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63回国会参議院1970/11/11

逓信委員会 閉会後第4号

発言数
123
登壇者
10
会派数
2
開催日
1970/11/11

会議録

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として阿部憲一君が選任されました。     —————————————

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  本件に関し、質疑のある方は順次御発言願います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 きょうは、郵政大臣が再任されたと言われるのか、無事息災で健康を保持されておると言われるのか、その辺は私もつまびらかにいたしませんが、いずれにいたしましても、再び井出さんにお目にかかることのできますことを非常にうれしく思います。したがいまして、元気な井出さんに対しまして、私も元気な質問を申し上げてみたいと思うのでありますので、あらかじめ御了承をいただきたいと思うのであります。  そこで、最近、郵政大臣がしばしば国民のための郵政事業ということで積極的な御意見等を開陳されておるやに承っております。特に、テレビ番組等が低俗化を来たしておる、こういう観点にお立ちなのかどうか知る由もありませんが、いずれにいたしましても、四十六年度から何か番組モニター制を設けてその実態を掌握したい、こういうことをお考え召されておる模様でありますが、いわゆる官製モニターの設置ということでありますから、各界に非常に刺激と波紋をもたらしておるような気がいたします。  そこで、前の小林さんもよくこういうことを好んで発言されたように私は昔の記録で拝見をするわけでありますが、名、前郵政大臣にならって井出さんもそういうことをおやりになろうとされておるのか。特に、きょう私が聞きたいのは、昭和四十二年当時、かつて番組の偏向ということで閣議等で問題になり、郵政省の局長がテレビ某局まで出向いて立ち入り調査か、事情聴取かわかりませんけれども、おやりになったということがあって、その後こうした政府のいわゆる何と申しましょうか、政府の意図に反するテレビ公開等につきまして、強力な規制等を行なうかのごとき印象を国民に与えた閣議が開かれたこともあったように私は記憶いたしておりますので、今回構想を発表されました中には、こうした三年前、四年前の時の政府の考え方というものが、同じ佐藤内閣が改造はいたしましたが、テレビ等に対する官僚統制とか、そういう関係は依然として深く根ざしておるものかどうなのか、その辺との関連についてもあわせてお答えをいただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御質問でありますが、いわゆるモニターというものを設置しよう、これはまあ試行的なものとして考えておるのでございますが、テレビその他の番組につきましていろいろ世論の批評というものも私どもの耳に聞こえてくるわけであります。したがいまして、ある程度客観的な動向というものを承知をしておりますることが電波行政をやってまいりますものの必要といいますか、責務といいますか、それをまあ掌握しておる必要があろうと、こういう考え方に出ておるのでございまして、いま森さんのおっしゃる、これが言論の統制につながる懸念とか、そういうふうなものは全く考えておらないのであります。世間で官製というふうなまくらことばをつけていろいろ論評をされておるようでございますが、私どもの意図するところは、決してそれによって役所が番組の編集に介入をしようとか、何とかいうことは毛頭考えておりません。さらに四十二年でございますか、いまおっしゃるようなことがかつてあったという御指摘でありますが、これはまあ私の関知しないところでございまして、これと脈絡、関係があるというふうなものでは決してございません。とりあえず以上お答えいたします。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは、この四十六年度の重要施策関係についてお伺いしたいと思うのであります。  いまのお話のモニター制の問題についても、来年度の予算編成の場において何かそういう要求をされておるやに聞いておりますので、とりあえず四十六年度の重要施策事項の概要、大別でけっこうでありますが、それを承りましてから、いま申し上げたモニター制に戻って、お伺いを続けていきたいと思います。

溝呂木繁郵政省経理局長

○説明員(溝呂木繁君) ただいまのお尋ね、一般会計についての、来年度の概算要求における重要施策事項のお尋ねというふうに考えましてお答えいたします。  御承知のように、四十六年度の概算要求は総体としては、一般会計で七十八億一千六百万円の要求をいたしております。そして、その大きな項目といたしましては、まず第一に、人工衛星を利用する電波研究の推進ということを考えております。これは御承知のように、衛星管制施設の整備と、それから実験用静止通信衛星基礎研究の推進と、この二つを内容としたものでございまして、歳出及び国庫債務で九億五千六百万円を要求をいたしております。  それから二番目には、海洋開発のための通信方式の研究ということで、内容としましては衛星中継による海洋通信系の研究開発、それからレーザーによる海中情報伝送の研究というものを内容としたものでございまして、二億三千四百万円を要求いたしております。  それから第三番目は、総合的電気通信施策の強化ということで、ちょっとものものしい名前になっておりますが、いろいろ電気通信に対する社会的な需要あるいは技術革新に即応して有線無線を問わず総合的に電気通信に関するいろいろ調査研究を行ないたいというものでございまして、額としては三千六百万円要求しております。  それから四番目としましては、電波監視新体制の確立、これは五ヵ年計画で進めておるものでございまして、四十四年度以降引き続き四十六年度におきましても要求しようとするものでありまして、額としては二億三千九百万円であります。  それから五番目が放送大学に関する調査でございまして、これは一応放送大学を開設するための放送局をどのように設置したらいいかといった、その立地条件とか、電波伝搬のいろいろの調査を行なおうとするものでございまして、額としましては八百万円であります。  それから六番目に、これは組織の改正でございますが、一応要求といたしましては、電気通信局を設置したいということでございまして、これは現在ある電気通信監理官制度というものを組織として電気通信局に改めたいというものでございます。  この六つがおもな重要事項ということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは同時に来年度の法案——重要法案の提出予定と申しましょうか、まあ考えておられる問題についてひとつ御説明いただきたいと思います。

江上貞利郵政大臣官房文書課長

○説明員(江上貞利君) ただいまの予定というお話がございましたが、実は予定になっているものと、それから鋭意検討中のものとございますのでございますが、鋭意検討中のものも含めまして申し上げさしていただきます。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案、いわゆるCATVと申しますか、有線テレビジョン放送に関するもの、それから電波法の一部を改正する法律案、それから放送法の一部を改正する法律案、電波電気部門については以上を考えております。  そのほか郵政事業に関する部門といたしまして、郵便貯金、保険、為替、振替等の各事業法規に関するもの、さらに郵政省設置法の一部を改正する法律案等を検討いたしております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは冒頭に御質問申し上げたモニター制に戻りましてお伺いいたしますが、この官製モニターなるものは、免許権というものを持つ政府みずからがモニターを人選をしてこれに手当を与えて、しかも、政府の諮問に答えさせるわけでありまして、これに対して世論という名をかぶせていわゆる着せてまあ云々ということは、かつての大政翼賛会のあり方と軌を一にする感があるような気がしてならぬわけであります。世論というものを番組みに反映させるために実態調査をするということであるならば、第三者機関というものをもっと活用して、いまお考えになっているモニターは百五十人とか、三百人とかいうことでありますけれども、そういう少数にとどまることなく多数を対象にして、そうしてさらにこれに予算をもっと充当をしてやったほうが、いわゆる世論を集めるという点につきましては、構成するという点につきましては、よいのではないかという声が案外多いような気がするわけです。一体郵政省では、いまお考えになっておる——あまり他意がないというお答えでありますけれども、このモニター制度によっていわゆる公正な世論を掌握することができるとお考えになっておられるかどうか。失敬でありますが、もっと軽い気持ちでおやりになっておられるかどうか。あなたのお得意の頂門の一針とやらにされるのかどうか、この辺をひとつお聞かせいただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 森さん、大政翼賛会というふうなものものしい表現をされましたが、決してさようなものではございません。いま御指摘のように、すでに番組審議会というものが法律で義務づけられておりますし、さらには番組向上協議会、その中にまた委員会がございまして、こういう機関等もあるわけでありまするから、まあこれはこれなりに重要な機能を持っております。これが機能を果たしていただくことはもとよりでございますが、私ども行政をやっていく上の指針といたしまして、いま考えておるようなやり方も確かにその一助たるに値するというふうに考えるわけでございます。ただ、そのやり方は、いまおっしゃるように、世論の動向を掌握するということからいたしまして、やり方自体にはよほどくふうをこらし、慎重を期してやらなければならぬと思いまするが、まあこういう手段もあわせ用いてしかるべきものであろうと、かように考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私は、後段で公正な世論を掌握できるかという質問をしたわけですが、その点が若干お答えが、私の立場をもっていたしますれば、明快ではないような気がするのでありますので、ひとつその点をもう少し詳しくお聞かせいただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 最初に私試行という、試みに行なうということばを使ったわけでございますが、なかなか完ぺきを期するというのには、たいへん大がかりなまあ予算的にも膨大なものを要すると思うのでございますが、当面この程度の予算のワクで試みてみるというような考え方に立っておるというふうに御了承を願いたいと思います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 おことばの端々に、官製モニター制度を採用するが、いわゆる他意がないんだという、それから試行するという、こういう比較的やすきについたようなお答えと私は承っておるわけですが、国民の側からこれを受け取りますと、非常に重要な要素を帯びておるというふうな受け取り方を多くの方々はされておるわけです。したがいまして、たとえあなたのおっしゃる試行にもせよ、僅少な予算額をもって当てるにいたしましても、何か調査の結果に期待される向きがあるのではないか。だとするならば、それはいかなる意図をもって通俗番組に対して、まあ善導とか、何かそういう意味のことはおありだろうとは思いますけれども、何か目的がおありだと思うのです。ただ通俗番組がはんらんして困る、だからひとつモニター制度でちょっとためしてみようと、それだけのものではなさそうな気がするのでありますが、あなたがよく新聞の記者等との、この種の関連を持たれるいわゆる試行というのは、俗なことばで表現すれば、軽い気持ち、こういうふうに受け取ってよろしいのですか。その辺、しかし私どもの側から見れば非常に重大な要素を帯びているというふうに理解を持っているわけでありますから、その点ひとつお聞かせをいただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 軽い気持ち、重い気持ちというふうなことになりますと、何かその辺がこう——心理的な要素を帯びてくるようでございますが、私どもが行政を行なってまいりまする際に、主観的な、恣意的な判断におちいっては相ならぬ。そういう場合、今回のやり方を通してある程度客観性のある、国民にどう映っているかというふうな点が参考資料として確かめられるというようなところに、まあひとつの期待を持っているというような考え方であります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 ですから、その辺が問題になるのではないでしょうかね。ある程度国民の眼にどう映っているかということを、郵政の立場で見届けたいというのです。そうおっしゃるわけですね。その点ひとつ。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあその点役所の側において、主観的な判断におぼれるというふうなことがあっては、これはあやまちをおかすおそれなしとしない、そういう点からいたしまして、国民の側が受けとめておられる考え方というものを、まあ参考に供するとでも言いましょうか、そういうことに、判断の材料として求めていきたいというような考え方であります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは判断の材料にこれを求めるということでありますから、これをどう活用されるのですか、そういう意図はないのですか。判断の材料にするということになれば、活用するわけですね。その後に来たるものという問題に懸念があるわけです。国民の多くがこの問題に論議を集中しているときに、その裏に単に試行ということにとどまることなく、官製モニター制によって、その具体的な事例をあげさして、それをどう活用するか。大臣は非常に何と申しましょうか、深い魂胆があってしているのではないとおっしゃる、あなたの人柄からいっても、そういう魂胆をたくらむほど悪者じゃないと私は思っています。りっぱな方だと私は尊敬いたしていますから、そういうことばの裏は何も私は解釈しておりません。しかし、どうも過去数年来政府の行なっているこの種の問題については、何かあると言うとないと言うし、ないと言うとまたあるだろう、こういう探りを入れたいのが人の世の常でありますから、私も凡人でありますからそういう勘ぐりの、あなた方から言えばそんなよけいなげすの勘ぐりだとおっしゃるかもしれないが、しかし、もしあなたが素朴にお考えになっておられるそのもの、それ自体とするならば、あなたと同じような考え方を、もし国民の側が受けとめるとするならば、こんなに世の中が今度のモニター制についてわき立ってこないはずなんですね。過去の歴史をひもとくまでもなく、われわれはこういう問題に過去しばしば遭遇してまいりました。そのときに、時の見解、時の行政の衝に携わっている方々は、あなたと同じような答弁をいままでしばしば繰り返されておるのです。私は、前轍を踏むなかれということわざからいたしましても、もし、国民が懸念されているような問題にこれが発展するとするならば、これはゆゆしき大事だと思いますので、そういうことのないように、私はあらかじめ大臣の真意をただしておきたいということで質問申し上げたわけでございます。したがって、とりあえず、今度は百五十人程度で配置して試行だとおっしゃるが、それは国民が何を考えているかということよりも、その官製モニター制を採用して政府がこれをいわゆる国民の側からいえば取り締まりの対象にしていくんではないか、こういう懸念が多分にあるというのでありますが、もしないとおっしゃるならば、その点もう少し明快にお答えをいただきたいと思います。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いま取り締まるというふうなおことばが出ました。これは、これだけ膨大なマスコミといいますか、まあ電波関係に限定をしましても、これを取り締まるとかなんとかいうふうなことはできるはずもなかろうと、こういうふうに思うのでありまして、その意図するところは、さっき来申しておりますように、現状というものが国民の目にどう映じているか、そのはね返ってくる鏡とでもいうふうなものを私どもが知っておく必要があろうという限度に考えておるのでございまして、したがいまして、これをどういうやり方でいくかという点はまだ煮詰まっておりませんけれども、出てきた回答を集計をするとか、分析をするとか、こういうふうなことになってまいる場合に、それを役所の側においてやるということよりも、むしろこういうやり方は民間のしかるべき機関に託してもいいのではないか、それも一方法であろうと、こういったことはまだ具体的には固まっておりません。けれども、私の考え方は、そういう点でも御賢察をいただけまするように、これは森先生のお考えになるような、大上段に振りかぶって事を処理していこうというふうなものとはだいぶ距離があるのであります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは単刀直入にお伺いいたしまらが、いまあなたが大上段とおっしゃるから、私も剣の立場で、単刀直入ということばで御質問いたしますが、大上段に振りかぶっておらないということは、それほど思い詰めておらぬというふうに理解をいたします。したがって、このことは固まっておらぬと言う、まだ具体的には固まっておらぬということは、そういうことをほのめかされておるが、省の方針としてこれを直ちに実施の段階に移すかどうかということになると、まだ、時間的ゆとりがある、こうおっしゃるわけですから、あなた方が心配ないとおっしゃるが、世論が懸念されて、これがわき立ってくるとするならば、何も強行突破しなくてもよいのだというふうな大臣のお答え、こうやわらかく、あなたも大上段に振りかぶらぬとおっしゃるから、私もやわらかく言いたいのですが、そういうふうに理解してよろしいですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは予算に要求をしておる事柄でございますから、いま私がこれをおろすとか、なんとかいうことを申し上げるわけにはまいりませんが、しかし、慎重に世論の動向をも見きわめて誤りなきを期したい、こういうことだけは申し上げておきたいと思います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 重ねて、くどくて恐縮でございますが、いまのお話ですと、予算要求をすでにされておるというお答えなんですが、この点ひとつ明らかにしていただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) それは、そのとおりであります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 ならば、先ほどお答えいただきました具体的に固まっておらないということと、予算要求をしているということは、私の立場をもっていたしまするならば、若干お答えに隔たりがあるような気がする、両者のお答えですよ。固まっておらぬということと、予算要求をしておるということが若干ズレのあるお答えというふうに承るのですが。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは御承知のように、八月末の概算要求でございますから、その限りにおいては、数字は一応千六百万というように記憶をしております。しかし、そのやり方につきましては、まだ、考究の余地がございましょうし、時間的にも来年度の予算の最終決定はもう心し先でございますから、そういう点の検討はまだこれから余地があるのだと、こういう意味に申し上げておるわけであります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 聞くところによりますと、昨年度も同種の予算を要求されたやに聞いておりますが、それはほんとうでしょうか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  昨年度は、私ちょっとおりませんでしたので、ちょっと記憶はっきりいたしませんけれども、同種ではなかったと思いますが、ある程度の予算は要求したというふうに聞いてはおります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 同一ではない。けれども、ある種の予算を要求をされたということは、すでに昨年度官製モニターを実施しようとされておって、大蔵省と予算折衝をされたということですね、局長。その点を明快に答えてください。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) ちょっと手元に資料がございませんので、至急調べまして後刻申し上げたいと思います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは、それまでひとつ休憩してください。大事なことですから。こんなもの当然明快にお答えあってしかるべき問題ですし、資料がないから答えられない……。去年要求したかどうかすぐわかるはずです。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 速記をつけてください。

