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63回国会参議院1970/03/11

決算委員会 第2号

発言数
142
登壇者
8
会派数
3
開催日
1970/03/11

会議録

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る一月二十日、松澤兼人君が辞任され、その補欠として和田静夫君が、一月二十三日、二木謙吾君が辞任され、その補欠として佐藤一郎君が、一月二十八日、上林繁次郎君が辞任され、その補欠として沢田実君が、二月十三日、岡三郎君、戸田菊雄君及び林虎雄君が辞任され、その補欠として北村暢君、藤田進君及び安永英雄君が、同十七日、佐藤隆君が辞任され、その補欠として鹿島俊雄君が、同十九日、佐藤一郎君が辞任され、その補欠として長屋茂君が、同二十六日、黒木利克君が辞任され、その補欠として山本敬三郎君が、三月四日、佐田一郎君、長屋茂君及び黒柳明君が辞任され、その補欠として二木謙吾君、杉原荒太君及び三木忠雄君が、同五日、杉原荒太君及び二木謙吾君が辞任され、その補欠として長屋茂君及び佐田一郎君が、同十日、三木忠雄君が辞任され、その補欠として黒柳明君が、それぞれ選任されました。     —————————————

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 次に、理事の辞任に関しおはかりいたします。  温水三郎君及び前田佳都男君から理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事の辞任及び委員変更による理事の補欠選任を行ないたいと思います。  理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に若林正武君、渡辺一太郎君、和田静夫君及び黒柳明君を指名いたします。     —————————————

