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63回国会参議院1970/04/07

商工委員会 第11号

発言数
147
登壇者
10
会派数
2
開催日
1970/04/07

会議録

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  ガス事業法の一部の改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 質問が飛び飛びになって恐縮ですが、この前一応質問申し上げました「みなす」一般ガス事業につきまして、本体の導管を接続させる法的な手段あるいは期限内に接続しなかった場合の処置は、一体どう考えておられるか、この問題からお聞きしていきます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府委員から申し上げます。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 「みなす」一般ガス事業と申しますのは、この前も御答弁申し上げましたように、いわゆる過渡的な制度と申しますか、本来都市ガス事業は、その供給区域の中で都市ガス方式による導管供給というのが本来の姿でございますけれども、かなり飛び離れたところに新しい団地等ができまして、一度にそこまでまいらないというときに、とりあえずそこで発生いたしました需要にこたえますために、いわゆる簡易ガス事業形式による供給を行なっておきまして、ただし、これは未来永劫にそれでよろしいというものではなくて、必ず近き将来にそこに本体を接続して、本来の都市ガス供給方式の形式に切りかえる、こういう趣旨で認める筋合いのものでございます。したがいまして、それを認めました場合に、供給計画上近き将来にという場合に、その時期までに本体供給の接続がございません場合には、改正されましたガス事業法によりまして、それを実施いたしますようにいろいろ勧告をいたしましたりする制度がございますので、所定の時期までに本体導管供給を行なわせるように、法律を利用いたしまして強力な行政指導をしてまいりたい、かように考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 強力な行政指導をやってもできなかった場合はどういう処置をするかというのを私は聞いておったわけなんです。  大臣にお尋ねいたしますが、こういう場合、三年以内、こういうような期限を切っておられるということは、簡易ガス事業者にとっては非常にこれは大きな痛手であろうと思う。直ちに本管接続せいとみんなに言うのはこれは無理かもしれない。しかし三年間といえば相当な日数で、三年間一般ガス事業者が簡易ガスを使って「みなす」業者としてやっていくのは、これはいかがなものか、こういう考え方なんです。だから一般中小企業の要望の中にも、せめて一年にしてくれないか、即座に接続ということは無理かもしれない、しかし、せめて一年にしてくれないか、こういう非常な強い要望があるわけなんです。それを三年にされた根拠、あるいは三年間も一般ガス事業が簡易ガスを使ってそうしてこれを「みなす」業者としなければならないという理由は一体どこにあるか、これは大臣の答弁でもいいでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 「みなす」ガス事業というのを、御承知のような理由により設けたわけでございますから、これはもう一種の暫定的なものであるというのが本来でございます。そこで、三年ということを行政上考えておりますけれども、客観的に考えまして、その三年を必要としないのに、努力を怠っておる形跡でもございますれば、三年まで待つことは確かにございません。そういう場合には、もっと行政上それを早めていく、そうでなければ、もう「みなす」ガス事業としての存在は許さないということは、やっていきたいと考えております。結局、阿具根委員おっしゃいましたように、どの程度、が期待可能かということになるわけでございますから、その土地の事情によってもあるいは異なるかもしれませんので、三年を上限として、できれば行政の上でもっとそれを縮めていくように努力いたしたいと思っております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 かりに一応目安を三年ときめた。私どもは、三年間というのは、相当な長い時期だと思う。先般のだれかの質問でも言われておったように、たとえばとんでもない先のほうに許可して、前のほうは許可されておらない、一般ガスと一般ガスのまん中に簡易ガスが幾つもできておる、こういうような状態もできてくると思うんです。だから三年間というのは長過ぎはしないかと言うんです。いまも大臣の答弁では、三年間たっても本管接続ができなかった場合は、これは切り離す、これは一般ガスと認めない、「みなす」ガスとしない、こういうことなんですね。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 本体導管が計画上接続することで過渡的に認めるわけでございますから、所定の時期までにそれができません場合、それに対してしかるべき理由がないのに接続ができないというような場合には、つまりその供給区域に対してその都市ガス事業者は本来の供給責任を果たすことができないというような実態であろうかと思いますので、むしろその「みなす」一般を取り消しますと申しますよりは、その分につきまして、いわゆるその都市ガスの供給区域を削減をするというふうなことが最後の手段としてできるかと存じております。その前に、先ほど申しましたように接続できません場合には、供給計画に出ておりますので、その実施を勧告をするということをもちろん強力にやるわけでございますが、それでも理由がないのにできないというときには、供給区域を削減するという手段があるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 このガス法案の考え方は、一般ガス事業というのは都市ガスであって、これは当然本管からつないでやるのが都市ガスの事業であるし、これを一般ガスと、こう認めておるのが基本精神でございますから、簡易ガス事業が、これが一般ガス事業にみなされるというそのものが私は少しおかしいと思うんです。だからこういう質問になるんですが、そういう可能性のない、あるいは三年間まるまるかかるんだとか、あるいは三年かかってもこれはどうなるかわからぬ、あるいは二年以上はかかるだろう、こういうようなやつは、一般ガスとして、「みなす」ガスとして認めないようにしてもらいたい。なるべく早い将来、一年以内でも、これなら必ずこれは本管がつながれる、こういうような見通しのあるやつはいざ知らず、あるいはこれは三年もたつならば本管が引けるだろう、こういうようなかっこうで引かれることを、力のない業者は非常におそれておるわけなんです。私はこれは非常に中小企業の方々がおそれられておるのが正しいんじゃなかろうかと、こう思うわけなんです。で、私は当初、先般申し上げましたように、こういうガス等の生命に危険を及ぼすようなものは、なるべくこれは政府なりあるいは自治体なりが責任を持ってやるべきものであると、こういう本論から立ってはおりますけれども、それが万やむを得ない場合には、その本管を通じるのが何年後になるかわからないのを、おそらく業者から申告されたならば、申請されたならば、その申請に沿って私は行なわれていくものだと思うんです。そこでまあ無理なことかもしれませんし、資料を私通告してなかったからないかもしれませんが、まあ私らが心配しておる東京都の都ガスの範囲内で、この東京都の周辺にはたくさんの住宅ができつつございます。そういうやつが、「みなす」一般ガスというのはどのくらいあるのか、そういうのがわかっておったらひとつ知らしてもらいたい。どこの団地がいつごろでき上がるんだが、これに該当するやつはどれとどれだと、資料があったら教えてもらいます。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ただいまの東京都下だけに限って見まして、いわゆる今度の改正法の「みなす」一般ガス事業、つまり都市ガス事業者が行なっておる簡易ガスに相当する部分が、東京都内にどのくらいあるかという数字は、いま手元に持っておりませんが、全国的に見まして、いわゆる全国の各都市ガス事業者の供給区域の中にございます七十戸以上の簡易ガス事業になる地点でございますが、これがこの前からお答え申し上げましたように全国で六百七十五あるわけでございます。この中で供給区域内にございますものが四百八十九ございますけれども、二の中で、いわゆるガス会社、都市ガス事業者自身がそういういわゆる今回の改正法で「みなす」一般に当たる事業をやっておるものが四百八十九の中で六十六地点ございます。それから都市ガスのいわゆる系列会社と申しますか、子会社がやっておるものが百三十八ございまして、残りの二百八十五がいわゆるその他のLP業者のやっておる事業というような区分けになっておるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これも先般どなたか質問しましたから、これは重複を避けて深く質問いたしませんが、そうした場合、このガス料金の問題ですね、簡易ガスと一般ガスとガスのもとが違うわけなんです。そうしてこういう法律でもつくって一般ガスをどんどん伸ばしていく、「みなす」ガスとして一般ガスの範囲を広げていけば、それだけ需要がふえてくるから、だから一般ガスは料金がうんと安くなりますと、こういうことなんですか。それとも七十戸から一千戸程度のところではこれは簡易ガスは高いと、税金の問題も含めて答弁してくださいよ。そうすると、一体こうしてくれば都市ガスは安くなるのかどうか。何ぼ広げていっても安くならないのかどうか。簡易ガスを使ったら高いのかどうか。税金はどちらにも均等にかかっておるのかどうか。その問題、ひとつお示し願います。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 順次お答え申し上げますが、都市ガスの供給区域内で都市ガス事業者は、いわゆる料金その他につきまして供給規程を認可されるわけでございますが、その場合に、ある供給区域内で、いわゆる一般の導管による供給を行なっております場合の供給規程、これはそのときの公正な原価に立脚いたしましてできました供給規程を認可いたします。それから供給区域内でございましても、その都市ガス事業者が、いわゆるある地点について「みなす」一般ガス事業をやっております場合の料金、その供給規程につきましては、その地点におけるいわゆる原価を計算をいたしまして認可を求める、こういう筋合いになりますので、いわゆる一つのガス事業者のエリアの中に一般導管供給と簡易ガスの供給と二つございましたときには、供給地点としては、その地点と全体のそれ以外の一般区域と、別立てになろうかと思っております。その場合にどちらが高いかという問題でございますが、これは簡易ガスの料金につきましては、これは都市ガスの事業者がやる場合でありましょうと、一般のガス事業者がやる場合でありましょうと、これは地点の数七十戸以上ということでございますから、おのずから七十戸以上どのくらいかということで原価が違ってまいりますので、一がいにそれ以外ガスの一般の料金とどちらが高いか低いかということは、必ずしも一義的にはきまらないと思っております。ただ、この前もお答え申し上げましたように、大体全国的な趨勢を申し上げますと、全国のいわゆる簡易ガス事業の平均の現状の料金は、大体一立米当たり百二十円から百八十円というような範囲のところに分布をいたしておりまして、それからおもな都市ガス事業者の現在の料金は、大体百二十円から百八十円の中むしろ低いほうのところに大体位置をしておりますので、一般的にはそういう関係に相なっております。  それからガス税の問題でございますが、これは簡易ガス事業につきましては、御承知のようにLPGが原料でございますので、ガス税はかかっておりません。それから都市ガスにつきましては、これはガス税がかかっておるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、「みなす」ガスの場合は、一般ガスのほうにも税金はかからぬわけですな、LPGと同じように。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) いわゆる独立の簡易ガス事業につきましては、ただいま申し上げましたように、原料がLPGでございますので、これはガス税がかかっておらないわけでございます。それから一般の都市ガス事業者が「みなす」一般の簡易ガス事業を行ないます場合にも、われわれといたしましては均衡の問題からいたしまして、同じLPGを原料とする簡易ガス事業でございますので、いわゆるガス税は取らない、こういう方向で、これはその都市ガス事業者が行ないます事業でありますことは間違いございませんので、自治省との間に、この法律が通りましたら、若干なお話を詰めたいと考えておりますが、簡易ガス事業としては実態は同じでございますので、都市ガス事業者が行なう場合でもガス税は取らないという方向で自治省と話し合いを進めたい、かように考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、先ほど質問しました三年の時限があるわけですが、三年間まるまる「みなす」ガスとして、この簡易ガスを使った場合には、これは税金がかからない、そうして一般ガスの関係上おそらくこれと均衡する料金を取られると思うのです。そうすると、何も急いで本管をつなぐ必要はないのです。本管をつなげば税金を取られる。つながなかったならば税金は取られない。そうなるならば、私が業者であったとするならば、おそらく急いでつながないでしょう。そういう弊害が起こってきませんか。だから同じ簡易ガスであっても、一般都市ガスとみなしたならば都市ガスと同様のことを考えるというのはならばいいけれども、大企業の都市ガスがやるのに、簡易ガスで、もとがLPGだから同じだとされるならば、三年まるまる本管をつながないほうがいい、こういう結論になりはしませんか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) この問題は、いま先生のおっしゃいましたような考え方もあり得るかと思います。つまり、原料が普通の簡易ガス事業者と同じLPGでございますので、都市ガス事業者が、「みなす」一般として行なう場合でございましても、いわゆるガス税は取らない。そのほうが、本来ガス税というのがあまり感心した税ではないという見地に立ちますと、むしろ都市ガスがやっておるのだから都市ガス並みにガス税を取るのだという議論ではなくて、LPG並みにその間はガス税は取らないのだという方向の議論のほうが……。われわれとしてはその議論も自治省とそういう立場に立って話し合いをいたしたい、かように考えておるわけでございます。それから、ただそういうことで、かりにガス税を取られないで「みなす」一般二年なり三年なりやっておりまして、その後に今度は本来の都市ガス供給のグループに入りました場合には、これは本来の都市ガスの料金エリア全体についてきまりました料金規程がそこにかぶさってくるわけでございますから、そのときに、価格的に、その料金が税金の分だけどうなるかこうなるかという問題は出てくるかとも思いますけれども、そのときには、ただいま申しましたように、一般的には、都市ガスの平均料金と申しますのは、簡易ガスの平均料金よりは大体低目のところに位置をいたしておりますので、実際上は簡易ガスから都市ガスに切りかわります場合に、かりにガス税の問題がございましても、料金は上がらないということが一般ではなかろうかと存じております。ただ、具体的なケースにつきましては、本体に接続をいたしますときに、料金の点でそういう問題がケース・バイ・ケースによって出てくる場合があり得るわけでございますけれども、その場合におきましても、その地点における需用者の方々の御意見もひとつ十分伺いまして、全体としての消費者の利便につながるような方法で措置をしてまいりたいと、かようにお答え申し上げます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ガス税の問題は、大臣もおられますけれども、これは本会議でも総理大臣が答えておるわけなんです。このガス税というのは、これは悪税だと。だから、将来はガス税はとるのだと。こういうふうに答えてあるから、当然、ガス税取らぬのは、これはいいわけなんです。いいわけだけれども、ならば、その場合、このガスの料金というものは一般都市ガスと簡易ガスとは違いますかと、こうなってくるわけなんです。片方は税金がかからない。片方は税金がかかっておる。  それからもう一つ。逆のようになりますけれども、大臣、こういう供給が多くなればなるほど、私は、料金というのは下げるのがあたりまえだと思うのです。ところが、料金の下がったことがない、電気でもガスでも。多くなれば損するなら、だれでもやるのはおらぬ。多くなるともうかるから、どんどんふやすわけなんです。しかし、ふやしたからといって、ちっとも料金が下がったことはない。電気もガスも一緒です。だから電気ガス税というのは悪法だということでたたかれるわけなんです。だからその場合に、たとえばこの簡易ガスを一般ガスとみなされた場合にも税金がかかっておらないのだから、この料金については一般ガスよりも下ですよ、あるいは上ですよ、こういう基準を持っておられるかどうか。ただ業者から言われたとおり許可されるのかどうか。それを聞きたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ガスについて料金が下がったことがないということをおっしゃっておられますけれども、いまから四、五年前でございますか、カロリーを実際上上げたことがございます、御記憶のように。そのときには料金引き上げをいたしませんでしたから、実際上はあのときに一ぺん多少料金の低下があったわけでございます。  しかし、前段で、電気なりガスなり、これは大量供給になれば本来コストが下がるべきだと言われることについては、御承知のように、どうもこれは普通の工場の大量生産と異なりますから、導管であるとかあるいは送配電線であるとかということを考えてまいりますと、私は、集中生産のような形での規模の利益というものはなかなかむずかしいのではないだろうか、在来から実はそう考えておりまして、電気にしてもガスにしても、料金を上げないことをひとつ考えてもらいたいということに従来から重点を置いて考えてまいりました。