建設委員会 第2号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/02/26
会議録
○委員長(大和与一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十四日、山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として斎藤昇君が選任されました。 —————————————
○委員長(大和与一君) 理事の辞任についておはかりいたします。 沢田政治君から、都合により理事を辞任したい旨の申し入れがありました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大和与一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の欠員は、先ほど御報告をいたしました委員の異動、及びただいまの辞任に伴う二名でございます。 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大和与一君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に上田稔君及び松本英一君を指名いたします。(拍手) —————————————
○委員長(大和与一君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 まず、先般当委員会が行ないました建設事業並びに建設諸計画に関する実情調査のための委員派遣について、その調査報告を各班の派遣委員からそれぞれ承ることにいたします。 初めに第一班、福岡県及び熊本県における建設事業の実情調査を御報告願います。
○沢田政治君 委員の派遣報告をいたします。 第一班は、大和委員長、小山委員、二宮委員と私沢田が参加いたしまして、福岡・熊本両県下の建設事業の実情を調査してまいりました。以下簡単にその概略を御報告いたします。 まず関門地区でありますが、日本道路公団が管理、営業している関門国道トンネルは、一日平均一万七千台と計画量をはるかに上回る交通量となっており、許容交通量の限界とされております二万四千台に接近しております。そこで現在、日本道路公団の手で、関門自動車道建設工事として、総事業費二百八十五億円、昭和四十八年供用開始を目標に、関門架橋工事が進められております。目下、橋台及び塔の基礎工事が行なわれておりました。関門国道トンネルの管理については、海底トンネルの特殊性にかんがみ、大事故の絶無を期し、特に交通管理隊を編成し、危険車の誘導に当たるなど細心の注意を払い、好成績をあげているとのことでありました。 次に北九州地区では、国道三号線の交通渋滞を緩和すべく、日本道路公団により、営業中の北九州道路に続いて、小倉地区から八幡地区に至る延長十五キロメートルにわたる北九州道路第三期工事が昭和四十八年完成を目標に進められております。また、九州地建により、遠賀地区から博多地区にわたる延長五十キロメートル、総事業費二百十五億円の北九州バイパス計画が五地区に分けて順次実施に移されておりました。ただ暫定二車線区間が多いことは、現在の交通量の伸びから見て、再検討を要するのではないかと思います。四車区間の増大が望まれます。なお、北九州市当局から、若松地区北海岸埋立地に進出する企業用の工業用水を確保するため、遠賀川河口堰の建設を促進してほしい旨、強い要望がありました。また、福岡県から、北九州、福岡両市の都市高速道路の推進、産炭地域の道路整備の促進等について要望がありました。 次に、松本委員の御配慮により、建設業界が当面する諸問題について、福岡県建設業協会の皆さんと意見を交換する機会を得ることができました。その際、次の諸点について要望がありました。 (一)四十五年度の暫定予算をできるだけ短期間にして、本予算の執行を早やめていただきたい。発注がおくれ工事が年度末に集中することがないよう十分な配慮を願いたい。