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63回国会参議院1970/03/26

地方行政委員会 第9号

発言数
272
登壇者
18
会派数
3
開催日
1970/03/26

会議録

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 総裁に二、三お尋ねしたいと思いますが、まず、新東京国際空港の建設につきましては、明年、すなわち四十六年には一部使用開始、四十八年の末には完成という御計画になっておりますが、実際に明年度中に一部使用が可能なのか、あるいはまた現在の工事の進捗状況はどの程度まで進んでいるか、簡単にひとつ伺いたい。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) お答え申し上げます。  現在の進捗状況からまずお答えいたしたいと思いますが、現在本体工事を始めるための準備工事を急いでいるわけでございます。資材の輸送につきましては、道路は茨城県の砕石、それから鉄道につきましては栃木、山梨、三多摩、各方面からの砕石輸送につきましてすべて計画が整いまして、これを受け入れるための成田の専用鉄道並びにその末端における資材のストックヤード、こういうふうなものも完成に近づいておりまして、現在茨城の砕石は備蓄用としてどんどん空港の中に運び入れられているわけでございまして、大体において三万トン近いものが本体工事のための備蓄用としてすでに集積されております。それからなお鉄道につきましては、来月の二十八日、四月二十八日に山梨県初狩の砕石の第一次列車が入ってくるというふうな状況でございまして、資材の輸送につきましても私どもとしては一応順調に進んでいるのではないか。それからなお、敷地内の工事につきましても、工事用道路約十三キロがすでに完成いたしまして、天気が若干悪くても敷地内における重車両の移動は何ら支障がないという状況になっております。現在雨水の処理のための排水の工事につきまして、パイプの埋設を始めているわけでございますけれども、これについてもすでに工事の発注を終わりまして、それからなおその雨水を暫定的に処理するための貯水池についても、約十五町歩にわたる用地をすでに確保いたしておると、こういう状況でございまして、私どもとしては、この四月に入りましたら直ちに旅客ターミナルにつきましては根切りから始める基礎工事、それから鉄骨工事、こういうふうに入ってまいりたい。それからなお、滑走路等につきましては、箱掘りから始めまして本格的な造成工事に入りたい、かように考えております。まあ順調に進んでいるというふうに、私どもは見ております。  それから先生の最初の御質問である、そういうふうな状況で来年一部完成が可能かという点につきましては、私どもは来年の四月をめどに全力をあげて供用開始ということで進んでおります。まあいろいろな事情があって若干の時日の変更があるかもしれませんけれども、公団としては来年の春オープンということで計画を進めております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま総裁からお話がありましたけれども、ただ世間では、といいましょうか一般ではそれに非常に危惧の念を抱いておるようでございます。ですから、一期工事の完成が、予定されておる四十六年四月には、滑走路、航空管制塔それから整備場、税関、これらの飛行機を飛ばすに必要な最低限の施設は大体予定どおりでき上がる、こういうふうに思いますけれども、それにさらにエプロン、ターミナル・ビルディングあるいは駐車場などの乗客用のサービス施設は、おそらく半分ぐらいしかできないだろう、きわめて窮屈な飛行場になるんじゃないか、このように言われておりますが、この辺についていかがでございましょう。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) その点はおっしゃるとおりでございまして、私どもも年々のいただきました予算の範囲で仕事を進めなければならないという事情にありまして、第一期工事の全体を完成しなくても、いまの羽田の現状からしまして、どうしても来年の春には国際線のある程度のものは成田へ移動していただかなければならないというふうに思っておりまして、ターミナルにつきましても全体の躯体工事、これは全部仕上げるつもりでおりますが、中の内装関係については、大体約半分ぐらい、それから飛行機が入ってまいりますサテライトと申しますか、フィンガーでございますけれども、これも大体一期工事、全体で四本の計画でございますが、まずとりあえず二本、二本によって大型機十六機ノーズインで駐機できる状態でございますので、さしあたってはそれで差しつかえないんじゃないか。したがいましてそれに見合うエプロン等も当然私どもとしてはつくる計画でございます。  なお貨物ビルディングであるとかあるいは整備施設についても、やはり供用開始までには最小限度のものに間に合わしていきたい。もちろん最小限と申しましても、現在羽田で国際線が使っておるものよりはだいぶ規模は大きいわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この空港の開始が四十六年、それから完成が四十八年度としておりますけれども、周辺地域の整備が十カ年を目標とすることは非常に片手落ちだというふうに感じます。またこの使用開始までに教育施設だとか生活環境施設の整備が完了されていなければ、騒音公害というふうな大きな問題が起きることが予想されますが、この点については万全の対策ができますか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 周辺の事業でございますが、河川改修などはあるいは若干おくれるのではないかと思いますので、私どもは場内排水のための暫定的な貯水池を先ほど申し上げましたようにつくりまして、御迷惑をかけないようにしたいというふうに考えておりますし、それからまたそれ以外の関連する施設につきましても、特に先生御指摘の学校のいわゆる防音工事のための新築あるいは改築という点につきましては、先般当委員会でも御答弁申し上げましたように、成田市から飛行について、ちょうど四千メートル滑走路の北のほうあるいは横のほうに当たるものですが、それからまた南方の芝山方面からは四施設、これは保育所も含んでおります。学校並びに保育施設、こういうようなものについて四施設を、四十五年度中に、私どもは鉄筋コンクリートで防音工事を持った施設にやりたいということで、現在四十五年度予算の中にもこういうものを織り込んでおる次第でございます。したがいまして、四十六年度、空港がオープンになった場合に、そういう教育環境というものが悪くなるというふうなことのないように全面的な配慮をいたしたい、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 局長が見えましたので、局長にちょっと。  新空港の関連事業の積算につきまして、四十三年の閣僚協議会で決定した額は、事業費総額は千九百六十九億円でありまして、そのうち地元負担を伴うものが五百九十六億円となっておりますが、この積算額についてその後変動はございませんか。またあるいは狂いといいましょうか、その積算に食い違いがありませんか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この閣僚協議会、あるいは四十三年からの、いわゆる新空港建設実施本部等でいろいろ協議をいたしました事業費というものは、先生のおっしゃいましたような額もあったかと思いますが、四十三年の二月に実施本部で決定いたしましたものは、総額では千八百三十四億というような額になっております。ただその際は、なお検討中のものが非常に多くございまして、その後千葉県なりあるいは関係の市町村、あるいはまた関係各省といろいろ協議がありまして、その結果がここに、お手元にお配りしておりますところの資料、参考資料の中のここに書いてあります。一一ページですか、この長いやつでございます。この一一ページをお開きいただきますと、要約してここには、この「地元負担を伴わないもの」というものがございます。これは道路関係あるいは国鉄の関係でございますとか地下鉄関係、これがまあ千三百四十七億。それからその次に一二ページから「地元負担を伴うもの」というのが載っておりまして、その一五ページのところを見ていただきますと、地元負担を伴うものの総額で申し上げますと、一五ページの事業費という欄の一番下のところを見ていただきますと、まあカッコしておりますが、六百七十億九千八百万円、約六百七十一億円、これを両方足しまして大体二千十九億円というものが現在一応決定を見ておりますところの関連事業の経費ということに相なっております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この法律が昭和五十三年度まで十カ年とした根拠は。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これはこの前も申し上げたとおりでございまして、この関連事業は、先ほども御指摘ございましたように、空港を短時日に整備していくということに直接関連するものは、もう当然空港の供用開始と同時に事業が完成されなければならないわけでございます。それから間接的なものもそれに応じたタイミングで行なっていかなきゃならないわけでございます。そこでおおむね五十年——五年間にはほとんど関係の関連事業は仕上げていくと、こういう方針で関係各省ともその準備を進めていこうということになっておりますが、ただ団体営の土地改良事業におきましては、やはり細部の事業が完了いたしますのにやや時間がかかるというような問題があるようでございまして、そこで一応十年間ということにいたしておりますが、実質的には大体五年間ぐらいでひとつ事業を片づけていく、こういう考え方を方針としてきめております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 大体その御方針でうまくいくようにお考えですか、御確信は……。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) その点に関しましては、関係各省とももちろん話し合いがついておりまして、了解の上でそういう方針をきめて進めてまいるということにいたしております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 運輸省並びに空港公団の新空港建設に伴う事業費のうち、昭和四十五年度予算に要求した予算額は幾らぐらいになっておりますか、またそれは総事業費のうち何%になりますか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 私どものほうの四十五年度の予算要求、現在参議院で御審議いただいておるわけでございますが、公団の全体の事業費といたしましては六百億でございまして、三百億が現金ベースでございまして、三百億は国庫債務負担ということでございます。従来各年度の事業費はほとんど用地買収費が重点でございまして、四十五年度はほとんど大部分がいわゆる工事費並びに各種の関連事業に対する負担金ということになっております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この新国際空港の規模は当初の富里案からだいぶ縮小されたようでありますが、今後の航空機産業の著しい発達による大型化、高速化、大量輸送化など、当然人員並びに貨物輸送の処理能力について、これはいまのままだと十年以内に行き詰まって、施設の増設あるいは拡張等の必要に迫られるものと予想されますが、現在の計画規模での施設拡張、増設は可能かどうかお伺いしたいと思います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 新空港につきましては、当初、現在の建設中のものの倍のものを想定いたしたわけでございますが、諸般の事情によりまして、飛行場敷地面積千六十という現在の面積のものに決定をして建設をしておるわけでございます。で、この新しい敷地面積におきますところの滑走路は、すでに御承知かとも思いますが、主滑走路が二本、横風用が一本、こういう内容でございます。で、この滑走路で離発着可能な処理能力、これはおおむね二十六万三千回という推定をいたしております。これは保安施設等のさらに精度の上がったものが創設された場合には、なお若干能力増を来たすと思いますが、その二十六万三千回でもって現状の輸送需要、それに伴います離発着回数の伸びを推定いたしますと、一応供用開始後約十年程度はこの飛行場で十分離発着回数を処理できる、かように考えておるわけです。それから先につきましては、現在の需要増等から考えますと、ここだけで済むとは考えておりませんけれども、やはり機材の今後の推移、あるいは需要につきましても、特に貨物等の推移、そういったものを考えまして、新しく計画を策定をして検討していかなければならないと考えておるわけでございます。で、この成田空港自体につきましては、現状の面積、現状の建設内容、これは変えないということを当初から私どもは考えております。新しい需要に応ずるためには、なんらか別途な措置を考えておかなければならない、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この富里に初め御計画になったときは、何ですか、面積におきましても七百万坪、今度は約その半分といまおっしゃっておられますが、これはあれですが、富里のときにつくった飛行場の大きさというようなものがむしろ理想的なものであって、それが理想どおり行なわれない、半分にしたということは、まあ主として原因は土地の取得の問題であろうと思いますが、したがいまして、この土地も十年後には当然非常に窮屈になってしまって、他に移転する、他にまた新しくつくらなければならないという必要が出てくるだろうことは、最初の計画の変更になったことでも予想されると思います。まあいま航空局長からお話がありましたように、この十年間はよさそうだ。しかし七〇年代の飛躍発展、さらに八〇年代というものを思い浮かべますと、このいまの成田空港というのはむしろ十年を待たずして早晩狭過ぎて困るというような事態になるのではないかと思います。航空局長も御承知のように、船のほうにおきましても、いまの十年前には、たとえばタンカーを例にとりましても、三万トンから五万トンでいいのだと、こういうような考え方で当たっていたと思います。ところが、それが二、三年たつかたたないうちに三万トン、五万トン時代が過ぎてしまいまして、御承知のように十年もたたないうちに十万トン、十五万トン、二十万トン、いま三十万トンから五十万トンのタンカーをつくろうとしておるようになりまして、十年間と言いますと、その飛躍発展はわれわれの想像を越えていると思います。したがいまして、航空機につきましてはよけいそのテンポが早いのではないかと思いますので、十年間はだいじょうぶだという考え方自体にちょっと私はいまの時代の進展というか、技術の革新とか産業の発達というような、あるいは国際関係というようなものから、まだまだ見通しが甘いのではないか、このように思います。それで、したがいまして、このいまの三里塚を中心とした飛行場でありますが、これはもうここでは広げられないのですが、いま局長は広げないとおっしゃったけれども、実際は広げられないのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) いま先生御指摘になりましたように、航空需要、その将来の伸びというものについては、これが非常に飛躍的であるということは私どもも認識をいたしております。したがって早め早めに空港その他保安施設等、必要な施設の計画をし、実施に移していくということをやらなければならないと思っておるわけです。その点、先生のおっしゃるとおりだと思います。ただ、この成田の新空港につきましては、当初の計画をいたしました富里という時点におきまして、いろいろ地元との関係が非常にふくそういたしまして、飛行場建設につきましては、何としても地元の協力、その地元民とのお話し合いということができないと、現実問題として理想の空港が、そこが実は理想であっても、それができないわけでございます。そういう意味でいろいろ調整をはかりまして、結局買い上げ農地の占める割合の高い富里というのでは実現が不可能であるという判断になりました。住民対策の問題という観点で、そういった買い上げ面積を最小限にとどめる。もちろん、航空技術的な条件にはかなっておらなければならぬというようなことでいまのところに定め、しかも面積を半分に縮小をするというようなことをせざるを得なかったわけでございます。そういう経緯に徴しまして、立地的に見ますと、これを拡張するということは必ずしも不可能ではない、場所柄的には不可能ではなかろうと思いますけれども、いまのような富里から成田へ移すという経緯、地元民の協力、今後これをぜひとも完成をしなければならぬというこういった決意の面から見まして、これを今後将来において拡張することは適当でないという判断に立っておりますので、われわれはこれを拡張をしないというふうにいま決意をいたしております。ただ、その先の問題ということはやはり問題になるわけでございますので、私どものほうでは、来年までに、対応する空港整備五カ年計画を実施中でございますが、四十七年以降のものについての長期計画を策定しなければならぬということで、実はいま部内に学識経験者を交えまして、需要の測定から始めまして、そういった次の五カ年計画、空港整備の計画というものを鋭意現在検討、策定中ということでございまして、それらを待って将来の問題に対処したい、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いまの新空港についてせっかくおきめになって、これをいま整備中というときに、ケチをつけるようなことを言って申しわけないのですけれども、現実にいま私が指摘しましたように、非常に狭いという感じ、要するに十年もつのもむずかしいというようなことと、もう一つ私は欠点の一つとして、いま諸外国と比べましても、東京からの距離が遠過ぎるのじゃないかと、こういうふうな感じがいたします。現実にニューヨークとかロンドンとかパリなんかにおきましても、おそらくこれの三分の一か半分以下の距離でございます。そんなことから考えましても、将来の航空に依存するわれわれの生活というものから見まして、また国の発展という見地からいたしましても、もう少し適当な土地があればという感じを強くする次第であります。したがって、今後この次の新しい国際空港を十年後におつくりになるかもしれませんが、その節にはそういうことも勘案されて、ぜひもっと理想的な航空対策というものを打ち立てていただきたい、そんなようにお願いをする次第でございます。  なお、先ほど総裁からもお話になりましたけれども、この空港建設及び周辺地域の整備に関しては予定どおり進行しておられるように承っておりますが、どうも進行しておらぬというふうな一面危惧が持たれているのが現実だと思います。それで、特に国有財産である下総の御料牧場の栃木県下への移転も、代替地造成事業等もすべて予定よりおくれている。それが地元住民や県や市町村民の感情を刺激している。これが同時に国がこの問題に精力的に取り組もうとしない姿勢に原因があると、こうも言われております。これはどうでございますか。また、国の姿勢や熱意の不足が地元の反対運動を逆にあおる結果となっておるのではないかと言われております。この辺についてお考えをお聞かせ願います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 建設のための工程につきましては、これはいろいろな工程がつくり得ると思うのです。いま公団でやっております工程というのは、おっしゃるように非常に突貫ということであることには間違いないと思います。しかしそういう突貫の工程であっても、これは四十六年の初めにおける供用開始はぜひともやらなければならないし、現時点におきましては、これは可能であるというふうに考えておるわけでございます。その進捗の中で、代替地の問題というものは一つの支障の原因にあげられるというふうにいわれておりまして、私どもも、現在の反対者の方々に対しては、確かにこの代替地問題というのが最大の問題であろうと思います。つまり、反対者の皆さんに今後御協力を願うについては、十分なる代替地を準備するということが非常に必要なことだと思っております。その点につきましては、公団総裁以下皆さんは、地元、県御当局とも十分なるお話し合いのもとに、そういった点も措置に万遺憾なきを期するように努力をしておられる。現に手持ちのものにしても、ある程度いま言われればすぐにというような内容のものもお持ちであるというふうにも聞いておりますが、場所その他についていろいろ皆さんの御希望があるようでございまして、そういうものに対しては極力それに対応するような措置をとるというような姿勢で立ち向かわれておられる。国自体といたしましても、こういった地元の皆さん並びに公団の御努力に対してやはりわれわれも十分なる建設促進の姿勢をとらなければならない。そういうことで、今回四十五年度の予算などにおきましては、公団要求全額についてこれを認めるというようなことを、関係諸方面の御協力、お話を得まして、予算的に認めていただくというようなこともやっておりますが、何かと私どものほうでやり得ることはひとつ何でもやって、所期の供用開始にこぎつけたい、かように考えてやっておるのが現状でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この新空港の建設にあたっては、最も大きな影響と申しましょうか、これは新空港をつくることは、当然地元にとっても経済的にまた文化的に大きな発展をもたらす、プラスの面もございますけれども、逆に住民の生活をおびやかすようなこと、たとえば公害問題というようなものが当然悪い影響を及ぼすわけであります。この公害ということならば、騒音防止、騒音の問題ですけれども、これに対する対策につきましては、前の委員会でもいろいろと御答弁いただきましたが、重ねて万全な対策ができているかどうか伺いたいと思います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 具体的な内容につきましては、総裁のほうからのお答えがあると思いますが、まず、私、国の立場におきまして考えておりますことは、現位置に場所を決定いたしましたときに、閣議決定でもっていろいろ地元対策ということを決定いたしました。その中の一つに、やはり騒音ということを十分考えていくということを政府部内できめております。で、その後におきまして、騒音防止法という法律もできた。これは何も新空港だけの問題のためではございませんけれども、騒音防止法もある。この防止法を新空港には一〇〇%活用していきたい。しかも、新空港特有な問題についてはすでに特有なものとして措置をしていくということもきめました。たとえば防止法でいうところの指定区域、移転補償を移転したい方にするという範囲につきましては、一般の空港が滑走路末端から千三百という距離の範囲であるのに対しまして、新空港の将来の使用を推定いたしまして、これを二キロという範囲までに広げるというようなことなどで、地元の皆さんの騒音に対する被害をできるだけ軽減していこうと、かように考えていま鋭意実施をしております。  さらに、先ほど申した政府できめました対策の中に、騒音対策委員会というようなものを地元の皆さんを交えてつくるということをやはり政府としてきめております。現在、まだ具体的に構成されておりませんけれども、おそらく近く公団を主体にして関係市町村、あるいは利害関係人の皆さんを集めた委員会がつくられると思います。そういった委員会で今後の新しい問題なり、あるいは情報の交換なり、あるいは新しい対策が結論づけられます場合には、政府として極力そういうものをバックアップして騒音防止に資したい、かようなふうの対策を考えている次第でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いま局長のお話の中で、結局、地元に何か騒音対策委員会ですか、これをつくって善処されるようなお話ですが、これは構想として、どんな権限を持って、また非常にまあ何といいましょうか、対策として有効に働くことができるような委員会なんでしょうか。それとも、まあそういう失礼なことを言っちゃいかぬかしれませんが、形式的な委員会かどうか、そこら辺のお考えを承りたい。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) これは東京羽田並びに大阪伊丹の両空港についても実際現実にできておりますが、これは行政組織上の一定の機関というものではございません。まあ率直に申し上げれば任意にでき上がる一つの自主的な委員会とでも言いましょうか、そういった性格のものでございます。しかし、これの運用につきましては、私どもはそういったほとんど公的に近いものの感じでもって既往の二つのものについて接触をしております。ここでいろいろ議論をされて決議をなされたりいたしますし、あるいは具体的にいますぐにこういうものを調査をしてもらいたいというような要請の姿になって出てきたりいたしますが、こういうものについては、われわれ政府で取り上げるべきもの、あるいは地元自体でいろいろまた公共団体等に働きかけるもの、ございますが、それらを実現するについては、私どもは誠心誠意やっておるつもりでございまして、たとえば深夜の飛行禁止というような問題が、これは羽田の委員会においてつとに議論をされました。そういうものを私どもは取り上げまして、閣議決定に持ち込んで、現状、夜の十一時から午前六時までは原則としてジェットの飛行を認めない。先般、大阪につきましては、なおそれをシビアーなものにいたしましたけれども、そういった問題につきましても、この委員会からのお話で持ち上がった問題で、措置といたしましてはいまのような措置をとっておる。もちろん、皆さんの御意見の中には、そのまま取り上げることが不可能なもの、あるいは時期尚早なものもございますし、しかし、私どもとしてはそういったことを含めましても、まあできるだけ皆さんの御希望に沿うというような運用を考えてこの委員会を活用していく、かようなふうの委員会になっております。新空港の場合におきましても、おそらくこれと同じような運用を私ども国としては考えておる次第でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いまの騒音対策委員会についてはわかりましたが、これ、ひとつこのような機関、委員会を通じてほんとうの住民の声をこの委員会に反映させ、さらにこの委員会が強力に活動して住民の希望をかなえるような、そういうものにしていただきたい。羽田のお話もありましたし、伊丹のお話もありましたけれども、それ以上に活用できるような委員会にしていただきたい、これをお願いしておきます。  それから、先ほどちょっとお触れになりました騒音防止法でございますけれども、騒音防止法の適用に該当しないいわゆる騒音公害の被害に対する救済策については、どういうふうに考えておりますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 騒音防止法には、対象にするもの、対象の範囲に該当するもの、それから対象の基準というようなものがいろいろ含まれております。したがいまして、そういう対象に当たらないようなものももちろんございます。それから基準にいたしましても、たとえば七十ホン以上の学校に対する防音工事というものが、はたして七十ホンでいいのか、もっと下げるべきではないかというような問題がございます。あるいは頻度等にいたしましても、頻度等の関係はもう少し少ないものも考えて対象にすべきではないかというふうないろんな問題をかかえております。これは率直に申し上げまして、やはり財政との関係もございますので、いろいろそういった要請に対しましては、そういったものとの関連はやっぱり考えながら逐次進めておるというのが現状でございます。対象等につきまして、実はもう少し広げるという面で、私どもはたとえばさっき申し上げましたような移転補償の範囲などというようなものにつきましては、新空港は先ほど申し上げた二キロをすでに決定して実施中でございますが、伊丹とかあるいは羽田等については、これは一キロ三百というようなことになっております。これを四十五年度の予算からもう少し拡大をしたいということで、ほぼ関係機関との話も了しておりますが、そういったように、時勢と飛行機の実際の変化、あるいはこの運航のしかた、そういったもの、それから周辺の生活状態の変化、こういうものに対応いたしまして、やはり内容的には逐次変えていく、前進して前向きで進めていくということが必要であろうと考え、常時そういう観点で調査なり研究なりを私どもは自分自身でもやっておりますし、それから委託調査で専門家のところに出しまして、たとえば人心に与える影響がどうであるというようなことについて専門家の御意見を伺うというようなことを続けておるわけでございます。そういうものの集積を得まして、そうして諸般の情勢と兼ね合わせまして前向きで前進をさして、いわゆる航空機公害というようなものが何とか最小限に食い止められるようにという努力をしているつもりです。なおこういったことにつきましては、国際的にもいろいろ問題がございました。昨年の十二月モントリオールのICAOでこういったものもやはり議論になって、国際的にも措置をとっていこうというようなことが議論されております。飛行機の騒音を少なくとも現状でとめる、これ以上大きな騒音を出す飛行機は各国で使わない、使用しないということにしよう、メーカーはそういうものをつくってはならないということにしようという騒音証明制度というようなことは、ほとんど完成に近い結論までに到達をいたしておるような次第で、こういった国際的な動きなどは、そういうものができれば私のほうは直ちにそれを採用する、こういうようなことについて前向きで検討していきたい、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この防止法の、いま私お尋ねしました中にも、特に個人の家だとかあるいは市営の託児所あるいは幼稚園というようなものに対する非常に心配が多いと思います。地元からもそのようなことでいろいろと心配して、取り立てて尋ねられておるわけでございますけれども、この騒音に対する対策としては、やはり鉄筋コンクリートの建物でなければ完全にこれは防止できないということは常識になっております。したがって、木造の小さな農村の家屋などは騒音に耐えられないというような状況にぶつかるんじゃないか、こう思います。その影響はいま局長からお話ありましたように、国際的にも問題がある。ことにきのうからの新聞によりますと、人間の胎児にまで悪影響を及ぼすようなことが出ております。鶏が卵を生まないとか、牛の発育がおくれておるというようなことがあちこちで言われております。これに対する救済といいましょうか、これが肝心ではないかと思います。公共の建物についてはいまの騒音防止法である程度補強されますけれども、私的なものに対して、個人的なものに対しての救済がなされないわけです。この辺のところについて、ひとつしっかりとした救済方法を確立していただきたい、こう思うわけでございます。なおこの問題につきましては、前の委員会でもいろいろ質疑応答がありましたから、この辺にとどめまして、御善処をお願いしたいと思います。  次に、航空機燃料の給油施設についての概要を簡単に御説明を願いたいと思います。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 航空機燃料の給油施設の説明の前に、先ほど先生から御質問ありました、個人住宅に対する騒音対策について何か検討がなされておるかどうかという御趣旨の内容がございましたので、私から現状を簡単に御報告した上で御返事させていただきたいと思います。実は先生と同じように、千葉県自体もやはり住宅に対する騒音というものを非常に心配いたしておりまして、これは御指摘のように騒音防止法の対象に全然なっておらないということで、実は県が数百万の県費を投じまして、昭和四十三年に滑走路の先端約千二百メートルの地点に防音装置をした住宅を、いろいろくふうしていろいろのものを建てまして、その音響効果というものを測定いたしております。それによると、屋外で聞く場合よりも、多いときは三十ホン、あるいは十五ホンというように、屋内にいると、その民家の防音施設によってある程度屋内の音が軽減できるという研究も実はできているわけでございまして、こういったものを県は今後どういうふうにその空港周辺の民家の方々にこれを適用していくか、あるいは奨励していくかという方途を現在検討中でございまして、やはり同じような心配を県もやりながら具体的な施策を講じつつあるということでございますので、一応付言させていただきます。  なお、給油施設でございますが、給油施設につきましては、千葉の出州の埠頭に数万坪の給油基地をすでに公団は県から取得をいたしておりまして、そこからパイプライン、約四十二キロ程度でございますが、地下埋設のパイプラインで空港の中に持ってくるという形になっております。で、四十五年度予算といたしましては、私どもは給油施設全部について五十億の要求をいたしておりまして、第一期工事の大体の給油能力というものを年間二百万キロリットル、一日に大体五千四百キロリットルというところに目標を置きまして、十四インチの二本のパイプラインで空港の中に持ってこようということでございます。  なお、防災関係は私どもの一番心配する点でございまして、パイプラインにつきましては、これは従来たとえば八戸から米軍の三沢基地までの航空機燃料をパイプラインで送っておりますし、それから新潟の天然ガスは東京までパイプラインで送られているわけでございます。三陸沖の、あるいは新潟の地震の際におきましても、パイプラインについては全然支障ない、私ども担当者のほうでも安全性については十分検討いたしておりまして、全然心配ない施設をしたい。そのためには、私どもとしてはラインの途上に緊急遮断用の自動バルブというふうなものなど、いろいろな計器類を設置するとか、あるいはまた油漏れを探知するための施設を配置するとかいうふうなことをしまして、常にそのパイプラインが正常に動いているかどうかということを探知することを考えております。途上は全然心配ない、それから御心配になるパイプラインの基地であるとか、あるいはまた飛行場内ににおける給油施設というふうなものにつきましては、これもやはり現在の消防法に規定されました設置基準に基づきまして完全な防火設備をやっていきたいということで、特に場内におけるハイドラントにつきましては、タンクそのものが樹木に遮蔽される、なお、ある程度半地下埋設というふうな形で、外からも危険感ができるだけ感じられないような形でつくっていくということで、その安全には万全を期していきたいというふうに考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 新空港のでき上がってからの航空機事故等に対する消防及び救急対策はどのようになっておるか。またそれの国際基準はどうなっておるか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 消火、救難につきましては、私どもは、一応四十五年度で第一期計画の四千メートル滑走路に離着陸する飛行機の事故に対応する消防車両として、約三億円で十六両の化学消防車を用意しようということで、すでにその設置場所も整備地域の一角に予定をいたしておるわけでございまして、御心配の航空機の事故による火災の処理は私ども非常に関心をもっておりまして、したがって消防隊につきましても、公団直営の消防隊を持ちましてやっていきたい。  それからなおその消火設備の基準につきましては、これは航空機の国際民間機関であるICAOのリコメンデーションもございまして、その基準に完全によったものをつくっていきたい、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 消防、救急組織及びその運営、管理、指揮、これは国が行なうのですが、それとも地方の公共団体が行なうことになっていますか、お伺いしたい。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 飛行場内の消防は、もちろん必要があれば外から応援を頼むということはございます。現に羽田におきましても、空港当局の消防以外に市中消防が応援にかけつける場合があるわけでございますけれども、成田におきましては、公団が消防隊を特殊消防として直営するという形をとりたいと思います。これは非常に特殊な、しかも高額な消防車でございますので、なかなか付近周辺の市町村がこれを持つということは非常に困難ではないかと、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 新国際空港のいろいろな施設のうちで、国それからまたは地方公共団体の行なう事務、事業と、それからもう一つ、民間団体が行なう事務、事業との内容について具体的にお話し願いたいと思います。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 空港の中だけについて申し上げますと、これは公団法の中にも概括的な規定はあるわけでございまして、要するに、航空機が安全に離発着するために必要な機能的な施設、これは公団が直営する、それから乗客あるいはまた送迎客その他に対する利便施設、これは民間に委託してもよろしい、原則的にいうとそういうふうな形になっております。で、私どもいま考えますのは、たとえば滑走路、誘導路、エプロンというふうな基本施設、これは当然公団が直営いたしまして、現在国が羽田でとっております着陸料のごときは公団の収入として入ってくる。それからターミナル・ビルディングは公団が直営いたします。ターミナル・ビルの中における利便施設と申しますか、食堂であるとか売店であるとかいうふうなものについては、これは民間に委託してやらせるという形になると思います。それから機能施設の中でも、整備施設、バンカーであるとかあるいはその他の整備用の施設でございますが、こういったものは場合によっては日本のナショナル・キャリアである日本航空にこれをつくっていただいて使っていただくということになるのではないかと思います。原則としては、機能施設は公団直営、利便施設はその事情によって民間の方々に委託すると、こういう考え方でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 その構内の施設によって、民間の方々がいろいろな仕事をしたいということの申し込みが殺到しているというような新聞記事を見ましたけれども、それについてきちんとした基準がおありでお進めになるおつもりだと思いますけれども、とかくいろいろの紛議を起こしやすい問題でございますので、総裁のこれに対するお考えを承りたいと思います。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) おっしゃるように、空港ができますと、空港の中でいろいろなお仕事をされるということは、ある意味では制限的な独占事業にもなるということで、いろいろな方々が希望されてくると思います。現にそういうふうな御希望が私どものほうにだいぶ出ております。しかしながら、私どもはまだそういうものを審議する段階でもございませんし、御要望を承っておくというだけの範囲にとどめておりまして、したがって将来そういうふうなものをどういう形できめるかという点につきましては、これはまだ私の考え方でございますが、何らかのやはり公平な客観的な一つの委員会というようなものをつくって公正にきめていくべきではないかと、かように考えております。  それからなお、閣議決定の際にも強く政府がお約束された空港における収入なりあるいはまた構内営業については、できるだけ地元を優先させるという一つの御指示が政府から与えられております。それに基づいて私どもが現在直接御指導申し上げておるのは、敷地内から離れて他に移られた方々、それからまたすぐ周辺において非常に空港の生活上の犠牲を受けられる方々、それからまた空港の敷地内の方々が移られた代替地を提供してくだすった方々、こういうふうな方々に対しては、積極的な営業あるいは就労の指導をいたしております。これは非常に私どもの見方では効果をあげておるのではないかと、かように考えます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 先刻、建設資材の輸送等についても手を打って、きちんと計画どおり建設されるように承りましたけれども、この建設資材の量は非常にばく大になりますので、これは鉄道とかトラック等の輸送について非常な対策を十分にお立てにならねばならぬかと思いますが、これに関連いたしまして、特に新空港と都心との交通ですね。この連絡についていまいろいろと御計画があると思いますけれども、この御計画案を簡単に御説明願いたいことと、そしてそのいまの御計画案だけで大体十分だと、こういうふうにお考えかどうか、それも承りたいと思います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 建設省がいらっしゃると一番よろしいと思いますが、私が概略申し上げますと、現在はやはり道路を一応主に考えております。道路計画といたしましては、首都高速七号線を通りまして、いわゆる京葉道路、これは一期、二期、三期とございますが、この三期工事の、千葉の少し手前に宮野木というところがございます。その宮野木から成田の北のほうに上がっていく東関東自動車道というものを上げまして、それから空港専用線で空港へ入る、この一連を主の道路と考えております。その中で東関東自動車道が全くの新しい道路をつくることになります。そこで用地の買収から始めまして、現在そのほとんどを、八、九割近く買収を完了して、目下建設にかかりつつあるというふうに聞いております。で、これは大体空港供用開始にも一連は間に合う、かように私どもは見ております。ただこれができました暁にも、これで将来の道路輸送需要に十分であるかということにつきましては、私ども自体の考え方としては、そう長い先までは持たないんではないか。したがって、建設省で次の段階としてお考えになっておられる湾岸道路というのがございますが、この湾岸道路をできるだけ早期に完成をしていただきたい。この道路によって同時に羽田と成田をつなぐことにもなるわけでございますので、これをできるだけ早く完成してもらいたいということを考えております。  それ以外に、やはり飛行機が大型高速化してまいりますし、それから貨物輸送が非常にふえてくるというような見地で、陸上の大量輸送機関が必要ではないかと考えます。その最も適当なものと考えられますのは、やはり鉄道であろうと思います。で、これにつきましては、供用開始までには、いま具体的に工事の進められておるものとして、京成電鉄がいわゆる成田から新空港への乗り入れということで、いま実際に用地買収をほとんど終わって、工事をし、大体供用開始までに間に合うというようなことを計画して進められております。で、国鉄自体でさらに現在の総武線を空港に乗り入れるという問題、あるいはわれわれとして最も望ましいものですが、新空港までの直通新幹線、こういったもの、あるいは新幹線にいたしましても、途中ある程度の停車駅を設けるというような式のもの等々でございますが、こういった国鉄を主にした新幹線方式のものを何らかこれに設置していく必要があるんではないかということで、この問題では省内に一つの研究グループをいまつくっておりまして、関係各局で鋭意話の詰めをやっておるという段階でございます。したがいまして将来の問題は、湾岸道路の問題、それから鉄道輸送の問題、こういうものをぜひとも完成していく必要がある、かように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 将来将来と言いますが、現在入っているのですけれども、ジャンボジェット機とか、さらにSSTという非常に大型高速機がどんどんふえてくると思います。非常に空がふくそうするわけですけれども、現実にホノルルから東京までとにかく二時間、三時間というような短時間で来られるようになると思いますが、今度は国際空港から東京までまたそれと同じような時間がかかったんでは、おそらく効果を減殺してしまうことになります。特にいまお話の道路の完成は非常に大切なことじゃないかと思います。現に、お話にあった羽田なども、当初は非常によかったと思いますが、最近はむしろはっきり時間の計画を立てられないような、いつ込んできて交通麻痺に遭遇しなければならぬかというような危惧を与えておりますから、こういうことのないようにひとつ十分に道路の整備についてはお考え願いたい、かように実行していただきたいと思います。  いま、お話のありました湾岸道路とか高速道路、これはいま建設省の方おられませんけれども、いつごろ完成の御予定ですか、ちょっと……。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 建設省の方がおられませんので、先般衆議院の委員会におきまして建設省から御答弁のありました点を私から御紹介申し上げたいと思いますが、実は私ども一番懸念いたしておりますのは京葉道路でございまして、特に京葉道路は、現在第一期区間と第三期区間がすでに工事を始めておられますが、第二期区間は従来どおり二車線ずつで、供用開始の当時もその状況で東関東自動車道に接続すると、こうなっておるのでございまして、建設省当局も、京葉道路のそういう弱点が供用開始後わりあい早い時期に出てくるのではないかということを心配しておるわけであります。湾岸道路そのものは、羽田から千葉まで全体つくる場合には相当長期間、あるいは数年間かかるのではないか、いわゆる供用開始のころに間に合わないというふうなことでございまして、さしあたって、京葉の一番弱い二期区間について、その部分だけ湾岸道路をまず早期につくろうということを御計画しておられるようで、私どもはその御答弁を聞いて非常に安心したのでございますけれども、京葉の一番弱い、現在と同じ二車線の部分だけの湾岸を早く——、ここは確かに私記憶違いでなければ四十七年度中にはそれをつくり上げたい、こういうふうなお話でございまして、したがって三車線で来たものが、二期区間へ入りました場合は、一部は湾岸を経て、さらに三車線の部分に接続するというふうなことになるわけでございまして、そうなりますと、湾岸道路全体ができるまでの暫定的なつなぎとしては相当有効ではないかと、かように考える次第でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 わかりました。いまお話ありましたように、京葉道路自体がまだ飛行場の器材も運ばれてない時点におきまして非常にふくそうして、むしろ高速道路の中で一番能率の悪い道路と思いますが、そんなことですから、よけい私、道路の問題については心配するわけでございますが、どうかひとつ湾岸道路の完成を促進して、そのような危惧のないように、せっかく新飛行場ができて、そのメリットがあまりたいしたことない——旅客に関しましてすでね、と言われないように御留意願いたいと思います。  次に、財政の特別措置に関連する問題でございますが、現在の成田市の年間財政規模はどのくらいですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 成田市は現在人口が、四十三年の国勢調査によりますと、四万二千四百七人、百三十平方キロ、こういう市でございますが、最近の決算の状況を見ますと、四十一年度は、歳入におきまして七億五千二百万円、歳出六億七千二百万円、歳入歳出差し引き八千万円、実質収支は七千百万円ということになっております。四十二年度も同じような、規模は少し上がっておりますが、歳入八億二千五百万円、歳出は七億六千七百万円、歳入歳出の差し引き五千八百万円でございまして、実質収支は五千四百万円。四十三年度はさらに規模は上がっておりまして、歳入が十億五千七百万円、歳出九億五千九百万円、歳入歳出差し引き九千八百万円、実質収支は九千百万円ということになっておりまして、毎年いまのところ約十億ばかりの財政規模を持っておりますが、いま申し上げましたところでもおわかりいただけたと思いますように、毎年五千万円ないし九千万円の実質黒字を出しております。で、積み立て金等も四十三年度末で五千二百万円持っておりまして、いまのところは、まず非常に健全な財政運営をやっておるという状況でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この法案の財政特別措置につきましては、通常の国の負担割合よりも高率の補助を規定しておりますけれども、それでも周辺地域の整備について市町村の持ち出し財源は相当な額に達しておりますけれども、市町村の財政を圧迫することにならないかどうか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 個々の団体によって受け持ちますところの事業が異なるわけでございますけれども、まあ一番大きいのは、いま御指摘いただきました成田市が一番大きい事業を分担するといいますか、実施するということに計画上も相なる予定でございます。で、一応いままで考えられております事業費からいたしますと、成田におきましては、この特別措置を講じましても、その事業費の関係からいいまして、約三十三億円ばかりの負担というものが出てくる、こういうことに相なるわけであります。したがいまして、最盛期には相当な額になってくるということはこれは御指摘のとおりでございます。その関係におきまして、これははっきりはわかりませんが、成田におきましては大体最盛期には四億ないし五億に近い事業を執行していくということに相なるだろうと思うのでございます。その場合に成田市の負担分につきましては、まず地方債その他で措置ができますものは私どものほうでも措置をいたしまして、起債その他の措置を行ないまして、純粋の市負担というものはなるべく軽減するように私ども努力をいたしたい。そういうことにいたしますと、純粋の市負担というものは、最盛期には大体二億程度になりはしないか。まあその程度でございますと、非常に楽ではございませんけれども、何とか消化をしていくことができるのではなかろうかという見通しを現在は持っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この空港周辺の整備につきましては、当然その地域は非常な利益を受けるのだから、受益者負担の原則からいっても若干の住民の負担はやむを得ないだろうという考え方が一部にあるのですけれども、これは非常な誤りだと思います。その点お考えを伺いたい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 御指摘になりますように、空港周辺の関連事業というものの中にも、いろいろ実は種類があるわけでございまして、たとえば、一番極端と申しますか、直接的なのは、たとえば空港を建設いたしますために、資材の輸送の道路をつくるというようなものがございますが、こういうものはもう空港のためにつくるのでございますから、これはもう空港、国、あるいは公団が全部負担する、これは当然のことだと思います。  それから次はやや間接的なものもございます。たとえば現在空港の雨水等の処理ということで広域下水という計画がありますが、これは元来千葉県もその地域の都市化の現状等を考えまして広域下水を計画いたしております。これが両方が千葉県の計画を利用するということで、いわば相乗りになっております。そういう場合には、これは空港に必要な広域下水事業について、空港の処理に必要なものにつきましてはこれは国が持つ。しかし、千葉県が元来周辺の市町村の都市化傾向に対応いたしまして、広域下水を考えておりました部分は県なり国が持つ、こういうことに相なるわけであります。  それからさらには、地域開発道路というようなものがございます。あるいはまた土地改良事業というようなものもございますが、こういうものの中には多少空港の建設に関連をいたしまして、周辺地域の都市化なり、あるいは都市改造事業などもあるわけでございますが、企業が進出いたしたりなどするというようなことも考えながら、多少地域開発的な事業も関連事業として取り上げておるというようなことになると思いますが、そういうようなものになりますと、やはり事業ごとに、いま申し上げましたように、事業の性質なり、地元との関連性なり、空港との関連性なり、あるいは地元との利益の関係なりというものが異なっておりますから、そういう意味で、土地改良事業に対しましては、やはり土地改良を行なうということの直接の原因は、空港ができるということでございましょうが、そこで通常の補助率よりも高い補助率をする。しかし、最終的には生産性の向上ということも期待できるわけでございまして、国の利益にもなるわけでございまして、全く負担しないというかっこうにはならない。その辺の具体的な処理につきましては、公団、県、市町村、土地改良区等でいろいろ実際の扱いは考えて、円満に事業が執行できるということにして進めてまいりたいと思いますけれども、そういう点では全く負担をしないでいいというかっこうには、これはならないんじゃなかろうかと思います。

