてどういうぐあいに進んでいるか、いつごろ答申が出るか、たとえば先ほどの許認可の問題については、いわゆるその新設を極力抑制するということについての、処置についての基本的な方針、基本的な問題が固まらなければこれもできないと思うのですね。そういうふうな意味でやはり一つ一つについての一つのめどというものが私はなければいけないと思うのですが、これをきょう委員会で一つずつこうなっている、こうなっていると聞きましても時間がかかりますので、資料として出していただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のように、国家行政組織法につきましては、来国会を目途としてやっておりますが、その他の点につきまして、いずれも非常に大問題が多うございますし、また関係省庁が非常に多い関係上なかなかはっきりした目途というのは、正直に申しまして定めがたいというふうに思いますので、できるだけ早い時期にこれを実施に、検討の結果を持てる、結論を出すということで努力いたしたいというふうに思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、行管庁として各省庁に対していつごろまでに検討を終わるようにとか、または何らかの指導をしていらっしゃると思うんですね。そういうふうな点でもけっこうですからね。やはり一つのめどというものがなければ、いつそれがちゃんとなるかわかんないわけですね。検討事項と書いてあると、いつまでも検討事項なんです、これはね。ですから、そこのところはやはり強力な指導というものが必要じゃないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがでしょうか。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、この三年計画を実施する、推進の立場といたしまして、各省庁にこの検討事項につきましてもできるだけこれを推進していただくようにお願いはいたしておりますし、そういうことで今後も努力をいたす所存でございます。ただ、現在いつまでにどうかということを答えろという御質問でございましても、これはいまこの場で、あるいはすぐに資料を作成して、めどまで申し上げるという段階に残念ながら立ち至っておりませんので、今後そういう方向で努力するということにさしていただきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 次に、私は行政監理委員会、行政改革の推進役としていわゆる設置されました臨調答申の中でも一番先に設置されたこの行政監理委員会ですけれども、この行政監理委員会について私は二、三質問したいのですが、何といいましても、行政監理委員会は私たち国民の立場からいいますと、私たち国民の考えというものを非常によくあらわしている点があると思うんですね。先般からいろんな意見も出ておりますし、あの意見を読む限りでは私たちはもっともな意見だと、こう思うわけです。そういう点からいいましても、臨時行政調査会の答申から考えてみても、いわゆる行政監理委員会を設置された意義というのは、確かに臨調答申の実現のための強力な推進役としたい、また推進の機関になってもらいたいということを設置法のときに政府のほうは説明しているわけです。そういう点からいろいろ考えてみましても、確かに民間の六人の委員を入れて、しかもこれらの委員には高額の給与を払って設置しているわけです。そういう点からいろいろ考えてみましても、もうすでに行政監理委員会ができてから五年たつわけですね。この五年間の間に私は確かに行政改革に必要ないろんな問題点を取り上げて、そして長官のもとにその意見を提出していると思うのですけれどもね。その意見は行政管理庁としてはどういうぐあいに行政監理責の意見を取り扱っているのか、初めにこの点について伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政監理委員会の委員長は私でありますが、私を加えないでの行政監理委員会の意見といえども、臨調答申の基本線に立って大いにこれを推進しようという意欲的な意見のあらわれであると思って、それをそういう角度で受けとめて検討を加えつつあります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 確かにそのとおりだと思うのですけれどもね。検討を加えているというだけじゃ私はちょっとやっぱりいかぬのじゃないか。もう一歩前進せにゃいかぬのじゃないか、こう思うのです。というのは、行政監理委員会の設置法によりましても、行政監理委員会の意見については、「長官は、委員会から、前条第一項による意見又は答申を受けたときは、これを尊重しなければならない。」と、こうなっているわけですね。尊重ということと検討ということとどうかなんという、そこは私言いませんけれども、ことばのあやじゃありませんけれども、実際問題として尊重するということは、当時の長官もいわゆる改革意見に沿って——意見のままあるいは検討を加えて、いずれにしても実現を期するものである。何ぼ検討を加えても実現しなかったら何にもならないのでして、当時の行政管理庁長官は尊重という意味は検討を加え、そしていろいろな面からそれを考え、何というか、意見に沿っていろいろなまとめをやって、それで最終的にはそれを実施する、実施ということが入っておるわけですね。その尊重の意味をそういうぐあいに言っていらっしゃるわけです。そういう点から考えてみましても、私はこのいままでの長官がおっしゃったとおり、当然、行政監理委員会の意見というものは私は尊重されなければいけないと思うのです。実際にそれじゃ尊重されているかどうかということについて考えてみますと、ほんとうに一つ一つチェックしてみると、定員の五%削減とか、その他若干のものについてはこれは確かに尊重され、実施されておりますけれども、重要事項のほとんどは無視されているように見えるわけです。私たちから言うとですね。この点については、行政管理庁当局としてはどういうぐあいに考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 検討を加えて実施にたどりつくわけでございまして、その検討の時期が、終期が明確にお答えできないということは、事柄がしかくむずかしいからでございます。むずかしいという意味は、行政管理庁の各省庁に対する機能は、調整機能と言われる事柄でありまして、いやとは言わせない、首根っこを押えつけてそのとおりにさせるという機能は持ちませんで、相談ずくでなければならないということのために時間をとるのはやむを得ない始末でございます。そこで、検討すると申し上げることは、実施に移すべき検討ではあるけれども、その終期が明確でないために、検討と申し上げて、御遠慮申し上げて表現しておることであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、私は行政監理委員会と行政管理庁当局と、当局としましては行政監理委員会から意見が出ましたら当然それを受け入れて、そして検討する、実施の方向で検討する、私は大臣が、いろいろ都合はありましょうけれども、そういうふうな大臣が出なくて、いわゆる大臣以外の六人の持っておる意見というようなことになること自体が私はよくないのじゃないか。実際問題として、きょうの朝のいろいろな新聞によりましても、とにかく行政監理委員会と行政管理庁の仲の悪さは定評のあるところだと、こうあるわけです。私たちが見ておりましても、確かにそういう点があるように思う。また行政管理庁当局、事務当局に対しては、行政監理委員の発言には無責任な発言が多過ぎると、こういうぐあいにぼやいたという——ぼやいたんですから、どっかないしょで言ったんでしょうけれども、やはりこういうようなことじゃ私はいけないのじゃないか。やはり同じ立場にあるわけですね、行政監理委員会も行政管理庁も。いま大臣がおっしゃるように、相手のあることで、各省庁にまたがっているわけで、非常につらい立場というのはよくわかるわけですがね。やはり同じ立場に立ってもっと突っ込んでの話し合いをする、その上での結論というものを出していかなければいけないのじゃないか、こう思うのですがね、いかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおりでございます。相なるべくは私も加わった正式の委員会の意見として結論づけられれば望ましいことであることは申すまでもないことであります。  ところで、行政監理委員会というものの機能は多数決によると法律にございまして、多数決によるという以上は、よしんば行政監理委員会の委員長であり、かつまた投票権がある行政管理庁長官と残りの六人の委員の意見とが食い違いましょうとも、多数決原理に従って六対一で議決するということは可能である。可能でありますが、行政管理庁長官というのは、いわば執行部であります。執行部が加わって委員会の意見を確定的に出すとすれば、多数決原理に立って、少数で負けたからしかたがないんだということであってよろしいかどうか。その辺の理解によって違いますけれども、私は執行の責任を帯びておる者、それが行政監理委員会の委員でもあるという場合、検討事項と実施事項と分けてお話がありましたが、実施事項というに足りる段階において監理委員会の意見というものは出るべきものではなかろうか。検討を加えて実施できるかどうかも含めて検討するということでは、監理委員会の意見としては適切でないんではなかろうか、こういうふうな見解を持ちますために、他の委員諸公とタイミングの関係で意見が相違することがあるかもしれません。