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63回国会参議院1970/04/07

建設委員会 第10号

発言数
244
登壇者
15
会派数
3
開催日
1970/04/07

会議録

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  前回に引き続き、建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑がある方は、順次御発言を願います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大臣も十時五十分には行かれるということで、またその後に大臣に対しては御質問をしたいと思いますが、とりあえず今回の改正案の眼目となっておりますものを大きく分けますと、第一には違反建築物対策の推進、第二にには大規模建築物における防災対策、あるいは第三には都市建築物の用途の純化と土地の利用の促進というふうに、三つの柱のようになっていると思います。それに、ほかには雑則に関する規定であるというふうになっているように思いますが、先般来閣議決定を見ております新全国総合開発計画によれば、昭和六十年における市街地人口は約八千四百万人に増加してくるであろう。その総人口に占める割合は約七〇%に達すると見込まれているということでありますが、これに対応する市街地面積は現在の約二倍の規模になっていると考えられております。今回のこの三つの柱による改正は、このような都市化の趨勢に十分対応していける大臣のお考えなのか、そういうものを最初に伺っておきたいのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 新全国総合開発計画に関連しまして、今度まあ社会経済発展計画も近く決定を見ることと思います。一応いま御指摘ありましたような総合政策をもちまして、でき得るだけ過疎過密を緩和していくという方向ではありますけれども、やはり現実の実勢は都市化というものは相当それでも進んでいく。それに対応しまして、やはり都市化が機能的にもまた人間の生活の面からもそれを保証していかなければならないというような観点から、いま御指摘になりましたように、この建築基準法等もそれに対応する構想をもってやってまいるわけでございまして、その意味においては、大体この程度において吸収できると、こうまあ考えている次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこで、新都市計画法と今回の建築基準法と、いま大臣のお話もありましたように、これは当然、車でたとえてみれば、両輪のような形になると思います。したがいまして、この法律の実施面をどう運行していくか、この関係性について非常に重大な問題点が——私はこれから質問をこまかく分析して、この問題について分析していくようになると思うのでありますが、したがいまして大臣の基本的なこの関係性について、運営についての考え方を最初に伺っておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) いま御指摘になりましたのは、非常に大事な点でございまして、従来は建築基準法なるものをつくっても、それがいわゆる各地方自治団体の建築主事にまかせ切りみたいな形になっていくために、非常にこの建築基準法が技術的にそうして孤立的にこれが運営されていっている。そういう関係から、いろいろの違反建築をただあげるとか何かということがやられておったけれども、そうではなくして、いまの都市機能というものを十分にこれは確保しつつ、災害もなくしかつ生活環境をよくするということになりまするので、一番ベースになるのは、やはりある意味においては都市計画法であり都市再開発の構想である、その上に建築基準法が裏づけしていく、こういうふうになるわけでございます。そうなりますというと、いわゆる地方自治体自身が相当都市計画というものと基準法を相関的にこれは運用してもらわなきゃならない。その意味で行政指導ということも相当じょうずにやらなければならないと思います。なお、またこれに関連していま宮崎さんから御指摘になりましたように、これは文教関係の学校関係とかあるいは公衆衛生関係、こういうものとかみ合わなければ、これまた非常に縦割りの弊が出てくると思いまするので、その意味におきまして今後は関係省庁と十分に連絡をとるのみならず、地方自治体においてもそうした形において運営してもらうようにこれから行政指導しなきゃならない、こう考えておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大臣のいまのお話しにありました都市計画法に従属して建築基準法をさせていく行き方にしていくのだというお話しがありますと同時に、あとで私は詳細に局長のほうにお伺いする予定でございますけれども、その端的にあらわれているのが五十四条の改正内容等が非常に目につくところであります。建建基準法の法の設定から見まして、先にやったものを今度あとにつけていく。まあ卑近なことばで言えばそういう形になっていくということなんですが、それでいいかどうかということですね。この点を伺っておきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 相関関係がございますけれども、すでに相当現実の都市化がかなり無秩序にいままで展開しておる。そういう状況でありまするために、論理的に時間的にぴしっとうまくいかないところが現実の行政であり生活面でございますので、その点を先ほど申し上げたように、行政指導で調整をとっていかなければいけないと思うのでございます。そのために市街地再開発のこともやらなければなりませんし、そうしないと、いま御指摘のような矛盾が出てくると思いますが、事務当局から一応その点について御説明いたさせたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 宮崎先生御指摘のとおり、都市計画法と建築基準法は、車の両輪の関係だと思います。都市計画のほうは都市全体をいわば大局的にその骨格を定めていく、建築基準法のほうは、いわばそこの都市を構成する主要な要素である建造物、建築物の個々を規制していく。その両者がうまくかみ合って町づくりが行なわれる、こういう関係にございます。いろんな面でそういう関係が出てくるわけでございますが、一つはこの用途地域の指定あるいは都市計画の街路、公園等の都市施設の配置、こういうものは都市計画として決定されます。都市計画法に基づいて決定されます。その用途地域の区分がなされた中におきまして、どういう形の用途の建築物がどういう形において建築されることが許されるかというのは建築基準法で規定をし、それに基づいて個々の建築が行なわれる際に建築主事がそれを確認する、こういうたてまえになっております。また今回の改正で予定しております容積制を各地区ごとにきめるわけでございますが、これをきめるのは、すなわちその地区におきます街路その他の都市施設との関係を考慮いたしまして、その都市施設に見合う人口容量をそこの地区に入れるということで、そういう形がなされるわけでございます。なおたとえば都市計画街路は、先ほど申しましたように都市全体の有機的な機能を考慮して決定されまして、その都市計画街路に囲まれました一街区内の最大なといいますか、こまかい指導は、建築基準法に基づいて建築主事が認定するという関係で都市が構成されていく、こういう関係になっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 しからば建築基準法というものが二十六年ごろから設定されておりながら、今日に至ってそれらがいまおっしゃったようなことが規定されてないかといえば、そうじゃないんじゃないかと思います。であるならば、建築基準法そのものを生かされていなかった。これが建築基準法が悪かったのか、生かされていなかったのか、ここに問題点があると思うんです。大臣のおっしゃった自治団体に対する行政指導がいままでは行き届かなかった。行き届かすべきである、こういうようなのかどうなのか。今日までの建築基準法を中心とした日本の国土づくりというものがどうあったかということから考え合わせてみて、大臣の御答弁にちょっと私は意に解せない点があるんです。この点どうですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 端的に申しまして、私はこの建築基準法の経済の変化に伴う実際から若干遊離しておったものですね。端的に申しますというと土地が非常に高くなってきた、土地が細分化されてきている。したがって、従来の建蔽率でいくととても高いものにつくからというので、これを無視してどんどんやっていく。これを本来ならば、相当な強力な行政措置をとりまして、あるいは不許可になったもの、あるいはまた基準法違反のものはどんどん代執行なりでやるのか、それもやらないというところに法があってなきがごとき状況であったということが、私は一つの問題点であった。そういう点からしてやはりこれは守り得る程度まで現実に合わせていかなければならぬということが一点。それから建築主事あるいは監視員等も充実していかなければ、ただ法律があるからこれをやりたまえということだけではいけないということが一つございます。それからまたたとえ建築基準法だけあっても、どんどん都市化していく際に、やはり住宅地域なり、あるいは商業地域なりそうしたものを機能別に、これははっきり区分けしていかないと、もう住宅地帯にどんどん商業地帯が入ってきたり、工場と宅地と商業地帯が混在しておる、そのために都市公害というものが出てくる、いろいろの摩擦が出てくるというような点をあわせ考えまして、新都市法並びにその再開発法もつくり、さらにまた計画的な社会投資をしながら環境づくりをしなければならないということで、いま御指摘になりましたように、ただ単に法律をつくってこれをやれということだけではいけないという反省に基づいて、一連の関連の法律とそれから制度を整備して、そうして今後の都市化に対する総合的な施策をする、その一環として建築基準法というものを改正していかなければならぬ、こういうふうに考えた次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大臣が行かれるので、この問題はまたあとでおいでになってからやりたいと思います。その留守の間に進めていくことについて質問をして伺っておきたいと思います。  御承知のように、大臣もおっしゃっておられるように、都心にだんだんと超高層ビルが建っている。そうして巨大というかその地下街も大きく地下の中に広がっていく。周辺は従来からの無秩序な建築物ががちゃがちゃしている。また市街地を見ましても、市街地化のいろいろな法律を出しながら、市街地をどうしていくかということも課題になっている。こうした都市の様相の先ほどお話しがありましたような激変に伴って、これは基準法が対処できる状態ではない。そういう意味の大臣のことばだと思うのでありますが、こうした関係で違法建築は各所にありますわけで、またプライバシーの侵害、こういった社会問題等も起きておりますし、今日では日照権問題が、これも大きな一つの社会問題として引き起こってきております。この日照権問題についても、先日ここに傍聴に来ておられた方の一人も、ぜひその苦情を訴えてもらいたいという話もありました。南側の日の当たる所にぽかっと大きな家を建てられてしまって、それから年々からだの状態が悪くなって呼吸器をわずらってきた、こういったような訴えをしてきました。これは一人の方ではございません。大きな今日の日照権の問題にも広がっているわけでありますから、こういう過密市街地を出現させるような結果はだれの責任かと、こういう私は、わかり切ったような質問ではありますけれども、大臣にだれの責任だったのか、ということを伺っておきたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは非常にむずかしい問題でございまして、何としてもこれは社会全体の激変に伴う制度と国民の合意、この二つによってこれは解決しなければならぬ問題だと思うのです。現在までの建築基準法は、私もしろうとでございますが端的に申し上げますれば、その建築物が技術的に安全であり、防災の面から見ても安全であると、そういうことが主体であったように私は思うのです。したがって、その要件さえ整っておれば、近隣の人にどういう影響があるかということの配慮というものが非常に少なかった。というのは、日本の経済はそれほど大きくなかったために、住宅といえばたいてい平家建てか二階建て、せいぜいそういうもの、それから工場のようなものがどんどんそのほうに行くということもあまりなかったということ、土地もそれほど高くなかったからやはり人間生活に必要な社会的な一つの基準があって、そこでみな標準的な生活ができておった。ところが、そういうことがもう経済の急激な発展と都市集中化ということが出てくる、そのために都会地が無秩序に、経済力と建築基準に合っておりさえずれば、もう土地所有絶対主義的な考え方からどんどんそれがやられてきた。したがって、これは制度の欠点でもあり、あるいはまた、社会の変化に対応してお互いが調整していくというよりも、むしろ自分の持っている権利をいかに活用して、そうして経済的利益を追求するかというふうな風潮がこうした現象になってきたと思うのでございます。その反省に立ちまして、やはりこれは建築基準法だけではいかない。そこで土地区画整理、都市再開発等そうした手法をやりつつ、さらにいまのような日照権とか新たなる従来は問題にならなかったものが、一つの大きな社会的な関心になっている、そうしたものも取り入れた建築基準法というものをつくらなければならなくなってきた、こういうふうに考えている次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 申し上げるまでもなく、これから春で、春から夏にかけて太陽が相当な私どもの生活に大きく、健康にも生命にも作用してくるわけです。これまでは、わりあい気がつきませんけれども、いままでの冬至は二時間の日照というふうに言われておりますし、日本住宅公団が大都市の市街地に大きな高層住宅を建設していくそういう場合の最低基準、それらが考え方を持ちながらやっていくということも聞いておりますし、またこの基準法を設定するにあたって、違反建築被害者の会という会ができている、その会の方々からも訴えがありますし、芝浦工大あるいは早大出身の建築士の方々に頼んで安く住宅をつくって、冬至の日に夏昼の太陽に相当する二十三・六度の角度の光線を当ててみたら、北側の隣家の二階まで日陰になるという実験、昨年四月十九日にこれまた朝日新聞でも報道されているように聞いておりましたけれども、私どもの国民生活にどうしてもこの問題は真剣に今後考えていかなきゃならぬこと等を通して、北側斜線制限関係というものに法案が出てきたと思うのでありますが、先ほど大臣の言われました、都市計画法ベースにして基準法を従えていくという考え方、これからの問題はそれでいいかもわかりませんけれども、今日現在起きているこの問題についてどんなふうに処置していかれようとするのか、伺っておきたいと思います。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 飛行機が少し早く着くようになったそうです。ですから簡単に御答弁をいただいて、帰ってゆっくりやっていただきます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これもまた非常にむずかしい問題でございます。そういうふうに問い詰められると、実際上は非常にむずかしい問題でございますが、そういうところの問題については、できるだけ都市再開発を実施していかなければ、放任されておったものが定着してしまって迷惑を受けておる。こういうような場合、だれの責任であるかということをいま追及してもなかなかむずかしい問題でございますので、できるだけそういうところに再開発を指導し、それに対する助成をしていかなきゃならないと考えておる次第でございます。  それではたいへん恐縮でございますが、ちょっと行ってまいります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それでは法務省の参事官の方がお見えになっておられますか。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) はい。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 この日照権に関する民法上の処置といいますか、そういうようなことをどういうふうにお考えになっておりますか。   〔委員長退席、理事松本英一君着席〕

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 民事責任の点について申し上げますが、日照権、日照の確保ということは健康な生活を享受するために不可欠なものだと、少なくともわが国の社会では考えられているわけでございます。いわば一種の生活利益と申し上げてもよろしいかと思うのでございます。したがいまして、こういった利益を害せられた場合、これはもちろんそれと衝突する他の利益との比較考慮も考えなければなりませんけれども、そういった生活上の利益が侵害されました場合、しかもその侵害が共同生活上やむを得ないと是認せざるを得ないという限度を越えることになりました場合には、民法上不法行為ということになりまして、不法行為上の責任が加害者側に生じてくる、こういう関係になろうかと思うのでございます。まあ非常に抽象的ではございますけれども、裁判例の現実を見ましても、現在いろんな事情を考慮いたしまして、たとえば被害の程度がどうであるか、それから加害行為の態様がどうであるか、加害者の意図がどうであるか、それから加害地域がどういう場所的な性格を持っているかというような諸般の事情を考慮いたしまして、日照権の侵害による損害賠償責任を認めている判例がかなり出ているわけであります。したがって、そういった、裁判所の努力によりまして日照権の侵害に対する不法行為責任という問題もだんだん形成過程にある、あるいは判例が次第に固まりつつあるというふうに考えるわけでございます。もちろん法律上どう説明するかという点につきましては、学説等におきましていろいろ見解の対立があるようでございますけれども、その法律的な根拠をどこに求めるかということは別といたしまして、社会通念上受忍の限度を越える日照権の侵害というものにつきまして、その被害者が私法上救済を求め得るということにつきましては、ほぼ学説等も一致しているようでございます。したがいまして、私どもといたしましては、裁判所の判例が次第に形成されていくのを見守りたい、こういうふうに考えている次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 先ほど裁判例があったとおっしゃいましたけれども、それは、簡単に、どういうことなのか。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 判例はかなり出ております。これはもちろん、最近昭和四十二年あたりから数多く出ているのでございますけれども、非常に古いことを申し上げますと、すでに大正十五年、これは津の当時、安濃津地方裁判所と言っておりましたけれども、安濃津地方裁判所の判決で、すでにその萌芽のようなものがあるわけでございまして、これは、たしか病院の経営者が病室に対する採光、通風を、採光でございますか、日照をさえぎられたということを理由にいたしまして損害賠償請求をして、それが認められたというのがございます。それが、まあ文献によりますと最も古いものでございます。その他のものはだいぶ戦後でございまして、代表的な例を二、三申し上げますと、昭和四十二年に東京高等裁判所で判決がございました。昭和四十二年の十月二十六日の判決でございます。これがやはり日照権による損害賠償を認めた例でございまして、これは世田谷の砧の事件でございます。これは、宅地とともに平家建ての居宅を買い受けて居住しておりましたところ、南側に建築基準法に違反しまして無届け建築をやりまして、これは建蔽率の違反もございます。そういう非常に悪質な被告が二階居室等の増築をいたしまして、原告のほうの日照権が著しく妨げられたという例がございます。なお、福岡地裁の昭和四十三年七月十六日の判決がございます。これもかなり注目すべき判例でございまして、これは福岡市の商業地域に居住していた原告でございますが、その敷地の南側に五階建ての高層ビルが建設されましたことによりまして、日照、通風が著しく悪化したということで、高層ビルの所有者に対して損害の賠償を請求した例がございます。この事件につきましても、裁判所は、商業地域であり、しかも、これは建築基準法違反がなかったのでございますけれども、なおかつ、加害の態様等に着目いたしまして損害賠償責任を認めているという例がございます。まあおおむね積極的な例を申し上げましたけれども、その侵害が社会通念上やむを得ないという理由をもちまして、被害者側の請求を棄却したという例もございます。もちろん裁判が非常にさまざまなケースを取り扱っておりまして、個々具体的な妥当性を求めておりますので、抽象的に申し上げることはむずかしいかと思いますけれども、いま、先ほど申し上げましたように、被害の程度、加害者の意図ないしは行為の態様、それがどういう地域にあるかというような点を非常にきめこまかく判断いたしまして、柔軟な態度でもって、利益の比較考慮の上に立って、積極的に裁判所が妥当な解決を見出すべく努力しておられるというふうに、私どもは了解している次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 こういう問題は裁判にならない問題のほうがもう数限りなくあるだろうと思うのです。その中にはお互いが示談でやるものもあるでしょう。しかし、示談でやったっても、からだのほうは示談にならないわけです。病気をする人は病気をしていくようになっていくだろうと思います。いまお話がありました、どれぐらいの件数がございましたか。件数おわかりでしょうか。昨年度か、昨年度がなければ四十三年でもけっこうですが。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 実は事件の数、あるいは内容につきましては、最高裁当局でございませんとちょっと正確なことは申し上げられないのでございますが、判例集、あるいは外部に出ました判例、これは非常に国民生活上重要な問題でございまして、法律雑誌等は判決があれば必ずそれを取り上げているのが多いのでございますけれども、それによりますと、必ずしも判決になった件数というものはそれほど多くはございません。これは全部ではございませんけれども、昭和四十一年ごろから年に数件、判決になってあらわれましたものは数件でございます。係属している事件あるいは調停等によりまして円満に解決した事件等につきましては、ちょっと私どもの手元ではわかりかねる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 先ほどの世田谷の裁判あるいは福岡の裁判、これはどれぐらいの日数がかかっておるか記録ございますか、判決までの。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 世田谷の事件で申しますと、これは昭和四十二年十月二十六日に判決が出ております。それで、事件番号は昭和四十一年でございますから、それほど長くはかかっていないように思うのでございます。ほぼ一年程度ではないかというふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 福岡はどうですか。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 世田谷の事件でございます。   〔理事松本英一君退席、委員長着席〕

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 福岡の商業地域の……。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 福岡のほうはやや長くかかっておりまして、ほぼ三年程度のように記憶しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 裁判が長ければ長いほど、それまでにすでに日照の関係で一家の人たち、その周辺の人たちがどれほど苦しい思いをし、肉体を傷つけていかなければならないかということは、想像に余りあると思うのであります。したがいまして、大正十五年に初めてこの種の問題が、判例があるということであります。それから勘案して見ますと、なぜ今日に至るまでこれを取り上げようとしていないか、また、いつ法務当局から、この規定に関する法律というものは、民法でどのように規定されるのか、それがわかれば、いつごろ法制化していくか、ということを伺っておきたいと思います。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 日照権の侵害を目的とする立法措置をいつごろやるかというお尋ねでございますが、実はこれは先ほど申し上げましたように、民法上不法行為が成立するということが、ほぼ判例として固まりつつある。もちろん最高裁判所の最終的な判断はございませんけれども、学説、判例等においてきわめて有力になっているということは、要するに日照権の侵害、生活利益の侵害ということが不法行為の要件を満たすということになるわけでございます。そういたしました場合に、これを特別の立法によるということももちろん考えられないわけではございませんけれども、行政的な基準を定めるのとはやや性質を異にいたしまして、どうしても私法上の救済を認めるかどうかという点になりますと、ケースは千差万別でございます。したがいまして、非常に抽象的な基準を設けまして、私法上この限度を越えると救済される、この限度まではがまんしろというようなことを一律にきめるということは、非常に困難ではないかと思うのでございます。もちろん民法にも相隣関係の規定がございますけれども、あれによってすべてがまかなわれているわけではございません。あの規定に違反しませんでも、不法行為になるという場合ももちろんございましょうし、そういった私法上の利害の対立を解決するための手段といたしまして、硬直な基準を設けるということは、少なくとも私法上の問題といたしましては必ずしも適切ではないのではないか。もしかりに日照、通風等の生活利益の侵害が不法行為とならないというような最高裁判所の判断がありました場合には、これは従来の有力説とは非常に違いますけれども、その保護が現在の民法によりまして得られないという結論になりました場合には、これは政策的に十分私法上の救済をどうするかということを、検討しなければならないと思うのでございますけれども、何ぶんにもいま、先ほどから申し上げておりますように、裁判所は非常な努力をされまして、これは努力と申しますのは、無理なこじつけという意味では決してございません。すでに現在の民法の中にそういったものを含んで、それを具体化して、どういう条件で適用するかというようなことにつきまして、非常に積極的な態度を示されているという現実を見ますとき、この判例法の形成というものを、やはり私どもは十分敬意をもってながめながら対処していく、かように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 この問題は法務関係にもなりますし、また自治省の関係にもなってまいりますので、深くこれ以上申し上げませんけれども、いずれにいたしましても、日本と同じような国土の狭いイギリスにおいては、もうすでに法律をもってはっきりと、あとから建てる建物は他の建物の日照権を侵してはならない、というような規定があるように存じているのです。この点は御存じでございますか。