原田立公明党

○原田立君 いま局長の御説明の中に、成田市では起債で三十三億円ぐらい負担するようになるであろうというお話がありまして、この前配付されている資料によりますと、地元負担を伴う事業費は六百五十一億で、そのうち国が百七十三億である、県が二百九十二億である、市町村が五十六億である、こういうふうになっておりますが、地方公共団体の負担するのが合わせましても三百四十八億になりますけれども、これだけのものを地元負担でやる。先ほどからいろいろ説明もされているし、今回の法律の趣旨も、地元に負担をあまりかけないようにしていこうということで今回の法律が出ていると思うんですが、いま申し上げるように、三百四十八億という高額の地元負担がある。成田市では先ほどのように三十三億の起債をする必要があるということになる。この起債されたものは当然借金ですから、あとで返していかなければならない。元利償還するときにそれが地元の団体に重く負担としてのしかかるようなことがあってはならない、かように考える。それで、地方債の元利補給について何か特別な考え等がすでにできているのかどうか、この点はいかがですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げました三十三億と申しますのは、この特別措置を適用しました後の、私どもが現在推計をしておりますところの成田市の負担分、地方負担分、全体の事業費としては、これは想定でありますけれども一応六十七億、その中で特例を適用したあとの成田市の負担分が三十三億、こういうことに相なるわけであります。そういうことになりますが、その場合にも、いま申し上げますように、その地方負担の中でもやはり地方債をもって充当すべきものにつきましては充当をしていく、こういうことを考えております。  それからさらに、成田市は首都圏の財政援助法におきまして都市開発区域に該当をしております。関連事業がありましてそこでも大体一億程度の負担軽減がはかられるようになっております。  それからあとは、いまのお話の地方債の充当後の負担をどうするかという問題がありますが、これらはその事業実施の状況に見合いまして、言ってみれば、交付税なり起債等の措置をもちまして考えていきたい。と申しますのは、交付税におきましても、成田の事業に対しましてはやはり事業に見合った財源充当がある程度できることに相なります。そういうことを通じまして個々の団体の、もう特定の団体の問題でございますので、その団体とよく連絡いたしまして、その実態に応じて措置ができるものは私どものほうでも措置をいたしまして、そうして市の実際の行政の運営に支障のないようにぜひいたしてまいりたい。もっと補助率を上げるべきできるという議論もあるかと思いますけれども、これも他のいろんな補助負担事業との関連においては、一応この財政の特別措置の制度は一番高いところにまで持っていっておるわけでございまして、まあやはりこの程度が限度ではなかろうか。しかし、いま申し上げましたように、成田市の一番の最盛期にいろいろ充当いたしましたあとで、大体二億くらいの一般財源が必要になりはしないか。これが一番最盛期であろうと私ども思っております。その当時は、先ほど申し上げましたように、決して楽な状況ではない。楽な状況ではないが、これをやりながらも、ほかの仕事も手を抜いてしまうことのない最低限度のことはやっていけるんじゃなかろうか。それは具体的な状況に応じまして、また自治省としても考えられる措置はそのときに応じて考えていかなきゃならぬとは思っております。

