予算委員会第二分科会 第3号
- 発言数
- 297 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/16
会議録
○大野主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和四十五年度一般会計予算中、大蔵省所管、昭和四十五年度特別会計予算中、大蔵省所管、昭和四十五年度政府関係機関予算中、大蔵省所管を議題とし、説明を求めます。大蔵政務次官
○中川政府委員 昭和四十五年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして、去る二月十四日内閣から提出した予算書に基づいて御説明いたします。 まず、一般会計歳入予算額は、七兆九千四百九十七億六千四百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと一兆二千百一億八千九百万円の増加となっております。 以下、歳入予算額のうち、おもな事項について、その概要を御説明いたします。 第一に、租税及び印紙収入は、六兆九千三百八十四億一千七百万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと、一兆二千二億九千三百万円の増加となっております。 この予算額は、昭和四十五年度の政府経済見通し等を基礎として見積もった租税及び印紙収入見込み額七兆一千百五十一億八千三百万円に、今次の税制改正による減収見込み額二千五百四億四千四百万円及び増収見込み額七百三十六億七千八百万円を加減したものであります。 第二に、専売納付金は、二千六百八億八千六百万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと、百四十九億八千九百万円の増加となっております。 これは、日本専売公社納付金が百四十八億三千五百万円、アルコール専売事業特別会計納付金が一億五千三百万円増加することによるものであります。 第三に、公債金は、四千三百億円で、前年度予算額に比較いたしますと、六百億円の減少となっております。 この公債金は、公共事業費、出資金及び貸し付け金の財源に充てるため発行する公債の収入を見込んだものであります。 最後に、前年度剰余金受け入れにおきましては、昭和四十三年度の決算による同年度の新規剰余金二百三十億四千万円を計上いたした次第であります。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、七千三百一億二千五百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、八百十五億九百万円の増加となっております。 これは、国債費において百二十億五千八百万円、政府出資において百六億円、公務員宿舎施設費において九億五千九百万円、経済協力費において十億一千九百万円、産業投資特別会計へ繰り入れにおいて百五十五億円、国際復興開発銀行出資において九億八千二百万円、予備費において二百億円増加いたしましたが、他方、特殊対外債務等処理費において二十四億八百万円の減少を見たこと等によるものであります。 以下、この歳出予算額のうち、おもな事項についてその概要を御説明いたします。 まず、国債費につきましては、二千九百八億九千七百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債の償還、国債の利子及び大蔵省証券発行割引料の支払い並びにこれらの事務取り扱いに必要な経費を国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 公務員宿舎施設費につきましては、百八億三千八百万円を計上いたしておりますが、この経費は、国家公務員に貸与する宿舎の建設に必要なものであります。 政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等三機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として、四百七十五億円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫百十五億円、海外経済協力基金二百九十億円、新東京国際空港公団七十億円であります。 産業投資特別会計へ繰り入れにつきましては、九百三十六億円を計上いたしておりますが、この経費は、産業投資特別会計において行なう産業投資支出の財源の一部に充てるため、一般会計から同特別会計へ繰り入れるものであります。 予備費につきましては、予見しがたい予算の不足に充てるため、一千百億円を計上いたしております。 次に、当省所管の特別会計といたしましては、造幣局特別会計をはじめ、十の特別会計がありますが、そのうちのおもな会計につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも、八十四億九千三百万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも五億六千二百万円の増加となっております。これは、補助貨幣等の製造経費の増加によるものであります。 印刷局特別会計におきましては、歳入二百七億五千二百万円、歳出百八十三億四百万円、差し引き二十四億四千八百万円の歳入超過であります。歳出におきましては、前年度予算額に比し 十九億一千九百万円の増加となっておりますが、これは、日本銀行券等の製造経費の増加によるものであります。 外国為替資金特別会計におきましては、歳入、歳出とも、三百八十三億二百万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも百七億七千九百万円の増加となっております。 なお、本年度は、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の規定に基づき、国際通貨基金に対する追加出資の財源に充てるため、この会計の積み立て金のうち四百四十四億六千万円を外国為替資金に組み入れ、同資金から出資することとしております。 以上、申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、貴金属、産業投資、賠償等特殊債務処理、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、簡単に御説明いたします。 まず、日本専売公社におきましては、収入八千四百三十七億一千五百万円、支出六千九億八千四百万円、差し引き二千四百二十七億三千百万円の収入超過であり、専売納付金は、二千五百八十七億三千百万円を見込んでおります。 なお、日本専売公社の事業のうち、たばこ事業につきましては、本年度の製造たばこ国内販売数量は、前年度に比し、百一億本増加の二千二百十億本を見込んでおります。 国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各機関の収入支出予算につきましては、お手元の予算書等によりまして、ごらんいただきたいと存じます。 これをもちまして、大蔵省関係の予算の概要について説明を終わります。 以上簡単でございますが、時間の関係もございますので、お手元に配付してあります印刷物を主査において会議録に掲載せられるよう御配慮願いたいと存じます。
○大野主査 おはかりいたします。 大蔵省関係予算の詳細なる説明につきましては、お手元に配付されております印刷物を会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野主査 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————————————— 昭和四十五年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算に関する説明 昭和四十五年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして、去る二月十四日内閣から提出した予算書に基づいて御説明いたします。 まず、一般会計歳入予算額は、七兆九千四百九十七億六千四百万円でありまして、これを前年度予算額(注、前年度当初予算額をいう。以下同じ。)六兆七千三百九十五億七千四百万円に比較いたしますと一兆二千百一億八千九百万円の増加となっております。 以下、歳入予算額のうちおもな事項について、内容を御説明いたします。 第一に、租税及印紙収入は、六兆九千三百八十四億一千七百万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと一兆二千二億九千三百万円の増加となっております。 この予算額は、昭和四十五年度の政府経済見通し、最近の課税実績、収入状況等を基礎として見積つた租税及び印紙収入見込額七兆一千百五十一億八千三百万円から、今次の税制改正における所得税減税、租税特別措置の拡充等による減収見込額二千五百四億四千四百万円を差し引き、これに法人税負担の調整合理化、利子・配当課税の合理化及び租税特別措置の整理合理化等による増収見込額七百三十六億七千八百万円を加算したものであります。 次に、各税目別におもなものを申し上げます。 まず、所得税につきましては、今次の税制改正において中小所得者の負担軽減を図るため課税最低限の引上げを行なうとともに、給与所得控除の拡充及び税率の緩和等を行ない、これによる減収額二千四百六十一億一千八百万円並びに利子・配当課税の合理化による増収額三十億一千三百万円を見込み、差し引き二兆三千五十五億三百万円を計上いたしました。 法人税につきましては、今次の税制改正における法人税負担の調整合理化、租税特別措置の整理合理化による増収額六百五十三億五千八百万円及び企業体質の強化、中小企業対策の拡充、公害防止、過密過疎、住宅対策の拡充、基礎資源の開発、情報化の促進等による減収額四十三億二千六百万円を見込み、差し引き二兆四千二百二億五千九百万円を計上いたしました。 物品税につきましては、今次の税制改正における暫定措置の整理による増収額五十三億七百万円を見込み、三千四百四十二億七千六百万円を計上いたしました。 以上、申し述べました税目のほか、酒税五千七百七十一億三千二百万円、揮発油税四千九百六十二億六百万円、関税三千四百八十四億三百万円、印紙収入一千九百七十八億四千万円及びその他の各税目を加え、租税及印紙収入の合計額は、六兆九千三百八十四億一千七百万円となっております。 第二に、専売納付金は、二千六百八億八千六百万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと百四十九億八千九百万円の増加となつております。 これは、日本専売公社納付金において製造たばこ売上高の増加等により百四十八億三千五百万円、アルコール専売事業特別会計納付金において一億五千三百万円、それぞれ増加することによるものであります。 第三に、官業益金及官業収入は、二十六億九千八百万円で、前年度予算額に比較いたしますと一億二千六百万円の減少となっております。 これは、病院収入において三千四百万円増加いたしますが、印刷局特別会計受入金において一億六千百万円減少することによるものであります。 第四に、政府資産整理収入は、百六十億五千五百万円で、前年度予算額に比較いたしますと二十七億八千五百万円の減少となっております。 この収入のうちおもなものは、国有財産売払収入百十三億一千九百万円、地方債証券償還収入三十三億七千六百万円等であります。 第五に、雑収入は、二千七百八十六億六千四百万円で、前年度予算額に比較いたしますと六百二十一億七千四百万円の増加となっております。 この収入のうちおもなものは、日本銀行納付金一千三百二十三億八千六百万円、日本中央競馬会納付金四百億三千九百万円、懲罰及没収金三百四十三億九千九百万円等であります。 第六に、公債金は、四千三百億円で、前年度予算額に比較いたしますと六百億円の減少となっております。 この公債金は、財政法第四条第一項ただし書の規定により、公共事業費、出資金及び貸付金の財源に充てるため発行する公債の収入を見込んだものであります。 最後に、前年度剰余金受入におきましては、昭和四十三年度の決算による同年度の新規剰余金二百三十億四千万円を計上いたした次第であります。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、七千三百一億二千五百万円でありまして、これを前年度予算額六千四百八十六億一千六百万円に比較いたしますと八百十五億九百万円の増加となっております。これは、国債費において百二十億五千八百万円、政府出資において百六億円、公務員宿舎施設費において九億五千九百万円、経済協力費において十億一千九百万円、産業投資特別会計へ繰入において百五十五億円、国際復興開発銀行出資において九億八千二百万円、予備費において二百億円増加いたしましたが、他方、特殊対外債務等処理費において二十四億八百万円の減少をみたこと等によるものであります。 この歳出予算額を、まず組織ごとに分けますと、大蔵本省六千八十一億五千百万円、財務局百二十六億一千五百万円、税関百十一億一千二百万円、国税庁九百八十二億四千五百万円となっております。以下、この歳出予算額のうちおもな事項について内容を御説明いたします。 まず、国債費につきましては、二千九百八億九千七百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債の償還、国債の利子及び大蔵省証券発行割引料の支払い並びにこれらの事務取扱いに必要な経費を国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 この内訳は、国債の償還費として、前年度首国債総額の百分の一・六に相当する額三百三十五億五千七百万円、「財政法」第六条の規定に基づく四十三年度決算上の剰余金の二分の一に相当する額七十六億五千五百万円及びその他国債償還に必要な額六百六十六億六千六百万円計一千七十八億七千九百万円、国債利子及び大蔵省証券発行割引料として一千七百九十七億九千六百万円、その他国債事務取扱費として三十二億二千百万円であります。 公務員宿舎施設費につきましては、百八億三千八百万円を計上いたしておりますが、この経費は、国家公務員に貸与する宿舎の建設に必要なものであります。 政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等三機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として四百七十五億円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫百十五億円、海外経済協力基金二百九十億円、新東京国際空港公団七十億円であります。 特殊対外債務等処理費につきましては、二百七十億二千五百万円を計上いたしておりますが、その内訳は、「賠償等特殊債務処理特別会計法」第一条に規定する賠償等特殊債務の処理に充てるための財源を同特別会計へ繰り入れるために必要な経費百十一億円、「日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定」に基づいて負担する債務の処理に必要な経費四十二億一千二百万円、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」に基づいて負担する債務の処理に必要な経費九十一億五千三百万円、「日本国とマレイシアとの間の一九六七年九月二十一日の協定」に基づいて負担する債務の処理に必要な経費九億八千万円、「日本国とシンガポール共和国との間の一九六七年九月二十一日の協定」に基づいて負担する債務の処理に必要な経費九億八千万円及び「太平洋諸島信託統治地域に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」に基づいて負担する債務の処理に必要な経費六億円となっております。 経済協力費につきましては、七十四億二千三百万円を計上いたしておりますが、この内訳は、発展途上国の食糧問題解決に寄与するために行なう援助に必要な経費五十一億四千八百万円、プレクトノツト計画に対して行なう援助に必要な経費五億四千七百万円、ダニムダム修復のために行なう援助に必要な経費三億円、ラオス外国為替操作基金に対する拠出金七億二千万円、ナムグム開発基金に対する拠出金三億四千六百万円及びアジア開発銀行が行なう技術援助に対し協力するための拠出金三億六千万円であります。 産業投資特別会計へ繰入につきましては、九百三十六億円を計上いたしておりますが、この経費は、産業投資特別会計において行なう産業投資支出の財源の一部に充てるため、一般会計から同特別会計へ繰り入れるものであります。 アジア開発銀行出資につきましては、三十六億円を計上いたしておりますが、この経費は、「アジア開発銀行を設立する協定」に基づき、同銀行に対し引き続き出資するため必要なものであります。 国際復興開発銀行出資につきましては、九億八千二百万円を計上いたしておりますが、この経費は、「国際復興開発銀行協定」に基づき、同銀行の増資に伴い出資するため必要なものであります。 予備費につきましては、予見し難い予算の不足に充てるため一千百億円を計上いたしております。 以上が、大蔵本省に計上された歳出予算額のおもなものでありますが、財務局、税関及び国税庁につきましては、その歳出予算額の大部分は、これらの機関の人件費その他事務処理に必要な経費であります。 次に、当省所管の特別会計といたしましては、造幣局特別会計をはじめ、十の特別会計がありますが、そのうちのおもな会計につきまして、その概略を御説明いたします。 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも八十四億九千三百万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも五億六千二百万円の増加となっております。これは、補助貨幣等の製造経費の増加によるものであります。 印刷局特別会計におきましては、歳入二百七億五千二百万円、歳出百八十三億四百万円、差し引き二十四億四千八百万円の歳入超過であります。歳出におきましては、前年度予算額に比し、十九億一千九百万円の増加となっておりますが、これは、日本銀行券等の製造経費の増加によるものであります。 資金運用部特別会計におきましては、歳入、歳出とも八千五百三十一億九千四百万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも一千七百三億円の増加となっております。これは、主として歳入においては、資金の運用に伴う利子収入、歳出においては、預託金に対する支払利子に必要な経費が、それぞれ増加することによるものであります。 国債整理基金特別会計におきましては、歳入、歳出とも二兆一千三百三十三億四千九百万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも三千百五十五億七千九百万円の増加となっております。これは、国債償還、短期証券償還、借入金返償、国債利子及び食糧証券等短期証券割引料等に必要な経費の増加によるものであります。 外国為替資金特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百八十三億二百万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも百七億七千九百万円の増加となっております。これは、主として歳入においては、外国為替資金の運用による収入、歳出においては、外国為替資金証券の発行増加による利子の支払いに必要な経費が、それぞれ増加することによるものであります。 また、本年度は、「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」の規定に基づき、国際通貨基金に対する追加出資の財源に充てるため、この会計の積立金のうち四百四十四億六千万円を外国為替資金に組み入れ、同資金から出資することとしております。 産業投資特別会計におきましては、歳入、歳出とも一千三百十四億九千万円でありまして、前年度予算額に比し、いずれも百六十七億百万円の増加となっております。これは、歳出において主として産業投資支出が増加したためであります。 この会計の投資計画のうち、出資金につきましては、日本輸出入銀行ほか七機関に対し総額一千三十五億円の出資を行なうこととし、貸付金につきましては、電源開発株式会社に対し二十五億円の貸付けを行なうことといたしておりますが、その財源といたしましては、一般会計から九百三十六億円を受け入れるほか、株式売払収入六十億円等を予定いたしております。 以上、申し述べました各特別会計のほか、貴金属、賠償等特殊債務処理、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計につきましては、お手もとの予算書等によりまして御覧いただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、簡単に御説明いたします。 まず、日本専売公社におきましては、収入八千四百三十七億一千五百万円、支出六千九億八千四百万円、差し引き二千四百二十七億三千百万円の収入超過であり、専売納付金は、二千五百八十七億三千百万円を見込んでおります。 これを前年度予算額に比較いたしますと、収入は、六百七億一千三百万円、支出は、四百四十八億七千八百万円の増加であり、専売納付金は、百四十八億三千五百万円の増加を見込んでおります。 なお、日本専売公社の事業のうち、たばこ事業につきましては、本年度の製造たばこ国内販売数量は、前年度に比し、百一億本増加の二千二百十億本を見込んでおります。 次に、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各機関の収入支出予算につきましては、主として、これら機関の事業の運営に伴う貸付金利息収入並びに借入金の支払利息及び事務費等を計上したものでありますが、これら各機関の収入支出予算額等につきましては、お手もとの予算書等によりまして、御覧いただきたいと存じます。 以上をもちまして、大蔵省関係の予算の概略について説明を終ります。 —————————————
