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63回国会参議院1970/03/12

商工委員会 第4号

発言数
223
登壇者
18
会派数
5
開催日
1970/03/12

会議録

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  小宮山通産政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。小宮山通産政務次官。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(小宮山重四郎君) このたび通産政務次官を拝命いたしました衆議院議員の小宮山でございます。何とぞ委員各位には今後ともよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。     —————————————

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、前回に引き続き、昭和四十五年度通商産業省の施策及び予算に関する件について調査を進めます。  まず、昭和四十五年度の通商産業省所管の予算説明を聴取いたします。高橋官房長。

高橋淑郎通商産業大臣官房長

○政府委員(高橋淑郎君) 昭和四十五年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画についての説明は、お手元に差し上げてありますが、その要点を簡単に御説明申し上げます。  昭和四十五年度の通商産業省所管一般会計予定経費要求額は九百七十三億円でありまして、前年度予算に対して五十七億円、六・二%増となっております。  次に、重点事項別に内容を御説明申し上げます。  第一の柱として掲げました経済の国際的展開につきましては、経済協力の推進をはかるため、発展途上国一次産品開発輸入促進事業を拡充するとともに、新たに資源開発協力基礎調査を実施する等、三十一億円を計上しております。  次に、貿易の振興と海外投融資の促進につきましては、ジェトロほか各種輸出振興機関の拡充をはかるため七十二億円を計上しております。  第二の国民生活の質的充実につきましては、公害防止対策といたしまして、新たに公害相談事業を実施するとともに、産業公害総合事前調査の拡充、産業廃棄物処理対策の実施等のため三億円を計上しております。なお、当省関係の公害防止対策費は、産業公害防止技術研究、工業用水道事業対策のうちの地盤沈下対策費等を含めまして、前年度予算に対して五八・五%増の三十億円を計上しております。  また、消費者利益の保護増進につきましては、商品テスト網の整備、消費者に対する情報提供の充実等を行なうため二億円を計上いたしております。  第三に、経済発展の基礎条件を確保するため、基礎資源の開発と総合エネルギー政策の推進を行なうこととし、新たに大陸だな石油天然ガス資源基礎調査を実施するとともに、国内外における鉱物資源開発の一そうの推進をはかるため三十二億円を計上しております。  また、産業立地対策といたしましては、新たに大規模工業基地の総合的な開発、農村地域における工業開発に関する調査等を実施するとともに、工業用水道事業につきましては、その建設の促進をはかることとして九十三億円を計上しており、これは経済企画庁計上分も含めますと百一億円となっております。  第四に、中小企業及び流通部門の近代化を促進するため、まず中小企業対策といたしましては、中小企業振興事業団事業の大幅な拡大、経営指導員の待遇改善等による小規模事業対策の拡充、中小企業指導事業の推進等のため、前年度予算に対して、二〇・三%増の三百七十一億円を計上しております。  次に、繊維工業の構造改善の推進につきましては、九億円を計上するとともに、中小企業振興事業団が行なう繊維工業の設備近代化に対する融資事業につきましては、事業規模の大幅な拡大をはかることといたしております。  また、流通部門の合理化につきましては、流通活動のシステム化を中心として流通近代化対策を積極的に推進することとし、また、流通部門における中小企業の近代化につきまして、その促進をはかることとしております。  第五の創造的発展への指向につきましては、まず技術開発力の強化をはかる見地から、新たに大深度遠隔操作海底石油掘削装置の開発を大型プロジェクトとして取り上げるとともに、試験研究所の特別研究、重要技術研究開発費補助、住宅産業の標準化等の工業標準化事業等の拡充をはかることとし、特許行政につきましても特許法等の改正をお願いすることとし、これの円滑な施行を期することとしており、二百十九億円を計上しております。  次に、情報化の推進につきましては、情報処理振興事業協会を新たに設立し、五億円を計上する等により、情報化社会の進展に対処することとしております。また、次期民間中型ジェット輸送機の開発を推進することとし、その詳細設計、研究等を実施するため五億円を計上しております。  第六に、日本万国博覧会の開催につきましては、その運営に万全を期するため十八億円を計上しております。  以上の一般会計のほか、特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計は歳入百四億円、歳出八十二億円、輸出保険特別会計は歳入歳出とも二百九十三億円、機械類信用保険特別会計は歳入歳出とも十六億円を計上しております。  また、石炭対策特別会計につきましては歳入歳出とも九百七十一億円を計上しており、このうち当省関係の歳出は八百六十六億円でありますが、これにより、引き続き石炭鉱業の再建、保安の確保、終閉山の円滑化、鉱害処理の推進、産炭地域の振興等の施策を推進することといたしております。  次に、当省関係の財政投融資計画につきまして御説明申し上げます。  昭和四十五年度の当省関係の財政投融資計画は総額一兆一千四百七十四億円でありまして、前年度当初計画一兆百六十一億円に比べ、一二・九%の増となっております。  以下おもな機関別にその概要を御説明いたします。  まず、日本輸出入銀行につきましては、プラント類延べ払い輸出の振興を中心として七百六十億円の出資を確保するとともに、資金需要の増大に対処するため、貸し出し規模を拡大することとしております。  次に、中小企業金融三機関につきましては、前年度当初計画比一八%増の普通貸し付け規模を確保するとともに、下請企業振興貸し付け制度の新設、構造改善貸し付けワクの拡大など、特別貸し付け制度の充実をはかっております。  また、中小企業振興事業団につきましては、大幅にその事業規模を拡大するために必要な財政投融資を確保することとしております。  日本開発銀行につきましては、繊維工業、アンモニア工業等を対象とする産業構造改善金融ワク、国産技術振興資金ワク等の拡充をはかるとともに、新たに流通機構近代化、過密公害地域からの工場分散等の促進のための融資を、特利適用等により積極的に行なうこととし、もってわが国経済の均衡のとれた発展を一そう推進することとしております。  金属鉱物探鉱促進事業団につきましては、鉱物資源の低廉かつ安定的な供給を確保するため、海外における探鉱及び開発について、ウラン、ニッケルを対象鉱種として追加して、事業団に対する出資を十一億円に拡充するとともに、国内探鉱についても事業規模の拡大をはかることとしております。  また、石油開発公団につきましても、出資を百三十五億円と大幅に拡大し、海外石油資源の開発を強力に進めていくこととしております。  公害防止事業団につきましては、その事業規模を百六十四億円に拡充することとしております。  以上、通商産業省関係の予算案及び財政投融資計画につきまして、簡単にその概略を御説明申し上げました。  よろしくお願い申し上げます。     —————————————

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 続いて通商産業大臣に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 先般行なわれました大臣の所信表明にからみまして、最近わが国の外交上の重大懸案でありますアメリカからの毛・化合繊維製品に対する輸出の規制に関しての要求につきまして、二、三質問をいたしたいと思います。  その質問に入ります前に、局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、わが国は繊維産業の近代化のために構造改善事業を現在行なっておるところであります。紡績あるいはまた機屋等に対しまして特別の手厚い助成措置を講じて、わが国のそれらの業種が国際的に競争ができるような体制確立のために努力をいたしておりますことは御了承のとおりでありますが、今日の段階で、政府が行なってきた構造改善、この結果、今日のいま私が申し上げました紡績ないしは機屋等がどの程度の力を現実にたくわえつつあるのか、まず第一点にお尋ねをいたしたいと思います。  それから第二点といたしましては、聞くところによりますと、昨年の夏以降、繊維の対米輸出が急激に減少を示しているといわれておるのでありますが、統計的にはどういうようになっておるのか。  第三点は、どのような形で日米の繊維交渉が収拾をされるかということは、まだ予断を許さないところではありますが、ともあれ、わが国の中小を中心とした機屋あるいは紡績、その他毛製品のメーカー等が影響を受けるその度合いについてお答えをいただきたいと思います。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 第一の点でございますが、紡績につきましては、昨年基本計画の見直しをいたしましたわけでありますが、大紡績につきましては、ほぼ五カ年計画の目標どおり近代化資金の導入が行なわれておると思います。ただ中小規模につきましては、グループ化の促進なり、あるいはまた近代化の促進なり、やや計画から見ますると、おくれておる点がございますので、四十五年度の開発銀行の融資等につきましても、その融資ワクあるいは金利水準につきましても特段の措置を講じて、一だんとそれを促進してまいりたい、かように考えております。  次に織布の問題でございますが、織布の問題は、やや織機の開発のテンポにつきまして気迷い気分がございまして、昭和四十三年度、すなわち構造改善計画の第二年度におきまして、相当の予算手当てをいたしたのでございますが、やや予算の消化率が悪かったという過去がございます。そういうこともございまして、四十五年度の予算におきましては、前年に対しまして約四割の事業規模の拡大をはかっておりますけれども、なお五カ年計画に対しましては、進捗率が五三%ということになる、かように考えております。  次に、対米輸出の推移でございますが、これは日本のみならず世界各国の対米輸出は、六八年は非常に好調でございましたが、その余音を受けまして、六八年上期は非常によかったのでございますけれども、下期はだいぶ落ちてきております。したがいまして、最近いわれております一部の産地の対米輸出不振というものは、いまの自主規制の問題の思惑がからんでおるほかに、やはり米国における輸入等について、景気後退ということが、ある程度影響をしておるのではなかろうかと、かように考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大臣にお尋ねをいたしますが、わが国は、いま局長からお話のありましたとおり、紡績あるいは織布その他繊維に関連のあるそれぞれの分野に対して、国みずから助成措置を講じて自由な競争が国内的にも国際的にもできるような体制を目標として今日まで努力をし、なおこれからも努力をしようとしておるわけであります。これが通産行政であることは申すまでもないところであります。ところが、アメリカの主張するような繊維の規制が今日行なわれるといたしますれば、いままで通産省が行政の一つの方向として掲げてまいりました、国際的にも国内的にも自由な競争ができるような、言うならば、産業、業種を育成しようとする考え方は、大きくここに転換しなければならぬということになってまいりまするし、産地別に見ましても、これまた局長がいまお話がありましたとおりに、かなりの被害がむしろ日本の国に出ている。ある意味においては、アメリカより、もっと将来おそるべき被害が想定される今日でありますから、当然のこととしてわが国の主要な産業の一つであります繊維産業を守る立場で対アメリカとの話し合いがなされることを私は期待をいたしておるわけでありますが、新聞の伝えるところによりますと、どうもここ若干の期間が日米間における繊維交渉の山場になるのではないか、言うならば大きな転換点にくるのではないかといわれておるのでありますが、先般来、吉野公使が帰国をし、またアメリカに戻り、そしてアメリカに対してわが国の考え方、具体的には覚え書きを提示しているというようなこの情勢の中で、大臣自身この問題はどのような方向で発展をすると考えておられるのか、お答えをいただきたいと思う。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、繊維問題は、現在日米間の大きな懸案事項になっておりますから、両国の友好関係のために誠意をもってできるだけすみやかに解決をしたいと考えておるわけでございますが、しかし、問題の性質上、われわれとしても、ガット等々との関係もあって、筋道を立てなければならないと考えておるわけでございます。すなわちガットの考え方にのっとりますと、現実にわが国からの輸出によって、アメリカ側の同種の、あるいは競争関係にある似たような種類の品物に対して損害または損害を与えるおそれが現実にあるということが立証されなければなりませんし、また、わが国以外にもそのような繊維の輸出をしておる国はたくさんございますわけでありますから、わが国だけの問題ではなく、当然多国間の関係になる筋合いであります。さらにアメリカが、求めておりますものが自主規制であるといたしますと、当然関係業界の自発的な協力を求めなければならない、こういったようないろいろな要素がございます。そこでアメリカ側が在来わが国に申し越してきておりますことの内容は、実質的にはいわゆる包括規制というものと思われますので、これは私がただいま申し上げましたわれわれの考え方と異なっておりますから、われわれとしては一般的な包括規制というようなものには応じられない。われわれの立場はかくかくである——かくかくというのは、ただいま申し上げましたような諸要素でありますが、それを先方に伝えたというのがただいまの段階であります。そこで、アメリカ側がそれに対してどのような反応を示すかということは、いまのところそれを判断する手がかりがございません。したがって、これがどういうふうにこれから推移していくかということをただいま判断する材料を私としては持っていないというのが実情でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大臣、あなたいま自主規制ということばを使われたんだが、私ども自主規制という解釈は、アメリカに強要されてしかたなく協定を結んでやるというのが自主規制とは私は思っていないわけです。自主規制というのは、あくまで日本の業界なり——もちろん政府が話し合いの中に入るでしょうが、日本側の業界あるいは政府が、相手国の同種の産業に非常に大きな影響を与えているから、この際みずから相手の要求のあるなしにかかわらず、みずから自粛をしようではないか、規制をしようではないかというのが自主規制ではないかと私は思うのであります。最近新聞等を見ましても、一部にはありますが、大体自主規制というようなことばの表現はなくなってきていると思うのであります。もう自主規制は通り越してしまいまして、言うならば、アメリカの政治的な圧力だけが表面に出てきているというのが今日の実態じゃないかと思うのであります。あなたがいまだに自主規制というような判断やそういうものの考え方でおることは誤りをおかすもとになるのではないかという感じがするのであります。ということは、自主規制というからには、日本の主体性と日本独自の判断でやるべきものであって、相手国の立場なり相手国の判断というのは二次的なものであるべきだと私は思うのです。ところが今日の状態では、そうではなくて、アメリカからこういう圧力がある、アメリカからこう言うてくるから、したがってということでありますから、これはもう自主の段階ではないと思うのですが、その点、私の言うことが間違いでしょうか。私はあなたが自主規制というような考え方やことば、そしてそれが持つ意味にこだわっているような状態ではもうなくなってきていると、こう思うのでありますが、お答えをいただきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどアメリカが求めておりますものは自主規制でございますからというふうに申し上げましたのは、先方がそういう表現を使っておりますので、そのとおり申しましたのでありますが、確かに沿革的に見まして、自主規制というのはいろいろな内容を持っておりまして、私自身あまり愉快な表現とは思っておりません。ここ十何年の沿革を考えてみますと、たとえばわが国がある国とガット関係に入りたいというようなときに、先方がその条件として一定の品物について日本側の規制を求めてきたというような場合、あるいはまた、ある品物が非常に急激に輸出を増加させた結果、先方側が市場撹乱等々のことを言って、日本側に正常な輸出、いわゆるオーダリー・マーケティングをやってもらいたいといったような場合等々、いろいろな場合に、いわゆる自主規制ということが行なわれてきたわけでございますが、だれも好んで自分の輸出を自分で進んで減らそうというものは、よほど商売上の大きな考慮は別といたしまして、普通そうあることではございませんから、本来自主規制ということばそのものは、私はあまり愉快なことばではないというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大臣、あなた所管大臣として、アメリカの要求に対してわが国の国益を守る、そしてまた政治的な圧力に屈しない、そうしてわが国の重要な産業であり、構造改善その他を通じていまやどうにか国際競争にたえ得る態勢になりつつあるこの繊維産業を守るという、このような立場から、アメリカに対してどの程度までは基本的な原則として譲れる、しかしこれだけは絶対に譲れなないものであるというようなものが私はあるんじゃないかと思う。言うならば、わが国としては絶対譲れない基本原則というものがあると思う。それは一体何と何か、この際ひとつお答えをいただきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは実は冒頭に申し上げたつもりでございますが、繰り返しますならば、いわゆる被害または被害のおそれがあるということが証明された場合にのみ規制というものがあり得る。したがって、それは当然に包括的なものではなく、個別的なものでなければなりませんし、また、問題はわが国だけでなく関係国が幾つかあるに相違ございませんから、いわゆる多数国間の協議になる。大筋を申しますと、それがガットのものの考え方でございますので、そういう原則にのっとらなければならないというのが私どもの基本的な立場であります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 先般吉野駐米公使が帰国をいたし、過日アメリカ側に対して提示をいたしましたこの覚え書きというものの内容を、この際、できるだけ詳細に明らかにしてもらいたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるエードメモワールの内容は、お互いに公にしないというのが外交上の慣例でございますから、文字どおりその内容を申し上げることは御遠慮いたしたいと思いますけれども、ただいま申し上げましたとおり、われわれの考えているものごとの考え方の原則、並びに、したがってアメリカ側が要望しておる包括規制というようなものにはわれわれとしては応ずることができない。それから、かりにいわゆる自主規制ということが考えられるにいたしましても、それはきわめて変則的な例外的なことでありますから、長期にわたってそういうことをすることは適当でない、といったようなことを、先ほど申し上げましたわれわれの原則につけ加えて申しておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 けさの日本経済新聞に対米覚え書きの全文というのが出ておりますが、大臣、これをお読みになりましたか。そうして私のお尋ねすることは、この日本経済新聞の対米覚え書きの全文というやつはほぼ間違いない、こういうようにお答えいただけますか。それともこれは間違いだということになりますか。もし何でしたら、ここにあるから、そこへお持ちしてもいい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その報道は読みました。エードメモワールの内容というものは、先ほど申しましたとおり、公にしないというのが外交のルールでございますから、その報道につきましては論評を差し控えたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 論評を差し控えると言っても、実際に全文が全部出ているんだから……。私が聞いているのは、この全文が内容的にそっくりそのままであるとか、どうとかというんじゃなくて、この対米覚え書き全文というやつは、あなたが参加をして吉野公使に持たしたその内容と変わりはないかということを聞いているわけです。そのぐらいの答弁はできないですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは論評を差し控えることが筋合いであると思っております。

