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63回国会参議院1970/04/01

決算委員会 第6号

発言数
201
登壇者
13
会派数
5
開催日
1970/04/01

会議録

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  三月二十八日、高山恒雄君が辞任され、その補欠として萩原幽香子君が、同月三十日、岩間正男君が辞任され、その補欠として渡武辺君が、同月三十一日、長屋茂君、沢田実君、及び萩原幽香子君が辞任され、その補欠として剱木亨弘君、鈴木一弘君及び高山恒雄君が、本日、渡辺武君及び鈴木一弘君が辞任され、そのと補欠して須藤五郎君及び沢田実君がそれぞれ選任されました。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) この際、理事の補欠選任につきましておはかりいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠けておりますので、この際、補欠選任を行ないたいと存じます。  選任につきましては、先例より委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に高山恒雄君を指名いたします。     —————————————

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。  本日は、通商産業省とこれに関係する中小企業金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算につきまして審査を行ないます。  この際おはかりいたします。  議事の都合により、通商産業省、中小企業金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも、これを省略して、会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これより質疑に入ります。  御質疑のある方は、順次御発言願います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 きょうは、私は日本万国博覧会の運営の問題について二、三伺いたいと思います。すでに万博が開かれまして半月経過したわけでありますけれども、私たちの期待に反しまして非常に事故が多発いたしております。人類の進歩と調和をテーマにした今回の万博を成功させるためにも、私はきょうは前向きの姿勢で数々の問題点を取り上げて、これから質問をしたいと思います。  特に初めに、いままで起きました事故の中でも、特に大きな事故でありました動く歩道の事故によるところの負傷者並びに重傷者等が数々出ておりますが、その経過と、それから事故の原因等についても、すでにそれぞれ調査をいたしていると思いますが、その経過等について、二、三伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 万博の開催以来期待に反しまして、思いがけない事故が再三発生しておりまして、まことに申しわけないと存じます。ただいま先生から御質問がございました動く歩道の事故の概要及びその原因等でございますが、これは三月の二十六日午前十時ごろに発生いたしたのでございます。それで発生事故の原因でございますが、これは詳細現在警察で調査中でございますけれども関係者その他の意見を総合したところで申し上げますと、ちょうど北口と申しますか、北口のほうから入ってくる入場客——北口というのは団体バスの駐車場が多うございます。そこから団体のお客さんが非常にたくさん入ってくる場所でございますが、そこのお客さんが土曜広場のほうへ——これはソ連館があるところでございますが、そちらのほうへ相当大ぜいいらしておったということでございます。いま一つは、ほかのゲートから入ったお客さんがソ連館、土曜広場等へ行くために、スイス館等から動く歩道に乗っていっておられたということでございます。このスイス館のほうから来ます動く歩道の出口のところが混乱しましたが、これは動く歩道がツーラインになっておりまして、スイス館のほうから来た人がソ連館のほうへおりる口と、ソ連館のほうからスイス館のほうへおりる口と、それから土曜広場のところでスイス館のほうへ行く乗り口、それからソ連館のほうへ行くおり口があるわけでございます。それで両方のお客さんが一緒になりまして、動線にやや混乱が生じたということでございます。そのときに理由はよくわかりませんけれども、転倒された方がありまして、それが原因で数人の方がそこに転倒されまして、それから歩道の安全装置が働いたと申されておりますが、この辺はまだ最終的には確定しておるわけではございませんけれども、どうも安全装置が作動してとまったということのようでございます。そういうことでございまして、負傷者が四十七名出たわけでございます。これは経過途中で四十二名とか四十四名という数字がございましたけれども、最終的に四十七名ということでございます。そのうち相当重体の方が四名おられまして、そのうち特に二名の方は一時生命の危篤が伝えられたほどでございますけれども、その後経過良好でございまして、皆さん無事に——無事と申しますか、退院されるというようなことになるのではなかろうかということでございます。当初心配しておりましたような死者が出るというようなことではなくて済むような様子でございます。  この原因でございますけれども、いま警察ではもちろん調査いたしておりますけれども、協会といたしましてもいろいろ設計者であるとか、製作者、あるいは警察の人であるとか、いろんなところと打ち合わせをいたしながら、その原因の究明をいたしております。大体の原因といたしましては、さっき申し上げたようなことであるということでございまして、そういう考えられる原因を全部並べてみまして、それに対する措置を現在いろいろとっておりまして、すでに大部分のものはとり終わっておるわけでございます。たとえて言いますと、一つはおり口と入り口の分離さくが——これは固定さくがあったわけでございますけれども、やはり相当お客さんが混雑する場合には、これをもう少し長くする必要があるんじゃないか。そういうことによって動線の混乱を防ぐことができるんではないか。あるいは動く歩道は、それに乗りながら会場が見物できるというようなところに一つの眼点があったわけでございまして、そういうことで、それを見晴らしよくつくっておるわけでございますけれども、そのおり口に近いところ辺からは、外を見えないようにしまして、すでにおり口が近いというようなことを掲示する。これはもう従来もガードマンあるいはエキスポフラワーといっておりますホステスがおりまして、非常にうるさいぐらい注意しておったわけでございますけれども、さらに外を見えなくして、おり口が近いという標示をする、あるいはおり口がはっきり見えるように色分けをする。おり口だとはっきり色で示すというようなことをして、おりるところに対する注意を観客に喚起したいということでございます。それからエキスポフラワーであるとか、あるいはガードマンの訓練につきましては、その後現在も動く歩道は動いておりません状態でございますが、その間に、実際にそういう人を動く歩道に乗せまして、いろいろボタンを押して急遽の制御訓練をするというようなことの実地の訓練を連日重ねておるわけでございます。そういうような従業員の行動が十分でないというようなことで、事故が大きくなるというようなことがないように、いま訓練をいたしておるわけでございます。それから従来はメガホンでおり口が近いですから御注意くださいということをずっと言っておったわけですが、非常にどういいますか、従業員の負担を軽くするということもありますし、それからそういう趣旨が徹底するようにワイヤーテープに吹き込みまして、それをおり口のところではしょっちゅうかけておる。いろんなことを考えておりまして、関係者が考えつくだけのことはいたしたいということでございます。  それからなお、政府といたしましては、こういう事故が相当続いておりますので、非常に小さい事故もあるのでございますけれども、そういうことでだんだんとつゆになったりいたしまして、食品の問題であるとか、あるいは相当観客も多く参りますので、そういう人の数字がだんだんふえてくるに従って、万一思いがけざる事故が発生する、たとえば床が、これは建築基準法上しっかりしたものでございますけれども、人がだんだん多くなった場合には、だんだん弱くなっていくうちに、とんでもない事故が起こるようなことはないかということを調査するために、協会の中に安全対策の委員会をつくっていただきたいということでございます。それをつくることにいたしております。  その考え方は、機械的な問題であるとかいう設備構造の問題のほかに、あるいは従業員の訓練であるとかというような管理体制の問題であるとか、あるいは観客の誘導の問題とか、いろいろな問題がございまして、そういうような問題が複合しまて、そこに思わざる事故が発生するということもございますので、そういうことも考えまして、各施設ごとに分科会をつくり、たとえば動く歩道なら動く歩道の分科会をつくりまして、そこに先ほど申し上げましたようなメーカーであるとか、製作者であるとか、設計者であるとか、あるいは警察の関係者であるとか、あるいは関係官庁の職員であるとか、そういうエキスパートを入れまして、一つ一つ総点検をしていくというふうに考えております。それで動く歩道以外の、たとえばダイダラザウルスであるとか、あるいはモノレール、そういうものごとに委員会をつくりまして、それを逐一検査していきたいということでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま井上参事官のほうから詳細に説明がありましたわけでありますが、ちょっと次官、聞いてもらいたいのですが、いまいろいろと今回の事故が起きたあと、参事官がおっしゃったような対策を立てられたわけです。実は、私が指摘したいのは、すでに事故の起きる四日前に、環境設計研究所にあの万博協会のほうが依頼して、万国博の観客流動調査というのをやっておられるわけです。この調査報告ですでに事故の起きる四日前に、今回の動く歩道の事故が——動く歩道のことについては、動く歩道の運営のしかたが適確でない、また観客の誘導伝達も不完全である。こういうぐあいに、すでに四日前に指摘しているわけです。それにもかかわらず、実際問題としては、協会としてはこの問題については何もやっていないわけです。事故が起きてからこういうことをやりましたといっても、あまり効果がない。いまおっしゃったことは、たとえば外部が見えないようにしました。テープレコーダーに吹き込んで伝達をちゃんとするようにしました。それは、四日前に、こういうぐあいにしたらどうかというのが、ちゃんと報告の中にあるわけです。ですから今回の事故自体もよくよく考えてみますと、事前に事故が起きるということは予測もできたし、また事前にこういういろいろの忠告をしておるところもあるわけです。今後の事故についても私は、こういうふうな手ぬかりから、こういう事故が起きることが考えられる。そういうふうなことをどういうぐあいに次官は思いますか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(小宮山重四郎君) いま先生のおっしゃったこと、ごもっともでございます。通産省といたしましても、こういう事故がないように再三にわたり、万博協会のほうに十分指導したのでございますが、残念ながらこういう事故ができましたことは、たいへん申しわけないと思っております。事故ができましたので、今後もそういう責任体制をはっきりしろ、それからもう一つ安全対策をどんどんやれ、それからいまおっしゃいますように、そういう調査ができているのに、それを再検討しないでこういう事故ができましたことについては、私ども初めて、その問題について聞きますので、今後担当及び万博協会のほうから話を聞きまして、そういうことのないように万全の運営をさせるようにいたします。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 先ほどの説明の中にもありましたけれども、このエキスポフラワーの皆さんを訓練をすれば事故が防止できる、こういうぐあいな一貫として話がございましたけれども、現実の問題として、そういうふうなエキスポフラワーの皆さんも——今回の事故が起きた直後、協会の中に、その事故の原因がそのフラワーの訓練の未熟によるところもある、そういうようなことを発表されたのも一部あったわけです。そういうところで相当フラワーの皆さんの中にも協会にかみついたとかいうような話も聞きましたし、またその事故の起きた動く歩道の事故の現場にいたガードマンが近くのソ連館のほうの警備に行っておったとか、そういうふうな点もあるわけですが、こういう点は具体的にはどうなっておるのですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) ガードマンの件でございますが、ガードマンの守備、ガード範囲と申しますのは、あの場合には動く歩道だけでございませんで、その下のほうの池のほとりとか広場のほうも含んでおりましたので、下におりておったというのが実情でございます。それで今後は、そういうことがないようにガードマンの配置をふやしまして、必ず一人がおり口に残って警備をしてまいりたい、こういうふうに考えております。  それからエスポスフラワーの問題でございますが、これはやはり私たちの感じでは、女性としても、どうもやはり限度があるのじゃなかろうかということでございますので、今後はガードマンのほうへ、そういう点につきましては注意をいたしまして、ガードマンの増配置をしてまいりたいというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それから今回の事故で、一番先に起きたのが十四日の日に起きた空中ビュッフェでありますが、動く歩道が事故を起こしましたときには、協会は陳謝文を出しているわけであります。ところがその十四日の日の初日の空中ビュッフェの事故のときには、協会としてはそういうふうな陳謝文等は出していないわけですが、私は、当然こういうふうな初日の事故でありますし、協会としても当然責任をとるべきじゃないかと、こう思うのですが、この点いかがですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 空中ビュッフェの事故は非常ににわれわれ重大と考えておりまして、詳細に検討いたしたのでございますが、陳謝文は出したかどうか私ははっきりいたしませんけれども、新聞記者会見等で担当の次長が、非常にこういう事故を起こして相すまないことでありますということは、たびたび申しておると思いますが、正式な陳謝文を出したかどうかはちょっと覚えておりません。決して空中ビュッフェの事故を軽視いたしておるわけではございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 まあ、そういうふうにおっしゃっておりますけれども、実際は私は、あのときのいろいろな話を総合いたしますと、協会にはあまり責任がない、要するにあのときには、あの施設の参加はヤクルトであり、また運営がそごう百貨店である、したがって協会には責任がないというような、直接そのことは発言はしませんけれども、やはりその責任をそういうところに押しつけているような感じがするわけです。そういうふうな一つ一つの事故に対して、やはり協会が真剣にそれを処理していく。そういうふうな姿勢がなければ、やはりその後続発した事故から見ても、私は、そういうところにも一つの大きな原因があるのじゃないか、事故の所在は当然協会にもあるんだという考え方で処理していかなければいけないと思うのですが、この点いかがですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、十四日の空中ビュッフェなど、ちょうど開会日の前日でございますので、協会のほうとしても運営のほうに気をとられた向きもなきにしもあらずという感がいたします。今後ともやはり、事故は事故でございます。もっと総点検をいたしまして、こういう事故がないように、また事故の対策の横縦の線を十分連絡を密にして、こういうことのないように気をつけてまいりたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 現在まだ事故は起きておりませんけれども、前向きの姿勢で——私も実は現実に乗っていまして感じたのでありますが、モノレールですけれども、モノレールの問題については、現在大きな事故は起きておりません。しかし小さな事故は数回にわたって起きております。現在のいろいろな状況を見ましても、何となく私たちが見ておりましても、これから大きな事故が起こりそうな感じがするわけです。いろいろな新聞等を見ましても、またこの調査報告によりましても、確かに今後の運営については、相当慎重にやらなければ、私は問題が起きてくるのじゃないか、こう思うわけです。  そこで、このモノレールの運営とその責任ですね。その所在は一体どこにあるのか、その点を先に聞いておきたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) モノレールは、営業と申しますか、その運転の許可等のための検査は運輸省から受けております。そういうことでございまして、協会の中の所管は会場部が所管いたしておりまして、ただその上に全体の管理運営を見ております運営本部というのがございまして、事務総長が本部長になっておりますが、それがそういう全体の責任をもって協会の中では運営することになっております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、運転の責任も、すべて協会にあるわけですね。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 責任は協会にあるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 運転が非常にへたくそなんですけれども、これは申しわけないのですけれども、ほんとうに急停車とか駅をオーバーしたとか、中に乗っていましてもぎゅうぎゅうになることが非常に多いし、また乗るまでに三十分、一時間待つことがざらなんですけれども、その運転するメンバーの訓練とか、そういうのはどうなっておりますか、またどこが担当しておるのか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) モノレールの業務自体は、協会が先ほど申し上げましたようにやっておるわけでございますが、それを実際に運転する場合にはモノレール関係のところに委託をしているわけでございます。そこでもって現実にはその訓練等をやっておりまして、モノレールにつきましては、運輸省からは厳重な検査がございますので、そういった意味の施設並びに人員に関連する訓練等についても、十分監督を受けてやってまいっておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、運転並びに整理等、すべて協会に責任があると、そういうことになりますね。いずれにしましても、この点については、この環境設計研究所のこの報告によりましても指摘しておるところでありますし、当然改善をやって、大きな事故が起きないように対処していただきたい、こういうぐあいに考えます。  それから、今回のその会場の警備体制ですね。これはどういうぐあいになっておるか、伺いたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 会場全体の警備につきましては、三つに大体分かれているわけでございます。一つは、協会関係あるいは公共的な旅施設につきましては、協会の警備隊が警備保障会社——いろいろございますが警備保障会社に委託をいたしまして、協会の責任において警備をいたしております。  各国の展示館あるいは民間企業の展示館等の警備につきましては、それぞれの出展者の責任において警備をしていただく。こういうことになっております。  それと、もう一つ、警察関係がございますが、これは主として会場を訪れますところの国賓その他のVIPの警護を中心とします警備を警察にやっていただく、こういうのが出発のたてまえでございます。しかし、御承知のような今回の事故がございまして、とても雑踏整理は現在の警備隊だけではできないということに相なりましたので、現在警察と御相談をいたしまして現実に、たとえば次の日からはアメリカ館、ソ連館のような非常に観客の殺到するような地点については、警察のほうの警備をひとつお願いするといったようなことで、具体的に現在分野をきめて警察のお力も拝借するという段階に相なっておりますが、基本的な考え方は一番最初に申し上げましたような警備の三つの体制をもって警備をするということに相なっておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ちょっといま聞きもらしたんですが、各パビリオンの警備につきましては、各パビリオンが雇ったガードマンがやるのが原則ですね。それからパビリオン以外の警備については、三つに分けて体制を組んでいるというわけですか。ちょっとそこのところを詳しく。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 警備の体制は三つございまして、いま申し上げましたように、パビリオンは自分自身の警備を自分でやっていただくということでございます。それからそれ以外の地域につきましては、警備隊が原則的に当たる。なお、会場を訪れるVIP、その他は、警察犯に属するような行為に関する何と言いますか、警備につきましては警察にお願いする、こういうたてまえでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、特に問題になります点を二、三お伺いしますけれども、警備隊の警備の内容ですね。