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 次に、参考人の出席要求に関する件につきましておはかりいたします。  昭和四十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。  なお、参考人の人選、出席を求める日時等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。  本日は、外務省の決算につきまして審査を行ないます。まず、外務省の決算の概要につきまして説明を聴取いたします。竹内外務政務次官。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 昭和四十二年度外務省所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  歳出予算現額は三百三十六億九千三百五十四万円でありまして、支出済み歳出額は三百二十三億三千三百七十九万円、翌年度繰り越し額は九億三千七百九十万円、不用額は四億二千百八十五万円であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額三百二十九億三千十二万円、前年度繰り越し額七億三千六百四十二万円、予備費使用額(パレスタイン難民救済計画特別拠出金に要した経費)二千七百万円でありまして、前年度から繰り越したものの内訳は、海外技術協力実施委託費五億七千百三十一万円、在外公館施設関係費一億六千五百十一万円であります。  支出済み歳出額のおもなものは、科学技術振興のため国際原子力機関に対し同機関の憲章に基づく分担金及び拠出金として、九千七百四十九万円並びに国際連合その他各種国際機関に対する分担金等として二十三億五千四百六十四万円。また、貿易振興の一環として、外国におけるわが国商品の輸入制限運動に対処して、関係国の議会公聴会及び関税委員会公聴会に出席し陳述をする等輸入制限問題に関し、政界、兼界首脳のわが国に対する理解を深めしめるとともに、輸入制限動向の実情調査、分析を行なって、ラジオ、テレビ、新聞、雑誌等マスコミに対する啓発宣伝工作、PRパンフレットの配布を行なう等輸入制限運動阻止のため四億四千二百六十七万円。次に、経済協力の一環としての技術協力の実施につきましては、コロンボ計画等に基づく技術研修員千百七十五名の受け入れ及び専門家三百七十八名の派遣業務並びに海外技術センター事業、メコン川開発事業調査、投資前基礎調査、海外技術協力事業団交付金、国連開発計画の拠出等に要した経費七十四億六千二百四十六万円。さらに、移住振興につきましては、中南米等への移住者八百八十四名を送出及びこれを援護するため等の経費十六億四千三百三十六万円であります。  次に、翌年度繰り越し額について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰り越しのものは八億五千二百二十万円でありまして、その内訳は、海外技術協力実施委託費七億三千二百八十四万円、在外公館施設関係費一億一千九百三十六万円。また、財政法第四十二条ただし書きの規定による事故繰り越しのものは、海外技術協力実施委託費八千五百七十万円であります。  不用額のおもなものは、外務本省の項で外国旅費等を要することが少なかったこと、海外経済技術協力費の項で海外技術協力実施委託費を要することが少なかったこと、移住振興費の項で移住者渡航費交付金を要することが少なかったこと並びに在外公館の項では、職員諸手当を要することが少なかったこと等のためであります。  以上で御説明を終わらせていただきます。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 次に、外務省の決算検査の概要について説明の聴取を行ないます。会計検査院第一局長。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 昭和四十二年度外務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はありません。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの四十二年度の外務省関係の決算について、会計検査院においては違法、不当の事項はなかったということでありまして、けっこうでございますが、二、三四十二年度決算に関連をいたしまして質問をいたしたいと思います。まず、この報告の中にございます、前年度から繰り越したものの内訳の中に、海外技術協力実施委託費五億七千百三十一万円というのがございますが、この海外技術協力実施委託費の繰り越した理由は、一体どういう理由によって多額の繰り越しがあったのかを、この技術協力関係の実施委託費の内容についてですね、説明をまずお願いしたいと思います。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) ただいまの御質問についてお答え申し上げます。  海外技術協力実施委託費は、一括して海外技術協力事業団に委託いたしまして実施をいたすわけでございますが、その内容といたしまして、研修員の受け入れ費用、それから専門家を海外に派遣いたしまする専門家派遣費用、それから投資前基礎調査といたしましてメコン川の開発、アジア道路、それから投資前基礎調査等の項目に分かれております。そのほか、従来までに海外において技術協力センターを運営いたしておりまして、それのための費用、海外センターの運営費あるいは新設費、それから研修員あるいは専門家の派遣等に伴いまして携行いたさせます機材供与の費用、それから青年協力隊——いわゆる平和部隊でございますが、それの派遣費用、それから医療と農業協力につきましてはプロジェクトタイプの取り上げ方をいたしておりますので、予算項目上医療協力と農業協力とは特に別記されて計上されております。そういうふうなものが委託費の内容でございますが、それが四十二年度におきまして多額の繰り越しを生じました理由は、現在の予算制度におきましては、毎年その前年の八月の末までに概算要求をいたしまして、予算が成立しますまでは相手国に対して債務を負担するようなコミットができないというのが実情でございますので、四月になって予算が成立いたしましてから先方と当初計画について話し合いました場合に、何ぶん相手は後進国のことでございますので、すでに事情が変わっておる場合、あるいは事情が変わっておりませんでも、それからの交渉に事務的に非常に手間どりまして、センターの協定その他が成立するのは、おおむねその年の十二月ごろになって成立するものが多いわけでございます。そういたしますと、センターの機材の買い入れ、あるいは専門家の派遣のために要する支出というものは、その会計年度の三月までに終了しないというようなことから、繰り越しを生ずる分が技術協力関係においてはわりあい多くなっているのが実情でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その技術協力センター等の繰り越した理由はわかりましたが、繰り越した後における運用はどのようになっているか。特に具体的にどこどこの協力センターがどういうふうになったということを、抽象的じゃなくて、どこの国でどういうふうになったかということを、ひとつ具体的に御説明願いたい。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 全般的には、繰り越しました予算は、その次の年の前半でほとんど消費いたしておりまして、不用に至った額はきわめて少ないと記憶いたしておりますが、具体的にどのセンターでどういうふうになりましたかという点につきましては、現在資料がございませんので、追って御報告申し上げます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、お伺いしたいのは、この決算の報告にもありますが、輸入制限動向の調査等、この経費が相当額あるわけでございますが、この動向調査等によってわが国の輸出産品を輸入制限しようという方向にある国の状況——端的にいまアメリカの繊維問題が問題になっておりますけれども、この経費を使ってやりました結果における状況等について説明をひとつお願いをしたい。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) たいへん恐縮でございますが、いまその担当官が見えておりません。直ちに招致して御報告させていただきます。ちょっと時間をください。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃその問題はあれですが、現在の繊維のアメリカの関係のことは答弁できますか、それもあと回しですか。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 先生のお尋ねは、いま御承知のように日米間において繊維の問題がたいへんな案件になっておりますが、いまお尋ねの趣旨は四十二年度において使用したことについて答弁できるかということでございますか。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いや、四十二年度の先ほどのは、担当官が来ないとわからないというのは、それはそれでいいのだが、現在問題になっておるアメリカの繊維の輸入規制の問題についてお尋ねしてもいいかと聞いておるのです。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) どうも御質問の趣旨を取り違えまして失礼いたしました。私の承知している限りを御報告させていただきたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これはもう衆議院のほうの予算委員会でも、しばしば問題になっている問題ですから、ごく簡単に御質問いたしたいと思います。  吉野公使が覚え書きを手交いたしましたが、あくまでも政府当局は従来の考え方を貫いていくという考え方のようでございますが一場合によっては決裂もやむを得ないというような強い態度で臨んでおるようでございますけれども、これに対して、この覚え書き手交に対しましてアメリカ側の態度は二、三日中に回答があるだろうということのようでございますが、この回答があるまで——正式に交渉中のことであり、はっきりできないのかと思いますが、なかなか回答においても日本側が期待するような回答が来るような傾向にはないようでございます。すでにデービス米商務次官補の談話等が、発表されておりますけれども、アメリカの国内において、日本側があまり強硬であるならば保護貿易主義による立法をもたらすことになるかもしれない。そういうことがあってもやむを得ないというようなことが伝えられておる。そういう点についてアメリカ側の態度が非常にきびしいようでございますが、一体日本としてはこういうアメリカ側の態度、しかも日本のとっておる態度に対してアメリカ側が非常にきびしい非難をしているようでございますが、まあ私は、先ほど来言われておる輸入制限動向の調査、その他相当外務省は予算をかけて、以前からこういう問題と取り組んでいるはずなんですが、こういう事態に立ち至っているわけですが、現在のこの行き詰まった状態に対して、政府は一体どのように対処するのか。この際、この事態に立ち至った段階に、おける政府の態度というものをお伺いしておきたいと思います。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 先生も御案内のように、この問題につきましての日米間の一番意見の対立点は、米側のほうがいわゆる包括的な規制——コンプリヘンシブと申しますか、それをあくまでたてまえにしておる。そこらは、それは絶対に受け入れるわけにはいかない。この点が一番意見の対立点でございます。従来からも政府といたしましては包括規制には絶対応じられないということをしばしば述べてまいりましたし、また今回、吉野公使が帰任いたしましてアメリカ側に提出した文書におきましても、特にその点を力説しておるわけでございます。まあ、この繊維問題についての政府のいわゆるPRについては、いろいろまた御指摘になる点もあろうかと思いますが、私どもといたしましても、まず米側において、日本側が包括規制はあくまで受け入れられないものであるという日本側の主張にまず耳を傾ける、これに同意することを強く現段階では期待をしておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その期待はわかるし、吉野公使もその間の説明を——日本側の意図というものをまず理解してもらうようにつとめていることは、これは私も知っているわけですが——そういう努力をしていることは認めますが、先ほど申したように、なかなか二、三日中に回答が来るということも、その日本側の説明を理解した上において回答が来るのではなくて、拒否的な回答が来るだろうということがまあ新聞にも予想記事として出ているわけです。そして、この吉野公使の説明に対して、さらにアメリカ側が保護のための法律まで制定して、そして対抗しなければならないと、こういうアメリカ側としても非常に強硬な態度である。日本側のせっかくの主張というものを理解するというところまでなかなかいかないのじゃないかと、まあそういう状況なんです。ひょっとすると、これは決裂するのではないかというところまで来ているわけでしょう。したがって、まあ決裂もやむを得ず、主張は主張としてやるというのか、何らかの打開策というものを考えるのか、そういう点について今後の見通しをお尋ねしているわけです。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 先生御指摘のとおり、アメリカ側の態度も相当に強いものがございます。二、三日中に予想されます米側の回答の内容につきましては、われわれまだ予測する段階ではないと思いますが、従来の態度を急に変えるということも確かに期待しがたいところもあろうかと思います。いずれにいたしましても、米側の回答に接し次第に、私どもはまた対策を検討するわけでございますが、決裂もやむを得ないという道をわれわれは選ぶのではなくて、さらにそのアメリカ側の回答にも徴しまして、さらに新たなる打開の手はないかと、外務省といたしましても関係各省と協議の上で、協議をするという見通しになろうかと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これはまあ時期的な問題もあると思いますがね。