内閣委員会 第12号
- 発言数
- 361 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/28
会議録
○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○山崎昇君 許認可事項の改廃については、五十五国会、それから五十八国会でいずれも出ておりましたが、これが成立せずに今度の国会にまた出てきた問題であって、私どもは、行政管理庁が行なっている事務が幾分でも簡素化になることでありますから、したがって基本的には反対をとる態度ではありません。しかし、この許認可事務については、三十九年の臨調答申でもかなり具体的に指摘をされた事項であります。それ以来、多少の整理は行なわれておりますが、かなり残っているわけです。 そこで第一にお聞きをしたいのは、この臨調の答申で出された許認可事務——おたくの資料によれば三百七十九件と、こうなっているわけでありますが、一体それの現在までの整理状況と、それから残っているものについては今後どうされるのか。臨調答申の取り扱いからまずお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) 臨調答申で出ました許認可事項の整理につきましての進捗状況でございますが、これは御承知のように三百七十九ございまして、この点につきまして、私ども監察のほうで二回ほど監察を実施いたしました。第一回、第二回とやっておりまして、その結果に基づきましていろいろやりました結果、二百九のものがすでに整理済みでございます。パーセントにいたしますと五五・一%、こういうことになっておりますが、それでさらに行革の三カ年計画の中で二十五加わってまいりまして、それを入れますと六一・八%の進捗状況になる。なお百七十件ほど残っておるわけでございますが、このうち五十二件につきましては、審議会等の諮問をするとか、関係省庁がいろいろございまして、その間の協議を整えなくちゃならない。いろいろなことがございまして、なお検討中でございます。それから、その残りのものについてもいろいろございますが、いまの段階ではちょっと進捗がしにくいという状況になっております。その分につきましても内部的に検討いたしまして、できるものからやっていきたいというふうに私ども考えております。
○山崎昇君 いまの説明にありましたように、三十九年に臨調が指摘をした三百七十九件についても、進捗率は約六割ですね。したがって四割前後のものが残っておる。ところが、その後行管の資料を見ますというと、報告、許認可を入れまして約一万件ぐらいふえていますね。その実情からいけば、もうほとんど何にもされていないと同じ結果ではないだろうかと私ども思うんです。 そこで、お聞きをしたいのは、この臨調答申以降、一万件近いものがふえているんですが、一体こういう各種立法について、許認可とか報告事項について、行管はどういうチェック方法をとるのか。あるいはまた、このふえたものについて、どういう整理方法をとっていくのか、お聞きをしておきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 許可、認可等の新設につきましては、行政改革計画、昭和四十四年七月十一日に閣議決定しました第二次計画で、その新設を極力抑制するものとして、そのための措置を関係機関において検討することとしております。ところで新設を抑制するということは、行政管理庁の機能からいたしましてなかなか容易でない。法制局と連絡をとりながらつとめてはおりますけれども、所管の省庁と意見が違った場合、これを強行するわけにまいらないという不便がございます。その意味で何らかの措置を考えたいということで検討中でございますが、まだ検討の結論を得てない状況であります。
○山崎昇君 結論を見ないという長官のお話ですがね。私はあまりにもふえ過ぎるのじゃないかと、たとえば四十三年の十月の閣議決定を行なった第一次案のときに、行政管理庁は許認可で一万一千八十八、報告で七千四百四十九、合計一万八千五百三十七件であります。こうなっています。したがって臨調の答申をかりに引いたとしても、わずか三年か四年の間に一万件ぐらい、これはほとんど手つかずの状態です。いまの説明あっても、臨調のわずか三百七十九件の許認可のうち六割ぐらいしかやられてなくて、五、六十件については審議会にはかっておりますと、こう言う。いまのところ進捗状態はほとんどおぼつかないという答弁ですね。これは許認可事務について臨調が二つの方針を出しておるのですが、一つは、各省庁みずからいろいろなことをやりなさい、もう一つは、政府部内において許認可の統括機関を設けてやりなさい——その統括機関に私は行管が当たるのだと思うのです。その行管がほとんどいまのような説明では、この許認可の整理、整理とあなた方は強調するけれども、数字で言うならばほとんど進んでいない。全く微々たるものにしかならない。これでは、これからさらに法律がふえるたびに、いまの行政事務の状況からいって、私は許認可、報告事務はますますふえると思う。一体政府はこういう問題をどうされようとするのか、重ねてお聞きをしておきたいと思う。
○政府委員(岡内豊君) ちょっと山崎先生数字を誤解しておられるのじゃないかと思いますが、一万件ありました許認可事項というのは、この閣議決定当時に全部を洗いましたところ一万件あったということでありまして、臨調答申後ふえましたのは、私どもの調査では、大体五年間たっておりますけれども、千百件程度でございまして、年間二百件がふえておると、こういうことでございます。したがいまして、そんなにはふえておらない。特にこの閣議決定におきまして許認可事項については一割五分の整理をする、それから報告事項については二割の整理をするということでございまして、合計千六百件ほどの整理をいたしますのでかなり減る、こういうふうに私ども考えております。
○山崎昇君 これは私の数字の誤りでしょうか。私はあなたのほうから出された資料で計算をしておるのですがね。臨調で出されましたのは七千七百五十一件ですね。そのうち許認可が三百七十九、報告が七千三百七十二件、合わせて七千七百五十一、第一次改革のときの四十三年の十月のときには合計して一万八千五百三十七ある、そのうち許認可というのは一万一千八十八、報告が七千四百四十九、こうなっているのですね。ですから、私がいまお尋ねしているのは、臨調の答申が三十九年に出ているわけですから、それ以来六年たって、臨調の答申すらあなた方は、ほとんどといっていいくらい、四割も残っておる。それも、今後の進捗率というのはどうもぱっとしないという答弁である。四十三年の十月の閣議決定のとき調べた数字からいけば、全くやっていないにひとしい状態じゃないですか。だから、許認可事項についてずいぶんあなた方は簡素化しているように言っているけれども、実態はそうじゃないじゃないですか。さらに今後法律がふえるたびに許認可事項がふえる、報告事項もふえる、これは明らかだと思うのです。そしてあなたのほうは、閣議決定では、第一次のときには、おおむね三カ年計画でこれを解消したいという閣議決定を行なっておる。ところが、この三カ年計画すらもうでき上がらないという。であれば、四十五年度以降にかなり持ち越さざるを得ない。それもめどがないという状況じゃないですか。ですから、それならば四十三年の閣議決定で、おおむね三カ年を目標にやると言ったのだが、三カ年間でできていないわけですね。今後一体どれくらいかかったら、それじゃ臨調答申だけでもこれ解消できるのか、その辺のところを明確にしてください。
○政府委員(岡内豊君) 整理の進捗状況でございますが、行革三カ年計画の初年度といのは大体昭和四十四年度になっておるわけでございます。そこで、昭和四十四年度までに——ただ許認可につきましては、その前にいろいろ監察のほうでも各省庁と折衝しておりましたので、四十三年度中にできるものは四十三年度にやろうではないかということで、四十三年度、四十四年度と実施をしてきてまいっておるわけでございまして、四十四年度までに整理すべき許認可及び報告事項の数は、閣議決定では二千四百八十二でございます。このうち、四十四年度末現在で整理済みのものが千九百七、七六・八%でございます。未整理のものが五百七十五ということになっておりまして、今回の整理法で七十六の整理をする。それから、別に提案中の単独法で十三の整理をする、こういうことになっております。 したがって、現段階では法律事項十八、政省令等事項が四百六十八が未措置でございます。未措置のもののうち、法律事項につきましては他の制度と一括して処理する必要があるということで保留になった、それから審議会の答申がおくれているということで保留になっているもの等がございまして若干おくれたと、こういうことでございます。これが十八。それから政省令事項につきましては、関係省庁で整理を進めておりまして、特に今国会に提案されておりますこの法律案が成立いたしましたならば、それに伴いまして政省令事項も整理するというようなものがかなりございますので、政省令事項につきましても整理が進むものと、かように考えております。で、私どもといたしましては、今後できる限り計画どおり進めていこうということで努力をいたしておるところでございますので、そうし残しが残るというふうには考えておりません。
○山崎昇君 いまの説明でもかなり残るじゃないですか。そうすると、あなたの説明どおり、四十三年の十月の閣議できめたのだが、実際は四十四年度から三カ年でやるから四十六年までだと、こう言うのですね。
○政府委員(岡内豊君) そうです。
○山崎昇君 そうすると、残ったやつを全部四十六年度で解消するのですか。 それからもう一つ聞きたいのは、私が調べた資料ではどうしてもあなたの数字と違うのだが、法律ができるたびにどうしてもこの事務はふえてくる。そうした場合に、行管は事前にどういうチェックの方法をとるのか。そうすると臨調で言っている、政府部内において許認可総括機構の必要性ということをかなり強調されている。それに行管が当たるのだが、行管はこういう許認可、報告事項のふえることについて、具実的にどういうチェックをされるのか。ただ法制局と話し合いだけして終わるのか、そして、ふえた数字をあとから整理をいたします。しかしなかなかそれは進まない。こういうことを繰り返しているのじゃないかと私は思うのですが、一体、事前のチェック方法についてどういう方法がありますか。もう少し説明してください。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 事前措置につきましては、率直に申し上げますと、何にもないという現状でございます。ただ、事実問題としましては、法制局が法律を審議します場合に、許認可等につきまして、その要否について事実上の調整を何とかはかりたいということを努力しているにすぎないのであります。権限を持って、この許認可は適当でないから取りやむべきだという立場にございませんために、新規のものを押えるという機能は、率直に申して働き得ない状況でございます。そこで何らかの取りきめなり方法を考慮して、実効があがるようなことはなし得ないかどうかということについて検討中でございます。
○山崎昇君 長官から、いま検討中だというのですね。それじゃ事務当局でもけっこうでありますから、どういうことについて検討されておるのか、もう少し明らかにしてください。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 許認可の新たな設定の場合のチェックでございますが、これにつきまして、ただいま長官より答辞申し上げましたように、現在の段階では、これはそれを所管するはっきりした所管がないためにそれが現在行なわれない。そこで私どもといたしましては、従来の許認可の整理につきまして、どういうような趣旨で整理が行なわれたかということを検討いたしまして、これが将来、今後の許認可を新たに設定する際に、これを認めるべきかどうかという基準を考えるということの参考にいたしたいというふうな意味で、事務的に現在それを検討いたしております。 なお、その機関につきましては、これは現在、先ほど申しましたように、所管がはっきりときまっておりませんけれども、そういうことで臨調で言っておられますことは、これは臨調の文面によりますと、行政管理庁がこれに当たるべきものということになっておりますが、必ずしもそうとばかりは申せないと思いますので、そういう点につきまして、臨調のお考えといたしましては、おそらく総務庁というようなものが臨調の構想の中にございますが、そういうものができまして、そこで各行政の総合調整機能が非常に発揮されるという状態になりました場合に、そこで臨調のお考えでは、その中に行政管理庁も入ることになっておりますが、そこに行政管理庁の持つべき機能としてそういうものがあるということのお考えではなかったかと、これは類推でありますが、そういうふうに考えます。で、そういう意味でございますので、許認可の新たな設置基準あるいは設置のチェックということになりますと、これは行政の総合調整機能、これの強化という問題と必然的に結びつく問題だと思っております。
○山崎昇君 いま事務当局のほうから、事前のチェックについては事実上行管としてはできない。これは長官もそういう見解だと思うのですね。だから、結局いま私ども審議しておるのは、だんだん、だんだんこういうものがふえていって、あとになってどうする、こうすると、いわば行管はあと始末みたいな仕事になる、こういう私は関係になると思うのです。そこで、いまあなたの説明によれば、当然臨調が出されている内閣の総合調整機能だとか、そういうものにやはりさかのぼらなければならないと思うのです。ところが、この委員会でいつでも論議になるわけですが、そういう機構面の問題になってくると、ほとんど何も出ていない、こういう状況だと思うのですね。結局枝葉のことだけ私ども議論するけれども、全体としての本筋の問題になると、ほとんど議論されてないし、あなた方も提案されていない。これは全く私は遺憾だと思うのです。そういう意味で、臨調の答申というものが六年間もほとんど放置の状態にある。その根幹というのはほとんど実現されておらない。こういうことについて、私どももう一ぺんあなた方に文句を言わなければならなくなってくると思うんです。しかし、きょうはそれは本筋でありませんから、あらためてこれは別な機会にやりたいと思いますが、いずれにしても、いま申し上げるように、これからだんだんやっぱり日本は行政国家の様相を帯びてくると思うんですね。どっちみちにしろ、そうなれば行政が国民生活にまで介入するわけでありますから、許認可あるいは報告その他の事項がふえてくる。あとから私どもは追っかけて、これがいいとか悪いとかと言うことになってくる。そこで、できるだけ事前にやっぱりチェックする体制というものをつくってもらいたいと思う。そういうことについて、長官何かお考えがあれば、この機会に聞いておきたいと思う。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法制局がもともと、たとえば許認可事項の当否についても権限を持っておったのでありますが、戦後法制局からそのことが取り除かれたと承知いたします。したがって、関係省庁独自の案が持ち込まれた場合には、法制的な立場から法理論としての妥当性は判断しますけれども、政策的にその当否を判断することができないという、行政組織としては一つの欠陥かと思います。そこで行政組織法の再検討の機会に、そういう機能をどこかに与える。たとえば行管に与えるというふうなことも考慮をすべきことの一つじゃないかというふうに考えております。
○山崎昇君 そこで、もう一度念を押しておきますが、たとえば臨調の答申で残ったやつ、それから第一次改革で閣議決定された分で残る分ですね、それはおおむね三カ年計画というので、あなたのほうは四十六年まで考えておるようでありますが、一体四十六年度でそれが全部完了するのかどうかという点、それからその後、臨調の答申以後かなりふえておるし、現実にまた第二次以降でもこういう問題について私はふえていると思うんです。そういう内容についてもあなた方検討されていると思うんだが、一体どれくらい現実にふえたとあなた方判断されておるのか。それらについてはどういう時期にどういう形で、これまたこの許認可あるいは報告事項の整理ということを考えられるのか。そういう少し将来の方針になると思いますが、聞いておきたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。 まず第一点は、臨調答申の中で残っているものをどうするかということでございますが、これは先般は監理委員会から意見が出されまして、一ぺん内容をよく説明して、できるものとできないものとの振り分けをしてくれというような意見がございましたので、その作業を進めていきたいというふうに考えております。 それから行改の一次計画と二次計画の中で、一次計画の中で残ったものということでございますが、現在御審議願っておるのは、一次計画、二次計画を合計したものの中でやっておるわけでございますので、これはもう各省庁とも自発的に出してきたものでございますから、この四十六年度までにこれは実施できるというふうに私考えております。 それから臨調の答申後の許認可事項のふえ方でございますが、これは先ほども御説明申し上げましたように、大体五年間で千百件ほどふえております。年間二百件ぐらいずつふえておるわけでありますが、これにつきましても、何といいますか、時の経過につれて不要不急になるものもあり得ると思いますので、これは個別的に監察をする際に、やはり事務の簡素化ということは私どもの一つの目安にしておりますから、いろいろ施策中心の監察をするときには、そういった事務の簡素化についての勧告もいたしておりますので、そういった際に整理をしていく。それから今後の問題でございますけれども、私ども事務当局としては、この事務の整理というものは絶えずやっていかなくちゃならないのじゃないか、大体考え方といたしまして、まず初めに役所の仕事ができる、仕事ができると人をつけなくちゃならない、人をつけると何か組織が要るというようなことでございますので、じみちな考え方としては、まず事務を整理するということのほうが大事じゃないかという考えを持っておりますので、これはいろいろの監察の機会に、事務の整理なり簡素化なり、あるいは簡便なやり方を考えていくということが、やはり監察の一つの大きな眼目になるのではないかというふうに考えております。あらゆる監察をやる場合には、そういった観点も導入して監察をやっていくというふうに考えております。
○山崎昇君 それに関連をして、長官にひとつお聞きをしたいのですが、先日、総理大臣の私的諮問機関である物価安定政策会議から、政府は少し行政的に介入をし過ぎているのではないか、これは物価に関連しての提言であります。こういうことが言われ、そうして総理に対して、経企長官ですか、に対して、行政介入等ある程度やめるべきではないか、こういう提言がございましたね。そこでこの問題について私が調べた限りでは、すでに三十八年の八月ごろに、行管はこういう問題等について監察といいますか、調査といいますか、検討されて、そういう点は廃止をすべきでないか、具体的にいえば、たとえば運輸省のタクシー料金の問題とか、あるいはふろ屋の設置基準の問題とか、いろいろあると思うのです。あると思うのですが、そういう点について行管が三十八年ごろに触れていると私ども聞いているのですが、一体当時どういう検討をされて、どういう内容の勧告を出されて、なぜそれが今日まで守られなかったのか、もしおわかりでしたら説明願いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 物価安定会議が行政介入について提言をしておりますことは承知いたしております。これは総理大臣に答申を、提言をなされた段階でありまして、まだそれが行管の課題としておりてきてないと申しますか、そういう段階でございます。それにしましても、検討すべき課題であることは承知いたしております。行管がいままで監察を行ないましたのは、この物価安定会議が行政介入という角度でとらえて提言をされた、その課題としては取り扱っていないかと心得ますが、いずれにしろ検討すべき課題であるとは思います。したがって、そういう角度から監察課題として取り上げて、監察をした結果、勧告をするというふうな運びになろうかと思いますが、いずれにしましても、まだ日程にのぼっておりません。
○政府委員(岡内豊君) 若干補足をして御説明申し上げますが、昭和三十八年の監察の結果といいますのは、ハイヤー、タクシー事業についてのことであろうと思いますが、当時窮屈な免許制というものをやめて、欠格条項だけをきめて、それに該当しないものはみんな許可するようにしなさいという勧告をしたわけでございます。それでその勧告に対する運輸省の措置といたしましては——それからその増車ワクもきめるなと、一定のワクをきめまして、需給状況を考えまして、そのワクをこえる部分については絶対に認可しないぞというような態度でございましたけれども、そういう増車ワクもやめなさい、そういう考え方をしたわけでございます。それに対する回答としては、免許制度というものはやめられないけれども、従来のやり方は改めますと、現在は実際上許可と同じような運営のしかたになっておりまして、それから増車ワクもきめておらないわけでございます。したがいまして、この物価安定政策会議の結論というものは、現在すでにそうなっておるというのが運輸省側の説明でございます。それからなお念のためと思いまして、私経済企画庁のほうに聞いたわけでございますけれども、個々について料金の認可制の問題については触れておりません。なぜ触れなかったのかということをいろいろ聞いたわけでございますが、内部的には議論はいたしましたけれども、この認可制をやめた場合に必ずハイヤー・タクシーの料金が下がるという保証がどうも得られないというようなことで、これは触れなかったのであるというのが事務当局の回答でございました。 そういった点、過去の監察に関連いたしましたことだけについては、私どもも事情を聞いたわけでございますが、そういうことになっております。
○山崎昇君 私は、三十八年ごろにすでに行管が監察の中で、いまの運輸省の免許、あるいはその他のやり方について、すでにメスを入れられておった。しかし、多少の変更はあったかもしれませんが、ほとんど従前どおりの運営をやってきているから、いまのタクシー料金の問題等をめぐって、物価安定政策会議等では、そういうものをやめなさい、行政介入が多過ぎるのではないか、こういう指摘になったと思うのですね。そういう意味では、せっかくあなた方が先鞭をつけられておるのだが、どうも行政監察について、末梢的なことはある程度それぞれの省は受け入れるかもしれませんが、そうでないような点については無視をされているようなきらいがあるのではないだろうか、私はこう思うのです。 いまあなたから説明ありましたから、この問題の追及はそう深くしようとは思いませんが、いずれにしても、物価の問題とも関連して、許認可の問題は、ある意味では行政介入の問題でありますから、したがって、そういう意味では、監察機能をもう少し発揮してもらって、長官は、まだこっちへおりてこないからやらないんだと、こう言うんだが、そういうことでなしに、もう少し私は、許認可の問題と関連をして、行政介入という問題について積極的な姿勢をとってもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
○政府委員(岡内豊君) このハイヤー・タクシーの問題に関連いたしますのでお答えいたしますが、実は、こういう問題が起こる前に、私ども年間の計画というものを大体考えておりまして、この旅客運送事業の行政監察というものを本年度中にやるということは、年間計画で一応きめておりますので、その点につきましてはなおさらに監察をするという考え方でおります。
○山崎昇君 そこで、今後の行政監察の考え方について二、三お聞きをしていきたいと思うのです。 第一は、行政監察について、いまもちょっと触れましたが、どうも、各政府部内ではあまり好意を持って迎えていないのではないだろうか、よけいなことをするなと言わんばかりの態度もかなり見受けられるのではないだろうか、だから、行管で汗をかきながらせっかくやられたとしても、ごく末梢的なことは多少直されたとしても、なかなか進んでないのではないだろうか、こういう気がするのですが、今後の監察の基本的な方針についてまずお聞きをしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政監察のねらいは、国民一般の福祉に即した公正な立場において対象機関の業務を調査し、これに基づく改善助言を適宜に行政に反映せしめ、主として予防的段階で行政の効果的運営を確保することを目的とするものでありまして、政府の重要施策を中心に、時宜に適したテーマを機動的に取り上げて、当該施策が本来企図したような効果をあげているか、能率的に実施されているかいなかを具体的に把握し、改善すべき点を指摘して、その実現を推進することを本旨といたしております。 なお、行政監察と行政相談業務とを有機的に連係させ、国民各界各層の意見を取り入れる等、行政が国民生活に密着する部面における改善についても力を注いでおる次第であります。まあ要するに、各省庁は監察を受けて勧告をされるということは、当然には望ましいとは思いませんので、毛ぎらいされる傾向があることは御指摘のとおりであります。しかしながら、行政監察をする基本的態度として、一たんきまった行政の方針について、各省庁は大まじめに取り組んでおる次第ではありますけれども、運用の面において、まあ相互に協力的に、ともに行政を能率的に効果的に発揮していくという意味合いにおいては、監察の業務は各関係省庁と協力者であるという態度をもって臨むべきであるとして、そういうふうに誘導しておりますが、その結果として、だんだんと毛ぎらいする傾向は幾らか薄らいだというふうなことを発見するのであります。勧告しました結果について回答を求め、回答が不満なときにはさらに再勧告をするというふうなやり方で、積み上げ方式でだんだんと効果をあげつつあるかと思います。
○山崎昇君 あわせて四十五年度の事業計画の概要でけっこうですが、お知らせください。
○政府委員(岡内豊君) 四十五年度の監察計画の概要でございますが、まず第一は、政府の重要施策を中心とし、国民生活に密接な関連のある問題ということでございまして、たとえば都市基盤の整備を促進するとか、消費者利益の擁護、増進をはかるとか、農林業の近代化あるいは災害の防止等に ついての監察をやりたいというふうに考えておりますが、そのほか、社会経済の発展に即応する行政の体質改善というふうなこともございますので、それから行政運営の近代化、合理化というような問題もございますので、そういったことのための、つまり行政改革の推進に役に立つ調査をしたいということでございます。 それで現在、第一・四半期で手をつけておりますのが、住宅に関する行政監察、それから農業基盤整備に関する行政監察、これを手をつけております。第二・四半期以降につきましては、先ほど申し上げました旅客運送事業その他の問題、若干いま検討中でございますが、いずれにしましても、重要な施策を中心にする監察と、それから行政改革に必要な監察なり調査を進んでやっていくという態度でございます。
○山崎昇君 いま四十五年度のおおむねの方針と、長官から基本的な考え方を聞いたわけですが、ただ私は、新聞に出たからというので言うわけじゃありませんが、私どももいろいろ行ってみますと、地方行政監察局の無用論だとか、それから何か重箱のすみをつつくようなやり方であって、必ずしもこの事務がどうだというよりも、摘発といいますかね、そういうことに力点が置かれるような印象を受ける。だから受けたほうは、何を言っているのだと、こういう感情のほうが先に走っているのだという言い方もかなり聞くわけです。そこで、具体的に受けたほうの方々の意見を聞けば、いま申し上げたような意見が多いわけなんですが、一体長官、いま方針が述べられた項目としては大項目ですね、いま四十五年度の方針を見ても。これを、そういう声をなくするような方向で内部統制というものをやらなくちゃならぬわけなんですが、具体的にたとえばいまあげられた住宅なら住宅でけっこうですが、どういう方法でやられるのか、もう少し説明をしてほしいと思います。
○政府委員(岡内豊君) 方法論でございますけれども、これは本庁のほうで、建設省の事務当局にいろいろ当たりまして、資料の整備もいたしまして、それから現地の調査もいたしまして、詳細な計画、監察実施計画というものをつくるわけでございます。それでこまかな計画をつくりまして、管区の部長会議というものを開きまして、伝達をして、そしてその伝達した中身を管区の部長さんがそれぞれの管区の地方監察局長さんに説明して調査に当たる。その調査結果の報告書、現地の実態を反映した報告書が中央に集まりますので、それを分析検討いたしまして、今度は中央として全国的な視野に立ったところの報告書をつくる、そして勧告をするという手順に相なっております。
○山崎昇君 これは少し古い新聞報道でありますが、去年の十一月の毎日新聞です。これによると、頭から地方行政監察局なんか無用だ、こういうのがある省の幹部の意見だというのです。それから行管もそういうことを何か内部的には考えておるけれども、ただ形式的に勧告する、こういうのが新聞報道で出される。そうすると国民のほうは、こういう委員会でのやりとりなんかわかりませんから、何だ、行政監察局というのは形式的にやっているのか、出した結論についても各省は守られぬではないか、こういう考え方が私は濃厚になってくると思います。あわせて、最近どうも行政監理委員会と行政管理庁というものがうまくいっていない。何か行政監理委員会というものをやっかいもの扱いにしているような風潮もあると聞く。それらと関連して監察行政というものを一体今後強めるのか強めないのか。いまのままで推移していこうというのか、もし強めるとするならば、あなた方はどういう点に注意し、どういう点を改めていこうとするのか。そういうことについてもう少しあなた方の見解というものを聞かしてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政管理委員会と行政管理庁とがうまくいっていないという批評を聞きますが、それは、先日行政監理委員六名が委員長である行政管理庁長官を抜きにして意見を述べられたことに端を発するかとも思いますが、これは別に仲が悪いとか、けんかをしておるとかということではないので、いつかも申し上げましたけれども、行政管理庁長官が入った姿では、ある意見を、示唆に富んだ意見であろうとも、直ちに実行できる案でなければ、意見として、答申として出ない。率直に申してそういう傾向があることはいなめないと思います。それで、実行案をつくり、関係省庁と渡りをつけて、話がまとまったところでぶち上げるということでは時期的に間に合わない。タイムリーに意見を発表するということが困難だということを主眼に置かれての委員長抜きの提言であったかと思うのであります、これは私の想像ですけれども。そういうことがありましても、民間出身の委員の方々と行管とが仲たがいをしているとかということは全然当たりません。全然別個のことであると御理解をいただきたいと思います。 そこで、今後もそういうことは起こり得ると思うのでありますが、そのことが起こったからといって仲たがいをしておるという観測は当たりませんので、願い下げにしたいと思いますが、要するに、毎週一回定例の会合を開き、新規の提案をされる以外にも、行政改革ないしは行政監察につきまして十分の審議をしてもらっておるという状態でございますから、その点は誤解のないようにお願いを申したいと思います。
○山崎昇君 私どもは、何も行管と行政監理委員会の仲を知っているわけでありませんし、どんなふうにやられているのか知りません。ただ、しかし、一般的に私ども受ける印象でいえば、行政監理委員会がいろんな改革案を出す、ほとんどそれが行管庁としては手がつけられない。そこで行政管理委員会は政治的な動きもなされている。いわば行管庁と全く対照的な意見が出されてきて、それで委員の中からはかなり強烈な不満が述べられ、そういうものが新聞によって報道されてくる。こういうことになるから、私どもは現実にその中にいるわけではありませんからよくわかりませんが、受ける印象としては、どうも行管と行政監理委員会というのはうまくいかないのではないだろうか。せっかくあなたの設けた機関だけれども、その機関の運営がうまくいっていないのではなかろうか、こういう感じがするわけであります。そこへ持ってきて、これはけさの朝日新聞でありますけれども、まことに大きい記事で出ている。これを見ると、「仲悪い行監委・行管庁」、「行政改革進まぬはず」、こういう見出しで一流新聞が書かれている。中身にもかなり委員と行管庁とのやりとりが載っておる。私どもこういうものでしか実際の運営がわからないわけです。そこでいまあなたにお聞きをしたわけです。 しかし、いずれにしても、行政監理委員会が具体的に出したことが、ほとんど行管によって実施されないという事態だけは明らかだと思うんですね。そこで、行監委員長というのは、これは審議する側の委員長でありますが、あなたは実施をする責任者でもあります。予算委員会でもお聞きしましたけれども、相反する場合に、あなたはどっちをとるんですか。政府の責任ですからおそらく行管長官としての任務のほうが重いだろうと私は思います。重いけれども、行政監理委員会と食い違った場合、あなたはどういうさばきをするのか。この機関の運営とも関連して聞いておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん、行政監理委員会の意見の発表、提案ということは、将来に向かってある示唆を与えるということであろうかと思いますが、現実には実行できないことが提案されることがあります。たとえば農林省の行政機構の改革は、出血整理を伴わないでの改革はできない道理でありますが、それをあえて提案されることは、実行案としてならば不可能に近いと思われることであろうとも、将来に向かっては、そういう客観的事実に立脚して、農林省の機構改革は必要であるということは、だれしも認識しているところであります。そういうことで、当面の解決課題として受けとめた場合には、実行不可能だということで意見が食い違うことがあります。その場合には実行案としての考えをとるほかにはない。さしあたり、それでしかないという矛盾が出てくることはいなめないことでありまして、それでも、提案された課題そのものは、検討すべき課題としては価値あるものだということで、さっそく検討に取りかかっておる次第であります。そこには何ら矛盾はございません。冒頭に申し上げましたように、行政管理庁長官兼委員長としては、決議に加わっておる以上は実行しなければならない、すぐ実行できないことはやむを得ないという関係に立ちますために、進退両難におちいるような次第でありまして、その辺を監理委員の方々は推察をして、ことさら委員長を加えないで意見を発表された、こういうことかと心得ます。
○山崎昇君 そうすると長官、これから私はやはり行政自体がもっと複雑になり、それからもっと機構なんかも膨大になってくると思うのです。そうすると、いま起きておるような矛盾というものはもっと拡大をされてくる。そういう意味で言うならば、ことばは少し悪いですけれども、あなたの立場というものはマッチポンプみたいなものですね。火をつけておいて片方で消さなければならぬという立場にある。だから、行政監理委員会の委員長を兼ねることをやめて、行政監理委員会という審議なら、意見を具申するなら具申する機関としてまかせて、それを受けてどう行政的に判断をし、どう政治的に判断をして実行するかというのは、行管長官としての判断をすべきだと思う。そういう意味では行政監理委員会の委員長をあなたが兼務することは誤りではないか、むしろやめて、そして行政監理委員会なら行政監理委員会にまかせて、あなたは実行する立場から判断される。こうならないと、これからだんだん私は矛盾が拡大するのではないかと思うのです。どうですか、そういう点について。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおりの理屈にもなろうかと思います。いずれにしろ検討させていただきたいと思います。
○山崎昇君 そこで次にお尋ねしたいのは、私は行政の統制というのは、法律による統制もありますし、司法による統制もあろうと思うのですが、しかし一番やはり肝心なのは、やられる行政みずからが統制をしていくということが大切だと思っている一人なんです。そういう意味では、行政監査というものはますます私は重要性を帯びてくると思うのです。 そこで、昭和三十五年に行管庁の設置法が一部改正になった際に、苦情のあっせんということが入ってまいりましたね。その結果、行政相談委員というのがずいぶん置かれておるのですが、この行政相談委員というのはいまどれくらいの人がおられて、どういう実績をあげられておるのか、あるいはそういう方々はおそらく非常勤だと私は思うんだが、一体どういう待遇措置をとっておられるのか、説明願いたいと思う。
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。 大体行政相談委員の数でございますが、これは平均いたしまして、一市町村に一人ということで、三千六百名ほどおります。 それから活動状況でございますが、大体この制度ができましてから行政相談の件数が飛躍的に発展いたしておりまして、大体十一万件から十二万件くらいの年間件数があがっておりますが、そのうちの大部分は行政相談委員さんのところにくるという状況でございます。 それから身分でございますが、身分は、これは行政相談委員法ができますときに、国家公務員にあらずということになりましたので、現在では、何といいますか、委任者と受任者の関係にある、委嘱するというようなことで、身分的には非常勤の国家公務員ということには相なっておりません。 処遇でございますが、処遇は、したがいまして、実費弁償金ということで、毎年少しずつ増額をお願いしておりますけれども、本年度は年間四千五百円、昨年度は四千百円でございましたが、四百円ふえまして四千五百円と、こういうことになっております。非常にわずかな金額でございますので、私ども今後増額には努力したいと思っておりますが、以上そういうような状況でございます。
○山崎昇君 この制度ができてから、私どもはいろいろ聞いてみると、まだまだ問題点はあるにしても、かなり評価されている面もあると思うのです。そういう意味でいまお聞きをしているわけです。 そこで、一市町村に一名で三千六百名くらい、年間四千円くらいの実費弁償と、こう言うのですが、これは私は、まことに仕事の性質からいってきわめて低額過ぎるのではないだろうか、もう少しきちんとした制度にする必要があるのではないか。 そこで、関連してお尋ねをいたしますが、この臨調の答申を見ますと、苦情の処理あるいはあっせんといいますか、こういうものについてかなりな論議がかわされたと私ども聞いているのです。そこで、今後行管としては、こういう苦情の処理というものを現状のままで押していくのか、あるいは臨調の第三専門部会の第二分科会で行政手続に関する報告というのが出されておるのだが、そういうものとの関連から、この行政相談委員といいますか、苦情処理といいますか、こういうものの発展強化といいますか、そういう点についてお考えがあれば、この機会に聞いておきたい。