森勝治日本社会党

○森勝治君 放送の規律の原則というものは、放送法第一条に明らかに定まっておりますとともに、第三条におきましても、番組編集の自由ということを保障しておるわけですから、よもや官製モニター制を敷いたところで、郵政省が番組介入をするなどないと私は思っております。思っておりますけれども、マスコミ等の論調では、官製モニターというものは番組に介入をしたり、言論統制に発展するおそれが多分にあると、こう指摘しておるわけです。過去の政府のあり方等を見ますと、でうもその辺が皆さんが懸念されているようなことに動きそうな気配を察知せざるを得ないわけであります。  そこで、私はこの番組の向上の適正化というものをはかるためには、御承知の番組審議会の活用が先決だと、こう考えております。したがって、郵政省では、この番組審議会についてどのような指導をされ、どういう把握のされ方をしておられるのか、この点ひとつお答えいただきたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 放送番組審議会につきましては、これはもう放送法上その設置が義務づけられておりますし、審議会は放送事業者の諮問に応じまして番組基準、及び番組編集に関するところの基本計画を制定あるいは変更、こういった審議を行ないますほかに、放送番組の適正化をはかるために、放送事業者に対して意見を述べることができると、こういうたてまえになっておることは御承知のとおりでございます。  そこで、郵政省としましては、審議会の活動状況を把握するために、放送施行令に基づきまして、放送事業者に対し審議会における議事の概要並びに放送事業者が審議会の答申または意見に対してとった措置、こういうことに対して資料の提出を求めることにいたしております。さらにまた、先般再免許の際におきましても、放送事業者から審議会の活動状況についての資料の提出を求めまして、これを審査いたしたような次第であります。再免許を付与するにあたりましても、番組審議機関の意見を尊重し、放送番組の内容について一そうの質的向上をはかるようにと、ことにまた、地域社会における特有の要請にこたえるようにというふうな、もろもろの要望を放送事業者に対していたしまして、そういう点遺漏ないように期しておる、こういう次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 大臣がおっしゃっておりますように、放送法第四十九条の二項の委任に基づいて同施行令四条によって番組基準、番組審議機関の審議の概要並びにその答申または意見等については放送業者のとった措置というものについて資料の提出を求めることができるとあるわけですね。そこでモニター制を採用するに至りましたやっぱりいろいろ経過があるんでありましょうが、各放送業者のこの種の措置等について資料の提出要求というもの、要求をされて検討された、そういう回数は一体何件くらいおありなのですか。いつごろからそういうことを具体的に積極的におやりになったのか。いきなりモニター制にぱっと持っていったのではないと私は思うんです。やっぱりよってきたるゆえんがなければならぬと思うのです。したがって、どのくらいそういう御努力をされたか。これは担当局長でけっこうですから、お答えいただきたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  放送事業者から審議会の活動状況というものにつきましての資料の提出というのは、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、この前起きました再免許のたびごとにそういうことをやっておりまして、今回この十月三十日に行ないました再免許の際にも、そういう資料を取り寄せて審査をしておるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それは十一月一日に再免許をするときの条件としてそうおっしゃっただけでしょう。だから、過去において、そういう措置をとられたかどうかというのです。再免許の許可付与の条件としてそう言ったということじゃなくて、いままでにあなた方が行政としてとり行なうことがあるのですよ。努力の数々というものが残されておらなきゃならぬのですよ。どう努力されたかと聞いておるのですよ。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) 私どもとしましては、従来三年ごとに起きます再免許の際に、過去の実績ということを特に要求いたしまして、その審議会の活動状況ということで、そのたびごとに資料を取っておるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは三年ごとの免許更新のときに資料を要求して、その三年間この免許から次の免許に至るまでのこの間はノータッチであったと、こういうことですね。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  もちろん、この番組審議会の報告というものは、これは番組審議会が行なわれて、議事録ができますから、その議事録は私ども提出していただきまして拝見しております。ただし、それによりまして、私どもがどうのこうのということはいたしておりません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 どうもあなた方のやり方はおかしいです。閣議なんかで問題になれば、局長を事業者のところにすぐ派遣して何だかんだ言う。しかも、われわれにこうやって追及されれば、そんなことやりませんと言う。そしてまた、世間で低俗番組だというそしりが若干でも出てくると、またばっさり何か規制の対象にしようという。その前に、あなた方が当事者として、行政担当の方々として当然なすべき道があるんではないですか。何も免許のたびごとに資料提出を求めるなんということじゃないでしょう。絶えず求めることができるのでしょう、積極的におやりならば。免許の条件のときのみ過去の業績の資料をとるのじゃないでしょう。そうでしょう。そうじゃないですか。あなたの話だと、過去の三年間の免許の更新のときについてのみ資料を要求するとおっしゃっている。私はそんなこと聞いていないのです。いま申し上げましたように、施行令の第四条に明らかになっておるのだから、したがって放送事業者のとった措置については、当然これは資料の提出を求めることができるのですから、常時求めることができるのですから、世論が低俗番組が横行しているというならば、その提出を求めてあなた方が当然検討しなければならぬ責務があるのでしょう。そういう検討を行って——、世間が騒々しくなったから、今度はモニター制でもって、監視ではないけれども、そうしてやろうなんということは、どうもこれはあれじゃないですか、他の欠点のみをそしるという疑いを免れないのじゃないですか。あなた方自体の努力はどうするのです。自分たちの努力をさておいて、そこで今度何か問題が起これば、あたかもそれを取り締まるがごとき印象を受けてみたり、介入されるおそれのあるがごとき、誤解を生ずるような行動をしてみたり、ちょっとおかしいのじゃないですか。ですから、まずちょっと、その点少し担当局長のお答えじゃ明確性を欠いておりますから、当然これは常時指導するように法律はなっていると、法のたてまえはそうだと思っています。局長のお答えは、三年間ほうっておくというお答えになるのです。この答えは残念でありますから、最高責任者の立場でひとつ明快にお答え願いたいと思います。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ、三年に一度の再免許という、機会が一番集約的に番組内容の報告その他を求めて検討をする最大の機会であるということは間違いございません。ただし、おっしゃるように、常時提出を求めるということも可能でありますし、それから、現に報告はきておるわけでございます。その間怠慢であったというおしかりを受けますと、決して十分であったというわけではないと思いますが、たてまえはそういうことだと思います。  そこで、放送法に明記してありますとおり、何人もこの番組の内容等に介入をするというわけにはまいらぬ、あくまで自主的に放送事業者になり番組審議会なりの良識に待つということ以外には手はないわけでございます。ましてや、役所が、一体何をもって低俗であるかというようなスタンダードを設定するなんてことは、これはできるものでないわけであります。そういうことですから、片や現在ある機構を十分に機能を発揮していただくように、これは私は行政指導といいますか、その限度においては、たとえば審議会の開催回数が足らぬというなら、これはもっとひんぱんに開いてもらいたいという要求をすることは可能だろうと思います。そういうことでございまして、その機能を十分に発揮していただくと同時に、今回考えておるモニターというやり方も両々相まって、この面でも世論の動向をキャッチする一つの方法だと、こういうふうに考えておるのでありますから、まあ両方をあわせ用いることによってより一そう充実した方向が打ち出せるのではないか、こう考えたわけであります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 もちろん、世論の動向を絶えずキャッチされることは当然でありましょう。そういたしますと、ことしの十一月一日に免許更新をいたしたわけですから、今度のこの官製モニター制を思いつかれたのは、再免許申請のときの事業者が出してきた報告等を見て低俗番組だとお考えになって、これはたいへんだということでモニター制の採用に踏み切られたのか。あなたの言う世論をキャッチするといういわゆる世論というものがわき起こってきたから、それではならじと思っておやりになったのか、その点がつまびらかになっておりませんから、いずれの策をおとりになったのかお聞かせ願いたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) この考え方は、八月末の概算要求の際に出ておったことは先ほど申し上げたとおりでございますから、何も十月末における再免許とこれが直接の関係のある事柄ではございません。もっと一般的に、行政の立場にある者として、よりきめのこまかい施策をいたしまするためには、世論の動向というものを掌握しておかなければならないという、一般論的な立場に立っておるというふうに御了承を願いたいと思います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 常に放送のそういう各事業者からの報告をとることができる、いわゆる資料という形で提出を求めることができるのですから、その資料によってみれば出しものがどんなものか、どんな意図か、大体おわかりになるわけでしょう。そのための資料ではないのですか。私はそうだと思うのです。世の中に害毒を流すようなものがあるかどうかという、そういうことでこれをキャッチするために資料の提出を求めることができると、こう施行令はなっておるわけですから、むしろそういうものを参考にされてしかるべきだと思ったら、そういうことは全然おやりになっておらない。すでに八月、——七月ですか、この種の問題を来年度はやるぞといって発表されておるわけですから、十月一日の再免許の申請、もっと以前から出ておりますけれども、それを見ておやりになったのではない。そうすれば、俗にいう世間が騒がしくなったから自分たちも取り上げた、こうおっしゃるような気がしてならぬわけです。しかし、行政をあずかっている立場からいうならば、それはその前に資料の提出を受ければその辺のことが、やはり資料の中でも疑いあるものについてはお伺いすることができるはずでありますから、そういうことの御努力ということはどうもなおざりにされていたきらいがあるような、率直に気がするのです、私は。そして世間が騒々しくなったから、じゃやろうと、あたかもこの放送等については所管のところがいかにも熱心であるか、それのごとき態度を示してぱっとおやりになったのではないかと思うのです。そういうことでおやりになって、これがもし言論統制などということになっていくとするならば、これはたいへんなできごとでありますから、私はそういう点、いわゆる思いつきといっては失礼でありますが、思いつきな観点が若干あるのではないか。資料等の提出を求めて、それらをよりどころにして見た、その結果がこうだった、世の中もこうだったとおっしゃるならば、なるほどと私は合点をいたします。資料のことはなおざりにして、担当局長に質問すれば、免許のたびに資料の提出を求めると、こう言うでしょう。その間は何もやっておらぬ。番組のことに不介入ということは、介入できないという原則ですから、これは不介入もいいでしょうけれども、しかし、その動向ぐらいは何局はどういうもの、何局はどうだ、NHKはどうだと、当然担当がおるんですから、できないはずはないと思うのです。この辺はどうされておるわけですか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  先ほど私、御説明が少しことばが足りなくて失礼申し上げましたけれども、放送法の施行令によりまする、いわゆる「資料の提出を求めることができる事項」というものは、この「番組審議会の組織及び運営に関する事項」であるとか、「その議事の概要並びにその答申又は意見に対してとった措置に関する事項」ということでございまして、こういったものにつきましては、先ほども申しましたように、この番組審議会がありますと、それに対する議事その他についての報告がこの施行令に基づきましてあるわけでございますから、それはそのたびごとに私どもは資料をとりまして、それを審査しているわけでございます。それから先ほどの再免許というものにつきましては、過去の実績ということで、それを総計的にまとめてとっているというわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうなってこなければおかしいわけでしょう。ひとつ審査ということばが出ましたから、それでは具体的に言って低俗番組と称するもの、郵政省がこれではならじと官製モニター制に踏み切ろうとするならば、その審査した結果も出てくるだろうし、それから世論の動向というものを見るでしょうから、当然書類の上で、そういうものがあがってこなければなりません。したがって、たくさんは要りませんから、たとえば一例で過去何年同月の放送のこういうものが低俗番組のらく印を押されるそしりがあるんですよという具体的な事例でも、その審査の結果をひとつ報告してください。一つでいいですから、どこそこの会社なんということは必要ありませんから、番組で、たとえばこういうものはこういう印象を受けます、これは低俗番組であると、こう言われがちです、そういうある程度のばくたるものでよろしいですから、そういうものが出てこない限り、官製モニターでさっとやることは思いつきだというそしりを免れませんから、御審査されたならばひとつお聞かせ願いたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  いま申しましたように、私どもはこの報告を受けまして、どういう点がそういった番組審議会で審査、議論の対象になっているかということはそれによって理解するわけでございますけれども、それだからといって、それがある一つの番組が低俗であるかどうかということは私どもとしては直接判断をいたすわけではございません。