運輸委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/07/21
会議録
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として鉄建公団の役職員及び日本私学振興財団理事平間修君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(温水三郎君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、当委員会で行ないました委員派遣について、それぞれ派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班からお願いいたします。金丸君。
○金丸冨夫君 第一班の派遣報告をいたします。 派遣委員は平島委員、瀬谷委員、三木委員及び私、理事金丸冨夫の四人であります。 また、派遣期間は、七月六日以降五日間で北海道所在の運輸省、北海道開発庁及び国鉄地方機関の管内事情等の聴取並びに港湾、空港施設、国鉄青函連絡船、海員学校及び札幌市高速鉄道建設状況等の実情を視察してまいりましたので、これらの調査事項のうちおもなる点について御報告いたします。 最初に海運行政について申し上げます。 北海海運局の説明によれば、経済の発展に伴う海上貨物輸送量の増加と船舶の大型化、専用化、長距離フェリーの発達等による輸送形態の変化に対処するため、経済的基盤の弱体である道内内航海運業に対して近代的経済船の整備及び企業の体質改善について強力に行政指導につとめておるとのことであります。 また、離島航路における航路企業の欠損に対する国庫補助については全額補助が要望されております。 また、港湾運送事業にあっては、近年、海上貨物輸送の近代化、炭鉱閉山等により著しく取り扱い貨物量の減少している状況に対処して事業の集約化、合理化及び機械化等の行政指導が必要となっております。 さらに、最近のわが国における航空機及び旅客船の乗っ取り事件の発生にかんがみ、本道の地理的状態を考慮しつつ旅客船の乗っ取り防止対策を樹立するため、海運局、海上保安官署、警察官署間の情報連絡体制を整備するとともに「旅客船の乗っ取り防止マニュアル案」を作成して関係業者の指導に当たっているとのことであります。 なお、苫小牧港の取り扱い貨物量の増大等に伴い室蘭支局苫小牧出張所の支局格上げについて要望がございました。 第二に、海上保安業務について申し上げます。 第一管区海上保安本部においては、北海道一円とこれを囲む約二千六百キロメートルにわたる沿岸水域のほか、これに接続する千島列島、カムチャッカ、樺太及び沿海州沖合に及ぶ広大な海域を担務しておりますが、これらの海域は、世界的に有数な漁場をかかえており、他に類例の見られない北方特有の海象・気象条件のもとにあるため、海難発生も漁船の占める比率が全国平均をはるかに上回るなどの特色を示しております。これに対処するため、管内通信所、救難用方位測定局あるいはパトロール中の巡視船は、常時、遭難波を聴守し、救難即応体制をとっておるとのことであります。 また、ソ連邦に拿捕された漁船は、最近五年間の平均で年四十隻、三百五十三人となっておりますが、これら漁船の被拿捕防止のため、推定危険区域を設定し、巡視船艇による特別哨戒を行なうとともに、ソ連邦主張の領海において操業しないよう指導につとめておるとのことであります。 なお、最近の海上保安業務量の増大に対処するためには、巡視船艇、航空機の勢力増強と航路標識の一そうの整備拡充をはかられたいとの要望がございました。 第三に、港湾及び空港整備について申し上げます。 北海道開発局における港湾整備五カ年計画に基づく港湾整備事業は、おおむね順調に推移しておりますが、本年度事業費は、対前年度比三〇%増の百三十六億六千二百十七万円となっております。 まず、室蘭港について申し上げますと、昭和四十七年の取り扱い貨物量を二千三百万トンと推定し、これに即応した港湾施設の整備として南北外防波堤を工事中でありまして、その一部は昨年度完成しておりますが、これと並行して内外貿貨物船の大型化に対応した崎守地区岸壁、本航路の増深のほか、工業用地造成に着工しており、いずれも本年度完成予定の見込みであります。 地元室蘭市からは、室蘭港外港の築設促進及び国鉄埠頭の石炭積み出し地用途廃止に伴う跡地利用の早期決定方について強い要望がございました。 次に、苫小牧臨海工業地帯は、北海道における工業開発の中核となる重化学工業基地として開発が進められ、昭和二十六年度着工以来、工業用地約二千五百万平方メートルの造成を完了し、すでにアルミ精錬、石油精製、火力発電等の企業が進出しております。 また、これら臨海工業地帯開発の拠点となる苫小牧港は、わが国における代表的な掘り込み式港湾として昭和四十四年度までに約百七十九億円の事業費が投入され、引き続き五十年度完成予定のもとに南二号埠頭岸壁、航路、泊地等を整備中であります。 なお、地元港湾管理組合関係者から、昭和四十六年度以降十カ年間にわたる第三期北海道総合開発計画の答申において示された苫小牧東部地域大規模工業基地建設計画の促進方について要望がございました。 次に、函館港は、昭和三十五年度以降、西防波堤、北浜埠頭及び臨海工業用地の造成に着手しておりますが、本年度は、中央埠頭岸壁、防波堤かさ上げ工事を実施しているほか、海水汚濁防止施設の整備に着工しております。 地元函館市からは、函館港の整備と臨海工業の開発促進について要望がございました。 次に、小樽港は、第三号埠頭の完成に引き続き、輸入原木材の増大に対処するため、貯木場施設の工事が進められております。また、本年度は、四号埠頭の築設に着手し、うち一バースの岸壁の完成が見込まれております。 なお、地元小樽市から、小樽港経由海運貨物輸送の高度化及び国鉄石炭岸壁の有効な利用方についてそれぞれ要望がございました。 次に、空港整備について申しますと、まず、函館空港は、ボーイング727級の離着陸を可能とするため、滑走路を千二百メートルから二千メートルに延長するほか、誘導路、エプロン及びILS等を整備中で、昭和四十六年度末までに完成する予定であります。 丘珠空港は、滑走路を千四百メートルから千五百メートルに延長するほか、着陸帯、エプロン、及びYS11型機の供用に資するためのGCA等を整備することとしております。 また、千歳空港は、昨年において約百七十七万人の利用旅客数に達し、さらに、今後の旅客需要の増大が見込まれるのみならず、札幌冬期オリンピック時に、諸外国の航空機の受け入れ体制を確立するため、本年度完成予定のもとに滑走路を二千七百メートルから三千メートルに延長するほか、エプロン及び誘導路等を整備中であります。 また、昭和四十一年の閣議了解に基づき最近決定した運輸大臣、防衛庁長官及び北海道開発庁長官、三者による千歳飛行場の分離等に関する申し合わせ事項によると、現滑走路東西二本のほかに民間専用滑走路一本を新設し、将来、軍民共用を分離すること、新設滑走路は、空港整備五カ年計画に基づいて整備すること、及び新空港は、国際線の就航可能なものにすること等について意見の一致を見ているとのことであります。 なお、北海道空港協会から北海道の空港整備等について、また、函館市から函館空港の整備促進についてそれ要望がございました。 第四に、陸運行政について申し上げます。 札幌陸運局の説明によれば、道内における石炭輸送を主とする地方鉄道は、近年の炭鉱閉山等により休廃止を余儀なくされているので、これら地方鉄道に対しては、石炭対策の一環として格段の対策が要望されております。 また、乗り合いバス事業は、路面交通の混雑激化に伴い連行能率が低下しているため、路線の再編成、ターミナル整備をはかるなど経営合理化につとめることが必要となっていること、郊外路線のうち、人口の過疎化の現象の顕著な地域を運行している不採算路線の運営については、経営合理化を進める一方、運行確保を必要とする路線に対して国及び地方自治体による助成措置を講ずる必要があるとのことでした。 また、札幌市における人口集中と都心への輸送需要の増大等に対処するため、札幌市は、昭和六十年を目途に延長四十五キロメートルに及ぶ地下及び高架方式による高速鉄道を建設することとしておりますが、その一部、南北線北二十四条−真駒内間十二キロメートルについて工期四年、建設費約三百十二億円の規模で冬季オリンピック開催時までに開業すべく工事中であります。 なお、札幌市から高速鉄道の早期建設促進について要望がございました。 第五に、国鉄運営状況について申し上げます。 北海道支社における第三次長期計画に基づく投資計画は、幹線輸送力増強、電化電車化等を骨子とするもので、投資規模としては、二千百八十八億円でありますが、昭和四十四年度末で五六・九%の進捗率となっております。 この結果、道内における主要幹線、すなわち、長万部−小樽間を除いた凾館本線、室蘭本線及び千歳線の複線化率は八三・五%に達し、一方電化は延べ五百六十二・九キロメートルに達するなど著しく輸送力増強に寄与することとなりましたが、支社からは、国鉄財政再建計画期間中についても今後の所要資金の確保について格段の配慮を要望されました。 また、最近の経済情勢の発展にもかかわらず支社全体の旅客、貨物輸送量は、営業収入面で若干の伸びを示している反面、自動車輸送量の増大及び従前、道内における貨物輸送の大宗を占めていた石炭の激減等により、いずれも漸減傾向を示し、このような情勢を反映して四十三年度営業係数は一五七となり、なお悪化傾向を示しておるとのことであります。 なお、室蘭市から室蘭本線、千歳線の複線電化の早期実現について、また、住民の足を守る道内会議から江差、松前、瀬棚線廃止、無人駅化等の合理化に反対する旨の要望がございました。 次に、青凾連絡船の輸送状況について申しますと、青凾船舶鉄道管理局全体の客貨輸送量及び営業収入は近年減少しているのに反し、連絡船によるこれら客貨輸送量並びに営業収入は、いずれも前年度に比較して若干増加しており、このような情勢を反映して四十三年度営業係数は一一〇となっております。しかし、最近の旅客輸送量の増加傾向は、むしろ鈍化ぎみを示しており、これはカーフェリー、航空機など他の輸送機関による影響を受けているものと推定されるとのことであります。 また、青凾連絡船は、昭和三十九年以降数次にわたり客貨船及び貨物船の新改造を行なうとともに船舶の保安度を強化し、大幅な近代化をはかるなど輸送力の増強措置を講じた結果、現在、貨物船六隻、客貨船七隻、計十三隻を保有することとなり、一日片道、最高二十八ベースの運航体制を確立しております。 しかしながら、この運航体制の確立にもかかわらず、今後の本州−北海道間の貨物輸送需要の増加傾向を推定すると、四十七年以降には輸送能力の限界を越えることが見込まれているので、東京−室蘭間のバイパスコンテナ船輸送の実施について現在検討中とのことであります。 次に、日本鉄道建設公団による青凾海底トンネルの調査工事は、昭和三十九年度着工以来、北海道側二千七百五十八メートル、本州側千三百五十六メートル計四千百十四メートルの調査坑の掘さくが完了し、引き続き北海道側は津軽海峡の海面下の水平坑を、本州側は、斜坑底底部の工程基地をそれぞれ施工中とのことであります。 なお、凾館市から青凾トンネルの早期建設促進等について要望がございました。 最後に、運輸省地方機関より聴取いたしました要望事項のうちおもなるものについて申し上げます。 気象関係については、台風等の防災業務を強化するため、海洋気象台、管区及び地方気象台間のレーダー伝送網を整備すること、長期予報業務体制を強化するとともに所要人員を確保すること、海洋気象台関係については、流氷による漁船の集団海難の発生状況にかんがみ、これら流氷観測体制を整備充実せられたいとのことであります。 次に、小樽海員学校については、従来、船社側の求人動向に対応して生徒募集を行なってきたが、最近の海上労働力の需給の深刻化に伴い、船社側の求人条件が広域指定に改められている、したがって、今後の生徒募集については、各界の協力を得で広報宣伝の普及徹底につとめる必要があること、また、今後の海運業の労働力不足に対処して新規卒業者の量的確保と質的向上をはかるため、養成定員を百名から百六十名に増員するとともに教育施設等を整備拡充せられたいとのことでありました。 なお、現地で受領いたしました各資料は調査室に保管させてありますので、念のため申し添えておきます。 以上御報告を終わります。
○委員長(温水三郎君) 次に、第二班からの報告を願います。佐田君。
○佐田一郎君 第二班の派遣報告をいたします。 派遣されました委員は、田代委員、山田委員と私の三人であります。派遣期間は、七月六日から九日までの四日間で、愛知、三重、岐阜、富山、石川の各県を回り、運輸省及び国鉄地方機関の管内事情等を聴取し、港湾施設、空港施設、高山本線CTCセンター等の実情を視察調査してまいりましたので、これら調査事項のうち主要な点について御報告いたします。 まず、陸運行政について申し上げます。 名古屋市及びその周辺においては、近年における人口の増加とこれに伴う住宅団地の発展等により、通勤ラッシュの激化、市周辺部における道路交通の渋滞等いわゆる都市交通問題が表面化してきております。このため、当面の通勤・通学輸送問題に対処して、バス運行の適正化、バスと鉄道との連絡の強化、時差通勤・通学の推進等を実施するとともに、目下、名古屋市における地下鉄網の整備を急いでいるとのことでございます。 その反面、管内には、岐阜県北部、愛知県三河山間部、北陸三県など全国でも有数の過疎現象の著しい地域を有しており、これら過疎地域における交通の確保は当面の急務となっております。このため、昨年夏以来、陸運局、県、地元市町村、バス事業者による協議会を設置し、過疎地域における、バス路線問題の解決をはかり、その結果、国、県、市町村による補助金の交付、道路改修、路線再編成、スクールバスの導入など多面的な対策が講ぜられておりますが、一部では依然解決を見ない地域もあり、今後さらに対策を講ずる必要があるとのことでございます。 次に、海運行政について申し上げます。 第一に、旅客航路事業については、その多くが伊豆半島、伊勢志摩及び三河湾地区において営まれており、また、離島及び対岸を結ぶ近距離フェリーが運行され、さらに最近では、名古屋港を起終点とする長距離フェリーの就航も見られております。旅客航路事業における問題点としては、旅客不定期航路事業者の経営形態は個人企業が多く、これら零細事業者の経営基盤の強化をはかるため企業の集約を推進する必要があるとのことでございます。 第二に、内航海運業については、近代的経済船の整備と過剰船腹の処理及び内航海運企業の適正規模化が推進されており、特に船舶整備について小型船を対象とした公団融資が望まれておりました。 第三に、港湾運送事業については、業界の自主的努力により、港の実情に応じた集約化、近代化が進み、一貫責任体制の確立と事業基盤の拡大がはかられておりますが、国としての前向きの助成措置を講ずる必要があり、また、港湾労務者対策として港湾運送に必要な労働力の確保、港湾労働者の定着、港湾労働者の福祉等の各対策を強力に推進する必要があるとのことでございます。 第四に、倉庫業については、従来陸運局で所管していた内陸及び冷蔵倉庫関係事務が海運局に移管されて、地方倉庫行政の一元化が実現されております。また、倉庫業は最近の景気上昇を反映して保管貨物は年々増加し、旺盛な庫腹拡充が続いており、さらに、物的流通機構の合理化、近代化に伴い、従来の貯蔵倉庫から流通倉庫へと機能の変化が要求され、倉庫の専用化及び都市近郊流通基地への進出の傾向が顕著であるとのことでございます。 第五に、造船業については、大手造船企業を基幹とした造船業のグループ化等の助長、小型造船企業の統合または協業化、施設の近代化、鋼船技術者の養成等について指導しているとのことでございます。 第六に、船員関係については、近時求職者が漸減傾向を示しているのに反し、求人は飛躍的に増加し、海上労働力の不足は一段と深刻な様相を示しております。これが対策として、若年船員の流入をはかるとともに、船員経験者の再就職のあっせんを行なうほか、広域職業紹介を積極的に行ない求人難の打開につとめております。また、船員に対する厚生施設の整備充実は海上労働力の確保にも寄与する面が大きいので、建設資金等に対する助成措置の強化が望まれておりました。 次に、港湾整備について申し上げます。 私どもは名古屋港、四日市港及び伏木富山港の視察をしたのでございますが、伊勢湾地区におきましては、背後圏の急速な成長に伴う取り扱い貨物量の増大、コンテナ化、フェリー化をはじめとする輸送合理化の進展、タンカー、鉱石船に見られる船型の大型化等により、各港とも施設不足などの問題をかかえております。従来、港湾の開発が湾奥部に集中し、湾奥部の名古屋港、四日市港においては一部に過密化の傾向が見られます。このため、湾を一体としてとらえ、各港と海岸線の特性を生かしつつ効率的な整備をすることとし、開発と保全の要請に応じ伊勢湾地域の調和のとれた発展をはかること、湾奥部は流通機能と都市型工業を中心に湾の東西両翼部は大規模な重化学工業を中心に開発を行なうこと、合理的な物資流通をはかるよう商港を配置すること等の基本構想のもとに整備が進められております。 さきの国会において成立を見ました港湾法の改正により設立されることになった外貿埠頭株式会社は、現在その設立準備が進められているとのことでございます。 また、伏木富山港は背後の臨海工業地造成とともに、港湾整備五カ年計画に基づいて最終年度にあたる四十七年度の港湾貨物取り扱い目標量を一千万トン程度として、基本施設、機能施設等の整備計画が進められております。 なお、富山県当局等地元関係者から、伏木富山港整備事業について、事業費ワクの拡大、伏木富山港地区に新規港湾の建設、臨海鉄道の建設に対一する国鉄の積極的な助成措置及び公共埠頭の公共臨港線事業費予算の確保、富山新港に海事関係諸官庁の合同庁舎の建設等の要望がございました。 次に、海上保安業務について申し上げます。 第四管区海上保安本部におきましては、最近における船舶交通量の増大と大型化等に対処し、海上保安業務を遂行するため、高速かつ堪航性にすぐれた三百五十トン型巡視船を早急に配置するほか、その他の老朽船艇の代替建造を行ない、船艇勢力の急速な増強をはかること、布施田水道周辺海域における安全対策上重要な拠点となっております鳥羽海上保安部浜島分室を海上保安署に昇格させ大型船を配置すること、大規模な開発が予想されております愛知県三河港、松阪港周辺についての海上交通に対処する体制を整備すること、狭水道等における船舶航行の安全を確保するため、情報の提供、信号業務を近代化するとともに、船舶交通の態様に応じた特別な交通ルールを制定すること、並びに廃油等の処理施設の整備を促進し、海水油濁防止法の徹底をはかること等の必要があるとのことでございます。 次に、空港整備について申し上げます。 名古屋空港は二千七百四十メートルの滑走路を有し、計器着陸装置、レーダー等の航空保安施設を備えた第二種空港中最も整備された空港であり、大型機就航に対処する誘導路、エプロンの改修も昨年度に完了いたしております。 当空港を利用する旅客は東海道新幹線の開通により一時著しい減少を来たしましたが、最近は名古屋を中心として四国、九州、北海道等を結ぶ路線の開設によって旅客が増大しており、さらに東南アジア向け国際線の開設とともに新しい発展段階を迎えているとのことでございます。 なお、富山空港につきましては、富山県当局より二千メートルの滑走路を持つ新空港建設促進の要望がございました。 最後に、国鉄の運営状況について申し上げます。 中部支社の営業キロは二千七百二十五キロで全国鉄の二二%を占めており、四十三年度の経営成績は二百六十億円の赤字で、営業係数は一二四であったとのことでございます。これを線区別にみると黒字線は東海道線のみであって、その他はすべて赤字線でございます。従来これら赤字線区に対しては、電化、ディーゼル化等の合理化努力を重ねてきたところでございますが、人件費及び資本費の増高、輸送量の伸び悩みもあり、むしろ赤字額は増加の傾向にあり、今後の方向としては、将来ともに鉄道としての使命を有する線区には、電化、ディーゼル化、CTC化等の近代化投資を行なうとともに営業体制近代化、業務運営方式の刷新等の要員合理化施策を含め、線区を単位とした総合的な経営改善を推進することとしているとのことでございます。 また、美濃太田駅におきまして、高山本線CTCセンターを視察いたしましたが、高山本線のCTCは全国で初めて二百二十五キロという長距離線区に適用したことにより、今後国鉄輸送改善計画のモデルケースとして注目され、要員省力化の効果と保安上の効果並びに列車運転の正常化効果等画期的なスピードアップと輸送力増強に寄与していることが認められました。 さらに、国鉄赤字線の一つである能登線に乗って実情を視察してまいりましたが、沿線人口は減少傾向にあるものの、能登半島における観光開発に伴い、旅客増等も予想されますので、地元住民は将来とも存続を強く希望しているとのことでございます。 なお、富山県等より北回り新幹線の早期着工、冬季交通輸送の確保と輸送力増強、高山本線の複線電化等の要望がございました。 以上のほか、名古屋地方気象台よりレーダー要員の増員及びレーダー施設の充実、本庁舎の増改築、七尾海員学校より教員の増員、訓育手当の支給、プールの新設及び代替練習船の建造等についてそれぞれ要望がございました。 以上、簡単でありますが、報告を終わります。 なお、現地で受領いたしました各資料は調査室に保管させてありますので、念のため申し添えておきます。
○委員長(温水三郎君) 御苦労さまでした。派遣委員の報告を終わります。 —————————————
○委員長(温水三郎君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木強君 最初に、今月の十八日以来、新聞、テレビ、ラジオ等報道機関が一せいに取り上げております、そしていま日本の社会問題になっております新しい公害、光化学スモッグという問題について、私は最初にお尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、理事金丸冨夫君着席〕 新聞の報道を拝見しますと、十八日の午後、杉並区堀ノ内にあります東京立正高校の校庭で、ソフトボールを練習中の女生徒数十人が突然目が痛い、それから吐きけがする、目まいがする、頭痛がすると、こういう訴えをいたしまして、直後倒れてしまった。さらに同じ立正高校のプールで泳いでおりました生徒や学校周辺の住民からもそういう症状が訴えられておるようであります。そして生徒四十三人が救急車などで近くの六つの病院に運ばれ、酸素吸入などの手当てを受けた。生徒の中には、一時呼吸困難になって苦しんだ人もおったようでありまして、九人が入院をした、こういうのであります。このような状態は、そのほか世田谷とか三鷹を含む三多摩ですね、川口市それから新座町等においても発生を見て、大体被害者は三千人をこしているというふうにいわれておるんであります。そして私は、きょうここではっきりしたいことは、この光化学スモッグという新しい型の公害が原因であるかどうかということですね、それをひとつはっきりしたいのであります。アメリカではすでに長い間この問題については検討をされ、自動車公害の中では一番、一酸化炭素よりも危険視されておるという光化学のスモッグに対してはかなりの規制をされ、態勢が整えられておるところと聞いておるのであります。したがって、私はこの事件について、日本政府が一体いままで何をしておったのか、そしてこれからこの問題について具体的に積極的にどういう対策を立てようとしておるのか、これらの点をきょうぜひ質疑の中から明らかにしたいと思います。 そこで、まず最初に被害の状況でございますが、この点について、これは厚生省のほうか運輸省のほうかよくわかりませんが、現在までわかっております状況をひとつ説明をしていただきたいと思います。
○説明員(橋本道夫君) いま先生のお話のございました被害の状況でございますが、私ども昨日、東京都の衛生局のほうと連絡をとりまして、これは昨日の朝でございましたが、東京都のほうとしてはどういうことをしたらよいだろうかという質問を受けましたので、どのくらいの範囲の目を刺激するものがあったのかどうか調べたほうがよかろうということで、保健所あるいは教育委員会の網の目を通じて集まった数が、いま先生のおあげになりました三千数百人の人々が目についての刺激症状を訴えたということでございます。そのこまかな内容につきましては、私どもまだ詳細に存じておりませんが、あした全体の資料をもって私どもの中で検討するということにいたしておりますので、それ以上の点につきましては、まだ十分お答えはできません。 もう一点は、あそこの中にあらわれた話でございますが、立正高校の女の生徒が運動場で練習をしておる最中にこういうことが起こったということが書いてございますが、私どもあの婦女の中で目の痛みを訴えた、あるいはのどの刺激を感じたということは明らかに光化学的スモッグであろう、こういうぐあいに思っております。しかしながら、吐きけを催したとか、頭痛があったとか、あるいは倒れたとかいうこと自身を光化学スモッグに結びつけることは、これは非常に、まずそういうことは起こり得ないという考えを持っております。特にこの点につきましては、どうして女子生徒だけに起こっておるのだろうかということを私ども非常に疑いを持っておるわけでありまして、ほかにたくさん子供もおり、男の生徒もおり、ほかの者にはどうもそういう話がなく、そこにおった女の生徒だけに、運動を激しくしておられた人たちだけの中で倒れたという人が多かったという点につきましては、そこまでの広い症状が光化学スモッグで起こるとは考えておりません。これは私ども専門家ともきのう個別にお話をいたしましたが、やはり大気汚染あるいは衛生の専門家の中では、目の刺激あるいはのどの刺激までは光化学的スモッグと考えられるが、その先の吐きけとか、頭痛とかあるいは倒れたということまで光化学的スモッグだと結びつけるには非常に無理があるというような同一の考えでございます。 以上が現在の段階でございますが、植物の被害等につきましては、また植物の専門家に聞こうと現在のところいたしております。
○鈴木強君 あなたに被害の実情と調査を伺ったところ、私がさっきおおよそ述べた三千何名という程度のことしか答えていない。その程度の調査しかしておらないで、少なくともいまあなたが断定するような、目の痛みとかのどの刺激は、これは光化学的スモッグかもしれないが、そのほかについてはそうは言えないと断定しているのだね、少し軽率じゃないですか。もう少し被害の実情というものを把握されて、個々の病人、被害者についても身体検査をもっと医学的に、科学的に分析検討されて、その上で断定すべきであって、ろくな被害調査もしないのに結論だけ間違いないようなみえを切られては迷惑ですよ。被害の状態だって、東京都から聞いたと言うが、けさの新聞読んだんですか。けさの新聞には、三多摩の三鷹に三百八十九人、田無に五十四人、保谷三十六人、武蔵野三十三人、調布三十四人、八王子十六人、府中三人、立川六人、世田谷四百七人、目黒二十二人、渋谷八十三人、新宿二名、千代田一名、文京五、豊島四、中野四百十三、練馬七十三、板橋七十五、しかも、かなり内容を見ると各新聞によって違いますが、詳細に具体的な症状等についても述べておりますが、だからもう少し被害の範囲、これが一体どういう状態の中で発生してきたか、そういうことまでもう少し深く突っ込んで、それで断定をしてもらわないと、ちょっといまの段階ではそう言われても被害の状況が不十分な中ではちょっと受け取れない、再考してください。
○説明員(橋本道夫君) 完全に断定ととられるような言い方をしましたのは、私の申し方が非常に不十分でございました。私どもの専門家の中で論議をしてみました結果、そこまで光化学的スモッグで全部説明することには、非常に無理があるのではないかということでございますので、私どもその点につきましては、慎重に調査をいたしたいというぐあいに考えております。 もう一点、先ほど申し落としましたが、入院いたしました樺島病院のところに私どもの医師の技官を派遣いたしまして、主治の先生といろいろお話をしたり様子を聞いたりしております。この段階では特に取り立ててこれと結びつけて考えられるというような議論のところまでは主治の先生方も発展して意見を申し述べておらなかったということを申し添えておきたいと思います。私ども、この点につきましては十分調べたいと思いますが、大かたの専門家が全部論議をしたところでは、そこまで解釈するのには無理があるのではないかという意見だったということでございますので、断定という意味ではございません。申しわけございません。
○鈴木強君 ですから、問題を現在、こういう先生とこういう先生と私どもで検討した結果、こういうデータのもとにおいては、これは光化学的だと思います、そのあとについては、さらに詳細なデータを集めてその上で検討をしてその原因というものをすっきりする、 〔理事金丸冨夫君退席、委員長着席〕 こういうふうに理解をしていいですね。そうでないと、話が合わない。
○説明員(橋本道夫君) いま私ども相談いたしましたのは、公衆衛生院の鈴木先生、これは光化学スモッグの点で調査等いろいろお願いしております。慶応の外山先生、この先生は大気汚染の日本の最高権威でございます。そういう方々とは私ども話をしておりますが、いずれの方も目の刺激、呼吸器の刺激までは確かに考えられるが、その先のことについては非常に説明に無理があるのではないかということでございまして、これは光化学的スモッグ以外に何かあったのではないかということについては十分調査をしてみたいということでございました。そういうことと御承知を願いたいと思います。
○鈴木強君 私は最初に被害の状況を伺ったところが原因についてまであなたが述べられたわけですが、それはいいでしょう。しかし、新聞で見ると、かなりの人が入院をしておりますね。入院をして治療を受けた方は何人おるんですか。いま現在は入院している人はないのですか。
○説明員(橋本道夫君) 昨日の段階で聞きました範囲内におきましては、入院された方々が退院されて、まだ数名の方が残っておるというふうに聞いております。私、正確な数字はちょっと持っておりませんが、五名以下の人数だったというふうに思っております。それからその次の朝になってから来られた方がおるということでございますが、この方は入院をしたのではないというふうに考えておりますが、正確な入院数はいま持っておりません。
○鈴木強君 これが光化学スモッグであるという一部の問題について結論を出したわけですね。そうすると、光化学スモッグに対する対応策、治療は一体どうしたらいいかという医学的見地に立っての検討は進められておるのですか。たとえば被害者を運び込まれた先生の意見を聞いてみると、運び込まれたとき四人は血圧が一〇〇以下に落ちていた。普通、運動選手では考えられないことで、気管の炎症も見られなかった、ちり状のものが肺まで入ったものだろうと考えられるが、何が原因かわからず、初めての経験だったからとりあえず酸素マスクをかけ、強心剤を打って対症治療をしたが、こんな治療を続けているのはこわいことだと、こう専門の先生が言っておられた。だから、光化学スモッグだということがわかったら、厚生省としては直ちにこれらの被害者に対してどういう治療をしたらいいのかという適切な指導をされましたか。
