社会労働委員会 第9号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/02
会議録
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨一日、中尾辰義君が委員を辞任され、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 労働基準法の一部を改正する法律案(参第二号)を議題といたします。 発議者から趣旨説明を聴取いたします。藤原道子君。
○藤原道子君 ただいま議題となりました労働基準法一部改正案について、その提案理由を説明申し上げます。 わが国の女子の雇用者は、三十年代後半から、男子の増加率を上回って急速に増加しております。労働省の記録によれば、昭和四十三年度で約千三十二万人、四十四年度で千四十八万人と伸びており、これは全雇用者の三割以上を占める数であります。 このように多数の婦人が、いわば日本経済の重要なにない手として働いている反面、妊産婦の死亡、異常産、新生児死亡はきわめて多数にのぼり、その上心身障害児出産も最近上昇しつつあるという憂慮すべき事態にあるのであります。国際的に比較しましても、出生十万人に対する妊産婦死亡率を見ますと、イギリスの五倍、フランス、アメリカの二・五倍という高率を示しているのであります。このような不幸な事態の中でも特に、婦人労働者の流産・死産の例がきわめて多いことに注目しなければなりません。一例をあげますと、東京の麹町保健所の調査によりますと、丸の内に勤める共働きの女性の流産・死産は家庭婦人の約二倍半にのぼり、妊娠の約二四%すなわち宿った新しい生命のうち四人に一人はこの世に生まれ出ることができない、というおそるべき実態にあるのであります。 婦人労働者の健康保護にとって特に大きな問題は、母体保護の問題であることは、たびたび私どもが指摘しているところであります。働く婦人の場合、母性が労働によって破壊されることのないように、保護と配慮が必要とされると考えるのであります。 ところが、婦人労働者の職場の現状を見ますと、職業の分野がかなり変化を見せ、自動作業機械の導入などにより、生理的な可能限界に近い労働密度の中で、息もつけないように忙がしい職場が多いのであります。パンチ・カード計算などの作業は、競争制度でその作業量を増加させており、また繊維産業では、騒音、綿ぼこり、高温高湿の職場で、六秒間に糸をつながなければならない作業機を二台も担当するという状態であります。これが、婦人の健康に大きな障害となっていることは言うまでもありません。特に、産前、産後にこのような作業につくことは、母体、胎児にきわめて危険な影響を与えるのであります。 つわり症状は、個人差もあり、七割の女性が経験するのでありますが、この時期は知能をはじめ胎児のいろいろな器官が形成されるいわば基礎工事の時期であり、この時期が一番流産しやすく、先天性の異常にもなりやすいのであります。この意味では、妊娠初期はその胎児の運命をも左右しかねない、ともいえましょう。働く婦人の流産率が家庭婦人の二倍も高いというのは、実は、職場における直接的な肉体的無理に加えて、通勤ラッシュ、神経の疲労が、働く婦人の場合、男子労働者に劣らず強いことに原因するところが大であると考えられるのであります。このことは、多くの働く婦人のつわり休暇が欲しい、安心して子供を産みたいという切実な声としてあらわれているのであります。 つわりを含めて産前、産後の母体をいかに保護するかは、働く婦人の健康をいかに守るかという重要問題であると同時に、国の未来をになう新しい生命をいかにして健康に産み育てるかという問題であります。国の行政にとって、これほどに重要な問題はないと考えるのであります。 以上、この法案提出の理由を申し述べました。 次にこの法案の概要を御説明申し上げます。 まず、出産に伴う産前、産後各六週間の休業の期間をそれぞれ八週間に延長することといたしました。 次に、使用者は、つわりのため就業が困難な女子が休業を請求した場合は、就業させてはならないものとし、あわせて、平均賃金の算定方法、解雇制限の期間及び年次有給休暇を与える要件について、産前、産後の休業の期間とつわりのための休業期間との取り扱いを同一にするため所要の改正を行なうことといたしました。 以上、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されるようお願いする次第であります。
○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 勤労青少年福祉法案を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田忠三郎君 この法案は、先般参議院先議ということで提案をされまして、その趣旨説明が大臣からなされました。その説明を伺っておりますと、たいへんりっぱな、しかも高度な内容が含まれておりまして、私どもも、そのままで運用されるならばたいへんりっぱな法律だと、こういうふうに思っているんでありますが、若干私もそのあとに審議会の答申などを見てまいりますと、いささかこの審議会の答申の精神とは異なったようなところがあるやに私感じますから、そういう点二、三伺ってみたいと思うのであります。 元来、この青少年の問題は、御承知のように、たとえば教育の問題にしても、あるいはその他幾つかございますが、基本的な考え方といいますか、ものの見方といいますか、一口に言えば思想でありますけれども、りっぱな社会人を育成をして、個々が持っておりまするその個性を生かして成長させるということがその基本の理念になっているのです。審議会の答申を読みますと、そういうことが前面に出ているように思います。勤労青少年対策の基本的な考え方というのが出ていますが、この中で四つくらい考え方が書かれておりまして、勤労青少年対策は若年労働力確保のためではなく、勤労青少年自身の幸福の増進をはかることを目標とするのでなければならない、こううたっております。それから二番目には、勤労青少年対策は、勤労青少年がみずからすぐれた職業人、社会人としてすこやかに成長することを援助するためにその条件の整備をはかるものでなければならない、こういう意味ですね、これは。青少年がみずからすぐれた職業人というところに意義があると思うのです。ところが、この法律の趣旨説明のとき、非常に私は気になっておったんですが、職業人とか、職業人教育といいますか、そういうものが前面に出て、第二に書かれております青少年みずからがすぐれた職業人になっていくということとは逆になっているんですね。優先して職業人を育成、育てていくというように法律がなっているような感じがするんです。それから、勤労青少年が成長していく場合においては、そういう人々を受け入れる企業や、地域社会ともこの点については大きく責任をになうべきものである、それからすべての勤労青少年の対策が幾つか書かれているのでありますが、きょう、そういうことをやっておりますと、他の質疑者に対しても時間がなくなりますから、一々述べませんけれども、約十項目くらいにわたって項目が掲げられておりまして、次に掲げる状態に置かれることを目ざすべきである、いわゆる希望といいますか、理想といいますか、いろんなことが十項目書かれているわけですが、そういうものを目ざして対策を立てなければならない、こういう基本的な考え方に立っているんですよ、答申をしたものは。ところが、今度この答申を踏まえて立法した法律はわずか二十条ですが、前段は、大臣が趣旨説明した理念が二条か三条くらいまでのところに書かれて、具体的にこれがなっているのは四条以降だと思うのです。まるまる暗記してもたいしたことのない法律だ、この法律は。しかし、肝心なのは精神なんですが、あるいは思想とでも申したほうが的確だと思うのですが、これが逆になっている。大臣が趣旨説明したのは、この答申とは逆に、職業人意識を前面に押し立てて、法律がそのために各条項を設けて、つまり職業人をつくり上げていくというそのための、福祉という名前はついていますけれども、施設を整備しなければならぬ、こういう感じを強く私は受ける。このいきさつは一体どうだったのかということと、それからいま私がここに読み上げたことは、かなり審議会の中では真剣に議論したのじゃないかと思うのですが、その経過等について、大臣は、まだ大臣じゃなかったと思うから、局長からその経過等についてもう少し詳しく説明をしていただきたい。 それからもう一つは、わずか二十条といえども、この法律を制定することになります。今度新たにこれは法律を制定するわけでしょう。そこで、いままでこれは全く何もなかったかというと、そうではなかったと思う。勤労青少年に対しては職安法に、御承知のとおり、二十二条から二十五条にかなりのものが規定してありますよ。それから職業訓練法の八条から十五条、十六条及び十八条、ここにも職業人として——大臣が趣旨説明したものを私なりに理解すれば、その程度のことならば、いま申した各条項に示されている。 それからもう一つは、労働力が不足をしているから、その充足のために、いわゆる若年労働者を、ただいま提案されている法律を定めてこの充足をするのだということなら、これは雇用促進事業団法の十九条等々にもすべて網羅されているんでありますが、その他教育ということになれば、学校教育法という法律があります。各種学校もあるのでありまして、あらためてこの短い二十条程度の法律をつくらずとも、私は、それらの目的がかなえられるのではないかと、こう考える。しかし、まあ法律を離して単独立法したということには別な意義があると思うから、そういう関係についても、これは局長でけっこうですから、この関係をもう少し詳しく説明をしていただきたいと思うのであります。 それからもう一つは、その答えが出てきてから、冒頭申し上げたようにすばらしい、りっぱな法律であるかどうかということは、そのあとで判断しますけれども、いずれにしても、これは大臣が趣旨説明をしたそのことを前提にとってみますると、その限りではりっぱな法律だ、こう私は言ったんですな。それだけのりっぱなものであるのであれば、五条ですがね。五条は「勤労青少年の日」を定めているわけですよね。これは土曜日ということになっておりますが、年によっては、何といいますか、暦の上で二月は二十八日になったり二十九日になったりする場合がありますね。そうすると狂ってくる場合があるでしょう。四年に一ぺんは。この説明の中では、この間もちょっと聞いてみたが、「やぶ入り」とか何とかの日を大体目途にしたのだ、こう言っておるのですが、それは狂ってくる場合があるのですね、四年に一ぺんぐらいは。だから七月の土曜日にしたということには、いま言った「やぶ入り」の問題だけでなしに、何かあると思うのですがね。この点を一つ説明してもらうこと。それと、せっかくすばらしいりっぱな法律を、関係の法律から取り除いてきて独立の法律をつくり上げるということになるならば、せめて勤労青少年というものをそこまで国家的に大事に扱う、これは大切な将来をになう人々ですから、そのくらい大事に扱ってやらなければいかぬと思うのだ。だとすれば、この日を国民の祝日にしたっていいじゃないか。大体、日本に国民の祝日が幾日あるかということを調べてみました。参議院手帖に書いてありますから。これを見ると十二日間あります。しかも、十二日間ありまして、奇妙に六月、七月、八月には国民の祝日は一日もないのです。たまたまこの法律では七月の何か「やぶ入り」の日くらいの土曜日と、こうなっておりますから、そこへ当てはめて「勤労青少年の日」ということで国民の祝祭日にするくらいの意欲がなかったのかどうか、こういうことなんです。 大臣、これはいろいろ祝祭日が多過ぎるのじゃないか、十二日に一日足したら十三日、こう言いますが、ドイツでは十四日あるのですよ、御承知のように。しかも、ドイツではどういうところにあるかというと、五月一日のメーデー、これは国民の祝祭日としている。これが一つプラスアルファされている。それからいま言った「勤労青少年の日」のようなものもちゃんと祭日になっている。だから、メーデーのことはさておいて、せっかくいま法律が出てきまして議論しておりますが、とにかく抜本的に関係のある法律があるわけですね。それでかなえられると私は思うのだが、それをあえて独立立法にしたということには意義があると思う。だから、それだけ意義があるということは、勤労青少年に対して国が抜本的な施策を施すというところに私は意義があるんだと思うから、そのくらいの意欲ある施策をひとつとってみたってよかったんじゃないか、こう思うんですが、こうした関係をひとつとりあえず答えていただきたいと思う。
○国務大臣(野原正勝君) 勤労青少年の福祉法の立法の精神というか、まさしく吉田委員の御指摘のとおりでございまして、あくまでも勤労青少年の福祉の向上、福祉の増進という問題に主点を置いたわけでございます。特に、第四条におきましては関係者の責務ということで、事業主が勤労青少年の福祉の増進につとめる義務を付しておる。同時に、国及び地方公共団体にもこの福祉の増進について一つの義務規定を置いているわけでございます。こういう面で、勤労青少年に対する福祉の向上につきまして、事業主及び国、あるいは地方公共団体がそれぞれの役割りを持って積極的に勤労青少年の福祉増進をはかろうということでございます。したがって、勤学青少年が将来健全な職業人となるために役立ついろいろな福祉増進の施策を講じていくということに相なるわけでございます。これは一つの大きな進歩であると考えておるわけであります。 その勤労青少年の祝祭日と申しますか、「勤労青少年の日」を設ける、七月の第三土曜日を当てることにしておるわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、これは当然国の祝祭日にすべきだ、こういう御主張に対してはまことにごもっともでございます。いまにわかにこれをこの方向にきめるわけにいかなかった事情もあるようでありますが、このことが国民の大きな深い理解と関心を持ち、これが国の祝祭日として当然考えられていくべきだということになって、大方の国民の同意を得る段階が生まれてまいりますれば、これは当然、将来、国の祝祭日にも加えていただきたいというように考えているわけでございますが、現段階におきましては、一応「勤労青少年の日」ということになって土曜日を当てるということになっておりますけれど、これにはやはり多少時間がかかると思います。広範な国民的合意、盛り上がりというか、この日を非常に意義のある日である、次代をになう勤労青少年の日として、当然これは祝祭日に加えなければならぬということが国民世論としてあがってきたときにおいては、これは当然そういう方向でお考えいただきたいと考えているわけでございまして、将来に期待すると申しますか、やがてそうなるであろうことを期待しておるわけでございます。いまにわかにこのことを申しましても、なかなか容易でないかと考えておりますが、そういう期待感を持って、この日が将来国の祝祭日にもなってくれればまことに望ましいことだと考えておるわけでございます。 詳しいいろんな立案の事情等につきましては、婦人少年局長から答弁いたさせます。よろしくお願いします。
○吉田忠三郎君 大臣、どうも大臣の頭の中には趣旨説明が全部暗記されて、そこのところだけが入っているんじゃないかと思うんですがね。いまの答弁でも、健全な職業人を育成するということが前面に出ているんですね。しかし、青少年のこうした問題の扱いについては、前面に出るのじゃなくて、前面に出てまいりまする精神的なもの、高邁な理念がうたわれていますが、それはやっぱりりっぱな社会人を育成する、養成するということが第一義的に前面に出なければならない。その次に、勤労青少年といえども、これは職業を持たなければなりませんから、ですから、大臣が言うように、法律できめたからこうだということではなくて、みずからいわゆる職業人としてのそれぞれのものを持たなければならぬ、こういうことにならなければならぬと思うのですが、そのことがこの法律をつくるにあたっての答申の考え方にちゃんとなっているでしょう。しかも、第一番先に、勤労青少年の対策というものは——最近、特に日本では労働力が不足だといわれていますね、その中でも若年労働力が不足だと、こういうことが非常にほうぼうでいわれているわけでしょう。しかし、そういうことが現状存在している中でも、若年労働力確保のためではなくて、勤労青少年自身の幸福の増進をはかることを目標に、それを前面に立ててやらなければいけないと、こう言っているんです。だから、ここのところがこの法律、立法化になったところは逆になっているんで、この間をあなたに聞いてみたんですよ。ところが、大臣はやっぱりこの間の趣旨説明をちゃんと暗記していますから、健全な職業人を育成するんだと、これが冒頭に出てきますね。これでは単独立法にした意義はない。健全な職業人を育成するということであれば、現在の法律の中に、先ほど来申し上げておるように職安法、職訓法、これは労働省の法律ですよ。それに雇用促進事業団の法律の中に全部入っています、それを前面に立てるなら。ところがそうではなくて、私は、この法律をつくったというのは、青少年なるがゆえに何らかの今日的な客観的な社会事情の中では必要性があってこれはできたんだと思うから、その必要性といいますか、特徴というものがあるはずなんだ。そこのところは何かと、こう言っている。職業人をつくるというのなら、ちゃんとここに職安法があるし、職訓法があるし、雇用の関係については雇用促進事業団法という法律があるんですから、何もこういう法律は要らぬ。これは大臣じゃなくて局長ね、本来、婦人少年局の仕事というのは、つまり青少年の啓蒙指導だけで、具体的に法律をもって施策を施行するという局じゃないんですよ。しかしいま、戦後ここまできて社会構造も変わった、社会生活の様式も変わった、産業の構造も急激に変わってきている、こういう中における青少年の位置づけは一体何かと考えてみたら、やっぱり従来と変わって、こういう短いながらも法律をつくって、青少年をりっぱな社会人として育成、あるいは次の段階で職業人として育てていくということになってこの法律の立法になったのじゃないかと、ぼくはこう思うんだが、こういう考え方どうなんですか。
○国務大臣(野原正勝君) 私どももそのことを申し上げたつもりなんですけれども、あるいは言い方が悪かったかもしれません。いずれにしても若い成長盛りの青少年に対して特別な対策が必要である、そのための福祉の増進、そういう面を事業主もあるいは国も、公共団体もそれぞれやはり協力して福祉の増進のためにいろんな施策を講じなければならないという義務的な問題をここに明らかにして今後の対策を講じようということでございまして、このつまるところは、やはり社会人として、あるいは将来職業人としても健全な形で青少年がのびのびとそれぞれの分野において活動を願うということが必要なので、そのためには、まず福祉増進という面を特に強調したという点でこの法案の特色があるのではないか。そういう面では、ただいま吉田委員の御指摘のとおり、私どもも何らそれに対して異なるところはないと考えております。したがって、特にこの法案が、青少年の福祉のためのさまざまな施策を講じていこう、そういう面できわめて前向きな法案である、ぜひともこの法案の持っておる意義あるいはその効果の面は今後十分に御意見をお述べいただきまして、よりよき施策としてこれが漸次実を結んでいくようにしたいと考えております。よろしくお願いします。
○吉田忠三郎君 大臣、せっかくの御答弁ですから、その点で局長補足してくださいよ。法律をつくることによって、ただ単にそれで前向きということではないです。もし欠けている面があれば、現に三つの法律があるわけですから、こういうものを改正して充足していけば間に合うのだ、こと足りるのですから、だから二十条の法律をつくったからそれで前向きということにはならない。何か意義がある、これは局長に補足してもらいますよ。 それから大臣ね、もう一つは、国民の祝祭日にするという点ですね。これはいろんな事情があってかくかくしかじかでこれから国民の合意を得れば、こういうお話でしたが、先ほど。憲法改正などというのは国民の合意を得なければならぬけれども、休みを祝祭日としてつくるというやつは、それほどでかいものではないのだ。建国記念日をどうこうするということは多少いろいろありますから、国会でも問題になったことがありますが、しかし、「勤労青少年の日」は、いま言ったように、関係の法律があるんだけれども、これを単独に法律をつくったというところに、非常に私は大切な重要な意義があると思うのです。それだけに国民祝祭日にしていいじゃないか。たとえばですよ、英国等は、あれじゃないですか、ボクシングの日とか、スポーツの日を設けてみたり……。わが国では、たいへんりっぱな祝祭日だと思っているのですが、「敬老の日」があるでしょう、老人の日として。お年寄りの方は、一生何らかの形で国に勤労を捧げたのだから、老後をひとつ、年に一ぺんくらいそのことを感謝するという意味も含めて祭日にきめて老人の日がある。老人の日があるのだったら、これからの日本を背負う勤労青少年にも、やはり一年に一日くらいそういう国民全体が皆でお祝いをする、あるいはその日に、翌日にまた勤労というものは大切であるということを認識する上においても、そうした国民の日というものをきめたっていいと思うのです。ですから、そういう点についても、大臣のことばは国民的な合意、いまは将来という意味が含まれていると思うからこれ以上聞きませんが、こういう議論が審議会の中でなかったのかどうか。これは局長、補足をして一緒に説明してくださいよ。
○国務大臣(野原正勝君) この法案全体を通じてみまして、勤労青少年福祉法案という形で出たわけでございまして、いかに勤労青少年の福祉の増進を意図し、健全な青少年の成長発展のためにこの施策を行なうかということは、この法案の名前だけでも実はわかるわけでございます。そういう意味で、いろいろなほかの法律の関係もございましょうけれども、やはり単独の法律として青少年福祉法を提案をした事情をよく御賢察いただきたいと思います。 それから「勤労青少年の日」でございますが、かつて老人の日の問題も、最初は必ずしも国の祝祭日になっていなかったわけであります。あとからこれは「敬老の日」と改めまして、明らかに国の祝祭日になったわけでございます。したがいまして、「勤労青少年の日」もやがては国民的合意というか、国会における皆さま方、祝祭日として行なうべきだというような議論が広く各方面からあがりまして、そのことに御決定を願えるようなことになりますればまことに好ましいと、先ほど申し上げたわけでございますが、私どもとしましては、このことが国の祝祭日に指定されるということになりますれば、なお一そう好ましいわけでありますから、こういうことができるだけ早く国民的合意というか、世論というか、あるいは国会における皆さま方の審議を通じまして、当然必要だ、やるべきだということは当然起こり得る考えで、むしろそのことを予想しておるわけでございます。一日も早くそういうことになりますれば、なお一そう好ましいと考えておりますので、よろしく御協力を願いたいと思います。
○吉田忠三郎君 大臣の考え方はわかりました、趣旨は。善意にぼくは理解しますよ。そこで、国民的な合意であるとかあるいは一致であるとか、あるいは同意を求めるという、そのためには、とりあえずいろいろな手段を講じなければならぬ。しかし、こうした日を祝祭日にしようということについては国会などの議論でもと、こう言いますけれども、ここにおいでの国会議員、だれも反対する人いないですよ。うしろに並んでいる労働省のあなたの部下だって、これは一人だって反対しないよ。勤労青少年だってこれに反対しないよ。これは大臣ね、世論に訴えてごらんなさい、みな賛成だよ。ですから、いま直ちにどういう手だてを講じなさいということでなくて、国際的には諸外国でもそういう例があるし、それから、私、いま勤労青少年の問題を論じていますからよそに触れませんが、たとえば高橋局長など御婦人でありますが、あなたも御承知のとおり、国際婦人デーなどという婦人の日がやはり祝祭日になっている国があるでしょう。ありますね。そのことは駄弁ですから、いまここでは申し上げませんが、せっかく大臣の答弁ですし、あなたは閣僚でもありますから、機会あるたびに積極的にいま私が言っておる考え方を訴えてもらいたい。世論などというものはつくり上げられるものなんですよ。世論というのは初めからあるものではないですから、世論というものはつくられるものなんです。ですから、そういうものをつくるように、さらに努力をあなたに要請をしてこの関係だけは終わりにして、補足説明してもらいます。
