社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/02/19
会議録
○委員長(佐野芳雄君) それでは、ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十三日、上田哲君及び小野明君が委員を辞任され、その補欠として佐野芳雄、占部秀男君が選任されました。 また、去る十四日、上林繁次郎君が委員を辞任され、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 理事の辞任についておはかりをいたします。 大橋和孝君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がありますが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) この際、さきに御報告いたしました委員の異動、ただいまの理事辞任により二名の理事が欠員となっていますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に吉田忠三郎君及び渋谷邦彦君を指名いたします。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。 私、このたび皆さまの御推挙によりまして、本委員会の委員長に選任されましたが、何分にもふなれな者でございますので、委員の皆さまの御鞭撻と御協力によってこの重責を果たしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 きわめて簡単でございますが、ごあいさつにかえる次第でございます。(拍手) 吉田前委員長から発言をいたしたいとのお申し出がありますので許可いたします。
○吉田忠三郎君 委員長から発言を許されましたので、一言ごあいさつ申し上げたいと思います。 社労の前の委員長といたしまして、たいへん皆さんにごやっかいになりました。過ぎ去ってみますると、早いものでございまして、ちょうどまる一年でございましたが、この一年間は、この社労委員会におきましては、数知れないたくさんの問題が山積をしておったと思います。こうした問題に対処するにあたりまして、浅学非才な私に対して、それぞれの委員の皆さんの心からなる御協力を賜わりまして大過なく過ぎ去ったことは、ひとえに委員各位の御協力のたまものだと心から感謝いたしておる次第でございます。 厚く御礼申し上げまして一言ごあいさつにかえた次第でございます。(拍手) —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を一括して議題といたします。 まず、厚生行政の施策について内田厚生大臣から所信を聴取いたします。内田厚生大臣。
○国務大臣(内田常雄君) 厚生大臣就任のごあいさつを申し上げますとともに、この機会に厚生行政につきまして所信の一端を申し述べさしていただきたいと存じます。 わが国は、高度経済成長の一九六〇年代を送り、ここに一九七〇年代を迎えたのでありますが、この七〇年代は、持続する経済成長の中にあって、その成果を広く国民各層に均てんさせ、真に豊かな社会を建設すべききわめて重要な年代であると存じます。さらに本年は内政の年といわれ、社会保障の拡充、生活環境の整備等国民生活の向上を直接の目標とする厚生行政は、その中心的な役割をになうべきものと私は考えるものであります。 御承知のように、わが国の社会保障は、一応その体系を整えたとはいえ、なお総体としては低い水準にあり、さらに改善充実をはかる必要があると存じます。 また、経済成長の反面、公害の激化、生活環境施設の立ちおくれ、レクリエーション施設の不足等の問題が生じており、さらに、今後における人口の老齢化等人口構造の変化に対応した施策の充実をはかっていくことが、緊急な課題となっておると存ずるものであります。 私は、去る一月の就任以来、このような観点から、来年度の予算案の編成にあたりまして、いささか微力を尽くしてまいったものでございますが、今後とも皆様の御協力のもとに厚生行政の推進に努力いたしてまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 以下、当面の主要課題につきまして申し述べさしていただきたいと存じます。 第一に、社会福祉の分野では、最近の国民生活の動向を勘案し、生活扶助基準の一四%引上げ等をはかるとともに、特に老人福祉施策の充実をはかることといたし、いわゆる寝たきり老人対策の充実、老人ホームの処遇改善、盲老人の開眼手術の実現等を中心にかなりきめこまかい施策の充実をはかっております。 このほか、老後の保障の面で重要な年金制度につきましては、各位の御尽力により、先国会において大幅な改善がなされましたが、来年度は、さらに福祉年金の額の引き上げ等、その内容改善を考えておる次第でございます。 第二に、児童福祉の分野においては、次代の日本をになうべき児童をすこやかに育て上げるための施策として、妊婦、乳児の健康診査の充実等母子保健対策の推進、保育所の増設、保母の確保に一そうの努力を払い、また、心身障害児の福祉の向上をはかるため、国立心身障害者コロニーを明年から開所するほか、家庭奉仕員制度の新設等を考えております。 第三に、生活環境の整備改善等の問題でありますが、今日、人口の都市集中、公害の多発等に伴い、住みよい清潔な町づくり、環境づくりが重要な課題となっておりますので、水道や清掃施設の計画的整備を推進するとともに、国民が自然に親しみ充実した余暇の活用がはかられるようにするため、東海自然歩道の整備に着手することといたしております。 次に、公害対策については、この七〇年代を公害追放の年代とすべきであると考えており、当面は、重点地域に対する公害防止計画等の推進、公害監視体制の強化、また被害救済制度の改善等施策の総合的な推進をはかる所存であります。 第四に、医療保険の問題でありますが、懸案の制度の抜本改正については、昨年八月社会保険審議会並びに社会保障制度審議会に対し諮問を行なっておりますので、その答申を得次第関係方面との調整を行なって制度の改正に着手いたしたいと考えております。 また日雇労働者健康保険については、給付内容の改善等を、船員保険につきましては給付内容の改善、メリット制の実施等を内容とする改正案を今国会に提案いたしたいと存じておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 第五に、国民の保健衛生の問題については、近年における疾病構造の変化に伴い、種々の問題が生じておりますので、集団検診体制の強化等を中心としたガン対策、死亡率半減を目標とした脳卒中特別対策を推進するほか、精神衛生対策、結核対策についても、さらにきめのこまかい施策を考えており、また、原因不明のスモン病については、原因把握や治療方法の確立についての調査研究を一そう強化してまいる所存でございます。 次に、医療体制の確保の面で、近時特に深刻となっておりますのが、看護婦不足の問題でありますが、その計画的養成を期して積極的に取り組むことといたし、処遇の改善、養成施設の整備、潜在看護力の活用などをはかるほか、来年度からは新たに民間養成施設への運営費の助成を考えておるものでございます。 なお、最近重要視されております食品衛生対策につきましては、あくまでも国民の健康を守る立場に立って、食品の安全性に関する基礎的研究の推進等につとめてまいる所存でございます。 以上のほか、厚生行政の分野には、戦傷病者、戦没者、遺族等あるいは原爆被爆者の方々に対する援護対策や薬務行政等ゆるがせにできない諸問題がございますが、いずれの課題にいたしましても、国民一人一人の毎日毎日の生活にかかわるものであることに深く思いをいたしまして、誠意をもってこの行政に当たる所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 次に、労働行政の施策について野原労働大臣から所信を聴取いたします。野原労働大臣。