○説明員(橋本道夫君) いまお話のございました光化学的スモッグとして起こります病変は、決してスモッグとして特異な症状、治療を要する病変であるとは私どもいままでのところ発見しておりません。目を刺激したという問題あるいはのどの刺激ということの問題等ありますが、いま先生のおっしゃいました吐きけとかあるいは血圧が下がったというような問題につきましては、通常、日射病とか、あるいは運動の場合熱代謝のバランスが狂って、そういう状態も出てくるということもございまして、それに応じた治療が適当かと思います。ただ、私どものほうから直ちにお医者に対してこのような治療をせよというようなことは特段に申しておりませんが、この点については今後医師会のほうともよく連絡をとりまして、環境と健康という問題で話し合いの場を通じて、その中で専門家の意見をどしどし生かしていきたいと思っております。
○鈴木強君 あなたは環境衛生局の公害部のほうですね、管轄は薬務局ですか、何というところですか。
○説明員(橋本道夫君) 医療制度のことにつきましては医務局でございます。
○鈴木強君 だから、医務局のほうがもっと的確にこういう新しい公害に対する対症治療ですね、こういうものを研究しておるんですか、おらないんですか。あなたは公害のほうですからね、その点まで触れられることはどうかと思うんですが、私も聞くほうが無理かと思ったんですが、ただ先生方の意見を聞いても、各種の大気汚染の濃度や気象条件、付近の住民の健康状態などを克明に調べることがまず先決だと言うんですよ。そうしてその上でもって物質を鮮明にしていかなければならぬ。したがって、先生方もこういう新しい公害に対する治療方法については自信を持てないでしょう、医学的に解明されておりますか。こういう問題が降ってわいたように出てきたわけですから、したがって、その治療方法についても、この先生が正直に言っているように、実際よくわからぬけれども、酸素マスクをかけて強心剤を打った、しかしこれもこわいことだと、こう言っているように、自信がないんですよ、これは。もし、こういう対症療法について統一的な一つの療法が研究されておらないとすれば——これはこのスモッグ対策、直接の対策の中に入るかどうか知りませんけれども、入ると思いますけれども、一方、対応策というものが何らなされてないんだ、日本の場合には、医学的に見ても。そういう点を私は非常に憂えるわけですよ。ですから、もう少し医務局の専門家に聞かなければわからぬと思うんだけれども、こういうものに対する統一した治療方法というものももっと深く研究をしておく必要があるんじゃないですか。それがまだなされてないんでしょう。
○説明員(橋本道夫君) いま先生からのお話のありました点は、私ども、現在の医学の中では環境と人間の健康という点につきまして非常に不十分な面があるということで、現在、省内の公害対策協議会の中で私どもはそれを主張をいたしておりまして、これは環境衛生局だけで対応できる問題でなしに、医務局とか、あるいは保険の給付の問題とか、そういう面ですべて対応しなければいけないということを申しております。そういうことで、省内では検討が始まっておるということでございます。また、医師会のほうともこれはよく連絡をとっていきたいということでございまして、慶応の外山先生は医師会のほうのいろいろリードもいたしておられる方でございますので、そういう方々とも関係をとりたい。また、東京都のほうでも公害の保健部門というところがございまして、そこの長岡先生という方、新聞に名前がよく出ておりますが、そういう方々とよく連絡をとってこういう問題については進めたいというように思っております。現在の段階ではまだきわめて不十分でございます。
○鈴木強君 どうも、医学的に見ても、あるいは科学的にこれを防ぐ方法についても、非常に対策がおくれておる。これは明らかに政府の職務怠慢だからね、関係者の一そうの奮起を私はお願いしますよ。実際こういうことが、一九七〇年の時代に、医学も進み、情報もどんどんと集められる時代に、アメリカでは相当な対策を考えてやっているにかかわらず、日本においてはこういうものを測定する器械すらまだ十分にやられておらないし、対策が非常におくれているということは、被害を受けた国民とともに、私は心から憤激をしているんです。こんなことで、実際、あなた方は国民に対して相すまぬと思わぬですか。私は、きょうは厚生大臣が出ておらないから、一担当課長に言うのは酷かもしれませんけれども、全くこういう新しい公害に悩まされる立場から見ると迷惑千万。しかも、それが人為的に防げるものであるならば、なおさらその施策のおくれていることを憤激すると思うんです。そういう意味で申し上げているわけですから、ひとつ大いにあなたも、担当の直接の課長として肝に銘じておいていただきたいと思います。 それからこれより先、先月の二十八日にも、木更津、江戸川、葛飾にかけて今回と全く同じような状態が発生しておりますね。そのときにはいまの倍の六千人が、まあ被害は軽微だったかもしれないけれども、こういう状態を経験しているわけですよ。そのときに、おそらく光化学スモッグではないかというふうに見られているんですけれども、たとえば江戸川とか葛飾区内のツマミ菜、小松菜、ネギ、サラダ菜、こういうものの緑色の部分が完全にまっ白に脱色しているというような症状が起きているんですね。一体、この先月二十八日に起きた、こういった症状を呈したものは何だったか。この正体もつかめておられるんでございましょうか。 それから今度の立正学園の校庭のケヤキの木の葉がたくさん落ちた。そうしてその落ちたものを見ると、何か縮まっちゃって、ちょうど火で焼いたような形になっているというんですね。こういう問題が非常に私は心配なんです。このスモッグが、新しいスモッグがそういうところまで具体的に植物に影響を与えているということになりますと、食べる野菜なんかについては、たいへん問題になると思うので、それはだいじょうぶなのか、どうなのか、国民が安心できるような答弁をしてください。
○説明員(橋本道夫君) いまの御指摘のございました千葉の件でございますが、あのときにおきましては、私ども千葉県にさっそく連絡をいたしまして、千葉県としてした調査、これはもう非常に、どの程度のそういう人がおったかというような荒い調査以外にはございませんでした。ただ、私どものほうで千葉に一つ測定点を設けておりまして、そこで窒素酸化物についてははっきり濃度が出るようにしておきましたが、窒素酸化物の濃度については、特に高い異常を示したものはなかったということでございます。硫黄酸化物につきましても、特に高い異常を示したものはなかったということでございまして、千葉の件につきましては、光化学的スモッグではないかという議論につきましては、今回の東京以上にどうも見当がつきにくいという問題でございます。 それから植物の問題でございますが、私どもはアメリカの文献等で植物につきましての被害というものについていろいろ見ておりますが、ちりちりとなって落ちてしまったというところまでのことが光化学的スモッグで起こるというところまでは、書類ではいままでございません。何かほかの汚染物質があったのではないかという感じもいたしますが、これは公衆衛生院の大喜多室長が申しております中に、光化学的スモッグとしては、斑点のような非常にこまかい点が全部出てくるはずだ、そういう形ではない、というふうな議論もいたしておりますが、この点につきましては、やはり植物の専門家のほうと組んで研究を進めていきたいというような考えを持っておりますが、私ども現在の段階では、葉が落ちたのは光化学的スモッグだというところまではまだまいっておりません。 ただ、この光化学的スモッグのことで非常に御心配でございますが、現在までのところ、これはロサンゼルスのデータでございますが、一時間値〇・一五をこえる日にちが年間で二百日前後でございまして、最高が〇・七八、窒素酸化物、オキシダントの濃度では日本よりもはるかにひどうございます。そこの中で、いま言った植物のほうがそうなったということで、それから人間に問題が生じたというケースは現在までは一切ございません。ですから、そういう観点からのいままでの基礎はないということでございまして、私どもは、植物は植物の被害としてやはり究明しなければならないという考えを持っているわけでございます。
○鈴木強君 そうすると、先月二十八日のあの光化学スモッグではないかという国民の心配に対しては、いろいろ研究をした結果、光化学スモッグだということの断定は非常にむずかしいというわけですか。そうすると、一体何にやられたわけですか。そういう結論はまだ出ていないんですか。
○説明員(橋本道夫君) そういう結論は出ておりません。光化学的スモッグではないかという可能性はあると思いますが、今回の東京の場合には、これは厚生省が光化学的スモッグの問題が起こるだろうということで、昭和四十年度来やっておりました測定ステーションのデータとして、はっきり光化学的スモッグが異常に高くなっておったというデータがあるわけでございます。そういうデータもございますので、東京の場合には確かに光化学的スモッグを裏づける測定データがあった、しかしながら、千葉の場合には、そのデータは出ておらなかった、こういうことでございます。
○鈴木強君 たまたま千葉にはそういう測定器みたいなものはなかったわけですか。それでその原因が追及できなかったということなんですか。この設備に欠けるところがあって、とうとうそのときには原因追及ができない、これからももうできないんだということですか。
○説明員(橋本道夫君) おっしゃいましたとおり、オキシダントのレコーダーといいますのは、現在日本に二台でございます。非常に弱体な情勢でございます。それから大気汚染の問題は、あとから追及するということが非常にむずかしい点がございます。風のように去ってしまうということもございまして、この点を完全にあとになって明らかにせよということにつきましては、私どもは不可能だと存じます。千葉の、前のデータも、今回、あした開きます会議のときに持ってきてもらって、全部、合同検討をもう一度してみようということはいたしたいと思っております。
○鈴木強君 風のように去ってしまって、あとから原因を追及するのが非常にむずかしいということは百も承知ですね。そうであるならば、いま日本で自動車が千五百万台ぐらいになったでしょう。東京都内で二百万の車が走っているわけですね。いわゆるモータリゼーションの時代に入って、都市の中に自動車の排気ガスというものが非常に多く排出されている、こういうことはもうよくわかっているわけです。アメリカとの経験交流をしても、そういうことがわかっているはずですから、なぜそれではもう少し光化学性スモッグに対する研究対策というものをとれなかったのですか。われわれから見ると、いまになって、二台しか測定器がなかったとか、したがってそこではもう全然測定できませんでしたということを言われても、何をしているのだということしか出てこないのですよ。これはあなた方が要求をして予算を国会で切られたとか、大蔵省に出したけれども大蔵省で削ったというならば、それははっきりしてくださいよ。そうでなくて、百も承知であるが、そういった具体的な一番大事なデータを測定する器械すら、施設すらつくってなかった、購入してなかった。何たる職務怠慢ですかね。
○説明員(橋本道夫君) いま先生のお話のございました測定器の問題でございますが、私どもは三十七年にばい煙規制法が通りましたときに、必ずこの問題が起こるということで、オキシダント・レコーダーからすべての自動記録測定器を科学技術庁の研究を経て開発をいたしました。ところが、オキシダント・レコーダーだけはどうにもうまくいきませんで、そこでどうにも国産化できないという羽目になりまして、昭和四十年度に国設大気汚染測定網を張ったときに、これはアメリカから輸入しまして、そして大阪と東京都に入れたわけでございます。ところが、その輸入した器械そのものも、やはり日本におきまして動かしてみましたところ、あまりうまくいかないということでございまして、この点につきましてはアメリカの専門家が来ましたときに合同検討をいたしまして、こういう点を直してみたらどうかというようなこともありましたが、少し直してやっと四十二年から初めてこれはデータが出るようになったというようなところでございます。そういう点で、オキシダント・レコーダーそのものに非常にわれわれ難点があったということでございました。基礎研究として私どもは、この光化学スモッグにつきましては、四十三年から日米の協力の問題として取り上げ、あるいは科学技術庁の特調費の問題として取り上げ、あるいは国設測定網の中に入れるということを始めながらいたしてきておりましたが、まだ十分、いま先生おっしゃいましたように、あらゆるところに張りめぐらすというところまではいってないわけでございます。これは測定計器を張りめぐらします場合に、常時監視ということが大気汚染防止法の中にございまして、大気汚染防止法の物質としてはっきり出てきますと、常時監視しなければならないということで、大蔵省のほうもどんどん予算をみるわけでありますが、光化学的スモッグというものは非常にまだ研究段階のものが多かったわけでありまして、まだ法律として常時監視の中に入っていないということで、私どもとしては十分網の目を張りめぐらすことができなかったというわけでございます。そういう点は非常に申しわけなかったと思っております。
○鈴木強君 お役人さんというのは、確かにやりたいと思ったけれども、法律が通ったけれども予算がないとかまあ逃げるわけですけれども、それはそうしなければその場がうまく通らないからやるのだろうと思うのだけれども、私どもは、実際に二台購入して、当初機器が日本にうまく適合しなかったかどうか、これは専門家の方にまかせますが、しかし現実に、いまあなたのおっしゃった、東京都においてはこの測定器において濃度が高かったということを認めておるわけでしょう。そうであるならば、その後輸入したものにあっても測定器というものが日本に適合するように改造されておるはずですよ。だから、もし日本で製造ができないならば、アメリカと、この情報化社会の中ですから、大いに貿易自由化、資本自由化の中で、そういった国民の命を守る大事なオキシダント・レコーダーというものはアメリカだって喜んで日本が要請すれば出してくれると思うのですよ。だから、そういった一連の行政の中でもっと前向きにやってほしかったということを私は言っているのですよ。だからして、法律問題なんかを出されて言われたって私たちはちょっと通用しませんから、もう少し足りない点は足りないで率直に反省をして、今後これらの測定器についても日本で独自に開発できるものなら早く開発して実用化されるように関係省と連絡をとりつつやってもらう、メーカーの人たちも督励してやっていくということも当然でしょう。そういう点についてとにかくできるだけ、風が吹いたあとは風とともに去っちゃって、あとで私たちが聞けばどうもそれはつかみようがないのだ、そういうことではいかぬのじゃないですか。だから、そういう一番大事なことは、もし原因があった場合それを追及できるようなものをおおよそ大都市周辺とかその辺に設置しておくということは当然じゃないですか。法律がどうあろうと二台買っているのじゃないですかということを私は言っているわけです。だから、まあひとつ、大臣がおればそういう政治的な答弁をするだろうと思いますが、あなたは事務屋ですから法律とかなんとか言わなければならぬと思うのですが、そういうことでは相すまぬです。足りない点はひとつ大いに反省をしていただいて前向きにやってくださいよ、それはいかがですか。
○説明員(橋本道夫君) いま先生のおっしゃいましたように、私どもこの点について非常に努力が足らなかったということを思っておりますので、これは大いに網の目を張るということでそういう施策を伸ばしてまいりたいと思います。 もう一点だけつけ加えさせていただきたいと思いますのは、現在のオキシダント濃度にも非常に問題があるということでございます。これは非常におかしなときにオキシダント濃度が出るということでございまして、真冬の真夜中に出るという数字がございまして、これはオキシダント・レコーダーとしておかしいのではないかという議論がまた別の専門家の間にあるわけでございます。その点の解明をいたすということで、現在日米協力の中で、きょうも新聞に載っておりますが、少し別の器械を開発をいたしまして、それがちゃんとのればルートにのせていくという考え方を持っておりますが、そこまで待つことも何だと思いますので、できるだけ広く、私どもは来年度の予算要求を、実は今回の問題が起こる前からそういう予算要求を組もうということでやっておったやさきでございまして、ちょっと時間的におくれまして恐縮でございますが、できるだけの努力をいたしたいと思っております。
○鈴木強君 われわれも大いにそういうものに協力しますから……。 そこで、もう一つ質問の中で残っているのは、立正高校の庭にあったケヤキの葉っぱが縮れ落ちていますね、それと二十八日の江戸川、葛飾区内で起こった野菜の緑の部分が、緑色素の部分がまっ白になってしまったというのです、緑が脱色しちゃった、この件についてはいま検討されているのですか。そして野菜を食べた場合、たとえば人体に対しては何か特別の悪い影響があるのか、そういうことを追跡研究はしておられるのでしょうか。
○説明員(橋本道夫君) いま御指摘の点につきましては、一つは、天然色のきれいな写真をとっておくということと、サンプルをとっておいてそれを一回分析をしてみようということをきのう私どもの中できめまして、その手配をいたしております。判断は、これは植物の専門家にしてもらわなければならないと思っております。 もう一点は、オキシダントの酸化作用ということでございまして、別に特殊な物質が入るというわけではございません。そういうことで、ほかのいたみということと同じでございまして、特殊の毒性の物質に変わるということは、これは従来全くないということでございますので、その点の心配はないと思っております。
○鈴木強君 時間も制約されておりますから、いずれこの原因追及についてはもう少しまたあらためてお尋ねすることにしますので、ぜひひとつ徹底的にこの際総動員をして原因追及に立ち上がっていただきたいと思います。 それから次には、そういう中でひとつ当面このスモッグを防ぐためにどういう措置をしたらいいかということについて伺っておきたいのですけれども、いま大気汚染防止法なんかも公布されて実施に移されているわけですけれども、御承知のように、一酸化炭素、亜硫酸ガスについては——一酸化炭素はいよいよ規制が始まるわけですね、八月一日ですか、それでいま問題になっております炭化水素HC、それから窒素酸化物NOですね、この排出規制というものは今日全然野放しにされておってやられておらないわけですね。これは大気汚染防止法で運輸大臣の完全専管事項になっている。これはただ衛生基準、環境基準をつくる場合には厚生大臣と相談する、こういうのですね。これは運輸省の本来の仕事と思うのですけれども、とりあえずこの炭化水素あるいは窒素酸化物の規制ということはどういうふうにしてやられていくのか、それから一酸化炭素以外の排気ガスの環境基準というものは一体どういうふうに検討されているのか、これは厚生省の関係だと思います。あとのほうは、これはひとつ基本方針だけちょっと教えてください。
○説明員(橋本道夫君) 第一点でございますが、これは七月の十八日付で運輸大臣あてに厚生大臣の意見が出されております。これは先生のいま御指摘のございました、当面、大気汚染防止法で指定していない炭化水素というものについてぜひ規制すべきものであるということを強く運輸大臣に要請しております。それが七月十八日に出ております。なお、本件につきましては四十三年十二月の運輸大臣に対する要請の中にも入っておりましたが、この点につきましてはあとで運輸省のほうから——非常に積極的な対策を打つというお話でございましたので、運輸省のほうからこまかなお話があると私ども存じております。 それから第二番目の環境基準の問題でございますが、これは非常に学問的にむずかしい問題がからむわけでございまして、炭化水素と窒素酸化物と光化学的オキシダント、この三つがからむわけでございますが、私ども現在の段階では粉じんに最重点を置いておりまして、秋までに上げようといたしております。いままでのスケジュールでは、この粉じんについてすぐさま窒素酸化物、炭化水素と光化学的スモッグということを一括した専門委員会を発足させて、そしてそれによって環境基準を一年以内につくろうということでございますが、正式の基準になるまでにもこれは放置しておくことはまずかろうということを考えておりまして、幸い一番最新のデータ等につきまして、ちょうど土曜日にアメリカから着いた資料もございますし、そういう資料を持ちながら当面暫定的にわれわれがどう考えるかということを厚生省としてはまず整理をしたいと思っております。それから、できればそういうようなものが、この秋ごろまでには暫定的な基準というものに若しなることができれば非常にけっこうだと思っておりますが、私どもは全然その基準については何の腹案もなしに臨むということはないようにいたしたいと考えておるわけでございます。
○説明員(野村一彦君) 運輸省といたしましては、この自動車の排出ガスの対策につきまして関係各省と連絡をとりながら対策を講じてきたわけでございますが、従来は運輸技術懇談会という大臣の私的諮問機関がございましたが、これが先般の機構改革によりまして正式に運輸技術審議会となりまして、そこの自動車部会で検討してまいりました。それでとりあえず基本計画を実は昨日中間報告として部会からいただいて、これはやがて総会を経ました上で大臣に正式な答申として出てくることになりますので、これはもう近日中に正式な答申になると思いますが、それの線に沿って努力をしたいと思っております。 いままでにとりました措置といたしましては、先生御指摘のように、ただいままでは、排出規制としては一酸化炭素がおもでございまして、炭化水素あるいは窒素酸化物等についての規制はございませんでしたが、先般省令を改正いたしまして、炭化水素の有力な原因になっておりますエンジンの中のブローバイ・ガス、これの還元装置というものをつけるように、これは新車につきましては、本年の九月一日以降の新型車、これにはブローバイ・ガス還元装置をつけるように、また継続される新しい生産車につきましては四十六年の一月一日以降はこのブローバイ・ガス還元装置をつけるようにということを規定をいたしました。したがいまして、これは近い将来に行なわれるこことになっております。 窒素酸化物につきましては、これは窒素酸化物だけではございませんが、今回の措置ではまだ直ちに残念ながら規制をするというところまで至っておりませんが、私どもとしましては、この答申の中に二つの大きな目標がございまして、この一つの目標は、昭和四十八年度と昭和五十年度とこの二段階を踏みまして、まず昭和四十八年度におきましては昭和三十八年度、それから昭和五十年度におきましては昭和三十六年度、つまりこの三十六年度と三十八年度といいます年度は、従来の調査によりますと、自動車道におきましては人体への影響はありましたが、歩道とかあるいは歩道から離れたところにおいては排出ガスの影響というものが直接人体に悪影響を来たすことがなかった環境の状態でございますが、その当時にその時期までに還元をしようと、そういうことに二段階の目標を置きまして、そこで一酸化炭素、それから炭化水素及び窒素酸化物等につきましても許容量の濃度だけではなくて、最高限を押えるのではなくて、許容量とそれから自動車全体から出てきます重量、全部の量のマキシマムを押える、そういうような基準をつくりまして、そしてその基準に応ずるように、一方では、まず第一の手段としてはメーカー等に働きかけてエンジンの改良をやる、これは内燃機関の改良を進んでやってもらうように要請をする、そして四十八年度にはそういう目標が達成できるような規制をしたい。次いで、どうしてもエンジンの改良で間に合いません場合は、今度はその排出の清浄装置といいますか、そういうものを装置することを義務づけるような措置を講ずる。ともかく、いま申し上げました四十八年度と五十年度の二段階に、現在よりもずっと低い昭和三十六年度あるいは八年度の状態に持っていくように規制を加えたい、こういうことで取り組んでおります。 以上でございます。
○鈴木強君 まあ運輸技術審議会の自動車部会がきのう発表されました基準については、私も拝見しました。かなりなまぬるい点は私はあると思いますけれども、しかし一挙にはなかなかむずかしかろうと思いますので、最低限あの技術基準というものは実施していく。そして、答申がいつごろお出になるかわかりませんけれども、出たら、この基準は省令か政令でやれるわけですか、法律改正は必要ないわけですか。
○説明員(野村一彦君) 答申は、もうあとは手続の問題でございますので、一週間程度で正式に答申となって出ると考えております。 それから、それを実施するための手段は、これは関係各省といろいろ御相談はいたしますが、ほとんど大部分は省令の改正でできることでございます。
○鈴木強君 ぜひそれは促進をしていただいて、抜本的な対策の一助にしていただいて、将来は無害車というものをつくっていただくように大いにまた技術研究をしてほしいと思うんですね。 それから、八月一日から実施される道路運送車両法に基づく保安基準ですね、これは一部改正されたことはいま局長がおっしゃったとおりですね。炭化水素対策としての問題はわかりました。これは非常に私もけっこうだと思います。 それからCO対策では、けさの新聞を見て私もちょっと驚いたんですけれども、COメーターがないそうですね、警視庁にも。国産の七社九機種というものが発売されているのだけれども、各社ともその需要に応ぜられないような状態で、月産一千台くらいしかできない、肝心な都内二百万の車を取り締まる警視庁でも新しいメーター一台もないそうですね。全くお手あげだという記事を見たんです。軽四輪と軽二輪を除く車検の必要なすべての自動車が対象になっておったが、軽四輪あるいはLPG車ですね、今度これも基準改正で規制することになったでしょう、これもけっこうだ。けっこうだけれども、実際には、それを取り締まる測定器がないということは一体どういうことかと私は思うんですね。これは陸運局のほうで、都内だけでも民間の車検指定自動車整備工場というものが四百二十三社ある、指定を受けてないのが七千社ぐらいある。ところが、大事なCOメーターというものが指定されている整備工場にも二割ぐらいまだないというのです。一体これはどういうわけなんですか。
○説明員(隅田豊君) 先生御指摘の、本日の新聞に出ていた件でございますが、それ以前に、私たち八月一日から強制をいたしますのに、当然の問題といたしまして器械の開発普及については手をいろいろ打ったわけでございます。私たちのほうの調査によりますと、これは七月八日現在でございますが、全国で指定整備工場——この排気ガスの測定装置を持つことを今回義務づけられた工場でございますが、この工場の数が約三千八百ほどございます。この三千八百ほどある工場の中で、七月八日現在ですでに九〇%の工場に器械は全部入っております。それから残りの一〇%でございますが、私たちのほうの八日現在で調べましたところでは、七月中で全部指定整備工場のほうには器械が入る予定になっているというような報告を受けておりますので、一応指定整備工場に関しましては問題がないものと考えております。 それから、もちろん指定整備工場以外にも持ちたいという整備工場もある場合がございますので、たとえば警察庁なり関係のほうから使いたいというような御希望もあるかと思いますが、現在までに一酸化炭素の測定器でもって出荷されたもの、六月一月分だけ見ましても、われわれのほうで調査いたしました結果によりますと、一万六千ほどの測定器が出荷されております。したがいまして、八月一日までの状態で整備工場あるいは警察当局のほうでお使いになりたいという場合に、器械がないためにお困りになるということはないんじゃなかろうかと実はいままで考えていたわけでございます。本日の情報も見ましたので、もう一ぺん再調査をしたいと考えておりますが、現在までのところは以上のとおりでございます。
○鈴木強君 この整備工場を運輸省が指定される場合、何かその基準らしきものがあるわけですか。たとえば、いまの一〇%は少なくとも入ってないことは認めたわけですね。最低限、運輸省が指定する工場にCOメーターがなくても指定するというような、そんなずさんな基準なんですか。一体それはどういう基準ですか。
○説明員(隅田豊君) ちょっとことばが足らなかったようでございますが、指定整備工場と申しますのは、普通、俗にいわれている民間車検を行なえる工場でございます。これは、最近制度を改正いたしまして、車検で一酸化炭素の測定をやるということになりましたときに、従来すでに指定を受けました工場に新しく一酸化炭素の測定器を持つことを義務づけたわけでございます。それの実際に行なわれますのは八月一日からでございますので、制度が発足するよりも前から行政指導をし、メーカーの指導をしながらやってきたわけでございます。先ほど申しましたのは、七月八日現在で九〇%が入っていたということでございまして、しかも、その状態のときには残りの一〇%がすでに注文をしておりまして、しかも、メーカーのほうから間違いなく納められますという確約を得ているということをわれわれの調査では聞いております。
○鈴木強君 まあ法律なりあるいは政令なり省令によって一つの基準を示してやるのは八月一日としても、いまお話のあったように、少なくともその車検を受ける民間整備工場に最低限COメーターがないものを指定するということは、私はちょっとおかしいと思うんですよ。ですから、そういうものは設置してから指定したらどうですか。それから民間の指定されてない整備工場についても、相当の数があるわけですけれども、これらについてもやはり車検のための整備をしている場合があるかもしれませんが、そうでなくても、これからCO規制をしようとするときですから、その場合にCOはどうかということを測定していくことが必要でしょう。それをやるとおたくがきらわれるのですか。やっぱり自動車を持っている方々にも大いに協力してもらわなければならぬことですから、行政指導のときに深い理解を持っていただければ大いに協力してもらえると思うんです。ですから、一台十五万か五十万か知りませんけれども、たいした金でもないようですから、これはさっそく行政指導の面でも、指定されるされないにかかわらず、最低、COメーターぐらい備えるようにやってくださいよ。そうでなければ、せっかくあなた方のやろうとする基準がザル法になってしまって、何か知らぬけれども、底抜けになってしまうわけですけれども、その点どうでしょう、ひとつやっていただきたいと思うんです。