(二)労務問題については、技能工の不足が著しく、九州ブロックで三万人、福岡県下で一万人の不足が見込まれ、その確保に苦慮している。かかる状況下で労賃の値上がりが激しく積算単価を二割もオーバーしている現状であるので、積算単価の大幅引き上げと積算に際し労務管理費を別ワクで加えることを要望する。日資材関係では、政府の対策にもかかわらず、最近の鋼材の値上がりが激しく、建設業の経営を圧迫しているので、早急に流通機構の整備等具体的な価格安定策を講ずるとともに積算を発注時の市場価格で行なっていただきたい。(四)九州における公共工事量について、行政投資の対全国比が年々減少の傾向にある実情にかんがみ、公共事業の大幅な先行投資による振興策を講じていただきたい。(五)九州における最も大規模な公共事業である九州縦貫自動車道の建設工事については、ぜひ地元業者が参加できるよう、大手業者と地元業者のジョイントベンチャーによる入札参加を認めてほしい。また、地元中小業者が消化し得るような工区に分けて発注していただきたい。さらに、下請業者の選定にあたっては、地元建設業協会の推選による方法をとっていただきたい。以上の諸点については、政府において十分検討し、善処されることを期待いたします。 次に、九州縦貫自動車道について述べます。昭和四十三年四月に施行命令が出ました第一次整備区間、福岡−熊本の延長百三キロメートルについて、現在用地買収及び一部の建設工事が進められておりましたが、福岡県下では、筑紫野町の一部を残し、中心測量を完了し、現在用地取得について地元と協議を行なっているとのことでありました。熊本県下は、県当局の積極的な協力により、ほとんどの用地の買収が終わり、植木−熊本間十三キロメートルについて大規模な土工が実施されておりました。この地区は黒ボク、赤ボクと呼ばれる阿蘇の火山灰土からできているため、公団側では特に、試験盛土工区を設けるなどして、技術的難関を克服しながら四十六年完成を目標に着々と工事を進めておりました。開通後は一日七千台の交通量が予測されており一日も早い完成が期待されます。 次に、天草地方の道路事情について述べます。開発のおくれていた天草地方も天草五橋の開通によって県当局の産業振興策もようやく実り始めておりました。天草五橋は、完成当時の観光ブームも落ちつき、次第に産業道路としての役割りを果たすようになり、安定した交通量を確保しているとのことでありました。五橋に続く国道二百六十六号線はこの地方の幹線道路でありますが、現在本渡市まで舗装されておりましたが、本渡−牛深間が未整備であるため、地元ではなるべく早く舗装されることを強く望んでおりました。特に、天草上島と下島を結ぶ瀬戸橋は、国道では珍しい開閉橋で交通量の増加や、通過船舶の増大に伴って開閉による交通渋滞がはなはだしく、ネックとなっているので、高架橋にかけかえることを強く要望しておりました。また、主要地方道本渡−富岡線は本年四月に国道に昇格されますが、島原、雲仙につながる観光、経済の重要ルートでありますので、一日も早く整備されたいとのことでありました。 最後に、阿蘇の有料道路について述べます。現在阿蘇山では、道路公団の阿蘇登山道路、県営阿蘇山観光有料道路、阿蘇町営有料道路、一の宮町営仙酔峡有料道路の四つの有料道路が営業しております。このうち、県営道路は、公団道路から分技して競合しているとの特別な地理的関係にあり、昭和五十二年償還予定の公団道路が計画を上回わり本年中に償還済みとなると県営道路の経営が成り立たたなくなるという特殊事情にあります。そのため、県当局としては、公団道路を県営に移管し、現在の県営道路と料金をプール制にできるよう早急に、道路整備特別措置法の改正をお願いしたいとのことでありました。また、一の宮町営道路は赤字路線となり町財政を圧迫しているので、その救済策についても別格の取りはからいをお願いしたいとのことでありました。 以上簡単でありますが、報告を終わります。 —————————————
○委員長(大和与一君) 次に、第二班、奈良県及び大阪府における建設事業の実情調査を御報告願います。