それは、私はいまでも実はそういうふうに考えております。  それから後段のお尋ねでございますけれども、先ほど政府委員から申し上げましたように、本来、都市ガスのコストのほうが、料金のほうが、簡易ガスのコストよりも安い、料金よりも安いのでございますから、そこで、それは税金を払ってもなお安いのでございますから、今度「みなす」一般ガスというようなときの簡易ガスの料金の算定については、それは少なくとも税金を勘定するわけにいかない、税金分はないのでございますから。そういうことでございます。そういうことではございますが、それがいわゆる都市ガスの料金よりも安いということは、おそらく無理であって、何がしかは高いのではなかろうか、査定はしかし厳正にいたします。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これは、大臣と私の意見の相違なんですけれども、大臣は企画庁長官までやっておられて、そういうお考えだから、私は佐藤内閣の物価はいつまでたっても下がらないと思うのです。確かに一つの物を生産する場合にはまた違います、おのずからね。しかし、需要と供給の関係で、需要が伸びて利益が減るということはないと私は思うのです。需要が伸びれば、確かにそれはパイプその他の問題もある程度それはありましょうけれども、その間には、これは償却されたものもうんとできてきておるはずなんです。だから、あなたは一つの生産、テレビならテレビをつくるのと同じように解釈されている。私はそこまで解釈して言っているのじゃないのです。しかし、需要が多くなればなるほど利益があるからこそ、簡易ガスでも、多くしよう多くしようとするわけです。ガス業者は。それが普通なんです。そのかわり、一戸に対する利潤がだんだん薄くならねばならないと思うのです。一戸に対する利潤が少しも変わらなかったら——利潤が多くなるからこそみんながたくさん伸ばそうと思うのだ、そこに競合するのだと思います。そうでなかったら、東京瓦斯なんかはもう「みなす」ガスなんか要らないはずなんです。そうなりますと、簡易ガスの価格はおそらく七十戸よりも百戸、百戸よりも二百戸と安くなる、これが私はやっぱり商売の常識じゃなかろうかと、こう思います。極端から極端でものを言えば、一つの機械で百つくった、五百つくったというのはそれは問題外です。そういう概念で私はものを言っているわけじゃないのです。これは嗜好品じゃないのです。これは生活必需品であるし、危険度合いもあるから、私は、こういう公益性のものは、やはりそういう線で進まなければいかぬじゃなかろうか、こういうことを言ているわけなんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これはつまり二つの問題があるわけだと思うのでございます。たとえばこの一つのエリアに八十戸の簡易ガスの施設をするとかあるいは三百戸の簡易ガスの施設をするかと、そう同じ時点で同じ土地について考えましたら、それはもう明らかに、規模の利益が働きますから、阿具根委員の言われるように、三百戸のほうがコストが安い、これはそう考えるべきだと私は思うのでございます。ところが先ほど言っておられますことは、逐年ガスの料金というものは下がってくるべきものではないか、償却もあってと言われておりまして、まさにそこが問題でございますが、たとえば東京瓦斯がある地域に導管を引っぱって供給をした。かりに十五年前にもそういうことをした。そうすると、その部分は償却されてくるではないかと言われますけれども、そのとおりでありますけれども、当時のコスト、償却されたその同じコストで今日供給ができるかということになれば、それはもう申し上げるまでもなくできないわけでございます。これはまあ結局物価の上昇ということに一般的になるのでございましょうが、したがって、償却済みのもので新しい施設をそれだけでやっていけるかというと、いけないわけでございますから、したがって、それだけ余分に、余剰利益が出ているはずだということは、私は申せないのではないだろうか。ことに、もう一つ申しますと、だんだん新しく供給していく地域は限界的な地域になってくると思われますから、そういしたますと、かりに貨幣価値、物価が全然上昇せずに一緒であったとしても、限界のもののほうが少しコストが高くなるということは、これはあるだろうと思います。なお、いずれにしましても、事は公益事業でございますから、適正な利潤は必要でございますけれども、それ以上の利潤が生じておるというようなことがあれば、これはもうそれとして処置をいたさなければなりません。その点につきましては、ガス会社の経理というものはしょっちゅう私どもの役所では気をつけて見ておりますし、これからもそういたすつもりでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それから、一般ガス事業と簡易ガス事業の調整の問題で、地方調整協議会ができると、その基準と、もう一つは、一般ガス事業者の中でこういうものが起こってこないかというような心配もあるわけなんです。何か大臣が調整に当たると、何条だったですかね、これは後ほどまた質問いたしますが、この調整の基準等があったら教えてもらいたい。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 一般ガス事業者の供給区域の中のある地点群に簡易ガス事業の申請が出まして、これを認めるか認めないかという、一般ガス事業者と簡易ガス事業者との調整につきましては、今度の改正法の第三十七条の四、簡易ガス事業の許可の基準の第六号でございますかに書いてあるようなプリンシプルで調整をはかるわけでございます。それから一般ガス事業者同士の調整と事業の競合というようなことは、これは予測できないと思いますが、一般ガス事業者というのはそれぞれ独立に供給区域を持っておりまして、他の供給区域の中にはかってに供給はできないたてまえになっておりますから、一般ガス事業者同士の競合調整の問題というのは、ガス事業の性格上あり得ないわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 三十七条の四の許可基準ですね、これを設けた趣旨をいま聞いたつもりだったんですが、各局長同士が地方で調整をされる場合には、それぞれ状況も違うであろうけれども、しかし基準が、こういう抽象的じゃなくて——はっきりしておらなかったならば、各地方の局局で違った答えが出てきやしないかと、こういう心配をしたから聞いたのです。そういう心配はございませんか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 私先ほど条文の号数を間違えましたが、三十七条の四の第一項第三号というのが一般ガス事業の区域内に簡易ガス事業ができる場合のいわゆる調整の基準となるべき規定でございます。ただ、先生おっしゃいましたような、法律の基準でございますので、ごらんのように抽象的であることは免れません。したがいまして、実際にこの基準を当てはめて各通産局長が許可、不許可の処分を行ないますときの調整基準の運用のしかたということにつきましては、この法律ができましたあと、できるだけひとつ具体的なケースにつきましてこの具体的な運用方針というものを本省のほうでつくりまして、通産局のほうに統一した方法でこれを運用するように指導してまいりたい、かように考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 二十五条の四に、先ほどの問題が出ておるわけですね。二十五条の四に給供区域の調整等の勧告があるが、これは大臣が勧告する。調整はだれがするんですか。これもこういう地方協議会がやるのか、これは全然性格が違うようですが、これはどういうこと……。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 二十五条の四に出ております「供給区域の調整等の勧告」、この場合の調整は、ここにございますように、二つ以上の一般ガス事業者がございました場合に、別々に二つの供給区域を分けてやっておりますよりは、むしろその供給区域を合併をいたしまして、合併をいたすといますか、二つの事業者が一体となって一つの事業者として供給をやる、あるいは全部合体いたしませんでも、むしろ多少出入りを行ないまして、Aの事業者の供給区域をBの供給区域までに広げていくというような一部の調整もあろうかと思いますけれども、そういうふうにやったほうが公益事業としてふさわしい運営ができると、こういうふうな場合におきまして、そういうふうにしないかということを通産大臣が両方の事業者に勧告することができると、こういう趣旨の規定、勧告規定でございます。この場合の勧告は通産大臣がやるわけでございますが、むしろ各地方におきまして、地方の都市ガスにつきましては地方通商産業局にその運用をゆだねておりますので、こういう調整等の勧告を通商産業大臣名で行なうわけでございますけれども、そういう実態の認識あるいはそういうふうに勧告したほうがいいのではないかという事案の整理につきましては、通産局長が判断をいたしましてそれをやるという場合には、これは通産大臣が通産局長の意見具申等を参考にいたしましてやる、こういうことになろうかと思っております。この場合には調整協議会にはかからないわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 どうもよくわからぬのですが、先に進んでいきましょう。  通産省で所管する家庭用のエネルギーの需要は年々ふえていっているのは当然だが、電気と都市ガス、それに今回新たに規制の対象となった簡易ガス事業は、これは公益事業局、同じLPガスを小規模導管供給していても簡易ガスにならないところは化学工業局と、しかもLPガスの生産は鉱山石炭局というように、それぞれ所管の局が分かれておる。これでは家庭用エネルギーについて総合的行政がうまくいかぬのじゃないか、こう思うんですが、大臣いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) LPガスはいま言われましたように、生産流通についてはこれは石油精製から出てくるわけでございますから鉱山石炭局、それからこれはしかし高圧ガスでございますから、その高圧ガスの保安という意味で災害の防止関係は化学工業局がやる、それから電気と公益事業としてのガスと申しますか、規制をされておるガス、これは公益事業であるという点、それはつまり結局規制行政という意味になるわけでございますから、そういう意味で公益事業としての規制を一体として行なうほうがいい、こういう考えでございます。したがって、今後一本売りのものはこれは公益事業としての規制は行なわないわけでございますから、従来どおりにしておく、今回簡易ガスになりますものは公益事業として公益事業局で規制する、こういうことに考えております。保安と一緒に公益事業局でやるということでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 保安の問題はあとで質問に入りますけれども、何かしら役所で仕事される場合は、窓口が幾つもできるようにされておるような気がしてたまらない。これは一般の人から見れば非常に役所というところはわかりにくいところだ、まあ行政やるのにも私はこういうふうに分散されたほうがいいんだろうか。こういう場合にはなるべく一緒に固めたほうがいいんじゃなかろうか、私はこう思うんです。  それから、いま保安の問題もちょっと出ましたが、大体、大臣とも論争やったと思うんですが、私は、生産と保安というものは分離しなければならないという考え方を持っておるわけなんです。どちらかというと、通産省というものは生産を担当する業務が多い。そうすると保安というものは、これが労働に対する保安であったならば労働省が責任を持つべきである、あるいは一般のこういう公益事業等に関する場合は厚生省なら厚生省が持つべきである。今度は逆な意味なんです。それはなぜかというと、生産と保安というような場合は、やはり生産というやつが先行する場合がある、これはガスの場合には当てはまらぬかもしれませんけれども。だから私は、考え方としてはそいう公害に類するようなこと、一般家庭に類するようなこと、こういうことは通産省が所管しないほうがいいんじゃないか、たとえば鉱山とか、あるいは石炭とか、こういうものはこれは労働省が所管したほうがいいんじゃないか、こう思っておるわけなんです。ところが、たまたま今度通商産業省設置法の一部改正の法律案が出て、そうして公害保安局に今度まとめられる。まあ他省にゆだねることはいやだと、生産を担当している以上責任の通産省でやるんだというお考えかもしれません。それでも一歩前進したと私は思っておったのです。ところがその中からこのガスの問題はまた分離して別個に持ってくるような状態になっておるようですが、その辺をひとつ局長詳しく説明してくれませんか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ただいま大臣からも申し上げましたように、LPガスといわれる都市ガスあるいは簡易ガスとの行政の区分でございますが、整理をして申し上げますと、今度の改正法で、いわゆる公益事業規制をいたしますもの、これは本来やっておりました都市ガス事業と、それから七十戸以上のいわゆる簡易ガス事業でございます。このものにつきましては公益事業規制をいたしますが、公益事業規制と申しますのは、言うまでもなく、保安規制とそれからいろんな供給規程その他の認可というような、いわゆる料金規制を含む規制でございまして、これは公益事業規制の中に保安の問題、料金の問題、安定供給の問題が一体として入っておりますので、そういう公益事業の規制の対象になります事業につきましては、保安面を含めまして一本に、法律面も一本でこのガス事業法で処理をし、その監督も一本で公益事業局で処理をすると、こういう体制にいたしたいわけでございます。  それから公益事業規制を受けませんいわゆる一本売りのLPガス事業、あるいは七十戸以下の小規模導管供給事業につきましては、従来からもいわゆるその生産・流通面は鉱山石炭局でございますが、それの起こします保安面につきましては、高圧ガスその他との関係で、ただいまのところは化学工業局というふうに、生産と保安とが、先生仰せになりましたように分離をして、別々の局で所管をいたしておるわけでございます。今度、もし公害保安局ができますと、従前化学工業局でやっておりましたそのLPGの保安関係の行政は、今度の公害保安局に移るわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、LPGの保安関係は公害保安局に移るけれども、一般都市ガスについての問題は別だと、こういうわけですか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) そういうわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 その理由は。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 公益事業規制の対象になります一般の都市ガスあるいは今度の簡易ガス事業、これは公益事業規制を行なうわけでございますが、公益事業規制の内容は、言うまでもなく、そのガスが安定した状態で、しかも適正な料金で供給をされるということを公益事業規制によって担保をすると、こういう眼目でございます。で、その間、たとえば保安の問題につきましても、かりにガス事業所なりあるいは輸送途中におきまして事故等が起こりますと、これはまず何よりも安定供給そのものに支障を生ずるわけでございますから、保安の問題それ自身として取り上げてみましても、それは裏を返せば、結局、安定供給を確保するということと一体不可分の関係にございますので、安定供給をはかるという公益事業としての目的それは即それの保安を確保するということとまさに一体になっておりますので、公益事業規制の中に保安の問題も含めて所管をするという見方が、一番行政としてすなおなやり方ではなかろうかということで、従前の都市ガスあるいは電気事業につきましても全く同じ考え方で公益事業局で所管をしてまいったわけでございます。今度の簡易ガス事業につきましても、七十戸以上のものはただいまのと同じ考え方で公益事業規制を行ないますので、同じような考え方で保安の面を含めまして公益事業局でこのガス事業法によりまして監督をしてまいる、こういうことが実態に即しておるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 あまりこれは聞きたくない質問なんですけれども、それじゃ六十九戸と七十戸と、どうお考えになりますか。七十戸以上は安全供給しなければならぬからこれはこちらだと、六十九戸まではこれはこちらだと、どこで、 二月の差でそういう保安の責任が違ってくるわけですか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) これは法律でございますので、七十戸以上ということで簡易ガス事業ということにいたしますと、まあ六十九戸とか六十八戸とかいうものは、実態から見ますとほとんど変わりもないものでございましても、一つのけじめがございますから、公益事業規制つまり需要家のために公益事業規制、料金等の規制等をしなければならぬ。そうすると、七十戸以上に置きますと、それ以下のものはこの法の対象にはならないという問題はございます。ただ、その保安の面につきましてはただいまも申し上げましたように、いわゆる七十戸以上のものは公益事業規制ということで、この法律で公益事業局が保安面の規制をいたしますし、それから七十戸以下のものにつきましては、現在の化学工業局、もし公害保安局ができますとそちらの局で規制をいたすわけでございますが、この保安面の規制のレベルといいますか、内容は、法体系はこちらはガス事業法、それ以下のものにつきましてはそれぞれLPG法なり、あるいは高圧ガス取締法という法律の別はございますけれども、その規制のレベル、内容につきましては七十戸以下のものと七十戸以上のものと全く同じ内容の規制をいたすわけでございますから、保安面におきまして七十戸以上のもの、七十戸以下のものとに区別はつけておらないわけでございます。