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63回国会参議院1970/04/03

決算委員会 第7号

発言数
138
登壇者
20
会派数
3
開催日
1970/04/03

会議録

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  四月一日、剱木亨弘君が辞任され、その補欠として長屋茂君が、本日藤田進君及び須藤五郎君が辞任され、その補欠として瀬谷英行君及び渡辺武君が、それぞれ選任されました。     —————————————

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 昭和四十二年度決算ほか二件を議題といたします。  本日は、運輸省、郵政省、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算につきまして審査を行ないます。  この際、おはかりいたします。議事の都合により、運輸省、郵政省、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算概要説明と決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、会議録の末尾に掲載いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これより質疑に入ります。  御質疑のある方は順次御発言願います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 最初に、運輸省関係について質問をしたいと思います。  実は、いま問題となっております日航機の乗っ取り事件について、いろいろと質問をしたいところがあるのでありますけれども、非常に現在微妙な段階にあり、これから先どういう事態の展開を見るか、われわれにも予測がつきませんし、あまり立ち入った質問をして都合の悪いことになってもいけないと思いますので、本日のところは、この日航機の乗っ取り問題についての詳細な質問は差し控えさせていただきたいと思います。しかし、現在どういう状況にあるのか、これからどのような展開を見せようとしているのか、運輸省として何をやっておるのか、どういうことをいま扱っておるのか、あるいはまた、部内でどのような動きがあるのかといったようなことを、報告をしていただければ幸いである、こう思います。