○林田悠紀夫君 第二班は、二月六日、七日の両日、大森理事、山内理事、春日委員と私が、奈良県及び大阪府における建設事業、特に万博関係を主として調査してきましたので、その概要を御報告申し上げます。 なお、大阪府下における視察については、第三班と合流しましたので、当班の報告でその大要を述べることといたします。 まず、奈良県について申し上げます。 古都として奈良は、今回の万博に際しまして、京都とともに第二会場的役割りをになうものであるといわれていますが、道路の整備等各般にわたり努力が払われてまいりました。しかし、埋蔵文化財や歴史的風土の保存と開発、住宅団地の急増に伴う地元財政負担、水不足等の問題が重圧となっているのであります。ことに奈良市の人口の増加は毎年一万二、三千人を数え、これは年率七、八%増でありまして、昨年七月には二十万人を突破するという実情になっております。 一、平城団地について申し上げます。 日本住宅公団の平城地区開発事業計画の概要は、奈良市の北西五・五キロの地点に、総面積約六百十ヘクタール、その内訳は、奈良市域三百五十ヘクタール、京都府精華町及び木津町域二百六十ヘクタール、住宅建設戸数一万八千八百戸、人口七万五千人を誘致しようとするもので、昭和三十九年度から事業に入り、昭和五十年度完成までの総事業費は百十九億円であります。すでに、四十年から四十二年において、地区の約四三・八%に当たる用地の買収を終わっております。しかしながら、上水道計画として、奈良市営水道の供給を受ける予定が、水源の不足という問題に直面して、事業計画の認可がおくれているのでありましたが、ようやく二千戸分の手当てがついたことにより、着工の運びとなる予定であります。 奈良市の水不足につきましては、去る四十一年の夏に、市内西部住宅地域において、大規模な断水という苦しい経験がありました。市の水道は、昭和三十九年から着工された第三期拡張第二次事業で、木津川支流布目川、白砂川より取水し、自然流下導水路をもって須川ダムを経由し、毎秒〇・八六トンを導水供給するもので、昨年十月完了したものであります。しかし、人口の増加に対処するため、上水道の基本計画全般に再検討を加みる必要が生じ、四十八年を目標年次とする第三期第三次事業に四十三年度より着手していますが、これが水源には、従来の木津川水利権、毎秒〇・五トンの取水が暫定的に認められている現状であります。さらに、平城ニュータウン四万三千人を含む昭和五十年を目途とする次の拡張事業へ移行のためにも、この水利権の存続措置を市は強く要望しております。 次に、奈良バイパスは、国道二十四号線の奈良市内及びその周辺の交通混雑を緩和するための本のであり、京都府木津町から大和郡山市に至る延長十四・二キロ、幅員二十一・五メートル、四車線、この事業の全体計画は百二億円となっております。その路線位置について、埋蔵文化財の事前発掘調査の結果、平城宮が推定より東へ拡大していることが判明したため、当初の路線の変更が要請された結果、四十三年九月に現路線に変更され、工程の遅延が憂慮されていたものであります。事業計画としては、第一期工事として四車線のうち二車線を建設する段階施工であり、四十四年度は阪奈道路以北の概成を目標としておりまして、三条通り−大宮通り間三百メートルが三月中旬供用開始の予定であります。 三、阪奈道路について申し上げます。 本道路は、大阪、奈良間の最短ルートであり、昭和三十四年に全線開通以来、交通量の増加は著しく、現在四車線に拡幅工事が進められております。延長十七・三キロ幅員十三メートル、総事業費約五十三億円で、工期は四十二年七月から四十五年三月であります。万博開催時までに完成し、大宮通りと直結し、交通の円滑化をはかる次第であります。このように、大阪、奈良間は阪奈、名阪、国道二十五号等が十数車線に増加していますが、京都、奈良間は国道二十四号線の二車線のみで渋滞するという現状がすみやかに改善されなければなりません。 次に、本県の多年の懸案でありました近鉄の地下移設が完成し、目下街路拡幅工事が、万博開会までを目ざして進捗していることは活目すべきであります。