○政府委員(高橋展子君) 婦人少年問題審議会の経緯等につきまして補足説明させていただきます。 先生が御指摘のように、婦人少年問題審議会から昭和四十三年の八月に、「今後における勤労青少年対策について」という建議をお出しいただきまして、その中で、勤労青少年対策のあるべき姿が体系的に述べられてあるわけでございます。また、本年の二月、法律案大綱をこの審議会にはかりまして、御答申をいただいております。この審議会からの二つの建議及び答申の中で特に強調されておりました点は、先ほど来、先生も御指摘のように、この勤労青少年対策というものの、あるいは勤労青少年福祉法というものの趣旨、ねらいが若年労働力確保のためではなくて、勤労青少年自身の幸福の増進をはかるためのものであるべきだという点が一つ。もう一つは、勤労青少年自身の自主的な努力をそこなうものであってはならない、その点でございます。立法の作業にあたりましては、この点を重々尊重いたしまして、全体の考え方の基盤といたしたのでございます。その点につきましては、先ほど大臣からも繰り返してお答えしたところでございますが、なお、技術的に申し上げますれば、本法案の第二条、第三条に「基本的理念」という条項を設けまして、ここでいま申し上げました二点を明文で規定いたしました。そうして、この法律全体がこの「基本的理念」に基づいてもろもろの施策が展開されるものという姿勢をはっきりいたしたわけでございます。 それから、もう一つのお尋ねの点で、単独で法律をつくる必要性がどこにあるかという点でございますが、御指摘のように、現在あるいは従来から勤労青少年の福祉の増進のためには、労働基準法、雇用対策法、職業安定法、職業訓練法等に基づいてそれぞれ対策が講ぜられてまいっております。また、予算措置によりまして、福祉施設の設置、あるいは特に婦人少年局では調査啓蒙等も行なって、福祉の増進のための各般の施策を進めるべくつとめてまいったわけであります。しかし、先生も御指摘のように、最近の社会のあるいは社会経済の非常に急激な変動の中で、勤労青少年の生活も非常に影響を受けてまいっております。都市化が進み、あるいは技術革新が進むというような中で、あるいはその他の社会風潮の変化等の中で、勤労青少年がややもすれば職場に適応しにくくなる。そうしていわゆる安易な離転職というものもふえてくる傾向にあります。しかも、離転職を繰り返す間に非行化するとかあるいは転落するという等の問題が生じておるところでございます。このような新しい事態に対しましては、従来からの対策だけでは十分にこれを解決することがむずかしくなってまいったわけでございます。そこで、新しい事態に対応して、その中で勤労青少年のすこやかな成長をはかってまいるというためには、新しい観点から総合的な施策の推進が必要と、このように考えてきたわけでございまして、その考え方は、先ほどの婦人少年問題審議会の建議にも明らかにされておるところでございます。それで、この際、勤労青少年がすこやかに成長し、希望と意欲を持って勤労に従事し得るというような環境づくりをするためには、新たな立法措置を講じまして、まずそれによって国の姿勢を明らかにし、また関係者のすべての者の勤労青少年福祉に対する心がまえというものも明らかにするというようなことをいたしますとともに、具体的な施策につきましても、これを総合的にかつ有機的に進めていく、あるいは計画的に進めてまいる、そのようなために特に新たな法律を設けることが必要である、このように考える次第でございます。 それからもう一つの点で、「勤労青少年の日」の日どりのことについてお尋ねがあったと思います。本法案では、七月の第三土曜日ということにいたしております。「やぶ入り」の日ということを一つの契機といたしましたことは、先ほど大臣からも御説明したとおりでございます。第三土曜日といいますと、これは月の日でいいますと、大体十五日から二十一日、年によって、御指摘のように、違うわけでございます。しかし、いずれにいたしましても七月の中旬から下旬にかかる時期でございまして、その中に「やぶ入り」が入る、このような時期でございます。それからまた、先ほど御指摘のように、七月、八月には祝日がございません。で、将来、この日が国の祝祭日というものになりました際にも、そこに祝日がないということもからみ合わせる有効なことではないかと、そのように考えたわけで、この点も審議会でいろいろと御指摘のあったことでございます。
○吉田忠三郎君 審議会の経過あるいは考え方を申されまして、ほぼわかりましたが、これは局長あれですか、そうすると七月の第三土曜日にきめたことは、私が指摘したように、六、七、八月というのは国民の祝祭日がありませんから、したがって将来展望としてそういうことを志向しながら努力をして、かりに国民の祝祭日になれば、六、七、八の祝祭日がないまん中の七月に——仮定ですけれども、やがて国民の祝祭日ができるように努力をするということの意味も含まれ、そういう配慮があって七月の第三土曜日と、こうきめたということですか。
○政府委員(高橋展子君) この日どりをきめます際のいろいろなファクターと申しましょか、その一つにそのことがあがっております。
○吉田忠三郎君 要素になっているということですね。
○政府委員(高橋展子君) はい。
○吉田忠三郎君 それからもう一つ。大臣は何か予算委員会のほうがあるそうですから、これは政務次官でもけっこうですが、十二条ですね。この十二条では職業訓練、または教育を受けるように青少年に配慮しているんだと思うんです、この条文はですね。そこで、その訓練並びに教育を受けるということになりますと、勤労青少年ですから、つまり雇用の勤務時間中のこと等が考えられますから、したがって、この事業主あるいは企業主に対しても、やはりそういうことについては一そういうことについてはということは、具体的には時間的な配慮をしてもらうように、これは条文にしても、協力、要請の意味も含めてかなり強いものを規定しなければならないわけですから、そのことがこの十二条の中に含まれていると思うのです。そういう観点で見ますと、学校教育法がここにうたわれていますが、ここでは高等学校の定時制の課程であるとか、あるいはこの通信制の課程等そういう教育を受ける場合と、こうなっているのですがね。その「等」という、そういう教育機関ですね。端的にいえば、学校ですよ。その範囲というものは、この条文だけでは明確になっていませんね。いませんから、どういう範囲であるのかということが一つ。それからもう一つは、せっかく十二条でこうした勤労青少年に対しては機会均等に——教育の精神ですね、機会均等ということは。そういう機会均等に職業訓練なりあるいは教育の場を与えてやるということで、その精神が十二条の中に流れているとするならば、なぜここで——この条文だけで伺ってみますると、大学あるいは大学の中にも、特に職業課程などは短期大学というのが全国でかなりありますわね。そういうものが除外されたのか。これはこの条文では、完全に除外されているように書かれていますから、こういう点は、せっかくそうした教育の場を与えてやると、しかも時間を割愛して与えるわけですからね。そういうものであるならば、なぜ大学ないしは職業課程のみならず、短期大学教育というものがこの条文からはずされているのか、この点ひとつ見解を承りたいと思う。
○政府委員(高橋展子君) 少し技術的でございますので、私からお答えさせていただきます。十二条で「定時制の課程若しくは通信制の課程等で行なう教育を受ける場合」という場合のこの「等」ということの範囲はどこまでかというお尋ねであるかと存じます。この点につきましては、原則といたしまして、この定時制の高校あるいは通信制の高校等に、高校に準じるような教育施設というように考えております。すなわち、いわゆる後期中等教育と申しますか、その段階にあるところの勤労青少年が、これらの定時制や通信制以外の教育施設で、先生もおっしゃるような各種学校等で一般的な知識や技能を習得する、あるいは資格を修得するために通うということも非常に多いわけでございますので、そういうものに対しては同様な配慮をしてもらいたい、こういう趣旨でございまして、定時制、通信制だけに限らないと、こういうことでございます。その場合、大学、短期大学等につきましてでございますが、一般的に大学レベルになりますと、授業の形態等が単位制と申しますか、そのような形をとって弾力的になってまいります。定時制高校の場合は何時から何時まで出席しなくては出席と見なさない、あるいは何日間出席しなくては進級できないというようなことがございますが、大学の場合は、比較的その点が弾力性があって時間が自由に選べるということ等もございまして、大学に行く者についてまで特にここで法文で明らかに書き込むということは時期尚早ではないかと、このようなことでございました。しかし、もちろん、今後ますます日本の社会が高度化してまいります。その中で有能な勤労青少年というものを求める、また勤労青少年自身の幸福のためにも、勤労の余暇に大学等に行く青少年に対して事業主が自主的に便宜を与えるということは非常に望ましいことでございますので、法律上明瞭に規定はしておりませんけれども、行政の上で積極的にそのような事業主の努力というものは指導してまいりたい、このように考えているのでございます。
○吉田忠三郎君 局長ね、つまり、高等学校の場合でも、これは私も経験あるのですが、全日制の場合は、これは勤労しているわけですから、できませんね。ですから定時制ですよ、大学の場合だって。したがって、全日制はこれは含まれませんよ、常識的に考えてね。それほどわが国の事業主なり、企業主というのはまだそこまで理解していませんよ。優秀なやつだからといって賃金を支給しながら——中には、上原先生のところは、何かこの間調査に行きましたら、一切経費をもって薬科大学にやっているような例もありますがね。そういう企業主というものはまれなんです。だから、これはほとんど不可能だと思う。したがって、定時制なんです、おもに。その場合、大学の場合だって定時制あるのですから、短期大学にしたって、あるいは四年制の大学だってあるでしょう。その教育課程いろいろございましょう。そうすると、同等に考えていいんじゃないですか、考え方とすれば。しかも通信教育、これは高校の場合もそうですが、大学だってちゃんとスクーリングの制度があってやっているのですからね。どうもあなたいまの答えだけでは私はぴんときませんな、これは。そういうものを経験した者として。どうですかね。
○政府委員(高橋展子君) 御説明が不十分であったかと思いますが、この十二条では、事業主に努力義務を課しておるわけでございます。罰則等はございませんが、この条文によりまして、事業主はその雇用する勤労青少年が一定の学校、施設に通う場合には、その時間について配慮しなければならないという努力義務を課すわけでございまして、そのような意味合いにおきましては、大学の定時制と申しますか、夜間の大学のことであるかと思いますが、これなどは、先ほど申しましたように、比較的時間的に選択の余地が大きいということ等と、それからまた勤労青少年対策として考えているのでございますので、大学の年齢等の問題もございますし、この段階におきましては、一律に事業主にその大学も含めた努力義務を課すということはやや時期尚早であるというようなことで、一律に努力義務を課すのは定時制、通信制及びこれに準ずるものといたしまして、それ以上につきましては事業主の自主的な配慮を大いに御期待して、また行政指導によって力を入れて進めてまいりたい、このような考えでございます。
○吉田忠三郎君 高橋局長ね、あなたの見解はそれでわかりますよ。わかりますが、先ほど大臣は、この法律は、関係法律から離れて特にこの法律をつくり上げていくという意義は何かと聞いたら、これは健全な職業人の育成だとかなんとかと、そこのところは多少議論はありましたが、前向きに勤労青少年のそうした職場の事柄を考えてそれでやったのだと、こう言っていますよ。そういう今度前提に立って考えてみますと、この教育の問題にしても、確かにこれは従来から見ると、努力目標であるけれども、事業主に対してこの条文でうたっていますから、その意味では前向きですよ。だから、これを私どもとして考えてみると、これはアメリカだって、ソビエトだって、諸外国全部いまあれじゃないですか、勤労青少年、特に向学心に燃えている者はどんどん定時制にやっておるでしょう。大学へやっておるでしょう、これは。国策としてやっていますよ。アメリカだって、ソビエトだって、どこだってね。そうすると、大臣が言うように、わが国もおそまきながら、本来の婦人少年局の青少年の啓蒙であるとか、ある意味においては青少年の保護の立場からの指導、この役割りをさらに越えて今日的な諸情勢の中ではこういう単行法をつくってさらに前向きの施策として取り組まなければならぬ、こういうことであるならば、せっかくこの十二条でここまできめたならば、なぜそこからこの大学という、しかも定時制ですよ、これはね。短大等々を取り除かなければならなかったか。逆にその面だけ見たらうしろ向き政策ですよ。大臣もせっかく言う前向きということじゃないということになりませんか、これは。しかるに、私は、この審議会の答申も読んでいますけれども、先ほどもちょっと触れましたが、日本の事業主あるいは企業主というのは、つまりこの勤労青少年というのはただ単に肉体労働を提供する、労働力だけがあればいいと。しかし、かなり最近企業の中においても機械化であるとか、情報化であるとか、ある一定の基礎教育を持たなければ、ただ働くといったってそれは直ちに労働力にならない。最低限度高校程度の教育を受けて知識を身につけなければならぬというものが優先してこの中にあるからこういうことになっているのですよ。審議会の中にも、いま私が言ったように、この大学定時制というものがかなり学識経験者あるいはその他の人々から非常に強く指摘されていますよ。にもかかわらず、さて今度は前向きで法律をつくりましたといった法律の中になってくると、こういううしろ向きのものが出て、まことに妙だ。こういう点からちょっと冒頭に言ったように、大臣に、 つまり職業人としての健全な育成が終始一貫思想として流れているからこういううしろ向きのものがぽつんと出てくるのですよ。この辺はどうも前向きじゃない。これは大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘の点、まことにごもっともでございます。高等学校の教育、定時制もしくは通信の課程というふうなことのみでなく、進んで夜間大学等に通学する場合もこれは十分考慮していくべきものだと考えておりますが、この立法の当時、いろいろな審議会等の御意見もあってこうきまったのでありましょうが、将来、そういう点で大学教育なども含めていくようなことができますように十分に検討させていただきたいと考えております。
○吉田忠三郎君 大臣の積極的な答弁がありましたから、私は、これはやめますがね。大臣ね、つまり労働省のこの教育についての考え方というのは、高橋局長を含めて、十五、六歳から十八歳ぐらいのいわゆる少年、そういうものを頭に置いているからこういうことになるのですよ。ところが、これは少年だけじゃない。青少年でしょう。青年ということになると、大体成人に達した者から二十七、八歳くらいの者を青年と、こう言いますから、そうすると、当然大学に行ける適齢者でしょう。しかもすべてということじゃない。そうした中でもやっぱり向学心に燃えて、特に大学に行くにはそれ相当の能力がなければ行けませんよ。だれでもというわけにはいかない。しかし行ける者があったらやはりその道を、大臣のいま言ったように、開いてやろうということがこの法律に流れなければ、せっかく新しいりっぱな法律をつくるわけですから、その新しい法律をつくるという精神にマッチしませんよ。諸外国だって国策として積極的に夜学にやるように、つまり定時制の大学にやるようにやっておる。ソビエトなどは、大体日本の金にしてどういうことになりますか、あれは百ルーブルですから、日本の金に直すと六万円ぐらいですか、六万円ぐらいをつまり奨学資金として国家がただくれる。日本の場合のように返すのじゃなくてくれる。やっぱり勤労青少年でも能力のある者は積極的に定時制の大学にやるようにやっていますよ、政策として。これはソビエトだけじゃないですよ、アメリカだってそうです。ヨーローッパもすべてそうです。だからやっぱりいま大臣のおっしゃったように、日本もいま法律が制定されるかされないかということですから、されましたら、このことについてはもっともっと、大臣が冒頭言ったように、前向きにこの面は取り組んでいただきたいということを要望しておきます。 それからもう一つ、この法律は、ただ単に二十カ条の条文を書いたというものではなくて、そのためには具体的な施策としてやらなければならないものは幾つかありますね。一つの例をとりますと、たとえばこの第十四条では、余暇の有効な活用ということを規定していますね。そうして、そのために今度は第四章の施設の面では福祉的な施設をつくる。具体的に何かといったら「勤労青少年ホーム」である、十五条ですね。われわれのところに資料がきていますが、青少年ホームの設置一覧表というものがきています。ですから、今日ないわけじゃない。しかしこれではまだ施設が充足しない。これをより積極的に拡充しようじゃないかということになって、これが法律になって十五条に規定しているのじゃないかと私は思います。 そこで局長に伺いますが、一体どの程度いま審議している予算にこういう問題なり——この間、増田課長がさらさらとここで説明しましたけれども、あの大半は、私の記憶しているものは、職業安定局が中心となって予算要求している施設がかなりあるんですよ。わずか千五、六百億の中にもちゃんと含まれていますが、婦人少年局として、いま予算委員会で審議しているものの中にどの程度のものを考えられておるか、これが一つ。それからその予算がまだ国会通っていませんから、具体的にどうこうということじゃないが、ここにありまするものをあの予算の中で、かりに国会を通過した場合に、どの程度どうしたところにどういうものを施設としてあなた方は建設していこうとしているのか。これが一つ。 それからもう一つは、これを見ますると、この間も私が言いましたが、あなた方政府としては当然だと、こう言うかもしれませんが、大臣も言っているし、局長も言っていますが、最近の勤労青少年というのは一つの職業に定着をしない、非常に職業が変わっている、こういう傾向が強いので、この点についてもこの法律ではそのことのないような、いわゆる先ほど大臣が言った職業人的な意識というものを高揚するためのものもねられている、こういうことですな。特に、若年労働力が不足しているとここに書かれているんですから、それを満たすためにということも含まれているんでしょう、言外に。そういうことを私は百歩譲ってこの席では肯定しましょう。肯定した立場で考えてみた場合に、今日わが国の不足をしている若年労働力を補っておるつまり労働源、労働を拠出する根源は一体何かと考えてみますと、おおむね山村僻地の青少年がその若年労働力の根源になっている。そうすると、当然そういう諸君のための施設というものにならなければならないが、残念ながら、今日のこの分布表を見ますると、高度経済成長政策等々の、つまりこの計画に基づいたところよりないんですよ、そういうところにこの施設がある。勤労青少年は今日の施設ですべてということは私は言いませんが、大体においてあなた方が考えておられるような程度に満たされるような施設は十分持っていますが、勤労青少年には幾つかの欲求があるわけですからね。その欲求を満たすための施設というのがない。ないのが離島ですよ。それから労働力を供給している山間僻地のつまり市町村ですな。市町村別にいえばそういうことになるんですよ。ですから、もっと端的なことばで言えば未開発の地域、こういうところが何もないんです。これはよそのことを言いませんが、私は北海道ですから承知しています。北海道は札幌に二カ所ある。それから小樽、室蘭、苫小牧等々、これだけでしょう。北海道はきわめて産業基盤はまだ弱いけれども、この地域というのは道央経済地域と称せられて、池田内閣当時からのいわゆる経済成長政策の一環としての太平洋ベルト地帯じゃないですか。局長、あなた方が貫いておられる精神を百歩私は肯定した立場で考えて、そういう人々の余暇あるいは勤労青少年のホームでやられる福祉的な行事は何かというと、それは十分満され得る施設がありますよ。小樽だってそうだ。旭川、それから北見、深川、帯広、こうなっている。問題は、やはり離島の勤労青少年の諸君であるとか、僻地ですよ。こういう人々に対してあまねく、つまり先ほど大臣が言ったような精神から、りっぱな社会人としての育成、その次には、あなた方のおっしゃっているような健全な職業人として育っていくようにしていく。その結果、今日不足だといわれる若年労働力の充足になるようなものにならなければならぬということになりませんかね。この間、課長が私のところへ来まして、北海道は先生非常に多いんですよ、こう言っているんだ。ぼくは、ふざけたことを言うなと、ぼくが北海道出身だからといっておせじ言うなと言ったんだ。何カ所ありますか、北海道に。北海道というのは、日本の国は狭いけれども、東北六県と九州を合わせただけの面積があるんですよ。日本の全体の総面積の四分の一あるんだ、北海道は。わかりますか。何カ所ありますか、六カ所か七カ所。先生、北海道は多いんですよと、ふざけたことを言ってはいけませんよ。しかし、北海道というのは、今日九州と同じように、日本の不足している労働力を供給している地域じゃないですか。若年労働力なんというのはほとんどそうじゃないですか。そういうところにさっぱりない。言うことだけはきわめてりっぱなことを言って、活字になるとたいしたりっぱな論文みたいになっていますけれども、やっていることはそうなっていない。この点の見解をぜひひとつ明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(野原正勝君) 「勤労青少年ホーム」は、現在まで百十カ所あり、四十五年度にはさらに三十一カ所設けるわけでございますが、そういう面では離島であるとか、僻地等までは手が行きかねておるということでございます。やはりこれはあまねくそういうものが各地に設けられることになったときにおいては、離島地帯にも、あるいは僻地にもそういうものを置くことは好ましいかと思うのでありますが、しかし、現実にはある程度勤労青少年が多数に住んでおってそこで働いておられる、しかもそういうところに対するどうも適当な施設が乏しいというところに対して、そういう青少年に対する健全な機関としての「勤労青少年ホーム」ということでございますから、ある程度人口の集中している地帯に設けられるということも、これはもう避けられないことだと思うのでありますけれども、これにはやはりおのずから順序があると思うのでありますが、少なくとも、今後はできるだけそういう思想、考え方というものを取り入れまして、まあ人口が、たとえば市——今度三万以上の町は市ということになるわけでございますが、せめて市ぐらいなところで、そこでかなりたくさんの勤労青少年が存在して、大いに職業人としても、地方に工業の分散等ができますればそういうところにも当然必要でありましょうから、そういう情勢等をにらみ合わせた上で、やはりできるだけ数多くつくっていくということが必要だと思います。いままでの三十一カ所というようなことではとても、いつまでたったらそれが十分に行き渡るか、はなはだどうも心もとないのでありますが、この勤労青少年福祉法案が成立をした時点においては、皆さま方の御協力を得まして飛躍的にひとつ数をふやしたい。全国至るところに、いますぐというわけじゃありませんが、できるだけ多くつくりまして、皆さん方の御満足のいけるような状態にひとつぜひともこれを拡充強化をしたいというふうに考えております。私ども実はそういう山村地帯あるいは離島地帯に対して、こういうものは置かない、置く必要ないというふうなことは毛頭考えておりません。むしろそういう地帯こそ、時によってはかえって必要であるかもしれないと考えておりますけれども、何せ一年に三十一カ所や五十カ所くらいでとても問題にならぬ。できるだけこれは数多くする以外にないというように考えておりますので、今後ひとつさっそく明年度の予算要求等するわけでございますが、その際においては、委員各位の御協力を得ましてできるだけ多くつくることに最善の努力を払いたいと考えております。よろしく御協力を願いたいと思います。
○吉田忠三郎君 大臣が結論を出したようなことなので、しかも、来年度予算の要求は大臣の責任においてやるわけですから、そういうこともおっしゃったので、それよりないと思うのです。高橋局長答えたいような顔をしておりますけれども、答えなくても私はわかっているのです。だから、次の質疑者もいますから、この辺で私やめますが、せっかくこういう法律をつくったわけですから、いま大臣がおっしゃったように、福祉の面については全く不十分ですよ、これは不十分です。十分にするために大臣の前向きの答弁があったわけですから、私はこれで終わりますが、ぜひひとつ若年労働力がどこで補われているかということをよく頭に置いてこれは、そういう面のつまり施策を施さなければならないから新たにこういう法律ができたんだということになるわけですから、そういう観点で——これは離島に一つもないのです。たとえばいま沖繩だって返ってくる場合、これは沖繩にもそういうものをやるんだと思うのですが、これは九州から沖繩に行くまでにもかなりの離島がございますね。ああしたところから非常に京阪産業地帯に若年労働者が来ておりますよ。それから新潟のほうに行きますと、有名な佐渡という離島もある。北海道というのは離島は少ないけれども、それでも利尻、礼文、天売、焼尻、それ以外にも離島はありますが、ソビエトが返してくれませんからわが国の離島ということになりませんが、一カ所ではないです。あなた、見たことがありますか、何もないのです。四国に少しありますが、四国といっても四つの県がありますが、島であることには間違いないけれども、これはこういう状態でだね——高橋局長にやにや笑ってますけれども、ここに書かれている法律の文章だって、きわめて高邁な理想を掲げた名文だよ、大論文だ。論文だけれども、実態はそうなっていないから、ぜひ大臣、そういう点に重きを置いてやらないと、ただ単に、やはりこの法律というのは、頭からどっかで規制して、いまの青少年に職業意識だけ高めていくものだというそしりを免れないですよ。そういう意味じゃないと思う、この法律をつくったのは。だからそういう点でこれからの施策を十分再検討していただいて、大臣がおっしゃったように、局長しっかりやってください。そのことを申し上げまして質問を終わります。答えはありませんか、大臣は、この考え方に対して。
