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63回国会参議院1970/05/13

地方行政委員会 第21号

発言数
535
登壇者
29
会派数
3
開催日
1970/05/13

会議録

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(閣法第九四号)及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(参第一八号)の三案を一括して議題といたします。  提案理由の説明を聴取いたします。秋田自治大臣。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由とその概要を御説明いたします。  ただいま議題となりました法律等の一部を改正する法律案につきましては、政府は、恩給の年額を増額するため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願っておりますが、これに伴い地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるとともに、地方団体関係団体職員共済組合が支給する年金の額を地方公務員にかかる年金の額の改定措置に準じて改定する必要があります。このほか公務による廃疾年金の最低保障額の引き上げ等の措置を講ずる必要があります。これがこの法律案を提出した理由であります。  次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。  第一は、地方公務員共済組合が支給する地方公務員等共済組合法の規定による退職年金等について昭和四十四年度において実施いたしました年額の引き上げ、すなわち、いわゆる二万円ベースの給料により算定した額の七三・七六%増額の措置につきまして、今回その率を改め、八八・九六四%とすることにいたしたのであります。  第二は、地方公務員等共済組合法の規定による年金のうち、老齢者等に支給する退職年金、遺族年金及び廃疾年金の最低保障額を引き上げることとするほか、公務上の年金につきましても、増加恩給の額の引き上げに伴ってその最低保障額を引き上げることとしております。  第三は、市町村職員共済組合が支給する旧市町村職員共済組合法の規定による年金について、国家公務員共済組合が支給する旧国家公務員共済組合法の規定による年金の額の改定措置に準じ、その額を引き上げることとしております。  第四は、地方団体関係団体職員共済組合が支給する退職年金等につきまして、その年金額を地方公務員共済組合が支給する退職年金等の年金額の引き上げ措置に準じて引き上げることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————  次に、ただいま議題となりました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  政府は、最近の社会経済情勢にかんがみ、国家公務員の公務上の災害による重度障害者及び遺族に対する障害補償年金及び遺族補償年金の額の引き上げ等を行なうため、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願うこととしておりますが、これとの均衡をはかるため、地方公務員の災害補償制度につきましても、国家公務員の災害補償の引き上げ措置等と同様の措置を講ずる必要があります。これがこの法律案を提出した理由であります。  次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。  第一は、障害補償年金の額の引き上げであります。現在、障害補償年金の額は、地方公務員災害補償法別表で定める身体障害の等級に応じ、平均給与額の百日分から二百四十日分の額となっておりますが、これを一六・五%程度引き上げ、平均給与額の百十七日分から二百八十日分の額にすることとしております。  第二は、遺族補償年金の額の引き上げであります。現在、遺族補償年金の額は、遺族の数に応じ、平均給与額の年額の三〇%から五〇%に相当する額となっておりますが、これを遺族が老齢または廃疾の状態にある妻一人である場合には、平均給与額の年額の三〇%に相当する額を平均給与額の年額の三五%ないし四〇%に相当する額に、遺族が二人以上である場合には、平均給与額の年額の三五%ないし五〇%に相当する額を平均給与額の年額の四五%ないし六〇%に相当する額にすることとしております。  第三は、昭和四十七年十一月三十日までの暫定措置とされている遺族補償年金受給権者に対する一時金支給制度を、さらに五年間延長することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 山本伊三郎君。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ただいま議題となりました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表してその提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  日本社会党は、最近の社会経済情勢及び労働災害に対する災害補償の実施状況にかんがみ、別途衆議院において大幅な給付の改善・拡充を内容とした労働者災害補償法の一部改正法案を提出いたしておりますが、これと軌を一にし、かつ、地方公務員の特殊事情を加味して、補償の大幅な改善・拡充を行なうとともに、地方公務員災害補償基金の組織及び災害補償に関する不服申し立ての処理の方式を改善する等の措置を講ずる必要があります。  右のような理由で本改正法案を提出した次第でありますが、以下にその内容の概略を御説明いたします。  第一は、補償の内容の改善でございます。  その一は、通勤途上の事故による災害を公務上の災害とみなして地方公務員災害補償法を適用することといたしました。  その二は、休業補償以外の補償の基準とされる平均給与額の基礎に期末手当等を算入することといたしました。  その三は、休業補償を平均給与額の百分の百に増額することといたしました。  その四は、障害補償の改善でありますが、第一級から第七級までの身体障害がある場合には、現在の障害補償年金の額を増額するとともに障害補償一時金を併給することとし、第八級から第十四級までの身体障害がある場合には、現在の障害補償一時金を大幅に増額することといたしました。  その五は、介護料の新設でありますが、障害補償年金を受ける者で常時介護を必要とするものに対しては、その年金額の百分の五十の介護料を支給することといたしました。  その六は、遺族補償の改善でありますが、遺族補償年金については、その受給資格者の範囲を拡大するとともに、その額を増額し、遺族等の数に応じて平均給与年額の百分の六十から百分の百までとすることといたしました。遺族補償一時金については、現在の遺族補償一時金の額を一律に平均給与額の千日分と法定するとともに、これを第一種遺族補償一時金とし、新たに第二種遺族補償一時金を設けて、平均給与額の三千日分を、死亡した職員の配偶者等に支給することといたしました。  その七は、葬祭補償の額の改善でありますが、平均給与額の九十日分に増額するとともに、最低保障額を設け、その額を二十万円といたしました。  その八は、スライド制の採用でありますが、葬祭補償の最低保障額並びに休業補償、障害補償年金及び遺族補償年金の受給額については、労働省の毎勤統計における平均賃金額が五%以上変動した場合には、その率を基準として改定することといたしました。  第二は、地方公務員災害補償基金の組織等の改善でございます。  その一は、基金の運営審議会を三者構成とすることでございます。  その二は、基金の審査会及び支部審査会の委員の任命基準を改め、委員のほかに、一定の権限を有する参与を置くものとし、さらにその運用を改善し、審理は公開の口頭審理によることとし、調書の作成、調書の閲覧について規定を置くことといたしました。  第三は、施行期日及び経過措置でございます。  その一は、施行期日は、公布の日から六月以内の政令で定める日といたしました。  その二は、休業補償、障害補償、遺族補償及び葬祭補償について、新法及び旧法の適用関係を規定いたしました。  その三は、施行日前になされた審査請求及び再審査請求並びに基金の運営審議会の委員について所要の経過措置を定め、さらに通勤災害を公務災害とみなしたことに伴い、地方公務員等共済組合法の一部を改正することといたしました。  以上、提案理由と法案の概要について御説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) それでは、昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について補足説明を聴取いたします。  なお、本案は衆議院から修正議決の上送付されておりますので、修正部分について便宜政府委員からあわせて説明を聴取いたします。宮澤行政局長。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) お手元にお配りいたしております昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案要網をごらんいただきながら、この法案の内容につきまして概略御説明申し上げます。  その一は、地方公務員共済組合が支給する退職年金等の年額の引き上げについてであります。恩給につきましては、昭和四十四年度においてその年額を二万四千円ベースの給料により算定した額の四四・八%増額した額に引き上げたのでありますが、今国会に提出され御審議を願っております恩給法等の一部を改正する法律案によりますと、昭和四十五年度において、その増額率を五七・四七%に改めることとし、恩給の年額の引き上げをはかることとしております。したがいまして、地方公務員共済組合が支給する地方公務員等共済組合法の規定による退職金等につきましてもこれと同様に引き上げる必要がありますので、昭和四十四年十月にいわゆる二万円ベースの給料により算定した額の七三・七六%引き上げた際の増額率を今回八八・九六四%に改めることとし、その年額の増額をはかることとしております。  その二は、長期在職した老齢者等に対する退職年金、遺族年金及び廃疾年金の最低保障額についてであります。ただいま御説明申し上げたところにより増額した年額につきましては、長期在職した七十歳以上の者が受ける退職年金及び七十歳以上の者が受ける廃疾年金の場合には十二万円、長期在職した者にかかる遺族で七十歳以上の者及び七十歳未満の妻、子または孫が受ける遺族年金の場合には六万円をもって、それぞれ最低保障額とすることとしております。  その三は、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額の引き上げについてであります。これらの年金の額につきましては、恩給法による増加恩給及び公務扶助料との均衡を考慮して算定した額を保障することとしておりますが、今回恩給制度の改正により増加恩給の額が引き上げられることに伴いまして、これとの均衡上その最低保障額を引き上げることとしております。  その四は、市町村職員共済組合が支給する旧市町村職員共済組合法の規定による退職年金等の年額の引き上げについてであります。国家公務員共済組合が支給する旧国家公務員共済組合法の規定による退職年金等の年額につきましては、恩給の年額の改定措置に準じその年額を改定することとしておりますので、市町村職員共済組合が支給する旧市町村職員共済組合法の規定による退職年金等の年額につきましても、同様に引き上げることとしております。  なお、市町村職員共済組合が支給する旧恩組合条例の規定による退隠料等の年額につきましては、特に法的措置を講じないでも、恩給の年額の改定措置に準じ改定が行なわれることになっております。  また、都道府県及び市の退職年金条例に基づく退隠料等につきましては、従来どおり条例準則を示し、恩給の年額改定措置に準じた年額の引き上げ措置を講ずるように指導することとしております。  その五は、恩給制度の改正に伴う改正であります。恩給制度におきましては、今回多額所得停止基準を緩和するほか、旧日本医療団職員期間の恩給公務員期間への通算制限の撤廃等の措置を講ずることとしておりますので、恩給法の取り扱いに準じて多額所得者に対する年金の給付制限を緩和するほか、旧日本医療団職員期間の組合員期間への通算に関する制限を撤廃する等の措置を講ずることとしております。  その六は、地方団体関係団体職員共済組合が支給する地方公務員等共済組合法の規定による退職年金等の年金額の引き上げについてであります。これにつきましては、地方団体関係団体職員の年金制度が地方公務員の共済制度に準じて設けられておりますことにかんがみ、昭和四十四年度において地方公務員共済組合が支給する年金の額の引き上げ措置に準じてその額を引き上げたところでありますが、今回も同様にその年金額を引き上げることとしております。  そのほか、若干の規定の整備を行なうこととしております。  以上申し述べました改正措置は、昭和四十五年十月一日から実施することとしております。  なお、本法案につきましては、衆議院において一部修正を加えられましたので、この際その概要についてあわせて説明をさせていただきます。  修正の第一点は、地方団体関係団体職員共済組合に福祉事業制度を創設することであります。  御承知のように地方団体関係団体職員共済組合は、現在、福祉事業を実施することはできないこととなっておりますが、地方公務員共済組合と同様に福祉事業を実施することができるように措置することとされたものであります。  修正の第二点は、長期給付の算定の基礎となる給料年額の算定方法を緩和することであります。  退職年金の額の算定の基礎となる退職時の給料年額につきましては、従前は指定都市及び一部の市において、職員の退職時に特別昇給を実施した場合において、その給料を算定の基礎として退職年金の額を算定していたのでありますが、昭和四十二年における地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法の一部改正により、退職前一年内に二号給以上の昇給があっても、国及び都道府県等の職員の取り扱いにならい退職一年前の給料の一号給上位のものにより算定することとされたのであります。  今回の修正は、昭和四十二年における法改正まで退職時の給料をもって算定することが認められていた退職年金条例の適用を受けていた者で、本人の事情によらないで引き続き勤務することを困難とする理由により退職した者に限り、制度改正に伴う激変緩和のための措置を講ずることとされたものであります。  すなわち、昭和四十二年七月三十一日から昭和四十五年七月三十日までの間に退職した組合員については、退職一年前の給料の二号給上位である場合は当該給料により、退職一年前の給料の三号給以上である場合は三号給上位の給料により算定することとし、昭和四十五年七月三十一日から昭和四十七年七月三十日までの間に退職した組合員については、退職一年前の給料の二号給以上である場合は二号給上位の給料により算定することとされたものであります。  修正が行なわれましたこれらの措置は、いずれも昭和四十五年十月一日から実施することとされておりますが、修正の第二点につきましては、昭和四十二年七月三十一日以降退職した者についても適用するものとされており、この場合、すでに給付された額との差額につきましては、実施後すみやかに支給するものとされております。  以上が衆議院におきます修正の概要でございます。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ、この機会にひとつ政府にまず冒頭に聞いておきたいのですが、本法実施後すでに八年になろうとしております。その間の実施の状況を見ますと、どうも納得でき得ない点が多々あります。そこで、わが国公務員に対する年金制度、いわゆる共済制度と申しますか、明治八年に軍人、明治十七年から一般公務員の恩給制度が実施されたわけでございますが、戦後これが大幅な改正と申しますか、根本的な変革があって、いわゆる共済制度に変わった。これは国家公務員、地方公務員通じてであります。公企体職員等についても同じでありますが、なぜこのような基本的な改正がされたか、その理由について、まず冒頭に聞いておきたい。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) あるいは私、御答弁が十分でないかもしれないと思うのでございますが、戦前におきます各種の年金制度その他のいわゆる現在いっております社会保障制度というものは、申し上げるまでもなくきわめて不十分であったわけでございますが、特に政府職員あるいは政府関係職員につきましては、長期給付、いわゆる年金につきまして恩給制度が適用されていたわけでありますけれども、これはいわば当時の官吏という観念に伴う一方的恩恵的な給付とでもいえるものであったかと私は思うのでございます。戦後、特にわが国全般を通じまして社会福祉制度を充実をするということが一つの大きな要請となってきたわけでございまして、それに伴いまして、政府、民間を問わず、使用者と被使用者というものが協力をして、年金制度を中心にした社会保険制度を確立をしていく、そういうことになったと思うのでありまして、その一環として、国家公務員あるいは地方公務員につきましても共済組合制度が施行された、こういうふうに理解をいたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 昭和三十四年に、国家公務員、非現業もいわゆる共済組合にあったわけですね。地方公務員は、おくれて昭和三十七年八月三十日にこれが成立したわけです。実施は三十七年十二月一日、公企体については三十一年だと記憶しておりますが、しかしその当時の背景というものはそうでなかった。まあしかし、全然いま宮澤行政局長の言ったことは当たらないことはないと思う。点数からいったら五十点ぐらいやれると思うのですがね。あの当時提案されたときは、いわゆる日本憲法が変わった、いわゆる天皇制から民主憲法に変わった。これはマッカーサーからの指令によってやられたということはやられたのでありましょうけれども、人事院の勧告を見ましてもあるいは社会保障制度審議会の答申を見ましても、そうなっていますね。したがって、その基本的な考え方というものをまずそこで考えてもらわなくちゃならぬと思う。いま言われましたように、恩恵的に与えておったいわゆる恩給制度から、今度は社会保険システムのいわゆる共済組合制度になったということは、これは一つは当たっております。したがって、昔の恩給制度は御承知のように天皇の官吏であります。旧憲法第十条によって、天皇の官吏としていわゆる支給するということであったのでありますけれども、そういうことはいけないということから、一般の厚生年金その他民間のいわゆる年金制度に準じて共済組合というものを制定しようと、こういうことになったわけですね。したがっていわゆるその運営も、内容もそうでありますが、運営も民主的にやらなくちゃならない、こういう規定なんですね。厚生省からきょう来ておられますけれども、厚生年金は昭和十六年ですかにもう制定されて、戦前だったのですが、厚生年金の内容を見ますと、給付についてはあまり変わりませんけれども——若干変わっておりますけれども、運営については非常に民主的な方向を考えておったと思うのですね。ところが地方公務員共済組合になると、どうもやはり管轄が、自治省であるから厚生省であるからというわけじゃなくして、その考え方の基本に私は問題がある。したがって私はいまここで言いたいのは、法律を制定された趣旨から見ていわゆる組合制度というものはどういうものであるかという——恩給制度のときはそうでなかったと思う、一方的なものでありますから。政府は予算に見積もって、そうして支給する、恩給法第一条に規定しておるような形で支給されておるのですから、したがってそれは一方的であって、官僚的であったことは事実ですね。しかし共済組合制度というものはそういうものじゃないのだ。御承知のように、組合会には組合会議員がおってこれを運営をしておる。だが地方職員共済組合はそうじゃないのですね。これは運営審議会というので一方的に運営されております。あの当時相当論議したのですが、一般市町村の場合は組合関与を認めるけれども、都道府県の地方職員共済組合については運営審議会でやるのだといって無理に押しつけてしまった。そういうこともあって、どうも私は、内容については今後詳しく聞きますけれども、運営上非常に非民主的な運営を自治省はしておるのじゃないかと思うのです。たとえば、一例ですよ、共済組合が予算をつくる場合に、健康保険なり厚生年金は政府が管掌しておりますけれども、これは届け出程度で済むのだが、共済組合については、事前協議だといっておのおのの組合を呼びつけて、内容が自治省の考え方と合わなければ認可しないとか何とか、それがそういう法律の条文でなしに、省令とかをつくっているようでありますけれども、そういう場合にももう少し民主的に運営できないものか。それを私は言いたいために、この共済組合ができた当時のことを言ったわけなんです。したがってやはり民主的に運営するというこの法の精神をまず私は自覚してもらいたいと思うのですが、この点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 私たち当時の状況を十分存じませんで、山本先生はその間非常に共済組合の設立に御協力いただきましてまことにありがたく思うわけでございますが、おっしゃいますように、運営につきましてもわれわれはできるだけ民主的な運営をしていきたいという考え方は持っております。御指摘ございました地方職員共済組合につきましても、私たちはできるだけ運営審議会の委員の方々と十分話し合いをしながら運営をしてまいっておるわけでございますけれども、御指摘の事前協議の問題等につきましても、一定のただいまのところまだ何といいますか、発展途上といいますか、かたまっておらないというような問題もございまして、私たちは監督的な意味における事前協議というのじゃなくて、指導をしていきたいという意味での協議を引き受けておるわけでございまして、基本的には、この運営につきましては民主的にやってまいりたいという気持ちを持っておるわけでございます。その点につきまして御了解いただきたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これはまあ私は了解するのじゃなくて、そういう方向で運営してもらいたい。いま山本部長が言われましたが、指導するのだと言うが、それはことばはいいですが、実態は指導ではないんですね。あとでいろいろと短期給付の問題、具体的に入りますが、たとえば付加給付の足切りの問題で、二百円を五百円、千円にしよう、その趣旨はわかるんですよ。趣旨はわかるんですが、そうしなければ認めない、そうしなければこの予算と申しますかを認めないというような条件をつけてやっておるように聞くのですよ。そういうものは、やはりこれは地方共済組合法の第一条にあるように相互扶助的に運用しろ、こういうことですから、主体はやはり組合員なんですから、組合員の意向を尊重して運営してもらいたい。その運営ができない場合にはだれが責任を持つかといったら、その組合が一応責任を持つ法律形態ですよ。政府が持つのじゃないですよ。それなのに、何か押しつけるような指導があるということをたびたび聞くわけですね。したがって、指導するのはいいでしょう、それは人間ですから組合もあやまちがあることもありますから。しかし、その組合の事情をよく聞いて、それならばいけるじゃないか、別に画一的にやる必要はないのですから、地域的によって短期給付というのは支給率も違いますし、組合の財政状態も違うし給与の水準も違うのですから、やはりそれに応じて、特殊な事情のあるところは、やはり組合の福利厚生の問題ですから、一般行政問題じゃないのですから、その点はひとつ十分心がけてやってもらいたいと思うのですが、その点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 具体的なお答えをいたします前に、基本的には、おっしゃいましたように私たちはできるだけ民主的な運営のできますように、またそれによって組合員の福祉が増進されるようにいたすべきである、このように考えております。  そこで、足切りの問題につきましても、おっしゃいましたような御意見もあろうかと思いますけれども、われわれといたしましてはやはり十割給付をしてあげたいということになれば、一応どこかの最低限度で一つの線を引きまして、金額の少ないものにつきましては本人負担にしていただきまして、できますだけ多額に金がかかった方々には全部に十割給付をするようにしてあげたい、こういう基本的な気持ちから実は申し上げておるのでございまして、百円であろうと三百円であろうと、それを足切りをせずにやるという方法もあるかと思いますけれども、そうしますれば勢い財源の問題で十分な給付もできないという問題もございまして、その辺のところを自治省といたしましては、ねらいを十割給付のほうに持っていきたいということで実は考えておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 具体的にはあとで入ろうと思っております。ついでに言いますが、私はそれがいけないというんですよ。財政的にどうかという判断は、冒頭に申し上げましたように組合自身が判断するんでしょう。組合がそれでいけるのだという予算措置をしてきたならば、その間に誤謬があるならそれを指摘してよろしいですよ。誤謬がなければ、その組合が自主的にやり得るのだという組合会の決定、運営審議会における意見が圧倒的に出れば、それは組合が主体に運営をするのだから、やはりその組合の意向、これは組合会議にも理事者が半数入っているのですから、あわせてそういう決定をした場合に、なおかつ政府、自治省が干渉するというような指導は、法の精神からこれは許すべきでない。あなたのおっしゃる親心はわかるんです。しかし親心があるならば——そういう事態になってきたときにはやれないわけなんですよ。したがってそういう点について、こうすればこうなるじゃないかということを言うことは、これはいいんです。自主的にこうやりたい、またこうやり得るという組合会の財政事情を含めた決議があったものまでも自治省が否定をする、その点に私は民主的なものがないということを言っておるのであって、その点については十分配慮をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃること、よくわかるのですが、私たちは付加給付につきましてはその充実をはかっていきたいという努力はいたしております。したがいまして、付加給付の基準を改正をして、四十五年から御承知のように地方共済におきましては、法定の給付の百分の十を百分の十五に上げて、財政的なめんどうを見てまいりたいということを考えたのでございますけれども、現在の段階におきましては百分の十五でもまだ十分ではない。おそらく百分の二十五をこすような状態にならなければむずかしいのじゃないだろうか、こういう判断はいたしております。しかし一挙にそこまでいくわけにいきませんものですから、四十五年から法定の給付の百分の十五の額まで引き上げるというふうにいたしまして、財政的なこの問題の措置に努力してまいっておるわけであります。そういう全体的な面から、われわれといたしましては、十分な付加給付ができるまでの間というものを見ながら御指導を申し上げておるというのが現状であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたは具体的な問題だけを考えておる。私はそうではないのです。態度、姿勢の問題です。あなたのほうが指導するということは私は否定しないのです。やはり全国的な状態を見て、組合の健全な運営と申しますか、組合員の主体的な条件を考えてやるという指導はいいのだが、その姿勢がいわゆる強行、強制的なものはいけない。したがってそういう点で、これはこの問題だけではないのです。あらゆる問題にそういう態度をとってもらいたい、こういうことです。足切りの問題、私は十分知っていますよ。健康保険の問題については、厚生省が来ておられますけれども、足切りは何で必要かということは財政上の問題だけではない。これは乱療、乱診というものも含めて一部負担というものを持っておるのですよ。わかっている。しかしそれだけではなくて、十分各組合の個々の事情を考えてやれ、こういうことです。したがってあとであわせて答弁してもらったらいいのですが、そこで、時間がないから次へ進みます。  大きい問題として、スライド制の問題ですね。これはすでに恩給審議会でも答申を出しておる。あの答申は私納得しませんよ、しないけれども一応やっておる。社会保障の先進国はほとんどスライドをしておる。これは年金の問題、この点について、これは厚生省も見えておりますが、日本の年金制度について、スライド制について政府はどういう熱意があるかどうか。法律改正では一応その精神的な一つの規定を置いたわけですけれども、具体性が一つもない。恩給法にもできましたし、国家公務員、地方公務員の共済組合にもできております。厚生年金にもできております。しかし実際問題としてはこれがやはりできない。予算委員会でも私はやりましたけれども、そのやられてないという問題点はどこにあるかということを、自治省と厚生省のほうにちょっとその点聞いておきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) まず私から、自治省としての立場から御答弁を申し上げたいと思いますが、ただいま山本委員のおっしゃいますように、スライド制についての基本的な規定は、各制度に設けられておるわけでございますが、次にそれを具体的にどう実施をするかということで、御指摘のようにただいまその具体的な方策について明らかにされていないというのが現状でございます。で、共済制度を含めまして、各年金制度につきましてのスライド制の実施の問題について、これもおそらく当委員会でもかつて御答弁を政府側から申し上げたと思うのでありますけれども、総理府にこうした年金制度の調整連絡会議を設けまして討議を続けているわけでございますけれども、これについてなかなか結論が得られないのが現状でございます。で、それではそれがいかなるところに問題があるのかということでございますけれども、問題の幾つかを申し上げますならば、たとえばその際にスライドの基準といたしまして、何を基準にしていくか。おのおのの公的年金制度の先ほど申しました各制度には基本的な考え方が書いてございますけれども、スライドの基準を具体的に何にするかというような問題でございますとか、あるいはスライド制を設けました場合に、それによって生ずる財政負担というものをどこが負担すべきであるかというような問題につきまして、議論が尽きていないというのが現状でございます。御参考までに、衆議院の委員会でもこの問題について御議論がございましたが、この公的年金制度調整連絡会議を主管をいたしております総理府総務長官が出席をいたしまして衆議院でも御答弁を申し上げたようであります。自分の在職中にはたして結論が出るかどうかわからないけれども、なるべく早く結論を出すように努力をしたい、こういう趣旨の答弁を総理府総務長官はいたしたようでございますが、何ぶんこれは自治省の地方公務員の共済制度ばかりでなく、他の年度制度全般の問題でございます。私どももその一員として、なるべく早く結論が出ることに努力をいたしておる、まあこう申し上げるのが現在御答弁を申し上げる一ぱいであろうと思うのでございます。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) お答え申し上げます。私、医療保険を担当しております保険局の保険課長でございまして、年金局の所管に属する事項でございますけれども、厚生省としての考え方を、承知している範囲でお答えいたします。年金のスライド制につきましては、山本先生御承知のように、五年ごとに実は過去二回にわたりましてほとんど倍額に年金額を引き上げる改正をやってまいったわけであります。もちろんスライド条項につきましても法律の規定があるわけでございますが、厚生省といたしましては、五年ごとにほとんど倍額——一万円年金が二万円年金というふうな改正をしてきた経緯がございまして、物価、賃金のスライドを上回るような実は給付改善を現実にしてきたという経緯がございます。その点で、厚生省としてはスライド問題の重要性もさることながら、それをさらに上回る給付改善ということに重点を置いておるように承知いたしておるわけでございます。そのような意味におきまして、また一方スライド条項の具体的実施方法につきましては、政府内の各省担当局長の協議会を設けまして、この実施について鋭意検討しておる、その二本建ての状況で現在進行中であるというふうに承知いたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなた、担当の人でないから反駁するのも気の毒ですが、それはあなた、五年ごとにやっているというのはこれはスライド制じゃないです。いわゆる戦後非常に労働者の賃金が急上昇しておる。しかもインフレで、戦前との間のバランスがとれないというので、調整増額をやっているだけで、これはスライドとは言えない。まあそれはあなたの別の担当だと言いますから、別に言いますが、それは倍以上やっているといっても問題にならぬですよ。いま言った二万円制度ですか、これはうまくいっていないですからね。実質的には八千円しかなってないでしょう。厚生年金は、御存じのように組合員期間全部の平均標準報酬でしょう。公務員のやつは三年平均になっているからまだ若干いいんだが、いま二万円年金と言ったが、二万円年金になるためには昭和五十六年くらいですか、にならぬと実は現実に二万円にならぬ、そういうデータをもらっています。あなたのほうからもらっているのですが、それはあなたには言いませんが、これはスライド制ではない。ぼくが言っているのは、スライド制というのは物価率と賃金率でありますが、いま宮澤さん言われましたが、どこに基準をとるかというのはもうすでに明らかですよ、賃金によってスライドするということは。これは西独もそうでしょう。フランスもそうでしょう。物価というものにはスライドしようと思っても、めどがないのです。賃金というのは労働省で毎月勤労者の調べをしております。毎勤統計をとっております。しかもすでに労災保険では、五%、いや二〇%スライドしているでしょう。わが国の一つのスライド制の典型は労働者災害補償保険法にあるのです。だから、あとはただ財政的な問題、これをどうするかということが、これが一つの大きな問題であることは御存じのとおりです。財政的な問題はどうするかということについていま検討しているわけですが、一体どうしたらいいかをあなたのほうでは考えているのですか。検討というのはずいぶん長い間検討しているのですよ。したがって、どういうぐあいに政府で検討するか、財政的にどうしたらいいか、この点どういうぐあいになっているのですか。何か検討しておられる機関があって、具体的にやっておられるのですか。それを聞いておるのです。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、年金のスライド制を実施しました場合に、その費用負担が一番問題になってくると思います。これは先生御承知のように、一つは国の責任において国家負担するかという問題が一つでございます。あるいは旧制度の年金改正のように、使用者である国あるいは地方公共団体が負担するかという問題、それから御承知のように三者負担の問題がございます。この問題も、実はいま申し上げました三つの問題を、どこでどう負担するかということが率直に申しましてなかなかむずかしい問題でございます。その財政負担の問題を具体的に解決すること自体に現在のところ論議が集中されておるという実態でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 自治大臣は厚生関係ではないですがね、これは閣議でいろいろ問題になったと思いますが、その後、実は検討しておりませんよ。何か連絡会議があるらしいのですが、事務当局レベルで何もやっておりませんよ。大蔵が相当かたいということを聞いているのですがね。三者負担なら三者負担、あるいはまた、政府単独負担なら単独負担ということでいろいろ試算を出してみよというので、大蔵省に私は要求したことがあるのです。それも中途はんぱでいいかげんな資料しかくれないのですが、一ぺんそういう資料を、たとえば地方公務員の場合に、賃金率による、一般労働者の賃金アップに準じてスライドしようとすればこれが一体幾ら要るということを出されましたか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) それにつきましては検討しておると聞いておりますが、まあ、賃金を基準にした場合に、一応われわれといたしましては、毎年二%ずつ上がるということで計算しますと、財源率は六割程度上がってくる。実際には現在五%以上上がっておりますから、そういうところまでには至っておりませんけれども、一応のところは、平均的に二%上がるであろうということで計算をしますと、財源率が約六割現在よりもふえるという数字だけは一応つくってございますけれども、先生のおっしゃいましたような全体として幾らどうだということは、まだ現在のところはつくっておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その二%というのは、どういう基準で二%と言うのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 一応二%と言いましたのは、給与改定が二%上がっている。平常な状態における給料のアップ率を二%として計算している。ところが実際には、最近のように急に上がりますから、一〇%近くも上がっておりますので、それでいきますと非常に高い率になってくる。大体、掛け金の財源率をどの程度でおさめるかということを頭に置きながら計算をしますと、二%ということでいきますといま言いましたように現在の六割程度上がるだろうということでございまして、おっしゃいますように実態はもっと動いておる、アップ率は高くなっておるというようなことが実態でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そんなことじゃだめですよ。そういうことをやっているから熱意も何もないと言うのですよ。いまこの地方公務員で年金を受けている者の総額、その額を全部調べて、年金額を調べて、そうしてそれに対してあなたの二%なら二%でいいですよ。二%かけたら幾らだ、これだけ財源負担しなければならない、そういうものを出しなさいよ。二%ではいまのベースアップではそうはいきませんけれども、かりに二%でも五%でも、一ぺん出しなさいよ、これだけ金が要るのだと。これをどうするのだということで、経営者や事業主から金を取らなければならない、負担をしてもらわなければならないのです。ただ言うだけで何もやっていない。地方公務員なんかそうです。厚生年金でもそうです。何の資料もない。ただ頭で、国会で大まかにしろうとに答弁するだけですよ。現実にやろうというような意欲があるかないかですよ。大蔵省もそれをやるということで若干計数を拾ったらしいですが、途中で放棄したらしい。一ぺんひとつ政府部内でそういうものを統一して、厚生年金、国家公務員、地方公務員、私立学校の教職員年金もあります。それと農民年金、国民年金もあります。そういうものを一ぺん総合して調べなさいよ。これはあなたのほうか総理府か知りませんが、そういうことをやらずに国会答弁だけでずっときておる。そうしてそのときどきに、しようがないからこういう法律案を出してベースアップしようということでしょう。そういうことでは退職者は承知しませんよ。そういう点はどうですか。そういうことをやっていくだけの熱意は政府にありますかどうか。これは自治大臣に聞くのも気の毒ですが、退職者という者は非常に困っているんですね。遺族会から年々大きな陳情がありますね。遺族の場合は年金の性格は違うけれども、年金で生活をしておる人は、そういう人は法律が一々通らなければ年金受給者が生活できない。今度の恩給の法律案は内閣委員会に、地方公務員についてはここにかかっておりますが、これがいつごろ通るでしょうかといって待望しておりますね。去年はあの問題によって流れてしまったんですが、非常に落胆した。そういう公務員として一生懸命に各地方自治体に対して貢献してきたそういう人が、一ぺんやめてしまったら政府は実に冷淡ですよ。そういうことをやっているから政治というものに対する私は不信があると思うんです。年金というのはやめた人の給料ですから、生活費ですからね。こういうものについてもう少し真剣に政府は考える必要があると思うんですが、自治大臣の御見解をちょっとこの機会に聞いておきたいと思います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 戦後の社会のいろいろの変革、それに関連をいたしまして年金制度の意義を正しく把握し、認識することが必要であり、政府はまたその見地に立ってこの問題を真剣に処理すべきものと心得ております。いま御指摘の点につきましては、公的年金制度の連絡調整に関する会議の権限が御承知のとおり総理府にございます。総理府において総務長官が管轄しておるのでございまして、先般衆議院の地方行政委員会の審議の席上におきましても、今後総務長官としましては、この点誠意をもって前向きに検討したいということを答えられておるのでございます。われわれもすみやかな御検討に期待をしておると同時に、御協力もできるだけ申し上げまして、先生御指摘等のまず調査等も真剣に取り組むという点からいきまして、結論をなるべく早く得ることを期待するわけでございます。それが出ました暁におきましては、自治省といたしましても関係の審議会の御意見を伺い、すみやかに処置いたしたい、このように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この問題はあまり自治省だけの問題でないから言いませんが、これはほんとうに真剣に考えてもらいたいと思うのです。年金の何といいますか価値は、スライド制でなければなりません。スライド制のない年金というものは、こんなものはもう実に笑止千万ですね。したがって年金に対するスライド制というものはこれは当然のものであって、これは考え方はぼくはちょっとむずかしいことを言いますが、何か年金をあげてしまうのに、政府はやめた者にただ金をやるような考えでおられますが、そうでないと思う。これは単に公務員だけではないですよ。一般の労働者もその間働いておったときのいわゆる社会に対する寄与率といいますか、もっと厳格にいえば国民総生産に対する寄与率があるのですね。その一定割合としてそのときの国民総生産の割合で年金というものが付加されておる。その基礎が、地方公務員がやめるとき三年平均で、これはすべて国民総生産に寄与したものだといって、二十年で四〇%というものをきめたんですね。その寄与率は変わらない。永久に変わらない。貨幣価値はどんどん下がって物価は上がっておる。それを政府が保障するというのは当然ですよ。そういう、私年金哲学を言うわけではありませんが、そういうものを考えたら、これは受給者の権利として二十年で四〇%、それが十万円になるか、二十万円になるか、百万円になるか知りませんが、それだけの寄与率は自分の権利として持っておりますから、その人に権利としてそれをあげるのは、これは当然の権利ですよ。それを政府は見ておらない。政府ではない、社会が見ておらない。こういう点について十分考えてもらいたい。  次に進みます。これは今度はこれまた大きいものから小さいものになるのですが、この程度は聞けるだろうと思いますが、短期給付の問題で、そういう同じような考え方で短期給付、健康保険ですね、健康保険の場合にずっと健康保険の医療給付を受けておった、そしてその間掛け金をしておる。保険ですからもうける者、もうけない者、疾病、病気で給付を受ける者と受けない者とありますけれども、そういう人が組合をはずれたらすぐそれが除外されてしまうのですね。特例はありますよ。疾病、病気しておったら二年とか三年の特例がありますけれども、そういうものに対してぼくは長くとは言わないが、地方公務員の場合はやめたあと五年くらいは、やはり地方公務員の短期給付としてその組合がいわゆる給付責任を持つということくらい私は必要ではなかろうか。短期給付ですからそのときそのときで終わるという法律の精神もわからぬではないのですが、そういう点についてどういう考え方を自治省は持っておられるか。それから厚生省はどういう考え方を持っておるか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 短期給付の問題につきまして、おっしゃいますような問題は私はあろうかと思います。現にそういう思想から、一部の方にはやはり給付が、現にその時点において病気、疾病のある者についてはおっしゃいましたような救済措置があるわけでございます。それがやめて五年内か三年内か一定の期間中に発生したもの、これはやはり公務員の場合にはかなりのお年寄りの方がやめた場合に、今日あります成人病という面からして、私は先生のおっしゃいますことはよくわかります。ただ、この地方公務員の共済組合だけで措置できるものでも私はないのではないだろうか。やはり全般の問題の中で解決をすべきものではないだろうか、このように考えておるわけでございまして、その点につきましてはさらに検討さしていただきたいと思っております。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) 先生の御指摘の点は常に問題になっている点でございまして、現行の制度におきましては、過去に一年間被保険者期間を持っている健康保険の被保険者につきましては、継続給付五年間という制度がございます。それから二カ月間被保険者資格を持っておりました者につきましては、一年間任意継続被保険者の制度がございまして、任意継続期間中に発生した疾病はことごとくそれで救済されるという形になっております。しかしながら、離職後発生しました別途の疾病につきましては、先生御指摘のとおり、救済手段がないわけでございます。これにつきましては、国民健康保険に加入いたしまして国民健康保険のほうで給付を行なうということになるわけでございますが、御承知のように、国民健康保険は給付率七割でございまして、それで本人負担という立場から問題があるという点が常々指摘されているわけでございます。厚生省といたしましては、実は先生御承知かとも思いますが、昨年八月に関係審議会に諮問いたしましたところの抜本改正に関する構想の中におきまして、退職後も、単に退職前に発生した同一疾病について継続給付を行なうというのではなしに、退職後もこれを被用者保険全体の負担におきまして救済するような、いわば退職後の保険の資格の給付措置についての一つの構想を持ちまして、これを関係審議会に諮問をし、その御検討の結果を待ちまして前向きの姿勢でこれに対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 どうでしょう、これは私の提案ですが、健康保険には任意継続被保険者の制度がありますね。地方公務員にはそれがないわけです。で、任意継続被保険者という形で、あの場合は使用者負担を自分が負担するということになっておりますね。それを私はある程度政府が若干の負担をするということですね、これで実は継続して、私はその組合なりあるいは政府管掌なら政府管掌の被保険者でもいいですが、そういうことで私はある程度見てやる必要があるんじゃないかと思いますがね。こういうことはできないですか。自治省の場合は特に任意継続被保険者の形はないんですが、こういうものを取り入れて私は救済する方法もあると思うんです。病気にかかるんですから、前に組合員であったから前の掛け金であとの病気を全部やれということは若干不公平な点があるから、本人も若干の退職後も費用を負担するから、それで従来の組合で見てやるという制度、これは期間を切ってもいいと思いますが、そのうちに何とか国も考えると思いますけれども、やめてしまったらすぐあくる日に病気が起こったらそれはだめだと、こういうことではちょっとむごいと思うんですが、この点はどうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますように、負担金の問題があろうかと思っておりますし、あるいは掛け金の問題もあろうと思っております。いろいろな問題があるのではないだろうか。なお国家公務員との関連もございます。そういう点もございますので、自治省だけでどうこうということは私は非常にむずかしい問題があろうと思っております。ただ、御趣旨の点は、本人もその分は若干かけていこうじゃないか、負担しようじゃないかというお話でございますから、先ほど申しました負担金の問題の中では一つの考え方であろうとは思っておりますが、そういう将来問題がございますので、今後におきます検討課題になるのではないだろうか、このように思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは健康保険はあるんですからね。だから国家公務員、地方公務員の共済の短期給付を取り入れるということについては、理論的に何もないと思うんです。これは私はこの法律ができるときに年金に重点を置いてずいぶんやったものですから、短期給付についてはちょっと私らの論議が抜けておった。これは私も認めます。そのときに私は気づいておったんですが、なかなか追及できなかった。おそらくそのときだと入れたと思うんです。昭和三十七年の法律審議のとき、強く押したら入れたと思うんです。したがって地方公務員だからこれを落とすという私は理由は何もない。ただちょっと私は見落としたのじゃないかと思うのですが、これはぜひ検討してもらいたい。しかしそれでいいとは言いませんよ。健康保険の任意継続被保険者の場合は、事業主の負担を自分が負担するのですから、本人の負担が相当かさみますから、したがってこれは任意にしておるのですよ。本人が必要があるとすればやってやろうという法律の精神ですから、これは私は健康保険法は一歩前進しておると思う。そういう点をひとつ検討して、考えてもらいたいと思うのですが、この点どうでしょうか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先ほど申しましたように、いろいろな問題点はあろうと思います。国家公務員のほうとの関連もございますので、検討さしていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 関連。検討はいままでもされていると思うのですがね。退職して一年以内に発病をされる率、地方公務員の、そういうのをお調べになっていますか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 実は調べておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 委員会だけで、法案がかかるときに、検討するという答弁が往々にして行なわれます。私たちの調査によれば、一年以内に発病する者の率は七〇%という状態になりますね。私は、まあ私自身も発病しておったから、いま継続的に五年間そのままかかっていますがね。これが切れる段階にどうなるのだろうということをやっぱりひとしく考えておる。そうすると、これも一つの提言ですが、たとえば地方公務員の現業部門の人たちが、一体退職をした時点からどれだけ平均的な寿命を持っておるか、あるいは一般職の諸君はどういう状態でいるのだろうか、そこへ平均値が出る。平均値までは継続的な、言ってみれば被保険者同様の取り扱いができるなどという具体的なやっぱり考え方というのは、幾つか出てくると思うのですね。したがって、検討というのは、そういう具体的な問題を一つ取り上げてもらって検討してもらって、そうして早急にやっぱり一定の案をつくって提示をしてもらう、こういうことが必要だと思うのです。ただ検討と言われただけでは困ると思うのですが、いかがですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、資料も十分整っておらないという状況でございまするので、その資料を整えて、また先ほどの御提案のございましたように、本人が負担をすることがあってもいいんじゃないかという御意見もございますので、それらもひっくるめまして検討さしていただきたい、このように思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは検討と言われるが、なかなかそれはどれだけやられるか知りませんが、むずかしい問題ですよ。それは自治省の、いま、どういうぐあいに考えられるかは今後の問題ですが、それはなかなかむずかしい問題ですね。むずかしい問題、前向きにやってもらわなければいかぬ。それで、これは国家公務員共済組合と、地方公務員、公共企業体も私はそうであったと思うのですね。だから共済制度のほうは全部任意継続被保険者のルールはないのですね。だからしたがってやろうと思えば、政府で、自治省が熱意があれば、あなたのほうで音頭をとってやるとなればやれると思いますよ。したがって、出された案についてはまだ検討中でございますが、ただこれは一つの経済団体ですから、したがって経済を無視してやろうとすればどこかに無理がある。国がどれだけ負担をすればいいかということも出てくると思いますね。したがってその点はひとつやってください。忙しいでしょうけれどもやってください。  それから、次に短期給付の掛け金の上限ですね。これも健康保険法にあるのですね。それと被保険者と、それからこの事業主の負担、これも組合管掌についてはあるのですね。ところが地方公務員には抜けちゃっておる。これも立法当時に私は相当主張したのですが、時間足らずでこれはそのままになっておったのですね。これはいまでも問題になっておる。もちろん掛け金の形態は違います。健康保険は平均標準報酬をとっておる。国家公務員の場合は給料が基礎になっております。若干財源の条件は違いますけれども、ある程度これは上限が必要だと思う。無制限にやっぱり本人の負担を出すということは問題があると思う。これはしかし事業主が見なくちゃならぬ問題があると思いますが、この点についてはどういう御見解ですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、短期給付の掛け金率が東北など数府県で千分の百をこえておるという高いところがございます。最近の傾向は、関係者の努力、組合員の方々の非常な御協力によりまして、四十三年と四十五年の四月一日を比較しますと、百をこえておる団体を見ますと、七から四に減っておる、減少の傾向にございます。そこで、この問題につきましては、一定率以上をこえたものにつきましては地方公共団体が補助をするという制度を考えてみようではないかということで、先般来検討を進めてまいったわけでございます。この問題につきましてはそういう方向で進んで、なおかつ補助金を出した団体には、財政的に、特交といいますか、何かそういうものでもお世話しようじゃないかということで部内で検討を進めてまいっておるのでございますが、傾向として若干減る傾向にございます。もう少しその辺のところを見てみたいということで、実は率直に申しまして、この一年間延ばしておるわけでございます。ことしじゅうにやりたいと思ったのでございますけれども、傾向線から考えまして、もう少し様子を見ようということで、あと一年間御猶予をいただきたい、こういう考え方でこれも作業を進めておるというのが実情でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 四十三年度の医療費の関係——四十四年度はだいぶ上がりますよ。これはあなたがどう思っているか知らぬが、上がります。まあいよいよ九%以上、医師会との間で話になったので上がりますからね。まあ医療費が上がる、あるいは下がるということは別として、一応法律上の措置をとってほしい。法律がむずかしいならば——いま言われたように、平均標準報酬と給料と比較すると、健康保険は八〇%になっておるが、おそらく九〇%ぐらいに、比較するとそうなると思うんですね。したがって、公務員の場合は上限は九〇%だ。そこで負担割合はやっぱり折半じゃいかぬ。健康保険では相当負担割合が違っております。はなはだしいというと悪いのでございますけれども、四対一という負担割合もある。あるいは五対四ですか、そういうことで、かりに非常に割合が狭まっておっても、折半というのは、厚生省も折半を非常にいま主張しておるわけですが、これは事業主の肩を持ったやり方であって、労働者の肩を持ったやり方ではない。これは戦前はほとんど折半ではなかったんですね。したがって、そういう負担割合も考えてみる用意があるか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように千分の九十二、三ぐらいになるだろうと思いますので、その辺が一つのめどになるだろうという気が私はいたしております。したがって、私は、それをこす分につきましてどうするかという問題が出てくるだろうと思っております。負担割合は、一応われわれはいまのところ折半だという考え方で作業を進めておるところでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 厚生省は課長さんですからあまり追及をしませんが、あなたは主として事務レベルでやっておると思いますし、すでにやっておると言われますが、大体この負担割合を事業主が多く持つ思想は——あとで労災、あるいは地方公務員の災害補償の問題のときにまた言いますけれども、やはり労働者の疾病というものはその事業からくる影響というものがある。これは医学界においても証明されておる。これは職業病だけではないんですよ。そういう仕事に働いておることによる、いままで私病といっておりますが、業務上じゃなくて私病として健康保険なり短期給付をやっておりますけれども、事業主が負担すべき性格のものが相当あるわけなんです。それによって負担割合を変えたんですよ。事業主は多く持ち、本人は少なく持つという思想はそこから出てきた。折半というのはわれわれは承服できない。地方公務員全部折半にした、そこに一つ大きい問題が残っておる。これは国家公務員との関係もありますけれどもね。したがってこれは私は率直に申しますけれども、事業によって変わってくると思うんですね。現業関係の事業体については疾病率は高くなります。そういうところにおいては、負担割合は労働者が少なく、事業者が多く持つ。これがだんだん事業内容によって変わっていくということはあり得ると思うのですね。したがって、いまのようにがちっと折半だと法律できめずに、融通性を持った法律の体系にして、あとは事業体、事業体によって考えていくという方法が私は適切だと思うのですね。法律で三対四とか、あるいは一対四とか、そういうことでなくて、ある程度融通性を持たすということが私は必要だと思うのです。しかし地方公務員なり国家公務員の場合は、職業状態が一緒でありますから、これは法律で四対三なら四対三、四対二なら四対二ということできめる一つの可能性はあります。一般産業についてはこうは云えない。したがって、そういうことはこれからぜひ考えてもらいたいと思うのですが、どうですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) あるいは一般的なお答えになるかもしれないと思うのでありますが、ただいまおっしゃった御趣旨はわからないことはないと思います。確かにその業態によりましての相違ということはあろうかと思うのでございます。御指摘のように、民間の健康保険組合の場合には、事業主のほうがたくさん持っている組合、組合財政その他、あるいは事業主の態度によって、そういう組合があることも承知をいたしております。これも申し上げるまでもなく、政府管掌の健康保険につきましては一対一の負担でございます。そういうことになりますと、国家公務員にしろ地方公務員にしろ、やはり国民の税金によっていろいろ運営がなされているわけでございますので、そういう一般の民間の人たちの処遇、特に職員に有利な健康保険組合というものを対象にするばかりでなくして、やはり一般の政府管掌の健康保険組合の状態というようなものも考慮に入れて考えなければいけない、こういう気もいたしますが、御趣旨の点もわかりますので、御趣旨の点も含めましてもう少し検討させていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 宮澤さん、あなたは相当頭のいい人だからそういうふうに答弁しますが、それはだめなんですよ。政府管掌の組織はこれは中小企業がおもなんですよ。大企業はすべて健康保険組合をつくっている、現在政府管掌では毎年相当大きい借金をしている。これがもう三千億をこすかもわからぬような状態だということは厚生省当局から聞いておる。なぜ民間の政府管掌が負担割合を変えられないか。それだけ中小企業に大きい負担をさせるのは一つの政策上の問題である。その点は大蔵大臣と私相当論争いたしましたけれどもね。したがって、政府管掌も折半だからこっちも折半だというあなたの論拠はぼくには通らない。法律上はそうなっておりますけれども、事案はそうじゃないんですよ。政府が大きな負担をしている。したがって私が言いたいのは、政府管掌の中小企業を対象とする健康保険組合のように、地方公務員、国家公務員の場合に政府があれだけの短期給付を負担してくれますか。くれるならば折半でよろしいですよ。政府は一文も出していないでしょう、短期については。そういうことであなたがのがれようと思ったってだめですよ。法律上はそうですよ。しかし実情はそうなっておらない、事実は。政府管掌に対して相当政府は金を出している。それで健保特例法をつくったり、健保法の改正で相当あんな徹夜国会をやったりした。そのときには、厚生大臣は山本さんの言うとおりだとおっしゃった。個人的には納得すると思うのですけれども、政府全体の制度になるとなかなかそうはいかない。厚生省のほうも困っている、あの借金で。そういう実情というものを、法律の制度よりも実態というものをもっと把握してもらいたい。私は負担割合は折半でもいいんですよ。政府が中小企業を対象とする政府管掌の健康保険のように、あれだけのめんどう見てくれますか。それなら私は納得しますが。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私が申し上げたいと思いました趣旨は、公務員の待遇というものは私ども改善いたしたいと思っておるわけでございますけれども、やはり一般の国民全体ということも常に頭に置いて考えなければいけないということで申し上げたかったわけでございますが、私自身のあるいは知識の不足で、申し上げることに誤りがあるといたしますればそれは訂正をさしていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大臣、これはいろいろ問題はたくさんあります。ありますが、日本の社会保障制度がきわめて欧米より低い、おくれておると言われておるのをどっかで取り戻さなければいけないということで私は意見を述べている。それは大臣はそういう点は十分御承知です。日本の社会保障制度というのは欧米から見ると非常に低いのです。特に年金は低い。そういう、私真剣に政府はどう考えているかということに対して実はいまきわめて不満といいますか、不安を持っておる、逆に。したがって、いまのようなことで私は国民は納得しない、いまの宮澤さんのことばじりをとらえて言うのじゃないのですが、往々にして政府はそういうことを言う。国民一般といいますから、いま国民健康保険、共済の短期、これは全部、国民全部が被保険者の組合になっておるのです。全部ですよ。これは国民全部のことですよ、私の言っているのは。ただ地方公務員の共済制度を取り上げておりますから地方公務員のことを言っているので、健康保険の問題は国民皆保険として全部かけておる。そういう意味において、いま地方公務員という限られた範囲で論議しておるので、そういう点で私は健康保険の組合管掌という、地方公務員の事業体は全部で二百何万というのですけれども、教員を含めたらもっと多いかと思いますけれども、大事業ですよ。何ぼ新日鉄といっても十万くらいの従業員である。それと違います。公務員の数というのは実に多いものですから。したがって、そういう点から考えたら、地方公務員についての負担割合はやっぱり検討する段階に私はあると思うのです。そういうことについて全然否定的であるということについては私は異議があるのですが、しかしここで宮澤君に何ぼ言っても、そう検討するということもなかなか言いかねると思うのです。厚生省はなかなか聞かないんだから。厚生省は折半に指導しているんだからね。逆にいままでの負担割合はかりに違っても、厚生省は折半にせい、折半にせいと言っている。課長はあまり責めませんけれども、そういう指導をしているんです。だから私はどうも法の精神を、政府は各省ともこの問題については私は時代逆行の方向に向いているんじゃないかと思うのですが、この点についてどうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 三十七年の社会保障制度審議会の御意見がやっぱり一つございまして、それによっておそらく先生のおっしゃいました政府自体の問題として折半の思想というのはあるのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけであります。それから公費負担の問題の場合に、やっぱりその公費というのは、税金といいますか、そういうようなもので、国民のお金をいただいておりますもので、やっぱり負担をする場合には、いまいいました社会保障制度審議会の御意見に従って折半というかっこうで動いていっておるというのが実情でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 社会保障制度審議会の内幕、内容はここで言いませんが、あの委員ではすこぶるわれわれ反対したのですが、結局いまの日本の社会制度の実情においては勝てなかったわけです。したがって、あの委員がすべて労働者の代表じゃないわけです。したがって結局ああいう答申になっちゃったのですが、相当反発をしましたが、これはしかし、私は力には負けますよ。政治は力ですから、負けますよ。しかし正しいことを曲げておったら世の中どうなるかということを政治家として考えなきゃいかぬ。だんだんとそういう方面に向いていくということは、現在は労働者も、比較的経済高度成長のときですから、まあまあといいますけれども、やがてこれが大きく大問題になるというときに、政治家としてはああそうかということになると思うのですが、あなたは社会保障制度審議会の答申をたてに言われるということは知っているから、先ほど言ったように検討するということは言えないだろうと言っているんですが、これはやはり政治家として考えなければいかぬので、大臣もひとつ、あなたの答弁は求めませんけれども——立場があるから求めませんけれども、十分この点も考えていく必要があると思います。この問題については一応この程度にしておきます。  復唱しておきますが、掛け金率の上限については、先ほど山本部長言われましたように約束されましたね。したがって、九二、三%が健康保険の八〇%相当、それは認めましょう。標準報酬と掛け金の相違でありますから認めますが、それ以上上がった場合には事業主といいますか、そこで措置するということについては、その点約束していいですね。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 一年以内に何とか措置をしたいと、作業を進めておる最中でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 もう一つ午前中に質問しておきます。  これは退職年金の計算基礎なんですが、三年平均ですね、これは公務員の実態から見れば、やめるときの給与、特別昇給というものについてはこれは別として、昭和三十七年十二月一日以降に入った人の退職金の計算基礎が三年平均、これは結局一年以上常態なままでやめた者についてはその退職時の給与の計算でいくというこの方法は、一応一歩前進ということですね。考えるべきであると思うのですが、その点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) ちょっと先生の御質問が、私もあまり勉強しておりませんでしたのでわかりませんでしたけれども、一応今回の修正は激変緩和の措置としてとられたというふうに聞いておりますので、先生の言われた意味がちょっと私理解しかねましたので……。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 いわゆる更新組合、あれについては衆議院で修正されましたが、あれは更新組合、いわゆる厳格に言うと昭和三十七年の十一月三十日までにおった人についての措置としてああいう措置をとられたのですが、私はそうでなくて、それ以外の人については三年平均の給与で退職金を計算する。これは私は三年平均でなくてやめた当時の——当時というのは特別昇給というのは含まなくてもいいけれども、この場合はこれは既得権じゃないですね、新しい組合ができた後に入った人の問題ですから。そういうことについてどう考えるのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) これはいろんな年金と関係ございまして、まあ一つには先生御承知のように、厚生年金が全期間の平均報酬になっております。それから国家公務員が同様に三年になっております。公企体のほうがたしかそのときの給与だったと思います。それやこれや考えますときに、やっぱり地方公務員の場合におきましては、国家公務員の年金と均衡をとっていくということになりますれば、勢い三カ年の平均俸給というものを基礎にせざるを得ないというふうに考えられるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ聞きますが、三年平均というのはどういう論拠で三年平均にしたのですか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) これは、地共法は国家公務員の共済法に準じて立案するということで、当時国家公務員共済法が三年平均をとっておりましたのでやったわけでございます。国家公務員の共済制度ができました際には、それ以前の国の給与制度におきましては、たしか退職時のなまの給料をとっておったわけですが、社会保険制度の一環として、厚生年金等の取り扱いを考慮してそういう三年平均という思想を導入したというように聞いております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 何かといえば国家公務員がそうなったからそうしたんだというのじゃなくして、やっぱり立法を提案する政府としては、国家公務員でやったからこれはそうやるのだといって無条件に理由もわからぬでやるというのは私はおかしいと思うのですね。なぜ三年でやったか。公企体はそのときの給料ですね。私は、残念ながら、国家公務員共済組合法を審議するときはちょうどまだ国会に出た当初であって、それが通ってしまったあとでした。昭和三十四年でしたか、春の国会で国家公務員法が出た。そのあと私は地方公務員でだいぶやったのですが、三年の論拠はない。フランス、西独ですか、これはイギリスは五年平均になっておりますね。向こうのほうの場合は、実はこれは雇用形態が違うのですね。年がいくと給与がダウンするところがあり、したがって、やめたときの給与は必ずしも高くない状態が国によってあるところもある。そういうことから、本人の利益を見ると、五年ぐらいの平均にしなければ、やめるときの給与が低いから年金が下がるということからそういう制度をしいているところもある。これは組合員の利益のためです。日本の場合にはそうじゃないのですよ。三年の論拠はとてもない。しかも公務員はやめるときに、毎年定昇がありますから、上がっていくことになりますね。三年の論拠は、私は内閣委員会で聞いたのですが、ないのです。ないはずなのですね。ただ、年金額を少しでも減らそうというような悪い魂胆があったのではないかといえば、そうでもないという。しからば何ですかといったら、ないのですね。したがって、そういう論拠のないものはすらっとやっぱり公務員の利益を考えて、やめるときの給与にしたらどうかというのが私の主張なんです。しかも、三年というのはこういう正しい理論があるのだというなら教えてください。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたような御意見もあろうと思いますけれども、一応地方公務員の給与というものは、国家公務員と公務の特殊性、それから内容その他から見まして大体類似性があるということで、給与につきましてはこれと均衡をはかっていくという基本的な姿勢を持っておりますので、その姿勢のもとに、三年というのも、国家公務員が三年でございますので、こちらのほうも三年にしたということであろうと思います。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 暫時休憩いたします。    午後零時十四分休憩      —————・—————    午後一時三十二分開会