○大野主査 以上をもちまして大蔵省所管の予算の説明を終わりました。 —————————————
○大野主査 この際、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔に行なうよう特に御注意を申し上げます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
○大原分科員 私のほうから二点にわたって質問いたしたいと思います。 第一点は、同和対策の予算の全体の問題でございますが、説明は省略をいたしまして、特別措置法ができましてから十カ年の計画で行政上の差別を全廃する、こういう方針で法律やあるいは予算上の措置が進んでおるというふうに私どもは確信をいたしておりますが、財政当局の責任者である大蔵大臣は、この点についてどのような見解をお持ちか、まずお聞きいたしたいと思います。
○福田国務大臣 同和対策は画期的段階に入ったと見ております。昨年同和対策事業特別措置法が制定され、また並行して同和対策事業長期計画が策定されまして、昭和四十四年度におきましては同和対策事業に対する補助率の引き上げ等を行ないましたが、四十五年度におきましては、これが量的拡大をはかるということに中心を置いて対策を進めます。一般会計におきましては、御承知のように四十二億円を計上いたしております。 なお、数字で申し上げることができないのでありまするが、これから個所別をきめる段階において、同和対策事業に割り当てる額、これが住宅対策費、また下水道対策費等において、これは数十億円にのぼるであろう、こういうふうに見ております。 なお、同和対策事業につきましては、重要な役割りをになうところの地方団体の財政措置を講ずる必要がある、かように考えまして、四十五年度におきましては特に同和対策事業債ワクを設定いたしまして、この遂行に遺憾なきを期しておるのでありますが、何しろこれは十カ年を想定しております。前期五カ年においてあらごなしをしよう、後期五カ年においてこれが補完調整をいたすという考えで進める事業でございますが、財政当局におきましても、この明治以来の画期的事業の遂行に遺憾なきを期してまいりたい、かような決意でございます。
○大原分科員 数年前に予算を計上いたしまして実態調査をやったことは御承知のとおりですね。その当時、実態調査をいたしましたときには、県はともかくといたしまして、市町村は、自治体は、同和問題、部落問題といえば、これは何というか、かなりアレルギー的に避けて通りたいという気持ちもあったわけであります。これは率直な話であります。うるさいから避けて通るということだけでなしに、火中に入りたくないという気持ちが——同じことでありますが、率直に言ってそういう気持ちがあったわけです。それではならぬ、やはり三百年の差別の歴史を持っている、そういう行政上の現実に目を開いて、たとえば社会主義が実現できなければ解放できないのだ、こういう理論ではなしに、これは運動の中においてもずいぶん論争があったことなんですが、資本主義であろうが、どんな政権であっても、これは行政上の差別であるから、これは民主主義の問題としてこれを解決すべきであるという意識統一ができるまでにはかなりの各方面の努力が国会内外で必要であったわけであります。 当時、この部落の実態を調査して特別措置法をつくり、予算上の措置をするということでございましたが、その当時の調査の中には、今日から考えてみますと、非常に不備なものがたくさんあるわけでありますね。だから実施の段階になりますると、この調査を補完しなければならぬという問題が起きておるわけであります。山中長官のところでその問題を取り扱われるわけでありますが、一たん費用を出して調査したものを、もう一回調査をやり直すということはどうかと思いますが、これは補完をしていくという観点に立って、実施の段階で——調査の問題についても大蔵当局は十分の関心を持っていただいて、そして実施の段階で新しい問題が出てくるということをあらかじめ想定しながら前期五カ年、後期五カ年のそういう十カ年の計画を完遂していただくような、そういう心がまえを持っていただきたいということを各方面は一致して要望いたしておると思いますが、その点に対しまする簡単な所信をひとつ承りたいと思います。
○福田国務大臣 これは御承知のように四党代表者会談で大体のスケールをきめたわけでございますが、これは荒ごなしということかと思います。もちろん、これを実施していく過程において漏れがあることが発見される、そういうことも多々あろうか、こういうふうに思いますが、それらにつきましては前期の段階において措置すべきものもあろうかと思います。また後期のこの見直しの段階において措置すべきものもあろうと思いますが、それらも含めまして、万遺憾なきを期していきたい、かように考えます。
○大原分科員 大蔵大臣からお話がありましたように、本年度は四十二億円でありますが、これは前年度に比較いたしまして五五%余りの増加ということになっております。ただ、この問題の中には、たとえば大阪とか京都というふうに非常に部落の多いところではこれ以上の予算を自治体が組んでおるわけでありますね。 それはまあ別にいたしまして、いま大蔵大臣の御答弁にありました住宅あるいは下水関係で個所づけが漸次明確になった場合には、この対象の予算額がふくらんでいくことは当然だ、数十億円と、こう言われたわけでございますね。その全貌が、もう少し具体的に、大体何十億円くらいというふうなお答えはできませんか。
○秋吉説明員 これは御案内のとおり一般公共事業総ワクをきめまして、個々具体的な個所別を、たとえて申し上げますと、建設省と大蔵省が協議をして個所別にきめてまいるわけでございます。大体のところ、私の勘ではなはだ申しわけございませんが、本予算とにらみ合わせつつ、大体一カ月ないし二カ月は個所別の時間を要するというふうに御理解いただければいいと思います。 個々につきましては、四十四年度の大体の実施計画で、同和地区に配分いたしました金額は、建設省関係で三十八億というふうに記憶いたしておりますが、それがどの程度になるかということは、いまの段階では申し上げかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、同和対策の重要性にかんがみまして、十分建設省とお打ち合わせいたしたい、かように考えております。
○大原分科員 予算要求の段階では、大体幾らという数字を出したのですか。その住宅や下水を含めて四十五年度の予算要求はこれだけだという百三十数億円の予算の総額を出したことがありますね、私いまちょっと手元に資料がないが。それが一応これから実施の目安になりますか。つまり一般の関係者からいいますと、かなり予算要求のときには大きく吹いたわけですね。吹いて、百数十億円要求しております、こういうことだったわけです。今度は個所づけがないということは大蔵大臣のお話しのあるとおりですが、大体どのくらいの——若干しぼんでおるだろうけれども、大体どのくらいの目安で個所づけがなされるかということはわかりますか。
○秋吉説明員 ただいまお答えいたしましたように、金額的にはこの段階で幾らというふうには申し上げかねますが、先ほど申し上げましたように、昨年もそうございましたが、実施段階におきましては、同和対策事業につきましては十分配慮いたしまして、三十八億の実施計画の数字の策定を見たわけでございますが、四十五年度におきましても同様、十分ひとつ同和対策事業に着目いたしまして、建設省と御相談申し上げるという考え方でございます。
○大原分科員 それで三分の二の高率補助に持っていくわけですね。この部落の問題は、行政差別で、今日の段階だけの地方自治体の責任ではないわけで、国の責任だということになりますね。ですが、同和対策事業を自治体でどんどん積極的にやってまいりますと、どうしても三分の一の問題を含めまして、単価その他の問題等を含めて、地方自治体の負担分が大きくなる。それが他の財源を圧迫する、そして今度は一般の全般的な住民の負担を加えていく、こういうことで非常に自治体が財政操作が困るわけですね。その点についてはいままで非常にたくさん議論がなされたわけですが、集約的な問題として、地方財政計画の起債の問題が一つあるのですね。起債の問題については、特別にこの起債のワクについて事業の実態に即して裏づけをしていくという大蔵省あるいは自治省のそういう方針については、ひとつ具体的なこれについての現在の段階の見解をはっきりさせてもらいたい。
○福田国務大臣 それはそのとおり心得ておりまして、先ほども申し上げましたが、特別起債ワクを設定するということにいたしまして、さしあたり七十億円をこれに予定いたしておるわけであります。
○大原分科員 その他地元負担、起債等については議論になっていることはありませんか。この点はトラブルがないように措置するということでよろしいですね。——なかったらよろしい。 それではひとつこの点については万遺憾なきを期して、福田大蔵大臣の手元でこれが始まっているわけですから、行政上の差別が十カ年間で一掃できる、このような新憲法下の民主主義国家において考え得べからざることが全部きれいになる、こういう決意で特別措置法の精神に従って、中央の政府はもちろん、自治体が一体となって積極的に取り組む、こういう点について強く私は将来ある大蔵大臣に期待をいたしたいわけでありますが、最後に決意をお伺いいたしておきます。
○福田国務大臣 大原さんが非常に御力説のとおり、たいへんこれは画期的な事業でございますので、十カ年に必ずこれを実現をするというかたい方針のもとに財政措置も講じてまいりたい、かような考えであります。
○大原分科員 第二の問題は、こういう問題が、大臣、あるわけです。というのは、私は広島ですけれども、広島の電報電話局あるいは電信局等は原爆が落ちましたときに爆心地にあったわけです。その問題で私も数年来議論をしておるわけですが、こういう事実があるわけであります。時間を端折るために事実だけいままでの経過を申し上げておきますと、その当時は郵政省関係は逓信省といっておりましたが、山口さんという逓信局長は殉職をいたしたわけであります。これは記録に残っております。当時は官庁自動車もなくて、郵便局の赤い自転車に乗って出勤途上で殉職をしておる、八時十五分に落ちたわけですから。そういう問題で戦争犠牲者を見てみますと、長崎は原爆が落ちました直接下に逓信局とかあるいは電報電話局とか国鉄とかそういうようなまとまった政府の官庁はなかったわけです。広島の場合はそれがあったわけです。それで焼夷弾の場合はわりあいにそういう被害が少ないわけですが、広島では爆心地に近いところで電報電話局や逓信局がありまして、殉職者が出たわけであります。当時その職場におけるそういう犠牲者の中で、職員に対しまして今日の段階で見るとまことに不当な、不公平なことが起きておるわけです。「ほしがりません、勝つまでは」とかあるいは「乏しきを憂えず、ひとしからざるを憂う」、こういうことであったわけですが、電報電話局で働いておった人たちが数百名おるわけです。その中で、たとえば動員学徒もおったわけです。それから官庁の中では雇用員と判任官以上奏任官もいたわけです。それで、不公平というのは何かといいますと、判任官以上でありましたら、殉職いたしますと遺族の扶助とかあるいは身体障害者の年金等がもらえるわけであります。雇用員の場合は、これは二百三十五名ほどあるというふうに先般も政府委員は答弁しておりますが、二百三十五名は、これはその人が主として家計を担当いたしておる場合には殉職年金が出るような戦時特例があったわけであります。しかし、家計を担当しておらない一般の雇用員は、非常な、言うならば今日では考えられないような差別がありまして、そしてこの人については一時金の措置があったわけです。しかし、当時インフレの状況や新円封鎖その他あるいは混乱期等で、だれに一時金をやったかやらなかったかということがはっきりしていないわけです。そういうことで、同じような職場にありました動員学徒は、援護法で戦争犠牲者の処遇をいたしまして、当時最初は一時金から出発いたしまして、これは厚生省の関係でありますが、あとで給与金として年金になったわけであります。改善されたわけであります。それから、判任官や奏任官との差別があったことが一つであります。 もう一つは、国鉄とか、専売の大蔵省関係は、雇用員の場合でございましても、これは差別をしなかったのです。家計の担当者であろうがなかろうが、戦時特例といたしまして公平に遺族年金も出し、傷害年金も出している、こういう措置があったわけです。したがって、この逓信省の、今日は郵政省と電電公社の二つに分かれておりますが、その人々は今日までずっとまいりまして、これは改善措置がなされてないわけです。電報電話局は言うならば国の神経でございましたから、総動員業務として重要業務に指定しておったわけであります。八時十五分には交代いたしまして、新しい人がどんどんつとめておったという状況でございます。みんな日の丸の旗をはち巻きいたしまして、全部戦場と同じだということでやったわけであります。今日そういうところから、わずかの数ではございますが、私は戦争犠牲者に対する救済措置というものは公平でなければならぬという観点で、この問題を二、三年来そういう資料を全部集めまして議論をいたしてきたところであります。どうも歴代郵政大臣は、いまの井出郵政大臣を含めまして三代の郵政大臣は、河本さんもこれは事情を考えるならばこのままにしておくことはできない、前向きで努力をする、善処をするというお話でございました。昨年の予算委員会の分科会で、海堀さん——これはいまどこへ行っておられますかね、答弁しっぱなしでどこかへ行っておるが、海堀政府委員を呼びまして、大蔵省からも答弁をいただいたわけであります。逓信省とか電電公社は事業体がずっと続いておりますから一応考えて、これは何とかしなければならぬということであります。大蔵省は石頭とは言わぬけれども、理解が少しきびしいわけであります。冷酷なと言いますか、石頭と言いますか、そういう人が一部におりまして、しかし、だんだんとほぐれてまいりまして、海堀さんがいいことを言ったと思ったらいなくなった。あの人が主計局長にでもなっておればいいのですが、そういうことで、その答弁は引用いたしませんが、私は、やはり当時は公平でなければならぬという観点で、これは給与課長その他と四の五のと議論はいたしませんが、かなり事情は理解をしていただいておる。だんだんと石がほぐれてきておるようであります。何頭をひねっておられるのか、頭をひねっておるけれども、それは別にいたしまして、私が議論したことで、事実の把握についてはそうむちゃなことは言っていない。それは一々事実の問題と法理論については私はここで議論をする必要はないと思うわけです。この問題は単刀直入に大蔵大臣から、一問一答を積み上げてお聞きしたいのですけれども、時間の関係でこれで終わりたいのですが、このことは事実をひとつ調べていただきまして、わずかなことでありますので、ひとつそういったことは納得できるような結末をつけてもらいたい。こういう気持ちで大蔵大臣の御意見を聞きたいと思う。
○福田国務大臣 大原さん、この問題は二、三年前からあなたから提起をされておるわけです。ごもっともなような面もあるのですが、これを共済組合による共済制度という角度から見ますと、なかなかむずかしい点もあるのです。そのむずかしい点はどこにあるのかということを一応海堀次長の後任者橋口次長からお聞き取りいただきまして、それから私の意見を述べさしていただくようにさしていただきます。
○橋口政府委員 戦時災害で死亡いたしました旧逓信関係の雇用員に対する救済制度の適用の問題につきましては、大原先生が数年前からこの問題を取り上げられて、各種委員会で御質問もいただき、主として郵政当局に対してではございますが、先ほどお話がございましたように、昨年は、私の前任者である当時の海堀主計局次長に対しても御質問いただいておるわけであります。私どももそういう経過もあり、十分真剣に検討いたしておるつもりでございます。ただ、大原先生よく御承知のように、現在の共済制度は、当時における共済金の支給の規定をそのまま継承いたしておるわけでありますが、当時戦争中における各種共済の制度が機関によって異なっておったわけでございますから、その制度をそっくり継承いたしております現在の共済制度の土俵の中で検討いたしますと、これはなかなかむずかしい問題であろうと思います。それからまた、いわゆる生計依存関係、死亡した本人によって生計を維持している遺族に対して遺族年金その他の年金を支給する、これは社会保険制度のたてまえとしてかなり重要な原則であろうかと思うわけであります。またよく御承知のように、当時、その他一時金等の支給も行なわれておるわけでございますので、大臣からお答えがありましたように、われわれといたしましては真剣に検討はいたしておりますが、いまの制度のワク内で処理をするということになりますと、なかなかむずかしい問題を含んでおるというふうに考えておるわけでございます。ただ、当時、海堀政府委員からも、生計依存関係のない、つまり生計依存関係を必要とする各種共済制度から統一的に要望があった場合には、これを検討しようということで申し上げておるわけでございます。その後郵政当局から内々に御相談がございますが、まだ郵政当局としても、こうしたらいいというはっきり具体的に事務的に詰めた問題についての御提案はないわけでございます。 ただ、繰り返して申し上げますように、問題点はすでに浮き彫りにされておりますので、あとはその問題点を煮詰めた上でどうするかというところまで来ておるというふうに理解をいたしております。
○大原分科員 そのことは私はよく承知しておるわけですが、それは私も、国鉄とか専売とかその他全部の省の戦時規定を逆に集めまして、そうしてこれが妥当であるかどうか、あるいは事実をいろいろ聞きまして、不公平ではないかということで調べてきたわけであります。そこでいろいろ理由はありますが、これは戦時規定なんですから、たとえば動員学徒等は最初一時金を出しておったのを年金にしたわけです。同じ職場で若い雇用員、電報電話局の交換手とかその他とかはほとんど全部雇用員ですけれども、そういう同じような職場におった子を亡くした親、あるいは身体障害者になった当人、こういう者の立場に立って見ますと、やはり意見があるわけであります。そういうことと、それから他の公務員——私は、同じような閣議決定の戦時規定が省によって違うということは、やはり当時としては不備であったのではないかということを痛感いたします。したがって、一時金を出したという経過はございますが、それはインフレのことを言えば切りがないという議論もあるわけですが、戦争中の混乱期であったし、一時金をだれに出したかということを私は調べてみましたが、新円封鎖その他のどさくさで、もらってないという人もあるわけです。したがって、そういうこと等を考えて、いま前向きの御答弁があったわけであります。事実については的確に理解をされた御答弁になったわけですが、それを乗り越えた措置をひとつ考えてもらいたいということを私は期待をするわけであります。これは少人数とはいいながら、放置することができない問題ではないかと思うわけでありますので、その点について大蔵大臣の御意見を伺いたい。
○福田国務大臣 ただいま橋口次長から申し上げたようなむずかしい問題があるのは御了解願ったと思います。しかし、これにつきましては、郵政大臣からも善処をいたします、こういうお答えをしております。また、海堀次長からあなたに、十分検討いたしますというお答えをしたいきさつもあり、まだ結論を得なかったのは申しわけございませんが、なおこれは誠意を持って取り組んでいく、こういうふうに御理解願いたい、かように存じます。
○大野主査 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)分科員 大臣にまず簡単な問題をお聞きしたいのですが、今日、日本専売公社は、たばこの製造、販売をやっているわけでありますが、さらにその他、塩の専売とかがありますが、事業体としての性格が公共企業体である、法律的には公法上の法人であるということがいわれておるわけであります。公法上の法人でも事業をやらない法人もありますが、そういう立場からすれば、これは公共企業体だ、こういうことが言えるだろうと思うのですが、その点についての大臣の御見解を承りたい。
○福田国務大臣 御指摘のように、これは公共企業体であります。つまり公共性を持っておると同時にこれは企業体である、こういう両面の性格を持っておるもの、かように理解しております。
○広瀬(秀)分科員 そこで、いつでも公共企業体ということになりますと、公共性と企業性というものが混然一体となって運営されるという、そこに妙味もあり、むずかしさもある。企業性にばかり偏するという問題と、公共性をどこまで確保していくかという問題が常に論争される問題点になるわけでありますが、たばこをつくって売るということ、これは専売公社のやっている仕事の根幹でありまするけれども、そういう企業として公共性というのは一体どこなんだという点については、大臣、どのようにお考えですか。
○福田国務大臣 たばこ専売事業の公共性、それはどこにあるかというと、国家財政上非常に重要な役割りをしている。そこに公共性というものを私どもは認めている。
○広瀬(秀)分科員 大臣の答弁によりますと、いわゆる歴史的に見ましても、専売事業というのは、ずっと明治三十七年ですか、あれ以来国家財政に寄与するのだという、いわば収益専売、財政専売というような性格を強く持ってきたということなんでありますが、単にそれだけでございますか。喫煙の問題で、たばこ事業というものは国民の健康にとっても若干問題がある。当時は中毒になるというような俗なことばを使っておったようでありますが、そういう問題に対しても、やはり国自身が責任を持って製造販売を一手にやることによって規制をするというか、管理をするというか、そういうような面でも公共性というようなものが加味されて運営されてきたのではないでしょうか。
○福田国務大臣 副次的には国民の健康に及ぼす影響というようなものもあるわけです。これは一般の薬なんかにもそういうものがありまして、食品衛生法とか、そういうものによって規制をしておりますが、これは本質は、御指摘のように、財政専売、つまり国家財政上この企業がきわめて重要な役割りをしている、そういうところにあると思います。