○国務大臣(野原正勝君) まことにごもっともな御主張でございます。十分今後の施策としてその御意見を尊重し検討いたしたいと考えております。
○渋谷邦彦君 いろいろ基本的な問題がいま話されたわけでありますが、今回立法された法律の内容を見ますと、その主体は、あくまでも勤労青少年の福祉の増進というところにあるわけであります。これはまことにけっこうだと思います。また、婦人少年問題審議会ですか、その答申を見ましても、この点に相当の力点が置かれているというふうに判断をいたしております。むしろおそきに失した感がないわけでもないのでありますけれども、ここで幾つか私が疑問になる点をお尋ねをしてまいりたい、こう思います。 一口に勤労青少年と申しましても、その仕事についている内容を見ますと、大企業、中企業あるいは小規模企業、またさらに分けてみますと、零細企業ということになりましょうか。最近の経済発展と相まちまして、大企業の福祉施設というもの、あるいはその施設にかかわらず、それに関連するいろいろな問題というものは、きわめて理想的な形態のもとにまず解消されていると見てもよろしいのではないかと、こう判断されるわけです。おそらく「勤労青少年ホーム」の利用者の対象などを見ましても、とりわけ中小企業を対象としているという考え方が非常に強いのではないか、このように判断がされるわけであります。このほんとうのねらいというものは、どういうところに働いている勤労青少年を対象とされたのか、それとも普遍的な勤労青少年というのか、まずこの基本的な問題からお伺いをしたい、こう思います。
○国務大臣(野原正勝君) この勤労青少年の福祉の問題につきましては、いろいろ企業内においても十分に理解を持って非常に積極的にやっているところもございます。ただいま御指摘のとおり、大企業等ではかなり進んだところもあるようでありますが、しかし中小企業等におきましては、熱心にやっているところもございますけれども、やはり十分ではないという面で、これは企業の内容、大企業あるいは中小企業とを問わず、そこに働く勤労青少年が福祉の増進にあるいは自分の勉学勉強のため、りっぱな職業人として将来やっていく上において必要ないろいろな条件を備えて、進んでそういうものに当たるようなことにするためには、やはり国が十分手をかしてやる。つまり国の責任において、あるいは事業主の責任において、同時に地方公共団体等も一体となりましていろいろな施設を講じ、いろいろな対策を講じてやるということが必要で、そういう意味でこの法案が勤労青少年の今後の福祉の問題に普遍的な一つの要望を満たしていくという面で立案されたものと考えております。今後は、この法案が成立を見た暁におきましては、そうした施設が十分にいままで以上に整備されていくと同時に、また一そう国の方針としても、法律の規定の上に明らかなごとく、勤労青少年の福祉の増進に十分な機能を発揮していくというところにねらいがあるわけでございますから、この法律を皆さま方の手によって御成立をいただきまして、その上で今後の積極的な対策を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 大臣は予算委員会のほうに御出席になられるようですから、また後ほどお尋ねをしたいと思います。 いまの御説明が示しますように、ねらいは、勤労青少年というものは普遍的にわたるのであると、まことにけっこうだと思います。ただ、非常に心配なことは、最近のこの中小企業に従事している人たちの賃金体系を見ましても、ほとんど大企業に匹敵するようなそういう状況になっているというふうに見られております、これも全部が全部とは申しませんけれども。そこで、なぜ中小企業の離職者が多いかというその背景、また理由というものをそれぞれ聞いてみますと、やはり環境もさることながら、福祉施設というもの、要するに福祉に関する問題が整備されてないというところにやはり大きな原因があるように思えてならないのであります。確かに、今日の中小企業の実態を私がことさらに申し上げるまでもありませんけれども、要するに日の目を見ないところで働いている非常に多数の青少年がいることを思いますと、むしろこういったところに相当やはり御配慮をしていただかなければならないのじゃないか、こう思うわけでございます。そこで、現在、労働省のほうで掌握をなさっているこの勤労青少年の大企業、中企業あるいは小規模企業等の実態でございますが、いわゆる就労の実態と申しますか、どのように掌握をされているか、この辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(高橋展子君) 勤労青少年の就業しております事業所の規模別の分布というようなことで御説明さしていただきます。 勤労青少年の就業者、一応十五歳から十九歳までの者と、二十歳から二十四歳までの者にわけて申し上げます。十五歳から十九歳の者が三百八十八万人おりまして、そのうち雇用者が三百三十一万人いるわけでありますが、これらのものの規模別の就業状況を見ますと、三百人未満のいわゆる小企業にその五七・八%でありますところの百九十四万人が就労いたしております。ですから、過半数が三百人未満の中小企業にいるわけでございます。また、その中でも一人から二十九人までのいわゆる小零細事業所に百五万人、パーセンテージで言いまして三一%が入って働いているわけであります。二十歳から二十四歳の年齢層につきましても同様な傾向でございまして、三百人未満に五五%、三十人未満に二九%が就労いたしております。なお、このような規模別の分布は、これはわが国の全労働者の場合と比較いたしますと、大体は同じような分布の傾向でございますが、しいて申しますれば、大規模事業所における割合がこれら青少年の場合、全労働者の分布と比べましてやや高いという傾向が見られるのでございます。
○渋谷邦彦君 いまお話がございましたように、中小企業に従事するものが過半数を占めるという、それだけに従来しばしば問題になっておりますように、福祉の恩恵は受けていない、極論かもしれませんけれども、そのように見て差しつかえないのではなかろうか、そういう意味で、今回のこうした法律案が上程されるということは好ましいことには違いありませんけれども、この種の法律というものは、非常に精神的な面は強調されても、実際の運用面にあたって、しばしばそごを来たすというようなことが指摘される場合がございます。具体的な問題についてもこれから推進をしていく、そういう事柄が述べられておるようでございますけれども、今回のその福祉ということを中心にして考えて見た場合に、どこに一体主体を置いてこれから青少年の育成にあたっていかれるのか。レクリエーションに主体をおかれるのか、いろいろなそういうような考え方があるだろうと思いますけれども、その辺いかがでございましょうか。
○政府委員(高橋展子君) 本法案の志向いたしますところは、勤労青少年が職場の内外の生活を通じまして充実した生活を営む、そうしてまた将来に向かって有意義な職業人としてすこやかに成長していく、それを助けていく、このような考え方でございますので、先生御指摘のレクリエーションを含めまして、広く福祉をとらえて進めてまいりたいと思うものでございます。
○渋谷邦彦君 そこで、労働省のほうからちょうだいをいたしました資料を拝見いたしますと、現在の職場において、非常に未成熟ということもございましょうけれども、仕事に対しての不安感というものがございます。たとえば現在の仕事にあきてしまっておるのが非常に高率を示すパーセンテージでざいます。あるいは職場で孤独感を感ずる、あるいはいまの仕事を変わりたい、あるいは自分の能力をためすチャンスがない、あるいは職場の中で悩みがある等々、こうしたことが非常に高いパーセンテージになっておるわけでございます。こうした問題を解決するためには、先ほども論議の途中でお話が出たようでありますけれども、企業者側に相当深い理解と認識がなければこの法の精神は生かされていかないのではないかと、たいへん心配するわけであります。そうした場合に、こうした問題はもちろん企業者側にも積極的に理解を深めて協力をしていただかなければなりませんですけれども、労働省の立場としては、こうした青少年のもろもろの仕事に対する不安感、また生活に対する悩みというものの解決のしかたというものについては、どのようにお考えになっていらっしゃるか。また、これからどのように具体的にお進めになろうとしておるか、その方針を伺いたいと思います。
○政府委員(高橋展子君) 御指摘のように、最近職場におきまして、青少年がその職場に適応できない、あるいは将来に対する不安感あるいは孤独感等に悩むというようなケースが非常に多いようでございます。それらがいわゆる安易な離転職の原因ともなっているようでございます。そのような事態に対処いたしまして、労働省といたしましては、従前から特に企業の中にカウンセリング制度というようなものを導入するように指導してまいりまして、勤労青少年の身近な相談相手として、不満、不平、不安等に対しての相談役をやっていただく、そのような制度の導入をはかってまいったところでございますし、あるいはまた、「勤労青少年ホーム」等におきましても相談指導に応ずるというような施策を進めてまいったところでございます。本法案におきましては、特にこの勤労青少年に対するそのような相談ということの重要性にかんがみまして幾つかの措置を講じようといたしております。就職に伴ってもろもろの問題が起きますが、就職後の時期における戸惑いあるいは新たな職場への不安等に対処いたしますために、職業安定機関における相談機能を拡充いたしますことが一つでございます。それからまた企業の中で日常勤労青少年に接する者が身近に不安、不満に対処できますように、さらにまた積極的に勤労青少年に明るい生活を導いてやることができますように、特に企業の中に「勤労青少年福祉推進者」を選任することを事業主に努力義務として課したわけでございます。これによって企業の中で、職場生活の中で勤労青少年が相談指導を受けることができると思います。それから、さらにまた「勤労青少年ホーム」の中に、特にこの法案におきましては、「勤労青少年ホーム指導員」という専門の職員を配置する、このようなことを地方公共団体の義務として課したわけでございます。これらの相談制度を通じまして、勤労青少年が実生活のいろいろな場で、またいろいろな時期に相談相手を得ることができるように配慮いたしているつもりでございます。
○渋谷邦彦君 先ほど冒頭に御説明がございましたけれども、この対象となる人たちがいわゆる未成年を対象とした場合に三百三十八万ですか、二十五歳までの人を含めると一千万という非常にたくさんの方がいるわけであります。いまお話を伺いますと、「勤労青少年ホーム」の中に専門の指導員を置いて、いま私がお尋ねをした事柄についての問題解決に当たると、また、そのほかに企業別の中にも推進者というものを設けて、その衝に当たる、はたしてそれで充足できるものであろうかと、これは非常に心配なわけであります、ただ、話は違いますけれども、生活保護を受けておられる方々の実態を調査するためのケースワーカーにいたしましても、先般お伺いしたところでは足りないということが当局のほうから御答弁がございました。せっかくこうしたいいものができるときに、そうした具体的な施策の面で欠けるならば、やはり将来ともに非常に不安がつきまとうのではないか。かりに一つの相談事を持って行く場合でも、特に感情的に鋭敏な青少年のことでございますので、大ぜいの人の前ではなかなか相談しにくいと、これが今度はマスプロ的に一つの場所に集まって、十ぱ一からげで相談するということでは、これは所期の目的はとうてい達成できない。ことに生活の悩みとか、個人的ないろいろな苦情というものについては、個々の面接を通じて懇切丁寧な指導というものが望まれることは言うまでもないと思うのでございます。そうしたもろもろの条件というものを考えてみた場合、はたしていまおっしゃられたような考え方で、いますぐにとは言っても無理でございますけれども、近い将来においてもこの種の問題解決ができるものだろうか、この点いかがでございましょう。
○政府委員(高橋展子君) 仰せのとおり、相談ということはマスプロ的あるいは集団的、あるいは形式的なものであっては十分な効果をあげられないことが多いと思います。この私どもの考えておりますことも、勤労青少年の身近に、個人的にケースワーク的に相談のできる、そのような体制の整備拡充をはかろうといたしておるところでございます。お尋ねのこのような制度で十分に問題解決ができるかという点につきましては、勤労青少年の不安、悩みというものが非常に複雑でございますので、なかなかすべてをこのような制度で解決するということはむずかしい点も多いかと思いますが、なお、私どもがこの法案の中で考えておりますことは、特に勤労青少年の健全なクラブ活動を大いに進めてまいりたい、その中で勤労青少年がみずから仲間づくりをし、仲間の間で励まし合い、慰め合い、また切磋琢磨し合って、またその中でリーダーシップというものも育っていくことによって、非常に自主的な姿でみずからの不安、悩み等も乗り越えていく、そのような姿勢もつちかってまいりたい、そのようなこともあわせて期待しているところでございます。
○渋谷邦彦君 それで、提案があるのでございますが、そうした補足的な一つの方法といたしまして、たとえば町内会の有力者であるとか、あるいはかって学校に奉職された方、あるいは学校でなくてもそうした教育の面に携わっておられる方、特に勤労青少年の育成ということに御熱意のある方、こういう方々を委嘱されてそうした問題の解決をはかってあげるというようなことはいかがでしょうか。
○政府委員(高橋展子君) 全くごもっともでございまして、この法律案には規定してございませんが、行政上の措置といたしましては、従来から協助員制度というようなものも設けておりまして、特に今年度の計画といたしましては、その中で特定の人を勤労青少年の相談担当者として御委嘱することにいたしております。これらの方々は、おっしゃいますように、民間の有力者であり、または篤志家である方々でございまして、いわゆるボランティアとして青少年にあたたかく相談にものってあげられる、そのようなことを期待しているところでございます。
○渋谷邦彦君 いまこの問題をあえて申し上げますことは、との一つは、昨今激増しているといわれる青少年の非行化の問題でございます。会議録を調べてみますと、昨年の四月、第六十一通常国会におきまして、本委員会でやはり同僚議員の中からこの問題が取り上げられたこともございました。やはり一つの職業に安心感を持って未来に夢と希望がつなげると、これは言うまでもないことでありますけれども、そういう方向が明確に示される、また示されたものに対して青少年も十分それを認識しながら働ける、これが一番望ましいわけでありますけれども、他面、求人難ということにからみまして、そういうむしろ青少年をかえって大事にし過ぎて横着にさせるというような問題もあろうかと私思います。そうした中に、特に集団就職なんかでいろんな職場につかれる方々が昨今非常にふえております。なかんずく中卒が非常に多いというわけで、人生観にしても、世界観にしてもこれから明確に個人個人が持とうとする年代でありますだけに、非行化ということは、どうしても社会問題の一環として考えなければならない。福祉の増進が強力に推進されることによって、いま私が申し上げたこの非行化への道を防止する予防策としての手段になり得るかどうか、当局としてこの辺いかがでございましょうか。
○政府委員(高橋展子君) 勤労青少年あるいは一般青少年が非行化いたします要因は、かなり複雑なものがあるかと思います。したがいまして、労働行政のみで解決できるということはなかなか言いがたいのでございますが、私どもの立場といたしましては、少なくとも勤労青少年がその職業生活におき、まして充実感を持ち、生きがいを持ち、また将来に対して希望を持って働ける、そのような環境をつくっていくということにおきまして、いわゆる非行化というものの防止も進められるのではないか、そのような考えに立っているのでございます。
○渋谷邦彦君 資料を拝見いたしますと、非行化の問題につきましても、たいへんゆゆしい。年々、四十三年と四十四年ではあまり数の上においては変化がないようでありますけれども、やはり相当の数が統計の上で示されているようでありますが、その実態を突き詰めてみますと、やはり転職をせざるを得ない、転職をする理由としては、先ほど申し上げたような、その職場になじめないとかあるいは孤独感におちいりやすいとか、あるいはあまりにも会社が大き過ぎて威圧感を感ずるとか、いろんな要素があろうかと思うのでありますけれども、そうした転職を防止すると申しますか、これもいろいろ問題があまりにあって、労働省としてもたいへん御苦労なさっていると思うのです、行政指導につきましては。現在、その面についての行政指導はどのようになされているか、そして実際にどのような効果をあげていらっしゃるのか、この辺はいかがでございましょうか。
○政府委員(住榮作君) 離転職の問題でございますが、一般的には、景気の動向等によって離転職者の数は変動いたしますけれども、その中身を見ますと、非常に若年労働者の離職率の割合が高い、こういうような状況になっております。そこで、私どもといたしまして、中卒者、高卒着につきまして、一体離職の状況がどうなっているのか、こういうような調査をしたのでございますが、昭和四十一年の三月の卒業者が三年間でどのようになっているか、こういう調査の結果によりますと、一年後には、中卒の場合二三・四%、高卒の場合二五・七%。それで三年後には、中卒の場合が五三・五%、高卒の場合が五三%。つまり三年たった状況におきましては、半数以上の者が離転職をしておる、こういうような調査結果が出ておるわけでございます。そこで、一体こういった離転職が多いというのは何だと、こういうことの原因にはいろいろあると思うのでございますが、一つには、やはり御指摘のように、非常に求人難の状況である、引く手あまたである、こういうような雇用機会が多いということも一つの原因になっている。そういう意味で、自分の能力なり、適性に合わない職業を選択するというような問題、それから、さらには事業所側のそういった若年労働力を見守ってやる受け入れ体制と申しますか、そういうものについて問題もあるのじゃないだろうか、こういうようなことが考えられる。そういう意味で、私ども入職の段階におきまして、安定所、学校の職業指導なり、職業紹介をどのようにやっていくか、こういうことについていろいろ対策を講じておるわけでございますが、特に新しい予算におきましては、中卒の就職希望者にはひとつ適性検査をしたらどうだ、それから高卒者については主として県外就職者を対象にいたした適性検査をする、それで就職を希望する者の適性な能力というものを判定いたしまして、そういったものに見合う職業の紹介につとめてまいりたい、こういうような対策をとろうといたしておるわけでございます。 それと同時に、就職後の問題でございますが、いろいろ職場になじめないとか、作業環境の問題とか、労働条件の問題とか、そういう意味での就職者個人の相談に乗って適応を進めていくという観点から、四十四年度から年少就職者相談員制度をとりまして、そういう配慮をしています。来年度、新しい予算におきましても、そういった相談員の拡充を考えてさらに対策の徹底をはかってまいりたい。と同時に事業所——受け入れ側の態勢の問題といたしましては、特に中小企業等におきましては福祉施設等が不十分である、そういうようなことも考えられますので、そういう面での融資も考えておりまして、特に御審議いただいておるこの法案におきましては、そういう点についてさらに積極的に努力していくように、こういうような態勢になっておりますので、総合いたしまして離転職の防止に当たっていくというような考えで進んでまいりたいと思っておる次第でございます。
○渋谷邦彦君 ただいまの御説明でございますと、現在、これからやろうという趣のようでございましたが、いまおっしゃられたその方針に従ってこれから離転職をできるだけ防止するというその効果でございますが、どの程度にその効果が上がるかということはこれからの推移を見てみなければ当然わからないとは思いますけれども、相当確信がございましょうか。たいへん失礼な質問ですけれども……。
○政府委員(住榮作君) 私ども、そういう意味でいままでの離職が多い原因というものにつきまして、先ほど申し上げましたような諸点が原因になっているんじゃなかろうか。そこで、そういうことからいま申し上げましたような対策を総合的に講じてまいりたいと考えておりますので、私は、そういう意味で安易な離転職の防止というものに対して効果があるというように信じておるわけでございます。そういうような考え方で進んでまいりたい、このように思っておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 それは将来のひとつ課題として見守っていきたいと思っておりますけれども、そこで、やはり一貫して感じますことは、企業主のほうの理解というものが相当強く要求されるものではないか、こういうふうに考えられます。これはきびしい法律的な拘束ということは当然できませんけれども、行政指導の面で何らかの形でやはり企業主が特に勤労青少年に対しての認識を新たにするとか、あるいは「勤労青少年ホーム」ができた場合にできるだけ利用させるとか、あるいは余暇ができた場合にそれをうまく活用さしてあげるような方向へ持っていくとか、いろいろそういうことがございます。そこで、いわゆる企業主に対して労働省としてどんな一体宣伝啓蒙、あるいは指導というものをおやりになる御計画があるのか、そして具体的にそれはどのようにして進められていくのか、この点をひとつお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(住榮作君) 職業、就職等に関する問題について私からお答え申し上げたいと思いますが、安定機関としても、先ほど申し上げましたような安定機関としての努力をすることは当然でございますが、さらに第八条に書いてございますように、「勤労青少年がその適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業を選択することを促進するため、勤労青少年その他関係者に対して雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、」、こういうような規定になっております。そこで、やはり一つは適性、能力に見合った職業を選ぶということ、それから選ぶ場合に、勤労青少年が正しい雇用に関する情報を持つこと、こういうことがまず必要になってくると考えるわけでございます。そういう意味で、現在の雇用に関するあるいは職業に関する情報というものを勤労青少年はもちろんのこと、そういう関係者にも積極的に提供していきたい。それからさらに職業を選ぶ場合に、それぞれ職業の現状なり、職業の将来の動向というものについてもやはり知識が必要であるわけでございます。こういった職業に関する調査研究につきましては、労働省においてはもちろん研究いたしておりますけれども、昨年から雇用促進事業団に職業研究所を設けておりまして、現在、そういった研究活動をお願いしておるわけでございますが、逐次その結果も出てまいると思います。そういう意味での職業に関する調査研究の成果というものを広く徹底普及をはかる。まあ、こういうような方策等によりまして対策を進めていきたいというように考えておる次第でございます。
○渋谷邦彦君 いまおっしゃられたことは、条文を見るまでもなく、それはそのとおりでございます。今後の方向というものを裏づけているわけでございますので、私がいま伺いたいことは、具体的にこれからどう進めていくかという問題、たとえばある一定の期間——まあ、ある一定の期間と申しましても、時間的にいろいろ格差をつけまして、一つのグループ単位でもけっこうでございましょう。事業主を集めて当局側と懇談会を持ってその面の啓蒙をはかっていくとか、あるいはチラシだとか、あるいはポスター等を用いてそういうような指導をやっていくとか、そういう面を私は伺いたいわけなんです。先ほど私申し上げましたように、えてしてそういう具体性が欠けますと、せっかくの法律が死文化してしまうおそれがあるということを心配するがゆえに、そういう前向きに取り組まれた労働省側としても、せめてやはりそういうところに何らか方向を明確にお示しいただいたほうがよろしいのではないかというふうに考えましたので、いまお尋ねしたわけです。いかがでしょうか。