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでは午前に引き続いて、あと若干質問したいと思います。  大臣がいまちょっとおられないので、いまの問題に関連して、いわゆる衆議院で修正された分についてのことについてちょっと質問しておきたい。修正者はおりませんが、そういう質問はいたしません。  実は、午前中に最後に言ったのは、給与年額の決定の問題ですね。これは本法の規定ですから、これについてはやはり国家公務員法に準じてやったのだから理論的根拠というものはわからないということだと思いますが、それはそれとして、今後の検討の問題として残しておきたい。これは真剣に一応考えてもらわなければならないということを言っておきます。  それから、いわゆる更新組合員に関するいわゆる修正部分ですが、これは当時御存じのように寺本課長さんが、いま自治省にはおらぬと思うんですが、あの当時は相当この問題は、表では論議はないが、その当時の当事者は相当話をした、御存じのように。冒頭に申しましたように、国家公務員共済組合については、それは国家公務員の対象は恩給法の諸君がほとんどである、一、二現業はありますが。したがってそういう問題は起こらなかったんですが、地方公務員の場合には、市町村それから県の職員、学校関係の職員、それから警察その他たくさん包含されてまいりますね。それを一本に統合するということで、相当問題があったわけなんです。したがって、共済組合法の長期給付等に関する施行法の中で相当複雑な規定をしておることは御承知のとおり。その当時問題になったのは、特に市町村の場合には資格年限が十年のところもありましょうし、あるいは十二年、十三年、十五年、十七年、十七年は恩給法の限界であったから十七年以上というのはおそらくなかった。そういうものを一本に統合することに無理があった。特に地方自治の本旨からいって、これは給与ですからこれを一本に統合するということは地方自治権の侵害に通ずるのではないかということの論議をされて、しかも各市町村における既得権といいますか、既得権というよりもいままで慣行上条例できめたものは尊重いたしますということで、資格年限についても経過措置をとったことは御承知のとおりですね。その際に問題になったのは、いわゆる給与年額ですね。その当時は、いま残っておるところで四十何団体が、やめるときには本人の意思に反してですから、強制してやめさすんだから、一応やめるときの特別昇給といいますか、そういうものについては認めようということで、すべて認めてしまったんです。これも問題があったことはあるのです。指定都市のように追加費用はその一市において負担するならいいですけれども、他の市町村共済組合では多くの地方団体が集まっておりますね、市町村に。その場合に、そういう特別昇給の財源というものはその市町村共済組合の包含する各市町村も実は負担しなければならない。そうすると、そういうものをやっておる市町村共済組合とそういうものをやっていないところとは非常に財政負担上不公平でないかという論議があったわけですね。そういう論議までした後、とにかく認めようということになって、あの法律ができたわけです。したがって、それを昭和四十二年に一切これを認めないということで取ってしまった。それは非常に私は無理だと思うのですが、たまたま私は地方行政委員会におられなかった関係で、それが通ってしまったあとにわれわれは気づいたことですが、したがって法律制定の当時の経過からいって、いま既得権を取るという自治省の意向というものは私はわからないのですが、そんなら冒頭に申しましたように、前の恩給のときは政府もかってにやったらいいということもありますが、しかし、地方公務員共済組合は組合員がお互いに扶助の精神でやろうということで自主的な考え方でいくことになりましたから、その点組合員に何も知らさないで一方的に法律改正をするということは、政府の意図が私はわからない。そういう点についてどう自治省当局が考えておるか、修正部分についての問題ではない。その修正される以前の考え方についてどう自治省は考えておるか、この考えを一応聞いておきたい。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 修正以前の問題についてのお尋ねでございます。私どもも前の経緯を聞いて御答弁を申し上げておるわけでございます。あるいは山本委員のほうが事情は知悉をしておられるかもしれないのでございますが、先ほど御指摘のように、新しい地方公務員の共済制度をつくります際には、確かに国家公務員に比べましても非常にいろいろな職種がございます。それから組合の数もそれまでいろいろなものでやっていたわけでございますので、確かにこれを一本にするということについてはいろいろな問題があったということは私どもも聞いておるところでございます。そこで、三十七年に新しい制度をつくりました際に、ただいま御指摘のような問題について手を打っていれば、まだそれはそれで一つの考え方ではないか、こういうまず御指摘のようでございますが、私ども聞いておりますところでは、三十七年に新しい法律をつくりました当時、まあおそらく各地方団体がいろいろやっております実態についての認識と申しますか、その把握が不十分な点もあったろうと思うのでありますが、制度自身が、条例自身の中ではっきりと退職時に何号昇給をさせる、こういうふうな規定を設けているのではなくして、実は条例に基づきます運用と申しますか、内規によりまして各地方団体がいろいろやっていたようでございます。したがいまして、当時自治省といたしましても、たとえば退職時に五号上げるとか七号上げるとかいうような、そういうような運用が行なわれるであろうというようなことはおそらく予想していなかったのではなかろうか。私どもが聞いております限りでは、そういう認識であったろうと思うのでございます。それが、新法が施行されましてその後運用の実態を見ますと、かなり各地方団体によりましてまちまちの運用が行なわれている、こういうことで、昭和四十二年に改正法を御提案を申し上げて御審議を願ったと、こういうふうに私どもは経緯を聞いているわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 まあその当時、私は言い分はたくさんあるんですが、あの当時の自治省の資料というものは全くなっておらなかったんです。それをわれわれは一応ぜひこの際通してもらわなければ、国家公務員のやつは四年前にできておるから、この際何とか——あのときは安井謙さんが自治大臣で、池田さんが総理大臣で、池田さんにも数回来てもらったんですね。相当論議が白熱したところです。一つの国会ではあれが成立せずに、継続審議で臨時国会で成立した経緯があるんですね。だから、したがってその当時資料も十分でない。したがって、もう一ぺん出し直せと言ったんだが、できなかった。しかし、一応もう国家公務員もできておるし、国家公務員の関係もあるから、地方公務員から国家公務員に移る人もあるし、そういう関係でぜひつくってもらいたいということで、無理に要請されて、まあ無理というか、相当強行されて通ったわけですね。したがって、知らなかったということで済むなら私は何でもそれでいけると思うんですね。知らないのはだれの責任だ。そういう現状というものがあることはわかっておる。そういうのはわからなかったのであとから聞いているという答弁、実態はおそらくそうだろう。われわれはそういうことは気づいておった。しかし、問題はあると思うけれども一応そういうことでいったんだから、われわれとしてはそれでよかったと思う。それがこれから問題ですよ。それなら変えるときに、そういう関係団体に、こういうものがあると、これは相当不合理であるからということを一言でも言ったんですか。しかも、私は経緯を申しますと、私は社労の委員長をしておりました。そのころ健保特例法でとてもそういうひまがないときに、あのときの寺本課長ですか、私の室へ見えまして、ほんの時間の間のすきをねらって私は話をしたわけです。そのとき、改正の要綱を、こういうものを出しますというのを見ました。しかし、そんなものは一つも載っておらない。軍人の恩給の関係上一応プラスになるやつですから、それはよかろう——ぼくがよかろうと言って出したんじゃありません。やはり共済組合の関係があるからといって私に見せに来られたことは事実ですよ。ところが、通ってしまったあと、あれは附則で改正しちゃったんですね。それで、私はすぐ健保のあの、八月の十五日だった、臨時国会で非常に疲れていた中で見て、共済組合で調べてみたら、意外にもそれが実は通っておるわけですね。それで、私はそのとき議事録も見ましたし、それから提案理由の説明も見ましたが、提案理由では一切触れておらない、そういう重要な問題に。私があとでいろいろ言うと、とにかく国会で通ったんだから、国民の代表がそういうふうにしたんだからそれでいいじゃないかと言うから、それは私は無理だと言うんです。国会議員といったって神さまじゃないですから、そういうことを一々検討してみるということについてはミスがある。しかし、ミスがあるということのいい悪いは別として、しからば提案理由の説明で一言でも触れておりましたか、大臣が。そういう重要な問題に触れてないでしょう。政府がそういう改正をやるということを国民に何も知らさずに、その関係団体には一言も言わぬと、そうしてあの法律を通しておるのです。そういうやり方は私は民主主義であるかどうか。しかもこの行政法といっても、この公務員共済組合法は福利立法ですよ。行政法の中でも、特に組合の実態を考えてつくらなければいかぬ。お互いに考えて、組合員のほうもそれでよかろうということでつくったんでしょう。それを掛け金半分とっているでしょう。掛け金取るということでしょう。恩給のときには掛け金ないでしょう。そういう法律の性格と、この経過から見て、これに文句をつけるということは私は非常に問題があると思う。そういう点について、あなたが聞いている経緯は、それは一応表面の経緯はそうでしょうけれども、実態がわからなかった。あとでわかったから、そういう改正案を出したというなら、改正の手続上私は民主的にやっておらない。だれも知らないでしょう。国会議員も、提案説明に載っていないのだから、知るはずないでしょう、一々前の情報を聞いてみて、検討してみてやらなければ。わからぬほうが悪いというのですか。そういう言い方であれば、これは行政府として責任ありますよ。立法府がそこまでこまかな——重要なことだが、しかも附則で本法を改正しておる、そんなことまで一々検討するということは容易なわざじゃない。そうしてその結果通ってしまった。そのとおりですよ。あなたの言うことは間違いといいませんけれども、経過はそういう状態です。そういう責任を立法府だけに負わすということは、私はけしからぬと思うのですがね、そういう点はどうですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 当時の提案理由には、おそらくいま山本委員御指摘のように、書いてなかったようでございます。ただ手続といたしましては、地方公務員の共済組合の運営審議会等にもかけまして、そこには職員の代表の方がおいでになって、御説明はいたしております。しかし全般といたしましては、確かに一般的なPRと申しますか、そういう面で不足をしていたのではないか、そういう感じはいたします。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 不足も不足、一番関係のあるところが全然知らぬ間にやるというのは、これは一部分だから問題にならぬけれども、それは国民の半数でも関係のある法律案だったら、大きな問題になりますよ。そういう点はやっぱり慎んでもらいたいと思うのですね。そういう意味から私は取り上げている。そうしてああいう修正になったのですね、したがって私はその当時の事情からずっと知っているものとしては、あれでは私は全く不満です。不満というよりも、あの当時私が言ったことでおさめればそれでおさまったと思う。あの当時私の意見出したのですがね、それがああいうふうに、何か要らないことをやったんだというような考え方があの修正案に出ていますね。だから四十七年に終わってしまうのだ、それはほんの経過です。そこにも大きい矛盾があるのですよ。四十七年までにやめなければその権利はとられてしまう。早くやめなくちゃ損だ。大体特別昇給をしたということは、長く勤めた人に対して優遇しようという精神で、ああいう条例はあまりなかったから、あるいは規則なり慣行でやっておったのですね、長期やった人が。もうこれを、法律がなければやめるということはしませんけれども、おそらくそういうことを意味するような形でとられてもしかたないでしょう。四十七年以後の人には適用しないのだ。それ以後はしない。せっかく長い間つとめてやってきて、そういうことがあるだろうということをまず期待をして入った人の権利を取っちまうのですから——一つの権利ですよ、既得権ですよ。こういうものに対してわれわれ承知しないと思う。この点どうです。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 衆議院の修正について、私ここで云々をするつもりはございません。ただ、いま山本委員からお話の中で、既得権の侵害ではないか、こういうお話がございました。これも私聞いたところによりますと、以前の国会でも、こういうものは既得権であるかないかという御議論が行なわれたようでございます。で、まあ既得権とか期待権というものを、法律の概念自身はっきりしない面もございますけれども、私はまあ既得権とか、期待権とかいうそういうものの侵害であるというふうには考える必要がないのではなかろうか。ただまあ多くの職員の人たちが、自分たちの団体としてこういう運用をしていた、したがって、自分たちもそういう恩恵を受けられるのかもしれないという希望を持っていただろう、こういうことは容易に想像ができるわけでございます。法律的な既得権とか期待権の侵害になるのではないかということでございますと、これについては私は消極的に考えるべきではなかろうか、こういう気がいたします。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これはほかの問題に派生する問題ですが、労働立法と行政立法とのいろいろの問題も関係あると思いますが、常識で考えて、その市町村に雇われるときには、退職するときにはこういう条件がある、もちろん給与はこういう条件、ということで入ってくる。行政関係だから一方的に首長は雇うんだ——どういう条件だろうが無条件だろうが、と主張する学者もあります。しかし、私はそうはいかない。そのときの条例、慣行による給与を前提としてその人がそこに奉職する、めくらめっぽうには入ってきませんよ。そういう条件で入ってきた人に、一ぺんもそういうことを言わずに権利を取っちゃうということは既得権侵害だと思う。あなた自身そうですよ、立場は違いますけれども。あなた、たとえば公務員として入るときに、意識するしないにかかわらず、こういう条件でということで大学出て入ったんでしょう。それが条件悪かったら入りませんよ。それと同じことです。それを既得権と言わずに何と言うのですか、私はやっぱり既得権だと思うのです。入るときになぜそれを公示しないか、そういう関係者にこうなんだということを言わないかということです。それは言ってさえおれば問題ない。それを本人が承諾する。それを言ってないのです。そういう点について、私は従来のやり方についてきわめて非民主的だ、これを主張するわけです。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申しましたように、一応形式的な手続は踏んでいるわけでございますけれども、確かに御指摘のように、関係の市町村なり何なりというものについてのPR、そういう点については十分でない点があったように私は思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは大臣おりませんが、私は将来もこれは続けていくと思います。したがって、一応衆議院で修正をされたのですから、その好意について私は無にしませんよ。一たん法律が改正されたものを、前の問題の若干の事情を勘案してああいう修正をされたということについての好意については私は無視しませんが、しかしそのやり方、内容については私は問題がある。これは十分ひとつ考えてもらいたい。でないと、われわれ絶対この問題はあとへ引かないつもりですが、その点どうですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私どもといたしましては、四十二年のときの経緯、それから今回衆議院が御修正になりました経緯、衆議院のほうでは一度に急激な変化を与えるということは適当ではなかろう、こういう激変緩和的な意味で御修正になったように、私どもは御議論を拝聴いたしていたわけでございます。現段階といたしましては、まあその辺でこの問題を解決していただくということが一つの方法であろう、こういう感じがしたわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この点は、宮澤さんもぼくの言うことを全然否定してないと思うのですね。私は、そういう不満とかそういう不合理を残すことは、この共済組合法の今後の運営に問題があるから言っておる。これで終わるなら私もそれで引き下がります。そういう問題があとに大きい問題として残ってくることが共済組合運営について相当問題あるから私は主張するのであって、これ以上にわたってあなたに質問いたしません。修正は一つの方法である、こういうことはおそらく言えないでしょう。言えばたいへんなことになる。それでけっこうだと思います。  次に、だんだんと問題が具体的になりますが、遺族の範囲、これはひとつぜひ考えてもらわなければ。これは立法当時問題になっておったが、特に配偶者の場合、女子の組合員の問題、非常に遺族の範囲において問題がある。この問題についての考え方、私から言わぬでもわかっているでしょう、私は言いませんがわかっていますね。その点について。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 遺族の範囲につきましては、かねてから国会で質問ありまして、おっしゃいますように、厚生年金との関連におきまして、厚生年金のほうが有利であるというようなことで、第六十二国会におきまして衆議院、参議院ともども地方行政委員会におきまして附帯決議がついたことも存じております。したがいまして、今度のこの法案を提出しますまでの間関係各省と意見調整をしたのでございますけれども、若干問題ございまして、今回間に合いませんでした。といいますのは、国家公務員の共済組合との関連もございまして、どうしても間に合わなかったのでございます。しかし、これも一年以内に片をつけまして、次の国会までには何らか目鼻をつけたいとせっかく努力をしておるところでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは一年以内にこの遺族の範囲については、これは長い間の問題ですし、せっかくあなたは公務員部長として来られたから、今度の国会までにこれをひとつぜひ実現するようにやってもらいたい、それでいいですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) できますだけ努力をいたしまして、実現するように努力いたしたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 努力ということは、努力したけれどもだめだったということを言わぬでほしい。いつもそういうことを言うのです。あなたはまじめな人だと思うから、その点大臣にちゃんと言ってください。信頼しておきますよ。この信頼を破ったら承知しませんよ。  次に一時金の選択ですが、これも問題になっているんですが、女子の場合は四十六年までになっているので、男子もそうするという考え方についてはどうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) これは、各種の公的年金制度の関係におきまして通算退職年金制度を創設した趣旨というのは、それぞれのものを通算していくという趣旨だろうと思いますが、この選択の問題につきましては、そういう制度ができた機会に、従来一時金をもらっておるそれがなじまない、そういう関係から選択制度を取り上げたのではないだろうかと私は思います。したがって、ただ急激に、これもいきなり通算だ、こういうことにきめてしまいますところに問題があるから、男子の場合は二回でございましたか、延長してきておるということであろうと思うのであります。制度的には、私はやっぱり通算して年金をもらうというのが筋だろうと思います。そういう点から申しますと、選択をすることは制度の趣旨としてあまり好ましいことではないであろう。ただ本人が、従来の経緯からみて、一時金をもらいたい、こういう場合に、これを一定の期間を区切って暫定措置をするということはあってもいいんじゃないだろうか、そういう観点から見ますと、二度ほども先生御承知のように延長してまいっておりますから、まあこの辺が最終的なところではなかろうか、こういう気が実はしておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 年金の本筋から言ったらあなたの言われたとおりです。一時金より年金を出すというのが年金制度ですから。一時金というのは、自分のかけたものを五分五厘くらいの利子をつけて返してもらう程度のものですから、何も本人の利益にはなっておらない。六分に回しておけば掛け金より分はいい。年金にするということは、これは本筋ですが。ただ問題は、あなた抜かしているのは、何で一時金を好むかと言ったら、スライド制がないでしょう、待っておったって実は貨幣価値が下がっちゃうんですよ。しかも、それで再び厚生年金に入るか国家公務員になるかあるいはその他公的年金に入れば通算措置がありますが、なければ六十五歳になってその金だけ五分五厘の利子をつけて返してもらうのですから、二十年たったらそんな金の価値はないですよ。しかしスライド制があれば、あるいは一時金もスライド制の関係で返還されるからいいのですが、それがないのです。そうすると、そういうものがないのに強制的にためておきなさいと、ほかのほうの年金に入ったときに通算しますよという、その措置自体に、基本的な問題を考えると非常に矛盾があるのですね。そうでしょう。いまかけた掛け金を置いておくのですよ。それでやめて、六十五ですか、その金に五分五厘の利子をつけて複利で計算して返してくれるのでしょう。十年、二十年たったらそんな金はどれだけ価値があるか。それよりも、いまのスライド制のない年金はそんなに置いておいてもしかたがないから早くくれというこの主張というものは、私は年金論から言うと当然こういうことは通らぬけれども、いまの情勢から見たら選択制でいってもらいたいという主張は私は正しいと見るのですが、その点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたようなあるいは事実があるかもしれませんが、やはり政府としてこの問題を取り上げますときには、年金制度の中に乗せていくという努力をすべきではないだろうか。おっしゃいましたようにスライド制の問題が一つのネックになっておることも私たちは認識をいたしておりますが、これもこれなりにやはり解決の方向に向かっていく、本来の制度に乗せていくという努力をすべきではないだろうか。その間に暫定的な措置として、いまおっしゃいましたものがあるいは経過的な措置として出てくる、こういうかっこうになるだろうと思うのです。この場合には、すでに二度ほども延長をいたしまして暫定措置をとっておりますから、もうこの辺でいいのではないだろうかという気がいたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは実はそういうことよりも、実際は保険経済、年金経済から出ておるぼくは問題があると思うのですよ。したがってそういう選択で、一時金で皆払ってしまうということは保険経済にも影響するし、そういう関係で一応通算措置というもののために実は選択制というものをこれはとめちゃった。女子の場合は、再就職ということは日本の家庭事情からいって少なかろうというので、四十六年まで認めたということですね。約十年ですね、そういういろいろの経緯もわれわれ論議の末ですが、私はいまの状態であればやはりもう一ぺん延ばすべきだ。その間に政府にスライド制の具体性が出てくればこれは改めていいです。だからそういう点で、本人はそこで権利を放棄するのですから、だからその点をひとつ考えてはどうかということと、続けてやっていきますが、通算年金はあれは非常に不満があるのですよ。なるほど通算をしてやるということで一歩前進であったのですね。あれは昭和三十六年ですか、に通算退職年金法が通りましたね。通算制度通りましたね。そのときも論議したのですが、あれは遺族給付はないのですね、通算年金には。だから通算というけれどもきわめて制限された通算なんですね。そこにも問題があるのですよ。したがって、私はそういう制度の欠陥をそこで考えていかぬと、通算年金というのは通算したら非常に有利だ。しかし本人限りですよ。本人がぽくりと行っちゃったらしまいですわね。年金制度に遺族に対する給付のないということは一つの大きい欠陥ですね。そういう点をどう考えるか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、通算年金制度につきましては私も問題があると思っております。特に先生のおっしゃいました遺族の問題等につきましても、あるだろうと思います。これはやっぱりさらに検討をしてみるべき課題があるのではないかと、このように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 しかし、わかっているのでしょう。まあこういう問題は経過をたどると大きい問題がありますから、なかなかあなた方からどうも言えませんね。ほんとうの本質わかっているかどうかね。通算年金というのは非常に恩恵的にいいということは一応言われたわけですな。そのかわりに選択制がなくなった。それとの私は均衡の問題を言っている。通算年金制度が一般の退職年金のように遺族に対しても給付があるという、いわゆるそういう年金制度、基本的な問題が盛られているならばまだいいのですよ。通算には、本人が通算さしてもらうというけれども、本人がなくなっちゃったら、それはしまいなんですよ。そのあげくに選択制もないぞというようなこの措置については、私はいかに政府といえども考えるべき点があると、したがって、私はスライド制もない、通算年金は遺族に対しての給付もない、そういう制度を置いておいて、選択制ももうすでに四十五年ですか、四十四年ですかに、これはもう男子を廃止しちゃう。女子も四十六年にしまいだ、こういう考え方は法の運用上、法の精神にのっとった運用でないと言っているのですから、何とかこの点について、選択制については、しばらく年金制度のスライド制なり、通算年金制度の遺族に対する給付、そういうものを考えて具体的になるまである程度選択制というものは認める論拠があると私は思うのですが、その考慮する余地がないかどうか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃることもよくわかるんですが、一応現在のところ、先ほども申しましたように、年金制度のあり方としてこの問題を検討いたしますときには、関係の年金の問題もございましょうし、あるいは社会保障制度審議会での御審議もございましょうし、なかなか困難な問題があるのではないだろうかと、すでに経過的な措置として一応お考えいただいたわけでございますけれども、いま申しました関連からきわめて困難な問題があるということでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それはあなたの立場で困難でしょうが、これは政府全体の問題になるのです、しかし、選択の問題は、別に何も厚生年金の関係も考えぬでもいいのですからね。国家公務員との関係ですから、ごく内輪で話はできると思いますね。すでに男子の場合は二回ほど延長しているのでしょう。だから、いままでやった例があるのだから、二回やったやつを三回目どうしてもいかないという法理論はないですわね。だから、私はある程度これは考える余地があると思いますが、局長どうですか、大臣に尋ねるのはちょっと事情知らぬから。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) この問題は、山本委員御承知だと思いますが、国会修正で延期の措置がとれたというふうに私ども聞いております。政府部内といたしましては、確かに国家公務員との関係でございますけれども、なかなかやはり年金を主管をしております省の意見もございますし、国家公務員の制度の問題もございますので、率直に申しますと、政府といたしましてと申しますか、自治省といたしましてこの問題に前向きに取り組むというような御答弁をいま申し上げることはできなかろう、こういう私の感じでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 自治省として言えないという立場は、ぼくは理解した上でやっているのですよ。内閣委員会でもやりましたがね。内閣委員会でも、他の年金制度の関係もあるとか、いろいろ説明するのだが、自治省も政府の一部でしょう。あなたが私が言った論理が無理であるのだと、いかないというなら私は引っ込みますよ。それは国会——立法府というものはそういうものでしょう。間違ったことをただすというのが立法府でしょう。法律ができるときにはいろいろな論議をして通したんだが、やっぱり情勢の変化でいろいろな問題が出てくるんですね。そういうものを見て変えるというのがわれわれ立法府の考え方なんです。日本の議会は政府の閣議できまった法律案を優先しますけれども、立法府というところは間違いをただすというところですね。それで私言っておるんです。それが、日本の慣例では政府の法律案というものは優先して実は取り上げられておる。その問題がいつもわれわれとしては不満なんですね。これは野党の社会党が言うからじゃなくして、年金の実態から考えてどう思うんですか。私の言うことが無理であるのかどうか。無理であれば引っ込めますよ。何とかやはりこの組合員なり被保険者が、相互扶助の精神にのっとって、やめてからうまくいくような形にどうしたらなるかということを聞いているんです。聞きますけれども、これをやると財源的にどうなるんですか。財源率はどれだけ変わるんですか。財源率はどない変わります。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) ただいまの通算年金の原資控除の選択を延長いたしましても、財源率には影響ございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 だから年金経済と言いますかね、そういうものに全然関係はないんですよ。それなら組合員の選択ということを許したらどうなんですか。政府は痛くもかゆくもない。むしろ通算年金が有利になってくれば、本人がむしろ損をするということになるんだ、事実はね。それでもあえて選択制を主張しようとする組合員の実情というのは、先ほど私が言ったとおりなんですよ。それなのに何で政府はこれによう踏み切らぬか。本人がそうしてくれと言うんですね。そこにどういう理由があるんですか、どういう理由が。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますこと、私もわかります。ただ先ほども言っておりますように、制度を充実していきたい、通産年金の制度を充実していこう、国民皆年金といいますか、そういう観点からこの問題を取り上げますときには、きわめて支障があるわけでありまして、そしてこの制度をたとえば社会保障制度審議会に諮問いたしましても、なかなかやっぱり年金制度自体の問題としての問題として取り上げられまして、非常に困難であるということでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それはあなたら言うてることは私はもう納得はできないし、こういう論議をしてもあなたは理解できないと思うんですがね。やはりこの年金制度ができるときには大蔵省はずいぶん反対したんです。国家公務員、地方公務員の年金共済法に反対したんです。ようやく昭和三十一年か二年ですかに、大蔵省も実は条件をつけて国家公務員の共済法も認めた。どういう条件かというと、積み立て金のすべては財政投融資の資金にしよう、こういう諮問がついたんです。国家公務員の場合ですよ。というのは、実は御存じのようにこの国家公務員の積み立て金は相当膨大になるんでしょう。まず、データありませんけれども、おそらく何千億というのがありますね。地方公務員でもおそらく何千億とありますね。そういう条件をつけている。それはそうですよ、積み立てしてもそんなものは四十年後しか実は出さなくてもいいんですね。ほとんど積み立て金残るんですね。それを目当てに、大蔵省は正面から国会で言いませんよ。それは佐藤さんが大蔵大臣のときでしたとたぶん思いますけれどもね。そういう関係で、大蔵省も一応認めたんですね。したがっていまの問題も、実は一時金を出すということは何も損得はないけれども、資金が流れちゃう、若干ですよ、ほんのわずかですね。そこで、実はそういう資金というものはできるだけ置いておきたいという一つのあなたら国会に言えぬ問題がある。年金の問題としてはですよ。したがって、そういう問題が一つあることは事実です。そういう問題を私はなくすれば、選択制はやってもらったほうがいいと思うんですよ。年金経済からすればそのほうがいいんですから。あとの負担を持たんでいいんですから。それで済んじまうんですから。そういう経緯があるんです。そこで私は財源率にどういう影響があるか。影響ありませんよ。むしろ財源率は選択制にしてもらったほうがいいと思うんですよ。あとの負担がないんだから。だからそういう点をどう考えているかということね、課長、答えてもいいですよ。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) ただいまの通算年金の原資を組合のほうに残しましても、いまの財源率計算上は通算退職金と年金の運用を別にしておりますので、そうした点は影響ございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ぼくはその問題出したくないから。しからば、当初あれが選択制を認め、財源率を計算しておりませんです、最初は。特にそういう希望があるので、いわゆる法律上だけ選択制を一応認めたんです。財源率は選択制を一つも認めてないんです。計算は。認めてないですよ。それで、あれ、計算して千分の四十四ですか、最初出したんですね、計算。選択制を途中でやめたのは、一時金を出すという規定、そういうものを考えずに財源率を計算してるんです。だから全然影響ない、そういうことは言えない。その要素はどこに入っていますか。追及しません、それは。きょうやらぬという約束ですからね。それは影響あるんです。だからやめた場合のいわゆる何といいますか、減額退職年金の要素は入れてありましたわね、一時金の途中でやめた者、一時金の選択をするという要素は入ってないんです。それで全然関係ないというと、あの計算はごまかしの計算になりますね、どちらかというと。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 専門のアクチュアリーが来ておりませんでして、その財源率のいまの選択による影響度といいますか、これについては経過的な措置として認めている部分、これは入れておりませんので、その点で、選択が入った場合のわずかの差がどの程度か、これはちょっと私どもわからないわけでございますので、お許し願いたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこまで入ってくるとまたむずかしくなりますからね、やりませんが、しかし、あなたが全然影響ないというと、影響ないなら初めどういうぐあいで計算するか、それをまあ聞かなくちゃいかぬでしょう。プラスかマイナスかは別です。計算の結果を見ぬとわからぬ。あれが影響しないというわけじゃない。十九年に一時金を出すという、その計算しか出ていませんよ。五年や十年でやめた者は、それに対しての計算しか出ておりませんよ。だからその点は追及すると長くなるからやめますけれども、やっぱり影響することは影響する。プラスになるかマイナスになるかは別ですよ、計算せぬとわかりませんよ、そういうこと。したがって私は、選択制についてはある程度いまの言ったことから考慮する必要があると思う。したがって、これは一つの法律事項になっているのかな、これは。法律事項であれば、この国会に間に合わぬですね。一応それは検討してもらわないといけませんね。その点、お聞きしたい。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先ほどからもお答えしておりますように、きわめてむずかしい問題がございますけれども、検討はさしていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 いよいよ具体的な問題に入りますがね、それは検討してください。これはぜひひとつやってもらって、その結果を次に報告してもらいたい。これは国家公務員の関係もありますから、地方公務員だけでいかないと思う。結果は結果。一ぺん相談をして検討したあと、こういう理由があるからいかない——これは組合員のことを考えてですよ。こういうことがあるから、まず通算退職年金はこういうことで実現の方向に向かっておる。通算退職年金はこういう方向でやっておるのだ、それからスライド制もこういう方向でいくのだということをあわせて、私が納得するように、今度説明してください。  次に、これは共済組合に直接関係がないのですが、これは所得税法の改正による問題で、互助会に対する所得税法、実はこの掛け金について、社会保険料として控除しておったんですね、四十年まで所得税法で。これがその後排除されて、いま問題になっておるのですが、この問題について、自治省の考え方、これは大蔵省の考え方が重点ですが、自治省としてはこれをどう考えておられるか。互助会の問題。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますように、社会保険料の控除の期間が切れますので、われわれといたしましては、大蔵省のほうが、互助会が医療だけを専門にやる互助会といいますか、いろいろなものをやる互助会でございますけれども、専門の互助会、医療だけを専門にやる互助会であるとするならば、保険控除もやむを得ないというような話も聞いております関係がございまして、それなら、いっそのこと地方で互助会を二つに分けるよりも、ひとつ短期給付の中にこれを入れて、そしてその中で考えていくことはできないであろうか。そこで付加給付を今回、先ほどもお答えいたしましたけれども、法定給付の百分の十五まで百分の五上げましたのは、そういうものを踏まえながら考えてみたらどうであろうか。そうして、なおかつ、その付加給付を充実するという方法を考えてみれば、先生のいま御質問の問題にもお答えできるのではないだろうか、こう考えまして、実は四十五年から踏み切った次第でございます。もちろん従来のような方法で、何といいますか、一定の期間また延期するということになりますれば、これはそれに越したことはございませんけれども、大蔵省のほうがそういう強い態度でございますので、われわれといたしましては、ただ強い強いの大蔵省と相争っておってもいろいろな問題があろう、こう考えましたので、前進の方向を見出したい。しかも、四十六年から大蔵省はそういうかっこうで、新しい方向の互助会ならばというような条件を実は内々に聞きましたので、いま言いましたような方法で百分の十五付加給付を上げていく。これをさらに二十とかさらに上げていく、こういう態度をとったわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは了解できるのですがね。短期給付の付加給付の問題だけじゃなくて、互助会ではいろいろ職員の厚生福利の事業をやっておりますからね。そういうものについて、私は所得税をやっぱり控除するのがたてまえじゃないか。やはり社会保障的な事業ですからね。これは大蔵省も相当やっているんですよ。だから、基本的にはあなたのほうじゃないのですが、自治省としてもそういう考え方に立ってもらわなければ、大蔵省の考え方、直りませんからね。ただ、大蔵省の言い分を私が言いますと、こう言うのですよ。それなら公務員以外の一般民間の会社でも福利厚生の事業をやっておるじゃないか、それには実は所得税法の優遇措置はしておりません、その均衡上もあるからというのが大蔵官僚の言い分ですがね。それは、あなた実態を知っているかと私は思うが、これは大蔵省の言ったことばですよ。あなたに言っているのじゃない。あなたは実際大会社の福利厚生の実態を知っているかどうか。そんな免税どころじゃなくて、ほとんど会社の自己財源でやっておるのだ。職員からそんなけちな掛け金を取ってやっておらぬという実態を知っておるかと。そういうことを、それは均衡論を考えたら、所得税法理論から言えばそういうことは言えるかもわからぬが、あまりにも実態を知らぬということで私は追及しておるのですが、その点はひとつある程度自治省もがんばってもらいたいと思います。でないとこれは非常に、国家公務員もそうだと思いますが、地方職員は、非常にこの互助会という福利厚生施設は、法的根拠はないけれども実態的には非常に大きな活動をしておりますから、わずかな税金ですから、やはりそういう点はむしろ免税控除して、奨励してもいいのじゃないかという気持ちもある。おっしゃったように、医療関係のものは、これは一本に統合してもらいたい。付加給付、これはもう私賛成です。それができないものですからこういうふうになったのですが、それ以外のやつを私は言っておりますので、それは理解をしてもらいたい。これはひとつ大蔵省の関係ですが、自治省も十分その点の根拠を把握して研究していただきたい。  次に健保の抜本改正に伴う短期給付の問題ですね。厚生省はきょう局長は来られないからというから、課長では無理だと思いまして、来るのをいいと言いましたけれども、いま実は抜本改正でこの医療給付の統合論が出ていますね。これは私は社労におったときからいろいろ問題にしておったわけでございますが、この経過は、厚生事務次官にちょっと私聞きましたから概略わかっておるのですが、自治省として、地方公務員の短期給付、医療給付を引き受けている自治省としてどういろ考え方を持っておるか。これは言える範囲でひとつ言ってもらいたい。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) これは自治省の関係としましては、地方公務員の共済組合の短期給付がございます。また国民健康保険につきましては市町村の財政の影響等もあるわけでございます。ただ、ただいままでの社会保障制度審議会、社会保険審議会に出されました厚生省の説明資料によりますと、具体的な数字は私どもまだ聞いてないわけでございます。ある程度の構想というものにつきましては、組織等について承知しておるわけでございますが、その組織の改変に伴いますところの財政上の影響、そうしたものは聞いておりませんので、そうした点で、もう少し詳しく事情を聞いた上で自治省のほうの対応策というものを検討したいと、こういうふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは自治省としてお考えになっていただけませんか。すでに社会保険審議会に厚生省、これはもう厚生省といえば政府ですからね。政府が実は諮問をしておるのです。諮問の内容御存じですか。これはもう医療保険全般についての諮問をしていますね。幸いに社会保険審議会ではまだこれは手をつけておりません。医療制度全般についていま論議をしておりますから、その結論なかなか出ないと思いますが、そういうときに地方公務員の短期給付、医療給付を担当しておる自治省としては、向こうの数字を見てからどうこう言うのじゃだめですよ。やはり自分らの考え方というものは一応省議でまとめておかぬといけませんから、それで聞いておるのです。自治省としてはそういうことを論議なり省議しておるのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) お答えします。  事務的には福利課のほうでいたしておりますけれども、おっしゃいましたように自治省全体としてこの問題大きな問題でございますので、どういう態度で処すべきか、さらに検討を要するものがあろうと思っておりますが、まことに残念でございますが、まだそこまでいっておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 残念って、あなたの問題じゃないのだから。局長、どうなんですか。これは相当大きい問題ですよ。地方公務員といったっていまどのくらいおられるのですか。私は十分把握しておりませんが、二百万近くおられるのじゃないですか。教員の方々も入れて二百万ぐらいおられるのじゃないですか。しかもその家族を合わせますと、少なくとも四百万ぐらいの対象ですからね。それをまだ事務レベルでどれだけやっておるか知りませんが、これをただ受け身に回っているということですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 確かにおっしゃるように非常に大きな問題である、そういう認識は私ども持っております。ただ具体的な案については、まだ私ども示されているといいますか、案をきめておりませんものですから、したがって具体的にそれに対してどう対処するかというこまかい検討をいたしているわけではございませんけれども、おっしゃるようにこれが非常に大きな問題である、こういう認識だけは持っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 案を示しておるとか、そういう問題ではないんですよ。もうすでに審議会には出されておる、政府の諮問案として。それでも知らないのだということではないと思うんですけれどもね。もしそんなものを示されなければ、同じところなんだから、政府部内なんだから、自治省も関係あるんだから、どういうものか検討するのがほんとうじゃないですか、出されておるものを。厚生省側から私は諮問案をもらっているのです。いま厚生省が来ますけれども。知りませんか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 厚生省のほうから出されました諮問書、それからそれに付属するところの説明資料につきましては、入手してございます。ただ、さらにそれの具体的な影響がどうなるかということによる計数的な裏づけの資料でございますが、これが入手してございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 厚生省ね、いま実は健保の抜本改正で自治省の所見を聞いておるのですが、あなたのほうから、あれは社会保険審議会に出されましたね、諮問案を。その経過はどうなっていますか。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) 先生御承知のように、健康保険の赤字問題に関連いたしまして、健保特例法の経緯が御承知のようなことで続いたわけでございます。昨年の八月に健保特例法があのような形で議員修正が加えられまして、いわば恒久立法化されたという経緯があるわけでございますが、その際政府としては、従前から再三言明しておりますように、各種医療保険の給付のアンバランス、あるいは財政力のアンバランス、また保険料負担のアンバランスを是正するという方向で医療保険の全般的な再編成問題に、いわゆる抜本改正について、昨年の八月から起算いたしまして二年間以内にこれを実現するということを国会におきましてお約束申し上げたわけでございます。で、そのような趣旨に基づきまして、昨年八月健保特例法の議員修正成立がございました直後、厚生省としての諮問手続を関係審議会に対してとったわけでございます。その後、ずっと社会保険審議会及び社会保障制度審議会におきましてこの政府諮問につきましての御審議をわずらわしている経緯でございますけれども、現在までのところ審議会における審議は、医療保険の抜本的再編成問題の前提ともなりますところの医療の供給体制の問題にもっぱら御議論が集中いたしておりまして、保険制度プロパーの再編成問題にはいまのところまだ審議が足を入れていないという経緯になっておるわけでございます。しかしながら厚生省といたしましては、ただいま申し上げましたような経緯でもございますので、二年以内にこの抜本改正に着手するという観点から、四十六年度予算編成に間に合うように何らかの形で御答申をいただきまして、これが実現をはかり、したがって、今年末に始まりますところの次期通常国会に所要の法制上の処置をお願いするということで努力をいたしておるような次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたの諮問案の医療保険に対する柱、それだけちょっとお聞きしたい。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) 先礼しました。この諮問案につきましては、実は諮問そのものについては具体的な構想は諮問の成文には入っておりません。しかしながら、抜本改正についていわば関係審議会の意見を問うという形になっておるわけでございますが、これはたいへん白地に諮問というふうな形にもなりますので、ここで厚生省といたしましての具体的な試案というものは一応添付して、これをたたき台にして御議論願うという形になっておるわけでございます。この厚生省側の試案におきましては、長期的な事項とさしあたり着手すべき事項の二点に分類をいたしておりまして、長期的な事項のほうには、たとえば被用者保険の家族を地域保険でございますところの国民健康保険のほうに移管するとか、あるいは先ほど御議論の出ましたところの退職者医療の問題、このようなことが含まれておりますが、第一着手としての、さしあたり着手すべき事項といたしましては、各種保険制度の財政的なアンバランスを是正するという観点から、各種保険制度間の財政調整あるいは老人保険制度の創設、こういうふうな案を具体的にお示しして御議論をお願いしておるわけであります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 いま厚生省が言われましたように、長期的な展望というものは、これは抜本改正として国会で論議が展開されると思いますが、さしあたり、いわゆる各種医療保険の財政調整、これが当面問題になってくるのです。これはいま言われたように、昭和四十六年、来年の通常国会に何とかしたいとこういう趣旨なんですね。これがまず大きい影響をするわけでしょう、地方公務員の場合は。また、地方公務員だけではない。他の医療保険にも影響するのですが、この問題について、やはり意見調整を政府部内にされるかどうか。社会保険審議会ではなかなか結論が出にくいという話ですが、当面の問題として、これは自治大臣に聞いていただきたいのですが、とにかく国民健康保険は赤字が若干減ってきたようですが、先ほど言いましたように、政府管掌が非常に赤字が多い。したがって、これは政府はずるい考え方で、財政の比較的豊かなとは言わぬが、いいところの組合管掌の健保、公務員の共済関係その他財政力のあるところの資金をプールしちゃって、言いかえれば、悪いところにいいところから流していこうという、こういう私は魂胆だと見ているのです。そうでなければ財政調整ということは必要ないのです。そういうことになると、結局、地方公務員共済組合の財政が豊かではないと思うのですが、そういうところから取られていくというような段階になると、結果がそうなると思うのですね。そういう点については自治省はどうお考えですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 国民皆保険ということでございますから、あまり自己のみを主張することはどうかという気もいたしますけれども、極端に高いところの山で低いところを埋めるということであればわかりますけれども、もし、いまもお話のように、高いところを削って低いところに埋めていく、こういうようなことでございますれば、やはりその辺は政府がいろいろ財政措置をすることによって解決をしてもらうべきではないか、こういうような感じを私は持っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 極端に高いというところ、いいというところはいまないですよ。厚生省、そういう考えありますか。極端に財政調整をしてもいいという、あり余るということはないのですが、そういうところの格差というものをどう認識をされておりますか。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) これはたいへんむずかしいことでございまして、その意味におきまして、各省所管の各種社会保障制度全般を御審議願いますことも、社会保障制度審議会に全般の御検討をお願いいたしておるわけでございますが、厚生省としての考えといたしましては、現行医療保険制度はその各種の保険者に——御承知のように、多数の保険者に分離分割されているわけであります。したがいまして、ある保険制度の集団に着目いたしますと、そこの集団の、たとえば健康水準が低い、これは零細企業あるいは国保等においていわばこうした医療需要の場合において需要が高いという集団があり、逆にその集団の賃金が低いというふうな場合には、当然のことながら保険料負担率が非常に高くなるわけでございます。これは共済組合につきましても——これはまあ他省の所管でございますから、私のほうからは発言を差し控えるべきところでございますが、現に保険料が相当負担率が高くなっておるところもあろうかと思うのでございます。一方、たとえば組合管掌の健康保険の例をとりますと、一方において非常に行き届いた健康管理が行なわれておって、また採用時に健康診断をいたしまして非常に健康良好な者をとるというのも一方でございまして、結果的に保険料負担率が非常に低いというところもございます。厚生省の出しました試案は、そのようないわゆる客観的に生ずる財政状態の格差というものにつきまして、二分の一を目安といたしまして財源プールをするという考え方でございまして、もちろんこれは単に保険者の財政のいわばプール制というだけではなくて、その調整分に対応して当然国庫負担を投入いたしまして国もこれを援助し、またその保険制度が多数に分かれておることに伴うところの財政力のアンバランスはまた保険者側においても埋める努力をする、こういう考え方に立っておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたの言われる抜本改正の暫定的といいますか、当面の問題の解決策としてそういうことを考えられる——まあ早くからそう言われておるんですね、プール制ということは。一応医療費の二分の一をプールにする。これはまたしかし技術的に相当問題が出てくると思います、実際問題。そういうことをやるということになると、ぼくはどういう逆効果が出るかと申しますと、地方公務員の場合は、私はまだ財政状態いいとは思っていない。悪いですよ。実際悪いけれども、しかし大きな健康保険組合なんかはいいところが相当あります。それは事実です。給料が高いですからね。保険料率は低くても財源の豊かなところがたくさんあるんですね。そういうところがどういう結果が出てくるかと申しますと、名前は言いませんが、大会社なんかは、調べますとほとんど保健施設は会社の費用でやってますね。会社経理上健康保険の会計に資金は回しておりますけれども、会社負担というものは相当大きくなっておる。そうすると、そうなるのなら、プールされるならもう会社は負担しないんだと、みんな一緒にやるのなら、というようなぼくは利己的な考え方が経営者の中に出てこないかという心配もするんです。法律というものはこれは万能薬でないんですね。つくったら必ずその裏が出てくる。したがって、その裏をどういうぐあいに防ぐかということが一番大きな問題になる。結局角をためて牛を殺すというような結果になることも考えなくちゃいけない。地方公務員の場合でもそれが出ておるでしょう。地方公務員の場合でも、大きい健康保険組合が主であれば、非常に理事者が財政的に相当めんどうを見て、保険施設なら施設は非常にりっぱなものをしておる。社会保障制度審議会の意見は私は正しいと思うんですよ。たとえどういう大会社におろうとも、中小企業におる労働者でも、国民全般が同様な医療保険の均てんを受けるべきだということは正しいと思う。しかし、現状はそうでないんですよ。したがって私は厚生省に言いたいのは、政府に言いたいのは、そういういままでの、これは私どものことばで独占と言いますが、大企業のそういう方々をどう規制するかという問題が一つある。厚生年金の問題でも、実は年金額を上げるということについては賛成だが、事業主が、これは日経連が中心ですが、非常な反対がある、掛け金が上がるということについて。だから自己の従業員に対してはやってもいいけれども、一般的に、極端にいえばほかの事業に使われておる者のためにやる必要はないという考え方は日本の資本家に多いですね。そういうものについて配慮されてこのプール制を実施されるのかどうか、それだけの可能性を厚生省持っておられるか。労働者側の、総評とかあるいは同盟とか中立とかいうそういう方々の反対より以上に、経営者側の反対に対して厚生省は乗り切るだけの自信があるのかどうか聞いておきたい。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) ただいまの御質問、私のような立場のものがお答えするのはちょっとむずかしい問題でございますが、ただ多少御説明をいたしておきたい点は、財政調整を考えております部分は、法定のその医療給付についての二分の一でございまして、先生の御懸念のようないわゆる保健施設費等いわば事業主の持ち出しも、先生御指摘のとおり相当その部分には多いと思いますけれども、そのようなものは調整の対象にいたしておらないわけでございます。したがいまして計算上は、医療給付に必要なものを区分計算をいたしまして、その二分の一について財政調整をするということでございますから、先生御懸念の点もよくわかるわけでございますけれども、そのような方法によりまして、いわばたとえば予防給付等の各種の保健施設に対して事業主側が拠出する支出が減るというおそれはないのではないかというふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それならば財政調整する効果というものは何もないじゃないですか。結局何でしょう、たとえば新日本製鉄ですか、大企業としてのおのおのの一年間の給付の二分の一だ、こういうのでしょう。そうでしょう。それで自分のほうをそれだけ二分の一やってもらうとなれば、結局財政調整しなくてもそのままいいんじゃないですか。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) 私の説明が不十分でたいへん申しわけございませんでした。こういうことでございます。各種保険者を通じまして法定給付医療費の総額を計算いたしまして、一方に各保険者を通じた報酬の総額を計算いたします。で、法定給付の総医療費の二分の一をそれぞれの報酬に対する定率に置きかえまして、それを財政調整という形で財源区分を行なうということでございまして、たとえば具体的な例で申し上げますと、保険者全体を通じての医療費の総需要額が、財源率に直して千分の七十であったと仮定いたしまして、その二分の一、千分の三十五につきましては各保険者共通にこれを負担すると、この三十五の分を全部プールいたしまして、総医療費の二分の一の支払いに充てる、あとの二分の一につきましては従前どおり自己の会計においてこれを行なう、こういう考え方でございます。それ以外に、先生御指摘のような各種予防給付等の保健施設がございまして、これはそれぞれの保険者の負担であり、先生御指摘のように各事業主がそれを負担し得ると、こういう形で考えておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、あなたそう言われても、結局こうなんでしょう。そうすると、保健施設で予防的にいろいろと施設をしているところは疾病が少ないという、常識的にわかりますね。そういうところは結局割高に資金を出すのだということに結果はなると思う。割高に。そうならなければ財政調整の意味がない。そうすると、全般のやっぱり保険経済に影響してくるということ、そういう保健施設のない——趣旨はわかりますよ、中小企業は保健施設がないのだから疾病率が高い。また、事業の形態が疾病が多いから、費用がかさばって赤字が出る、これをどういうように調整するかということで、財政調整が出てきたのですね。結局そうなると、私が冒頭に言ったように関連性が出てくる。そういうものが、私はいいですよ。やられていいんだが、そういうものが実際現実にやっていけるものか。そうなってくると、全般の健康保険の水準が下がってくるのじゃないか。下がってくる。これはまあ大体、この財政調整は医師会のほうが主張しているのでしょう、実態は。医師会はどうしてもやっぱり国民健康保険財政、悪いところを片方いいところへ回したらいいんじゃないかという考え方、主張ですよ。私も内部をよく知っているのですから、そういうものに政府は歯止めができるのかどうか、そういう点を私は言っておるだけであって、趣旨については私は反対とも何ともまだ言わないです。厚生省はそこまでやるならやり切れるものか、その点をお聞きしたい。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) 先生御指摘のように、もちろん各保険者におきましては保健施設活動を強化いたしまして、そのはね返りがいわば医療給付の必要を減少させるというメリットがあるために、保健施設に対しまして金を投入していることは御指摘のとおりでございます。しかし、一方、私が先ほど申し上げたように、歴然たる客観的な健康水準の差もグループ別にあるわけでございまして、財政調整をすることによりまして、いわば保険者ごとの健康管理の自主努力をすれば、それだけ減少するのではないかという御指摘であろうと思うのでございますけれども、これは一面において先生御指摘のように確かにあると思います。いわばこれはかね合いの問題というふうに考えておるわけでございまして、現状の医療保険が当面いたしておりますところのアンバランスに対しましては、一応厚生省といたしましては、現在審議会のほうにお示ししましたところの案を最善の案と考えておるわけでございます。これが乗り切れるかどうか、これは私ごとき者が答弁すべきものでないので、遠慮します。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃもう一、二で終わりましょう。これは小さい問題で、衆議院の附帯決議に出ておりますように、都市共済に対する、都市健保に対しての福祉事業、地方団体関係団体共済組合については認めるように法律改正されましたが、これはいいことだと思いますが、都市共済に対する福祉事業というものがこれはなぜ実現しなかったのか。これは私は実現したと思って聞いたら、これはオミットされたということですが、その理由はわからないのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) この問題につきましても努力をしてまいったのでございますが、健保のほうの福祉事業、それから年金のほうの福祉事業、共済組合のほうの福祉事業と、実は競合いたすわけであります。共済組合でやることになりますれば競合いたしますので、その問題の調整が実は厚生省と十分できずにもう少し検討しようではないかということで、実はこれは今回ぜひやりたいと思ったのでございますけれども、できなかった。特に健保のほうにおきましては、予防的な給付をしておるもので、それの、ことに分類分けがむずかしいというような経緯もございまして、今回これが実現をみなかったという経緯でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 競合するというようなことは、それ自体やむを得ないと思うのです。保健施設やっておるのに、それをまた共済組合の福祉事業としてやるというようなことはそれはしませんよ。あなたが心配せんでもやらないです。そんな不経済なことはやらぬ。ただ競合しない、保健施設でない、たとえば職員会館を建てるとか、あるいは娯楽施設をするということはやっておるでしょう、共済組合で。そういうものは保健施設はやれないんですか。広範囲にやっているところがありますが、それは厳格に言って間違っているんですか。何とも競合しないようにやるというのは組合自体判断するんですから、その点は私は認めていいと思います。いまの部長のお話では、そういう意見の調整ができなかったので、まあ次に考えていこうという御答弁ならば了解いたしますが、どうも衆議院のほうから聞いてみますと、否定的な態度であるということを聞いたもので、その点ちょっと取り上げたわけです。どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 私たちは実は積極的にやったんでございますけれども、先生のおっしゃったそういう具体的な施設につきましても、法律上はやっぱり福祉施設というかっこうになっておりまして、これ自体を分けることが、福祉施設自体をいまおっしゃったような会館とか保養所と分ける、そういう自体の問題が実はございましたのと、それから予防的な給付事業の問題がこの中に入ってくるということで、法律上の問題、これをどう分類するかあるいは調整するかということが非常に厚生省と困難であったということでございます。その事業をうたうその法律自体が、福祉施設ですか、その中で、福祉施設とは何ぞやということになりますと、厚生省の解釈は広い解釈をしておりますので、それとの関係が競合をしてくるということで、今回できなかったということでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 どうも理解できないです。厚生省はそうでないと言われるのですが、ちらっと考えて、厚生省反対することないと思うのです。自分のところの金を出すわけではないから、むしろそういう、かりに競合するようなりっぱなものを建てるということになれば、組合は得なんです、そういうものは。しかし事業主といいますか、組合自体は競合するようなことはしませんよ。だから、別に認めても選択は組合自体しますから、それをチェックするという理由はどこにあるかということ、法律上やれないのだということでなしに、資金を出すということは困るということなんですか。結局はそういうことなんですか。そうでないのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、短期非適用の組合のほうもいわゆる長期給付の資金がたまってまいりましたから、これを使うことの財政上の問題はございません。ぜひともこういう機会にりっぱなものをつくって、予防的なものをやってもらいたいという気はするわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように厚生省と話をしましたけれども、いま言いました法律上の福祉施設というものの概念規定の問題、さらにはその中に予防的な事業も本来厚生省の仕事としてやるべきであるというような問題等もございまして、どうしても間に合わなかった、話し合いがつかなかったという状況でございます。やることにつきましては、われわれはもちろんこちらのほうの資金を使ってそういう事業をやっていただきたい、こういう気持ちは持っておるのでございますけれども、いま申しましたような次第がございまして、間に合わなかった。できなかったということでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 厚生省……。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) ただいま公務員部長のほうからもお答えのございましたとおりでございますが、若干補足させていただきますと、私らのほうといたしましては、この地方公務員共済組合法の施行時におきまして、附則でいわゆる都市健保と称しているものが約三十万人健保組合の形で存続いたしておるわけでございます。この健保組合は、この健保法の二十三条によりまして保健施設が行なえるということになっているわけでございます。この保健施設は、先ほどから山本先生のお話に再三出てまいりますところの医療給付の増高をいわば予防的にチェックするための予防注射であるとか、健康診断であるとかいうもの、いわば医療保険制度の前提と申しますか、これを組合で運営しますために必須の条件ともいうべきものはそこに含まれているということでございます。私らのほうといたしましては、およそ健保組合で自主運営をしておるところの一つの大きい眼目が、かような自主的な予防的活動を、いわば民主的な経営のもとにおいてできるという点にあると評価いたしておるわけでございまして、健保組合から保健施設活動を除去するということについては、健保組合のあり方として今後承認できない点でございます。しかしながら、一方自治省側のいろいろの御見解もございまして、種々いろいろ調整努力いたしましたが、その結論として、両省間の意見が調整のつかないままに残念ながら終わった、こういうことでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その保健施設と、それから福祉事業とのかね合いの問題で論議があるということはぼくはわかるのですが、両省で張り合わずに、ある金は利用するということがたてまえですから、保健施設のほうの精神を全部取るという自治省の考え方ではないのですよ。そう誤解してもらっちゃ困るのですよ。そうでないですよ。健康保険法による保健施設というものは認めます、法があるのですから。しかし、資金はあるし、それに重複競合しないやつについては福祉事業をやりたいと、こういうのですから、それまで厚生省は反対することはないと思う。