たとえば人数等も含めまして、教えてもらいたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 警備隊につきましては、先ほど申し上げましたように、協会としましては、人数全体といたしましてはピークにおきましては、大体一千名ないし日曜日には千二百名というふうなガードマンをもちまして、会場全体を警備するということにいたしておりまして、中央に本部を置きまして、そこには無線あるいはテレビによる監視というような施設も置きまして、指令室がございます。そこで各方面隊ということで、シンボルゾーンを中央に置きまして、東側、西側、北側と、もう一つ、エキスポランド関係とを置きまして、警備全体をやっておるわけでございます。そのほかに、それぞれ派出所といいますか、そういうふうなところがございまして、全体として地域を分けた警備、そして、そういう地域からそれぞれの地点につきまして巡回をする。こういったような体制をもって警備をやっておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうも私がお伺いしたこととは、違うわけですけれども——違うというよりも、平日には約千名ぐらい、そういうことですね。それで混雑日にあっては大体千二百名ということでございますが、混雑日というのは大体日曜日とおっしゃいましたけれども、大体混雑日というのはどういう日にちを言うんですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 私どもが考えましたのは、休祭日を混雑日と考えまして、大体平均的に言いますと、六十万ぐらいというのを頭に置いて考えたわけでございますが、現在の段階では、日曜日等はかえって少なくて、平日がかなり多いというふうなことで、平均的な数字の出方をしているというのが、この半月間の実績でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、いまちょっと話の中に出てまいりましたけれども、このガードマンが混雑した日には千二百名、平日は大体千名というのは、これは六十万名の観客がある——それを基本にして立てた警備体制なんですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 本来はそういうことでございますけれども、先ほどから御説明申し上げておりますが、今回の事故並びにこの春休みに入りましての人の出方等を見まして、休日だけじゃなしに、この春休み中は、少なくとも休日体制と同じような考え方でやってまいりたい、こういうふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうも私は、現在六十万名も一日に来たことは一回もないのですね。現在一番最高にきたのが、きのうのあれはわかりませんけれども、四十万人ぐらいじゃないかと思っておりますが、いずれにしましても、現在の実情で、もうすでに相当な人員が入っているわけです。これで、もうガードマンの手薄ということははた目に見ましても明らかであります。そこで私は、この万博協会と警備について契約を結んでいるところのガードマン——これは協会とどういうぐあいに、どういうふうな契約を結んでいるのか、その実情を一ぺん伺いたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 協会と警備保障会社の関係につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、その地域を限って、その地域につきましての警備をまかすという考え方でやっているわけでありまして、基本的にどのような警備体制をとるか、どういうふうな勤務をするかということは、協会できめますが、具体的な人をどういうふうに配置するかということは、警備保障会社のほうで、各方面別にきめておりますので、その方面別に具体的なことはやっていただく。こういうふうになっておる次第であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 協会と契約のガードマンの会社は、一社ですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 私、正確な数字は覚えておりませんが、四社ないし五社であったというふうに覚えております。正確にはまた後ほど御説明申し上げたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 実際に、あの会場に、私もこの二、三日行ってきたわけでありますが、非常にガードマンが何も知らないわけですね。それで、非常に不親切なんです。それでいろいろと私も調べて、新聞等を見ましても、日雇いのガードマンで、警備保障の会社が、その当日の朝に、学生をかり集めてきて、それを警備に当たらせているというのですが、現実にこういうふうな実情を協会は、私は知っていると思うのですよ。また現実に、こういうことがあるのじゃないかと思う。私たちが見てもどうも着ている洋服自体がどうも本人に合っていないように思うし、言動もどうもガードマンらしくないわけです。そういう点からみてもおかしいと思うし、またいろんな問題があるわけでありますけれども、こういう点について、どういうぐあいに考えているのか、また協会としては、これからどういうぐあいにしていこうとしているのか。この点についてまず伺いたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 先ほど御指摘のように、警備隊の隊員の素質といいますか、そういう面につきまして、協会からみましても非常に欠ける点があるわけでございます。まあ極端な例として日雇いというふうなお話もございましたが、協会としては、そういうことは万々ないと考えてはおりますけれども、決して十分に訓練された警備隊員であるということは私、言えないのが実情であると思います。したがいまして、協会としましては、警備隊員につきましては、かなり厳重にもう一回再検討をいたしまして、現実にも、最近では百名ほどやめていただくというふうなことをしておりますが、そういう点で、警備隊員の質の上昇ということはぜひはかってまいりたいと思いますし、予算的な問題も場合によってはあるんじゃないか。こういうふうに思いますけれども、警備隊等の、この事故以来ずっと話しております経過におきましては、結局質の問題になってくるわけでございますし、質の問題になりますと、なかなか人が得られないということでございまして、さしあたりは先ほど申し上げました警察の手も借りて、雑踏整理をやっていく。その間に訓練していくということにせざるを得ないのじゃないかということで、まあ便法的な方法を講じてまいってきておるわけでございます。御指摘のように警備隊員の質の向上という点については、今後とも努力いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、やはり協会のほうにも責任があると思うのです。なぜかといいますと、この協会の資料によりましても、警備につきましては平日は九百九十一名、それから混雑日には千二百六十五名のガードマンを雇うと、こうなっているのですね。混雑日というのは土曜、日曜、祝祭日だ。そうすると平日は九百名で、混雑する日には千二百名になるわけですね。そうすると、要するにこの間の日にちは遊んでいる人がいるわけです。ですから、どうしても当然日雇いのガードマンにならざるを得ないところがあるわけですね。しかし、先ほどのお話からしましても、混雑日という土曜、日曜、祝祭日、そういう日が案外すいていて、ウイークデーが込んでいるという状態になりますと、当然私は初めの契約も、ガードマンと協会との契約は変えざるを得ないと、こういうぐあいに思うのですが、当然私は現在の実情からしましても、実際問題、三月におきましても二十一、二十二日の祭日以上にウイークデーのほうが来ていますし、また二十九日の日曜日を見てもウイークデーのほうが多いわけです。そういう点から見ましても、当然私は協会は警備に関するいわゆる協定というものは変更したのではないかと思うのですが、この点どうなっておるか、伺いたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 基本的な契約というよりも人員の配置、そういった問題につきましては、先生御指摘のような具体的に人数をふやすというふうな措置を講じてまいっているわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、この問題についてはあれしまして、次にいきたいと思います。  次に、先ほどの警備の問題で、各パビリオン単位の警備については各パビリオンにまかせる、こういうぐあいのことでございましたけれども、現実の問題として各パビリオンでもし事故が起きたら、だれが責任をとるのか、実際問題としまして私もいろいろ回ってみましても、ガードマンのいないパビリオン、また女性だけしかいないパビリオンというように、ずいぶん危険なパビリオンが多いわけですが、この点についてはまずどういうぐあいに考えておるか、伺いたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) パビリオン内の警備につきましては、この点は先ほど来申し上げましたように、第一義的には当該展示館にあるということでございます。しかし会場全体を運営していく協会としましても、この点につきましては当然責任も分担しなければなりませんし、また十分な関心を持って常に接触をいたしておるわけでございます。したがいまして警備監察の責任者会議というものも設けまして、各国との関係等の調整をはかるというふうなことで、展示館側との連絡に当たっておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 参事官、こういう場合ですね、私は、お客さんのほうは決してそれぞれのパビリオンが責任を持っているなんて思ってこないわけですね、万国博覧会を見に行っているわけですから。ですからそうなってきますと、そこの責任の所在というのは第一義的にはその館にあるにしましても、やはりこれは全体的な立場で当然考えなければいけないし、またそのつもりで警備についても注意、指導をしていかなければいけないんじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 各パビリオン内の警備でございますが、先ほど調整室長から御説明がございましたように、第一義的には各パビリオンにございますけれども、さっきお話もございましたように、常時警察から四百名程度の人が参っておりまして、会場を三つの地域に分けて警備いたしております、さらに分駐所を七カ所持っておりまして、それぞれパビリオン内で起きました事故につきましても連絡がございますれば、これは大体あすこの中に公衆電話が七千個ございまして、それから緊急電話が七百、それから緊急通信機が百個、それからテレビ、これ相当ぐるぐる——まあ三百六十度ほどではないのですが、相当回るテレビがございまして、そこで警備室に直ちに状況がわかるようなかっこうになっております。そういうようなもので連絡態勢がうまくとれるようになっておりまして、それぞれの分駐所もしくは各警備本部等から四百名おります警官が直ちに出動するというような体制になっております。したがいまして第一義的には各警備につきましては各パビリオンが行なうのでございますけれども、最終的には逮捕権を持っている警官が、ちゃんとそこに出動できるという態勢になっているわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 会場の警察隊が、すでにこれまでそれぞれのパビリオン等を点検しまして、先日、混乱しやすい展示館、それから足を踏みはずしやすい展示館というようなものをあげて改善を指示した、こういうぐあいに私は聞いておりますけれども、この点について協会は、具体的にそれを確認し、どういう点に問題があってそういうふうに指示をしたのか。そこのところをちょっと具体的に伺いたいと思います。たとえば混乱しやすい展示館として指示された館は、私が調べましたところによりますと、リコー館とか中華民国館、インドネシア館、イタリア館等です。それから足を踏みはずしやすい展示館、これはペプシ館、それからエキスポランド、それから野外劇場の上部、こういうぐあいにありましたけれども、これについて協会は、どういう点が危険で、どういう点が足を踏みはずしやすくて、それに対してどういうぐあいに指示を与えたか。これはやはりちゃんと見に来る観客の皆さんに知っておいていただかないと、もし事故が起きましてからじゃおそいと思いますので、この点を伺いたい。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) ただいま手元に資料をちょっと持っておりませんので、警察隊のほうでそういうふうな指摘をしたというふうに先生から指摘ございましたが、実は、私はその点はなはだ申しわけございませんが知らなかったわけでございまして、協会としましては各外国館を中心に、先生がおっしゃられたとまさに同じことにつきまして一々チェックをしてまいりまして、ここではこういう点があぶないといったようなことを考えまして、協会としてはまた二、三日前になると思いますが、各展示館に対しまして、いろいろな点につきましてこういう点を注意してほしいということを申し上げたわけでございます。さらにまた、きのう外国関係の運営委員会がございまして、運営委員会におきましても特にこういった事故が多発しておりますので、各パビリオンにおきましても十分注意してほしいというふうなことを申し上げたわけでございます。本日も国内出展者関係の会議がございますが、この点も口頭によりさらに徹底をいたしたい。このように考えている次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、こういうようなことは非常に連係が悪いと思うのですね。実際はもっと危険なことがあるわけです。たとえば、こういうようなのもあるのです。火災のおそれのある館というのがあるのです。これはそういうぐあいにありましたので、現実に私は見に行って来ました。現実にこういうふうな非常な問題があるわけであります。ですから協会として、また通産省として、火災に対してはどういうぐあいに対処しているのか。これを具体的に伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 会場内に万国博の消防署というものを開設いたしておりまして、消防の出張所をさらに二カ所開設いたしております。それに消防車、あるいは救急車、そういったものを配置いたしておりまして、消防職員が大体百六十名、二十四時間交替ということで勤務いたしております。車でございますが、消防ポンプが三台、消火ポンプが四台、それから科学消防車が一台、その他各種の特殊作業車等がございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、今回の万博の特徴としまして各館を見に行きましても、やはり音と光というのが大きな特徴になっていると思うのですね。実際問題もっとわかりやすく言うと、中が暗いと思うのですね。私は、幾ら消防自動車がたくさんあっても、暗い超満員の館内でもしも事故が起きたら一体どうなるのか。ほんとうにたいへんな事故が起こるのじゃないか。警察隊が事故のおそれのある館として指摘したフランス館ですね。フランス館を私は中に入って現実に見ました。中へ入るまでにずらっと並んでおるわけです。しかも、あと返りはできないわけです。途中からもうあとへ返ることはできないわけですね、要するに。初めからずっと頂上まで上げちゃって、それからずっと順番に超満員のところを歩いて下へおりてくるわけです。もしも向こうから事故が起きたらどうなってくるだろう。実際、非常口があるのかどうか。あんな暗いところで実際に事故が起きたらたいへんなことになるのじゃないか。現実に私は中へ入って見まして、みんな疲れちゃって、途中ですわっておるわけです。すわるところがあるんです。そこには禁煙とも何とも書いてない、現実にたばこを吸っておる人がいるわけです。私は、ああいうところでもしも事故が起きたら、そのパビリオンの責任だと言っておれるか、ほんとうにいま心配なんです。この点、どういうぐあいにこれから対処していこうとしているのか。ただ単に消防自動車が何台あるとか、よそから応援に何台くるとか、そんなことじゃ私は解決しないと思うのですね、この点。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 消防の問題でございますが、現在のパビリオンは、実は建築基準法、消防法等の基準にしたがいまして、十分に検査に合格しておるわけでございますけれども、実は万国博覧会の特性にかんがみまして、従来のいわゆる普通の基準以上のシビアな基準をとっておりまして、これはそういうものを特に大ぜいの人が入って見るというようなことでございますので、シビアな基準でこれをチェックしているわけでございます。  それからいま一つは、御指摘のように、どう言いますか、最近の博覧会は非常に映像による展示が多うございまして、したがいまして館内が暗いというのが一般の傾向でございますが、そういうこともありまして、非常口等の問題、あるいはスペースの問題、そういう問題につきましても十分に基準法以上の余裕をとっておるわけでございます。さらにパビリオンの建設の面積でございますが、これも敷地の四〇%ないし七〇%ということで、相当敷地内にもあき地ができるようなことを考えているわけでございます。そういうようなことでございまして、いろいろと事前に安全のための対策を考えているわけでございますけれども、何といいましても非常に予期以上に人が込む場合がございますし、非常に混雑する。それから特に、そういうことになれていない方も多いというような点も考えまして、協会あるいは関係のところには火災の訓練をよくするように非常に注意をいたしておるわけでございます。そういうことでございまして、今後ともさらに一そう従来の線を徹底いたしまして、そういうことがないように注意していきたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 防災の点につきましては先生御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、今後とも十分注意をいたしまして、各館との連携を強めまして、訓練等に精を出してまいりたい、こういうように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私も、実は協会のほうにまいりまして、先日からその対策についていろいろ聞いたわけですけれども、いままた聞いておりましても、全然安心して中へ入れないわけですね。ほんとうにこれは、いまなれていない方も多いと、こうおっしゃっておるけれども、万博にはなれていない人ばかりなんですよ。とにかくお年寄りは多いし、子供さんは多いし、中へ入っちゃうと、あとバックできないわけです、とにかく。あとからどんどん入って、並んでいるわけですから全然だめなんですよ。もしもパビリオンの中で——外はいいですよ——あのくねくね曲がった中で、もしも事故が一発あったらどうなるか。電気がばっとついて、明るくなってくれたら私はは逃げ道があると思うんですけれども、いま皆さんの答弁を聞いておりましても、ほんとうに安心して中へ入れるかというところにはいかないんですね。いろいろな基準をきびしくしたとおっしゃっていますけれども、その基準等がどういう基準になっておるか、私は知りませんけれども、とてもじゃないけれども、安心して入れるような状態じゃないと私は思うんです。そういう点については、やっぱりもっと本気になって対策を詰めてもらいたいと思いますし、こういう点についても本気で取り組んでいただきたいと思います。  それでは、まだもっとたくさんいろいろな問題がありますので次の問題にいきます。  その次に、かねがね心配しておりました食中毒の事件が先日二十九日に起きました。これは一体どういうようになっておるか、具体的に伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 二十九日の事件は、あとからわかったことでございますけれども、午後の一時半ごろから「淀」というすし屋があるわけですけれども、そこで提供した特に巻きずしだということですけれども、それを食べた方で中毒された方が三十七名ということでございます。そのうち入院された方が五名あります。私、全部退院されたかどうか確認いたしておりませんけれども、大体一両日中には退院の予定だということでございますので、いまごろは大体退院されているんじゃないかと想像しているわけでございます。原因につきましては衛生センターで調査中でございますけれども、どうもノリ巻きの中の種の中にばい菌があったんではないかというようなことでございます。これは衛生センターが開設されまして、いままで協会その他でだんだんと衛生の検査をいたしておったわけでございますけれども、まだ完全に手が回り切れていないというのが実情でございます。今後衛生センターの人員の増強等も考えまして、早急に検査が進むようにいたしたいと思っております。特に今後食中毒等の危険が考えられるのが強うございますので、早急にわれわれとしても一そう整備して検査いたしたい、こういうように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 今回の万博で、特に会場ではいろいろなことが問題になっておりますけれども、特に見れず、乗れず、食えずというんですか、非常にいろいろなことが言われておりますけれども、その中でも食べものについては、非常に高いということと、まずいという不評を買っておるわけであります。