貞家克巳法務省民事局参事官

○説明員(貞家克巳君) 文献等によりまして、詳しくは存じませんけれども、そういう法律がありますことは承知いたしております。ただ、その法律がどういう効果、つまり英法におきまして、不法行為のその基準が即基準になるのかどうかというような問題につきましては、まだ実は調べていないのでございますが、そういう法律をつくるといたしましても、二通り考えられるわけでございまして、私法上の基準になる、これに違反すれば必ず損害賠償責任が生ずる、あるいは建築の差しとめ請求ができるという意味での取り締まり、取り締まりと申しますか、制限でございますのか、あるいは行政的な基準を示す立法でございまして、その違反即不法行為、あるいはそれに合格したことは即民事上の責任を生じないということになるのかというような点につきまして、実は調べておりませんので、そういった点も今後研究いたしたい、かように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その担当の審議官あるいは法務省のほうでそういうことを調べていないということは、ちょっときょうの私のこれから質問を続けていこうと思ったことについて、これ以上質問できなくなるのです。大臣もおいでにならないので私は非常に残念に思っておる。ですから、大臣の行かれることを私は非常に残念に思ったわけですがやむを得ないとしまして、いままではいままでとしまして、今後大いに研究されて、いっときも早く法制化していくということを考えていかなければ国民の上に立っての行政のあり方とは言えないと思います。この点について十分にこの建設委員会の私をはじめ委員の皆さん方の意向として、非常に遺憾であるということを、あなたからも担当大臣に伝えていただきたいということを希望しておきます。  そこで先ほども申し上げましたけれども、今回の改正で従来の特定地区についてのみ認められておりました容積制度を一般化して、その第一種専用住宅を除く高さの制限を廃している、こうなっていきますと、この条文を見ますと、これはまた日照権をめぐる紛争がさらに私は著しくなるんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、そこで大臣に先ほど冒頭に伺っておきました五十四条の点であります。この五十四条の法の解釈を御説明願いたいと思います。逐条説明書にありますね、これに基づいてやっていただけばいいと思います。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) ただいまの宮崎委員の発言の中の前段については、政務次官がお見えになっておりますから、大臣に正確にお伝えいただいて、必要があれば大臣からも御発言をいただきたい、こういうふうにお願いしておきます。

田村良平自由民主党建設政務次官

○政府委員(田村良平君) はい。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 第一種住居専用地域におきましては、その地域の性格から低層住宅地域としての良好な環境を維持するという趣旨からいたしまして、敷地境界線から建物の壁面を一定距離後退させるということができるというたてまえにしております。敷地境界線からの後退距離は、一メートルあるいは一メートル半とすることができまして、それはその地域の性格に応じて都市計画でその内容をきめる、こういうたてまえでございます。現行の一種、二種の空地地区に指定された地域は同様の規定がございまして、一メートル半の範囲内でその距離を定めることになっております。この制度を受け継ぎまして新たな用途地域としての第一種住居専用地域におきましては、先ほど申しましたような一メートル半または一メートルの後退を都市計画できめることができる、こういうことになっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そうしますと、都市計画法のみでこれは適用するんであって、空地地区に関する現行法というものは、この五十六条の説明の一番最後に「なお、空地地区及び容積地区は廃止することといたしております。」ということになっておりますが、従来の建設基準法から抹殺されるんじゃないでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 現行法のたてまえといいますか、たて方を変更いたしましたので、現在のたて方は、御承知のように、地域地区制と空地地区制というものがかみ合ってその地域の用途形態を規制しているわけでございますが、今回はそれをわかりやすくといいますか、統一いたしまして、第一種住居専用地域の中で、その地域、地域に同じ第一種住居専用地域でありましても、やはり郊外の非常にゆったりしたところ、だんだん都心に近くなってくるとその辺の容積が変わってしかるべきだと思いますので、容積率を五〇%から始まりまして、六〇、八〇、一〇〇、一五〇、二〇〇、こういう六つの段階を設けております。そういうやり方で、したがって、従来の第一種空地地区とか、第二種空地地区といったダブったきめ方をやめて、その用途地域に容積率を当然にくっつけて指定するというたて方にしたわけでございます。ですから、内容的にはその間にいろいろ合理化した点がございますけれども、そう従来あったのを基本的にくつがえしたという関係ではございません。そのいまおっしゃった御質問にかかる件に関しましては、そういう関係でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 問題なんです、ここのところは。都市計画だけを中心に考え方、しておりますけれども、今日の現状見ていきましても、およそ想像が私はできると思う。いまお話がありましたように、都市にだんだん近いところは容積率によってきめていくというお話でありますが、この北側を中心にした高さ、それらが今度は問題になってくるわけです。私はほんとうにここに黒板持ってきていただいて、委員の皆さんによく説明してもらいたい。これが北側の建築を建てる自分のうちの敷地の線である。これにどのように高さを持っていけば、日照権問題はこういうふうになってくるのだ。また、五メートルと一律に限定しているのを、七メーター、六メーターとしたときには、今度は日照権はどういうふうになってくる。また、この一対一・二五、それを二対一にした場合にはどういう日照になってくるか。また、これは建設省が案を出されたというふうに聞いておりますが、三対二にしたらどうか。こういった案も出ているということであります。図解をして私は説明を願いたいと思う。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 図解をするというより一そう御理解いただけると思いますが、できるだけわかりやすく説明させていただきます。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 宮崎委員はあれですか、図解してもらうほうがわかりやすいから、ぜひそのように頼みたいと。局長はどうですか。それができるならば……。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 図解いたしましょう。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 では準備をされている間に進めていきたいと思います。図面で書いていただけば一番よくわかると思います。  そこで、先ほどお話がありましたように、容積の率をこの六段階に変えていかれると言われておりますけれども、それぞれに、それぞれの基準というものは、やはりどのくらいの住居地域に対しては、住まいがある、市内に近いところで、どの程度までのところではこれくらいというような基準を何かおきめになる予定がございますか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 先生御承知のとおり、容積率が小さければ、それだけ敷地面積と建物の関係はゆったり建つことになりますし、したがって、この容積率の低い地域は当然、都市の郊外地に位置することになります。ただ郊外地におきましても、計画的な開発をした場所はあるいは高層アパート地区にしようとか、あるいはある程度比較的高い密度の住居地区にしようというようなこともございますから、都心からの距離によって比例するというわけでもございませんわけでございますが、その都市都市の性格なり、今後どういう都市を形成していこうかという、その都市のお考えによりまして、具体的には指定がなされる。それは都市計画としてきめられるわけでございますし、都市計画は御承知のように市長または県知事が都市計画審議会の議を経てきめるということでございますので、建設大臣がこういう場所はこういうふうにすべきであるということをあまり立ち入って申すのもいかがかと考えられますけれども、一応の標準といたしましては、都心部から離れた住宅地が第一種住居専用地域でございまして、その中で郊外に遠くなるに従って容積性の低い五〇%とか六〇%という地域が指定されますので、だんだん都心のほうに近づいてくるに従って一〇〇%、一五〇%あるいは二〇〇%という地域が指定されると、こういうことでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その基準というものがいまのお話だとぼけているように思うんですが、これをきめるのが私はいままでいいかげんだったために、違反建築も日照権問題等も重なって現実的にあらわれてきているというので法改正なさるんですから、したがいまして、これだけの範囲のこれだけのところにはこういうふうにやっていくというその施行令等をはっきりさしていくのがいいのじゃないか、こう私は思うわけなんですが、この点どうなんでしょうか、お考えは。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) これは新しい都市計画法の制定の際にいろいろ十分御審議いただいたことでございますが、そういう都市をいかなる形に将来形づくっていくかということは、やはりその市が主体的にきめるべきである。したがって都市計画法の旧法におきましては都市計画の決定の権限が建設大臣にあった。しかしそれはやはりそういう住民といいますか、居住者の自主的な決定という基本的な態度からいって、知事なり市町村長なりにその権限をおろすべきであるという御主張によりまして、新しい都市計画法においてはそういうたてまえになっておるわけでございます。で、その都市計画法によってきめる都市計画の内容として地域地区あるいはその地区における容積率というものは、やはりそういう趣旨からいって市町村長なり知事が決定されるというのが適当であろうというふうに思うわけでございます。ただ建設大臣としましては、建築基準法の所管大臣としていろいろその技術的なアドバイスをするというのはもちろん、そういった基準をお示しするということは、求められればもちろんいたしますし、そういう考えではおりますけれども、あまり建設大臣が積極的にこういう地区をこうすべきだという指導をすることは、いかがかというふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 都市計画法の上からいきましたら、どんなふうな条例といいますか、法律化していくか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 新しい都市計画法によりまして、都市計画の決定及び変更の権限をこまかくきめておるわけですが、市街化調整区域の決定は知事が行なう、その市街化調整区域内については、その用途地域をきめなければならないということになっておりますが、その用途地域の決定は市町村長が行なうということになっております。で、都市計画法におきましては、そういった権限を明記いたしまして、また公聴会の開催とか原案を縦覧するとか、あるいは意見書を求めるというような手続をきめておりまして、どういうところにどういう指定をすべきだということは、都市計画法としてはきめていない、都市決定権限者にまかしてあるというたてまえであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 従来問題が起きたのも、この行政の指導がよくなかったという点から、今日の事態が生じてきておるわけでありますし、特に今度は一メーター、または一・五メーターこの計画法に基づいて幅員をとらなければならないというようにはっきり規定されてまいります。当然これは条文化していかなければならないのじゃないかと私は思うのですがね。こういう点はどんなふうになるでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) この敷地境界線からの建築物の壁の距離でございますが、これは第一種住居専用地域に限りまして、先ほど申しましたように、第一種住居専用地域を指定する、その場合には当然容積率もその中でここは五〇地区だ、ここは一〇〇地区だと、こうきまるわけですが、そのときにさらにその地域を限って、あるいは限らなくてもいいのですが、この地域については壁面の後退距離を一メートルとする、あるいはこの地域は一メートル半とする、こういうことを都市計画で決定するわけでございます。なお壁面の後退は必ずきめなければならないということでもございませんので、そういう第一種住居専用地域の、ある部分についてだけ行なう、あるいは全然行なわない、あるいは全部について行なうということもございますが、その点は先ほど申しました市町村長が都市計画として決定する際の裁量の範囲内でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 当然そうなりますと、私が申し上げておりますように、都市計画法にも法改正がなされるようになるわけですね。いまのお話ですと、壁面の境界線をきめなくてもいいのだ、ある地域によってはきめてもいいのだ、きめなくてもいいのだというふうになっておりますけれども——いまそういうような御回答があったように思います。そうなりますと、これはまた拡大解釈をしていきますと、これはどんなふうになるか、私は心配ですがね、どうなんでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) これは都市計画法も当然そういう建築基準法上規定を受けまして、法律上都市計画としてきめるとなっている問題につきましては、現行の都市計画法でそれぞれきめ得ることになっております。したがって、あらためて都市計画法をいじる必要はございませんし、また拡大解釈というようなことも私はちょっと考えられないことだと思います。第一種住居専用地域に限ってそういう指定がなされ得るということでございますから、それ以外の地域ではないし、その地域の中で市町村長が、ここはそうするのが適当だと認定したところについて、そういう壁面の後退の距離を示すという関係になるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこで、六条の問題をお伺いします。いまの回答から六条の中にあります点については、どういうふうになりますのか。一番六条の最後にありますですね、「防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内のものについては、この限りでない。」、これは「建築物の建築等に関する申請及び確認」ということなんです。従来は、わかりやすく、私どもは坪で言うとよくわかるんで、三坪までは要らないということなんです。それがずっと三坪三坪と三坪建て敷地一ぱいに建ててきたという実例がずいぶんあります。こうしてきたときに、私はいまの問題がひっかかってくる、こう思うわけです。子供の部屋をつくる、三坪だからいい、物置きをつくる——三坪ありますと子供の部屋は十分できますし、もう活用すれば続けて、壁を抜いて活用すれば部屋が大きく使える、いろんなふうになってくるわけです。六条の法の精神というのは、住みいい生活をさせてあげたい、そして三坪程度くらいならば住居生活としてこの程度ふやしていけば、まあこの法律を制定しておけば子供部屋もつくれるし、部屋を大きくして豊かな生活をさせてあげたいという法の精神と解釈すればそうだと思うんですが、いずれにいたしましても、今日までの六条の件で大きく増築等がされてきているわけです。そうしていつの間にか建蔽率も何もあったものじゃない、一ぱいにうちが建ってしまったなんというのもあるわけです。こういう考え方からいきますと、この六条の取り締まり法といいますのは、私はこれをなくせとかなんとかというんじゃございません。やはり確認をするとか申請をさせるとか、こういったような考えの上に立っての行き方でなければいけないんじゃないか、こう思うわけですが、そういう観点の上に立っての壁面からの境界線というのはどういうふうにお考えになるか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) ただいまお尋ねの六条の一項の三坪までは確認の手続が要らないという規定、この規定はごく小規模の増築工事あるいは改築工事というようなものについてまで確認、申請の手続をとらせるのは、国民の一般の方々に対して繁雑ではないかという趣旨から、ごく小規模のものについてはその手続が要らないという趣旨で設けられたものでございます。しかし、防火地域とか準防火地域になりますと、いろいろ防火上の必要もございますから、これはそういう小規模のものでも手続をとっていただくというたてまえでございます。ただ、御指摘のようにそういった趣旨の規定でございますが、これを悪用してといいますか、悪用して、住宅の新築をする場合には規定どおりの建蔽率、容積率であったものがいつの間にか増築増築で建蔽率を違反しているという事態があることは事実でございまして、これはいまの壁面後退の規定がなされたところにもございましょうが、それ以外の建蔽率を定めた地区においても往々にして見られることでございます。これに対しましては、その建蔽率の規制あるいは容積率の規制というのは、そういうことでつくりました増築分も含めての規制でございますから、つまり違反の状況が増築を繰り返すことによって出てくる、今度そういうことはどうやって対処するかということでございますが、やはり建築監視員がパトロールをしてそういう違反の増築が行なわれる場合には、早く発見してこれを中止を命ずるとか、あるいは除却を命ずるということによって是正をしてまいりたいというのが私どもの考えでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 先ほど大臣の答弁にも監視員をふやして云々というお話もございました。いまお話もありましたけれども、今日の時点においてはそれがほとんどなされてなかったというのが現状だと思います。それを心配します。あと監視員の員数等の問題については、後刻また時間があれば伺って、どれだけの人がこれだけの地域をどういうふうに監視するのだ、具体的な私は事例もありますし、時間がありさえすればこの問題もお聞きしたいと思っておりますけれども、私の考えておりますことが間違っているかどうかわかりませんけれども、そういう私の調べました面からいきまして、非常に無秩序な形になってくるのじゃないかということも心配の種なんです。で、最初は第一種の住居専用地域であったのが、だんだん市街化し都市化していけば準防火地域に指定されてくるようになるでありましょうし、そうなってきましたときには、すでに事おそしということにもなってくること等を考え合わせまして、非常に心配をしているわけです。したがって、この六条の問題あるいはいまの、これから図面で説明していただきますが、この都市計画法のみにこの一メートルから一・五メートルのその壁面の境界、幅員をつくった、そういうことにも関連して非常に心配しているわけです。どうなんでしょうか、私の思っている、考えていることが誤っているでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 六条のいま御指摘の十平米の手続を省略したということが、つまりしり抜けになって違反の助長に一役買っているんじゃないかという御指摘、そういう面も確かにございます。また、そうかといってごくささいな増築につきましても、一々そういう確認の手続をとらせるということが、はたして国民の方々にとっていいかどうかという問題もございますので、要は、そういう形の違反を含めまして違反一般に対して有効の対策がほんとうに確立され得るかどうか、ということに問題はかかってくるのじゃないかと考えます。そういうことから、先ほど申しましたように、建築行政に携わる職員をふやしまして、また監視員というような制度でいろいろ権限も与え、また機動力も持たせまして、そしてやはり現地について早く発見するという体制をとることが一番肝要ではなかろうかというふうに考えまして、そういう線で進めておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 できましたでしょうか、準備できましたか。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 大津留局長、説明を願います。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) ちょっと、担当の市街地増築課長の高瀬課長に説明いたさせます。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) 第一種住居専用地域における北側斜線との関係を説明いたします。条文によりますと建ち上がり五メーター、控除高といっておりますが、五メーターまでの建物につきましては隣地境界、ここが隣地界と見ていただきますが、この境界までびっちりつくって立てることができます。しかしこれを越えた場合は斜線制限、今度の場合には一・二五という斜線距離、これは水平距離一メーター下がる場合には一メーター二十五まで高く建物を上げることができる、こういう勾配でございますが、その勾配というのを絵にかきますとこういう斜線になります。その第一次斜線の場合は十メーターで頭打ちです。したがいましてこれ以上の高いものはできない。十メーターというのはおおよそ三階でございます。普通二階家が六メーター程度でございます。この絵はたまたま軸を東西にとってございますが、よく住宅の形としては破風を北に向けておつくりになる場合もございます。その場合にはここら辺に出てくるわけでございます。屋根がこう出てくるわけであります。したがいまして当然この斜線を切ってしまうという結果になります。そこでそういう場合を想定して、この程度じゃなくて、そういう絵を想定していただきますと、それがそうできるためには下がらなきちゃならないということになります。