中野徹雄厚生省保険局保険課長

○説明員(中野徹雄君) その点は先生のおっしゃるとおりでございまして、共済組合側において福祉事業をやることに対して厚生省は反対しているという事実は全くございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ちょっと、これは自治省も十分考えてやってください。ここでどうこうという、両省並べて私は議論さそうという、けんかさそうという気持ちはひとつもございません。何とかうまくやりたいということで厚生省来ていただいておりますから、うまくやってください。そう大きい問題じゃないですから。  それから最後にひとつ、これは具体的な問題を聞いておきますが、地方共済と市町村共済組合で麹町と向こうに大きい会館を建てましたね。あの経理はどうなっておるのですか、連合会のは。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 麹町会館につきましては、地方公務員共済の本部事務と宿泊施設ということで、宿泊経理を設けて経理しております。  番町共済会館につきましては、市町村共済の連合会のやはり福祉施設といたしまして、これも宿泊経理を設けて経理しております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その運営はどういうことになっておりますか。いわゆる連合会で運営しているのですか。現実にはどういう収支状態。しかも、向こうに建てた趣旨ですね。そういう点については自治省としてはどう把握しているのですか。これは連合会の問題と言えばそれまでですが、自治省としてはノータッチでただ見ているだけですか。その点どうですか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) これは設立いたしました趣旨は、地方公務員共済も市町村共済の連合会も、やはり地方の公務員が上京してきた場合に利用する宿泊施設というのが一応中心でございます。さらに、その事務職員等の執務する事務室に使いたいということで設立しておるわけでございます。自治省のほうといたしましては、そうした共済組合の希望がございましたので、それについて不動産取得の承認をいたしたわけでございます。  経理につきましては、当初相当額の赤字がございましたが、現時点におきます昭和四十四年度の決算見込みで両者とも約二千万円から三千万円程度の単年度赤ということになっております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 赤字ですか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) それだけ単年度の赤字になっております。これにつきましては、地方共済におきましては、これを福祉財源でその赤字を補てんしております。それから市町村共済の連合会のほうにおきましては、制度的には各単位組合から毎年度一定額の福祉財源を徴収して、それによって補てんするということになっておるわけでございますが、もう少したてば何とか収支のめどがつくんではないかということで、現在のところ各単年度の赤字というものが累積されたままの状態になっております。これにつきましては、近くもう各組合から福祉財源を徴収して補てんせざるを得ないんじゃないか、このように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、資金は連合会の集めた金で建てたのですね、市町村の場合は。地方職員の場合は、地方職員からみんな出資したのですか、各地方の本部の費用ですね、本部の費用。そこで聞きますが、その場合に、あれは長期資金を利用しているのですね、長期資金でしょう。長期資金で利用しているのですが、その管理運営は、あれは金に変わって管理運営しているのですね。あれは長期資金のうちの地方公務員共済組合の総額で八千億ですか、いま資金あるようですね。四十三年度末で八千何億ですか、その中で考えておるのですがね、建てたときに幾らの金を使っているのですか。建てたときの土地、建物は一体幾ら使っているのですか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) いま資料が手元になくてはっきり覚えておりませんが、たしか麹町会館が、土地が約五億円前後、それから建物が約十億円程度かと思います。番町共済会館のほうは、土地が四億程度かと思いますが、建物のほうが約五億くらいだと記憶しております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこで資金運用の問題ですがね。大体それを五分五厘という利子で徴収しているらしいですね。その場合にどういう判断でおられるのですか。たとえば麹町会館の場合は土地を入れて十四、五億ですか、ぐらいになりますね。土地の五億円、建物十億、十五億ですが、その価値はずっと上がっていきますね。土地代上がりますね。そうすると利子の五分五厘以上の、まあ要するに価値の増加率がありますね。そういう財産運用、資金運用上の判断はどうしていますか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) この資金を長期経理の資金から宿泊経理に借り入れまして、それで建設しておるわけでございまして、その資金の借り入れ利息といたしまして年五分五厘、これは省令の規定に基づく利率でございますが、これを長期経理のほうに支払っております。いま御指摘の土地の値上がり益の問題がございますけれども、こうしたものにつきまして現在宿泊経理で直接土地を取得し、まあそれに建物を建てておるのが通例でございますが、そうした土地の値上がりによる評価益というものは現在計上させないでそのまま当初の簿価のままになっております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは単に麹町、それから何といいますか、番町会館の問題じゃなしに、全国たくさんありますからね。これは十分考えなければいかぬことは、あれは積み立て資金ですから、いわば全部これはやめた人に支払う資金があの建物に変わっているのですね。この運用というものは相当考えなくちゃいけないので、したがって、もしその土地の上がる問題とか、建物が実は減価償却どうしているかどうかということを見ておられると思いますが、私が聞いたところによると、非常に宿泊料は上がってきておる。一般、この短期給付の共済組合の福利施設としては少し高過ぎるのじゃないかということも聞いているのですが、そういう点から考えて経営上十分注意してやっているかどうか、私はきょうこれはこの程度でおきますけれども、国会の管轄でないから。あれは結局積み立て資金が姿を変えたのですからね。したがって、運用するということは非常にけっこうなんです。大いにやっていただきたい。この点について十分の形をとっているかどうか。しかもその監査状態はどうなるのか、自治省がそれを監査しているのか、連合会自体がやっているのか、この状態をちょっと聞いておきたいと思います。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) まず、経営上の問題でございますが、料金につきましてだいぶ上がってきておるのは事実でございます。で、この点につきましては、でき得る限り収支のバランスをとるように効率的な使用をするようにということの一般的な行政指導をしておりますが、この決定は個々の組合が決定することになっております。それで、ただ最近のこうした施設を建て、運用しておる状況を見ますと、建築費、人件費というものについては、一般の民間のホテルと全くもう変わってなくて、ただ単に借り入れの利子が五分五厘で安い、ただ租税負担がないという点程度であろうと思います。そうした点からいたしまして、やはり使用料金をできるだけ下げておきたいという希望は各組合とも持っておりますが、なかなか採算上、人件費等あるいは原材料費等の高騰に伴って、上げざるを得ないという実態でございます。  それからこの不動産の運用でございますが、一つの案といたしましては、長期経理におきましてこうした不動産を取得して、年五分五厘の利息と減価償却費に相当するものを使用料として宿泊経理から取るというのも一つの案で、当初出たこともございますけれども、各組合の希望がございまして、やはりこうしたものは宿泊経理で取得する。将来そうした建物は建てかえしなきゃならぬような場合、そこで再評価してある程度処分損を補てんする、あるいは建てかえるときには相当建設費あるいは土地等は高くなりますので、そうした土地を買いかえる場合等におきましても、その処分益を利用したい、こういう共済の組合の希望がございまして、現在それを宿泊経理にやっておるわけでございまして、そうした点から、この不動産の値上がり益というものが直接年金経理のほうにはね返るような形にはなっておらないわけでございます。  それからこれらの監査でございますが、この点については、市町村共済連合会、それから地方共済の本部等も、私どものほうで直接監督しておりますので、これは監査いたしておりますが、別に内部監査といたしまして、学識経験者それから地方公共団体代表、組合員代表による三者による監事の監査をいたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 最後に、大臣にちょっと聞いておきたいんですが、大臣でなくても局長でもいいんですが、大臣特に考えていただきたいのは、きょう何項かの問題で自治省当局とまあいろいろ約束といいますか、やりました。特に、一つ問題になっておるスライド制については、前向きに検討していこう。それから退職後の医療給付については、いわゆる短期給付については、これは他の健康保険の関係があるけれども、これも前向きにひとつ検討していこう。それから短期給付の掛け金率の上限については、これは今度来年から一応やりたい。その限界は千分の九十二か三かでありましたね。その程度でやろう。それから遺族の範囲の拡大、これはこの国会に間に合わなかったけれども、次の国会には間に合わせる。一時金の選択については、理論上相当問題がある。しかし、これは私のほうの主張でありますけれども、いろいろ理論上検討した結果をお知らせします。互助会の所得税法上の処遇の問題については、今後とも自治省としては趣旨はわかるので、大蔵省当局と相当いろいろと問題があれば、私のほうの考え方を主張していく。健保の抜本改正については、これについては今後厚生省当局とも連絡をして考える。都市共済の社会福祉事業については、厚生省帰りましたけれども、両者で話をして、これも近い機会にこれを改正をしたい。こういうことで約束をされたと思うんですが、それでいいですか。私の言いっぱなしではいかぬと思うんですが、部長いいですか、私の。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃいました方向でいいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこで、ぼくは冒頭に言いましたように、共済組合幾らでもあるんですが、きょうは最終日でありますし、まだ法律案あと二つ残っておりますので、言い足らないことは次に譲りますが、またしかし、こういう機会は私もそうないと思うんです。これは七年ぶりですよ。これは。共済組合法の問題でこれだけやるのは。この前は一つことを続けてやりましたけれども、きょうは二時間くらいできりきり足らないんですけれども、これはよほど大臣考えていただきたいのは、最初から私反対したのは、自治省は人材はそろえておられます。私、それは認識しますが、厚生省と違うところは、私は厚生省、しょっちゅう連絡ありますからね、年金の問題、健保の問題、あるんですが、厚生省の運営の当たりが、感触が、自治省と違うんですね。自治省は何か内務省の流れをくんでいるかどうか知りませんが、行政府ということを露骨に出すような傾向があるんですね。厚生省はそうでなくして、社会福祉であるというので、組合が主体だということで、よく意見を聞いて、何といいますか、相談的な態度が見受けられる。私にでないですよ。一般の人の問題を取り上げる場合にも、ぼくは意識的に自治省の皆さんがそうやっているとは思わないんですが、関係する業務がいわゆる自治省として行政法的な問題が多いんですね、地方自治法にしても地方財政法にしても。この共済組合というものはそういう法律形態じゃないんですよ。地方公務員という一つの国民と申しますか、そういう方々の福利を扱う行政ですからね、全然その地方自治法の問題を展開するのと違うんですね。それがごっちやになっちゃって、どうも福利の問題も、自治省としては行政的問題の考え方で支配しようという考え方がある。これはぜひひとつ、本人は意識されているかどうか知りませんよ、そういう点はひとつ十分考えてもらいたいと思うんです。そうでないと、この問題を今後運営する場合に、やっぱりどっかにあつれきが生じてくる。それはひいては結局自治省も困るだろうし、組合も困るということですからね。特にこの点は、私はどの人が悪いとは決して言いません。私はりっぱな人ばかりと思っていますよ。しかしそういう点を十分、少なくとも共済組合法というものを扱うときにはその点を留意してやっていただきたいと思うんです。これは大臣が所見を述べられてもけっこうですが、私の希望を申し上げておきます。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 地方公務員法、この一連の法体系のことに関する運営につきましては、ただいま山本先生から好意的な御忠言がありましたが、その趣旨を体して善処をしてまいりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと関連でお聞きをしますが、地方公務員等共済組合法の附則十一条二項、それに基づいて旧町村職員恩給組合の財産を承継した一部事務組合ですね、これ、いま幾つ残っていますか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 全国でたしか四十一残っていたかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは直ちに解散をして、その資産は当然市町村職員共済組合に引き継ぐべきであると、こう思うんですがね。これは局長なり大臣なりのお考えを聞きたいんです。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 実は私もその点についてはあまり深い知識がございませんので、ただいま事情を簡単に聞いたわけでございますが、事務的には引き継ぐべきものであるという認識を持っているようです。ただ、いろいろ経緯があるようでございます。いままではまだその手続が終わっていない。しかし事務的には引き継ぐべきものということで自治省の事務当局としては考えているというふうに聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 引き継がれる。そこで、引き継がれることは引き継がれるでしょうが、いま残している理由は何ですか。これは事務局で。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) この一部事務組合でございますが、当時四十六府県に恩給組合が組織されておりまして、この恩給組合が持っておる資産をどうするかということにつきまして、全国町村会とこれはいろいろと協議をしたわけでございますが、町村会といたしましては、当時こうしたその積み立て金につきましては、町村の財政資金に相当活用しておりますし、また町村がこれを拠出して積み立てた金であるということからいたしまして、別個の一部事務組合を設けてそこに引き継ぎ、そして運用したい、こういう希望がございまして、資金の性質等もございまして、現行制度のように市町村職員の追加費用を払う、それから旧恩給組合条例の規定に基づく給付の費用を払うという目的のために一部事務組合をつくったわけでございます。ただ、資金につきましては、この施行時におきまして五県がこれを解散いたしまして市町村共済に資金を引き継いだわけでございますが、他の府県につきましては、これが各町村の総意によりまして、一部事務組合をつくってそちらに移したという経緯がございます。現在の状況は、東京都の管理組合が本年の秋、これは資金がなくなりまして解散いたします。それから、近いうちに三カ所の組合が解散するようになりますが、その他のものにつきましては、なお十数億資産を持っておるところもございますので、そうしたところにおきましてはしばらく存続さしたいという希望のようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま管理している資産幾らですか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 最高に持っておるところは十五億程度だろうと思いますが、総額ではもうだいぶ減ってきておりますが、具体的な金額はちょっといま資料を持っておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その総額わかりますね。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 役所のほうにはございますが、現在ここに持っておりませんので、後ほどお知らせいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは教えてください。実は最近国公共済の理事長がおやめになったとか、あるいは九段坂病院に何か入院されたとか、いろいろ問題になっているのですが、私、決算委員会で休会中に取り上げるつもりですが、実はいまの一部事務組合の資産運用についても、四十三年度決算の関係でこまかく点検をいたします。この国会に間に合いませんでしたから休会中にやりますが、そのためにこの資料を要求しておきます。そこでその資産運用の状況ができるだけこまかく知りたいわけです。それを最も詳細に知れる資料を提出をしていただきたいと思いますが、可能でしょうか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) これは地方自治法上の一部事務組合でございまして、直接私どものほうで監督してございませんが、この全国町村会の中に資産管理組合の協議会がございますので、その協議会を通じまして資料を出してもらうようにお願いしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それはお手数ですが、やっていただけますね。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) できるだけ努力したいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後に、共済組合法の施行令の十六条の四項、この自治大臣の承認事項ですね、この自治大臣の承認事項にあたって、もっとやはり何というか、適正な運用とでもいいますか、先ほど山本委員のほうから大臣に対して最後に意見があったのですが、それと全く関連をするのでありますが、一つは、どういうふうに表現をしましょうか、自治省から行かれているところの人事の関係が一つあると思うのですけれども、それらとのかね合いで相手によって規制の度合いが異なる、意識されているかされてないかは知りませんが、そういう不満がかなり下部にあるわけです。したがって、私は地共済全体をながめて、主要なポストがこの具体的に占められている関係から起こっておる幾つかの問題について、もっと善処をしてもらわなければならないと思っているのですが、たとえば、公企体の労使運営的なやり方、あるいは内部からの職員の昇任、登用、こういうふうな問題についても十分考慮をしていただく必要があると思うのですが、大臣の所見を承っておきたいと思います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 先ほど山本委員にもお答え申し上げましたとおり、これらの運用につきまして十分注意をして御趣旨の点を心がけてまいりたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 いろいろとこまかい質問があったわけでありますけれども、多少重複するかもしれませんが、詳細にお答え願いたい。  まず、今回の提案理由の中に、今回その率を改め、八八・九六四%とすることにしたとあるようですが、具体的にどういうふうなことか。あるいはまた恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講じたと言われるが、恩給は一体どのように改正されたのか。その点御説明願いたい。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 恩給におきまして、恩給のほうは二万四千円ベースで、今回の改定の結果三万七千七百九十三円という数字が出てまいります。そこで地方共済のほうは二万円のベースでございますので、三万七千七百九十三円を割りかえしてみますと、いま申しました率が八八・九六四でございますか、その数字が出てまいる、こういうかっこうになるわけでございます。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 恩給の今日の増額につきましては、昨年十月改定額の八・七五%増額しておりますが、この根拠は、いわゆる経過措置分としましてまだ調整が済んでいなかった分、これが四・五%ございます。それから昭和四十三年度の公務員給与と物価を勘案いたしまして増額分が六・五%、合わせて一一%になるわけでございますが、ただ、前に申し上げました経過措置分の未調整、この分の四・五につきましては、四十五年度と四十六年度の両年度にわたって改善するということで、その半分を見ております。したがいまして、四・五の半分の二・二五プラス四十三年度分の六・五、合わせて八・七五%、こういう数字でございます。