先般から予算委員会等でも種々質問がございましたけれども、その根本の原因は一体どこにあると、協会並びに参事官のほうは考えておられますか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 協会の食堂の選定の基準といたしましては、まあここで大いにもうけようというような感じの、いわゆるもうけ主義の業者は、極力これを排しまして、まあ非常に質のいいりっぱな業者を選定いたしたいということで選定いたしておるわけでございます。したがいまして、選定に際しましても、一応ビッドいたしますけれども、そのビッドの前に資格等でいかがわしいものはこれを落とすというようなことなどをいたしておったわけでございます。したがいまして、本質的にはそう変ないかがわしいものは入っていないと思いますけれども、やはり何といいましても相当期間が短い、半年ぐらいしか営業期間がないということと、それからやはりビッド等で権利金その他の金が相当かさんでおるというようなこともございまして、まああまり損をしないようにというような感じで、いろいろと品質が悪くなって、まずくなるとか、あるいは値段が高くなるとか、あるいはサービスが悪いというような問題が発生しているのではないかと思います。したがいまして、食べものの価格の問題につきましては、これは価格が協議価格でございまして、協会と話し合いの上価格がきまったら、そのきまった価格に従って販売をするということになっております。したがいまして、十分に監視いたしまして、そういうことのないようにいたしたいと思います。また特にどう言いますか、不当な価格で販売しておる、内容が非常に悪いものにつきましては、これは契約上も是正させ、最終的には契約の破棄をするというような権限が法律的にもございますので、その辺も利用いたしまして、極力強力な指導をやっていきたいというふうに考える次第でございます。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 基本的な選定につきましては井上参事官から御説明申し上げたとおりでございます。協会といたしましても御指摘のような点、開幕以来われわれのほうにたびたび投書等もございますし、国会でも御指摘のとおりでございますので、極力この点につきましては調査もして、具体的に起こった問題につきましては解決をしていくという線でまいっておりますが、現在観客の声あるいは専門家による調査等を行ないまして、特に大衆食品等を中心に協会としては強力に話し合って、価格の問題、さらに価格よりも内容が非常に悪いという話もございます。そういう点、内容の問題等を中心に、私のほうは、この食品の問題につきましては改善をはかっていきたいと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、今回の高いとか、まずいとか、いろんな原因についてはいろいろあると思いますけれども、先日問題にもなりました食堂の入札に至る経過を聞きたいと思いますし、また一般食堂の一坪当たりの権利金——一般的にいって権利金ですけれども、協会のほうでは契約納付金といいますか、これにつきまして坪当たり最高、最低幾らになっているか伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 最高のほうははっきり覚えておりませんが、大体平米当たり権利金が二万二千円で、土地代が五千円、合計二万七千円程度のものである、それに高いものは二倍ないし三倍になっているものもあるというふうに聞いております。トータルといたしましては、食堂の営業納付金が全体で五億円程度のものが入っておるというようなことを聞いております。それから営業店舗の数は全体で約二百店舗入っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、きのう——いま最低だけ言いましたけれども、けしからぬと思うんですよ。最高のほうもちゃんと教えていただくようにきのうから申し込んでおいた。それは非常にたいへんな金額になっているはずです。これは大阪では当時新聞でもさんざん問題になりました。この契約金のつり上げというものは相当なもので、いろんな問題が起きています、現実に。たとえばある店では、ある権利金で店を買ったけれども、とても運営が間に合わなくてその権利を転売した事実もある、そういうふうに聞いておるわけです。実際問題、こういうふうなところに私はこの高い、まずい原因があるんじゃないか。こういうぐあいに思うんですけれども、当然協会としてはこういう点についても具体的に調査をして、そしてやはり万博に行く人たちに一刻も早く安くておいしい食べものを提供できるように私はすべきじゃないか、そういうぐあいに思いますが、いかがですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど来申し上げておりますように、協会としましてもこの食堂の問題につきましては、一刻も早く解決するように努力いたしたいと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、入札等のときのことをもうちょっと質問したいんですけれども、この入札するときには、協会としても、たとえば私の手元に入札のときの資料なんかが——メニューが現実にここにあるわけです。このメニューに基づいて協会は入札をやったと聞いております。当然私は、このメニューの内容、たとえばここにありますけれども、相当いろんな面から違っているわけですね。たとえば、きつねうどんというのがあります。これは当時協会は、きつねうどんは八十円だと——うどんの玉一個、それから薄あげ大一枚と書いてありますね。それから、かまぼこが二十分の一、タマネギ少々、ダシが少々とか、綿密に載っています。また、てんぷらうどんについても、エビのてんぷらが一個とか、うどんが一個とか、タマネギ少々とか、ミツバのてんぷらが一個とか、詳細に載っているわけです。これは現実に、この表を持って私食べに行った。ところが、このとおりになっていない。全然おかしいわけですね。実際問題として値段も全然このとおりになっていないわけです。この値段から相当——協会からきのう出していただいた表を見ましても、値段が相当変わっているわけです、現実に。たとえば、きつねうどんは、ここに八十円とあるが、実際きのう協会からいただいた資料によりますと百円、百二十円となっている。たとえば、よその阪急の遊園地が百円だから、阪急の遊園地と比較して、やはり万博の会場は安い、高くない、そういうことを言いたかったのだろうと思いますが、そういうふうになっているわけです。そういう点非常ににおかしいわけです。そういうことだけでなくて、あるいは万博会場自体にも——各食堂とも超満員です。ものすごく並んで、私も食べるのに三十分か一時間も並んで食べた、現実に。ところが、がらがらにすいているところもある。私は、がらがらにすいているところは、なぜがらがらにすいているかということで実際に入ってみた。ところがカレーライス四百五十円、チキンカレーが五百円、こうなっている。こういうところはなぜこういうぐあいになっているのか。確かに観衆は賢いわけです。高いところにはいかないわけです。現実にすいているわけです、確かに。私は、こういうふうな状況を見てみますと、当然私は協会としても、もっと真剣にいろいろな面から検討すべきじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 御指摘のような点、私ども全く一言の弁解もございません。私どもといたしましては、早急にこの問題については解決に努力いたしたいと、こう考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 非常に大事な問題でありますので、検討していただきたいと思います。  また先ほど、食中毒の問題が出ましたが、食中毒の監視体制というのは、どういうぐあいになっているのですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 食中毒の監視につきましては、大阪府の食品衛品監視センターが直轄で監視をするというたてまえをとっておりますので、協会自体としてその衛生状態を直接に監視するということではなしに、大阪府がまず第一次的に監視に当たっていただくということにいたしておりますが、協会といたしましては別に衛生課がございまして、衛生課のほうからも実際にはいろいろ気がつきました点につきましては、食堂、売店等と話し合って清潔にするといったようなことにつきまして施設の改善をお願いしておる、そういうこともいたしておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これから食中毒のシーズンにも入りますし、先日から協会の次長さんや皆さんの談話を聞いておりますと、とにかく言っていることがどうもおかしいわけです。たとえば人が多く乗り過ぎたから事故とか、それからたとえば寒さから急にあたたくなったからとか、必ずそういう前置きがついている。やはりこれからこういうふうな問題については非常に大事な問題でありますので、当然協会としましても、大阪府の食品衛生監視センターですか、そちらのほうと十分連携をとって、この監視体制を十分に組んでもらいたいと、こういうぐあいに要望しておきます。  それから、今回のこの事故の原因につきまして、私もいろいろな点から検討いたしました。その一つは、やはり会場の管理体制の運営ですね、これが十分行なわれていなかったのではないか。もう一つは、諸施設の技術的な安全性の確保という問題がちゃんと励行されていなかったのじゃないか、この二つに大きな問題があるのじゃないかと思います。中でも実際の協会の運営という問題でありますけれども、私は今回の万博の運営がこの協会の入場料収入を主体とする、そこに問題があるのじゃないか、こういうぐあいに思うわけです。入場料を主体とする諸収入を財源として独立採算により本会の運営が行なわれる、こういうぐあいになっておりますけれども、これはもっとわかりやすく言いますと、入場者が一人でも多いということが結局本会の運営をスムーズにやるということになるわけです。したがって入場者をふやして、そうして極端なことばで言いますと、混雑を増すことによって、初めて協会の運営が成り立つ。こういうぐあいになるわけですけれども、こういうところに私は大きな問題があるのじゃないか、この点についてはどういうぐあいに考えているか、伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 協会の運営の面でございますが、運営予算の編成その他につきましては、決して人が過剰に入ることを期待いたしまして、その過剰に入らなければ運営ができないというようなことではございませんで、大体何人ぐらい入るだろうという入場予測のほうを先にいたしまして、その入場予測に必要な施設をつくる、そういうことで考えてまいっております。したがいまして、いまの計画ですと大体五千万人程度の人が入るであろうということになりますと、二十日平均のピーク——ピーク二十日平均で大体六十万人足らず、そのときのピークの人員が、四十二万人ぐらいの人がピークに滞留するであろうというようなことであらゆる計画を立てていっておりまして、混雑して相当、どういいますか、中が混雑するような程度にまで人を入なければ収支が償わないという考え方ではございません。考え方は逆でございまして、入る人の予想から先に立てております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私、聞いておりまして、非常に苦しい答弁をされていらっしゃるように思うんですけれど、先ほどのこの協会が依頼した観客流動調査というのがございますね。この報告によりますと、現在の万博会場の内外の展示館の全体の収容能力は十一万七千人である、そして、一日に二十五万人以上の人が来たら観覧することはむずかしいと、こういうぐあいに載っておるわけですね。そうすると、先ほど六十万人なんという数になると、現在までこんなよけい来たことないわけですけれど、たいへんなことになるわけですよ。現在の三十万、四十万という人員でももう超満員で、現実にモノレールに乗るのだって一時間並ばにゃ乗られへん、こういうような実情なんですよ。こういう点はやっぱり相当協会の、また担当の通産省としても、見込み違いがあるっていうのかね。たとえば、わざと混雑するなんてことは望んでないといいましても、それじゃこれから、こんなに事故が続いたりすると、いまは超満員ですけど、これから来なくなるってことだって考えられるわけですよ、現実の問題としてですね。これは大きな問題ですよ、実際問題。だから、この点どういうぐあいに考えているか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 観客調査の二十五万人と申しますのは、滞留人員が二十五万人というふうに考えているんじゃないかと思います。それからパビリオンの収容人員でございますが、これはわれわれの計算はもう少し多いのでありますが、それからそれ以外に、現在非常に寒うございまして、われわれ考えておりますには、五時以降の夜間入場者を相当多く、一千万人程度含んでおりますが、そういう夜間入場者がほとんどないということが一つ。それからさらにわれわれが考えております、エキスポランドであるとかあるいは日本庭園であるとか、現在は東地域のほうにはあまり観客がそれほど入ってないということがございまして、そういうところへだんだんとあたたかくなりまして人が入ってくれば、現在の収容人員よりも相当上回るのじゃないかと考えております。それから、現在の、四十万人あるいは三十数万人の入場者で現在非常に込んでおりますのは、西地域、特にアメリカ館、ソ連館を中心といたしました有名館に対しまする人の殺倒と申しますか、そういうことが原因であると考えます。そういうことを考えまして、今後ある程度入場者がふえましても、東地域、エキスポランド、これは相当多くの人が入る予定になっておりますが、日本庭園、あるいは夜間の入場者、そういうところが込んでまいりますれば、現在の施設でも相当の収容力があるんじゃないかと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、いま参事官がおっしゃるように、そうあっていただきたいと、こう思うんですけれど。これからだんだんあたたかくなると、いまはアメリカ館、ソ連館を中心にした有名館に殺倒してるからそのとおりだ、非常に混雑するんだというお話でありますけれども、それじゃ、これからだんだんあたたかくなってくると、これからアメリカ館、ソ連館に行く人はだんだん減ってくる——見ないで向こうのほうへ行かないと混雑するわけですから。そういうことになるわけです。ですから、私は協会が今回の入場人員に対しまして、初め全体の入場人員を三千万人としておりましたが、それが五千万人に増加しているわけですね。この五千万人を適正に管理する体制が現実にとられているかどうかということが、一つは事故防止の大きなポイントにもなるわけですが、現実の問題としては五千万人の体制には現在なっていないんじゃないか、私はこういう点、このように思うのですが、この点いかがですか。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 御指摘のように、三千万人を当初予定いたしておりましたが、会場の建設とともに博覧会に関する国民の認識も非常に高まってまいりまして、最近の世論調査等を参照いたしますと、五千万人ぐらいはどうも来そうだということで、昨年の七月、五千万人程度入ったときの対策はどうするかということを、施設的な面からまず検討いたしたわけでございます。運営的な問題につきますと、五千万人の方々が先生御指摘のように、できるならばなるべく平日を中心にして入っていただく場合には、たとえば百八十三日間のうち三十万平均といたしますと、これだけでもって五千四百万になるわけでございますが、大体二十五万前後の平均でもって入っていただくなら、われわれとしましても、観客の皆さん方にとりましても、会場をゆっくりと見ていただけるわけでございますが、そういう意味におきまして、私のほうとしましてはなるべく平日を中心に見ていただくということ、さらには、季節的に見ますならば、三月と八月、それからその次が五月の連休時期だと思いますが、ここに観客の層が集中するわけでございますので、できたらその季節をずらしたときに、ぜひ来ていただきたいということを旅行業者等を通じてお願いをいたしておるわけでございます。また、先ほどございましたように、一番問題になるのは、要するに滞留人数が幾らかということでございまして、私どもも六十万人という計算を考えましたときにも、滞留者数としては大体四十万というふうに考えていたわけでございます。そのためにも、夜間にある程度入っていただくことによりまして昼と夜の二つのこぶができる。高いのは昼だと思いますけれども、昼と夜のこぶができるというふうな一日のならし方をするというような、こういうふうなことでできるだけ観客が一時に殺倒しないように、そういうふうに努力をいたしてきておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまちょっとゴールデンウイークのことをおっしゃいましたけれども、私はこれから言うことがよけいな心配であれば一番いいんですが、私もこの間から入場券をいろいろ調べてみました。いま入場券を持ってきましたけれども、いろいろな面で調べてみますと、日にちが入っていない、いつでも行ける券ばかりですね。いつでも行ける券になっているわけです。それでゴールデンウイークははずして、ゴールデンウイークは当然込むから、そのほかの日に来ていただくことが望ましいという話がちょっとありましたけれども、現実の問題として私は今度の、たとえば五月のゴールデンウイークに一日百万人、二百万人押しかけないとはどこにも保証がないわけですよ。これをセーブする機関はどこもないわけですよ。もしもこれが来たらえらいことになります、ほんとに。ほんとにこういう点について、どういうぐあいに考えているのか、ただ単にいろいろな広告や宣伝のあれを見ましても、一人でもよけい見に来ていただくということだけは非常によく載っていますけれども、いまの話いろいろな面から見ましても、少なくともアメリカ館とソ連館は見られないわけです。日本庭園の庭しかあかんという人がたくさんいるわけですから、現実にそうなんですよ。私は、もっとほかにいろいろ問題があるわけです。トイレの問題とか、私きょうは聞きませんけれども、たとえばトイレの紙ですね、紙のないところはしょっ中ないわけです。使ってないところはしょっ中使ってないわけです。どういうぐあいに紙を交換する体制ができているか、いろいろな問題があるわけですが、この点はよろしいのですけれども、いずれにしましてもこのゴールデンウイークの点は、私は問題だと思うのです。この点についてはどういうぐあいに考えているか、伺いたいと思います。

秋本保日本万国博覧会協会調整室長

○参考人(秋本保君) 特に先生から御指摘の、ゴールデンウイークを中心にお話がございましたけれども、私どもは、特に春休みに一番ピークが来るであろうというふうに考えていたわけでございますが、現実は平日がかなり多くて、日曜日のほうがかえって少ないこともあったわけでございまして、全体的にはならされているわけでございます。したがって現在の時点では、観客の方が一時に、たとえば、六十万というふうな数字にはいまの段階ではならないんじゃないかというふうに考えておりますけれども、先生御指摘のように、やはりゴーデンウイークがこの次の山でございます。協会といたしましても、数々御指摘のございました点を十分考えまして、ゴールデンウイークの対策を講じてまいりたいというふうに考えておる次第であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それからもう一つだけ伺いますけれども、これはよけいな心配かもしれませんけれども、台風のことについては協会や、通産省はどういうぐあいに考えておられるか、伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 現在の建築基準法の台風の、といいますか、建物の強さは大体台風六十メートルでございます。それで万博の建物に仮設建築でございますが、建築基準法の建物でございまして、台風六十メートルに耐える、大体五十年に一度くらいの台風には耐えるという基準になっておるわけでございます。ただ非常に小さなパビリオンの中に、建築基準法には合格しておるのでございますけれども、なお問題があるというようなお話もあったわけでございますので、急遽調査いたしたいと思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 台風は来ても大丈夫だと、そういうことですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 台風の強さによりますけれども、現在の建築基準法で検査を終わっておるわけでございますが、その限度は大体台風六十メートルというふうに聞いておりますので、普通程度の台風ならば十分に耐える、こういうふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、もう一回お伺いしますけれども、台風は来るということ予測して、今回の全体の施設をやっておられるわけですね。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 日本は台風がございますので、極力台風自体を避けたいというたてまえで考えておるわけでございます。したがいまして、六カ月の計画を三月の十五日から始まりまして、終わりが九月の十三日ということでございまして、台風期間を避けたいという考えがあったことは当然だと存じますけれども、建築物の建て得ます基準は、やはり建築基準法どおりに建ててございますので、一応六十メートル程度の台風には耐えるということにはなっておると思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 台風の期間を避けて三月十五日からということでございますけれども、実は私調べましたら、昭和四十年以降現在までに十九回台風が来ております。昭和四十年には五回来ておりますけれども、九月十三日で終わりですね。