手塚良成運輸省航空局長

○政府委員(手塚良成君) 現実の段階につきましては、テレビ等で報道されておるところでございますが、ややさかのぼりまして、昨日の十七時ごろからのことを御報告いたします。四月二日の十七時、山村運輸政務次官から犯人に対しまして、全旅客をおろすことと引きかえに、みずからが搭乗して犯人とともに飛び立つことを申し入れましたところ、十八時十分、犯人からこれを原則的に了承する。が、社会党の阿部助哉代議士による山村本人の確認を求めたいという旨の回答がございました。  同日二十二時三十五分、橋本運輸大臣は現地において記者会見をいたしまして、山村次官の身がわり提案の経過を説明し、韓国政府の事前の了解を得てなかったが、最終的には快く了解を得た旨を発表いたしました。  運輸省は、「よど」号が平壌まで航行するにあたりまして必要な飛行技術上のデータ、たとえばVHF通信用周波数、管制用語、航空路及び航空路援助施設の状況、地上電源装置の有無及び空気始動装置の有無、こういった技術上のデータの入手方を、四月二日二十一時五十五分、外務省に依頼することといたしまして、外務省は、駐韓大使館あて、この旨を訓令されました。  阿部代議士は、政府の要請に応じまして、四月二日二十二時四十九分羽田発日航特別機DC8−62「ひだ」号で韓国へ向け出発いたしまして、四月三日零時四十分、金浦空港に到着いたしました。到着後、若干の打ち合わせを行ないました後、同代議士は直ちにホテルに入りまして、同日はそれで一応終了したことになります。  本日午前から具体的な乗客をおろす条件あるいは山村代議士の搭乗確認、そういう方法というようなことが飛行機外と飛行機内の犯人との間で取り行なわれました。先ほど出てくる前には、まず乗客五十人をおろし、そのあとで山村代議士が搭乗される。さらに医師八人、看護婦十五人、これを五十人がおりる前に飛行機に乗せることを認める。こういったことが具体的な話として行なわれておるようであります。  それから飛行機の整備につきましても、逐次整備をすることを認めておるようでございます。おおむね現時点におきましては、離陸可能状態に整備をされておるような報告が参っております。  きのう打ちましたところの飛行に関する必要情報の技術上のデータの入手につきましては、米軍のほうと北鮮軍事休戦委員会を通じての米軍の資料入手が私どものほうに連絡されまして、おおむね飛行に支障のないデータが入手された模様でございます。  大体いまのところの現状で、お話し申し上げた後段のほうは、全部が公式情報ではございませんが、大体そういうようなことで、乗客の人命保護という方向に向かって事態は進んでおるように思います。  簡単でございますけれども、以上でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 運輸省の問題でいろいろ質問したいことがたくさんありますけれども、本日の段階は、運輸省としては取り込み中であろうと思いますので、差し控えさしていただきます。  国鉄の問題について質問をしたいと思います。  先般来、自民党のほうで全国の新幹線の計画を発表いたしましたけれども、新幹線の計画によれば、北海道は稚内から九州の鹿児島に至るまで全国をくまなく新幹線で結び、その延べキロ数が九千キロ、資金が十一兆三千億というたいへん膨大なものであります。この計画が実現をすればたいへんりっぱなものだとは思いますけれども、十一兆三千億という財源の捻出は一体どのようにやることになっているのか。この財源の当てがあるのか。国有鉄道として、もしこの全国新幹線網というものが決定をした場合に、現在の財政の状態でこの新幹線の建設と経営に取り組むということができるのかどうか。もしできるとすれば、在来線の補強については手抜きをせずに、なおかつ新幹線の建設を行ない得る力が財政の面であるのかどうか。それらの点について、国鉄の総裁から見通しなりあるいは計画なり等がございましたら御説明をいただきたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) ただいま御質問のいわゆる全国新幹線網の問題でございますが、まだ法律として正式に提案されたものでございませんので、つまびらかには申し上げられませんが、私どもも立案の一部のお手伝いをしたものの一人としての立場から申し上げます。  まず、いまの九千キロ十一兆の財源の問題でございます。これは非常に大きな政策的な問題でございます。私どものいまの国鉄の財政再建計画の中には、御承知のとおり、山陽新幹線の博多までの工事費、これは入っておりますが、これ以外の線については全然いまの再建計画の中には入っておりません。したがって、政府として、あるいは提案なさる諸先生方として、今後の問題としていろいろお考えくださることというふうに私どもは考えております。もう一ぺん繰り返しますと、山陽新幹線以外には現在の再建計画の中には入っておりません。  それから第二点の、しからばもしこれが逐次できていった場合に、国鉄の財政状態は一体どうなるのか、一体引き受けられるかどうか、こういう御質問でございますが、いまの私どもといたしましては、伺いますところによりますと、現在の九千キロを大体昭和六十年ごろまでにつくり上げたいというふうなお話でもございますし、その中にはたとえば四国と九州の、佐田岬から豊後水道のトンネル、あるいは本州と四国の架橋の問題、あるいは青森と北海道の間のトンネルの問題、非常にけた違いの大きな金の要る工事も入っておりますし、またキロ十億ぐらいでできることもあれば、非常に線路の態様がその地域地域によって違っておりますので、一がいに申し上げられませんが、ただ問題は、どういう金で建設ができるか、すなわち利子を払う金でやるかやらないか、あるいは利子を払う金といたしましても、そのうちの全部なのか半分なのか二分の一なのかという、いわゆる利子つきの金がどのぐらいウェートを占めるかということが決定的な要素に相なる、こういうふうに考えます。したがいまして、私どもいま山陽新幹線につきましては十分経済計算をいたしておりますが、いまいろいろ問題になっておりますそのほかの地域については、まだ具体的な経済計算はいたしておりません。ただ問題は、所要資金がどういう方面から確保されるかということが一番大きな要素でありますので、それがきまっておりませんと、実際の計算がなかなか出てまいりませんで、具体的な計算をいたしておりませんが、ただごくラフな私ども新線増のときにいろいろ考えました数字等から見ますと、大体現時点におきましても表日本と申しますか、あるいは裏日本と通ずる直通のルートというものにつきましては、半分以下の金が無利子であれば大体やっていけるんじゃないかというような感じがいたします。ただその場合に問題は、現在線を一体ほうっておくのかという問題になると思います。これは私どもといたしましては、現化の再建計画は昭和五十二年度まででございますが、五十三年度末に三兆七千億の資金投入をいたしたいと思っておりますが、五十四年度以降、これは正式な計画ではございませんが、年間大体二千五百億から三千億程度の工事費は現在線に投入したい。これは主としていまおっしゃったような現在線の強化に充てる金でございます。新幹線ができましても東海道でごらんのように、現在線が要らなくなるわけでは決してございません。主として旅客輸送の急行、特急とか、あるいは貨物の急行とか、これを新幹線に回しまして、現在線は一般の貨物輸送並びにローカルの通勤輸送に使いますので、これを強化しなければならないことは当然でございます。したがって私どもといたしましては、再建計画終了後も年間二千五百億から三千億の金は現在線に入れなければならない、こういうふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 財政再建計画は、山陽新幹線は入っておるがその他の新幹線は入っていないわけであります。山陽新幹線ができ上がったあとは、全国新幹線の計画はどういう形で、どういうことになるか、まだわかりませんけれども、かりに国会を通過をすると仮定をすれば、経済効果その他から考えて、次に着工するものは一体どこがいいのか、どういうところから着工していくのか、その着工した線区のうちペイすると思われるのはどういう線区なのか。あるいはまた赤字新幹線といったようなものが現在の九千キロの計画では出てくるおそれがないのかどうか。ちょっとわれわれ考えると、稚内あたりを新幹線が走るということになると、あの広っぱを十何両編成の新幹線が一回走れば一日分の客を全部運んでしまうということになるのじゃないかと思います。そういう赤字新幹線の問題が出てこないのかどうか、出てくるとすれば、それは建設をする前から赤字新幹線の問題については、一体将来の経営をいかにすべきかということも考えておく必要があるのじゃないかと思うのですが、それらの点もあわせて御答弁いただきたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 現時点でどこから着手するのが適当かという御質問は、たいへんむずかしい御質問で、御答弁いたすことがむずかしい点でございますが、ただ逆に申し上げますと、私どもといたしましては、一体昭和六十年なりあるいは昭和七十年なりに日本の産業立地なり日本の再開発というのはどういう形で進んでいくのかということが前提になるというふうに考えられます。したがいまして、いまのような大都市集中の姿のままで推移するのか、あるいは過疎化対策としていろいろな産業の分散、工場の分散等が行なわれるのか、その辺が、しかも私どものほうのような鉄道という小さい目からは、まだつまびらかにわかりませんが、日本全体の計画として今後全国的にどの地域にも——寒冷地も、またいまの過疎地域にも——産業が興り、あるいは大きな企業ができるということになりますれば、おのずから人の動きもまた物の動きもいまと姿が変わってくるというふうに考えられます。したがいまして、私どもといたしましての鉄道だけの目からこの問題を論議すべきでない。やはり経済企画庁なり、あるいは国会なり政府なり、広い高い次元でもってこの順位はきめられるべきものであろう。いままでの鉄道建設は、もっぱら私どもだけのささやかな経済計算でやってまいりましたが、これからはそれではいけませんので、日本全体の再開発という高い次元の角度からこの問題をお取り上げになるというふうに私は思いますので、いまの時点でどこが優先かということを私が申し上げるのはたいへん僭越と存じますので、ただ、たてまえといたしましては、鉄道という次元でなしに、もっと高い国全体の次元からこの問題をお取り上げ願いたい、こういうふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 そうすると、東海道の次に着工した山陽新幹線のほうは低い次元でもって国鉄がきめた、こういうふうにとれるわけです。その低い次元できめていくとすれば、現在おおむねどういうところから着手をしなければならないのかということも、参考までに聞いておきたいと思います。これは全国の開発計画といっても、これは前々からわれわれ主張しておるけれども、なかなかこれは絵にかいたぼたもちどころか、絵にもかかれない現状で推移をしていけば、国鉄だけの判断で、総裁のことばをかりれば、高くない次元でもってきめていく以外に方法はないのじゃないかという気がするわけです。それは在来線の強化の問題とも関係があると思うのでありますが、それらの計画はどのように進めていかなければならないか、その必要に迫られておるとすれば、その必要性はどの辺にあるのか、そういう点もあわせてお聞きしたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 具体的な例を山陽新幹線にとって申し上げますと、現在、山陽新幹線の大阪−岡山間あるいは広島−福岡間、この区間における現在の複線の線路容量と申しますか、使い方は、私どもが実は昭和三十三年に東海道新幹線の計画に着手いたしましたときの東海道線の線路の使い方よりも密度が高くなっております。すなわち当時、昭和三十三年の時点で、どうしてもあと五年たつと現在の東海道線では輸送ができなくなるということを想定いたしましたが、現在の山陽線はちょうどその当時の東海道線よりも、もうちょっと列車本数が多い、輸送密度が高い見通しを持っております。したがいまして、御承知のとおり現在の山陽新幹線は、いまの山陽線の複複線の線増をする、いわゆる線路を増設するということでもって鉄道建設審議会の御承認を願い、大臣の御許可を得たわけでございまして、いまの山陽線でやっていけないというたてまえから考えたという次第でございます。したがって、国鉄の次元でもって、むしろ輸送力の逼迫という点からのみこの問題をお取り上げさしていただきたいというわけでございます。しからば全国で、その山陽線の次にそういった状況があるかないかという問題だと存じますが、それはございます。たとえば東北線を複線電化いたしましたけれども、主として首都圏の範囲内における東北線、これは非常にやはり密度が高くなっております。あるいは信越線と上越線が両方使います高崎線、これも非常に密度が高くなっております。したがいまして、これは別に複々線をつくるということは、もうとてもできませんので、もし山陽新幹線のように、現在線が困っているという角度からこの問題を取り上げる場合には、いまの東北線あるいは高崎線等が非常に問題になります。西のほうにまいりますと、滋賀県の湖東線と申します京都−米原間が非常に困っております。これは御承知のように湖西線、琵琶湖の裏側につくる線路、これはつくっておる。これが一応できますと、一応一段落いたしますので、この辺はいいだろう。ただ問題は、やはり東京を中心とする東京の北の口が、しかも首都圏の範囲内で困っておる。したがいまして、東北線のせっかく複線電化ができましても、北のほうと南のほうとで非常に輸送密度が違っているという意味で、複線電化しても、とば口のほうが非常に詰まっておる、こういう現状であります。したがってそういう点から考えますと、山陽新幹線と同じような問題がそこにあるというだけは申し上げられます。しからばそれが再優先かということは、これは先ほど申しますように、別の角度からも考えていただきたいというのが私どもの考え方でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 財政再建計画、実際問題としていまなかなかいろいろ問題をはらんでいると思うのですけれども、これからの鉄道が新幹線形式を逐次とっていくということになると、在来線のあり方、使命も、新幹線の役割りも、全く過去における鉄道の姿とは別個のものになるということを考えなければいかぬと思うのであります。その場合に、財政再建計画というものは相当の手直しをしなければならないという事態が遠からず来はしないかという気がするのでありますが、その点はどうですか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 昨年つくりました財政再建計画は、主として現時点における輸送力、現時点における日本の国の産業立地等を中心として考えたものでございます。したがいまして、いま先生のおっしゃいましたように、非常に日本の産業開発が進んで、しかもそれに伴って全国新幹線網が一部ずつからでき上がっていくということになりますと、相当収入状況等も変わってくると思います。しかし私どもから見ましても、昭和五十三年度の時点までにいまの九千キロの大部分ができ上がるということは、これは考えられないというふうに思いますので、現時点におきましては、いまの財政再建計画、すなわち山陽新幹線だけを含んだ新幹線網を中心とした輸送力の推定をしているわけであります。今後非常に急激なテンポで新幹線網が延びていくというような事態になりますれば、これはおのずから輸送量も変わってまいりますし、したがって収入も変わってくるということを当然見直さなければならぬ時期がくる、こういうふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 首都圏の人口が急増しているわけですが、東京近辺では首都圏、あるいは大阪近辺、名古屋近辺、みな同様な傾向が出ているのかもしれませんが、最近、交通事故による死傷者の数をいろいろ調べてみますと、府県別に見ると、埼玉県が日本一であった。それが万博が始まったら、大阪が日本一になったというような数字が出ております。  交通事故の死傷者の数が多いというのは、国道における自動車事故と同時に、踏切事故等もあるのですね。特に最近は踏切事故が激増しております。先般も国鉄で、しばらくの間国鉄の死傷事故がなかったにもかかわらず、トラックと山陰線ですか、衝突して死傷者を出したという事故がありました。こういう事故は、列車の密度が高くなればなるほど、いかに警報機を設置しようとも、注意をしようとも、だんだん多くなると思う。それが単純なる形での事故であればまだ被害は少ないのですけれども、不幸にして複線区間でもって二重衝突といったような結果が出ると、鶴見事故あるいは三河島事故のように、大量の死傷者を出すということを考えなければならないと思うのです。そういう安全対策の面から考えると、今後は、高速鉄道はなるべく平面交差をやめて立体交差にする。こうしないと、これはあぶなくて、列車のスピードアップもできないのじゃないかと思う。国鉄では、たとえば最高時速、在来線でも百三十キロ出すような電車を走らせるような計画になってきている。電車のほうのスピードは早くなるけれども、レールのほうは相変わらず踏切を走っている。こういう状態では、これは事故が多くなるのはあたりまえだと思うのです。そこで、平面交差をやめて立体交差にするということになると、相当の建設費がかさんでくるわけでありますけれども、この際、従来の考え方というものを改めて、レールというのは道路と同じように考える。そうしてそのレールを有効に、国鉄のみならず私鉄も両方で使えるようにする。そうしてレールのほうの建設費というものは、国鉄の独算制のワクの中でくふうするのじゃなくて、それこそ利息のつかない金、というよりも、政府のほうの出資でもってそのような施設費というものをまかなっていくというやり方をとらないと、将来、在来線による通勤輸送というのは、どうにもならなくなるのじゃないか。つまり財政的にどうにもならなくなるのじゃないかという気がするのでありますけれども、そういう方法を国鉄もしくは運輸省で考えておられるかどうか、あるいはまた考えるべきではないかと思うのでありますが、どうでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。  鉄道の事故につきまして、鉄道自体の事故としては非常に減少をいたしておりますが、踏切事故につきましては、諸般の施策にもかかわりませず、なかなか減少していないという点は、まことに遺憾でございます。踏切道改良促進法という法律を六、七年前につくりまして、それ以降、踏切の整備あるいは立体交差その他につきまして非常に努力をいたしまして、若干減ってまいったのでございますが、また近年に至りましてその減りかたというものも横ばい、むしろ上昇ぎみになりまして、踏切事故が依然としてあとを断たないというような状況でございます。  これの解決につきましては、一つには踏切道の、通行なさるところの自動車その他の通行者側の安全通行といいますか、教育その他によって事故をなくするということももちろん必要でございますし、それから踏切道改良促進法等が意図いたしましたところの、踏切保安設備の整備の促進ということももちろんやらなければならぬわけでございます。そのほうの成果は、着々とやってまいっているわけでございますが、根本的には、ただいま先生御指摘のように、踏切における鉄道と道路との平面交差というものをなくするという方向でいかなければならないという点は、お説のとおりでございます。ただ、これにつきましては非常にばく大な金がかかります。したがいまして、一挙に全踏切を立体交差にするということはなかなかむずかしい点があると思いますが、運輸省といたしましても政府部内といろいろ相談いたしまして、これの整備というものにつとめておるところでございます。で、その立体交差の中で二つ種類がございまして、一つは単独の踏切を立体交差をするというような場合と、それから市街地あるいは近郊等におきますところの連続的な踏切の立体交差という二つの問題があるわけでございますが、特に大きな問題になりますのは、後者のほうがより問題としては重要であろうと思うわけでございます。これにつきまして、従来運輸省が官営当時に建設省と相談いたしました建国協定と称する協定がございまして、それによって負担区分をきめておったのでございますが、その負担区分ではなかなか踏切の整備ができないということでございまして、そこで私どもといたしましては、何とかこれを整備をする、そのために負担区分というものも改正をし、またその整備のしかたというものも改正しようじゃないかということで、運輸省と建設省の間で種々検討いたしました結果、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する協定というのを昨年の九月に締結をいたしまして、そうしてできるだけこれに基づきまして都市鉄道の立体交差化を促進しようということにいたしております。で、その趣旨といたしまするところは、都市における連続立体交差化の要望というものは非常に大きいわけでございますが、それは、一つは交通事故の絶滅ということもございますし、さらに交通混雑の緩和とかあるいは都市の再開発というような見地から非常に要望が大きかったわけでございます。そこで、この協定におきましては、一応連続立体交差化のやり方といたしまして、原則として都市計画決定を行ないまして、そして都市計画事業としてこれを行なうということにいたしました。そして、その費用負担の方法といたしまして、単独の、単純の立体交差化、つまり鉄道の線路増設を含まないところの立体交差化というものと、それから線路増設に伴って行なう立体交差というふうに二つに分けまして、線路増設を含まないところの立体交差化、単純立体交差化におきましては、原則として鉄道事業者が受益額だけを持つというたてまえでありまして、踏切除去に伴いますところの人件費が要らなくなったり、あるいは踏切に対する諸費用その他が要らなくなるというような各種の受益がございますが、そういう受益だけを鉄道事業者が負担をするということを原則、たてまえといたしまして、その他は都市計画事業者側が持つということにすると、それから線路増設に伴うところの立体交差につきましては、内容をさらに分けまして、線路増設部分は鉄道事業者がこれを負担をする、それから線路増設以外の既設線路の部分につきましては、原則として鉄道事業者は先ほどの単純と同様に受益額を持ち、その他は道路側が持つという基本的な原則を定めまして、今後これによりまして立体交差化を促進していくというたてまえで、鋭意いま作業を進めておる段階でございます。なお、とのほかにもただいま先生御指摘のようないろんな問題もあると思いますが、将来それにつきましては十分検討いたしまして、立体交差の促進につとめてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 鉄道の将来を考えると、私は幹線は将来は新幹線形態をとるようなことになるんじゃないかという気がするんです。それでローカル線あるいは貨物輸送、通勤輸送等が在来線の役割りになってくるんじゃないか、大体そんなようなかっこうになるんじゃないかという気がするんですけれども、まあもしそうなるとすると、財政的には通勤輸送も貨物輸送も、地域的な特殊な事情を別とすれば、概してもうけは少ない、要するに、まあはっきり言えば黒字にならないというところが多いのじゃないかと思うのです。黒字にならない限りは投資をしないということになりますと、通勤輸送なんというものはどんなにひどい目にあってもなかなか改善されないということになる。それでは通勤者にとってはまことにやり切れない話なんです。何とかしてそういう問題を解決をするためには、いまの国鉄の制度の中では実際問題として非常にむずかしいような気がするのです。それは制度、法律といったようなものを改めて、そしてその国鉄の施設の投資といったようなものは少なくとも道路並みに国で国家投資をやってめんどうを見る、そしてそのかわり経営のほうは国鉄も私鉄もあるいはまた地方自治体の経営の軌道も、線路をむだなく使えるような方法を考えていかないと、交通事業そのものが、特にレールを用いる交通事業そのものが、至るところで行き詰まりを来たすのじゃないか、こういう気がするわけです。そういうおそれがないということであれば幸いでありますけれども、もし現在の状況から見てそのようなおそれがあるとするならば、いまのうちに根本的に考えて検討をしてみる必要があるんじゃないかと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 今度の再建計画の中にも、御承知のように通勤輸送に約六千億の金を入れることにいたしております。これは主として東京、大阪を中心とする新しい線をつくる、いまの線路のままではやっていけませんので、新しい線路をつくるということでやっておりますが、これができますと、やはり通勤線だけを見ますと非常に大きな赤字になってまいります。したがって私どもといたしましては、どうせ大都市の通勤輸送はもう自動車ではできないのだから、鉄道をどうしてもつくるならば、いま先生の言われたように、道路と同じような感覚でもって鉄道ができないかということをかねがね主張しておるわけであります。政府出資その他をお願いしたのは、実はそういう理由であります。まあいまの再建計画の中にある投資だけは、とにもかくにも国鉄でやりますけれども、それ以上にさらに、さっきのお話のとおり首都圏が三千八百万だ四千万だというときには、ふくれあがったときには、これは現在の国鉄、私鉄のいま建設中のものを含めまして、現在線の輸送力ではとても足りませんので、その場合には全然別途に通勤高速線というようなものをつくって、いわゆる過密なき集中でもつくらない限り、いまの輸送機関ではしょい切れないという時点が必ずまいると思います。ですから、その際には通勤高速線については、やはり先ほどの御質問の全国新幹線網と同じような感覚でもってこの問題を取り上げていただきたい。