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63回国会参議院1970/05/12

社会労働委員会 第20号

発言数
136
登壇者
16
会派数
4
開催日
1970/05/12

会議録

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 初めにお尋ねをいたしたいのは、この国民年金法の改正でございますが、四十年以来、毎年のように改正されているという事実がございます。しかも、給付額がわずか百円アップという、そのつどこうした法律案の上程がございまして、また同時に、年金制度のあり方というものにつきましても、従来しばしば今後の展望を通じて論議がかわされてまいりました。  そこで、基本的な問題としてお尋ねしたいことは、なぜ毎年のようにこうして変えなければならないのかということであります。また、現在のその仕組みの中で根本的に改革をしていかなければならないという問題点も相当あるようでございます。そうした事実関係というものを背景といたしまして、若干これからお尋ねをしてまいりたいと思いますが、その一つは、現在、年金制度というものが幾つかございます。その中で、特に公的年金制度につきまして、これを整理統合できないものかどうかということからまずお伺いをしてまいりたいと、こう思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 御指摘のように、公的年金制度が幾つかございます。八つぐらいあるはずでございますが、そのうち共通の部分についてはこれを統合すべしというような御意見も従来ございまして、政府におきましても、各省関係官をもって引き続きそれの協議会を持ちまして、可能なものから今日まで改正をいたしてまいりました。たとえば、一つの年金から他の年金への資格変更の問題でありますとか、最低保障金額の問題ですとか、そういう可能なことから統一的措置をとっております。ただし、これを一本ないし二本にまとめるということにつきましては、それぞれの年金にそれぞれの目的もございますので、たとえば雇用政策上の目的などがございまして、それを一本にするということも、根本的には趣旨が反するものもございますけれども、今後におきましても、共通の分野につきましてはできる限り共通化をはかってまいるような、そういう措置は続けてまいる所存でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 現状をいま述べられたわけでありますけれども、はたして現状でいいのかどうなのか。これについてずいぶん問題点があることは、ただいま申し上げたとおりでありまして、また、必ずしもこれを統合できないという点については、いま理由を述べられたとおりでもあると思います。しかし、将来のことを考えた場合、その展望に立って、今後どうあることが最も望ましい形態であるのかということについてはいかがでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 統合することが望ましい点もございますので、可能な部分につきましては、制度を極力簡明にいたしまして、そして関係者の利便をはかってまいりたい、これは今後においてもつとめてまいる所存でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いずれにいたしても、先ほども八つぐらいあるということを述べられたとおり、可能な限りにおいてこれをやはり総合的に変えていく必要が、むしろ国民にとってはそれがたいへん便利がよろしいのではないか。保険料のいろんな立て方等においても、所得の関係とか、雇用の関係とか、いろんなそういう相違はございましょうけれども、やはりこの社会機構の複雑化というものによって必然的にそういうような形態をたどっていくのもやむを得ないというのでは、いつまでたってもやはりこの根本的な改革というものはできないじゃないかということを心配いたします。大体、大臣が述べられたとおり、できるならば、将来の方向に向かって統合できるものについては統合していく、そのように理解して差しつかえございませんね。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) けっこうでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 それから次にお尋ねしたいことは、何といっても、やはり年金の給付を受ける立場の方というのは、拠出制、無拠出制、両方ございましょうけれども、やはりそのときの物価あるいは生活環境というものが常に基準になるのではないか。憲法で保障されておりますように、最低生活の確保というたてまえからまいりますと、現状、必ずしもいいという状況ではないと思います。こうした問題の解消にあたってスライド制の導入というようなことが、しばしばやはり論議されてまいりまして、おそらく社会保障制度審議会においても、この種の問題についてはしばしばその議論があったんではなかろうか、こう思いますけれども、何といっても、いま申し上げたそういう社会情勢の変化というものが、給付を受ける立場の方にとってみれば、非常に深刻な問題でございます。現状をどのように分析されてそれを把握されているのか。そしてまた、同時に、今後どのようにしていこうとされているのか。スライド制が採用できないという理由はどこにあるのか。もし、採用されるとするならば、いつごろの時点からその方向に踏み切っていきたいとされるのか。その辺、ひっくるめて御答弁お願いしたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 年金給付額のスライド制、すなわち、そのときの物価なり、国民の生活水準の変動なりに応じて金額を変更させることにつきましては、私どもも、当然そうあるべきであると根本においては考えておるものでございます。ただし、スライド制にもいろいろな方法がございまして、自動スライドと申しますか、物価の変動なり、生活水準の向上なりを毎年数字的に当てはめて、そうして法律の改正なり、あるいは関係法令の改正がなくとも、当然機械的に計算上支給額を引き上げていくという行き方と、もう一つは、やっぱり私ども行政の立場に立つ者あるいは立法の当局が、その支給時における社会情勢の変更等考えながら、常に政策的に支給額を変えるようなたてまえをとっていくという、いわば政策スライドということ、そういうやり方があると思いますが、現状におきましては、初めに申しましたように、自動スライドというようなものはなかなか現実には無理だと考えます。と申しますのは、支給額を変動させると同時に、掛け金等につきましても同時に変動させる必要もございますし、また、この加入者の今後における増加現象等の見込みを勘案する必要もございますので、一定の時期ごとに、社会経済の変動を見ながら政策的に変えていくほうがよろしいという立場に政府は立っております。でありますから、そういう立場に立ちまして、今日の厚生年金法におきましても、国民年金法におきましても、五年に一ぺんぐらいの「再検討」というような、そういう文言も法令上挿入してありますることは御承知のとおりでありまするが、私どもは、必ずしも五年にとらわれないで、必要に応じまして給付額、掛け金、双方ひっくるめまして、この情勢に応ずるようなスライドをこれまでもやってきております。今後におきましても、さらにこの点は重視をいたしまして、そうして年金額の実質的な情勢適応ということをやってまいりたいということを考えるものでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 実質的には、スライド制というものを十分に取り入れながら法改正をやってきたという御答弁のようにいま伺ったわけでございますけれども、それにしては、非常にふしぎだと思いますことは、従来、給付額の上げ幅が大体百円、多くても二百円です。ところが、その年の物価上昇率あるいは生活基準というものを考えてみた場合、一体、その金額の算定の基準というものはどこから割り出されたものであるかということになりますと、はたして、そのときの経済情勢というものに応じたスライドというものを採用していくのだという考え方が根底からくずれないものかというふうに心配するわけでございますけれども、この辺いかがでございましょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) いまお尋ねの点は、年金の本体——本体というよりも、むしろ、今日この法律案で課題になっております福祉年金についてのお尋ねだと存じますが、福祉年金につきましては掛け金もございません。政府の財政の状況と、また、受給者の毎年の状況等勘案いたしながら、これはもうでき得る限りの受給者の福祉向上という立場に立ちまして、できましたならば毎年その金額を引き上げていくということでつとめてきております。従来は月百円、年千二百円ぐらいの引き上げでございましたが、今回、この法律の改正でお願いをいたしておりますのは、御承知のように、月二百円、年二千四百円というようなことで改正案をお願いをいたしております。これはまた、できますならば、毎年、この金額の引き上げは、状況に適するように、でき得る限り大幅にやってまいりたいと考えるものでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 確かに、いま私はお断わりしませんでしたけれども、一例として福祉年金の例を申し上げたわけでございますが、必ずしも福祉年金に限らず、実際のその給付額というものは、基本が多くないわけでございますから、はたしてそれで十分見合うとは大臣もよもやお思いになっていらっしゃらない。そうした点から、毎年上げていきたいというお気持ちも十分理解できます。けれども、何か機械的に上がっているような感じがしないでもない。その年の物価というものは、やはり年ごとに違う場合がございます、物価上昇率。と同時に、先ほど来からも申し上げておりますように、生活の基準それ自体がもうすでに変わってきている。その辺をどう一体調整をされているのかですね。実際、おそらく大臣としても、わずか二千円そこそこで、毎月それだけの手当で間に合うとはお思いにならない、それで最低生活が保障できるとはお思いにならない、すぐこれから財源とかいう問題が表面化するであろうと思いますけれども、それでは、一体、どの程度ならば現状満足してもらえるものだという青写真をお持ちでございましょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 生活の最低水準の保障ということにつきましては、もちろん御承知の生活保護法による生活扶助というものがございます。しかし、このお年寄りあるいは障害者、母子などの方に対する福祉年金は、もともと出発が生活保障ということではございませんで、生活保障の範囲まではきていない。しかし、他に公的年金を受けるような、そういうお立場にもない国民の方々に何らかの形において、お年寄りにつきましてはお小づかいと申しますか、そういうことで出発をいたしましたので、ことばは俗に流れますけれども、多々ますます弁ずというようなつもりでおりまして、二千円よりも二千五百円、三千円がよろしいと思います。ただ、御承知のように、来年から掛け金づきの十年の経過的な老齢年金が発足いたします。その金額が昨年の改正によってようやく五千円になったところでございますので、したがって、無拠出の分を五千円ないしそれに近いところということにもいきませんので、おのずからきまるべき場所、お小づかいの金額としてきまるべき場所はあると思いますが、最近の核家族化その他の状況を考えてみますと、生活保障でなくても、そのお小づかいの金額はもっと多いほうがいいと私は正直に考えます。さらにまた、できますならば、全部が年齢七十歳というようなことでなしに、欠陥のある御老人については、福祉年金といえども何かもう少し年齢を引き下げてまいりたいというような気持ちを私は持っておりますので、そういう努力もいたしていきたいと考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 ちょうど日本の場合は、例を外国にとってみた場合に、イタリアとほぼ同じ条件のもとに、生活の内容と申しますか、そうしたものが置かれていると、こういうふうに言われております。けれども、イタリアにおいて、現在、この年金制度をはじめとして、社会保障制度全般に言える問題としては、日本のほうが半分以下だと、こういうことが統計の上で示されているわけです。年金制度も例外ではございません。同じような状況のもとにありまして、イタリアのほうがばかにすぐれているんじゃないか。高度経済成長だとうたわれながらも、どうして日本はイタリアに追いつけないんだろうか、そういう素朴な疑問を抱くわけであります。どこにその欠陥があるのか。イタリアができて日本ができないということは、一体考えられるのだろうか。必然的にそういうようなことが起こってまいります。