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63回国会参議院1970/07/07

決算委員会 閉会後第1号

発言数
257
登壇者
19
会派数
3
開催日
1970/07/07

会議録

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る五月十二日、院議によりまして本委員会の委員長に選ばれました。はなはだ微力でございますが、委員の皆さま方の御協力によりまして、この重責を果たしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) この際、理事の補欠選任につきましておはかりいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠けておりますので、この際、補欠選任を行ないたいと存じます。  選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に高山恒雄君を指名いたします。     —————————————

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十三年度決算外二件を議題とし、前回に引き続き総括質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言願います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 前二回、帝国ホテルの問題について質疑をいたしました。さらに、わからないところがございますから順を追うてお尋ねいたします。  まず、法務省にお尋ねします。この帝国ホテルの財産で現在登記されている物件は——建物はどんなものですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 株式会社帝国ホテル名義の不動産がどれだけあるかということは、私どもつまびらかにいたしておりませんけれども、現在、いわゆる帝国ホテルとして営業しております場所に建っている建物につきましては、現在までのところ、昭和四十二年に登記されましたものが最後でございまして、その合計は約四万五千平方メートル程度の建物が登記をされているように承知いたしております。なお、それにプラスいたしまして十数階建ての建物についての登記の申請が過日提出をされましたのですが、その申請の内容につきまして若干疑問の点がございますので、現在それを取り下げて、正しい申請をするように用意をしておられるように承知をいたしております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 法務省の登記面においてどういうものが登記されているかということです。財産全体をあなたのほうが考えられて、これこれがあるであろうということでなしに、現在法務省所管の登記所においてどういう建物が登記されているかということをお尋ねしております。  いま、あなたのほうで四万五千八十四平米とおっしゃいましたね、それに相当する建物をおっしゃってください。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) これは外観上非常に大きな建物が現在建っておりますが、その建物はまだ未登記でございまして、それの内幸町側でございますか、通り側のほうの建物が現在登記を済ましております。これも登記簿の上では数棟に分かれているようでございますけれども、こまかに申し上げますと、千代田区内幸町一丁目一番地の二に地下五階つきで十四階建ての建物がございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 わかりました。それでしょう。それに昭和三十六年の十二月十一日に変更増築をしたと、十四階建てに。四十二年の九月十五日に増築をして、四十三年の七月二日に表示変更登記をしたのが、いまおっしゃった地上十四階地下五階、床面積が四万五千八十四平米、これが登記されている該当建物でしょう。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) そのとおりでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それでお伺いしますが、この建物はありますか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) この建物自体はあると承知いたしております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ないでしょう。実物について見たことはないでしょう。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私、個人としては見に行ったことはございませんですが。

大森創造日本社会党

○大森創造君 あると思っているんでしょう。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 登記簿の上であるように承知しておるだけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 登記簿の上ではあるが、現存はしない。法務省にお伺いしますが、登記簿の上にはあって、事実ないということはどういうことなんでしょう。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 登記されております以上、登記するある時点では現状を確認いたしまして、そのとおりのものがあるということを認めております。したがって、その後にもしなくなれば、それは取りこわしということになるわけでございますが、この事案がはたして取りこわされているかどうかということは、われわれ承知いたしておりません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 簡単に申し上げますけれども、この登記された唯一の建物が現存しているということを確認したのはどなたですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) この当時の東京法務局の登記課の職員が確認をいたしておると思います。昭和四十三年七月の二日に登記をいたしておりますので、そのころ確認をいたしておると思われます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それでは、そういう十四階建ての建物が私はないと思う。それで一方、百歩を譲ってあると仮定すると、昭和四十三年の七月二日にできたんだ、この建物は。そうすると、帝国ホテルの決算書を私は拝見したんだけれども、昭和四十三年の七月二日でしょう。税金の面で、固定資産税などはそのためにいささかも増加しておりませんな。これは、あなたのほうの書類にもあるでしょう、損益計算書だとか、それから……。大蔵省の方、来ておられますか。——大蔵省のほうに書類があると思うんですけれども、私のほうで過去十年間の帝国ホテルの連結決算を見たわけです。そうすると、いまお話しの昭和四十三年七月二日に登記をした地上十四階建て地下五階の、床面積が四万五千八十四平米のこの該当建物を取得したことになる、帝国ホテルは。だから固定資産税その他の税金の関係が昭和四十三年から違ってきていいはずなのに、全然そのための変更がありませんね。これはどういう事情でしょう。そこで十四階建てはないと思うんだがね。私のほうで見たのではないのだ、まぼろしなんですがね。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私の聞いておりますところでは、先ほど申し上げました、本年になりましてから申請のありました建物がただいまお話しの十四階建ての建物と一体をなすものであるかどうかということが一つの問題となって、そのことが十分に解明できないために申請人のほうで取り下げたというふうに聞いておりますので、登記簿と全然違わない建物があるかどうかはわかりませんけれども、まぼろしというふうには私は考えておりません。何か登記簿で表現されております建物があの一角にあるように想像されます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 どうもそういうことではらちがあかないから、あるんだか、ないんだか、すぐそこへ行ってみたらわかるのです。ハイヤーで百二十円出したらすぐわかることなんだ。  そこで今度は大蔵省にお伺いしますけれども、私のほうで大蔵省からもらった有価証券報告書によるというと、有価証券報告書に載っているおもなる財産はどんなものですか。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 昭和四十五年三月三十一日現在の貸借対照表によりますと、資産合計が二百七十三億七千八十三万円でございます。内訳でございますけれども、流動資産が十四億六千百二十五万六千円でございます。それから有形固定資産でございますけれども、二百四十四億二千五百万四千円でございます。無形固定資産でございますが八億四千四百三十八万二千円、投資でございますが五億二百十七万五千円、繰り延べ勘定でございますが一億三千八百一万三千円、こういうようになっております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私の聞き方が悪かった。ホテル側からいわゆる財務諸表——貸借対照表等と、それから有価証券報告書、これが出ておりますね。そのうち、有価証券報告書の中の「設備の状況」の中で、主たる建物をおっしゃってください。債券だとか、いろいろな雑多な財産項目ではなくて、主たる建物——いま問題にしているのは建物ですから、十四階建てがあるとかないとかいう、そういう話をしているのですから、主たる建物はどういうものを大蔵省に報告があるかということ、そのことに限ってお答えいただきます。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) ただいまと同じ四十五年の三月三十一日現在のバランスでございますが、建物につきまして申し上げますと、まず本館でございます。本館は——これはいかがいたしましょうか、かなり詳しくなっておりますが……。

大森創造日本社会党

○大森創造君 簡単でいいです。私が言ったように何階建てがどう、面積が何ぼという程度でいいです。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 建物につきまして、本館の建物でございますけれども、鉄筋コンクリートづくりの地上十七階・地下三階……

大森創造日本社会党

○大森創造君 地下二階じゃないの。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 地下三階でございます。これが一つでございます。それから東館と称しております建物でございますが、鉄筋コンクリートづくりの地上十階・地下五階というものが一つございます。それから別館でございますけれども、建物といたしまして、鉄筋コンクリートづくり地上八階・地下二階、こういうふうになっております。それから駐車場のビルでございます。同じく鉄筋コンクリーづくり地上十階・地下二階。おもなものでございますが、こういう記載でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私のほうの調査でもそのとおりなんだけれども、これは全部登記していないね。そうでしょう、法務省。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) いまお話の出ましたものは全部登記されておりません。おそらく、最初に話の出ました十七階というのが現在登記の申請手続の準備中のものだというふうに思われます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 なぜ登記しないの。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 登記の申請が本年の二月に提出されたのでございますけれども、その申請が旧館と一体をなすものであるというふうな形で登記の申請が出されまして、登記官が現場へ調査に参りました結果、どうも別棟の建物として見るべきではないかというような法律的な疑問がありますために、申請人側といろいろ話をいたしまして、申請人側のほうでも、それでは検討してあらためて登記の申請を出したいから取り下げるということで、四月に取り下げをなされました。失礼しました。先ほど二月と申し上げましたけれども、四月に申請が出されております。五月の一日付で取り下げがなされて、まだ準備中であるというふうに承知いたしております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 四月何日に登記の申請をしたのですか。それで、登記しないでじんぜん日を送るということによって、どういうことになるの。罰則があるでしょう。法律に触れるでしょう、法務省。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 登記の申請がなされましたのは本年四月十八日付だというふうに承知いたしております。登記は不動産登記法の百五十九条ノ二というところに規定がございまして、新築なりあるいは増築なりをしてから一カ月内に所有者が申請をいたしませんと、一万円以下の過料に処せられるということになっております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 一万円以下の過料というのはすこぶる安いのだけれども、法務省のほうはこれを黙認しておるのかな。いろいろな事情があってホテル側の立場に立って相談に乗ってやって、そうして駐車場ビルを入れて四つある主たる建物について これはできてからずいぶんたちますな。帝国ホテルは有名な建物で堂々たる十七階のビルが建ち、そのほか八階、十階と、それぞれあるのですから、これに対する登記がなされていないということは、このままでいいのですか。それほどややっこしくないでしょう。  さらに言えば、この十七階建て、これはどういう所に建っておりますか。もとのこの土地の性質は国有地だったでしょう。それをお認めになりますね、法務省。これはこの前の問答でだいぶややっこしくなったのだけれども、結局この土地は国有地ということになったでしょう、大蔵省。そんなにわかりずらくないですよ、このケースは。ややこしくしているけれども……。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 一の二の土地につきましては、国有地ということではないと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 いや、十七階の建っている所は国有地でしょう。一の四というやつですよ。これはしっかりぼくのほうで確認したのだから。この前の委員会でだいぶ問答したのだけれども、この場所は国有地ということに私のほうではがっちり確認しているのです。そこでこの土地については少しおかしいのだ。そもそもこれは登記謄本を見てください。大正十年八月十四日に保存登記をして、いわゆるライト式建築のあった所、本館ですね、地上六階、地下一階、三万八百五十八平米、それがずっと時代が変わって昭和四十二年十二月三十日に取りこわした。これは御承知のとおりですね。昭和四十二年十二月三十日に取りこわして、四十三年の七月二日——ここが問題の日付なんで、法務省、よく覚えておいてください。昭和四十三年の七月二日に謄本閉鎖をしているわけだ。そこで該当地番の家屋謄本閉鎖中が現在の状態ですね。それはお認めになりますね。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) この建物は、登記手続上かなり複雑な経緯をたどっておりますけれども、先ほどの私が申しました家屋番号で申しますと、一番の六という名前で登記されております地下五階・地上十四階建ての建物は、いろいろな建物が建てられて、それを四十三年の七月二日で、増築部分を合わせて、一棟の建物に合棟の登記をいたしました。その結果、古い建物の登記用紙は、それによって閉鎖をするという用紙ができておりますが、しかし法律的には全部の建物をここでまとめて登記がなされておるということでございますので、登記そのものがなくなったということではないと考えられます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ぼくは事実について言っているのです。あなたのほうの出してくれた登記謄本についてそのあとを追っている。その一の四の国有地については、これはさら地ということになるわけですよ。その十七階というやつは新築申請ではないでしょう。新築申請ではございませんね。どうなんですか、この問題については。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 先ほど来申し上げておりますとおり、現在登記されておりますのは地上十四階・地下五階建ての家屋番号一の六というものでございます。問題の地上十七階建てというのは、それとは別のものでございまして、ことしの二月ごろに完成をした本館部分になろうかと思いますが、その部分につきましてはこれから登記ということになるわけでございますけれども、それが先ほど申しました四月十八日に申請をされました形では、この十四階建ての建物の増築だという形での登記の申請が出ております。ところが、私どもの見解では、これは離れておりますので、別の建物として、まあ権利の登記で申しますと、別の保存登記をすべき案件ではないか、くっついていないという考え方でございますので、そこで増築の形による登記申請が取り下げられたということになっておるわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうすると、十七階建ての本館というやつはいまから登記をするわけですね。これは確認しますが、いまから登記をする。そうして、登記をする場合には——いま現存する十四階建ての帝国ホテルの関係は、法務省の登記簿については十四階のものしかないのじゃないか。そうして、帝国ホテルが十四階プラス十七階という増築の申請をあなたのところに一回してきたのだな。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) そのとおりでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そこで、それはまずいといってけったのだな。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 正式に却下という処分はいたしておりませんけれども、おかしいのではないかというふうなことを登記官のほうで申しましたところ、帝国ホテルのほうでは再検討するからという意味で五月の一日に申請を取り下げております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それはわかりました。それは合併登記ということになりますね、してみると。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 四月十八日の申請は、既存の建物の床面積が増加をしたという形での登記でございますので、先ほど来申し上げておりますとおり、私どもは既存の建物の床面積が増加したのではなくて、新たなる別個の建物ができたというふうに評価すべきではないかということで、帝国ホテル側では取り下げるということになっておるわけであります。したがいまして、私どもの見解に従いますと、との十七階建ての建物は別の登記用紙を起こして登記をさるべき建物である、かようなことになろうかと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうすると、十七階建てのほうは、あなたの見解どおり、別途新たに新築という登記がなされるはずですか、あなたのほうの指導によると。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私どものほうでは、そういうふうな形での登記申請をしてきたほうが適当であろうということは帝国ホテル側に申しておりますけれども、帝国ホテル側ではどのような申請をするかということまでははっきりは確認いたしておりません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これはさらに進めて言う段階ではないが、帝国ホテルはおそらく十七階建て新築として新たに登記をするということは技術的にできないでしょう。これはあなたのほうの答弁は求めませんけれども、できないいきさつがあります。だからもたついていると思う。これはそれでおきます。これはきっと、十七階建て本館は新築登記ということになる、法務省の指導によると、法務省の見解によると。しかし、新築登記もできないいきさつがある。だから今後も問題がある。未登記のままでずっと推移することになるのではなかろうか。そして、さらに聞きますけれども、いま法務省のほうに登記されておる十四階建て・地下五階・床面積四万五千八十四平米なる建物、これに該当する建物は、これをあなた自身は確認しませんね。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私個人としては見たことはございません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ただいろいろ言っておるのは想像ですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) これは登記簿からの想像と、それから四月ごろ法務局の職員が現場に行っておりますので、その報告も聞いておりますが、詳しく突き合わせということまでして確認いたしておりませんけれども、何らかの建物があるということは聞いております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 何らかの建物がある。これは近く調べればはっきりわかるし、登記といってもそんなにややこしいことではないので、少し研究すればわかることです。これは大事なことですから私のほうで調べてみますが……。これはよく書いてきょう中にも届けてください、ある書類ですから。問題の昭和四十三年七月二日の登記申請書類の写しをひとつ要求いたします。だいぶんややこしい登記申請を四十三年の七月二日にやっておりますね。謄本閉鎖ということをやっておる。それから同じく四十三年七月二日に、問題の、私はそれにぴったり該当する建物はないと言っておる十四階建ての建物を、表示変更登記をして、同じく四十三年七月二日に地上十階・中二階・塔屋三階・地下五階、面積三万七千九百二十三平米という建物を錯誤抹消によって、そして登記謄本閉鎖という手続をしているはずなんです。その問題の昭和四十三年七月二日の登記申請書類の写しを御提出いただきたいと思うのですが、いかがですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 承知いたしました。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そこでお伺いいたしますけれども、さっき私が聞いていたら、いま登記されている建物は十四階建ての建物一つなんだから、これは十四階建ての建物というのは、ほかの建物と対にして合併登記という手続をしたんでしょう、そういうお答えのように聞いたんですけれども、どうですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 合棟の登記をいたして、一つの登記用紙にまとめておるというふうに伺います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうすると、私は問題だと思うのです。合併されたほうの物件——建物には抵当権が設定してあるはずですよ。抵当権が設定してある建物と合併登記はできないのです。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 抵当権がついております建物は、他の建物と合棟することはできないことになっております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そういう原則ですね。それが原則だが、この現存する一つの十四階建ての建物というものは、私はそのものは実在しなくても、プラス抵当権を設定してあるほかの物件——建物と一緒に合併登記をしたという手続がなされているに違いないと思う。それなら問題でしょう。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私、詳しい経過をまだ十分調べておりませんけれども、抵当権がついている建物と、それ以外の建物とを合棟したということになりますと、これは登記手続上問題があるということは言い得ようかと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 にせの登記ということになりませんかね。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) にせという意味がどういうことかよくわかりませんけれども、もしおっしゃるような関係がございましたならば、これは登記手続上問題であって、場合によっては合棟の登記そのものが、その効力があるいは問題になるというふうなこともあろうかと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この問題でばかりやりとりしても、らちがあかないが、この問題は十四階建て・地下五階・床面積四万五千平米の建物しか登記されていないのだから、登記面は。私は、登記というものは実物があって、それに対する反映だと思うのだ。登記というのは建物の実体があって、それに対する登記でしょう。どうも幼稚な、法律に詳しくないから……。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) おっしゃるとおり、まず客観的に建物が存在をしておる。その存在をしておる建物の現況をそのまま登記簿に反映をするというのが不動産登記法の立て方でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そういうことになれば、十四階建ての建物は現存しない。それで名だたる帝国ホテルは、登記面において権威のある法務省の登記所に登記された建物は十四階建てしかないのだが、そこであとホテル側が有価証券報告書によって大蔵省のほうに報告を出した主たる建物は、先ほど大蔵省の方が言われたとおり。もう一回言いますと、問題の地上十七階・地下三階・塔屋二階、十二万一千八百三十三平米、これが一つ。それから東館というのが地上十階・地下五階、延べ面積三万七千六百九十七平米、それからさらに別館として地上八階・地下二階、延べ面積が一万一千二百四十一平米、それにそのほか駐車場ビルが地上十階・地下二階、延べ面積が二万六百八十七平米、まあその他にもあるでしょうが、大体おも立ったものはこれだけだというわけで、いま申し上げた一、二、三だ。それに駐車場を入れて四つだ。これは全部未登記だ。その未登記のいきさつについては、問題の本館の十七階は、私はなかなかもって土地の性質上、法務省が言うておるごとく、これは増築じゃないのだから、新築として新たな登記の申請をしろと言うても、できなかろうというふうに私は推察する。いずれにせよ、四つとも現存する建物についてはいまもって登記なし。十七階建てはいつできたの。これは昭和四十五年の三月十日オープン。四月、五月、六月、七月……。それから東館のほうはいつできた。これはオープンがややこしいのだけれども、最初のオープンが昭和三十三年の八月一日オープン。それから登記上いろいろいきさつがあって抹殺をして、そうして大蔵省へのホテル側からの報告によると、これがあるのだけれども——地上十階・地下五階というのがあるのだけれども、これも登記されてない。それから駐車場ビルと、もう一つの地上八階・地下二階というものも登記されてない。十七階はわかっているのだけれども、八階と十階というのはいつできたのですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) その財務関係の書類に表現されておるものが、私どものほうの関係のどれを示すかはちょっとわかりませんけれども、登記のほうでは十階建ての建物ができましたのが三十三年の七月二十五日に登記をされております。それから八階建てというのは登記上ございませんけれども、七階建ての建物として二十九年の十一月三十日に建てられているものがございますので、これが第一新館と呼ばれているものじゃないかと思います。これがいまおっしゃいました建物にあるいは該当するのじゃないかというふうに考えますので申し上げます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これはあとで調べましょう、委員会で問題を幾ら行ったり来たりしてもしようがないから。あのね、これはさっき言った十七階と八階と十階と、それから駐車場という四つの主たる財産、主たる設備、これについては未登記でしょう。それで登記しなければいかぬのでしょう、いまから。十七階もそうだし、八階も十階も駐車場も登記していないでしょう。登記しなくてもいいんですか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私どもの考えといたしましては、十七階建ての建物は登記されておりませんので、これは登記をしていただかなければなりません。ただ、御指摘の十階、八階というのが登記簿で表現されておりますものとはたして合致するかどうかはわかりませんけれども、それと思われる建物はすでに登記をされております。それが先ほど申し上げましたように、四十三年の七月二日に合棟によって一つの登記用紙にまとめられて、その結果十四階建ての登記用紙ができておりますので、その分は登記が済んでおるのではないかというふうに想像されます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そんなに登記というのは、ややこしくいいかげんに扱っていいのかな、登記というのは。いまの話だというと、十七階は新たな登記をしなければならぬ、それはわかる。それに対して、私は登記できなかろうということをさっきから言っている。それからもう一つは、八階、十階というやつは、これは登記されているのは十四階建て一つなんだから、それに含まれている、合併されているというふうに法務省は解釈しているのですか、簡単に言ってください。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 登記簿の記載の経過から見ますと、登記合併、一つの合棟の用紙になっておるというふうに想像されます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 想像されるというだけでそれ以上に、八階、十階、地下二階、地下五階、そうすると合計すれば何ぼになる。それが十四階に一つに合併登記されますか。集約されますか。そんなふうに法務省というものはいいかげんにやっていいのかな。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) そのほかにわずかながらでございますけれども、増築などがございまして、改造などの表現も登記のほうの表現は普通でいわれるものとは少し違う場合もございますので、経過を見ますと、ただいま御指摘の建物は全部一番の六の建物の中に包含されて表現されているように思われます。なお、この点は詳しく経過をたどりまして調査をしてみたいと思いますけれども、目下形式的にはそのように思われるわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 思われるだけでしょう、これは常識的にあれですよ。十四階建ての中に東館の十階と地下五階、それから別館の地上八階と地下二階、こういうものが合併登記されておるということならば、私はそういうはずはないと思うし、したがって、十四階建ての建物という登記がされておるというものは、いまの話からいったってないのだね。十四階建てというものがただ一つ登記されているが、帝国ホテルの建物には十四階に相当するものがないわけだから、これはできないということはあなたもお認めだ。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 私、個人として見たことはございませんのではっきり申し上げられませんけれども、登記の書類の経過をたどりますと、十階建てと七階建てでございますが、建物がございまして、その建物の中間を増築をして全く一つの建物のような外観を呈するようにくっつけてしまっておる。したがって、それが合棟されたんだというふうに思われるわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それで、合併登記ということをやったんだな。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) さようでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 合併登記はいかぬのですよ。この場合には抵当権が設定になっているはずだ、片方の物件、建物については。それをお調べになりませんか。わからないか。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) その点は、まだ私調査が十分でございませんのですが、先ほど申し上げましたように、もしそのときに抵当権がついておれば、合併登記は手続上許されなかったものと思われます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それでは、それは登記法違反だろう、その場合は。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) もし御指摘のような事実でございますと、これは登記法に違反します登記をしたということになります。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これは抵当権が設定してあるかないかということは、あなたのほうはわからないわけだね。抵当権を設定してあれば、これは法律違反だね。そうしてこういう合併登記はできないのだね、登記法によって。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) それはできないわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これはすぐ調べてくれないか、この本委員会を終わるまでの間に。架空のことではしようがないから、事実はこうだと、抵当権が設定してあるかないかというようなことは調べられるでしょう、そんなことは十五分もあれば。うしろにいる人に言ったらすぐ調べられるだろう。これを調べてください。