そこでこの斜線制限でどういうふうな結果になるかと申しますと、一対一・二五という斜線勾配によりますと、二階家六メーター程度のものをつくる場合には八十センチ下げて建ててください、隣地境界から八十センチ下げてください。十メーターの三階をお建てになる場合には四メーター下がってください、こういうふうな制限になってまいります。  それから三分の二という勾配が考えられるわけです。この三分の二勾配でこの斜線制限を考えました場合には、建物はこの形、いまのままでまいりますと隣地境界から控除高を五メーターといたしました場合には、隣地境界から一メーター五十センチ下がってほしい。それから三階をつくる場合には七メーター五十下がってほしい、こういう制限の内容になります。この場合に、北側がこちらといたしますと、北側の敷地がどの程度建物を下げてつくれば日が当たるかという環境の問題が出てくるわけでございます。その点につきまして図面がちょっと間に合いませんので、口で説明さしていただきます。  まず、この法律案に出ております一対一・二五という場合にはどうなるかと申しますと、北側の家屋、従来南側の家屋が平屋だった場合、それから二階だった場合、三階だった場合の条件によりまして、当然こちらの条件は変わってくるわけでございますが、その点につきまして申し上げますと、平屋建ての場合には先ほど申しましたように、控除高の範囲でおさまります。したがいましてぴっちりくっつけてもできますが、北側の家屋の一階が日照四時間を投じ得るためにはどれだけこの境界から下がってつくらなきゃならないかということになりますと、うしろの北側の建物が平屋の場合には六メーター七十、境界から下がりませんと、四時間日照は得られません。それから二階家の場合でございますが、二階に四時間日照を得るためには二メーター下がればよろしい、こういう結果になってまいります。  それから南側の建物が二階家の場合に、先ほど申しましたように八十センチこちらは下がらなきゃなりませんけれども、北側の建物がどうなるかと申しますと、平家を建てて四時間日照を得るためには約十メーター近く後退しなければならない。それから二階家に四時間日照を得るためには、五メーター下がりますと四時間日照が得られる結果になってまいります。これが一対一・二五の場合の条件でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そういたしますと、いまお話がありましたように五メーターですと、一ぱいに建てることができるということになりますね。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) さようでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そういたしますと壁面を、都市計画法の、当該地域の都市計画のもののみに一メーターないし一メーター半の規制をするのである。建築基準法ではそれを、前の空地地区、容積地区等がなくなるから、廃止されるから、今度は五メーターの高さの、いまのだったらぎりぎり一ぱいに二階家を建てることができるということになってきますね。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) 今度の第一種住居専用地域の場合に、先ほどお話のございました壁面後追を課するということは、それぞれの地域の実情によりましてきめることでございますが、そういう都市計画がきまっているところでは、おっしゃるように一メーター半下がらなければ建物はつくれないことになっている、あるいは一メーター下がらなければつくれないことになっているわけであります。しかしその場合の北側斜線制限もそのまま生きているわけであります。したがいまして制限の強いほうにきくという結果になりますので、この建物はそれぞれ一メーター下がって北側斜線の限度内でつくらなければならないという結果になります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 五メーターの高さのところで都市計画に基づいていないものはいいわけですね。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) いいわけです。ただ民法の規定はございますけれども……。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 民法の規定をひとつ御説明願いたい。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) 五十センチ後退してつくれという規定でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 民法のことも聞きたいのですけれども、それよりもいまの問題ですが、先ほどお話のありましたように六メーターですね、六メーターの高さですと八十センチでよろしいということになりますと、この都市計画に基づいているものとのかみ合わせば、どういうことになりましょうか。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) 六メーターの高さの場合、この北側斜線の場合には先ほど申しましたように八十センチ下がらなければいけない。しかし都市計画に基づいて一メーターの後退距離がきめられている場合、壁面後退がきめられている場合には一メーター下がってつくれということだけでございますので、一メーター下がってつくらなければならない。しかし今度は逆に高さ十メーターのものをつくろうとする場合、この場合にも一メーター下がれば壁面後退のほうだけはよろしいわけであります。しかしこの北側斜線がきいてまいりますので、一メーター後退でいいという都市計画でやっても、この場合には四メーター下がってつくらなければならないというのが北側斜線の規定になっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 境界線から八十センチ後退するということに六メートルの場合にはなるわけですね。現行法の空地地区の種別ですか、それから考え合わしてみてどんなふうになるんでしょうか、一、二、三、四、五、六、七種ですか。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) 現行法の空地地区の規定から申しますと、第一種、第二種、第三種という容積で十分の二、十分の三、十分の四以下ときめられている地域に一・五メートル以上あるいは一メートル以上というふうにきまりがございます。それから建て空地と普通言っておりますが、建蔽率だけで規制のあります六種、七種、二つの空地地町、これは十分の二以下、十分の三以下というところにつきまして一・五メートル以下という規制がついているわけでございます。そこで今度の場合には空地地町の一種、二種、三種が消えてしまいます。非常に建蔽率、容積率の規制としましても強過ぎますものですから、これが消えてしまいますので第六種の空地地区の十分の二以下というものがなくなりますから、残る壁面後退が定まっております空地地区は第七種空地地区だけでございます。第七種空地地区というのは十分の三以下でございますので、したがいまして今度の基準法の建蔽率規制、第一種住専については三割、四割、五割、六割ということになっておりますが、その三割のところだけがこれにつながっておるわけでございます。しかし今度の基準法ではこの第一種住専の地域につきましては、かりに三割以上のところでございましても、都市計画としてそういう壁面後退が必要であると考えられるところには、都市計画としてきめることができるようになっているわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 都市計画に含まれてないというところは、どういうことなんでしょうか。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) 都市計画できめられません場合には壁面後退はつきません。したがいまして都市計画でここの第一種住居専用地域は壁面後退一メートルの建蔽率は三割あるいは何割、容積率の何割の第一種住居専用地域であるというふうに都市計画がきめることになっております。したがいまして特に壁面後退をきめないでももちろんよろしいわけでございます。地区の状況によってきめるということになります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 非常にこれは問題が残されていくと思うんです。私はそう思うんですがね。日照権の面からいきまして一分の一・二五ですか、それから先ほど私がお伺いいたしました二分の一、こうした場合にはどうなるのかということを、もう一回御説明願いたいと思うんです。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○説明員(高瀬三郎君) この図面に二分の一を入れてございません。したがいまして説明で申し上げます。  二分の一勾配の場合には一メートル高くしようとすれば二メートル下がらなければいけないということが規定になるわけでございます。したがいまして勾配がずっとこう下がってまいります。で、それだけ南側に建てる方につきましてはきつく働く。北側にお建てになる方にとっては楽になるという結果になってまいります。この数字を申し上げますが、五メートルの建ち上がりをもし認めた場合——認めないとたいへんなことになりますけれども、認めました場合の例を申し上げますが、南側の敷地に平家を建てる場合、これは先ほど申しましたように控除高が五メートルあれば、そのまま敷地に接して建てることもできます。しかし北側のほうの敷地はその場合はどうなるかと申しますと、一階平家の建物がこの北側にあるといたしますと、北側の建物は平家の場合に四時間の日照を得るためには六メートル七〇センチ下がらなければならない。それから二階家をつくる場合、二階家に日がさす場合はこれは二メートルでよろしい。それからこちら側が二階家の場合でございますが、北側の敷地に建つ建物でございますが、平家の場合には八メートル五十センチ、それから二階家の場合には三メートル八十センチ下がれば四時間日照が受けられる、こういう計算になります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私はしろうとですからよくわかりませんけれども、建蔽率との関係、建蔽率を今度は相当余裕を持ったきめ方をしているわけでございますが、それらの考え方から勘案してどういうかね合いになってきますか、この点について。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 建蔽率の合理化をはかりましたわけでございますが、全地域について一律に建蔽率を変えたのではなく、住居地域あるいは商業地域につきまして、従来の建蔽率のきめ方が敷地から三十平方メートルを控除した残りの六割というきめ方をしておった地区が相当ございます。御承知のように今日敷地が非常に細分化されまして、平均して東京などでは二十二、三坪という状況でございますから、さらに九坪を引いた残りの六割というのでは、ほとんど家が建たないというような状況になりますので、それで三十平方メートルを控除するというやり方をやめたわけなんです。  また商業地域につきましては、同様の趣旨から、現行法では防火地域になっていない地域におきましては七割という規定でございますが、これも同様の趣旨から八割ということにいたしました。しかしこの第一種住居専用地域などで、特に壁面後退もきめる必要があろうかという地域につきましては、三割とか四割あるいは五割という建蔽率をきめますので、あるいは現在の一種ないし空地という地域につきましては、その関係はまあ変わらないところもございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 変わらないところもあると言いますが、変わるところが多いと私は思うのです。いずれにいたしましてもその高さ五メートルというふうになっておれば、どこまでも連立する家を建ててもよろしいという結論になるわけですね。その都市計画法によるところの一メートルまたは一メートル半ということにこだわらないで建設できるということですね。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 一メートルあるいは一メートル半の後退をきめない地域におきましても、建蔽率及び容積率は必ずきめられますので、たとえば建ぺい率は四〇%で容積率は一〇〇%だというような規定がなされますと、その敷地内で建物のいわゆる建坪というものは四割以内でなければならぬ。二階建て、あるいは三階建てでございましても、その延べ坪の割合は一〇〇%以内でなければならない、こういう制約は受けるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 先ほどのお話しによりますと、空地地区というものとあまり変わらないということだったら、何も改正する必要はないじゃないか、こう思うわけです。前の廃止されないような利点というものを生み出していくことが私は法の精神を生かしていくのじゃないか。無理に一種、二種三種等に限って変わらないというようなお話しでしたら、何も改正する必要ないじゃないか、こう思うわけなんです。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) この用途地域のたて方といいますか体系といいますか、そういうたて方を変えたということで、それに伴いまして内容的にも不合理な面は改正をいたしました。で、そのおもなものは、空地地区の第一種あるいは第二種という非常に極端な空地を取ることをきめられている制度、これはあまり現実に即しませんので、一種、二種というのは廃止いたしました。したがって、三種からは引き継がれたというかっこうに相なります。したがいまして、先般来大臣の御説明にもありましたように、今回の改正の実質的な主要な点は、この第一種住居専用地域以外のところでは、高さの制限をやめて容積制にしたということ、それから建ぺい率もまあある程度の緩和をはかったということ、それからいま申しました極端な規制を行なった空地地区の第一種、第二種というものを実質的になくしたということでございまして、空地地区制をなくしたということはこれはまあ形の上でそういうものがなくなったということで、実質はただいま申しましたのを除きましては、新しい制度に引き継がれておるという関係でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私の申し上げたいことは、やっと空地地区にしても、あるいは容積地区にいたしましても、どうにか頭の中に入っていくかなと思うころにまた法の改正が行なわれるという、国民はしょっ中変えられて、とまどいながらいかなきゃならないというような見地から、法改正をする上においてはいまの高さを五メーターだけに一定をしていく、これにも少し幅を持たした行き方、そういう私は設定のしかたが将来に対する法を生かしていく精神に基づくのじゃないか、こういうふうにも考えていくわけです。壁面の境界、幅員にいたしましても、やはり十分将来の法の設定のあり方から、国民がどういうふうに理解してやっていきやすいのかということを考えた上の法改正じゃなければならないと思うのです。こういう点についてどんなふうにお考えになっておいでになりましょうか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 実は現行のこの地域地区制に容積地区あるいは空地地区というものがございまして、それがこう重なって指定されるという現行のやり方は、非常に一般の方に理解がしにくいという御批判がございまして、何とかそれを一本にまとめてできるだけわかりやすい形にしようというのが今度まあ体系を変えた際にいろいろ苦心したわけでございましたが、なおいろいろわかりにくい点があるのははなはだ恐縮でございます。  それから、先生が御心配になっておられますように、あの図で言う控除高の五メーターというのが一律で、地域によってはこれに幅を持たしたらどうかという御意見、そういう御意見も実はいろいろ伺っております。そこで都市計画といたしまして、高度地区という制度もこれとは別にございますので、特別の必要があってその地域の高さを、ただいまここで御説明したのと違った高さで規制をする必要があると認められる場合におきましては、これもやはり都市計画という手続で都市計画としてきめることもできます。また限られた地域についてこの基準法で定めた規制に加えて、より一そうその壁面からの距離とか高さ等につきまして規制をしたいという場合には、建築協定という制度もございますので、関係権利者の方々が寄って、皆さん合意の上でそういった建築協定をなさるならば、その地域の権利の承継者にもその規制が及ぶということでございますので、そういう方法もいろいろ考えられるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そのきめられたものに対する控除高ですね、五メーターという幅を持たせないのかどうか、その点もう一度明確にしていただきたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) この第一種住居専用地域、第二種住居専用地域の北側斜線の控除高五メートル、十メートルというのは、基準法で全国的に一律にきめております。したがってそういう意味では幅はございませんが、先ほど言いましたように、特別の必要からそれと違った高さの制限をする、これは斜線の制限も含むわけですが、そういう制限をする必要があるところにつきましては高度地区という制度がございますので、それを活用して都市計画で五メートルあるいは十メートルというのと違った高さをきめることもできます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 せっかくの建築基準法が、先に、長い間長い間の歴史を持っておって、時代の要請によって都市計画法というものに今度はレースの主導権を譲ったみたいな、建築基準法そのものの代執行がうまくいかなかった、先ほど大臣のお話しもありまして、そういったような関係から私はもっとこの点については、日照権に大きく影響してくる問題でありますので、検討されるべきではないか、こう私は思うのです。これは以上要望申し上げて、この問題は時間の関係で次に進むために省略をしてまいりますけれども、申し上げましたことをよく理解をしていただいて、日照権で国民が不健康になり、また生活が薄暗い、暗い生活にならないような考え方を十分に考慮された上で施行しなければいけない、こう思うのでございます。  消防庁長官がおいでになっておられまするし、農林省の方等もおいでになっておりますので、防災建築の質問を少ししていきたいと思います。  ことしに入って、大小にかかわらず火事のあった件数と、昨年来からその火事があるたびにとうとい人命が失われているということが著しく増加してきているということ、そのことについて焼死をなさったお気の毒な方の人数、それらのことをまず長官からお伺いいたしたいと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 昭和四十二年の火災件数は五万四千五百六件でございます。四十三年が五万三千六百五十四件。四十四年は、まだ完全な統計はできておりませんので概数で申し上げますが、五万六千三百四件。火災の件数のほうは四十四年は若干ふえておりますけれども、大体五万四、五千件前後で推移いたしております。これに対して、火災でなくなられた方の数は、昭和四十二年が一千百六人、昭和四十三年が一千百六十人、四十四年、これも概数でございますが、一千二百六十八人というふうに、死者の数は年々若干づつ増加をしているという傾向にございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ことしに入ってからのことをお伺いしているわけです。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 四十五年の一月中における全国の火災件数は、八千百九十八件でございまして、昨年の一月中の火災件数五千三百五十二件に比較いたしまして、非常に大幅に増加いたしております。これは地域的に見ますと、東海地方、中国、山陽地方というように乾燥した状態が続きました関係で、その地域に著しくふえているということでございます。また一月中の火災による死者は、二百四十七人でございまして、昨年の一月に比べまして六十四人の増加となっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 すみません。ことしの件数は八千幾らですか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 一月中で全国で八千百九十八件でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 三十六年ですかの防災建築街区造成法に基づきまして、熱海もこの地域に該当してやっているわけですね、そうでございますね。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) はい。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それで、熱海のつるや旅館の火事がございましたけれども、この熱海のつるや旅館のことがおわかりになっておいででしょうか。と申し上げますのは、建築の今後のあり方、建築施工上の今後のあり方または消防力の今後の進み方あり方というものをお伺いするために、少しの事例をあげまして、この火事ではどういうところに欠陥があった、この件ではどういう火事の欠陥があった、というふうに私は話を進めていきたいと思うのでありますので。熱海の場合によりますと、スプリンクラーが設置されておりながら、この活躍ができなかったという一つの欠陥があります。これらについておわかりのところを御説明願いたいと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 熱海のつるやホテルの火災は、二月三日、出火時刻は三時四十分ごろと推定をされております。消防署が覚知をいたしましたのは三時五十分でございます。焼失いたしましたのは、八階の会議室百四十一平米、九階の物入れ百三十七平米、十階の宴会場が二千六平米、合計いたしまして二千二百八十四平米焼失をいたしております。  出火の原因は、東館九階の物入れ部分、と申しますと、俗にいう押し入れだと思いますが、それから出火をして……