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 速記をつけて。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それじゃ大臣にお尋ねをいたしますが、あなたいま答弁された内容が、対米覚え書きという中に載っておるわけであります。被害の証明、被害の立証といいますか、その事実が立証されるかどうかという問題は、どこで一体きめるのか、被害が現に出ているというその立証はどこがやるのか、認定ですな。最終的には認定をどこでやるのか。これは覚え書きの中にあるんですか、ないんですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ガット十九条の規定によりますと、一般に被害の認定は輸入国側がする。ただし、普通でありますと輸出国側と協議をするということが十九条の考え方と思います。そこで、ただこの場合には、いわゆる自主規制の問題でございますから、輸出国側が当然自分の主張というものもあるわけでございます。  そこで、常識的な判断としては、両国が協議をするということが私は筋道であろうと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そういたしますると、いま行なわれている繊維交渉というのは、ガットにのっとって行なわれているわけじゃなくて、あくまでも日米間の問題として暫定的なというか、臨時的な取りきめという考え方から出ているのでありますから、いまあなたがおっしゃったとおりに、ガットの条文に照らしてその被害の認定というものを考えるという問題は、結局は別の問題として将来起こってくると思うわけであります。  そこで、この私の見ました対米覚え書きの全文の中では、被害の認定あるいはそのおそれの認定というものは、アメリカの関税委員会によって行なわれることを認めたような形に解釈される文面があるわけでありますが、それで、あなたは覚え書きにどう書いてあるかということは言われぬとおっしゃるならば、その立場を離れて、通産大臣として、いまの私の申し上げた、言うならば被害の認定というものは、アメリカの関税委員会にまかせて、輸出国であるわが国は、その認定には関与できないというような考え方が現におありなのかどうか、この際お答えをいただきたいと思う。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ガット十九条の場合でございますと、輸入国が被害をあるいはそのおそれを認定するのでありますが、通例、米国の場合には、関税委員会がそういう認定をする機関であると考えております。しかし、今回の場合は、十九条そのもの、輸入国側の主権の発動による規制ではないというふうに思われますので、したがって、被害そのものの認定は、最終的には両国間の協議、これできまっていくのが筋道だと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 しかし、対米覚え書きの中を見ますると、たとえば「さらに米国内においても重大な被害またはそのおそれの認定が権威ある機関としての関税委員会によって慎重に行なわれるということも十分承知している。」と、すなわち、被害の認定というものは最終的には関税委員会によって——「慎重」ということばが入っているが——行なわれることを十分承知しておりますということは、わが国がその被害を、協議をして認めるというよりも、相手側の、すなわちアメリカの関税委員会にこの認定の、言ってみれば、権限というものをまかせるんだと、こういう解釈に日本語からいくとならざるを得ないわけだ。そうなってまいりますれば、具体的にはアメリカの関税委員会によって、これは被害が現に出ているんだ、これは被害のおそれがあるんだということだけでもって規制が強化をされる、あるいは日本が規制強化のための話し合いに応じなきゃならぬということになるわけでありますが、その点のおそれはないんですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 従来の実績にかんがみますと、関税委員会の調査というものは、かなりガットのルールに従った厳格なものであります。そのことはわれわれも承知をしております。そして、十九条の規定によれば、関税委員会が認定をするというのが通例であります。そのことをわれわれは知っておるわけでありまして、しかしながら、この場合は十九条そのものの問題ではございませんから、アメリカ側がどういう国内手続をとるにせよ、最終的な被害あるいはそのおそれの判定は、両国の協議にまつべきものである、こういうふうに考えます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そうすると、具体的に言えば、ここに書かれている内容は間違いであると、誤りであるという解釈を私はとらざるを得ないんだが、それでいいですね。ここに述べられている、新聞の報ずるところによりますると、あなたのおっしゃられた三の項の三号にあります関税委員会によって行なわれることを十分承知しておりますというような文章の表現というものは、わが国政府の態度ではない、考え方ではないと、こういうように解釈してよろしいんですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国政府の考え方は、ただいま私が答弁を申し上げたとおりでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなたとこの問題でやり合っていても押し問答でしようがありませんからやめますが、ただ、世の中の人は、あなたが佐藤総理から繊維問題を解決するために特に選ばれて通産大臣になったのではないかといううわさすら飛ぶほどでありますから、私は非常に心配をするわけであります。  先ほどあなたは、三番目に関係国との間の協議ということを言われましたが、関係国との間の協議ということは、これは必要なことであり、また当然のことであります。そこで、この関係国の協議というのは、日米間において一つの妥協点に達した段階で関係国との間に協議を行なうのか。そうではなくて、問題はやはりいまの時点において関係国を入れて協議を行なうという考え方なのか。そのいずれか、お尋ねをいたします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 米国の希望しておりますところは、何と言っても関係国の中ではわが国が——大国ということばを使ってよろしいかどうか存じませんが——おもな国でございますから、わが国とある程度の了解に達した後に、いわゆる関係国とさらに話を進めよう、そういう希望のように見受けられます。そこで、私どもは日米間である程度の、先ほど私が申し上げましたような幾つかの原則について話をすることは、別にわれわれは妨げないと、それに特に反対するものではない。しかし、話が最終的に妥結するためには、これはもう事実を見てみますと客観的に明らかなことと思いますが、日本以外の国が主たる輸出国になっている場合が非常に多いと考えられますから、最終的にはそれらの国も一緒になって話をしないとこの話は公正な解決が得られない、これが私どもの立場でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 といたしますると、あなたのただいまの決意は、わが国がアメリカとの間に二国間協定を結ぶとか、あるいはまた考え方が妥協点に達するとか、その時点で多国間協議を行なうのではなくて、その以前の段階で多国間協議を行なうという考え方だと、このように理解していいですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それでけっこうでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それからもう一回先ほどの被害の認定に戻りますが、わが国の考え方が何らかの形で尊重をされない限り、被害の認定は一方的にアメリカ側だけに行なわさせないということは、あなたここで確認できますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) さようでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そうすると、そのことはわが国とアメリカとの合意の上でなければ被害の認定は今後起こり得ないんだ、あり得ないんだという解釈でよろしいですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 最終的な被害の認定がもしありといたしますれば、それは両国間の合意によってのみ行なわれる、こう思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それじゃ最後に一つ、期間の問題についてお尋ねいたします。  これもあなたがいやがる対米覚え書きの全文の中の一項目にあるわけでありますが、私どもが懸念をいたしますことは、たとえばそれが一年あるいは二年というような短期の取りきめといたしましても、過去においてLTAの場合と同様に、それが再度あるいはさらにまたというぐあいにして延長をされ、中身においても強化をされるというような歴史的な経過があるわけでありますが、いまわが国政府が言っている内容を総合すると、ごく短期間、一年程度の短期間の言うならば取りきめとして、本筋のガットに戻して恒久的な問題は結論を出したいというような考え方のようでありますが、その考え方がはたして貫かれるのかどうかという疑問があるわけなんです。これはいま私が申し上げたようなLTAの過去の経過から見ても明瞭であります。そこで、わが国がもしアメリカに対してたとい一年間であってもそういう協定を結ぶことに対して取りきめの用意があることを表明した際に、それを一年間で終わらせる、ごく短期間で終了させることの歯どめがあるのかどうか。ありとすればそれは何なのか、政府の決意を私は聞きたいと思うんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) かりに自主規制についての両国間の話ができましたとき、もちろん多国間になるわけでございますが、かりにということでお答えを申し上げます。本来でありますと、アメリカ側がわが国からの輸入に起因して被害またはそのおそれがあると考えるのでありますならば、ガット十九条を発動するのが筋合いでございます。ところが、たまたまアメリカ側の事情によって、従来の通商拡大法はすでに失効しており、新しい通商法はまだ生まれない、そういう空白の時期にいまアメリカがあって、したがって、十九条そのものが使えないということを言っておるわけでございますから、そういうのであるとするならば、かりに規制がわが国側で行なわれるといたしましても、これはもうアメリカの通商法が成立するとともに十九条に戻るのがこれが本則である。したがって、先ほどもちょっと申し上げましたが、いま両国間で話し合いをしていることは、いずれにしてもきわめて暫定的な問題である、これがわれわれの主張しております立場でありますし、主張しております理由はそういう理由に基づくものであります。したがって、これは十分私はどこに申しましても納得のいく理論だというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 先般アメリカ側に手渡した覚え書きの中には、期間の問題は触れられておるのですか、おらないのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その問題につきましては、ただいまのような背景がございますから、かりに取りきめができるにしても、それは当然に暫定的なものである、こういうことを申しておりますことは冒頭に申し上げたとおりでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は、その書かれている内容があくまでも暫定的なものであるということは理解をするのですよ、理解をする。政府ももちろんこれはガットの精神にのっとって、やはり二国間の話、あるいは単なる多数国間の話ではなしに、ガットに戻して問題の解決をするということは当然のことでありますから、そのことはわかるのです。ただ、私が先ほど来懸念いたしておりますように、綿製品については最初は何やらわからないうちに規制をし、その次には長期取りきめということになり、その長期取りきめがさらにまた延長されるということで、いつ終了するかわからないような状態に発展をしてきているわけで、毛と化合繊の製品に限ってはそういうことはあり得ないし、行なわないのだというならば、その何かの歯どめとなるべきものがあってしかるべきだと思うのだが、そのお答えがないので、繰り返してお尋ねをしておるわけです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる綿製品についての長期協定といったようなものは、この際問題になっておる事案については全く適当でもありませんし、また、繰り返し申し上げますが、今回のできごとが起こりましたのは、アメリカの国内の法律の空白ということから起因しておるのでありますから、当然に、かりに何かの取りきめができるにしても、それはきわめて暫定的なものである、これはよって来たるところが明らかでありますので、したがって、われわれの主張もそういうふうに明白に申しておるわけであります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そこで、あなた先ほど来いろいろ御答弁がありましたが、この綿製品の長期取りきめの中では、御存じのとおり、第一条では、これは他に波及をさせないのだというならば、あくまでもこれは綿製品である。それだけに限定した協定であって、この協定を結ぶことによってこれを他に波及させないということを第一条で明白にうたっていることは御了承のとおりであります。そううたっておることを確認していながら、アメリカから要求があったといって、政府が、あるいは外務省の出先の機関が、何やらそういうものを忘れたようにして、みずから妥協案を出すとか、あるいはまた私案を出すとかというようなことは、一体どこから出てくるのか私わからないわけですね。このLTAの中の第一条で、明確にこれが拡大をしないのだ、他の製品にこれを拡大しないのだということをきめておいて、さらにそれを拡大するというアメリカの意図にこちらが乗って交渉に応じていくということ自身が、そもそも出発点から間違いがあるのだと私は思うのでありますが、大臣の見解を承りたいと思う。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その点は今回の両国間の交渉の過程で幾たびもわがほうの出先から提起をしている問題と承知しております。すなわち一九六二年の長期協定の中には、いま言われましたようなことがあるわけでございます。そこで、今度のことはおかしいではないかという、これは当然言われますとおりの主張、私はそのとおりと思いますが、それに対して先方側は、何ぶんにもその後七、八年という時間がたっているので、新しい問題として考えてほしい、こういうことを言っている由でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 アメリカがどう言っているかということを私は聞いているのじゃなくて、そういう事実があることに対して、あなた自身はどう考えているのかという、あなたの決意なり判断を聞いているわけです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど来申し上げますように、長期協定のようなものを、この際結ぶ考えは全然ございません。