すなわち、奈良市の中心部に近鉄大阪線が道路上を占用して地上の奈良駅に入っていたのを、油阪、国鉄関西線以西から地下構造とし、地下二階の新奈良駅に達する工事を万博関連補完的事業として、四十七億円を投じ施行したのであります。内環状線、大宮通り線の街路事業は、幅員を二十三ないし三十六メートルに拡幅し、阪奈道路に連絡する工事を万博関連事業として、三十八億円で、四十二年度から施行されてきたのでありまして、奈良市の表玄関は面目を一新することとなります。 奈良県の要望として、一、新二十四号国道(仮称)の建設と奈良バイパスの早期完成。二、一般国道百六十五号の大和−高田バイパスの早期建設。三、名阪道路の四車線拡幅工事の早期完成。四、河川改修費の増額。五、大和川流域下水道事業の促進。六、公営住宅に中高層の配分。七、古都保存事業の補助。奈良市からは、(一)、木津川水源の再取得、(二)、人口増に対処する財政負担軽減について要望がありました。 第二に、日本万国博覧会会場並びに大阪府下における関連事業について申し上げます。開幕まであと一カ月余りとなった現地におきましては、会場の施設は総仕上げを急いでいるという状況でありました。参加国は日本を含めて七十七カ国にのぼる盛況となり、千里丘陵三百三十万平方メートルの敷地には、シンボルゾーンを中心に、百十七の展示館がほぼ完成しており、多種多様の斬新な形態と色彩で充満しているありさまであります。建築技術の粋を競い、幾多の新工法や機械化の導入による省力化等のくふうの結果といえましょう。地域冷房、モノレール、動く歩道等の設備、コンピューターの活用等幾多の新機軸も見られるのであります。 会場内の一、二の施設をあげますと、日本庭園が政府出展として、会場の北側に造成されました。面積二十六ヘクタール、会場面積の一五%、東西に約手三百メートル、南北の最大約二百三十メートルという細長い形で、建設事業費は約二十一億円となっております。わが国の伝統と最新の造園技術の粋を集めて設計されたもので、流れを主題とする庭園を構成しております。修景施設として植栽した樹木だけでも約七万一千本を数え、超近代的な建造物が林立しているかたわらにあって、この庭園の存在は、緑と水のいこいの効果をあげるものと期待されるわけであります。 また、シンボルゾーンの大屋根は、幅百八メートル、長さ二百九十二メートル、厚さ七・六メートル、総重量四千八百トンで、六本の柱にささえられ、地上三十メートルの高さに上げられておりますが、この引き上げ作業は当時話題となったものでありました。万博協会関係予算のうち、建設費は五百二十三億円であります。 次に、万博関連事業について申し上げます。 総事業費六千五百億円で、そのうち建設省関係は、四千十三億円となっております。道路関係を主として申し上げますと、直轄八路線、補助十四路線、街路二十二路線、有料道路として日本道路公団三路線、阪神高速道路公団九路線が対象となっておりますが、他に河川、下水道、公園等の各事業が包含されているのであります。会場へ直結する道路には、国道百七十一号線、道狙本摂津線、大阪中央環状線、御堂筋線中国縦貫自動車道、近畿自動車道吹田天理線名神高速道路、寝屋川バイパス、阪神高速道路大阪池田線神戸西宮線等があります。工事は大部分順調な進捗を見せておりまして、三月上旬に供用開始の見通しがついているとのことであります。鉄軌道として観客輸送の動脈となる北大阪急行鉄道、京阪神急行千里山線、地下鉄一号線等はいずれも整備完了に間近いものであります。 入場者の予測については、当初三千万人との推定がその後の試算により、五千万人と改められました。休日の一日間の入場者六十万人とも推測され、会場へのアプローチ道路の交通容量、駐車場の収容限度等を勘案するとき、輸送対策は会場の内外において、警備体制とともに大きな課題であります。関係十三機関による観客輸送対策懇談会が昨年発足して、広域交通管制計画、鉄道及び道路輸送計画等が総合的に検討されているとのことであります。 視察しました路線のうち、異色あるものとして、築港深江線があります。