その仕組みが悪いのか、それとも予算措置が悪いのか、その辺はどのように判断されていらっしゃるんでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) わが国の年金は、たとえばこれを国民所得に対してみますると、世界の各国に比べましてたいへん劣っている状況にあります。これは、しかし数字の上だけでございます。それには、私は、三つ原因があると思います。  その一つは、日本の年金制度が発足いたしましたのは、ことに国民年金は十年前でございまして、まだ本格的の国民年金を受領される方がほとんどいらっしゃいません。ごく一部の障害者あるいは母子の方。来年から初めて十年の経過的な年金がようやく支給になるというような段階でありまして、したがって、国民年金でも掛け金のほうが、御承知のとおり、たまる一方でございまして、支給額のほうははなはだ少ない。こういうことが、すでに年金制度が成熟しておって、掛け金をかける方も多いけれども受給者も多いというイタリーから比べてみまして、数字的に少なくなっている一つの原因。  もう一つは、これから日本の人口構造は急速に老齢化を深めてまいりますけれども、しかし、六十五歳以上の方が、今日におきましては、まだ総人口の七・五%程度でございますが、イタリアはおそらく一〇数%のはずでございます。日本もやがて十年、十五年の後に老齢者人口が非常にふえてまいりますので、したがって、これから十年先、十五年先ということを考えますと、いまの国民年金あるいは厚生年金の制度のままでも、非常に成熟してまいりまして、年金支給額というものが国民所得に対してふえてまいるということになるわけです。  もう一つ、三番目は、日本の経済成長率が世界中で一番高いというような状況にありますために、年金が徐々に成長はいたしておりましても国民所得の成長に追いついておらないということで、それとの対比のパーセンテージというものは、毎年絶対額は伸びましても非常な低い割合に置かれている、こういう点のありますこともお互いに考えに入れておかなければならない点だと思います。しかし、私はそれをもって口実とはいたしません。それはそれといたしまして、やはり所得保障というものは高ければ高いほど、十分であれば十分であるほどでなければならない。ことに老人などにつきましては、これまりの家族扶養が社会扶養というようなことになる、核家族制度というようなものがだんだん進んでまいりますので。その点につきましては、いまの制度をもって満足せず、さらに十分なことをいたしてまいりたいと思っております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いまの御説明ですと、人口構造あるいはその歴史的な背景というものの違いが今日の格差を招いていると、こういうふうに受けとれるわけでございますけれども、ただ、それだけにはとどまらないと、いま大臣おっしゃった。これからもそれにこだわらず、給付額の改定をはじとして抜本的に考えていきたいというわけでございますが、いずれにしても、急速に変化する昨今の経済情勢においては、確かに二千円よりは三千円がいいというのはきまっていますけれども、それで現在のたとえば老人に例をとってみた場合に、それでも満足だというわけにはとうていまいらない、このように思うわけです。ですから、この点はやはりもっと前向きで考えていただかなければなりませんし、こうしたことが論議されるたびごとに思いますことは、何かその場限りのつぎはぎだらけみたいな、その場を糊塗しているみたいな政策ではあるまいかというそしりを免れないのではないか。やはりあくまでもこうした問題については、その長期展望に立って立案をしていただかなければならないことは当然だろうと思うのであります。  そこで次にお尋ねしたいことは、現在の積み立て方式というものから、諸外国に見られる賦課方式というものには変えられないものかどうか。もし変えられないとするならば、どういうところに一体原因があるのか。いろいろなそういう複雑な問題が必ず出てくるだろうとは思いますけれども、当局としては、鋭意この問題については、この年金制度が始まってからすでに十年、厚生年金の場合にはすでに昭和十七年から始まっておりますから十分に研究もされてこられているだろうと私思います。そうした立場に立って今後こうすべきである、またこうしていきたい、賦課方式というものは現状としてはこう検討している、その辺をひとつお聞かせいただきたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 年金の仕組みには、ただいま渋谷先生からおことばがありましたように、いま私どもがやっておりますような積み立て方式と、それから賦課方式——そのときの年金の支払い額はそのときの掛金者の掛け金をもってまかなうという方法があるわけでございますが、先ほども私から申し述べましたように、日本の今日の年金受給対象者である、たとえば老齢者の数というものは、現在では少ないわけでありますが、これがやがて西欧並みにふえてまいります。それに対応して若い年金の掛け金をなさる数はそんなにふえてまいりません。そこで、現状をもって賦課方式をいたしますならば、掛け金をなさる方は非常に多くて、年金を受けておる方は少ないわけでありますから、安い掛け金で年金の受給者はわりあい多額の年金を受け取ることができまして、たいへん私は喜ばしいと思いますが、これが五年、十五年の後になりますと、それがだんだんさか立ちをしてまいりまして、賦課方式をとりますときには、時が進めば進むほど掛け金額が非常に高くなってまいります。ことに積み立て金がございませんので、現在の年金制度のように積み立て金の運用利益分を支給額の財源に充てるというたてまえがございませんので、もちろん国が今日のようにその三分の一を国庫負担などいたすといたしましても、賦課方式でいきますと、これから十年、十五年後の保険の仕組みというものは、過去の時代の人の年金を支弁するために、そのときの時代の人々が非常に苦しまねばならないということが生じますので、そこでやはり堅実に積み立て方式をとりまして、そうして将来における保険制度が非常に困難な情勢におちいることを防いでいこう、こういうたてまえをとっております。もっとも、日本の今日の年金制度、昨年も国民年金、厚生年金の改正をいたしたわけでありますが、純粋に積み立て方式ということだけではございませんので、ある程度賦課方式みたいなものの計算も取り入れておることになっております。でありますから、だんだん年が進みますと、その間、国の負担をふやしてまいるとか、あるいは掛け金率を調整してまいるというようなことも将来においては起こることも覚悟しながら、積み立て方式を主体として若干賦課方式を加味したというような形になっておるわけでありまして、私は、現在の制度がよろしいと考えておるものでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 そうしますと、将来においても賦課方式はとらないと、このように理解してよろしゅうございますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 将来、年金が成熟して掛け金者と年金受給者との間の関係が固定してまいれば、賦課方式というものをとれる余地が出てくるので、今後研究を進めてまいりたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 固定する時期は、いつごろと判断されておりますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 大体、私は、やはり十年先ぐらいだと考えます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 だいじょうぶでございますか。十年で間違いありませんか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 実は十五年先と申し上げようと思いましたけれども、しかられると思いまして十年と申し上げました。(「そんなことはないよ」と呼ぶ者あり)十年ないし十五年先ということにならざるを得ません。これはそうしないと、日本の人口構造率をごらんになればおわかりいただけると思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 そこでちょっと方向を変えまして、先ほど来からたいへん積み立て金がふえて相当な額にのぼっておりますね。この運用が当然気になるわけです。年金の給付を受ける人はまず皆無にひとしいわけですから、お金はたまる一方です。この運用を現在どういうふうにされているか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) これはやはり掛け金者に対する還元融資ということを考えながら、安全にして有利な利殖の方法をとっております。ただし、形の上におきましては、これは政府に資金運用部というものがございますので、一応このお金は資金運用部に入れまして、そのうちから、現状におきましてはその二五%プラスアルファというものを厚生省の企画による方面に運用をさせております。しかし、残りの七五%マイナスアルファにつきましても、それは、かってな方向に使っているわけではありませんので、やはり国民的利益、還元の趣旨が生きる方向に使わせるようにはかっております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 これは、私が調べた資料では、ちょっと古い資料でございますが、もちろんいまお手元に当局のほうが新しい資料をお持ちでしたらお答え願いたいと思いますが、二年前の六八年の状況ですけれども、その中身を見ますと、生活環境整備に千四十六億、中小企業に対して千三百十八億、私どもが一番期待しております厚生福祉施設七百七十六億、そのほか農林漁業とか、ずっといろいろありますが、こうした中身は一体どういうふうになっているのか。それはこまかいことですから、事務当局から。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) その資金運用部資金の使用につきましては、いま先生があげられたのが代表的なものでありまして、もう少し詳細に申し上げますと、まず住宅でございます。それから生活環境整備、それから厚生福祉施設、これが私ども直接被保険者の生活に役立つものと考えております。それに類するものといたしまして文教施設、中小企業関係、農林漁業関係にも出ているわけであります。その他全体のごくわずかでございますが、一部は災害復旧、道路関係に出ております。そういうように使わせていただいております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 ですから、いま私が言ったのは、生活環境整備の中で、中小企業の中でどういうふうに使っているか。中身を言ってください。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) 中小企業につきましては、主として国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫、そういうところの原資になっております。それから農林漁業につきましては農林漁業金融公庫、あるいは地方公共団体が農林漁業に使う原資、あるいは開拓者資金融通特別会計、そういうものの原資になって、それぞれの目的に使わせていただいております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 おそらく、いま局長がおっしゃったのは一番新しい資料に基づくものだろうと思いますが、その中には、基幹産業であるとかあるいは設備投資というような、そういうような方面には一銭も使われておりませんか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) 資金運用部資金全体の金としては基幹産業、輸出振興に使われておりますが、年金資金につきましては基幹産業、輸出振興には使っておりません。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 この積み立て金の運用というものにつきましても、やはり厳格にやっていただくことは当然だろうと思いますけれども、いまの項目ごとに御説明を願いましたその投資につきまして、回収その他利息の点等を見ましても、もちろん事故があることもないでしょうが、十分回収はできておりますか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) これは、資金回収の責任は資金運用部のほうでありまして、厚生省といたしましては、厚生省の特別会計から資金運用部に貸しておりまして、資金運用部から責任を持って厚生省の特別会計に入れてもらうということになっておりますが、資金回収については大蔵省のほうで責任を持ってやっておられると思っております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 大蔵省の方、来られておりますね。その点、いま局長の言われた答弁で間違いないですか。