原田立公明党

○原田立君 最初からまん中辺、何だか一生懸命説明なさっているのによくわからないんですけれども、最後は適切な処置をするという結論のようで、それで、そこだけほんとうは答えてもらえばいいんですけれども、要するに、地元団体にそんなに負担をかけないでやるために、今回のその高額の補助をするということになっているわけなんですから、その趣旨からいっても当然地方債で、起債でまかなっていかなきゃならないものはその事業について出てくるわけですから、それについて特別な措置を十分自治省は講ずるというふうに仰せになればいいんです。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) その事業の中で、先ほども申し上げましたように、空港の建設のために直接するものは国がもう全部持つというのがたてまえ、それから地方と国とが入れ合って、あるいはまた事業の性質上地方団体が出資するというようなものについても、高率の補助をこしらえまして地方の負担軽減をする。それはやはりこういう国家的な事業を行ないまして、空港を短期間につくっていくということになりますと、地方としても、元来しなきゃならぬ事業としても、一時に大量の事業を行なっていくという問題になります。それからまた大型空港をそういうところへ設置しますためのいわゆる環境の変化というようなものがありますから、開発的な事業、成田の場合であれば土地改良事業でありますとか、あるいはニュータウンの建設とかという問題がありますけれども、こういうようなものになってまいりますと、もちろんそういうものを実施いたすということにつきまして高率補助というものも考えるということでございますが、同時に、それは成田市自身の将来の発展、振興ということにも大いに寄与するわけでございます。そういうものについては高率補助というかっこうでいっている。それから、まあ中には上水道事業とか、そういうものには収益的な事業もある。そういうものはほとんど企業として起債措置でやっていくというものもございます。ですから、この事業の種類によりましていろいろ考えていかなきゃなりませんので、いま申し上げました成田市が全体として相当の額を負担しなきゃならないということになりますのは、そういう意味で成田市自身の都市施設の整備、それから市の振興といいますか、開発というものに役立つもの、こういうものの事業が相当多くなる、こういうことでございます。そこで、しかし、それにしましても事業の緊急性というものは空港に関連するわけでございますから、自治省としましては起債なり交付税なりの措置を通じまして、成田市の事業というものが十分実現をしていくということで、ぜひそのためには市の実態をよく調べまして、支障のないようにはこれはもう絶対にしていかなきゃならない、こう思っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 さっきお尋ねしましたように、どうもこの新飛行場ができる、新空港建設があるということになりますと、どうしても道路がりっぱになり町が栄える、鉄道が敷かれるというようないいほうの面がどうしても見られがちであって、したがって、自治省のお考え、政府のお考えなども、住民も、だいぶ町が発展し便利になったじゃないか、こういうふうなお考えが強くなる。それを懸念して御質問したわけなんでありますけれども、しかし、そういういい面の反対に、さっきからも触れましたような騒音というようなもの、そのためにうちは引っ越し、立ちのき、それくらいならまだいいんですけれども、転職をやむなくされる。あるいは先祖伝来住みなれた土地を遠くへ行かなければならない。そういういろいろな被害を住民は受けておるわけでありますから、その点十分御考慮を願って、住民負担の軽減というものに対しましては、本案の許す限りもっと格段の御配慮をぜひお願いしたいと、こう思うわけでございます。  時間も参りましたので、一言追加しておきたいんですけれども、シティ・ターミナルという構想はおありですか、ちょっとお伺いしたいと思います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) そういう構想は具体的にございまして、ある程度進捗をいたしております。先ほど来お話しのように、成田は、世界の現状の空港の中では最も都心と距離が遠いということがございますので、しかもまた道路の容量が、先ほども申しましたように非常にいまから窮屈だというようなことが想定されます。そこで、やはりそういった面をカバーする一つの方策であると考えておるわけであります。たとえば、ここで荷物をすでにセットインをしてしまう、見送りの方々もここで一時お別れができるというようなことになれば、実際に飛行機に塔乗される方だけがその道路を通るというようなことになるわけです。ジャンボあたりになりますと、やはり一度に大量のお客さんを輸送するという必要があります。そういう方をそれからバスで輸送するということになりますと、そういったお客の塔乗等についての混乱も何がしか起こる。いろいろな利点が考えられまして、現実のところ箱崎という場所に、人形町のちょっと近くでございますが、首都七号、六号の交差するところでございますが、ここにシティ・ターミナルというものを計画建設中でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 大臣もお見えになりましたから、一言、最後に大臣にお伺いします。この新空港建設の計画の決定につきましては、提案理由に明らかにされておりますように、自治大臣及び事業の主務大臣が協議して決定するということにしておりますけれども、このことは個々の事業所管の大臣と、事業全般が関連する地方行財政を担当する自治大臣が協議して決定するということを意味しておりますが、法文上は対等複数主体が協議決定するたてまえではありまするけれども、協議決定の取りまとめは、この法律を所管し、かつ全般的取りまとめを実際問題として行なう自治大臣が当たることになるわけですが、この問題は単に地元地方公共団体の直面した財政問題の適正なる処理解決という観点からだけではなくて、空港関連の施設整備事業の大部分が地方公共団体の行なう事業であること、さらにそれらの事業は同時に関係各省庁にまたがるものであること、そしてこの新空港という新たな国家施設、国際施設の建設という観点からも、今後の事業の運営に関しての自治大臣の御決意あるいは御所信なりをお伺いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) この新空港建設につきましては、もちろん空港そのものの建設は空港公団と国家の責任に帰するものでございますが、関連して地方がやる諸事業につきましては、関連しておる地方公共団体の仕事でもある、したがって、自治省の管轄に属するわけであり、かつ、それらが相連係をいたしました統一的な連絡が必要でございますから、当然、各省にこれら関連事業遂行につきましては関係しておると同時に、その中心として自治省が関係をしておるわけでありますから、これらの事業決定及び財政の援助につきましては、主役を自治省がつとめるものと心得ております。したがって、この法律の円満な実行に関しましては、自治省がいろいろな責任を持つことを自覚いたします。この事業の円満にしてしこうして急速な実施、並びに直接にはこの法律に関係する分野でなくとも、これに関連の地方住民の今後の福祉の増進等につきましては、手厚く、そうして心を配ったいろいろ配慮をしなければならないことも十分心得ております。これらの点につきまして、ひとつきめこまかな配慮をいたしまして、この法律の施行の円滑化、そうして万全を期してまいりたい所存でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 きのうからきょうにかけていろいろ農林省や建設省のほうから御意見を伺ったわけでありますが、先ほど来から総合問題についてはいろいろ御議論がなされてきておるわけでありますが、これだけ大きい空港ができてくるということになりますと、周辺の河川というものの改修計画というものと空港の事業の進捗状況というものとを考えてみますと、雨季の場合の河川のはんらんということが非常に心配されるわけであります。きのうも取香川ですかについて御説明を伺ったのですが、この沿岸の耕地というものは二百五十ヘクタールもあるというところでありますが、いまだ取香川につきましては土地の買収問題も解決をしていない。これが解決されなければ現在五十一号線の交差点の付近の川というのは、もうほとんど何といいますか、川らしき体裁を全くなしていない、こういう状態であります。そうした点で、すでに空港のほうはかなり工事が進んでおるということになりますと、おそらくことしの雨季に、雨が降らなければこれは何といっても私幸いだと思いますけれども、雨が降ってくるということになりますと、おそらく取香川ははんらんするでありましょうし、取香川と根本名川ですか、この合流点も逆に水が流れるようなことになっておる、こういう話でありまして、そういう点では非常にことしの雨季が心配されるわけであります。また、けさほども芝山町の方がこられて、前回のお話では建設省のほうは、この空港の水というものは全部根本名川のほうに流してしまうのだ、だから高谷川の方向ですか、こういう方向についてはそういう被害は考えられないというような御趣旨の御答弁があったように記憶しておりますが、芝山町の方の話ですと、現に高谷川流域においては、空港の建設現場からかなりの大きなヒューム管が出ておりまして、現にかなりの耕地というものが土をかぶっていく、その被害が現に出ているというようなお話もすでにあったわけであります。こうした点を考えますと、この周辺の河川改修というのは根本名川については、計画はかなりりっぱなものができておるような気がいたしますけれども、根本名川だけでいいというようなものではどうもなさそうであります。反対のほうの川についてもいろいろみていただきたいが、特別な措置というものがつけられていないように思うわけであります。こうした点について一体どうなっておるのか、根本名川だけ直せばほかはもう普通の形での河川改修でいいのか。その河川改修は、高谷川については具体的にどの程度進むような、これはおそらく県の仕事であろうと思いますが、どういうふうな形でこの空港建設とマッチして進んでいく計画があるのか、こうした点は非常に心配でありますけれども、そうした点について建設省なり自治省なり、どちらでもかまいませんけれども、御答弁をいただきたいと思います。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 私どもも工事を始めました段階でその点を非常に心配いたしまして、河川改修ができあがるまで空港の排水をどうするかという点について、いろいろ具体策をいまやっておるわけでございます。土木関係の担当高橋理事が参っておりますので、専門的に御説明させたいと思います。

高橋淳二新東京国際空港公団理事

○参考人(高橋淳二君) ただいま御指摘の目下の工事中の排水をどうするかというような問題でございます。工事中の排水につきましては、おおまかに申しますと、北のほうの工事中の排水は取香川に至る前の谷津田がございますが、それを一部締め切りまして、そこにためる。それで少しずつしぼりながら流すと、こういう構想で工事中は十分間に合うと、こういうふうに予想されております。それから南のほうの川でございますが、これは地域的に見ましても流域が非常に小そうございますので、現在つくっております工事用道路を十分補強いたしまして、これは約一万トン程度の容量のため池をつくって現在施行中でございます。これはつゆ前までに完成ということで工事を急いでおります。したがって、つゆ時にかなりの雨が降りましても、さしたる被害はないという工合に考えております。

岡崎忠郎建設省河川局治水課長

○説明員(岡崎忠郎君) 建設省のほうからお答え申し上げます。  ただいま工事中の措置につきましては、公団のほうからお話がございましたが、これは河川管理者側ともよく打ち合わせをいたしまして、以上のような措置をとっていただいております。空港の進捗に合わせました河川の改修を根本名川沿線についてやっております。先ほどお話しの栗山川は工事完成後流域変更ということになりますので、先ほど申し上げましたように、工事中はそういう措置で水の流出、土砂の流出等で下流に影響がないように措置いたしております。なお、栗山川につきましては、下流のほうは中小河川として現在施行いたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも空港の高橋理事さんですか、お答えを聞いていますと、ほとんど問題はないと、こういうふうにおっしゃっておるのですが、空港の内部はそうでありましょうが、取香川については現実にまだ用買が済んでいないのですね。四十五年度で仕事が、もし用買以下の仕事にかかったにいたしましても、おそらく六月、七月の集中豪雨のある時期に私は間に合わないだろうと思う。ところが、この取香川にいたしましても、五十一号線と交差する付近というのは多く見てもせいぜい六、七メートル、狭いところでも四メートルぐらいしか現実にはないわけですね。これで一体いまおっしゃるようにはんらんをしない、心配はないということは私はあり得ないと思うのですね。ことしの雨季に雨が降らなければほんとうに心配はない。雨が降れば私はこれは必ずはんらんすると思います。間違いないと思う。そういう立場でこの仕事をお進めになるということになりますと、先ほど自治大臣が非常に細心の注意を払いながら仕事を進めているというふうにおっしゃられたのですが、私はどうもそのとおり受け取れない。具体的にことしの雨季はこの取香川あるいは高谷川ですか、そういうものに対して一体どういう処置をとるつもりなんですか。もう現実に、きょう芝山町の方が来られて、一部の耕地は埋められていると、はっきりおっしゃっているわけですね。どうもその辺がいまの御答弁では理解できません。また建設省の方もひとつその辺は一体どうなのか。ことしの雨季は、一体どういう対策をこれに対して、建設途上ではありますけれども、やっているのか。どうもそうした空港の工事の進捗状況とからめて河川の進捗状況というものが著しくおくれている。そういうことであっては私は困ると思うのですね。もう一回御答弁をいただきます。

高橋淳二新東京国際空港公団理事

○参考人(高橋淳二君) どうも少し説明が足らないようでございまして、恐縮でございます。先ほど申しました北のほうの排水につきましては、かなりの貯水池を実はつくるわけでございまして、これの容量といたしまして、具体的に申しますと、このつゆどきまでに大体少なくとも四十万立米程度の能力のあるため池をつくるわけであります。それで、工事区域も大体これに流入するような範囲に限定して実施していくつもりでありますので、少なくとも土工などの手を加えます程度の区域の水は大体このため池に全部収容できる。こういう見通しを持っておるわけであります。それで、雨量にいたしましても、二百ミリ程度のものはもう十分に耐えられるわけでありますので、その点、先生の御心配のような、雨ごとに必ず下流にはんらんを起こすというような心配はないものと、こういうふうに確信をしております。

岡崎忠郎建設省河川局治水課長

○説明員(岡崎忠郎君) 空港に関連いたします水の流出あるいは土砂の流出につきましては、いまお話がございましたように、土砂並びに水の流出は汗止のため池をつくってとめられるわけでございますので、ことしの出水期までにはその対策が講ぜられますので、ことしの出水期にはそれで対応できるということでございます。  それから根本名川全般につきましては、下流のほうから用地買収を進めておりまして、もう必要な用地面積の半分以上が四十四年度にできる予定でございまして、残りを四十五年度に続けてまいるわけであります。取香川につきましては、かなりの川幅になりますと、現在の川幅より広がるために用地買収につきましてやや難航いたしておりますが、これも大体、県がよく地元の了解を得られるように努力いたしておりまして、来年度出水期までには取香川の改修もでき上がって洪水の被害がないように手配をいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 前回から申し上げておりますように、こうすれば必ず洪水が起こらないというならば洪水は起こっていないはずなんです。また新しく開発する地域におけるところの鉄砲水なんかもないはずなんです。それが往々にしてある。ですから、そういう意味では、私は万全の対策というものをことしの雨季に対してはとるべきだと思うわけですね。ことしの雨季といってもあと数カ月しかないわけです。これに対しては一体どういう対策をいま持っておられるのか。この点をやっぱりある程度明確にしなければ、やはり地元の人としては安心はできない。いまの段階においてすら、あなた方が全然空港と関連して直そうとしておられない川について、すでに芝山町ではそういう被害が出ている。ですから、私はそういう点で、ことしの雨季に対する対策というものをかなり明確にいまのうちに立てておかなければ、これは地元の人は協力するわけはない。この点は建設省では何かお考えですか。それから空港のほうでもさらに何かお考えですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 先生の御懸念は、むしろ河川改修のおくれという問題に関連しての、ことしの雨季を御心配になっておられると思います。河川改修については、先ほど建設省のお話のように、目下用地買収をやって、今後、根本名川並びに取香川についての改修を進めていくわけですが、ことしの雨季に間に合うかどうかという若干の懸念もございますので、私のほうとしては、先ほど高橋理事から詳しく御説明申し上げておるように、暫定的な貯水池を設けるということで、すでにその用地買収も賃貸借あるいは買い上げという形で済んでおります。いま私ども考えておりますのは、大体この空港の北部にあります谷津田の末端に当たりますが、そこで、さしあたっては約十五町歩にわたる地域について、これが全部貯水池にそのまま使えるわけでございまして、したがって、工事中の雨水というものはここに導入をいたしまして、現在すでに工事を発注いたしております。そこから滑走路を、地下をくぐりまして、取香川の手前の沈砂地、これもほとんどすべて用地を買収しております。沈砂地を設けて、そこできれいな水にして取香川の流量を調節しながら流すということで、少なくとも空港公団の工事の施行のために雨水で御迷惑をかけるというようなことは公団としては全然考えていない。それに対応する措置をいまとっているわけであります。  それから先生のおっしゃる芝山地区の排水の問題でございますけれども、これは実は数カ月前でございますが、非常に東京を中心として大きな雨が降ったわけであります。そのときに、まさしく芝山地区の、特に岩山の谷津田に一部が流出したことがございます。これは私自身も実際行ってみたわけでございまして、いまそこへ行ってみますと、もう仮の築堤をつくりまして、たいていの雨では流れないような施設を現に地元の方々と私どもの職員が一緒に行って相談してやっているような状況でございます。私どもとしては、そういうものに対して地元にほんとうに御迷惑をかけないようにということで、地元の方々と協力して万全の措置を講じていきたい。現にこういうふうに実際の工事を発注しております。貯水池の用地も確保してある。南側の芝山地区についてはすでに築堤の工事を始めている状況でございますので、ぜひひとつ私どもを御信頼いただきたい、かように考えるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 建設省のほうでは何か考えていないのですか。

岡崎忠郎建設省河川局治水課長

○説明員(岡崎忠郎君) 取香川流域は、先生がおっしゃいましたように、従来はんらんがかなりあったのでございまして、この点につきましては、この空港の問題と関連いたしまして、普通河川といった区域も旧河川の区域も取り入れまして、改修の促進をはかるようにいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 改修の促進はきのうのお話で非常によくわかって、御苦労されておるということもわかるのですが、ことしの雨季には何かそういう臨時の対策までいまのところ何も考えていらっしゃらないのか、いるのか。ただ、改修の計画のお話は非常によくわかっているのです。そういうことしの雨季に対する問題というのはやはり大きな問題になってくるだろう、それに対する臨時の何か緊急的な措置というものを考えておられるのかどうか、この点はっきりしておいていただきたい。

岡崎忠郎建設省河川局治水課長

○説明員(岡崎忠郎君) 先ほど公団のほうからお話がございましたように、空港の建設に関連いたしました流出量の増加なり土砂量の増加につきましては、空港周辺に汗止の施設をつくられて措置されるわけでございますけれども、それ以外のものといたしましては、具体的にただいま用地買収の折衝をいたしておりますので、具体的な措置はしかねますけれども、県当局に、洪水時の警戒態勢を措置するようによく指示したいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ひとつ、そういう点で、特に建設中の河川のはんらんというのが非常に心配があるわけですから、これについて万全を期してもらって、あとでそれについてとやかく話があるというようなことがないように万全の対策をいまから立てておいていただきたいということをお願いしておきます。  それから農林省の方、けさお話をいただいたのですけれども、どうも騒音というものと農業経営という問題については、せっかく御説明をいただきましたけれども、どうも私まだ完全にこれについては理解ができないし、空港周辺における農業改良というようなものがはたしてそのとおりいくかどうかということについては私非常に疑問を持っております。この点は、ひとつ今後もう少し研究をしていただきたい、こういうふうに思います。  農林省の方は、あとの点については私のほうから特別の質問がございませんのでけっこうです。  それから国税庁の方にお伺いしたいと思いますが、千葉県の開発公社が空港に用地を提供した農民といいますか、地主といいますか、こういう人たちに代替地を与えるということで三百ヘクタールの代替地を開発公社が買われた、そして総額大体二十数億の金が支払われたということでありますが、その分は正確にはおわかりになるかどうかわかりませんけれども、県が肩がわりをしてその分を納税された、こういうふうに私ども聞いておりますけれども、幾らぐらいにその関係の額はなりますか。

長村輝彦国税庁直税部審理課長

○説明員(長村輝彦君) 三百五十名の方が十三億五千万円の所得について、いまお話しの対象の関係で所得が出たということは伺っております。この性格がとうなるかという集計はちょっと一それらの分がすでに納税されているということは承知しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 財政局長に伺いますが、千葉県がそのために肩がわりをした額というのはお幾らですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 肩がわりをいたしましたのは六千八百八十四万二千円とプラス五百二十万、これに対しますところの約四百の利息の関係を加えまして七千七百八十七万一千円と、こういうことになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 利息の何とか、四百幾らというのは四百万円ですか、どうなんですか。利息分ですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これは開発公社から最初貸し付けをしたということでございまして、開発公社は、一定の利子を支払う、貸し付け金でございますから、利子が必要だということになっておるようでございます。その貸し付け金に対する利息が三百九十八万二千円、こういうことになっておりまして、合計いたしまして七千七百八十七万一千円。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは国税庁のほうに、お聞きしたほうがいいかもしれないのですが、この代替地の場合には、普通公共用地を買う場合には何らかの措置がございますね。たとえば譲渡価格から千二百万円を引いてそれの四分の一だとかいうような課税のしかたがございますね。この代替地の場合にはあれですか、普通の売買と同じように二分の一に対して課税をしていく、こういう形で課税をされたのですか、どうなんですか。

長村輝彦国税庁直税部審理課長

○説明員(長村輝彦君) この買収が行なわれましたのは昭和四十二年と記憶しておりますが、当時の時点におきましてはそれら対象地の買収について特別の控除の制度がございませんで、特例としてございましたのは、買収をされてその代金でほかの土地を取得したというときに、その当初売った段階では課税をしない。つまり金は入ってきたけれども、その金がほかの土地に変わったということで、そこで譲渡所得の課税をしないという特例はございました。しかし、土地を取得しない場合には、一般の例で譲渡所得でございますので、三十万円を引いて二分の一に対して課税をするというその意味では通常の譲渡所得と同じ課税が行なわれたわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、考え方あるいは課税のしかたから見ていきますと、普通ならば空港に土地を売ってその金で代替地を買う。それから公社のほうでは代替地を与えるために他の人から土地を買う、こういう形で進んできておるわけです。いまおっしゃられるように、土地収用法の対象になるような土地の場合には、おそらくそういう控除の措置というものはいままでもあっただろうと思います。代替地ですから、これはおそらくそういう措置はないだろうと思います。そうしますと、いまここで県が肩がわりをした分というものが七千七百八十一万円であるとすれば、これは当然その税金というものを肩がわりしてもらったわけですから、その人たちにはさらにそれだけの所得があった、こういうふうに普通考えられるわけですけれども、代替地を出して税金を県で肩がわりをしてもらった人たちに対して、あとでその分に対しては課税をされましたか、されませんでしたか。