原田立公明党

○原田立君 恩給審議会の答申に沿った経過措置は、結局四十四年度分の公務員給与の上昇分の積み残しを含めて四十五年及び四十六年の二年計画で実施されることとなったと、こう考えるわけでありますが、この経過措置が完全に実施されると、公務員給与と恩給との格差はどの程度に縮まりますか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 先ほど申し上げましたように、四十三年度分、これは全部見ておるわけでございますから、四十三年度分と申しますと四十四年の三月末まででございます。したがいまして、経過措置分が完全に実施されました場合には、四十四年三月末までの公務員給与ですか、これを見込んでおるということになるわけでございます。四十四年の三月末分のものでございます。

原田立公明党

○原田立君 恩給審議会の答申では、ある程度是正しておくことが必要だと、こうしておるのですけれども、ある程度とはどういうぐらいのことをさすのですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 「ある程度」につきましては、これは公務員給与につきまして恩給審議会はある程度是正することは適当であると、こういっているわけであります。つまり恩給審議会の答申におきましては、物価相当分は五%以上上昇した場合にはそのすべて、なお、その物価相当分によって調整してもなおかつ公務員給与との格差が著しい場合、その場合には公務員給与の「ある程度」、これを勘案しなさいと、こういっているわけでございますが、その公務員給与の上昇分のある程度と申しますのは、今回の改正では国家公務員給与の実質上昇分、つまり公務員給与の上昇分から物価の上昇分を差し引きましたいわゆる公務員給与の実質上昇分の六割を見ております。

原田立公明党

○原田立君 ある程度というのは、じゃ現給与ベースの六割である、こう見るのがその「ある程度」という考え方だ、こういうことですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 先ほど申し上げましたように、公務員給与の中におきます物価相当分、これは全部見ておるわけでございますから、その差し引きいたしました実質上昇分の六割ということになるわけでございますから、公務員給与全体を見ますと、今回の改善率は九割近くになる、こういうことでございます。

原田立公明党

○原田立君 ちょっとよくわからないのですけれども、四十四年六月では、給与ベースは六万一千円なわけですね。四十四年十月の恩給ベースでは三万四千七百五十二円、これが三万七千七百九十三円になっているわけですが、この六割ということですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 私どもが考えておりますのは、いわゆる額そのものではなしに、いわゆる上昇率を考えておるわけでございます。したがいまして、四十四年の六万一千円、これは公務員の平均給与額であろうと思います。しかしながら、恩給の改善を考えます場合には、その上昇率を見ておるわけでございまして、単純にその額の比較ということはいたしておりません。

原田立公明党

○原田立君 ある程度是正しておくということは、まあ、私あまりこの年金関係詳しくないのですけれども、恩給ベースも給与ベースにある程度近づけていく、こういうようなものではないかと、かように思っておったわけです。それからまた年金そのものがやはり一生懸命働いた人たちの老後の保障というふうなことにもつながることになるのだろうと思うのです。その恩給審議会はある程度是正しておくことが必要であると、こういうふうにまず前提でいっているわけです。そうなると、現在勤務している者はちゃんとベアになって、どんどん進んでいく。やめていっておる者はベアがほとんどない。これは非常に矛盾を感じるわけです。そこで、働いている者と、すでにやめた人との間の格差というものをある程度是正しておく、こういうふうな私は理解のしかたをしておった。そうなると、今回の恩給ベース三万七千七百九十三円というのは、恩給審議会の答申の線にはまだはるかに及んでいないんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、どうですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) ただいま先生のお示しになりました恩給のベース三万七千七百九十三円と申しますのは、どういう根拠で出てきたか、私ちょっと見当つきませんが、おそらく恩給の額そのものを基準にして出ておるのじゃなかろうかと思いますが、しかしこの根拠につきましては私承知しておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、恩給の改善につきましては、公務員のベース——ベースといいますか、その公務員給与の額そのものをとるのではなくしまして、いわゆる上昇率、つまり幾ら公務員の給与はアップしたか、その上昇率を基準にして恩給の改善をはかっておるわけであります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ちょっと……。  そう言われてもわからないのですね。公務員の上昇率と言われますがね。あなたも計算しておると思いますが、あれは昭和三十五年の三月末日ですか、二万円ベースから出発しておるのですね、あなたのほうの年金のベアは。いま実は公務員の平均給与は六万二、三千円になっていますね。そうすると結局平均をとっておりますから、公務員給与は三倍ですね。上昇率を言われますけれども、昭和三十五年から二万円ベースから上がっておるのは、地方公務員の場合は八八・九何ぼかの上昇率ですね。恩給も大体その程度じゃないかと思います。ずっと何回かやっておられますね。年齢の調整もされましたけれども、三十五年のいわゆる二万円ベースのときから恩給の上昇率としては、そのトータルはどうなるのですか。それを言ってもらえれば原田委員に対する答弁になると思う。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) いわゆる二万円ベースと申しますのは、この二万円ベースまでの時期につきましては、いわゆる恩給の額の計算の基礎となります仮定俸給というのがございますが、この仮定俸給がいわゆる公務員の給与そのものに見合っておったわけでございます。しかしながらそれ以後につきましては、公務員の給与体系が御承知のように変わりましたので、従来のような方法がとれませんので、それで上昇率、これを考えておるわけでございます。今回の改善の基礎になりました昨年のことを申し上げますと、昨年恩給につきましては四四・八%、これは四十年ベースの額の四四・八%を増額したわけでございます。この考え方は、昭和二十六年に、恩給と公務員給与と、これが時期的にもまた金額的にもぴったり一致しておったのでございますので、それを基準にいたしまして、四十年の恩給の改定率が公務員の改善率の何年の改善率に相当するかをずっと見たわけでございますが、その結果、三十六年の公務員給与に四十年の恩給ベースが見合うという結論に達したわけでございます。したがいまして、昨年の改善におきましては、この三十六年の十月から四十三年の三月末までの物価を見たわけでございます。これが四四・八%、こういう数字になったわけでございます。実際はこの公務員給与を含めまして五一・三%を要求したわけでございますが、昨年はそのうち公務員給与ははずれまして、物価だけが認められた、こういう形でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 だから昭和三十六年でいいですが、三十六年の国家公務員の給与ベースは、たぶんあれは二万六千円か、二万五千円ぐらいだったと思うのですね。あなたのところ持ってないですか。それから見ると今日まで公務員の給与は、いま六万円を上回っておりますからね、少なくとも三倍になっておるのですね。ところがいま言われたように、ことしのベアは八・七ですか、今度のベアを含めても五一%でしょう。そうすると五〇%しか年金は上がっていないということですね。給与のほうと比較すると、給与は三倍も上がっているのに、年金の上がる率は五〇%か六〇%じゃないか。そういうことが考えられておるかどうかということです。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 公務員の給与の場合も、結局本俸の上昇率を見ますと、先ほど申し上げましたように本俸の上昇率、つまり二十六年から三十六年までの上昇率、それと恩給の上昇率、改善率、これが四十年までの改善率に見合う、こういうことでございます。上昇率を見ておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 ある程度是正しておくというそのことばにそうこだわるわけではありませんけれども、いわゆる恩給審議会の答申における物価五%以上の上昇があった場合、あるいは公務員給与の上昇の場合のスライド規定の発動を行なう前に、恩給と公務員の給与との格差をある程度縮めておくと、こういうふうに実は理解しておったわけです。そうすると、給与ベースからいくのと恩給ベースでいくのとではまだはるかにだいぶ差があるし、またその程度は一体どのくらいか、こういうことを聞いているわけですが、そうすると六割であるというように先ほどお答えが返ってきたわけですが、六割というのははっきりしているのですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 六割と申し上げますのは、これは恩給審議会では、恩給の改善に際しましては物価をまず最低限度の要件として見る、その上かつ公務員給与を積み上げるわけでございますが、この公務員給与を上乗せする場合におきまして、いわゆる在職者の給与と申しますのは、いわゆる職務に関する部分でございますとか、あるいは初任給に関する分とか、いわゆる在職者なるがゆえの給与があるわけでございます。しかしながら退職者のほうにつきましては、そういう在職者固有の給与を見る必要はない、こういう考え方でございます。その割合が六割、こう申し上げたわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 恩給法のいわゆる調整規定を具体的に運用する前提として、公務員の給与水準と恩給の仮定俸給との間の格差を是正し、恩給の年額を適正な水準に引き上げた上で、恩給審議会の答申によるいわゆるスライド規定を発動して、消費者物価五%以上上昇した場合、それに応じて年金額を引き上げることになろう、こういうふうに思うのですが、それは一体いつごろになるのですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 先生が前に申されました、いわゆる水準の格差を是正する、この分はいわゆる恩給審議会の答申では経過措置といっておるわけでございますが、この経過措置につきましては、先ほど申し上げましたように四十六年度に完全に埋められる、こう考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 今回恩給審議会の答申以後、消費者物価あるいは公務員給与上昇率を算定した総理府案がほぼ全面的に財政当局に認められて、今回こういう提案がなされたと、こういうふうに見ると、今後の恩給と公務員の給与水準の格差是正についての財政当局の考え方のあらわれである、従来と一歩前進した考え方に立っているようなものだと、こういうふうに私は思うのでありますが、そこで財政当局は今後も、すなわち来年度以降も今回のようないわゆる圧力団体的な強引な交渉による恩給のベースアップではなしに、こういう総理府案が出され、全面的に財政当局が認めるという、こういうふうな形でいくようになさるのですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 今回の恩給法の改正におきましても、時期的に若干のズレがございますが、四十三年度分の公務員給与、物価についての恩給審議会の恩給改善の考え方、これは認められておるわけでございますが、今後もこの線で増額するということは、大蔵省も御承認になっておるものと考えております。

原田立公明党

○原田立君 今回の改正措置で、現在の地方公務員の平均給与額と年金受給者のそれとの差は一体どれくらいになっているか、また当然あるその格差は今後どのように是正していくのか、この二点について。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) ちょっと格差につきましての詳細な数字は持っておりませんけれども、おっしゃいましたように、年金とそれから給与ベースとの間には差がございます。これにつきましては、地方共済につきましては、やはり国家公務員の共済組合あるいは恩給法との関連におきまして、準じた改善措置を講ずるということになっております。

原田立公明党

○原田立君 数字がわからないというけれども、四十四年六月以降は今度また改正になるとして、現在は給与ベースは六万一千円ベースでしょう。それから恩給ベースでは四十五年十月、今度の改定によって三万七千七百九十三円になるわけでしょう。違うのですか。この格差をまず是正することのほうが先である。先ほどから議論しておるように格差を是正することのほうが先であって、そうしてある程度までやっていって、今度は物価上昇等のスライド制を導入しろ、こういうことになると思うのですが、給与の格差を是正しないままでやっては何もならない、その格差の是正を一体どういうふうに今後やっていくのか、こういうことを聞いている。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) その給与の格差、これは経過措置のことだろうと思うのですが、この分につきましては、先ほど来申し上げておりますように、来年度におきまして是正される、こういうことでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたの言われることは自分自身で理解しておるかもしれないが、こっちにはわからないから、逆に尋ねますが、今年度八・七五%上げられましたね、恩給法。それはどういう基礎で上げたかということを説明してもらうと同時に、四十六年に改定するなら、四十六年はどれだけ上げるようになっているのか、それを言うてもらいたい。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 八・七五%の根拠でございますが、これは恩給審議会の答申におきまして、恩給審議会の答申は四十三年の三月に出たわけでございます。したがいまして、四十三年の三月末までの公務員の給与と恩給の格差、これは埋めなければならない。それを埋めた後におきまして、単年度において物価、公務員給与を勘案して恩給を改善していく、こういう考え方でございます。で、昨年の法律改正ではこの四十三年の三月末までの分の格差、これを埋めることにしたわけでございますが、その数値が、先ほど申し上げましたように、四十年の恩給年額を基準にいたしまして五一・三%という数字が出たわけでございますが、ただ、昨年度の法律改正では、そのうちの物価相当分四四・八%だけが認められたわけでございます。したがいまして、六・五%の、まあこれは公務員給与相当分でございますが、この分だけが積み残されたわけでございます。それを今回——まあ、その間に一ぺん改正しておりますから、実質的にみますと四・五%になるわけでございます。その四・五%を全部埋めれば四十三年度の三月末までの格差は埋まる、こういう考え方でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 来年度。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 来年度は、その四・五%がことし半分しか認められませんので、来年はその半分を全部埋める、こういう考え方でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 幾らになります。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 二・二五%でございます。

原田立公明党

○原田立君 局長か大臣にお伺いしたいのですけれども、社会保障制度審議会では本改正案の答申にあたって、恩給付随の考えを改めるべきである、こういう指摘をしております。それからまた国家公務員共済組合審議会におきましても同趣旨の考えが述べられ、特に、公的年金制度調整連絡会議における検討の結果を待つまでもなく、恩給法の改正において年金の改定の原則が打ち立てられたかのような印象を与えているのは賛成しがたい、こういっているわけです。年金の改定については恩給が独走するというのは——ちょっと表現が悪いのですが、恩給が独走するということについては一体どう考えるのか。あるいは、もっと共済がイニシアチブをとってやるような、そういうふうな形になっていくべきではないだろうか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 年金額の改定につきましては、実は先ほども山本委員からスライド制についての御議論があったわけでございますが、本来、たとえば共済組合ならば共済組合において、いかなる状況の変化に応じてどの程度の改定をやっていくか、自分自身のルールがあるというのが本来かと思うのでございますが、これは先ほども申しましたように、公的年金制度全般を通じます調整連絡会議というものを政府部内に設けております。なかなかこれが結論が得られないというのが現状でございます。したがいまして、公的年金制度の一環であります共済組合としても、自分自身のルールというものをまだ持ち得ていない。これが根本的な問題であることは御指摘のとおりでございます。同時に、現実に恩給追随というふうな形になっているわけであることも、これも申し上げるまでもないのでありますが、この点につきましては、御承知のように、共済組合法の施行以前におきましては、恩給法なり恩給法の準用の職員というものがいたわけでございます。また、それに準ずる職員もいたわけでございますが、こういう人たちの期間を新法の施行後も通算をいたしているわけでございます。したがいまして恩給のベースアップというものに影響を受けるわけでございますので、その意味で、ここ数年の間は、形といたしましては恩給追随というような形になっておりますのはやむを得ないことではないか、こういうふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 局長はやむを得ないと言うけれども、そういうふうなことはやめろ、こういうふうな答申がもう出ているのですよ。答申が出ているのです。それに対しても、やむを得ない、こういうことで乗り切ってしまうのですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申し上げましたけれども、結局根本は公的年金制度全般を通ずるいまのスライド制の問題を早く解決することであるというふうに私は考えております。それに至る間におきましては、こういう措置をとることもやむを得ないものと、こういうふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 そうすると、社会保障制度審議会の答申はそういうことを言っておるけれども、現状ではそういうことはできないと、こういうふうに、ことばは悪いけれども、答申無視ということになるわけですね。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 現状においては、なかなかその御意向に沿いがたい、こういうことでございます。

原田立公明党

○原田立君 それなら答申なんか必要ないということですね。  いまもお話の中に出ておりますけれども、公的年金制度調整連絡会議が設けられておるのだけれども、開店休業みたいなことで、結論が出ていない。いまもお話がありましたけれども、これは一体設置されてから今日に至るまでどんなふうな経過で審議されて今日に至っているのですか。その概略を御説明願いたい。

黒川弘内閣総理大臣官房参事官

○説明員(黒川弘君) 公的年金制度調整連絡会議についてでございますが、設置されましたのは昭和四十二年七月でございます。それ以来総会五回、幹事会九回、小委員会十回を開催いたしまして検討を進めてまいりました。この会には公的年金制度を所管いたします各省が集まって年金の改定について検討を続けてまいったわけでありますが、ただいままでのところ討議の結果を取りまとめる段階には立ち至っておりません。この点については、この国会の別の席で山中総務長官が、年金改定の問題は非常に重要な事柄であり、今後検討のテンポを進めてまいりたいというふうに申しております。その意を体しまして、今後さらに取り進めに当たってまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 かけ声がよくてこういうのができている。だけれども、結果的には見せかけであったというような形になってしまうわけです。口が悪いのでたいへん恐縮なんですが。だけれども、こういう年金関係のいろいろの特殊な経緯からこうやって一本化になっているということはよく承知しているわけでありますけれども、こんなことではしようがないのじゃないか。やはりこうやって会議を設け、一つの結論をつけようとすることについては、もっと強力な措置がなされてしかるべきじゃないか、かように思うのですけれども、今後の見通しはどうなんですか。

黒川弘内閣総理大臣官房参事官

○説明員(黒川弘君) 今後いつごろまでにどういう結論を出すのかという点につきましては、いま申し上げましたように、今国会の別の席での山中総務長官の御答弁にもございましたわけでございますが、それを言いますと、山中総務長官の在任中に結論が出るかどうかその点はちょっとわからないけれども、事柄は今後に尾を引く重要な問題であるので、もう少し時間をかしていただきたいというふうに山中総務長官が申しております。重ねて申し上げますが、私どもその意を体しまして、なるべく早く取りまとめていきたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 話は別になりますけれども、労災保険法では現にスライド制の規定を設けているわけでありますが、その他の公的年金制度にこれが設けられていない。先ほど山本委員からもるる話があったわけでありますが、労災保険だけであって、他のものについてはないというのは、それなりに理由がおありだろうと思いますが、理由はどういうことですか。また、年金制度導入については積極的な態度で臨むという先ほど公務員部長のお話でもありましたが、その点もう一ぺんあわせて御答弁願いたい。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、スライド制の問題というのは現在のところ公的年金制度連絡調整会議でございますか、そのほうでまとめておるわけでございまして、特にその問題の中でも財源の負担の問題、その財源をどこで負担する、国が負担する、使用者としての国、地方公共団体が負担するか、あるいは使用者としての国または地方公共団体並びに組合が負担するかという財源負担の問題が非常に大きな問題になっております。現在のところその問題は総理府のほうでおまとめ願い、先般も山中総務長官が衆議院の地方行政委員会で、この問題をできるだけ早く考えてみたいという御発言がございました。そこの席にわれわれ入りまして、一緒に地方公務員の年金につきましても発言をし、その連絡会議が一日も早く結果の出ることを実は期待をしておる、こういう状況でございます。

原田立公明党

○原田立君 前段のほうの答えが足らない。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○説明員(佐野政一君) 各種の社会公的年金と労働者災害補償年金のスライドのしかたの違いでございますが、この各種公的年金につきましては、その性格が生活保障的な内容を持っております。しかし労災の年金につきましては、将来の得られるであろう所得の補償という性格がございます。そうした点で、これについてはやはり分離すべきであるということで、いままでのところこの会議では考えておりません。

原田立公明党

○原田立君 いまの課長の答弁よくわからないんですが、また別の問題に移ります。  外国の地方公務員の年金制度について、おもな国、フランス、西ドイツ、イタリア、スウェーデンというようなところだろうと思うんですが、受給資格期間は何年か、何歳から年金が受給できるか、またそのスライド制の規定はどういうふうな内容なのか、おわかりでしたら説明していただきたい。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 現在われわれが承知いたしておりますものを若干お答えいたしたいと思っておりますが、イギリスにおきましては、普通恩給の支給条件でございますが、これは文官についてのみお答えをいたしたいと思いますが、在職十年以上の者が、定年六十歳でございますが、そのため退職したときあるいは官職の廃止によって退職したとき、それから五十歳以上六十歳未満で自己都合により退職したときというような支給条件がございまして、そうして支給額の算定につきましては、退職直前三年の平均給与の八十分の一に在職年数を乗じて得た額。それからスライドにつきましては、おおむね消費者物価指数に見合うものが基準になっておるようでございます。  それからアメリカにおきましては、要件といたしましては、在職十五年以上の者が定年七十歳により退職したとき、それから六十二歳で退職し、かつ五年以上在職した者、五十五歳以上の、在職年数が三十年以上の者が任意退職したときというような条件がございまして、これは算定の基礎は区分がございまして、五年間、十年間、それに応じましたものをもとにいたしておるようでございます。それから改定は、これは物価指数に対し連続三カ月以上三%をこえた場合においては自動的に改定がなされるというような、物価との関連において、しかも物価が一定の指数をこえた場合に改定されるということになっております。これは物価が大体中心でございます。  それから西ドイツの場合におきましては、スライドについては官吏の給与に準じておる。これは給与に準じて増額をするということで、物価とそれから給与と両方あるわけでございますけれども、それからフランスの場合には俸給指数の金額が増加されれば当然これは上がってくる。俸給の指数によって上がってくるということで、現在われわれの手もとにございますものは、物価とそれから公務員の給与と、それを基本にしてスライドが考えられておる。こういう制度がございます。

原田立公明党

○原田立君 だから結論的には、物価上昇率ということによるそのスライド制は必要なんだ、とらなければいけないんだと、こういうような先例があるわけですね。そこへいくと共済の場合にはそれがない、だからそれを入れろと、こういうことでせっかく努力を願うわけでありますが、先ほど大臣もしっかりその点についての実現には努力するという話だったので、それはそれで一応結論が出たものとしておきます。  それから遺族年金の支給要件の緩和ということでございますが、現在組合員が公務によらないで死亡した場合、遺族年金の支給要件としては、組合員期間は十年であります。ところが今度は厚生年金や船員保険では被保険者期間が六カ月、十年と六カ月でたいへん支給要件に差異があるわけでありますが、これは六カ月という支給要件に統一すべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、その点はどうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) その点につきましても、確かに要件に差異がございます。地方公務員の共済組合が発足する当時は、すでに国家公務員の共済組合が三年ほど前に発足いたしておりまして、したがって地方公務員共済組合は国家公務員共済組合に準じたわけでございます。国家公務員共済組合制度は恩給制度などを参考にしてつくられておるという経緯等がございまして、おっしゃいました点での要件の差異はあるわけでございます。しかし各公的年金制度の間に均衡を失することは問題があろうと、このように思います。先生のおっしゃいましたように問題があろうと思います。この点につきましても関係各省と連絡をとりながら逐次是正をしていく方向で考えなくてはならぬのではないだろうか、このように考えております。

原田立公明党

○原田立君 そうすると、いまの部長のお考えでは、厚生年金保険並みに支給要件を緩和する、そこまで言っていいかどうか、そういうようなそれに近いような意味での意思はあると、こういうことのないように承っておきたいと思います。また現在部内でどのように検討されているのか、その点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先ほども申しましたように、公的年金制度としてそういう差異があるということにつきましては問題があろうと考えております。これは国家公務員共済組合との関連もございますので、大蔵省とも十分な話をしながら進めなければならない問題ではないだろうか。大蔵省のほうと十分な話し合いをしているつもりでございますが、それとの関連がございますので、簡単にいくものではないと思っておりますけれども、そういう方向で努力をすべきであろうと、このように考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 一生懸命努力すると、こういうふうなことで理解しておきます。  それから障害年金の支給要件の問題ですが、共済では、公務によらない廃疾年金の支給要件の場合には、組合員期間が一年以上、こういうふうになっておりますが、厚生年金保険法では被保険者期間は六カ月と、こういうふうになっております。それはもう御承知のとおりですが、それも前段の話と同じように、統一していく方向で努力すると、こういうふうに理解してよろしいですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 遺族年金と同様な問題がございます。国家公務員共済組合法との関連もございますので、同じような方向で努力をしていきたいと、このように考えております。

原田立公明党

○原田立君 それから、遺族年金のことでは先ほど山本局長からお話がございましたが、通算退職年金では遺族年金はないし、退職年金では遺族年金があると、たいへん不合理な問題でありますし、これは先に指摘された点でありますけれども、これはやっぱりきちっと通算する方向に持っていくべきではないだろうか、いわゆる通算退職年金、こちらのほうへですね。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 通算退職年金につきましても、先ほど山本先生から御質問がございましたときにお答えいたしましたように、いろいろな問題があることは承知をいたしております。したがって、この問題につきましては関係の方面とやっぱり慎重に検討すべき問題であろう。御指摘のような点はあることはございます。これにつきましても問題解決のために慎重に関係方面と協議をしていきたいと思っております。

原田立公明党

○原田立君 私、この問題についてはしろうとで、あまりはっきりわからないんですけれども、同じ政府がこうやって法律をつくって、同じ目的、社会保障的な方向に向けていくべきなのに、一体どうしてこういう矛盾点が起きるのか、ちょっと私理解しがたいんです。まあ戦前はだいぶめちゃくちゃみたいなものでありましたけれども、やっぱり戦後はそういう社会保障というものをもっともっと充実していかなければならないと、かように考えておるわけです。ところがこうやって、法の制定時期にもよるでしょうけれども、内容はたいへん違う。非常に理解しがたい。これはやっぱり当然多くの人たちが有利になるような、そういう方向へ、地方公務員の人たちのたばねを自治省はやっておるわけですから、当然しっかりやっていかなければならないものだと、情熱込めてやるべきじゃないか、こう思うんですが、局長その点どうですか。何か説明してもらえればたいへんありがたい。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私も、ただいま御指摘のように、各種の年金制度につきましてその支給条件その他にいろいろ相違があるということにつきましては、確かに問題だろうと思います。そういう条件が一体どういうことでそういう差異があらわれてきたのか。おそらくそれはおのおのの制度の沿革もございましょうし、あるいはただいま御指摘のように、できましたときが違うということでもあろうかと思うのでありますけれども、同じような性質、種類のものでありますならば、やはり同じようないい条件のところに足をそろえるというのがやはり一つの方向であろうと思います。先ほど公務員部長から御答弁を申し上げましたようなことで私どもも今後考えていきたいと思っております。

原田立公明党

○原田立君 もう一つ言い忘れちゃったんですけれども、遺族範囲の拡大問題、先ほどやはりこれも問題が取り上げられましたが、共済組合法第二条第一項第三号では、「組合員であった者の死亡の当時主としてその収入により生計を維持していたもの」と、こうあるために、厚生年金や船員保険または労災保険、労働基準法などと比較して非常にきびしい条件となっております。そのために遺族年金をもらえなかったと、そういう人も現実にいるわけです。これを先ほどから申し上げているように、厚生年金並みにすべきではないかと、こういうふうな、問題があと先になりましたけれども、これも検討されているのかどうか、また現に遺族給付が受けられなかった人たちに対する救済はどうするのか、またそれらは一体どのくらいの件数があるのか、以上三つお答え願いたい。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、厚年に比べましてきびしい規定になっておるわけでございますが、これは各種共済が全部こういうかっこうで、「主として」ということばが入っておるわけであります。われわれといたしましては、先ほども山本先生にお答えいたしましたが、今度の法律改正の機会に、ぜひとも修正をしたいということで、関係方面と連絡をとり、協議をしたのでございますけれども、今回間に合わなかったのでございます。この次の改正までにはわれわれ間に合わせたいというふうに考えておりますので、しばらく御猶予をいただきたい、このように考えておるわけであります。

原田立公明党

○原田立君 長期給付に要する費用が、地方公共団体では百分の十五、こういうふうになっているわけでありますが、厚生年金保険法による国庫負担は百分の二十、そういうふうになっておりますが、少なくとも現在農林漁業団体職員共済組合は百分の十六、私立学校教職員共済組合も同じく百分の十六、こうなっておりながら、地方公務員共済組合は百分の十五で押えられているのですが、これも百分の二十並みに引き上げるべきじゃないか、その点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますように、厚年が百分の二十でございます。したがいまして私たちここ数年来財政当局に、百分の二十にするように努力をしてまいっておるわけでございます。本来も最後まで、この問題につきましては財政当局と折衝してまいりましたけれども、遺憾ながら百分の十五でおさまったわけでございます。これは地共済、国共済ともどもにこの問題の解決をしなければならない問題であろう、このように考えております。

原田立公明党

○原田立君 いまこの五項目ないし六項目ぐらいにわたって現行法の矛盾点を、また改正しなければならないと思うような点を申し上げたわけでありますけれども、この問題について先ほどから部長は、全面的に改正するようにしっかり努力すると、こういうお答えが出てはおりますけれども、大臣からひとつ。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 先ほど山本先生の御質疑のあとで、各項目についての御確認の措置がございました。各担当部局長からお答えを申し上げましたとおりでございまして、私といたしましても誠意をもってこれが前向きに検討並びに解決を期してまいりたいと考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 総理府にお伺いしますが、あなた言われた四十六年の二・五%の積み残しが終われば年金調整の分は全部済んだ、こういうことですか、そのとおりですか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 二・二五%が四十六年度に解決いたしますと、いわゆる恩給法の二条ノ二の規定が単年度ごとに発動していく、その地ならしができる、こういうことでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そのあとを受けて、これは総理府ですか、大蔵省ですか、聞いておきますがね。物価も給与ベースも上がりますね、来年。その場合に、もう調整は済んだんだから、それで年金のアップはしないんだと、こういう趣旨であるのかどうか。いままでのものは調整は済んだが、しかし、本年もまた物価も上がりましょうし、給与も上がりますからね。それについては総理府ではどういう考えを持っておるのか、自治省ではどういう考えを持っておるのか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 先ほどから調整、調整ということでございますが、これはまあ恩給法の二条ノ二を具体的に発動していく場合に、この調整をしないとしますと、結局従来の低い水準のままで単年度ごとに移行していく、こういう形になるわけでございますから、この従来の低い水準を一定の限度まで引き上げておいて、それから単年度、単年度の物価、公務員給与を考慮して改善の措置を考える、こういうことでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 来年の場合、総理府としてはどういう考えでしょうか。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○説明員(大屋敷行雄君) 来年度につきまして、いま具体的にこういう数字で上げるんだということはここでまあ申し上げられませんが、いま恩給法の二条ノ二と、それから恩給審議会の答申の趣旨に沿いまして措置をいたしたいと考えております。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私どももおそらく、物価が上がり、あるいは公務員の給与水準が上がるということになりますれば、それに準じた措置が行なわれることを期待すべきだろう、こういうふうに思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 行政局長ね、もう一つ、いま原田委員言われましたように、これは思い出したんですが、実は私学のほうでは審議の途中で大蔵省が政府の負担を二〇%程度に引き上げてもいいというようなことを言われたという言質があるようでありますが、その辺の真否はどうですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私どもはまだそういう報告を得ておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これはもう、真否は別として、やってもらわないといけないんですが、そういうことであれば、ぜひひとつ来年度は実現するように努力してもらいたい。一五%を二〇%に引き上げるとか、そういうことを私聞きましたので、ちょっと言い落としましので、その真否を調べてもらうと同時に、ぜひひとつ来年は二〇%に引き上げてもらいたい。そういう努力をしてもらいたい。  これで私は終わります。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) その真否は確かめることにいたします。  それからいまの公的負担の増加の問題でございますが、先ほど来いろいろ問題が出ておりますけれども、大蔵省としては金に関すること、関しないこと、いろいろ反対の意見を持っておりますが、この案件はかなり金にも関係をいたしますので、おそらく強い意向は依然として持っていると思いますけれども、私どもは、先ほど申しましたように、従前からほかのものが二〇%の公的負担をしているわけでありますから、私どもなり国共につきましても、二〇%の負担をするのは当然だという態度でおりますし、おっしゃいますように、次には格別努力をいたしたいと思います。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