○国務大臣(野原正勝君) このたび労働省を担当することになりました野原でございます。私は誠意と熱意をもって労働行政の推進につとめてまいる考えでありますので、委員各位の御指導と御鞭撻をお願いいたします。 さて、第六十三回特別国会にあたり、当面の労働行政の諸問題について、一言所信を申し述べ各位の御理解と御協力を得たいと思います。 七〇年代における労働行政の基本的課題は、経済の成長と勤労者の福祉の調和をはかり、豊かな勤労者生活を実現することにあると考えます。このことが今日までの高度成長の一端をささえてきた勤勉な労働者諸君にこたえるゆえんであり、かつまた、今後とも一そうの協力を期待し得る道であると信じます。私はこのような基本的な考え方に基づき、以下の各般の施策を積極的に推進してまいる所存であります。 まず、雇用対策について申し上げます。労働力不足がますます本格化する時代を迎え、産業界自身の努力による労働生産性の向上や労働力のむだづかいの是正等と相まって、国民一人一人の能力が真に有効に発揮される体制をつくり上げることが、今後の雇用政策の基本的な方向と考えます。このため、労働力流動の円滑化をはかるとともに、中高年齢者、離農転職希望者、家庭婦人等の能力を再開発し、その就職、転職の促進をはかることが必要であると考えます。 これらの課題を解決するため、労働市場センターの機能の増強、雇用情報サービスセンターの設置、職業紹介のリアルタイム化の促進等情報化時代に即応した職業安定機能のレベルアップをはかってまいります。さらに、今後この職業紹介体制の刷新強化を軸として、経済の効率化、並びに企業経営及び雇用管理の近代化等を実現するため、労働行政の各分野においてはもとよりのこと、他の行政との連携を強めて、雇用政策の総合的な展開をはかってまいります。 沖繩における軍関係労働者の大量解雇につきましては、琉球政府に対し、職業指導、職業紹介、職業訓練等についての必要な援助を大幅に強化するとともに、関係行政機関と密接な連携の上、本土就職希望者に対しては、移転援護金の支給を行なうほか、本土の駐留軍関係離職者と同様再就職のための手厚い援護対策を講ずる等、その離職者対策に積極的に取り組む方針でございます。 次に、深刻化する技能労働力不足に対処して労働者の職業能力の積極的開発向上をはかることであります。このため、労働省では、昨年、職業訓練制度の改編整備をはかったところであります。新制度の展開にあたっては、西欧並みの水準にまで職業訓練を引き上げるため、当面、訓練生の倍増、技能検定の二百職種実施を目標に公共職業訓練に対する援助措置を充実して職業訓練の振興をはかってまいります。また、本年十一月にはアジアで初めての技能オリンピックが開催されるので、これを成功させるために全力をあげ、もって、技能尊重の機運を一段と盛り上げていく考えでございます。 次に、総合的農村労働力対策についてであります。 現在、総合農政の樹立が国政の重点となっています。これと相呼応して農業従事者の離農、転職の円滑化をはかることは、労働行政にとっても重要な課題と考えます。当面の措置として、四十五年度においては、農外就業援助措置の強化、農外就労訓練の創設等総合的農外就業体制の整備をはかることとしたところであります。 豊かな勤労者生活を実現するため、次のような諸施策を推進したいと考えております。 まず労働災害につきましては、いまなお、六千余人の尊い人命が失われている事実にかんがみ、労働行政の最重点課題として関係者全員が一体となって労働災害を防止し、安全で健康な職場環境を実現するため、科学的な対策を進めてまいります。 また、不幸にして労働災害を受けた労働者に対しては、経済発展に相応した補償を行なえるよう要請された労働者災害補償審議会の建議の趣旨に沿った制度改善のための関係法案を今特別国会に提出する考えであります。 労働条件につきましては、いまなお、中小、下請企業等には恵まれない労働条件のもとに働く労働者がなお多数存在しており、最低労働条件の確保という視点に立って監督指導を進めるとともに、最低賃金制の普及をはかってまいります。なお、最低賃金制の基本的なあり方については、目下引き続き中央最低賃金審議会でも御検討をいただいているところであります。答申が得られ次第、これを尊重して所要の措置を講ずる考えであります。 現在の経済成長の中にあって、なお工賃や安全衛生等に関する労働条件が一般に低い家内労働者につきましては、第六十一回国会に引き続き今国会に家内労働法案を提出し成立後は、その施行を通じ家内労働対策の飛躍的な展開をはかることとしております。 さらに、勤労者の福祉の増進につきましては国民の大部分を占める勤労者について住宅その他の資産を充実させ、豊かな勤労者生活を保障するため勤労者の財産形成、特に住宅対策に重点を置き、勤労者がその努力に応じて持ち家を持てるよう税制、資金面の改善等に努力してまいります。また、今国会に提出を予定している中小企業退職金共済法の一部改正により、掛金月額の引き上げ、給付に対する国庫補助の増額等をはかり、関係者の要望にこたえる所存であります。 次は、勤労青少年の健全育成であります。 次代をになう勤労青少年のすこやかな成長をはかることの重要性はいまさらいうまでもありません。しかるに、勤労青少年の中には、安易に離転職を繰り返し、また、その中で一部が非行化に走る等種々の問題が生じ憂慮すべき状態が見られます。このような事態に対処して、私は、勤労青少年が職場の内外を通じ、その活力を健全に発揮できるよう諸施策を講じていく所存でありますが、この際勤労青少年の福祉増進のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、この特別国会において立法措置を講ずる所存であります。 日本経済の発展の中で労使関係、労働運動にも糧々の変化が見受けられますが、とりわけ、今後広範な構造的変化が予想される七〇年代において時代の動きに即応した望ましい労使関係を形成し、経済社会の均衡ある発展をはかっていくためには、労使がその社会的責任を自覚し、労使間の諸問題を広い視野から話し合いで合理的に解決していくことが、従前にも増して強く要請されるところであります。 政府といたしましても、このような機運を醸成するため、産業労働懇話会を発足させる等諸般の施策を講じてまいるところであり、今後ともこの面に一そう努力してまいる所存であります。 以上、当面する労働行政の重要事項について私の所信の一端を申し述べたのでありますが、激動の七〇年代を迎え、これからの労働行政も広い視野に立って新しい方向を目指して展開していくべきものと考えますので各位の一そうの御協力をお願いする次第でございます。
○委員長(佐野芳雄君) 政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。橋本厚生政務次官。
○政府委員(橋本龍太郎君) 今回、厚生政務次官を拝命いたしました橋本でございます。 ごらんのとおりの若輩でございますが、よろしくお願いをいたします。
○委員長(佐野芳雄君) 大野労働政務次官。
○政府委員(大野明君) このたび、労働政務次官を拝命いたしました大野でございます。 まことに浅学非才の若輩者でございますが、皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 次に、昭和四十五年度厚生省関係予算について、政府に説明を求めます。横田会計課長。