枇杷田泰助法務省民事局第三課長

○説明員(枇杷田泰助君) 承知しました。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そこで、またさらに、これはあとで問答いたしますけれども、なぜこういうふうにややこしいことになったかというと、いろいろ裏があると思うのですよ。私は、裏があるのでこういうややこしいことをせざるを得なかったのではなかろうかと思う。たとえば金を借りる場合とかいろいろ。で、法務省のほうは正しく形式的に扱うから、そういうことを受けて、そして国会でそういう答弁をされることになると思う。これはあとの話。そこで私は、こういうことを念を押しますけれども、昭和四十二年の七月二日という問題の日の登記申請書類の写しをさっき求めて、これは了承されたんだから、一連の登記申請書類を要求するということを再度確認して、これは了承を得たんだ。そこで私の言わんとすることは、要約しますとこういうことですよ。登記されているのは十四階しかない。ところがホテル側からの大蔵省への有価証券報告書による報告によるというと、一、二、三、四。駐車場を含めて四つの主たる設備がある。これが全部未登記である。現状は未登記である。そのうち本館の十七階は、法務省側と見解が相違して、ホテル側は最初増築申請をしようとしたけれども、それは現状に合わないし、たてまえ上できるはずもないので、これは却下され、そして新築の登記をしなければならないことにホテル側はなっているんだけれども、おそらくそれは、いろんな関係でできなかろう。そこで私は、あとの駐車場と、それから東館と別館の三つの問題についても新たに登記を起こさなければならないというふうなことを主張しているわけだが、それに対してあなたのほうでは、いやそうでない、十四階建てのほうに一緒に合併登記になっていると思われる、こういう御答弁だ。そこで私は、それによしんば一歩譲って合併登記になっているにしても、常識的におかしい。地上八階と地下二階、それから地上十階と地下五階、それがまあ合併登記になっていることはおかしいし、合併登記の対象にされた建物にはすでに抵当権が設定になっているはずである。これはすぐ調べてくれということを要求した。それで抵当権が設定されているということになると、これは登記法違反であるし、その他もろもろの問題が出てくるということを申し上げる。  そこらにしておいて、今度は次の問題に移りますと、大蔵省のほうからちょうだいしたものをずっと見てみると、だいぶ粉飾決算のにおいが強いわけです。それで昭和三十六年の二月という時点をつかまえてみるというと、当期における総利益、その次に税金総額として四千八百二十二万六千円、そこでその脚注のところを見るというと、固定資産税が一千八百七十九万二千円、都市計画税が三百四十七万五千円、事業税が一千九百四万九千円、都民税が六百九十一万円、そこで全部合計すると四千八百二十二万六千円、これは損益計算書における実際に払った税金総額と一致しているわけです。これは大蔵省、そのとおりですね。私の言う意味わかりませんか。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 古い資料をいま持っておりませんので、検討いたしておりますが、ちょっとこちらでただいまお答えすることができません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうですか。ぼくはホテルの問題を質問するというので一カ月前から言っているんで、この大蔵省のほうからもらった資料について言っているんだから、これは御説明あってしかるべきだと思うんだがどうです。ほかの東南アジアのファイナンシャをやっているんではない。帝国ホテルのことをやることについて森委員長のもとでずいぶん前から言っておる。これは大蔵省のほうからもらった帝国ホテルの資料について質問しているんだから、これくらいの資料は持って来ていいと思う。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 申しわけございません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 すぐ用意してください。それからだ。  そこで時間がないので……そうしますと、この損益計算書によるもの、それの税金総額というのが大蔵省からちょうだいしたものに出ているわけです。それを昭和三十六年、三十七年、三十八年、三十九年、四十年、四十一年、四十二年、四十三年、四十四年と調べてみたんだ。そうして今度は脚注にある税金内訳というのは、これは資料がなくてもお答えできるでしょう。あなたのほうからちょうだいしたこれですよ。これの中で脚注というものはいわゆる税金総額の内訳でしょう。お答えいただきます。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) お説のとおりでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 おたくのほうでつくってくれた書類なんですから。帝国ホテルについてこういう資料をちょうだいしますと、調査室を通じて御提出願った書類について調べてみたんです。そのうちで、この損益計算書の項を見るというと、営業費用のうち一、二、三、四、五……九番目に「税金」とあって、そこには脚注のしるしがついているから、そこで今度は一枚くって脚注の内容を見るというと、脚注の合計金額が合わないんですよ。最初の昭和三十六年二月のものが合って、あとは全部、脚注の固定資産税、都市計画税、事業税、都民税を合計するというと、ずっと多くなっているんです、税金総額よりも。これは何だということです、私の質問は。そうして、さらにふしぎなことは、昭和四十年になるというと都市計画税というやつがはずされておるわけです。ゼロゼロとずっとなったわけで、それはつじつまが合わなくなったからわざわざはずしたというふうに私は解釈するし、大蔵省のほうでもこの書類をずっと一べつするというと、それは歴然としていると思う。帝国ホテルは建物はりっぱだが内容はぐちゃぐちゃだろうと私は思うんだな。ぐらぐらしているんじゃないか、あの建物は。あぶなくて乗れないですよ。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) せっかくのお尋ね、私ちょっとうかつでございましたけれども、損益計算書の中に税金の項目がございまして、それに対しまして脚注の1がございます。脚注の1は、税金のうちおもなるものは固定資産税何がし、事業税何がし、こういうふうなことになっておるわけで、実は固定資産税と事業税のほかにどういったものがありますのか、ちょっといまの時点ではわかりません。さっそく調べてみたいと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そこで、資料は来ましたか。まだ来ない。——それで税金のトータルは、昭和四十年度についてその矛盾を見るというと、これははっきりしてくると思うのです。これはホテル側が事務的に処理しようと思ってもできないんじゃないかと思う。税金のトータルは、昭和四十年度一億三百二十一万円が税金の合計でしょう。これは資料がないからわからないか。

松本健幹大蔵省証券局企業財務第一課長

○説明員(松本健幹君) 四十年度の資料は持ってまいりませんので、わかりません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私のほうのやつを言うけれども、これは一億三百二十一万なんですよ、税金のトータルが。内訳は脚注のトータルを見るというと九千六百二十四万五千円となって、まあまあ大差はないから一見妥当のように見えるが、これにはからくりがある。すなわち都市計画税は全部はずしているわけです。ゼロです。昭和三十九年度まではがっちりと都市計画税が載せてあったものが、今度は四十年度になると都市計画税が書いてないんです。ずっと書いてない。はずしているわけです。都市計画税というものは、申し上げるまでもなく、一定の比率で課せられるものだから、その額を入れるべきではなかろうかと思うのです。しかし、入れたらば税金総額よりもぐんと多くなるので、窮余の一策としてこれをはずした、事務的に処理できないほど決算がでたらめなんだということを私は想像する。そうして現在に及んでいる。それには裏がある。これは法務省と大蔵省と自治省だけでは解決できない問題だろうと思うから、あと三、四分あるそうだから、その間に資料があればお答えいただきたいと思う。あなたのほうと一緒になって、有名な帝国ホテルの問題について、登記上の問題とそれからいろんな問題についてひとつ検討して、解決したいと思う。第一、権威のない登記などを法務省がやられ、それから何だかわけのわからないようないろいろな書類を大蔵省に届け出、それをチェックしてみたらその矛盾に気がつくはずなのに、ただその書類を受け取ればいいという、そういう態度に問題があると思う。ちょうど政治資金規正法みたいなもので、届け出ておればそれでいい、内容などは吟味しないというマンネリ的な、でたらめな行政庁の姿勢があるのじゃないかと私は思う。そこで、いろいろな疑問があって、あなたのほうと見解が分かれた。あなたのほうはこう思われるということを言った。思われるというのではしょうがない。事実はどうなんだということを私は究明したい。きょう要求した資料、それからさっき問答した合併登記の問題で、合併され覆うの物件——建物には抵当権がすでに設定されておるのではなかろうか。それからもろもろの損益計算書やその他のものは少し吟味したら粉飾決算のにおいが非常に強いというようなこと、事実について当たってみましょう。  きょうはここらで終わります。

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 速記を起こして。  質疑を続行いたします。質疑のおありの方は順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まず、最近問題の種痘禍の問題から質問いたしますが、相次ぐ種痘禍事件の対策を進めておる厚生省が六月の十八日、今春の接種による全事故者についてワクチン等の因果関係など原因究明のために徹底的な追跡調査を行なうことをきめ、同日全国都道府県に調査表を送り、早急に詳細な報告書を提出するように指示したそうですね。その調査結果の全容をまず示してください。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 去る六月の十三日に一部東京都内の種痘についての副作用の報道がありまして、それと相前後いたしまして種痘についてのいろいろな問題が社会的な不安を巻き起こしたのでございます。これに対する措置といたしまして、ただいま御指摘のように、十八日の日に専門家の会合を持ちまして従来指導をしておりました都道府県に対する事故発生報告についての詳細な資料の提出を強く求めまして、このとき手元に参りました資料の検討を十八名の委員にお願いをいたすという手はずであったわけでございますが、資料の不備な点がいろいろございまして、実際に調査をいたしましたのは十九日でございます。専門家十二名に参集いただきまして、このときまでに手元に参りました十一例についての専門家の意見をまとめました。このときに十一名のうち四名が種痘後脳炎あるいは種痘後脳炎の疑いという死亡の診断名がついていたと思います。この中で実際に病理解剖が行なわれたのは一例でありまして、あとは死亡診断書その他県当局が調査をした資料でございます。これについていろいろ学者の意見を求めたわけでございますが、結論的に申し上げますと、十一例のうち一例だけが学問的にこれは種痘後脳炎という判断ができる。これは病理解剖の終わった一例についてであります。そういうことで他の例については現在の資料だけでは正しく種痘後脳炎であるという判断は困難であるということでございまして、さらに十一例のうちたしか四例だったと存じますが、これはまず種痘とは関係がないだろうというふうな学者の意見でございました。したがいまして、ほぼ確実だという一例と、違うだろうという四例、残り六例がこれは学問的にはなかなかきめかねる、これが種痘に関係ある、あるいは関係ないというふうな判断は、現在の手持ち資料では困難だというふうな判断が出たわけでございます。その後の例数についてはまだ調査が行き届いておりませんで、現在、報告だけは合計十六例になっておりますけれども、残りの五例についてはまだ検討を終わっておりません。  以上でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま言われたその六月十九日に、厚生省が専門家十二人を集めて症例検討打ち合わせ会、その打ち合わせ会の結論としてもうすでに報道されたように、種痘後脳炎は例年十例前後の患者が出ているので、今年が特に異常だとは考えられない。ワクチンにも特別に異常はないという高津座長の談話が発表されました。そこで、この数年に起きている事故の発生状況を四十年からちょっと教えていただきたい。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 昭和四十年は種痘後脳炎が五例、それからその他の種痘の合併症での死亡、これが二例でございます。それから四十一年には種痘後脳炎という死亡診断書の出た者が同じく五例、それから種痘後にその他の合併症による死亡という者が二例、これは四十一年でございます。それから四十二年は種痘後脳炎の死亡診断書の出た者が六例、それから種痘後のその他の合併症による死亡というのが四例、現在手元にございます資料は四十二年までの人口動態統計の資料でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 後遺症はわかりませんか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 後遺症は、私ども統計資料としてはとることができませんので、先ほど最初に和田委員がお触れになりました十八名でございますか、専門家グループで研究班をつくりまして、この研究班が全国の医療機関あるいは研究所、そういうところを通じて扱っている後遺症の把握ということで、これは残念ながら全貌というわけにはまいらない数字かと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ことしが特に異常とは考えられないのに、なぜ今年はこんなに大騒ぎをしたわけですか。言いかえると今年と同じ状況がずっと以前から——私はここにおたくで出した二十六年からの資料を持っていますが、以前からあったのに、なぜもっと早くから大騒ぎをして対策を立てられなかったのですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 御承知のとおり、種痘後脳炎の問題、さらに種痘の合併症の問題は、各国の学者がこれの対策研究について相当長い間の業績があるわけでございますが、もちろん日本の学者におきましても、いろいろ専門的な立場から種痘との因果関係あるいは現在の種痘についての改善の問題、そういった問題について研究がされているわけでございます。私どもといたしましても、これらの学者の御意見を伺いながら、実は昭和四十三年、一昨年でございますが、従来の伝染病予防法、さらにいま問題になっております予防接種法、こういうふうな法律を中心にいたしました伝染病の今後のあり方ということで、実は大臣の諮問機関であります伝染病予防調査会に諮問をいたしたわけでございます。これが四十三年の五月でございます。こういうことで私どもといたしましては姿勢を正しまして、全面的な伝染病予防対策の検討を始めた、こういう矢先の問題でございまして、残念ながら十分な資料がございませんが、この期間における調査は一応まとまったものがあるわけでございまして、それらの資料を中心にいたしまして今後相当迅速に問題点の解明あるいは抜本的な法律の検討というふうなことをいたしたいと考えているわけでございます。去る六月の十五日に二年間の諮問の調査会の検討事項のまとめとして中間答申が大臣に出されているわけでございます。これをもとにいたしまして早急に関係法律の検討あるいは対策の体質改善というふうなことについて取り組みたいと、こう考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ワクチンにも特別な異常はない。そういうことであったならば、なぜ武田の種痘ワクチンの全部を使用中止したり、あるいは武田以外のワクチンについても使用中止を検討したのですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 東京都がとりました臨時的な措置につきまして若干新聞その他に誤解があるようでございますが、私自身はそのつどとった措置を明らかにしてまいっているわけでございます。六月の十三日に東京都のほうから照会がございまして、十二日の保健所管内の——都内でございますが、保健所管内の報告のとりまとめによると、武田のロットの二二七に集中いたしまして十八名の発熱、発しん、死亡が一名というふうな報告がまとまったので、社会的な不安を取り除くために、このロットについての使用を見合わせたいというふうな趣旨の相談がございまして、私どもといたしましても、どこに原因があるかは別といたしまして、とにかくそういう特定のロットに若干副反応が集まったきらいがあることについては、われわれとしても都の措置には同意をしようということで、使用の見合わせをいたしました。この点は各都道府県についても指示をいたしました。同時に、メーカーのほうでは、これは自主的に製品の回収をしていき、一部を国立衛生試験所のほうに検査を依頼した、こういう経緯でございます。もう一つの二二六というロットにつきましても、三名ですか、副反応の発生報告がありまして、相前後したために、私どもといたしましても、都のとった措置を了解いたしまして、前の二二七ロットと同じような扱いをいたしました。それ以外の種痘の痘苗につきましては措置はいたしておりません。こういう実態でございまして、武田の全製品について処置をしたということではないわけでございます。その後十九日に、先ほども申し上げました専門の委員会がございますが、十九日の日に開かれました専門の委員会で、私どもが行政的に行なった措置について意見を求めましたが、このときの専門家の意見としては、この程度の副反応の発生によってワクチンの使用の中止あるいは種痘の接種の中止というふうなことについては、これは学問的に正しくないという趣旨の意見もいただきまして、今後こういうふうな発生で、もしも行政的に何らか方途を講ずることが社会不安をやわらげるということにプラスになるような場合があるときには、専門家の意見をぜひ聞くべきだという趣旨の発言もございました。現在ではそのような態勢をとっておるわけでございます。現在までのところ、武田の二二六、二二七のロットの使用を見合わせている、こういうのが実情でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 結論的に言えば二二六、二二七、言ってみればワクチン自体に欠陥があったからこそ、そのワクチンの使用中止をさせた、そういうふうに理解していいんですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 説明が不十分だったと思いますが、そういう意味ではないのでございます。たまたま二二七ロットに八名の副反応を伴うものが保健所から報告をされたということが社会不安を起こしているという結果を考慮しまして、東京都としては、これの使用の見合わせをしたいが、いかがかというような趣旨の問い合わせがございました。こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、今度の死亡事故を起こしたワクチンのメーカー別の内訳というのは、わかりますか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 手元にある資料について申し上げますと、東芝の一九九、それから化血研の三二四、それから武田の二二六、それから武田の二二一、この四例が、種痘後脳炎と死亡診断書によって報告をされました例数の使用ワクチンのロット番号でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その内訳の状況は、過去においてはいかがでしたか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) これは過去については報告がございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 予防接種と事故との間の因果関係の判定については、ジフテリア予防液の注射によって死亡した事件について、昭和三十二年の二月三十日付大阪高裁の判決がここにございます。これは刑事事件でありますが、少なくともこの種の因果関係の判定については、一つの規範を私は示したものと思います。そこではこんなふうに言っております。「「解剖等の自然科学的究明方法によって寸分の疑なきまでに解明されなくても関係証拠により条理上その因果の関係が真実存在するとの高度の蓋然性があり而も疑問をさし挾む余地のないまでの心証を形成し得る場合」には証明が十分であるとするのが妥当であろう」。武田薬品のワクチンの事故発生率が、言ってみれば高くて、厚生省もその使用を先ほどのような経過があったとしても、とにかく中止をさせた。その因果関係については、いまの判定にあるように、「自然科学的究明方法によって寸分の疑なきまでに解明されなくても関係証拠により条理上その因果関係が真実存在するとの高度の蓋然性」が認められたということだろうと私は思うのです。とするならば、武田薬品の民事責任は一体どうなりますか。また、そのワクチンが、薬事法第四十三条に基づく検定を経たものである以上、国の、国家賠償法第一条に基づく過失責任は私は免れないと思うのですが、いかがですか。

加藤威二厚生省薬務局長

○説明員(加藤威二君) 武田薬品のケースが非常に多く出たようでございますが、これは東京都で使用をいたしておりますワクチンの大体七割くらいが武田薬品のワクチンであったという、そういう量が非常に多かったということで武田薬品のものによる、何といいますか、そういう副反応のあれが多かったというような実態になっているようでございます。したがいまして、武田薬品のワクチンが特に悪かった、ほかのメーカーに比べまして特に悪かったということではないようであります。このワクチンの問題につきましては、確かに副反応があるということは事実でございます。これは、どこの国のワクチンでも副反応があるわけでございます。たとえばリスター株という、WHOである程度推薦いたしております株と日本の使っております池田、大連株との比較の問題もありまして、厚生省でもその比較の検討を過去においてやったわけでございますが、リスター株におきましてもそれぞれ副反応はある。それで、局所的な副反応はリスター株のほうが池田、大連株よりも低い。たとえば局所のはれとか、あるいは硬結ができるというふうな点におきましては、リスター株のほうが低い、反応が少ないのでございますが、全身反応、たとえば発熱とか発しんという全身反応については池田株のほうが低かったというような例症もございました。それから種痘後脳炎については全く原因が不明である。リスター株で製造した株につきましても、これは出ております。そういうことでございまして、したがいまして、いまの段階におきましては、どこの国でもこの程度の副反応というものは出ているわけでございまして、いまの学問的な水準では、これは現状としては避け得られない程度の副反応ではないかという感じがするわけでございます。そういう意味におきまして、メーカーのほうの民事上の責任ということについては、これは軽々に断ずるわけにはいかないと思うのでございます。  それから、国のほうの検定の問題でございますが、この事故がございまして回収した武田薬品の製品について、いま予防衛生研究所で両検討をやっておりますが、いまのところ、まだ最終的な報告がまいっておりませんけれども、中間段階では異常がないというような模様でございます。最終的な結論を待たなければなりませんけれども、国で定められました検定方式に基づいて、そのとおり検定をし直したわけでございますが、いまのところは異常ない。その検定方法も、一応いまの段階では最上の検定方法を国としてはいたしておるわけでございますので、国の検定方法を通ったそういう種痘で副反応が起きたということで、直ちにまた国の責任ということにはならないのじゃないか、というふうに考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、いま検定し直している検定の結果は、いつ出ますか。

加藤威二厚生省薬務局長

○説明員(加藤威二君) あと十日くらいで出る予定だと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、いまの答弁から類推すると、その検定結果に基づいて、言ってみれば国の責任があった場合には、過失責任は免れない。それはよろしいですね。

加藤威二厚生省薬務局長

○説明員(加藤威二君) 国がもう一回検定をし直しまして、そしてその結果、異状があったということであれば前の検定に過誤があったということになると思いますので、その場合にはそういう問題として、国のほうにそういう問題について前の検定がおかしかったということであれば、それなりの責任はあると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 検定に過誤があったということが明らかになれば、言ってみれば国家賠償法に基づく過失責任は免れない。その点を明らかにまずしておきます。  そこで、いろいろ言われましたが、私は予防接種の事故を幾つかの類型に区分をして話をしないといけないと思うのです。一つはワクチン自体に重大な欠陥があった場合でしょう。次にワクチンをいわゆる接種するとき、施行時に他の病菌が混入した場合が考えられる。三番目はワクチンの種類、接種量を誤る、またワクチン以外の薬品を誤って接種した場合もありましょう。四番目は被接種者の異常体質に起因する場合があります。これらの類型のいずれに当てはまるかは、医学上の因果関係の究明がかなりの困難を伴うために、はっきりしない。そういうものは原因不明とされることも少なくないようでありますが、いま私があげた四つの場合のうち、二番目と三番目の場合は明らかに過失があるわけですね。国や地方団体、医師等の法律上の責任は明らかであるわけですが、問題は、ワクチン自体に重大な欠陥があった場合と、被接種者の異常体質に起因する場合であります。今回の件での厚生省の態度は、この両者の違いをどうもうやむやにして、どちらかわからないような形にしているというところに私は特徴があると思うのですが、そういうふうにお考えになりませんか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 四つに分けて御指摘をされましたが、第四番目の被接種者の特異体質的な異常状態、これが私は一つの問題点だろうと考えております。先ほど申し上げましたように、特異体質はたとえ種痘以外のものが異物として入っても体内では異常な反応を起こす場合が間々ある。これは和田委員御指摘のとおりでございます。これが、たまたまワクチンという問題と、それから特異体質という問題と重なって事故が起きたというふうな例が相当ある。むしろ私の判断といたしましては、重篤な副反応と言われております種痘後脳炎あるいは種痘後合併症、皮膚疾患、こういうふうなものについては、種痘によるワクチン、プラス特異体質と、総合的な関係がそういうふうな強い副反応を持つ点だと判断いたします。  そこで、これの対策の方法といたしましては、どうやって異常反応を排除するかというところが対策の問題点だろう。今回の事故あるいは従来の種痘後脳炎、あるいは合併症に伴うそういう特異体質の発見ということにつきましては、専門家、学者の間にいろいろ研究をお願いしているわけでございまして、これは世界各国とも、同じような問題に同じような取り組み方をしているという実態かと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣が見えないけれども、六月の十六日に内田厚生大臣は、この事故が接種前の健康診断で防げると大みえを切っているのですよ。そういうことを——私がさっき言った四つの中で、ワクチン自体には欠陥がないのだということを言っているのですね。そのことと、経過があったにしても、武田のワクチンの使用を中止をした、その他のメーカーのワクチンについても使用の中止を検討し明確にする。向こう三年間で新ワクチンを開発するということと明らかに私は矛盾をすると思いますが、その点はどうように説明をされますか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 十六日の大臣の談話は、特に重篤な副反応ということについて触れられたわけでございまして、一般的な副反応、たとえば先ほど来お話しのような発熱がある、あるいは発しんができる、あるいは接種した局部に発赤ができる。そういうふうな一般的な副反応というのは、これは避けられないけれども、死に至る、あるいは重篤な障害以前のものは、接種当時の健康状態あるいは禁忌反応の排除、禁忌症状の排除というふうなことによって相当程度避けられる。これは世界の、アメリカそれからイギリスの学者なども書きものにして出しているとおりでございまして、しかもなお排除できない問題が、種痘後脳炎という形あるいは種痘に伴う皮膚の合併症というふうな形になって年間不幸な転帰をとっている例があるわけでございます。これはワクチンそのものの持つ一つの宿命的な要素でありますけれども、この要素をどれだけ排除するか、できるだけ排除しようということが、先ほど最後に触れられました今後のワクチン改良の一つのねらいなのでございます。この改良問題につきましても、私どもといたしましても、早急に結論が出るような、そういう努力をしてまいりたいと考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 新聞紙上では、いま私が取り上げた大臣発言と、予防接種実施細則の施行の際の日本医師会長からの照会に対する三十四年二月四日付の厚生省公衆衛生局長名回答の関連が問われています。集団接種などが、一人一人について健康診断をすることが現実的には不可能であることは明らかであります。とすれば、事故防止策は、ワクチンそのものの質的向上に求められるほかは、私は全くしろうと考えですが、それ以外にはありません。しかるに、種痘ワクチンを精製する技術はすでに四十年も前に矢追博士が開発していたというではありませんか。六月二十二日の朝日新聞は「オーストリアなどでは、この技術が法制化され、副作用軽減に役立っているというのに、日本ではいまだに日陰もの扱い」して「厚生省の怠慢で、みすみす何十人、何百人もの犠牲を出している」ことに対するこの老博士の怒りを伝えております。これを大臣に聞きたかったのですが、あなた方はどういう考えを持って読まれましたか。