九月十三日以前に来た台風が五回のうち四回です。それから四十一年は、同じく十三日以前に来た台風が五回のうち三回。それから四十二年は四回のうち三回が十三日以前に来ている。それから四十四年は二回台風がありましたけれども、二回ともこれが八月であります。こういう点を考えてみますと、現実にこれは台風は来る、台風の期間は避けたとおっしゃいますけれども、九月十三日以後の台風より、以前の台風のほうがずっと多いわけです。ですから、これは本気になって取り組まないと、私はいけないんじゃないか。現実に私見てきましても、いまちょっとおっしゃいましたけれども、小さなパビリオンの中にはあぶないのもあるような話がございましたけれども、現実に吹っ飛びそうなのがずいぶんあります。私は、こういう点についてもっと本気で検討をやっていかないと、いけないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) これは、先ほどもお答え申し上げましたが、協会の中に安全確保の委員会をつくりまして、そこで施設ごと、あるいは全般的ないろいろな問題を急遽検討いたしたいということでございまして、その検討事項といたしましてはそういうことも当然対象になると考えます。  なお娯楽施設、モノレール等につきましては、たとえば娯楽施設は十五メートルの風が吹けばやめる、あるいはモノレールは二十五メートルの風が吹けば停止するということで、極力安全運転、安全営業を考えているわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、特に通産省関係の万博に関する予算の問題で伺いたいと思いますが、特に私が見まして、四十一年から四十二年、四十三年、四十四年と、万博に関連の予算が組まれているわけでありますが、いろいろな問題がずいぶんあるわけです。特に私は、具体的には、要するに通産省所管の万博関係の予算が、いわゆる事業費事業費補助金ですね、それと出展事業に関する費用ですね、この二つがありますが、この中で特に繰り越し現額という、繰り越しが非常に多いわけです。特に四十二年度は、四十九億のうち三十億が繰り越しになっています。それから四十三年度は百五十一億のうち五十六億が繰り越しになっております。ということは、これだけたくさんの予算が繰り越しになっているということは、それだけ工事がおくれているということになると思うのです。そういう点からも、私は当然、いわゆる準備工事のおくれから工事が粗雑になったり、または手抜きになったり、そういうようなことがあったのじゃないかと、こういうことも勘ぐるわけですけれども、そういうふうな問題や、また最終検査の際、そういうふうないわゆる粗漏工事を発見して手直しをやらした事例がないか、その点について伺いたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 万博関係の予算でございますが、特に事業費の関係では、事業費の補助金あるいは委託費の関係で相当キャリーオーバーがございますが、これは万博が初めての試みでございますし、非常に芸術性をやかましくいうというようなことでございまして、基本構想のできかた、あるいは一度できた基本構想を変える、あるいは非常にこまかな、基本構想についての芸術家あるいは建築家その他の議論が沸騰するというようなことでございまして、基本構想あるいはそれに従う実施設計その他がだんだんおくれてまいったということが実情でございまして、それに従いまして、その後の工事の進捗がおくれてまいりまして、しかもその途中では、ある程度新しい技術、新しい機械の開発というような問題もかかえております関係もございまして、いろいろと工事が予定よりもおくれてきたというのが実情でございます。ただ当初、工事がおくれてまいっておりましたけれども、その後四十四年から非常に順調に工事が進みまして、大体御存じのとおり三月十五日の開場には間に合ったわけでございます。  それで粗漏工事の問題でございますけれども、これは建設省の基準法の認可の段階、あるいは消防庁の問題そういうところの問題では粗漏工事の問題はございませんで、手直しというようなことはございません。ただ問題は、実は非常に、先ほどお話のございましたような安全対策の点を心配いたしまして、シミュレーションをやりまして、どの程度の人がどういうふうに入った場合、どこに問題があるかということを、別途の会社で専門家に検討させたわけでございます。その結果、若干この段階はあぶないとか、あるいはここに手すりが必要であるとかいうような報告がまいりまして、それを検討いたしまして所要の改修を加えたという点はございます。その程度でございまして、工事自身が粗漏工事であったというようなことはございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いろいろと質問をしてまいりましたけれども、最後にもう一つ質問したいと思うのですが、今回連日、事故が起きているわけでありますけれども、当然私は政府当局も、BIEですか、万国博の国際事務局の一般規則ですね、これによりましても、日本国政府は、博覧会を監督し、博覧会の準備、開催、運営について財政措置規定を含む立法措置を準備するなどに必要な措置をとるとともに、政府代表を任命すると、こういうふうな規定があるわけですが、こういう点から考えてみましても、当然私は、通産省のみずからの手でこの施設の総点検をやって、そして安心して国民が万博を見れるようにすべきである。そういうふうな立場から、当然私は、この事故の絶滅をはかるという点から、施設の総点検をやるぐらいの姿勢が当然必要であると、こういうぐあいに思うわけです。先ほどの一般規則から考えてみましても、当然この総点検をやって、この総点検をやるに必要な費用、これについても、私は、たとえばこれから入ってくる入場収入で総点検をやるなんていうことになると、またこの入場人員を——観客をあおらないといけないわけですね。こういうふうな費用で総点検をやるというのじゃなくて、予備費等でこういう総点検をやるという姿勢が、私は当然必要であると、こういうぐあいに考えるわけですけれども、この点どういうぐあいに考えるかということと、私は今回のあらゆる施設の総点検の結果については国会に当然報告をすべきであると、こういうぐあいに思うのですが、この点をお伺いして、私の質問は終わります。

井上保通商産業省企業局参事官

○説明員(井上保君) 先ほど来、数回お答え申し上げました中で言及いたしましたが、安全確保の委員会をつくりたいということでございまして、これは委員会の設置場所は協会の中に考えております。それで、まあ費用も若干かかりますけれども、こういう費用は全体の協会の運営費からみれば非常に微々たるものでございますから、これは協会の運営費の中から出していただきたい。こういうように考えております。  それから、委員会の構成は、通産省、建設省——これはまだ各省に話をしておりませんけれども、いまの構想といたしましては、通産省、運輸省建設省あるいは消防、警察というような関係の官庁の地方出先機関の長を委員にいたしまして、それからその下に、さっき申しましたような、施設ごとの分科会をつくりまして、この分科会には、メーカーあるいは設計者あるいは協会、警察、各省の担当の専門家というものを入れまして、全般的に施設を洗ってみたいと、こういうふうに考えております。  なお、現在とまっております動く歩道につきましては、通産大臣が国会で安全性を確認するまでは運転をさせないということを言っておりまして、それ以来ずっといまだ現在検討中でございまして、きのうも関係の分科会を開きまして——これは、分科会はできておりませんけれども、分科会ができれば入るであろう人を全部集めまして、そこで事前に検討いたしております。その結果の報告を待ちまして、通産省といたしましては、再開してもよろしいというふうなことにいたしたいと思います。  それから、空中ビュッフェにつきましては、きのう、大体こういう措置をして、こういうことをやったので、再開をいたしたいという話がまいっております。これを現在検討いたしておりまして、その結果再開することに賛成である、あるいはもう少し検討するというような結論を出したいと思っております。そういうようなかっこうで今後運用していきたいと思っておりまして、非常に、どう言いますか、タイムリーに、しかも相当フレキシブルに運用をしていく必要もございますので、いまのところは実態面にウエートを置きまして、関係の官庁のエキスパートを集めて、早急に発足したいというふうに考えておりますので、一応協会の中につくる、したがいまして、予備費の要求等はいたさない、こういうつもりであります。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) それじゃ速記を起こしてください。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 検査院の方にお尋ねしたいんですが、四十二年度の決算で中小企業設備近代化資金を財源とする都道府県の貸付金の運営当を得ないものという不当事項が出ておるわけです。これが年々ふえておるんじゃないかというような傾向を私感ずるから質問申し上げるんですが、この中で貸付八千四百二十九事項、そのうちで三百三十七の事項を検査されたものと思いますが、そうした貸付の場合の機械購入の価格その他の検討がなされるものだと思うんです。その貸し付けた額の価格に対する機械の購入がしてない、これを称して不当だと、こうおっしゃっておると思うんですが、これに間違いがないのかどうか、その点ひとつ御説明願いたい。

増山辰夫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(増山辰夫君) 御質問の中小企業設備近代化補助金の貸付の運営が当を得ないものとして不当事項として掲げましたものは、国から県に補助金が出ておりまして、県から中小企業者に設備購入等に貸付を行なっております。それが申請によりまして貸付を受けまして、それから設備等の事業を実施した後に、これだけの金で機械購入をしました、そういう精算が行なわれれるわけです。それを調べましたところが、そういう実際の精算をなされておる届け出と、それから実際に購入しておる額を調べますと、それだけかかっておらない、実際はもっと低額で設備が設置された、そういう次第でありますので、結局貸付がよけいに行っておる、貸付金については国から二分の一補助金が出ておりまして、それだけよけいな補助金が行っておる、こういう形になっておるので不当だとしておるわけであります。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そのとおりだと思うんですが、私がお聞きしたいのは、これは金利は無利子だと思うんですが、それに補助金が出ておると思うんですが、そうですね。  それからもう一つ、年々ふえておるんじゃないかという点についてはどうですか、四十三年度も終わって資料も出ておるはずですが。

増山辰夫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(増山辰夫君) 無利子の貸付になっております。  それから年々ふえておるかどうかにつきましては、必ずしもふえておると申せない状況で、その年その年の検査の結果で若干の伸びもございますが、ふえておるというような傾向は得られないわけでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 中小企業庁、見えておるかね。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 繊維雑貨局長が見えています。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 こういうものの検査というのは雑貨局長ではわからぬですね。中小企業庁じゃないと無理だね、まあいいですわ。それじゃ次官のほうは見えていますか。——どうぞ前に出てもらったらどうかね、答弁してもらうのに。——それじゃ見えてないようですから、他の問題を質問したいと思いますが、綿製品の取りきめの件についてお聞きしたいんですが、この取りきめは、取りきめ後、延期で、その後の輸出の伸びも伸びていないと思うんですが、どういう現状であるのか、これをひとつ御説明を願いたい。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 御存じのとおり、綿製品の長期取りきめは当初五年で発足いたしましたが、その後三年さらに延長になりまして、本年九月で一応延長期限が切れることになっております。現在ガットの場で輸出入国合わせまして約三十カ国でございますが、これの延長の可否について議論が行なわれておる最中でございます。日本としては、できるだけすみやかに自由な体制に戻るべきであるという主張を繰り返しておりますが、世界的にまだそういう主張が納得されておりません。むしろ世界の動向は、若干の改善を前提としながら、なお延ばすべきではないかという意見が強いようでございます。また九月まで時間がございますので、日本といたしましては、できるだけ自由な体制に戻りたい。どうしてもいかない場合にどうするかという岐路に立った場合は、いろんな考え方があると思いますが、少なくとも現在の非常に弾力性を失った内容は大幅に改善さるべきではないかという二つの考え方をもって現在折衝中でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 現在は延期するとも撤回するとも言ってないわけですね。まだきまってないわけですね。日本の政府としては、どういう態度でこれは臨んでいるんですか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) ただいま申し上げたとおり、日本政府といたしましては、できるだけすみやかな機会に自由な体制に戻すべきである。したがいまして、延長という考え方については基本的には賛成いたしておりません。しかし世界各国の動向とのにらみ合いもございますので、その点慎重にいま考慮中でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 見通しはどうですか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) ヨーロッパ各国その他は若干の延長を考えておるようでございます。ただし相当の運用の改善を前提としてというような意向が強いようでございます。現在のところ、見通しは必ずしも即刻自由な体制に戻り得るという見通しは立っておりません。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 その問題と別の問題ですけれども、特恵の考え方は、日本としてはどういういまの考え方でこれに臨もうとしておりますか、具体的な考え方があれば一言お聞きしたい。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) これは、私のほうの通商局が主としてやっておりますので、私若干誤解している点がありましたからおわびいたしますが、現在日本政府のとっております特恵の考え方は、原則として無税にする。ただ、それにつきましては、一定のシーリングをおきたいという考え方でございます。ただその中におきましても、特に日本にとりましてセンシチブなもの、たとえば繊維、雑貨の一部につきましては、特恵のカット幅を全額無税にしないで五〇%カットにするということにいたしたいと思っております。なお特恵によりまして、前者のシーリングの場合にも後者の五〇%カットの場合にも、いずれもシーリングがつくわけでありますが、特定国の産品が当該年におきまして非常に集中的に入ってまいりまして五〇%以上をこすというときには、当該国は特恵の恩恵からはずれる、こういう考え方をとっております。  また先ほど申し上げました、特にセンシチブ・アイテムにつきましては、前年におきまして特恵の日本に対する輸入がすでに実績として五割をこえているという場合には、当該国は非常に強い国際競争力を総体的に持っている国だから一年間特恵の面から遠慮してもらいたい。いわゆる国際協力概念と申しておりますが、そういう概念を導入して、センシチブ・アイテムについては慎重を期したいと考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 特恵の場合は、日本の考え方でそういうことになるのでしょうが、いまその特恵に対する日本の考え方から言えば、五〇%程度はそうした特恵としての扱いをしていきたい。繊維もその五〇%の中に入っておるのですね——こういうことですか、さっきの……。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 原則といたしましては一定のシーリングをおいて無税にする。ただし特にセンシチブ・アイテムにつきましては無税にしないで五〇%の税額カットにする、こういうことでございます。その中には、特にセンシチブ・アイテムというのは現在作業中でございますので、その品目はまだ申し上げられないわけでございますが、相当繊維、雑貨というようなものを入れたい、かように考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 今度のアメリカの規定について、これは繊維雑貨局でいいんですか。——それじゃ、米国のこの規制についてお伺いしたいのですが、今度のアメリカのこの規制に対して、日本政府として思い切った筋を通した政治、外交といいますか、そういうものがはっきりしないと思うんですよ。それはどういうことかといいますと、私は、いろいろ報道機関やその他の資料で拝見いたしますと、日本のこの問題の取り組み方が、いわゆる経済と政治の混同したような形で、むしろ日本が親善友好を保持していくための外交をやりたいという態度のようにとれるのです。しかし一方、規制に対する姿勢の問題で質問をすれば、きのうは総理も外務大臣も明らかにその質問に対しては、日本とアメリカだけの自主規制はやらないのだ。しかもまた国会決議もあるから、その決議に対してはこれを尊重する、これを無視しないという強い能度の答弁をされるわけです。ところが、一方においては、今度は外務省では、日本とアメリカとの話し合いをかわしながら、そうして各国協議に持っていきたい。こういう外務省の発言もあるわけですね。きのうは外務大臣は、これに対しては、何かの手がかりとするためには、これも一つの案と思ってやらざるを得ない、こういう答弁をしておるわけです。こういう考え方自体が、根本的な問題として、アメリカとの親善というものを保持するために非常に誤った経済外交になるんじゃないかと、こういうふうに私は考えるわけです。  そこで、通産省としては、繊維局としてはどうですか、今度の問題に対して、沖繩の問題でニクソン大統領と総理の間でいろいろ話し合いがついておるんではないか、あるいは安易に総理も、それは協力しようというような形で答弁をしたのではないかと、こういうことが言われておりますが、通産省はこれに対してはどうお考えですか。それだけ日本としては筋を通すわけにいかないんだ、むしろ日米の親善を保持するために、この際何とかひとつ話し合いをつけてやらなくちゃいかぬ、そこから出ておるのが総理の互譲の精神だ、それで解決をつけなくちゃいかぬ、こういうふうにとれるんですよ。通産省自体はこういう考えについてはどういう態度でいま臨んでおられるのか、お聞きしたい。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 総理とニクソン大統領との会談の模様につきましては、総理が国会の本会議、予算委員会その他の委員会で御答弁になっておるとおりだとわれわれは考えております。私どもは当初から、この問題につきましては、インジュアリーのなきところ、あるいはインジュアリーのおそれのないところに規制はあり得ない。しかもその規制は業界の納得を前提とする。そしてそれはマルティの場の合議も必要である。あるいはまたガット十九条に戻るためのつなぎの措置である、こういったような原則を堅持して通産省としてはまいったつもりであります。ただ、日米友好の関係から何らかの手がかりはないのかという点は政府の方針でもあるようでございますし、また総理その他の御答弁にもうかがわれるわけでございますので、その間の調和といいますか、調整をどうするかという点については非常にに腐心をしておりますけれども、通産省と外務省が従来意見の対立を見てきたということは、少なくとも繊維雑貨局長の実感としてございません。先般出しましたエードメモワールの考え方、これは政府として公表はしておりませんけれども、すでに宮澤通産大臣が、実態をとらまえたものであるというコメントを新聞報道にしておられますが、ああいった考え方で現在まで臨んできたわけでございまして、その問外務省との間には食い違いはなかったと考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そういう考え方でおられるようですが、外務省と通産省の意見の相違はないんですか。一致しておるんですか。はっきり言ってください、それは。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) いずれ大臣がお見えになりましたら、最近の情勢を御説明されると思いますが、三月の上旬に吉野公使を交えまして外務省と通産省の局長ベースで議論したのが先般一部の新聞に報道されましたエードメモワールでございます。その議論の過程におきまして、大きな食い違いは私はなかったと、かように考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 私は、過去のそういう問題の議論を言っているのじゃないのですよ。今日まとめようというその趣旨の、通産省としては、繊維局としてはあくまでもルールの基本を守るべきだ、こういう立場でおられるのか、外務省も同様のことを考えておるのか、その点はどうですか。それには食い違いはないんだ。