いまあくまでも決裂ということを初めから考える——もちろん外交上決裂を初めから考えてやるということは一番拙劣な方、法ですから、そういうことはいよいよのときでなければあり得ないだろうと思うのですが、一体、この時期的な見通しというのは、相当長期にわたっても交渉を続けられるのか、一体どの程度の時期的なものを考えて折衝せられるのか。これはアメリカ側がいっておるのですが、とてもやはりこの段階にくれば、先ほどいったように、立法措置までとるといっているのですから、あまり長い間かけて、これは関係各省と協議してやるということをおっしゃったけれども、一体、時期的な目途というのはどこら辺に置くのですか、そこら辺をひとつお伺いしたい。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 外務省といたしましては、特段時期的な目途——ここがいわゆるデッドラインであるというような日時を想定しておるわけではございません。ただ、いろいろな動きを見ますと、これはむしろ私個人の一つの観測としてお聞き取りをいただければ幸いと思いますが、こ  こ三、四週間が非常に重大な山場になるのじゃなかろうかという、こういう感じを持っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この問題はあまり長くやっていても、まだ交渉中のことでありますから、非常に微妙な影響のある問題ですから、これ以上私が質問しても、また答弁をちょっとしにくいものがあるだろうと、こういうふうに思いますから、この点はこの程度で終わります。  そこで、次にお伺いいたしたいのは、きょうの新聞にも出ておりますように、対外直接投資を大幅に自由化するという問題が報ぜられている。で、いままで一件当たり直接投資のワクが三十万ドルであったものを一挙に三百万ドルに引き上げる、こういう方針を政府はとったようでございます。そこで、対外直接投資のあり方の問題、あるいは経済協力のあり方の問題について、これから若干御質問いたしたいと思います。最近における経済協力の方向が、急速に強化されてきております。昭和四十年以降——四十年の政府、民間の経済協力費が四億八千五百万ドルから、四十三年になるというと、それが十億を突破する、こういう非常に急速な対外経済協力費の伸びがございます、これは政府、民間合わしてでありますが。そのための外務省の所管の経済協力費等もふえてきているわけなんでありますが、大体経済協力の目標を一体どの程度におくかということなんですが、先進国が未開発国に対する経済協力をする、これは国際経済協力機構の中でも論議されておるわけでありますが、一体協力の規模というものはどの程度に考えておられるか。GNPに対する比較というのを一つの目標において各国が経済協力をやっておりますけれども、日本の最近における国際協力が急速に伸びておりますので、一体どのような考え方で国際協力ということを考えておられるのか、この点についてお伺いいたしたい。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 国際的にはすでに国連経済開発委員会、いわゆるアンクタッドにおいて、先進国はそのGNPの一%まで急速に援助額をふやすべしということが議決せられておりまして、わが国もその目標に向かって邁進するということを国際的に賛成いたしております。それから昨年の十月、ピアソン報告と申しまして、世銀のマクナマラ総裁がカナダの前首相ピアソンに対しまして、開発戦略全般について諮問いたしまして、その結果としましてのピアソン報告が世銀の会議に報告されたわけでございますが、それでは、一九七五年までにできるだけ早い段階において先進諸国はGNPの一%目標を達成すべし、それに間に合わないまでも、おそくとも一九八〇年までにはそういう目標に到達すべきであるという勧告を出しています。と同時に、その中で政府の開発援助費がGNPの〇・七%に達するように努力すべきだというようなことも勧告いたしておるわけでございます。それから国連におきましては、国連開発の十年というのが一九六〇年代で終わりまして、一九七〇年代について国連開発の第二の十年というのを取り上げようということで、そのための委員会ができまして、ティンバーゲン教授が委員長でございますが、その委員会が出しました報告におきましても、一九七〇年代における後進国の経済発展率、年率を六ないし七%に持っていく、そのために先進国はGNPの一%目標をできるだけ早く達成すべしというような決議案の原案が現在審議されております。そういうふうなことで、日本政府の一致した意見——関係各省の一致した意見としまして、対外経済協力がどの辺までできるというふうな一致した意見はございませんし、国際的にも先進国は、どういう援助能力がどこまであるかというようなことにつきましての統一した基準というものはございませんけれども、一応いま申し上げましたような各機関がきめました勧告、それを達成することが一応の目標になっておる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いま国連における論議の模様は私も承知しておりますが、各国の経済援助の実情は一体どうなっているか。それにおける日本の現在の地位はどうなっておるか、この点御説明願いたいと思います。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 一九六八年の統計が現在一番新しゅうございますので、六八年の統計に基づきまして御説明申し上げますと、米国は五十六億七千五百万ドル、対国民所得比が〇・七九%、国民総生産に対する比率が〇・四五%でございます。ドイツは一九六八年度十六億三千四百九十万ドル、国民所得に対する比率が一・六二%、GNPに対する比率が一・二四%、フランスは援助総額十四億八千二百九十万ドル、国民所得に対しまして一・六五%、GNPに対しまして丁二四%。日本は六八年度十億四千九百万ドル、国民所得に対しまして〇・九四%、国民総生産に対しまして〇・七四%でございます。イギリスは八億四千五百六十万ドル、国民所得に対しまして一・〇六%、国民総生産に対しまして〇・八三%、大体おもな国を申し上げると、以上のとおりでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすると、日本もアメリカ、フランス、西ドイツに次いで、経済協力費が世界の四番目、イギリスを上回ったわけですね。そういう状態にあるわけでありますが、対外の直接投資の状況は一体どんなようになっておりますか。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 対外直接投資の六八年度末におきます累計は七億六千六百万ドルでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いや、最近の、四十年以降の直接投資の状況を知りたいわけなんですがね。いまの御答弁ですと、何年から何年までの累計をおっしゃられたのですか。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 一九五九年から六八年までの累計でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 最近の直接投資の状況からいっても、やはり昭和四十年ごろからの直接投資も急速にふえておりますね。まあ四十二年でいけば二億二千八百万ドルですか、それが四十三年では五億三千万ドルというふうに、急速に倍くらいにふえているわけでしょう。そこで、きょうの新聞に出ております対外直接投資の大幅自由化ということで、一件当たりの直接投資のワクが三十万ドルから三百万ドルと、約十倍に引き上げようというわけなんですね、直接投資のワクを。そうしますというと、これは大幅に資本進出がされるということが予想せられるわけです。で、今日の段階でもすでにこのような資本進出というものが伸びてきているわけなんですけれども、さらにこういうような大幅自由化をするということになれば、たいへんな資本進出ということになるのでありますけれども、一体この対外直接投資の大幅自由化ということはどういう必要性があって、どういう理由のもとにこの自由化をやられるのか、この点をひとつお伺いしたいわけです。ただこれは企図しているのは通産関係でございましょうが、私がまあお聞きしているのは外務省ですから——一体こういう直接投資が急速に自由化していくということについて、特に未開発地域における経済協力との関係における資本の自由化というものがどういう意味を持つか、経済外交の面においてあなた方はどういう考え方で対処をされようとされるのか、この点を経済外交の方針として聞いておきたいのです。非常に大きな影響を——開発途上国に与える影響が非常に大きいと思いますので、お伺いしておきたいと思います。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 民間資本の海外生産事業に対しまする直接投資はピアソン報告にも述べられておりますごとく、技術と資本とが同時に一緒になって、後進国へ出て行くという効果を持っております。その点技術協力と資本協力がばらばらに行なわれる、で、これをできるだけ総合して行なっていかなければ後進国に対して効果が薄いという批判が一方においてあります場合に、民間資本が海外におきまして直接製造事業に携わるという場合には、技術と資本が同時に出ていくという意味におきまして、後進国の発展に資する度合いはきわめて高いというふうに評価されておりますし、わが国も最近の状況からいたしますれば、外貨がこれだけ蓄積されまして、国力が発展しておるという段階におきましては、民間資本で海外に投資をするという意図のあるものは、どんどん海外に出ていって差しつかえないのではないかというふうに考えております。もっともこの投資の問題につきましては、大蔵省が主管でございまして、大蔵省からお答えいただくのが筋かと思いますが、外務省の眼から見ますれば、後進国援助の問題につきまして、民間資本が海外にどんどん投資で出ていくという点は、きわめて歓迎すべきことであるというふうに考えております。ただ、ただいま先生が言及されましたけさの新聞の数字でございますが、これは必ずしも正確に現在政府部内において検討されておることが報告されておるかどうか。私、その新聞を十分見ておりませんので、その点だけちょっとお断り申し上げておきます。ただ、台湾——中国並びにタイにおきましては、日本の進出企業が相当数多く出ております。そのために一部の業界におきましては、過当競争という面、あるいは企業相互間における工員の引き抜きということから、労働賃金を現地においてつり上げるという点が、好ましくない影響としてある程度出てきておる面もございますので、自由化を行なっていくというのは、国の基本方針として外務省としても賛成いたしておりますけれども、そういう面の是正策というものは、時により場合によって講じていかなければならないというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いまの御答弁を聞いておりますと、私は納得をしかねる問題なんで、とにかく対外直接投資という問題についてのあり方の問題なんです。国際収支において日本は黒字である、経済大国になった。そこで、その国際収支というものが黒字であるということのために、各国から貿易面においても輸入その他でもって圧力がある。その吐け口として資本自由化によって、この対外投資をすることによって貿易収支の黒字というものの非難というものを逃げようとする。そういうことのために資本を自由化する、手段を選ばずという考え方で自由化するとするならば、これは明らかにかつての帝国主義的な資本の進出ということになってしまう。そういうあり方の問題について、私は、外務当局として一体どういう配慮が必要なのかということを聞いておるのです。経済が大きくなり、貿易収支が黒字だから、どんどん海外へ資本が出ていったらいいじゃないか、そういうものの考え方は今日許されないのではないか。そういうことで出て行ったとするならば、受ける側の低開発国からは歓迎されない、押しつけの資本というものが入ってくる、こういう結果になるのではないでしょうか。だから私は、そういう意味において、直接投資の大福自由化ということ、これは四月一日からやるということが出ておりますよ。外務省に全然協議なしに、大蔵省が所管だから対外直接投資は大蔵省がやるのだ、そういうことで、一体外務省は——協議なしに四月一日からやるということ、そういうことを知らないということがおかしいと思うし、いまのものの考え方は非常に私は問題があると思う。したがって私は、日本の民間資本で余力があるものが海外へ出て行くことについて反対しているのではない。ただ海外における持ち株についても五〇%以上は持つべきでない、少なくともまあ三〇%程度の資本であるならば、やはり好ましい形として言い得ることです。これは日本国内においてだって言い得ることであって、アメリカの資本が、資本自由化したからといったって、どんどん来て日本の企業に対して五〇%以上の資本を占めるということになれば、これは日本の企業として非常に問題が出てくることは明らかです。したがって特に、未開発地域における資本の進出というものは、私はよほど警戒をしないというと結局は、はるかに強い日本の資本力が未開発地域における経済というものを牛耳ってしまう結果になるのではないか。したがって対外直接投資のあり方についても、これはまあ先進国が国際連合のこの方向に従って経済協力をやるということは、その方向でいいのでございますけれども、そのあり方の問題として私は非常に問題がある。考え方としては技術協力の問題と対外資本投資との問題が結びついて、未開発地域がみずからの力で経済発展をしていく、そういう形でなければならない。いわゆる経済援助の考え方の基本というものは、そうならなければならない。日本の市場確保のために資本進出をして経済を高度化して、未開発地域の経済を高度化していく。資本支配によってやるのではなくして、私は、もっと基本的な経済のあり方というものを考慮していかなければ、せっかくの経済援助の形が、その地域地域における民族感情を非常に大きく刺激する結果になる、資本支配をされるという心配を多く持つのではないか。逆効果になると思うのです。したがって、そういう意味のことを私は心配するがゆえに、外務省当局の対外直接投資の大幅自由化に当たって、一体外務当局としてどういう態度でおられるか、こういうことを聞いておるわけですよ。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 私の御説明が不十分でございまして、先生に誤解をお与えしたことについておわび申し上げますが、決して外貨がたまったから野方図にただ出ていったらいいというふうな考え方でおるわけではございません。申し上げましたように、東南アジア後進国のほとんど全部か民間外資の導入ということに非常に熱心でございまして、日本の資本が出てくることを非常に歓迎いたしております。