長村輝彦国税庁直税部審理課長

○説明員(長村輝彦君) 実は県が肩がわりをされたという話をわれわれは存じておりませんで、その分に対して課税をするというだけの資料の収集解明をまだ所轄の税務署ではいたしておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあこういう場合がよくあり得ると思うのです。こういう場合には普通国税局としては課税されるのでしょう。この場合には、かなりこれは千葉県の県議会でも問題になったようでありまして、成田の税務署がそれに課税をしていないというのは、何か特例がなければこれは普通は課税するはずだと思うのですけれども、それについて課税をされているかどうか、おわかりにならないというようなことだろうと思いますが、もし成田税務署がそういうことを知らないで課税をしていないということになりますと、私はこれはかなり問題があるのじゃないかと思いますが、どうですか。

長村輝彦国税庁直税部審理課長

○説明員(長村輝彦君) 所轄の税務署で前に県のほうから伺ったのは、その税額そのものであるかどうかは確認しておりませんが、貸し付けをするということで、その貸し付けの内容、返済等について照会をしていくということはあったようでございます。貸し付けがその貸し付けでなくなったというそこのところの連絡がちょっと県との間でなされていないというのが現状のようでございます。したがって、貸し付けでなくてその金が支給されたのであれば、それは所得として課税されるということになると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 非常に都合がいいと思うのですが、この貸し付けがなくなった時期というものは税務署で察知することができなかった、なるべくそうしていただければ、これからの公共事業をやる上には非常に便利だと思います。金を払うということよりも代替地をほしいという要求のほうが実は多いわけですね。それを税金をどっかで払ってくれて、それに対してあと課税されないということになれば、私はいろいろの公共事業というものも非常に進めやすくなると思いますが、自治省は、これは貸し付けということがなくなったというようなことはおわかりになりませんか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 昨年の三月二十九日と四月二十二日に、さっき申し上げましたように七千七百八十七万一千円を交付しておりますから、その交付金をもって提供者は開発公社に貸し付け金を返済した、こういうことになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも税務署とその辺が非常に私は連絡が十分でないというのか、そういうものには課税をしないというふうなことになったのか、その辺わかりませんが、わかれば課税をしませんか、しますか、どっちですか。

長村輝彦国税庁直税部審理課長

○説明員(長村輝彦君) 課税いたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ課税をするということですから、今後この問題については、この点は一つになっていくということになろうかと思いますが、その七千七百八十七万円というお金は、自治省は、これは昨年ですから、四十四年の三月二十九日と四月二十二日に、これは特別交付税でお払いになったのですか、特交でお払いになったのですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) その関係と特別交付税とは必ずしも直接関係は私はないと思っております。千葉県につきましては、いまの空港の建設はもちろん公団が中心になってやるわけでございますけれども、県といたしましても、いろんな意味での地元に対するいわゆる対策といいますか、そういうものが数多くあったわけでございます。営農対策等を中心にいたしまして、四十三年度においても県がいろいろ事業を実施しておりますが、これらの事業を実施しました空港関連におきますところの事業についての財政負担というものは、自治省として特別交付税を算定する際に考慮をいたしました。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、千葉県に対して、四十三年度になりますか、特別交付税は総額で幾らお支払いになったわけですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 四十三年度の特別交付税は四億一百万円でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 四十四年度はまだあれは払っておらないのかもしれないですが、四十二年度と四十三年度ですでに特交で支払われた分というのはそれぞれ幾らになりますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 四十二年度の千葉県に交付いたしました特別交付税の額につきましては、現在手持ちの資料ございませんので、あとですぐ御報告させていただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 特交の支払いに計算する場合の省令というのがございますけれども、地方団体に対して交付すべき昭和四十一年度分の特別交付税の額の算定に関する省令の第二条によりますと、「各道府県に対して交付すべき特別交付税の額は、第一号及び第二号の額の合算額から第三号の額を控除した額に第四号の額を加えた額とする。」、こういうように書いてあります。あとから資料として、これが第一号は一体幾らになり、第二号は一体幾らになり、第三号は幾らになって、第四号は幾らになる、合計先ほど示された額ということになるだろうと思うのです。その算定の数字を各年度ともその額を示されてひとつお示しいただきたいと思うのであります。それをいただいてからさらに質問をしていくことにいたします。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いまの千葉県の関係だと思いますが、四十二、四十三につきまして資料を整えて御連絡することにいたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 暫時休憩いたします。    午後一時十八分休憩      —————・—————    午後二時十二分開会

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 本論に入る前に若干伺いますが、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の第一条に「公共施設その他の施設」とありますが、「その他の施設」の中には騒音対策も入っておりますか。どなたでもいいです。大臣でなくてもいいです。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 「その他の施設」には騒音対策も計画としては入っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その騒音対策は施策の重点になっておりますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 騒音対策につきましては、この法律にいいますところの財政上の特別措置ではなくて、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律によって措置がされる、こういうことになっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉県知事が計画をつくることになっておりますが、千葉県知事の計画の中には、騒音地域の住民に対しての完全な防音対策あるいは騒音対策というものがございますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 騒音対策の中で、学校でありますとか、保育所でありますとかいうものは、当然に入ってくるわけでございますが、ここでは「公共施設その他の施設」と申しまするのは、いま申しました道路とか下水道とか、消防施設とかというような公共施設、あるいは小・中学校の整備というようなものが入るわけでございまして、それからまた、団体営の土地改良事業等も入っておりますが、主として公共団体——土地改良区も含めまして、公共的なそういう団体が事業の実施主体としての責任者であるものをこの中では取り上げておるわけでございます。一般のものは入っておりませんと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 騒音問題は運輸委員会で詳しく申し述べますので、ここでは省きますが、空港に伴う最大の重点対策としては、騒音の問題を解決しなければどうにもならない。そこで地域住民の最大の関心は、いま申すとおり騒音の対策なんです。これをたな上げをしたままで周辺整備を考えるといいましても、少しも住民の側からすれば、住民の立場で対策が立てられているという印象は受けられない。住民不在の周辺整備計画ということに大きい反感がむしろ現在助長されておる。こういう点を当局は御認識ですか。  もう一度申し上げますと、一番問題は騒音なんです、一般の住民の。学校は防音施設ができるだろうし、若干の保育所その他医療機関等は騒音対策の対象になりますけれども、一般の住家なり一般の住民の生活というものに対しての騒音の被害というものに対しては、何にも補償もなければ対策もない。空港ができなければ非常に静穏な場所でありますのに、空港ができるために非常な騒音地帯になる。生活が脅かされる。にもかかわらず、それらに対しては何にも対策がないということでは、どんなにまわりの道路をよくされたって、あるいは河川改修が行なわれたところで、一番の被害が除去されなければ、住民の側に立って対策が進められているという感覚は浮かんでこないじゃありませんか。こういう点までこの法律は対象としたり、対策の内容としたりしてはおらないという認定をせざるを得ませんが、これはお認めいただかざるを得ないでしょうね。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この法律は、先ほど申し上げましたとおり、国際空港の設置に伴いまして、それに関連をいたしまして、周辺の地域におけるところの公共施設等についての計画的な整備を行なうということを中心にいたしております。したがいまして、事業の実施主体が府県なり市町村なり、土地改良区等が行なうものが中心になっておるわけでございまして、その点では住民一般に対する騒音の関係につきましては、まあ土地改良等によりまして、いわゆる騒音地区に対する土地改良というような関係では入っておりますが、直接個々の民家、居住地の場所におけるところの騒音の問題についての事業というものは入っておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 御案内のように、地方自治法の目的には住民自治、住民福祉という大きな柱があるわけですね。その住民福祉ということから考えれば、住民の一番福祉を阻害する騒音対策をどう立てるかということを、地方自治体の立場では当然第一番に取り上げられなければならない問題でしょう。そういうものを全然取り上げないで、空港の反対派を緩和するような、あるいは賛成派をより賛成に盛り上げるような、そういう内容しかこれはないでしょう。議論になりますからそれからはやめますが、それではあらためて伺いますが、この法案は、成田空港の建設を一そう進捗させるために地元対策をねらってつくられたものですか。これは大臣に伺います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 御案内のとおり、国際空港の必要性のあることは、しかも新しい大きな国際空港の必要なことは、時代の要請でございまして、この要請にこたえて成田新空港の建設は始まったわけであります。それの建設に付帯する地方自治体関係のいろいろの事業、これの遂行に便ならしめるように財政的措置を講ずるということを主眼として、ただいま議せられておる法案が提出されたわけでありますが、同時に、それは地方住民の方々の納得を得るものでなければなりませんので、その波及効果のあることを期待しながら、この法案が提案されたものと考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 どういう国策であろうとも、どういう国家的な必要であろうとも、だからといって個人の生活権なり、あるいはそれぞれの営業権なり、そういった基本的人権が侵害されていいということはあり得ないわけですね。運輸省がこういう計画を立てるということは、空港をつくりたいからやむを得ないということにも解釈できないわけではありませんが、住民の福祉を守るという立場の自治省が、一番住民の福祉を阻害している騒音対策などは全然考えないで、道路を直すわ、あるいは飛行場に通ずる資材の輸送道路をつくるわといったようなことを幾らやったって、それが地方自治法本来の、あなた方のやらなければならない、進めなければならない仕事という解釈はできないでしょう。  あらためて伺いますが、それでは、農地を取り上げられる農民に対して、騒音被害を受ける住民に対して、これはあとのほうはゼロだということがわかった。じゃ前のほうの、農地を取り上げられる農民に対して、いままでどういう対策が明らかにされておりますか。あるいは営業権が変更されて売り上げが非常に少なくなったという階層に対してどういう対策がいままでとられましたか。これは自治省だけではなくて、運輸省も含めて、国としての対策が具体的にありましたか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) ただいまも申し上げましたとおり、財政的な援助というところにこの法案の主眼がございますが、同時に、加瀬先生お説のとおり、地方住民の個人的な権利、これを侵害してかまわないのだという理屈はもちろんございませんし、地方住民の福祉の向上を念頭に置いていかなければならない自治省として、その点何らの配慮がないということであってはならないと思います。  そこでお示しの騒音でございます。確かにその点について記述がここにないことは確かでございます。しかし、この問題はわれわれが考えていないわけじゃございません。政府としてですね。非常に航空機による騒音というもの、ことに空港の周辺における騒音というものは、一つの公害として、世界的な問題であり、かつ時代的な問題でございまして、公害対策につきましては、解決においてはまことにいまだ流動的な性格を確かに持っておると思います。われわれは、この点十分配慮をしなければならないのでありまして、ひとり騒音のみならず、水質の問題、大気汚染の問題等、自治省の分野において——話が少しずれた感じがございますが、十分今後厚生省とともに検討していかなければならないのでありまして、ただいま加瀬先生お示しの問題も、その大きな問題の一つであることをわれわれはよく認識いたしております。したがって、これは今後大いに対策を前向きに検討するということで御了承を願いたいと思います。農民の方々の農地が取られたあとにおいては代替地等もいろいろ検討いたしておるところでございまして、騒音の点につきましては、加瀬先生御指摘のとおりの問題が残っておることをよく自覚いたしております。それについては前向きにさらに検討し、ひとつ先生方の御協力を得て解決を少しでもしていく、こういう誠意は持っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あらためて大臣になられた秋田さんにいろいろ責任を問うことは、私も少し遠慮をいたしますので、当面の責任者でございます公団の総裁に伺いますが、いま現地には反対はないと御認定になりますか。反対がありとすればどういう点に一番の不満があると御認定ですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 現地に反対は現在ございます。どういう理由で反対しておられるかという点については、大きく分けると、現地の方々については二つあると思います。敷地の中で現在反対しておられる方々は、やはり祖先伝来の農地、あるいは住んだところを離れたくないというお気持ち、それからまた、長い間開拓して、ようやく開墾した土地を手放すのは忍びないというお気持ち、こういうふうなお気持ちが非常に強いんじゃないか。それからもう一つは、特に空港の周辺、滑走路の南側にある芝山町中心でございますけれども、騒音に対する不安感、これが反対の強い理由になっておるように思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治大臣にはお忙しいところをお出ましいただいて恐縮ですが、現地の御認識をいただくために、直接自治大臣には関係のないことですが、若干ここでお聞き取りをいただきたい問題がございます。  反対の根強い一つの理由は、政府は法律を守っていないじゃないかという不信感が非常に強い。と申しますのは、以下法制局に伺いますが、航空法三十九条の確実なる取得というのがございますが、確実なる取得ができないところに空港を建設することは認可してはならないということになっておるわけでございますが、確実なる取得というのはどういうことですか。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) 確実な取得ということばの解釈でございますが、この点につきましては、四十年の当委員会において、加瀬先生からいろいろ詳細に御質問がありまして、それに対して私どものほうの当時の第四部長が御答弁申し上げ、さらに、四十一年のやはり参議院の予算委員会で、補足的に私のほうの長官が御説明申し上げたことを結局繰り返して申し上げる以外にないと思いますが、かいつまんで申し上げますと、結局、確実な取得ということがどういう趣旨であるかという問題を考えます場合には、やはり一応ある時点における見込みであるということになろうと思います。その場合、見込みではあるけれども、それが確実でなければいけない、こういうことになるのですが、その確実に取得することができるかどうかということになりますと、やはり法的な手段の有無とか、あるいは、そういう法的な手段を行使することによる目的達成の可能性の問題、そういうような観点が、結局確実であるかどうかということに関係をして問題になろうと思います。まあ通常の場合には法的な手段としては契約というものがあるわけでございます。また、ものによっては土地収用法の規定による収用というふうなことがあり得るわけであります。それらを勘案しまして、結局契約の場合だけに限って申し上げれば、契約の締結者が絶対に契約を締結しないと、そういう意思を明確に表示している、これは、こういう場合には確実でないということになろうかと思います。ただ、土地収用法の収用の規定ということになると、またそこはおのずから要件がございまして、結局その要件に合うか合わないか、そういうことがいまの確実に取得することができるかどうかという問題に返ってくるのではないかと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういうようにはお答えになりませんでしたね、長官も第四部長も。私はこういうふうに伺ったはずです。確実という用語は、法律の中でほかにどこにございますか、そうしましたら、会社更生法の二百十八条、国有財産特別措置法十一条に確実ということばがあります。それでは土地改良法なり区画整理法の中に、区画整理あるいは土地改良の場合は三分の二以上の賛成を要するとあるけれども、そうすると三分の一の反対があれば土地改良ができないことになる。その三分の一と確実ということは、どっちが何といいましょうか、高いのかと聞きましたら、確実というのは一〇〇%の期待権だと、こういう問答があったわけです。それでは収用法を適用するにしても、少なくも三分の一前後の反対があるような場合は、これは確実に取得するに困難な状態にあるのだから、収用法を適用云々ということにはいかないんじゃないか、確実に取得する見込みが立たないという解釈が成り立つのじゃないかと言いましたら、三分の一という数字にこだわられては困るけれども、そういう場合は、三分の一前後の反対があれば確実に取得するとは認められないでしょうというお話があった。そこでさらに、反対の数は面積ですか人数ですかと言いましたら、それは人間の員数ですということになった。ところが人間の員数からすれば三分の一どころの反対ではない、この地域は。したがって確実に取得する見込みというものは立たないという解釈が成り立つのだけれども、しかるにかかわらず、政府はこれを認可をしている、おかしいじゃないか、こういう疑問を私も持ちますし地元の人たちも持っておるわけです。そこで、この公団発足のときに一部航空法が改正をされ、位置などは政令にゆだねるというきめ方をされたわけです。内閣が政令をもって位置を定める以上は、その政令をもって定める位置については確実に取得できないような事態は起こらない、すなわち公団の事業に差しつかえることはあり得ないという前提がなければならないわけです。これは航空局長お認めになりますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 位置をきめれば空港が直ちにできるという保証はどこにもないわけですね。しかし、この成田区域を選定した過程においては、確実に空港ができますよという、確実に土地を取得できる条件の調査というものは行なわれましたか、航空局長。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 要するに反対がどの程度であるかということになるかと思いますが、この反対者というものが、数の上で一定の反対者というだけでは、実質的な反対かどうかという判断にはならない。その反対の中身、質というようなことが十分見きわめられなければならないだろう。こういうような実質的な判断というのがなお必要ではなかろうか。このような実質的な判断を行なっても、なおかつ先生いまおっしゃいましたような三分の一以上の反対があると、こういうような場合には、この指定あるいは土地取得の確実さというものに問題があろうか、こういうことであろうと思います。  で、当時の実情から申しますと、そういう点については、現地におきます知事あるいは市長、そういった方々との御協議の結果におきましては、それほどの問題ではない。知事等におかれましては、十分こういうものに協力して実施が可能であると、こういうような御判断があり、私どももそういった内容を信用いたしまして進めてまいったわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の聞いたことはそういうことではなくて、当時の栃内航空局長も答えておりますように、航空法を改正されても、政令のいかんにかかわらず三十九条五号の精神というものは尊重さるべきである、したがって行政的に事前にその区域に当たる市町村の実情調査をして、確実に取得できるかどうかという検討は行政措置として行なわるべきだという御答弁があった。そういう行政措置が行なわれておったかどうかということなんです。もっと率直に言うならば、おまえのところへ空港を持っていくのだけれども、大体賛成が多いですか、反対はありませんかという事前調査が行なわれたかどうかということなんです、私が先ほど伺ったのは。  それから、いま局長さんのおっしゃることについては、私はもう一つこれは法制局に疑問をただしてもらいます。実質反対が幾らかということを見て確実かどうかということを検討すると言いましたけれども、区画整理をやるときに、三分の一以上反対があって困る、こういうときは賛成者の土地を分筆して、賛成者をふやして、賛成者を三分の二以上にして許可をとっている例が往々にしてあるわけです。これは違法ですか。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) いまお尋ねになっておる問題は、私専門家でございませんので、ちょっとお答えはいますぐできかねます。最初のほうの問題に対するお答えはよろしゅうございますか。——いまの問題はちょっとすぐにはお答えいたしかねます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 通例認められておりますよね。とにかく、どういう経緯があろうとも、形式上賛成者が多ければ、区画整理法でも土地改良法でも、これは賛成者多数として、これを区画として認定いたしますよ。それならば、どういう形であろうとも反対者が多ければ、かりに問題になっている一坪運動のような地主がたくさん入っても、おまえは一坪だから百分の一しか権利がないということはない。一坪を百人で共有しようとも、やはり地権者であることには変わりはない。そうでしょう。一反歩以上のものでなければ、地権者として扱わないとか、一坪のものはだめだという、こういう区別は、この法律の上にはないでしょう。一坪であろうとも、明確には何坪だかわからないような共有地の所有者であろうとも、これは地権者であることには変わりはないでしょう。この点はどうですか。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) 先ほどの御質問と総合してお答えすることをお許し願いたいと思いますが、当時田中四部長と、先ほど先生が言われましたように、三分の一とか、あるいは一〇〇%とか、それから土地区画整理法の話が出たことは、いまおっしゃったとおりだと思います。ただ、そのときにもこういうふうに申し上げたはずであります。私、ここに速記録を持っておりますけれども、反対者の数が多いということは、そのこと自体がもって確実かどうかということには直接結びつかなくても、土地収用法の適用にあたってはいろいろ要件がございます。土地の利用が合理的でなければいかぬとか、いろいろ要件がございますが、その反対されておられる方が、反対の理由はいろいろあると思いますが、そういう理由の実質というものが、やはり土地収用法の上からいって要件として認められないような、土地収用がだめなような場合、そういう場合は確かに確実でないというようなことを予算委員会で長官が答弁しております。  それから田中四部長は、その当時は実はこれは土地収用などということを、何といいますか、そういう強行的手段の話のほうには実はいかなかった。運輸委員会でのお話では、もっぱら契約によって説得をすると、お互い話し合いでやっていくということが中心になっておりましたものですから、その三分の一ぐらいじゃ足りないというようなことを——足りないといいますか、三分の一もの人が反対するような場合は、それは確かに確実でないかもしれないというようなことを話したんだろうと思います。  それからもう一つつけ加えておきたいと思いますが、数量的に、人数であるとか面積であるとかいうようなことについては、はっきり人数であるというようなことではなくて、むしろ区画整理法だとか土地収用法は確かに権利者の人数をはっきり法律の上に書いている。しかし、この航空法の上では、むろんそういうことは要素にはなると思いますが、文言のほうでは確実に取得ができるかどうかというふうに書いてありますから、必ずしも人数、面積でもないというふうに答えたように私は記憶しておりますが。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 おかしいですよね。前後の説明があったはずですね。人数でないと、人数であるとも書いてないということであれば、面積であるとも書いてないわけです。要は——こういうことを繰り返すと時間をとりますから先へ進みたいとは思いますが、念のために申し上げますが、要は、三分の二以上の賛成ということよりは確実ということばのほうが期待権としては強い。それは収用法をかければ一〇〇%とれるということを前提として確実ということばが使われてはおらない、常識的に考えて。区画整理だってそれなら収用法をかければ全部とれますよ。しかし、三分の一の反対というもので押えたのは、三分の一も反対のあるところに収用法なんかをかけて強制収用をすべきじゃないという法の精神なんですね。それよりも強い確実ということばであるなら、なおさら一〇〇%、売るか貸すか、いずれにしても権利を移譲をするという期待権が前提としてなければならないという、これは法の精神でしょう。しかも、そのときに前後に問答があった。収用法をかければということがありましたけれども、それならば三分の一も反対のあるところに収用法か通常——形式的にはかけられますけれども、慣例としてそういうかけ方をしておりますかと、こういう質問を私はしたはずですよ。それに対しては、文言上の形式論をいっているわけで、そういう場合はそれぞれの事情によってまた違うでしょうという、あいまいでございましたが、収用法をかけて確実に取得すればいいという文言であるという話ではなかった。話はそういうことであったわけです。ところが現実にはいずれにしても、確実か確実でないかという、市町村に対して事前調査が十分行なわれて、確実性の確認がされなければなまりせんのに、そういう作業というものは完全に行なわれておらない。富里をやめた、それじゃこちらのほうが反対がないからあちらのほうへ移しましょう。けっこうでしょうということで知事は変えた。極端にいえば、そこを候補にしますからもう一ぺん調べてください、それで千葉県で調べましょう、そういう行政措置というのは行なわれておらない。したがいまして、時間が限られておりますから次へ進みますが、三十九条の精神は尊重されなければならないと言った当時の局長の説明は、確実には守られておらないと、守られておらないということもあるけれども、当時の局長の説明のような十分な扱いといいますか、手当てはしておらないということを、これは認めざるを得ないだろうと思う。この点はいかがです。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 地元におきます反対の調査、この調査のやり方につきましては、もちろん当時といたしましては、いろいろ考えられますやり方があったと思うのです。その際には一番重視して考えられましたのは、先ほどもちょっと触れましたように、やはり地元の代表者であるところの知事あるいは市長、あるいは町村長という方々の御意見を重視をした。この方々が成田以前にきめられ、内定をいたしました富里の場合には、すべて反対ということであり、富里村あるいは八街町というところでは、議会がまた反対決議をされる、こういう状態であったわけですが、成田につきましては、申し上げましたように、地元の市長がそれぞれ賛成ということであったので、これを第一義的に考えて確実に取得をした、こういうことになったと考えられます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 改正前の航空法は、一応予定地を公示をして、住民に十分ここが飛行場の敷地になるという認識を与えて賛否を問うという手続が踏まれるという状態であった。そういう手続を今度踏まれておらなかった。地元の富里においては反対決議などして圧倒的に反対であったが、ここは賛成であったというけれども、最初の芝山町の議会では圧倒的多数で反対決議をしたわけです。その後内容の説明はいたしませんが、変わってきたわけです。賛成か反対かということではなくて、お宅の市町村のこの区域が飛行場になりますよという公示をして、それぞれ住民の賛否を明らかに聞き取るという手続が行なわれておらなかったのじゃないかと、私がいま申し上げたようなことは行なわれておりませんね。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) これは新空港の位置をきめますにあたっての手続は、従前の航空法とやや違っておりまして、いま先生の御指摘のような点はなされておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今度は、位置をきめれば、それであとはその位置についての工事認可を受けるという手続になっておるわけですけれども、改正されまして。しかし改正前のように、私がさっき述べたような手続は、行政的に必ず踏みますというお答えがあったけれども、それは踏まれておらなかった。これは御確認をいただきます。そこで、確実に取得ということでございますが、空港決定以来、いまもって確実に取得できない状態を、確実に取得と認められますか。満三カ年経過している。しかも、確実に取得の見込みがさっぱり立たない。こういう状態でありますので、地元は、政府が法を確実に守っていないという不信感が強いわけです。これは訴訟になっても提示されておるわけです。認可条件に違っているんじゃないかということが提示されております。こういう点に不信感があるということは、これは運輸省なり公団の総裁なり、法律を政府が守っておらないんだという不信感があるわけなんです。そういうことは御認識でございますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 手続なり、反対の内容なりは、ただいま申し上げるようなこととの関連におきまして、当時として考えられたわけだと思うんです。ただ、確実に取得の見込みかどうかという点につきましては、ただいまも現状、まあ結果から判断することになるかもしれませんが、全部の土地の面積につきまして、約八四%の取得を終わり、第一期工事において九四%の取得を終わっておる。これは面積からの話でございますが、大体人の割合についても同様だと思います。そういうことで、あと残りました皆さん方に対しては、いろいろ前々からもお話がありますように、公共事業としては異例の地元対策というものが閣議決定をされました。この内容について忠実に実行をしていくと、そうして現在反対の皆さんについても、従来の賛成された皆さんと同様な扱いをし、または説得を重ね御協力をお願いする。こういうことをじみちに根気よく果たしていくことによって、皆さん方の御協力を得なければならぬ、また得られるであろうと、こういうふうな考え方でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その点はよくわかりました。じみちに根気よくこれからも反対派の説得をしなければ、確実な取得はできないという現状にある、こういうことですね。  そこで、法制局に伺いますが、現状では確実な取得にはなっておらないということは、これはいま御説明のとおり別の点ですが、同じく航空法の三十九条の二には、「当該飛行場又は航空保安施設の設置によって、他人の利益を著しく害することとならないものであること。」というのが、飛行場申請の審査要件でございます。したがって、著しく他人の利益を害するようなところには空港設置というものを認可しないと、これは逆に読み取れるわけであります。これは読み取り方はそれでよろしいのでございますね。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) ことばとしては、そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ことばとしたって、内容としたってそうでしょう。内容としてはどうですか。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) 私、具体的な内容存じておりませんで、たいへん失礼なことを申し上げたようですが、おっしゃるとおりです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そこで本条の、他人の利益を著しく害する場合は飛行場の設置は許可されないものと、御説明によると解されますね。そこで、他人の利益を著しく害するというのは、どういうことですか。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) これも非常に認可基準として、この場合、三十九条は直接は許可基準ですが、許可基準として書いてある規定は非常に抽象的といいますか、ある意味では多義的、具体的な場合に、たとえばそれぞれ適当な判断といいますか、適切な判断がされるべきだと思います。したがいまして、条文の上からいきますと、結局書いてあることをもう一度繰り返すことになろうかと思いますが。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは具体的に聞きます。耕作地が全部なくなる、あるいは耕作作物がなれないものに変更されて、たとえば、いままでスイカをつくっておったけれども、今度は水稲をつくるというようなことになって、収入が激減すると予想されるような場合は、利益を著しく害されるということにはならないのか。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) そこで、先ほど実は実態についての判断というのはよくわかりませんということと、それから具体的な場合とを申し上げたわけですが、いまの御質問に対しても、四十年に同じような御質問を受けて、私のほうの第四部長がお答えいたしておることを結局繰り返すことになろうかと思います。御指摘のような具体的な場合には、著しく利益が侵害される場合もありましょうし、また通常の侵害にとどまる場合もあろうと思います。それから土地を手に入れること自体が著しく侵害することになるかということも、これも直ちには、なる場合もあるし、あるいはならない場合もあるだろうと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは自治大臣に伺いますが、いままでの耕作地が全然なくなって路頭に迷う、あるいは急に営業状態を変えられて売り上げが少なくなって、生活の困窮を来たすというような状態は、著しく利益を侵害されたということに常識的に考えるのがよろしいのじゃないでしょうか、いかがでしょう。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) なかなか単純なお答えは……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 単純に答えていただいたほうがいいんです。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) この場合問題があろうと思います。一応御表現の範囲内においては、著しく云々という場合に当たるかと思いますが、やはり総合的に判断さるべき問題があろうかと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 けっこうです、適当に判断していただいて。  公団総裁に伺いますが、現状においての対策では——あとで質問をいたしますが、たとえば三里塚の商店街の売り上げが著しく減っているということであれば、これはやはり利益を侵害をしている。あるいはどこにも代替地がなくて、印旛沼の米作地帯に移すということであれば、これはやはり利益の侵害ということになる。あなた方がそういうふうにおやりになっているということじゃないですよ。もしそうであれば、そういう対策というものは著しく利益の侵害になるとお認めいただけますか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 私も法律の内容を詳しく存じませんけれども、いま言った空港敷地として取り上げることが、敷地の中の人々の利益を著しく侵害する、こういうことであるならば、三里塚の商店街は実は敷地の外にございまして、三里塚の方々に対してのわれわれの考え方というものは別の角度から、たとえば御料牧場が移転した、あるいは敷地内の方々が代替地に移っていったという、その購買力の資料づくりに、われわれがどういうふうにしてお手助けできるかという問題ではないかと思います。それから敷地の中の方々で、印旛の干拓地のほうへ行かれる方々が相当数ございますけれども、これは私どもの所管ではないのでございますけれども、県のほうで希望者をつのり、その希望者の資格基準に該当する方々にお分けするということで、希望したけれどもいただけなかったというものも実はあったのでございまして、したがって、これがはたして利益の侵害になるかならないかという点は、はっきり私どもとしては申し上げられないということでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 前もってお断わりしておいたわけですが、あなた方のやっていることがどうこうということでなくて、たとえば三里塚でなくてもいいですよ。営業権が阻害されて収入が減って生活に困窮を来たす、あるいは営農状態が変えられて収入が減った、あるいは営農状態が非常に困難になったということであれば、これは著しく利益を侵害されたということになるのではないか。抽象論をいま申し上げている。そういう場合はどうです。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) その場合に、先生も具体的には営業を敷地内でやっておられる例をお引きになっての御質問でございますけれども、この付近住民の利益という意味が、一体個々具体的に一人一人全部の利益を害してはいけないのかどうか。あるいは全体として利益を害してはいけないのかというふうな意味で、これはむしろ純粋な法律論の問題になるのではないかと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは個人の利益ですよ。全体の利益なんというものはないですよ。それは政治的な判断、行政的な判断で、全体の利益を個人の利益に優先させようということは考えられますけれども、法律で言う利益というのはそれぞれ個人の利益ですよ。そこで、第四十八国会で、飛行場というものがきわめて重要なものでありますので、その方面から見た審査をすること、それから地元住民への影響もございますので、そういう利害関係者への波及があまり大きくならないようにという、そういうことを目的として、三十八条の三項及び三十九条がきめられておりますと、法制局の当時の田中第四部長がお答えになっておりますが、この見解はこのとおりですね。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○政府委員(角田礼次郎君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、航空法は、空港敷地に関係のある権利者の保護というものが相当目的として盛り込まれておると考えてよろしゅうございますね。航空局長に伺います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると地元住民の意思というものを相当くんでやるべきこれは筋合いのものですね。そういうことでこういう規定があると考えていいわけですが、住民の意思は十分聞かれて位置が決定されておらないことは、先ほど申し上げたとおりであります。政府の判断でこれはきめられた。そこで、住民の間には、いま自分たちの権利が十分国によって、県によって保護されているという納得はないのです。いい悪いじゃない。住民がその権利を保護されているという納得はしていない。こういう現状にあることはお認めになりますか、納得していると思いますか。納得しているならみんな賛成する。反対者が残っているということは、住民の中には十分まだ国の施策に納得しておらない、自分たちの意思は取り上げられておらないという意思なり感情なりがあることは、これは認めざるを得ないでしょう。いかがです。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) ただいまのところ、全体の方々の御賛同を得るに至ってない。一部の方々が反対しておられる。収用法を適用するという事態になっておるわけですから、そういう方々がやはり全面的に御納得がいかれていないということは、その限りにおいては事実だと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治相に国務大臣としてお答えをいただいてもけっこうですが、この住民の権利の保護は国の責任で行なわれるべきものであると考えてよろしゅうございましょうね。いま申し上げましたように、個々に住民が国の施策に対して非常に不満を持つ、あるいは自分の意思がよくくみ入れられておらない、理解をされておらないという一群がある。この考え方がいい悪いじゃなくて、少なくとも住民の権利は国の責任で保護をすべきものだ、保護されるべきものだと考えてよろしゅうございますね。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 一般論としてさようでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そこで、昭和四十一年の七月に、「新東京国際空港の位置決定に伴う地元対策について」という閣議決定がございますね。この中には「営農を継続する意思のある農民に対しては、国は県の協力を得て、移転先等につき申出者の希望を尊重して所要の代替地を用意し、営農が円滑に行なえるよう資金及び技術等の援助をする。」ときめられておりますね。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) きめられております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、現状のまま営農を続けたいという者にどういう処遇を与えましたか。問題は、移る意思のない者に移ってもらう対策が現在においては最重要でしょう。地元住民対策に県の協力を得ることを条件にしておりますけれども、それ以上に住民の意思をまずもって聞く態度がいままでありましたか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) これは公団発足後の問題でございますので、私からお答えしたいと思いますが、地元住民の意思を聞くと、ただいまの先生の引用になられました閣議決定の地元対策でございますけれども、まあ私どもとしては、県知事が地元の方々の意見を聞くという措置はとったと思います。というのは、御承知のように、敷地内住民のほとんど大多数が部落対策協議会、それから成田空港地権者会という二つの大きな条件派を形成いたしまして、これらの方々と、私どもももちろんでございますけれども、知事も十分接触をいたしておったわけでございます。私自身も実際問題として申しわけないと思いますけれども、反対派の方々と十分な話し合いをする機会がなかなか得られなかったという点もございまして、いろいろPR資料等もお送りいたしましても、なかなかお手元まで届かないというふうなことで、意思の疎通を欠いた面が今日まであると思いますが、この点については深く反省もいたしておりますし、それからまた、今後とも極力その面の改善を行なわなければならないと思いますが、知事が地元の方々の意見を聞いて代替地も用意しておる点については、まさに知事はその点では非常に努力をいたしたと私は思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 形式的にはそうでしょうね。そこで、これは国務大臣に御認識をいただきたいのでございますが、反対派の営農意識と賛成派の営農意識は違うのですよね。結果から申し上げますと、確かに代替地を県がつくりました。そうすると賛成派は、農地としていいところをくれとは言いませんね。道路沿いがいいと、あとで転売するときに高いところがいいと、路線価方式ではありませんが、いわゆる宅地としての価値の高いものを求めていますね。したがいまして、そういう賛成派に対する代替地は、地味がよかろうが悪かろうが、それは二の次で、とにかく便利なところであればいいと、現状行なわれているように、耕作にたえられなくて、細い竹しか生えておらなかったような竹やぶを伐採し、整地をしたところでも文句はないわけです。ところが、営農を続けたいといういわゆる反対派の人たちの土地というものは、私は富里のときにも申し上げたんですけれども、富里の畑は違うのですよ。私どもの村には草の種はありませんと、百姓たちはこういうことばで申しました。草の種のない畑と竹やぶと同面積で交換をしろと言ったって、これは好意を持って受けられますか。そういうやり方をいままで千葉県がなさっておった。率直に私は知事にもこの間申し上げたんです。先祖伝来、何百年も耕してきた一等地と、見向きもされなかった、開墾の者すらも入らなかったような土地をおまえらの代替地だと言ったって、私たちの営農については国は補償をいたします、公団は補償をいたしております、県は心配をしてくれますという判断がつきますか。そういう農家の意識を一つも考えないようなやり方で対策を立てているから問題がこじれるんです。なぜ同等以上の耕地を与えてやるという対策を考えないのか。権利を保障する当然の義務があるじゃないか。空港をつくるのに、そういうようには行なわれていなかった。県の努力は認めますよ。努力は認めますけれども、農民の側から、反対農民の側から、賛成反対はとにかくも、あれはわれわれと同等の農地だよという感じを持たせるような代替地というものがいまだ一坪も与えられておらなかった。この現実は、これはお認めになられるでしょうね、そのとおりですから。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 私は、先生のおっしゃったように、賛成派の農民の方々の中で、できるだけ便利なところというふうな意味で代替地を求められた方もおられると思います。しかしながら、御承知のように、富里の県有林に最初行かれた方々は、むしろ敷地内で提供された面積よりやや広い面積をいただいて、現在りっぱに営農されておるという方もおるわけでございまして、一がいに条件派の農民が、すべてがそういうふうな、要するに農耕に適しないところでも便利ならいいということで行ったというふうには、私どもは断定はできないんじゃないか。  それから、御承知のように、並木町であるとか、そういうふうな、あるいは畜産試験場あとというふうな、開墾あるいは整地あるいは畑かんというふうな面で難渋したところもございますけれども、御料牧場残地の根本名はすでにもう造成が完了いたしておりますけれども、御存じのように、非常なりっぱな土地でございまして、農耕にも十分適するわけでございます。ですから、反対派の農民の方々皆さん非常にやはり農地を愛するというふうな点では、私どもやはり十分認識しておりますけれども、条件派の農民の方々すべてがそういう便利なところに先を争って行ったというふうにはなかなか断定できないんじゃないかというふうに思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 全部がそうだというふうな受け取り方をされておりますがね、少なくともそういう傾向があったことは認めざるを得ないでしょう。で、第二の問題としては、代替地として提供されたものが、平均していままで耕作していたところよりははるかに地味のやせたところ、畑の価値としては低いところであるということも、これはいなめないでしょう。そこで、公団のその代替地の対策は、反対派分には百七十ヘクタールを用意していると、こういう説明をしている。しかし、百七十ヘクタールがいま私の言ったような条件でどこにあるかということになると、ここにございますよという明確な場所はないでしょう。いままでのやり方は、どうせ反対派は反対なんだから話にならぬのだから、申し出があったら協議をしようというくらいで、捨てっぱなしにしておったわけではございませんが、積極的な対策は立てなかった。そうではなくて、賛成反対にかかわらず、著しく権利を、利益を害してはならないんだから、こういうような対策を立てましたよと、県に依頼して立てさせましたよという積極性というものがいままではなかった——なかったことはお認めになりますね。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) まあ、県知事も県行政の責任者の立場から、反対派自身も県民である以上、当然いままで心にかけていろいろ努力をしてこられたわけですけれども、何分にも十分なお話し合いの場というものが十分与えられないというふうな観点から、先生がおっしゃったように、具体的などこがどうというふうなことで代替地を確保するというふうな措置をいままでやっておらなかった点は、私も認めざるを得ないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは公団の責任じゃないですよね、国の責任ですよね。あなたは先ほどから県、県と言っておりますが、県の責任でお茶を濁せる問題ではないでしょう。国の政策として空港をつくるわけですからね、国が当然それによって権利を侵害される者に対する救済なり対策というものは立てなければならない。そこで、農地局いらしておりますか——伺いますがね、こういうように成田空港というものが、耕作者の地位の安定、農業生産力の増進ということをうたった農地法の目的を全然顧みられない対策で進められているわけです。農林省はこれらの点をどう相談を受けましたか。いま私が申し上げましたように、一等地と、三等地だか五等地だかわからないところしか代替地というものを与えておらないというやり方について、農民保護という立場でひとつ御見解を承りたい。