○政府委員(岡内豊君) ただいまの行政相談制度全般の将来の問題でございますが、これは先般行政事務運営の改善に関する閣議決定というものがございまして、各省庁の窓口にもこういう行政相談の窓口を開けと、こういうことに相なっております。それから最近は各省庁ともいろいろな消費者モニターとか、それに似たような制度をつくってきておりますので、将来の行き方といたしましては、私どものほうは、そういった各省庁の窓口とも密接に連絡をとりながらやっていくということのほうが大切なのではないかというように考えております。したがいまして、この相談委員さんも、そういう各省庁のモニターだとか、あるいは人権擁護委員だとか、民生委員、そういった方々との連絡を緊密にいたします上においての中核になる、中心になって動いていくというようなことを考えていかなくちゃならないのではないかということで、現在各省庁の行政相談の連絡担当者会議というものが、これも閣議了解でできておりますので、そういった会議を通じまして、各省庁と密接に協力をしながらこの制度の発展につとめていく。行政相談が何も私どもの専売特許ではございませんので、今後そういったことも各省庁で取り上げていくということが大切ではないかと思います。したがいまして、私どもの扱う案件というのは、各省庁にいろいろ関連しておって、そのためになかなか解決できない問題を中心に取り上げていったほうがいいのではないかというふうなことも実は考えておるのであります。 以上でございます。
○山崎昇君 そこで、重ねてお尋ねしておきたいのですが、昭和三十五年五月に行管庁訓令第一号、「行政苦情あっせん取扱要領」というものが出されております。おそらくこれによっていまもやられておると思うのです。そこで、臨調が答申された中に、統一的な行政手続法を制定してはどうかという意見があります。こういうものと関連して、三十五年の訓令というものは生きていると思うのですが、この手続法的なものについて、どういうふうにお考えになるか。だから私はこの苦情処理について、いまのままの、あなたの説明だけでは、だんだん行政が複雑になっていく、専門化していくという状態からいけば、苦情はふえこそすれ減ることはあり得ない。そうすれば、各省でモニター制度をもちろんやっておりますが、しかしこれとても満足な状態ではありません。そういう意味では、この苦情処理の考え方というのは、行政監察の中でもかなりのウエートを占めているのではないか、こう思うものですから、統一的な手続法をきめたらどうかという臨調の考え方について、どう考えられるのか、お聞きをしておきたい。
○政府委員(岡内豊君) 行政手続法についての御質問かと存じますが、行政手続法そのものにつきましては、これは監察の直接の所管でございませんけれども、大体あれをつくりますというと、かえって行政が複雑になるのではないかというような批判もございまして、あまり内部的な検討が進んでおらないように思います。ただ、この相談業務につきましては、非常に関係各省庁多うございまして、個々の相談委員さんも、具体的な相談を受けた場合に処理に困るというようなこともございます。したがいまして、何かそういった場合の手続というものをきめたほうがいいのじゃないかということはございますが、それよりも前に私どもとしては、やはり行政実例というものを、相談の解決、あっせんの事例というものを幅広く集録いたしておりまして、各委員さんに配付する。それを見ていただけば、大体交通事故にあった場合にはどうしたらいいかというようなことが全部わかるようなもの、そういったものをつくりたいということで、そういった作業を実はやっておる段階でございます。ただ一般的な手続法をつくるかどうか、あるいは行政不服審査法みたいなものというところまでまだ進んでおりません。そういうのが実情でございます。
○山崎昇君 重ねてお聞きをしておきますが、さっき質問した行政相談委員というのをもっとふやす、あるいは待遇関係を改めて、もう少しきちんとしたあっせんをやらせるとか、そういうお考えはありませんか。
○政府委員(岡内豊君) 処遇の点につきましては、全く先生のおっしゃるとおりでございますので、私どものほうといたしましては、この処遇の改善については毎年毎年予算的に努力をしていきたいというふうに考えております。それから人数の問題でございますが、たとえば東京都の区のような広いところに二人しかいないのは少ないじゃないかというような御議論もございますので、これも全体的に検討いたしまして、若干の増員をするかどうかというようなことも検討はいたしたいと思っております。ただ一応当初これを設置いたしますときには、当初の目標といたしましては、各市町村には一人ずつというようなことで一応その計画が達成された状態になっておりますので、今度はまた新しい考え方なり何なりを盛り込みまして、何年計画かで増員を要求していくというよなことにしないといけないということで、四十五年度には増員の要求をしておらないわけでございますけれども、これは内部的に検討いたしまして、何とか措置を講じたい、かように考えております。
○山崎昇君 それでは長官に最後に行政監察について、私は行政事務の流れ、それから行政サービスを受ける住民の立場からいろいろ出る苦情の処理等々の問題から考えると、この行政監察というのは、これから行管の中では私はかなり重要性を帯びてくるであろうし、持たせなければならぬ問題ではないか、あわせてこの行政監察というのは、単に指摘をするばかりではございませんで、行政事務を執行した限りにおいては、それがどういう効果をあげているのかという行政効果の測定まで含めてやらなければ意味がないのではないか。そしてそれをやるからには、当然この機構がこれでいいのかどうか、それからこれにふさわしい人員かどうか、いわば事業量と定員との関係までもだんだん私は入ってくるのではないかという気がする。いまの行管のやり方みたいに、そういうことを一切やらずに、ただ定員だけ何人削ればいいのだというやり方だけでは、もう行き詰まっているし、また今後の行政改革は行き詰まるのではないか、そう思うので、行政管理庁の中における行政監察というものについて、長官としてどういう見解をお持ちなのか、長官として、これはもっと強められるという考え方を持っておるのか。その点最後に長官の見解を聞いて、時間がきているようでありますから、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政監察は、行政がほんとうに簡素合理化、しかも行政サービスを有効に作用しておるかどうかということを監察する建設的な態度でなければならないと思うのであります。そこで先刻も申し上げましたように、行政監察をするについては、監察される関係省庁と手を取り合って、ともに改善に資するという態度でなければなりますまい。さらには監察をする側は、監察される側よりももっともっと勉強してやるのでなければ、適切な勧告等を生み出すことは困難であろうということで、極力その態度を堅持すべきことを監察局長会議等においては申しておるところであります。三年間に五%削減するということのために、率先して削減しておりますが、正直なところ、少数精鋭とはいいながら、幾分手不足ではないかということも考えないわけではございませんけれども、当面うんと勉強して、一騎当千の意気込みをもって事に当たるということでやっていかなければならぬという立場にあるわけでございます。要は、行政監察の使命が、ますます行政が複雑になるに従って重要であるということは私も痛感しておるところでありまして、あらゆる面について十分検討を加え、善処いたしたいと思っております。
○中尾辰義君 それでは質問が多少重複している点もありますが、よろしくお願いいたします。 一番最初に、許可と認可と免許、こういう用語があるわけでありますけれども、これはすべてが国民の権限に関係のあるものであります。ところが、実際にはこの用語が明確に区別されておらない感じがするわけです。ですからこの際に許可と認可と免許、この用語は一体どういう意味があるのか、この辺からひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) 許可、認可、免許の相違が一体どういうことであるかということでございますが、これは行政法の学者の一般的な定義、先生方の一般的な定義によりますと、許可とは、一般に法令でもって禁止された事項、行為を解除して適法にこれを行ない得る行政行為である。たとえば医薬品の製造業の許可あるいは火薬類譲渡の許可、そういったものがこれに該当いたします。 それから認可とは、法律的行為を補充いたしまして、その能力を完成させる行為である。したがいまして、認可がないと法律上の効果が発生しない、こういうものでございまして、これはたとえば公益法人の定款変更の認可というものがこういうものに該当いたします。 それから特許、免許といいますのは、学問上は、特定人のために新たに法律上の権利を、あるいは国で保留しておった行為をできるようにしてやる、権利を付与する行政行為である、こういうふうにいわれておりまして、たとえば鉄道事業の免許とかガス事業の免許とか、そういうものがこれに該当するわけでございます。 しかしながら、これは学問上の区別でございまして、実際の法律を見てまいりますと、その辺に若干の混同がございます。たとえば許可とすべき場合に認可と称しておるもの、これが放送法四十三条一項にそういうことがございます。それから認可とすべきものを許可としておるもの、これは軌道法にそういうものがございます。これは私考えまするのに、大体大陸法糸によっておりました戦前は、そういう点を法制局もきびしく審査をしておったようでございますが、戦後英米法が入ってまいりましてから若干乱れてきたという感じを私個人として持っております。それで非常に何といいますか、整理をされていないというふうなのが実情でございますが、これを将来統一するということになりますというと、各種の法令、現在ある何千、何万という法令の全部の条文を一々検討して直していかなければならない、ちょっとこれは物理的にむずかしいのではないかという感じを持っております。それで先ほどもいろいろ許認可等を制定する際に、これを何かチェックする機関というか、チェックする方法を考えたらどうかということでございますが、そういう部局ができましたならば、今後できるものについては整理をしていく、そういうことの内容をはっきりさせていくということができるようになるのではないかというふうに考えております。
○中尾辰義君 あまり答弁が御親切で、私が聞こうというものを次々とおっしゃるわけですけれども、私は意義はどうかというように聞いたわけです。それでいまあなたがおっしゃったようなことが実情なんですね。 それから、確かに許可、認可、免許、この用語の意義は違うわけであります。そこであらためて申し上げますけれども、放送法の第四十三条の第一項は、「協会は、郵政大臣の認可を受けなければ、その放送局を廃止し、又はその放送を十二時間以上休止することができない。」、このように規定をして、特定の場合に、一般的禁止の解除を認可といっておる、この場合は、これは先ほどの用語の意義から言いますと、明らかに認可ではなしに許可のほうが適切ではないか、こう思うわけです。さらにあなたがいまおっしゃったように、軌道法の第十五条、これは、「軌道経営者ハ主務大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ニ限リ特許ニ因リテ生スル権利義務ヲ他人ニ譲渡スルコトヲ得」と規定しておる。これは法律的効力を補充する場合なのに許可という文字を使っておる。この場合は認可のほうが適切ではないか、こういうことになるわけですけれども、その点あなたのいまの答弁を聞きますと、非常に数字的に膨大なものになるので整理がむずかしいということ、そうしますと、これはいままで法令化したものはしようがない、こういうわけですね。そういうことになると思いますが、それから今後新しく出てくる法令は、この点をはっきり整理をする、こういうことですか、その辺をもう一ぺん答弁してください。これは法律を勉強する者、解釈するのに非常に混乱するわけです、こういういろいろの用語を使いますと。ですから私は最初にこれを聞いておるわけです。
○政府委員(岡内豊君) 現在認可とすべき場合にそれが許可になっておるというようなのが若干あるわけでございますけれども、そのものにつきまして、その部分だけについての法律改正をするということは、あまりこれは実益がないというふうなことで、実際にはそのまま行なわれておるということではないかと思います。それを将来の問題として、そういうチェック機関ができれば、その辺の整理はだんだんできていくんではなかろうかということを申し上げたわけでございます。いますぐそのことのためにだけ法律を一々いじるというのはどうであろうというふうに考えるわけでございます。
○中尾辰義君 それならば将来のために、またこういうことも、これは各行政官庁に勧告をする必要があるんじゃないですか、こういう間違った用語を使いなさんなということを。その点はいかがでしょう。
○政府委員(岡内豊君) 間違っておるから違法であるというふうにまではなっておりませんので、そういうわざわざ改正する必要もなかろうかということでございます。
○中尾辰義君 これはそれではこれくらいにしておきましょう。 次に、いま山崎君のほうから臨時行政調査会の答申に基づく許認可の件数の整理の件についてお話しがございましたが、結局いま残っておる分は、臨調の答申に基づく三百七十九件の整理、この中で残った分が、いまだ整理されていないのが百七十件、これと、その後行政改革三カ年計画で、一次、二次、これを合わせまして三千二百七十七件を行なうことになっておる。それは四十六年度まで四カ年計画、年次計画でこれを実施する、こういうことですね。四十四年度までに、四十三年、四十四年度で許認可関係と報告関係、合わせて二千四百八十二件を整理するけれども、四十四年度末に千九百七件、残りが五百七十五件、これを四十五年以降にやると、そこで今国会で八十九件がいま提案をしてある。整理をすると、こういうことですね。なぜこれはおくれておるのか、一方的にはいかないと思いますけれども、この辺の事情をもう一ぺん説明を願いたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) おくれております事由といいますか、本年度までの計画の中に入っておって、本年度できなかったもの、これは特に法律事項でございますが、これは十八事項ございます。これは他の制度とあわせて処理すべきであるというふうなことで繰り越しになったもの、それから審議会等に諮問しておりまして、その答申が出ていないもの、そういったものが繰り越しになったということでございまして、これは繰り越しになったからもう改めないのだということではございませんので、これは四十五年度分として処置していただくということで、各省庁と折衝しておるわけでございます。
○中尾辰義君 ですから四十五年度でできないものをそれ以後ずっとやるわけでしょう。残った分は……。
○政府委員(岡内豊君) そのとおりでございます。
○中尾辰義君 それで、いまさっきもお話がありましたように、行革三年計画でいまの件数が、各省の総点検をして出たわけですけれども、行管庁独自でさらに特に調査をすれば、若干まだ整理をすべき件数が出てくるんじゃないかと思うのですが、そういう考えは行管庁にはありませんか。
○政府委員(岡内豊君) それは先ほどもお答えいたしましたように、私ども監察の立場としては、やはり事務の整理、簡素化ということがやはり一つの大きな眼目になっておりますので、今後監察を進めていく上におきまして、やはりこういった観点からのものを見ていくということをやりますので、この計画の中にない事項も今後出てくるかと思います。それからもう一つ、私ちょっと気がついておることでございますけれども、この三カ年計画というのは、各省庁がそれぞれ独自の立場で出してきておりまして、若干歩調のそろってない面もなきにしもあらずというような点もございますので、この点は今後事務的に検討いたしたいと、かように考えております。
○中尾辰義君 それから、次にお伺いしたいのは、今回の法案で許認可等が整理をされた場合、その対象人員なり処理件数が特に激減するものはどういうことになりますか。それをひとつ参考に聞かしていただきたい。
○政府委員(岡内豊君) 事務なり、それから国民負担の画期的に何といいますか、軽減になるという例でございますけれども、たとえば、これは単独法で処理いたしておるものの中に戸籍法の一部改正とか、旅券法の一部改正、農地法の一部改正がございます。これなどは国民に対する規制を廃止し、あるいは緩和するものが、この中でも三十一事項も含まれておりますというものがありますが、これは単独法でやるものでございますけれども、整理法の中でも、たとえば予防接種法の改正によりまして、腸チフス、パラチフスの定期の強制的な接種はやめますが、こういうことになりますと、大体、国民の約八千万人の該当する人たちが毎年強制的に予防接種をしなくちゃならないというたてまえになっております。現在その実績を見ますと一千万人足らずでございますが、こういったことが非常に簡素化される。国民の側からも簡素化されますし、これは市町村の事務も非常に軽減する、こういうことになっております。それから、船舶職員法の改正によりまして、最近レジャーブームでいろいろ小型船舶の操縦の免許試験というものが、免許を受けたいという者がたくさんふえてきております。これは年間約一万二千人くらいおります。これは一定の設備の整った講習所を出れば学術試験を免除する、こういうことになっておりますので、これは約一万二千人の方方が負担の軽減になる、こういうことでございます。 それからまた質屋営業、古物商関係の改正で帳簿の廃棄を、これは従来、所轄警察署長の何といいますか、承認によらしめておったわけでございますが、これは数にいたしますと、両方合わせて二十二万件くらいでございますが、そういった方方の負担が、これを廃止するわけでございますから、非常に負担が軽減される、こういうことでございます。そういったものが、この整理法の中ではおもなあれだろうかと思います。
○中尾辰義君 わかりましたが、それではこの許認可に関係して、タクシーの免許のことですが、これは非常に個人タクシーの申請も多いし、また利用者のほうから案外これは評判もいい、非常に親切である。ですから、個人タクシーの申請もかなりあるわけです。一方においては、運転手の不足ということで、タクシー業者は非常に運転手が手不足で困っている。こういうような状況で、このタクシーの免許につきましては、行管庁はどういう態度で臨むのか、この辺のところをちょっと将来の方針なり聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) タクシーの免許でございますが、これは先般も山崎先生から御質問ございまして、私ども昭和三十八年に勧告いたしましたときには、個人タクシーも免許を与えなさいという勧告を実は中に含めておったわけでございます。それ以後、個人タクシーがだんだんふえてきたというのが実情でございますが、最近の運営の状況を運輸省に聞いてみますと、増車ワクも何もきめてないから、資格のある者はだんだん免許をしていくのだ、こういうふうな基本方針でおりますという説明でございますが、実態を若干聞いてみますというと、たとえば東京の陸運局では五千件くらいたまっておるわけでございます。月間の処理能力が三百件くらい、これも従来は百五十台であったのを、倍に努力をしてしたのだ、こういう説明でございます。これを、五千件を三百で割ると、一年七、八カ月かかるということで、これではちょっとぐあいが悪いということで、先ほど申し上げましたように、運送事業に関する行政監察というものが、私ども四十五年のテーマの中に入っておりますので、ひとつこういった点についても監察をすべきでないだろうかということで、ただいま内部的に検討中でございます。
○中尾辰義君 それでは、最後に一つだけお伺いしますが、これは先ほども質問がありましたが、監察局の勧告の問題ですが、山崎君のほうから質問ありましたけれども、どうしても行政官庁は、勧告に対して、どういいますか、もう一つ真剣でないような感じもしているわけです。あなたのほうから数多くの勧告を出して、その勧告というものが非常に効果のあったようなものもありましょうし、勧告はしたけれども、もう一つ追い上げられてない、効果があまり出なかった、そういうようなケースがあろうかと思うのですが、数字的な、統計的なものがあれば一番けっこうだと思うのです。なお具体的なケースをあげて、こういう勧告は非常に効果があった、こういうものは出したけれども、さっぱり馬耳東風で取り上げてくれないというようなものを、具体的な例をあげてひとつ説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) 勧告の効果でございますが、先ほども大臣からお答えいたしましたように、私ども勧告をいたしました場合に、期限を切って、改善措置についてどういうふうに考えるか、とった措置の回答を求めております。それでその回答の中で、たとえば御趣旨の線に沿って検討したいとかいうような抽象的な回答の場合には、さらに六カ月ないし一年くらいたったときにもう一ぺん再照会をいたしております。それで大体改善の措置は実現する。それでもなお直らないという面が現実にございます。そういったものは、一応全部いろいろな監察でそういうものが少しずつ出てございますから、そういったものをまとめて、三年に一ぺんくらい推進監察ということもやっております。 それから、そういったことで勧告の効果の確保に私どもとしてはつとめておるわけでございますが、統計的に申し上げますというと、これは昭和三十年度から統計をずっととっておりまして、改善したもの、措置のできなかったもの、いろいろ分けまして統計をとっておりますが、大体監察の計画の数といたしまして、これ十何年間の統計でございますが、百九十三計画、それから、勧告の事項数にいたしまして四千八百五十四という事項がございます。それでその改善済みになったものが三千八百五十五、それから、一部改善されたものが三百四十九、こういうようなことになっておりまして、大体一部改善を含めますと八五%は改善されておるというふうに私ども考えておるわけでございます。それで、改善されない原因というのは、なかなか改善の進まないものといいますのは、一般的に申し上げますというと、これは各省庁の利害が対立しておって、なかなか話し合いがつかないというようなものが、これがどうも解決しにくい。それから、膨大な予算措置を必要とするというふうなものがなかなか実現がむずかしいと、こういうふうな実情に相なっております。 で、若干具体的に例を申し上げますと、たとえば、これは昭和四十年の九月の勧告でございますけれども、医療機関に関する行政監察というのを行ないました。これは国立療養所の中には、結核病棟として患者数も減って、非常に何といいますか、空床を生じておるものがある。こういったものにつきましては、それは結核性の病棟ですね、精神病棟とか、そういったものに切りかえたらどうであるかという勧告をいたしておりますが、その勧告に基づきまして、昭和四十一年に三億六千万円ほどそういう切りかえの予算がついております。これは年々ふえておりまして、四十五年には八億の予算がついておるというふうなことで、これは国立療養所における重症心身障害児の施設でございますけれども、そういったもので、徐々に勧告の効果があがってきておると、こういうふうに考えるわけでございます。 それから、義務教育の条件整備に関する行政監察というのを四十年に実施いたしまして、そのときにいろいろ調べてみますと、校舎そのものについては国の財政措置がございますけれども、校舎よりも用地の取得について市町村は非常に困っておるというふうなことでございまして、これにも何らかの財政措置が必要なんじゃないかという勧告をいたしました。その勧告に基づきまして、土地の分として起債のワクが初めて昭和四十二年度に十億ほどつきまして、これがだんだんふえまして、昭和四十四年度は五十億になっております。それで、四十五年度——本年度でございますけれども、これは過密地帯における義務教育ということの監察でもって、東京周辺あるいは大阪近辺の市町村が、やはり何といいますか、団地ができるに伴いまして学校を三つも四つも建てなくちゃならない。土地の問題が非常に負担し切れないというようなことがございまして、これも勧告をいたしまして、その結果、四十五年度は一挙にこのワクが三十億ふえまして八十億になっております。それから償還期限が十年でございまして、十年ではとても払い切れないわけでございます。これは償還期限をコンクリートの建物につきましては二十五年、それから木造の建物につきましては二十年というふうに期限を延ばしております。 以上、若干例を申し述べまして終わりといたしたいと思います。
○中尾辰義君 実は監察局の問題につきましていろいろ批判が出ておりますから、若干勤務評定の意味で私は聞いているのですから、これ、いい面もあると、ただし、こういう点がまずいじゃないかということで、先ほどから委員会は激励されているのですから、そういう意味であなた答えてもらわなければ困るのです。 最後に、いま行行監理委員会の委員長が荒木長官で、行管庁の長官が荒木長官、荒木委員長が荒木長官に答申をする、これも話があったのですが、ほかにもこういうふうに類した組織、機構が私はあると思うのですが、なぜこういうふうになっているのか、この点私も前国会でも質問したわけでありますけれども、答弁がはっきりしなかった。たとえば総理大臣が何らかの審議会の会長か何かをやって、総理大臣にまた答申する。これはどのくらいあるのですか、こういうケースは。いまわかっておりましたら、詳細でなくてもいいですから、少し答えてください。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問の点は、諮問をする者と、それを受けて答申する審議会の会長が同一の大臣であるものということかと思いますが、こういう種類の審議会はかなりございまして、例を申し上げますと、総理府の科学技術会議、あるいは法務省の法制審議会、農林省の農業共済再保険審査会等々でございます。ただいま申しました例を申しますと、科学技術会議は、諮問者が内閣総理大臣でございまして、会長が内閣総理大臣でございます。また、法制審議会も、諮問者が法務大臣でございまして、会長が法務大臣でございます。また、農業共済再保険審査会は、主務大臣が諮問いたしまして、農林大臣が会長でございます。これに類するものは農業資材審議会、これはやはり諮問者が農林大臣でございまして、会長が農林大臣でございます。ただいまのような部類の中に御指摘の行政監理委員会が入るわけでございまして、諮問者が行政管理庁長官でございまして、会長は行政管理庁長官でございます。
○中尾辰義君 これで終わりますから……。いまお話ししましたが、そういうように数多くあるわけですが、それは一ぺんひとつなるべく私は分離をしたほうがいいと思うのですが、何らかの理由でそうなっているのだと思いますが、その辺ひとついろいろ検討をして結論をつけてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 検討をいたしますが、先ほど御質問に対しましてお答えしましたのですが、行政監理委員会の委員長を行政監理庁長官が兼ねておるその予盾、不便というようなことを申し上げましたけれども、これは形式論を申し上げれば、行政監理委員会の議決は多数決によるとありますから、行政管理庁長官が執行部の代表者でありましても、多数決によったからしかたがないと、形式論としては言いのがれはできます。ですけれども、実体的に考えまして、どうか知らぬという疑問がありますので、先刻のようなお答えを申したのであります。いずれにしろ検討さしていただきます。
○委員長(西村尚治君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。 午後一時まで休憩いたしますが、午後一時の再開時間は厳守したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 午後零時十九分休憩 —————・————— 寺 午後一時八分開会
○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明を聴取いたします。中曽根防衛庁長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容について御説明いたします。 この法律案は、防衛庁設置法のほか、自衛隊法並びに防衛庁職員給与法の一部改正を内容としております。 法律案の概要を申し上げますと、防衛庁設置法の一部改正は、自衛官の増員及び審議会等の統合、改組のためのものであり、自衛隊法の一部改正は、准尉制度を新設し、予備自衛官を増員するためのものであり、防衛庁職員給与法の一部改正は、准尉の俸給月額を定めるためのものであります。 さらに、法律案の具体的内容について御説明いたします。 防衛庁設置法の一部改正は、第一は、自衛官の定数を、海上自衛隊五百十人、航空自衛隊四百七十四人、計九百八十四人増員するための改正であります。海上自衛官の増員は、艦船の増加に伴い必要となる人員並びに航空関係の部隊、後方支援部隊等の充実のため必要となる人員であり、また、航空自衛官の増員は、ナイキ部隊の新編並びに航空保安管制等の部隊の充実のため必要となる人員であります。 第二は、現在、防衛施設庁の付属機関として置かれている中央調達不動産審議会と、被害者給付金審査会とを統合して防衛施設中央審議会とし、その組織、所掌事務等を整備するとともに、防衛施設局の付属機関として置かれている地方調達不動産審議会を防衛施設地方審議会に改めるための改正であります。これは、政府の行なう行政改革の一環として審議会等の統合を行なうとともに、防衛施設の運用による障害に関する事項についても広く学識経験者の意見を徴し、民意を反映させることをねらいとしているものであります。 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。 その一は、自衛官の階級として、一曹と三尉の間に、准尉の階級を設けるための改正であります。この准尉制度の新設は、自衛隊の部隊等の効率的な運用と、人事の適正な管理とをはかる必要から行なうものであり、あわせて曹の階級の自衛官の処遇改善を目的とするものであります。 その二は、自衛隊の予備勢力確保のため、陸上自衛隊の予備自衛官三千人、海上自衛隊の予備自衛官三百人、計三千三百人を増員して、予備自衛官の員数を三万六千三百人とするための改正であります。なお、海上自衛隊の予備自衛官は、今回新らしく設けられる制度であります。 最後に、防衛庁職員給与法の一部改正について御説明いたします。 これは、准尉制度の新設に伴い、准尉の俸給月額を定めるための改正であります。 以上、法律案の提案の理由及び内容を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。
○委員長(西村尚治君) 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 —————————————
○委員長(西村尚治君) 国の防衛に関する調査のうち、日本原演習場における実弾射撃問題に関する件を議題といたします。 御質疑の方は御発言を願います。
○矢山有作君 実は、きのう内閣委員会のほうから現地調査に行ったわけですが、その報告書がまとまらぬ段階でありますけれども、まだ私どもの印象の新しいうちに一、二の問題点について御質問を申し上げておきたいと思います。 まず、質問にあたって申し上げておきたいと思いますのは、一点としては、今回の私の質問は、国の防衛そのものを問題にして議論しようとしておるのではありません。それはまたの機会にやります。きょうの私の質問は、日本原演習場の拡張そのものである去る二十一日に行なわれた実弾射撃実施の中に、防衛庁なりあるいは自衛隊の中に、かつての軍あって国民なしというような危険な考え方の芽ばえを感じますので、そうしたことがあってはならぬという考え方から、深く今回の行為に反省を求め、今後このようなことのないようにということから質問をするわけです。 それからさらに二点目としては、日本原地域の住民は、明治四十一年、陸軍の演習場として強制買収されましたが、それ以来、忍従をしいられ、それに甘んじてきたのであります。かつまた日清、日露の戦い以来、数多くのこの地区からは犠牲者が出ております。地区の住民は本来従順素朴であり、一般的には保守色の濃厚な人々であります。その住民の中に、特に演習場の拡張に反対する住民の中に今回問題が起こった。こういう点を心にとめておいていただきたいのであります。これは善良な日本国民である、こういうことを心にとめておいていただいて、私の質問に答えていただきたいと思います。 まず、お尋ねしたいのは、長官は四十年の七月に結ばれた日本原演習場使用協定の第五条ただし書きというものをどういうふうに解釈しておられるか、この点が伺いたいのであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は、詳細は政府委員をして御答弁いたさせます。
○政府委員(江藤淳雄君) 御指摘の第五条は、「この演習場地域内において自衛隊の使用する武器は、通常部隊装備の火砲火器とする。但し、東地区における実弾射撃は諸般の情勢が整い、関係地元町当局との相互了解に達するまで実施しないものとする。」、この本文につきましては、現在も大体通常の火器しか使っておりませんので問題はないと思います。御指摘の点は、おそらくこのただし書きの点であろうと思いますが、従来この演習場は、主として西地区を使っておったわけでありますけれども、全面使用という意味で東地区というものを使いたいということで、今回のいろいろな問題があるわけでございます。で、東地区は従来からいろいろ問題がございましたので、全面使用いたしていなかった。で、この「関係地元町当局との相互了解に達するまでは実施しない」、これは実弾射撃でございますが、この場合におきましては、先般町当局におきまして、町議会で、東地区も五条ただし書きの規定にかかわらず使用してもかまわないという議決がございましたので、われわれとしましては、町並びに町民の使用の理解が得られたという判断のもとに、五条のただし書きにかかわらず、今回の実弾射撃が実施できるという情勢になったと判断いたしたのでございます。
○矢山有作君 長官も同じように、町議会で決議をされたから、地元のいろいろな問題は了解点に達して、もう射撃してもいいんだというふうに、同じようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この第五条を読んでみますと、「但し、東地区における実弾射撃は諸般の情勢が整い、関係地元町当局との相互了解に達するまで実施しないものとする。」、こうありますから、契約に関する限りは、協定から見ますと、当局との相互了解というようにもうかがえるので、法律的に見ますと、議会や町長さんが了解すれば、一応この協定違反ということにはならないと思います。しかし、政治的にはできるだけ地元の人々の了解を得て、円満に行なうことが望ましい、そういうように考えます。
○矢山有作君 まあ自衛隊のほうは、実弾射撃をなるべく早くやって、演習場の拡張をはかりたいということから、第五条のただし書きというものを、いま聞きますと、形式的な解釈によって解釈をして、それで実弾の射撃に入ったのだろうと思うのです。そこで私はこの際詳しいことは申し上げられませんが、ごく最近の経過がどうなっておるかということを、地元の人間から十分調査してまいりましたので、そのことを概略申し上げて、そういう情勢の中で、このただし書きをたてにとってやることがいいのか、悪いのかということを私は長官に御判断願いたい、簡単にできるだけし上げます。 最初、関係部落の住民がずっと、従前演習場の拡張には反対をしておったわけです。そのことは御承知のとおりでありますが、その反対の中を、まず四十年の七月に、日本原演習場使用協定という、いま私が問題にした使用協定が結ばれました。で、従来演習場拡張の賛成、反対に分かれて激しく対立しておったのですが、この使用協定を結んだことによってさらに深刻化してきた。そうしてそういう中で、四十二年の二月の選挙で、いまの町長である久永氏が町長として就任をいたしました。それとともに、地元住民の意思を無視して、町当局が強力な演習場拡張運動を展開し続けたのであります。さらに四十四年の八月一日に、そういうようなことをやりつつ、奈義町議会が帝国憲法復活決議を十対七で可決いたしました。これはその当時週刊誌に騒がれた問題ですから、御記憶の方もあると思う。昭和四十四年九月十八日に防衛庁長官が日本原視察にこられたようですが、そのときに久永町長は長官に向かって、ことし中に地元利害関係者を納得させ、東地区への実弾射撃ができるようにいたしますと約束をしたわけです。さらに引き続いて四十四年の十二月の二十日に、選挙運動のために岡山入りをされた防衛庁長官は、町長がそういうふうに言うのだからということで、日本原の全面使用については、地元との話し合いが進んでいるので部隊を増強すると公表されたようであります。さらに久永町長は、以上の経過の中で、四十四年も押し詰まってまいりましてから、東地区への実弾射撃実施について了解を得たいから、部落総会を開いてほしいと、関係五部落へ申し入れました。ところが関係五部落は、すべてそれを拒否いたしましたが、ただ成松部落だけが一応話を聞いてみようということで、町長が成松部落に出向きまして話し合いをやったようです。 そのときの話の内容というのは、町長が言ったのは、十二月の二十一日に絶対試射をさせたいので部落として了解願いたい、こう言ったようであります。ところが、これは全面拒否されまして、したがって試射はどうにもできない、できなかったという状態におちいったわけです。明けて四十五年一月の四日になって宮内部落が、町長の言う会合を持ってひとつ話を聞いてみようということになりました。そこで町長は大いに喜びまして、町長以下が、町当局が四名、自衛隊側は中部方面総監部第四部長以下七名、県庁側が三名、これが大挙して宮内部落に出向きました。そこで午後の三時から午後の八時まで約五時間にわたって話し合いをしたのであります。しかしながら、どうにも部落の住民の納得が得られない。そういう状態の中で、初めて自衛隊の人々は、町長が言っておることと関係部落の住民の意向は全く違うのじゃないか、この中に大きな断層があるのじゃないかということを感ぜられたようであります。そこで自衛隊の方からの発言といたしましてこういうことが言われております。「東地区への実弾射撃は皆さん方の了解のないのに強行することはありません。昭和三十九年三月自衛隊の行政財産になってから六年、強制力を使ってでも東地区への実弾射撃をすると言ったことはありません。実はいままで私たちは町長さんとお話ししておれば皆さん方と話し合っていることと同じだと思っておりました。きょうの皆さん方のお話を聞いていて、これは大きな間違いであったことがわかりました。総監部へ帰って皆さん方のお話をよく伝え相談し直してきます。そのときは町長さんをまじえないで直接皆さん方とお話し合いをしたいと思います。どうかこれっきりもう話し合う必要はないなどといわないで、また会ってください」、こう言って自衛隊の方は引き上げられたそうであります。 そうなりますと、直接現地に関係のある中部方面総監部としては、町長の言っていることは、地元部落の住民には全然無関係であり、その意向を全くくんでいないということを十分この時点では承知をなさっておったはずだと私は思うのです。そういうような事情を了解しておる中で今回の射撃が強行されたという背景が一つあるということを頭に入れておいていただきたい。 ところで、町長のほうは、射撃をやらせると言った約束のてまえ、何とかして早くやらせようということで一計を案じました。それが日本原演習場に関係のある七カ部落、これは西地区に関係のあるのが二カ部落、問題の東地区に関係のあるのが五カ部落ですが、そこの部落長を集めて、演習場対策委員会を設けて推進しようとしたわけです。ところが、その演習場対策委員会というのは、町長の言うような推進機関にはならなかった。むしろそこでの相談は、演習場問題処理について関係部落共通の問題や、当該部落の利害得失について協議、調整する機関という性格になってしまったわけです。そこで町長は、これはいかぬというので、四月の六日に対策委員会を招集いたしまして、そして関係地区の調整がつくのを待っておれぬから、四月十日に試射させたいと、こういうような話し合いを対策委員会でやったようであります。そこで、関係の東地区委員から全面的な反対を受けました。で、町長は、四月の八日になりまして議会を招集し、九日に東地区への試射の同意を求める議案というものを議会に出しまして、十四対三で議決をしております。 その議案の内容というのは、「日本原演習場問題の処理について」というのであります。「日本原演習場問題の処理については日本原演習場の使用等に関する協定第五条但し書の規定にかかわらず東地区への実弾射撃を前提とした試射を実施することに同意する」、こういうものを町議会できめてしまったわけです。そしてこれを自衛隊に通知をした。で、自衛隊のほうでは、これは町議会できめてくれたのだから、射撃はできるということで、先ほど言いました宮内部落での発言というものはすっかり忘れてしまって、射撃をするということに踏み切り、十一日ですか、第十三特科連隊第二大隊長名で、十八日から二十三日まで毎日一〇五ミリりゅう弾砲を十二発ずつ東地区の宮内と成松の北方にある新着弾地に向けて撃つ、こう通告してきたのであります。 これを考えてみると、私はこの町議会の議決というものがいかにでたらめであったかがわかる。しかも、そういうことをやる中で、町長はいやでもおうでも納得をさせようというので、部落の人たちに聞いたところによりますというと、その通告を受けてから後、部落に出向きまして、とにかく賛成をしてくれと、賛成をしてくれれば、これは整備事業費が二十一億円もらえるのだ、さらに賛成してくれれば賞金十万円ずつをやる、こういうような懐柔工作をやっている。そしてどうしてもそれが成功しない、そして十一日のいわゆる射撃強行を迎えた。こういう背景になっておる。 私はそういったこまかい事情というものを、はたして中部方面総監部というほうから報告を受けておられるのか、受けておられぬのか。しかも四十五年の初頭に宮内部落で行なわれた座談会においては、町長と町当局ないし関係部落との断層がある。町長の言っていることは全く間違いだということを、列席をしておった方面総監部の幹部自体が口にして帰っている。そうすると私が、今回の実弾射撃についても、形式的な町議会の議決だけをたてにとって押しまくったというやり方には問題があるんではないかと、いま申し上げましたのは、従来の経過をまとめたものであり、その概要ですが、それをお聞きになってどうお感じになるか、それが一点伺いたいのであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまお聞きした範囲内では、関係当局がなみなみならぬ苦労をして、円満に事態を運ぼうと努力されており、まあ町当局の努力には私は敬意を表したいと思います。自衛隊といたしましては、演習の計画等もあって、できるだけ町当局にお願いをし、円満了解を期待しておったと思うのでございますけれども、なかなか地元との了解がつけることがむずかしくなって、それで町当局とよく話をして、万全の安全措置を講じてやろう、そういう気持ちになっていったんではないかと、そのように思います。以上は私の感想であります。
