大蔵委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/08/12
会議録
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、松井誠君が委員を辞任され、その補欠として占部秀男君が選任されました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(栗原祐幸君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(栗原祐幸君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、当面の財政及び金融等に関する件について調査を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○成瀬幡治君 大臣にお伺いしますが、金融引き締めで昨日も何か日銀との間に懇談会というんですか連絡会等が開かれておるようですが、一体、この金融引き締めは、何が目的で、どうなっておるやら、どうだというようなことをやはりみんな心配をしておるわけですけれども、新聞の報ずるところによると、まだ引き締めの基調は変えないという。しかし、実際各都銀なり市中銀行が融資しておるのは、どうも含みをもって貸し出しておることも事実であろうと思っております。だからこそ、日銀券の増発というようなところも見れるのじゃないかと思っております。それに対して、今度は、ほんとうのものを出せとかなんとかという日銀が指導をしておるとかということも言われておるわけですが、一体この金融引き締めは何をねらっておるのか、何が目的とされておるのか、どの段階が来たらそれをゆるめようとしておるのかというような、今次とられておる金融引き締めの目的と申しましょうか、そのねらいというのはどこに置いておられるのか、それをひとつ明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 金融引き締めのねらいとするところにつきましては、これは何回申し上げても申し上げ過ぎはないと思いますが、重ねて申し上げますが、一言で言いますと、景気の鎮静化であります。この三年間、非常な勢いで日本の経済が成長発展したことは、御承知のとおりであります。つまり、昨年は一三%前後の実質成長、一昨年また一昨昨年は一三%をこえる実質成長、この勢いをほうっておきますと、日本の経済が四、五年にして倍になるという勢いであります。一体、この狭い四つの国土の上で生産される品物が四、五年で倍になるということを想像してみますると、これはそのこと自体はたいへんけっこうなことのようでありますが、実際はたいへんな問題を引き起こすわけであります。 まず、第一に、資源の問題で非常な困難に当面する。たとえば鉄鋼ですね。昨年は八千二百万トンの生産をした。ことしはおそらく九千五百万トンの生産があげられるであろう、こういうふうに見込まれておりますが、これが四、五年で一億五千万トン、一億六千万トンというようなことになりますると、さて原鉱石を一体どこで入手するかという問題があるわけであります。また、原鉱石ばかりじゃない。石炭が必要であろう。強粘結炭をどういうふうに取得するか、とれももうすでに今日問題になっているくらいな大きな問題であります。あるいは、くず鉄を一体どういうふうに入手するか。そういうような原材料、つまり資源の面において大きな困難に当面をするというふうに考えるのであります。しかし、それが幸いに入手できて、さあ日本国内への運搬にこれも非常な問題がある。さてそれが運搬されたにいたしましても、国内でそれらが生産をされるわけでございまするが、倍の鉄材が生産されることになる、また、その他のものもそういう勢いで四、五年で倍の生産が行なわれる、こういうことになりますると、国内における流通を一体どういうふうにするか、輸送をどういうふうにするか、これらの問題におきましても非常なむずかしい局面に立つと、こういうふうに思われるのであります。 そこで、そういう問題を考えても、四、五年で倍というような勢い、これをスローダウンしなきゃならぬ。やはり、六、七年、七、八年、それくらいで倍というような勢い、そしてその間にはちゃんとした資源の手当てもつくという勢いでなきゃならぬ。まあ資源の問題ばかりじゃないんです。あるいは労働力の問題につきましても、四、五年で倍の労働力をたくわえることができるか、こういうことを考えてみましても、なかなかそうはいかぬ。加速度的に労働需給の逼迫ということになってまいります。それが必然的には賃金の引き上げになる。大幅な賃金の引き上げが続けば、どうしたってコストプッシュになり、物価問題は致命的な打撃を受けるということになるのであります。諸外国に見られるような賃金・物価の悪循環、こういう過程をたどるということがおそれられるわけであります。 そういう物価の問題、あるいは当面公害問題がある。公害問題も、政府は総力をあげて努力をし、努力をこれからはさらに積極化するつもりでございまするけれども、四、五年で経済が倍になるという勢いでは、とてもそのテンポにはその努力が追いつかないというようなことになります。 私どもは、一九七〇年代は内政の年代であるということを申し上げておるわけでございまするが、内政を秩序正しい物価の上に強力に進めていくということを考えるときに、どうしても経済の成長のテンポをここで落とさなきゃならぬ。ことしの経済見通しにおきましては一一・一というところをねらいといたしておるわけであります。ところが、実際の経済の勢いは一三%の調子の勢いだ。そこで、昨年の九月から金融調整政策をとり出しておるわけであります。この金融調整政策は、今日まで金融面ではかなり浸透してまいりました。しかし、実体経済面の一三%成長という勢いがさてどういう傾向をとっておるかということをしさいに見ておるわけでございますけれども、この方面にはやや鈍化の傾向は見られつつあるというようにも思われますが、しかし、決定的なそういう傾向が出たというような判断には到達しないのであります。 そういうような意味合いにおきまして、今後の経済情勢の推移は注視していかなければならぬ。ならぬが、この金融引き締めの基調、これは堅持していかなくちゃならぬ。つまり、金融引き締め政策によりまして、国の総需要を抑制する。そういう要因としては、あるいは国民生活需要要因というものが圧倒的に多いわけでありますが、これに次いで産業設備需要、あるいは財政需要、そういうものがあるわけであります。そういう主要要因につきまして、特に産業設備投資は、ただいま申し上げましたような一三%、四、五年間で倍になる勢いで設備が進行しておる。これもいろいろな面において問題を起こしますので、これを抑制する、それに伴いまして総需要の抑制に寄与する、そして経済の鎮静化をはかる、こういう意味合いにおいていま調整政策を進めておるわけでございまするが、その辺がまあこの政策のねらいどころである。したがいまして、このねらいが実現されるかされないかは今後の金融調整の運営に重要な影響がある問題である、かように御了解を願いたいと思います。
○成瀬幡治君 まあ、いままでにも、ずいぶん、経済成長がどうだ、実体はどうだと、いろいろな議論がされてまいりました。それが、昨年はさっぱり議論が——議論はあったんですが、今年これをやらなきゃならなかった。いまお聞きしておりますと、四、五年で倍になりそうだと。これを六、七年ぐらいにずらせと。これはことばのあやかもしれませんが、私は少し大きな長期的な展望がなければならぬだろうと思います。数字を聞けば来年度の予算編成などが大きな問題になってくるわけですけれども、それなら来年度の予算編成の大綱は何を一番柱にして編成をされようとしておるのか、ずっと続かなければならぬ問題だと思います。来年も再来年もあるいはその次も続いてこなければならぬ問題だと思いますが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ来年ばかりではございませんが、将来長きにわたって景気がそう高さは高くなくてよろしい、しかし安定的に落ち込みなしに続いていくという景気調整的機能、これを財政にも期待しなければならぬ、また、金融にも当然これを期待しなければならぬ、こういうふうに考えます。そういう景気の持続的成長という大目標のもとにおきましてどういうふうに財政の本来の機能を発揮していくか、こういう問題になりますと、私は、当面どうしても物価の問題、公害の問題、これが予算編成の背骨というか、眼目というか、そういうところになっていかなければならない、こういうふうに考えております。