具体的にそういうことについて打ち合わせたことはないのですけれども、想像するに、と申し上げるのはそのことですが、想像するに、民間有識者の立場の他の委員の、行政管理庁長官を除いた姿で意見を述べられるということにはしなくもなりますことは、タイミングの点だけに問題があるのじゃないかと想像しておるわけであります。それにしても、一般に仲が悪いとか何とか言われることはかってですけれども、実際上仲が悪いということは全然ございませんので、そこで正式の監理委員会の意見という形は完了していないけれども、示唆に富む意見が発表されたということで受けとめて検討を加えておるというのが実情であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 その問題についてもあとでちょっともう一点聞きたいのですけれども、初めに行政監理委員会というのは、いま現在では何ですか、行政管理庁長官の諮問機関ですかね。そういうふうな形になっているように私は思うんですけれども、実際は臨調答申の意見はそうじゃないですね。あの臨調の答申の意見によりますと、この行政監理委員会は臨調のとおり言いますと、内閣府に総務庁を置き、それに行政監理委員会を設置される。そういうぐあいになっているように私は思うのですけれども、いわゆる三条機関といいますか、国家公安委員会とか、公正取引委員会と同じような機関なんですね。行政監理委員会そのものが相当力のある委員会ということになっているのですけれども、そういう点から言うと、現在は臨調答申を尊重してできたように言われておりますけれども、実際は意味がずいぶん違うように私は思うのですが、ここら辺のところはどういうふうにお考えですか、大臣。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 臨調答申そのままではございません。行政管理庁長官の諮問機関としての行政監理委員会ということであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この臨調答申にある行政監理委員会と現在の委員会とはずいぶん性格も違うし、いろいろな面で違っている。特に私が大臣に申し上げたいのは、臨調答申の委員長に国務大臣をあてたのは、行政監理委員会の行なう行政監察とか、いろいろな機能が、内閣に対して直接いろいろな面で反映する。その意見というのが直接ぱっと反映するようにするために、いわゆる強力にバックアップして、いわゆる機構の改革とかいろいろな面で反映するように、大臣がその長官になった、また委員長になった、そういうぐあいに私は思うのですけれども、実際現在の、先ほど大臣ちょっとお話ございましたけれども、現在は行政監理委員会の長に行政管理庁長官がなったために、いわゆる表向きは臨調答申のようになっているように見えますけれども、その内容は実はそうじゃない。内容は大臣を置いたがために、かえって六人の意見が弱くなっている、六人の意見がストップされている、六人の意見なんて言ったらおかしいですけれども、行政監理委員会としてはちっと出すべき意見が、大臣によってストップされているのじゃないか、こういうぐあいに私たちには見えるわけですね。ということは、臨調答申の精神とはまるきり逆になっている。いわゆる行政改革を強力に進めるために大臣がそこの長になっているというふうになっているわけです。実際はそうなったがために、行政監理委員会の大事ないわゆる結論を出すべき委員会に大臣が出なくて、六人の意見になっちゃっているということは、行政監理委員会をつくった意図から見ましても相当マイナスになっているのじゃないか、こういうぐあいに私は思うのですけれども、この点いかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは必ずしもいきなりそこまではいかないものと心得ます。行政管理庁長官が委員長でありましょうとも、意見の内容は実施事項として取り上げ得るようなものに仕立てて意見を述べるということであればいいのであって、それ以前にまだ実施し得るかどうかもわからないことを、テーマとしては早わかりではありますけれども、その実施するについてはいろいろな段取りがありまして、それをきわめていくのでなければ実施事項となり得ないということ、その到達する以前において意見を述べるということは、意見の言いっぱなしに終わるというきらいがあるのじゃなかろうか、その違いであります。行政管理庁長官が委員長であるがゆえに、機能がストップされているということは、時間的な違いでしかないというふうに私は思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうも私は、そのところが得心がいかないのですけれどもね。これは大臣は行政監理委員会の意見というのは、いわゆる意見の言いっぱなしや無責任な発言が多過ぎるということは、いま大臣は確かに逆の意味で言えば、端的に言えばそうなんです。いま大臣のおっしゃったこと、こういうことは新聞に書いてあることと全く同じなんですが、結局確かに外部から見ても、そういうように外部はとっておるわけです、現実においてもね。私は行政監理委員会の意見というものは、たとえばいま大臣がおっしゃった実施事項でなければ実施事項に仕立てて、いわゆる答申なり、または勧告をする。それ以外の意見というものはこれはいわゆる無責任な発言だ、こうなるわけですよ。ということは、大臣、この行政監理委員会の答申というものに、何か法律上答申というものがこうなくちゃいけないというきまりがあるのですか、この点はどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはございません。良識の問題であろうと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 良識として考えた場合、何も実施事項でなくても、こうしたらいわゆる行政改革がうまくいくのじゃないか、たとえそれがすぐ実施できなくても、たとえ意見だけであったにしても、当然これは取り上げるべきじゃないか、そういう意見があってもいいのじゃないか、逆に言えばですね。実施事項でない意見というものはこれは無責任な発言だということになってしまうというと、これはどうも私たち納得できないし、答申するにしても非常に制約されてしまうわけですね。これでは私はよくないのじゃないかと思うのですがね。この点どうですかね。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 概念論で申し上げれば、先刻も申し上げましたように、行政監理委員会の設置法には、行政監理委員会の議事は多数決によるとありますから、六対一あるいは五対二という議決のしかたもあります。それでよろしければ、すぐ実施できなくても一種の示唆を与えるという意味における意見だとして通っていくものと考えられます。国会におきましても、そういう形で行政監理委員会の意見として出ましたものを、いつまでたっても実施できないじゃないか、何しているのだというお叱りを受けやせんかということをおそれますがゆえに、以上のことを申し上げるので、その理解のしかたの相違であろうかとも思います。理論上は多数決によってきめたことだから、委員としての行政管理庁長官は、意見は意見、実施は実施、別問題だと割り切って取っ組むことが可能であるというお許しを得れば、そういう運営のしかたもあろうかと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、私はもうちょっと確認したいのですけれども、行政監理委員会の六人の民間の委員の皆さんから、現実の問題としてずいぶん意見が出ておりますが、この意見というのは、これはどういうふうな扱いを受けるのですか。これは正式の行政監理委員会の意見であるのかどうか、この点どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 正式の意見ではありません。ありませんけれども、尊重すると申し上げておるわけですが、それは示唆を与えられた、しからば、実行にまでたどりつくべく検討を加えた結果提起された課題が尊重されて実施に移る。どうしてもこれは検討を加えても実施に移すことは当面不可能であるという仕分けをして尊重することになろうかと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、私はここのところちょっとずいぶん問題があるのですね。その意見というのは、行政監理委員会の正式な意見ではないけれども、その意見は尊重する。確かに意見ではないけれども尊重するというと、その意見そのものが非常に有用に見えますけれども、法的には何ら保証はないわけですね。私はそれは結局は行政監理委員会の民間から出た六人の委員の皆さんが相当苦労してつくった意見というものが、結局は政府が取り上げてくれない、そういうことになるわけですね。ですから、新聞や、いろいろな意見を出すときにはやむにやまれぬ気持ちであの意見を出す。