熊谷太三郎自由民主党

○熊谷太三郎君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び公明党の三派共同による附帯決議案を提出いたします。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 熊谷君提出の附帯決議案について採決をいたします。  熊谷君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 総員挙手と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、秋田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。秋田自治大臣。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して善処いたしてまいります。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 速記をつけてください。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(閣法第九四号)及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(参第一八号)を一括して議題といたします。  補足説明を聴取いたします。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) お手元にお配りをいたしております地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案要綱をごらんいただきながら、この法律案の内容につきまして概略御説明を申し上げます。  この法律案による地方公務員の災害補償制度の改正の具体的内容は、第一に、障害補償年金の額の引き上げでございます。現在、障害補償年金の額は、地方公務員災害補償法別表で定める身体障害の等級に応じ、平均給与額の第一級二百四十日分から第七級百日分までの額となっておりますが、完全労働不能とされる障害等級第三級の補償額を現行の平均給与額の百八十八日分からILO一二一号条約の補償水準である二百十九日分に一六・五%引き上げ、これに応じ、障害等級第一級、第二級及び第四級から第七級までの各等級の補償額をそれぞれ一六・五%引き上げることとしたものであります。  第二には、遺族補償年金の額の引き上げでございます。現在、遺族補償年金の額は、遺族の数に応じ、平均給与額の年額の三〇%から五〇%に相当する額となっておりますが、遺族が妻と子二人の標準受給者である場合には、平均給与額の年額の四〇%に相当する額からILO一二一号条約の補償水準であります平均給与額の年額の五〇%に相当する額に引き上げることとし、遺族が一人の場合には、平均給与額の年額の三〇%に相当する額となっておりますが、その者が五十歳以上の高齢の妻または廃疾の妻であるときは、稼得能力の低下の事情等を考慮し、三〇%に五%ないし一〇%の加算を行なうこととしております。その他の遺族数に応ずる遺族補償年金の額は、家計費調査の実態、標準受給者についての引き上げ幅等を考慮し、それぞれ平均給与額の年額の一〇%に相当する額の引き上げを行なうこととしております。  第三には、遺族補償年金受給権者に対する一時金支給制度の延長であります。遺族補償年金につきましては、受給権者である遺族が遺族補償年金の最初の支払いに先立って申し出たときは、基金は、平均給与額の四百日分に相当する額を一時金として支給することができるとされておりますが、この制度が昭和四十二年十二月一日から五年間の暫定措置とされているのを、その利用状況等を考慮し、さらに五年間延長し、昭和五十二年十一月三十日まで存続させることとしております。  以上申し述べました改正措置は、この法律案の公布の日から六カ月をこえない範囲内で政令で定める日から施行することとしております。  以上をもって補足説明といたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この災害補償の問題、これは労災との関係も緊密な関係があると思います。一昨年地方公務員に対して国家公務員と同様に災害補償ができたわけです。それまでは労災でやっておったわけですね。その間問題はありますが、大体、ILO一二一号条約の水準をいま言われましたが、労働災害補償についての考え方ですね。ILO条約を基礎にいつも説明されますが、ILO条約は必ずしも完全なものであるとは言えない。しかしそれは一応基準とされているのですが、公務上、業務上の災害に対して補償するという基本的な考え方、これは一体どういう考え方でおられるのか。きわめて抽象的ですが、この立法の精神についてこの際もう一回、質問の前提として聞いておきたい。これは自治省当局と労働省からも聞いておきたいと思います。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) ただいま先生から御質問ございました一二一号条約につきまして、直接の担当者が参っておりませんのですが、私、安全衛生部関係でございますが、ILOの条約につきましては、一九六四年総会で決定されまして、この水準についてもちろん政府として努力する必要があるわけでございます。したがいまして、今度の国会におきましても、労災法関係においてその目標に近づくべく法案を提出しているような次第でございまして、ILOの精神にのっとって労働者の福祉の向上をはかりたいと、そういうことはわれわれの責務であるというふうに存じております。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 労災保険の場合と同じ考え方であろうと思うのでありますが、公務災害補償についての基本的な考え方は、公務に基因する災害につきまして、使用主である地方公共団体がいわば一種の無過失責任と申しますか、そういう責任を負いまして、公務による災害補償を迅速かつ公正に行ないまして、職員なりその遺族を保護するための制度であると、こういうふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ILO条約の問題はさておいて、あの条約がきめられた諸種の事情から見て、わが国はやっぱりこの点についておくれておると思います。たぶん大正五年でしたか、工場法ができましたね、戦前ですが。ようやく工場法ができて、労働者の災害について若干の事業主に対する義務規定というものができたわけですね。その後徐々に、戦後こういう労災法ができて非常に進歩したようですが、まだまだ私は問題があると思いますね。大体業務上無過失であるか過失が幾らあるかということは、これはまた判定上問題があります。あるが、しかし業務上災害を受けた者に対しては完全に事業主はこれは負担する義務があると思いますね、六〇%とかそういうものでなくて。そうでなければ労働者は、まあ大企業の場合なんかは、完全に労働不能の場合ですよ、一級の場合、書いてありますから言いませんけれども、そういう人の救済は、損害賠償権は保障されておりますけれども、そういうものはなかなか出てこない。こういう意味において、今度の改正は若干ILO一二一号条約に近づけて政府は改正するといったのですが、まだまだこの点は私は手ぬるいと、給付が低い、補償が低い、この点についてこれまた労働、自治両省はどういう考えでおられますか。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 先生の御指摘でございますが、今度労働者災害補償保険法の一部改正法案を出しております私どもの考え方といたしましては、一応この法律が実現いたしますればILOの水準に近づくと、近づくというか達成できるというふうに考えております。なお技術的に、たとえば適用範囲その他の問題等については、さらに私すぐここで答えられないのでございますが、私どもとしては一二一号条約の線に沿えるというふうな考え方のもとに法案を提出している次第でございます。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 先ほど山本委員御指摘のとおり、確かにこの業務上と申しますか、公務上起こった災害に対する補償ということは、いわば比較的新しい制度でございまして、私も個々の規定がどこが十分であり、どこが不十分であるかというところまで十分勉強しているわけではございませんけれども、なおそれはよく検討して手厚くすべき余地があるように思っております。ただ、ILO条約につきましては、これが一応の国際的な水準でございます。ただいま労働省当局から御答弁もありましたけれども、一応国際的な水準にまでは近づけていく、こういうことで今回の御提案をいたした次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 増額をしていくというその努力に対しては私はある程度敬意を表しますが、基本的な考え方ですね。全く無過失である、事業主の責任のための災害でも限度が六〇%どまり、そういうものについて私は、社会正義ということばはあまり使いませんが、そういう点からも私は問題があると思う。一言言っておきますが、ILO条約は、ここの自民党にも専門家の方おられますけれども、あれは一応最低の線、ここまで行くべきであるという考え方、これはもうILOの精神は大体そうなのですね。したがって、それに近づけていけばそれでもう満足するのだという考え方はとらないでいただきたい。やっぱりできればあれ以上にやるということはILOのすべての条約の精神です。あの水準に達したらもうこれでいいんだという考え方は捨てるべきだ。いまの日本の経済力がそこまでいかぬからそう言われますけれども、私は、現在大企業の実態調査をいたしますと、みずからの補償で完全にやっているところは相当あります。しかし、法律で基準をきめる場合には、そこを中を取って、とりあえず六〇%程度ですか、その程度の休業補償、それから年金なり、あるいは一時金の補償ということもその程度と言っておるのですが、したがって、私も案を出しておりますが、私の案は大体そういう思想で実は提案をしたわけなんです。べらぼうに高いと言う方はありますけれども、私は全然労働能力をなくして、しかも労働能力をなくしただけではないのですね。それから一生生きるための精神的、肉体的苦労というものは、これは私は金銭ではかれないものがあると、そういうことを考えますと、今日のいわゆる災害補償、労災を含め、地方公務員、国家公務員の災害補償の給付水準は低い、こういう強い見解を持っているのですが、現実には法律上で出しておるからそれは低いと言えないけれども、この考え方についてILO条約できめておるその基準と現実の問題と合わしてどういう考え方でおられるか、ひとつその点を見解を聞いておきたい。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 労災補償の水準につきましては、昭和四十年の改正のときに、ILOの一〇二号条約という条約がございますが、これは社会保障に関する最低基準に関する条約でございます。これに合わせまして法改正をいたしたわけでございます。その後、災害補償自体の条約が昭和三十九年採択されまして、昭和四十二年に発効いたしております。この条約に合わせまして私ども今回の改正案をつくったわけでございます。で、私ども条約というのは一つの国際的な水準であろうと思いますので、ぜひそれに合わせたいということでございます。これが最低かどうかという問題はいろいろ解釈の分かれるところでございまして、少なくとも一〇二号条約につきましては、社会保障に関する最低の条約と書いてございますのでその辺ははっきりいたしておりますけれども、一二一号条約につきましては、その辺は必ずしも条約上明確に規定されてございません。少なくとも国際的な標準になるべき水準でなかろうかと現段階では考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その程度の答弁しかできないと思うのですがね、条約が一〇二号から変わったというのも、単なる社会保障じゃないですね、この場合、ない。いわゆる事業主の責任というものを十分考えてきたから変えてきたと思うのですね。それにしては私は、先ほど言ったように低い水準というものは、その水準を基礎にやられるということは、政府としてはこれはやむを得ないということもわかるけれども、やはり日本はもうすでに、戦後、経済力においては第三位とか第二位とか言っているのですから、この点を考えてもらいたい、いままでずっと低かったのですから。戦前を見てみなさいよ。全く労働災害ではもう問題にしないような虐待と申しますか、そういうものからようやく世界的水準に上がってきたことは私は認めますよ。しかし、まだまだ私は問題があると思います。で、皆さん方が災害にあわれておるかどうか知りませんが、それは災害にあった家庭なんかに私は行きますが、非常にみじめなものですよ。いっそ死んでくれるならいいと言う人がある。もう両足、両手取られた人が、介抱してもらって生きることがつらいというような状態があるのです。これは金銭では補えないけれども、せめて働いておるときのような経済的の補償をしたらどうかというのが私の案の趣旨なんです。で、これは御存じのように、事業主の負担ですわね。労災は保険制度ですから、おのおの掛け金をして、保険料を出しておいて、それで災害にあったとき、その基金から払ってもらうという制度ですからね。しかし、もう少し日本の事業主もその点は考えなくちゃならぬと思うのですが、私の案をそのまま押しつけてどうこうと言わないのですが、今回の改正では、われわれとしては給付全般について足らないと思いますが、今後障害補償、休業補償、遺族補償等を通じて、今後これを引き上げるように努力をしなきゃならぬという考え方があるかどうか、これでいいのだと言われるのか、その点ちょっと……。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 今回改正法案を出しました趣旨は、できるだけ被災者に対しまして手厚い補償をいたしたいというところから出発いたしております。そういう趣旨でございますが、この法案を作成いたします段階において、労災保険審議会、あるいは社会保障制度審議会のそれぞれの審議会のほうから、わが国のやはり経済成長に見合った補償をやるべきであるというような御趣旨がございます。したがいまして私どもといたしましては、今回の改正ということにとどまらず、今後の日本のそういった経済成長に見合ってこの補償水準の引き上げについては努力をしてまいりたいと思っております。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) おっしゃいますように、確かに所得の稼得能力を失った人たちに、非常にお気の毒な人たちに対する補償でございますので、私どもも一体どの程度までがいいかということは別にいたしまして、現状で満足すべきだとは思っておりません。やはり機会があるごとに給付の水準を上げていくべきものだと思っております。申し上げるまでもなく、労災保険なり、国家公務員の災害補償制度なりとの関連がございますので、関係各省とも相談をしながらそういう方向で考えていくべきものだというふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 具体的にちょっと聞いておきたいのですが、今度の労災の改正案も、また国家公務員、地方公務員両災害補償においても、通勤途上における災害は業務上という認定をされない。多年私は主張しておったのですが、それは入っておらないようですが、これはどうして入れられないのか、この点ちょっと聞いておきたい。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 通勤途上災害を業務上にするかどうかにつきましては、今回の改正案をつくります段階におきましても、審議会において十分御議論いただいたわけでございます。しかしながら、この問題は非常にまあむずかしい問題がございます。そういうことで、今回の改正にあたりまして労災保険審議会におきましては、建議の中で、もう少し専門的な機関をつくって十分調査をして、その結果によって処理をしろと、こういうような建議をしておられる。で、そういうことで私どもといたしましては、ことしの二月の終わりに通勤途上災害調査会というのをつくりまして、さっそく専門の皆さんを委嘱いたしまして、鋭意、現在検討いたしております。で、この問題を御処理いただきます場合に御議論が出ておりますのは、結局、現在の労災保険なりあるいは基準法の災害補償の考え方の基本にございますのは、使用者の無過失賠償責任、これとの関連の問題をどう考えるかという問題がございます。それから、主として事故が起こりますほとんどのものは自動車事故でございますので、自賠法との調整問題をどうするか、あるいは他の社会保険との競合の問題がございます。こういった各種の制度との関連をどう見るかと、基本的には、先ほど申し上げました労災の補償の理論との関係をどうするかというような複雑かつ基本的な問題がございますので、そういった点を十分御検討いただきながら、その結論によって私どもは処理をいたしたいというわけで、今回の法改正においてはその中に入れなかったようなわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは問題点があるが、やはり意欲的に検討して入れていこうという考えだと私は思うのですが、いま言われたいわゆる第三者による損害賠償、これをどういうぐあいに調整するかという問題があることについて、私はそれは別として、これは私の考え方です。もしも同一事故によってそういう損害賠償が成立した場合に、公務上という認定のなには調整することができると思う。ただ、その問題以外に認定上の問題が相当複雑にあるという理解をしております。はたして、通勤途上というが、だれがそれを認定するかという問題もある。しかしこれも私はやり方によってやり得ると思います。したがって、これは今回の法律上載せなかったのですが、今後ひとつ精力的にこの問題を具体的に検討してもらいたい。そしてできるだけ早くこの問題を解決してもらいたいと思います。この点ひとつちょっと御意見を聞いておきましょう。これは両省です。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 先生御指摘のように、幾つかの技術的な問題もございます。そういう面については技術的にある程度処理ができるのではないか。それから先ほど申し上げましたように、労災保険なり基準法上の災害補償は、使用主の無過失賠償責任、つまり管理下にあるということが前提になっております。したがいまして、事業所から出てまいりますと、使用者がそれに対して災害防止に対するいろいろな手が打てないという問題もございますので、そういった基本的な問題も含めて、積極的に取り組んでまいりたい。その結論が出ますれば、それに対して私どもとしてはできるだけ早く措置をしたい、こういう考え方でおります。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) ただいまお話のございましたように、ことに最近交通事故等がふえておりまして、そういう実態から申しましても、私どもも、実は一日も早く結論が出まして、そういう方向で問題が解決されることを非常に希望し、期待をしております。労働省のほうで研究会をつくって研究をしておられるようでございますが、私どもも一日も早く可能なような結論を出していただいて、そういう方向で地方公務員の災害補償制度も充実ができるように希望をしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは私の考え方ですが、労災関係一括して表現いたします。これは地方公務員も国家公務員も含んでいると理解していただきますが、労災関係についての補償は、法文全体の理解からすると、損害賠償的な慰謝料的なものは入っておらない、こういう認識を私は持っておりますが、それについてどういうお考えでありますか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 先生御指摘の労災保険の、あるいは災害補償の性格の中には、精神的な慰謝料というものは入っておりません。これは最高裁の判例でも確定しておりますが、結局労災補償の基本的な考え方といたしまして、使用者の故意とか過失を問わないわけであります。つまり無過失責任ということを現にいたしておりますので、そういった道義的な責任を追及しない。したがってその補償の中身は、その方が損失いたしました稼得能力を補償する、あるいはなくなられました場合には、扶養能力と申しますか、そういったものがなくなるわけでありますから、その損失を補てんする、こういう基本に立っているわけでありまして、したがって精神的な損害というものは加味をいたしていないわけであります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 しかし、現実の問題としては、これは無過失責任による災害ですから、一応そういうものが考えられておる。過失はもちろん損害賠償の対象です。まあこういうことです。現状は私はそうではないと思います。過失、無過失の認定は一体どうするかという問題があります。これは審査官あたりがいろいろやっておるようでありますが、私は大なり小なり無過失、過失というものはあると見ております。設備の上から言っても。自分で手一本取られるような、みずからの困難を招くような逆選択は私はしないと思います。災害補償をもらおうと思って手を一つ機械にはさまれようというような考えはしない。やはりそこに一つの労働過重がある。事故の統計を見ましても、始動勤務、勤務を始めたときの事故は少ない。どんどんどんどんやって疲労が重なってくると事故を起こしますね。これは統計にもあらわれている。いま資料は持っておりませんが、特に残業した場合に事故が起こる。こういうことから見ると、やはりその使用者としての、過失ということの表現はどうか知りませんが、やはり一応企業責任のあるものはこれは認めざるを得ないと思うんですね。したがってそういう点について、私は、ある程度給付がこのままではいかないという論理もそこから出てくるんですね。これは私の意見ですから聞いておいてもらいたい。  そこで、実は補償の算定基礎の給与の問題ですけれども、これは労災では健康保険の標準報酬を基礎にされております。この給与の性格として、給与全般をやはり計算の基礎にしておる。休業補償にしても災害補償にしてもこういう考えを持っているんですね。具体的に言うと、夏期手当とか年末手当とか期末手当も計算に入れた給与計算をしたらどうかという考え方を持っているんです。この点はどうですか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 労災保険の給付の基礎になりますのは、労働基準法に定めております平均賃金というものを使っております。法律上平均賃金によるということになっております。この平均賃金は、三カ月間に支払われた賃金を日割り計算いたしまして出してまいります。その前に、三カ月をこえる期間にわたって支払われる賃金は入りません。そういたしますとボーナスというものが落ちてくる、こういうのが制度上やむを得ない結果として出てまいります。私どもは、昭和二十二年ごろ基準法ができましたときには、ボーナスというのは一般的に制度化になっておりませんでしたけれども、その後いろいろな社会経済情勢の変化によりまして、ボーナスというものがいろいろな性格を持って登場してまいっております。一部は利益分配的な性格を持っております。一部には賃金のあと払い的な性格を持っております。そういったボーナスというものの性格論というものが現在非常に論議を呼んでまいります。したがって、現在の私どもの態度といたしましては、基準法そのものの問題に根源がございますので、基準法の全体の検討とともに、労災保険の給付の基礎が平均賃金でいいかどうか、その場合ボーナスを入れないでいいかどうかは検討に値する問題だろうというふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 三カ月の平均給与というのは、健康保険の標準報酬に準ずることになるでしょう。現実の問題は労働基準法にやっておりますね、それは健康保険の場合は、社会保険として私は三カ月の平均ということも言えると思います。しかし労災保険は、先ほど基本的に言いましたように、これは事業主の責任というのが主体になりますから、したがって、補償するという額も問題だが、その給与というものも、三カ月で限定せずに、やはり一年を通じた平均ということを考えなくちゃならぬと、それが私の主張ですが、いまあなたが検討する余地もあるという幅広い答弁でしたが、この点については私はぜひやってもらいたいと思います。ほかの給付の多い少ないは、これはいろいろと基準の問題は考え方によりますけれども、少なくとも補償の基準給与は、やはり一年を通じて、本人は現実に期末手当というものが給与として生活のかてになっておるわけですからね、日本の場合は。アメリカにはそういうものがないようであります。そういうものを実はこの算定基礎の給与からはずすということは納得できない。これは私の多年の主張ですから、これについてどういう考えを持っておりますか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) ただいま御答弁申し上げましたように、これについてはいろいろの問題がございます。先生のようなお考えももちろんいろいろと審議会の場でも御発言ございます。私どもといたしましては、三カ月の期間によって現在計算いたしております。この計算のしかたについて、実は労災の休業補償なり、あるいは、それにとどまらずに基準法上の給与・手当の計算あるいは有給休暇のための計算、まあいろいろ基準法全体にからんでまいります。したがって、先生御指摘のような問題もございますので、現在基準法全体についていまいろいろな再検討をいたしているわけでございます。で、そのために基準法研究会を現在つくっておりまして、その場においてぜひこの問題については積極的にお取り上げいただいて御検討願いたい、こういうような態度で臨んでおるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 休業補償については、あれは六〇%だと思うんですね。これは健康保険の場合も基準にとっていますね、六〇%というのはね。これはそういう一般賃金、休んだ場合には六〇%が限度である。これはILOもそういう考え方を出しておるようであります。労災の場合は、これは健康保険の場合問題あると思うんですが、業務上で災害を起こして休んで、しかもそれが六〇%の収入しかないという、その論理は私は少しも受け入れられないんですね。公務員の場合は現在八〇%程度まで補償されるようになっておるようであります。労災でもそういう措置があるようでありますけれども、これを一〇〇%まで引き上げるという考え方はないかどうか。論理的に、それはできないんだという論理的な根拠を示してもらいたい。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 休業補償の率の問題につきましては、六〇%がいいかどうかという問題は、必ずしも六〇%が絶対的なものであると私ども考えておりません。しかし、いままでのいろんな制度の関連、あるいはいままでのいきさつ等から、こうなっているんじゃなかろうかと思います。特に私ども一番関連深うございますのは、基準法の規定によります休業補償が六〇%になっている。それを補てんをいたしておりますのが労災保険でございますので、その間のバランスをとらなきゃならないということ、それから他の社会保険がほとんど六〇%になっておりますので、労災保険独自でこれをどうするかという問題でございませんで、そういった他の類似の制度あるいは社会保険制度全般からこの問題を検討すべきじゃなかろうか、こういうふうに思っております。この問題につきましても、先ほど申し上げました労働基準法研究会等において十分御議論をいただくような課題ではなかろうかと、こういうように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その考え方、私は承服しがたいんですがね。基準法に準拠するといいますか、労災は私は別の考え方でやるべきだという考えを持っておるんです。労災という、業務上のいわゆる災害ですから。したがって、他の社会保険なり他の労働基準法による給付と似たものもありますが、これは私は特別に考えなくちゃならぬという主張を持っておる。したがって、その点は他のほうの関係と言いますが、これは独自に考えるべき問題だということをいま主張しておるんですがね。それに対してあなたの答えはないんですね。したがって、労災だけを特に六割、六〇%というのじゃなくして、労災については一〇〇%まで引き上げるという必要性がある、論理的にもそうすべきであるというこの意見に対して、どういう考えを持っておられるか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 六〇%をどういうふうに引き上げるかという問題につきましては、先ほど申し上げましたように、他の制度との関連、特に基準法との関連を私ども特に注目いたしているわけでございます。その点そうではないというお話でございますが、法体系といたしましては基準法が一応全部カバーいたしておりまして、労災が必ずしもまだ全面適用に入っておりませんので、基準法で補償される方と労災保険法で補償される方とあるわけでございます。そういたしますと、同じような労働者が働いてけがをして給付費をもらう場合に、労災保険では一〇〇%、基準法では六〇%ということになりますと、やはり稼得力に対する補てんとしていかがかというような感じを持っております。したがって、やはり基準法の六割と労災保険の六割とをあわせて、どうあるべきかということを今後検討いたしたい。その場合に、諸外国の状況あるいはILOの水準等も参考にして今後引き続き検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その辺、諸外国の実情はどうなっていますか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) ILOの条約につきましては、先生御指摘のように六〇%でございます。それから国によってそれぞれ多少違いますが、大体六割が一般的でございます。それから六六%、それから高いところで七〇%ということでございまして、一〇〇%というのは私どもあまり十分知っていないわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 地方公務員、国家公務員の場合ですね、これは慣例として、優遇されておるということでなくして、ある一定期間は業務上の場合はそのままの給与を保障するということになっていると思うんですね、なっておる。その場合に、地方公務員災害補償基金との関連があるんですがね。この点の実情はどうなんですか。私は全部調べてないんですがね。業務上、いわゆる公務員の場合は業務上の災害の場合にのみ六〇%ぼっきりでやっているということではないと思いますが、その実情はどうなんですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 地方公務員の場合には、休業補償の百分の六十に、休業援護金制度というものを設けまして、二〇%を足して八〇にしております。また、団体によりましてはそれに若干足しまして、百分の百まで行っているのはどうか、ちょっと私も存じませんけれども、やはりそれに近い線で地方自治体が独自で出しているものもあるというふうに聞いております。どのくらいかということはちょっとわかりませんけれども、そういうかっこうで援護をしているということは聞いております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 労災でも——おそらく知っておられると思いますがね、労災でも休業では、実際これは労働組合との団体交渉もありましょうけれども、一〇〇%近い補償をしているところが相当あるんですね。あるんです。そういう関係から見るとね、結局、労災保険だけに頼らなくちゃならぬという中小企業の労働者が非常に気の毒な場合があるんですね。大企業の場合は、特に労働力不足の際ですからね、特に労働条件がよくなっております。給与だけでなくしてほかの厚生施設もいいんですが、そういうことから考えると、一つの政策としても、この際、労災保険における水準は六〇%だが、何か付加的な給付として休業補償一〇〇%に近づけるという、こういう考え方の思想はどうですか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 民間におきまして二割ばかり上積みをしているというような実例があると私ども承知しております。それはあくまでも付加給付として、事業主が団体交渉で自発的にお出しいただいていると思います。で、労災保険でそういった中小企業などに上積みしろという話でございますが、結局、また繰り返して申しわけございませんけれども、基準法の補償責任を労災で、保険の形で担保しているという形でございますので、基準法の休業補償の率をどうするかということときわめて密接に関連いたします。したがって使用者の責任をどこまで見るかということに結局尽きるわけでございまして、そのあとは六〇%そういう意味でどうするかという問題でございますが、そのあとはやはり事業主においては自主的に上積みされることは、私どもとしては十分実情としてあり得るんではないか、こういうふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 とにかく休業補償についてはひとつ今後とも検討してください。おそらく皆さん方もこれでいいとは言っておられないと思う。これは社会正義ということばはあまり使いませんけれども、社会的良識ということも考えなくちゃならぬと思います。  そこで、具体的に入りますが、障害補償ですが、今度相当改善されたのですが、これではまだ私は非常に少ないと思うのです。先ほどちょっと触れましたように、一級、二級、三級と、級の下になるほど労働能力喪失の度合いが違いますから、それに応じて減しておりますけれども、一級、二級、三級はこれで私はいいとはいえないのです。だから、この障害補償について、私の案をそのまま押しつけるということもなかなかきかぬと思うのですが、私の出している案については自治省の皆さん読まれたと思うのですが、私の案はどうですか。その私の案に、社会党の案に対しましてひとつ見解を述べてもらいたい。私の案を審議しないものですから、逆にあなたの見解を聞きたい。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) この日数が三百六十五日、一年ということになっておりまして、百分の百ということになるわけであります。まあILOが百分の六十でございますから、そういう関係から見ましてもちょっと深いのではないだろうか、一級、二級の方にできるだけ補償する思想はわかりますけれども、三百六十五日、百分の百ということは問題があるのではなかろうかという気はいたします。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 まあ百分の百、三百六十五日、非常にこれは完全に一〇〇%ということですが、私の思想は、やはり完全に労働能力を失ったのですから——またこれ以外に介護料もとっているんです、五〇%。実は膨大な提案だと思うのですが、ずっとあなたの統計を見ましても、こういうものはほとんど数が少ないですね、これは地方公務員に限っても。労災のほうでは相当あるのです。これは重工業あたりの人で一級、二級の災害、相当あるのですが、地方公務員の場合は昨年から実施されたが、一人も一級、二級、三級ないでしょう。だから、そのくらいの補償をしたって経済的に大きい問題でないと思う。ただ、そういう場合には完全にこういうぐあいにやってもらえるという補償ですね。いわゆるこの補償というのは、現実に金をもらうというよりも、働いておる者の、もしそうなったならばこうあるという期待権といいますか、いわゆる補償ですね、この考え方というものは非常にこの法律の大きい趣旨なんですね。したがって私は、そこまでやっても決してやり過ぎでないと思うのです。したがって、この私の案に対してあなたのほうはだいぶ低いですね。そういうことでどちらが正しいかといったら、それは私のほうの案が正しいと、こういうことになるでしょう。私のほうのやるような、完全に給付していくというそういう姿勢があるかどうか、一〇〇%給付すべきであるという方向に近づけるというそういう考え方があるかどうか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃいましたように、なるほどこの基金は発足以来二年半くらいでございますので、一級、二級、三級というようなところはまだ発生がございません。しかし、将来の問題として発生しないとは言えないと思います。それから百分の百ということがはたして地方公務員だけの制度の中で取り上げられるかどうか。国家公務員あるいは労災その他との関連もございますので、地方公務員だけが独自で百分の百措置することが可能であるかどうかという問題もございますので、われわれといたしましては、現在のところILOのこの条約にございます基準までということで出ました労災保険のその制度を取り入れておるというのが実情でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ介護料の新設の問題についてどう考えられますか、常時介護しなければならぬという人に対しては、あなたのほう考えておられないようでありますが、これはぜひ必要だと思うのですが、その考え方はどうですか。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) 介護料につきましては、まあまず長期療養者に対して介護料をつけるかどうかという問題につきましては、私どものほうは労災制度においても検討されておるということを聞いておりますので、それが制度化されました暁には、その制度の均衡を考え、国家公務員災害補償とともに、こちらのほうはそれに対応するようにしてまいりたい、かように考えております。  それから障害年金につきまして介護料という考え方を入れるべきであるという考え方につきましては、現在私どものほうで聞いておりますところでは、一級、二級、三級につきましては、補償率が、全労働の程度では大体同じでありますが、その間に補償率に差を設けておりますが、その差を設けております趣旨というものが、いま先生の言われましたような介護料の部分も含んでおると、こういうふうに私どもは聞いておりまして、理解いたしておりますので、この面について一般的な介護料制度を設けるということについては、なお検討を要する面があるのではないか、かように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 労働省に聞きますけれども、その趣旨は聞いておるのです。今度の労災制度、災害補償の一級、二級の日数の中には、介護料を含めて差をつけておる、こういう趣旨だと聞いておるのです。しからば介護料は何日分ですか、それをちょっと聞いておきたい。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 介護料につきましては、具体的には何日分ということを計算をいたして積み上げたものではございません。この日数につきましては、昭和四十年改正のときに、三級を一〇〇といたしまして一定の率をもってその上積みをいたしております。したがって、今回の改正によりますと三級は六〇%を給付率といたしております。二級は六七・九%、一級が七六・七%という比率になっております。そういうことで介護的な性格も加味しておるということでございまして、介護手当を正確に計算してこういうふうに出したというわけではございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 考え方としては、六〇%が一応補償である。あと、七〇%なり六五%の五%だけは介護料、こういう理解でもないのですね。ただ介護料が幾らか含まれておる、それで日数は段階をつけておる、こういう理解ですか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 介護料的な性格を含めてそういった日数を加味いたしております、こういうわけです。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それがあいまいだと言うのです。介護料を加味しておると言うけれども、日数自体としても問題があるでしょう。介護料が含まれておるということでは理解できないです。ただ介護料が必要なことは認めるのですね。加味しておるということは必要であると認めておるのですね。必要であるならば、介護料というのは、基準をどこに置くかということを明らかにしないことには、それは私、日数を幾らにきめるにしてもあいまいなきめ方だからいけない。したがって社会党の案では、介護料は別に出す、こういう趣旨なんです。これに対して——日数は別ですよ、金額は別だが、この考え方についてどう考えますか。