○広瀬(秀)分科員 非常に明確な答弁をされたわけでありますが、私どもは必ずしもそうは受け取っていないわけであって、単に財政専売で割り切ってしまえない。専売事業が公共企業体であるという面では、たとえば製造たばこを適正な価格で国民に供給する。いまや喫煙というものも生活の中に定着をしている。そういう中でやはり価格の問題なども適正な水準に保つというような問題、最近では肺ガン説というような問題もあって、結論は出ていないにしても、そういうおそれもあるというようなことで、たばこの総本山みたいなアメリカにおきましても、たばこについての過当な宣伝、テレビによる宣伝というようなものも中止をするというような措置もとっている。国の責任においてできるだけ低タールであるとか、低ニコチンであるとか、そういうものを確保していくのだ、国民の生活に対して国が責任を持つのだというような立場もあって、公共企業体で財政専売が中心で、そんなものはほんとうに副次的なものだというような考えをいま示されたわけだけれども、そういう問題についてケネディ大統領時代から特にアメリカではこの問題を重視して、これは民間産業としてやっているところですらそういう問題点を非常に重視をしてきたことなども、公共性という問題に、私は当然、適正な価格水準という問題とともに、深いかかわりのある問題だと認識をするのです。この二つはきわめて副次的なつけ足り的な内容ですか。
○福田国務大臣 御指摘の国民生活との関係、これはもとより大事な問題だと思います。しかし、何ゆえに専売制度をとっているのか、こういう点になりますと、財政上の理由である、こういうふうに理解をしておるわけなんです。専売制度をとらぬでも、いま御指摘のような諸問題は、これを規制する方法を講じなければならぬ。また諸外国等においても講じておる。特に専売制度をとっておるのはなぜだ、こういうと、国家財政上重要な役割りをしておる専売というところに、私は、あなたの御質問の御趣旨があるのではあるまいか、こういうふうに考えまして、専売をとっているゆえんのものは、財政、そこに主目的があるんだ、こういうふうに申し上げているわけであります。
○広瀬(秀)分科員 専売公社総裁にお伺いしますが、いま、専売公社では、四十三年十一月に新長期計画というものを策定をされ、すでにその第一次中期計画なるものが五カ年間を展望してつくられている。その基本的な立場は、いま大蔵大臣がおっしゃられた財政収益をあげるということ、この専売合理化、俗にいう合理化、長期計画なりあるいは中期計画、これを策定するにあたって、財政益金、たばこの地方消費税及び国庫納付金というものを、政府の要請に従って安定的に確保していくというために、どうしてもやらなければならない、こういう立場が中心になって、この計画はつくられたものですか。
○北島説明員 ただいま大蔵大臣から、専売公社はたばこの専売をあずかっている、たばこの専売は財政収入の確保を目的とする専売だ、こうお話になりました。私は全くそのとおりだと思いますが、同時に、公共企業体でございますので、将来のたばこ事業としてどうあるべきかということを考えて、合理化計画を策定をいたしておるわけであります。 御承知のとおりに、専売事業の上にあぐらをかいてやることは、私はいけないと考えております。やはり、外国のたばこ産業との競争も考えて、現在こそ外国の製造たばこの輸入は専売公社一手で輸入しておりまして、数量も制限いたしておりますが、こういうことは、やはり長く続くものではない。将来を考えますと、どうしてもいまのうちに、自由化されたところのたばこ事業のあり方を考えまして、外国に対抗できるだけのたばこ専売事業の基礎を築かなければならぬ。こういった意味合いをもちまして、ただいまの合理化計画を策定いたしておるわけであります。この合理化計画の実行が、長期にわたって、企業としての専売事業として成り立ち、その根幹をなすものだと考えておるわけであります。
○広瀬(秀)分科員 重ねて大臣に今度はお伺いしますが、諸外国のたばことの競争関係、そういうものも考慮しながら事業を発展さしていくというためには、合理化をしなければならぬのだということを、いま総裁がおっしゃったわけだけれども、先ほども大臣が強調されているように、今日、たばこは専売である。この専売の主目的が、財政益金を安定的に確保する、こういうことであるということもはっきりした。そういう中で、貿易自由化の問題で、残存輸入制限の中に、当然これは入っているわけだけれども、専売品以外の一般の残存輸入制限が百十八品目か現在あるわけだけれども、こういうものと同じように、やがてこの問題も、貿易自由化——製造されたたばこを外国から、専売法というものをたてにして、最後の最後までその面での自由化を避けていく考えなのか、それとも、ほかの品物とほぼ同列、同じレベルに考えて、たばこも自由化していくお考えなのか、その辺のところは、大蔵大臣としてどう考えておられますか。しかも、その時期は一体いつごろに想定してそういう方向を、同時に、専売公社にも監理官などを通じて、そういう方向で、そういう時代が来ることを予定して合理化を進めろ、こういうことは大蔵大臣の指示か何か知りませんが、そういうことを指示しておられるのか、この点をはっきりさしていただきたい。
○福田国務大臣 専売当局は、私どもの指示をまつまでもなく、もう外国との競争に打ち勝たなければならぬという意欲に燃えて、近代化、合理化を進めておるわけです。ことに、塩の問題なんかになりますと、相当スケールの大きいそういう施策を進めるわけでございますが、いま自由化の世界的大勢の中におきまして、わが国も自由化施策を進めなければならぬ。その際におきまして、自由化対象品目としてこの専売品目をどうするかという問題でございますが、私は、これは一般の私企業における生産品の自由化とは違いまして、先ほどから申し上げているように、財政専売、つまり、国の財政上これはきわめて重要な地位を持っておる特にたばこであります。これを軽々に自由化するというわけにはいかぬ。まあ、専売当局、非常にいま近代化、合理化に努力しておりまするけれども、これでもう外国との競争には勝ち得るという段階を迎えて初めて、このたばこの自由化というものが実現し得るのではあるまいか、そういうふうに考えておるのでありまして、ただいまのところ、たばこにつきまして自由化のスケジュールは持っておりませんです。
○広瀬(秀)分科員 それは大臣の御答弁の中で明らかになったように、別に指示したものでもない、しかし、専売公社当局が、そういう時代が来ようと来まいと、いずれにしても、国際的競争力に勝てるだけの準備をしておるということは当然だということでございますが、そこで、財政当局として、この前、財政制度審議会等からも答申がありました。現在のようなたばこの財政に対する寄与は、地方消費税という形、さらに国庫納付金という二つの形で行なわれているわけでございますが、これを、たばこ消費税という形で一元化しろ、そうしてそのことによって企業努力というようなものが経理の面ではっきりする、しかも、財政益金としては安定的に得られる、こういうような立場において消費税制度への移行ということを答申された。これはまさに財政益金といういまの大臣の御答弁、ずっと一連の答弁からすれば、これはまさに論理としては一貫しておるということになるわけであります。しかし、これはもう、諸経費を引いた純利益を国に納めるという形から、いわば、そういうものを全部財政の必要に応じて売り上げの中からこれを先取りをしてしまうということに当然なるわけでありますが、この消費税というものをいつからどういう率で実施をしていくか、この点についての考えがありましたら、この際明らかにしておいていただきたい。
○福田国務大臣 消費税につきましては、四十三年に財政制度審議会から答申がありまして、そのときは、率直に申し上げまして、大蔵省としてたいへんハッスルをしてこの検討に取り組んだわけです。つまり、この制度を採用しますと、専売公社の企業性、企業的運営ですね、これが非常に合理的になるわけであります。そういう点から、これはきわめて時宜に適した考え方である、かような認識を持ったわけなんです。そこで、これが実施についていろいろ検討をいたしてみたわけでありますが、さて、これを実施するとなりますと、特に一つのむずかしい問題は、中央、地方の配分、これが技術的にきわめてむずかしい問題であります。そういうようなことで延び延びとなって今日に至っておるわけであります。しかし、たばこ消費税のねらうところの、企業に合理性を与える、こういうメリット、これにつきましては、今日もそれを高く評価しておるわけであります。どういうふうにこれを実施するか、まだ終局的な結論を得ておりませんけれども、あきらめずに今後の検討問題にしていきたい、こういうのが今日の段階でございます。
○広瀬(秀)分科員 いずれまた機会を見まして、この消費税制度移行の問題は、大蔵委員会等に大臣においでを願ってやりたいと思いますが、十一時十二分までという時間でございますので、あと十分ぐらいしかございませんので、次の質問に入ります。 新長計に基づいて第一次中期計画が出まして、この中で特に六工場の新設が計画をされておりまして、それぞれ工場設備等を近代化して、いわゆる製造規模というようなものを飛躍的に増大をさせる計画が着々と進んでおります。その中で、この一連の合理化問題に対して、昨年の八月二十六日に従業員がその生活と権利を守るという立場において、専売公社とそれらの問題をめぐって、特に二交代制の問題などをめぐって非常に鋭く対立をして、団体交渉で一部中期計画の手直しというようなものがあったのではないかと思うわけであります。 その中で、いわゆる第一次中期計画の中に盛られておった北関東工場、これは具体的には栃木県の宇都宮、茂木両工場を一カ所にして、現在約四十億本弱ずつつくっております両工場を一挙に百七十億本ぐらいのものに持っていく、将来は三百億本以上の規模の工場にする、こういう計画になっておったわけでありますが、これについては両工場所在地における関係地域あげての、まさに町ぐるみの反対運動などもあって、その団交の席上でもこれは再検討をするということになったわけであります。これについて、特に茂木というようなところは過疎問題との関係も非常に深い。この前の東海林総裁にも申し上げたわけでありますが、茂木という町においては専売工場だけが唯一の工場と言えるような町であるというようなところからいって、まさにこういうものを非情な措置として、血も涙もないやり方で、一方的な経営合理化という立場だけでこの工場を廃止してしまうというようなことになったら、それこそゴーストタウンのような、火の消えた町になるであろうというようなことも申し上げ、しかも地域における開発計画、八溝開発計画というような中にも入っておる地域である、そういうような、将来振興させようとする県の主要な地域開発計画、これなんかをまさにぶちこわすような計画ではないかというようなことを申し上げておったわけであります。再検討するということになってきたのでありますが、これが最近になって、また今度は第二次中期計画の中の冒頭にこれを入れて、元どおり統廃合を進めるのだ、こういうような考えになっているやに聞くのであります。この点について地元でも非常に大きな問題になり、県としても議会の議決を経て、知事もこれを死守するのだという非常に強い立場で、皆さんのところにもそういう趣旨の要請なども行っていると思います。こういう問題について再検討すると労働組合にも明確に約束をした、再検討とはあくまで再検討であって、同じ結論を時期だけ延ばしてまた出してくるということではないだろうと私ども思うわけであります。それについて総裁は一体どのように考えられ、進められようとしておられるか。
○北島説明員 御承知のとおりに、宇都宮の工場も茂木工場も非常に旧式な工場でございます。こういったものを将来統合いたしまして、北関東地方に先ほどお話しのございましたような年間百七十億本程度の製造能力を有する工場をつくりたいというのがかねてからの公社の希望でございました。ただ先ほどお話がございましたように、地元との関係もだいぶございますし、ことに茂木のような過疎地帯の問題もございますし、また宇都宮の問題もございますので、当方といたしましてはさらにもう一ぺん再検討するということではございますが、気持ちといたしましては、どうしてもあの地方の古い工場は統合して新しいものにしないと、やはり先ほど申しましたような近代化、合理化の道を達成することができないのじゃないか、こう考えておるわけであります。
○広瀬(秀)分科員 新長計ができた際には、将来展望としましては大体一カ所三百億本ぐらいの製造規模の工場を六カ所ないし五カ所、あるいは一工場で四百億本ぐらいはいけるのだ、あるいは五百億本ぐらいまでもいけるのだということで、全国でいま三十九工場ある中で、将来の需要を満たすために五工場か六工場ぐらいで間に合ってしまうのだ、そういうことも言っておられた。第一次中期計画において構想されている工場の製造規模などにつきましても、七十億本というものが大体スタンダードな規模として、いま設備投資をしながら強力に進められているわけでありますね。そういうようになりますと、新長計発表当時の構想とはだいぶ違っているというようなことも考えられる。そうすると、この茂木、宇都宮等におきましても、いまの工場敷地をそのまま使っても十分新しい工場を建てる余地もあるし、両方七十億、七十億あるいは八十億、八十億ということにしてもいいはずではないのかということも考えられるわけであります。しかも、茂木等におきましても、すでに総裁のところにも、三カ所ぐらい、もしいまの敷地が足りないのならばかくかくのところを提供をして差し上げますということも言っておるわけであります。それをただ両方合わしてしまって百七十億本の工場をつくるのだということで、再検討をしますというのは、ただその場をしのげばいいという無責任な考え方であったのではないかと思うのです。 そういう点で、これは少なくとも第二次中期計画においては、あくまでやはり両工場をつぶして、どこか第三の場所に百七十億本をつくるという、その気持ちにはちっとも変わりはないのですか。しかも過疎問題でそういう特殊な事情もあるのだということもある、長期計画で最初示したものが相当変わっていま実現している、そういうことになれば、やがて今度は三百億本とか五百億本とかいうようなところに持っていくということになれば、これを新長計が展望した十年間ぐらいでやるとすれば、明らかにいまこういうように七十億本程度にやっているというような工場を第一次計画で六工場もやるということになれば、今度はそういう三百億、四百億、五百億というようなものにしていくためには、また新しい投資が必要になるということになれば、これはまた明らかに二重投資というようなことにもなるのじゃないでしょうか。そこらのところについて、この工場についての再検討というものを文字どおり、いまお答えのようなことではなしにやられる考えというものがあり得ないわけですか。
○北島説明員 工場の統廃合はなかなかむずかしい問題でございます。もしこれが民間工場でございましたら、おそらくもっと思い切った統廃合をやっておるのではないか。そこは、私どもといたしましては、現在の従業員の状況、それから土地の情勢などをいろいろ慎重に勘案いたしまして、検討しているわけであります。 北関東工場につきましても、お話のような地元のいろいろの御要望がございまして、宇都宮の御要望もございます、茂木の御要望もございます。そういう方面を十分検討して、再検討するということにいたしておるわけであります。再検討するということはやめるということを申し上げたのではなくて、やはり情勢の変化に応じてあるいは計画が変わるかもしれません、また同時に、前の計画がよかったということになるかもしれません。これは情勢の推移を十分に勘案いたしまして検討いたしたいと考えております。 なお、現在新工場は六十億本を計画いたしておりますが、将来需要の増加によっては、その内において設備を加えますれば、すぐ増加できる状況ではございます。念のために申し上げておきます。
○広瀬(秀)分科員 再検討の内容について、十分情勢の推移に応じてということでありますが、最後のところ、もう一ぺん答えてください、声が小さくて少し聞き取れなかったので。大事なところだったと思います。
○北島説明員 本来的に申しますと、三百億本ないし四百億本あたりの工場を一挙に建てるのが理想的でございます。先ほど申しましたように、これは人員の大きな削減を必要といたしますし、地元の問題もございます。そういう方面を考えまして、現在提案の六工場は八十億本——金沢だけは百億本ということにいたしておりますが、そういった提案でございますが、将来また需要が伸びますれば、その場所において少し設備を増加いたしますれば、また能力が上がるわけでございまして、あえてまた他の地に大きな工場を建設するから二重投資になるというようなことではないと思います。
○広瀬(秀)分科員 こういう地域の特殊な問題ということで大蔵大臣にお伺いするのはどうかと思いまするけれども、先ほど私が申し上げた茂木、宇都宮の両工場の統廃合の問題で、地域は非常な不安におちいっているし、しかも町全体がそのことによって全く灯の消えた幽霊の町のようなところまでいってしまうだろうというところまで思い詰めた考えを持っている。それから栃木県なら栃木県におきましても、その地域全体が過疎地帯にあるということで、再発展計画、再開発計画というものも、八溝開発計画の重要な部分をなしておる。そういうような中で国の事業であり、公共事業である専売工場が全く専売の一方的な都合で、経営主義ということだけで、そういうようなものに何もかまわない、配慮する必要がない、こういうようなことについて、私どもは非常な不満を持つわけなんです。これはもう地域住民をあげての大きな不満になっているわけなんです。そういう再開発計画まで台なしにしてしまうような中身になっておる。こういう問題をとらえて、総合的に財政の最高責任者である大蔵大臣として、どういうようにお考えでございましょうか。
○福田国務大臣 先ほども申しておるとおり、専売公社もこれは企業体でございますので、企業の近代化、合理化という計画は進めなければならぬことは当然だろうと思います。宇都宮、茂木両工場の統合問題につきましては、その希望があることを専売当局から私も聞いております。しかし、宇都宮、茂木に限らず、統合だとかあるいは廃止だとか、そういうような合理化の措置を講ずる場合におきましては、地域社会にどうしても深い関係が出てくるわけであります。地域社会との調整の問題、それからそこで働く方々との調整の問題、これも生じてくるわけであります。それらの問題、最善を尽くして御理解を求めましてこれを実行する、こういうふうにすべきものと考えております。
○広瀬(秀)分科員 時間がありませんので、これ一問でとどめます。 いま大臣の答弁がありました。この長期計画あるいは中期計画等におきましても、専売公社の計画の全容というものを出してこられない。いまのところは、製造工場の統廃合ばかり出して、それでは販売計画は一体どうなっているのだという問題点、あるいは管理機構はどうなるのだというようような計画、その他ほかにもありますけれども、そういう全容を一切明らかにしていないというところに非常に問題があろうと思います。そういう計画がまだできていないのか、できているのか。できているのならば、やはり計画全体を出して、国民の批判の中において正しい将来の経営のあり方というものをはっきりさせていくことが、今日の民主政治の段階では必要ではないかと思うのです。小出しに出しながら、それと当然深い関係にある問題点はぼかしておいてやってくるというやり方には、私ども非常に不満があるわけなんです。 特に、生産計画などにつきましても、大規模農場を設定するのだということをいっておられるし、あるいは主産地形成ということをいっておられる。この主産地をどこに、何県の何郡というような点まできちんとやって、こういうところに主産地を、農振法との関係もこれあり、そういうことにするのだというそういう計画も立ててはっきりさせない。したがって、農民は非常に不安におののく。米の問題で打撃を受けているところに、今度はたばこもかということにもなりかねない。こういうような問題で、生産関係の常務理事も来ておられますからお伺いしたいのですが、生産の問題、特に主産地形成、統廃合の問題とも関連する問題ですが、北関東というものはいままでずっと在来種、しかも最近では非常に需要が伸びている、これからのソフトブレンド、マイルドなものをつくっていくという点では非常に見直されてきた産地だ。そういうようなものが、東北主産地の一部に入るであろうというような答弁だけではなしに、あなたのところにはこれだけ期待しているのですよということを地域についてちゃんと計画を立ててお示しをする、農民の人たちにも理解を求めるためにきちんと明確にしてやる、こういうような配慮もされていないと思うのですが、この北関東における主産地形成との関連において、この際、ひとつ明確にしておいていただきたい。
○黒田説明員 主産地形成の問題につきましては、昨年もいろいろお尋ねがあったはずでございますが、主産地と申しましても、これはいろいろな規模とか区域あるいは産地の密度と、さまざまな形のものがあるわけでございます。したがいまして、相当綿密な調査をしなくては、なかなかこれをきめるというわけにまいらぬのじゃないか。昨年また農業地域振興法というものができまして、将来の農業振興地域というものが各府県で設定される、そういうことにもなっておりますので、将来の主産地というものはやはり農業振興地域でないとあまりぐあいがよくないのじゃないか、こういうこともございまして、私どもとしましては、現在各産地のいろいろな要素につきまして調査をさせております。でき得るならば、四十五年度中に一応大体の主産地のマップをつくるまでこぎつけたいということで努力してみたいと考えております。したがいまして、現在の時点でどこを主産地ということまでは至っていないわけでございますが、北関東、特に栃木県の産地について申し上げますと、八溝山系の那珂川沿岸の地帯と申しますのは、御承知のように昔からだるま葉の大産地でありまして、現在でも非常に密集した在来種産地でございます。したがいまして、おそらくああいう産地は将来とも長くやれる産地として残るところではあるまいか、かように私どもは考えております。
○広瀬(秀)分科員 以上で終わります。
○大野主査 北山愛郎君。