○政府委員(横田陽吉君) お手元に「昭和四十五年度厚生省所管予算案の概要」という印刷物をお配りしてございます。これに基づきまして、厚生省所管予算について御説明を申し上げます。 最初に、予算規模について申し上げますと、一般会計分は、昭和四十五年度要求額は一兆一千三十五億二千万円でございまして、前年度予算額九千三十九億三千二百万に対しまして、増加額は千九百九十五億八千八百万円、増加率で申しますと一二二・一%になっております。国の一般会計予算総額の対前年度伸び率は一一七・九%でございますから、それを四・二%上回っております。それから、国の一般会計予算総額の中で、厚生省所管の一般会計予算は一三・九%を占めることになっております。 特別会計分は、厚生保険特別会計をはじめ、五つの特別会計に分かれておりますが、それぞれの歳入歳出規模はこの資料の三三ページ及び三四ページにしるしてあるとおりでございます。 次に、主要項目について、順次その概要を御説明申し上げます。 あらかじめお断わりいたしておきますが、この備考欄の内容につきまして順を追って御説明を申し上げますと、非常に時間がかかりますので、順序にとらわれないで、適宜おもな点を拾って御説明をさせていただきたいと思いますので、御了承いただきたいと存じます。 一ページをお開きいただきたいと思います。生活保護費でございますが、生活保護費につきましては、昭和四十三年、四十四年の両年度とも、御承知のように、生活扶助基準を一三%引き上げてまいりましたけれども、最近の国民生活の動向、特に勤労者世帯の家計支出の動向を勘案いたしまして、それとの格差を縮小する方向で、一四%という大幅な引き上げをいたしております。その結果、一級地における標準四人世帯の生活扶助額は三万四千百三十七円になります。そのほか、教育扶助その他の扶助につきましても、それぞれ所要の改善を見込んでおります。 社会福祉施設整備費につきましては、老人、心身障害児保育などのための施設設置の必要がたいへん強いのでございますが、この整備のための予算を前年度に対しまして十億円増額いたしまして、五十二億円計上いたしております。 二ページをお開きいただきたいと思います。社会福祉施設処遇改善費でありますが、この内容は二ページから三ページにわたっております。毎年相当の改善をいたしております。昭和四十四年度には、御承知のように、保育所の保母を大幅に増員したり、施設職員の給与改善三カ年計画に着手したなどの措置をいたしております。今回は、特に次に申し上げます三点を重点といたしました改善を見込んでおります。改善のための所要額はすべて含めまして、ここにございますように、総額六十八億円余にのぼっております。第一点は、乳児院などの収容施設につきましては、看護婦、保母などの定員増をいたしておることでございます。第二点は、従来改善の必ずしもはかばかしくなかった庁費につきまして、実支出を勘案し、職員一人当たり年額一万五百円から一万六千円に大幅な引き上げをいたしておることであります。第三点は、前年度の市町村民税均等割りだけの課税世帯につきまして、保育児二人目以降は保育料を半減することといたしまして、低所得者階層の保育料の負担の軽減をはかったことでございます。 三ページを開いていただきます。老人福祉対策費につきましては三ページから五ページにわたって説明が書いてございますが、昭和四十四年度から始めました寝たきり老人対策につきまして訪問診査をいたすわけでございますが、その際、必要によりまして精密検診を行なえるようにするなど所要の改善をいたしております。このほか、新しい問題といたしましては、老人性白内障の開眼手術を公費負担の対策としたことでございます。それからまた、老齢福祉年金を四十五年の十月から月額二百円引き上げることとしたこと、老人の社会活動参加を促すための就労対策費を増額したこと、老人クラブの助成費の拡大、特別養護老人ホームなど施設の増設をはかることなどでございまして、金額的には、福祉施設整備補助金を除きまして、百五十九億円余の増額になっております。 六ページを開いていただきます。心身障害児及び心身障害者対策費でございますが、これは六ページから九ページにわたっております。この経費につきましては、収容施設の増強と居宅保護の充実、この両面にわたってきめのこまかい施策を見込んでおります。金額的には、これは対前年度八十三億円余の増額になっております。おもな事項を順序不同に拾って申し上げますと、高崎に建設中のいわゆる心身障害児(者)コロニーは、昭和四十六年度早々、五百五十人収容の施設として発足する予定でございまして、この経営のため四十六年の一月から特殊法人を新設することといたしております。特別児童扶養手当はあとで申し上げます予定の児童扶養手当に準じまして、月額五百円の大幅引き上げをすることにいたしております。重度心身障害児及び障害者に家庭奉仕員制度を新設いたしまして、居宅保護の充実をはかっております。昭和四十四年度に着手いたしました国立補装具研究所を四十五年八月から発足することにいたしております。さらに、言語治療のための専門職員養成所を新設すること、障害福祉年金を月額二百円上げること、それから国立療養所における重症心身障害児及び障害者のベッドを増加することなどの施策を見込んでおります。 九ページをお開きいただきます。母子保健対策費でございますが、九ページから一〇ページにわたっております。母子保健対策につきましては最も力を入れた点でございまして、前年度予算をほぼ倍増いたしております。内容といたしましては、欧米先進国に比べましていまだに三倍ないし四倍にのぼっております妊婦の死亡率を低下させ、それから妊娠中毒または胎毒障害等による精薄化防止をはかることがたいへん重要なことでございますが、そのために直接的効果の大きい妊婦健康診査、乳児健康診査などにつきまして、大幅に公費負担の対象の拡大をはかっております。つまり年収おおむね百万程度の所得階層まで公費負担の対象を広げました結果、全妊婦の八五%が施策の対象になります。さらに妊婦につきまして、精密診査をしてあげる制度を新設いたしておりますし、乳児につきましては精密診査をして差し上げる対象を拡大いたすことにいたしております。 一一ページを開いていただきます。母子等福祉対策費でございますが、これにつきましては、先ほど御説明申し上げました特別児童扶養手当と同じく、児童扶養手当を懸案の母子福祉年金との格差を解消すること、それから同年金額の引き上げに合わせた増額を行なうことといたしまして、月額五百円を増額することといたしております。母子及び準母子福祉年金につきましては、四十五年十月から月額二百円引き上げるとともに、本人所得制限を扶養義務者所得制限限度額と同額まで引き上げまして、大幅な支給対象増を見込んでおるわけでございます。それから寡婦福祉貸付金につきましては、制度創設二年目に相なるわけでございますが、その金額を倍増いたしております。 保育対策費について申し上げますと、共かせぎ夫婦の増加などによりまして、措置児童数は累年非常に大きく増加いたしております。そういう情勢に対処いたしまして、四十四年度に引き続いて大幅な措置児童数の増を見込んでおります。その結果、金額的には、保育対策費はここにしるしてございますように、四百億円に近い金額に達することになったわけでございます。 一三ページをお開きいただきます。民間社会福祉事業育成費でございますが、この経費につきましては、社会福祉協議会に対しまして、職員設置費の補助をいたしておりますが、その対像の個所数をふやしたこと、それからこれらの職員に対するベースアップをいたしたこと。そのほか、地域組織活動に実情に即した助成措置を講ずることなどをいたしておりますし、さらには、社会福祉施設職員の退職手当共済制度の改善を行ないまして、職員の勤務条件の改善に資することといたしております。 一四ページを開いていただきます。児童手当制度調査費でございますが、この調査費につきましては、児童手当審議会の審議過程で提出された問題点などにつきまして、同審議会の審議と並行して十分調査究明する必要がございますので、そのための調査費二千万円を計上いたしてございます。 研究費につきましては、食生活の多様化、医薬品の発達、石油工業をはじめとする各種産業の工場設備の巨大化などに伴いまして、予期しなかった衛生的被害が発生することに対応し、あるいはスモン病など原因、治療法ともに不明な奇病を絶滅するための科学研究費でございます。前年度に対しまして一億六千万円増額いたしまして、十三億二千万円計上いたしております。これによって研究の推進をはかる所存でございます。 一五ページを開いていただきます。食品の安全対策費でございますが、この経費につきましては、ただいま申し上げました研究費と大体同じような趣旨の予算でございますが、申すまでもなく、食品は生命の維持のため不可欠のものでございますので、食品添加物、農薬、動物の飼料などにつきまして広範に発ガン性あるいは催奇型試験などのチェックを行なって、食品の安全性を確保いたすことといたしております。 