決算委員会 第10号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/15
会議録
○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十三日、沢田実君が辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が、春日正一君が辞任され、その補欠として渡辺武君が、十四日、郡祐一君及び和田静夫君が辞任され、その補欠として前田佳都男君及び田中寿美子君が、本日、渋谷邦彦君及び二宮文造君が辞任され、その補欠として沢田実君及び鈴木一弘君が、それぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(松本賢一君) 参考人の出席要求につきましておはかりいたします。 昭和四十二年度決算外二件の審査のため、農林中央金庫理事安井三郎君を参考人として本日出席を求め、意見を聞くことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(松本賢一君) 昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。 本日は、大蔵省の決算につきまして審査を行ないますが、あわせて昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外三件、昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外三件、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外二件、以上十二件を議題とし、審査を行ないます。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○大森創造君 宮内庁にお尋ねいたしますけれども、過日、私がお願いをいたしました東京都内所在皇室用財産という、その目録をちょうだいしましたけれども、これは誤りはございませんか。
○政府委員(瓜生順良君) 誤りはないと思います。
○大森創造君 これ以外に財産はございませんか。
○政府委員(瓜生順良君) これ以外には皇室用財産としてはありません。
○大森創造君 そこで私は、ある必要があって一つの登記簿を法務局から取った。これは所有者は皇宮地附属地とある。皇宮地附属地というものはどういうものですか。どこの財産ですか。
○政府委員(瓜生順良君) 詳しい点がちょっとわかりかねるのでありまするが。どういうのか、ちょっとわかりかねるんでございますけれども。
○大森創造君 それで、宮内庁のほうからお出しになった東京都内所在皇室用財産の中にない財産があるというふうに私は認識した、この登記簿謄本を見て。その場所を申し上げますというと、千代田区内幸町一丁目、いいですか、千代田区内幸町一丁目一−二、三と書いてある。ここのところがよくわからないんだけれども。 法務省法務局のほうにお尋ねいたしますが、右は登記簿の謄本である。昭和四十五年三月三十日——この間ですね。東京法務局登記官角張昭治郎とございます。地籍は四千二百一坪、一万三千八百八十七平方メートル。それで所有者に皇宮地附属地とある。この土地はいわゆる皇室財産とは違いますか。
○政府委員(瓜生順良君) 現在は、この千代田区内幸町一丁目には皇室用財産はございません。何か前の登記が——新しい権利者がその登記の変更をしておられないんじゃないかと思います。
○大森創造君 どうも最後の点が聞こえなかったので、あとで繰り返してお述べいただきたいと思いますが、そうすると、私がいま読み上げたこの登記謄本に該当する土地は宮内庁の所有ではないということを御確認ですね。
○政府委員(瓜生順良君) 現在は皇室用財産でないということは、はっきり申し上げられると思います。
○大森創造君 それでは、どういうことか法務省にお尋ねしますが、この間の三月三十日現在で所有者は皇宮地附属地とある、私の手元に出ている謄本では。これはどういうことになっているのでしょうか、法務省にお尋ねします。
○説明員(枇杷田泰助君) 御指摘のように、内幸町一丁目一番の二−三という地番が付されて、一万三千平方メートルの土地の登記簿があることは間違いございません。その所有者欄には皇宮地附属地というふうに表示されておりますが、実はこの登記簿ができましたいきさつは、戦前からございました土地台帳にそのような記載の台帳がございました。それをいわゆる登記簿と台帳の一元化作業の際に、そういう台帳がございますものですから、それを登記簿の用紙として新しくつくったといういきさつでございます。しかしながら、この土地につきましては保存の登記はいたしておりません。したがって、はっきりとした権利者がだれであるかということを表示されている土地ではないわけでございます。一方、この地域のいわゆる公図でございますが、地図を当たって見ますと、そのような地番のものは公図上は見当たらないということになっておりますので、古い時代に何らかのことでそういう用紙が起こされたんだけれども、現在ではどうもはっきりしない。かなり詳しく過去の経過を調べてみませんとわからないのじゃないかというふうに考えております。
○大森創造君 それでわかりました。そうすると、これは三月三十日現在でこの登記謄本が私の手元に出てきたんだから、この土地はあるのですね。人間があって名前があるんだから、この登記謄本が私の手元に出てきたということは、裏づけになる土地はあるんですね。土地は蒸発しませんからね、人間と違って。これに相当する土地はあった。現在もどこかにあるということですね。
○説明員(枇杷田泰助君) もちろん登記簿がある以上はそれに相応する土地があるということは原則でございます。ただし、完全な地図とかというものがございませんし、従来からの手続上も、まま二重に登記が起こされるというふうなことも絶無とはいえませんので、経過を調べてみませんと、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、一応登記簿上、そういう表示があれば、それに相応する土地があるはずだと、そう一応言い得る状態にあるということだけはお答えできるかと思います。
○大森創造君 ただいまの御答弁は私の考えと同じですね。これがある以上は、これに相当する土地は必ずあるということです。あったからこれができたのであって、そこで所有者は皇宮地附属地というふうになっているのだから、過去のいきさつは知っているでしょう、宮内庁、あなたのほうの所有地だったのだから。これはしかも四千二百一坪ほどの膨大な面積で、あそこのいま坪当たり単価は約三百万円、百二十六億円ぐらいの財産ですから……。このいきさつは、宮内庁、御存じございませんか。
○政府委員(瓜生順良君) たぶんこれは、この帝国ホテルのところへ戦前御料地で貸し下げて、貸し付けておられたところがあります。その部分じゃないかと思うのですが、この記録を見ますと、大正九年以来そういう何か記録では三千八百余坪とありますが、三千八百余坪を帝国ホテルに貸し付けておられたという記録がございます。これは戦後財産税を皇室として納められた際に、物納で大蔵省のほうへ納めて、それでそれから国有になっておりまして、御料地ではなくなっているというのがありますが、あるいはそれではないだろうかというふうに想像いたします。
○大森創造君 登記謄本に書いてあるこの土地は、いまの瓜生次長の説明によってもあると、それは大体帝国ホテルの敷地あたりであろう。そこで私は、内幸町一丁目の公図の写しを持っております。これは間違いございません。これでひとつ瓜生次長と法務省の方、二人合議の上どこの部分だかひとつ教えてください。わかるでしょう。この登記謄本にある四千二百一坪というのは、これは私、内幸町一丁目の公図の写しの正確なのを持っておりますから、法務省と、それから瓜生さん、宮内庁のほうで、ここで、ここの部分であろうということを私にちょっと教えてくれないかな。そして、しるしをつけて持ってきてください。——消えてなくなるはずはないのだからね。さっき申し上げたとおり、人間なら蒸発ということがある。死んだら腐る、犬もネコも腐っていく。土地は腐らないからね。これはどこですか、ちょっと持ってきてください、しるしをつけて、私のところへ。お二人で合議したらば大体見当つくでしょう。
○説明員(枇杷田泰助君) はっきりしたことは申し上げられませんけれども、いろいろないきさつからいたしますと、表現されておりますのは、大体一番の一、二あたりのところではなかろうかと思われますが、しかし公図では本来、登記簿あるいは台帳に記載されております土地については必ず何番地の土地はここであるということが表示されておるはずなんでございまして、それが表示されてございませんので、この部分であるということを的確に申し上げることは不可能でございます。これも実は、先ほどもちょっと申し上げましたように、現地はありましても、その現地についてさらにもう一つの台帳なり登記簿用紙が起こされて、いわゆる二重登記になるというふうなこともございますし、それから何かの手続の際に、片一方のほうを閉鎖をして用紙をなくすというふうな手続をとるべき際に、それをあやまって残すというケースもございましょうから、本問題の場合は、それがどういうことになっておるのか。これは少し調査をいたしてみませんと、明確なお答えはいたしかねる状況でございます。
○大森創造君 大体一の二と見当つけておるのですか。一の四ではありませんか。これはいいですか、法務省でもそうだが宮内庁でもそうですよ。大蔵省でもそうだが、大体、存在する土地がどこの場所かわからぬなどというのは、いずれにせよ国有地ですから、これは問題ですよ。百二十六億円近くの時価を持っている土地が——国有財産が消えてなくなるというはずはないんだから。それが法務省もわからない。もとの所有者・宮内庁もわからない。私がちょうだいしましょうか。——これは冗談だけれども。とにかく、どこの場所だかわからないというのは、ふしぎな話だ。いまの御答弁だというと、一の二あたりだというのだが、一の四とは違いますか。それすら明確なお答えができないでしょう。所在不明。しかし土地は厳然としてある。一の四か、一の二か。
○説明員(枇杷田泰助君) 問題の土地がどこにあるかということは、実は登記所にございます登記簿あるいは台帳付属地図を総合して見た場合には、どこにあるかということがわかります。ただ、地番であるとか、それから沿革であるとかいうところから一番の二か、あるいは一番の四であるか、わかりませんけれども、その辺の土地を表示していることになるのではなかろうかというふうに一応想像できるということにとどまるのでございます。
○大森創造君 宮内庁、御答弁してください。
○政府委員(瓜生順良君) いま係員から聞きますと、宮内庁として、もと帝国ホテルに貸し付けていた土地の関係は一の四という記録があるそうです。
○大森創造君 そうすると、一の四だか一の二だかわからないんだな。両方間違っているかもしれぬよ、これは。大蔵省はわからないかな。
○政府委員(岩尾一君) ただいまお話の地番でございますが、先ほど先生が四千二百一坪というふうにおっしゃいましたが、その坪数から申しますと、ちょうどこの土地の経過は明治二十年に外務省の用地であったわけでございます。これを東京ホテルというのに当時五十年間無償貸し付けをいたしました。その後、ちょうどそのあたりは昔の鹿鳴館といったものの近所になるわけでございまして、外務省と内務省が協議をいたしまして、その土地を皇宮地の付属地に編入をしたわけでございます。その編入いたしましたところへ東京ホテル会社というのとメトロポール・ホテルというのが合併しまして、帝国ホテルというのをつくったわけでございます。その帝国ホテルに対しまして同じように無償貸し付けを皇宮地付属地として継続使用を許可したという状況でまいりまして、そして大正九年に、先ほど宮内庁次長のおっしゃいましたような内務大臣の官邸が裏にあったわけでございますが、それを有償貸し付けとして宮内庁のものに編入し、さらに宮内庁から新しい帝国ホテルに貸すという処置をいたしまして、その全体の上に現在の——現在はありませんが、昔のあのライト式ホテルができた、こういう経緯でございます。
○大森創造君 そうすると、大蔵省のいまの説明では、いまの説明の末尾のところの答弁からいきますというと、現在宮内庁の所有であるというふうにとれるが、どうですか。もう一回確認します。
○政府委員(岩尾一君) これはどうも昔のことでございますので非常にはっきりいたしませんが、私のほうで持っております記録によりますと、皇宮地付属地に編入しましたあと、無償貸し付けをやっております。そうして、ずっと無償貸し付けをやったままで大正九年までまいったわけでございまして、大正九年の際に、いま申しました内務大臣の官邸を売り払って——売り払うといいますよりは、帝室財産にしまして帝国ホテルに貸し付けました。その時点において整理をしておくべきものであったと思います。その際の整理がよくできていなかったので、いまのようなことになったのではないかと、かように考えております。
○大森創造君 そうすると、大蔵省、宮内庁、法務省、これはいままでの問答でわかったけれども、わからないんですね、結局、大蔵省だってわからないでしょう、一の四だか一の二だか。
○政府委員(岩尾一君) これは断定的には私もちょっと申し上げる自信はございませんが、ただいまの先生の御質問から想定をいたしますと、私らが帝国ホテルに対しまして普通財産を貸し付けいたしております土地と、それから現在の帝国ホテルの土地というものを勘案いたしますと、現在の帝国ホテルの持っておる土地でございますね、その部分はちょうど、いま先生のおっしゃった部分に当たるわけでございますから、これは五十年というような長い無償貸し付けでございましたし、戦後の混乱がございましたから、そういう戦争のときに、本来はまだ皇宮地付属地で無償貸し付けの対象であったのが帝国ホテルの土地になっちゃったというようなことに——現況ではなったような処置がなされておる、こういう状況でございます。
○大森創造君 あとから申し上げますが、それにしてもふかしぎな事実があるのです。いまの大蔵省の説明とは違う事実があるのです。あとで申し上げます。一の四か一の二かわからないのですね、結局いまの段階では。法務省の法務局のほうは一の四だろうと言うのです。もとの所有者の宮内庁のほうは一の二ではなかろうかと言うのですからね。まだどこだかわからない。大蔵省の答弁は大体そのあたりであろうということなんです。これでは心ぼそいですよ。それで、後段の私が質問申し上げることと明らかに矛盾する。これは国の責任において明確にしてもらわなければいかぬと思いますが、いかがでしょう、大蔵省。いいですか。こういうことであっては困る。こっちは一の四、向こうは一の二、大蔵省の答弁ではあの辺であろうということだけですよ。所有者の点は宮内庁であろうというようなことだが、その後移管がえになったという説明があった。これは了承する。だけれども、どこの場所かということは明確にする必要があると思いますが、どうですか。
○政府委員(岩尾一君) 私のほうの図面によりますと、ただいま帝国ホテルに貸し付けをいたしております、普通財産として。その分が一の四でございまして、それから一の二というのは、もとのこれは外務大臣の官邸を売り払った所でございまして、一の三と申しますのは、さらにその左と申しますか、当時、松林組という株式会社が持っておった土地になっております。
○大森創造君 そうすると、あなたのほうは一の四を主張されるわけですな。
○政府委員(岩尾一君) 先生もよく御存じの帝国ホテルに貸している土地でございますが、この地番は一の四でございます。
○大森創造君 そうすると、まだわからないのです。一の四が二人、一の二が一人と、これは多数決というわけにはいかぬな、少数の社会党のほうが正しい場合もあるのだから。ことに法務省という役所は悪いことをしない役所ですからね。正確を期するという意味からすると、法務省のほうが正確かもしれぬから、これはわからぬですよ。わからないということですな。そこで過去のいきさつはともかくとして、これはひとつわかってほしいのだが、どうだろう。わかるために調査をしていただけますか。
○政府委員(岩尾一君) これは私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、よく調査をいたしまして、登記その他の調整をいたしてもらうように法務省にお願いしたいと、かように考えております。 それから先ほど申し上げましたように、大蔵省も悪いことをいたしませんので……。