田中敬大蔵省理財局資金課長

○説明員(田中敬君) 間違いございません。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 それから、先ほども掛け金の問題が出ましたのですが、不幸にして掛け金が納められない、こういう人が若干いることも指摘されているようでありますが、現在どのくらいの数になっておりますか。

穴山徳夫社会保険庁年金保険部長

○政府委員(穴山徳夫君) 現在、免除者の数は約百七十六万人くらいです。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 その方々ですが、いろいろな理由、事情がおありになるだろうと思います。主として、どうした理由から掛け金の納付ができないということになっておりますか。

穴山徳夫社会保険庁年金保険部長

○政府委員(穴山徳夫君) 御承知のように、免除には法定免除と、それから申請免除とございまして、いま申し上げました中で法定免除が約六十四万人、それから申請免除が約百二十万人ございます。  法定免除のほうは、生活保護法の該当者その他、法律上きまっているわけでございまして、申請免除のほうは、これは大体低所得者で、保険料の負担にたえない人が申請をしてまいりまして免除の措置をとるわけでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 その申請の制度については、十分に浸透しておるのでございましょうか。これは、申請という制度があるにかかわらず申請できなかったというような問題は残されておりませんか。

穴山徳夫社会保険庁年金保険部長

○政府委員(穴山徳夫君) 私どもといたしましては、社会保険事務所あるいは市町村を通しまして、こういったような制度の趣旨の普及徹底には全力を尽くしておるつもりでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 老齢年金あるいは母子福祉年金等々年金の種類がございますけれども、やはり先ほど冒頭に申し上げましたように、一番問題になりますことは給付の額であろう、こういうふうに判断するわけでありますが、児童扶養手当にいたしましてもあるいは特別児童扶養手当にいたしましても、全部そうだろうと思います。こうした幾つかのそういう中身を通じましても、あるいは常人と違った環境にあった場合、もっと給付額を上げてやりたいなという場合もあるだろうと思う。大体金額を見ますとほとんど一律なんですね、ほとんど違わない。違ってみたところで五、六百円前後、そうした格差を設ける必要はないのかどうか。その辺、ほかの福祉年金を考えましたときに、また、児童扶養あるいは特別児童扶養の場合を考えた場合、これは一つの例でございますけれども、もっとあたたかい恩恵を与えてあげる必要はないのかどうか、この辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 福祉年金の三つの種類におきましても、老齢福祉年金は今回月二千円、年二万四千円になるわけでありますが、母子年金は月二千六百円、六百円高くなっております。また、障害年金は今回三千百円になるはずでございます。また、児童扶養手当、特別児童扶養手当につきましては、それぞれ月五百円ずつ引き上げました。福祉年金のほうは二百円上げまして、こういう環境に応じてかなりの格差をつけてまいっておるわけでありますが、これはいま渋谷先生がおっしゃられましたような、そういう当事者の環境をも考えて、こういうように今回いたしたわけでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 先般、大臣はこの委員会におきまして高福祉、高負担ということを述べられました。その考え方の根拠に社会保障税というものを考えて、そして財源の確保をしていくという、そうすれば諸々のいま要求されているものの多少なりとも財源に充当することができるのではないか、こういうお話がございました。あのときにはさらっと伺っただけで終わってしまったのですが、その後、やはり相当あのときのお話では前向きにそういう方向を考えておられるのではないかという決意のほどを伺ったのでございますけれども、さらに具体的に煮詰められていらっしゃるのかどうか、それをお聞かせいただきたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 確かに、私の腹の中の奥のほうにそういう実は考えがございますということを申し上げました。腹の中の奥のほうにしまってありますので、これは大蔵省のほうの方もおられるようでありますが、大蔵省のほうを少し脅迫する材料に使って、おまえのほうで十分社会福祉のために予算をよこさなければ、おれのほう・で厚生省税を発明するぞというようなことも時と場合によってはいたすつもりで、つい私の腹の底の考えがちらっと漏れたという次第でありまして、これまた、私が高い旗を掲げますと、厚生省がまた主税局のようになってしまってもいけませんので、その辺のことは、私が後段にと思って、まだ目下腹の中にしまっておるところでありますが、しばらく私も研究して、またその時期等も考えてまいりたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いずれにいたしましても、それは着想であって、まだ具体的な段階ではない、こういうことですね。  大臣、これから衆議院の本会議にお出かけになるそうでございますので、もう時間もないようですから、最後に伺っておきたいことは、昭和四十三年の十二月二十三日、社会保障制度審議会から申し入れ書が出されておりますことは十分御承知のとおり。その中身をずっと拝見してまいりますと、相当手きびしい要望がなされておりますね。この審議会の答申というものが従来もしばしば問題にされながらも、隠れみのであるとか何とか言われております。そして、政府としては、事もなげに審議会のせいにして責任回避しようとするのではないか等々の議論もあったわけでありますけれども、非常に建設的な意見が多い。その結論的なことをまとめて申し上げると、なおいまだしということが一貫して貫かれております。あの内容を見ますと、年金制度にしても同様のことが言えるのではないか。この答申に盛られた内容というものを当局も相当に検討はされるのであろうと思いますけれども、その評価のことについて、常にそういう建設的な意見が出された場合の評価というものは、そのときそのときによって違いましょうけれども、どんなふうに一体受けとめられておるのか。ほんとうに答申の中にあるとおりのことをやっていきたいとするのか、これはとうてい当局の考えていることとはたいへんな隔たりがある。予算措置の上からいってもこれはとうてい不可能である、いろんなそういうことがあると思いますけれども、しかし、十分そういうことも踏まえた上で答申は出されておるに違いない。これは非常に総括的な最後の締めくくりとして申し上げておきたいと思うのでありますけれども、その辺をどういうふうに、ここで再確認の意味で、大臣としては分析をされ、そして把握をされ、そして将来の計画の上にそれを盛り込まれていこうとされるのか、その辺の決意といいますか、抱負といいますか、その辺をお聞かせいただきたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 他の審議会等のことは別といたしまして、私ども厚生省のほうの関係の審議会におきましては、社会保障制度審議会をはじめといたしまして、それらの審議会から出される勧告、答申等は決して私どもの隠れみのではなしに、厚生省を激励し、鞭撻される種類のものが多うございまして、私どもは、その線に到達することにつきまして、この審議会の鞭撻、勉励が非常に励ましにもなり、また力になっておるものでございます。しかし、なかなか勧告のとおりに到達し得ないものもございますけれども、しかし、それがあと押しになりまして、たとえば昭和四十五年度の予算におきましても、予算全体の伸びよりも厚生省関係の予算の伸びははるかに多うございましたり、また、中に占める割合等も多くなってきておりますことは、私どもが審議会の御意見を尊重しておるゆえんでもあり、また審議会というものの力がそこに存すると考えておるものでございます。今後におきましても、社会保障制度審議会の答申につきましては聞くべきものが多々あるものでございますので、私どもは十分これを尊重いたしまして、その社会福祉、社会保障行政の充実の一つの大きな力にいたしてまいりたいと考えます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 私も、大臣に聞きたいことがありましたけれども、大臣出られましたから、その前に、ちょっと局長あたりに伺っておきたいと思います。  いまだいぶ渋谷委員から話がありましたから、なるべく重複を避けて聞かしていただきたいと思うのでありますが、第一番目に、今度のこの国民年金そのものを考えますときに、非常に老齢化しておる現今の状態で、この問題は根本的に他との見劣りもあるし、非常にここで考えなければならぬ問題だと思うのであります。この老人総合対策を今後話し合うために、何か九月には、老人福祉の週間に約二千人の各界の代表を集めていろいろ老後のための国民会議を開くというような計画も聞いているわけでありますが、こういうようなところの構想なんか、やはり大臣にあとから伺おうと思いますけれども、一体どういうふうな構想を持っているのか。また、中央社会福祉審議会なんかでも、諮問中である老人に関するいろいろな総合的な諸施策ですね、こういうものに対しての進捗状況なんかを考えてみると、まだまだ私はいろいろな問題があると思うのですが、こういうものを一体局長あたりはどういうふうに考えていままでこれをやってきているのか、一ぺんあなたの考え方をちょっと聞かしていただきたい。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) ただいまの老人全般に関する問題は社会局でございますが、年金もその老人問題の非常に重要な一部を占めておるわけでございます。老人対策は、いろいろの対策があるわけでございまして、年金だけではございませんが、私、年金局長といたしましては、老人対策の中で最も重要な地位を占めておると考えておるわけでございます。  このような観点から、やはり可能な限り年金を引き上げていきたいという気持ちを持っておるわけでございます。先ほども大臣が御答弁申し上げましたように、わが国の年金制度が非常に未熟である、金額が低いというお話しがありましたが、制度がまだ新しいというような問題もあるわけでございます。拠出制の年金につきましては、そういう制度が成熟化すればおのずから解決する問題もあるわけでございます。  もう一点は、この物価高に対応する年金額の実質価値の維持、これは大臣が申しましたように、きわめて緊急を要する重要な問題だと考えております。それから、福祉年金につきましては、先ほど大臣が申しましたように、できるだけ高いほうがいいわけでございますが、何しろこれは拠出を伴わない全額国庫負担という制約がございますので、私どもは、まだ不十分とは思いますけれども、できるだけ今後ともこの引き上げその他条件の緩和に努力していきたい、そういうふうに年金局長として考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 非常にこうした問題を考えるときに、先ほどもちょっと渋谷さんからの話もありましたが、公的年金が分裂していろいろな種類になっておる。こういうものの調整についてはどうかということで、先ほど大臣からお話しがありました。これは非常に重要な問題であるし、また、西欧先進国に比べて、この公的年金というものが非常に国際水準より低い。こういうようなことを含めて考える場合に、公的年金制度に対する調整連絡会議もあるわけでありますが、こういうようなものの推進状況なんかを見ても、もう少しこういうようなものをもっと計画的に持っていかなければなかなかうまくいかないと思うのですが、そういうことなんかは、その連絡会議あたりには何か持ってくる考えがあるのかどうか。その辺のところでチェックをして、もう少し飛躍的に整備をする方法は考えられぬのかどうか。そういう点はどう考えますか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) ただいま御指摘のように、わが国の年金制度は八つに分かれておりまして、内容の違う点もありまして、総理府が中心になりまして公的年金調整連絡会議というものを設けて、すでに二年来、いろいろ審議をしておるわけでございますが、残念ながらまだ十分な結論が出ていないわけでございます。それぞれ共済組合、それから厚生年金、国民年金、その対象が違いまして、また、共済組合と一般の年金制度とは目的も若干違いますし、沿革も違いますので、なかなか結論がむずかしいわけでございますが、私といたしましては、やはりこの厚生省の所管しております厚生年金、国民年金が年金制度の中心でございますので、この二つの制度につきまして具体的な案をつくりまして持ち寄って、さらにほかの制度も同調してもらえるものはしてもらうというふうな進め方がより一そう具体的な方策になろうかと考えておりまして、そういうふうに努力しております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 連絡会議が推進されておるわけでありましょうが、もう二年ほど前に、二年以内くらいには出すという見通しがあるということだったので、もう昨年の六月くらいに出るわけだったと思うのですね、それがおくれている。局長もおっしゃっているんですが、そのおくれている理由、一体、何でそんなにおくれているか。これは一番重要なことで、おくらしておいては相ならぬと思うのですが、局長はどういうふうに考えておるか。同時に、いまちょっと御答弁の中にありましたように、被用者年金の中心はやはり厚生年金である、地域年金につきましては国民年金が唯一のもので、この両方の年金を合わせますと九割くらいを占めている、大部分を占めているとおっしゃっているわけでありますが、厚生省の所管であるものが大部分を占めているわけですね。ですから、この辺で、いままでも医療抜本改正というのがやかましく叫ばれておるけれども、この年金制度についてもほんとうに抜本改正をしなければならぬ時期じゃないかと、私はそういうふうに思うわけですね。そういう点なんかは、一体どういうふうに考えておられるのか。そのおくれている理由と同時に、そういう抜本改正を早くすべきだと思う。それをなおざりにしておいてはいかぬと思うのですが、その点はいかがですか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) この公的年金連絡調整会議のおくれている理由、これは実は総理府が所管しておりまして、私があまりかってなことを言うべき立場じゃありませんが、私の感じといたしましては、いま一番大きな問題は、やはり物価高に対応する年金の実質価値の維持ということでございまして、先般来、それを中心にやっておるわけでございます。その問題につきましていろいろ技術的な問題と、それから年金額を引き上げる場合の財源負担の問題、こういう問題が一番大きな問題でございまして、しかも、非常に困難な問題でございまして、それがネックになってまだ結論が出ていないというふうに理解しております。  それから年金制度の抜本改正につきましては、年金の問題は、昨年暮れの臨時国会におきまして、厚生年金、国民年金の大改正が実施されまして、かなり国際的に見ても見劣りのしない水準になったと思いますが、しかし、なお、いま申しましたような年金の実質価値の維持の問題その他もろもろの問題がありまして、これは先ほど大臣も申しましたように、厚生年金につきましては社会保険審議会、国民年金につきましては国民年金審議会がございまして、すでにそれぞれの部会で私どもも意見を申しながらその抜本的ないろいろの問題の解決に現在努力しておるわけでございまして、審議会の御意見もお聞きしながらさらに問題の解決に努力しておるわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 その点は大事な問題でありますので、抜本的によく考えてもらわない限り、いつまでたっても外国と比較してよくならない。もう少し抜本的に考える必要があると思うのですが、これはあとで大臣が来られたときに、それは十分よく要望したいと、こういうふうに考えます。  その次には、通算年金制度についてちょっとお伺いしたいと思うのですが、皆年金下にあって、国内における通算年金制度では障害、遺族につきましても通算措置を考えるべきではないかと、こういうふうに思うわけでありますが、この点はどういうふうに考えるか。それから通算年金の受給者は年々増加しておるのでありますけれども、現在は、その各年金制度において個々別々に事務処理をしているのが実情でありますが、通算年金を取り扱う事務機構をもっと一元化してはどうだろうかというふうなことも考えるのでありますが、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) 現在、老齢年金につきまして通算措置がすでに三十六年からできておるわけでございますが、いま御指摘のように、障害、遺族の年金につきましても、ぜひとも通算の措置をしなければならないと、考えておりまして、現在、その具体的な方法につきましていろいろ検討を進めておる段階でございます。  あとの問題は部長から御答弁します。