これはやはり役所が判断するという事柄ではございませんで、あくまでもそういった番組審議会におきまして十分に討論していただきまして、各局がやっておりまする番組の向上ということを期待しておるわけでございまして、私どもとしては、一つ一つとりましてこれが低俗であるとかいうようなことはいたしておらないわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうすると、野放しということになりますね。野放しということであるならば、先般、四十二年ですか、某局で政府批判をやったというので、当時担当局長だれだったですかな、きょう来ておりませんかな。派遣されましたね。派遣したじゃないかと言ったらそんなことはありませんと、会社の名前は申し上げません、申し上げませんが、私が質問をしたのですから記憶しておりますが、そういうことで出て行くこともおかしいのじゃないですか、それならば。あのときはちゃんと呼んで郵政大臣ともあれでしょう、その事業者を呼んで話をしたのでしょう。呼んだんじゃないかと言ったら、いや向こうから来たんだという答弁をされたように私は記憶をするのです。どうしてそんな、政府の意に反するようなことはすぐ閣議で問題になって、そういうことをおやりになる。こういう公式の席上で聞くと知らぬ存ぜぬとなる。その辺一体どうなっておるのですか、電波監理局長。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) 四十二年のときの話は私は実はよく存じ上げておりませんので、ちょっと何ともお答えするわけにいかないわけでございますが、まあ郵政省としての基本的な考え方はあくまでも個々の番組に立ち入るということは全く考えておらないわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうすると、低俗番組であるかどうかということは、行政の面では全くわからないということですね。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  郵政省といたしましては、個々の番組が低俗であるかどうかと、こういうことは判断はいたしておりません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 資料を求めて審査するとおっしゃったじゃないですか。審査したとおっしゃった。審査とはそもそも何ものぞ、それをお伺いしたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) この資料というのは、先ほども申し上げましたように、番組審議会におきましてどういう議論をやってたかと、番組審議会におきましてはいろいろたとえばまあこういった番組はあまり好ましくないからまあやめたほうがいいだろうという意見も出ることもございますけれども、そういったものにつきまして、拝見いたしまして、提出を求めておるわけでございますから、当然そういったものを拝見しまして、まあこの番組審議会の活動状況を把握しまして、また、その局におきまする番組の向上のありさまということを把握すると、そういう意味でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いまいみじくもおっしゃったじゃないですか。番組審議会が出した意見を事業者がどう反映したか、それは掌握しているとおっしゃっておるじゃないですか。何ら知らないとおっしゃっておらぬ。掌握されておるのでしょう。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) 私が申し上げましたのは、番組審議会の活動によりまして、その局がそれではまあこういうことはやめようとか、こういうふうにしようといったようなことを言った報告があるものですから、そういったものを理解していると、そういう意味でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それは理解ということばは、先ほどの、前のことばでお答えになった掌握ということばに置きかえてよろしいですね。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) そういうふうに理解されてけっこうでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それならば、掌握されておるならば、ひとつ特徴的な問題をお答えいただきたい。あなたの御意見でなくてもいいんですよ。番組審議会がきめて事業者に意見を出す。あなた方がその報告を受けて、受けたことについてはどういう点で事業者がこれを実施したか。悪いものはやめようと言ったという話だが、そういうことをやった例がおありでしょうから、具体的な事例として一つでいいですから出してください。どのような掌握のし方をしているか。失敬でありますが、これは私の質問の立場以上に非常に大事なことでありますから、これは言論統制につながる重大な問題ですから、私はこの問題については、くどく聞いて失敬でありますけれども、もう少しお答えいただきたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) ちょっとあまりはっきり自信を持ってお答えできるわけではございませんけれども、いまちょっと資料がございませんので……。たしか、たとえば東京の十二チャンネルにおきまする女子プロレスというものが番組審議会でも議題になって、これをやめるということにしたということを聞いております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうなりますと、番組の低俗化というのは、番組審議会というものが事業者に改善意見を具申するわけですね。いろいろ出すでしょう。そういうものを出さないで自然とそうなったのか。低俗化を防止するために番組審議会でいろいろ事業主に対して意見を開陳するのだけれども、事業者がてんとしてそれを受けつけようとしないのかどうか。その辺のことはおわかりでしょう。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) まあいろいろなケースがあるようでございまして、なかなかこの審議会が意見を出しても、そのとおり局側としてしないという場合もあるということは聞いております。しかし、また場合によっては意見を聞いて、番組の向上をはかっているというところもあることも聞いております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 その辺のところは、失敬でありますが、事務処理上はどうされているのです。統計というか、資料を調査して、たとえばどこそこの局は、番組審議会でこう出したが、事業者はこれにほおかぶりをした、あるいは改善してこういうふうに変えたとか、そういうような資料と申しましょうか、統計と申しましょうか、そういうことは局ではおやりになっていないのですか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、そういった統計的なものは、三年に一度の再免許に際しまして集計いたしまして、それを再免許におきまする審査の一環として検討しているというわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いまのお答えで明確になりましたことは、低俗番組とかなんとかいうらく印を押すということは、それは皆さんは一つもそのことについては努力をされていない。なぜならば、いまのお答えではっきりいたしましたが、再免許するときの条件にされるので、番組の中身をより国民的なものにするという努力は郵政では何もしていない。免許の条件にするだけだ。したがって今度のは、そういう郵政の行政の場の資料を求めて、それでモニター制というものに移行した。いわゆる資料を求め、世論というものと両々相まって、しかる後にモニター制に踏み切った、こういうことではなくして、世間が騒がしくなったから、低俗番組だというそしりがあるものだから取り上げよう。行政の立場ではなくして、それは政治的な含みでおやりになっている場当たり的なものだ、こういう理解しか成り立たないのですが、私の頭脳が悪いか知りませんが、そんな気がしてなりませんな。行政の場では何らタッチしませんとおっしゃるのだから、いずれを低俗と名づけ、いずれを高級と名づけるか、全然それは考えていないわけでしょう。人々の主観であれはまずい——青島さんいて失敬ですけれども、青島さんの出ているのはりっぱだと、こうみんなが思う場合もあるでしょう。しかし、今度はそうでない場合もあるしね。反対の立場で、政治的な問題を取り上げた場合に、やはり表裏の、こちらが賛成だと言う人もある。いやおれはこちらがいいと言う人もあるでしょうから。しかしいまおっしゃった——そういう行政の場で、世間から低俗だといわれている。なるほどこの資料等を見ても、低俗のそしりがあるのかどうかと、こういうことで両方相まってやるのかどうかと思ったら、そうじゃなくて、実際免許しなければかまわない。ただ世間がうるさいから再免許のときに、——この間も十一月一日に出されたときに条件をつけられましたね、あんなことで条件をつけてお茶を濁そう。免許をおろしてしまえばかまわない。それならそれで何もモニター制なんかやらぬで、そっちもほっておけばいいじゃないですか。郵政何をやっているかといわれるからと、そうお考えになって自分たちの努力をなおざりにする、これでは生きた政治というものは、生きた行政というものができないのじゃないでしょうか、大臣。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これはなかなか番組の評価というものはたいへんむずかしいのでございまして、これは役所の立場でかれこれ判断をするということはたいへん危険だと思います。そこで、法律に定められた番組の審議機関をフルに活用されまして、自主的に良識に従って番組の向上をはかっていただくことが一番望ましいわけであります。それをしからば、行政の立場では、行政指導という一つの限界のある仕事だと思いますが、それをもっと濃密にやらなければならぬ。この点はいまの問答でもわかりますように、決して当局側が十分であったと、こう私は申し上げるわけではありません。その不十分な点は今後にわたっても補ってまいらなければならないかと考えます。  それからモニターの問題は行政を離れ、何か政治的な配慮だというふうに伺ったのでありますが、私はこれは決してそうではなくて、これも行政を完ぺきならしめる一助としてこういう手段、方法もあろうかと、かように考えるわけであります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それならば、行政の面で官製モニター制を設けるという素材というものが行政の中からも出てこなければならないと言うのですよ。そうでしょう。それを何も努力されておらないのですから、思いつきとか、政治的なもの以外にはないんじゃないかと断定を下さざるを得ないのじゃないですか。一体低俗番組というものは放送事業者が悪いのか、それとも番組審議会の機能が十分発揮できないのか、その辺のことぐらいはわかるでしょう。局長どうです。いずれなんですか。低俗番組という世のそしりを受けていると、あなた方おっしゃっているのですが、このものさしは千差万別だ。人によって立場によって、人心によって、性別によって違いますから。しかし、あなた方はこれを低俗番組だといって、低俗番組を対比するためにモニター制を設けるのだとおっしゃっているわけだから、低俗番組が生まれたもちろん具体的な背景も、そういうこともさりながら、当面する、それを出している事業者が悪いのか、これは低俗だと、これは禁止しなければいけないといって本来機能を発揮すべき番組審議会がその努力を怠っているのか、いずれか、そのくらいのことは明快に判定ができるでしょう。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  私どもはどういう番組が低俗であるかどうかということは判定できないわけでありまして、個々の番組がこれが低俗であるかどうかということは先ほど来申し上げておりますように私どもとしては判定しておりません。しかし、世間はやはり低俗番組ということを言うわけでございますので、私ども行政の立場にある者としましては、一体それじゃどういうふうに世間の方が番組を把握しておるかということを、いわゆるモニター制によりましてとにかく実態を把握したいというのが目的であったわけであります。ここにおきまして、御質問の、現在におきます各放送局にありまする番組審議会というものは一体機能を発揮しているかどうかという御質問でございますが、これは先ほども申しましたように、私どもその議事録を拝見しておりますけれども、なかなかむずかしい問題が介在しているようでございまして、まあその局の営業の問題もあるでしょうし、その他いろいろありまして、現在の番組審議会の活動そのものが十分に行なわれているというふうには理解しておりません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 同じことばっかりやっておりますと時間を食ってしょうがありませんし、名前のとおり盛りだくさんと委員長が宣伝してくれましたから、次に移ります。  十一月一日に放送局の一斉免許をしているようでありますが、免許をしようとする方針、いわゆる免許方針と、免許に際してとった措置——何かだいぶ条件をつけたようなふうに聞いておりますが、そのとった措置について、ひとつお聞かせを願いたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  先般十一月の一日にNHK及び民放の放送局、数にしますと約四千局ありますわけでございますが、そういった局に対しまして再免許を交付したわけでございますが、これらの再免許の審査につきましては、いわゆる新設の免許申請に対する審査と法律的にいえばこれは同様でございまして、いわゆる電波法の七条の規定に基づきまして行なったわけでございます。ただ再免許の審査が新設の免許審査と異なります点は、放送局の開設の根本的基準という政令がございますが、それによりまして、放送番組の編集及び放送については過去の実績をもって証明されなければならないということになっているわけでございまして、こういった点につきまして十分審査しました結果、すべての要件に適合しているということを認めまして、この四千局の放送局に対しまして再免許を与えたわけであります。  