○大森創造君 はい、わかりました。
○政府委員(岩尾一君) いま申し上げました一の三というのは、実測図で見ますとちょっと離れた所でございまして、一括されて帝国ホテルのいまの敷地になっておるという現況であろうと思います。
○大森創造君 大蔵省に聞くけれども、一の三というのはどこへ行ったわけですか。これにない。私の公図にはない。
○政府委員(岩尾一君) ただいまちょっと図面をお示しいたします。
○大森創造君 あるんですか。ある。おかしいな。あるのにはふしぎはないのだけれども、どうも首をかしげたくなる。 そこで、今度は次に移ります。いまの問題はどうもふかしぎですよ。これはミスかな。故意にやったのかな。どっちだと思いますか。法務省、答えてください。こういうケースはどうなっておるんですか。
○説明員(枇杷田泰助君) この問題の一の二、三と表示されました台帳は、実は戦前に起こされておるものでございまして、いつごろできたかということはつまびらかでございません。ただ一方、一の二の関係のほうは、これは登記のほうで申しますと、戦争で登記簿が焼けてしまいましたために、戦後回復をした登記でございますので、これも過去のいきさつは必ずしもつまびらかでございませんが、大正九年ごろの台帳の記載にも一の二というふうな枝番ができておりますので、おそらくその当時から一の二、三という問題の土地の表示もあったのではなかろうかというふうに想像されるわけでございます。そのような古い時期のことでございますので、当時は税務署で所管されておったのでございますけれども、何ぶんにも古いことなので、事情はわかりません。故意にというふうなことはちょっと想像されない事案のように思われます。
○大森創造君 なぜこの点を問題にするかというと、貸し付け条件が違ってくるでしょう。これは、ただで貸し付けてやっていいものか、それとも払い下げるものか、賃貸契約を結ぶものか、そういう現在の契約条項にまつわる問題だからこれを吟味するんですよ。帝国ホテルの所有のものならば、こんなことを決算委員会で問題にする必要はございません。皇室財産の一部であった時代があったりなんかして、それで明らかにこの間の三月三十日現在では権威のある東京法務局の登記謄本によるというと、皇宮地付属地とあるんですね。皇宮地付属地であるという謄本が私のところにあるんだから、それならばこの土地を帝国ホテルとの間にどういう契約を行なうべきか、行なわせるべきか。いろいろこれは解釈が違ってくると思うんです。だから吟味するのであって、ひとつ国の責任で、先ほど御答弁いただきましたけれども、これは明確にしてほしいと思うんです。これは了承されますな。 じゃあ次に移ります。何が何だかわからないからね。要するに、この土地は存在する。一の二だか一の四だかわからないんだからね。これはいまから調査するんだから。一歩譲って一の四としてみよう。その場合でも問題がある。これは一の四。 その前に一つ聞きますが、法務省、「千代田区内幸町一丁目一番」と、こうなって「二、三」となっているのはどういう意味ですか。これは一の二、一の三というのを一緒に書いた意味なんですか。
○説明員(枇杷田泰助君) 通常はそのような二つの番号をまとめて書くような表現はすることはないのでございますけれども、たまたまこの大正年代だろうと思うのでありますが、その当時にそういう符号がつけられた経緯がございますので、登記のほうでは、ただ、それをそのまま単純に書いてあるということでございますので、どういう意味であるかということは必ずしも明確でございません。
○大森創造君 やっぱり私も相当なものだな、あなたのわからないことは私もわからないのだから。さっきから意見も一致するから。私のわからないことは、あなたもわからないのだから相当なものだ。自信を持ちました。そこでどっちだかわからないのだから。一の四、これは面積が三千八百七十四坪ですな。一万二千八百七平方メートル、これが一の四です。これであるとすると問題がある。そうすると最初に私がお尋ねした内幸町一丁目の一の二、三と、いまお答えになったこの登記謄本の一の四はダブるかもわからないですね。いわゆる二重登記になっている可能性はあるわけですか。ちょっとお答え願いたい。
○説明員(枇杷田泰助君) そういう可能性も十分にあろうかと思われます。
○大森創造君 そうすると一の四は、現状、これがどうも困っちゃうな、これはだれの所有なんだっけかな。一の四というのは。
○政府委員(岩尾一君) 大蔵省の普通財産でございます。
○大森創造君 そうすると大蔵省の財産ということになるのだね、一の四は。
○政府委員(岩尾一君) そのとおりでございます。
○大森創造君 そこで大蔵省は貸し付けているわけですか、帝国ホテルに。
○政府委員(岩尾一君) そのとおりでございます。
○大森創造君 どういう条件で貸し付けておりますか。
○政府委員(岩尾一君) 本件につきましては先生もよく御存じだと思いますが、昭和四十二年に帝国ホテルの改築の話がございまして、古い経緯は、先ほど瓜生次長からお話のように、二十二年に物納になりまして、それから大蔵省の普通財産になったわけでございます。その後ずっと同じような条件で賃貸をしておったわけでございますけれども、四十二年に増改築をしたいということになりまして、その際に改築に伴って契約を更新いたしまして、いろいろな条件をつけたわけでございますけれども、適正な貸し付け料を取り、さらに増改築をすることによる加算金も徴収いたしまして現在貸し付けをいたしておるような状態でございます。期限は、普通借地権の状況から申しまして四十二年に契約をいたしております、したがって大体七十二年までは借地権はあるということでございます。
○大森創造君 その契約書の写しを出してもらえないかな。
○政府委員(岩尾一君) 後刻提出いたします。
○大森創造君 そこで法務省にお尋ねしますけれども、大蔵省はいまのような説明だ。一の四は現状では国有財産である。それを帝国ホテルにずっと貸し付けていた。それが古い建物をこわして十七階建てを建てる、その時点においてそういう建築を始める時期において契約を更新したということです。そこでこの登記謄本を見ますと、こう書いてある。所有者として「宮内庁」と書いてある。「大蔵省」とあって、「昭和二二年四月一日所管換」、その次に「昭和四二年一〇月一六日登記」、その次の項に「甲区」とあって、「所有権保存、昭和四二年一一月二二日受付」、「所有者大蔵省」とある。この間二十年あるのだが、こんなことはどうも不自然じゃないですか。二十年間もほったらかにしておくということは。
○説明員(枇杷田泰助君) ちょっとその登記簿をこまかいところまで見ておりませんので、はっきり申し上げられませんけれども、普通の私人でございますと、土地なり建物なりの所有権を取得した場合にはすぐにそれを登記するというのが通常でございますが、ただ国有財産の場合には登記をしていないという例も若干あるように聞いております。また表題部のほうに所有者が書いてございますと、その書いてある者以外には保存登記が原則としてできないような仕組みになっておりますので、あえて第三者に対抗するという必要がなければ登記をしないでも実際上済んでしまうというようなこともあろうかと思うわけであります。
○大森創造君 二十年も経過してやってもいい。私の常識からするというと、国の場合はもっと迅速にやってしかるべきだと思うのだが、どうだろう。慣習だろう、それは単なる。早くやるべきじゃありませんか。法務省はどうなんですか、国のことなら二十年もたってもいいという、そういう寛容な態度をおとりなのかな。
○説明員(枇杷田泰助君) 登記の制度から申し上げますと、土地とか建物とか、不動産そのものを登記するというのは、これは直ちにやっていただかなければならないわけでございます。土地の場合には、新たに生ずるということはめったにございませんけれども、建物の例で申しますと、建物が完成をすれば直ちに、その建物ができて一応だれのものだというふうな登記をしていただかなければならないわけでございますが、ただ、民法の第百七十七条の規定による対抗力という関係から申しますと、これは、その権利者が自分で登記をするか、しないか自由意思にかかっておるわけでございます。いまおっしゃいました保存登記のほうは、その対抗力を取得するための登記でございますので、これは、なるべくならば正しく早くやっていただくことが民事制度上からすれば望ましいことかと思いますけれども、必ずしもそれは法律的に強制されるというものではございませんし、私人の場合で申しますと、その権利者の自由意思に基づくということになろうかと思うのであります。
○大森創造君 そうすると、最初に私が出した登記簿謄本の一の四だとすれば、一の四だか一の二だかわからないのだから、坪数とか地番はみんな違ってくるのはしかたがないことだな、これは。それで最初にあげた坪数が四千二百一坪というのでしょう。この一の四のほうは三千八百七十四坪だから差し引き三百二十七坪の開きがあるわけだ、こんな開きが出てくるのはしかたがないということだね、大蔵省。
○政府委員(岩尾一君) ただいま申されました登記の件でございますが、これは非常に古い話でございますので、昔、まあ当時は帝室用財産といっておりましたけれども、そういうものの皇宮地付属地というふうなものについてはあまり登記等もやかましくいわないで、一種の白地というような形で残っておったことがあったと思います。そこで、そういう場合には、特に帝室のものでございますから保存登記をやる必要もないということでやっていない例があるのではないかと思います。私が申し上げましたように、現在新しい新憲法になりまして、また物納になりまして大蔵省の普通財産なり、国有財産法が施行されまして、ちょうど二十二年から四十二年まで二十年間、先生のおっしゃるようにまさに登記はしていないわけでございますが、それは従来からあったので、帝室用の財産が大蔵省の財産に移っても特に保存登記をする必要はないのじゃないかというような、まあミスだと思いますけれども、やっていなかった。しかし四十二年に先生のおっしゃったような新しい契約を結びましたので、その際にはっきりと保存登記をやったと、こういう経緯だと思います。
○大森創造君 いろいろずさんなところを……ずさんかミスか疑惑か何だかわからないけれども、きょうの段階ではわからない。きょうは総括質問でございますから、この問題については、あとは分科会で次回からしますからね。 そこで、契約の内容、毎月幾ら帝国ホテルは大蔵省に払っているか。
○政府委員(岩尾一君) 毎月ではございませんで、年に四千二百万円と記憶しております。
○大森創造君 四千二百万円。それからいわゆる更新料というのは幾ら払っていますか。
○政府委員(岩尾一君) 更新料と申しますか、新しく建てかえた場合の加算料でございますね、これは七億五千五百万と記憶いたしております。
○大森創造君 おそろしく安いじゃないですか。社会通念を御存じですかな。あそこは時価三百万円前後でしょう。そこで、世間で行なわれている東京都内並びに全国で行なわれている社会通念は、このいわゆる更新料に相当するものは、あの十七階のような半永久的な建物を建てる場合の更新料というのは大体……、そこで待った。その前に聞くことがある。一体、地価何割を見込んで更新料なるものに当てたのか。
○政府委員(岩尾一君) 敷地の値段が幾らであるかというのは、いま先生おっしゃいましたように、非常に高く見る場合もございますし、まあ相続税の課税標準でございますとか、いろいろな見方がございます。したがって、これが土地の値段であるということはなかなかはっきり言えないわけです。私らは概略の見当といたしましては、大体あそこの敷地はまあ百億円と見ておるわけです。そこで、百億円といたしますと、従来のそういった新しく賃貸借をやっております場合に途中において建物を増改築する場合にとるべき加算料、これは慣行でございますから、法的にはそういうあれはないのでございますけれども、全国の慣行から申しますと、まあ土地の利用度が高くなるということもございますし、それからそれによって新しく賃貸借の期間が延びるということもございますので、そういう点を勘案いたしまして、大体坪当たりの価格の五%というものを権利金関係の加算ということで見る。それからいま申しました利用期間が延びるということに対しましては、延びていく期間に対応いたしましていまの五%分の年数というものを見まして、その両方を今度は全体の坪数にかけまして見ていくというのが大体民間の実例でございます。その実例に大体従っている、こういうことでございます。
○大森創造君 民間の通念では大体地価の七割ぐらいもらうのじゃないですか。
○政府委員(岩尾一君) それは実際の敷地の値段に対しまして借地権の価格というものを評価いたしまして、借地権の価格を抜いたら幾らになるか、いわゆる底地価格というものを見る場合にはその程度になると思います。いまのような現実に賃貸借の契約を結んでいる場合に、ここに自分のほうは古いものをこわして新しい堅固なものをつくりたい、どうだというときに、その金をとって新しくさせてやるという場合に、その場合に七割というのはちょっとひど過ぎるので、民間の通例では私の申し上げたようなことがたいがいの実例でございます。
○大森創造君 この点については私もしろうとであるけれども、ある権威筋から聞くというと七割をとるのが常識だ、いわゆる更新料に相当するものは。だけれども、あなたの言われることもほんとうかもわからないから、そいつはひとつ保留しましょう、この問題については。どうも、どうなんですかな。更新料に相当するものは七割ぐらいちょうだいしていいという話なんだ。帝国ホテルのように継続的に建物があって、その建物を新築する場合に、あの場合でも七割ぐらいとって相当であるというのが権威ある人のことばなんですがね。ちょっとこれを押し問答しても始まらないから、この点は。
○政府委員(岩尾一君) 先生のおっしゃるような七割という例もございます。これはたとえば、土地に新しく建物を建てまして、そうして新しい賃貸契約を結んでいくというような場合にとるのは七割ぐらいをとるという慣例はございます。先ほど申しましたように、本件はずっと明治以来貸しておったところにたまたま建てかえていくという場合、もう国のほうは、そういう借地権は向こうは持っておるわけですから、持っておる中でとっていく金でございます。これは民間の実例から申しますと、私の申し上げたような五%を基準として、利用度とそれから延長期間というものを勘案したものをとるというのが大体の実態でございます。
○大森創造君 それは、これを申し上げている私どももよくわからないから、次回に確かめたいと思う、あなたのいうとおりかもしれぬから。 そこで、地価の取り方はいろいろあるというお話でしたけれども、そのとおりでしょう。基礎数字を坪幾らに押えましたか。
○政府委員(岩尾一君) 平米当たり七十六万だと記憶しております。
○大森創造君 平米当たり七十六万。
○政府委員(岩尾一君) はい。
○大森創造君 平米というと坪当たり何ぼになりますか。
○政府委員(岩尾一君) 二百六十万だと記憶しておりますけれども……。
○大森創造君 二百六十万。
○政府委員(岩尾一君) はい。
○大森創造君 それでは、その帝国ホテル側のバランスシートを見ますと、大体借地権として八億余りが出ておりますから、大体いまの大蔵省の答弁と見合っています。その金額が妥当かどうかということは保留します。 次に移ります。とにかく一の四か一の二かわからないですね、この土地は。だから必然的に一の二のほうに移らなければならない。そのときには一の二であったとすれば三千五百坪、一万一千五百七十二平方メートル。内幸町一丁目一の二、これを見るとわからないことがたくさん書いてあるのですよ。「事項欄」として「所有権移転」、「受付年月日不詳」、これはどういうことですか、「受付年月日不詳」という意味は。
○政府委員(岩尾一君) 先ほど申し上げましたのはちょっと間違いましたので訂正させていただきますが、平米当たりは七十四万六千円でございます。それから坪当たりに直しますと、私、二百六十万円と申しましたが、二百四十六万円でございます。
○説明員(枇杷田泰助君) 私、その登記を見ておりませんのではっきりわかりませんけれども、先ほど申し上げましたように、登記簿が戦災で焼けてしまいましたために、過去の権利関係の登記を復元する作業をしたわけでございます。そのときにおそらく受付年月日が不詳なものがあったので、それをそのまま書いたんではなかろうかと想像されます。