そういうふうに法律がなっております。ただ、それを所管をいたします局といたしまして、公益事業でございますものは公益事業局で、公益事業規制と一体として所管いたし、それ以下のものは公益事業規制をいたしておりませんから、純然たる保安だけの規制ということで化学工業局でやると、こういうことになっておるわけでございます。内容は全く同じでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 保安の問題ですから内容が違ったら困るのです、保安の問題ですから。そうして最近は都市化されて、まあ道路はまた掘りまた掘りするから、いろんなガスの事故も起こっておるけれども、大体ガスの事故というものはLPが一番多かったのです。一番あぶなくてしようがなかったのです。ずいぶん被害が出ていたのです。だから保安の問題で差があっちゃ困るのです。しかし、こういう法律だけに、何か規制されたような気がしてたまらない。たとえばLPガスなら簡易ガスでも全部同じなんです。一般都市ガスなら都市ガスのパイプを引いてあるなら別として、そのガスそのものの発生がLPガスであるならば同じなんです。だから、なぜ公害保安局なら公害保安局でこれをやらないか。まあ皆さんの考え方と私とは全然違うから、だから一般ガスまでそれでやれといってもそれは無理です、それは無理でしょう。  しかし、しろうとの考えから見ても、どうせ簡易ガスだといってもボンベを幾つか並べてそれからパイプを引くだけのことなんです。それならそれが三十であろうと五十であろうと、百であろうと五百であろうと、同じ性質のものなんです。それをなぜこういう法律で、それは公益事業だからこちらが保安を監督する、これはこちらが監督するというのが私はわからないのです。なぜボンベを扱うならボンベは全部この局で保安は責任を持ちますと、そうならないか、そのほうが私は正しいと思うのです。極端な話ばかりしておりますけれども、六十九本はそれじゃこっちの役所だと、なぜ七十本になったらこっちだと、そういうような保安の分け方というのは、私はないと思うのです。ただそれは所管の関係を皆さんがやりやすいように考えるだけであって、保安そのものをそういう考え方で分けることはできないと思うのです。せめて分けるなら、先ほどから言っているように、これは一般ガスとLPガスと分けるというならわかりますよ。しかし同じLPガスを、それを本数によって、片一方はどこだ、片一方はどこだと、これはぼくはどうもいただけない保安関係だと思うのですが、大臣これはどうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 保安の点につきましては、一本売りであろうと簡易ガスであろうと同じだということは、先ほど政府委員から申し上げました。そこで、私は、こういうことがあるんだというふうに思うのでございます。その生産と保安との関係でございますけれども、たとえば保安が非常におろそかになりやすいということがどういう動機から起こるかといいますと、なるべく増産をやってそうして利潤をあげてという動機から一番保安ということがおろそかになりやすい、それが生産と保安とが矛盾をするというふうにいわれている場合だと思うのでございます。ところが、電気とかガスとか申しますものは、御承知のとおり増産したらしただけ売れるというものではないわけでございます。いわば需要のほうがなければ増産をするということに意味がないわけでございますから、そこで通産省の行政は、よく生産者側の行政だという御批判があって、私は、それはなるべくそうでないように汚名を返上したいと思っておりますけれども、通産省の行政の中で、公益事業局の行政は、いま申しましたような意味から申しまして、本来生産者側にある行政ではなくて、公益という点から消費者の側のほうにやはり本来的に立っている行政だと思います。そこで、消費者にこれだけの需要が将来あろうから生産のほうもしっかりやれよという、こういう行政はいたしますけれども、本来あるのは需要のほうが私は先にあるのだと思っております。電気事業法、ガス事業法というようなものはそれでできております。それでございますから、たとえば石炭なんかの場合と違いまして、行政そのものが消費者側、あるいは消費者側の安全というものを含めまして消費者側に立っており、事業法もそういうふうに書かれておるのでありますから、こういう場合には生産行政と保安行政をむしろ分けないほうがいい。分けないほうが私は本来なのではなかろうか。本来公益事業行政というのは規制行政であるというふうに私は考えておるわけであります。  そこで、ただいまのお尋ねの場合でございます。いま阿具根委員の言われましたように、都市ガスとボンベとを分けてしまったら、それも一つじゃないかと言われますが、いままではそういう形態でありました。ところが簡易ガスがある程度大量供給をするということに七十戸以上、かりに七十戸でございますが、になれば、これは公益事業としての規制を受ける。規制をしてもそれにたえ得るだけの責任を持ってもらわなきゃならぬ。それぐらい多くの供給をするのであれば、またこちらも公益事業としての恩典も与える。そのけじめをどこに置くかという問題であって、私は、ボンベなら何十個でも何百個でもこれは一本売りのボンベと変わらない、公益事業としての規制はしませんという従来からの姿からいえば、私はこれは一歩進んできたと考えるわけでございます。ただ、その規制をどっかで区切らなければなりませんから七十というところで区切ったと、こういうことではないかと私は思っております。   〔委員長退席、理事川上為治君着席〕

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 大臣と私と考えが根本的に行き違いなんですけれども、それならば、七十戸以上の大量供給をするようになったならば、これは保安のほうもこれは公益事業だからもっときびしくしますよというならばわかるのですよ。そうじゃないのですよ。保安は同じだというのです。局長はいまも説明しているわけなんです、百になろうと千になろうと同じだと。あなたの話を聞いていると、公益事業にしたのだから、今度はこれのほうにウエートがかかったのだと言われるけれども、保安は同じだということが前提に立っているわけです。保安が、前提が同じだというなら、なぜ同じボンベをそんなに分けなきゃならぬかと、こういうことなんです。  それから前段に生産と保安の問題を言われましたから、特に例を申し上げますと、これも世間の注目の的になっておりますけれども、水俣病の場合、大臣は当時参議院議員でしたね、おそらく。そのときに水俣病はこれは公害であるか公害でないかという大論争をやったのです。ところが厚生省は公害だと言うのです。通産省は公害じゃないというのですよ、絶対。それが十年続いたわけです。そして園田厚生大臣がこれは公害だということでこれは論争しているわけです。通産省は絶対公害だと言わないのです。それは生産を考えているからです。だから私はあなたが言われる生産を担当している人が保安の責任を持たなきゃいかぬというのは当たらない。立場が違うのだ。一方は生産を考える。一方は生産を考えない。保安だけを考える。だから通産省と厚生省が——通産省は十年も反対したじゃありませんか。学者の意見が何ぼ出ても通産省は十年反対したのですよ。そして厚生省がついにこれは公害だと。いま世間でだれも公害じゃないと言う者はいないのです。言ってきたのは通産省だけなんです。だから保安というものは、そういう公害保安局というものをおつくりになったら、これは私は賛成します、いままでの保安と違うのでいいと。だから、そういうのが保安を担当するのが正しいんじゃないか。ましてこのボンベの場合、これは公益事業だからこれは公益事業局がやりますよという。これだけ保安を考えますよというのなら、それ以上の保安規則があるのならいいけれども、同じ保安規則だということを局長もちゃんと言っておるのだから、ならばそんなにわざわざ生産が担当しなくてもいいんじゃないかと、こういうことを言っておるわけなんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) まず水俣病のことから申し上げますが、そういうことはやはりございましたですね。そういう傾向というものは私はあった。それは私は他人のことだから申すという意味一ではありませんで、やはり公害というものの認識がいろいろな意味で変わってきた、この十何年の間に。これは私は喜ぶべきことだと思います。そしていまでは通産省ももうだれが加害者、だれが被害者というようなことは考えておりません。やはりだんだんこれも行政の中に浸透してきて、結局生産の責任と監督の責任を持つものは、それについての公害関係に一番はっきりした発言をしやすいのでありますから、そういう観点から行政をしなければならないということをみんなが考えるようになってまいりました。まだ十分でないとおっしゃるかもしれません。しかし、傾向は明らかにそういう傾向になってきたということを申し上げることができると思います。  それからその次のボンベの問題でございますけれども、たとえば爆発物であるとか、あるいは高圧ガスであるとか、いろいろなものがございますが、それをどこが所管すべきかということになりますと、安全という観点があることは確かでございます。しかし、生産という系統なり観点があることが確かでございますから、どっちに措置させるのがいいかということは、実際それはいろいろな議論がございます。いまのところは生産の局が持ったんだから保安は考えないとか、公害は考えないとかいう意味でなくて、行政の姿勢が変わってまいりましたから、まあいまのような所属をさせておいてもいいというふうに思うのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これ以上この問題に触れるのは何ですけれども、私は、ほんとうは一般都市ガスも全部一つの局が見るべきだ、こう思っておるんです。しかし、とてもそこまでは皆さんの考えでいきそうにないから、せめてボンベだけは一つのやつでやったほうがすっきりしやせぬか。たとえば保安問題についても考えておるぞということになりやしないか、こういうことを私は考えておったわけなんです。  それから最後に器具の問題でお尋ねいたしますが、いろいろ言われておるようですが、どういうお考えなのか。いろいろとガス会社にしろ電気会社にしろ、これはもうテレビではいろいろ器具を宣伝されておる。それを一体どういうようなことでどこが認定して許可するのか、どういう基準でやるのか、一応局長にお聞きしたいと思います。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ガス用品の取り締まりにつきましては、今回の改正法におきまして一定のガス用品につきましては、この基準以下のものを製造販売してはならないという原則をつくりまして、それを担保いたしますために、ガス用品の製造販売業者に対しましてその基準に適合しておるかどうかということを、国もしくは国の指定しました検査機関に検定をしてもらう、その検定を受けまして、その基準以上のものであるという認定がなされたものに限って製造販売を認めるという制度を設けたいという趣旨でございます。  それからもう一つ。ガス用品が非常に普及いたしましたために、それから、ガス用品を使われます家庭の状況がアパート等のいわゆる換気の比較的悪いようなところで使われる例が多くなりましたために、ただいまのガス用品の規制をいたすわけでございますが、同時に、今度はガス事業者に対しましても、これはガス用品の使い方等につきまして、いわゆる消費者に対する周知義務あるいは調査義務というようなものをガス事業者にも課する。ガス用品の製造販売業者にいま言ったような基準以上のものをつくる義務を課しますと同時に、ガス事業者に対してもユーザーであるお客さんのところへ行って使い方について周知調査義務を課する。この二本立ての構成をとりまして、ガス用品による事故を防ぎたいというのが今回の改正法の考え方でございます。   〔理事川上為治君退席、委員長着席〕

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これでやめますが、器具の場合に、やはり業者としては売らんかな、使ってもらわんかなという宣伝が非常に行なわれるわけなんです。そうしてほとんどの器具がこれはだれの宣伝でもなくて、これはガス会社の宣伝なんです。そうしてガス会社がいろいろな器具を売っておられる。事故を起こしたなら事故を起こしたで、ガス会社から補償をもらったことも聞かない。それはもちろん古くなったのもあるでしょうが、悪いこともあるけれども、いいこともあるのです。ガス管はビニール管は使いなさんな、ゴム管を使いなさいよということを私言われたことがあるんです。だから政府が許可される場合でも、そういう点は今度おそらくこれができたら規制されるとは思うんですけれども、私たちが考えても、これはビニール管だったらあぶないです。ビニール管は寒いとき踏んだらぱちっと割れるんです。これは私はあぶないと思うんだけれども、なかなかそれをやれない。きれいですし、安いし、だから、そういう親切な宣伝も私は聞きました。ところが、これはガスパイプに使っちゃできないということは何にも書いてない。そういう場合はどうなんですか。ゴム管、あるいはガス管にビニールを使ったのはいろいろあるでしょうし、ビニール管だけのガス管は許可するのかしないのか。ガス会社が宣伝しておったのを見たと思いますから、だから、そういうものもそれは会社自体が考えてやられることはけっこうだと思うんですけれども、今度ガス器具を厳重に検定される、検査される、しかも大臣の許可のなかったものは売っちゃならぬ、こういうことになっておりますので、その点、ビニール、ゴム管、どっちがいいのかお聞きして私はやめます。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ビニール管をガス管として用いますと、ビニール管は、御承知のようにそこに熱が伝わりますと、要するに膨張いたしましたり、また弛緩をいたしましたりしまして、それがまた熱がおさまりますとなかなか収縮しないというようなことがございまして、比較的ゴム管に比べますとはずれやすい。また、そういうことでガス漏れの原因になりやすいということでございますので、従前から東京瓦斯その他におきまして、ガスストーブにこのビニール管をなるべく使用しないようにしたほうがよろしい。こういう消費者に対してテレビその他で四十四年度、四十五年度、かなり多くの回数PRをいたしておる実情でございます。今度この法律が改正されますと、しからばこのビニール管というのは、ただいまのガス用品の対象としてそういうものを使わせないように、製造しないようにするのかということでございますが、ビニール管そのものは、ただいま申しましたように、ガスストーブ等に使うのは適当でないと思っておりますけれども、ビニール管自身は、これはもともと製造業者のところでガス用としてつくられるものではございませんので、それが、ビニール管ございましたときに、いろいろ普通の使用のほかにこれをガスストーブにつけるというようなことも起こるわけでございますから、これがガス用のビニール管であるのか普通のビニール管であるのかということが、区別が商品の性質上つけにくいものでございますから、ただいまのガス用品の対象にいたしまして、一定の基準以上のものでなければ売らせないというのは、ちょいとなじみにくいかと思っております。したがいまして、このビニール管の事故防止につきましては、従前でもただいま申しましたように、東京瓦斯その他が、これをガスストーブに使わないように、いわゆる消費者に対する周知義務を、そういうかっこうでやっておるわけでございますが、今度の改正法施行後も、引き続きましてそういうガス事業者のほうから使用者に対しまして、なるべくビニール管はガスストーブに使わないようにというPRを徹底して行なわしめるというようなことで、ビニール管による事故を防止してまいりたい。かように考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 衆議院の審議の経過は、速記録で全部読みましたから、時間を節約する意味で、衆議院の質問にない点について、二、三お尋ねをいたしたいと思う。  この法律の中に「供給区域」ということばがありますが、「供給区域」とは一体どういうことなんでしょう。私は私なりで解釈をしておるんですが、正確に「供給区域」とは一体形においては何をさし、そしてどういうものなのか、御説明を願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 不足のところは政府委員から補足をしてもらいますが、従来供給の届け出をしてまいりますときに、これ昔からいままでにいろいろ変遷はあるようでございますが、何県の何町とか、あるいは場合によって字何々というような形もございますし、それからどこの川までというような切り方もあるようでございますが、そういうふうに政府に届け出まして、政府が現実に具体的に確定し得るような範囲で許した区域、こういうふうに考えておりますが、なお政府委員から補足いたします。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ただいま大臣が申し上げましたとおりでございますが、一般ガス事業者は、ガスの供給事業を行なうときには、ただいま申しましたよう供給区域をきめて、その供給地域にガスを供給する責任を有すると、それから、また反面、一たん供給区域が、あるガス事業者に認められますと、今度はその供給区域に対しましては、他の都市ガスは、その供給区域には供給をできないといううらはらの供給責任があり、同時に、その地域については、いわば供給の独占と申しますか、他のものは、これに供給できないと、そういう性格を持ったのが供給区域であろう、こういうふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は日本語の解釈として「供給区域」というからには、ガスが供給をされているところを供給区域だと言うのだと思うのです。供給をされていないところを供給区域というのは一体どういうわけか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ガス事業者が許可を受けまして、ある一定供給区域を認められまして、そこにガス事業を逐次始めていくわけでありますが、その事業を開始いたしましてから、供給区域の中のいわゆるガスを引きたいという意思のある需要家から、その供給区域の中で供給を依頼されましたときには、正当な理由がなければ、それに対して供給を拒むことができない。