○矢山有作君 かつて部落の住民が、去る四月の十五日、実弾射撃の強行は反対であるということで、防衛庁長官はじめ関係当局にあてて抗議書を送っております。これをごらんになっておるか、なっていないか、どうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私のところへはまだ回ってきておりませんでした。
○矢山有作君 参事官はどうですか。
○政府委員(江藤淳雄君) 四月十五日付の電報が十七日付で着いております。
○矢山有作君 それで、そういうような抗議電報を見て、中部方面総監部のほうと何らかの連絡をされましたか、それとも電報を見っぱなしにされましたか。
○政府委員(江藤淳雄君) 防衛庁は全国にかなりの演習場がございまして、演習を実際に実施する場合に、このような抗議電報は間々参るのでございます。したがいまして、この場合におきましても、一般的にこの演習場の使用なり、その管理というものは現地の方面総監の判断にまかせるというふうな考えで進んでおりますので、この電報が参りましたので、現地の陸上自衛隊を通じまして、現地の方面総監に対しまして、この演習の実施についてはできるだけ現地の要望を聞き入れながら、現地の情勢の判断をよくみきわめて実施するようにというような指示はいたしております。
○矢山有作君 長官、長たらしいことを先ほど経過として申し上げましたがね。私はその中で一番の問題は、いつでしたか、一月四日ですね、宮内部落で、自衛隊側の中部方面総監部第四部長以下七名の方々が出席されて話し合われたときに、中部方面総監部としては地元部落の住民の意向というものを十分承知して帰られたのですね。だからその時点では、町議会の議決はあったといたしましても、その町議会の議決は直接関係のある部落の住民の意向とはかかわりのないものであるということは、私は総監部の方は認識をされて帰られておると思う。このことをひとつまず念頭に置いておいていただきたい。 次に進みます。着弾地周辺で、すわり込みのために反対の方々が入山した。その行動を起こしたのは午前一時であります。すわり込みをしたその人数については、現地で自衛隊の責任者に人数を掌握しておられますかと聞きましたら、それはわかりませんというお答えです。これはもちろん、何人が山に入ったか、すわり込んだかということは、防衛庁当局も御存じないものと思いますが、これは間違いないでしょうね。御存じないのですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 詳細は政府委員をして答弁せしめます。
○政府委員(江藤淳雄君) 私のほうは、自衛官六百五十名並びに警察官三百六十名をしまして演習場に警備配置させまして、その演習場内に侵入することを防止いたしましたけれども、それがすべての侵入者を把握したかどうかにつきましては、必ずしも確認があるわけではございません。
○矢山有作君 そのとおりです。現地の司令すら何人入ったかわかりませんと言っているのですから、それは事実でありましょう。 そこで、すわり込みのために入山した人数は、私は調査団として現地の人々から確認をいたしました。すわり込みをする以上、射撃に対するすわり込みでありますから、これは命がけです。したがって、現場の責任者としてはその人数というものを的確に把握しておかなければならぬのは当然でありますから、その把握したものをちゃんとメモをとっておったようですが、それを確認したのは地元住民が四十七名です。地元住民の反対闘争を支援するための組織がつくられておりまして、その組織から十二名、計五十九名がすわり込みをやっております。ところで、長官の報告によりますれば、退去させた人数は——この間のこの報告です。午前八時四十五分に五人、九時から十時四十五分の間に六人、十時三十分ごろに九名、十一時十分ごろ八名、また十一時ごろ危険区域内に入っていた学生七人を退去させた、こう言っております。そこで一つ抜けておりますのは、いわゆる危険区域におった住民が山奥に一人逃げ込んで、それが二十一時二十分ごろ演習場外の部落で発見されたと言っておりますが、これについては事実が全く違いますので、これはあとで申します。だからこの一名は除きます。そうするというと、長官が退去させたと言っている人数は、住民二十八名、学生七名ということになります。この数は現地の阿野司令の報告と同じであります。ただ、阿野司令は、現地において現地調査の際に言ったことは、ほかに住民七名を退去させておる、こういうことを言っておられます。しかしながら、このほかに七名退去させた住民の退去というのは、根拠がないのではないかと思っております。なぜかといいますと、地元の責任者が的確に把握しておるところでは、特に命がけで着弾地近辺にすわり込みをやる人々の人数というのは、あの射撃のときに、東西に標的が二つあり、西の標的に十四名、東の標的に五名、これが最後まで残っておった。出されたのもありますから、すわり込みの人数はまだあります。最後まで、西地区の標的のところに十四名、東の地区に五名、計十九名残っておりました。そうすると、四十七人入山をして、長官の言われた二十八名退去させたというのとこの数字は合っていないが、ところが阿野さんは、きのうの現地調査では、ほかに七名退去させておる、こうおっしゃっておるわけですが、この点については私は論議のあるところだろうと思っておるわけです。そうすると、自衛隊のほうでは、厳重な警戒体制をとり捜索をしたから完全に排除できた、したがって射撃したということを強調しておられるのですけれども、入山者が四十七人で退去さした者が四十七人とおっしゃるなら、私はそれが言えると思う。ところが、入山者の人数は確認しておらない。退去させた者だけの人数を確認しておる、二十八名と。あなたのおっしゃったのに現地で阿野さんがおっしゃった七名をつけ加えても三十五名であります。そうすると、これは確実にやはり残っておった、こう見てくるのが私は正しいんじゃないかと思う。私は、断じて弾着地の周辺にだれもおらなかったということを断言するためには、入山者の数と退去さした数、これをやはり現地の自衛隊が掌握しておって初めて言えることなんであって、入山者の数を掌握してないで、退去さした者の数だけを掌握しておって、さがしたがだれもおらなかったという断言はできない。そうお思いになるのは主観の問題ですからかってです。しかしながら断言はできないのではないかと思うのですが、この辺の御見解はどうでしょうo
○国務大臣(中曽根康弘君) それが事実でありますならば、万全の措置とは言い得ないと思います。しかし、ともかく、現場を数百人の自衛官と警察官で二メートルぐらいの間隔でずっと捜索して、碁盤の目のようにやっているということでありますから、少なくとも弾着地点の危険区域にはいないことは確認してやったんだろう、かように私は思います。
○政府委員(江藤淳雄君) 先般も、危険区域内に絶対いなかったかという御質問がございましたので、二、三名あるいはいたかもしれませんという話をいたしましたが、これは危険区域に解釈が二つあるのでございまして、一つは町当局で告示しました立ち入り禁止危険区域と、それから私のほうで砲弾が実際に落ちて炸裂した結果それは身体に危険であるという意味の危険区域とがあるわけでございます。私のほうは、そのうち立ち入り禁止危険区域というものにつきましては極力侵入者に対しまして排除措置をとりましたけれども、あるいは二、三名、あるいはそれ以上残ったかもしれないという、その意味におきましての確認はとれていなかったというふうに申したのでございます。しかしながら、四百五十メートルに六百メートルのたまの落ちる、実際に身体に危険を及ぼす程度のきわめて危険性のある危険区域、いわゆる防衛庁で考えておる危険区域の中は、先ほど長官が申されました普通科一個中隊をもちまして精査いたしましたので、その範囲においては侵入者はいなかったという点を確認して実弾射撃したのでございます。
○矢山有作君 先ほど、二メートル間隔で十分に精査したとおっしゃいましたが、地元におった人たちの話を聞きますと、二メートル間隔で並んで兵隊さんがずっと網をしぼるようにやってきて、一人見つけるとその方向にわーっと寄ってしまうそうです。そうすると、残った人はつかまっちゃいかぬというので隠れてしまう。それでこぼれができたというんですね。しかも、あとからまた申し上げますが、一番肝心の——長官のところには私は現地で書かした図面をお渡ししましたが、防火地帯と称せられる縦二百メートル、横百メートルのこの区域、これは弾着区域として防衛庁言っておられますね。縦二百メートル、横百メートル、これは中央の目標に対してです。目標を中心にして縦二百、横百、これが弾着区域と、こう言っておられる。その弾着区域の標的に向かって左側は、防火帯というのが大体その線に沿った十メートル幅で流れておるわけです。それからもう一方のほうも、それから少し離れたかっこうで防火帯が出ておる。その中を、私どもは下から見ましたが、樹木がおい茂っておりまして、イバラだらけ、ツル、カズラがまといついているような状況です。私どもも強引に皆さんにおつき合い願って上がってみようかと思ったけれども、さすが私もこんなところはとても上がれないと思って上がらなかったのです。ヘリコプターで何ぼその上を飛んでみても、とてもじゃないが見つかるところじゃありません。しかも、あとで言いますが、その防火帯の中は、現におった人たちが、だれも入ってこなかったと言っている。まあそれはよほど熱心でなかったら入れるようなところではないように見受けました。これをまず一つ頭に置いておいてください。 それから、あなたが危険区域と言われましたが、先ほど言われましたように、弾着区域は縦二百、横百、こう言っておられますが、危険防止のための弾着区域は、標的を中心にして東西四百五十、南北六百、これを危険区域として設定したと言っておられるのですから、これも頭に置いて、あなたがおっしゃったことですから覚えていてもらって、次の私の話を聞いていただきたい。 当日、射撃目標は、先ほど申し上げましたように、東西二カ所ありました。ところが、射撃をされたのは東地区だけであります。したがって、西側の標的のところにすわり込んでおった十四名といいましたね、十四名の人たちに聞きましたところが、だれもさがしに来なかった。それは無理もないのです。西側の標的は射撃をしないつもりだったわけですから、何ぼすわり込んでおってもだれもさがしに行くはずはない。そして、東側の標的近辺にすわり込んでおったのが、高円という部落の住民が立石典弘ほか五人です。それから豊沢部落の住民が鷲田正平ほか六名、計十三名であります。そのうちで、高円部落の住民の二名、部落の住民の六名が退去させられております。五人が着弾地近辺に残っておった。これら五人は、標的から近い防火帯内に潜伏しておったようであります。したがいまして、防火帯内におったその五人については、防火帯の中に捜索に入っておらぬのですから、見つかりっこありません。ヘリコプターで見るといっても、木が一ぱい茂っておるから、しゃがんでおったらヘリコプターでは見えない、こういうことは先ほど言ったとおりであります。さらに残存者の発言によりますと——それはもう先ほど申しました。さらに注目すべきことは、高円部落のすわり込み入山者で退去させられた者、これが先ほど言ったように二名ですね。この二名の者が退去させられるときに、岡本某ほか一名ですか、この人は、退去をさせに来た警務隊の人に対して、まだうちの村から来た者が四名残っておる、こういうことを警告をして退去させられております。また、長官の報告にある、先ほど私があとで言うと言うた問題ですが、危険区域外の山奥に逃げ込んで、二十一時二十分演習場外の部落外で発見されたという人、これは実は豊沢部落のすわり込みの人、これは総計で七人ですね、その中の一人の吉元高一という男です。吉元氏は六名の者が退去させられるのをじっと陰にしゃがんで見ておったそうであります。その見ておった地域はどの辺かといったら、大体標的に向かって左側五十メートルくらいのところにしゃがんでおった、こういう言い方をしております。しかも、その人は多少の地域の移動はやったようであります。移動はやったようでありますが、大体標的に向かって左側の防火帯の外側くらいのところに最終的にはおったというふうに言っております。そうして、そこで、十二時過ぎになって射撃をするふうはない、ヘリもぶんぶん飛んでおる、まあ撃たぬかもしれぬし、弁当でも食おうかと弁当を広げたそうです。弁当を食いかけたところが、どかんときた。それで続いて二発撃ち込まれた。そのときに弁当箱に当たったものがあるので、びっくりしてつかまえたところが、手が熱いので放した。それが砲弾の破片であるということで持って帰っておりまして、これは現地に調査に行った人たちはみんなそれを見ておるはずでありますし、私も現物を持って帰ろうと思ったんですが、実は残念ながらそれを忘れて帰りましたので、現物を写した写真が新聞に出ておりましたから、何でしたら念のためにお見せをしてもよろしゅうございます。そして、そういう状況のあった最終段階はどうであったかというと、あの指令によるというと、十二時二十分ごろまでもヘリコプターを飛ばして、上から立ちのきの警告をしておったというのであります。ところで、あの標的の真下に那美池という池がある。その堤防の上に二百人くらいの反対派の男女が集まっておりまして、それから一段上がったところが那美池の道路兼堤防になっておりますが、その道路の側に広場があります。そこに、当日の射撃の指揮所というのですか、それがあったようであります。そこに責任者もおるし、町長もおる。そこでそういうふうにヘリコプターが十二時過ぎになっても立ちのきの警告をやっておるようであります。さらにまた情報によって、これはいよいよ射撃が始まるぞということをキャッチした。その反対派の人たち、その中の責任者の、先ほども言いました、先日も言いましたが、奥という議員が、これはたいへんだということで、指揮所に向かってスピーカーで——この距離は直線にして二、三十メートル、指揮所に向かって、いま撃ってくれるな、まだ山の中に人がおる。さらに山に向けては、大声で、届いたか届かないか知りませんが、入山しておる者はもうおりてこい、これからいよいよ射撃が始まるらしいと言って、呼びかけをやっております。まさにこのどたんばにおける呼びかけというのは、私は必死の呼びかけだったろうと思います。しかも、現場責任者として、何人がすわり込みをし、何人が退去をしてきたかということを的確につかんでおるのですから、したがって、いま射撃をされたらこれはたいへんなことになるというその時点においての、入山者に対しておりろという呼びかけ、指揮所に対してはとにかく待てという呼びかけ、その呼びかけをやって数分足らずして第一弾が発射されておるのであります。私はここのところに問題があるのではないかと先日も言うたんです。いよいよ撃とうというときに、必死の呼びかけをしておるなら、これは三十分や一時間射撃がおくれたとしても、現場の責任者においては、どの辺におるんだということをなぜ指揮官が聞かなかったか、現場の責任者は、だれとだれが下山してこないか、それが大体どの地点におるかということをなぜ聞かないか、聞いて捜索をなぜやらないか。その後に撃ったというなら話はわかる、それをやっておらない。あくまでも、だれもおらぬ、ヘリもさがした、たくさん自衛隊員や機動隊員を入れてさがしたがおらぬのだという、そういう自分なりの主観に基づいて射撃している、ここに私問題があるのではないかと言うのです。これが当日の大体の状況であります。私は、こういう状況が、あなたがまるでうそだとおっしゃるなら別です。しかしながら、そういう状況の中で射撃が強行されておるとするなら、人命尊重の立場から、軍あって国民なしということにならぬように、あなたに私は、防衛庁長官として今後に対して慎重な態度を求めたいし、またそういうことが事実であるとするならば、私はあなたに深い反省を求めたい。最高の責任者です、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 現場の事情は、私は自分で行ったわけではございませんからよく知悉いたしませんが、報告を聞きました範囲内においては、まことに遺憾でありますが、やむを得ない措置であるように思います。もとよりこの措置が万全の措置とは言えません。もっと手を尽くすべきポイントも多々あるように思いますが、弾着地点に人がいなかったと大体確認されて、一番危険と思われる五十メートル以内——弾着地点から大体砲弾は三十五メートルぐらい飛ぶということになっておったそうであります。したがって、その五十メートルぐらいのところには人がいないということはもう確認されておったことは間違いないように思います。いまのお話によりましても、防火帯の外にひそんでおったらしい、そういうお話でございますけれども、少なくとも距離は最悪の事態の場合でも五十メートル以上はあったろうと思われます。そういう面から見ますと、そういうことを見ながらやったとしておるならば、やむを得ない措置ではないか、万一でもそういう危険性はないという判断をしてやったのではないかと私は想像いたします。なお、先ほど、破片のようなものが来た、さわってみたら熱くて云々という、そういうお話がございましたが、私のところへ来た報告では、弾丸が破裂した場合には、そのような弾丸は大体破裂した際の瞬間温度はおよそ八百度Cである、とうてい持てる状態ではない、つまめる状態でもない、二十分ほど経過すると、弾丸の大きさにもよるけれども、何とか持てないこともない、ただやけどすることがある、それがいままでの不発弾処理による実験例でもあるそうです。したがいまして、吉元さんとおっしゃった方の示した破片、およそ小指大のものと思われるものが、そのあとぴしっと音がしたときにさわれるものであるかどうか、もし砂片であった場合、その点は疑問が残るのではないかと思います。
○矢山有作君 私は長官のそういう姿勢に問題があると思うのです、考え方に。というのは、標的から五十メートルぐらいなら危険はまずないだろうという、こういう一つの前提があるわけですね。ところが、標的から五十メートルというと、まさにこれは短い距離ですよ。どこでどう手元が狂うか、何かの拍子で、これが標的にそのままずばり当たればいいが、当たらなかった場合には、どうなるのですか、それが一つ。 それからもう一つは、おらないことを確認したとおっしゃるのですが、先ほど言いましたように、そこに差し上げている図面が大体防火帯の図面ですが、防火帯の外は言うに及ばず、中は、その標的の設置されておる場所というのは、木がおい茂って、上からはとうてい見られません。これはカズラがくっついておる、イバラがくっついておる、そういう中です。しかも、現地におった人が、だれも防火帯の中を捜索に来なかったと言っておるのです。私の想像ですが、また一部の人の話ですが、つかまった連中は防火帯の辺でうろうろしておったらしい。これは、防火帯は木を切り払っておりますから、そこにおれば簡単に見つかるわけです。その連中は簡単につかまった。つかまったのを見て、すわり込みに行っている連中は、防火帯の中に飛び込むなり、あるいは、防火帯は十メートルぐらいの幅ですから、そのごそごそ木のはえているところに飛び込んでいる。そこでわからなかった。全然捜索に来ておらなかったというんです。それをあなたは、確認したからだいじょうぶだとか、あるいは五十メートル離れておったからだいじょうぶだとか、確認の上に立って射撃するのはやむを得ないとおっしゃるのは、これは万一の場合を考慮し、人命というものを尊重する立場に立った長官としては、言えることばではないのではないか。私は先ほども言ったように、最後の責任者の呼びかけに対して、当然現場の指揮官としては、それだけ必死の呼びかけをやっておる、しかも射撃が終わったとたんに、そこに集まっておった主婦の方々は、おれのところのむすこをどうしてくれる、おやじをどうしてくれると言って、警戒線を突破して指揮所に詰め寄っているじゃありませんか。そうすれば、なぜその時点で、射撃を三十分延ばしても、一時間延ばしても、現場責任者が言っておるのだから、もう一ぺん、ほんとうに防火帯の中に入っておらぬのだったら、捜索のために投入をしてさがさなかったか。それだけの慎重さがあっていいのじゃないですか。それを長官がやむを得ないやむを得ないという形で現場のやったことを支持されるような態度をとられるならば、かつての軍のように現地が独走するということが起こるのじゃありませんか。ここのところを私はあなたにもう少し慎重な態度をとってもらいたいということを言っておるわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) いま、吉元さんとおっしゃる方のことをあげまして、お弁当箱の話をしましたが、これはそういう事実があったかどうかまだ確認する必要があると私は思いまして申し上げたのでありますが、ともかく安全保持についてはできるだけ最大限の努力をして行なうべきものと思います。この弾着地点につきましても、そう五十メートルとか、三十メートルとか、メートル数、そういうものにこだわらないで、できるだけ安全の上にも安全を重ねてやるということが私は正しい措置であると思います。そういう意味においては、今後はもっと厳重に注意をして、安全をさらに確認した上で、万全の措置をとるように、注意を喚起していきたいと思っております。いろいろ御心配をおかけいたしましてまことに恐縮でございますが、以後はよく注意するようにさせたいと思います。
○矢山有作君 あなたが私の言うたことが信用できなければ、こういう問題ですから、現地に出向いて関係者を集めて一ぺん調査してごらんなさい。その上であなたが自信を持っていろいろと言われるのなら、私は聞いておきましょう。ただ、あなたがおっしゃったように、今後慎重な態度をとってやるということだけは、私もそのとおりに受け取っておきます。特に私はあなたに申し上げておきたいのは、五条の二項というやつです。使用協定の五条の二項というものを形式的だけに解釈しない、このことだけはやはり十分注意をしてもらいたいと思うわけです。特に、中部方面総監部の方々は、町長の言っておることと関係の住民の言っていることが全く違うということを認識しておったはずですから、それだけに私は、五条の二項というものをたてにとってものをおっしゃる場合には、十分実情を把握した上でおっしゃっていただきたい、そのこともさらに注文としてつけ加えておきますので、見解を言ってほしい。 それといま一つ、時間が限られておりますから申し上げますが、三十七年か三十八年に防衛庁が決定されておりました日本原演習場問題処理要領、それがあるということは過日の質問で明らかになりました。ところが、この処理要領を私が資料としてもらいたいということを申しましたが、参事官の意向を受けた施設課長ですか、どうしても貸せぬとおっしゃる。私はこれは軍機に触れるような重大な問題とも思えません。一演習場の使用について、その問題をどう処理するかという見解をおそらくまとめられたものだろうと思う。それがつくられて七年になる今日、それを実施するための細目協定も何もできない状態に放置されておる。それをなぜ私どもに資料として出すことができないのかどうか、こんなものをわれわれの目から隠して一体何をしようとするのか、その二点について長官からお答え願いたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先の件につきましては、協定の形式的解釈だけでなく、実際人命の安全ということをよく確認して、実質的に安全の措置をとるようにやらしたいと思います。 あとの点につきましては、私内容をよく存じませんので、よく調べまして判断をいたしたいと思っております。
○矢山有作君 この日本原演習場問題処理要領というのは、これは関係地域住民にとってきわめて重要な問題なんです。それをもし出さないとおっしゃるのなら、出さないという理由を私は明らかにしてほしい。先ほど言いましたように、何も軍事機密に触れるようなものではありません。一演習場の使用処理に関する問題、それをも出さぬというのは、私は悪意に解釈すればどういう解釈でもできる。長官はこの辺の事情を察知されて、事務官僚のやることどおりに、そういうものを出さぬというような偏狭な考え方を持たぬように、お願いしておきます。いいですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私、現物をよく確めた上で、自分で判断をして処理いたします。
○峯山昭範君 それでは、非常に短時間ですのでまとめて言います。 私も今回の調査に急に加わりまして行ってまいりました。現地の事情は、いま矢山先生からいろいろお話がございましたが、二、三私は話を確認しておきたいこと並びに今後のためにお聞きしておきます。 まず第一点は、今回の日本原の事件等につきましては、私向こうで感じましたことは、要するに、その解決の糸口は幾らでもあることを感じました。というのは、いわゆる現地で反対をされておる中心の皆さんが口々におっしゃることは、要するに、地元の農家の皆さんは、現状と同じような生活ができるようになればいいというようなことですね。ということは、要するに、基地整備事業等でいろいろな補償をしてくれればいいというような話が一部ありました。こういう点から考えますと、私はそういう点もっと話し合いを詰めていけば解決するのではないかというのがまず第一点です。 それからもう一点は、先ほど破片の話がずいぶん出てまいりました。私も現地でいろいろお伺いしたときに、破片が、弁当を食べておる、その弁当のふろしき包みにしゅっしゅっと飛んできて、ふろしきがぱぱっと動いたというんです。非常にその人の話は真実性のある話でございました。それで、いまちょっと話がございましたように、そういう場合、たとえば先ほど長官の話ですと八百度もあるということですが、それはどうか。もうそれではふろしきが燃えるのではないかといま私ちょっとここで思ったんですが、その辺のところは一体どうなっておるかということが第二点。 それから最後に、私は現地に行きましてしみじみ感じましたことは、人がいたかいなかったかという論争がずいぶん行なわれておりますけれども、実際には私は、いたにしても、いなかったにしても、今回の演習は中止すべきではなかったか。というのは、指揮官のいらっしゃるところ、まわりにはずいぶん反対派の皆さんも押しかけて、しかもマイクなんかでやいやい言っているのに、いたとかいないとか言っておる。現地の指揮官は、そういうふうに言っているのを全部やじととったと言っておるわけです。地元の代表者の議員の言っていることもやじととったと言っておる。やじかもしれませんけれども、地元に残っておるぞということも言っておるわけです。そういう場合、私は何としてもこれは当然地元に残っておるという危険性がある。確かにヘリコプター等ではわからないような現状でありますので、そういう点からいくと、確かに今回のこういうものは、かえって中止をして、そうして今後のために備えるべきではなかったか、こういうふうに思うんですが、その三点をお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず最後の問題点は、非常に大事なことであると思いますが、ともかく、先ほど申し上げましたように、協定の形式的な文章に拘泥することなく、実質的に生命の安全を確認して慎重の上にも慎重を期すように今後は戒めていきたいと思います。 それから、最初にお話しの、話し合いによって解決する見通しがあるかもしれないというお話しは、たいへんこれはうれしい話でありまして、その点につきましては、地元の人たちの意向を尊重いたしまして、できるだけ円満に解決するように、私も積極的に進めさせたいと思います。 それから砲弾の破片の話は、これは不発弾処理の例から見てそういう状態を例とするという報告が私のところに来ておるのでありまして、その辺はあるいは実際ほんとうにあったのかないのか私らまだ疑問に思っておるわけでございます。
○委員長(西村尚治君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(西村尚治君) 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 先日の行政管理庁の設置法のときに、私は行政改革三カ年計画等並びに定員、機構等について種々質問をいたしましたけれども、あのときには、法案をあげるためかどうかわかりませんけれども、質問は簡単にして、この次の許認可のときに十分やってもらうという話でございましたが、きょうもある程度時間がきめられているようであります。 それでは二、三質問をしたいと思います。初めに私は、「行政改革の現状と課題」という行政監理委員会から出された本があります。長官も御存じだと思いますが、これは私は、行政監理委員会から出されたものであるから、当然内容等についても、行政監理委員会がつくったものであるということは当然ですけれども、非常にこの内容等については行政改革のいろんな突っ込んだ問題を取り上げておるわけですね。そういう点から考えますと、行政管理庁としてこの行政改革の進捗状況がどういうぐあいに進んでいるかということをつかむということは、私は非常に大事なことじゃないかと思うのです。たとえば臨時行政調査会の答申によりましても、「政府は、毎年行政の実態とその改善の状況を明らかにする「行政改善白書」ともいうべきものを発表することを考慮すべきである。」と、こういうぐあいに臨調答申の中にも書いてあるわけですが、これについては政府としてはどういうぐあいに考えていらっしゃるのか、初めにお伺いしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の行政白書ともいうべきものは出しておりません。
○峯山昭範君 実は私も新聞等でときどき見るのですけれども、行政改革のいわゆる白書が出たというのはこれなんですね。要するに、「行政改革の現状と課題」というこの監理委員会から出しているようなものを私は出すべきではないかと、こう思うのですよ。要するに、出しておりませんと、えらい簡単に答弁されますけれども、実際臨調答申でも、政府はこの臨調答申を尊重するというのがかねがねからの大臣の答弁にあるわけですね。そういう点からいくと、私はこの臨調答申の行政改善でも改革でも同じだと思うのですが、出すという姿勢が必要でもあると思いますし、ただ出しておりませんとえらい簡単にすっと終わるんでは、どうも得心がいかないのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 従来、御指摘のような白書みたようなものは出していないのであります。
○峯山昭範君 出していないというのはわかったんですよ。けれども、臨調の答申を尊重するというのは、これは大臣、どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは、設置法にも明記しておりますとおり、臨調の答申は尊重しなきゃなりません。
○峯山昭範君 臨調の答申を尊重するということは——もう一回読みますけれども、臨調の答申の中にちゃんとあるんですよ。「政府は、毎年行政の実態とその改善の状況を明らかにする「行政改善白書」ともいうべきものを発表することを考慮すべきである。」と、こうちゃんとうたってあるわけですよ。ですから、私は先日のときにもずいぶんやったんですけれども、三カ年計画がなかなか進まない、行政改革が進まない、臨調答申がなかなか実行されない。それだから、やはり担当官庁である行管庁においても、行政改革がどのくらい進んでいるか、どうなっているかということについては、毎年チェックする必要もあるし、すきべだと、こう思うんですよ。ただ単に出しておりませんという、そんなうしろ向きな答弁というものじゃ、私はどうも納得いかないんですがね。長官は、私は大臣の中でも実力のある大臣というようにお伺いしていますし、やはりもうちょっと前向きでつくるようにしていかないとおかしいんじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 従来、どういう理由か知りませんが、出しておりません。しかし、臨調答申に御指摘のようなことがありますことを考慮して、今後何らかのそういうふうな考慮をめぐらしていきたいと思います。
○峯山昭範君 ちょっと前向きの答弁になりましたけれども、これは当然私は、行政改革を強力に推し進めていく上からは、やはりこういうふうな行政改革ということの「行政改善白書」というのは私はつくるべきだと、こういうぐあいな考えでおります。どうかいまの答弁をもう少し一歩進めた考え方で今後ともこの行政改革に取り組んでいただきたいと思うんです。 それで、次に、いまの問題を含めてですが、この行政監理委員会のいわゆる「行政改革の現状と課題」というのが行監の委員長のところから出ているわけですが、これに対する考え方はどういうぐあいにお考えになるんですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 「現状と課題」については、今後の課題としてこういうものがあるということを指摘された点においては、尊重して検討を加えてまいりたいと存じます。
○峯山昭範君 どうもあいそうのない答弁だな。これは、大臣が行政監理委員会の委員長さんですね。ですから、少なくともこの行政改革の「行政改善白書」ともいわれるもの、これはこの三カ年計画にも非常に関係があるんですよ。非常に私は重要だと思うんですよ。この内容等についても、やはり積極的に前向きに取り上げて——いまは行政改革について政府は何もつくってないですからね、つくってないんですから、少なくともいま行政改革はどの程度進んでどうなっているかということについては、われわれが知る手だてはもうこれしかないわけです。そうすると、当然この白書、これしかないわけですから、これに対してやはりもっと積極的に——いわゆる行管庁に対する意見というのはもうこれしかないわけですよ。国民から上がってきた声も、行政監理委員会がまとめてこれにちゃんと出ているわけです。そういう点からいきますと、私は行政白書とも言うべきこの「現状と課題」のこれをもっと担当官庁として積極的に取り上げるべきじゃないか、こう思うんですか、いかがですかね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今後の課題につきましては、積極的に取り上げて検討を加えつつあります。
○峯山昭範君 私はそれじゃこれはもうこれでやめました。 それじゃ、大臣、お伺いしますけれども、行政管理庁の中に行政監察局というのがありますね、行政監察局というのはこれ何をするところですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政監察のねらいは、国民一般の福祉に即した公正な立場において、対象機関の業務を調査し、主として予防的段階で行政の効果的運営を確保することを目的とするものであります。政府の重要施策を中心に、当該施策が本来企図したような効果をあげているか、能率的に実施されているかいなかを具体的に把握し、改善すべき点を指摘して、その実現を推進することを本旨といたします。 また、行政監察と行政相談業務とを有機的に連携させ、国民各界各層の意見を取り入れる等、行政が国民生活に密着する部面における改善についても力を注いでいるところであります。 なお、当面の監察方針としては、国民生活に密接な関連のある問題、たとえば都市基盤の整備促進、消費者利益の擁護・増進、農林業の近代化、災害防止等についての監察のほか、経済社会発展に即応する行政の体質改善及び行政運営の近代化・合理化をはかるため、行政改革の推進に資するような監察の実施を予定しております。
○峯山昭範君 いま大臣がおっしゃいましたように、そういうぐあいになっておりますかね。いま大臣が読みましたように、そういうぐあいに具体的になっているかどうか。 また、もっと突っ込んで言いますと、行政監察局には監察官というのがたくさんおりますけれども、その監察官の皆さんと大臣は話をされたことがありますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) しょっちゅう話をしております。
○峯山昭範君 前段の質問に答えてください。
○政府委員(岡内豊君) 大臣がお答えいたしました方針のとおりにやっておるかどうかということでございますが、この方針というものは、行政管理庁が昭和二十七年に経済調査庁と合併いたしましたときからの基本的な考え方でございまして、私どもはその方針に従って業務を運営しておるということでございます。