それに乗っかって、こちらのほうの経済需要とも見合って、日本の民間資本か現在対外投資に出ていっておるわけでございまして、外務省といたしましては現地の感情を考慮いたしまして、できるだけいわゆる資本比率等につきましては先方に過半数を与えて、日本側は少数で満足すべきであるというふうな点につきましては、実際上の業界指導は十分いたしておるつもりでございますけれども、政府として民間資本の対外投資を不許可にすることはできましても、その内容についてこうしろということを強制する権限はございません。その辺はやはり、われわれのほうの指導を実際の投資家が聞いていただけるかいなかということに、大きく依存しておる点があるわけでございます。で現在、東南アジアは、どこの国におきましても、日本の資本ができるだけ出てきてほしいということを非常に強く要望しておりますので、そういう点につきまして現地との摩擦が起こらないように、そしてかつ、後進国の雇用機会の増大その他につきましても十分配慮して出ていくように指導いたしております。で、大蔵省から、対外資本投資の自由化につきましてはもちろん外務省も協議を受けておりますし、外務省としましてもいろいろ意見を申しておりますけれども、いま先生が引用されましたように四月一日からそういうことをやるということが現在決定をしておるわけではございませんので、それだけ御説明申し上げておきます。  それから、先ほど先生の御質問の中でお答えできませんでした技術協力のセンターのことにつきまして、ただいま調べがつきましたので、ちょっと御報告さしていただきますと、四十二年度の予算におきましてセンターがつきましたのはウガンダでございますが、ウガンダにおきましては交渉が延引いたしまして、昨年やっと交渉が成立いたしております。たとえば四十一年度の予算で認めていただきました韓国の工業技術協力センター、これも協定が成立いたしましたのは四十二年十月二十五日でございます。それからインドの農業技術協力センター二カ所を普及センターに切りかえまして、これの協定ができましたのが四十三年三月五日でございます。そういうふうに実際予算がつきましてから協定交渉をいたしますと、向こう側のセンターにつきましては、大体不動産、土地の提供は相手国に求めまして、われわれの日本側からはそれに派遣いたします専門家あるいは機材というものを出すわけでございますが、交渉の妥結がどうしてもその年度の終わり、あるいは翌年度までかかるというのが実情でございまして、ウガンダのごときは設計図までこちら側で引きまして交渉いたしましたわけでございますが、実際それの家屋の建設にかかるのが向こう側に手がなくておくれておる。そういたしますと機材を届けましても機材が雨ざらしになって、ぐあいが悪いというような点がありまして、機材の発出をさらにまたおくらせて送ると、そういうふうなおくれが繰り越しの大きな原因になっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、いまの御答弁で、指導はしておるが企業は自由なので、こうやれということを命令するわけにはいかない、こういうことのようですがね。これはやはり政府の指導の方針としては、持ち株を五〇%以下にとどめるように指導するのか、指導はするが五〇%以上でも、相手側が日本資本を歓迎しているので、五〇%以上でも——どんどんそういう資本進出があってもやむを得ないという考え方なのか、さらに日本独自で、日本の企業そのものが、丸がかえ日本の資本進出、日本が未開発地域で企業を起こす。そういう形でいくのか、これは指導上においても非常に問題があると思うんです。特にイタリー等においてもそういう面の非常な配慮をして、現地における企業の利益の配分について、国際カルテルでは五〇対五〇で配分をしているというけれども、これはイタリー等は公企業という形で、この国際カルテルの五〇対五〇というものを、七五対二五で現地側に利益を大幅に配分をするというやり方をやっているわけなんです。したがって、経済協力をするというたてまえからいくならば、資本進出をして、低開発地域でもうけいいものはもうけほうだいもうけて、そうして利益は持ち帰るという形では、私はかつての日本のアジアにおける資本進出と何ら変わらないじゃないか。それは必ず私は、未開発国が搾取された形において、長い目で見るならば未開発地域の産業の振興なり経済の発展というものに役立たない、私はそう考えるのです。したがって、長い目で見るならば、ほんとうに未開発地域が経済的にも力がつくということが、今後における日本の経済というものが発展していく大きな要素になる。こういうふうに私は考えておりまするので、どうも場当たり的に、もうけさえすればいいというやり方では、私は納得いかない。一体外務省は、未開発地域における国民感情、民族感情というものをどういうふうに把握されているのか。私は、いま外務省の言われたように、日本の資本というものを歓迎しているんですと、歓迎しているのだから、どういう形でも資本が投下されていけばいいんだというふうには、私は考えておらない。日本に対する警戒心というものは非常に大きなものがあると思っておりますよ。そういう考え方でいいんですか。これは非常に大きな指導上の問題でもあるし、政治的な問題でもある。基本的なこの海外直接投資の考え方の問題でありますから、ひとつ政務次官に御答弁願いたい。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 御指摘のように、わが国の海外に対する進出がいわゆる経済侵略でありますれば、確かに御指摘のようなことで、私どももその方策はとるべきでないと思います。確かにまた一面、日本の資本進出を歓迎する面と、そしてまた警戒する面と交錯している。私はそういう事情もあろうかと思っております。いずれにいたしましても私どもが、わが国の提供する経済援助が、相手国の自助と申しますか、自立と申しますか、そういうものに有効なプラスをし、現地においてりっぱな果実を生むような、そういうものでやってまいるべきだと、われわれは考えているわけでございます。  お話の持ち株は五〇%が妥当なのか、三〇%が妥当なのか、私申し上げようがございませんが、その方面、知識不足でございましてお答えできかねるわけでございますが、日本のそういう対外投資の場合におきましても、大体相手国も日本側のマジョリティーが強過ぎる場合は概して認めないような傾向にあると聞いております。また、その現地であげました利潤というものも、すぐに日本がそのまま引き揚げてしまう、こういうのじゃなくて、そのまままた現地における再投資にもかなりの部分が使われていると、このように聞いておりますが、しかし御指摘の点につきましては、われわれはいわゆるエコノミックアニマルという、こういう芳しからざる風評がいよいよ高められることのないように、細心の注意をもって指導してまいりたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いま政務次官から、日本が資本進出等においてエコノミックアニマルという芳しからざる風評のないように指導してまいりたい、こういうことなんですが、指導は、これは通産省なり大蔵省が直接には指導するわけでしょうね。したがって、通産省なり大蔵省が直接指導するその面において、あなたたち外務省が指導するわけじゃない。そういう大蔵省なり通産省の指導するにあたっての外務省としての考え方が、経済外交の、今後の低開発地域における経済協力のあり方、それから資本進出のあり方というものについては、これは外交問題として私は重視してもらわなけりゃいけないと思うんですね。そういう点は、私は、いままでこの経済外交等については非常に外務省としては手薄であったということで、最近各省からも現地に派遣せられ、技術援助の問題なり低開発国の開発の問題なりやっておられるわけですね。そういう面において私は、もう少し経済外交というものについての基本的な考え方については、もっと指導性があっていいんじゃないか。それは、資本進出する業者に対する直接の指導ということよりも、外務省としての見識というものが私は必要だということを言っているんですよ。そうでないというと、今後における非常に大きな外交政策上の問題なんですから。そういう意味で私は、注意を喚起しているんです。  そこで、もう一つ関連して、いま資本の直接投資のあり方の問題についてお伺いしましたが、経済援助のあり方、経済協力のあり方の問題、これについて基本的な考え方を聞いておきたいのですが、まあ先ほどお話がありましたように、未開発地域でありますから、とにかく技術援助なりが行なわれて、みずからが経済的にも高度化していくという体制がとられなきゃならないんですが、一体援助のあり方について、私は先ほどの資本進出の問題との関連もあるんですが、一体どういう形のものを考えられておるのか。この点について基本的な問題をお伺いしておきたいと思います。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) わが国の後進国に対します経済援助につきましては、その国の経済ができるだけ早く発展するという点を中心といたしまして、協力をしたいというのが基本的な姿勢でございます。そのためにはやはり技術協力援助と資本援助、それに民間資本の投資というようなものを総合して、バランスをとって投資していきませんと、技術協力が先行して、技術はあるけれどもお金がないために産業が興らないとか、産業が興るけれども技術が不足で、非能率で動いておるとかというような問題が生じますので、そういう点を総合して、後進国のために最もその国が早く発展をするという点を中心にして考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、もっと基本的なことをやっぱり考えるべきじゃないか。経済援助という前に教育の問題。教育制度は非常に低いわけでしょう、教育の普及という点で。それから技術援助といっても、産業の基盤整備ということについては、道路の建設、こういうようなことに基盤をつくるような経済援助の考え方でいかないというと、私は根本的な解決にならないんじゃないか。技術援助といって技術を持っていっても、国全体がそういう体制にないところに、とんでもない技術を持っていって、その技術だけを習得させても、私は低開発国の開発にはならないと思うんです。たとえて言うならば、テレビを持っていくよりも、まずラジオがほしいというのが実態だ、自動車を輸出するという観点よりもまず自転車がほしいという、こういう状態でしょう。そういう状態の中に日本の非常にすぐれた高度化した技術を持っていって、そこで技術開発、技術協力をやったといっても、これはその低開発国における経済には非常に片ちんばなものになってしまって、追いつかないのじゃないかと思うのですよ。非常にあわてた経済援助をやってみたところで、私は意味をなさないと思うのです。そういう点の配慮というものは、私はいまの答弁からは受け取れない。何か日本の非常に高度に進んだ技術革新における日本の技術というものを直ちに低開発国に持っていって、そこで技術開発をし、そうして資本を投下してやったって、大体その国の実態に合っておらないものができるのじゃないかということを心配しているのですよ。いまの説明から、そういうふうにしか受け取れない。一体この経済協力というものの基本的な考え方というものは一体どういうことなんですか。聞いているのは、そこを聞いている。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 再び私の表現がまずくて誤解を与えたといたしますれば非常に遺憾でございますが、技術協力ということで教育援助も含み、教育協力も含んで私は申し上げているのであります。技術教育面、あるいは教育行政、あるいは警察行政、司法行政、あらゆる面につきまして技術協力をいたしておりまして、決してわが国の飛び離れた高い技術を外国へ持っていくというようなことはいたしておらないわけでございます。  それから資本援助におきましても、ただいま御指摘がございましたような道路、港湾というようなインフラストラクチャーでございますが、それについても一番高いプライオリティーを与えて、資本援助の中ではそういうものを取り上げていたしております。それから農業生産というような面が——東南アジア諸国は、大部分がまだ工業が低い段階にございまして、そういうところに高い技術水準の工業を持っていきましてもいきませんので、技術協力センターなどは大部分が手工業が主体でございますし、それから研修員の受け入れ、それから専門家の派遣におきましても、農業生産の指導、それから手工業面というものの比率が非常に高くなっているのも一そのためでございます。そういうふうな経済社会基盤の整備というものが、御指摘のような東南アジア諸国の現段階におきましては、まだ一番必要な段階であることはわれわれも十分認識して、それに重点を置いて実施いたしているつもりでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そういう御指導をなされているようですが、現実に最近、インドネシアにある商社が農業の面において進出している。相当大面積にわたって米の生産をやっておるということを聞いておるわけなんですが、これは相当大きなものです。そういうことを御存じですか。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 承知いたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 承知されておるとすれば、一体そういうものが進出している以上、どういう目的で、どういうような形で進出しているか。これをちょっと承知しておったら御説明いただきたい。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 個々の契約内容の詳細については、ここで申し上げることをはばかるわけでございますが、いま御指摘の分はおそらく、ジャカルタ周辺を中心といたしましてビマス計画という米の増産計画がございます。そこの一部の地域に日本の商社が行きまして、農業技術者を派遣いたしまして新しい米の施肥の指導、それから米の集荷、買い付けというようなことをやっている分が御指摘の分かと存じます。そのほかスマトラ島にもそういうような農業関係の投資がございます。このいずれもビマス計画の場合はお米でございますが、スマトラ島の場合は日本が買い付け得るようなメーズの増産を中心に計画が進められているようでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その進出のしかたですね。商社でありますから私は、やはり経済目的が主体だろうと思うのですよ。