○説明員(野村一彦君) ただいま先生の御指摘の線に沿って強力に行政指導をいたしたいと思います。
○鈴木強君 それで将来のある程度のめどというものはわかりました。実は当面一体どうするかということですね。東京都が二十日に緊急公害対策会議というのを開かれて、そして一つの結論を出された。これはきのうの夕刊にもずっと載っております。これは私は繰り返しませんけれども、東京都のほうではとりあえず予報体制ですね、警報体制というものを確立しようと、そのためには都内を三多摩を含めて大体三つに分けまして、そこに一つ一つのオキシダントの濃度測定器というものを置いて、そして常時その測定器によって出てくる濃度を監視し、その濃度が〇・一五PPMですかになったときには——これはちょっと違いましたかな、ロサンゼルスよりもちょっと強い規制をしているようですね。そういうような方法を一応とろうとするわけですね。そしてとにかく、そういう濃度が高くなった場合には、学校の生徒は、運動場におったらすぐ室内に入るとか、道路におる一般の人たちは家の中に入るとか、そういうことによって第一段階をのがれていく、退避していく。それから第二段階になってくる場合には、今度は自動車の通行を規制するとか、工場の排煙をある程度規制するとか、そういうことをやろうというわけですね。この点はぜひひとつ皆さんからちゃんと聞いておきたいのですが、たとえば交通規制については都の権限ではない。したがって、その予報を出しましてもそういう面では完ぺきな措置が講じられない事態が出てくると思うから、そういう点をひとつ警察庁なり皆さん、政府として十分にその体制をしいているわけですかね。東京都がやろうとすることに対して、そういう地方自治体の権限外に属するようなことについては積極的に政府がその点をひとつめんどうをみる、そういうことによってとりあえずは予報体制というものを整備し、確立することによって、このおそろしい光化学スモッグというものから退避をしよう。そしていまさっき問題になったような点を逐次政府としてもやっていただく基本的な対策にしたいというわけですね。この点については、内容は私は繰り返しませんけれども、都のほうできめたこの当面の暫定的な予報対策、退避対策といいますか、そういうものに対して政府は積極的に協力してほしいと思いますが、どうですか。
○説明員(野村一彦君) ただいま先生のおっしゃいましたこの排気ガス対策に対する総合的な取り締まりと申しますか、行政指導と申しますか、これはそれぞれ各省の分担がありますので、各省で十分協力をしてそれぞれの面に応じてやることになるかと思いますが、私ども運輸省といたしましては、先ほど申し上げましたような基準を早目に設定をして、そうして事前に、前広にメーカーあるいは自動車整備業者等にそれを励行するような措置をやるということになるかと思いますので、ただいま先生のおっしゃいましたようないろいろ外部に対する指導とか、交通規制とか、それは関係各省のほうとも連絡をとって、そちらのほうでいろいろおやりくださるものと考えております。
○鈴木強君 東京のは——ちょっと私さっき失礼しましたが、注意報と警報に分かれておりまして、注意報の場合にはオキシダントの濃度が〇・一五PPMのときですね。それから警報は〇・三〇PPMというふうに了承しているわけですけれども、これはアメリカの自動車が一億台というんですね、しかし日本の領土の四十倍の広さですから、日本がかりに千五百万台としても、相当基準は高くしておかないと合わないように思いますので、そういう意味で、美濃部都知事がきのう御発表になった基準は、非常に実情に沿った、時宜に適したことだと思うんですね。問題は、くどいようですけれども、都心への乗り入れの規制とか、それから一たん警報が出た場合に、どういう地域の車はストップするとか、工場の排気、排煙は工場の操業を停止してもらうとか、こういうふうな措置をやっぱりとらなきゃならぬわけですね。きょうは、ひとつ大臣もいろいろと手違いがあって出ておらぬわけですから、いま局長がおっしゃったようなことについては、われわれは当面どうしてもやっていただかなければならぬ問題だと思いますので、ぜひひとつ大臣にもこれを伝えて、関係の省間でも十分な連絡をとって、東京でやろうとするようなそういうことについて支障のないようにしてもらいたい。これはもう一回確認しておきたい。 それから、おそらく東京だけではなくて、こういう現象はこれからも大阪とかあるいは名古屋とか横浜とか、都心地域には、かなり自動車の多いところには出てくると思いますから、さっき厚生省に対しては私は意見を申し上げましたが、厚生省には測定器について申し上げましたが、あわせて、そういう予想される地域に対して万全の措置をとっていただくようにくれぐれもお願いしたいんですが、ひとつ大臣と十分連絡をとってやってもらいたいと思いますが、もう一回、局長から答弁していただきたい。
○説明員(野村一彦君) ただいま先生から御指摘がございましたが、橋本大臣、日韓会談で韓国にいらっしゃるものですから、実は答申のあります前日に、大臣に、明日はこういうおそらく中間報告があると思いますということで御説明申し上げました。大臣も非常に関心を持っておられまして、こういう交通安全や公害対策というのは何よりも優先してやらなければならないから、自分も閣議で十分これを取り上げて、関係各省の協力を求めるからということがございましたので、私どもも事務的レベルで努力しますが、いまの先生のお話のように、大臣にも重ねて先生の御要望をお伝えして、各省との連絡を十分密にしてやっていくようにしたいと思います。
○鈴木強君 この件は、これで終わりますが、最後に資料を要求しておきたいんですが、被害の状況についてまだまだ十分に調査がやられておらないようですけれども、これは厚生省のほうでおやりになるか、どこの官庁でおやりになるか、それはそちらで考えることにしていただいて、被害の起きた地域ですね、地域別、それから被害者数、それから入院を要したもの、それから軽い治療をしたもの、こういうようなものを地域別に、ひとつ調査をどうせなさるでしょうから、後ほどでけっこうですから、その資料をぜひ出してもらいたいと思います。 それからもう一つ、これは新聞に出た記事ですけれども、皆さんに一つの参考として示しますから、これもぜひひとつ調べてください。十八日の午前十一時ごろ、こう書いてありますね、新聞には。問題の東京立正高校北側の風下に当たる青梅街道を歩いていた主婦、大石さん、この人も異常なのどの病みと目にしみる刺激を感じている。これは杉並消防署に届け出ていますから、消防署に聞けばわかると思いますが、この大石さんはそういう症状を消防署に訴えたんだけれども、その後この方はどういうふうな状態か。これは具体的にひとつ調べておいてください。委員長、この問題は、資料はいいですね。
○説明員(橋本道夫君) いま先生から御要望のありました資料につきましては、集めて整理をいたしまして提出いたしたいと思います。
○鈴木強君 その次に、時間もありませんから基本的な問題だけ伺いますが、私鉄の大手十四社の運賃値上げと、それからもう一つは、営団地下鉄の運賃値上げの問題についてお尋ねをしたいと思います。 もうすでに、値上げ申請はかなり前に出されておって、前の運輸大臣がおやめになるころ、これを受理しているようですね。運輸審議会のほうにこれは諮問をしていると思うんですが、最近、運輸審議会で公聴会を開いて、おおよそ両者から意見を聞いたようです。結論はもう間近に出るのではないかと思うんですがね。一体私は、きょうは上げ幅とかいろいろ申請の内容を伺いたかったんですが、これは省略いたしますけれども、政府としては、運輸省としては——答申がいずれ近く出ると思います、出た場合には、答申を受けて運賃の値上げを認めるのか認めないのか。これはきょうは経済企画庁長官もソウルへ行っておりましておいでいただけなかったものですから、経企庁の国民生活局長の宮崎さんにおいでいただいておりますので、この運賃値上げに対する現段階における運輸省の態度、それから経済企画庁の態度、これをひとつここに示してもらいたい。
○説明員(山口真弘君) 大手私鉄十四社の運賃改定に関する申請並びに帝都高速度交通営団の運賃改定に関する申請は、先生御指摘のとおり、一昨年の十二月から昨年の一月にかけまして申請がございました。そうして、その後、運輸審議会にこれが諮問をされまして、今月の七日、八日の二日間にわたりまして公聴会が開かれまして、申請人それから参考人、それから、一般から募集をいたしましたところの一般公述人、この方々から御意見を伺いました。その結果に基づきまして、現在、運輸審議会で審議中でございます。それで、今後の処置でございますが、運輸審議会がこれらの公聴会の模様その他各社の内容の審査等を十分行なった上で答申を行なうということになるだろうと思います。 答申を受けてからの政府の措置でございますが、これは法律にも明記せられてございますように、運輸大臣は運輸審議会の意見を尊重するというたてまえになっておりますから、答申の趣旨というものを受け、政府部内の意見を取りまとめた上これを処置する、こういうことになろうかと思います。
○説明員(宮崎仁君) お答えを申し上げます。 経過についてはいま運輸省のほうからお話があったとおりでございますが、私鉄の運賃問題については、いまのお話のように、一昨年暮れから昨年初めにかけて申請が行なわれたわけでございますが、公共料金の抑制という方針で今日までその抑制が行なわれてきたわけでございます。 そこで問題は、この私鉄各社の四十四年度の収支状況、これを運輸省のほうで、いまお取りまとめ中なわけでございますが、このデータがまとまりましたところで、私どものほうも、運輸省の御方針またその内容等について十分ひとつお話を聞かしていただきまして、慎重に検討いたしたいと考えておる次第でございます。 そこで問題は、この十分な合理化努力が払われているかどうかということをよく吟味する必要があるわけでございまして、こういった努力なしに安易にこの原価の増大を価額に転嫁するようなことはいかぬということは、総理や経済企画庁長官、これもしばしば国会で申し上げておるとおりでございます。ただ、一方におきまして、私鉄の輸送力増強という問題が、大都市交通問題としては非常に重要な段階にもきておるわけでございまして、このための投資額が非常に巨額にのぼるというようなことも一方において配慮してまいらなければならないと思います。御承知のように、物価の動向も最近若干落ちついてきておりますけれども、前年度に比べますと、非常なまだ高水準にございまして、これを押えていかなければならないという重大な時期にもございますので、そういった状況も十分配慮いたしまして、よく運輸省と相談してこの問題に対処してまいりたいと考えております。
○鈴木強君 この運輸審議会に対して、私鉄当局はいろいろ資料を提供されていると思います。問題は運輸審議会が独自でこの各社の——いま経企庁の局長の言われたような個々の十四社あるいは営団地下鉄の経営の内容について、こうなっていると、これは各収支決算その他財政状況というものを把握されていると思うのです。ですから、そこが私は確かに基本になると思うのです。現在、各社が要求しております料金値上げの幅というものが、私鉄十四社の場合、平均普通運賃で一八・四%、定期の割引率というものを通勤で八・八%、通学は三・二%下げる、営団地下鉄は普通運賃二五・四%で、定期の割引率を通勤で三・四%、通学二・七%下げるというふうになっておるわけですか。そして、その理由は、いまもちょっと宮崎さんからお話があったのだが、値上げの理由としては、輸送力の増強、安全対策の充実、国鉄運賃との格差の拡大を是正するというようなことですか。で、そういう具体的な資料を、私は運輸審議会に皆さんが提供されると思うんですね。ですから、運輸省としては、上げるべき状態にその経営がなっているのか、あるいはまだ合理化をし、くふうをすれば、直接大衆の足に響く、家計に響く運賃値上げをしなくても済むというふうに、運輸省自体がいろいろ資料を提供する中でどういう判断をされておりますか。
○説明員(山口真弘君) 申請の内容につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、大手十四社の運賃改定の普通運賃につきましては、改定率が一八・四%、それから定期運賃の割引率の引き下げにつきましては、通勤が六九・八%を六一%、通学が八五・六%を八二・四%に変更をしようという内容でございます。それから営団地下鉄につきましては、普通運賃の改定率で平均二五・四%、それから定期運賃の割引率の引き下げで、通勤が六〇・五%を五七・一%にしたい、通学の平均が七三・三%を七〇・六%にしたいという内容でございます。 そこで、申請の理由でございますが、先ほど話がございましたように、大手私鉄は大都市の主として通勤輸送を担当する事業でございまして、そうしてこれらの事業が大都市における通勤需要の増大等によりまして、大幅な輸送力の増強計画並びに運転の保安を確保するための運転保安工事の増大ということを行なわなければならないわけでございます。こういうことを行なうことによりまして、その資本費が非常に増加してくるということがございます。また、人件費等の、その他の経費の増加もございまして、そうして収支が非常に悪化をしてまいってきておる。特に鉄道事業の収支が非常に悪化をしてまいってきておる。で、このままの状態では、今後、輸送力増強計画というようなもの、運転保安工事の計画というものを十分に達成することが困難であるということを主たる理由といたしまして運賃の申請というものがあったわけでございます。 それで私どもといたしましては、これは当該事業の収支の内容というものを十分に審査をしなければならないということでございまして、そういう収支の内容等を十分に審査をして、それについて運審の御意見、御判断というものをお願いをするということでございます。したがいまして、値上げの時期あるいは値上げの率等につきましても、運輸審議会といたしましては、これをいま改定を行なうかどうか、行なうのが適当かどうか、どの程度に改定をすべきかどうかということにつきまして御判断をいただくというふうに考えております。
○鈴木強君 それはいいんですけれども、皆さんが資料を提供し、運賃値上げの申請を受理すれば、あなたまかせで審議会にほうり込むわけじゃないと思います。したがって、運輸省は運輸省なりにその値上げの理由について検討を加えるんでしょう。そうして、なるほどその私鉄経営が、あるいは地下鉄営団の経営が、他になかなかいい方法がなくて、どうしても利用者大衆の皆さんに応分の負担をしていただかなければ、輸送力の増強とかあるいは安全対策というものが十分になし得ないというような御判断を運輸省当局はきめた——ということではいかぬ、これは審議会の決定ですからね。そういうふうに考えられるような内容なんですか。そこのところを聞いているんです。
○説明員(山口真弘君) まず収支の内容が一番問題になるわけでございますが、大手私鉄十四社の収支の内容をごく大ざっぱに申し上げますと、鉄道業におきましては、この数年非常に赤字になっております。そうしていながら一方、会社といたしましては、現在利益をあげ、一割配当をいたしておるわけでございますが、その配当をしておる主たる利益というものは傍系事業、特に不動産事業の収支というものでこれをカバーをいたしておるというのがこの収支のおもなごく大ざっぱな内容でございます。したがいまして、今後こういったような状態で鉄道業の輸送力増強計画その他が達成することができるかどうかというところの判断にかかってくるということではないかと思います。といいますのは、鉄道業自体の収支が非常に悪化をしておるという状態におきまして、私企業であるところの私鉄の会社というものに、その悪化をしている部門に対する投資の著しい増大ということを期待するということはなかなか無理な点もあるのじゃないかというように私ども事務的には考えております。そういう点で収支の内容、特に鉄道業、その他の不動産業その他の事業等も十分に調べた上で審議会にも御説明を申し上げ、御判断を仰いでおるということでございます。
○鈴木強君 抽象的なやりとりをしてもしようがないんですね。私鉄は多角的な経営をなさって、たとえば不動産部門というものが、それは直接、会社の中でそういう部門に、セクトに分かれてやっておるところもあるでしょうし、あるいは子会社的にやっておられるところもあるかもしれません。資本はしかし会社が出しておる。安い土地を早い機会に買っておいて、それを売ってもうける商売をやっておるところもあるでしょう。だから、不動産部門でもうけたものを鉄道のほうに回していくということも、これは一つの経営の方法ですわね。私は確かに、どうしても大衆にがまんしていただかなければならないというような、その理由づけがはっきりした場合には、これはやはり国民も考えなければならぬと思うのですが、しかし、その経営の内容がよくわからぬのですね。私は、きょうはひとつ抽象論でなくて、たとえば京王帝都ですか、京王帝都の会社一つでも取り上げて、一体収支状況はどうなっているのか、関連の兼業部門においてどうなっているかということをここで明らかにして、そうして国民とともに理解の深まる点は深めたいと思ったのですが、ちょっと時間もきょうはないわけですから、たいへん局長恐縮ですけれども、十四社の私鉄の収支の状況、各兼業部門を含めて、そういうものの資料をひとつぜひ後ほど出してもらえませんか。そうしてその上でもう一度私はこれをやりたいと思うんです。 いよいよ審議会のほうも結論の出る時期ですが、きょう私があえて取り上げたのは、公共料金というものは他の物価に影響する、非常にその物価の値上げを誘発する要素を持っているわけですよね。ですから、公共料金についてはきわめて慎重に配慮してもらわなければならぬ。これは橋本運輸大臣が運輸審議会の公聴会のあと経過報告を閣議でしたそうですが、そのときも総理大臣が、まあ物価問題と関連が深いから、会社の経営内容などよく調べてやってくれよと、こういうことを言われたそうですね。まあしかし、われわれが大体想定しますと、上げ幅はどうか知らぬが、おそらく上がるだろうと、こう考えておるのが常識なんです、いまわれわれの率直な感じはね。それじゃ困るわけなんです。だからして、それならそれなりに国民がもっと納得できるような、経営内容についても天下に明らかにすることも必要でしょう。これはまあそういう大事な時期ですから、私どもは私鉄運賃については値上げは困ると、こういう立場に立っているわけです。ただし、そういう経営の困難性があるならば、別途何か考えたらどうですか、政府の方策としてですね。直接、利用者に運賃値上げという形ではね返されるということについては慎重に考えてもらいたいと思うのです。 そこで、運輸省はその資料をもらうことにしておいて、経企庁のほうにもう少し聞きますが、われわれ予算委員会でも四十五年度の経済見通しを長官から伺いました。それで、ことしは四・八%消費者物価が上がるだろう、卸売り物価は一・九%上がるだろう、こういう予想のもとに経済計画を立てておりますね。この中には、予想される私鉄運賃の値上げということは入っておりますか、入っておりませんか。入ってないでしょう。
○説明員(宮崎仁君) 御承知のとおり、経済見通しにおきます物価の見通しと申しますのは、経済の他の諸指標と斉合性を持って全体としてきめるわけでございまして、この見通した、たとえば消費者物価で四・八%ということになっておりますが、その中が全部積み上げになっている、こういうものではございません。したがいまして、ここに私鉄が入っているとかおらないという議論は、そういった形ではできないわけでございますが、私どもといたしましては、いま御指摘のとおり、公共料金の問題でございますし、現在の物価の状況がこの四・八%を達成するために非常に困難な状況にぶつかっておるということでもございますので、全体として物価問題に対しては慎重に考えなきゃならぬ。特に公共料金の問題についてはそういった観点で対処していく必要があると考えておる次第でございます。
○鈴木強君 私は予算委員会で論議をしたときに——昭和四十四年度中に六・四%消費者物価が上がったわけですね。特にことしになってから一、二、三、ずっとこう上がっていきまして、予想しなかった六・四%というところにいったわけです。卸売り物価にしても五%まできた。したがって、政府が考えている昭和四十五年度の消費者物価四・八%、卸売り物価一・九%というこのアップ率というものは、いまの趨勢から見たらこれはおかしいじゃないかと、これは予算委員会で、そんな木に竹をついだような、物価と経済全体の実質的な伸びも考えた場合、こんな四・八%なんていうことでとどまるはずはないということを強く主張したときに、佐藤長官は、確かに困難がある、したがって、おそらく九月の時期ぐらいには一つの調整を考えなければならぬ、こうおっしゃっているわけです。したがって、全体の四・八%というものは個々の物価のアップ率を考えておらぬというなら、一体四・八%の消費者物価が上がるだろうという根拠は何ですか。何を基礎にして算定したのか、こんな論議をここでいまさらやるつもりはなかった。したがって、ことしに入ってから確かに卸売り物価は多少軟化していますけれども、鉱工業生産、一月−五月、年率一五%、こういうふうにふえておりまして、昨年が九月から十二月の年率が一八・二%だったから、ことしは一月から五月までが一四・五%で多少増加率が下がっておりますけれども、これだってまだ油断できない。私は経済白書を皆さんのほうで出しておるのを拝見しました。これを見ると、公共料金の点について若干触れておるのです。読んでみますと、「インフレなき繁栄への道」というのがありますが、そこのところでちょっと公共料金に触れておる。そして、公共料金の抑制は直接的なものだけでなく間接的なものにも物価の安定に効果があるということで、抑制についてちょっと取り上げていますね。さらに「むすび」の項を見ますと、「物価安定の課題が一段と重視される」、物価上昇は諸種のゆがみを生み、貯蓄の減価を招いている、「物価安定と国民の資産、貯蓄形成が促進される諸環境をつくり出すことが大いに望まれる」と述べている。ですから、いまあなたが言われるように、公共料金の性格というものはわかりますけれども、私は、特に四十五年度の経済見通し、こういう中で、たとえば十月なり十一月から私鉄の運賃を上げるというようなそういう想定はなかったと思う。入ってなかったと思う。そういう意味で私は言っているわけです。 だからして、もしかりに、さっき申請がありましたように十数%なり二十数用の運賃値上げがもし実現したとすれば、これが消費者物価にどの程度響いてくるのか、全体の家計にどの程度負担になってくるのか、こういうことをはじかなければならぬわけですけれども、かように、あなた方が考えている前年度対四・八%の消費者物価のアップにとどめたい、こういう強い願望からすると、あとの点は非常にむずかしいでしょうけれども、もし上がったとすれば。ですから、経済企画庁としてもひとつ慎重の上にも慎重な態度でこの問題には臨んでもらいたいと思うのです。私は、確かに公共的な事業ですから採算性の問題といつもぶつかってくると思うのです。できるだけ安くていいサービスをしようという仕事の性格から経営者も苦労されると思うのですけれども、しかし問題は大衆の足、家計にかなり響くものですから、公共料金の扱い方は、政府が言っているように慎重な扱いが必要だと思う。だからといって、われわれも無関心でいいかというと、決してそうではないと思う。だから国ができるだけ、公共的な立場に立って運営される事業に援助を惜しまずやってもらう。それが第一段階でしょうね。そしてそれと同時に、多少なりとも国民にまた負担していただきたいという、こういうふうなことでないといけないと思う。そのためには、さっき言ったように、なるほど政府もこうやった、で、われわれも多少援助しなければ輸送力増強も安全対策も確保できないのだというような姿にならないと、これはむずかしいでしょう。従来の例を見ると、どうもその点が、何%というアップが出てくるのだけれども、国民のほうでわからぬ、不満だという大衆の声が出てくるわけで、経営内容というものに対する認識というものを政府自体も積極的にしたい、国民もまあそういうことがないものですから、了承がなくて、不満だ不満だということで終わってしまう。そういうことではいかぬと思いますから、そういう意味においては、経営は問題があるかもしれぬけれども、できるだけ国民にわかるようにしてもらいたいということをさっきから申し上げている。そういう意味で、経済企画庁としても、きめられたことしの経済見通しというものがくずれないような方法でひとつやってもらいたい、こう思うのです。ひとつ若干所見を聞かせてもらいたい。
○説明員(宮崎仁君) いま先生の御指摘の点につきまして、私ども大体同感の点が多いわけでございます。特に消費者物価につきましては、三月、四月の対前年八・三%というような非常な高水準でございます。五月七・六、六月には東京で六・一と、だんだんに下がってきつつあります。これは御承知のように、季節商品の反落というようなことでございますが、しかしその他の、季節商品以外の動向等を見ておりますと、なかなか楽観を許さないという状況でございまして、そういったことから引き締め政策の問題等も、経済企画庁としても非常に関心を持ってながめるわけでございますが、いずれにいたしましてもこういった際でございますので、この私鉄料金の問題については、ただいま御指摘のように、われわれも各方面の影響なりあるいはそれに対する対策というような面もいろいろ考えておりまして、慎重に考えてまいりたいと思っております。現在、私鉄につきましては開銀の融資とか税制上の措置等もございますが、こういったものも一応予算で取りきめられておりますので、なかなかこれは動かすということはむずかしいかと思いますけれども、いろいろ知恵を出してみたいと考えております。
○鈴木強君 じゃ時間の関係で、これはこの程度にしておきます。 それから次に、航空全体について多少基本的な問題を伺っておきたいと思ったのですが、これも時間がありませんから前段の問題を省略しまして、特に具体的にいま問題になっている日本航空学園、これは山梨県の北巨摩郡双葉町というところにございます。正式な名前は日本航空工業高等学校というのですが、この学校の経営の問題、教育をしている教育内容ですね、こういうものについて若干伺いたいと思うのですが、いまこの学園では、先般来非常に紛争が続きまして先生方もストライキをやる、それから生徒諸君もストライキをやるというような問題が起きておりますが、特にきょう私がここで問題にしたいのは、航空法に基づいて運輸省は、三等航空整備士の受験資格を、この学校を卒業した者については認めているわけです。その根拠は、一年間航空機整備事業に経験のある、携わった者、それを適用していると思うのですね、したがって、私たちが見ていますと、学校の設備等においても非常に問題がありますし、学校の経営者自体が非常に独裁的にものを考える傾向があって紛争が起きているというようなものでありますから、一年間の経験のある者という、この航空法の精神を適用していることがはたして妥当かどうかという点もあるのですから、この際伺いたいと思うのです。 まず、文部省の方にも聞いていただいておりますが、管理局長、これは私立学校でございますからね、直接の責任は知事にあると思うのでございます。ただ、文部省設置法を見ますと、文部大臣も、これらの私立学校に対してあるいは教育委員会に対して、知事に対して応分の意見は述べられるわけでございます。したがって、まず第一に、この学校の最近の経営状態、紛争等の問題を含めてどういう状態になっておるか、文部省がお調べになっている経過の大要を最初に説明してもらいたい。これは航空局のほうからも同様にお願いします。
○説明員(岩間英太郎君) ただいま御指摘のございました日本航空工業高等学校につきましては、教員数は専任の教員が十二名、非常勤の教員が九名、そのほかに技術職員五名、事務職員等が八人。それから生徒数が一年から三年までが百六十一人、専攻科が二百六十九人、合計いたしまして四百三十人。きわめて小ぢんまりとした学校でございますが、その教育の内容は、ただいま御指摘もございましたように、日本では唯一の航空整備の関係をやっております学校でございます。こういう種類の高等学校でございますので、生徒の卒業しましたあとでの生命の危険にさらされているような職業というふうな点もございますし、また、ある程度責任感あるいは規律というふうなものが必要かという点もございまして、商船高等学校なんかとよく似ているわけでございますけれども、学校としましては、技術のほかにそういう規律とかあるいは責任感あるいは協調の精神、そういうものが強調されているような学校のように思われます。 そういうことで経営者の考え方に対して教員とか生徒がついていけないというふうな面がややあったかもしれませんが、ともかく、ことしの四月から教職員のほうで労働組合をつくる、それが団体交渉を求め、労働協約を締結したいというふうな意思表示をしたのに対しまして、学校側のほうでそれを拒否した。それが地労委の仲裁も仰ぐというふうな事態に発展し、また、組合が二つに分かれて、第一組合と第二組合に分かれておるというふうなところまで発展いたしました。さらには、経営者のほうで解雇あるいは停職というふうな処分を行なう、そういうふうな非常に複雑な形をとってまいりました。また一方、生徒のほうもこれに伴いまして学校のほうへいわゆる民主化の要求と申しますか、学校の従来の方針に対しまして、従来からの不満がある程度爆発したと申しますか、そういうふうな形で、また、学生の間でも専攻科とそれから本科の学生、あるいは三年生と一、二年生の間で異見がある。それから学校側のほうではまた学生に対して処分をするというふうな非常に複雑な形をとっているわけでございます。これは先ほど申しましたように、学校の性格もございますが、経営者の方針等に対する従来からのいろんな不満が爆発したというふうにもとれるわけでございます。 教員と学校の関係は、これは純粋な労働問題というふうに考えて、現在、地労委のほうでもいろいろあっせんをしておるようでございます。そちらのほうにまかせるといたしましても、学校と生徒の間という問題はこれは純粋な教育の問題でございまして、これは私どものほうでも、県を通じましてその解決の努力をしなければならないというふうな事態になったと思います。しかしこういう問題は、先ほど申しましたように、非常に小ぢんまりとした学校でございますので、いわば全部の方々がよく顔も知っておるし、あるいは教員の間も気心が知れておるというふうなことで、感情問題がこの中に入っておるというふうなことでございますので、なかなか従来からの経緯を考えましても、その解決というものがむずかしい、ある程度時間というものが必要になるというふうな点も考えられるのであります。幸か不幸か、ちょうど夏休みに入りまして、しばらく学校のほうも閉鎖になっておるようでございまして、ある程度時間を見まして、この問題につきましては関係県のほうから指導していく。従来から伝統のある学校でございますので、こういうものを将来とも発展させていきたいというのが私どもの念願でございます。