大矢正日本社会党

○大矢正君 だから私は、この際明らかにしたいことは、そもそもアメリカがこういうことを言い出すこと自身に間違いがあるということをあなた自身が確認をして、この交渉を、もう一回確認をしてかからないと間違いをおかす、あるいはおかされちゃいかぬという気持ちがあるから、私はここで再三申し上げているわけです。  繊維問題の最後にお尋ねをいたしますが、最近新聞その他の報ずるところによりますと、アメリカにおいては二国間の話し合いがこれ以上進展をしない場合は、法律によってでも規制措置を講ずる、こういうことが出ております。そこで先般私も業界の代表に会って、あるいはまたその団体の代表に会って話を承りますると、結局のところ、いまのアメリカの言うような考え方でかりに取りきめを結ぶならば、法律をかりに制定をさしても同じことである。むしろ法律を制定されることによってその代償をわが国がガットにのっとって取ることのほうが、より筋道の通った正しい解決ではないかという意見すら出ているわけであります。日本の最終的な回答とも思われるこの覚え書きを手渡して、おそらくここ数日の間にはアメリカの最終的な態度がきまるのではないかといわれている昨今でありますから、そんな遠い将来のことではないと思いますので、通産大臣としては、最終的には繊維の問題だけとして解決をするのではない、筋道を通したこの自由なる貿易という原則に立って、わが国にまた誤りがあるとすればそれを正しつつ、筋を通していくという考え方を貫いていかれるのかどうか。もっとそれを具体的に言うならば、アメリカがもしこの二国間交渉でわが国が応じないとするならば法律をつくるぞ、法律によって規制をするぞということを言い、かつそれを実行に移しても、筋は筋として通していくのだというこの強い態度を堅持していけるのかどうか、お答えを願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その御質問には非常にお答えしにくいのであります。でありますが、そのような立法が行なわれますことは、世界のこれからの自由貿易のために私は非常に害があるであろう、こう考えております。なお業界が、立法が行なわれれば国として代償を要求することができるのであるからと言って、国全体のことを考えてくれることは、私はそれ自身としてはありがたいこととは思いますけれども、その代償云々は、これは業界そのものには少しも利益にならぬことでございますから、つまり業界は立法によって打撃を受ける。かりに国が代償を要求するといたしましても、それはほかの品物についての代償になるはずでございますから、業界そのものは被害を受けることから免れることはできないはずなので、いずれにしてもそのような立法が行なわれることは、私は好ましくないというふうに思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私が申し上げておりますことは、業界においてすら筋を通せと、こう言っているのだから、政府はなおさらのこと筋を通した解決を考えるべきであるという意味で申し上げているのであって、その代償がその同種の産業にくるなどということは、もちろんそれはありっこないことでありまして、それはもうあなたが言うまでもないことであります。ただ、それほどまでにやはり深刻に、そしてまたこの自由貿易の基本的な立場にのっとってわが国が考えておるんだ、わが国の産業すら考えておるんだ、こういうことをあなたにこの際はっきり認識してもらいたいと思うし、どうもいまのあなたの答弁は、好ましくないとか、そういうことはないほうがよろしゅうございますとかいうのは、あたりまえの話で、法律をつくって規制をするなぞということは、ないのがいいに違いのないことでありまして、アメリカ自身だって、そのことによって国際的にどれほどの非難を受けるかということは覚悟の上だろうと思うのでありますが、そういうことも辞さないというような強い態度が出ている今日の情勢の中で、あなたは所管大臣として、そういう情勢にどういうふうな強い態度を持って臨んでいかれるのかということを私は聞いているわけで、単に好ましくないとか、そういうことのないほうがいいとかというのではなしに、あなたの決意を聞きたいのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと最後のお尋ねの意味が正確に私にとれませんでしたが、いずれにしても、この問題は日米間の大きな懸案でございますから、われわれとしては、先ほど申し上げましたような諸原則にのっとって、そうして両国間で話し合いをして誠意を持って解決したい、こう思っておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 答弁になりませんが、これ以上この問題やってもしようがありませんから、終わりたいと思います。  次に、電源開発の問題についてお尋ねをいたしますが、先般、電源開発はもう今日の時点では必要ないのではないかという意見が出されておるようでありますが、このような意見に対して大臣はどう考えておられるのか、お答えをいただきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘の点は、いわゆる行政監察委員の方々の御意見にお触れになったんだと思いますが、それも必ずしも電源開発株式会社というものはもう要らないと言っておられるのではなくて、運営等々についてさらにくふうの必要があるという面もあったかと思います。私としては、こういう世の中になりましたので、やはり大規模の水力、ことに揚水発電のようなもの、あるいは原子力開発の中で技術開発的な性格を持っておるもの、それから各地域間の広域的な運営のために必要な基幹となる送電線等々の建設、そういう仕事は、やはり個々の電力会社にまかせるよりは、電発のような会社がやっていくことが適当だ、こういうふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あまり意味がよくわからないわけでありますが、あなた半面では、規模の大きな水力発電というようなものについてはもう開発の限界にきていると、こう言い、一方においては、電発の使命というのはまだあるんだとこう言い、どちらを向いて言われておるのかよくわかりませんけれども、私ども考えてみまして、確かに今日の時点で電源開発というものはその使命をすでに終わっているのではないか、使命が終わっているということと同時に、これから電源開発を生かしていこうとすれば、新たな方向に転換をさせていかない限り、その意味はないんじゃないかという感じがいたします。  その一つは、いまも申し上げましたとおりに、水力が限界にきているということもありまするし、それから若干の石炭専焼火力を持っておりますが、今日の石炭清勢から見まして、これもまた限界にきておる。といたしますれば、あとは原子力発電ということになりますが、原子力発電はすでに別個の機関において研究もされ、そしてまた現に建設が進められておるわけでありまして、そういう分野における電発の使命というものはないのではないか。とすれば、電源開発というものは、もう今日の段階では不必要だという判断が生まれてくるわけでありますが、あなた自身、もしいまの電発が必要だとすれば、これからどういう運営を、それからどういう使命を与えていこうとお考えになっておられるのか。過去において建設をした水力あるいは火力の起こした電力を九電力に供給をするというそのままの態勢で、そのままの規模で何ら発展のない、そういう形で電源開発株式会社というものをとらえておられるとすれば、これはもう不必要だということになるわけでありまして、電源の開発でありますから、その名の示すとおりに。しかしその開発の使命がもう今日ないとすれば、その使命は終わったんだから、それを何らかの形で転換をさせるということしかないと思うのでありますので、この際重ねてお尋ねをいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げました第一点が、私のことばが足りなかったのかと思いますが、つまり第一点に申し上げましたことは、火力というものがあちこちで、いろいろなところに突き当たっておりますこともありまして、大規模な水力による揚水発電、これなどはやはり電源開発会社がやらなければならないのではないか、それが第一のこれからの仕事だと思います。  第二に、原子力発電は、確かに各電力会社が手がけ始めましたけれども、新しい技術開発を伴う原子力発電というものもあり得るわけで、これなども電発の仕事ではないか。  第三に、各地域間のいわゆる広域運営のためのトランクライン、基幹的な送電線、これらも電源開発がすべき仕事ではないか。大体この三つがこれからの仕事ではないかと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は中小企業関係を中心に質問したいのですが、その前に、さっきの大矢委員の質問を聞いておりまして、一、二、繊維問題で質問しておきたいと思います。  それは、産地などでも相当不安動揺が隠し切れないものがありますが、この覚え書きが表面に出ました。先般吉野公使がこちらに参りましたときに、参議院の予算委員会でも出席を求めたけれども、出席をしないままアメリカに帰り、それから相当期間がありますから、外交的にいろいろ根回しもあった上で、きのうの夜これは全容が明らかになったと書いてありますね。これは全文発表されたんですから、アメリカの反響なり、もう相当出ておると思いますが、まだ私どもは不勉強で情勢とれておりませんが、出ましたあとのアメリカの反響など、通産大臣のほうではキャッチされておるかどうかお聞きしたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) エードメモワールの内容を政府が発表したことはございません。それから、したがって、まあ時間の関係もございますけれども、アメリカ側がエードメモワールの中身をどう受け取っておるか、まだ判断するような材料を入手しておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第二点は、ここ一、二週間が、一番この問題結論の山であろうということを推定してありますが、結論が出るのは早ければ早いほうがいいのですが、政府として、アメリカの結論が出るのをいつごろに期待をしておられるのか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 従来この問題についての日米間の主張には非常に開きがございますので、私としては時期よりも、まずアメリカ側が従来の包括規制という考えを改める、そうしてわれわれの述べておる主張に耳を傾けるということが私は先決だと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いろいろ手順を使う期間も必要であることはわかりますけれども、日本の国内事情は非常に切迫しておるわけですね。産地はもちろんですけれども、関係者も非常な不安、動揺がありまして切迫しておる。したがって、さっきの大矢君の質問の続きですけれども、政府の決意というものが、大臣はぼかされておるけれども、これが出て、いま交渉中でありますから刺激したくないというつもりもありましょう。大矢君が政府の強い決意を望んだにかかわりませず、大臣はその決意のほどを言われなかった。その政府の決意というものが、もちろん業者は政府よりももっと強い決意で政府のけつをたたいておると思うけれども、交渉で日本の政府というものの決意がもっと強ければ強いほど、出先機関としても交渉がやりやすいのではないかと思うが、さっきの大矢君の質問に続きまして、同じ関連質問ですけれども、政府はこの線がぎりぎりの線として出したと思うが、その決意のほどを聞いておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども大矢委員にも申し上げましたように、私どもはこの問題の早い解決を望んではおりますけれども、われわれとして譲れない幾つかの原則がある。これは譲れないのでありますから譲れないわけであります。先方が包括規制というようなことを申しましても、それはわれわれの原則と異なりますから、その点で譲歩をするわけにはいかないわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次には中小企業関係について、国内の問題が若干、それから国際的な問題はあとで、統一ブランドのことの序論になりますから、あとで——時間がわずかしかないようですから——含めまして、中小企業関係の国内的なものと国際貿易的なものを質問いたします。  時間が少ないので質問を簡単にいたしますが、まず第一は、もうこれは方々で論議をされておりますけれども、いま中小企業で一番問題は、金融引き締めの問題もございますけれども、大企業が統合して、どんどん統一の方向、合併の方向に向かいつつある、その余波を受けて非常な不安がある。したがって、大企業の経済成長を推進する政府の指導方針なり考えに沿って大企業合併がありますと、その余波を受ける下請企業あるいは中小企業などの企業全体としての不安、動揺、そういうものがありますが、中小企業をどういうふうに、このようないまの情勢の中で、構造の変革がなされつつある中で、中小企業をどのように育成しようとされるか、大臣の見解をお聞きします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御承知のように中小企業の近代化あるいは構造改善といったようなものは、おのおのの法律あるいは財政の裏づけをもって振興をいたしておるわけでございます。そこで、中小企業というものを一般にどう考えるかというお尋ねでございますけれども、私は、いわゆる大衆消費、大量生産の時代がここまで進みますと、需要側でいわゆるスタンダードのものの供給に満足できなくなりまして、もう少し特殊な、あるいは個性的な、場合によってはしたがって多少価格は高うございましても、そういったようなものを求める。これは個人の消費ばかりではなく、生産財にもそういう傾向があると思いますけれども、そういう時代になってまいります。そういう分野はまさしく私は中小企業の分野であろうと考えるのであります。したがって、それらの中小企業がいわゆる省力投資をやっていって、そのような需要に応じてくれるということが非常に望ましい。この点は生産でも流通でも同じことが言えると思います。  それから、別に中小企業の中には、親企業との関連で育っていくほうが適当なものもございます。これにつきましては、今回法律案を御審議願って、親企業との関連でそういう中小企業をいわゆる親子ぐるみで体質改善をしていきたいということも考えております。  それから第三に、中小企業政策審議会の答申にもございますように、時勢の変化、発展途上国の追い上げ等々いろいろな面から考えて、新しい分野に進出していったほうが適当だと考えられる中小企業もあろうかと思います。それにつきましては、積極的に転換のための助成をしてまいりたい、応援をしてまいりたいと、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国内的な問題でいま一番困っているのは人手不足でしょう。労働省も一生懸命にこの人手不足の問題を解消するべく努力をいたしておりますが、通産省、大臣として、このいまの中小企業の人手不足の問題などについて、まあそのほかにも金融引き締めの影響などございますけれども、特にこの人手不足の問題について、通産省としてどういう対策をとられますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 中小企業の中でも人手不足が一番はなはだしいといわれておりますのは製造業で、しかも規模別に申しますと従業員百人前後の階層に属するところが一番人手不足がはなはだしいようでございます。そこでこのことは、中小企業にとりましても非常に深刻な問題でございます。そのことを私はよくよく承知しての上のことでございますが、そういう問題がございますからこそ、また中小企業が省力投資によって近代化をしていこうという、これがそういう要因にもなっておりますわけで、したがって、政府としては近代化を促進しあるいは構造改善を助けていこう、こういうふうに考えておるわけでございます。まあ中小企業が、結局労働条件がさらに改善され、労務管理がよくなり、また福利施設等も充実していくということになりましたら、職を求める人々の中でも大きな企業の中で下積みになるよりは、将来のある中小企業で大いに自分を伸ばしていきたい、こういう人も出てくるであろうというふうに考えております。つまり中軸になりますのは、省力投資のための近代化あるいは構造改善というものを進めていってもらうとともに、他方で労働条件あるいは福利施設等を改善をしていく、こういうふうにすべきと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 貿易関係の問題、国際的なものを聞きますが、現在の輸出に占める中小企業製品の比重及び将来の見通しなどについて、通産大臣としてどのように把握しておられるかお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 輸出品の中で繊維雑貨等々いわゆる軽工業品は、中小企業の生産が多いわけでありますけれども、統計で見ますと、わが国の全輸出に占める軽工業品の比率そのものは低下しておりまして、昭和四十年の二五%から四十三年には二一%にまで低下をしておるというふうにいわれておりますが、しかし、依然として軽工業そのものの輸出のにない手は、もう圧倒的に中小企業でございますから、そこで、これらについて主として構造改善、設備近代化促進等が行なわれておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっき発展途上国の追い上げ状況など国際競争の激化についても大臣ちょっと触れられましたが、発展途上国の追い上げが非常に急速にありまして、貿易関係でも特にこの軽工業、中小企業がたいへん苦労いたしておりますが、こういう問題について大臣はどのようにキャッチしておられるか答弁を願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 発展途上国の追い上げ、これは労働賃金の関係からまず出たわけでございますけれども、ことにこれから特恵関税というようなことになりますと、さらにそういう傾向が強まっていく、そういうこともございまして、体質改善をはかっておるわけでございますが、ただいま現状はどうかというお尋ねでございますので、その点、政府委員から申し上げます。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 若干補足してお答え申し上げます。たとえば一例をあげますが、米国市場におきまする日本品とそれから発展途上国品との競合状況を申し上げますと、金属洋食器におきましては、三十九年に日本品の米国市場のシェフが七七%だったものが、四十二年に七二%、四十三年に六八%と低下してまいりました。これに対応すると申しますか、発展途上国品が三十九年には米国市場で三%のシェアを持ったものが、四十二年度に一二%、四十三年度に一六%と漸次向こうのほうは上り坂になってきておる。たとえば玩具、おもちゃでございますが、これはいまのように三十九年、四十二年、四十三年を見ますと、日本のシェアは六二%、四六%、三九%と下がってまいりまして、発展途上国のシェアは二四%、二七%、三二%と上がってきております。  それから繊維関係でございますが、絹織物を例にとりますると、やはり日本のシェアが五九%、四一%、三六%と下がってきておって、発展途上国のは六%、六%、七%と、これはまあそれほどの急カーブではございませんが、むしろ上がってきておる。  それから家庭用の繊維製品、二次製品になるかと思いますが、これがやはり日本のは三六%、三〇%、二九%と漸減傾向にございますのに対しまして、発展途上国のは二五%、三七%、三八%、こう上がってきている。一例はこうでございますが、そのほかのところにおきましても、大体においてそういう傾向はみな見られるかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産省の、この通商白書を見ますと、発展途上国の追い上げがきびしい。特にそれが労賃に差がある。発展途上国の賃金が安いから、日本の賃金が高いから、それでもう普通の同じ品物では負けるんだという、その論法だけで書いてあります、ずっと、白書報告が。もちろんそれも一つの大きなウエートですが、販売の方法なり機構なりあるいはPRなり、そういう他の要素もたくさんあるのではないかと思うが、労働者の賃金のウエートをずっと高くして書いてありますものですから、私ども労働者を守る立場——日本の労働賃金というものは決して高くないわけですね、西欧諸国に比べては高くないわけだから、それだけが中心に書いてあるものですから非常に問題としておりますが、この点に対して局長から答弁してもらいましょう。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおり日本の中小企業製品が、海外市場で、いろいろな要因はございますが、シェアが低下してまいるという点には、国内的な要因として中小企業が労賃のアップ、コスト高、こういうものでだんだん国際競争力がその点において減ってきておるということは事実であると存じます。詳細な数字はちょっと手元にございませんが、たとえば現在発展途上国、特に東南アジアの諸国、韓国、台湾、香港、シンガポールというところと労賃を比較いたしまするに、大体はなはだしいのは日本の労賃の五分の一、それからさらに三分の一くらいのところで、大体その辺を維持しているというようなところでございますので、先進国に比べまして日本の労務者の労賃がそんなに高くないという小柳先生の仰せは、おっしゃるとおりかと存じますが、一方、そういう発展途上国に比較いたしますると、どうしても日本の労賃というのは非常に高いということが言えると思います。そこで労賃自身が一つのコストアップ、国際競争力の比較的低下という問題につながってくるかと存じますが、ほかにもたとえば従来の中小企業製品、輸出の上で相当のシェアを占めております中小企業製品の海外における販売体制と申しますか、流通体制、そのつかまえ方というものについて、やはり欠けるところがあったということは認められるところであると思います。通俗にいわれておりますように、たとえば外人バイヤーのほうから買いたたかれる。こちらが団結していないために、そのためにたとえばFOB価格で日本で売り渡したものが、中小企業製品が海外の市場、特に先進国、アメリカ、EEC等におきまして一例をあげますると五倍にも六倍にもなって売られておる。その間の利潤というものは全部海外の流通組織、バイヤーとそれからそれに通ずる流通組織によって吸収されておる。こういう状態があると思います。さらにまた、この流通組織の問題に比べて、従来からのやはりPRの不足と申しますか、これと関連してでございますが、いろいろジェトロを通じ、それからまたそれぞれの国といたしましても、国際見本市あるいは個別の産業見本市あるいは展示会あるいは雑誌、新聞、テレビ等のいろいろの情報機関を通じてPRにつとめておりますし、また将来ともつとめなければならないことだと思いますが、従来まだその点が欠けるところがあったということが、そういう国内情勢それから国際環境それからいろいろなやり方の十分でなかった点、そういうものが相互に関連、集積いたしまして、中小企業製品のシェアというものは、先ほど申し上げましたように漸減態勢になってきたという事実は認めざるを得ない状況であると存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 細部の問題、数字的なものは、また別の機会に局長の話を聞きましょう。  それから大臣、もう一つは国際貿易を私ども外国を回りましてちょっと目立ちますのは、各商社の出先の人たちが、商社の社員の皆さんが非常に涙ぐましい努力をしながら、シェアの拡大なり自分の社の商品の販売に努力しておるわけです。そういうものが積もり積もって日本の外国貿易、輸出の振興になっておると思いますが、ジェトロの諸君あるいは在外公館の貿易関係の諸君の努力ももちろんその中にたくさんのウエートを占めています。現在国内的な需要がだんだん頭打ちしてまいりますと、輸出貿易にうんと力を入れなければならぬと私も考えます。きょうの予算を見ましても、国際貿易の伸展のために相当の費用を使っている。また大臣の施政方針演説の中でもそういうことが言われておりますが、したがって、まず第一は、ジェトロの諸君が非常な努力をしておられるわけですし、私も方々でジェトロの皆さんから話を聞いて帰りましたが、だが、やはり機構が弱いし人が少ないし予算が少ないしということで、そういう面で非常に歯がゆいものを感じておるわけです。したがって、まずジェトロの整備拡充については、大臣としてはどういう御決意があるか。ジェトロの皆さんからもいろいろ理想的なあるいは考えを聞いておりますが、やはり国で予算を補助してやらなければ、なかなか仕事ができないことでありますから、今年度の予算でも若干伸びておりますけれども、私どもはもう少し国際貿易促進のためにジェトロの機構を整備し、あるいは人員を拡充する必要があるのじゃないかと思いますけれども、大臣の決意を聞いておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ジェトロは非常によくやってくれておると思います。方針としては、もっともっとその事業を整備拡充いたしたいと考えておりますが、具体的に政府委員から申し上げます。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 補足してお答え申し上げます。  現在、ジェトロの機構といたしましては、海外に十九のトレード・センターと、それから事務所を四十二持っております。それから、海外に派遣いたしております要員としては、二百五十一名を世界各地に駐在せしめまして、そして御承知のとおりに一般の市場調査、商品調査、産業調査、信用調査、あるいはまたPR関係、あるいは見本市の開催とか参加、さらにジェトロとしての国際展示会への参加、あるいはまた個々の具体的な貿易あっせん、引き合いあっせん、相談等、いろいろな方面に多角的に活動をいたしておりますが、何ぶんにもただいま御指摘ございましたようにジェトロの現在の費用は毎年いろいろ御支援によりまして予算はふえつつございますが、日本の貿易規模の拡大と、それから各国のいろいろそれに対する需要の増加、さらにまた最近におきまするように、ただ産品の輸出だけでなしにむしろ資本協力、経済協力というものとからめ、さらにまた輸入の促進という全般的総合的な総合貿易というものを進めなければいかぬという方向に関連いたしまして、ジェトロの従来のやり方と申しますか、機構の拡充ももちろんでございますし、人員の増派ももちろんでございますし、さらにまた予算その他につきまして、この上とも御協力を得て進めなければいかぬと思いますが、ジェトロ自体の仕事の内容といたしましても、従来のやり方からさらに一歩を進めた新しい体制に即応したような総合貿易と申しまするか、一体貿易と申しますか、そういう方向に進めなければならないと、かように考えまして、これは通産省といたしましても、ジェトロの幹部と十分に連絡をいたし、また日々の業務において私ども個別的に具体的に指示をいたしまして、その方向に向かって進めておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、在外公館に通産省の諸君もたくさん出ておられまして、各地で活躍をしておりますが、まあ二カ年くらいの任期で一つのワクを持ってがんばっておられるようですけれども、現在どのくらい通産省から出ておるのか。  それから、常に問題を連絡し合っておると思いますけれども、通産省から在外公館につとめておる諸君の掌握状態、活動状態などについて常にパイプが通っておると思うが、その実態。  それから、これからなお貿易促進のためにはそういう人を、あるいはそれに準ずる人をふやしていく必要があるんじゃないかと思うのです。大臣の見解を聞いておきたいと思います。