すなわち、投資財源については国鉄の借金によらないで別な財源、すなわち利子のつかない金、まあ全部つかないまでも、三分の一でも無利子、三分の二でも無利子、とにかく利子のつかない金でもって少なくとも線路だけをつくるということをぜひやっていただきたいと思います。御承知のアメリカの、いまもう来年開業いたしますが、サンフランシスコの通勤輸送は、御承知のように線路は全部税金でつくっている、固定資産税でつくっている、車だけを代行事業体がつくりましてそうして運営をやる、線路は道路と同じように税金でつくっている、こういう例がございます。来年開業いたしますが、そういうふうな考え方をいずれ日本でも取り入れていただかなければ、この大都市の過密化がいまのようなテンポで進むとすれば、現在の国鉄、私鉄の輸送力は、いまやっている工事ができても、数年後には過密やもう飽和状態になるということが当然考えられると思います。私どもといたしましては、やはり少なくとも通勤鉄道の線路は道路並みのような考え方をとっていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 専門的な立場にある国鉄総裁が見ても、現状のままでいけば、通勤輸送はどうにも手の施しようがなくなるということははっきりしているわけなんです。そうすると、どうなんでしょうか、やはり根本的に国鉄の制度なり法規といったようなものを変えて、いまのサンフランシスコの例ではないけれども、レールというものは道路と同じような思想に立って、これはたとえば地方自治体が相当に地方自治体の実情に合わして計画をし、その経営はある程度国鉄なりあるいは公営企業が当たる、あるいはまた私鉄と共同で当たる、こういう形態をとっていくことはできないものかどうか。具体例をあげると川越線というのがありますけれども、その線路だけを見れば確かに赤字だけれども、首都圏の中にあって、もしここに投資をして複線、電車化をして便利がよくなれば、たちまち沿線の開発は急テンポで進むであろうということが見込まれる。残念ながら国鉄なるがゆえに、たとえば土地を見に来た人が、何しろ一時間に一本しかディーゼルカーが走らないという話を聞いて、たまげて帰っちまう。地価は上がらないかわりに開発は進まない。こういう現象もあるわけです。だから、こんなところは私鉄と国鉄とが相互に使えるように、共同で投資をする、あるいは地方自治体がその経営に参画できるような、地方の特殊事情を生かせるような形態というものを考えていく必要があるんじゃないか。私はいま川越線の例をあげましたけれども、全国にもそういう可能性を秘めた赤字線というのはかなりあるんじゃないかという気がするわけであります。その点についての総裁の考え方はどうでしょうか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 実はその問題は、私どもいわゆるローカル線の問題と関連していろいろ地元と折衝しております過程におきまして、いま先生のおっしゃったような考え方が少し浮かんでまいったわけでございます。なるほど国鉄がやりますと、どうしても幹線筋に主力がまいりまして、なかなかこまかいところに手が届かない。しかしながら、もし国鉄と地方自治体なり何なりが一緒になってある線の経営をすれば、その線路を中心として沿線開発ができるということは、私鉄の例を見るまでもなく明らかでございますので、私どもといたしましては、将来性のある、たとえば住宅に適する土地あるいは産業、工業に適する土地あるいは観光開発のできる土地などにつきましては、やはり地方の地元と一緒になってそういった開発をするということが一番手っ取り早いのじゃないか。いままで実は数年間いろいろ開発利益の還元というようなことがいわれまして、学者先生あたりのいろんな意見も聞いてみましたけれども、いずれも非常に実行のむずかしい、結局不動産業者から税金で取り上げたものを鉄道会社に渡す、非常にやり方としてむずかしいやり方でございます。そういうことよりも、いま私鉄のやっているようなこと、しかも国鉄にはそういう経営能力なかなかございませんので、地方の自治体等の知恵を借りて、そして地方と一緒になった沿線開発をすれば十分国鉄の沿線でも開発されるし、また鉄道事業としても将来性があるというところがあるということが大体わかってまいりました。今後具体的にもう少し問題を詰めまして、いまの現行法ではちょっとむずかしゅうございますので、あるいは次の国会等におきましては、そういった趣旨で、もう少し前向きの意味のローカル線の健全化と申しますか、そういうものをぜひ取り上げていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 いずれにしても、現行法で、しかも独算制のワクを忠実に守って進むということになると、国鉄はもうジリ貧でどうにもならなくなるんじゃないか。部内でも国鉄の再建については、これ疑問があるという率直な意見が表明されているわけでありますから、この辺で考えていい時期じゃないかと思います。  それから、これは多少こまかな話になって、財政の再建に足しになるほどのことかどうか、これはよくわかりませんけれども、この間私はこういうことを聞いたわけです。池袋から秩父まで西武鉄道が通っておりますけれども、そこへ、秩父まで開通したことを記念して特急電車を走らせた。この特急電車といったって、一日に何本も出るわけではない、夕方の五時三十八分という特急電車は平日でも満員になるという話を聞いたわけです。発車まぎわに行ったんじゃ特急券が売り切れちゃう、こういうことですね。何で満員になるかというと、通勤着がぎゅうぎゅうの目に会っていくのがいやな人が、百円かそこらの特急券を買えばロマンスシートにゆったりと腰をかけていかれる。だから百円くらいにはかえられないというので、通勤者がロマンスシートの特急券を買って乗る。だからけっこうそれが一ぱいになってしまう。ところが国鉄なんかの場合は、そういう点はなはだ融通がきかなくて、通勤者が急行へ乗ろうとしても、定期では乗せない。切符をあらためて買わなければならない、それほどまでにするんじゃばかばかしいからがまんして乗らないということになる。だから私鉄で行なっているように、定期でも、急行券なり特急券を買えば乗れるようにすれば——もっとも、とまらないところばかりあればこれは乗りようがないけれども、適当にとまっていけば——これはかなり利用者があるのじゃないか、こういう気がいたします。との辺でどうも国鉄はみすみす私鉄に比べて利益を逃がしているのじゃないかという感じがしたわけです。乗客も不便を忍ばなければならないし、国鉄もみすみすもうかるものをもうからない、こういうことがあるのですね。それから急行列車へ乗ってみましても、座席指定なんというのは幾らも人が乗らないのです。特に座席指定のグリーン車なんというのは、一人か二人しか乗ってない。そうして一般のグリーン車のほうは一ぱい乗っている、こういう例がある。なるほど座席指定のグリーン券というのは最低が八百円だ。ちょっと三十分くらい乗るのにそんなに八百円も出すのじゃばかばかしいと思ってこれは乗らないという人は少なくないと思います。やはり人間の心理からすれば百円や二百円だったらばまあ買うけれども、千円近くなるとそう手軽るには手が出ない。多少のことならくたびれてもがまんしてしまう、こういうことになるのですね。ところが八百円の指定券が、かりに一車で一人か二人しか乗っていない。それが三百円ならば一ぺんに十人も二十人も乗るということになれば、後者のほうが上がりが多くなるわけでしょう、理屈からいうと。その辺の乗客心理というものをもう少し巧妙に分析をしていったならば、もっとこれは収入を上げる方法もあるのじゃないか。収入を上げると同時に、財政も、利用者にも便宜を与えるということになるのじゃないか。これは一例なんでありますけれども、こういった点で、どうも国鉄というのは気がきかないような気がするわけですよ。それらの点について一々型にはまったやり方をするのじゃなくて、幅を持たして、それこそコンピューター等を駆使して、どの程度が一番人間の金を出す気になるような限界であるかということも調べて、運賃制度等についても検討してみたらいいのじゃないかという気がするのでありますが、その辺のところは、まあこれは財政全般には影響しないかもしれませんけれども、一例でありますけれども、どうですか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) いまのお話はもちろん財政全般に影響しないとおっしゃいましたけれども、やはりこれはそういうこまかいものを積み上げないと、財政状態はよくならないと思います。グリーン料金について御指摘でございますが、それは確かにお説のとおりでございまして、私どもいま時期は明確に申し上げられませんが、もう少し下げたいと率直に考えております。これは昨年の御審議いただきましたときに、いわゆる一等運賃を廃止しましたときの過渡的な措置として、中間運賃をつくりましたためにああいうふうになったわけでございますので、これは法律改正も要しませんし、しかも下げることでございますので、そう遠くない時期にぜひ調整したい、こういうふうに考えております。それと同時に、いまの座席指定の問題その他いろいろやはり百年のあかの積み重なった考え方がございますので、そういう点を相当勇猛果敢に国鉄常識的なものを破って、これから経営を進めていかなければ、なかなか立て直しができないということを率直に私も考えております。ただ、第一のほうのいわゆる私鉄、たとえば小田急もそうでございます、西武もそうでございますが、定期でもって急行に乗せていると、これは実はそう言っちゃたいへん申しわけないのでありますが、定期券の値段が全然違うわけでございまして、私どものほうは現在通勤輸送は五割五分引きでございます。私鉄は二割から二割五分でございます。ですから、そういう計算をいたしますと、普通運賃を払って乗っている客と大差ないというような計算をしているようであります。しかしそれはそれといたしまして、今後もっとこまかい、ことに旅客輸送については非常に心理的な問題がございますので、こまかい手の入り組んだ、しかも弾力性のある経営のしかたをしてまいりたいということを率直に私は考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 最後に、合理化の問題についてちょっと質問したいと思うんですけれども、この間もただいま管理局の係長クラスの人といろいろ話をしたわけですけれども、合理化だ合理化だということで国鉄の本社のほうからいろいろ締められるということですね。やみくもに人間を減らすことばかり合理化だと言っておられる。これだけの人間を減らすために金はこれだけやる、こういったような話なんですが、ところが人間のほうは言われたとおりに減らされている。来るべき金は話のように来ない。こんなことならばというぐちが残る。これでは組合と団体交渉をやっても組合を納得させるには非常にむずかしいということを率直に訴えていた人があったわけです。そういうような角をためて牛を殺す、こういう式のことをやっておったならば、私は決して金は残らないと思うんです。けちなほどがつがつしてみても、大きなところで抜けていりゃ何にもならぬわけです。しかも、その人が個々の設備の費用の単価について言っておりましたけれども、国鉄の単価は高いというんですね。もし一般に、たとえばクーラーであるとか何とかいうようないろんなそういったような品物でも、一般家庭でもって個人で購入をした場合には、実際に国鉄に入れる金よりもはるかに安い金で入れられるはずだと、こういうふうに言っております。この辺は非常に問題だと思うんです。これはその人だけじゃなくて、私は往々にしてそういう話を聞いている。まさにこれは決算の問題になってくるわけなんですけれども、合理化だ合理化だといって、かなり詰めているようではあっても、詰めているほうはこまかく詰めておる、抜けているほうは大きく抜けているということであっては何にもならぬわけです。合理化というのは、何かそういう名前は合理化だけれども、こまごまとしたところでけちけちして大きなところで抜けているというような、しかも、とんでもないところにいいかげんもうけさしておるといったような事例が、現場の中堅幹部の人から少なからず指摘されるというところに、私は国鉄の経営の面でも相当問題があると思う。そういう点は、やはり常識的な問題でありますから、掘り下げて検討すればそれこそほんとうの意味の合理化ができるんじゃないか。いまいわれている合理化というものは、決して部内の職員にいい響きをもって受けとめられておりません。そういう点は、これはまあ具体的な例をあげればもっといいのでありますが、具体的な例をあげましても、ちょっときりがございませんから、それらの点について総裁としての考え方を最後に伺いたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 現在やっております合理化は、いろんな面についてやっておりますが、以前と違いまして、とにかくある程度金を入れて、そうして近代化して作業を簡略化して人を浮かす、これは鉄道に限らずどの企業産業でもやっておることでございますが、むしろ私どものやり方がおくれていたと率直に思っております。したがいまして計画としては相当多額の金を近代化資金に入れまして、それである程度人を浮かす、それを必要な部面に配置転換する、こういうしかたでございます。したがいまして、これは現場あるいは下部機関におきましてはそう前進でないような仕事でございますので、相当抵抗のあることも私よく存じておりますが、しかしこれは昨年お約束いたしましたように、運賃も上げていただく、あるいは政府からも援助していただく、そのかわり国鉄自体もできる限りの近代化、合理化をせよ、こういう強い御要請もございまして、私どもといたしましてはいわゆる三本柱の一つとしてこれはぜひやっていかなければならないというふうに思っております。しかしながら、いま先生のおっしゃったとおり、そういう小さい合理化と同時に、もし大きな点において抜ける点があれば、これはもう問題でございますので、たとえば工事費の積算あるいは主要物品の購入等にいたしましても、相当厳重にやっておるつもりでございます。ただ、たとえば運転、保安等に関係いたしますものにつきましては、工事がよそより高いとかいうことは聞きますけれども、一般の物資等につきましては、私どものほうといたしましては、できるだけ安く購入させるということも考えております。もし、今後ともそういう点がありますれば十分戒めまして、大小取りまぜての合理化を全部やってまいらなければいけない、それほどの苦しい財政状態に追い込まれているということを申し上げておきます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは国鉄関係についてお伺いします。  初めに、国鉄の財政状態につきまして、四十二年度以降どのようになっているか、概略説明をお願いしたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 昭和四十二年度におきましては、先ほど御報告を省略いたしましたけれども、四十二年度の決算説明にございましたとおり収支の差額が九百四十一億、これは営業外の損益を含めまして純損失が九百四十一億でございます。四十三年度が千三百四十四億でございます。それから四十四年度は、これはまだ見込みがついておりませんが、現在予算委員会で御審議願っております予算書につけております見込みが千三百六十六億でございます。四十一年度までに累積の赤字が五百二十六億ございますので、いままでの分を累計いたしますと、四十三年度までで二千八百二十一億の累積の赤になっております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま伺いますと、猛烈な赤字でございますが、この国鉄のいわゆる赤字再建の基本的な方針でございますけれども、これについて、国鉄並びに運輸省の考え方を、まず説明を伺わしていただきたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) いま申しましたような非常に膨大な経営上の赤字を出しておるほかに、御承知のとおり長期債務、いわゆる長期の借金が約二兆、これは建設借金でございますから利子の問題がございます。これにつきまして一昨年政府におかれても非常に心配されまして、国鉄財政再建推進会議というものをつくられまして、いろいろな角度から検討していただいたわけでございます。  まず第一に、一体国鉄は将来どういう分野の輸送をやるのかということ、これは一番大事なことだということで、何でもかんでも陸上輸送を鉄道でやるということではいけないということで、将来の国鉄の輸送分野というものを三つにきめられたわけでございます。  一つは都市と都市の間の高速旅客輸送。これは新幹線式のやつ。二つは中長距離の貨物輸送。短距離の貨物輸送はこれはトラックにまかせるべきだ、長距離のうんと長いやつは船のほうにまかせるべきだ。中距離並びに中距離に近い長距離これを鉄道がやるべきだ。第三には大都市の通勤輸送。これは理論上国鉄がやらなければならないが、これは理論は別としても、現実問題として国鉄がやらざるを得ない。国鉄以外にやるものがないんじゃないかということで、大都市の通勤輸送。  この三つを将来とも国鉄が分担しなければならない輸送分野というふうにまず前提でおきめになりまして、それに対して現在のこの苦しい財政状態をどう持っていくかということを種々論議した結果、先ほどちょっと申し上げました三つに対策を分けまして、一つは、政府がある程度めんどうを見てやる。たとえば利子の補給あるいは六千三百億にのぼる政府からの借り入れ金の実質上のたな上げ、これを政府がやってやろう。さらに自治省の関係におかれましては、国鉄が納めております固定資産税、いわゆる納付金というものでありますが、これがばかにならない額である。いわゆる地方税として市町村に納入する一種の固定資産税の額でございます。これを大体三分の一くらい減らしてやるというふうなことを政府でやってやる。それから国鉄を利用する国民に負担をしてもらう、これは運賃値上げという形でもって負担をしてもらう、これが第二点でございます。第三に、先ほど瀬谷先生にお答えいたしました、そのかわり国鉄自体も思い切って合理化しなさい、近代化しなさいということで、国鉄自体の合理化、近代化。この三つを柱といたしまして、将来にわたってさっき申しました三つの輸送分野を今後とも受け持っていく。これが今度の再建計画の骨子でございます。私どもいまそれに沿いまして、いろいろ具体的な方策を練っておる次第でございます。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) お答えいたします。  ただいま国鉄総裁からお答えしましたが、昨年の国会におきまして国鉄財政再建問題というのが非常に御論議がございまして、その基本的な考え方は、国鉄の再建というものが単なる赤字企業の救済というようなことではなくして、国鉄が将来とも国民経済なり国民生活に対する役割りの重要性から、その国民の負託に沿い得るような性格の国鉄というものに将来をしていく、そうして、それをしていきながら国鉄の財政を再建していくという基本的な考え方だということが御論議になったわけでございまして、その結果、国鉄財政再建特別措置法の成立を見たわけでございます。そしてその法律に基づきまして、今後十年間にわたって国鉄がどういう具体的なやり方をしていくか、国鉄について、政府並びに国鉄等がどういうやり方をしていくかということを、昨年の秋でございますが、国鉄財政再建の基本方針ということで閣議決定といたしまして政府の意思を決定いたしました。そうしてその基本方針に基づきまして、先般国鉄からその具体的な国鉄のやるべき措置の内容といたしまして、国鉄財政再建に関する再建計画というものが運輸省に提出されまして、これを政府として了承いたしまして、その方向で今後推進していくということに相なったわけでございます。  その内容につきましては、ただいま国鉄総裁から申し上げましたとおりでございまして、国の助成それから国鉄自身の努力、それから一般国民の方々の御理解と協力ということで国鉄財政再建を遂げていくというのが基本的な考え方でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 国鉄は昨年の九月十六日に国鉄財政再建十カ年計画というのを運輸大臣に提出しましたですね。その中に赤字線の廃止についての計画内容があったと思うのですが、この具体的内容はどういうぐあいになっておったか、一ぺん伺いたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 私どものほうが出しましたのは二月でございます。いま先生のおっしゃったのは政府の基本方針の日付だろうと思います。これは昨年の九月十二日閣議決定のものでございます。これに基づきまして私どものほうが出しましたのは、ことしの二月でございまして、政府から承認いただきましたのが二月十九日でございます。これは国鉄としての再建計画の具体的内容でございます。昨年の九月が政府の閣議決定、ことしの二月が国鉄自体の計画、こういうふうになっております。しかし、いまの御質問の点につきましては、ほぼ共通でございますので、両方を私から御説明いたしますと、まず政府の方針、閣議決定の中には、いろいろ「合理的輸送体系の形成」ということの中に、「在来の地方閑散線並びに現在建設中」云々、これは政府の施策の方針の中の2の(2)の(ハ)でございまして、朗読を省略いたしますが、政府としては「道路輸送への転換が適切と認められるものについてはその転換を推進し」と、こういう基本方針になっております。それを受けまして、私のほうのつくりました、いま現にこれに基づいて実行いたしております再建計画は、これは全体の中のIIIの業務の能率化という中で、IIIの1の(2)で「道路輸送への転換が適切と認められる線区については、政府の基本方針の趣旨にのっとりその転換を推進する。」、こういうふうに書いてございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま、ちょっと私、質問を間違ったのですが、それじゃなくて九月の四日に国鉄の諮問委員会が出しましたですね、これに基づいて国鉄のほうでは十月に当時の中曽根運輸大臣ですかにその諮問の内容を提出したのでしょう。その内容、要するに赤字線の廃止についてのその計画内容、それを伺いたいというわけでございます。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) いまおっしゃいましたいわゆる国鉄のローカル線の今後の問題点というものは国鉄の中に国鉄総裁の諮問機関といたしまして原安三郎氏を会長とする国鉄の経営上の諮問委員会というものがございまして、その諮問委員会に対しまして前総裁が、一体、国鉄の赤字ローカル線をどうしたらいいかという諮問をいたしました。それに対しまして一昨年の、すなわち昭和四十三年の九月だったと存じますが、諮問委員会から答申がございまして、そのときにいわゆる八十三線区二千六百キロという問題が出てまいったわけでございまして、それは、私どもは別に大臣の御承認を得たものでもございませんが、私ども自体としての考え方をまとめたもの、こういうふうに御了承願いたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうしますと、当時出されたこのいわゆる意見書の内容というものは、国鉄当局としてはどういうぐあいにこれを受け取っておられるのか、ちょっとお聞きします。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 当時の諮問委員会の答申は、昭和四十二年度の数字を基礎にしていろいろつくられたものでございます。御承知のとおりヨーロッパにおきましてもアメリカにおきましても、いろいろ鉄道の斜陽化がいわれまして、そしてやはりどの国でもいわゆるローカル線の整理というものが行なわれております。それに対しまして日本では一体どうすべきかという角度からその問題が取り上げられたわけでございますが、私どもといたしましても一つの目安としてその問題を取り上げまして、そこに線名は書いてございませんが、大体八十三線区二千六百キロというものにつきましては、ほぼ各線ごとに相当具体的な詳細な調査を終わっておりまして、全部が全部道路輸送への転換が適切とも思いませんが、そのうちの大部分は、輸送の面から申しますれば私は十分道路輸送への転換ができると、こういうふうに考えておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 当時のその答申並びにその意見書ですね、それから今度の、ことしの二月に出ましたこの十カ年計画ですか、これに出てまいりますところの「道路輸送への転換が適切と認められる線区については、政府の基本方針の趣旨にのっとりその転換を推進する。」と非常に抽象的になっておるわけですね。まあ非常に後退しているのじゃないかと私は思うのです。そこで、実際問題として、先ほど総裁がおっしゃいましたように、計画では全国で八十三線区、二千五百九十キロですかのローカル線の赤字線は廃止する、要するに自動車輸送に切りかえるべきだ、こういうぐあいになっているわけでありますけれども、先ほど妥当だと考えられるところもあるというお話でございましたけれども、この全国八十三線区、二千五百九十キロのいわゆるローカル線について、国鉄としては最終的にどういうぐあいに考えておられるのか、また運輸省当局はこれをどういうぐあいに考えておられるのか伺いたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 先ほど申しましたとおり、私どもといたしましてはほとんどその全線の相当詳細な調査を終わりました。その大部分につきましては、輸送の面から見れば、現時点においては十分自動車と道路でやれるというような目安がついた。もちろんマイナス・アルファもございますれば、その後情勢が変わってそれに足すべきものがあるかも存じません。大体その程度のものは、概算で申しますれば現在の二万キロの国鉄の営業キロのうちの一割から一割二分ぐらいのものは、十分道路輸送に変え得る。ということは、私どもすでに数カ所の線路を廃止いたしまして、一番多いところで五千人くらいの自動車輸送を現在やっておるところがございます。