肥料なり農薬なりの宣伝のためにモデルとして、こういうふうにやればこういうふうになるんだという形で行ったのかどうかわかりませんけれども、農業経営そのものが目的で行っておるのですか。それとも、肥料の宣伝のために行っておるのですか。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) もちろん、商社のことでございますから、損をして行ったかどうかということは、われわれ官吏にはわかりません。しかしながら、それはあくまでもインドネシアの中において根をおろしてやるという意味におきまして、単に肥料なり農薬を売りつけるために行ったものではないと、私は考えておりますし、第一、日本から肥料あるいは農薬をインドネシアに輸出することは、現在インドネシアの状況では向こうの政府の割当がないとできませんし、そういう割当をその計画のためにやっているという話は、現在まで私は承知いたしておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ですから、そのあり方の問題として、私は、おくれた開発地域における農業技術の開発なり何なりを現地の人々が習得するために、させるような形でいくのか。非常に高度の農業技術でもって、インドネシアへ商社が行って農業経営をやれば——機構も違うんですよ、たいへんおくれた農業技術でやるよりは、はるかに大きな利益をあげる。そういう目的で行ったのか、ですよ。そこら辺に問題があると思うのです。やはりおくれた農業技術であるならば、技術を習得できるような形に経済援助というものを考えていく。日本人の技術者が行って、向こうの安い労働力を使って、そうして商社がもうけるというのであれば、私は非常に問題があると思う。具体的にそういう問題について、私は指導をするとかなんとかといいながら、資本の進出のしかたに私は非常に問題があるのじゃないか。どうなんですか、そこら辺のところ。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) ビマス計画の場合には、日本にそれを買って持ってくるということをいたしておりませんので、まだ農業指導をやっておる段階でございまして、かつその生産物も主として米というようなものでございますので、そういうふうな形態にはならないのじゃないかというふうに考えております。ただ、農業指導そのものにつきましては、ビマス計画に政府援助で農業技術者を派遣しておりますし、それからジャバの西部のほうにおきますトウモロコシの増産についても、技術者を派遣しまして農業指導をいたしまして、トウモロコシ並びに米の増産についての政府間の技術協力というものは別個に進めております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすると、いま進出している商社の農場、農業経営というものは、まあ商社のことですから、これは損をしてということを前提にしてはおそらくやっていない。国から相当な技術援助というような形で助成なり何なり受けて行ってやっていれば別でしょうけれども、そうではないわけですね。商社が独自で進出してやっているわけです。しかもこれは相当大規模なものをやっているということですから、私は農業の技術援助なり何なり、まあ低開発国ですから農業国です、その国の農業が、その国の農民によって技術が高度化され、生産が上がっていくということ、これはけっこうな話。技術指導をやり、その低開発国のまだおくれている、指導している段階において、日本の商社が——日本の農民じゃない、日本の商社が相当の利益を見込んで、おくれている農業のところまで技術者を連れていって、そうして農業経営をやるということは、私はちょっと資本の進出のあり方としても、高度な技術で企業が生産をするというならまだわかるのですが、農業の面にまで高度の技術を持って進出していくということは、国民感情からして向こうが期待しているのか、どうなのかわかりませんけれども、そこら辺のものの考え方というものは、商社がやっているんだから、われわれはあまり関知したことじゃないんだ、あなた方が言われている——先ほど答弁しているように、現地の国民感情等も勘案して、もうけ一点ばりの資本の進出のやり方ということは——もうけさえすればいいんだというやり方については、そういうことじゃないように指導しているんだと言うけれども、実際問題として農業の面ですら、もうそういう資本の進出が行なわれているということは、どうも一あなたたちの指導に合致しているのかどうかということについて、疑問を持たざるを得ないんですよ。どうなんですか。それは、あなた方の指導に非常に沿った——あなた方の考えているような指導に沿った商社の進出なのかどうなのか。私はちょっと疑問に思うわけです。どうなんですか。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) 現在、御指摘のようなえげつないもうけ方をするために進出したのではないというふうに、われわれも承知いたしておりますし、商社もこれからのインドネシアに対する貿易取引をやるにいたしましても、あるいは経済協力をいたすにいたしましても、やはり現地に根をおろした地盤がなければだめだというような考え方から、農業部面についても、手を出してきたということでございまして、現在むしろ高度の農業技術者といいますよりは、むしろ農業の営農指導というような点で、現地の農民はそれがために買い付けが保障されるというようなことで、むしろ歓迎しておるというふうにわれわれは承知いたしておりまして、現在そういうものについてのインドネシア側からの非難めいたものは一切承知しておらないわけでございます。われわれのほうといたしましても、そういう点について十分注意するように業界にも指導はいたしておるつもりでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、お伺いしたいのは、低開発地域との貿易のあり方の問題なんですが、低開発地域は大体農業国ですから、どうしても日本との貿易ということになれば、これは農産物を日本に買ってくれ、こういうことのほうが多いと思いますね。そうして日本の工業製品を日本から輸出をする。これはまあ常識的にそういうふうに考えられるわけでございます。ところが日本の現在の農産物の輸入というのは、相当貿易面における日本の輸入の中で、金額においても量においても農産物の輸入というのは非常に大きなウエートを占めておりますね。その多くはアメリカから輸入しておるでしょう、小麦にしても、えさにしても。これは一体アメリカから輸入している農産物を低開発地域に切りかえる、こういうような考え方というものは持てないですか。どういう考え方を持っておられるか、この際お伺いしておきたい。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) わが国の貿易全体の状況から申しますと、できるだけそういうものが低開発国からの輸入に切りかわることが望ましいわけでございますが、現実はやはり低開発国の品物というのは雑物が多かったり、あるいは品種が統一されていなかったりいたしまして、輸入がまたこれ自由化されております関係上、必ずこちらから買えと言うことも、また強制するわけにもいかない問題がございます。したがいまして技術協力予算の中におきまして一次産品開発のための予算が認められておりまして、後進国から日本が買い得るような産品を開発するために調査をいたし、かつそれらのグレーディング、ソーティングというふうな問題につきましても、専門家を派遣いたしまして、集荷、選別、そういう点ができるだけ早く標準化されるように指導いたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 政務次官にお伺いしますがね。貿易自由化で同じものを買うならば——小麦にしても食用小麦はアメリカ、カナダから多いわけですけれども、とりあえずえさ等についても、これはばく大なトウモロコシを輸入しておるわけでしょう。そのほかえさ用の小麦も輸入しておりますが、いまそういう選別なり何なりの指導ということをやっておられると、こういうことのようですけれども、私は経済協力というようなことは、そういう非常に単純なことですね。このえさの品質を向上させるということについても、雑物が多くまざっておるのかまざっていないのかという問題で、アメリカ、カナダのものよりも商品としては東南アジアの未開発地域のものは非常に質が落ちる、したがって自由化だからやむを得ないのだと、こうおっしゃられますけれども、そういう基本的な指導というものがいままでなされておらなかったようにも聞こえるわけなんですがね。指導しても将来こういう選別したり何なりすることの指導なんというものは、ぼくはそんなに長い期間かかるものではないと思う。したがって日本がいま輸入しておるようなものが東南アジアにないなら別ですね。ところがタイにしても何にしてもトウモロコシを日本に買ってくれと、こう言っているわけでしょう。そういう要望があるわけでしょう。そしてまた、そういう指導をやれば、私は同じ買うものならば東南アジアから買ってやるというのは、これは貿易政策上からいっても、経済協力の面からいっても当然考えられてしかるべきではないか、こう思うのです。そういう点について、基本的な考え方についてお伺いしておきたい。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) お答え申し上げます。御指摘のとおり、同じ買うものならば東南アジアの国から買ってやったらいいじゃないかという気持ちは私も全く同感でございます。ただ、先ほど局長も答弁申し上げましたように、実際の品質の問題等々もあるわけでございますので、その意味におきましては、日本が買って使用し得るようなものを、現地にもまた生産していただく。こういう方面で、たとえば、いま一つ例にあげられましたメーズ、タイの例をお引きになったわけでございますけれども、メーズに関して申し上げますと、タイ、インドネシア、東アフリカ、カンボジア、それぞれ若干は購入しておるわけでございます。特にカンボジアにつきましては投資もいたしまして、日本側で買えるような品種改良の指導もいたしておるわけでございまして、たいへん抽象的になりますけれども、お気持ちとして東南アジアの国から買えるものがあればできるだけ買ってやりたいと、私もこのように心得ております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 たとえばタイ国に対して、タイの農民に青豆の奨励をして、そしていよいよ三年ぐらいたって輸出するような態勢になった。ところが、日本はビルマから輸入してしまった。せっかくタイの農民がそういう努力をしたにかかわらず、そういう約束を破ってビルマから輸入した。そしてまた、タイにジュートの生産を奨励した。トン当たり百ポンドで買い上げる約束をした。いよいよできたところが七十ボンドでなければ買わない、こういうようなことで、非常にまた、この日本の商社なり指導に対してタイの農民が不満を持ったということが、タイ国の報道機関から報道されている。そういうことを平気でやっているんですよ。したがって、一番、まあタイ国といえば日本国とこれは友好関係の面においても国交の上においても非常にいいと思うのですよ。いいところですら、こういうことを平気でやっているという批判が出ているのです。ですから、私はそういう農産物を指導をして、そして日本が輸入をしようという場合でも、もっと商社まかせでなしに、れは先ほど政務次官が言われたように、エコノこミック・アニマルと言われないように努力すると、こう言っているが、日本の商社はこういうことを平気でやっている。そうして現地のタイの報道機関で大々的に報道されている。そういうことが現実にあるようですね。ですから私は、今後の問題としても、いま御説明のありましたように技術指導をして、日本が東南アジアの農産物を輸入するといった際においても、いま申したようなことが起こらないような形で——貿易自由化なんだから、アメリカから輸入しようが東南アジアから輸入しようが、商社の自由なんですと、これでは私は何のための経済協力なのかどうかということについて非常な疑問があるわけです。そういう点について、せっかく外務省は多額の予算をかけてこれをやっているわけですから——経済協力の問題をやっているわけですから、そういう実態というものを外務当局はやはり知って指導しないというと、ここで口だけでそういうことのないように指導していますとか、しますとか言ってみても、私は非常に問題がある。そういうことでは東南アジアの各低開発地域の人々は日本というものに対しての信頼感、そういうものを持たない。いわゆる金もうけ主義でやってくるのだろうと、警戒をするという結果になっているんじゃないか。もっと低開発地域の国民感情というものを十分考えた経済協力のはかり方というものを考えるべきじゃないか、こういうように思うのです。この点について、そうしてまた、この低開発国の開発と貿易のあり方の問題について、もう一度ひとつ政務次官からこの基本的な方針をお伺いいたしたい。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) お話の青豆なり、あるいはジュートにつきましては、私、具体的に知りませんのでお答えできかねるのでありますが、もし御指摘のようなことが事実であったとすれば、たいへん私ども遺憾だと思います。それはいわゆる対日イメージ、あるいは日本に対する信頼感に対して非常にマイナスに働いたであろうことは容易に想像されるわけでございまして、今後われわれが真剣に反省をしてまいらなければならない問題だと思います。繰り返しの答弁になりますが、ただ、もうけ主義一方の日本の企業が海外に出ていく、あるいは投資をするということでは、決してこれは日本と東南アジアの関係の上から言っても好ましいことではございません。やはり貿易にいたしましても、あるいは経済協力にいたしましても、先ほども申し上げました相手国の自立自助に実効ある、プラスがあるような、そういう配慮というものを十分にして、私どもは経済協力なり貿易というものを進めてまいりたいと考えております。これは単にこの場限りの一時のがれの答弁をするつもりはございません。御指摘の点については、外務省としましても真剣に反省し、いろいろな方策によって改善すべきものはこれからも改善してまいりたい覚悟でございます。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 速記をつけて。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) もしこの際、お許しをいただければ、先ほどの御質問で保留になっておりました例の輸入制限運動に対処しての金額の使用の面につきまして、答弁資料が出てまいりましたので、会計課長よりの答弁をお許し願いたいと思います。