高橋淑郎通商産業大臣官房長

○政府委員(高橋淑郎君) 手元に正確な数字を持っておりませんが、在外公館、それからジェトロ、プラント協会その他の機構を通じて、現在事務系、技官合わせまして百二、三十名出向いたしておると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 数字の要請はしておきませんでしたから、また詳しくあとの論議のときに数字を出してもらいたい。  きょうは大臣の決意を聞いておきたかった。大臣があとおられませんですからね。  最後の問題は、貿易人の養成、これは民間も政府もひっくるめまして、国際貿易に携わる皆さんの人的な養成について、もっと力を入れる必要があるのではないかと思いますが、現在は大体把握しておりますけれども、将来、もっと飛躍的に拡充しなければならぬと思うけれども、大臣の見解を聞いておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 通産省から各地の公館に相当の人が出ております。また優秀なものが出ておりまして、これも通商には非常に役立っておりますが、なお本省との関係等々はさらに緊密に絶えず情報を流し、またこちらにも取るように努力をいたしていきたいと思います。  通商関係についての人材の養成ということは、もう確かに必要なことでございまして、そこで先般来、俗称、防貿研修センターというようなものも設けましたような次第でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 石炭問題と海洋開発に関係して若干お尋ねしておきます。  いまの第四次石炭政策というのは、すべり出しからすでに破綻を見せているということは、もうずっといわれておりますが、先般の雄別三山の閉山によって、当初心配されたなだれ閉山というものが現実的なものとなってきたといわれておりますが、しかしまあ通産省は石炭政策の手直しをしないといわれておりますが、実際問題として石炭政策の手直しというものはやらざるを得なくなっているのが現実ではないかと私は思うのですけれども、その点についてお尋ねしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 閉山が、なだれ現象と呈するかどうかということは、いずれにいたしましてもあとになって振り返りませんとわからないことではございますけれども、今度の第四次の対策を出しました際に、その対策が固まるのを待っておった向きも相当ございましたので、かなりまとまった閉山があった。第三次のときにもやはり同じような現象があったようでございまして、新しい施策が出ますと、そのときに閉山の数がふえるということは過去にもございました。したがって、今回それが今後どういうふうに動くかは、いずれにいたしましても後にならなければはっきりいたさぬことだろうと思います。  そこで、まあ私どもとしては、いまの施策を当面、本年一ぱいやっていこうと考えておるわけでございますが——本年度一ぱい、四十五年度一ぱいという意味でございます——しかし、過去十年くらいのことを振り返ってみますと、いろいろな施策をいたしてまいりましたが、世の中の動きのほうが早うございまして、結局これがきめ手になるという施策は、なかなか出てこなかったわけでございます。それでございますから、今回四十五年度一ぱい、ただいまの施策をやらしていただきたい、これで目下は対応できると考えておりますけれども、世の中の動きが早うございますから、常に新しい動きがあれば、それに対応できるような弾力的な姿勢は、政府として持っていなければならないと思っております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 抜本的に石炭産業の位置づけを、将来どういうふうにしようといまお考えになっているのですか、石炭産業の位置づけを。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) まあ私ども経済政策を考えます上では、できるだけいわゆる経済性というものを取り入れてやっていきたいと思っておりますけれども、石炭の場合には、御承知のとおりもう非常にいろいろな大きな問題をこの処理に含んでおりますために、経済性だけで割り切って考えるわけにいかない。したがって、従来いろいろな政策をとってまいったわけでございます。そこで、私どもはたとえば閉山に伴いますようないろいろな摩擦、ことに離職者の問題でありますとか、あるいは閉山、あるいは倒産からまいります金融上の混乱でありますとか、また地域に相当多くの人が石炭というものの上に生活を立てておるわけでございますから、そういう地域社会の問題でありますとか、こういったようなものを、時間をかけて、急激なショックを与えないで解決したいというのが、従来の私は政府の方針であったと思います。したがって、それを今後続けていきますとともに、そういう摩擦がもうあまり起こらないというような段階になりましたならば、なるべく経済性のほうに、本則に引き戻していきたい。その時期はそう簡単にまいるとは思いませんけれども、基本的にはそういう日がやがてくることを私ども期待をしておるわけでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 四十二年の二月のエネルギー答申で石炭は五千万トン程度の出炭規模というものは維持する必要がある、そういうことが述べられていますけれども、四十八年度には三千五百万トンか三千六百万トンに縮小するというのが通産省の考え方のようですけれども、札幌通産局の検討によっても、たとえばこの北海道の場合でも三千五百万トンとしても二千四百万トンくらいになると見ておったけれども、雄別等の撤退で二千万トン台の堅持もむずかしくなるのではないかということもいわれているそうですけれども、とすれば、この全体の四十八年の三千五百万トン計画というのは、これは一体どういうことになるのですか。その他エネルギー答申との関係。現実に困難でありますから、その差というものはどういうふうにエネルギー政策の上で解決されようとされているのか、これをひとつお答えいただきたい。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 御承知のように従来の石炭対策の考え方といたしましては、日本の国内におけるエネルギー資源を確保しようという立場をとりまして、出炭目標というものを掲げて、その確保に努力するという考え方でおったわけです。現在、第四次の石炭対策の基本になりました先般の答申におきましては、財政の許す範囲でできるだけの助成を行ないまして、これによって再建をはかることを目途として、企業側におきましてその助成に基づいて再建し得るものについては再建に努力していくわけです。その助成の範囲で再建が困難な場合には、企業として決断をしてもらうということで出炭の目標というものを掲げなかったわけでございます。したがって、先般の合理化部会で四十八年度の目標として、一応現在の趨勢から見ますると三千六百万トン程度になるという推定をいたしたわけでございまして、諸般の事情によりましてはこれが変動することがあるというふうに考えておる次第でございます。今後三千六百万トン程度と推定されるわけでございますが、これに対しては、できるだけその中の原料炭等につきましては、新鉱開発等も行ないまして、できるだけ国内で原料炭の確保をはかろうということを考えておる次第でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 項目的なことだけ一つお尋ねしておきますが、昨年、石炭鉱業審議会の中に体制委員会をつくるということを、政府側は私どもに当時お答えになっておりましたし、答申の中にもありますけれども、これがいまもって発足をされておらないそうでありますが、なぜまだ発足がおくれておるのか。その当時、ことしの八月ごろ体制委員会の答申を求められる方針であったように聞いておりますが、これはどういうことになるのか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 前大臣から体制委員会の発足がおくれておるのでという引き継ぎを受けましたので、私としては今月中にでも体制委員会をつくって開きたい、こう考えております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 今月中に発足をするんだというふうに理解してよろしいですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまそういうつもりで事務当局に準備を進めさせております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 次に、去年の石炭鉱業再建整備臨時措置法の改正のときにも、本院の附帯決議もありますので、保安の問題ですけれども、いろいろと保安の問題が重視をされながらやられておりますが、依然として炭鉱災害はあとを断っていませんが、企業側が保安にまで手が回らないというような現実をこのまま放置するということは、現実の問題としては、私はあまり許されるものではない。企業の側がどうせつぶれるんだから掘るだけ掘ってしまって、あとは閉山待ちだ、そうまで極端に考えているかどうかわかりませんけれども、どうも結果としてはそんなような気が私はしますけれども、生産確保も大事でありますが、より以上に人命の尊重ということが重視をされなければ私はならないと思うんですが、この点が一向に解決されておらない現実というもの、これについて、もう少し行政指導なり政府としての対策というものもなされてしかるべきではないか、そういうふうに考えますけれども、この点はいかがなものか。特に大臣の所信表明の中にもこの点は触れられておりますけれども、あらためてこの点についてお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 坑内整備にもいろいろな助成をしておりますし、ずいぶんきびしく要望をしておるのでありますけれども、御指摘のようなことがあとを断たないのはまことに残念でございます。そこで、再建整備計画を役所で見ますときに、このたびは生産計画だけでなく、保安計画のほうも提出を求めまして、両方を一緒に調査する、こういうことにいたしまして、私どももできるだけのことをいたしてまいらなければならないと思っております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 一つは石炭対策の中でお伺いしておきますけれども、公害に関連をして石炭政策の中に公害というものがあまり考えられておらないように私は思うのでありますが、現在輸入しておる中近東の石油のサルファ含有量というものはかなり高い。しかし、たとえば北海道の石炭などというものはその十分の一くらいだと聞いておりますが、そういう場合に、石炭政策の中で公害問題というのは全然取り上げられておらないというのは、これはちょっと私としては理解できないわけでありますけれども、石炭のメリットをどのようにとらまえられておるのか、この点ひとつお答えをいただきたい。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように低サルファ炭がございまして、これの使用は公害対策面では効果のある燃料でございます。低サルファ炭の石炭対策につきましては、価格の面でいま特別のなにはございませんが、融資その他の面におきましては低サルファ炭の生産の助成ということにつきまして積極的に考えるということで、先般も開銀融資等についてもそういう配慮をいたしたわけでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 もう少しちょっと詳しく説明してください。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 低サルファ炭の使用、特に火力用炭としての最近の情勢からまいりますと、低サルファ炭の使用がSO2の排出を少なくするというメリットがございますので、これらの点についてできるだけ生産を助成するというつもりで、事業団の融資あるいは開銀の融資等について考慮いたしたわけでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 それは公害の面からあれですか、石炭政策の中に今後考えていくというふうにとってよろしいのですね。ただ、九州炭等との関係があってお答えがなかなかむずかしいらしいのですけれども、サルファの大きいものは大きいもの、ないものはないものとして考えるのも、これは考え方としては私は成り立つような気がするのですが、そういうことはどうなのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 低サルファ炭の生産については、先ほどのようなことで考えたいと思っております。いま御指摘のような高サルファ炭につきましても、これの消費が公害の面で支障にならないような配慮をしつつ石炭生産を維持できるように考えたい。その意味で、石炭火力につきまして重油混焼率を上げて、そうして混焼する重油につきまして低サルファの重油を入れる、これによりまして排出基準に適合するようにいたしたいということで、いろいろいま検討いたしているわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ちょっと関連して質問いたします。  ことしに入りましてからも、たとえば雄別の北星、つい最近は釧路の前の飯野炭鉱、こういう次々に石炭が閉山になっていきますが、そのつど通産省に相当お世話願っておりますが、一番これを心配し、一番守らなければならない石炭業界が何にもしない、一番冷たいということを考えてみる場合、組合は大挙して上がってきて、何とか石炭山を残してもらいたいということを大挙して陳情している。業者は賃金問題のときは結束してこれを押さえてかかっている。つぶすというようになったら、みんな横を向いてしまって、はようつぶれろというような態度をとっている。ここに私は一つの石炭政策の誤りがあるのではなかろうか、こう思うのです。なぜかならば、今度も八百六十億からの予算がついておりますが、つぶれていけばつぶれていくほど、残った炭鉱がその予算の恩恵にありつく、こういうようなかっこうになってきていはしないか。だから、各山はなるべく弱いところはつぶれてもらったほうがいい。つぶれるほうに力を注いでいる、こういうことになりはしないか。さらに見てみる場合に、相当な山がつぶれておっても、まだいまの段階では四千四、五百万トン、依然としてこの態勢はできている。それは一体何なのか。つぶれてくればつぶれてくるほど、残った炭鉱がノルマを上げていく、そうして一方をつぶしていこうとしておる。それは一体なぜなのか。政府の手厚い確かに世話はあります。しかし、今日の物価高で石炭だけが何年たっても上がらない、だからやっていけない。やっていくためには、弱い炭鉱はつぶれてしまえ、残る炭鉱はなるべくノルマを上げろ、坑内の悪条件でこれをやっていく、だから保安問題はますます悪くなってくる、こういう悪循環が重なっておるだけであって、政府のこの石炭政策の第四次なるものは、ここで一つ考えなければならない時期に来ておるんじゃないか、こういうふうに考えるんですが、通産大臣の考え、この一点だけお聞きしておきます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 非常にむずかしい問題であると思いますが、まあ過去十年来政府のやってまいりましたことは、とにかく閉山というようなことは、もう非常にいろいろな影響が多うございますから、これに対してできるだけ政府もいろんな施策をして当たっていこう、今度の第四次も私はそうであると思います。他方で、先ほどちょっと申し上げかけたことでございますが、エネルギー政策全般から申しますと、使用者はどうしてもメリットの高いエネルギーを使いたがる、これはもう私は当然のことだと思います。ただ、それを経済法則だけでやってまいれませんから、間に立ちまして、いろいろなことで石炭のある程度の需要を確保するということも政府がやっておるわけでございます。そこで、私最終的に思いますことは、石炭の生産減に伴ういろいろ社会的な摩擦がだんだん少なくなっていくような形で最終的にはエネルギー政策にもう少し経済性を取り入れるべきではないか、これはいろいろ御批判もございますかと思いますが、急いでそういうことができるとは思っておりませんけれども、私は、最終の目標はやはりそうではなかろうかと思っておるわけでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 石炭は石炭小委員会のほうに譲って、時間がありませんから、海洋開発の問題について一、二点お尋ねしておきます。  海洋開発の問題について、所信表明の中にも十字に足らない面がちょっと触れられていますけれども、近く法律も出されるわけでありますが、海洋開発というものについて、通産大臣の基本的な考え方、所管の問題だけでもけっこうでありますが、ひとつお答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の場合、水深二百メートル程度の大陸だなが俗に本土の八割ぐらいあるということがいわれておるようでございますし、いろいろな技術面から考えましても、たとえばドラッカーなども申しておりますように、海洋開発というのはまさに先進国にとってこれからの産業であると考えております。したがって海洋科学技術審議会の答申もございますが、その中で政府が指導的役割りを果たすべき幾つかのプロジェクトにつきまして、本年一月の第一次実行計画をつくったところでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 その実行計画をつくったことはわかっているんですけれども、ただ海洋開発の答申は出ました。これについて参議院の段階でいろいろとお尋ねをする機会が去年以来ずっとないわけでありますが、そこで私、初めてお伺いするのですが、どうもあの答申というものは、基本構想だけが盛られておって、それに一体どれだけの金がかかって、どうこうするのだということについては、あまり——あまりというより全く触れられておらない。八省庁に関係をする、それを取りまとめるのが科学技術庁だ、こういうことを言っていますが、実際問題として、私は科学技術庁にそんなあまり力はないように思います、たいへん失礼ですけれども。そうすると、あの答申の中で力の強い省のプロジェクトだけがぐんぐん先に進んでいくようなことも実際問題としてあるんじゃないか。通産省も、海洋開発室ですか、いち早くつくった、ほかの省にはまだないようですけれども、そういうようなことでは、私は審議会の答申を政府全般として進める場合でも、どうも片ちんばになっていく心配が今後起きないかと思うわけですけれども、そういう点であの推進何とかというのは官房長クラスですね。もう少しアメリカ、フランスに見られるように強力な機関というものを設置して進めるべきではないか、そういうふうに私は考えているんですけれども、そういう点についてはどういうふうにお考えですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに海洋開発という一つのテーマから考えますと、それをもっぱら扱う機関というものをつくればという考えは、考え方としてわかりますけれども、そのテーマの内容はもう非常に千差万別でございますから、結局各省が連絡を密にしてやっていくということが私は効果的な方法ではないかと考えます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 まだ農林省との間に調整がつかないでおるようですが、大陸だな鉱物資源開発促進法案ですか、これが近く出されようとしていますが、その際にもいろいろとお尋ねをいたしますが、基本的な問題だけお尋ねしておきます。  この通産省所管の石油を含む鉱物資源の開発を進める場合、水産資源の開発との間に、ある部門では全く相反する利害関係というものが出てくる。この法案もいまなお調整中というのは、その点だろうと思うのですけれども、その場合、現行法律で何とかしなければならないいろいろな法律問題がたくさん出てくる。それは国際法はもちろんですけれども、国内法でもたとえば漁業権の問題だとかなんとか、そういう問題を、海洋開発というものを進める上でどういうふうに措置されようとしているのか。これは海洋開発というものを考えるときに、基本的な命題として早急に解決をしておかなければならない問題ではないか、そういうふうに私は考えます。それから大陸だな条約との関係もありますが、これは入っていても入っていなくても影響がないのだという事務当局の御説明も私は伺いました。ところが事務当局の御説明とはまた別に、あの答申に関係をされた学者等の御意見を聞きますと、大陸だな条約というものに加盟をしておらないと、海洋法国際会議というのですか、そういうふうなものの現状からいって、将来おかしなことになるのではないかという説もありますね。それからそういう点で政府全体としてどういうふうにそういう問題を解決をされながら海洋開発の問題に取り組みをなされようとしているのか。この点、通産大臣というよりは国務大臣という立場でお答えをいただきたいと私は思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 問題が二つあるわけでございますが、大陸だな条約に加入するかどうかという問題は例のカニでございますか、そういったような問題もありまして、政府としては態度未決定でございます。私から詳しいことを御説明申し上げるのは適当でないかと思いますが、未決定でございます。ただ、それを未決定にしておきましても、いわゆる大陸だなの鉱物資源というものは、それを探査し、開発することは沿岸国の当然主権の一部であるということは、国際慣習法上としては確立しておると思いますので、一応二つの問題を分けて考えてよろしいのではないだろうか。それで、海洋開発そのものは、先ほど申しましたように、これからの非常に大切な仕事であると考えますので、各省協力してやってまいりたいと思っているわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は最初に通産行政の大まかなことを少しお聞きして、あと武器の輸出の問題についてお尋ねいたします。  