十大放射線の一つである築港枚岡線に該当するもので、大阪港から都心部を東西に貫く大幹線であります。国道四十三号、御堂筋線と交差し、船場地区、森の宮、深江を経て、中央環状線と交り、東大阪トラックターミナル、外環状線に至るものであります。 船場地区においては、幅員八十メートルの街路の中央部に、地下二階、地上二ないし四階の船場センタービル十棟を、大阪市開発公社が建設し、その屋上に高架街路六車線、阪神高速道路六車線を、ビルの両側に平面街路各四車線の合計二十車線を設けるほか、平面街路の下には地下鉄四号線が通ることになります。このビルは、店舗、事務所、荷さばき場、駐車場等の用途を持ち、都心部における卸売り商業地の再開発に役立てようとするものであります。なお、東大阪市域においては、築港枚岡線として大阪府と東大阪市が、都市改造事業の土地区画整理によって用地を生み出し、四キロにわたって道路の整備を行なっております。万博開催時までに供用できる予定であります。 終わりに、次の諸点に十分な対策が講ぜられる必要があると思います。 (一)万博会場跡地の利用計画をすみやかに策定すること。 (二)万博開会中の道路管理には、道路情報センターの活用により、情報を適確に流すことや、故障車の処理の迅速化等万全の措置をとること。 かくて、万博が見事な成果をおさめることを期待したいのであります。 以上で報告を終わります。
○委員長(大和与一君) 次に、第三班、滋賀県、兵庫県及び大阪府における建設事業の実情調査を御報告願います。上田君。
○上田稔君 第三班について報告いたします。 第三班は奥村理事、高橋委員、田中委員と、私、上田稔の四名で去る二月五日から三日間にわたって滋賀県、兵庫県及び大阪府における建設事業の実情を調査してまいりました。 以下、地域ごとにおもな視察事項について調査の概要を御報告申し上げます。 まず滋賀県下の建設事業についてであります。滋賀県は阪神、中京の二大経済圏の中間という地理的条件と、名神高速道路の整備等で、近年、工業の進出が目ざましく、従来の農業県から、農工一体の産業県へと急速に変貌しつつあります。 滋賀県における最大の問題は琵琶湖の総合開発であります。県面積の六分の一を占め、県民生活と産業活動に密着している琵琶湖の存在は、滋賀県の地域開発と不可分であり、また近畿経済圏全域にとっても貴重な水資源の宝庫であります。建設省はすでに琵琶湖総合開発の予備調査を終えて四十三年度より実施計画調査に入っておりますが、総合開発の基本的事項について滋賀県となお相違点があり、協議を重ねている段階であります。すなわち建設省は、利水について最低水位をマイナス二メートルとし、十二億トンから十六億トンの利水容量で下流の需要にこたえようとするものでありますが、滋賀県は最低水位をマイナス一・五メートルが限度であるとしており、さらに開発事業は総額千九百億円で、湖岸治水、地域開発に力点を置くべきであるとしております。もとより大幅な湖水位の低下は、湖辺施設と住民生活に大きな影響をもたらし、また、誘致される工場等の排水で琵琶湖の水質汚濁が進むことも予想されますので、利水と治水、さらに進んで自然保護を考慮した地域開発等、総合的開発計画が樹立されることが必要と考えます。 こうした観点より滋賀県は、琵琶湖の総合開発は現行の水資源開発法規では不十分であるとして、開発行政の一元化と、必要な行財政制度の確立等の特別措置について立法化を強く要望しておりました。 琵琶湖問題に関連して野洲川の改修計画と瀬田川の新洗堰を見てまいりました。 野洲川は鈴鹿山脈に源を発し、琵琶湖に注ぐ一級河川で、豪雨時には濁流が狂奔するものの、平時はほとんど流水を見ない状態であります。改修計画は洪水疎通能力の増大と天井川の解消を目的としてており、おもな事業は下流における北流と南流の中間に約四キロの新水路を開さくするもので、事業費百二億円をもって四十年度より一部が実施されております。山地部の地質が風化の早い花崗岩質のため、至る所に荒廃した土砂はだを見せておりましたが、この地域の治水事業は徹底した砂防事業、ダム事業が不可欠であると痛感いたしました。 