○政府委員(住榮作君) 特に現在審議中の予算において盛り込まれている具体的なものを申し上げますと、各安定所に雇用情報室を設ける。そこで先ほど申し上げましたような雇用に関する各種の情報を集めまして、事業主なり、求職者に対するサービスの徹底をはかる。それから東京とか、大阪等の大都会三カ所でございますが、雇用に関する情報のセンターを設けるということで予算が計上されておるわけでございますが、そういうことで雇用に関する資料なり、情報というものを非常に迅速にその事業主なり、関係者に提供していくという体制をとりたいと思っております。それと同時に、各安定所単位等におきまして、これは主として中小企業主になりますけれども、雇用主懇談会等をも組織してまいりまして、そういった情報の普及徹底をはかっていこう、さらには学校等に対しましても得られる情報があるわけでございますから、そういうものを流して生徒の手に渡るようにしていく。こういうようなことを中心にいたしまして、これは従来と違った点でございますが、積極的にやっていこうということが具体的な方向でございます。
○渋谷邦彦君 そこで、この法律は企業主に対する義務規定は何もないわけでございますが、十分ひとつ御配慮をいただきたいと思いますことは、えてしてそういう懇談会形式の場合でありましても、特定の方は集まるけれども、一番必要である、また来てもらいたいという人が来ないという傾向がある。なかんづくこの小規模企業の企業主、こういうところには今後とも相当にひとつ努力をなさって御配慮をいただきたい、こう思います。 それから次にお尋ねしたいことは、あまり時間もありませんのではしょって申し上げますが、具体的な施策の一つとして「勤労青少年ホーム」というものをおつくりになるようでございます。現在百十カ所、これから三十一カ所新たにつくる、先ほども話題になりました。ただ、ここで問題になりますことは、この資料に基づいて考えましても身近なところにつくってもらいたいというんですね、近所に。ところがこの分布状態、先ほどもたいへん問題になったようでございますけれども、東京が一カ所もないわけですね、いままでは。それで、いま中野につくられているそうです。何か鉄筋コンクリート二十階建てでございますか、そういう大きいやつも必要でございましょうけれども、願わくば、特に東京の場合なんかはもう各区単位に二つぐらいは必要じゃないか。いま、最小限度一つでもけっこうだと思いますよ。そういうやはり青少年の切なる願いというものを十分しんしゃくされてこういう御計画をされることが望ましいのではなかろうかと、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。先ほどは北海道の例が出ました。私は、あえて東京の例を申し上げた。東京が一カ所もない。そういうことではたしてこの法律の目的にかなうような方向をたどれるかどうかということでございます。
○政府委員(高橋展子君) 御指摘のように、「勤労青少年ホーム」は勤労青少年が日々の余暇に利用する施設でございますので、身近に、手軽に利用できるということが非常に大切なこと、そういう意味でたくさん配置されるということが必要だと思います。しかし、現在の設置状況は、御指摘のとおり、地域的に見ますと不均衡な点があるわけでございます。これは絶対数がまだ少ないということにもよりますが、それと同時に、このホームの設置の手続と申しますものが、これは設置主体である市町村の申請を待って国が補助を行なう、このようなたてまえになっております。このことも大きな理由であるかと思います。しかし、今後この法案が成立いたしました上は、より計画的に配慮いたしまして、勤労青少年の分布あるいは地域の特殊性等を考慮に入れた設置計画が進められることになると期待しているところでございます。で、東京等につきましても、いま申し上げましたような理由で従来設置が見られませんでしたが、機運としても東京にも漸次設置される機運も出てまいっておりますし、今後はより計画的に強力にその計画も進めてまいれると思っております。
○渋谷邦彦君 やはりこの利用する立場の青少年の気持ちというものを十二分にと申し上げたいが、そんたくしてあげることが必要ではないか。やはりこの勤労青少年の業態を見ますと、県外からたとえば大都会に入ってくる人たちが相当数のパーセンテージを占めているわけです。それで、そのために社会環境になれない。とりわけマンモス的なビルなんかできますと、近づきがたいとか、入りにくいとか、いろいろそういう個人的な感情というものが微妙に反応するんじゃないかと思うんですね。やはりどうしても手軽に自由に出入りができるというような、やはりそういう施設というものをこれからおつくりになる場合に御考慮していただきたいものだということをお願いしたいわけなんです。それで、中野にできる、いま建設中の二十階建てもけっこうでございましょう。しかし、先ほども申し上げたように、青少年の希望等も十分取り入れてこれからの対策をおすすめいただきたい。と同時に、先ほども古田委員から御指摘がございましたように、特に大都会は当然でございますけれども、意外に忘れられがちなのが農村地帯である。私どもが見聞するところではまことに貧弱な公民館、しかも床が抜けておるとか、畳がいいかげん腐っているというような粗雑なそういう建物の中で農村の青少年がレクリエーションをやったりなんかしてる、まことに気の議である。やはり平等に恩恵というものを、政治の光というものを与えてあげることがこれは緊要、非常に必要ではないかと、こう思いますので、私も、その点は当局のほうに十分にひとつお考えおきをいただきたい、こう思うわけです。 で、せっかくそうしたりっぱなものができる以上は、その運営については当然万全を期せられるであろうと思いますけれども、それと並行的に考えますことは、先ほどもちょっと話題になったようでありますが、その他の個所でいろいろな施設ができてるわけですね。たとえば運輸省管轄のユースホステルという施設もあるようであります。年間の利用者が百万をこす、しかも、その大半は勤労青少年という数字が——この資料にはないようでありますが、ほかの資料には出ているようであります。そういうような関連というものがこれからどういうふうにアジャストされて積極的に利用する方向に向けていかれるのか。やはり現在は少ないわけですから、施設が。できるだけそういう国でもってあるいは地方公共体でもって建てた施設というものを十二分に活用できるような方法、これがやはり一つのポイントではないかと考えますが、この点はいかがでございましょう。
○政府委員(高橋展子君) 仰せのとおりでございまして、私ども関係機関と協力を密にいたしまして、勤労青少年がいろいろな施設、いろいろな機会を享受できるようにはからってまいりたいと思います。
○渋谷邦彦君 ほかの方の質問もあるようでございますし、最後に大臣に御要望申し上げておきたいことは、いま、まだこれからもずいぶん聞きたいことありますけれども、最も聞きたいことを聞いたわけでありますけれども、せっかくこういう法律ができる以上は、何といっても、将来の日本をしょって立つ青少年の育成ということが最も大きな眼目でございましょう。したがいまして、この法律がみごとに生かされていくように、そのためには、何と申しましても、具体的な運用の面において手落ちがないように、せっかくつくっても何だと、役人仕事じゃないかというそしりを受けないように、この点だけはとくとお願いを申し上げておきたい。大臣も相当熱意をもつてこれにこれからもお取り組みになることだろうと、このように推測いたしますので、どうか勤労青少年にあたたかい手を今後も差し伸べていただきたい。このことを特に最後に締めくくりとして御要望申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(野原正勝君) おっしゃるとおり、この法案が成立いたしますれば、いかにしてその内容を整備し、勤労青少年の福祉の向上に当たるかという問題につきましては思い切った対策を講じてまいりたいと、皆さま方の御協力を得たいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
○委員長(佐野芳雄君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。
○中沢伊登子君 私、予算とかけ持ちで、皆さんの質問を聞いておりませんでしたので、ひょっとして重複をしている点があるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。私もなるべく御協力を申し上げまして簡潔に質問いたします。 最近、労働力がたいへん不足をしております。特に青少年、若年労働力が不足をしておりますので、そういうところからも不正や、過当な募集競争、こういうものを排除される方向にひとつ努力していただきたい。こういうことから、二、三、例をあげてみたいと思います。誤った誇大宣伝や、不当な募集競争が行なわれている。その実情をひとつお伺いをしたいのですが、たとえば、せっかく希望を持って沖繩から集団就職をしてきたのに、募集どきの条件とは全然違っていたのでがっかりした、いまさら沖繩にも帰れずというようなことで、だんだんおかしなところに転落をしていって、つまり非行に落ちていく、こういうケースも相当あろうかと思います。こういうような問題やら、あるいは写真などで見せられた職場と来てみた現実では雲泥の差があった、あるいはまた夜間の学校へやるなどと言われておりながら実際には行けなかった、あるいは学校に行ってみたら今度は校舎がぼろでとても行く気にならなかった、こういうような例があろうかと思います。あるいはまた寄宿舎がきたなかったり、非近代的だったり、狭かったり、こういうようないろいろな悪条件が来てみたらあった、こういうようなことがありますので、不正や、過当な募集競争ですね、そういうものを排除するためにいままでどれくらいの調査がなされたか。あるいはまた防止の方向に向かっての行政指導がなされているかどうか、ここをひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(住榮作君) まず、求人の事例につきましては、賃金、労働時間、労働条件あるいは作業内容、それから福祉施設、労働組合があるかないか、あるいは特に若年労働力の場合は企業内の教育訓練体制がどうなっているとか、就職後の待遇についてどうだ、こういう条件を確認して紹介をしておる。特に沖繩の場合は、距離も違うございますし、施政権等の関係もございますので、特に念入りな求人条件の確認を行なって、間違いのないものについてだけ向こうのほうに連絡する。態勢としてはそういうことにいたしておるわけでございます。そこで、いま御指摘のような、就職してみたら示された求人の内容と違うということで不満がある、訴えられる、こういうケースもあることは事実でございます。私どもも、それが非常に遺憾な事態というふうに考えておりますが、特にそういった求人に対しては、今後若年労働力を紹介しない、そういう間違いを犯したものについては若年労働力を紹介しないというような態勢をもとっておりまして、絶滅を期しているのでございますが、まだその絶滅を期せられないということについては、非常に遺憾に存じております。
○中沢伊登子君 それで、いまの夜間の高等学校へ行かせるというようなときに、校舎がぼろで行く気がしない、こういうようなケースもあろうかと思います。そうすると、そういうようなのは、文部省と一応交渉してみたことがおありになるかどうか。そういうケースはあるでしょう。それからもう一つ、寄宿舎が非近代的だったり、非常に狭かったり、こういうようなのはまことにどうも、寄宿舎というものの基準も低過ぎるのじゃないか。こういうような点も、所管は違うかもしれませんけれども、労働省として、その所管のほうに相談をしてみたことがおありになるかどうか、その点をひとつ。
○政府委員(住榮作君) 前段についてお答えいたしますが、沖繩の就職者でそういう例があったという事例は聞いております。そこで、学校がぼろであったということでありますが、文部省と連絡したかどうか、これは連絡はいたしたのでございますが、なかなか学校の建設、新築というようなことにつきましては、いろいろ問題というか、予算上の措置その他等もございますので、連絡はしたのでございますが、次善を見たかどうかというところまではまだ確認いたしておりません。
○中沢伊登子君 そういう点をもう少し熱意を持って改善をされる方向に努力をしてほしいと、こういうふうに思います。寄宿舎なんかでも、それは私ども行ってみても、ちょっとおかしな話ですけれども、トイレを借りても足がふるえてよういかないというような例もございます。そういう点で、せっかく若年労働者が希望を持って就職してみても、トイレ一つとってみても、そういうようなことであってはやはりいやだなという気がすると思います。がまんするわけにいかない問題ですから。そういう点ではもう少し熱意を持って、そういう青少年が寄宿舎に入るなり、あるいは定時制の学校に行くなり、そういうようなときにもう少し労働省のほうが熱意を持って文部省なりあるいは建設省、そういうところを動かすまでの努力をしていただきたい、こういうふうに私は要望したい。 それから、いまのお話の中で、たとえば労働組合があるようなところというふうな話も出ておりましたけれども、いわゆる零細な企業のところではなかなか労働組合というものが結成されていないと思いますけれども、ほんとうはやはり労働組合でもあって、しかもそういうところで労働条件やあるいはいろいろの悩みなんかは相談ができるような、そういうところが若年労働者の就職あっせんをなさるときに一番願わしいわけなんです。ところが、やはり零細企業などは、そうは言っても労働組合のないところが相当あろうかと思いますが、いま組織化されていない事業所、そういうものはどれくらいあるでしょうか。
○政府委員(住榮作君) 私から答えるのは適当かどうかわかりませんが、一応手元にございます資料でお答え申し上げますと、たとえばこれは労働省の労政局でやっております「労働組合基本調査報告」の数字でございますが、全産業で二十九人以下の規模の事業所におきます四十四年におきます組合の組織率が四・九%、それから三十人から九十九人まででは九・八%、それから百人から四百九十九人まででは三三・五%、五百人以上では六三%。全体を平均しますと、組合の組織率は昭和四十四年におきまして二八・三%になっております。
○中沢伊登子君 それから次に移りますが、年少労働者を有害な業務に就職させないように就職禁止の徹底はできないものかどうか。これはあるいはできないということかもしれませんけれども、たとえばパチンコ店なんかに十八歳未満の子供がつとめているとか、あるいは遊興サービス事業場や施設、そういうところに就業をしている者を法令で禁止するわけにはいかないものかどうか。そういうところで一生を終わるわけにはおそらくいかないと思いますね。たとえばパチンコ店でその若い青少年が一生そこでつとめを終えるということは、おそらく不可能だと思います。そうすると、早めにそういうところにつとめないように、もっとほんとうによい事業場を与えてやる、紹介してやる、そういうことが必要であろうかと思います。それから、特に遊興サービス事業場では、入場の年齢制限をしておりますね。たとえば十八歳未満の者は入ってはいけませんというようなことが響いてございますのに、就業をする者の年齢は無制限でしょう。十八歳の者でも平気でつとめておりますね。こういうような現状でございますから、法令でそういうものを禁止するわけにはいかないのかどうか。もしもそういうことで幾つか隘路があっても、労働省と大臣のほうでは非常なそういう熱意を持っていらっしゃるかどうか、お答えをいただきたい。
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のように、心身の成長期にあります年少就職者がパチンコ店などの職場で働いていることは、種々問題があって望ましくないわけでございます。これに対しまして年齢制限を設けて従業を禁止するということにつ いては、法制上当面にわかにむずかしいことでございますが、実際の勤労青少年の就職のあっせん等につきましては、おそらくそういうところには就職のあっせん等は一切いたしていないかと存じます。しかし、どうもそういうところに現実に青少年がある程度行っておるという事実もあると思いますが、離転職した青少年がそういうところにもある程度流れていくということについては、どうも好ましくないわけでございます。今後は、そういう職場以外のととろで明るく勤労できるように、関係機関と十分連絡をとりまして、そういうところにはできるだけ人を回さないということで処置いたしたいと考えております。
○中沢伊登子君 次に、年少労働者の興業施設あるいはそういうところの利用料金の割り引き制度ですね、こういうものを確立してほしい、こういうふうに思います。労働者は賃金を得ているという理由から、一部を除いて興業施設の利用や娯楽施設の入場料金は、学生に比べて恩恵を受ける機会が非常に少ない。ひょっとしたら皆無かもしれない。承りますれば、この間の万博の入場料やなんかについては、労働省は非常にそういう働く青少年のために便宜をはかられたと聞いております。さようなことができるのですから、これをまた法制化するということは、いまの問題と同じようにむずかしいのかもしれませんけれども、万博の問題でひとつこれが成功したのであれば、今後、労働大臣がやっぱり努力する方向でこういうものもサービスをしてほしい、こういうふうに思います。いかがですか。
○国務大臣(野原正勝君) 勤労青少年が盆、正月に帰省する場合の割引制度、これはまああるわけでございますが、特に本年の万博につきましては、集団で万博を見たいというものに対しては、特別な対策を講じまして、国鉄運賃並びに万博の入場料割引を実現した一わけでございます。しかし、御指摘の点は、おそらく学割という制度、たとえば映画館その他にも必要であろうと思うのでありますが、この面がまだ実現されていない。これはひとつ何とか実現するような方向で強力にひとつ検討してみたいと考えております。ただ、青少年の割引を実施する過程において、すべての映画などを全部割引するということになるかどうか、青少年にふさわしいものに限って特に割引券を発行できるというふうなことでもしたり、何か無制限に何でもいいから入場は学生と同じだということにはなかなかならぬかと思います。その点はひとつくふういたしまして、できるだけ実現したい考えで進めてまいりたいと考えております。
○中沢伊登子君 先ほど渋谷委員からも御質問がありましたと思いますが、いろいろな青少年が身の上相談したり何かするという指導員あるいは相談員、そういうものを養成するということは非常に大事なことだと、私も思います。それが一番大事じゃないかと思います。年少労働者の就職や転職は、それは個人の将来ばかりでなく、社会全体に及ぼす影響が非常に重要な問題でございます。そこで、相談制度を強化するためにはよい指導者を得なければならないと思いますが、婦人少年問題審議会の建議書にも、熱意と能力のある指導者を養成するようにと建議をいたしておりますね。そこで、先ほどもいろいろお話ありましたけれども、どのようなプログラムを持っているか、またそういう指導者を養成するためにどのくらいの予算を獲得しているか御答弁をいただきたい。
○政府委員(高橋展子君) 仰せのとおりでございまして、勤労青少年の福祉のためには勤労青少年がすぐれた指導を得られるかいなかが非常に大きな影響があると思われるのでございます。それで、勤労青少年が適時適切に熱意と能力のある指導者を得ることができるように努力してまいりたいと思います。先ほどもちょっと御説明したところでございますが、本法案におきましては幾つかの措置を考えております。職業安定機関における相談制度を確立すること、また企業の中に勤労青少年福祉推進者を置くこと、それから勤労青少年ホームに指導員を置くこと等でございます。これらの指導者の養成につきましては、四十五年度の予算としては、勤労青少年育成指導者養成費というものだけについて申し上げますと、これは二百万円を計上いたしております。
○中沢伊登子君 二百万ということでは、たいへんがっかりいたしました。一つけたが違うのじゃないかと思うくらいな感じがしますけれども、まあ、先ほどからもいろいろこの勤労青少年の健全な育成について皆さんの質問が集中したと思いますので、ひとつ来年はもっともっと予算をとってやっていただきたいと思います。 それから次に、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、寄宿舎制度の近代化あるいは単身労働者の住宅の建設促進、これは昼間一生懸命でいろいろの人と一緒に働いている、寄宿舎に帰ってまた三人なり、六人なりという人と生活をともにする。それに耐えられる人もございますけれども、中にはやっぱり一人でいたい、こういう人もあろうかと思いますね。いろいろな種類の方があろうと思います。そういう点で、先ほど申しましたように、寄宿舎も近代化しなければならないし、単身労働者の住宅というものを建てていかなければならないのではないかと考えます。この辺の実態調査ができていらっしゃるのかどうかお伺いしたい。
○政府委員(和田勝美君) 寄宿舎につきましては、この規則ができましてから相当の年月日を経ておりまして、社会生活の実態もいろいろと変わってきております。そういうこともございまして、主として労働組合の方面から寄宿舎についてひとつ検討したらどうかという御意見が出ましたので、この基準法の調査研究を担当されます中央労働基準審議会に寄宿舎に関します小委員会を設置いたしまして、現在そこでいろいろと御討議が続いております。その御討議の中で、寄宿舎と一口に言ってもいろいろとどうも千差万別である、この法律の要件を満たしていないとは言えないけれども、いろいろあるようだからその実態をもう少し明らかにすること、そこに住んでおる人たちの希望、いろいろのことについて一ぺん実態調査をしたらどうか、こういう御意見が出ましたので、それを受けまして、私どもとしては、四十五年度予算に寄宿舎の実態調査についての必要な経費をとりまして、四十五年度中にこの実態調査を完了した上で、そのデータの上で小委員会でさらに御討議をいただきたい、かように考えております。
○中沢伊登子君 質問が飛び飛びになるんですけれども、そういうふうな寄宿舎で若い人生を送るわけですが、しかし、そういうところでいろんな人と、友だちができたり何かをすることはまたいいことでもありますが、また一面、そういうところにひょっとしておかしな友だちがいると、たとえば思想的な面ですね。思想的な面も十分に考慮しなければならないかと思います。たとえばみんなで、そういう寄宿舎の人たちが外に遊びに行く、そういうときにいわゆる歌って踊って恋をして、そうして甘いささやきの中に引きずり込まれて、そういうところで民青の教育をたたき込まれる、そういうことになりますと、現在寄宿舎もまたいろいろな違った問題が起こってくるんじゃないか。 それからもう一つは、出版公害を私どもは言いたいと思いますけれども、最近のセックスなんかをあからさまに書いたような、そういう週刊誌とか、いろいろな木をまたこういう寄宿舎でおもしろ半分に回し読みをしたり何かして、そういうところで非常におかしなことになっていくんじゃないか、こういうことも非常に私どもが親の身として案ずるわけです。これもまた先ほど申し上げたように、これは労働省だけの問題ではなくて、文部省とかあるいは総理府の青少年対策委員会ですか、そういうところとも緊密な連絡をとって——私ども何べんか予算委員会とかいろんなところでこの出版公害の問題、あるいはあんまりいやらし過ぎる映画の看板、広告、そういうものもずいぶん何べんも質問をいたしておりますけれども、いつでもはね返ってくる答弁は、言論の自由、出版の自由が許されておりますから、それを取り締まることはできません、こういう答弁に終わっている苦い経験を何べんも私は持っておりますけれども、しかし、勤労青少年が親元を離れて寄宿舎で生活をしている限り、こういう思想的な問題も、出版公害の問題も、何らか労働省のほうでも手を打っていただきたい、このように思いますけれども、そのようなことをお考えになったことございますか。
○政府委員(和田勝美君) ただいまの先生の御意見はまことにごもっともでございます。実は、基準法では九十四条で、寄宿舎については私生活の自由を侵してはならないという規定がございます。これは日本では非常に過去に苦い経験がございまして、別の意味からして、会社側が私生活の自由を侵す、その弊害のほうが非常に浮き出た例がございましたものですから、こういう規定、基準ができましたときに新しく入れたわけでございます。これはどこまでも寄宿舎は私生活に入るというのであります。ただ、いまその中身は自由にしておくけれども、その中身はどういうふうに充実をしていくかということは、実は取り締まり法規的なにおいの強い基準法の世界で考えますよりも別の観点からそういうことをやられたらどうか、そういう点が今度の勤労青少年福祉法にもそういう考え方で出ているだろうと思うのですけれども、私、基準局長ですからそう申し上げるわけですが、基準法の取り締まり法的な面から私生活、思想問題を振り回すことは問題がある、かように考えております。