桑原敬一労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(桑原敬一君) 今回の改正案をつくりました基本的な考え方は、先ほど申し上げましたように、ILO一二一号条約というものをモデルにいたしましてつくったのでございます。この条約におきましては、介護手当は正確に何%つけるという明確な規定はございません。介護の必要なものについてはそういうものを加味しろ、こういうようなことが規定されております。そういった意味で、四十年改正以来やっておりました私どものこういった段階的な給付でこの条約の考え方に合致しておるのではないか、こういうふうな考え方を現在持っているわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 自治省に聞きますけれども、労働省はそういうILO条約によってやったと言いますが、私はやはり介護料は介護料として考えるべきだと思うのですね。加味しておるという言い方は私はいやなんですよ。これは理解できません。加味するなら一体どういう——加味するということは介護料は必要であるという考え方を持っているんですね。ところがそこには織り込んでしまって、あいまいにしていくことはいかない。日数はどうしようと、金額はどうしようとも、私の言うような介護料というものは別に考えるべきであるという考え方について、自治省はどう思いますか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) ILO一二一号条約によりましても、定期的支払い金の割り増しまたは他の特別な給付という言い方をしておりますから、私は一応現在の段階においては割り増しということで措置をしてもいいのであろう、このように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 どうもらちがあかないのですが、時間もないから、いずれの機会にしますが、考えておいてください。あなたの理論は合わないのですよ。加味する。加味するが一体どれくらい加味したか。介護料は必要だと認めながら、加味しているがどれくらい加味しているかわからない。そんなあいまいな考え方はこの際捨てるべきだと思います。  それから次に移りますが、時間がないので、もう急所を言います。  労災では幸いにスライド制をされているのです。これは社会保険、いわゆる厚生年金とか、年金制度にはまだスライド制を入れていないが、共済組合のときに言ったように、労災保険においてはスライド制は認めておるのですね。それを地方公務員の場合は、労災に準じておりながら何でこのスライドを入れないのですか。これだけはぜひこの場で約束してもらいたい。労災に準じてつくったやつですね。それに地方公務員だけスライド制を入れないという理由はないでしょう。この点、どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 公的年金のスライド制につきましては、恩給、共済その他の制度が関連をしてまいりますので、これも先ほどからお答えいたしておりますように、公的年金制度調整連絡会議でございますか、ここでこの問題を取り上げていただきたい。またわれわれも出かけていきまして、ここで発言をしておるという状態でございまして、国家公務員との関連もございまして、この問題もいま申しました会議で検討しておるという段階でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうじゃないのですよ。一般の年金制度、社会保障と考えた年金制度はこれは別ですよ。これは相当意味があるのですよ。財源的な問題があるのです。しかし、労災についてはこの労災補償という立場から、労災についてはだいぶ早くにスライド制を入れたのです。それで何で国家公務員、地方公務員だけこのスライド制が必要でないかということを——一般のやつは別ですよ。これはもう論議は済んだのだから、この前の共済組合の問題で済んだのだから、これは将来検討してやるということの意欲は有しておられるが、一方には労災にあるんでしょう。それが地方公務員、国家公務員、同じ状態の業務上の災害についてスライド制を入れなかったか。この根拠はないでしょう。何も年金一般のスライド制のところで取り上げてやる問題じゃないのですよ。労災ですでにやっているんでしょう。それをなぜ公務員でやれないのか。公務員の場合にはスライド制が必要でないという根拠はどこにあるか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) おっしゃいますように、私はスライド制は必要だと思っております。しかし国家公務員の災害補償法との関連におきまして、この措置が十分できなかったという経緯があるわけであります。したがって、現在年金の額が著しく公正を欠くに至ったという場合には、きわめて暫定的な措置でございますけれども、基金が自治大臣の承認を得まして平均給与を上げておるという措置をとっておるわけであります。したがいまして、スライド制というものはわれわれとしては必要であるということは考えておりますけれども、国家公務員との関連におきまして調整を要する問題である、このように考えておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 労災も初めなかったのです。だからこれは一般の年金制度ではなくして、これは至急に入れるべきです。私は立法上のミスだと思う。国家公務員の場合は早くできてしまったのですが、これは大きなミスですよ。それはこの点だけはどう言われてもぼくは言いわけができないと思うので、この問題は次の改正のときにはぜひスライド制をしいてもらいたい。その点、局長、どうです。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 地方公務員の災害補償制度は、国家公務員の災害補償制度というものを参考にして立案をされているわけでございます。地方公務員のほうにもそういう趣旨の規定があるわけでございます。したがいまして、政府部内といたしましては、おそらくただいま御趣旨のような問題を討議をいたしますと、当然に国家公務員の災害補償制度との関連の議論が出てくると思うのでございます。ただ、実質的には、先ほど公務員部長も御答弁を申し上げましたように、各種の事情の状況に応じて年金額をふやすという措置を事実上いたしているということは、これは事実でございます。私どもといたしましては、ただいまお話のような御趣旨を体して関係各省と話し合いをいたしたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それはね、もう納得がどうしてもできない。国家公務員に準ずるというが、国家公務員の改正は前にできておったのですよ。二年前までは、地方公務員は労災でやっておったのですよ。そのときはスライド制であったのですよ、労災の適用ですから。それをなぜこれを取ってしまうかということ、その点の理由がわからないのですね。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 確かにそれは国家公務員の制度が先にできていたことは事実でございますが、やはり同じ公務員に対する災害補償の制度でございます。たいへん具体的なことを申し上げますれば、私どものほうがそういう改正の意図を持ちましたけれども、国家公務員につきましてもやはり同じような問題、当然これは出てきてしかるべき問題だろうと思うのでございます。そういたしますと、やはりその関係省との間の折衝、事実問題としてこれが出てくる。これは山本委員もおわかりいただけると思うのでありまして、そういうことを私は申し上げておるのであります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは率直に認めなさいよ。これは国家公務員もそうだからといって、いつも悪い点だけは国家公務員に準ずると言いますが、こういうことでは地方公務員の働く人がそれは承知しませんですよ。何でも国家公務員に準ずる。いやでも国家公務員に準じて悪くする。そういう論議もあまりされてなかったのです。若干はあったですがね。だから私は、もうすでにそういう、これこそ既得権です。そういうものを適用されておった労災をはずしてしまって、国家公務員に準ずる地方公務員災害補償法をつくってしまうのですね。それはそのときでしょう。むしろ逆に国家公務員は、これはおかしいじゃないかと。労災に準じたものだから、国家公務員こうしてやろうじゃないかという話はしなかったのですか。悪いほうにそろえてしまって、知らないものが損をするということはとるべき態度ではないということですね。各省ともそれは打ち合わせされると、国家公務員がそうだから、地方公務員やってもらっては困るということを他の省は言いますよ。言うけれども、それは無理だという抵抗をされたのですか。抵抗されたなら、どこでどうされたかということを参考までに聞いておきたい。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) この法律をつくりますときに、ただいま山本委員がおっしゃったような具体的な話は私はなかったと思うのでございます。私が先ほど御答弁を申し上げましたのは、山本委員も今後の問題としてこれをどう扱うかということについての自治省の見解を聞きたい、こういう意味で御質問がございましたが、私どもは事実上そういう措置もとっておることでございますし、私どもとしては前向きに検討いたしていきたいけれども、ただ国家公務員の制度との関連があるので、必ずしもいまここでできるというようなことを申し上げるわけにはまいらない。地方公務員をやれば、山本委員のお話のように国家公務員も当然それをやったらいいじゃないか、こういうことになるわけでございます。そういう意味で関係各省もかなり議論があるであろうという意味のことを申し上げたわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私はあなたは信頼する立場におるけれども、そういうことを言われるなら、行政局長、あなたは地方公務員の立場をどう考えておられるのか。自分の弁護をしているだけじゃないですか。これは当時あなたは当事者でなかったから言いませんけれども、やはりこういうスライド制という大きい重要な柱があったにもかかわらず取ってしまったということ、それは国家公務員に準ずるというだけですよ。地方公務員は非常に迷惑に思っている。せっかく労災法のいいやつを運用されているやつを、地方公務員災害補償法ができたためにスライド制がなくなった。これは大きいですよ。労災の、二〇%ベースアップあった場合には二〇%ベースアップされるんですよ、年金につきましても。そういうものをそういうふうにあなたがいま説明をするというのは、それこそ官僚ということばは使いにくいけれども、自分らの立場だけを支持しようというだけであって、ほんとうに地方公務員のことを考えているかどうかということは疑わしいと思う。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私の申し上げ方が多少悪いのかもしれませんけれども、私はそういうことの改正の方向について、国がやらなければ地方もやらないということを申し上げているわけではない。私どもとしては実質上いまそういう措置をやっておるわけであります。したがいまして、私どもとしてはこの制度の改正については前向きに考えてまいりたい。ただ、ここでそれでは完全にお約束できるかということになりますと、国家公務員の制度との関連がございます。いろいろむずかしい問題があるけれども、私どもとしては国家公務員が発動しなければやらないという意味じゃなくて、やって、前向きで努力していきたい。ただ、いろいろ問題がございますということを申し上げておる次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 まあ、それはこれから追及しても、それはあなたのほうは自分の責任だということは言わないと思いますが、これはやはりこの法律をつくったときの責任だと思います。しかしまあ最後のあなたの答弁で、前向きにやってください。これは大臣、聞いておられますから、どうですか、どちらに分があるか、ちょっと聞かせてください。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) どちらに分があるということは差し控えたいと思いますが、誠意を持って前向きに検討してまいりたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そういうことでおわかりになったと思いますが、私の追及があまり強いとまた何かほかに意図があると思われるといけませんから、おわかりになったものとして、これで終わります。  あとは、問題は労災との関係ですが、これはあなたの言い分もあると思いますが、基金の運営ですね、労災は三者構成で審議会をつくっておるのですが、この地方公務員災害補償法では三者構成でなくて、あなたのほうは運用上やっておられるようですが、これは法律上三者構成ということで、使用者あるいは被用者も含めて三者構成ということにやっていただけませんか。率直に質問いたします。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 本来的に基金は、従来各地方公共団体が行なっておりました補償に関する事務を共同して、あるいは一部事務組合的な性格で処理をしておるというかっこうでございます。したがいまして、この基金の運営に関します基本的な問題を審議調査いたします運営審議会というものにつきましては、地方公共団体を代表してその責めを果たす人を委員に入れ、そしてあと学識経験の方で、この基金がよりよい運営ができるようにいたしたい、こういう考え方があるわけであります。そこで御質問のように、この職員代表を入れて三者構成でどうだというお話でございますが、この基金というのは、いわゆる使用者に対する職員、労使関係というような問題としての取り上げ方でなくして、われわれといたしましては、本来地方公共団体がやるべきその責任を持っているその主体としての代表という者に入ってもらって、あと半数は学識経験者に入っていただきたい。その場合には、しかしそうはいいましても、やはり職員の中には、この問題につきまして非常に詳しい、またこういうことについての学識のある方もおられますものですから、半分入っていただきまして、御意見を聞き、この基金の運営がよりよい方向に進むように努力していこう、こういうふうにいたしたものでございまして、現在のところ三者構成でやることを法律に明記するという気持ちは持っておりませんです。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それが間違いです。やはりこういうものは公平に運営しなくちゃいけないのです。一番利害関係があるのは地方公務員の該当者ですね。そういうものに対して、実はそういう代表を入れないというところに非民主的なやり方があると思うのですね。したがいまして、地方公務員だからそういう代表に入れないという思想はこれは間違いです。事実上運営しているでしょう。学識経験者という名前で職員代表を入れているでしょう。入れているのなら、別に法律でやったっていいじゃないですか。その趣旨をわかって運用されているのでしょう。運用されてないというのだったら別ですが、運用されているのだったら、別に法律に入れたっていいじゃないですか。私はそういう点であなたのほうの考え方に懸念を持っているのです。そういう運用を認めているでしょう。それをしながら、法律にするのはいやだというのは、何でそういうことなんですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先ほど申しましたように、いわゆる使用者と職員というかっこうでの委員はきめてなくて、それぞれこういう問題について学識経験のある方として、学識経験者の中に入っていただいておる、こういう構成にしておるわけであります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 使用者、被用者の関係でないと言われますがね。それじゃ地方公務員は被用者じゃないという考え方ですか。すべての考え方はやはり使用者と被用者という形になるでしょう。それなら労災のこれは必要ないですよ。雇う者と雇われる者があって、災害があったときには雇い主が法律に基づいて補償しましょうという法律でしょう。あなたは、地方公務員には被用者はいない、雇う地方公共団体の人がおればいいという考え方であれば、この法律自体が矛盾になると思います。したがって、私は三者構成で運営するということがたてまえだと思う。それをあなた、どうしても否定するという気持ちがわからない。しかもまた現実的には学識経験者として入れておる。こういうあなたの論には大きい矛盾がありますよ。現実にやっているが、法律には入れないのだ。入れないというのは、地方公務員の関係は使用者とか被用者の関係は考えていない。考えていないのなら、別に使用者の責任がないのなら、こんな労災は要らない。やめてしまいなさい。どこかで補償したらいいのだ。そういう論理に非常に矛盾がある、あなたの言うのには。言うてみれば、法律に入れると職員代表が来てがやがやしていやだから入れないという、そういう感情なら別ですよ。それが本心かどうかわかりませんが、これは考え直しなさい。何べん言ったって、いまの立場として、やりますということは言わぬと思いますがね。私の言うことを参考にして考えなさい。忠告的に言っておきます。  それからもっと聞いておきたいのは、もう一つ重要なことは、これはこの基金の組織運用等についての運営審議会ですが、実際に審査するということは、これは一番問題の焦点ですね。これに対する参与については非常に問題があるのですね。これは私の言うように、参与については職員の側も入れておるかどうか知りませんが、その代表として入れて、その権限というものは労災のような権限を与えよ、こういう考え方が私の趣旨なんです。その点についてどうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 審査会の審査をします方は、いわゆるこの道についての学識のある方、専門的な方、こういうかっこうでこの審査会の運営をしておるわけでございますが、参与という制度を設けまして、これらの方々に意見を申し出る、こういう制度を設けてあるわけであります。そこで、それらの方々の御意見を承って審査をするかどうかは、いま言いましたように、こういう公務災害の補償につきましてのほんとうの専門家の方方をお願いをして、いわゆる公正な第三者的な立場で審査を補う、こういう考え方でつくっておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それから、あなたね、学識経験者は万能で公正だとか、そういうことを言えますか。それで、実は労災でも一般の労働者代表といいますか、そういうものを入れていろいろと審査についての意見を聴取してやっておるのですね。したがって、あなたね、そういう専門家なものだからそれが公正な的確な審査ができるか、認定できるかといえば、できないのですよ。これは現実にできません。私も経験あるのですよ。それは人間ですから、できないのです。それに対して、やはり参与を入れてその不当な認定を何とかこれを是正しようという精神ですね。したがって、主としてはやはり専門家の方が認定するのですよ、しろうとはできないのだから。何ぼ専門の方でも、そういう労働者の立場というものを十分わからぬ人もありますよ。大体、医者がやっていますよ。私も現実に取り扱った問題がたくさんあるんです。何ぼお医者さんといえども、やはり、けがしたその実体というものはわかるけれども、その経過というものはわからないのですね、事後、書類で審査するのですから。まあ、本人も来てもらって見る場合もありますけれども、その場合に、やはり職員代表、労働者代表というものがおってサゼスチョンするという機会があれば、そんな無理なことを言わぬですよ。そういう機会を開きなさいというのがこの社会党の案の主張なんです。これはぜひ考えてください。これは公平な審査をするために必要ですよ。それが問題を起こすのです。そういう点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 参与の方には、先生のおっしゃいましたように、十分な意見は聞くことになっておりますし、現に聞いておるわけであります。そしてお医者さんとか、ほんとうの専門の方が最終的に審査する。その時点におきまして本人の御意見も聞いておりますし、また実情も十分調査しておりますし、参与の方の御意見も十分承っておる、こういうことで、われわれとしては一応適正な運営がなされておるのではないか、かように考えておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと関連ですが、これ、かなりいまの御答弁は実態とはずいぶん違っていると思うのですよ。少なくとも私たちが把握している限りにおいては、それはたとえば当該支部で企画をされて地方審査会へ持ってきてそれが決定を経るまでに、いままでの経験からいくと、約二年近くかかりますね、現実に。こういう長い期間を経て、そして審査会の審理というのは二、三時間程度で終わっている。十分意見を聞くなどと言われますが、決して十分な意見を聞く余裕というものが与えられていない。参与の場合、一人十分程度の意見の開陳をされて終わっておる。もちろん、不服申し立て審査法は、文書でよろしいのだというようなことで、おそらく参与が書面で提出してもらっていると答弁なさろうと思っているのでしょう。しかし、そんな答弁じゃ困るので、実際問題としては、たとえば当局側の参与の四名、この四名の方々はかつて審査会に一度も出られたことはありません。わずか一名が若干時間出られた。実態はそういうことなんですね。ここでやはり大きな問題が起きているのであります。私は、いわゆる出席してそこで新たな資料やら、あるいは請求人の陳述があるわけですから、それを参与の諸君も十分に聞きながら、基金のいわゆる運用その他についても十分な判断をしてもらうということが必要になってくるだろう、そういうようにも思うのですね。事前の配付調書だけで、そうして出されている裁決というものは正しいのだなどというような、そういう文書提出というのは無責任だと思うのです。現行法ができてから、そういう意味においては持っておった既得権がゆがめられていっているというふうに言っても私は過言ではない。いま宮崎県にかかっている問題があったり、あるいは長野にあったり、静岡にあったり、いろいろしておりますけれども、時間がなくなっていますから、それらの一つ一つについて言おうとは思いませんけれども、実情はそういうことなんですから、そういう意味においては、社会党提案の審査会運営の適正化というものは、これは十分やはり考えていただく余地のある問題だと思うのです。そうして四十二年にあの法律が出るときに附帯的につけられておるところの決議も、そのことをやはり明らかにしているのですから、附帯決議というものもやはりこの機会に、これだけの運用の中で、もう歴然として出ているわけですからね、これを取り上げていただく。それが今度のわれわれのいわゆる修正案に具現されている、われわれの案に出ているだけなんですが、いかがですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 本部の審査会の問題につきましては、いまおっしゃったようなことで、私参りましてすぐ聞きました。たとえば参与の方が県の部長だとかあるいは役職の上の方が来られないということで、実質的に参与の方の意見も述べる機会がない。あるいは文書を出すだけじゃないかというお話がございました。また、十分参与の人の意見も聞いてもらえないというお話もございました。今回改選の機会に、課長とか課長補佐クラスの、ほんとうに実際仕事をして、あの場に出てきて意見を述べられる人にかえてくれということで、かえてもらいましたし、それから時間も制限するようなことをせずに、できるだけ意見を聞くようにしてやってもらいたい、こういうことで一応指導してまいっております。したがいまして、いま和田先生のおっしゃいました問題は、私も事実として承ったことはございます。これにつきましては、ただいま言いましたような方法で指導をして、じっくり十分な時間をかけて意見を聞き、また使用者側のほうからも十分な人が会議に出られるような態勢をとるように実は指導してまいったわけであります。その趣旨を体として現在のところ運用されておるというふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 実際は、あなたがこの前の運審でもそういうことで運用しておると言うのだが、制度というものが確立しない限りは、あなたの言うような指導をしても徹底しないのです。あなたがそういうことをなさるのだったら、社会党の案を認めても差しつかえないでしょう。どこに異議があるのですか。労災では認めておった、先ほどもスライドの問題を言ったけれども、それを何で取ってしまうのか。それなら、昔から地方公務員災害補償つくっておけばいい。労災をこれにかえるときにみな取ってしまったのですね。そういうことは私は、共済組合法で言ったように、自治省が民主的な問題をだんだん否定していこうという傾向があると、私は悪い見方からもしれませんが、そうとらざるを得ないのですよ。そういうことを率直に認めなさい。運用をそういうことであなたはしているというなら、法律にもそう書いたって支障ないですよ。法律の文言に書いても、財政的に大きな負担をするわけではないでしょう。それによって災害者が納得するというなら、法の精神に合致するのじゃないですか。そういう制度に変えて自治省として大きな障害もないのだ。しかも、前にそうやっておった、それをもとへ返すのだということであれば、何もこれを否定して抗言する必要はないのじゃないか。どんな大きな障害があるのですか、そうした場合。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 御意見のほどはよくわかるのでございますが、まあ、たてまえといいますか、考え方の基本に、先ほど言いましたように審査会の審査というものはそういう専門家によってやってもらう。それから参与という制度をつくりまして、御意見は十分に聞いてその御意見を参酌して最終的に審査会の皆さんが決定をする、こういう制度として一応われわれとしては適正な運営ができるのじゃないか、このように考えておる次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それが適正にやられていないんですよ。時間がないからわれわれもそんなに言わない、例もあげないのですが、それがされていないから問題にしているんです。なぜ私がこの問題でこんなに力を入れて長時間言う必要があるか、障害がなければわが社会党案は必要がない、これでやれますよ。障害があるからこんなことを言っているんですよ。障害がなければ言わないんですよ。しかも、その障害を除去するために、こうやった場合に自治省としてはどれだけの財政負担があるか。何も要らない。なぜそういうことに対して抵抗するのか、その理由がわからない、逆に言うと。これは悪い考え方ですよ。災害を受けた者について認定をしない、これはしないでいいじゃないか、そんなものどうでもいいのだということにとられるんですよ。したがって、制度としてそうしてやった場合に運用上どうしてもいけないという理由をあなた言ってくださいよ、そうすれば私も考えますよ。もうすでに四十二年の、前には労災をそうやっていたのだけれども、無理に取ってしまった。国家公務員はこうだから、そのときに国家公務員がこうならこうしようじゃないかという意見を出してやるべきですよ。その点を理解させてくださいよ、理解を。私だけではないですよ、立法府における皆さんに。それで自治省のやったことに無理がない、理解させるような答弁をしてもらいたいと思いますね。金は要らないんです。給付問題なら金が要るが、金は要らないものをなぜ固執されるか、こういう点です。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃることもよくわかります。しかし、発足以来二年半の制度の中で、われわれはこれをよりよくする努力はしてきたと思っております。それ以来二年半くらいの実情でございますし、まだ現にそういう主張のございましたものにつきましては、運営をよくするように私どものほうからそれぞれの審査会のほうにも指導してまいっておる現状でございます。そういう中でこの問題を措置してまいりたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それではここでどうこうするということを言う必要はない、法律案が出ておりますから。しかし、私の言ったことはわかるでしょう。わかるなら、それはよくなるならよくなるように考えるべきではないですか。悪くなるというんなら言ってくださいと言っているんです。それでもできないというなら、その理由を言ってくれというんです。私のほうは、このほうが公正に運営されて災害者が納得するから、そういうほうがいいのではないか、労災もそうやっている、そういうことを言っているんですからね。どこまでも運営でやるというんなら、あなたどれだけの力があるんですか。今後、運営で、もしいかないところがありましたら、あなた責任を持ちますか。責任を持つと言えますか。そういうことのないように、何ぼあなたが全知全能の人でもできないので、そういう制度にしたら災害者も納得するのではないかということでわれわれは忠言しておる。だから、これは検討してもらわなければならないと思うんですが、行政局長どう思いますか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 私も実は基本的に公務員部長と同じ考え方でございますが、ただ、公務員部長はいまのものが適正に運営が行なわれておると言い、山本委員は適正な運営が行なわれていない、こういうお話でございます。したがいまして、私どもといたしましては、はたして適正な運営が行なわれておるかどうか、実態を調査させていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大臣、お聞きになったからあなたの答弁は必要ないと思いますが、こういう非常に複雑な立法ですから、大臣には私はことさらに問題をどうこう質問しませんが、私は決して無理を言っておらないと思います。したがって、何とか労働者である地方公務員が安心して仕事ができるようにどうしたらいいかという本意から出ておるのですね。だからできないこともありましょう。これは政府としても考えざるを得ないことはありましょうが、できることはやはりできるように、納得するようにやはり改めていくべきだと思うのですね。そういう姿勢が私はやはり必要だと思う。それを何か言うと、その制度に固執して、自治省の人々はとかく政治的な答弁しかしないのです。私はそれは間違ったことだと思う。したがって、前の制度と比較して、こちらがいいのだということを立証ができればそれを出してもらいたい。いかないならば前の労災と同じような姿にしようじゃないか。それは話のつく問題です。それを全部否定するのだ、おれのやるほうがみんな正しいという主張ならば、これはけんかしかない。そういうことでは私は立法府としての円満な運営はできないと思うのですが、大臣はどういう見解を持っておられますか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 問題は運営審議会の委員の構成のことでございますが、実質上、職員の代表的な方を入れてやって、しかもそれでは運営がかえってうまくいかないのだという点に議論が分かれております。局長もその点についてはひとつ検討をしたい、こうお答えを申し上げておるのでありまして、しかもその点はどこにそういう認識の相違が出ているか、また事実どうであるか、これはひとつ謙虚に検討さしていただきたい。善処してまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほどから補償の率の問題で論議があったのですが、若年者、低給与者の補償引き上げ問題が問題になっておりますと聞いておりますし、これを何とか引き上げようと努力もされておるように仄聞するのですが、その改定の作業は一体どの辺をめどとされておるのか、答弁ができればしてもらいたいと思うのですが。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) 私ども、遺族補償等におきまして、若い方で給与月額が非常に低いという方がおられますが、そういう方がなくなったときに、いま先生の言われたような事態が発生するということに相なるかと思います。これは全体的、一般的には自賠なんかに比べて遜色はありませんけれども、そういう方々について、そういう実態はこれは事実としてあり得るわけです。そこで、そういうものに対して何とか打つ手はないだろうかということで、実は内々検討しておるわけでございますけれども、これもまた例の答弁になって恐縮でございますけれども、国家公務員との関係、それから労災の関係等もございますから、私どもまだそこの会議に持ち出すまでに至っておりませんけれども、機会あるごとにそういう話で研究をし合おうじゃないかということを言っておる次第でございます。  それからなお地方団体の場合には賞じゅつ金制度というものがかなり普及をしておりますので、そういう方面においてやはりそれを充実いたしまして、それも制度化できないものだろうか、これは人事院が中心になりまして政府関係でいろいろ相談をしておる実情でございますけれども、こういうものも含めまして、いまの問題について取り組んでいきたい、こういう気持ちであります。いまそのめどがどこにあるか、あるいはどういう状態であるかということにつきましては、まだお答え申し上げる段階に至っておりませんけれども、そういう気持ちでやっておるということを申し上げて、御了承をいただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 給食調理員の人たちなどの腰痛、あるいはキーパンチャーの職業病、そういう形、また機械導入に伴うところの神経的な疲労などというような形で、かなり職業病、公傷扱いにしてもよいような状態が定期健康診断等を通じてかなりふえているのであります。あるものに至っては、かつての結核にかわるような状態になるものもあるんですが、これらのものは、これはやっぱり総点検をする必要があると実は思っているんです。私自身も衛生管理者をやっていましたが、この労働基準法との対応における公務員職場、地方公務員職場における安全衛生委員会なり衛生委員会なりというようなものの運営というのは非常にルーズなんですね。それは役所の仕事ですから、届け出だけはうまくやっているし、保健所の医者を置かなければならない、いわゆる法定の医者として委嘱をしていないとは言いませんよ。事業所ごとにしている。そういうていさいは整っているけれども、実際の運営というのはほとんどないにひとしいと言っていいぐらいです。したがって、この辺はそういう事業所に対する点検を労働省の側はどのようにお考えになっているか。単にいままでのように書類で受け付けておって届けられているからこれでいいんだ、民間に見られるような形の指導をする必要はないんだというふうに推移をされていくおつもりなのかどうか。それから、第一の問題については、これはもう労働省だけではなくて、もちろん自治省も一緒になってこういうものに対する全国調査を実施して、感染防止やあるいは業務上の災害の絶滅の努力をすべきだと思いますが、やられた資料があればやられた結果について、やられていなければやるつもりがあるかどうか、伺いたい。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘の最近の産業環境の変化、あるいはまたコンピューター等の機械化の導入に伴いまして新しい職業病が発生しておって、非常に労使間の関心を呼んでいることは、先生の御指摘のとおりでございますが、たとえば腰痛につきましては、昨年の四十四年九月で五千九十人ということでございます。で、先生は衛生管理士をやっていらっしゃってよく御存じだと思いますが、災害性の、たとえば外部からの力によって腰等をぶつけ、それで腰痛を起こした、こういう災害性のものだとか、あるいは重量物を運ぶというような場合の比較的原因のはっきりしているものについては、すでに業務上の取り扱いをやっているわけでございますが、その起因性のはっきりしない、ことに事務部門に多いと思うのでございますが、そういうものについて、私どもとしては最近そういう問題がいろいろ事務部門で出ております。そういった問題について、その実情を見て認定をするというふうな態度で臨んでおります。前は、そういうふうな起因性のはっきりしないものについてはなかなか証明がむずかしいということで、把握がむずかしかったわけでありますが、最近においては、こちらで積極的にそういうものをよく実情を検討して、起因性のあるものについてはそういうものを認めるという指導をやっております。  それから、後段の全般的な調査というお話でございますが、これは労働省は労働基準法の適用の範囲の問題について、認定に際してさらにこまかい分類で、そういった腰痛だとか、キーパンチャーの問題に取り組みたいと思います。なお、全般的な各省にまたがる問題になりますと、自治省、それから人事院等と十分相談をして、そういった問題に取り組みたいというふうに考えております。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 地方公務員法四十二条でございますが、これによりますと、「地方公共団体は、職員の保健、元気回復その他厚生に関する事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。」、こう書いてございますが、まことに残念ながら、現在、地方団体におきましては、厚生の面に関しまして十分であるとはいえないと思います。で、自治省といたしましては、四十五年、本年から厚生事業の充実という問題につきまして、地方団体が計画を立てる、これを実施をする、その場合の計画樹立の指導、あるいは実施の基準等を検討していきたいというので、作業にかかっておる状況でございます。その中で、安全衛生委員会でございますか、これもすでにそういう委員会を設置するようにという促進方の通知は出してございますけれども、現実にはまだできておらないというのが実情でございます。そこで、この面につきましては、さらに指導をすると同時に、先ほど職業病的なものについてのデータがないかというお話でございますが、残念ながらこれはないわけでございます。したがいまして、その原因の調査、あるいは実態というものも、これは四十五年度にやりたい、そうして予防措置あるいは安全対策等につきましては、四十五年に自治省としてこれを正式に取り上げまして対策を考えていきたい、このように考えております。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○説明員(中西正雄君) 事業場におきまして、安全衛生管理を的確にまた効果的に進める上では、何といいましても直接被災者になります関係労働者の意見を聞くことが非常に大切でございます。そういうことで労働省としましては、かねてから事業場における安全衛生委員会の活動を積極的に進めるということを重点としまして指導監督を実施いたしております。それでは安全衛生委員会が、実際どのように活動しているかという状況でございますが、これにつきましては、昭和四十一年に労働災害総合基本調査を実施いたしまして、安全衛生施設の現状、あるいは安全管理組織の実態等を調査いたしました。その結果によりますと、全体の約半数が、毎月、安全衛生委員会を開催しております。約九〇%が、三月に一回は安全衛生委員会を開催しているというような実情でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま自治省からたいへん前向きの答弁があり、労働省から答弁がありましたが、民間に対する指導というのは、ある一定の段階で進んでいることを認めようと思うのです、この部分については。しかしながら、いわれてみたって、各省の出先を含んで、あるいは自治体の出先を含んで、そこにおけるところのいわゆる安全衛生に関する指導というのは皆無にひとしいですよ、書類のやりとりで終わっています。もし終わっていないといわれるのならば、いつかの機会に、書類のやりとりに終わっているそういう実情について、私どものほうから出してもよろしい。こういう状態では、私はもういってみれば、機械の導入等を経て業務内容などが均一化をしてきている状態の中で、指導というのが民間に偏重をして、お互い仲間同士に対しては大目で見ているというような状態、ざっくばらんにいえば、そういう状態が非常な危険を私は招くと思います。たとえば市役所なり、区役所なり、あるいは町役場なりの女子従業員の最近の既婚者、いってみれば妊婦の方々の定期健康診断の結果をごらんになってみなさい。子宮外妊娠だとか、異常妊娠という率が非常な勢いでふえています。あれは何か機械によって立業が余儀なくされて、座業で済んだものが立業というものに変化を見た。しかし、それには結果的に十分な休憩時間なり、休息時間が保証されないまま立業に変化をしていったから、そういう状態が起きているのだと思う。それで、医師であるところの衛生管理者の諸君もこのことを認めている。そういうものに対する具体的な指導というものが、それは民間の場合でしたらある意味では安全衛生委員会等のそれに対する指導などを通じながら一定の方向が出るんだけれども、一向に出ないんです、公務員の場合。そういうものについては十分な措置をすべきであると思いますが、いかがですか。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 先生の御指摘の話で、地方公務員の場合ですね、労働基準法の適用になる者とならぬ者とございます。たとえば災害の問題になりますと、地方公務員の場合でございますれば、常時勤務する者は地方公務員災害補償法二条の適用になるわけでございます。したがいまして、それ以外のことについては、先ほど申し上げましたように、具体的に認定のケースで出てまいるわけです。その認定の段階において、もちろん調査をやるとともに、監督権のあるものについてはもちろん十分に監督していくのは当然のことだと存ずる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 簡単にしてやめますが、監督権のあるものに対しては、言ってみれば、遠慮をせずに監督するという態度で臨むことが必要だと思うんです。民間に対してはたいへんな勢いで監督をされるが、同種同業者に対しては監督が怠られている。そういう状態というのは私は改めるべきだ、そう思いますが、そうお思いになりませんか。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) そのとおりでございます。

原田立公明党

○原田立君 今回の改正案は、労働者災害補償法及び国家公務員災害補償法における保険給付等についての均衡をはかるためとの理由で出ておりますが、具体的に説明してください。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 一つは、障害補償年金の等級を、一級から七級までそれぞれの等級に応じまして、たとえば第三級、これはILOの条約でいっておりますところの所得能力の全部喪失、身体機能の相当喪失、こういうのが障害補償の年金の三級に該当いたします。これは現在のところは平均給与額の五一・五%でございますけれども、これがILOの一二一号条約に従いますと、平均給与の六〇%ということになります。したがって、これを三百六十五日の六割、大体二百十九日になりますか、こういうかっこうになりまして、これはアップが一六・五%だったと思います。そのアップ率を一級から七級までかけまして、少なくとも障害補償年金につきましてはILOの平均給与額の六〇%というのに近づけた、その六〇%をとった、これが一つでございます。  それから、二番目の遺族補償年金につきましては、これはそれぞれ遺族数がございますが、三人のところ、妻、子供二人という場合に、平均給与額の現在四〇%でございますが、ILOでは五〇%ということで、それが勧告の中に入っておりますから、それまで近づける、それと同じにする。これを基準にいたしまして、それぞれの遺族数に応じまして改正をしていった。  それから三番目の問題といたしましては、遺族年金の受給権者に一時金の支給制度を延長をした。これは四十七年の十一月三十日まで措置されておるわけでございますけれども、これをさらに五年間延ばした。これは利用者の大体半数の方々が年金の一時金の支給を希望するという実態もございましたので、これをさらに五年間延ばした。これが主要な改正点でございます。

原田立公明党

○原田立君 いまのお話の中にあった遺族補償年金受給権者に対する一時金支給制度の延長ですけれども、今回の改正措置でさらに五年間延長されることになった。いまのお話の中では、まだ利用者があるから五年延ばしたのだ、こういうお話なんですが、現行法でも四十七年十一月三十日まで五年間ということになっていたはずですね。いまは四十五年ですからたいへん早いですね。そういうようなことが一点。それから、この前この表をもらいまして、これに、遺族補償年金で約半数ぐらいの人たちが一時金の支給を希望しているというようなデータが出ておりますけれども、こういう五年間延長というのをいまごろやるのは少し早過ぎるのじゃないか。なぜこんなものをあわせておやりになったのですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先ほどもちょっと触れましたけれども、四十三年で八十二人のうち三十九人、大体四七%ほどでございますが、これらの方々がやはり一時金をもらいたい、生業資金にしたい、あるいは借金の返済をしたいというようなことで、半数の方々が御希望なさっておるというような実態を踏まえておりますことと同時に、国家公務員、あるいは労災も同様に五年延ばしますので、そういうものとはずを合わせまして、私のほうも、地方公務員のほうも同様に五年間延長をしよう。そのときになりまして延ばすよりも、国家公務員並びに労災のほうが延長いたしますのと、これと同じ歩調で延長するという措置をとったわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 この前五年間延ばし、また今回五年間延ばすという、こういう一時金の支給という制度ですね。これはもう固定化するという考え方でそういうふうに延ばしているのですか。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) いま御質問に出ております前払い一時金というものができましたのは、従来その補償は一時金だった。それが四十年から年金制度が労災等にもみな取り入れられたわけです。それと、補償の完ぺきを期するためには、補償される人のおられる間ずっと補償するのがいいのじゃないかという考え方から年金制度に切りかえられたわけであります。しかし、長年、一時金制度でずっとやってきておりますから、その切りかえの際に、いま部長が申し上げましたように、一時的な出費がある、あるいは借金の返済とか、そういうようないろいろなものも考えられまして、いままでずっと一時金でやっておったのが年金に切りかわるというふうにいたしますと、それになじむまでの間、前払い制度を併用したほうがいいんではないかということで、そういう暫定の制度ということで前払い一時金制度がとられたわけでありまして、これを受けて国家公務員、あるいは地方公務員にもそれを取り入れたわけでございますけれども、実施いたしましてその結果を見ますというと、補償を受けられる方がこの前払い一時金を希望されるのが非常に多いのでございます。いま申し上げました半数近くの人が希望されるという実情でございますので、まあもうしばらく、その年金に完全になじんだというにはまだ早いのではなかろうかということもあります。それから利用者が非常に希望される、この二つで、ちょうど国家公務員共済期限が切れますから、さらに五年間、従来と同じような趣旨でこれを延ばす、こういうことに相なったわけでございます。それを受けてわれわれの地方公務員のほうにおきましても、四十七年になって期限が切れますけれども、そのときにその点の改正をやるというよりも、今回同じ歩調をあわせてやったほうがいいんじゃないかということで改正をお願いしておるわけであります。でありますからして、固定化するという気持ちはない、かように理解していただきたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 四十七年になるとまためんどうくさくなるものだから、この際ばたっとやっちゃえ、こんなふうな感じで受けとられるのです。なぜこんなことを言うかといいますと、自治省給与課編集の地方公務員災害補償概要、四十二年九月十五日に出している。その中に、「問八十七」に対する答えとして、「国家公務員および民間労働者の例にならって暫定措置として年金の前払いをすることとしたものであり、この暫定措置の五年間に、この制度にかわるべき制度につき、検討が行なわれることとなる。」と書いてあるわけです。要するに、暫定措置としてこうやってつくったのだけれども、この五年間の間に新たなものをつくるのだ、こういう説明がされているわけです。その新しいものができ上がらないうちにまた五年延ばす、ちょっとこれはおかしいじゃないか、こういう感じがするのです。それでお聞きしているわけです。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) そういう気持ちも暫定制度と申しますか、五年間ということで最初出ましたときの制度としてはそういう趣旨もあったかと思います。現在は御承知のとおり前払い一時金制度にかわるべき制度ということで、何かいい方法はないかということで関係各省それぞれ検討しておる実情でございますが、たとえば労災等におきましても検討課題とされておるようでございますけれども、年金担保融資制度等のそういう制度の検討も検討課題としておるわけでありますが、まだ現段階において、関係の労災、公務員災害補償制度、それからわれわれのほうの制度というものとの間で、これがいいんではないかということで、具体化している段階ではございません。それともう一つは、たびたび申すようでございますけれども、非常に希望される向きも多いものですから、この際一応さらにもう五年間延長したい、かようにお願いしているわけです。

原田立公明党

○原田立君 現実にそういう希望する人があるから延ばすんだというそれもわかるのです。わかるのですけれども、ここではっきりとこの制度にかわるべき制度につき検討が行なわれることとなる。行なうといっているんです。それでいながら、また現にこの期限が四十七年十一月である。まだ二年あるわけです。それを、まだ二年間の間に検討の余地があるんじゃないだろうか。それを検討をようしないで、ここで安易に五年また延長というのはちょっと受け取りがたい、そう思うのですよ。また現にいまも説明があったように、一時金であったのを一時金ではまずかろうというので年金に直した、そういうことなんだから、その趣旨からいけば、ただここで希望があるからまた五年延長なんだ、こういうことではちょっと筋が通らない、こう私は思うのです。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃることはよくわかるのでございますけれども、労災がたしかことしの末くらいに前払い一時金、この制度が切れますので、労災のほうもそれを延ばす、私のほうは若干、二年くらいございますけれども、一応、地方公務員の期待といたしましても労災なり国家公務員が延びるならば、この機会にやっぱり延ばしておいてあげたほうが、発足がおくれておりますから、私どものほうが二年くらいおくれるのは当然だと思いますが、そういう意味で、これらとの数を合わせるということで実は措置をしたのでございます。で、先ほど申しましたように、年金担保融資制度なんというものも検討しようかということで、それで寄り寄り検討をしております。そういうものが最終的にまとまらない段階で、いま申しましたことで時期がきましたので、これを延ばす。そうしますれば、地方公務員も延ばしてもらおうというふうに考えまして、これを提案させていただいたわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 理解しがたいですね、前の答えと——前にこういうふうに説明されているものと、いまのお答えとでは明らかに矛盾している、納得しがたいと思います。それはさておいて、労災保険法では、労働者災害補償保険審議会の建議に基づき、制度改善案のうち法律改正によらないものとして、今回の改正案が成立し施行されたときには、同時に省令等の改正により保険給付の拡充、保健施設の新設等、数項目にわたって改善案が示されるわけでありますが、具体的にちょっと説明してください。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 実は担当者がおりませんので、私、実は担当が違うのでございますが、十分な説明ができないと思いますが、簡単に説明させていただきます。  労働者災害補償保険審議会の建議に基づき、制度改善案のうち法律改正によらないものにつきましては、給付基礎日額の最低額を現行の四百八十円を七百七十円に引き上げる。それから葬祭料の額の引き上げを、従来の三万五千円に給付基礎日額の三十日分を加えた額から、六万円に給付基礎日額の三十日分を加えた額に引き上げるというようなことでございます。なお、そのほか保健施設等についてでございますが、その保険給付について説明をしますとそういうことでございます。

原田立公明党

○原田立君 このほかにいろいろありますね、保健施設の新設とか、保健施設関係では介護料の新設であるとか、奨学援護金の新設とか、いろいろあるわけですが、それで自治省にお伺いするのですが、この改正案のうち、労災保険法の特殊な問題もあると思いますが、地方公務員災害補償法においても当然バランスを維持する上からも改善すべき事項もあるのではないかと思うのですが、この点についてどういう検討がなされているのか、お伺いします。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 介護料につきましては、一カ月一万円の介護料が支給されるというようなことも伺っておるわけでございますが、行政的に支給要件等の細目はまだ私のほうでは承っておりません。それがはっきりしますれば、この介護料につきましては、現在福祉施設でやれると思いますので、それで措置をしていきたい、これを考えております。  それから将学援護金のほうはすでに私のほうの地方公務員のほうではやっておりますので、これは必要ないであろう。問題は介護料の点があるだろうと思いますが、これは具体的な要件が出てまりますれば、それによって、その段階で私のほうは福祉施設でやれると思いますので、それで措置をいたしたい、かように考えております。

原田立公明党

○原田立君 今回の改正案によってILO一二一号条約を十分満たすものであると、こういうふうに理解していいんですか。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 先ほどお答えいたしましたとおり、一二一号条約につきましては、今度の改正案を提出してこれが認められれば一二一号条約の線にいくというふうに私ども考えております。

原田立公明党

○原田立君 考えているということは、それじゃこれによっていつでも批准できる状態になったと、こう考えていいんですね。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 考えていると申しましたのは、実はその点が私確信を持って答えられないものですから、たとえば適用範囲その他十分細部にわたって検討しませんと、批准という法律効果を持つところまでいくのかどうか私答えられませんもので、考えると申し上げた次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 それはILO一二一号条約の批准のところまでまだいかないですよ。まだ足らないのです。足らないのだけれども、あなた担当外だと言うから、わからないだろうから聞きませんけれども、地方公務員災害補償法が昭和四十二年八月に制定されて以来三年近く経過するが、その後、毎年給与改定は行なわれているが、この間、公務上の災害補償の認定を受けた者の平均給与額に著しく公正を欠くような状況も生じてきている。現在、制度上自動的に調整されるような規定がない以上、こうしたことの運用はどのように行なっているのか。現在著しく公正を欠くようなケースはないのかどうか。先ほど山本委員からも御質問がありましたけれども、あらためてお伺いしたい。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) 地方公務員災害補償法施行規則第三条第四項の規定によりまして、これは平均報酬額が公正を欠くと考えられる場合におきましては、基金が自治大臣の承認を得てその平均給与額を再計算をして引き上げることができる、こういう条文でございますけれども、それに基づきまして、過般発足いたしましてからちょうど二年半ぐらいになりますから、その間に給与改定が二回ございましたから、包括的に大臣の承認をとりまして、実質労災と大体同じようにその給与改定後の新たなる平均給与額で計算をいたしました額が、自分が現在、前のずっともらっております平均給与額よりも二〇%こえるということになりますというと、改定後の新しい平均給与額で平均報酬額を計算し直してやると、こういうことで包括的に大臣の承認をとりまして、おおむね労災の場合のスライド制と同じ運用を現在いたしております。しかしながら、何ぶん、昭和四十二年十二月から発足いたしまして、それ以降の災害について補償いたしておりますから、給与改定も二回ほどしかございませんので、給与改定率が二〇%をこえることとなるものが少ないのでございますが、そういうことでやりまして、八名引き上げております。しかし、そういうことでずっとやるということで大臣の承認を得て現在やっておりますから、今後はそれに乗っかってどんどん出てくるのではないか、かように考えております。このやり方は、現在、国家公務員災害補償法と全く同じ取り扱いをいたしております。

原田立公明党

○原田立君 いわゆるILOで規定しているスライド制と全く同じと、こういうふうに理解するのかどうか、あるいは今回の措置によって一二一号条約に規定されている水準と比較して全くこの点はこの規格に合っているのかどうか、その点。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) ILOのその条約についてのスライド制については、まあ労働省の方もおられますので、そちらのほうから御答弁いただきたいと思いますが、私どものいまやっておりますのは、先ほどからも山本先生からいろいろ御議論ございましたように、いわゆる労災の法律上そういうものを明定した制度ではないわけです。しかしながら、それを実質的な行政行為として、基金が自治大臣の承認を得ていわゆる基金の行為として、そういうことを同じ効果をねらって、労災と同じような効果が出るように運用をしておると、こういう実情でございまして、したがいまして、労災の現在の二〇%のその給与水準が将来増加した場合に、それにスライドさせるのだというそういう制度がILOのスライド制に合致するのかどうかということはよくわかりませんけれども、私どものほうとしましては、そういう運用はやっておるけれども、法律的な制度になっておりませんから、ここのところは一〇〇%それに労災と同じようになっておるというようには考えられない、また、そういうように申しておるわけではございません。

原田立公明党

○原田立君 地方公務員災害補償法附則第八条の規定によると、他の法令による給付との調整については、「当分の間」という措置をしている。ここで「当分の間」という措置を設けた理由は何か。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) これも、先ほどからいろいろ同じことを言っているわけでございますが、地方公務員災害補償制度というものは国家公務員災害補償制度を手本にするといいますか、それとの均衝を考えて適正にやるということが法律できまっておるわけでございます。そこで、そういうことでございますから、国家公務員災害補償法の附則三十三条において、人事院は、職員の公務災害に対する年金による補償に関しては、共済組合の制度との関係を考慮して引き続き検討を加えるほか、労災保険法による労災保険制度と厚生年金保険、その他の社会保険の制度との関係についての検討結果を考慮して研究を行なうべき旨の規定があるわけです。それを受けて、国家公務員の場合も、国家公務員災害補償制度と他の補償制度との調整につきましては規定があるわけですが、それも当分の間その結果を待ってということで、「当分の間」の制度になっておるわけでございます。そこで、地方公務員の場合も、いま読まれました附則八条の規定でございますけれども、これは国公災法の附則八条と同文の条文になっておるわけでございますけれども、地方公務員の災害補償制度とそれから他の補償制度との調整措置につきましても、この国家公務員災害補償法にかかります人事院の研究成果を待って、そして国家公務員と同じ歩調で、またその研究成果を待ってやるということに相なると思います。そこで、そういうことを前提といたしまして「当分の間」という条文を入れておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 これから各種保険年金のほうとの調整をするので「当分の間」ということばが入っておるのだということのようですけれども、「当分の間」なんだから、あまり長期にわたってはいけないと思うわけです。で、見通しはどうですか。私は早く結論を出すべきだと、法令の上で「当分の間」なんだから早く出すべきなんだが、見通しはどうですか。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) 私どもも同じようにできるだけ早くということを期待しておるわけですし、またそれに努力をしなければならないと、かように考えております。で、もちろんこれは人事院がいま申し上げましたような国家公務員災害補償制度とそれから共済組合制度との関係、それからそれが同時に労災とその他の社会保障制度との関係というようなもののそれぞれの省における検討結果を待って、そして人事院が研究成果を国会なり政府に報告するということを受けて「当分の間」となっておるのでございます。そこで私どもも勉強し、努力する必要があるというふうに思いますけれども、そちらのほうの人事院の研究成果をやはり待たなければいけない、こういうふうに考えますので、できるだけということに対して希望もし、私ども勉強いたしておりますけれども、そういう事情がございますので御了解いただきたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 別の問題になりますけれども、先ほども議論になりました通勤途上の災害の問題ですけれども、通勤途上の災害を公務上と認定する場合、どのような基準があるのか。あるいは通勤途上の事故を公務災害と認定した件数などは過去どのくらいあったのか。あるいはまた通勤途上の事故と見られるようなそういう件数などはどのくらいあったのか。わかっていたら御説明願いたいと思います。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) 地方公務員におきまする通勤途上の認定につきましては、労災、それから国家公務員災害補償法のそれぞれの取り扱いと全く同じ基準を基金がそれぞれの支部に指示をいたしまして、それによって取り扱っております。で、その基準につきましては、非常に詳細に規定いたしておるわけでございますけれども、一応現在のところ、通勤途上につきましては、職員のみに利用される交通機関によって通勤しておる場合であるとか、あるいは業務管理上特定の交通機関を指示して通勤させる場合であるとか、あるいは突発事故が起こったために緊急用務ですぐ出て来いということによって、その場合の往復途上の通勤であるとか、そういうような特殊な状態のもとにおける通勤につきましては、これをほかの制度と同じように公務ということで取り扱っております。ただ私どもといたしましては、そのほかに十時から翌朝の七時半までですが、その間に出勤してくる、あるいは退庁をしてくる、そういうような夜おそく超勤して十時以降になるというような場合につきましては、これはもう公務上ということで取り扱うというような取り扱いを四十三年度から国家公務員が始めましたから、それと歩調を合わしてやっております。その分は若干労災の取り扱いよりは広くなっておると考えております。そういうことで現在行なっております。  ただ、それで基金が四十二年十二月から発足しておりますが、それから何件程度通勤途上で災害が発生し、それを公務として取り扱ったかということにつきましては、これは現在のところその正確な資料は持っておりません。至急調べます。と申しますのは、こういう基準を各都道府県にございます支部に示しまして、そうして問題がないと、そこで公務ということで取り扱っております。問題のあるやつ——非常にきわどいやつとか、どうだろうかというやつを基金に相談をしていただくことになっております。基金の本部に相談してきたやつだけはいま手元に数字があるのですが、九十二件ほどございまして、問題があるということで、支部のほうでいま申し上げました基準にどうだろうかということで相談が九十二件あって、それに対しまして基金のほうで公務災害ということで認定をいたしましたのが七十二件、そのほかに、いま申し上げましたように、いまのそういう基準に当たりまして公務として取り扱っておるものが相当あると思いますけれども、これはいま数字が手元にございませんので、必要があればまた調査いたしまして御報告させていただきたいと、かように思います。

原田立公明党

○原田立君 自家用車はだめなんですか。

潮田康夫自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(潮田康夫君) 自家用事の取り扱いですけれども、県によって自家用車で通勤してもいいということにして取り扱っておる県もございますが、自家用車の使用を禁止しているところも若干あるようでございます。したがいまして、そういうように禁止しているところでは問題ありませんが、許可しているところでも、それが通勤途上であって自家用車で通勤しろと、こういう命令がございますれば、特定に指定して、そういうことであれば、それはいま申し上げましたように、業務管理上の必要により特定の交通機関によって通勤しているということで、所属部局から強制される場合はともかく、しからざる場合は、これは公務として取り扱えない、こういうことで処理をしておるのでございます。

原田立公明党

○原田立君 労働省では、労働大臣の諮問機関として、通勤途上災害調査会を本年三月発足させ、通勤の途上における災害を労災保険の適用とすべきかどうか今後検討していくと、こういうふうなことであるそうですが、それは御存じですか。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 通勤途上災害調査会につきましては、昨年度の建議に基づきまして本年二月に設立したわけでございます。構成については、中央労働基準審議会から六名、それから労災保険審議会から六名、その他学識経験者合わせまして合計十六名で発足しているというふうに聞いております。

原田立公明党

○原田立君 そのいろいろ相談してやった中身のほうはどうですか。

保谷六郎労働省労働基準局安全衛生部計画課長

○説明員(保谷六郎君) 申しわけありませんが、中身について聞いておりません。

原田立公明党

○原田立君 そういう会ができてこの問題を取り扱いするということなんですから、積極的に努力してもらいたいと思いますが、自治省はこの問題について今後どのように対処なさっていくのか、独自に検討なさっていくというのか、それともここの結論を待つというのか、この点はどうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 自治省といたしましては、この調査会の研究の結果を待ちまして措置をいたしたいと思っております。

原田立公明党

○原田立君 要するに、ILOの考え方は、家を出てからは直ちに公務にしろと、こういうふうなのが基本的な考え方だろうと思います。で、等級のきめ方等、これもまあ徐々にではありますけれども、ILOの基準に近づいているように思うのですが、通勤途上のこと等もやはりそれに近づけていく、こういう前向きな姿勢はぜひ必要なのではないかと、こう思うのですけれども、どうですか。

宮澤弘自治省行政局長

○政府委員(宮澤弘君) 先ほども御答弁を申し上げたわけでございますが、現にやはり通勤途上のそういう事故が非常にふえております。したがいまして、私どもといたしましては、労働省でただいま調査会で御検討中のようであります。早く、しかも私どもが希望しておりますような結論を出していただきまして、職員のそういう通勤途上における災害というものに対する手当てができるように希望をいたしております。

原田立公明党

○原田立君 たいへん人事院の方にお待たせして申しわけありません。人事院では、学識経験者、関係当局者からなる災害補償特別調査研究会を設けて検討中とのことですが、これまでの経過及びどのようなことが議論の焦点となっていたのか、御説明いただければ幸いと思います。