○峯山昭範君 私は、きょうは、行政監察という業務が非常に一部の片寄った意見になっているのじゃないか、要するに、行政監察というものが、もっとわかりやすく言うと、大臣の目にとまっていないのじゃないかということをただすために、初めにちょっと言っておきますけれども、そういうことでこれから詳細にやっていきますが、問題、行政監察局では具体的にどういうことをやっているのか、その点お伺いしたい。
○政府委員(岡内豊君) 具体的にどういうことかということでございますが、現在実施しております第一四半期に、監察計画といたしましては、住宅に関する行政監察、農業基盤整備に関する行政監察、これを中央計画として計画いたしまして、末端の管区なり地方局なりを使いまして、現在監察を実施中でございます。
○峯山昭範君 私はそういう具体的なことは何も要りませんからね。そういうことを何もまだ聞いていない。要するに、監察というのはどういう監察があるのか。たとえばいま中央監察の話をしたわけですけれども、その監察業務そのものについてどういうぐあいになるのか、監察のルールを説明してもらいたい。
○政府委員(岡内豊君) 監察のルールでございますけれども、ただいま申し上げたのが中央で計画して全国一斉に行なう監察でございます。そのほかに地方の自主的な活動といたしまして地方監察というのがございます。それからまた、地方的な問題で、地方で重要な問題というのは、重要事項報告というのが来ると、こういうことになっております。そのほか、現地でいま非常に、何といいますか、ウエートが重くなってきておるのが、個々の行政相談事案の解決ということが地方局ではいま半分ぐらいのウエートを占めておる、こういうことでございます。
○峯山昭範君 どうも、もうちょっとわかりやすく要領よく説明してもらいたいのですけれどもね。要するに、行政監察が、逆にいきますと、中央監察で各地方にやらせる、各地方の行政監察では、各地方でそれぞれの特徴のある問題を取り上げ、また中央から言ってきた問題を監察する、それ以外に行政相談から上がってきた問題も取り上げる、私こういうことだろうと思うのですが、そうすると、それぞれ各地方にはそれぞれの局に行政監察官という人がいると思うのですね。そういう人たちは、特に中央の方は大臣もしょっちゅう話をしているということでありますが、先日から私は、実はこの行政監察局をいろいろ回りまして、それで行政監察官の皆さんとずいぶん話をいたしました。大臣あまり時間ないそうでありますから言いますけれども、地方の監察官の皆さんが非常に苦労して行政監察をやっておりますが、たとえば行政監察局がやってきたというので喜んで迎えるところは一つもない、みんな渋い顔をするわけですね。そういうふうな中で、いろいろな国の予算を使う面において不合理な点はないかということで、非常に私は重要な監察をやっていると思うのです。ところが、そういうふうな監察を幾らしても、その監察の報告が、地方の局長のところへ出し、だんだん出すに従って細くなってきて、それこそ大骨も小骨もみんな抜かれたやつが行政監察月報なり何なりにして上に上がってくるというのですね。私は具体的にどの問題がどうということで二つ三つ具体的事例も調べてきましたけれども、こういうふうな実情では、幾ら地方の行政監察官が一生懸命やっても何にもならないんじゃないか。そういうふうな地方で、目立たないところで一生懸命やっている行政監察を取り上げることのほうが、私はずっといいのじゃないか。本に載ったやつなんか何にもなりはしない。それよりか、地方で出てきた問題というのは非常に私は重要な問題を含んでおると思う。私は先日から担当者に聞きましたら、それは調査が不十分ですとか、資料が不足しているとか、いろいろなことを言いましたけれども、それだけじゃ私は済まされない問題があるのじゃないかと思うのですね。そういう点は、私はもっと前向きでこういうような問題に取り組んでいただきたいと思うのですが、どうですか。
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。 出先で調査した結果が若干不十分であって、本庁で検討した結果、最終報告書から落ちるというものが、これは人間のやることでございますから若干ございます。そこで、そういった点につきましては、私どもも従来いろいろ内部で検討いたしておりまして、特に本年度はそういったものについてはお互いに照会をし合うということをもっとまめにやって、不十分な点は補充調査をいたしまして、それを活用していくというふうな方向でやっていこうではないかということで、せっかく努力をいたしておるところでございます。
○峯山昭範君 大臣、答弁してってください。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま監察局長から申し上げましたとおり、全部が全部そのとおり中央で受け入れられないということは、何も地方の努力を無視するということじゃなくて、取捨選択、おのずから中央で取り上ぐべき課題にふさわしいものであったかどうかという評価に基づくものでありますから、あながち末端の努力を無視したということではないと思います。
○委員長(西村尚治君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(西村尚治君) 速記起こして。
○峯山昭範君 先ほど局長が、人間のやることだからとか、いろいろおっしゃいましたけれどもね。私は、具体的にいっても、その何一つ取り上げても、行政監察という地方の監察官がやっている仕事を見てみると、その時点、時点に合った重要な問題を私は取り上げていると思うのです。ところが、大骨小骨をだんだん抜いているうちに、その監察そのものが役に立たなくなる。いわゆる時がたってしまうと何にもならない、そういうことがいろいろなところであるのです。それならばもっと、これは重要な問題だからこうしろとか、または各地方で、地方監察でこういうふうな問題をいまどんどんやっていると、私は何も内容等は発表しなくても、たとえばどこどこでこういう問題が起きていると、個々の国の予算についてはこういうことをいまやっているのだということについては、少なくとも、その内容は別にして、発表できるんだと思うのですが、これはいかがですか。
○政府委員(岡内豊君) 大体地方で自主的に行ないますいわゆる地方監察というものは、原則といたしまして現地的に改善のできるものである、そういうものを現地でどんどんやって現地的に改善をしていってくださいというのがたてまえでございます。したがいまして、その結果についても現地では適宜発表しておるわけでございますが、ただ、重要事項報告というのは、これは内部の報告でございますので、一応公表はしない、こういうたてまえに相なっております。
○峯山昭範君 そうすると、重要事項以外は各地方で適宜やっていると、こういうことですね。ということは、各地方でやっているその内容について、各地方ではこういう問題があるということについて具体的には局長の監察局には報告はないのですか、各地方から。
○政府委員(岡内豊君) すべて報告は来ております。
○峯山昭範君 ということは、すべて監察の業務の内容について報告が来ておるということですから、それは公表していただけますか。
○政府委員(岡内豊君) 公表といいますか、そういったものは現地的に解決できる問題でございますので、中央としてまとめて公表するということは現在いたしておりません。ただ、ごらんになりたいということでございますならば、いつでも御説明に上がります。
○峯山昭範君 非常に重大な問題でありますので、資料として、昭和四十三年、四十四年、四十五年——現在ですね、やっているその監察について、各地方、地方で問題として取り上げられたものについて、これはたとえばそれぞれの地方で自主的に解決できるとはいいましても、われわれこの国の行政をいろいろな面から担当する面で、実際問題これ、どういう問題が問題になっているか、またそれぞれ地方で解決したにしても、やっぱり知っていたほうがこれからの面で非常に都合がいいわけですから、資料として出していただけますか。
○政府委員(岡内豊君) 大体年間百五十件ぐらいございますので、これを一々取りまとめてということになりますと、かなり時間がかかるかと思いますが、現在はそういった取りまとめをいたしておりませんので、必要なものは関係省庁にも連絡して、こういうことがございました、それから本庁でも処置しなければならないものがございます場合は、それは関係省庁に連絡いたしまして、こういうことがあるからひとつ改善していただきたいということはやっております。ですから、資料として提出するということになると、若干これは日にちをおかしいただけないと提出できないのではないかと思います。失礼いたしました。提出できないというのはちょっとあれでございます、提出がなかなか早急にはむずかしいということでございます。
○峯山昭範君 すでに監察官室ごとにまとまっているのでしょう。ということは、年間百五十件ならわりあい少ないですね。百五十件なら、一覧表にしても簡単にできるのじゃないでしょうかね。これはやはりそれぞれの地方で全国網を張っているわけですから、現在国の予算を執行する上において問題となっている点というのは全部網羅されているはずでありますからね。私は、これは非常に大事な資料である、こう思います。したがって、早急に出していただきたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) 監察の項目だけでございましたならば、かなり早い機会に提出できるかと思います。
○委員長(西村尚治君) 暫時休憩いたします。 午後二時三十一分休憩 —————・————— 午後二時五十分開会
○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言を願いたいと思いますが、通産省のほうから、前回の答弁漏れがあるそうでございますので、お答え願います。宮澤通商産業大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 前回本委員会におきまして上田委員から御質問のございましたことのうち、調査の上お答え申し上げますと申し上げました点につきまして、事務当局から補足して説明をさしていただきたいと思います。
○政府委員(赤澤璋一君) 先般の委員会で十分調査ができておりませんでした点、三点ございますが、その点につきまして補足的に御説明申し上げます。 まず第一点の、日本兵器工業会の会員の数でございますが、調査いたしましたところ、正会員が八十七社、準会員三十七社でございまして、正会員、準会員の合計が百二十四社でございます。なお、規約によりまして推薦会員というのがございますが、これが十六社ございまして、合計百四十でございます。このほか個人会員が百四名ということに相なっております。以上が日本兵器工業会の会員の数につきまして調査をいたしました結果でございます。 それから第二点は、防衛庁費に占める人件費の割合はどうか、こういう御質問でございましたが、これにつきまして防衛庁当局からいろいろ事情を聞いたわけでございますが、私どもに防衛庁から示していただきました限りの範囲で御答弁をいたしたいと思います。 四十五年度予算は、防衛本庁の予算が全体で五千三百三十九億円でございますが、このうちいわゆる人に伴う経費、これは人件費、被服費、食糧費、医療費の合計でございます。この合計が二千七百三十一億円でございまして、全体の予算のうちの五一%を占めております。なお、この内訳の詳細につきましては、残念でございますが防衛庁から数字の内容を承知しておりません。 それからなお、これに関連をいたしますが、残りの分につきまして申し上げますと、装備費というのがございまして、これは武器、車両、航空機、船舶購入費、装備品等の整備費、試作費等を含んでおりまして、合計二千五十三億円、三八・五%でございます。残りの約一〇・五%はその他ということで五百五十五億、こういう内訳に相なっております。以上が防衛費に占める人件費の割合でございます。 それから第三点といたしまして、先般ここで私が御説明申し上げました中で、四十四年度の通関統計の中で、いわゆる武器等の輸出通関を数字をあげて御説明申し上げましたが、その中で特に弾薬等という項目がございまして、これが四千三百万円ございます。これは一体どういう品物であるのかということでございまして、この点の調査をいたしました。その結果は、アメリカ向けに試射用として船積みをいたしましたナイキ、ホーク、防衛庁のものでございますが、いわゆる無為替輸出という形になっておりまして、これが約二千七百万円ございます。このほかにフィリピン、中共向けの建設用の爆発鋲が約八百万円ございます。この残りさらに約八百万円ばかりでございますが、この点につきましては、なお通関統計をこまかく調査をいたしておりますが、現段階では残りの八百万円につきましてはなおまだデータがわかっておりません。たいへん申しわけございませんが、現段階では、いま申し上げたようなナイキ、ホークと建設用の爆発鋲、これだけがいま判明をいたしております。それからなお小銃等同部分品というものが四十万円ばかりございましたが、これにつきましては、すでに輸出をされました護身用の拳銃の補用部品である、こういうことが判明いたしましたので、御報告を申し上げる次第であります 以上であります。
○説明員(石原尚久君) 前回の委員会で、在日米軍の特需の調達のやり方についてお答えができておりませんので、お答え申し上げます。 在日米軍の物資の調達は、たてまえとしてAPAがいたすわけでございますが、それのほかに空軍あるいは海軍が独自で調達することもございます。それらの調達のやり方はみな同様でございますので、以下御説明申し上げます。なお、日本政府はこの調達に関与いたしておりません。 まず調達のやり方でございますが、第一に業者の資格審査が行なわれます。その観点は、その業者の規模の大小というようなものではございませんで、そのものを確実に調達納入できるかいなかという点が観点になっておりまして、実際にいまAPAに登録されております業者の数は千四百ないし千五百という数にのぼっております。まず調達の第一歩は、このAPA等による公示であります。この公示の内容は、調達すべき物品の内容、数量、納期、納入場所、梱包方式などについて行なわれるものでございます。その公示のあと、入札の十日前ごろになりますと、調達する場合の内容、方法その他について説明会が催されまして、その際具体的な説明がなされ、かつ応札用紙が交付されることになります。それから入札が行なわれるわけでございますが、入札に際しましては入札保証金というようなものを積む必要はございません。なお、継続的に購入されるようなものについては、必ずしもこの入札によらないで、随意契約によるものがあるそうでございます。さて、入札いたしますと、その後一、二週間の間に、米側とそれから業者間に、相互に細目について打ち合わせがありまして、落札者が決定いたすわけでございます。そこで契約がなされます。で、物品の納入は、指定された時期、指定された場所にいたしまして、もちろん納入後直ちに約束の規格に合うものかどうかについて検査が行なわれるわけでございます。こうして納入し、検査が完了いたしますと、一カ月ないし一カ月半後くらいまでの間に業者の持っております市中銀行の勘定に代金の払い込みがなされるという形でございます。 以上であります。
○上田哲君 ただいま御報告をいただいた内容ですが、ちょっと確認をしておきます。 日本兵器工業会については、私が御指摘申し上げましたとおり、百四十という数字ですが、この会員名について、これは後ほどでけっこうですから確認をしたい。 それから、防衛庁の人件費については、二千七百三十一億円の内容について防衛庁がこまかく出さないということでありますが、従来こういう形で防衛庁は発表していないというふうに理解をしていいのですね。 それから、四十四年度の通関統計上の兵器輸出について、弾薬類の四千三百万円のうち八百万円については内容がつかめていないということですね。 それは確認ですが、最後の特需の問題について、大体五億ドルなり六億ドルなんというのは、全体の中では大きい数字ではないけれども、まあこれだけ大きいものがいままで通産省でこの道筋が把握されていないというのは、どういうわけか。それとあわせて、こういう道筋について国会で報告されるのはこれが初めてかどうか、これだけひとつお答えいただきたいと思います。
○説明員(石原尚久君) 特需の数字の五ないし六億ドルということにつきましては、これは日本銀行の統計に依存しておるわけでございます。それから、それの中身につきましては、特別に問題のあるものがいままでなかったということもございまして、従来特にこれにタッチしていたわけではございません。 それから、この種のことを国会で御報告申し上げるのは初めてであろうと私は思います。
○上田哲君 確認事項はいいですね。
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま先生の御指摘のとおりでございます。 なお、工業会の会員名簿につきましては、後刻お手元に差し出したいと思います。
○峯山昭範君 私は、きょうは、今回の通産省設置法の一部を改正する法律案の審議にあたりまして、二、三質問をしたいと思います。 初めに大臣に、公害という問題は非常に大事な問題でございますのでお伺いしたいのでありますが、今回の法案に出てまいりました「公害保安局」というものをつくることにつきましては、公害問題が非常に全国民的な問題となりつつあるおりから考えましても、非常に私たちも重大であると考えております。また、いつも言われることでありますけれども、この公害の問題につきましては、何としても人間の生命を守るといいますか、生命の尊重という点からいきますと、そういうことを守るという姿勢が私は大事であると思います。また、先日京都で開かれました国際未来学会に出席したアメリカの学者も、国民の生命を守るためには一つの企業をつぶすくらいのことは何でもないことだ、そういうことを私も聞いておりましたが、実はそういうふうな観点から見まして、大臣は日本のいわゆる公害政策について今後どういうふうに取り組んでいくかという大局的な立場から、大臣の見解を初めにお伺いして、内容に入りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは先般も申し上げたことでございますけれども、私就任をいたしました最初に申しましたことは、通産行政にとっていま最も大事なことの一つは公害の発生源であるとしばしば企業が言われておるわけでございますから、通産行政として最も大切に考えなければならないことは、いかにして人間をもう一度回復するかということである、こういうことを申しました。ただいまもそのとおり考えております。すなわち、わが国の経済はまだまだ相当の成長力を持っておるわけでございますから、何もこの問題を生産か生活かというとらえ方をする必要はない。極端な申し方をいたしますと、企業のほうはほっておいても成長するだけの力を持っておりますので、通産行政としては、それもさることながら、むしろ企業が成長の過程で人間の幸福というものを害するようなことがあってはならないという、その面に政策の重点を置くべきだ、そのくらいにしてちょうど結果はいいところにいくということを私はかねがね申しております。そういう心がまえで公害行政は私どもの所管の関係についてはやってまいりたい、こう思っております。
○峯山昭範君 いま大臣の所見をお伺いしまして、私たちがかねがねから認識しておったことは多少違うような感じがするわけです。いま大胆のおっしゃるように、人間の幸福を守るという、そこにポイントを置いてやるということは、非常に大事なことだと思います。 そこで、きょう私はまず初めに、公害防止事業団の方がお見えになっておりますので、たいへん忙しいところおいでいただきましてありがとうございました。せっかくおいでいただきましたので、事業団のほうから先にお伺いしたいと思います。 初めに事業団並びに大臣にお伺いしたいんですが、昨年の八月事業団で公害防止事業に関連いたしまして大きな汚職がありました。実はこれは私たち、昨年の八月といいますと、六十一国会、七月、八月は特に荒れておりまして、いろいろ問題を取り上げることができなかったのでありますが、そのいろんな汚職が起きて、そのあと事業団としてはどういうぐあいに処置をして、それをどういうふうなぐあいに解決したかということを初めにお伺いしたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) 昨年の八月事業団の課長に汚職が発生いたしましたことにつきまして、私としてもまことに遺憾に存じております。今後こういうふうなことの絶対ないようにということで、その後いろいろ措置を講じておるわけでございますが、まず事件を起こしました本人を懲戒解雇いたしますとともに、監督責任といたしまして、私、理事長以下監督の立場にある者につきまして、それぞれ減給その他の懲戒処分を行なっております。同時にまた、全職員に対しまして、綱紀粛正につきまして厳重に注意を繰り返しておるわけでございます。もちろん、汚職の起きないようにということは、この事業団発足のときから私気にかけておりまして、かねがねいろいろと注意はしておったのでございますけれども、このような事件が起きてまことに遺憾に思っておるわけでございますが、その後さらに各職員について十分注意を促しているわけでございます。いろいろ組織上の問題、機構上の問題笹につきましても考えますが、同時にまた、やはり個人の自覚というものがこういうことを起こさないために何といっても基本になると思いますので、職員につきまして事業団職員としての心がまえその他十分注意し、指導監督を厳にしてまいっておる次第でございます。なお、特定の個人が長期にわたりまして同一の職務に従事いたしますと、まま好ましくない結果も生じがちでございますので、適宜配置転換を行なうという処置をとっております。さらに、業務の遂行にあたりまして、同一事案につきましては必ず複数の人の目が通るように配慮いたしておるのでございます。公害防止事業団は非常に人数が少ないものでございますから——御承知のように、発足のときは四十人という定員で発足したわけでございます——なかなか苦しいのでございますが、こういう事件もございましたので、必ず同一事案につきましては複数の人の目が通るということが必要だと思います。そのような配慮をいたしておるわけでございます。 簡単でございますが、汚職事件につきましてたいへん遺憾に思いますとともに、その後とってきました処置につきまして概要を申し上げた次第でございます。
○峯山昭範君 それでは通産省側にお伺いしますが、監督官庁であります通産省は、この昨年八月の汚職に対しどういうぐあいに指導されたか、その点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 事業団におかれて理事長以下職員が自主的に厳重処分を行なわれたことにつきましては、ただいま理事長の言われたとおりでありますが、私どもも監督官庁の一つとして責任を感じております。そこで、その後とりました措置といたしましては、あの事件以来、毎月事業団の業務の関係の責任者に通産省へおいでを願いまして、その月々の具体的な業務の実施状況についてこまかく聞きましてお互いに検討するということで、今日まで毎月いたしておりまして、こういうことの再び起こりませんように厳重にみずから戒めておるところでございます。
○峯山昭範君 それではやはり、先ほど理事長からお話しがございましたけれども、私も私なりにこの事件そのものをいろんな面から検討してみました。その汚職の原因が一体どこにあるかということをやっぱり突きとめないで幾ら厳重な処分をしたって、何にもならないんじゃないかと思うんですがね。この点については、事業団としてはその原因がどういうところにあったと考えていらっしゃるか。また、監督官庁としてその原因はどこにあったと考えていらっしゃるか。ただ単に幹部を呼んで綱紀の粛正をやったというだけでは、私は解決の見通しはないんじゃないか。きょうこれからこまかいところへいきますけれども、そういうぐあいに思うんですが、この点いかがでしょう。
○参考人(原文兵衛君) 昨年の事件は、大阪の鉄鋼金属団地の造成に関連いたしまして起きた事件でございます。その移転団地造成を担当する課長が、しばしば団地造成につきまして相談をする、あるいは現地を視察するという関係でもって、大阪岸和田市の現地に参っておったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、事業団の人員も非常に少ないものでございますから、一人ないしは少数の者で行くこともしばしばあったわけでございます。そうして、それに対しまして、大阪鉄鋼金属団地の協同組合、その組合に私どものほうが移転団地を造成して譲渡したわけでございますが、その理事長も、本人がたびたび来て、いろいろと相談に乗ったり調査もしておると夜おそくなることもあるというようなことで、夕めしをごちそうしたり、あるいはまた帰りの車代として何回かにわたりまして一万円ずつぐらいの金を渡したというようなことでございます。私どもといたしまして、先ほど申しましたように、何といっても一つはやはり、それぞれの個人の認識といいますか、こういうものに対する姿勢といいますか、そういうものが大事であることは当然でございますけれども、同時にやはり、一つの事業を行なうにつきまして、複数の人でそれを手がけるということがお互いにチェックをすることにもなりますし、また同時に、先ほど申しましたように、同じ仕事に長い期間従事するということは、やはりその相手方と、何といいますか、非常に親密の度が過ぎてしまうというような好ましくない結果にもなりますので、そのような点大きな原因であろうと思いまして、そういう点につきまして十分考慮いたしましてその後体勢を立て直している、こういうことでございます。 簡単でございますが、お答え申し上げます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どももいま理事長の言われましたように考えておるわけでございますが、これはまあ事業団としては、人員が少ないのでございますので、非常におつらくて、二人というのはなかなかたいへんでございますが、やはりそれが一つ大事なことで、公団のこともほんとうは一人の人が一つの仕事に十分熟達するということが能率からいえばよろしいのでございますけれども、それについていまのような御配慮を願っている。で、私どもは、先ほども申し上げましたが、そういう毎月の事業団の計画について一月ごとに話を聞き、また検討を事業団の関係者とも御一緒にやっておると、こういう体制をとっております。
○参考人(原文兵衛君) ちょっともう一つつけ加えさしていただきたいと思いますが、実はこういう中小企業の移転団地——これは中小企業の移転団地の造成でございますが、先ほど申しましたように、中小企業のそこに入る人たちに協同組合をつくらせて、そこに譲渡するわけでございます。やっぱりこのほかにも、そういうような公害防止のための団地をつくっておるわけでございますが、この組合の人たちに対して、事業団というものは政府の機関であり、事業団の職員というものは公務員に準ずるのだという点を十分徹底してまいりたいと思いますし、その後それぞれの組合の幹部にも、組合のほうで何か悪意でなく、お礼心のような気持ちでもって、夜おそくなったりしたからごちそうする、食事を出すというようなことも、これはいけないのだというような趣旨のことを民間の方にもよく徹底してもらうようにお話をしたというようなこともございますので、つけ加えておきたいと思います。
○峯山昭範君 私は私なりにこの汚職の原因がどこにあるかということをずいぶん検討してみたんですけれども、確かに個人のこういうことに対する姿勢の問題もそれは根本にはあるでしょうけれども、やはり一人になったときには人間的にも相当弱いし、そういうような問題が起こりかねない。私は、事業団の組織そのものにこういうような汚職が起きる根源があるんではないか、そういうぐあいに考えるわけです。なぜかといいますと、私も先日から資料等いただきまして検討したんですけれども、ことしでも公害防止事業団自体は、全部で五十数人の職員で二百何十億という予算を使って事業をやるわけです。しかも、その中で、いわゆる仕事の監督とか、そういう受け渡しをやる部門というものは十数人なんですね。それを二人でやれなんというのは相当無理なんじゃないか。そういうふうに何十億というようなたいへんなお金がわずかの職員の判断にまかされておる。そうじゃなくて、実際は会議を開いてきめているのだとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし実際は、そこまで書類が上がってくるまでにはほんのわずかの人が仕事をするということになるわけですね。そういうところにも一つこの問題の原因があるんじゃないか、私はこういうぐあいに思うのです。 それともう一つは、いわゆる仕事の内容ですね、組織構成はどういうぐあいになっているのか。そういう場合に、たとえばこれは工業団地の受け渡しですね、工業団地をつくってそれぞれ業者にそれを分譲したわけですね。こういうような分譲というのはどこで扱っているのか、事業費というのはどこで扱っているのか、もう一つ、事業団で公害防止の設備をつくってやる部門がそれぞれあると思うのですね、それぞれ部門は分かれておると思うけれども、それぞれ何人ずつでやっているのか、それを一ぺんお伺いしたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) こういう汚職ができた原因の一つは、非常に少ない人数でもって多額の事業費を扱っているということにも原因があるのではないかというお話でございます。私どももやはり、そういうものも大きな一因であろうと思います。いま四十五年度の予算案として出ておりまする四十五年度の事業費は二百十億ということでお願いしておるわけでございますが、これに対しての事業団の人員は確かに少ないのでございまして、実は私どももやはり、もっと適正な規模の職員にしなければならないと思いまして、例年増員方を予算のつどお願いしておるわけであります。御承知のように、私どものほうの役職員は、一般の交付金でございますので、定員が認められませんと、事業団自体でもって人数をふやすというわけにはこれはまいりませんので、その辺毎年またこれからもお願いしてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、現在の事業団の組織並びにそれに伴う人員でございますが、理事長と、それから理事が三人、常任顧問が一人、監事が一人、これで役員を構成しております。そのもとに部が三つございまして、総務部、業務部、工務部というふうになっております。総務部におきましては、総務、経理、企画というような課がございまして、それぞれの仕事を担当しております。それから業務部は、事業一課、事業二課、融資課という三つの課がございまして……、ちょっと言い落としましたが、総務部と業務部には、部長の下に次長が、その下にそれぞれの課がございます。で、特に業務関係が主であろうと思いますので、これについて詳しく申し上げますと、業務一課の中に管理室と共同処理施設係とそれから二号業務室というのがございます。これは業務課長以下八人でございます。それから業務第二課のほうに三号業務室と共同福利施設係というのがございまして、これは課長以下六人でございます。融資、これは個々の企業が個々にあるいは共同して自分のところでもって公害防止施設をつくるについて、それに要する資金を融資すると、こういうことでございますが、やはりその融資課には融資係と審査係がございまして、課長以下七人でやっております。それから工務部のほうに工務第一課、工務第二課がございます。工務第一課は課長以下五人、工務第二課は課長以下五人、これは設計であるとか、あるいはいわゆる工事の監督であるとかいうようなことを担当しております。そのほかに大阪に連絡事務所がございまして、そこに二人ということになっております。 事業のほうは建設事業と融資事業でございますが、融資事業のほうはいま言った融資課でございますが、建設事業のほうは、法律によりまして一号業務、二号業務、三号業務、四号業務となっておりまして、一号業務というのが共同の公害防止施設の設置、造成、譲渡、二号業務というのは工場アパートの造成、譲渡、三号業務というのが先ほど問題になりました工場移転用地の造成、譲渡、四号業務というのが共同福利施設と申しましていわゆる緩衝緑地——クリーンベルトでごさいいます。そのうちの共同公害防止施設と二号業務——工場アパートが事業第一課のほうに属し、三号業務——工場移転用地と共同福利施設——緩衝緑地が事業第二課に属する、こういうふうになっておるわけでございます。
○峯山昭範君 非常にこまかいところまで言ってまことに申しわけないのですけれども、これから私がいろいろ質問する際に大事な問題でありましたから質問しましたのですが、それからもう一つ、いまの話の中にもありましたけれども、業務室というのがあるのですね——二号業務室、三号業務室、管理室というのもあるそうですが、これは室長さんいらっしゃるのだと思うのですが、たとえば事業第二課長さんは次長さん兼任ですってね。そうすると、六人ですね。問題の起きたところですが、全部で六人です。六人で、それじゃ、これはその下へいきますと業務室長さんというのもやはりいるのだろうと私は思うのですが、私が調べますと、業務室長さんというものは、たとえば防止事業団のいわゆる組織令の中にこの業務室なんというものはありませんね。要するに、これは事業団でかってにつくった名前なのか、またはそういうふうなのを仕事の都合上つくっているのか、いろいろ問題があると思うのですよ、私はね、ここら辺のところはどうですか。
○参考人(原文兵衛君) この二号業務室というのは、先ほど申しましたように、工場アパートの係でございます。三号業務室というのは工場移転用地の係でございまして、当初は工場アパート係、工場移転用地係としておったのでございますが、この仕事が非常に大きくなりまして、また数もふえてまいりましたので、いわゆる係ということではこなし切れませんし、同時にまたそこの課長のもとにやはりその工場アパートなり工場移転用地については相当な責任者を置いてやったほうがより能率的であると同時に、何といいますか、先ほど来の仕事の面におきまするチェック作用もあるであろうということで、最初事業団の組織規程には、いま申しましたように、工場アパート係、工場移転用地係でございますが、その事業量の拡大に伴いまして、まあ一つにはこの仕事の運営をスムーズにするというようなこともございまして、昨年の四月から理事長の達でもってこの係を室にいたしまして、そうしてその室長というものに相当の責任を持たせる、こういうふうに改めた次第でございます。
○峯山昭範君 どうも私はそこのところは得心がいかないのですね。全体で要するに課長以下五人しかいないわけですね。それを二つに分けて、工場アパートのほうと工場移転用地のほうと二つに分けておるわけです。二人ぐらいですよ。二人のうち一人は室長さんで、一人は室長代理さん、全部役がついているわけですよね。それで非常に私は、人数が少ないということと、それからそういう組織の面についても、実はこんなことを言って申しわけないのですけれども、私のところへ実際説明しに来た人、その人の名刺を私ぱっと見ますと、室長代理になっているのですよ。室長代理というのは私は何ですかと聞いたら、もうおろおろしてわからないのですよ、結局ね。組織令の中に何にも載っていないし、いま何か、去年の四月ですか、つくったという話ですけれども、そこらがやっぱり組織の面できちっとした管轄が行なわれてないのじゃないか。仕事の上で私は必要だとは思うのですけれども、そこら辺のところも、やはり責任を持たせる場合でも、たとえば室長さんというのは何だと私聞いてみると、専門職のことだと、初めから専門職と言えばいいんじゃないかと言うと、いやそういうものではどうも権威がないので、名刺の上でやっぱり室長のほうが感じがいいのでと言うのですね。どうもそこら辺のところはっきりしていないのですね。ですから、こまかいことですけれども、少ない人数でそれだけ責任を持たせるためには、それだけ組織の面でもすっきりさせるべきじゃないか、こういうぐあいに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(原文兵衛君) 私のほうといたしましては、たとえばいまの二号業務室にいたしましても、三号業務室にいたしましても、課にはさらに人員を増強してしっかりした組織にしたいと考えておったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、人員に制約がございましてどうしてもそういうふうにまいりませんので、まあ何かこういう組織の上で室とか係とかいろいろごたごたしているようでございますが、むしろまあ係よりも一つ格上げした室にして、そうして責任を持たせる、こういう考えで、昨年の四月に、これはいわゆる事業団内の文書の規程がございますが、その理事長達というあれであとに残す文書でございます。それではっきりした制度をつくったわけでございます。
○峯山昭範君 この問題については、いずれにしましても、今回の汚職等から関連して、私はまず組織の面が弱体じゃないかというところに目をつけたんです。いずれにいたしても、この問題は、人数が少ないということであります。みんな役がついておって、下のほうは一人もいないということになりかねない状態ですし、やはり少ない人数でやる場合は、どうしてもそういう点は十分配慮していかなければいけないんじゃないか、こういうぐあいに思っております。 それからもう一つは、特に上のほうが混成部隊であることですね。これはどうかな、混成部隊であるから責任感が薄れていくんじゃないかという点もあるのですが、この点私はそんなことないと思うのですが、その点いかがでしょう。
○参考人(原文兵衛君) 御承知のように、当事業団ができましたのは四十年の十月でございまして、厚生省、通産省両省の共管のもとにできた事業団でございます。私どもの事業団といたしましては、やはり公害防止という事業を進めるについては、役所の公害防止計画、それの一環として進めていくという必要がございますので、特に関係省等の連絡が緊密でなければならないのでございます。そういうような意味合いもございまして、確かにおっしゃるように各省から役職員が見えておるのでございます。しかしながら、見えておる役職員はそれぞれやはり公害防止というのはいま一番大事な仕事だと自覚してみんな一生懸命やっているのでございまして、各省から来ているがゆえに、混成部隊なるがゆえに意思の疎通を欠くとか、あるいは責任感が欠除するとかいうようなことは私は毛頭ないと信じてやっておるわけでございます。