穴山徳夫社会保険庁年金保険部長

○政府委員(穴山徳夫君) いま御指摘のとおり、通算は、それぞれの制度で通算の措置を講ずることになっておりまして、現在では、それぞれの制度にそれぞれの裁定その他の資料等がございますので、いまのような措置をとらざるを得ないようになっておりますが、通算措置、通算制度というものを将来どう考えていくかということによりまして、やはりこの取り扱いもおのずから変わってまいるというように考えます。現在のところは、いま申しましたような理由でそれぞれのところでやらざるを得ないということでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 その通算措置をいまのようなぐあいに措置していこうと思うと、やっぱり一元化していく方向に持っていかなければならぬと思うのですけれども、こういうのはまだ検討されてない、いまのままでやっていく方針だと承っておいていいですか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) この通算をはかる場合には、資格期間あるいは障害等級等につきまして、厚生年金、国民年金がまだ違っている点もありますので、そういうものも合わせましてできるだけ統一化するという方向で検討しています。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それから児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法で一、二伺っておきたいんですが、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法におきまして、手当額の引き上げを、今回の改正案では、昭和四十五年九月分からと、十月分からとの二回に分けて行なうということにしたのはなぜであろうか、ちょっと伺っておきたい。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 児童扶養手当及び特別児童扶養手当の支給額が九月以降と十月以降二回に引き上げられているわけであります。これは現在この二つの法律によりましては、支払い期限というものが一月、五月、九月という年三回になっているわけであります。したがいまして、九月分から大体母子福祉年金の額に一応合わせる、つまり三百円引き上げをしておきますと、次の支払い期月であります翌年の一月、つまり具体的には四十六年の一月分には母子福祉年金と大体同額が支給される、こういうようなことが配慮されまして、九月分及び十月分ということで、二回分の引き上げがなされたわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それからこの特別児童扶養手当の性格というようなものをちょっと伺っておきたい。同時に、この手当額は、その性格からして所得保障というよりも、むしろ介護料というような考え方のほうをこの際明確に打ち出すべきではないかというふうにも考えられるわけです。この性格の問題についてひとつ聞かしていただきたい。  それから時間がありませんからまとめて聞かしていただきたいと思いますが、したがって、この手当額は、介護料にふさわしい額とするために大幅に引き上げるとともに、所得制限を撤廃すべきではないか、こういうようなふうにも考えられるわけでありますが、この点についてもちょっと聞かしていただきたい。  それから国民年金法と特別児童手当法における障害範囲を一致させるべきではないかと思います。すなわち特別児童手当法に精神障害とか、内部の障害等を支給対象となる障害の範囲に含める考えはおありであるかないかということ。  それからその次にはもう一つ、同じ障害程度であっても、国民年金法の障害福祉年金額、改正案によりますと、月額三千百円ですね。それと特別扶養手当法の手当額、改正案によりますと、月額二千六百円。これは不均衡であるのではないか、これを是正するお考えはあるかないか、その点について逐次御答弁願います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 特別児童扶養手当の性格は、すでに御承知のように、重度の精神薄弱児あるいは身体障害児につきまして、心身障害児対策の一環としまして必要な手当を支給しまして児童の福祉を増進する、こういうところにあるわけでありまして、いまお述べになりましたように、所得保障的な性格、もちろんこれは基本になりますが、若干、介護という実態に着目した介護料的な意味もあることも否定はできないと思います。したがいまして、いま御指摘のように、この性格というものを介護料的な性格に徹するということになりますと、これは、どうしても現在の法律の仕組みを根本からもう一回再検討する必要があるわけでございます。したがいまして、これはやはり今後の研究課題としまして、広い立場においでこの種の手当制度というものをどうするか、もちろんこれは児童手当制度との関連も出てまいりますし、そういうような広い立場でこの制度の性格なり、位置づけをどうするか、今後研究していく必要があるんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。  そういうような意味合いからしまして、いま所得制限の撤廃ということについての御意見がございましたが、私どもとしましては、やはり現行の制度なり、体系を前提としている以上は、今後所得制限を完全に全面的に撤廃するということは、なかなかこれは他の制度との関係がございましてむずかしいんじゃないかと思いますので、従来の方針どおり、所得制限をできるだけ限度額を引き上げる等の緩和方策ということを今後の方向として考えていくべきだと、こういうふうに考えているわけでございます。  それから障害範囲の点につきまして、国民年金等との比較上、障害範囲というものが一致しておりません、確かに、これは沿革的な理由によりまして内部障害あるいは精神薄弱以外の精神障害等を除外しておりますが、これはたびたび国会等でも御指摘を受けておりますので、本年度、四十五年度はこの点の実現はできなかったわけでありますが、今後、四十六年度以降、私どもも積極的にこの点については努力をしてみたい、かように思っております。  それから最後に、障害福祉年金の額と特別児童扶養手当の額が一致していないという点の御指摘でございますが、これも冒頭に申し上げましたように、特別児童扶養手当というものが大体児童扶養手当と同様な考え方に基づきましてその金額がきめられておるというような過去の経緯、あるいは現在の法体系の仕組み等からいいまして、障害福祉年金よりも額が低くなっているわけであります。この点はやはり制度の全体の仕組みというものをもう一回考え直すということをしないと、なかなか障害福祉年金と同一の額にするというわけにすぐにはいかないかと思いますが、やはり今後のこれは制度全体の体系として検討する問題だと、こういうふうに考えているわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 確かに、おっしゃっているように、現行では、そういうふうなたてまえであるからそうでありましょうが、特別児童扶養手当そのものを考えてみても、特別にそういうふうな手のかかる人なんですから、介護の面から考えると、もっとずっと金額をふやさなければならぬたてまえですね。それをわずかに所得保障という形で最低を引いているだけであっては現状にそぐわない。こういうわけでありますから、この問題についてもやはり検討を要する、もちろん検討も必要でありましょうけれども、検討を要するということを先に出すのじゃなくて、もっと実情を理解して、必要なものに対しては必要なもののように処理をしないといけないと思うのですが、こういう点については特段の配慮をしてもらいたいと思うのです。これも大臣がおれば大臣の決意のほども聞きたいと思っているわけですが、非常に大事な問題だと思うんです。いまの障害の程度、国民年金とこの障害福祉年金との差、こういうものも、それはたてまえからいけばそのとおりでありますけれども、やはりそういう額を引き上げるということから考えれば、もっとこれは前進的にやるべきじゃないかと思うわけですね。障害の範囲の問題についてもそうなんです。ですから、こういうものが省けてるのが現段階であるけれども、それをもっと実情に沿ったようなものに範囲を拡大していかなきゃならぬ。これはみな一連のものでありますからして、そういうものに対してはもっと前向きに、先ほど申したように、抜本改正も必要だと思うんですが、何とかひとつそういうことを念頭に置いて早く取く組んでもらって、根本的に改良しない限りは、先ほど渋谷さんからもお話があったように、西欧の先進国と隔たりがうんとあるということは、大臣も認めているわけですから、こういうものをどうしても直していかなきゃならぬ。現段階では、経済の面からいえば日本は決してそう悪い状況でないわけですから、こういう時期においてやらなければやれる時期はないと思います。これを私は特に強調しておきたいと思うんですが、大臣がおられぬし、ちょうど政務次官がおいでになっているから、大臣にこういう点をひとつ突き上げていただいて、やっていただきたい、こういうふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(橋本龍太郎君) いま御指摘になりました諸点、それぞれに私ども当然考えなければならぬ問題ばかりであります。大臣自身も同じような考え方をもっておると思いますから、後ほど大臣には確かにそのとおりに伝えることにいたします。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それから、先ほどからの局長の答弁の中にも、児童手当法との関連があるという話であります。当然、私もそうだと思うのであります。この児童手当法についてちょっと私お話を聞いておきたいと思うんですが、これの創設は四十一年以来ですか、何回も大臣が実現に努力すると言っておられるが、また実際四十六年度から児童手当を創設するという話になってるわけでありますが、この問題については、もう一つ特に力を入れてもらいたいし、それから審議会の経過が一体どういうふうになってるのか、これもちょっと伺っておきたいと思うんです。審議会は八月の終わりごろまでには結論を出すと、こう言われてるが、実際どのような模様であるか。それから、地方公共団体がいま児童手当をあっちこっちでやってるわけですね。これを見てみると非常に多方面に行なわれて、まあ出産手当なんかもやってるわけですが、こういう件数から見ましても、地方公共団体がやってるのに国がまだやられないということは非常に困るわけですから、何かこういうことについてもひとつ特別に考えていただきたい、こういうふうに思うわけであります。それから、各地方公共団体でやっておるような状況をどのようにいま把握しておられるのか、また、こういうものに対しては少し助成金ぐらい出したほうがいいんじゃないかと思うんですが、こういう点はどういうふうにお考えになっておられるか。それから今度、来年度の予算編成に間に合うようにこの手当の創設が可能であるかどうか、その点もちょっと聞いておきたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(橋本龍太郎君) 非常に幅の広い話でありますが、まとめて申し上げたいと思います。  四十一年以来、歴代の担当大臣がお約束しながらおくれてまいったと、これは私どもとして弁解の余地はありません。この点についてはおわびを申し上げるだけであります。ただ、先生よく御承知のとおりに、この児童手当制度を新設していく上には、確かに非常に大きな問題がございます。また、ある部分では現行の給与体系等にも響く意味もございますし、そうした意味で、今日、審議会自身がきわめて熱心な御検討を加えていただいておる最中であります。だいぶ方向もまとまってはまいりましたけれども、まだこういう方向ということをはっきり御報告できるところまでのものを私ども受け取ってはおりません。ただ、本年度の国会の当切において総理、また厚生大臣、またそれを補完して大蔵大臣等関係閣僚から、八月の末までには何とかして答弁を受け取るようにしたいと、その八月の末までに答申を受け取りたいということは、来年の概算要求にこれを盛り込みたいということのあらわれであるということを申し上げてまいった次第であります。私どもは、今日もなお、八月末までに、審議会の方々の御努力によって答申はいただけるものと実は期待をし、同時に審議の促進をお願いしている次第であります。現実に非常に大きな議論は続いておりますけれども、私どもは、あくまでも審議会の御努力により、当初のお願いどおり、八月末までに答申をいただくつもりでおりますし、いただきました場合、これを来年度の予算要求の中に盛り込んでまいりたいという考え方に変わりはございません。なお、もし八月末までに間に合わなければ一体どうするのだという御質問も当然出るかと思います。