昨年から問題になっております通産行政のあり方、これは政府主導型から民間主導型へ、そういうふうな話もだいぶ出て議論になりましたけれども、大臣がかわられまして、今度の通産行政の所信表明では、基本的な路線の問題については、ことばがあまりなかったように感ずるのですが、その点についてまずお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の七月に新しい通産行政のあり方というものを前大臣が決定をされました。私は当時、直接関係ない立場からそれを承知をして、まさにわが意を得たという感じがいたしたわけでございます。したがって、基本的にはその線を踏襲していくことが正しい、かように考えておりますので、もう少し詳しくというお尋ねでございますれば、また申し上げます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その問題で一番問題になりますのは、やはり政府と民間のあり方、特にこれから非常に技術開発の大型化あるいは情報産業、いまお話のございました海洋開発産業、さらにまた住宅産業と、だんだんこれからすべて産業が大型化してくると思います。また財界も、戦後解体された財界はだんだんまた大きくなりまして、非常に強力なものになってきておる。こういう事態にあって、やはり政府と民間の機能分担という立場をとるのか。それをはっきりしていくのか。あるいは、いままでの政府のあり方はどちらかというと、何か外側から規制だけをしたり、あるいは何か外からながめて、外から何かやってきたような感じを私は受けるのですが、特に政府と民間の機能をどうやっていくか、これを具体的な問題を含めてお考えをお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは哲学の問題でございますけれども、私自身は政府が政府でなければできないようなことを一番中心にしてやっていくのがいいのではないかと考えております。すなわち、たとえば産業との関連で考えますと、海外に資源を確保しなければならない、しかしこれは非常にリスクが大きいというようなこともございましょうし、新しい技術を打ち立てるについても、そういうような問題もございましょう。そういったようなことは、政府がある程度助成なり、また自分でも一部やるということが必要であると思うのでございます。  それからまた別に、国民あるいは消費者の代表としての政府というものもあろうと思うのでございますが、それは、たとえば公害の問題でありますとか、消費者の保護でありますとかというものは、これは政府のやる仕事だと思います。  それから第三に、国民経済の中で、経済性だけで、つまり市場原則だけで貫けない分野があると思うのでございます。中小企業でございますとか、先ほどからお話のございます石炭産業であるとかはその一例だと思いますが、そういうものについては、政府が必要な助成なり調整をすることがまた必要なのではないか。しかし、それら幾つかのものを除きましては、基本的に、私は市場原則と申しますか、経済性と申しますか、そういうことを中心にして、民間に自分で考えてやってもらうというのがいいのではないかと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま一つ。公害の問題も少し出ました。要するに消費者保護という面は、かなり政府が力を入れてやるとおっしゃっておりますが、たとえば公害の問題一つ取り上げても、特に通産省の姿勢というものが、いままで何か私は公害問題ずっとやっておりまして、結局企業側についておるような気が非常にするわけです。これは具体的な例でいいますと、私は一番残念に思っておりますのは、例のイタイイタイ病が取り上げられましたけれども、あの問題も、いま裁判中でありまして、おそらくあの裁判は相当期間かかると思います。おそらく現在の患者さんは全部死んでしまうと思います、裁判の結論が出るころには。一体そうすると、はたしてあとどうなるのか。だからあの公害が厚生省で認定されたときに、どうして通産省はもっと強い姿勢でもってある程度行政処置ができなかったか。その点は非常にあのときに残念に思ったわけですけれども、そういう問題、公害一つ取り上げましても、何か消費者の立場、いわゆる国民の立場よりも企業の擁護、保護という面に何か寄っているという感じを、私はいままで受けてきたのですけれども、今後、いま大臣の言われたような姿勢で臨まれるとすれば、公害問題などについてはもっともっと積極的な立場がとれると思うのです。いろいろな施策をこれからされようとしておりますけれども、具体的な公害防止の装置の開発とか、そういう装置の開発、あるいはまたそれをどういうふうに企業にそれをやらしていくのか。その指導というものを、私はもっと強力にやらなければならないと思うのですが、その点についてはいかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 公害というものが今日ほど言われるようになりますまでの過去何年間かの間には、いま御指摘のようなこともあったのではないか。いっとき被害者、加害者というようなことがいわれたようなこともございますが、しかし、いまになりますと、私がと申しますよりは、もう通産省で行政をしている人たち自身が、公害というのは自分たち自身の問題であるというふうに考えてくれておりますので、そういう立場からは、私ども産業に直接タッチする機会が多うございますから、厚生省側に協力して一緒にやっていく、私は、そういう観念がかなり定着しつつあると、こう考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、防衛産業の問題でありますが、非常に国産化という問題が出てまいりまして、各企業におきまして防衛産業がますますこれから発展をしてくる傾向にあるわけですけれども、この防衛産業に対する通産省としての姿勢をお伺いをしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 自衛隊が必要といたします装備等々につきましては、できるだけ国産化を進めていくというのが政府の基本方針でございますので、その限りでは防衛産業というものはそういう目的をもって育てていくべきものと考えております。ただ、それを越えまして、たとえば輸出というようなことに重点を置いて防衛産業を育てるべきかということになりますと、私といたしましては、その点は比較的消極的に考えるべきものと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのその問題ですけれども、企業は、やはりある程度経済性も考えるべきでしょうし、いま言われた防衛庁で必要とする範囲内——二次防、三次防、四次防と、これからだんだんと拡大してくる傾向にあるわけでありますけれども、はたしてその範囲内だけで、はっきりとどめられるものかどうか。いま大臣は消極的ということばで言われたのですけれども、要するに、防衛予算でつくられる範囲だけにはっきりとどめるならとどめるということを、はっきりされておるのかどうか。また今後されるのかどうか。武器の輸出というものが主体になってはならない。もちろんそれは絶対ならないと思いますし、いま消極的ということばに私はちょっと引っかかるわけなのですけれども、その点どうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 防衛産業の主たる任務は、私は、わが国の自衛隊の装備を供給するということと考えておるわけでございます。そこで、それが主たる任務であると考えておりますけれども、たまたまそうやっていくうちに、生産能力に余裕があるというような場合に、わが国の自衛隊が必要といたしますのと同じような種類の程度の装備、器具等の生産があって、そしてそれを輸出していいかどうかというようなことが起こりましたならば、私どもは御承知の武器の輸出についての三原則というものにのっとって、ケース・バイ・ケースで処理をしていくべきものでございますが、本来輸出を目的に防衛産業を育てるというようなことについては、私はそうあるべきことではない。主たる目的は自衛隊の装備、器具を供給することである。なお、念のために申し上げる必要もないことでございましょうが、航空機産業というものは、私どもは防衛産業とはそれ自身考えておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 武器輸出の問題では、先日衆議院でわが党の正木委員が少しだけ質問をしまして武器輸出禁止法の提案ということを言ったわけでありますけれども、いま武器のことに少し触れられましたけれども、やはりこの武器というのはあくまでも武器等製造法できめられているその武器、それを定義とされる方向は変えられないわけですか。要するに、武器の輸出ができる範囲というものは、三原則と、武器の定義ですけれども、それは武器等製造法で「武器」と規定されているものに限る。航空機はいま別だとおっしゃいましたけれども、それはそのとおりでいいですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) いまお尋ねの点でございますが、武器等製造法に言っております「武器」というのは、御承知のように法律に詳しく書いてございます。これは製造法の目的に照らしてああいうこまかい定義がしてあるわけでございますが、私ども、この法律の場合、いま大臣から三原則ということを言われましたが、そのときにはもう少しばく然と、範囲はむしろ広いと申しますか、ばく然とした考え方で、軍隊が使用して直接戦闘の用に供するものというような考え方で輸出の場合に武器というものをどう扱うか、こういうような考え方をいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 直接戦闘というのはまた非常にむずかしい問題になると思うのですけれども、要するに、それはたとえば軍隊に輸出をしても直接戦闘に使われないものであればいいという解釈は、そこから出てくるわけですね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 先ほど私が申し上げましたのは、武器等製造法にいわゆる「武器」と、それから航空機製造事業法がございますですね、先ほども大臣がちょっと言いましたように、航空機の中でも直接戦闘の用に供する軍隊の使用する航空機もあるわけでございます。そういう意味では、輸出の場合にはそういったものを含めて、私が申し上げましたように、武器等製造法の「武器」というだけではなくて、航空機に関してもそういうものがあるわけでございますから、やや範囲が広くなって、いま申し上げたような定義になるのじゃないか、こう申し上げたわけでございます。  それからいまお話しの軍隊が使用するものでも直接戦闘の用に供しないものはいいのじゃないか、こういうお考えでございますが、私どもはさように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私はいいのじゃないかと言ったのではないのですよ。逆ですよ。訂正してもらわなければいかぬ。そういうものができるという考えを持っておられるかと、こう聞いているわけです。いまの見解はわかりました。  結局、その辺の定義というか、何かいまのままであれば幾らでもその解釈が拡大されたりあるいはそのケース・バイ・ケースというようなことで、いろいろなことができるようになりはせぬか。いま大臣が言われましたように、この防衛産業が拡大をしてきて、それでその製造の力に余裕ができた、それでは輸出をしてもかまわない、そういう場合も出てくる。そのときはケース・バイ・ケースで考えると、こういうふうに言われましたけれども、そのときに、やはり都合のいいようにある程度抜け道等が考えられると思いますね。だから、やはりもう少しここではっきりとこの際、まあ私たちは禁止法ということを提案をしておりますけれども、そこへ行く前の段階として、もう少しこまかくきめることが、やはり日本が平和を維持していくということにならないか、そういう国であるということでですね。そういうふうに思うのですけれども、その点はいかがですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 武器の定義を非常に個別にきめるということは、これから先いろいろな武器が出てまいりますから、なかなか一義的にきめていくということは非常に困難かと思います。いわゆるそのものの構造、性能、使用目的、こういったことから、先ほど申し上げましたように、軍隊が使用して直接戦闘の用に供するものという概念で、個別のものに当たって、はたしてそうかどうか審査をしてきめていくということしか、ちょっとやり方が非常にむずかしいのではなかろうかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 直接戦闘行動というと、事前協議等のあれと同じで、いつもはっきりしないわけですね。どこまでが直接戦闘で、間接ならいいのかとかですね、そういう議論が非常に出てまいります。いま今日取り上げようとしている問題の一つは、先日、朝日新聞の三月九日の朝刊でありますけれども、「哨戒飛行艇を対米輸出」こういう記事が出ておりましたが、この哨戒飛行艇は直接戦闘行動に結びつくかどうか、この点はどうですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ただいまの御指摘の点でありますが、いま防衛庁が御承知のように二機この哨戒艇を買い上げまして、と申しますか、開発をいたしまして、試験飛行中でございます。この哨戒艇にはやはりいろんな装備をいたしておりまして、たとえばこれにはロケット弾の発射装置もございますし、それから魚雷の格納装置もついております。そういう意味で対潜哨戒をいたしますと同時に、もし潜水艦が見つかれば、そこで戦闘行動に移る、こういったものが現在防衛庁が二機持っております対潜哨戒艇でございます。私どもまあ新聞記事しか見ておりませんが、いまかりに輸出をするといったような問題の場合には、このもの自身が輸出をされるということではなくて、いわばレスキュウ——救難艇と申しますか、海難救助といったことに使うための飛行機としてこれを改装したものが輸出の対象になるのではないかと、かように考えておりますので、もし輸出ということになってまいりますれば、しかも海難用、海難救助用ということで輸出になってくるとすれば、その内部構造等には当然改造が加えられて出ていくのではないかと、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 このPS1がかりに輸出される場合、いま言われたように、そういうロケットとか直接戦闘、対潜用の武器は取って改造されるのだということ。そうであれば、たとえ相手がアメリカの国防省あるいは海軍に直接の輸出であっても、それはかまわないわけですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) まだ具体的に輸出の商談がある、あるいは引き合いがあるというふうに私ども承知をいたしておりません。したがって、その場合になってみなければわかりませんが、かりに当該哨戒艇が武器に類するものを一切装備をしない、もっぱら海難救助の用に供せられるということであれば、また、そういうことが機体構造上からもはっきり確認されるということであれば、そのときのあれにもよりますけれども、私どもとしては輸出を認めて差しつかえないのではなかろうか、かように考えています。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大臣にお伺いしたいのですけれどもね、いまのように飛行機は一つは武器でないということ、まあそれでもいいのじゃなくて、直接戦闘用の場合は輸出をしないと、そうでなければ、いまの海難用であればかまわないと。まあしかし私は、相手が軍であれば、たとえ海難用であろうが何であろうが、やはり戦闘行動につながる一環としてその飛行機は使われるし、もしたとえそうでなくても、普通の飛行機でもかまわないのです。何も、そういうジェット機でも、いろんな機械を、武器をつけていなければ軍に輸出してもかまわないともしかりになれば、要するに裸で輸出しておいて、向こうでそれだけつけてもし戦闘に使った場合にはどうなのか。その辺の考え方、やはり私はアメリカ軍には輸出すべきではないと、一つはこう思うのですけれども、その点も含めて、どうお考えでありますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いま局長の申し上げておりますように、かりにそういう問題が正式に申請になりましたようなときには、武器等の装備が現在あるわけでございましょうから、それらのものを取って、そういう機体の改造をして、しかももっぱら海難救助用に使われるということを確認した上で、ということを局長はいま申し上げておったと思います。私もまあそれでいいのだと思いますが、かりに普通考えますと、戦闘用に使うつもりでございましたら、そういう非能率的なものをおそらく買わないのではないだろうか、むしろそういうものは、売る国もほかにあるわけでございますので、何もわが国からそういう能率の悪いものをあえて買うということはしないというふうに、一応考えていいのではないかと思っております。しかし、現実の問題でまだございませんので、はっきりと申し上げることはできません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ現実問題になってない、かりの話だとおっしゃいますけれども、かなり新聞の報道によりますと、詳しいことが書いてあります。いま大臣が言われた非能率的なものは買わないのではないかと言われましたが、このPS1という形の航空機は、アメリカではすでに製造していない、要するにこの形の航空機は日本だけである、このように聞いているわけであります。そうなると非能率というよりも、むしろアメリカは非常にこれをほしがっている、このように報道されているわけです。だからやはり哨戒艇は、これはたとえ海難用と言われても、アメリカ軍が買えば、これは私は武器になるというふうに判断をしていいのじゃないか、しかも、いつでもこれは対潜用に使えるわけですから、どうそれをつくり直すかわからない、このように考えますが、この点いかがですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) これはまだ具体的な話をよく聞いておりませんし、そこまでまだ具体的になっていないというふうに聞いておりますのでわかりませんが、かりにいまの防衛庁が二機使っております哨戒艇を、海難救助用としてもっぱら使うということになれば、ただ搭載しているいわゆる武器に類するものをはずすというだけではなくて、おのずから用途が違いますから、内部の機体構造そのものを相当程度改造したものにしなければ救助用にはならないと思います。いま先生のお話のように、それをまたもとの哨戒艇用に改造すればやれるのじゃないかという御意見でございますが、それはもちろん向こうで買いましたあと、内部をまたもとのように大改造して哨戒艇として使う、これは不可能ではなかろうかと思いますが、初めからそういう目的であれば、それだけ手間ひまかけて改造するわけもございませんので、私は、もしこういう商談があった場合に、果たしてそういったものがもっぱら海難救助用に使われる構造のものであるかどうか、こういったことは技術的にはっきりと確認できるのではないか、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 もう一ぺん確認のようになりますけれども、要するに武器の輸出というものは、一つは、私たちが主張するような禁止法までは必要ないといま言われましたけれども、一つは、輸出三原則で相手国については規制を、というものが一つある。もう一つは、直接戦闘行動にかかわらないものであれば輸出をしてもかまわない。ただしかし、その直接戦闘行動の範囲ははなはだはっきりしていない、ばく然としているというのが第二番目の点ですね。その点、直接戦闘行動というものはどういうものか、もし防衛庁あたりとの相談ではっきりされている面があればお伺いしたい。もう一つは、相手は要するに何であってもかまわない。要するにアメリカ海軍であろうが陸軍であろうが、国防省であっても、要するに直接戦闘行動にならない武器——武器といいますか、ものであれば、それは相手が軍であっても輸出は可能だ、こう考えてよろしいのですか。以上三点お伺いしたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) まず第一点でございますが、私どもはこの輸出の場合の武器、いわゆる武器輸出の三原則といわれております場合の武器というものの概念は、先ほど申し上げましたように、軍隊が使用して直接戦闘の用に供するものと、こういうふうに規定といいますか、考えております。そこで、相手が軍隊であればどうかということでございますが、要するに国防省でありますとか、そういった場合はどうか、こういう御質問でございますが、この点については、まず武器でないというものであれば、購買者がある国の陸軍あるいは海軍であっても、これは私は輸出の対象として考えてよろしいのではないか、こう考えております。  それから、いまの直接戦闘の用に供せられるものという、戦闘の用に供するというものの考え方でございますが、これはまあばく然としておるといえばばく然といたしておりますけれども、ただ、実際問題としては、当該商品がそういう目的をもって製造され、その構造なり機能なりが直接戦闘用であるかどうかということは、個々の審査にあたって当然明らかにし得るものと私どもは考えております。したがって、考え方としては、いま申し上げましたような表現以外はとれないと思いますが、個々の輸出ケースを審査いたします場合におきましては、十分確認し得ることではないか、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ大体基本的な考えわかりました。  もう一つの問題点は、防衛庁が開発をしたものというのは、どうしてもやはり日本の国防に関するものだと思うんですよ。それで、まあでき上がったものが輸出される場合に、それが相手が軍であると、こうなれば日本も一つの軍事目的のために開発され、つくられたものである。たとえそのつくられたものが民間であっても、それは向こうの相手の軍に輸出されるということであれば、それは完全に軍事と軍事ということになってくるわけですけれども、たとえば民間で開発され、民間でつくられたような飛行機は、民間のベースで売るわけです。それはある程度やむを得ないとしても、いまの範囲内で、ちょっと私、今度防衛庁が開発したようなもの、また今度は三次防、四次防でできた、そういう新しい兵器なり何なりが、それが出ていくと、まあ兵器は問題としても、そういう飛行機なら飛行機が出ていく、こういう場合にどうなるか。