看護婦需給対策費につきましては、この経費につきまして一五ページから一七ページにわたって説明がしてございますが、この経費につきましては、病床の急激な増加とかあるいは治療が高度化することに伴いまして看護婦の不足が最近非常に目立っております。この際看護婦の需給のバランスをとりませんと、場合によっては病院医療の崩壊等の問題すらも出てまいりますので、この解決はきわめて焦眉の急務であると考えております。したがって、昭和四十五年度における最重要項目の一つといたしまして、予算額につきましても、ここにしるしてございますように、前年度の倍額である三十六億円余を計上いたしております。施策の内容といたしましては、看護婦養成所を増設したり、修学資金の貸与の対象を拡大するほか、新たに私的な養成所に対して運営費の助成措置を講ずることといたしまして、そのための経費二億五千九百万円を計上してございます。 一八ページを開いていただきます。がん対策費でございますが、この説明は一八ページから一九ページにわたっております。がん対策費につきましては、がん研究助成金を二千二百万円ふやしまして、二億九千九百万円としたこと、集団検診対策費といたしまして民間団体が設置いたしております検診車につきましても運営費を助成して受診率を高めることなどでございます。その他の点につきましては、おおむね従来施策を踏襲いたしております。 二一ページを開いていただきます。公害防止対策費でございますが、この経費につきましては、公害衛生に関する総合的な研究所の設置の必要性にかんがみまして、その調査費を計上いたしております。それから公害発生の現況から見まして大阪府、兵庫県の二府県にわたる広域督視設備を設置することといたしておりますが、このことは、将来同じケースが幾つか予想されますので、これらの場合の先例となる新規事項でございます。金額的には公害防止対策費といたしまして対前年度一億六千九百万円の増額をいたしてございます。 環境衛生施設整備費でございますが、この事項については、二一ページから二二ページにわたって説明がしてございますが、この経費につきましては、特に水道関係の整備費補助金を大幅に増額いたしております。水道水源開発等、広域水道につきましては、備考にございますように、三十億八百万円、簡易水道につきましては三十億八千二百万円計上いたしてございますし、ごみ処理施設につきましては十一億円計上いたしまして、予算金額といたしましては、対前年度四〇%増の九十六億九千四百万円に相なっております。 二二ページをお開きいただきます。精神衛生対策費でございますが、これは二二ページから二三ページにわたって説明がしてございます。この経費について申し上げますと、措置入院の対象を七万五千人から四千人ふやしまして七万九千人としたこと。反面軽快患者の社会復帰を促進いたしますために、その収容あるいは訓練のための施設を一カ所試験的に設置することといたしました。それから同時に地域社会における保健所を中心とする患者の管理体制を整えて、ややもすれば入院偏重に流れがちなわが国の精神衛生対策を改善する条件を整備することといたしております。 二三ページを開いていただきます。原爆障害対策費でございますが、この事項の説明は二三ページから二五ページにわたっております。この経費のおもな点について御説明申し上げますと、特別手当を支給する際の所得制限を緩和いたしまして、支給対象を拡大いたしましたこと、介護手当を月額一万円から五千円まで三段階に分けて増額いたしておりますこと、それから新たに広島、長崎両市に補助をいたしまして、原爆被災復元調査を行なうこととした点などでございます。 二五ページを開いていただきます。二五ページ、保健所費につきましては、もろもろの社会情勢の変化に即応しまして、保健所の機能及び配置について検討を進めるための調査費を計上してございますし、農林省所管の開拓保健婦をわがほうの保健所に統合することとしたことなどでございます。 結核対策費につきましては、おおむね従来施策を踏襲いたしておりますけれども、新たにBCGの免疫効果の持続期間を究明いたしまして、その定期接種化を検討することといたしております。 二六ページを開いていただきます。農村保健対策費でございますが、この経費につきましては、検診車の整備費、運営費を計上するとともに、農薬中毒の診断治療のための委託研究費二千万円を計上してございます。 同和対策費につきましては、二六ページから二七ページにわたって説明してございますが、この事項につきましては、御承知のように、同和対策事業特別措置法の制定に伴う長期計画にのっとりまして、生活環境改善施設整備費は前年度予算額の五〇%増という大幅増加をいたしておりますし、と畜場施設整備費、保健相談、トラホーム検診など新たな経費を計上してございます。 二七ページを開いていただきます。自然公園等整備費につきましては、従来施策のほかに、東京−大阪間の東海自然歩道の整備に着手することといたしまして、そのための経費二億五千万円を計上いたしてございます。 農業者年金基金助成費につきましては、昭和四十五年度から実施予定の年金制度を円滑に実施できるようにいたしますために、年金基金に対する事務費の助成と、制度の周知徹底のための経費として一億三千四百万円計上いたしてございます。 戦没者遺族等援護対策費につきましては、二七ページから二九ページにわたって説明がしてございますが、障害年金、遺族年金は恩給に準じて改善を行なうこととしております。障害年金の支給対象の拡大、その他数項目にわたって援護法独自の改善を見込んでおります。 二九ページを開いていただきます。戦没者遺骨処理諸費でございますが、この経費につきましては、ニューブリテン島をはじめ数カ所で遺骨処理を行ないますほか、復帰いたしました硫黄島に慰霊碑を建設することといたしております。 国民健康保険助成費につきましては、二九ページから三〇ページにわたって説明がしてございますが、療養給付費補助金は、従来どおり四割五分の定率補助金を計上してございます。事務費は、御承知の市町村超過負担解消三カ年計画の最終年次分をそれぞれ計上してございますが、総額は、前年度に対しまして七百八十七億円余の増額になっております。 三〇ページを開いていただきます。社会保険国庫負担金でございますが、この説明は三〇ページから三一ページにわたってございます。この事項につきましては、医療保険、厚生年金及び国民年金に対しまして、それぞれ法定の負担金を計上してございますし、政府管掌健康保険、船員保険及び日雇労働者健康保険に対しては、それぞれ二百二十五億円、六億円及び十億円の財政補てん分の経費を計上してございます。総額二千二百四十億円余になっております。 三一ページを開いていただきます。広報活動費でございますが、当省の所管行政の周知徹底の手段といたしまして、民間テレビの放送費を四千二百万円計上してございます。 三二ページを開いていただきます。公庫、公団等の予算でございますが、三二ページにその事業計画及び補給金等を一覧表にしてございますので、後刻ごらんいただきたいと存じます。 特別会計につきましては、このあとの三三、三四ページに収支のバランスだけを書いてございますが、時間の関係もございますので、この収支の内訳につきましての説明は省略させていただきたいと存じます。 以上、きわめて簡単でございますが、以上が昭和四十五年度厚生省所管予算案の概要でございます。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 次に、昭和四十五年度労働省関係予算について政府に説明を求めます。増田会計課長。