こういう、つまり供給責任がある区域が供給区域でございます。ただ実際問題といたしまして供給区域とは、かなり広くその事業を開始するときに与えられておりますので、事業を開始いたしましてから、かなり長い期間その供給区域全部に都市ガスが行き渡るということがなかなかむずかしい点は、先生ただいま御指摘のとおりでございます。ただ、その供給区域の中では、引いてもらいたいという申し込みがあれば、正当な理由がなければ、これは断われないということになっておるわけでございます。しからば、なぜそれが、ガスが全部行き渡らないかということでございますが、これはもう御承知のように、そういう申し込みがございましても、いわゆるガスを供給する導管、本管がそこまで普及をいたしておりませんと、実際上離れたところの需要家から申し込みがございましても、かなり膨大な工事負担金というのを徴収いたしませんと、そこまでガスが持っていけないという実情にございますので、その膨大な工事負担金に需要家のほうでたえられないということで、実際にはガスが引けない、こういう事態があるわけでございます。供給区域は、まあ供給されていなければならぬ区域あるいは供給をすべき区域であることには間違いございませんが、現実には引けておらないところが相当あるということは御指摘のとおりでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私の質問は、そういうむずかしい質問をしているのじゃないのですよ。単純な質問なんです。ガスを供給していないのに、供給区域ということばが適切ではないんではないか。もしかりにそういうことばを、日本語を正確に使うとすれば、供給予定地域とか、計画される供給地域とかいうようなことばがあってしかるべきものではないか。それが供給区域ときちっと言ってしまうことになりますと、結局供給を現にされているという、普通一般的にはそういう解釈が成り立つのじゃないか。だから、あなたの説明では私はどうも納得できないんです。再度繰り返しますが本来的に供給が予定される区域とか供給可能な区域とか、そういうことばの表現ならば話はわかる。現に供給しているものはかまいませんよ。しかし、そうではなくて、これから供給しようとする考え方がありとすれば、供給を必要とする区域とか、供給の可能な区域とか、何かそこにことばが入らないと、どうも私は法律に書く日本語としてはおかしいのじゃないかと思うのでお尋ねしている。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 供給区域という用語の例は、たとえば電気事業法では、御承知のように「供給区域」ということばを使っておりますし、あるいはまた水道のような場合でございますと、「給水区域」というような用語の例にならったものかと思いますが、供給区域は、ただいま申しましたように、供給責任を持つ地域あるいは供給義務を持つ地域でございますから、その与えられました供給区域に対しましては、ガス事業者は、いわゆるしっかりした供給計画を持ち、かつその供給計画を真剣に施行するというような意思を持っていなければならない。また、供給区域を与えますときには、そのガス事業者にはこれだけの供給区域を与えてもそれだけのことができるという判断のもとに与える、こういうものでございます。ただ、供給区域であっても、繰り返して申しますように、全部引けてない地域があるわけでございますから、用語として供給区域という呼び方がふさわしいのかどうかという、用語のよしあしという問題はいろいろ御意見があろうかと思いますけれども、ことばそのものは電気事業その他にならいまして供給区域と書いてございますが、ありようはそういう内容でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなた、電気事業に関連して供給区域ということばを使っておるとおっしゃるが、なるほどそういうことばは使われておりますが、電気の場合には現に電気を供給されていない地点というのはほんとうに山間僻地でありまして、もう限られたところなんですね。ところがこのガス事業は、法に言われるところの供給区域というものは、さかさまであって、あなたのほうから出された資料にもあるとおりに、普及率二〇%以下というところの地方ガス事業というものは現にかなりあるわけですね。東京瓦斯のような、言ってみれば非常に普及率の高いところでも、まだまだ五〇%をこえた程度の内容でありますね。全国的に見ても、今度の五カ年計画の終わった時点でもなお六〇%をやや上回る程度にしかならぬと、こういうことでしょう。そうすると、そういうような供給区域という名前を使うのは私は不適当だと思う。しかしこれはこの委員会で採決をとってそれがあたりまえなんだという解釈の人が多ければこれはしかたがない話ですから、私はこれ以上申しませんが、しかし私どもは、少なくとも供給区域といわれるからには、現に供給をされ、しかもごく短期間の間に供給可能な区域を称して言うべきものではないのか。そういたしますと、先ほど阿具根委員が言われておりましたとおりに、三年間までは供給区域に入るわけですね。それから将来また都市計画その他によっては七年までは供給計画に入りますね。七年先のものまで供給区域ということばが今日常識的に考えて妥当であるかどうかということになると、私は大いに疑問があると思いますが、いかがですか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 先生御指摘の趣旨は非常によくわかるわけでございますが、供給区域を与えますときに、言ってみますれば供給区域は供給義務のかかる区域でございますから、非常にそのガス事業者が長年、何十年もかからなければ、あるいはかかりましても、とても全部に普及することがおぼつかないような広い供給区域を与えるということがどうかということになろうかと思うわけでございます。そこでわれわれといたしましては、いろんな実績にかんがみまして、新たにガス事業に許可を与えます際には、大体新規に事業を開始いたしましてから大体向こう三年の間にその供給区域の中で少なくとも普及率が五〇%台に達するというめどのつく地域、そのガス事業者の能力なりその地域の情勢から見ましてそのぐらいの見当のつく地域という広さのものを供給区域として与える。そしてその中における普及を促進してまいる。こういう方向でこの法律を運用してまいりたいと思っておりますし、また過去に与えました供給区域は、先ほど大臣も申しましたとおり、いわゆる行政区域、市町村の区域というような区域になぞらえまして与えられまして、比較的大きな供給区域がございまして、その中には実際には市町村の区域であっても、山林がございましたりいろんなことがございまして、十分に普及はできないということがございますので、われわれといたしましては、この改正法の施行されるまでに、いままで与えられましたものにつきましても、もう一ぺん供給区域の見直し、ガス事業者の供給計画に照らし合わせまして妥当な見直しを行ないまして、ガス事業者が供給責任を果たせないような区域につきましては、妥当な範囲にこれを削減をするということをあわせ考えまして、既存のものにつきましてはそのように考えたい。新規のものにつきましては、大体事業開始後三年間に大体普及率が五〇%に達するというぐらいのめどを頭に置いてこれから供給区域を与えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 先回りされて答弁されると困るのでね、あたかも私が東京瓦斯の供給区域は広過ぎるから狭くせいと言わぬばかりの空気で質問しているようなんで、そう先回りして答弁されると私自身困るので、私自身ガス会社に恨みも何もないわけですから、そういう意味で言っているのではなくて、ただこの法律を審議するにあたって、議論の展開としてお尋ねしているわけです。  そこで、かりに太平洋岸から日本海までこの区間を供給区域内と一つのガス事業会社がすることができますか。そういうことは可能であるのかどうか、可能であるということは事業上可能であるかどうかではないのですよ、法律上そういうものを許可する可能性があるのかどうかということをお尋ねしておきたいと思います。たとえば東京瓦斯が埼玉県にもありますし、千葉県にもあるし、子会社もあるし、中に中間的にはさまって地域的に見ると別なガス会社もあるということで、入りまじっております。ところがかりに東京瓦斯が日本海まで突き抜けていってこの区間を供給区域にしてもらいたいという申請があったとして、なるほどそれはその能力もあるし、実際に何年後かは別にして、導管する力も東京瓦斯のような大会社ならあるとすれば、そういうものも認められるわけですか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) たいへんむずかしい御質問でございますが、現在の東京瓦斯というものを頭に置きまして、現在の東京瓦斯がかりに東京から新潟までの広い地域つまり関東地方から北陸地方の一部にわたるような地域を一括して供給区域にしてほしいという申請を現在の東京瓦斯がいたしましたら、これはおそらく許可できないというふうに思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 どうしてできないのですか、その理由を。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 現在の東京瓦斯の能力というものを考えました場合に、そういう広い地域を供給区域として与えましても、先ほど私が申しましたように、一定の見通せる期間内にそういう広い地域に対して相当の、たとえば普及率五〇%というようなめどがいまの東京瓦斯ではそういう広い地域に対してはつきにくいというふうに考えられると思いますので、そういう場合にはそういう広い地域の供給区域は与えられないというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そこであなたにお尋ねをしますがね、電力というのは九電力に分かれ、それに電発が加わって実質的には十電力であるが、販売会社は九電力あるわけですね。ガス会社を考えてみます場合に、広域の運営をやらせたほうがいいのか、そうではなくてごく限られた地域ごとにたくさんのガス会社があったほうがいいのか、通産省として何か考えることがあったらお尋ねをしておきたい、われわれはお聞きをしておきたいと思うのですよ。ガス行政を行なうにあたって、通産省は一体何を考えているのか。現状の姿をそのまま認めなければならぬことは当然のことと思うけれども、それをただ延長していけばいいと考えるのかそうではなくて、日本全体のガス事業のあり方というものに対して、何らか通産省は行政上基本的な考えを持っているのかどうか、お尋ねをしておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどの供給区域のお話でございますけれども、私承っておりまして、従来供給区域というものをかなり広めに認めて、いわばその上に眠らせておったというようなこと・がございます。それはしかしおそらく私はあまり弊害がなかったからだろうと思うのでございます。つまりこれにかわるものが出てこない世の中では、広い陣取りのようなことをさせておきましても、ほかに何ともやりようがないので、まあ別に有益じゃございませんが無害であったろうと思いますが、こうやってLPガスというものが出てまいります、簡易ガスというものが出てまいりますと、そういう領地のやり方は明らかに今度は有害になりますから、そこで神経質にそこを規制しなければならない。いままではそういうことがおそらくなかったのだろうと考えます、沿革的には。だから今度はそこを整理をしなければならない。  それから後段のお尋ねでございますけれども、理想で申しましたら、何と申しますか、非常に力がある信用のある業者がなるべく広く供給をする。そうして公益事業でございますから、いわばやや供給独占になりましても、私はいいんであろうと思いますが、ただ、わが国はそんなに大きな天然ガス源のようなものがございませんし、電力のように送電と違いまして、現実に天然ガスでない発生源を、全国もう一つのパイプで張りめぐらすというようなことが効率的なのかどうかということも問題がございましょうと思います。したがって、わが国の現状のある姿としては、やはり私企業としての供給が、そう大きいものは少ないわけでございますけれども、いわばあっちこっちにあるという姿を認めていかざるを得ない。この法律で、しかしいかにもそれが適当であるという場合には、協業化とか合併ということも考えておりますけれども、その勧告も考えておりますけれども、もう少し大きくなってほしいということはございます。しかし九電力のようなことは、それが効率的であるかどうかということのほかに、現実的には可能ではないように考えます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 いま馬場局長から供給区域について見直しをするというお話がありましたが、供給区域の見直しをするというのは一体具体的にどういうことなんでしょうか。たとえばいまの時点でAというガス会社に認可をしている、その供給区域というものを何かの基準をもって、何かの基準を求めて、その基準に従ってこの見直しをされるというお考えではなかろうか。だとすれば、その基準というものは一体何なのか。見直すといっても、ただひっくり返して見るだけでは見直しにならぬ。何かがあってそれに合わせて見る。何かものさしがあってそのものさしに合わせて見て、そこで判断をするというのが見直しだとすれば、何か基準があると思うんですが、それがまだないならばいたしかたないところでありますが、ありとすればお答えを願いたい。ただ、あなた見直しと言っておられるから、見直すというからには何かあると思う。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) ただいま見直すと申しましたのは、いわゆる既存の都市ガス事業者につきまして、一定の供給区域をそれぞれ与えておりますけれども、これは従前でもいわゆる五カ年計画、年次計画をつくりますときに毎年の供給計画、あるいは向こう三年ぐらいの年次計画のようなものは提出をさせておったわけでございますが、今回この法律が改正になりますと、その供給計画を毎年出すということは、これは法律の義務づけになりますけれども、従前でもそういう供給計画が出ております。そこで、見直す基準といいますか、基準といたしまして考えるものは、それぞれガス事業者から提出されております向こう大体三年ぐらいにわたる供給計画を根拠にいたしまして、いま与えております供給区域に対しまして、実際にそれぞれのガス事業者がその供給責任を果たし得る限度、限度と申しますか、範囲がどこまであろうかということを、それぞれ供給計画に基づいて一ぺん見直しをいたしてみたい。そしてそれに対しまして、非常にいままでの供給区域が大き過ぎるというような場合におきましては、ただいま申しましたように供給区域を少し削減をする。具体的にはそのガス事業者からこれだけの供給区域に縮めますという供給区域の変更の申請を自主的に出してもらいまして削減をするというような手続になろうかと思いますが、各ガス事業者の持っております供給計画の見直しをいたしました上で供給区域の見直しをする、かような考え方でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 若干不明ですが、次に議論を発展させたいと思うんでありますが、これはあとの供給区域に逆戻りをしてくる過程の中で二、三お尋ねをしたいのですが、供給区域内のある地点で導管供給が行なわれたと仮定をいたしますと、それが幸か不幸か本管との接続ができた際には、当然のこととしてその簡易ガス事業というものは一般ガス事業にかわるわけですね。その際にはそこで事業を事実上停止をする。いままでの簡易ガス事業者、あるいは導管による供給業者と言ったほうが適切かもしれませんが、それのたとえば施設であります導管その他いろいろメーターとかそれぞれの付属物があると思いますが、そういうようなものを、結局は本管に接続をしたことによって一般ガス事業者に売り渡すことになりますね、譲渡するということになりますか。その際はどういう評価のしかたをするのか。評価のしかたですが、それをお尋ねしたいと思います。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 簡易ガス事業者がおりました場合に、そこに都市ガス事業者が導管を延ばしてまいりまして、ただいま先生のおっしゃいましたような簡易ガス事業者がリタイアをいたしまして都市ガスにかわるという場合に、そのリタイアをいたします簡易業者との設備その他についてどういうふうにするかという問題でございます。これはそこに延ばしてまいります都市ガス事業者——一般ガス事業者と簡易ガス事業者との間に、簡易ガス事業がかりに事業をやめるということになりましたときには、やめることに伴っていろいろ起こります設備の買い取りの問題、どういう基準でどう評価するかということ、どういう値段にするかということは、当事者間で納得のいくように話をつけてもらうという考え方でまいりたい。特に役所のほうでどういうふうにすべきだとか、こういう基準でやるべきだということは、なかなかケース・バイ・ケースの問題もございますし、一律にきめにくい問題があると思いますので、当事者同士の話し合いにまかせたい、それで解決してもらいたい、かように考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そういたしますと、こういう結果が出てきませんか。先ほどあなた一般ガス事業者のガスの供給に対してはガス税が徴収をされる。しかし簡易ガス事業によって行なわれている導管——小規模導管供給にはガス税がかからない。したがって、そこに多少の差があるから、金額的にはある程度調節がとれるのじゃないかという、私の感じ方だけれども、御答弁があった。しかし、考えてみますと、あなたが先般の委員会、それからきょうもお答えになりましたように、都市ガスの供給の単価というのは大体百二十円前後である。