唯一の琵琶湖流出河川瀬田川の新洗堰は、鉄製溢流式二段扉を設置しており、全開、全閉、ともに三十分で完了し湖水位の変化に応じて自動的に一定量の放流を確保できるようになっております。琵琶湖水位の調節とともに淀川本川の洪水渇水を調節するもので、天ケ瀬ダムとともに重要な役割を果たしており、これによって水害の防止と水資源の高度利用が可能となったのであります。なお瀬田川支流、大戸川、信楽川の上流では、本県唯一の直轄砂防施工区域として事業が進められておりました。 第二は都市計画事業についてであります。 大津市施行の都市改造事業として、大津駅前周辺約八・五ヘクタールについて区画整理が実施されておりました。国鉄大津駅の移転とあわせて、すでに都市計画決定されていた駅前広場及び計画街路の整備と宅地の高度利用をはかるもので既存建物の取りはずしと三十メートル街路の整備が進められておりました。 公共施設は、都市計画街路湖岸大津線、馬場皇子丘線、大津梅林線の外、駅前広場七千八百八十平米、公園八百七十八平米で、公共減歩率は二七%、事業総額は九億八千八百万円であります。 また街路事業としての南湖横断橋の建設構想は、大津市中部地区と南湖東岸部と橋梁で直結するもので、国道一号の迂回不便を解消し、琵琶湖大橋とあわせて南湖地域の開発に寄与しようとするもので、架橋地点の実施調査が行なわれておりました。 第三は道路事業についてであります。県下の道路事情は京阪神と中京、北陸を結ぶ国道、地方道が、いずれも通過交通量の激増で、随所において渋滞現象を発生させておりますが、特に狭隘部に密集する大津市周辺の交通混雑の解消は当面の急務であると思われます。西大津バイパスは国道一六一号のバイパス道路として京都山科附近から阪本までの十二キロを事業費百二十五億円で整備するものでありますが、当面は暫定二車線の建設で、四十四年度は三億円で用地買収に入りましたが、三井寺等文化財も多く難航しているとのことであります。 また、京滋バイパスは国道一号のバイパス道路として草津附近から京都外環に結ぶもので、四十五年度から事業に取りかかりますが、中央部分十三キロは事業費百七十八億円で日本道路公団が、また両側の十五キロは事業費二百二十億円で建設省が、それぞれ施行する予定であります。しかし、名神との接続地点まで有料道路を延長しようとする公団と、主要地方道瀬田宇治線までは建設省直轄でと主張する滋賀県との間にまだ食い違いがありました。建設省の調査によれば、この地域の必要道路幅員は十六車線とされており、現在の国道と名神を合わせても六車線で、なお十車線が不足しており、一日も早い事業の実施が熱望されておりました。 また昨秋国道に昇格となった三〇三号、三〇六号、三〇七号は、いずれも隣接府県との境界付近で交通困難個所がある状態で、通過交通の分散をはかる上からも早急に整備をはかることが必要と思われました。 次に、兵庫県下の建設事業について申し上げます。兵庫県は百二十五万都市神戸を中心に、阪神地区の一翼として、ますます発展を続けておりますが、大都市地域の過密化が種々の弊害を生み出しつつあり、特に神戸市等の都市改造とその周辺の道路整備は緊急な課題であると痛感されました。 まず神戸市におけるおもな事業について申し上げます。三宮の市街地改造事業は、戦後の木造低層住宅が密集していた駅前地区について、公共施設と建築物を一体として再開発するもので、総事業費は百五十億円であります。現在は、地下二階地上十階の延べ面積五万六千平方メートルに店舗、駐車場を収容する第三地区の事業が実施中でありましたが、第二地区は地下二階、地上十八階で、延べ面積五万二千平方メートルに店舗とホテルを、第一地区は地下一階地上十四階で延べ面積二万四千平方メートルに店舗と住宅をそれぞれ収容する計画でありますが、従前の居住者とは関係のないレジャー施設や、高級マンションの建設に終わらぬよう申し入れておきました。 宅地造成事業は六甲山麓地域において着々と進められておりました。