○成瀬幡治君 大臣、来年度の成長率ですね、見通しではなくて、実質的な成長率をどのくらいに押えようとしておるのか、あるいは再来年はどうだと、少なくとも来年、再来年の二カ年間ぐらいの見通しの上に立っていまの金融政策はこうやっておるんだよということにならないと、金融引き締めというのは選別融資ですから、銀行の思惑によってある企業には金が出たり、ある企業には出ない場合もあり得るわけなんです。ですから、ある業種にしわが寄ったりということになりますから、そこで少なくともそういう見通しがなければならぬ問題だと思います。これは見通しなんですから、政府の見通しというのはあまり当てになりませんけれども、それでも計画的な長期的なあるいはあまり誤りのない数字というものが提示されてこなければならぬと思いますが、そういうようなことについては何も検討されずに、まあ過熱で来たと、このままでいったらたいへんなことになるから、当面まずやろうというようなどろなわ式に出てきたものなのか、そうじゃなくて、来年もこうする、再来年もこうするんだと、だからことしはこうなんだということなのか、その辺のところを明確にしてもらいたい。
○国務大臣(福田赳夫君) わが国の経済の長期展望といいますか、それは、経済社会発展計画を改定いたしまして、これを一つの目標としてやっているんです。これは、成長の高さを六年間平均いたしまして一〇・六と、こういうふうにしております。その初年度に当たります昭和四十五年度は、一〇・六にはなかなか落とせない、まあ一一・一というところを目標にしてやろうというので、一一・一を目標としての諸政策をいま遂行中であります。金融引き締め政策もまたその線に沿っておるわけでございまして、来年は一体どういうふうになるかというと、やはり一〇・六ということが一つの目標になるんです。なるのでありますが、その辺は、ことしの経済の推移を見て、さあ一〇・六まで落とせるか落とせないか、あるいはもう少し落とすほうがいいのか、一〇・六という六カ年間の目標はあくまで平均の話ですから、その辺をにらみ合わせながらその時点における経済情勢をつぶさに判断いたしまして、さあ四十六年度の経済目標はどこに置くかということをきめていく、こういうことになろうと思います。一〇・六は六カ年間を通じた平均的な目標値である、こういうふうな御理解でよかろうと思うのであります。
○瓜生清君 ちょっと関連して。大臣に一つだけお伺いしますが、実は、二年くらい前だったと思いますが、水田さんが大蔵大臣のときに、いわゆる総合予算主義ということを言われたわけであります。私は、そういうことで一体補正というものを組まずにやっていけるのかと言いましたら、いける自信があると、こう言明されたわけです。ところが、大臣が福田さんにかわると、その方針というものがくるっと変化してきた。今後、いわゆる予算編成の行き方について、現在のような行き方をされるのか、あるいはまた、総合予算主義的なにおいというものが復活してくるのか、そこの点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 水田大蔵大臣は総合予算ということを非常に強調されましたが、私は、それに対しまして多少誤解があるようだと。つまり、一切補正は組まぬというような意味で総合予算というふうに申されておったようだが、そうじゃないんだと。国家財政は生きものだ、機動的に運営する必要がある。そこで、非常異常の事態が起こった場合には補正予算は必要になる、これは当然のことなんだということをつけ加えたわけです。それが総合予算主義を変更したんだというふうな受け取られ方をしておる向きもありますが、そうじゃない。総合予算主義というのは、その年度における一切の財政需要を見込んで、そうして補正要因というものはなるべく少なくするというたてまえで編成をする、これが総合予算のたてまえでございますが、このたてまえは本年度予算におきましても私は堅持しておるつもりでありまするし、また、将来ともそのたてまえは堅持してまいりたい。ただ、非常異常の事態が生じた場合に財政は手をこまねいていていいかというと、そうじゃない、その際は補正を組まなきゃならぬこともある、こういうふうに考えておるのであります。
○成瀬幡治君 先ほど一一・一%のことをおっしゃって、実勢はどうも一三%ぐらいいくんだと、こういうお話がありましたが、この見通し、一一・一%のものが一三%にどうもいきそうだと、これを一一・一%まで押えなければ金融引き締めははずさぬぞと、あるいはそれに近づかなければゆるめないぞという決意でいま金融引き締めをやっておみえになると了解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 一一・一%という数字はたいへんな計数的な検討の集積でございますから、これはなかなか時間がかかります。一一・一%ということを財政運営の目標にしておりますが、大体そこら辺にいきそうだという趨勢、これが問題だと思うんです。その趨勢が出てくるか出てこないか、その辺を私は問題にしておる。その趨勢が出てくるということになりますれば、私は、おのずから財政金融諸政策のかじのとり方も変わってこなけりゃならぬ、かように考えております。
○成瀬幡治君 その趨勢の判断は何でおやりになりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは、日本銀行券の発行というようなこともありましょう。あるいは、産業設備投資の動向ということもありましょう。あるいは、設備投資の先行き指標と言われる機械の注文、そういうこともありましょう。あるいは、景気は建築土木に非常によくあらわれる、この状況がどういうふうになっておるだろうかということもあるわけでございます。あるいは、物価も一つの大きな指標になると思うんです。物価に対してどういう影響を及ぼしているか。あらゆる経済指標を勘案いたしまして、経済は鎮静化、つまり一一%前後の方向に定着しつつある、こういうことが推測できるというような段階になりますれば、金融財政の運営にもおのずからまた違った判断をしなければならぬじゃないか、かように考えております。
○成瀬幡治君 銀行局長に伺いますが、いま大臣が指摘されましたうちの、全部とは言いませんが、柱になっておるたとえば日銀券の伸びぐあい、あるいは鉱工業の生産の指数なり、あるいはまたその他資金需要がどんなふうになっているのか、ごく概略でよろしゅうございますから、柱になるようなものを二、三の点を御報告願えませんでしょうか。
○説明員(近藤道生君) 日銀券につきましては、昨日で一九・八、おとといが一九・九と、かなり強くなっております。大体日銀券は二〇%前後のところが非常に強いということになっておりますので、一九・八とか九とかという数字はたいへんに強いというふうに考えてよろしかろうと思います。 それから卸売り物価でございますが、これが七月の上旬、中旬、下旬とそれぞれ持ち合いでございます。したがいまして、七月中は持ち合いということでございます。 それから生産指数でございますが、これが速報値で最近のものがプラス三・三というたいへんな数字になっております。これは昭和四十一年の十月に景気上昇が始まりまして以来の月の平均がプラス一・四ぐらいでございますから、このプラス三・三という速報値はやはり非常に強い指数であるということでございます。ただ、機械受注のほうはちょっと落ちておりまして、季調済みの前月比で二三・二のマイナスであったわけでございます。 大体そういう状況でございまして、かなり強い指数と、それから非常に弱い指数と、これが混在いたしておるわけでございますが、いまのところではかなり強い指数が多いということと、それから一月ごとにまた非常に下降的な動きも示しておるというようなことでございますが、総じてまだかなり強い指数が多いということが申し上げられるであろうかと思います。
○成瀬幡治君 まあ出荷などいろいろなものを見ましても、やっぱし強いということだけは言えるだろうと思います。そこで、たとえば日銀券なら日銀券の増発はどの辺のところがよかろう、あるいは、生産指数ならどの辺のところが金融引き締めが大体定着したと判断される数字なのか、あるいは、それが月によって凹凸があるとするならどのくらいの期間を区切ったらいいのか、非常にデリケートな判断だと思うんですよね。金融引き締めがどうなるのか、いつはずれてくるだろうということは、業者にとってはたいへんな問題だろうと思うんです。ただ数字の上でこうだああだといってなぶられておったのでは、生きものの経済のほうはたまったものじゃないと思うんですが、しかし、判断の資料としては、大蔵省としてはこのくらいのところだろうというものがなければならぬと思うんですが、それはどんなふうに踏んでおるのですか。