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 失礼します。御発言なさっている間ですが、こまかい経過は私はよろしいかと思います。私のお伺いしている点は、いま申し上げましたように、スプリンクラーというものがせっかく設置されていながら、施設されていながら、その効力を発しなかった、こういう点について今後のあり方として消防庁の考え方はどうなのか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) スプリンクラーは、一定の温度に達しますと、自動的にスプリンクラー・ヘッドが開きまして放水をするというものでございますので、初期の段階においては相当の効果があると思いますけれども、火勢が非常に大きくなりましてからは、スプリンクラーだけで消すということはなかなか困難のようでございます。特にこの熱海のつるやホテルの場合におきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、このスプリンクラーのありますのが十階の宴会場の天井にあるわけでございますけれども、出火をいたしましたのは、それより一階下の物置き部分から出火をいたしまして、あとで調べましたところによりますと、その物置き部分に、工事のときの不十分なせいか、上の十階との間に大きな穴があいていた、その物置きの辺から出火をいたしましたものが、結局その穴が一種の煙道となりまして、吹き上げて十階に燃え移ったという状態でございまして、したがいまして十階でスプリンクラーが作動いたしますまでにはかなり火勢が強くなっていたということから、初期消火の用としてのスプリンクラーが十分に機能しなかった、こういうような問題がございます。したがいましてこれはスプリンクラーそのものにも、これで絶対だということは、なかなか言えない面もございますけれども、同時に建築上の問題もあったように考えられます。そこで、この一例でもって直ちにスプリンクラーは全く役に立たないのだという断定は私はできにくいと思います。特に私が聞いたところでは、スプリンクラーが作動した結果、下に敷いてあったじゅうたん等はあまり燃えなかったということのようでございます。スプリンクラーがなかなか万全であるというふうには申し上げかねますけれども、全く役に立たないというものではないと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 建築上の欠陥があったというお話しがございました。それらについては建設省のほうとこういう施設の関係はうまくなかったというお話し合いはなさいましたでしょうか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) これは建設省というよりは、いわば施工者自体の旅館側自体に十分工事をした人に対する監督ができていなかったのではなかろうか、というふうに私どもは考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もっともこのつるやホテルというのは毎月一回従業員の訓練をきびしくやっていたというふうに聞いおるわけであります。したがいまして、施設のほうのことはちょっとしろうとではわからないと思いますし、——で、建設省のほうにお伺いしますけれども、このスプリンクラーについての基準、規定といいますか、そういうものをきめられておいでになりますか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) スプリンクラーにつきましては、一定の能力を備えたものでなければならないというふうに技術上の基準が定めてありまして、それに基づいて消防機器の検定協会において国家検定を行なったものを使用させる、というふうにいたしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これも単なる水を使用する場合と四塩化炭素を主として使用する場合とあると思うのでございますが、駐車場とか地下街なんかには使われるのじゃないかと私は思うのですが、これに対しは基準法にはこの三十五条に「スプリンクラー」という字句が載っております。そのことばだけが載ってるわけですが、ほかのものについてはいろいろ規定等がきめられてあるようですが、スプリンクラーのもしあるいは基準なり規定なり、そういうものがあれば、またあとで資料として出していただきたいことを、委員長にお願いいたしたいと思いますが、この規定はどういうふうになっておりましょうか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) まあいまお話がございましたが、スプリンクラーは水だけを使用するようになっておりまして、そのどの程度の能力を持たなければならないかということにつきましては、消防法の規定に基づきまして、消防法施行令並びに施行規則でもって能力単位等を定めております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 じゃ化学薬品はいまのところスプリンクラーによって使用するという規定はないのですか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 一般のスプリンクラーにつきましては、そういう規定は化学薬品を使うようにはなっておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 将来私は当然考えていかなければならない問題ができてくると思います。複雑な、科学が進歩していくわれわれの現代生活の中に、地下街なんか特に私はそういった問題が生じてくるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。この点お考えいただいたほうがいいんじゃなかろうかと思うのですが、どうでしょう。むだですか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 化学消火薬剤の問題につきましても、消防研究所等においていろいろ研究をいたしておりますが、たとえば林野火災等につきまして化学消火剤を使う、あるいは御案内のとおり、油火災等につきましてはあわ消火剤を使うというようなことで、いろいろ研究をし開発をいたしてきております。ただ、一般の居室と申しますか、そのおられるところで化学消火薬剤を使うということにつきましては、その人体に及ぼす影響等もいろいろ考えなければなりませんので、いまの段階で一般のスプリンクラー等を通じて使うという段階までまだ至っていないということでございまして、御指摘のとおり、人体に無害なそういう有効な消火薬剤というものの開発につきましては、今後とも研究を進めてまいりたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 熱海の場合もそうですが、ほかの場合にもそうでありますが、屋上に貯水槽を設置するという考え方はどうなんでしょうか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) スプリンクラーの消火設備の水源といたしましては、その規模に応じまして一定量以上の水量を有する屋上水槽または地下水槽によることといたしております。そのほかにポンプ等のこれは送水装置を付置させるというふうになっておりますけれども、全部屋上からということになりますと、建物に及ぼす重量の関係等もございますので、相当程度のものは屋上タンクで用意をさせるというふうな方向で進んでおります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 熱海にもこれは設置してなかったというふうに聞いております。  そのことは別としまして、次にお伺いいたしたいことは、いま俗にハイセンスなおしゃれなキャッチフレーズというような考え方で、無窓建築という様式がだいぶ取り上げられてまいりまして、この無窓建築で火災事故のあったのは豊橋のシャルマン豊栄百貨店ですか、ここだと私は思うのですが、この点はどんなふうに消火作業をし、無窓建築に対する考え方、それらについて御質問したいと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 無窓建築もそうでございますが、最近の建物は外部からの消防活動というのが非常に困難なものが多くなってきております。そこで私どもとしましては、できるだけそういう建物につきましては、建物の内部に消火設備等を設けていただくような方途を講じてきておるわけでございます。ただいま御指摘のありました豊栄百貨店は、建物自体としては建築基準法のいわゆる無窓建築ではないようでございますけれども、表通りに面したところは窓がなくて、横でございますか裏でございますか、そちらの方向にはある程度の窓があったというふうに私聞いております。そういうことがございましたのと、もう一つは、窓のありました部分にも商品の陳列だなが窓を背にして設けられておりました関係上、窓をあけてもすぐにはそのたなの何といいますか裏張りのためにじゃまをされて消火作業がしにくかった、こういうことのようでございます。私どももこういう建物については、具体的な建物に即して消防機関に対して消防計画を立てさせて、必要な消防の進入のための措置を講ずるようなことを、建物所有者側にも求めるよう指導してきておりますけれども、今後ともそういうような方向で考えてまいりたいと思いますし、また今回提案されております建築基準法の改正におきましても、消防隊等のための非常進入口というようなものの設置も予定されておりますので、そういったものとあわせて対策を講じてまいりたいと考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 御説明がちょっとなかったのでありますが、西側から一メートルの避難口を利用してホースを差し入れた。中には煙が一ぱいで入ることができない、したがってホースが届かなかった。連結送水管は各階にちゃんと設置してあるものの、中に入れないために連結送水管は使用ができなかった。何がために連結送水管が各階にあるのか、こういったような問題点もあるわけです。と同時に、煙に対するこの排煙設備、これらに対する消防庁としての考え方、お伺いいたしたいと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 御案内のとおり、この建物が火災になったと推定されます、その推定される発火時刻は、午前一時半ごろといまのところ推定されております。発見されましたのは、もう明け方になってからでございます。発見が非常におそかったということから、消防隊が近づいた時期にはもうすでに建物内が煙で充満していた。そのために、消火作業が思うにまかせなかったということは、御指摘のとおりであります。最近の建物は非常に発煙性のものが多くなってきておりますので、こういう事態が起こりがちでございます。そこで私どもといたしましては、今度の建築基準法の改正でも予定されております排煙設備の設置というものをもっと強化をしていかなければならないということが、建物自体の問題としてございます。と同時に、この煙が充満した場合に、消防隊がこの煙を排除するという、そういう機材と申しますか、の開発も進めていかなければならないと思っております。現在排煙車というのがございますが、いわゆる吸い込み式の排煙車というのでは、小さい部屋に、閉じられた部屋にあります煙程度でございますと吸い出して排煙できますけれども、大きな部屋に立てこもった煙というようなものを排煙車で吸い出すというようなことは、実際問題としてあまり効果がございません。そこで高発泡車というようなものによって、あわを吹き出して煙を押しやるというようなものを最近使っておりますけれども、そういう新しい消防機材というものの開発も、今後進めていかなければならないというように考えております。  それからもう一つは、煙によって火点がなかなか見出し得ないというのが、煙火災の場合における消火がおくれる一つの原因でございます。最近私どものほうの消防研究所で、赤外線等を利用いたしまして煙の中で火点を発見するという機材の開発を進めておりまして、目下実験段階でございますけれども、こういうものの活用ができますならば、煙の中にあっても火点を早く発見して、そこに有効な消火ができる、放水ができるということになろうと思いますので、引き続きそういった問題について開発研究を進めていきたいと考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま無窓建築の話を進めてまいりましたけれども、この無窓建築のいまの状態といいますか、実態といいますか、建設省ではどの程度のものを認めて、どの程度ありますか。わかりましたらば詳細をお願いしたいのです。時間等がありますので、これも委員長にお願いいたしたいのですが、資料があれば資料にして出していただきたいと思うのです。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○説明員(前川喜寛君) 無窓建築の数そのものは、ちょっと詳細に把握しておりませんが、現在、無窓建築につきましては内装制限その他を相当強化しております。御存じのように排煙設備その他につきましては、現行法の改正が要りますので、提案しております。ただ、実際上は、そういったものについては極力指導いたしております。無窓建築になっておりますのは、最近映画館とかその他、光が入っては当然困るというものがございます。そのほかに、工場等で作業上温湿度調整を非常に必要とするもの、厳密にやらないと、たとえばいまのビニール線のようもので切れてしまうとか、そういった種類のものがあるわけでございます。そういう種類のものを認めているわけでございます。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 先ほど宮崎委員から、消防庁のほうにも資料の要求がありましたね。出すことができますか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 先ほどお尋ねのありましたのは、スプリンクラーの技術的基準のお話であったと思いますので、それは資料として提出をいたします。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 承知をされました。  いまの建設省のほうも、出されますね。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 承知いたしました。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこでお尋ねしたいのですが、排煙設備に関する規定が私はないように思うわけです。建築基準法施行令に、地下街のところに、百二十八条の三の一項六号ですね、そこに排煙設備というものだけがあるわけでありますが、従来は、昇降機については百二十九条の三から十三までありますし、避雷設備については十四、十五とありますし、電動ダムウェーターの構造についても百二十九条の十二にありますけれども、一番肝心な、いま消防庁の長官がいわれております、煙のために発火個所が非常に見出すことが困難である、また煙のために多くの人がとうとい人命を失っている、こういう面から考えあわせまして、どういうふうに考えておられるのか。この点を伺っておきたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 御指摘のように、煙の問題が非常に大事になってまいりましたので、現行法でもいろいろ規定はしておりますが、今回の改正におきまして、特殊用途の建築物、その特殊用途の建築物として規制の対象になる範囲をさらに広げましたわけですが、さらに三階以上の建物、また面積が千平方メートル以上の建物、それから先ほどお話に出ておりました無窓建築、こういうものにつきまして排煙設備の設置を義務づけることにしております。その技術的基準等につきましては、さらに政令で詰めることにしておりますが、ただいま申し上げたように、排煙設備の設置すべき建物の範囲を、種類あるいは規模あるいは窓がないというようなものに広げまして、これを設置させることに今度の改正で考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これは事件が起きてから、火災が起きてから、きめるのじゃなくて、当然火事には煙がつきものであります。煙のないところに火は立たない——煙が先になっているわけです。その煙の処置ということがおろそかにされているということ、これは建築基準法の上からいきましても問題点がずいぶんあると思うのです。私どもは、いま新しくつくっていただきました宿舎にもございますが、防火戸が一面ありまして、下から上が非常階段とエレベーターになっておりますが、一階のところに、それじゃその火を遮断していくとびらがあるか、これらの点についても考えてみますと、一階のその付近から火事が起きた場合には上までそれが円筒になっている。風がそこを筒抜けていくようになっていきますと、当然火は広がり、煙は広がっていくということになるわけでありますし、非常階段の考え方と同じように、この排煙設備というものも各階に空気抜けのようにつくっていく。そういう建築の新しい行き方というものも考えていかなきゃならない時代がきているんじゃないかと、こう思うわけでありますし、煙の問題につきましては、これは通気管から、通気管が火をさそっていったとか、あるいは暖房用の通気管、空気流通孔といいますか、ダクトといいますか、それらが大きな火災を起こしてきたという実例はずいぶんある。渋谷駅のターミナル、東急百貨店で西館地下から出火いたしました。これもものすごい白煙になった。排気車二台が出動したけれども、これは二時間以上まるきり白煙で、ミルクを流したような状態だったということを聞いておりますが、これに対して消防庁長官のほうはどう建設省に要求したらいいのかということについて、渋谷の東急百貨店の火災から、どんなふうに当局同士で話を進めていっているかというようなことも伺っておきいたと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 最近ビル火災になりますと、ダクトと申しますか、パイプを通して煙が火災現場以外のところに拡散をするという事例が多くなってきております。これはそういう際にはダクトを遮断する装置がつけられているはずなんでございますけれども、ふだん使わないものですから、手入れが悪いために、いざというときに作動しないというような問題もあるようでございますので、私ども最近こういう事例の多いことにかんがみまして、関係消防機関に対しては、そういったものの点検、整備を関係者に促すように指導いたしておるのでございます。なお、今後ダクトの不燃化というような問題についてもさらに検討を進めていきたいと考えております。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 昨年の政令改正によりまして、御指摘のビル火災による煙の弊害を除去するという観点から取り上げましたのは、いま御指摘の階段その他のビル内のいわば縦穴、縦穴に対しまして各階との間に防火区画を設ける、それで非常の場合は防火戸がしまるというようなことを政令で定めました。また内装の制限を強化いたしまして、廊下とか階段につきましては、不燃性の材料に限るということにいたしました。また、いま御指摘のダクトにつきましても、特に防火壁を貫通する場合のダクトにつきましては、不燃性の材料でつくらなければならないということにいたしました。また今回の法改正におきまして排煙設備を設けなければならない建物の範囲を拡充いたしまして、そういった際に排煙が適切に行なわれるようにということにいたしたわけでございます。昨日御視察いただきました建築研究所におきましても、排煙口また材料の不燃化の試験を鋭意やっておりますし、最近のビルにおきましては、各階に排煙口を設けて火災時の排煙につとめるということにしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私は先ほど申し上げましたように、排煙設備ということを今後の建築にちゃんと条例できめて、そうして人命の喪失を防止していくような考え方をしなければならないのじゃないか、そういう見地からお尋ねしているわけであります。ダクトと同じような構造で各階に水道管を設置しておりますが、水道管などを収容しているパイプ・スペースですか、これを通じて九階まで煙が上がっちゃったという事例もあります。そういう水道管など、およそ考えられないようなパイプ・スペースのようなところからも煙は上がっていくんだというようなこと、そういう事例も消防庁ではよくおわかりだと思う。そこで、私は建設大臣、長官に伺っておきたいのでありますが、いままで私が申し上げておりましたことについて、どんなふうにお考えなのか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 中座をしておりましたので、詳細の点あるいはピントが合わないかもしれませんが、申し上げます。  御指摘のように、最近におきまして、特に都心における土地の高度利用のために中高層、特に非常に超高層も出てきております。その際における火災については、それぞれの施設をやっておるようでございまするが、いままでの事例を見ましても、非常に人命に大きな損害を与えるのは、むしろ煙のために非常な多数の方々が犠牲になったり、あるいはそのために非常な混乱が起きている。その意味におきまして、従前以上に排煙ということが問題になると思います。そのために消火と排煙ということは不可分の形においてこれは研究しなければならない。そのために新しい基準法におきましても、何階か以上には必ず排煙施設をつくるということと、それからもう一つは、内装について煙を出すような建材は使わないようにする。また煙の出ない内装建材の開発をするように指導しているところでございますが、いろいろと御指摘になった点は、今後行政指導の面で十分に配慮していきたい考えておるのであります。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 煙の問題は、御指摘のとおり最近の火事ではたいへん重大な問題でございまして、そういうことから消防法関係でも排煙設備の設置個所等について規制を強化してきておりますが、さらに最近煙感知器等も開発されてまいりましたので、先ほど御指摘のございましたようなパイプ、ダクトというようなものには煙感知器をつけなければならないというようなことによって、いち早くそういう事態の発見につとめるというような対策も講じてきております。  またいま建設大臣からお話がございましたように、今回の建築基準法の改正等におきましても、排煙設備の設置義務が広げられるというような方向に進んでおります。また内装制限の強化も行なわれております。そういった方法、幾つかの対策を講じながら煙対策を進めている段階でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこで私が申し上げるまでもなく、二方向避難ということが最も言われておりますし、屋外の避難階段とか、あるいはバルコニーにタラップ等を設置するということが、特に消防力の活動に対しては当然建築基準法にきめられているわけでありますが、はしご車がビルに消火に行った場合、よく聞かされることですが、団地に高層住宅が建ったと、その中まで入れないということを聞いているのですが、それは道路そのものが段々になっておったり、あるいは植え込みに消防車が入ると、くぼんじゃって入れない。はしご車が活動すると十五トン以上の重量がついてくるとかということで、難点を幾つか施工上に聞いているわけですが、そういったことについて消防庁長官はどんなふうにお思いをしておりますか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 一般に消防ポンプ自動車が消火活動を行なうためには、一般の自動車でございますと四メートル以上の道路が必要だ、はしご車の場合におきましては五メートル以上の道路幅員が必要であるとされております。したがいまして、御指摘のような狭い道等につきまして、あるいは階段等がありますために、消防車等の侵入ができないというような問題が間々あるわけでございます。ただ消防車の場合におきましては、ホースをある程度伸ばすことによってこの問題は解決をしてきておりますし、また、そういう地域につきましては、消防機関があらかじめ万一火災が起こった場合にどう対処するかという、いわゆる実戦上の計画を常に立てて検討してきておりますので、消防車が水が出せないというようなことはあまり——ただ時間がかかるという問題は別にいたしましてはあまりないと思います。ただ、はしご車の場合は建物に近接いたしませんと活動をなしませんので、道路が十分でないためにはしご車が使えないという場合が間々あるわけでございまして、これからの消防というものは、単に消防自動車あるいははしご車という消防用機材の設備だけの問題ではなくて、町全体の防災化という問題と関連して考えていきませんといけないという面はあろうと思いますので、私どもも建設省その他の方面と連絡をとりまして、そういった方法を進めていただくようにしてまいりたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお話しありましたように、四メートルの道路からということになっておりますけれども、方々に電柱がありますし、いろいろなものが置かれてございます。店は張り出して出されておりますし、四メートルの道路ではなかなかたいへんだと思うのですね、実際問題としては。その点も建設省のほうとしては道路行政について大きく考えていかなければならないと思いますし、いまお話がまたさらにありましたように、高層建築につきましては、そばへ行かなければはしご車が活用できないというそうなりますと、よく緑を——緑化運動とかいって木を植えますけれども、それで根元のほうに木を植えてあるということで相当な困難を来たしておるということも、私は何カ所か聞きもしておりますし、見てもおりますけれども、こういう点、それから、もう時間がございませんから全部私のほうで申し上げてお考えをはっきりしていただくために申し上げるわけですが、容積地区なんかに指定されておりましたところなんかは、今後高層ビルが建っていくのじゃないかと思いますし、郊外のほうになりますと、農道が即道路のような形になっていきますと、この活動もできないんじゃないかというような面も出てまいりますし、段々になっている住宅、共同住宅、高層住宅というものができていく。その段々もふだんからだんだんと研究しているからいざというときにはだいじょうぶだというようなお話ですけれども、私はもう建築の施工する時代からいわゆるスロープをつくってすっと入れるような私は土地造成も必要だと思う。その中において建築物を建設していくという形をとっていかなかったならば、いま申し上げましたようなせっかくの消防車、はしごの活動が思うようにいかない、こういうふうに考えますと同時に、幾つかの共同施設をつくって、高層住宅地域におきましては貯水槽は国でつくってやるという、自治体のほうにはそういう負担は国で持ってやるというような形にして整備をしていかなければならぬ、こう思うわけであります。したがいまして建設大臣、今後の道路の幅員のあり方、あるいは郊外における高層ビルがどんどん建っていくけれども、それに対する道路は、最初からこういうふうに規定していきたいのだというような問題それらについて御答弁をお願いしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) その地区地区によって条件がだいぶ違ってくると思いまするので、後ほど政府委員から答弁いたさせまするが、御指摘になりましたことは非常に重要なことでございまして、これは消防庁と建設省、まあ具体的には各都道府県の建築主事と消防署との関係等も、これは綿密にやらなきゃならないと思います。十分そうした消防上の欠陥がなくなるように配慮いたしたいと思います。  なおまた、用水増に対する国家の助成という点は、これはちょっとなかなかむずかしい問題だと思います。この点は十分自治省等においてあるいはしかるべき交付税とかそういうほうの配分でやったほうがいいか、まあ研究いたしてまいりたいと考えます。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 道路幅と建築物の高さとの関係は基準法できめておりますので、狭い道に接してそう高いものはできないというようなかっこうになっております。また、そういう高い建物または大規模な建物は、出入りの交通量も相当ございますので、そういった建物を建てる際には、その接する道路の幅を何メートル以上でなければならないというようなことを、これは地区の状況に応じて条例で規定する道もございます。また御指摘のように団地をつくります場合には、消防当局とも十分連携をとりまして、そういう消防活動に支障のないような団地の設計を進めてまいっておるようなわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 理論の上では、頭の上ではそうかもしれませんけれども、現実的には農道等がそのまま道路法の道路みたいになってしまって、奥のほうに建っているという建物があるわけです。それを私は言っているわけです。したがいましてそういうことではならないと言っているわけです。少なくとも事を始める——文化の基準は道路からともいわれているくらいですから、道路のもしそういうことがあったならば私はならないと思いますし、すべて計画、都市計画にしても再開発計画にいたしましても、発展をさせるのは道路からというふうになっておりますので、先ほどから私は大臣に道路の幅員というものをこの際考えていくべきじゃないかということを申し上げているわけなんです。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 新しい都市計画法の施行令におきまして、先生御指摘の当該地域の開発につきましては、開発許可制度がしかれております。開発許可制度の基準といたしましては「予定建築物の用途、予定建築物の敷地の規模等に応じて、六メートル以上十二メートル以下で建設省令で定める幅員以上の幅員の道路が当該予定建築物の敷地に接するように配置されていること。」ということを規定いたしておりまして、省令では住宅の敷地につきましてはその規模が二千平方メートル未満のものについては六メートル、多雪地域では八メートル、その他のものについては九メートル、こういうふうに規定しております。したがいまして今後市街化区域が指定されますと、それに基づきます開発許可は、この政令並びに省令に基づきまして運用されることになるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまの道路の設定はけっこうでありますが、現実的にはその昔のままの道路で奥のほうにビルが建つということもあっちこっちにあるわけです。そういう面からも私は心配しているわけです。したがいましてはしご車、消防車等が十分にこの市街においても活躍のできるような道づくり、都市づくりというものを考えていかなきゃいかぬ。まあ例をあげれば、この周辺の、この周辺ばかりでなく都会のまん中に持っていって高層ビルが建っているところを問題にあげまして、はしご車がそれじゃどの程度に活躍ができるかということになりますと、問題点はまだずいぶんある。まあ、そういう点も私は個々にお話をして、今後のあり方というものをはっきりお伺いしておきたいということも思っておりましたんですが、だんだん時間がたつばかりで先に進まないものですから、せっかく農林省の方とそれから通産省の人ですか、通産省の方がお見えになっておりますので、先ほど来のお話のことをよくお聞きになったと思いますが、今日の大惨事の原因というと、たいてい建築物に使用している内装材料、それによっての排煙量の多いということ、それらが事故を大きくしているという問題を提起しておりますが、この主要構造部に対して安全上、防災上または衛生上、主要な政令で定める部分にJISあるいはJASのものを使うということになっておりますが、これを使う政令で定めております主要な部分というものは、どんなふうな主要な部分というのか、あるいは新建材の使用を制限される特殊建築物はどんなふうなものをさしているのか、またそれを使おうとするのか、まとめて全部お伺いいたします、そしてこの新建材をチェックする機関としてはどういう機関があるのか。また材料が市中において使われる以前に、使われてから煙が出てどうにもならないのだということじゃなくって、使われる以前に、テストの状態はどんなふうにして市販をされてきたのか。また中にはいまだにまだ研究途上であって、肝心な研究がおくれているという現状等、ひっくるめて私はお伺いいたしたいと思います。JIS、JASのそれぞれの立場の方、また建設省のほうから。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 建物の部分でございますが、具体的には主要構造部のほか屋外階段、バルコニー、防火一尺排煙設備その他の建築設備を考えております。また農林物資につきましては、一般木材をはじめ集合木材合板、難燃合板、防火戸用合板その他を考えております。現在まで大臣が指定いたしました建築材料といたしましては、セメントについてはポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント等の三つがございます。またその他の材料としましてはワイヤラス、メタルラス、木毛セメント板、防火木材及び防火塗料がございます。