そういうようなことがしょっちゅうなってしまうわけですけれども、ここら辺のところ、結局、行政監理委員会のあり方といいますか、それから行政監理委員会の権限の強化といいますか、これはやはり現在の体制で行政改革を推進する上においては、この行政監理委員会の権限の強化というか、またはそのあり方について、何らかの面で私は再検討をする必要があるのじゃなかろうか、こういうぐあいに思うのですが、この点はいかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私が先刻申し上げましたような立場に立つ以上は、検討すべき課題として取り扱わざるを得ないかと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは検討するときの一つのあれになるかもしれませんけれども、実際問題、こういうぐあいに行政改革ということも非常に大事になってまいりますと、私はこの行政監理委員会というのは、たとえば内閣総理大臣の直接の管轄のもとに置くとか、そうでなかったら、結局は非常に高い俸給を払って六人の常勤の委員を置いている意味がないのじゃないか。かえって行政の複雑化とか、行政のむだというのがこういうところに生まれてくるのじゃないか。存在が不明確なんですね。私たちは、そういう点からいくと、臨調答申の意図からいっても違っておりますし、むしろ行政監理委員会を廃止してしまったほうがいいのじゃないか。もっとほかの何らかの意味でのいわゆる行政改革を推進するものを別にまたつくればいいのであって、そういうぐあいにも、極端になりますけれども、思うのですが、この点どうでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その考え方も一案かとは思われまするが、行政管理庁長官を委員長としないで純然たる諮問機関として仕立て直しをするということも一案かと思います。いずれにしろ、もっと検討を加えざるを得ない問題であろうかと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 行政監理委員会の問題につきましてはそのくらいにしまして、次に、審議会の整理についてちょっと伺いますが、三ヵ年計画の二次案の中に、審議会の整理についてずいぶん載っておりますが、その中で、これはこれからわが内閣委員会で審議されるわけでありますが、運輸省設置法並びに防衛庁設置法が通るか通らぬかわからないわけですけれども、もしそれが通ったとすれば、あといわゆる廃止予定の審議会で一つ残るわけですが、台風常襲地帯対策審議会ですか、これが残るわけですが、これは一体どういうぐあいになっているのですか。その実情はどうでしょう。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  台風常襲地帯対策審議会につきましては、ただいま御指摘のとおり、第二次行政改革計画でその廃止が決定されてきておるものでございまして、現在これが実際に実動していないということに対する考え方から、政府の案といたしましては廃止することに決定いたしております。しかしながら、その審議会の廃止は、同時にまた台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法と重大な関連がございまして、これが大きな問題でございますので、そういう点につきましても十分検討いたしますために、今回はその廃止を見送っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は当然台風が毎年くるわけですから、私はこれはこの審議会は必要だと思うんですよ、そういう点からいえば。しかし、台風がきているのに開かれておりませんね、毎年。ですから、そういう点はどういうぐあいにお考えかということです。そういう点もあるわけです。台風は現実に毎年きているわけですよ。けれども開かれてないわけです。確かに私は本気になって台風の問題について取り組んでやるんなら、私はこの審議会というのは非常に有用だと思うんです。しかしながら、実際問題はあまり開かれてないんですね。台風がきているのに開かれていない。現実に調べてみました。私そこら辺のところはやはりちょっとこの審議会は何かおかしいんじゃないか、趣旨が、いろんな面から。その点が一つ。  それからもう一つは、この三ヵ年計画で審議会の整理統合を相当推進することになっておりますけれども、いま出ている分は二十六の審議会の整理統合ですけれども、それ以外どういうぐあいにお考えか、これからの方針はどういうようになっているのか、その点お伺いしたいと思います。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  御指摘のように台風は毎年きているが、これについて審議会を開いていないということで、確かに開かれていないわけでございますが、この審議会の主たる議題は、これは個々の台風に対する問題ではございませんで、台風常襲地帯に対するその対策の五ヶ年計画の樹立でございまして、そういう意味で現在開かれていないのでございます。  また第二の点といたしまして、審議会整理の今後の方針でございますが、これは従来、閣議決定を昭和四十二年及び四十四年にいたしておりまして、この際に今後の審議会の設置についての原則的な考え方といたしまして、まず第一に専門官の養成、あるいは公聴会、聴聞の活用等によりまして、審議会をできるだけ新設を避けていく、そういうものを活用して審議会にかえていくということ。それから現在あります審議会の所掌事務を広くいたしまして、それによりまして必要に応じて分科会、部会等にしていく、これを審議会を一つにいたしまして、その中に部会を設けてこれを処理していくということでございますとか、あるいは臨時的な審議会等の存置期限は、これは臨時的な審議会等につきましては存置期限を付するということでございます。あるいは試験検定、資格決定等に参与することを目的とする審議会の場合には、これを審議会をつくりませんで、試験委員とか、専門委員とか、あるいは臨時委員とかいうような委員の制度でこれを処理していく。大体そういう基準を設けまして、今後はできるだけ審議会の新設を押えていくという方向でまいりたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 その方針はわかりますけれども、現在ある審議会についてはどういうように考えるか、また、もうこれ以上整理統合をやらないのかという問題が一つと、それからもう一つは、先般から要するに審議会の整理の方針について、特に審議会等の活動が不活発であるもの、いわゆる過去三カ年において開催回数が年一回以下のものは廃止または統合する、そういうような方針が前にあったんですが、そのほか行政不服審査の場合でも、審査をやる審議会の場合でも開催回数が非常に少ないものについては常置の機関としない、そういうような原則が前からあったと思うんですが、この点についてはまだ現在でもそのとおりになっているのかどうかということ。それからこれは私調べてみた資料によりましても、昭和四十一年から四十三年の三カ年間に全然開かれなかった審議会というのがずいぶんあるわけですね。また年一回しか開かれていない審議会というのもずいぶんあります。名前を言ってみますと、けい紙に二枚、三枚にわたりますけれども、ずいぶんあるわけです。対外経済協力審議会とか、いまの台風常襲地帯対策審議会とか、そのほか金利調整審議会とか、中央生乳取引調整審議会とか、ずいぶんいろいろあるわけです。あと読みませんけれども、こういうふうに開催回数が非常に少ない審議会がずいぶんあるわけです。こういうふうな審議会等について、これは当然私は整理統合の対象になると思うのですけれども、これらについてはどういうぐあいにお考えか、お伺いしたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 不服審査や調停等を扱います審査会等の御指摘かと思いますが、こういうものは法令によって必要付議事項とされておることが起こらないときには開かない、それでもいつ何どき不服審査請求があるかもしれぬからかまえておくという種類のものでありまして、法令により必要付議事項とされることそれ自体が無用であるということがはっきりしません限りは、取りやめることは困難だろうということでございます。一々の問題につきましては政府委員からお答え申し上げます。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  現在、各省庁に置かれております審議会は全部で数は二百四十一になっておりまして、いずれも重要施策につきまして行政機関の諮問に応じて調査審議し、あるいは行政処分に対する不服審査、あるいは資格得喪の審査調停等を行なっておるわけでございます。そういうことでございますので、ただいま大臣から答弁ございましたように、そういう不服審査でございますとか、資格得喪の審査の要求がございませんならば、これは開かれない。しかしながら、開かれないものでありましても、そういうものはやはり置いておきませんといけないということかと思っております。また、ただいま御指摘の、開かれていないものがかなりあるということでございまして、ただいま申しました不服審査でございますとか、資格得喪の審査検定のようなものを除きまして、それ以外のもので、やはりかなりこのところ開かれていないというものもございます。たとえば、過去二年間に一ぺんも開かれておりませんものの中で、これは全部で十四ほどございますが、その中で、そのうちの十は、いま申しましたような不服審査の申し立てがなければ開かなくてもいいもの、そういうものでございますので、これは開かれていないことは、別にそのために必要でないということではないと思います。そういう意味で、これを除きますとあと四つの審議会がございます。  一つは地方産業開発審議会でございまして、これは低開発地域工業開発地区、新産業都市等の指定または変更等の際に付議すべきものとされておりますが、昭和四十一年十一月の中海地区新産業都市指定後は指定等が行なわれなかったためにあと開催されていないわけでございます。  