ただ、手がかりだけをいまあらゆる方法で検討しておるんだと、この点はどうですか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 新聞報道がいろいろのことを伝えますので、私も外務省の手がかりというのはどういう意味なのか、昨日の新聞を見ましたけれども、よくわかりません。ただ、従来政府としてとってまいりました考え方は、先般のエードメモワール並びにそれに対する追加説明をもって日米間の正式の交渉はとだえておるわけでございます。先般他の委員会におきまして、宮澤大臣からケンドールの来日について御説明がございましたが、ケンドールは、日本の考え方の本体はわかった、しかしそれに達するまでのつなぎの措置はないのかいう質問あるいは希望があったようでございます。それが、ケンドールが書いたかどうかは存じませんが、一部新聞にケンドール私案と称せられておるものであります。それに対しまして通産大臣は、きっぱりと、つなぎの措置とはいえ、あるいはそれは暫定的であるとはいえ、包括規制を含んでおる点につきましては国会の決議にも反し、また政府の意思にも反するので、政府としては受けつけられない、こういうお答えをされたそうであります。ケンドールは、自分は一財界人としてこの問題について非常に心配だから、日本の財界との接触をとりたいがどうだという発言があったようであります。大臣も、それについては別に阻止するという態度はとられなかったと伺っております。現在、三月の十六日でございましたか、出しました追加説明資料以降、アメリカからの正式の回答もございませんし、こちらからの訓令を受けて交渉を進めておるということもございません。また外務省から新しい提案が通産省に来ておるということもございません。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 いまのそのいきさつの経過の御報告、あなたからお聞きしますと、やはり一点違うところがあると思うのですね。外務省は、一応日米間で総括的な、短期的なものが話し合いがつけば、それをガット総会に持っていって了解を得るのだ、こういう基本原則に立っておると思うのですよ。通産省はこれを拒否すべきだと私は思うのですよ。そういう点の相違が、まだ結論が出てないのではないか。それで新聞でもやっぱり書かれるんだと思うのですが、そういう点の意見の相違はないとおっしゃるのですか、あると言われるのですか、経過だけじゃなくて現実に。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) いま申し上げましたとおり、日米間の交渉におきまして、三月十七日でございましたか、エードメモワールの追加説明として出しました訓令以降、日米間の正式の交渉もございませんし、また外務省と通産省とが接触をとっておるわけでもございません。ケンドールが投げかけた民間人としての行動の波紋がどうなっておるのかというのを、私としては静観しておるわけでございまして、いまのところ外務省と接触をとっておりませんので、外務省案に賛成とか反対とかいうことを申し上げる段階でもない。ただ先般ケンドールが参りましたときに、つなぎの措置とはいえ、包括的な規制は政府として国会決議に反し、また政府の方針に反するから、政府としては、ノーであるということは、宮澤大臣がはっきりケンドールに述べた、また国会答弁でも御説明されたとおりだと了解します。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 こう解釈をしてもいいのですね。ケンドール会長が個人で来て、そうして短期の規制をしてはどうかというお話し合いを日本でした。アメリカでもいま拒否しておるという報道が出ていますが、したがって牛場事務次官ですか、きのうの新聞にも出ておりましたように、やっぱりそれを強く主張されるような報道がなされておりますね。それは誤報だ、こういうふうな見方をして、判断しておいてもいいと、こういうことですね。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 新聞が誤報かどうかも実は私にはわかりませんけれども、外務省からああいう意見が通産省に来ていないことは事実ございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 それから次に、お尋ねしたいのですがきのうも総理がこの問題について、非常に誤解しておられる点がありますので、私は時間が切れましたけれども、追ってこの問題で追及したのですけれども、やっぱり考え方が全然違っておるわけです。通産省はどうお考えになっておるか。労働省が出しました資料とILOが統計を出しましたその資料に基づいて日本の労働者の賃金は総理としては中小企業があって、非常に低賃金であるという考え方の上に総理は立っておられるわけです。きのうもこの問題で私、追及しましたけれども、中小企業ということをやっぱり言っておられるわけです。時間がありませんから納得させるところまで質問ができなかったけれども、しかしこの資料は日本の全繊維の資料なんです。これをまあ発表するまでもなく、あなたのほうは御承知でしょうか、いま日本は七十五セント九です、時間給当たりですね。フランスが七七・〇です。しかしこれは昨年の資料です。昨年賃上げをやっておりますからそれが入っておりません。したがってこれを上積みするとフランスの賃金よりも日本の時間給が高くなっておる。いま国際的に見て米国、英国、ドイツ、日本と、こういう地位にあると思うのです。したがって日本の貿易の芽をつむような規制は、これからまだ上がるだろう労賃に対してですね、どういうふうにするかという問題は民間企業としてはもう重大な問題なんです。こういう点を私は通産省として一回でも総理に強い意思の反映をされたことがあるのかどうか。この点の認識が総理にない限り親善が優先して、ルールを通す——あくまでも主張していくというその総理の決意が出てこないと思うのです。この点はどうですか。通産省として総理に一ぺんでも大臣を通じて、そうしてこういう問題を論じたことがあるのですか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 昨日、予算委員会で高山先生から非常な貴重なデータを出していただきまして、私ども非常にありがたいと存じております。私どもは、従来アメリカ繊維産業の実態を分析してどうこうという議論の立て方をしていないわけであります。昨年九月に御存じの高橋調査団が向こうに参りまして、当時アメリカから出されましたアメリカの繊維産業全体のデータにつきましては当時の段階におきまして、アメリカの繊維産業全体が重大な被害またはそのおそれがあるとは考えられない、こういう立場をとってまいりました。その後私どもといたしましては、いろいろアメリカの統計をマクロ的ないしはある程度統括されました衣料品産業あるいは紡織業と、こういったような形で絶えず資料はフォローいたしております。またそういった産業の動向が、はたしてアメリカにおきまして、構造的な動きなのか、あるいはアメリカの引き締め政策との相関において動いておるのかという点についてのフォローもしております。ただわれわれが従来主張しておりましたのは、インジュアリー——またはそのおそれのない点については、規制は政府として出しがたいと、こういう点を通産省としては議論を進めてきたわけでございます。いま日本が低賃金でダンピング輸出をしているというようなことは、おそらく内外だれも考えていないのではないか。綿製品協定が始まりました十数年前には、いわゆるワンダラー・ブラウス問題がございましたし、当時はまたアメリカの繊維産業は非常な不況だったと思いますが、現在私どもが考えております考え方は、アメリカの全体的な統計資料を中心にいたしまして考えますと、アメリカ繊維産業全体の輸入品による被害はあると考えられない。ですから、もしアメリカで個別の業種について問題があるとするならば、この問題についての説明を十分聞かしてほしい、こういう議論のしかたをしておるわけでございます。ただ、それにつきましては、いまだ詳しいデータは持っておりません。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 宮澤通商産業大臣が出席されましたので、この際、大臣に対する質疑をお願いいたします。きわめて短い時間の御出席だそうでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 大臣、予算委員会でお忙しくて御苦労さまです。  局長にいろいろ質問をしておるわけですが、きのうの問題の関連性を申し上げるということよりも、私はっきりしておかなくちゃいかぬ点がありますので申し上げたいのですが、いま一応の局長の説明はございましたけれども、きのう総理がまだ日本の繊維産業は中小企業を中心として低賃金であるという、その考え方に立っておられるのですね。私は時間がなかったから無理と思いましたけれども、委員長に時間をいただいて、それは誤解だ、そういうことはありませんよ、それで米国の例、英国あるいはフランス、日本の例を、私申し上げた。それでもまだ納得されないで、中小企業と、こうおっしゃっておるわけですね、きのう。ところが、私が申し上げている資料は日本の労働省が出している資料なんです。しかも国際的にILOが統計として出したものを私は申し上げておるわけです。総理が、日本の繊維が過去の十四、五年前、あるいは戦前といいますか、そういうイメージの中から低賃金でソーシアルダンピングをやっておるということがアメリカに影響を与えておるのだという考え方、それについて通産省は大臣にもっと詳しくこのことを、通産大臣を通じて総理とお話しされたことがあるのですかと、いま質問したのですが、大臣、どうですか。そういう点、これは大事な問題ですよ。そういうことで繊維を見て、そうして日本の将来の繊維をああいうようなことに持っていってはならないと私は思うのです。これは何といっても輸出産業の——まだ日本は繊維産業は三番目です。伸び率からいったらいま悪いですけれども、それは綿の規制をしておるから悪いのであって、これはあくまでも国際競争に耐えられる産業としてお互いに努力してきて、政治の面で規制をされて、そうしてその労働者が苦しむ、その業界が苦しむなんということはあってはならないことだと思うのですよ。その点は、よくおわかりの通産大臣は、せめて総理にそういう問題からひとつ説いてもらいたい。きのうの総理の見解は大きな間違いだ、この点をひとつどうお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) きのう高山委員と総理大臣とのお話を私も伺っておりまして、私の受けました印象は、総理大臣は日本の賃金水準がヨーロッパの、西ドイツは一応別にいたしますけれども、フランスとか、イタリーとか、イギリスとかに比べて、そう低いという頭でお答えしたことはなかったのであろう。まあかりに七十数セント——五セントか六セントといたしまして、アメリカですとたぶん三ドルくらいかと思いますが——三ドル余りと思いますので、まあアメリカとの比較では低い、しかもかなりの部分が労働集約的な産業でありますからと、こういうつもりでお答えをしておったのだと思います。なお、もしそういうことがあるといけませんので、折を見ましてそれはよく申し上げておくつもりでございますけれども、その点は、私は基本的な誤解は総理大臣の側においてなかったのではないかと思って拝聴しておりました。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 いや、これは通産大臣はまあ見解でそういうふうにおとりになっておると思うのですけれども、私がこの数字を発表いたしましたときに、さらに中小企業がと、こうおっしゃっているのです。その中小企業とは何ぞやと私は言いたい。大体日本の百七十四万の繊維産業に携わっておる労働者と、それから米国は二百四十万です。その産業比率からいきますと、日本は日本全産業の一六・九%、それから米国は一二・一%、米国の産業から見れば小さいのです、繊維は。日本はまだウエートが高いのです。そういう立場から考えて見て、日本のいわゆる中小企業を、そう低賃金でいま労働者が来るようなことを総理が考えておられるところに問題があるのではないか。したがって、きのうも繰り返しやっぱりそれを主張されるところを見ると、通産大臣のお考えのような形の考えでないと、私はこうとっておるのですが、この点はひとつ通産大臣から、ぜひ私はそう主張してもらいたい。それでなければこれは——いまフランスに次ぐ日本でございますけれども、これが昨年の統計なんです。したがって、昨年の賃上げはフランスは一〇・八%です。日本は一二・六%、これを含めますとフランスよりも時間給は高いのです。したがって米国、英国、ドイツ、日本と、こうなるのです。もうあと英国に追いつき、一、二年すれば日本のほうが高くなるでしょう。こういう実態の日本の今日の労働流動化の中で、日本の繊維産業に規制を加えるということは大きな間違いだと私たちは考えるわけです。むろん通産大臣も、先ほどの局長のお話を聞きますと、かなりそういうふうに強く主張されておるようですから——筋を通したいという考えに立っておるようですから、それであまり申し上げませんけれども、ぜひこの点は総理に通産大臣のほうから言っていただきたい。きのう時間がございませんのでやめておきました。それから、米国の合同衣服労組が、約百三十九万おるのです——労働組合、合同繊維衣服労働組合員がおるのです。ここの発表を日本としてわれわれニュースをとって見ますと、日本の低賃金を攻撃するということで、しかも日本は一時間当たり七セント、二十五円であると、こういう発表をしておるのです、米国で。そうして不買運動を米国の衣服労働組合もやっておるわけです。日本の労働者がこれをだまっておられますか。そこに最近の通産省が労働組合を軽視した立場があるのではないかという意見がたくさん出ております。私は、大臣がそんなことをお考えになっているとは決して思いません。けれども、けしからぬという意見もたびたび聞きます。これはやっぱり通産省も労働者の意見を聞き入れて、いろいろな重要な問題については、大臣ひとつ意見の交換くらいしていただく、前はよくやっておったですよ、乙竹局長時代にしてもよくやられたものですよ。この点はひとつ大いに労働者の意見も聞いていただきたい、こういう希望意見を申し上げて、大臣への質問を終わります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 最後の点は、確かに大事な点であると思います。私も、就任以来日が浅いその間を、おまけにおもに繊維の話などで時間をとられまして、そういうことをまだいたしておりませんけれども、当然労働問題を抜きにしましてわが国の産業政策を考えるということはできないのでありますから、当然そういう努力は、私はじめ役所の者みんな一同しなければならないと思います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 これで大臣への質問は終わります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 せっかく大臣がお見えくださったのですから、私は二、三質問したいのです。今後の日本のエネルギー対策——これについて政府の考え方を伺っておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 非常に大きな、またむずかしいお尋ねでございますけれども、私は、エネルギー政策もやはり経済法則に従っていくべきだというふうに基本的には考えております。そこで、幾つか問題があると思いますが、たとえば石油資源あるいはウラン鉱というようなものになりますと、従来のところ、わが国ではほとんど自給をすることができない、ほとんど完全に自給でない体制でございますけれども、一つはやはり国内あるいは大陸だな等において、たとえば石油資源というものについての開発を、これから大いに実はやって見るべきだと思っておりますし、それから海外においても従来はできたものを買っておった姿が多かったわけでございますが、自分の手で開発を試みるというようなことも必要でありますし、また石油については、ことに供給先をなるべく多元化しておく、拡散しておくことが望ましいと考えております。それから電力は、ずいぶん火力が多くなってまいりましたが、本来ならば水力というものが非常に望ましいわけでありますので、多少コストが高くなりましても電源開発等は、ことに揚水式の発電を考えるなりして水力をもう少しやっていくべきではないだろうか、これは公害との関連もございますが、そういうふうに思っております。それから石炭でございますが、これがまあ一番経済法則と違いました施策を従来やってまいりました。これは、あれだけたくさんの炭鉱労務者並びにその地域の経済の問題、地域の繁栄の問題というものをかかえておりましたから、こういう施策を従来——十年このかたやってきたことは、私はやむを得ないことであったと思いますし、現在もそう思っております。ただ、いつの日にか石炭についても、できるだけ方向としては経済法則のほうへ寄せていきたいというふうに考えておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、いまの大臣の話は——これは時間がそうありませんから、たくさん質問するわけにはいかないのですが、いまの最後の点——いまのあなたのエネルギー対策の中で石炭の占める位置づけといいますか、今後どういうふうに考えていらっしゃるのか、それと日本のエネルギー資源の中で石炭の占める比率というものをどういうふうに考えていらっしゃるのか。そういう点をちょっとお聞きしておきたいと思うのですが。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 計数的なことは政府委員から後ほど申し上げますけれども、私は、基本的な考えはどうかというお尋ねであると思いますので、経済法則に合う限りにおいて石炭産業というものを育てていく。どう考えても経済法則に合わないものについては、急激なことはやってはなりませんが、政府もいろいろな施策をしながら、閉山するものは閉山をしていくと、基本的には私はそういうふうなことで、ただそれが急激に行ないますと、いろいろな摩擦を生じますことは、もう御存じのとおりでございますから、ある程度時間をかけてやっていかなければならない、こう思っておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、大臣の話は経済法則に尽きるように思うのですが、そういう点から考えていくならば、日本の石炭産業の前途というものは非常に暗い見通しになってくると思うのですが、経済法則だけ追求していくならば、重油の価格に比べても、ほかの燃料の価格と比べても、石炭の価格というものは、経済法則からいったらそろばんに合わぬという結論が出てくるだろうと思うんです。そうすると、日本の石炭産業というものは、これはもう先細りで、いつかは消えてしまうものだと、こういうことに結論がなっていくんじゃないかと思うんです。大臣、あなたはこういう状態で経済法則だけ追求する中で、今後石炭産業というものはどういう道をたどって、どういう結果になっていくという見通しをお立になっているのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、需給の観点と労務の観点とあると思うのでございますけれども、石炭山の中でメリットから見て、その他の燃料にも、あるいは原料にも十分に対抗できるというものは、これからも残っていきましょうし、また政府としては、そういうものをビルドするために、いろいろな施策を進めていくべきだと思っております。それから、おそらくそのような炭鉱においては収益状況も比較的よく、したがって福祉施設等々も相当に改善されまして、かなりつらい労働条件であることはもう御承知のとおりでありますけれども、福祉施設なりあるいは労働報酬というような点から、限られた人数は炭鉱労働者として残るであろうと、ほぼそういうふうな考えでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いろいろな問題が出ていますけれども、それはあとで政府委員の方に伺うことにいたしましょう。  もう一つは、日本の石炭産業という日本唯一の地下資源——外国に依存しなくていいこの重要なエネルギー資源を、単に経済法則の上からのみ見ていっていいものかどうかという点なんです。そこをちょっと伺っておかないと、今後の石炭に対する対策がわれわれとしても立たなくなってくるので、その点伺っておきましょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは当然、誤解をしていただいておるとは思いませんが、何もきょう、あすにどうという、急にそういうことができるとは思っておりません。おりませんが、しかし私は、やはり私どもの経済政策というものは、世界に戦争がない——大きな戦争がないという前提の上に立てられていると考えますので、したがって石炭だけをともかく非常の場合に備えて、あまり能率に関係なく自分のものをわが国で持っているべきだと。まあ白か黒かというお尋ねであって——そうかどうかというお尋ねであれば、私はそうは考えない。やはり国際的な経済法則の上に——原則の上に立って、根本的には考えるべきではないか。あす、あさっての問題ではむろんございませんけれども、気持ちはそうでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣、石炭の将来性については、炭鉱で働く労働者はもちろんのこと、日本の業界の人も非常に注目していると思うんですよ。そのときにあなたが経済法則のみ強く打ち出してこられると、石炭山で働いている労働者の前途というものは非常にもう暗たんたるものになっていくわけなんです。そこで私は、石炭に対して、通産大臣は石炭の将来性に対してどういうふうな積極的なお考えを持っておるかという点を聞いておきたいと思ったんですが、いままで伺ったところでは、どうも石炭山に働く労働者は、やはり大臣のことばから引き出してくると、日本の石炭というものは将来性はないんだ、われわれの生活はもう石炭に依存はできないんだという結論が出てくるような感じがするんです。