再免許を与えるにあたりましてとった措置というものでございますが、これは先ほど大臣からも御説明があったわけでございますが、このテレビジョン放送局に対しましては、いわゆる教育番組及び教養番組の放送の確実な実施をはかるために、また超短波放送局に対しましては、超短波放送の特質を生かした放送の確実な実施をはかるために、それぞれ電波法第百四条の二の規定によりまして従来と同様の条件というものを付したわけであります。それから、放送が国民の日常生活に及ぼす影響がきわめて大きいということ、並びに、いまお話のございましたような最近放送番組の内容についていろいろの批判があるということを考慮いたしまして、一般放送事業者に対しましては、放送番組の内容について一そうの質的向上をはかるというほか、テレビジョン放送の難視聴地域の解消ということをはかるということ等につきまして要望をいたしたというわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 再免許にあたっていろいろ条件をつけられたようでありますが、そのことは、放送事業者が番組審議会の意見を尊重していないということなのか、それとも、番組審議会の活動がその機能を十分果たし得るまでに至っていないというのか、その辺のかね合いをひとつお聞かせ願いたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  各局に対しまして、いま申し上げましたような条件というものは、先ほども申しました放送法に基づきましてつけたわけでございまして、いわゆる郵政省としまして、放送法によりまする規定を順守するにあたりまして、特に必要であると認めたものにつきましての条件を付したわけでございまして、その番組審議会の活動自体とは直接私どもは関係しているというふうには解釈していないのでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 番組審議会をもって番組の向上をはかるということになっているわけですね。世論もそうだとおっしゃるならば、当然そういう点が出てくるんじゃないですか。審議会の活動が十分でないというお答えを大臣からも担当局長のあなたからも聞いているわけですから。たとえば、十一月六日に開催された全国番組審議会委員長会議におきましても、審議会の活動を一そう強化して番組の向上に寄与したい、こういうふうにあの会議でもなっておりますが、モニター制度というものを採用する前に、番組審議会の任務とか構成というものを強化されたほうがよいし、また、たとえ低俗番組というそしりが国民の中から上がったとしても、いま言ったように行政の場で何ら努力も措置も改善もせずほうっておいて、三年間の免許期限の更新のときにのみ当面を糊塗するがごとき、こういうことを順守しなさい、直しなさい、あとはほうっておく。で、今度世間から、そういう批判が出てくると、官製のモニター制などで当面を糊塗しようということは、どうも私は合点がいかないのです。当面なすべきことがあると思うのです。当面なすべきこととは何ぞや、いま申し上げたように番組審議会の構成やとりあえず任務というものをさらに強化する、こういうことだろうと思うのです。したがって、そのことに対する努力というものは今後どう措置されるのか、その点をお伺いしたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) おっしゃる点には私も全く御同感でございます。先般の全国の番組審議会の委員長、さらには経営者のほうの番組担当者、これが一堂に会しました会合は、いま森委員の言われたとおりでございますが、私これにはみずから求めて出席をいたしたわけであります。全国でかような会合が開かれましたのは初めてだというふうに伺いました。その意味においては、一つの機運が盛り上がってきておるというふうに解釈をしております。さらにまた、向上委員会の高田委員長とも私長時間にわたって会談をいたしました。それらを通じて考えますことは、この審議会の機能というものを一そう充足させていただくということがきわめて望ましいことであり、また、そういう方向に期待を申し上げてよかろうかというふうに考えております。ですから、それはそれとして大いにやっていただきますとともに、放送事業者の各位とも近く私会談をする予定に相なっておりまして、たとえば、民放などは視聴率というものだけに専念するあまりに、そういう観点から番組というものを取り上げられるとするならば、こういう点についての考え方もよく伺ってみる必要があろうかと思うんでございまして、そういう法に定められた本来のいき方はいままで確かにおっしゃるように、役所の側において十分でなかったという点は御指摘を受けても余儀ないところでございますから、そういう点を今後は一そう精を出してやってまいろう、こういう所存でおるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私は、昨年の当委員会におきまして放送連合の解散問題に関連をしまして発言をしたことを記憶いたしておりまして、きょう、いま当時のやりとりの速記録を持ってきておりますが、私は、当時のこの同連合の番組向上委員会の果たしてきた役割りというものを高く評価をし、その存置を強く主張し、要望をしておりました一人でありましたが、郵政省はこの連合会についても、まあ民間がやめるんだからしようがないということで、あたかも投げやり的な御答弁をいただいて議事が若干中断して紛糾したことがありました。これはもっとも紛糾さしたのは私でありましょうけれども、そういうことがありましたが、いま新生の番組向上委員会の機能あるいは活動状況というものをどう見ておられるのか。どうも前よりも活動力が低下したというと、せっかく御努力願っている同委員会の皆さん方にお気の毒でございますが、私の偏見をもってしますならば、前ほど活動をされていない。いわば番組向上対策委員会が従前の放送連合当時のものよりも活動力という点についてはやや鈍ってきている感があるような気がしてなりません。この点率直に感想を織りまぜて質問するわけです。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 私も、当時のことはもうつまびらかにいたしておりませんが、伺うところによりますと、日本放送連合会が一応所期の目的を達成したということから昨年の三月三十一日に解散をしたというふうに聞いておるんであります。  そこで、これまでその連合会の中にありました放送番組向上委員会、これがずっと活動を続けてきておったのでありますが、これを再編成をしまして、昨年の五月の二十九日に新たに放送番組向上協議会、こういうものに編成がえをされまして継続維持されているというふうに聞いておるのでございます。   〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕 で、放送連合会の当時と、改組されました向上協議会との間にあるいは活動が鈍ったというふうに森委員は御指摘になられますが、その辺の比較は、私もよく検討をしてみなければつまびらかにお答えしかねるのでありますけれども、少なくとも最近は、さっき申し上げました全国で初めての二百人にものぼるような大会議が開かれ、私もその現場をまのあたりに見てまいりましたが、非常に活発な実り豊かな成果を得たのではないか、こういうふうに思われますので、こういう点をもっと恒常的にこれからも開いていただくとか、あるいはその中において大きな会合というものはまあそうひんぱんに開くことが無理とするならば、まあ理事会なら理事会みたいな機能を今後にわたって一そう活発化していただくというような方向を考えてまいったならばいかがかと、こう存じております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私が前の放送連合のときの番組向上委員会と、いま行なわれている番組向上委員会との差について、活動力の点について若干欠けるところがあるのではないか、現在でも。こういうことを率直に感想を述べながら質問したわけでありますが、これは数字の上でも明らかなのであります。もっとも、職員、役員等の数の多きをもってよしとしませんが、前の連合の場合には、いわゆる事務局の陣容としては、連合の場合は当時十三名おったわけでありますが、今度は専務理事以下七名、約半分以下にされたわけであります。かつて放送連合のメンバーについては、民放の皆さん、電子機械工業会、電電公社、国際電電あるいはまた電波技術協会その他というように多くの関連産業等の皆さんが衆知を集められたわけであります。したがって、当時は事務局員の数も多いし、その出身等が非常に多彩に富んでおったのでありますが、最近は数が少ないからそれも十分でないし、さらにまたいまの向上委員会というものは、NHKと民放の二社だけでありまして、ただ賛助会員としてわずかに電子機械工業会が参加しているだけでありますから、従来放送連合の時代における向上委員会より現在の委員会の活動というものは当然これは制約されてまいります。こういうところは投げやりに放っておいて、世論がわき立つというと、すぐモニター制度なんかをさっとおやりになる。むしろ、私はこの前申し上げたのは、この放送連合をもっと拡充しなさい。しかも、この放送連合の主たる目的は何だ、主たる事業は何だ、業績は何だということで、現在と過去にわたって私が当時主張をし、質問をしましたときには、この放送連合の主たるものというものは番組向上対策委員会だけでした、こうおっしゃっておる。それで私はこわしてつくるというだけならやめなさい、もし、名称が悪いというなら看板を書きかえるだけでいいんではないか、こういうことを強く主張したわけでありますが、ときの大臣をはじめ、局長連中も、民放がいやというんならしようがありませんや、この投げやりというものが私はむしろ低俗番組を生む一つの原因になった、すべてとは申しません。私は大きな行政府の責任のある立場の皆さんが投げやりでいる、世間が騒がしくなると、自分たちがあたかもしょうとしているようにモニター制度というものを前面に持ち出して金をつぎ込んでおやりなさいというような気がしてならない。憶測で申し上げることは恐縮でありますが、私はそんなふうにしか受けとれないんです。したがって、いま私はいまの委員会の活動のことを突いたんですが、そのことについて大臣お答えがありませんでしたが、数字の面からいたしましても違うんですよ。むしろ、こういうものこそこの前のように投げやりの答弁ではなくて、前向きに努力をしてくださったならば、私はもっとこの番組というものは全般的にレベル・アップされたものと理解するんです、私はそう思うんですが、担当局長どうですか。当時あなたは答弁に詰まってお困りになったという御様子が速記録でうかがえるんですが、そうではなかったんでしょうか、これは私の思いあがりの当時の発言だったんでしょうか、その辺もあわせてお答えをいただきたい。当時の連合といまの連合の差異、あの当時は河本さんが大臣で、たしか当時のお答えはあなたではなくて前任の局長でありましたが、その仕事を引き継いだ皆さんでありますから、それは当然引き継ぎになったのでありましょうが、そういうことと非常にいまの情勢は違ってきているんです。私どもがだめだと指摘したそのとおりになっているんですよ。それを一体どうお考えになるか、その点をお聞かせ願いたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  申しわけございませんけれども、私四十四年の三月に解散したときおらなかったものでございますから、その当時のいきさつはつまびらかにいたしておりませんけれども、先ほど大臣からも御答弁がございましたように、現在の放送番組向上協議会というものは番組向上だけを目的として設立されたわけでございますので、そういった点につきましては、私どももできるだけ指導その他を及ばずながらいたしまして、努力をしてまいりたい、そういうように考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私は、行政というものは場当たりであってはならないと思うんです。時流に迎合することもまたよしとしません。したがって、いまお答えをいただきました中身からいたしましても、どうも郵政省は失敬でありますが、なすべきことをなさらなかったような気がしてなりません。私の率直な感想であります。誤解であるならばあとで十分御説明いただきたいと思うのでありますが、私は率直にこの点を申し上げておきたい。したがって、なすべきことをなさずに世間から番組の低俗だという、こういう声があがってくると、今度はややもすれば番組に介入するような、番組介入に通ずるような番組モニター制度なるものを実施しようとしている。このことは私はどうも本来転倒もはなはだしきものと言わざるを得ないんです。その前に当然御努力あってしかるべき問題がたくさんあるはずであります。したがって、郵政省はまずこういうモニター制度を実施する前に、番組審議会を、それぞれの立場で十分活用をさせること、第二には番組向上委員会の法的地位というものを与えるということも一つの方法でありましょうが、そうして番組向上委員が十分活動しやすい素地というもの、方法というもの、方途というものをこれはもう当然講じていかなければならぬ、私はそう考えております。こういう点大臣はどう考えられますか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) おっしゃることには同感でございます。そしてまた現在私のタッチしておりまする限りにおきましては、さっきも申しましたように、それぞれの関係者とも話し合いを続けておるという段階でありまして、この機能を、つまり番組審議会なり、向上委員会なりの機能を十分に果たしていただくようにこちらも勧奨をしたい、かように考えております。向上委員会の法的地位というふうな問題は、これは具体的には検討を要する余地はあろうと思いますが、方向はただいま御指摘の方向について賛成でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 方向は賛成とおっしゃることはモニター制度再考の余地ありというふうに私は考えております。そういうことをいま含めて申し上げたわけです。まあ大体私の申し上げました点は大臣も同感の意を示されたわけでありますが、何と申しましても、放送法の改正が私は必要ではないかと思うのです。しばしば、放送法の改正の問題についてはわれわれも過去幾たびかの委員会で問いただした点もありますが、この放送法改正というものをいつやるのか、一体改正準備というものをされておるのかどうか、この点をお伺いしたい。   〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ちょっと差しはさんで申し上げるわけですが、モニター制の問題は森先生の御意見もよく私は玩味をしたい、こういうことであって、まだこれをおろしたというふうにはおとりになっては早かろうと、こう申し上げたいのであります。  それから、放送法の問題は、担当局長から当面の模様だけ申し上げることにいたします。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  放送法それからあわせまして電波法という問題につきましては、私どもとしましては鋭意事務的に検討を進めておるわけでございます。