○説明員(内村信行君) 日本航空工業高校の問題でございますが、ただいま、学校の全般的な内応につきましては文部省のほうから御説明がございましたので、私からあえて御説明申し上げませんが、先ほど先生からもお話がございましたように、この工業高校というものは、運輸省におきましての三等航空整備士の技能証明、これにつきましての申請資格を持つものとして認定しておるわけでございます。したがいまして、そういう認定校ということで、私どもといたしましても非常に関心を持っておるということでございます。 その関係から御説明申し上げますと、本校におきましては航空機材を十二機持っております。それから本科におきましては百五十一名、専攻科におきまして二百五十名の生徒を持っておりまして、それに対しまして教官は本科について五名、専攻科について五名、十名の教官がおられまして、大体、実科四百八十時間、学科百二十時間程度をやっておるというのがこの内容でございます。 そこで、この学校でございますけれども、元来、昭和三十七年に、この学校からこういうふうな認定をしてもらいたいという申請がございまして、そこで教科内容その他を調査いたしました結果、これは一定の認定基準があるわけでございますが、その認定基準に該当するということで、これを認めたわけでございます。その後さらに本年の五月、若干三月ごろごたごたがあったというふうなことを聞きまして、あらためて再調査いたしまして、再び資格があるということで再確認いたしました。それから今回のストに入ったわけでございますが、この一件につきましては、七月七日に再び職員が参りまして現地調査をいたしました。それによりますと、六月六日から休講になっております。その結果、本科の三年が六月二十二日に授業再開、本科の一、二年が六月二十九日に授業再開、専攻科が七月六日に授業再開ということになっておりますが、結果といたしましては、本科の三年は十六日の休講がございました。本科の一、二年は二十三日の休講がございました。専攻科につきましては三十日の休講がございました。それからなお、職員四名を交代させておりまして、したがいまして、こういう休講がございますと、あらかじめ計画として認められましたスケジュールが実行されないということになりますので、これが回復されないと認定がいたしかねるということでございます。学校といたしましては、さらに今後夏季休暇の短縮でございますとか、あるいは卒業の時期を延期するというふうなことをいたしまして、これらの不足日数をカバーするということを言っておりますが、これにつきましてはなお今後とも十分実態を把握いたしまして、こういうことの行なわれない場合には認定をいたさないということを考えておるというふうなことでございます。
○鈴木強君 これは両省のほうで聞いておいていただきたいと思いますけれども、文部省のほうは、設置法第五条第一項の第十九号、これによって、「地方公共団体及び教育委員会、都道府県知事その他の地方公共団体の機関に対し、教育、学術、文化及び宗教に関する行政の組織及び運営について指導、助言及び勧告を与える」ことができると、こうなっています。この点は文部省としても遠慮なくひとつ言ってほしいと思うんですが、それでここに私は当時の新聞、これは各新聞全部、地方新聞ですけれども、山梨版の全部の新聞が書いております。全部これのコピーをとってまいりましたけれども、この中をちょっと見ても非常に疑問があるんです。それで生徒諸君からも、私のところにも陳情文がきておるんです。これを見ますと、第一番目に、学校の設備の内容について非常に不満を持っているわけです。たとえば、学校として再低限必要な施設、すなわち図書室ですね、それから理科の実験室、保健室等が充実をしていない、図書室とは名ばかりで航空関係誌が数が少ない。また、グラウンドを見ていただければわかりますが、あの場所は野球やサッカーのできる場ではありません。もっとひどいのは、たとえば、バレーボール用のネットすらなく、針金を張っている始末です。こういうようなことも書いておるわけですね。内容は全部申し上げられませんけれども、その中に私はこういう点をひとつ披露しておきたいと思いますが、決して学生諸君が何か思想的に一つの問題を持ってストライキをやり、先生方と共闘しているということではないということだけは、前段としてひとつ皆さんにも知っておいていただきたいから、生徒の気持だけをちょっと申し上げますが、この人たちは学生としての発言の自由がほしいと言うんです。こういうことが一つです。それから授業を早く正常にしてもらいたいのだ、ここに「学校をだめにする目的ではありません。」と書いてありますが、学校をつぶす目的では絶対にない、入学した以上は学生としていい勉強をしたいと、こういうことに起因していることだけは理解してやらなければいかぬ。こういうことでストライキをやったり、授業をボイコットしたりしているようです。 そこで、いま学校経営について説明を聞きましたけれども、皆さんは十分知っておって言われないのかどうか知りませんが、私がちょっと新聞の中から調べてみた点だけでも拾ってみますと、最近非常に問題の事件が幾つも起きているんですね、たとえば六月の九日、これは本年です。本科の二年生から被害届けが韮崎の警察署に出されております。これは暴力事件についてです。内容を見ますと、本科二年の某君が、六月七日午前二時過ぎ同学園で起きたリンチ騒ぎで逃げおくれ、三年生一人に髪を引っぱられ、あごをなぐられたというもので、ほかにも同じような三件の届け出がある。こういう暴力事件が一、二年生ないしは三年生との間に起きておる。これはいま韮崎警察署で取り調べ中です。それから生徒が在学証明書をもらいたいといって申請を出しましてもこれを拒否するというような事件が起きまして、これは甲府地方法務局へ人権擁護問題で訴えをした。これが新聞に出たりなんかしまして、結局、県の総務課のほうも中に入ったりして学校と話をしたようです。それで結局、人権問題ということであればこれはひとつ取り上げますということで、その後は証明書を出しておるようでありますけれども、保険証の書きかえをするために必要な在学証明書を、ストライキを実施中だからというふうなことでもって拒否したということも一時的にはあったようです。こういう問題もあります。 それから私立学校法三十八条によりますと、学校の管理のための役員というものが規定されております。その中にたとえば、三親等以内の人が二人おっちゃいかぬというような規定があるわけです。ところが、実際にはここでは同族的な経営をしておりまして、役員が三人も三親等の人がおるということです。これはこの私立学校法三十八条違反のようなところもある。多少調べてみましたら、登記はしてないそうですけれども、実際にはちゃんと理事としての仕事をやっておられる。それから監事なんかを見ましても、三年も前に死んだ人が去年の四月ごろまで監事の職におるというようなことで、最近、去年の五月何日ですか、一応人事異動をしたようです。これは昭和四十四年三月十五日に辞任をして後任者をきめておりますが、そういうようなことがございます。 そのほか、時間がありませんから、ここでは省略をしますけれども、最近数々の経営をめぐっての問題があるわけでして、特に労働組合との間に紛争が起きましてなかなか片づかない。その後、紛争が地労委に移され、地労委のあっせんが出まして、表向きはあっせんを両方とものんだようなかっこうになっていますが、実際にはあっせんどおりやられていないわけですね。いままだこの問題は未解決になっているように私は承知しておりますが、そういうような問題が出ております。これは山梨県の県議会でも問題になりまして、担当が総務部でございますから、総務部が中心になって学校当局といろいろやっているようですけれども、なかなか相手方が謙虚に意見を聞いてくれないような方ですから、問題が進展をしない、こういうふうなことになっておるわけですね。 特に私は驚いたのは、驚いたというか、ここで特に問題にしたいのは、こういう学校経営が、はたして教育基本法なりあるいは私立学校法なり、法律に準拠した場合に適当なものかどうかというところが、やっぱりもう一回考える必要があるというような気がするんです。ですから、さっき局長がおっしゃるようなお話では非常に抽象的でありますから、私は新聞が報道したことをいまここで披露したわけですけれども、私もある程度確認をしております。これは実際現地へも行ってまいりました。ですから、こういうふうなものに、一方では私立学校振興会のほうから——きょうは理事の方に来ていただいておりますけれども、一億七百五十三万何がしの貸し付けをしておるわけですね。それからこれに対しては山梨県私学振興会のほうからも六百二十五万円の貸し付けがなされておる。県は、昭和四十四年度で航空エンジンを十二台買いまして、一台五万円、六十万円のうち三分の一を補助して、二十万円出しておるんですね。ですから、私学振興会のほうはあとから聞きますけれども、こういうふうにわれわれの税金がこの学校には貸し付けられておるわけです。また、県民から見て、県民の税金が貸し付けられておるわけです。こういう学校が現実に紛争になり、しかも、いろいろと内容を聞いておりますと、かなり学校側に無理がある。これではたして学校として適切なものであるかどうかという疑問を持つのは当然だと思うんですよ。そういう意味で、もう少し私は文部省としてもこの実態を見きわめてもらいたい、調べてもらいたいと思うんです。それでないと、全額国庫が出しているところの私立学校振興会の貸し付けなんかは問題です、これは。どういう基準でどういう実態調査をされてお貸し付けになっておるのか、あとで理事の方から承りたいと思うんですけれども、非常に問題があると思うんです。ですから、管理局長としても、文部省の権限が与えられているわけですから、指導、助言、勧告ができるわけですから、もう少し的確に国側とも連絡していただくし、できればひとつ担当官が直接現地に出張されて、そして文部省の目でひとつ実情を把握してもらいたいと思います。ここでは時間がありませんしするから、そういう点で、もっと事実を確認していただけませんか。
○説明員(岩間英太郎君) ただいま先生から御指摘いただきましたことは大体そのとおりだと思います。それで、私どもはまあ先ほど先生御指摘ございましたように、文部省の権限の範囲におきまして、県の総務部を通じて指導したいと考えておりますが、経営につきまして、いろいろ問題があることは確かでございます。まあしかしながら、学校の金銭の面の経営ということになりますと、わりあいしっかりした経営をやっておりまして、それに基づいて貸し付け、それからあるいは補助金等も行なわれているわけでございます。現に国としましても、昭和三十五年から三十九までに五百万程度の理科教育の振興あるいは産業教育の振興ということで補助金を出しております。
○鈴木強君 何ですか、そこをもう一ぺん言ってください。
○説明員(岩間英太郎君) 詳しく申し上げますと、理科教育設備に対する補助金を昭和三十六年には十五万、三十七年には十一万五千円、それから高等学校の産業教育の施設設備の補助金につきましては、昭和三十五年に五十七万六千円、三十六年に同じく五十七万六千円、それから三十七年に九十三万七千円、三十八年に九十九万、三十九年に百二十万、それ以後は出しておりませんが、まあ理科あるいは産業教育の施設設備の充実のために補助金を出しています。学校の経営自体について問題がある場合につきましても、やはりこれは直接生徒に還元されるようなものでございますから、私どものほうは学校が正常に授業を行なわれております限り、学校の教育内容の充実ということにつきましては、貸し付けあるいは補助金という面につきましても、今後とも配慮してまいりたいというふうに考えておりますけれども、経営の問題のよしあしというのはこれまた別でございまして、それにつきましては、こういうような問題が起こったという事実の上に立って、経営の改善につきましては、今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
○鈴木強君 まあいま理科教育と産業教育の施設補助費として、それぞれ補助を出しているわけですけれども、これはいま私初めて伺ったんですけれども、そういうふうに貸し付けもし、直接補助金も出しているわけですから、したがって、その補助金が適切に使われておったかどうかということは、これはまた会計検査院のほう、直接お調べになったかどうかわかりませんけれども、少なくとも文部省が所管官庁として補助金を出す責任を持ってやったわけですから、そういうものが適切に使われておるかどうかということについて把握されておりますか。だから、私は直接皆さんが学校そのものへ行ってああだこうだという調べをすることは文部省設置法から見て問題があると思いますけれども、もう少し電話やなんかじゃなくて、直接県のほうに行って実情を、関係者も集まっていただいて、もう少し検討するというようなことできませんかね。そういうことをぜひ私はやってほしいんです。
○説明員(岩間英太郎君) 貸し付け金の関係につきましては、私学振興会が今度新しく私学振興財団になったわけでございますけれども、四十四年度の貸し付け金につきまして、直接学校のほうにまいりましてその実態を調査する予定でございます。
○鈴木強君 文部省として……。
○説明員(岩間英太郎君) 文部省として、まあ、知事が所轄長でございますが、学校につきまして、直接出向いていろいろ調査するということは原則としていたさない方針にいたしております、特別の場合はこれは別でございますけれども。今度の場合につきましても、これが県の努力によりまして円満に解決する方向に向かうということでございましたらそういう方向で解決したほうがよろしいと考えておりますけれども、また問題がさらに悪くなるというふうな事態がございました場合には、先生のお話もございますし、これにつきましては私どもも関心を持って県のほうとさらに密接な連絡をとりたいというふうに考えております。
○鈴木強君 わかりました。私たちも介入していただきたいなんていうことじゃないのですよ。ですから、局長のおっしゃるのは妥当な線だと思います。私は、やはりあまりがんこな人ですから、人の意見をなかなか聞かぬのです。だからやはり指導助言をする必要があるし、直接あそこに行きますれば教育委員の方々にも会えるわけです。ですから、そういう方々からも直接皆さんのほうで意見を聞いていただくような、そういうようなことをやっていただくことも姿勢を直す一つの方便ではないかと思うわけです。ですから、大いに指導をしていただいて、その上でどうもまずいような点があったら、おっしゃるように、現地へ出かけてさらに実情を調査していただくようにお願いしておきます。そうしていただけるそうですからね。 それから運輸省のほうに伺いますがね、三十七年の三月一日に、経歴確認基準というものを乗員課から出しておりますが、その中に、航空機整備関係学校の修了者が航空整備士についての航空従事者技能証明申請をしようとする場合の必要な実科、学科の科目、時間がきめてありますね。これを見ると、校外実習を含めて、実科、基本実習八十時間、機体実習百時間、原動機実習百四十時間、プロペラ実習二十五時間、装備品実習五十五時間、試運転が二十時間、合計四百二十時間ということになっておりますね。それから学科のほうは省略しますが、合計では百八十時間。これが校内、校外のそれぞれ——たとえば、基本実習の場合には、八十時間のうち七十時間は校内、十時間は校外というふうになっておりますね。こういうふうに実際にこの実習がやられておりますか。 私たちが聞くところによると、四月に入学されて、八月までですか、ないしは七月まで学校で勉強して八月ごろになるとどこか実習に出かけていってしまう。どこかの会社へ見習いに、実習ということで行くんでしょうがね、校内七十時間、校外十時間という、こういう基準がそのとおりやられているという確認をいつしたんですか、これは。
○説明員(内村信行君) 一番最後のところちょっと聞き取りにくかったんでございますが。
○鈴木強君 これがこのとおりいっているかどうかということをいつ確認しましたか。
○説明員(内村信行君) これは、初めは昭和三十七年の五月にいたしました。それから本年の五月にもう一回、若干のトラブルがございましたので本年の五月に参りまして確認をいたしました。その際にこれでよろしいというふうに確認しました。
○鈴木強君 これはね、ことし五月に行かれた……。
○説明員(内村信行君) はい。
○鈴木強君 実際に何をデータにして確認したんですか。学校当局から、これこれこういうふうになっておりますという何かその具体的なデータはあるのですか。
○説明員(内村信行君) こちらから現地へ参りまして、設備の内容その他を調査いたしまして確認いたしました。
○鈴木強君 いやいや、それは設備その他じゃなく、要するに基本実習、たとえば八十時間のうち校内のは七十時間です、校外は十時間ですという基準ね、この八十時間の内容、これは私は別に聞いたんです、資料をもらってね。だからして、四百二十時間中六十八時間が校外、その残りは校内でやらなければならない。実際、校内でやっているか校外でやっているかという事実確認をする場合に、何を根拠にしたかということです。
○説明員(内村信行君) 本件につきましては、乗員課長から御説明申し上げます。
○説明員(小池正一君) 調査の方法につきましては、現地に参りまして、学校の提出いたしました授業簿等によりまして授業の確認を行ないました。
○鈴木強君 あとから行って出された資料で、ああ、そうですかといって帰ってきたんでしょう。実際に校内を七十時間やったか、校外を十時間やったかというはっきりした証明があるんですか。ないでしょう。ですから、その辺の確認ということは、常時行っておるわけじゃないでしょうからむずかしいと思いますけれども、こう事態が紛糾してきますと、やはりいろいろな見方が出てくるわけですよ。これは生徒に聞いたらわかるでしょう。入って、いつからどこの会社に実習に行って、来年の何月に帰ってきて、その間に実際に校内、校外七十対十という比率で、皆さんが、こうしなければなりませんよと、実際こういうふうにきめられているが、そのとおり履行されておったかどうか、勉強させておったかどうかということの確認はそう簡単じゃないでしょう、これは。五月に、何年かに一ぺん行ってみて、それではっきり確認できますか。
○説明員(内村信行君) 先ほど申し上げましたように、五月の時点におきましては、先ほど乗員課長から御説明しましたような方法によって一応確認したわけでございますが、その後、さらに七月八日になりまして現地に参りましてもう一回再調査をいたしました。その際には、先ほど申し上げましたけれども、本科あるいは専攻科それぞれについて休講日数がだいぶあったということは確認いたしております。
○鈴木強君 それはちょっとここでは水かけ論になりますから、皆さんのほうでは航空法に基づいて一つの基準をつくり、その基準によって認めてきたわけだから、いまここで、いや、そうではありませんということを私が幾ら聞いても答弁するはずはないから、私はその点はよくわかっております。ただ、もう少し、きめられたことが実際にやられているかどうかということの確認は慎重にやってほしい。特にこういう状態になっているから私は申しているのです。ですから、その点は私の意図をくんでいただいて、もう少し実態を見てほしいと思います。 それから、時間がなくなりまして恐縮ですが、お忙しいところを平間さんにおいでいただいたのですけれども、一億七百五十三万残っておりますね、現在残額が。昭和三十七年から四十四年までに貸し付けられた額ですね。それでその間、三十七年、三十八年と規定どおりこれは返済されておりますのかどうか、これを最初に。
○参考人(平間修君) おっしゃいましたとおり、三十七年から四十四年までの八年間におきまして一億三千五百万貸し付けしております。そのうち、規定どおり償還されたものが、二千八百二十万ほど返済されております。したがいまして、現在の残額が一億七百五十万、こういう数字になっておりまして、従来一度も滞りという事実はございませんでした。
○鈴木強君 その点はわかりました。 それで、三十七年に貸し付けた二百万、これは急増対策費、それから三十九年の百五十万、施設費ですね。あと高利債務弁済費、施設費、経営資金、施設費と、こういうふうに大体なっているのですが、この貸し付けがこのとおり適切に利用されているかどうかということの確認はやられておりますか。
○参考人(平間修君) 原則としまして翌年度に、前年度融資いたしましたものについて一斉に調査するということにしております。したがいまして、この学校につきましても、大体翌年度においてこれを調査しておりますが、御承知のとおり、主として施設、つまり実験実習室を建築するとか、あるいは一部土地を取得するとかというものに対する融資でございますので、その辺の、確かにそれが取得しておるかどうか、それから期限の支払いを申請どおりやっているかどうかということを大体——大体でなくて調査しておるつもりでございます。
○鈴木強君 おるつもりでございますでなくて、おるかどうかはっきり伺いたい。 それから、たとえば貸し付けの申請があった場合、書類の審査だけで貸し付けを決定するものかどうかですね、その学校を十分見きわめて、経営状態を調べておやりになると思うのですけれども、申請がきてから、それから貸し付けまでの過程はどういうふうな過程を踏むわけですか。
○参考人(平間修君) 先ほどの、最初のお話でございますが、翌年度原則として検査をやっております。ただ、古いことは私記憶ございませんのですが、最近はやっております。 それから、申請が参りまして、どういう経過で審査するのかと申しますと、やはり原則は、申請書によりまして書類審査ということにいたしております。大体のことを申し上げますと、その申し込みによる事業内容がどれほど必要なものであるかどうか、どれほど緊急を要するものであるかどうか、それから実施面及び資金面において確実に行なわれる見込みがあるかどうか、そういうようなことをまず調査いたします。次に、その学校の資産総額とか、それから負債総額というふうなものを提出された財務諸表によって調査いたします。そこで、正味資産というものからくる貸し付けの限度というものがおのずからきまってまいるわけでございます。また、その貸し付けにあたっては、必ず原則として物上担保を取っておりますので、したがいまして、担保物件の種類とか、それからその価格、そういうものを調べまして、担保力の有無とかそれからその程度がどのくらいあるかというようなことを調査いたします。それから償還能力の有無ということ、またその程度というものを見るために、前年度及び当該年度の資金収支計算書、俗にいえば予算書及び決算書と申します、そういうものを見まして、そのような過程を経まして、必要と認め、いま申し上げたような調査をいたしまして、私たちのほうにすでに定められている事業計画にあります基準単価とかそれから融資率というようなものに従いまして金額を算定し、先ほど申しました担保力というもの、それから正味資産から割り出した貸し付けの限度内においてこれを貸し付ける。したがいまして、大体原則として書類審査ということにしておるわけでございますが、その間には、その書類上の不明な点や何かでたびたび照会することが比較的私立学校においては多いように思います。したがって、それに対しまして学校からむしろこちらに来訪することが多いのでございまして、その際に事情を詳しく聞くというような方法をとっております。したがいまして、普通の貸し付けの場合は特に現地に行って事前に調べるというようなことはいたしませんで、そういうものは特に大きい金額のものとか、それから何かいままで私のほうに滞りがあるとかというようないわば問題のあるようなところ、そういうところは事前に調査するというようなことはございますけれども、特に問題がないところは大体そういうような書面審査を原則とし、あるいは電話等の照会、手紙等の照会、それから来訪を受けた場合の事情の聴取、こういうようなことによって行なっておるわけでございます。
○鈴木強君 四十四年度に約六千三百五十万ですか貸しておりますね。二つに分けて貸しておるようですけれども、施設費と経営資金と分けておりますね。これは調べましたか、どういうふうにこれが使われておるかどうか。さっきのように、毎年調べておるという……。
○参考人(平間修君) これは一応完了報告書が出てまいってきた段階でございまして、それが確実に申請どおりやっているかどうか、それから金が支払われておるかどうかということは、実はこれから、つまり四十四年の仕事でございますが、四十五年度に検査をすることになっております。これからの計画の中に入っておるわけでございます。
○鈴木強君 四十五年度の貸し付け申請は、最終的には大体いつごろあなたのほうにくるようになるのですか。それでまだ学園からきておりませんか。
○参考人(平間修君) 大体四十五年度の申請の受付は、大体原則としては五月末までということになっております。この日本航空学園からの本年度の申し込みはございません。
○鈴木強君 わかりました。それでいま書面審査をやられているようですけれども、これはきょうは時間がありませんから、いつかまた私立学校振興財団の全体の貸し付けの状況と回収の状況、その間、書面審査で全く支障があったのかなかったのか、その点は別途私は伺うことにいたしますが、何かどこかに多少チェックする機関を設けておきませんと、ストレートに私立学校からあなたのところにくるのか、それとも知事かどこか何かを経由してくるかもしれませんが、そうならいいのですけれども、もしストレートでくるとすれば、書面審査だけだったらちょっと不十分だと思いますが、もし私の言っているのが前者であればいいのですが後者のほうであるとすれば、もう少し一考を要するんじゃないでしょうか。その点ちょっと不勉強ですから、知事か何かが副申してくるわけですか。
○参考人(平間修君) 高等学校以下の学校につきましては知事の副申をつけてもらっております。知事の意見がついてくることが原則になっております。したがって、その知事の意見というものはわれわれとして大いに尊重しているつもりでございます。 それから日本航空学園につきましても、私の記憶では、四十一年度の実施事業に対して四十二年度において、それから四十二年と四十三年度の実施事業に対しまして四十四年度において職員をして検査せしめておりますので、そういうように大体少なくも二年に一ぺんはその学校を見てくるということをやっておりますので、その学校の経営方針なりあるいは施設の状況なりというものが大体わかっておりますので、特に問題のない限り、先ほど申し上げた書面審査というようなことで一応やっておるというようなことでございます。
○鈴木強君 原則として五月の終わりなんだそうですけれども、もしこれから申請があった場合には、これはやはり受け付けますか。
○参考人(平間修君) 特に緊急なものとかいうような場合は、特に陳情書というか要望書というものを添えまして、まずそういうものを出していただきまして、中で検討しまして、それではこれは受け付けて審査にかけてみようか、というようなことを従来もいたしておりますので、今回も同じような方針になるんじゃなかろうかと思います。したがいまして、そういう緊急なものならば、絶対に受け付けないとは申さないつもりでございます。
○鈴木強君 それで、具体的にきょうは日本航空学園の問題を私は取り上げました。あなたもお聞き取りいただいておりますから、いまこの学校の経営がどういう状態になっているか、十分御承知いただいたと思います。その先生なんかも経歴詐称しておって教員の資格のないやつを雇っておるのですよ。さっき何人かやめたというお話がありましたけれども、その中にそういうのがいるのです。それで私立学校法に基づく学校でございます。インチキな先生がおってそれでいいですか。私は、少なくも教職に立つ人ですから詐称するのもどうかと思いますが、しかし、ほんとうに資格のない者を教員に雇っているというようなことは、どこへ聞いてみたってこれはおかしな話ですよ。そういうところにわれわれの税金を貸し付けるということについては、これは問題ですよ。だから、これは今後出てくるか出てこないか私わかりませんけれども、あなたが言うように書面審査や何かで簡単に済ませてしまうような性質のものとちょっと違いますから、これは十分に現地の調査もして、その上でやってほしいと思うのですが、この点はどうですか。これは例の話で悪いのですが……。
○参考人(平間修君) 確かに私学振興会の時代は、やったものをあとから見るというような方向に調査のほうが重点が置かれたように思います。それで新しい財団になりまして、新理事長以下、やはりこういうものはあと向きに使うよりも前向きのほうに同じ費用なら使うべきじゃなかろうかというような意見も出まして、できるだけそれはやっぱり前向きに事前に調査して融資をすべきであるというような方針に変わっておりますので、おっしゃることにはできるだけ沿うようにできるのじゃなかろうかと思っておるわけでございます。
○鈴木強君 それから運輸省航空局に最後に一つ伺いたいのですけれども、今度、航空法が変わりましたですね、二十九条。そしてこういう学校を認定校にして試験の一部ないしは全部を免除することができるというふうに変わりましたね。私は現状、この日本航空学園というのは、いま皆さんが御説明になったとおりの内容ですから、まさかこういう学校が認定校になるとは思いませんけれども、現段階における航空局としての考え方を、認定校にできるようなものであるかどうか、この点だけをひとつはっきりしてもらいたい。
○説明員(内村信行君) ただいま先生からお話がございましたように、いままでの認定はいわゆる一年以上の整備経験があるかどうかということでございまして、これは技能証明申請資格についての認定でございまして、しかし今後考えております指定養成施設、いまお話のございました指定養成施設、これにつきましてはもっと学科内容、その他内容というものをレベルアップいたしまして、と同時にそういった高いレベルの教科内容を受けた者につきましては、今度は実科試験は免除しよう、こういう内容でございます。したがいまして、相当ハイレベルの者でなければそういった認定は行なわないという内容でございまして、したがいまして、少なくとも現在の時点における、いまの航空法というふうなものでは、ちょっと認定はいたしかねるというふうに考えております。