柳谷謙介外務大臣官房会計課長

○政府委員(柳谷謙介君) 先ほどの御質問の点について答弁が直ちにできませんで、申しわけなかったのでございますが、四十二年度のこの決算報告の中にございますわが国の輸入制限運動についての具体的な事例いかんという御質問であったかと理解いたしましたが、この年の努力の中心は米国でございました。したがって、この金額の相当部分がアメリカにおける輸入制限対策に使用されております。具体的な内容といたしましては連邦議会、あるいは各州の議会においてバイアメリカン法案とか、その他の輸出制限法案等がかかりました際に、しかるべき証言を行なって、わがほうの立場を説明するとか、それから米国は非常に議員に対する手紙を送ることが多いわけでございますが、その手紙を書き、あるいは資料を添えて必要な議員に対して働きかけるというような活動、それから諸般のこういう制限運動が行なわれますにあたりまして、事前に事情を調査し、資料を作成する、準備するというような問題、たとえば四十二年度につきましては対日丸太輸出制限問題というのがございましたが、これに対して諸般の方策を講じた等の例がございますし、また日本から政府ミッション——当時はアメリカ中西部に対しまして木川田団長を長とする使節団が参りましたが、そのための受け入れの諸般の活動等も行なっております。そのほかに定期的には出版活動とか、刊行物等を検討して、本国に報告するというような活動を行なっております。  それからもう一つ、先ほどの御質問で四十一年度から四十二年度に繰り越されました海外技術協力実施委託費五億七千万円の内訳を御質問であったかと心得ますが、これは沢木経済協力局長から一般的に先ほど御説明したように、話し合いがついたあとに準備に入ります結果、機材の調達と発注に手間どるものが大部分でございまして、それからあるいは報告書の作成費等でございまして、二、三の例を申し上げますと、投資前基礎調査については、メコン川の開発計画、あるいはパキスタンの橋梁の設計、あるいはラオスのビエンチャン空港の拡張計画等の調査は、その年度に行ないましても、そのあと帰って来て諸般の資料を調べて報告書を作成する時期が、翌年度に繰り越されるというものがございます。  それから先ほど局長の御説明いたしました海外技術協力訓練センターにつきましては、協定ができてから機材を発注いたしますと、六カ月ぐらいかかって納入される、それから支払いを行なうというようなことで、一件ごとに明許繰り越しを受けて実施しております。その他医療協力等におきましても、同じように先方との話し合いがつきましてから機材の発注等を行なうので、その分の金額が、合計いたしまして五億七千万円となっております。以上でございます。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) それでは午後は一時に開会することとして、これで休憩いたします。    午後零時十五分休憩      —————・—————    午御一時十八分開会

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十二年度決算外二件を議題とし、外務省の決算につきましての質疑を続行いたします。

沢田実公明党

○沢田実君 午前中に経済協力について広範な質問がございましたので、私はその中の技術協力についてお尋ねをいたしたいと思います。  この海外の技術協力については、三月十日に対外経済協力審議会等も開かれておりますので、その現況と今後の政策とをお願いしたいわけです。  で、低開発国に対する技術協力は、わが国がコロンボ計画に参加したときから相当の年月を経過しております。研修員の受け入れ、また専門家の派遣、機械の供与、海外技術協力センターの設置運営、開発調査等、努力をしてまいったわけであります。しかし、その効果を反省いたしてみますときに、今後さらに一そうの努力を要すると思われる点が多々あるわけであります。  まず予算総額についてみますと、技術協力については、アメリカの六億五千七百万ドルに対して日本は五十分の一の一千三百七十万ドル、ドイツの一億四千六百万ドルに比較いたしましても十分の一にしか達しておりません。こういうわけで、もっともっと予算の増額が必要であろうかと思います。その点について外務省のお考えをまずお尋ねしたいと思います。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) ただいま御質問がございました対外経済協力審議会、これは昨年度設けられまして、現在までに総会を三回いたしております。それで、現在までには対外経済協力の現状並びに問題点、それを取り巻く諸外国の状況、そういうふうなものを報告いたしてまいりまして、つい昨日のことでございますが、技術協力小委員会というのが設けられまして、そこの小委員会には技術協力の現状と問題点を昨日報告したばかりでございます。で、技術協力小委員会はさらに三月中にもう一回開催されまして、いろいろ現状を分析して、将来に対する展望、対策を審議会としてお立てになるというふうな予定になっております。それから予算総額でございますが、予算は御承知のようにアメリカに比べまして非常に低く、フランス、ドイツ、イギリス等と比較いたしましても、二国間政府ベースの援助総額に占めます割合が六八年度で四・四%でございまして、DAC諸国の平均は二二、三%いっております。それに比べますと日本の技術協力予算が圧倒的に低いということは、DACその他においてもいろいろ批判されておる点でございます。したがいまして、われわれとしてはできるだけこの予算総額を増加したいということで、年々予算の増加に努力してまいったわけでございますが、四十三会計年度におきましては、対前年の伸び率が二五%、四十四年度予算では対前年の伸び率が一五・六%、本年度御審議をお願いいたしております四十五年度の予算におきましては一七・四%の伸び率になっております。このようにアメリカその他と比べまして非常に日本の経済技術協力予算が低い原因を考えてみますと、日本政府の施策が従来まで国内経済の発展を主として考えた政策をとってきた、その結果といたしまして、技術協力あるいは海外協力にさかれる円予算の割合というものが、わりあい伸びなかったという事実が第一にあるのではないかと思います。それから第二に、アメリカは御承知のように世界的にいろいろ政策を展開いたしておりまして、従来からの実績の上積みとしての数字がただいま先生が引用されましたような数字であるわけでありますし、フランスは旧植民地に対する技術協力援助費が非常に高うございます。そういう点から申しますと、日本の技術協力は旧植民地のようなものを持っておりませんで、東南アジア全般についていたしておりますのと、コロンボ計画に参加いたしましたのが昭和二十九年でございまして、いまだ日が浅いということがございます。それから同時に、国内がなかなか忙しくて、たとえ予算が非常に飛躍的に増大されたとしましても、たとえばそれだけの数の専門家が直ちに集まるかどうかという点につきましては、日本人特有の言語の問題、ことばの問題もございまして、なかなかいろいろ伸ばしにくい問題がございますけれども、基本的には、何とかしてこの技術協力関係の予算を、少なくともほかの諸国の水準にまで早急に伸ばしていきたいというのが外務省の願望でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 次に、技術協力の内容でありますが、一番目には、技術者、専門家の派遣期間が短いという問題。二番目には、派遣者の身分、待遇が不統一、不安定であるという問題。三つ目は、帰国後の再就職の保証が十分でないという問題。四つ目は、国内の研修施設が足りない。五番目には、研修指導者、管理者の数が少ない。六番目は、日本人専門家の再訓練機関がない。七番目は、専門家のプール制度が整備されていない。こういうような問題があります。また八番目は、研修機関と地方公共団体、公私立大学、民間企業との協力体制がない。九番目には、機材が足りない。その輸送も適切でない。十番目に、予算が一年単位で継続支出を約束できない、そういうために長期計画に取り組めない、こういう問題があります。十一番目には、日本の協力は自主性と計画性に乏しい。十二番目に、農業開発協力にも一総合性が足りない。十三番目には、教育文化面の協力があまりない。十四番目に、技術協力関係機関が複雑多岐で、連絡調整が十分でない。十五番目に、資金と技術、政府と民間と有機的でない等々、各種の調査報告あるいは年報、あるいは新聞等を見ますと、一致して論じているところでございます。このような問題は十二分に外務省でも御承知のはずでございますが、こういう問題に対して、今後外務省はどういうふうにしていくか、その所信を政務次官にお尋ねをしたいと思います。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) ただいま十数項目にわたりましての指摘事項は、私どもも確かに仰せのようなことがあろうかと思います。そこで、ただいま質問にもございましたけれども、私どももいま審議会のほうにもひとつ建設的な意見をお願いしておるわけでございますが、一方、何と申しましてもこれは予算の面もございまして、局長からも申し上げましたとおり、ぜひ一日も早くこういったDACの水準にまで技術協力予算そのものを引き上げていく。こういう量の拡大と、それから国内体制としましては、いろいろな各機関との連絡、調整等々において不備な点も多々あろうと思いますので、関係皆さん方のいろいろな御指摘や御注意をいただきまして、この技術協力が実際に効果あるように、私どもはさらにさらに努力してまいりたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 いまの問題について、局長にもお願いいたします。

沢木正男外務省経済協力局長

○政府委員(沢木正男君) ただいま御指摘のございました各問題点につきましては、確かに御指摘のありましたとおりの問題でございまして、これらの問題点は、先ほど申し上げました技術協力小委員会にもわれわれは解決すべき問題点として出しております。それで、技術協力そのものにつきましては、これは人と人との接触を通ずる協力でございまして、いたずらに急激に量をふやして、内容の質が落ちるということでは禍根を残す問題になります。したがいまして、予算の増加とともに、各種の制度の整備も必要でございますので、そういう点につきまして、広く協力を得る範囲が、民間にいたしましても非常に幅広い問題がございます。したがいまして、経済協力審議会におきましても、そういう点について御説明を申し上げて、審議会からも強力な支持を得たいというふうに考えておりますと同時に、PR活動におきましても民間識者の支持を得る、その上で予算も増額していただけるように努力したいというふうに考えております。