また、台風常襲地帯対策審議会につきましては、先ほど申しましたように、台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法に基づきまして作成すべき災害防除事業の計画でございまして、この計画の期間は計画の作成を見ないまま昭和四十二年度末で終了をしております。さらに過去二カ年間に台風常襲地帯の指定も行なわれなかった等のために付議すべき案件がなかったわけでございます。  また第三の、特殊地域農業振興対策審議会、これも過去二年間開かれておりませんけれども、これは昭和四十二年十二月開催の審議会におきまして、今後のあり方を総合的に調査検討するよう決議がありまして、四十三、四十四両年度にわたりまして農林省において調査を実施しておりますので、その結果を取りまとめた上、審議会を開催する予定になっております。  また第四の公共用地審議会、これは考え方によりますと、十のほうの分類と申しますと、不服審査とか、そういうものに対する審議会の中に入れれば入るかとも思いますが、この公共用地審議会は、企業者からの申請を受けて建設大臣が行なう特定公共事業の認定及び土地収用委員会が緊急裁決を所定期間内に行なわないときに企業者からの異議の申し立てに基づき建設大臣が行なう代行裁決の際に付議されるものでございまして、この期間中、当該の事案がなかったわけでございます。  以上のようなことでございまして、現在御指摘のうち、過去二年間開かれなかったものにつきましてはそういうような状態でございますが、審議会の設置の本来の趣旨から申しまして、かなりそれぞれ省庁の重要事項に関すものでございまして、これはそうたびたび起こるものでないということもあるかと思いますので、一年間、二年間開かれなかったから、すぐそれは要らぬのだということには必ずしもならぬというふうに思っております。それぞれ内容を検討した上で、必要であればそういう御趣旨の措置も講ずる必要がある。やはりこれは内容の検討によるというふうに思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いろいろ説明を聞けば説明はあるでしょうけれども、実際問題二年、三年にわたって開かれていない委員会については、やはり内容等についても私は検討を進めていくべきではないかと、こう思っております。  それからもう一つだけ申し上げておきますと、これは特に審議会等もそうでありますが、スクラップ・アンド・ビルドというやつですね、これも盛んに前から出ているわけでありますけれども、要するに審議会もこれに入るんですか。その場合、もしそうだとすれば、要するにスクラップということについては、何もビルドがなくてもスクラップをどんどん考えてもいいんじゃないか、いまのこういうような問題から、私はこういうぐあいに思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申します。  スクラップとビルドとの関係は、必ずしも一対一という関係になっておりませんで、これは年次によりまして、その必要性その他においていろいろございますが、数年間をとってみますと、これは審議会の数は減っておるはずでございまして、必ずしもビルドの際にだけスクラップをするという形にはなっていないわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それから次に、私は特殊法人の問題についてちょっと聞きたいと思うんですけれども、特殊法人の行政管理庁の審査の権限ですね、これは私はいろいろ問題があると思うんです、実際問題として。時間もだいぶ過ぎましたので急いでいきますけれども、特殊法人を行政管理庁が審査する場合、いろいろ制限がありますね。何か設立行為に、何ですか、政府がタッチするとかしないとか、そういうふうなことによっていわゆる行管の審査の対象からはずされる、はずすということですね、そういうことがしょっちゅうあるわけです。そこで、私は、たとえば今回の六十三国会でも、行政監理委員会もこの点についていろいろ指摘しておるわけですけれども、この通産省から出ておる情報産業振興事業団ですか、これは初め特殊法人として出ておったわけですね。ところが実際問題はそれが認められなくて、それで実際は情報産業振興事業協会と改めて、行管庁のいわゆる審査からはずれて、現実の面ではそれはもう発足するわけですね。そういうぐあいにして、行政管理庁でいわゆるチェックしているみたいですけれども、隠れみのが幾らでもあると、こんなんでは何ぼでもつくれるわけですよ。こんなことでは私は何にもならないのじゃないか、そういうぐあいに思うわけです。そこで、やはり特殊法人に対する定義といいますか、性格といいますか、こういうふうなものはもっと明確にしていく必要があるんじゃないか。そういうぐあいにして、すべてそういうものも含めて行政管理庁でチェックしていくようにすべきじゃないか。そうでないと、幾らでも特殊法人はふえていくのじゃないか、特殊法人という名前ではなくても、いまの通産省の例のようにして、いわゆる事業団というチェックの機関じゃなくて協会というようにして幾らでもつくれる。これは行政改革の面でも非常に私は大事な面だと思うのですが、この点はいかがでしょう。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  特殊法人の制度につきまして、これはいろいろと見解が分かれる点があるかと思います。現在特殊法人とはどういうものかということにつきましても、これは外国の例その他を見ましても必ずしも統一されておりませんし、また現在の行政事務、それがいわゆる普通の意味の行政機関からはずして、しかしながら、公的なかなりコントロールのもとに事務を行なったほうが適当だというふうな場合に、それをどういう形をとるか、あるいは国がそれに対してどこまでのコントロールをすべきかということにつきましては、非常にこれから検討すべき点が多いかと思います。そういう意味で、御趣旨のとおり十分に検討していくべき課題というふうに心得ております。ただ現在の段階におきまして、行政管理庁が審査をいたします特殊法人と称するものは、これは国がその設立を強制的に行なう、まあいろいろ表現はございますが、端的に申しますと、国がつくるものである。で、ただいま御指摘の通産省の情報産業の振興に関する協会は、これは国が強制的に設立するものではございません。そういう意味で、まあそういうものに対して国が、今度は行政管理庁が行ないます審査の中に入れるべきかどうかということは、これは当然一つの検討の題目になると思いますが、現在の段階におきまして、私どもはそれは国がその設立について強制的に設立させる、あるいはその設立について、国がもう設立させるということから責任を持つというものについて審査をすべきだというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 もう最後ですけれども、情報処理産業振興事業団ですね、これはどうして認可にならなかったのですかね。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申します。  ただいまのお答えと若干重複するかと思いますが、特殊法人として認めるかどうかという審査をいたします際に、これは特殊法人の形をとらなければできないものかどうか、またそのことばを裏に返しますと、できるだけ国が直接監督する行政組織の拡張を防ぐ。そこで、そういう意味から特殊法人の形をとらなくてもやっていけるものは特殊法人でなくてもいいのではないかという考え方も審査の一つの立場でございまして、そういう点から申しまして、国が直接責任を持って強制的に設立する必要があるものではないという判断をいたしまして、特殊法人にいたしておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私、ちょっとここでお伺いしておきたいのですけれども、情報処理産業というものは、これから非常に重要な部門だと思うんですよね。これは将来は必ずどうしても、私は、国としてもこういう事業団をつくらなければいけないのじゃないか、そう思うんですよね。通産当局も相当力を入れている事業団です。そういう点からいえば、私は当然これはスクラップ・アンド・ビルドというスクラップがなかったのじゃないか、そういうことも考えられるわけですけれども、ここら辺のところはもっとやはり明確にやってもらいたいと思うのですが、いかがですか。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。  スクラップすべきものがなかったから特殊法人にならなかったということでは必ずしもございませんで、もちろんスクラップを持ってくれば審査の一つの参考にはいたしますが、それがないからどうだ、あるからどうだという問題だけで決定すべきものではないと思っております。この事業協会につきましては、協会の設立についてもその意思を民間に求めておりますし、また民間の出資に期待する点も多いというような点から、可能な限り民意が反映されるような仕組みであることが望ましいと思っておりまして、そんなことから特殊法人として政府の強い規制のもとに置くことは必ずしも適切ではないというふうに考えたわけでございます。もちろん、情報産業の重要性につきましては、これは私どもも十分認識しているつもりでございますが、これにつきましては通産省、あるいはその他の所管官庁がしかるべく厳格な監督、規制をしていくということによって、必ずしも特殊法人をつくらねばならぬという結論にはならないかと思います。