○大森創造君 そのとき「受付番号不詳」というのは、どういうことですか。受け付ける番号はわかりそうなものだけれども、不詳というのはどういうことか。最後にこの土地についての受付番号が不詳だということかな。 それから、さらにこう書いてある。「原因」として「年月日不詳売買」、法務局は売買の事実は認めているのだろうね。この文章は、「年月日不詳売買」というと、売買は行なわれたけれども、その売買の年月日が不詳であるという意味でしょうね。売買の事実はあるけれども、その年月日は不詳であるという意味でしょうね、これは。
○説明員(枇杷田泰助君) それは、そう書いてあれば売買は行なわれたんだけれどもいつかわからない。おそらく前に登記をされておったときの登記原因としての売買の日付がわからないということではなかろうかと思われます。
○大森創造君 それで、「所有者」は明らかに「東京都千代田区内幸町一町目一番地四、株式会社帝国ホテル」と書いてある。それで前所有者は不詳と書いてある。こういうことがありますか、所有者売買で。帝国ホテルが買ったんでしょう。その場合に買い主のほうは、現在の所有者は「株式会社帝国ホテル」ということが明らかになっているのに——そうして売買の事実を認めている場合に——相手は、いままでの問答でどういうことになるだろう。大体類推されるのは、大蔵省か、宮内庁か——大蔵省の感が強いけれども、どうでしょう。私のいま読み上げたこの登記簿の感じから言うと、いままでの私の問答の感じから言って大蔵省でしょう、相手方は。
○政府委員(岩尾一君) 先ほど来御説明いたしておりますように、私のお話し申し上げましたのは一の四でございまして、先生の御指摘の一の二と三の話は、まだ実態はよくわからないのですけれども、いままでの経緯から考えますと、昔の明治時代に帝室用財産であったときに国が売り払っておるのだと思います。一部は、先ほどごらんいただいたように、松林組になっておりますから。したがって、それ以外のものが帝国ホテルに渡されていると、そうするとそれは一の三と、そうして一の二が松林組に売り払われたのではないか、それはまあ古いことでございますし、帝室用財産のころの処分でございますから、私のほうはどれぐらいの価格であるかということはわからない……。
○大森創造君 そうすると、大蔵省のほうは一の四だね、最初の登記謄本の該当する土地は一の四……。
○政府委員(岩尾一君) 最初の謄本の一の四に該当するものを、いま申しましたような意味で貸し付けをいたしておると、そういうことでございます。
○大森創造君 一の二であった場合、一の二かもしれない。一の二を主張したのは法務省だったかな、一の二と言ったね、あなたのほうは。
○説明員(枇杷田泰助君) 私のほうは一の二かもしれないし、四かもしれないし、よくわからないということでございます。
○大森創造君 そうすると、一の四のほうはいままで説明がありましたように、ちゃんと賃貸契約を結んでいる。更新料も払っている、何億かちょうだいしておるということなんだけれども、同じ性質の土地のものであったとしたら、この一の二がこれは問題じゃないかね。こういう不詳、不詳、不詳と、そうして今度は「法務大臣の命により移記、昭和三九年九月四日」と、こう書いてある。近い話ですね、「昭和三九年九月四日法務大臣の命により移記」とある。このほうはどういう契約になっておるのだろうな、これは売買が行なわれたのだから。その売買が行なわれたとすれば、帝国ホテルと相手は大蔵省だろうね。
○政府委員(岩尾一君) 少し経過を調べてみませんと、はっきりしたお答えはできませんけれども、ただいまの登記簿を申しますと、戦災で登記簿が焼けましたために、所有者に——所有者ばかりじゃございません。ほかの権利者もそうでございますが、登記の回復の申請をしてもらっているわけです。その際に、前の所有者まで登記所のほうに申し出ないのが普通でございます。現在の所有権者だけが申し出るのが普通でございますので、したがって、帝国ホテルからだけ申し出てきた。その際に、おそらく前の登記の受け付け日であるとか、番号であるとか、そういったような登記事項の一部がはっきりとしないので、しかたなしに不詳というままで書いたのではなかろうかと思われるわけでございます。なお、三十九年の移記と申しますのは、その回復の登記をいたしましたときに、ちょうど戦後の紙のない時代でございましたために、いわゆる仙花紙で登記紙を起こしたわけでございます。そうしますと、謄本も何も取れないというふうな紙質でございますので、それを現在の紙に移しかえたというのが三十九年の移記でございますので、問題の登記のことは別の関係でしておることでございます。
○大森創造君 それはわかった。ところでこれは調べたらわかるだろうね。この所有者は株式会社帝国ホテルなんだから、法務省に聞いてもわからぬかもしらぬが、大蔵省、調べたらわかるだろうね、売買の相手方はだれかということは、これは簡単にわかるだろうね、調べてください。室内庁か……。
○政府委員(瓜生順良君) ここに「帝室林野局五十年史」というものの抜粋があるのでそれを見ますと、先生がおっしゃいます四千二百一坪にちょうど当たるのは、「明治二十二年外務省用地四千二百一坪」……。
○大森創造君 そいつはわかった。いま問題にしているのは一の二……。
○政府委員(瓜生順良君) これを御料地に移管がえになっておって、それが大正九年に帝国ホテルその他へ特売等で処分済みとなったとありますから——ですから大正九年にそれが帝国ホテルなどに売られたということでありますから、その御料地から帝国ホテルが買ったというものじゃないかと想像いたします。
○大森創造君 大蔵省でなかろうかね、いままでの問答のいきさつからいうて、この一の二は。
○政府委員(岩尾一君) 昭和二十三年以前の、いわゆる旧国有財産法におきましては、帝室用の財産というのは国有財産ではないということでございまして、帝室において御処分をされるということになっております。したがいまして、いまもし瓜生次長のおっしゃいましたようなことでございますと、これは大蔵省ではございませんで、帝室のほうで御処分なさったというものでございます。
○大森創造君 そうすると、大蔵省でない。これはほんとうにそうかな。きょうの問答は最初から合わないから、なんだかおかしい。 法務省に聞きますけれども、三十九年九月というのは、全国一斉にこういう措置をとったのですか。
○説明員(枇杷田泰助君) これは全国にそういう紙の悪いものが多いために、各登記所ごとに移記作業をやっているわけでございます。登記所ごとにばらばらでございます。
○大森創造君 登記所ごとによって違うでしょう。関連はないけれども、三十九年の九月というのは大蔵大臣はだれ、国有財産はだれか教えてください。いまの人ではないな。
○政府委員(岩尾一君) ちょっと調べまして御答弁申し上げます。
○説明員(枇杷田泰助君) なお、補足して申し上げますと、移記をいたしました場合に、前の用紙は閉鎖登記簿で保存してございますので、それは調べれば、前の用紙にどういうことが書いてあったかということがわかるようになっております。
○大森創造君 わかったですか。
○政府委員(岩尾一君) いま調べにやっておりますが、私の記憶では、三十九年の前半が田中大臣で、後半が福田大臣、それから局長は、おそらく江守堅太郎さんであったと思います。
○大森創造君 この問題についてはいろいろ問題があるのです。ですからきょうは総括で、プロローグということで、いつも時間を延ばしておりますから、きょうは超特急でサービスいたします。ここらで打ち切りたいと思いますが、いかがですか、次回にいたします。 以上で、私はきょうの分は終わりますが、引き続き次回に質問することをお願いいたします。終わります。
○委員長(松本賢一君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(松本賢一君) 速記を起こしてください。 午後一時まで休憩することにしまして、一時に再開します。午前十一時十六分休憩 —————・————— 午後一時十五分開会
○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、田中寿美子君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(松本賢一君) この際、理事の補欠選任についておはかりいたします。 委員の異動に伴いまして現在理事が一名欠員となっておりますので、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に和田静夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(松本賢一君) 午前に引き続き昭和四十二年度決算外十四件を議題とし、質疑を続行いたします。 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○北村暢君 質疑に入る前に、四十三年度の予備費関係の資料要求をいたしておきたいと思います。四十三年度の予備費関係費目の移流用が非常に多く見受けられますが、決算書だけではその経過が明らかでありませんので、したがって決算審査の用に供するために次の資料を要求いたしたいと思います。 四十三年度の予備費関係の費目の移流用が行なわれているものの年月日及び金額を明確にした資料を提出願いたい。これは全部についてやれば一番いいのでありますが、非常に多くなりますから、農林省関係の農林水産業技術振興費、これは項ですが、目の試験研究調査委託費、これについての移流用の、先ほど申した年月日及び金額等について出していただきたい。 それからもう一つは、通産省関係の通産本省の項の退官退職手当への他の組織からの移用について。このいま申した二つの例について、移流用の行なわれた年月日及び金額を明らかにしていただきたい。この資料提出を要求しておきます。委員長、確認しておいてください。
○委員長(松本賢一君) どうですか。
○政府委員(藤田正明君) いま北村先生から農林省関係と通産省関係の移流用の例の資料の御要求がございましたが、大蔵省から出しましょうか、それともそれぞれ担当省のほうから……。
○北村暢君 それは農林省、通産省で出していただければけっこうです、特に呼んでおりませんから。それを大蔵省のほうから通知をしていただいて、通産省、農林省から出していただいて、それを大蔵省を通じて出していただいてけっこうです。
○政府委員(藤田正明君) そうさしていただきます。
○北村暢君 次に、大蔵省関係の四十二年度決算について質問をいたします。 まず、会計検査院の「国の決算と検査」というものの二〇ページにあります収納未済額の問題について若干御質問いたしますが、この中で、租税収入は一たん国税収納金整理資金に受け入れられて、それからそこで整理をして一般会計もしくは特別会計の歳入として組み入れる。まあこういうことになっているようでございますが、この国税収納金整理資金の段階における四十二年度の収納未済を見ますというと、ここで所得税六百四十六億円、法人税四百六十七億円その他で計千八百十四億円の収納未済がある。そのほか四十一年度以前の分で四十二年度までに収納に至らなかったものが、所得税二百五十三億円、法人税百九十七億円などで計五百七十四億円ある。こういうことが述べられておりますが、収納未済額の整理状況は一体どのような状態になっておるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(宮内通雄君) ただいまの北村委員の問題につきましては、担当者が参っておりませんので若干時間をおかし願いたいと思います。
○北村暢君 それじゃその点については後ほど答弁をいただくことにいたしまして、次に四十二年度と四十三年度の——まあいま四十二年度の決算をやっておりますから、四十二年度でようございますが、国税の徴収決定済み額についてなどの調査が行なわれておりますが、また資料をいただいているんですが、この不納欠損額三十一億七千万円、四十三年度が三十三億九千五百万円の不納欠損額があるわけなんですが、大体年間、各年度三十億円前後の不納欠損額があるわけですが、これは何かの基準か何かあるのかどうなのか。この点について、処理の方法についてどうやっているのか、お伺いをいたしたい。
○説明員(宮内通雄君) 御指摘のように約三十億円程度不納欠損額が発生いたすわけでありますが、これは滞納が続きまして、その期間が三年を経過いたしますと、一応個別に判定をいたしました上で、こういった処理をするものが大部分かと思います。
○北村暢君 次に、四十二年度の国税の滞納状況のお調べの資料をいただいておりますが、四十二年度の滞納の処理状況を御説明いただきたいと思うわけです。
○説明員(宮内通雄君) すでに先生に御提出いたしておりますように、この四十三年度について申しますと、源泉所得税、申告所得税をはじめといたしまして、各税合計で年度間に件数にいたしまして約三千八百件、その税額三千百十四億円の要整理滞納が起きておりまして、このうち年度間で処理済みのものが件数で三百二十四万八千件、税額にいたしまして二千百五億円余であります。したがって年度末では五十五万件余、一千八億円余の税額が滞納となって残っておるような状況であります。国税庁といたしましては、できるだけ実情に沿いながら、すみやかな整理を考えておるような次第であります。
○北村暢君 そこで若干お伝いしたいんですが、この四十三年度、四十二年度と、こう資料をいただいておりますが、大体この滞納の処理状況は似ているようですね。そして最終的に年度末の滞納処分の停止をしたもの、これが四十二年度で九万三千件、百十九億五千九百万円、四十三年度が八万四千件、百二十九億七千六百万円、こういうふうになっておるようですが、この滞納処分の停止という取り扱いをしたのは、これは今後どういうふうなことで処理されるのか、この点ひとつ御説明願いたい。
○説明員(宮内通雄君) まず御指摘の第一点につきましては、四十二年度末で滞納処分が御指摘の九万三千件、四十三年度末で八万四千件、これは残高をとっておりますので、大体年間に発生いたしましたものが、どういいますか、大体コンスタントに繰り越される、こういったような状態と思います。停止をして三年経過いたしますと、先ほど申しましたように個別に判定いたしました上で不能欠損といったような処置をすることになっております。
○北村暢君 大体、事情はわかりましたが、次にお伺いいたしますが、査察関係の点についてお伺いいたしますが、この査察件数は大体三十九年度から四十三年度までの資料を見ますというと、大体百五、六十件内外のようでございます。この点について大体査察をする人員あるいは組織等において、その能力に限界があるのではないか、このように思われますが、国税庁の査察課と、東京、大阪の国税局に査察部というものが置かれているようでございますが、これの総体的な人員というのは、どのくらいになっているのでしょうか。
○説明員(宮内通雄君) 御指摘のように最近の数年間をとってみますと、百五、六十件のベースで査察事件が調査されておるわけでありますが、それに当たります査察官は、全国では、四十四年度におきましては五百六十名。御指摘の東京につきましては二百三十九名、大阪百二十三名、名古屋六十名。五百六十名からこれを除きますと、その他の地区に百三十八名、こういった人員が配置されまして、年間ほぼ百五、六十件の査察件数が調査、処理されておるわけであります。
○北村暢君 それでは次にお伺いしますが、四十二年度の査察件数並びにその処理状況について御説明願いたいと思うわけです。
○説明員(宮内通雄君) 四十二年度につきましては百六十七件の査察事件を立てまして、年度間に百七十件の調査処理を終えております。このうち百十二件、パーセントにしまして約七〇%弱でありますが、告発をいたしております。処理済みになりました百七十件についても増差額は所得金額にいたしまして約百十八億であります。税額にいたしまして五十二億、加算税等を含めますと六十六億をこえる、こういったことになっております。したがいまして、増差一件当たりに直しますと所得で六千九百万を若干こえる、税額では加算税等を含めまして三千九百二十八万を若干こえる、こういったことになっております。
○北村暢君 この職員の査察官の皆さんは非常に苦労されて査察をやっておられるわけでありますが、この処理したものは——四十二年度の場合、この脱税額というものが六十六億七千万何がしということのようですが、そのうち処理済みのものの中に告発したものは、これは含まれるのか含まれないのか、この点はどうなんでしょうか。
○説明員(宮内通雄君) 告発された案件の増差額を含みます。
○北村暢君 そうしますと、告発をしたものは処理済み額の中に含むということですが、告発したものは必ずしも全部年度内にけりがつくというわけにはいかないわけでしょうが、それらのいきさつはどうなっておるのですか。