沢田実公明党

○沢田実君 次は、会計検査院にお尋ねをいたします。  検査院の「国の決算と検査」という報告書を見ましても、外務省についてはその報告が一行もございません。不当事項も、改善意見も、出納職員、物品管理職員に対する検定状況等も、また在外公館、協会、事業団等についての記録も皆無であります。外務省に対する検査結果の概要についてお尋ねをいたしとうございます。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 外務省の検査につきましては、昨年度におきまして四十三年の七月一日から七月四日まで四日間にわたりまして課長以下六名をもって実施しておりますが、その結果、特に違法、不当として御報告するような事態はございませんでした。また、在外公館の検査につきましては、三十九年に実施いたしましたが、昨年、一昨年と実施しておりません。  以上であります。

沢田実公明党

○沢田実君 外務省にお尋ねいたしますが、報償費についてお尋ねをいたしたいと思います。  金額を見ますと、本省分が六億二千三百万円余、在外公館分が十二億九千万円余、合計をいたしますと十九億一千余万円については、何の明細もないわけでありますが、報償費というのは何の目的のために、だれがどのような場合に支出されるものなのか、お答えをいただきたいと思います。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 報償費というのは、御案内のように、諸外国との外交交渉を有利に展開するため使用しておるわけでございまして、その中を大別して申し上げますと、まず第一には、在外公館におきまして外交活動やら情報収集等に必要な経費というものがございます。二番目には、特殊問題に対する調査費があげられるかと思います。さらに三番目といたしましては、国際会議への参加並びに各種の使節団あるいは特派大使等の派遣に伴うところの外交工作の費用。さらには招待外交に必要な経費もまた支出をしております。そして、さらに災害見舞いその他。大別すると、いま申し上げた以上のような五つに分けられるかと思いますので、支出の明細かないというような御指摘でございますが、何しろこの報償費というものは、外交交渉の有利な展開を期するために情報収集等に使用される経費でございまして、相手方との関係もありまして、その使用した事例とか、その内容、金額につきましては、外交機微にもわたりますこともありますので、まことに恐縮でございますけれども、詳細については答弁を差し控えたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 そうしますと、その報償費を使用するのは対外国がほとんどだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 在外公館において使用する費用が多いわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 在外公館については、いま申し上げましたように、十二億九千余万円、本省分が六億二千三百万円、その本省の六億二千三百万円も、いわゆる対象は日本人ではなしに、外国人を対象にして使うことが主だ、こんなふうに理解してよろしゅうございますか。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 御指摘のとおりでございまして、日本におきまして日本人の方に対して報償費は使用しないという原則をとっております。

沢田実公明党

○沢田実君 検査院にお尋ねをいたしますが、報償費についての検査はどのようにやっておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 外務省の報償費につきましては、予算の性質上、行政の運営を阻害しないようにというような配慮から、計算証明規則第十一条の規定によりまして、簡易証明、これは、提出される書類があまり詳しい書類でなくてもいいというような、簡易証明の取り扱いを認めておりますが、実地検査の際には十分に関係書類の調査、あるいは関係者からの説明の聴取ということによりまして、それが間違いなく使われているというような心証を得ております。以上でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 重ねてお尋ねしますが、本省と、在外公館別に領収書のついている分と、支払い明細書のみの分と、どのような割合になっているか、金額につきましてもおわかりになりましたら、お知らせ願いたいと思います。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) そういう、何と申しますか、計数等は、まことにおそれ入りますが、取っておりませんので、御了承願いたいと思います。証拠書類につきまして一応検査はいたします。それで、検査をいたしまして帰ってくるわけでございますが、そういう記録と申しますか、何件について証拠書類があったというような調査は、まことにあれでございますが、出ておりませんので……。

沢田実公明党

○沢田実君 会計検査院でお調べになった数字を、漏れ承るところによりますと、いわゆるその明細書の分と、それからその領収書がついている分と、こんなふうに分けていらっしゃるようにお聞きするわけですが、そういう金額については、ここで公表いただけないということでしょうか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) これは先ほど御説明した簡易証明と申しますか、私どもに証拠書類が出ているものと、出ていないものと、こういうことでございますれば、外務本省の報償費につきましては、五億八千三百万、これにつきましては私どものほうに証拠書類が出ておりません。それから在外公館の分につきましては九億九千二百万——これは失礼しました、四十一年度でございます。四十二年度で申しますと外務本省につきましては三億三千三百二十一万、これにつきましては証拠書類が出ていない。それから在外公館分の報償費につきましては、九億六千五百万、これにつきまして証拠書類は出ていない、こういうことになっております。

沢田実公明党

○沢田実君 昭和三十九年に海外については検査をやったというお話でございますが、その場合には、在外公館の報償費についても検査をおやりになったということでございますか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) その分につきましては検査いたしております。

沢田実公明党

○沢田実君 外務省にお尋ねをいたしますが、支出目的に合致すると思われる経費支出の必要が発生した場合には、本省では、役職は何以上の人が、あるいは在外公館ではどのような立場の人が、一体だれの許可を得て、この報償費というのは支出するのか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 本省の場合におきましては局長以上でございます。また、在外の場合には公館長でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 その局長以上、公館長はわかりましたが、そうしますと、四十二年の支出については、おそらく予算の段階で支出計画というようなものが組まれるのじゃなかろうか、それに基づいてこれだけの支出をして不用額が三円残ったというような決算になっておるのだろうと思いますが、そういう支払い計画というようなものは、前もっておつくりにならないものかどうか。ほかの部門ですと、相当こまかく予算を組んで、それでお使いになるわけですが、この報償費なるものは、どんなやり方でお使いになるのか、できればお教えいただきたいと思います。

柳谷謙介外務大臣官房会計課長

○政府委員(柳谷謙介君) ただいまの御質問でございますけれども、もちろん議会において承認がありましたあとで、その年間どのような経費が必要であろうかという、ある程度の見通しは立てるわけでございますけれども、ただいま政務次官から御答弁申し上げましたような内容の経費の相当部分は、かなりそのつど起こってくるものが多い、いわば機動的に活用する必要がある経費が大部分でございますので、具体的にいかなる形でこれをわれわれが使うかという点につきましては、一件ごとにその事態が予見されたときに、本省もしくは在外において検討して決定しておるということでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 そうしますと、その結果、これだけの支出があったというような結果になるわけですが、それが局別、あるいは海外だったら国別あるいは公館別でけっこうですが——あるいはまた支出目的別になるか、ちょっとその整理の方法はわかりませんけれども、そういうようなことで御発表願うというわけにはまいりませんでしょうか。

柳谷謙介外務大臣官房会計課長

○政府委員(柳谷謙介君) 先ほど御答弁いたしましたように、この経費の特殊な性格上、特に相手方あるいは目的、内容等の関係もございまして、局別とかあるいは使途別についての内訳は、発表を差し控えたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 それでは、金額が発表できないというなら、そちらのほうで整理していらっしゃる項目別、こういうような項目があるのだというようなことをお教えいただければ……・。

柳谷謙介外務大臣官房会計課長

○政府委員(柳谷謙介君) これも先ほど政務次官から御答弁申し上げましたことに実は尽きるのでございますけれども、いまの御質問がございましたので、多少それに補足ふえんさしていただくことにいたしますと、第一点の在外公館における外交活動費というものにつきましては、これは主として在外公館におきましてわが国の外交方針推進に必要と認める方面に対する諸般の工作という見地から支出されております。  次の情報収集関係でございますが、これは、政治、経済、文化あるいは軍事情報等、わが国の外交方針決定、策定に対して役に立つような情報の収集ということを主眼にして支出されております。  それから国際会議への参加、各種使節団、特派大使の派遣等の工作費でございますが、これは、経済面あるいは政治面で諸般の国際会議に日本の代表が出席する場合、あるいはいろいろなミッションとして、まあ経済ミッションその他が派遣される場合に、これらの方々の団長等の現地における工作費という形でお願いするわけでございます。たとえば、例をあげますれば、日米経済合同委員会というようなもの——昨年でございますが——であるとか、あるいは先般、国会議員の方にお願いいたしまして、パリで開かれました各国の国会議員のDACの会合というようなものもございます。そういうような会議に出席願ったような場合も、それに該当するかと思います。  それから招待外交でございますが、これは通常の予算で措置できるもの、つまり予算化できるものは予算化いたしまして、たとえば万国博覧会に対する招客等につきましては、一部予算化されているわけでございますが、多くの場合、相手国の関係で、きわめて急に日本への招待がきまるというような、機動的に経費を支出する必要があります場合は、報償費によるわけでございますが、昨年で言いますと、たとえばガンジー首相の来日というような場合がそれに該当するものと思います。それから災害見舞いにつきましては、先般のナイジェリアにおきますビアフラに対する救援については後刻予備金支出によってお米の救済はいたしましたけれども、とりあえずの救済というものにつきましては、報償費が一部使われましたり、あるいはアジア地域等に非常に多い風水害その他災害の見舞い金というものもこの報償費から支出しております。大体以上でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 予算事務提要、科目の報償費の説明によりますと、たいへん抽象的で、その範囲がばく然としております。実際にその使用にあたってどうかということをいまお尋ねしたわけですが、いま次官の答弁ですと、外人のみに支払うことが原則のようなお話がございましたけれども、実際にはいろいろうわさがあります。一例を引いてお尋ねをいたしますと、法案を通すためにその運動費に使ったというようなうわさ、あるいは外務省の考え方と同じ外交政策を主張する特定の人のために報償費を使ったというようなうわさがございますので、いろいろお聞きしたわけですが、そういうようなことは絶対にないと、このように確信をしてよろしゅうございますか。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○政府委員(竹内黎一君) 私も全くそれは単なるうわさであって、そのようなことは絶対にないと確信をいたしております。