ただ、いつ提出できるかという点につきましては、現在のところまだつまびらかではございません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いつかわからぬということ、現在時点ではつまびらかにできぬということは、放送法改正の熱意なし、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) 改正の熱意は大いにあるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 改正の熱意はあるけれどもやらない——これはどういうことかわかりません。まあ、いずれにいたしましても、たたみかけたような質問をいたして恐縮でありますが、もう一つ大臣にお答えいただきたいのであります。いま私がたたみかけましたが、大臣はモニター制のところは別ですというようなことで若干——私その点聞きませんでしたから、私の質問にお答えなされた大臣の考え方が生きているものという前提で質問するわけでありますが、先般来新聞各紙等には大臣の談話とか対談、本件に関する問題が全国の各紙に載っております。たとえば一例では、大臣はこういうことを言われておるのです。十月の二十六日の対談におきましては、「いまここでモニター制を引っ込めると申し上げるわけにはいかないが、それほど硬直した考え方をしているわけではありません。頂門の一針ということばもありますからね。」こういうことで、この対談が結ばれておるわけです。そのことと、若干私は耳が遠いものですから、大臣がいま立ち上がって言ったことばとそのことばが——いま私の質問をしたことについてお答えいただいたのですが、あたかも符節を合わせたような気がするわけです。したがいまして、そうならば国民の側から見てあまり好ましくないという言論界をはじめとして各界からそういう声がいまほうはいとして起こっているわけですから、これは何も強行されなくてもよかろう、こう考えているわけです。したがって、たたみかけてばかりで恐縮でありますが、これは松村さんとの対談の記事であります。先月の二十六日でありますから、記憶のよいあなたでありますからよもやお忘れではないでしょうが、このことといまのお答えとそういうみんなが反対するものをしゃにむに戦車のごとく突貫はしたくないというお考えだろうと思うのであります。まげてこの点もう一度お聞かせ願いたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ片言隻句とは申しませんが、新聞論調等にはいろいろ私の談話が伝えられておるようでございます。これは各界に相当な波紋があったようでありまして、いま御指摘のような意見も耳に入ってまいりまするし、また同時に、まあこれは一つの試みである、そういう評価の上に立って激励のような御意見も伝わってくるのであります。したがいまして、そのあたりはまあよく耳をすましていろんな御意見を伺った上に、まだ時間的にも判断をする余地があろうと思います。そういう次第でございまして、よくその辺は利害得失を検討してまいろうと、かように考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 まあ検討してくださる、検討する、すると言って、前大臣はみんな小林さんはじめ逃げられました。一つも検討いたしません。あなたはまじめな方ですから、少なくともまだ任期一年おありでしょうから、十分御検討をわずらわしたいと思うのであります。失敬なことを申し上げたわけでありますが。現行の放送法は、放送界の現状からいたしましても必ずしも正しいと私は思っていません。ことばをかえますならば、放送界の現状にそぐわないような気がしてならぬわけであります。この点はあながち私だけではなくて、多くの方がそういうことを申されております。したがって、番組の低俗化という問題を論ずる前に、低俗化の原因となる法制の整備にこそ全力を傾けられるのが当面する電波行政のあり方ではなかろうかと私は考えております。重ねて大臣の御答弁をいただきます。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 放送法あるいは電波法も含めて、現行法というものはいろんな意味において、その後の事実関係というものとマッチせしめる必要があろう、かように考えます。そして、数年前にある程度の成案が固まってお目にかけたこともあるわけでありますが、それらを基礎に置いて、当面の諸情勢に即応するような改正をしなければなるまいと、こういう考え方に立っておるわけであります。さっき局長から申しましたように、これはいずれにせよ大法案ということになりますから、やはりこれを煮詰めるためには相当な時間も必要であろうかと、ただいま鋭意検討中であると、かように御了解をいただきます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 ぜひとも国民の期待にこたえられるような放送法の改正をはかっていただきたいと思うのであります。  以上、モニター制の問題についての質問はこの程度にいたしますが、いずれといたしましても、大臣の片言隻句をとらまえて、これ以上あれやこれやことあげすることはできませんから、私もことばを慎みますが、大臣のお答えの総体的な流れを私なりに理解をいたしますならば、大方の皆さんがそれほどおきらいならば、大方の皆さんがいやだと言うならば、何もだだっ子のしりをぶつようなまねはしたくない、こういう真意だろうと私は思うのであります。何と申しましても、番組を向上させることはもとより私も賛成でありますが、いたずらに言論統制のそしりを招かれるような、こういう問題になりますと、非常にゆゆしき大事でありますので、取り扱いは慎重を期していただくとともに、いま私が要望の点も、重ねて二、三献策もいたしました点、ある一部については大臣も同意されておりますので、そういう点にこそ力を尽くしていただくべきであって、このモニター制については少なくとも強引という、ゴリ押しという、無理押しという、こういうそしりを受けることのないように十分配意していただいて、むしろ、それは無理をしなさんなということばに置きかえたいと思います。どうぞその点は十分配慮をしていただきたいと思うのであります。  次の問題に移りますが、最近の民放キー局では合理化対策の一環として、報道番組以外の番組等の制作部門をプロダクションの形で分離独立させるという傾向がある、こういうように報道をされております。したがって、当該職員は非常に動揺しておる、こういうふうに聞いているわけでありますが、十一月一日にも再免許交付をされたわけでありますが、そもそも郵政省が免許を与える場合に、番組編集上の責任を有するものに与えるたてまえになっているのは、番組の維持向上の方策から出ているものと思われますけれども、放送部門と制作部門との分離は番組の質的低下を来たすことは当然であります。また、その公算が大きいと、こう言われております。そうなりますと、放送法第五十二条の三の規定から見ましても、これは必ずしも好ましい姿ということはできないのであります。したがいまして、番組の向上、適正化ということは、これはきわめて重要なことでありまするから、郵政省といたしましても、これに関しましては当然重大なる関心をお持ちで、これこそ適正なる指導をしていかなければならぬと考えております。したがって、現に当面するこれらの問題についてとられる措置というのはどうなのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  御指摘のように最近民放キー局におきましては、制作部門を分離いたしまして、独立したプロダクションというものを設立するという方向にあることは私どもも聞いておるわけでございますが、ただ御存じのように、従来も外国の映画であるとか、その他いわゆる放送局側がつくりました以外の番組を購入しまして放送するということはやってきているわけでございまして、ただ、あくまでも放送番組の編集の責任というものはその放送局にあるわけでございまして、その限りにおきまして、番組をほかから買ってきましても、それが直ちに番組の質的低下ということになるとは私どもは考えておらないわけでございます。しかし、いずれにしましても、先ほど来お話にございまする番組の向上というものは国民全体の課題と言うことができるわけでございますので、先ほども大臣からお話がありましたように、今回の再免許につきましては、この番組の向上について強く要望しておるわけでございます。  なお、放送法の五十二条の三という「放送番組の供給に関する協定の制限」というのは、御存じのように「特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。」ということでございまして、現在まではそういったことを外部のプロダクションと締結しているというようなことはないように聞いております。ただ、今後具体的な協定を見まして、問題があれば対処していきたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 もっと質問をこの問題についてしたいんですが、時間の関係がありますので、やむを得ませんので次の問題に移ります。  通信放送衛星の問題でありますが、大臣は午後よんどころない用事でお出かけになる模様でありますから、本来ならばあと一時間程度御在席していただきたいのでありますが、やむを得ません。したがって、私の質問の設定がやや前後いたしますが、お許しをいただいて、大臣にお聞きしたい問題だけ二、三お伺いをしてお帰りいただきたいと思うのです。  まず第一点は、従来電離層観測衛星というものは四十六年度、実験用静止通信衛星は四十八年度に打ち上げるものとしておったわけでありますが、昨年決定を見ました宇宙開発計画ではそれぞれ一年おくれとなり、これは問題になったところであります。しかるに、今回の開発計画を見ますと、さらに打ち上げが三年またおくれる、こういうことになったやに聞いております。ところで、われわれはこの問題がいわゆる自主技術の開発のためにおくれるというならば合点がまいりますけれども、今度は技術導入によっておくれるということであるならばどうもその点が合点がいかないのであります。もちろん、こういう技術開発の問題でありますから情勢に対応する、そのためにまあいろいろな変化を伴うことは当然であるといたしましても、このように無定見な変更に次ぐ変更ということであるならば、これはどうも単に見込み違いということのみで済まされる問題ではなくして、何かそこに大きな欠陥が穴をあけて待っておるようなこういう気がしてならぬわけであります。したがって、なぜこのように変更を余儀なくされたものかどうか、この点大臣と技術庁のほうからお聞きしたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは御指摘のようにだんだんとおくれまして、まことに残念でございますが、まあロケットの方式であるとかあるいは使用する燃料の関係とか、いろいろな技術的な問題がからんでおるようでございまして、先般来科学技術庁のほうからもこれについてのお打ち合わせを受けておるのでございますが、まあ事はたいへん技術的な問題でございますから、最初に技術庁のほうでも見えておりますので、そちらからのお答えを待って、それから申し上げたいと思います。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) ただいまの実験用静止通信衛星、電離層観測衛星が三年おくれるという点でございますが、御承知のように宇宙開発ということは、日本といたしましては初めての新しい分野の開発でございますので、昨年計画を立てました場合に、ほかではあまり例がございませんが、この計画は毎年見直すんだぞということをはっきりさせております。  そこで、昨年までの計画の考え方でございますが、まず第一に何と申しましてもロケットの開発、これは外国におきましては軍事目的を主として開発されたというような関係もございますので、過去におきまして、われわれロケットの技術の導入ということはそう簡単にはいくまい、さらに極端に申しますというと、そういうロケットの開発は当分不可能であろうという考え方に立っておりました。したがいまして、あくまで国内におきまするロケットの開発は自主開発、——自主開発ということばは非常に定義がはっきりいたしませんが、非常に厳格な意味の自主開発でいかざるを得ないだろうという考えが一つでございます。  それから第二には、いろいろ各方面で数年前、もう五、六年前になりますが、その前には御承知のように東大がロケットの開発を科学観測の見地からやっておられた。ところが五、六年前に実用的  の衛星を打ち上げようという話が起こりまして、その際ロケットの種類をどうするかということにつきましてはずいぶん議論を重ねたわけでございます。当時私直接関係はいたしておりませんけれども、いろいろ御相談にあずかった記憶がございますが、問題は燃料を固体燃料にするか液体燃料にするかということでございまして、御承知のように固体燃料、液体燃料おのおの特徴、あるいは欠点と申しますか、欠陥車と申しますか、いろいろございますので、実用衛星に対しましてどちらをとるかということはずいぶん議論を重ねたわけでございますが、その結論といたしまして、ただいま申し上げました東京大学における固体ロケットの開発、これは十五年ほど前から始めておったわけでございまして、したがいまして、国内で自主開発いたしますということになりますというと、いろいろ液体燃料に対しまして劣った点もございますが、時期的あるいは経費的に東京大学で開発中の固体ロケット、これを踏まえまして実用衛星打ち上げ用のロケットを開発しよう、これが当時といたしまして国内で決定いたしました。その線に沿いまして、昨年の計画もできておるわけでございます。  それからもう一つ、この実用衛星となりますというと、将来おそらく相当大型の静止衛星が出てくるであろう、当時そういう御要求は一般にはございませんでしたが、将来大型の静止衛星、通信衛星、あるいは放送衛星、そういったものがその範疇に属すると思いますが、そういうものが出てまいりました場合には、いま申し上げました実用衛星打ち上げ用の固体燃料のロケット、これが完成してあとにおきまして、その大型実用静止衛星を打ち上げるロケットをどういうものにすべきかということを検討するというふうな考え方でございました。と申しますのは、いま申し上げましたように、当時といたしまして大型静止衛星の御要求はまだ具体化されておりませんので、それで十分間に合うだろう、こういう判断であったと思います。  そこで、今回の計画を立てます場合に、過去一ヵ年間のいろいろな情勢を分析し、いろいろ部会その他をつくりまして御検討願ったわけでございますが、まず第一に、過去一ヵ年間で変わりましたことの一つは、昨年十月一日に事業団ができまして、事業団におかれまして、従来の計画、いわゆるQロケットでございますが、Qロケットの計画、これを綿密に検討をいたしました。と同時に、アメリカに対しましてその計画のチェック・アンド・レビューを頼んだ。そういたしましたところ、いろいろ従来のQ計画につきまして技術的の問題点が出てまいりました。  