○政府委員(増田一郎君) それでは、お手元に提出してございます「昭和四十五年度労働省関係予算の概要」につきまして御説明を申し上げます。 まず、第一に予算規模でございますが、労働省所管の一般会計につきましては、四十五年度要求額は一千百八十一億一千五百万円でございまして、前年度に比較いたしまして三十七億八千六百万円の増、率として一〇三・三一%でございます。 伸び率が少なかったおもな原因でございますが、それはあとで御説明申し上げますが、特別失業対策事業が昭和四十五年度から廃止になったこと、あるいはまた雇用、失業情勢の好転等によりまして失業対策関係の予算の伸び方が少なかったこと等に基づくものでございまして、その他の予算につきましては、おおむね国の一般会計の伸び率と同程度の伸びを示しておるわけでございます。次に、労働省所管の特別会計は三つございまして、労災保険特別会計、失業保険特別会計、石炭対策特別会計、それぞれ前年度に比較いたしまして、資料にございますように、相当の伸びを示しておるところでございます。 次に、主要事項につきまして御説明を申し上げます。 労働省の重点施策の第一は、労働力不足下における積極的雇用政策の推進でございまして、四十五年度要求額は、八百十七億二千七百万円でございまして、前年度に比較いたしまして、九十八億の増ということになっております。 その内容の第一は、雇用対策の強化と職業紹介体制の充実でございますが、まず雇用情報の積極的提供についてでございますが、これは職業安定機関が持っております求人情報、あるいは求職情報等の各種の雇用情報を安定所の直接の利用者の方ばかりでなく、広く国民一般に公開、利用していただきまして、労働力の需要供給の結合が正しい、また広い範囲の情報に基づいて行なわれまして、これに基づきまして合理的な労働力の流動化が行なわれるということを目的としたものでございます。内容といたしましては、雇用に関するサービスセンターを三カ所設置する。またA級の安定所五十九カ所に雇用情報室を整備する等でございます。次に、二ページにまいりまして、職業紹介即時処理化の拡大でございますが、これは労働市場センターにおきます電子計算機の処理システムを最大限に活用いたしまして、求職が申し込まれますと、三分ないし五分待っていただいております間に、それに見合う求人が労働市場センターから返ってくる、こういうシステムでございます。四十四年の十月から阪神地区におきまして試験的に実施をしておったのでございますが、その結果が良好でございますので、四十五年度におきましては京浜・中京地区に拡大をするということにいたしまして、それに要する経費八億二千五百万円を計上してございます。次に、ターミナル職業相談室でございますが、これは安定所を国民の皆さま方に気軽に利用していただきますために、安定所の街頭進出をはかろうとするものでございまして、これは、とりあえず来年度は五都市のターミナルに設置したいというふうに考えておる次第でございます。 次に新規学校卒業者に対する職業紹介業務でございますが、最近の状況を見ますと、中卒、高卒とも就職後三年間で半数強が離職をする、こういう状況にございます。これを防止いたしますために、まず第一点といたしまして、学校におきまして進路指導あるいは職業指導等を行ないます場合に、適性に基づいた指導を行なっていただく、このための資料といたしまして、中卒に対しましては全員、高卒に対しましては三〇%の方につきまして職業適性検査を新たに実施したいということが第一点でございます。なおまた、年少就職者相談員につきましても相当の増員をはかっているところでございます。 次に、中高年齢者雇用促進対策の強化でございますが、職業転換給付金が従来の実績等にかんがみまして若干減っておりますために、予算といたしましては若干の減額になっておりますが、内容といたしましては、各種の給付金の単価の引き上げあるいはまた特に高年齢者につきましては、特別な就職の援護措置を講ずる等、内容といたしましては改善をしているところでございます。次に、港湾労働対策でございますが、雇用調整手当、これはあぶれましたときの手当でございますが、この最高額の引き上げをはかりたい、あるいはまた福祉施設の充実をはかりたいという内容になっております。同和地区雇用対策につきましては、新規学校卒業生が円滑に就職できますように職業指導を強化する、あるいは就職資金の貸し付けを行なう等の予算が計上されております。季節労働対策でございますが、総合的な実態調査を行ないますとともに、就職後のトラブルを防止する、あるいは安全教育等につきましての簡易な講習会を開催をすることといたしております。三ページにまいりまして、その他就労経路の正常化でございますとか、あるいは季節的労働者を解雇をしないで、通年で雇っていただきました場合の雇用奨励金の額の増額でございますとか、そういったことの予算が計上されている次第でございます。次に、国際協力の推進でございますが、アメリカあるいはOECD等との国際協力関係の予算が計上されております。 次に、雇用促進融資でございますが、これは、財政投融資の一環といたしまして、事業主の方が中高年齢者等を雇っていただきました場合に、住宅でございますとかあるいは福祉施設等につきまして事業主に融資をするものでございます。これが四十五年度は要求額は百七十億でございまして、前年度に比べまして二十七億の増となっているところでございます。 次に、失業保険福祉施設の拡充でございますが、まず、雇用促進勤労者住宅につきましては、前年度に引き続き一万戸を建設することといたしておりますが、内容といたしましては、単価の増のほか、新たに高層住宅八百戸がこの内訳として含まれているわけでございます。 次に、勤労青少年センター、これは勤労青少年の離職の防止、福祉の向上等のため東京の中野に建設を予定しております大センターでございますが、継続四カ年計画の二年目の予算が十五億計上されております。 次に、新産、工特等のいわゆる開発拠点地域に建設されます勤労者総合福祉センター、中小企業の団地等に建設されます共同福祉施設、勤労青少年のための体育施設、四ページにまいりまして、中小企業レクリエーションセンター、出稼援護相談所、港湾労働者福祉施設、それぞれ個所数の増等を行なっているところでございます。 次に、失業対策事業の運営の改善でございますが、四十五年度要求額は三百九十六億でございまして、前年度に比べまして約二十五億の増となっておりますが、その内容といたしましては、第一点は、就労者賃金を一三%引き上げまして平均賃金を一千六円十三銭に引き上げたことでございます。 次に、失業対策事業の規模でございますが、前年度は特別失業対策事業の三千人を含めまして、規模は十五万人の一日当たりの吸収規模でございましたが、最近における失対適格者の減少傾向等にかんがみまして、規模は十四万人に減少している次第でございます。次に、特別失業対策事業につきましては、最近におきまして、失対適格者の高齢化あるいは女性化の傾向が進みまして、特別失業対策事業の目的でございます高い労働能率、高い事業効率といった目的を達成することが困難な実情になってまいりましたので、四十五年度以降につきましてはこれを廃止することとしたわけでございますが、この就労者につきましては、一般失業対策に吸収いたしまして、従来どおり月二十二日の就労はぜひとも確保したいというふうに考えておるわけでございます。 次に、炭鉱離職者対策及び駐留軍離職者対策でございますが、まず、炭鉱離職者対策につきましては、緊急就労対策事業につきまして、吸収人員は若干減少いたしましたが、事業費単価の引き上げを行なっております。産炭地域開発就労事業につきましては、事業費単価を相当引き上げておるわけでございます。次に五ページにまいりまして、駐留軍関係離職者対策につきましては、各種の給付金の増額、職業紹介の強化等によりまして推進をはかってまいりたいと存ずるわけでございますが、沖繩関係の駐留軍関係離職者につきましては、予算といたしましては、総理府関係の財政援助資金に計上されておりますほか、労働省関係におきましても関係予算を計上いたしまして、援護に万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 次に、失業保険制度の充実でございますが、昨年の年末、失業保険法が成立をいたしまして、各種の給付改善が行なわれたところでございますが、四十五年度におきましても、引き続き改善を行なうことといたしまして、内容といたしましては、失業保険金の日額の最高額を引き上げる、あるいは扶養手当の増額をはかる等の予算といたしまして六十四億二千三百万円を要求をしておる次第でございます。 