○鈴木強君 わかりました。ちょっと時間が過ぎてしまいましたから、この程度で終わります。たいへん御迷惑かけました。 それで最後に、私は国鉄財政再建十カ年計画、運賃値上げを含めて伺いたかったのですが、時間がだいぶ経過しましたから、そういう問題はあと回しにいたします。 ただ一つ、最後に伺っておきたいのは、いまこの十カ年計画の一環として国鉄がおやりになっております中央線とか、あるいは小海線とか身延線、これは一つの例ですけれども、全国の国鉄線の中で無人化され、あるいは廃止され、業務を委託をされ、あるいは手荷物や小荷物、貨物の取り扱いを廃止するというような、そういった問題が出ております。私は、合理化というのは、それを経営する経営者も、そこに働く労働者も、これを使わしていただく国民も、みんながよくなるというのが合理化だと思うのです。ところが、この国鉄の合理化を見ますと、一番大事な利用者にサービスダウンをするように思われる計画が含まれておる。したがって、これによって幾らの節約になるかわかりませんけれども、こういう利用者にしわ寄せをするような合理化はやるべきでないと基本的に私は思うわけです。 具体的には皆さんがおきめになって十月ごろに実施しようというので、それぞれの管轄の管理局が現地に行かれて地元と折衝されておるようですが、私は原則論をここでひとつ伺っておきたいのですが、いままでも、たとえば山梨県は知事以下県会議長、関係市町村全部一緒になって何回かもう運輸省にも国鉄にも陳情しております。これは反対ということです、そういう大衆にしわ寄せするような合理化はけしからぬと。国鉄は確かに赤字経営であるということは認めます。認めますけれども、なぜ大衆にしわ寄せするような合理化をするかということを非常におこっているわけですよ。しかも、今日の駅ができるまでには、土地の提供とか、それぞれその地元は地元なりに国鉄債を引き受けたとか協力しているにかかわらず、手のひらを返したように住民を裏切るようなこういうサービスダウンの合理化は絶対に認めないというのが地元の一致した意見ですよ。これはどうしても地元の意見を尊重し、意見が一致しなければできないことだと思いますけれども、意見がまとまらなければ強引に、いつからおやりになるか知りませんが、やるのでしょうか、どうでしょうか、そういう点は。私は、山村政務次官が山梨県に来られて記者会見をされたときに、多少弾力性があるような発言をされておるのを記事で見ました。それはあくまでも地元との理解、納得の上でなければできないというような基本でしょう。もういまきめたのは全く動かせないものなんですか。その後いろいろ陳情も何回かあると思いますので、基本的なその考え方を最初に伺いたいです。
○説明員(原岡幸吉君) 国鉄の近代化、合理化、基本的な考え方、いま先生お話しされたとおりの考え方でございます。問題は、利用者にしわ寄せしたり、あるいは地元の旧来のような御後援、こういうものを裏切るというようなかっこうで進められる場合があるのじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、一々その点につきましては、具体的に現地の理解と協力をできるだけ求めて、そしてお互いの立場がわかるような形で進めていきたいと、このように思っております。しかして、どのように今後の方向について弾力があるかないかと、これ一般論としてお答えするということはできませんでございますけれども、いま申し上げましたように、具体的なケースケースに応じてよく話し合って、両方の趣旨が生きるような方向を見出しながらやっていきたい、このように思っております。
○鈴木強君 身延線とか小海線とか中央線、まあきょうは例ですけれども、三線でこういうことを、かりに皆さんおっしゃるようにやったら幾ら国鉄財政は負担が軽くなるでしょうか。
○説明員(原岡幸吉君) 現在、いまの段階で計画しておる数字は、大体四十数線区で約三千人の人間がこれによって合理化といいますか、されていくという計画になっております。しかして、駅につきましては七百八十四駅でございます。
○鈴木強君 何線ですか、線は。
○説明員(原岡幸吉君) 四十三線区でございます。ただ、線区の取り方いろいろございますので、正確には、四十数線区と言ったほうが正確じゃなかろうか、こう思います。
○鈴木強君 人が三千人減る、それは一番わかりやすいですけれども、人だけじゃないでしょう。駅も廃止すれば駅の管理が要らなくなりますね、間接費というのが多少。そういうものも含めて何ぼの金額がこの国鉄財政再建のために役立つか。
○説明員(原岡幸吉君) 幾らの金がこれによって国鉄財政再建に役立つかと、この数字は実は持ち合わせておりませんでございますが、現在の人間の問題のほかに、プラスの面としまして、列車の運行が早くなる、あるいはその対象の駅は若干サービスの悪い影響が出るかもしれませんですけれども、ほかの面におけるサービスの面のアップになる等々総合しまして、これが近代化の方向であるということで、一番大きなねらいは、これから重点的に輸送力を増強していかなければならない面に人を向けなければならない、そういう点のメリットをねらっているわけであります。
○鈴木強君 きょうは時間がないから財政再建の全体について伺えませんから残念ですけれども、しかし、それはちょっと無責任ですよ。一体こういう合理化をして国鉄財政の赤字、やがて六千億になろうという累積赤字をこれによって幾らカバーできるのだという、そういう目安がないということは、これはおかしな話であって、あるんだけれどもここで言えないのですかその点はよくわかりませんけれども、そういう少し無責任過ぎるような答弁はちょっと困るんですね。国民も、国鉄が現在のような国鉄法によって赤字があった場合、公社が全部見なければならないということが、はたしてできるかどうかということについて、確かに疑問を持っております。だから、昭和二十八年目鉄法改正前の姿に戻したらどうかという意見もあるのですよ。現在だって、おたくの中で、はたして十年計画がうまくいくかどうかという点について半信半疑でしょう。中にはそういう意見もあるようですが、だからして国民に、こうやったらどうだという、打てば響くようなわかりやすいような話をしてもらわなければ困る。最近非常にあなたのほうは、戦術のほうはうまくなっているのですが、こういうところへくるとどうもはっきりしないので、疑問を持っているのです、これはよけいなことかもしれませんが。 それでやはり中央線は中央線、小海線は小海線でそれぞれの特殊性もあるでしょう。無人化しなくても、たとえば金手駅なんかは愛宕山公園をどんどん開放して、人が乗りおりして相当な収入があるんですよ。甲府の駅から近いからという理由で廃止する、それを廃止してそれだけ国鉄財政の赤字が救われるというならわかりますが、それがわからぬ。たとえば小海の駅へ行ってごらんなさい、狭隘な貧弱な駅です。これを民衆駅にしてもらって、ホームを整備してもらう。身延線の駅なんかもどうですか。それから中央線の石和のホームだって、二両急行はとまらない、ホームがないんですよ。そんな設備がお粗末なんだから、そういうようなところもどんどんやってやるとか、ダイヤも通勤者の不便のないような、たとえば身延線の身延という駅から甲府へ通う場合、あるいは静岡の富士宮に通う場合、二時間もダイヤの時間があいちゃって、その間、車が動かないというようなことでは困る。だからもっと何とか通勤時間を考えてやるとかという、地元の要望もあるでしょうから、そういうようなものも考えながら、合理化というものを第一面で協力を願うということでなければ、こっちはいつだかわかりませんよ。とにかくこの駅は廃止するじゃ、それじゃ利用者も経営者も労働者も、みんながよくなるなんという合理化の精神なんかないじゃありませんか。いま言ったような、具体的な小海の駅の改修なんかどう考えているのですか。金手駅なんか廃止すべきじゃないですよ。これはどうですか。
○説明員(原岡幸吉君) いまの先生のお話のように、一般的な理解を深めるように、なおこれから努力いたしますが、金手の駅につきましては、これは現地で計画をいたしておりまして、計画の方向といたしましては、先生お話ございましたように、駅間距離が非常に近いということで、一応廃止という計画をするように処置いたしております。
○鈴木強君 民衆駅はどうですか、小海駅の改修はしてくれないのですか。
○説明員(原岡幸吉君) 民衆駅の具体的な問題につきましては、具体的な問題としてここでお答えすることは不可能でございますけれども、そういうお話がございますれば、一緒に検討する問題として取り上げたいと、こう思います。
○瀬谷英行君 金手駅の廃止という問題が出ましたけれども、駅間距離が近いといっても、かなりあったような気がするし、それから利用者も相当あるのじゃないかと思います。現在の利用者数と、それから甲府の駅から金手の駅までの距離はどのくらいあるのか、その辺、参考までにお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(原岡幸吉君) 甲府の駅から金手の駅までは一・一キロでございます。それから現在の乗車人員は一日三百九十三人というデータを持っております。
○鈴木強君 だから、皆さんは都合のいいことだけはちゃんと言うのだね。こっちがしてほしいことになると、声を小さくしたり、どうもあまりはっきりしたことを言わない。それじゃこの計画は成功しませんよ。だから私は、たとえば国鉄の駅はお粗末ですから、これはひとつ何としてでも新しい駅にして、もっと環境も整備して、できたら民衆駅ぐらいにして、地元の意見に沿いますとか、金手駅については、特にこれはそういうところがあれば、決定したけれどもこだわらずにもっともっと検討しますとか、何かみんなが聞いてなるほどというような話がなければ、ちっともこれは進みませんよ。いまのところは、地元とあなたのところと全く対決して、完全にこれやったら、何を言ったって、鉄路にすわってやらせないぞというような地元の強い意見の中でやれますか。政務次官は向こうへ行って何か幅のあるような発言をしていますがね。だから、そういう点はこだわらずに、もう少し基本的に地元の理解と協力がなければできないということですから、そういうことについてやると同時に、いま申し上げたような、たとえば石和の駅だってホームが狭くて急行二両はとまらない、はずれてしまう。そういうものをつくってやるとか、ダイヤも少し便利にしてやるとか、具体的なサービス向上の面をあわせて考えてやるということは言えないのですか。そうしませんと、皆さんが十月からやろうとしていま考えていますことは、そう簡単にいきませんよ、これは。あなたは国鉄の理事さんですから、役員ですからね、それくらいのことは言えるでしょう。
○説明員(原岡幸吉君) 先生から強く指摘されますように、一般的な地元の理解と協力、これを得るべく、そして具体的な問題についてそれを得るべく、なお一そう努力したいと思います。
○瀬谷英行君 駅間距離が一・一キロ、利用者が三百人ぐらいのところはやめてしまう、こういう話になると、それに該当するところはみんなその基準でやめろといった方針になっているのかどうか、それをちょっとお聞きしたいと思うのです。たとえば私のところで、秩父鉄道です。熊谷から上熊谷まで九百メートル。しかしこの上熊谷にも駅を置いて、駅員を配置しているわけです、何人か、駅舎があって。それで利用者も——一日どのくらいかよくわかりませんけれどもね。それから、たとえば有楽町だとか御徒町だとか、こういうところは一キロぐらいか何百メートルもないでしょう、上野駅あるいは東京駅から。こういう利用者が相当多いところは、かりに一キロなくても駅としての価値があるわけです。有楽町なら有楽町としての価値がある。だから一律に一キロかそこらだからやめてしまうという、そういう基準をもしやるとすると、全国的にかなり廃止させられる駅が出てくるんじゃないかということを、ちょっと私は心配するわけなんですが、その点はどうなんですか。
○説明員(山口真弘君) 一般的にちょっと私のほうから申し上げましてから、国鉄から申し上げますけれども、まあこの国鉄の合理化の問題につきましては、これはいわば鉄道の使命といいますか、そういうものが今後どうなっていくかというものとのからみで、先回の財政再建計画というものを考えておるわけでございます。つまり、鉄道の今後の主たる使命というものが、大都市の通勤輸送とかあるいは都市間の輸送だとか、中長距離の貨物輸送とか、そういうところに重点を置いてやっていくということが、今後の鉄道の総合的な交通体系の中において占めるべき役割りであるという、基本的な考え方があるわけでございます。そういう観点で、どの線区のどういう合理化をやっていくかということが基本的な問題になってくるわけでございまして、たとえば大都市の都心部におきましては、非常に業務的な輸送あるいは通勤客の輸送というものが多いわけでございますから、そういう地区におきましては駅間距離というものは相当に短いということが一つ言えるかと思います。しかしながら、地方の線区におきましては、中長距離的な輸送というものを相当強化しなければならぬというようなことになりますと、したがって合理化の面において、比較的輸送量の少ない駅というようなものにつきましては、利用者の御理解をいただいてこれをまあ整理し、あるいは無人化をしていくという方向になっていく。そのかわり、そういう鉄道輸送の特質というものを十分発揮するために必要な駅というようなところは、これは大いに整備を進め、あるいは拡充をし、あるいは強化をしていく。そういうようなことではないかというふうに私ども基本的には考えておるところでございます。
○説明員(原岡幸吉君) 山口鉄監局長の説明に補足して説明をさせていただきますが、そういう趣旨でございまして、駅間距離が何キロだから、何キロ以下は全部やめる、あるいは何人以上はどうするという固定的なスタンダードは設けておりません。
○鈴木強君 どうもたいへんすみません。まあともかく地元とよく話し合いをして、円満にいくようにしてください。これで終わります。
○委員長(温水三郎君) 暫時休憩いたします。 二時十分再開いたします。 午後一時三十六分休憩 —————・————— 午後二時十六分開会
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○瀬谷英行君 委員派遣報告が先ほど金丸委員より行なわれまして、その中で、室蘭と小樽では石炭埠頭がいまもう遊んでいるという状態だ、この石炭埠頭をそのまま遊ばせておくのはもったいないじゃないか、しかも特に室蘭、まあ小樽もそうですが、港の中で最もいい場所を占めている、鉄道のレールも入っておって、これはそのままにしておかないで有効に使えるのじゃないだろうか、石炭で使うというわけでもないけれども、ほかに使い道があるのじゃないかという意見が非常に地元から強く出されておる。確かにそれは言われるとおりで、石炭を運ばなくなったからといって埠頭をそのままにしておく手はなかろうと、こう思うのです。 そこで、北海道と関東との輸送なんですけれども、現在の青函航路に依存をしていたのでは、なかなかこれはらちがあかない、行き詰まりがくるのではないかということが想像されるので、たとえばコンテナ埠頭にして、コンテナ輸送を京浜と北海道の間で室蘭の石炭埠頭等を改造をして行なうというような方法はどうなのだろうか、これは輸送コストの面で一体どのようになるのか、もしコストダウンが可能とあれば、むしろこういう転換を積極的にやるべきではないだろうか、こういう気がするわけでありますけれども、運輸省当局の見解はどういうものか、あるいは国鉄自体としてこの問題に対してどのような意見を持っているのか、あるいは構想があるのか、という点についてまず第一にお伺いしたいと思います。
○説明員(鈴木珊吉君) ただいまの瀬谷委員の御質問の件でございますが、これは国鉄の財政再建全般の問題の一環だと存じます。私海運局長といたしまして所掌しておる範囲だけから申し上げたいと思いますが、私どもといたしましては、ただいまの御意見につきましては、現状のような青函連絡輸送力の隘路打開という見地から申しまして、検討に値する計画ではないかと存じております。幸い国鉄におかれましても、この点に目をつけられまして、実はただいま検討しておると聞いております。財政再建計画ではこういう点について民間の海運業者と協調提携してそういう点を計画するということにもなっておりますので、私聞いておるところによりますと、国鉄といまの北海道の定期航路運賃同盟加盟各社との間で、ただいま先生おっしゃいましたようなコストダウンになるのかどうか、そういった点につきましてもいろんな角度から具体的に協議しておるというふうに聞いております。したがいまして、海軍局といたしましても、いい結論が出るならば、ぜひそれが実現するような行政指導をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○瀬谷英行君 国鉄のほうは……。
○説明員(山口真弘君) 国鉄の室蘭港は多年にわたって石炭輸送で活躍をしてまいっておりまして、その取り扱い能力は年間三百万トンに及ぶという盛況でございましたが、現在の社会構造の変革に伴うエネルギー革命というようなことによりまして、石炭需要が激減をしたということによりまして、室蘭港が御指摘のようにその石炭取り扱い実績が非常に減少をいたしまして、特に今年度からはもうほとんどなくなってしまったという実情でございます。そこで、一方、北海道対関東との間の貨物輸送の逼迫というものは相当ひどいものがありまして、北海道向け貨物の受託停止あるいは発送停止というような事態も少なくなく、そのために一般の荷主の方にも非常に御迷惑をかけている実情でございます。したがって、この北海道対関東の間の貨物輸送の隘路に対する打開の一つの方法としても、この室蘭港を積極的に活用する方途はあるんじゃないかということでございます。先ほど海運局長から申し上げましたように、国鉄のほうといたしましても、この間の輸送、バイパス輸送というものを行なうべくいまいろいろと検討をしております。ただ問題は、民間の事業者との関係も非常に多うございますので、先ほどの再建計画におきましても民間の事業者と十分に協調を進めながらやっていくということになっておりまして、現在民間業者との間でいろいろと交渉を保っておりまして、その結論を見て今後の方策をきめてまいるということに相なっております。先ほどの御視察の結果、まことに好機を得たものと実は存じておるわけでございます。
○瀬谷英行君 民間の業者との間にいろいろ問題があるということなんですが、国鉄自身が、青森と凾館の間の輸送を、京浜と室蘭の間の輸送に振りかえたという解釈をすれば、別に民間業者からいろいろ言われる問題ではないという気もするんですけれども、それが民間業者に対して特別な圧迫をするということになって反発があるのか、それともねらいとしてはこっちのほうが話がうまいんで、民間業者も割り込ましてもらいたいというふうに思っているのか、これは貨物輸送の面からいうと、国鉄としてははたして得なのか損なのか、損をしてまでやるものを民間業者が割り込ましてくれということはなかろうというふうにわれわれは考えるんですけれどもね。これは数字的に、要するにそろばんをはじいた結果はどういう答えが出ているのか、望ましいというふうに国鉄自身が考えているのか、その点をまずお伺いしたいと思う。
○説明員(泉幸夫君) 国鉄の貨物局長でございます。 ただいまの御質問でございますが、私ども青森−凾館間の輸送力増強を鋭意やってまいっておるわけでございまして、四十五年の七月に新鋭船を入れまして、十三隻が就航いたすことになりまして、年間約四百三十四万トンの能力ができたわけでございます。昨年に比べまして約二割増というような増強をやったわけでございます。年々輸送がふえてまいっておりまして、どうしても四十七年の秋には運び切れないというような見通しに立っておるわけでございます。国鉄としては青森及び凾館の現在の港湾施設から見ますと、これ以上船をつくりましても運航能力が増強できないという状況でございますので、次第にコンテナ化してまいっております昨今の貨物の実態に徴しまして東京以西の——関西方面を含めまして——コンテナを東京から船に積みまして、それを御指摘のございました遊休化しつつあります室蘭港にあげて、またレール輸送をする、こういうことが最もいいんじゃないかということで、運輸省の御指導に基づきまして、関係の民間の、主として北定同盟でございますが、関係者と話を進めておるわけでございまして、どういう形でやるか、コスト的にどうなるかといった点については、目下鋭意それぞれの立場で資料を提供し合いながら検討いたしておる状況でございます。私どもとしてはレール運賃の中で十分にのみ込んでいただけるのではないかというふうに考えて、いま進めておるわけでございます。
○瀬谷英行君 四十七年秋には運び切れないという見通しがすでにあるということになれば、東京以西の貨物を京浜港から北海道へ直送するということは、国鉄としてはこれは非常に望ましいことじゃないか、あるいは逆に北海道から京浜にストレートに持ってくるということは必要なことではないかという気がするのです。特に青函トンネルがこれは五十二年にできるということになっておりますけれども、青凾トンネルがかりにできて、しかもこのトンネルを通じて旅客も貨物も運べるということになると、現在の連絡船というのは用はなくなるわけです。だからそういう場合を考えましたならば、連絡船の将来転用ということを考えて、この青凾間を北海道−東京間というふうに引き直して、あるいはまた小樽から舞鶴とか北九州とか、こういうふうに引き直して考えてみるということも一案ではないかという気がするわけです。これは国鉄がやる、民間がやるということよりも、国家的な見地からそのほうが時間的にもあるいは運賃の面でも得だということになれば、そういうことは積極的に推し進めるべきではないかと思うし、四十七年といえばあと二年しかないのだから、いまから体制をつくって、たとえば室蘭港をコンテナ港に改造するならするということは、いまからやらないというと、二年後には間に合わないわけでしょう。だから決断をするならいまのうちに決断をして実行に移すというようにすべきではないかという気がするわけですが、その点はどうですか。
○説明員(泉幸夫君) 私ども最終的には相当大規模の港湾整備等を考えて、いま申し上げましたような角度から東京港と室蘭の問題についてどのような設備、それから船舶がいいかということを検討いたしておりますが、何ぶんにも各関係業界との問題もございますので、早急に結論を出すというまでにはまだ至っておりません。なお、四十七年の問題もございますので、早急にその点はきめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。すでに二月以降数回にわたり折衝を続けております。
○瀬谷英行君 運輸省としてはどうですか。
○説明員(山口真弘君) この問題は、まず第一に青凾間の輸送が現在も逼迫をしておりますし、四十七年時点においては相当逼迫の度がひどくなるということをまず考えなければならない。そうしてそれによって、この間の輸送を確保することによって、内地と北海道間の経済の一体化というものがそこなわれないようにできるだけ処理するという前提からまずものを考えなければいけないんじゃないかというふうに考えております。そこでその場合に、その輸送力の確保をどのようにするかということになりますと、一つは、青凾間にさらにこれを増強いたしまして、青凾間の輸送を新たにつくるというようなこと、あるいは既存のものの増強をするというような問題が一つあろうかと思います。それからただいま先生御指摘のような室蘭あたりから東京港までの直接の輸送、特にコンテナ等によるところの輸送というようなことでもってその輸送をまかなっていくというようなことを考える。それから一方、先ほどもお話がございました、青函隧道というものの建設というものも、現在鉄道建設審議会に工事線の指定に対する諮問がなされておるわけでございますが、そういったような青函トンネルの建設との関係というような問題、いろいろと考え合わせた上で検討する必要があろうかと思います。そういったような場合に、その経済計算においてどれをいまやることが適切かどうか、あるいはいまここで室蘭−東京港間の輸送というものを開始するということ、そのために室蘭港を改築をするということが適当かどうかというような、いわば経済計算の問題になってきて、その経済計算の上に立ってその効果というものを判定していくということではないかと思います。ただ、先生おっしゃいましたように、この問題は四十七年度時点ということを目ざすとしますと、早く態度決定をしなければならぬ、仰せのとおりでございまして、そういった点、私どもも関係者と十分に相談をいたしまして問題の早期の解決をはかってまいりたい、早期に態度決定をはかってまいりたい、このように考えております。
○瀬谷英行君 それで、今度は青函の連絡ですけれども、一方においてはトンネルの建設にいま着手をしているわけですが、一体青函トンネルはどういう規模で通そうとしているのかということです。つまり単に小さなトンネルを一つつくって単線で通したと、在来線のゲージで単線で通したということじゃ、あまり意味がないわけです。どうせ通すんならば、これは広軌、新幹線が通れるようにして、しかも複線電化でスピーディーにくぐり抜けられるようにしないと意味はないだろうというふうに考えられるわけです。もちろんこれは蒸気機関車を走らせるというわけにはいかないと思うのですね。そうなれば、かなり新幹線の複線ということになれば、大きな直径を必要とするような気がする。それから、新幹線だけを通すということになると、今度は貨物輸送ができないかもしれない。まあできないというわけじゃないけれども、現在の新幹線というのは旅客輸送が主体になっておって、貨物輸送は実際問題として行なってないわけですね。また、貨物輸送を現にやる場合に考えてみると、日本国中の鉄道を全部狭軌から広軌にかえてしまうということをやれば、これは貨物輸送もできるけれども、現状のように在来線は従来のゲージであるということになると、どうしても在来線の三フィート六インチの軌道も併用をするようにしないと貨物輸送はできなくなるのですね。で、それを考えると、このトンネルの中に広軌と狭軌と両方の線を併用できるような方法を考えるのか、広軌のトンネルと狭軌のトンネルと二本つくるようにするのか、あるいはまた二階建てにして、上のほうを広軌で下のほうを狭軌というふうに使い分けをするのか、あるいはまた長いトンネルですからね、途中で事故があったといったような場合に、トンネルの中ですから自動車で救援に行くというわけにいかないから、そういうことを考えて自動車道路もそれに並行してつくるというようなことも考えるのか。せっかく大工事をやろうとしている以上、できた結果が効果的に利用されなければ意味なかろうという気がいたします。その辺の構想は一体どうなっているのか。それによってトンネルの規模も違ってくると思うので、その点をお伺いしたい。
○説明員(山口真弘君) 青函トンネルの工事につきましては、まずこれの調査でございますが、これは昭和三十九年以来鉄道建設公団に対して調査を指示をいたしておりまして、それによりまして技術的な調査、経済的な調査というものを行なってきたわけでございます。その建設の可能性につきまして、先般鉄道建設公団から運輸省に対しまして報告がございまして、基本的には、調査の結果建設が可能であるという意見を提出をしてまいったのでございます。その際、当然トンネルの位置、それからトンネルの勾配、トンネルの断面、ただいま先生御指摘のように狭軌の鉄道と広軌の鉄道ではトンネルの断面が違うわけでございますから、その断面というような問題につきましてもいろいろ調査をいたしまして、その調査では、新幹線の規格でもって列車を通すことができる断面というものを前提といたしまして、それでトンネルを掘さくすることが可能である、こういう一応の結論が出ております。そこで、この新幹線を今後青函トンネルに通すかどうか、青函トンネルの使い道はどうするかというような問題でございますが、これは実は先般の国会で御審議いただきました全国新幹線鉄道網整備法によりまして、今後の新幹線の進み方というものは決定をしていくと、それによって基本計画をつくり、工事計画をやっていくということになりまして、その意味では、現段階で青函トンネルに新幹線を通すということは決定をしているわけではございません。ただ、先ほど申しましたように、技術的には新幹線をも通すトンネルというものの建設が可能であるということでございますし、また新幹線トンネルの使い方につきましては、たとえば新幹線を通し、そうして同時に在来線によるところの貨物輸送を行なうということも可能でございます。先生御指摘のとおり、貨物の場合には貨車が全国一貫運用いたしておりますから、したがって、現在線の狭軌の形でなければ貨車を通すということはなかなか困難であろうと思いますので、そういう意味では新幹線の旅客鉄道と貨物鉄道たる在来線というものを同時に通すということも十分考える余地があることであろうかと思います。ただ、これらにつきましては、先ほど申しましたように、現在、先般成立いたしました全国新幹線鉄道網整備法の手続によってきめてまいるということになろうかと思います。 なお、青函トンネルの工事につきましては、ただいま鉄道建設審議会に諮問をいたしておりますので、その鉄道建設審議会の工事線の指定というものが今後ありますれば、それに従って処理をしてまいる、こういうことに相なると思います。
○瀬谷英行君 そうすると、新幹線と在来線と併用するということは、新幹線用の規模でトンネルをこしらえて、広軌の線路と狭軌を併用するのかどうかですね。たとえば、広軌の線路の中に狭軌の線路を敷設をして、同じ線路上を両方走るようにするのか、あるいは別線にするのか、わきにするか上にするかは別として、別線にするのか。つまり複線だとすれば、四本のレールを敷くのか、二本のレールの中にまとめてしまうのか、上り下り線の中に、どっちの方式をとるのかということです。
○説明員(山口真弘君) ただいま御指摘の問題は、実は青函トンネルの工事計画ということにおいて明らかにされてくるということに相なると思います。したがいまして、現段階ではどちらの方式をとるかということはまだきまっておる段階ではないわけでございます。ただ、先ほど申し上げました鉄道建設公団からの調査報告では、新幹線断面の複線で建設をすることが技術的に可能であるという報告が出ております。したがいまして、新幹線断面の複線で建設をした場合に、その新幹線断面の中に狭軌の線路を入れていくということは、断面的に言っても、それは技術的に可能でございます。ですから、そういう形で在来線と新幹線の併用ということも技術的には十分にできると、私どもこのように考えておりますが、ただ何をとるかということは、今後の工事計画の際の決定ということに相なろうかと思います。