それに対してLPGの供給ということになると、その辺のところもあるが、高いところになると百八十円くらいになる。そういたしますと、たとえガス税の五%や六%付け加えてみましても、価額にかなりの開きがありますね、いわゆる小規模導管供給というものと一般ガス供給との間には。さすれば、簡易ガス事業を行なっている事業者が、自分はもっとこの事業を継続したいということを考えておったとしても、消費者のほうが、導管をつないで一般ガスを供給してもらったほうが安いわけだから、だからそうしてもらいたいということになりますと、その段階でどういう結果が出るかといえば、消費者からは、いま言ったように簡易ガス事業者に対しては、おまえさんやめなさい、商売を。そこで、それでは自分は商売をやめるかわりに自分のいままで投資したその投資を評価し、しかもそれで自分がもう商売がなくなるわけですから、事業やらないわけですから、結局生活費が出てこないわけですね。利益が出てこないわけですから、生活費が出てこないという問題がありますから、そこにかりに都市ガス事業者との間に施設の売買とか、言ってみれば営業権を渡すようなものですから、そういうものが、極端に低く言われても、あえてそれをのまざるを得ないというような、そういう状態になり得るんじゃないでしょうか。そういう事態は想定されませんでしょうか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) これは先ほども申しましたように、ケース・バイ・ケースによりましていろんなケースが想定をされるかと思いますけれども、基本は、先生おっしゃいましたように、都市ガスが伸びてまいりまして都市ガスの引ける可能性が出ましたときに、そこにおる需要者、消費者が都市ガスにかわりたい、あるいは従前のままでいいという消費者の選択というのがあくまで基本になりまして、それをもとにどうするかという話し合いが行なわれるであろうと思っております。今度簡易ガス事業者がそういうことで都市ガスにかわられます場合におきましても、その話し合いの場で一体どちらの立場が強いかという問題これはやはりどちらが必ず強いであろうということもなかなか言いにくい、あくまでケース・バイ・ケースの問題であろうかと思っております。したがいまして、その話し合いにつきましてもケース・バイ・ケースで当事者間の話し合いによるのが一番適切であろうかと存ずる次第であります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 この法律がねらっているところは、一つには、保安面の強化を通して人命の損傷その他を防がなきゃならぬという問題もあるが、いま一つの問題は、やはりガス事業というものの秩序ある発展というものを考えておられるんだと私思います。だといたしますれば、行政上、秩序立ててやるための手当てをしてやらにゃいかぬと思うんだが、肝心のそういう事態になったら、それは業者同士が話し合えばいいことじゃないか、政府の関与することじゃないというのは、どうも私には、このガス業界というものの秩序維持ということを目標に掲げられておりますあなたの答弁としては、そのまま受け取るわけにはまいりませんが、いかがでしょうか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 問題の性格上、ケース・バイ・ケースにその当事者間で話し合う。役所なりあるいは法律で一律にこういう基準でやるんだということをきめにくい問題であろかと思っております。ただ先生おっしゃいますように、それでは一体円満なる秩序といいますか、一番消費者の利便にふさわしい秩序というのはどうやって担保されるのかという問題があろうかと思います。また、そういう話し合いのときにはなるべく円滑に話し合いがつくことが望ましいわけでございます。そこで当事者間の話し合いを基本にいたしますけれども、もし不幸にしてそれがスムーズにつかなかった。したがいましてそこに都市ガスを持っていくか、簡易ガスを置いておくかという消費者の一番希望する解決が、なかなか時間がかかるというような場合におきましては、通産局長がどういうふうに解決すべきかということにつきまして、通産局ごとに設けられます地方ガス事業調整協議会にはかりまして、そこでいろいろ公平な立場からの解決のしたかというのを御答申をいただくというようなことを考えておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 馬場さん、一番秩序ある移行といいますか、あとあと混乱の起こらない方法を私教えましょうか。それはたとえば東京瓦斯で言うならば、東京瓦斯の子会社にある液化ガス株式会社というのに区域内における供給を全部やらせればいいんです。そうすれば問題は出てこないでしょう、子会社ですから。その子会社がかりに導管の供給放棄をしたって、これは別に問題ないわけですから、これをやれば一番簡単なんです。どうですか。ということは、私が言わんとしておることは、それを通産省が考えているんじゃないでしょうかということを私は言いたいんですよ。あなた方のほうは、結局のところ、供給区域内における言うならば導管供給というものができるならば、そういう方向で持っていくことによってこの全体の秩序を保っていきたいし、あとから混乱の起こることがないようにしたいという考え方を持っておられるのじゃないかと私は察するのです。私の判断が間違いですか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) この供給区域内における簡易ガスと一般ガスとの調整の問題でございますが、先ほどもお答えいたしましたように供給区域内の中に簡易ガスが進出をしたいというような申請がございました場合に、その簡易ガスを認めますか、あるいはむしろその都市ガス、一般ガス事業者が、そこにとりあえず「みなす」一般ガス事業、これは自分がやるわけでございますが、これを時間的な関係からやっておきまして、ただし、これはあくまで過渡的にいずれ近き将来に本管につなぐという前提で「みなす」一般をやるということが片一方にあるわけでございます。そこで、その地域の状況あるいはそこにおける一般ガス事業の本管、導管の延びぐあいというものを勘案をいたしまして、ほんとうに近き将来都市ガスにつながる可能性が非常に大きいという場合におきましては、いわゆる都市ガスの「みなす」一般ガス事業を認める。で、かなり遠き将来までそこに、供給区域の中でございましても、都市ガスが延びる可能性がないという場合には、そこの事業に対しまして簡易ガス事業者の申請がございました場合にはこれを認めていくと、こういうような運用によりまして、ただいま先生御指摘のようないろんなそういう問題に対処していきたい、かように考えておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 局長ね、私は思うんですがね、供給区域というものは、最初一ぺんにばっと網をかけてしまってこれが供給区域でございますと、ガス会社さん、できる限りひとつ普及率を高めてくださいと、ついてはそれに年次計画を持ってください、それから年度別の計画を出してくださいと、こういうやり方というものは、この際やはり改めるべきではないのか。あなたが先ほど見直しということばを使われたから、やはり見直しして、ごく短時間に、短時間といっても半年とか、一年とか言っているわけじゃございません。そんな無理なことを言っているわけじゃございませんけれども、ごく限られた部面にこの供給区域という法律の中にあらわれてくる内容というものは限定すべきではないかということを感ずるわけです。これは私の意見として申し上げておきます。  それから本田局長にお尋ねいたしますが、こののLPGの価格というものは、あなたがきめるわけじゃないことはわかっていますが、これはどういうような根拠で大体きまってくるものなんですか。たとえば外国から輸入されるLPGがありますね。外国から輸入されるLPGに関税がかかって日本の国に上陸してみたら幾らになると、したがいましてそれにあわせて日本の石油精製の連産品として出るところのLPガスもそれに合わせるのだというような形で出てくるものなのか。そうではなくて、石油精製ガスが過程において出てくるものであるが、それにはこれこれの原価がかかっておるから、したがってこれだけで売らにゃ間に合わないという計算になるのか。あるいはまた天然ガスというものが、現実には国内の天然ガスを基準にして考えてみた場合に、国内の天然ガスはこれだけの価格であると、よって液化ガスはこの程度だと、こういう形で価格がきめられるものなのか。LPGというのは大体それを基準にして価格というものはきまってきておるのか。この価格の推移は、これは需給の関係によってきまってくるであろうことはわれわれ想像できるんでありますが、もともとの価格というものは一体どういう形ででき上がってきたものでしょうか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 非常にむずかしい問題でございまして、石油製品の価格体系という問題があるわけでございますが、これが合理的な価格体系は何かということは、いろいろ考えてみても、連産品という関係で非常に決定しにくいという形になっております。現在、精製業者あるいは輸入業者から渡しておる価格が、先般御質問にも出ましたが、十八円前後で渡せと、この十八円前後から再び消費者の段階にいくまでの間に輸送距離の問題あるいはその他取引の問題等とからみまして地域的に差が出てまいる、こういう形に相なっておると考えられますが、その十八円前後がどうしてきまるのかということになりますと、十八円であらねばならないからというような各産品の間のコストの合理性というものは私は出てまいらないと思うわけです。それはガソリンのほうが高ければそちらにかぶせられますからLPGは安くもできますし、こういうことでございますので、LPGを十八円のコストでなければならぬという計算は、合理的には出てこないと思いますので、結局輸入品との関係その他からいって十八円程度のもので元売り業者に卸していくという形で、取引の最初の価格が出ておるというふうに考える次第でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そうすると、あなたのいまおっしゃられた形からいくと、かりに室内保温用のためにLPGを使った場合と、室内保温用にたとえば灯油を使った場合と、まあ一時間当たりでけっこうですし、一日当たりでもけっこうですが、燃焼時間当たりの価格においてどういうような差異があると思われますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 私はごく大ざっぱな言い方でまいりますと、暖房用としてのエネルギーからいきますと、電気の半分前後がガスで、ガスの半分前後が灯油だというふうに理解していいのじゃないかと思います。そのガスの中でも、しかしかなり幅があるということでございます。総体的に言いますと半分、その半分という形でバランスがとれておるように思います。先ほど天然ガスにつきましては、これはむしろLPGとの比較ができないほどむしろ安くなっております、天然ガスの産地における価格は。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は、なぜそういう質問をするかといいますと、石油の精製過程における連産品としてのLPGというものは、極端な表現をすれば、これはもう価格があってないようなものなんですね。あなたが言われているとおりに、ものさしというものは現実的にはない。だとすれば、国際的な比較においてどうだとかというようなものがあるとか、あるいはもう一つあなたがいま言われたように、結局ガソリンがこの程度でしか売れないから、あるいは重油がこの程度でしか売れないからこの程度で売らないと精製会社として採算が合うとか合わないというようなことももちろんあるでしょうけれども、かりにLPガスというものがもっと価格の安い水準であるといたしますれば、やはりそこに需要というものがふえてまいると思いますね。ところが結局LPガスというのは、旧法で言う都市ガスよりも価格が高いと、もちろん熱量の差異がありますが、そういうものを全部計算をし直してやってみても、結局はLPGのほうが高くつくというのは、先ほど来議論のあるところですね。したがって私は、結局のところ通産省、特にあなたが所管している局として、LPガスの値段の問題についてはもっと積極的に立ち入って、そうして安いガスを供給し得るような、安いLPGを供給し得るような立場をおとりになることが、ある意味においては私はこの零細なLPG業者を救う道になるのじゃないかという気持ちがいたします、いかがでしょう。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 御指摘のとおりだと思います。そうしてその意味で、従来昭和三十八、九年ごろにかなり高騰いたしまして問題が起こったこともございます。その理由は、国内の連産品として供給に弾力性がなかった。LPGの供給の状況に対して、輸入につきましてもある単価の関係その他から輸入量にも限定があるということと、季節的な需要増で、夏と冬とは三、四割の差があることと、こういうこととからみまして、価格の変動が激しい。これに伴って取り扱い業者も消費者も非常に迷惑をするという事態であったと存じます。そこで、現在われわれのほうといたしましては、石油の五カ年間の需給計画をつくる際に、LPGの需要につきましても需要想定をいたしまして、これに対する供給計画を考えるということにいたしております。それから夏冬の需要の差に対する対策といたしまして、貯蔵タンクの増設ということを指導いたしておりまして、現在のところ四十四年三月末に八十六万四千トンでございますが、この三月末では九十八万四千トン、六月末では百十三万五千トンということで、約六十六日分ぐらいの貯蔵ができる貯蔵能力の増強をはかっております。そこで、すなわち貯蔵によりまして年間の価格の変動をなるべく調整のできるようにいたしたい。さらに不足するものについてはスポット輸入をする。長期的にはタンカーの建造を進めるということで、供給のサイドにおきまして需要の増勢に応ずると同時に、季節的な需給差を調節するという形にいたしたいと存じまして、それに伴ってできるだけ価格の安定をはかってまいりたいし、さらに御指摘のようなできるだけ安く供給できるような体制というものを持ちたいというふうに存ずる次第でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 馬場局長にお尋ねをしますが、これは新しい法律でそう書いてあるという意味ではないのでありますが、前々から疑問に思っている点が一点ありますのでお尋ねをいたしますが、第十七条の供給規程の中の第二項の一号に、「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」ということばがあります。そこで「適正な原価」、「適正な利潤」ということは、社会的な常識からもある程度理解をされる面もありまするし、また従来いろいろな他の産業、企業等の議論もいたしておりますから意味もわかるのでありますが、「能率的な経営の下に」というのは何かあるのですか。能率的な経営というのは実体的には何かあるのですか。これが単なる文章として、こういうふうに書いたほうがいいという、その程度のものなのか、実体的に何かあるのか。

馬場一也通商産業省公益事業局長

○政府委員(馬場一也君) 「能率的な経営の下における」と書いてございますのは、決して単なる形容詞ではございませんで、適正な原価というものを計算いたしますときに、たとえば材料費、原料費もそうでありますが、同時に製造の直接の人件費なり、あるいは販売のための人件費なり、そういう費用がたくさんあるわけでございますが、これはできるだけその企業を合理化をいたしまして、製造面でも販売面でもそういう合理的な経営というものを考えたときに想定される、たとえば人件費あるいは原材料の購入につきましてもできるだけ合理的な経営を想定しました上での原材料の入手価格というようなことで料金を考え、原価を考える、こういう趣旨でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 時間もだいぶ過ぎましたので、この程度でやめたいと思いますが、ただ最後に、この法律が可決をされるわけでありますが、その前に、希望意見を申し上げたいと思うわけであります。  それは、やはりこの法律を契機として、政府が特に公益事業に指定をして、行政面からの介入をいたしておりますこの種のガス事業については、政府自身が明確な方針というものをお持ちにならないと、むしろ業界の秩序が維持できないということになりかねないわけでありまして、そういう意味においては、ひとつ、きちっとガス事業全般にわたっての考えを持ってもらいたいと思いまするし、そういうものの中に、先ほど来申し上げております供給区域の問題等々も入ってまいると思いますが、ともあれ、そういう点について留意をしていただきたいということと、それから、これはもう幾回となく指摘をされてきていることでありますが、また、時間があることでありますれば当然議論をすべき内容でありますが、時間がないので申しませんが、零細なLPG業者をいかにして保護していくか、あるいは育成をしていくかということは最も大事なことでありまして、かりそめにもこの法律改正が通過をすることによって、零細なLPG業者が非常に困難を来たすような事態はぜひ起こさないように、あらゆる角度からのひとつ配慮を特にこの際お願いをいたしまして私の質問を終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 公益事業でございますので、行政の一番中心になるべき関心事は、消費者の利便ということ及び消費者の安全ということであると考えます。したがって、そういう意味からは、なるべく都市ガスが早く必要なところに普及することであると考えますので、これにつきましては長期計画もつくりますし、また、都市ガス業者に対して、先ほどもお話のございました供給地域等の点との関連で、一定の年月のうちに供給を担保する、こういう施策をとっていくことが必要であると思います。  次に、消費者の観点から申しますと、まあ簡易ガス、それから一本売りということになるのでございましょうしいたしますから、今回簡易ガスを公益事業の規制の対象にいたしたわけでございます。  なお、それらにつきまして、いわゆるLPガス系統につきまして保安を十分にしていかなければなりませんことは、先ほどから御指摘のとおりでございます。  次に、零細業者との関係でございますが、これは公益事業でございますから、多少そこのところが一般の産業政策と私は異なってくる点があると思います。すなわち、消費者から申せば、なるべく都市ガスの普及が望ましいということは、なるべくならば一本売りとかあるいは簡易事業とかいうものが都市ガスのほうに移行することが望ましいということでございますから、一般産業のように、何としてでも零細の業者を残していかなければならないということと、場合によりまして消費者の立場というものが一致しない場合がございます。しかし、零細業者に対しましては、これは小さいなるがゆえに保安があぶないとか、あるいは供給責任が無責任であるとかいうことは必ずしも申せません。小さくとも十分それらの責任を果たすというケースはなければなりませんし、また、そうするためにいろいろな助成措置も講じていくべきものと考えます。  なお、何かの事情でそういう零細業者が、大きな都市ガス等々の関係でやめていくというような場合には、補償等々の問題につきまして適正な話し合いが行なわれることを望んでおりますけれども、必要がございますれば調整協議会が介入をするということもこの法律で定めております。そのような考え方で行政をやってまいりたいと思います。