○説明員(近藤道生君) まず、日本銀行券のほうにつきましては、先ほども申し上げましたように、この数年間の趨勢を見ましても、一八%以上二〇%前後というところになりますと、まあ赤信号と申しますか、かなり強いという感じがいたすわけでございます。 それから生産指数につきましては、先ほど申し上げましたように、今回の景気上昇期になりましてからの月率の平均がプラス一・四くらいでございますので、それらと勘案いたしまして、これが幾らまでが危機ラインで、幾ら以下が安全ラインだというようなことは、なかなか御指摘のように判断がしにくいわけでございます。一・四というような数字が一応の目安として考えられ、そしてそれに対しまして趨勢として次第に落ちついていくかどうか、その辺のところが一応の判断の目安になろうかと考えております。
○成瀬幡治君 非常に政治的と申しますか、判断が非常にむずかしいことだと思っておりますが、こうしたことは、日銀との間に——新聞で見ますと、一カ月半ぶりぐらいに今度の連絡会ですか懇談会を開かれているようですが、これはもう少し定期的に開かれるものじゃないのでしょうか。あるいは、どちらかが希望を出して開くものか、どんなことでやっておみえになるんですか。
○説明員(近藤道生君) 日本銀行との連絡は、絶えず関係者間では行なっておるわけでございます。ただ、大蔵の全局長と、日本銀行側の関係理事、局長を網羅いたしましての集まりは、一月ないし一月半に一度、まあ夏は毎年やらないことも多いわけでございますが、ことしはこういう情勢でもございますので特に開いたということでございまして、お互いの話し合いで一月一度ぐらいでやろうではないかということでやっております。ただ、必要な連絡は、その会合よりも、平生の連絡で絶えずやるようにいたしております。
○成瀬幡治君 いま、この引き締めのために、引き締めの中でもどこに一番しわが寄っておるか、これは業種別にどこが一番しわが寄っているか、それに対して対策というものはあるのかないのか。これは、どうあろうとも、資金詰まりで在庫なら在庫で、それがまた引き締められればこれはもう不渡り以外にないわけです。ですから、引き締められたところで一番しわが出ておるのはどこら辺であるのか。 それからもう一つ伺いたいのは、この引き締めの中であってもなお資金の需要が旺盛だと、こう言われておりますけれども、一番旺盛な業種というものはどういう業種と判断されておるか、その辺のところを……。
○説明員(近藤道生君) 日本銀行ともその点は常に相談をいたしておるわけでございますが、ただいま、今回の引き締めでいわば一番しわが多く寄っておるという部面は、中小企業に比べまして大企業に多いのではなかろうか。大企業のうちでも、たとえば電力とか鉄鋼であるとか、そういったようなところが比較的しわが寄っておるというような感じがいたしておるわけでございます。中小企業に関しましては、たとえば貸し出しの構成比で見ましても、政府関係機関と合わせますとやや貸し出し比率が上昇いたしておりますし、特にどういう業種にしわが寄ったという感じのものは現在までのところつかめておらないと申しますか、特に目立ったものはないように考えております。 ただ、たとえば一番新しい企業倒産の東京商工興信所の件数八百三十六件につきまして、どういう業種、どういう構成比になっておるかということを調べてみますと、たとえば金属関係が二四・八%、繊維関係が一〇%、化学、食品関係が三三%、それから運輸、サービス、建設関係が三二・二%というような構成比になっておりまして、そしてそれぞれの構成比の最近のトレンドが急に構成比がふえてきたものがあるかと申しますと、これは特に取り立ててふえてきたというほどのものもございません。まあしいて申し上げれば、金属関係の二四・八という比率は、最近数カ月が大体二〇前後でございましたから、七月の数字はちょっとふくらんでおる。そのほかは、ここ数カ月のトレンドに比べまして、たとえば化学、食品などはむしろ落ちております。運輸、サービス、建設がほぼ横ばい、繊維もほぼ横ばいというような感じでございまして、中小企業関係で特に業種別にどこにしわが寄ったというような感じはいままでのところはまだあまりございません。
○成瀬幡治君 そうすると、金融引き締めで、特別にこの政策のために中小企業の中で倒産を受けたものはないんだと、これまでに金融引き締めがあろうとなかろうとあたりまえに出てきた数字なんだと、こういうふうに政府は判断しておられるのですか。
○説明員(近藤道生君) この点は、実は三月以後かなり水準がふくらんでおりますので、私どもといたしましても非常に懸念をして見ておるところでございます。従来の六百件ないし七百件前後でございましたものが八百件前後ということになっておりまして、三月以後も大体その水準で来ております。これを前回、前々回のピークに比べますと、まだそう高い水準ではございません。御承知のように、前回、前々回は千百件というようなこともございましたので、それに比べますと比較的低い水準ではございますが、ただ、三月以後ふくらみ始めてきつつあるという形でございますので、これは絶えず注目をしていかなければならないと考えておるわけでございます。
○成瀬幡治君 金融引き締めでアメリカの景気は無関係だと言えばそれまでだと思いますけれども、アメリカの景気動向についてどういう判断をしておみえになりますか。これは、大臣でもいいし、どなたでもけっこうでございます。
○国務大臣(福田赳夫君) アメリカの責任者の皆さんとも会ってアメリカの景気動向ということにつきましては話を伺っております。そういう話を総合しますと、どうも、大きく申し上げますと、不況下の物価高、そういう状態で、いわゆるコストインフレという様相、まあそういうことばでいろいろあらわせるようなアメリカ経済だと、こういうふうに見られ、また、言われておるようであります。アメリカでは、昨年正月ニクソン新政権が成立した。そこで、ベトナム戦争の解決、それから物価問題の処理、これが二大政策だという政策の目標の打ち出し方をいたしております。その物価問題の処理ということにつきまして、昨年一年間、非常に窮屈な峻厳な金融抑制政策をとったわけであります。わが日本は、金融調整、調整と言いますけれども、全金融機関を通じますと、今日この時点において昨年よりも貸し出しが十七、八%ふえた、そういうような状態であります。それでも窮屈だということは、日本において経済活動が依然として活発だということを示すものだと思います。アメリカでは、ほとんど貸し出しはふやさないという峻厳な金融抑制政策をとったわけであります。それが直ちに効果があらわれてきて、昨年の第四・四半期からGNPがダウンした。わが日本では十二%を一〇%に押えようという努力をしておるわけでございますが、アメリカじゃマイナスのGNPと、こういう現象があらわれ、しかも、それに伴いまして失業率がかさんでくるわけであります。昨年の第四・四半期から失業率がだんだんと上がってまいりまして、ことしの五月には実に五%——アメリカじゃ、御承知のように、四・五%の失業率になると、これは危機ラインを突破したというふうに言われまして、四・五%の失業率というものはたいへん政治的に問題にされるのでありますが、それが軽く突破されまして五%に及ぶという状態になったわけであります。 ことしの第一・四半期もマイナスのGNP、そういうような状態でありましたが、私はアメリカ政府が失業率の上昇ということに非常に気を配ったというふうに見ておるのであります。これは、こうなったのじゃいかぬ、社会不安というものにもつながろう、こういうようなことで、ことしの第二・四半期から金融緩和を打ち出しております。金融緩和とはいいながら、わが日本の貸し出し増加十七、八%前年度対比増加というのに比べて通貨供給量四、五%の増加、そういうような程度でございますが、ともかく貸し出し凍結に対しまして金融緩和の方向を打ち出しておる。それに伴いまして、経済の諸指標も、最近になりまして下降から上向きへと転ずる傾向が見られておるようであります。アメリカにおいては、一般的に下半期におきましてはやや上昇に転ずるであろうというふうに言われておるのでありまするが、先ほど申し上げましたように、景気は上昇過程に入るにいたしましても、物価問題は、いわゆるコスト要因というものをかかえるアメリカ経済でございますので、この解決はなかなかむずかしいのではないか。景気が上昇すればするほどこの問題の処理はむずかしくなるのではあるまいか、そういうふうに見ておるわけであります。まあこれから多少の景気面においては明るみが出るけれども、アメリカ経済の処理、これはなかなか今後といえども困難が続くのではないかというのが私の見方でございます。