○瀬谷英行君 新幹線を通すとすれば、これはトンネルをくぐり抜けるのに、このトンネルが五十四キロということですから、二十分もあればくぐり抜けることができるだろう、こう思いますけれども、在来線だったら五十四キロという距離はざっと一時間を要すると思うのですね。同じ線路の上を新幹線と在来線と両方走らせるということになると、二百キロのスピードの電車と、それから五十キロのやつと、これはダイヤを組む上にたいへんにややこしいことになると思うのですね。時間帯を分けて、新幹線だけを通すか、在来線だけを通すかという方法をとるか、はなはだややこしいことになるだろうという気がするのです。これは国鉄としては、一体この青函トンネルをどういうふうに利用しようというふうに考えているのか。この考え方の基本がきまらないと、トンネルの規模もきまってこないという気がするわけですが、その構想は一体どうなっているのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○説明員(山口真弘君) 青函トンネルの使い方自体は、実は先ほど申しましたように、まだ決定を見ておりませんので、したがって最終的にはどういうふうにすることがいいのかという点につきましても、実はきまってないということでございます。ただ、いま申し上げました点でございますが、先生御指摘のように、列車のスピードの違う列車を走らせるということは、当該線路の線路容量というものに対しまして、著しく不経済な使い方になるわけでございます。等距離、等速の列車を走らせるということが最も輸送力が大きいわけでございますが、そういった意味で、同一の地点に線路を設けるという場合には、一体行き違いあるいは追い越し設備等をどう考えたらよいのかというような問題等もいろいろ検討しなければならぬのじゃないかと思います。また別の線路をつくるということになれば、これはまた話が別になってくるということになろうかと思います。したがいまして、いずれにいたしましても、新幹線にしろ在来線にしろ、青凾トンネルをつくる場合に、その使い方をどうするかというのがまずあって、そしてその規模というものあるいは構造というものがきまってくるということに相なるわけでございます。それにつきましては、今後の新幹線整備法に基づくところの基本計画の設定とか、あるいは建設審議会におきまするところの青凾トンネルの工事実施計画に対する基本計画の変更というような問題の際に、十分に明らかにしてまいるということに相なろうかと思います。
○瀬谷英行君 鉄道建設公団にちょっとお伺いしたいのですけれども、どうもいま話を聞いてみると、まだトンネルの使い方がはっきりしていないわけですね。鉄道建設公団のほうは、新幹線が通れるような穴を掘る、要するに公団のほうは穴さえ掘ればいいと、新幹線が通れるような穴を掘るだけだ。それを新幹線だけにするのか在来線も使うのか、両方使うのか、それは建設公団のほうじゃ関知しないという状態になっているのか、その点お伺いしたいと思うのですが。
○参考人(篠原武司君) ただいま鉄監局長の申されたように、正式には新幹線を通すということの御指示はございませんので、そういうことは申し上げられませんけれども、新全総その他で、新幹線は北海道へ行くというような形に打ち出してもおられますし、国鉄の案としましても、われわれのほうの公団の案としましても、前に新幹線の構想のときには青凾トンネルを通るように新幹線を考えていたわけでございまして、将来そういう姿になるべきじゃないかということの前提で、私どもとしましては新幹線を通すという場合にはどうなるかということで検討しております。最終的には、いま国鉄でもって真剣にこの輸送のやり方をどうするかということをいま検討しておられますので、われわれの仕事に差しつかえない範囲で一応決定を見るというふうに思っております。それで新幹線と、それじゃ狭軌をどうするか、私どものほうの——運輸省から示されたんじゃなくて——試案でございますが、新幹線と狭軌を両方通すと、それで貨物の狭軌の列車もそこへ通すのだということで、これはダイヤもわれわれなりには引いて考えております。新幹線は、あるグループを通しましたならばその間に若干の余裕がある、その時間帯を通して貨物列車を通すことができると、そのためにはやはりトンネルの近くにある程度のヤードと申しますか貨物列車をためて置くところがないといけない。それで貨物列車をためておいて集団的に列車を入れるならトンネルに両方入るじゃないかということで検討いたしまして、それで差しつかえないような断面の隧道勾配を、新幹線を通し得るような勾配の隧道というようなことで検討した結果、そういうことのできるような案としまして報告を一応出しております。それはあくまでもやはり決定しておりませんので、列車を、狭軌を通すのだと、しかし将来新幹線を通すときには何ら差しつかえないようにできるということで報告書を出しております。
○瀬谷英行君 このトンネルの使い方は全然きまらないけれども、工事にはかかっているということなんですね。
○参考人(篠原武司君) これは調査工事です。
○瀬谷英行君 そうするとホテルにするのか料理屋にするのかまだわからないけれども、建前だけは済まして大工は集めておくと、こういう状態なんですな、話を聞いてみると。まあおかしな方法だろうと思う、これは。本来ならば、こんな大規模な工事をやって、それで世界一のトンネルをつくるというのだから、そのトンネルというのは新幹線を通すのか、在来線も通すのか、新幹線だけなのか、いろいろな点をはっきりさせておかなければならぬという気がいたします。そうしないと、トンネルそのものの大きさというものが全然きまらないのじゃないかという気がしますね。ただ穴さえ掘ればいいと、鉄建公団のほうはともかく、北海道と本州の間に穴を掘ってしまえばいいというようなことで何か進んでいるような感じがするのですがね。
○参考人(篠原武司君) これは正式にではございませんけれども、国鉄の幹部、われわれ、それから運輸省、みんなそれぞれ相談しまして、新幹線を将来通し得るというような施設をつくろうということに内々話ができておりまして、正式にはまだ指示は受けておりませんけれども、そういう段階で仕事を進めております。
○瀬谷英行君 私がさっきから聞いているのは、新幹線を通すのか、在来線も通すのか、新幹線だけにするのかといったようなことを分けて聞いているわけです。もし在来線だけだったならば、東北新幹線というのは青森どまり、新幹線を通すということになれば、東北新幹線は青森どまりにならないで津軽海峡をずっと通って北海道へ渡って、少なくとも札幌ぐらいまでは行くようにしなければならぬだろうと思う。そうすると新幹線の北海道におけるルートも、トンネルを通る場合とトンネルを通らない場合とでは全く違ってくるわけですね。したがって、それらトンネルの規模というものはすべてを決定する重要なかぎを握っているという気がするわけです。ここでいろいろお伺いしたいわけですが ともかくいままでの御説明を聞くと、要するに使い方はわからぬけれども、新幹線が通れるだけのトンネルをつくるのだという話だけはわかりました。そこで、この「津軽海峡線調査報告書概要」というのを、日本鉄道建設公団からちょうだいいたしましたけれども、ここでいろいろ調査をされておる。海峡に分布する地質はこういう地質であるということと、それから岩石の中では、本州側にあるのが安山岩と玄武岩であって、これはセメントや薬液の注入によって止水しやすい性質のものだ、しかしトンネルが遭遇する断層はかなり顕著なものが海底部で九本あって、これらの周囲も割れ目が多いので軟弱化しているが「慎重な計画で入念に注入を施行すれば十分に止水、固結できるものであると考えられる。」、こういうことです。しかし「海底下で遭遇する湧水は、本州側火山岩中ではほぼ海水に近いものであるが、北海道側凝灰岩中では海水の影響はあまり受けていない。」、こういうような報告があって、本州側と北海道側には若干の違いがあるようなことが書いてあります。しかし、ここに述べておられるのは、いろいろ調査の結果十分に掘さくができるという結論になっておりますけれども、これは、それぞれの地層の岩盤の性質からいって掘さくが可能である、こういう結論が出ているようにお見受けをするわけです。ところが大阪大学の川井教授が述べておられる御意見によると、日本列島そのものが列島自身の短縮運動をやっておって、各地塊の回転や内底の東方移動というのはすでに死滅をした地殻運動ではなくて、現在も生き残っているのではないか、こういう見解を示されておりますし、最近五十年の地理調査所の研究では百年間に三メートル程度の地塊の移動が見られる、こういうふうに述べております。東北地方の回転と日本海方面への押し出しは百年間に数メートルの大きさで激しくなっておって、北海道に対しては大きい相対運動をしている。「岩石磁気学から推定される相対運動と陸地測量の結果を合わせ考えると、」トンネルの工事は「数メートルにも達する大きい食い違いに耐え得るよう」に設計しなければならないし、それだけに「危険である。というよりはこんな場所にトンネルを造ること自身に強く反対し、自然の摂理にさからわぬように警告を発したい」ということを述べておられます。これはその道の専門家の方がお書きになった論文であるので、しろうとが海の底にトンネルを掘るのはあぶないからやめたほうがいいという意見とこれはまた違う。相当権威のあるものではないかという気がするのでありますけれども、これらの地殻の変動という問題に対しては、特に公団としては、十分耐え得るだけの設計を考えているのかどうか、これらの川井博士の見解というものはどのように取り上げてよろしいというふうにお考えになっておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(篠原武司君) ただいまの問題でございますが、私どものほうとしましては、非常にばく大のお金をここに入れまして青函トンネルを掘るんでございます。しかも世紀の大工事でもありますので、慎重の上にも慎重を期さなければいかぬということで、青函トンネル技術調査委員会というのを部内につくりまして、その方面の学識経験者の方々にお集まりいただいて慎重に検討してまいってきているわけでございます。実はこの委員会の構成を申し上げますと、大体幹事七人を含めまして五十人というような大ぜいの方々にお願いをしておるようなわけでございます。その中には学位を持っておられる方々を十四人も含んでおりますし、地質の関係者が五人も入っているというようなことで、私どもはこの委員会の結論に満幅の信頼を持っているわけでございます。そういう段階でいろいろ仕事を進めてまいりまして、 〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕 鉄道建設審議会にこれを運輸省から諮問していただきまして、これから着工するるかどうかという結論を出そうという段階に、川井教授が「自然」という雑誌に、青函トンネルはあぶないからやめたほうがいいというような結論を出されたんでございます。そういうような報告が出されておりますので、それに対してこの委員会の委員の一人であります北大の教授佐々先生が、これは北海道新聞に出しておりますが、「青函トンネル果たして危険か」と、これは七月九日の北海道新聞の夕刊でございますが、それにはっきりこれを否定して書いております。その中に、地球の生成その他を川井教授は言っておりますけれども、これには非常に飛躍があると、青函トンネルに関する意見については「勇み足として博士のために惜しむと共に、計画は特に危険とは考えられない」ということを、相当の長さで書いてございますので、そこにもはっきりしているのでございますが、川井教授の言っておりますのは、岩石が生成されるときの岩石に残る磁気の方角が地盤の移動につれまして多少変わるということを言っているのでございまして、それが非常に古い時代のことを言っているのであります。それは白堊紀といいまして、地質学からいいますと相当古い年代の時期にそういう問題が起きたのでありまして、われわれが青函トンネルをつくる地層につきましては、いわゆる白堊紀よりだいぶ新しくなりまして、第三紀といっておりますが、第三紀の新第三紀層というんですが、大体、通っております年代はどの辺だといいますと、千五百万年から三千五百万年というような時期にできた地層の中を青函トンネルは通っておりますので、私どもは、この年代にわたってはどうかということをやはりこの論文の中で調べてみましても、この二六ページに書いてございますが、白堊紀時代にいろいろ地質が、残留磁気の方向が変位しているということははっきり出ております。しかし、第三紀になりますとその変位はほとんどないということで、あまり移動はないんだということをはっきりうたっているのでございます。しかも、この残留磁気の変位といいますか、フレの時間的変化、これを計算して、これをもとにいろいろ議論しているわけでございますが、この単位はいずれも百万年単位でございまして、非常に、まあ気の遠くなるような長時間の問題を取り上げて議論しているわけでございますが、この辺まではよろしいのですが、それからだんだんあとになりますと、多少いろいろな点で飛躍があるということはわれわれも感じるのでございますので、特に地質の先生その他の方々に一応お伺いもしたのでございますが、こういうことは心配要らぬという結論になっておるのでございます。しかも、この議論の中身は、最初に大陸が全部一つであった、それがだんだんに移動して、いまのように太平洋なり大西洋なりができてみんな分かれていったんだということでございますが、日本だけは今度はまた逆に大陸のほうに寄ってきているということを言っております。それからここで北海道と本州との間が曲がったということを言っておりますが、それなら曲がったところはどこかということを突っ込んでみますと、青函の津軽海峡ということではない、どこかわからぬけれどもその辺で曲がったんじゃないかというようなお話なので、だいぶ話も違いますし、それからまた地震の問題なども詳細に検討したわけでございますが、地震につきましては、耐震工学の権威であります岡本舜三先生、これは東大の生産研究所の元の所長をしていた方でありますが、こういう人にも委員になっていただいていろいろと検討していただいております。そういうような点で、十勝沖地震、つまり北海道の東のほうには地震の巣がだいぶあります。しかし、津軽半島のほうには地震の分布からいいますと非常に少ない地帯で、日本においては最も少ない地帯でありまして、しかも、地震の震源が東北日本では非常に深い、それから西南の日本では地震の震源が浅いというようなことまでもいろんな資料から出ております。それで、私どもで考えております北海道と本州との間の移動というような問題について考えてみますと、津軽海峡では地層が、大体北海道側と本州側とができたのが、同じような形でできておりまして、その辺の褶曲その他を見ましても、そういうことがいわれるので、しかも浸食によってこれができた。断層で大きく曲がってできたということじゃないということがはっきりしておりますので、私どもはこれは少しも心配しておらないのでございます。ただ、川井先生も言っておりますように、川井教授は、この地球物理学については権威でございますが、しかし、そのほかの問題については、あまり知識がないということをこの本にも自分で言っております。難解の岩石学や地質学の書物を完全に理解しなかったために、かえって固定概念にとらわれなかったのでこういう話ができるというような言い方をしておりますが、土木工学についてはそういう知識もあまりないんじゃないかというふうにわれわれには拝察されるのであります。特に、国土地理院で北海道側、それから本州側においていろいろ地質の移動などを調べておりますが、六十年以上にわたって一メートルも動いてない。その距離はどのくらいかといいますと、約五、六十キロというような離れたところでございまして、こういう長い距離において測量のエラーもございますし、いろいろの問題もあると思いますが、しかし、その程度のものは、トンネルのような構造物につきましては、ほとんど影響がないということを言っていいと思います。 それで、百万年オーダーのいろいろのお話が出ておりますけれども、われわれのつくります青函トンネルはその十分の一、あるいは百分の一、もったとしても十万年とか一万年とかいうことになりますので、私どもといたしましては少しの心配もしておらないということを申し上げておきます。
○瀬谷英行君 建設省の国土地理院から来てもらっているので、その国土地理院の人の意見を聞いてみたいと思うんですけれどもね、この川井教授の論文の中には、最近五十年の陸地測量の結果、百年間に三メートル程度の地塊の移動がいまだに見られているといったようなことが書いてあるわけなんですけれども、問題の青函トンネル予定地域の地塊の移動というものが、調査の結果はっきりしているのかどうか。これは北上ブロックがこう動いて、北海道ブロックがこう動いて、阿武隈ブロックがこう動いてということを、いろいろ、だいぶ昔の話から説いておられるのですけれども、なるほどこれは一億二千万年前の話なんというのは、これはそう心配するほどのことはないとは思うんですけれども、一億年前の話はさておいて、この百年の間、何メートルの移動がここであったということになると、これはあんまり、一億年前の話とはわけが違ってくるわけですからね、相当慎重に検討する必要があるのじゃないだろうかという気がするんですよ。もしも、この指摘のように非常に危険であるということばがほんとうだったとすると、二千億かけようと、三千億かけようと、このトンネルが一ぺんにつぶれちまったということになると、文字どおり水のあわになっちまうわけですからね。海底で沈んでしまうということになると、これはたいへんなことになるわけです。特に開通をして、新幹線が下をくぐっているときにぶっつぶれたということになると、ちょっとこれはどうにもならぬことになるわけです。だから、そういう点は慎重の上にも慎重を期する必要があるのじゃないかという気がするので、トンネルに直面をする岩盤の固さであるとか、あるいは水をとめるための工作であるとか、可能性であるとか、そういう問題とは別に、この地塊の移動というようなことは、データの上から安心できることなのかどうかということを確かめたいと、こう思うわけなんです。その点で国土地理院の方の意見というものを、できたらお聞かせ願いたい。
○説明員(井上英二君) お答えいたします。 国土地理院で明治以来測量しておりまして、いままで何回か測量しております。この測量二つ比較いたしますと、日本の地面の動きがわかるということで、日本の場合にはわりに世界的に見ますと地殻はあまり安定したところじゃないのはもう事実でございます。そういうことでいろいろ日本の場合には明治時分にはかり、そしていまの昭和にはかり、その間に全国的にやはり一、二メートルの動きが見られるわけなんです。北海道はどういうことかと申しますと、明治時分の測量というものがわりに方位の精度が不十分だったものですから、東京原点でちょっとこれは方位が狂いますと、一ミリ東京で方位が動きますと、北海道へ行くと五メートル違う。新しい測量につきましては、わりに方位のこともがっちりとっておりますけれども、明治時分の測量方位が、ある程度不正確だったということで、それで北海道が東京原点で幾ら動いたかということになりますと、一応計算の上で三メートルということが出てまいりますけれども、これははたして三メートル動いたものかどうかちょっと信用できない、あるいは動いたかもしれませんし、動いてないかもしれません、ちょっとそこら辺の測量の誤差があります。しかしいまの一番問題になりますのは、津軽海峡両方はさんだ両側の相対の動きじゃないかと思います。これは距離も近いし、測量精度も上がりますので、この点からいいますと、その測量成果は相当信用していいのじゃないか。そういうことで申しますと、いま鉄道公団の方が申されましたように、大体六十七年間に八十センチ前後の動き、それが距離的にいいますと大体五十キロくらいの範囲で六十七年間に八十センチということになりますと、五十キロの距離で一年間に一・五センチメートルということでございます。もちろんその間に一様に動いているのかどうか、これは疑問ですし、それから五十キロの間が全部均一に動いているのかということが疑問でございますが、いま御議論になりましたように、海洋底拡大説からいいますとほとんど動きは一様である、もし原因が、海洋底拡大説あるいは日本全体の大きな動きということからしますと、この動きはきわめて一様なものだと考えていいのじゃないかということになりますと、年間下五センチ程度の動きが五十キロの範囲に動いている。これが実際のトンネル工作上十分なものかどうか、私は専門家じゃありませんのでわかりませんけれども、年一・五センチ、五十年でせいぜい六十センチぐらいのものですから、これは工事のほうで十分やり得る量ではないかと推定いたします。この辺のことにつきましては、私はそのほうの専門家でありませんのでわかりませんけれども、測量の結果から申しますと、大体その程度でございます。
○瀬谷英行君 先ほどちょっと私質問したのですが、新幹線を通す場合のトンネルの断面というのは直径にしてどのくらいになりますか、やっぱり十メートルや十メートル以上は必要じゃないかという気がするのですけれども、五十年に六十センチだということになると、これはトンネルが六十センチ、五十センチの移動に耐えられるような技術的な強度というものが保証できるということであれば問題はなかろうという気がするわけです。しかし、六十センチだって五十センチだって、もしレールにそれだけの食い違いができれば完全に脱線しますから、海の下のトンネルなんだから、漏水であるとか決壊であるとか、そういう事故が起きた場合でも始末が悪いことになるということを心配するわけなんで、国土地理院のほうの地殻の移動の一つの見解というものは、これは土木工学の面とはまた別の分野にあるような気がするわけですね、土木工学の面は、直面をする岩盤に対してトンネルの掘さく工事の技術的な可能性ということを中心にしておられると私は思うのですけれども、でき上がったトンネルの安全度という点を考えてみた場合に、そういう地殻の移動ということは、今日の技術では何ら問題にするに足らないというふうに考えていいのかどうなのかという点をちょっと伺いたいと思います。
○参考人(篠原武司君) お答えいたします。 この五十キロくらい離れたところで多少の移動がありましても、これは問題にならないと思うのですが、ただ断層か何かありまして、同じような地点でくっと大きく移動した場合には構造物に影響が非常に大きいのですが、そういうことは考えられない、それで、五十キロでこれを割ってみますと一メーターでどのくらいだといったら勘定できないくらい小さいことになってしまいまして、これは構造物に与える影響というものは何にもないわけなのであります。それですから、しかもこういうような移動の起こるのは、地震とかなんとか、そういうようなことも非常に大きく影響いたしますが、地震の場合でも震動その他考えますと、地下深く入りますと地上の半分くらいになってしまうというようなデータも出ておりますし、このくらいの移動は何ら問題にならない。現在地上でたくさんのトンネルが掘られておりますが、そのトンネルの掘られている地点はこういう地点よりももっと移動の激しい地点である、それも何ともないということをお考えいただければ、絶対に安全であるということを御理解いただけるだろうと思います。
○瀬谷英行君 地上のトンネルの場合と少しケースが違うのでわれわれも心配するわけですけれども、第一長さが違うわけです、五十四キロという長さは東海道線で言うと東京−辻堂間、あるいは中央線で言うと東京−高尾間、高崎線で言うと東京−吹上間くらいのところ、在来線で走れば一時間はたっぷりかかる、このトンネルの保安の問題を考えてみた場合、海面から百四十メートルに達するところまで下がるわけですね、すると百四十メートル下まで下がるということは、この五十何キロの間に百四十メートルの山登りをするのと同じわけですね、これは上に上がるか下におりるか、下におりればまた上がらなければならぬのですから、相当の勾配があるわけです。在来線で勾配区間において貨物列車がちょくちょく脱線事故が起きておる、この青凾トンネルの、先ほどの話に戻るわけですけれども、もしも新幹線に在来線を併用するという場合に、在来線の斜面でもって貨物列車が脱線事故を起こしたというようなことを想定すると、東海道線の脱線事故ではクレーン車が出ていって脱線した車両をつかみ上げて回復するといったようなことをやっていますが、このトンネルの中でそういう事故が起きた場合、クレーン車が行ってつかみ上げるというようなことはちょっとできなかろうという気がするわけです。そうすると、事故対策という点を考えますと、かなりいろいろな問題があるのじゃないかという気がするわけです。この事故対策を考え、脱線事故といったようなことを想定をして、なおかつ新幹線と在来線と両者を併用するといったようなことは、かなりの余裕をトンネルの断面の面積にも持たせなければならぬことではなかろうかという気がするわけですけれども、それらの余裕というものを十分計算をして工事を進めるということになっているのかどうかですね、その点はどうでしょうか。
○参考人(篠原武司君) 深さの問題でございますが、海面から百四十メートル下がったところに岩盤がございまして、それから百メートル下がったところにトンネルを掘るわけでございまして、したがいまして海面から二百四十メートルというような深いところにトンネルを掘っておりまして、これは百メートルの山の下を掘るのと同じでございますので、一応海の底といいましても、それだけの安全を見ているわけでございます。これは幾ら浅くしてもいいわけなんでございますけれども、トンネル工事上やはりある程度の深いところを通らないと、万が一の場合に非常に困るということで、百メートルのかぶりと言っておりますが、トンネルの上の岩盤の厚さを百メートルとっております。そういうことで安全を考えておるわけでございます。 それから事故のお話がございましたけれども、事故の場合、単線ですと、これだけの長いトンネルになりますと、非常に復旧がやりにくいということで、新幹線の複線断面ということになりますと作業が相当しやすいということもありますし、またレールを、渡り線をつくっておくということも考えられないこともございませんので、そういうような面も考えまして、事故のときはやはりこのトンネルの中に二カ所か何かそういうような渡り線をつくって、いろいろな緊急の場合の役に立てたいというようなことも一応の検討はしております。しかしこれはまあ国鉄でこれからなお慎重に検討していただかなきゃならない問題でございますので、そういうような点いろいろ考えまして万全を期しているわけでございます。
○瀬谷英行君 予定どおりにいけばいつ完成をするということになりますか。その完成の年度に対して、いまのところの工事は順調にいっているのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんですが。
○参考人(篠原武司君) 着工してから一応八年というふうに考えておりますので、順調にいって五十三年には完成するという見込みでいま考えております。
○瀬谷英行君 ただわれわれには、その川井教授が危険だと言った、あるいは北大の教授は安全だと言った、どっちの意見を聞いても、論文そのものをわれわれ読んだんじゃむずかしくてわからないんですよ、正直言って。しかも話が何万年、何億年前の話が来るんですからね。われわれは安全だという意見があれば、ああそうかなと思うし、危険だという意見があれば、そうかなと思う、どっちがほんとうだかそれは比較をして白か黒かというわけにはいかないわけです。だからこういう問題に対しては、やはり安全だという意見はけっこうだけれども、危険であるという警告に対しても相当謙虚に耳を傾けて、危険ということが一かけらもないようにしていかなければなるまいと思うんですね、工事が工事ですから。そういう点でこの川井教授のような見解に対して、何らかこれを配慮をしていくというようなお考えはあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんですが。
○参考人(篠原武司君) 川井教授の発表がありましたあとで、青凾トンネル技術調査委員会のその道の権威者だけ特にお集まりいただいて、一体こういう問題をどういうふうに考えるのかということで検討会をいたしました。その結果、そういう問題は心配ない、慎重に検討した結果そういう結論になりまして、しかもこれは川井教授の勇み足じゃないか、こういうような問題を一々取り上げたってしようがないじゃないかということで、そのときの空気は、一笑に付したというようなことでございました。しかし御意見は御意見として、われわれとしてもよく検討して万全を期していかなければならぬというふうに考えてはおります。
○瀬谷英行君 青凾トンネルのほうはこのくらいにしまして、東京外環状線の進捗計画について今度はお伺いしたいと思うんです。 いま建設を進めております武蔵野線あるいは小金線、京葉線、こういったような東京の外環状線がどの程度進捗をしているのか、これは予定どおりにいけば、いつどの程度完成をして、どのような運行が行なわれるようになるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(篠原武司君) 武蔵野線は御承知のとおり松戸の小金、常磐線の北小金の駅でございますが、それから川崎の小倉それから東海道線の新鶴見操車場でございます。そこに至る複線の電化の線でございまして、総延長が七十九キロ、枝線、つまり常磐線とか東北本線とかあるいは中央線とかいろいろな線に枝線を出して連絡をよくしておりますので、こういう枝線を含めますと、九十六キロにわたる路線でございます。そのうちに武蔵野東線、武蔵野西線、武蔵野南線と三つに分かれておりますが、武蔵野東線は北小金から南浦和間でございます。それから武蔵野西線は南浦和から府中本町間でございます。それから武蔵長南線は府中本町から新鶴見の間でございます。この間、総工事費は千三百億というような膨大な予算が要るわけでございます。そのうち工事といたしましては、昭和四十年の十月から東線を、工事実施計画が認可されまして着手する運びになったわけでございますが、西線は少しおくれまして四十二年の一月それから南線は四十二年の十月でございます。 それで工事の進捗状況を申し上げますと、四十四年度までに五百六十一億円を使いまして昭和四十五年度の計画は二百五十九億円、合計八百二十億円というような膨大なお金を使っております。これで約六三%に相当します。このうち用地買収につきましては、現在のところ東線、西線につきましてはほとんど用地買収が完了しております。南線は一部残っておりまして、全体として八四%が買収済みという形になっております。それから路盤工事でございますが、これは着工延長で申し上げますと、東線は一〇〇%、西線は九〇%、南線は約三五%で、全体としまして東線、西線、南線通じまして約八一%が着工済みでございます。それで東線、西線では一部すでに路盤工事が完了した区間がございまして、これに軌道だとか電気の工事を逐次施行しておる状態でございます。
○瀬谷英行君 完成はいつごろになりますか。
○参考人(篠原武司君) 昭和四十七年度末ということにしております。
○瀬谷英行君 四十七年度末完成した場合、これは貨物列車のバイパスというふうに理解しておりますけれども、そのほか北小金から府中本町に至る間は電車輸送で旅客を運ぶということになろうかと思いますけれども、これは大体どの程度の間隔で電車を運転をすることになるのか、またこの採算の面からいうと、一体この営業係数はどのくらいに見ておられるのかというようなことをちょっとお伺いをしたいと思うのです。