加藤威二厚生省薬務局長

○説明員(加藤威二君) 矢追抗原につきましては、先生御指摘のように昭和四年に東京大学の伝染病研究所の矢追博士が研究開発されたものでございますが、問題は当時より力価が非常に低いということと、一番問題なのは力価の安定性が非常に悪い、こういうことで、苗痘といたしまして使う場合には力価の安定性ということが非常に大事な問題でございますので、そういうことで、苗痘として採用することはなかなか困難であるということで、ぜんそくとかじんましんの治療薬としては用いられているようでございますが、痘苗としては用いられていないというのが現状でございます。しかしながら、このたび問題になりましたように、とにかくいろいろ副反応がある。それはやはり赤ちゃんが一番最初に受ける種痘の、初期の種痘の場合に、やや力価が強過ぎるのじゃないか。できればもう少し弱毒化した種痘を開発して、少なくとも一番最初の種痘の場合には、その弱毒化したものでやったらどうかというのがいま問題になっているわけでございます。しかも弱毒であって安定性がなければならない。この弱毒で安定性を持ったという株がなかなかいまのところはないのでございまして、それの研究開発ということに今後努力する。その研究費も今度科学技術庁から千五百万ばかり四十五年度にもらう、こういうことになっております。その場合にはもう一度矢追株というものが検討されるということになろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国立予防衛生研究所の北岡正見という副所長も同様の嘆きを伝えておりますね。北岡副所長はウイルスの研究が日々進んでいるのに種痘ワクチンだけはジェンナー以来の方法がいまも行なわれていることは研究者としてまことに恥ずかしいことだ。ワクチンを純粋にし毒性を弱めて安全にすることは可能なのだ。いま言われたとおり、この研究に取り組むよう何年も前から厚生省に働きかけてきたが聞き入れられなかったといって、十六日の朝、北岡副所長は厚生省へ行って村中公衆衛生局長に研究の趣旨を説明しようとしたが断わられたそうであります。ところで厚生省はワクチン免疫グロブリンと呼ばれる種痘副作用の中和剤がアメリカなどでは赤十字センターに常備されて、いつでも使用に供されるようになっていた、そのことを知っておりましたか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 最初に申し上げましたように、伝染病の根本的な改正問題ということで伝染病予防調査会に諮問をいたしたのは申し上げたとおりでございます。この発足と同時に国内の学者にお願いをいたしまして、国際的な種痘に対する制度あるいは種痘後の副反応についての何と申しますか、取り扱い、治療、予防、こういったものの調査をお願いしておりまして、この報告を昨年の秋、私どもの手元にいただきました。この中にはただいま御指摘のように、数年前から研究的に主要な国がVIGを特定のセンターにストックしておきながら、たしかこれはフランスじゃなかったかと存じますが、フランスでは赤十字がそういうふうにやり、あるいはイギリスとかアメリカあるいは西ドイツ、こういうところで特定のセンターをきめまして、そこにVIGをストックしながら要求に応じているというふうなことを承知いたしたわけでございます。私どもも昨年実は研究費を出しまして、VIGの製造方法について研究班にお願いしてやっておりました。この結論はことしの春出ました。そういうふうな実情でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほど読みましたような北岡さんの発言で、あなたが彼との会見を断わったというのは、やはり断わったんですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) そういう事実はございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私が問題にしたいのは、例年に比べてことしが特に異常とは考えられない。したがって、大騒ぎするほうがおかしいのだ。武田のワクチンの使用を中止させたのも必ずしもその必要はなかったが、より安全を確保する積極性のあらわれだと言わんばかりの、厚生省のあっちこっちでの談話にあらわれているセンスであります。ことしに限らず、いままでも数多くの犠牲者を出しながら、これに対する対策はわずかに昨年から五百万円の予算で外郭団体の予防接種リサーチセンターに種痘後脳炎と種痘の因果関係を依頼した程度で、被害者の全国的な実態調査などはやろうともしない。したがって厚生省には、冒頭にも指摘したとおり、ろくな資料も整っていない。そういうようなことになっているのではありませんか。それでもなおかつ厚生省は人命を大事にしてきたという観点に立って、いままでの措置がよろしかったというふうに考えていらっしゃいますか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 冒頭に申し上げましたように、このような社会不安を起こしていることにつきましては、まことに遺憾だと考えております。種痘の問題につきましては、先ほども触れましたように、相当前から予防接種の方法あるいはフィールド・ワークあるいは患者の事故発生に対する医学的なアプローチ、いろいろやってまいったわけでありますが、残念ながら確実的な結論と申しますか、改善が進まないという点は御指摘のとおりでございまして、この点については私自身も反省をいたしているわけでございます。ただ問題は、このような根本的な対策につきまして、背景としては確かに医学的な進歩というものがありますし、従来の法律制度そのものに若干医学の進歩にそぐわない点のあることも私自身率直に認めるわけであります。これらの抜本的な改正ということで、くどくなりますけれども、一昨年から省内の諮問機関にお願いいたしまして鋭意検討していたわけでございます。今後これらの結論を得次第、早急にそれぞれに必要な対策、措置、法の改正を考えてまいりたい、こう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 去る三日の参議院の社会労働委員会で内田厚生大臣は、種痘禍による被害者救済制度の構想を明らかにされました。これまでの成績に照らして、それは世論の風当たりを避けるための思いつきのものであってはならないと私は思います。  そこでお尋ねをするのですが、大臣が明らかにされた救済制度の考え方は、基本的には六月十五日付の伝染病予防調査会の答申の考え方に沿っていると考えてよろしいですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 私もそう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、答申は「極めて稀ではあるが、予防接種後において重篤な副反応が生じ、時には死に至る例が報告されている。法律にもとづいて行なわれた予防接種による障害のうち、ワクチンの製造者、保管者、接種担当者等に故意又は過失のあったことが立証され、民法又は国家賠償法で救済される場合を除いて、国が被害者を簡易な手続により迅速に救済し得る制度を、早急に確立すべきである。」となっているわけですね。これは過失責任主義をとっていると思うのですが、法律上接種を強制されている予防接種というのは、第一に法律によって強制され、言ってみれば公の行政の作用の一環として行なわれている。第二は、通常の医療行為は、疾病の治療、健康の回復など直接本人の利益のために行なわれるのに対して、予防接種は社会の集団防衛を目的とするものであること。そういう二点から考えてみて、無過失責任主義をとられるのが私はあたりまえじゃないかと思うのですが、いかがですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 現在この種の事故に対して適用されております法律は、御承知のとおり国家賠償法及び民法でございまして、この範囲に関する限りにおきましては過失責任主義ということが主体になっているかと思います。ただ問題は、そのような過失責任、さらに因果関係が追及され終わるまで現在の裁判処理の過程は相当長くかかる。しかも挙証責任が原告にあるというふうな点を考えますと、この種の医学的にも解明の行き届かない無過失あるいは特異体質的なからだとも関係の出てくる事故に対しては非常に挙証が困難である。しかもこれの検討には何年という経過をたどるという例も従来ある。そこで、一応このような事故はある程度の因果関係があった場合には肩がわって何らかの簡易な方法で救済をする、将来国家賠償あるいは民法というふうな問題が出てきた場合には、最終的にはそれによって肩がわっていくというのが最近の、私も承知しております伝染病予防調査会の中の専門家の意見でございまして、この中間答申のねらいとするところは、確かに過失責任がある場合には、その他の法律があるけれども、それが相当長引く、しかも因果関係が必ずしも画然と究明できない、そういったものに対して国が法律で義務づけている予防接種による事故に対して措置ができないということについての問題に着目しているわけであります。これは率直に申し上げまして、私どもこの点にはぜひ形を整える方法によって制度をつくる必要があるというふうに判断をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 予防接種に伴って生じた死亡事故やあるいは後遺症というのは、私もしろうとだけれども、現代の進んだ医学の知識をもってしても相当因果関係の立証は困難であるとされています。また、そういう答弁が一貫してなされています。したがって、今日の医学水準から見て、因果関係を明らかに否定し得る場合を除いて、ある程度の蓋然性があると認められる限りは、因果関係の存在を推定することが妥当だと思うのですが、いかがでしょうか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 私は、それは非常にむずかしい問題だと考えます。先ほど来申し上げておりますように、因果関係があるかないかということにつきましては、現在の議論の対象になっております予防接種の事故については、医学的な判断、医学的な条件ということが一番大きなウエートを占めると思う。先ほど来申し上げましたように、去る十九日に開かれました専門家の会合におきまして、十名ほどの症例の検討の中でも医学的にたえるケースは一例だ。一まず医学的に判断して不足であるが、現在の資料から考えていけば、数例については、これは因果関係は種痘とないだろう。残りのものについては、残念ながらいまの学問の範囲内では、これは因果関係があるとも、ないとも言い切れないというのが学者の御意見であります。私自身は、今後救済の問題を考える場合には、その間のどちらともつかないところにどういう形で行政的なアプローチをしていくか、これが今後の救済問題を考える問題点ではないかと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは大臣に、最終的に予防接種の問題で聞きますが、予防接種に由来する合併症についてどういうふうに扱うかという問題であります。たとえばフランスでは一九五六年にボルドーの行政裁判所が危険責任の理論に基づいて、国は予防接種に起因する合併症に対して責任があるとした。一九六四年の法律六十四−六百四十三は、一定の場所で行なわれた強制採種に伴って生じた事故について、すべて国が責任を負う旨を明示している。また西ドイツも一九六一年の法律で、予防接種によって生じた障害につき、国が補償責任を負う旨を定めている。そして補償の内容としては、医療費、入院費、年金、葬祭料、遺族年金、教育費、職業補導費などを列記している。そのほか、国によっては後遺症について、特に子供に対し社会扶助をすることを定めているところもあるのでありますが、大臣はこの国においてはどのようにされますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 厚生大臣でございます。おくれて参りました。  公衆衛生局長の村中君からいろいろ御説明を申し上げたと思いますが、和田さんのいまのおことばの中にもドイツの法律などのことがございました。私もこれは本来的には、わが国におきましても法律制度あるいはそれに伴う予算というようなことが必要だと思います。しかしそうなりますと、どうしても事は来年になってしまいますので、私はそれまで待たないほうが今日の諸情勢からいいのではないかとまず考えまして、これが税金を課すとか、国民にいろいろ義務を課すということでございますと、憲法の規定等からも法律が要るわけでございますが、そうではなしに、国が国民のためになることをするという見地からいえば、法律をつくる以前においても行政措置である程度はやれるはずだと、こういう出発点に立ちまして、来年を待たずして、この際とりあえず、次の四点を私は当局の諸君とも相談いたしまして、現在大蔵省と打ち合わせ中でございます。  その第一点は、予防接種に関連して、これは専門用語は私にはわかりませんが、予後の病症を起こしておられる子供さん方の医療費というようなものを、現行の健康保険制度のいかんにかかわらず、個人負担分を公費で見てやることが第一点でございます。  第二番目は、予防接種に関連してお子さま方が心身障害を現に起こしておられる、その方々に対する救済の措置、見舞いの措置といいますか、これは治療もございましょうが、むしろ治療の段階を過ぎて症状が固定して、最もひどい場合には心身障害のお子さんになっておるというような、そういうお子さんに対しましては、国が金銭的にもお見舞いといいますか、特別の措置を考えてやることが第二番目であります。  第三番目は、そういうようなお子さまを優先的に、国なりあるいはその他の団体の設置する施設に収容をいたしまして、そうしてその施設におきましてめんどうをみて差し上げる、こういうことが第三番目でございます。  第四番目は、不幸にして予防接種のために死亡をなさったような、そういうお子さま方につきましては、お見舞い金と申しますか、弔慰金と申しますか、そういうものを公費で支出をする。少なくともそれだけのことを、この際でき得るだけ早く行政措置——行政措置と申しましても、から手では行政措置もできませんので、予算の移流用等の方法も考えながら、でき得る限り早くやりたいと、こういう腹をきめまして、その措置につきまして現在大蔵省と打ち合わせ中、こういう次第でございます。  和田さんから外国の例等につきましていろいろ御紹介もございましたが、これらの点につきましては、どうせ私が今度ぜひやりたいと思っておりますことは、いずれは法制化あるいは予算上もちゃんとした科目を設けるようなことにしなければならないと考えますので、それに続いてだんだん集約といいますか、固めてまいりたい、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 問題の考え方はわかりましたが、先ほど大臣は見えなかったのですが、伝染病予防調査会の答申の問題で、若干質問をしているところなんですが、その観点に立って答申が言っている「国が被害者を簡易な手続により迅速に救済し得る制度」ということですが、これについては行政的にはいろいろの方式が考えられると思うし、また考えられているようであります。ここでは被害者救済の問題を何といいますか、一応不法行為責任から切り離して、後遺症に悩む被害者を公的扶助の方法によって援護救済するいわゆる社会保障的の解決方式といいますか、そういうことが考えられていると私は読むのですが、それはそういうふうに理解してよろしいですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私は、ことさら補償ということばを避けたい気持ちがございますが、従来のわが国の法律体系によりますと、補償はやはり故意とか過失とかいうことが証明された場合に行なわれると、こういう在来の通念があるように思いますので、私はこの場合には故意過失という要件を取り上げないで、したがって補償ということではなしに、特別措置と申しますか、そういうような考え方のもとに処置をいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 限られた時間ですから大臣に対する質問だけ先にやりますが、公害の問題において公害対策基本法、大気汚染防止法などいわゆる公害三法にある企業保護の規定を削除したいという厚生大臣の考えが報ぜられました。私を含んで多くの国民が久しぶりにあなたのこの考え方にはすがすがしい——おだてるわけではありませんが、気分を味わったと思うのです。ところがその後、総理大臣やら大蔵大臣からその方針に水をかけられているような発言がある。そういう意味ではあなたの発言が何か心もとなくなってきているのでありますが、なお厚生大臣の考えに変化はありませんか。ないとするならば、その実現方について決意のほどを聞かしていただきたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 別に総理大臣あるいはその他の大臣から、私どもの考え方に対してその後、水がかけられているとも私は受け取っておりません。おそらくは、これは聞き取り方による誤解もあると思いますが、一方において公害対策を強調するあまり、もう国民の生活水準というものは向上しなくてもいいのだ、さらにはその誘因力となるところの経済の発展というものも、これは公害対策のためには押え込んでしまってもいいのだ。さらにまたGNPといいますか、国民総生産くたばれというようなことばも聞かれるわけでございますが、そういう点に関連して、日本のお互いの国民生活というものは、一人一人の生活水準というものは、国際的に考えてみまするとまだようやく十何番目くらいに到達しただけでありまして、これだけ優秀な日本民族、また勤勉な日本民族がそれに甘んずべきではない。これはどこまで日本の一人一人の国民生活が向上していくか、二番目まで行くのか、三番目まで行くのかは別といたしまして、今後も私は向上させたという政策が、あるいはまたそういう願望がありますことはお互いに認めざるを得ないと思います。そういう際に、生活水準はもうこのくらいでいいのだから、すべてを公害防止のために集中する、こういうことであってはならないということは厚生大臣である私自身も考えるものでありますが、しかし同時に経済の成長、国民の生活水準の向上も大切であるけれども、何のための経済かというと、それはやっぱり国民生活の内容を幸福にし豊かにするための産業経済であることを考えますときに、他の大臣の発言ならともかくとして、やはり健康とかあるいは衛生とかあるいは国民の生活環境とかいうものに大きな意義を認めて仕事を担当する私といたしましては、公害立法の中には金融政策のことを表に出す必要もないし、あるいはまた産業政策のことを表に出す必要もない。したがって、いまお話がございました公害対策基本法あるいは大気汚染防止法、水質保全法などに国民に誤解と不安を与えるような「経済の健全な発展との調和」という文言は、これはもう当然のことであるから削除したいと、こういう私の気持ちにいまもって変わりはございません。——特に繰り返して申しますが、ということは、だから他の産業や経済というものは押え付けてしまっていいということではない。それは当然のことで、私どもの乏しい従来の法律生活の中におきましても、金融関係の立法には産業との調和をはかれということもないし、国民の健康との調和をはかれということも書いてございません。為替管理法を幾ら読んでみましても国民の健康や生活環境の問題をうたっておりませんし、あるいはまた産業経済の発展の調和というようなことは書いてないはずでございます。また経済立法や建設関係の立法を見ましても、通貨価値の安定とかあるいは貨幣価値の安定とかいうようなことの調和の条項もないと私は思います。が、しかし、それは産業も建設もやはり通貨、金融の安全があって初めて産業経済、建設の前進があるわけでありますから、したがってそれは両面とも十分に為政者としては考えていけばそれで済むことでありまして、公害の問題につきましても、公害立法というものは、これは衛生立法、健康立法でありますので、それはもうその面からの規定を中心として規定をいたしまして、国民に不安や犠牲を与えないことが私は政府の姿勢としてもこの際賢明であると、こういうふうに考えるものでございます。  さらに一言付言させていただきますと、いまの公害対策基本法は公害対策の目標を二つに分けております。これは御承知のとおりでございますが、人の健康を保護する目的と、それから生活環境を保全する目的と、二つある。その、人の健康を保護する目的については「経済の健全な発展との調和」という文言はございません。あとのほうの生活環境を保全することについて「経済の健全な発展との調和」という文言がございますが、私は、国民の健康保護と生活環境の保全というものは、もう二つにして一つのものだと、今日では考えざるを得ない。これはまあ千葉県やあるいは四日市や川崎や東京は、これは公害から守らなければならないけれども、日本のこれまで公害でよごされていないような地域、あるいは自然公園の中などがそうでございますが、そういう地域は少しはよごしてもいいということでは決してないので、公害でひどくなっている地域の公害を排除するとともに、いままでよごされていない地域や水域の正常さを守るということが、今日の公害対策の大きい先取り的な目的でなければならないと私は考えております。したがって、いまの法律の二つの目標について経済関係の規定をからめておるのをとっても、公害関係の法律としては差しつかえないのではないか。公害対策と産業経済とを両全さしていくことは、これはもちろん政治の目的であり、為政でありますが、法律の体系としては私の言うとおりでいいのではないか、こういう考えでございますので、その辺もあわせて御理解をいただきたいと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 厚生省の公害対策税、その構想について、ちょっと……。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) これは正直申しまして、構想としてもかたまっているわけではございません。公害の監視、測定でありますとか、あるいは公害行政のためには、幾らお金が要ると申しましても、それは何千億も何兆も要るのではないのでありまして、普通の財源の中からまかなうべきものだと思いますし、またそれは可能だと思いますが、ただ、これから先、地方公共団体といいますか、地方の特別の地域につきまして公害防止計画というものをだんだんつくらしてまいります。現に政府としてきめております公害防止計画の対象地域が、千葉市原、四日市、また岡山県の水島の三カ所でございますが、続いて東京とか大阪とか名古屋とかいうような地域を公害防止計画の対象地に選び、さらに川崎も北九州も、あるいはまた新しい地域といたしましては茨城県の鹿島というような将来産業が集中するであろう地域につきましても、公害防除の見地から新しい地域計画というようなものを総合的に立てていただく、こういうことにいたしております。これは私どもは単に行政的にいたしておるばかりじゃなしに、御存じのように、公害対策基本法の仕組みがそういうものを設定させることになっております。そうなりますと、これは相当巨額の資金を——地方公共団体でも、あるいはその地域に設置されます企業におきましても、何百億あるいは何千億というような資金を必要といたしますので、それに対しましてはこれを全部地方公共団体なり企業側の負担とするというわけには私はまいらないと思います。もちろん、企業が全面的に負担すべき費用もございましょう。あるいは地方的な地区のために地方公共団体が負担してよろしい経費の部分もございましょうが、地方公共団体等に対しましては、どうしても国がかなりの助成、それもかさ上げした助成をしないことには、これはもう千葉県でも四日市でも、他の地域をとりましても、この公害防止計画というものが達成されないことは、もう今日までの状況で明らかになっておりますので、その財源を何か特別の考慮のもとにつくり出す。そういう協力を私どもが財政官庁である大蔵省とも打ち合わせなければやり切れないだろうと、こういう気持ちを持つものでございます。