鶴甲山、渦森山、高尾山を完了し高倉山の宅造が最盛期でありましたが、ここでは約百四十メートル切り下げで、四十九万平米の宅地と六十七万平米の公共用地を造成し、四千六百戸の住宅を建設する計画であります。高倉山で採取される土砂四千八百立米は、ベルト幅二メートル、延長千三百二十九メートルのコンベヤーで一の谷を下り、神明国道、山陽本線を高架で越えて須磨海岸より船積みとなり二十キロ離れたポートアイランドの埋め立て地まで運ばれておりました。ポートアイランドとは神戸市、外貿埠頭公団及び運輸省第三港湾建設局の建設する四百二十三万平米の一大人工島で、三十二パースの外貿埠頭と近代的な関連施設を整備して、神戸港の中心施設となるものであります。これらの事業はいずれも思い切った大規模プロジェクトでありますが、相互の関連で相対的に建設コストは軽減されており、今後こうした計画的開発方式の活用は、ますます期待されるところであります。 第二は、道路事業についてであります。 播磨工業地帯と京阪神を結ぶこの一帯は、日に三万台の通過交通で、国道二号はすでに限界の状態でありますが、バイパス道路としての神明道路、加古川バイパスは暫定二車線での供用開始を目前にして最後の整備が進められておりました。 神明道路は、日本道路公団の施行するもので、延長二十四キロ、四車線で総事業費百二十五億円でありますが、四十五年度以降の二車線拡幅分は四十三億五千万円で、四十七年度末の完成を目途としております。 また加古川バイパスは、万国関連事業として建設省の直轄施行であり、延長十三キロ、四車線で総事業費六十五億円でありますが、四十五年度以降の二車線拡幅分は二十三億円で、神明道路にあわせて拡幅事業の実施が必要と思われます。暫定二車線という変則道路ではありますが、これにより阪神高速道路、神明道路、加古川バイパスと直結されることとなりますので、さらに以西の姫路バイパスの早期着工が強く望まれておりました。 なお、本州四国連絡架橋につきましては神戸市垂水の日本道路公団調査事務所において、三ルートの概要説明を受けたのでありますが、兵庫県及び神戸市からは、明石−鳴門ルートが最も経済効果の高いものとして最優先着工の陳情がありました。本年七月より本四連絡架橋公団の設置が本ぎまりとなっておりますが、経済的、技術的視点よりの着工順位の決定について最大の努力が必要であります。 最後に、大阪府下の建設事業についてでありますが、ここでは第二班との合流調査で万博会場及び関連事業についてはすでに報告がありましたので、東大阪流通センター、新大阪繊維シティーについてのみ簡単に触れることといたします。 東大阪流通センターは、都市計画決定に基づいて、流通業務団地を中心に貨物輸送と保管のための諸施設を整備するもので、大阪府と関西の主要民間企業の出資による大阪府都市開発株式会社が実施しておりますが、事業費のほとんどは開発銀行、市中銀行よりの借入金であります。 また新大阪繊維シティーは、梅田地区の市街地改造を契機に、同地区の繊維卸商が組合を結成し、防災街区造成事業として新大阪駅前に共同ビルを建設したもので、事業費は補償金等の自己資金と防災街区事業補助金のほかは、六五%が市中銀行よりの借入金であります。これらは民間事業ではありますが、公共事業と不可分の関係で、公共施設の整備計画に合わせて事業計画を立てておりますので、道路、上下水道等の整備のおくれによって生ずる金利負担と予定収入の遅延は事業主体にとって大きな打撃となるのであります。民間によるこのような事業の推進をはかるためには、長期低利の資金融資とともに、その基盤となる公共事業の計画的実施が不可欠の前提要件であることをあらためて痛感したのであります。 以上、報告を終わります。
○委員長(大和与一君) 以上で派遣委員の報告を終わります。 官房長にお願いしますが、委員からの御要望もあるのですが、本国会に提出される法律、検討中のものを含めて、なるべく早く資料を各委員のお手元に届けていただきたいのです。——承知をされました。 本日は、これにて散会します。 午前十時五十一分散会 —————・—————