○北山分科員 時間もありませんので、二点についてお尋ねをしたいと思います。 第一の問題は、米の生産調整並びに水田買い上げの問題であります。私も最近郷里へ帰って、農村部落の座談会等をやりますと、この問題については全く生産農家は怒りというか、迷いというか、あきらめというか、実にやり場のない気持ちでおるわけであります。そこで、何としてもこういう問題は政府の方針を明確にする必要がある、このように考えるのですが、農林省の管轄の問題ですけれども、しかし、その予算を担当する大蔵大臣として、一体百万トンの生産調整がうまくいくと考えておられますか。これは農民自身は疑いを持っているんです。たとえば、おそらく自分が協力をしてもほかの者は協力しないだろうとか、あるいは方々でやめているところがある。せっかくやったって、結果としてはその百万トンにならないとすれば、結局食管だってくずれてくるのじゃないか、こういうふうな疑いを持っているので、ひとつ大蔵大臣はどのようにこの現状に即して見通されておるのか、その点を明らかにしていただきたい。
○福田国務大臣 これは重要な問題でございますが、そもそも今度の減産、減反問題これはどこから出てきたのかというと、農業協同組合中央会長宮脇さんがまず提起した問題なんです。私のほうはそれを受けまして、これはたいへんなことだ、いままでは増産だ、増産だ、あるいは米価の引き上げだ、引き上げだ、こう言ってきておられた農協中央会が、みずから減産だと言いだしてきたんですから、これはたいへんなことだ。とにかく米の問題の深刻性を、ほんとうに当事者である農協、農民が認識し始めた、この事実は、これはほんとうに大きなできごとであって、この動きというものに水をさすというような考え方をするというようなことは絶対相ならぬ、こういうふうに考えまして、それをあたたかく包容し、またあたたかく迎える、こういう考え方で終始応接をしてきたわけなんです。しかし、百五十万トン減産、減反、こういうことをいいましても、どうもそれに対して奨励金を出すというだけでこれがうまくいくかというと、これは当面の対策としてはまあうまくいくかもしらぬ。しかし、恒久的な考え方、どういうふうにこれを将来持っていくかということについての考え方がなければならぬというふうに考えておったのでありますが、その間に、そういう話をしておる間に、これは三年かかるか五年かかるか、あるいはもっとかかるかわからぬ、わからぬが、しかしいま米が過剰であるということは水田が過剰であるということなんだから、その水田を水田以外の用途に転用すべきである、それを考えるべきである、こういうお考え方が出され、私もそのお考え方は、これは恒久的な考え方として妥当な考え方であるという認識を持ち、そこで百五十万トン生産調整という農協中央会の発想でございましたが、それを百万トンにいたし、五十万トン分、十一万八千ヘルタールにつきましてはこれを他用途に転用をする、こういう考え方を終局的にはとるに至ったわけなんであります。その後百万トン分についての動きを見ますと、まちまちの見解です。あなたがおっしゃるように、農民がどうも不安感を持っているという報告も受けております。しかし、この間九州地区を回ってきた人の話を聞いてみますると、九州地区あたりでは非常に積極的だ、あるいは百万トンというのをかなりオーバーするかもしらぬというような見方を述べておる人もありましたが、これは知事や市町村長あるいは農協、これらが協力をしてくださいますので、私は必ずこれは成功する、こういうふうなかたい見通しを持っておるわけであります。
○北山分科員 順次お尋ねしようと思ったのですけれども、答弁が長いし、時間がかかりますので、率直に申し上げますと、あとの五十万トンの問題、十一万八千ヘクタールの買い上げですね、これについてもお尋ねしたいことは、すでに政府の予算、あるいは地方財政あるいは政府関係の機関、そういうものの予算というのは政府案が出ておるわけですから、それに関連する用地取得の面積というものははっきりわかっていると思うのです、政府関係の。その点を幾らになるのかということをお示し願いたいということが一つ。 それから一つ疑問な点は、大蔵大臣はその百万トンと五十万トンと込みにして三十五万ヘクタールを数年間で、何年かかるかわからぬけれども数年間でこれを水田から別のほうへ転用すればいいんだ、こういう考え方を持っていらっしゃるようなんで、その点をはっきりさしていただきたいのです。
○福田国務大臣 百五十万トン分というと三十五万ヘクタールになるわけですが、これを全部他に転用するというのは私はあるいは行き過ぎかと思っているのです。多少のゆとりをもってかからなければならぬ。しかし大かたその見当のものを他用途に転用するという考え方でこの米の過剰問題を処理するという考え方は私は妥当な考え方であるというふうに見ておるわけであります。ぜひ何とか、四十五年度以降何年かかるかわかりませんが、そういう方向を進めてみたい、かように考えております。
○北山分科員 そうしますと、いわゆる百五十万トンというのは四十五年度でこの減産を達成するということになっているのですね。大臣の御説明だと、何年かかってやればよろしいという考え方になるわけです。しかもその間生産調整の分もあれば、あるいは水田買い上げの分もあるだろうが、込みにして数年かかって三十五万ヘクタールぐらいやればいいという考え方ですね。
○福田国務大臣 いいえ、違います。
○北山分科員 いや、そうじゃないですか、いまのは。
○福田国務大臣 私が申し上げておりますのは、奨励金を出して休耕だとかあるいは一時の転作でありますとか、それは一時的なものである。そうじゃなくて、恒久的なことを考えなければならぬ、その恒久的なことというのは何だというと、三十五万ヘクタール、まあそれ全部と申し上げているわけじゃないのですが、それに近い水田が水田以外の目的に転用されるということになると、過剰問題は抜本的に改革される。そこで私が申し上げているのは、この四十五年度においては百万トン分の休耕、転作です。それから五十万トン分の他用途への転用、こういうことなんであります。何年かかかるというのは百五十万トン見当の水田の他用途転用ということを申し上げておるわけであります。
○北山分科員 そこで、こまかくお尋ねすれば時間がかかりますから、いずれ政府が五十万トン分の十一万八千ヘクタールの分については、その内訳はこの予算審議中にお出しになる、こういうことでありますから、その点は間違いないですね。しかもその十一万八千ヘクタールというのは、これは予算上からいうならば、とにかく本年度の買い上げか何か、政府にしろ民間にしろ、水田でなくするということなんですから。それでないと五十万トンの減産は成り立たぬですからね。本年度達成するという見通しのもとにあの大方針を立てられたわけですから、その内訳を説明されるわけだが、大方針は動くことはない、こういうことですね。
○福田国務大臣 そういう基本的な考え方については、微動だにいたしません。それから五十万トンに相当する十一万八千ヘクタールの他用途への転用、それにつきましてはまだ詳細のことは申し上げる段階まで来ておりませんけれども、デッサンというかあらかたの見当につきましては一両日中に国会にお示しする、こういうことに相なると思います。
○北山分科員 非常に荒っぽいデッサンなんで、これはだれもびっくりしていると思うのですが、とにかくその内訳はこの予算審議中に出てくる。そのために補正予算で一億円の調査費を出したのですからね。それは出してもらわなければならぬと私は思うのです。 ただ、この問題について最後にお伺いしたいことは、ことしの米の生産調整なりあるいは需給計画というのは、非常にあぶない点がたくさんあると思うのです。 まず第一点は、自主流通米が四十四年度は九十万トンぐらいまでいくだろう、こういう見通しなんですけれども、これをやはり去年と同じ計画の百七十万トンを四十五年度分として見積もっている。その上にいまの百五十万トンにしても、これは常識的に考えてなかなかむずかしいだろうと思うのですね。そういうものを前提にして、六百五十万トン買い入れという計画で食管会計を組んでいるのですが、ことしの食管会計というものはやはり補正を必要とするんじゃないか。いろいろな条件を考えてみるとそういうふうに思うのですが、大蔵大臣はどのような見当でおられるか。
○福田国務大臣 米の出来高が問題ですが、大体千四百万トン程度でしょう。それを多く上回る、多く下回るということもないんじゃないかというふうに見ておりますが、あと食管会計との関係を持つのは、お話しの自主流通米、これが大体どうなるかということでございますが、四十四年度の自主流通米は、お話しのように、目標をはるかに割るという結果になったのです。しかし、その推移を見ておりますと、だんだん自主流通米に対する理解が行き届いてまいりまして、最後の段階なんかになりますと、自主流通米を希望する数量が非常に多いのです。ところが、すでにそのときはもう農協のほうへ回っておった、それをくずすことが法的に手続的に不可能であるということになって、残念ながら自主流通米に回る数量が少なかったわけですが、この趨勢を見ていきますと、私は百七十万トンという自主流通米はそう狂いはない。梶原茂嘉さんなんかの話を聞きますと、もっといけるかもしれませんというくらいなことです。 それからもう一つ大きな要因は、お話しの百五十万トン調整問題でありますが、百万トンは先ほど申し上げたような状態でございまして、一部にはいろいろの説もありますけれども、これを上回るという地域もかなり見通されるような次第でありまして、その程度のものは私は完遂できる、こういうふうに見ております。 むずかしいのは五十万トン他用途への転用という問題かと思いますが、これは全力を尽くしてこれを完遂いたす努力をいたしたい考えであります。
○北山分科員 大蔵大臣は総合予算主義者ですから、おそらく当初予算については相当がっちりとした見通しの上に立っていると思うのですけれども、食管だけは少なくとも私はあぶないと思うのです。ですから、その見通しに狂いがある、そのとおり実行できないという場合においては、率直に食管会計の補正をすべきである、私はこういう希望を申し上げておきます。 その次の問題ですが、これは大臣も御承知のとおりに、私は毎年の国会で予算審議のやり方、予算の形式とか、そういう問題については常に御注意申し上げているわけであります。ということは、やはり国会が膨大な予算の審議というものをがっちりやるということがわれわれの役目ではないか、こう思うのです。そういう点から見れば、いまの予算委員会というのは、どっちかといえば予算は二の次みたいになって、十分な審議の時間もないという点もありまして、私は制度上の院の構成まで含めて改善を要すると思うのですが、それに関連して政府の説明資料もまことに不親切きわまるものなんです。これがほんとうの意味で審議を妨害しているのですよ。まずこの四十五年度予算の説明なるものを見ますと、どだい、特別会計が四十三ありますよ。四十三のうちで二十六しか説明してないのです。その他の政府関係機関は全部やっていますが、いわゆる特殊法人といいますか、政府出資の法人の説明は例示的に二十幾つかやっているだけです。一体特別会計が全部で四十三あるうち、なぜ二十六しか説明しないのですか。あとのものは説明しなくてもよろしいというわけですかね。こういうものを例示して、あとは想像してくれという意味ですか。私は、国会の審議というものはそういうものじゃないと思うのです。どんなに小さい会計であろうが、全部あげるならあげる、説明として。少しページがふえるかもしれませんが、しかし、膨大な二十兆にも及ぶような予算がたった百何十ページのものにあげてあるものも全く概略のことしか書いておらぬのですね。しかも書いてないものをそのままにしておくなんということは、私は許されないと思うのです。どうでしょうか、今後特別会計四十三会計は全部、あるいはその他の特殊法人、政府関係機関、これについてももっともっと充実した説明をするというくらいなことは当然必要だと思うのです。改めるお気持ちはないですか。
○福田国務大臣 予算につきましては時間的な制約もありまして、その資料の作成等まず全力というか、徹夜作業も連続いたしまして準備をする次第でございますが、その結果を見ると、御不満の点もあろうかと思うのであります。なお詳細につきましては予算の御審議と並行しまして大蔵省あたりでも準備をいたしておるわけでございますが、そういう事務的能力という問題もありますが、御指摘の点も考慮いたしまして、できる限り皆さんに御納得のいくような資料は整えていくように今後とも努力をいたしたいと思います。
○北山分科員 これは私が納得すればいいというものじゃないのですよ。国会の審議ですよ。予算の審議なんです。しかも当然議決を要する問題についての説明はどんなに忙しくてもこれをつけなければならぬと思うのです、どんなに予算審議が忙しいか知らぬが。しかも予算の作成だって、夏からやっているのですから、できないはずはないのです、やろうとすれば。やる気がないのじゃないか。私は少なくともこの特別会計の説明なんか例示的に書いているということは許せないと思うのです。これはほんとうに直してもらわなければならぬと思うのです。 それから特殊法人といいますか、政府出資の法人というものが実にたくさんあるのですが、幾つあるわけですか。はっきりしないのです。
○福田国務大臣 公社が三つですね。それから公庫が九つ、それから銀行が二つ、これが政府機関です。それから公団、事業団、これは特殊法人でありますが、これが九十九あります。
○北山分科員 私は大蔵省の編集になっている国有財産特集なるものを見ているわけです。この中に政府出貸法人一覧表という去年の三月三十一日現在のものがございます。そうして、ここには九十七書いてあります、三公社からはじめまして。それで出資総額が約二兆円ですね、まあ実にたくさんあるのです。ところがほかのほうを見ると、たとえば公害防止事業団のようなものは書いてないのですね、これに。これは政府出資の法人じゃないですか。
○福田国務大臣 予算の説明という書類がありますね。その中で事業内容を書いておりますのが三十一法人ありまして、公害防止事業団はその中に入っております。
○北山分科員 ところがこの政府出資法人一覧表には入ってないようなんですが、これはどういうわけなんですか。こういう種類のものは公式のものじゃないですね。公式のものじゃないけれども、しかし、こういう種類のものはほかにないのですよ、ほかに一覧表みたいなものを国会に出してないでしょう。ですからわれわれはこれは大蔵省の編集であって、責任ある文書だと思ってこれを見ているのです。この中に公害防止事業団なんか書いてないようだし、それから北方領土問題対策協会あるいは中小企業の投資育成会社、あれなんかやはり政府出資があると思うのです、そういうものが書いてない。ですからこれ以外にも出資法人があるのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、どうです。
○船後政府委員 ただいま先生御指摘の書類は、おそらく理財局でもって編成いたしました出資法人のいろいろ財務関係の統計表ではないかと思うのですが、御指摘の公害防止事業団につきましては、出資を開始いたしましたのが四十三年度からでございまして、四十三年度以降の分につきましては、出資法人としていろいろな統計の中に入れておる、かように考えております。 なお財政法上、国会の御審議のために二十八条の規定によりましていろいろ財務諸表を提出することに相なっておりますが、これは「主要な法人」こういうことになっております。そういう主要法人という観点から、財政法二十八条で御審議の参考に供するものといたしましては、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、二十六法人につきまして財務諸表をつけておる、かようになっております。
○北山分科員 公害防止事業団は四十三年に政府出資がやめになったというわけですか。だからこの表には入ってないというのですか。
○船後政府委員 公害防止事業団は、四十二年度までは無出資でございます。四十三年度に一億円の出資をいたしまして、四十四年度、四十五年度、引き続きましてそれぞれ一億円の増資をいたしております。御承知のとおり、ここの主たる事業資金は資金運用部からの借り入れ金でございまして、これを用いて仕事をしているわけでございます。出資は非常に名目的なものにとどまっておるわけでございます。
○北山分科員 少ないものであればこれに書かないというのですか。これは国有財産を総括したものなんですね。したがって、われわれ国民は、これは大蔵省が編集しているものだから、これを見て判断するわけです。それ以外にも、たとえば北方領土問題対策協会だとか、これも昭和三十六年に政府出資があるはずなんですよ。それから中小企業投資育成会社、あれもあるはずなんですね。そういうもので抜けているものがあるのじゃないですか。まあ私、時間がないので急ぐのですが、こういうふうにせっかく書いたものにすらも漏れがあったりしている。問題は、政府関係機関及び特殊法人というのが、いま出資の分だけいっているのですけれども、出資しない分があるのですね。あるいは、いまお話しのあったように、財投の資金を使ったり、出資がないからここに書いてない、そういうものも入れますと、行政管理庁の特殊法人総覧によると、これが百三十一あるのですよ。これは広い意味の政府機関でしょう。やはり法律に基づいてつくられて、政府の特別な監督を受けて、政府がやるような仕事の一部を分担している機関じゃないですか。そのような機関がこのように数、範囲すらはっきりしないとか、もうまちまちだという点に問題があるのです。私は、この特殊法人というのは、やはり政府の金を使い、特殊な国の行政目的の一部を担当する、しかも企業的な仕事だから事業団にするとか、そういうものですから、その仕事についてはどんな仕事をしているか、全部国会に資料を出してもらわなくてはならぬと思うのです。それを、その他おもな出資法人だけの説明を出せばよろしいなんというやり方なんですね。いまの財政法二十八条一項七号の、主たるものでいいなんということはおかしな話じゃないですか。財政法の二十八条一項第七号に「国が、出資している主要な法人の」というわけで、主要な法人だけ出しているのですね。二十六だか、出しているのですね。そんなことじゃいかぬのじゃないですか。これは全部出さなければならぬですよ。全部出すべきなんですよ。そういう国の末端機関がどんな仕事をしている、その経理がどうなっている——国民の金なんですからね。税金だけではなくて、財投の金だって国民の貯蓄ですよ。それを使って仕事をしているいわゆる公社、公団、事業団、公庫、たくさんあるのですね。百何十もある。これがどんな仕事をしているかという内容の説明、実態の説明の資料は、これは予算にくっつけて出すべきものなんですよ。だから、財政法二十八条を改めて、これを改正する気はないですか。私はこれが道理だと思うのです。
○岩尾政府委員 ただいまお話しのございました特殊法人についてでございますが、御指摘のありました中小企業投資育成会社は、国が出資をしておりません。公庫から出資をしております。それから北方領土につきましては出資をいたしておりません。そういう状況でございますから、確かに先生のおっしゃるように末端にいきますと補助金なりあるいは出資の形なり、いろいろの形で国の金を使っておるものがたくさんあるわけでございますが、これを全部どういう限度でどういうふうに資料として御説明したらいいのか、一応財政法ではおもなものということで規定をしておりますが、一番最後にその他必要なものは提出せよ、こういうふうに規定しておりますから、その点で七号以外でも必要なものであれば政府は資料として出していいわけですから、その点は今後検討いたしたいと思います。
○北山分科員 いまのお話ですが、中小企業投資育成会社は、なるほど国が直接には投資してないのです。中小企業金融公庫ですか、公庫のいわゆるまた貸しなんです。公庫だって政府の機関じゃないですか。やはり広い意味からすれば政府の出資ですよ。それからいまの北方問題のやつはなるほど金は出資してない。しかし、国債を出資しているじゃないですか。交付公債を十億円出しているでしょう。そういうふうに、出資してないからとかなんとかいうけれども、つながりがあるわけですよ。一番問題なのは、特別会計をつくって、その特別会計からまた事業団に出資をして、その事業団がまた債券を発行したりしている。その事業団が——いま、もっと時間があれば私実例で詳しくやりたいのですが、雇用促進事業団のごときは、事業団であって労働省がやるような仕事をやっているんですよ。それはもちろん一般会計からも金は多少出ておりますよ。出ておりますけれども、失業保険特別会計の出資になって——特別会計に大量の金がありますから、それを運用しているのですね。失業保険特別会計は失業保険がプロパーな仕事なんですよ。それを見ると、雇用政策、国の雇用促進に関するいろんな事業をこの雇用促進事業団がやっているのです。こういうことは労働省自体がやるべきことなんで、事業団として何でもかんでも、福祉センターであるとかあるいは婦人雇用の促進に関する調査だとか、そういうことまで失業保険の金で運用するなんということはおかしいと思うのですよ。しかも事業団直轄でもって全国をやりますから、どんな施設をつくったって、むらなくいくわけにはいかないのですよ。あっちこっちにレクリエーションセンターだの、なんだのいろいろつくって、むしろ地方自治体を通じてまんべんなくやるべきような仕事をやっている。私は、こういう点で、時間があれば促進事業団なんかの内容についてもお尋ねをしたかったのですが、残念ながら時間がございません。 そこで最後に、いま申し上げた一例でもおわかりのとおり、政府出資法人あるいはその他の直接、間接政府の金を使っている特殊な法律に基づいてつくった特殊法人、そういうものは百何十もあるのです。そういうものを監督するというか、その仕事が実効のあがるように監督をする役割りが私は国会にもあると思うのです。このけじめをきちんとしてもらう必要がある。まず、とりあえず二十八条の政府出資法人の主要なものというのは、取っちまったらどうですか。
○福田国務大臣 法の改正をするかどうか、これは慎重に検討をしますが、しかし、実際問題として、できる限り詳細に説明いたすように努力いたします。
○北山分科員 これは法律が悪いのですよ。例として主要なものさえ出せば、あとはこれに準ずるといったような審議でいいものですか。一体予算というものはそういう審議できめていいものですか。全部出すのがあたりまえなんです。いままでこれで来ましたけれども、こういう法律は改めなければならぬですよ。当然のことですよ。 それからその他の、いわゆる出資法人でなくても、特殊法人の管理、監督については、一つの特別な立法が必要なんです。それをしないからいろんな問題が起こるわけなんです。そういう点について努力しますか。