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  ガス事業法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 次に、機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑のある方は御発言を願います。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 大臣に最初に二、三お伺いをいたしたいと存じます。  この法律案が出たのでありますが、この法律案は、中小企業の振興いわゆる近代化をはかる一環でございますが、中小企業対策というものはずいぶんたくさんございます。中小企業庁で発行いたしました「中小企業施策のあらまし」等を見ましても、種々さまざまな施策がございますが、これはわが国の中小企業の、産業の中に占める地位というものが、きわめて大きいわけでございますから当然でありますが、この「あらまし」を通じて見ますると、全産業の中で中小企業というものは約九九%を占めておる。全事業が四百二十三万個所かありますが、非常に大きな中で九九%を占めておる。出荷額も五〇%、あるいは輸出額は四〇%というように、非常に大きな比重を占めておるのでございますから、今回のこの法律案の提案をされたのも当然だろうと思います。  そこで大臣に——これは大臣にお聞きするのは適当ではないと思います。これは総理に承るのが本来だと思いますが——その中小企業の占める地位、それから中小企業というものが御承知のようにピンからキリまであるわけでございます。中小企業基本法によりますと、資本金あるいは出資額が五千万円以下、従業員が三百名以下、これは鉱工業の場合、それから商業、サービス業等では資本金あるいは出資額が一千万円以下、従業員が五十名以下でありますが、五千万円以下あるいは三百名以下となりますと、三人も五人も中小企業の範疇に入るわけでございます。非常におびただしい格差があるわけです。こうしたこの中小企業に対する行政を進めてまいりまするためには、もちろん中小企業庁というものがございますが、むしろこれを独立させて、一つの省としてもっと力を入れていく、そういう価値というか分量があるのではないか、このように思うのでございますが、大臣にこのことをお聞することも少しおかしいと思いますが、しかし実際担当されておるお立場で、行政官庁としてあまりにも中小企業の地位というものが幅が広いだけに、私はむしろ責任ある行政庁を独立させることが適当ではないかと思いますが、大臣の考え方というか、感想というものをまず承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この点につきましては、ごく最近同じような御質問に対して総理大臣が答弁をされましたのを私横で聞いておりましたので、その御趣旨に沿って申し上げたいと思いますが、従来から中小企業庁を省に独立させるべきであるという御意見は、ときどき聞かれておるわけごでざいますが、政府といたしましては、かりにそういうことを考えますと、現在各業種がいろいろ各省に属しております。建設省、農林省、運輸省あるいは通産省等々にございますので、それを全部各省の所管から除きまして、新たに一つの省にまとめるということになるわけでございます。それ自身がかなり煩瑣であろうと思われますほかに、実はそれらの中小企業のあり方を、同じ業種の、それより大きな企業との一貫性においてとらえるほうがしばしば便利でありますし、また日本産業全体との統一的な視野のもとに考えて、そうして改善策を講じていくということが、実際問題としては有効であって、それから中小だけを切り離しまして独立させる結果、かえって有効な手が打ちにくいと、こういうふうに政府としては従来判断をしておりますので、したがいまして、ただいまのように中小企業庁で中小企業に関する施策を、経済全体、産業全体との関連のもとに行なうという、これが適当であろうという立場をとっております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 確かに中小企業というのを切り離すということになりますというと、一貫性というものから、はずれてまいりますから問題であろうと思いますけれども、しかし行政の分野、分量といいますか、非常に多岐にわたり煩瑣でありますだけに、私はむしろ独立さしたほうがいいのではないかと、こう考えておるわけでありますが、そうかといって行政官庁をさらにふやすということについては問題がありますので、実はこの場合には、私は独立した省を設置すべきであるというふうに考えております。それは大臣のお答えでけっこうでございます。  今回のこの法律案でございますが、これによりますと、この目的は中小企業の設備の近代化をはかることが目的であり、あわせて機械工業の振興にも資するということになっております。したがって主目的は中小企業の設備の近代化にあると、そう理解されるようでありますが、しかし機械工業の振興にも資するというふうになっております。機械工業というのは、言うまでもなく大企業から中企業、小は少ないと思いますが、大企業から中企業がありますから、したがって、この法律の条文からまいりますと、大企業の振興にも資する、そういうように解釈ができるわけですが、そのように理解していいのでございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府委員から答弁させます。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) この法律では、いま御指摘のように中小企業の設備の近代化と機械工業の振興と、二本の目的をうたっております。実際問題といたしまして、この保険制度を運用してまいりましたが、たとえば全体のこの保険制度に付しました割賦販売によりまして中小企業が購入いたしております合理化機械は年間約一万三千台、三百九十億円程度でございまして、この保険にかかっております割賦全体の九七%が中小企業でございます。そういった意味から、私どもとしてはやはりこの法律のねらっておる中小企業の設備の近代化に非常に役立っておるのではないか、こういうふうに判断をいたしております。  それから機械工業の面でございますが、この面ももちろんこういった保険にかかっております機械工業、大中小いろいろございますが、やはりこの保険対象機械をつくっておりますメーカー、それの生産額と保険にかけております金額から言いますと、約三割がこの制度を利用しておる、こういうことでもございまするし、また実際問題としてこれを利用しております数から申しますと、やはり中小メーカーが相当多数ございます。そういったことから、やはり中小企業設備の近代化、また機械工業の面におきましても中小機械メーカーがこれによって大きな利便を受けておる、かように判断をいたしております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 メーカーの場合、大企業は不利になってかまわないというようには考えておらないわけであります。大企業の振興に資しても一向差しつかえないわけですが、ただこの制度が、主としてユーザー側の設備の近代化のために役立つということが根本であるというふうに思いますが、そう理解していいですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御説明いたしましたように、ユーザー側のうちの全体の九七%が中小企業でございますので、いま先生御指摘のとおりだと思います。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この際つまびらかにしておきたいことがございます。先ほど私申し上げたように、中小企業基本法によれば五千万円以下三百名以下がすべて中小企業でありますが、通産省としてこれを取り扱う場合にピンからキリまであるわけですから、たとえば中小企業の場合、あるいは小企業の場合というように、いろいろな施策を実施する場合に区別をされて扱っておるかどうか、こういう点ですね。ややもすると中のほうが小のほうよりも、より力がありますから有利というふうにも考えられ、小のほうが閑却される、そういうおそれもあるような気がいたしますので、いろいろ国のほうでも施策を進める場合に区別をどの程度でしているか。もし区別があるとすれば、たとえば資本金あるいは従業員の点で、どの程度以下を小企業というふうな一応扱いとしておるかという点をお聞きしたい。  あわせて中小企業といっておる、あるいは零細企業なんということばもよく使われますが、小企業と零細企業というようなものの区別もされて取り扱っておるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) お話の中にございましたように、中小企業の規模、経営力、あるいは資金調達力その他につきましていろいろと差があるわけでございます。したがいまして、中小企業施策一般というふうに言っております場合と、特に小規模層あるいはまた零細規模層というふうに区別いたしまして施策を運用いたしておる面もあるわけでございます。一般的に金融制度の問題で中小企業金融公庫が融資いたしております対象、これは中小企業一般でございますけれども、国民金融公庫の対象になりますと、これはいずれかといえば小規模層以下というのが中心になっておるわけでございます。  それからさらに、たとえば都道府県等と一緒にやっております中小企業設備近代化資金補助制度があるわけでございますが、これは原則といたしまして従業員百人以下の企業に対します資金の補助制度でございます。  それからまた同じように、国と都道府県でやっております中小企業に対します機械貸与制度というのがあるわけでございますけれども、これは基本法で言っております、製造業で申し上げますと原則として従業員二十人以下の層を中心にして機械貸与の事業をやっております。  それからたとえば先ほどお話がございました零細規模と申しますか、特に零細層従業員五人以下というふうなところにつきましては、実はたとえば信用保証協会によります特別保証制度、これは製造業につきましては従業員五人以下というふうなところにこの特別保証制度を適用いたしまして、担保もなく保証人もなくして信用保証協会が保証するという制度を採用いたしているわけでございます。  したがいまして、一般に中小企業対策と言っておりますけれども、それぞれの制度に応じましてそれぞれ違った特徴を持って運用してまいっているのが現状でございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 大臣はもうけっこうでございます。  こまかい質問を申し上げているわけですが、中小企業対策というものは、いまお答えのありましたようにさまざまでございます。で、この一番の問題になりますのは、小企業、零細企業というところであろうと思います。これは一般的に見て、御承知のように信用度が非常に低いために、国がせっかく施策をいたしましても、行政の末端にまいりますと、ややもすれば閑却される、あるいは恩恵が及ばないのではないかという懸念もあるわけであります。たとえば金融面でこれを見ましても、国の少額融資の制度があっても、実際出先になってまいりますと、金融はおおむね銀行等の窓口で扱われる。そのために、国の施策があっても、銀行で従来の取引関係あるいは信用調査等の結果として振り落とされて、せっかくの国の親心というものが徹底しない、こういうおそれがあるのではないかと思います。つまり銀行ベースで扱われるために、ここで振り落とされると、こういうおそれがあるのではないかと思いますが、そういう点について何か調査されたことがおありでございますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 特に小規模層のそういう金融問題等につきましては、実は経営改善の指導事業等を中心にして行なっているわけでございまして、御承知のとおり全国の商工会あるいは商工会議所等の経営指導員、合わせまして指導員の数だけで五千名以上いるわけでございますけれども、そういう指導員が実はそういう小規模企業層の指導相談にあずかっているわけでございます。で、状況によりましては、その相談事業の中に金融あっせんというふうなこともあるわけでございます。特に昨年、銀行法が改正されまして、相互銀行あるいは信用金庫等が、中小企業専門の金融機関に、はっきりと定義づけられたというふうなことから、いずれかといいますと、中小企業者にとりましては、そういう中小企業専門の民間金融機関を活用している例が多いわけでございますけれども、ただそれでも手の届きません場合には、国民金融公庫のほうにそういう機関からあっせん依頼が出てまいっております。で、自分のお世話をしておる会社だけれども、国民金融公庫のほうで何とかめんどうが見てもらえないかというふうなあっせん事業をやっておりまして、そういうあっせんによりまして国民金融公庫のほうに融資申し込みをされておる企業の方も相当あるやに聞いております。何と申しましてもやはり金融問題が一番こういう小規模の方にとりまして重要な問題でございます。したがいまして、先ほどもお答えの中でちょっと申し上げました全国に五十一ございます信用保証協会では、特にこういう小規模零細層に対しますところの金融の便宜方につきまして努力をいたしておるところでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 銀行等の金融機関としては、弱小企業といいますか、そういうものに対してある程度の制限をすることは、これは性格からしてやむを得ないと思います。社会事業でもないれっきとした営利事業でありますから、危険負担を避けたいというのは当然であると思います。したがって中小企業対策特に小企業対策等を進める場合、なかんずく金融問題が中心でございますが、その場合に、やはり国のほうがこの小企業、零細企業に対して十分に生産活動ができるように、その事業が適切であるならば、これに対して積極的に国のほうが手を差し伸べていかなければならない。そのためには、お答えになりましたように、各県に信用保証協会等がありまして、かなりの成績をあげておることは私も承知しておりますが、まあ中小企業と言っていますが、小企業中心です。その場合に、国の施策というものが、こういう現在の金融機関の性格から、金融の場合に一つのブレーキがかかるわけでありますから、それをやはり打破する意味で、国の施策をもっと大胆に進めていくことが適切ではないか。これは小企業、零細企業といっても、国の生産に寄与している以上は、それに対してできるだけ活動しやすいような環境をつくるという点について、ただいま相互銀行あるいは信用組合等をその窓口として進めるというお答えがございましたが、これをもっと積極的に中小企業庁では進めていだたくということが必要ではないかと思いますが、何かさらに今後新しい対策、施策というものを考えておられるかどうか、あわせて承りたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 御指摘のとおりでございまして、特に小規模層につきましては、金融面での配慮ということが非常に重要な要素になってまいっておると思うわけでございます。したがいまして、先ほどお答え申し上げましたように、単純な市中金融機関の機能のほかに、都道府県と一緒になりまして、たとえば中小企業のための設備近代化のための資金補助制度、これは従業員百人以下の事業を中心にいたしているわけでございますが、さらにそれ以下の零細小規模事業層になりますと、自分でどういう設備が最も自分の工場に合う設備であるかということの識別も非常にむずかしい、そういう企業層もあるわけでございますので、そういうところにつきましては、主として機械設備の貸与制度によりまして、機械設備等それに合ったものを県のほうで選定いたしましてそれを貸与する、こういう制度をやっておるわけでございまして、近代化資金の補助あるいはまたは貸与事業によります貸与方も、いま年々拡充を見ておるところでございます。  なお、このほかに中小企業の振興事業団でやっておりますところの工場アパート制度、通称工場アパートと言っておりますけれども、これはやはり零細企業層を中心にいたしまして八割まで無利子で金を貸せる、こういう制度でございまして、これもいまだんだんとそういうふうな工場アパートをつくるというふうな事業も進みつつあるわけでございます。したがいまして、現在ございますようなそういう制度を、さらに内容を拡充いたしまして、そういう小規模事業層の方、あるいは特に零細事業層の方に積極的に活用してもらうよう努力してまいりたいと考えます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 本法改正のねらいでございますが、従来の題名を今度は機械類信用保険法と改めたということは、現行の機械類の割賦販売契約の取引に対する信用保険を行なうことでありますが、改正案はこれに加えて、購入資金の借り入れ保証契約の信用保険を行なうと、つまりいままでの契約のほかに、新しく銀行のローンを加えたということが今度の改正の中心だと思いますが、そのように考えてよろしゅうございますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 御指摘のとおりでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 現行制度はかなり成果をあげておるように大臣説明では出ておりますが、中小企業の設備の近代化にどの程度寄与しているか、具体的に承りたいと存じます。