沢田実公明党

○沢田実君 会計検査院のほうにお尋ねをしたいわけですが、いわゆる領収書のあった分と支払い明細書の分との金額については、いまお尋ねをしたわけですが、使用目的別の金額等々は、会計検査院のほうでおわかりにならないか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) これについては計数をとっておりませんので、御了承願いたい。

沢田実公明党

○沢田実君 それで、ごらんになった領収書について、その領収書がデパートとか、料理屋とか、キャバレーとか、どんな傾向の領収書が多かったかというようなことについては、検査院としてはいかがでしょうか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) これは検査に行った担当者に聞きますると、特にその傾向をはっきりどれがどれに使ったというようなことはわからないということでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 それでは一件で最高の金額がどれくらいであったかというようなことは、検査院としてどうでしょう。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 特にいま記憶がないそうであります。

沢田実公明党

○沢田実君 検査院としては大臣の要求どおり支払い明細書のみで検査することが適当とお考えになっておられるか、あるいは本省分だけでも証拠書類を完備したほうがいいと、こんなふうにお考えになっていらっしゃるか、会計検査院のお考えをお聞きしたいと思います。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) これにつきましては、もう正当債主の領収書、これを取るように努力していただくというようなことを検査のたびに申しておりますけれども、できる限り正当債主の領収書ということで確認しております。そういうようなものがないものにつきましては、実地検査のときにおきまして、関係者あるいは取り扱い責任者等から、そういう報償費の支出があったということの心証を得ておる、こういうことでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 いまおっしゃったようなことについて、口頭ではなしに、正式に外務省に対して意見をお出しになったことはございますか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) ございません。

沢田実公明党

○沢田実君 それがなければ、今後そういう問題について正式に文書でお出しになる意思がおありになるかどうか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 今後の問題については検討したいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ちょっと関連して。  ちょっといま規則のほうを調べてもらっているんで、まだ条文が届きませんが、会計検査院の方が冒頭に何か規則の十一条とかいうのを引用されましたが、その条文なりその解釈なりを、もう少し御説明をいただきたいと思うわけであります。またあわせて、いま答弁をお伺いをしておりますと、この外務省の、あるいは在外公館の報償費の検査については、会計検査院としては確信のないような御返事が非常に多かったと思うんですが、こまかいことを伺うようですけれども、報償費に限りましょう。どういう検査の方法をなさっているのか、その規則との関連での御説明をいただきたい。院法ですか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 院法の二十四条に、会計検査院に提出される書類につきましての規定がございます。それで、それによりますと、これは、「会計検査院の定める計算証明の規程により……会計検査院に提出しなければならない」ということになっておりまして……。

二宮文造公明党

○二宮文造君 待ってください、もっと読まなきゃだめですよ。「計算書及び証拠書類を、会計検査院に提出しなければならない。」

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) はい。これは「計算証明の規程により」ということになっております。それによりまして計算証明規則ができております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 何条ですか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 計算証明規則です。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それでいわゆる簡易証明でよろしいという……。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) それは、その第十一条に「特別の事情がある場合には、会計検査院の指定により、又はその承認を経て、この規則の規定と異なる取扱をすることがかできる」、こういう規定がございます。それに基づきまして外務省の……。

二宮文造公明党

○二宮文造君 外務省とのやりとりをもっと明確に言ってください。どういうふうに指定をし、どういうふうに承認をし、どういうふうに異なる規定をおとりきめになっているのか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) この規定によりまして、昭和三十四年の三月二十七日に外務大臣から会計検査院長にあてまして——ちょっと文を読みますが……

二宮文造公明党

○二宮文造君 読んでください。丁寧に答弁してください。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 「当省所管報償費の計算証明については取扱責任者に対する支出決議書および取扱責任者の領収証書ならびに別紙書式の明細書を提出し、役務提供者等の請求書、領収書等の証拠書類は、書院から要求のあった際に提出できるように証明責任者が保管することとして、昭和34年度分以後当分の間簡略証明いたしたいので御承認ありたく計算証明規則第11条の規定により協議する。」こういう文書か出ております。これに対しまして、会計検査院では昭和町年3月27日付第182号をもって申出のあった標記の件は、申出のとおり承認する。」こういうことで承認しております。これによりまして、証拠書類は取り扱い責任者あるいは支出官のほうに保管させるということになっております。実地検査に行った場合には、そういう証拠書類につきまして検査する、こういうたてまえになっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 もう一問。いま会計検査院と外務省との間のやりとりを伺いましたけれども、その中に——外務省のほうから出た書類の中に、会計検査院の要求によっては証票を——何もかもそういう計算書類の証票も見せる、こういうふうなことですね。要求がなければその簡易証明でよろしい。要求があればと、そういうふうにワンクッション置いておりますが、会計検査にあたって、その証票を確認する要求をなさっておりますかどうか。もしなさっているとすれば、先ほどの担当の方の耳打ちのように、一件の金額は幾らくらいと心覚えがあるか、最高が幾らくらいであったかというふうなことをお伺いしても、大体の見当は出てくるのじゃないかと思うのですが、ほとんど証票はノータッチではないか、こう私どもは思うわけです。それからまた、じゃ報償費全額にわたってそういう取り扱いをなすっているなら別として、たとえば本省分の六億二千万のうち三億三千万、これについては証票が出たのですか、簡易証明ですか。とにかく半額程度は簡易証明、あとは証票がついて出る。こういう取り扱いは、いまのやりとりだったら、全額そうしてもいいようですけれども、特に半分ほどそういうふうに出されているのは、どういうわけでしょうか。それらのこともちょっとあわせてお伺いしたい。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 報償費につきましては、先ほど外務省当局の方から御説明がありましたように、外交工作とか、あるいは情報収集とか、公表をはばかるような経費が多いというようなことでもって、私どものほうでも、そういうものにつきまして証拠書類を取るということは、行政の阻害になってはいけないというふうな配慮から、そういう証拠書類につきましては外務本省のほうに保管されておる。それで実地検査の際に行きまして、それを見る。そうして何と申しますか、機密を要するようでない証拠書類は、これは会計検査院に出していただく。そうして検査をするというたてまえになっております。

沢田実公明党

○沢田実君 いまおっしゃったような趣旨に使われたものであるかどうかということは、証憑書類を見ないとわからないのではないだろうかと、こう思うのですが、どうでしょうか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) もちろん、そういう証拠書類についても実地検査に参りました際には検査する、そうして担当の方からいろいろ説明を受けることになっております。

沢田実公明党

○沢田実君 ですから、その六億二千三百万円のうち三億三千三百万円については、そういう証憑書類がないわけですから……

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) いや、この三億三千万円について証拠書類がないということではございません。そのものにつきましては、取り扱い責任者の証拠書類が会計検査院に出ている。それで、それ以外の証拠書類、正当債主からの証拠書類は支出官のほうに保管してある。検査に行きました場合には、そういう証拠書類について検査することになっております。

沢田実公明党

○沢田実君 その簡易証明分というのは、いわゆる一覧になって、いつ、だれが、どういう目的のために、どれだけ使ったという程度のことが簡易証明というのじゃないですか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) それにつきましては、取り扱い責任者の領収書、それからそういう、何といいますか、明細書、これが前てまいります。証拠書類、正当債主からの証拠書類は、これは支出官のほうに保管してある。それで私どもが検査に行った場合には、そういうものを見る、こういうことになっております。

沢田実公明党

○沢田実君 大体、そうしますと、たとえば先ほどのお話を承りますと、局長が承認する、また課長なら課長が実際にそれを使ったという場合には、課長の領収書なら領収書、そういうものが一覧表になっておると、こういうことですか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) 出てまいりますのは、そういうことでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 そうしますと、どういう目的のために何々課長が使ったということだけですと、はたしてそれがいわゆる情報収集のためか、あるいはその他の、いまおっしゃったような外交活動のために使ったかどうかということは、あまり明瞭にならないのじゃないかという心配をするわけですが、その点はどうでしょうか。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) これにつきましては、書面検査では先ほどおっしゃったように取り扱い責任者の領収書と、それから明細書でございまして、書面検査の範囲ではわかりませんが、実地検査に参りました際に、詳細について聞いて、いろいろ検討して心証を得ているということになっております。

沢田実公明党

○沢田実君 現段階では、そういうふうに取り扱っているので、実地検査の場合に大体心証程度だと、このようですが、先ほどのお話ですと一それについて証憑書類を全部整備するように、せめて国内については——外務省についてはそういうふうにしたいというお話でしたが、そのほかに内閣あるいは総理府、それから大蔵省、自治省等々にもそれに準じたような報償費があるようですが、各省についてもいまおっしゃったような文書で、証憑書類を全部そろえるようにというような通達をなさるお考えがあるかどうか、承りたいと思います。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○説明員(中込良吉君) この点についても、将来の問題といたしまして検討したいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 先ほど外務大臣からの要求があって、それに対して検査院として回答なさった——それをひとつ資料としてお願いしたいと思います。本件については、いままでのお話では納得しかねる点が多うございますが、後日具体的に実例をあげて質問することにいたしまして、きょうはこの辺で質問を終わります。

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) それでは外務省につきましては、この程度にいたします。     —————————————

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) この際、派遣委員の報告につきましておはかりいたします。  去る一月十四日の委員会の決定に基づき、第一班として兵庫県及び大阪府に二名を、第二班として長野県に二名を、それぞれ三日の日程をもって委員を派遣いたしましたが、これら派遣委員の報告は、会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本賢一日本社会党

○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後二時二分散会

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