○成瀬幡治君 日本の対外援助の問題とかいろいろな問題ともからんでくる問題だと思うんですよ、アメリカの景気の動向というものは。こういう問題は、また別の機会にしたいと思っております。 先ほど、来年度予算編成で、物価と公害と言われましたが、いろいろの問題がありますが、公害の問題だけ一つ伺っておきたいと思いますが、これだけ公害の問題がやかましくなってまいりました。そこで、公害に力を注ぐということは、資金面でも政府は面倒をみましょうということであり、あるいはまた、税制面でも面倒をみていこうと、こういうことになり、あるいはまた、それは企業の努力だと思いますが、政府全体としても公害に対してはお金をある程度出していくぞと、こういうふうに了解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 公害問題は当面する非常な重大問題であるという認識のもとに財政・金融を運営してまいりたいと、こういうことを申し上げたわけでありますが、とにかくすぐ起こる問題は、公害発生源が明らかなものにつきましては、その発生源を担当する——あるいはそれは企業である場合もあります、国である場合もあります、地方公共団体である場合もありましょう、その発生源者が責任を持つ。その企業が責任を持つという際におきましては、当然、金融上、あるいは税制上、あるいは何かこれが対策の打ち出しいいように助成をしてやる必要があるというふうに考えておるわけでございます。それから発生源者がはっきりしないという場合がある。不特定多数の発生源があって、それが総合されると大きな公害になるというような事態があります。そういう場合、その企業だけでは何ともならぬというような事態におきまして、国または地方公共団体が公共事業としてこの問題を処理しなきゃならぬ場合がある、こういうふうに見ておるのであります。そういう際におきましては、もちろんケース・バイ・ケースによりまするが、国が責任を持たなければならぬ部面がありますれば、これは当然国が財政支出を行なうということになりましょう。また、地方公共団体が責任を持つ部分につきましては、地方団体と中央との財政調整、これも考えなければならぬ。それから企業がそういう場合においては責任が一体幾ばくのものがあるか、こういう問題につきましては、公害基本法におきまして企業の責任範囲を別に法律をもって定めるということになっておりまして、その企業負担の原則を定める法律を次の通常国会に提案をいたしますということで鋭意いま立法化を急いでおるわけでございまするが、その立法化に伴いまして、企業においていろいろな施策が必要である、負担が必要であるという際におきましては、そういうものに対する金融でありますとかあるいは税制上の措置とかそういうようなものが有効であるということでありますれば、それもまた考えなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。 そういうことで、具体的なこまかい施策は目下積極的に検討を進めておりまするけれども、考え方の基本といたしまして、必要がありますれば財政も金融も前向きでこの問題に取り組むということだけは私どもの方針として固めておる、そのように御了承願います。
○成瀬幡治君 具体的なことについては目下進行中だということですが、その点もわからぬわけじゃございませんですが、税制調査会等も持たれておるわけですが、公害税というようなことばが出てきておりますね。これは発生源が明確になっておるところだと思いますが、公害税というようなことについてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) それは、ただいま申し上げました発生源者が企業である場合、その企業の公害対策についての費用負担は、税にまつまでもなく、その企業の責任においてその企業の財政措置が講ぜられるということでありまするから、その場合には問題はないというふうに考えます。それから国や地方公共団体が公共事業でこの対策を講ずるという際に、企業がある種の財源を分担するという際におきましても、これはいわゆる負担金であり分担金であり、その金が政府やあるいは地方公共団体に拠出されるということになりますれば、これもやはり問題なく財源問題は片づく、こういうふうに見ておるのであります。でありまするので、どうも、公害税ということがちょいちょい言われまするけれども、どういう意味合いをもって公害税ということが言われるのか、私はちょっといま理解に苦しんでおるわけでございまするが、何か名案でもありましたならば、御教授願いまして重大な問題でありますのでぜひ参考にさせていただきたい、こういうふうに考えておるのであります。ただいまは、私どもの見解といたしましては、税まで行かぬでも、負担金あるいは企業の自己責任という立場において企業の財源負担問題は完全に解決される、そのように感じております。
○成瀬幡治君 わかりました。大臣のその御答弁が大体政府の姿勢だろうと思う。ですから、公害の発生源がわかれば、それに対する責任はあくまで企業が負うんだ、しかし、不特定多数でどうにもわからぬというものは、国と地方の責任において解決する、これでいいわけですね。
○国務大臣(福田赳夫君) 国と地方の責任において解決する、そこまではいいのですが、ただし、その財源は、国が一部を負う場合もあるし、地方公共団体が一部を負う場合もありますが、同時に、企業に負担金を求める、こういう場合もあるということを御承知願います。
○成瀬幡治君 企業の負担金の場合ですが、それは元来なら企業の責任においてやればいいわけでしょう。ところが、それが疑わしい、あるいは総合的に——いまたとえば比率をきめておりますが、それが合算されて公害になるということがあるわけですね。そういうようなときに負担金というものが出てくるだろうと思っておりますが、そういうふうに解釈しておいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 発生源が不特定多数であるが、その不特定多数の中に企業も入っておるに違いないというふうに想定される際に、企業の責任というものが起こってくると思う。そういう際において企業がその財源の分担に当たらなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。これらを具体化しようとすると、ケース・バイ・ケースで非常にむずかしい問題がいろいろあります。それらをよく詰めまして、次の通常国会に分担の基本原則を御審議願いたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○成瀬幡治君 これは山中総務長官に注文しておかなければならぬ問題かもしれませんが、大臣、地方公共団体に公害対策の責任を転嫁していこうというような、いいことだと言えばいいことかもしれませんが、責任は持たされたけれども、予算の裏づけのない責任持たされた地方自治体というのはたまったものじゃない。地方自治体のことだから地方自治体のほうでおやりになって国は責任がございませんといっていろいろなことが地方自治体に押しつけられちゃって予算の裏づけがないというのはたいへんなことだと思うから、これは山中総務長官の手元かもしれませんが、地方自治体と国の財布を預かっておるのは大蔵大臣ですから、その点は、十分抜かりのないように、公害が真になくなって、みんながほんとうに生活環境がよくなるようなふうにひとつ資金配分というような点についてもお考えをいただきたい。これはお願いでございます。 次に、税制調査会のほうですが、公害税なんというものは毛頭考えておらない点は明らかになりましたけれども、最近、所得税と住民税、あるいは物品税の問題、間接税と直接税との関係、いろいろ問題が出ておりますが、所得税はあんまりやることをやめちゃって、住民税のほうをやったらどうかという動きがあるのかもしれませんが、これに対して自治省がどう出るかというような問題だったのですが、その辺のところがどうなっておるのか。 それから自動車新税ですね。物品税のワクは、物品の範囲が広げられたり、率を高められるだろうとは思っております。これは品目があることでございますからお尋ねすることをやめますが、自動車新税については、財源不足の折りから、十分考えておいでになると思いますが、これはぼつぼつ結論が出ていいと思うんですが、一体どんなふうでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 今後の税制につきましては、長期的な観点に立って七〇年代の税制はどうあるべきかという基本問題、それと、短期的なさしあたっての昭和四十六年度税制をどういうふうにすべきか、こういう二つの問題につきましていま税制調査会に御審議をお願いしております。これは税制調査会のほうはまだ六月にスタートしたばかりであります。その問題の審議につきましてのスタートをしたばかりであります。そこで、夏休みというのでいま実質的な審議に入っておりませんが、九月に入りましてから本格的な活動が始まる、こういうふうに見ておる次第でございます。そこで、いまお尋ねの住民税と所得税との関係につきましては、今度の税制調査会のスタートにあたりまして私から感想といたしましてその問題に触れております。つまり、私の触れたのは、中央・地方の税制の重複とか、徴税上の重複とか、税制上の均衡とか、そういう問題について検討を要する幾多の問題があるんじゃないかということでございましたが、私の頭の中には、やはり徴収面においての重複問題もありますし、機構面においても問題があるというふうには考えまするが、同時に、いまお触れになりました住民税の免税点、これがいま五人家族におきまして国税との間に三十万円ばかりの格差がある。