ただ、今後将来のこの情報産業の動きいかんによりましては、これは新しい事態としてそういうことも出てくるかと思いますが、現在の段階ではこの形で処理していけるというふうに思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは最後に許認可の問題について二、三質問したいと思います。  許認可の問題でありますが、先般ずいぶん質問がありまして、できるだけダブらないようにしたいと思うんですが、昭和四十三年の六月末の許認可報告等の総数は、私が聞いておるところでは一万八千件あるそうですが、三十九年の臨調答申のときには、これは許認可の数は七千七百件ですか、そういうぐあいに聞いているわけですが、これは単純に比較はできないと思うんですけれども、非常にふえているわけですね。三ヵ年計画で減らした分よりもふえた分がずいぶん多いわけです。これは要するにふえたほうが倍近く多いわけです。これについてはどういうぐあいにお考えなんですかね。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○政府委員(岡内豊君) ただいまの御質問でございますが、先般も山崎先生からも同様の御質問があったかと思いますが、臨調答申が出てからふえた分につきましては、私どもの調査では大体千百件あるということになっておりまして、五年間でございますから二百件でございます。それで、臨時行政調査会の数とこの一万八千五百件でございますか、相違でございますが、これは臨時行政調査会であげました七千五百という概数でございますが、この中にはまず第一に、国民の日常生活及び産業経済活動に直接関係のないものを除いたということ、それから時限的なもの、期間の限られておるものは除いた。それから国と特殊法人との間の許認可、こういったものも、これは直接国民に関係がないということで除いてございます。それから補助金関係の報告、これも官庁相互間のことでございますから除いてございます。それから統計の作成を目的とする報告、そういったものが除いてございまして、おもにこういった特にこの報告関係が非常に少ないということでその差がございます。そういったことで表面にあらわれました数字だけを見ますと、非常にふえているようでございますが、私どもの調査では千百件しかふえていないというのが実情でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 その点については私の資料とずいぶん違いますので、また何かの機会に調べて質問をやり直したいと思います。  それから、片方で幾ら整理はしましても、ふえるほうがこんなにいろいろふえたんでは整理の意味が——整理という段階になると非常に困難になってくると思うんですね。そういう点では新設する場合に相当いろんな面でチェックしてもらいたいと私は思うんです。  それからもう一点お伺いしたいのは、運用の面ですけれども、許認可についての運用の面ですが、いわゆる許認可の処理期限の問題ですね。これは非常に私は大事な問題だと思うんです。私たちが実際に窓口へ行っていわゆる申請した場合、いつ認可がおりてくるかということはほんとうに重要な関心事です。それについて実際、現在その許認可について期限が明確になっているものも私はあると思うんですけれども、大部分は私は明確になっていないんじゃないか、こういうぐあいに思うんですが、これは大体どういうぐあいになっているのか。現在、許認可報告等、合わせて何件あって、そのうち期限が明確になっているものが何件、それから明確になっていないものがどのくらいあるか、そうして最後にその期限を設定することについて種々問題は私はあると思うんですが、やはり期限の設定ということについて行管当局はどういう措置を今後講じていくつもりか、この点についてお伺いしたいと思います。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○政府委員(岡内豊君) 現在、許認可が何件あって、処理に期限がついておるものが何件あるかということでございますが、ちょっと手元に資料がございませんので、すぐにはお答えできないような状況でございます。それで、この許認可の事務の処理につきましては、四十年の五月に「行政事務運営の改善について」という閣議決定がございまして、これは私どものほうで行政運営の改善に関する総合監察というものを実施いたしまして、その結果、期限を付したらどうであろうかというようなことを示唆したわけでございますが、それに基づきまして、「一定の処理基準に従い経常的に処理し得る性質のものには、原則として標準処理期間を設けて処理の渋滞を防止すること。」というようなことの閣議の決定が一応あるわけでございますが、その実施状況でございますが、これが必ずしも十分にいっておりません。したがいまして、私どもといたしましては、今後、許認可等の監察をする場合にはそういった面も十分に考慮いたしまして結論を出したい、かように考えております。現在私どものほうで若干の例といたしまして、計量器の検定とか、あるいは商工組合の調整規定、組合協約の認可、そういったもの、それから自動車運送事業の関係の許認可については期限がついております。それから農産物の検査、建築の確認、それらについては期限がついておりますが、それ以外のものは、ちょっと資料がございませんので明確にお答えできませんので、御了承願いたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私これで質問を終わりますけれども、明確になっていない分は後ほど資料で出してもらいたいと思うのです。  それから今回のこの許認可の整理の法案が通った場合、これは当然私はこれを契機として、なお一そう不必要なものをどんどん整理していく方向でなければいけないと思うのですが、いずれにしてもいろいろな批判とか、また行政監理委員会の、先ほども申し上げましたように、安西さんがおっしゃっておりますように、こんなことでは、いわゆる許認可の統廃合をやっておることにはならないというようなきびしい人もおるわけですけれども、いずれにしても、これからの方針、これからどういうぐあいに今度許認可についてやっていきたいかということをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 許認可の新設のときに、もの申す機会を得たらどうかということを含んだ御質問かと思います。それより先に、現在ある許認可を整理、緩和、統合するという課題でございますが、各省庁それぞれ必要性を認めて許認可の制度を創設するわけでございますが、その実施段階において原則として長年月実施してきたこと、そのことを、監察を通じて無用でないか、緩和したらいいじゃないかという結論を得て許認可の整理が行なわれるのが通例でございます。それは、そういうやり方で今後も続けていきます。許認可の新設のときに審査をする機会は率直に申してございません。法制局で法案を審議しますけれども、法制局は純法律的な立場に立って許認可の必要の有無を考えるのでありまして、政策的に必要であるかどうか、実効が上がるかどうか、繁文縟礼じゃないかということは必ずしも審査の基本ではないようでございます。したがって、行政管理庁でこれにタッチすることが適切かと思いますが、法案の審査の際、事前に審査する権限を行政管理庁に与えるということについての検討事項かと思います。そのことも含めまして、行政組織法直接の課題じゃないかもしれませんけれでも、関連をして検討を加えたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 簡単に二点ほど伺いたいと思うのですが、まず運輸省の航空局長が見えておりますから、最初にそのほうからお伺いします。  今度の改正によりまして、外国人パイロットだけでなくて、日本の操縦士養成施設のパイロットの教育課程を終了したものについては、これは国家試験を免除して技能証明を交付しようとする、こういうことをやるようですが、現在これは自衛隊で教育訓練を受けているパイロット、これは一体これに入るのかどうか、どういうことになるのか、この点伺いたいと思うんですが。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) ただいま航空界におきまして最大の問題は、パイロットが非常に少ないことで、そのために航空機材等が入りましてもその手当てができないために非常に苦しんでおります。その一斑といたしまして、外人パイロット等で当面これをカバーいたしておりますが、やはり基本的には国内においてしかるべく教育をしなければならぬ、かように考えておるわけです。いまお話しのございました防衛庁の委託という問題につきましても、そういう当面火急の要に何とか総力をあげて必要要員の人材確保をはかりたいという面で、防衛庁の御好意によって委託をしてお願いをしておるという実情でございます。で、今度この法案でお願いをいたしておりますのも、やはりそういった意味合いのことを兼ねまして、この教育上教官が非常に不足をしておるという意味合いを、今度の制度によってある程度それを簡素化して、カバーして、そして教育の実をスピード化してあげたい、かような意味合いでここにお願いしておるような方式を取り入れたいと思っております。これを取り入れますことによって、操縦士の需給のバランスということの見通しが確実になってまいりましたならば、防衛庁委託というような形態は漸次これを減少し、最終的には、そういう制度と現在やっております航大あるいは自社養成、そういうものを中心とした民間形態で進めたいと、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委託訓練をしておるそういう人も、国家試験の免除、これをやるわけですか。