○説明員(伊江朝雄君) お答え申し上げます。 先生の御指摘のごとく貨物のバイパスの線としての性格が強うございます。したがいまして旅客の輸送は一部補完的と申しますか、西のほうから参りまして、南武線、中央線、東北線、常磐線、これを結ぶ線でございますので、その線間のお客さまのそれぞれの線への取りつきの輸送ということが本来の目的になるかと存じます。それで、主として定期のお客さまが多いのじゃなかろうか、こういうふうに存じます。 列車の運行の計画といたしましては、ラッシュ時に現在のところは六両編成で一時間三本、かような計画でおります。 営業係数については、まだしっかりしたデータが出ておりませんけれども、まあ定期の旅客が圧倒的に多いということが前提になりますので、貨物のほうにおいては相当な営業係数の黒が将来は出るかと存じますが、旅客についてはさしたるメリットはないのじゃないか。ただお客さまの便利から申し上げますならば、それぞれの線への取りつきが非常に便利な線だと、こういうふうになるかと存じております。
○瀬谷英行君 貨物のバイパスルートとしての利用価値は、われわれしろうとが考えても、これは十分に考えられるところなんですけれども、ついでにこれは沿線にしてみますれば、せっかく線路ができたのに貨物列車ばかりであんまり便利がよくないというのでは不満が出てくるであろう。そこで、たとえば国鉄の中央線なり常磐線なり京浜東北線との乗りかえができるということだけではなくて、東武線であるとか西武線であるとか、京王帝都電鉄とか、そういう私鉄との乗りかえができるようにここに駅を配置をする、あるいはその駅の連絡ができるような工事をするといったようなことは考えられないのかどうかということですがね、その点はどうですか。
○説明員(内田隆滋君) 一部東部線等は旅客の連絡を考えておりますけれども、その他は考えておりません。ただし、中央線とは新駅でもって連絡するようにしております。
○瀬谷英行君 この間、飯能の人に私は聞いたのですけれども、飯能から大宮までは川越線が通っているけれども、途中で八高線と川越線との乗りかえの接続が悪くて、まごまごすると一時間待たされるという。だから飯能から大宮まで行くのには川越線を利用するよりも、むしろ西武線を使って池袋へ出て、池袋から赤羽経由で浦和、大宮方面へ行ったほうが早いという意見を聞きました。現に線路があるにもかかわらず、この接続が悪いために、これが活用されてないということはもったいない話だと思ったのですが、したがって、そういう問題はそういう問題として考えてもらわなければならぬと思いますけれども、この線路がたとえば西武池袋線との間の乗りかえができるように、あるいはまた東武東上線との間の乗りかえができるようになれば、横の連絡には非常に都合がいい、便利であるというふうに考えられるのですが、それらの配慮はしないのかどうか。私鉄と国鉄じゃ商売がたきだから、なるべく便利をはからない方法をとるということなのかどうか、その点はどうでしょうか。
○説明員(内田隆滋君) 御指摘の点まことにもっともだと思いますけれども、元来この線は貨物線として現在の山手貨物の代替としてつくるというのがその目的の主体でございまして、この付近は非常に不便なんで、お客さんにもある程度御利用願うということで発足しておりますので、なるべく不便にするといっては申しわけないのですけれども、そういう基本的な考え方で設計をされておりますので、私鉄との連絡はわりあいしておらないということになっているわけでございます。
○瀬谷英行君 それじゃこれができ上がれば北小金から南浦和を通って府中本町までの間を、電車を一時間に三本ぐらいの割合で運転をするという方針に変わりはないということですか。
○説明員(伊江朝雄君) 先ほどことばが足りなかったのでございますけれども、私が申し上げました六両編成の一時間三本というのは、ラッシュの時間帯でございまして、大体一日に延べにいたしますと三十往復ということを、府中本町から北馬橋までの間を考えております。
○瀬谷英行君 この線ができることによって在来の貨物線に余裕ができるということは当然考えられることでしょう。東京都内の在来線に余裕ができて、その余裕ができたところを利用して、旅客電車のスピードアップをはかるといったようなことを考えたらいいんじゃないか、こう思うんですけれども、そういう方法はできないものかどうか、そういう構想は現在あるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○説明員(伊江朝雄君) ごもっともな御質問だと思いますが、一番救済されますのは、結論から先に申し上げますけれども常磐線だと存じます。常磐線につきましては目下複々線の工事を始めております。来年の四月に完成いたしますけれども、これが非常に余裕が出てまいりますので、若干増発が考えられる、こういう点申し上げたいと思います。あと東北線、中央線、南武線につきましては、それほどの余裕はもちろんございませんで、先生の御指摘のような増発の余地というものは今後の課題としては残りますけれども、これによって直ちに増発効果を来たすような線路の余裕ができるというふうにはならないかと存じます。
○瀬谷英行君 田端操車場の役割りは、今度武蔵野操車場にかなり移るように聞いておりますけれども、田端操車場は武蔵野線と武蔵野操車場ができた場合にはどういうことになりますか。
○説明員(泉幸夫君) ヤードとしての機能は武蔵野に次ぎますけれども、あの辺の貨物集約を踏まえまして、田端駅のいわゆる荷物扱いとしての機能は独立させていただきたい、かように考えております。
○瀬谷英行君 せっかくの外環状線で貨物のバイパスができるということであれば、都内における現在の貨物ルートあるいは旅客ルートというものを、この際、相当考え直すという問題も出てくるんじゃないかという気がするんです。とすれば、都心の秋葉原のようなところに貨物駅を置いておくといったようなことがどういうものか、いろいろ問題が出てくると思うんですけれども、総武線が東京駅へ乗り入れる、あるいは常磐線が複々線になる、武蔵野線ができるといったのは、多少前後のずれがあっても、大体昭和四十七年だということでありますから、その昭和四十七年を境にして、旅客輸送の面でも、現在よりスピードアップをして、そうして通勤輸送の緩和をはかるということは考えられてしかるべきではないかという気がするんですが、そういう考え方は今日用意されているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(伊江朝雄君) 御指摘のとおりだと思います。まず一つには常磐線は先ほど申し上げたとおりでございますが、中央線は現在はこの線と直接関係は実はないわけでございまして、現在のとおりの姿でございまして、いずれは立川の方面に複々線の高架計画ということを進めてまいるということが将来の通勤輸送の改善の計画だと存じます。南武線につきましては、これは、この線によってたちどころに輸送力の増強になるという線ではございません。東北線につきましては、後ほど貨物の関係と関連して申し上げることになりますけれども、上野の駅の改良に伴いまして、貨物線もあいてまいりますので、輸送力の増強は、上野駅の着駅だけ改良が進みますならば、東北線並びに高崎線の輸送力の増強は相当大幅にできるんじゃないか、かように存ずるわけであります。
○瀬谷英行君 輸送形態なんですけれども、東京を中心に中央線も、今度は総武線も入ってくる。東海道線ももとよりだ。ところが、東北線だけが上野でストップになっている。たとえば東北、上信越からの旅客は、上野でせきとめられて、あそこでもって乗りかえて、東京駅まで来ないと東海道に乗れないようになっているわけですね。非常にその点は不便だろうと思う。だから、あれを東京駅まで乗り入れて、さらに東海道まで流してしまうという方法を講ずることができれば、その、間の輸送はスムーズになるんじゃないか。上野に到着をする旅客だけは、まあ何か差別扱いされているわけです。ほかの線は全部ストレートに東京駅まで来れるようになる、大体昭和四十七年まで。ところが、上野着だけはあそこでおりなければならない。だから、たとえていえば、ほかの線区はくつのままでずっと部屋まで、奥まではいれるようになっておる。ところが、上野に着くお客は裏口から来てそこでくつを脱いで上ばきにはきかえなければ中にはいれない。こういう状態になっているわけです。こういう差別待遇というものを、これはやはり考え直す必要があるんじゃないか。これは旅客局長としては、その辺をもし決断をして、そういう上ばきにはきかえるという繁雑さというものを一掃できれば、非常に大きな功績になると思うんですが、あなた自身どうですか。
○説明員(伊江朝雄君) たいへんな課題をいただいたわけでございますけれども、私どもも、先生の御指摘のとおり、東京の都心でございますターミナル駅から、あるいは直通の東海道へ、あるいは直通の東北へ、あるいは中央線へという、乗りかえのない列車をつくりたいのは、これはもうやまやまでございますが、従来の駅の構造がそういうふうになっておりませんし、今後の課題としてこれは残るわけでございますけれども、一番大きな問題は、やはり東京駅の改良というものがネックになるだろうと存じます。東京駅は御承知のとおり、まあ総武線とのスルーの横須賀線のルートを形成する工事を始めておるわけでありますけれども、もしこれが完成いたしますならば、横須賀線が地下に入ってまいりまして、ホームが若干余裕ができてまいります。その段階においては、東北線とのスルー運転が現在よりは楽になるかと存じます。現在は、やむを得ず一般のお客さまには、先生のお話のとおり、げたばきをくつにはきかえていただくとか、そのような乗りかえの御不便をしていただいているわけでありますが、通勤のお客さまにはごくわずかではございますけれども、東北からも常磐からもあるいは高崎からも各一本ずつは通勤で東京駅までストレートで入っている。こういうような次第でございます。結論を申し上げますと、なかなか工事資金もたいへんにかかりますし、現在の状態ではこれ以上は入らないんじゃないか。まあ特定の何本かは、一日に何本かはもちろん東京駅からスルーで上野を通って運転できる余裕はございますけれども、常時の本数を全部東京駅からというふうには、現在の設備上はできません。それから、先ほど申しましたように、横須賀線の線路が東京駅の地下に入ってまいります段階において、東京駅のホームがあきますならば、いまより改善された姿でストレートの運転ができるんじゃないか。こういうふうに考えております。
○瀬谷英行君 少し話はこまかくなりましたが、今度は別な質問をしたいと思うのですけれども、利用者の便宜のためにはびた一文使いたくないというような姿勢は、国鉄としても改めていかなければいかぬと思うのです。今日までのところも、ともかくなるべくぜに使いたくない。利用者に、多少どころか大いに不便さしても金は使いたくない。こういう方針で一貫しておると思うのです。まあこれは事実はそうですね。しかし、それではやはり利用者は納得しないと思う。将来のことを考えてみた場合には、もう国鉄だけじゃなくて、レールというものをもっと有効に使う必要があるのじゃないか。いま私鉄と国鉄との間にはゲージが違って乗り入れができないところもありますけれども、そういうところはしようがないけれども、ゲージが同じ場合、これは東武鉄道であるとか西武鉄道であるとか小田急であるとか、こういうゲージの同じ線の場合は、レールを国鉄で持って、相互乗り入れができるようにしたらどうか。そうして、なるべく国鉄法なんかも、そのために必要とあれば改正をしてでも線路を有効に使う、あるいは工事費等も折半をして、両方で金を出し合ってやるということであれば、いろんなことがわりあいしやすくなるのじゃないか。いま国鉄は国鉄だけ、私鉄は私鉄だけ、こういうふうになっておる。だから、非常に何かにつけて不便が多いと思うのですけれども、たとえば川越線なんかの場合は、あそこは一つの駅にして、西武も東武も国鉄も相互に乗り入れができるような方法を考えたらどうか。高崎線がもし輸送力が詰まってきたならば、川越線なりあるいは東武線なりあるいは八高線を使って貨物のバイパスをそういう方面で考えてみるという努力をやってみたらどうか。いままでの形態にこだわらずに、輸送力を十分に発揮するという方向を、国鉄としては考えるべき時期にきているのじゃないか。そうしないと現在のこの逼迫をした輸送状態というものは改善されないのじゃないか。こういう気がするのですが、その点、これは国鉄総裁にお伺いすることかもしれませんけれども、総裁を代表して担当者が出ておいでになると思いますから、その点の見解をちょっと伺いたいと思います。
○説明員(山口真弘君) 国鉄と私鉄との直通運輸でございますが、これはもう先生御指摘のとおり利用者の便益のために大いにやらなければならぬ事柄でございます。で、従来も一応設備が許す限り、できるだけそういう方向に持っていくということを指導をいたしておりまして、また、現実にも直通運転をやっている線が多々ございます。中央線と地下鉄五号線並びに総武線の関係とか、その種の、あるいは今度開通されまする地下鉄九号線、現在北千住まで行っておりますが、これが綾瀬から常磐線に乗り入れをするということとかいうように、通勤線区におきましても、やっておりますし、あるいは観光的な路線に対しまして国鉄の車両が乗り入れをするということも多々ございます。ただ問題は、そのためには国鉄、私鉄の両方の設備の条件がそれにふさわしいようなことにならなければならぬということが一つございますし、それから国鉄自体の線路の線路容量あるいは私鉄自体の線路容量という問題等がございまして、そのために両方の列車の運行形態というものをどのように調整したらよいかというような問題がございます。そういったいろんな問題がございますが、方向といたしましては、先生御指摘のようにできるだけこれは直通運輸をいたしまして、旅客あるいは貨物の便益の増進に資するという方向でいかなければならぬと思います。まあ具体的な問題になりますと、個々にいろいろ検討しなきゃなりませんが、将来とも御趣旨の線に沿ってやってまいりたいと、このように考えます。
○森中守義君 あまり時間もございませんので、もし不足の点については次回にお願いしたいと思いますが、造船関係を少しくお尋ねします。 今月に入って百万トンタンカー建造の技術開発に関する諮問、こういうものを運輸技術審議会に諮問をいたしましたけれども、少し諮問の内容を大綱的にでも御説明願いたいと思います。
○説明員(高林康一君) お答え申し上げます。 運輸技術審議会に対しまして諮問を今月の初めにいたしました。大体三つの点の諮問でございます。一つの点は、けさほど御質問のございました自動車の排気ガスその他に関するところの問題、一つは全般的な運輸技術の開発計画というごく総合的な問題と、もう一つは船舶に関するところの問題でございまして、それは二つございまして、一つは小型船の安全設備の問題、最後に船舶に関しまして今後の大型船、特に百万重量トン程度のタンカー等の技術開発というものについてどのように考えるかということでございます。大体そういうような点を、今月の初めに運輸技術審議会に運輸大臣から諮問をしたという状況になっております。
○森中守義君 これは審議会の都合にもよりましょうが、運輸省としてはおおむねいつごろ答申を得たいという希望を持っておられますか。
○説明員(高林康一君) たとえば自動車の問題等につきましては、近い機会に答申を得たい、それから全般的な運輸技術の総合開発というような点につきましては、相当長時間を要するだろうというふうに考えております。 それから先ほど申しました百万重量トンタンカーの建造に関しましては、やはり相当程度の期間を要すると存じておりまして、もちろん審議会の御予定もいまのところはっきり立っておりませんが、おそらく一年以上はかかるんではないかと考えております。
○森中守義君 昨年ですね、例の新海運政策、これによる二千六十万トンでしたか、これの建造実績は初年度としてはどういう状態になっておりますか。輸出船と国内船を含めて……。
○説明員(高林康一君) 二千五十万トン計画は、もっぱら国内船の建造計画でございまして、大体昨年の実績といたしまして二百五十万トンの建造をやっております。
○森中守義君 けさの朝日新聞によれば、大体建造船の大型化の競争はすでに二回戦へと、しかも業界においては、「ぼりばあ丸」及び「かりふおるにあ丸」、二つの欠陥船といわれる問題を何とかここで切り抜けていきたいというようなことで、かなり業界は過当競争におちいっているというような言い方をしているんですね。そこで、私はこの中で言われていることにかなり興味を持つんですが、両船の何が欠陥であったかということについては、海難審判庁の審判に答えを求める、こういう言い方をしているんですね。それで、少なくとも現状においては、大型化けっこうであるけれども、欠陥の事実というものの究明が行なわれないで、技術審議会へ百万トンタンカーの建造がどうなのかという諮問が、はたして適切な措置であるかどうか、非常に問題があると思う。それで今日の運輸省では、それはもう抜きにして、新聞にいわれているように、海難審判庁の答えを得ればいい、それによって改善をすればいいので、そのことはたな上げにして、百万トンタンカーに踏み切るという、そういう進め方というものに対するものの考え方が少々疑問がある。私は、両船の欠陥がどこにあるか、まあこの辺の究明のほうがむしろ先決ではないかというように思うんですよ。この中にも言っていますね。造船工業会の日立の社長ですか、この人あたりは、大型化もほどほどにしたほうがいい、むしろ安全を無視した造船ということ、あるいは海運の発展ということはあり得ないのではないかというようなことをいままで強調されておった、まあこの所説に私は非常に賛成ですが、むろん、そういうようなことがいろいろ議論をされたあと、与えられた答えが技術審議会の諮問と、こうなったと思うんですが、その経緯などを少し詳しく説明を願いたい。
○説明員(高林康一君) ただいま御指摘ございましたように、「かりふおるにあ」あるいはまた「ぼりばあ」等の事故にかんがみまして、船舶の安全性の問題が何よりも先決問題であるということは、私どものほうもそういう問題意識でやはり全般的に技術問題というものに取り組んでおるというつもりでございます。問題は、やはり両船のいかなる点に事故の原因があったかという点につきましては、先生のただいま御指摘になりましたように、海難審判庁等においていろいろ原因を究明中でございます。この原因を究明することが先決であるという点については、私ども全くそのように考えておりまして、海難審判庁のいろいろ調査結果、あるいはまた事故対策に関しますところの大型船の調査委員会というようなものも省内に設けまして、そうして今後の対策というようなものもあわせてこれを検討しておるわけでございます。ただ、そういうような安全性の問題が一番大事であるということでございますけれども、他方、世界の海運界あるいは造船界というものの姿を見ますと、すでに大体五十万トン程度のタンカーについては、いわば実用化されておると申しますか、現にもう建造されつつあるという段階でございまして、各国ともやはりそれより大きい船型のタンカー、具体的にはほぼ七十万トンないし百万トンというようなものの技術的な開発可能性ということについて、いろいろ調査研究をしておるようでございます。で、何と申しましても日本を中心とするところの貿易が世界の大きい貿易のシェアを占めておるということ、さらにまた日本の造船業というものが世界に大きな地位を持っておるというようなことから見ましても、これらのいわば五十万トン以上の七十万トン、百万トンというもののタンカーの技術的な諸問題というものを、安全性を根本の念頭に置いて、同時に今後の問題に対処するために検討しておくことが必要であろうという考え方で、先般の運輸技術審議会に諮問をお願いしたわけでございます。もちろん、この過程におきまして、いま御指摘のございましたような「かりふおるにあ」「ぼりばあ」等のいろいろな問題に関しますところの経験というものを十分入れて、そしてさらに安全を高めるという見地と、そして技術的な安全性ということを基本に置いて、多少時間をかけましてもこういうような大型タンカーの技術的な可能性というものについて検討を進めてまいりたいと思っている次第でございます。
○森中守義君 それで、今日世間でいろいろ意見がありますが、あまりにも経済性の追求に専念し過ぎる、そのために建造船の大型化が極度につま立ち過ぎているのではないか、こういう意見がやはりありますね。私も内容次第ではそういう意見も首肯できるのですよ。こういう世間の意見に対して、運輸省ではどういうようなお考えをお持ちですか。
○説明員(高林康一君) 確かに安全性をむしろわきに置いて、そして経済性に最も重点を置いたのではないかというような批判があることは、私らも聞いておるのでございます。ただ運輸省の行政当局といたしましては、やはり何と申しましても船の場合安全性が基本でございます。そして経済性というものがそれに十分かなうというものを私どもとしまして進めてきたつもりでございます。ただ、そういうような安全性の確保という観点が、やはりなお今日の事故の経過から見まして、いろんな面においてもう少し細心にいろいろ運航の面あるいはまた気象、海象の面あるいは船体の面、それら総合的にひっくるめて考えるという点において、やはりいろいろ検討すべき問題が残っておるようにも思います。むしろそういうような波浪あるいは気象あるいはまた運航技術、そういうような全体的に総合して安全性を確保するということにおいては、なお従来以上に努力を要する点があるのではないかというような考え方で、私らもいま大型船の事故対策委員会におきまして、そういうような考え方で、今後のあるべき対策というものも、運航あるいは気象あるいは船体、それらの各部門を総合して考えていきたいと思っておりまして、基本的にはそれを基礎に置いて、そしてしかもそれを採算的に可能ならしめるところの技術的な開発ということを念頭に置きながら進めてまいっており、これからさらに進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○森中守義君 そうなりますと、ことしの三月十一日海造審から出された答申の付表の中に、建造需要量と現有建造能力、こういう中で、十万トン以上の現有の建造能力が四百十万トン、これに対して五十年の建造需要量が七百十七万トンで、約三百七万トンぐらいこれからつくっていかなくちゃならぬ、こういう状況からいけば、新海運政策に見合う建造能力が、現有の能力ではたして発揮できるかどうか、また五十年以降は一体どういうような計画をお持ちなのか、その辺は数字的にはっきりと出るかどうか。
○説明員(高林康一君) ただいまの御指摘ございましたこの海運造船合理化審議会の三月の造船設備に関しますところの答申におきましては、ただいま御指摘のありましたように現有能力が十万トン以上の建造能力については四百十万トンそれから五十年の建造需要量としましては七百十七万トン、これによりまして施設整備を急いでいきたいということで、現在それぞれ関係の向きにおいて努力をしているわけです。こういうような七百十七万トン程度の建造能力を持ち得るならば、当面いたしておりますところの新海運対策に基づきますところの建造量、あるいはまた通常予想されますところの輸出船の受注量、こういうようなものを消化するということは可能であるというふうに考えておるわけでございます。ただ、確かにこの五十年以降のことにつきましては、非常にいまのところ全般的に計画がはっきりしていない点がございます。と申しますのは、経済社会発展計画におきましても大体四十五年ないしは六年というものを起点にしまして五年間程度というようなもので、全般的に大体五十年度程度くらいを目標年次にしておりまして、五十年以降のものについては、たとえば国の成長力その他の面においても非常にまだ確定していないという点が多いものでございますので、五十年以降の面については、まだ漠然たる感じしか得られておりません。で、私どもといたしましては、やはり五十年以降のそういうような海運造船能力のあり方というようなものを、経済企画庁ともいろいろ連絡をしながら、数値をだんだん固めてまいりたいと思っておりますけれども、現在のところは、まだ五十年が大体出ている数値でございまして、それ以後のものについては、さらに今後の検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○森中守義君 そうしますと、五十年以降はにはかに予測できない、こういうことになるのですね。そうなりますと、いまの官房長のお答えからいけば大体五十年までは現有の設備においてほぼ消化ができる、したがって拡張の必要はない、こういうことなんでしょうか。
○説明員(高林康一君) 御説明がまずかったかと思いますけれども、現有能力は大体十万トン以上のものでいきますと、四百十万トンでございますけれども、五十年の需要を考えますと大体七百十七万トン程度の建造能力が必要でございますので、その差約三百万トン程度の設備拡張は、それまでの間においてやはり必要でございますので、現有能力のさらに三百万トン増というようなことを期待していかなければならないと思う次第でございます。さらにその後の姿というものも、的確な数字はございませんが、全体的に全国総合開発計画あるいはその他のもので考えております国民総生産の伸びというようなものを大体考えますと、やはりかなり大きい程度の成長というものを考えざるを得ませんし、やはり引き続き設備増強というものが必要ではないかと考えておる次第でございますけれども、五十年以降のものにつきましては、まだ漠然たる数値にとどまりまして、的確なものにはなっていないという状況でございます。
○森中守義君 少し具体的にお尋ねしましょう。熊本県の玉名郡に長州町というところがある。ここにことしの五月の八日に日立造船と熊本県との間に協定が結ばれて、造船が進出をする。こういう決定を見たようです。それで、日立造船から出された内容によれば陸地部門とそれから造船部門と二つに分かれ、前者のほうは四十五年から四十六年ぐらい、まあ四十五年というと、ことしですが、来年くらいから操業を開始したい、それで造船部門については五十年、早ければ四十八年くらいから着工し、操業開始をしたい、こういったようなことが青写真としてとられているようですが、お聞きになっておりましょうか。
○説明員(高林康一君) 日立造船が有明海沿岸地区に新しい工場を設けたいという計画のごく概要は私ども聞いておる次第でございます。
○森中守義君 非常に具体的な問題なので、なかなか聞きにくいし、答えにくい点もありますが、大綱的な見方をすれば、これは運輸省が計画をしている一定の造船計画あるいは将来の展望、そういうものに基づいたものであるのかどうなのか、その辺はどうでしょうか。
○説明員(高林康一君) 運輸省がいろいろ造船設備について考えておりますあるいは先ほどの海運造船合理化審議会の答申でも大体の大きいワク組みというものを考えておりまして、具体的にどの程度の規模をどのような形でやるかというようなこと、これはもちろん企業の自主的な判断でございます。もちろん日立造船から、この話については概要は私ら事務当局は聞いておりますけれども、具体的にまだ固まった姿として出ておりませんので、運輸省がやはり全体として考えるものに、はまるのかはまらないのか、そこらの点が数字的にもまだ固まった具体案として出てまいっておらない状況でございますので、今後はさらに検討をしなければならない。具体的な数値等も伺いながらそれを検討しなければならないと考えておる状況でございます。
○森中守義君 ちょっとはっきりしませんが、そうしますと、いまの官房長のお答えからいけば、全体の大ワクのワク組みの中にはある、こういう見方をしていいですか。
○説明員(高林康一君) 大体私ら概要を伺っておりますのは、大体五十年以降に超大型船台というようなものを操業させたいというような——陸上機器の部門は別といたしまして、造船部門については大体そういうような五十年以降のフル操業開始というようなことを考えられておるようでございます。それで、現在われわれのワク組みとして持っておりますのは、先ほどの海運造船合理化審議会の御答申にありました大体五十年までの建造量を、需要というようなものをもとにして、持っておるものであります。それ以外のものについては、はっきりしたワク組みを持っていないというのが現在の状況でございます。おそらく相当のワク組みが必要であろうとは予想しておりますけれども、五十年以降のそういうふうなワク組みを持たないということと、それから計画自身がまだいろいろ非常に大筋の計画であるというようなことで、まだ十分その辺を検討していない状況でございます。
○森中守義君 これはすでに日立と熊本県においては、先ほど申し上げた陸機部門については約十三万坪、それから造船部門について三十七万坪、合わせて五十万坪の用地を取得をしておるということで、かなり具体的なんですよ。したがって、熊本県がこれをひとつ歓迎をするという姿勢を示し、日立も出ましょうという約束が成立をした。そこで、熊本県の場合、当然起債を要請しているでしょうし、自治省もこれに関係をしている。そこで、自治省は、一体運輸省どうなのかという、こういう合議が行なわれていると私は見ている。ただ、先ほどから官房長のお話によって、全く関知していない、あずかり知らないということではないようですから、その限りにおいては、なるほど将来はある程度そういう構想が大ワクとして描かれているなという、そういう理解はできます。そこで、大体こういうように協定が成立をする前段の作業としまして、日立及び熊本県あるいは運輸省、自治省、こういう関係者の中において、ある種の詰めた話があったものなのかどうなのか。ただ、運輸省はそういう話を聞いたというだけにとどまるのか。五十年以降よろしかろう、やりなさいということであるのかどうか。その辺はどうなんでしょうか。
○説明員(高林康一君) まず、いろいろそういう大きい工場を建設いたします場合に、当然問題になります用地の問題、これについてはおそらく埋め立てその他の問題が出てまいるかと思います。これについては運輸省といたしまして具体的にもう計画を決定したわけではございませんけれども、日立と熊本県との間にいろいろ話が進んでおるというようなことは聞いておらない状況でございます。ただ起債その他の問題がおそらく出てまいるかと思います、埋め立て工事その他に関連いたしまして。そういうような問題については、港湾局長のほうからまた別個お答えをいたしたいと存じます。
○森中守義君 ちょっとその辺非常に答弁しにくいかわかりませんが、要するに関係者の協議の中に、少なくとも認可をして、許可を得なければできないことですから、そういう行政の責任官庁として相談にあずかっているのかどうなのか。ただ話は聞いている、ただしさっきからお話しのように、五十年以降についてはそう正確な見通しはまだ持てないのだ、こういうお話なんですね。しかるに、日立の計画によれば、五十年以降こういくのだ、そのため三十七万坪の用地を取得をしておるということで、企業側及び熊本県側は、かなり具体的に進行しておるわけです。そこに直接の監督官庁あるいは許認可官庁である運輸省が、話を聞いているというだけでは、なかなかこういう協定もできないのじゃないか。あるいは企業においても、運輸省が海のものとも山のものとも意見をはっきり述べないのにこういう膨大な用地を占める、あるいは造船を持っていくのだということは、そうそう簡単に決心はつかないであろう。そうなると、私の推理なんだが、一応運輸省が暗示を与えた、あるいはそれは大いにけっこうなことだというような推奨をしているのじゃないかというように思うのですが、その辺、運輸省の立ち会っている限度はどういうふうなのかと、こう聞いておるわけですがね。