久良知章悟工業技術院標準部長

○説明員(久良知章悟君) 先ほどから先生がおっしゃいますように、最近多量に使われております新建材には、燃焼時に煙それから有害有毒ガスを多量に出すものが多いわけでございます。現在できておりますこういう新しい建材についてのJISの中では、残念ながらまだ煙それから有害有毒ガスの制限についての具体的な規定というものは織り込んでおらないわけでございますが、これにつきましてはやはり現在までの研究と申しますか、われわれの材料についての知見と申しますのが、JISとして規定するほど蓄積されてないというところにあるわけでございます。四十三年度から通産省のほうで特別の調査、研究の予算を取りまして、三カ年計画で必要なデータの蓄積と申しますか、調査研究を進めてきたわけでございます。今年度、煙についての有害性の測定法、それから判定基準、これを設定する計画で現在進めておるわけでございます。そのほか有毒ガス成分の分析方法を研究しているわけでございます。こういう基準、分析方法というものができ上がりますと、早急に現在できておりますJISの改定ということをはかっていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○説明員(森整治君) JASのやり方は、若干JISとは多少、天然のものを使っておるという関係上多少やり方は異なっておりますけれども、考え方は全く同じでございまして、どこに何を使うかということは、これは建築基準法の定めることでございます。それからJASの特に難燃合板につきましても、建設大臣の認定を受けました材料につきましてJASを実施させる、という指導をしておるわけでございます。したがいまして、いろいろ先ほど来の質疑を通じていろいろ問題になっております煙の問題につきましても、建設省の御指導を十分連絡をとりまして、これに即刻あわせてJASの表示の適正化をはかっていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお二人の立場の中からお話がありましたように、建設大臣にお伺いしたいのですけれども、基準法が主体になっているという形になってまいりますと、それらにつきまして、使用したあとで、こういうことになってしまうということではなくて、使用する以前に、当然市販される前に、そういうことのないような行き方、これが私は当然あるべき処置だと思います。かつて、問題は違いますけれども、農薬の水銀剤の問題につきまして、私は指摘いたしました。それから含有されている許容量等の問題につきましても、農水で私は質問し、今日の農薬の取り扱い方というものに考え方を改めてこられたようになってきておりますが、この新建材につきましても、当然市販される前に十分な研究をされたものが、安心して使えるというような形にすべきではないか、こう思うわけでありますが、いかがでございましょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりだと思います。したがいまして、そういうふうに生産方面を担当する通産並びに農林省とも連携をとりまして、これが使用される場合において、いろいろ建築基準法で制限しておる場所においては、絶対にこれは使用させないというふうに行政指導したいと考えております。なおまた建築研究所で通産省並びに農林省の生産指導されるものと十分連絡をとりまして、万全を期してまいりたい、かように思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その研究施設でございますが、調査研究機関というのは非常におくれている。建物にいたしましても、その機械にいたしましても、備品類にいたしましても、非常に粗末であるというようなことが今日の災いを起こしておるとも、一面私は言えると思うんです。こういう機関の方々が一線に立って苦労なさっているという点をお考え願いたいと同時に、消防庁長官には、消防士の方が、一人一人の方が身を張って火災を守っていく、人命を守っていくというそのとうとい働きに対して深く思いを起こされておられることは、もう十分だと思うんでありますが、ともかくも今日の、いままでの私の申し上げたことを通して、非常に消防庁は遠慮しているんじゃないか。建設省にはこうしてくれ、ああしてくれ、こうしなければだめなんだという意見をどしどし言うようでなければいけない。そうしてその中から、火災から人命を私は守っていかなければならない、当然の、あたりまえの理であります。それらにつきまして今後どういうふうにお考えになりますかお伺いをして、消防関係の話はとどめたいと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 最近の火災は、先生からいろいろ御質問がございましたとおり、昔のように消防車が飛んでいって水をかければすぐ消えるというような火災ではだんだんなくなってきております。一たび火災が起きますと、残念なことには、先ほども御報告申し上げましたように、たくさんの人命が失われるというような事態が続いております。したがいまして、私どもは第一番目にはやはり火事が出れば消せばいいんだというような観点ではなく、火事を出さないということに徹底していかなければならない。そのためには消防における予防行政を推進していかなければならない、というふうに深く考えております。そういう観点から最近予防関係法規につきましても、かなり整備が行なわれてきております。建設省ともいろいろ御相談を申し上げて進めてきているわけでございますが、お話のありましたとおり、今後もさらに建物の様相等もあるいは町の形等もだんだん変わってまいりますので、世の中の進みにおくれないように努力をしてまいりたい、かように考えております。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど来いろいろ御指摘ありました点、総合的によく建設省といたしましても十分に考慮いたしまして、建築基準法が建物の安全というばかりでなく、それから火災、いろいろの災害等についても十分予防措置が講ぜられるようにという、そういうふうに指導をする。かつまた不幸にしてそういう火災その他震災等いろいろの災害が出た場合に、最小限度にこれを防止できる考慮を払ってまいりたいと思う次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私はまだ建蔽率の問題とか用途地域に関する問題とか残っておりますが、本日はこれで質問を終わりたいと思います。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 午前の審査は、この程度にとどめ、午後二時十分まで休憩いたします。    午後一時十八分休憩      —————・—————    午後二時二十三分開会   〔理事松本英一君委員長席に着く〕

松本英一日本社会党

○理事(松本英一君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、午前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 委員長を代行しているから、要望ですが、一体こんな出席の状況の中で委員会をやるというようなことは、やはりよくないんじゃないか。午前中あたりも非常に出席が悪いのですが、午前中ほとんど野党で、与党のほうから理事が出ているだけです。基準法という法律は、非常に大事な法律で、審議をやっているのにそんな状況で、特に上げるときだけ出席しているというようなことで、こういう基準法を順調に審議しているということができると思っていられるのか、その点をひとつ伺いたい。

松本英一日本社会党

○理事(松本英一君) 出席につきましては、与党の理事の方とよく御相談をし、出席の促進方をお願いしたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それじゃひとつ、今後善処をお願いをして質疑を続けます。  それではひとつ質問いたしますが、まず、局長にお尋ねをするわけでありますが、今度の法律改正で、違反建築の取り締まりの問題等についていろいろな面で強化をされていることは事実です。従来、違反建築の発見について、投書であるとかあるいは電話の申し立てであるとか、そういうものがやはり相当あって、従来、数の上で非常に管理体制が乏しかったけれども、それを違反建築を発見をして処置ができた。こういう面が相当あるように、私たちも現実に聞いておるわけなんですが、こういう点について、あなたはどんな把握をされているのか、その点をひとつお聞かせいただきたい。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 御指摘のように建築行政に携わる職員が数がわりあい少ないものですから、違反の発見、取り締まりに十分手が回わりかねているというのが現状でございます。したがいまして、一般の市民の方がそういう事実を発見されて、特定行政庁に通報していただくということは、取り締まりの成果をあげる上に非常に有効だと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は、有効だというようなことを言っているのじゃないんですよ。現実に違反建築を発見するにあたって、投書であるとかあるいは電話の申し立てであるとか、あるいは直接申し立てをしてくる、こういうことによって違反建築が発見をされて、そうしていろいろな処置ができた、そういう数が非常にあるということを、あなたは御存じでしょうか。この点をお聞きしているわけです。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 年間四万件以上の違反を摘発しておるわけでございますが、これはいろいろな方法で発見して摘発するわけでございますけれども、いまおっしゃったように、一般の市民の方がそれを発見されて、いろいろな形で御通報していただいたということによって発見できたという件数は、相当あると思います。そういう意味で、非常にこれは大事な作用をしていただいておると考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、基準法の第九十四条に不服の申し立てという条項がある。これは特定の行政庁あるいは建築主事の処分あるいは不作為にいて、申請した者が処分や行為のなされないことに対して不服を建築審査会に対して申し出ることができることを規定しているわけです。したがって、その隣人が、いわば建築の取り締まりの怠慢であるとか失策であるとかのために被害を受けた。そういうことによって不服を申し立てていくことは、この条項の不服の申し立てばできないと思うのですが、これは誤りではありませんか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) おっしゃるとおり、この九十四条の不服申し立てというのは、特定行政庁や建築主事の処分を受けた人あるいは受けるべき人が、なかなかその処分がなされないということによって、そういう事実に基づいて不服の申し立てをするということになっておりまして、隣人がそれに対して申し立てをするというのは、この条項からは出てこないということでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 建設大臣、ひとついまの点、九十四条のいまの不服の申し立てについては、当該の当事者が不服を申し立てることができる。しかし、隣人が、それが行なわれないためにあるいは行なったために被害を受けたと。そういうものについての不服の申し立てというのは、この条項ではできない。したがって、審査会へかけて審査をしてもらうとか、あるいは進んではその審査を行政不服の法律に伴って措置をするということもできないわけです。事実そうなんです。たとえば、私、一、二例をあげますけれども、目黒区の五本木の三の二十四の十というところに石川正人という人がいる。この付近に製材所ができているわけですね。この製材所は建蔽率の違反をしている。住居地域の用途地域の違反もやっている。非常に騒音もするというので、東京都の建築審査会に不服の申し立てをやったところが、四十四年の三月にこれが却下された。却下の理由の中に違反は認めるけれども、当事者ではないので却下をすると、こういって却下をされた。あるいはまた、練馬区の早宮一の四十一の十四というところに建て売りの住宅ができた。これは建蔽率の違反をしている。そういうところから、四十四年に不服の申し立てをしたけれども、これまた却下をされた。当事者ではございませんということで却下をされたわけなんです。そこで、そういう事実が現実にあるということを大臣もひとつ認識をしていただきたい。  そこで、私は、一つの事例をここに出します。これは丸屋製作所というところの小柴という人でありますけれども、港区の高輪二丁目の六十一の十四、この人の宅地が三十六坪九合、事務所、社員寮等を建設の目的だ、昭和四十三年の十二月に取得をした。ところが、その付近に藤苑企業というのと東海観光、寿商会、それから東京鋼管継手株式会社、それと丸屋製作所、いま申したのがあって、これが四メーターの道路を、関係者が二メートルづつ出して提供して道路をつくっておったわけです。ところが、ここに藤苑企業、東海観光、寿商会というのが一緒になって——もちろんこれはホテル高輪の関係のものでありますけれども、六階建ての高輪グリーンマンションというのを建設を計画した。そして、四メーターの道路に約一メーターないし一メーター五十センチはみ出して建築をすると、そういうことを計画をして確認申請をした。ところが、昭和四十四年の十二月の十日に、高輪グリーンマンション新築工事を東京都は確認をしたわけです。そこで丸屋製作所は、四メーターの私道がなくなってしまって、事務所、社員寮その他の建設は、道路敷の関係があり都市計画の区域であるから、できなくなってしまった。そこで、基準法第四十五条には道路の廃止の禁止というのがあるから、この条項を適用してもらいたい、建築の確認申請を取り消してほしいといって、東京都の建築審査会に審査の請求を申し入れたわけです。なかなかそれができない。これは、この道路が、建築基準法の四十二条一項三号というところがありますが、そういう道路なのか、あるいはまた二項の道路なのかという点について問題のあることは、これはもちろんでありますけれども、   〔理事松本英一君退席、委員長着席〕 ここでその人たちが申しておりますことは、昭和二十年、四メーター幅の私道として利用されていた道路であるから、そうして相互に提供した道路だから、さっき申しました基準法にきめた道路である。しかも現実にここに——あとでお見せいたしますが、かつての写真があって、この、ここのところのここが道路だと。で、使っておったという者の写真があるわけです。あるいはまた、売り渡しをこの人はされたわけです。帝研レヂノイド砥石という、といしの会社がこの地所を売ったわけであります。その人の、道路であったという証明書もある。あるいは、それを仲買いをした仲介会社の東京建物というところが、この東海観光の代理人と私道の確認をしたものもある。それからまた、二十三年以前から私道があったという隣人の証明もたくさんある。また、東京都自身がつくった、こういう地図がある。東京都が著作権を持っている東京都首都整備局という地図にも、道路として入れてある。  そうであるのにかかわらず、結局、その確認申請を取り消してほしい、つまりこの基準法に基づく不服の申し立てをした。ところが、それはだめだ、当事者ではございませんと、こういうふうな言い方をしているわけです。  そこで、あなたにちょっとお見せいたしますので、少し見ていただきたい。——これがいわゆる道路だと。いまそのマンションの基礎をこしらえている。そうして、この人の、このお宅のすぐ前のところまで道路をトラックが来て踏み荒している。道路であるからがまんをしていると、こう言っているわけですね。もし向こうの言うように私道でないというならば、人の敷地にこんなものを入れ込むということもおかしな話だ。だから、地図についても、ここにあるのをちょっとあなたのところにいまお見せいたしますが、この道路のところへ、これだけはみ出して建てる。その確認申請を東京都は許可をした。それで不服を申し出た。ところが、当事者じゃない。確認を申請をされないので。その当事者が不服を申し立てるのならいいけれども、隣人が被害を受けたからといってこの不服の申し立てばできないということでいるわけです。  ちょっとお許しをいただいて、少し……。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記をつけて。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それでお尋ねするわけです。いま言ったような場合に、第九十四条に伴う不服の申し立てばできないというふうに解釈をされる。この解釈に誤りはないもんかどうか。これをひとつ法務省のほうと建設省のほうからお聞かせをいただきたい。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 私のほうからちょっと先にお答えさしていただきます。  九十四条の解釈といたしましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、先日のこの委員会で法制局の二部長から答弁があり、その建築主事のなした違法な確認、それに基づいて利益を害されたという場合には、審査会に不服の申し立てができるという御見解を示され、私どももそういうことで今後は処理いたしたいということを申したわけでございますが、ただいま事例をお示しになったケースは、よく調べてみないとわかりませんけれども、建築主事が慎重に検討の結果確認したので、その確認は違法であるかどうか私はわかりませんけれども、もしそういう間違った確認をしておるという場合におきましては、そのことによって被害を受けた者、まさしくいま御指摘の方はそういうケースに該当するかと思います。そういうことで建築審査会に不服の申し立てをするということはできると考えます。また、現にただいま御指摘のケースの被害者である丸屋製作所のほうから建築審査会に申し立てがありまして、審査会ではそれを一応受理して、いま審査中というふうに聞いております。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 具体的案件につきましての審査事件の裁決の当否につきましては、私、意見を申し上げる立場にございませんので、それは別といたしまして、不服を申し立てすることのできる人はどの範囲の者かということについて申し上げますと、建築基準法の九十四条の規定は、これは行政不服審査法の特例であろうと考えます。したがいまして、原則的には行政不服審査法の規定が適用になるわけであります。この行政不服審査法は御承知のように、訴願法から発展してこのようになったものと私、了解いたしておるわけでございますが、この行政庁の違法または不当な処分について不服のある者と、こういうことになっております。そういった人が審査請求あるいは異議の申し立てができる仕組みになっておりますが、この不服のある者と申しますのは、行政処分への相手方には限らないというのが従来の見解でございます。またこの行政不服審査法の四十二条にもそのことが明らかに書いてあるのでございます。これは裁決の効力の規定でございますけれども、「審査請求の処分の相手方以外の者のしたものである場合における」云々という規定がございます。したがいまして、必ずしもこの処分の相手方には限定されないのでありまして、処分によって権利あるいは利益を害せられたという人でありますれば、この不服の申し立てができる、このように解釈いたしております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いま言ったようなことが、第九十四条の不服申し立てができるという根拠は、この条文のどこにあるのですか。これは行政不服審査法の第二条第二項に規定する不作為をいう、この行政不服審査法の中には明確にこういうことが出ているわけですね。この法律にいう処分には、「この法律において「不作為」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分その他公権力の行使に当たる行為をすべきにかかわらず、これをしないことをいう。」申請したけれども、法令に基づく申請に対して相当な期間内に何らかの処分その他公権力の行使に当たる行為をすべきにかかわらずこれをしなかった、だからそれは不作為というふうになる。それからまた処分についてもその前に出ております。また行政不服審査法の第二条第二項に規定する不作為というのは、言ったとおり申請したのについて相当の期間放置をされたものについて、それを行為をすべきにかかわらずこれをしないことを不作為——不作為に対して審査をしてもらうということはできる。それから行政不服審査法の第一条二項には、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。」と書いてある。だからここの九十四条はさっき言ったように、当該確認申請をした者が、特定行政庁なりがそれをやらない。そのために相当な期間待っていてもそれがなさないし、また変な処分をしたということについて申請した者が、それに対してそれを許可しなかったとか、あるいは許可をはっきり、いつまでたっても言ってよこさない。それはけしからぬというので、この法律に基づいてその不服の申し立てをするというように規定をされている。この九十四条で、いま言ったような、申請しない隣人の者がこの条項を利用して不服の申し立てができるという法的な解釈があるならば、どこをどう解釈してそれができるとおっしゃるのか、それをひとつ法務省のほうから聞かしてください。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 建築基準法の九十四条は、ただいま仰せのように、これらの「審査請求は、当該市町村又は都道府県の建築審査会に対してするものとする。」と、第一項にこのように規定してございます。これは行政不服審査法の一般の規定の例外をなすものであろうと私は考えるのであります。審査する機関が建築基準法の九十四条に特に規定してあるというふうに理解すべきものであろうと思います。ことに九十四条は「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定による特定行政庁又は建築主事の処分又はこれに係る不作為についての審査請求は、」これこれに対してするものとする、こうございます。ということは、本来、行政不服審査法の適用があることを前提にいたしまして、それによって不服の申し立てをすることができる者は、本来ならば行政不服審査法の規定によってそれをすべきでありますけれども、建築基準法の九十四条のこの特例がございますため、市町村あるいは都道府県の建築審査会に対してする、こういうふうに特則が書いてあるわけでございます。したがいまして、不服申し立てをすることができる者はいかなる者かということが、行政不服審査法からくるべきものと、このように解釈いたしておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それでは行政不服審査法のほうで、このいまのお話だと、結局、基準法に基づく九十四条の不服申し立ては、当該の申請者でなければできないということは、あなたも認めているわけですね。つまり私の言うのは、あなたのいま説明されたのは、行政不服審査法に基づいてやるけれども、建築基準法に基づく不服申し立ては、この条章に基づいて当該市町村または都道府県の建築審査会に対してするものとして特例的なものを規定した、こういうわけですね、そういうことをあなたはおっしゃったわけです。そうすると、いま特定の被害者でない者は、隣人の者がこの不服の申し立てをこの条項によってできるというならば、それは今度は逆に言えば、行政不服審査法に基づいて、この条項でそれができるんだということを説明されなければ、結果的にできないものと同じになるんじゃないですか。まず最初に一つ、この基準法の九十四条の適用については、いわゆる申請をした者、確認申請をした者が、確認の申請が不作為によってなされなかった、あるいはまた間違った処置が出たというところでその不服の申し立てをする、隣りの者が、いま言うとおり隣人が別に確認申請をする、他人が確認申請したことによって被害を受けた場合においては、さっき住宅局長が言うように、この条項を適用することはできないとはっきり言っているわけです。それをあなたも認めるのですか、それとも認めないのですか、同じような見解なんですか、あなたの見解は違うのですか、先ほど言った住宅局長の見解と同じなんですか、それをまず最初にお聞きをしたい。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 原則的には行政不服審査法の規定が適用になるわけでございます。したがいましてその不服の申し立てをすることができる者は、行政庁の処分あるいは不作為によりまして権利を侵害された者、こうなるわけです。それは先ほど申し上げました行政不服審査法の四十二条からも理解できますように、必ずしも当該の当事者と申しますか、処分の相手方となるべき者には限定されておりません。したがいまして、いやしくもこれらの行為によりまして権利を害されたという者でありますれば、これは不服の申し立てができる、こうなると私は理解いたしたい。建築基準法の九十四条は、ただ審査の申し立てをする相手、相手と申しますか、審査機関をここに規定しておるのでございます。九十四条の一項は、これこれについての審査請求は、これこれに対してするものとする、とございます。この趣旨はもともと審査請求ができるという前提に立っている表現でございます。ただ、審査機関をこのようにこの法律できめたということでございますので、不服の申し立てをすることができる者の範囲はどうかということでございますれば、原則に戻って行政不服審査法の規定によってその範囲がきまる、こう申し上げたわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は逆にお聞きをしているわけなんです。九十四条は、そういうふうなものはこの条項に基づく不服の申し立てばできないのかどうかということをあなたにお聞きをしているわけです。あなたは行政不服審査法の関係から、これは単に手続の規定をしただけであるから、これは当該の者でなくてもいいんだということをおっしゃっているわけですね。そういうふうになると、これはいま言った局長の意見と食い違いが出ていることも事実だし、それからまたそういう場合には、ここにあるカッコの「行政不服審査法第二条第二項に規定する不作為をいう。」と書いあるのですが、この不作為の中にそういうものが入るという、一体、カッコ書きをしていて入るという理由はどういうところにあるのですか。不作為ということは行政不服審査法にちゃんと規定してあって、「この法律において「不作為」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分その他公権力の行使に当たる行為をすべきにかかわらず、これをしないこと」といって法律に不作為が規定してあるわけです。その不作為ということをここにカッコして「行政不服審査法第二条第二項に規定する不作為をいう。」と書いてある。そうである以上、ここに書いてある不作為は、行政不服審査法でも明確に規定しているように当事者でなければこの不作為は不服申し立てができないということになるのじゃないですか。できるという理由は、一体どういう積極的な解釈から出るのですか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) この不作為ということを特に行政不服審査法で規定しておりますのは、この不作為ということば自体が必ずしも明確でございません。ただ不作為と申しますれば、何も作為をしないという一般的な解釈になるわけでございます。ただ行政不服審査の対象になる不作為というものはいかなるものかということを、第二条の二項で規定してあるのございまして、これは行政庁が法令に基づく申請に対して具体的に相当の期間内に何らかの処分その他の公権力の行使に当たる行為をすべきにかかわらずしなかった場合の不作為をいうのである、行政庁の不作為をいうのである、それを漫然と建築基準法の法の九十四条にただ不作為を取り入れてまいりますと、いま申し上げますように不作為の意味が不明確になる。そこでカッコ書きでこの行政不服審査法の二条の二項と同じであるということをここに明らかにしたものであると私は理解いたしておるのでございます。そこで、この不作為の場合に不服の申し立てをすることができるのは何人であるかということでございますが、ただいまの具体的な案件につきましては確認申請に対する処分があったはずでございます。そうしますと、その処分に対する不服の審査の形になるのでありますから、この不作為の問題はただいまの具体的な案件の場合には問題にならないであろうと、私はこのように理解いたしております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は、いま、一つの事例を出したのであって、それはあなたから言えば処分に関係することだからと言うけれども、不作為という場合における被害もあるわけですね。そういう場合において、ここに規定しているように、この不作為に対して不服の申し立てをここに、条文に規定している。九十四条にその不作為というのは行政不服審査法にいう不作為であるというふうに明確にしているわけです。だから、この不作為が、申請者以外の者にも被害を与えた不作為でもこの不服の申し立てに入るという積極的な理由は何らないのじゃないですか。あなたは具体的な例について、かりに処分なら処分ということであるならば、かりに一歩譲って、少しその処分についてもう少しお聞きいたしますけれども、何も処分について不利益をこうむるだけじゃない、不作為をちっとも取り締まりをしない、そういう不作為というものがあったことに対して。これをいわゆる手続だと言う。あなたの言う審査会に不服の申し立てをするということ、しかしその不作為というのは、行政不服審査法にいう不作為ですと明確にカッコして書いてあるのじゃないですか。その不作為とはこの行政不服審査法の中に「行政庁が法令に基づく申請に対し」と、ちゃんと書いてある。申請に基づかなくてもいいのだという積極的な理由があるならば、この不作為という条項は変えなければいけないのじゃないですか。不作為による被害を不服申し立てできるという根拠は、どこの法律の中にそれがありますか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 不作為の場合はいかなる者が不服の申し立てができるかとういことは法律の規定にはございませんが、この行政不服審査法の四条にございますように「行政庁の処分に不服がある者は、次条及び第六条の定めるところにより審査請求又は異議申立をすることができる。」このようになっております。この「不服がある者」ということばの解釈でございます。従来、訴願法時代から「この不服がある者」というものにつきましては、法律の規定は何もございません。この「不服がある者」というものにつきましては、先ほど申し上げましたように、行政庁の処分等によりまして権利を害され、あるいは利益を害された者という解釈で運用されてきたわけであります。行政不服審査法になりましても、その点については従前と何ら変わりがないものである、このように理解できるのであります。したがいまして、処分をその不服の対象にする場合であっても、また不作為を対象にする場合でありましても、いやしくも権利を害された者であるということでございますれば、それは不服の申し立てができる、このようになると私は考えるのであります。ただしかし、この不作為の場合には、権利を害された者ということがなかなか具体的には言えないのではないか。具体的な例といたしましては、何もしない場合に、何もしないことによって権利を害されるということは、実際問題としてはちょっと私も適切な事例が頭に浮かびませんが、おそらく不作為の場合には、その不作為そのものによって権利を害されるということは、おそらくまことに希有な場合にしかないであろう、こういうふうに考えるのであります。したがいまして、いずれにいたしましてもこの法律の解釈といたしましては、処分なり不作為によりまして権利を害された者がございますれば、それは処分の相手方とか、あるいは行政庁に対して申請をした者であるとかそういう者に限定する理由はないのでございまして、権利を害された者であれば行政不服審査法の救済を受け得る、このように申し上げておく次第でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 不作為によって被害を受けた者の例をあまり知らないと言う。たとえば建築基準法に違反をして隣地に高い建物が建ってそして日照権を害されるとかそういうようなことで不利益をこうむった、いわば午前に話の出ていた訴訟などの問題が起こっておるわけですね。だからそういうような問題について、それを言ってもなかなかそれを取り払ってくれない。不作為によっていろいろ不利益をこうむっていることはたくさんあるんじゃないですか、幾つもそういう事例は。建築基準法が完全に守られない、あるいは強制執行ができないということになって、つまりそういう不作為の被害を受けながら、隣人がこれを何とかしてくれといって申し立てをしてきているわけなんです。だからあなたが言った不作為のために利益を害された人の例はあまり知らないなんていうことは、事建築に関する限りそんなことはないわけなんです。それが問題になっているわけです。それだからこそこの建築基準法の不服申し立ての中に不作為ということを特に入れてあることはそうだと思うのですね。それともう一つは、あなたの解釈だと、第四条の中の行政庁の処分に不服があるというその不服というところは、これは不作為に入っているのだと、こういうさっきお話でしたね。第四条があるのだからいいですよと。二条の二項には「「不作為」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、」と書いてあるけれども、第四条のほうには「行政庁の処分に不服がある者は、」おそらく処分に不服があるという不服は、不作為も不服も入っているのだからここに入っていますと、こういういまの御説明です。そうなってくると、それじゃここの「行政不服審査法第二条第二項に規定する不作為をいう」ということは削ってもらいたい、行政不服審査法でちゃんとここに書いてあるのですから。それを活用することもできる。それから九十四条でやっていく場合においては、そのような条項が入っていないのは不作為も、あるいは処分も隣人でどんどんこれで申し立てができるというあなたの解釈だ。それなら、ここの条項を削ったらどうですか、削ればあなたの言ったことはぴったり一致するじゃないですか、大臣もちょっと聞いてくださいよ。いま読んでみます。九十四条に、「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定による特定行政庁又は建築主事の処分又はこれに係る不作為についての審査請求は、当該市町村又は都道府県の建築審査会に対してするものとする」としたほうがいいのじゃないですか。そうすると、いま両者が話しているように、いや行政不服法の不作為にはそう書いてあるけれども、四条の不服というところがそうだというような変な解釈をするよりは、これを取ってしまったらどうですか。取ればあなた方双方でおっしゃるように、それは隣人でもけっこうですよ。被害を受けた者は不服を申し立てることができるのだというなら、できるように、ちゃんとわかるように条文を修正したらいい、大臣どうですか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 現行法は、特定行政庁または建築主事の間違った処分、または根拠をなさない不作為申請に対する確認をしないということに対しまして、国民の権利または利益を擁護するという趣旨から、こういう規定が設けられたものと考えます。で、建築基準法にかかる処分または不作為に関しましては、その取り扱いをする官庁としては、建築審査会というものを定めて規定するという関係になっているわけでございまして、この処分または不作為にかかる行政不服審査そのものは、法務省の御見解どおり、行政不服審査法に基づいて手続をとり、またそれに基づく解釈に従って、取り行なうというようにわれわれは解釈しているわけでございます。従来の処分または不作為に対する申請の権利者、申し立てをすることのできる範囲につきましては、以前の行政不服審査法ができます前から、同じような解釈のもとに運営されてきておりますので、私どもは特に他と違った扱いをしているというようなふうには考えておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それならさかのぼって、それじゃこれは違反ですか、目黒の五本木のそばの石川正人さんが、製材所の建蔽率違反と、住居地域の、用途地域の違反を東京都の建築審査会に不服の申し立てをしたが、違反の当事者でないからだめだというのは、これは違反だと、そういうことですな、そういうことになるのじゃないですか。要するに、そこがあってもなくても、両者お話しのとおり、いやそこはあっても、当事者じゃなくても、被害者であれば、隣人がその処分や不作為に対して、不服の申し立てができますと——大臣聞いていたでしょう。両者そう言ったのじゃないですか。そうおっしゃったですよ。そう言ったのじゃないですか。そういった事実から考えれば、このあげたいわゆる確認申請を受け付けなかったのは違反だということになる。それから大臣、いまちょっと法務省の局長とのやりとりの中で、そんな、第四条の処分の不服という不服が不作為を含んでいるという解釈であるというお話ですけれども、この「「不作為」とは、」ということはちゃんと明確に書いてある。それをここに挿入してあるということによって、その不作為が、それが引っかかってくるわけだから、もしいま両者のおっしゃるように、このカッコ書きをとったほうがむしろ明確になるというふうに私は思うのですが、この点について大臣はどうお考えですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) どうも私は法律のあれになると少し弱いほうでありまして……