この哨戒艇の場合は、やはり防衛庁が開発をしておるわけですが……。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) たとえば、これはかりにでございますけれども、私どもがいまジェット・エンジンというものを開発しようとか、あるいは新しいYS11のあとファン・ジェットでもつくっていこうというようなときに、そういうものが防衛庁の防衛目的にも使えるというようなことがあり得るかもしれないと思うのでございますが、そういう場合には、一緒に開発しようということも、これもまたあり得るかもしれない。しかし、でき上がりましたものが民間航空のための飛行機であれば、かりに開発に防衛庁が何がしか関係しておりましても、だからそのものが武器になるということは、私はないだろう。そのもの自身の用途に従って考えていいのではないかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお話と、最初の大臣のお話と、ちょっと矛盾するように私思うのですけれども、というのは、要するに武器の輸出の問題について、要するに防衛の範囲内といいますか、防衛としてやられているもの、ということをはっきりさっき一番最初おっしゃいましたね。それといまのお話と、ちょっと矛盾してくるのじゃないか。防衛産業の発展の問題は、要するに防衛の範囲内だ、そのワクというものははっきりあると言われた。いまのエンジンの開発とその関係、何かちょっと矛盾を感じますけれども、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国は戦争はやらないことになっておりますし、したがって、武器などというものもあまり営業科目としてはじょうずなほうではないと思うのでございます。したがって、防衛産業というものを輸出を主体に考えるということは、私はすべきでもないし適当でないと思うのでございますが、ただ、一番初めに申し上げましたように、航空機というものは、これは、私はわが国の産業として大いに伸ばしていくべきだと考えておりますから、そこで、航空機の開発、その輸出ということは、これからもやっていきたい。それが行く行くジェットに及んでも、それは私はわが国の産業としては伸ばしていくべきものだ、こういうふうに考えておるのでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま航空機産業の問題に触れられましたので、少しこの問題お聞きしたいと思いますけれども、この航空機産業は、いままで政府が金を出してやってきましたけれども、これがはたして今後の輸出ですね、かなり評判がいいようでありますけれども、今後とも民間だけでその需要拡大がかなり可能なのか、やはりマーケットの大きいのは私は軍だと思うのですけれども、その点、民間だけでもかなりその航空機の輸出というものは伸びる見通しがあるのかどうか、その点お伺いしたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) ただいまの御質問の点、こういう御答弁でいいかどうかと思いますが、飛行機の場合、航空機産業の場合、ただいまの生産額約年間千億円程度でございますが、内訳をとって見ますと、民間用と申しますか、YS11でありますとかMU2であるとか、こういった民間関係の生産額は約四割、それから防衛庁の購買にかかるものが約六割、四対六というのが大体の形でございます。この四割の民間の生産と申します中には、当然輸出が含まれております。  そこで、今後航空機工業というものを伸ばしていこうという考え方を私ども持っておりますが、その場合に、やはり民間の旅客機を中心にいたしまして、これを今後大いに助成もし、かつ伸ばしていく。これは御承知かと思いますが、国会において御可決いただいております航空機工業振興法、この法律の趣旨もまさにそこにあるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、ただいまのYS11が、御承知のようにたいへん世界じゅうでいい評判をとっておりまして、現在すでに六十機余り輸出をされております。これをもっと輸出を拡大をしていくということと、YS11に続くジェット輸送機をつくりまして、これをYS11で獲得した世界市場にさらに輸出をしていく、こういったことから、冒頭に大臣からもお答え申し上げましたように、私どもとしては技術先導性の高い、また技術集積産業でもある航空機工業というものを、将来輸出産業という方向で伸ばしていきたい、こういう考え方を持っておるということでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そのマーケットですけれども、いま言った、あくまでも民間だけでもかなりいけると言っておられるが、やはりある程度は軍でもかなり使っておると聞いておりますが、この点はいかがですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 民間の旅客機の場合には、私はほとんどすべて民間のエアラインが使うものと考えていただいてよろしいかと思います。ただ、国内の場合には、十機余りだと思いますが、防衛庁が人員並びに貨物の輸送用として現在YS11を購入して使っている実績がございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私が聞いているのは相手ですよ、外国の。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 外国の輸出先につきましても、私は全部民間のエアラインということで十分まかなえると、また、そこに売り込んでいくというのが本来でございまして、外国政府がこういった輸送機を使うということは、いまのところ私ども需要先としては想定をいたしておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 防衛庁の方お見えになっていると思いますのでお伺いしたいのですけれども、いまの哨戒飛行艇の問題にちょっと戻りますけれども、私はアメリカの海軍でもこのSS2、PS1を変えたSS2がほしいという話であって、国防省に予算が要求されて、それが七一年度は無理で、七二年度では計上されるであろうというようなことが新聞の報ずるところによると書かれておりますが、それと七二年の沖繩返還時の米軍施設とのバーターが防衛庁の肩がわりとして考えられておるというようなことも言われているわけですけれども、その辺の事情はいかがでしょうか。今後沖繩返還が七二年に行なわれる。それに対応していろいろな問題がやはりアメリカとの間に出てくると思うんですけれども、その点はいかがですか。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○説明員(栗林隆一君) お答えいたします。  ただいま先生の御質問の件でございますが、現在のところ防衛庁としましては、そういった沖繩の施設の肩がわりというような話については全然話を聞いておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この問題はまた今後いろいろ出てくると思いますので、この辺で終わりまして、最後に一つだけ大綱でけっこうですからお伺いしたいのですが、自由化の問題ですけれども、特に農産物の自由化については、いろいろ議論にもなっておりますけれども、グレープフルーツの自由化なんかも非常に問題になっております。この自由化というのはどうしても避けられない、日本の国としては避けられない方向だと思いますけれども、それに対する態勢づくりというものはあまりにもできておらないと思うんですね。だからまず農産物を自由化する場合、たとえばグレープフルーツの場合、夏ミカンをどうするか、そしてそういった点で通産省としては農林省とどういうふうに話し合い、今後の方向をきめようとされておるのか、農産物の自由化について一つ。  もう一つは、自由化をした場合、一応自由化をするといっておきながら関税を上げるという、こういうやり方をすることがあるわけですね。こういうのはやはりほんとうの自由化にはならないと思うわけですけれども、そういう方法で表面自由化はする、するけれども関税を上げて、そこで自由化でなくするようなかっこうにする、そういうようなこともあると思うわけですけれども、その点については今後どうされるか、やはりそんな方向をとられるのか、その点についてお伺いして、私の質問時間がこれで終わりですから、終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 主として物の自由化についてのお尋ねであったと思いますが、御承知のように明年の年末までに六十品目の自由化をしようと、そうして残りのものにつきましてもその後努力をしていこうということでございます。おっしゃいますように、いわゆる総合農政の展開ということから、農産物の自由化というものには、かなりいろいろな問題がございまして、農林大臣も非常に御苦労でございますが、農林大臣と私との二人の話では、できるだけ通産物資の自由化は私どもも進めますが、何しろ数が農林が多うございますから、ある程度のことはお願いをしたいということで、農林大臣もひとつできるだけやってみようと、こういうお立場でございます。物によりましては非常にむずかしい、あるいはできないという物もございますけれでも、物によりましては条件次第で多少のことはひとつしんぼうしてやっていこうと、まあ二人ではそういう話をしております。  そこで、おっしゃいますように、自由化の際、関税を引き上げる、あるいは課徴金をというようなことは、本来なくて済むほうがよろしいのでございます。おっしゃいますとおりですが、しかし自由化を全然しない状態と、ある程度暫定的に関税などの措置を伴うが、しかし自由化をするという場合と、どちらがいいだろうかということになれば、私は原則としては自由化をしていったほうがいいのではないだろうか。ただその場合、関税とか、課徴金というものが、くせになってはいけないので、きわめて限られた時間だけはある程度そういうことがあるということであれば、それもやむを得ないのではないかというふうに思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 質問時間が非常に限られておりますので、質問も簡単にするつもりですが、ぜひ答弁のほうも簡潔、明瞭にお願いをしたいと思います。  まず初めに、繊維の対米交渉の問題ですが、対米覚え書きの内容を見ますと、一応アメリカ側の第二次提案ははっきりと拒否されて、しかし反面、被害があればこの自主規制は認めるんだという意思表示を打ち出されております。私はこれがEEC諸国とか、あるいは他の諸国に対して悪影響を与えるおそれがないか、この点を心配するものでありますけれども、この点について大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) EECあるいはアジアの国々、みんないろいろな、おのおの少しずつ違いますが、関係がございますので、もしそういうことになってまいるといたしますと、十分相談をして、多国間で相談をしての上のことだと考えます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私の申し上げたのは、対米輸出の規制の問題だけではなくて、EEC諸国が日本品の輸入によって被害を受けておる、そういう例もあるわけですけれども、そういうものに対して一つの足がかりを与えるのではないか、こういう危惧があるというふうに考えるのですが。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 失礼いたしました。そういう面が確かにございます。EECの国の中には輸出国という立場、品物もございますし、輸入国という立場も両方ございますので、言われるようなことは確かにあり得ますので、よほど考えてまいらないといけません。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それから、この覚え書きに示された条件というものは、いろいろございますが、大きなものとしましては、一つは重大な被害があるものに限って選択ベースで行なうということ、それから第二番目は、あくまでガット十九条援用までの暫定措置である、三番目は、被害の認定は輸出国との協議と納得の上で行なうべきだ、まあこの三つの条件がはっきりと示されているわけですけれども、この条件がアメリカ側に受け入れられて初めて繊維の交渉が軌道に乗るのだ、そういうふうに解釈してよろしいのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今朝来、政府の基本原則というものを申し上げてまいりましたわけでございますが、ただいま御指摘になりましたようなものが政府の基本原則でございますから、それが受け入れられました上でありませんと、話の進めようがないということでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いままで佐藤総理はじめ宮澤大臣も、繊維の問題は早期解決に努力するというようなことを言われておりますけれども、私はあくまで経済問題として筋を通すならば、いま言ったこの三つの条件をアメリカ側に受け入れさせるというのは、そう簡単なものではないんではないかというふうに考えております。なぜならば、本来この問題が出てきた背景は、非常に政治問題としての色彩が濃いわけで、言うならば経済問題として筋を通すということと、政治問題として解決するということは、非常に大きな矛盾があろうかと思います。したがってこの早期解決ということと、あくまで政府の原則を保持して筋を通すということとの間には矛盾があるのではないか。もしも、あくまでもいま言われた条件を前提としてでなければ交渉が進まないとするならば、やはり早期解決という看板はおろしたほうがいいのではないだろうかというふうに考えるのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 早期解決は私どもの基本的な姿勢でございますし、また国内でも、先ほども御指摘がございましたように、先行き不安も生じておりますから、なるべく早く片づけるのがいいと思っておりますけれども、交渉が難航いたしまして、その結果時間がかかってしまうということでございましたら、不本意でございますけれども、どうもそれもしかたないのではないかと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうすると、いまの大臣の御答弁は、政治問題的な色彩と経済問題的な姿とがぶつかり合った場合には、あくまでも経済問題として筋を通すということを重点に考える、経済問題として筋を曲げてまで政治的に妥協することはないというふうに判断していいのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政治問題と考えましても経済問題と考えましても、今朝から申し上げておりますような私どもの基本原則というものは、これを譲るような解決をしてはならないと思っているわけでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 次に、資本の自由化の問題について若干お伺いしたいのですけれども、去る六日衆議院の商工委員会で大臣は、これまで政府がきめた貿易、資本の自由化の日程を繰り上げる方向で再検討する、こういう発言をされておられますけれども、この考え方は、昨年の秋に自由化時期を昭和四十六年十月に決定された自動車産業についてもこの考え方が含まれるのか、対象としたのかどうか。この点をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘になりました委員会で私の申し上げましたことは、これから申し上げることと同じでございますが、いろいろ繊維交渉などがございまして、私、自由化の問題を十分まだ勉強する時間がない、しかし世の中の動きも早いことであるから、自分としてはもう一ぺん勉強し直してみたいと思っている、こういうことを申し上げましたので、自由化の時期を早める方針であるということを実は申し上げたわけではなかったのでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それでは具体的にお伺いしますけれども、自動車の資本自由化の時期は、昨年の秋にきめられた四十六年十月という線は堅持するということですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのところ、それを変更するというつもりはございませんが、四十六年十月というのが何であるかということになりますと、その日から検討を始めるというようなこともあり得ましょうし、あらかじめ出された案がかりにございましたら、検討はそれ以前からやっていくという場合もございましょうと思います。私どもは十月がきて初めて検討を開始するというような態度はとろうとは思っておりません。検討そのものは、検討すべき案が出ましたら、なるべく早くしていくことが、結論いかんにかかわらず、行政としては親切だと、こう思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 自由化の時期と同時に、内容が非常に問題になろうかと思います。現在は五〇対五〇あくまで新設、合弁に限るというような条件がついておるわけですけれども、   〔委員長退席、理事近藤英一郎君着席〕 この内容を、もし堅持する限り、これはアメリカ側にとっては非常に魅力のないものであって、これに対する反発なり抵抗というものは、かなり強いものがあるのではないか、この内容についてもう少し弾力的に、四十六年十月以降実施する場合に、この内容についてもっと弾力的に考えていくというお考えはおありでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 五〇対五〇ということは、ものによりまして御承知のように一〇〇になる、昇格といいますか、ワクが移るものも幾つか過去にもございましたが、私は一応第三次、第四次の自由化が完了いたしますまで原則としてその五〇対五〇という方針は変えないほうがいい、このほうも変えていきますと、事が非常に混乱いたしますから、その点は一応第四次が済むまで原則としてそのままにするほうがいいのではないかと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 昨夜アメリカのECATの対日経済使節団が参りまして、この使節団は日本にいる間に佐藤総理並びに宮澤大臣に会って、主としてこの自由化の問題、さらに繊維の問題も含めていろいろ話し合いをする予定だということを聞いております。この中にはアメリカの自動車関係の代表者もかなり含まれておりますので、当然この自動車の資本自由化の問題についていろいろ要求があろうと思います。特にゼネラルモーターズの場合、従来から一〇〇%子会社の設置ということを強く要求しておるわけですが、それが認められない場合は、どこか合弁先を見つけなければならない、この場合、当然日産とかトヨタとか、そういう大手を対象にするということも考えておるというようなお話を聞いておりますけれども、こういう点に対しての、これははっきりなかなかお答えがいただけないと思いますが、通産省としての考え方はどうなんですか。対日使節団を迎えて特にこの自由化の問題についてどういう考え方で接せられるかお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身は、物にいたしましても、資本にいたしましても、自由化はなるべく早くすることがわが国のためになるというふうに基本で考えておりますので、一般論として急ぐことができればできるだけ急いでいきたいという気持ちは持っております。で、今回、関係の人がアメリカから参りますので、私はどの点を一番希望しておるのか、いろんな問題がございましょうから、どの点に一番先方の希望が強いのかというようなことをよく聞いてみたいと思うのでございます。ただ、いずれにいたしましても、一〇〇%というようなことは、先ほど申し上げましたように、どうもいまの段階で私は適当でないと考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうしますと、いままでの大臣のお話を総合しますと、いまのところは四十六年十月の自由化実施時期というものの変更は考えていない、それから自由化の態様でありますけれども、これも既定方針の五〇対五〇、新設、合弁に限るという線の変更は考えていない、ただ個別的なものの審査とか、そういうものについては時期を若干早めて四十六年の十月時点ですぐそれが発足できるようにする、要約してそういう態度だというふうに解していいのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事を自動車に限りましたら、そうたくさん会社があるわけでもございませんしいたしますから、あえて原則論を持ち出さずとも、個別にどういうことが問題なのかということをよく聞えてみたら行政ができるのではないかと、こう思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そこでお伺いしたいのですけれども、自動車産業の日本の経済における価値というのは、やはり輸出産業としての価値というのが非常に大きいのだろうと思います。それから、これからしばらくの将来を考えた場合に、やはり外貨を獲得するかせぎ手として期待されるところが大きいというふうに感ずるわけです。したがって、そういう面から考えた場合に、この自由化の大きな方向というものは、当然否定するわけにはまいらないと思いますけれども、輸出産業としての価値が減退するようなことは非常にまずいのではないか、そのためにはこの自由化後の民族系資本と外資系資本とのシェアの比率というものが非常に大きな要素になってまいろうかと思います。なぜならば、外資系企業に大部分が占められた場合には、この輸出のコントロールが国策によらずしてその外資系の親会社の企業の経営政策いかんによって非常に左右されるわけです。これは非常にゆゆしいことではないかと思います。したがって、その自由化後の日本の自動車産業のあり方について、通産省としては当然その構想というものがおありと思いますけれども、その辺のお考え方をちょっとお伺いしたいのですが。   〔理事近藤英一郎君退席、委員長着席〕