今度の法の適用があるわけですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 委託をしております人について、これを直ちにいまやろうというふうには考えておりません。つまり、今度やりますのは、教官に該当する人が十全なる資格、技量を有することを確認いたしまして、そういう教官のいます民間施設を、言うならば認定施設ということにして、そしてそこの一定課程を経て卒業する者については実技についてこれを免除する。学科試験につきましては、そういうところを出ましてもなおかつ国家試験をやる、こういうことでございまして、いまの防衛庁委託の者につきまして、この制度がそのまま当てはまるということにはなりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現在、これは自衛隊に委託教育をしておるそういう人の数、これは種目別にわかりますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 現在委託しております数は、四十四年度の年度で御説明申し上げますと、固定翼、いわゆる飛行機の小型と申しますか、固定翼で五十一名、回転翼、ヘリコプターで十名、合計六十一名というのが四十四年度の委託の総数でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは委託者の別による数はわかりますか。たとえば海上保安庁とか、東京消防庁とか、日航とか、全日空とか、そういう数はわかりますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) この固定翼につきましては、日本航空が二十九名、全日本空輸が十五名、国内航空が四名、南海航空というのがございますが、三名。合計五十一名。ヘリコプターにつきましては、日本農林水産協会というのがございますが、そこの者が十五名でございます。したがいまして、海上保安庁ということばがありましたが、海上保安庁の者はこの中には含んでおりません。全部民間の者ばかりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはわかりませんか。海上保安庁、東京消防庁、ついでにタイ国政府から、それから中華民国、インドネシア、こういうところからの委託もあるわけでしょう。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 私どものほうで一応予算上処理をいたしておりますのは、ただいま申し上げましたような民間ばかりでございまして、数字もそれ以上の別途の内容のものについては、私どものほうはわかりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは防衛庁にあとで確認をしたいと思いますが、それで、これはどうですか、自衛隊で委託教育を受けるときと、それから民間でこれを受ける場合の費用負担、これは調べがついておりますか。自社養成の場合どのくらいかかって、それから委託の場合にはどのくらいかかるか、経費です。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 私のほうで防衛庁に委託をお願いいたします予算のほうから御説明する以外にないのですが、本年度の予算におきましては、先ほど申し上げました数字に対応する予算といたしまして、固定翼関係では一億八百二十二万円、回転翼関係では千五百十七万六千円、こういった予算を委託費として防衛庁にお願いをいたしております。したがいまして、これを単純に先ほどの人員で割りますと、一人当たり固定翼関係では約百五十一万円、回転翼関係では約百二十六万円、そういったような数字になるかと思います。これが実際の民間におきましてやられておりますのは、この数字とは非常にかけ離れたといいますか、非常に多い養成費を使っております。さっきの予算でそういうことになっておりますが、予算以外といいますか、実際の自社養成について見ますと、約一千万円ぐらい日本航空あたりではかけております。この自社養成の金額と比較いたしました場合には非常に多い額になるわけでございます。この養成につきましては、養成期間あるいはこの養成に使用いたします飛行機々材あるいは教官の給与、そういったいろいろなものが、非常に、単一化した同一のものを使っておりませんので、いろいろなバラエティのある数字ということになりますので、単純な比較は非常に困難でございますが、現実のかかっております費用を端的に申し上げますと、大体そういうことになります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、委託の場合は相当金がかかるわけですね。これについて何か義務規定があるのですか。委託を受けた、そうしてそれについて何か付帯する義務があるのですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) これは結論から申し上げますと、全然そういう義務的なものはついておりません。私ども航空大学校におきまして、やはり同様な教育をいたしておりますけれども、この卒業生につきましても、必ずしもそういう義務的なものがないのでございます。いろいろ計画とのズレがそういう面で現実的に出て、実際に困っておる面もないわけではございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、中にはこういう意見をよく聞くのですがね、航空自衛隊では民間航空パイロットの教育を積極的に行なうべきである、予備航空隊の参加を義務づけるような方策をとればすべての面から合理的だ、こう言っているのですが、これについては運輸省としてはどういうふうに考えておりますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 私どもの委託をお願いいたしております対象は、この委託期間一年ないし一年半が終わりますと、これはすべて民間航空、委託料を払っております親元である民間航空に全部帰りまして、民間航空の将来の重要なパイロットのソースになっていっております。私どもといたしましては、自衛隊に、冒頭申し上げましたように、現在の養成機関教官、そういったものがどうしても足りないということでやむを得ずお願いするということでやっておりますので、現時点、あるいはここ当分の間こういったことは私ども民間にとって非常に必要であると思うわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは私たちいままでいろいろ委員会で三矢作戦あるいはブルラン作戦、こういうようなものを検討したわけです。これはあるとかないとかいろいろ言われておりますけれども、その後、現在の情勢から見て非常に実際にも行なわれている面もある。これによりますというと、民間機は非常の事態が起こるというと、当然、日米共同作戦体制の中にこれは編入される。こういうふうになっているわけですよ。ブルランの作戦では、たとえば非常事態布告がされた場合には、八時間以内に民間機の航空は停止され、これら民間機は防衛庁空幕の指揮に入る。こういうようなふうになっているわけですね。パイロットについてもこれは規定があるわけです。そういう点から考えますというと、自衛隊の委託というのは、現在非常に養成機関が十分でない。そこでその足りないところを補助するためにこれは自衛隊に委託をしておるんだということでありますけれども、しかし、このような規定を考えるというと、いざという場合のそういう身分の拘束というものが起こらないという保証はないわけですね。こういう点については運輸省として明確にしておりますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 先ほども申し上げましたことの繰り返しになるかと思いますが、私どものほうでは純民間パイロットの不足分を、しかもその基礎過程のものをやむを得ざるものとして自衛隊にお願いをするということでやっておるわけでございます。現在の需要のソースといたしまして、こういうお願いをすること以外に民間でしかるべきものはないわけでございます。自社養成というのももうフルにやっておりますし、予算の制約はありますが、四十五年などは現在の養成規模を終わりますということで、さらに百三十五名の養成機関を拡大をしようと思っておるわけであります。そういうものを全部集めましてもいまの輸送需要、あるいはそれに見合う航空機材の増強、路線拡張に対処できないということでございます。したがいまして、この教育もあくまでもそういった意味合いの一環として乗員訓練の足りないものを補うということで、私どもあくまで民間航空の今後に対処する、現時点の不足をカバーする、こういうことで養成をお願いをしておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたの説明ではそういうことになるかもしれませんが、しかし、日本の置かれている情勢はそうあなたが考えているようにはいかない面があるのじゃないか。その片りんが今度の「よど」号で出たんじゃないか。どうも「よど」号の背景というのは、やはり日本の空は依然としてこれは米軍が支配しておるという実態が明らかになったわけですね。府中の第五空軍の司令部がはっきり握っている。