それの試案の検討などもいたさせておりますが、まだ自動車から取るとかあるいは関税の一部を充当するとかいうようなことを、一つの到達した案としてきめておるわけでは全くございませんので、これから年末までの間におきましていろいろ相談し、一般財源で持てるもの、一般財源で持てないものとを区別しながら、さらに詰めてまいりたいと思う、そういう段階でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 非常にタイミングがいいのですが、けさの新聞に親元病院制度をはじめとして——実は私、最近道北の三十一市町村を回って来ました。そのすべての市町村長に会ってきました。共通の問題は医者です。これはもう非常に深刻です。深刻どころじゃなくて、もうまさに非常にいま苦しんでいる状態です。道北ですが、旭川周辺の五つぐらいの市と町で町長、市長等がそのために まああの辺は旭川に近いところですが、あそこの過疎地帯にはもう一人もいないという状態です。したがって町立、国立病院があったところは全く建物があるだけで、札幌の医大から一週間に二回か三回、あるいは月に三回ぐらいしかお医者さんを招くことができない。あるいはせっかくいた医者がやめていってしまって、あとの補充がきかないなどという形で、まあ地方行政委員会でも積極的にこの問題をもっと研究しながら取り上げていくつもりでいますが、けさたまたま新聞に出て、いま大臣にお会いしたから聞くのですが、親元病院制度などということがまあ五ヵ年計画に基づいて進んでいますが、ここで一番問題になるのは、辺地や過疎地の医師確保という問題と、その逆現象として、医師がいない、病院がない、したがって過疎化が進むというような相互作用ももちろんあるのですが、ともあれ寝たきり、道路ががたがたでもって運べないという病人もいれば、あるいは積雪期に向かって、新潟の山奥でもそうですが、北海道の道北の地方でも、雪上車でも動けないという状態、それで巡回診療車だとか、患者輸送車などではこの問題は解決できないのですね。それらの問題を含んで、ともあれこの構想はいつまでに明らかにされ、実施をされるおつもりなのか。そのことだけお聞きをしたいのです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) それは厚生省の構想と申しますよりも、医師の簡易なる一と申すと語弊がございますが、より短期な養成方策を講じて、そしてその養成過程におきましては、都道府県を中心とする公費での養成方法をとって、卒業生はある一定の期間過疎地帯に強制配置をしたらどうかと、こういう自治大臣の一つの試験的な提案でございまして、実は厚生省のほうとは十分な打ち合わせは遂げられてございません。これは自治大臣自身もそのことは御承知でございます。過疎地域の医療対策につきましては、和田先生も十分御承知のように、またいまのおことばの中から巡回診療車でありますとか、患者輸送車でありますとか、あるいは親元病院など、厚生省がこれまでやっております構想につきましても御承知でございますので、私はここでそれを繰り返しませんが、ほんとうにこれは自治省の泣きどころであると同時に、厚生省の泣きどころでもございます。ただ最近はまあ道路の整備なども昔から比べてみまするとたいへんよくなりましたので、巡回診療車、患者輸送車の稼働する範囲もかなり広くなっていることも事実でございますので、それを親元病院というような仕組みに結びつけまして、この親元病院には、手厚いと申しましてもこれは十分なことができるわけではございませんが、できるだけの助成もいたしまして、そして過疎地域の医療対策の柱にしたいと、こういうことで、ことに本年度からはそれに力を注ぎつつあるわけでございます。また、昔からやっておりますように、過疎地域に診療所などをつくりますためには、一般の場合よりも特別の助成もいたすのでありますが、何にいたしましても過疎地域の現地にお医者さんをとどめておくということがいろいろの見地から問題でございまして、私は、これは単なる医療保険制度だけの問題でもないと思います。しかし、自治大臣の提案でございますが、これはごく簡単に申しますと中学校卒業後六年、これは分析いたしますと高等学校卒業後三年といいますか、高等学校の三年を含めまして六年ということでございますから、それでは看護婦さんの今日の養成課程と同じでございまして、看護婦さんはいまでもおそらくお医者さんと協力し、あるいはお医者さんの指揮のもとに患者のめんどうを見る方々でございますが、それと同じ養成期間でいいかということにつきましては、今日医療の水準が非常に高くなりましたり専門化いたしております際に、いろいろの問題があるようでございます。また、戦前の医学専門学校などの年限と比べましても、自治省のこれも固まった構想ではないそうでございますが、秋田君の構想による養成期間というものはそれよりも短い、こういうような問題がございまして、これは厚生省だけの問題ではなしに、文部省方面の学校教育制度のシステム等にもいろいろ問題がございますので、それをいつまでにやるのかということにつきましては、期限、時期よりも本質的に検討を重ねなければならない問題がある、こういうことだけを本日の段階では申し述べさしていただくわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私も、秋田談話というのを読んで、そういうふうになるとは思っていません。ただ、今度過疎地域の市町村長と会ってきて思うのですが、正式の医者でなくてもよろしい、たとえば保健婦でも看護婦でも、ちょっとした病気の相談ができて、そして一定の判断ができ、すぐ、あなたは向こうの病院へ行ったほうがよろしいというような形の相談ができるというくらいのものでも配置ができないだろうか。それくらい切実ですね。それぞれのところが驚くばかりの賃金を用意しています。あるところでは百万円という話が出て、それでも来ないのです。そういう状態ですよ。もう、言ってみれば税抜き三十万円以下なんということで行けるような人はいませんよ。それももちろん一つの問題でしょう。  もう一つは、医科におけるいわゆる研究室と白い壁の問題というのはたいへんな問題ですね。これはもっと抜本的に検討をしなければならぬ。論議をし直しますけれども、それが一つの問題だと思っています。  それからもう一つは看護婦なんですよ。これは、私は閣議でやはり考えてもらわなければならぬと思うのは、高度経済成長政策の結果でもありましょうが、いわゆる求人が、中学校を出た女の子たちに、日常の生活費を別にして一切かかる費用は持つから、札幌の看護学校に行ってくれませんかというような交渉をします。ところが、そういうものよりももっと魅力のあるような——実際は魅力がないのですが、言い方でもって東京や大阪や名古屋へ連れてきてしまう。そしてそれらが二、三年たって、まさに非常に娘心を破壊されて、帰るにも帰れない。したがってその辺でおかしなことになってしまうなどという状態が一面にある。その求人のしかたです。これも僻地における、あるいは過疎地における看護婦養成にたいへんな害になっているなどという問題を、たいへん考えさせられて、帰ってきました。けさほど帰ってきたばかりですから、まだまとまっていませんが、まとまったら一ぺん大きくこれらの問題を取り上げてみようと思うので、ただそれだけのことを申し上げておきたいと思うのです。  そこで次の問題ですが、熊本で、水俣病の裁判が続いている去る四日に行なわれた臨床尋問で、元チッソ水俣工場付属病院長である細川一博士が「工場廃液を使って実験したネコが三十四年十月七日に水俣病の症状を起こした。同年十一月三十日、この実験結果を工場幹部に報告し、さらに実験を続けるよう求めたが幹部に断られた」と証言しております。そのことによって三十四年の時期に工場排水が病気の原因であるということをすでに知っておったことが明白になりました。この点に関連して、政府の政治責任について厚生大臣はどのようにお考えになりますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 和田さんがいま申されたお話、私もたまたまテレビで見ましたが、私もこれは生まれながらの厚生省人ではございませんで、和田先生と同じようにきわめて自由な国会議員の一人でございますので、いろいろ感ずるものがございました。しかしそれは今日、裁判で争われている課題、問題でございますので、私ども行政当局がいま介入をいたすべき問題とも思われません。おのずから裁判の進行につれまして事柄が運ばれ、きまっていくものと考えております。ただ、厚生省といたしましては、このことにつきましては、これは私は、前の厚生大臣はなかなかえらかったと思うのでありますが、水俣病はチッソの製品処理過程から出る原因によって発生しているのだということを厚生省が認定して発表をいたしておるわけであります。したがって、ネコの問題がいまさら出たということ、その当時ネコの問題がどうであったかは別といたしまして、厚生省はそこまで思い切ったといいますか、私はそれは当然であったと思いますが、認定をいたしておるわけであります。残るところは水俣病の発生はチッソの廃液によるものであるという因果関係は厚生省が公に認定したのですが、それは故意過失がそこにあったかどうかという問題が裁判上残ることと私には思われます。いままでの民法の仕組みによりますと、故意過失がなければ補償の問題が論ぜられないというようなこともございましたが、今日は私は法理論も非常に進んできているように思いますし、現に訴訟派の方々ではない、補償処理委員会に一任された患者家庭の方々に対する先般の補償処理委員会の仲裁と申しますか、和解案と申しますか、も私の見るところでは故意過失というような要素を超越して  ただ金額等についていろいろの御意見が今日世間にもあるようでございますが、過去の問題を今日処理するというところに問題はあったようでございますが、いま申し上げますように故意過失の問題は超越しての私はあれは和解案であったと思います。その前後、私自身も今日的な意味の厚生省を預かるものといたしまして、そういう問題については、ことに高密度社会における公害被害等については、ある場合には無過失責任の原則というようなものも考えていってもいいんではないかという意味のことも、ちらちら言っておりますことは和田先生も御承知のとおりでございまして、厚生省を弁護するつもりはございませんが、厚生省としては正しい立場に立ってこれまでもやってきておるということを考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 時間がありませんので、一括してあれしますが、たとえばこの「週刊朝日」の七月十日号を見て驚いたんですが、元熊本大学学長の鰐淵健之氏が、厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会の水俣食中毒部会が水俣病の原因究明に関する答申書をまとめることになっていた、その昭和三十四年十一月十二日のことを回顧して、あのとき厚生省が圧力をかけたと証言をしているわけですね。もうお読みになったかならぬかしりませんが。そこで、病気の犯人を有機水銀化合物と答申書に書くだけで済ますか、工場排水がその毒物を含んでいるに違いないとまで言い切るかが、そのときの問題だったらしい。そこで、厚生省の圧力によって前者の道を選んだ。これを読むと、そういうふうに鰐淵さんは言っている。それで鰐淵さんは、ここまで言えば世間は当然工場排水と結びつけて考えてくれるし、政治的にも解決されると思ったんだと語っている。しかるに、厚生省のとった態度はどうだったかというと、奇病の発生が見られたのが昭和二十八年であるのに、三年後に厚生省に報告が提出されたけれども、公衆衛生局長が現地を視察したのは足かけ五年後です。三十三年九月というスローモーションぶり。そして、調査予算として八百万円、翌年は九百万円が計上されましたが、実際に水俣病患者の対策を考え始めたのは三十六年に入ってからであります。園田厚生大臣が公害の認定を下したのは四十三年の九月。いま言われたとおり。この答申が出て何と十年を経過している。「週刊朝日」のこの記事が語っていますが、鰐淵さんのこの証言は、あまりにも秘められた怒りであり、おくれた証言であるかもしれません。しかし、厚生省の圧力に屈せずに熊本大学研究班の本音が通って答申に廃液ということばを入れていたならば、企業側もいやでも排水を点検しただろうし、政府の公害病認定も早まったかもしれない。さらには、第二水俣病も防げたかもしれない。この老博士の痛恨の情を、私は厚生省はみずからの政治責任に照らして無視することはできないと、実はこれを読みながら思うんです。  そこで、公害問題が発生すると、先進諸国では、官庁が国民の側に立って企業に要求を出して解決しているようであります。日本の場合は、産業の育成、企業の発展を中心に——まあ先ほど来ありましたが、GNP第一主義の施策を展開している諸官庁は言わずもがな、国民の健康と福祉の増進を旗印とする唯一の行政機関であるはずの厚生省までが——先ほど大臣のいってみれば前進的な発言があったにしても、どうもやっぱり企業の側に立って、企業の代弁者としてあらわれることがあまりにもいままでは多過ぎた。カナダでは、河川が水銀で汚染されたという一事で政府が対策に取り組んだと報じられている。スウェーデンに至っては鳥の羽に水銀が付着していることがわかって、すぐさま公害追放に乗り出した。しかし、日本でははるばる汽車に揺られて上京した水俣病患者との会見を、まあ大臣の本意であったかしらぬが、そのまわりかもしらぬが、拒否される。あるいはすわり込んだ患者に機動隊が差し向けられる。あるいは約一ヵ月ほど前に、まあ若げの至りでありましょうが、橋本政務次官は患者たちを見るなり「政府が人命を大事にしなかったことがあるか」とどなる。そういうことが御承知のとおり雑誌で、あるいは新聞等で報じられている。私は、これがほんとうにあったことかと思ってびっくりするくらいでありますが、その鰐淵さんが、先の証言の中で政府に「そんなことがいえた義理か」というふうに鋭く迫っていますね。これら一連の記事の続きで、お読みになった厚生省の側としては、どのようにお考えになっているのですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) いまの「週刊朝日」の記事は、私いま全く読んでおりません。決して私は逃げ隠れするつもりもございませんが、少なくとも私は厚生大臣というものは、しばしば自分でも申しておるのですが、国民の大臣であり、国民の生活大臣である。また国民の生活を守るのみならず、国民の側の代表の大臣だというつもりで私はやっております。まあそのいろいろの記事は、記事のあやというようなものもある場合もございましょうが、歴代の厚生大臣も、私と同じような気持ちで多かれ少なかれやっておいでになったものと思いますし、厚生省は御承知のように、言うなれば力の弱い役所でございまして、厚生省が圧力をかけるというような、そういう性質の役所ではございません。権力を持たない役所でございます。いまのおことばの中に、水俣病の患者の方々が厚生省の前に大ぜいいらっしゃったというようなこともございますけれども、私は毎日あそこを通って、実は厚生省へ横っちょから入らざるを得ないようなことも先般ございましたが、これは私にはわからぬような点もございました。先般厚生省では、補償処理委員会の方々がお集まりになって、地元代表の町長さん、あるいは漁業組合の役員の方、それから補償処理委員会に一任をされて訴訟はしない方々の代表の方々がお集まりになっておられるし、そこにまた会社側のほうからも社長以下代表者がお集まりになって、そうして徹夜に近い——夜勤までされて処理をされておったその前後のあのできごとでございましたが、厚生省の玄関に押しかけておたられ方々は、その補償処理委員会に一任された家族の方々で、厚生省に入れない方々ではございません。訴訟のほうに行っていらっしゃる方々が、どういう意味か知りませんけれども、こんなものはやめてしまえと、こういうことで、厚生省の場所をお貸しした補償処理委員会のあの活動を非常に牽制されておられました。私は大臣といたしましても、そもそも厚生省の中で補償処理委員会の双方についての和解あっせんが行なわれることは適当ではないと実は考えておりまして、どこか他の適当な場所でやっていただくことが私どもの公正を確保する上においてもいいと思っておりましたけれども、場所のアロケーションの関係上、ああいう情景のもとにおいては、他の場所でやりますと処理委員会の和解のあっせん行動ができない、どこからでも外部から人が入ってこられる。しかし厚生省は玄関がおもな入り口でございまして、したがってああいうまわりの騒がしさに対処するためには、厚生省の場所をお貸しするより他にいい方法がないといって、あそこの場所でやったわけでございまして、いまのお話のように、橋本政務次官に非難の新聞記事があらわれたり、また現に厚生省を取り巻いて、いろいろな騒ぎが行なわれておりましたけれども、厚生省は全く中正の立場で、私などの気持ちでは、これはいまこの際いろいろ申し上げませんけれども、患者側の代表のほうにむしろ八割ぐらいの気持ちを寄せ、会社側には二割くらいの気持ちを寄せ、同じ屋根の下ではございましたけれども、私はその場所には行きませんけれども、祈るような気持ちでおりましたことを告白いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後にしますが、去る六月二十九日に起こった栃木県佐野市の精神病院の火事の件。精神病院という問題について私は、三月二十五日のこの委員会で例の碧水荘の問題に関連して幾つかの質問や意見を開陳しました。診療報酬体系上基本的に精神病院が特別扱いをされていないところに、薬によってもうけることのできない精神病院が、一般病院以上に詰め込み主義をとらざるを得ない基本的な原因がある。そういうことを私指摘したんです。そうしたら厚生省側の答弁は法体系上には問題はない。各都道府県の指導及びそれと厚生省との連絡体制に問題があったんだということだったんですよ。私はそんなことじゃないと、こういったんですが、そうだと言うんだから、そのときはそれでおさめておった。それで今度は患者十七名がついに焼け死なれるという痛ましい事件となりました。多くの死者たちはやはり精神病院の詰め込み主義、それとの関連で拍車をかけられて——いわゆる看護人不足です。そして必要以上の鉄格子主義と関連づけて今度の事件を論じているわけです。したがって、やっぱり私の指摘は当たったと、こう思うのです。それでもなお、厚生省は法体系上問題はないとお考えになっていますか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 今回の両毛病院の火災につきましては、私も非常に残念なできごとだと考えております。この病院の事故の中でいろいろな問題点が指摘されておりますが、私どもといたしましては、従来の方針どおり指導を強化し、監督の責任ある病院長が従来の指示を十分守りながらやっていただきたい、こういう考え方でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ今度の事件によって、施設の面での国庫補助制度の充実であるとか、あるいは精神病院建築基準の改正の必要ということを痛感なさいませんか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 融資の問題につきましては、御承知のとおり都道府県立あるいは市町村立——公的医療機関については国の補助金が出ております。今回の事故のございました民間の医療法人につきましては、医療金融公庫の融資によって施設整備がされているわけです。なお、建築基準につきましては、これも昭和二十九年に精神病院の基準というふうな通達を出しておりますが、その後、昨年の六月に一部改正をいたしました。これは医療法、建築基準法を頭に入れた局長の通達という形で指導をいたしておりました。現在この指導を中心にして各県に所在する医療機関、精神病院の指導をやっておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 指導、指導と言われますが、それじゃ端的な話、十七の焼け死体の中に精薄児の死体がまじっておりますね。あなた方が言うように指導がりっぱにいっていれば、こんな事態は起こってないんじゃないですか。これはどういうふうな形でまいったのですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 焼失いたしました第二病棟の収容人員は四十七名でございまして、この中で十七名が焼死になったわけでございます。この中に七名の措置入院の患者がおります。おそらく精薄の患者につきましても閉鎖病棟に入れないことによって病院から出ていく、あるいは保護の上で問題点が出るというふうな配慮からこの第二病棟に収容されていたというふうに判断をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは厚生省全体としては、児童福祉行政という観点に立っていわゆる収容されていたものと思われますなどというような形で済まされる筋合いのものとお考えになっているわけですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 私は精神病院である医療機関に収容して医療保護することが適当であるというふうな種々の判断のもとに措置されたというふうに考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、言ってみれば精神病院におけるところの詰め込み主義そのものについて、抜本的な改善の手だてというものを、いままで起こっている幾つかの事件の上に立ってあらためて考える必要はないか。既存の法体系に基づいて病院長などに行政上の指導を強化することによって、いままで起こっておるような事態というもののすべては解消していくことができるのか。どういうようにお考えになっているわけですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○説明員(村中俊明君) 収容定員を超過した患者の措置につきましては、従来も相当きつく都道府県を通じまして指導しておりますが、なかなか入院患者が多くて、しかも病院の規模自身がそれに見合わないというふうな実態がありまして、これの超過収容解消は残念ながら効果をあげていない実態でございます。現在、全国で一〇六%程度の収容状態でありまして、問題は精神病院の中に、一体ほんとうに入院を必要とする患者がいるのか、あるいは自宅その他の方法によって治療ができるけれども適当な施設がないために精神病院に収容されているのか、という実態の問題が一つあろうかと思います。この点につきましては、従来の、何と申しますか精神病院中心的な精神衛生対策のあり方についての問題がたくさんあると私は考えております。そういうことで、昨年もうすでに発足いたしたわけでございますが、地域精神衛生ということを中心に患者の家族と患者と医療機関と、さらにこの間に地域を入れまして、こういうつながりの中で——社会的な地域の中で患者のアフターケアをしたいというふうな構想で実は予算も組んでいまやっているわけでございます。残念ながら、この面の地域精神医療というふうな体系が日本では非常に日が浅くて、地域における、あるいは家族の理解、こういうものが不足なために十分指導できなくているわけですが、これは今後とも相当強力に地域精神衛生対策というものを進めていく必要があると考えます。もう一点は、精神病院以外に患者の相談をする施設がないというふうな実態が一点あるわけです。したがって、一番安心のできる病院に入れたい、あるいは相談相手のいる医療機関に入れておきたいというふうな問題が出てまいりまして、これは昭和四十年ですか、精神衛生法の一部改正のときに、精神衛生センターを都道府県に設置することにきまりました。現在、約半分の都道府県では精神衛生センターを設置しておりまして、ここで入院を必要とする、必要としない、しかも自宅においてはなかなか医学的な加護が受けられないというふうな者の指導を精神衛生センターでやるというふうな方向に現在なっておりまして、申し上げました精神衛生センターの整備という問題、それから地域精神医療の強化拡充というふうな問題は、間接的には現在定員を非常にこしている医療機関のあり方についての解消の一つの方法ともなろうかと考えております。