これの問題をどういうふうに取り組むかということが頭にあったわけでございます。その問題は、確かにこれからの税制上の一つの大きな問題点になる、こういうふうに見ております。 それから自動車新税という問題につきましては、これは世上非常にいろいろ論議を呼んでおりまするけれども、私どもはまだ固まった考え方をいたしておらない。しかし、所得税の減税を行ないたい。また、これから、公共事業、総合交通対策というようなことを中心にいたしまして国の費用がかさんでくるという傾向を持つわけであります。また、社会保障のほうの手当てもしなければならぬ。また、公害という問題も起こってきておる。そういうことを考えまするときに、その財源をどういうふうに調達するか。それは、所得税につきましてはこれを減税しようということを考えておるわけでございまするから、これを所得税に求めるということはできない。そこで、どうしても間接税ということに問題はなってくるわけなんです。間接税のその中におきまして一つの検討事項として自動車新税というものもある。これらは、皆さんの御論議、また税制調査会の審議の結果、そういういろいろな方面の意見を聞きまして政府としての意見をだんだんと固めていきたい、こういうふうに考えておりますが、その時期はいずれにいたしましても十一月とかそういう時点に相なろうかと、かように考えております。
○成瀬幡治君 あと四、五分になりましたが、自由化のことで一言お尋ねいたします。過般、相当大幅な自由化の業種等が発表になったのですが、まあ批判はいろいろとあると思いますけれども、大筋としてはいいのじゃないか。銀行はいろいろな問題があると思うのですが、国内法の整備と関連して金融制度調査会のこの自由化に関連しての進行状態はどこら辺のところにあるのか。そうして、そうした問題の改正基準は当然次期国会に提案されようとすると思いますが、進行状態の骨子をここで教えていただきたいと思います。
○説明員(近藤道生君) 金融制度調査会におきましては、国際化に関連いたします事項は、だいぶ前に審議がすでに終了いたしておりまして、つい先日七月二日に答申が出ました前後に特にその関係の議論はなかったわけでございます。そこで、だいぶ前の国際金融制度についての答申、その骨子を申し上げますと、まず、これは主として本邦の為替銀行が海外に進出する場合についてだけ触れておりまして、その場合にはかなり高度な専門的知識を要するという前提をまず述べまして、その点は二点に分かれまして、一つは日本の場合におきましては自国建て通貨の取引が諸外国の場合に比べて著しく低いということ、それが第一点、それから第二点といたしましては、為替市場の開かれております時間が、ロンドン、パリ、チューリッヒ市場と、ニューヨーク市場その他のアメリカ市場との間では二時間のダブリがございまして、リスクのカバーがとりやすいわけでございますが、日本の場合にはそれが全く孤立をいたしておりますのでリスクのカバーがとりにくいというような、その二点をあげまして、そのような理由から言って為替専門銀行、外国為替銀行である東京銀行の機能はますます充実しなければいけないということが一つ、それから、そのほかの銀行につきましても、外国為替についての実力経験のある銀行につきましてはできるだけ積極的に活躍をしろということ、この二点が金融制度調査会の答申には述べられておるわけでございます。したがいまして、今度もし銀行が自由化されるということになりますれば、それに備えての問題等につきましては、現在金融制度調査会はもう一応終了をいたしております。これはまた別個の観点から研究いたす課題になろうかと思います。
○成瀬幡治君 自由化全体は、今年度は一応この間の発表になったので完了をしたと見ていいわけですか、業種に対してまだ追加がございましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) まだ発表はしていないんです。目下検討中でありまして、十七日に外資審議会の総会が開かれましてそこに小委員会案が提案をされる。そこで議決があれば、外資審議会の意見としては決定になるわけでございます。その決定を受けまして、政府のほうではこれを閣議において決定をする。どういう決定をしますか、おそらく尊重して決定ということになると思いますが、そこで初めて決定ということになるわけですけれども、これは第三次自由化でありますので、いずれ第四次と、そのタイミングは再来年の春ごろというふうに一応のスケジュールはできておりますけれども、それを繰り上げて実施するかどうかという問題もあろうというふうに思いまするが、いずれにいたしましても、第四次というのがまだ残っておると、こういうふうに御理解願います。
○成瀬幡治君 新聞発表になっておることから、決定だと思いましたが、おっしゃるように手続的な問題はあるかと思います。やっぱし目玉が残ってきたようなかっこうになりまして、第四次に目玉が集中されてくるわけです。自動車は春に繰り上りげるとか、ちょっと半年ほど繰り上げて十月に繰り上げるとか、いろいろなことがあるようでありますが、一体、自動車の自由化というようなのは、いろいろな国内の業界では非常に関心があるわけです。ということは、やってもらいたくないというのと、おれのところだけやっておいてあいつのところだけ残しておいて過保護じゃないか、うま過ぎると。とにかくみんな関心持っておるのですが、自動車の自由化についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 自動車が自由化問題の一つの大きな問題点になっておることは、御承知のとおりであります。一応自動車の自由化につきましては来年の十月というスケジュールがあるわけでありますが、今度の第三次自由化につきまして来年の十月というのを繰り上げて第三次にこれを行なったらどうかというような意見もかなり審議会の中にはあったようでありまするが、しかし、結論的には、どうも第三次に入れるのはむずかしいんじゃないかというふうに審議会の答申がなりそうだという情報を承っておるわけであります。しかし、そういう繰り上げ論なんかが、第三次計画に繰り上げるべしというような意見が審議会の中にあった、そのあった意見をどういうふうに答申に表現するかというようなことがいま審議会内における相談要目になっておるやに承っておるわけであります。つまり、第三次には入れないが、来年十月というスケジュールを多少繰り上げたらどうだというような意見でもつけるのかつけないのか、その辺がまだ審議会内における相談の最中である、こんなふうに承っておる次第でございます。
○成瀬幡治君 まあ政府の機関としての審議会がありますので、そこで十分審議されて、それを受けてから政府がやるのだと言えば、大臣の責任じゃなくて、まことに軽いような話です。けっこうなことだ、責任がないから楽なことだと思います。 まあそれはそれとして、非常にみんなが関心を持っていることだけは私が言わなくても大臣のほうでもよく御存じのとおりです。政治はよろしく公平の原則でなくちゃならぬと思います。しかし、日本の産業も大事だと思います。どちらにするかというのは非常に政治的な問題だろうと思います。これはまあ業界でいえば利害がついておりますから、なかなか容易なことじゃないと思いますが、しかし、政治は公平の原則が優先的なものであるというふうに考えておるということだけ申し上げまして、私の質問を終わります。
○上林繁次郎君 大臣にまず公害問題でお尋ねをしてみたいと思います。 先ほど公害税の問題がちょっと出ておりましたけれども、私が言うまでもなく、公害問題は、全国的な問題となって、人間の生命に大きな影響を及ぼすというようなことで、これが非常な大きな問題になってきておるわけですけれども、そこで一日も早くいわゆる対策を立てていかなければならないことは、これはだれしもが考えていることです。そこで、いまも話がありましたように、公害税ということについては考えておらない、どういうことかまたわからない、こういうお話でありましたけれども、それでは、今後まだまだ発展していくだろうとそのように考えられる公害問題、これに対する財源措置、この財源確保ということについては大臣はどのようにお考えになっておるか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 今後の日本の財政はどうであろうかということを考えますと、公害ばかりじゃございません。道路の問題、下水道、上水道の問題、住宅の問題、あるいは社会保障諸施設の問題、そういうことでこれは増加をするというふうに考えておるわけです。いま、日本の国の租税負担率は、先進諸国がおおむね三〇%であるというのに比べて、一八・八、九%になっておる次第でございますので、租税負担率から見ますると低いわけでございまするが、そういう将来の財政需要ということを考えますと、租税負担率が一、二%この数年間にふえていく、また、経済が進展をする、そういうことでその負担率の増高にわが日本国民はたえ得ると、こういうふうに思っておるわけでございますが、さて、その財政需要、もろもろの要因の中で公害問題をどういうふうに考えるかということでございますが、その財源というものはとにかく日本経済の発展とともにやはり巨額なものになっていくだろうと思う。その巨額なものになった財源、その中でその財源をどういう方向に振り分けるという優先度の問題であると思います、問題は。そういう考え方です。したがって、公害税というふうに銘打って特別の税を設けるというような考え方は、それはしておりません。一般の財源が充実されるその中で優先的に公害に金を使っていくと、こういう考え方をとればそれで十分である、かように考えておるわけです。