次に、結合農政推進のための労働力対策でございますが、これにつきましては四億一千万円を新たに計上しております。その内容といたしましては、まず農業者転職相談員五百二十名を新たに関係安定所に配置をいたしまして職業紹介の体制を整えますとともに、転職訓練を実施をする、あるいは就職するまでの間の特別給付金制度を設けるというようなことを内容といたしておるわけでございますが、さらに、今後におきます基本的な対策を樹立いたしますために、懇話会、懇談会の設置あるいは各種調査等を行なってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 労働省の重点施策の第二は、昨年成立をいたしました職業訓練法に基づきまして、新しい職業訓練体系を整備し、計画的に拡充をすることでございます。このための予算といたしまして、昭和四十五年度は百五十五億七千六百万の要求をいたしておりまして、前年度に比べて二十億の増加となっております。 その第一の内容は、現在七万四千人おります訓練生、これを四十五年度を初年度といたしまして三年間の間に倍増したいという予算でございます。そのため、まず第一に、事業主等が行ないます事業内訓練の振興をはかるということで、四十五年度は六億二千万の要求、前年度に比べまして三億二千万の増加ということになっております。その内容といたしましては、事業内訓練に対します補助を行なっているのでございます。六ページに内容がございますが、その補助の対象となる訓練生の数を増加する、あるいは一人当たりの補助額を増加する、あるいは施設につきましても増加する、また機械につきまして新たに補助制度を設けるというようなことを内容としているわけでございます。さらに、公共職業訓練施設につきましても九十四億円を計上いたしまして、専修訓練校、高等訓練校等の施設を充実いたしますとともに、訓練の受講資金制度の拡充でございますとか、あるいは七ページにございますように、実習経費の増額等をはかる予算が計上されているわけでございます。 次に、職業訓練指導体制の強化でございますが、これは訓練指導員の養成に当たっております職業訓練大学校が手狭でございますので、現在小平にございますが、これの移転拡充をはかる予算といたしまして、四十四年度に五万坪、四十五年度に残りの五万坪の予算が計上されておるわけでございます。 次に、農業者転職訓練の積極的な実施でございますが、これは先ほど御説明申し上げました農業者転職対策四億一千万円のうち、職業訓練関係につきましては二億二千万がその内数として計上されております。 次に、二百職種を目ざす技能検定の拡大実施でございますが、わが国の技能水準の向上をはかりますためには、四十四年度の技能検定の実施対象の七十二職種では足りませんので、これを今後五年の間に二百職種に拡大するという目的のもとに、実施職種の拡大、あるいは実施団体でございます技能検定協会の充実をはかる予算が計上されておるところでございます。 次に、職業訓練による国際協力の推進でございますが、技能オリンピックにつきましては、四十五年の十一月に千葉県で開催をするということになりまして、そのための補助金五千万が計上されております。さらに青年技能労働者をヨーロッパあるいはアメリカ等に派遣をする経費、あるいは職業訓練等の指導員の方を東南アジアに技術協力のために派遣をする、こういう予算が計上をされております。 次に、本土、沖繩一体化の推進といたしまして、沖繩に総合職業訓練所を設置するための予算が二億五千六百万計上をされております。 八ページにまいりまして、その他技能尊重機運を醸成いたしますために、技能者の表彰あるいは顕彰等を行なう予算等が計上されております。 労働省の重点施策の第三は、総合的労働基準行政の新展開でございまして、四十五年度要求額は四十億二千四百万、前年度に比べまして約二十億の増加となっております。 その内容の第一は、技術革新によりまして労働態様、労働条件等は非常に急速に変化をいたしております。このためにいろいろ問題が起きているわけでございまして、これに即応して労働条件、労働環境の改善整備をはからなければならないわけでございます。その内容といたしましては、まず、第一に産業医学総合研究所、これはまだ仮称でございますが、その設立の問題があるわけでございます。いま申し上げましたのは、技術革新等によりまして産業関係も非常に変わりまして、従来なかったような新しい職業病あるいは健康障害の問題等が起こっております。これに対処いたしますために、職業病等につきまして予防、治療、社会復帰、一貫した研究体制を確立いたしますとともに、快適な職場づくり、労働者の健康づくりを行なう、こういう目的をもちまして、産業医学のための総合的な施設を設置をいたしたいということで、調査費が三百万計上されているわけでございます。次に、労働基準法の関係につきましても、制定されましてからもう二十数年たっておりまして、いろいろ運用上の問題がございますので、学識経験者を委員に委嘱いたしまして、基準法実施上のいろいろな問題点等につきまして基本的な調査、検討を行なう予算が計上されております。 次に、労働災害防止対策でございますが、労働省におきましては、災害防止の基本計画を、五カ年計画をつくりまして実施をしておるのでございますが、四十五年度におきましても、その基本方向に沿いまして安全衛生対策を強化したいということで、内容といたしましては、危険な機械でございますとか、有害業務等について規制を強化する、職業病の予防対策を拡充する、労災が多く起こっております事業に対しまして重点的に監督を行なう、あるいは労働災害の科学的な分析を行なうという予算のほか、労働災害防止につきましての民間の自主的な活動を促進するという目的をもちまして、九ページにございますように、労働災害防止団体に対しましてその活動を促進する、あるいは企業におきます自主的な防止規程等の作成を推進する等のための予算が計上されております。 次に、労災保険事業の新しい展開でございますが、労災保険制度につきまして、遺族補償給付あるいは障害補償給付につきまして、ILO一二一号条約の基準並みにこれを引き上げたい、また、被災労働者の子弟に対しまして就学援護金を支給する、こういった内容の改善を考えておりまして、このための所要の法律改正につきまして現在準備中のところでございます。 次に、近代化の遅れた分野等に働く労働者の労働条件向上施策の推進でございますが、内容といたしましては、中小企業、サービス業等におきまする最低基準の確保をはかること、あるいは一〇ページにございますように、最低賃金制をさらに推進をする、また家内労働対策につきましては、今国会に家内労働法を再提出をいたしまして、本格的な推進をはかりたいというふうに存じております。また自動車運転者、建設業の労働者等、特殊な問題についても対策を強化したいと考えております。 次に、勤労者財産形成政策につきましては、持ち家を中心といたしまして引き続き調査研究を行ないますとともに、関係各方面に対する理解協力の促進方をはかってまいりたいというふうに考えております。 次に、監督体制の強化でございますが、監督官を四十四年度二十五人に対しまして、四十五年度は七十五名増員をしたいというふうに考えております。 労働省の重点施策の第四は、身体障害者に対する総合的労働対策の推進でございまして、内容といたしましては、雇用促進対策あるいはリハビリテーションの施設の拡充、あるいは職業訓練の職種の拡充等をはかってまいりたい。 さらに、一一ページにまいりまして、身体障害者職業センター、これを東京の上野に新たに設置をしたい。 また、社会復帰のいろいろな指導を行ないますための指導員、これをとりあえず十七名新設をいたしまして、いろいろな相談、指導に応ずることといたしております。 さらに、身体障害者援護対策といたしまして、身体障害者を雇っていただいた事業主に対します融資、あるいは社会復帰をいたします身体障害者に対しまして、住宅の改造でございますとか、特殊自動車の購入等の資金を貸し付ける等の予算を計上しております。 