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 先ほども申し上げましたように、この制度を運用いたしましてから、ほぼ十年近くなるわけでございます。その間、保険契約の件数にいたしましても、あるいは付保の金額にいたしましても、逐年これが増加をいたしてきておるわけでございます。こういったような点からいたしまして、御承知のように、いまこの保険制度でもちまして、二十五の機種を指定いたしまして、割賦販売で売られております大部分の機械は、これで網羅をしておるのではないかと考えております。で、全体の付保の件数あるいは企業数も、先ほど申し上げましたように、非常にふえてきておりますが、実際問題として、この制度自身が法律の第一条にございますように、中小企業の機械設備の近代化をねらいといたしておりますので、私どもといたしましても、購入先としては中小企業にできるだけ向くように指導もいたしてきております。そういった結果からでございましょうが、現在私どもが調査をいたしました結果、購入者の規模からいたしまして、全体の九七%が中小企業者であり、また残りの三%も従業員千人未満という、いわば中堅企業ということになっておるわけでございまして、この制度が、いま御指摘のような中小企業の設備の近代化に大きく役割りを果たしておるものと考えております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 先ほどもお答えありましたように、この保険に付加された割賦販売は、年間一万三千件、金額にして四百億円ということでございますが、この数字は、国で考えておる要近代化の企業に対して、どの程度、何%ぐらい一万三千件というものは当たるのかどうか。つまり、この契約をし、この保険をつけて機械を購入しようという、そうしたユーザーはどのくらいあるのだろうか。それに対して一万三千件というのは、ほぼでけっこうですが、ほぼどの程度になっておるのか、こういうことをわかったらひとつ教えてください。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 中小企業全体としてどの程度の設備近代化のための機械購入をしておるか、またその金額はどのくらいかということつにきましては、私どもいまのところ正確な統計を持っておりませんので、申しわけございませんが、お答えをしにくいと思います。ただ、ほかのいろいろな資料から見てまいりまして、たとえば先ほども長官から御説明をいたしましたように、中小企業の設備の近代化のための貸付制度、あるいは信用保証制度、こういったものがどの程度と、そういったようなこと等からの比較をとってみますると、私いま申し上げましたように、この一万三千件、約四百億という規模は、相当な規模ではなかろうか、こういう感じでおります。いまのところ、実は全体の資料を私ども持っておりませんので、あるいは、長官からお答えがあるかと思いますが、その程度の感じでおるわけでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この割賦販売だけが近代化でなくて、いろいろの面がありますから一がいにはいかないと思いますが、ただこのメーカーとユーザー側との間で希望しても、この保険の対象にならないということになることは、結局メーカー側が保険に加入しておらないということになろうかと思いますが、現行制度がユーザー側の振興にどの程度貢献しているか、その状況を承りたいし、ユーザー側の保険に加入した率といいますか、状況といいますか、その点を承りたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) この保険制度は、制度といたしましては、国と機械のメーカーとが、包括保険契約を結ぶわけでございます。そういう契約をいたしまして、そのメーカーが、主として中小企業を対象といたしまして、機械を割賦販売いたす、その場合に不払いの事故が起きました場合、その金額の半額を保険でカバーをする、こういう制度でございます。そこで、先ほどちょっと申し上げましたように、いま私ども対象機種を二十五機種というふうに考えておりまして、これは私どもが承知しております限りにおきましては、いわゆる割賦で販売をしておる機械、こういったものの大部分をこれが包摂しておるというふうに理解をいたしております。で、いま申し上げましたような二十五機種これが保険の対象でございますが、いまの二十五機種の年間の総販売額に対しまして、総金額はいま申し上げたように四百億でございますから、その比率をとってみますると、大体二割程度がこのいわゆる割賦比率と申しますか、全体の加入者が売っております総額の中でこの割賦の販売が二割程度、こういうことになっております。したがいまして、では残りの八割ぐらいはどうかといいますと、これは割賦でなくて売られておる。少なくともこの二十五機種につきまして、割賦で売る場合にはほとんど全部が私どもとしてはこれにかかっておるものと思っております。もちろんこの機械の販売方式、非常に多種多様でございまするし、ユーザーのほうもたくさんございますので、これが全部の機械の割賦をカバーしているとは申せませんが、私どもとしてはいま申し上げたようなことで、大体二十五機種というものが、割賦になじんでおると申しますか、大部分を割賦販売しておる、そういうような機種につきましては、まずこの制度でカバーされておるんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この保険契約は、国と製造業者、まあメーカー側がやるわけですが、その保険に加入している製造業者というものは、二十五機種を対象とする業界の何%ぐらいがいま加入しておるわけでございますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 加入者の数、つまりメーカーの数では、実は統計が出ておりませんが、この二十五機種の全体の生産額に対しまして、加入者の販売額はどのぐいらかということで、四十三年度の統計で比率をとってみますると、約三割、正確に申しますと二七・六%でございます。と申しますことは、この二十五機種の全体の生産額の中で、この保険に加入をいたしておりますものの販売額が、つまり三割ということでございます。残りの七割は、じゃどういうことかと申しますと、これは割賦で販売をしていない金額、また大メーカーでございまして、自家保険と申しますか、この保険に入らなくても割賦販売可能なメーカーもございます。それから、さらに申せば、資本系列その他の関係がございまして、ややこれに似たような民間の保険もございますので、そういったことを活用しておるメーカーもあろうかと思います。全体申し上げまして、いま申したように二十五機種の生産額に対しまして、当該の、私どものこの保険に加入しておりますものの販売額は約三割、こういうことでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この保険は、何ですね、大メーカーも保険契約に加入できるわけですね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 御指摘のとおりでございます。で、この点を、ちょっと企業数でもって比率をとってみましたが、全体を一〇〇といたしまして、中小企業の契約者、中小企業のほうの契約者が全体の五四%になっております。もっとも残りの四六%の中で、これは従業員千人未満というものを一応中堅企業というふうに考えますと、これが一一二%ございます。したがいまして、まあ中小企業並びに中堅企業が契約者総数に占める比率は八五%ということになっております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 まあ現行制度ができて以来、これをだいぶ利用されておることはお聞きしたとおりでありますが、この保険事故はどの程度あったか、あるいは保険事故に対して国のてん補はどの程度されたか。年間といいますか、平均でけっこうですが、状況を承りたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 当保険発足以来、保険金を支払いました保険事故の件数は約三千五百件、金額にいたしまして約二十八億円でございます。で、これはまあ景気の好不況によりまして非常に差があるわけでございまして、過去の例をとってみますると、昭和三十九年度から四十一年度まで、いずれも不況のあおりで非常にこの事故が多く、かつまた保険金の支払いも多くなっております。で、保険金は、この法律にございますように、販売金額に対しまして五〇%保険金を支払うことになっておりますので、事故が起きますと、当該販売金額の五割付保金額を保険金として支払うと、こういうことになっております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 そうすると、いまお答えの三千五百件、二十八億円というものに対して、国の保険金てん補といいますか一保険金が十四億というふうに考えていいわけですね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) いまの私の答えが不十分であったかと思いますが、要するに保険をかけまして、事故が発生する。事故が発生すると申しますのは、残りの割賦の金額が払えなくなる。保険契約者からいけば受け取れなくなる。その損害が起こりました残りの金額の半額を支払うわけでございます。それが合計いたしまして二十八億、こういうことでございますから、この半額ということではございません。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 これは保険会計といいますか、特別会計になっているわけですね。こういうふうにてん補していけば国の金が出るわけですが、収支状況、特別会計の収支状況と今後の見通しはどんなような状態でございますか。あわせて昭和四十五年度の予算措置をどのようにとられておるか、おわかりでしたら……。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘のように、この保険は特別会計をもって運用いたしております。で、過去の収支状況をかいつまんで申し上げますと、先ほど申し上げましたように、昭和三十九年度は一億四千二百万円の赤字、四十年度が一億七千九百万円の赤字、四十一年度が一億九百万円の赤字でございましたが、四十二年度から事業収支が黒字になってまいりまして、四十二年度は一億七千百万円の黒字、四十三年度は一億五千八百万円の黒字、四十四年度はまだ最終的に締め切った数字が出ておりませんが、昨年十二月までの数字でございますが、一億一千八百万円の黒字ということでございまして、三十六年度にこの特別会計が発足いたしまして以来の累計の収支は、昨年十二月末までで六百万円の黒字、たいした黒字ではございませんが、ほぼ十年近くやってまいりまして、とんとんに近い感じになっているわけでございます。四十五年度はまだわかりませんが、一応予算的に申しますと、保険契約の限度額といたしましては、五百億円を予定をいたしております。  それから保険の支払い額、つまり事故によります保険の支払い額は、予算上は三億六千七百万円を予定をいたしております。これはまだことしの年度がたっていませんのでわかりませんが、一応予算上、そういう予定で予算を組んでおります。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 そうすると、四十五年度の予算で、五百億円、それから保険の、何といいますか、てん補の額が三億六千七百万円と一応予定するということでございますが、そうなりますと、過去三十九年度から四十一年度まで赤字であったわけですね。この毎年度の赤字というものは、一番大きなので一億七千九百万円、一億八千万円程度でありますから、したがって、四十五年度の三億六千七百万円計上すれば心配ないという一応の見通しをお立てになっていると、こう考えていいですかどうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 私どもとしては、ただいま御指摘のとおりだと思います。若干の幅を持って、予算でございますので、限度をきめております。で、ことしの景気いかんによりますが、これ以内でおさまるだろうと思っております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この加入率は低いような気がいたしますが、ということは、保険の利用手続が煩瑣なためなのか、あるいは一般に周知徹底が不十分なのか、あるいは加入の手続を本省が直接取り扱っているために加入率が落ちておるのか。たとえば各通産局にもっと積極的に取り扱わせた場合、さらに加入率は高くなって、したがって利用度も高くなるのではないかというふうに感じます。この点いかがでしょう。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 私どもといたしましては、いろんなPR用のパンフレットもつくっておりまするし、また関係の工業会あるいは中小企業庁等にもお願いをいたしまして、いろんな機会を通じてこの保険の利用方を進めてまいっております。もちろんまだ十分ではないと思いますので、そういった点については今後とも十分努力をしてまいりたいと思っております。それからこの利用手続の面でございまするが、この点につきましてもできるだけの簡素化をはかっておるつもりでございまして、昨年も十一月から電子計算機を導入いたしまして、これに伴いまして保険契約者が従来みずから行なっておりましたような保険料計算が要らなくなり、電子計算機で当方でやってしまうというようなこと等も可能になってきておりまして、手続の大幅な簡素化が実現できておると考えております。また通産局の活用問題でございますが、これは本省において取り扱いますほかに、大阪、名古屋の二つの通産局にはそれぞれ係のものを置いておりまして、ここで保険契約ができるように取り計らっておりますほか、札幌、福岡それから仙台、この三通産局には窓口を置いておりまして、保険の申し込みをこの窓口で受ける、あるいは保険に関する各種の説明等の応対もできるというような仕組みになっております。なお、今後四国並びに中国の関係につきましては、こういった保険契約の進出と申しますか、希望の状況等を見計らいまして、私どもとしてはできるだけ早い機会にここにも窓口を設定したい、かように考えております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この加入の手続とかいうことは、結局メーカー側が加入するわけで、ユーザー側は直接関係ないわけですけれども、したがって、いまお答えのように、通産局の程度で今後も十分だというふうにお考えのわけで、そういうふうに考えてよろしいわけですね。たとえばこのユーザー側とすれば、何か必要があるとすれば、府県の商工部あたりで代行さすればいいと思いますが、機械工業の側とすれば、そうこまかくこの事務を扱わせないでも間に合うというふうに考えてよろしいわけですね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 先ほど来もちょっと申し上げましたように、現在のところこの保険の契約企業数は全体で約三百八十社でございます。それから、もちろんこれがこれからもふえてまいりますことを私ども希望いたしております。また、ふやすように努力もしてまいりたいと考えております。全体いま申し上げましたような数字でもございますので、私どもといたしましては、いま御指摘がございましたように、通産局をベースにいたしまして事務を取り扱ってまいりたい、こう考えております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この保険制度によりますと、割賦販売をいたした購入者側の業態といいますか、企業別規模別の分布状況といいますか、そういうことはおわかりになりますか。たとえば業態あるいは中小企業の規模、そういうようなのがおわかりでしたら……。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) いま御質問の点で、購入者の業態別——どういう業種であるかということについては、実は調査をいたしておりませんので、ちょっとお答えいたしかねますが、購入者のほうの規模別の分布状況につきましては、これは全部ではございませんが、サンプル調査をいたしました結果について、簡単に御報告申し上げてみますと、先ほども申し上げましたように、従業員三百人未満のものが九七%でございます。そのうちさらに百一人から三百人までというところが約一七%、それから五十一人から百人までというところが五三%余りでございまして、さらにいわゆる小規模事業と申しますか、従業員二十人未満というようないわゆる零細企業と申しますか、小規模事業者がさらにそのうちの一七%程度を占めている、こういうことでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 やはり小規模になるほど利用率は少いというふうにこのパーセンンテージは出ているようでありますが、結局利用するのが小企業ほど少いというふうに見ていいわけですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 必ずしもそうではないと思います。もう一度申し上げますと、全体を一〇〇といたしました中で、五十一人から百人までというところが一番多うございまして五三%、約半分は五十一人から百人までの間の企業でございます。