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) それでは速記を起こしてください。  暫時休憩いたします。    午後一時十分休憩      —————・—————    午後一時三十九分開会

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和四十三年度決算外二件を議題とし、質疑を続行いします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私は、きょうは在日米軍基地のあり方について若干質問したいと思います。当然、この百二十四カ所あります在日米軍基地については、過去も種々の問題がありましたし、現在も未解決の分が相当あるわけです。政府としては、この撤去についてある意味では努力を払ってきたと思いますし、アメリカ軍当局も海外軍事費の削減、こういう観点からこの縮小の方向に向かっているし、将来は当然基地の縮小という方向にいくことは、必然的な傾向であると思います。  それで、百二十四の中の、特に私きょうここで問題にいたしたいと思うのは、米軍基地の中でゴルフ場がある八基地について私は問題点を指摘してみたいと思います。私言うまでもなく、米軍基地の中にゴルフ場があるということについて、かつて昭和三十九年六月でしたか、東京地裁で昭和一飛行機と国との間で裁判が行なわれまして、東京地裁の第一審は、安保条約第六条に基づく地位協定上、米軍に対する厚生施設を提供することができる、ただし、ゴルフ場は厚生施設とは認められない、こういうことで昭和飛行機と国との裁判は東京地裁の第一審、国のほうが敗訴している。そして国のほうで上訴しないで和解に持ち込んでいると、こういう事例がかつてございます。これは私が指摘するまでもないと思いますが、要するに、米軍基地の中にゴルフ場があるということは地位協定上問題があったと、こういう過去の事実は、これは間違いがないことだったと、こう思います。そういうことがあったということ、私が言うまでもなく皆さん御存じのとおりです。  そこで、この事実はさておいて、現在米軍基地の中にあるゴルフ場、これが地位協定に基づいて使用されるべき、そういう範囲を逸脱しているんじゃないかと、こう私は感じられますし、私たちの調査によりますと、相当その逸脱の範囲は大幅であると、こう思います。  そこでまず、外務省東郷局長にお伺いしたいんですが、地位協定に基づいて米軍ゴルフ場が逸脱しているというのは、これは当然、米軍軍属、軍人あるいは家族が、あるいは構成員が使うための厚生施設、ゴルフ場であるかと、こう思うのですが、日本人が相当これを利用するということは、この地位協定上から照らしていかがなものでしょうか。まずその点だけ御答弁願いたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○説明員(東郷文彦君) 御指摘のごとく、米軍に提供しております、ゴルフ場は、米軍の厚生施設としましてもっぱら構成員、軍属、家族の用に供するために提供しておるわけでございますが、実際問題としての日本のゴルフ熱というのは相当高いものでございますし、米軍が地元あるいは日本側との友好的な意味から、あるいはお客として招待し、あるいはある程度の使用を認めると、こういうことはなるほど協定の字句には書いてございませんが、この程度認めても協定違反だというふうに考える必要はないことであろうかと考えます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 安保条約第六条に基づく地位協定の第十五条、これによりますと、いま局長さんからお答えいただいたように、ゴルフ場、まあこういうふうに端的に私は訳したいと思いますが、「合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の利用に供するため、合衆国軍隊が使用している施設及び区域内に設置することができる。」と、ゴルフ場は——まあゴルフ場とは明記しておりませんけれども、ゴルフ場もその中に入る。要するに、アメリカの兵隊さん及び軍属、ないしはその家族が利用するために、私は百歩譲って米軍基地の中にゴルフ場を認めると、こうしたとしても、東京地裁はかつて違反であるといっているのですけれども、私は百歩譲ってまあそれを認めるにしても、あくまでも、使用する人は、この地位協定上では、日本人ということばは出てこない。だからこれは当然、地位協定上は、日本人はその施設を使うことができないのである、こう判断するよりほか判断のしようがない、こう私は思うのですが、念のため、それでよろしいかどうか御答弁願いたいと存じます。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○説明員(東郷文彦君) これは結局は程度問題あるいは常識の問題かと存じますが、たとえば施設内の食堂がございます。そういう場所にいろいろな社交的の目的、あるいは場合によってはそこで会議をすると、会議の時間が非常に長くて食事をすると、こういうことはあり得ることでございまして、それを一々協定違反だから絶対に日本人が使ってはいかぬとまで言うことは、なるほど協定上日本人がどういう場合に使うということはございませんけれども、この協定の運用としましてそこまで禁ずるということは、あるいは適当でないかというふうに考えてわれわれ協定を運用しております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そのプラスアルファーのほうはまたさておいて、この協定上は、原則的には日本人がゴルフ場に立ち入ってプレーすることはうまくないというよりも、要するに、米軍基地内にゴルフ場を設置したことは、ここに書いてありますように、米軍隊の構成員、軍属及びそれらの家族の利用に供するためであると、こういうことですからね。そのために、この目的はあくまでも日本人とかなんとかうたってないわけです。米軍のためにこういう施設を提供するのである。ですから、原則では、日本人というものは当然ここに含まれておりません。ですから、原則上、この地位協定第十五条というのは、あくまでも米軍の軍隊あるいはその家族あるいは構成員に限って使用するために施設をつくる、反対に言うならば、ここに日本人が入ることは、原則的にはうまくない、こういうふうに考えますけれども、それでよろしいでしょうか。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○説明員(東郷文彦君) 協定上これを提供しております趣旨は、まさしく先生のおっしゃるとおりでございます。これを実際の環境、あるいは協定に規定されたことを日本においていかにうまく運営していくか、こういう観点から、なるほどいまおっしゃいますように、提供の目的は、軍人、軍属、家族、こういうことでございますが、しかし現実の運用におきまして、いまおっしゃいましたプラスアルファ、こういうものは予想されていたと考えてもいいのではないかと存じます。そもそもの趣旨は、軍人軍属、家族、規定されたもののために提供してある、それはそのとおりでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私、ここに書いてありますとおりに、まず御質問をしたわけです。ですから、プラスアルファの点についてはまたあとでいろいろ触れてみたいと思います。あくまでも運用上云々であるのだ、こういうことについて、やはり法律ですから、協定ですから、私はそんなことは絶対認めない、こういう立場じゃなくして、この第十五条というものは、あくまでも米軍軍属、家族、構成員と、こう限ってある、だからこの法的解釈は、私が言ったように、何回も繰り返しますけれども、米軍基地の中にある施設、まあ私はゴルフと言ってさっき取り上げたわけですが、これは米軍軍属ないしその軍隊の構成員、家族に限る、こういうふうに原則として解釈すべきである。プラスアルファはまたあとで論議したいと思います。  そこで、自治省のほうにお伺いしたいと思うのですけれども——先ほどこの協定を逸脱して、相当幅広く日本人が使っている、これはまた防衛施設庁のほうにお伺いしたいのです。もしここで日本人がプレーしていた場合に、これは地方税法に照らしてみて当然税金がかかるのではないか、税金の対象になるのではないか、施設利用税、娯楽遊興税ですか、この点についていかがでございましょう。

降矢敬義自治省税務局長

○説明員(降矢敬義君) ただいまの、地位協定に基づきまして地方税法の特例の規定がございます。それはゴルフ場につきまして、「利用者」という表現をいたしまして、娯楽施設利用者——ゴルフをやった場合の税金でありますが、それは非課税ということに現行法ではなっております。それはたてまえといたしまして、「利用者」という表現は、先ほど御答弁がありましたように、軍人、軍属、あるいはその家族というようなものが使用するという場合のことを想定されてこういう規定になっていると思うのでございます。したがいまして、現行法のたてまえからいたしますと、「利用者」という表現からいたしますと、いま日本人がどういう形態でお使いになっているか詳細は存じませんけれども、直ちに現行法のもとで課税をするということは困難かと思うのでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 現行法はあくまでもこれは昭和二十七年、要するに、私は先ほどから言いますように、安保条約の地位協定十五条、これは現在の時点を想定したものじゃないことは当然です。ですから、ここにおいて、日本人がこれだけ使わざるを得ないような状態においての「利用者」じゃなくして、いま局長さんがおっしゃったように、あくまでもこれは米軍軍属、軍人、この構成者、これに限られたことを想定しての「利用者」であると、こういう御答弁です。私もそのとおりだと思います。ところで、端的に言いまして、当然これは現行法では、この「利用者」という範囲、現在日本人が相当数使っているということに当てはめたこの「利用者」ということは、何とも米軍だけには限定できないと、こういうお話みたいですけれども、いま言いましたように、この「利用者」というのは日本人が使うことを想定してない前の協定ですから、ですから、当然現行法では検討してもらうにしても、あるいは現行法を改正するとか、あるいは税金をどうしても取るべき対象であると私は思いますけれども、であるならば、やめさすとか、何らかのここに手を打つ必要があると思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

降矢敬義自治省税務局長

○説明員(降矢敬義君) 黒柳先生の言われるプラスアルファの拡大、冒頭に、逸脱している例ということを抽象的にお話がありましたが、そういう前提でものを考えますと、課税をするという立場からいたしますと、負担の均衡といろ問題から考えましてやはり適当じゃないと私は思います。したがいまして、この法の趣旨にのっとるような利用形態にいたしますか、あるいはどうしてもそうでないような状況であれば、負担の均衡上やはり課税という問題を検討しなきゃならぬ、こういうふうな気がいたしております。この問題につきましては、今後、いま申し上げたような二つの観点をあわせまして関係方面とも十分相談をいたしたい、こういう気持ちを持っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 まあ現行法を改正して課税するか、あるいはやめさすか、さらには、また私はあと触れたいと思うんですが、撤去という方向があると思うんですね、必要なくなっているわけですから。もともと米軍基地は、まあ先ほどから私は百歩譲ってということばを使いますけれども、私たち認めることができない存在ですから、残念ながら。それが本来のたてまえを逸脱している。要するに、使う必要がないわけです、米軍がいなくなったから。だから、どうしてもやっぱり経済上日本人をプレーさせざるを得ないという、私はこういう観点からこの地位協定第十五条、これを逸脱した方向でいま運用されていると、こう思うんです。これはまたあとでいろいろ質問したいと思いますけれども、現行法を改正して課税するか、あるいは現在の状態を改めさせるか、あるいは不必要なものは撤去させると、こういう方法があると思うんです。そこで私は、先ほどから、日本人の方が使っているとか逸脱した使い方だとか、こういうことを私述べました。幸い防衛施設庁のほらで五月十九日ですか、あの基地の使用状態、まあ総点検といいますか、あるいは調査といいますか、そういうものをやられた結果が出ております。この米軍基地のお調べになった状態、なかんずくこの八カ所のゴルフ場、面積は大体百三十万坪、膨大な面積ですが、これについて、どのような状態になっていたか、ひとつ御調査の結果をお教えいただきたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) 米軍ゴルフ場の施設につきましては、ただいま御質問にありましたように、全国で八カ所ございます。北から、青森県の三沢、それから東京都の多摩、同じく東京都の朝霞、神奈川県の厚木、それからキャンプ座間、山口県の岩国、それから福岡県の雁ノ巣、長崎県の崎辺と、こういうふうになっておるのでございまして、これらのうち三沢、厚木それから岩国等は、これは飛行場のまあ安全地帯を兼ねたようなものになっております。それから雁ノ巣の場合は、これは通信施設の安全地帯といいますか、障害防止地帯を兼ねたような運用ということになっておるのでございます。これらは従前——一昨年の段階におきましては、このほかにさらに太田小泉、横浜の根岸、それから大島等の施設がございましたが、これらの三施設が返還された残りがこれだけになっておるのでございます。  ただいまの面積につきましてはお話のあったようなことでございまして、これの実態は、米軍の軍人、軍属並びにそれらの家族が、その付近に居住する人たちの多くがこれを利用するということの目的のために、大部分は米軍自体があき地にゴルフ場として建設したものでございまするが、先ほどお話のありましたように、多摩は昨年、昭島の身がわりとして国においてゴルフ場をつくって提供したということになっておりまして、それぞれの利用状況は、一昨年の施設調査の時期より比べますると、多少ずつ住居、米軍の数等が減少しておる等のために、利用度は若干減りつつあるような実情でございます。ただそのほかに、ただいまおっしゃいましたような日本人がゴルフをいたしておるということも実際にはあるようでございまするが、それらの具体的な詳細については、一部わかったところもございまするが、必ずしも全般については詳細には承知いたしておらぬというのが実情でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 基地の問題について防衛施設庁が当然担当の庁であり、一生懸命やっぱり実態というものをお調べいただいて——中曽根長官きょう出席いただけなかったのですけれども、政務次官に後ほどいろいろお答えいただきたいと思いますけれども、やっぱり自衛隊に移管したいとか、これは善悪はともかくですよ、当然、付近住民に迷惑を与えているものはこれを除去したいとか、相当の前向きな姿勢をいまとっていられる、これはもう中曽根長官の非常に積極姿勢があらわれていると思うのです。それも含めて前回の調査、さらに今回調査されたのだと思うのですね。  それで私はどういう点を答えていただきたかったかといいますと、——基地の名前とか広さとか、こんなことはもういいわけです。いま私が問題にしているのは、安保条約第六条を受けた地位協定第十五条から逸脱している面があるのじゃないか、あるいはさらにそれを受けた日本とアメリカ合衆国との地方税の臨時特例法、この第二条、この非課税ということが非常にうまくないのじゃないかと、いま言いましたとおりです、これは自治省の局長さんとですね。こういう面の調査というか、これは調査のうちには入らないと私は思います。この実態というものを、まあ施設庁のほうですから十二分に今度の調査によっておつかみいただいたかと思いますけれどもね、どういうふうに逸脱しているのか、どういう点がうまくないのか、その点は当然、これほど防衛庁が前向きに国益を思い、国損を排除しようという、基地に対して真剣な取り組み方である、しかも五月十九日、一番最近に調査もしてその報告も出していられる、こうなりますと、その調査の内容はさぞかし日本の国民に対して、やっぱり防衛庁だ、たいした調査をやったと、こういうことが出ているのじゃないかと思います。そう多くのことを言っていただかなくてもけっこうです。焦点をこのゴルフ場の問題——八カ所百三十万坪という膨大な面積を占めております。しかもこれは、あるところは米軍の基地という形態をとっておりません。完全に民間のゴルフ場、こういうところも数カ所あります。これも調べられているんじゃないかと思います。そういうことについて、あくまでも私は、との地位協定第十五条、それを受けた地方税法臨時特例法の第二条、これについてうまくない点があるんじゃないか。これについて当然調査されたことを私は確信して疑わない、その調査の報告をしていただきたい、こういうことです。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) 当庁が調査いたしました本年の目的は、米軍施設につきまして、主として、全般としての利用状況が一昨年と比べてどのように変わってきているかということを主体にして調査いたしたのが目的でございます。したがいまして、ただいま先生のおっしゃいましたようなそういった税法上の問題とか、そういったところについての調査ということにまで思い至らなかったような次第でございますので、全体の利用状況といたしましては、ただいま私が申し上げましたように、若干利用度が下がっているように見受けられますが、なおいずれの施設につきましても、それぞれゴルフ場として使われておる、かつ、それらについては相当数の日本人もここに来ておるということが明らかになっておるのでございます。ただ、そのうちどこに何人とか、何人入って毎日どうやっているという具体的な数字は、必ずしもすべてについては明らかではございません。一部については明らかになっておるものもございまするが、そういったような実情でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 その一部について明らかにしてください。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) 現在までうちの承知いたしておるのは、たとえば利用状況といたしましては、北のほうから申しますと、三沢の飛行場につきましては四月が約三千六十人、五月が四千八百人、六月が五千百九十八人といったような利用状況であって、そのうち日本の利用度は一〇%程度であるというふうな報告になっております。それからキャンプ座間につきましては、月平均約二千四百人の利用状況、そのうち平日については約五十数人、土曜、日曜については百六十人程度ということになっております。また、雁ノ巣の空軍施設につきましては、週平均が約四百七十人ぐらい、これまたウイークデーと土、日とで違っておりまして、土、日が相当数多くなっております。この場合においては、土曜、日曜は米軍が四十五人、日本人が約二百四十人というふうな実情でございます。また、崎辺地区につきましては、商工会議所を通じてゲスト・カードを発行しておるというような、使用の割合は米七対日三という実情と承知いたしております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 どこからそういう報告をとられたか、当然私はその報告もうそであると、こう言いたくはありません。と同時に、私たちの報告もあわせて検討していただきたい。これが全部真実であると断言もいたしたくない。しかしながら、いまの報告でもわかりますように、八カ所のうち、言うならば四カ所はまあまあなんですよ、あとの四カ所は完全にこれは日本人のための民間のゴルフ場と同じ、雁ノ巣あたり、いまおっしゃったように、はるかに米軍を日本人がこえているわけです。私たちの調査でこういうことが出てきました。これは北、南、地域的順序は不同です。お聞きいただきたいと思います。  雁ノ巣、これはキャンプ・ハカタ・ブレディー・ゴルフクラブとりっぱな名前がついております。日本人のメンバー、これは会員制をとっております。日本人会員数は約六百五十名おります。そしてその会員は、年間一万四千円のプレー料を払った者、これはだれでも会員になれます。ちゃんとりっぱなパスまでもいまあるんですよ。これがパスです。これが申し込み書です。これは完全に民間ゴルフ場です。メンバー制をとっております。ただし、一万四千円という年間プレー料を先払いしなければなりません。そうしますと、このメンバーに対しては平日千円、休日は千五百円。それから今度は、このメンバーとともに三名までプレーが可能。こういうことが、米軍をはるかにこえる日本人のプレーヤーがここに集まるということです。これは一般プレーヤーは平日二千円、休日は二千五百円、こういうことです。  それから座間、これは完全にだれでも出入り自由。少なくとも普通の米軍基地ですと、曲がりなりにもガードが立っております。そこでチェックされます。ここはなしです。ですから、ここの座間のゴルフ場は非常におもしろいことになっております。まあそれよりも前に、メンバー制はとっておりません。毎日だれでも御先着の五十名様ぐらいまでお入りになられます。平日は三千円、休日は五千円。ここには、たとえば、そんなことを言ってもしょうがないですけれども、巨人の長島さんとか土井さんとか金田さんとか、相撲協会の高見山さんとか多士済々なる人が相当プレーをされている、非常に優雅なプレーを楽しんでいらっしゃいます。けっこうなことだと思います。こういうことが座間のキャンプ座間・ゴルフクラブ。メンバー制をとっておりません。御先着早い者様限り。その日で違います。米軍のリザーブによって収容人員、余った分は日本人をあと入れまして、ですから、プレーやりたい者は早く行くというわけで、完全にこれは日本人オープンです。  それから、いま長官がおっしゃいました多摩ゴルフ場、これもだれでも自由に入れます。オープンです。ですから、これは当然、メンバー制をとっておりません。プレー料平日千八百円、休日は三千六百円。当然これは、入会金は要らないわけです。五十万、百万という入会金は要りません。  一番北の三沢米軍ゴルフコース、これは完全に日米友好会、先ほどアメリカ局長がおっしゃったようなことが——若干ここらあたりまた論議したいと思うのですが、これが百二十名会員になっております。特別会員が三名おります。この特別会員の三名と友好会員百二十名の中の二十名が、これがくせ者です。もしも論議がややっこしくなりますと、この点指摘せざるを得ないと思いますが、百二十名の人たちは友好会の会員、そうして特別会員が三名。この友好会というのは、会員になるためには、年間プレー料三万八千円を前払いします。ですから、百二十名の方はプレー料三万八千円を払います。そうして、行くたびに平日は八百円、休日は二千七百円のプレー料を払います。三人の特別会員は、これは無料です。だれであるか、これは後ほどのお楽しみにしたいと思います。  それから、佐世保、厚木、岩国、いろいろ問題があります。これは千円、千五百円、千八百円、あるいは朝霞の場合平日千八百円、休日三千六百円、厚木平日千五百円、休日二千五百円、岩国云々と出ております。長くなりますので、私はこの辺でやめたいと思いますが、特にいま指摘した雁ノ巣、多摩、三沢、この三つにかけて、完全にと言っていいほどまでに民間ゴルフ場と同等の状態になってプレーされている。これは明らかに私は——冒頭においてアメリカ局長が若干プラスアルファの要素をおつけになりまして、ちょっと議論がややこしくなりましたが、この地位協定に定められている第十五条、米軍軍隊の構成員、軍属ないし家族という項目にまるっきり当てはまらない現状である。しかも、こういうことを想定してこの地方税特例法というものをつくったのじゃない。これは自治省の税務局長さんおっしゃったとおりであるならば、当然この現状は非常にうまくないと、私はこう思いますし、施設庁のほうでも、せっかくお調べになるなら、当然基地の使用、使っているか使ってないか、これはそれだけお調べになってリポートするのじゃなくて、もし使ってなければ、またいろんな方途というものをお考えになっての調査かと思います。であるならば、私は、当然こういう点までも是が非でも調査が触れていただきたかった。じゃなぜこういうふうに民間ゴルフ場と同じような状態になっているか、ならざるを得ないか、この点ひとつ税務局長さん、その原因は、これは別に専門家の人にお尋ねするまでもないと思いますが、こういう現状になった理由ですね。どうお考えになるでしょう。別にむずかしいことじゃないと思います。

降矢敬義自治省税務局長

○説明員(降矢敬義君) 税の立場から……。

黒柳明公明党

○黒柳明君 すみません。税の立場じゃなくてけっこうなんですが、どうして日本人が多くプレーしなければならないか。

降矢敬義自治省税務局長

○説明員(降矢敬義君) 私も、これは公の席上でございまして、あまりかってなことを申し上げることはできませんので、御了承願いたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 施設庁長官、ひとつどうしてこういうような状態になったか、これはもう別にむずかしいことじゃないと思うのですけれどもね。私が何から何までべらべら言っても、独演会になってしまいますので、これはできれば原因というものを、想像する範囲でけっこうだと思いますが、お述べいただきたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) この米軍ゴルフ場は、先ほどアメリカ局長からお答えになりましたように、元来は米軍家族——米軍人、軍人家族等の利用ということでつくられたものであり、その利用が非常に多く占めておったことであったと思いますが、だんだん米軍家族の数も少なくなるということや、あるいは土曜、日曜という日が主として米軍人軍属が休暇を多く持つときであり、そういうときに多くされる、その間の遊休というとおかしいですが、ウイークデーは比較的みんな勤務についていますから利用する人が少ない、そういった場所柄を利用して、米側から見れば、地元との友好あるいは官庁との友好というようなことに活用するために、日本人を招待し、あるいは利用せしめるということから始まったことと思います。そして現在におきましては、それにさらに加えて相当多く利用されておるのは、こういう機関、この運営が、必ずしもこれは軍直接ではございませんで、ただいまお読みになったように「諸機関」ということでございます。そういったことの経済的な面等も考慮しておるのではなかろうか、これまた想像を加えてで恐縮でございまするが、そういったようなことで、日本人の利用することがまあ日米親善にもなり、また、その会を運用する、ゴルフ場を維持する財政的な面からも助けになるというようなことで、最近とみにふえてきたのではなかろうかというふうに想像いたします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 日米親善、私は大いにけっこうです。私も徹底的に日米親善賛成派ですよ。しかしながら、根本は日米親善のためだと思いますか。ちょっとその点が——日米親善なんとおっしゃったでしょう、日米親善のためにこうなったと思いますか。すみません、その点だけ。目的はどこにあるのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) 私は特に申せとおっしゃったので申し上げたので、想像でもかまわぬから申し上げろということですから想像で申し上げました。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私はあまり想像がけたはずれでいると思いますよ。要するに独立採算じゃないですか。独立採算でまかなっているゴルフ場でしょう。当然米軍がいなくなる。いなくなって、そこで独立採算を維持するためには日本人を入れざるを得ない、これが大きな原因じゃないでしょうか。どうでしょう。これは間違っているなら間違っていると指摘していただきたい。長官どうでしょう。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) 米側の考え方でございますから、しかと申し上げるわけにはいきませんが、私は両方であろうと思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それじゃ出しましょう、いろいろなことで。ここで島田官房長、申しわけないけれども、いろいろなことを出しましょう。これがほんとうに日米親善の両方である——私は、日米親善のためにこんなに日本人をどんどん入れたのでない、独立採算を維持できないから、だから必然的に日本人にプレーさせて、入場料を取って、そしてプレー料を取ってやらざるを得ない、私はこうだと思うのですね。もし長官のおっしゃったこれが友好親善だとしたら、防衛庁の荷が重過ぎます。政務次官、それでいいですか。長官のおっしゃったこと、おかしいですよ。どんどん入場料を取って、それで日本人のゴルフ場並みに日本人を入れて、これが日米友好親善のために米側が民間に開放したのだ、こんなことだったら、防衛庁、自衛隊の問題は、これはたいへんなことですよ。私はこっちに矢を向けます。長官、こんなことを言っちゃ困りますよ。私はいつも小さい声で言っているが、たまには大きい声を出します。長官のおっしゃったこと、ほんとうにそうですか。私は客観的に見て、とうせざるを得ないのは、独立採算ですからね、これは当然米軍が撤退した、軍人家族はいなくなる、だから必然的に日本人を入れざるを得ない。ちゃんと私は基地の司令官にそのことを聞いてきておりますよ。何も向こうの人を出す必要ないのですけれども、ここで政務次官の御答弁どうでしょうか。私はもう一回念のためにその点を聞いて、この次の質問に移りたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) ちょっと……。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いや政務次官に聞きました。長官の答弁は日米親善のためだ、日米親善のためと両方であると、はっきりおっしゃっている。