韓国と沖繩の空を握っている。日本の空を握っている。そういう支配のもとにある。実はこれは私は予算委員会の総括質問でも聞いた問題でありますけれども、だれも知らないという。金浦に行くのはだれも知らなかった。事前に予測した者はだれもなかった。閣僚、関係閣僚は一人もなかった。そうすると、だれかがどこかで知らないうちにこれをああいうふうに変えた者がある。その実態を明らかにするということは、今日これは絶対必要になってくる。そういう中でどうなんです、これは。お聞きしたいのですが、日航の長野運航基準部長というのはどういう権限を持つ者ですか。また、米軍との関係はどうなんですか。この点はどうなんですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 長野運航基準部長は、当時の事態におきましては、日航内におきます対策本部長のもとにおける副本部長という資格であったかと記憶いたしております。しかも本人はパイロット上りでございますので、操縦、運航関係につきましては本部長に対して、言うなれば実際的に全責任的な立場にあったかと思うわけです。それで、いまお話の米軍の空の管理の問題との関係におきましては、当時福岡を離陸いたしますに当たりまして、福岡で何とか人命救助をはかりたい。操縦士並びに乗客の人命の確保をはかりたい。こういうことを考えまして、時間的余裕のない中をあらゆる手を打つ、こういうことを考えたようでございます。いろいろ私どもとの相談ももちろんありましたけれども、その中の一つとして、パイロットはどうしてもこれは平壌に行かざるを得ないという判断、それを情報として得まして、パイロットの判断にまかせる以外になかろうということで、パイロットが飛び出したあとにおきまして、いろいろ航行の安全をはかるという意味合いにおいて、予想されますところの地上からのインターセプトを防止したい、かような意図でその連絡をいろいろとやったわけであります。その結果は、到着しましたのは金浦ということでございましたが、そういうような人命安全確保という意味合いにおいて、当時としてあらゆる手段をとってその安全を期したい。そのような立場を副本部長の立場においてとったというふうに本人は説明をし、私どもも報告を受けております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっとお伺いしますがね。こういう場合には、これは民間航空機の責任者は直接米軍と接触するのですか。これは運輸省航空局を通ずるなり、あるいは防衛庁を通ずるなりしなければ私は妥当でないというふうに考えるのですが、これは直接接触できるのですか。はっきりあのとき長野運航基準部長は米軍に頼んでということを記者会見の中で言っている。これは最初に報告された報道です。私は非常にこれはおかしいと思ったのですけれども、日航はそういうことになるのですか。直接管理のもとにあるのですか、米軍の、第五空軍の。これは私は非常に重大な問題じゃないかと思うのですがどうなんです。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 米軍の管理のもとにないことは御承知のとおりでございますが、当時の状態におきましては、当面依頼をいたしました、いま申し上げましたインターセプトの防止のための依頼を自衛隊に出したようでございますけれども、この自衛隊に依頼いたしましたについて、飛行機との周波数との関係で自衛隊では受け合いかねるというような返事をもらったようであります。そのために本人としては、これは特に運航基準部長個人の立場においてでございますが、米軍に頼んだ、かようなふうに本人から聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 行管長官に伺います。  これはどうです、行政管理の面から見てこういうふうに非常時でやむを得ないといえばそれまでのことだけれども、こういう形の接触が今後どんどん行なわれるというと非常に行政の体系が乱れる、そう考えざるを得ないでしょう。運輸省が何のためにあるか、何のために自衛隊があるのか、防衛庁があるのか。ところが、そこを経るのじゃない。そういう形で直接米軍に頼んで、そして非常に便宜主義かもしれないけれども、こういう形で行なわれた。そうすると、日本の行政の自主性というものはどういうことになるか。私はこの点、予算委員会の総括質問から、日本の主権のあり方をやはり問題にしなければならない、そういうものを非常に持っておると思う。だから、これは行管長官に伺っておきます。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっとわかりませんが、要するに現行の条約、現行の法規に基づいて行動しておる、また支配を受けておるということでありましょう。そうである限り問題ないと思うのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは現行の法規にそうなっておりますか。直接そんな米軍の名において日本の民間の航空機が動くようになっていますか。これはとんでもない。不勉強じゃないですか。行政管理庁長官がそんなばかなことを言ったらたいへんなことじゃないですか。そうじゃないですか。どこに自主性が出てくるか。いまのは失言ですよ。現行法規にそうなっておりますか。これをちょっとお聞きします、そうなっていますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 板付に飛びます間におきましては、あれは現行法規どおり進んでおりますが、それから先へ出ましたについては、いまの米軍等にお願いしてどうする云々ということについて、これはハイジャッキングという異常事態に対処する対処のしかたでございます。そういったハイジャッキングの対処のしかたとしては、緊急な、あるいは緊急避難的な措置をとらざるを得ないということになりました。まあ長野運航基準部長は、非常に独断的であったかとは思いますけれども、短い時間の間に何とか人命の救助、安全を確保したいということでそういう措置をとったわけでございます。私ども運輸省のほうにもいろいろな依頼なり、私ども自体の情報の収集の結果によりして、あるいは外務省を通じ、あるいは韓国の管制本部へ連絡をする等、種々安全措置は講じてまいったわけでありますが、何せああいったわが国にも初めての特殊な事態でございましたので、いろいろな連絡なり何なりで通常の場合と異なった状態となったかと考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この場ではあなたはなかなか言いにくい問題だと思うが、しかし、はっきりそう言っているね、独断的と。ということは、これはもう日本の現行法と違うのです。そうでしょう。こういうことを許しておけば、非常時だからと許しておけば行政が乱れる。これだってはっきり通すべきですよ。何のために運輸省があり、そこに航空局があるのか。そうでしょう。自主性があるということを言われたが、実態はそうじゃないことをこれは何よりも物語っております。日本の空は依然として極東第五空軍の支配のもとにあるということを何よりも今度の「よど」号の問題というのは明らかにした。そういう中に国民の命の問題、権利の問題が支配されているのだ。こういうことが明確だと思うのです。これは急な質問でありますから、行管長官も十分に御検討にならなかったと思いますが、いまの御答弁は非常に私は間違いだと思います。このことは確認しておかなければならぬと思います。非常事態だからどうやってもいいのだというようなことにはならぬと思います。ましてや、これは戦争になったらどうなるかわからない、ハイジャックぐらいの問題だから、まだこのくらいだが、これが戦時体制になったらどうなるか、非常事態になったら、何でも非常事態ならしかたないということで、どんどん乱れていったらたいへんなことになります。そういう問題も私は含んでいる。そういう問題と関連して、まあ自衛隊の委託の問題というのは、現状やむを得ないという形でやられておりますけれども、その先にいくというと、いま言ったような三矢作戦、ブルラン作戦の規定というものがはっきりわれわれはかぶさってくるのではないかという、そういう問題をわれわれとしては明確にしておく必要があると思う。答弁がありましたら、答弁を聞  いておきます。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 先ほどのことの繰り返しのようですが、まあ結果的かもしれませんが、米軍にお願いをしました内容は、日本の、私どもでいいますと管制——FIRといいますが、そこの範囲を出まして、韓国のそういった区域内に入って、その後におけるインターセプトというものに対しての措置として長野運航基準部長が頼んだということで、日本の領土内、あるいは特に航空法上のエリアの範囲内において、米軍において特にどうという方法を依頼をし、頼んだ、あるいはその措置をとってもらったというような事実はございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これはお聞きしなくちゃならないのですが、長野基準部長は、これは金浦におろしてくれというふうに頼んだわけですか、その点調べられましたか。向こうに行ったからよろしくと言ったのですか。