小山義夫農林省農地局管理部長

○説明員(小山義夫君) 農地法との関係のお話でございますが、空港のために農地を取得をし、さらにどのような補償をするかということにつきましては、国民全体統一をされたいろんな補償の方式がございますので、そちらのほうでやっていただくということのたてまえに各省の間でなっております。それで、そういう方式のとおりに行なわれる。その方式の中には、当然離農資金、あるいは農地を移転をしていく、こういう人たちに対する補償の考え方も盛られているわけであります。その方式で適切に行なわれるということを期待をしておるわけであります。  それからなお、代替地の取り扱いにつきましては、やはり地元の実情に精通をしている機関がやることが適切である。と申しますのは、個々の農家はいろいろ事情がございますので、作物の減らし方なり、あるいはこれからの職業の選択のしかたなり、個別に事情が違いますので、地元の事情の一番わかっているところで総合的に計画的にやっていただくのがいいというふうなことで、千葉県の当局に具体的な処理をしてもらっている、こういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですから、その処理よろしきを得ずということなんですよね。それに対して農林省が全然農民の救済に何らの行政指導をなされないということであっては、私どもは不満であります。  それからもう一つ、国有財産の御料牧場の建設というものは公団に許しておりますね。これは農地の造成をこのことに限って公団に許している。それならば、買収をされる代替地について、国に対すると同様の制度をなぜ設けなかったか。もう一度申し上げますと、国の責任なんですから、御料牧場をつくることを公団に許すくらいならば、なせ被買収者の農地を、代替地をつくって農民に提供するという、そういう権限を公団に与えなかったのか。意味わかりますね、これはどういうことですか。

小山義夫農林省農地局管理部長

○説明員(小山義夫君) 御料牧場を高根沢につくる、造成することについて、公団に農地法の特別措置を設けましたのは、本来であれば、宮内庁と申しますか、国が直接に造成をするものを、公団がかわりに造成工事をする、こういう関係でございます。国が直接やります場合には、農地法については全く許可も何も要らないことになっておりますので、本来、そういう農地法の許可も何も要しない、国の施設を国がやるべきものを、公団がかわりに造成をする、こういう実質上の関係になっておりますので、そういうところに着目をして、全く農地法上の技術的な観点から、高根沢の御料牧場の造成に限って特例措置をしたわけであります。農民の方にいろいろ代替地を造成をし配分をすることにつきましては、先ほど申し上げましたように、総合的に、あるいは計画的に、個々の実情等を総合勘案してやることが適切であるということで、県のほうに事実上やっていただく、こういうたてまえになっておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 農地法の目的からすれば、耕作者の地位の安定、農業生産力の増進というのは一つの大きな使命ですよね。それで、現実に適当な代替地がない、あるいは土地の悪いところに移るために収益が減ってくる、こういうことが予想されるならば、宮内庁なら宮内庁自身で農地法の改正をしなくたって御料牧場ができる、それを公団にやらしている。こういうように代替地取得の設営能力の適格性が公団にあるということを認めるなら、国有財産である御料牧場の代替地に限ってこのような簡易な制度を認めることにとどめないで、新東京国際空港の建設に伴って配置される農地の被買収者の代替地についても、なぜ国が責任を持って代替地をつくらないのか。つくれるように農林省としては指導するのが当然ではないか、こう思いますが、いかがですか。