○福田国務大臣 なるべく詳細に説明できるように努力をいたします。
○大野主査 田中武夫君。
○田中(武)分科員 私としていろいろほかの質問を用意いたしておりますが、いま北山委員の質疑を聞いておりまして、実は私も関心を持っておった点なんです。立法論につきましてはまた場をあらためて議論をするといたしまして、解釈といたしまして、財政法二十八条七号の「主要な法人」こういうことで、いま北山委員が御指摘になりましたように、百十何ぼもある中で二十六ほどしか出してきていない。これは財政法二十八条七号に「主要な法人」とあるからおもなものだけでいいのだ、こういうことだろうと思うのですが、それでは大蔵省として「主要な法人」というこの字句をどのように解釈しておられるのか、さらにこの「主要な法人」の基準をどのようにして置いておられるのか、この点をひとつお伺いいたしておきます。これは私も実は関心を持っておった問題であります。
○船後政府委員 「主要な法人」の解釈でございますが、現在財政法二十八条で選んでおります二十六法人、一応の基準といたしましては、出資が原則として百億円以上というような大きな法人、それから出資が百億円に満たない法人でございましても、業務の内容から見まして国の行政上、財政上特に影響が大きいと思われる、たとえば日本銀行でございますが、このようなものにつきましては提出しておる次第でございます。
○田中(武)分科員 金額が百億以上、なるほど出資金の多寡によって主要であるかどうかをきめる基準は一つあると思います。と同時に、その金額だけでなくて、出資が五〇%のものもあればそれ以下のものもある、あるいは一〇〇%のものもある。したがって、出資の割合が政府出資一〇〇%あるいは八〇%、こういうことに一つ基準を考える必要もある。あるいはまた事業の内容等によっても考える必要がある。いずれにいたしましても、いわば予算というものは大蔵省が編成をする、それを国会で審議する、したがって、言い方はどうも変な言い方になりますが、予算審議では被告といっちゃおかしいですが、大蔵省はそういう立場に立つわけなんです。その大蔵省がかってにこれとこれとこれとだけは出して、これはやめておこうという行き方、すなわち行政府の法解釈に問題があるのじゃなかろうか。したがって、これからは、どういうものを主要なものとして見るのかということについては、国会と、これは議運になるか予算委員会になるかわかりませんが、大蔵省とが事前に話し合うというような必要もあるのじゃなかろうか。もちろん全部出せ、法を改正せよという北山委員の御意見、これはそうなんです。しかし、現在の法のもとにあっても、事前打ち合わせというか、そういうことが必要ではないのか。ただ大蔵省だけが、主要であるというのはこれなんだとかってにきめるところに私は問題があるのじゃなかろうかと思うのですが、大臣、どうお思いですか。
○福田国務大臣 先ほどからのお話を伺っていまして、これはもう少し説明を詳細にしたほうがいいなという感じがいたしたわけです。したがって、これは予算の編成並びに各種書類の作成の事務的能力の限界もあるのです、そういうような点があって「主要な」というようなことになっておると思いますが、その範囲を拡大するとかあるいは説明の方法をもっと合理的にするとか、そういうことについてよく検討します。そしてそれについてまた御意見を承るということにいたしたいと思います。
○田中(武)分科員 これは主査にお願いをしておきますが、この点について特に主査報告の中に入れてもらいたい。というのは、財政法二十八条の七号の「主要な」ということについて、その基準を行政府と立法府というか、大蔵省と予算委員会ないし議運等においてどれどれとこまかくやることもむずかしいし、不可能だと思いますが、いま言っているような出資金百億以上だけでいいのか、あるいは何%以上の出資をしておるもの、百億以上のもの、さらに何%以上をやっているもの、あるいは事業内容がこれこれのものというような一応二十八条七号の「主要な」というものの解釈について基準を双方できめる、こういう提案があったということをひとつ主査報告にして議事録にとどめたい。そして、ことしはいまさらやり直せといったってしようがないことだから、次はこういうようなやつという基準だけは設ける必要がある。これはもちろん財政法の改正は別に検討するといたしましても、現在ある法律の解釈について、双方において、審議する側とせられる側とにおいて一つの基準を申し合わせておくということが必要ではなかろうか、こう思うので、そういうことについて御配慮を願いたい。大蔵大臣、それはいいでしょう。
○福田国務大臣 これはできる限り御納得のいくように考えてみます。その上でひとつ御議論願いたいと思います。
○田中(武)分科員 それはその程度にいたしまして、私はそういうことをあらかじめルールを話し合っておくということが必要ではなかろうか、こういう点がたくさんあるわけですね。そういう必要を感じておりますが、またあらためて総括質問なりどこかで議論する機会もあると思いますから、この程度にいたしておきます。 そこでお伺いしたいのですが、十三日に大蔵省と日銀は国際収支について発表された。一月は赤字だったが、二月は総合収支において九千万ドルの黒字になった、こういうことで、けっこうなことではあるけれども、これはどうなんでしょう、本年度見通しをずっと立てた場合に、この黒字がどういうように動くのか、そして本年一年のうちに、これはちょっとむずかしいだろうとは思いますが、大体どのような状態になり、したがって、外貨準備はどのようになるだろうというような見通しはいかがでしょうか。
○福田国務大臣 問題はこれからの世界経済が一体どういうふうに動くか。特にその中でアメリカの景気がどういうふうになるだろうか、これが非常にわが国の国際収支に影響してくるのです。アメリカの経済状態はいま下降を続けておるわけでございますが、見方によると、人によりましては、これは秋口からまた盛り返すんだというような見方をする人もあります。これはアメリカ政府がどういう政策を今後とっていくか、いま引き締め政策でありますが、秋口になって緩和の方向でもとるのかどうか、その辺に非常にかかってくる問題じゃなかろうかと思われまして、非常に見通し困難です。ただ昨年度のような旺盛な対米輸出ということは期待できないんじゃないか。これだけは言えると思うのです。一方ヨーロッパのほうが比較的経済情勢が安定しておる。この間金利の上げ下げが行なわれましたが、しかし、大体安定基調である。そういうようなことから、対ヨーロッパ輸出のほうは順調に進むのではあるまいか、そういうふうに考えられます。総合いたしまして、わが国の輸出の増勢は、昨年のような伸び方はしないと思いますが、かなりまだまだ黒字を残す状態かと思うのでありまして、そういうことを受けまして、わが国の総合収支は昨年ほどではないけれども、黒字を積み重ねていくのではあるまいか、そういうふうに見ておるのです。したがって、外貨準備高も、いろいろわが国外貨準備体制の弱い面のいま補強をいたしておるわけでありますが、そういうマイナス面を考えましても、なお若干ずつ外貨準備は伸びていく、その数字につきましては、まだちょっと検討いたしかねるのであります。
○田中(武)分科員 二月末で外貨準備が三十六億三千万ドルですか、これはあまり大蔵省は内容を明確に発表することを避けておられるようですが、その内訳はどのようになっておりますか。
○奥村政府委員 二月末現在の外貨準備高は仰せのとおり三十六億三千万ドルでございますが、その中身は、金と外貨、これが三十億一千五百万ドルでございます。その中で金は四億六千九百万ドルでございます。 なおSDRの取引が始まっておりますが、これの配分額、取引額と合わせましてSDRの残高が一億三千二百万ドルでございます。 なおこのゴールドトランシュ、これは四億八千三百万ドルでございますが、この中を二つに分けますとベーシック・ゴールドトランシュは一億八千百万ドル、スーパー・ゴールドトランシュは三億二百万ドルでございます。 なお、先ほど申しましたSDRの内訳でございますが、一億三千二百万ドルは配分を受けました額でございます。追加額は外国からしむけられた額でございます。
○田中(武)分科員 その中でMOF勘定はどうなっていますか。大蔵大臣、勘定はどのくらいですか。
○奥村政府委員 約三分の一がMOF勘定でございます。
○田中(武)分科員 これは二年前だと思いますが、予算委員会でこの問題をだいぶ私取り上げたことがあるのですが、そのときから見ると、わずか二年の間にほんとうによくここまで伸びたというか、事情は一変したと思います。しかし、あの当時の水田大蔵大臣あるいは佐藤総理等々の意見を聞いたわけですが、その後SDRが発動するということで若干事情も変わってくると思いますけれども、大体外貨準備の中における三分の一は金で持ちたい、こういうふうな答弁を当時の水田大臣あるいは総理もおっしゃっておるのです。福田大蔵大臣、どうでしょうか。SDRが発動するとますます金の影が薄くなる、こういうふうに言われておりますが、やはりある程度金保有を高めておかなくてはいけないのじゃないか。どうもこういう議論をすると、何か社会党が金に執着しておる、こういうように言われる向きもありますが、しかし何といっても、現在ではまだIMFの関係からいっても通貨というものはやはり金とは縁が切れていないわけですね。したがって、金保有ということも考えなくてはならないと思いますが、大臣、どのようにお考えになりますか。
○福田国務大臣 わが国の四億六千九百万ドルという金保有高は、これは外貨保有高に比べますと、一三%くらいになりますか、そんなものなんです。これは各国に比べますと、非常に低位でございます。これはどこまでの金保有がいいか、金は卵を産むわけじゃないのです、金利を生むわけじゃない、そういう面を考えまして、いままで外貨の乏しいわが国としては金形態の保有につきましては、これを少なくするということは大いに理由があったと思いますが、外貨がだいぶふえてきたという今日になりますと、その中における一三%程度の金保有というのは少ないと思います。しかし、これを一挙にふやすということになると、国際社会にかなり動揺を及ぼすということにもなりますので、自然な形で無理なくふやし得るというチャンスをとらえましては、これをふやしていくという方針をとりたいと思っております。
○田中(武)分科員 ゴールドの事情も二年前とは変わってきておりますから、あまり金に執着するというほうが間違っておるのかと思ったりするのですが、やはりある程度の金は持っておかなくてはならない。一三%程度ということは、やっぱり外国に比べて少ないのじゃないかという感じがします。その辺のところは、まあ福田大蔵大臣ですから抜かりはないと思いますが、うまくやってもらいたい、このように思います。 そこで現在、この国際収支において日本は債権国になっていますか、債務国になっていますか。
○福田国務大臣 これは債権国、債務国というあらわし方の表現が、年度間をとらえてみると、つまり国際収支ですね、この面におきましては、これは世界第一の黒字国であります。そういう意味においては債権国です。それから毎年毎年の国際収支の累積ですね。つまり会社の貸借対照表というような意味合いですね、この面から言いますと、やっと黒字かという程度のものかと思います。
○田中(武)分科員 私が聞きたいのは、長期、短期がどうなっておるか、それから外資法の四条で対外の貸借及び収支勘定を作成し、大蔵大臣はいつも明確にしておかなければならない。さらに二項で「定期的に内閣に報告しなければならない。」こういうことになっているのですが、これはほんとうに定期的に報告しておられるのですか。それから内閣に報告したことを公表するということについてはどうなったのです。あまりすることを避けておられるようですが、何かそれを公表すれば国益との関係等々もありますか。結局はすぐに切りかえたりせられるのは——債権と債務との関係がどうなっているかということを知りたいのです。
○奥村政府委員 御指摘の対外資産負債バランスは、お話のとおり一年一回外資法の第四条の規定によって大蔵大臣から内閣に報告が行なわれておるわけであります。しかし、これはお話のとおり公表せられていないのは、この対外資産、負債の残高の把握についていろいろと問題があるのでございます。たとえば、具体的に把握漏れがないようにするのはどの程度可能か、資産、負債の両面の項目、たとえば直接投資につきまして、証券による投資あるいは現物による投資、それらを統一的に把握してやるということが、実際上、技術上たいへんむずかしい点がある。くどくど申し上げる時間がございませんのですが、そういうことで、いまこういうものが発表されておりますのは、国際準備通貨国の場合であります。わが国のような、そうでない国では発表しないのが通例でございます。 そこで数字でございますが、この残高ベースの数字を申し上げますことについては、評価等のいろいろ問題がございますが、フロアベースで申し上げますと、昭和二十一年から現在までプールで計算いたしますと、日本の資産は、四十四年度末でございますが、百六十二億ドルでございます。負債のほうは長期、短期合わせまして百十七億ドルでございます。したがって純資産が四十五億ほどあるわけでございますが、繰り返して申し上げますが、これはフロアベースでございます。しかも評価については、いろいろと問題があり、検討を要するものがあるわけであります。資産を一つ一つ取り上げてみましても、資産の確実性その他が問題になりましょう。負債につきましても、その負債の時価評価によっていかになるかという問題もございましょう。したがって、一がいに、いま申し上げましたこの残高をもって日本資産の評価の確実な額であると言うことは早計であろうかと思います。 御参考までに申し上げれば、そういうわけでございます。
○田中(武)分科員 そういうことですかね。経済雑誌等には何銀行の推定とか、あるいはどこそこの研究所がというようなことで、いろいろなものが出るわけですね。それだったら的確な大蔵省の何を発表したらいいのではないか——首を振っておるけれども、そうできぬのですかね。これはあまり追及をいたしません。しかし、これは大臣、当然何々銀行調査部だとか、どこそこ研究所というのが出るわけですよ。それが数字がまちまちであったり——それならば一そう大蔵省がはっきりしたものを定期的に発表するということのほうがいいのではないかと思うのですが、感じだけでけっこうです。
○福田国務大臣 これは国際慣例があるのです。英米におきましては、これは貸借対照表は発表しております。これは基軸通貨でありますから、したがって貸借対照表を発表し、その信用度を、基軸通貨を利用する各国に周知せしめるという必要がある。ところが、それを英米以外のどの国でも貸借対照表、つまり資産、負債の明細表というものは発表していない。これは発表が非常にむずかしい、いまお話がありましたように、むずかしいのです。資産の評価だとか、そういうことで無用の誤解を与えるおそれがあるというので発表いたさないので、わが国においても発表いたしませんが、損益計算書のごときものでも、もう少し毎年の国際収支表、これをずっと見ていくと、各銀行等においても、いろいろな推計ができるわけでありますが、わが国も非常にデリケートな外貨上の立場に置かれておりますので、今日この段階で公表することは適当でない、こういう考えであります。
○田中(武)分科員 まあその程度でけっこうですが、このような状態が続くと、円も国際通貨になるかもわかりませんので、そういうときには発表しなければいかぬのではないかというようなことを考えます。 そこで、いい話なんですが、円が強いということで、いろいろ円の切り上げといいますか、そういうことが話題になっております。先日、大蔵大臣は予算委員会で、これをきっぱりと、そういう問題は考えても見たことがない、こういうように御答弁をしておられるのですが、しかし最近は、毎日のように各新聞のどこかに円が切り上げられたときにはどうだとか、賛否の意見が載せられておるとか、現に「円切り上げ その時どうなる」こういうような本が出ております。これが二十万部売れた。したがって、大蔵大臣が幾ら否定されても、外からの圧力というのか、ことばが当たるかどうか知りませんけれども、外から相当円の動きを関心を持って見ておるようです。ことにニクソン大統領の外交特別教書ですか、そこで強調しているのは、最優先的政策として、国際通貨体制の強化、為替相場制度の改善を力説しておるわけなんです。このことは、むしろ円切り上げを示唆したといいますか、受け取り方によっては、一つの円切り上げの圧力とまでいかないにしても何らかそういう感じもする。そのうちに、いま大蔵大臣が言われたように黒字が続く、こうなると、ますます外からこういう論議が起こってくるのではないかと私は思う。そこで、はっきりした、ひとつ方針というものを明確に出しておかないと動揺があるのではないか、こう思うのです。 さらに一つは、自由化との関係で私はいつの日か——これは近い機会になると思いますが、円の切り上げか、自由化をもっとやれ、こういうように資本自由化との関係で迫ってこられるような時期があるのじゃなかろうか。その場合、いずれを選ぶか、私はそう早急にはいずれも選びたくないと思うのですが、そういうようなことが予感というか、予知されるわけです。円の切り上げと自由化の問題ですね、それと、日本がまあ順調に黒字が伸びておる、こういう先ほどの御答弁とあわせて、いかがでしょうか。
○福田国務大臣 円の切り上げにつきましては、国際社会ではそう論議はありません。いまだかつてわが国はどこからも円を切り上げたらどうでしょうというサゼスチョンもまた要請も受けておりません。問題になりますのは、日本が非常な輸出超過である、また総合収支においても黒字である、そういうところに着目されまして、日本の貿易自由化また資本の自由化、さらに関税障壁、関税外障壁、そういうものをもう少し自由にしたらどうでしょうか、こういうことなんです。これは正式に各方面から要請を受けておるわけであります。私は予算委員会でも申し上げましたように、いま円の切り上げというものは全然考えておりません。先立つものは何かというと、いま申し上げました貿易の自由化であり、また資本の自由化であり、さらには関税障壁、関税外障壁の撤廃である。これらの問題を片づけて、そして裸の日本の経済の価値というものを見ないと、この切り上げ問題というものに手をつけるわけにはいかない、こういうふうにかたく考えておるわけであります。ですから、お尋ねのどういう段取りが先かといいますれば、もろもろの自由化措置こそが先決問題であって、また諸外国もそれを期待をいたしておる、かような判断でございます。
○田中(武)分科員 三十分という時間はたつのが早いので、もうこれ以上質問したり論議をする時間がなくなりましたから、またの機会に譲りたいと思います。 最後に一点だけお伺いいたしますが、実は最近全国税労働組合兵庫県支部から、こういう長い連判状のようなものを受け取ったわけなんです。この中にいろいろなことが書いてありますから、私はそのことを全部取り上げたり、あるいは組合側の要求についてすべてが——私は論ずるにも時間もないし、いたしませんけれども、これを見た限りにおいては、大阪国税局管内、ことに神戸税務署その他において組合員と組合員でない者との間に差別待遇がある、昇給とか昇任とか昇格等に差別待遇をしておる、そういう事例なりをあげてきておるわけですが、そういうことについて、この前にどういうことを聞くかというような政府委員室からの問い合わせもありましたので、こういうことを聞きたい、こう言っておいたので、お調べになっておると思うのですが、そういう事実についてはいかがでしょうか。
○福田国務大臣 田中分科員からの御要請がありましたので、慎重に調査をいたしましたが、さような事実は毛頭ございません。ひとつ御安心のほどをお願い申し上げます。
○田中(武)分科員 そこで、何の何べえを何等級何号にしろという要求、これはまた私もいろいろ疑問がある、こう思いますが、差別待遇をしたということについて、これはだいぶ前から問題になっているようなんですね。そこで時間がありませんが、人事院にお伺いをし要請をしたいと思うのですが、これは一般の民間労働組合であるならば当然労働組合法における不当労働行為、こういうことで地労委が職権で調査をする、こういうことになるのですが、この種の問題については、これはそのまま労組法になり関係の労働法が直には適用にならないわけですが、人事院、こういうことについて調査をするとか、そういうことはできますか。
○尾崎政府委員 組合員が正当な組合活動をいたしまして、そのために不利益な処分を受けるといったようなことはあってはならないことは、公務員法百八条に明記しておるところでございます。したがって、そういうことはないと思いますし、実際そういうことがございますれば、それは回復されなければならないことでございます。私どもとしましては、たてまえとしまして、そういう関係はいわゆる不服審査の請求を待ちまして、それで調査し判断をする。そういうことが事実ございますればその停止を勧告するというたてまえになっておりますので、そういう関係がございますれば、職員のほうからの不服の審査請求を受けるというたてまえになっております。
○田中(武)分科員 これでおきますが、私は突然こんなにたくさんの書類をもらって、私も実は全部目を通していない。要求自体私もどうかと思うような点もあります。しかし、こういうのが来るということは、何もないということではないと思うのです。そういうことで、大蔵省はそういうことは全然ないということだし、組合はある、こういっておるので、ここで私がこう申し上げたということだけで人事院は調査ができないかどうか。それから、これは個人として不利益な待遇を受けたという申し出をしないと調査権を発動できないのか、もう一度確かめて終わりたいと思います。
○尾崎政府委員 私どもとしましては、たとえば給与の支払いの監査等におきましてそういう事情を官側のほうからいろいろ伺うことはございますけれども、そういう不服審査の関係は一応個人の関係でございますから、不服審査の請求としてお出しいただいて、そうしてそれによって調査し、措置するということにしておるわけであります。
○田中(武)分科員 それでは終わります。
○大野主査 午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十三分開議