私どもは、現在の時点では、あくまでも間に合うという前提で考えておりますし、また、従来においても、国会等の御要求のありましたものを、行政省自身が概算要求として出しますもの以外に追加をいたした事例等もございます。これは、しいて先生に申し上げなくても御了解が願えるのじゃないかと思います。  また、各都道府県におけるあるいは市町村における児童手当実施状況でありますけれども、本年の四月一日現在で、児童手当と称する制度、この中には出生手当としておられる地域もありますけれども、そうしたものを含めまして二百四十二団体ございます。もし、こまかいものを申し上げるとしますならば、一道、五県、百三十一市、二十三区、五十六町、二十六村、これがその内訳であります。ただ、これについて何らかの助成措置をすることはどうかという御指摘に関しては、私は、必ずしも現在行なわれております各地域ごとの児童手当制度に対して国が助成をすることが、国全体としての児童手当制度を推進していく上にプラスであるとは実は考えません。むしろそういう助成を行なうことによって、場合によっては、国がその責任を地方公共団体に肩がわりをしたという御批判をいただく場合も生じ得るわけであります。私どもは、そういう助成といった措置でその場を切り抜けるより、むしろ国として本来の児童手当の推進に努力をするほうが先決だとする態度をとっております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 仰せのように、もちろん国がやるべきであって、助成で済ますことは適当でないと思います。しかし、現在では御存じのように、地方公共団体というのは、何と申しますか、財政的に非常に苦しい立場に追い込まれておりますね。しかし、国がまだできないために、地方でのいろいろな身近にそうした状態を見ているというときに、やらざるを得ないということで踏み切ってやっているわけであります。ですからして、私はむしろいまのたてまえ、当然そうでありますけれども、それと同時に、やっぱりそれくらいの、ある程度のこともしてあげられないようないまの国の財政規模ではないわけでありますからして、やはりそういうこともやりながら、やったからといって国が責任を持たないといういき方ではなくて、両々相まって、国が先にやるのが一番望ましい。いままでの問題には手を打つ必要がない、そういういき方は間違いだから、それをやっているやつはやっておれというふうで、こちらは一定の期間は必要である、こういうふうでは困るわけですからして、もしそうやって手を打たないで、今度それをやるのは八月の見通しだと言っておられるけれども、少なくとも来年度からは絶対やるという保証があれば別ですが、でなければ、そのたてまえと両方でひとつ大いにやっていただきたいと、こういうふうに思いますので、特にこの点は要望しておきたいと思います。  もう一つ、この前、戦没者の遺族援護法のときに、公務扶助料等の戦争公務によるところの年金と福祉年金との併給限度額の緩和の問題について御質問したわけです。そのときに、同僚の徳永委員からも関連質問がありまして、国民年金法の改正の審議までには研究をする、こういうお答えがあったわけでありますがそれで一応話を保留しておきましたが、この問題についてどうなっておるか、局長のちょっと御意見を伺いたい。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) 公務扶助料あるいは援護法の遺族年金と福祉年金との併給の問題でございますが、従来は、御指摘のように、公務扶助料等の額が上がった場合に、おおむねその分だけ併給限度額を引き上げまして、併給されている福祉年金の額が従来より減らないようにという措置を数年来してきたわけでございます。この措置に対しまして、限度額を廃止すべきであろうとか、あるいはもう少し福祉年金の引き上げに見合って、さらに限度額を引き上げるべきであろうというようないろいろの御意見なり、考え方があるわけでございますが、まだ、来年度の予算要求につきましては、厚生省として具体的な決定はしておりませんけれども、年金局長個人といたしましては、福祉年金の額も毎年上がっておるわけでございますが、それに対応して、できるだけその限度額も引き上げられるような方向で来年度の要求案を固めたいと、現在のところ、かように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 この法的年金の併給限度額についても、いままで改善されると言っておってなかなか改善されていないような現状でありますが、これもあわせて十分考慮してやってもらいたいというのが私の希望であります。特にそれを強調しておきたいと思います。  それから、所得比例制の導入問題についてちょっと触れてみたいと思うのでありますが、国民年金制度の発展を期するためには、所得比例制を採用しなければならないということは当初から言われておりますが、この導入は、厚生年金と同様に、強制加入としない理由はどういうところにあるのか。また、適用対象及び段階的な区分については十分把握されていないのではないかと思うのでありますが、この点についてはどうか。  それから、前回の改正では、任意加入の所得比例制を取り入れて、それに国庫は所得比例給付に要する費用の二五%を負担することとしているのは、任意加入したものとしないものとの間に格差が拡大して、不均衡なことを助成するようなことになるのではないかと思うのですが、この点もどうでございましょうか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) 御承知のように、厚生年金のほうは定額区分と所得比例区分がございますが、従来の国民年金につきましては、定額区分しかなかったわけでございます。定額ということになりますと、全国民すべて共通ということで、どうしても低いほうに引っぱられる可能性もあり、また所得のある人はより多く出しても高い年金をもらいたいという御要望も強いわけでございまして、それに対応して所得比例制というものをつくったわけでございます。ところが、この所得比例制は、国民年金制度にとりましては初めての制度でございまして、なじみの少ない制度でございますので、当初から強制適用にするということにつきましては、技術的にもあるいは意識的にもいろいろ問題があると考えまして、当初は制度の発足でもございますので、任意加入という制度をとったわけでございます。それからまた国の負担が二五%ついたわけでございます。これもやはり年金制度としては、最近、世界の動向もそうでございますが、やはり所得比例制のほうに向いておるわけでございまして、その所得比例制は国の事業としてやるわけでございます。国民から必要な保険料も取るかわりに、国もそれの一部を補助するという考え方で、国も二五%の補助金を出すということになっておるわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 政府が真に被保険者の立場を考えれば、この所得比例制の導入について強制加入として、低所得者については、現行と同様に、法的免除とか、申請免除なんかを考慮して、国のほうで負担すると、こういうふうにすべきじゃないかと思うわけです。こういうことなんかについても、配慮されていないように思うのですが、この点、どうですか。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) いまお述べになりました考え方も、一つのりっぱな考え方であろうと思っております。ただ、何しろまだ制度発足早々でございますので、若干の経験を経ました後でいろいろな対策を考えてみたいと考えておりますが、その中の有力な一つの案であろうと考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それから国民年金制度の発展の上から見ましても、さっきお話しがございましたような定額区分ですね。こういうようなものは、いまおっしゃったような最低の生活水準を保障させるということによって初めて所得比例制を進歩の指標として考えられるわけだと思うのでありますが、そういうような意味から考えましても、生活水準を保障させるという意味の把握が十分されてないと、根本がくずれていくように思うわけでありますが、その点、何かもう少し明確に考えていただきたいと思います。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) おっしゃるとおりでございまして、ただ、国民年金制度が、先ほど大臣も申しましたように、発足後非常に日が浅うございまして、最低二十五年で定額部分が一人八千円になる、夫婦でその倍でございますが、そういう仕組みになっておりますが、ようやく四十六年度に初めて十年目になりまして、これは期間が非常に短いので、優遇はしておりますが、一人五千円、夫婦合わせて一万円という金額になるわけであります。それだけの金額では生活の保障には非常に少ないわけでございますが、その点は何ぶんにもまだ年数が少ないために金額も少なくなっておるわけでございますが、これも年数がたつに従いましてその年金額も漸次上がっていきまして、定額分だけで十分に最低の生活保障ができる仕組みになっておるわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それから、もう一つ福祉年金。老齢福祉年金は、昭和四十一年の第六次改正から毎年百円ずつ引き上げておる。先ほど渋谷さんもお話しになりましたが、非常に物価の関係等の伸び率から見ますと、とても所得保障にはならないわけでありまして、この法の制定された当時、老齢年金月額二千円の半分が老齢福祉年金とされておったのであります。十年を経過をいたしました今日でも、まだこの改正案では、老齢年金月額八千円に対して、現行の老齢福祉年金は月額わずか二千円で、四分の一にも満たないというわけでありますが、少なくともここらで四千円にするとか、いまちょっと何か引き上げを考えないと、あまりにもアンバランスではないかと思いますが、この点どうでありましょうか。  それから福祉年金については、関係の審議会が問題点を指摘して、福祉年金の性格の再検討を促しておるのでありますが、これに対しまして、今後、公的年金制度の体系の中でどのように福祉年金を位置づけされるのか。そういうところがはっきりしないと、また非常に問題が残るだろうと思うのでありますが、この二点だけひとつお聞きします。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) 確かに、福祉年金につきましては、この制度発足当初は、拠出年金にいたしましてその比率があったわけでございますが、拠出年金はその後非常に金額が上がっております。しかし、拠出年金でございますから、一方、保険料もだんだんたくさん出してもらっている事情があります。これに対しまして、福祉年金は全額国庫負担という関係もありまして、それほどには伸びていないわけでございますが、三十四年度に老齢福祉年金が千円で始まりまして、四十五年度で二千円、倍でございますが、その間、消費者物価の引き上げよりは多少上回った改正にはなっておるわけでございますが、先ほど大臣も申されましたように、まだ十分でない点が多々あると思いますので、今後ともその充実になお努力いたしたいと考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 まとめて一般的なことを二、三お伺いいたします。  障害年金と障害福祉年金、ともに障害の等級範囲を厚生年金と合わせるようにすべきじゃないか、こういうふうに思いますが、この点をひとつ。  それから障害年金と障害福祉年金に配偶者、子供の加算制度を設けるべきではないかと思いますが、この点、いかがでありましょうか。  それから障害福祉年金は、拠出制年金と同様に、二級まで対象とすべきではないか、いま一級だけでありますが。これはそういうふうに思うのすでが、その点について。  それから三級障害年金を認めるべきではないか、この点についてはどうか。  それから、加入前の障害については、拠出制年金の対象にすべきであるという附帯決議が前についたことがあるわけでありますが、これについても検討されておるかどうか。  それから、皆年金下におきましては、この逆選択ということはあり得ないし、またもはや現段階では考慮の余地はなくて、実施の時期ではないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点についてのお考えを聞いておきたい。  それから、法四十一条2項によると、夫の死亡について、公的年金給付を受けることができる者があるときは、その間、母子年金額の三分の一に相当する部分の支給を停止することになっているのでありますが、これは全く時代逆行であっておかしいと思うのですが、母子家庭の援護をはかるようにすべきではないかと思うが、この点はどうか。  これらの点をひとつ。