労働省の重点施策の第五は、総合的婦人労働対策の積極的展開でございまして、雇用労働者の三分の一、約一千万人を占める婦人労働者の能力を有効発揮することはきわめて必要なことでございます。そのためのいろいろな啓蒙活動を行なう、あるいは一二ページにございますように、働く婦人の家の増設をはかる、また、中高年齢婦人が職場に働いていただくことを円滑に行ないますために、パートタイム制度について、いろいろ問題点もございますので、これを整備する、あるいは簡易な職業講習等を行なう等の予算を計上してございます。 次に、家庭の内職者の援助措置といたしまして、内職公共職業補導所を二カ所新設する予算が計上されております。 次に、労働者家族の福祉対策といたしまして、従来、個々の企業ごとにしか勤労者家庭のホームヘルプ制度がなかったのでございますが、これを共同方式で幾つかの企業が寄り集まって一人のホームヘルパーを雇う、こういった方式を新たに推進したいというふうに考えております。 重点施策の第六は、勤労青少年対策でございまして、四十五年度要求額は二十億七千五百万円ということになっております。 その内容といたしましては、職業生活設計樹立の援助といたしまして、各種の講座等を行ないますほか、婦人少年室に特別協助員を新たに六十名設けまして、いろいろな相談、指導を行なうということといたしております。 次に、積極的な余暇活動の促進といたしましては、優良グループを表彰する、あるいはグループを集めまして成果の発表会等を行なう等の予算が計上されております。 一三ページにまいりまして、総合的な勤労青少年福祉対策の積極的展開といたしまして、まず、各種の福祉施設を総合的に拡充をいたすことといたしております。先ほど申し上げました勤労青少年センターのほか、現在、すでに百十一カ所に勤労青少年ホームができておりますが、それをさらに三十一カ所増設をする、あるいは勤労青少年体育施設を増設をする等の施設の予算を計上してございます。さらに指導者の養成でございますとか、「勤労青少年の日」を定めまして、勤労青少年の意欲を高める運動を展開したいというふうに考えておるわけでございます。 次に、勤労青少年福祉法につきましては、先ほど労働大臣から申し上げたところでございますが、勤労青少年の福祉につきましての基本理念を明らかにいたしますとともに、勤労青少年に対する国、地方公共団体、事業主それぞれの責務、あるいは、やる仕事の内容を明らかにすること等を内容といたします法案を現在準備中でございます。 重点施策の第七は、新局面を迎える労政の積極的展開でございまして、労働問題に関する長期展望を確立いたしますために、労働経済面のいろいろな分析を行なうこと等の予算が計上されております。 次に、一四ページでございますが、労使関係上の諸問題を話し合いによりまして合理的に解決する機運を醸成するということを目的といたしましていろいろな情報の処理、また政労使それぞれの最高幹部によりまして産業労働懇話会を設けまして、広い視野から意見の交換、意思の疎通をはかるといったことを進めてまいりたいと存じております。 次に、中小企業労働対策の充実についてでございますが、中小企業につきましては退職金共済制度がございまして、これの内容を、現在最低二百円でございますものを四百円に、二倍に引き上げまして、これとともに国庫負担の増額をはかり、また最高額につきましても、現在二千円を四千円に引き上げる、こういったことを内容といたしまして中小企業退職金共済法の改正をはかりたいということで、これも本国会に提出すべく準備を進めているところでございます。 重点施策の第八は、労働外交の積極的推進でございまして、わが国の国際的な地位の向上に伴いましてILOでございますとか、あるいはアジア各国等のわが国に寄せる期待なり、協力の要請が非常に強まっているわけでございます。その一が開発途上国に対する協力の推進でございまして、内容といたしましては、昨年秋、わが国で行なわれましたILOアジア地域会議におきまして、ILOアジア労働力計画というものを策定をすることが決定されたのでございますが、これに対する全面的協力を行なうことでございます。また安全関係につきましても、ILOの要請によりまして、来年度はわが国におきましてアジア地域の安全セミナーを開催することといたしております。また、これらのアジアに対する援助あるいはILOに対する拠点といたしまして、バンコクにレーバーアタッシェを新設することといたしております。 一五ページにまいりまして、ILO、OECD等国際諸機関の諸活動に積極的に参加する内容といたしましては、ILOに対する分担金の増額でございますとか、諸会議への参加、OECD国別検討に対する準備体制の確立等でございます。 次に、国際交流につきましては、先ほど申し上げました技能オリンピックあるいは日米職業共同研究の実施、青年技能労働者の国際交流を行なってまいりたいというふうに考えております。 重点施策の第九は、労働保険の徴収の一元化でございまして、昨年末の国会におきまして、失業保険、労災保険の徴収の一元化法が成立を見たわけでございますが、これに対する準備といたしまして、労働保険の適用の単位がいろいろと違っている、あるいは事業場番号がいろいろと違っていることは困りますので、統一したり、同じ番号をつける、こういった基本的な作業を進めてまいる予算を計上してございます。 最後に、労働情報処理体制の確立でございまして、先ほど申し上げましたように、雇用情報センターにつきましては、来年度発足いたしますが、労働省といたしましては、さらに賃金情報その他も加えまして、総合的な労働情報を国民各位に提供いたしまして、情報化時代にふさわしい、即応するサービスを進めてまいりたいというふうに考えておりまして、そのための調査費、準備費が計上されておる次第でございます。 以上で説明を終わります。 —————————————
○委員長(佐野芳雄君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、本委員会が行ないました委員派遣について、それぞれ派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班からお願い申し上げます。吉田君。
○吉田忠三郎君 第一班の北海道を報告いたします。 上林理事、小野委員及び私の三人は委員会の決定に基づいて、厳冬期の北海道における国有林労働者、道路除雪労働者及び車検業務従事者の労働条件を調査してまいりました。 北海道の冬は本州の冬に比べて、寒冷、降雪、風雪など、すべての面できびしい条件にあることは申すまでもありません。したがって、北海道の労働条件を考えるにあたっては、この冬の自然条件を度外視するわけにはいきません。 以下、順を追って、調査対象とした労働者の労働実態と、これに伴って発生する諸問題を簡潔に指摘することによって、本委員会の審議の参考に供したいと存じます。 まず、林業労働者に多発しているレイノー現象、いわゆる白ろう症状についてであります。この症状は、チェーンソーやブッシュクリーナーなどの使用によって生ずる神経障害を伴う職業病であります。北海道内の国有林労働者について見ますと、四十四年九月に実施した林野庁の調査によれば、調査対象となった林業従事者二千七百名中、異状を訴える者四百九十名に達しております。 私たちは、北海道庁において札幌営林局、労働基準局、全林野の方々から、白ろう症状発生の実情及びその背景について事情を聞くと同時に、札幌医大岡田教授、北大渡辺助教授から、それぞれ専門的な示唆を受けました。また、定山渓営林署管内の国有林の現場に雪を踏み分けて入り、作業の実態を視察し、患者の切実な訴えを聞いてまいりました。 本症状は、振動工具作業に長期間にわたって携わることによって生ずるのであります。また、寒冷という条件が発症の誘因となるということであります。治療方法としては、現在決定的なものはありませんが、長期間の温泉療養が効果的であるということで、北大に温泉療法を委託しております。しかし、患者としては療養期間中、賃金がダウンするわけでありまして、したがって、十分の治療を受けさせるためには、全収補償など基礎的条件を整えてやることが強調されております。根本的解決策としては、症状発生の根源を断つことであります。