○国務大臣(野原正勝君) まさに御指摘のとおりで、どうも集団で生活をすることはいいことでありますけれども、その中で、仲間が悪いとそこにいろんな思想上の、あるいは排他的な不道徳な問題が出てくるおそれが多分にあると思います。しかし、それを急に何で取り締まるかということはむずかしいと思うのでありますが、私どもは、勤労青少年に対しましてはグループ活動、いい意味のそういった活動を促進することによって、弊害の面に関心を寄せるより、むしろ健全な青少年みずからが人格を高めていくという方向で、その活動を促進したいということを考えておりますが、これはきわめてむずかしい問題でございまして、労働省だけの庁の対策ではなかなか容易でないと思います。まあ、むしろ文部省等とも相談いたしまして、いかにして青少年の道義の退廃を食いとめていくか、健全な心身の育成をはかっていくかという問題につきましては広範なひとつ対策を講じたい。それがまたこの勤労青少年福祉法のねらいどころの一つでもあろうかと考えております。勤労青少年の福祉法が制定されますと、またこの法律の効果は、そこら辺にも十分に効果が発揮できるという形で、今後の対策につきましては、ひとつ前向きで進めてまいりたいと考えております。
○中沢伊登子君 そういう問題ばかりではなくて、また転職の問題も、いただいた資料を拝見しますと、私どもの健全だと思われないところに転職をしていく。その誘いかけたのも友だち、友だちに誘いかけられて転職をしていったそれのパーセンテージが三四・三%、このような表を見せていただいたのです。それですから、一緒に暮らしたり、一緒に話したりすることは非常に大事なことですが、また一面、そういう点も私ども非常に心配するところですから、この法律ができたら、どうか文部省や総理府とも相談の上ほんとうに健全なよい勤労青少年の育成にみんなも努力していただきたい、このように思います。 それから、最後に、先ほどございましたように、勤労青少年に鉄道の割り引きをしていただきました。これは非常に彼らが帰省をするときに喜んでおりますけれども、なお、もう一つこの上に希望がございます。というのは、年末の汽車は非常に混雑をいたします。企業によっては帰省バスを出しておるところもございますけれども、せっかく鉄道の割り引きをしていただいたことですから、帰省時には、年末には一定の方向に臨時の帰省列車を出していただく、こういうほうにもひとつ欲張って御協力といいますか、そういう方向で考えていただきたい、こういうことを思います。
○国務大臣(野原正勝君) まことにごもっともなことでございますが、年末というのは非常に込むものでございます。青少年以外に非常にたくさんの人たちが郷里に帰るというような現象が日本では見受けられるわけでございまして、現在の輸送という問題の中で、はたしてどこまで勤労青少年のために特別な措置ができるかということになりますと、なかなかむずかしいと思いますけれども、私どもも、できるだけ御要望の実現に努力したいと考えておりますが、これは運輸省とも特別にひとつ話し合いまして、御要望の実現に今後一そう努力するということをただいまのところは申し上げることで御了承願いたいと思います。
○中沢伊登子君 最後に、これは私の一つの願望なんですけれども、今度のこの福祉法によって勤労青少年の家ができたり、青少年の日ができたりいたしますね。そういうことも非常にけっこうなんですけれども、そういう場合、 ユースホステル、勤労青少年の家なんかで彼らが楽しんだりあるいは勉強したり、いろいろなことが行なわれるかと思います。しかし、そういう中にもう一つ加えていただきたいことは、いなかから来る方もあるでしょうが、また一面、最近、都会生活を営む人たちはほとんど土に親しむということがございません。もう全部コンクリートとかアスファルトの中で、土をいじるというような機会に恵まれませんので、できることならば、そういうところに、小さくでけっこうですから、畑みたいなものを用意をして、種をまいてそれから芽が出ると、こういうふうな喜びですね、そういう喜びの場もその計画の中に忘れずに入れておいていただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終えさしていただきます。
○国務大臣(野原正勝君) まことに卓見と思いますが、私ども、実はかねがねそういうことを考えておったわけでございますが、できるならば勤労青少年ホームなどは、大都会のじんあいの中でなしに郊外や、スモッグの地帯でない農村地帯にそういうものをつくって、休みのときにはひとつ行って土に親しむということもできますれば、またたいへんけっこうだと思います。そういうような意味の青少年ホームなどもひとつ計画してみたいと考えております。御趣旨は全く同感でございます。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、塩見俊二君及び山下春江君が委員を辞任され、その補欠として和田鶴一君及び渡辺一太郎君が選任されました。 —————————————
○藤原道子君 たいへん時間も迫っておりますので、重複を避けて、ごく二、三の点について御質問をし御協力申し上げたいと思います。 私は、この法律案は、たいへん名前はけっこうなんですが、具体性がないし、道徳的規定というようなものに終わるんじゃないかという不安があることをまず率直に申し上げておきたいと思います。 そこでお伺いをしたいと思いますのは、先ほど来も御質問があったのですけれども、「勤労青少年の日」、これを祝祭日にしなかったことは非常に残念でございますが、この「勤労青少年の日」にふさわしい事業をやらなければならない、ふさわしい事業ということはどういうことを考えておいでになるのか、これを伺いたい。それから勤労青少年福祉基本方針ということについてのお考えもあわせてお聞かせ願いたい。
○政府委員(高橋展子君) 「勤労青少年の日」を設けましたゆえんは、この日に勤労青少年の福祉に関しまして広く国民一般が理解と関心を深めるということでございます。そのことにふさわしい事業を各方面で展開されることを期待しておるわけでございますが、具体的に申しますれば、勤労青少年みずからが各種のスポーツ、レクリエーション等の競技を持つこともございましょうし、あるいはまた勤労青少年を育成する団体等が行事を持つことも考えられます。もちろん国、地方公共団体等がレクリエーション、スポーツの会合を催す、あるいはその日に文化的な事業も考えられると思いますし、勤労青少年のグループ活動等の発表会あるいは交歓会といったこと等、多彩な催しを期待しているわけでございます。もちろんその日に、そのような外での活動ばかりではございませんで、その日を勤労青少年のことを考える日として、勤労青少年みずからもその日にたとえば勤労青少年の生活文を書くとか、そのような思索の日にすることもけっこうではないかと思いますが、要すれば、それぞれ自主的な発意におきまして「勤労青少年の日」の趣旨に沿った事業を各方面で展開していかれることを期待しておるのでございます。
○藤原道子君 基本方針はどういうことですか。
○政府委員(高橋展子君) 基本方針につきましては、本法案におきまして勤労青少年の福祉の諸施策を計画的、有機的に進めてまいりますための柱といたして、労働大臣が施策の基本となるべき方針を定めるものでございます。その内容といたしましては、勤労青少年の職業生活の動向に関する事項と勤労青少年の福祉の増進について講じようとする施策の基本となるべき事項を盛り込むことにいたしておりまして、また、それを策定するに当たりましては婦人少年問題審議会の意見を聞く、あるいは都道府県知事の意見を伺う、このような手続を経ることになっております。
○藤原道子君 私にはまだ納得いきませんけれども、次に進もうと思います。 第八条で、職業指導ですね。この中で、先ほどもお答えあったのですけれども、「勤労青少年がその適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業を選択することを促進するため、勤労青少年その他関係者に対して雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、」云々とございます。けれども、実際に働いている職場でこういうことがどのように生かされるか、はたしてこれを生かすようないまの実情にあるかどうか、この点についてはどういうふうにお考えになるか。
○政府委員(住榮作君) 職場における問題につきましては、第九条にも触れられておりますが、結局「勤労青少年その他関係者に対して、相談に応じ、及び必要な指導を行なうことができる。」と、こういう規定になっております。したがいまして、私どもといたしましては、具体的には若年労働者の就職相談員等をも置くことにいたしておりますので、そういう方々を通じて八条に書いておりますようなことを行なうとともに、事業主に対しましても必要な資料なり、情報を提供いたしまして、働いている勤労青少年がそれを利用できるようなことを進めてまいりたいと考えております。
○藤原道子君 私は、これは義務規定ではないわけでございますから、要するに労働者が転職したりなんかするのは雇用主に理解がないという点もある。ですから、そういう点をほんとうに生かそうとするならば、よほど雇用主の指導といいますか、こういうことをお考えいただかなければならないと思います。このことを強く大臣にやっていただきたいと思います。 それから、あなたのほうで出した資料を見ましても、結局、勤労青少年が職業を選んで就職するあれとして、自分の能力、趣味に合う、将来性がある職業ということに関連する理由で選んだ者というのは中卒三二%、高卒四八%ですね。ところが、家人、知人、先輩にすすめられた、友人と一緒、知人、先輩がいる等の理由で就職したというのが中卒では五七%、高卒では四二%となっておるわけです。ということになると、なかなかむずかしい問題が起きてくる。そこで、お伺いしたいのは、職業安定所等を通じて就職した者と個人的に就職した者、これの比率はどのようになっていますか。
○政府委員(住榮作君) 中学を卒業しまして就職する者につきましては、全部安定所を経由して就職いたしております。したがいまして、全部の者が安定所。高卒につきましては、一部安定所、それから学校の紹介によるもの、これに分かれておりまして、その割合はちょっといま数字を当たらしております。
○藤原道子君 では、そういった中卒は全部安定所を通じて……。
○政府委員(住榮作君) そうです。
○藤原道子君 そこで、安定所として就職後の実態調査というようなことをやっておいでになりますか。それがもしできておれば、先ほど来の質問のようなことは起きないはずです。
○政府委員(住榮作君) 昨年離職したかどうかということを中心にいたしましておおむね現在の調査をいたしております。
○藤原道子君 もう一ぺん、ちょっと聞こえなかった。
○政府委員(住榮作君) 離職したかどうかという観点で、要するに就職後どれだけ定着しておるか、職を離れていったかと、こういうような観点から昨年度調査をいたしたものがございます。
○藤原道子君 どんなふうになりましたか。
○政府委員(住榮作君) 先ほども申し上げたのでございますが、三年間で離職していった者の割合が中卒、高卒とも五〇%をこえておる、こういうような状況であります。
○藤原道子君 それも、五二%という資料は持っておりますけれども、その離職する理由は、どういうふうに把握しているのですか。
○政府委員(住榮作君) これはちょっと調査した数があまり多くございませんが、一例を申し上げますと、仕事でからだが疲れ自分に適さないのでというのが一三・四%、仕事で頭や気分が疲れ自分に適さないのでというのが八・四%、それから上司や同僚と合わなかったからというのが一二・八%、それから一番多いのは、何となくつとめや自分が不安となりいやになったからというのが一八・一%、ほかにもございますが、おもなものとしてはそういうようなのが離職の理由になっております。
○藤原道子君 あまり多くないというのは、ほんとうにわずかしかしていないのでしょう。もっとこの点は十分やってほしいのです。 それから、あなたのほうの資料ですけれども、現在の仕事に対してどう考えるか、飽きるというのが六八%、女は七五%あるのですね。職場で孤独感を感じるか感じないか、これらを見ましても、孤独感を感じるというのが五三%ということになる。それから、いまの仕事を続けたいかどうかということに対しては、続けたいというのがたった一二%ですね。そして変わりたいというのが五〇%、どちらとも言えないというのが三九%。とにかく仕事を続けたいというのがたった一二%、ここに大きな問題があると思う。それから孤独感を持つかどうかというようなことでも、孤独感を感じるというのが五三%、女は七一%。これは十五歳から十九歳までというような数字が出ているということは、私は非常に考えていただかなきゃならない問題じゃないか。それから自分の能力を発揮できるかどうかということに対しても、発揮できるという者は二四%で、発揮できないというのが七三%ある。だから職業に、ふさわしい職場へつくということがいかに困難であるかということが私は言えると思う。適性職場へのあっせんというようなことはうたい文句で、実際はそのようなことはあまり考えてないんじゃないか、私はそう思いますが、いかがでしょうか。自分が巨大な機械の構造の中の小さな歯車のように感じ、仕事に張り合いがない、こういうことに対しては実に六九%の者が張り合いがないと感じておるということが統計に出ている。職場の中に悩みありというのが八三%ということになれば、青少年が転職をしていきたいということにもっと親心を持って対策を考えてやるべきではないか。何分まだ十五、十六といえば、ほんとうにまだ親に甘えていたい年ごろなんです。それが遠く離れた職場に来て、心からすがる人もいない。相談もできない。ただ仕事に振り回される。帰れば寄宿舎は先ほどのお話のような状態である。こういうことになるので、私は、そういう子供の心を感じたあなた方の指導というものが必要じゃないかと思いますが、今後どういうふうにやっていかれるか。
○国務大臣(野原正勝君) 藤原先生の御指摘、まことにごもっともに感じました。青少年勤労福祉法のねらいは、やっぱりそういう面の足りない面を埋めていくのが重要な使命だと思います。職場において孤独感に悩んだり、あるいは前途に希望を見失ったりということに対しては、やはり常によい友だちを持つとか、あるいはグループで活動するとか、もう不断に職場の人たちが働くと同時に、やはりグループ活動等によって日常生活で何ものかを満たしていくというようなことも必要だろうと思います。そういう面で、いままではどうも非常に離転職が多いということに対する青少年の気持ちを十分に生かしてなかったと、どうもはなはだ遺憾だと思います。そのためにこそ三年以内に五二%も離転職があったという事実はおおいがたいことでありまして、少なくとも今後、この青少年勤労福祉法制定という必要性ができましたのもおそらくそこから出たと思うのでありまして、この問題については十分あたたかい思いやりのある施策を、この立法の精神を生かしまして今後の対策を講じてまいりたいと考えております。
○藤原道子君 法律をつくるときだけ真剣な答弁をするのじゃ困るので、できたあとも真剣にやっていただきたいことを強く要望いたします。 それから勤労宵少年の福祉推進者というものが今度できるわけですが、これらに対する資格とか、待遇等はどのように考えておるかという点をまずお伺いします。
○政府委員(高橋展子君) 「勤労青少年福祉推進者」は、企業の中におきまして事業主が選任する方でございます。この方々の資格に関しましては、別に労働者令で定めるということにいたしているわけでございますが、おおむね、ただいま考えておりますことは、その資格といたしましては、労働大臣が定める講習等を終了した方、あるいはその他の経験等を考えておりますが、こまかな点につきましては、婦人少年問題審議会ともおはかりしてきめてまいりたいと思っております。また、その処遇という点につきましては、これは事業所の中で選任される方でございますので、特に行政機関が介入してその処遇を定めるというようなことは目下のところは考えておりません。
○藤原道子君 それは問題じゃないですか。「勤労青少年福祉推進者」というのは、非常に重大な役割りを果たしてもらわなければならないと思う。それを企業者が、企業内でやるのだからそんなことは知っちゃいないというのでは私は納得まいりません。いかなる機構も人が運営する、その人を得るかどうかによってこの精神が生きるか死ぬかがあるんじゃないでしょうか。もっとこまかい考えで出されたものと私は期待しておりましたのに、いまの答弁は気に入りません。
○政府委員(高橋展子君) 御説明が不十分であったかと思います。私どもが考えております福祉推進者も、非常に大きな役割りを御期待している方々でございます。ただ、もう少しふえんして申し上げますと、その方々には、それぞれの事業所の中におきまして、そこに働く勤労青少年に対して、たとえば新たに職場に入ってきたときにすみやかに職場生活になれるように指導するとか、あるいは勤労の余暇におけるスポーツ、レクリエーション等のお世話をするとか、あるいはいろいろの悩みごとに答、えるという、いわゆるカウンセリング的なお仕事もしていただくというような、非常に大きな役割りを期律しているわけでございます。したがいまして、そういう方を選任するにあたりましては、労働省令でその資格を定めるようにいたしますし、また、選任された後も、この方々に研修等を行なってその資質向上等につとめたいと思うわけでございます。先ほど申しましたのは、個々の企業内での待遇というような意味合いで伺ったものですから、失礼いたしました。
○藤原道子君 それから、先ほど来御質問があったのですが、当委員会でしばしば私も問題にしたのですが、青少年ホームですね。これのあり方はよほど考えていただきたい。東京の中野に二十階建てのものができるというが、だれが利用するのですか。先ほどもお話ございましたように、各区にやはり二カ所ぐらいあってもいいのじゃないかと言われたことは、まことにそのとおりだと思います。しかも、東京は一番大事なところなのに、何か繁栄の中の孤独、こういうところから青少年が非行化していくのですから、それが中野の二十階建てのりっぱな、何十億というのでしょう。それがいつできるのですか、五年後ですか。こんなことで一体何を労働省は考えているのだろうと私は思います。したがって、これは先ほど来も御質問があったのであえて答弁は要りませんけれども、これを利用する者の身になってひとつお考えを、願いたいということを強く要望いたしておきます。 そこで、もう時間がだいぶおそくなりましたから、残念ながらこの程度にいたしまして、さて、転職、非行化の問題でございますが、この非行の状態はどうなっているか、現状を聞きたいのです。検挙した犯罪の内容とか、あるいは都市、地方別とか、あるいはどういう理由で離職し、転落していったかというようなことについてちょっとお聞かせ願いたい。
○政府委員(勝尾鐐三君) 私のほうで取り扱っている範囲内でのお答えしかできないかと存じます。 非行少年につきましては、御案内のように、少年鑑別所に送られてきた場合、その資質の鑑別をするわけでございますが、その資質の鑑別の過程におきまして本人の成育歴等がある程度判明をいたすわけでございますが、その面から申し上げますと、ただいま御指摘がございました離職の原因でございますが、いわゆる孤独感、あるいは職場における違和感、あるいはその職場で全力投球ができないといったような御指摘がございましたが、その点につきましては、非行を犯してくる少年鑑別所の少年のうち、いわゆる職業を持っていた者については、全く同じことが私どもの資質鑑別の過程からも判明をいたしております。 なお、犯罪の種別の関係でございますが、これは、転職あるいは離職をした少年に特別に顕著な犯罪種の特徴というものはございません。ただ、一般的に申し上げますと、最近の状況といたしましては、いわゆる理由のない犯罪ということがよく言われておりますが、そういった特徴がやはり離職、転職等の関係における非行少年についても言われるのではないか。と申しますのは、いま言った孤独感とかあるいは違和感だとかいったようなものがやはり働いて、従来の常識では考えられなかったような状態において犯罪を犯しているということが言えるのではないかと思っております。 なお、数字的な問題で、少年鑑別所が取り扱います非行少年の数は、年間おおむね三万人でございます。その中にいま言った離職あるいは転職等の関係の少年の占める率が多くなってきているということは言い得ると思っております。
○藤原道子君 そこで、鑑別所としてはそれぞれ分類しますわね。分類して補導処分にするもの、あるいはそれぞれの施設へ送るというようなものに分かれておると思いますが、最近の状況は、保護処分にした者に対してどのような指導が行なわれているか、あるいは追跡調査というんですか、というようなこともなされているのかどうか。それからその処遇——鑑別所に私行ったことがあるんですけれども、ちょっと冷たいような感じがするんです。鑑別所の食費なんかわかればちょっと……。
○政府委員(勝尾鐐三君) 最初に鑑別所の食費でございますが、四十四年度におきましては鑑別所の食費は百九円でございました。四十五年度におきましてはこれがおおむね百十七円程度に上がる予定に相なっております。なお、食費の点さらにふえんいたしますと、刑務所等に比べまして、ただいま申し上げました単価は高いのでございますが、何ぶん収容者の数が刑務所ほど多くございませんので、いわゆる集団的に推算ができないという点で、この点は非常に窮屈な金額で苦労をさせられております。 なお、鑑別所で鑑別をいたしまして、具体的にそれぞれの少年につきましてその鑑別の結果、いわゆる性格面でどういう特徴があるか、知能関係がどうなっているかといったような点を明らかにすると同時に、少年院等に送られた場合にどういう処遇が適当であるかということを鑑別所なりに意見をつけまして、それらの記録が当該少年が収容されました少年院に送られてまいるわけでございます。御指摘のありましたように、問題は、それらの意見がはたして少年院等でうまく活用さているか、さらには少年院を仮退院をいたしまして、保護関係の機関に手が回った場合にうまく活用されているかという点になりますと、残念ながら私の見るところ大体百点満点のところ六十点程度の活用しかなされていないんじゃないかというように率直に申し上げたいと思います。
○藤原道子君 私は、鑑別所へ行って食事の悪いのにびっくりしちゃったんです。まだ子供ですからね、鑑別所へ来たからといってすべてが犯罪者とは限っておりませんし、かりに犯罪者であっても、懲罰よりも保護で更正指導に当たるべき場所と思いますので、この物価高に、百九円を百十七円に上げたとおっしゃいますけれども、一体どれほどの効果があるかということになると、あまりに過小過ぎると思わざるを得ないわけでございます。ことにその点は今後も考えてもらいたいと思います。 それから、追跡調査というんですか、その更正したというようなことに対して、そのあれが大体六十点くらいだとおっしゃいますけれども、一番大事な時期ですから、転落するのか、更正するのかという大事な子供たちを左右する場所でございますから、もっとぜひお力を入れていただきたい。この点、もっと伺う予定でございましたが、時間の関係でこの程度にいたしますが、次に警察庁にお伺いいたします。 子供が多く検挙されておりますが、この数字で見ましても非常に多いわけでございます。最近の状態、これは四十二年度までしかないわけですが、最近一体どういう状態でございましょうか。どういう動機から検挙するようになっているのが多いか、それで犯罪の種別はどういうことがあるか、そういうこととあわせてお伺いをいたしたい。
○説明員(渡辺宏君) 四十四年度、昨年度は犯罪少年として検挙しましたものが十万七千三百十二人でございます。そのうち職を持っておる少年、有職少年というのが三五%ほどになっております。この三五%で三万七千六百三十三人という数字があがっております。その罪種的に見ますと、窃盗というのが一番多くて五四・三%、それから暴行傷害といったような粗暴犯というの三一・一%になっております。それから強悪な犯罪が五・八%ほどになっておりますが、この少年をその前の年、四十三年と比較してみますと、四十三年より職を持っておる少年は五千二百五人、十二・一%ほど減少いたしております。それから少年犯罪全体の中に占める割合を見ましても、前の年よりも一・五%ほど少なくなってきております。したがいまして、そういう意味からいたしますと、有職少年が特に悪くなっておるということはないように思われます。四十一年以降、就労人口といいますか、少年の就労人口の指数と、それから検挙したものの指数を調べてみますと、四十一年以降は就労人口指数よりも減ってきておりまして、その意味では一応安定化しておるんではないか、こういうふうに考えます。 少年非行の原因につきましては、千差万別な要因が複雑にからみ合っているんでございますが、人格形成の問題であるとか、あるいはその非行に入る前の環境の問題であるとか、あるいは非行を誘発するような直接的な刺激の問題であるとかというようなのがございますが、非行の直接的な誘った動機というふうなものにつきましては、遊ぶ金がほしかったとかあるいは好奇心であるとか、付和雷同といったようなものが半数以上ぐらいになっているわけですが、そういうものを誘うもうちょっと前の原因を見ていますと、家庭に非常に原因があるもの、それから学校に原因があるもの、職場に原因があるもの、あるいは広く社会環境に原因があるものというようないろいろでございますが、家庭での関係といたしまして非行に結びつきやすいのは、やはり家出ということでございます。それから職場の関係で一番非行に結びつきやすいのは無計画な離転職といいますか、少年の側から言ってそういうものが一番非行につながるように思います。で、家出あるいは無計画な離転職のようなものをした少年のうちの約一割というものが罪を犯している、こういう状況でございます。それから、ある時期に補導した少年について、かつて離転職したかどうかというのを若干調べた数字がございますが、大阪の例は七三・七%の者が過去に離転職をしておるという数字が出ておりますし、そのほかの県では五八・六%ほどが過去にそういう経験を持っておるというふうな数字が出ておるところもございますが、そういう問題につきまして、警察といたしましては、犯した非行を調べる過程におきまして、その非行を調べると同時に、その過程において、その少年の成育歴とか動機、原因といったものを把握して、再非行がされるかどうかというようなことを総合的に判断して関係の機関に通告する、こういうことで出しております。