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。

廣瀬治郎厚生省年金局長

○政府委員(廣瀬治郎君) ただいま御指摘になりましたいろいろの問題があるわけでございますが、私どもは、いずれも問題だと考えておりまして、現在関係の審議会あるいは役所内部でいろいろ検討を進めておる段階でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 特に力を入れてやってもらいたいと思いますが、大臣、よくひとつお願いいたしたいと思います。  それから、もう時間もあれですから、私、これ一つだけ聞いておきます。  先ほど渋谷委員のほうから積み立て金運用の問題についてありまして、この問題点については、いまお話を聞きたいことがたくさんあって準備をいたしておるのですが、これは飛ばしますが、私は、前に、いつのときでしたか、この改正のときに質問を申し上げて、これは大蔵省のほうにお尋ねをしたのですが、そのときにもその資料はいただけないままになっております。  この資金運用部の運用の面については、もう少しいろいろな角度で、先ほど渋谷さんからお話しがありましたように、分けて、そして明確にすべきであるし、特に年金から積み立てている金というものはほんとうに零細な人から集まった金でありますからして、これはできるだけそういう方面に返すべきである、こういう観点から質問を申し上げて、一体いまの現状はどうなっているかというものをもらうことにいたしましたが、その結果をまだいただけないままに一年を経過しているわけであります。資金運用部の中でこれはきまっているからして、こまかしい分類はできないんだという答弁でありましたけれども、もうそういうふうにしておくわけにはいかないので、この零細な積み立て金がたくさんその財投の中に入って運用されているわけでありますから、運用されている模様をもう少し何かの方法で私は報告してもらいたいと思う、資料をもらいたいと思うのでありますが、その資料をいただけるかどうかちょっと大蔵省のほうにも、それからまた年金局のほうにも聞いておきたいと思います。

田中敬大蔵省理財局資金課長

○説明員(田中敬君) 先回、四十一年の先生の御質問の際に、私どもの次長が御答弁申し上げました中に、特に先生に御指摘いただきましたのは、回収金の状況、すなわち還元融資をいたしましたけれども、回収があったあとに貸し付け残高がどれくらいになっているか、それがわかるような資料ということが一つ御要望にあったと存じますが、その際の答弁があいまいでございましたけれども、回収金につきましては、たとえば上水道、下水道、あるいは還元融資の対象先に貸し付けをいたします際に、国民年金資金あるいは厚生年金資金、さらには郵貯、簡保資金等合わせまして資金運用部で一括運用いたしております関係上、返ってまいります金は、どの分がどの金であるかということは、私のほうで区分経理をいたしておりません。そういうわけで、回収金がそれぞれの資金別に幾らあったかということについては、私のほうで実は事務的に把握が困難でございますので、その分の資料につきましては、いまあらためてお願い申し上げますが、御容赦を願いたいと存じます。  ただ、そういうものを含めまして厚生年金資金あるいは国民年金資金が各年ごとにいかなる機関にどういうふうに貸し付けられたかという点につきましては、先生と御相談の上で適当な資料を調製いたしたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 これはひとつ一ぺん聞かしていただきたいと思いますから、いただきたいと思います。  それから、同時にその貸し付け金が、六分五厘のはずでありますが、こういうようなものは、何と申しますか、零細なそういう年金収入の積み立てでありますからして、これをもう少し効率に運用することはどうか。  それからもう一つは、この融資条件全般についても、ことにたとえば公務員の共済組合における組合員貸し付け、あるいはまたは簡易生命保険の契約者に対しての貸し付けなんというものは比較的いろいろな便宜がはかられているわけでありますから、融資条件全般について有利にするような方向、こういうようなことなんかはどんなものか、ちょっと聞かしていただきたい。

田中敬大蔵省理財局資金課長

○説明員(田中敬君) 有利運用あるいは分離運用、その他特別勘定の設置というような御要望はかねてから古く新しい問題として常にあるわけでございますが、昨年の厚生年金の改正の際にもそういう御要望がございまして、こういうことに対応する検討の場といたしまして、先生御承知の資金運用部審議会、財政制度審議会、保険制度審議会、年金審議会、それぞれの会の会長さんにお集まりいただきまして四者の懇談会を開きましていろいろ問題点を検討さしていただいておりますので、それらの御検討とあわせまして私どもも十分検討していきたいと思います。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私の用意しておりました質問はもう大半済んでしまいました。また、先ほど委員長からは時間があるとおっしゃいましたけれども、こちらには、もう時間がないから適当にやれと、こういうビラがいま回ってまいりましたので、一、二点だけお伺いをして終わりたいと思います。  先ほどから児童扶養手当に関する事項と特別児童扶養手当に関する事項、この二つの問題も質問が済んだわけですけれども、衆議院の附帯決議の中にも、児童手当に関する法律を昭和四十六年からやれと、こういうふうに附帯決議がなされているわけですが、もしも児童手当ができたときには、この法案の第二条、第三条の児童扶養手当、特別児童扶養手当、これはどういう形になるのかお知らせをいただきたい。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 児童手当制度ができましたときには、その児童手当制度の内容いかんによりまして、ただいま御提案申し上げております児童扶養手当法なりあるいは特別児童扶養手当法、これの若干調整を要することが当然出てまいります。と申しますのは、やはり児童手当制度というものがかりに第一子からやる、あるいは第三子からやると、いろいろ考え方はあるわけでありますが、第一子からやる場合と、たとえばかりに第三子からやる場合という、そのいずれかの案によりましては、児童扶養手当なりあるいは特別児童扶養手当、この性格なり内容は相当調整を要しますが、どういうような形で調整を要するか、これはやはり児童手当制度というものの内容が確定した後でないとはっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、いずれにしましても、児童手当制度ができましたならば、この児童扶養手当法なりあるいは特別児童扶養手当法は何らかの形において調整をする必要が当然出てくると、かように思っております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 第三条の特別児童扶養手当、これは先ほども介護料的なもの、多少そういう意味を込めているというふうな御答弁がございましたけれども、私、よく申し上げますが、この前も申し上げたとおりでありますけれども、重症心身障害児ですね。こういう人たちを施設に収用するか、家庭で親が見るか、こういうような問題がここで当然出てまいります。いまの施設は非常に足りないし、もしも施設をつくるとしても、今後の問題としては人が得にくい、こういうことになりますと、この重症心身障害児は、まあ家庭で見てもらう、こうなってまいります。そうすると、これくらいの手当額ではとうてい介護料の意味をなさない。たとえば、いま家政婦さんを雇うといたします。いま、一時間に大体百六十円というのが普通じゃなかろうかと思うのですね。それで三時間そういう人に来てもらうとしても約五百円、あるいは交通費を払うとなりますと、とってもこんな手当額では介護料の性格は帯びていない、こうなってまいりますので、この辺をひとつもう少し早急に引き上げてもらわなければならないのではないか。そしてまた、こういう子供を自分の家で見るために、パートタイムにもあるいは働きにも出られない、そしてこの子供をかかえて家におりますために、あるいは生活保護を受けなければならないような立場に追い込まれる家庭もあろうかと思います。そのようなことを考えてまいりますと、この特別児童扶養手当というものは、一体どっちに重きを置くのか。家庭で見てもらうほうに重きを置くのか、施設をつくっていくのか、あるいは生活保護費としてその人たちに出していくのか。生活保護費の場合ですと、生活保護費を出すのならば施設をつくっても同じことではないか、そっちのほうにお金を使ったほうがいいのではないか、こういうような考え方も出てくるわけですね。それですから、私は、この手当額というものは、相当に大幅に早急に引き上げなければ介護料の性格は帯びない、このように思いますが、いかがですか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 先ほどもお答えしたとおりでございますが、特別児童扶養手当法というものの性格というものをどういうふうに考えていくかによってこの問題はおのずから方法が出てくると思います。したがいまして、現在のように、所得保障的な性格を主体にしまして、若干といいますか、それにプラスするに介護料的な意味を持っているという法律の性格になっておるわけでございますが、この特別児童扶養手当法というもの、先ほど申しましたように、児童手当制度というものとの関連におきましてこの特別児童扶養手当法というものがおのずから問題になってまいりますので、その際は、やはり特別児童扶養手当法というものの性格をいまみたいな形じゃなくて、やはりある程度はっきり明確な性格づけをしないと、当然調整がむずかしかろうというふうに思うわけでありますので、そういう事態になった場合に、この特別児童扶養手当法の性格というものをもう一回あらためて検討してみたい、かように思っておるわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 最後に老齢福祉年金、この老齢福祉年金がお年寄りの小づかい程度、こういうようなことでございますけれども、今度はそれの所得制限が百三十五万七千七百円、こういうふうに引き上げられる。たいへんこれは大幅な引き上げだとは思いますけれども、しかし、いまの老齢福祉年金をいただいているお年寄りが、このわずかに二千円ないし二千四百円、こういうようなお金すらも若いその扶養者、そういう人たちがわざわざ郵便局に行ってもらっていってしまう。そうすると、それが年寄り自身に渡らない。そこで年寄り自身が今度は私が取りに来なければ、若い者にはあのお金を渡してくれるな、こういうふうに頼み込むそうです。そうしますと、今度は郵便局へ若い者が取り行くと、それを断わる。あなたのところの年寄りが取りに来ないと、本人自身でなければ渡せません、こう言いますと、たいへん家に帰ってから若い者にいじめられて何ともしようがない。こういうふうな話が再三私どもの耳に入ってまいります。たいへんこの福祉年金もそういう点では気の毒だなあと、そういうふうに思います。しかし、その二千円ぐらいの福祉年金をいただいて、一体これはだれがくれるのですか、くれる人に手を合わしてお礼を言いたい、こういうふうな老人もいるわけですね。そういうようないろいろなたいへん気の毒な人たちがいま多いわけです。そこで所得制限を大幅に引き上げてみても、これはその息子夫婦があるいは娘夫婦が相当給料を取るから年寄りが必ずしも大事にされているというわけではないのです。いまの時点では、この所得制限というものが大幅に引き上げられています、それだからそこで年寄りが大事にされているからもういいんだというわけではないわけですね。それですから、この老齢福祉年金をもらうような人のためには、これは所得制限というものはほんとうに撤廃してほしい、このくらいに思うわけですね。特にこの月額二千円とか、二千四百円とか、これくらいの小づかいでは、たとえばその日の暮らしに困るわけです。家におると何かじゃまがられる、どこかに行くとお嫁さんの悪口が出るし、いまの社会保障のぐちが出るし、いろいろなことが出るわけです。今度は聞くほうが耐えられない。そういうことで、せめてヘルスセンターとか何とかいうところに行って一日遊ばしてもらおう、こう考えても、一ぺんヘルスセンターに行けば百五十円、これぐらいの入場料が取られる。映画に行ったら相当のお金が取られる、あるいは交通費がかかる。こういうことで、とてもこの二千円とか、二千四百円くらいではお年寄りの小づかいにも足りないわけですね。だから、拠出制の年金をもらう人はこれは相当のお金をもらうし、その人は恵まれていると思います。福祉年金をいただかれる方々にはもう少し何らか考えようがあるのではなかろうか。所得制限の問題にしてもあるいは年金の問題にしても、これからの問題としてこれは大いに厚生省のほうでお考えをいただきたい、このように考えます。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) だんだんの中沢さんのお話でありますが、せっかくのこういう制度でございますから、それが今日の日本の家族制度の現状、またはお年寄りの現在のあり方に合うようなぐあいにして制度を生かしてまいらなければならない点もいろいろあると存じますので、ただいまのおことばを私も十分参考にいたしまして、今日この制度があるのでありますから、将来も生かしてまいるようなくふうを続けたいと存じます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そこで、確かにこういう老人あるいは重症心身障害児、そういう者に年金を与える、これはたいへん喜ばしいことではありますけれども、いま私がいろいろ申し上げましたように、こういうような問題は、お金だけでは済まない問題がたくさんございます。というのは、いまお年寄りが家庭からはみ出る問題、あるいは最近だいぶ家庭のおかあさんが蒸発する問題が社会問題になっておりますね。離婚をしたり、あるいは離婚ではなくてもどこか知らない間に蒸発をしてしまう、家出をしてしまう、こういうような家庭がございます。そうすると、そこは母子家庭ではなくして父子家庭になっていく。この間、つい二、三日前の朝日新聞にも社会福祉協議会の実態調査という中でこの問題を取り上げておりますが、母親のいない父子家庭は十五万三千世帯ある、これは母子家庭の約七分の一だと、こういうふうになっておるものでありますが、その父がまたそういう家庭ではおもに労務者で、非常に給料も少ない、この中で子供はほったらかされているわけですね。それですから、お金の問題と同時に、何といいますか、社会教育といいますか、そういう点も、それは文部省のほうの話だということではなくして、厚生省のほうでも、こういうような実情を踏まえて精神教育といいますか、そういうような問題にも触れていって、何とかもう少し年寄りも、それからからだに障害を持った人ももう少ししあわせな生活ができるように、ひいては日本のいまの社会の姿、これを何とか厚生行政の中からももっともっとよい方向に持っていっていただきたいと、このように考えますので、厚生大臣の最後の御答弁をお願いして私の質問を終わります。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 中沢さんのお話は、全く私が考えていることと同じでありまして、私は、厚生大臣を文部大臣にやっていただきたい、また厚生大臣にひとつ文部大臣を兼ねさせていただきたいというようなことをかつて発言もいたしたことがありますが、たいへんごもっともなお話でございますので、私どもも、厚生省というからに立てこもらないで、今日の国民、また母子家庭、父子家庭、老齢の方々の実際のあり方に合うように厚生行政というものをいたしてまいりたいと存じます。