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 弱くちゃ大臣やっちゃいかぬじゃないですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 専門家のやっておることでございますから……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 常識的に言って……。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 常識的に解釈するならば、そういう法律専門家じゃなければ解釈できないような立法例はあまり好ましくないと思います。もっと明確にわかるようにする。それからいま事務当局がいろいろ答弁しておったので、ちょっと私も理解しにくいのは、まず第一に、今回の事例によりますれば、建築審査会が、これは違法である、違反であるという、建築基準法に合ってないということは認めるけれども、しかしこれは却下するということはあまりにもしゃくし定木で、どうも一般の国民の常識からすれば、一体何のためにそういうしゃくし定木なことをするかという感じが非常に起こると私は思う。そこで私は政府委員の諸君には、そういうような場合、黙っておるというわけにいかないのだから、そういう場合は現実にこれは被害者があるわけですから、それを誤まった判断をしたと見たならば、行政指導でその行政処分をやり直させるか何かする方法を指導すべきじゃないかということを、いまここで言っておるところでございますが、その点事務当局の見解をひとつ申し上げておきます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いいです。私は、いま大臣が最初に言ったように、私も別に法律の専門家でもございませんよ。常識的な質問をしているのであって、常識的に大臣も判断をされて、その判断からいえば、そうわざわざ回り回った解釈にせんでもいいような規定にしたほうがいい、それが至当だとおっしゃっておるわけですな。だから私はこの際、そういうことで見解が明確になった以上、これはひとつ委員長も、自民党も、野党の皆さんもお聞きをいただいておるのだから、どうなんでしょう。ここをひとつ取り払って、すなおな解釈ができるようにする。行政不服審査法に基づくものについては同法があるわけですから、これは生きているのだからできます。たまたま大臣は、これは行政指導でやりますなんというお話ですけれども、そうじゃないのです。これは審査会に審査を求めることができるのです、不服の。審査会というのはきちっと明確に規定をして、この条文の中に非常に重要なものとして審査会の構成もあるわけです。だからこの審査会に不服を申し立てて審査をすることによって、最も公正なものが期待できるわけです。何も行政庁がいままで適切にそういうことをやっていればこんな話は出てこないのですから、行政指導でやっているのはだめなんです。行政指導でやるということより、もっと明確に、さっきからここで話が出ておる、不服についてはちゃんと審査会に申し出て、審査会は受け付けたら一カ月以内に裁決をしなければいけない、審査会の構成はこうなっておる。要するに、行政庁の不作為とか処分で不利益をこうむった者がこれの不服の申し立てをすることができると、明確になっている。さっきから繰り返し話をしておるように、申請をした当事者だけではない、それによって被害を受けた隣人も、これは不作為もあれもこれもできますと九十四条は入っているのです。再々繰り返し局長は、行政不服審査法にこう書いてあるからできるのですと、それからまた住宅局長のほうは、前には何かそういうようなこともあったが、このごろはそれも入っている——さっき言ったじゃないですか。そういう解釈もありますから、そういうことによって——そんなこというなら私はこれで……。速記録調べてからやりますよ。さっきそう言っていたじゃありませんか。皆さんお聞きしているでしょう、そう言って、いることは。要するに、被害を受けた者は、いや九十四条に基づいてその処分について、不作為について申し立てができますと、ただこの九十四条は手続だけを特別なものとしてきめたのですと、最初から言っているじゃないですか、さっきから。もうそんなへ理屈なあれはやめてもらって、御答弁はやめて、大臣がさっき言われたように、端的にこれとったらどうですか。とったらばこれでもってわかるじゃないですか。とって悪いという理屈はどこにあるのですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) いま事務当局からなぜこういうふうにしたか、もう一回説明いたさせます。いま聞いておった範囲内では、先ほど答弁したように、私は法理論とか何かを抜いて、さっきの答弁からそういうふうには感ずるけれども、しかし、専門家の諸君が理由なくしてこういうことをやったとは思われないので、何のためにカッコを入れてこういうふうにしたかということについての立法をした当事者の意見をまず申し述べさせていただきまして、それからまたさらに進めていただきたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 九十四条の不服の申し立ては、法務省の御解釈のように、この申し立ての相手を建築審査会ということを明示したのがその趣旨でございまして、「特定行政庁又は建築主事の処分又はこれに係る不作為についての審査請求」が行なわれるものであるという点については、行政不服……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 行なえる人はだれかを聞いている。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 当初に御答弁申し上げたように、この申し立てのできる人は、原則としては、この処分を受けた、申請をして確認を受けた、あるいは確認が却下された、あるいは不許可になったというその申請をした者並びにそういう申請をしましたけれどもいつまでたっても何らの処分を受けない、こういう者でございます。ただ、建築主事が間違った確認をした、これは確認すべからざるものを間違ってしたということのために権利を侵害されたという者は、申請の当事者ではございませんけれども申し立てができる、こういうふうに私どもは解釈をしております。これは先生が一番初めにおっしゃったのはその原則をおっしゃったので、私はそのとおりとお答えしました。それから、さらに厳密に言いますならば、間違った処分をして権利が侵害された者も不服審査ができる。それはいずれにしても処分があった場合でございまして、不作為ということによってそれで申請者以外の者が権利を侵されるということは、法務省の民事局長の御答弁のように、これはまず考えられないから、そういうものは入ってこない、それが私どもの解釈でございます。  ただここでつけ加えさせていただきますと、松永先生がおっしゃらんとすることは、この申請に対して何らの処分をしないということでなく、この基準法に基づいて特定行政庁が違反是正の命令を出したり、工事の除却を命じたりという是正命令をしないことについてこれを不作為とおっしゃって、それに対して何らかの不服申し立てができるかできないかというお話が、先ほどからあったようでございますが、それはこの条文でいう不作為には当たりません、また処分にも当たりません。したがってそういう場合は九十四条によりましても、あるいは行政不服審査法によりましても、この対象には取り上げられていないということでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 話はわかりましたよ、それでいまのお話で。したがってその不作為というカッコが入れてあるのは、カッコを入れてある以上、この不作為が働くのは、要するに申請者でなければ働かないという解釈だということですと、さっきのこの解釈と違うんです、局長の言っていることと違う。どうでしょう、局長、違ったら違ったで間違いは正せばいいんですよ。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 私も若干誤解しておった点があるかもしれませんが、また表現の足りなかった点もあったかと思います。私が最初御説明申し上げました不服審査申し立てをすることができる者はいかなる者かという一般論といたしまして、訴願法時代からの解釈、それがまた行政不服審査法に至りましても同じ解釈であるということを申し上げたわけでございます。これは原則的にその処分等によりまして権利を害された者でなければ不服の審査を申し立てる利益がないわけでございますので、そういう者でなければならない、こういうことを申し上げたつもりでございます。ただ先ほど建設省からも御答弁がございましたが、松永先生のおっしゃいました案件が、この不作為の案件かどうかということにつきましては、これは若干疑問があるようにも思われるのでございまして、これが純然たる不作為の事件、すなわち行政庁に何らかの処分を申請してそれを行政庁が何もしないでほうっておいたという場合の不作為でございますれば、これは不作為についての規定によってその不服申し立てができるわけでございます。その不作為の場合の規定は、行政不服審査法の七条に特に規定がございます。この七条によりますと、この行政庁の不作為については、当該不作為にかかわる処分その他の行為を申請した者は、異議申立てかあるいは審査請求のどちらかをすることができる、このように書いてございます。しかしこれとても私最初に申し上げましたように、権利を害されたということがなければこの申し立てば実質的には立たない、こういう趣旨で申し上げているのでございます。法律の規定としてはここにありますように、不作為の場合には七条の規定というのがございます。おそらく先ほどの具体的な案件でその申請をした者でなければならぬという判断が下されているようでございますが、それはこの七条の規定によって言っておるのじゃないかと思います。私が申し上げたのは一般論としてこの不服申し立てをすこるとができる者はいなかる者かということを申し上げたわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それではあなたに最後に聞きます。不作為については、これによる被害については、被害を受けた者がこの第九十四条により不服申し立てができるんですか、できますね。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) それは九十四条の規定がございますので、できるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それは要するに直接被害を受けた者であればいいわけですな。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 被害を受けた者が不服の申し立てをすることができるのでありますけれども、この法律の、いま申し上げました行政不服審査法の七条では、不作為の場合には「申請した者」と書いてあります。申請をした者でありますけれども、被害を受けていなければ申請してもその請求は立たない、こういうことを申し上げておるわけであります。実質的に申し立てできる者はいかなる者かということでございましたので、その被害を受け、権利の侵害された者、これが要件だということを申し上げておるわけであります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうなると、いまだんだんやってくると、不作為ということは申し立てできるんだという話ですから、これはそっちと全く同じじゃないですか、そういう御答弁なら一致したわけです。  そこで大臣、さっきから話が出ておるのは、要するに処分について被害を受けたときにはこれは九十四条は適用をできます。不作為についてはこの申請者でなければできませんよと、できませんと、そういうことが結局第九条のものだと、こういう話が出たわけですわね。つまりその処分が誤りであって、基準法違反の処置をした、そのために被害を受けたということで申請をしないほかの者が処分の不服の申し立てをすることができる、いいですか、ただ行政庁がなかなか停止をさせたり、立ち退かせたりする、取り払ったりする、そういうことをやらない。そういう不作為に伴うところの隣人の被害、申請者でない被害者についてはこの不作為の九十四条は当たりませんよというのが、いまの最終的な答弁であったと思う。私はそれは間違いないと思う。しかしそれでいいでしょうか、それでいいとお考えになりますか。いわゆる基準法違反の行為をした処分についてはそれはできる、しかしその行政庁が、特定行政庁がこのいろいろな停止であるとか、あるいは取り払いとか、そういうふうなことをやらない、そういうことがちっとも行なわれない、そのためにもう見る間に家はできて日は当たらなくなる、騒音は出てくる、ぐあいが悪いというときに、この不作為はだめですよこれは、ということをそのままにしておいていいでしょうか。そういうことがむしろ多いんじゃないですか。そこにあげてありますが、そこにあげてあるのは、そのあとのほうに……。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記とめて。   〔速記中止〕