○藤原道子君 大阪は何%ですか。
○説明員(渡辺宏君) 大阪は七三・七%でございます。
○藤原道子君 せっかくお呼びをしておいてわずかしか質問の時間がございませんので、またあとであらためて資料をちょうだいいたしたいと思います。 いま、大臣お聞き及びのとおりなんでございます。結局、離転職の経験のある者が平均して五八・六%、それから大阪では七三・七%だというんですね。私は、無計画に転職するというのは、相談するところがないからだと思うんですよ。そこで、職業安定所が、たいへんうまいことが書いてあるんですけれども、私ども相談を受けたところでは、職業安定所へ行っても親切に扱ってもらえない、十分心まで聞いてもらえないということで、まあ、何とか義務的に扱うような傾向があるんじゃないかというふうに判断できるケースがあるわけなんです。せっかく勤労青少年福祉法ができるわけでございますから、ほんとうにこの精神を生かして、そうして若い人が喜んで仕事ができるようにぜひ実行してほしいと思うんです。私はまだまだ足りませんが、あまり時間が長くなるとたいへん御迷惑と思いますから、あらためて……。これができたあとだって聞きますよ。つくるときだけあなた方真剣なんだから。できたあとを私はこれから十分注目していきたいと思います。とにかく十五や十六や二十前の子供は、ほんとうにまだ未熟なんですよ。一人前じゃないんですよ。その子が、金の卵だなんておだてられて就職してみると、中身は全然違ってくるということになれば、そこに絶望して無計画な離転職ということも起こり得ると私は思うんです。そういうことのございませんように、あたたかい親心を持って特に職安のほうでも指導し、相談に乗っていただきたいということを強く要望しておきます。きょうは予定の三分の一くらいでございますけれども、しようがない。大臣、その決意を聞かしてほしい。 それから、さっき中沢さんから、少年ホームの畑に種でも植えて云々ということございましたが、このごろの青少年のレクリェーションについての考えを聞くと、ただ遊ぶだけでなしに、やはりものをつくるとか、そういうふうな楽しみがほしい。たとえていえば、焼きものであるとか、工作であるとか、そういうことを希望する人があるようでございますから、そういう点もあわせて御考慮を願いたいということを申し上げまして、憎まれ口をききましたが、大臣の御決意を伺いたい。
○国務大臣(野原正勝君) 勤労青少年福祉法案に対しましてのいろんな建設的な御意見、まことに傾聴いたしました。 この法律の施行にあたりまして、われわれは、今後御指摘のような点を十分に考慮いたしまして、この法の運用が今後日本経済の発展のため、あるいは青少年の福祉の増進のため十分に役立ちますように注意してまいりたいと考えております。よろしく御協力願いたいと思います。
○上原正吉君 たいへん不勉強な質問をして申しわけないのですが、一言お答えいただきたいと思うのです。 この法律で勤労青少年というのは、国家のあるいは地方の年の若い公務員を含んでいるのでしょうか、これを伺いたい。
○国務大臣(野原正勝君) そういう者も全部含まったものとして考えております。
○上原正吉君 これは法律に明文がありますか。勤労青少年と呼ぶのはこういう範囲であるということは、この法律の中に明文がないようですね。
○政府委員(高橋展子君) この法律では、特に勤労青少年の定義は設けておりません。
○上原正吉君 そうすると、質疑応答を承っておりますと、どうも工場その他の職場に勤務する勤労青少年に議論がしぼられておるように聞こえるのですが、国民の中で、かたわや病人は別として、学生でない少年、青年は全部勤労青少年です。ことに、私が問題にしてほしいと思うのは、農家の子弟、雇われないで自分の田畑を耕しておる、あるいはみずから船に乗って漁をする、こういう家業として働いておる勤労青少年がたくさんあるわけです。それが、御議論、応答を伺っていると、除外されているような気がしますので、私は、そういうことではいけないのじゃないかと思うのですが、もしそうであれば、そうでなく働く国民——病人、学生を除いたものは全部勤労青少年であるという考えで、施設等をおつくりになるにしても、その他の事業をおやりになるにしても、ぜひそういうお考えで御便宜を賜わりたい、こう思う次第であります。これを念を押しておきたいと思います。
○政府委員(高橋展子君) この法案で勤労青少年として考えておりますものは、一応雇用されて働く青少年を主に考えているところでございます。しかし、基本理念であるとか、あるいは施設利用等につきまして、御指摘のような農村あるいは商家などで自家営業にお働きになる方をあえて除外するという趣旨ではございません。 先ほど吉田先生の御質問に答弁漏れがありまして御注意をいまちょうだいいたしましたので、補足さしていただいてよろしゅうございますか。——労働者の予算についてのお尋ねでございます。これは労働省の勤労青少年福祉対策費全体といたしますと、昭和四十五年度は百二十九億ほど計上されております。そのうちこの法案の施行に見合う予算といたしましては二十二億でございます。また、おしかりをちょうだいするかもしれないのでございますけれども、私どもは、この運用につきまして格段の努力をしてまいりたいと思います。何とぞ御指導のほどをお願い申し上げます。
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。−別に御発言もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 勤労青少年福祉法案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午後一時五十七分休憩 —————・————— 午後二時五十四分開会
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 労働問題に関する調査を議題とし質疑を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉田忠三郎君 労働大臣、労政局長に、労働組合のイロハのイの字でございますが、ちょっと聞いておきたいと思うんです。 前々から通告しておりますように、きょうの労働事情の調査は、全逓の労使関係の問題であります。それだけに、この問題は労働省が所管しておりますから聞いておきたいんですが、労働組合法の定めるところによって、全逓の組合といえども組合法の二条に規定されている組合だと私は理解しております。同時に、定義は公企体法のこれまた二条に定義がありまして、そこにはさらに明確に「郵便、郵便貯金、郵便為替、郵便振替、簡易生命保険及び郵便年金の事業(これらの事業を行なう官署」、こうなっておりますから、官署ということになりますと郵政省、末端では郵便局、こういうことになろうかと思うので、こういう全く初歩的な理解より私持っておりませんが、この理解に間違いがあるかないか、これは大臣の答えるほどではないですから、労政局長でいいですが。
○政府委員(松永正男君) 労働組合法第二条の労働組合の定義は、公共企業体等労働関係法におきましても、公共企業体関係の労働組合に適用になりますので、おっしゃるとおりの御理解でいいと思います。
○吉田忠三郎君 私の理解が間違いない、こういう労政局長のお話ですから、その上に立って若干の質問をいたします。 最近、全逓と郵政省の間で何か管理体制の問題をめぐりまして、やや社会的な問題にまで発展しているやに伺っておるわけであります。労働大臣、御承知のように、三月三十一月にも、これは毎日新聞でございますが、社説にとらえて「郵便物の滞留と労使関係」、こういうふうに出ております。それから二十八日の読売新聞にもいろんなことが出ております。ちょっと断片的に読んでみますと、大きな活字で言えば「経営の悪化が元凶」だ、しかし中身をずっと読んでみますと、「国民不在の対立」、「管理強化でどろ沼」におちいらしておる、こういうふうなことが書かれております。それからもうちょっと下の、ほうを見ますと「暗く重苦しい杉並局」と、こういうふうにこの新聞は書いております。それから朝日新聞の二十九日にもこのことが記事になってとらえられております。それから同じく「朝日」の三月三十日には、「郵政事業をどう立て直すのか」ということについてもこの中にとらえられておる。まず、これは郵政省の関係者に質問いたしますが、ちょっとこの中で私気になったのは、組合のほうが、労使協議機関の設置を提案したけれども、この提案が取り入れられたあとは見られない、こういうふうなことがちょっと断片的に書かれております。それから「朝日」の二十九日のところでございますが、「郵便物滞留七百万通の舞台裏」と、こう書かれまして、きのうも何か犬が子供さんにかみついたなどという記事も出ておりましたが、これやっぱり写真見ますと、配達員が自転車で歩いているのを犬がほえている、こういう新聞等々が出、この中を見ると、やっぱり機械化といっても郵便集配についてはその限度があります。ですから、人手ですね、つまり職員、組合員、そういう人で解決する以外にない。ところが、どうも最近の労働事情を見ますれば、たいへんここには——これは私が言っているんじゃないですから。新聞に書いてあるそのまま読みますが、自衛隊の人集めと郵便局の職員の人員募集、それとホステスは、どこへ行っても職員募集、人員募集の看板がかかっている。さっぱり集まってこないとここに書いてある。こういうふうにそれぞれの一流の商業新聞が最近キャンペーンしている。それだけ私は社会問題となっていると思うんですが、それを所管せられておる労働省として、どの程度一体この問題を今日までに把握していたのかどうか。これはこまかなことは労政局長でもいいが、大臣もせっかくおいでですから、大臣からひとつこの点を、いわゆる知っておられる範囲内で、その上に立った大臣の認識というものを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(野原正勝君) 郵政事業はきわめて公共性の強い事業であります。その業務目的が完全に遂行され、国民の信頼にこたえることが最も重要なことでありまして、このたびの郵政省におけるいろんな問題を伺っておりますが、一日も早く労使間において理解が進み、正常な郵政業務が行なわれることを期待しております。何か聞くところによりますと、昨夜、郵政大臣と組合の委員長との間に話し合いが持たれたようでございます。何とか一日も早くお互いの理解が進んで、正常な郵政業務が行なわれることになりますれば幸いだと考えておりますが、この問題につきましては、直接には郵政大臣の所管でございます。したがって、組合の公労協の立場からいえば、いろいろな面が関連がございますけれども、しばらくは郵政省の措置にまって、円満な妥結を期待しておる。われわれがあまりはたのほうからとやかく申し上げる段階ではないのではないかと考えて、おります。
○政府委員(松永正男君) ただいま吉田先生おっしゃいましたように、いわゆる公共企業体におきましてもいろんな性質の事業がございまして、やとえば電電公社のように、非常に機械化が進みすして省力的な体制がとられるような性質の事業、それから、ただいま問題になっております郵政事業のように、どちらかといえば非常に労働集約的な事業がございます。まあ、事業によりまして非常に性質が違っておりますが、郵政事業の場合には、これは世界各国共通だと思うのでありますが、機械化される部分というものもございますけれども、特に配達業務等におきましては非常に人力に依存する度合いが強い。そういう意味におきましては、郵政事業は特に労働の問題のウエートが大きいというふうに私ども認識をいたしております。そのような意味におきまして、ここで労使の間に紛争が起こるということになりますというと、これはもう直接事業の運営に非常に大きく響いてくるということになりますので、ほかの企業体ももちろん大事でありますけれども、他と比べてことさらに労働の問題が郵政においては重大なウエートを占めておるという認識を私ども持っております。
○吉田忠三郎君 その労働問題を、特に事業の本質から、郵政の場合は重要視している、そこまではわかるのですね。わかるのですが、この新聞紙上に——時間がありませんから私一々読みませんが、こういう新聞に書き立てられた中で、それほど重要視している労働省だとするならば、冒頭に、ちょっとばくはしろうとのように、労働組合というもののイロハから聞いたのですがね。そのそれぞれの定められた法律の精神からいくと、当然、労働省の労政局としても、これに対する対策というものが必要であろう、こう思うから聞いたの、ですが、その点所管は郵政大臣でありますから何とか円満にいけばいいと思っております、そんなことを大臣言っているからだめなんです。確かにそれは円満にいくことは最高いいことなんだけれども、今日まで円満にいかない問題がこういうことになっているのじゃないですか。どっかに問題がある。この新聞を読んで見ますと、全国で滞貨は七百万通ぐらい、東京だけでも滞貨は三百五一十万通、したがって、郵便のおくれは四日前後になるだろう、こう書いてある。これはたいへんなことですよ、国民の側から見れば。だから、これを解決するには、どっかに問題があるわけですから、その問題を根本的にほごさぬ限りはこれは解消できないこういうことになると思うのだがね。そういうときに労働を所管する労働大臣が、所管は郵政大臣だから郵政大臣のほうで何とか労使双方をやるのだから、ゆうべも何かあったようだというお話では、やっぱり労働省なり、そのための労政局というのが要らなくなるということになりませんか、そんな程度では。何だったら労政局なんてなくしたっていいじゃないか、こういうことになりませんかね。ですから、それはそれであとでもう少しあなた方の考えを、労政局がなくちゃならないのだと、存在価値があるのだという値打ち、価値的なものを言ってもらいたい。 それからもうちょっと続けますがね、これは郵政次官でもいいですよ。これも私が言うのじゃない新聞に書いてある。この新聞では——私のほうも、大体そういう認識でおりましたよ。年末になると、ごっそり年賀郵便とかあるいは年末年始の小包などが一挙に持ち込まれますから、さなきだに人手が不足な中に当然こういう現象が起きてくる。大体これがいままでの私は状態でなかったかと思うのだ。新聞では、年末にそういう業務が集中してまいるから師走の名物になったと書いてある。あまりいい名物じゃないが、書いてある。しかし、そういうことについても、全逓の労働組合と郵政省、それぞれの関係を所管されておるのは、東京であるならば東京の郵政局長でしょうね。団体交渉をやったり、法律に基づく話し合いをやって、ここ最近五年間くらいは全部そういうものについては完配されておったと、全部配達されたということです。これは最も大切なことなんで、労組の問題で大切な労使間の信頼関係というものは逐次回復をされてきておった、こう新聞では書かれている。そのことについて、新聞ではそういうこと書いておりませんけれども、ここまでくると全国民的な問題ですから、国民が期待していた、こういうことなんですね。ところが、今度の場合はそうしたことでなくして、管理体制というものを改善していただかなければならないというようなことです。管理体制というか、新たなことばが出てきた。しかも、それもだんだん調べてみると、これは新聞社が調べたわけですが、いま言った監視業務などという業務を郵政局がやっている、ここにも大きな問題があると新聞では書いている。問題の杉並の局なとは監視班——自衛隊なら何かよそからあやしい者が侵入してくるからということで監視班がありますけれども、郵政省では、これはそういう業務を行なっているんじゃないと思うのですが、それは杉並の局にどのくらい職員がいるかわかりませんが、二十数人もの監視班が配置をされて業務を督励するという当局の態度は、民主社会における労使関係のあり方をわきまえないものであると書いておる。管理者は、業務が遅滞したような場合は、率先部下の仕事を手伝って、みずから模範を示す態度が望ましいのであって、権力をかさに着た業務監視のようなやり方は、当局の意図とは反対に仕事の能率を低下させるばかりであると、こう書いているのです。それが東京の三百五十万通だとか、全国で七百万通郵便物が渋滞しているその最たる原因じゃないんでしょうか。そういうことがここにも書いてありまするように、職場の人間関係を悪化させる、ひいては労使関係を救いがたいものにしているんじゃないかと、こう言っているんです、社説では。しかも、仕事の量は、昭和三十年を一〇〇とした場合に、四十四年は二・二倍強になっている。しかも、こういうような状態が続いていますから——私も郵便局には友だちもおりますし、知人もおりますから、たびたび話しておりますが、魅力がないというんですね、職場に。郵政次官、よくこのところを聞いてくださいよ。午前中の審議じゃないけれども、藤原先生は、非常に最近の青少年の職業の定着率というのは低い、転退職が多い、こうまあ別な法律の審議のときにも指摘されましたが、この郵便局の集配業務の職場にもこういうことが出てきています。一般の退職者というのは年々歳々増大して、四十三年度には八千七百四十一名いた。その中でも勤務五カ年未満というのは、大体そういう集配関係についている人じゃないかと思いますが、三千八百九十へも占めて、しかも年齢構成を見ると、二十から二十五歳くらいの人が圧倒的に多い、こう新聞に書いてある。これを黙って放置しておったらどうでしょうか、郵政次官。いろいろ新聞に書かれておりますように、郵政事業の再建論だとかなんとか書かれていますけれども、私は、集配業務の将来というものは楽観を許さないのじゃないか、こう思うのですが、この点ひとつ政務次官答えてください。 それから、ここに書かれていて非常に私は心配をしていることがございますが、つまり郵政局の管理体制強化という美名に隠れて、管理者は組合の組織の切りくずしを意図している動きがあると指摘されている。このような動きがあるとするならば、当局は、即刻中止すべきであると思う。過去の経験では、組織の分裂策動が労使関係を不信のどろ沼に追い込んだ幾つかの事例と歴史がある、こうなっています。おそらくや、その歴史というのは、いまから十数年前、私が国鉄労働組合の委員長をやっておったときに、新潟でこういうことが起きました。あえてこの席で名前を言いますけれども、当時の職員局長は河村勝君です。ただいま民社党から衆議院議員に当選しています。この方が原局の局長でやったことをここで過去の経験とか歴史——こういうつまり労使関係を不信のとろ沼におとし入れた一つの参考として例にあげているのじゃないか、こう思うのでありますが、私も昨年の十一月末ころだと思いますが、非常に問題を心配しまして、北海道でありますが、二、三の郵便局を視察をいたしました。また、ある意味においては調査もして参りました。杉並だけの問題ではない。私の調査したものもここにございますけれども、こういう事柄がこの新聞で書かれている。しかも、一番私もその当時から感じておったのでありますが、暗くて重苦しい、非常に陰惨な状態でしょう、察するところでは。そういうものを私は調査した段階でも感じとってきました。ある意味において、郵政省のつまり管理体制といいますか、監視労働といいますか、こういうものは近代社会、しかも近代的な企業のやにおいて異常だと言わなければならぬ。 これは私が行ったときの調査一つ二つ、時間がありませんから例をあげます。私の行った郵便局では、大体いま言ったような二十人も監視班というものがいたわけじゃありません。しかし、何人かおった模様であります。私には郵便局のだれか、どなたさんかわかりませんがね。その方が、私がその郵便局の知った人と話しておると、うしろのほうに立っておって、ストップウォッチではかっておる。一分三十秒、どなたさんがまた来て話をすると一分二十秒等と全部記録をして、トータル二十分か三十分になると賃金カット、こういう事例がございました。それともう一つは、常にそういうことが積り重なってそういうことになったのかどうかわかりませんが、全逓という労働組合を敵だと、こう規定して敵視をしているところに問題がある。したがって、この郵便局の中でも私は感じてまいりましたが、現在の事業の危機の中で全逓の運動方針というのは事業を破壊するものだと、こういうことを堂々と公言している者がいる。これは組合員じゃないですよ、管理をすべき者がですね。それから全逓のやっていることは違法行為である、不法行為である、特に役づきの職員の場合は職務上の義務と組合員であるということとは両立しないのである、こんなことを言っているやつがいるのだね。もし、この人の言うとおりだったら、先ほど冒頭に言った、一体、労働組合というのはどういうことになるのかな、こういう関係。それから全逓の方針を支持する者は昇進の道はないぞと、こういうことを平気で言っている者がある。政務次官、どうですか。いま三つほど私が見てきた例を申し上げたのですが、これは北海道の郵便局でですね。これがもはや杉並局に象徴されて全国的なものになってきておるから、今日、新聞紙上のこうした種になっておるのじゃないかと私は思うのですよ。もうこれは憂慮せねばならない問題だと思いますが、人事局長もここにおいでですから、ぜひこうした事例等を、おそらく人事局長は把握しておるのだと思うのですが、考えてみて、これから一体どうなさろうとしているのか。この点を、とりあえず政務次官、あなたが、政務次官になったばっかりだからようはわかっていませんなんて言ったってだめなんですよ、こういう問題は。そのためには人事局長を呼びつけて聞けばいいんですから。——人事局長とか、郵政省の役人というものは偉いので、この間も私は勉強会に来てもらいたいといったら来ない、なかなか来ないのですよ。きょうも、問題は杉並の局ですから、東京郵政局所管でしょう。郵政局長が所管しておるわけですね。しかし地方局長がやっておるその責任は本省が負う、これはたてまえとして当然なんだが、それは問題によりけりなんです。地方局長といっても、鹿児島の局長とか福岡の局長、札幌の局長にここへおいで願いたいというのは、これはむちゃくちゃな話ですよ、言ってみれば。しかし、国会は東京に所在しておって、東京にいらっしゃるわけでしょう、その局長が。しかも国会において聞かなければならぬことはたくさんあるのですから、そういうときに国会においで願いたいと言う、ところが出てこない。この間は公的なものじゃないですから、それほど拘束はできませんけれども、きょうは国会という公の場所ですよ。質問する場合に、委員長はそうした関係の方々に答弁をしていただく、政府の委員の方々あるいは大臣というのはそういうことになっている。法律に定められている。それがいわゆる郵政省の国会の政府委員でありませんからと、いまだにまだ出てきてない。政務次官、こういう点では、私は、端的な表現をいたしまするけれども、各省をずっと見てこれくらい横柄な役人はいないです。この態度は許されない。同時に、そういう態度がこの新聞に書かれている元凶になって、今日の全逓との労使紛争がいまだに国民の期待の方向に行っていない。こういうことになると思うので、あなた政務次官として、本来は大臣がおいでになるべきでありますけれども、予算委員会のほうで都合悪いということで出てきていただいておるわけですから、この点の的確なあなたの見解をここで披瀝をしていただきたい。それからだんだん、たくさんこの材料がありますから、問題によっては私はまた聞いてまいりますから。