そうして、いまの労働者が全部石炭山から去って、ほかの産業に移ってしまうと。それじゃ、日本の石炭山はもうつぶれてしまっていいのかということにもなってくるわけでして、やはり大臣の御答弁としては、今日の石炭山に働く労働者に大きな希望を与えて、そうしてあくまでも日本の石炭産業というものは守っていくのだという、こういう立ち場に立ち得るような見通しを、私は大臣の口から実は聞きたいわけなんですね。ところが、いまのあなたのお話ですと、経済法則、経済法則というふうになってきますと、先ほど出したいろいろな問題で、これはもうだめだというような結論にいくと、こう私は思うんです。大臣どうでしょうか、その点。ほんとうに責任のあるはっきりとした見通しをきちんと大臣の口から聞いておきたいんですよ、私は。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) かりに給与あるいは福利施設等々——フリンジベネフィットと申し上げておきますが、それらが同じでありましたら、一人の労務者が炭鉱で働くことを好むか、あるいは地上で働くことを好むかといえば、私はおそらく一般論として後者であろうと思うのであります。いわんや、わが国のように、労働需給関係がこれだけ逼迫してまいりますと、最近の終閉山を見ておりましても炭鉱労務者が——これは非常にお年寄りとかいうような者の場合は別でございますが、失業するというような状態では必ずしもないのでありますから、今後おそらくそれはますます上昇傾向になってまいります。そういたしますと、諸君はぜひ炭鉱に残ってほしい、そうしてもらわなければ困るというようなことを、私どもが言うべきなのかどうか。申しましても、いろんな条件が同じならば炭鉱を去っていく人の数はふえていくと思いますから、いる以上はむろん十分な労働条件をそなえなければならないということは、これは当然でございますけれども、だからぜひ炭鉱にいてくれというようなことを、私は言うことは別にないのではないかというふうに思うのであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、これで最後にします。  大臣、そういう御答弁では、それじゃ石炭はもうつぶれてしまっていいのかと、そういうことになるんですよ。大臣はもう経済法則上しようがなければ、日本では石炭はもうつぶしてもいい、石炭は掘らなくていいと、こういう結論なんでしょうか。そうじゃないんだろうと思うんですがね。それじゃ、どういうふうにするかということになってくるわけですが、いまの大臣のお話を聞いていると、もう石炭はどうでもいいんだという結論にならざるを得ないんですよ。それでいいんですか。日本の産業から石炭というものをもう抹殺してしまっていいんですか、どうなんですか。そうじゃないと思うんですよ。やはり日本は石炭を守っていかなければならぬと私たちは思うんですよ。それじゃ守っていくために、どうするかということは、あとで私は、政府当局と相談をしますが、大臣のほんとうの腹の中を聞きたいんですよ。石炭はもう経済法則の上でつぶれてしまったならば、それでいいんだと、こういうお考えなのか。それとも、そういうふうではいかぬ、石炭をやはり残していかなくちゃならぬ。そのためにはどういうふうにしていかなければならないんだと、こういう積極的なお考えか、そこを。どちらなんですか、大臣の気持ちは。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、わが国から石炭産業が全く影を没してしまうということはないであろう。企業の中で適正な収益があり、しかも保安対策あるいは労働対策等も十分経営の中でやれる、したがって労務者も集まる。そういう石炭企業のみが残っていくであろう。遠い将来においては、そういう条件を満たさない石炭企業というものは、これはやはりなくなっていくであろう。そういうことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、あとは政府委員から聞くことにします。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記とめて。   〔速記中止〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記を起こして。  それでは、しばらく休憩します。    午後零時四十九分休憩      —————・—————    午後一時四十九分開会

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和四十二年度決算外二件を議題とし、通商産業省の決算に対する質疑を続行いたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 次官にお聞きしたいのですけれども、いままで見えないので、関連性があるのでなかなか答弁もむずかしいかと思うんですよ。私のほうも、もう質問がしにくくて、途中で基本的なことだけしか聞けないので非常に残念に思っておるのですが、今度のまあ規制問題以外に綿紡の規制の問題ですが、九月で終わりなんですね。先ほど局長のお話を聞くと、大体いま各国で協議中だ、こういうことですが、これに対して各国がきめるということにならないと思うのだ。やはり日本の主張が通るか、通らぬかという段階になると思うのです。いままで八年間の統計をとってみますと、大体六二年から、韓国は一・四%の綿織物の輸出をやっておったのです。それが六七年には二・二%にふえておりますね。それから香港は一四・八%が二〇・八にふえておる。台港が五%から三・七%、これは減ってます。日本は三四・八%であったものが二六・五%に、それから衣類のほうで、韓国は〇・二が四・四にふえています。それから香港が一七・一が二二・六にふえております。台湾も二・二が四にふえております。日本は二九・四が二四・七に減っているわけです。これは六八年、九年は私はもっと減っておると思うのですよ、あとで局長に聞きますけれども。こういう綿紡の実態からいって、日本は化合繊、ウールの規制を拒否せざるを得ないのです、こういう綿紡の規制を受けておるということは。日本の国内における繊維というものは、御承知のように、ほとんど混紡に変わりつつあるのです。綿紡の比率もあとで聞きますけれども、こういう事態の中で、私は、この九月が期限になります綿紡の規制を、政府はあくまでもやはり制限を緩和すべきだ、解除すべきだ、こういう主張をすべきだと思うのですが、次官、どうお考えになりますか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(三宅幸夫君) 現在ガットの場で、CTCという委員会を中心に輸出入国が協議中でございまして、本年九月に切れるわけですから、いかに対処するか協議中でございます。世界中の大勢は必ずしも一挙に全廃という態勢に向かっておりませんけれども、日本といたしましては従来の主張をそのまま強く主張しております。万一若干延長するということになりましても、日本側としましては運用の改善あるいははフレキシビリティの大幅な改善について最後の主張をするということになると思いますが、いずれにいたしましても、まだ延長について、仮説的に、延長したらどうなるかという下話が進んでおるという程度でありまして、延長が決定されておるわけではございませんので、日本としては綿製品協定が持っておる不合理性を強く主張しておる段階でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 あなたの先ほどの報告は、私も承っておるのですから、それは了承しておるわけです。それではもっと日本は強くこれに主張すべきだということを私は次官に聞いておるのです。化学繊維の二五%は、かりにどういう話し合いに政治的にこれをもっていくにしても、押し切れるものなら押し切らなければいかぬでしょうけれども、綿の規制もまた継続した、化学繊維もそれに応じて規制するということになれば、日本の繊維は将来これは見込みないです。現在ですらこういう状態で、年間の伸び率というものが非常に減ってきておる。その中でまた規制をやろうという。したがって私は、通産省の姿勢が外務省にある程度の反映がなければ——き然たる態度がとれなければだめだと思う。その点を次官は、どうお考えになっているか、次官の考え方をお聞きしたい。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(小宮山重四郎君) ただいま先生のおっしゃるとおり、通産省としては、日本の繊維業界を守る意味においても、今後とも延長を打ち切るように強く要求したいと思います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そのことはひとつ大臣と御相談していただいて、強く意思表示していただきたいと思うのです。  それから次に、もう一つ次官にお聞きしておきたいのは、日本の経済外交に対する基本的な考え方です。いま各省の外務省に対する派遣人員——これは大体通産省が一番多いですね。五十一名出しています。その次が大蔵省です。ところが、これでは実際問題として、外務省を中心とする外国の資料を、ほんとうに日本の政府がつかむことができるのかどうか、こういう人員で。むしろ業界の資料に依存しておるのではないかという気が私はしておるのです。業界の資料に依存してもいいけれども、業界の資料以外の資料がなければ、それを基本にする以外にないと思うのです。その資料から見れば、必然的に日本の化合繊の将来というものがいかに困難な情勢にあるかということはもう一見してわかるわけです。そこでアメリカが、十品目に対する日本からの提案をしたところが、それを拒否してきておる。アメリカの消費に対する一〇%以上の日本からの過剰輸入というようなものを取り上げてみても十点しかないのですね。ところが、それが直ちにアメリカ市場を侵しておるかというと、そうでもないのです。この事態を私は外務省が認識しておるのかどうか疑うわけです、実際問題として。そうすれば、包括規制あるいは日本が示した十品目に対する話し合いがつかぬかという、この二つの点で外務省が真剣になっておる、通産省が真剣になっておるとは言えませんよ。ところがアメリカは拒否してきた。しかもアメリカの市場を荒らしておるということの事実はない。こういう点からいえば、いかに政治的な問題の解決だけを外務省があせっておるか、こういうふうに私は考えるわけです。それをもっと通産省は、通産省の立場から、先ほどは大臣にもその点を主張しておきましたけれども、私はこういう面における日本の経済外交の弱体化があると思うのです。したがって、もっと通産省あたりはそういう面を考えて——たとえばイタリーは大公使以下十四名の人がおります。いま日本とイタリーの経済問題でなにがあります。東南アジア地域に対してはみんな六名とか八名とか十名じゃありませんか。昔の惰性のままで外務省はひとつも改正しようとしないし、通産省も経済外交を中心にする日本の立場からそれを主張していない。こういうところに今度の政治的な解決の意図というものが非常に濃厚であって、真実をつかんでない。それでは日本の企業はたまったものじゃないですよ。そこに働く労働者も生活の安定なんか考えられませんよ。政府は補助金を出すわけじゃないし。こういう面に対する通産省の強力な姿勢が私は必要だと思うのですが、次官はこういう点についてどう考えておられますか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃることはごもっともだと私は思います。たいへん恐縮でございますけれども、私の意見、私見として述べさしていただきますと、これからの外交の中で一番重要なポイントを占めるのは経済外交でございます。ですから、外務省そのもののキャリアの方だけを養っていくのではなくて、通産あるいは大蔵、各省から外務省に出向させ、その地域で、その出た出先の大使館あるいはは総領事館で、経済外交あるいはほかの外交をもやっていただくのがこれからの外交の大きな問題であろうと思います。そういう点について今後とも努力いたしたいと思っております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 まあ次官の考え方はわかりましたが、もう一つ、私は通産省だけになぜこれを主張するかと申しますと、先ほど大臣にも申し上げたのですが、日本の産業というものは、労働を無視してはできないわけです。ところが、東南アジアにおいて一体労働事情の調査のできる人員がたった一人も派遣してありません。東南アジアはどんどんいま伸びておるじゃありませんか。ことしの予算でようようタイに一人だけ労働調査に外務省として入れていますね。しかし、経済外交の主体性は通産省ですよ。もっと通産省が姿勢を正して、まあ次官の考え方は私も了解しますけれども、口だけではなくて、実際の日本の経済外交に対して通産省がもっと姿勢を正して、むしろ外務省をデータ的に、いわゆる科学的に、実態はこうだということで指導してやらないと、外務省の言う、ただタイとの親善関係とか、あるいは韓国との親善関係とか、これでは日本は、これは親善で日本の経済が今後うまくいくかというと、それはいかないでしょう。あくまでもその現実の事態の輸出が伸びなければ国民の生活も安定しないわけです。こういう点を考えてみると、やっぱり通産省が主体になってやっていただく、それは労働省も入れる。そういう主張を私は大臣にしてもらいたいのです。ぜひこの問題は次官のほうから大臣にお話していただきたい。きょうの質問も、きのうの質問もとぎれとぎれ、私も質問しにくくてかなわぬのですよ。大臣も十分か十五分ですね。次官も十分か十五分で、もう時間ですね。これで終わりますけれども、ほんとうに真剣に私は通産省が考え、通産省が断固としてこれをがんばって、そして労働省も入れ、日本の総合的な貿易というものをどうするか。——皆さんがおつくりになっている三年計画は、この本に載っておりますが、もう三年たっていますが、改革をすると言っているけれども、何にも改革になっていないじゃないですか。東南アジア地域におけるタイにたった一人ことし入れておるだけじゃないですか。こんなことでは、日本が経済立国として今後伸びて、しかも貿易を基本にして安定成長をし、かつまた国民の安定をはかろうという、これにマッチしないです。この点を私、多少意見にわたりましたけれども強く要望し、御決意をもう一回披瀝していただき、大臣に主張していただきたい。お願いします。これで私は終わります、時間がないですから。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(小宮山重四郎君) いま先生のおっしゃることについて、私も同感でございます。東南アジアの開発途上国においては、経済外交がこれから特に重要な時期に入ってまいります。そういうことで、通産省としてもジェトロだけではなくて、各大使館、総領事館に経済のわかる外交官を送り、今後東南アジア諸国との特に連携を保って、いわゆる共存共栄のような形でやっていかなければなりません。特に日本は中小企業の問題等もございますので、そういう点に留意する必要があろうかと思います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 けっこうです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 鉱山局長、午前中日本の石炭の将来について私は大臣に質問したわけですが、まあ大臣の答弁を伺っていると、私自身何だか石炭の将来に対して暗い感じをせざるを得ないのです。私たちは、これまであらゆる石炭山を訪問して、石炭山の労働者に会ったとき、いかに日本の石炭というものが日本の産業にとって重要な問題かという点を説明しました。そしてあくまでも山を守って、山にとどまって、この石炭産業を守ってもらいたいということを主に話をしてきたんです。しかし、朝の大臣の答弁を聞いていると、私は、これから、石炭山に行って従来のような形で炭鉱の労働者に話ができなくなるわけです。将来のことを私ははっきり言えませんよ、ああいう大臣の答弁では。それでは局長の立場に立って、ほんとうに大臣の言うようなああいう形で——経済法則と大臣は言っておりますけれども、経済法則というのは、すなわち日本の独占資本家の利益を守っていくということになってくるわけです。そうすると、日本の独占資本家の利益を守るために、日本の山をつぶしてしまってもいい、日本の石炭労働者はどうでもいいんだという、こういう考えに連なっていくと思うのです。そこをあなたは、鉱山局長として、従来私は、あの去年石炭問題がやかましく言われたとき、石炭部長やいろいろな人と話をしました。そのとき石炭部長たちは、あくまでも石炭は守りたいのだ、その石炭を守っていくためにどうしたらいいかという、この立場で今度の法案が出てきているし、そして審議をしていただいているのだ、こういうことでした。私たちは、その立場に立ってこれまでずっと審議をしてきたのです。ところが、きょうの大臣の答弁だと、経済法則によってこれは処理されていくんだ。——こういう冷酷なことばでこの問題は片づけるべき問題じゃないと思うのです。鉱山局長は一体、この石炭に対してどういう立場に立って取り組んでいこうとされるのか。まずそれを最初に伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、石炭資源というものは、わが国が有しておる国内資源の中で非常に有力な資源でございます。したがって、これをできるだけ活用しようという考え方は、大臣といえども同じであると思います。ただその際、資源でございますから、その資源を経済的に活用していくという観点がございますので、基本的なこれに対する法則としてやはり経済法則が適用されるであろう。こういうことを申し上げたと思いますが、石炭資源について、これをできるだけ活用しようということで、第四次の石炭対策というものが行なわれたわけであります。ただ、その際できるだけ国内資源を活用できるという線で助成を厚くし、石炭産業として自立できるような体制に持っていこう。そのための助成は、財政の範囲内でできるだけ厚くして助成していこう。しかしながら、助成というものにも限度があるので、その助成の限度についてなお不足するという場合には、石炭山を閉山するということもあり得るのだ。これについては、特別閉山交付金その他を活用しまして、できるだけ社会的な摩擦を少なくしよう、こういう観点に立っているわけでございます。したがって、石炭につきましてもやはり経済性というものが考慮の中にあったということはいなめない事実でございます。そして今後の石炭資源をどうするかという問題でございますが、御指摘のように、燃料としての石炭というものにつきましては、重油その他の競合燃料もございます。しかし石炭には二面でございまして、御承知のように、原料炭として原料として活用される石炭と、燃料として活用される石炭があるわけでございます。しかも、原料として活用される原料炭の分野といたしましては、わが国が今後鉄鋼生産を大規模に生産規模を増加していくということと伴いまして、原料炭需要というものは非常に大きくなる。こうした傾向等を見合いまして、現在当省の研究所におきましても、一般炭を原料炭化するという技術開発に努力しておりますし、海外の技術を導入して一般炭の原料炭化——化といいますか、原料炭へ使用するという方向へ強力に進める体制を持っているわけでございます。したがいまして、石炭資源を今後原料用としても大いに重要視していくという方面から考えますと、今後の世界の原料炭事情等ともからみまして、経済性のある生産体制を十分確保し得る希望が持てると思うのでございまして、したがって、新鉱開発にも手をつけ、石炭の原料炭の増産をはかろうという体制にあるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あくまでも希望観測だろうと思うのですが、石炭局長、それじゃひとつ実例をあげるならば、この前の小委員会でも私、質問した点ですが、九州の三池炭鉱ですね、あそこは原料炭も出るが一般炭も多いですね。その一般炭は各電力会社が使用を拒否しているわけですね、ことし。それで、あなたたちも骨を折って、関西電力が昨年五十万トンですか、何か使ったのをことしは、せめてその半分くらいは使ってもらいたいという運動を政府も口をきいてやっていらっしゃるようだが、その話だってそう簡単にはつかないのでしょう。それで、その条件として硫黄分の少ない重油を併用することによって、亜硫酸ガスを少なくするというような、こういう方法を考えていらっしゃるようだが、それじゃ硫黄分の少ない重油がそうたくさん自由に手に入るかということも一つの問題。入っても値段は高いということですね。そうすれば、したがって発電料金が高くなるでしょう、発電料金が。そうすると、それがどういうような形で他産業にはね返っていくか。関西電力はもうすでに発表していますよ、コスト値上げを。関西電力は値上げを計画しているということが、ちゃんといわれてきているのですね。「関西電力値上げをほのめかす」という記事が新聞記事にすでにあらわれてきているのですね。そうすると、その関西電力の値上げがほかのところへはね返ってくると、今度物価高という問題になってくるのですね、そういう点をどういうふうに考えていかれるのですか。簡単に、使ってもらえるものだと思う、というようなことでは私は、解決しないのじゃないかと思うのですよ。一般炭を水選するとか、いろいろな技術を用いて、それを原料炭化していくといいますけれども、その場合、原料炭もやはり高くなってくるでしょう。それだけの手間をかければ原料炭の値段も高くなってくる。そうすれば、鉄鋼なり何なりにやはりその値段が影響してくるとか、いろいろな問題が起こってくると思うのですね。そういう点をどういうふうに処置していかれるのですか。どうなんですか、そこは。