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 後ほど政府委員から補足をしてもらうつもりでございますが、わが国に資本が入ってまいりました結果、技術革新、技術開発は全部もう本国へとってしまうとか、あるいはいま言われましたテリトリアル・アロケーションをするとかいうようなこと、外国にはそういう例が現実にございましたから、そういうことがあってはならない。そういう意味での資本の入り方は、私ども阻止しなければならないと思っております。なお、わが国の自動車の生産、輸出の体制につきましては、少なくとも一社以上の会社についてはほぼその体制を整えつつあるという判断をいたしております。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) 自由化後の問題で、いま輸出という観点から御指摘ございましたが、私ども全く先生の御意見に同感でございます。いま大臣が申しましたように、輸出についてかりに合弁会社ができる、あるいは提携をする、こういったような場合に、その内容について輸出を特に制限するようなやり方、これについては私ども反対でございますので、十分審査の段階でチェックをしてまいりたいと思います。ただ事実問題として、世界的企業でございますから、そういうものができた後に実際行為としてそういうことが起こり得るということは、私どもも警戒をしなければならぬと思います。私ども将来、自動車の輸出につきましては、わが国の機械輸出の大宗としてこれを持っていきたいというふうに強く考えておりますので、いまの御指摘のような懸念がないようにつとめてまいる必要があると考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 先日新聞に三菱、クライスラーの問題については事前に審査をして認可をして、四十六年十月に発足できるように考慮するというような記事が出ておりましたけれども、これは、言うならば外資との提携の第一段といいますか、第一番目のケースだと思います。これもいろいろ審査されて決定されると思いますけれども、問題は三菱、クライスラーに続いて第二、第三のケースがやっぱり続いて出てこようかと思います。そのときに、一つの例を認めた場合に、第二、第三の場合に、なかなかそれを拒否するという理由が見つかりがたいのではないか。ただ一つ言えることは、先ほど申し上げましたように、どんどん入れることによって外資系のシェアがどんどん大きくなり、これが輸出産業としてのあり方に大きな支障を来たすとするならば、第二、第三のケースを審査される場合に、そういうシェアという問題も考慮に入れて認可の対象にするのかどうか。言うならば、いまは第一段ですからシェアは一つもないところにできるわけですから、そう重大な問題にならないと思いますが、二つ目、三つ目ができるときは、そのシェアの問題が非常に重要な要素になってくると思うんです。そういう要素も入れて第二、第三のケースは個別審査されるかどうかお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 三菱とクライスラーの合弁の問題について、書類等が整いましたら、なるべく早く審査をしたほうがいいということは私申しておりますけれども、それで認可をするんだということを申したことはございません。審査はなるべく早くしたほうが親切な行政であろうということを申しておるわけでございます。  それから後段の問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、わが国の幾つかのメーカーの生産、輸出の体制は私はかなり整ってきたと見ておりますので、以前に比べましたら、これからあともし新しい合弁の話などが出てまいりましたときも、昔に比べますと処理のしやすい状態になりつつあると、こう考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 もう一つ最後に、部品メーカーの問題が自由化の場合に非常に大きな問題になると思いますが、現在機械整備振興臨時措置法があるわけですが、四十五年度で期限切れになります。そのあと、この機振法にかわる法律の整備、何か構想がありましたらお答えいただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○政府委員(赤澤璋一君) いまの御指摘の機振法でございますが、御承知のように来年三月末で期限切れとなります。自動車の部品工業がこの機振法の中でと申しますか、機振法の運用上、非常に有効にこの法律の対象として使われておる。こういうこともまた御指摘のとおりでございます。そこで機振法全体を今後どう持っていくかということでございますが、実は昨年の末に私ども産業構造審議会の重工業部会に、今後の機械工業政策はどうあるべきかという大臣の諮問をいたしました。今後の機械工業というものの政策を中心に、いま議論を進めておるところでございます。そこで、こういったような機械工業全体の立場から一つの政策論がかたまってまいると思いますので、その辺も見た上で今後の機振法の取り扱いというものをきめていきたい、こう考えております。現状でまだこれをさらに単純に延長いたしますとか、あるいは一部を改正いたしますとかということは、これからの議論によって十分考えていきたい、こういうふうに考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣にお尋ねするんですが、いま繊維問題が非常な問題になってきておりますが、率直に申しまして、日米両国のうち、どちらが非関税障壁による加害国であるのか被害国であるのか、そこをはっきりさせていただきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 非関税障壁は、数え上げますと両方とも相当あるという、相手のことについてはそういう主張になっておりまして、その結果、金額にして何がしの貿易の障害になっておるかという計算は事実上できませんので、どちらがより多く害を与えておるかということは、ちょっと私は事の性質上計算がむずかしいのではないかと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この問題は、私が予算委員会の補正予算の総括質問の中でやったわけなんですが、大臣はきょうの日経の発表に対しましても、大矢委員の質問に対して口をつぐんで答えることができない。そして私の補正予算の総括質問のときにも、それをお答えにならなかったわけなんですね。しかし実際は昨年行なわれた日米経済協力会議の席上に、通産省はちゃんと作業をなすって、どちらが被害国であるか、どちらが加害国であるかという資料は、ちゃんと出していらっしゃるのですね。それはちゃんとだれが言ったとは申しませんけれども、通産省の役人もそういう作業はしておりますと言っておりますよ。だれが言ったということをぼくが言ったら、大臣にまたしかられるでしょうから私は申しませんがね、実際しているんですよ。そのした結果があの日経に載っておるわけですね。その日経の資料によると、どちらが加害国か被害国かということははっきりしておるんです。それは私は補正予算のときに大臣にも申し上げたとおりなんですね。アメリカが加害国で日本は被害国になるわけなんですね。そういうことがはっきりしないで、どちらが加害国か被害国かはっきりしないで、自主規制という問題はどういうふうにそれじゃやっていらっしゃるわけなんですか。いまも被害国の問題が出ましたが、そこを明らかにしていかないと、私は何もはっきりしてこないと思うのですよ。大臣は一体日本とアメリカとどちらが被害の度が大きいというふうにお考えになっていらっしゃるのですか。そのくらいのことは大臣わかっていらっしゃるはずだと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の七月ごろではなかったかと思いますけれども、私もその記事は新聞で見まして、私が率直にそれを見て感じましたことは、とてもこういう計算というものはできるものでない。こういう計算はとてもできるものでないということを、率直に私、新聞を見て感じておりました。いまでもそう思っております。  そこで、交渉でそういう話が日米閣僚会議で出たかどうか存じませんけれども、まあしきりに非関税障壁、非関税障壁と言われれば、こちらもひとつ試算をしてみて、それはむしろきみのほうが、というようなことは、あるいはこれはありそうなことでございますけれども、しかし、ああいう計算をみんなが合意できるような形でできるものではございませんで、だれかが試算をしてみたのであろうと、私は、それにすぎないというふうに感じております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あの当時あなたは通産大臣ではなかったから、まあそういうこともおっしゃることができるんでしょうけれども、当時の通産大臣がこの席上へ出て見えたら、そういうことは言うことができない問題だと思うのですね。事実ちゃんとそういう資料を出して、日米の間でいろいろな協議がなされた、こういうふうに私たちは承っておるわけでありますね。  それじゃね、いま自主規制の問題が非常にやかましいのだが、自主規制をしなければならないというときは、どういう条件が起こった場合に自主規制をしなければならないんですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 自主規制をしなければならない一ならないということの意味でございますけれども、何か法律なり条約に従ってということであれば別でございますけれども、一般的には、結局自主規制をしたほうが適当かどうかというような政府とか業界とかいうものの判断、その結果が、自主規制に過去においてなっておるのではないかと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃあなたは、自主規制をやろうと思っておるのか、自主規制はあくまでもやらないというのか、どういう状態になったときに自主規制はしなければならないのか、どういうふうに考えていらっしゃるのか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、いろいろな場合があると思います。たとえば何かの品物が輸出が非常に毎年毎年急増していって、相手が市場撹乱だと考え、それに対して相手が対抗策をとりそうだというような場合に、それならばむしろいわゆるオーダリー・マーケティングをやったほうがいいと、こういうふうに考える場合などもあると思うのでございます。過去にもそういうことがございました。そんな場合には自主規制をやったほうがいいかなという判断が生まれ得る。しかし、これはいろいろな態様があり得ると思います。  それからまあ、たとえば過去にもございましたが、相手の国とガット関係に入るというときに、その条件として自主規制のようなことをした例も、御承知のようにございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、やはり先ほど申しましたように、どちらが被害を受けておるのかということがはっきりしてきた場合にそういう問題が起こってくるというふうな考え方なんですか。そこ、ちょっと私はあなたのおっしゃることがわかりかねますがね。どういう——自主規制するということに踏み切る段階におけるその条件ですよ。それを伺っておきたいんですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、いま繊維のことについてお尋ねでないものでございますから、一般論としてお尋ねでございますから、過去において自主規制をした場合には、いま幾つか申し上げましたが、いろいろな態様がございますと。  それで、前段の御質問とこう関連づけて考えますと、A国とB国との間がどちらが非関税障壁でより多く損をしておるかということと、具体的な品物について自主規制をするしないということは、私は直接の関係はないと思うのでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 具体的な品物でどちらが被害国であるか加害国であるかということが計算できるならば、先ほど申し上げました非関税障壁による加害国がどちらであるか、被害国がどちらであるかという計算だってできるはずなんじゃないですか。できないという理由はないじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) しかし、それはたとえばASPというものをアメリカがやめたらどのくらい輸出がふえるだろうかとか、あるいは四百二A条がなくなったらどれだけ出るだろうかということが、全くかってに推定をするしかやりようがないんでございますから、私は、そういう資料は厳格な意味ではできないだろうと思うのでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 去年の「日経」に出された資料ですと、米国の加害度、いわゆる日本の被害度ですね、それは、自主規制等による鉄鉱が二億ドル、それから繊維が六千四百万ドル、雑貨が二千万ドル、それから日本の加害度が、いわゆるアメリカの被害度ですね、残存輸入制限による日本の加害度が二億九千万ドル、それは電算機等機械類、その他工業製品、農水産物、この農水産物が七千万ドル、電算機等が二億ドル、そういうようにずっと項目に出ておるわけなんですね。それを合計すると、私がこの間申し上げたように、アメリカの日本に対する加害度が四億三千三百万ドル、日本のアメリカに対する加害度が三億一千五百万ドル、こういうような数字が出てくるのですね。こういう数を日米経済会議のときにちゃんと資料として出された、そういうことになっていますよ。あなたは御存じないかわからぬけれども、事実やっておるわけですね。  こういうように考えてきますと、いわゆる全般から考えて、アメリカの日本に対しての加害度のほうが大きいということははっきり言うことができる。いまではちゃんとはっきりしてきているわけなんですね。しかもアメリカが日本に対してとやかくと因縁をつけて、今回日本におどかしをかけてきているでしょう、自主規制をしなければ法的措置をするぞとね。そうするとあなた、そういうアメリカの一方的なおどかしに日本政府がもしも屈服してしまうならば、その結果、日本の繊維業界は大きな被害を受けなければならない。日本の被害はもっと大きくなっていく。これより以上にもっと大きくなっていく。だから私たちは、その場合に政府はどう処置するのだと、断固として自主規制に応ずるな、もしもアメリカが立法措置でやってくるならば、そのときは日本もやはり立法措置で戦ったらいいじゃないか、こういうことになる。通産大臣はどういうふうにこれに対抗していこうと考えていらっしゃるんですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の日米経済閣僚会議のときには、いま聞きますといわゆる非関税障壁一般についての話があったそうでございます。が、資料としてそういうものが正式に出されたということはないようでございます。また、私はちょっとあり得ないことだと考えます。だれかが試算をすることは、これは幾らでもできますが、計算の方法について合意をする、たとえば須藤委員と私とで、こういう計算の方法で合意できるかというようなことになりましたら、これは事の性質上私はできない計算だというふうに考えております。  それから、当面の繊維の自主規制の問題でございますが、今朝来申し上げておりますような原則に立ちまして、しかも被害または被害のおそれがあるという立証が両国間でどうしてもある、そのまた証拠もあるというようなことでございましたら、それは業界の協力を得て自主規制をしてもらいたいと思っておりますけれども、それは今朝から申し上げましたような条件なり仮定の上に立ってのことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それでは最後に聞きますが、時間がありませんからもう一問。通産大臣のいまの心境ですね、自主規制をしないという心境なのか。今日の段階で自主規制をしないという段階なのか、自主規制もやむを得ないというような段階なのか、そこをはっきり聞かせてもらいたいと思うのです。  もう一つ続けて私は伺っておきますが、もうこの中小企業、いわゆる機屋さん、これの多い石川県、富山県、福井県ですね、この方面では、もうすでに非常な混乱が起こってきておるのですね。業界に操短が起こっておるし、もう立ち行かないので持っている機械を二束三丈で売り払うとか、もう非常な経済的な混乱がすでに起こってきておる。こういう問題は、もしも自主規制をあなたがやるというふうに踏み切ったら、もうたいへんなことになってくると思うのですが、その結果に対して通産省はどういう処置をしていこうというお考えなのか、その二点をお伺いします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 北陸の機屋さんにそういうことが起こりつつあることは聞いておりまして、心を痛めております。一つは先行き不安、もう一つは先ほど繊維局長が申し上げましたようなアメリカの景気後退というようなことにつながっておるのではないかと思いますが、業界でもいろいろ自助体制、共助体制をお考えのようでございます。私どももできることがあればいろいろして差し上げなければならぬと思っておりますけれども、これはやはり交渉が長引いておりますための一種の不安から起こっている点もございますから、なるべく交渉そのものは、できることなら早くきまりをつけたいというふうに考えておるわけでございます。  自主規制をするつもりなのかしないつもりなのかというお尋ねでございますが、従来アメリカから今日まで出された資料では、にわかに被害または被害のおそれがあるということが判断できませんので、追加の資料なり説明があれば聞きたいと思っておるところでございます。どういう心境かとおっしゃいますが、非常にうっとうしい心境ということでございます。