○峯山昭範君 そういうふうにやっていただきたいと思います。 そこで、この問題はこのくらいにおきまして、具体的な問題に——大臣が四十五分までしかいらっしゃらないそうで、途中ですが、大臣のほうを抜かしてはいけませんので、それを先にやります。 初めに、事業団のいわゆる事業の内容の中で、塩釜の水産アパートの問題でありますが、この問題についてはいろいろな問題があります。私は、この問題について、どうしても公害防止を推進する意味におきましても大事な問題でありますので、ここで取り上げたいと思うのでありますが、この一覧表によりましても、いわゆる塩釜の水産アパート——塩釜水産物加工工場アパート、これは塩釜市が譲渡の相手方でありまして、事業団としましては四十三年の一月三十一日に約五億のお金で契約しているわけでありますが、これがどうもうまくいかなかったということで、ずいぶん地元からも陳情があったのであります。自治省のところにも行っていると思うのですが、要するにこの工場アパートはどういうふうな経過でどういう点がまずかったのか初めにお伺いしたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) 塩釜の水産加工工場アパートは、昭和四十二年の九月に塩釜市当局から譲渡の申し込みを受けまして、それに基づきまして水質の調査等もいたしまして設計をし、そして水産加工工場アパートとそれに伴う排水処理施設を建設いたしまして、一昨年の四十三年十二月に完工し、塩釜市に譲渡したわけでございます。ところが、実際に操業いたしますと、かまぼこ製造の過程におきまして出る排水の濃度が、当初予定していた濃度よりもはるかに高いということになりまして、そのために排水処理施設の機能が十分発揮できなくなったというわけでございます。この点につきましては、最初のいわゆる排水の濃度の調査等が間違っていたのじゃないかというような点につきましてもいろいろと問題があろうかと思いまして、私どもも真剣になってその対策並びに当初のいろいろなことを検討したわけでございますが、確かに、何といいますか、われわれのほうの事前調査が完全でなかったと、十分でなかったという面もございます。同時にまた、工場が操業してからの魚の処理ですね、処理の過程において、何といいますか、十分適切な処理が行なわれていなかったというような面もありまして、いろいろな原因がまざり合いまして水処理施設の機能が十分発揮できなくなっていた。まことに遺憾な結果になったわけでございます。最初のうちはちょっとうまくいっていたのですが、昨年の六、七月ごろからどうも機能がうまくいかなくなったわけでございまして、昨年の八月ごろに共同の水処理施設の前処理施設といたしましてダグーン池という一つのため池をつくって処理をしたり、いろいろなことをやっておりましたが、一時的にはそれによってうまくいった期間もありましたが、またそれが一ぱいになってうまくいかないというようなことを繰り返しまして、沿岸漁業者あるいはノリ組合等からもいろいろなクレームを受けたこともあるわけでございます。私どものほうといたしましては、塩釜市当局並びに水産加工工場組合の人たち、さらに東北大学の専門家の先生、宮城県の当局の方々等にもいろいろとお集まり願って、そのつど真剣にその対策を講じてきたわけでございますが、本年の一月になりまして、私どもの事業団内に、諮問機関といたしまして塩釜水産加工団地排水処理施設の建設に関する基本構想検討委員会というものを設置いたしまして、ここで徹底的にこの問題を解明すると同時に、塩釜市におきまして、さらに、御承知のように、塩釜市には二百六十余のこういう水産加工工場がございますので、それらを市内からやはり離れた団地に移して、市内の公害を防止したいという考え方を持っております。すなわち、第二次の計画があるわけでございます。そこで、その第二次につきまして二度とそういう失敗を繰り返さないように、また同時に第二次を進めるについて第一次のものについてもすっかり手直しができるようにというような意味合いにおきまして、いまのような諮問機関としての委員会をつくり、ここには、東北大学の工学部の教授、あるいは厚生省、水産庁、通産省、東北工業試験所というような関係御当局の専門の方々、さらに宮城県の衛生部、水産林業部、塩釜市、あるいは東北学院大学、東北工業大学等の地元のそれぞれの大学の専門家の先生たちにもこの委員会に入っていただきまして、何回か委員会を開き、また現地でもって実際に調査もしてもらいまして、いませっかくこの問題を検討中でございますので、なお経過その他の詳細につきましては、もし必要がございますれば、現地にしばしば行っております担当の理事が見えておりますので、詳しい点につきましては理事からお答えさしたいと思います。 以上でございます。
○峯山昭範君 今回の事件は、非常に公害防止事業団としても私は誠意がなさ過ぎると思う。まあいろいろ話を聞いておりますと、要するに今後の対策については審議会等をつくってやっていると言っていますけれども、私はそれ自体もどうも隠れみのくさい。第一次の原因がはっきりしてない。要するに、初め濃度を検査したとき、その濃度の検査が非常に甘かった。そのことについても、非常にこれは、これだけで間違いなかったのだということで、あとで打ち合わせをしている。実際はものすごく、二万近くもあった。いわゆるBODが一万五千から二万PPMあった。それを二千近くしかとっていない。水産庁に聞きましても、いわゆるそういうふうな魚の汚水がどのくらいのBODであるかということははっきりしているわけです。私は電話でいろいろ聞きましたけれども、それだけでも初めは四千ぐらいあるというのです。それを二千のPPMで計算をすれば、当然どろっとしたものになるにきまっている。しかも、それだけでなく、理事長がいまおっしゃいましたように、ダグーン池をつくった。これは池をつくったと簡単に言っておりますが、事業団としても五千万だかのたくさんの金を出してやったでしょう。それもだめになった、かえって前よりくさくなったというのでしょう。それで漁民はノリや海水が汚染してたいへんな思いをしている。地元からも理事長のところに何回も陳情に行っているはずです。にもかかわらず、これの原因すらまだ究明していないというのじゃ、私は許されないと思います。 私はきょうはもっと具体的に聞きますが、いわゆるこの塩釜の水産加工工場アパートの設計は一体どこが担当したのか、その設計の責任者はだれか、これをはっきりしてもらいたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) この問題につきましては、私どもも非常に反省するところがございまして、実は責任のがれなどという気持ちは毛頭ございませんで、塩釜市当局とも何回も行ったり来たりいたしまして、原因の究明と同時に、いわゆる急場の対策あるいは恒久対策というようなものをいろいろと相談してやってきたのでございますが、確かに、おっしゃるように、どうもなかなか思うようにいきませんで、非常に残念に思い、また責任を感じているわけでございます。 なお、ただいま申し上げました諮問委員会の基本構想検討委員会というのは、決して隠れみのというものではございませんで、これは第二次に再びそういうようなあやまちをおかさないように、十分いろいろな角度から検討すると同時に、第一次の施設がどうしてうまく機動しなかったかという、いまお話のございましたように、最初の調査の利用時の濃度が甘過ぎたのではないかということも確かにあろうと思います。そのほかいろいろ原因もあろうと思って、第一次の水産加工共同排水処理施設がうまくいかなかったことにつきましても、この委員会で十分検討し、結論を出して、そして手直しできるものはやる、こういう考えでやっておりますので、一応私からそういう点を申し上げまして、なおただいまの経過等につきまして理事のほうからお答えいたさせたいと思いますので、お許し願いたいと思います。
○参考人(古沢実君) ただいまの先生の御質問に対してお答えします。 まず設計の業者でございますが、水処理に関しましては、現在名前が変わっていますが、当時の住友機械——現在の住友重機械、これが水処理施設一切を、それから化成機械といいますか、そういう中で出ます頭とかはらわたの部分、これを処理しまして、そうしてこれを、フィッシュ・ミールといいますか、フィッシュ・ソリュブルといいますか、そういう形にして売る。いわゆるそういう頭やはらわたの部分をスラワジとして処理する場合非常にむずかしいものですから、それを有効利用ということで、それが住友商事、それから、御承知のように、この工場アパート全体の金額が約五億円でございますが、主体は建物の部分でございまして、水処理の部分は五千万円、残りが建物と土地でございます。建物の部分については竹中工務店、設計は梓建築事務所。建物のほうはそう問題はないわけであります。水処理については、以上のようなことです。 それで、先ほど来先生がおっしゃいましたとおりで、はなはだわれわれとしても遺憾に思っておるわけですが、何ぶんにもわれわれこういう形で、基本構想検討委員会ということで、東北大学の先生を座長にしてすでに四回も開いて、問題点の究明その他についても徹底的に行なっているつもりでございます。一番の問題といいますのは、日本の水産加工の水処理というものをこういうふうに大規模でやったということは日本で初めてだということでございます。これは実は委員会の中で、各地のいろいろなこういう水産加工水処理、あるいはそれに類似した家畜だとかその他の関連での水処理のものはどこか適当な例はないかということで徹底的に調査を始めておるわけですが、遺憾ながらこういう大規模な事業はございません。こういう形で一日六百八十トンという水の処理をする、こういう大規模なものの水産加工の公害防止というか、汚水処理といいますか、こういうものは初めての経験だということでございます。まず最初の昭和四十二年に塩釜市から御注文いただきましたときに、さっそくわれわれのほうとしては、塩釜市、それからその監督その他をされている宮城県庁、そういうようなものといろいろ御相談をしまして、まず水の質はどのくらいだということでいろいろ調査を始めたわけでございます。これに関連して、もちろん宮城県の衛生研究所、あるいは日本衛生環境協会、そういうようなところにもいろいろお願いをしまして、そうして工場を調査したわけでございます。水産加工といいますか、塩釜の水産加工は笹かまぼこをつくる工場でございますが、原料が北洋スケソウでございます。これが入荷の時期が大体九月の半ばごろから三月あるいは四月ぐらいまでだということでございます。そういう意味で、たまたま依頼されました時期がちょうど端境期だということと、このような大規模の水の処理をするということの前例がなかったということで、結局市内の小工場の水の濃度を調べる以外にはなかったということで、いろいろ調査を重ねた結果、利用時にしまして二千百三十PPMということでもってスタートしたわけでございますが、これは御指摘のように、ただいま理事長が申し上げましたように、すでに昭和四十三年の十二月十日に塩釜市に引き渡しておりますので、塩釜市としては十二月の十八日から作業に入りました。当初はわりあいによかったのですが、その後昨年の一月になりまして、われわれ調べた結果としては、それよりも三倍ないし四倍近い悪い水が出るということで、いろいろ原因を調べてみました。その調査の結果はっきりいたしておりますのは、大きな工場でいろいろと共同作業をするということで、一つの省力化といいますか、そういうことのねらいで機械操業をしたということでございます。機械操業する場合に、頭を切り——機械の場合には頭を自動的に切る操作でございます。この頭を切る場合に、いろいろな処理——専門的でちょっと恐縮でございますが、特に頭を切ったときの濃度が悪い水が出る、こういう点が判明いたしました。それからはらわたの処理、これはかまぼこをとったりなんかするわけでございます。
○委員長(西村尚治君) できるだけ簡潔に御答弁願います。
○参考人(古沢実君) それじゃ簡潔にいたします。 そういうことで、いろいろあれしましたのですが、原因につきましてはいろいろな角度で研究しましたのですが、問題が非常に大きいということで、いまの先生のように、原因がどういうところにあるかはっきりしないということについていろいろ御質問がございましたが、われわれとして、いま委員会その他われわれが調査した結果では、作業条件についてもう少し改善をする必要があるんじゃないか。ここでもってできるだけ悪い水を流さないようにするというふうな点で、現在そういう意味でのそういう作業状態の改善について何らかの手を打っていけば、相当悪い水が出るのが防げるんじゃなかろうかと、こういうふうな形で研究して調査しておるわけでございます。
○峯山昭範君 あなた方、とにかく今回の問題について真剣に、これから対策をどうしようかということについては真剣にやっているように私はとれますけれどもね。第一次のアパートが失敗したということについて、どこに原因があるかということについては何ら本気になって取り調べようとしていない、私こう思うんです。なぜかというと、いまも理事からも話がありましたように、約五億近くのいわゆるこの工事、その中で五千万円が水処理だ、五千万円しかかけて水処理の装置をつくっていない。ところがこれがうまくいかなくなったというんで、すぐそのあとで五千万円かけて池をつくっているでしょう。それ自体も、その前の原因を突き詰めないで池つくっちゃったから、池にまたきたないものをほうり込んだから、池は前よりどろどろになって、二十倍も三十倍もきたなくなった。そういう点、いまも私が聞いたのは、要するに初めに設計したとき、どこが設計して、そしてどこがいわゆる二一三〇PPMというその数字を出してきたのか、そこら辺からもう初めから間違っているわけですから、その間違いの責任はどこにあるのか。国のお金を五億円近く使っているわけです。しかもそれだけじゃなくて、これから相当お金がなければ解決しないんです、この問題は。本気で取り組まないと、これはたいへんなんです。だから私はこの問題について聞いているんですけれどもね。一体水の濃度については設計する段階から必要なはずです。いまいろいろ理事がおっしゃった、私はかまぼこつくるときにすり身で——それは全国的に見ても塩釜のいわゆる汚水というのはよそよりたいへんだということは初めからわかっている。そんなことはわかっているんです。水産庁でぽんと聞いたときに、最低四〇〇〇PPMあると思いますよというんです。それを二〇〇〇PPMできめたというところに、まず第一に誤りがあるわけです。どろっとした水が流れてくるのですから、水をよけい入れなければならない。うまくいかないのはわかっている。小さなところに水を入れると、あふれて水処理装置がだめになるのはきまっているんです。東北大学の先生を入れていろいろやっておりますけれども、それも大事かもわからないけれども、まず初めの設計のミスはどこにあったのか、これをはっきりしませんとなかなか解決しませんよ、これ。私は、その設計は住友がした。その住友がしたんなら、それじゃ住友に責任があるんで、初めから住友にどういう責任をとらしたのか。また事業団が設計したんであるならば、その事業団のどこが設計したのか。責任はやっぱりその設計の段階にあるわけですからね。だからぼくは、それをはっきりしてもらいたいと言っているんです。
○参考人(古沢実君) 先生がおっしゃいました点で、まず塩釜市からわれわれのほうに御依頼がありましたあれは、水処理については五千万円で引き受けてくれという御注文がございました。それで、それ以外の経費が、誤解があるといけませんが、先ほど申し上げましたように建物関係、土地関係あるいは冷蔵庫その他のものでございます。五千万円で引き受けてくださいという注文がございまして、それで水処理その他、水の質その他を調査しましたが、遺憾ながらこれはもう先生が御指摘のとおり、予想と違って悪い水が出てきた。こういう点はございますけれども、向こうからの注文では五千万云々ということでございます。それから、それでは現在の曝気槽二一三〇ではとても処理できませんので、何らかの水処理施設が必要であるということで、先ほど理事長が申し上げたように、先生が集まって昨年来毎月のように現場へ行きまして会議しました。そうしました結果としていろいろな案が出たのですが、やはりいろいろな経費その他の関係がございますので、大きな池をつくって、そこで三日ないし四日滞留して処理するということが、こういうふうな悪い濃度に、水を二〇〇〇ぐらいに下げて、それで曝気処理が画期的なものであるということできめたわけでございます。それで、先ほどの責任問題その他については、これはわれわれのほうとしても大いに設計業者である住友とも相談し、住友としては材料その他についてのアフターサービスといいますか、そういうふうな形でやってもらっているわけでございます。
○峯山昭範君 それじゃ静かにもうちょっと進みますけれどもね、要するに私は、いまのあなたの話もほんとに得心ができないのですがね。公害防止事業団として、市から五千万円でやってくれと言われたら五千万円で当然やらなくちゃならぬのかもしれないけれども、だけども市のほうの契約の中で私もいろいろ確認したのですけれども、浄化槽の機能について、三百二十トンの原魚を処理する。そのためには六百八十トンの水で処理する。そして処理された水はBODで一〇〇PPM以下にという要望があったはずですが、これはどうですか。
○参考人(古沢実君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 ということは、そのとおりの要望があって、要するにもう全然そのとおりの要望があって、それは五千万円でできると事業団は判定していらっしゃったのですか。
○参考人(古沢実君) そこで、先ほども繰り返し申し上げますように、いろいろ水質調査をしまして、二一三〇PPMならば十分に一〇〇PPMまで下げれる。雑廃水も入れまして六百八十トンの水を処理できるということでお引き受けしたわけです。
○峯山昭範君 私、さっきから言っておりますように、調査した責任はどこにあるのか。水の二一三〇PPMと判定したのは、どこに、いつの時点をとって調査し、その調査についてはいつ責任が、どこに責任があるのか。この点は非常に大事な問題でしてね。私、実はこの点について、市とかそういう人が集まって、前の調査では間違いなかったなんて確認したりしているわけですね。私、日にちもちゃんと聞いてきていますけれども、非常に不明朗な点があるんですよ。それで、ですからもう一ぺんお伺いしますけれども、この二一三〇PPMというのは、どこがいわゆる水を取ってきて、何日の時点でこういうあれが出てきたのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(古沢実君) 先ほどの先生のあれで、確かに関係者が、それを誤りであったと、見込み違いであったということは関係者すべて認めるところでございます。そして水の調査でございますが、これは市、県の御案内で四十二年の九月に三工場程度調査いたしました。
○峯山昭範君 私はいろいろ調べてみましたら、もっと事業団としても私は突っ込んで調べてなければいけないと思うんです。少なくとも私よりずっと調べてなければいけないと思うんです。いまおっしゃいました四十二年の九月十二日に事業団の係官が来て、そして市内の三カ所の水産加工業の汚水の水質検査を行なう、そういうぐあいに私のもとに報告が来ております。そうすると、この十二日の日にはどれだけの原魚が揚がったということになっているのか。事業団としては、九月十二日には魚が、原魚がどれだけ揚がったのか、その点についてはどういうぐあいにわかっていますか。
○参考人(古沢実君) ちょっとお答えしますが、三工場、九月十二日でございます。で、佐藤さんという会社に油井さん、竹田さんという会社でございまして、佐藤さんの会社のBOD濃度が一四〇〇、油井さんが二七〇〇、竹田さんが一四〇〇、こういうことでございます。
○峯山昭範君 ということはね、私が聞いておるのは、この九月十二日は原魚の水揚げ量が塩釜市全体で五十四トンしかなかった。普通は塩釜市の水揚げ量は三百トンから五百トンになっている。この日は非常に魚の少ない日で、要するに水をふんだんに使ってやっているときに、こんな日に調査したんじゃおかしいというのはわかるわけですよね。それで、担当者はわかるはずです。もちろん設備が五千万というワクできめられておれば、それは一応のワクははまっちゃうかもしれませんけれども、あとでこういうような大問題になって、その設備がもう全然使えない、しかもあとでつくったダグーンも全然だめだ。しかも近海の、いわゆるノリとかカキとかつくっているそういう近海まで汚染してしまった。ということは、私はもっと事業団自身にもこういうことについて本気で取り組んでいくまた姿勢がなくちゃいけないし、またこういう問題を解決する決意がなくちゃいけないのじゃないか、私はこう思うのですが、この点いかがでしょうか。
○参考人(原文兵衛君) おっしゃるように、確かに事前の水質調査等におきまして十分な手段を尽くしていなかった、不十分な点があったということは私どもも反省しているわけでございます。したがいまして、今後そのようなことがないように、特に汚水処理施設というのは、非常に実験場でやったのと実際に施設をつくってやったのと違うような場合も、ほかの例でも聞いておりますので、そういうような点、事前調査を徹底的にするという覚悟でもってその後やっているわけでございまして、この塩釜の問題につきましても十分その点を痛感いたしまして、第二次と並行して、先ほど申しました諮問委員会で一つのいい手直しの手段を結論を出して、何とかりっぱに機能するようにさしたいという決意でやっております。 以上、簡単でございますが、御了承願いたいと思います。
○峯山昭範君 いまこれはたくさんの問題がある中で、水質の問題だけでこれだけなんです。たとえば、もうちょっといきますと、この水質自体がそういうぐあいにしていいかげんな調査であったということになるわけですね。そのためにこういうふうな、いわゆる五億近くかけてやった事業そのものがあとでいろんな問題を起こしてきた。いわゆるその検査は一体だれがしたのか。初めはうまいこといったと言うてますけれども、完成したのは十二月十八日ですか、そうでしょう。そして、あくる年の一月にはだめになっているわけです。ですから、もうほんのわずかの間です。これはやはり設計の段階からその装置がまずかったという点になると、これは事業団として、もう全面的にひっかぶってこれをやらないといけないと私は思うのです。私そういうぐあいに思うのですけれども、まず第一点は、完成したときは、完成検査というのは一体どういうぐあいにして行なわれたのか、また報告書がきていると思うのですが、これはどういうふうになっているかお伺いしたいと思います。
○参考人(古沢実君) ただいまの御指摘の完成検査の問題については、建物の関係、その他いろいろ配管あるいは化成機械、そういうような関係は、うちの工務部でございます。そこで専門家が立ち会って検査をし、それから水処理については業務の専門家が立ち会って検査をしたわけでございます。ただ、その当時原魚が入っておりせんでしたものですから、何といいますか、一種のから運転といいますか、そういう形で検査をせざるを得なかったということでございます。
○峯山昭範君 ということは、事業団としてはから運転の引き渡しはやったけれども、実際に魚を入れての、操業をしての引き渡しはやってないわけですね。
○参考人(古沢実君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 当然そういう場合は、私は汚水処理装置ですし、当然実際に汚水を処理する装置の引き渡しですから、そういう面での試運転引き渡しが必要だと思いますが、どうですか。
○参考人(原文兵衛君) 当時の、何といいますか、早く操業したいというようなことでもって、引き渡しを非常に追られていた事情もございますけれども、いまおっしゃるように、確かに原魚を入れて十分試運転をして、そして引き渡すべきであるというふうに私ども考えまして、いわゆる試運転期間というものをやはり十分やらなければならないということを反省いたしまして、今後その点について遺憾のないようにしてまいりたいというように存じております。
○峯山昭範君 こういうぐあいにして、この塩釜の汚水処理装置一つ取り上げてみましても、先ほど工務部の方がそれぞれ検査に行ったということでございますけれども、私も実際先ほども、一番初めに申し上げましたように、非常に少ない人数ですね、専門家がいるとおっしゃっておりましたけれども、私きょう、先日出していただいたこの資料によりますと、課長さんはもちろん専門の方かもしれませんけれども、あとの方は非常にまだ若い方が多いわけですね。これはほんとうはこの人も専門家だろうと思うのですけれども、非常にそういう点でほんとうにどの程度の専門家かということになると問題だと思うのです。そういう点からいくと、やはりまだ検査の面にも手落ちがあったのではないか、そういうぐあいにも思うのです。いずれにしても、この問題については、今後重大な問題でありますし、やはり事業団としても、設計の段階から手落ちがあったわけですし、これは前向きで検討してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○参考人(原文兵衛君) もちろん私どもも反省させられている点がたくさんございまして、前向きで十分検討してまいりたいと思います。
○峯山昭範君 それから市のほうも、さっきもちょっと私も言いましたように、市のほうの要望は、先ほど五千万円でという要望だけしかおっしゃいませんでしたけれども、実際問題として市のほうの要望というのは、先ほど確認しましたように、浄化槽機能は三百二十トンの原魚を六百八十トンの水で処理する。そして出てくる水をBODで一〇〇PPMと、こういうふうになっておるのですが、そういうふうになる装置をつくるように、そうでないと一切意味なさないです。においは前よりする、海岸は汚染するということになるのです。そういう点でも、当然市のほうに対し、市のほうとしてもことしに入りましてからたびたび市議会を臨時に招集して、この原因等の究明にも当たっているようですし、当然理事長のところにも陳情書がきておると思いますけれども、何とかうまく解決するようにしてもらいたいと思います。 それからもう一点お伺いしたいのですが、このことで、塩釜のいわゆるこういう汚水が海岸に流れ込んで、それが原因で海水が汚濁されて漁民とのいざこざが起きておるということを聞いておるのですけれども、これはどういうぐあいに解決されたか、お伺いしたいと思います。
○参考人(古沢実君) ただいまの先生の御質問については、特に昨年の暮れからことしの初めにかけましてたいへん問題が起こりまして、ちょうどカキだなの種つけのときにそういうような問題がありましたのですが、いろいろ市と県会、漁業者の話し合いで、現状やむを得ないのではないかというふうに市長のほうから聞いております。
○峯山昭範君 ちょっと私、いまの答弁全部聞きとれなかったのですが、現状でやむを得ないなんというのではちょっとたいへんだと思うのです。処理装置がこういうようなことでは、せっかくの公害防止も何のためにやっているかわからないということになるのです。ですから、この点はやはりもっと責任を持って解決をすると、そういう方向でなければ私はいけないと思うのです。どうでしょうか。
○参考人(古沢実君) 先生の御指摘のとおりだと思います。ただちょっと説明が足りませんでしたけれども、ことしの一月か二月か、市長から報告がございまして、空中その他からも、いろいろな団地から流れてくる汚水が沿岸漁業者なり何なりに影響を与えているかどうかというふうな調査をさしだそうです。そうしたら——これは市長の報告でございましたけれども、各所からいろいろ汚水が出ておるというふうなことで、必ずしも加工団地だけのものではないという報告を受けております。
○峯山昭範君 そんなこと言っているからまずいのです。あっちからもこっちからも出てくるかもしれぬけれども、しかしながら公害防止事業団がつくったいわゆるこのため池から漏れるにおいというのはたいへんなものらしいですね。そのにおいをかいだら二、三日めしは食えないといいますから、たいへんなものです。ですから、これは当然流れ込んで、たいへんな状態にあるらしいのです。この点はやっぱり、よそからも流れ込んでいるから、うちはもうしょうがないのだというのじゃなくて、やっぱりもっと前向きでこれは検討しないと、責任をもって解決するという姿勢でないといけないと思うんですよ。要するに、こういうぐあいにちゃんと処理できなかったというのはやっぱり問題なんですから、この責任はやっぱり市当局にあるんですか、これは。理事長。うまくいかなかった責任は市当局にあるんですか。
○参考人(原文兵衛君) 先ほど来申し上げておりますように、事業団の最初の——これはもちろん事業団だけでやったわけではございません。市とも一緒になってやったわけですが、最初の排水のBODの調査等につきまして十分でなかった点が確かにあるのでございまして、私どもも十分責任を感じております。事業団だけに責任があるとか、市だけに責任があるとかという問題ではなくて、私どもも責任を感じて、市、県等も一緒になりましてこれを解決していきたい、前向きの姿勢でもってまた今後も十分処理していきたいというように考えております。沿岸浅海漁業者その他にも御迷惑をかけないように十分機能するように、今後処置していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○峯山昭範君 私もいまの答弁ではどうもこれは得心がいかないのですがね。なぜかというと、今回の装置は、これは全部事業団がつくったわけです。調査については、市のほうはもちろんBODを調査するときは魚屋さんを連れて歩いてこれはやらなければいけませんから、連れて歩きますけれどもね。当然事業団としては調査を本気になって、初めの設計の段階からちゃんとしなければいけない。そのための事業団ですし、市のほうも県のほうも一緒になってやっているから責任は三分の一ずつというわけじゃないでしょうけれども、現実にそういうふうな姿勢が見られるというのですよね。私のほうに全部責任があるわけじゃないと。それはそうかもしれないけれども、こういうふうな事業については、やはり事業団がつくって市に譲渡すると、こうなっているわけですから、譲渡する段階では試運転をやっていないのですからね。さっきも言ったように、試運転は、実際の試運転じゃなくて、何といいますか、から運転ですね。そういう点も受け渡しがいいかげんだった。いいかげんだというのは、人数も足りないからということになるのですけれどもね。それは人数足りないところは私も同情する。これは大臣もお見えになったから、ぜひ事業団の人数をふやしてもらいたいと、私もそう言いたいのですけれども、ほんとうにそういう点からも、やはりこれはもっといろいろな面から検討していただかないといけない。またその責任の問題も、責任をもって事業団として解決するという姿勢でなければ、いくらたっても解決しない、いつまでたっても押し問答だ、こうなると思うのですがね。それはいかがですか。
○参考人(原文兵衛君) 私申し上げましたのは、市なり県と一緒になって十分検討していきますと申しましたのは、その責任が三分の一ずつという意味合いではございません。もちろん事業団は事業団としての責任も十分感じております。十分反省しておるわけでございます。ただ、前向きにこれを処理する上におきまして、やはり現実問題として、市並びに県と一緒になってやっていかなければなりませんので、何とか前向きにこの機能が十分早く発揮できるように、したがってまた汚水が流れ出さないようにということを真剣になってやっていくという意味合いで申し上げたわけでございます。
○峯山昭範君 ちょっとこの問題についてもう一言言っておきたいのですけれども、この市のほうの要望としましても、またそこに入っておる業者にしましても、ことしの九月これは盛漁期がやってくるわけですね。それまでにはぜひとも恒久的な設備を完成してもらいたい。そうでないと、またもうたいへんなことになるわけですね。ことしの夏のくさいのをしんぼうしなければいかぬわけです。ですから、その点についてはぜひとも、ただ前向きに前向きにといつまで言っていてもしょうがないと思いますので、ぜひともその時点までの解決をお願いしたいと思うのですが、これはいかがでしょう。
○参考人(原文兵衛君) 私どもも何とかそういうふうにしていきたいという考え方でもって、いま鋭意努力をしておるわけでございます。
○峯山昭範君 もうこれ以上あれしませんけれども、いずれにしましても、これは第二次の加工工場のアパート計画も準備されていることでありますし、また第二次のほうは、金額の面でも第一次の倍以上とも聞いていますし、相当これから公害を防止する上においては私は重大な問題だと思うのですね。そういう面からぜひとも、今後の大きな問題でありますし、こういうふうな失敗は二度とやらないようにして、そしてやはり私は組織の中身の、それぞれ工事をチェックするところ、監督するところ等も、ほんとうに人数が少ない中でよくやっておると私は思うのですけれども、そういう点も考えあわせて、どうかこれからも公害防止のためにしっかりやってもらいたいと思うのですが、いかがでしょう。
○参考人(原文兵衛君) 私どももぜひそのような決意で、そのような方向に進んでまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 それからもう一つ私は事業団にお伺いしたいのですが、先日社会党さんのほうで質問のときに、こういう問題がありました。融資の問題ですけれども、この融資が大企業に片寄っているのじゃないか、こういう話がありました。そのときに、そんなことはない、いわゆる中小企業にもうんと窓口を広げてやっているという話はございましたが、私はまず、事業団にこの融資を受ける場合にどういうシステムになっておるのか、これを簡単にお伺いしたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) 事業団が指定しておりまする金融機関——都市銀行と指定されておる地方銀行、相互銀行並びに信用金庫に融資の申し込みをいたします。それぞれの代理金融機関が、それの公害防止の必要性その他について調査をいたします。同時に、都道府県知事あるいは通商産業局長などのこれは公害防止上この施設が必要であるというような証明書をもらって申し込みするわけでございます。それに基づきまして、代理店から事業団のほうに、これこれの申し込みについて融資をさせたいという、ここに進達をしてまいりまして、事業団でもって、それは審査をいたしまして決定する。そして代理店を通じて融資をする、こういうことになっております。
○峯山昭範君 ということは、まあ先般は私答弁聞いておりまして、要するにその申し込みが少ないとか、いろいろありましたですね。しかし全国で百六か幾つかの銀行と代理店契約を結んでいる、第一次的には、いずれにしてもその銀行がいわゆる審査をする、こうなりますね。ということは、その銀行で、銀行を通して融資した場合に、銀行自身も幾らかの責任を持たされる、こう聞いています。そうすると、銀行が選ぶわけですから……。いわゆる中小企業といいましても、事業団から出ております実態表を見ましても、いわゆる中小企業とは書いていますけれども、小企業なんてほとんどない、ほとんど中企業に片寄っているわけですね。ということは、なぜこうなるかというと、やはり銀行での掌握の段階でそうなるのじゃないか、こう私は思うのですがね。これはどうですか。
○参考人(原文兵衛君) 先般も私お答えしましたように、特に中小企業につきまして特別な配慮をしようというのは、いままでのいろいろな公害問題についての国会での御意見でもございますし、われわれのほうも、利率につきまして中小企業に特別な配慮をして、それがある程度かなってきたことは先般も申し上げたとおりでございます。中小企業の融資の申し込みもだんだんとふえてまいりまして、昨年度、昭和四十四年度は、件数におきまして全体の四一%、金額にいたしまして全体の四三%というぐあいになりまして、中小企業の申し込みの伸び率は非常に高うございます。なお、中小企業といっても、非常に零細なものについて件数がないのじゃないかというお話でございます。私ども、代理店には、中小企業につきまして特に配慮をするように、たとえば申し込みの順序等につきましても、中小企業につきましてはできるだけ配慮をして少しでも早くやるようにというようなことはいろいろと代理店には指示してあるわけでございます。現実に代理店でもって中小企業あるいは零細企業の申し込みがあったけれどもそれを受けなかったというような事例につきまして、銀行等にも問い合わせをしておるのでございますが、そういう事例の報告がございません。それからもう一つは、先ほどから申し上げておりますように、現実問題として私どもとしては、代理店でもって金融をする以外に、いま人手の点からいいましても、いわゆる直貸しというような能力がございませんので、やはり代理店に、中小企業につきまして十分考慮するように指示をしてやっていく以外にございません。特に最近信用金庫を代理店に拡張いたしましたのも、中小、特に零細企業対策の一つでございます。
○峯山昭範君 私は理事長、いま四十四年は件数で四一%、金額で四三%伸びておる、しかも各銀行に問い合わせてもそういう事例はない、私はこうおっしゃっていること自体がまずおかしいと思うのです。なぜおかしいかといいますと、事業団として貸付業務委託契約証書というものがありますね、この委託契約証書というものは、これは私は事業団からいただいたのですから、理事長さん御存じのとおりです。この業務について、たとえば第一に、「借入申込みの受理および審査」というのを銀行にまかせているわけです。これは幾つかまかせている業務の第一ですがね、いわゆるこれについてなぜ理事長さんが、たとえば零細企業から申し込みがあって、それをはねたことがないということをわざわざ理事長さんが問い合わせて聞かなければわからない状態なのか。要するに各銀行にいわゆる零細企業が来てはねたということを問い合わせて聞かなければ事業団としてはわからないというのが実情なんじゃないか。それがおかしいわけです。なぜかというと、その第八条には、甲は——甲というのは事業団です、事業団はこの業務の委託契約に関して乙から報告を受ける、要するにこれは定期的に報告を受けて、そして何件受け付けて何件却下し、そうしてこれとこれはどうするようになったということは、これはわざわざ問い合わせをしなくても、当然銀行から定期的に報告を受けるようになっているのですよ。ちゃんと受けていますか。四十一年からやって、各銀行から定期的に、受け付けの状況とか、きちっと報告を受けておりますか。
○参考人(原文兵衛君) 私が申し上げましたのは、特に念を入れて、先般来中小企業に対する、あるいは零細企業に対しての融資の道が案外開けていないのじゃないかというような意味合いのこともいろいろと他からも言われておりますので、定期の報告ではなく、特に念を入れて聞かしたわけでございます。そのことを申し上げたわけでございます。
○峯山昭範君 それじゃ定期の報告は受けていますか。四十一年以来何件申し込みがあって何件却下したか、年度別に言ってください。
○参考人(原文兵衛君) 私どもいま手元に数字がございませんので、必要でございましたら、また後ほど資料なりで提出いたしたいと思います。
○峯山昭範君 いまの問題について、それは報告できますか、あとで。取ってないでしょう、理事長、取ってないんですよ。あとで報告すると言ったって、それはまずいですね。
○参考人(原文兵衛君) いま私の手元にございませんので、実情は後ほど御報告申し上げるようにしたいと思います。
○峯山昭範君 いずれにいたしましても、融資の問題一つにいたしましても、これは私は決していじめようなんというつもりはありませんけれども、やはり今後大きく成長していくためには、こういうようなこまかい問題もきっちりやって、それでやはり今後大きな問題が起きないようにしなければいけない、そういうような観点から言うわけですけれども、当然こういうことについても、ほんとうはもっとあるのです。私ずっと公害防止事業団の例規集を見てみましたら、いろいろと手落ちのところがずっといっぱいあるのです。当然やらなければいけない問題がずいぶん出てきました。しかしながらそういう問題一々言ってもしかたがありませんので、ですから、いまのような一つの問題についてもそう思うわけです。これをほうっておくとだんだん取り返しがつかないようになるわけですね。確かに人数が足りないという問題もありますけれども、やはりこういう点についてももっと積極的に取り組んでいただきたい。私はさっきちょっと申し上げてまことに申しわけないことを言ったわけですけれども、要するに各省庁から来て責任感が薄いのじゃないかということを言いましたけれども、そんなことはないと思いますけれども、実際問題としてそういうことが起きかねないという状態なんですね。ですから、そういう点にもよく配慮してやってもらいたいと思いますね。