○大野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について質疑を続行いたします。竹本孫一君。
○竹本分科員 私は簡単に二つの問題について特に要望を申し上げたいと思います。一つは通勤手当の問題、一つは関税の問題であります。 通勤手当につきましては、御承知のように、所得税法で一般の通勤者について、通常必要であると認められる部分については非課税ということになっておるわけであります。問題は、今日交通機関も発達したと申しますか、あるいは住宅事情が非常にむずかしくなってまいったと申しますか、諸般のいろいろな関係から、従来の考え方だけでは間に合わないのではないかという感じを私は持っておるわけでございます。一般の交通機関、自転車、原動機つき、それぞれ現行法ではどうなっておりますか、まずひとつお伺いいたします。
○細見政府委員 非課税限度額を申し上げますと、四十四年十一月から一般の交通機関利用者が四千二百円、それから自転車等を利用しておられる方につきましては七百円、原動機付自転車等の利用者が九百円、こういうことになっております。
○竹本分科員 これは多いほどいいにきまっておりますからそういうことは今日議論はいたしませんが、私はこの中で自転車、原動機つき、さらにいわゆる自動車の問題、軽自動車とか小型自動車とかいったそういう問題について、これを広げていく必要があるのではないかという点をきょうは論じてみたいと思うのであります。 言うまでもありませんけれども、自動車なりあるいは原動機つきの問題が中心でございます。日本のように住宅事情が最近特にむずかしくなっておるところにおきましては、従来の交通機関といえば国鉄だ、こういう考え方で公務員のほうも計算がされ、また右へならえをして一般の会社の会社員の通勤手当についても考慮いただいているということでございますけれども、いろいろ調べてみますと、各国それぞれこの問題につきましては、まあ議論としてもいろいろ理論的に問題があるようでございますけれども、実際的な結論の上から申し上げましていろいろくふうが行なわれておるようであります。たとえばロンドンの空襲がありましてから、第二次大戦後、イギリスあたりにおきましても、そこに住んでいようと思っても、空襲を受けた関係で住めなくなって、郊外からやむを得ず通うということになる。そうすると、従来の通勤費に比べて距離が遠くなりました関係で、それだけ超過支出をしなければならぬ。そういう場合には、その超過支出の分だけは少なくとも必要経費として認めるということになっておるようであります。ドイツやスウェーデン等におきましても、通勤費については必要経費という考え方が非常に強くなっておるし、おもしろいと思いましたのは、あるいは最近変わっておるかもしれませんが、われわれが見た資料によりますと、スウェーデン等におきましては、本来世界第二位か何かの所得水準の高い国でございますけれども、自動車で通勤をする。ただ自動車は普通に考えるといわゆるぜいたく品のように考えますが、しかしながらスウェーデンでは、自動車を利用することによって一日に一時間半以上通勤時間が節約できる場合には、その点を考慮して、国の生産を高めるという意味からもその分については必要経費として考えていこう、こういうことになっておるようであります。 そこで、最近のわが国の事情でございますけれども、長々と申し上げる必要はありませんけれども、住宅事情が非常に困難でございまして、遠い人は、一時間ならいいけれども、二時間もかかって行く人もたくさんおります。私は去年ドイツに参りまして驚きましたけれども、ドイツは住宅問題が全部解決されておる。住宅難というのはいまないのであります。そして東のほうからも七百数十万の人が西のほうへ移ってきたのだけれども、それらの者をも含めて住宅事情は需給のバランスがとれておる。これからの住宅政策は何をやるかと聞いてみると、予備を一割ほどとるのだ、こういうことになっておりまして、住宅難というのは全然ない。これからの住宅政策の重点は余裕を一割ほどつくっておいて、だれがどこへ引っ越してきても問題はないのだ、こういうことになっておるのだということを聞いて、さすがにドイツ社民党だというわけで、私は大いに感心をして帰ってきたわけであります。通勤時間の平均は幾らかと聞いてみましたら、大体二十分ということでございました。そういうところを比較すると、日本の住宅問題は全く問題にならない。これからほんとうに住宅問題の解決に取り組まなければならぬと思うのでありますけれども、そうした基本的な住宅事情の困難さということのゆえに、通勤している人はずいぶん長い間の距離を通勤しておるということが一つと、それからもう一つの大きな問題は、最近交代制で夜おそくまでつとめる人が非常に多いのであります。しかも同時に自動車の普及に伴いまして、道はないけれども自動車はあるとこの間も外国人がテレビで言っておりましたけれども、とにかく道はないけれども自動車はある。その自動車が非常に普及してきまして、いまでは自動車をはたしてぜいたく品として考えることが正しいのかどうかというところに私は問題があろうと思うのであります。しかも庶民の買っておる自動車は小型で、大体は中古品なんですね。そういうものを買って通勤をしておる。特に夜おそくまでつとめた場合には、帰ろうと思っても帰る電車がないのです。そういうことになりますと、もう夜勤の番の場合にはどうしても中古品の小型の車を買って、それで通うということをせざるを得ないような住宅事情、交通事情に立たされておるわけであります。そこで、私は、この七百円を千円に上げるとか、九百円を千何百円に上げるとかいう問題もありますが、それらをあわせていま申しました原動機つきにしろ、あるいは小型自動車にしろ、こういうものは従来の考えからいえば、一種のぜいたく品というような考えで律せられるわけでございますけれども、住宅事情の最近における変化、困難な事情等、それから最近における勤務条件の変化——今後は、御承知のように設備投資の限界もありますので、いよいよ三交代制とか、何交代制とかいうようなことで、夜つとめていかなければならぬし、夜中に帰らなければならぬというような人もたくさん出てくる。そうなりますと、小型の、しかも中古のものを買って自分の通勤に充てるということは、やむを得ないと言いますか、むしろ必要な考え方にならざるを得ないのではないかと思います。そういう新しい情勢の変化を考慮して、ここで申しますと、第九条の五でありますが、「一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分」、この点についての解釈は次第に新しい段階に即応したような考え方に立つべきではないかと思うのでございますけれども、いかがでございますか。
○細見政府委員 最初に技術的な点を申し上げておきますと、この一般の通勤者につき通常必要と認められる交通費といいますことについて、大蔵当局が判断するというよりも、むしろ専門家である人事院に判断願って、人事院の——御承知の公務員の通勤手当の額を政令において非課税にしておるわけです。その人事院は、どういう形でその適正な通勤費を判定いたしておるかと申しますと、御承知のように、人事院は、職種別民間給与実態調査というものを行ないまして、それぞれの業界におきまする交通機関を利用しての通勤者、あるいは自動車を利用しての通勤者、あるいは自転車を利用しての通勤者に対して、それぞれどの程度の交通費が支給されておるかということを調べまして、それを基礎にして、毎年八月勧告を出しておることは御案内のとおりであります。それによりますと、昭和四十四年の調査によれば、自動車通勤者に対しまする平均の支給月額が八百五十七円と、決して竹本先生の言われるように、自動車はぜいたくであるということで排除しておるのではなくて、それに対して支給しておりますものが八百五十七円。あるいはガソリン代だけになっておるかもわかりませんが、そういうのが民間給与の実態である。したがって、所得税法の政令におきましては、九百円までのものは非課税ということにいたしておるわけです。だんだん通勤事情等が変わってまいり、それに応じた通勤費が支給されるようになりますれば、当然自動車の通勤者に対しても、この平均八百五十幾らというものが、あるいは九百円にもなり、二千円にもなろうかと思います。そのときには人事院の勧告を待って、それに対して所得税のほうの手当てをするというのが順序ではなかろうか、かように考えます。
○竹本分科員 いまの事務的なプロセスは、私も一応了解をしております。したがいまして、当然これは人事院において検討してもらわなければならぬと思うのでございますけれども、民間の給与の場合に税金の問題になるのは大蔵省でございますから、民間の給与の通勤手当に関する問題は、やはり大蔵省も自主的な判断を持たれてもしかるべきではないかと私思うから申し上げておるわけでございます。人事院に右へならえをするということは非常にイージーな行き方だと思うのですけれども、もう少し自主的にお考えいただいてもいいのじゃないか。もちろん一ぺんに全部をひっくり返すというわけにもいかないと思いますけれども、とにかくいまのこの勤務の条件が非常に変わっておるという点は、一度御調査をいただいたらどうか。もちろんこれは全国的にいえば、そうなっておるというところとそうでないところといろいろあると思います。したがいまして、一がいに結論を急ぐわけにはまいりませんけれども、やはり八百五十七円の中には、いまお話しのような、はたして税金が入っておるか、減価償却が入っておるか、ガソリン代だけかといったような問題もあるでしょう。いろいろ考えてみると、一ぺん前向きに、大蔵省は大蔵省の立場で、一般の公務員でない民間会社の給与所得の問題について自主的に御判断をいただいてもいいのではないか。あるいは少なくともそういう準備も考慮のうちに入れていただいてもいいのではないかと思いますが、大臣、いかがでございますか。
○福田国務大臣 幾ばくが標準交通費であるか。これはもう見方によりましてずいぶんと違いがあろうと思うのです。そこで争いのない、権威のある額を求めるということになると、現在の政府の機構では、人事院の交通費調査、またその勧告、これによるほかはないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。これが非常に妥当を欠くかどうか、そこが御指摘の点だろうと思いますが、なお私のほうでも十分調べてみます。
○竹本分科員 ぜひひとつ……。これは一部をもって全体を律するわけにはまいりませんから、私はまず大蔵省に要望したいのは、最近における勤務の条件がずいぶん変わって、やむを得ず自動車で通っておる人あるいは自動車で通うほうが汽車よりもよほど便利で、またある場合においてはそれしか方法がないといったような事情のものが相当多い、さらにこれからはますます三交代とかなんとかいうことで、多くなるのじゃないかと思いますので、調査を進めていただきたいということを要望いたしておきたいと思います。 時間がないから、もう一つ、関税の問題についてひとつ要望をいたしておきたいと思うのであります。 御承知のように、最近繊維の自主規制の問題で、いろいろと新聞も騒いでおるし、業界も騒いでおるわけでございますし、政府もいろいろと悩んでおる問題であろうと思うのでありますが、私は、ここで指摘したいことは、アメリカの関税委員会といいますか、あるいはアメリカの関税政策というものが、最近非常にぎこちなくなって、いわゆる自由貿易主義というものが非常に怪しくなっておる。この点については、日本の政府としても、相当しっかりした腹がまえで臨んでもらわないと困るのではないかというふうに思うわけであります。 例を二つほど申し上げますが、一つは、いま問題になっておる繊維製品に対する各国の関税率というようなものを見てみましても、アメリカが一番高い。少なくとも日本がかけておる繊維製品に対する税金が、化合繊織物については一二・五%、二次製品については一七・五%というようなところでございますけれども、それに対して、大体アメリカは日本の約二倍高い税金をかけておる。アメリカのケネディラウンドの前では化合繊の織物に対しては四〇%、それがケネディラウンドで三〇%。EECあたりではいま大体一五%、日本は一二・五%、こういうことになりますと、二倍も三倍も高い関税が化合繊織物についてはかかっておる。化合繊の二次製品についても三八%ぐらいの関税をかけておるのでございますが、それ以外はノーオファーで全然手を触れない。日本のほうは、前には二五%かけておったのでございますが、ケネディラウンドで、それ以後は一七・五%に下げておる。これも向こうのほうが大体二倍以上になっておる。こういうふうに毛織物についても五〇%近くかけておるんだけれども、その後ケネディラウンドがあっても関税のほうの引き下げはやらない。日本のほうは問題にならぬ、大体一〇%、一五%といったようなところである。これらを見ておりますと、アメリカは自分の国の非常に競争相手になっておる日本の繊維製品については、大体二倍の高い税金をかけておるんだということを、これは日本の国民にもよく知ってもらい、世界の世論にも強く訴えて、正しいあり方をわれわれは考えなければならぬのではないかということが一つであります。もう一つは、大臣もすでに御存じだと思いますけれども、この間からアメリカの関税委員会は少し方向を変えまして、きわめて保護主義の色彩を濃厚にしてまいりました。ピアノについてもあるいは板ガラスについても、そういう三つのものにつきましては、最近ケネディラウンドは三年間お預けだとか、あるいは下げるやつを下げないでもとに返すとかいったような手を打ってきております。 そういう点を考えてみますと、われわれは自由貿易の姿に返っていこう、あるいは貿易の自由化ということについて非常に真剣に考えておりますし、またこれが新しい世界平和の基盤づくりになる、新しい国際分業ができて、その上で世界の平和が円満に確保できるような形を考えなければならぬと思うわけでございますが、アメリカの関税のかけ方並びに最近の関税委員会の動きというものは、フリートレードのプリンシプルから少しそれて、必要以上に保護主義的な色彩を強めておるんじゃないかと思いますが、この点について大臣のお考え、お感じをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○福田国務大臣 自由貿易は、わが国とすると、これはたいへん重大視すべき問題と思うのです。資源の少ないわが国とすると、どうしても世界が自由貿易の方向に進まなければいかぬ。その間におきまして、貿易が一体自由貿易の方向に進むのか進まないのかということになりますと、ほかにもいろいろこれを動かす要因はありましょうけれども、何といってもOECD、つまり先進諸国の中で、GNPからいえば日米両国が六割もこれを占める。この日米がどういう考え方をとるかということが、私はこの貿易動向に決定的な影響を及ぼすであろうというふうに思うのであります。ですから、わが国とすると、アメリカとしょっちゅう話し合って、この自由貿易への方向というものを逆転させるようなことがあることは絶対に相ならぬ、こういうふうに思います。繊維交渉という突発事故みたいなものが起きてきまして、この関係が日米間の貿易関係をちょっといまぎこちないものにさせておるということは御指摘のとおりでございますが、日本政府としてはどうしてもそういう突発的な問題が、大きな自由化の方向にきずを与えるというようなことがあっては断じて相ならぬことかと思います。日米相談して、そういうことのないように、わが国もこの問題ではそういばれた立場じゃないのです。が、同時にアメリカにおいても常に保護主義者が頭を持ち上げようとしておるこの傾向に対しましては、わが国としても重大な関心を持ち、相協力して自由貿易主義の方向というものを堅持していかなければならぬ、あるいはそれをさらに推し進めていかなければならぬ、かように考えております。
○竹本分科員 三つの、ピアノその他、自由の方向に逆行するような動きを示した場合には、これらに対しまして、日本としては補償を求めるとか、あるいは報復措置をするとか、ことばは荒っぽくなると思いますけれども、対策というものについて、先般のアメリカの関税委員会の結論に対して、いま何か考えておられるものがありますか。
○上林政府委員 ただいまの御質問のうち、たとえばピアノにつきましては最近アメリカの関税委員会の決定が出まして、正式にガットに三月十一日に通告があったようでございます。かねてからこういう話を聞いておりますので、私どもとしてはこれはガット十九条の規定によりまして、必要に応じ協議をし、場合によりましては代償を求める、そういうような方針でただいま関係各省と相談をいたしております。
○竹本分科員 この問題は二、三日うちに、予算の総括質問のときに私あらためて本格的に論議をさせていただこうと思っておりますので、きょうはやめますが、もう一つ大臣に伺っておきたい問題は、アメリカでは最近、いままで世界の経済に君臨をしておるということであぐらをかいておって、そのために新しくあとから出てきた日本なりドイツなりがぐんぐん伸びていく、そういうことで国際場裏において、いわゆる地盤沈下といいますか、自信喪失といいますか、そういう問題があるだろうと思うのです。関税委員会を支配している空気もそんなところに私は大きな問題があって、今度の繊維の問題もなかなかややこしくなっていると思うのです。そこで、特に私は、先ほども申しました新しい国際平和、新しい国際分業というような立場から考えましても、アメリカの、たとえば繊維もそうですけれども、装置産業だといわれる、ファッション産業だといわれるそれに対して、それに対応できるような近代的な設備の合理化、構造改善というものをやらないでおいて、それがために自分のほうの繊維なら繊維、ピアノならピアノがだんだん追いまくられていく、それを政治的な圧力、制限で対抗していこうということは、自由主義経済の原則にも反するだけでなくて、新しい国際分業の方式をアメリカが先頭に立ってぶちこわすことになるという点において、私は政治的にたいへん重大な問題だと思うのです。そういう意味でこのアメリカの特に関税委員会の動きというものは、大蔵省としてもきびしい態度で注目をしてもらい、またアメリカが打った手に対しましては、き然たる態度で対処してもらわなければならぬと思うのであります。特に私が一番危険を感じておりますのは、アメリカの国内市場の中では、日本からの輸入品が占めるシェアというものを押えていこう、これがどうもアメリカの考え方の根本にあるのだと思うのです。大体一割ぐらいのところで、それ以上はどんなに優秀でも、どんなに安くても日本の品物は入れないんだ。大体一割に限界をきめておこう、こういう考え方が関税委員会の根底に非常に強く流れておる。これは日本として黙視できない重大な動きであると思います。そういう意味で、大蔵大臣、そういう動きを感じとられておるかどうか、またこういう動きに対して、大臣としてどういう御決意をもって臨まれるのであるか、その点を伺って終わりたいと思います。
○福田国務大臣 貿易自由化という問題につきまして、アメリカのとる態度というのは世界的に影響のある問題です。同時に、わが国の動きもそういう響きを持つと思うのです。ですから、日米両国が世界の自由化の大勢に反するような考え方を打ち出すということは、これはほんとうに阻止しなければならない、こういうふうに考えますが、そういう大事な日米のことでありますから、日本とすればアメリカの出方というものを十分見守り、そういう間違った方向に行かないように努力をしていかなければならない、そういうふうに考えます。
○竹本分科員 世界経済におけるアメリカの責任というものは非常に大きいと思いますので、いま大臣の御答弁にありましたように、日本の立場から申しましても、あるいは世界経済全般の進歩と発展の立場から申しましても、アメリカのそうした正しい時代の流れに逆行しようというような動きに対しましては、ぜひ最後までき然たる態度をとっていただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大野主査 伊藤惣助丸君。
○伊藤(惣)分科員 大蔵大臣に米軍基地、グラントハイツのあと地利用について質問いたします。 御存じのように、このグラントハイツは今年度から四年間で返還されることが決定しておりまして、今年度すでに五十億の予算がついております。そこで伺いたいわけですが、そうなりますと、一時大蔵省に戻るわけでございます。その戻り方でございますが、一括して戻るのか、あるいはグラントハイツというのは約六十万坪ございますので、またさらにいろいろな施設もある関係から、部分的に徐々に返還になるのではないかと思われますが、どのような形で返還になるか、伺いたいと思います。
○岩尾政府委員 グラントハイツの問題でございますが、いま先生のおっしゃいましたように、現在提供されております土地にかわります施設を提供することによって移転をしようということでございますので、逐次ということで、だんだん移っていくということで、今回の予算もそういう意味で分割して計上しておるということでございます。
○伊藤(惣)分科員 分割で逐次返還されるということでありますが、そのあと地利用につきましては種々計画はあるようであります。 そこで伺いたいことは、このような国有財産の払い下げについて基本的には大蔵省としてはどんな方針で臨むのか、その点を明確に伺いたいと思います。
○福田国務大臣 国有財産につきましては、みだりに売却しないようにしたいと思っております。売却する場合におきましては国家、公共の用になるべくしたい。いろいろ因縁等がありましてそうできない場合もありますが、基本的な方針としてはそういうふうに考えております。
○伊藤(惣)分科員 そうなりますと、グラントハイツもそういう方向で返還されるということになると思いますが、そのあと地利用について、先ほどちょっと触れましたが、大蔵省はどういう方針で返還されるのか、その方針を伺いたい。
○岩尾政府委員 国有財産全般につきましての方針につきましてはいま大臣のお話しのとおりでございますので、そういった方針でこの問題を考えてまいりますと、膨大な土地あるいは施設でございますが、先ほど御質問にありましたようにだんだん移っていくということでございます。そこで、地元あるいは東京都あるいは住宅公団等からあと地の利用についていろいろな申請が参っております。また要望がございます。これは大臣が先ほど申されましたように、公的あるいは公共的に役に立つようにわれわれとしましては処分をいたしたい、かように考えておりますので、現在そういった方々の御意見をよく聞いて、また先生方の御意見をよく聞きまして、先ほど申しましたような公的あるいは公共的に役に立つように使えるように転換をしていきたい、こういうふうに考えております。