○説明員(宮内通雄君) 御質問の趣旨がちょっとわかりかねるのですが、要するに告発としてあがっております件数はその年度内に告発の処理を終えたもの、関係の検察庁に告発をいたしました件数をそこにあげております。そのあと地方検察庁がこれを受けまして起訴、公判といった経路を進みまして判決の確定がある、こういった一連の手続になろうかと思います。
○北村暢君 そうしますと、処理済み件数百七十件のうち、告発をしたものが百十二件あるわけですね。
○説明員(宮内通雄君) そうです。
○北村暢君 その百十二件の告発したものは、これは裁判等をやれば一、二年かかるわけでしょうが、その確定したものの四十二年度の処理状況というのはどういうふうになっておりましょうか。
○説明員(宮内通雄君) 御指摘の四十二年度につきましては、私ちょっと資料を持って参っておりませんが、四十三年度につきまして申し上げてよろしゅうございますか。
○北村暢君 はい。
○説明員(宮内通雄君) 四十三年度中に九十四件の租税法違反の判決が確定いたしているわけでありますが、そのうち五十六件は起訴がありましてから一年以内に判決が確定しておる。したがって、約六割が一年以内に判決確定と、こういった状況であります。中には相当の期間を経過いたしましても、まだ未確定といったものが残るわけでありますが、六割までが一年間、あと二年間に区切りますと、これに二十四件加わりますので、八五、六%が二年以内には完結するといったような状況になっております。
○北村暢君 その告発されたもののうち、業種別に見まして製造業、卸売り業、小売り業、その他この業種別の分類が必ずしも妥当かどうかわかりませんが、そのうちで告発を受けるような形における大口脱税をやっているものは、どういう業種にこういうものが多いのですか。
○説明員(宮内通雄君) 査察の対象といたしまして調査をいたしますのは、すべて悪質、大口のものでございまして、北村先生に御提出いたしました資料によりましても、一件当たり相当大きな税額のものばかりであります。御指摘のように、製造業、卸売り業、あるいは小売りその他の業種に分かれておるわけでありますが、特にその中でも大きなものを拾いますと、やはり御提出の二ページに掲げておりますように、最近では金貸し業、不動産業、商品仲買い業、そういった業種が目につくかと思います。
○北村暢君 大体告発を受けているのは、大きいものをねらって告発をするわけでしょうから、一件当たりにすれば、所得金額八千万、九千万といったようなのが平均に出ているようですね。そうして脱税額も五千万というのが査察に該当したものの平均の金額になっておるようです。したがって、こういう大口の脱税をやっているということが、査察をやるたびに毎年度、査察の結果の処理の状況を見ましても、大体同じような傾向をたどっておるようです。そこで、これを業種別に見ましても、いまお話のあった金融業——いわゆる町の高利貸しに該当するような業種あるいはキャバレーとか飲食店、あるいは遊技場、不動産業、こういうのが非常に多いようですね。これの査察をやる場合には相当慎重にこの下調べ等を行なってから査察をやるのだろうと思うのですが、そのほかに所得がどうもはっきりつかめないというようなものについて、今日まで新聞をにぎわしておるいろいろな脱税が行なわれておる。あるいは絵画とか、最近出ているいけ花の家元の問題こういうふうに所得のつかみにくいものについて相当の脱税があるということが出ている。まあ業種別に見ますというと、先ほど言ったような業種が多いのですが、いま申したような所得のつかみにくいものについて、最近新聞でちょいちょい報道されておるわけなんですが、こういう面についての今後のあり方についての方針といいますか、何かそういうものがあるのかどうなのか、この際お伺いしたい。
○説明員(宮内通雄君) まあ私どもは仕事に当たりまして、あらゆる角度から情報、資料を収集いたしまして、最も脱税の度合いの高いものからこれを調査にはめていく、こういった体制をしいておるわけでありますが、御指摘の収入なりあるいは所得の把握のしにくいような態様の事案につきましても、やはりあらゆる角度から資料、情報を集めるほかございませんので、そういった努力の結果、ここに掲げられておりますような事案を着実的確に見つけていく、そういった努力の積み重ね以外にないだろうと思います。調査の中身までちょっと立ち入りかねますが、そういった努力を積み重ねまして、御指摘のような業態のものにつきましても的確に査定できるように努力をいたしたいと思います。
○北村暢君 そこで、相当多額の脱税をやっているのが年々歳々ありますが、四十二年度、四十三年度の一億円以上のこの増差本税額のものがどのくらいになっておるのか、そうしてそれを業種別に見るというと、どのようになっているのか、この点御説明をいただきたい。
○説明員(宮内通雄君) 増差本税額一億円以上のものの件数でございますが、四十二年度八件、四十三年度七件でございます。業種別の御指摘でございますが、四十二年度におきましては、金融業が一件ですね。キャバレー、パチンコ、こういった遊技場、これが二件でございます。不動産賃貸、宅地造成、婦人既製服の製造、こういった業種がそれぞれ一件でございます。商品仲買い業は二件でございます。それから、四十三年度の七件につきましては、それぞれ建て売り不動産仲介、病院、金融業、めがねの卸、ボルトナットの製造、それぞれ一件でございまして、その他有価証券の売買にかかるものが二件でございます。以上でございます。
○北村暢君 いまのこの一億円以上の脱税、四十二年度八件、四十三年度七件ということですが、これの処理状況は一体どのようになっていましょうか。
○説明員(宮内通雄君) 四十二年度、四十三年度、合わせまして十五件が増差本税額一億円以上になっておるわけであります。このすべてにつきまして関係の検察庁に告発をいたしております。
○北村暢君 いまのは告発をして、そうすると裁判でこれから争うということになるわけですか。
○説明員(宮内通雄君) そのほとんどは起訴済みでございまして、目下公判が係属中と、そういう段階であります。
○北村暢君 大体、私の聞きたいことは、以上多額の脱税をやっているものについて業種別にお伺いしましたが、一面において納税する者の国民の立場からすると——所得税を勤労所得からきちんと納めている者からすれば、この多額の脱税を平気でやっているということについては、どうも納税意欲というものに非常に大きな障害があるだろうと思うのですね。そういう面で国税庁としてもこの査察を行なって、脱税というものを何とかなくしていくような努力をされていると思うのです。ところがこの点については、非常に査察官としても苦労をされていることは十分わかるわけですが、いま申しましたような税というものの公平の原則からいって、なるべく脱税というものをなくしていくような措置をとりたい。そういう意味で査察をされておると思うのですが、私はこの際、関係の皆さんには非常に御苦労だということの敬意を表したいんですが、しかしこの処理状況を見ますと、私は、もっと脱税があいまいに処理されているのではないかというふうに感じておりましたのですが、見ますというと相当これは処理は進んでいるように思います。そういう面では相当成績が上がっているんではないかというような感じがいたします。そういう点については私あまり意見を申し上げることはないわけです。しかし毎年こういう件数がある。しかも高額所得者の中に査察できないでいるのが大体同じぐらいある。そうすればこれは、査察する能力からいって、これ以上のことはとてもできない、そういうことであろうと思うのです。したがってこれは、査察をやれば必ずこの件数ぐらい出てきて、告発件数もこのぐらい毎年あるわけなんですから、査察能力がもっとあればもっと出てくるんではないかという感じもまたするわけです。そしてまた、こういう査察を受けないでおる者は以前にそれじゃ脱税をやっていないかというと、これはおそらくやっておったに違いない。その年だけ脱税をやったというふうにも考えられない。したがってそういう点からいえば、皆さんの努力にもかかわらず、まだ相当の高額所得者の中における脱税というものがあるのだと、こういうような感じがするのですがね。そういう点について、税金を納める意思があってもなかなか納められないような人が非常に苦労をして税金を納めておる反面、非常な高額所得者がゆうゆうと脱税をやっておるという点については、社会正義が私は許さないと思います。そういう点について今後の査察の方針として、どのように考えられておるのか、この点をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(藤田正明君) 北村委員の言われること、まことにもっともでございまして、日本の租税負担額が国際比較にいたしますと、非常に一人当たり負担額は低いと思うのであります。なお、それにもかかわらず重税感がそれに伴っているということでありますが、これは間接税、直接税の比率にも問題がございましょうけれども、また反面、いまおっしゃいましたように、大口脱税者がおるということが税に対する不平等感を国民に招いておる、これが一つの重税感をもたらす大きな要素ではないかと思っております。そのようなことでありまして、今後方針といたしましては悪質大口の脱税をますますきびしく調査し、そうして納税道義の確立をはかることはもちろんでありますが、ただ査察調査権というものは非常に強力なものでございますので、一方人権侵害してはいけないという考慮も十分払わねばならぬかと思います。そしてまた、大口脱税者は都市に集中しておるものと思いますので、特に東京、大阪、名古屋というふうな査察関係の者の増員につとめまして、ただいまおっしゃいましたような、今後とも漏れなく査察調査するというふうな、前向きの方向で強化いたしていきたい、かように思っております。
○説明員(宮内通雄君) ただいま政務次官がお答えいたしましたとおりでございますが、ちょっとここで、先ほどの私の答弁中、一カ所訂正を申し上げたいと思います。 先ほど国税の滞納状況はどうか、これをどういった整理の方針を持っておるか。こういった御質問がございまして、これに関しまして私、件数を単位の取り違いをいたしまして、年度間の要整理滞納の件数三千八百件と申しましたが、三百八十万件でございます。資料を差し上げてございますが、件数につきましては、単位を取り違えましたので、この点訂正をいたしておきます。
○北村暢君 それはいいですが、最初質問した点はまだですか。
○説明員(宮内通雄君) 先ほど答弁を留保いたしました問題につきましては、担当課長が参りましたので、国税庁徴収部管理課長から答弁させます。
○説明員(前田文雄君) 収納未済になっております分の内訳はいろいろございますけれども、そのおもなものは延納中のものでございます。したがいまして、これは年度末の三月末で切っておりますから、一例をあげますと、十二月決算の法人の税額につきましては申告期限が二月末ということになります。この二月末で半額以上税額を納めますと、あとの残りは三カ月間にわたって延納することができる、こういうたてまえになっております。その分が次の年度にずれ込む、同じようなものが所得税についてもございます。そういったものが収納未済になっておるもののおもなものでございます。
○峯山昭範君 それでは初めに、先日の委員会で数字の食い違いがあったわけでありますが、本日資料が出ましたので、その食い違いについて初めに説明を求めたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 先日の委員会におきまして、手元の資料が不備でございまして、そのために説明が十分行き届きませんで御迷惑をかけたことをおわび申し上げます。 この委員会に提出いたしました資料につきまして御説明申し上げたいと思います。初めに、「昭和四十三年度種子島周辺漁業対策費」という一枚の資料がございます。これについて御説明申し上げたいと思います。種子島周辺の漁業対策事業といたしまして昭和四十三年度から始めたわけでございますが、ここに記載しております対策費の内容を説明申し上げますと、一番左は各関係県別になっておりまして、その初めの欄に「予算額」というのがございます。これは当初、この対策事業を始めるにあたりまして、予算要求をするための予算額でございます。したがいまして、例を鹿児島にとりますと、全体の総事業費といたしまして二億六千三百二十一万二千円という額が計上されております。これに対しまして国庫補助金として一億五千六百五十一万八千円という額を予算額として計上したわけでございます。 〔委員長退席、理事和田静夫君着席〕 その後、地元からいろいろな具体的な事業計画が出てまいりまして、それに対しまして補助金の交付決定をしたわけでございますが、その額がまん中の欄になっております。最後に、この事業が終わりまして、各県からそれの実績報告が出てまいります。それによります額が、この最後の、一番右側の欄でございます。この三つの額には、いずれも、補助対象外の事業費は含まれていないものでございまして、その点、先般の資料が不十分だったわけでございますが、その全体の総事業と、それから補助対象外の事業費を除くもの、それから補助対象となります総事業の経費、これを書いたものが、次の「昭和四十三年度種子島周辺漁業対策事業(実績報告額)」という資料でございます。この資料の「補助対象外を含む総事業費」と申しますのは、各県でこのような事業を行ないたいという総額を載せているものでございまして、これには補助対象とならない額も計上してございます。したがいまして、その補助対象にならない事業費が次の二番目の欄に書いてある金額でございます。これを除きますと、それが補助対象の事業となるわけでございまして、これが三番目の補助対象の総事業費というかっこうで計上してございます。これに対します国庫補助金というのが一番右側の欄になっているわけでございまして、先般厚い紙に示された数字は、この一番左側の数字でございます。一枚紙のほうに出ておりましたのは、初めに御説明申し上げました交付決定額と、それから実績報告額、これが出ているわけでございまして、その点数字の説明の食い違いがあったわけでございます。 以上でございます。
○峯山昭範君 ただいまの数字の食い違いにつきましては、ただいまの説明で了解いたしましたが、それでは次の問題について、きょうは二、三質問したいと思います。 この種子島周辺の漁業対策事業としまして、これだけの予備費から補助金として約三億七千万出しておるわけでありますが、初めにこの補助の目的ですね。目的及びどうしても予備費を支出しなければならなかった理由ですね。そういうようなものについて初めにお伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) わが国の宇宙開発を始めるにあたりまして、わが国としてはロケットの打ち上げをどこで行なうかという点について、いろいろ候補地をさがしたわけでございます。その結果種子島でロケット打ち上げ実験を行なうということがきまったわけでございますが、また、東京大学におきましては、鹿児島県の内之浦で打ち上げを行なうということになったわけでございます。この打ち上げを行なうにあたりまして、そのロケットのケースでございますが、それが海上へ落ちるということが当然ございまして、そのために、そのあたりで操業を行なっておる漁民に対してどのようなかっこうでその被害を食いとめるかという問題について検討されたわけでございます。これにつきましていろいろな意見も出たわけでございますが、最終的には、このようなかっこうで、単なる漁業に対しての補償というかっこうではなくて、これを契機といたしまして、その周辺の漁業を振興することによって、この宇宙開発に伴うロケットによる被害というものを軽減するということを考えたわけでございます。したがいまして、その漁業振興対策というかっこうで、補償という意味ではなく、漁業振興対策ということで、地元の施設を強化拡充し、さらにその漁業振興をさせるというねらいで、この補助事業を行なったわけでありますが、たまたまこの問題につきましての解決が、昭和四十三年の八月に地元との相談がまとまったわけでございます。四十三年度の予算要求をする時点におきましては、実はこの解決のめどがつかなかったために、予算要求には計上してなかったわけでございますが、そのようなことで八月にようやくこの問題が解決いたしましたし、また宇宙開発のためにはロケットを早急に打ち上げなければいけない。ちょうど予定といたしましては、四十四年の一、二月期に東京大学と、それから当時の科学技術庁の宇宙開発推進本部と、この二つの団体が打ち上げを計画しておりましたので、それを実施することが宇宙開発を円滑に進めるということで、ぜひこの一、二月期には打ち上げたかったわけでございます。したがいまして、この解決のための漁業振興対策というものにつきまして、予備費の支出を大蔵省にお願いしたわけでございます。