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  回民年金法等の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 本案に対し附帯決議案を提出いたします。   国民年金法等の一部を改正する法律案に対す  る附帯決議案政府は、次の各項について、その  実現に努力すべきである。  一、各福祉年金の支給額を大幅に引き上げると   ともに、所得による支給制限をさらに緩和す   ること。  一、老齢福祉年金の支給開始年齢を早急に引き   下げ、障害福祉年金の支給対象となるべき障   害の程度を拡大すること。  一、拠出制年金について、年金額の引上げ、ス   ライド制の確立、支給要件の緩和に関して、   社会保障の性格をおり込んだ改善に努めるこ   と。  一、拠出制年金の積立金の運用については、被   保険者の意向が十分反映できるよう配慮する   とともに、被保険者の福祉に運用される部分   の拡充を行なうこと。  一、特別児童扶養手当については、支給事由と   なる障害の範囲を拡大するとともに、公的年   金との併給をはかること。    なお、政府は、実効ある包括的な児童手当   制度を昭和四十六年度から実現するように努   めること。   右決議する。  以上であります。

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) ただいま述べられました大橋君提出の附帯決議案を議題といたします。  大橋君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、大橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) ただいまの御決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨を尊重して実現に努力いたしてまいりたいと存ずる次第でございます。

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。     —————————————

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 社会保障制度等に関する調査中、優生保護法の一部改正に関する件を議題といたします。  昨日、趣旨説明を聴取いたしました横山君提案の草案に関し、御質疑、御意見がございましたら御発言を願います。——別に御発言もなければ、本草案を優生保護法の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 心身障害者対策基本法案(衆第三七号)を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、時間がたいへんないので残念でございますが、二、三について御質問したい。  本法は、各党の共同提案で衆議院で審議されて、私も提案者に対する御質問が若干ございましたが、これは省略したいと思います。ぜひ、この法案が遅滞なく行なわれるように、提案者のほうからも十分厚生省を叱咤激励して、本法の精神が生かされるような御努力を願いたいことを要望いたします。  そこで、私は厚生省にお伺いしたいと思います。身障者の福祉法もあるし、いろいろな法案でここに盛られたようなことは規定されておるのです。ところが、それが一向に守られていない。また、とかく議員立法に対しては、成立後、当局のこの運営がまことに情熱がないことをいつも痛感しております。したがって、私は、この中心的と思われる点を二、三厚生省の御決意をただしてまいりたいと思います。  まず第一にお伺いしたいことは、第四条の規定は、結局、身障者福祉法第三条でも規定されているわけでございますから、この点は十分に守ってほしいと思います。  さらに、この第二条の中にいろいろ身障者の規定、障害の種類が規定されておりますが、ずっと読み上げるとたいへん時間がかかります。肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声機能障害、心臓機能障害、呼吸器機能障害その他固定的臓器機能障害、精神薄弱その他の精神的欠陥、ずっと病気が羅列してございますが、その中にサリドマイドとか、カネミ、森永のミルクの問題、あるいはイタイイタイ病、くる病、水俣病、カドミウム、交通安全、こういうものを抜かされた理由はどういうところにあるか。さらにハンセン氏病も除外されておりますが、この適用はどういうふうにお考えになっておるか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 藤原先生からのお尋ねの点は、何しろこの法律の起草の小委員長をなさっておられましたのが女性で、たいへんおやさしい、そういう方面のことについては思いやりもあられるここにいらっしゃる衆議院の粟山先生で、しかも、この方は、御承知のように、厚生政務次官も最近までなさっておった方でございますので、そういう点につきましては十分に、落ち度はないと政府のほうでは考えておるものでございます。  なお、ただいまお伺いをいたしましたところが、この基本法案は、障害の原因を問うことなく、現に心身障害の状態にある者はすべて対象とするものであると、したがって、御指摘の疾病によるものでも、身体障害者の状態におればその適用を受けることに間違いないと、そう政府のほうからもお答えくださいということでございますので、この法律が成立いたしました際は、厚生省のほうでも、そのように心得て処置をいたす所存でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 ほかの病気がこれに全部織り込まれておりますので、落とされた人たちから私のところへ、この点はぜひただしていただきたいという陳情がございましたのでこの際お伺いをしておきます。これは間違いなくそういうものも対象としてやっていただくことを強く要望いたしておきます。  それから第二章の九条で、「心身障害の発生の原因及びその予防に関する調査研究を促進しなければならない。」、あるいはまた「必要な知識の普及、母子保健対策の強化、心身障害の原因となる傷病の早期発見及び早期治療の推進その他必要な施策を講じなければならない。」、こういうことの規定もございます。これはもっともなことですが、これも母子保健法であるとかその他で十分この点は規定されている。ところが、それが一向に進まない。したがって、またさらに各党一致のこの法案でございますから、国民の要望が強いものであるということで、ひとつ今後は強くこれが推進され、そして、不幸な発生原因を取り除くその予防施策が十分できるように、さらに早期治療が推進されますように努力をしていただきたい。これも一問一答したい予定でございましたが、これは省略いたします。強く要望しておきます。  それからさらに、機能回復訓練その他の訓練がここに規定されております。ところが、三十八年厚生省が行なった「リハビリテーション需要調査」を見ましても、身体の支障のため日常生活に差しさわりある者は、三十八年で二百五十万、これは全世帯の一割に当たるとされております。これは厚生省の調査でございます。今日ではすでに相当経過しておりますが、どのくらい対象があるかということをまず一つ伺いたい。  それからもう一つは、もしもこれらの人に機能訓練その他が本来行なわれていたならば障害を残さずに済んだ者があったかもしれない、あるいはその障害がより軽減できたかもしれなかった者が医学的リハビリテーションの立ちおくれから障害を残しておる。または障害を固定化してしまっておるというような者もこの調査から推察されるのです。したがいまして、いかにすれば多くの人をこの障害から救うことができるか、医学的リハビリテーションの普及とこれに携わる人々及び施設の必要量の確保ということが非常に重要だと思いますが、現在のリハビリテーション施設の現状、病棟数、定床など正確な数字を伺いたい。それから養成機関も全国で六つしかないとか聞いておりますが、はたしてそうであるか、あるいはまた一学年の定員が、PTが百名、OTが六十名と聞いておりますが、それに間違いがないかどうか。もし間違いがないとするならば、これで多数の身障者に対する機能訓練がはたして遂行できるかどうか、この点を伺いたいと思います。

伊部英男厚生省社会局長

○政府委員(伊部英男君) 身体障害者の数につきましてでございますが、昭和四十年の調査によりますと百四万でございます。そのほか十八歳未満の身体障害児が約十七万三千名ございます。なお、この中に、御指摘のように、リハビリテーションの施設の不足あるいは人員の不足、科学技術のおくれあるいはその普及の不足といったようなことから身体障害の程度が固定をし、回復がおくれたということがなかったとは言い切れないと思うのでありますが、これは御指摘のように、今後リハビリテーション施設あるいは職員の養成、科学技術の振興に引き続きこの法案の趣旨を体しましてつとめたいと考えるものでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 リハビリテーションの普及をはかるために、この技術の普及とか、リハビリテーションの施設、総合病院の理学とか作業療法部門を含めて大幅に増設しなければならないと思いますが、その御決意はございますか。