○参考人(原文兵衛君) いろいろ御注意をありがとうございました。私どもも十分反省しながらつとめていきたいと思います。
○峯山昭範君 それから、事業団に対してもう一つ私は質問しておきたいのですけれども、これは人数ですけれども、定員ですけれども、これは四十五年に三十名の要求をしたそうですが、結論はゼロということですが、これは大臣ちょっとさっきからいらっしゃらなくてあれでありましたけれども、事業団の事業としては相当たいへんな事業ですね。金額の面から言いましても、またこれからやる仕事にしましても、私は非常に重要だと思うのですね。そういう点から、ことしも三十名の要求をしたけれども、結論として一名も増加にならなかったというのですがね。大臣としても、監督の大臣としてやはりあと押しといいますか、応援をしてあげていただきたい、こういうぐあいに思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともなことでありますので、厚生大臣ともよく御相談をいたしまして、御希望に沿うようにいたしたいと思います。
○中尾辰義君 ちょっと関連して。いまこの事業団の融資業務につきまして、銀行の代理貸しにするか、直貸しにするかということが問題になったようですが、このことは事業団の融資だけでなくて、これは政府機関の中小企業金融公庫あたり、そのほかの金融機関もああいうふうに銀行を通じて代理貸しやっているわけですがね。本来から言えば、これは直貸しが私はいいと思うのですが、ただこの代理貸しで、銀行が融資をする際に審査をする。どうしてもそこが、銀行に、従来まで取引がある企業だとかあるいはまた商業ベースでものを考えて、事業団の出先の銀行で選択融資をしてしまう。その辺のところにいつも盲点があるわけです。ですから理事長おっしゃったように、直貸しをすると人手が足りない、全国至るところに事業団の融資の出先をつくらなければならない、こういうことになるわけですがね。要するに銀行まかせということを私どもは非常に憂慮するのであって、公害防止事業団であれば、これは単なる企業の貸し付けとは目的が違う。公害を防止するために、その設備投資なりに融資をするわけですから、十分その辺のところの監督なり、声をよく聞いておやりにならないというと、これは銀行まかせになりまして、当初の目的に反してくると思うわけです。その辺のところを、大臣並びに理事長のそれに対する見解、抱負なり、今後どういうふうにするかという点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) 金融機関を通じての代理貸しに伴う御指摘のようないろいろな問題、確かに私どもも心配するところでありまして、公害防止の融資につきましては、都道府県知事1と申しますのは、これは都道府県の公害課のことでございますが、並びに通商産業局長の証明をつけて融資の申し込みをするように制度的にはしておりますが、しかし、だからといって御指摘のような問題が起きないというわけにはまいらないと思います。ただ、現実問題として私どものほう、いますぐ直貸しに移れるかというと、そういう能力もございません。先般も実は私、職員に言ったのでございますが、結局、銀行の金融した、公害防止施設に金融したものにつきまして、私のほうで、もちろん監事並びに、監事だけでは足りませんので審査等の職員も動員して、できるだけ実際にどういうような融資のしかたをしているかということを、代理店の金融機関自体の監督並びに自己の融資でできた施設の機能しぐあい——実際に十分働いているかどうかというようなことにつきまして、十分目を通していきたいというふうに考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般論として申し上げますと、いま御指摘のようなことが確かにいわゆる代理貸しにはございます。まあ事業団の場合でございますと、銀行が融資額の一部を義務として負担するということはないのだと思いますのでまだまだよろしゅうございますが、それでも、しかし自分の取引先の財務内容がよくなることに銀行は自然関心を持ちますので、やはり注意すべきことだと思います。それ以外の、たとえば中小企業金融公庫などということになりますと、これは代理貸しの窓口の銀行にやはり協調融資のようなものが残りますので、よけい縁のないところの取り継ぎはしたがらないという傾向がございます。一般論として注意すべきことだと思います。
○中尾辰義君 もう一つだけ。いま、銀行が代理貸しをした場合に、ある一定の金額を融資をして、それが不幸にも事業がうまくいかなくて、せっかく公害防止の設備をしたところが、あとでこげついちゃったような場合ですね。こげついちゃった場合には、代理貸しを預った銀行は責任をとるのですか。それとも、全然もうこれは銀行はノータッチなのか。その、こげついた場合にどうなるのか、その辺のところを。
○参考人(原文兵衛君) 代理貸しの銀行には、いわゆる代理業務としての手数料を私どものほうでは出しているわけでございます。それに応じまして、銀行としては融資金額の二〇%、二割について銀行が責任を負うという契約になっております。したがいまして、こげついてしまった場合に融資金額の二割を銀行のほうで私どものほうに返してよこす、こういうことになりますし、それ以外の分につきましては、担保を取っておりますので、担保その他の処理によって処理をする、こういうぐあいになっております。
○峯山昭範君 設置法そのものについて二、三質問したいと思うのですが、先ほど大臣の一番初めに答弁をお伺いしまして、それで大体わかったのですけれども、もう一回再度重ねてお伺いしたいのですが、公害といいますと、確かに国民の生活を守る、そういう面と、もう一つはメーカーの生産を促進するという通産省自体の役目とは、私たちが一般に考えました場合に、相反するように思うのですね。その点、今回の設置法の理由に、国民の健康と安全を重視する、こういうごくあたりまえのことでありますが、うたっておりますが、実際は私は、メーカーの中には、公害防止の設備をすると会社がつぶれる、だから公害ということについて考えることはできないというような会社もあるというふうに聞いているのですが、こういうふうな場合、通産省としてはどういうぐあいに指導していらっしゃるのか。その点、初めにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) やはり公害に対する企業の責任というものは、この十年くらいの間にかなり急速に意識が変化をしてきておると思いますけれども、意識の変化になかなか体制の変化のほうがすぐにはついてまいれないということもまた事実でございます。そこで、私どもが環境基準とか排出基準とかいうものをきめますときには、これはもうきびしくきめればきめるほど人間のためにはよろしいわけでございますけれども、きめたことは守られなければなりませんので、最善の努力をすれば守られるという程度の基準をきめていくしか、現実の第一歩の行政としてはやりようがない。年とともにそれをきびしくしていく、また、技術の進歩、意識の発達とともに企業側もそれに即応できるようになる、そういう前に進む態度ではおりますけれども、いきなり理想的な基準というものはなかなか必ずしも設定できない。ですから、現実にはそういう最善の努力を企業側に払ってもらって、それなら守れるという基準を設定していくわけでございますが、同時に、こういう問題は比較的新しい問題でございますから、企業にも、場合によって財政なり税制なりあるいは金融なりで幾らか保護を与える。それによって公害防止の施設をさせていくということもまた不適当なことではないというふうに私ども考えております。したがって、全然企業の独力で、力のないものにも、つぶれてもいいからやれというようなことを必ずしも申しているわけではございませんで、それなりのいろいろの方法による助成は講じておるというのが現在の姿でございます。
○峯山昭範君 今度の設置法では、公害保安局ということになるわけですが、私は、公害ということと保安ということがほんとうに一致するのかどうか。この点は提案理由の中にも、公害行政と保安行政は国民の健康と安全を確保するといういわゆる共通の目的を持ったものと、こういうぐあいになっておりますけれども、実際は相反するものじゃないかというような考え方もあるわけです。実は、通産省のいわゆる今回の出してきたゆえんですね、これはどうも私納得できないのですがね。たとえば、この間の委員会で私に対する大臣の答弁で、立地公害部というのをなくして、そうして今度は保安局公害部、こういうふうなものをつくる、そういうような説明があったのです。それで、前の立地公害部というのは、これは便宜的処置だと、要するに立地と公害とは全然異質のものだと、こういうような説明があったけれども、それがどうも私は納得できないのです。何でかというと、大臣並びに通産省当局は、そのつど——要するにあとで理由をつけるからどうとでもなりましょうけれども、そのつど違うのですね。何でかというと、たとえば、この立地公害部というのもそんなに古い部じゃないです。昭和四十二年に産業立地部というものを改組してできた。それでこのときの提案理由を読みました。だいぶ違うんですよ、大臣のおっしゃっていることと。そのときは、立地、公害というのは、立地と公害は非常に関係が深くてたいへんだというような意味のことであり、この間は全く別のものだという感じの答弁があったんですが、これは非常におかしいと私は思うんです。この点はどういうぐあいにお考えか、初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この間、全く異質のものでと申し上げた……。
○峯山昭範君 便宜的な措置と……。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう意味のことは申し上げましたが、つまり、立地というものは、これはどちらかと言えば比較的新しい観念でありますけれども、当時そこにまた公害という問題がありましたから、立地と公害は無関係ではございません。立地を適当にすれば公害は比較的起こりにくいという意味で、関連があるということでこの二つをくっつけたものと思いますので、もともとから言えば、立地というのはもっと広い、この間も申し上げましたので繰り返しませんが、国全体の工業立地であるとか、農村の工業化、過密、そういった問題、本来それが立地の問題であると思います。それは公害もそれにからみますけれども。ところで、他方で鉱山保安というもの、これはもう非常に古くからある行政でございます。それも人の生命の安全をはかるということが主体でございますけれども、中には、ガスの爆発であるとかあるいは崩壊であるとかいうことは鉱の外でも起こり得る鉱害でありますし、神岡鉱業所とか安中製錬所とかいうようなところで御承知のように製錬とか掘採ということになりますと、このごろは外でいわゆる似たような鉱害が出てまいります。技術的にも相当共通したことがございますから、そこで公害のほうと鉱山保安のほうを一緒にすることが、行政としては比較的縁の近いものを一緒にしていくという意味で、いいのではないだろうか。他方で立地のほうは、これは本来企業という広い立場あるいは産業という立場から考えるのが主体でございますから、企業局にそのまま置いた、こういうふうなことでございます。
○峯山昭範君 私は、大臣も非常に苦しい答弁をしていらしゃいますけれども、立地公害部というものができたときに、昭和四十二年にできたわけですけれども、それを四十三年には、通産省は立地公害局にしてくれ、こういう申し出をやっているわけです。四十四年にも、立地公害局にしてほしい、こうなっているわけです。そういうふうにして、ぼくは確かに公害という面を事前に防止する産業立地ということから考えると、非常にこれは大事な問題だと思う。通産省の意味もわかるんです。それが今度四十五年にはころっと変わりまして、立地公害部をつぶし、そうして二つに分けることになっておりますが、これはやはり私は、かねがねから政府の方針であるスクラップ・アンド・ビルドで、これによってこうなったのだとはっきりしておるんですがね。ほんとうに私はそういうふうに、いわゆる便宜的にこういうふうに組織をぽんぽんやっていいのかどうか、これはやはり問題があると思うんです。これは通産省としてはひとつも一貫性がないですよ。ぼくはきょうは行管庁設置法がちょっとしかできなかったのですが、行政管理庁自身にも確かに一貫性という問題が必要だと思うんです。これは要するにスクラップ・アンド・ビルドで、対応してやっておりますが、スクラップできるものは一ぱいありますから、対応してやっているのはいいと思いますが、そういう姿勢もないわけです。そういう点から考えると、政府の方針でいわゆるこういうふうな局ができるのじゃないかと、こういうふうに勘ぐりたくなるわけですが、実際問題これはやはりそのほか鉱山保安局というこれ自体が不安定な状態にある、その点からの改正ということも考えられるのではないか、こういうぐあいにも思いますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) しかし、お話しではございますけれども、鉱山保安という仕事は、これはもうときどきたいへんに国会にも御迷惑をかけ、おしかりをいただきますけれども、ああいう事故が起こりますので、これはやはり一つ持っていなければどうもいけない。鉱山行政と保安行政を一緒にすることは私はやはりどうもよくないことだと思いますから、保安行政というのは別に持っておかなければなりませんので、何もこのままほうっておいてもなくなるというわけではない。ほんとうは鉱山保安行政がなくなってもいいような世の中になればこれはまた何でございますが、そうはなりませんから、別にそれを補強しようという意図があったわけでもございません。やはり先ほど申し上げましたように、公害というものと鉱山保安の従来の経験というものがかなり共通のものがございますから、これは一つにまとめたほうがよかろうと、もちろんその場合でも、鉱山保安は局長の直轄の事項にさしておくつもりではございますけれども、やはりどこの屋根の下に置くかといえば、そこに置くのがいいのではないか。もちろん私ども政府の方針として、新しく部をふやす、局をふやすということはいたさない、もしそういう必要があれば一つのものをつぶすと、それも決して奨励はしない、どっちかといえばふやさないということでありますから、それが今回のようになった一つの要素でありますことは、これは否定を申し上げませんけれども、今回のような共通のものの多いところへ持っていくことは、私はまず現状において適当ではないかと思っております。
○峯山昭範君 そうしますと、今回の公害保安局をつくることによって内部の人員編成等はあまり変わりはないということを私聞いておりますが、実際問題として、具体的にいってどういう効果があらわれてくるのか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこで、公害のほうを企業局の立地公害部から公害保安局に移しますのと、化学工業局のガスとか爆発物の関係の公害をやはりそちらへ移しまして、通産省内の公害に関する行政をそこに一本にいたしますから、まず行政の能率の向上ができるであろう。人員などがどう動きますか、必要ならば政府委員から……。
○政府委員(高橋淑郎君) 人員は九十三名でございます。
○峯山昭範君 もう時間が来ましたので終わりますけれども、いずれにしましても、この公害行政というのは私もずいぶん調べてみたんですが、非常に各省庁にまたがっておりますし、これはやはりいろんな機関もありますのであれですけれども、いずれにしても、もっと一元化してやる必要があるんじゃないかという点が一つ。それからもう一つは公害保安局ですね、新しくできるわけですが、鉱山石炭局の中の鉱害課はそのままらしいですが、これは一体どういう理由か。大体理由は聞いておりますが、これは一緒にしたほうがいいじゃないかと私は思うのですが。それから鉱山保安行政は、これは名前は変わっても当然その仕事は残るだろうと思うのですが、当然残しておくべきだと私は思うのですが、この点はどうか。この点をお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一のことでございますけれども、そう言われたことはございませんが、かりに公害省というようなものをつくるといたしますと、それが一元化になるわけでございます。あるいは通産省の中だけに公害局というのをつくるというのも一つの一元化になります。またその場合に、結局公害省というものができたといたしますと、ここに産業公害がある、それに対していろいろ注意はいたしましょうけれども、産業のほうはやはりどうも何かいわばよその人から頼まれているような感じがいたします。そこで結局公害省も、産業を直接所管している通産省にひとつ協力してもらえないかということになる。それは協力はいたすわけですけれども、どうしても自分の仕事のほうが先で、人から頼まれた仕事はその次だという、人間には悪い心理がありまして、何となく自分の仕事にまず力を入れて、次に委託された仕事をやるというような、どうしてもそういうことがございますから、それで一元化ということに形の上でまいりますと、非常にいいようではありますが、実際は案外どうも隔靴掻痒の感がある行政になってしまう。かえって通産省の者どは、もう公害は公害省の仕事だからうちのほうは直接には関係がないんだというような気持ちになりやすい。それは私はやっぱりうまくないと思いますので、したがって、直接企業に関係のある省が頭を入れかえて、公害というのは自分たちのそれも非常に大事な仕事だというふうに、そういうふうに考えて行政をやったほうが効果があがる。各省のいわゆる調整というものは、関係各省の連絡会なり閣僚会議なりでとっていくということがいいのではないかというふうに考えるわけでございます。 それからその次に、いわゆる山の鉱害と言われましたのは、たぶん地盤沈下等々についておっしゃったと思います。これは伝統的にもう長いこと鉱山石炭局のほうの仕事でございます。と申しますのは、これはことに九州でございますが、一番石炭山の毎日の業務に——保安でなくて毎日の業務に一番密接に関係がございますし、それからこの節で申しますと、閉山をするというようなときには、御承知のように国がいろいろ援助をいたしますが、その際に、地盤沈下による地方の被害、それに対するクレームというものがございます。そのクレームをまず国が助成するその金で優先的に払ってやろうということになっておりますから、閉山するときにはどうせ会社のほうは十分クレームを満たし得ない状態でございますから、そういうこととの関係もあって、これは石炭行政の中に置いておくほうがいいという考えであります。 それから鉱山保安、これはもうもとより今度の公害保安局の中に、それも局長の直轄事項として残してまいるわけでございます。
○中尾辰義君 公害事業団の理事長がおいでになっていますから、一問だけお伺いをして、お引き取りになってけっこうですから。 ただいま塩釜の水産加工場の問題があったし、それから大阪の出先の公務員の綱紀粛正の問題があった。もう一つ松尾鉱山の融資のこげつきの問題が一つ出ておりますが、これはどういうわけでこげつきになったのか。松尾鉱山の経営診断が誤ったのか。その辺のひとつ経過を御報告願いたい。で、今後の処置はどういうふうにするのか。この点をひとつ……。
○参考人(原文兵衛君) 松尾鉱業への融資のことについてお答え申し上げます。 松尾鉱業株式会社からの借り入れの申し込みに対しましては、もちろん事業団といたしましても、代理である第一銀行からの進達に基づきまして慎重な審査をいたしましたわけでございますが、その結果、昭和四十二年十一月二十一日に二千七百八十万円の貸し付け決定を行なったわけでございます。この貸し付けの対象となりましたのは、東北鉱化工業という会社がございまして、松尾鉱業と東北鉱化工業で共同で利用する汚水の処理施設の造成資金でございますが、この処理施設は、所期の目的どおり完成いたしまして、現在も順調に稼働しておるのでございます。ところがその後、貸し付けいたしましてからの償還状況を申し上げますと、約定のとおり、第一回の割賦弁済は昭和四十三年十一月に行なわれましたが、それまでは順調に年賦で弁済があったわけでございますが、昭和四十三年十二月十八日に、東京地方裁判所に対して松尾鉱山が会社更生法に基づく更生手続開始の申し立てを行ないましたので、その後の償還に支障を来たしているわけでございます。これはもちろん私のほうから申し上げるまでもないことでございますが、松尾鉱業が更生手続開始に立ち至りました理由は、石油精製工場の脱硫装置による回収硫黄の出現でもって、硫黄資源の値下がりと、合理化の立ちおくれによって経営が行き詰まったというふうに私どもは観測しております。したがいまして、このような更生手続の開始がありましたので、事業団といたしましては、規定の定めるところによりまして、即日全額繰り上げ償還請求の手続をとりますとともに、繰り上げ償還が不可能であれば、担保物件を処分することによって債権の回収をはかることにしたのでございます。が、何分にも同社はすでに会社更生法の適用を受けて、裁判所で種々審理を尽くされているのでございますので、近く裁判所の認可が予想される更生計画案の内容を慎重に検討の上、善処いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 まあこれは、公害事業団は商業機関じゃございませんし、公益の公害防止を目的にしておるわけですから、そういったような問題もあろうかと思いますけれども、そこはひとつ慎重に、またひとつ大胆にやらないというと、今後の公害事業団の目的に反することもありますので、私はこれ以上は申しませんが、どうかそこら辺をひとつうまく調和をとって、目的を達成するように今後ひとつしっかりやっていただきたい。それでけっこうでございます。 それから次に、公害防止のいろいろな隘路になっている悪臭の防止について私はお伺いをしたいわけですが、四十二年度に公害基本法が制定をされましてから、一応水と空気の汚濁、騒音等に対しましては、それぞればい煙規制法あるいは水質保全法、騒音規制法が出されまして、曲がりなりにも一応は整備されておるけれども、この悪臭の公害に対しては、その対策がなお取り残されておるような状況であります。公害の沿革を見ましても、悪臭から始まったといわれておるほど、悪臭は人に非常に敏感に感知をされ、しかも不断に生活を脅かしているのが現状であります。昨年のこの公害白書の統計を見ましても、悪臭に関する苦情の受け付け処理件数が、騒音、大気汚染と並んで、その大部を占めておる状況であります。その総数二万七千六百件のうちに、騒音が一万、大気汚染が五千六百、それについで悪臭が五千と、公害の三本机になっておるわけでありますが、ところがこの悪臭に対する研究や施策となると、一向に進展が見られない。非常に技術的なむずかしい点もあろうかと思いますが、そこでお伺いしたいのは、科学的な規制基準というものがつくれないのか、法律的な規制ができないのか。ところが、現状におきましては、まあ地方におきましては、住民に直結するいろんな苦情が地方団体に出ております。そして条例をもって悪臭の規制をしておる都道府県等もあるわけですね。それで、そういう条例の内容を見ましても、まあその規制の態様としては、悪臭の発生源となるような工場、事業等を届け出をさせる、あるいは設備を調査をして事前に計画変更命令を、あるいは事後に改善命令を出させるとか、あるいはほとんどもう訓示程度のものもある、こういうような現状でありますけれども、いずれにいたしましても、これは国に悪臭の規制法令がないのに、地方ではもう一足先に住民の苦情に応じてできておると、こういうような状態です。それで、私がお伺いしたいのは、まあ当然今後は私は踏み出されると思いますけれども、今後の悪臭規制に対する政府の見通しなり姿勢なりをお伺いしたい。それと、どうしても精密な化学分析ができなければ法律的な規制というものはでき得ないのか、こういうところを、通産省、厚生省、科学技術庁にひとつお伺いしたいと思います。
○委員長(西村尚治君) 事業団の原理事長以下、もうこれでけっこうですからお引き取りいただきます。長時間ありがとうございました。
○政府委員(柴崎芳三君) 悪臭に関する公害対策につきましては、先生ただいま御指摘のとおり、国としてまだほとんど対策らしい対策はできておりません。その主たる理由は、やはり測定方法なりあるいはその防止技術がほとんど開発されておりませんものですから、いかなる方法でいかなるものを取り上げてこれを防止したらいいかという最も原始的な、あるいは基礎的な手段に欠けておるのが現状でございます。ただ、これを放置しておくわけにはまいりませんので、通産省では現在基礎調査というようなことで、四十三年から四十四年、四十五年にかけまして、四十三年度は約三千企業に対するアンケート調査をやって悪臭の実態をつかまえ、四十四年度、五年度は、主として石油系統とそれから紙パルプ系統、これがまあ通産省関係の悪臭の一番根源でございますが、この二業種について、悪臭の発生のしかた、その内容等詳細に検討しておるわけでございますが、まだ実は科学的な測定方法なり防止方法というものをつかんでいないのが現状でございます。これはできるだけ早い時期にこういった方法を確立いたしまして、公害対策というものをつくり上げたいというぐあいに考えておる次第でございますが、ただ副次的な方法といたしまして、たとえばパルプ排水の非常ににおう悪臭は、この水質を改善することによりましてその悪臭の一部を取れるということで、水質対策の一環として、側面的にある程度の効果が出ておるのが実情でございます。それから石油化学につきましても、まあSO2対策、その他いろいろの生産技術上の問題といたしまして、悪臭がなるべく出ない方法ということが別途開発されておりまして、そういう面から側面的にある程度の効果が出ておるのが実情でございます。 以上のような状況で、これからの努力を大いにわれわれとしても期しておる次第でございます。
○委員長(西村尚治君) 委員の方からたびたび御要望がございますので、政府委員おかわりになりましたから、ひとつ御披露しておきます。 向かって左から、科学技術庁の石川研究調整局長、次が厚生省の金光環境衛生局長、それからいまの柴崎公害部長、大臣はもちろんおわかりのとおりです。それから内閣官房の野村参事官、一番こちら側が農林省の太田畜産局長でございます。
○政府委員(金光克己君) 悪臭につきましては、公害対策基本法で、その「定義」の中に悪臭は規定されておるわけでございます。なお、公害対策基本法には、排出基準につきましても、排出基準について必要な措置を講ずるようにつとめなければならないというような規定があるわけでございまして、そういうことで、各省におきましても、この規制につきましての方向に向かっていろいろと努力いたしておるわけでございます。 先ほど通産省のほうから御説明がございましたが、この悪臭につきましては、第一には悪臭を発する物質というものをはっきり確認しなければならないという問題が一つございますが、これも現在研究を進めておるわけでございます。それから、それの測定方法の研究が必要でございます。そういうことでございまして、この悪臭を発する物質がわかり、その測定方法が決定されれば、排出基準等規制もできる、かようなことになるわけでございます。そこで、現在厚生省におきましては、昭和四十年度から日本環境衛生センターに委託いたしまして、この悪臭の測定等につきまして研究を委託いたしております。それから国立公衆衛生院におきましても、またその悪臭の基礎的な研究を実施いたしておるような状態でございまして、これを強力に推進いたしまして、できるだけ早い時期に悪臭対策というものを実施に移せるように進めてまいりたい、かように考えております。
○政府委員(石川晃夫君) 科学技術庁といたしましては、最近の都市の過密化、さらに産業の発展というものに伴いまして、悪臭の問題が公害問題として出てきたわけでございます。これに対しまして、科学技術庁といたしましても、相当重大な問題であるというふうに判断をいたしたわけでございまして、現在科学技術庁の中でいろいろその研究の分類がございますが、その中の環境科学技術というものの一環としてこれを取り上げたわけであります。昭和四十年から三カ年計画をもちまして、大気汚染防止に関する総合研究というテーマを取り上げたわけであります。その中で悪臭の問題を取り上げまして、悪臭の捕集分析——悪臭をつかまえることと分析という問題の研究を行なったわけであります。また昭和四十三年から三カ年計画で、本年度四十五年度まででございますが、ここで悪臭防止に関する総合研究というテーマを取り上げまして、当庁にございます特別研究促進調整費をもちまして、関係各省庁間の協力のもとに、この問題の研究に取り組んでいるわけであります。今後も、この関係各省庁の研究経費等の見積り方針調整ということが科学技術庁の所掌としてございますので、これを通じまして、この悪臭問題に関する研究を強力に推進してまいりたいと存じております。また必要に応じましては、特別研究促進調整費を配分いたしましてこの研究をさらに進めていきたいと存じておる次第でございます。
○中尾辰義君 私がお伺いしたいのは、地方公共団体によりましては、悪臭に対して住民の苦情が非常にひんぱんに行なわれておるわけですね。ですから、国の法律に先立ってとりあえず条例でもって規制をしているわけです。そういうような現状において、政府は、いま皆さんが申されたように、いろんな化学的の分析ができるまで何もしないのか、そういうことなんでしょう。ですから、そうなれば相当長期間の間悪臭に対しては法的規制というものはできない、こういうようなことになるでしょう。その辺のところをやるにいたしましても、そう緻密な規制はできない、あるいは地方条例に盛られておる程度のものを見て法律化するとか、その辺のところの見解は、局長さんにお伺いするのは無理かもしれませんが、せっかく通産大臣もお見えになっておりますので、お伺いしたいと思います。
○政府委員(金光克己君) 公害対策の中での悪臭対策につきましては、率直に申し上げまして、研究しながら対策を進めておるというのが現状でございます。そういうことでございますが、最近の研究におきまして、悪臭を発生する化合物等につきましても、実態がだんだんとわかってまいっております。そういうようなことでございまして、将来の見通しとしましては、測定方法等も確立されると私は考えております。ただ問題は、現在の段階におきましては、この悪臭を発するのはやはり大気汚染という形でガスとして大気中に出るもの、あるいは汚水としまして水質汚濁の立場で排出されるもの、そういったものの中に、ものによりまして悪臭が発生しておるわけでございますから、こういうものに対する対策を強化することによりまして、相当に悪臭の防止をはかっていくということでございますが、ただ悪臭の中の化学化合物を除去する方法におきましては、まだまだ学問的にもはっきりされてないという点がありまして、十分な対策はまだ行なわれていないというのが現状でございます。そういったような総合施策を通じまして、現在は対策を進めていくところでございます。したがいまして、研究しながら前進しておるという実情でございます。地方の条例につきましては、三十五都道府県で条例をつくっておると承知いたしておりますが、その条例は、やはり届け出の問題だとか、悪臭につきましては、一部、宮城県におきましては臭度等をきめておるところがございますが、大部分の県は、一般住民に不快感を与えないような処理をしていくというところを目標にいたしまして、悪臭対策をしておる、そうして必要な改善命令等出すことができるというような条例をつくっていっておる段階でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) いま環境衛生局長が言われましたことと同じことになりますけれども、地方などで規制している場合には、たとえば臭気の排出の許容の程度は、工場または事業場の周辺の人に著しい不快感を与えない程度、こういうような規制をしているということだそうでございます。ですから、これは数量的に、しかも何をというような規制が学問的にできないのでこういうことをしておるというふうに思います。国も、通産省で申しますと、地方通産局でございますが、パルプ工場、製紙工場、それから石油精製関係などでは、やはり住民から苦情が通産局に参ることがしばしばございますので、通産局としては、その際には、工場に対して改善するようにという勧告をし、指導するということは、しばしば実はそういうケースがあるそうでございますけれども、先ほどのような理由から、これを定量的にあるいは定性的に申すことができないために、水質のように、あるいは大気汚染のようにはなかなか規制の方法が法制として見つからない。鋭意急いでおりますというのが現状のわけでございます。
○中尾辰義君 要するに地方住民の立場に立って考えないと問題が出てこないと思うんですね。確かに地方条例は若干ありますけれども、ないところもある。ないところに非常な苦情が出てくる。その苦情を、都道府県なりあるいは市当局へ苦情を持っていく。ところが、これは手の打ちようがないのですよ、こういうような無責任なことで、実際これは困っているんですね。あるところは一応あっても、いま申し上げましたように、工場、事業場等つくるような場合、まあ届け出をせよとか、設備の改善命令を下すとか、そのほか訓示的なものもありますけれど、あるところとないところとある、ないところは泣き寝入りだ、そういうことで、私はまあそういう化学的な分析のもとに法制をつくるということは、これは相当手間がかかると思います。それまでに何か国でやる必要はないか、それをお伺いしておるわけです。その辺のところは、統一的な見解が出てきたようですから、それはひとつ検討していただきたいと思うのです。 そこで、においの問題、これはやっかいな問題ですね。各省で研究はされておるでしょうが、ひとつ経過報告を私は聞いてみたいのですが、科学技術庁にお伺いしたいけれども、四十三年十月に、においの公害追放三年計画、これがスタートしたと聞いているんです。これは科学技術庁が主体になって通産省の資源技術試験所、北海道工業開発試験所、厚生省の国立公衆衛生院、さらに労働省の労働衛生研究所、こういうところが協力体制をつくって、発生源を施設内で処理して外に出さない設備をする。また、外に大量に出た場合の緊急処理法、こういったところが大体の柱になって研究されているようですけれども、その辺の研究の経過、あるいは今後の見通しがおわかりになっておればお伺いしたい。
○政府委員(石川晃夫君) 四十三年から開始いたしました悪臭に対する総合研究でございますが、ただいま先生お話の労働省の労働衛生研究所と通商産業省の資源技術試験所、北海道工業開発試験所、厚生省の国立公衆衛生院、これが一緒になって、担当機関としてやっているわけでございます。予算といたしましては、四十三年度におきましては千四百七十二万六千円でございます。四十四年度といたしましては二千七百五十一万六千円、これだけの経費でやっておりまして、四十五年度につきましては、まだ予算内容につきまして検討中でございます。これの主たる項目といたしましては、悪臭が発生源から流出しないような防止研究、それからもう一つは発生源の周囲の環境における悪臭防止方法の研究、こういうものを大きなテーマとしてあげております。この防止方法の研究でございますが、大体四十三年度から発足いたしましたときに、五つの方法について検討を始めたわけでございます。これはまず化学吸収法による悪臭防止の問題、それから活性炭を使っての吸着法による悪臭防止の研究、オゾン処理法による悪臭防止の研究、土壌吸着法による悪臭防止の研究、それから科学物質による環境悪臭防止に関する研究、大体この五つの方法を考えたわけでございます。で、四十三年度につきましては、これにつきましてそれぞれ研究を進めたわけでございまして、成果があがったわけでございますが、四十四年度につきましては、最後の化学物質による環境悪臭防止に関する研究、これは資源技術試験所でやったものでございますが、この項目は四十三年度で完了いたしまして、四十四年度は行なっておりません。さらに四十四年度におきましても活性炭吸着法によるものは一応完了いたしまして、そうして化学吸収法とそれからオゾン処理法と土壌吸着法と、この三つについて四十五年度は実施する予定になっております。この研究は三カ年継続でございますので、それぞれにつきまして四十五年度の研究が終わりまして初めてこの研究成果をまとめまして、これを四十六年になりましてから成果として発表したいというふうに考えております。
○中尾辰義君 それじゃ厚生省にお伺いしますが、これは四十年から悪臭についての研究が委託されて、大体、財団法人の日本環境衛生センターの研究報告は一応まとまっておるように聞いております。それからまた四十四年の十一月二十七日に専門家による悪臭対策研究会、こういうようなものもできておるようでありますが、その辺の経過はどうなっておりますか、ひとつお伺いしたい。
○政府委員(金光克己君) 日本環境衛生センターにおきましては、ただいま御説明ございましたように、昭和四十年度から悪臭に関します研究を実施しておるわけでございます。それで、四十年度から四十二年度までの三カ年間は、獣骨処理場と申しますか、斃獣処理場でございますが、そういった施設の悪臭につきまして実態を調査し、それに対してどういう対策を講じたらいいかというようなことを研究してまいっております。そういうことと、それから四十三年度からは、石油化学コンビナートにつきましての研究を進めてまいっております。そういうことでございますが、研究の成果といたしましては、たとえば化製場等でアミン類の物質がにおいとしての問題として発生すると、こういったような問題に対しまして、まあその他の問題もございますが、こういったものの分析、それからこういったものに対してどうしたらいいかというようなことの研究をしてきたわけでございます。それから四十四年度におきまして一つの研究会をスタートしたわけでございますが、これは先ほど申し落としたのでございますが、専門家によりましての研究会を組織いたしまして、これはいろいろな現地に出かけて調査し、いろいろ実験するという調査ではないのでございまして、専門家が各資料を持ち寄りまして、悪臭につきましていろいろと検討していただくという会でございまして、これによりまして総括的な一つの考え方というものを打ち出していきたいと、かように考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 それぞれの立場で検討されておるようですけれども、こういうような公害は非常に各省に広くまたがっておるのですね。それで、においという問題に対して一体どこがイニシアチブをとって今後検討するのか。いまのところは各省各省でにおいのいろいろなきついやつをチェックして何とかこれはならないかというようなことでやっておるような状況ですがね。ですから、協力態勢は今後ともに強めていかなければならぬでしょうが、先ほども公害省とか公害庁とかいう話が出ましたが、においに限って、これは非常に関連性があるわけですね。そういった総合的に研究なり対策なりを進めていくことはどうなんですかね、この辺のところは。実際問題、煙でにごっておるのもそうですけれども、においのきついやつは、こういうところにおりますと感じないけれども、私もあっちこっちちょっとのぞいてみましたが、とたんに吐きたくなる、頭が痛くなる。そういうようなところでよく毎日がまんしてめし食っているなあと思いますね。非常にかわいそうですよ。いろいろな問題をこれからお伺いしますが、そういう総合体制、一元化というようなことはまだ考える余地はありませんか。その辺、参考人の御見解を……、これは大臣がいらっしゃるからやはり大臣に聞かなければ。