○峯山昭範君 先日の委員会から続きまして、補正予算の使い方について種々質問をしてきたわけでありますけれども、いま局長の答弁を聞いておりますと、あくまでも補償金という性質ではない。地元の漁業を振興するために、いわゆる補助事業としてやりたい、そういうふうな意図が強いわけでありますけれども、いずれにしましても私は、内容的にもこれからやるわけでありますけれども、実態はやっぱり私は、補償金のような性格になっていると思うのですが、この点いかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 御指摘のとおり、確かに内容的には補償的な要素もあるわけでございます。しかしながら補償というものよりも、そのあたりを使われます漁民の方に対しましては、漁業振興対策、いわゆる共同利用施設とかそういうようなものをつくるほうが、さらに地元に還元するものが大きいというふうに考えられたわけでございます。その点につきましても、地元の方と数次にわたりましていろいろ検討した結果、地元の方との納得の上で、このような形態をとったということでございます。
○峯山昭範君 それからもう一点、お伺いしたいんですけれども、これは実際に地元との相談が四十三年の八月にきまって、そうして閣議決定がそのあとで行なわれたわけでありますけれども、四十三年度には総合予算主義で補正を組まないということが、さんざん十二月の国会でも言われましたけれども、いずれにしましても私は、何も予備費から出す必要はなかったのじゃないか。補正予算を組んで——この年、補正予算を組まれたわけでもありますし、当然補正予算で出してもよかったんじゃないかと思いますが、この点いかがでしょう。
○政府委員(石川晃夫君) この点につきましては、先ほど御説明申し上げましたが、四十四年の一、二月期に早急に打ち上げると、そのためには地元との問題を早期に解決しなければいけないという問題があったわけでございます。したがいまして、予備費の支出によりまして、なるべく早くこの作業に着手したいという考えのもとで予備費の支出をお願いしたということでございます。
○峯山昭範君 大まかなところは大体わかりましたけれども、次に私は、先日の委員会で問題になりました、いわゆる補助対象外事業費というのがこういうぐあいにあるということが、きょうの資料で初めてわかったわけでありますけれども、この補助対象外事業費というのは、具体的にどういうふうなものに、どういうぐあいにして出されているのか、その点初めにお伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 補助対象外の事業につきまして、具体的に例をあげさせていただきたいと思います。まず鹿児島県につきましては、串木野の漁協におきまして冷蔵庫をつくるわけでございますが、これの凍結能力の一部分を対象外にした。これは実は冷蔵庫等におきまして、凍結能力十五トンまでは対象内に入れておりますが、十五トンをこえるものは対象外にしたということでございます。さらに施設の部分におきまして、施設の更新がございまして、新しく建て直す、あるいは修理する、こういうようなものにつきましても対象外としたものでございます。それから内之浦でございますが、これも同じように漁業協同組合の事務室を一部対象外にしております。それからまた施設につきましても、ただいまの串木野と同じように対象外にした部分がございます。それから上屋久の漁協でございます。ここの事務室も同じように、協同組合の事務室を対象外にいたしております。また鹿児島県の施設でございますが、指導調査船でございますが、これは売却した額は対象外というふうにいたしております。 次に宮崎でございますが、宮崎の漁連の中の施設もやはり対象外としております。それから同じく宮崎の漁連の製氷冷蔵施設でございますが、これも冷凍能力二十トンのものがございますので、これはやはり十五トンまでを対象内といたしまして——そのように、件数にいたしましてこの四十三年度におきましては八件を対象外にいたしております。
○峯山昭範君 いまの対象外の内容についてはほぼわかりましたけれども、これは科学技術庁の調整局でつくりました「昭和四十三年度種子島周辺漁業対策事業の取り扱いについて」という、いわゆる実施基準であります。いま一番初めに串木野の話がございましたが、これは要するに、対象外事業がこの表によりまして出ているわけであります。この表からオーバーしているということは——冷凍施設というお話がございましたので、この冷凍施設のところを調べましたら、いわゆる冷蔵能力は原則として五百トン以下、製氷施設については原則として日産能力十五トン以下と、こういうぐあいにあります。ということは日産能力十五トン以下を補助するわけですから、十五トン以上の場合は対象外と、こうなるわけだと私は理解します。ということは、串木野に設置された冷凍機は、対象外ということは十五トン以上のものを設置されたんじゃないかと、私はこういうぐあいに思うわけです。したがって串木野に設置された冷凍機は日産能力何トンのものであったか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 串木野におきます冷凍施設は二十トンでございますが、これは二年間にわたって行なったものでございますので、一年分、初年度分といたしまして一・一四トンを除外したものでございます。
○峯山昭範君 いま局長は、私がこれから問いただしたいことを自分から言いましたのでやめますけれども、要するにこの補助対象事業は、初めから二年間にわたるいわゆる継続事業である。すなわち、そのことを証明するために私は、いまこのことをやっていたわけでありますけれども、要するに一・一四トンをいわゆる補助対象外にした、これは昭和四十三年度に一・一四トン分だけ補助対象外にして、そして十五トンからオーバーした分が一・一四トンの大体倍ぐらいですね。これは二年目のことも初めから予想をしておったのではないかと思うのですが、予備費を出す場合、私はそこのところの問題を含めて言っているのですが、この点どうですか。
○政府委員(石川晃夫君) これは当初県から計画が参りましたときも、二年間で実施したいということを言っているわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、この内容につきましては早急に解決しなければいけない。また地元でも早急に解決し、さらに四十四年の夏までにはなるべく早く打ち上げるように準備したいというようなことでございましたので、この二年間にわたる継続ではございましたが、当初の第一年にこの二十トンの冷蔵庫を認めたわけでございます。
○峯山昭範君 ということは、私は先日の委員会でも主計局次長さんのほうから答弁がございましたけれども、この補助金の緊急性ということから言うと、これは何も私は緊急性はないのではないか。要するに初めからもう二年間で計画を立ててやればいいことで、当然そのお金が現実に払われた時点というのもずっとあとになっておりますし、この点はやはり予備費から出すということについては、この点はちょっとやはり好ましくないのではないか、こういう工合に思うのですが、大蔵省のほうはどうですか。
○政府委員(竹内道雄君) かような支出につきまして、予算作成後に生じた事由に基づいて予備費を支出いたします場合に、それを予備費で支出いたすか、あるいはまあ補正予算でやっていくかという問題につきましては、法律上は特に制限はないわけでございまするけれども、まあ今回の種子島の問題は御承知のように四十二年の初めから問題が起きておったというようなことで、一年半にわたって問題が紛糾したわけでございまして、それが四十三年の八月ごろに至りましてようやく妥結を見るというようなことになったことは、御承知のとおりでございまして、そういった事情から申しまして、なるべく早く、妥結したものは予備費の支出をやって円滑にロケットの打ち上げが進むということが望ましいというふうに考えまして、予備費の支出に踏み切ったというような次第でございます。
○峯山昭範君 その点については、また後ほどやることにしまして、次に内容にちょっと入ってみたいと思うのですが、私は、実は今回の補助金につきまして詳細に調べてみました。そうしますと、たとえば今回のこの事業でいろいろ出てまいりました。無線とか魚群探知機とか、そういうふうな——特に無線とか魚群探知機、この二つにしぼって私は話を進めますと、実態は個人に対する補助と見られる点が多々あるわけですね。その場合私は、科学技術庁では共同利用施設ということについての定義なり範囲ですね、これはどういう工合に考えておられるか、先にお伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) この共同利用施設といたしましては、この種子島周辺漁業対策事業の補助金の交付規則というものを策定いたしたわけでございますが、その中に内容として記載してあるわけでございます。ただいま御質問でございました集団操業施設というものでは、集団操業指導を行なうための無線機、魚群探知機もしくは方向探知機等の漁船用の機器またはその他漁場観測器具の購入設置というものを、集団操業施設設置というふうに考えております。
○峯山昭範君 確かに、この実施基準ではそういうぐあいになっているわけでありますけれども、実際にはどうも、そうではないようなところが見られるのです。それでこれは、これ以上私は追及しませんけれども、いずれにしても、そういう点が一部あります。 それからもう一つお伺いしたいのは、先ほどいわゆる対象外事業のところで少しお述べになりましたけれども、その事業主体ということについてお伺いしたいと思うのです。一体この事業主体というのはどういうふうなあれなのか。たとえば事業主体というのは、この報告書の中に事業主体というのが記入されておりますけれども、その場合は、この事業主体が要するに国から補助を受ける、そして事業主体が県の場合には、国から補助金を受けて、それで自分の県のいわゆる負担分とあわせて、そうしてたとえば無線なら無線を購入する。その場合は事業主体がちゃんと見積もりをとって、そうしてちゃんと一切をやる。それで余ったお金は返す。それでなければ私はいけないのじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、この点いかがでしょう。
○政府委員(石川晃夫君) ただいまお話のとおりでございまして、この事業主体と申しますのは、やはり事業を実施するものでございますし、また事業の執行にあたり適正な監督が行ない得るというものを選んでいるわけでございます。
○峯山昭範君 ということは、たとえば今回の事業でまあいろいろ種類がございますけれども、あんまりあれこれやると問題が広がりますので、しぼって魚群探知機と無線電話の、この二つにしぼって話を進めますと、たとえば今回の集団操業施設の中で魚群探知機をたくさん、それぞれの漁協が購入しているわけでありますが、これは一つは、この魚群探知機というものがどういうふうなもので、どのくらいかかるものかということを科学技術庁がつかんでいらっしゃるかというのが一つと、それからもう一つは、私が調べましたところによりますと、事業主体は全部ほとんどが鹿児島県ではなくて、この報告書によると、すべてそれぞれの漁業協同組合が事業主体になっているわけですね。ところが、実際にはそれぞれの漁業協同組合はこういうふうな魚群探知機は購入してない。自分のところで購入したのではなくて、すべて県からもらっている。ほとんどのところがそうであります。私、調べましたけれども、県からもらっているわけですね。ここら辺のところの事情はどういうぐあいになっているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 魚群探知機につきましては、おおむね価格にいたしまして大体二十万円程度というふうに考えられているわけでございますが、ただいま御質問のございました点につきましては、魚群探知機の購入等につきましては、あるいはその管理という面につきましては、県あるいは漁協で監督するというたてまえになっております。したがいまして、先ほどのお話の県から交付されているというようなお話でございますが、この点につきましては、県といたしましてこの魚群探知機なり、あるいはそういう集団操業施設、あるいは設備というものについて、どのような監督をしていくかということについては、県の自主性にまかせているというのが実態でございまして、その点、県としても十分な管理監督がなされているものというふうに考えております。
○峯山昭範君 この問題は非常に大事な問題でありまして、県の自主性にまかせているということになってしまうと、これはもう全部この中身はここで長々審議できないということになってしまう。現実の問題としていまいろいろあるわけです。私の調べました漁業協同組合でも、その魚群探知機が幾らしたか知らない。ほんとうに幾らしたか知らないわけですよ。県のほうからもらったと言う。まあいろいろと問題がずいぶんあるわけです。ということは、それも県の自主性というものにまかせているということになると、これはまたますますいろんな問題が出てまいります。 それでは、もう一点お伺いしますが、個々にこれも県の自主性、そう言われてしまえば終わりなんです。そういう規則になっているわけですが、この「種子島周辺漁業対策要領」というのがありますが、この要領の一番最後の4に、「国は、補助対象事業につき、県に対し、県ごとに総合してその六割を限度として、補助金の交付の決定を行なうものとする。」と、こういうのがありますが、これは条文のとおりだと私は思うのですけれども、これは一体どういうことか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 国の補助対象事業につきまして、六割を限度としたということでございますが、これはほかの水産関係に対する補助の、たとえば水産関係で、基地周辺の整備事業というものにつきましても、おおむね六割という線をとっておるわけでございます。それを勘案いたしまして、この種子島周辺の補助対策事業につきましても、四十三年度におきましては各県の関係漁業者と一応納得の上、この限度をきめたわけでございます。
○峯山昭範君 いや私は、これは当然納得の上でこういうぐあいにきめられたんだと思うのですが、これは大蔵省のほうにちょっとお伺いしたいんですが、この「種子島周辺漁業対策要領」というのをつくるときには、当然私は科学技術庁から大蔵省のほうにも相談があったであろうと、こう思うのですが、この「国は、補助対象事業につき、県に対し、県ごとに総合してその六割を限度として、補助金の交付の決定を行なうものとする。」というのが最後にあるわけですが、これに対する考え方を私はお伺いしたいんです。要するに、補助金は国がする、三億なら三億する、その内容については——補助金の最後の合計だけ六割であれば、その内容についてはどうでもいいということなのか。内容についてはどうでもいいという内容も含んでの要綱なのか。または、この六割を限度とするというのは、その一つ一つについて六割を限度とするということなのか。この点について伺いたいと思います。
○政府委員(竹内道雄君) ただいまお話のございました国の補助は六割以内にすると申しますのは、総額について六割というめどを一番最初の実施要領のときに定めたのでございまして、個々の補助につきましては、この種子島周辺の漁業対策費につきましては、県がみずから実施する場合と、それから市町村または漁業協同組合がこの事業を行なう場合とにおのおの分けまして、その実施する事業が幾らであるかというその表をつくりまして、それが幾らであるか、その事業の金額が幾らであるかという、おのおのの場合につきまして、おおむね、いまここに数字を持っておりませんが、県がみずから実施する場合には大体五割程度であったと記憶しております。それから漁業協同組合が実施する場合には七割であったと思いますが、その金額を国が補助するというふうに、個々のケース、ケースで金額がきまっておるようになっておりました。
○峯山昭範君 そうしますと、科学技術庁さん、いま個々にケースがきまっておったということですが、その個々にきまった基準というのは科学技術庁にございますか。