伊部英男厚生省社会局長

○政府委員(伊部英男君) このリハビリテーションの問題は、厚生省内におきましても、関係局が多数あるわけでございますが、大臣の御指示のもとに、関係局が一致協力いたしまして法案の趣旨を達成するよう努力いたす覚悟でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 しかとお約束いたします。この法律だけできても、内容が伴わなければ何もならない。したがって、ここで法案が成立いたします。以上は、これに従って拡充していただきたい。それから、結局、リハビリテーションを構成する医師とか理学療法士、作業療法士、言語療法士あるいは機能訓練士、心理判定員あるいは看護婦さん、ケースワーカーなどの待遇を改善しなければ——私たち現場へ行って見ましたが、とても重労働なんです。ことに看護婦さんたちが脊椎板ヘルニアですか、非常に苦しんでいる人が多いんです。それでは十分な看護、十分な効果をあげることは不可能です。したがって、これらについても十分任務が果たせるように、喜んで働くことができるようにひとつお考えを願いたい。  それからもう一つは、特別措置法ですね、療法士の特例措置の期限が来年の三月三十一日でたしか切れるはずでございます。これは延長して、もっともっとふやさなければならないわけですから、現実に足りないのですから、この延長を強く希望いたしますが、厚生省のお考えはどうですか。

伊部英男厚生省社会局長

○政府委員(伊部英男君) 心身障害者に限らず、これらの援護を要する方々の福祉をより一そう高めますためには、施設の充実はもとよりでございますが、それとともに、先生御指摘のように、職員の充実、養成、訓練の徹底ということがきわめて重要でございます。その前提といたしまして、御指摘のように、職員の労働環境を改善をしていく、近代化をはかっていくということはきわめて重要な問題であると考えておるわけでございまして、来年度予算におきましても、努力はいたしておるわけでありますが、今後とも引き続き努力をいたす覚悟でございますし、なお、中央社会福祉審議会におきまして職員問題専門分科会を設けまして、ただいまそのような趣旨で関係者が寄り寄り検討をいたしておる段階でございます。  なお、施設関係のほうについても、先般近代化委員会というのを設けまして、いろいろ先生の御指摘のような趣旨で問題点を検討しておるという段階でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それではこの特例措置も延長しますか。

松尾正雄厚生省医務局長

○政府委員(松尾正雄君) 理学療法士、作業療法士の特例措置につきましては、御指摘のとおりの期限でございます。これにつきましては、医療関係者審議会の理学療法士・作業療法士部会がございます。ここにおきまして近く検討いたしました上で措置をするつもりでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 これは大事なことでございますから、ぜひこれは存続されて、期限を延長していただきたいということを強く要望いたします。  それから身障者の住宅の確保の問題でございますが、「国及び地方公共団体は、心身障害者の生活の安定を図るため、心身障害者のための住宅を確保し、及び心身障害者の日常生活に適するような住宅の整備を促進するよう必要な施策を講じなければならない。」、これはほかの法案にもあるんですけれども、なかなか地方がつくりたがらない。この間、私地方へ行ってみましたら、一般住宅は平たん地にある。身障者住宅はずっと丘の上にある。からだの弱い、不自由な人が高いところへ登っていく。こういう愛情のない建て方はないと思う。それからもう一つは、低家賃住宅ですね。これは身障者が優先的に入れることにはなっているけれども、収入のきめがきわめて低いのです。いまの社会生活の状態からいって、こんな一万八千円以下ですか、の所得なんという人が食っていけるでしょうか。そういう点にももっと愛情のある施策が必要ではないかと思いますが、この住宅対策についてはどのように考えておられますか。

伊部英男厚生省社会局長

○政府委員(伊部英男君) 身障者の住宅問題につきまして、かねて建設省とも打ち合わせを種々行なっておるのでございますが、身障者向けの住宅の増設、身障者向け住宅の設計につきまして、建設省におきましてもいろいろ検討されておる段階でございますので、厚生省といたしましても、これを強くお願いをいたしまして、ただいま先生御指摘の問題その他につきましても十分協議いたしたい、かように考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それから雇用の促進の問題で労働省からいろいろ資料をいただいたのでございますが、時間がないようでございます。これによると、いろいろ出ておりますけれども、この雇用率一・七%が適用されておるんですね、官公庁の場合。けれども、これは非常に低いと思うんです。非現業機関では一・七というのが一・七二になっていますから、若干は上回っている。ところが現業的機関ではまだまだ低いのです。民間も含めまして低うございます。私は、こういう点から、希望する人がぜひ就業ができるような配慮がほしい。私、西ドイツへ参りましたけれども、重労働部門でも四%、それから軽労働部門では二四%までを義務的にきめてある。もし、それをきかなかったら罰則がついている。この労働力問題がやかましいとき、身障者のその気持ちをそんたくいたしまして、もっと強い雇用率を示してもいいんじゃないか。博物館等へ行ってみると、手のない人が説明をして歩いている。足のない人が受付をやっている。足のない人でも口と手が動けば役は十分に果たせる。そういうところから開拓していけば、身障者の職業はもっと拡大されるんじゃないか。それから社会的な偏見、これが大きく支障を来たしていると思いますので、これも今後の指導によりまして、もっと雇用を拡大する意思があるかないか。そのためには官公庁が率先してこういう人の雇用の増大をはかる、こういうことが必要だと思いますが、いかがですか。

保科真一労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(保科真一君) 雇用率でございますが、一昨年の十月に、身体障害者雇用審議会におはかりをいたしまして〇・二%の引き上げを行なったところでございます。この〇・二%の引き上げにつきましては、来年の三月までに達成するようにという審議会のほうの御意見でございますので、現在この雇用率を達成するように努力中でございます。雇用率につきましては、今後の達成状況、身体障害者の雇用状況等を見まして、また来年の三月初旬で検討を行ないたいと、かように考えております。  身体障害者の雇用促進につきましては職業指導、職業訓練、職業紹介等によりまして従来から努力してまいったところでございますが、基本法の成立を契機といたしまして施策の充実をはかりまして、また身体障害者にどういうような職業が適しておるかというような職業開発を行ないまして、雇用促進につきまして一段と努力をいたしたい、かように考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 この点は十分検討してください。いまは手がなくとも足がなくともやれる職業は幾らもある。こういう点でもっと勇気を持って拡大し、それを一般に指導していただきたい、強く要望いたします。  もう時間がないようですから、最後に身障者に対する旅費の問題です。これは国鉄の割引はございます。けれども、国鉄のないところにも身障者はいるんです。そういう意味からいって、私鉄などに何らかの方法で協力を求められないものかどうか。あるいは航空機利用のときでも、ただにしろとは申し上げませんが、学生と同じような程度の待遇は考えられないものだろうか。もう少し交通に対して理解ある措置をとってほしい。厚生省はどのように考えておられるか、お聞かせ願いたい。

伊部英男厚生省社会局長

○政府委員(伊部英男君) 御趣旨を尊重して努力したいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 時間がないので残念でございますが、御趣旨を尊重して云々というけれども、いつもそういうことばで逃げちゃうのだけれども、身障者が現実に悩んでいるということを考えて、この法案が完全に生かされるように特別の配慮を要求いたしまして、大臣の答弁を求めます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 関連して。ちょっと大臣待ってください。そのことは前からこの委員会でも再三問題にしているし、内閣、大蔵——大蔵というのは大蔵大臣ですよ。現在の大蔵大臣、それから二番目に出た航空機の利用については、日航の社長もそうですね、この委員会で問題になったという点を指摘しておりますよ。せめてスカイメイト程度のそれは待遇をしなきゃいかぬじゃないか。スカイメイトの諸君は、これはもう五体健全で健康そのものですね、それを政策的にやっておるわけですね。身障者の人々はまことにお気の毒な状態にあるわけです、からだが不自由なんですから。ですから、その程度のことはやったらいいじゃないか、こういうことを言ってある。一体今度のこの委員会までにそういう議論があったかどうか。そのときの答えというのは、大蔵大臣は予算編成のときに努力する、日本航空は、政府からそういう申し入れがあるならば検討する一これは出資会社ですから。こういう答えになっておるわけですから、藤原委員が質問したと思うです。これは、大臣、そういう点を明確にこの際は答弁しておく必要があると思いまして、私は関連をして発言をしたわけです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) ただいま藤原さん並びに吉田さんからの御意見、私はごもっともだと思います。ただ、今回衆議院のほうで御提案になっておりまするこの法案では、国と地方公共団体と、日本国有鉄道の措置にとどめまして、私企業の規定はございませんけれども、それとは別の立場におきまして、私どもは、この法律にそのことが書いてあるないとは別の立場におきまして、藤原さん、吉田さんからおっしゃられましたことについては、できる限り政府としてこれらの面につきまして働きかけて、そして努力をしてまいりたいと考えるものでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、こんな中途半端な質問で終わるのは残念でございますが、これは本会議が始まるそうですからやめます。しかし、いま大臣がこの法案にはないけれども云々と言うけれども、国の責任ではからうのですよ。私が、私鉄にも何らか協力してもらえないか、航空機のことはこうじゃないかと申し上げましたのは、この法案に国の責任でとあるから、国が責任を持って身障者のために働いてほしいと言ているのですが、いかがですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私もそういう意味で、この法律案の中に入ってなくても、国として当然の努力をいたそう、こういうことを申し上げておるのでございます。努力をいたします。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 終わります。

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 衆議院社労委員長代理粟山ひで君。

粟山ひで自由民主党

○衆議院議員(粟山ひで君) 一言この法案の表題について補足説明をすることをお許し願いたいと存じます。  原案は、障害者対策基本法案ということで始まったのでございますけれども、このたび、それを心身障害者対策基本法案と改めました。これは、この表題の意味は、身体障害者対策及び精神薄弱者等の対策基本法ということでございまして、一まとめにして身心がまとまっているのじゃございませんで、精神の心、それから身体障害の身ということにお読みいただけるものと、そういうもとに小委員会でこの題名にいたしました。もちろん身体障害者の方たちは、からだに障害はいろいろございましても、精神状態では常人及びそれ以上のものを持った方も多いわけでございまして、社会的に一生懸命に自立しようとしてやっていらっしゃる方たちでございますので、その旺盛な精神でもって、この気の毒な精神のほうの障害を持っているような方たちを抱きかかえて、そうしてこの法案の成立によってこの心身両方の障害者たちの福祉が充実し、そうして推進されるように御協力を賜わりたい、そういう意味でございますので、それをもあわせて皆さま方にも御了承願いたいとお願い申し上げます。

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  心身障害者対策基本法案(衆第三七号)を問題に供します。  本法に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野芳雄日本社会党

○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後四時五分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————

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