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 本件についての質疑はこの程度にとどめたいと存じます。     —————————————

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 次に、輸出中小企業製品統一商標法案について質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わずかの時間の間、総論的なことを質問いたします。  まず、けさも一般的な貿易問題の質問をいたしましたが、日本の品物はいまは海外ではどういう評価を受けているかというのが第一点です。たとえば時計ではオメガとかラドーとか世界的に有名なのがありますが、日本の国内でいろいろさがしましても、品物といえば外国品、いわゆる舶来というのがいいものという先入観がございますが、日本の商品はいま一般的にいって海外でどういう評価を受けておるか、これが第一点です。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 過去におきまして日本品、いわゆるメイド・イン・ジャパンというのは、安かろう悪かろう、こういう評価を全般的に受けておった。現在もそれがある程度残っておるし、またこれは国においていろいろ事情が違いまするけれども、また品物においても違いますけれども、残っておることは事実のようです。しかしながら、最近のわが国の産業の発展と技術向上に伴いまして、先ほど先生が例としておあげになりましたように、たとえば時計でございますとか、あるいはカメラでございますとか、あるいはトランジスタラジオでございますとか、そういった一部商品につきましては、メイド・イン・ジャパンというのは非常にりっぱなものであるという評価も、個別的にまた地域的にはそれぞれ出てきていますが、全般に軽工業品の関係、特に繊維、雑貨等の関係におきましては、依然としてやはり日本品は従来からのいわゆる安かろう悪かろうという評価がまだ完全に払拭されない、むしろまだそういのが牢固と残っておるというのが全般の状況、過去よりはよくなってきておるけれども、現状としてはまだまだこの評価を是正していかなければならないのが現状だと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この法案を提出された一番大きなねらいは、後進国よりの追い上げなどで、同じ品物、安い品物ではもう太刀打ちできないから、品物を高級化して市場を開拓していきたいというのが法案のねらいのようですが、ブランド法もその一つの方法としてこの法律を出されると思うけれども、ほかに軽工業製品を高級化する方法というものを、通産省としては考えておるのかどうか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 全般的に技術開発というものを進めまして、そうして品質を向上し、ひいてはそれが海外におきます評価を高めるということにつなげたいという方向は、通産省の国内産業政策の一環といたしまして、これは最も重点を置いてきたところであることは変わりございません。現実にそれがだんだんと効果をあらわしまして、最近におきます産業構造あるいは輸出構造の中で、重化学工業化率が七〇%と、他の先進諸国に比肩し得るような状態になってきたということは、この効果であるかと存じます。そのほかに、現在審議をお願いする統一商標法案もこれもその一助になりますが、このほかにも、特に日本の経済におきまする中小企業、さらにまた中小企業が従事いたしておりまする軽工業品の分野において、諸般の中小企業対策が行なわれておりますが、これらの面を通じて、その品質の向上ということは行なわれておると存じます。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) ただいま貿易振興局長が全体のお話を申し上げたわけでございますけれども、中小企業庁といたしましても、中小企業一般対策としての輸出振興業務というふうなものも行なっておるわけでございまして、何と申しましても、基本的にはやはり発展途上国等の追い上げに対応する措置でございますので、昨年御審議いただきました近促法の改正によります構造改善事業、これを一つの軸にいたしまして、特に追い上げの激しい業種につきまして本年度すでに八業種を指定いたしたわけでございますが、明年度におきましても引き続き指定業種をふやしまして、体質の強化をはかってまいりたい、これが基本的な第一の柱でございます。  その他、いまの品質の向上等に関連いたしましては、やはり中小企業者に対します技術のレベルアップというふうなことを、一つは国の研究所がみずからやってまいりますというのが第一点。  それからさらに新しく来年度、今回の予算案で御審議いただくことになっておりますけれども、簡易巡回指導というふうなところに重点を置きまして、中小企業等の技術指導につきまして、現地にひんぱんに出かけていって指導する、こういう体制を整えてまいりたいと思っておるわけでございます。  それからさらにやはり中小企業製品、これはすべての製品に通ずるわけでございますけれども、デザインの向上等についての施策が必要でございまして、そういう点で意匠センターあるいはデザインセンターあるいはデザイン展示会の開催、そういうことによりましてデザインの振興にもつとめてまいりたいと思っておるところでございます。  以上大きな柱でございますけれども、一般的に中小企業製品につきましてとっている施策でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在の輸出が輸出入取引法、輸出品デザイン法あるいは検査法などがございますが、現在ある法律でも、いままで言ってきたようなことはできると思うんですが、その上になおこの法律を提案する大きな理由は何ですか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 諸般の幾つかの法律がございますが、たとえば輸出入取引法におきましては、生産業者に関しましては輸出すべき貨物の国内取引に関する協定の設定を認めておるだけでございまして、輸出業者につきましては、輸出すべき貨物の国内取引並びに海外取引について通産大臣の認可を受けて協定ができる。したがって、要件を満たしますればアウトサイダー規制もできるということになっておりまして、輸出入取引法では輸出関係の業者に対する統一商標法案の意図しております目的は達成できるのでございますが、この法案のねらいといたしております中小企業の生産業者に対する規制ということはできないわけでございます。したがって、輸取法ではこれはできないというのが一つであります。  それから輸出検査法というのがございます。検査法は、御承知のとおりに、指定貨物の検査基準を省令で定めまして、その検査に合格した表示がないと輸出できないということになっております。この輸出検査法のたてまえが、公的な検査を義務づけることによりまして輸出品の品質の最低水準を維持いたし、それを向上させるためのものでございますので、この法案の目的といたしております輸出向けに出荷される中小企業製品のうち、品質がすぐれたものについて、海外市場における声価の向上のために統一商標の使用の保護に関する措置というのは、検査法ではできないものでございます。  それから輸出品デザイン法でございますが、これは特定貨物のデザインについて登録をして、そしてその登録された特定貨物はデザイン及びそれに付される商標につきまして認定機関の認定を受けなければ輸出できない、こういうように定められてございます。デザイン法は、物品の形状とか模様とか色彩とかいった物品そのものの意匠を主たる対象といたしておりまして、その意匠の模倣防止に付随いたしまして商標の認定を行なうものにすぎないものでございますので、輸出品を、商標権侵害の防止のみを目的として特定貨物に指定するということはできないたてまえになっております。したがいまして、輸出品デザイン法でもこの法案の意図するところはカバーできないということになっております。  それからもう一つ関連いたしまして、商標法でございますが、商標権は、自己の業務にかかる商品について使用する商標というものを登録させまして、そしてこの商標の保護ということを、模倣防止というような観点から行なうというのがたてまえになっております。で、商標権をたとえば侵害したというものは、貨物が輸出されようといたします場合には、これを公権力によって税関でチェックして押えるということは、現在の商標法ではできないたてまえになっております。したがいまして、統一商標法案とこれまた違うところでございます。おおむね、関連するところ、まだほかにもいろいろございますが、おもなるところはその辺であろうかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外国ではこれに似たような法律を各国つくっておりますか。現況について御報告を願います。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 最も適例はドイツにおきまする連邦政府の、法律になっておりますゾーリンゲンの商標保護法、これが一番適切な例かと存じます。ゾーリンゲンの商標保護法と申しまするのは、一九三八年にできまして、ゾーリンゲン地区の約三十幾つかの中小企業者が統一したゾーリンゲンというマークをつけて、商標をつけまして、世界各地でこれがその声価を高め、現在ではゾーリンゲンという商標のついておるものならば、品質も非常に良質であると、したがって若干値が張ってもこれはやむを得ないものであるというように、刃物とか洋食器とかというものについて考えられておるほどにこの効果を達しておる、かように考えます。ただ、統一商標法案と若干内容が違いますのは、このゾーリンゲンの商標保護法におきましては、国内取引においても一切使わせない、こういう形になっておりますので、この法案の目的といたしますように、もっぱら外向けを考えまして、外向けにこの法律に意図するところでないものが出ますとき税関でチェックするというたてまえとは違っております。この法案におきましては、国内取引についてはそういう制限を加えない、こういうことになっております。ゾーリンゲンの、まさにゾーリンゲンのような商標というものが世界各国に普及いたしまして、それが正当に評価されまして、日本の中小企業生産者による輸出品の声価があがっていくということが、まさにこのねらいでございます。  それからさらにフランスにおきまして、これは法律ではございませんが、コニャックに関する政令がございます。これは特定の地域を県あるいは村として指定をいたしまして、その地域内に産出する発酵酒につきましては、コニャックという名称をもっぱら使用させることにして、それ以外の地域のところでは使ってはならぬ、こういう政令になっております。  この二つが一番適例かと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ゾーリンゲンの例を言われましたが、調べて見ますと、ゾーリンゲンの場合は、ゾーリンゲンで一番いい品物があったのを、ほかのものがまねしまして、要するに地域でまねして、品物の悪いやつがどんどんゾーリンゲンといって名声を落としたからゾーリンゲン法をつくったと書いてある。つくったいきさつ、ゾーリンゲンの法律は。いま政府の出す考えと違いますね、調べてみましたら。これは皆さんのは、ここに一つの燕なら燕の食器がある。こいつの商標をつくって、そうしてもう輸出されるときは、この基準以下のは出さないということで税関でチェックしましょうということで、そこで高級品化をねらおうとしているけれども、ゾーリンゲンの場合は、いいのがあって、悪いのがまねしたから、まねしないように法律をつくったと書いてあります。まあどちらでもいいですけれども。統一商標という法律はあります、ゾーリンゲンにあるようですけれども。  そこで、たとえばいま一番上の一〇%のところで基準をつくりますと、あとのものは追いついていけませんね、燕なら燕の製造の品物。そうしますと、とにかくそれを維持しようとしますと、たとえば現在輸出しておる品物は、うんと力を入れないとそこまでの基準に達しない。それで通る。これでは統一商標ができまして、当分、かえって品質が下がりはせぬかという懸念がするし、またもっと、うんと高いところで基準をつくりますと、大多数のものがついていけないで、これはもう輸出できないことになって、大恐慌起こしやしないかと考えるがどうですか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) この法案のたてまえといたしまするのは、あくまで業界の自主的な盛り上がりによりまして、自分たちの力をつけよう、自分たちの輸出する製品の海外における声価を高めようという自主的なものを、政府として、国の政策としてこれを助長しよう、促進しよう、こういうたてまえになっておりまして、ただいま御指摘の品質の基準につきましても、この法律のたてまえ上からは、これは生産業者、中小企業のその貨物をつくる生産業者の団体が主務大臣に対しまして統一商標規程というものを差し出しまして、それを主務大臣が認定するというぐあいの仕組みになってきておりますので、したがいまして、あまりにも自分たちがつくっておる製品よりもレベルが高過ぎるというようなものは、その統一商標規程というものは、もともと業界と申しますか、団体が自発的に自分たちでつくるわけでございますから、そういった高いレベルにきまることはないと思います。さらにまた、それよりずっと低いところのものは、これは法律としてやはりそういうものを統一商標として定めるのは、この法案の趣旨に沿いませんので、低いものを統一商標として出したいということは、海外における声価を高めるということになってまいりませんので、いずれにいたしましても、そういう場合はない。したがいまして、団体として持ってきたものが、主務大臣としてこの統一商標規定の中の品質基準がちょうどいいかどうかという点をよく考えて、業界の希望が妥当であるかどうかという点を見定めてきめることにいたしますので、御指摘のような弊害は起こらないと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま業界のほうで統一商標をつくるために熱意のあるところはどういう団体でございますか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 一番熱意があると申しますか、はっきりしておりますのは、新潟県燕市の金属洋食器の組合、これが現在統一商標燕のマークについて、燕の商標について一番熱意を持っておりますが、それ以外にも福井県のめがねのワクでございますとか、同じくやはりこれは大阪にもございますが、めがねづくり、あるいは京都の西陣織、そのほかにも約十種類ぐらいそういう業種がございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、たとえば絹織物なら絹織物といたしますと、博多織もございまして、西陣のほうのそういうものに聞いてみますと、産地のブランドにするのか、品種別のブランドにするのかによって業者の考えも変わってまいりますので、これは政府の考えがまだかちっとしていないようだけれども、そういう点いかがでしょうと言っているわけです。たとえば絹織物が日本の全体の輸出するものの五〇%以上を持っているような地域がございませんのでということですね。だから、そういうことで、たとえば洋食器にいたしましても、八割くらいが燕でできておるようですから、これはまあ燕でもいいでしょうね。燕の洋食器でマークはいいでしょうけれども、絹織物にいたしますと、たとえば西陣なら西陣ということにしませんと、これはほかのほうとの、日本の全体の絹織物の輸出という関係では、若干支障があるように思いますが、そういう点どう考えておりますか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) この法案で特定貨物に指定いたしますときには、その団体の構成員の生産にかかわるものがわが国の総輸出額の中で相当部分を占めておるということを、特定貨物に指定いたしますときの考え方といたしております。御指摘のように、これは政令で指定するというつもりでおりまするが、御指摘のように八〇%までを占めておるというようなのはもちろん半分以上でけっこうでございますが、いまの絹織物のように、全体の絹織物としての輸出額はこれだけである。ところがたとえば西陣あるいはそのほかの博多の織物というのは、これは全体の五〇%にも達しないというような場合がございますので、その辺のところは、個々の具体的な事情に応じまして、特に絹織物全部というものと西陣と比べるとか、それから西陣というものの輸出額を考えるとかというように、いずれも画一的に五〇%ということを考えずに、個々の実態に応じて指定していかなければならないかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは時間がないようですから、きょうはこれでやめます。また……。

浅井亨公明党

○浅井亨君 この法案をまず審議されるにあたりまして、まだちょっと聞きたいことがありますが、それは時期尚早とかというようなことばを耳にしたのですけれども、これは通産省で時期尚早という考え方をお持ちになったのか、それとも業者自体にそういう考えがあったのか、その点をひとつ明らかにしていただきたい。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) お答えいたします。  時期尚早という話を、先生、どちらからお聞きになりましたか存じませんが、私どもの考え方としましては、これは早ければ早いほどいい、さらにまた業界の全体の考え方といたしましても。で、これは先般の国会においてこの法案を提案したいという動きが業界にもございましたし、それからまた、それを受けて通産省もそういう感じを持っていましたが、先般の国会に提出の運びになりませんでしたので、ぜひとも今国会にお願いしたいと提出したわけでございます。ぜひこの統一商標というものをつくって、日本の中小企業の製品というものを海外で声価を上げたいという考え方は、すでにもうここ十年近く前からある話でありまして、その意味において時期尚早であるとは私どもは考えておりませんし、先ほど小柳先生の御質問につきましてお答えいたしましたような特定の——特定と申しますか、八ないし十のそういう業界におきましては、できるだけ早くと、こういう意向があると存じます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そこで、時期尚早という考え方を持っているというのは、結局はそこに何か原因があると。いまのお話でありますと、やはり将来のことを見通しまして、一日も早くやらなければいけないと。これはもうほんとうだと思います。私はこの法案には賛成ではありますけれども、だけれども、こういうことばが出ると、その裏に何かまあ金がかかるとか、またはバイヤー等が喜んでいないとかというようなことがひそんでいるのじゃないかという気持ちがするわけです。そういうことは耳にしておられませんか。考えてもおられませんか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) この法案の意図しまするところは、先ほど申し上げましたように、あくまで業界の自主的な熱意と盛り上がりという問題でありまして、もしこの法律が施行ということに……

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 浅井君、大臣に……。

浅井亨公明党

○浅井亨君 大臣、お帰りになるのですか。

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 大臣、二時ですから……。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そうですか。それじゃ途中ですけれども、一言だけお聞きしまして、そうして……

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 私のお答え、それでは中断しまして、あとで申し上げます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 先ほどから小柳委員からもいろいろ質問がありましたが、そういうこと、また私自身が考えていることから、いろいろと質問したいことがたくさんあります。それを締めくくって、ほんとうに日本の中小企業家をどのように育成し、また、それの輸出を振興していくためには、大臣としていまの状態で考えるならば、そう簡単にいくとは思いませんが、それに対するいわゆる一般的な考え方をひとつお話しいただいて、大臣に対する質問にしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろわが国の中小企業に対しましては、発展途上国等々の追い上げがあるわけでございますけれども、もともとわが国の技術なり労働の質というものは、発展途上国よりははるかにすぐれておるはずでございますので、したがって、中小企業の製品も、かつてのように中小企業だから悪いというのではなくて、むしろ一般的な大企業の製品よりはいい、多少高くてもいいというふうにならなければならないし、また、なれると思うのであります。そのためには、今朝来申し上げてまいりましたように、近代化でありますとか、あるいは構造改善でありますとか、協業化でございますとか、そういうことを、幸か不幸か労働不足になりましたので、そういう意欲は十分企業の側で持っておられますから、政府がそれをお助けしていくということが通産省の大事な施策であろうと思います。また、その結果ただいま御審議願っておりますところの法案が成立いたしますと、いい品物としての日本の中小企業の製品というもののイメージを世界に与えることができる、それだけの力は私は持ちつつあると考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いまお話を聞きまして、大体のことは、大臣の構想はわかりました。  それで、それにつきまして、次に場面場面のいろいろなものをお聞きしたいと思いますけれども、これは大臣でなくてもけっこうでございますから、この次でいいと思います。時間の関係で次に保留しておきます。

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) この際、参考人の出席要求についておはかりいたします。  輸出中小企業製品統一商標法案の審議のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

村上春藏自由民主党

○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。  本日はこれにて散会いたします。   午後二時一分散会

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