○政府委員(石川晃夫君) 現在これにつきましてはいわゆる定額補助ということの方式をとっておりまして、その補助対象の額によりまして補助額というものを表にして、この額を決定しているわけでございます。
○峯山昭範君 いまおっしゃいましたのは、昭和四十四年度種子島周辺漁業対策要領の一番最後の種子島周辺漁業対策事業費補助金の算定についてのいわゆる表だと思うのですが、これといま私が言いましたこととはちょっと食い違いがある。これは具体的に申しますと、先ほどの要綱にきめられた合計で六〇%ということは、確かにこの決算を見まして数字をはじいて見ましても、それぞれの県は確かに六〇%以内におさまっております。しかし、その内容を明細にはじいて見ますと、七〇%のところもあれば、少ないところは四〇%台のところもあります。非常にばらばらですね。ということは、私はこの要綱そのものが非常に大ざっぱなものである。先ほど、いみじくも申しましたように、いわゆる県の自主性にまかしているということになってしまうわけですね。もう一つ私が非常に遺憾だと思いますのは、要するに種子島東方というのですから、同じところへみな魚をとりにいくわけですね。みな鹿児島の人も、大分の人も、宮崎の人も同じところへとりにいくわけです。そうして、それでありながら——同じ機械について私は言うのです、ものも違っていれば、補助も違うという理屈も成り立ちますからね。しかしながら同じものでありながら、たとえば魚群探知機なら魚群探知機で、同じものでありながら、県によって補助率が七割になったり五割になったりするということは、やはりこれはいろんな国の補助金を県にまかせているとはいえ、やはり国の補助です。そういう点からいって私はあまり好ましいことではないのじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(石川晃夫君) 確かに御指摘のとおり、県によって同じものでも金額の違うものもあるわけでございます。この点につきましては、県の事情によりましてその補助の限度額というものに満たない申請があった場合には、やはりその申請金額を限度といたしまして決定したわけでございますが、その場合、先ほど自主性と申しましたのは、ちょっとことばが足りませんで、自主的な計画というふうに訂正したいと思いますが、その県の計画によりまして、あるいはまた、その漁協の申請によりまして、このような金額が決定されましたので、その間におきまして同じものでも金額が違うこともあったわけでございます。
○峯山昭範君 実際問題、この問題を相当掘り下げてやりますと、もういろんな問題が出てきます。実際問題、同じ漁場に行くにあたって、県の自主性ということで補助の金額が違うわけですから、同じ船に乗っておりましても、隣の船の無線機は七割補助を受けている、片方の船の無線機は六割五分とか六割というように違うというのでは、実際問題としては非常に不合理な点が出てくると思いますね。こういう点は非常に私まずいのではないかと思うのです。もう一つ具体的に言いますと、きょうは具体的に名前を出して申し上げませんけれども、実際にはたとえば科学技術庁さんが無線電話をどこどこの漁協に買うことにした。地元から出てきたのだろうと思うのですが、地元のほうはその無線機が必要ないということになりまして、その無線機を隣の町へやった。ところが隣の町では、私のほうもけっこうですというので、また隣りの町にやった。こういうぐあいに、現実にこういうように浮いている点があるのです。私きょうは、具体的に名前を申し上げませんけれども、こういうふうなことでは、やはり私は、こういうふうな補助事業をやるにあたって、やはりその県の指導についても何についても、もう少しきちんとやっていただきたいと思いますし、そういう点は、今後のためにも言っておきたいと思います。 それから、これで私終わりたいと思うのですけども、最後に一言だけ。今回の予備費の問題につきまして、先日の委員会から続いてやってきたわけでありますけれども、いずれにしましても、この種子島周辺の漁業対策事業費を、私は、予備費をもって充てることは、これはどうも適当ではない、こういうぐあいに考えます。それで二、三問題点を申し上げますと、まず第一に、この予備費の使用は、いわゆる国庫補助事業として使用されたために、かえって地元では、零細な漁民一人一人を潤すというところに至っていない。現在でも私は現実に知っておりますけれども、このロケットを打ち上げるたびに、地元の漁民の間にはいろいろな不満が起きてきている。したがって、組合長さんとかそういう人たちが非常に苦労しておる、こういうふうな現実に問題があります。それから第二に、この予備費の使用は、四十三年度で出しておるわけでありますけれども、先ほど答弁がありましたように、四十四年度も引き続いて行なういわゆる継続事業計画なんですね。その初年度分としていわゆる予備費から出されている、現実にそうなっております。このことは、結局は予備費の使用としては適当な措置ではない、私はこういうぐあいに考えております。さらに第三点に、国庫補助金の経理の面においても、いろいろな問題点があるんじゃないか、そのことをしみじみと思います。したがって、この予備費の問題、また補助金の問題等については、この次に四十三年度の決算審議がありますので、その段階で解明していきたいと、こういうぐあいに思っております。それからもう一点、予備費の審査について先日から問題になっておりました、予備費と憲法上のいわゆる国会の審議権との問題でありますが、この問題につきましては、さらに問題を検討しまして、根本的にこれから審査していきたいと、こういうぐあいに思っております。 以上が、私の今回の予備費の質問を通じての感想でありますが、私のこの発言に対しましてそれぞれ答弁をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘いただきました点につきまして、私どもも十分なれていなかったために、あるいは不十分な点もあったかと存じますが、このようなかっこうで、あるいは監督面においてまだ十分行き届いていない点におきましては、今後十分監督いたしまして、せっかくのこの漁業対策というものが円滑に行なわれるよう、努力してまいりたいと存じております。
○政府委員(竹内道雄君) いろいろ補助金の支出について御意見を承りまして、今後大蔵当局といたしましても十分気をつけてまいりたいと考えております。 ところで、ただいまの継続事業について、予備費の支出が適当じゃないじゃないかという点につきましては、私ども、たとえば災害の復旧事業のようなものでございましても、初年度には予備費の支出でやって、次年度以降はこれは当初予算から組んでいくということになるわけでございまして、本件につきましても、ただいまお話がございましたように、予備費で支出したほうがいいのか、補正でやったほうがいいのかという問題を別にいたしますれば、予備費で初年度を計上いたしましたものにつきまして、翌年度事業がわかっておりまするから、それについて当初予算で組むということは、必ずしもおかしいことではないのではないかというふうに考えております。 憲法上の問題につきましては、また御指導賜わりたいと思っております。
○政府委員(藤田正明君) ただいまの峯山先生の御趣旨、よくわかりました。今後とも予備費の支出につきましては、乱に流れないように厳に慎んで行ないたいと思います。
○理事(和田静夫君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○理事(和田静夫君) それじゃ速記をつけて。 この際、参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。本日は、御多忙中のところを、当委員会に参考人として御出席くださいまして厚くお礼を申し上げます。参考人の方には、委員の質疑にお答えいただくという形で御意見をお述べ願います。 それでは質疑を続行いたします。
○渡辺武君 初めに、委員長に一言お伺いしたいと思います。 私、きょうのこの委員会に、野原労働大臣の出席を求めておりましたが、大臣の姿が見えませんが、どういう事情か、お聞かせいただきたいと思います。
○理事(和田静夫君) 要望に基づいて労働大臣と連絡をとったその結果、出張中で出席ができない、そういう返答です。委員部を通じてお伝えしたと思います。
○渡辺武君 労働大臣の見えないことは非常に残念なことですが、出張中ということでやむを得ません。 そこで、初めに大蔵政務次官に伺いたいと思いますが、政府は、いまいわゆる地域開発を重要政策の一つとして取り上げておられますし、特に過疎地帯の人口対策として、工場誘致が必要であることを力説しております。ところが最近、過疎に苦しむ市町村などから、公有地などの払い下げを受けて、約束した工場建設も行なわずに、この土地を私欲を満たすために使って、地方自治体や地域住民に大きな負担と迷惑をかけるというような事態があちらこちらにあらわれております。政府は、このような事態を好ましいものと考えていらっしゃるかどうか、この点をまずお答えいただきたいと思います。
○政府委員(藤田正明君) おっしゃるとおりのことがあるとすれば、好ましい事態ではないと思います。
○渡辺武君 私がこれから質疑の中で明らかにしようとする問題も、このような問題の一つの事例であります。しかも、現職の大臣がこれに関係しているという点で、いま政務次官のおっしゃった好ましくない事態というものの典型的な例であろというふうに思っております。私はきょう、この委員会に岩手県西根町の町長工藤直輝氏のおいでを願い、直接同氏の口から事態の真相を明らかにしてもらいたいというふうに考えましたけれども、理事会の協議の結果、本日は出席させることができないということでありますので、私の手元にある証拠資料に基づいて事態の概略をあらかじめ明らかにしておきたいと思います。 この事件は、現労働大臣野原正勝氏が現在も取締役をしており、森虎悦なる人物を代表取締役とし、この森虎悦氏の実兄である元特高刑事、現在自民党西根町責任者の伊藤猛虎氏その他を取締役とし、野原衆議院議員の元第一秘書大村敬一氏を監査役とした森産業株式会社が、昭和三十九年三月十日に輸出向け、国内向け洋家具製造のための工場を新設すると称して、岩手県西根町から町有山林二万八千二百七十四坪を坪当たり百円、したがって総額二百八十二万七千四百円という安い値段で払い下げを受けて、しかもその後六年も過ぎた今日も、なお一向に工場を建設しないばかりか、この土地に総額一億四千万円に及ぶ根抵当権を設定して、金融機関などからばく大な融資を受けて、私利私欲をむさぼってきたという事件であります。野原代議士は昭和三十八年十一月の第二十九回臨時総選挙において、町の繁栄のための工場誘致なるものを公約に掲げて当選いたしました。同じく取締役の伊藤猛虎氏は、同年四月十五日の岩手県議会議員選挙に同じ公約を掲げて当選しておりますが、野原代議士らは選挙直後の同年十一月二十八日に、自分たちが役員をしている森産業株式会社の名前で工場建設のための土地分譲依頼書を、また重ねて十二月十六日には工場設置のための敷地提供に関する依頼書なるものを西根町に提出し、この依頼書によれば、東北特産の工場として岩手のため、西根町のためにも特種産業としてその発展につとめ、あわせて地域開発の一助に努力したい決意からでありますなどという美名のもとに、工場敷地として町有山林の払い下げを申し入れました。過疎に苦しむ西根町では、このため同年十二月の二十三日、西根町工場設置奨励条例をわざわざ制定し、工場誘致第一号として森産業に町有山林を払い下げたものであります。ところが森産業は、土地の移転登記が行なわれるや、たちまち大和銀行、農林中金、富士銀行、商工中金などの金融機関にばく大な根抵当権をこの土地に設定し、私腹を肥やしながら、いまだに工場建設にとりかかっておりません。野原労働大臣らが工場建設の意思も、条件も持っていないということは、野原労働大臣らが金融機関などから引き出したばく大な融資を、すべてほかの用途に使って、工場建設のためには使っていないということ、また昨年二月から九月にかけてこの山林を整地して、その直後に、二万八千坪のうち、その大部分を占める二万坪に及ぶ土地を、ほかの工場などに転売しようとはかったことなどによっても明らかであります。また、森産業株式会社が昨年末、山形市山形相互銀行、日本通運株式会社、城南信用金庫岩手県湯田町和賀木工株式会社などから、この土地の仮差し押え処分を受け、いまでは金融機関から取引停止処分を受けて、融資の道さえ断たれていることなどからしても明らかであります。 しかも、野原労働大臣は、西根町当局から昨年末以来、三回にわたって、契約不履行による契約解除、土地返還の要求を町の公文書によって通告されながら、いまだに言を左右にしてこの返還に応ぜず、工場誘致を心から望んでいる過疎地帯の西根町当局と住民に大きな被害と迷惑をかけております。西根町町長の工藤直輝氏は、次のように語っております。森産業社長森虎悦はもともと西根町民であるが、かつては倒産して一時期、行くえ不明となったり、町民から信用を置けない人間であるという定評もあり、かなりの危惧の念を持ったのであるが、森産業は代議士野原正勝氏らが取締役として入っているので、森産業が提出してきた工場建設計画なども専門家に見てもらうこともなく信用し、町の発展を願って土地を売り渡すことをきめたものである。当時は、よもや、このような結果になるとは思わなかった。いまになると、まことに心外にたえない、こう語っております。西根町町長のこのことばは、土地の払い下げにあたって代議士野原正勝氏の政治的地位が決定的な役割りを演じたものであることをはっきりと示しております。また、野原労働大臣らが政府関係金融機関などから融資を受けたいきさつは不可解な点が多く、またその融資の時期が衆議院選挙と結びつくなど、金の使い道にも不可解な点が多々ございます。野原労働大臣らのこのような行為は、自民党政府の地域開発に乗じて、自民党の国会議員であるという政治的地位を利用して過疎に苦しむ町を欺き、乏しい町の財産を食いものにする許すべからざる行為であります。その政治責任は重大であると言わなければなりません。しかも、このような汚職に現職大臣が関係していることは、佐藤内閣全体の政治責任もあわせて問われなければならない問題であると思います。 そこで政務次官に伺いますが、いまそのようなことがもしあるとすれば好ましくないというふうにおっしゃいましたけれども、佐藤内閣と野原労働大臣は、以上の点について、当然の政治責任を負うべきものと思いますけれども、どうでしょうか。 また、法務省の方に伺いますけれども、野原労働大臣らのこのような行為は詐欺行為にも通じ、責任をも問われるべきものだというふうに思われますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(藤田正明君) ただいま渡辺委員から詳細に伺ったのが初めてでございまして、詳しくは存じておりません。このような問題が、事実がどうであるかは、いまから御審議のうちで明らかになろうかと思います。いま汚職と言われましたが、これは汚職であるかないかはいまからのことでございます。また佐藤内閣の責任というようなことは、いま現在では私は考えておりません。
○説明員(佐藤道夫君) ただいまのお尋ねの点につきましても、検察庁におきましてはまだ事件として扱っておる案件ではございませんので、詳細は私も全く承知していないわけですが、一般論として申しますれば、もちろん詐欺罪の構成要件というものは刑法に定められているわけで、それに該当する限りにおいては一応犯罪は成立するということですが、これはあくまでも一般論でございまして、いまお話の案件だけでは私の立場といたしましても何とも申し上げかねるということでございます。
○渡辺武君 最初に申しましたとおり、西根町町長も、野原労働大臣もきょうはこの席におられませんので、事件の最も肝心な点の一つについてきょう質疑の中で明らかにするということができないのはまことに残念です。で、きょうは農林中央金庫、商工組合中央金庫などからわざわざお見いただいておりますので、まず最初に農林中央金庫のほうに伺いたいと思いますが、事件の概要いま私が申し上げたとおりですけれども、登記簿などから拝見いたしますと、農林中央金庫は、この森産業株式会社を債務者として、森産業が西根町から払い下げを受けて、所有権移転登記をした直後の昭和四十年十二月二十一日に西根町大更第十七地割り字大瀬渡十三番の一及び同十八地割り字狐塚八十八番の七五の総面積二万八千二百七十四坪全部を共同担保として、最初は限度額二千五百万円の根抵当権を設定したということになっております。そしてなお翌年の昭和四十一年二月二十八日にこの限度額を、極度額を三千万円に引き上げ、さらに同年九月五日には四千五百万円にまで引き上げたということが登記簿で明らかになっております。そこで伺いたいことは、この森産業株式会社というのはどういう会社であろうか。また農林中金が根抵当権を設定したこの土地は、この森産業株式会社が西根町から払い下げを受けた土地であるというふうに登記簿にはなっておりますけれども、そのとおりであるかどうか、この点をまずお答えいただきたいと思います。