○政府委員(小渕恵三君) 先生の御指摘、御質問に対しましてお答えをさせていただきたいと思います。ただ、私もまだ仕事の全般にわたって精通をいたしておらない点もございますので、行き過ぎ等がございましたら御指摘を後ほどいただきたいと存じます。 そこで先生、資料をおあげをいただきましていろいろ御質疑がございました。多分毎日新聞の論説等であったかと存じますが、その中で、第一点には監視労働をされておるのではないか、こういう御指摘であります。私も、就任以来、早速に杉並局あるいは東京の普通局等に行ってまいりました。杉並の事態も私の目で確めてきたわけであります。御指摘のように、ごく率直に申し上げますれば、こうした事情の中で労働を行なうということは、まことに意欲をもって仕事ができかねるということは私も率直に感じました。しかし、一方、郵政省といたしましては、日々たまってまいります物を何としても消化しなければならないという、郵便法に規定されたその責務がございます。したがって、郵政省としては監視班ということでなくて、まあその物を一日も早く処理をしたいというための対策班という立場で、東京郵政局から二十数人の者を派遣したと私は理解をいたしております。 第二には、職場においてその魅力が薄いために若い人たちが従事しないのではないかという御指摘もそのとおりかと存じております。これは同時に、将来の方向を先生御指摘で、たいへん郵政事業の将来に対して大きな問題を投げかけられておるということでありますが、このことも、資料によれば、昭和六十年には現在の百億通をこえる郵便物がその倍の二百億通をこえる。こういう事態を予測をいたしてみれば、当然に魅力のある職場をこれからつくり上げていかなければ、将来のそうした大きな郵便物の数量をさばき切れなくなることはそのとおりだと考えております。 その次に、現在、郵政省が特に全逓信労働組合を切りくずしいたしまして、他の組合をつくることを主張しておられるような御発言でございましたが、私どもはさようなことは絶対にいたしておらないという立場をとっておるわけであります。 第四には、まあ全逓を敵視しておるのではないかという御指摘でありますが、このようなことも、省としては決して考えておらないということだろうと思います。 総じて申し上げますれば、再々御指摘のように、郵便事業は何としても人手にたよらなければならない事業である以上は、労使間の円満な協力関係、信頼関係が確立されなければその事業の運営を全うすることはできないわけだろうと考えております。そうした基本的な立場に立って、郵政省としては、今後も引き続いてその態度を堅持しながら国民に期待されるサービスを提供いたしていきたい、かように考えております。
○吉田忠三郎君 前段のほうは、さすがは郵政の政務次官だと、非常にこう私は感心して聞いておった。後段のほうにいくと、郵便法に基づいて滞貨した郵便物を始末をしなければならぬから、監視班じゃなくてお手伝いに行ったものだというような意味のことですね、そういう立場をとっている、こういうことです。それならけっこうなんですよ。それならこう新聞に書かれることはないんだな、これに。これだけの数多い新聞、一社で書いたわけじゃない。それならばこういうことにならない。 現に、具体的な事例をあげてみますが、名古屋の郵便局において、中間管理者ですよ、これが郵政局を見学出張するのだということで、人管理第五七四〇号四十四年十月二十九日に基づいてこういうことを行なって、それから、その後の管内における主事であるとか主任ですね、そういう中間的な管理者に対して教育をしているその教育の方向というのはどういう方向かというと、明らかに不当労働行為に該当する行為を行なっている。だからあなたの立場はそういう立場でないと言わざるを得ないのだ。この場は、そうでありますと言ったら不当労働行為になってしまうから、あなたの答える立場はわかりますが、こういう事実はたくさんある。あるいはそういう教育を受けていった者がどういうことを言っているかというと、「全逓は時間短縮・賃金引上げの要求を行っているが、その闘い方は一部の労働貴族の誤ったイデオロギーによるもので、その行動に参加するものはだらしがない。」、こういうことを職員に言っている。たいへんなことを言っているのですよ。もう一つ例を言ってみますと、「全逓の違法闘争には参加しないと決断のつかないものは欠員があっても役付職員には任命しない。」、こういうことを言っているのですよ。だから、あなたの立場上の答弁はわかりますが、私は、こういうことを多く言おうとしているのじゃない。現に、ゆうべ宝樹委員長と井出郵政大臣が何で会見したのですか。こうした問題を打開するために、大臣と最高責任者の宝樹委員長と会談をして幾つかの折衝をしたわけでしょう。その折衝した内容についても私はここに持っていますが、その中にだって、具体的にいま私があげたこういうことには触れていませんが、やはりあるじゃないですか。「全逓に対する適視政策を改め、真の業務運行確立のための政策を優先すること。」、それからもう一つは、「郵政省の下部に対する二面指導を中止すること。」、こういうことを話し合われていますね、これは何を意味するかということですね。それから「反組合のグループ(いわゆる良識者)の組織化のための主事会、主任会、ブラザー制度、業務運行のための指導等に名をかりた諸施策の中止。」、こういうことも話し合われている。それから四番目には、「組合組織の介入、特に人事権を背景とした悪質な介入、きりくずし、第二組合の組織化の即時中止。」、こういうことも話し合われている。どうですか、これはまだたくさんある、話し合われている内容がね。いま私が読み上げたのは、あなたの大臣の井出大臣と全逓の最高責任者の宝樹委員長がゆうべお会いをして、時間も書いてありますよ。書いてありますが、午後八時からかなり長時間これは大臣と折衝しておられるでしょう。そのことだけでどうですか、しかもいまあなたが答えられた非常に後段のきちょうめんなそういう立場をとっておりませんということだけでは、これは済まされないと思うのです。しかし、いまあなたがここで、いや、そういう話はしたけれども、そういうことはありましたということになると——不当労働行為に疑わしいものをたくさんやってきたわけですからね。だから、そう言えないと思うのですが、しかし、その答えを私はあなたに求めておるのじゃないのです。そういう変則的な、異常なほどの、つまり締めつけの管理体制、特に監視業務ですよ。この間、私は事務次官にも言ってやった、あなたのところの。ストップウォッチを持ってタイムをはかるというのは、これはどうでしょうかね。スポーツマンの場合は記録を記録しなきゃなりませんから、私も陸上競技の選手をやったことありますがね、ストップウォッチというのを使いますね。競輪も使いますね。競馬も使うだろう。しかし、ストップウォッチを使用するというのは、いろいろな使い方がありますよね。しかし、自分のところの職員がお客さんが来ていろいろ話をした場合に、うしろにだれか立っておってストップウォッチを持っている。一分三十秒、次のお客さんが来ましたら二分二十秒、あるいは一分五十秒、全部記録してトータルして賃金カット、こういうことにストップウォッチが使われておるところに問題があるのじゃないですかと、こういうことを聞いておる。そういう体制にね。最近、聞くところによると、杉並の局、あるいはわれわれ全国的な情報を取っておりますけれども、全国的にややそのストップウォッチを使うことだけは何かやめたようでございますけれどもね、たいへんけっこうなことだと思う。そういうことが積もり積もり重なって、今日こういう社会的な問題にまで発展していっておるのじゃないですか。だから、これを解決するには、何といっても労使双方の法律の定めに基づくその根源にさかのぼって問題解決しなければほぐれないじゃないですか、こういう問題は。そういう意味で、私は、ゆうべの井出郵政大臣と宝樹委員長の会談というのは非常に有意義だと思っているがゆえに聞いているのですがね。次官、もう一回答えなさい。
○占部秀男君 ちょっといまの次官の答弁の前に関連をして。いま、吉田君から質問があったんですが、先ほどの質問のときに、次官が、これは監視班じゃなくて対策のために、いわば対策班を派遣しているものだ、こういうふうに言われたんですけれども、杉並の局は、私は、たしか人数全部いてもせいぜい三百人か四百人だろうと思いますよ、従業員がね。そこへ二十数名の対策班ですか、これを出すということ自体が、これは対策じゃなくて監視班だ。つまり役所には役所の機構があるのだから、したがって、本省から、郵便物の滞貨の状態がおかしいじゃないかというので、その処理を促進させるために一人か二人の人たちが派遣されて、局長なりあるいは当該課長なりに早くこれを処理しろと、こういうことなら私たちもなるほど対策班を出したと、こういうふうに了解できるのですよ。ところが、かりに四百人の従業員のところへ二十数名やりたというと、一人当たり二十人ぐらいですわね。受け持ちが。これは昔われわれも学生運動をやったことがあるが、そのころ戦前には、たとえば製糸の工場であるとか、いろいろそういうところがあって、女工さんたちを監督する、ひどい監督をしたものです。ちょうど二十人か三十人の女工さんに一人ずつ監督がついてやっていた。こういうものとたいして変わりはないんですよ。だから、対策班なんて言うけれども、便所に行くときまで制約する。めしを食うときまで制約する。さらに吉田君がいま言われたように、ストップウォッチを持っているなんて、こんな対策は対策班じゃない。少なくとも、監視班を出したら監視班を出したとすんなり認めたほうがスマートですね。あなたの答弁をひとつ……。
○政府委員(小渕恵三君) 吉田先生の御質問にお答え申し上げる前に、関連質問のほうに先にお答えいたしたいと思いますが、要は監視班、対策班ということばの問題でないことは御指摘のとおりだと存じます。しかし、省としての立場は、郵便業務というものが遅滞し、それでなくても国民の皆さんから郵政省と組合とはアベック闘争をしているのではないかなどと指摘をされ、郵便物が日々にたまっていくという状態がありますれば、これは郵政省としての立場において、何としてでも解決を一日も早からしめんための方法をとらざるを得ない。また、その方法が間々対策班であったか、監視班であったかわかりませんが、ことばは別といたしましても、その方法をとらざるを得なかったというのが実情だと理解をいたしております。 それから先生の御質問に対しまして、全逓委員長と郵政大臣と昨晩協議が持たれました。私も次席で控えておりまして、承知をいたしております。そこで、先ほどお読みいただきましたような要項案についてお話し合いが持たれたと承っておりますが、それは、若干、組合のほうからの御指摘があり、それに対して郵政大臣と話し合いが持たれたということであり、それについての結論はまだ未定であり、事務的に解決することとしてその場は終わったと私は承っております。
○吉田忠三郎君 次官、この会談の結果はこれからの残されている問題ですから、あなたの答えられている認識でいいんですよ。ですから、私が先ほどちょっと二、三読んだこと、そういうことが大臣と片や全逓の最高の責任者と話し合あれている。しかし、その話の項目を読むと、つまり管理体制、あるいは幾つか事例をあげた不当労働行為的なものとか、一般論として、常識的に見て今日までの異常なほどの管理、そうさせている一面がこの話し合いの中でものぞかれるのじゃないか、こういう意味であなたに申し上げた。この点誤解のないように願いたい。 それから、これはあなたも見ていると思うが、「読売」の二十八日付に、ずっとこういうところに大きく取り上げられている。その下段の中で、「管理機構の硬直化」、こう書いてありますね。「混乱を招いたのは、杉並局の過激分子に違いないが、」——これは新聞だから過激であったかどうかしりませんが、新聞をそのまま読むと、「混乱を大きくしたのは、当局側の管理方法だった。労働環境や労働条件の改善に重点をおかず、管理体制だけを強化するという官僚的な方法に、職員たちが反発しないはずがない。当局側は、これまで隠忍自重してきたが、郵便遅配が社会問題となってきた以上、放置できないとしているが、このように混乱が大きくならないうちに解決をはかるのがほんとうの管理行政ではないだろうか。当局側は、そうした監督を公務員としての自覚をしつけるためだといっているが、その言葉のなかに思い上がった感じがただよっている。その裏には、われわれのいうことをきかなければ、いくらでも処分の方法があるといった古い権力主義と官僚主義がちらついている。最近、多少の行きすぎを反省したのか、井出郵政相は、あくまで、話し合いによる円満妥結をはかりたい」と、そういう姿勢を示している。郵政大臣の姿勢というのは、りっぱです。しかし前段のほうは、「管理機構の硬直化」というところに書かれている面を見たって、次官が郵便法に基づく立場ということでいま答えられたこととおおよそニュアンスの違ったものが報道されているわけでしょう、これは、あなたがどう答えられようとも。 そこで、人事局長おりますが、人事局長がおそらくや人事管理という面でいろんな通達とか、示達を出してやっているからこういうことになっていると思うんです。そうでなければ東京だけで、杉並なら杉並の問題だけで終わる。ところが全国的にこれと類似する問題が幾つも出てきているんですからね。だから、そういう問題を改めない限りはこの問題の本質的な解決にならないからということで、おそらくや全逓の組合は委員長が代表として大臣と会っていろいろ打開策を話し合っているんじゃないか、こう思うんですが、次官、どうですか。次官がすべて末端の業務まで把握しておられるわけじゃないんですから、うその報告聞いているだけですから、大体私の印象では、おそらくこういうことをやっているんですからね。郵政の高級官僚からみんなあなたの耳に入ってくるのはうそを言っていると思う。ちゃんとしたことを報告していないと思う。そうすると、うその報告を聞いているんですから、あなたはそう思う。そこで、私はそう思っているだけの話ですが、人事局長、だからあなたのほうはそういう点詳しいと思う。私の言った、うそであるという言い方はちょっと言い過ぎかもしれぬけれども、今日までの国会に来るとか来ないとかいう、そういうやりとりの中を見ても、どうも私はそういう印象を強くしたのであえて言ったんだけれども、うそでなければないでけっこうだけれども、あなた、こういう事柄についてどうこれから考えていくか。いままでこうやってきたことが、ほんとうに郵政事業というものを国民のものにするために行政としてやっておったかどうかということは、やはり反省してみる必要もあるし、反省の上に立ってこれからこうしたいというものもあろうと思うんです。反省がなければ前進というものはないですからね。そういう意味で、どちらからでもけっこうですから……。
○政府委員(中田正一君) 先ほど来、いろいろの面にわたって御指摘がありました。政務次官から基本的に答弁されているわけでありますが、私からも、少しく時間をいただきまして、いろいろ申し上げたいと思います。 まず、新聞の記事を引用されましていろいろお示しあった点があります。われわれ、格別、新聞に対して非難するとか弁解するというようなことをあえていたさないつもりでございますけれども、事実だけをそういう面まず申し上げたいと思います。 新聞に出ております、たとえば郵便物数の滞留数などについて、ある新聞には全国七百万、東京三百五十万というような数字が出ておりますが、これはもちろん新聞の場合では、組合発表によればということになっておりまして、根拠を明らかにしておるわけでありますが、私どもの数字を逐次申し上げたいと思います、若干時間をいただきまして。全国で百五十万、東京では九十万というような場合には、これは組合側の資料に基づいて新聞がお書きになる。では、その組合のほうでどうしてそういう数字をつかむのかという場合には、これは郵便物の滞留というのは、当然、管理的立場にある者が各現場のものを集約してまとめなければ数字は出てこないというふうにわれわれ思うんであります。とにかくそういった数字が使われて新聞に出ておる、あるいはその他も二、三ですね。われわれ実際に実務に携わっておった者から見ますれば違った数字とか、違った表現がある。これをまず申しておきたいと思うんであります。 それから、いろいろ問題ありましたけれども、労使関係の安定、あるいはそれの基礎になる信頼関係というふうな点が大きな点であったとも見られますけれども、われわれ郵政の労使関係を安定するということは、先ほど来、労働省側のお話にもありましたように、これはもういかなる企業におきましても当然のことでありますけれども、郵政の場合には、特にそういう点は重点を置いてやっておるわけであります。ついては、どういうふうにしたらば労使関係の安定が保てるかというふうなことでありますが、これは基本的に申しまして、お互いにルールを守って相接触していこうと、そのルールというのは、これはもう申すまでもございませんけれども、労使間できめたルールということの以前に、その大前提となる関係の法律、規則、そういうものを守っていくということ、先ほどお示しのように、当局側が組合方に、禁止されておる不当労働行為をやるというようなことは、これはもう論外でございますし、このことについては、すでに本省として、そういう方針を示して地方機関を指導しておるというわけでありますが、同時に、労働組合側も法律、規則、そういうものに禁止された行為は、これは慎んでもらわなくちゃいけないわけであります。ストライキあるいはその他の怠業行為、あるいはその他のいろいろの違法な行為がありますけれども、これを慎んでもらわなければならない。それに対して、当局といたしましては、全逓のやっていることすべてが非合法というようなことをこれは申すようなことは絶対にありませんが、そういった誤った闘争戦術というふうなものについては、そのつどその違法なるゆえんを指摘してその中止を申し入れ、警告するというふうなことは、これはたび重ねてやっておるわけでございます。 それからルールの次は、これはそれと相関連することでございますが、お互いの立場を尊重し、お互いの領域分野をはっきりと見きわめながら、その上に立って団交、話し合いを行なうというふうなことであります。これは、なぜこういうことを申しますかと申しますると、たとえば先ほども話し合いというふうなお話が各所に出てまいりましたけれども、われわれといたしましても、基本的にはそういうことでいかなければならぬと思うんでありますが、お互いの立場を守る、たとえて申しますると、管理運営の事柄について、労働組合がこれは団交すべきだとか、あるいは当局側がこれは団交でなく、しかし一応話し合いしょうという場合でも、これはその本質を見きわめてある程度話しはするけれども、最後の段階には、管理運営の立場からの省の責任において実施する、実施せざるを得ないという場面があるわけであります。まあ、そういうことに対しまして、組合側がそういったことをとらまえて、これは話し合い無視、団交無視、組合無視というようなことが間々あるわけであります。たとえて申しますれば、今回の杉並局事件の発端に関しましても、これは逐次申し上げていきますけれども……。
○委員長(佐野芳雄君) 人事局長、君のほうの説明せぬでもいいから、質問に関連して答えなさい。
○政府委員(中田正一君) これは、やはり若干時間を拝借してるる申し述べないと御理解いただけない点もあろうかと思うんでありますが……。
○吉田忠三郎君 そんなものは理解のうちに入らぬじゃないか。
○政府委員(中田正一君) 時間をいささかいただきまして、たとえば杉並の場合にも、当局側といたしましては、協約に定められたとおりのことでやっていこうではないか、労働時間が一日七時間二十分というふうにきまっておる、朝は何時出勤ということになっておりますれば、その中で勤務してもらう。ところが、組合のほうは——組合と言うと、これは語弊がありますが。その現場において、これは組合以前の問題でありますが、いつの間にか勤務時間が短かくなっている。休憩、休息が長くなっている。そういう点を当局側において是正するというような措置をとる、その場合にもやはり一応話し合いは持たれるわけであります。話し合いは持たれますけれども、なかなかこういう問題は、組合、職員のほうで、じゃすぐ直しましょうということになかなかまいりませんので、ある段階にたりますと打ち切って実行する、何月何日からこういうことで実行しますよ、それに対して組合側が反発して、これは話し合い無視、組合無視であるというようなことで反発して、実は昨年の十一月の末に杉並局において相当の郵便物をためる、たまったのではなしにためる、これは具体的に郵便物をおくらせる、ためようという指導を行なって国民の皆さん方に御迷惑をかけたという事実はございました。したがいまして、省としては、その責任を明らかにするという意味で、ことしの一月の中旬に解雇を含む行政処分を行なった、これに対して組合がまた反発して相当の郵便物をまたためる。そこで、先ほど来問題になっておりますところの対策班というようなことをこれは措置したわけでございます。 そういうことで、これはもとに戻りますけれども、やはり話し合いというような場合でも、おのおのの領域と立場というものを認め合った上で行なうということが、これが労使関係安定の一つの大きな要素であるというふうに考えてわれわれ相対しているわけであります。それから、当然のことでありますが、これは団交、話し合いというものは誠実に取り行ない、きまったことはそのとおり守っていく。ですから協約を越えたようないわゆる労働慣行、悪い慣行というようなものはこれは是正していかなきゃならぬというようなことでありますが、まあ、そういう問題をめぐっていろいろトラブルが起こりかねないというようなことがあったわけであります。まあ、そういうことで、われわれ労使関係の安定にわれわれなりにつとめておるところでありますが、そういった点、いろいろ立場立場によりまして見解が違うことがある。そういう場合に、私ども、話し合いによってそういった間隙、みぞを埋めていこうということでいろいろ接触、意思疎通をしておるところであります。そういうことで鋭意つとめておるのでありますが、いろいろ御指摘受けるような、現に御指摘を受けているということはまことに遺憾なことでありまして、私どもといたしましては、さらに組合と話し合い、意思疎通を深めて、現在問題になっているような事柄を解決していこうというふうに存じておるところであります。
○吉田忠三郎君 人事局長ね、君の言っていることは——私はこの新聞に書いてあることを読んだんでね。数字が違っているとか、それから違った表現もできるのだ、こういうことを言っていますがね、いま。そんなことを聞いたわけでもない。言うこともけっこうだが、それで本質的な問題が解決すると思っているのか。君の話を黙って聞いていると、全部すべていままで組合が悪くなっている。おれのほうは何にも悪いところはないという意味に聞こえますよ、皆さんの話聞いてみなさいよ。そういうことでこの問題が解決できると君は思うのか、私はもう知りませんよ。知りませんが、組合だってやっぱり反省をしているから、これが打開策として、協議しようではないかと提案をしたと、ここに書いていますよ。どういう内容を含むかわかりませんけれども、協議したら、組合のほうは積極的に問題を解決しようということで幾つかの反省点を出すんだと思うんですよ。ところが拒否したという、君たちのほうは。いいかね、新聞にはこう書いてある。 それから、いまもあなたは処分のことを口に出しましたが、処分したら組合がまたおこった、あたりまえの話じゃないか。組合のことについては、職員の勤務、休暇、諸規程のことをたてにとっていますが、処分するのは処分権と称して君たちが乱用しているんだよ、これは郵政省だけじゃない。こういう問題が起きたときにはどこの省庁でもそうだし、どこの事業体でもそういうことが起きる。だから、必ずやそこからまた問題が発展していって裁判問題になったりなんかしているんですよ。だから、ここに書かれているように、あなた方は、公務員としての自覚をしつけるためだと言っているけれども、そのことばの端々には思い上がった感じがただよっているというのです。その裏は、いま君の言ったように、言うことを聞かなければ幾らでも処分の方法はありますよと、こうした古い感覚、古い権力主義と官僚主義がこの中でもちらついていると、新聞記者がこれを取材したときに書いたのですけれども、いまの君の答えを聞いていたって全く古い感覚ですよ。そういう感覚ではこの問題は解決するはずはないじゃないですか。しかも、そういうことをやっていませんと、こう言っていますが、たとえば全逓の杉並の支部側の話ではこれは組合の話だ、君の言うことでは組合の話だ。たばこを吸っていれば、やめなさい。足を組んで区分け作業をしていると、手でいきなり取り払う。読みにくいあて名の区分けで手間取ると、その職員を二、三人の監視員が遠巻きにして、あれは能力がないんだ、やめてもらわなければならないと陰口を言う。そして、その人々は、それなら能力のあるというあなた方がやってみなさいと言うと、それはおれに反抗したことであるからと言って、ストップウォッチで時間をとって、九秒だと言う。こう書いてある、新聞に。ぼくの調査のほうのやつでは、これは一分三十秒とか一分五十五秒。これは九秒と書いてある。そして、賃金カットするということを告げてきている。どうなんですか、これは。こういうことが行なわれていることは事実でしょう。幾ら新聞社だってでたらめ書くわけはない。組合の報告とか、組合の説明だといったってでたらめを書くわけはない。そして、そういうことについて聞くと、何ら自分たちがやっていることについて反省もしないで、組合がやったんだ、組合がやったんだと、すべて組合が悪いんだ、違法行為だと。ストライキは違法行為だとかなんとかということばを君は使ったね。そこの速記録を見ればわかる。そういう最高の人事を管理する責任者の局長が言うから、もう一つ例を出す。名古屋で郵政局管内の庶務会計課長会議というものを昭和四十四年十一月十四日にやっております。荒瀬という人事部管理課長は「ストライキ対策にはいかなる方法手段をとろうと不当労働行為問題はあり得ない」と訓示しているではありませんか。訓示しているんだ、これは。これは一体何なのか、まさに組合に対する不当介入ではないですか。かりに君たちに処分権があるというなら、そのあと処分すればいいじゃないですか、これは一体何なのですか。ふざけてはいけませんよ。
○政府委員(小渕恵三君) ただいまの御質疑の中におきます具体的事例につきましては、私、まだ詳細に事実を捕捉しておりませんので、人事局長より答弁をいたさせます。