土屋義彦自由民主党防衛政務次官

○説明員(土屋義彦君) 先生の御指摘の問題が事実でございますならば、まことに遺憾に存じます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 原因です。こういうふうにほとんど民間のゴルフ場と同じようになっているのです。一つのところじゃ何千万と米側に、言うのはおかしいですけれども、円で収入をあげておる。この問題を議論しても始まりません。民間ゴルフ場と同じように開放的になったのは、米軍がいなくなったからと私は言う、長官は日米親善も大きな原因だ、招待、日米親善、この三つだと思います。私は日米親善で民間に開放したのじゃないと思うのです。米軍が撤退して、独立採算だから、採算が維持できないから民間に開放した、そうだ、原因は、こう言うのです。長官は日米親善と招待と二つがあると言うのです。私は政務次官の答弁を聞いて、防衛庁のほうにいくかいかないか、きめたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) ちょっと私の申し上げ方がまずかったかと思いますが、私が二つだと申し上げたのは、諸機関の財政を維持するということももちろん大きな原因であるということを含めて二つと申し上げて、あわせていまの関連の友好とか親善とかということも、元来の目的がそうであったが、いまや財政的な面も考えてそういう点が多くなっているのでしょうという意味で二つと申し上げたので、御了承願いたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうならそうで、初めから言いなさいよ。初めから反撥的に、反撥的にというふうにやるなら、こちらもやりますよ。資料一ぱいありますよ。そんなことをやったっておとなげないでしょう。私もだんだん成長しなければならない時期だ、ですから、あまりおとなげないことをやってもしようがない。だからそんなこと、やらないと思って、それで発言しているのです。  もう一回聞きますよ。こういうふうに民間的に開放せざるを得なくなった状態というものは、米軍が撤退した、ゴルフ場は独立採算で維持するのでしょう、それができなくなった、しかたがなくて民間に開放せざるを得なくなっちゃった、こういうことが大きな原因であると、こう言うのです。客観的にもこういう要素を私は情報で入れておりますが、この点について長官はどう認識されますか、御答弁願いたい。

山上信重防衛施設庁長官

○説明員(山上信重君) そのとおりだと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 けっこうでございます。どうもありがとうございました。  すみません、アメリカ局長、おそくなりまして。それで、局長さんのほうは二時の時間が二十分も過ぎて、すみません、まだ質疑がありまして、局長さんに、最後の結びだったのですが、要するに地位協定十五条違反、それから今度はそれを受けての地方税の特例法の問題がある、こういうことです。問題は、これは外務省レベルで、日本政府としてやはりこういう不備を改善する必要があるのじゃないか、こう思うのですが、外務省当局としては、この問題、どのように今後扱っていかれるか、御答弁をいただきたいと思いますが。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○説明員(東郷文彦君) 私も無料のパスを二、三カ所からもらっておりますが、不調法で一向使っておりませんので、各ゴルフ場の実情をつまびらかにいたしておりません。先生御指摘のように、米軍の数が減ってくる。したがって利用度もその結果減ってくる。それに伴っていろんな問題が派生してくる。その結果、地位協定に従って提供された施設の運用がおかしい状態になっておる。こういうことでありますれば、施設庁あるいは自治省関係方面と十分御相談の上、施設の利用ということを合理的にするということを私としても努力したいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 すみません、もう一言ですが、これは当然日米合同委員会という協議の場所があると思いますが、いままでここで問題にされたことがないと私は記憶しております、想像しますけれども。これをそこに持ち上げて、それでこの問題の解決に努力していただけるかどうか、御答弁願いたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○説明員(東郷文彦君) この種の問題は、日本側としまして、関係各省と十分お話しの上、合同委員会において米側との協議の上、満足のいく形をとる。もし改善する必要があるとすれば、満足する改善を考えるように努力したいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 けっこうです。どうもすみません。私、話が、整理したのがちょっとどっかにすっ飛んじゃいまして、すみません。そこで、政務次官に御答弁願いたいと思うんですが、次官がいらっしゃるちょっと前に話が若干進んでおりました。そこで出たことは、要するに外務省当局としては、これは地位協定第十五条は、原則として日本人を入れたんじゃうまくない、あと招待とか云々というのがあったんですよ。そこになりますと、若干これは自衛隊のことが問題にからみますので、私はプラスアルファのことは触れたくありません、ここで。原則は、大前提はやっぱりうまくない。こういうことがわかれば、そういう中前提、小前提というものはみんな除去できるんじゃないかと、こういうことです。たとえば非常にやっぱり特権意識というものを持っておりまして、ここでゴルフをしているという事例が種々あります。島田官房長もこの例はよく御存じだと思いますけれども、まず直接の当事者ですから、こういううまくない、税法上でも、さらには地位協定上でも、うまくない。やっぱりこういうところでは、当然従来よりも前向きの姿勢で、防衛庁あるいは自衛隊の方々が、自粛はされていると思いますけれどもですよ、まだまだ私たちの調べの範囲では、そういう徴候が見られないことに関して、ひとつ官房長のほうから一また具体的なことを指摘して言えばいいんですが、峯山委員が時間が来て待っていますので——私は抽象的になりますけれども、こういう事実を把握しているかどうか、あるいはこういう事実はないのであるか、あるならばどうすべきであるか、こういううまくない、米軍ゴルフ場で……。それでしかも自衛隊、施設庁となると、やっぱり一般の方は特権的な存在に見ますしね。事実安いですよ、プレー料なんかも五千円取るところを自衛隊様三百六十円、一ドルと書いてあります。これは、ぼくは自衛隊員になりゃよかったなと思ったこともあります。そういうゴルフ場もあります。ですから、そういうところでゴルフをしている人があるのかないのか。あるとすれば、根底的にやっぱり外務省当局も自治省当局も問題がある。うまくない。日米合同委員会に持ち上げて協議して、前向きに改善するという発言ですが、防衛庁としてはこの事実をどういままで認識されていたか。今後どのようにこれを改善していくおつもりなのか、ひとつ御答弁願いたいと思いますが。

島田豊防衛庁長官官房長

○説明員(島田豊君) この件につきましては、去る五月に参議院の内閣委員会におきまして峯山先生から御指摘がありまして、防衛庁としましては従来から繰り返し自粛方につきましては指示をいたしておりましたが、それを契機としましてさらに事務次官の構想による通達をさっそく出したわけでございますが、その内容につきましては、勤務時間中、つまり平たく言いますればウィークデーでございますが、こういう日におきましては原則的には米軍のゴルフ場は利用しない。ただし、米軍との親善交歓というふうな必要があります場合におきましては、所属長の許可を得まして所属長が特に必要と認める場合は利用させる、こういうことでまいっております。さらに土、日、あるいは祭日等につきましては、こういうような趣旨を十分順守させると同時に、日米親善という形におきましてやる場合を除きまして、土、日といえどもできるだけ自粛をする、そういうふうに心がけるようにという趣旨の指示をいたしまして、私、一部のゴルフ場におきまして調べた限りにおきましては、かなり自粛の実があがっているように思います。ただ、八カ所の米軍ゴルフ場でございますので、その他のゴルフ場につきましてどういう利用状況になっておりますか、これ、私詳細は存じませんけれども、おおむね関係者のいろんな話を聞いてみましても、自粛をしてきているというふうに感じております。ただ、個々の御指摘がありますればまた別でございますけれども、全般的にはそういう態勢で来ているのではないか。しかしながら、これは先ほど来の御議論のようにいろいろ問題のあることでもございますので、自衛隊員がことにそういう特権意識を持って利用するというふうなことのないように、今後とも十分自粛をいたしていきたい、またときどきそういうチェックもしてみたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 もう最後です。政務次官、ほんとに大臣が出られませんで、お休みのところをほんとうに緊急においでいただいて申しわけなかったんですけれども、最後の答えとして、要するに、私のいまの一連の質疑の中で出てきましたように、米軍側も、私冒頭申し上げましたように、海外基地の削減ないしは海外軍事費の縮小、こういうことが大きく打ち出され、現に在日米軍基地も相当数撤去に向かっているわけですし、また米軍の数も少なくなりつつあること間違いありませんし、今後もそういう方向に向かうことはこれは間違いないと思います。その中において米軍のゴルフ場が、要するに米軍がいなくなったのに伴って、こういうような状態になることもこれは必然の原理だと思うんです。さらに、これをどうするか、ここが問題だと思いますね。先ほど申しましたように百三十万坪、三十坪の家を建てたって四万何千軒の家が建てられるわけです。これは座間にしても多摩にしても、多摩川一本越えた、まだまだ東京郊外といっても都心の交通、住居には非常に便利なところです。また、驚くなかれ多摩のゴルフ場——ここまで触れる時間なかったのですが——四億八千万出してわざわざ昨年造成したばかりです。私、やったですね、お話ししたことがあります、昨年の委員会ですか。それを私はやるなって言った。昭和飛行機の借用料を払うより、四億、五億ぐらいの金は安いとおっしゃった。現状見てごらんなさい、ほとんど米軍なんか使ってやしません。ですからあくまでも百歩あるいは千歩譲って、よく佐藤総理が、あるいは政府がおっしゃいますように、日本を守るための安保条約、基地であるならば、私たち日本人を守ってもらおうじゃないですか。ところがほんとうに不必要な基地ならば、しかもそれだけ土地が上がり、狭くなり、住宅難である日本であるならば、野党、与党、政府、公明党なんて問題じゃありません。ともかくそういうところはどいてもらう、これがあたりまえじゃないかと思います。その一番はっきりした例がこの東京近郊であり、福岡近郊であり、そして三沢の市内、こういうゴルフ場に、はっきり出ている。本来米軍が使うために提供したものです。米軍が少なくなって使ってないならば、日本人に使わせなきゃ米軍の採算がとれない、そこまでめんどう見る必要がないじゃないかと私は思います。これこそ、先ほどから私は中曽根長官の率いるところの防衛庁が、基地問題に真剣に取り組んで、撤去の方向に行っているかどうかは疑問ですけれども、何らかの前向きの姿勢を示している、との問題にこそ全面的にやっぱり前向きの姿勢を示して、座間、多摩、このうち一カ所撤去してごらんなさい、二十五万坪ですよ、たちまち一万軒の家が建つ。美濃部都政に対して政府、自民党が対抗するだけの住宅政策を打ち出すことができるのですよ。まあこれは余分ですけれども、そういうことにも頭を使っていただきたい。と同時に、こういう現実について、施設庁も笑って手を組んでいないで、忙しくて飛び回って調べていただきたい。現実にそういう問題、そうして私たちの日本国民のために安保条約が本来あるべき姿、そしてそのもとの地位協定のもとにあるべき正当な基地というものの姿にしてもらいたい。その最たる例がここにある、私はこういうふうに結びたいと思います。これこそ公明党が主張している基地を中心にした段階的解消の大きな一つの目標であると、こう思います。ひとつ政務次官、締めくくりとして——先ほど外務省側の見解をお伺いしました。日米合同委員会に持ち込んで、そうしてこれを善処する。税金を取る、先ほど局長さんおっしゃいました特例法を改正して。現行ではちょっとむずかしい、あるいはこれをやめさせる、こういうこともあります。それよりも、使っていないんだから撤去しろ、これが一番常識的であり、一番やっぱり政府としてとるべき態度、こう私は思います。だからこそ、中曽根大臣の出席を要求したのですけれども、それにすぐれるとも劣らない政務次官が、ひとつこの最後の締めくくり、こういう基地問題をどうこれから手を打つか、具体的にひとつ構想を示していただきたいと、こう国民を代表して最後に御質問申し上げます。いかがでしょうか。

土屋義彦自由民主党防衛政務次官

○説明員(土屋義彦君) 先ほど来黒柳先生御指摘のとおり、一部のゴルフコースについては一般にも開放され、本来の設置の趣旨にも相反しますので、コースの維持、管理などの問題も考慮しつつ、その運営の適正なあり方について米側と誠意をもって前向きでひとつ協議をしてまいりたいと思います。それからまた一般の施設の返還の問題ともからめまして、この問題もあわせて検討をしてまいりたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 たいへん私けっこうだと思います。ただ一言。これを撤去の方向に当然向けるべきである、こう思うのですが、そういう御意思はありますか、どうですか。

土屋義彦自由民主党防衛政務次官

○説明員(土屋義彦君) 先生の意を体しまして米側とも折衝してまいりたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 どうもありがとうございました。