○参考人(安井三郎君) お答え申し上げます。森産業への貸し付けの経緯につきまして、同社は東京に本社を置きまして、岩手県下を中心にブナ材の集荷販売をいたしておる会社でございまして、昭和四十年の十二月に当金庫といたしまして運転資金の借り入れの申し込みがあったわけでございます。農林中央金庫といたしましては融資対象としてこの会社が適格であるかどうか、あるいはまた提出されました資料、それから信用調査等をあわせ行ないまして貸し付けを適当と認めて融資に踏み切ったわけでございます。なお、そのおり、お尋ねの担保の土地につきましては、登記簿上これは明らかでございますように、種目は宅地になっておりまして、現況は山林であったようでございますが、登記簿上これを確認いたしまして、これに抵当権を設定いたして融資をしたという経過でございます。
○渡辺武君 私がお伺いいたしましたのは、その森産業株式会社ですね、これはどういう会社かと。これは念のために伺っているわけです。その取締役の名前、監査役の名前、あるいは株主の名前、資本金などをお聞かせいただければ幸いと思います。
○参考人(安井三郎君) 役員の名前を申しますと、代表取締役が森虎悦さんです。取締役に野原正勝さん、伊藤猛虎さん、石黒鋭一郎さん、佐藤雄四郎さん、大村みすさん、高倉和子さん、監査役に大村敬一さんがおられます。資本金は三千万円でございます。
○渡辺武君 それで根抵当権を設定した土地は、この森産業株式会社が西根町から払い下げを受けた土地ですね。
○参考人(安井三郎君) 払い下げを受けられた土地かどうかということは、私のほうは承知いたしておりませんでして、登記簿上森さんの会社の所有物であるということを確認いたした次第でございます。
○渡辺武君 登記簿には所有権移転登記がございますですね。あなた方が根抵当権を設定したその同じ登記簿に、所有権移転登記で西根町から払い下げたということが出ておりますですね。
○参考人(安井三郎君) そのとおりだと思います。
○渡辺武君 なお念のためですが、商工組合中央金庫の方にも伺いたいのですが、商工組合中央金庫が根抵当権を設定している土地、これも森産業株式会社が西根町から払い下げを受けた土地の一部であると思いますが、どうでしょうか。また商工組合中央金庫が根抵当権を設定した森産業株式会社というのは、いま農林中金のほうでおっしゃった森産業株式会社と同じ会社ですね。その点をお答えいただきたいと思います。
○参考人(阿部久一君) お答えいたします。同じ会社でございます。
○渡辺武君 そうしますと、現職の労働大臣が営利会社の役員の地位についているということがこのことで明らかだと思いますが、政務次官に伺いたいことは、岸内閣の当時、現職の大臣は営利企業などについて兼職してはならぬという趣旨のことが閣議申し合わせとしてきまっているというように私聞いております。これは昭和三十三年三月十三日の衆議院内閣委員会での岸総理の答弁に照らしても明らかだと思うのです。その後岸内閣はもとよりのこと、その後歴代の各内閣は、やはり同じ方針をもって各大臣に望んでおって、組閣直後——改造組閣直後の初閣議において、官房長官から必ず次のような二点の申し合わせが各大臣にあるということを伺っております。その一つは、営利企業については報酬を受けるといなとにかかわらず兼職は認められない。国務大臣については、官吏服務規律があり本属長官、すなわち大臣の場合は総理の許可があればよいということになっているが、大臣の地位にかんがみ許可しない。それからもう一つは、公益法人及びこれに類する諸団体の名誉職については、これは報酬のないものについてのみ兼職してもよろしいということが申し渡されるというように私聞いております。この趣旨に基づきますと、野原労働大臣が一営利企業である森産業株式会社の取締役にいまに至るもなお就任しているということについては、どのようにお考えになりますか。
○政府委員(藤田正明君) 渡辺委員の言われますごとく、閣僚につきましては、営利企業に関係すること、兼任することを自粛するようになっていると私も聞いております。 なお、ただいまの野原大臣のことにつきましては、後刻よく調べて御報告申し上げます。
○渡辺武君 それでは次に、商工組合中央金庫の方に伺いたいですが、先ほどもちょっと伺いましたように、あなたのところが、森産業株式会社に対して、昭和四十四年十二月四日の登記で、森産業株式会社の所有地、西根町大更第十八地割字狐塚八十八番七十五の土地に極度額一千万円の根抵当権を設定しておられるようですけれども、この融資契約は、商工組合中金法に照らして、適当なものかどうか。また、十分な信用調査をなさった上で、確実な会社と判断されて、融資されたものかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○参考人(阿部久一君) お答えします。 融資対象といたしましては商工中金法を対照——そのとおりでございます。 それから信用調査の点につきましては、一般の場合と同じように、営業店——支店では工場を実査いたしまして、工場備えつけの帳簿はもちろん調べてあります。さらに、この財務諸表その他書類の提出を受けまして審査いたしましたほか、すでに取引をされております金融機関に問い合わせも行ない、それらを総合いたしまして、貸し出しを実行するのが適当であると、こう判断して融資をいたしたわけでございます。
○渡辺武君 あなたのところでは、この融資をされる会社は、加盟協同組合あるいは農業組合の組合員であるということが必要な条件になっているかと思います。ところが、この森産業株式会社は東京所在の商事会社ですね。ところが、あなたのところには、北岩手製材業協同組合の組合員として北岩手製材業協同組合の有資格証明書をつけて融資を受けたと、そういうことになっているのではないかと思うのですけれども、そうなっておりますか。
○参考人(阿部久一君) お話のとおりでございます。
○渡辺武君 この北岩手製材業協同組合の発行した加入承認書というのが出ておりますけれども、これを見てみますと、加入したのは森産業株式会社西根本材工業所森虎悦殿と、こういうふうになっているのですね。つまり森産業株式会社西根本材工業所と、こういうことになっているわけです。この点は、私ども調べてみますと、まことに奇妙ではないかと思われるんです。と申しますのは、西根本材という工場は、これは岩手県の西根町に確かにございます。しかし、これは個人企業であって、個人企業の製材所であって、その社長は伊藤猛虎という人であります。ですから、これは森産業株式会社の所有する木工所ではないのです。ところが、森虎悦氏は、森産業株式会社西根本材工業所という名前を使って、北岩手製材業協同組合に加入している。そうして、その名前で承認書を——組合員としての有資格証明ですか、これをあなたのほうに出しているのではないかと思われますけれども、どうでしょうか。
○参考人(阿部久一君) お答えします。 中小企業の場合におきまして、工場の土地とか建物などの不動産の所有名義を個人のままで、その中小企業がそれを使って経営をやっておるという例はほかにもございまして、私どもそういう場合におきましては、不動産名義が個人になっておりましても、会社がそれを使って経営になっている場合に、それで所在地の組合に加入を認めてやっていると、こういうことでございますので、中小企業によくある例でありますので、本件も特に例外の措置としては扱っておりません。
○渡辺武君 これは、あなた方を責めているわけではございませんが、事実を正確に確かめたいと思いまして伺っているわけですけれども、西根町の遠藤税務課長という方の証言によりますと、西根本工所の経営者は、これは所長が伊藤猛虎という人ですね。先ほどから問題になっております森産業株式会社というのは、これは代表取締役が森虎悦という人ですね。全然別の経営なんです。西根本材工業所は、これはいま申しました伊藤猛虎氏を所長とする個人経営であって、会社の所有物ではないのです。ですから、税務署にも個人企業として税金を払っている、そういう関係になっております。ですから、もしかりに森産業株式会社の森虎悦氏が、個人企業である西根本材工業所を、これを自分の会社の木工所であるかのように文書をつくって、そうして北岩手製材業協同組合に加盟したとするならば、これは北岩手製材業協同組合を欺いたというふうになりますし、また同時に、同じ資格で有資格証明書をとって、あなた方のほうから根抵当権設定融資を受けるというようなことをやれば、これは森産業株式会社そのものは、あなた方をも欺いたということになると思うのですね。先ほども申しましたとおり、商工組合中央金庫は、これは協同組合に加盟している会社でなければ融資することができないということに原則としてはなっていると思いますね。ですから商工組合中央金庫から金を借りるためには、森産業はどこかの協同組合に入らなければならぬ。ところが自分は商事会社で、製材業協同組合なんかには入ってないし、所在地は東京にある。だから北岩手製材業協同組合…… 〔理事和田静夫君退席、委員長着席〕 製材業の協同組合です。所在地は、とにかく北岩手にあることが必要です。その条件をつくるためには、自分の会社のものでもない西根本材工業所を自分の会社の工場であるかのごとくに書類の上でつくって加入を申請せざるを得ないということなんですね。そういうことをやっていると思うのです。その点はどうでしょうか。よくお調べになった上での融資でしょうか。
○参考人(阿部久一君) 個人名義の不動産を中小企業の場合におきましてそれを借りるなり何なりして使用して、経営にあたるという場合はほかにもありますということは、最初申し上げましたが、次いで組合員としての森産業のお話につきましては、先ほどお話の組合から提出されておりますのは、正確に申しますと、借り入れ金の同意書、こういうのでありまして、これは組合の組合員であるということを書いておりまして、さらにこの金額の借り入れについては組合として同意いたします、こういうことに内容はなるわけですが、この同意書におきましては、この事業協同組合の理事長が森産業株式会社の借り入れ申し込みに同意する、こういうふうに明記されております。私ども、この組合の組合員である森産業株式会社と、こういうふうに承知しております。
○渡辺武君 つまりこの問題は、二つの側面を持っておると思うのですね。一つは、書類などの面での審査については、あなた方には私は落ち度はなかろうというふうに思います。たくさんの中小企業を融資対象としてやっていることでありますから、まあまあ深く時間をかけて調査するということは困難だろうと思います。だから、そういうことはあるだろうということはよくわかるわけですね。しかし、あなた方が書類審査の面では一応適法だというふうに見られた融資対象者が、実をいえば、北岩手製材業協同組合のほんとうの組合員で実はなかったのを偽って組合員として加盟しておる、そういう事態があるわけですね。自分の会社の工場でもないものを——個人経営の独立した工場を自分の会社の工場であるかのように書類をつくって、加入申請をして認められた。そしてそのことを条件として融資を受ける有資格証明というものをもらって、あなた方のほうから融資を引き出している、こういうことだと思うのですね。ですから、これは、あなた方の調査そのものがこの事態の真相を十分見ることができなかったという点では不十分だったという面もありますけれども、しかし一番やはり責任を問わるべきものは、これは北岩手製材業協同組合をあざむいて——組合員の資格がないのです、森産業というのは。東京所在の会社であって、そして北岩手には製材業なんというものを持っていない。持っていないにもかかわらず、北岩手にある個人経営の製材業を自分の会社の木工所であるかのごとく書面の上で偽って加入して、融資の際の有資格証明というのをもらって、あなた方のほうから融資を受けておる、こういうことをやっておる。ですから、やはり客観的な事実は、野原労働大臣らが不正な手段によって政府関係金融機関をあざむいて不正に融資を受けておるということが、この点で明らかじゃないかと思うのです。 そこで、法務省の方に伺いたいのですけれども、こういう労働大臣らの行為、これはただ単に労働大臣らが政治的な責任を持っておるというだけじゃなくして、商工組合中央金庫に対する詐欺罪など、刑事上の責任をも追及さるべき性質のものじゃなかろうかというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○説明員(佐藤道夫君) これもまた一般論ということでたいへん恐縮でございますけれども、事実関係を詳細把握しておりませんので、その前提でお話し申し上げたいと思います。詐欺罪と申しますのは、明らかに財産犯でございまして、典型的な詐欺罪と申しますのは、支払いの意思や能力がないのに、それをあるように偽って財物を騙取する、こういうのが典型的な詐欺罪でございまして、本件の場合に限定して考えてみますと、融資を受ける者が、受けた金額を期間内に返済する意思も能力もないのに、それを偽って融資を受けたという形がもしありますれば、これは典型的なる詐欺罪であるというとらえ方が可能かもしれませんが、資格をただ単に偽ったというだけで、はたしてそういう財産犯たる詐欺罪そのものずばりということに当てはまってくるかどうかということは、多少疑問があると思います。いずれにいたしましても検察当局におきまして、こういう案件を犯罪として捜査を開始するかどうかということは、検察当局が独自の判断でおきめになることでございますが、犯罪捜査を開始するに足る十分の嫌疑があるかどうかという一点に尽きるわけでございまして、その嫌疑がある限りにおきましては捜査が行なわれるし、また捜査を開始するに足る十分なる嫌疑が認められない場合にはやはり捜査を開始すべきじゃないということになろうかと思います。
○渡辺武君 この森産業株式会社と、いま話にのぼっております西根本材工業所ですか、これとの関係については、きょういまここでの質問の主題とは若干はずれますけれども、念のためにちょっと申し上げておきますが、この西根本材工業所というのは、先ほど申し上げましたように、個人経営で社長が伊藤猛虎という人ですね。ところが、伊藤猛虎という人は、森産業株式会社の取締役をしている人、そうして自分が取締役をしている会社と自分が経営している西根本材工業所との間で取引をしたという関係があるわけですね。それからまた、なおよく調べてみますと、この西根本材工業所の土地や建物、それから機械その他の償却資産ですね、これは所有者は森虎悦氏、つまり先ほど来、話になっている森産業株式会社の代表取締役の森虎悦氏、この人がその西根本材工業所の土地も家も機械も工場設備も全部自分で所有していて、自分の兄である伊藤猛虎氏を社長として経営させているということなんですね。こうなってまいりますと、商法の上では——私、法律についてはしろうとですけれども、しかし会社の役員は、これは自分の会社と同業種の、いわば競争関係に立つ可能性のある会社を経営して、それと取引するというようなことについては、きびしい禁止事項があるのじゃないかというふうに考えておりますけれども、こういう事項にも該当するおそれのある複雑な関係が、この森産業株式会社というものにまつわりついている。それで野原労働大臣がこの会社の役員の重要な地位を占めておられるという関係になっているわけです。この点も、法務省として十分にやはり調査してみる必要のあることじゃないだろうかというふうに私は考えております。 そこでなお、次の質問に移りますけれども、以上申し上げましたように、森産業株式会社が商工組合中央金庫から融資を受ける過程で、実際資格もない者が有資格者と偽って、そうして商工組合中央金庫から融資を受けたという、はなはだよろしくない状況が生まれているわけですけれども、以上のほかに、商工組合中央金庫の森産業株式会社に対する融資にはなお幾つかの疑点がございます。その点をまずこれから伺ってみたいと思うのですが、まず大臣に伺いたいのは、商工組合中央金庫が根抵当権を設定したというのは、ごく最近のことですね。昨年の暮の十二月の四日でありますね。ところが、このときにはすでに森産業株式会社は十一月の二十六日に大和銀行虎ノ門支店を支払い場所とする三百万円以上の支払い手形を不渡りにして、そして各金融機関から取引停止処分を受けていたはずであります。ですから、各金融機関がすでに取引停止処分をしているような、そういう会社に、あなたのところがどうして根抵当権を設定して融資したのか、この点、しろうとが考えてみても、これは単純な商業ベースでのことではなさそうだというような感じがしますが、その点どうお考えでしょうか。