さらに百一人から三百人までが一七%、それから二十人以下、こういったいわゆる小規模零細企業が一七%、こういう感じの数字でございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 ちょっと中小企業庁の長官に伺いたいのでありますが、中小企業の事業者というのは四百二十一万何千ですか、昭和四十三年度の統計ですが、四百二十万くらいでございますか、このうち、先ほどもちょっとお聞きしたように小企業ですが、小企業は何%くらいに統計は出ておりますか、おわかりですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 私いま手元に四十四年の速報を持っておりますので四十四年の速報でお答えさせていただきますが、全体で、農林関係を除きまして、事業者の数が四百六十五万でございます。そのうち小規模企業が三百八十四万でございまして、事業数におきまして八二%でございます。これを製造業だけについて申し上げますと、同じ統計でございますが、全体で七十四万でございましてそのうち小規模企業が六十七万三千でございます。九〇・九%という数字になっております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 政令で見ますると、先ほども局長さんからお答えになりましたように対象機種が二十五機種でございますね。最近の機械類というのは技術革新などによっていろいろ新しい機種もできているのではないかというふうに思います。したがって、対象機種を追加する必要があるのではないかと思うのでありますが、御見解を承りたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 御指摘のとおりだと私ども考えております。で、この保険の対象にいたします場合、私どもといたしましては、中小企業者の設備の近代化に役立つものであり、また、機械工業の面からも振興に寄与するものであるということは当然でございますが、あわせてまた、その機械そのものが販売の形といたしまして割賦販売になじむと申しますか、割賦販売が相当程度行なわれておるということでございませんと保険に付されてまいりませんので、そういった実態等も十分検討いたしまして対象機種に選んでおるわけでございます。ただいまのところ、いま御指摘もございましたように経済の状態も逐次変わってきております。そういったことから、最近割賦販売が相当程度増加しておるものと思われておりますトラッククレーンでございますとかあるいはこれは必ずしも生産設備ではございませんが、中小企業の経営の近代化に役立っておると思われます小型の電子計算機、こういったものにつきましても一保険の対象にしてはどうかということで、目下検討を進めております。私どもとしてはいま申し上げましたような観点から、適当なものがあれば前向きにこれは追加をしていくという考え方を持っておる次第でございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 今度の政令について、ついでに承りたいのでありますが、保険期間というものがありますね。五カ月のもの、六カ月をこえ二十カ月以内のもの、二十カ月をこえるもの、それぞれ各機種によって保険金額というもの、保険料率というものが違っておりますが、おおむね三つに分けてあるわけでありますが、いままで取り扱ってきておるもののうちで二十カ月をこえるというものはどのくらいありますか。そうしてまた割賦の期間というものの最長限というもの、そういうものなんかきめてありますか、承りたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) いま御質問の中で二十カ月をこえるものがどの程度あるかという御指摘でございましたが、その点はちょっといま資料を調べまして、あとでお答えをいたさしていただきたいと思います。  それから最長期間はいまのところ三十六カ月でございます。それをこえるものはございません。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 輸入機械ですね、輸入機械の場合は対象とするのかどうか。それから中古機械ですね、中古でも設備の近代化に役立つような場合があると思いますが、それが保険に付すことができるかどうか、その点をひとつ。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) この法律の目的からいたしまして、輸入機械につきましては対象といたしておりません。中古機械につきましては、いま御指摘もございましたように中小企業者の設備の近代化に役立つ面もあると思いまするが、全体としては私どもやはり新鋭機械を備えることがいいことだと思っております。ただ、中古機械の場合につきましても、いま御指摘のような面もございますので、これは私どものほうの、通産大臣の承認を得ればこれを対象とすることができるというふうな制度にいたしております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 先ほどもちょっと聞きましたが、メーカー側に損害が生じた場合、回収金等を行なった後の金額の五〇%を国が保険をするということであると思いますが、この回収金制度というものはどのように取り扱っておられるか。これは国がてん補した後に、債権の整理あるいは清算をした後に、メーカーと国が折半してこれは回収するということになろうと思いますが、この回収について、メーカーの自発的な申告になっておるのでありますか。あるいはこの回収の把握をどういうふうに国はいたしておるか、この点承りたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 手続の実際面でございますので、簡単に御説明をいたしますが、この制度でございますと、まず保険事故が起こる、そこで割賦の代金が弁済できないということで、いわば損害額が決定をいたします。その損害を受けました事故額の半額が保険の対象になっておりますので、通例の場合にはその半額を支払うわけでございます。ところが回収金制度と申しますのは、通例の場合、割賦で機械を売りますと、その所有権はまだメーカーのほうに留保しているのが通例でございまするので、メーカーといたしましては、当該機械を引き揚げるわけでございます。引き揚げますと、その機械がやはり中古品として他にまた転売をされるというのが通常のケースでございますので、それが転売をいたしますと、その転売をいたしまして得た金額の半額は国に納付をしてもらう、こういう仕組みになっておるわけでございまして、これを回収金というふうに呼んでおるわけでございます。  そこで、この回収金制度は、いま申し上げましたようにいわば割賦で売った機械を途中で引き揚げまして転売をしたその金額の半額が国に返る、半額がいわばメーカーのふところに入るわけでございます。そういったことから、メーカーといたしましても、当然最もいい時期に最もいい販売価格でもって、引き揚げました機械を転売をするということになるわけでございまして、この点はもちろん機械の販売の商取引としてメーカーの自由にまかしております。従来までこういったような回収が行なわれました際に、メーカーから私どものほうに報告があるわけでございまして、それに基づいてやっておりますが、たとえば、こういった回収金に関する報告義務を怠っておるかどうか、こういった点につきましては、保険事故が起きまして保険金を支払いますと、当該メーカーにつきましては私どものほうで定期的に実地調査を適宜行なっております。そうして帳簿等見ますると当該機械が売れたかどうかわかるわけでございます。現在までのところ、そういった保険金を支払いましたメーカーについて調査をいたしておりますが、故意による報告漏れといったような悪質なものは、現在まで一件も出ていないというのが実情でございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 今度の改正案の要点は、先ほども承ったように購入資金の借り入れ保証契約という、いわゆるローン、銀行ローンだと思います、こういうローンを新しく法律できめた場合に、保険契約といいますか、従来の実績から見て、今後どの程度伸びるというふうにお考えになっておるか、見通し等があったら承りたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ローン販売と申しますか、ビジネスローンという制度が近年非常に活発になってまいっておるわけでございますが、これは御承知のように最初は耐久消費財、特に営業用の電化製品といったものを中心にメーカー、銀行間で行なわれたのでございます。これが逐年増加をしてまいりまして、近年におきましては、私どもの対象といたしておりますような、いわゆる設備機械につきましてもローン制度で販売が行なわれるということになってまいったわけでございます。こういった点から、私どもといたしましては、いわゆるローン販売というものが、従来の割賦販売の一変形と申しますか、一つの形態である。内容的にも信用販売という点で同じであり、メーカーが負うリスクも同様である、こういった点に着目をいたしまして、今回の法改正をお願いをいたした次第でございます。この規模がどのぐらいになるかということでございますが、まだ、まだ各メーカーからの聞き取りのサンプル調査等をした結果でございまして、正確ではないと思いますが、大体保険金額といたしまして五十億円程度が四十五年度としてローン保険の対象になるのではないか。こういう一応の想定をいたしております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 このローンによってさらにこの制度は拡大すると思いますが、ただ、いままではメーカーと国との間の保険契約でよかったのが、今度は銀行、金融機関がここに入るわけですから、金融機関がこの制度に対してよく理解されないと、このローンが活用できないのではないか。まあ従来銀行などは当該ユーザーの規模が小さい場合、あるいは信用度の低い場合には、ローンに対してもなかなかうんと言わなかったのではないか。今度の制度は、ユーザーに信用度が低くても、結局ユーザーが機械を入れて、その金を銀行から借りても、その保証をメーカー側がするわけですね。さらにその保険を国が五〇%持つということになると、銀行のほうでもまあある程度安心してこの契約ができると思いますが、この趣旨が徹底をしないと、ややもするとこの点が金融機関側に不十分だと成果があがらないような気がいたしますが、その点はどうでございましょう。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ローン保険を実施いたしますに際しまして、私どもどの程度このローン保険契約をしたいかと、そういう希望者がどの程度あるかということで、昨年の七月にこのローン保険を実施したとすれば申し込みをいたしますかというような、制度の内容を説明いたしまして、アンケート調査等をいたしてみたのでございます。そういった点からいたしてみますると、やはりこのローン保険を、こういった保険制度ができれば銀行との間で基本契約ができ、そしてローン販売というものをやりたいと、あるいはやれるであろうというようなものが中小メーカーといたしまして相当多数出てきております。私どもの調査でございますと、中小企業と思われるといいますか、いわゆる中小企業というものの希望が約五五%ございまして、さらに中堅企業まで入れますと七五%余りがこのローン保険に加入をして、そしてローン販売をやりたいというような希望数に相なっておるわけでございます。もちろんいま御指摘のように、このローン販売自身が、銀行というものが一枚加わりまして、メーカーと銀行の間でいわゆるビジネスローン基本契約なるものを結ばなければなりませんので、こういった点等につきましても、昨年この改正を研究いたします際にも銀行協会の関係者等にもお集まりを願って、十分御説明もし、また御意見も聞いております。そういった点からも、銀行側もぜひこの制度ができることが望ましいということで、積極的な賛成、支持も得たのでございます。今回この法案が成立をいたしました暁におきましては、もちろん銀行、メーカー、あるいは中小企業のユーザー等を含めまして、今回の改正法案の趣旨を十分周知徹底いたしますように、なお一そう努力をしてまいる所存でございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 ちょっとこまかいことで恐縮で、おわかりかどうか知りませんが、従来のメーカーがユーザーに契約したのを売った、その場合、当然に月賦でありますから利息の計算をするわけですね。利息が加算されて機械の全体の支払い額になるわけですが、新たに銀行ローンを利用するとなりますと、銀行の利息というものは大体きまっておりますが、それとの比較というものは、一体どう考えたらよろしいか、つまり銀行のローンを利用したほうがユーザー側は利息の計算で利益なのか、まあ多少利益になるような気がするわけでありますが、その点、何か計算されたことおありかどうか承りたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 割賦販売等につきましては、機種により、また相手方により、期間により、いろいろの差異がございますが、私どもで調べて見ますと大体二銭四厘から高いものは三銭——日歩計算でございますが、そういったものが多いようでございます。現在ビジネスローンと称せられるものは、銀行がどのくらいの金利でやっているかということについて、これも全部悉皆調査ではございません、まだ制度自身ができませんので悉皆調査いたしておりませんが、いわゆるアドオン五%というようなものが基準になっているようでございまして、私どもが調べましたところでは、大体二銭三厘から二銭四厘というところのように承知をいたしております。したがいまして、従来の割賦の金利から申しますと、どちらかといえばそれよりも安いほうの部に属している、こういうことではないかと考えております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 もう時間がきたのであと一つだけで終わりにいたします。  この制度は、国の制度として中小企業に非常に貢献しているということはよくわかるわけでありますが、さらにこれを拡大して、先ほどの保険会計からいけば、むしろ最近は高利になっているということでありますから、かなりもっとメーカーなりユーザーなりに有利のこの保険制度を前進せしめることが必要ではないか、あるいは可能ではないか、過去の実績からいきまして。したがって、現在事故のあった場合には国が五〇%てん補することになっておりますが、これをさらにパーセンテージを上げることによって利用率も高まり、また業界にそれぞれ寄与することも大きくなると思いますが、そのてん補率を、保険金といいますか、保険率といいますか、この五〇%をさらに引き上げるということを検討されてみたことございますか。今後の考え方として一応承っておきたいと思います。  以上で終わります。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘のてん補率五〇%を今後引き上げるつもりがあるか、こういう御指摘でございます。御承知のように法律上は第六条でいわば保険会計そのものが収支が均衡するというたてまえをとっております。これはまあ保険制度そのものの性質からもくるわけでございますが、そういった収支均衡の原則をとっております。そういったことから、このてん補率と保険料率というものが相互にからみ合っておるわけでございます。先ほど事故に関する御質問並びに収支についての御質問がございました際お答え申し上げましたように、過去三十六年以来の事業収支の累計は、いまのところやっとまあとんとんぐらいの感じということでございますので、大ざっぱに見ると景気の変動等が途中にございましたが、まずこのてん補率、保険料率というものが、ある程度バランスがとれておるのではないだろうか、かように考えております。もちろんてん補率を引き上げること自身が、いま御指摘のようにこの制度をさらに利用しやすくし、また、それがひいては中小企業者の機械設備の近代化に積極的に資していくという面は、私どもは十分承知をいたしております。ただ保険という制度からいたしますと、この法律のたてまえからいたしまして、もう長期にわたりましてある程度黒字が累積をしていくというような時期がまいりますれば、その際、私どもはあらためててん補率あるいは保険料率、両面からの検討をしてまいりたい。ちょっとまだここ一、二年の黒字ということで、にわかにてん補率なり保険料率なりを動かすというふうにはなかなかまいりにくいと思います。ただ御指摘のような点、私ども十分承知をいたしておりますので、そういった時代がまいりますれば、この点につきましては積極的な検討を加える所存でございます。  なお、先ほど御指摘のありました点で、私、資料等について御質問に応じられなかった面がございますので、担当の課長から簡単に資料につきまして御説明をさせていただきます。

海老原武邦通商産業省重工業局機械保険課長

○説明員(海老原武邦君) 先ほど先生から御質問のございました、現在割賦販売で二十カ月以上のものがどの程度あるかという御質問がございました。手元に通産省の調査統計部でかなり網羅的に調査した割賦販売についての資料がございます。調査対象時期がちょっと古いのでございますが、これは統計の関係で四十二年十月から四十三年九月までのその一年間でございますが、まず三十六カ月以内の割賦販売設備機械についてどの程度か、これが全体の割賦販売の九三・七を占めておる。それからさらに短くいたしまして二十四カ月以内ということにいたしますと七六・〇%。ちょうど二十カ月のところで切れた統計がございませんが、大体そんなふうな感じでございます。これは当保険に付保した割賦販売の統計ではございませんが、保険をした割賦販売につきましても感じは大体同じようなものでございます。

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 本法案についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。速記をとめて。   〔速記中止〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会     —————————————

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