島四男雄人事院事務総局職員局長

○政府委員(島四男雄君) 実は現在の公務災害補償はいわゆる定型補償の形をとっておりまして、その発生の態様いかんにかかわらず、一定の方式によって補償するという仕組みになっておるわけでございます。しかしながら、同じ公務災害と申しましても、たとえば一例をあげますると、庁舎に火災が起こったという場合に率先してその中へ飛び込んで重要書類を搬出したために受けた災害も、あるいはまた自分の不注意の結果起こった災害も同じ方式によって災害給付を行なうということでございますので、私ども若干その辺に矛盾を実は感じておるわけでございます。やはり高度の危険が発生することが予測されるような場合に、あえて危険をも顧みないで職務を遂行し、その結果、その危険に基因して受けた災害については何かやはり特別なプラスアルファ的なものを加えてもよろしいのじゃないかということで、実はただいまお話のございましたような学識経験者及び各省庁の関係の深い方々にお集まりいただきまして、この問題についてどういうふうに考えたらいいかということで御相談申し上げたわけでございます。いろいろな議論が出まして、いわゆるそういう見舞い金的なものはやはり災害補償制度の中で扱うのはおかしいという議論もございましたし、それからまた一方におきましては、民間事業所におきましては、いわゆる団交によってプラスアルファというものを出すことは可能でございますし、事業主の全く一方的な配慮によってそういうものを出すということは可能でございますが、御承知のように、公務員の場合はすべて法定主義をとっておりますので、そういった根拠がないとそういう見舞い金を出せませんので、どうしたものだろうかということでいろいろ議論がございました。実は御存じと思いますが、現在そういった非常に高度の危険が発生するような職務に従事しております警察とか、あるいは防衛庁の職員であるとか、いわゆる自衛官でございますが、あるいは海上保安の問題、それから刑務所、あるいは消防でございますとか、そういったようなところには大なり小なりそういった意味の表彰制度というものが設けられておりまして、そういう場合に起きた事故については見舞い金を出すという制度がございます。ところがほかの省庁には、必ずしもそういういま言ったような制度は整備されておりませんので、しかもその給付の態様がまちまちでございますので、やはりこの際何か統一的な制度というものを設ける必要があろうというふうに、実は私どもは考えておるわけでございます。ところがそれについては、各省の中には必ずしも十分御賛同を得られない向きもございますし、それからまた賞じゅつ金との関係で、現在出されております賞じゅつ金の中には、いま私が申し上げたような見舞い金的な要素が多分にございますので、その新しい制度の中における見舞い金的な要素と賞じゅつ金との関係をどういうふうに調整するかということで、いろいろいま検討を重ねております。したがって、こういう制度を発足させるためには、やはり各省間の十分なる御理解を得られませんと、なかなかスムーズに制度として動きませんので、もうちょっとその問題については検討を重ねて、何とか発足させたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 いまも人事院のほうからいろいろと説明されているわけでありますが、人事院のほうでは見舞い金的な要素のあるもの、あるいは賞じゅつ金をもっとふやすというようなことを考えているということでありますが、やはり特別な給付は行なったほうがいいのではないか、そういう場合には。そう思うのですが、また人事院のほうでは、そういうふうな方向に向いていま検討しているということなんでありますが、自治省はその点どうですか。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先ほど人事院からもお話がございましたように、地方には警察官とか、消防職員につきましては賞じゅつ金制度がございまして、二百万とか、百万というかっこうで出しております。それだけじゃなしに、もう少し広い範囲にわたりまして、公務にほんとうに飛び込んで挺身して犠牲になられた方に対しましては、われわれといたしましても前向きの姿勢でこれを検討していくのはけっこうであろう、人事院のほうが国家公務員につきましてそういう制度ができますれば、もちろん私のほうも制度としてこれは検討すべきであろう、このように考えております。実態は、いま言いましたように警察と消防については現実に出ておるという状況でございます。

原田立公明党

○原田立君 先ほどからずっと議論していて一様に思うのは、皆さん方説明せられるときには、国家公務員に地方公務員は準ずるんだ、あるいはまた、いま人事院でやっているその考え方がまとまってからやるんだとか、何か地方公務員の場合には何でもかんでもあっちこっちに追随しているような、ほかのほうがやらなければこっちの地方公務員のほうは動かないんだというような感じを実は強く持つんです。それは先ほど山本委員からお話があったように、地方公務員も二百万人以上いる。家族も含めれば四百万、たいへんな膨大な数があるわけです。だから、あっちこっちのことがきまらなければ地方公務員のほうはきまらないという、まずそういう姿勢は改めるべきじゃないでしょうか。その点、公務員部長の見解あるいは大臣の見解等をお聞きして、私は質問を終わりたいと思います。

山本明自治省行政局公務員部長

○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃいますこと、よくわかるわけでございますが、何ぶんにも、公務についております地方の職員と、それから国で働いております職員との間には均衡論というものが自然に出てまいりまして、地方の職員の給与につきましては、やはり国家公務員が一つの基準になってそれとの均衡という問題もございます。したがいまして、これとの均衡をそうこわすわけにはいかない。しかし、地方でできますものは一歩でも二歩でも前進をするという努力は現在いたしておるわけでございまして、お説十分わかりますけれども、その辺の事情につきましてはなかなかむずかしい問題がございますので、今後努力してまいりたいと思っております。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 先ほども御論議があったわけでありますが、何も他に全部追従するというつもりはなく、積極的にいろいろ考慮をいたしておりますが、何ぶんにも、ただいま公務員部長のほうから御説明ありましたとおり、その他の制度、また国家公務員との均衡というものもございますので、主張すべきところは積極的に主張しながらこれらの均衡を考慮する、こういう実情でございまして、ただいまいろいろ御審議を願いまして、各項目につきましてそれぞれやはりその地方公務員の身になって真剣に考えていくということを基本的な心得として、今後これらの問題に対処してまいりたいと考えております。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、閣法第九四号について討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(閣法第九四号)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 挙手多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

安田隆明自由民主党

○安田隆明君 私は、ただいま可決されました法律案に対して附帯決議案を提出いたします。  趣旨説明を省略し、案文を朗読いたします。  以上でございます。何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 安田君提出の附帯決議案について採決を行ないます。  安田君提出の附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 総員挙手と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、秋田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。秋田自治大臣。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して善処いたしてまいります。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。   〔速記中止〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 速記をつけてください。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 次に、航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約第十三条の規定の実施に関する法律案を議題といたします。  提案理由の説明を聴取いたします。荒木国務大臣。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま議題となりました航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約第十三条の規定の実施に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  この法律案は、航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約を実施するために必要なものであります。すなわち、同条約は、機長が航空機の登録国の刑法上重大な犯罪であると認める行為を当該航空機内で行なったと信ずるに足りる相当な理由のある者を当該航空機が着陸する領域の属する締約国の権限ある当局に引き渡すことができることとしておりますが、これに対応して、締約国に、その重罪容疑者を受け取り及び当該重罪容疑者の所在を確実にするための措置をとるべき義務を課し、また、それらの事実について予備調査を行なうべき義務等を定めております。この法律案は、これらの条約上の義務を履行するために必要な国内法上の措置を定めるものであります。  以下逐条的に御説明いたします。  第一は、機長から引き渡される重罪容疑者を受け取るべき者を定めようとするものであります。事柄の性質上、警察官または入国警備官としておりますが、入国警備官が受け取ったときは、その後の手続との関係からこれを警察官に引き渡すこととしております。  第二は、警察官または入国警備官は、機長から受け取った重罪容疑者が当該航空機に再び乗り込むことを防止するため必要があるときは、その行為を制止することができることとしております。機長からの引き渡しを担保しようとする趣旨であります。  第三は、重罪容疑者について逃亡犯罪人引渡法の規定による引き渡しにかかる犯罪に該当する行為をしたことを疑うに足りる相当な理由があるときは、警察官は、これを拘束することができることとしております。この拘束は、七十二時間をこえてすることができず、また、その期間内であっても、引き渡しの請求のなされないことが明らかになったときは、拘束を解かなければならないものとしております。これは、国際司法共助の趣旨から重罪容疑者の所在を確実にし、逃亡犯罪人の引き渡しを実効あらしめようとするものであります。  第四は、警察官は、条約第十三条第四項に規定する予備調査をするため、重罪容疑者もしくは参考人の取り調べ、実況見分または所持品等の提出の請求を行なうことができることとしております。  第五は、拘束を終了する場合には、警察官は、重罪容疑者を入国警備官に引き渡すこととしております。  なお、この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まず、第一条の関係で法務省に尋ねます。ここで言われている入国警備官というのは、出入国管理令六十一条の三の警備官、よろしいですか。

伊藤卓藏法務省入国管理局警備課長

○説明員(伊藤卓藏君) そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、入国者収容所並びに入国管理事務所ですね、ここは何をするところですか。そして、どことどこにありますか。

伊藤卓藏法務省入国管理局警備課長

○説明員(伊藤卓藏君) まず、どことどこという点について御説明申し上げますと、現在、全国に十三カ所の入国管理事務所がございます。そのほかに二カ所、大村と横浜に入国者収容所がございます。入国管理事務所で行なっております事務は、入管令にありますように、外国人の出入国の管理及び在留の管理でございます。それから大村と横浜にございます入国者収容所、これは退去強制令状を発付されまして、それぞれ本邦外に退去を強制されたものを送還するまで収容しておく施設でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは入国者収容所、入国管理事務所、それぞれどれくらいの数の入国警備官が配置をされていますか。そして現在総数何名ですか。

伊藤卓藏法務省入国管理局警備課長

○説明員(伊藤卓藏君) 本年度の入国警備官の予算定員は六百八十六名でございます。現在員は、一名欠員がございまして六百八十五名でございます。  入国管理事務所に配置されております入国警備官の数を申し上げますと、北のほうから申し上げますと、札幌二十五名、仙台二十名、東京九十五名、羽田十四名、横浜六十五名、名古屋四十六名、大阪八十六名、神戸五十五名、高松十五名、広島三十一名、下関四十八名、福岡五十二名、鹿児島十七名、大村七十五名、横浜四十一名でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 密入国者の現況ですね、これをちょっと知らせてください。

伊藤卓藏法務省入国管理局警備課長

○説明員(伊藤卓藏君) 御承知だとも思いますが、わが国に密入国してまいります外国人のほとんどは韓国人でございます。そこで、まずここ数年間におきまして発生しました密入国の数、これは実際に密入国した者かどうか、検挙された数でしか掌握できませんので、ここ数年間における密入国の検挙人員を申し上げたいと思いますが、昭和三十六年千七百七十三名、三十七年千四百六十七名、三十八年千三百五十九名、三十九年千八百二名、四十年千四百八十五名、四十一年八百四名、四十二年八百七十五名、四十三年七百四十九名、それから四十四年は百九名、それから四十五年、現在までで十九名でございます。ただし、ちょっと補足さしていただきますと、四十四年と四十五年はいわゆる集団密航者のみの数でございまして、四十三年以前は、集団密航者のほかに散発的に発生しました密航者を含めた数でございます。したがいまして、四十四年、四十五年の単独密航者と申しますか、それを加えますとやや上回る数になろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 第二条の関係で警察庁にお尋ねしますが、ここで言われている「重罪容疑者」ですね、これはどういう人ですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) この「重罪容疑者」と申しますのは、いわゆる東京条約第九条第一項の規定によりますと、「機長は、航空機の登録国の刑法上重大な犯罪であると認める行為を当該航空機内で行なつたと信ずるに足りる相当な理由がある者を、当該航空機が着陸する領域の属する締約国の権限のある当局に引き渡すこと」になっておりまして、この規定によって機長から引き渡された者のことを「重罪容疑者」と、こういうふうに申しております。つまり航空機の登録国の刑法上重大な犯罪人、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、外務省にお尋ねをしますが、いま言われた者が重罪容疑者である。条約第九条1でいわれている「航空機の登録国の刑法上重大な犯罪」、この犯罪とは、それほど明確な概念だとはどう考えても思われないのですが、この条約を批准するにあたって、具体的に概念確定は外務省でされましたか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) これは条約に書いてございますように、「航空機の登録国の刑法上重大な犯罪」というわけでございまして、それぞれの国によって重大な犯罪というものの範囲は異なっております。わが国の場合については、刑訴法の二百十条の緊急逮捕し得る場合というふうに承知しておりますが、たとえばアメリカの場合には、犯罪はフェロニーというものとデミーナーというものに区別されますけれども、アメリカの考え方では、その重大犯罪は機長の判断によるものであって、必ずしもこのフェロニーだけに限るというふうに限ってはいないようであります。これはあくまで機長の判断によってきめられるということになっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連。そんな抽象的なことをおっしゃってははっきりしないです。いずれにしても、この問題は警察庁なり法務省と協議の上で、こういうものをいまの概念の中に入れるという御相談があったはずですから、具体的にどういうことをしたら一体重大犯罪とみなすか、それをおっしゃってください、はっきりと。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) これはこの第九条をお読みいただきますとおわかりいただけると思いますが、あくまで機長の判断でございまして、その登録国の刑法上重大な犯罪がどのくらいであるかということを国際的に確定するということは非常に困難なのであります。実際上、条約の採択会議におきましても、この点が明確でないということは確かに問題になったのでありますが、イギリスあたりもその点を指摘したのでありますが、それをきちっと国際的に基準をきめるということは無理であるということで、やはり登録国の刑法上重大な犯罪であるということの判断はあくまで機長にゆだねるほかはないというふうになったわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは読んでみても全然わからないです。あなた、読んでみればおわかりになると言っておりますが、あなただってわからないでしょう。あなた読んでみておわかりになるというなら、私たちにわかるように説明してください。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) それはまあ条約というものの性格上、その基準というものをきちんときめかねる場合があるのはやむを得ないのでございますが、日本の刑法上重大な犯罪とは何であるかということにつきましては、これは刑事当局及び警察当局において明確におきめになると存じます。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) いまの御指摘の点でございますが、外務省のほうから御答弁がありましたように、確かに重大な犯罪ということにつきましては、各国ともそれぞれ違っているようでございます。ただ、それでこの法律について実際に問題になりますのは、重大な犯罪であるというふうに機長が認めた者を受け取る義務がある。それは確かに一つ出てまいります。ただ、第三条以下の身柄の拘束というふうな問題につきましては、逃亡犯罪人引渡法によって引き渡しのできるものに法律は限定しておるわけでございます。その中に、死刑、無期または長期三年以上の刑に該当するというふうに、逃亡犯罪人引渡法には明記されておりまして、それ以下のものについては引き渡しを行なわないという、こういうたてまえをとっておるわけであります。これをこの法律の第三条に入れて、そういうものにのみ身柄の拘束を行なう、こういうことにいたしておりますので、拘束以下の手続につきましては、つまり国際的な司法共助的な問題としてこの法律で取り上げられる重大な犯罪の範囲というものはきわめて明確になっておるわけでございます。私どもはそういうふうに理解いたしまして、日本の法律、緊急逮捕の要件、あるいは逃亡犯罪人の引き渡しの一つの要件になっております死刑、無期または長期三年以上の犯罪が日本の法律においては重大な犯罪である、こういうふうに考えて立案いたしたわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 おたくのほうには、その逃亡犯罪人引渡法の第二条を聞こうと思っておったのです。先にお答えになったのですが、外務省はいま答えられたそれだけですか。いま警察庁が答えられたわが国の状態について、考え方について答えられましたね。それだけですか、この条約の批准をするときにあなた方が概念規定をされたことは。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) お尋ねの趣旨を私が十分理解していないかもしれませんが、これはあくまで登録国の刑法上重大な犯罪であると認めるというわけでございまして、日本の場合につきましては、警察庁のほうで明確に規定されておると思います。しかしながら、たとえばアメリカの飛行機が日本に来た場合のことを想定いたしますと、アメリカの、その、やはり飛行機の機長が自分で判断するわけでございます。そうする場合の判断は、アメリカの刑法上の重大な犯罪ということになるわけでございます。そのアメリカの場合には、また、その国において何を重大な犯罪とするかということは必ずしもわかっておりません。われわれも、いろいろな国に問い合わせましたけれども、先ほど申し上げましたように、アメリカの国にも一応、フェロニーとデミーナーの二つのうち、前者が大体該当するけれども、はっきりしてはいないということを申しておりますし、また、国によって、この重大な犯罪が、われわれの概念規定とだいぶ違っておるのもあるわけでございます。しかしながら、これについて国際的な基準ができなかったということは事実でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 やはり国際的な基準はできなかったのですね。そのできなかったものを、できなかったままで済ましておいていいのですか。これは私はほんとうにわからぬから聞いておるのです。読んでわからない、あなたはわかると言われたけれども。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) これは条約の性格上、完全に基準をつくれない場合に、あとは国内法にまかせるということになっておるわけでございまして、さらにこの条約の場合には、その上に加うるに、それがどのような重要な犯罪であるかどうかの判断を専門家がやるというよりは、むしろ機長が判断するわけでございます。しかしながら、もちろん機長は刑法の専門家ではないと思いますから、当然それぞれの国の航空会社その他においては、機長に、マニュアルと申しますか、指導書をつくって、こういうものは重大な犯罪として取り扱えというふうな一つの指導書は当然つくるだろうと思います。そういうことによって大体各国の航空機の機長は事態に対処していくのではないかと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 概念確定はできないんだと思うのです。いろいろ考えてみる場合どうもできない。そこで、いま第九条の1の部分の前段だけをたいへん問題にされておるようですが、私はさらにそれを読み進んで、はたと困ったんですがね。「航空機の登録国の刑法上重大な犯罪であると認める行為を」でしょう、いまそこまで論議をしたわけですね。その次ですよ、「当該航空機内で行なったと信ずるに足りる相当な理由」、これですね、これこそ具体的な概念確定をやっておかないと、いま言われたように機長の職権乱用が起こりかねないと思うんですが、その概念確定はやられたわけですか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) その点につきましても、まあ条約の作成過程においてはっきりしたものができたかというお尋ねでございましたならば、それはなかったと申し上げるほかはございません。結局は機長の判断にまかせたということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、何でも機長の判断にまかせるということになった場合に、機長の職権乱用という問題が常時起こる可能性がある、言ってみればそういうことですかね。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) もちろん極端なケースの場合には機長の職権乱用ということは起こり得るわけでございまして、自分は何も悪いことをしてなかったのに、そういうふうにしておろされたとか、あるいは拘束されたという場合には、もちろんその人は機長ないしその航空会社に対して賠償を求めるとか、そういうことは当然可能であろうと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連して。あなたの説明だと、機長の判断だと、しかし機長は専門家でないから判断に迷うだろうと、その基準は航空会社がつくると。航空会社が法律の適用の基準をつくるなんということはあり得ないんですよ。したがって、その基準は、日本ならば日本の政府がつくって、その基準によって具体的な対策を立てろとか、案をつくれということでなければおかしいでしょう。無期とか、三年以上の有期刑という判断が機長にできますか。あるいはまた、そういうことを航空会社がしたらおかしいですよ。それは国が基準をきちんと与えなければ、いま和田委員のほうから指摘されたような人権じゅうりんの問題も起こるであろうし、あるいは法の適用を誤るような問題が起こることが必ず出てくるわけですからね。  それでは法務省にお尋ねしますがね、そんなものは航空会社の判断にまかせると、そういう公認をして一体法秩序というものは守れるんですか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) 私のことばが少し足りなかったかもしれませんが、もちろん航空会社がそういう指導書をつくる場合には、運輸当局、それから法務当局、警察当局と相談して一つの基準をつくるべきであろうと、そう思いますが、ことに日本の場合には当然これは法務省及び警察当局と相談して一つの基準がつくられていくものと思いますが、まだそれが最終的につくられておるかどうかは承知いたしませんが、ただ日本の航空機の場合については、先ほど警察当局からも御説明がありましたように、一つの考え方は定められておるものと考えております。

伊藤卓藏法務省入国管理局警備課長

○説明員(伊藤卓藏君) ただいま御指摘の点、私、入国管理局の者でございまして、御質問の点は刑事局所管でございまして、外務省と刑事局と十分お打ち合わせになっておられるのではなかろうかと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 確かにここにいうシリアス・オフェンスというものの概念が統一的な概念でないことは事実でございます。ただ、たとえばアメリカの場合にフェロニーに当たるものが大体重罪であるという解釈をしてまいる。そうすると、アメリカの機長がそういう判断でおろした者はわれわれが受け取る義務がある。しかし、今度たとえばカナダの場合には刑罰が二年以上の禁錮に当たるものというような考え方をしているようであります。カナダの機長がそれに当たるものとしておろした者は、われわれがそれはカナダの国の重大な犯罪に当たるものだということでその身柄を受け取る義務ができる。それからまた、たとえばドイツではフェルブレッヒェンというものは長期一年以上というような話に資料ができておりますけれども、そういうふうに個々の国それぞれについて、それと日本国との関係においては確かにそういうことと同じようなものでは必ずしもない、そういうふうに違ってまいります。しかし、この個々の国と個々の事件についての受け取りの関係については、多少それでもあいまいなところがありましょうけれども、ほぼ明確である。それからさらに身柄の引き渡しを前提にした拘束その他の手続においては、今度は両方の国の刑法において死刑、無期または長期三年以上のものでなければ引き渡しができないことに当法、犯罪人引渡法ではなっているわけでありますから、その手続においては非常に明確になっておる、こういうことでございます。そういう意味では、各国の横の統一的なものはできないけれども、個々の国との関係においてはそれはほぼ明確になってまいるものであるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 明確だと言われるが、私はさっぱり明確でないんですよ。ちょっと進んでいきますと、ますます明確でないんですよ。  それじゃ第四条でお尋ねしますが、要するに、警察官が重罪容疑者について予備調査ができるということにいまなっておるでしょう。これはしかるに、ここにいわれておる、さっきから質問してきましたから、重罪容疑者というのは航空機の中で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約九条によれば、航空機の登録国の刑法上重大な犯罪であると認められる行為を行なった者とありますね。そういたしますと、予備調査を行なうところの警察官が各国の刑法に精通していなかったならば、とても判断できないでしょう。そこで私は決して明確でない。そうじゃありませんか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 実際問題として世界に非常にたくさんの国がありまして、それぞれが飛行機の登録国になり、あるいは条約の締約国になってくるという場合を考えますと、それぞれの国の刑法について警察官が全部これに精通するというようなことは非常に困難なことはおっしゃるとおりでございます。ただこの場合の予備調査も、これについてここに言う重罪容疑者について事実の有無を調べるということでございますから、現実に多少はみ出るものが出るかもしれませんけれども、そう大きく変わってはまいらないだろう。一つの基準は、日本の刑法の先ほど申し上げたような法定刑の要件のあるものというふうに限定されますから、相手方の刑法において同様の法定刑の要件のあるものというのは多少食い違いができましても、双方処罰の者でなければ——ちょっといま私混乱いたしておりますが、予備調査の問題につきましては、そういうことで多少概念的に考えますと問題は非常にあると思いますけれども、大体の場合は殺人とか、強盗とか、傷害といったふうな場合は典型的な場合でありましょうし、そう大きな支障は生じないのではなかろうか、かように考えております。もちろんこれからこの法律ができてまいりますれば、各国の刑法についての調査その他ももっと進めてまいりまして、取り扱い上の過誤がないように期してまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 何も私は悪意で質問しているわけじゃないし、ほんとうにわからないから、疑問に思うから質問しているのです。答弁している側も自信がないようですね。ぼくはないのがあたりまえだと思うのだね。外務省の答弁を聞いておったってやはりさっぱりわからない。結局、機長の判断だ、その機長は職権乱用をする可能性がある。やった者を引き渡される側の警察官は、これまた各国の刑法に精通しない、そういう状態の中で、一体人権はどうなるのだろうか。どうなりますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) この予備調査は、もちろん日本のたとえば警察官がそれぞれの国の刑法に精通しているわけでもございませんし、そういう刑法に従った完全な予備調査ができるものでももちろんないと思います。しかし、まず第一に、その場合、この犯罪そのものの事実というものを普通の意味で調べ、そしてことに日本の場合ですと、日本の裁判権を行使できるかどうか、行使すべきかどうかということの判断の材料をまず調べるのであろうと存じます。それからまた犯罪人引き渡しの手続をやる必要のある場合、現在われわれ日本が犯罪人引き渡し条約を結んでおるのはアメリカとだけでございますけれども、そういう場合には若干もう少し詳しい調べをしておく必要があるだろうと存じます。それから人権の点でございますけれども、確かにその点は重大な問題でございますので、この条約におきましても、十三条の第三項に書いてありますように、「抑留された者は、その国籍国のもよりの適当な代表と直ちに連絡をとるための援助を与えられる」ことになっておりますので、すぐ領事官を呼んできてくれというふうなことも要求できるわけであります。そういう意味で、人権の擁護に関してはこの条約もかなりの配慮をしている、かなりというか、むしろ十分な配慮をしていると言えると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、大臣お聞きのとおり、概念確定が明らかじゃございません。したがって、いまここでどうこうという解釈を大臣にしてくれというようなばかなことは言いませんが、この辺のことをもっと整理する必要があると思いますが、いかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私もわからないで申し上げてどうかと思いますが、先ほど外務省の答弁を聞いておりますと、航空会社を引き合いに出されるから輪郭がはっきりしなくなるので、当該国の法規に従って重大犯罪が何であるかということは確定するわけですから、その確定したことを機長がある意味での警察権を行使する立場に立っておるわけですから、その機長の判断はまあ一種の公務員としての判断でありまして、すなわち係の行政官庁の有権的解釈のもとにつくられた指導書みたいなやつをまる暗記して実施するものと思われます。である限りは、御懸念のほどはないように思うのでございます。予備調査といいましても、そのことを機長が、いま申したような経過を経て判断したことの予備調査をするわけですから、人権じゅうりんなどという懸念はなかりそうに思うのでございますが、いずれにしても不明確なことを申し上げて恐縮ですが、もっと十分検討を加えねばならぬ部分が残っておると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 かなり最初のほう断定的でしたが、やはりあとのほうがほんとうだと思うのです。言ってみれば、ないと言われても、「信ずるに足りる相当な理由」というやつは、これは概念確定がないのですから、やはり機長の、さっきもあれがあったとおり、思惑でいろいろやる。そこから職権乱用が起こる。もともと憎いやつだと思っておったやつがたまたま乗り合わしたなどということも、それはないとはいえないことだと思うのです。したがって、最後のほうの、検討を加えなければならない点があると言われる国家公安委員長のそこですね、そこを私のほうとしては重視をしながら、もっと概念確定なり整理をすべきところを十分に連絡をして、整理をしてもらいたいと思います。よろしいですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおりであると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと進みますが、第四条第一項第二号ですね。特に第二項との関連から、常識的に、予備調査の対象となった参考人がそのために時間を取られて、たとえば飛行機に乗りおくれるというようなことも、これまたたいへん小さい問題ですが、考えられますね。そういう点はどのように考えたのでしょうか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) この法律の一つの前提といたしまして、日本の犯罪であろうが、日本の裁判権の行使されるもの、これについては当然刑事訴訟手続が行なわれる。だから、日本の裁判権の対象外であるものが、日本の刑法の適用のないもの、たとえば日本の領空に来る前に公海の上における外国の飛行機の、外国人の犯罪というふうなものについて、この法律の適用ができるわけでございます。それで、いま御質問の、「当該航空機による運送を不当に遅延させることがないようにしなければならない」という規定と、それから取り調べとの関連でございますが、そういう意味で、「不当に遅延させることがないようにしなければならない」というのは、これは条約の中にあることばでございます。それを法文として取り入れる。それで、参考人を取り調べ、あるいは実況見分、そういうようないろいろなことで飛行機がたいへんおくれて、多くの乗客に迷惑をかけるということをしないようにするというのがこの趣旨でございます。したがって、こういう予備調査ということで若干のことを書いておりますけれども、参考人の取り調べも、そういう趣旨からいえば非常に簡単なものにならざるを得ないということに相なると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは簡単に済ませて乗せてさっと出してしまうということにならぬのじゃないですか。その二つの関係というのは、いわゆる「当該航空機による運送を不当に遅延させることがないようにしなければならない。」、ないようにしなければならぬわけです。一方の参考人に対してはかなりの時間がかかる。その人がこの機に乗っていくという条件がない可能性のほうが多くありませんか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) つまり、ここで申しておりますことは、この予備調査ということが条約上の一つの義務になっております。義務になっておりますけれども、これはたいへん詳しくなくてもよろしいのだ、飛行機の運航がたいへんおくれることにならないような程度に、そんなに詳しくなくてもいいのだと、われわれが日常の事件で調べる参考人とは、その意味では相当違うというふうな意味合いでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、ちょっとそれは信用しておいて進めていきます。  法務省、係がちょっとあれかな。航空機の強取等の処罰に関する法律案の第五条、「前四条の罪は、刑法第二条の例に従う。」、こういう条項があるのです。これはどういうことですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) これは刑法第二条の国外犯処罰の規定によるいわゆる一つの世界主義をとって、何ぴとがどこの国で犯した場合でも日本の国で裁判権を行使するということです。したがって、たとえば、あの法律が成立いたしましたあとで、そういう事件が出れば、これはこの十三条の実施、法律の問題ではなくて、直ちにわれわれとしては刑事訴訟法の手続で事を処理する、こういうことになろうかと思います、あの第四条ができますれば。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国家公安委員長にお尋ねしますがね、さっきからいろいろ聞いてきたのですが、あまりはっきり私もしないものだからあれですけれども、私なりにさっきのやつを整理してみて、この航空機の中で行なわれた犯罪——その前に、ちょっと失礼、「ある種の行為」ですね、これは何ですか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) 「犯罪その他ある種の行為」という題名がありますが、それは条約の第一条第一項(b)でございます。その(b)に書いてありますように、「航空機若しくはその機内の人若しくは財産の安全を害し若しくは害するおそれがある行為(犯罪であるかどうかを問わない。)又は航空機内の秩序及び規律を乱す行為」ということになっておりまして、要するに、航空機の安全を害する行為とか、秩序とか規律を乱す行為には、別に犯罪であるかどうかを問わずに、一応この条約の対象とするわけでございます。一番軽い例で言えば、たとえば、離着陸の際に、禁煙というサインが出ますが、そのときに、禁煙規則、それにもかかわらず、たばこを吸うという行為、これもある意味では秩序あるいは規律に反する行為になるわけであります。それからちょっと補足させていただきますと、そういう問題は、この十三条の問題は出てこないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、十三条の問題で「ある種の行為」というのは一切ないわけですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) ございません。それですから、ここに「ある種の行為」と書いてありますのは、これは条約の名前だからしかたなしにここに書いたわけであります。そういうわけで、十三条の対象にしておることは、先ほど御説明いたしましたような日本の刑罰法規では処罰できないが、外国の登録国の刑法上重大な犯罪であるもの、それについての処理手続でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは国家公安委員長にお尋ねいたしますが、航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約第十一条ですが、十一条に、「締約国は、当該航空機の管理をその適法な機長に回復させ又は保持させるため、あらゆる適当な措置をとる。」とあります。そこで、国家公安委員長はさきの赤軍派のハイジャックの場合、わが国がとったさまざまな措置は、この条項に照らしてどのようにお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 東京条約第十一条第一項の、「あらゆる適当な措置をとる。」といいますのは、国内法の許す範囲内でできる限りの措置をとることを意味しますが、航空機が飛行中の場合や、旅客等が人質になっておる場合には、人命の安全を考える以上、法的に可能な措置であっても強硬な措置をとりがたいのが実情であろうかと思います。先般の「よど」号事件の場合には、そのような人命の安全を第一義的に、できる限りの措置をとったものでありまして、条約の趣旨に合致するものと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと戻りますがね、職務上常に乗客の行動を中止することができる、機長ですね。その機長に重罪容疑者などの身柄を引き渡す権限を与える。それは航空法の一部改正があって、人違い——さっき私もちょっと触れたんですが、まだ疑問ですが、この人違いなどで人権侵害等の問題が起こることが私はたびたびあるようなことがどうも危惧されるんですが、その場合の人権侵害に対する救済の措置、先ほどちょっと述べられましたが、それは条約締結国間ではどういうような形のことが講ぜられておりますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) この重大な犯罪は何が重大な犯罪であるかは非常に判断しにくいということは確かなんでございますが、そこで、これは登録国の刑法上重大な犯罪ということで割り切っておるわけでございますし、その飛行機の中に対しては、その条約に規定されておりますように、登録国の刑法といいますか、裁判権が行使できるように義務づけられておるわけでございます。したがいまして、その機長の権限の乱用というようなことが起これば、その乗客はその登録国の法律に照らして救済を求めるというのが普通であろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後のくだりをもう一ぺん。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) その飛行機の中にはその飛行機の登録国の管轄権といいますか、それを管轄権のもとに置くということがこの条約の第三条に規定されておるわけでございます。したがいまして、その飛行機はたとえばアメリカの飛行機の中で日本人がそういう問題に巻き込まれて、機長の権限の乱用があったといたしますれば、アメリカの国内法に照らして救済措置を求め得るわけでございます。それがさらに、むろん問題によりましては一つの外交交渉となって在外の日本人の外交保護権の行使として、外交交渉として取り上げることも場合によっては可能であろうと思います。あるいはその本人が直接アメリカならアメリカの裁判所に訴えてその救済を求める、損害賠償なり何なりを求めることは可能であろうと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 簡単に答えられたけれども、現実に処理可能ですか。できますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) 九条一項に基づきまして、機長は着陸国の官憲に引き渡すわけでございまして、着陸国の官憲は十三条に基づいてこれを受け取るわけでございます。その場合に、先ほど申し上げましたように、第三項で抑留された者はすぐ自分の国の代表者である領事館なり大使館なりに連絡してくれということを言えるわけでございますから、そこでいわば外交的保護を受けられるわけでございますから、私はそれは十分可能であろうと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 要するに、ハイジャックの防止というのはいわば国内治安問題であろうと、こう思うのですが、私はハイジャックという空の上での事件が起こってしまったならば、それを処理する方法としては、決算委員会で総理にも申したんですが、人命尊重という、ただそれだけの論理の上に立って単純に処理をすることが実は緊要だと思うのです。ですから今回の措置で、どうしてもさっきからいっているように、答弁者側もあまり十分自信がないようでありますが、機長に刑法上の権限まで与えてしまったことによって機長がよけいなことを考えなくてはならなくなって、いま言った前段のハイジャックに対する世界的な一つの通念、その単純な処理をするという機長の判断がにぶらされてしまうのではないかということをたいへん心配するのですが、それはいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 「よど」号のようなハイジャッキングが起こりました場合には、人命尊重を第一義として行動する限り、ほとんど機長の権限を行使する余地はないと思います。途中でハイジャッカーが弱気になるか、何か特殊な変動がない限り、原則としてはほとんど行動する余地はないものと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは委員長言われるとおりだと思うんですよね。それでますますわからないわけです。それで、さっきのことをこう質問したんですが、ただしかし逆の場合ですね、機長の側は今度はこの法律があるわけですから、これがもうたいへん頭にあって、その義務感に基づいて、そして結果的に措置を誤る、こういうことは危惧されませんか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) 第九条の規定は、その最後に書いてございますように、「引き渡すことができる」のでありまして、何も引き渡さなければならないことはないのでございます。機長は自分の判断で引き渡すことができるだけでありまして、旅客の安全を考えて当然行動するのでありましょうから、引き渡し得るときに引き渡すわけでございます。  それから、お尋ねの点は、どうしてもハイジャッキングを中心にお考えになっていらっしゃると思いますが、このハイジャックに関する限り、この条約では第十一条の規定だけでございまして、これはその点では確かに不十分な条約でございます。しかし、この条約は機上における犯罪その他いろいろな秩序に違反する行為、安全危害行為について一つの取り締まりの規定を設けた条約でございまして、それ自体としては意義がございます。ただ、ハイジャッキングそれ自体に対しては十一条だけで足りませんので、実はこれを補完する意味でハイジャッキング防止条約というものが、現在、国際民間航空機関で審議されており、一案もできておりまして、ことしの十二月にオランダのヘーグにおいてそれを採択する国際会議が開かれることになっておるわけでございます。その条約では、ハイジャックそのものを罪とするということ、それから犯人の訴追について定めるとともに、必ずハイジャッキングは罰する、それで、犯人を引き渡すか引き渡さないかの問題はまだ完全に解決されるわけではございませんけれども、そういう点でハイジャッキングそのものを罰するということは、今度できます条約ができればさらに達成されるのではないかと思います。日本の今度の法務省のほうで御提出になっておりますハイジャッキング処罰法は、まさにそれをほぼ踏まえて作成されたものだと承知しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと、私が危惧をして質問したこととかなり違うんですよ。そうすると、この法律に基づいてかなり機長なんかに、いま言われたような解釈の問題、いろいろ含んで、教育は新しくしなければなりません。そういう指示、教育をされるやり方についてはどういうふうにお考えになっていますか、ハイジャックとの関係では。

金井洋運輸省航空局技術部長

○説明員(金井洋君) お答えします。  先ほどの重要犯罪とは何かというようなことも含めまして、わが国はもちろんのこと、各登録国の国内法による重要犯罪の例はこれこれこういうものであるというようなことを関係当局と相談をしてそれを規定し、そしてそれを運輸大臣が認可するところの運航規程等に盛りまして機長に徹底させるということを準備しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと主題から離れますが、昨日からけさ、きょうにかけて、十分に知りませんが、ちょうどお見えになっていますからちょっと聞きたいんですが、新聞報道で、シージャックの問題で、あの何とかいう犯人が広島市内を自由に横行できた状態がありますね。あれは反省をおそらくされるでしょうが、その上に立って、あのような事態が起こらないような何か手だてというものについて具体的にすでにお考えでしょうか。

後藤田正晴警察庁長官

○政府委員(後藤田正晴君) 昨日以来からの事件の件でございますが、確かに結果として見ますれば、犯人が広島市内に入ってあちこち歩き回って銃砲店を襲って最後に宇品まで行ってシージャックをやった、こういうことでまことに私どもはその点は残念に思っております。しかし、現実には、十一日以降、山口県警はもちろんのこと、広島県警も全力をあげて緊急配備あるいは検問等、そういったことをできる限りの手を打っておったことは事実でございます。ただ問題は、やはり実情をこれから早急に調べて、改善すべき点があれば改善しなければならぬと思っておる点は、やはり緊急配備をする場所の選定、それからそれぞれの場所の警察官の配置の問題、あるいは配置せられた警察官の現場における活動の問題、こういうような諸般の点については、これは十分に私は検討してまいりたいと、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、重大な指揮上の欠陥などというものはなかったのですか。

後藤田正晴警察庁長官

○政府委員(後藤田正晴君) 私は今回の事件について、指揮上の重大な欠陥があったとは考えておりません。現実に、従来の実績を御参考に申しますと、この種の事案が起きましたときの緊急配備、重大犯が起きれば必ずやるわけですが、大体実績は、そういった際に緊急配備の線にひっかかったのが三〇%でございます。七〇%は緊急配備の線にひっかからない。これが従来の実績でございます。これをどのように向上さしていくかということが、私どもに課せられておる任務だと考えております。ただ、まことに弱気を申し上げるようで恐縮なんですけれども、何ぶんにも最近のこの交通量の激増、こういうような観点から、緊急配備が非常に困難になっておる。その困難を克服しながら、先ほどいったパーセンテージをあげていくということで、たいへん私どもとしても検討しなければならぬし、また努力しなければならぬと思いますが、非常にむずかしい要請であるということはいえようかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ずっと委員会にいましたから、結果的にどうなったかということは全くうわさ程度にしか耳に入りませんから、内容はよくわかりませんが、結果的には、射殺をしたという形になったようですね。その辺はこれはまあ十分知らずにあれですが、たとえば、死刑なら死刑というものの廃止の問題がたいへん常識化され、世論としても高まってきている状態とのかね合いで、今度の最終的な措置をどのようにお考えになっていますか。