そういった実績から申しまして、私どもその程度のものは、輸送の面から見れば道路輸送に転換できると思っておりますが、もちろん地元の方々からすれば、一日たとえ三回でも五回でも、ないよりましだというふうな角度から、いろいろな御反対もありますし、また先ほどの御質問のように、今後将来性があるのだ、この線はいまはだめだけれども将来性はあるのだというお話もございます。そういう点につきましては一線一線地元とお話をいたしまして、今後道路輸送に転換すべきものはするということをしてまいりたい。これは御承知のとおり国鉄だけではできないことでございます。運輸大臣、政府の認可がなければ私ども廃止できませんので、私どもとしては十分地元と話し合っていきたい。また地元と話し合う過程の中で、いろいろな話し合いのしかたがございますが、現在やっておるのは地元との間に協議会をつくりまして、そして一体それじゃいまは無理だけれども、一年たてばこういうふうになる。じゃ一年間待ってみよう。そしてほんとうにお客がふえ貨物がふえるかどうか、国鉄がそれに対する施策をすればそれだけの将来望みがあるのかどうかということを、具体的に地元の方々と委員会をつくって折衝を始めておるところもございます。いろいろ各地各地さまざまな地元とのアプローチのしかたをしているわけでございます。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 国鉄のローカル線の問題につきましては、先ほど申しました閣議決定の中におきましても、道路輸送への転換が適切と認めるものにつきまして、これの転換を促進する趣旨が述べられております。国鉄は、従来の置かれておる実情と変わっておりまする現在の交通体系におきまして、基本的には道路輸送への転換が適切なものはこれをどんどん転換していくということが必要でございます。そこで、ただ問題は、国鉄の経営だけの問題ではございませんで、これはその線区の個々の具体的な事情というものを十分に考えなければやはり処理できない問題でございますので、やはり個々の線区につきまして、その線区が地方交通にどういう役割りを占めておるか、あるいは代替的な交通機関というものがあるのかないのか、あるいは当該線区が鉄道網全体に対してどういう地位を占めておるか、あるいは総合的な国土開発計画あるいは地域開発計画というようなものとの関連で、将来そこが発展をするのかどうか、あるいはどういうふうなそういう計画があり、それとの関連をはかっていくべきであるかどうかというような点を、具体的にかつ詳細に調査をいたしまして、そういう点でまあ総合的な判断に立ってやっていくという必要があろうかと思います。なおその際、地元の方の御意見というものも十分に聴取をしながら、この問題について円満な解決をはかっていく、このように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この問題につきましては、結局口ではいろいろ言っておりますけれども、政府も国鉄も、ほんとうに真剣にこの再建ということを考えているのかどうか。この赤字線についてもちゃんとした一つの線というものがまだ出てないように思うのです。私は、実は何も赤字線を廃止せよという考え方じゃなくて、私は国民に実際問題いろいろな面から不安を与えている。先ほどの審議会の資料によりましても、はっきりと線区の名前が出ておりますし、たとえばいろいろな矛盾があるわけですね。たとえば、まあ具体的にいろいろありますけれども、申し上げますと、九州の高千穂線の場合を考えてみますと、この高千穂線の高森それから日之影という区間は、四十一年の一月にこれは工事に着工しておるわけです。そして高森−日之影間は着工しておって、その両側はいわゆる高森それから立野ですか、それから日之影−延岡という両側は廃止するというふうに入っておるわけですね。それで非常に矛盾しておるわけですね。こういう点ずいぶんあるわけです。たとえばそのほか只見中線というのでは、只見というところと大白川というこの区間は、四十一年の十一月に着工しておる。その後の審議会の資料では、大白川それから小出、それから只見−川口ですか、この区間は、それもこの両端になるわけですけれども、まん中だけ工事をして両側は廃止と、こういうぐあいに、非常に何といいますか、全国いろいろ調べてみますと、二十数カ所にわたってそういうところがずいぶんあるわけですね。地元の皆さんはそういうふうな姿を見ると、一体国鉄や運輸省は何をしているのかと、自分のところの線は赤字線だから廃止と言われておりながら、その線路に続いた先のほうは工事をやっておる。一体これから先どうなるのかという非常に地元の皆さんの不安が多いわけですね。こういうことについてどういうぐあいに考えているのか、伺いたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 赤字線といいますか、国鉄の諮問委員会が廃止すべき路線という勧告を出されましたものと、それに続いて新線建設を行なっている線というものがあるのは事実でございます。先ほど総裁から申し上げましたように、国鉄諮問委員会の答申は、これは諮問委員会としてそういう御意見をまあ出されたわけでございまして、これが国鉄なり政府の意思ということではございません。これにつきましては、先ほど申し上げましたように現地の具体的な実情というようなものを十分に考えて、そしてこの問題の処理を決定していくということになろうと思います。それでそれにつながります新線の問題につきましても同様でございまして、その赤字線等含めた、その当該線区を含めて、その新線というものを十分に考えまして、そしてその線区としての必要性あるいは将来性というようなものを考えてやっていく。いわば考え方としては一貫した考えで両者を扱っていくということで現在新線建設を行なっている次第でございます。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記を始めて。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 先ほどの答弁を聞いておりますと、真剣に両方を勘案してやっておるというような話でございますけれども、現実の面におきましては非常に工事に着工しておりながら全然進捗してないところが非常に多いわけですね。たとえば岩日北線というのですか、山口県ですが、これなんかはもうすでに着工してずいぶんになるわけですけれども、まだ全体の五%しか進捗してない。しかもこれに関連する線は廃止の線のほうに入っている。いろいろ考え合わせてやっていくと言っていますけれども、実際問題としては進捗状況等、もうまだまだのところがずいぶんあるわけですね。私は、こういうようなところ、いろいろこまかいことは言いませんけれども、ほんとうにこういう点、こまかい点にわたってやはり再建する方向で検討を重ねていかないといけないのじゃないか。しかもそういうふうな、いわゆる国鉄の赤字という問題について、先ほど総裁からいろいろ再建の方向について話もございましたけれども、現実の問題としてはそういうふうな赤字のしわが国民のほうにどんどんはね返ってくるんじゃないか。それが私たちにとっては一番心配なわけでありますけれども、この点についてはどういうぐあいに考えているか、まずお伺いしたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 現在建設中の鉄道新線でございますが、五十七線ございます。非常に多くの線を建設しているわけでございますが、そういった建設のしかたにつきまして、ただいま先生からいろいろ御指摘がございましたが、その線区の具体的な内容を見まして、たとえば急ぐ線とかあるいは比較的これについては十分の考慮を払いつつ建設をする線というような点で、若干工事の早いおそいというのがございます。それによりましてただいま先生御指摘のように、非常に工事が進んでいない線というのもまたあるわけでございます。  なお、この新線建設によりますところの国鉄の赤字の増大という点でございますが、これにつきましては新線建設の中でも私どもAB線といいますところの地方開発線あるいは地方幹線と申しまするものにつきましては、これがいわゆるローカル線に近いわけでございますが、そういったようなものにつきましては、その線に対する貸し付け料というものは無料にいたしまして、建設いたしました鉄道建設公団から国鉄に対しまして無償で貸し付けをするということにいたしまして、国鉄の負担というものを軽減をはかっておるということでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの問題、総裁いかがですか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 私どもとしては多少政府の御意見と違うことを申し上げるかもしれませんが、やはり今後いわゆるAB線、新線も含めてでございますが、それがどんどんふえてくる、しかも現時点あるいは数年後を見ましても当然経営上赤である、たとえ利子と償却費をただにしていただいてもこれはペイできない。それはいまの問題になっている赤字ローカル線よりもっと収支状況の悪いものがございます。これらにつきましては、これは政府の基本方針の中にはっきりうたわれておりますので、私はそれを非常に期待しておりますが、政府の基本方針の中に、ごらんのように、そういうものはもう一ぺん新線建設については見直すのだと、はっきりうたってくださっております。私はこれだけをたよりにいたしております。先ほど九月の政府の基本方針の中に、「建設予定の鉄道新線については、国民経済的観点及び当該地域の実情等から再検討を加え、」云々、こういうふうに入っております。私は、かなり政府は再検討を加えて、いま先生のおっしゃったような何十年たってもできないものをはたしてやるかどうかということを再検討なさることを私は非常に期待しておりますし、また、それが現在国鉄を利用している方々にしわを寄せない一つの方法じゃないか、こういうふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、そのしわ寄せの問題を具体的に一つだけ申し上げたいと思うのですが、ことしの二月一日から、「小口扱貨物の運賃計算重量の計算方の一部改正について」というのが国鉄から発表になりましたですが、これの貨物の値上げ率は幾らになっているのですか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) これはたしか一八%くらいだったと思います。これは全般の値上げでなしに、最低重量を三十キロから五十キロに上げた点だと私は存じますが、この最低重量の点につきまして申し上げますと、一八%くらいになっていると思います。——失礼いたしました。一二・五%の間違いでございました。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この国鉄のプリントによりましても、「この改正による平均値上率は、一二・五%です。」とちゃんと書いてあるわけです。実は、ここに私は運輸省に計算していただいた資料があります。この資料によりますと、この「一二・五%です。」というのが非常におかしいわけです。どういうぐあいにおかしいかといいますと、たとえば国民の一番利用率が高いのはやはり三十キロ前後が現在一番多いと、私はこういうぐあいに聞いております。そこで今回の値上げは、いままでのいわゆる最低の重量が三十キロであったのを五十キロにしたという点があるわけですね。しかも説明書きもありますけれども、要するに鮮魚とか、なま野菜等は現行どおりである。確かにそういう、なま野菜とか鮮魚等は現行どおりだから、それはそうたいした値上げにならないかもしれませんけれども、ところが実際に私はここに計算した資料がありますが、たとえば東京から大阪、これはたとえば生鮮食料品は確かにおっしゃるとおりに一二%の値上げですね。いままで三百四十円だったのが三百八十円ですから、一二%の値上げになります。しかしながら、たとえば生鮮食料品以外の一般の家庭のいわゆる反物なりそういうふうなものの値上げはどういうふうになるかといいますと、従来は三百四十円であったのが五百十円になります。ですから、五〇%の値上げ率ですね。また、たとえば東京から下関間の計算をした資料、これは私が計算した資料じゃなくて、運輸省で計算していただいた資料です。それによりますと、いままでたとえば生鮮食料は四百四十円であったのが四百八十円、ですからこれはたった九%の値上げです。それ以外の反物とかそのほかの品物になりますと、四百四十円であったのが六百九十円になります。したがって、五七%の値上げなんですね。これはこの資料によりましても、先ほど総裁が言い直しましたように一二・五%の値上げだといいますけれども、実際に私たち国民の生活にはね返ってくる値上げの率はどのくらいかといいますと、五割以上になるわけですね。私はこういう点から考えてみると、表面はあまり上げてないのだというようにおっしゃっているかもしれませんけれども、内容をよく考えてみますと、重箱の底をぼっと上げて、上は同じですよといっている感じと同じじゃないか、そういうぐあいに思うわけです。ただ単に一二・五%の値上げ自体も、私は国民にとっては重大な問題でもあるし、また、ほとんどの人が知らないうちに上げられたのじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) ただいまお話がございました一二・五%と申し上げますのは、国鉄がこの小口扱い貨物の運賃計算重量の計算方の改正につきまして試算をいたしたものが一二・五%でございます。小口扱いにつきましては、運輸省としては計算をいたしておりません。それで、先生のおっしゃいましたのはたぶん小口混載貨物の運賃料金のことではないかというふうに推察するわけでございますが、これはもう先生御存じのとおり、それはいま少量の物品の運送制度が複雑でございまして、通常の小口扱いと申しますのは、御存じのとおり鉄道、国鉄側が集貨、配達並びにまん中の運送というものを責任を持って行なう。ただし、その場合の運賃のしかたというものは、別個に集貨料あるいは配達料というものを、まん中の鉄道運賃というものに加算をした姿で運賃をきめていくというものがその制度でございます。  それから小口混載貨物でございますが、これは先生よく御存じのとおりでございますが、通運業者が荷主との間で運送契約を締結をいたしまして、そうしてその少量物品を集めまして、そうして国鉄の貨物輸送というものに委託をするというような形であるものが小口混載運賃でございまして、そうしてその小口混載運賃といたしますものは、鉄道運賃というよりも、むしろ全体としての通運事業運賃と申しますか、そういったもので顧客運賃が制定をされまして、そうしてその運賃の中で国鉄に対する鉄道運賃を支払うという形態でございます。で、その形態によりますと、これは集配料、単に配達料だけではなく集荷料、配達料等が加味されておりまして、若干国鉄の小口扱い運賃とは違っております。なお都市割り増し等もございまして、若干国鉄との扱いが違っておりますので、先生がおっしゃったような姿になっておるということでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうもごまかされそうで……。ほんとうに申しわけないんですがね、上がってないんですか、ほんとうに。私たちが荷物を、三十キロのものを送る場合ですね、小口混載の場合もあるだろうし、また小口扱いの場合もあるだろうと思うんですけれどもね。いままでの小口混載で送る場合、上がってないんですか、ほんとうに。小口混載の場合、私は、表は、これは今度の改正によってですよ、小口混載の貨物が、従来の値段からいまの値段に上がったということを、おたくから計算しておいてもらったんですよ。いまおたくの答弁を聞いていますと、全然私の言っていることが間違いだというように感じとれるんですよ、おかしいじゃないか、ちょっと。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 先生のおっしゃいましたことが間違いだと申し上げているわけではございません。小口混載貨物運賃といたしましては、ただいま先生がおっしゃいましたとおりでございますと申し上げたわけでございまして、たとえば生鮮食料品につきましては、改定前が二百七十円が二百九十円、東京−静岡でございます。反物につきましては二百七十円が三百四十円、それから東京−大阪につきましては生鮮食料品が三百四十円が三百八十円、それから反物につきましては三百四十円が五百十円にというように上がっておるわけでございます。これはもう先生の御指摘のとおりでございます。ただ、私の申しましたのは、ただいま小口扱い運賃という御説明でございましたので、小口扱い運賃じゃございませんので、いわばこれは通運事業者が荷主との関係において契約を締結いたしまするところの小口混載運送の運賃といたしまして、それがそういう形になっておるんだ。国鉄が締結をいたしまする小口扱い貨物運賃ではございませんというふうに申し上げたわけでございます。先生のおっしゃいますように、小口混載貨物運賃につきましては、いま申し上げましたような運賃になっております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、私の言っていることは、結局あなたはその答弁していますけれども、要するに上がったんでしょう、これ、こういうぐあいに。ちゃんと、こういうぐあいに上がったんじゃないか。こういうぐあいに上がったんだから、国民の知らないところで上がったんじゃないか、こういうぐあいに。国鉄が言っているところの一二・五%なんというのはインチキじゃないか、ちゃんと。それをあなたが答弁する必要ないんだよ、大体、これは総裁に聞いているんだから。だからね、一二・五%がこれだけの値上げじゃ終わらない、この値上げは小口混載の貨物であったにしても、とにかく小口の、たとえば私たち国民がですよ、いままで三十キロのものを送る場合、生鮮食料品以外であれば、これが全部五〇%近くの値上がりになる。そうなるでしょう、ちゃんと。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 先ほど国鉄総裁から申しました一二・五%と申しますものは小口扱い貨物運賃でございまして、これはまさに一二・五%でございます。ただ、先生御指摘のように、まさに小口混載貨物運賃につきましては、御指摘のような値上がりがあるわけでございます。ただ、小口混載貨物運賃というのは、先ほど申しましたように通運料金でございまして、通運料金として小口混載の顧客運賃ということでございます。その限りにおきましては、おっしゃいましたように国鉄の一二・五%とは一致しておりません。通運料金としての値上げを別途に出しているわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 要するに、もう一回お伺いしますけどね、小口扱いというのと小口混載というのとどう違うんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 小口扱い貨物運賃と申しますのは、国鉄が個々の少量の貨物というものを荷主から一個ごとに受託をいたしまして、そしてそれを自分の貨車に混載といいますか、まとめて積みまして、それを送りまして、そしてさらにそれを一個一個各荷主に配達をしたり手渡しをするというのが小口扱い貨物運賃でございまして、いわば国鉄が小口少量貨物としての運送責任を負いまして、荷主から受託をし、そうして引き渡しをするという性格のものでございます。  それから小口混載貨物運賃と申しますのは、これは荷主が通運業者との間で運送契約を締結をいたしまして、そしてその場合に適用される運賃は小口混載顧客運賃ということでございますが、そういう運賃によりまして通運業者との間で運送契約を締結をいたしまして、そうして通運業者は、そういうふうにして集まりました貨物をまとめまして国鉄に車扱いとして受託をするということになりました。そうしてその荷物を通運業者の責任でこれをさらに荷主に配達をするというのが小口混載貨物運賃でございます。そうして現在通運事業法という法律によりまして、小口混載の貨物運賃というものは通運の分野ということになっておりまして、そうして通運の運賃といたしましてこれを処理をしておる、こういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということはね、もう一回聞きますけどね、この運賃の面ではそれじゃ小口扱いの場合は一二・五%しか上がってないということですか。要するに、たとえば私個人が小口扱いで駅に持っていった、その場合、三十キロの品物を、反物を持っていった場合に、駅ではいままでと同じ、というより、いままでの運賃より一二・五%しか上がらないということですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) 小口扱い貨物といたしまして駅に託送いたしましたものにつきましては、三十キロのものを五十キロの最低計算重量にするということでございまして、そういうものの平均が、先ほど申しましたように一二・五%であるということでございます。それから小口混載の問題につきましては若干違いまして、これは小口混載として通運事業者との関係でございます。したがいまして、通運事業者と荷主との関係におきまして、先生が先ほどおっしゃいましたように、全体としてたとえば反物の場合には二百七十円が三百四十円に上がるというふうになるわけでございます。したがいまして一二・五%というわけではございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということはですね、私ははっきりするまではやりますけどね、要するに三十キロの品物をですよ、私が駅に小口扱いで持っていけば、五十キロ分の運賃が取られるわけでしょう、そうでしょう。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) さようでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、計算してみなさいよ、この運賃同じじゃないの。五〇%余の値上げになるじゃないの。すぐいまそこで計算してみなさいよ、五〇%の値上げになるじゃない。東京−大阪で計算してみなさい、東京−下関で計算してみなさいよ。いままで三十キロだったものが五十キロになるんでしょう。なるでしょう、五〇%の値上げに。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(山口真弘君) どう申し上げてよいかちょっとあれですけれども、国鉄の小口扱い運賃といいますのは、鉄道部分の運賃とプラスいたしまして集貨料、配達料というものがあるわけでございます。それでその場合に、その運賃計算重量というものを最低三十キロというふうにいたしまして、そうしてその最低三十キロというものを五十キロに改めたということでございます。それでこの一二・五%の計算と申しますのは、いろんなデータがございますものをやりまして、その平均が一二・五%である、こういう趣旨でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 はっきりしてください、はっきり。要するにこの小口扱いの荷物が三十キロのものを送ると五割値上げになるでしょう。総裁どうですか、これは。実際問題、いままで三十キロだったのでしょう、制限重量が。それが五十キロになったんでしょう。いままでは二十五キロのものでも二十キロのものでも三十キロ分の運賃をとられた。それが今度最低重量が五十キロになったのです。ということは、十キロでも五十キロ分の運賃、四十キロでも五十キロ分の運賃なんです。そうすると、私たち国民が一番多いのは三十キロ前後が一番多いというんです。だから例に三十キロの重量で計算すると、平均では一二・五%かもしれないけれども、実際はそうじゃない。私たち国民が一番多い荷物の値上げは五割以上になる、こう言っているのです。どこが間違っているのか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 先生の御質問の趣旨はよくわかりました。で、いま山口部長が申しておりますように、小口扱いというのは鉄道がじかにやるやつ、それから小口混載は通運料金を含めたものであります。通運料金が上がれば上がるわけです。今度やりましたのは小口扱い、鉄道が直接受け取る荷物、これは全体で二億トンの荷物のうち、たしか四万トンぐらいしかございません。で、最低運賃の三十キロだったものを五十キロに上げた、確かにその分については三十キロが五十キロに上がっております。しかし、私たちはこういう場合には全小口貨物運賃について言います。と申しますのは、たとえば旅客運賃でも、去年の一五%という場合でも、あのころもよく先生方から御質問が出ましたけれども、たとえば最低運賃は五割上がった、しかし上がらないところもあるということで、平均すれば一五%、これが私どもふだんの言い方で、何キロのものが幾ら、これは据え置きというふうに言えば、先生のおっしゃったとおりになりますけれども、全小口貨物を平均しての貨物運賃の値上げと申し上げますと薄くなりますので、先生おっしゃったとおり一二・五%になるわけであります。そこの一局部だけをつかまえればそういうことになります。しかし全体の小口貨物についていえば一二・五、こういうことになります。これは別にごまかしではございません、その局部だけについて言えばそういうことになります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの総裁の答弁はとにかくはっきり私は覚えておきます。で、実際それではことしから来年一年間、国鉄並びに運輸省で計算したその机上の計算ではそういうふうになっているわけです。しかしながら来年の実績を見れば、実際にどのくらい上がったかということははっきりするわけです。国民全体に対しても、もっとよけい上がるということは実際問題としてわかる。その点はよく私も心得ておきます。ですから来年の決算のとき、もう一回この問題を追及いたします。はっきりデータを全部出していただきますからね。そのつもりでいてください。  以上で私の質問を終わります。