○上林繁次郎君 その点はわかりました。それでは当然公害問題に対する財源は優先されていかなければならぬと思いますけれども、四十六年度の公害に対する対策費、こういった問題については大臣はどの程度見込んでおられるか。これははっきりしたものは出ないかもしれませんが、現在の国の公害に対する対策はこれで十分というわけにはいきません。あちらでもこちらでも足りないので問題が解決できない、こういった場面も見られるわけであります。そうなると、ここで、国としては、この重要な問題に取り組む姿勢、それはまず財源が要る、そういう立場から来年度の公害に対する対策費というものをどの程度見込んでいこうとしているのか、その点についてひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まだ、来年の予算につきましては、その総ワクも考えておらぬという状態です。来年の予算の大体の締め切りは十一月の末から十二月という時期になるわけでありますが、各省からの要求も八月一ぱいに提出をされる、こういうことでありまして、私どもとしては、各省の要求を見まして、そして必要があると、こういうふうに認定いたしましたものにつきましてこれを予算化するという考え方をとるわけでありますが、その際におきまして、公害は物価と並んで最大の眼目になる——予算の金額的な問題じゃございません。金額的に言えば道路だとかそういうものにずいぶん金もかかるわけでありますが、そうじゃなくて、考え方として物価と公害、これは予算の二つのかなめである、こういうふうに考えて予算の編成に取り組んでいきたいと、こういうふうな段階でございます。
○上林繁次郎君 大臣のお話を伺っておりますと、金額の問題ではないとかいうようなことで、何かはっきりしないのですけれどもね、私からすればですよ。そこで、やはり財源確保の方向といいますか、どういうものをもって財源の確保をしていくかという具体的な問題も考えていかなければならないわけです。私は、これは私の考えでありますけれども、たとえば現在昭和四十五年度の石油関税、これは大体二百六十億ぐらいを見込んでおるようですが、こういう石油関税、今後の石油関税なんというものは全面的に優先して公害問題に使っていく、こういうような考え方を持っていくべきではないか、こういうふうに思うのですが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 原重油関税につきましては、その大部分が石炭対策に使われておる、これは御承知のとおりでございます。石炭対策に使われておるというその理由はなぜかと言うと、原重油と石炭というものは同じエネルギー源であるというところで非常に緊密な関係があるわけなんです。つまり、石炭に対しまして原重油が置きかわると、そういうような深い関連があるものですから、原重油関税は特別財源であるという方式をとっておるわけなんですが、しかし、いまお話がありましたその残りを公害に向けたらどうだというお話でございますが、公害はそういうふうな一般的な関係が原重油との間に存在しないという点もありまするが、より以上に問題でありますのは、これだけ重要な問題でありますれば、これは一般財源の中で優先的にその財源を使用する、こういう考え方をとるべきである。わずかな特定財源であるとかそういうことでこれがしのげるものであるかどうか、これははなはだ疑問である、私はこういうふうに考えております。必要がありますれば一般財源を優先的にこれに充当するという考え方でいくべきものである、かように考えております。
○上林繁次郎君 私も一つの例をとらえて関税の問題を申し上げたわけで、これだけをもって公害対策費とせよということを言っているのではない。とてもこんなもので石炭の余りをもらっても公害対策費に充当できるかどうか、そんなことはだれが考えてもとうてい足りるものではない。いま私が申し上げていることは、こういう石油関税のように、亜硫酸ガスにしても、こういうものから起きている公害に最も関連が深いものは全部公害に回そう、そういう立場からこういうような姿勢を大臣が持っておられるかどうかということをお尋ねしたわけでございます。その点をもう一度お答えいただけますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国の財源の中でその一部を特定の目的に充当するという拘束した考え方をとりますと、これは行政が非常にやりにくくなるのじゃないか、そういうふうに考えております。石炭対策として原重油関税を充当するということは、両者の間における緊密な関係、これを考えての特例中の特例であるというふうに考えておるわけでございますが、さあその公害対策費は一体幾らになるのか、こういうこともなかなか見当がつきかねる問題であります。これはやはり国の大施策としまして一般財源を充当する、そして優先的にこれには配慮を行なうということで少しも支障はない、こういうふうに考えておるわけであります。
○上林繁次郎君 それでは、現在各県——まあ各県まではいきませんけれども、公害防止対策として、ある県では、公害センターの設置ということで、亜硫酸ガスも震動もすべての公害を含めたまのを取り扱っていく公害センターというものを設置したい、こういう考え方が持ち上がってきているわけです。当然、今後の問題を考えた場合に、これは全国的に公害センターというようなものをつくっていくべきである。私が申すまでもなく、公害についてはわが国においてはすべていままで後手に回ってきた、こういうふうに言われているように、公害を未然に防いでいくという立場からいうならば、全国的に公害センターの設置というものは非常に大きな問題で、また、必要なものである、こう考えられるわけです。ところが、このセンターをつくるにしても、これは何といっても財源の問題になる。そこで、これらに対する財源措置、それを大きく国が見ていくという、そういう姿勢を持つべきではないか、こう思います。そこで、これらに対する考え方、公害センターの設置は当然そうあるべきだという立場から、国としてはこれに対する財源措置をどのように考えていくか、こういった点についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まだ、私のほうでは、各都道府県で公害センターを設置したいという話があるということを聞いておりません。まあ話を伺いまして、はたしてこれが必要なものであるかどうか、また、国が助成をすべきものであるかどうかというようなことをよく判断したいと思っております。全然まだ今日その話は聞いておりません。
○上林繁次郎君 全然話を聞いていないと。私はほんとうはそんなことはないと思うのです。当然だれが考えてもいまこういった問題は問題になってきているわけです、公害センターの設置ということについてはですね。当然そうあるべきだと考えますし、また、だれしもがそう考える。この問題が出てきたときには前向きで国は取り組んでいく。もちろん、これをつくるということは、問題は財源の問題ですから、国がどこまでこの公害センターに対する援助をしていくかというその姿勢が私は問題であろうと思うのです。こういった問題が、それでは、大臣としては、出てきた場合にそれは十分検討していこう、また、必要なものであるならば全面的にその援助も惜しまない、こういう姿勢であるというふうに理解してよろしいですね。
○国務大臣(福田赳夫君) 公害センターというのは、名前をいまここで初めて聞くわけでございまして、その内容が一体どういうものであるかどうかというようなことは、まして承知しない問題であります。したがいまして、関係各省からそういう要請がありましたならば、そういう問題が必要であるのかどうか、あるいはそれに対して国がどういう助成をすべきものであるかどうか、そういうふうなことをよく検討し、判断をしていきたい、かように考えます。