後藤田正晴警察庁長官

○政府委員(後藤田正晴君) 私はやはりこの種の事件は、なるほど罪は凶悪でございます。しかしながら、そうはいいましても、私どもの基本的な任務は、ああいった場合には、何といっても第一は乗客を救出をすることが第一だと思います。第二番目には、やはり犯人を逮捕する、その逮捕する基本は、私はあくまでもこれは説得によって逮捕すべきもの、こういう基本線を貫きたい、今回もそれを貫いたわけでございますが、ただ、しかしながら、この種の事案におきましては、何としてでも最後のああいった銃を撃たなければならぬといった場合も、これは絶対ないということは言い得ない。しかし、あくまでもこれは例外中の例外の措置である。こういうつもりで私ども今回の措置をいたしましたが、将来ともこの方針は堅持してまいりたい、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 いまの問題、いろいろ議論が残っておると思いますが、時間もございませんので、提案されました内容について若干伺います。  この第九条の1は、「機長は、航空機の登録国の刑法上重大な犯罪であると認める行為を当該航空機内で行なったと信ずるに足りる相当な理由がある者を、当該航空機が着陸する領域の属する締約国の権限のある当局に引き渡すことができる。」、それからもう一つは、「機長は、1の規定に基づいて引き渡そうとする者を航空機に乗せたままいずれかの締約国の領域内に着陸する場合には、できる限りすみやかに、可能なときはその着陸の前に、当該締約国の当局に対し、その者を引き渡す意図を有する旨及びその理由を通告する。」ということがございますね。しかし、外務省の説明では、これはハイジャックの対策ではないとはおっしゃいますが、実際一番いま緊急の問題はハイジャックにどういう対策を立てるかということでしょう。しかし、ハイジャックの場合はこの1、2のことがなし得られるような状態ではないですね。そうすると、本法は根本的にはハイジャックの問題の解決案ではないと認めていいことになりますね。これは警察庁でけっこうですよ。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) まあ、この条約は確かに、機長に一定の権限を与えて、機長が犯人を引き渡す場合に締約国は受け取る義務がある、それから犯罪の予備調査を行なう義務があるというふうになっております。それで、ハイジャッキングの場合については、先ほど御指摘のございました、「航空機の管理をその適法な機長に回復させ」るために協力すること及び着陸国は、その乗客、乗り組み員がすみやかに旅行を継続することができるようにするという旨の規定があるだけでございます。で、先ほども外務省のほうから御説明がありましたように、その条約自身はハイジャッキングのみを対象としたものではない。したがいまして、ハイジャッキングの際の問題の処理についてはやはり不十分な面は非常に多いわけでございますが、しかし、国際協力で、こういう航空機の問題をひとつ防止していこう、あるいは解決していこうということについてのいわば第一歩でございまして、そういう意味でそれなりの意義があろうかと思われるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それなりの意義を私どもは感じませんね。なぜなれば、この法律で機長に与えられた新しい権限というのは何なんですか。犯人の引き渡しとか、そういうことは法律できめられなくたって、いままでだって機長の判断でなし得たことなんですね。しかも、一番問題の、ハイジャックの連中をどう処理するか、あるいはそういう場合にどう乗客の安全を守るか、機長としての任務を果たすか、この点について法的に何か新しく生まれたものがあるかということになると、これは何にもないでしょう。  もう一点指摘をします。これは締約国の間でのみ効力のある内容ということになりますね。しかし、ハイジャックは締約国に行くとは限りませんね。締約国でないところに日本の場合はおそらく行くことのほうが多い。そうすると、治安当局としても、あるいは運輸当局としても一番やらなければならないことは、締約しないような国、国交の回復されておらないような国にハイジャックが持っていかれるのに対してどう法的措置をとるかということを一番いま考えなければならない。そうでしょう。そういう点についてはこの法案はいささかも効果をあげておらないということになりませんか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 先ほども御説明申し上げましたように、今回、法務省が提案いたしました航空機の強取等の処罰に関する法律というものができまして、そうして、あの四条によりまして、それについての国外犯を処罰できるということになる。そうなってまいりますと、こういうものは日本の刑法上の犯罪になるわけですから、それについての手続は、この法律ではなしに、刑事訴訟法の手続によって処理されることになる……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 いや、私はそういうことを聞いていない。「よど」号みたいな事件の処理に対する具体的な対策というものを国民は要望しているわけでしょう。そういう意味ではこの法律というものはたいした効果をあらわしておらないと、こういう点を指摘しておるわけですよ。もう一度申し上げますならば、国民がいま要望しておるのは、ハイジャックなんかの問題をどう法的に処理するか、さっき国家公安委員長のおっしゃるように、乗客の人命の安全というものを確保することに対して、当局はどういう方法で一体この対策を立ててくれるだろうかと考えているときに、こういう法案が出たって、前に私が申し述べたような問題を解決する解決策には何らなっておらないでしょう。具体的な対策には何にも触れておらないでしょう。こういう点がおかしいじゃないかと申し上げているのですよ。

後藤田正晴警察庁長官

○政府委員(後藤田正晴君) お答え申し上げます。  御質問の御趣旨に直接お答えできる法律は今国会に提出をして御承認を得たかと思いますが、法務省が提案をした航空機の強取等の処罰に関する法律、これがそれにまさに該当する法律だと思います。私どもが提案をいたしております法律は——すでに御承知のように、この条約そのものが、機内犯罪を予防すると同時に、機内における秩序を乱す行為、これをまずただすことによって航行の安全を確保したい、こういう意味合いにおいて初めてできる国際的な司法共助のものであろうと私は思います。そういう意味合いにおいて、私はこの条約もそれなりに非常に意義がある。国際司法共助の第一歩であるその条約をわが国が批准するにあたって、私どもが出したこの法案を成立をお願いしなければ、この条約の義務を完全に果たすわけにはいかない。こういう意味合いで私ども出しているわけです。そういうふうな意味合いから、やはりこの私どもが出した法律も国際司法共助の第一歩として十分に私は意義があるんじゃなかろうか、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 おっしゃるような意義はありますよ。その意義までも否定はいたしません。しかし、国民が望んでいるものはこの法律じゃない。長官が最初に御説明になったような内容のものを望んでいる。つまり、ハイジャックの場合、当局の一番大切なことは人命の尊重だ、こういうお話があった。人命尊重というならば、機長の権限を法律的にも行政的にも強化するということでなければならない。この間の「よど」号事件のときに、機長の権限というのは一体政府当局において尊重されたのか、どうなのか、この点の御反省はないのか、あるのか、その点をひとつ伺いたい。国務大臣としてお答えいただいてもいいです。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 「よど」号事件のときには機長の権限は完全に尊重されたと思います。しかしながら、機長と地上との連絡は途切れておりまして、国内で起きた事件だから、できるだけ国内で解決したいという措置をとったことは事実でありますけれども、これは機長の権限を侵すということではなくて、機長の権限は空を飛んでおるときの権限でありまして、地上におり立ったときは必ずしも空中にあるときの機長の権限そのものずばりではないと心得ます。その双方の意味において機長の権限は侵されなかったと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 地上におり立ったときの機長の権限ではありませんよ。しかし、地上におり立ったとき、ああいう状態の場合一〇〇%判断していいかどうかという問題がある。地上におり立って機長の権限を離れたということは、ドアが開かれ、乗客が正常な形で外に出されるという状態であれば、これは地上におり立ったということが言える。密閉されて密室にされて一切の自由というものが奪われているような状態は、空を飛んでいるときと少しもかわりはない、ああいう状態で、外側からいろいろな制約で機長の権限を押えることがはたして妥当かどうかという問題が出てくると思う。そこで、前提の問題として若干伺いたいと思いますのは、ああいう場合、機長の判断で処理をするようにこれは航空当局も指導をしておりますし、その指導に基づいての日航の規程もそうなっていますね、イエスかノーかという簡単な答えでけっこうですから。

金井洋運輸省航空局技術部長

○説明員(金井洋君) 運輸大臣が認可しているところのマニュアルでは、機長の判断を尊重するように書いてあります。ただし、できるだけまず犯人を説得する。安全運航上あるいは性能上犯人を説得する。万やむを得ざる場合は機長の判断でいいといった趣旨でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 次に伺いますことは、先般の「よど」号のような状態のときに乗員救済の場合、あるいは犯人の逮捕にしても的確な機内の状態というものが把握できなければ困難であるということはお認めになりますね。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) お話のとおりだと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 では、その機内の把握の最も可能な者は機長ということは認めてよろしゅうございますね。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) 御案内のとおりに、今回の「よど」号の事件の例でもいい得るかと思いますけれども、いわゆるハイジャッキングと申しますその内容というものは、それぞれケースケースによって違うわけでございます。ハイジャッカーの数も違いますし、あるいは用いておる凶器の内容も違います。あるいは乗っておられる乗客の数も、あるいはどういう国の人が乗っておられるのか、一切わからないわけでございます。先ほど先生御指摘もございましたように、何よりもわれわれが乗客の安全な救出を第一と考えます場合でも、密室のような状態でございますから、あらゆる手段を尽くして、とにかく機内の状態がどうなっておるかということをよく把握した上でなければとらるべき措置もとれないわけでございます。そういう意味合いで、今回は御案内のとおりに、ともかくも国内において問題解決をはかりたい、またはかるべきであるということを基本的な方針といたしまして、あとう限りあらゆる手段を尽くして説得をする、そのためにはできるだけ発進させないというような方針をとった次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それが私は適当であるとは認められない。なぜならば、機内の状態がわかっておるのは機長だけで、外側のものは機内の状態というものははなはだ不分明でしょう。その不分明な状態を予測をしていろいろに指示、行動することは非常に危険です。あとでも申し上げますが、そうでしょう。どういう状態にハイジャックの連中がなっているかということもわからなければ、あるいは乗客がどういう精神状態になっておるかということもわからないまま、外側から機内の状態が全然わからないままに機長の裁断をはばむ、国内で解決しろとか、どうこうしろというようなことは危険を伴うことにはなりませんか。そういうことではハイジャックは解決できないので、機長の権限というものは大幅に認めておったわけです。この点どうでしょう。もう一度申しますと、機内の状態の不分明なまま外からの指示や行動というものは危険を伴わないですか。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) 先ほどちょっとことばが足りなかったかもしれませんが、ただいま先生がお話しございましたとおりだと思いますけれども、たとえばハイジャックが起こっております機内の状況、その中では機長がおかれておる心理的ないしは肉体的な状況、こういう事態も通常の場合とは違うわけでございます。したがって、先ほども申し上げましたけれども、われわれが必要な措置をとることを考えます場合でも、いわば機長の意思を無視してどうこうできる筋合いのものではございません。したがって、あらゆる手段を通じてとにかく機内の状態がどういうふうに変化しているのか、現状はどうなのか、あるいは燃料その他の問題もございましょうけれども、そういうことを十分にいまお話のように機長その他乗客の方々から、あるいはいろいろの方法で、サインを送るとかいういろいろの方法があるかもしれませんが、結論的に申しますれば、お話のとおり、機長の意思を無視してわれわれが行動をとり得る性質のものではない、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 しかし今度は、そういう傾向を否定するわけにはいかぬでしょうね。たとえば私どもは石田機長にいろいろと状況を伺う機会がありましたので、新聞の報道等についても的確か誤っておるかということもただした。新聞報道によりますと、警察は絶対に近づけるなという通信が機長から飛んでいるときがあったわけですね。ところが機体にいろいろ細工をして飛ばさないような方法というのが事実においてとられておりますね、それでこういう点を私は聞いてみました。犯人が時間の経過にじれて爆発物を使用する等の不安はございませんでしたか。非常にその不安がありました。こう石田さんは答えておる。もし爆発物を使用するというような結果になったとすれば、これはならなかったからよかったようなものの、外側からの、外部からのいろいろの制約、あるいは行動というものは、ハイジャックなんかの解決にはマイナスになっても一つもプラスになっておりませんね。この点を当局はどういうふうに御判断なさいますか。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) 今回の事件に顧みて申し上げますと、御承知のとおりに板付に着陸をし、そこで給油をいたしたわけでございます。その間、基本的な方針は申し述べたとおりでありまして、その間、老人、婦人、子供、病人、こういう方々をおろせということについては、警察側が直接やったわけではございませんで、あくまでも日本航空の所長及び運輸省航空局の保安事務所長という三者責任の者がそれぞれ慎重に協議を遂げました上で一致した方針のもとで、いわば措置をとったわけでございます。その結果、御承知のとおり、二十三名ではございましたけれども、一部の乗客があそこで無事に救出ができたということがございます。繰り返しになってたいへん恐縮でございますが、先生がたびたびお示しのとおり、この種の問題につきましては、何よりもまず機内の状況を十分に把握をし、しかもまた警察単独でとれる措置のものではございませんで、関係の諸機関との間で緊密な連絡を遂げて、とり得る手段、もちろん先ほど申しましたように、乗客の安全を確保することが第一でございます。その方針のもとに対処してまいるべきであろう、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 また石田機長は、ハイジャック等の場合に、その処置を機長に一任することが最も適当であるとは思わないかと、こういう質問に対して、そのとおりだ、機長に一任をしてもらわなければこういう問題の解決は手間どるだけだという意味のお答えをなさっておる。七時三十五分に緊急交信があって、それから八時五十六分板付に飛行機が着いたわけですね。この間、機長は北鮮行きもやむを得ず、乗客を救うためにはそれ以外にはないと考えておったとおっしゃっておりますね。また日航の松尾社会は、犯人側の言うとおりに北朝鮮に飛ぶしか手がないだろうと発表いたしておりますね。犯人の指定する個所に飛ぶことが日航での規定でもあるわけですから、これは機長の考えもあるいはその規定に従っての考えであり、日航社長の発言も同一であって当然なんですね。それがそうならなかったのは、いまおっしゃったように運輸省も入っておるのですが、警察庁、運輸省等の指示というか、指導というか、それによって日航の規定というものが変更されておるわけですね。確かに局長のおっしゃるように、乗客が救われたから問題はありませんよ。しかし、運輸大臣は当時の状況を四月七日の大臣報告でこう述べておるのですね。犯人も食糧、毛布等を受け取り、興奮状態がややさめてきた、いろいろお話しの中にこういう一項がある。興奮状態がややさめてきた。もし興奮状態が激化した場合はどうなるのかということも、この間は済んだけれども、将来に対してわれわれは考えてみなければならない。まして外側から機内の状態もわからないまま興奮状態を激化させるような刺激を与えるというようなことになったら、これは大きな責任ということにならざるを得ない。そこではっきりと御確認をいただきたいのですがね。この間は運輸省も警察もこれはあまり政治的に介入し過ぎましたよ。ああいう場合、事前から機長に一任するのが一番いいときめてあるわけですから、運輸省も指導の上で機長に一任をするという、はっきりとここで政府の態度というものを明確にしていただきたいと思うのです。そうでありませんと、機長はどういう権限を与えられたって、いつもひもがついて指示をされるようなことになりますれば、適宜の措置というものができなくなりますよ。その点どうでしょう。これはひとつ大臣にお答えをいただきましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政治的にとおっしゃることがどういうことを意味するか、とり方によって違いますけれども、せんだってのハイジャックの事例に徴しましても、政治的な判断を加えたということはなかったと思います。行政的な判断を加えたことはありましても、政治的な判断を加えたことはなかったと申し上げ得ると思います。政治的とおっしゃることが、機長の判断にまかせるということが一応あるのに、運輸省的にあるいは警察的な判断というものがそこに介入したということが政治的だとおっしゃられれば、必ずしも政治的な判断を一切の場合に加えちゃいけないという意味において御発言を確認するわけにまいらぬじゃなかろうかというふうに思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは当然政治的な判断を下さなければならない場合ですしね、行政的な措置も講じなければならない場合ですけれども、それはあくまでもああいう場合は機長の措置にまかせるということを助けるという形で行なわれなければおかしいんじゃないかということなんですよ。と申しますのは、私が政治的だと申しますのは、金浦着は機長の独断だと官房長官は言っておりましたが、これはあとで機長がそうでないということを明確にされましたね。それから一二一・五メガサイクルで呼び出したら、こちらは平壌だという応答があったということもこれ事実です。それから一三四・一メガサイクルでこれからは行動しろという指示があって、それに従っていったら金浦に着いたわけですね。で、金浦飛行場は擬装がされておった。そうすると、日本政府も知らない、韓国政府も知らない、機長はもちろん知らないというと、金浦着は金浦飛行場のこれは関係者だけでやったとしか認められないということになる。そうしてそれ以後の経緯というものは、山村さんのああいう形で解決はしたものの、これはいつもああいう形で解決するとは限らない。なぜ機長の判断にまかせられなかったのか。少なくも今度の行政的な指導なり、あるいは政治的な判断なりというのはだいぶその問題の解決をおくらせていることになるのじゃないか。私がこういうことを伺いますのは、こういうように締約国の間だけでどういう条約をきめたところで、ハイジャックは日本の場合は締約国に行くとは限らないわけですから、締約国でないところに行く危険性が多いわけですから、未承認国がたくさんあるわけです。こういう間の国交の回復とか、平和の回復とかいうものを政府が本気になって取り組まない限りは、いま提案されているような法律をきめたところでハイジャックの問題を解決することにはどうにもならないんじゃないか。そこで、人道主義に徹するというならば、人道主義ということでもう少し当然ハイジャックの対象に選ばれるであろう国々のこういう問題の解決を人道主義的に政府は解決する方法を考えるべきじゃないか。それを捨てておいてアメリカとの間に、あるいは何カ国かとの間にいま提案されているような締約国の条約をきめたところで、それでハイジャックが解決するということにならないのじゃないかということを憂うるわけであります。この点はどうでしょう。人命尊重というなら外交優先みたいなやり方は避けてかからなければ問題の解決にはならないと思うのですが、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) おっしゃる点はおそらくそうだろうと思います。私の守備範囲じゃございませんから、確定的には申し上げかねますけれども、そうだろうと思います。国交の開かれていない国と国交を結ぶということは、包括的な立場から判断さるべきことでありまして、それ自体は別問題とでも申しますか、でありまして、それらの判断から国交が回復されたらばハイジャックの問題に関連して、いわばよりベターになるという関係かと思います。それからこの条約は、ハイジャッキングそのものをずばり解決するごりやくはあまり期待できませんけれども、その前提条件を整備する意味合いにおいては意味があろうと思います。同時に、締約国相互間においてのみ効力を生ずるわけですから、第三国——国交の回復してない国、あるいは未加入国との関係、それはだんだんと加盟国を多くすることによって解決されるべきことであって、この条約そのものはいまは二十二カ国が加盟しております。国相互間の問題は、先ほど申し上げましたハイジャッキングの前提条件を整備する意味合いにおいて効果がある、こういうふうに思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ここに「よど」号のときに朝日新聞の投書に同じような問題点で幾つか国民の声が出ております。で、「政府への願い届かず」ということで、こういうのが出ています。「「本当に人命を尊重されるのなら、本当に乗客の安全第一という言葉にいつわりがないのなら、どうぞいますぐ北朝鮮へ飛立たせてあげてください」私たちの声は、はずかしさと興奮にふるえて、何度も息が切れそうになりました。」と、電話をかけた。しかし、それは外務省だとか、それは私のほうでないとかということで全然取り上げてもらえなかった、こういうのが一つあります。「乗取り亡命に政治が出すぎ」ということが書いてあります。飛行機は密室である。機長なる支配者のもとに一つの社会ができて外部とはしゃ断された独自の体制をもっている。狂暴な要求をつきつけておどし、予定地以外の場所に着陸を強要した場合、それにこたえられるのは機長以外にはないはずである。」、政治があまり出過ぎてはいけない、こういう声が出ております。  それから、アメリカの情報が未確認情報ということでいろいろ出されました。それに対しまして、情報の操作で戦争の危険もある。北朝鮮の対空砲火を受けた、こういうことになっているが、そのルートはアメリカのルートであって、それが間違いだということがあとでわかった。これはあまりひどいじゃないか、こういう声が出ている。問題は今度出ました法案も、それはハイジャックに全然関係がない、一助にはなるでしょうけれども、問題はこういう法案を出すよりもハイジャックの根本問題を解決するには、どういう政府が、あるいは監督官庁が政治姿勢なり行政態度なりをもって臨むかということが根本問題だと思う。だから、こういう法律がなくても行政的な措置で機長の権限というものが大きく認められておるのだから、その機長の権限を生かすように政治的に行政的に配慮されれば、いざというときにチェックする、こういうことを繰り返しておってはどうにもならない。その点ですね。これは公安委員長は幸い国務大臣でございますから、国務大臣としてもう少し——ハイジャックみたいなものがたびたびあっては困りますけれども、しかし、新しく法律をつくるということよりも、現在のきめられておる法律の中、あるいは行政指導のワクの中で問題の解決というものを取り運んでいただかなければならないと思うのです。で、意見になりまして恐縮ですが、そうすると、「よど」号のような問題の解決に対する、結局、法案というものは政府はいつ出すつもりですか、次の国会にお出しになるのですか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは外務大臣がお答えすべきことかと思いますが、いま関係国で寄り寄り相談中のものがあるそうでありますが、ハイジャッキングそのものを対象とした条約草案ができ上がりつつあると承知しております。その条約案が熟しまして、わが国もそれに調印し、批准するという段階が来たならば、関連の法律ももっと整備されたものとして追っかけて提案されることと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これ一つで終わります。具体的な問題を聞きますがね、日本国においては機長の予備調査というものはどういう範囲でどういうことをさせるというかまえですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 犯罪人引き渡し条約の対象になるような事案につきましては、やはり向こうで逮捕状の請求その他をやるに必要な資料として必要な程度のものをやはり予備調査としてやらなければなるまいと思っております。それから引き渡しの対象にならない事案につきましては、これはまあ非常に簡単なものでよろしかろうというふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それで終わるつもりだったのですが。機長というのは法律的にはしろうとですよね。それにあるいは権利の侵害にもなるようなおそれもある権限を与えるわけですからね。もっとやはりこれは法務省なり、警察庁なり、運輸省なりで相互に検討をして、明白な、厳格なものをきちんとやはりきめて、予備調査というものはこういう対象に対してこういうことという具体的なものを示していただかなければ、和田さんが御指摘のように、問題が生じますね。これはお示しにななっていただけるのですね。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) ここにあります予備調査は、引き渡された重要被疑者についての予備調査でございます。つまり本国で——本国といいますか、飛行機の登録国でそれについての裁判権の行使とか、刑罰法規の執行とかいうものについて、機長から引き渡されたその重要被疑者についてどういうことをやったかということを聞いて、その資料を向こうに送り、関係国に報告し、回答してやる。こういうためのものでございます。それで、大体はまあこういう飛行機内の犯罪でありますから、非常に現行犯的なものが多かろうと思いますが、機長からの電信とか、そういうものも一つの資料になりますけれども、そのほかに容疑者についての予備調査、こういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは予備調査と呼びますかね。通例、いままで予備調査というものはそういう内容の、概念のものじゃなかったでしょう。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 条約上のことばとして、「予備調査」ということばが使われておりますので、それをここに入れたわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 二、三警察庁にお尋ねしたいと思いますが、この法案の提案理由の説明の中に、刑法上重大な犯罪が行なわれたときに機長のとり得る処置、これは大体具体的に言いますと、どういうことでございましょうか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) この法律で規定しておりますのは、刑法上重大な犯罪を行なったと認められる容疑者を締約国である着陸国の権限のある当局に引き渡すというのが一つでございます。それからこの法律以外でございますけれども、たとえばある種の、先ほど御説明がございましたいわゆる秩序維持違反の者とか、そういう者については飛行機からおろす——「降機」ということばを使って条約では表現されておるものもございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そういった場合の機長としては、たとえば自分の力でもってその犯罪者に対して逮捕する、あるいは引きずりおろす、そういうような行為は一向差しつかえないわけですか。正当防衛として認められるわけですか。それとも機長にまかせられた処置としてできることでしょうか、どうでしょうか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 条約の第六条に「必要な妥当な措置(拘束の措置を含む。)」という規定がございます。そういう措置をとることができるという規定がございまして、したがいまして、機長は必要なときにはその身柄の拘束をしてこちらに引き渡すという場合もありましょうし、それから身柄の拘束にまで至らないで、いわば任意という形でこちらに引き渡すという場合もあろうかと思います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 結局この法律の内容では十分に取り締まりができないような気がいたしますけれども、この辺についてもう一度お伺いをいたします。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 条約の趣旨については先ほど来いろいろ御説明ございました。この法律につきましては、先ほども申し上げましたように、日本の刑罰法規では処罰できないもの、あるいは日本の裁判権の行使のできないような種類のもの、そういうものについてこの条約が結ばれた結果として一定の義務ができる。その義務を履行する手続がこの法律に書いてある、そういうものでございます。そういう意味で、確かにおっしゃるように、これがあるからたいへん取り締まりがよくなるということではなしに、日本の刑罰法規に触れるものは刑事訴訟法の手続によって当然やっていくということを一つの前提にしております。刑事訴訟法でできないものについてこの手続でやる、こういうことでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 第三条に、拘束時間を七十二時間にしてありますけれども、この根拠はどういうことですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 拘束時間をどれくらいにするかということにつきましては、いろいろあるようでございます。外国の法制もそれぞれ法制の根本自身が違っておるせいもございますが、いろいろまちまちのようでございます。そこで、一つは、こういう身柄の拘束を行ないますことは、私どもといたしましては犯罪人の引き渡しを前提にして考える。犯罪人の引き渡しということがもしあるならば、それに必要な時間、こういうことでございますから、それで現在の国際通信の状況から考えまして、何らかの返事の来る時間、これが一つ考えられます。もう一つは、これは行政手続でございますから、いわば令状なしに身柄を拘束するという形になるわけですけれども、しかし、憲法上の規定、あるいは刑事訴訟法で、令状なしに身柄を拘束できるもの、たとえば現行犯で逮捕した者の身柄の拘束時間というものを考えあわせまして、その両方から考えまして、大体七十二時間がわが国としては妥当ではないか、かように考えたわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、従来、国際的に統一された規定もなく、また公海などの上空で行なわれた犯罪に対していずれの国の裁判権も及ばず、また犯罪者が処罰を免れる点があったということですが、加盟国以外の国の上空、またはその国で犯罪があった場合に、この法律は適用されないのですか。それともまた犯罪の事例はいままでどのようなものがあったか、お聞かせ願いたい。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) この東京条約の第三条には、「各締約国は、自国において登録された航空機内で行なわれた犯罪につき、登録国として裁判権を設定するために必要な措置をとる。」という規定がございます。したがいまして、こういう規定を設けていかなければいけないわけでございまして、それで、加盟国についてはいずれの裁判権も及ばない、こういう場合はだんだんなくなってくるであろうと思います。それから、非締約国の上空を航行中の犯罪がどうなるかということでございますが、航空機の登録国の刑法上の犯罪になるわけですから、その重要容疑者については当然にこの法律は適用されることになる、こういうことになります。登録国の飛行機の中のものであれば、それが非締約国の上空であってもそれはかまわない、この法律の手続になる、こういうことでございます。ちょっとごたごたしておりますけれども、そういうことになります。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 大体了解したことにしておきます。  次に、自由諸国で加盟されていない国がたくさんありますようですが、その理由はどういうことでしょうか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) お答え申し上げます。  現在この条約の当事国は二十二カ国でありまして、仰せのとおり、自由諸国で加盟していない国もまだだいぶあるわけでございますが、おもな民間航空国でありますアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリア、オランダ、ブラジル、スウェーデン、デンマーク等はすでに加盟しております。その他の国におきましても極力加盟が促進されるように呼びかけが行なわれておりまして、昨年の国連総会の決議で、できるだけ多くの国がこの東京条約に加盟するように勧誘する決議が行なわれている次第でございますので、逐次各国が加盟していくものと存じます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 その加盟の勧誘について日本の政府はどういう態度をとっておりますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○説明員(山崎敏夫君) まず、日本自体が若干おくれておったわけでございますので、これに加盟いたしますことによって、われわれも主要な航空国の一つとして大いにこれは各国に呼びかけて、大いに加盟してもらいたいというふうに働きかけたいと存じております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 法案に対する質疑は、時間もありませんのでこのくらいにしておきまして、あとちょっと二、三、きのうから本日にかけて起こりましたシージャックについてお伺いしたいと思います。  御承知のように、三月の末に例のハイジャック事件が起きまして、それからずっとホステージ、最後にシージャックになったのですけれども、このような一連の事件が多発しておりますけれども、この事件について、新聞報道によりますとちょうど七件になっております、わずか一カ月半足らずの間にですね。これは昨年あるいは一昨年まではほとんどこういう事件がなかった。特に日本におきましてはハイジャックのような一つの大きな事故が初めて起きた。今度のシージャックは、私の知る限りにおいて、漁船にはちょっとあったかもしれませんけれども、こういうふうな事件というのは今度初めて起こったと言っていいくらいの事件だと思います。こういうふうに最近一カ月半くらいの間に頻発したことについてどういうふうな御見解をお持ちですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) ハイジャックの事件、それから昨日、一昨日のいわゆるシージャックの事件、それをはさみまして札幌、名古屋、京都というように各地でいわゆる人質を取る事件というものが頻発いたしました。私どもも、これだけ短い期間にこれだけ頻発して人質を取るという事件が起こりましたのは初めてでございまして、たいへんこれの対策には苦慮いたしているわけでございます。その原因ということでございますが、私どもにもこれはもちろんよくわかりません。ただ、一つの連鎖反応的なものが何かこう出てきたんじゃなかろうかというような感じはいたしますけれども、それぞれの事件はそれぞれ態様も異なっておりまして、これを一つの見方でまとめていくというのはちょっといまのところできないような感じでおります。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この一連の事件について見ますと、やはり何というか、計画的なものと突発的なものとに大きく分ければ分けられると思います。ことに計画的なものについては思想的な背景のあるものであると思いますし、今度のシージャックのごときはおそらく偶発的な問題じゃないかと思います。ですから、一がいに発生原因というものを、いまおっしゃるように確かめるということはできないかもしれません。しかし、できないからといってほっておく、やむを得ないという態度はもちろん政府としてもとるべきでない。これは言うまでもないと思います。これについて、私、警察当局でもってこのような事件がもう今後起こらないような対策というものをお持ちでないかどうか、また、どのような態度でこれから処置されて行くのか、これについてお伺いしたいと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) いままでの起こっております事件を見ましても、たとえば、ある場合は窃盗に入りまして見つかって、居直って子供を人質に取るというふうな事件がございました。それから名古屋の事件などはわりあいに計画的な要素が見られますけれども、しかし、昨日、一昨日のシージャックの事件につきましては、いまつかまっております共犯二人を調べましたところでは、どうもあまり計画的なにおいは現在のところ出てまいっておらない。それで、いろいろの状態がございまして、これを完全に防止していくということも現実問題としては非常に困難であろうと思います。それで、私どもといたしましては、やはり日常の警ら活動、あるいは警戒活動というものをひとつ厳にしていく。それからそういう事件が起こった場合に早く警察に知らしてもらう、あるいはそれを探知、認知する、そういうことを早くやるような措置をできるだけ考えていく。たとえば街頭における警察電話の設置とか、そういうことがいろいろ問題になってくると思いますけれども、そういうようなこともいろいろやりたい。それから現実に事件が起こった場合に、それを早く解決できるように、そういう機敏な活動体制をつくり上げていく。こういうふうなことをいろいろやってまいりまして、できるだけこういう事犯の抑制につとめてまいりたい、こういう事犯自身は、いままでのどの事犯を見ましても最後は大体つかまっておる。単純な、ハイジャックは別でありますけれども、それ以外の事件は最後はいずれはつかまる。ある意味ではこれは非常に損な犯罪とも言えるわけであります。それで、そういうものを解決をする。それから一般の人の被害を少なくする、こういうことによって一つの抑制的な意義というものも出していきたい、こういうふうに考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 きのうからきょうにかけてのいまのシージャックのものを、ただ私もテレビとか新聞だけでございますから、はっきりしたことを知っているわけじゃございません。もちろん、警察当局では全力を尽くして人命救助、それから犯人逮捕に、説得に取り組んでおられたということは認めますけれども、しかし、何分にもわずか一人の人間が、きのう、ゆうべからけさ、きょうの十時十分ごろまでですか、暴れ回ってどうにもならなかったというのは、何とかそれまでに有効な措置というものが講ぜられなかったのかどうかと思いますけれども、この点いかがですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 広島で船に乗り込むまでの問題につきましては、先ほど長官が御答弁申し上げました。それから広島桟橋で乗り込むときに何とかできなかったかという問題が一つございますが、これは非常に、まあ五分間ぐらいの、乗ってから船が出るまで、ほんの五、六分しかなかった。非常に短い時間で、残念ながら措置がとれなかった。  それから高浜の桟橋の問題につきましては、これは父親と姉、岡山のほうに住んでおられる被疑者の父親とねえさんに来てもらいまして、それが大体昨夜の十二時ごろに向こうについた。それで説得を始めようという直前に船が動き出したわけでございます。それで、その間において、あそこの桟橋で十分なそういうふうな意味の説得行動というのができなかった。結局は洋上へ出ましてから船と船の間で説得を、メガホンをもっていろいろやった。しかしその際にも、被疑者は二十数発のたまを船に撃ち込んできた。そういうふうな状況がございまして、ちょっとあの時点でこれを阻止、解決するということはちょっとむずかしゅうございまして、それから最後の、けさの広島の桟橋にまで戻りましてからの問題につきましては、非常に緊迫した状態になりまして、最後はああいう措置になりましたが、私、昨日からずっと現地に行っておりましたけれども、まことにやむを得ない措置だと思います。何とかあれを逮捕して——説得して逮捕したかったのでございますけれども、たいへんこういう結果になって、ほんとに残念に思っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 結局は最後に射殺したことになっているわけですけれども、私、あれ、テレビの画面で見ましたんですけれども、すでにその時点においては、人質や客は全部下船させておりますし、乗り組み員だけが危険な状態になっている。それからもう一つは何というんですか、あの前後におきましては、特に銃を振り回して、ライフルをもって殺そうという非常に緊迫した空気といいましょうか、ことに最後の瞬間に飲みものなんか飲んだ場面が出ておりましたけれども、あのような時点のときには、射殺ということになったわけですけれども、何か私だと、テレビだけのあれなんですけれども、ちょっと早まったんじゃないかというそしりを受けはしないかと思いますけれども、その点あなた、ごらんになっていかがですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) あの前に、先ほども申し上げましたが、広島に着くまでの間にかなりたまを撃っているということが一つ。それからあそこの宇品の桟橋に入りましてから、船長を通じて、共犯でこの間つかまった自分の共犯者に会わせろ、それから警察の責任者がそれを連れて来い、こういう要求を出しまして、もしそれでなければこれは射撃戦になる、射撃戦も自分はやるんだ。大体、説得については、説得に応ずるくらいなら初めからこういうことはやらないというふうなことを船長に申しておりました。それから、船が接岸します前後からかなり発砲を始めまして、待ち合い室や警察の車両にもライフル銃のたまが当たったというふうな状態が出てまいりました。それから船が接岸いたしましたが、もやもとりませんし、いかりも入れさせないという状態でございます。  それで、説得も、父親の説得も少しやりましたんですけれども、むしろ銃声のほうが激しくなる、こういう状態になりまして、まあやむを得ず、本人がそういうふうな状態になってまいりましたので、やむを得ず最後に射撃するという措置をとったわけでございます。テレビ、私もきょう広島で見ておったんですが、こちら、違うかもしれませんが、テレビに映りました状況はやはり何としても部分的で、実際の状況はかなり現地は緊迫いたしておったことは事実でございます。  それから、最後の手段を取る前には、やはり広島県の本部長も直接にその現地の桟橋のところに行きまして、自分で情勢を見て、そして私のところに、こういうことをやむを得ないと考えるというふうな連絡がございました。そのような状況でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 わかりました。  時間もありませんから、最後に一言、大臣にお伺いしたいと思いますが、このような事件が短時間、短時日の間に起きたことについても、原因、それから今後の対策については真剣に取り組んでいただきたいと思いますが、いまも局長のお話ありましたように、多少、ハイジャックのとき、また今度シージャックのときの犯人たちは英雄気どり、まあ安っぽい英雄気どりだと思いますが、そういうふうな気分が非常にあった。かっこいい、いまはやりのことばに幻惑されてあのようなことに走ったのじゃないかと思いますが、このようなことについては、いまの新聞とか、テレビとか、情報機関があまりにも発達しているために連鎖反応が起こりやすいというふうにも解されますけれども、私はもう一つ根本的にいって、いまのホステージ、人質の犯罪というものに対しての刑罰が軽過ぎるというふうにもいわれておりますけれども、これもその意味におきまして、今度射殺というような最悪の処置になってしまったわけでありますけれども、一般に逮捕した場合の今度はこれに対する刑罰、これも意外にほかの犯罪に比べて軽いというふうに見受けられます。したがいまして、人質犯罪についての刑罰というものについては検討を要するのじゃないか、今後の多発する傾向を押える意味におきましても必要があるのじゃないか、こう思います。そんなことでひっくるめて大臣の御意見、また対策をお伺いして私の質問を終わらせていただきます。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ハイジャックの問題のごときは、事が起こってからではどうにも始末に困る問題かと思います。あくまでも事前に情報をキャッチして未然に防止することに主眼を置いて、万全の措置を講じていくべきものと心得ております。  偶発的なシージャックの問題、偶発的だといまのところ一応推定されますが、これらにつきましては、これもできるだけ未然に防止できる機会が何回となくあったわけですから、そういうことに注目をいたしまして万全の措置を講ぜねばなるまいと考えます。  人質を取りました刑罰につきましては、具体的な感覚がございませんので、政府委員からお答え申し上げます。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) かつて金嬉老事件が起こりましたあとで、人質罪の検討、人質罪を新たに設けたらどうかという議論がございまして、いろいろ検討が重ねられました。ただ、その結果は、それを設定するというところまではまいりませんでしたけれども、しかし、私自身のやや個人的な見解になりますけれども、ああいう一番卑劣な犯罪に対しては、やはり刑罰なり、刑罰を重くするというふうなことは必要ではないかというふうに考えております。また、こういう問題が非常に多発いたしますおりから、いろいろそういう議論も出てまいろうと思います。しかし、技術的にもいろいろ問題があるようでございます。なお研究を重ねてまいりたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 関連一問。非常に凶悪な犯罪であることはもちろんでありますけれども、大阪府警から射撃の名手が来たといいますけれども、おそらく本人を射殺するということが当初の意図では私はなかっただろうと思う。船と射撃する場所との距離等の関係もいろいろあったろうし、犯人の具体的な行動も私はあったろうと思うのです。どこか足か手か撃って負傷をさせることによって逮捕する、そしてその後いろいろ調べて処罰すべきものは処罰する。こういうふうに私はあるべきではなかったか。私もテレビで見ているだけですから、具体的にそういうことが可能であったかどうか、それはわかりませんけれども、先ほども長官おっしゃったように、おそらく射殺が目的でなかったように私は思うわけです。そういう点がもう少し何らかの形で、けがをさせて逮捕してあとで調べていくということができなかったものかどうか、詳しい事情はわかりませんけれども、若干その辺御説明いただきたいと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) たいへんむずかしい問題でございます。まあ船の上——そう波があったわけではございませんけれども、不安定な船の上におりまして、もちろん射撃をいたしますのは、抵抗を抑圧する、できればそういうほかのところに、たとえば手とかそういうところに当てれば、命中させれば非常によろしいわけですけれども、これも一歩誤りますとほんとうの手負いの獅子になってしまう。ほんとうに抵抗の抑圧できるところを的確に射撃するということが、そういう意図を持ちましてもなかなかむずかしいことでございます。結果的にああいう形になりましたけれども、私どもとしては、やはり何とか抵抗を抑圧するということに持っていきたかったのでありますけれども、しかし、やむを得ない、たいへん、ほんとうに微妙なことで射撃部位が違うわけでございますから、やむを得ないことだったように考えております。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約第十三条の規定の実施に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 次に、請願を審査いたします。  第五号、過疎地域の振興促進に関する請願外百十件を議題といたします。  先刻、理事会において協議いたしましたものについて、専門員から簡単に報告いたさせます。

鈴木武常任委員会専門員

○専門員(鈴木武君) 簡単に、理事会におきまして審査いたしました結果を御報告いたします。  お手元にお配りいたしました請願一覧表によって申し上げます。  第五号、過疎地域の振興促進に関する請願、本件は、過疎地域対策の法律をすみやかに制定されたいという御要望でございますが、願意は達せられましたので、留保でございます。  第一八号、農林省所管県営防災ダム管理費の基準財政需要額積算基礎算入に関する請願、本件は、防災ダム管理費の基準財政需要額算入は困難と認められますので、留保でございます。  第七三号、地方財政の確定に関する請願、本件は、地方交付税率の引き下げ、あるいは補助率の引き下げ等を行なうことなく、さらに地方財政を確立せられたいという要望でございまして、採択でございます。  第二九二号、地方財源確保に関する請願も同趣旨で、採択でございます。  第二〇一号、森林病害虫等防除事業に対する特別交付税の配分に関する請願、本件は、採択でございます。  第一八四号、都市交通事業経営の健全化方策の確立に関する請願、本件は、都市交通事業経営の健全化のために地方債ワクの拡大、あるいは地下鉄等の国の財政援助の措置、あるいは再建債の利子補給の強化等の要望でございまして、採択でございます。  第二〇号外二件、電気ガス税の撤廃に関する請願、本件は、留保でございます。  第一三一七号外十一件、地方税法中事業税率の軽減に関する請願、本件はクリーニング業の税率引き下げについての請願でありまして、零細業者の負担の軽減をはかられたいということで、採択でございます。  第一三七二号、歯科技工業に対する事業税に関する請願、これは歯科医業と同様に減税措置をとられたいということでございますが、困難でございますので、留保でございます。  第二八九二号外三十一件、木材引取税の撤廃に関する請願、これは留保でございます。  第三〇三三号、社会福祉法人の施設等に対する固定資産税等の非課税に関する請願、これは身体障害者等の収容施設につきまして、直接使用部分については、現在、非課税となっておりますが、その他の施設についても非課税とされたいということでございますが、他の非課税制度との均衡がございまして困難でありますので、留保でございます。  第八八二号外二件、行政書士法改正に関する請願でございますが、本件は請願の趣旨内容がはっきりいたしませんので、留保でございます。  第二六八六号外四件、区長公選制の実現に関する請願、本件は留保でございます。なお、本件につきましては、採択すべきであるという御意見がございましたので申し添えます。  第三二三四号外八件、地方公務員等共済組合法の改正に関する請願、本件は、短期給付とか長期給付の負担割合の改善、あるいは退職年金のスライド制の実施等についての要望であります。採択でございます。  第三二三五号外二十三件、地方公務員災害補償法の改正に関する請願、本件は、運営審議会の構成に職員代表を加えるとか、審議会の審議を公開にするというような点についての法改正の要望でございまして、採択でございます。  第一五七七号外十四件、道路交通法施行令(点数制)廃止に関する請願、本件は、四十四年度から実施されました点数制により、免許の取り消し、就業停止等のため生活上の打撃があるものであるから廃止されたいということでありますが、点数制につきましては、交通災害の現状から見まして廃止することは困難でありますので、留保でございます。  以上であります。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) ただいまの報告どおり決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、採決に決定いたしました請願は、いずれも議院の会議に付することを要するものにして内閣に送付することを要するものと決定し、他は保留とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、その要求書の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱い等、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後九時三十四分散会

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