○伊藤(惣)分科員 現在そのあと地利用に対しまして、東京都と住宅公団がそれぞれ返還後のあと地利用について希望や、またこういうものを建てたい、こういうことを検討しているように聞いております。簡単に、家主の立場から——家主というよりも地主ですね、大蔵省は、地主の立場から必ず相談を受けていると思いますけれども、そのそれぞれの東京都及び住宅公団がどのようなことを希望し、また現時点においてどういう経過なのか、その点について御説明願いたいと思います。
○岩尾政府委員 現在建設省及び住宅公団からは、昨年の八月にあと地を公団の住宅建設用地として使いたいという申し入れがございました。それから東京都のほうからはやはり昨年の十一月に公園、運動場、それから住宅及び地下鉄、道路——これは公園の部分が非常に多いんですけれども、そういった割合で利用をしたいという申し入れがなされております。以上のほか、先ほど申しましたように地元のほうからいろいろな御意見が参っております。
○伊藤(惣)分科員 このグラントハイツについて、いままで何回か私も防衛庁、厚生省、それぞれのところで質問をしてまいりましたが、ここで一番問題なことは、あの米軍基地があったためにあの周辺の住民が二十数年間にわたって、一つは交通問題あるいはまた悪臭、要するに浄化槽の問題ですね、非常に施設の悪い浄化槽のために汚水が未処理でにおっておったというような公害があったわけであります。したがいまして、あの返還に一番喜んでおるのは付近の地元住民でございます。そこで、ただいまも大蔵大臣からありましたように、もし返還となれば、これらの人たちに対しても前向きで、地元住民の方々に対しても、長い間迷惑をかけたけれども返還についてはこのような前向きで住民のために開放していきたいというような態度を政府は示すべきではないか。たとえば住宅問題あるいはまたいろいろな施設にいたしましてもそういった人たちに優先的に開放するというような考えがあるのかないのか、その点を伺いたいわけです。
○岩尾政府委員 先生すでに御承知のように、先ほど申しましたように、これは交換をいたしまして、提供財産にかわる財産を提供することによって初めて開放されることになるわけでございます。したがって、われわれといたしましてはそういった提供財産をつくり得る財源をまず獲得しなければならぬということになりますので、先ほど大臣も申されましたように、公的、公共的に使いたいと思いますけれども、この財源に足らないということでは使いようがないということでございまして、まずやはり財源を確保しなければならぬ。そうして財源を確保した上で、先生のおっしゃいましたような地元の状況等もよく勘案し、先ほど大臣の言われた公的、公共的ということも、これは当時の経済情勢なりあるいは地元の状況によって一律に言えることではないのでございますから、そういった地元の状況もよく考え、現在の住宅が非常に少ないというような状況も考え、最も適切な方法で処理をいたしたい、かように考えております。
○伊藤(惣)分科員 このあと地利用について種々のお話は地元でもいまございます。そこで、先ほど住宅公団なり東京都の計画を伺いましたが、その中に抜けていることが一つあると私は思う。それは社会福祉施設だと思う。ここにおいてはそれらの老人の慰安所であるとかというような住宅に付随したものはございますけれども、しかし、福祉施設として私はこれを取り上げて公共的なものをつくるべきではないか、こう思いますが、それについて伺いたいわけです。参考までに申しますと、神奈川県にやはり米軍基地がありまして、その米軍基地のあと地に子供の楽園をつくって現在使われております。非常に好評でありまして、ぜひともそういったような子供の楽園でなくてもけっこうですから、住民の社会福祉施設というものをつくるべきではないか、こう思うのですが、その点について伺いたいわけです。
○岩尾政府委員 ただいまお話しになりました社会福祉施設、いろいろなものがあると思いますけれども、現在は大半やはり地方公共団体がつくり——もちろん私設のものもございますが、公共団体がつくる場合が多いわけでございます。そこで私がいま申しましたこういったグラントハイツのあと地を利用する場合にも、全部をとにかく一つのところということではなくて、いろいろな方面を考えながら渡していけば、たとえば公共団体が取得をいたしますと、その際に公共団体として福祉施設をつくっていくということは十分可能であろうと思いますし、それからこれはちょっとはっきりそうとまでは言えませんが、いま住宅公団が住宅をつくっておりますが、だんだん経済状況が伸展してまいりまして、関連施設というものが非常にふえてまいりまして、住宅公団はもう家だけ建てたのじゃいかぬ、学校もつくれ、道路もつくれというような要望も非常に強いわけでございます。したがって、そういう点を考えますと、住宅公団がやりました場合にも、契約の内容いかんによってはそういった福祉施設に近いものをつくらすということも可能ではないかということを考えております。
○伊藤(惣)分科員 この同じ分科会で、この間厚生省にこのことを質問いたしました。厚生省の当局も厚生大臣も、そういった福祉施設をもしつくるようであれば、その要請があったときには前向き、積極的に取り組む、こういう答弁もございましたので、その点どうか検討して、ぜひとも社会福祉施設の設置に前向きでやっていただきたい、こう思いますが、その点についてどうですか。
○岩尾政府委員 先ほど申しましたように、私らといたしましては、国有財産を管理するものとして、まず開放をしなければならぬということでございますから、開放するための財源を得るということで、そういった意味で払い下げの相手方をどういうふうに配分し、どういうふうにきめていったらいいかということを十分よく検討いたしたいと思います。なお、いま申しました点は、先生の御趣旨の点もございますので、前向きによく考えてみたいと思います。
○伊藤(惣)分科員 現在東京都と住宅公団で検討されているというわけですが、どちらか一つにしぼるわけですか。それとも大蔵省が地主の立場としてどちらも入れて払い下げをする、あるいはこれは施設をつくってその施設の金を出すために土地を売るわけですね。こういう交換方式になっているわけですから、その場合東京都だけにするのか、あるいはまた住宅公団だけにするのか、あるいは両方にするのか、その点についてはいかがですか。
○岩尾政府委員 これはいま大体わかっておりますのは、現在の施設を移転いたしますのに必要な経費は大体三百五十億くらいかかるであろう、こういうふうにいわれております。三百五十億のあと地処分代金というものが入りませんと、あと地を渡せませんが、住宅公団に渡す場合にはこれは時価で渡すことになりますから、大体五十五万坪くらいのところでございますから、あの土地であればかなり高く売れるということで十分財源は確保できる。しかし東京都の場合でございますと、公園とか運動場にお使いになる場合には無償で渡さねばならないということでございますし、住宅の場合には減額規定ということで安くなるわけです。したがって東京都に全部渡してしまいますと、とても三百五十億の金は出てこない、こういうことになりますので、まだ私は決心をしておりませんけれども、その辺をよく考えながら全体の財源を確保し、かつ公共的にりっぱに使えるように処分したい、こういうふうに思っております。
○伊藤(惣)分科員 その財源は三百五十億さえ出れば、あとは公共的なものに開放することができる、したがってその財源を確保するための計画を、もしか東京都が持った場合には、東京都だけに渡すということになりますか。
○岩尾政府委員 これは非常にむずかしい話でございまして、現在ございます特特会計というもので交換をしておるわけですけれども、これは会計全体としてペイをすればいいというので、いろいろな施設があります、それを売り払っていって、今後取得していくというのが全体でペイをすればいいということなんですけれども、いま私が申し上げたのは、一つ一つの対象としてまず三百五十億ないといかぬ、こういうことなんです。処分財産の中には非常に安いものもあるわけです。そこでいま申しました交換をやる場合には、ほかの財産が非常に損をする場合があり得るわけですから、そういうことを考えますと、そういったことを言うと悪いのですけれども、なるべく高く売りたいという気がございますので、そういう点を考えて、まあ全体の会計がペイするように運営ができるならば、その前提のもとにできるだけ公共的なものに使えるように考えていきたい、こういうふうに考えております。
○伊藤(惣)分科員 そうしますと、あのグラントハイツの返還の用地は全部国有地ですか。あるいは公有地もあるのですか。その割合というか、大きさがわかりましたら、教えていただきたい。
○岩尾政府委員 一万平米程度公有地がございまして、あとは全部国有地でございます。
○伊藤(惣)分科員 大体四年間といわれております期日ですが、これはたとえばいままで返還については、こういう返還はまあないわけですね。返還ならば一時にぱっと返還になるわけです。これは代替施設の建設状況とも見合わせて考えているとは思いますが、この四年間というのはめどだと思います。これは早まるのですか。それともある程度おくれるか、現時点から判断してそういう可能性があるかということです。
○岩尾政府委員 私は現在の住宅状況から見て、できるだけ早めていただくようにお話を進めていきたい、かように思っております。
○伊藤(惣)分科員 早めるということをいま言われるのですけれども、二年なり三年なりということですか。
○岩尾政府委員 返還自体の話は調達庁のほうと米軍との間でやっておる話でございますから、いまはっきり申し上げられることは、逐次返還するという約束になっておるというだけでございます。しかし、今後調達庁を通じ、あるいはまた私らの予算の事情も考えまして、できるだけ早くいまの四年以内に使えるように努力をしていきたい、私はかように思います。
○伊藤(惣)分科員 そうしますと、まだはっきりはしていないわけですね。いずれにしても、私たち地元あるいは国民の立場からいいますと、国民の立場に立って国民の一番望む公共施設、特に社会福祉施設をつくってくれるほうの、言うならば住宅公団でも東京都でもどちらでもいいとは思いますが、どうかその点についてはどこまでも、大蔵大臣から言われた一つの基本的な方針、態度のもとに、グラントハイツの返還については前向き、積極的に早急に扱っていただきたい、そうお願いしたいと思います。大臣から一言……。
○福田国務大臣 ただいまお話しのような方向で適正にやっていきたいと思います。
○伊藤(惣)分科員 次に、造幣局の東京支局の件について伺いたいと思います。 現在、豊島区に東京拘置所があります。その真うしろに造幣局がございますが、その前にあります東京拘置所は、すでに御存じのように、代替施設が今年じゅうにでき上がりますので、来年早々から移転の計画があります。ところが造幣局は、昨年もこの分科会で大蔵大臣に伺ったわけでありますが、現在は考えていない。私はこの造幣局の移転の問題についても、そういった豊島区の副都心の中心になる巣鴨拘置所のあと地の開発が始まったときには、当然話題になると思います。 そこで大蔵大臣に伺いたいわけでありますけれども、そういった移転計画が遠からず生ずるという観点から、この造幣局の移転について大蔵大臣はどのように思っていらっしゃるか、その点伺いたいのであります。
○阪上政府委員 実は、造幣局の東京支局につきましては、先生御案内のとおり、補助貨幣とか、あるいは勲章類とか貴金属類の品位証明とか、こういう仕事を行なっておりまして、その仕事は非常に特殊性があるわけでございまして、日々、各省庁とか日本銀行と連絡をとらなければいかぬとか、あるいは、製品の納入なんかにつきましては経理面その他で近いところが望ましい。それからもう一つは、造幣局の立場から申しますと、逐年整備してきまして、四十一年度にすっかり完成したわけでございますが、新鋭の工場施設をかりにほかに移転をするということになりますと、非常に従来の設備投資がむだになるとか、あるいはまた、移転について巨額の費用が生じる。もう一つは、実は、現在の敷地は三万平米近くあるわけでございますけれども、これは、先ほど申し上げましたように、非常に遠いところでもいいということにはどうも、仕事の性質上ならない。したがいまして、代替地を都心に求めるということになりました場合に、非常に混乱が生じるというようなことから、ただいまのところでは、他への移転は考えていないという実情にあるわけでございます。
○伊藤(惣)分科員 この点について、現時点のあなたの答弁を伺ったわけでありますが、確かに昔は東京府池袋村ですから、あそこにあってもよかったわけであります。しかし、昭和四十九年をめどにして、豊島副都心というのが形成されていきます。御存じのように、新宿副都心、豊島副都心、池袋副都心ですか、こういったところが、いま東京都の都市計画の中において、大きな一つの都市再開発の焦点になっております。 それで、巣鴨刑務所は、まあ正式には東京拘置所ですか、その東京拘置所のあと地には三十六階からあるいは六十階ぐらいの超高層のビルができる。その真下で造幣局がお金をつくっている、こういうことになるわけですね。そういう副都心の中心になるところにお金をつくる工場があっていいか悪いか。何か犯罪の温床になるみたいな、あるいはまた、いつも超高層ビルから中が見えるようなところに札束というか、貴金属やお金をつくる工場があるということは、社会情勢からいっても非常に好ましくないと思うわけです。このことについては、もうすでに地元の副都心委員会でも出ておりまして、当然将来は移転さすべきだ、都市計画の上からもこれは検討しなければならぬ問題だ、こういわれてきている問題であります。 そこで私が伺いたい点は、ことし、来年のことじゃなくて、四十九年という将来、あるいはまたそれ以後においても当然そういう問題があると思うわけです。その点について、一つの副都心形成の段階において、それでもなおかつあそこに置いておくのか。そうであれば、それについてはこちらとしてもいろいろ考えなければならない問題があるわけです。
○岩尾政府委員 経理を預かる会計課長としては、いまのような答弁に相なるかと思うのでございますが、国有財産の総括大臣であられる大蔵大臣として、いまのような御質問でございますと——実は、私もあそこを通りまして、最初刑務所と間違えまして、どうもこういうところにあるのはどうかなと思ったのですけれども、現在は東京都のほうで特別工業地域に指定をいたしておりますから、先ほど会計課長が申しましたように、十分その効用を果たしておりますし、それでけっこうだと思うのでありますが、将来交換によりましてあそこに三十六階の大きなビルが建ちまして、自動車のターミナルあるいはバスのターミナルができました場合に、なおかつあの状況でいいのかどうかということは、十分前向きに検討していきたい、かように理財局としては考えております。
○伊藤(惣)分科員 大蔵大臣いかがでしょう。
○福田国務大臣 そのとおりに考えております。
○伊藤(惣)分科員 最後に、豊島拘置所の移転について伺いたいと思います。 これは、昭和四十二年二月二十七日付で、法務省及び大蔵省と新都市開発センターとの間で国有財産売り払い及び購入契約を締結しております。これは建築交換方式といいまして、あのあと地を金銭にかえないで、それにかわる東京拘置所の移転先の刑務所及び施設を直しながら、あのあと地に新都市開発センターが超高層のビルを建てる、こういうことになっておるわけであります。そしてまた、その見返りに、言うならば合うような価格、これが出ているわけですね。その六カ所の刑務所あるいは施設の建設の状況と経過について簡単に伺いたいわけです。
○岩尾政府委員 ただいま申されました東京拘置所の移転でございますが、やり方といたしましては、現在ある東京拘置所が小菅に移りまして、小菅が下野に移る。そして付帯的にほかの刑務所等をつぶしたりつくったりするわけでございますが、その進行状況といたしましては、東京拘置所につきましては、新都市開発センターと四十二年二月二十七日に契約をいたしまして、四十五年十二月に完成をいたす予定でございます。それから、もらいます下野の刑務所につきましては、四十四年七月三十一日に契約をいたしまして、四十六年三月三十一日に完成の予定でございます。したがって、これができませんと移れないわけでござますから、四十六年三月三十一日後に小菅のものがそこへ参りまして、そこへ今度は東京拘置所が移っていく、そしてあと地があく、こういう形に相なるかと思います。それから付帯的な川越の少年刑務所につきましては、これはもう完成いたしました。浦和刑務所のほうは、四十五年十二月三十一日に完成予定でございます。これは同じように新都市開発センターと契約をいたしております。それから岡山刑務所は、これはもう完成いたしました。旭川刑務所も完成いたしました。こういう状況でございます。
○伊藤(惣)分科員 この建築交換方式というのは、一部の人の間でちょっと問題になっております。それは随意契約をしているからというふうにいわれております。そこで、この新都市開発センターとの六カ所の随意契約の内容と、建築交換方式による収支状況ですね、こういう計画のもとでこうするんだという資料を、あったならば提出願いたい。さらに、その新都市開発センターの役員と、その役員の経歴についても資料として提出願いたいと思いますが、いかがでしょう。
○岩尾政府委員 これは、昔、建築交換と申しますのは、債務負担行為を計上いたしまして、その中で完成のつど歳出に計上するといったような形で建築交換をやってきたわけでございますけれども、そういったことは非常に不明朗であるということで、先ほど御指摘になりましたような特特会計というものを昨年つくりまして、そこで交換を、皆さん方がおわかりになるような形でやっていこうということに踏み切ったわけでございます。そこで、現在の御指摘になりました分につきましては、そういった過去の法務省との関係で従来方式でやってきたものでございます。私、いま手元に資料を持っておりませんので、後刻先生の手元に資料を提供いたしたいと思います。
○伊藤(惣)分科員 最後に大臣に伺いたいわけですが、このような国有地の建築交換方式などによって、たとえば黒い霧やいろいろな問題が起こるとするならば、今後はこういう方式はよくない。あるいはまた、こういうことでも、絶対に間違いないという確信があれば続けてもいいと思いますけれども、それについて大蔵大臣の見解を伺って終わりたいと思います。
○福田国務大臣 問題を起こす場合は、方式自体に胚胎する、こういうことじゃないのであって、その方式にのっとりましてやっていく、その過程において問題が起こることがあると思うのです。そういうことのないように気をつけますが、なお御注意もありますので、こういう方式自体の中に欠陥があるのかというようなことにつきましては特に配慮をしてまいりたい、かように考えます。
○岩尾政府委員 補足してお話をしておきたいと思いますが、例の東京拘置所の問題につきましては、私の記憶でございますが、最初やはり東京都を相手に交換しょうというふうにしたのですけれども、金が非常に巨額なものですから、都ではとても負担ができない。われわれも、いま大臣がおっしゃいましたように、できるだけ適正にやりたいということで、公共団体とか住宅公団のようなものを選んで交換をやっていくという方式を貫いておるわけでございますけれども、本件だけはそういうことで東京都が辞退をしたものですから、先ほど御説明をしたような新都市開発センターというものと契約をした。これは財界付近といいますか、そういった全体の御意見で出てきたようなものであったということであります。
○伊藤(惣)分科員 資料を出すんですね。
○岩尾政府委員 はい。
○伊藤(惣)分科員 ではこの問題はまた法務委員会でやりますので、以上で終わります。
○大野主査 井上普方君。
○井上分科員 実は石炭合理化がだいぶ進んでおりますし、また硫黄も合理化が進んでおるのでありますが、黒、黄色、今度は続いて白の塩が俎上にのぼっておるのは御存じのとおりでありますが、四十四年度の塩の収納価格の引き上げは行なわれなかったのであります。これは明らかに日本専売公社法第二十八条に基づくところの日本専売公社業務方法書第七十五条にいうところの生産費補償方式というものに矛盾しないかと思うのですが、専売公社の総裁、どうでございますか。
○園部説明員 昭和四十四年度の塩の収納価格について昨年度きめたわけでございますが、収納価格の引き上げを行ないませんでした。しかしながら、四十二年度の生産費及びいままでの生産費算定の価格形成方式にのっとりまして、引き上げる必要がないということを諮問いたしまして、据え置いたものでございます。
○井上分科員 あなた方はこの生産費補償方式ということを業務方法書第七十五条ではっきりと書いてあるんですね。しかも物価は御存じのとおりどんどんと上がっておる。人件費も上がっておる。私は当然上げられてしかるべきだと思うのですが、総裁どうです。
○北島説明員 私は昨年のことをよく存じませんが、昨年は物価、労賃の値上げは確かにございましたが、一方金利、償却費のほうは年々減っておるわけです。そういうものを彼此勘案いたしますと、全体としては生産費の上昇はない、こういうことで据え置いた、こういうふうに承知いたしております。
○井上分科員 金利が下がったといいましても、この中で何%金利負担を持っているのです。人件費あるいは諸物価との勘案をいたしますと、非常に大きいものがあるのです。それにもかかわらず据え置いた理由が明確ではない。あるいはこの法を守らなかったのは専売公社じゃないかと私は思うのですが、どうですか。
○北島説明員 園部理事からお答え申し上げます。
○園部説明員 先ほど業務方法書の御指摘がございましたが、塩の収納価格につきましては、生産費のみでなく、経済事情その他の事情を参酌してきめるということでございます。 なお、昨年の収納価格につきましては、先ほど総裁から申しましたように、償却が非常に進み、金利が相当下がりということで、その必要を認めないということでございます。