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) それでは速記を起こしてください。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 初めに、事業団理事長、本日はほんとうにお忙しいところおいでいただきましてありがとうございました。私は、先日内閣委員会におきまして通産省の設置法のときにこの塩釜の問題を取り上げまして質問いたしましたのですが、その後この問題につきまして種々問題が解決されておりませんので、この問題につきまして二、三質問したいと思います。  初めに、どうしてもやはり私が得心のいかない問題がありますので、その問題をやりたいと思うのですが、まあ初めに、やはり現在までのいきさつですね。概略どういうぐあいに進展してきたか。塩釜の水産加工アパートの問題について説明をしていただきたいと思います。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 前の内閣委員会で御質問にお答えしたわけでございますが、塩釜の水産加工工場アパートにつきましては、最初にこれを設計する前提として、このような種類の工場から出る排水の水質につきまして調査いたしましたところ、大体BOD二一三〇PPMという数値が出ましたので、それを前提として設計を依頼し、造成したわけでございます。ところがこの前提とした水質の調査が十分でございませんで、現実にはその後操業いたしますとBOD二万PPM以上の悪い排水が出てくる。したがいまして、いわゆる曝気槽が十分に機能しないということになってしまったわけでございます。そこで、私どもその後まあいろいろと改善策につきまして手を打ってまいりましたけれども、なおかつ現在におきましてもこれが十分に改善されておりません。そこで塩釜の第二次の水産加工団地の造成の予定がございますので、第二次の造成に失敗をしてはいけませんので、そのための基本構想委員会というものを設けまして、東北大学の先生その他それぞれの専門家の方にその委員になっていただきまして、いろいろと第二次の水処理のための検討をしてもらっておるわけでございますが、当然に第一次の水処理のどこが悪かったのかということを検討しなければなりませんので、同時に第一次の水処理についての改善案もここで検討していただいております。近くその改善案の成案がこの委員会でもってまとまる予定になっておりますが、大体その内容について申しますと、塩釜の水産加工工場からは一日に千立米の水が排出されますが、これをまずロータリースクリーンというものへかけまして、ここでBODと浮遊物質を除去しまして、さらに油水分離機にかけまして油分を除去する。そしてその後にラグーン池によりましてBODと油分をさらに除去することといたしたいというのが一応のいま得ようとしている成案の内容でございます。このラグーン池における浄化の場合に、もし必要とするならば薬品を投入して処理効果をさらに高めようということも考えられております。以上のような内容の結論が近く出されますので、当事業団といたしましては、塩釜市、宮城県並びにこの水産加工組合と協議いたしまして、できるだけ早くこの案による改善策を実行いたしたいというふうに考えております。  現在までの簡単な経過でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は理事長、今回のこの問題について、実は前回質問をいたしましたときには私は現地へ行ってまいりませんでした。それで、今回質問するにあたりましては、たびたび行ってまいりまして現地の事情等も聞いてまいりました。その上できょうは質問をするわけでありますが、まず基本的に、きょうはそれぞれ通産省、農林省、厚生省の関係の方もお見えになっていただいて、そしてこの塩釜の水産加工アパートが日本で初めてやる水処理の装置として何とか成功するようにと事業団の方も一生懸命やっていらしゃるでしょうけれども、何とか成功していただくために、そういうふうな意味で私はきょうはこれからいろいろと質問をしたいと思うのですが、それによって、やはり事業団自身もこういうふうな問題についてははっきりした態度で、いいかげんな済ませ方では私はだめだと思うんですね。そういうふうな意味で質問をしたいと思うのです。ですから、そのつもりで聞いてもらいたいと思うのです。  まず初めに、いま第一次の団地が、いわゆる塩釜の零細な水産加工業者二百数十社の人たちが、これだけ公害の問題がずいぶん問題になっている、だから自分たちがみんなに迷惑をかけているから何とかみんなに迷惑をかけないように自分たちで公害の処理施設をつくってそして集団化しようという市のほうの働きやまた事業団の皆さんの応援を得て今回こういう装置をつくることになったわけです。ですから、その業者の方たちが積極的にやっているわけです。このことについては少なくとも通産省なり農林省なり厚生省は、そういう人たちをうんと応援しなければならぬ立場にあるわけですね。また事業団としてもこういうふうな注文を受けたからには、いわゆる完ぺきな体制で、そしてしっかりしたものをつくって渡さなければいけないわけですね。ところが現実には、できたものはほんとうにみんなが操業もできないような、また公害防止事業団がつくった装置でありながら、かえって近所にいわゆる悪臭公害をまき散らさなければならないようなそういう装置になってしまった。その一体原因はどこにあるのか。私はこの原因の追及がまだ足りないと思うのですよ。先般から私何回も申しましたけれども、先ほどの説明の中にもありました、私はそのまず第一点として問題にしたいのは、前回の装置をつくって、そのときにこの装置は昭和四十三年の十二月に完成をいたしました、四十三年十二月に完成して、そして試運転をして——から試運転ですね——そして市のほうに引き渡した。市のほうはそれを業者に渡した。それから二カ月もたたないうちにその装置がだめになった。この時点で事業団はどういうことをやりましたか。一ぺんその点、初めにその時点でどういうぐあいに処理をしたのか、それをお伺いしたいと思うのです。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 御質問にございましたように、この水産加工団地の水処理機械が機能してないということについて、私どももたいへん遺憾に思っております。もちろん公害をなくしようというこの水産加工業者たち、あるいは市の熱意も当然でございます。私どものほうも誠心誠意その線に沿って第一の着手としていろいろやっておりますが、一つにはこれは確かに私ども責任を感じているのですが、水質の調査が十分でなかった。それから一つには、これは水産加工団地として最初に手がけたもので、私どものほうの、何といいますか、経験も全然ございませんでしたし、またこういうものに対しては、すでに申し上げましたように、水質調査が十分でなかったという例にありますように、技術的に見ても事業団の陣営というものが必ずしも当時十分でなかったという面もございます。そこでもちろん試運転後に——試運転と申しましても、これは先ほど御質問にありましたように、から試運転でありますが——引き渡したわけでございます。それが十分に動かないという場合に、そのつどこの機械のメーカー等に言いまして、いろいろと細部の、いつどこでどう手直しをしたかということはいまここに材料を持っておりませんけれども、そのつど手直しをさしてきたわけであります。それでも十分でない。しかしその一番大きな原因というのは水質がBOD二一三〇というふうに一応予定したのが、一万以上になったり二万以上になる、そういうことになるわけであります。そこで東北大学の先生方の助言も聞きまして、一応このラグーン池というものでまず沈でんさせる、そして沈でんさせたあとの水を曝気処理すればいいのではないかということになりまして、このラグーン池をつくったわけでございます。つくった当初しばらくはそれがわりあいにうまくいったのでございますが、すぐやはりラグーン池そのものにもヘドロが回っていきますし、しかもますます出てくる水質が悪くなってくるということで、これも十分機能しない。そこでいまおっしゃったような悪臭というようなものも出てきたわけでございます。そういうような意味合いにおいて、先ほど申し上げましたように、やはりもっと根本的にこれの原因等についてメスを入れて、そうして改善策をつくらなきゃいかぬというので、東北大学その他の大学あるいは水産庁あるいは厚生、通産両省もちろんですが、試験所の専門家の方々のお集まりを願って改善策をつくっているわけでございます。私どもも改善策に沿って何とかこれを、私どもも水産加工水処理としては第一号のものを完全なものにしたいと、いまいろいろ苦慮をし努力しているところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 通産省来ていますか。それから厚生省……。  いま理事長の話を聞いていまして、要するに、先ほども話をしましたように、水産のいわゆる零細な業者ですね、そういう人たちは、少なくとも公害防止事業団に、それこそ満幅の信頼を置いて事業団に装置を頼んだ。その理事長がいまの答弁では、事業団は経験もなかった、水質の調査も不十分であったと、その結果、いわゆる現地の水産加工業者の人たちは非常に困っているわけです。これに対して皆さん方はどういうぐあいに指導しているのですか。私はこの間のときにも大臣にも言いました。通産大臣も私の質問のときには来ておりました。厚生省の担当者も来られていたはずです。これに対して、もうずいぶんたちました。事業団の監督官庁のはずです、皆さん方は。そういうふうな意味で、どういうぐあいに指導し、そしてこれに対してどういうぐあいに対処しようとしているのか、まずこの点をお伺いしておきたいと思います。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(柴崎芳三君) お答え申し上げます。  本件の基本的な問題点は、最初の設計段階におけるBODの予想値と現実の排出値が非常に格段の差があるというところにあるわけでございますが、これがいかにしてそういう形になったかという原因究明をしないことには対策も立てようがないということで、われわれはいろいろその点検討してみたわけでございますが、第一の点は、確かに当時の調査資料によりまして二〇〇〇ないし三〇〇〇PPMという公式のデータがはっきり存在しておりまして、これを事業団がそのまま受け取りまして、大体この程度の原水の処理施設でだいじょうぶであるというぐあいに考えたことは、これはやむを得なかったのではないかと考えております。  第二の点は、個々に町の中に存在いたします加工業者が現実に排出しております原水と、こういうアパートの中に入りまして非常に近代的な作業場で魚を処理する場合と、これが現実の状態として非常に違ってきた。頭をつけたままの魚が入ってきたり、その頭をそのまま捨てたり、要するに、何といいますか、前処理段階で非常に大まかな作業をしたために、それらの原因物質がそのままの形で処理施設の中に流れ込んできてしまった。したがって、私、客観的に見まして、本問題の発生した一つの原因としては、生産者側の処理について、従来とは非常に変わった形で、とにかく捨てるものは全部捨ててしまうというような形で作業が開始されたことも一つの原因ではないかというように考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、それらのファクターをかみ合わせまして、何とかこの問題を解決しなければならないということは、監督官庁である通産省としても強く認識しておりまして、事業団で設立いたしました基本問題委員会には積極的に参加いたしまして、なるべく早い時期に基本的な改善案を出すように内面的に協力もし、指導しておる最中でございます。で、その案につきましては暫定案はすでにできております。暫定案を実行し、これをできるだけ今回の最盛期である九月に間に合わせまして、これでは目標である一〇〇PPMには達しませんけれども、その間にさらに研究を重ねることによって、その暫定案からなるべく早い時期に恒久案に移るという段取りを考えておるわけでございますが、暫定案の遂行には大体四千万円程度の資金がかかるのではないかと推定されますし、それから恒久案の実施にはまだいろいろの案がございまして、これか、あれかという選択をやっておる途中でございますので、確定した設備投資額も出ておりません。したがいまして、当面の問題点はこの四千万円をいかなる形で調達するかという問題になるかと思いますが、この点につきましても、現在事業団が県、市、協同組合と非常に突き詰めて検討を開始しておりまして、われわれ近くその負担割合についても県、市、協同組合、事業団の四者全く一致した意見のもとに何らかの案が出てくるというぐあいに聞いておりますので、その案が出てまいりました段階において、ぜひその案の実施についての具体的な措置を考えたい、かように考えております。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(城戸謙次君) ただいまの点、私ども厚生省といたしましても、通産省のほうから御答弁申し上げたと基本的には同じ考え方を持っておるわけでございまして、できるだけ早い機会に技術の検討委員会におきましての対策の樹立を待って、今回、処理の施設が十分機能を果たしますようやってまいりたいと思っている次第であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はいま通産省の公害部長さんの話を聞きましたけれども、非常に私の考えていることとはまるっきり違うのです、あなたのいまの考え方は。私は質問の初めに言いました。先ほど事業団理事長が、私のほうの事業団は経験もなかったし水質調査も十分ではなかったと。そうでしょう、その上でつくった装置です。その装置のいろいろの問題を、確かに私は、いわゆる水の採取の時点で、いわゆるデータが根本的に違っておった。このことについてはもう前回の委員会でもはっきりしているのです。だから、私はこの点については言わないのです。これはいろいろ共同でやったと思うのです、みんな。市のほうが案内して事業団の職員と、それから事業団に依頼した人たちが一緒に行って取っているのです。その責任と、そういうふうなデータの責任、また、あとで生産業者にも事故の一因があるとあなたは言いました。あなたは、それじゃ事故の一因があるならあるで、今回の装置を動かすにあたっては、頭はこういうぐあいに切るのだよ、こういうものを入れてはいけませんよという指示をやりましたか。それをやっていなければこんなこと言えないですよ。品物を引き渡すにあたって、この装置はこういうぐあいにしなければいけないですよ、こういうぐあいにしなければ使えないということを言っていない。あなたはだれかから聞いてそういうことを言っているか知らないですけれども、生産者にも事故の一因があるなんということを言っているけれども、生産者の皆さんは、先ほども申し上げたように、公害防止に何とか協力しようと思って一生懸命なんです。満幅の信頼を置いて事業団に頼んでいるのです。私はこれからもっと具体的なものを出しますよ、いかにいいかげんであるかということの。まだ一つも出していないのです。事業団の内部にもずいぶん問題があるのです。あるのですよ。私はきょうは言いますけれども、どういうふうな根拠で、いまあなたが言ったようなことを言うのですか。あなたは生産業者に対して指示を与えたのですか、ちゃんと。こういうぐあいにして使いなさい、こういうぐあいにして使うのですよという使用書、通産省が与えた資料があったらすぐ出しなさい、いま。どうですか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(柴崎芳三君) 通産省が直接その指導をやったことはおそらくないと思います。と申しますのは、私去年の十一月からの着任でございますが、おそらくその前にも、私の引き継ぎでは直接やったことはないと聞いております。ただ、問題が発生した時点においてBODの量があまりにも多過ぎる。その点を究明することは事業団を通じましては何回もやっておりまして、おそらく事業団を通じて、事業団の直接の担当者がその現場に行きまして、この頭はこう処理したほうがいいだろう、あるいはこれではあまりにも原水の質が悪くなり過ぎるから、このはらわたはこういうぐあいに処理したほうがいいだろうという相談は何回も繰り返してやったというぐあいに聞いております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それは事故が起きたあとですよ、そういうことは。  それから、私はもう一回お伺いしますけれども、理事長ね、通産省が言うように、今回の事故の原因の根底は、いわゆる水質の測定の間違いにあるとはっきり言っています。その追及をやっているだろうと言っています。原因は明らかになりましたか、どうですか、理事長。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 先ほどの御質問のときにもありましたように、この水質の調査をする場合には、事業団の職員と市の職員の方、それから組合の人たちと、塩釜市内の水産加工をやっている工場、三カ所でございましたかについて、その排水について水質を調査した、同時に、当時、あれは県でございましたか、ちょっと正確なことは言えませんけれども、やはり一般的な塩釜の排水処理の水質について調査したものがございまして、その数値がやはり二〇〇〇から三〇〇〇PPMというようなものが出ておりましたので、それと合わせて、これでよろしいのだろう、大体この程度であるというふうに考えて、それを前提として設計をいたしたわけでございます。ところが実際に作業が始まってみますと、先ほど来申し上げましたように非常にBODが濃い、高い。一ぺんに二万になったわけではございません、私もやはり聞いておりますが、ときに一万近くなったり、さらに一万五千、さらに二万をこえたりというふうになってきたわけでございます。その原因につきまして、私ども、何といいますか、私が水質の問題についても調査が十分でなかったと申しましたのは、ただいま申しましたように、その時点において私どもこれはいいかげんだと思って、いいかげんなものを前提として設計を依頼したわけじゃない。その時点におきましては、大体水質はこうであるというふうに考えて、それをもとにしての設計を依頼したわけでございますが、しかし現実にはあまりにも濃度の違うものが出てきているので、そこで私がいろいろ言うと、何といいますか、言いわけといいますか、そういうことになりますが、現実にこれだけ濃度が違うわけでございます。そこで、われわれのほうに水質の調査について十分でないという点があったのだというふうに考えまして、この点について非常に責任を感じるし、したがってそれに対する対応策をいろいろとやっておるところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はこの問題について、いまの水質の調査の問題についても、通産省や、みんなに、理事長のほうからこの問題については生産業者にも事故の一因があるのだなんということを報告しているんなら問題だと思う。なぜかといいますと、生産業者というのは何も知らないのです。実際のところ、自分の排水しているところを案内しているだけだ。専門の技術者が行って、どういうような状態の排水であるか、どういうような状態であるかということは専門的に調査すべきだ。しかも二一三〇というその数字は、前々から何回も言っておりますけれども、この数字自体でもあいまいなものです。機械を設計するにあたっては、もっとしっかりした基本的根拠がなければいけない。私はきょうこれから言うわけですけれども、ほんとうはこの基本構想委員会のようなものは、第一次アパートをつくる前にできていて、そして相当やっていろいろ検討して、その上でやったのなら話はわかりますよ。そうでしょう。そういうことも何もやらないで実際やったところにも大きな問題があるわけです。そういう点も踏まえて、実際のところ、この水質の検査についても一体どこにその事故の原因があるのか。これはやはり請け負ったわけですからね、事業団が。市の方も一緒に行った、また団地の人も一緒に行ったと言っても、市の人や団地の人が一緒についていったのが責任なら、これはそんなことを言ったらみんなついていかないですよ、これからいろいろ何をやるにしたってですよ。そういう点からいくと、私はここはもうあっさりこの問題についてはやはり事業団として責任があるんだと、そうでないと仕事は一つも進みませんよ、この問題は。そうでしょう。そうでないと解決しませんよ、この問題は。どうですか、理事長。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) だから先ほど来お答えを申し上げておりますように、この水質の調査につきまして、まあ現在あるような基本問題構想委員会のようなもので十分検討すべきでなかったかということももちろんございますが、もちろん私どももそういうふうにやっておったほうがよかったということは反省しておりますが、ただ、当時非常にこの施設の造成が相手方の要望で非常に急がれておったということと、私どもも、もちろんこんなふうになろうということは全然予想もしないで、これで大体できるんじゃないかというのでやったことでございます。いまになって思いますと、もっともっと十分な検討を加えて、そうして水質についても一回や二回の調査でなく、もっと十分に調査をして、そしてやるべきことであったということを反省しておるわけでございます。そういうような意味合いにおいて、私は先般来、水質調査につきまして事業団として十分でなかった点は非常に遺憾でありますし、その点については十分責任を感じておるということを申しておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この問題についてはまた後ほどやることとしまして、先ほど理事長の答弁の中に、そういうふうな問題が起きてきて、ラグーン池をつくった。これは東北大学の先生に頼んでつくったというお話でございました。これはもちろん私は事情はわかっていますけれども、浄化槽がうまく運転しなくなった。だから一時的にこの浄化池をつくらなければいけなくなった。それで私は、先ほど理事長は東北大学の先生にお願いしてとおっしゃいましたが、いずれにしても東北大学の先生等にもお願いをして、その上で私はあの池ができたと思うのです。その池は、私は池の問題が一つ大きな問題ですけれども、先般内閣委員会で私は質問をしましたときに、地元の業者がこの池をつくる費用は五千万かかったと、こう言っておったということで私は質問しました。理事長はその問題については訂正をしませんでした。そのあと衆議院のほうで質問がありましたときに、理事長はその費用は千五百万であったというふうに訂正をいたしております。これは一体どういうふうになっておりますかね。住友につくらしたんですね。これはどういうふうなぐあいないきさつで住友につくらしたんですか。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 最初にラグーン池をつくるときには、東北大学の先生にお願いしたのではなくて、東北大学の先生の御意見を聞きまして、それを参考にしてつくったわけでございます。  このラグーン池の費用は、内閣委員会で御質問のとき、私そのとき御答弁しなかったかどうかあまりはっきりしておりません。しなかったかと思いますが、この費用のことについての御質問であったかどうか、私は聞くことが不十分であったために御答弁しなかったかと思います。それは別に御答弁を逃げたとかなんとかいうことではございません。衆議院の多田議員の御質問のときに、費用の点のときに私は千五百万ということをはっきりお答えをしておるわけでございます。やはり私どもの事業団で住友から聞いておるところによりますと、その後は詳しく聞いてきたのでありますが、ラグーン池設置に要した、いわゆるラグーン池だけに要したのが千五百七十二万、いま私千五百万と申しましたが、七十二万ばかり端数がございますが、そのほかに、これはラグーン池とは直接関係ないんですが、冷却塔というものを設置した費用が四百五十万。それにまたこれらのものに関連して人件費が当然かかるわけでございます。それが約二百万。それらを合わせますと二千三百万程度になるわけでございます。これは浄化装置そのものを住友重機械工業と契約して、住友重機械工業が設置したわけでございますが、その価格が約五千万。ところが、それが十分作用してないというので、まあ住友重機械工業のアフターケアといいますか、そういうような性格のものとして、住友重機械工業のほうでもってこれをつくってくれた、こういうことになっておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは非常に私は重要な問題だと思うんですよ。いま理事長は、千五百万を今度はきょうは二千三百万に御訂正になったのですけれども、この問題については、私はきのう言ったんです。おたくの人に申し上げたんです。住友の人が二千三百万と言っているぞと、理事長の答弁とだいぶ違うぞとずいぶん言ったんです。だから詳しく調べてきた。だから、要するに四千九百万という浄化槽をつくって、住友はそれを失敗したんじゃないでしょう。そうですね。要するに住友は事業団の指示どおりつくった。しかも、そのあと、アフターケアの意味で約二千二、三百万のものをつくった。どうしてこんなことをするんですか。冷却塔だけで四百五十万でしょう。ラグーン池だけで千五百万。そういうものをただでつくらせる。相手はやっぱりメーカーです。何か将来に得るものがなければやらないです、こんなことは。私は理事長の答弁をずいぶん勉強してみました。それによると、要するに、住友として将来このような水産加工団地の水処理を大いにやっていきたい、また、これを宣伝の材料にしたいということもあってこういうことをやっているということがうかがえるわけです、実際問題ね。そういうことで、私はこれはもうほんとうにえらい問題だと思うんです。要するに、事業団がやってちょっと失敗した。事業団自身に資金がない。そのためにそのお金をいわゆるメーカーに負担させるということは、だれも知らないところで、いわゆるそういうような商売が、結局貸し借りでなされている。そういうようなことでは、私はこういうような問題が、将来この問題をちゃんとやっていくにおいても——住友自体にちゃんとミスがあればいい、ミスも何もないのにこういうような千五百万、二千万するものをつくらせるということは、事業団の姿勢そのものがおかしいんじゃないか。こういうことは、結局は将来これから先の何らかの黙約があってこういうことをやらしているんじゃないか、こういうように勘ぐられてもしようがないですよね。勘ぐられることになります、これは結局。ですから、こういう問題は私はもっとちゃんとすべきだと思う。しかも、そのつくったラグーンが猛烈な公害を発している。雪だるま式にこれはたいへんな問題になります。この点どうですか理事長、こういうような姿勢は私はよくないと思うんですよ。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) お答えいたします。  確かに、この最初の水処理装置の金額が約五千万。それに対して、それが機能しないためにこういうラグーン池その他のものを、まあ人件費入れて二千二、三百万というようなものをアフターケアの形で住友重機械工業がやるということはおかしいじゃないか、奇異に感ぜられるということでございます。まあ私はそれに対して、一応それは確かにおっしゃるように非常にまあいい状態ではないというふうに、奇異に感ぜられる面ももちろんあろうかと思います。ただ、まあ住友重機械工業と事業団との間に将来についての何か黙契があるかどうかという点については、これは私は私自身、住友と直接のあれをしておりません。それぞれ担当の役員がやっておりますけれども、黙契というものはございません。これははっきりお答え申し上げられると思います。それじゃ住友機械がそんなことをやるはずがないじゃないかということになろうかと思いますが、そういう常識的にいろいろと疑問を持たれるという点はあろうかと思いますが、住友重機械という大きな会社が、日本の水産加工業というのは非常にたくさんあるので、これが、こういう集団水処理としては第一号でございますので、それについて、やはり自分のところのあれが、かりに自分のところの設計どおり建設をやられたとしても、それは現実に機能していない。どうも住友重機械工業でやったけれども、塩釜団地は現実に機能していないということになると、それはやはり、何といいますか、自分たちの、住友としても第一号なんだから、何とか機能さしてやりたい。それが会社の信用でもあるし、また、日本中に将来のこれが一つの先べんになってふえるかもしれないものに対する、大きな、何といいますか、宣伝ということにもなるというような点がいろいろあったのじゃないかと思います。これは私が自分でもって住友がこれをやったについて、いろいろ考えた私の一応の考え方でございます。そういうようなことでやってくれたのではないかというふうに存じておるわけでございまして、私どものほうといたしましては、住友にこれだけのものをやってもらいたい、それのかわりに、将来のこれこれの事業について、これこれのことをさしてやるというような意味合いでの黙契はございません。その点をお答えいたしておきます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、このラグーンの問題については、非常に不明朗だと思うのです。実際のところ、住友はどういうふうに言っていたかといいますと、今回ラグーンをつくるにあたっては、事業団より依頼されてつくった。それはあたりまえだと思うのですよ。かってにつくるわけないと思うのですよ。依頼されてつくった。しかもその費用がそんな二、三百万なんていうものじゃないのですよ。二千万なんです。もとの注文は四千九百万なんですよ。しかもこういうふうな商売をやっていると、私たちは首になる可能性もあると、しかも私たちのほうとしては事故処理として処理をしたけれども、実際商売にならないというような話をしているわけですよ。こういうようなことを、たびたびもしもやっておったならば、これは私はたいへんな問題だと思う。こういうふうにして処理をし、業者にそれを押しつける、私はきょうは詳しく初めからやりませんでしたけれども、公害防止事業団自体が、何百億というお金を年間動かしている。それを、金を動かす、いわゆる相当のいわゆる魅力ある団体ですよ、メーカーからいえば。そのきげんをそこねたくないという考えもあると思うのです。少なくとも私は事業団の理事長としては、もっと厳正な態度で臨むべきだ、そう思うのですよ、私は。向こうが二千万円、ただでやってくれたからいいだろうというふうな考えじゃよくない、こう思うのです、私は。どうですか。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 御意見私も確かにそのとおりで、われわれといたしましても、将来もこういう似たようなケースがあればこんなふうにやっていくんだというようなことは毛頭思っておりません。これは非常にわれわれとしても事業団自体に、こういうものに対する予算的な処理費が全然ないという非常に苦しい立場にもあったわけでございまして、そういうような意味合いにおきまして、事業団としても、将来この水産加工だけではなくて、いろんな種類の水処理装置をつくるわけでございます。その場合に、これは一つのいい反省でございますから、十分これを教訓にして将来もつくる。ことに初めての種類の水処理装置をつくるような場合には、委員会とかで十分検討してやっていくつもりでございますが、それでも、検討したけれども、実際に工業的にやってみるとそれが十分いかなかったという例は、これはいろいろほかにもあろうかと思いますが、事業団としても将来もそういうことはあり得ると思うのですね。ですから、そういう場合には、やはりいろいろと手直しをするという意味合いにおける費用というものは、私も実はほしいわけでございます。そういうような点においても、予算折衝のときにいろいろお願いをしておるということで、われわれ変なあいまいな姿勢をとっていこうという気持ちは毛頭ございませんので、実は苦慮しているわけでございますが、言いわけはしませんが、そういうふうに考えておるわけでございます。したがって、いま峯山委員のおっしゃったことは真剣に考えていかなければならぬというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 通産省さんにお伺いしたいのですがね。要するに、いまの理事長の話、私はもっともだと思うのですよ。ところが、実際問題としてこれだけの事業をやっておりますと、その仕事自体がうまくいかないこともあると思うのですよ。また少なくとも事業団の手落ちによって仕事をやり直さなければいけない場合も出てくると思うのですよ。その場合には、少なくとも事業団自体にも予算をつけるなり、または何らかの応援をすべきだと、私はこう思うのです。そうでないと、これは円滑な運営はできないと思うのです、実際問題として。そう思うのですが、これはどうですか、そこら辺のところは。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(柴崎芳三君) 一般的に考えまして、事業団が新しい分野を開拓しておる仕事が非常に多いものですから、そういう点について、もう少し事業団の研究活動なりあるいは調査活動なり、そういった点にたっぷり予算をつけまして、こういうケースをなるべく少なくしたいというのがわれわれの念願でございまして、予算措置のたびにそういう趣旨の要求もし、議論もしておるのでございますが、残念なことに現在までは非常にその点きびしく査定されまして、あまり自由の余地がございません。今後もそういう方向で努力をしてまいるつもりでおります。ただ、この塩釜に問題点を限るといたしますと、やはりそういう制約のもとで事業団がどういう措置がとれるだろうかという問題でございますが、具体的に二一三〇PPMではっきり契約を結びまして、それで事前の精密な試運転をしなかったという点は、手続上これはもう弁解の余地のないミスだと思いますが、その後ラグーン池をつくる段階におきまして、原水といいますか、予定原水とほとんど同じ程度の水を通しまして施設の性能試験をやってみたわけでございますが、そのときには設計どおり大体一〇〇PPMの水が得られたということで、この施設自身、かりに契約面におきます二一三〇PPMの水が通れば、これは問題はなかったであろうというぐあいにわれわれ考えておる次第でございまして、したがいまして、現在検討中の追加投資につきましては、事業団の事業のミスとか、そういう観点からではなくて、四千万円の投資が必要であるならば、その四千万円の投資をいかにまかなうべきかについては、別の観点から政府としても正式にこれと取り組まなければならない問題である、かように考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はいまの答弁でまだ一つひっかかるところがあるのですけれどもね。要するに、その二一三〇の原水で一〇〇PPMに落ちる、実際に試験運転をやったという話がありましたけれども、私はそのことは初めて聞いたのです。現地の基本構想委員会のメンバーに入っておる人たちの中にも二一三〇の原水を入れても一〇〇に落ちないのじゃないかということを言う人も専門家の中に現実にいる。しかも、その装置は日本では初めてやるというのですね。そういうふうな意味では、これはいろいろな面から国がもっと応援をしてあげなければいけないのじゃないか。今回の第二次団地をつくるということは非常にたいへんなことです。要するに、塩釜の公害をなくするためにもう相当たいへんなことをやっています。公害をなくするために、第二次団地も何億、何十億というお金を出してできるわけですね。そのためには、先ほど話がございましたが、この基本構想委員会から原案が出ている。この原案を見ましても、これは暫定装置だけでまだ四千万かかる。実際の装置はそれこそまた何億かかるかわかりません、実際のところ。その前にもうすでに初めには約五千万近くかけているわけです。これはいわゆる零細な水産加工業者です。そういう人たちに、そういうふうな実験装置のようなものを、まだ日本でちゃんとできていないようなものを負担させて、その上また公害防止の事業をやろうということは、実際問題として不可能です。そういうような面からも、厚生省なり、または水産庁なり事業団なりは、もっと力を入れて応援をしてあげなければいけないのじゃないか、私はこう思うのです。この点についてはそれぞれの担当の省庁はどう思いますか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(城戸謙次君) 塩釜の問題につきましては、特にその施設の瑕疵であるということでございますれば、公害防止の共同施設に関します譲渡契約書、この中に明文の規定がございまして、当然引き渡しのときから二年間施設の瑕疵の個所を補修する責任が事業団にあるわけでありまして、この場合に必要経費等については事業団の予備費等からまかなっていくという以外にないと思っております。ただ、今回の問題がそういうような明瞭な施設の瑕疵という問題ではなしに、その前提となります調査の段階、こういうところにありました特殊の事情がございますので、そのいろいろな問題があると思いますが、私どもといたしましては、まず検討委員会によります検討の結果、いかなる形でその今後の技術的な処理をし、施設が十分機能を果たすようになっていくか、こういう見通しをつけました上で、施設につきまして関係者と協議をいたしまして検討いたしてまいりたいと思っております。将来の問題といたしましては、こういうようないわば開拓的な事業に関連いたしまして、事業団としては非常に危険負担をする面があるわけでありますので、私どもとしては水産加工業のみならず、こういう未開発の分野につきまして研究をある程度やりながらやっていけるように措置していきたい。これはさっき通産省からもお話がございましたように、予算要求の段階でもこれまでいろいろとやってまいったところでありまして、本年の予算では一千万円ほど交付金の中に調査研究費が入っております。こういうことで、将来こういう問題が起きませんように、あわせて対処していくというような方針でおるわけであります。