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記をつけて。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 たとえばいま言ったように、ここに中国文学の竹内好さんが独力で違反建築と戦った。次々と役所へ言っていったって何もやってくれないというんでしょう。それでとうとう工作物建築禁止請求を十回もやったりなんかして、それで何かしまいには話し合いといこうとになったようですがね。だから、言ってったって何もやっちゃくれないわけです。それで不作為でどんどんそれをやってくれと言ったって、これはもう向こうのほうでそれをやらなければ、直接被害を受けていても当事者でなければだめだというようなことになる。それよりもっとすなおに、要するに処分が間違っていればもちろん不服の申し立てもできる。それからまた不作為が行なわれてそのために被害があるということを審査してくれと言ったらば、そういう点を審査会が審査をして、そうしてこのための被害はそんなにたいしたものじゃないとか、あるいはこの建築物は違反ではないし、それに対しては被害はないから、それはあなたの言っていることはあれだというふうに処置をしてくれればいいわけなんです。だからもっと、さっきから言うように、行政不服審査法の不作為というのは行政不服審査法でちゃんときめてあるのだから、間違いないわけですよ、そんなことはね。だから間違いないわけだから、この規定をとれば、つまり隣人といえども、被害というものがあると言えば、それを不服を申し立てることができるようになるわけだ。事実不作為によって申し立てしていっても、なかなかそれを実行してくれない。早く取り立ててやってくれない、処置をしてくれない。そこで、つまり不満が出てきていろいろするわけです。だから、私は、むしろそういうものの救済措置も考えなければいけないのだから、別に行政不服審査法の不作為を変えなさいと私は言っているわけじゃないのですからね。だから、この条文の不作為というのは、処分と同じように、不作為でもそれによって非常に被害があったと判断して出してくれば、不服の申し立てをしてくれば、審査会を開いてみたら、それはそうじゃないとかできるわけです。ところがあなたのはだめだと、こういう言い方をするわけでしょう。さっきからの話しによると、違反の事実は認めるけれども、当事者でないからだめだということは、ないわけですわね。さっきの話によるとこれは間違いだということははっきりしたわけです。それじゃこれはまたおきますよ。それじゃこれがいいというなら、今度また処分のことについてもこれじゃしょうがないじゃないかという話になりますからね。これはまああとでちょっと聞きますけれども、その不作為に伴ういわゆる不利益をそのままにおいていいのかどうかということを、私は大臣に聞いているわけですよ。いま大臣に、突然そういうお話をあなたに聞くわけじゃないでしょう。いろいろな経過の中からお互いが判断をして考えてみて、当事者の不作為、当事者そのものの不作為行為については、行政不服審査法でちゃんと明確にしてあるわけだから、それでいいじゃないですか。しかし、ここにいう不作為という場合には、処分と同じように——処分だからその不服ができる、不作為だから不服はできないということは、へんぱな考え方じゃないか。そういうものを救済する必要があるんじゃないか。いやこれは変えなくてもいいというなら、どこで救済をしてくれるというのか。私は、そういう意味で、やはりこれはおっしゃるようにとったほうがいいという判断をするわけなんですよね。それについてまああとで大臣答弁してください。それからもう一つ——いま言った処分のことをあとでもう一度聞きますから……。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) この違反建築が非常に多くて、それによって被害を受けておられる方もございます。そういう方がその違反建築の取り締まりを特定行政庁にいろいろ通報して要請しても、なかなか取り締まりを徹底してやらないという御不満、これはもう非常に再々伺っております。で、今回の改正もそういうことで取り締まりを一そう有効にやろうというのが眼目でございますが、そういう取り締まりをすべきことを役所がやらないと、それもまあ不作為ということばの中には、そういうことも不作為と言えますけれども、この法律で言う不作為というのには該当しないわけでございます。それはかりにそのカッコをとったといたしましても、行政不服審査法が、そういう行政の処分をする、あるいは処分をすべきところを——その処分というのは、その申請があって許可するとか許可しないとかということですが、そういうことに対しての救済を目的とした法律でございますから、そういう取り締まりをやらないということについては、この法律によるのじゃなくて、また別の方法によらざるを得ないと思うのでございます。そこで、建築基準法の違反につきましては、前回もここでお答え申し上げましたが、その特定行政庁にまず申し出ていただく。特定行政庁もなかなかぐずぐずしてはっきりした措置をとらないという場合には、東京でいえば区役所が扱いますから、その上級官庁としての都がございます。都のほうに申し出ていただく。都が行政監督に基づいて指導をする。さらには建設省に申し出ていただけば、建設省が都にいろいろ指示もいたしますし、また都を通じて国も行政指導をするということによって扱うのが筋かと思います。そこで前回も御質問があってお答えしたのでございますが、それじゃこの建築審査会というのは、そういう場合に何らの役に立たないのかということでございますが、この建築審査会が不服の申し立てに対する審査ということではなく、特定行政庁に対していろいろ意見を言うということができますので、そういう意見を言うという権限に基づきまして、そういったお申し出があれば一つ一つの案件についてどうしろ、こうしろということは適当でございませんが、一般的な処理方法としてこの基準法の施行上特定行政庁のやり方が適当でないと、こういうふうにも、とすべきじゃないかという意見を申すことはできますので、そういう形で取り扱ったらどうかということを前回も申し上げましたが、そういう考えでおります。さらには最終的には裁判所に訴えてその権利なり利益の救済を求めるということが最終の手段として残されておると、こういうふうに考えます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 だめですよ、そんなのは。そんなことを、こういうところがあります、こういうところに申し出る方法がありますと……私この前ちょっと二宮さんに対する大臣の答弁を聞いていましたが、そういうことのないようにしますと、こういう話です。それでできれば何も問題はないわけですよ。そういうことが現実に行なわれないから、だから不作為についていろいろ問題が出てきているわけなんですがね。だからそういうことをするならなぜ——不服それからまた建議という方法があるという話だけれども、そんなことで……建議というのはそんなことをやるための審査会の建議ではなくて、もっと広い意味のいわゆる審査会の建議であることは、もう申すまでもないわけです。そういうことを一々建議したら建議というのは少しおかしな結果になってしまうわけです。だからあなたがおっしゃったように、そういう措置がありますとか、やらせます、大臣の言うようにそういうことのないようにいたしますというなら、よけいにここへ不服申し立てができるようにしておけば、そういうところまでいかぬものも措置をされるし、そういうものがなかなか実行できないものについてだって、ここの不服の申し立ての救済もできるわけだから、だからここの不作為を、そういうカッコ書きをとっておいて、それができるようにしたほうがいいでしょう。いやもう大臣そんなに事務当局のことばを聞いたってしようがないですよ。さっきから私が言っているように、行政不服法の中の不作為を変えなさいというなら、大問題でしょう。だから私はそういうことを言っているのじゃないのですよ。しかし、ここでいう、この基準法における不作為というのがあって被害を受けたということが事実あるわけです。それから一番初めに言ったとおり、こういう違反建築とか、いろいろな問題については、そういう投書とか、不服の申し立てとか、いろいろな問題で発見しておるものも非常に多いということを言っているわけなんです。だから、そういうものが不作為による被害が救済できるように——当事者については行政不服法を使えばいいのじゃないですか。行政不服法でちゃんと書いてあるのだから、それでやっていけばいいじゃないですか。そうでないものについての不作為の被害を救済するには、これをとる以外にいい方法はないですよ。そのほうが的確にそれらの人に対する措置が考えられることになるのじゃないですか。いやそんなことを……それができませんという理由はないでしょう。いや役所がやります、ここに申し込んでください、またそんなことはないように取り締まりをいたします。そんなことでできるなら、これはけっこうだけれども、そういうことも一生懸命やってもらわなければいけない。しかし、そういうことでも、なおかつ不安があれば大いにちゃんと門を開いて審査会に持ってくる。いや審査会の権威があるからそんなことは考えられない、そんなたわいのないことを言っていないで、もっといままでの不作為の被害の事実にかんがみて、不服申し立てで処分ができるようにしてやるのが当然のことじゃないですか。これを入れたためにそういうことになってしまったのです。これは現にこれを入れたのは昭和三十七年の九月十五日の法改正でこういうものを入れたのです。行政不服審査法というものが明確になってきたのでこういうことを入れたのでしょう。入れたから行政不服法によってそういう拘束が、極端に言えばできたことになってしまったということになるのです。だからこの際、こういうものをつくって建築基準法はざる法でないことを明確にするために、これをやるのはあたりまえです。私はいまのような説明じゃとてもじゃないが納得できませんよ。当然のことじゃないですか。この前もこの話が出てあたりまえのことであって、いままで言った大臣の趣旨を尊重すればそうなる。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) このカッコが入りましたのは、昭和三十七年に行政不服審査法ができました場合に、その用語なり定義を統一するといいますか、明らかにするために入れたわけでございます。このカッコを入れて、そういう定義を明らかにする前は、それじゃ先生のおっしゃるように、違反の取り締まりをしないことによって被害を受けたという人が不服の申し立てができたかといいますと、それはやはり現在と同じ解釈で、そういうのは対象にはなっていなかったわけなんです。大体この行政不服審査といいますか、公権力の行使としての行政処分がなされた、あるいはなさるべきなのになされないということに対する救済規定、救済制度というのが行政不服審査法でもございますし、また九十四条の趣旨でございますから、そういう違反の取り締まりをしないということに対して申し立てをするという、それを建築審査会にするというのは、ちょっと審査会の性格なり、こういう制度の趣旨からいってそれはちょっと違うのじゃないかと思います。そこで、やはりそういう権限を持っておる特定行政庁、つまり区役所、区長あるいは都知事さらには建設大臣というところにそういうことを申し出られて、そこで取り扱う。さらにそれで不十分だと認められる場合には民事裁判によって権利の救済を求めるということが、従来におきましてもそういう筋道でございますし、それがまあ適当だと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 従来、これが入らないときもそういう趣旨で取り扱ってきたということについては、そういうことはないでしょう。そんなことは、あなた方がそういうことを……何も審査会を、ここにあるように、あなた方は規制することはできないのじゃないですか。地方のあれはやるのですからね。事実それを取り扱ってきておるように言われておる。それが、これができたために当事者でなければだめですよという話になって、結果的にはそれができないということになってしまった。だから行政不服法ができたからこれは入れたという話になっているのですよ。だからそれをとって当事者でなくても現実に被害を受けている者であれば、この不服の申し立てをすることのほうが、むしろこれがなかった当時と同じような活用をさせるという意味からも必要じゃないですか。この点はいまのような御説明ではとてもそれよろしゅうございますなんてことは言えません。それから大臣、いやそんならもう一つ訴訟で取り扱ったらどうだというお話がちょっと出ていますね。さっきの事例を訴訟で取り扱うとすれば、局長何でどういうふうに取り扱うのですか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) ちょっと私もこれは見、当がつきませんが、行政庁の処分がないわけでございます。何もない場合に訴えをもってその是正を求めるということは、現在の訴訟制度にはどういう形で載せていいか、私はちょっと何ともお答え申し上げかねるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私が言ったのは、ちょっと飛躍したのでそういう御答弁でしょう。いま事例を出しましたような事例ですね、さっき話の出た事例ですよ。要するにいままで私道であるかないかは別として、そこに半分までは、二メーターまでは自分の所有地だということで出しておきますね。それを確認申請を認めたわけですね、当局は。そういうふうな事実について、これをいわゆる審査の不服というこの九十四条でなしに取り扱うということになれば、どういう方法でこの訴訟に出ていくということになるのですか。それどういうふうにお考えになりますか。私はこうなると思うのですよ。これは民法二百十条の中に、「袋地所有者の囲繞通行権」というものがありますからね。これで民法に基づく、二百十条に基づいて民事訴訟法に持っていかざるを得ない、取り上げてくれなければと思うのですが、どうでしょうか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 通行権がありますれば、もちろんその通行権の確保のための措置はとれるだろうと思います。なお所有権の侵害があれば所有権の回復を求めることもできますし、また別に損害賠償、不法行為による損害賠償の請求ということも可能だと思います。そして、それぞれの具体的な案件によって訴訟物というものがきまってくるわけでございます。一概にどうだということをちょっとここで申し上げるわけにはいきません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私が言っているのは、それよりはいま言ったようなこの二百十条、袋地所有権の囲繞地通行、かりに袋地であったとすれば、「或土地カ他ノ土地ニ囲繞セラレテ公路二通セサルトキハ其土地ノ所有者ハ公路ニ至ル為メ囲繞地ヲ通行スルコトヲ得」というようなことが出ているわけでしょう。だからそういうことで裁判所に訴え出る。さっきの話で言えば、日照権の問題について言えばそれは不法行為という、そういうことで訴えて、それであの現実に日照権の問題になっているわけですね。民事訴訟法によって問題になっている。そこで私はそういう法律を適用していく。それではこの法律でかりに勝ったとすれば、勝ったとしてもこれは単に損害の賠償をしてくれるだけですね。そうでしょう。これは損害という意味の賠償をしてくれるだけであって、もしこれを審査会に訴え出て、不服申し立てをして、審査会がこれはだめだというふうになってくればどういうことになるかというと、審査会に対して行なって、それが裁決をされてくれば、その裁決に不服であれば建設大臣に再審査請求ができるということになっている。同時にまた行政不服法の適用の権限もあるわけです。それがまたけしからぬということになれば、行政事件訴訟法の適用もされるわけです。だから不服があればこういう段階を追ってやっていくこともできるわけなんです。それからまた、もしこれが、人の言うとおりだ、これはいかぬ、もう私道であって、これは私道として建築基準法にいう道路である。と認めて裁決があって、これはそこへは建ててはいかぬということになってくれば道路に建築はできない。まずそれもやめなければいかぬ。それからまた今度は東京都には斜線制限というのがありますから、それですぐそれでもそんな六階建ての建物を建てることはできないわけです。今度改める中にそういうものができている。これはすでに東京都でやっているわけですからね。だからそういう基準法としての保護を受けることができる、法律的にも段階を追ってということはできる。それは九十四条の不服申し立てればそれができるとすればそういうことができるけれども、訴訟がありますよとおっしゃる。訴訟でかりに、勝ってもただ被害の損害を賠償してくれるだけで、そのほかは何も働らかないということになる。それだから私さっきから言っているように、不作為についてもいわゆるこの九十四条を適用させるべきだ。不作為による被害が明らかであると認めた場合は、それを審査の請求をする。審査してだめだ、こういうことになればそれではっきりするのだから、だから審査というこの九十四条を適用することが、いかに今後段階的に保護されていくかということになる。九十四条を適用されないことによっては民事訴訟法という手段、方法しかなくて、それは不当行為の場合でもこれは単なる損害の賠償だ。その損害の度合いがわからないといって、いままでは却下されたりなんかしているわけでしょう。そういうことになるとややこしい話になるのだが、これならばそれがすっといくわけだ。だから不作為というのは何もここで非常に狭くというか、行政不服法ができたので、カッコの中に入れたようだけれども、それをとっておけば地方の審査会によってはこれはすぐ取り上げることもできる。何もそれは必要ない。ここにカッコがあるからこれは行政不服法の不作為だ、だから当事者でなければだめだといって却下したり、それはだめですよといって受けつけないわけです。だから受けつけて、それが九十四条適用にして保護してやったほうがよりいいのじゃないか、当然のことだと私は思うのです。その点を私は大臣にお聞きをしたい。ややこしい条文のあれとは別としてそういう手段方法があり、かつてはその行政不服法ができないときは、そこには字はなかったのだ。その不作為は行政不服法を適用してだめだという審査会の審査の結果あれもあるかもしれないけれども、それをやはり不作為というものはそうすべきである。従来これがないときにはそういうことを盛んにやったのだから、そうすればそういう手段、方法があるのだから、当然私はこの際そういうものをとっておきたい。これを入れたために、かえっていわゆる不作為というのが非常に狭く解釈をされる。厳密に解釈されるにはできないものであれば行政不服法がちゃんとあるのだから、行政不服法にのっとった行政訴訟をやっていくときには、行政不服法であなただめですというようなこともあるでしょう。だからそういう、そこまで否定をしているのではないのであるから、これはそういうことによって現実になかなか何度も何度も言っていっても、これはさっきのお話しのようにいろんなところへ言っていったのです。市役所も、というわけです。何回言っていったかわからない。苦情を言うところがない。何度言っていったって取り上げてくれないということになっちゃって、結果的には法の適用をしていたわけです。十回もその判定でやった。やはりそんなことはしないだって、当然こういうことによってやっていくべきだと私は思うのです。大臣純粋な考え方を聞かしてください。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記つけて。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 松永先生のお出しになりました例二つございますので、この二つちょっと事例が違いますから、扱いも異なってくると思います。このあとの私道をつぶされたというケースでございますね。小柴さんという所有者の方、このケースは先ほどもお答えしましたが、建築主事がその私道をいわば廃止して、そこの上に建築を認めたということは、これはよく調べてみなければわかりませんが、あるいは間違った確認であるかもしれません。そういう場合には建築審査会はそれを取り上げて審査の対象にいたします。これは現に東京の建築審査会も受理していま審査中と聞いております。したがって、小柴さんの例は建築審査会の裁定で、あるいはおっしゃるように、それからさらに大臣に対する再審あるいは行政訴訟ということで救済を受ける道もございます。またこれを民事訴訟起こす場合は、その私道について小柴さんが所有権の二部を持っておるとすれば、その所有権の回復ということで……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それはないんですよ。自分のところは二メーターこっち、向こうは二メーターの向こうやっているんだから、直接の権利じゃないんですよ。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) それからもしそれによって受けました損失については、損害賠償の請求ができるということでございます。  それからもう一つの例としておっしゃいました石川さんの例ですね。これは建築確認という処分がない、無届けのまま違法の建築をしたという例でございます。これはそういう確認という処分もございませんし、したがって、九十四条には乗ってこないということで審査会がこれを受け付けなかったと思います。しかし行政不服審査でそういう救済を受けるということのほかに、いまおっしゃいましたように、違法建築によって利益を侵されたという場合には特定行政庁、そういう取り締まりの権限責任を負う特定行政庁に申し出ていただく。特定行政庁がもしやらない場合は、それの上級官庁に申し出ていただく、そこで最終的には建設大臣が行政指導でそれらの措置をさせるというのが筋道でございまして、これはこの石川さんのケースまで建築審査会に持っていくということは、おそらく法務省の御見解も、あるいは法制局等の見解も、それはちょっとこういう行政不服審査という制度になじまないということで、御容認はいただけないと思います。やはりその処置をすべき責任を負うところに申し出られて、それが処置をする、それでなお救済されないときは、裁判所に訴えるということによるほかはないと考えます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうなればまたもとに戻るのです。いま石川さんの場合においては、建蔽率違反で用途地域違反でしょうね。そういう処分をしたわけですよ。東京都がその処分に対して当該の人じゃないけれども、そのそばの人が被害を受けたからというので、その処分の不服があるといって不服の申し立てをやるわけです。それはさっきから話があって、それは処分はいいですと言ったじゃないですか。当該の人じゃなくたって、それによってそばで違反の建築の当事者がそういう処分をされた。その処分について自分らはそばにいて被害を受けるから不服を申し立てた。その処分はいいと言っていたじゃないですか。それがまた悪いということじゃ、またもとへ戻っちゃう。そんなばかなことを言っちゃ困る。だからそんなことはいいというから、不作為のことだけ取り上げているのに、また石川さんの場合もこれはだめですということになれば、またもう一回もとに戻って、それじゃ当該の人が——だからそのために私は最初聞いた。あなたは最初これは当該の人じゃなければ適用しませんと言ったじゃないか。第九十四条の不服申し立てば隣人じゃだめですと初め言っておいた、言ったんだけれども、このごろはこういう解釈もあってという話になってきて、いやこの処分について違反をした処分ですよ、つまりいわゆる確認申請が違反をしているじゃないですか。建蔽率違反をし、それから用途地域違反をしている。その処分に対して、その処分による被害について隣人が言っていったものを、それは不服の申し立てに当たると言ったのに、今度それもだめだと言うなら、もう一回初めから質問し直さなきゃだめじゃないですか。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記をつけてください。  この問題につきましては、当局のほうは大臣を中心にして相談をされて、次回の委員会の冒頭に大臣から責任のある御発言をいただきます。  また松永委員の御要望もありますから、理事会をそれまでに開いて、こちらの理事会としての一応取りまとめをいたして、それもそのときに報告いたします。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、大臣、それでは外国はどうなっているかということですよ。外国ではそれらのことが。その点をひとつ外国の事例を法務省のほうから聞かせてください。そういうような問題について隣人の不服申し立てというようなことを取り上げるものについて、そういうものについて、外国ではどういうふうな法規制をしているのですか。これをひとつ聞かせてください。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 私どものほうは行政上の不服の制度につきましては所管でございませんので、法務省としては調査いたしておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は、それはおかしいと思うんだな。午前に聞いている日照権の問題等については諸外国はどういうふうになっているかまだ調べてない。裁判所で裁決した何かをしているときに、外国では日照権の問題について隣人が訴え出たときにはそれはどういうふうな規制のしかたをしているかということを調べてないなんて、そんな怠慢のことを認めることはできませんよ。法務大臣を連れてきなさい。もしそれなら、そんなばかなことはあり得ないじゃないですか。日照権の問題について隣人がその不利益をこうむったものについて不服の申し立てをする、こういうような事実が外国ではどういうふうな規制をされているかということを、われわれ知りませんということは認めるわけにいきませんよ。そういう事例は十分調べておいてあって至当なことなんです。日照権の問題について言えば午前中そういう話だ。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 先ほどの御質問は、行政上の不服の審査の問題はどうなっているかというお尋ねでございましたので、この行政不服審査の問題は、法務省の所管でございませんので私どもは調査いたしておりません。と、こう申し上げました。ところが、ただいまの御質問は日照権の問題でございます。この日照権の問題は、司法上の救済の問題であろうと思います。司法上の救済の問題といたしましては、これは各国の日照権そのものを取り上げた司法上の救済制度というもの、私どもも気をつけて調べておりますけれども、いまのところ具体的な立法措置をとったという例は見つかっておりません。ただ外国は実際の扱いをどうしているかということになりますと、これは裁判所が具体的にこの問題と取り組んでいるようでございます。これは広く学界でも紹介されているのでありますけれども、これも考え方が非常に多岐にわたっているのではないか、というふうにうかがえるのであります。統一したものが各国に共通してあるというものではございません。たとえば不法行為の面からこの問題にアプローチしていこうという立場、あるいは相隣関係の問題としてこの問題と取り組んでいこうという立場、こういう二つの大きな流れがあるようであります。外国の場合にもそういった観点からこの問題を処理しているようでございますけれども、いずれにいたしましても、司法上の救済制度として日照権という問題を正面から取り上げたものはないようでございます。  ついででございますけれども、わが国はそれではどうしているかということになりますが、これは大体学説判、例の傾向といたしましては、不法行為の問題として、特に権利乱用の理論によりましてこの問題を解決している、というふうに御理解いただいてけっこうだと思います。もちろん日照権そのものを取り上げました裁判例はあまりございません。やはり日照権に限らず、あるいは騒音とかその他のいろいろの生活を妨害する事態に立ち至りました際に不法行為、特に権利乱用の理論を用いまして裁判所が救済をやっているというのが実情でございます。いろいろとこの問題は複雑な問題をはらんでおります。ことにそれぞれの事情がみな違いますだけに、各国においてもこの日照権という問題を正面から取り上げて規定することは困難だということ、あるいは地理的、地域的な事情もあろうかと思うのでございますが、わが国の場合におきましても、この点につきましては、いろいろの面からこの日照権の問題を取り上げて解決をしようということを、裁判所で現在やっておるというのが実情でございます。いろいろ立法措置を講じたらどうかという御意見もおありのようでございますけれども、一律にこれをどうするということを法律の規定として設けることにつきましては、非常な困難があるようにも思われるのでございまして、私どもとしましては、裁判所の動向等もながめながらなお今後も研究してみた、このように考えておる次第でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そんなら行政不服審査法のようなそういう形の法律は、外国ではどういうふうになっておりますか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) この点は最初申し上げましたように、これは私のほうでは調べておりません。行政上の処分の問題でございますので、法務省の民事局としては調査いたしておりません。行政不服審査法はこれは総理府の所管になっております。そういう意味合いで私のほうの所管ではございませんので調査いたしておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 所管が行政管理庁になるのですか。それとも法務省の関係ではそういうことは全然……。行政訴訟法か何かの関係でやっているのですか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 行政管理庁であろうと思います。法務省の所管ではございません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 法務省はそういうことについては何ら関心はないのですか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 関心がないことはございませんが、私のほうから積極的にこの問題を取り上げてする立場にはございません。所管の省からいろいろ御相談ございますれば、十分御協力は申し上げております。これは行政不服審査のみに限った問題ではございません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関心があるそうですから、関心がある程度でどうなっているかお話を聞かせてください。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) この法律そのものが、先ほども申し上げましたように私どもの法務省の所管の法律でございませんので、私どものほうから積極的にとやかく申し上げる筋ではないと思っております。この法律を立案いたしましたのも、たしか行政管理庁であったと思います。したがいまして、そちらのほうでまずイニシアチブをとられましてこの研究に入っていかれるのが相当であろうと、こういうふうに申し上げておるわけであります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私、行政訴訟法なんかの関係について、いわばそういう訴訟に関する法律の関係は法務省ではないのですか。そういう問題に関係があると私は思うのですけれども、それはどうなんですか。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 行政事件訴訟法は法務省の所管でございます。これは私どもの省の所管ではございますけれども、所管の部局は現在は法務大臣官房の訟務部の所管になっております。民事局はこれに関係いたしておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、いまのあなたのお話、私いま初めて聞いたのですが、行政事件訴訟法、この関係に類似した外国の状況はどうなっているのですか。それはあなたの所管じゃないからそれはわからぬのですか。そうすると、あなたの局でわかるのはどういうことなんでしょう。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 私どものほうは、まず先ほど申し上げました民事上の実体法の問題、これは私のほうでやっております。ただ、これも一般の行政指導とかなんとかいうことはいたしておりません。民事に関する基本法令の立案をやっておるわけでございまして、行政上の問題としてこの民事問題に、私どものほうでは積極的に関与するわけにはまいりません。民事上の紛争につきましては、これは裁判所の所管になるわけでございますが、行政府であります法務省といたしましては、それに積極的に介入することはできない立場にございます。ただ、法律論としていろいろお尋ねがございますので、私は私なりのお答えを申し上げておりますけれども、行政上の責任というものは、法務省にはございません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 まあ所管が違って全然そういう点御答弁ができないということになれば、これはやむを得ないことですが、行政庁に対して行政訴訟というものが、広く一般の人が行政庁に対して行政訴訟ができる。これはイギリスやアメリカなどでコモン法という法律だそうですけれども、法律規定というよりは、具体的な法律はないけれども、人民が、国民が行政庁に対して行政訴訟をするということはできる。そんな例として、たとえばアメリカに——これは新聞にも出ておりましたけれども、サンタバーバラに石油の油田の開発を許可をした。そうしたらばこれを、そういうところへ油田の開発をすると自分らにも被害があるというので、これを不当として市民が訴訟を起こした。西ドイツには、行政訴訟法四十条、四十一条、四十二条というものがある。行政庁のなすべきことを怠った場合に義務づけの訴訟をすることができる、というふうに規定されている。前に、実は前国会に参考人を呼んだ。そのときに参考人の方からこういうふうな——高柳信一さんですか、英米では被害者、隣人等がそういうふうな、裁判所に対して出訴権、そういうふうなことができる場合が多い。わが国の場合にはそれが全然できないというふうなことを言って、外国の事例もあげていろいろ言って参考人が意見を述べられた。いまこれは少し住宅よりも範囲は広くなるわけですが、公害などについて直接そのことに関係をするというよりは、そのためによって隣人が、あるいは相当広範囲の被害を受けた人たちが訴えを出していくという、そういう道を開いていくということになるとこれから考えていかなければならぬ、当然のことだ。特にいま日本の行政庁の権限というのは非常に強いわけですから、その行政庁のそういう問題についての訴訟ができるとか、あるいは行政庁の、さっき言った不作為のような問題についても、被害を受けた隣人が即これを訴えて出ていくということは、外国の事例等から見ても考えていかなければいけない問題ではないか、こういうふうなことをわれわれも聞いているわけです。だからこういう点についても外国の事例等もお調べをいただいて、そうしてこの問題についての検討をしていただきたい。単にこうであります、ああでありますというだけでなしに、将来もう公害については、こういう問題は当然出てくることが明らかだ。だから公害は広く被害を受けた人たちが、被害を受ける隣人が訴えを出してくるということは当然考えておかなければならない。そうでなければ公害というものを除去するということは十分できない。現にさっきから話の出ているように、その処分なりあるいは不作為の行為なりについて審査ができるということに道を開いて、この九十四条ですね、隣人も自由に活用できるように、被害を受けている隣人、申請の当事者が同時にできるようになっていることは私は当然のことだと考える。だからそういう点について単にきょうの論議だけを一つの考えとするのではなしに、そういうふうな観点からも取り上げて、ひとつ適切な意見をまとめていただきたい。そしてものごとは大臣が最初に言われたように、なるたけわかりよく、すなおにそういう問題を規定していくということが非常に必要だと私は思う。そういう点を要望しておきます。そういう点でいま委員長が話にありましたように、ひとつ理事会のほうでも、理事会側として本日の意見等もひとつお聞き取りをいただきましたので、理事者側のひとつ取りまとめをしていただいて、そしてまた広く外国の事例などについても勘案をしていただいて、いい結論を出していただきたい、こういうように思うわけです。実は私はまだ確認申請の問題あるいは災害危険区域の問題、都市局長も来ていただいておりまするが、そういう観点についてこれから質問をします。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記とめて。   〔速記中止〕