沢田実公明党

○沢田実君 時間の都合もございますので、一点だけ国鉄関係の方々にお尋ねをしたいと思います。  新幹線の地盤沈下の問題ですが、調査の結果がわかりましたら教えてください。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) たいへん技術的な問題でございますから、担当の理事から申し上げます。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○説明員(長浜正雄君) 東海道新幹線の地盤沈下、これは主として盛り土部分のお話だろうと思います。高架橋でできております部分は、基礎が深く入っておりますからございませんが、盛り土部分につきましては、一般に土で構成されておりますので、特に工事中は地盤が沈下いたします。竣工後もしばらくの間は地盤といいますか、線路を敷きます路盤が沈下をするところもありますし、その使いました土の種類によりまして、あまり沈下しないところもある。これは場所によっていろいろ違う結果が出ております。

沢田実公明党

○沢田実君 いまおっしゃった盛り土のほうでなくて、高架橋のほうなんですが、岐阜県の安八郡のところで、高架橋が相当に沈下をして、たんぼが沈下して、農家の方々が非常に被害を受けております。その点、だいぶ前に調査方をお願いしておきましたが、その結果をお聞きしたいと思います。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○説明員(長浜正雄君) ただいま先生おっしゃいました岐阜県下の問題については、先般来、地元の方々からもお話がございましたし、また先生からのお話もございまして、われわれのほうで調査をいたしました。線路に直角の、いわゆるクロス方向の測量あるいは縦方向のレベルの測量もいたしましたけれども、沈下しておるような事態はございません。また高架橋とか盛り土部分が沈下いたしますと、何ぶんにも新幹線は高速で走っておりますので、一ミリ二ミリの保守状態を争いますので、そういう点については十分われわれも監視をしておりますが、そういう線路にも異状は出ておりませんので、沈下していないというふうに私たち考えております。

沢田実公明党

○沢田実君 そうすると、国鉄の検査の結果は沈下してないということですね。地元の農家の方々の話によりますとね、高架橋のところがずっと沈下しますと、その辺のたんぼが一緒に沈むわけです。ですから、その高架橋から何メーターかの間はたんぼが沈んでしまうので、稲を植えてもそこだけ水に隠れてしまうのです。そこだけまた盛り土をする。来年やるというとまた沈んでしまう。ここ二、三年そういうことをやっているということですが、国鉄の調査ではそういうことはないというのですか。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○説明員(長浜正雄君) ただいま先生おっしゃいましたようなお話を現地で聞いておりました。それで私たちも非常に問題でございますので、よく調査をしたのでございますが、高架橋そのものは沈下をしておらないのでございますが、あるいはまわりのたんぼが沈下をしておるかもしれないということで、調査をしたのでごさいますけれども、私たちが調べました限りにおいては、それほど測量に出てくるような大きな沈下が出ておらないわけでございまして、ただ先生おっしゃいますようなそういう農家の方々からのお話がございますので、私たちとしても非常に問題があると思いまして、その後も十分監視をしたり調査をしたりしております。なおかつ、先生御承知のように、苗しろの整備の問題などがあるようでございますので、私たちとしても側溝にあるいはどろがたまって、そのために水はけが悪いのではないか等いろいろなことを考えまして、そういうことを調べたりしております。なお今後も十分そういう点、地元の方たちのお話を聞き、われわれも調査をして、遺憾のないようにしていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。

沢田実公明党

○沢田実君 そうしますと、農家のほうはわかりましたので、実際にたんぼに水のついたときもう一回見ていただきたいと思います。それから実際に新幹線を利用する私どもは、安全ということについては心配ないというふうに理解してよろしゅうございますか。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○説明員(長浜正雄君) 新幹線につきましては、私たちもう絶対安全ということを第一に考えております。一週間に一ぺん高速で列車を走らせて調査をするとか、線路の保守状況の調査をするとか、万全を期しておりますので、どうぞ御安心してお乗りいただきたい、こういうふうに存じます。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記をつけて。     —————————————

北村暢日本社会党

○北村暢君 郵政関係の決算についてお伺いいたしますが、まず第一番目に、郵政事業特別会計並びに郵便貯金特別会計、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の従来の経理内容並びに今度の見通し等について、四十二年度においてはここで報告されておりますが、いま申した従来はどうだったのか、今後はどうなるのか、これは主としてこの特別会計の収支において赤字があったのかなかったのか、それが改善されて今後どうなるのか、運営の方針としてどういう方針をとっておられるのか、この点をまずお伺いいたします。

溝呂木繁郵政省経理局長

○政府委員(溝呂木繁君) 郵政事業特別会計及び郵便貯金特別会計及び簡保年金特別会計の三事業の特別会計を持っておりますが、一応郵政事業特別会計においてそれらの三事業を総合的に行なっておりますので、一応郵政事業特別会計の趨勢を申し上げてみたいと思います。  四十二年度決算におきましては、お手元にありますように、一応利益を生んでおります。これは昭和四十年度におきまして赤字予算を組みまして、その後四十一年度において料金値上げをしていただきましたので、四十一年度以降黒字を続けてまいりました。そして、四十三年度決算においても一応黒字を示しております。四十四年度の予算——まだこれは決算が終わっておりませんが、四十四年度の予算でも大体利益が見込み得る予算を組むことができましたが、今国会に提出いたして、いま参議院において審議していただいております四十五年度予算におきましては、実は歳出が歳入をオーバーすること約百三十三億円という赤字予算を組まざるを得ないようになっております。この原因は、ちょうど四十年度におきますと同様に、約五十数億の赤字予算を組みましたが、それと同じような傾向でございまして、その原因は、結局収入等につきましては、おおむね六、七%伸びてまいりましたが、支出のほうで仲裁裁定による給与ベースのアップというようなもので、大体一〇%近く伸びてきました。特に四十四年度におきましては、八%プラス千円、約一割の仲裁裁定が出まして、それに昇給原資を見込みますと、一四、五%の増を見込まざるを得なかった、こういうことで、郵政事業特別会計は、そういった意味においては相当財政的な危機におちいっているということが申し上げられるかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私どもは、郵政特別会計は従来赤字であるというふうに認識しておったのですが、そうすると料金値上げによって赤字を克服できたのは約三、四年は黒字になったと、もう四十五年度すでに赤字予算を組まざるを得ない、こういう状態のようでございますが、そうしますというと、これはいまの説明からいうと、人件費の値上がりというものは一四、五%であり、業務収入の伸びは六%だということになれば、四十五年度以降相当の赤字が累積していくような形にならざるを得ないというふうに受け取れますが、これは赤字克服の対策として、一体どういうようなことを考えておられるか、この点はこれは相当大きな問題ですから、ひとつ政務次官にお伺いいたしたい。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○政府委員(小渕恵三君) この問題につきましては、現在鋭意検討中でございますが、考えられますことは、一つには一般会計から繰り入れることによってその赤字をまかなうということであり、第二には何らかの形で借り入れを起こしまして、それによってまかなうことが考えられると思います。第三には最後の、料金値上げをもってそれらに充てるということでありますが、現在の時点におきましては、いずれの方法をとるかについては、まだ結論を得ておらない状態でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これからのことはあれですが、これから検討するということですからそれでようございますが、従来、郵政特別会計は相当な赤字を出しておりましたが、借り入れ金で処理をしたということはかつてあるのですか。