おもな問題は、一つは信頼性の問題でございます。それからもう一つの問題は、構造係数と申しますか、比較的重い設計になっておった、これを軽くしなければならぬ、こういう事情がわかってまいりました。したがいまして、従来のいわゆるQ計画を遂行いたしますのには、昨年考えておりました計画よりはおくれるという見通しが遺憾ながら事業団において結論が出ました。また一方、昨年の七月三十一日でございますか、日米の技術協定ができまして、ある程度の技術が入ることになりましたが、いろいろ具体的の事務的の折衝等もおくれまして、そういったようなことからもQのロケットの開発計画がおくれるという見通しが出てまいりました。  それから第二番目には、過去一ヵ年間におきまして周囲の状況がいろいろ変わってまいったということでございます。先ほども申し上げましたように、これまでは大型の静止衛星、こういった具体的の計画が各利用官庁においてはなかったわけでございます。ところが今度、昨年の計画を見直す際に、いろいろ各利用官庁その他にお話を承りますというと、わりあいに早い時期に大型の静止衛星を打ち上げたいという強い御希望がございました。これが過去一ヵ年間におきまして大きく変わった一つでございます。  それからもう一つは、御承知のように、東京大学のラムダロケットによりまするいわゆる「おおすみ」、これが二月に上がった。これは確かに東大のああいう方式で衛星——科学衛星でございますが、衛星を軌道に乗せるということは理屈としてはそのとおりでございますが、さてそれを実際できるかできないかという実証を東京大学はおやりになったということがこれまた大きな一つの変化でございます。  それから四番目でございますが、例の日米協定、これは昨年七月三十一日に協定ができまして実行に移ったわけでございまして、だんだんに具体的の折衝をやってみますと、時間はかかりましたけれども、いずれにいたしましても、相当の技術がアメリカから導入ができるという見通しが立ちました。ただし、大型の固体ロケットについてはなかなかむずかしい見通しでございますが、液体ロケットに関しましてはさしあたりわれわれが考えておりますいわゆるNロケット、Nロケットの程度のものでございますと、十分われわれが利用し得る技術がアメリカから入るだろう、こういうふうに私どもは判断いたしたわけでございます。で、そういうような過去一ヵ年間におきますいろいろな事情を考えまして、そこで従来の固体ロケットで実用衛星を打ち上げるということは、将来を考えますというと、その利用機関のほうからのニードも強うございますし、そのニードにこたえるためには、むしろこの際液体ロケットに転換したほうが、結局においてお金の問題、時期の問題を考えまして有利であると判断したわけでございます。そういうような全般的の判断をいたしまして、この十月二十一日に委員会としては決定したわけでございますが、要するに、この電離層観測衛星あるいは実験用通信衛星というのは、ほんとうの意味の、実用の通信衛星、これを上げるための一つの段階でございます。したがいまして、私どもはQロケットの開発をやめて、Nロケットは液体でいくという考え方、なるほど三年ほどおくれます。おくれますが、ほんとうの意味の実用衛星、これを打ち上げる、軌道に乗せるということを考えますと、従来のようにQ、Nといって、それから次ということを考えるやり方よりは少なくとも有利になるのじゃないか、お金の面からも、時間の面からも。そこで、毎年見直すということにはなっておりますが、見直す以上のえらい改定をこの際思い切ってやったというのが実情でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 大臣に一点だけお伺いしたいと思います。  電離層の観測衛星や実験用通信衛星の打ち上げは当初の計画よりも四年も後退をしております。インテルサットの協定いかんによっては、その活用についても重大な制約を受けることは当然であります。したがって、需要者からの早期開発要請が非常に最近強まっているのは御承知のとおりであります。もとより郵政省は万全の策を講じておられることとは思いますが、この際、郵政大臣は一体これにどう対処されるのか、決意のほどを伺っておきたいと思います。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあおっしゃるように、三年ないし四年の遅延ということは、これはたいへん残念でありますが、いま山県先生から御説明のあったような、けだし事情やむを得ないものがあろうかと思うのでございます。  そこで、いまインテルサット協定にお触れになりましたが、これは国際間の地域衛星に対しましてインテルサットが経済的な損害を与えてはならぬという制約が課せられているのでございますから、この辺はわれわれの計画にさほどの支障はないのではないか、かように考えております。しかし、いま御指摘のような実際の要請というものが非常に強くございまするし、それからこれをほうっておきますとだんだんと日本が立ちおくれてしまうというおそれもあるわけであります。郵政省としましては、宇宙開発事業団にも関係があるのでございまして、私のほうは私のほうなりに電電公社とか国際電電とかいろんな機関にも関係がありますから、これらの機能なりあるいは技術なり、そういうものを活用をいたして、この間万遺漏なき準備を続けて、そして三年なり四年なりの後に対処いたしたい、こう考える次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 科学技術庁にお伺いをするわけでありますが、宇宙開発というものは、単に自然科学の発展に寄与するばかりではなく、その技術的波及効果というものは非常に大きいのであります。したがって、自主開発による宇宙開発というものは、国民の生活環境の改善や文化の向上あるいは産業経済の発展に画期的な利益をもたらすものであるとして日の丸衛星の早期自主開発の必要性を、かねてから政府は強調しておったところであります。しかるに、最近の報道によりますならば、宇宙開発、なかんずくロケットの開発については、全面的に導入技術に依存すべく方向転換した模様でありますが、それはいまお答えが若干ありましたように、政府の宇宙開発についての基本方針というものがどうも年じゅう所を定めぬ的を求めておるような気がしてなりません。したがって、政府の自主開発か技術導入か、一応自主開発をやめてさよならして、技術導入というふうに踏み切ったそうですが、その辺がまた来年あたりになると変わるとも限らぬわけでありますから、的確なる基本的な方針というものを承っておきたいと思います。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) 先ほど申し上げましたように、自主開発ということばの定義というものは非常にあいまいでございますが、今回将来の発展性を考えまして、従来から東大で開発されております固体燃料を、われわれが考えております実用衛星の打ち上げ用のNロケットの第一段、第二段に使うという考え方をやめまして、これを液体燃料にした。そういたしますと、液体燃料に関する技術というものは日本に従来ないわけでございます。固体燃料につきましては、東大で十五年前からいろいろやっておられる。ところが液体燃料につきましては、日本には技術がないということが一つの大きなここで問題点でございます。ところが、先ほど申し上げましたように、将来大型の静止衛星ということになりますというと、固体ロケットではこれは無理であるわけであります。そこで、この際思い切ってNロケットを液体燃料に取りかえると、こういう今回のいきさつでございますが、そういうことになりますというと、これから液体燃料を厳格な意味で自主開発するということになりますと、何年かかるかわからないという事情がございます。そこで私どもといたしましては、少なくともある水準までの液体燃料に関する技術につきましては、やはり日米技術協定によりまして導入が可能になりましたので、まずそれを導入しよう。その技術導入の内容につきましては、ライセンス生産あるいは極端に申しますというと、いろいろ部品を買ってまいりまして、輸入しまして、それを組み立てるということまでも考えております。ただし、それは単にそういう機械的なことではなしに、そういったことをやる場合にいろいろな技術というものの、いわゆるノーハウと申しますか、そういったものを必ずアメリカから入れるということをこの新しい計画にうたっております。したがいまして、私どもの考え方といたしましては、液体燃料についてはわれわれは国内では技術がないんだ。で、それを実際お使いになる側で早く比較的大型の静止衛星を打ち上げてほしいという御要望にマッチするために、ある程度の技術水準までは大幅の技術導入をやろうと、これは自主的にそういうことをわれわれがきめるわけであります。ですから、追いつくとまではいきませんが、簡単に言いますと、ある水準まで追いつくためには技術導入をやろうじゃないか。それから先は、今度はあるいは厳格な意味の自主開発になるかもしれませんけれども、あるところまではアメリカから技術を導入したほうが実際衛星をお使いになる側の御要望にこたえられるだろうと、こういう判断でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いまのお答えにもありましたように、固体燃料から液体燃料、液体中心に改めたということでありますが、そもそも宇宙開発計画は昨年の十月に向こう十年間というものを見越しながら五年ないし六年で開発計画を策定しておったわけでありますが、つい先日の十月二十一日、去年決定いたしました開発計画をわずか一年で大幅に変更してしまう。たとえば自主開発、技術導入の問題にいたしましても、あるいはまたいま言われた固体燃料から液体中心になるんでも、これは当然もう去年あたりからわかっておらなければならぬ問題じゃないかと、私はしろうと考えするんでありますが、その辺は一体どうなっているんでしょう。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) お説のとおり見通しが悪かったとおっしゃられますと、まさにそのとおりかもしれませんが、御承知のように宇宙開発委員会は原子力委員会と違いまして、原子力委員会は原子力の研究、開発、利用、これを任務としておるわけであります。ところが、宇宙開発委員会はいろいろの事情がございまして、研究、開発、——利用が落ちているわけであります。むろんこれは開発をやるのでございますから、間接的には利用というものについて、われわれは十分各方面の利用機関の御意見も承り、ある程度の判断はいたしますが、利用という面のイニシアチブはあくまで利用官庁あるいはNHK、電電公社と、そういうところにあるわけでございまして、したがいまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、過去一年間を振り返ってみますというと、利用機関から大型の静止衛星の御要求が出てきたと、たとえば気象衛星でございますが、気象衛星は昨年私どもが計画をつくります場合に、いろいろ運輸省、気象庁からお話を承ったわけでございますが、その当時、運輸省、気象庁からのお話はあくまで軌道衛星でございまして、私どもはむしろ静止衛星というようなことが本命じゃないかと思ったのでございますが、気象庁は軌道衛星を打ち上げたいと、こういうお話しであったわけであります。この春にいろいろな国際関係もございまして、気象衛星は静止衛星にしたい、しなきゃいかぬ、こういう御要求でございましたけれども、したがいまして、そういった、これは一例でございますが、要するに、宇宙開発委員会といたしましては利用ということを正面から取り組む位置にない。むしろ各省庁がいろいろ御計画になる、それを受けてその開発をやるという任務でございまして、いろいろ設置法から議論すると、そういうことになるのでございますが、われわれといたしましては全般的にいろいろ考えてはおりますが、そういった事情もございまして、これを大幅に計画を見直すあるいは改定するということになったと存じておる次第であります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いまお話がいろいろありましたが、このお話の筋をたどりますと、こういうことをおっしゃっているような気がするわけです。従来はQロケットによって電離層観測衛星を打ち上げて、さらにQロケットの開発によって得た技術を活用して、Nロケットを開発して実験用静止通信衛星を打ち上げることとしていたが、これでは何としても時間がかかり過ぎるということで、Qロケットの開発をやめてアメリカのソー・デルタロケットの技術も導入する、したがって、当初計画していたものと異なるNロケットを開発して、これによって先ほどおっしゃった実用衛星を打ち上げることにしたものである、こういう御説明があったわけでありますが、私も若干設問の中で指摘いたしましたように、そうなるならば、当然当初の計画というものがずさんのそしりを免れない、私はこう思うのであります。つまりロケット技術というものが、失敬でありますが、幼稚であったということを指摘せざるを得ないのであります。そうなりますと、いままで投じた開発というものがむだになってしまったような気がするのでありますが、こういうふうに表現をすることは、これは全く失敬だと思うのでありますが、私は率直にそんな気がしてならぬわけでありますが、こういう表現を用いますことは、私の発言は行き過ぎでしょうか、その辺をひとつお答えをいただきたい。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) 従来の計画は、いわゆる固体燃料を使うロケットでございました。すでにQ計画、Qロケットにつきましてはシステム・デザインその他基礎的なことを始めておったわけでございます。そこで今度の新しい計画のNロケットでございますが、いわゆるこの前のNロケットは四段式でございまして、一段目が固体、二段目が固体、三段目が液体、四段目が固体でございます。今度の新しい計画は三段ロケットでございまして、第一段が固体、それから第二段、第三段は従来のQロケットの三段、四段をそのまま使う計画でございます。  それから、ただいまの新しいNロケットにはいわゆるブースター、一段目にブースターをつけておりますが、このブースターを何本にするかということは、今後事業団において十分検討していただきたいわけでございますが、将来だんだん大型のものになりますというと、そのブースターの数をふやすということは当然考えられます、しかも強力なものにする。このブースターは、これは当然固体燃料でございます。したがいまして、従来のQロケットの計画で固体燃料ロケットについていろいろシステム・デザインあるいは具体的の検討がやられておったわけでございますが、それが全然むだになるということはございません。いま申し上げましたようにブースターは当然固体でございますし、すぐQの一段、二段というものには使えませんが、新しいNロケットのいわゆる補助ブースターには使うわけでございまして、したがいまして、従来のQロケットの開発が全部むだになってしまうとは私どもは考えておりません。