小山義夫農林省農地局管理部長

○説明員(小山義夫君) 高根沢につきましては国がやる、こういうことで、先ほど申し上げたとおりであります。こちらの三里塚のほうにつきましては、先ほど申し上げたことのほかに、農地法全体を貫いております原則でありますが、農地の取得は耕作者みずからが取得する場合にだけ認めて、パイプと申しますか、現に耕作をしない、耕作目的でない人が間に入って農地の権利の取得をするということは、農地法全体として原則的に認めておらない。そういうこともございまして、三里塚につきましては、高根沢と全く事情が違うものですから、公団が代替地造成のために農地の権利を取得する、こういう特例措置をとらなかった点もございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 空港の建設という目的からすれば、高根沢に御料牧場をつくるよりも、反対をしている者が賛成になって移ってくれる代替地をつくることのほうが公団としては必要なんですよ。また公団の目的にも合うわけです。しかし、そういう代替地造成はさせない。そして県にまかせる。県が地元の満足を与えるような方策は行なわれておらない。それが空港建設に阻害を来たしている一つの原因でもあるわけです。農林省がもっと農民の立場で、公団からそういう申し入れがあったとしても、御料牧場は御料牧場にやらせなさいと、あなたのほうは空港がすみやかにできるための代替地の造成をやるなら話はわかりますよという主張が農林省としてはなければおかしいと思う。しかしまあ、これは意見になりますからやめましょう。結局大臣、いまお話しのように、国としての代替地の対策というものはなかったと、これはお認めになりますね。県に頼んだというだけで、国としては。御料牧場はつくったけれども、反対農民の代替地というものに対しては何もやってなかった、これはお認めになりますね、そのとおりですから。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 遺憾ながら、私よく実情を承知しておらないものですから、はなはだ申しわけないことですが、しかし、全然対策を講じなかった、代替地のことについてはやらなかったということではなくて、その点について県におまかせをしたのでありますけれども、しかしそこに見方において遺憾の点が感ぜられるという先生の御趣旨は十分拝聴いたしました。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 運輸省どうです。国としては代替地対策はなかった、直接国として代替地はつくらなかった、こういうことは認めますね。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 現実の姿として、直接にやっておらないことは事実でございます。ただ、これをこういうふうにやりましたことについては、国全体といたしまして、まあいろいろな立場その他を勘案して、現状でやることが最も適切であるという判断のもとに県に委任をしてやってもらう、こういうことになったと思います。その県でやっていただきました結果というものが一部において必ずしも適切ではないものがあるやにも仄聞いたしますが、全体といたしましてはスムーズに進んできたというふうに考えます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 関連で、特交の金額についてお尋ねいたしまして、その資料をいただいたわけでありますが、この代替地を県の公社にやらせるときに、前回の局長のお話でも、運輸大臣のほうから、その税金についてはめんどう見てくれということで話がありまして、大蔵とも相談されたと思いますが、千葉県にはその税金の肩がわりについては迷惑をかけないというお約束をされたようでございますが、先ほどお聞きしますと、四十三年度の特交の二条の二号に基づく計算のお金が七億三千四百万円ということでありまして、その中に空港対策費として八千九百万円、そのうちで先ほど来申し上げました税金対策として三千万円をその中に計算をしている、こういうお話でございますが、県には迷惑をかけないという約束をして、八億七千七百八十一万円ですか、そういう、これは県が肩がわりをする分というものがそれによって出てきた。それに対して三千万円しか特交で見ていないということになりますと、一体あとの五千万円近いというものはどうしたのか。その後友納知事のほうから五千万円弱については何とかしてくれというような話もあったけれどもそのままになってしまった、こういうお話でございますけれども、そうすると、国と千葉県と約束した、税金については県に迷惑をかけないといいながら、実際には五千万円の迷惑をかけておる、こういうことになろうと思います。その点は、一体、そのとき千葉県と約束をされたことは何にも守らないでもいいのだ、こういう形でおられるのか、いやこれからあとのものは払うという態度が明確なのか。それでないと、結局代替地というものをつくるために、農民はもとより、千葉県知事も私はだました、こういう結果になってしまうと思うのですが、まだおそらく結末は最終的についておらないだろうと私は思うわけでありますが、残額について一体千葉県知事と国との約束をお守りになるおつもりなのかどうか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) その当時のいきさつを私どももいろいろ確めてみたわけでございますが、いままで私どもの調べました範囲内におきましては、代替地の提供者から代替地提供に伴う負担を公共用地の提供の場合と同等にしてほしいという強い申し入れが建設実施本部にありまして、建設実施本部長として関係各省との相談の上、千葉県の知事によろしく御高配を願いますという申し入れをいたされておるのでございます。そのときに、そういう措置については国が責任を持って措置をするというようなことの添え書も実はございます。実は自治省といたしまして、財源措置としていろいろな面が考えられるわけでございますけれども、さしむき自治省として考えます際には、この地元対策事業の中ではすでに起債その他の措置もいたしておりますが、同時にこれらの関係につきましては、いろいろな事業を千葉県としていたしておりますので、そういうものの需要を計算いたします際に、いまのようなお話のいきさつも参酌いたしまして、これも客観的事情といたしましては、やはり公のそういう措置というものを行政的に考える必要があったということを認めざるを得ないのだということでございますので、そこでその需要というものをやはり算入の一つの基礎に加えるということにいたしました。ただ、それぞれの現在の特別交付税の配分にあたりましては、財政需要で普通交付税として正確に捕捉されなかった、いわば捕捉漏れというようなものを、実態に合わすために正しく特別交付税として算入するわけでございますが、その場合にも全体の財政需要等も勘案をいたしまして措置をするわけでございます。一部は算入いたしましたが、その点でいま御指摘の肩がわりの問題の全額を算入するということにはいたしておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、いま含めたというのは、三千万円以外にある程度含めたと、こういうお話なんですが、もし、以外に含めたというんなら、その金額は一体幾らになるのか、明らかにしていただきたいと思いますが、それと続いて、それじゃ現実に千葉県との約束というのは具体的にあとどれほど残っておるのか、それはそのままでほおかぶりをしてしまうのか、どうなのか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 四十三年度の場合におきましては、いま申し上げました肩がわりの問題以外にも、地元対策費というものが相当千葉県として負担になっております。そういうものがありますので、その辺の関係をかれこれ合わせまして、成田空港の関連としての事業、つまり地元対策事業といたしましての特別の財政需要といたしましては八千九百万円見込んでおります。それから、これは四十四年度におきましては、やはり地元民等の対策費とか営農対策関係で四千万円見込んでおりまして、四十三年度、四十四年度両年にわたりまして一億二千九百万円一応見込んできたということでございますが、肩がわりの問題は、私どもといたしましては、四十三年度でもって一応済みというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 たとえば空港対策費として八千九百万円ある。この中に三千万円ほど税金対策費がある。その三千万円を除いたいわゆる五千九百万円が、当時成田でいろいろ問題があった、そういう費用だ。それを今度は何か営農対策費として四千万円とかなんとかいうことは、やっぱり約束したならその約束に対して忠実でなければいけないと思う。それを何かほかのほうでいいかげんに扱ってしまったという感じを深くせざるを得ないんですね。具体的にその営農対策は四千万計上したというんですが、その中にはいわゆる税金の肩がわり分というような形で普通の場合よりは多く見ておるのですね、どうなんですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 私ども特別交付税を算定します場合には、算定の基礎として、いろいろな項目についての特別な財政需要を見るわけでございますが、それはいま申し上げましたのは、ただこちらの計算の基礎を申し上げたわけでございます。千葉県に対しましては、つまりそれ以外の需要もございますので、四十三年度におきましては総額として四億一百万円の特別交付税が交付された。これは何もひもをつけておるわけでも何でもありません。千葉県が全体の財政需要として追加の需要に充て得るものと私どもは思っておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは自治省のほうの計算ですから、それはどういうふうに計算しようと、ある一定の基準に従って計算されておるものと思うのです、全体として。しかし、それだけでは、私は八千万円の税金の肩がわりに対する国の約束を果たしたというふうには見られないと思うのですね。現在、千葉県のこの空港が必要、そのために、必要だとするところのいろいろな営農対策とか何かのために財政需要が多くなる。これに対して払うということは、これは当然ですね。これは空港ができるできないにかかわらず、それだけのものを払うということは、これは私は当然だろうと思うのです。それだけ余分にやっておるのですから、普通交付税で見られない部分について見るということは当然だろうと思うのです。しかし、いまのお話でも、肩がわりした税金分というものはどうも含んでいない、こういうふうに見ざるを得ないと思う。国は明らかに千葉県知事と、税金の問題では御迷惑をかけないと、こういうふうな約束をしているんですが、その約束は果たされていないと見ざるを得ない。約束は完全に完遂されたと、こういうふうに御認定になっておるのですか、どうですか。もしそういうふうに御認定になっておれば、千葉県知事のほうからとやかく私は言ってくるはずはないと思う。いかがですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 自治省といたしましては、この問題に関しまして、いろいろな観点での空港の地域関係の地元対策事業費四十三年度分につきましては、すでにいま申し上げましたようなかっこうで措置済みでございます。自治省としての行ないます範囲のものはこれで行なったと私どもは考えております。これにつきまして千葉県のほうから、十分約束を果たしていないというふうには私ども聞いておりません。全体として四十三年度は、千葉県はこれで財政運営はまず支障なく行なれていったというふうなこれは結果に徴しても、千葉県当局はそのことは了解いたしておるものと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 自治省のほうはそういうことだと言うんですが、この話が出たのは運輸大臣のほうから出た。この前の御答弁でもあったわけですが、あとの残額については、運輸省のほうでは千葉県に対して肩がわり分として何らかの形で措置をしましたか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 運輸省自体で特別なことはやっておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これ以上議論してもしようがないと思うのですが、結局はあとの五千万円弱というものは千葉県を泣かしたと、こういうふうに私ども見ざるを得ないわけです。こういう形で、県知事までもいいかげんにそういう形で約束を守らないでやっていくというようなことは、私はやはりその辺は一番問題があるのじゃないかと思いますね。  そういうことと、もう一つ聞いておきたいのは、こういう非常に便宜を計ろうというのは、まあ私全然悪いとは思っておりません。法律的にはいろいろ問題があろうと思うが、代替地を別につくって、そして土地を公共事業に提供する人たちに、土地で出した分に対して返していくということは、悪いことではないと思います。ただ、その代替地を売った人の税金を肩がわりするという、こういう制度というのは、私はむしろこれ々機会にひとつ制度化してもらいたいのであります。その税金分というようなものは、あるいは税金を下げるか、自治省が特交か何かでひとつ肩がわりをしてもらう、むしろこういう形のほうが私は実際仕事もできるし、すなおであろうと、こう思うのですが、こうした今度の満足に払ってない点は、私は非常に遺憾だと思います。こういう措置は今後広めていくという御意思はございませんか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この関係におきましては、まあ当時の税制度の関係等の問題もあり、また、空港建設という特殊な問題に直面いたしまして、私としても千葉県の特別な事情というものを考えざるを得ないという点がありまして、一部ではございますが算定の基礎に入れたということでございますけれども、今後これを制度化するかということになりますと、これはやはり今後はこういうことは実は避けたいと思います。これはやはり税制度の問題として解決をすべきものがあれば解決をしてもらうべきものだと私どもは思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 実はいまの問題、きのう私も予算委員会でやったのですけれどもね、まあああいう配分、合法だという認め方をしているわけですから、いま竹田委員の指摘したように、同じような問題があれば、これはやっぱり特交でこれからめんどうを見る一つの糸口、見本を示したわけです。同じような特殊事情によって赤字が出た場合は特交でめんどうを見てくれるものだと私は了解をいたしました。またお願いに上がろうと思っております。それはまあ別にいたしまして、農林省にちょっとお伺いをいたしますが、まあいろいろ議論を進めてまいったわけでございますが、ここに丸朝農協というのがございますね、これは部落農協でありますが、預金状況は、当座が四十四年度の決算で一億八千万、普通預金が六億、こういう経営状態ですね。大体まあ野菜の出荷で、小さい部落の農協でこれだけの成績をあげている農協がほかにございますか。この経営状態をどう御判断なさいますか。

板野権二農林省農政局農業協同組合課長

○説明員(板野権二君) 丸朝農協が、いま小さい部落の組合というお話でございますが、私のほうで調べましたところによりますと、これは成田市、富里村、多古町、横芝町、山武町、芝山町、これだけの地域の野菜専業の農家が設立しております園芸農協であります。組合員は千百三十八人というふうに承知しております。  それから、参考までに申し上げますが、この農協の年間に扱っております販売金額が約七、八億円、出資金は千六百万円という状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これ、いまおあげになった町村の農家が全部参加しているわけじゃないですよ。その町村の農家の青果物を栽培している方たちが、一つの丸朝という部落の農協に同じような状態の農家がこう参加をしてきたということなんですね。いま言ったように、大体年間七、八億の青果物の取引がある。で、この空港によってこの組合の大部分の営農地域というものは壊滅をするわけです。この対策が立ちますか。これは公団に伺います。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 丸朝農協については、私どもも、特に芝山町を中心にしましてりっぱな全国有数の青果物の販路を持って活躍しておることはよく存じておりますが、いま先生がおっしゃいました、空港ができることによって丸朝農協が壊滅するというふうなことは、私どもとしてはやや少し了解できない面があるのでございます。ということは、丸朝農協の会長が前の国会に参考人として出られた際にいろいろお話をしておられます。そのときも、丸朝農協傘下の耕作面積というものは千数百町歩ある。そこでもって、いま先生のおっしゃるような七、八億の取引というものを年間にやっておる、こういうようなお話がございました。その参加しておられる農民の方々の分布は、相当広い範囲で分布しておられる。特に空港ができたために、アプローチ・エリアであるとか、あるいはまた騒音区域で、しかも飛行場に近接しておるというふうなところで、農地を、あるいは農耕には向かないから出ていきたいという方々があるいはあるかもわかりません。現に私どもの聞いたところでは、数十名の方々が岩山、菱田地区において住民対策協議会をつくって、集団移転のために約八十町歩程度の農地を県にあっせんするようにというお話があるという話を聞いておりますが、かりにそういう方々がほかへ移られても、やはり従来のような生産を営んでいかれれば、丸朝農協自体としての勢力の減少にはならないのではないか。私は専門家でないので知りませんけれども、いま先生のおっしゃったようなあれだけ強大な強固な丸朝農協というものが、飛行場ができることによってだめになってしまうというふうには実は考えておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 だめになりますね。というのはね、空港の四千メートル滑走路によってつぶれるところ、それからアプローチ・エリアによってつぶれるところ、騒音区域によって一応つぶれはしませんけれどもいまのような営農状態を行ない得ないところが出ていきますね。それから、四千メートル滑走路なり空港なりができますとね、いま総裁がおっしゃった菱田地区と岩山地区、あるいは丸朝の事務所のある富里寄りというものは遮断をされるわけですね。いずれにしても、全部がだめになるということは言い過ぎかもしれませんけれども、大きな影響を受けることは事実ですよ。いまあなたは代替地と言いましたが、このような長い間の丹精でつくられた畑が、別のところへ移れば、さっき申しましたように、草の種のない畑にするには最小限に見て十年かかる。そういう耕作状況を続けなければならないわけなんです。したがいまして、こういう配慮というものが十分に行なわれなければ困るわけです。つぶれても、千何十軒あるのだから——そんなにありませんけれども、人数にすれば千百人もいるのだから、大部分の者は残るだろうということでは、中心が岩山周辺になるわけですから、なかなか打撃を受けることは事実でございます。  そこで、これはむしろ運輸省なり自治省なり国にお聞きをするわけですけれども、こういった農業の経営権を喪失するような状態というものは配慮をしていく。たとえば、農村は部落で生活をしているわけですから、一般の住民のように、おまえはこっちのほうへ行け、あなたはこっちへ行けということでは、いままで生活形態というのは維持できないわけです。特に丸朝のような耕作状態を続けているところでは、組合員がばらばらになってはどうにもならないということにもなりますので、原則として部落形態をくずさないような移転というものを考えられるかどうか、これが一点。二点は、移転地区は、いま丸朝の例でも申しましたように、旧市町村内を原則とするということが考えられるかどうか。それから、空港に直接使用しない地域の耕作権はそのまま持続させるという考え方が認められるかどうか。たとえば騒音地区であっても、家屋の立ちのきはしなきゃなりませんけれども、畑はそのまま耕作しようというならば耕作権は認める、こういう考え方を認められるかどうか。それから、代替地を提供するというのなら、その代替地は現在の営業条件以上であるということ。十年たたなければいまの畑になりませんというようなところではだめだ。くどいようですが、もう一回申し上げますけれども、この人たちはあの地域では一番条件のいい畑にいまいる。したがって、一番いい畑の条件をつくってそこに移らせるという対策を立ててもらわなければ、はなはだしく収益の上でもマイナス面が出てくるわけでございます。そういう点、いま数点申し上げましたが、これは御承認いただけるかどうか。これは公団総裁、それから運輸省もお答えをいただきます。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) その点は、従来加瀬先生とお話をする場合に、いつも先生からお伺いする問題でございまして、これはもうかねがね私どもとしては御趣旨に沿ってやりたいということでいままで努力をいたしておるわけでございます。これは県とも事務的の連絡もいたしておりますし、私自身県知事ともいろいろお話をしておるわけでございますけれども、飛行場に近接する騒音区域の方々、特に丸朝農協加盟の方々の集団移転という点については、私どもとしては、県知事とも、ぜひその線で適地をさがそう、これまたさがす場所についてはそういう方々の御希望を聞こう、こういう線で考えておるわけであります。それからまた、そういったふうな代替地につきましては、先ほど先生のおっしゃるような、非常に苦労をしてつくったよい畑から非常にひどいところへ行くというのではなくて、やはり同じような耕作ができるようなところを全力をあげてさがそう。しかも、それは住んでおる市町村そのものになるかどうか、これはまあさがしてみないとなかなかわからないのですけれども、できるだけそういうふうに近いところでひとつ考えていこうと、こういうことを考えております。それから、騒音地区で一たん売却をした土地についての耕作の問題でございますけれども、これも法律上のいろいろな問題はあるようでございまして、法律的に可能であり、また実情に即するというふうな面であれば、今後検討をしてまいりたいと思います。というのは、論理的に言いますと、やかましいから耕作ができないから買えということで買ったところで、さらにまた同じ人が耕作するというふうな結果、若干論理的には合わないような面もありますけれども、しかし農民の生活の実情というものもございますので、そういった面についても私どもとしても今後検討をいたしていきたい、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 次に、総裁もごらんをいただいたと思いますが、今朝の朝日新聞の千葉版に「公団はウソつき」——私が言っておるわけじゃありません、新聞に書いてある。「売上げ半減の三里塚商店街」「タバコも売らせぬ」「「面倒みる」といったのに」という見出しで、次のようなことが書いてあります。三里塚の商店街でだいぶ反対があったけれども、条件賛成ということにした、この条件賛成は、いまの売り上げが少なくなってしまっては困る、これは宮内庁の職員あるいは付近の農家を相手にして商売をしておったんだけれども、農家はなくなるし、宮内庁はいなくなった、かわりにできる公務員住宅、あるいはニュータウン、そういうところへ優先的に入れてもらえる、あるいは飯場や何かができるから、そういうところの買い上げは三里塚の商店街でやってくれる、こういう約束であったけれども、売り上げ半減のたばこをどっかで売りたいと思っても、それもめんどうは見てくれない、公団はうそつきだ、こんなら賛成しないで反対したほうがよかった、こういう内容ですね。表現に御異存がありましても、実情はこれに近いことは事実であります。  そこで、現在の三里塚の商店街の営業状態が逼迫しておるということはお認めになられると思います。いかがでしょうか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも心痛をいたしておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そこで、千葉県はつなぎ資金として四十二店に対して五千二百七十万円を貸し付けました。ところが、これは銀行ですから、普通の銀行利子で県が仲立ちをして貸しただけで、利子の補給も何もやっておらない。しかも、六十店も申し込んで二億六千万という申し入れがあったのに対して、四十二店にしぼって五千二百七十万円、どうにもやっていけないという事態が出ております。  それで、二つ問題があるわけです。空港公団住宅とかあるいは公務員住宅地に初めのお話のように責任を持って転出をさせてくれるかどうか。もう一点は、売り上げが減ってどうにもやりくりがつかないので、国か県で利子補給か何かの方法を考えてもらえないかどうか。こういうところにもひとつ交付税を使ってもらいたい、使いなれたところで、こういう地元の要求が強いわけでありますが、この点については公団いかがでしょうか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 三里塚の商店街の問題につきましては、全く御指摘のとおり、昨年の秋御料牧場の百数十世帯というものが高根沢へ移りまして、なおあの周辺の方々が全部代替地へ移ってしまうということで、非常に売り上げが減少しておることは全く事実でございまして、私どももその対策は十分にいままで心にかけてまいっております。  きょう御指摘になりました新聞につきましても若干触れてまいりたいと思いますけれども、私どもは、三里塚に対して従来約四千世帯程度の、あるいは独身寮も含んでおるわけでございますけれども、公団職員住宅をその地区につくるということをお約束しております。それからなお、政府は特に政府職員住宅のために、あの付近に約十町歩程度のものを、まだ政府の国有財産として、普通財産として留保いたしておる。これは住宅用地でございます。したがいまして、そういう方々も移ってまいりますれば、当然に、その中に商店をつくります場合には三里塚を最優先するというふうに私どもは考えております。ただ、それができ上がるまではそれではどうするかという問題で、実は従来でも私どもは、私自身のところへ直接、現在入っている工事会社の責任者を呼びまして、三里塚の商店街から特に最重点にひとつ買うようにやってくれ——千代田の商店街についても同様でございますけれども、そういうことで特に私から特別な指示までしまして、それからまた、私どもの分室の生活設計相談所でわざわざ工事会社の現場の責任者に推薦状まで書いて、三里塚の商店街の方々をいままで全部御紹介申し上げておるということでございます。ただ、私もよく実情は知りませんですけれども、初め入れておったんだけれども、どうもあとへいって少なくなる、あるいは買わなくなるというふうなケースが若干あるようでございまして、これはやはり、三里塚の商店街の方々のいままでの行き方、あるいは商品の仕入れの関係、いろいろな関係と、いわゆる飯場の生活というものがはたしてうまくかみ合っているのかどうかというような点が若干あるのではないかと思いまして、こういう点は今後指導を、三里塚の方々にもある程度やはり私どものほうとしても申し上げることもございますし、それからまた工事会社の連中にも、われわれのほうで、さらに先生の御意図のようにひとつ強く私どもとしては指導していきたいと思います。  それから、公団の分室が、いよいよ本体工事を控えまして、天浪に三棟の建物を今度つくって、四月の半ばから移転するわけでございますが、確かにこのたばこ屋の問題はあったようでございます。しかし、私の本来の趣旨は、三里塚の商店街というものは何としても救わねばならないという私自身の考え方から、実はこの新聞が出る前でございますけれども、一昨日、私の部屋で関係者と話をしました。公団の内部にも二つの考え方がございまして、 いままで分室でもって仕事をしておったのをめんどう見ないわけにはいかぬというふうな問題。というのは、あそこでたばこを売っておった人。しかし、また、それもめんどう見るけれども、なお三里塚の連中も入れていいじゃないかという意見の連中。で、私のところで裁断をいたしましたのは、両方入れなさいということでございまして、したがって、この点につきましては、まあ私どもは、うそをついていたというふうに言われて、はなはだどうも反省をいたすわけでございますけれども、三里塚の商店の方にも、たはこの販売所を入れていただくということは、この新聞が出る前に実は話をいたしたわけでございます。これは、単にたばこだけではなくて、プロパンガス等についても私は同様に考えておりますので、できるだけひとつ御趣旨に沿うようにやりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 三里塚等と申し上げたわけでございますが、もちろん大清水も千代田も含めて、こういう意味の空港建設被害を受けている商店街に対する救済を考えてもらいたい。飯場はじかに親会社からたばこでも何でも配給をするというような制度をとっているようですね。品物も大口で買って配給するほうが安上がりにつくので、小さい商店に一々買いに出ないというようなことが飯場の慣例になっているようですからね。これはよほど親会社と十分打ち合わせをいたしまして、地元で買ってもらえるように御配慮をいただかなければ、おっしゃるような御趣旨は実現しないと思う。  そこで、次に法案の具体的な内容に入りたいと思いますが、この事業は新東京国際空港建設事業実施本部で決定したものですね、関連事業。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 決定した理由はどういうことですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 新空港の建設、いろいろ理由はございますが、一つは、新空港の建設がいろいろ広範な関連事業を伴う、この結果、地元とされて従来計画をされておった事業もあるであろうけれども、そういったものにしても時期的にこれを早めなければならないとか、あるいは新空港ができたためにぜひやらなければならなくなったという、新空港による直接的な影響として行なわれる事業、そういったいろんな種類の事業がここに新空港建設とともに発生いたしましたので、そういうものに対する地元の負担等を軽減するというような意味で、実施本部において検討をいたしまして決定をされたわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 市町村負担分は四十三億ということになりますね、自治省。このうちの三十四億というものは、新都市事業ということにはなりませんか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 成田のニュータウンの関係はお話しのとおり三十四億でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 成田ニュータウンが、いままで述べてまいりました土地を失う農民、あるいは営業成績を減少している商店街にとって、市町村がしなければならない最重要の事業という受け取り方ができるでしょうか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 成田のニューウタウンは、空港の建設、空港の開設に伴いまして、関係の従業員とか、そういう関係者の住居地区としても考えなきゃならない。それから県の都市開発といいますか、そういう一般的な関連におけるところの開発計画というようなものに即しまして計画されておるものと、両方が一つの目的に合致して計画されるということになってきたと思うのでありまして、その意味では、空港に関連をしておるということも言えると思いますし、同時にまた空港建設に伴いまして周辺の環境が非常に変わってまいる、そうして都市化もしてまいりますし、また関連企業の進出等に伴うところの人口増というものも当然に予想されるわけでございますから、それをいわゆる無秩序な形で、住居地区がただ広がっていくというかっこうじゃなくて、統一的といいますか、計画的な形でニュータウンを建設するということでございますから、全く空港にもう直接ぴたっと関連しているということとはやや遠い面も含まれておるとは思いますけれども、やはり関連事業として考えていくのに適当なものではないかと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは、新都市計画事業が新空港建設のための必要不可欠の事業であるという認定はできませんね。なぜならば、この空港は、規模がどうなるかという見通しは全然ないわけだ。四千メートル滑走路一本は一、二年足らずでできるであろうという目標はつくけれども、あとの二千五百メートルの滑走路をつくったところで、ここでジャンボジェットとかSSTというものを受け入れるわけにはいかない。そうすると、これは運輸大臣に質問する内容になりますが、若干触れれば、新東京国際空港公団法によると、長期の使用に耐えなければならないものだと書いてあるんです。長期とはどのくらいだというと、少なくも十年だと。十年もたないです、この空港は、現状では。こういう規模不確定なもので、何人の従業員が住むのか、どのくらいの関連の人員が要るのかという見当は不確定ですよ。また承れば、ここで働く者の住宅はこの付近にできるわけでしょう、空港関係の住宅は。しかもまた、公務員関係の住宅もこのまわりにできるということでしょう。そんなうるさいところに住めるかという問題もあるそうですけれども、とにかくつくると言われている。そうすると、成田ニュータウンに住む空港関係者の戸数というものは、これは局限をされますよ。これは率直に言って、空港ができると人口が非常にふえますよと、税収が上がりますよと、町は大発展をしますよ、論より証拠、県がこのようにニュータウン計画を立てているんじゃありませんかという、こういう論理によってニュータウン計画というものは進められてきたわけです。ニュータウン計画をつくらなければ空港ができるとかできないという問題では全然ない。そのニュータウン計画に三十四億も金をかけるということが、どうして空港建設のために必要欠くべからざるものだと、これは運輸省に聞きたい。ただ反対がたくさん出ると困るから、賛成の機運を盛り上げようと、それには若干プレミアをつけようということが、一つつけ、二つつけ、だんだんこういう膨大な計画になった、これが実情です。ニュータウン計画、何名一体空港関係の者が入るという見込みがありますか。あるいは、ニュータウン計画をつくらなければ空港ができないという、そういう関連がありますか。ございませんでしょう。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) この関連公共事業の中には、先ほども御説明がございましたけれども、空港建設と直接不可離の関係にある事業、それと地域環境の変化に対応いたしました、言うなれば空港周辺地域の振興をはかるために必要な事業、こういう大きく分けて二つのカテゴリーに分けられると考えるわけです。新都市の建設はいまの後者に入ると考えるわけです。空港をつくりますについて、地元と御協議、あるいは地元が従来以上に繁栄をするというようなことによって、空港の建設は可能になり促進されるというふうに考えるわけでございまして、そういう意味においてこの新都市はきわめて地元の強い御要望でもあり、こういうことによって推進をされるというふうに判断をされましたので、この中に入れられたと思います。しかし、これも空港従業員その他と全然無縁なものではございません。私どもの推定になるかと思いますけれども、五十一年におきましてここに入る空港関連従業員、これは一万人、その家族を合わせますと二万五、六千人程度はこの新都市に入るという関連もあるわけでございまして、そういった総合的な意味におきまして、この建設は関連公共事業として非常に意義あるものであるということでこの中に入れた次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 先ほどから申し述べておりますように、土地を失う者、あるいは生活に支障を来たす者、収入減を来たす者というものがたくさん出るわけですね。こういう根本的な問題を解決しなければ、空港の促進ははかれない。にもかかわらず、そういうのにはさっぱり手当てが行なわれておらない。それで、新都市計画なんというものにたくさんの金をかける。運輸省の立場で見て、どっちが一体必要なんですか。反対者を早くなくして空港を促進することが必要なのか。そちらのほうにはさっぱり財源も何もかまわないで、新都市計画という千葉県が絵にかいたもちみたいなものをつくった、それに思い切って補助金を出すことが必要なのか。空港政策として新都市計画というものを進めなければならない関連性をそれほど大きくあなたはお認めになるんですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 私どもは、まあ端的に申し上げれば、飛行場そのものができ上がれば目的は達することになるかと思いますけれども、こういった内陸地に飛行場を建設しますについては、やはりこれに関連いたしました事業というのが同時に並行的に行なわれなければ、その所期の目的は達せられないというふうに考えます。その意味において、先ほど申し上げましたような意味で、間接といえば間接かもわかりませんが、新都市の建設自体もきわめて重要なものと考えるわけです。しかし、先生御指摘の、空港そのものについての他のむしろ直接的と思われることに対する施策が不十分ということでございますとすれば、これはそれとして、やはり並行して、あるいは新都市建設以上に力を入れなければならないかと思うわけでございまして、いろいろ御指摘の点につきましては、私どもも反省をいたして、空港反対者の今後の協力を願えるような方向に努力をいたしたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 冒頭に申し上げましたが、騒音対策というのが一番必要だと、しかし直接的に住民の騒音対策という費用は一つも掲げられておらない。関連事業というなら、むしろ一番問題がある騒音対策というものをどうするかということを考えることが順序です。  局限的に伺いますが、一応学校は何校か騒音対策の基準にのっとって対象にしていますが、私立の幼稚園がありますね、精薄施設がありますね、それから保育所がありますね、こういうものは全部騒音対象として入れていますか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 一応現在の騒音防止法によります基準によりましてこの新空港の対象を考慮いたしますときに、現在考えられておりますのは、学校は二十一校、幼稚園が一つ、保育所が三、精神薄弱児施設一、以上合計いたしまして二十六の対象を当面考えておるわけでございます。ただこれは、今日までいろいろ御質疑なり御指摘がございましたように、今後の空港の運営によりまして、これだけで固定をしてしまうものではございません。いろいろな飛行機の種類、あるいは運航の方法、あるいは騒音対策委員会などをつくっての地元の皆さんの御意見、そういったものを総合勘案をいたしまして、将来においてもなお検討を続け、範囲等拡大の必要があれば拡大をしていく、あるいは防音工事そのものについての問題があればそれを前向きで進めていくと、こういうようなかっこうで、当面いま考えておりますのは、申し上げました二十六の対象でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは、四十五年度に二十六の対象を全部騒音対策で取り上げるということですか。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 四十五年度の公団の予算は、御承知かとも思いますが、要求どおり六百億ということになっております。この六百億のこういった騒音対策その他のいわゆる実施計画につきましては、ただいまこれを関係方面といろいろ話し合いをいたしております。私ども、これは公団総裁のほうからのお答えのほうがよろしいかと思いますが、ただいま四十五年度中に考えられておりますのは、学校、成田市において六校、芝山町において四校、こういうものを当面四十五年度ということで考えられておるように報告を受けております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですから、精薄施設とか保育所は対象になっていないんでしょう。対象になっているところの補助率は七五%で、空港ができなければ何も防音施設の要らなかった市町村の学校が、空港のために防音施設をしなければならないけれども、最低に見ても二五%の地元負担というのがそこに残るわけです。こういうところに関連事業といってぬか喜びをしている向きが市町村によってはあるようですけれども、市町村の負担が非常に大きく伴ってくるという問題があるわけです。時間がありませんから先に進みますが、いま申し上げたのは、空港の設置には直接関係でもないものを関連事業みたいな見方をして補助金を出す。ところが、根本名川の改修というのは関連事業です。同じ改修にしても、いまのような規模の改修は必要とする要はないですね。結局、空港地域に降る雨、あるいは汚水なり、こういうものを解決するために根本名川の改修というものをするわけでしょう。しかし、この改修も非常にずさんですよ。あそこは分水嶺になっております。根本名川だけでは流し切れませんよ。一部は高谷に流れる。しかし、高谷のほうは少しも取り上げておらない、どういう傾斜をつくるんです。南を高く北側を低く飛行場をつくるんですか。それで分水嶺を変えて全部根本名川に流すということですか。それから根本名川の改修計画で基本になる雨量の平均、降水量の平均、それから流出率、こういうものをどういうふうに押えているんですか。