○参考人(阿部久一君) お答えします。抵当権設定を行ないましたのは、十二月四日、お話のとおりでございまして、銀行取引がお話のようにすでに停止になっているあとになっております。この件につきましては、ただいまお話がありましたように、あるいは問題があるのかも存じませんが、法律上いろいろ専門の問題がからんでくるだろうと思います。これは私どもの貸し出しはもちろん倒産前に行なわれまして、再三御説明申し上げましたように、林業基金の保証八割をつけておりまして、そういう事態になると倒産ではありません、あるいは正確には銀行取引停止でありますか、そういう事態になりましたら、私どももさらに今度追加して保全措置に努力するというのが大事でありますので、このように進めたわけでありますが、先生のお話のような問題点がありますなら、われわれさらに今度専門家の意見を聞きまして、考えなきゃいかぬと思いますが、ただいまのところは私ども現在設定しております抵当権は有効であろう、現在ではそう考えるわけです。
○渡辺武君 ずいぶん奇妙な話だなあという感じで伺っていたわけですけれども、すでに各金融機関が取引停止処分をしているその会社にあらためて根抵当権を設定する、しかももし万一のことがあった場合には、林業基金保証で約八〇%保証ができるので、それをたよりにしておったというような御答弁の内容だったと思いますが、この林業基金保証というのはどういうものですか。
○参考人(阿部久一君) 林業基金といいますのは、林業関係に融資が円滑に行なわれますように、たとえば私どものところで融資をいたします場合に、その相手方に保証をつけたほうがよろしいという場合、林業基金のほうの保証をつけていただくわけですが、八割の保証ということになっております。
○渡辺武君 この林業信用基金にも政府は出資していると思うのですね。どのぐらいの出資をしておりますか。
○政府委員(小暮光美君) 林業信用基金に対する政府の出資は、現在九億円でございます。
○渡辺武君 まあ金の多寡はとにかくとして、政府の金が出ている信用基金ですね、ですからやはりこういうものの扱いについては慎重を期することが必要だと思うのですね。ところがもうすでに取引停止処分を受けて、いつ倒産するかわからぬというような会社に初めて根抵当権を設定して、一千万円の——一千万円でしたね、極度額一千万円の根抵当権を設定する、こういう融資関係ですね、これはまことに正常でないような感じがするのですがね。
○参考人(阿部久一君) 先生のお話、少し勘違いしておりましたが、倒産してから担保を設定して、それで融資したというのではございませんで、融資はその前に行なわれていまして、その融資についての担保があとで追加して設定されたということでございますので、それを御承知いただきたいと思います。
○渡辺武君 倒産のおそれがあるというふうに申し上げたんで、その点はかまいませんけれども、あなた方の何ですか、手形取引契約を結んだのが昨年の十月三十日、それから十一月五日に金融取引契約を結んだということになっておりますね。そうですね、ちゃんと登記に残っていますもの。この十月とか十一月という月ですね、これはこまかいことを言うようで失礼ですけれども、この森産業株式会社の経営状態というものは、異常に悪くなっていたんじゃないかと思われる節があるのです。なぜかと申しますと、あなた方が根抵当権を設定した十二月の四日ですね、その直後にもうこの土地に対して仮差し押え処分が出ているんですね、これは御存じだと思います。十二月十二日に山形相互銀行、二十二日に日本通運株式会社、二十七日に和賀木工株式会社、二月二十五日に城南信用金庫が仮差し押えをしております。特に十二月八日には森産業の従業員小鮒善二郎外六名が極度額五百万円の根抵当権をこの土地の上に設定しております。これは給料遅延に基づくものとされておりますので、おそらく従業員に対する給料を払うことができないという状態があって、これを根抵当権設定で埋めようということだったと思います。極度額がいま申しましたように五百万円以上で、数が七人ですから、一人平均にしますと八十万円に近いということになりましょうか、おそらく数カ月間賃金の不払いが続いておったという状態が、このことから推測できるわけですね。ですから融資対象企業がこういうような状態にあるかどうかということは、たとえ相手が中小企業であっても、ほんのちょっと調査すれば私はわかることじゃないか、金融の専門家の目から見れば。ところが、そういう事態があるにもかかわらず、手形取引契約、融資契約などを結んで、そして各金融機関、銀行が取引停止処分をやったということで——そういう表現が適切かどうか知りませんけれども、言ってみればあえて根抵当権を設定したというような関係が見て取れると思うのですね。これはちょっと普通の商業ベースでやった融資だというふうには考えられないような気がするのです。ですから何か商業ベース以外に政治的な力があなた方に働いて、そしてこの一千万円の根抵当権設定融資というようなことができあがったんじゃないかというふうに思われますけれども、その点どうでしょうか。
○参考人(阿部久一君) お答えします。ただいまのようなお話は全然ございません。
○渡辺武君 弱い立場で、そうあるとも言えないでしょうが、それではもう一つ伺わさしていただきますけれども この根抵当そのものについても、普通の常識からしてもまことに疑問が出てくるのです。それは、あなた方が根抵当権を設定したときまでには、すでにこの土地に農林中金が根抵当権を設定している、その極度額は四千五百万円、それから富士銀行が一千五百万円、それから盛岡市の中沢木材株式会社が六千万円、合計しますと、この極度額一億二千万円の根抵当権が共同担保で設定されておったという状況なんですね。そうしますと、これは坪当たりでかりに計算してみますと約四千数百円ということになろうかと思うのです。そういう評価なのですね。それでこれは、きょうはその辺のいきさつを全面的に明らかにすることはできませんでしたけれども、先ほど申しましたように、この土地が一番最初に払い下げられたときは坪百円、そして、おととしこの森産業株式会社が払い下げられたときも、道一つ隔てた向かい側がほかの会社に払い下げられておりますけれども、土地がそのときの評価額は坪千円。ですからそういう評価額と比べてみても異常に大きな根抵当権がすでにこの土地の上に設定されておった。これは、あなた方は根抵当権を設定するときに、この登記を見れば一目りょう然におわかりだったと思うのです。それにもかかわらず、それに重ねて、それらの土地の一部ですか、これに一千万円の根抵当権をさらに設定する、これはちょっと常識から考えても異常な事態じゃなかろうかという感じがしているのです。 それからもう一つ、ついでに申し上げますけれども、昨年の十二月四日という時点は、どういう時点かと申しますと、その前の月の十一月の末にこの森産業株式会社が二万八千坪の土地のうちで二万坪をどこかほかの工場に売りたいから、あっせんしてほしいということを県当局に申し入れ、そうしてそれが西根町当局の耳に入りまして、これはたいへんだと、自分たちが工場をつくってもらうために払い下げた土地が、よその工場に売られようとしている、たいへんなことだというので、町の議会でも大問題になる、町当局も大騒ぎという時期がまさにこの十二月の初めなんです。ですから、あなた方が信用調査を確実にされていらっしゃるならば、ほんのちょっとお調べになっただけで、そういう事情がおわかりだったんじゃなかろうか。やがてこの土地は西根町から返還要求の出る土地らしい、これはちょっと根抵当をいま設定するというのは、これはぐあいが悪そうだというぐらいのことはおわかりになったんじゃないかという感じがするのですね。ですから、いま外部から政治的な力が作用したというふうなことはないというふうにおっしゃいましたけれども、しかしいま私申しましたように、そもそも資格のない人間が有資格者であるかのように偽って、あなた方から金を借りている、そうしてまたもう破産寸前というような状態で各銀行から取引停止処分を受けているのにもかかわらず、根抵当権を設定している。そうして、いま申しましたように、根抵当権設定そのものがすでに過大に評価されて根抵当権が設定されている上に、また一つ積み重ねて、ちょっと調べれば、いま申しましたように、もう西根町当局がこの土地の返還を要求しなければならぬというので大騒ぎしているそのときに、根抵当権を設定している、こういうことですね。どうも通常の商業ベースでの融資とは考えられない。何か商業ベース以外の政治的な圧力、特にこの会社には野原さんが取締役をしているという関係がありますので、どうもそういうことがなければ、われわれ常識では理解できないような融資関係じゃなかろうか。あなた方は、おそらく金融の専門家として事情はわかっていたけれども、そういう政治的な圧力にやむを得ず融資関係を結ばされたというようなものじゃなかろうか、というように思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。
○参考人(阿部久一君) たいへん重ねてそういうお話を承りまして、非常に残念な気持ちで一ぱいなのでございますが、先ほど来申し上げておりますように、一千万円の融資に対しまして林業基金の保証によってその八割を補てんされます林業基金の保証をつけたわけでございます。それからさらにこまかくなりますが、預金が百万円ございまして、これは相殺できるものになります。それから担保としてさらに人的のそれがあるわけですから、したがいまして、このような各種担保に加えて追い担保としましてこの土地の物件を考えましたものですから、土地の物権自体を、最悪の場合を申しますならば——といいますのは、土地の評価についてはいろいろ見方もあろうと思いますが、もし最悪の場合でありましても八割はまず最悪の場合確保できますし、それからあと、さっきの預金、さらにそうしますと、あとわずかになりますが——補てんにつきましてはこのように考えておりますので、ただ土地だけをあれしまして、しかもちょうど時期を見ると、どういう時期だから、だからほかの力が加わったのじゃないか、というようなお話が重ねてありましたが、はっきり申し上げまして全然ございませんので、私は重ねて申し上げておきたいと思います。
○渡辺武君 いま伺っているところから見ますと、あなた方の手続上は、おそらく落ち度がなかっただろうということは、私どももわかります。しかし、折しも昨年の十二月といえば衆議院選挙の行なわれた年であります。その衆議院選挙の行なわれた直前に、いま言ったように、どうも常識からして異常だと思われるような融資関係、これが政府関係金融機関で結ばれているという事態です。あなた方は、融資された一千万円ですね、これの使い道がどうなっているかということについては、当然これはトレースしておられると思いますけれども、その点把握しておられますか。
○参考人(阿部久一君) お答え申し上げます。 トレースにつきましては、資金の使途は米ツガ及びアカマツ丸太二千五百万円の買い付け代金支払資金、こういうあれで申し入れがありました。貸し付け金は十一月五日に盛岡支店から大和銀行虎ノ門支店の本社口座に送金されております。
○渡辺武君 それは融資申し入れの書面の上のことでしょうけれども、実際この資金がどう使われたのか、これはおそらく、あなた方としてもかりに真相をつかんでおられても、ちょっとこの場ではなかなか言いがたいというところもあるだろうというふうには思いますけれども、これはやはり先ほど申しましたようにどうも疑点が晴れない。普通の商業ベースではどうも考えられないような融資が行なわれて、しかもその時期が衆議院選挙と非常に密着して一千万円という金が出ている。しかもそれが野原代議士が取締役をしている会社だという関係ですね。この点は、なおあらためて、あなた方のほうでもよく御調査いただきたい。われわれとしてもこの委員会などを通じて、さらに究明していきたいというふうに考えております。 きょうは、農林中金の方にもおいでいただきまして、お忙しいところをお世話でございましたが、どうも私の持ち時間もこれで尽きそうなのでありますので、またあらためて、この次にいろいろお聞かせいただけたらありがたいと存じます。 それで、最後に、私、委員長に申し上げたいことがございますが、一番最初に申し上げましたように、この事件は現職大臣が過疎に苦しむいなかの町から安く土地の払い下げを受け、しかも工場を建てるということを約束した上で払い下げを受けながら、その意思もなければ条件もないのにかかわらず、依然として土地を返さない。しかも、その土地を抵当にして各金融機関からたくさんの金を引き出し、その使途もいろいろ疑点があるし、融資関係にもいろいろ疑点があるというようなことでありまして、どうも現職大臣がこれは汚職をしておられるのじゃないかと思われる点が非常に大きいわけです。したがって、この問題は政治的にも大きな問題であります。また被害を受けている西根町当局及び地域の住民にとってもまことに気の毒な事件だというふうに私考えますので、次の委員会に、この間申し入れましたように、西根町町長さん工藤直輝氏、それから野原労働大臣を参考人としてこの委員会にお呼びいただきたいと、この点をひとつお願いしたいと思います。 なお、きょう大蔵省のほか農林省、通産省、自治省などの係の方にもおいでいただいておりますので、最後に一言だけ申し上げたいんですが、この野原労働大臣らの不正不当な行為によって、いま申しましたように、西根町当局及び地域の住民が非常に大きな被害を受けている。おそらく一年間の予算は四億とか五億ぐらいのところであろうと思われる町が、二万数千坪の土地、これを工場誘致第一号として払い下げて、それが失敗に終わったと、これはたいへんなことだと思うんですね。で、町当局からは公文書で森産業に土地の返還を再三にわたって求めている。ことしになってからもすでに三回。また町長さんは直接野原大臣にも会われて、そうして事情を話して解決方を要請しているというような事実もございます。そこで、町当局の契約解除、土地返還要求を何とかして実現さしてあげたいというふうに思っているわけでありますが、その場合に、この土地の上に一億四千万円に及ぶ根抵当権が設定されているという状況なんですね。だから、町当局としては、土地を返してもらっても根抵当権が一緒にくっついてくるというようなことでは、小さな町じゃどうにもこうにもしようがないというような事態じゃなかろうかと思うわけです。ですから、各行政官庁の指導によって町当局が一日も早く一切の根抵当権を解消した上で、返還を受けることができるように、御指導願えないものかどうか。その点を一言お聞きしたいと思うんです。 それから法務省の方にもう一言だけ伺いたいのは、これは先ほども申しましたように、現職大臣の汚職、したがってまた大きな政治問題というだけではなく、先ほどの商工組合中央金庫からの融資関係でもわかりますように、刑法上の詐欺というような問題が考えられるような状態もありますし、また西根町や、それからまた商工組合中央金庫その他のいろいろな被害者がいるわけですが、この被害者に対しては、野原さんを含めて、取締役、監査役などの役員は商法上の連帯責任を当然負うべきだというふうに私ども考えております。特に森産業株式会社に対して、これらの役員は特別背任罪というようなことに該当するのではないかと思われる多くの不正事件を犯している疑いが多々あるわけです。ですから、こういう点について、法務省当局はやはりよろしく積極的にこの問題を取り上げて調査すべきだと思いますけれども、どうでしょうか。それらの点についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(藤田正明君) 関係各省を代表して申し上げます。 返還ということにつきましては、これは民事訴訟の問題ではないかと思うのでありますし、またそれぞれの金融機関が債権保全のために根抵当を設定いたしておるわけでありますが、これらにつきましても、関係各省庁から、どうしろこうしろという命令、指示を与えるわけにもまいりません。しかし、本日渡辺委員から詳細に話を伺いましたので、この点につきましていろいろと今後調査、検討はいたしてみたいと考えております。
○委員長(松本賢一君) それでは大蔵省関係及び国庫債務負担行為総調書、予備費関係につきましては、この程度にいたします。 散会いたします。 午後三時五十六分散会