すなわち、振動工具の使用を法的に規制することとあわせて、無振動機械の開発であります。振動のない電動式のチエーンソーやブッシュクリーナーも若干開発されつつありますが、普及段階には至っていません。先般林野庁と労組の取りきめによって振動工具の使用時間の短縮、職種転換の際の賃金の改善について若干の前進が見られたものの、根本的な解決という点ではほど遠いものがあります。本質的には、現行の賃金形態を再検討する必要があると思います。現在の賃金は出来高払い、すなわち賃請加給方式であって、このことが仕事に無理を生じ、諸手当等についても不利な立場に置いているのでありまして、基本賃金の大幅な引き上げを行なうとともに、雇用の安定、労働基準法の完全適用をはかることが肝要であります。なお、白ろう症状の治療を充実させるために、厚生費の活用によって、温泉療養所を設置するのも、一つの方法かと思います。 一言付け加えますが、深刻なのは民間林業労働者であります。四十二年九月現在、道庁林務部の調査によりますと、白ろう患者は道内で四十二名発生しております。しかし、民間業者も、労働者も、白ろうの実態を隠したがるので、この数字は必ずしも全体を的確にあらわしているとは限りません。したがって、民間林業労働者の実態調査を全国的に実施し、患者の発見、治療につとめるとともに、業者に対する指導、規制を強めることが緊急の課題かと思われます。 いずれにしても、白ろう対策は欧米諸国、特にソビエトの対策を参考にしながら予防、治療の両面において国が一そう研究開発を進め、法的措置を充実することが望まれております。 次に、北海道開発庁職員による除雪労働について申し上げます。 厳冬期の除雪が円滑に行なわれませんと、北海道の産業経済、住民生活が麻痺状態におちいることは明白であります。この点から考えますと、北海道の除雪労働は重大な意味を持っております。開発局所管による除雪延長距離は約五千キロに達しておりまして、これに対する除雪要員は約四千名であります。注目しなければならないのは、要員の絶対数の不足もさることながら、その半数の二千名が定員外職員という事実であります。業務に季節性があるとはいえ、除雪期は不眠不休で除雪作業に携わり、夏は道路の補修の仕事をするなど、年間通して働いている人々が、この状態に置かれていいものかどうか、問題があると存じます。私たちは、札幌から約一時間を要する中山峠へ行き、積雪三メートル余の除雪現場を見てまいりました。この道路は、日本海側と、太平洋側を結ぶ基幹道路であるため、いかなることがあっても交通を途絶させることはできません。積雪五センチ以上になりますれば、深夜でも作業にかかります。北海道にはこのように重要な産業道路は幾つもあります。国の定員削減方針があるとはいいながら、このような重要な任務に従事する人々を、人件費ではなく事業諸費でまかなう形態が本質的に問題があるのではないかと思われます。全員を一挙に定員化できないのなら、せめて、今後、計画的に、段階的にでも、漸次、常勤職員化をはかっていくべきではないかと感じた次第であります。非常勤職員の中から適格者を準職員にあげるとか、研修の実施によって資質を向上して定員にしてやるとか、種々の方法を用いて定員化を弾力的に実現すべきものと考えられます。 最後に、自動車の車検業務に携わる職員の労働条件について、簡単に問題を指摘しておきます。検査場の中は排気ガスによって、高濃度に汚染され、検査員が有害ガスにおかされる危険があります。検査場を開放性にしますと、氷点下十度以下になるという北海道特有の事情があるために、保温上難点が生ずることになるのであります。私たちの視察した札幌陸運事務所の検査場も、ふぶきの日などは、きびしい寒さの中での作業を余儀なくされておりますが、それでもなお、一酸化炭素の濃度測定の結果、労働衛生基準の一〇〇PPMを上回る最高一一〇から一九〇PPMの汚染が現出しております。したがって、問題としては、寒冷作業をなくすために、適切な保温施設が必要であります。また、排気ガスの換気装置を完備することが不可欠であるとともに、職員の健康管理の一つとして、定期検診の充実をはかる必要があると考える次第であります。 以上をもって報告を終わります。
○委員長(佐野芳雄君) 次に、第二班の報告を願います。大橋君。
○大橋和孝君 先般、本委員会の決定に基づきまして、中沢委員と私大橋委員は、愛知県、滋賀県、京都府を視察いたしました。 視察の概要を簡単に報告をいたします。 愛知県におきましては、県庁において、県下の心身障害児者の対策とその施設における医療関係職員の充足状況、成人病対策の実情等について説明を聴取いたしました後、目下建設中の愛知県心身障害者コロニー、愛知県がんセンターを視察したのであります。 滋賀県におきましては、県庁において、心身障害児者の対策とその施設における医療関係職員の充足状況等に関して説明を聴取した後、重症心身障害児収容施設「びわこ学園」を視察いたしました。 次に、京都府におきましては、府庁において、心身障害児者の対策とその施設における医療関係職員の充足状況、成人病、老人対策等について府庁の説明を聴取するとともに、心身障害者扶養共済事業の実施状況等について京都市より説明を聴取したのであります。 また、京都市立病院長、養老施設社会福祉法人市原寮の寮長、向日丘京都府立向日丘養護学校長、向日丘療育園長よりそれぞれの施設の運営、整備の実情等について説明を聴取いたしました。 以上がこのたびの調査の範囲の概要であります。 次に、今回の調査で特に重点を置きました点は、心身障害児者の収容施設における収容定員に対して、施設の運営に必要な医療関係職員の定員が充足されているかどうか、さらに収容定員に対して現在の施設定員で十分であるかどうかということであります。愛知県、滋賀県、京都府、いずれの府県においても、施設に必要な医療関係職員の確保にはたいへんな努力をしておりました。特に看護婦及び保母の確保には相当苦労しておりますが、現在の定員でも施設の完全な運営は困難と思われます。公立関係の施設はとにかく、民間立の施設におきましては、職員の定員確保ができないため収容定員を入所させることができない施設もありました。 収容保護を必要とする心身障害児者がまだ多数在宅のままになっている現在、収容施設の新増設も急を要することでありますが、施設が完成しても看護職員の不足から収容定員を入所させることができないという事態も起こっておりますので、看護婦等の養成は特に緊要であります。 看護婦不足は、単に心身障害児者関係施設のみでなく、わが国の医療界の各面においてその不足が訴えられております。看護婦の不足はそのまま看護婦の労働強化となり、看護婦に対する労務管理の面から見ても重大な時期となっております。政府においても看護婦の養成にはさらに一段の努力が必要であると思います。また、あわせて収容者に対する看護職員の現行比率は、現在の施設の運営の実態から見て、とうてい実情に即した比率であるとは考えられないのであります。特に重症児者施設、特別養護老人ホームにおきましては、比率改訂の必要が一そう感じられたのであります。 以上のほか、府県、市等の各施設におきまして詳しく現状の説明を伺い、御要望等も多々ありましたが、これらの御要望、いろいろな問題点につきましては、委員会におきまして、適当な機会に政府に対して問題解決のための質疑を行ないたいと思っておるのであります。 なお、今回の視察に際しまして、府県、市、各施設の関係者の各位に対しまして、積極的に調査に御協力をいただいた点を厚くお礼を申し上げておきたいと思います。 以上、口頭報告はこの程度にとどめますが、別に報告書を提出いたしますから、詳しくはそれによって御承知願いたいと思います。 以上であります。
○委員長(佐野芳雄君) 以上で派遣委員の報告を終わりますが、去る一月十四日の本委員会で決定した委員派遣は、都合により取りやめましたことを御報告いたします。 なお、ただいま報告がございました第二班から、別途文書をもって補足報告が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十九分散会 —————・—————