野上元日本社会党

○野上元君 関連。山県先生、ちょっとお聞きしたいのですが、先ほど森さんに対する答弁の中に、原子力委員会というのは研究、開発、利用、この三つが一貫しておる。しかし、宇宙開発委員会の場合は研究、開発であって、その利用のイニシアチブというのは利用官庁であり別の事業体、これを利用する別の事業体、こういうふうな御説明があったわけでありますが、そのことと固体燃料から液体燃料へと転換されたことと関係がありますか。たとえば固体燃料から液体燃料に転換をされた。そのイニシアチブをとられたのは、利用官庁であり、このあなた方の開発の結果を利用する事業体のほうのイニシアチブによってあなたのほうで変えられたのか、その点はどうなのですか。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) ただいまの御質問でございますが、要するに人工衛星を何に利用するかと、こういうことは委員会の所掌でないわけでございます。したがいまして、先ほど来たびたび申し上げておりますように、この一年間を振り返ってみますというと、昨年利用官庁からいろいろの御計画がございまして、それが大きく変わってきたということがここにあるわけです。気象衛星の例を先ほど申し上げましたが、そういたしますと、われわれといたしましては、そういうものが必要であるということでございますというと、われわれはそれをどうやって開発するかということがわれわれの任務であるわけであります。したがいまして、将来のこと、ですからポストNと申しますか、Nの次のことをすぐ考えざるを得ない。そうなりますというと、これはまあ私自身も非常に大きな勇気を出したわけですが、従来の計画をこの際思い切って変えてしまって燃料を固体から液体にいたしませんと次の、ポストNにつながらないということでございます。ですから、従来の計画でございますと、冒頭に申し上げましたように、固体燃料でNを完成をする、その次に来る大型の静止衛星がありとすれば、そのときにはおそらく液体燃料になると思うのですが、液体燃料ということも含めてあらためて考えるという従来の考え方が非常に手前に来てしまったと、私は判断しております。

野上元日本社会党

○野上元君 もう一つ。関連ですからあまり長くやりませんが、たとえば原子力委員会のほうは、要するに自分のところで自主的に原子力に関する研究を行ない開発を行ない、そしてその利用についてもイニシアチブを持っておる。その開発をされた結果を電力がこれを使うとかあるいはその他のものがこれを使うというふうに、あくまでもイニシアチブを持っておられるわけですね。ところがおたくのほうは、宇宙開発委員会のほうは目的を別のところから持ってきて、この目的に沿うように研究開発をしてくれと、こういうふうに言われておるような気がするのですが、そういうことを考えますと、固体燃料からはポストNが考えられない。したがって、液体燃料からならば、ポストNが考えられる。したがって、そういう転換をされた、こういうふうな御説明なんですが、そうしますと、固体燃料から液体燃料にいったんではなくして、固体燃料、液体燃料、そうしてNというのですか、ポストNというのですか、というようなつながりはなくて、別のものであったということですか。固体燃料と液体燃料とは、固体燃料を幾ら詰めていっても、ポストNはない、液体燃料を詰めていかなければポストNがないのだ。したがって、将来の研究が途中で中断してしまうということになるんですか。そうしますと、固体燃料というものと液体燃料というものは全然別個な質のものなんですか。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) 別個なものと申しますか、技術的には相当違ったものでございまして、固体ロケットの長所、たとえば固体ロケットでございますというと、御承知のようにアメリカの軍事ロケットは固体を使っておる。固体でございますというと、何かありますればすぐ火をつけて飛ばせるわけです。液体ではそういう状況に置いておくわけにいかないので、打ち上げるに手間がかかる。そのかわりに誘導制御なんかは非常に楽にいく。いろいろ利害得失があるわけでございます。大型の衛星になりますと、大型の衛星を打ち上げるということになりますというと、固体燃料で絶対にできないとは申しませんが、技術的に非常に困難であり、しかも非常に高いものにつく、ある大きさ以上になりますと。したがって、われわれといたしましては、ポストNというものはやはりブースター——下の部分です、こうぐっと上げる下の部分、あれはもう液体であるべきと考えております。ただ、技術的に申し上げますというと、固体燃料はちょうど花火みたいなものでございまして、火薬がこう詰まっていてそれに火をつける、非常に構造的にも簡単でございます。ところが、液体燃料となりますと、構造的に非常に複雑になり、技術的にも非常にむずかしい、こういうことがございますので、ですから昔の計画におきましては、東大が固体燃料をやっているあの技術でやる、まあ何と申しますか、百キロの実験用静止通信衛星、あのくらいまではすぐいくだろう、あれでいくわけでございますが、それ以上になりますと、液体にならざるを得ないというのが皆さんの判断でございまして、そういうことは十分五、六年前に検討されているわけです。ところが当時におきましては、そういう大型の静止衛星というものを、利用機関において要望というものはまあなかったとは言えないかもしれませんけれども、具体的にはずっと先のことだという判断で各省はおられたと思うのでございます。したがいまして、東大のN、それからQ、Nときて、そしてポストNというところでは、当然液体燃料ということも含めて大型静止通信衛星を打ち上げるにはどうすればいいかということがNの次にくるわけですから、われわれは今度Qロケットの計画がある程度おくれてきましたし、そういうことも踏まえまして、この際、将来のことを考えてNを液体にしてしまったらいいんじゃないかというのが今回の計画で、われわれの委員会で決定したものでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私は、かつて科学技術特別委員会の理事をやった経験がありますが、そのときも痛感したのでありますが、この研究陣と申しましょうか、学者間に俗っぽいことばで言う勢力争いとか、なわ張り争いとか、そういうものがあったやに聞いたわけでありますが、そういう問題が、このように長期計画がわずか半年かなんかでくるくるネコの目が変わったように変わった原因ではないかと思うんだが、これはあながち私のひが目でしょうか。この点はそういうことがありますとはまさかお答えないだろうけれども、どうもそんな気がしてならぬようなんでありますが、あまりそんたくいたしまして失敬な質問で恐縮でありますが、ひとつお答えをいただきたい。