高橋淳二新東京国際空港公団理事

○参考人(高橋淳二君) ただいまの先生の御質問は、河川改修に関する基本的な問題と考えますが、正しい御返事は建設省のほうから申し上げるのが妥当ですけれども、私の聞いております範囲で申し上げたいと思います。とりあえず根本名川の改修といたしましては、空港から鉄砲水と申しますか、出てくる水を対象にいたしまして、これを疎通するための断面を早急に完成させるというのが第一次の目標になっております。それに続きまして、周辺の開発が進みますと、ただいま先生のおっしゃいました流出率がふえてくるというようなこともございますので、これの増加分を第二次的に収容するということで第二次計画を県において立てられた、こういう現状でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 御説明おかしいですね。御存じのように、大体三十年平均の佐倉観測所の印旛沼の干拓のときの資料として出されたものは、三日で二百八十ミリというのが降水量としての平均値です。流出率は——ほとんど舗装されるわけでしょう、飛行場が、ですから、いままで流出率三〇%ぐらいです。今度はほとんどが流出率になって出ていくと見なければなりませんね。大ざっぱに言うと、三倍の水が流れるということになるわけです。まわりの流出率じゃなくて、飛行場そのものが変わってくる。そうなってくると、根本名川の排水路というものが完全にならなければ、飛行場はそういう意味では完全な使用はできないことになりますね。それなら、県の関連事業などと言わないで、なぜ国が空港を完全に使用するための排水路として工事するというやり方をしないのですか。これは空港の直接の事業ですよ。関連事業ではない。公団というよりも国が責任を持ってやるべきことなんです。しかし、そういうやり方にはなっておらない。で、一部県の負担という形で進めておる。そうかと思うと、土地改良というのは一体畑地かんがいをするなり圃場整備をするなり——飛行機がそこにおりるわけじゃないのです。どうしてこれが飛行場の関連事業になるんですか。これは反対を緩和するために地域のいろいろの申し出をうのみに全部取り上げて、それを適当に補助金をつけたりなんかするようなことをするからちぐはぐなことになるのです。私どもは立場を異にしていますけれども、公団なら公団、運輸省なら運輸省が飛行場を早くつくることに一生応命になればいいのです。そういう筋が立っておらないでしょう。地元で反対がある、賛成をしろ、それなら畑地かんがいをやってくれる、賛成するなら畑地かんがいをやろう、そんなずさんな計画というものがありますか。もっと私ははっきりしろと言いたい。空港公団なら空港公団、運輸省なら運輸省は完全な飛行場をつくることに邁進しろ、そのための関連事業ということならわかるのです。直接関係のないようなものを関連事業にしたり、直接やらなければならないことを市町村に負担させたり、筋が通らないと思う。そういうごっちゃなものが無整理のままに今度の事業計画の中に入っておるということにはなりませんか。これは自治省財政局長どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 関連事業につきましては航空局長からもさっき話がございましたが、空港の建設に直接関係するもの、間接に関係するもの、間接の関係の中には、特に地域の開発といいますか、振興発展をはかるというものまで入っておるという点についていろいろ御議論があるわけでございますが、全体としてやはり国際空港というものは国家的な大きな事業でございますし、それを緊急に整備する必要に迫られておる。また、これほどの大型の空港をつくるということになりますと、そういう特殊性というものも原則として十分考慮いたしました結果、そういう意味での関連事業というものが、総合的な地域開発的な要素を含めまして、関係するものの基幹的な事業を総合的に実施していく、こういうことが必要ではないか。つまり、ただ空港を建設するということだけに目的を限定するということでありましても、やはりその環境の変化というものに対応して空港が十分に機能を発揮いたしますためにも、その地元の所在の市町村等とも、ともにそれが調和のあるかっこうで空港が運営されていくことが必要であるということは言えるのではないか、そういうことだと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私はそういうことにはならないと思います。国際空港成田停車場線、資材輸送道路、付替道路、こういう道路関係は飛行場には直接関係のある道路ですけれども、直接地元にどういう利益をもたらしますか。このために県費の負担は大体十七億。関連事業ではなくて空港の直接事業でしょう。あるいは関連事業としても、地元が負担してやらなければならない問題ではないでしょう。どうですか。あるいは用水の上水道がありますね。空港が使う上水道、下水道であれば、これは空港が負担をすべきです。千葉県がこういうものに五十八億円の負担をしておるということになるでしょう。こういうことがなぜ一体、空港のために、直接地元の利益というよりは、直接は空港の利益になるようなことに県費を負担をしなければならない理由がございますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 事業の実施主体が公団である場合、県である場合、市町村である場合がございますけれども、事業の実質が、つけかえ道路でありますとか資材運搬のための道路でありますとかというような場合には、お話のとおり、これは県で負担するという性質のものではございません。したがいまして、これは実質的には公団が同部分の経費の負担をいたすということになっております。また、空港のために必要な下水の処理あるいは水道関係につきましても、その負担区分につきましては、現在協議中でございますけれども、考え方といたしましては、空港に直接必要なものについての経費は、公団と申しますか、国が、公団が負担をする。しかしながら、事業実施主体としては、全体としての広域下水道の計画とか、そういうことでそれぞれ県なり市町村なりが行なっていく、こういうかっこうに相なっておるのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 具体的に伺いますが、この負担区分を見ると、県の負担分が七十七億、市町村が四十三億。公団と国の分は除きます。その他三十五億となっているでしょう。間違いないですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 現行の制度によりますところの負担区分でございますと、御指摘のとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連事業での市町村負担は、現行の補助率でいくと、いま言った概算四十三億、おそらく住民の負担になるであろう。その他は三十五億、こういうことになりますね。これは改正補助率によると若干下がるかもしれません。関連事業以外の負担ということですが、市町村支出が大体十三億、それから関連事業、その他の関連事業負担を概算すると二十八億、こういうことになるわけでしょう。こういう金額を一体この関係五カ市町村でまかなえると思うのですか。あらためて伺いますが、関係五カ市町村、成田、富里、芝山、多古、大栄、この四十三年の歳入合計幾らになりますか。それから税収入は幾らですか。普通建設事業費はどの程度ですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 四十三年度の決算で見ますと、成田市の歳入の総額……

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関係町村の合計でいい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 合計でございますか。合計はちょっと出ておりません。  成田市は、歳入の総額が十億五千七百万円、歳出総額が九億五千九百万円でございまして、建設事業費は、普通建設事業費が三億七千五百万円、富里、大栄は、歳入の規模が二億七千百万円、二億五百万円、大体二億台でございまして、歳出規模は、それに見合いまして二億五千五百万円、一億九千二百万円、普通建設事業費は八千五百万円、四千七百万円、多古町は四億五千三百万円の歳入規模を持っておりまして、歳出規模は四億三千五百万円、普通建設事業費は一億九千五百万円、芝山町は二億七千三百万円の歳入総額でございますが、歳出総額は二億一千二百万円、普通建設事業費は四千三百万円、こういうことになっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 めんどうですから、重要な普通建設事業費の五カ市町村の総計は幾らになりますか。それだけ出してください。と申しますのは、空港関連事業費は、概算して年間九億円程度になりますね。いまの建設事業費と比べてごらんなさい。空港関連事業をしている限りは、ほかの事業は何もできないということになりませんか。そういう事業計画が健全な地方の事業計画と言えるか。そういう点を私は問題にしていただきたい。設事業費、幾らになりますか。

佐々木喜久治自治大臣官房参事官

○説明員(佐々木喜久治君) 昭和四十三年度で約七億五千万円でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 大体、概算年間九億。ところが、いままでの五カ市町村の建設事業費の合計が七億五千万。何もやらなくて、空港関連事業に全部の財産を投入したって追っつかないという状況ですよ。こういう地方の財政の実態というものを御承知の上でこの関連事業というものをおつくりになったのか。おつくりになったとすれば、どうして市町村はこれをまかなうのか。九億の支出を、七億五千万しか事業費がない中でどうまかなうのか。また、七億五千万全部吐いてしまったら、あとの建設事業費はどうしてやるのか。全然バランスが合わないじゃありませんか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この中で、いま御指摘のような点はございますが、一番この事業の総額が大きいところは成田市でございます。成田市で一番事業量が大きくなりますと、関係事業としては五億円、あるいは五億円を少しこえるというようなかっこうになると思いますが、これに対しましては、やはり一つは起債で、地方負担に対しまして起債を充当をいたしたいというふうな措置を考えておりますが、そういう場合におきましても、成田市の場合に、残りの純粋の市負担は、ピーク時におきまして大体二億円ぐらいにはなろうかと思います。そういう点では、今後の成田市が関連事業を行ないながら、市の他の行財政の運営というものについては決して楽だとは思いません。楽だとは思いませんけれども、そういう事業を行ないながら、ほかの行政にも支障のないように、個々の団体の実情に即して自治省といたしましても配慮をいたしてまいりたい、こう考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 配慮のワクを越えていますよね。いま、地元負担を伴う関連事業と称するものをあげますと、さっき申し上げました国際空港成田停車場線、資材輸送道路、地域開発道路、県道、駅二駅、市町村道、街路、上水道、河川改修、新都市、その内容として、街路、地区内街路、大公園、ごみの焼却場、保育所、幼稚園、小中学校、高等学校、消防、土地改良、土地改良事業、代替地造成事業、あるいは職業訓練、警察、印旛沼流域下水道、その他ということになってますね。これでは実際の運営をするためには、確かに空港に直接関連のある事業だけは優先せざるを得ないでしょう。しかし、住民としては、一番希望の多い公民館とか保育所とか幼稚園あるいは消防施設といったようなものは、どうしてもあと回しにならざるを得ませんよ。そうすると、いまは何か国のほうから財源が降ってくるような感覚を持っている市町村も、実際、関連事業を進めてみるとやりくりがつかない、どうにもならない、こういう不平になって、今度逆にはね返ってきます。それは一体、空港にプラスなのかマイナスなのか、こういう見通しもつけないで、こんな関連事業という膨大なものをやって、地元を、何といいますか、はめ込むようなやり方は、われわれは地元の関係者として許せませんよ。起債とおっしゃったって、起債にはワクがありますよね。大体、二、三年前までは富里、芝山、多古、大栄、一億二、三千万円ですよ、総予算が。いまふえたって二億そこそこだ。それが自分の財政規模一ぱいの起債というものをしてどうして消化ができますか。それは国が全部どこまでも、元利合計も一切めんどう見るというなら話は別だ。それは、御答弁としては、元利をめんどう見るつもりですということくらいお答えになるでしょう。しかし、元利全部めんどう見られるような状態でないでしょう。この五カ市町村だけをめんどう見ればいいというわけにはいかないわけですよ。絵にかいたもちです。そういうことをすることが必要なのか。反対派にいろいろと条件を与えて緩和政策をとるために財源を投入することが一体必要なのか。これは自治省の御回答のワクではありませんけれども、どうも私は疑問を禁じ得ません。特に、地元関係者を含めた騒音対策委員会を設置するということが、これは約束されているわけですね。騒音対策委員会なんてないでしょう。したがって、地元を集めた騒音対策委員会がないから、どういう騒音対策をやろうかということすらもきまっておらないというのが現状でしょう。根本的な航空対策を欠いてますよ。そういうものに自治省が乗っているのだ。私は、乗っている気持ちがわからぬ。これで空港ができまして、地元が非常に有利になりますというどこに保証がありますか。議論みたいになって恐縮ですが、そういう疑問を禁じ得ませんので、ひとつ御回答をいただきたい。

佐々木喜久治自治大臣官房参事官

○説明員(佐々木喜久治君) ただいまの、市町村が担当いたします関連事業での地方負担の関係から今後の財政状況を見ますというと、まず富里、大栄、多古、芝山、この四町村につきましては、その市町村の実施いたします事業は、市町村道の改修と消防の事業がそのおもな内容になるわけでございます。これらの昭和四十九年度までの現在事業計画をつくっておるわけでありますけれども、昭和四十九年度までの事業の所要額を一応計算をしてみますというと、一般財源計算でいたしまして、それらの町村の一般財源の大体五%ないし一〇%程度の一般財源所要額ということに相なるわけでありまして、大体、これらの町村につきましては、この空港関連事業の実施によりまして、従来の財政状況とそう変わらない運営ができるものというふうに私どもは考えておるわけであります。成田市の場合におきましては、新都市建設を含めまして、一般財源ペースで申し上げますと、確かにこのピーク時になりますと、一般財源所要額というものが五億前後になってまいります。昭和五十一年までの計画を見ましても、先ほどもお話に出ましたのでありますけれども、約三十三億の一般財源所要額が要るというような計算になってまいります。これに対しまして、起債で措置いたします額は、従来の起債許可のルール計算によりまして約二十二億ということに相なるわけでありまして、約十一億が一般財源所要額ということになってまいります。それで、これを年次別に計算をいたしまして、その起債充当後の一般財源所要額というものを見ますというと、大体二億前後の数字がこのピーク時に所要額として出てまいります。ただ、成田市の実施をいたします事業の内容は、この関連事業にも記載してございますように、義務教育学校の整備でありますとか、あるいは都市計画事業でありますとか、下水道事業でありますとかいうようなものが一般財源所要額としてあらわれてまいりますが、これらの事業につきましては、交付税計算におきまして、起債充当いたしました残額につきましては、事業費補正等の措置によりまして、それぞれの年度における財源所要額というものを相当額まで手当てするような措置が講ぜられておるわけでございます。こういう意味におきまして、大体、各年度をとりましても、成田市の財政運営につきまして、そう従来の財政運営よりも著しく困難となるような状況にはならないであろうということが想定されるわけでありますが、まあこまかに各年次を見ますというと、新都市がやや先行投資的になります。四十五年度−六年度あたりがやや窮屈な財政運営になるのではないだろうか、こういう感じがいたしております。なおまた、この起債が累計二十二億に対しまして、将来の元利償還というものを見ますと、おそらくピーク時の数字は三億程度の元利償還ペースになるかと思いますが、これはその時点におきます一般財源額の大体四、五%程度のところでありまして、従来の公債費の比率をこれによって著しく上回るような数字になるような事態にはならないのではないだろうか、こういう想定をいたしておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治省からいただいた資料で申し上げますと、大公園というのがありますね。これは二億一千万。国または空港公団の負担は七千万。一億四千万というのは市町村が負担をするわけですね。いまも例にあげられました地区内下水道二十一億。国または公団が出す金は三億三千万。十七億七千万というのはこれは市町村が持つのでしょう。こういうものが、簡単におっしゃられたってできるはずのものでありますか、いまの成田市の財政規模で。それから根本名川にしても二十二億。県が六億。その他が五億五千万。「その他」というのは一体これは何ですか。市町村なら市町村の住民に関係がないと言えますか。あるいは騒音地区の土地改良事業、これは八十五億ですか、県が十五億。その他が二十三億。二十三億という金を土地改良の負担率に応じて地元が負担するということができますか。負担金がそろわなければ工事はやれないということになると、これは全く絵にかいたもちですよ。同じ金を使うにしても、地元負担というものを少なくして地域を利するという方法が他にあったのではないですか。おまえのほうが負担金を出せばこれだけの仕事をやると、こういう計画は、これは関連事業という名前だけで、地元に過酷な負担を与える以外の何ものでもございません。こういう計画が完全に遂行できますか。