○政府委員(中田正一君) 最初にお尋ねのありました、こういうことではうまくいかぬのではないかというようなことにつきましては、先ほどのお答えの中で申し上げたつもりでありましたけれども、私どもといたしましても、さらに話し合いによりまして、お互いの立場々々で少しずつ距離があるわけでありますが、この間隙、みぞを埋めるように話し合って、この中に誤解があれば誤解を解くし、あるいは改めるべき点があれば改めてというふうに、まず話し合いの中で改善につとめていこうという方針でございます。 次に、当局側のほうは、組合が協議を申し入れているけれどもけったということが新聞に出ておるではないかというようなお話でありますけれども、私、その新聞の記事を詳細見ておりません。記憶しておりませんので、いつの時点における申し入れに対してのことかよくわかりませんが、郵政省と全逓の間には団体交渉、話し合いによっていろいろな問題の協約を結び、いろいろ手当支給等について話し合いを行なってきているところであります。おもに新聞の記事は、全逓労働組合から三月二十四日に提出された郵便外務職員の労働条件改善の問題についてであろうかと思いますけれども、これは今回の二十五日からの闘争に入る前日に文書で多数の項目を提示してきたものでありまして、これはできる限り早い機会に回答してくれという内容でありまして、私どもとしましては、現在それを検討中でございます。もちろん内容的にはすでにいろいろ省内で打ち合わせ済みで、われわれなりに考えておるところのものがいろいろありますので、結論を得るにはそれほど時間を要しない問題もありますし、あるいはまた若干の日時を要するというものもございますが、この問題について協議を受け入れない、その要求に対して拒否したとか、話し合いに応じない、そういうようなことは毛頭ないわけでございます。かようにして、とにかくいろいろの問題を、大きな基本的な問題もあるいは具体的な事柄につきましても、事、労働条件に関するものについては、十分に団交、話し合いを続けていくという方針であるわけでございます。 それから、杉並の局で九秒ほどの賃金カットをしたではないかというような……。
○吉田忠三郎君 したではないかと言っているのではない。ここに書いておるが、九秒たったら賃金カットしますよということを告げている、と書いてある。
○政府委員(中田正一君) 新聞にそういう記事があったそうでありますけれども、ひとつこれは組合側の言うことだけではなしに、双方の言い分を聞いていただきたいと思うのであります。郵政局においては、九秒の賃金カットをするというようなことはしておりません。 それから、最後に名古屋の郵政局で、昨年十一月十四日の庶務会計課長会議で、ある課長が……。
○吉田忠三郎君 荒瀬という人事部の管理課長だよ、ある課長じゃない。
○政府委員(中田正一君) 人事部の課長が言ったということについては、その内容についてつまびらかにしておりません。 その他、漏れた点もあるかと存じますけれども、またお示しをいただいて、お答え申し上げたいと思います。
○占部秀男君 関連して、人事局長の答弁の中で非常に重大な問題があるので、私は明確にしておきたいと思う。それは、いまの答弁じゃなくて、前の答弁です。労使関係の安定をさせることが必要だと、これが基礎だと、こういうことを言われて、それはもうもっともな話です。ところが、労使関係を安定させるためにはルールをひとつ守ってもらわなくちゃならない。そのルールとは何かといえば、団交以前の法律規則を守ってもらわなくちゃ困る、これは団交以前の問題である、こういうふうにあなたは言われた。ここにあなた方の、われわれから勘ぐれば、非常に全逓の諸君に対する敵視政策、管理政策、こういうことの時代おくれな問題があるんじゃないかと思う。私の言うのは、法律や規則を守らなくていいということを言っておるのではない。労働組合は、言うまでもなく、組合員の給与、勤務条件、諸権利の問題について、当局と組合員を代表して交渉する当事者なんです。そこで、法律、規則の問題であったとしても、これがたとえば一つの郵便物を、普通の通信の郵便物は扱うけれども、広告の郵便物は扱わないのだ、これはシャットアウトするのだ、こういうようなことをきめたのならば、これは問題である。しかし、労働組合自体は給与、勤務条件、諸権利の問題について交渉するのであるから、法律、規則であったとしても、その内容が全逓の諸君の給与、勤務条件あるいは諸権利の問題に関連のある問題については、これは団交以前の問題とは言えない。団交の中の問題として解決すべきじゃないかと私は思うのです。そうでしょう。給与、勤務条件、諸権利以外の問題であるならばあなたの言われたことを私は率直に受けるけれども、労働組合が当局と交渉するのは、給与、勤務条件、諸権利に関連しての問題をやるのであって、法律を実施するあるいは規則を実行する、その運営のいろいろな面について給与、勤務条件、諸権利問題が関連しておるのであったならば、団交以前の問題ではない。団交以前の問題であるというふうに、機械的に法律がこうだから、規則がこうだからというのは、それは法律、規則を自分自身都合のいいようにあなたは解釈をしている。そうして、そういう問題についても団交以前の問題だとシャットアウトしようと思えば、権力者であるあなた方はシャットアウトできる。そういうことがあってはならないので、公務員の——公務員ですよ、全逓も。公務員なんだけれども、公務員の労働組合にもやはり労働組合としての、対等な立場の団交権を認めておるわけです。そういうものを少しあなた方は直してもらわなくちゃならぬ。これが一つ。 それからもう一つは、管理運営の面についての立場の尊重と言うのだけれども、これはもちろん公企体法には団交の条件が書いてあって、そして、ただし、公営企業体等の管理運営についてはこの限りではない、これは確かにあるわけです。しかし、労働組合が給与、勤務条件、諸権利を守るために管理運営について関連のある問題はうんとあるわけです。そういう問題については団交をお互いにして、労使の間なんだから対立はあるけれども、それをねばり強く団交をして打開していくところに人事局長としてのあなたの役割りがあるのであって、もし、そういうものをする必要がないのなら人事局長のあなたなんか置く必要はないのです。 それから第三には、あなたはいま全逓の団交を拒否した覚えはないと言われるのだが、二月の終わりから三月の初めにかけて問題が始まったときに、全逓の宝樹君かあるいは副委員長か知らぬけれども、中央のあなたあるいは曽山次官と交渉したかして、問題を現地におろそうということで東京郵政局長と、たしか全逓の東京地本の委員長は鈴木君だと思っておるのですが、その人との交渉にゆだねようということに中央ではなった。ところが、郵政局長へ全逓の東京地本の委員長が、いま言ったように、中央でなったからといって交渉を申し入れたところが、交渉をする必要はないといってこれをけったと、こういう事実があるのです。だから吉田さんがそういうことを言ったわけなんです。われわれは言いがかりをつけておるのじゃない。そういう点についてひとつ鮮明にしてもらいたい。そういう点は、あなたが人事局長とはいいながら全部が全部知っておるわけじゃないのだから、もしも最後の点なんかは、これは調べてみてお答えすると、こういうことなら調べて確実なところをひとつ答弁をしてもらってもけっこうです。
○吉田忠三郎君 時間がだいぶ進んでおりますからね。まとめて答えてもらえばけっこうです。 その一つは、名古屋での具体的な実例をあげたところが、それについては、どうもあいまいな答弁をしておりますね。だからこれは調べて、次回の委員会に明らかにしてもらいたい。これが一つ。 それから管理運営の事項についても、組合が何でも言うてくると、こういう答弁があったのです、さっき。そこで人事局長、管理運営事項というものは一体何かということなんですがね。どれとどれとどれが管理運営事項であるということ、私は、全逓ではどういうふうにきめておるか、郵政省でどういうふうにきめておるか存じ上げていませんから、そういうことを言いませんがね。しかし人事局長、管理運営に属する事項というものはどこで一体これをきめるかというと、労使双方の団体交渉の中でこの管理運営事項というものはきめるわけですね。それから、これは法律にもちゃんと書かれておりますように、労働組合の結成をされた、組織されている最大の目的は何かというと、労働条件の維持改善なんです。わかりますね。ですから、たとえばおそらく君のほうは配置転換については管理運営事項だ、だから話に応じませんとか、幾つか例はありますよ。配置転換というのは自分の職務が変わるわけです、職場が変わる。これは、労働条件に関係ないかといったら労働条件に関係あるでしょう。だから、そういう点についても組合のほうが言うのはあたりまえな話なんです。ですから管理運営事項というのは、つまり規則できめたり、それを一ぺん目で見て、ものさしではかるというようなものじゃないのです。常にこの管理運営事項の中にも労働条件というものが入ってくる。その場合、目に見えない、動くものなんです、弾力的なものですよ。ですから、そういうものについては、いまどうこうということじゃありませんがね。将来にわたっても、労使双方で団体交渉なり話し合っていけば、おのずからそんなに紛糾しないで、こんなに大騒ぎにならないで済む問題がある。それからもう一つは、そういうものを私のほうで一つも拒否したことはありませんという意味の答えなんです。政務次官もせっかくいらっしゃいますから——人事局長などは、あなたのところで全部の新聞とっているわけですから、見ているでしょう。少なくともこういう問題が大きくなった際においては、どこの新聞の社説だって見ていると思うのだよ、これは。局長、しかもきょう何日だと思いますか。きょうは四月の何日ですか。きょうは二日でしょう。「朝日」の三月三十日のこの社説見てごらんなさい。これを読みますと、「異常というべき遅配の原因は一体どこにあるのか」、「郵政事業をどう立て直すのか」というタイトルで書かれているものなんです。さる三十六年から二年間、第三者による遅配問題研究会が現場を調査し、郵政労使に報告書を出した。事情は当時と少しも変っていない。郵政労使が外部的要因として一致してあげているのは、人員が不足である、それから郵便物が非常に増大し大型化している。それから内部的な要因とすれば、当局側は、組合が闘争をやるからだ、組合側は、当局が策がない、のみならずそうした人々がきわめて低賃金で働かされている、こういうことで、つまりこれは意見一致しませんな。双方この点では意見一致しないでしょう、それぞれの立場でものを言っているわけです。しかし、人間尊重による明るい職場をつくる、それから、これはここに書いてあるのを読みますとね、陰に陽に与党が紛争に介入することや、労使とも政治的解決を求める悪弊の是正、こういうことを考えながら労使協議機関の設置を提案をした。ところがこれがさっぱり取り入れられたあとは見られないということですから、そういうあとが見られていないから拒否されたということになるのじゃないですか、これは。そこにぼくはすべての問題の中心があるとは考えていないが、新聞に出たものをわれわれが見ても、どうも郵政省の官側についても欠陥だらけであるという印象を受けるものだから、私は新聞を読みながら言っているのですよ。だから、占部さんが関連して言われたことについても答弁すると同時に、もうそろそろ私は——この問題きょうだけでありませんから、会期中ずっとやっていきますが、政務次官、これはあなた答えてもらいたいのですが、幸い郵政大臣と宝樹委員長がかなり長時間昨夜会談をして、いろんな問題が話し合われて、これを煮詰めようではないかというようなことになって、われわれも非常にそういう意味では喜んでおりますが、先ほど四つまで読みましたが、責任者の責任を明らかにすること、それから郵人管第七十五号の完全浸透と実施、これは人事局長、君のほうから第七十五号というものを何か通達していると思う。これを完全に浸透さして実施すること。それから業務運行、職員の体質改善に名をかりた監視労働の中止。低能率者の再訓練、職員採用時における訓練。組合の下部組織における労働慣行の解決にあたっては、労使間の協議を行なうこと。処分の量定、不利益処分の範囲の解決。主事、主任の昇任、昇格者の問題などの解決。最後に、郵便労働者、特に外勤職員の労働条件の改善にあたって、当面の施策を明示すること及び将来における問題点の解決のための協議。こういうことが話し合われて、井出郵政大臣はこれに答えて——非常に私はこの大臣の意欲をここで買っているわけですが、大臣は、もっと早い時期に会うべきであったと思う。こういうことをおっしゃって、それを前提にして今回の闘争については早急に解決をはかるために努力をしたい。それから二番目に、郵政事業は人手で回している事業であるから、それにマッチするような対策がなければならない。それから三番目は、幾つかの体験の積み上げの中から不信感をなくして一歩一歩積み上げていくことが必要だ。四番目、このような前提に立って具体的な内容は事務当局と煮詰めて検討の結果を見て再び会見して解決をはかりたい、こういう態度を明らかにして、宝樹委員長もこれを了承しているのですね、ゆうべの段階では。非常に大切な事柄を話し合われました。私は先ほど言ったように、井出郵政大臣については敬意を表したいと思います。ぜひひとつこの話をいわゆる事務当局の段階で煮詰めて、大臣もここで言っていますけれども、最終的にはこの事務段階だけでは結論は出せないだろう、政治的に大臣がみずから決断をしなければならない場合もある。このことについても、大臣は再び宝樹委員長と交渉することをここで約束をしているのです。これは具体的にはまだ何もきまっていないようでありますけれども、非常に実のある会談であったと思う。しかも、その問題解決のために道を開いてくれたのではないか、こう私は思うので、ぜひひとつ政務次官におきましても、事務当局を督励、激励、鞭撻をして、今日的な問題の解決に努力してもらいたいということを申し上げて、きょうのこの問題についての質問を終わりたいと思う。しかしこれで終わったのではないです。いいですか、局長。会期中ずっとやっていくのです。この問題が解決したって、郵政の問題はたくさんあるのですから。ですから、そういうことを申し添えて、委員長、答えのいかんによっては質問しますけれども、的確明瞭にして理解のできる答弁があればこれで終わります。
○政府委員(小渕恵三君) 国家行政組織法第十七条によって、政務次官は、大臣の意思が省内あるいは政策の全般に行きわたるように補佐するのがつとめと存じております。御指摘の点につき、大臣が委員長と話し合われたそのお気持ちについては、政務次官として、その職責を果たしてまいりたいと思います。
○政府委員(中田正一君) 先ほどのお尋ねにつきまして簡単にお答え申し上げます。 まず、最初に、先ほどの私の答弁の中のルールを守ってという中に、団交以前の法律云々ということのお話がございました。これは私の答弁の中のことばが足らなかったために、このようにお受け取りいただいたとすれば、まことに申しわけないと思います。私が先ほど申し上げましたのは、ルールという場合に、これは双方で話し合ってつくったルール、それはもちろんでありますが、それ以前の法律、規則、それに定められている事柄も守りながらということで申し上げたつもりでありますが、ことば足らずに申しわけないことをいたしました。 それから、第二点の管理運営という立場も尊重してもらわなければならぬというけれども、これは労働条件が関連するので、その辺簡単にいかぬじゃないかというお話でありますが、これはまことにそのとおりでございます。したがいまして、私どもは、初めから管理運営の事柄に属するからこれはもう話し合いにも応じないとか、そういう態度ではございませんで、まず中身に入ってみよう、その中で、これは協約を結ぶにふさわしい労働条件だとか、あるいは協約は結べないようなものだとか、おのずからわかってくるだろう、まずその中でやってみようということで進めております。そうしまして、これは最終的に意見合致して管理運営だということになる場合もありますし、そうでない場合もありますが、その場合にはその話し合った事柄についても、最後に実施するかしないかという決定は当局側にまかしてもらいたいというようなことを申しておるのでございます。 三番目に、交渉拒否のことはないと言うが、東京郵政であったじゃないかという御指摘です。これは私どもの理解では、中央段階で話し合い交渉が行なわれたあと、さらに東京郵政局において同様の交渉を持つようにということを地方で話し合ったことはございます。で、東京段階で問題になりましたのは、郵政局側としてその交渉を拒否するということはなかったつもりでございますが、そのとき問題になりましたのは、出席者の顔ぶれが問題になった。組合のほうは、局長が出なければいかぬ、郵政局のほうでは、これはルールを平常きめてあるわけでございまして、交渉委員によってやろう、そこで若干トラブルがありましたけれども、交渉拒否とか、そういうことではございませんで、出席者の顔ぶれについて若干トラブルがあったということでございます。 それから、次に吉田先生のお尋ねの件でございますが、まず第一点の昨年の十一月の名古屋管内の庶務会計課長会議のときの問題、これは私どももさらに調べていきたいと思います。 それから、第二点の管理運営事項については、これは先ほどお答えしたとおりでありますが、ちょっと具体的に例を申し上げますと、その限界はどうだということは、なかなかむずかしい問題がありますけれども、たとえて申しますれば、杉並でも問題になりましたのは、郵便配達区画の調整の問題があります。Aの区、Bの区、それを新しい住居表示に即応しまして調整するという問題がございます、私どもは、これは元来は与えられた定員、与えられた勤務時間内での業務運営の一つの方法でございますので、それをどういうふうに区切るかというのは管理的な立場からきめていくということであろうと思いますが、こういう問題についても、労働組合側がいろいろ問題を提起する、意見を述べるということがあります。そういう場合には、率直にその意見に耳を傾けるということにしておりますが、先ほど申しましたように、こういった問題は管理運営の立場から、最後に意見が合わないで一定の時間がたった場合には、郵便局長の責任において取り運ぶというようなことがあるわけでございます。 それから、第三番目に、交渉を拒否したことはないということに関連して、朝日新聞の社説を引用されました。その中の第三者による調査会——これは、私もそのことで思い出したのでありますけれども、「朝日」の社説読んでおります。第三者による遅配問題調査会、ここでいろいろ何しておるのにそれを実行していないじゃないかという「朝日」の社説でありますが、どういうふうにお考えになったのかわかりませんが、これは労働組合の内部で、労働組合の立場から労働組合側が第三者に委嘱してつくった調査会ということでございまして、いろいろ労働組合には意見を述べていることであろうと思いますが、郵政省のほうに勧告とか、答申というようなことをする調査会ではないわけでありまして、当局側としては、組合側が設置したその遅配問題調査会の答申というか、勧告を受けたこともないし、それを実行する立場にもなかったであろうというふうに思うのであります。それから、それに関連して、提案した協議会がいれられなかったということでございますが、これは新聞の社説でも、もし調査会の中の結論であるといたしますれば、——これは昭和三十六、七年というふうに社説に書いてあったかと思いますが、当時のことは私はつまびらかにいたしません。どういう問題であったのか存じませんが、少なくとも、最近において組合から申し出のあった事柄について形はどうであれ、委員会とか協議会という、どういう形をとるかは別といたしまして、私ども、団交、話し合いというようなことを行なっていないということはないというふうに考えておるのでございます。大体以上でございます。
○吉田忠三郎君 これで終わりたいと思ったけれども、どうもあなたのものの言い方が妙な言い方なんですな。あなた、報告を受けていなければいないでいいんです。ところが、それは労働組合の委嘱した機関であるからと、そんなこと何にも書いていない。そんなこと言った覚えもない。ここに書いてあるのは、「三十六年から二年間、第三者による遅配問題研究会が現場を調査し、」というのですな。そうして「郵政労使」、ちゃんと両方と書いてある。「郵政労使に報告書を出した。」と。具体的な問題としては「労使協議機関の設置を提案した。」と、こう書いているのです。だから、あなたのほうは、そういうものは提案された覚えもなければ、報告もきていなければいないでいいんです。新聞に書いてあったから、ぼくは言ったのです。何人が見たってこのとおりですよな。だけれども、このことを私は問題にしているのではない。問題にしているのではなくて、その他今日まで幾つも問題があって、それがどうもいま君のような感覚でやっておるから問題が解決しないできたのじゃないかなと、こう思った。こういうことも、新聞に出ているものだから、一つの例じゃないかということで例をあげたというだけなんです。いいですか、局長。それはそれで答弁も何も要らぬですよ。 それから、さっきの調査ですね。名古屋のやつを調べてここに報告する、こういうことになりましたから、ものはついでですから、東京のやつもひとつ出しておくから、これもひとつ調べてくださいよ。東京郵政局板倉人事部長は、管内主事訓練において「事業にとって事故、犯罪など克服しなければならない」、当然ですな。これがために「三大悪がある。全逓の闘争による慢性遅配はこの悪のひとつである。」、「全逓は闘争至上主義であって、事業の破壊者であり、全郵労は事業に対して生産性向上に協力する組合である。」、明らかにこれは分裂を意味するものがこの中にただよっておりますね。そうして「違法闘争に参加することは役職者としては不適格者である。」と訓示をしているんですよ。だから、あとのほうは、管理者ですから、それはこういうことを言うのかもしれませんけれども、全逓は至上主義者であって事業の破壊者である、一方の第二組合のほうは事業に対して生産性向上に協力する組合だ、これまた第二組合としては迷惑な話じゃないかと思う、こんなことを言われたら。余談は別として、こういう事実も一緒に調べて報告してください。
○藤原道子君 ちょっと私も。問題は別ですが、労働省にお願いしたい。 実は、この間来、川崎の労災病院のことで視察に行ったり、あるいはここでいろいろ討議をいたしました。この間、労働福祉事業団の方が私のところに参りまして、いろいろ御心配をかけましたが、三病棟閉鎖の予定が第七病棟だけで、あとは第八病棟で運営することになりました、御心配をかけましたと言ってきたから、円満解決したのだと私安心しておりましたら、きのう、四十一年度に結んだ協約に違反していたというので、ずっと三年間も認めておりながら、突然今度の給与で五千円カットしてきて、来月分の給与でまた七千円カットするそうです。やっとあれだけ大きな争議が解決して、そのとたんにまた賃金カット、労働組合と話し合いもしないで賃金カットをしてきた。どうもこのごろのやり方は官僚的ですよ。あなた方は官僚ですけれども。すべて話し合いが足りなさ過ぎて問題を起こしておる。これは事業団に、どういうことなのか一度報告にくるようにと話したんですが、円満解決したと思って安心していたら、突然円満解決したあくる日の給与の日に黙って賃金カットしてきた。これでは、看護婦さんがあの重労働、低賃金で働いており、そこで五千円、七千円の賃金カットされたらおさまらない。そういうことがどうなっておるか私わかりませんので、ひとつ報告に来るようにおっしゃっていただきたい。
○政府委員(松永正男君) ただいまの藤原先生のお話でございますが、私も事実を的確につかんでおりませんので、早速事業団に連絡をいたしまして御説明にあがらしたいと思います。
○藤原道子君 とにかく話し合いが足らなさ過ぎるのです。
○国務大臣(野原正勝君) 先ほど来、実は伺っておりまして、たいへん私は勉強になりました。どうも非常に労使の間というか、不信感があります。それが目には目を、歯には歯をということであってはならないと思っております。お互いに理解と協力でもっと明るい職場を、これは郵便局のほうもあるいは働く人たちもおそらく明朗な職場をつくりたいと思っておると思う。この点は、むしろ労働条件とかあるいは基準法以前の問題で、何かどうも伺っておりますと、私ども予想もしなかったような、お互いに不信感があるように思う。そういう点を一日も早く取り去っていくことが必要だと思います。したがって、きょうのお話を伺いまして、私としましては非常に意外でびっくりしました。実はこういうようなことがあってはならないと思うし、もうせっかく日本経済がここまで発展しておる矢先に、労使の間にそうした不信感があるようなことではいけないのでありますから、先ほどの青少年の福祉法の際にも申し上げたとおり、今後の日本の発展のためには労使双方がお互いに理解をし合う、そうして明るい職場をつくっていくというような面で、むずかしい理屈はわかりませんけれども、とにかくまず不信感を取り去っていくという面で、今後の問題についてはお互いに寛容と節度という問題で、ひとつお互いに十分話し合いを進めていってほしいと、この点はきょうの話を伺いまして、私、直接担当の事項ではございませんけれども、郵政大臣に率直に私の見解を申し上げまして、一日でも早くお互いが明朗な職場に返るように側面から協力申し上げることをお誓いいたします。
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会