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 速記をつけて。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 基準法の第六条に確認の申請の問題が出ているわけですが、これについては特殊な建物についてはもちろん確認申請を経なければできないし、それから都市計画区域に入っているところについてはもちろん確認の申請をしなければできない。そういうものでないものについては、結局都道府県知事が関係市町村の意見を聞いて、その区域の全部もしくは一部について、指定区域内における建築物について確認申請をさせるようになっているわけです。こういうふうな区域というのは、全国ではどんなふうな状況になっておるのか、これをちょっとお聞かせをいただきたいと思う。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) この第六条の第一項の四号に規定する区域でございますが、実は都市計画区域が御承知のように非常に広く指定されておりますので、都市計画区域であって特にこういう確認の手続をとらせるという必要のある区域というのは、現実にはあまりございません。ごくわずかな例があるだけだと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 わずかな例があるだけじゃないでしょう。現実には私のところあたりでもありますよ、たくさん、法の六条一の四の区域というものが。これは要するに確認申請を必要とする都市計画区域でなくて、都市化が進んでいるというところについて、その確認の申請をさせるということを必要と考えて、地域でそういう区域を都道府県知事が関係市町村の意見を聞いてきめているわけです。これについては私は検討する必要があるのではないか。従来と違って都市化が非常に進んできている現段階においては、いわゆるそういうふうな確認申請をすることによって   〔委員長退席、理事松本英一君着席〕 単体規定というか規制をする。そして危険でないようなものを確認する。あぶないものは建たないように法律では規制をしているわけだけれども、それは確認が伴わないわけだから、都市化が進んでいる現状からいうならば、もう少しこの地域を検討して、都市化が進んでいるところについては、手ぬかりなくそういうことをやっていく必要があるというふうに私は考えるわけです。それからまた、現に都市計画を実施をしているところの区域の市と、それから他の都市計画を実施をしているところと、全く一致してくっついているところばかりじゃないわけです。その間に空白のところがあって、そこはもうすでに都市化が相当進んでいるというような地域が実はあるわけです。都市計画区域と区域の間にそういうのが出てくる。しかし、もうすでに都市化が進みつつある、しかし、これは確認申請をしなくてもいい、これは都市計画でないので。そういうようなところがあるので、やはりこれについては検討をして、もう少し考えて、必要なところを追加するなりして、手抜かりなくやっていく必要があるのじゃないかということが一つ。しかし、これはさっき少し話が出たように、単に規制ばかりするということも非常にぐあいが悪い。確認申請をみんなさせるということは、必要のないところにさせるということもぐあいが悪い。そうかといって、都市化の進んでいるところは、むしろ都市計画というものを、区域を広げるなり、都市計画の区域を全域指定をするなり、一部指定を拡大してやっていくほうが、よりいいのじゃないか。都市計画区域に入れれたば、今度は集団的な規制が働いてくるので、道路に対してどうのこうのということも出てきて、計画的な都市計画が進んでいく。そこで、本来はやはりいま言っているような特別な地域をこしらえて、その地域の確認申請を出させる地域をつくるというよりは、むしろ都市計画でもって必要なところはかぶして、そうして単体の規定の確認をさせると同時に、集団的な規制もさせるというほうが、より当然なことだと考えるわけです。こういう点について考えてみると、都市計画区域について少しもう検討する必要があるのじゃないか。また、事実都市計画をやらなければできないのに、都市計画区域を全然やっていないというところが出てきているわけです。都市計画区域に入って規制を受けるとうるさいとか、いろいろな点から。しかし、もうすでにこの地域は、当然都市計画の区域の中に入れなければいけない地域であるのに、それがいまの法律では強制できないから、自然そうやらない。そうやらないからしようがない、いま話に出ている六条一項の四でいかざるを得ない。しかしそれは単体規定だけ働くことにもなるので、むしろそういう面から考えてくると、都市計画区域をこの際ひとつ検討して適切に広げる、あるいは全域指定にするとかいう、そういうことが必要ではないか。こういう点について都市計画局長の考え方とそれから住宅局長の考え方をお聞きしたい。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 先生おっしゃるとおり、現在都市計画区域になってないところでかなりその動向から見まして都市計画区域に入れなければいけないような地区がございます。都市計画法の規定によりますと、知事が地方審議会の意見を聞き大臣の認可を得て決定するようになっておりますが、私どもといたしまして未適用の町村につきましてその必要があるところについては、極力都市計画区域に入れるように指導していきたい、こういうふうに考えております。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 基本的には先生おっしゃるように、都市計画区域に入れるのが最もいいと思いますが、それが行なわれるまでの間この四号を活用いたしまして、その区域を指定しまして建築確認を行なうということもよろしいかと思いますが、御承知のようにこの四号でそういう扱いをいたしますのは非常に小さな、小規模の建築、まあいわば住宅でございまして、いわゆる学校、病院というようなものは、そういう地域にありましてもこれは建築確認を受けるということでございますので、その市町村と県がよく協議いたしまして、その将来の動向をにらんでそういう地域を指定するということがよかろうかと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 まあそういう点について少しやはり具体的な検討をしていくことを望みます。  それから特にまたこの同じ都市計画区域の中でも用途地域の指定をしてないところが出てきているわけです。   〔理事松本英一君退席、委員長着席〕 まあ十万以上の都市については市街化区域についてはその用途地域を指定されているので、それはできるわけですけれども、そうでないところについてまだ用途地域を当然もうつくっていかなければ、建築基準法の改正をしてもそれを適用するということが一部できない地域になるわけですから、これについてもやはり私は検討をする必要がある。それから単にこれは自由な地域でなくて、やはり国全体として計画的な都市化をはかろうとするならば、やはりいつまでも減ってくるところに都市計画区域をつくる都市計画区域は全部であろうが一部であろうがそのままだ、あるいはまた地方の言うままに確認申請の地域をただ特別にきめるというのじゃなしに、積極的な施策というものが必要だということを私は申し上げたいと思う。  そこでもう一つは今度その市街化調整区域になったところで、二十ヘクタール以上のところについては、つまり開発許可を求めて開発ができるわけです。いまその三十三ヘクタールくらいで約一千戸です。だから、一千戸というともう一つの相当な集落——学校なども一つつくらなければならない。二十ヘクタール以上ということになると、相当やはり大きな一つの集落になるわけで、こういうところは、単に調整区域だから単体規定だけは働くわけだけれども、この確認は必要だけれども、結局この地域については集団的な規制を十分働かして、まあ用途地域なども明確にしながら、こういうところについて、やはり大きな開発事業をやるところについては、計画的な都市づくりができて、基準法の適用も十分適用できるようにしていかなければならないと思うが、こういうことについて都市局長のほうではどういうふうに考えておられるのか、あるいはまた住宅局長のほうではどういうふうにこの点を考えているのか。調整区域の中における開発事業としてできる集落について、どういうふうな考え方を基準法としても進めていきたいと考えているのか、これをひとつ聞かしてください。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 第一点の、市街化区域、調整区域の指定をしないようなところについても、まだ用途地域をきめてないところが多いので、それを早くきめるべきじゃないかというのは、おっしゃるとおりでございます。都市計画は、総合的な都市計画というたてまえでございますので、単に都市施設だけを計画区域として、用途地域は何も指定しないというのでは困りますので、昨年の九月に局長通達によりまして、特に市街地として計画すべき区域については、市街化区域、調整区域の設定をしないところについても用途地域を必ず定めるという通達を出しまして、指導いたしておりますが、現在県の当局においても線引きの作業その他事務が殺到いたしておりますので、若干おくれております。先生おっしゃるように、私どもといたしましては必ず都市計画区域の中で用途地域をきめていくということを指導しているわけでございます。  それから第二点の調整地域でございますが、これは都市計画法の問題でございますが、都市計画法の四十一条におきまして市街化調整区域における開発行為の許可をいたします際に、知事はその許可をいたします区域内の土地につきまして建蔽率、高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造、設備に関する制限を定めることができるというのがございまして、個々の開発行為の許可ごとに宅地の開発の段階におきまして、建築物に対する制限をまずきめるわけです。そして第四十二条におきまして開発許可を受けた開発区域内におきましては建築物は、確認じゃございませんで、許可制になるわけでございます。市街化調整区域では都市計画法によりまして許可制になりますので、開発許可を受けた開発区域内におきましては、あらかじめ定めました予定建築物以外の建築物を新築あるいは改築してはいけないということになるわけでございます。そういうことによりまして、基準法の一般的な確認の制度と別個に調整区域にはそういう制度を設けまして、より具体的に都市計画の考え方に沿ったような規制をしていくというたてまえになっておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私がお聞きしているのは、調整区域で開発許可を求めて二十ヘクタール以上やったところについては市街化区域にする。要するに建築の規制と同じ規制が行なわれるかどうかということを聞いておるわけなんであります。それで行なうべきだと私は言っているわけなんです。いま言ったようなものであるということは知っているけれども、それは即市街化区域内における基準法の働きとは差があるのではないか。それを同様にすべきではないかということを私は言っておるので、その点はむしろ住宅局長のほうにお聞きをしたい。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) ちょっとその前に……。市街化区域におきます建築の規制よりは、よりきびしい規制ができるというたてまえになっておりまして、したがいまして、用途につきましても容積につきましても、それぞれ個々につきまして具体的にきめていく、そういう形になっておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 わかりました。そういうことならば、まさに質問はそういうことを望んでお聞きをしました。  さらにもう一点、第三十九条に災害危険区域というのが設けられて規定されているわけです。これは「地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。」「災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。」こういうことがあるわけですが、われわれが災害を受けたときに出かけてみると、こういうところへうちを建てれば災害が起こるのはあたりまえじゃないか、どういうわけでこういうところにうちを建てさせなければいけないのか。そういうところこそ災害の危険区域に指定をして、建築の条例によってその建築の禁止あるいは建築に関するいろいろな規制、制限をしたらどうか、こういうふうに考えているわけですが、災害危険区域の指定というのは現実にできているんですか、どんなところができているんですか。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) 現実に指定している例は名古屋市の一部、それから大阪市、堺市の一部、札幌市の一部、長野県飯田市の一部及び北海道の厚岸郡浜中村の一部、以上の五つの指定でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 これだけ条文があるのに、全国にたった五つしかそういうところが指定してない。率直に私たちの静岡あたりでも一つもない。これは私はやはり少し行政の奮起を望まなければいかぬところだと思うんですがね。なぜこんなふうになっているんですか。やはりそれにはそれなりの理由が私はあると思うんですが、もしその理由があるとするならば、それを排除をする措置をしていかなければ、現実に実は僻地のほうにまいりますと、川の中に住宅を建ってしまう。しかも、河川の河川敷も明確でない。川の流れているところにうちができてしまって、それがえらい被害をよんで、いわゆるその後の措置に非常に金がかかる、手がかかる。そういうところは各県にだってそれぞれあると思うんですがね。それが法律ができてからたった全国に五カ所しかないというのには、やっぱり理由がある。それはまた理由があるなら、その理由を排除していく努力をやっていかなければ、たいへん大切なそういうものを規定していても、これが実行できない。この点について一体どこに原因があって、どうすればいいというふうにお考えになっていますか。この規定自身は少し無理なんだからやむを得ないというふうに考えておられるのか。その後の措置をどうしようとするのか。まとめて大津留局長のほうから話を聞かせてください。

大津留温建設省住宅局長

○政府委員(大津留温君) この制度を活用して、その後頻発いたします特にがけくずれとか地すべりというような危険のある地域をこれで指定して、そういう危険を防止しようということで、昨年成立いたしました急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、これによりましてそういうがけくずれ、地すべり等の危険がある地域を急傾斜地崩壊危険区域として指定することになっております。この崩壊危険区域を指定いたしますと、それをそのまま基準法による災害危険区域ということに引き受けまして、そうしてその地域地域に応じた危険の度合いに応じた建築の禁止なり、あるいは制限なり、あるいは工法の指定ということをすることにしております。現在全国的に調査を進めまして、急傾斜地崩壊危険区域というのの指定をいま進めておる段階でございますので、その調査の結果に基づきまして逐次指定していく、こういう考えでおります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 その急傾斜地は前国会で改正したばかりですね、それはどんどん実施をしていこうとしているわけだから。それからまた調べてみると、宅地造成等規制法の中に宅地造成工事規制区域の指定というのがあるわけでして、これはなかなかよくやっている。ところが、こっちのほうはなかなか動かないわけです。それは、それじゃそこが災害危険の区域だからよそへいきなさいといってみたところで、別によそへいくからそれに助成の措置をするわけでもないし、それじゃ、それを危険区域でなくするための措置がすぐ実施をされるわけでもない。要するに助成措置というのを伴っていないから、災害区域に指定されりゃ、かえって地価が下がってしまって困っちまう。そんな地域に指定したって、それじゃ他の安全な場所をあっせんしてくれるのかというような問題がここへ起こってきて、確かに災害危険区域として指定はしたいけれども、指定ができないというのが実情だと私たちは判断しているわけなんです。そうなってくると、いま言うとおり、宅地造成工事の規制だとか、あるいは急傾斜の問題とかというようなことが進めばそれでいいというわけじゃないんであって、それと関連をして、災害危険区域というものをこの際明確に各地でつくっておく、指定をしていくように推進をしていくと、こういうことをやっていかなきゃいかぬように思う。  大臣にお聞きをするわけですがね、こういうふうに大切な条文があって、しかも、それが全国わずか五カ所しかできないということについては、何かやっぱり法律的な抜かった措置があるに違いないし、また、これを実行するに対する行政当局の熱意の問題というものも出てくると思うんですよ。だから、そういうことについては、やはり今後ひとつこれを、基準法がざる法でないために、いろいろ規制をしていくという現段階において、積極的にひとつこれを推進をしていくように、さっき申しました都市計画区域のいわゆる再検討、あるいはまた、六条一項四号の区域内規制のような問題について、非常に激しく変わっている地域の現象から考えてみて、この際、意欲的にひとつ積極的に推進をしていくように要望したいと思うのです。この点に対して、大臣のお考え方をお聞きをして、私はきょうの質問を終わります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) いま、御指摘になりましたように、従来は、単に建築規制だけをしておきまして、何らかの助成あるいは改善のための立法的な、あるいは行政上の配慮が足らなかったということは、私もそう思います。今回、先般できました急傾斜法の制定にあたりまして、そういうところから移転する者については融資の道だけはいま考えております。本来ならば、こういうことは主として地方自治体に相当これはやってもらわなきゃなりませんので、何らかの助成措置を講じなければならぬという気も私はいたします。しかし、これには相当のそのために必要なる財源も考えてやらなきゃなりませんので、十分関係方面とも連絡の上、これに対処する検討を進めてまいりたいと思う次第でございます。

大和与一日本社会党

○委員長(大和与一君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日は散会いたします。    午後四時五十四分散会      —————・—————

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