溝呂木繁郵政省経理局長

○政府委員(溝呂木繁君) 終戦直後におきまして、これはまだ郵政事業、電電も一緒だった時分に、一般会計の補てんを約三年間くらいだったと思いますが、毎年法律を出し、そして予算面で一般会計から繰り入れてもらったことがありまして、それが大体百二十三億円程度ございました。その後はそういった借り入れ金によりませんで、赤字の場合、四十年度においては持ち越し現金をもって充当。今回の四十五年度予算も一応持ち越し現金をもって充当というふうになっているというふうに記憶しております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 したがって借り入れというのは、先ほど政務次官から借り入れの方法はあるということでしたけれども、過去においてそれじゃ借り入れで処理したことはないのですか。

溝呂木繁郵政省経理局長

○政府委員(溝呂木繁君) 借り入れによって処置したことはないというふうに記憶しております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、お伺いいたしますが、最近の郵政事業について、新聞等をにぎわしておるのは、郵便物の滞貨の問題がいま問題になっているようでございますが、最近の郵便物の滞貨の状況というのはどんな傾向にあるのか。まずこの点をお伺いしたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 平常の年でございますと三月、四月期は平常月でございまして、特に郵便物の差し出しが多いというわけでもございませんので、滞留あるいは遅配、そういったことはないのでございますが、御承知のように、ただいま異常事態でございまして、つい四月一日まで東京都内において主要局で三割休暇戦術が行なわれておりました。また、きのうは名古屋地方、またきょうからは東北地方等におきましてやはり休暇戦術が打たれているということ。それから全国的に超過勤務手当の締結がございません。こういう状況が重なりまして、おおよそ百七十万から百八十万通程度の滞留が全国的にある見込みでございます。私どもといたしましては、アルバイトを多量にかつ有効に使用いたしまして滞留の配送に懸命に努力をいたしておる実情にございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 何か非常事態ということのようですが、世の中非常に平穏で、いま乗っ取り事件くらいがたいへんな事態なんですけれども、郵政の中には何か非常事態あるのですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 非常と申し上げたわけでございませんので、異常と申し上げたつもりでございますが、平常とちょっと違っておるという意味で異常と申し上げた次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 まあ私の耳が悪かったのでしょうけれども、いずれにしても滞留が事実問題として起こっておるということですね。これは三月二十九日の朝日新聞によるというと、郵便物の滞留七百万通と、こういうふうにいっているんですが、いまの御説明だというと百八十万通、だいぶこれは差があるようですね、表現の仕方において。で、どこを基準に滞留というのか、ちょっと私どもにわかりませんけれども、滞留ばかりでなしに、配達のおくれという問題がありますね。まあ普通三日かかるものが四日かかりゃ滞留という形になるでしょうが、その一番の基準というのはどこに置いて滞留というのか、そこでこんな大きな差が出てくるだろうと思いますね、基準の置き方によって。それはわかりませんけれども、新聞の報道とあなたの答弁じゃだいぶこう違うので、まだ二、三日しかたっていないのに七百万通の滞留が百八十万通の滞留に減ったと、こういうふうに受け取れるような御答弁ですがね。これは新聞の発表が間違いなんですか。いまの滞留の基準というのか、ものの見方が、記事の置き方によってだいぶ違っちゃうのだろうと思うのですが、新聞の発表とあまりにも食い違いまするので、ひとつそこら辺のことを御説明願いたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 郵便は計画的に時刻表に乗りまして、水のように流れていなくちゃならないわけでございますが、ある事由によりまして流れないで足踏みをすることがございます。つまり朝の一号便にかかるべきものがかからない。したがいまして朝八時ごろ現在において全国の郵便局で足踏みをしておる郵便物、実は前日に配達になっておるべきものが翌朝に持ち越されてたまっておる郵便物を全国で調査いたしまして、その時点において滞留物数を把握するわけでございます。新聞によりまして七百万通と書いてあるのもございますし、百七十万通と書いてある新聞もございますが、大き目の数は組合のほうの情報によるものでございまして、少な目の数は私どもの情報による正しい数字でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすると、労働組合というのはものを大げさにやるということなんでしょうな、あなたのほうから言わせれば。百八十万通と七百万通じゃだいぶ違いますからね。私は何かこう基準の取り方によって違っておるのかと思いましてね、普通三日かかるところが四日に基準をおろしゃ、これは滞留は減っちまうわけですからね。したがって、そういうことに差があるのかというと、組合もそれから当局も基準の取り方は同じなんでしょうかね。これ、同じじゃなしに、いまの言うように、流れておるものがたまっているというのは、各局の集計をするというと、組合のほうが大げさであって、いまあなたのおっしゃるのが正しいので、それじゃたいして滞留というのは起こってないということになるのですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 私どもの見まするところ、全国で百七十万通程度のものが滞留をいたしておる、こういうように見ております。組合のほうの把握のし方は、私はもちろん知らないわけでございますけれども、したがいまして、よけいな想像をするのはいけない、間違ったことになるかもしれませんが、たとえば朝の八時現在に郵便局にある郵便物というものは、実は百七十万通をはるかに上回った郵便物が現実にはある。それは予定の時刻表に従ってスムーズに流れております郵便物、つまりランニングストックというものは、これはいつの事態においてもあるわけでございまして、おそらく組合の把握のし方は、そういうランニングストックの部分をも幾らか取り込んだ数字の見方をしておるのではなかろうかと、こういうふうに推測をいたす次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その差のあるのについては、これはちょっと水かけ論になりまして、私それを確かめる力もないし、能力もないし、ただ新聞に出ているので判断するとそうだということですから、その点はそれでいいですが、異常事態というのはどのくらい続いてこの百七十万の滞留というのはさらにふえていく傾向にあるのですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 三月の二十五日から休暇戦術等が打たれております。そのころから少しずつふえ始めまして、一日に十万ないし二十万通程度、だんだんだんだんふえてまいってきております。ただし、ただいまは学校がお休みの時期でございますので、郵便局各局では学生等を多量に雇用いたしまして配送に懸命の努力をいたしておりますので、いつもよりもふえ方が非常に少ないという傾向が見られますが、このままでいきますると、やはり毎日少しずつは残念ながらふえていくのではなかろうかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 何か郵政大臣と全逓の委員長とがトップ会談をやって、何かものごとが解決するような方向に行っておるというふうに新聞では報道されておりますが、これはどういうことなんでしょう。トップ会談で話がきまっても、いまのお話ですというと、まだだんだんふえていくような、努力をしてもふえていくような話ですが、何か異常事態というものの解決の見通しというものはあるのですか。

中田正一郵政省人事局長

○政府委員(中田正一君) 先ほど郵務局長の答弁にありましたように、三月の二十五日から労働組合と郵政省との間の時間外労働協定の中央協約が無締結になり、そうしてまた休暇戦術も行なわれて現在まで至っておるのでございますが、一昨日の夜、郵政大臣と全逓の委員長との間で会見が行なわれまして、そこで闘争解決のためのいわば土俵を築くというようなことが行なわれたわけでございます。双方においてこれから早期に闘争を終結するという方向のもとで現在問題を整理して、事務当局段階で問題をできるだけ具体的に煮詰めて、さらになおかつ問題があればもう一度トップ会談を行なって、そこで最終的処理にしようということで、現在お互いに郵政省と全逓労働組合との間で精力的に問題を詰め合っておるという状況でございますので、私どもといたしましては、できる限り早い日時にそういった解決の時点に達したいというふうに考え進めておるところでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は全然郵政、全逓、この事業にはしろうとですからわかりませんが、この異常事態が起こった原因は何なんですか。賃上げとかなんとかという時期でもまだないようでございますがね。年末でもない。その異常事態が平年、普通であれば起こらないような時期にこの異常事態が起こっておるということのようですが、原因は何なんですか。

中田正一郵政省人事局長

○政府委員(中田正一君) 全逓労働組合の今回の闘争の指令によりますというと、郵政省の労務政策をこの際変更するということを求めて闘争を行なうのであるということを言っておるわけであります。で、具体的に労務政策の変更を求めるというのはどういうことかと申し上げますというと、まあ全逓労働組合は、郵政省は全逓を無視しておると、あるいは団体交渉を拒否しておると、あるいは全逓の組織に介入しておるということが見られるから、これをやめさせなければならぬというふうなことで今回の闘争を行なっておるわけであります。もちろんこの間には当局側、郵政省側といろいろそういった事柄についても話し合ってまいったわけであります。まあ郵政省といたしましては、全逓を無視しておるというようなことはないではないかと、また団体交渉拒否ということも、少なくとも中央においては細部にあたっての問題まで話し合って、たとえばごく最近のことで申し上げれば、年度末手当の交渉というふうなことも進めて解決しておるではないかということを申すのでありますが、まあ全逓のほうは、地方でいろいろ全逓無視あるいは団体交渉というか、話し合いに応じないというふうな事態があるから、そういったことを直してもらわなければならぬということを言ってきておったわけであります。郵政省側とすれば、少なくとも中央においてこういった円満な状態というか、団体交渉を無視しておるとか全逓を無視しておるとかいうようなことはない。省の方針は全逓も理解し得るはずではないか、地方においてもし中央の状態と違うようなことがあれば、具体的にそういう事実をあげて、その事実に即して中央で話し合って意思疎通を深めていけば解決し得るはずである。だから二十五日以降の休暇戦術にも入らぬでくれと、意思疎通を重ねていこうということを申したのでありますが、全逓とすれば、組合の立場からすれば、なかなかそういった面は省の言うとおりには理解できないというようなことで今回の闘争に入ったということであろうと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 どうもね、説明を聞いていると、本省段階におけるトップクラスの間では、労使関係は比較的うまくいって話し合いができておると、こういうようですが、末端ではどうもそういったようになっておらぬ、こういうことのようですね。これ、新聞によるというと、全逓側のほうからいえばルール無視をあえてするプロレス並みといっている。省側は暴力全逓といっている。全然話するようなかっこうになっていないということを言っておるのですがね、どうも労使間における不信感というものがあるようですがね。中央でものをきめても下のほうにはそれがおりていかない、下のほうでは郵政局ごとに本省の言うことをきかないで、かってにやっておる。こういう事態が出ているのじゃないか。たとえば、ここにこの間から新聞をにぎわしている東京杉並の場合、あの場合には具体的に監視労働が行なわれている。それは東京郵政局から人員が派遣されて監視をやっている。ストップウォッチを持って、一人か何人か知らぬが、うしろに立ってしりをたたいて仕事をさしておる。こういうことが行なわれているということは中央でわかっているわけでしょう。それは中央の指示でそういうことをやらしているのですか。そこら辺のところを、何かあなたの言うことを聞いているというと、私は理解できないのですがね。

中田正一郵政省人事局長

○政府委員(中田正一君) 杉並局の問題が指摘されましたので、少しく杉並問題にさかのぼって説明さしていただきたいと思います。  最近、新聞で取り上げられておりますのは、ごくこのごろの事情、いわゆる監視班というような事柄を中心にいろいろ出ているわけでありますが、実は杉並局問題については、こういう経過がございました。まあ、もともと業務運営上いろいろの問題がありまして、仕事が完全にいっていないというので、いろいろの面から努力しておったわけでありますが、その一つとして職場の規律が十分保たれていない。郵政省と全逓との間に労働協約を結んで労働時間というものをきめてある。ところが現場へ行きますというと、その労働時間が現実に守られていない。朝の出勤時間もいろいろの名目でもって少しずれておる。あるいはその他いろいろ問題がありまして、そういった規律を正すというようなことで、昨年秋、現場で諸措置が、たくさんの措置がとられたわけであります。それに対して職員、組合が反発して、去年の十一月の末に杉並の現場で郵便物をためようという闘争が行なわれたわけであります。杉並は一日十万通ぐらい配達する郵便局でありますが、三十万ないし四十万あるいはもっと多かったときもあろうかと思います。それほどの郵便物が停滞いたしまして、区民の方々に迷惑をかけたという事実がございました。年明けて一月の中ごろに現在の法制上のたてまえ、これはそういったサボタージュとか何かをやってはいけないというたてまえでございますので、指導者について解雇、その他十数名の行政処分を行なったわけでございます。そういたしましたところが、これは一月の中ごろからまたあらためて郵便物をため始める、能率が低下するという事態が起こって、国民にまた御迷惑をかけるということになりましたので、東京郵政局から二十数名の職員を派遣して、いろいろの対策を講じたというわけでございます。これを世間では監視班と称しておるわけでありますが、郵政局からはこれはいろいろな対策を講ずる、どういうような作業が行なわれて能率が低下しておるのか、どうすればそういった事態が改善されるのかというために、職員の作業能率ももう一度測定し直すという必要があるために、ストップウォッチを用いたということも事実でございます。そういうことがございました。このことについては東京郵政局が派遣しておりますが、当然郵政省としましても、本省としても承知しておるところでございます。そういった事柄について本省、全逓本部との間でもまたいろいろ話し合いが行なわれました、二月の初めごろ。二月の十日ごろに全逓本部と郵政省との間で基本的な話し合いを行ないまして、またその線に沿って東京郵政局と全逓の東京地方本部との間でも話し合いを行ないました。二月十二日から杉並郵便局においても時間外労働協定を結んで、平常な状態に一応戻ったわけであります。その際に、いろいろいわゆる監視班の引き揚げというようなこと、組合からも問題が出されました。郵政本省としては、これは時間外労働協定を結ぶ条件というようなことにはなり得ない、時間外労働協定を結んだ後、仕事の進みぐあいによって、業務の運行状況に応じて措置するというようなことを本省としては申したわけであります。それに対して全逓側といたしますれば、まあ期待が非常に大きかった。郵政省としても、当然業務運行上措置するということでありますから、業務の平静への戻りぐあいを見て、対策班いわゆる監視班の措置も考えるということで、仕事の動きを見ておる。東京郵政局としては二月の二十日ごろ二十数名の対策班を七、八名に減じたわけでございます。しかし労働組合側とすれば、そういった措置がもう少しすみやかにいかなかったであろうかというようなことについて不信の目を持ったということであろうとわれわれ推察します。それからまた、七、八名残っておったわけでありますが、郵政省といたしましては、これは全部引き揚げるまでにまだ至っていない、業務の運行状況に応じ措置するということで、まだ七、八名の職員はとどめおく。さらに能率の低いものについていろいろの作業のしぶりを指導する。たとえば作業の方法を映画とかスライドでもって、こういう方法で行なえば一番能率があがる、やりやすい仕事であるというようなことから教えていくというようなことも行なってまいったわけであります。しかし現在におきましては、もうそういう事態ももはやよろしいであろうというので、杉並局は三月二十五、二十六、二十七日休暇戦術を行ないましたが、このときは若干また人を増派しましたけれども、その後よろしかろうということで、三十日からは、いわゆる対策班というものは引き揚げまして、あとほんとの業務指導と申しますか、そういう者だけ五、六名残した、いわゆる監視班は引き揚げたという状況でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私、いまの説明を聞いて、まあ当局側に落ち度なく、組合がサボっているから監視をした、こういうふうに受け取れるのですが、これは、私はある職場で——全逓の職場で監視班をやっている、監視労働をやっている現場を見たことがございます。ある郵便局でやっているのを私は見たことがある。これは非常識もはなはだしいですよ。この新聞でも書いておりますように、遅配の解消を監視下の労働でというやり方は、決して職員の士気の向上につながらない。国の事業というよりは中小企業の争議を思わせるものがあるというのです。この批判は、私は全く当たっていると思う。これは便所へ行くのも、ちょっと長くなるというと、何で便所、長くなった。——便所に行くまでこれがついておりますね。これはまあ八時なら八時に作業を開始しておるわけです。ザアーッとこう出てきて、もうちょっとおくれているというと、おい、何で仕事をやらない。——こういうことです。五人か六人に一人の監視官がついて、これがもううしろで見張って、ずっとやっています。まるで人権じゅうりんというか何というか、そういうことが——いまこの進んだ世の中でこういうことが国の事業の中で行なわれているのですよ。いかに労働組合に非があり何があって、対策班だか何だか知らないけれども、あなた方がそういうことを指示してやっているに相違ないのです、これは。それで労使間の信頼感を取り戻すとか、何だの言ってもお話にならぬ、この郵政当局の労務対策というものは。それだから労働組合がその問題をいま取り上げてやっていると思う。賃上げでもなんでもない。郵政省のとっておる——郵政当局のとっておる労務対策に対して、労働組合側が——あんなおとなしい全逓労働組合が——宝樹さんという人は、あなた労働組合の中でも一番右のほうでしょう。そういうおとなしい労働組合——ものを話せば一番ものがわかる労働組合だ。それがいま賃上げでもなんでもない。あなた方のやっていることに対して——労働組合対策に対して、いまこういう混乱が起きているのでしょう。あなた方は、一体社会的使命として、郵政事業のこの社会的要請について、信書というものをなるべく早く届けるという使命感を持っているわけですよ。あなた方は、それより以上に、とにかく労務対策のほうが大事なんで、そういう公共的な使命よりも、労務対策のほうを優先しているじゃないですか。それが今日こういう滞留が起こっている大きな理由じゃないですか。これは否定する何ものもないですよ。私は、こういう争議でこういう状態、紛争が続いているということは、郵政当局と全逓労組の間で紛争するのはあれだけれども、国民から言わせればとんでもない、ありがた迷惑ですよ、こういうことを続けているということは。国民の側から言わせれば断じて許されないことです、これは。こういう点ははっきりしていただきたい。