○説明員(高林康一君) 具体的にこれを運輸省として推奨する、ないしは何らかのサゼスチョンを与えるというようなことは、いままでの段階では、事務的に聞きますと、それはない状況でございます。ただ、全般的に運輸省のこういうような造船施設に対しまする考え方としましては、やはり企業の自主的なまず判断というものが基礎になって、そうしてそれが非常に過当競争になるとかそういうような非常な弊害がない限りは、やはり生産力を向上させるという観点からは、一般的には従来ともこれを推し進めてまいってはおりますけれども、本件については、まだいろいろな具体的な敷地面積あるいはまた大体超大型船と、こう一般的に言っておりますけれども、どの程度の大型船を考えるとか、それらの点の具体的なものが十分ございませんので、われわれといたしましても、これについて何らかの判断を示すというような段階にまでは来ていないように考えておる次第でございます。
○森中守義君 私は熊本県の一員としまして、歓迎はしてもこれは歯止めしようという考え方で、そういうので聞いておるのではないのですよ。ただ立地条件であるとかあるいは実際の実現の可能性があるのかどうなのか。この辺をむしろ実は重視するのです。それで、あまり用心深くお答えする必要はありません。ただ参加したならしたと、むしろ言ってもらうほうがいい。この辺は誤解のないように願いたいのですよ。 それで、さっきから申し上げるように、非常に具体的ですよ。五十万トンから百万トンのタンカーをつくるのだ、こういうことを言っておるのですね。で、これは何といいますか、いやまだ具体的に申請は出ていないのだ、五十年以降の予測はついていないのだから、ここで判断を示すも何もないじゃないか、こういうお答えなんですけれども、何らかの暗示というのか、それはまあけっこうなんだとか、少なくとも運輸省で首を横へ振らない限りは、出ていかないと思うのですね。ですからその辺の感触の程度、関知の程度はどうなのか、こう聞いているんで、いま言われることがそのままであれば非常にばく然としたものですから、ある意味ではこれは危険だと、こういう言い方を私はするかもしれません。だから、運輸省がよろしかろう、それは判断の時期はあとであったとしても、大いにけっこうだという意思の表明等が行なわれているのかどうなのかということを、くどいようですけれども、もう一回聞いておきたいと思う。
○説明員(高林康一君) 決してわざとごまかそうということではございませんが、日立のこの計画は、実はまだ日立造船が各新聞社にいろいろレクチュアしておるというような程度でございまして、まだいわゆる事務として見ますと、計画として具体的でないというようなものでございますので、どうしても判断はいまのところつきかねるというのが正直な感じでございます。ただ、先ほど一般論として申し上げましたように、おそらく五十年以降も相当大きい成長というものがやはり前提として考えざるを得ないのじゃないか、また、日本の造船業というものの世界的な地位というものをさらに確立していきますためにも、やはり超大型船というものの建造能力というものをさらに一般的には増大していく必要があるんではないだろうかという予感は、私ら一般論としては持っておるわけでございます。そういうような点では、やはり企業の自主的な判断というものを前提にしながら、客観情勢というものをよく砕いて、そして判断を下していきたいというふうには考えておるわけでございますが、埋め立ての問題については、ある程度若干の話し合いがあるようでございます。その点については港湾局長からお答えいたしたいと存じます。
○森中守義君 官房長ね、それ以上の答えをここでとるのは無理かもわかりませんが、いま日立が考えておる三十七万坪、五十万トンから百万トン、こういう規模と構想のもとにおける新造船所ができるということがいま一般論としては否定はされなかったけれども、要するに許可の基準がありますね、三項にわたっておるようですが、この中で特に過当競争を招来するようなことはこれは困るのだ、こういうことが二項にいわれているんですね。そこで日立が長洲にこの規模のものをいよいよ本式にすべり出そう、その申請を出そうという、こういう時点になったときに、今日のいわれている造船界の過当競争を一そう激化させることになるのか、あるいはこの程度のことならば過当競争を招来するようなことはないという、こういうことになるのか、現状における判断としてはどうですか。
○説明員(高林康一君) 現状におきまして十万トン以上の建造能力というものが約三百万トン程度不足であるということでございます。さらに、その後の成長というものもかなり大きいというふうに一応予測いたしますと、現時点で考えまするならば、この種の考え方、構想というものは、過当競争を生ずることはないというふうに、一応は現時点において考えられると思います。
○森中守義君 そうなると大体答えが出たようですね。過当競争を招来するんじゃないんだということであれば、申請が出たならばよろしかろう、しかしそれはもう少し先のことで、これ一回で終わるわけではありませんから、一応現状の推理判断が出たわけですから、それはそれでよろしいでしょう。 そこで、港湾局長にお尋ねしておきますが、いま長洲港というのがありますけれども、これは零細な五トンおそらく十トン未満の漁船の基地——基地でもないでしょうかね、まああれは一本釣りの集結港かもわかりませんがね。これはどうなんです。重要港ですか、地方港ですか。
○説明員(栗栖義明君) 現在の長洲港でございますが、先生御指摘のとおりこれは地方港湾でございまして、一本釣り程度とおっしゃいますけれども、実はこれは対岸の長崎県の多比良とのフェリーが通っておりまして、むしろフェリーの基地としては非常に古い歴史を持つものでございます。それ以外に水深三メーター、大体付トンあるいは二百トン程度の船がつく施設を二百メートルばかり持っておりまして、いわばフェリーを中心にした地方港湾である、こういうぐあいに申し上げられると思います。
○森中守義君 私の調査では、非常に干満の差がひどい、大体四メーターから五メーターぐらいあるわけですね。それで確かに局長の言われるように地方港湾です。そこでこの規模のものを——この規模というのは日立の規模です——それを持っていった場合に、港湾の施設はどうなりましょうか。
○説明員(栗栖義明君) いまのような、たとえば五十万トンあるいはそれ以上の大きな造船所ができると仮定いたしますと、現在の港では処理できませんで、別に、といいますか、いまの港を広げまして別な個所に考えなければいかぬだろうというふうに考えております。
○森中守義君 それはそうしますと官房長があずかり知らないことでもないんだろう、話は聞いているということは官房長のみならず港湾局長もやや話の内容には立ち入っておられると思うんですが、つまり新港構築のリーザーブでもされておるんでしょうか。
○説明員(栗栖義明君) 官房長のお話と大体同じことだと私も理解しておるわけでございますが、この長洲港は県営の港でございまして港湾の管理者は県でございまして、私が県から聞いております範囲では、日立とは契約したと、ただ、その場合に第一期と第二期と分けてある、第一期については、先ほど御指摘がございましたが、四十一万四千平方メートルの用地を取得したい、これは陸上機械部門に充てたい、そういうふうな話が出てまいりまして、まだ私のほうには公有水面埋め立ての免許申請は出てまいっておりませんですけれども、これは港湾管理者は県でございますから、県のほうから上がってくれば、支障なければ認可するということであろうと思います。それからなお、明年度あたりから新しく長洲港の港湾整備を、整備といいますか、拡張したいというふうな話も聞いております。具体的にはどの程度どうするかということは、現在県とも相談いたしまして私のほうも検討してございますけれども、先ほど申し上げました四十一万四千平方メートルの埋め立てにつきましては、手続はまだまいっておりませんけれども、先ほど先生御指摘ございましたように地方債の関係がございまして、こういう港の中の埋め立ては私のほうであっせんするということに相なっているわけでございまして、県のほうからは四十五年、四十六年の二カ年で埋め立て地を造成したいという話はまいっております。
○森中守義君 先ほどから申し上げたように、日立の規模でいけば当然地方港湾ではだめですね。おそらく重要港湾のランクづけをして、それで相当国費が入らないと、こういう規模の造船というものは不可能ではないかというように思うのですけれども、そういう段階になった場合にはどういうことになりましょうか。
○説明員(栗栖義明君) これは別に重要港湾であるから、あるいは地方港湾であるからできないというものではございませんので、必要があればそういう埋め立て免許いたしますし、それからまた必要な公共事業であれば関係いたしまして、私どものほうも投資する、そういうふうに地域開発、これは日立だけの問題ならちょっと会社でやっていただかなければいけないわけでございますけれども、これだけじゃなくて、長洲港全体の開発あるいはひいては長洲地方あるいは熊本県のあの地域の開発というふうな意味の港湾計画は必要であるということになれば、国のほうも管理者に対してできる限りの助成はしたいというふうに考えたわけでございます。 なお参考に申し上げますと、三重県の津という港がございますけれども、現在日本鋼管がたしか立地していると思いますが、この港も現在地方港湾でやっておるというふうに私聞いております。
○森中守義君 さっき申し上げましたように、干満の差がかなりひどい、私ども子供のときからよく知っている港ですが、要するに遠浅ですよ。それで日立が描かれるような構想あるいは県が同意をするような構想でいけば、かなり港湾の設備に金を食うだろうし、はたして今日の技術で、できないことばないかわかりませんが、そういう港それ自体に無理を生ずるような懸念があるんですよ。元来こういう造船などは今日どこにつくられているところも、かなり既設の港を選択しているんですね。ここの場合にはいまから港に手をつけなくちゃならぬというところに、かなり私は無理がきているような気がするんですけれども、いまの港湾技術からいえば四メートル、五メートルの干満の差がある、それに遠浅だ、そこでもって五十万トン、百万トンというようなことがほんとうにできるのかどうか、技術的に可能かどうか。それと、大体この種の造船所をつくる場合に、港には心配は要らないとしても、コストからいっても相当なものを食うような気がするんですが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。つまり造船所としての立地条件ですね。総合的な陸地はありますよ、今日のように減反、あるいは開田抑制だという時代ですから。しかも労働力というのはかなり豊富ですからね。そういう意味からいくならば、適正だと思うんですけれども、一たん港ということになれば、そう簡単じゃない。特に造船に必要な鋼材の輸送であるとか、あるいは荷役に伴うかなりのトン数のものが着岸ができないと、なかなか荷役も簡単にできませんからね。そういうことも考えると、一体港がどうなのかというのが非常にいま大きな問題点の一つに私はなっていると思う。そういうことで港湾局長があらかた内容をお知りの上で話に参加をしておられると思う。港については間違いなく引き受けられる、そういうお考えなのかどうか。いかがですか。
○説明員(栗栖義明君) ちょっと先ほどことばが足りなかったわけでございますが、第一期工事につきましては、具体的なはっきりした線が入って起債の要求が出ております。ただ先ほどから議論になっております第二期工事と申しますか、造船部門につきましては、実はまだおそらく日立自身も線を引いてないと思いますし、管理者のほうからも具体的な港の埋め立ての形というものは出ておりませんで、私ども実は図面を見ましても、点線になっているという状態でございます。ただ、御質問ございましたように、あの地域が港湾としてどうだという御質問につきましては、まだ具体的な小範囲の地質は、私も昔からあの辺知っておりますので存じておりますが、こう広い範囲になりますと、はたして地盤がいいかどうかという点は自信ございませんけれども、現在の地方港湾である長洲港の港をつくるときは、むしろ海底地盤がかたくて掘るのに困ったというような経験がございますので、まあ、ある範囲はかなり地盤がいいのではないかというふうに考えております。 それから次に干満でございますが、お説のとおり確かに最大四メーター八十、そういうふうな大きな干満の差がございます。ただ瀬戸内海でも四メーター程度の干満の差があるところがございますので、たとえば福山あたりもたしか四メーター近い干満の差に、ああいう大きな製鉄所ができております。そういう意味でいえば干満の差は、マイナスの要因であるけれども、これが絶対の悪因要件にはならない。たとえば埋め立てをやりましても余分に埋めなければいかぬとか、そういうふうなコストアップにはつながりますけれども、これが潮が大きいから不可能であるということではなかろうというふうに理解しております。ただ、新しいたとえばこういう造船所ができますと艤装岸壁であるとかそういうものが沖へ出ていくと思いますので、そういう場合に、波の方向であるとか台風のときの風なり波の強さということにつきましては、まだ全然私どもデータをいただいておりませんし、具体的な、どういう形でどこにどうするのだという話がないので、ちょっとお答えできる段階に現在ございません。 それから遠浅というお話でございますが、確かに岸の近いところは遠浅でございますが、かなり沖へまいりますと急深になっております。ただ急深になる前に、先ほど申し上げました浅いところは砂地であるから沖も砂地だとは言い切れませんので、その辺の土質の状態その他具体的に見ませんと、なかなか申し上げかねるというのが実情でございます。
○森中守義君 そうしますとまだ実際の調査を行なう段階ではないということですね。
○説明員(栗栖義明君) これは、だれがどういうふうに調査をするかということは別にいたしまして、県のほうで港湾管理者がこの地域を開発したいと、そういう趣旨からあるいは国の援助をしようとかあるいは自分で調査するということは、逆に私どもからいいますと、早く調査をしてもらいたい、調査が済みませんと、いろいろなレイアウトなり港湾の計画も立たないというふうに存じております。
○森中守義君 この計画によりましても、先ほど港湾局長が言われたように、造船部門につきましては造船界、今後の大型化の趨勢に即応して建設時期を決定することになるので、現在まだ未定である、こういう言い方をしておりますから、これは一つも疑いがない。そこで五十年以降の問題なんですよね。私はね、いまなるほど遠浅の問題で接岸地帯から一体どのくらいまでが遠浅なのか、あるいはその遠浅の切れて水深が一番深いところでどのくらいあるのか、まあ距離にもよると思うのですね。そういうようなことが私の頭の中にある。あの地勢からいくと、昔潮干狩りなんか——いまもやっておりますがね、相当浅いのですよ。それで立地条件としては必ずしも適当とは言いがたい。で、そうなれば相当これは金も食うだろうと、こういう気もするんです。それでね、これはどうなんでしょうか、こういう計画自体が企業が申請をしてきたからそれを受けて処理をしていくという方法と、進んでもう少し建造能力を高めなければならぬということで、運輸省自体が計画を持つという場合、二つの方法がとられると思うのですが、いま運輸省の場合にはどちらを採用しようとしているんですか。
○説明員(高林康一君) 基本的にはやはり企業の自主的な計画、それを基本にしておりまして、それに対しましていろいろなワク組みその他から見てその許可基準に該当いたしますところの三項目、そういうようなものでチェックをするということでございます。基本は、やはり企業の判断ないしは計画ということが基本になると存じております。
○森中守義君 もう一つ港湾局長にお尋ねしますが、先ほど県の一つの意向として四十六年度から長洲港の開発をしたい、これは正式にきたものですか。それが一つ。 それと、お聞きになっている県の計画というものは、陸機部門の石油精製、それから石油化学装置の大型塔槽、熱交換器それから攪拌槽、圧力容器、大型船用ボイラーそれから橋梁橋脚等の大型鉄構造物、こういうものが主要な製品になっているようですが、こういうことの需要を満たすために、県のほうでは現有の長洲港の開発を考えているというのか、あるいは将来のいわゆる造船に関連した一連のものであるのか、その辺の受けとめ方はどういうふうにお考えでしょうか。
○説明員(栗栖義明君) それは先生御承知かと思いますけれども、私ども港湾の公共事業をやる場合に、港湾管理者と申しますと県知事でございますが、県知事から公文で補助申請というものが——申請といいますか、こういう仕事をやりたいという書類が上がってくるわけでございます。これは現在出てまいっております。その中には、ただいま先生御指摘のように、陸上機械部門の——この埋め立ては公共事業でございませんけれども、そういう起債の要求と、それから来年以降公共事業費で長洲港を新しく整備し直してくれ、そういう御要望は出ております。
○森中守義君 それで大体内容がはっきりしてまいりました。要するに造船部門もいまにわかに予測はできない、申請もないから、そのときになって運輸省としては検討したい、こういうことのようですから、またその時期でいろいろお尋ねいたしますが、要するに港湾の問題は非常に気になりますので、できるならば県側とも一通りの青写真ができるように御検討願いたいと思います。 それから最後に一つ資料をお願いしておきたいと思いますが、県と日立との協定書、これは大綱的なものと細目協定と二つに分かれているように聞いている。もしこういうものが運輸省で入手できるならば、次の委員会にひとつ御提出をいただきたい。よろしいでしょうか。
○説明員(栗栖義明君) 前段の御希望につきましては、十分検討いたしたいと思います。 それから後段の資料の提出要求でございますが、県に問い合わせまして、支障なければ取り寄せて差し上げたいと存じます。
○森中守義君 それから、その時期にならなければ、いまにわかに予測もつきませんけれども、こういう場合の漁業補償ですね、これは運輸省は関係するものですか。あるいは水産庁にも関係ありましょうし、あるいは県も関係するでしょうが、漁業補償などは、これはどういうようにお考えでしょうか。その時期を一応予測しながらの質問ですがね。
○説明員(栗栖義明君) 第二期計画につきましては、ちょっと私つまびらかでございませんが、先ほど申し上げました第一期の計画につきましては、これは漁業補償済みだというふうに聞いております。で、漁業補償につきましては、港湾の建設自治体が漁協と相談して補償するというのがたてまえでございまして、長洲港の場合でございますと、県と関係漁協とが相談してきめていくということに相なろうかと思います。
○佐田一郎君 船員局長にお尋ねをいたします。海員学校の内容を充実をするための要望をいたしたいので、関連いたしました二、三の質問をいたします。 現在、海上の勤務者、労務者、すなわち海員の大体の出身学校というものは、大学あるいは高校、それから海員学校その他に分けて、大体その内訳はわかりますか。
○説明員(佐原亨君) 大学それから商船大学、それから商船高等専門学校、こういった種類の学校が全国に数十カ所ございます。これは文部省所管でございますが、これは大体職員養成のための養成学校、こういうふうにお考えいただけばよろしいと思います。で、運輸省が主管いたしておりまするところの海員学校は、全国で村上を入れまして十二校になりますけれども、大体部員教育を主たる目的とした学校である、こういうふうにお考え願いたいと思います。
○佐田一郎君 大体その出身校の海員学校あるいは大学卒業、高等専門も入れまして、大体のパーセンテージでもけっこうでありますが、おおよその出身学校の、卒業の出身別のパーセンテージはわかりましょうか。大学卒あるいは高校卒、海員学校卒その他でけっこうですが……。資料要求してありませんので、おおよそでけっこうです。
○説明員(佐原亨君) ちょっと先生の御質問の趣旨がわかりかねますのですが、人数にして何名ぐらいかということでございますか。
○佐田一郎君 それでけっこうです。
○説明員(佐原亨君) ちょっと全体の数字を持っておりませんけれども、大体海員学校で申しますると、二年制の高等科卒業生が年間大体七百七十五名、八百名ちょっと切れる程度を例年卒業定員としてきめられておる、こういうふうに承知しております。
○佐田一郎君 私のお尋ねしていますのはそうじゃないのです。いま全国の海上の勤務者、いわゆる船員の総体の中で、大学あるいは高校、海員学校の卒業者がどういうふうに分布されて就職しておるか、こういうことをお尋ねしておるわけであります。概算でいいですよ、資料要求していませんから……。もしわからなければけっこうですよ、あとで資料出していただいても。
○説明員(高林康一君) 概数で申しまして、大体いま大きく見まして外航船のほうでございますけれども、先生の御質問の場合、外航船の場合でございますと、商船大学、商船高等専門学校で、商船大学で大体毎年三百二十名程度、それから商船高専で大体毎年四百、近く六百に増員になりますけれども、大体そういうものはみんな外航船に就職しております。それから先ほどの海員学校の生徒もほぼいまのところは外航に就職しておりまして、大体七、八百名が外航に就職しておるというような状況になっております。大体そういうような外航船の状況で、他方内航船につきましては、海員学校の生徒がごく一部行きますけれども、大体、外航船の船員であった人が内航に移るとか、あるいは全部ほんとうに小さいときから訓練を受けてきた、自前で習得して試験を受けてきたというような人がなっている層が非常に多いというのが最近の状況でございます。
○佐田一郎君 その実際のパーセンテージはわかりませんか、内訳は。現在就業しております海上勤務者の分野はわかりませんか。たとえば海員学校卒業生は何名、こういうふうに一応の内航、外航全部入れての内容はわかりませんな。
○説明員(高林康一君) 外航については手元に資料を持っておりませんが、それは現在の外航に就労しておりますところの出身学校別のものは、これは帰りますれば後ほど資料としてお届けできるかと思います。
○佐田一郎君 運輸省所管の海員学校の現在の定員数は何名であるか、あるいはまた現在、実際在校しておる者は何名であるかおわかりですか。
○説明員(佐原亨君) まだ開校しておりません村上海員学校を除きまして、先ほど申しましたように、二年制の高等科の定員でございますけれども、大体千五百五十名と記憶しております。現実に入学しております数は四十五年度現在で千三百六十八名でございます。
○佐田一郎君 海員学校の予算、特に施設費を抜かしたほうの予算はどのくらい四十五年度では計上されておりますか。
○説明員(佐原亨君) 海員学校に必要な経費四十五年度で約四億七千万、そのうち施設関係でどれだけかというのは、ちょっと内訳はいま手元にございませんので、後ほどまた御報告いたします。
○佐田一郎君 私は、昨年門司の海員学校、ことしは先日七尾の海員学校を見てまいったわけですが、非常に私ども視察をして寒心にたえない点が多々あるわけでございますが、そこで一番大きな問題は、やはりいま現地に参りますというと、非常に先生が不足しておる、また訓練の時間が非常に過重労働である、こういうことを聞いておりますが、そこで、大体教官の実際に学科を教える時間は週何時間くらいか、あるいはまた実習にやはり使われる時間がどれくらいか、大体基準がございますか、ちょっとお尋ねいたします。
○説明員(佐原亨君) 大体標準としてぴしゃっとしたものはあるいはないのかもしれませんが、実績的に申しまして、大体一人の教官で週二二・五時間ということになっております。
○佐田一郎君 実際に聞いてみると相当無理があるようですね、週二十七、八時間以上やっておるようですね。私は、そういう点で何とかひとつ教官の充足をお願いしたいと思うのですが。 それからいま一つ、海員学校のスポーツ関係では、正科として何がとりあげられておるか、特に水泳等は正科に入っておるかどうか、この点をお尋ねするわけですが。
○説明員(佐原亨君) 職業柄当然正科に入っているものと考えます。
○佐田一郎君 実は七尾の海員学校に尋ねますと、実際私ども現地を見まするというと、水泳の施設が、つまりあの七尾湾の広い海がありましても、あまり使えないのです。ほとんど海水の汚濁によって水泳の練習ができない。そこで先生も困って、八キロ以上遠いところの中学校その他のプールをお借りして練習しておると聞いておるわけですが、私はこの水泳というものは海員生活にとってはこれは絶対不可欠な大事な教科目だ思うのですが、さようなことで、非常に大きな費用と時間を空費しておる、こういうことを聞いておるわけですが、そこで何とかひとつプールをつくってくれという、こういう強い要求があるわけですが、こういう問題について、海が使えない以上は何かそれにかわるべきやはり水泳の施設をつくってやる必要があると思うのですが、この点どう思いますか。
○説明員(佐原亨君) 先生おっしゃるとおりでございまして、従来から海員学校は大体海岸べりにございますので、水泳の訓練は海を使ってやっておりましたけれども、最近、海水汚濁状況が非常にひどくなってまいりまして、そう海が自由に使えなくなっております。そこで七尾につきましてもプール新設の要望が前から出ております。われわれといたしましても明年度予算で何とかこれは考慮いたしたい、このように検討中でございます。
○佐田一郎君 それから私は、将来船員として一番大事な問題は、実際に船に乗ってみるということだと思うのですが、この点について、大事な航海用の、練習用の船舶というものがどういうふうに配属されておるか。私はこの七尾の学校を実際に見てまいったわけでありまするけれども、きわめてお粗末な古い三十二、三トンの小さな船が配属されておるようでありますが、これについては校長先生をはじめ先生方が、とうてい古い船では七尾湾以外には危険で出られないのだというお話であったものですから……。その他の将来できます村上校をはじめとして全国の海員学校もみんなそんな施設かどうか、この点はどうですか。
○説明員(佐原亨君) まことに残念ではございますが、その他の海員学校いずれを見ましても三十トンあるいは二十トン程度の整備しかまだ行き届いておりません。ただ今後は村上海員学校をはじめといたしまして極力財政事情の許す限りこれを大型化して新しくするように努力したい、このように考えております。
○佐田一郎君 それから同時に、やはり関連性がございますけれども、少なくとも遠洋航海とまでいわなくとも、内航くらいは卒業までに一度くらいはやはり航海に参加をさすべきじゃないかと思うのですが、その点で、何かたくさん、十何校もございますから一校だけでは無理であれば他の学校とも一緒になって、少なくとも内航くらいは回って練習させるような施設を将来考えてもらえないのかどうか、この点はどうですか。
○説明員(高林康一君) 現在、実習航海、それにつきましては運輸省の付属機関でございます航海訓練所で七隻の練習船を持っております。大体二千トンクラスから五、六千トンクラスのものでございます。大体汽船と帆船、両方の種類を持っております。たしか昭和三十八年ごろであったかと記憶いたしますけれども、運輸省の諮問機関でございますところの海技審議会におきましてこの航海訓練所の練習船をもって海員学校の生徒の実習というものをやったほうがいいのではないかという趣旨の御答申を得たのでございます。ただ残念ながら現在の練習船七隻の量をもっていたしますと、そういうような海員学校生徒の実習に当てるという余裕がございません。そこで私どもといたしましては、そういうような点も考え、かつ先生御指摘のように、やはり海員学校の生徒がそういうような実際の乗船訓練というものをやったほうがいいという観点で、できれば短期間でございましても、内航あるいはごく近い沿岸諸港というものの乗船訓練ができるようにという観点から、今後の問題といたしまして、やはり航海訓練所、それぞれの学校が個別に持つということはかなり経済的に不経済な面もございますので、航海訓練所においての練習船というものの中にそういうものができるように、練習船の増強をやりたいということで、さらに今後の練習船整備というものについて予算的に努力してまいりたいと思います。ただ一隻の練習船が大体において二十億近くかかりますので、相当程度予算的な面において困難な点がございますけれども、そういうような点についてさらに一段と努力をしてまいりたいと考えておる状況でございます。
○佐田一郎君 最後に、たくさんございますけれども、一番最後にお願いしたいことは、この教材がきわめて貧弱であるということですね。私はいろいろと教材の内容等を見てまいりましたけれども、どうも、たとえばディーゼル機関の模型等がございましたけれども、その他非常に船に関する教材というものが、きわめて実験にはふさわしくないようなものばかりがたくさんあるようでございます。予算が少ないせいだと思うのでありますが、特に私はこの実習室を見て回ったのでありますが、ここには麻のロープと鋼材のロープがあって、これは結束が一番海員の諸君としては大事な実習なんですが、鋼材のロープ等はささくれ立って、手がさわれないような古いものですね。聞いてみたところが、とても予算がないので、実は卒業生が乗っている船の廃材をもらっているんだ、こういうことを聞いたわけですけれども、こういうことでは、ワイヤーの結束訓練というものは大事なものですから、こういう実習に使うワイヤーすらも、もらってこなければないのだというようなことでは、これはまことに心細いのですが、ひとつこれは……。その他たくさんございますけれども、特に新官房長、船員局長も新しいのでありますから、実際現地を見ていただいて、そうしてこれからの船員教育、需要と供給の関係は、私が申し上げるまでもなく非常に大事な船員の教育でありますから、ひとつ四十六年度はがんばっていただいて、私のほうも応援いたしますから、ぜひともひとつ船員教育に大いに来年は思い切って、よくやったというくらいにひとつお願いしたいと思うのです。 予定の時間を過ぎましたので、大体以上で私の質問は終わります。どうぞよろしくお願いいたします。
○説明員(佐原亨君) 私、まだ着任日浅くして、先生のように現場も見ていないような状況でございますが、書類による数字だけを拝見いたしましても、確かに先生おっしゃるように決して十分な予算ではないと思います。今後極力船員教育の重要性にかんがみまして、この増額の予算の獲得に努力をいたしたい、このように考えております。
○理事(岡本悟君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会