金浦におろしてくれと言ったのですか、平壌におろしてくれと言ったのですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) その点は各委員会でもいろいろお話がございまして、私どもがパイロットにも聞き、あるいは運航部長からも伺ったところによりますと、まず韓国の領土、そこに入っていった場合に、インターセプトをやらないでくれ、仰撃をしないでくれ、それから、もしそういうことをされた場合には板付に帰れるようなふうに連絡をしてくれないかということ、それから地上から砲火を受けないような措置にしてもらいたい、こういうような依頼をしたというふうに聞いております。それ以外の問題について、米軍を通じて連絡はしていないというふうに聞いております。したがって、金浦におりる、おりないという問題につきましては、これはパイロットの自主的な判断に従い、特に、着陸態勢に入りました際に、平壌、平壌という管制の呼び声に従って着陸をしたというふうに聞いておりますので、その点について何ら指示はいたしておらないし、依頼もしていない、かように聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そのことがきょうの主題でございませんから、このくらいで打ち切りますけれども、とにかくこれは自主的判断でおりたというけれども、そういうめくら飛行みたいにさせられて、混乱させられて、その中での自主的判断ですから、自主的判断を言ったって、まことに妙なものです。だれかがどこかでねじ曲げたのです。そのねじ曲げた者の正体が今日政治的にいまだに明らかにされていない、このことが非常に重大だ。この点、この前、総理は約束されたわけですが、いまだにこの問題を明らかにされていない、ここに大きな問題があるんだということを明らかにしておいてこの問題は終わります。  もう一つ簡単に伺いますが、この許認可のこの法案が通ると、予防接種の廃止ということを許認可の法案にうたっているのですが、これは立法措置としてはどうなんです。これはちょっとおかしいように思うのですけれども、どうなんです。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○政府委員(岡内豊君) 予防接種法の改正を許認可の整理法の中に入れた理由はどうであるかという御質問の趣旨だろうと思いますが、要するに、この予防接種の腸チフス及びパラチフスの定期的な予防接種というのは、もうすでに現在の流行の状況から見て、まあどちらかといえば不要不急の事務になってきておるというふうな判断から、この許認可等の事務を一般的に整理をいたしますこの整理法の中に組み入れた、こういうことでございます。なお、そういった点についての判断につきましては、これは厚生省当局のほうの技術的、専門的な判断でございますので、ひとつ厚生省のほうから。

松下廉蔵厚生大臣官房審議官

○説明員(松下廉蔵君) 現在の腸チフス、パラチフスの定期予防接種につきましては、御案内のように、現行の予防接種法におきまして第一期が生後三十六ヵ月から生後四十八ヵ月に至る期間に一回、それから第二期といたしまして第一期の接種をいたしましてから以後満六十歳に至るまで毎年ということで、全人口のおおよそ八割ぐらいに当たります約八千万人が、一応定期の対象者というかっこうで予防接種を受けることが義務づけられておるわけでございます。それで、法律が制定されました当初、たとえば昭和二十五年ごろにおきましては、なお数千人の患者、及び数百人の死者を出しておりまして、全国民に対して予防接種を義務づけられてこれを励行するということが、その当時のなお社会的な環境衛生、食品衛生の立ち直りの不備等もございまして、ぜひ必要だったわけでございますが、御案内のように、腸チフス、パラチフスとも、これは消化器系の伝染病でございまして、その後の下水道、環境衛生、食品衛生の発達、あるいは医療の発達によりまして、抗生物質の治療等によりまして、その後患者数、死者数とも激減いたしまして、たとえば昭和四十三年におきましては腸チフス三百九十名、パラチフス百二名、死者が腹チフスのみが六名、パラチフスはなしというような状況になっておりまして、もちろん法定接種でございますから、各市町村におきましては毎年行なわれておるわけでございますが、そういうような状況で、しかも罹患いたしましても治療はかなり容易になってきているというような状態でありますために、当初に比べまして国民のこの疾病に対します恐怖感というようなものも漸次薄れてまいりまして、他の法定の定期の予防接種が六〇ないし八〇%の接種率を保っているのに引きかえまして、第二期以降につきましては大体一〇%台というようなふうに接種者が非常に減ってきております。で、一方で、しかし、全対象が八千万というような数でございまして、しかも、毎年ということで、市町村におきます定期の予防接種に関する事務というのは非常に人手、経費ともに大きなものがございまして、現実の状況といたしましては、準備をいたしましても、国民の側でそういう要望が少ないということから、受けに来ない。結局実情といたしましては、定期予防接種はすでに社会の実情から見て必要がなくなっておる事務である、しかも、相当各市町村において膨大な事務量を要しておるということで、法制局とも相談いたしました結果、これはやはり許認可等の整理ということで、行政事務の簡素化の一環としてこの法案において一括して廃止を御審議いただくことが適当であろう、そういうような結論を得まして行政管理庁にお願いした次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それにしても、現在そういう病気にかかる人が三百人以上もいるわけですね。これに対する対策というのは、これは予防医学の見地から依然として必要なわけですね。今度の廃止によってやはりそのような問題が起こりますので、衆議院のほうでは、これは各党共同の附帯決議を出してやっているわけですね。これは御存じだと思いますが、附帯決議がつけられておりますね。万全を期するようにというようなことですが、これについて、この廃止に伴うところの予防対策上支障がないようにするためにどんな具体的な施策を考えておられますか、伺いたい。

松下廉蔵厚生大臣官房審議官

○説明員(松下廉蔵君) ただいま申し上げましたように、腸チフス、パラチフスとも経口伝染病、消化器系の伝染病で、この感染はもっぱら食物によって口から入るものでございますので、まずその感染源対策といたしまして屎尿処理を十分にする、衛生的な処理をこれは一般の屎尿処理の一環といたしまして考えるということ、それから食品衛生をさらに強化していくという問題、それから手洗いの励行等につきまして、一般的な食品衛生に関する衛生教育を励行していくということ、そんな一般的な対策によりまして、腸チフス、パラチフスの感染につきましては、まずその大部分を防止することが可能であろうと思っております。  次に、万一何らかの事情で局部的な小流行と申しますか、地域的な多発がございましたような場合には、そういった地域に対して、ごらんいただきましたように、今度廃止いたしますのは定期の予防接種だけでございまして、臨時の予防接種といたしまして、都道府県知事がみずからあるいは市町村長に対して接種を行なわせるという規定はそのまま残るわけでございますので、臨時の予防接種によりまして、その地域の免疫をさらに高めることによって、腸チフス、パラチフスを防止するというようなことを考えてまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 とにかくいままで少ないといっても、一千万人くらいは予防接種を受けていると思うのですね。そうでしょう。そうして、しかも今度はこれをやめたということになると、ワクチンの製造、開発というものは非常におくれてくるのじゃないか。現状でも非常に、あまり性能のいいものじゃないというふうに聞いていますね。この腸チフスワクチンの場合はこの効果は三五%、副作用も多い、こういうふうに聞いているのですが、どうしてもこれを開発していいものにしなければならない。いざ必要があるときには、そのような予防接種ができるようにしておくということが、これは同時に——これを廃止したら、これで全然対策を怠ってしまうということじゃまずいと思うのですが、この点はいかがですか。

松下廉蔵厚生大臣官房審議官

○説明員(松下廉蔵君) 御指摘のように、現在、これはどのワクチンにつきましても、さらにその効果をあげ、安全性を高めるという作業は私ども厚生省の担当すべき仕事でございますが、腸チフス、パラチフスにつきましても相当の効果はあげておりますが、なお御指摘のように、完全でない面は私どもよく承知しております。特に衆議院の委員会におきましても、ワクチンの開発につきまして附帯決議で御指摘もございまして、そういう趣旨に沿いまして、今後、国の責任におきまして腸チフス、パラチフスを、御指摘のような点を改善いたしますように開発をいたしたいということで、薬務局とも協力いたしまして行なっていきますことをお約束申し上げる次第でございます。

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終了したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。  許可、認可等の整理に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村尚治自由民主党

○委員長(西村尚治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会      —————・—————

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