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 端的な例で問題の御指摘を受けましたので、それについてお答えを申し上げますと、三池炭につきまして、これは高硫黄炭であるということで、最近の公害対策上火力用炭として使用するについては、一くふう、二くふうを要する状況になっているわけであります。一つは、三池炭において、選炭機を増設することによりまして、一般炭として従来出しておったものを選炭機にかけまして、原料炭と一般炭に振り分けまして、そうして選炭によって原料炭として選出されたものを原料炭として供給する。これは第二期目の選炭機を増設するということによりまして、七、八十万トンは原料炭のほうへ振り向けられるということになります。今後まだ計画が具体化しておりませんけれども、さらに選炭機を置くことによりまして、やはり原料炭としてならば増加が見込めるというわけです。その点で原料炭として使用する方法を考えていかなければならない。  それからもう一点は、御承知のように、あすこには、三池アルミをつくった際に石炭火力を置いたわけであります。これに対しまして、石炭を使用するという形で、地元で三池炭を消費するということで数十万トンの消費を確保したのであります。これらについて、さらに今後の設備等について考慮いたしますと、三池炭の需要が確保できることに相なるわけであります。それらの点を総合的に考えまして、原料炭の需要確保をはかっていきたいというふうに思うわけであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 さっきの大臣の答弁の中に、海外開発という問題が出ましたが、日本の原料炭というものは海外開発をして手に入れなければ、日本では不足だということなんですか。どうなんですか、そこは。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 四十三年度の実績で見ますと、鉄鋼が国内炭約一千万トンを使っておりますが、これはガスも若干含んでおります。輸入は四千三百万トンの輸入をいたしております。今後鉄鋼の増産をいたしますと、この四千数百万トンの輸入がさらに飛躍的に増加する。しかも国内におきます原料炭の増産というのは、それほど大きなテンポで伸びる可能性がないということでございますので、今後の鉄鋼生産の規模の増大を確保する意味からいきますと、原料炭を確保する必要があって、しかもそれを単に従来のような単純な輸入だけで確保できるか、どうかという問題がございますので、カナダあるいは豪州等で開発をして確保しよう、こういうことに相なっているのでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、まだ、原料炭は足りないので海外から買わなければならない。そういう状態にあるから、日本は一般炭を原料炭に変化させていくならば、日本の石炭事情は先が非常に明るい、見通しが明るいということですか。どうなんですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 現在でも五千万トン近くの原料炭を消費している。これが非常に増加するという際でございまして、しかも原料炭の確保がいろいろ困難であるという事情になっているわけでありますから、一般炭が原料炭に混用されるという形になりますと——混用してコークス原料になるということになりますと、新しい一般炭の用途が確保される。いままでは鉄道用その他で需要がどんどん減っておりまして、需要の規模としては縮小する傾向にあるわけでございますが、原料用として新しい用途が出ますと、非常に希望が持てるということになります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それは、すべて今後の見通しですか。もう現在そういうことができる確信があるのかという点が一つ。  それから、海外開発といいますが、海外開発というのはオーストラリアのことを指していらっしゃるんだろうと思うんですが、海外で開発すると、そのときに出てくる一般炭はどういうふうに処置をなさるつもりか。今日海外から買っておる原料炭と日本の一般炭を処置して、それを原料炭に変えた場合の価格と、どのくらいの違いがあるのか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 併産する一般炭の用途あるいは価格については、将来の問題でございまして、いま幾らということは言えませんけれども、出資して引き取るという形に相なるわけでございますので、生産のコストとの関係で必ずしも市中の価格になるかどうかということはわからないわけでございますが、出資したという発言権に基づいてとれるという強みが出てまいるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いまの答えは、ぼくの一つの質問には答えていませんよ。私は、海外開発をした場合に原料炭をとれば、一般炭も同時に出てくる。その同時に海外で開発した一般炭ですね、その処置はどうするのかという質問が一つあったわけですね。  それから、海外で買う原料炭と、日本で一般炭を処置して原料炭に変えた場合の、その価格にどれだけの違いがあるかということですが、これは、やっぱり海外から買う原料炭のほうが日本で開発する原料炭よりも安いということになれば、やはり経済法則というたてまえからいうと、やはり日本の原料炭はあまり希望が持てないという結果が生まれてこないとも限らぬような感じがするんですがね。そこの関係です。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 一般炭の用途については、先ほどちょっとお答えしたんですけれども、まだどういうふうに使うかということはきまっておりませんので、その点御容赦賜わりたいと思います。  それから、一般炭を原料炭と混用する技術というのは、現在会社ベースあるいは通産省の研究所において研究をいたしておりまして、なお二、三年を要する、こういう現状でございます。小規模な実験は成功しつつあるようでございますが、これが大規模に工業化できるかどうかというようなことになりますというと、まだまだ研究を要すると、こういう段階でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これをもっといろいろ私は深めていきたいと思うんですが、委員長も時間を急いでいらっしゃるようだから、次へ進めていきましょう。またこれは、別の機会にもっといろいろ話したいと思います。  それじゃ具体的な質問をしますが、閉山交付金ですね、これは、四十四年度予算はどれだけとってあったんですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 実際使ったのは二百十億ということに相なります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 で、最初の予算は……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 百五億を当初計上しておりまして、予算の総則の十一条の三項による弾力条項によりまして、百五億ふやしまして二百十億に相なったと、こういうことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、予算の約倍いったわけですね。ということは、閉山が予定よりも多かったということだろうと思うんですが、そうすると今後の見通しは一体どういうふうにごらんになりますか。ことしもやはり予算は百五億じゃないんですか。ことし、どういうふうに予算を立てていらっしゃるんですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 三百万トンの予定で百六十億を計上いたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 しかし、これがまたことし、去年のように倍も閉山が出てくれば、今度三百二十億という金が要るようになってくるのですが、それもやはり従来と同じようにゆとりの幅の中で使っていくということなんですね。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 御摘指のとおり、四十五年度までは弾力条項の活用ができるということに相なっておりますので、四十五年度まではおっしゃるような方法を講じ得るということでございます。なお若干御説明をさしていただきますと、今回の第四次石炭対策におきまして、特別閉山交付金制度というのをつくったわけでございますが、できるだけ閉山等については、石炭鉱業経営者の判断に基づいてやろうということと、閉山について十分な判断ができて、なだらかに行なうことを考えましたので、二年間特別閉山交付金制度というものは置くということにいたしております。これともからみまして四十五年度まで弾力条項を活用し得る、こういうことに相なっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 四十五年度のあとは、どうなるのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 四十五年度から後は、弾力条項はないということになっておりますので、それ以降は予算の範囲内でやるということに相なります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そこが問題になってくるのですがね。予算の範囲内といったって、閉山がどんどん進んでいって、先ほどのような、通産大臣のような答弁をしていると、閉山はぼくはもっとどんどん進んでくるような感じがするのですよ。その場合に予算の範囲内といえば、もういま閉山してしまったほうがいいんだということになりますよ。四十五年度から後は、もうそういう幅は持たないのだということになれば、そうしたら炭鉱業者は、いまのうちに早く閉山したほうが金がたくさんもらえるということになって、閉山が進んでいくのじゃないですか。そういうときには、どういうふうな予算措置をするのですか。それともう一つ、これは通産大臣にぼくは伺おうと思ったのですが、時間のかげんで伺えなかったのですが、これまで第一次、第二次、第三次、第四次という石炭対策を立てて、手当てをしてきましたね。しかし、ぼくは第四次のときに植村さんがもうこれで石炭は終わりだと、石炭対策はもう今後金をつけないのだというような、非常なはっきりした意見を出していらっしゃったが、そのときにぼくは、ほんとうにそういうことができますか、もう二、三年たてば、また第五次というような問題が起こってくるのと違いますか、私はこういったのですが、どうなんですか、そういうことは絶対やらないのですか。そういう必要が生じてきたら、またやるのですか。絶対やらないのですか、どうなんですか、そこは。第五次石炭対策というのは。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 今度の第四次対策で、特別閉山交付金制度というものを新たに設けたわけでございますが、設けたにつきましては、先ほども申し上げましたように財政の許す範囲でできるだけの助成策を講ずる。その助成策の内容によって、今後再建が可能ならば再建の路線を進んでもらう。もしそれが困難であるならば、閉山制度について特別の制度を開き、この制度を活用していただく。その選択は石炭鉱業の経営者の選択にまかすと、こういうことであったわけでございます。したがいまして、四十四年度、四十五年度において行なわれるその閉山あるいは再建路線というのは、石炭鉱業者として、今後可能かどうかを判断した上での選択でございますので、この二年間には特別閉山制度を活用して閉山するというケースは、今年度限りだということを前提にして判断が行なわれると思います。来年度以降には、これは石炭経営者として予想しないような災害とか、いろんなことが起こったために、あるいは生ずることがあるかもしれませんけれども、現在進行しておる閉山の状況というものは、この助成制度を前提にして判断された閉山が出ておる、こういうふうに思うわけです。したがいまして、今後につきましては、閉山の見込みというものを立てて、その予算の範囲内で処置をしていく、こういうふうに考えます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、第四次が終わっても、またその後いろいろな問題が起こってくれば、いろいろな手当をしていくということなんですか。もう第四次で石炭に対する手当というものは打ち切りで、その後はどういうことが起ころうと、石炭に対しては政府は関与しない、知らぬぞと、こういうことなんですか。やはりめんどうを見ていこうということなんですか。そこなんですよ、率直に答えてもらっていいんですよ。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 特別閉山制度は四十五年度でおしまいです、ということであってそれ以外の振興助成策というものは四十八年度まで五カ年で計画を立てておるわけでございまして、石炭鉱業を助成するという考え方には変わりはないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 通産大臣が炭鉱の労働者諸君とお会いになっておると思うんです。その問題が出ているんですが、四十五年八月に体制委員会の答申がなされると、こういうふうに政府は炭鉱の労働者諸君に答えているんです。そうして四次政策の手直しが早晩起こるという期待と幻想があった。こういうふうに炭鉱の労働者諸君はそのときに感じておるんですが、ことしの八月に体制委員会の答申がなされるという政策の回答は、どういうことを意味しておるんですか、これは。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 第四次石炭対策は、四十四年の四月から発足したわけでございます。この発足の前後を通じまして、石炭鉱業の体制問題についてはなお不十分ではないかということで、体制委員会によって検討することの要請が非常にかかったわけでございます。これに対しまして、それらの点については体制委員会というものを設置して検討をすることを考えましょうということを申し上げておりまして、その体制委員会の答申というものは四十五年の八月を目途に答申をいただくようにいたしましょうということを言っておったわけでございます。そこで、その体制委員会につきましては発足がおくれましたけれども、明日の石炭鉱業審議会においても体制委員会の設置をおはかりし、旬日中に体制委員会を発足して審議を始めたいというふうに思っておるわけでございますが、その際も、目標といたしましてはこれは全体の問題について答申いただけるかどうかという問題はありましょうけれども、問題によってはできるだけ八月までに答申をいただけるようにお願いをしようと、こういうふうに考えておる次第でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この答申の結果では、今後もやはり石炭産業に対して、政府が従来のようなめんどうをみていくという結果も出てくるわけなんですか、絶対それは政府は認めないのですか、どういうことなんですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 体制委員会の審議の事項につきましては、あすの総会、あるいは体制委員会で検討するということに相なろうと思います。ただ、われわれといたしましては、現在の石炭鉱業のかかえておる現実の問題の中で、体制に関連するような問題について御審議をいただこうというつもりでおりますけれども、これは体制委員会において、委員の方々の御意見を伺って審議事項等についてもきめよう、こういうふうに考えておる次第でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それでは率直に聞きますが、四十八年度までにどこの山が閉山し、どこが残るかということを、大体あなたのほうで検討を続けておるならば、そのことを明らかにしていただきたいのです。それからもう一つは、原料炭の単価は上がるが、一般炭は同じように上がるのかどうか、その二つをちょっとお答え願いたいです。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 先ほども申し上げましたように、第四次石炭対策では、閉山するかどうかについては、助成の内容に応じて石炭鉱業の経営者の判断でお願いするということをいたしておりますが、われわれのほうで検討を続けておるというものではございませんので、御質問のような、四十八年までに閉山の山がどうかということについては、お答えする資料をわれわれ何も持たないわけでございます。それから、原料炭の単価の値上げの話が進んでおりますが、一般炭についてはどうかという点でございますが、先ほども申し上げましたように、原料炭の事情というのが、国の内外を通じて同じような原料炭を確保する必要性というものが非常に強くなってきておるというような事情を背景にいたしておるわけでございますが、一般炭については、先ほども御指摘のありましたような競合燃料との関係、あるいは硫黄の問題等、いろいろございまして、単価引き上げについてはなかなかむずかしい事情にある。したがって、これの引き上げ問題については簡単に申し上げかねるという現状でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 何だか話を聞いていると、だんだんむずかしい問題が起こってくるのですが、先ほどから行管の方も自治省の方も見えていただいているんで、そのことについてちょっと質問をいたしますが、産炭地振興について私伺いたいのですが、閉山地側の自治体ですね、町村が非常な財源難でいま苦しんでおるわけです。具体的に申しまするならば、ここに資料があるのですが、北海道の沼田町とか、それから阿寒、音別、白糠、こういうところでは税金が、もうひどいところでは半分、三分の一くらいになっちゃっているんです。人口がどんどん減っていくし、そういう状態になって、地方財政が非常に困難な状態に置かれておる。これは政府としまして、こういう閉山によって起こるところの地方財政の逼迫といいますか、困難といいますか、そういう問題に対してどういうふうに処置なさろうとしているんですか、ちょっと伺っておきたいと思うのです。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) お話のとおりの事情が、産炭地域については——産炭地域助成の市町村については起こるわけでございます。結局、この石炭産業の合理化に伴いまして、一つは財源的に収入が非常に減っていく。それからまた同時に、他面、あるいは閉山に伴いまして特別な財政需要がふえてくる。たとえば失対事業でありますとか、生活保護の関係でありますとか、こういうものがふえてくるというような状況になるわけでございます。そういうことでございますので、それが起こる起こり方が必ずしも全部のそういう関係の市町村に同一ではございません。そこで、地方財政の観点からいたしますと、そういう場合の個々の団体の実情をよくつかまえまして、そして私どもとしては、できる限り必要な財政措置を講じていくというような基本的な態度であります。具体的にどういうふうにするかと言えば、結局、こういう問題は年度途中に起きてくるものが非常に多いわけでございますので、そういうときには特別交付税等によって措置をしていくということで、その重点的な配分を通じてやっていくということでございます。年度当初からそういうことの問題に対応します場合には、これは税収が下がれば、それに対応しまして収入が落ちるわけでございますので、普通交付税において算定をする。あるいはまた、その関連の公害対策事業その他につきましては、地方債その他の重点的な配分を通じて措置をしていく、こういうことでそれぞれ対応して考えていくということにいたしております。しかしその現状を見ますというと、これはいろいろな問題が残されておるわけで、加えて今後また終閉山ということが予想されることもあるわけでございますから、できるだけ今後とも実態に即した措置をとるようにいたしてまいりたい、こう考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 念のために伺っておきますが、そうすると、こういう財政困難な市町村に対しては、自治省として特別交付金をふやすというような措置で、うまくいくように手当をなさると、こういうふうに理解していいんですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いま申し上げましたように、たとえばちょっとお話が出たのかも知れませんが、雄別炭鉱でございますか、こういうふうに本年の二月でございましたと思いますが、廃抗というような話が起きまして、そして、そのとおりあえずの問題というものが一度に出てきたようなことがございます。そういう場合は、年度中途でございますので、それの措置ということになりますと、もうそういう意味では特別交付税等による措置をするというほかないわけでございます。来年度になってまいりますと、税収その他の減収ということがはっきり測定ができる状態に相なりますから、そういう場合は普通交付税等の計算におきましても、その収入の減に応じて算定をした交付税の措置をまずしていくというようなことをいたしますが、それにいたしましても個々の実態に応じまして、やはり失業対策事業費が増大するとかいうような通常の計算に合わないものが出てまいります。そこでそういうものは、やはりそれに応じまして起債あるいは特別交付税等の措置をもって、個々の団体の実態に即して対策を講じていくと、こういう二段がまえでやっていくということで、いままでもやってきております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これは、ここらの町の人たちは実際困っているんです。私がいま例にあげたのは、雄別の炭鉱の閉山に関していろいろ町が、阿寒とか音別とか、そういうところの町が非常に困難に陥って、今日自分たちが持っている町有の山林を売って、売り食いをしていかなきゃならぬというような、そういう状態に追い込まれておるわけなんですね。