○上林繁次郎君 大蔵省は、九月に再開される税制調査会に、四十六年度の所得税の課税最低限の引き上げについてこれをはかる、こういうようなことでありますけれども、その減税幅については大体一千億程度というような小幅な減税にとどめておるというような意向であるようなんですけれども、この点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税の減税につきましては、これをやってみたいというふうにいま考えております。これも前提があるのです。財源事情がどうなるかというようなこともありますが、気持ちといたしましては、所得税減税をやりたい、こういうふうに考えておるのです。おりますが、その幅を一体どう見るか、その中身をどうするか、これらにつきましては、来年の財源事情が一体どうなるかというようなこととの見合いもとらなければなりません。また、国会の御論議、あるいは税制調査会の中身についての御意見というものもよく考えてみなければならぬ、そういうふうに思いまして、内容、規模等につきましては、いままだ全然白紙である、こういう状態でございます。
○上林繁次郎君 白紙であるということではもう話になりませんけれども、これがかりにたとえば一千億程度の減税ということになりますと、来年は、前々から大臣のおっしゃっているように、税体系の中心を間接税に持っていこう、こういうようなことをいままでたびたびと漏らされております。そういったことになりますと、一千億程度の減税幅ですと、かえってそれが増税につながっていくというような結果があらわれるのじゃないか、こういった点を私は心配するわけです。こういった心配があるので、いま、来年度の課税最低限の額がどの程度におさまっていくのか、そういう心配からお尋ねしたわけですが、来年度においてそういう心配をする必要はないのだというようなはっきりしたものがございますでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 税率が引き下げられる、あるいは課税最低限が引き上げられるということになりますれば、これは減税でありまして、それが総額において幾ら小さかろうとも、減税は減税であると思います。ただ、上林さんのおっしゃるのは、同じ人がよけい税を納めるかどうか、そういうことになるような減税じゃないかというような御懸念かと思いますが、それらは、ことし四十五年度におきましても大幅な減税が行なわれたわけです。この大幅な減税の中におきましても、所得がこの年は多かったというその人につきましては、納める税は減税にもかかわらず多くなっておる、こういうことになるわけであります。それはいたし方がない。それから私が申し上げておりますのは、とにかく減税をいたしたい、で、減税措置がなかりせばもっと税はよけいに納めなければならなかったであろうということになる、そういうことを考えまするときに、いかなる減税でも減税であると、こういうふうに考えておるのであります。
○上林繁次郎君 私の申し上げておることは、そういうことではないのです。大臣がいままでたびたび税体系の中心を間接税に移行していこうという、そういう考え方を持っておるその間接税は、これは言うならばいわゆる大衆課税になっていくおそれがある。そこで、現在、物価もどんどん上昇しておる、その物価上昇の一因にもなるのじゃないか。そうなってくると、一千億程度の減税である場合に、間接税は上がってくる、所得税の減税も少ない、そういった面から、結論的にはいわゆる重税、増税になってくるのではないか、こういう心配をしておるわけです。そういうことにならないように御配慮を願いたいし、また、その辺のところについて大臣はどのような考え方を持っておられるかというようなことを私は聞いておるわけであります。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど申し上げましたが、これからの国の財政需要を考えまするときに、どうも国民の税負担を多少ふやす必要があるのじゃあるまいか、そういうふうに考えております。その考え方が四十六年度の税制にどういうふうにはね返っていくか、これは私は一、二%の負担率の増加は四、五年の間には必要じゃあるまいかというふうに考えておるそのやさきの四十六年度のことでありますので、そう四十六年度の段階で負担率が大きくはね上がるというようなことはなかろうとは思いまするが、多少どうも全体とすると負担率が上がるのじゃないか、そんな感じがするのです。あまりこれがふえることは好ましくございません。ございませんけれども、国の財政需要、そういうようなことを考えまするときに、多少のつま先上がりというか、その程度の負担率の増加というものがあるのじゃあるまいか、これはもう全く私の勘でございまするが、そんなふうにただいま考えております。
○渡辺武君 七月の二日の日に、金融制度調査会から、「一般民間金融機関のあり方等について」という答申が出ました。きょうこの委員会にその答申の内容が資料として配付されましたけれども、この内容を見てみますと、戦後の民間金融機関のあり方についての諸制度ですね、これについて大幅な転換を意味するような内容が含まれておると思います。で、この答申の一番のポイントは一体どういうところにあるのか、これを伺いたいと思います。同時に、あわせて大蔵省としてこの答申に対してどういうようなお考えか、また、今後民間金融機関のあり方についてどのような方針を持っておられるか、その点をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) この答申の骨子は、日本経済の国際化、それから経済事情の変転というものに対しまして金融機関がいかに対処すべきか、一口で言いますと効率化、近代化、こういうことに尽きると思うんです。そういうことについての答申だと、こういうふうに御理解願って差しつかえないと思います。ただ、その中で具体的な問題に触れておるんです。幾つかありますが、そのおもな問題は、預金保険の問題、またもう一つは貸付信託の運用の弾力化というような問題、あるいは為替銀行につきまして主力為替銀行の強化をはかるべしというような問題等々でございますが、あとは非常に抽象的な姿勢について御答申があったと、かように御理解願いたいと思います。
○渡辺武君 今後の方針については。
○国務大臣(福田赳夫君) この答申につきましては、一挙にこれを実現することの困難な幾多の問題がございますものですから、そういうことでありますので、逐次この答申の線に沿って金融行政を進めていきたい、かように考えておるわけでありますが、さしあたり具体的に答申が行なわれておりまする預金保険の問題、貸付信託の問題、それらの問題を目下どういうふうに立法化するかというようなことについて鋭意検討中でございます。
○渡辺武君 いま日本の金融が当面している幾つかの具体的な問題に即して伺いたいと思うんですが、一つは、公債の市中消化を含めてのいわゆる公社債市場の育成という問題があろうかと思うんです。しかし、この答申は、いわゆる間接金融、民間金融機関の貸し出しの問題を中心にして答申をしておりますし、私はきょう持ち時間も非常に少のうございますので、この問題は除外して一つ伺いたいと思いますのは、最近の傾向として、都市銀行のシェアですね、これが非常に低下する傾向を持っている。預金高それから貸し出し高の絶対額はふえておりますけれども、しかし、総預金量あるいは総貸し出し高、この中における都市銀行の比重は一貫して低下してきているというのが実情だと思うんですね。ところが、これらの都市銀行が融資している融資先のほうはどうかといいますと御承知のように、これは急速に経営規模が巨大化している。特に合併によってその勢いが非常に増しているし、さらには、海洋開発、あるいは原子力産業、その他いわゆる新しい産業分野で経営規模の巨大な産業を相次いでつくらなければならない時代だと思うんですね。これは私は非常に重大な矛盾だと思うんです。この日本の大企業の直面している矛盾ですね、これについて金融制度調査会の答申はどのように答えようとしているのか、あるいはまた、大蔵当局としてこの問題についてどのような方針を持っているのか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(近藤道生君) 金融制度調査会答申の内容の問題に触れますので、私から申し上げますと、まず、金融制度調査会答申といたしましては、この問題に対しまして、たとえば金融機関の合併というようなことが増大する民間の資金需要に対応するゆえんでもあるという一句が入っております。したがって、そこに金融機関側の合併という文字が出てくるわけでございますが、ただ、同町に、その合併ということばについてほかの個所でいろいろ定義をつけておりまして、合併ということは規模の利益つまりスケール・メリットを実現するという意味では望ましいものであるけれども、ただ、それによって寡占化が行なわれる、そうして有効競争が阻害されるとか、系列金融が強化されるというようなことがあっては困るので、そういう場合には消極的に考えていこうというようなことをほかの個所で断わっております。それが金融制度調査会のほうのただいま御指摘の点についての回答でございます。 それから大蔵省としてどう考えるかというほうの問題でございますが、これは銀行が協調融資等によりまして資金供給を増大するという努力も必要かと思われますし、他面、また、企業自体が増資とか内部留保の増大というようなことによって自己資本の充実につとめ、社債の発行等を通じまして資金調達の多様化をはかるというようなことも望ましいというふうに考えております。