平松甲子夫水産庁漁政部長

○説明員(平松甲子夫君) 私ども水産庁といたしましては、水産行政の立場から、こういうようなかっこうで集団的な加工処理施設ができるということは、今後の趨勢として考えられることでござ一いますので、その塩釜の加工団地につきましては、新しい試みとして大いなる期待をもって御協力を申し上げてきたところでありますが、まあ御指摘のような事態が起こっておりますので、検討委員会のほうにも私どもとして協力をいたしておるわけでございますが、検討委員会の結果を待ちまして所期の効果があがるということを期待いたしておるわけであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、いま厚生省のほうからお話がございましたように、施設の瑕疵でもないかもわかりませんけれども、実際問題としましては、私は先ほどこの原水の測定の段階の問題が問題になりましたけれども、少なくとも水産業者としては、要するに排水を一一〇〇PPMという点はきちっと規定しておりますけれども、原水が二一三〇という規定はないわけです。それはあとで測定してわかったことでありまして、少なくともこれは請負契約でやったんですから、ちゃんとできるようにするのが私はあたりまえじゃないかと思うのです、実際問題としては。そういうような意味でやはり住友としても、その装置自体がうまくいかないということで、いわゆる自分のところの装置がうまくいかないということで、二千万以上も出していますね。そういう点からいくと、少なくとも私はこの契約の中に出てくる施設の瑕疵ということで考えていいんじゃないかと、実際こう思うのです。そういうふうな意味での検討は、これは十分これからやっていただきたいと思うし、また、少なくともそれがいわゆる零細な水産加工業者が負担できるような金額じゃないわけです。暫定装置でも四千万というんですから、それが本装置になるとどれくらいになるかわからないということになる。そういう意味ではうんとやはり力を入れてやってもらわないといけないんじゃないかと、こういうぐあいに思うのです。現実にたとえばきょう農林省お見えになっておりますけれども、この塩釜のこういうふうないわゆる団地ができないために、浅海漁業の業者は相当被害を受けているわけですね、現実に。そのためにこの装置をつくることがいわゆる被害を防ぐことになるわけですね。ですから水産庁なりまた農林省としても、うんと力を入れないと私はいけないと思うのです。そういう面ではあと押しをうんとやってもらいたいと思うし、また何らかの形で応援できるものなら応援をしてもらいたい、そういう私の考えなんですが、どうですか、その点は。

平松甲子夫水産庁漁政部長

○説明員(平松甲子夫君) 確かに従来の水産業の立場といたしましては、どちらかと申しますと、公害の問題につきましては被害者の立場でございまして、まあ水産加工ということで出た汚水の問題等で公害が出てまいるということは、最近の事態でございます。御指摘のとおりこの塩釜の事例につきましては、ノリの栽培に悪影響があるというようなお話がございまして、まあそういう点についての県当局の調査も行なわれておるようでございますけれども、確かにこういうふうなかっこうで汚水が流れて養殖業に対する悪影響があるということは、私どもとしては決して好ましいことではございませんし、また、そういう問題がないといたしましても、水産加工業ということで、その用水で公害を起こすということは決して好ましいことではございませんので、そういう問題について、排水が無害なような状態で流し得るような形に私どもとしては今後研究も進めていただきたいと思いますし、それからそういうふうなものの成果を利用いたしまして、企業が公害の防止につとめるという点については協力してまいりたいというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、あまり時間もありませんので次へいきますけれども、現地のいわゆる加工業者並びに市のほう、県のほう、当然一緒ではありますが、いずれにしても、ことしの盛漁期までに、今回のこの装置が、暫定装置なりまたは本装置なりが完成しないというと、これはたいへんなことになります。少なくとも暴動が起こるくらい、いろいろ地元ではたいへんな思いをしています。これはほんとうに大事な問題だと私思うんですが、まず初めに、基本構想委員会のいわゆる結論が、初め私が聞いたときには六月の末に出るという話だったのですが、それがまだ出てないようでありますが、これはいつごろに出るのか、この点についてお伺いしたいと思います。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 暫定改善策につきましては、先ほど私が申し上げましたようなことで一応の結論が出ておるわけでございまして、それで、その結論に基づいてこの暫定策につきましていろんな施設をやるわけですが、それでトータルで四千何百万かかかるわけです。それの費用をいまどういうふうにして出すか、もちろん事業団といたしましては、この暫定策の中にも、今後の水産加工処理についての調査研究的なものもありますので、そういうものにつきましては事業団の研究調査費というようなものを使うというようなことも考えております。しかし、同時にこれは現実に私のほうが確かに二一三〇PPMという水質を考えたのは、それは調査が不十分であった、たしか二一三〇PPMを前提として水処理装置をつくったのですが、現実にはもっと二万という高いものですが、それを処理するためにいろいろの装置をつくるわけでございます。そういたしますと、私どものほうといたしましては、そういうものについては工事費として、やはり追加工事というようなことになれば、その部分は新しく追加工事契約をするということになるわけでございます。それからまた宮城県といたしましては県内の水産加工についてのいろいろ助成というような意味で、必要ならば県として出せるものについては、まあ補助金という形になりますか何になりますか、形はどうなりますか、よくわかりませんけれども、とにかく県としても何とか援助をしたいということも言っておりまして、その辺のことを、いま市、県、事業団というところでもって相談しておるわけでございます。それでまあ何とかこの暫定改善案が盛漁期に間に合うようにしたいということで、いま努力をしておる最中でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、ぜひとも九月の盛漁期までに間に合わすようにしてもらいたい、私はこういうふうに思います。また、特に厚生省、通産省のそれぞれの担当者も、できたら塩釜の現地に行ってこられて、そして実情を見てきてもらいたいと思うのです、実際のところを。私も現実に行ってみまして、この間住友が二千万出してつくったというラグーン池もたいへんなものです。猛烈にくさい、たいへんなものです。とにかくカラスが池の上を飛んでくると途中で落ちるというくらい、ほんとうですよ、落ちているのを見せてもらった、そのくらいくさいのです。今度暫定装置をつくるその装置も今度はくさくないやつと言っておりますけれども、やっぱり私はくさいだろうと思う、設計図面等全部いただきましたが、やっぱりくさいですよ。そのくさいのにまた四千万かけてつくる、ですから、これはいずれにしてもこの基本構想委員会で相当練っていただいてはおりますけれども、こういうふうな魚の処理装置というのは、今後もし塩釜が成功すれば、それだけじゃなくていろんなところでやらなければならない問題ですね。そういう点から考えますと、いわゆるよそでやる研究を塩釜でやっている、こういう形にもなるわけです。そういう点からいうと、私は何らかの処置が必要じゃないか、そういうような費用を全部塩釜のそういう団地の人たちに持たせるのは酷じゃないか、現実にそう思うのです。ですから、そういう面で、少なくともそれぞれ厚生省なりまた通産省は、そういう点を考慮しながら、ただ単に——事業団としてはお金がないですから、資金がもともとないですから、どうしようもない、だから何とかせざるを得ませんので、メーカーに持たせたり地元の業者に持たせる以外にないですから、やっぱりそれを元締めである通産省なり厚生省なりでは、少なくともこういう点についてはそういうふうな大規模な問題であるというふうにとらえて、これを前向きで検討してもらいたいと思いますが、これはいかがですか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(柴崎芳三君) ただいま先生の御指摘の点につきましては全く同感でございまして、幸い、厚生省からも御説明のありましたように、約一千万程度の、こういった問題にそのまま当てはまる調査費もございますので、これを現地における調査のきめ手という意味でこの暫定案あるいは恒久案を持っておりますので、そういうふうに使えるように、これは前向きで積極的に検討したいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それじゃそういう点でよろしくお願いしたいと思います。もし九月までにできなかったらどういうことになるかといいますと、スケソウダラですか、原魚がどんどん九月以降入ってくるわけです。もしフル操業でなかったら、一回魚が入ってこなくなったら、それっきりずっと入ってこないわけです。そうすると地元の業者はすべてあがったりになるわけです。ですからことし一年間何にもできなくなるわけです。すでに去年一年間うまく操業できなくなった。そういう点では、せっかくそういう団地をつくりながら、いわゆる倒産しかねないような状態にあるわけです。そういう点では、ぜひともいま理事長おっしゃいましたように、九月までには完成するように応援をしていただきたいと思います。  それからもう一点は、もしもこの九月までに完成しなかったらどういうことになるかというと、浅海漁業者、いわゆるノリの種つけがちょうどそのときに当たるわけです。もちろん事業団のこれだけが原因じゃないわけです。私これからもうちょっとやろうと思いますが、そのほかにもいろいろ公害が一ぱいあるわけです。いわゆる水質汚濁、そのほかにもあるわけですが、これも関係があるわけです。もしも九月までに完成しなかったらこれもまた爆発します。地元では市長さんが地元の人たちをうまく話をして押えているわけです。もしここで解決しなかったらたいへんな問題になると思います。そういうことも考え合わせて、まだ基本構想委員会の結論もちゃんと出ていないようでありますけれども、何とか解決を目ざしてちゃんとしてもらいたいと思いますし、また二次団地もすぐ近くに控えておりますから、そういう意味では何とか早く解決できるように努力してもらいたいと思います。理事長どうかよろしくお願いします。それで、いまの問題について理事長から最後に一言お伺いをして、理事長は終わります。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○参考人(原文兵衛君) 先ほども申し上げましたように、私どもとしても何とか盛漁期までに暫定改善策を間に合わせたいと思って最善の努力をしてまいりたいというふうに思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 理事長はけっこうです。  公害の問題で、これは悪臭の公害なんですが、同じ塩釜です。ですから、きょうはもし大臣がおりましたら写真を見せようと思って私は持ってきておりますが、もうたいへんなんです。やはり公害の基本的な問題は私は悪臭だと思います。要するに、私は先日から公害の問題でカドミウムとか、いろいろな所を回ってまいりましたけれども、ある意味では、悪臭というようなものは生活できませんね。ほんとうにそういうような面では、私は確かに悪臭という面は私たちの生活を脅かすたいへんな問題だと思います。そういうような意味で悪臭の問題について二、三お伺いしたいのですが、昨年の公害白書を見ましても、確かに悪臭は騒音、大気汚染についで三番目です。そういう意味でたいへんだと思いますが、この悪臭についてはそれぞれ各省ではどういうぐあいに対処していらっしゃいますか。それぞれ悪臭についてどういうふうな処置をしているか、それを一ぺんちょっとお伺いをしたいと思います。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(城戸謙次君) 悪臭の問題でございますが、悪臭は非常に発生源が複雑多岐である。その原因につきましても、大気汚染とかあるいは水質汚濁とか、こういうものを複合しておるものが多いのでございまして、私どもといたしましては、大気汚染防止法、水質汚濁の関係の法、あるいは清掃法、へい獣処理場の関係法規、こういう関連法規によりまして対策を立てていくというような考え方を立てております。  一番の問題点といたしましては、何と申しましても悪臭も非常に排出量、濃度等についての測定が困難である。したがって、悪臭の基準値というのがきめにくいということもあるわけでございまして、私どもとしましてはこの面からいろいろと調査研究を進めてまいっておりますが、特に昨年の十一月から悪臭公害に関する研究会を発足いたしまして、これまでの研究成果を十分まとめて最終的な基準設定までまいりたいということで努力をしてまいっております。本年度はさらにそれを進めまして、測定方法と暫定的な基準、こういうものを、ただいまいろいろ御指摘ございましたようなアミン系の悪臭基準につきまして何とかつくっていきたい、こういうことで研究を進めている段階でございます。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(柴崎芳三君) 一般的な点はただいま厚生省から御説明申し上げたとおりでございますが、通産省といたしましては二つの面で悪臭の問題と取り組んでおるわけでございます。と申しますのは、第一番目に、産業別に見ました場合に、紙パルプ、石油精製あるいは石油化学、化学肥料というような業種から出てくる悪臭が非常に多いために、これらの悪臭の実態の調査を行ないまして、具体的な姿をつかもうということで、昭和四十三年から実態調査を始めておりまして、予算はわずか年間約九十万円程度のものでございますが、四十五年度は石油化学と化学肥料をやるべく現在準備を進めておる段階でございます。  それから二番目の方法といたしましては、悪臭を定量的あるいは定性的に測定する方法、並びに悪臭を最も効果的に吸着する方法についての技術研究でございまして、これは昭和四十三年度から科学技術庁で特別調査費をもちまして、各省のそれぞれの研究所と連絡をとりまして総合調整をやっておるわけでございますが、通産省のほうは、資源技術試験所とそれから北海道の開発試験所、これが中心になりまして、年間約八百万円の予算でそれぞれ専門とする分野の調査を進めてまいりました。ただ、これではまだ問題の解明が非常に不十分でございますので、昭和四十五年度には公害関係のいろいろの測定を行なうための研究費として千八百万円あるわけでございますが、その千八百万円の中で相当の部分を悪臭の防止技術に使おうということで、これは現在具体的な研究計画を立てておるところですが、成分の分析なりあるいは吸着法の研究をさらに突っ込んでまいりたいということで進めておるわけでございます。  以上、非常にむずかしい問題でございますので、具体的に悪臭を退治するところまで至っておりませんが、その退治するための方法を見つける基礎的な研究がいま鋭意進められておるということでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 時間もあまりありませんので、はしょってやりますが、いずれにしましても悪臭の対策は非常におくれているようであります。管轄もそれぞれ厚生省、通産省、農林省と分かれておりまして、一体どこが中心になってやるのか、これもちょっとあいまいでありますが、二、三お伺いしたいのは、いまちょっと話ございましたが、通産省のほうでは科学技術庁が主体になって、四十三年の十月に、においの公害追放三カ年計画というんですか、そのスタートをしたと聞いておりますが、これは一体どういうぐあいになったのか。それで、その後の状態はどういうぐあいに進んでいるのか。中間発表なり何もできていないのか、そこら辺のところをひとつお伺いしたい。  それから厚生省は、先ほどちょっと話がありましたけれども、四十年から悪臭の研究を委託しておりましたですね。財団法人日本環境衛生センターですか、そこの研究報告が私まとまったと聞いておるのですが、これはまとまっているんですかね。もしまとまっておりましたら、その資料がありましたらいただきたいと思うのです。  それからもう一つは、四十四年の十一月から悪臭対策研究会というのを発足さしておりますね。その経過と今後の見通しですね。ただ発足させた、どうのこうのというだけではどうもぴたっときませんので、私、あとで具体的に一つだけお願いしたいのがありますですが、さような面でそれぞれ経過なり今後の見通し等についてお伺いしたいと思います。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(柴崎芳三君) 悪臭追放三カ年計画について御説明申し上げます。これは科学技術庁の研究調整局が中心になりまして、通産省の資源技術試験所、北海道工業開発試験所、さらに厚生省の公衆衛生局、労働省の労働衛生研究所、この四つの研究所に対しまして、それぞれテーマを与えて、四十三、四十四、四十五年でいろいろの技術的な研究を総合的に進めようということでございまして、通産省の関係では、資源技術試験所におきまして、与えられたテーマは活性炭吸着法による悪臭防止に関する研究ということでございまして、これは四十三年、四十四年度で大体五百八十万円の研究費をもちまして一応完了いたしました。  それから次の研究テーマが、オゾン処理法による悪臭防止に関する研究というので、これは北海道工業開発試験所で取り扱ったものでございますが、四十四年度まで約九百万円、それから四十五年度にさらに九百万円を追加いたしまして、現在いろいろの角度から研究を継続中でございます。  それからもう一つのテーマで、化学物質による環境悪臭防止に関する研究というのがございますが、これは資源技術試験所でやったわけですが、四十三年度に約五十万円を投入いたしまして一やりました。この研究が失敗いたしまして、以後続けておりません。したがいまして、四十五年度はオゾン処理法による悪臭防止に関する研究だけが残っておりまして、これが今年度末に研究結果を得られるということになるかと思います。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(城戸謙次君) 厚生省での、まあ公害、悪臭関係の研究でございますが、一つはいま御指摘ございました日本環境衛生センターの研究でございます。これは四十年度から調査の委託をいたしておりまして、現在まで四十、四十一、四十二年度は、化製処理を中心とした研究をいたしております。この中間的な報告は一応まとまっております。  それから四十三年度からは、石油コンビナートあるいはクラフトパルプ工場等の悪臭問題について研究を進めております。  それからいまお話ございました悪臭公害の研究会でございますが、これは先ほども申し上げましたように、四十四年の十一月からスタートをいたしておりまして、初年度はいろいろ文献の整理とか、あるいは測定方法に関しますフリーディスカッション、こういうことで大体終わったわけでございまして、四十五年度にいよいよこの暫定的な排出基準値をきめるための基準的な尺度でございますが、こういうものを何とかつくり上げたいということで、これに関連しました測定方法、基準値、こういうものをこれから始めたい。第一回の今年度の会合が七月二十日から始まるということでございます。なお、これは今回の環境衛生センターのほうの委託費のほうと一本にしまして、環境衛生センターの中にこの研究会を設ける。このメンバーも従来六人でございましたが、三、四名追加いたしまして、充実した形で具体的な測定方法なり基準値を、少なくともアミン系のものにつきまして得られるように今年度から努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。  このほかにも厚生省としましては、和歌山県に対します委託費を四十三年、四十四年、本年度も委託をいたしまして、へい獣処理場等の調査をいたしております。あるいはまた四日市におきましては、コンビナートの臭気の問題に関しまして、モニターの制度その他を四十四年度から研究をいたしておるわけでございます。  また特殊法人による研究といたしましては、公衆衛生院のほうで四十三年度から本年度まで引き続いて研究を進めております。かような状況でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは時間がありませんので最後に申し上げますが、実は写真をちょっと見てほしいんです。農林省のほうも一緒に見てください。おたくの関係です。実はあそこの写真にありますのは、一番初めのが工場排水のもので、そこから排水が出ておるわけです。その次にあるのが川へ流れ込んでおる。道ばたにはそういうふうに臭物がほってある、その次をめくっていただきますと。もうたいへんなものです。実は私も現地へ参りましていろいろとお伺いしたんですが、非常にくさいわけですね。特に農林省の関係かもわかりませんが、とにかくわれわれが住みにくい、たいへんな状況なんです。地元の皆さんの話を聞きましても、お酒屋さんが中心者でありまして、私はそこへ行きまして話を聞いたんですけれども、そのときには初めあまりにおいがしないなと言っていたら、ちょっと待ってくださいということで窓をあけますと、窓からぷんぷんにおいが入ってくる。そのにおいをきくと、とにかくその日一日じゅう気分が悪い。においのかん詰めができるものなら私はかん詰めにして持って来たいと思ったんですけれども……。ですからもう住めないんですね。しかも子供は湿しんが起きておりますし、また近くに散髪屋さんがありまして、その散髪屋さんにはお客さんが全然こない。その隣が旅館なんですけれども、その旅館にはお客さんが全然こない。もう非常にたいへんな状況です。それで、いまでも現実にどんどん流し込んでおる。私は行って現実にこの目で見たんですが、猛烈にくさいのが流れ込む。これがよくよく聞いてみると、県のほうから調査が来るとか何とか事情があると、ぴたっととまっておるという。ふだんは流れっぱなしだと言うんです。こういうふうなことでは、私はほんとうにそれこそ私たち国民が最低限度の生活をする上においても、悪臭というのは非常にたいへんな問題だと思うんです。私はここでぜひともお願いしたいんですけれども、塩釜は特に日本でも有数の悪臭の公害の町だと思うんですよ。そういうふうな意味では、できたら私は厚生省にお願いしたいんですけれども現地を調査してもらいたいと思うんです。そうして特にこういうふうな悪臭の問題については、これは農林省かもわかりませんけれども、環境衛生という面から見ると厚生省でありますので、できたら現地へ行って、行くだけでも私はだいぶ姿勢が変わると思う。そういうふうな意味では、できたら現地へ行って実態調査をして、そしてできたら文書で報告をしてもらいたい、こういうぐあいに思うんですが、いかがでしょう。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(城戸謙次君) 私どもとしましては、いまの悪臭の問題のほかにカドミウム、水銀等いろいろございまして、各地からぜひ来てもらいたい、かような申し入ればかりでございます。できるだけ行きたいと思うのでありますが、職員も限られておりますし、予算の点でもいろいろやりくりいたしますが、まだどのようになるかわかりませんが、できるだけ検討はいたしてみたいと思います。なお私どもとしましては、従来生活環境保全よりも、むしろ人の健康の保持ということにどちらかといえば重点が置かれておったんですが、今後はぜひそういう意味での広い生活環境の保全という意味で、騒音の問題、悪臭の問題、これについて私は積極的に取り組みたい、かように思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの、ちょっと私言い忘れたんですが、人の健康というふうにおっしゃいましたね。これだいぶ事故が起きておるんです、現実に。それで、宮城県で健康診断をやっているんです、ずいぶん前に。ところが、私も資料を発表するように言っているんですけれども、なかなか発表しない。できたらそういう面でも問い合わせしてもらいたい、県のほうへ。そうして資料を出させてもらいたい。現実に子供が湿しんができたり、私も現実に聞いてきておる。背広なんか外へ一日出しておくと一年間においがするというんです。ほんとうですよ。ですから私はそういうふうな意味ではぜひともお願いしたいと思います。またこの会社は何か農林省管轄だそうですね、そうらしいんですよ。私どもきのうあっちこっち聞きましたら農林省だと言うんですよ。ですからぜひともこういうふうな悪臭を出さないように指導してもらいたいと思うんです。現実に私はやればできると思うんです。実は私のところへの投書の中でも、これは町工場で従業員二十人の小さな工場ですけれども、ここはいままで騒音で非常にたいへんだったのが、地下に工場をつくって騒音源を地下に逃がして、いわゆる公害追放をやったというような投書がきているわけです。現実にそういうふうにやろうと思えばできるわけです。ですから、そういう面でもできたら指導していただきたい、こういうぐあいに思います。よろしくお願いいたします。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(城戸謙次君) ただいま健康的な面での影響も非常に大きいというお話でございますが、私先ほど申し上げましたように、この悪臭の問題は、大気汚染あるいは水質汚濁、相伴って生じている場合が多いわけでございまして、大気汚染の問題あるいは水質の汚濁、いろいろ生じまして健康上の被害を起こしているわけです。ただ大気汚染、水質汚濁ではたいした問題にならないようなものであっても、においだけでこれは生活妨害になる。かようなものにつきましても、ぜひそういうものがないようにしていきたい、生活環境の保全の見地から、においの問題に対処していきたいということで、決して健康の被害というものを軽視しているというわけではございませんので、その点、念のため申し上げます。

平松甲子夫水産庁漁政部長

○説明員(平松甲子夫君) 従来水産物の加工につきましては、小規模にその地元でとれた魚を加工しているという段階では、魚の質も悪うございませんし、たいしてにおいを出すということはなかったわけでございますが、最近は大規模に、しかも遠方から運んだものを処理するということになっておりますので、悪臭をほうって公害のもとになっているということもあろうかと思います。そういう点が懸念されますので、私どもとしましては、水産の加工施設をつくります場合には、そういうものについては、助成を行ないます場合には人家の密集しておるところは避けるようにということで、そういうところに位置するものについては助成をしないということで、立地についても指導いたしておるわけでございますが、今後ともそういう指導をしてまいりたいというふうに考えております。それから水産加工業につきまして公害の防止ということで、企業者自身がみずからの発意に基づきまして公害処理施設をつくるということにつきましては、私どもといたしましてもなかなか零細企業で付加価値が小さいものでございますし、処理施設そのものについては非常に多額の金がかかるということで苦慮しておったわけでございますが、四十五年度から中小企業近代化資金の中でこういうものについてもめんどうを見ていただくという形で、寄り寄り相談をいたしておるわけでございまして、そういう点について、おいおい改良ができてまいるだろうと思いますし、まあ指導してまいりたいと、かように考えます。

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) それでは、本日はこれで散会いたします。    午後四時四分散会

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