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) ただいまのお話でございますが、現時点においては絶対にございません。私、宇宙開発委員会の前身でございます宇宙開発審議会の会長をやっておりましたときに、いろいろいわゆる一元化とか、そういう問題、これは報道機関その他でもそういう御主張がございまして、これは昭和四十二年のことでございますが、当時におきましては、確かに文部省関係と科学技術庁関係の間に、技術的にいろいろ交流その他において隘路があったことはたしかでございます。しかし、この委員会ができまして、なるほど東大の宇宙航空研究所、さらに打ち上げ場の内之浦、こういうものと、科学技術庁、その打ち上げ場の種が島、こういったものを一体化は現在まだできておりませんが、委員会ができまして、これを一元的に見ていくというシステムはうまくいっておると私は確信しております。で、これは原子力の場合と違いまして、原子力の場合はいろいろな計画——計画といいますか、そういう体制、その他そういったことはさら地の上にいろいろな計画ができたわけでございます。ところが宇宙の場合はすでに東大が昭和三十二年ごろからおやりになり、それから科学技術庁が何年になりますか、五、六年前から手をつけ始めた。したがって、さら地にいろいろな計画、体制なり何なりの計画をやるということは非常に困難である、それでやはりある程度妥協せざるを得ないということは、いまの一体化ということはなかなか時間がかかるだろうと思いますが、いわゆる一体化と一元化は私は違うと考えておりますが、一元化ということは、十分委員会がこれをなし遂げておると私自身は考えております。先ほどの利用の問題なんかもまさに同じ問題でございまして、原子力の場合ですと、ああいうものをさら地の上に計画を立てる、したがって、利用までが取り込めたわけです。ところが宇宙の場合でございますというと、もうすでに委員会の設置法が一昨年でございますか、できた。その当時文部省あるいは各省庁がいろいろな計画をお持ちになり、ある程度の研究開発もやっておられる、そういうようなバックグラウンドがございますので、実際利用までを委員会が取り込むということは、われわれとしては当然そうあってほしかったわけでございますが、実際問題としては、それができなかったというのが実情でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 次に、移ります。  米国においては、アポロ計画の一段落によるケープケネディのロケット基地の活用、そういう見地から、日本の衛星を米国で打ち上げさせようとしておるのではないかというふうにも聞くのでありますが、一体、技術導入交渉はすらすらと進んでおるのかどうか、その辺の事情をお聞かせ願いたい。   〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕

山県昌夫宇宙開発委員会委員

○説明員(山県昌夫君) ただいまの技術協定の実施状況でございますが、これは直接委員会は関係しておりませんので、むしろ科学技術庁が行政の一環としてやっておられるわけでございますが、私どもの聞いておるところによりますというと、非常に順調に進んでおるようでございます。先ほど申し上げましたように、大型の固体ロケットというふうなことは別問題といたしまして、協定の範囲内におきましては、非常に具体的にうまくいっておると聞いております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 郵政省にお伺いしたいのでありますが、ロケット開発のスケジュールが先ほどのお話のように非常に変更をいたしました。そうなりますと、従来郵政グループが推進をしておりましたところの電離層観測衛星や実験用静止通信衛星についても、その開発のテンポというものを変更せざるを得なくなってきたのではないかと私は思うのでありますが、郵政省の計画もこれに従ってどう変わっていくのか、その点をお伺いしておきたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  御指摘のように、この電離層観測衛星、それから実験用の静止通信衛星というものは、郵政省といたしまして開発を推進してきたわけでございますが、この電離層観測衛星につきましては、これはすでに私どもの研究の段階を離れまして、開発ということになっておりますので、現在は宇宙開発事業団というところで開発が進められているわけでございます。宇宙開発事業団では、先ほどもお話ございましたように、ロケットと一緒になりまして開発を進めておるというわけでございますので、私どもといたしましては、まことに残念ではございますけれども、ロケットが三年おくれるということに相なりました以上は、それに合わせてやはり衛星のほうも開発の多少テンポをおくらせてそれに合わせる、そういうことにならざるを得ない、そういうふうに考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 合わせるということは、予算措置の線でもそう——ただ引きのばすというだけですね。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) おっしゃるとおりでございます。ただこの予算措置につきましては、郵政省の予算ではございませんで、電離層観測衛星につきましては、いまの宇宙開発事業団のほうに移っておりますので、科学技術庁のほうの関係になると思います。  なおもう一つの衛星でございまする実験用の静止通信衛星というものは、私どものほうの電波研究所で基礎的研究を進めておりますものですから、それにつきましては、まだやはり多少テンポをおくらせざるを得ないと思いますけれども、ただ、これはあくまで基礎研究でございますので、研究所としましては、特に、このミリ波という新しい電波の分野の研究開発でございますので、それにつきましては従来どおりのテンポでやっていくと、ただ、その宇宙開発事業団に引き渡すその開発の段階になる点につきましては、やはりある程度テンポをゆるめざるを得ない、こういうふうに考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 その点大蔵省との関係はどうなっておりましょうか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) この実験用静止衛星につきましては、大蔵省のほうも三年おくれるということを了解されておるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 今回の開発計画によって通信放送衛星の開発目標というものが具体化したと私どもは聞いておるわけでありますが、それなれば、その開発、そしてその利用についての郵政構想というものが生まれてきたものと理解をするわけですが、それならば、ひとつその具体的な構想とやらをお聞かせを願いたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  先ほど山県先生のほうから、この通信衛星といったものがある程度具体的になったというお話がございましたように、いわゆる昭和五十年代ということになりますと、電信電話のほかにデータ通信、画像通信、その他この通信の需要の急激な増加というものが予想されるわけでございまして、この膨大な量の通信を円滑に行なうというためには、大容量の通信回線というものが必要になるわけでございます。特に、その場合におきまして衛星通信方式というものは、御存じのように、同じ電波を宇宙と地上と共用できるという特徴がございますので、この地上のたとえば障害という場合には、その柔軟な回線運用を行なうこともできるということでございますし、さらにまた離島との通信であるとかあるいはまた船舶、航空機等の通信といったものも、そういった衛星を通じまして通信が可能になるというわけでございますので、そういったいわゆる国内通信衛星といったものも、五十年代には必要になるという構想でいま開発を進めておる段階でございます。  それから放送衛星につきましては、これはいわゆる視聴者集団が共同で受信します集団向けの放送用というものと、各家庭で直接放送衛星からの電波を受信します家庭向きの放送用というものが考えられるわけでございますが、わが国としましては、最終的にはやはり直接家庭で受ける放送衛星というものが最終的な目標であると考えておりますが、しかし、そういった段階に至りますまでには、相当な研究開発が行なわれなきゃなりませんし、少なくとも家庭向けの受信装置には非常に大きな負担がかかるということであっては困るわけでございますので、そういった点も含めまして、この衛星の開発ということを考えておりますが、おそらく直接の放送衛星は昭和六十年以降と、これはアメリカあたりでもそういうふうに言っておりますので、私どものいまの開発の状況から見ましても、どうしても六十年以降ということが予想されるわけでございますが、その段階としましては、先ほど申し上げましたような集団向け放送衛星というものを開発しまして、まあこれは国内だけではなく、国外というよりもむしろ国際的な立場で放送衛星の開発研究におくれのないように進めていきたいと、そういうふうに考えているわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 せっかく開発されたところの衛星も、インテルサットの協定いかんによっては、その活用の幅というものがなくなってまいりますし、非常に制約を受けるのではないかと、こう言われておりますが、今春開かれたインテルサットの第二回の全権委員会議以降の動向や地域衛星の打ち上げのいわゆる利用の見通しというものはどうなっておられるのか、それを郵政省から、御説明願いたい。

柏木輝彦郵政大臣官房電気通信監理官

○説明員(柏木輝彦君) 御承知のように、インテルサットの恒久協定の交渉は、昨年の第一回の政府間全権委員会議に引き続きまして、さらに、本年二月、三月にその全権委員会議を再開しております。その後すでに二回条文を、さらにできるだけ一つのものにまとめるということで、従来なされました各国の提案を一つにまとめる交渉を続けながら、すでに二回行ないました。年内にさらにもう一度それを行なって、その見通しによりまして、もう一度全権会議を来年行なうという段取りになっております。大体そういうことで、最終的な協定の成立ということになる見通しがほぼ現在ではできてきたわけでございますが、この間におきまして、ただいま御質問の地域衛星という問題につきましては、このインテルサットの協定に参加する諸国が基本的に持つ権利義務という問題で、最も大きい難問であったわけでございます。と申しますのは、商業的なベースで行なう国際通信衛星の実利用ということを目標とします組織でありますために、アメリカといたしましては、これは全部インテルサットの星をもってまかなうということで、参加国はそれ以外の星を商業通信、国際通信にこれを使用することを禁じたいというような強い方針で最初出発したわけでございます。これは御承知のように単一世界商業通信衛星組織という現在のインテルサットの名称からもうかがわれますように、当初からの宇宙開発実用衛星、通信衛星を開発する段階におきましてのアメリカの一つの基本的な国是ともいうべきものだったのでございます。それに対しまして、日本といたしましては、今後の日本としての独自の衛星を打ち上げる一つの方向といたしましても、地域衛星の利用もぜひ実現できるように、そのための権利をこの条約の中で確保したいということでございまして、アメリカのその提案に対しまする反対提案を第一回の政府間協定の条約会議においていたしていったわけでございます。これに対しましては、ヨーロッパの諸国も賛成してくれたのでございますが、アメリカの提案に対しましては、アジア地域を含めます後進国が多くこれを支持するというようなことで、非常にこの問題は難航していたのでございます。第一回の全権委員会以降、昨年三度にわたりましてこの問題をめぐりましての中間会議があったわけでございますが、その段階を経まして、ことしの二、三月の全権委員会におきましては、アメリカといたしましても妥協の方向に出てまいりまして、現在のところではこのアメリカ、ヨーロッパ、日本、それからその他の後進国の全出席者のほぼ一致した意見としての案文ができてきております。これによりますと、地域衛星を打ち上げるということは、技術的な条件もちろんあるわけでございますし、また非常に大きいそのために経済的な損害をインテルサットに与えるということも好ましくないということでありますので、それらの条件を勘案いたしまして、この新しい組織でも総会が勧告を行なうという一つの道筋を立てまして、そういうことを踏まえました形で、各国は公衆通信のための国際通信衛星を打ち上げる権利を保留するということになってきたわけでございます。なお、この以外に現在日本でいろいろ開発を目標としておられますものに直接関係あります特殊衛星、たとえば放送衛星のようなものもございますが、国内衛星というものは、——この国際公衆通信衛星というものがインテルサットの主目標であるのに対しまして、それとは違う意義を持つものでございますので、もっと自由な立場で参加各国がこれを打ち上げるという権利があるわけでございます。ただ、お互いにこれは同じ空間を利用し、同じ電波を利用するというようなこともあるわけでございますので、それらの技術条件については、お互いにこれが調和ができるような方法は考えていくというような考え方で、基本的な打ち上げ権というものは、各国が持つのである、こういうことでの合意に向かってただいまその案文の準備がほぼできたということでございます。これは来年の全権会議におきまして署名調印ということになれば、わが国としても当初の目的を十分に達したということになるかと存ずるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 最も関係の深い放送衛星については受け入れ体制に問題があるということでありますから、その問題点は何か。もし、問題点があるならば、その隘路打開をどうすればできるのか、その点をお聞かせ願いたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○説明員(藤木栄君) 放送衛星につきましては、先ほど申し上げましたように、直接家庭で受信するのが最終目的でございますけれども、その前段階としまして、集団向けの放送衛星というものを現在考えているわけでございまして、それに関する限りにおきましては、この技術的な問題その他ございますけれども、インテルサットの関係としては特に問題はない、そういうふうに考えているわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 もっと質問をしたいと考えておったのでありますが、きょうは時間の関係がありますので、実はこのあと放送大学関係、CATV等の関係についての質問をしたい、こう考えておりますが、いま申し上げたように時間の関係でやむを得ませんので、この次の委員会で発言をお許しを願うことにいたしまして、きょうはこれでやめたいと思います。関係の向きの皆さんお待でございましたでしょうけれども、そういうわけでございますので、ひとつあしからず御了承いただきたいと思います。

永岡光治日本社会党

○理事(永岡光治君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十九分散会

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