○国務大臣(宮澤喜一君) やはりにおいと色とが一番、分析といいますか、研究のおくれている分野だというふうに聞いておりますのですが、先ほど地方のことをちょっと申し上げました。著しく不快なにおいということで、地方の場合には実際それで行政ができる場合もございましょうし、それはいいことでございますし、私どももそういう発生源については指導いたしますけれども、かりにこれを国が法律なりあるいはそれに基づく政令なりで、著しく不愉快なというようなことを書いたといたしますと、それはたとえば訟訴などになりましたときに、かなりに主観的なものでございますので、ちょっと国の法制としてはなかなか書けないのではないか。現実に政府の中でも、おそらく法制局などでございましたら、ことにそれに罰則でもつくということになりますと、ちょっと法制としては書けないという感じになってくるのではないかと思います。そこでやはり大事なことは、たとえば何々PPMというようなことを大気汚染や水質汚濁でまず定量的に何かとられる方法を考えなければ、なかなか国の法令の対象になりにくいのではないかというような感じが、私しろうとでございますが、いたします。そこで、どうかしてこれを定量的にとらえたいという研究が先ほどから各省がやっております研究で、これは各省おのおの特異な分野でやっておるわけで、どこかでそのにおいについての定性的な、あるいは定量的な測定方法がわかりましたら、これはもう国がそれを基準に規制することができると思うのでございますけれども、そこまでまいらない。実は余談になるようでございますけれども、あのガス爆発のようなときに、鼻でもってにおいをかいでいるのは非常に原始的ではないかという御批判がございますが、これもガスというにおいをかぎ出す検知器がないわけでございます。都市ガスとたとえば自動車の排気ガスとをかぎ分ける方法がないくらいでございますので、やはりその定性的、定量的な研究を進めるということが当面の一番先にしなければならないことではないかと思います。さりとて、しかしそれができるまで何にも行政はしないのかということになれば、先ほどから申し上げておりますように、実際には工場あるいは発生源に対して、できるところは関係の各省がまあ勧告し、指導をするというようなことで、不十分ではありますが、やっておるという現状でございます。
○中尾辰義君 それじゃ質問は若干さかのぼりまして、悪臭の発生源につきましてはこれはいろいろあるわけですが、その発生源を大まかでけっこうですが、どういうものがあるか、これを各省別にひとつ。それからそれに対してどういうように手を打っているのか、通産、厚生、農林省、まあ三省でけっこうですから、大体代表的なものを、そうしてどういうふうな手を打っているのか、その辺のところをひとつ御答弁を願いたい。
○政府委員(柴崎芳三君) ただいま網羅的なデータを用意してまいりませんでしたので、特に特徴的な点だけを御説明申し上げたいと思いますが、先ほども触れましたとおり、第一はパルプ廃水、パルプ廃水に対する対策は、その排水処理——水質規準に基づきます排水処理の過程におきまして相当程度は回収されるわけであります。パルプを蒸解しております途中におきますにおいにつきましては、これは具体的な規制方法は持っておりませんし、技術的にも非常にむずかしい点でございますので、この点についてはあまりきめ手になる指導をやっていないというのが実情であります。 それから、第二番目に、硫化水素、これは石油化学その他の生産過程において出てまいりますが、卵の腐ったにおいというやつでございます。この点につきましても、これは大気汚染防止法の有害物質、この中に一つの対象として入っておる。事故時の対策という対策しか法律上はきめ手がないわけでございますけれども、公害防止事業団の融資対象ということには当てはまっておりますので、公害防止事業団におきましては、そうした硫化水素を含むガスの排除というような形で、防止施設について積極的に融資をしておるという実情がございます。 あと、いろいろあるかと思いますが、主たる物質対策はそんなようなところでございます。
○政府委員(金光克己君) ただいま御説明ございましたパルプ工場等からの排出いたします悪臭でございますが、大体これは硫黄化合物を含んだ悪臭と、かように考えております。代表的なのがメルカプタンというようなものでございます。 それから、先ほど申し上げましたへい獣処理場等から出てまいりますもの、これは大体アミン類だとか、脂肪酸類だとか、そういったものでございまして、窒素を含んでおる化合物、これが悪臭の一つの材料だと思うのでございます。 それから、先ほど御説明ございましたが、石油化学等は硫黄化合物も出ますが、たとえば炭化水素とか、アセトアルデヒドとか、こういったものも一つの排出されるにおいのものである、かように考えております。大体大きく分類しますと、そんなものじゃないかと考えております。それで、処理方法としましては、物理的な方法、あるいは化学的な方法というものがございますけれども、現在実際に行なわれておりますのは、やはり水で水洗すると、あるいは部分的には酸とかアルカリで処理するといったような問題、それから活性炭を利用するといった問題、その他いま学問的にいろいろと実験されておるというような実情でございます。
○政府委員(太田康二君) 農林省の所管、特に畜産局の関係で申し上げますと、先生も御承知のとおり、畜産の経営が非常に急速に多頭化した一方、従来、農業地域であったところがいまだんだん市街化するというようなことで、特に豚、鶏等の悪臭、それからこれの汚水処理の問題が大きな公害問題になっておるわけでございます。 そこで、私どもといたしましてとっておる措置でございますが、もちろん第一には、土地条件の整った地域におきましては、これを農地等に還元することを大いに進める。それから二番目に、実はふん尿処理施設、公害防止施設の設置の問題があるわけでございます。この点につきましては、特に養豚につきましての処理施設、いろいろまああるわけでございますが、私のほうで昭和四十三年、四十四年、それぞれ三カ所ぐらい施設を設置いたしまして実験事業を実は実施いたしておりまして、一応三カ年にわたり実験事業ということで補助をいたしまして実施いたしております。この中間報告によりますと、おおむね何と申しますか、非常に汚水処理につきましては成果が上がっておるのでございますが、コストが非常に高いというような問題がございまして、なお経営的な面を含めて今後も検討を続けなければならないだろうというふうに考えております。それから第三の対策といたしまして、実は昭和四十五年度から取り上げたものでございますが、公害発生のおそれのない地域に経営を移転するということでございます。これは都市近郊における畜産農家がやはり規模拡大を一方で指向する。同時に、そのことが公害の防止にも役立つというような経営移転の場合に、団地を造成する事業に対しまして、実は公共事業として助成するという道を開いたのでございまして、さらに農林漁業金融公庫の中に、新しく畜産公害対策移転施設資金という資金ワクを設けまして、集団移転あるいは個別移転の場合の経営体に対する資金融通の道を開いたのでございます。なお、養鶏経営につきましては、すでにふん尿、鶏ふんの処理技術というものはほぼ改善されておりますので、御承知のとおり、農業改良資金という無利子の資金の融通制度がありますから、これの貸し付け制度にかわるような金融の措置も講じておるのでございます。
○中尾辰義君 いま農林省から説明がございましたから、具体的な例につきましてお伺いをしてみたいと思います。いまお話のありました畜産公害、あるいは先ほど公害事業団で問題になった魚腸骨の処理場、こういうようなものが最近町のまん中になったわけです。これが周辺に非常に異常な悪臭を出しておる。さっきも話しましたように、こういうのが地方団体に相当苦情があるわけです。実際処理には困っているわけです。いろいろな政府のやり方もございましょうけれども、その辺のところ、こういう魚の臓器、残飯等をああいう養豚場あるいは養鶏場あたりで練り回して、それがだんだん腐ってきたり、そうしておまけに鶏や豚のふんまでものすごくにおうのがある。そういうのの交渉をやるんだけれども、どだいどうしようもない。だから、周辺からわいわい言ってもらったってどうにもならないし、これはもうどうしようもない。こういうようなことで、これは持っていきようがなしに泣き寝入りというようなこと、こういうようなケースをどうやって処理し指導していくのか。
○政府委員(太田康二君) 先ほども申し上げたわけですが、われわれといたしましては、一つは、先ほど申し上げましたような汚水処理の施設の設置をする。しかし、これでは根本的な解決にならぬ場合もあるわけでございますから、できますならば、そういうものは経営の移転をしていただく。その場合に、先ほども申し上げたわけでございますが、団地の造成に対しまして公共事業費で補助をいたすということを実は四十五年度から始めておるわけでございます。この問題につきましては、実は地方公共団体もかなり切実な問題としてお感じになっておられますので、まあ開発公社等で土地を先行取得いたします。そこに経営を移すというような事業もすでにやっておられるところもあるわけでございますから、こういった施策と相まちまして、これらを促進するという形で問題の解決をはかることが根本的な解決になろうということでございまして、とりあえず、四十五年度は三億六千万ぐらいの、そう多額な補助ではございませんが、こういった経費を組みまして、集団移転に対する団地造成の助成ということによりまして対処してまいりたい、かように考えております。
○中尾辰義君 あなた答弁するんだからべらべらおっしゃるけれども、実際当事者はそうはいかないんですよ。金を三億六千万、そういうのは全国的予算であって、金を借りたって返さなければならぬし、あるいは利子は安くしますとか、利子は安くしたってやはり何年かで返さなければならぬ。そんなことをしておったのではとても商売人はもうからぬという、そういうのが現状なんですからね。そこで今度、政府の苦心の結果、公害紛争処理法案等もできたらしいんですが、時間がおそくなりますから次に移りまして、公害紛争処理法案、こういうものははたして紛争の処理に実際間に合うのかどうか、その辺に私は焦点を合わしてお伺いしたのですが、この法案によりますというと、法案の内案は公害の被害を受けた、あるいは加害者と、和解の仲介なり調停なり仲裁をして、それでけりをつけると、こういう法案ですが、これで実際完全に解決ができるかどうかですな、やっぱり確信を持って政府はお出しになったんだろうと思いますけれども、その辺のところをひとつ質問したい。政府の確信のほどを聞かしていただきたい。それからまた質問いたしたい。
○説明員(野村正幸君) お尋ねの公害紛争処理法案でございますが、ただいま本院の公害対策特別委員会において御審議中でございます。この法案は、御承知のとおり、最近におきます公害紛争のケースの非常に多くなっていること、またその公害紛争が非常に技術的、専門的でございまして、たとえば裁判所におきましては、因果関係の立証とか、あるいは被害の明定とか非常にむずかしい問題がございます。こういう問題をこういう行政機関におきまして簡易迅速に解決するということで、和解の仲介とか調停、仲裁制度を設けておるわけでございます。それで、いまお尋ねの、この制度においてどれぐらい解決するかということですが、これは中央におきましては総理府に中央公害審査委員会を設けまして、地方にはそれぞれ都道府県に公害審査会ないしは公害のそういう担当をする名簿をつくりまして、その問題があった場合に委員会をつくってやるということで処理する予定になっております。これは、いままでは当事者同士の話し合いですとなかなかエスカレートして話し合いがつかない、そういう場合に、学識経験者がこういう委員になりまして、専門的立場から判断していくということで非常に事態が進むと思います。特に公害の因果関係の究明ということがむずかしいわけですが、これがこの機関によりまして行政機関のいろいろ調査能力を動員しまして実態究明に当たるということで、公害紛争がかなりこれで解決していくと思います。
○中尾辰義君 だれか、いま答弁しているのは。
○委員長(西村尚治君) 総理府の野村参事官。
○中尾辰義君 私は審議室長を呼んだのです、審議室長はお見えになっていないですか。——審議室長は見えていない、それではけっこうです。 それで、この法案に盛られておりまする中央公害審査委員会をつくった、地方にも同じようなものをつくって紛争処理に当たるということですね、その方法を、紛争処理の方法に和解の仲介と調停と仲裁と三つがある、これひとつ説明をしてください。どの程度の効果があるのか、また法律的な拘束力というものはどの程度あるのか、この辺のところをですね。
○説明員(野村正幸君) まず、和解の仲介と調停でございますけれども、これは両当事者が合意ができますと、民法の和解契約を締結するのであります。和解契約が履行されればよろしいわけですが、それで、もしも不履行の場合には一般の民事訴訟の手続によりまして裁判所に契約不履行の訴えを提起しまして、勝訴できますと、あと執行文の判決をいただきまして執行官が執行する、強制執行する、こういうことになります。それから、仲裁の場合には、この効力が確定判決と同一の効力が与えられておるということで非常に強い効力でございますので、これももしも履行されませんと、裁判所に執行判決をいただきまして、それで強制執行をするという形になります。この場合にはもう確定判決と同一でございますから、内容的にはもう確定して、ただ裁判所は再上告といいますか、再びそれを再審査するだけの内容があるか。形式的な審査だけしてすぐに執行できるということになっております。ただ、ひとつお断わりしておきますことは、これは調停とか、仲裁制度を設けるわけでございますが、ほかの手続きはすべて民事訴訟手続によるわけでございます。したがいまして、これだけで全部解決するという制度ではなくして、そういう民制度を補完する制度として一応考えております。御承知のとおり、憲法におきましては、七十六条におきまして、「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」、三十二条では、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」という規定がございますので、行政機関が最終的にすべてを解決するということはできないわけで、やはり民事訴訟への道を開かなければいかぬということでこういうことをやっておるわけであります。
○中尾辰義君 この調停機関、最後の仲裁ですね。この仲裁は、民事訴訟法の和解に関する条文の準用がある。そして仲裁判断は確定判決と同一の効果を有することになっておる。したがって、強制執行できるわけですね。これはわかるんですよ。ところが、この調停というのは何ですか、両方の合意がなければいけないわけですね。その合意というのは非常に問題なんです、合意が。どうせ合意ということになりますと、金で損害賠償するか、あるいはどっかになおってもらうとか、工場なり、養豚場、養鶏場ですね。そういうようなことになってくるんです。これの調停が、非常に両者の合意となりますと、非常にこれはむずかしいんじゃないかと思うんですね。これは調停したけれども、そのときはこういうふうに了解をいたしましたが、しばらく考えてみましたら、どうもやはりぐあいが悪い。こういうふうに言ってきたりして、そうなったのじゃ、この調停というものがあまり効力がないじゃないか。その辺のところに心配があるわけです。そこで、これは何ですか、あなたの先ほどの説明もあったように、この両者の合意があった場合は、当然調停がととのうわけです。それから、やはり裁判所にこの執行判決を求めなければ、その効力を期待することができぬわけですな。
○説明員(野村正幸君) 和解の契約の当事者が締結するわけでございますが、それは当然契約の不履行があった場合には、その契約不履行の訴えをしまして、それで契約内容を審査し、合理的な理由があれば、そこで裁判所は勝訴判決を下す。そこで、執行文を付与して強制執行できるという段階になっております。これは一般の契約はみんなそういう形になっておりますが、そういう一般の契約と同じでございます。
○中尾辰義君 それで、私が心配するのは、いま申し上げましたような調停にしても、仲裁にしても、両者の合意を前提とするのでしょう。そうですか。両者の合意が前提であるということになりますか。
○説明員(野村正幸君) 和解、仲裁及び調停、調停は片方の申し出でいいわけですけれども、それが、和解契約が成立するということは、両当事者の合意が必要でございます。仲裁の場合は、申し出、その仲裁申し出をするときには、両当事者の合意が必要ですが、あと仲裁委員会の判断は、両当事者を拘束するということで、これは特に結果において合意は要りません。
○中尾辰義君 それですから、要するに調停にしても、仲裁判断にしてもですね、両者の合意がやはりこれは前提となるわけです。それと、先ほどから私が申し上げますように、やはり金の問題に密着してくる、あるいは金で解決し得ない問題もある、あるいは五万、十万あるいは百万もらったってどうしようもない。そういうもので百万もらった、あるいは二百万もらった、それで一生涯この事業があることを近所でがまんしなければならぬ。そうすると、承知できないものになる。ひとつ、においが何とか起こらないように設備改善をする、あるいはどこかに移転をしてもらう、そういうような話になりますと、場所とか金が要る。ところが、その金がない。政府でお貸ししましょう、こういう問題、一から十まで全部貸すわけじゃないでしょう。いまの公害事業団にしても、中小企業のいろんな設備改善の融資にいたしましても、これは融資額には限度がある。一から十まで全部お貸しします、それも十年や十五年でけっこうです、そういうものではない。そうすると、ああいう大企業は別として、もちろん案外地域住民に最も近い環境にあるような豚や鶏のくさいというか、ああいうわりあいにスケールは小さいのですが、非常に問題なんです。案外かえ地ができない。 そこで、私がお伺いしたいのは、一体資金の手当て、裁判をして調停なり仲裁をしたそういう資金の手当てとか返済方法、こういうものを今後公害対策の一環として一体これはどこが責任を持ってやるのか。その辺の問題はむずかしい問題でしょうけれども、そうしないというと、これはなかなか思うほど効果がないのじゃないか。あるいは都市周辺の畜産公害の発生源である畜産農家を、たとえばどこか郊外のほうに団地化させるとか、先ほど農林省の方がおっしゃったのですが、そういうような責任体制をはっきりしてやらないと、こういう法案をつくってもあまり効果がない。その辺のところを私は心配をしておるわけですね。ですから、ただ皆さん御存じでしょうけれども、相当、においもいろいろありますけれども、とにかくそのにおいをかぎに一ぺん、においで苦労しておるところを、その辺の体験をしてもらいたい。紛争処理法案をつくったからそれで解決だと、そうはいかないと思う。もう少しひとつ、においの問題、公害の中で一番取り残されておるにおいの問題をもう少し真剣に私は取り上げて、積極的な姿勢でひとつ取り組んでもらわぬことには、全くこれは問題はどうしようもないですよ。ほんとうにもう何べんも言いますが、切実なるこれは住民の願いです。泣きついたって取りつく島がない。ですから、その辺はひとつ皆さんに、ほんとうは大臣がいらっしゃればいいのだけれども、通産大臣だけでは、鶏や豚はわしは知らぬという顔をしていらっしゃるから、これは話にならぬのですが、どうかひとっこれは閣議におきましても、においの問題を今後真剣に取り上げてもらいたい。私は時間がありませんから、きょうはこれで終わりたいと思います。
○委員長(西村尚治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(西村尚治君) 速記を始めて。
○岩間正男君 先に機構改革の問題で伺いたいと思いますが、今回の機構改革によって現在とどのような違いが出てくるのか、その点まずお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今度の機構改革の件は、先ほどから御議論になっておりますのが、それだけが全部でございます。つまり、鉱山保安局を改組して公害保安局とする。そこに公害部を置きますことと、そこで従来の化学工業局等の公害関係もそこに統合する。第二点は、したがって、従来、企業局にありました立地公害部を廃止する。こういうことでございますので、結局私どもとしては、従来、公害——公の公害をやっておりました人々の知識と経験が、鉱山保安をやっておりました人々の知識と経験と一緒になりまして公害行政を円滑にやっていけるとともに、また鉱山保安行政も続けてやっていくことができる、つまり、行政の効率化になる。他方で立地のほうももう少し広い見地から、公害の関係はもちろんでございますが、全国的な工場立地、あるいは農村の工業化であるとか、水の利用であるとかいうようなことを総合的に考えていく、そういう行政にいたしたい、こう考えておるわけでございます。
○岩間正男君 大臣、おすわりになってけっこうですから。 次に伺いますが、今度の機構改革で、これは何人の人員がふえるのですか。
○政府委員(高橋淑郎君) 四十五年度予算で新規増員一名が認められただけでございますので、合計九十三名で構成したいと考えております。
○岩間正男君 昨年の七月に決定した「新通商産業政策の基本的方向」、こういうのを見ますというと、「公害の防止と保安の確保」に万全を期する、こういうことを特にうたって、これを今後の通産行政の重要な柱の一環としていくということを提案理由の説明でされているし、さっきの大臣の公害に対する姿勢の問題もこれは伺ったわけです。しかし、このような、ただ一人ふえるというような内容のない機構改革で、名前をいかに変え、機構いじりをやってみても、はたして先ほどあなたの言われたような目的を達成することができる、これで公害の防止と保安の確保に万全を期することができると、こうお考えになっていらっしゃるのですか。この点お伺いしたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の七月にああいう方針を私の前任者である大平大臣が出しましたことは、これは人数——人員なりのこともさることでございますが、やはり行政をやる者の頭の持ち方、考え方の重点の置き方というところに私は大きな意味があると思います。兼業でございませんから、また実際そういうところが行政の姿勢に大切な点であると思っておるのであります。しかし、いま岩間委員の言われましたこともよくわかりますことでございますので、九十三人というところへ従来のよその局から何人か実は新しく異動をさせようかということで、ただいま内部調整をいたしておることはいたしておるのでございますが、私は大体はやはりこの姿勢の取り方の問題であろうというふうに考えております。
○岩間正男君 姿勢の取り方はけっこうですが、能率的な運営ということは、これはいつでも望ましいことですが、しかし、業務量はどうなるんです。目的として掲げられた公害とはっきりと取り組む、こういう姿勢をほんとうに、最も重要な施策の一つとして取り上げるということになりますと、業務量から考えてもたいへんこれは膨大にならざるを得ない。調査一つ考えたって、いままでのような非科学的な調査の体制、こういうことではとてもこれは私はやっていけないんじゃないかと思いますが、どうなんですか。業務量について、これは検討されているのですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、やはり本来私どものほうは、まあ企画官庁——企画が全部じゃございませんけれども、そういう部分が多いわけでございますから、地方に相当の部分は委譲をいたしておりますし、つまり姿勢をしっかりとって、地方には通産局もございますし、地方自治体もあるわけでございますが、そういうところの人に協力をしてもらいますれば、物理的にたくさんの人間が何人もいなければ公害行政ができないというわけのものではなかろうと思っております。
○岩間正男君 そう言われますが、まあ頭の切りかえ、むろん必要でしょうけれども、そこだけにこの問題を求めるということで、実際にいま非常に大きな社会問題になり、政治問題になっている課題と対決ができるかどうか。私はここに、昨年われわれが当委員会で論議をした総定員法の問題がやはりひっかかってくる。非常に画一的なんですね。そして非常にいま国民が要望している公害との対決の問題、これを具体的に進める通産省の体制の中で人員がただ一人しかふえない。名前はとにかくちょっと変えた。こういうことでほんとうにこれは内容を盛ることができるかということになると、非常にやはり大きな問題があるのじゃないか。実は行管の長官も見えればよかったわけでありますけれども、こういう問題について実際画一的な、全部頭並みに切っていく、そういう体制の中で一人でもふえたからいいじゃないか、こういう形ではこの問題とは対決できない。新しい時代の要請に対してほんとうに対決するには、そこのところはほんとうにその業務を遂行するに可能なだけのそういう改革はむしろやっていくという積極性が一方では必要だというふうに考えられるのですが、この点について国務大臣としてどうなんです。あなたは通産行政を担当するにあたって、この辺はもう総定員法のほんとうに平均的に頭を切ってくるというやり方、こういう体制で公害問題と対決できますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 通産省にも相当の数の公務員がおりますわけでございますから、総定員法云々でなくて、それにかかわりなく省外でも動かせるわけでございまして、今度の場合もそういうくふうをいたしてみたいと思っております。
○岩間正男君 その点について、これはまあ問題として残しておきたいと思います。この問題はいずれまた行管の出席を求めて論議をしてみなくちゃならない内容を含んでいるというふうに考えるわけです。 そこでぜひお聞きしたいのですが、この廃坑の問題ですね、私は昨年八月の羽越の災害で山形県に参りまして、山形の高旭鉱山の廃坑、そこから実は四つのノロを流しておった沈澱池があったが、それが山水のために破れて、そこからたいへんなノロが流れてきて、下流を浸し、沿岸を埋めて耕地もやられた、この問題を当時取り上げたわけです。すでにこういうケースはほかにもあるだろう、全国に廃坑はたくさんあるはずだ。これは一体どこの管轄になっているかを私聞いてみますというと、通産省の管轄だということで資料を求めたわけです。ところが一から出さないですね、資料を。今度は法案の審議だから、それで去年の資料はどうなりましたということで初めて資料を手にしたわけです。これは昨日手にしたわけです。それも怠慢だと思うのですが、これは全く八カ月ぶりですか、去年の八月ですから八カ月ぶりに手に入ったわけです。さて、この廃鉱の問題は公害とやはり非常に関係が深い。非常に公害の起こる可能性があるわけです。ところが、ほとんどこれに対する管理が的確になされていないのが現状だと思う。今度の機構改革ではこれはどこで扱いますか、この廃鉱の問題は。
○政府委員(橋本徳男君) 廃鉱の問題につきましては、やはり今度できます公害保安局というところで取り扱ってまいります。これは先生おっしゃいましたように、確かにこの廃鉱の問題につきましては、鉱山保安法におきまして、従来からも鉱業権の存続する限り管理、監督するというふうなたてまえになっております。ただ、実際問題といたしますれば、地方の監督局部におきましては、もちろんその鉱によりましていろいろ施策はやっておりますけれども、必ずしも本省ベースまで十分にすべての廃鉱につきましてのニュースが上がってきていないというところから、資料の提出その他につきまして不十分であった点は十分遺憾に思っております。
○岩間正男君 大臣に伺いますが、これは私はやっぱりいま公害の問題で、この問題を忘れ去られているのではないか。実際聞いてみると、思わないときに出る伏兵——公害の伏兵だと考えていいと思う。しかも石炭炭鉱の場合なんかは、その廃鉱に子供が落ち込むとか、あるいはキャンプに行った連中が落ち込むとか、そういう公害なんかもあるということを聞いているのですね、それからもう一つはカドミウムの問題が非常に最近大きな問題になってきた。そうするとカドミウムの公害というものは、新たな問題として、いままで廃鉱の中で流されたそういう鉱滓なんかの中に、これは相当眠っているのじゃないか、そういうものが除々に排出されているという問題も、これは新たな問題として提起されなくちゃならない問題だと思う。そうすると、この際この廃鉱を全面的に、しかも科学的に調査する必要があるのではないかというふうに私は考えるわけです。こういう点について、これは全般的な公害の問題と対決をされるというなら、この伏兵に対してもこれは手をいまのうちに打っておくことが宮澤さんとして必要だと思うのです。どうでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもも同じような問題意識を実は持っておりまして、御承知のように、鉱業権が切れましても、あと五年間というのは、鉱業権者の義務でもあるわけでございますけれども、なかなかそれをちゃんとやってもくれない場合もございますから、そこで、このたび、最近はまた廃鉱も多くなっておりますから、休廃止のときに、どういう措置を鉱業権者としてとるべきか、それを具体的にきめると同時に、それに対して監督をいたしますように、監督局、監督部に対して指示をいたしたところでございます。 それから、従来ともこの休廃止後、時間がたちまして、実態がはっきりしていないというものもこれ事実でございますので、今年度から三カ年計画で、休廃止しました鉱山のうち、実態のわかっているものはようございますが、そうでないものを中心に、精密な調査を私どもでいたそうと思っております。岩間さんの言われましたような心配は私ども実は持っておりますので、そういうことをいたすようにいま考えております。
○岩間正男君 それは具体的に何ですか、そういう機構と、それからそれに対するいろいろの施策、あるいは調査陣、さらに科学的な調査が非常に必要だと思う。それから、できればA、B、Cぐらいのクラスに分けて、その中で非常に危険のあるもの、それからやや危険なもの、あるいはまたそれほど警戒の必要でないというようなふうにこれは考えることができると思う。この処理は明確にやはり一つの方針を立てて、そうして公害の伏兵と対決していくということは非常に私は重要だし、今度の新しい機構の中でそういうことは確立することが必要だというふうに考えるわけですが、いかがですか。昨年の経験から私は考える。 それからもう一つは、これは災害が起こってからでは非常に被害がばかばかしいですよ。この間の高旭の鉱山は大した大きな鉱山ではないのですね。それでもこれは局長さんの説明によりますと、補償などを含めて、現在支出しただけでも三千万円以上出ているわけですね。もっとも、補償なんか年々やればもっと多額の金になるのではないか、こう考えれば、結局は鉱害に対してこっちから手を積極的に打つほうがむしろ私はこれは望ましいのじゃないかというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(橋本徳男君) 確かに先生のおっしゃるとおりでございます。現に実は四十四年度から、いわゆる昨年度でございますが、石炭、亜炭関係の休廃止の鉱山につきましては、かつて子供が事故死したといったような事例もございましたので、これについての休廃止鉱山の坑口閉鎖ということを具体的にやっておりまして、これはもっぱら県、市、こういったところの協力を得てやっております。それに対しまして県、市が三分の一の金、それから国が三分の二の金というふうなことでやっております。 それから、ただいま問題のございました金属——山のこういった専門的な調査でございますが、大臣から答弁いたしましたように、本年度から三年計画によりまして休廃止鉱山を全面的に調査し、これにつきまして、もちろんカドミウムの排出状況、それからその他の重金属類、こういったようなものすべてにつきましての調査をし、そしてそれによりましてその山のランクづけをし、それに対するいかなる対策をやるべきか、坑口を閉鎖するか、あるいは別個の措置をとるかという点につきましては、保安法に基づきまして中央鉱山保安協議会というのがございます。これは専門の学識経験者並びに大学の先生も入っております。こういったところの技術関係を中心にいたしまして、その対策案を出し、それからその実施面におきましては、やはり地元の県、市と国が一緒になりましてこの対策をやっていくというふうな考え方で、すでにこれにつきましての予算措置も本年度からできております。大体、三年の間には全国の休廃止鉱山をそういう形においてきれいな形にしたいというふうに考えております。
○岩間正男君 これは予算はどのくらいですか。
○政府委員(橋本徳男君) 本年度といたしましては五百万円でございます。これはもっぱら調査研究費でございますから、この所要資金としてはわずかでございますが、実際の事業というふうなことになってきますれば、またその段階におきまして事業の性格によってふえてくるものであろうというふうに考えております。
○岩間正男君 これは管理保全の責任というのはどこにあるのですか。これは監督局もこの責任の一端を負わなければならないのですが、これはもとの企業にあるのですか。
○政府委員(橋本徳男君) 現在の保安法におきましては、鉱山をやめましても鉱業権が存続しておりますれば、すなわちある山がやめた、しかし、それをたとえば日本鉱業なら日本鉱業というふうなものの鉱業権がございますれば、その日本鉱業に対して鉱業権のある限りの間、管理責任の法律上の義務がございます。それからまた鉱業権がなくなりましても、これがなくなってから五年の間は、やはり鉱業権者と同じような形においてそれを管理保全する義務がある次第でございます。
○岩間正男君 私はこの問題を新たに提起しているのは、さっき言った伏兵なんですから、これに対して、ことに大臣が、鉱害に対決するという決意をちょっと最近触れられたのだが、こういう問題まで対決できるのかどうかということを明らかにすることがあなたの姿勢のバロメーターになると思う。したがって、この新しい次元の中で計画を立てて、その計画と——まあ五百万というような予算ではとてもこれは、私はほんとうに申しわけ的になると思うので、こういうものをはっきりしたこの計画を資料的なものに、計画でいいですから、いまの段階、計画でしょうが、プランで、それが一年おくれたら一年後に、どういうふうにこれを処理したかという報告までこれは含めればいいんですが、そういうことを当委員会にこれは報告してもらえますか、どうでしょう。単にここの答弁だけじゃわれわれはどうもたよりがないと思っている。こういう問題はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど政府委員から申し上げましたように、今年度は調査をするということでございますから五百万円という予算でやっておりますけれども、それに基づきまして明年度からはこれこれこういうものがあって、それに基づいてこうこうこういう措置をとりますということを当然具体化をしてまいることになる、そういう計画でおりますから、そういう段階になりましたら、資料としてむろん委員会にそのつど御提出をすることができると思います。
○岩間正男君 そこで、次に中心の課題に入りますが、まあ通産大臣は、これは公害の発生と激化の原因ですね、これについて、この原因を何だというふうにお考えになっていますか。これはまあ当然、ここで繰り返すのはあまりに幼稚な課題かもしれないが、この幼稚な課題の中に真実があるわけですから、あらためてお聞きするんですが、いかがですか、どうお考えになっていますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはやはり、一般的にわれわれが俗に文明と考えておるものを追ってきた結果、その半面として生まれたものだというふうに考えております。わが国の場合でございますと、いわば終戦後、とにかく経済成長を、また、もう一度いわゆる物質的に満足な生活をというふうに考えてまいりましたが、その裏側が公害という形になって出てきておるというふうに思っております。
○岩間正男君 まあ、一般的でなく、具体的には高度経済成長政策との関係はどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、高度経済成長によっていわゆる牧歌的な生活環境からわれわれが離れてきた結果生まれたものであることには間違いないと思います。
○岩間正男君 われわれはまあこう考えますが、これに対して大臣の見解をお伺いしたい。この最近の公害の激化は、これは独占大企業が重化学工業中心の新しい大規模な工業地帯を造成して、無政府的な生産を拡大して、これに伴って膨大な有害物を発生させたが、それらを適切に処理することがなくて、ほとんど未処理のまま放出してきたからだ、それにもかかわらず、大企業は国際競争力を強化するために生産コストを下げる、そういうことの口実で労働者や地域住民の生命、健康、財産を守るに必要な当然の公害防止のための費用を出し惜しんだ、そしてそういうようなことが今日の公害を累積させた。そうして大きな、あなたがもう最も重点政策の一つだといわざるを得ないようなところに追い落した原因であるというふうに考えるわけです。この前シンポジウムが開かれて、よい環境の中で生きることは人間の基本的な権利である。これはまあ環境破壊に関する国際シンポジウムで採択された東京宣言の一部であることは、これはもう通産大臣御存じだと思うのですがね。そうすると、いまの高度経済成長政策のこの十年間とられてきた政策が、はっきりこういうような東京宣言と対決させられているわけですがね。こういう問題についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 率直に申しまして、新しい技術は常に新しい危険を伴うということだというふうに私は思っております。で、これが大企業とかいうことと必ずしも関係がないと思いますのは、先ほども豚とか鶏とかというものについての公害についてお話もございました。また昔で申しますと、屎尿というものはわが国では決して戦前十分に——現在でも十分でございませんが、露出して放置されておったなんという時代もそう遠くない昔のことでございます、農村では。それから風水に対してだって、わが国はずっと昔から決して強い国ではございませんで、これも一種の公害だったろと思います。現在における公害は、現在われわれが持っておるところの文明の裏側として出てきたものでございますから、現在のわれわれの文明をつくるのに大企業も寄与したことは、これはもちろん間違いございません。したがって、大企業は無関係だと申し上げているわけではございませんが、高度経済成長をになってきた日本の経済なり、社会なりというものがここにきまして、その裏側である公害というものに直面しておる、こういうことではないかと思います。