○渡辺武君 いまお答えのあった協調融資だとかあるいはまた自己資本の増大だとかいうようなことは、いままでもいろいろやられてきたことだと思います。私はこの答申を読んでみましてその点で端的に考えられますのは、先ほど大臣はあまりお触れになりませんでしたけれども、競争原理の導入ということが非常に強調されている点ですね。そうして、あわせて金融の効率化というような点も非常に強調されている。競争原理の導入との関連で、金利政策ですね、これも弾力化しなければたらないというようなことも言っておられるわけですけれども、まさしく、競争原理の導入、金利の弾力化、あるいは金融の効率化、近代化というような形で表現されておるものがいま私の提起した問題に答える金融制度調査会の答申の内容じゃあるまいかというふうに思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○説明員(近藤道生君) 確かに、御指摘のように、そういう面があろうかと思います。ただ、同時に、金融制度調査会の答申では、公共性ということを非常に片方で言っております。それらのただいまおっしゃいましたようなことを推進する観点といたしまして公共性の原則というものを非常に強く強調いたしております。
○渡辺武君 確かに公共性の原則ということが非常に強調されていることは、文字の上で私どもも見ることはできる。しかし、現実のいわゆる民間金融機関のあり方というものは、三井銀行という形で存在し、三菱銀行という形で存在しているわけですね。つまり、旧財閥系の巨大銀行、これが都市銀行の中心勢力をなしているというふうに見なければならぬと思うんです。さて、その場合に、競争原理の導入とか、あるいは金利の弾力化をはかって全体として金融を効率化させる、さらにはまた都市銀行の合併ということもいまのことばにあったように言われているということになりますと、その帰趨は一体どうなるのか。私は、資本主義の条件のもとでは、結局のところ、大きなところが小さいところを抑え込んで、そうして私どものことばでいう金融寡頭制の支配ですね、少数の金融資本の支配、これがますます強くなってくるということになりやしないかと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○説明員(近藤道生君) その点につきましては、先ほども申し上げましたように、たとえば合併というようなことにつきましては非常に慎重な条件をつけておるわけでございます。すなわち、寡占化というようなことに伴っていろいろな弊害が出てくる。先ほど申し上げましたような有効競争の阻害であるとか、あるいは系列金融の強化とか、そういったようなことが起こらないようにということをそのつど述べておりますし、特にことしの六月から答申の中に公共性に関してかなりの部分がさかれております。そうして、公共性という見地を非常に強調いたしております。金融の体質強化、効率化というようなことによって強化された体質をもって社会公共のために尽くすということが強調されておるわけでございます。
○渡辺武君 確かに、系列金融その他について若干の表現がありますが、この内容を見てみますと、たとえば系列融資や過度の集中融資の問題ですね、この点については十分に配意が行なわるべきであるというきわめて抽象的な表現なんですね。具体的にどういうような対策をとるのか、おそらくこれは私はこういう抽象的な表現しかできなかったろうと思うんですね。なぜかと言えば、それはできない。客観的に巨大金融機関が自分の系列企業に融資をしておる、これが現実だと思うんですね。今後それが強まっていくと思うんです。ところが、他方、相互銀行、あるいはまた信用金庫、その他いわゆる中小企業関係の金融機関、この点につきましては、昭和四十三年に制定されたいわゆる金融二法、あるいは統一経理原則の導入ですか、これらについての効果ということでは非常に強調しているわけですね。私は、これを見ますと、次のようなとこを考えざるを得ない。競争原理の導入ということになれば、都市銀行と地方銀行の間、あるいはまた都市銀行と相互銀行、その他のいわゆる中小企業関係金融機関との間の競争、これも激化せざるを得ないし、同時にまた、都市銀行相互間の競争も激しくならざるを得ない。行き着くところはどこかと言えば、都市銀行の中における大銀行の制覇であると同時に、また、都市銀行による地方銀行に対する系列支配、あるいは中小企業関係金融機関に対する系列支配の強化ということにならざるを得ない。金融二法が制定されて以来、中小企業関係の金融機関の整理統合というのはずっと進みました。そうして、零細企業がほしいと思っている融資は受けられなくなってしまって、資金が都市銀行にずっと吸収されるという傾向が強まってきております。この答申のような方向で行きますと、その傾向が一そう強まると思いますが、その点はどうお考えでしょうか。
○説明員(近藤道生君) 先ほど来申し上げておりますように、答申の中自体におきましても、ただいま御懸念のようなことがありませんように、いろいろな点において公共性を強調いたしておるわけでございますが、実際の行政上の諸施策につきましても、ただいま御心配のような、たとえば零細金融、庶民金融、そういうようなことについていささかも懸念がないというような方向で、しかも金融の体質が強化されるということが一番理想的な姿であろうかというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺武君 最後に一問だけお聞きしたいと思います。先ほど成瀬委員からも御指摘がありましたけれども、第三次自由化計画がいま進められている中で、金融機関の自由化という問題が一つ目玉商品として問題になっていると思います。今後具体的にはどうなるかはこれからの先の問題としても、アメリカの巨大銀行を中心とする外国の銀行が日本に続々上陸してくるということは、これはもう避けられない傾向だと思うのですね。他面で、日本の銀行がアジアその他の諸国に進出するということもこれまた避けられない傾向だと思われますね。ところが、この答申を見てみますと、外国銀行が日本に上陸するということについてどういうような対策をとるのかという点について書かれておりませんし、また、日本の銀行が海外に進出することについても、先ほどもお話がありましたが、為替銀行の問題については書かれているけれども、最近出ておりますように幾つかの銀行が一緒になって国際投資銀行のようなものをあちらこちらに設置するというようなことについて、つまり、為替業務じゃなくして、外国で預金業務あるいは貸付業務をやるという問題について、何ら触れられていない。これらの点についてはどんなふうにお考えなのか、それを伺いたいと思います。
○説明員(近藤道生君) 今回の自由化は、資本移動に関する外資法上の制限緩和でございますが、実際に合弁銀行を設立することにつきましては、銀行法等国内法によりまして制限を加えるということは国際的にも当然認められたことでございます。そこで、現在の日本の銀行がややオーバー・バンキングであるという状況は、国際的にも認められておるところでございますし、国内の銀行の新設につきましてもきわめて抑制的な方針が従来からとられてきております。そのような観点から、そうどんどん銀行法上の免許が行なわれるということになるかどうか、その辺を考えまして、答申には特にその点は強くは触れてなかったというふうに考えるわけでございます。 それから後段にお触れになりました海外における活動というようなことにつきましては、今後逐次研究をしてまいるということに相なると思います。
○委員長(栗原祐幸君) 本件に対する本日の質疑は、一応この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(栗原祐幸君) この際、おはかりいたします。 先般、本委員会は、租税及び金融等に関する実情調査のため、東海・近畿地方、北海道地方及び九州地方へ委員派遣を行ないましたが、派遣されました委員の方々から、それぞれ報告書が委員長の手元に提出されておりますので、これは本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会