中田正一郵政省人事局長

○政府委員(中田正一君) 仰せのとおり、郵政省といたしましては、国民の負託にこたえて郵便業務その他の郵政業務を円滑にとり行なうという責任があるわけでございます。そういった郵政業務の完全な運営というために、いろいろの施設も改善し、また労務管理、人事管理も行なっておるわけでございまして、業務に優先して労務管理があるなどということは、郵政省としては毛頭考えるところはないわけでございます。あくまでも業務を円滑に処理するための労務管理と、そういう立場から労務管理を行なっておるわけでございます。したがいまして、先ほど御指摘のいわゆる監視班の問題にいたしましても、これは例外中の例外でございまして何ら格別問題ないと。普通程度に仕事が運営されているというようなときに、このような対策班の措置を講ずるということはございません。最初にるる申し上げましたように、杉並局につきましてはいろいろの経過があったわけでございます。昨年来のそうしたことで、ことしの一月半ばから、また郵便物をほうっておきますれば非常な滞留になりそうであると、またなっておったということで、やむにやまれずに緊急の臨時措置として行ないましたものでありまして、先ほど申しましたように、現在では杉並局でも監視班は引き揚げておるという状況でございますので、この点事情を御了承いただきたいというふうに存じます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 杉並の局ばかりでないですよ。あなたのところは、どこでもやっているじゃないですか。この監視班だの何とかいうのは、その地方地方の郵政局で当局の一貫した戦術としてやっているのかと、私はそう思いますよ。去年も、おととしもやっているじゃないですか。それは問題のあるところをやるのだと、こうおっしゃるけれども、私は、郵政局のやっていることが何も落度なしで、労働組合だけが悪いから特殊な事態でやる、こういうことにはならぬですよ。私は、ある事件の起きたときに行って見ておるし、聞いてもおるが、管理者が管理者のつとめを果たしていない。それで紛争が起こっているというのがたくさんあるのですよ。これは、管理者のほうに何も落ち度なしに、労働組合だけが悪いというふうに受け取れるけれども、紛争というからには何らか原因があって起きているのです。そういう点においては、私はやはり厳密な反省というものが必要だと思う。

中田正一郵政省人事局長

○政府委員(中田正一君) ただいま御指摘の、労働組合にだけ非があって、当局側に何らの責任もないという考えでやっておるのではないかということでございますが、われわれ必ずしもさようには考えておりません。杉並郵便局の場合にいたしましても、郵政省としては全逓が悪い、労働組合が悪いというふうに断定しているわけではございませんで、最初にも申しましたように、その局に職場規律の乱れておるという実態があった。これは事実でございます。これは組合がどうというふうにわれわれ断定しておるわけではありませんで、職場規律が乱れるということについては管理者としても責任の一半を負わなければならぬわけであります。中央協約できめられたものがそのとおり行っていないということについては、これは職員側にも、またそれをそのまま黙認しておった管理者側にも、これはおのおの責任があろうかと思います。でありますから、われわれは組合が悪いというふうにきめつけるのじゃなしに、そこに乱れておる職場規律を直すために、いろいろの努力を払っておるということでございます。現場における職場規律が乱れておるということについては、これはもう郵政省としても、また管理者の立場からも、十分反省すべき点は反省しなければならぬというふうに思っておるのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、何も直接労働組合に関係があるわけでも何でもないのですけれども、実際問題として特に、こういう問題が起こったということ——賃上げでも何でもない問題。これは労務対策とか何とかのやり方がひどいとか、ひどくないとかいう問題で、これが起きているわけです。ですから、もう少し労務対策をやるというのでも、近代的な感覚でもって労務対策をやっていただきたいと思うんですよ。それは今日、労務対策は非常に重要な一つの部門であることは私も認めます。認めますけれども、あなた方、中央で考えていること——それが末端に行くというと、かつて、あなた方が管理者教育をしたそのままのことが——何年前かに管理者教育したことが、そのまま下では行なわれている。何ら労務管理に対して近代的な改善なんて加えられておらない。そのまま末端において仕込まれたとおりに行なっている。そういうことですよ。そういうことが今日の紛争を起こしている。時代が変わっているんですから、労務管理ももう少し近代的な感覚でやってもらわなければ、まるで見ていてびっくりするくらい。いまどきの世の中にこういうことが行なわれていた、能率検査という名前のもとに監視労働をやらして、紛争をこじらしているんでしょう。ストップウォッチを持って、これは能率の調査をやっているんですと言いながら、ちょっとやり方が悪いというと、何やっているんだという調子で、まるでいまの世の中で考えられないようなことを、あえてやっているんですね。これでは私は、労使問題がこじれる一方で、杉並問題も解決したとは言うけれども、決してこれは、ほんとうに心から納得して解決しているんではないと思うんです。一たんそういうことをやると、労使間のしこりというものはなかなか二年や三年で取れないですよ。そういうものでしょう。そういう点をもう少し近代的な感覚でもって下部を指導されるように私は期待もするし、それが郵政という公共事業を受け持っている、公共のために事業を遂行するという、そういう方向で行ったならば、労使間で必ず私は一致点が出てくると思うんです。そういう努力というものなしに、話を頭からわからないという形でやるから、もうまっこうから対立と、こういう形しか出てこない。労務対策をとりながら、とったとか、とらないとかいう問題で、ああいうことになると思うんですね。だからもう少し今後の改善策というか、労務対策について、私は近代的な感覚を持った形でひとつ処理していただきたい。こういうことを要望して、私の質問を終わります。

長田裕二自由民主党

○長田裕二君 ちょっと関連しまして質問したいのですが、北村委員からただいま郵政の労使の紛争が郵便の遅配という現象を起こして、国民にたいへん迷惑をかけていると、また労使の紛争の姿というものが、いまの状態から見てあまりりっぱではない。近代的とは言えないというような御指摘があったわけでございます。確かに世間ではいまの郵政の労使関係の紛争の状態というものが、一般の労使関係にあまりない姿を見せているという見方がかなりあると思うわけでして、それをどこからのスタートと見るか。監視班の派遣というようなことがあって、それに対する反発からそうなっているのか。あるいは、もっとほかの事情——よその労使関係にないような事情というものがあるかというようなことが大きな問題ですし、また、それに対する対策も、その認識が正鵠を突いているかどうかということによっても、いろいろ違ってくるかと思うわけで、郵政労使関係の特殊事情は、どういうところにあるかということについて、私は一つ二つ御質問したいわけです。  まあ郵政の労使関係の特殊性というと、例の昭和三十三年の春闘で馘首されました全逓の幹部七人、その結果郵政の労使関係が当時の公労法のもとでまあ断絶といいますか、正常な団体交渉を持つことができなくなった。それに対して団交再開闘争というものが持たれまして、その手段として、その目的を達成するためにいわば職場闘争、そのころ向坂方式による職場闘争というものが——世間でそう呼ばれているような職場闘争のやり方というものが、数年間にわたって全逓の職場にある程度学習活動として行なわれていったというふうに私は思うのです。もっともその間の労使の団交、正式の団体交渉を持たれなかった事情というものは、三十四年の藤林あっせん、あるいはその後のILO条約の批准、公労法の改正ということによって目的は達しられたわけですが、どうも各地で起こりますものに、そのころの職場闘争——いわば向坂方式による職場闘争、私が当時その刷りものによって見ましたところでも、第一線の職制の機能を麻痺させ、業務に相当の混乱を起こさせる。そういうことによって管理者側に自分のほうの意思を事実上認めさせるということを目ざした闘争、それが団交再開後に、非常に残念なことに若干の職場に——多くの職場は、そういうものはなくなっていったけれども、若干の職場にまだそれが残ったままになっているのではないか。ただいま遺憾な現象がいろいろありますが、その背景としてそういうものがあるのではないかという気がしますが、これにつきましての御見解。それから省として、そういうものをなくするいろいろなやり方がありますれば、どういうやり方でそういうものをなくするか——まあないとすれば別ですが、なお残っているとすれば、どういうやり方でこれに対処をしようとしているか。あるいは組合側に対して、それに対してどういうことをしてもらうようにやっているか。あるいは労働組合側も努力をいろいろやっているかどうか。そこらの事情につきましてお尋ねをしたいと思います。

中田正一郵政省人事局長

○政府委員(中田正一君) ただいまいろいろお示しのあったようなことが、現在における職場規律の乱れておるところがなお若干あることについての背景でもあろうというふうに私どもも思うのでございます。まあそういったことで、十数年たちましたので、相当改善された局が多いのでございますが、いまなお職場規律の完全にいっていないところ、あるいは中央協約を上回るところの現場限りの労働慣行、私どもの立場から言えば悪労働慣行というようなものもあるのだろうと思うのでございますが、こういった事柄の改善についてはいろいろ苦心し、努力しておるところであります。まず、そういった職場の規律の乱れ、あるいは好ましくない労働慣行というような場合に、こういう方法で取り進めているわけであります。慣行までに至っていない規律の乱れ——勤務時間がきちんときまっておる、にもかかわらず特定の職員について見るというと、勤務時間を厳守しない者がおる。こういったことは、これはその職場のまだ慣行までに至っておりませんから、個々の職員について、規律を守るように注意を喚起して、規律を守らせるように直していく。これはもう労使関係以前の問題でございます。個々の職員について、そのつど改めさせるということ。  それから、もう一つは、労働慣行化しておるもの——よかれあしかれ慣行化しておるもの、労働組合に言わせれば、これは何も組合だけの責任ではないではないか。管理者もその一半の責任はあるであろうというような主張をするわけであります。事実、そういうことによる場合が多いわけでございます。まあ、こういった事柄については、よかれあしかれ、その職場で長年の間あるいは長い時期、そういうことが行なわれておるとすれば、それはやはり労働組合と折衝して、そういった事態を是正するということを、やはりこれは話し合いしてみるという努力はしなければならぬ。協約を上回る慣行であるから、これはもう当局側の一方的措置ですべてやれるというふうには、必ずしも考えていないわけでありまして、組合と意思疎通して、話し合いして直されれば一番理想的だと思います。しかし、これはなかなかそうもいかない場合には、これはやはり話し合いいたしまするけれども、ある一定の段階に来ますれば、これは中央協約を上回るところの慣行でございますので、問題の大小、軽重によりまして、話し合いの期間とかいうものは、おのずからこれはまた違ってきますし、また話し合いの期間を打ち切って、万やむを得ない、一方的に是正するという場合でも、労働組合法の精神に基づいて、これは協約ではないけれども、大事をとって、協約であったとした場合の措置に準じて、相当の期間を置いて通告して、新しい方向に切りかえる。また、それほど大きな問題でなければ、そういった労働組合法の協約廃棄の通告に準ずるというようなことまでしないでも、まあ、もう少し小型の方法でよろしいんではないかというふうに、問題の大小、軽重によって、そういった切りかえの期間を置いて措置をしていこうというようなことで、まあこういった事柄については、最近も組合といろいろ話しておるところでございまして、何も労働慣行について——悪労働慣行について省が一方的に組合を無視して、すべて行なうというものではないわけでございます。ただ繰り返して申し上げますが、事柄の性格上、最後は話し合いが完全に成り立たない場合であっても、中央協約との関係上、最後の場合には省の責任において改善するということだけは、これは保留しておかなければならないということで、これもまた組合に明らかにして、そういう前提でいろいろ話し合いを続けておるところでございます。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記を起こして。

沢田実公明党

○沢田実君 電電公社の方々にお尋ねをするわけですが、私がお尋ねをいたしたい趣旨は、電話が現在申し込みましても二年ぐらい取り付けにかかるわけですけれども、一日も早く、申し込んだらすぐ電話がつくようにしていただきたいことと、決算書を見ますと利益がだんだん少なくなって、やがて赤字になるんじゃなかろうかというような決算の状況ですので、公共料金の値上げということは物価の関係からも好ましくありませんので、電話料金が値上げになるなんということのないように、いまからいろいろ考えていただきたいということで、若干質問をいたしたいと思います。  まず、四十二年の決算でございますので、四十二年度の電話の申し込み数、それに対してどのくらい架設ができたのか、さらにまた、おそらく第三次五カ年計画に四十二年は入っているんじゃないかと思いますが、その四十二年以降現在まで、どのような状態になっているか。またさらに、第四次の七カ年計画になりますか、来年からの七カ年の計画は、一体どんなふうになっているのか、というようなことについて、まずお尋ねしたいと思います。