○岩間正男君 いま抽象的におっしゃいましたが、大臣、イタイイタイ病、それから水俣病、これはみなもう大企業が原因だということははっきりしている、これは。それから大臣は四日市に、これは行かれたと思います。私も何回も行っております。あるいは川崎、まあ東京がそうですが、この空気汚染。そして私は川崎に行ってこれは驚いたんですが、上流の多摩川のほうを見るというと非常にきれいだ。この前、秋に行ったわけです。選挙区に選挙応援に行ったわけです。そうすると、あの多摩川の上流のほうを見ると、久しぶりに秋晴れでいい空なんです。川崎にこんなところがあったのかなと思って、ちょっと下流を見ると、これはたいへんなんだ、全部これは濁っているね。そして安保成長論、繁栄論を盛んにやっているのだが、あすこに行くと安保繁栄論がほんとうにおかしいことになりますよ。私はずっとあの町を歩いて病院に寄った。病院の医者が言うには、どうかというと、もう小学校の生徒が毎朝注射をしなければ学校に通えない、そういう子供がたくさんいる、そういう言い方である。四日市に、これはごらんになったでしょう。あすこの患者を収容している病院がございます。塩浜の病院、これはごらんになったでしょう。あすこに小学生がいる。この小学生が、もう何人か毎日注射をして通っている。漁師の人たちが御承知のように注射をして、しかも生活のかてを得るために船に乗っている。夜は帰ってきてこの病院の中にいる。何人かはあすこで自殺者も起こっている、こういう姿を見てまいりますと、ほんとうに、これはやっぱり大企業との関連というものは抜きにして——そうしてなるほど豚のにおい、これはさっき言われました。これも重要かもしれないが、直接、命と対決される問題でひんぴんとして起こっている、これが大きな社会問題になり、政治問題になった原因じゃないですか。だから、私はこういう点から考えれば、どうしてもやはりこの産業公害という形できておる近代の一つの病弊に対して、ほんとうに企業が一体どういうふうな認識を持ち、そうしてどういう対決をするのか、ここのところが非常に重大だと思うのですけれども、これは大臣のこれに対する対処のしかたはいかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 反駁を申し上げるつもりではございませんけれども、直接、命とおっしゃいますと、戦前のわが国の平均寿命と現在のわれわれの平均寿命と比べますと、これは申し上げるまでもなく、はるかに平均寿命は延びております。幼児の死亡率も減っております。そのことは、やはりわが国が経済的に繁栄をして国民の生活水準が高くなったからだと私は判断をいたしております。したがって、今後くるべき問題として、その長くなった命をどれだけいま御指摘になったような病害から防いでいくかということが問題なのであって、私はこの経済成長というプロセスが全部なかったならば、いまのようにわれわれがかなりの生活水準を持って、昔よりも二十年長い人生を送れたかどうかということはきわめて疑わしいというふうに考えます。
○岩間正男君 私も反駁する気持ちはございませんけれども、しかし、イタイイタイ病とか、水俣病とか、それからぜんそくですね。最近のこういうものはこれは近代の所産ですね。こういう問題の反面をこれははっきり私たちはとらえなきゃ、いまのような平均年齢が延びた、それだけでこの問題とわれわれは対決することはできない。この点はあなたの立場もあるでしょうが、はっきりやはり現実と明確に対決する必要があると思うのですね。とにかくどうですか。いま東京都の下町に行ってみて、川崎に行ってみて、重工業地帯をほんとうに歩いてみてどうですか。あすこへ住む気になりますか。まあ名古屋でもそうです。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう問題がございますことは御指摘のとおりでありまして、したがって、われわれはだれかをのろったり非難したりすることでこの問題は片づけるのじゃなくて、長い命を持つようになりましたから、いかにしてその命を豊かなものにするかということが公害政策の基本であるというふうに考えるわけでございます。
○岩間正男君 塩浜病院で長い間療養をして、それでおなくなりになったり、中には自殺をした方もあるわけです。こういう人のことばを大臣は聞かれたことがありますか。だれかをのろって解決する問題でないと言ったって、あの犠牲者の気持ちになったことがありますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の申し上げますのは、われわれがとってきた経済なり社会の体制というものは、戦前からいまと比べまして基本的に間違っていたとは思わない。ただ、いまおっしゃったような問題が新たに発生しておりますから、そういう問題に対して前向きに対処することが必要であると考える、こういう意味でございます。
○岩間正男君 私は今後の大臣のこれは行政のあとを見なくちゃ、いまから結論は言えないところもあると思うんですけれども、しかし、いままでの答弁の中なんかで、やっぱり非常に不安心のところも出てくるわけですね。 そこでお聞きしたいんですが、問題は人命の安全か経済の発展かという問題の対決になるわけですね。それでこの点、公害基本法を見ますというと、第一条の第二項には、「生活環境の保全については、経済の健全な発展との調和が図られるようにする」、こうあるわけですね。ところがこれはちょっと考えてみてわからぬのですよ。いかにもよさそうなことばだが、どうもあいまいな表現である。もし両者が相反する場合、つまり、人命の問題とそれから経済性を貫く問題がほんとうに利害相反する場合、これはどういうふうにするかという点を明確にすることが、大臣の先ほどから述べられた、ここにちょっと書いておきましたが、通産の行政にとって、いま最も大切なことの一つは、いかにして人間をもう一度回復するか云々ということでありました。そしてこれを最重点の政策ですからと、何回も繰り返して述べられたんですが、このことがはたして真実かどうかということを明らかにする一つのこれは鍵になると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは人間あっての経済だということは、もう申し上げるまでもなく全く明らかな事実であると思います。私どもはその場合、人間というのをすべて平等であるというふうに考えておりますから、一部の人間が他の人間を搾取するというようなことがあっていいと考えておりません。すべての国民が平等であって、そして、そのすべての国民の命が経済よりも大切である。これはもう疑いのないことであります。
○岩間正男君 人命優先だと、こういうことですね。佐藤総理の最近の、ことに大阪のガス爆発があったときに、本会議で佐藤総理は述べておるわけですね。それから、一昨日ですか——四月二十四日ですから四日前ですね。四日前の本会議でこういうことを言っている。今後、心を新たにして経済性よりも安全性を優先する、こう言っているのですね。これは通産大臣も同意見ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはもう私は自明の理だと思います。ただ、申し上げるまでもないことでございますけれども、汽車を全然やめてしまえば汽車にひかれる人間はないであろうというような単純な形で問題を提起してはおりませんけれども、問題の基本は、もういま御指摘になりましたとおり、私は明らかだと思います。
○岩間正男君 この中に、心を新たにしてというのだが、いままで、そうすると、これはやっぱりうまくなかったということですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、日に新たに、日日に新たにという意味かと思いますが。
○岩間正男君 どうも苦しいじゃないですか。あれはちょうど京都の選挙のさなかでしたな、私は京都で聞いていたのだが、打ち明け話をすると、京都の選挙を目ざしているのじゃないか。大阪の選挙は隣ですから、これはたいへんなことになる。経済性か安全性か、いや経済性よりも安全性を先にいたします。これはいろいろそういう問題のおもんぱかりがあったろうと思いますが、選挙が終わってからも、またそういうことを繰り返している、心を新たに、心を新たにと。これはどうも認めたということになるわけですね。心を新たにして、やっぱりことばというものはよく体をあらわす。そういう点でそれを考えるわけですがね。 それで、私はここでお聞きしたいのですが、この一体、公害基本法というやつは、非常にこれはやっぱり問題を含んでいるのじゃないかと思うんですね。第一、成立の経過についてわれわれもいささかこれは知っているつもりですよ。これはここに厚生大臣が見えると、なおいいわけですが、四十一年八月四日の厚生省公害審議会の中間答申では、現在の公害の中心は産業公害と考え、その対策のために、まず第一に、加害者としての企業の責任と公害防止費用の負担を明確にしたい、こういうことを答申したはずですね。それはそうですな。ここに厚生省の方、見えていますか。——厚生省もう帰ったですか。さっきまでいたんですが。まあいいです。これは厚生大臣がいればなおいいわけですが、これははっきり答申からわれわれは客観的なものから見て、これに対して、当時経団連では、公害政策の基本的問題についての意見というものを直ちに発表した。その中で、生活環境の保全という立場からのみ公害対策を取り上げ、産業の振興が地域住民の福祉向上のための重要な要素である半面を無視するのは妥当でない。どうもさっきの大臣の答弁とちょっと似ているんですが、こういう意見を言っているわけです。これは非常な影響を与えて、結局こういうような強力な意見があって、そうして厚生省公害審議会の中間答申がいわば非常に変形させられた。その結果、国の環境基準や水質基準がきめられ、そうして産業活動に影響したり、大企業の生産コストを高くしない程度のゆるやかな基準ということで公害基本法がきめられたと思うんですね。で、私はこれがさっきのいわゆる調和、この調和の正体というのはこういうことじゃないんですか。どうでしょうか。調和ということばも非常にあいまいだ。そして、このことばというのは非常にこれはごまかされやすい。しかし、はっきりこの問題は利害が対決する、両者が対決する場合においてどちらを選ぶのか、こういう点では、ことばの上では、なるほどこれは人命優先ということが言われている。しかし、それをほんとうに行政の中で貫くかどうか、そこの政治姿勢ということこそが今日問われている。通産行政に対する、私は、これは世論のいま求めているところだと思うんですね。そうすると、どうもやはり通産大臣の御答弁の中には私はすっきりしないものが出てくる。さっきの経団連の何と非常に似てるんだな。私、聞いていてどうもそういう感じがしたんですが、どうなんですか。これは厚生省の公害審議会の中間答申とはずいぶん違っています。この点をどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いま、この公害基本法第一条の二項を見て申し上げられると思いますことは、経済というものを、私どもは人間あっての経済である、経済は人間の幸福にとって必要なものであるという考え方を持っております。したがって、生産か、生活かというような、二者択一として私どもは問題をとらえていない。経済というものも、生産というものも人間の幸福に必要でありますからこそ、生活環境との調和が問題になるのであって、それらのものが必要でなければ、そもそも調和という観念が出てこない、この条文を見て私はそういうふうに思うわけであります。ですから、人の健康というものが優先をして、その次に生活環境について経済との調和というものを考えるということになっておるわけであります。ただ、この条文ができました当時のことを率直に少し振り返って見ますと、当時、水俣病であるとか、あるいは阿賀野川の事件であるとかいうものがいろいろ議論になっておりましたときで、これは、いわばわが国における産業公害というものの大きく議論され始めました最初であったと思いますが、したがって、今日ほどああいう問題についての意識が国民全部の中に高まっておらなかった。産業界も私はその例外ではなかったと、率直に申しますと思います。加害者だと言われれば、証明もしないで加害者呼ばわりをされることは迷惑だというような、反発する気持ちもかなりございました。そんなことがありまして、この法律ができますときに、私も知っておりますわけでございますが、まあいわば、このような規定を置くことによってバランスを取ったという感じが、正直申しまして、いきさつとしてはあったと思います。あったと思いますが、もう、いまさらだれも、人の命と経済とどっちが大事だというようなことを疑う者は、行政をやっております者の中にはおりませんと思います。そういう、過去十何年の間に意識の変化があった、そういう沿革は私も率直に申しますと認めなければならないと思います。
○岩間正男君 まあどうしても大臣の答弁の中には一般論に戻られるところがあるわけですが、だれも経済の発展は必要ないなどということを考えている者は、これはないだろうと思う。それから、人命の尊重を考えない人もこれはないだろう。問題は、経済の過度な、もうほんとうに独占本位の集中生産、そういう形で、それが人命に対して大きな被害を与えている。そこから起こるひずみに対してどう対決するかという課題で、この問題を具体的にこれは追及しないというと、私は経済が、人命が大切だから経済活動やめろと、こういうような形で問題を提起しているわけじゃありません。そうすれば、当然ここで必要なのは、経済の発展にとって公害ということは、これは必然的についてくる問題でしょう。しかし、それを最小限度どう食いとめるか、あるいはその公害をほんとうにない、この被害から守る、そういうあらゆる手段をとらなければならぬ。すると、生産のコストの中に、これは公害そのものを除去するためのそういう費用というものは当然必要になってきましょう。私はそういう点からいえば、この企業の中で、設備投資の中で一体この公害投資ですな、こういうものがどれほど必要かということですね、これは調査があるようです。私は昨年この問題でやはり当委員会で言及しまして、そのとき石油化学とか、その他製鉄とか、いろいろなものを要求した。ところが全体的にできなかった。その後調査されてこういうものを発表されました。これは昨年五月ですが、これも最近もらったものです。しかし、ここには出ておりますけれども、幾ぶん公害投資の傾向は一ころよりはこれは伸びているというふうに出ておりますけれども、こんな一体段階でいまの公害、産業公害と対決できますか。そして過大に膨張していく、この高度経済の、そうして世界のほんとうにトップをいっているというような、こういう形の過度な成長の中で、どうですか、これだけの公害投資というもので一体この問題は解決しますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 数字をお持ちのようでございますので申し上げませんけれども、逐年企業の設備投資の中における公害投資というものが高まりつつあることは、これはもう当然のことでございますけれども、そういう趨勢になってまいりました。それは企業にとっては、確かに企業だけから申せば効率の悪いことでございましょうけれども、それはもう国民全体の立場からいえば、私は当然なことであるし、その比重はますます高まってくるであろう、ガリガリの企業利益からいえば投資効率は悪くなる、これはもうしかし当然のことであると思います。またしかし、そこから新しい技術が生まれてくるということもこれも否定できないし、また、それが進歩であろうと思うのであります。ただ、いまの段階ではとにかくそれがまだ十数年という歴史しか持っておりませんので、十分に企業の力だけでそれをやりきれないところもございますから、財政とか、税制とか、金融などで私ども助成をいたしておりますこともまた事実でありますが、GNPは世界第三位だが公害も第一位だというようなことはもう決して自慢になることではないと思います。
○岩間正男君 それは経済のまあ非常に過度な成長がそういうひずみをつくっている、そうして公害が世界第一だ、こういうことについての反省を持っていられると思うのですが、しかし、それを私は公害基本法の調和というような、この調和の解釈のしかたが非常にこれは多面的になされるし、都合よくなされるので、だから、そういう点ではっきりとにかく経済性よりも安全性を先に貫くのだ、こういうようなことを行政面で具体的にもっとほんとうに貫く、そういう努力というものはされるのかどうか、この点が非常に重要だと思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはそのとおりでございますけれども、そういうふうに問題を抽象化されますと、むしろ非常にお答えがしにくくなるんで、また先ほどの例に戻りますけれども、それならば自動車をやめろ、汽車をやめろ、そうなれば交通事故は少なくなるに違いございませんけれども、それでは私は問題は片づかないと思うのでございます。
○岩間正男君 そうすると、どうしようというのですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) われわれは、国民が願っているようなそういう利便というものが、国民に不利便あるいは不利益、危険を与えない形でどのようにすれば運営されるかということを前向きに考えるということだと思うんでございます。
○岩間正男君 とにかく総理の答弁、そうして、それを通産大臣はここで確認されたわけですが、しかし、解釈面ではいろいろこれは問題が出てくるわけですが、はっきりとにかく生命優先というものを認め、その上に立って政策を進めるんだ、この点は確認してようございますね。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのとおりです。
○岩間正男君 そうすれば、そのような努力をどんどん地方の自治体なんかでやっている、そういうものに対しては前向きで対処しますか、うしろ向きで対処しますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは前向きで対処すべきものと思います。
○岩間正男君 そうすると、たとえば公害基本法よりももっと積極的なそういう形をとった、そういう施策をやるというような意欲を持っている、そういうものに対してどうです。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは冒頭に申し上げましたように、環境基準、あるいは排出基準といったようなものは、それはきつくすればきつくするほど国民生活によろしい、健康にはよろしいに違いありませんけれども、何ぶんにも問題の歴史が浅いので、守れないような基準を設定するということは基準の権威のために私はよろしくないと思うんでございます。でございますから、どの程度が適正な、いまとしては最善の努力をすれば、企業が守り得るぎりぎりがどの程度かということは、これはおのずから判断をいたしてまいらなければなりませんから、ただきついことをすればそれがいいのであるということには私はまいらないと思います。
○岩間正男君 守り得るということで、そうして実際は企業に妥協するようなこれは政策であっては、実際公害から人命を守るということは不可能になるんじゃないかと考えられるわけですね。だから、そういう点では科学的な施策の上に立つということが最もこの問題を解決する課題じゃないか。それにとにかく近づく、そのほうに積極的に努力をしていく、そういうふうに考えていいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) たとえばSO2というようなものは、これは少なければ少ないほどいいと思いますし、COにしてもそうだと思いますけれども、それならば、これを全部もう排出を一切やめさせるということになりましたら、それで問題が片づくかと言えば、私はそうではなくて、理想のほうに年とともに近づいていくというのが、現実の私は行政として適当だというふうに考えます。
○岩間正男君 企業の正常な発展という立場からも、公害対策は、これは必要になってくるのじゃないですか。公害が過度にやられて、企業自身が非常にこれは経済的な打撃を受けるだけでなくて、世論の上から大きく非難される。そういうような中で、企業自身が不振におちいる。そういう事態も、これはしばしば考えられる。それから、現象としても起こっておる。そういう事態から考えれば、当然これは公害規制のための支出は、この設備費の中から出す。そういう点についての検討はできておるのでしょうか。ある程度の科学的な基準というものは、私は当然科学的に測定されていいのじゃないか。 もう一つは、社会主義国とのこれは比較というようなことでやったことございますか。日本の、たとえばいまの高度経済成長下における、これは公害投資ですね、それと社会主義国との比較ですね、これはデータ手に入りませんか。この点はどうです。
○政府委員(柴崎芳三君) ただいま先生御質問の公害対策を実施すべき基準についてでございますが、一例を申し上げますと、SO2につきまして環境基準が設けられました。その環境基準に従いまして、ある一つの工業地帯を前提といたしまして、その工業地帯各工場からどの程度のSO2が排出されたならば環境基準が守れるかということを科学的に調べまして、それで、各工場にプロットいたします。それを五年先、十年先の増設計画につきましてもそういう方法を用いまして、五年先、十年先に割り当てられたSO2量を満足するための具体的な設備計画いかん、具体的な燃料計画いかんということをそれぞれ個々の工場についてきめておきまして、そういう形で将来SO2の環境基準を完全に守らせるという意味におきまして、科学的な調査と科学的な基準で現に行政指導を行なっております。それから第二点の社会主義諸国の設備投資、特に公害投資とわが国の公害投資との関係でございますが、この点につきましては、現在社会主義諸国の数字というものを持っておりませんので、具体的な比較は行なっておりません。
○岩間正男君 そういう意欲があれば相当集めることはできるんじゃないですか。ただ意欲がないんじゃないですか。なるたけ比較しないほうがいいというんじゃないですか。そうじゃないですか。
○政府委員(柴崎芳三君) 決して意欲がないわけではございませんので、たとえば資本主義諸国でも諸外国のそういうデータを取ろうといたしますと非常にむずかしい点がございまして、まあそういったもろもろの条件でただいまデータがないわけでございまして、できればわれわれ大いに入手いたしたいと考えております。
○岩間正男君 ただいま公害部長さんですか、どなたが今度局長になるかわからないけれども、いまのこれは答弁ありましたが、そういう方向でこれは社会主義諸国との比較検討をやる必要ありませんか。どうですか、大臣。これは私はやったほうがいいと、科学的なね。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはどこの国でも公害に関するそういう資料がございましたら、私ども非常にほしいと思っております。
○岩間正男君 さて、問題もとに戻りますが、地域住民がこの公害に非常に積極的に前向きで対決する、そういうものを支持して、多数によってそれが支持され、そうして、しかもその公害の問題をどんどん解決しようと、それでとにかくいまの公害基本法なんかよりももっと進んだ形をとることに対して、原則的に、これは大臣どうですか。これをどういうふうに支持されますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは先ほど申し上げたとおりでございます。そこで、ただ申し上げましたことは、最善を尽くせば、関係者が守り得るような基準でございませんと、基準を定めた意義が逆になくなるということも考えておかなければならない。年とともにそれはきつくなることは当然のことであると思っております。
○岩間正男君 まあ結局利潤をどれだけ保証するのか、それから人命とそれとの対決になるのですが、いまの答弁の中身は守り得るという、それはもう守り得るといえば、私はやはり一つの科学的なそういう基準というものを明確にしなければならぬということを言っているわけですが、ただ守り得るというようなことばで逃げてしまうと、これは一つの暗箱みたいになってしまってはまずいと思うんです。この問題の対決、むしろほんとうに、そういう点では当然これだけはという科学的な最低基準でも何でも、そういうものに対してやはり明確に一線を引く必要があると思うんですね。そこでお聞きしたいんですが、東京都の場合、これはどうですかね、四月一日から公害防止条例と、それから規則を実施しているんですが、通産大臣はこれに対してどういうふうにこれはお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは詳しいことをよく存じませんけれども、排出基準について一事業場、つまりたとえば工場でございますが——あたりを考えるか、あるいは煙突一本ずつを考えるかというような点の考え方の違いではなかったかと思いますが、法律的には国が基準をきめておりますので、都がそれと異なった基準を独自の立場できめたということは、厳密に言えば法律の文言に合わない。十分協議する等の道も開かれておったわけでございますけれども、合わない結果になった。しかし、もし実際上の効果として両者があまり違わないような排出基準に落ちつくのであれば、それは実際上の問題として処理してもよろしいのかと思いますが、厳密に両者のものさしが非常に違っておって、片方で国で認められておったことが都では認められなかったということになれば、企業等はどちらに従っていいかわからないということになっては困る。いわば政令で二途に出たということでは困りますので、そういうことがありそうでございましたら、東京都ともよく話し合ってみなければならないと思っております。
○岩間正男君 私は先ほどこの基本法についての経過を述べた中で、これは厚生省のこの審議会、それから経団連のこれに対する反駁、横やりの意見、こういう形で、妥協の形で調和という形のああいう基本法がつくられたことを、これはいま現在は法律としてあるわけですから、これに満足できない状態でしょう、満足できない状態がたくさん出てきているし、現行の中でもそれは出ているわけでしょう。この法律そのものが非常にやっぱり不十分なところがあるわけです。ここでどうもこまかく論議する時間はありませんけれども、そういう中で東京都が、これは地域住民はこれを非常に支持して、そうしてそういう住民の要求としてあのような条例がつくられた。それはとっぴにそんな離れているよりも、科学的なそういう基準の上に立っていますよ。これは最低限だと思うのです。これはもっと進んでもいいんだけれども、結局企業の側に立つか、ほんとうに国民の側に立つかということでこの問題が私は決定されると考えるわけです。私はそういうふうな点からいいますと、たとえば東京都は条例の中で、大気汚染と水質汚濁と騒音の三公害、基本法に設けられておるこれらの基準、それだけじゃないのですね。国の基準にはない有毒ガス、それから粉じん、それからこれは振動なんかもあったと思いますが、こういうものを規制の対象にしておるし、それからたとえば国の法律が大気や水質について個々の煙突や排水口だけを対象にしておるのに対して、工場全体の総排出量を対象にした基準を設けたり、また発生源者の報告を義務づけるというような方法をとっておる。公害を防止する見地からいったら、私はこれが科学的であり望ましい、こういう形でなければやはりいまの公害基本法では非常に抜け穴がある。そうして、これはざる法になっておる面があるのではないか。そういうものではとてもこれは一千万都民の人命を預かる都知事としての任務が果たせないというので、こういう条例がこれは都議会においてもつくられているのではないだろうか、こういうふうに考えているのですが、これを推進するのか、それとも国の非常に不十分な法律の線でなければならぬとするのか。ここは非常に重大な問題じゃないでしょうか。だから、先ほどから通産大臣の言われている、とにかく人命尊重が第一だ、これはもういまさら論議の必要もないじゃないかというような意見を先ほどから述べておられるのですが、そういう問題と東京の条例というものはどうも私はそぐわない。いまの答弁に対してそぐわないことになるのじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 東京都の場合のことにつきまして、政府委員から説明を申し上げます。
○政府委員(柴崎芳三君) ただいま先生御指摘の東京都の条例と法律との関連でございますが、これは問題を分けますと形式的な矛盾と申しますか、形式的に相いれない点と実質的に相いれない点と、その二つに分かれるわけでございますが、形式的に相いれない点は、一番基本には、条例は法律の範囲内で定めるというのが地方自治法、その他できまっておりますし、また、それぞれの公害防止法、公害関係の法律にもその旨が記載されておるのでございますが、そういった意味におきまして、法で定められた、法で規制の対象になっておる施設については、これはもう法でいくんであって、それを条例でさらに二重に規制するのは二重規制になり、ただ単に法律上の矛盾だけではなくて、規制される相手方にも非常に大きな迷惑を及ぼすというような形で、法で規制されておる対象については条例は設けないという一つの原則があるわけです。その点で形式的にひとつはずれてくるわけでございます。 それから第二の、これは形式的な点でございますが、大体国の法律におきましては、特定設備、特定施設というものを定めまして、その特定施設については届け出制をとっております。東京都の場合にはそれを許可制にしておりまして、その点相当強くなっておるわけでございますが、国の判断といたしましては届け出制にいたしまして、その届け出された結果につきまして、公害上問題がある場合には改善命令その他を出せば十分行政上処理できるという立場をとっておるんですが、東京都の場合は、それを認可制にいたしましてぴしゃっと押えている。そこで法律よりも行き過ぎておるという一つの形式的な矛盾があるわけでございます。 それから次に実質的な矛盾でございますが、これは実はあまりたいしたことはないわけでございます。一例を申し上げますと、東京都ではSO2に関しまして、先生御指摘のとおり工場単位でやっておるわけでございますが、国は施設単位でございます。ところが、個々の施設に対する基準というものは、東京都も国も全く同じでございます。東京都が工場で押える場合には、その工場が持っておる煙突ごとの排出基準で許されるSO2量を全部足しまして、その状況に応じまして〇・九から〇・九五、それから一・〇という修正係数を掛けまして、それをもって工場の許されたSO2の排出量ということにしておるわけでございますが、具体的な例で申し上げますと、この〇・九を掛けられる工場というものはほとんどございません。われわれが調査した結果では、東京電力と東京ガスに限定される。ところが東京ガスと東京電力につきましては、われわれも大気汚染防止法の規定に基づきまして相当強力な規制と指導を行なっております。現に割り当てられた排出基準よりは低い数値をもってSO2を排出しております。したがいまして、〇・九を掛けても実質上は現在の状態そのままでけっこうですということになるわけでございます。 それらの点を勘案いたしまして、東京都とも事前にずいぶんいろいろ話し合ったわけでございますが、東京都のほうも、ぜひ都としての態度を示したいということで、施設ごとに取り上げた場合には全く国とダブるものですから、工場ごとに取り上げれば、これは違った観点から公害防止ということに進み得るであろうという独特の見解をもちまして条例を定めたわけでございますが、しかし、政府部内でいろいろ検討いたしました結果、形式的にはこれはやはり法律と矛盾するという結論にはなっておるんですが、ただいま御説明申し上げましたように、実質的にあまり問題がないものですから、具体的なケースでは十分配慮しながら、ひとつ慎重にやってくださいということで、現在さらにその具体的なケースがありますれば、いろいろと東京都とお話ししたいというような状況になっておるわけでございます。
○岩間正男君 まあ形式的な法律をたてにとっているというようなことなんですが、その法律が、先ほど来から言うように非常に不十分であり、あいまいな点を持っている。特にこの中で有毒ガスや粉じんの規制を東京都が対象にするということは、むしろこれは進歩と考えなきゃならぬ問題でしょう。こういうものを、法律にないから、母法にないんだから条例できめるのはけしからぬというような、そういう論点にこれはいったら話にならぬ、そうでしょう。
○政府委員(柴崎芳三君) ちょっとことばが足りなかったんですが、法律できめられてないことを条例できめますのは、これは天下晴れてどこでもやっておることでございまして、われわれ決してこれに文句をつけるわけではございません。既存の法律と張り合うものについてだけ一応意見を申し上げておるということでございます。
○岩間正男君 張り合うというのは基準の問題でしょう。その点、これは最初から非常に問題もあることです。この前、四月十日ですか、衆議院の産業公害対策の特別委員会に一橋大の都留さんが出てきて、この問題やっぱり触れていますね。これはこう言っているんですね。国の基準だけで足りないと思う場合に、そこの地域住民がこれくらいきびしくしたいんだということをその地域住民の意思として決定した場合には、それほどきびしいものが出ることも差しつかえない、こういうふうに言ってるんですが、これはどうなりますか。
○政府委員(柴崎芳三君) 都留先生のその御意見は、おそらく都留先生の経済学者、あるいは社会学者としての公害問題の重要性を取り上げまして、そういう観点からの御意見ではないかというぐあいに考えますが、おそらく、そのときに法律関係のもう一人の先生が呼ばれておったわけですが、その先生が欠席いたしまして、都留先生は出られるときに、最初から、私は法律学者ではないので、経済学的な観点あるいは社会学的な観点からものを申しますというぐあいに言っておったと聞いております。
○岩間正男君 それがどうだっていうのですか。いまの何がどうだっていうのですか、都留教授のいまの意見というのは法律学者でないから、経済学者だからだめだというのですか。
○政府委員(柴崎芳三君) だめだと申すわけではございませんけれども、やはりそういった形で条例ができ、法律と矛盾した場合にはそこにはやはりひとつの問題は当然発生してくるというぐあいに考えます。
○岩間正男君 どうもあなたたちは法律を先に、法律万能のやはりそういう訓練を受けておるから、そういうことになるのですが、問題は先ほどから問題にした生きた人命をどうするかという問題です。その上に立って考えなければならぬので、国の不十分な法律でもってそういう東京都の条例に抵触するところがある、これを否定する、そういうような形をとっていくということは非常に望ましくない。問題は当然住民の安全を守るかどうか、その上に立つかどうか、そうして科学的にはっきり見通すかどうか、そういうところに私はあると思いますね。だから、よくこの通産省、あなたたちの説明を聞くと、結局は奇妙な東京都の条例か国の法律か、どっちに、いずれに従うか、こういうことに心配することじゃなくて、ほんとうに住民の安全と生命が守られるか、こういう点できびしい、ほんとうに人命を安全に守ることのできるそういう条例に企業が従うように当然これは説得し、指導する、こういう基本的な立場に立つのが通産省の当然私は立場じゃないかというふうに思うのですが、どうでしょうか。その点がどうもやはり企業擁護、企業の立場ということからものを言っておられるような私は印象を受けるのですがね。通産大臣どうでしょうか。これは私のひがみでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 誤解をしていただいていないとは思いますけれども、このばい煙の排出については、東京都は現実の問題として国よりもきつい規制をやっているわけではないのであります。国がきめた規制の方法とは違う規制のしかたをしよう、つまり工場単位であって、煙突一本単位ではない、別の独自の方法をやったと、そのことは形式的には法律に違反をいたすわけですが、それでたいへんきびしい規制になったかと思ったら、そうではなくて、国が認めているものは東京都でも認めているという結果になったわけで、したがって、実態問題としてのごたごたは起こっていない、こういうことでございます。他方で、国が規制をきめておりませんものにつきまして、東京都が独自の立場から規制をしますことは、これは一向に差しつかえないことで、それで違反、違法問題などは起こっておりません。
○岩間正男君 どうですか、私がお聞きしたいのは、やはり企業を説得し、そうしてほんとうに人命保護の立場に、やはりいまのゆるい基準からだんだん基準を高めて、ほんとうに人命の安全、これは先ほどから申し述べましたような被害者は続出しているんですから、大気汚染、水質汚濁の問題から、ほんとうに騒音、先ほど問題にされました悪臭の問題もこれは出てくるし、それから振動の問題もあります。そういうような中でほんとうにこれはたいへんな問題、ここでいまこの機構改革をなされようということになっている。しかし、中身は先ほどから検討したように、なかなか実態に沿うものにはこれはなっていかない。だからそういう点で、ほんとうに積極的な姿勢を貫く、こういう点をやはり明確にしてほしいと思うし、東京都のようなこういうやり方については、これに何か圧力をかけるような印象を与えちゃ私はやはりまずいと思うのであります。むしろ、これは進んで東京都のやり方を見守ってやるというのが当然通産省の立場だと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 形式的にではあっても、明らかにすでにできている法律にたがうようなことを条例できめるという態度は、私はそこまでおっしゃられればどうかと思います。そのことは違法であるかとおっしゃれば私は違法であると言わざるを得ません。しかも、それでできた結果がたいへんきつい排出基準になったかと思ったらそうではない。そうでありませんから、これ以上この問題は私どもも現実に深追いすべきかどうかと思っておりますけれども、環境基準をよくしようという動機はそれはもうけっこうなことでございます。しかし、国の法律を破っていいかとまっ正面からお聞きになれば、それは困りますと申さざるを得ないわけであります。
○岩間正男君 あなたは、現状ではそういう一つの形式論が成り立つかもしれませんが、これはどうですか。たとえば東京都民が一千百七十万あるのですね。ここで最近、美濃部都政を支持する者は六八%ぐらいあるのです。そうすると、公害の問題はやはり大きな問題になっています。現実の問題としてあらわれてきた。たとえば美濃部都政の中でいろいろ貫いてきたものがある、非常に大きな三年間の業績があるわけです。そういう中で、公害の問題で対決するという姿勢の問題はこれは非常に都民の共感を買っているわけですよ。そうすると、これは立法の府として、そういう古い不十分な法律というものに対して、われわれは当然これは対決せざるを得ない。そういう問題をこれは持っているわけです。ただ、現状はそういう法律があるが、ざる法でも何でもこれに従えというような議論であなたこられるんだが、そうならば、われわれがやはり通産大臣に対して持っているイメージと少し違っているのですね。あなたが最初にはっきり言われた施策の最も最大の課題とするのは、それは人命尊重だ、経済性よりも安全性を貫くんだという、佐藤総理のそういうことばにも同感だ、こう言われたものと非常にイメージが違うように思うのですが、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いやしくも立法府において御決定になった法律でございますから、ざる法というようなことは私ども思っておりません。
○委員長(西村尚治君) 他に御質疑もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。 これより討論を行ないます。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(西村尚治君) 速記をつけて。 これより採決を行ないます。 通商産業省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(西村尚治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西村尚治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時十九分散会 —————・—————