ですから、こういう状態は自治省として放置すべきでなく、やはりもう少し積極的に財政援助をしてちゃんと立ち直るように、自治省のほうでも私は考えてもらいたいと思うのですね。そういう特別にこういうところには自治省として、何らかの方法をもって私は援助をしていってもらいたいと思うのですが、それはやってもらえますね。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いま申し上げましたように、その閉山に伴ういろいろな問題が個々の団体によって実情が違います。内容にも違いが起きてまいりますので、私どもといたしましてはその通常の状態を前提にして考えるわけにまいりません。そこで、いまお話にございましたような財産処分とか、そういうことで切り抜けていくというような事態に追い込まれおるようなところもあるやに私ども聞いておりますが、そういうところの実態を見まして、やはりこの立ち直るか立ち直らないかという問題になりますと、その石炭産業が中心になっておる町村におきまして他産業の振興とか開発ということがレールに乗るか乗らないか、いろいろそういう面での従来と同じような経営ができるかできないか、こういう問題はどうしても出てくると思いますが、そこで一応差し迫っておる問題というものについての対応策というものは、まず何としてでもこれはやっていかなければならない。そういう意味で私はとりあえずの問題としての財政運営についての措置というものは、やはり実態に即して、これは当然措置すべきものは措置をいたしていく。まあ従来もいたしてきておりますが、今後もいたしてまいりたいと思います。なお、従来の措置について十分でないという点があれば、それについてさらに検討を加えまして、実態によりよく即するように実情の把握につとめてまいりたい、こう思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それ以上、局長が言うことはむずかしかろうと思いますから、私、質問しませんがね。  今度は、産炭地振興課長来ているね。こういう措置に対していま振興課のほうで何か具体策を持っていらっしゃるのですか、どうなんですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 先ほど自治省の財政局長からお答え願いましたが、自治省として地方財政に対する特別交付金あるいは交付金の算定等で考慮していただいておりますが、四十四年度からは特別の事情のある場合に対処するという意味で産炭地域振興臨時交付金制度というのを設けております。今般の雄別の閉山に伴いまして御指摘の地方公共団体に対する影響が非常に大きいということもございますので、この臨時交付金の交付の結論を急ぎまして、三月中に交付額の決定をいたして市町村に対する財政のささえの一助にするということで、先般交付決定をいたした次第でございます。なお、今後これらの地域の地域振興をはからねばなりませんが、御承知のように、かなり山奥に入っておりますので、できるだけ海岸に沿うた線で産炭地域振興の事業としまして工場団地の造成等を行ないまして、ここへ企業の誘致をはかることによって今回の閉山による町村に対して、できるだけささえになるような措置を講じてまいりたいという計画を考えておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いま、こういう閉山地の町村のいわゆる課長さんたちが東京へ出てきて、企業誘致に役所にお百度を踏んでいるというようなことがいわれておるのですが、それに対する見通しですね、立ちますか、いま。どうですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 最近は、工場団地等の造成を行ないますと、経済活動の上昇あるいは労務状況その他の関係から、企業進出がかなりさびれておる、なかなか希望者のなかった地域にも、かなりの企業の進出が見られるようであります。北海道の従来企業進出のなかったところにも、本年度からは企業の進出が見られるという状態に相なっておりますので、道路、港湾等の整備、工場団地の造成を進めることによりまして、企業の進出というものを期待し得るような情勢が各地で進んでおります。したがいましてわれわれとしては、できるだけ誘致し得る基本条件である団地の造成その他を急ぎたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もう二つぐらいで終わります。  最近の人手不足で、労働力の確保ができれば相当へんぴなところへも企業が行くという例があるはずなんです。ですから、まず第一に労働力の確保という点をきちんとして、そうして企業誘致という方向に持っていくならば、ぼくは多少不便なところでも企業誘致ができないことはなかろうと思ったりもするんですが、その点やはり考えていかれたらどうか。これは私の意見ですよ。そういうふうに私は思ったりしているんですね。  それから最後に、アメリカ、イギリス、フランス、西独、ソ連、ここらは日本と同じように産業の発展している国だと思うんですが、石炭の使用量というものがむしろ上昇してきているんです。ところが日本は、産業が発展するけれども、石炭使用量が落ちていくと、アメリカなどは、もう重油よりも石炭のほうへずっと移行してきているように、私は聞くんです。というのは、重油を使う場合には亜硫酸ガスをとるためにいろんな施設が要りますね。それが非常に高くつく。むしろ石炭のほうが安くつくというので、石炭の方向に切りかえてきているということも聞いておるんですが、これらのアメリカ、イギリス、フランス、西独、ソ連、ここらで石炭の使用量がどんどんむしろふえていくのに、なんで日本だけが石炭の使用量が減っていくのか。日本でも重油をたいて亜硫酸ガスを出す。それをやめるためにいろいろな設備をしなきゃならぬ、公害をなくせということになれば、また石炭の問題も明るい見通しがついてくるんじゃないかという気がするんですが、そんなことはないのですか、どうなのか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 先ほども申し上げましたが、原料炭の輸入炭を含めて石炭の使用量ということになりますと、日本も決して減っておるということではなかろうと思います。四千数百万トン入れて、それに四千万トンあまり使うわけでありますから、八千数百万トンの石炭を使うということになっておるわけであります。ただ原料炭が少量であるために、そのほとんどを輸入しておるという状況ではないかと思います。  それから公害対策に伴いまして、石炭の需要が増加しているのかどうかという点については、私はまだ知識がございませんが、工業炭を使うということになると、やはりその問題が出てまいりますので、その点については、国内の石炭についても、そういう問題を含むものがあるということでございますので、すぐに御指摘のような形になるかどうかと思います。  それから先ほども、御質問の中で若干お触れになりましたが、重油の硫黄分を減少した低硫黄重油を使う場合に、若干の値上がりがありますが、石炭価格等に比較になりますと、なお重油の有利性というものが残るのではなかろうかというふうに考えます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 最後に、もう一つ基本的なことをちょっと伺っておきますが、これは大臣に聞きたかったのですが、さっき大臣は、要するに経済法則によって残る山は残るし、つぶれる山はつぶれるのだと、こうおっしゃったわけですが、その経済法則によって残り得る山というのは、一体どういう山なのか。そうして、どういう条件を備えた山なのか、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) おそらく大臣も、政治的に判断して御発言になったものとは思いませんが、経済取引の条件に合う炭を出せるところが残って、出せない場合には残らないと思うという意味だと思います。われわれとしましては、経済上取引の条件にかなうように助成策その他を現在考えて、できるだけ財政の許す限りにおいて手厚い助成を行ないたいということで、第四次の石炭政策を進めておるというのが現状であります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 炭鉱労働者の賃金は非常に安いですね。これは石炭時報に出ておる資料ですが、去年の十一月、坑内員で全国平均五万八千二百四十八円、地方へ行くといろいろありますが、大体全国平均でそんなものです。坑外員で四万二千七百五十四円と、こういう数字になっておるのですが、このごろ高等学校を卒業したくらいの年齢で、私の知っておる中小企業の労働者の平均給与は七万円ですよ。プレスや何かやるところで、それが平均です。多いものは十万円からとるのです。それがみな若いのです。それでも人手がないので一生懸命に集めているような状態です。そうすると、山の賃金というものは、あんな地の底で危険をおかして命がけで働いて、なおこういう安い賃金であるならば、私はなかなかこれはむずかしいと思うんですよ。そうすると、残る山というのは、やっぱり賃金の面からもいかなければならぬと思うんですが、あなたたちはこの石炭労働者の賃金はどういうふうに考えていらっしゃるか。こういう、ここに出ている賃金が妥当だというように考えていらっしゃるんですか。どういうふうに考えていらっしゃいますか、実際に。これでは、賃金は安いわ、炭住は最近は多少よくなったということを私は伺っているのですけれども、住居は悪いわ、保安条件は悪いわ、こういうことだったら非常にむずかしくなっていくのじゃないかと思うんですがね。炭鉱の存続——その中で残っていく山というものは、どういう条件をそろえなければならないかと、こういうことになってくると思うんですが、どういうふうなことを頭の中に描いていらっしゃるのですか。どういうようにしたら炭鉱は残ってくるのだというふうに……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 非常にむずかしい問題でございますが、包括的に申し上げますと、先ほどの経済取引の条件にかなうためには、そのコストで生産し得るといいますか、コストで生産し得るためには、先ほど大臣からも答弁がありましたが、労務者が自分の意思で山に残って、そうして掘るという条件が必要だと思います。そういう意味でできるだけ生産性を上げて——これは機械化その他の合理化によることと伴いまして、生産性を上げて、炭鉱の労務者が自分で残って働く条件であらねばならぬと思います。そういう意味で御指摘がありましたが、炭住等の対策も生活環境をよくする、それから保安等についても十分な対策を講じていくというようなことも必要であろうと思いますし、御指摘の給与についても自分で残れるという給与であらねばならぬ、こういうふうに思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、それがやはり炭価に問題がはね返ってくるわけですね。そういうふうな労働者が喜んで残り得る山をというと、やはり炭価にはね返ってくるわけですね。そうなれば炭価を上げていくのですか。炭価を上げるとなると、また別の問題がずっと起こってくる。ぐるぐる循環が起こってきて、むずかしい問題が次々と起こってくると思うのですが、そういう中で石炭というものはほんとうに残り得るのですか、どうなんですか。どういう山が一体残り得るのですか、あなたたちのお考えの中では。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 先ほど申し上げましたように、労務者一人当たりの生産量が増加するということになれば、それだけコストの面では楽になるわけでございますので、炭層条件、あるいは機械の導入その他によっても、コストの低減がはかれる点があろうかと思います。それから最近進んでおりますように国際的な原料需給ということから価格が変動するという要素もあるわけでございます。価格はこのまま続くという前提で考えることも必ずしもなかろうというふうに思うわけでございます。したがいまして、どういう山が残るかということになりますと、先ほど申し上げましたような、きわめて概括的な言い方になると思いますが、経済取引の条件にかなう石炭を出せるような山ということになると思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 最後に申します。  先ほど、私は、大臣の答弁の中にこういう意味の答弁があったと思うのです。もう戦争というようなことも考えられない。だから日本の石炭がエネルギー資源の石炭を保持していかなくても、外国から安い重油を買えばやっていけるんだという意味の発言があったと思うのですね。それじゃ戦争が起こればもちろん重油はとめられますよ。そうすれば、日本の産業はお手上げになっちゃうわけですね。それじゃ戦争が絶対ないかということなんですよ。これも大臣のように、そうはうまく戦争はないんだというふうに割り切ってしまうわけにはいけないですね。戦争がかりになくとも、繊維一つ——高山さんがおっしゃるように、日本のほんとうに独自の自主的な立場に立って繊維一つ解決できないじゃないですか。やはりアメリカにくっついていかなきゃならぬ、従属していかなければならぬ。それが今日の日本の政治じゃないですか。ところが、日本の唯一の地下資源である石炭を、大臣やあなたたちの言うように、放棄してしまって、これがどうなってもいいんだ。経済法則だということで、そろばんに合わぬということで——そろばんに合わぬということは、日本の企業のそろばんに合わぬということですよ、これは。そういうことで日本の石炭を見放して、つぶしてしまったらどうなるんですか。アメリカが重油を上げてごらんなさい、アメリカが出した条件をいれなければ、重油の問題だってむずかしくなるのですよ。重油の価格自体がむずかしくなっていくんじゃないですか。そうでしょう。日本の石炭が全部なくなってしまったら、アメリカの重油だけが唯一の頼りです。アメリカが重油の値段を上げてきたらどうなるんですか。その問題に対してあまり甘く考えていったらいかぬと私は思うのですよ。だから、どんな場合でも日本は自律できるという体制をきちんとしいて、その上でものを考えていかないと、私は非常にあぶないと思うのです。戦争はないなんて、そんな甘い考えでアメリカの重油に頼っていくという、それは日本の産業自体が、経済自体がアメリカに従属することじゃないですか。それを私たちはアメリカに従属しているといって批判するのですよ。それは危険ですよ、そういうことにもしなったら。だからやはり私は、どうしてもこの日本の石炭を、地下産業の資源の石炭を守っていかなきゃいかぬ。さあといったときのためにも。それでは、この重要な石炭をどうしたら守っていけるのかということです。そこで私たちは苦労しているのですよ。それを政府は、案外割り切ってしまって、経済法則で問題が解決しますというのじゃ、それじゃ話にならないですよ。これは質問じゃないです、私の意見として申し上げておきますが、そういう従属的な形で日本の産業がアメリカに首ねっこを握られていくということは、はなはだ危険だ。繊維問題一つ例に見ても、そのことがはっきり言えると思うのです。だから、そんな日本の石炭をつぶしてアメリカの重油が唯一ですということになったら、それは将来とんでもないことが起こってきますよ。私は警告を発しておきます。  きょうは、これで私の質問は終わりますが、言い分があったら言ってください。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 大臣が先ほど言った経済法則云々の問題でございますが、御指摘のように、何が何でも全く同じ条件でエネルギーの競争をさして、そうしていずれを選択するかという政策をとる、こういう意味ではないと思います。いま現在、第四次政策で財政上できるだけの範囲の助成を行なって、石炭鉱業を再建しよう。こういう立場でおるわけでございまして、御指摘のように、国内においてエネルギー資源を持っておるということがまた経済取引における一つの強味でございます。全く平板な条件の比較で、不利だからやめると、こういう意味で言われたのでなくて、あくまでも閉鎖経済的な資源確保という姿勢がいいか悪いかという点になって、そういう考え方の中ではやはり経済法則の考慮を入れるべきだというふうに、お考え願わなければならぬというふいに思うわけでございまして、決して助成は一切やめて、どっちか比較して有利なほうをとるのだ、こういう政策ではないというふうに御理解を願いたいと思います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 中小企業庁次長に先ほど質問いたしたのですけれども御答弁ができなかったのですが、次長に来ていただいたわけですから……。中小企業の近代化資金の貸し付けをしておられます。で、その中で最初近代化するという申請書と事実購入した機械との格差が非常にふると、不当行為として検査院が指摘しておるわけです。これを三年のと二年のと——まあ四十四年のはまだ出ておりませんけれども、いろいろ調べてみますと、かなりふえつつあるのじゃないかという気がするのです。したがって、こういう不当行為をしたものに対しての事後処理は、中小企業庁としてどうしておられるのか。この点をちょっとお聞きしたいのです。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 先ほど御指摘のように、設備近代化助成につきましては、四十二年度と四十三年度だけを比較いたしますと、確かに不当事項として、特に二十万円以上のもので指摘を受けたものだけを見ますと、四十二年度が二件ございます。そうして四十三年度は四件でございます。ただし四十一年度は六件でございまして、まあ私どもといたしましては逐次これを減らすように、できるだけの努力をしているわけでございますが、まだ絶無というまではいっていないわけでございますが、金額で見ますと、四十一年に比べますと四十二年はだいぶ減っております。それから四十三年が若干ふえたという感じでございます。それから事後処理でございますが、直ちに指摘事項の内容を見まして、不当である。つまり、いま御指摘のように、もっと低額で設置できるものを貸し付け額としては、よけい貸し付けてもらっているというようなケースがございますので、直ちに県を通じまして、相手に返還請求をしろということで、そのケースごとの処置はいたしております。いま申し上げました件数につきましては、全部国庫への返還の措置済みでございます。このようなことが、今後とも一件でも起こるようではいけないわけでございますので、私どもとしましては、そのつど通達を出しまして、監督指導に当たります各通産局並びに各都道府県の実際に窓口をやる方々に対しまして、こういうことのないように指導監督に万全を期するようにということの通達をいたすと同時に、その背景につきましても、いろいろ具体的な指導を行なっておるわけでございますが、今後とも、そういった方向で、こういう指摘されたような事項が絶対ないように、私どもとしては懸命に努力をしてまいりたい、こう考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 事後処理は大体わかりました。ところが、こういう不当行為をやっております人のために、まじめに申請をし、まじめにほんとうに近代化したい、こういう人が今度は逆に通産省から縛られて、思ったほどの機械の購入ができない、近代化が立ちおくれておる。この窓口をあまり縛りつけておるのじゃないかという意見も聞くわけです。こういう点は、不当は不当として、先ほどの指摘のように処理をしていただくのと同時に、実際の申請の場合に、むしろ中小企業庁としては近代化に対する——それよりも、もっといい機械があるではないかというような指導の中で、私はやっていただかないと、不当が二、三あったために、今度は逆に近代化ができなかった、こういうことのないようにやっていただくべきじゃないか、こう考えておるんですが、そういう点についてはどうお考えになりますか。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) こういった不当事項のゆえに、ワクが影響を受けまして、いま御指摘のように、中小企業者のまともな近代化のための措置が不十分になるというようなことでは、これは非常にいかぬわけであります。この設備近代化助成は中小企業者にとりましても非常に有効な制度といたしまして、御承知のように二十九年以来非常に効果を発揮しておるわけでございますが、私どもといたしましても国庫補助をするに当たりまして、各県から需要を十分徴しまして、それを予算要求に反映いたしまして、年々貸し付け規模もふえているわけでございます。ことしは二百三十四億の貸し付け規模を予定いたしておりますが、毎年順調なふえ方をしておりますし、各県当局も先ほど御指摘のようなことがないように、できるだけ需要をつかんで私どもに申し入れてくれ、こういうようなかっこうをとっております。  なお、御指摘の、より有効な設備をというような指導という点は、私どもも全く同感でございます。すぐ陳腐化するような設備を入れたんでは意味がない。そういう点もございますので、この辺は常々中小企業の、ことに業種別に見て、どういうふうな設備近代化が大事であるというようなことは、通産局を通じまして、よく都道府県にも指導するように、これも常に会議の席で言っているわけでございます。年々傾向的に申しますと、単位当たりの設備の大きさが少しずつ大きくなってきているという点は、先生御指摘のような点が結果として反映しているのではないか、こういうような感じがいたします。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 他に御発言もないようですから、通商産業省関係の決算につきましては、この程度にいたします。散会いたします。    午後三時十四分散会

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