浦川親直日本電信電話公社計画局長

○説明員(浦川親直君) 四十二年度末の充足数でございますが、これが約百四十万でございます。その年の年度末の加入数は約九百八十九万でございます。そうして年度末積滞数は二百四十二万、さらに四十三年度は積滞数が二百二十万、四十四年度では、いま見込みでございますが、約二百八十万近くというふうになっております。さらに、われわれといたしまして、四十三年度から四十七年度に至りますところの第四次五カ年計画、この間に九百三十万の電話を増設するという計画で発しておりますが、すでに需要が相当増大いたしまして、できればこれに百万を追加いたしたい、こういうふうに希望しておるわけでございます。したがいまして、四十六年度、四十七年度というただいまの第四次五カ年計画の後半を拡大修正いたしまして、それと第五次五カ年計画、すなわち四十八年度から五十二年度に至る五カ年間を合わせまして七カ年計画として、どういうふうに電話を充足していくかというようなことを現在鋭意作業中でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 それだけのことをいまおやりになっていらっしゃるわけですが、四十二年以降、その建設のためにどのような資金を要してきたか、建設資金ですが。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) 四十二年度以降の建設に要する資金の調達でございますけれども、四十二年度の予算におきましては、建設投資額といたしましては四千九百六億円、さらに債務償還等が三百五十七億円加わりまして総資金所要量は五千二百六十三億円でございましたけれども、これに対しまして減価償却引き当て金等、あるいは損益勘定からの受け入れ金、あるいは資産充当、こういった内部資金で二千四百四十六億円を調達し、外部資金といたしまして加入者債券一千六百八十七億円、設備料等百九十億円、財政投融資等九百四十億円、こういう調達計画をもちまして拡充に当たったわけでございます。もちろん四十二年度につきましては、いろいろ景気対策上の投資抑制措置等もございましたので、決算においては若干資金調達においても起債の繰り延べ等も行なわれておりますが、大もとにおきまして、このような計画によって拡充に当たってまいりました。なお、四十三年度におきましては、建設投資の規模といたしましては五千二百二十億円、それに債務償還等が四百三十二億円で、合計五千六百五十二億円の資金を必要としたわけでございますが、内部資金におきまして三千百一億円、外部資金といたしまして加入者債券で一千八百二十九億円、設備料等で四百五十二億円、財政投融資等で二百七十億円、このような調達計画で予算の計画を執行してまいりました。なお、四十四年は建設投資額といたしましては五千八百七十億円でございますが、これに債務償還等五百十三億円を加えますと、総資金量六千三百八十三億円でございますが、これに対しまして内部資金三千四百六十八億円、この中から損益勘定からの受け入ればぐっと減りまして三十五億円ということに相なっております。なお、外部資金といたしまして、加入者債券千九百九十七億円、設備料等五百二十三億円、財政投融資等三百九十五億円、こういうことで合計二千九百十五億円、このような調達計画をもちまして、予算のその計画でわれわれは計画の執行に当たっておる次第でございます。なお四十五年度につきましては、目下予算案を審議中でございますが、よろしゅうございますか。

沢田実公明党

○沢田実君 はい。さらに、公社といたしましては、赤電話を三分間で切れるようにするために相当の設備費もかかると思いますし、それから市町村の合併で自動式にかえるのにも相当資金がかかると思いますが、そういうものがどんな計画で、どのくらい資金を要するか、承りたいと思います。

北原安定日本電信電話公社施設局長

○説明員(北原安定君) 公衆電話の打ち切りにつきましては四十四年度十万程度を予定いたしておりまして、約七億円程度をこれに充当いたします。四十五年度引き続き残り約二十万余、全体として、四十四年並びに四十五年度全体として六十七億程度になるのではないかと、現時点において予定いたしておるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 もう一つの問題は……。

浦川親直日本電信電話公社計画局長

○説明員(浦川親直君) 同一市町村内におきます加入区域の合併でございますが、昨年から在来六キロまでを合併の対象としておりましたけれども、これを十二キロまでに広げることにいたしました。そうして逐次合併を進めておるわけでございますが、四十五年度では金額といたしまして二百四十八億をこのために計上をしておる次第でございます。それから区間といたしましては、この合併の区間でございますが、それは二百五十四区間を予定しております。

沢田実公明党

○沢田実君 さらに公債の償還ですが、四十五年が十年目にあたりますので相当多額の金額の償還のときに入ると思いますが、四十五年にはどのくらいその償還のための金を必要とするか。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) 四十五年度、ただいま御審議をしていただいております予算案におきまして、千三百十五億の債務償還を予定いたしております。仰せのように、第一回の満期が訪れましたので、四十四年度と比べまして八百三億円の増加ということに相なっております。

沢田実公明党

○沢田実君 会計検査院の方、いらっしゃいますか。——電電公社の減価償却は、一年間の建設費が大体四千九百億ぐらいでそのうち二千百四十億が減価償却になっております。全固定資産一兆九千億に比較しても一〇何%減価償却をしているわけですが、このくらいの減価償却というのは会計検査院としては適当であるとお考えかどうか。他の公団公社に比べて、何かちょっとわれわれしろうとの考えでは多いように思うのですが、いかがでしょうか。

石川達郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(石川達郎君) 特に陳腐な物件が多いというような面もありまして、そういう面につきましては減価償却引き当て金も多額になると思われます。別にその額につきまして、これが不当で適正な額でないというような考えを持っておりません。

沢田実公明党

○沢田実君 いまずっとお話をお聞きいたしますと、さらに新しく増設をしなくちゃなりませんし、古い機械も新しくしなくちゃなりませんし、さらにまた償還のときがきまして非常に多額の金を必要とするようになっておりますが、現在のような状態で先を見通して電話料金を値上げはしなくてもだいじょうぶかどうか、その見通しをひとつお尋ねしたいと思います。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。  ただいま御指摘がありましたが、現在積滞が約二百六十万をこえております。本年度の予算におきましては、いま予算委員会で御審議願っておりますけれども、最初の一般加入電話百八十五万をつける計画に対しまして、二十五万ふやしまして、一般加入電話二百十万をつけるということで、積滞の解消に努力いたしておるのでありますが、しかし場所によりまして、たとえば、東京の中、二十三区のあたりでは、大体積滞が一万五千くらいになっておりますけれども、全国的規模におきます積滞解消をするためには、これからつくりたいと思っております七カ年計画、すなわち四十六年から五十二年に至ります七カ年計画の中でこれをやりたいと思っております。したがって五十二年度末には、加入電話の積滞を全国的規模において解消いたしたいと思います。  それからもう一つ、いま御指摘がありました債務償還でありますが、これが四十五年度予算におきまして約千三百億円、昨年に対しまして約八百億ぐらいふえておるわけでありまして、今後これがさらに、明年度は千五百億、千七百億とだんだんふえてくるわけであります。このように資金が非常に要るわけでありまして、まず問題になってまいりますのは、四十七年度末におきまして、現在電話の加入をする場合に、国民の方に負担していただいておりますいわゆる加入電話債券、これは大体平均いたしまして、多いところと少ないところといろいろありますけれども、平均いたしまして約十万円ぐらいでございます。この加入者債券を負担していただく時期が時限立法になっておりまして、これが四十七年度末になくなるわけでありますが、さらにこれを継続するという問題、これがまず出てまいります。それからさらに、設備料というもの——電話の加入設備料を負担していただいておるのでありますが、これが現在一般加入電話におきまして三万円でありますけれども、これをさらにふやすかどうかという問題の検討。それからもう一つは、加入区域のお話が先ほどございましたけれども、今後七カ年計画等におきましては、加入区域の拡大という要望が国民の皆さんからいろいろ出てきておるのでありまして、今後これをどの程度にやるか。この場合に、一般の電話の架設の場合には、投資をいたしますと必ず収益が上がってくるわけでありますけれども、加入区域合併の場合には、投資をいたしますと、増収にならないで、かえって減収になるということで、プラスとマイナスが逆になってくるという点で、事業の上でこれは非常に財政を圧迫することになってまいります。公社といたしまして、もちろん増収をはかり、経費の節減につとめることは当然でありますけれども、加入区域の合併をどの程度にやるかということが、今後七カ年計画の中で大事でございまして、区域におきまして料金体系を合理化するという問題、これをどんなふうにやるかということを、七カ年計画の中で実は検討したいと思っております。七カ年計画は、四十六年度の概算要求を郵政大臣のところに出す時期が八月末でございますけれども、その八月末の時点までに七カ年計画の基本的な考え方をまとめたいと思っております。先ほど申し上げましたように、拡充法の延長の問題、設備料の問題、特に加入区域の拡大との関係で料金体系合理化問題、それからもう一つは、電報事業をどうするかという問題が、これがやはり大きな問題になっておりまして、これも七カ年計画の中で検討をしたい、こういうふうに考えております。

浦川親直日本電信電話公社計画局長

○説明員(浦川親直君) ただいま合併の金額を二百四十八億と申し上げましたが、ちょっと読み違いまして、これは四十四年度予算額でございまして、四十五年度におきましては約二百六十六億でございますので、訂正させていただきます。

沢田実公明党

○沢田実君 いまお話のように、今後さらにたいへんな建設をしていくわけですが、財政、産投、あるいは資本金がどのくらいになっているか、その辺の資金の内容等についてお尋ねをしたいと思います。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) たいへん失礼でございますが、財政投融資の関係でございますか。

沢田実公明党

○沢田実君 政府のお金をどのくらい使っていらっしゃるかということです。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) まず、それでは資本金から御説明をさせていただきます。  資本金といたしましては、貸借対照表にもございますように、百八十二億三千数百万円ということでございまして、これは昭和二十七年に電電公社が発足いたしました際に、電気通信省が有しておりました資産から債務の額を差し引いた額がこの額に相なっておりまして、その後この資本金の額は変わっておりません。もっとも昭和二十九年度の資産の再評価が行なわれまして、再評価積み立て金として資本剰余金の一部として千四百数十億円がつけ加えられておりますけれども、資本金の額としては百八十二億円から変わっておらない、こういう状況でございます。  それから、財政投融資の状況でございますけれども、先ほどから数年間の最近の例を申し上げたわけでございますが、一番新しい四十五年度の御審議中の予算案におきますところの財政投融資等の額がどのくらいになっておるかと申しますと、財政投融資計画にのっておりますところの政保債の公募債、これが電電公社に二百億円の発行を認めていただいております。このほかに、縁故債といたしまして五百五十億円をお認めいただいておりまして、総計いたしまして七百五十億円の計画に相なっております。

沢田実公明党

○沢田実君 全固定資産が約二兆円になんなんとしております。電話収入が一年で六千億もあるようなたいへんな事業ですが、資本金については百八十二億、しかもそれが政府としては現物出資みたいなかっこうになっているのですが、次官にお聞きしたいのですけれども、こういうような状況ですので、政府としては資本金をふやすというようなお考えがあるかどうか。これだけの大きな事業に対して、発足以来一度も資本金を増資してないわけです。郵政省のお考えをお尋ねしたいと思います。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○政府委員(小渕恵三君) 政府は、公社に追加出資をするという点につきましては、公社事業は受益者が特定しているということ、及び国の財政政策の面から問題もあろうと思いますので、現在ではこの点につきましては考えておりません。

沢田実公明党

○沢田実君 資本金は、政府以外は出せないことになっているわけです。ですから、政府で考えてくれなくちゃ資本金がふえないわけです。いまお話がいろいろありましたように公募債や縁故債等がありましても、直接国の金を使っているということは非常に少ないわけです。あるいは日本航空あたりは産業関係の——あれは何ですか、お金を使っております。安い金利のお金を使っているところがほかの公庫関係にあるわけですが、そういうものも使ってないようです。ですから、もう少しこの辺で考えていただかないと、結局さっきお話が出たように、この次七カ年計画で料金を上げなくちゃならないということになるのじゃないかということが想像されるわけですから、これだけ膨大な事業をほとんど利用者の負担と、電電公社の方々の努力によっていま進めているわけですから、そういうふうに受益者がさらに料金の値上げということで負担しなくちゃならないというようなことにならないように、私は政府関係のお金をもっと使う、あるいは資本金をふやして、金利のかからないお金を使うというようなことが大事じゃないか、こういうふうに決算を通じて思うわけですが、もう一度ひとつ次官としてお考えを、あるいはまた、いますぐ即答ができなければ、大臣と相談をしていただいてけっこうでございますが、前向きの考え方で御処理をいただきたい、こういうふうに希望いたします。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○政府委員(小渕恵三君) 政府といたしましては、さらに出資は行なわない意向ではございますが、公社の今後の計画を達成いたしていくためには、その建設資金並びに債務償還資金の確保につきましては、基本的に受益者負担にかかる資金等長期低利な財政投融資、及び公社みずから調達する縁故債等による資金によって調達いたしていかれることであろうと考えております。したがいまして郵政省といたしましては、今後の公社経営の推移を考慮しつつ、資金の確保につきましては拡充法の延長及び設備料の改定等の問題について検討を進めるほか、財政投融資につきましても、国の財政経済政策との円満な調和のもとにできるだけこれを確保するとともに、公社のより一そうの企業努力を期待いたしております。と同時に、新経済社会発展計画における電気通信設備拡充の目標達成に遺憾ないようにいたしてまいりたいと考えております。

沢田実公明党

○沢田実君 あとは小さい問題になるのですが、さらに農集電話及び団地電話等がございますが、そういうものも農村あるいは団地の方々にとっては非常に大事なものでございますので、どんな計画になっておりますか、つけ加えてお尋ねをしたいと思います。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) 四十五年度の予算案におきましては、農村の関係の地域集団自動電話でございますが、これを三十万個予定をいたしております。  なお団地電話につきましては、一般の加入者増設の二百十万の中で十万をこれに充当いたしております。

沢田実公明党

○沢田実君 さらに、私ども新幹線に乗って、もう少しこういうふうにしていただけたらと思うことは、現在東京、横浜、名古屋、京都、大阪、それしか電話できませんけれども、せめて「こだま」がとまるところくらいは電話ができないものか、こう思うわけです。その点についてお尋ねしたいと思います。

武田輝雄日本電信電話公社営業局長

○説明員(武田輝雄君) 申すまでもないわけでありますけれども、この新幹線の列車公衆電話は、国鉄と、そして電電公社との協力によって成り立っております。すなわち、列車内に設置いたします無線電話機、それから無線の基地局、それから統制局というところまでは全部国鉄が受け持ちまして、それからその統制局から先、公社の市外電話局以降は公社が受け持つという形でサービスをいたしているわけでございます。そこで国鉄がいまこの列車公衆電話のために持っておられます波が六波ございます。電話回線にしまして六回線しかとれないわけでございまして、この六回線で普通のサービスをいたすといたしますと、一日二千三百くらいの通話数しかさばけないということでございますが、現実には二千七百ほどの通話数がございまして、サービスが非常に悪い状態になっております。そこでいま御指摘のようにわれわれといたしましては、通話対地をもっとふやしたいわけでございますけれども、いまの通話対地にしましてもすでにサービス限度をオーバーしているような状態でございますので、波の増波と相まって、通話対地の増加を考えていかないと、いまのままではかえって利用者の方に非常に御迷惑をかける、こういう状態でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 時間の都合もありますので、これで終わります。一日も早く申し込んだらすぐ電話が引けるような態勢を、しかも電話料金は上げないでいける、そういうことに一そうの努力をお願いしたいと思います。最後に、総裁からお話を承って、終わりたいと思います。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 先ほど御説明いたしましたけれども、申し込んだらすぐつくということにつきましては、今後ともなるべく早く実現したいと思います。全国的規模におきましては五十二年度末にぜひともやりたいと思います。  それから料金問題につきましては、料金体系合理化ということでいま七カ年計画の中で今後検討を進めたいと思っております。もちろん値上げということは極力避けるべきだとは思いますけれども、今後の検討によりまして、料金体系、特に加入区域の拡大問題と同時に考えて、この問題は処理していきたいと思います。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 他に御発言もないようですから運輸省、郵政省、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算につきましては、この程度にいたします。  散会いたします。    午後四時四十五分散会      —————・—————

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