佐々木喜久治自治大臣官房参事官

○説明員(佐々木喜久治君) 地区内下水路の二十一億に対しまして市町村負担が十七億ということになっておりますが、これにつきましては現在起債措置並びにこれに関連をいたしまして交付税措置がとられるということにいたしております。さらに、これにつきましては若干の負担軽減が行なわれるわけでありますが、これはこの下水道の建設にあたりましては、これはニュータウンの関係でございますが、この市町村負担分の一部につきましては土地代として市町村に納付されるということになるわけでありまして、この点の負担区分につきましては、さらにこれは県と成田市との間の話し合いになるわけであります。この点は十分将来の見通しのもとにこの下水道の建設計画は進められるというふうに考えておるわけであります。  それから、土地改良事業につきましては確かに問題でございまして、これらのものにつきまして現在の国営、県営、団体営、それぞれございますが、それと根本名川地区におきましては事業費が二十二億、それから騒音地区につきましては八十五億ということになっておりますが、現在の国の負担割合をさらに引き上げまして、たとえば騒音地区におきます国営六〇%の補助率を七五%というふうに補助率の引き上げをはかっております。これは従来からいいますと、県と受益者であります農民・地主とのまあ折半負担というのが原則になっておりますが、これは、県としましては農民負担の軽減によってこの負担軽減分を受益者のほうに返すというような方針をとっておるようであります。これは根本名川地区におきましても同様であります。こういうことで、受益者負担の軽減はその負担率引き上げによりまして相当軽減されるであろうというふうに考えております。その軽減額が大体十六億程度になっているわけでございます。  それから根本名川の河川改修は、これは県営の事業でございます。また、土地改良の事業も、主としてこれは県営並びに土地改良組合が行なう事業でありまして、直接市には関係ありません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 いや、あのね、町村といったって、町村の中にいる住民が負担をすれば、やはり市町村としてはそれを住民が負担するからいいやといって見過せる問題じゃないのですよ。その一部分をまた市町村が負担をするという形になる。そこで、いま問題の受益者負担といいますか、その土地改良の組合をつくるにしても、結局、それぞれの市町村民が負担をする額というものはあまりに膨大ではないか。あなた方は御存じないでしょうけれども、この根本名川の流域地区では農業改善事業の第一号を県が計画をしてやろうとしたことがある。しかし、負担金が大きいということと、根本名川の改修というものは結局困難だと、しかし、やはり冠水地帯というものを将来防がぬわけにはいかないというので、県がかねや太鼓の鳴りもの入りで奨励をしたけれども、とうとうつぶれたのですよ、これは。そういう地域なんです、ここの土地というのは。冠水地帯というのは非常に土地改良に金がかかる。ですから、こういう計画のとおりにはいかない。土地改良というと身の毛がよだつと、こう住民たちは言っている。賛成なんか得られませんよ。それはとにかくとして、ちょっと市町村なり住民の負担が重過ぎる。先ほども申しましたがね、県の負担だって住民の負担ですよ、これは。この事業のために県が七十七億でしょう。市町村が四十三億、その他の住民が三十五億を負担をするわけですよ、五年計画か七年計画の間に、これは。十分財源も保証してくれるというならば何をか言わぬやだけれども、交付税の算定にするといったって、この地域だけで単位費用を特別につくってやるというわけにはまいりませんよ。一律的なものですから、全国的に。これはひとつ再検討をしていただきたいと思います。  大臣がさっきからお待ちかねでございますからね、この問題とは直接関係がございませんが、空港はなかなかできませんぞという一つの御認識をいただきたいためにアプローチ・エリアのことを伺ってみたいと思います。アプローチ・エリアの敷地面積、その中の地権者氏名——人数だけでけっこうです。四千メートル滑走路に限って御説明をいただきます。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) アプローチ・エリアの面積でございますが、面積は約四千メートル滑走路の北で約二十二ヘクタール、それから南側で約十九ヘクタールでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 わかりました。権利者は何名ですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 権利者としましては、北のほうが戸数として七戸、それから南のほうが三戸だけ家はかかりますが、おそらく一筆別の件数だろうと思いますが、北のほうが百二十七件、それから南のほうが九十一件と、こういうことになっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 じゃ、アプローチ・エリアの施設内容は。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) アプローチ・エリアの施設でございますが、これは主として進入灯並びにいま羽田で使っておりますILS——電波による計器着陸装置でございますが、これのミドルマーカー、それから、場所によっては指向性電波のアンテナ、こういうようなものが建つようでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 アプローチ・エリアが完備しない場合、飛行機飛びますか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) アプローチ・エリアというのは、先生も御承知のように、空港敷地の滑走路用地とかあるいは誘導路用地と違いまして、必ずしも固定的なものでは本来ないわけでございまして、たとえば羽田におきましても、進入灯は海上にはございますけれども、北のほうの海老取川の地域にはないわけでございます。私どもがアプローチ・エリアを滑走路の端末から長さで千百メートル、幅で三百メートルというものを両端に希望いたしますゆえんのものは、先ほど言いましたように、理想的なものをつくりたい、こういうつもりでございまして、ICAOの基準で言いますと、カテゴリー2ということで、羽田は現在は一でございますので、非常にレベルの高いものをつくろうとしている、こういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これからは飛行機の離着陸というものはほとんど人が操縦するという形はとらないことになりますから、そうなりますと、アプローチ・エリアが完備しない場合は、着陸にしても離陸にしても、これは特に大型機になりますれば不可能になるわけではございませんか。そこで、完全な機械操作といいますか、科学設備をしなければならないために、アプローチ・エリアというものの必要が従来になく大きく考えられていると認識してよろしいんではないですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、運輸大臣の認可は、いまお話のありましたアプローチ・エリアについては受けておりますか。話が前後になりましたが、このアプローチ・エリアを決定したのはいつです。そうしていつ運輸大臣の認可を受けましたか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 空港の敷地を決定しまして後に運輸大臣から基本計画の指示をいただいたわけですが、その中には、飛行場の用地と、それから航空保安施設というものは別に明記して指示をいただいております。で、当然私どもは当初から空港敷地を取得すると同時に、アプローチ・エリアを確保するということは当然の事柄であったわけです。私どもは、敷地については昭和四十二年にすでに事業計画の認可をいただいたのですが、アプローチ・エリアにつきましての御認可は昨年の十月にいただきました。なぜ時間がかかったかと申しますと、私どもは、単にこの四千メートルの滑走路のみならず。二期工事の二千五百メートル、あるいはまた横風用滑走路についても同じ程度の精度の高いアプロー・・エリアを要求するという立場をとっておりましたことが政府部内においていろいろ検討の対象になっておくれたわけでございますけれども、しかし、用地買収そのものについては、もう当初からわれわれは、先ほど申し上げましたように、滑走路の末端から千百メートル、幅三百メートルという範囲で買うということで地主さん方と交渉はいたしておったわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それはおかしいです。航空法五十五条の三には「新東京国際空港公団は、新東京国際空港若しくは新東京国際空港公団法第二十条第一項第二号の航空保安施設を設置し、又は当該空港若しくは航空保安施設に運輸省令で定める重要な変更を加えようとするときは、運輸省令で定めるところにより、同法第二十一条の基本計画に基づいて工事実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」とありますね。それで四十二年一月三十日の「新東京国際空港の工事実施計画を認可し同空港について延長進入表面等を指定した件」という運輸三〇号の官報には、このアプローチ・エリアは載っていませんね。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) ただいま加瀬先生の御引用になりました事業計画につきましての認可、これは先ほど私が申し上げましたように、まず飛行場の規模と飛行場内の施設、それからまた、飛行場の進入その他に関する事項について事業計画の認可があったわけでございまして、その前に空港公団法によるいわゆる基本計画の指示というものが運輸大臣から出されているわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、これは新しく出されたということですね。いつ出していつ認可になったのですか、アプローチ・エリアのほうは。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 先ほど申し上げましたように、三方向に対するエリアを設定するというわれわれの強い要望を通していただきましたのが昨年の秋でございまして、正式には私は十月の三日にアプローチ・エリアについての事業計画の認可をいただいたわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、それはこの五十五条の三によりまして工事実施計画の変更願いを出したのですね、出していますね。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 私は、事業計画の変更ではなくして、飛行場についての事業計画と別途に、保安施設の設置についての事業計画の認可をいただいた。つまり、行政行為として二つあったというふうに解釈いたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この新東京国際空港公団法の二十条には、「公団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。」という中に、アプローチ・エリアをつくらなければならないということはきめられているでしょう。ところが、その最初の官報の事業認可の中には、アプローチ・エリアはない。ありませんよ。そうすると、あらためて運輸大臣に対してこのアプローチ・エリアの位置を最初の計画に加える計画として出して認可を受けなければ、法律的には正式なものとは言われませんよ。どうです。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 五十五条の三によります工事実施計画、その前に工事の基本計画として運輸大臣に出しておりますものは、これは一本で出したわけでございますが、それに伴う実施計画というのは二つに分けて出しておるのは、先ほど来総裁の御説明のとおりでございます。これは、実施計画としては一本で出すことが望ましいと思いますけれども、必ず一本で出せということではございませんので、航空保安施設とそれから本体のいわゆる基本施設というものとが二つに分割して出されておる。これはこれで一応合法的であると考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この五十五条の三はそういうように解釈できないでしょう。初めからこのアプローチ・エリアというものはつけて出さなければならないという立場になっているのにそれをつけて出さなかった。そこであらためてアプローチ・エリアというものを設定するには、工事実施計画の変更という形で申請して許可を受けなければ、図面の上にアプローチ・エリアは出てこないじゃないですか。アプローチ・エリアありませんよ、最初。最初からアプローチ・エリアの面積まであって官報に告示されたならば、われわれは文句言いませんが、あとで出したんじゃないですか。こんなものは合法じゃありませんよ。一体、伺いますがね、公団の総裁は、公団法にアプローチ・エリアはつくらなければならないという義務を課されておるのに、一体最初に出す事業計画の中にアプローチ・エリアが抜けているのを御存じであったのですか、なかったのですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) よく知っておりました。というのは、航空法でも、先生御承知のように、飛行場というものと保安施設というものは別個の概念として規定しておるわけでございまして、したがって、土地収用法等につきましても、飛行場についての事業認定は受けても、私どもはそれをはみ出すアプローチ・エリアの分については全然受けておらないわけであります。もし受けるとすれば、別個の行政行為として私どもとしては事業認定を受けなければならぬというふうに、大体従来の航空法の概念というものが、飛行場というものと保安施設用地というものは一応概念的には別にしてあるわけです。先ほど局長がお答えいたしましたように、当然われわれとしては、飛行場の基本施設とそれから保安施設というものは一緒に出すのが適当だ、これは先生のおっしゃるとおりでございます。しかし、これはいろいろな他の法律によっても概念的に区別して規定されている問題でございまして、たまたま飛行場内の基本施設については、早く計画ができたから早く事業認定を取れと、で、保安施設用地については、先ほどから私が申し上げておるように、千百メートル、三百メートルというやつをぜひほしいと、しかも、カテゴリーの滑走路を三つつくるのだ、こういうことで政府と折衝しておったために手間どったということでございますので、二回にして出した、こういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは航空局長に伺いますが、ずいぶんずさんですね、これは。最初から出さなければならないものを、法律的にも、二年も三年もたってからつけ加えると、まあしかし、それはいいでしょう。いま公団総裁は、このアプローチ・エリアは収用法の対象には現状においてはならないとおっしゃいましたが、それは確認してよろしゅうございますね。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) われわれはまだ事業認定の申請をいたしておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは伺いますが、土地収用法第三十条はどのように解釈なさいますか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 私は土地収用法は実は専門でないので詳しく存じ上げませんが、この条文に書いてあるとおりでございまして、長いので読むのを省略させていただきます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 じゃ、私のほうで読みます。「(事業の廃止又は変更)」という内容ですね。「第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があった後、起業者が事業の全部又は一部を廃止し、又は変更したために土地を収用し、又は使用する必要がなくなったときは、起業者は、遅滞なく、起業地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。この場合においては、建設省令で定めるところにより、その旨を周知させるため必要な措置を講じなければならない。」とありますね。そこで、昭和四十二年一月三十日に出したこの官報につけ加えてアプローチ・エリアを出しまして、これを、収用法の適用の事業認可をしてくださいというわけには、この三十条によりますと、いかないことになりますね。なぜならばですよ、「事業の全部又は一部を廃止し、又は変更したために土地を収用し、又は使用する必要がなくなったとき」三十条は適用される、内容はそういうことになります。どうするんです、これ。あくまでも話し合いによらなければアプローチ・エリアの獲得はできないということが法律的には言われるわけでございますが、私どもは収用法をそう読みます。ですから、話し合いで臨むという態度をもう一回御確認いただかなければならないわけですよ。なぜならば、アプローチ・エリアの獲得は収用法をかけようたってかけられないわけですから。そこで、いまのような態度ではなくて、反対住民をどうすれば説得できるか、了解していただけるかということで、ひとつお骨折りをいただくことが、私は、あなた方の立場に立てば、空港を早めることになるだろうと思う。私どもの立場に立てば、いいことをやってくれたので、しばらくこれでまた反対ができるということに、いままでなら、なるわけですけれども、しかし、問題はお互いに協力をして処理しなければならないような段階に来ておりますから、ますます反対を長引かせることばかりは申しません。いずれにしても、法律的に手落ちがあり過ぎます。そして住民に反対派だというこのレッテルをつけて、中裁なり、親身になって世話を見るということをやらなさ過ぎますよ。こういう点をひとつ御反省いただきたいと思いますが、いかがですか。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) 先ほどの保安施設用地について法律的に土地収用法の適用ができないかどうかという点については、若干私は問題があると思いますが、しかし、気持ちにおいては全く先生と同感でございまして、現在私どもはアプローチ・エリアについては、ぜひ任意買収でいきたい。現に北の部分ではほとんど大部分買っておるわけでございます。南でも、非常に反対しておる、芝山町でも、もう二八%も用地を買っておるわけでございますので、何とかひとつ御協力をいただいて任意買収でいきたい。したがって、土地収用法の事業認定ということは、現在は全然考えておらないということを申し上げるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 両大臣いらっしゃいますので、簡単に締めくくりをしたいと思います。運輸大臣、自治大臣の両大臣にあらためて御確認いただきたいのでありますが、周辺地区の整備事業までも関連事業ということで優遇措置を考えるなら、より以上空港建設に伴う被害者住民といいますか、空港建設で被害を受けておる住民の救済に力を注ぐべきだと思いますが、この点はいかがでございましょう。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 原則としてはそのとおりだと思います。しかし、いろいろ事情がありましょうからして、それに従って処理しなければならないと思いますが、もちろん、何といっても被害者に対して理解ある態度をもって臨むということは必要なことだと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると国または公団は、この成田空港の建設に関しましては、今後空港建設による被害者住民の立場に立って、その利益の確保に努力してくれるものと確認してよろしゅうございますですね。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) まあ、はなはだ歯切れは悪いかもしれませんが、原則としては当然そのとおりでしょう。私は、大空港あるいは基地というものは一部の人の犠牲によってつくるべきものではない。国全体の国家的事業ですから、国ができるだけめんどうを見るということは、たてまえ上当然のことでありますから、そのような方針で進めていきたいと思っておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは、運輸大臣は実力者でありますので、ぜひこれまた御確認をいただきたいわけでございますが、私どもは騒音被害というものを非常に心配しているわけです。これは運輸大臣の地元でも霞が浦が候補地にあげられたときにも大騒ぎをしたので御体験があると思いますが、しかし、これはまだ飛んではいないわけでありますから、SSTがどうか、ジャンボジェットがひんぱんに来ればどうかということは実感としてはわかりません。かりに成田空港というものができまして、将来騒音等によって著しく生活を脅かされる、こういう事態になりましたときには、政府も責任を持ってこれは空港そのものを再検討しなければならないというように考えていらっしゃると了解してよろしゅうございますか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 騒音対策については、これは格別のわれわれは関心を持っております。したがって、近く決定せられる六カ年計画では、空港予算というものは従来とは違った角度で大幅にふやすように目下努力いたしておるわけでございます。そういうような結果を見るに相違ないと思っておりますが、したがって、その中には騒音対策費というものを思い切って考えていかなければならない、そういう意味においては、われわれは、政府といたしましても、いわゆる万遺憾なきを期していきたい、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ところが法律では、交通騒音というものは公害のワクの中に入れていないわけですよ。しかも、どんな大きな音を出そうとも、あるいは汽車、電車からどんな大きな音を出そうとも、一応交通騒音は、各都道府県の条例などでも、国の法律の中でも、騒音のワクからはずしておるわけです。これはやはり法律の中に入れてもらって、航空機の騒音であろうが電車の騒音であろうが、騒音はやはり騒音として同一に扱っていただかないと、飛行機の音は幾らうるさくとも法律的には補償の対象にもならない、規制の対象にもならないような現状ではどうにもなりませんので、この点は交通関係は運輸大臣の特に所管でございますので、著しく生活を脅かすような騒音については、他に準じてやはり交通騒音も律していただくというように法の改正に御協力、御努力を賜わりたいと思いますが、いかがですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) これは加瀬さんも御承知のように、最近こういう公害問題が非常に重大な問題になっております。しかしながら、一方において新技術の開発というものもかなり進んでおりまして、ジャンボのごときは、現在の727よりもかえって音が低いという状態が出ておるわけでありますから、もちろん、全体の公害としての騒音というものは考えていかなくちゃならないが、現実の問題を十分に調査した上で、かつまた、今後の状況等にかんがみて、あるいは必要があればさようなことも考えなければならぬかもしれませんが、できるだけ新技術の開発によって、いわゆる一般的な公害を防ぐということもすべきであると考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 他は運輸委員会のほうに回りまして、いろいろと運輸大臣また公団にはお伺いができると思いますが、現在収用法が適用をされております。で、収用委員会がまもなく開催をされることに、千葉県においてはなろうかと思います。しかし、非常にこれは法適用の上で不備があります。たとえば、これは公団が責任者でございますが、収用をする場合は立ち入り調査をしなければならない。立ち入り調査をするときには、身分を明らかにする証票といいますかを出さなきゃならないわけですね。この間の調査ではそういう提示はございません。抵抗も何もしないところでも一応三十五条ではだめだから三十七条の二項を適用するということになりましたが、航空写真では十二分な立ち入り調査にかわるわけにはまいりません。なぜならば、現地は山林地帯も多いのですから、なわ延びがある。なわ延びの場合は慣習法として隣地の者と立ち合って境界をきめるという長い間の——隣地の者も立ち会いも何も航空写真ではできないわけですから、この間の事情を、やはり不備があったということをお含みの上で、収用をかけたものをはずせというわけには、お宅のほうの立場ではできないでしょうけれども、収用を急ぐためにますます摩擦を激しくして結局土地の取得をおくらせるということにもなりかねませんので、慎重を期していただきたい。さらに第二期工事のほうの場面は反対者も多いわけでございますから、いままでの慣例としては、こういう反対の多いところでは収用法は適用しないという進め方をしてまいりました。そこで収用法を適用したものを、いま改めろというわけにはまいりませんでしょうけれども、最初の線に立ち返ってひまがかかっても話し合いで了解点に達するという努力をしていただかなければならないと思いますので、これからの公団の御態度といいますか、お気持ちをひとつ聞かせていただきたい。

今井栄文新東京国際空港公団総裁

○参考人(今井栄文君) まったく気持ちの上では先生と同感でございます。ただ、先般の立ち入り調査が違法でありたかどうかという問題でございますが、私どもは土地収用法によって適法に調査を完了したと考えておる、この一点だけが先生と違っております。今後第二期工事につきましては、先生も私もよく存じ上げておるのですけれども、天神峰から東峰、あるいは木ノ根、古込というところに反対の方々の個人的な土地がたくさんあるわけでございますので、長い間、やはりまだ等二期工事もございます。したがって、まだ先が相当長い期間がありますので、私どもとしては土地収用による強制収用ということをすぐ考えるということじゃなくて、ほんとうに心から誠意のある気持ちで説得に努力いたしたいという、そういうことで何とか話し合いによって、先生方の御協力を得て、また、その方々の納得するような方法で今後問題を処理していきたい、これが基本的な考え方でございます。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 挙手多数と認めます。  よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

熊谷太三郎自由民主党

○熊谷太三郎君 私は、ただいま可決せられました法律案に対して附帯決議案を提出いたします。  趣旨説明を省略し、案文を朗読いたします。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 熊谷君提出の附帯決議案について採決をいたします。  熊谷君提出の附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 挙手多数と認めます。  よって、本附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの附帯決議に対し秋田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。自治大臣。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 本案につきまして慎重に御審議をいただきまして御可決くださいまして、厚く御礼申し上げます。なお、政府といたしましては、ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして善処いたしたいと思います。

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山内一郎自由民主党

○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十八分散会

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