○井上分科員 私はそのお話でどうも納得できないのは、ほかの経済情勢をにらみ合わせながらとおっしゃいますけれども、物価はどんどん上がっているのですね。国内塩が高いということは私もわかります。しかし、食料塩として外塩を輸入しても、一たん溶かしてまた食料塩に直す場合には、コストは同じなはずです。これは業者をつぶすためにこういうことをやられるんじゃございませんか。総裁どうです。全然上げなかったことについてどう思います。
○北島説明員 塩の収納価格については私はまだしろうとでございますが、やはりいろいろ問題はあるかと思います。たとえばいままでの生産費補償方式でございますが、弱小のほんとの限界生産者を救うために収納価格をきめていくべきか、あるいはある程度のバルクラインを引いてやるべきか、いろいろ問題があると思いまして、いままでの収納価格の決定の歴史においても種々変遷があったようでございます。昨年度は従来どおりの方式によって算定いたしまして、そうして据え置きが適当だということで諮問いたしまして、収納価格審議会もそれを適当、こういうふうにして最後に御答申いただいたと考えております。
○井上分科員 私らのところに塩業組合の中央会の会長の大平正芳さんからも要望書が来ているんですね。労働者の方々も、労賃を上げてもらわなければ、算定に入れてくれなければわれわれは困るのだということをいわれておるのです。業者の方も両方ともいわれておるのに、あなたのほうは全然お考えにならない。四十五年はどうされますか。
○北島説明員 四十五年度はまだ塩の収納価格の審議につきまして委員の方にお集まり願っておりませんが、当面、御承知のとおりに塩業整理交付金といたしまして五十億円の予算が四十五年度に組んでございます。ただいま塩業の合理化につきまして、近代化につきましては塩業審議会で御検討中でございますが、追って近くその答申が打ち出されました場合に、直ちに大きな塩田製塩方式からイオン交換膜方式に転換が起こるわけです。そういう際でございますので、慎重に考えて諮問いたしたい、こう考えております。
○井上分科員 私はどうも納得できないところがたくさんあるのです。といいますのは、あなた方専売公社の方々は、いつも、塩をどうして上げないのだ、収納価格の中の労務費を低く見るのはどういうわけだといいますと、製塩というのは農漁業と同じだというような考え方で、大蔵大臣——前の大蔵大臣は考えられておったのですよ。そうじゃないのですね。現在の、戦後の労務者というものは、一ヘクタール当たり〇・三人程度になっておるのです。ほとんどが工場の従業員になっているのです。したがってこれはもう一般の生産工場として見るべきだ。特に化学工場として見るべきで、そう見ますというと、非常に低いところに実は置かれておるのが実態であります。この化学工場でございますと、現金の給与額が五万八千百四十円というのが平均になっております。ところがこちらのほうを見ますと、五万二千円というところに低く押えられておるのです。これは労働省の労働統計調査月報から引き出したところでございますが、非常に低いところに押えられておる。私は、イオン交換膜法によるところの合理化を軽視するつもりはございません。しかしながら、労務者が低いところに置かれておるし、かつ塩業労働者というものは将来の見通しがないというので、平均年齢が非常な高年齢になってきておる。これが整理される段階においては、当然にこれは大きな社会問題になるわけですけれども、イオン交換膜法に転換されていく。しかし、いままでの塩の合理化というものを明治初年からずっと見てまいりますと、日本の産業革命が行なわれるたびに常に先頭を切って行なわれておるのがこの塩の合理化であったはずです。大体十年おきに合理化計画なるものが専売公社のほうから示されてきたのが実態じゃないかと思うのです。しかし、いままでは塩業者の中で合理化が進められてきたのでありますが、このたびの合理化というものは、イオン交換樹脂膜というものは、大企業膜メーカー、こういうものが新たに入ってくるわけですね。そして、在来の、私のほうでございますと寛永二年から塩をつくっておるという三百七、八十年にわたるような業者を押しのけて、新しい膜メーカーがどんどんとこの面に入ってきておる。したがって今後の合理化というものは、これは特に専売公社が専売事業としてやられております以上、最も望ましい、労働者にとりましてもあるいはまた業者にとりましても、転換するときには、石炭やあるいは硫黄などの業界以上の十分な手厚い方法を講じなければならない、このように思うのですが、総裁、いかがです。
○北島説明員 塩がわが国で非常に長い歴史を持っている、それについては私もよく存じ上げておりますし、それから、これから大きな転換を迎えるに際しまして、不幸にして塩業から離れられていく方々につきましては、私も十分御事情はわかるのでございますが、何と申しましても、ただいまの塩田製塩、それから最近完成してさらに大きく発展しようとしておりますイオン交換膜製法とはたいへんな違いでございまして、これを塩田のままでおくことは、結局、日本の塩産業というものは国際的にうちかつことができない。現在のイオン交換膜法によれば、近い将来において食料塩の輸入塩に対抗する価格になり得ると私は思いますし、さらに後におきましては、あるいはまたソーダ工業塩にも対抗できることになるのじゃないか。ただいま非常に大きな変革期でございまして、こういった時代におきまして塩田製塩をそのまま置くということは、私は、国の経済発展のためにかえってならぬ。やはり大きな見地からいえば、そこで転換していかなければならぬ。そういうわけでございますので、不幸にして塩業から離れる方については、まことに御事情はわかりますけれども、これから審議会等でこの助成の方法等を十分に御研究願って、適正な助成措置を講じたい、こう考えておるわけでございます。
○井上分科員 総裁、私は、イオン交換樹脂膜法を導入することに反対しているんじゃないんですよ。しかし、いままで専売事業としてやってきた関係から、最も望ましい合理化の方法をあなた方はやられる必要があるのではないか。それには、いままでの労務賃金も安い。労務賃金、おそらく五十カ月か六十カ月分くらい出すようになるでしょう。しかし、その際にも、初めのベースが低いのですから、労働者にしわ寄せされるところが非常に多くなる、こういうことを私らは憂えておるわけです。これはいまは膜メーカーがどんどん入ってきておりますが、将来、おそらくあと十年もすれば、原子力産業による余熱利用によって塩がつくられるであろうことは予想されます。また大きく変わるんですね。この際、膜メーカーが塩業者に入ってくるのを防ぐためにも、ひとつあなた方御自身で専売事業としておやりになる考え方はございませんか。十年後を考えてごらんなさい。東京におきましてはたちまちこの水が足らなくなってくる。それには海水の淡水化という産業も必ず起こってくるのです。原子力工業によってそういうものが、もうすでにアメリカのサンフランシスコにおいては海水の淡水化が出てきておるのです。その副産物として製塩というものが出てくるのです。十年先がもうわかっているのです。そのときに大きな膜メーカーがこの中へ入ってくることよりも、むしろ公社自身がこういうことを積極的にやられる必要がある、こう思うのですが、どうでございますか。
○北島説明員 こういった大きな技術革新の時代に、私どものような公共企業体がはたしてやることが適当かどうか、できるかどうかについては私も非常に疑問を持っております。こういうような時代には専売事業で私どもがやりますよりも、民間企業でもってその創意を発揮してやることが、えてして新しい原子力時代に適応できるのではないか。役人のやることはどうせろくなことはないと申しますが、私も実際そういった大きな技術変革期におきましては、私どもがやるよりも企業の十分な創意を発揮して、そうして将来の見通しのもとに大きな転換をしていただく、これがいいんじゃないかと考えているわけでございます。
○井上分科員 そのたび、そのたびに国税を使われてはかないませんよ。大蔵大臣どうです。十年後には原子力産業が製塩業に入ってくるのはわかり切っておる事実なんです。それにもかかわらず、イオン交換膜をつくるメーカーに許可をどんどん与えようとしておるのです。またそのときには補償問題が起こってくるでしょう。どうです、あなたは将来の総理として、あなたの総理のときにこういう問題が起こってくるかもわからぬ。どうでございますか。
○福田国務大臣 今日の技術水準からしますと、何といってもイオン交換膜製法ですね。これはすぐれた方法でありまして、わが国においてもわが国の経済全体の立場から見てこれを採用する、これはもう自然の勢いじゃないかと思うのです。原子力という話がありますが、私もその見当はつきかねますが、それまで待っているというのもいかがでしょうか。いま私どもが塩業合理化ということを考えておるわけですが、その中心はイオン交換膜方式の採用、これを主軸にする合理化というところに置きたい、かように考えております。
○井上分科員 大臣、私はイオン交換膜が導入されることに反対しているんじゃないですよ。しかし今後十年間に——十年あるいは五年後かもしれません。考えてごらんなさい。もう原子力によるところの海水の淡水化が行なわれることは目に見えているのです。そのときにはイオン交換樹脂膜法よりも、むしろ温度を利用した方法がとられる可能性が十分にある。そのときに、これが五年後になるか七年後になるかわかりませんが、すでにアメリカでは淡水化が実現しておるんです。このときに、膜メーカーを製塩業の中へ入れる。そしてまた十年後にはこれをおそらく補償しなければならぬようなことになりかねないのです。こういうことを考えると、いま膜メーカーが入ることをシャットアウトしなさい。いままでの在来の塩業者によるところのイオン交換樹脂膜法を私は賛成する。あるいはそれができないのならなぜ専売公社自身が小名浜でやっておるようにやらないか。膜メーカーが入ってくるのをシャットアウトしなさいということを私は申すのです。どうでございますか。
○福田国務大臣 専売公社は塩業審議会にもはかりまして、これからの塩業合理化という方向を打ち出しておるわけなんです。その方向はまだ定着はしておりませんけれども、イオン交換膜方式を主軸にしよう、こういうことなんであります。先々どうなるかわかりませんけれども、その方法を用いるということは現在この時点で適切であろうというふうに見ております。 ただ、問題は、井上さんが指摘されるのは、何も業者にやらせる必要はないのじゃないか、専売体制でいいのじゃないかということなのでありますが、塩はたばこと違いまして、財政専売という色彩じゃないのです。これはやはり国民に欠くべからざる食糧の確保、安定的供給というところにある。ところがイオン交換膜方式でやり、かついま外国からの供給も安定してできそうだという段階になりますと、国が塩についてそう心配する必要のない段階に来たのじゃないか、そういう認識を持っておるようであります。そういうことで、この合理化計画が進んだ暁におきましては塩の専売を廃止する、こういうことを腹に置きながらいま合理化施策を進めておるのだ。それは専売公社がいろいろ検討に検討を重ねた結果でありますのので、妥当な方法であろう、私もこういうふうに見ておるわけです。
○井上分科員 大臣、どうも二重手間になるのですね。そこまで科学は進歩しておるのですよ。この間もあなた、万国博に行かれたでしょう。それほど進んでおるのです。見通しがあるにもかかわらず膜メーカーが入ってくることをなぜ押えぬのだ。二重払いになるじゃないですか。そして片方においては在来の塩業者はどんどん切り捨てていくのです。 そこで、塩収納価格審議会に労働大臣を入れる必要がある、あるいは塩業審議会に対して労働者代表を入れる必要があると思うのですが、総裁どうです。
○北島説明員 私は現在の構成のままで収納審議会はたいへんいい方ばかりであると思っております。ことに私の諮問に対して労働大臣ということはたいへん失礼でございます。現在の方々はいままで十分経験も積んでいらっしゃいますし、そういう公正な方々にお願いしてけっこうだ、こう思っております。
○井上分科員 総裁、それが困るのです。現在、労働者の賃金というものは非常に低いところに押えられておる。どの審議会でも、価格算定の際に労働大臣が入っておらぬ審議会なんというのはありませんよ。ところがこれだけ入ってない。まことにこれは困った問題です。しかも首切りの対象とされる人たちの代表をこの中に入れておかぬというような審議会がありましょうか。どうでございますか、大臣。
○福田国務大臣 専売当局におきましてもいろいろ考えていると思います。抜かりはなくやっているのじゃないかというふうに思いますが、なお御指摘の点は専売当局によく考えていただきたいと思います。
○井上分科員 それでは、入れていただくように前向きで御検討願う、大臣、しっかりやると考えてよろしゅうございますか。
○園部説明員 先ほど来の井上先生の御質問の趣旨でございますが、今後の長い目の、十年先のことを言われましたけれども、今後イオン交換膜に全面的に転換すること自身、決して発展を阻害することにはならぬというふうに思っておりますし、ここで徹底した合理化をすること自身、国費云々の御指摘がございましたけれども、二重になるというふうには考えないような合理化をすべきではなかろうか、かように考えております。 収納価格審議会の委員の問題についてはたびたび御指摘がございましたけれども、私どもは最終的に収納価格をどういう価格で考えるかということが目的でございます。かつはまた塩業の代表の方々も委員に入っておりまして、その方々も賃金の事情について十分承知しておりますので、収納価格審議会としては労働代表というような形で出す必要はないのではないか、かように考えております。と申しましても、塩業の労働者の代表の方々から逐次その実情についても私ども話を承っておりますし、今後とも十分話を聞きながら仕事をしてまいりたい、かように考えております。
○井上分科員 それは使う者と使われる者との差がそこに出てくるのですよ。やはり労働代表というものはこういうものには入れておくべきです。また将来塩業審議会自身にも、自分自身の仲間がどのように整理せられるかということを考えるならば、これは当然入れてしかるべき問題だと思うのです。塩業審議会にこの合理化案が出されるのですから、その審議会の委員に労働代表を入れる必要があると思うのですが、大臣どうです。
○福田国務大臣 専売当局でもいろいろ配意はしておると思います。思いますけれども、御意見でございますので、専売当局にとくと考究をしていただきます。
○井上分科員 もう一つ、この予算に出ておるのですが、塩業整理交付金五十億円と出ておるのですね。これは一体どのようにして出すのですか。財政法あるいはまた予算決算会計令のどの条項によって出せるのですか。どういう具体的な内容を盛り込んでおるのですか。ひとつ伺いたいのです。
○熊田政府委員 これはただいまお話が出ておりますように、塩業合理化整備を行なっていく過程において、塩業を廃止される方々に対しまして、転業資金として交付する予定の資金でございます。
○井上分科員 それは財政法の何条と予決令の何条から引き出される問題で、現実に直ちに出せる問題ですかと聞いているのです。何条と何条、法的根拠を示してもらいたい。
○熊田政府委員 これは専売公社の予算に計上してございますので、専売公社として支出をするものでございます。
○井上分科員 専売公社として出せるのであれば、予決令とかそんなものの拘束は受けないのですか、どうですか。
○熊田政府委員 専売公社の予算補助として支出するものでございます。
○井上分科員 違うですよ。これ、大臣ごらんになりましたか。補助として出すのじゃないですよ。支出としてきちっと出ておるのですね。合理化対策臨時措置法のごとき法律がなかったら出せないのじゃないですか。何によって出すのです。
○福田国務大臣 国の支出は、法に基づくものは義務としてこれを出すわけですね。その法に準じて出すわけです。そうでなくて、ただ単に義務ではありませんけれども、政策的意図をもって支出するというケースは多々あるわけであります。おそらくその一つの体系に属するものである、かように考えます。
○井上分科員 いいですか、大臣。塩業審議会の審議の最中なんです。結論も何も出てないのです。どのようにしてやるのか、それもきまってないのですよ。それにもかかわらずこれは支出をして出せるのですか。
○熊田政府委員 これはただいま塩業審議会において審議中でございますが、しかしながら、塩業審議会の答申の方向というのは、すでに昨年の九月の塩業審議会の小委員会の報告にもはっきりとされておりまして、近くそういうような方向で塩業審議会の答申も出るということが期待されておりますので、そこでその審議会の答申が出ました際に、整理の過程においてやめていかれる塩業者の方々に支出ができるように、交付金として計上しておるものでございます。
○井上分科員 大臣、三十四年に大整理を行なった際にはやはり臨時措置が出ていたのです。今度それがないんですよ。どうなんです。
○熊田政府委員 交付基準その他につきましても、まだ塩業審議会の答申が出ておりませんのでいまのところはっきりしておりませんけれども、塩業審議会の答申が出ましたならば、十分にそういうような点も検討をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○井上分科員 それじゃ、この政府関係機関予算として出てきている中身は何にもない、いきなり手づかみで五十億円ぽんですか。政策的な目的としましても、一応目安というものは出しておるでしょう。こういうようにして、こういうようにしてやるんだという方向を出さなければ、予算としては出てこないはずなんですね。いまのお話を聞いていますと、手づかみで五十億円じゃないですか。どうやって交付して、どうやってやっていくのかわからないじゃないですか、この内容が。
○熊田政府委員 そういう交付基準あるいは交付の総額というようなものがまだきまっておりませんけれども、昭和三十四、五年の塩業整理の際に総額百十四億円の整理資金が交付をされました。そういうような事情も勘案をいたしまして、一応明年度から塩業整理が行なわれます際に必要となるであろうと思われる額を計上したわけでございます。
○井上分科員 こういうように交付基準もきまっていない。いいですか。何にもない。規則も何にもない。いきなりぽっこり五十億が頭を出しておるだけなんです。政策目的のためにも何か基準がなければ、こんなもの出せないでしょう。財政法上これはどうなんです。あるいはこれはもうよく御存じでしょうが、予決令でもこんなやり方がありますか。どうです。
○福田国務大臣 まあそういうケースもあるのです。あるのですが、予算が御審議の段階だというときまでに、交付金であれば交付基準はきめてなければならぬ、こういうふうに思います。それが塩業審議会等の御意見等もありますので、まだきまっておらぬ、こういうのが実情のように思われますので、なるべく取り急ぎまして交付基準をきめたい、かように考えます。
○井上分科員 私はこれは財政法あるいは予決令等々から見ましても、この予算五十億に対して問題があると思うのです。基準すら出てない。何にも法的根拠がないのです、この五十億というものは。大蔵大臣、どうです。あなたは間々あることですと言いますが、前にこんなことありましたか。どうです。私はいきなりこんな手づかみで五十億をぽんと出しておいて、何にも基準がない、あるいは財政法上あるいは予決令の上においてあらわせないような金を手づかみで出すこと自体、法違反じゃないかと思うのですが、どうです。
○福田国務大臣 まあ交付金は法に基づいて交付する場合もあるし、法には基づかないけれども政策目的を持って交付する場合もある。本件は後者の場合なんです。しかし、後者の場合といえども、御指摘のとおり交付基準というものを示して、そして御審議を願うのが筋だ、こういうふうに考えますが、塩業審議会でいま審議をしておる、そういうようなことで、率直に申し上げまして間に合わぬ。まだこれをお示しできるような段階まで立ち至らぬというのが率直な現状ではあるまいか、そういうふうに見ておるわけであります。そういうケースも私はまあなるべく避けていかなければならぬというふうに思いまするけれども、まあないことはないのであって、現状なかなかむずかしい段階だということでひとつ御了承のほどを願います。
○井上分科員 それでは大臣だめですよ。予算の議決をここ一週間以内にやろうという段階なんですからね。そういうような政策目的で交付金を出す場合もあるなんておっしゃいますが、一体そういう基準もないままに出した例はいままでありますか。どうでございます。例のないことをやられちゃ困るのですよ。大臣、どうです。
○船後政府委員 先ほどから財政法のお話がありますが、先生御承知のとおり、専売公社の予算は専売公社法の定めるところによりまして作成し、かつ国会の議決をいただいておるのでございます。したがいまして、直接には財政法とは関係ございません。 それから次に、交付金を法律によらずして出す例があるかというお話でございます。国が——これは国の場合でございますけれども、経費を支出するにつきましては、国会の議決があれば、これは法律の形式であると予算の形式であるとを問わないわけであります。したがいまして、直接法律に基づかずに、予算でもって政策的判断から交付金を計上してこれを支出する、この例は一般会計にしても多くございます。ただ、実際に交付するにあたりましては、当然先ほど来大蔵大臣が御答弁申し上げておりますとおり、交付基準というものをつくりまして、かくかくの条件に適合したものに出すというふうに具体的にきめるわけでございまして、つかみ金でもって出すわけのものではございません。
○井上分科員 これは大臣少なくとも交付基準というものを出さなければ意味ないですよ。国会もこれほどまでに威信が落ちていいものでしょうか。専売公社法だってやはり予決令に基づいて出されておるはずなんです。どうなんです。こういうような予算措置上の問題では、私はどうも国会の審議は尽くせぬと思うのですが、どうです。
○熊田政府委員 塩業審議会の答申が出ましてからそういうような交付基準につきましても十分検討してきめなければならないというふうに考えております。また、前回の塩業整備の際には、整備を円滑にするというような趣旨から整備法案を国会に提出しておりまして、そういうような経緯もございまして、私どもといたしましては来たるべき塩業整備を円滑に行なうという上から、やはり塩業整備に関します法律案を国会に提出をいたしまして、御審議をいただくのが適当であるというふうに考えております。
○井上分科員 その措置法がこの特別国会に出されるのですか。
○熊田政府委員 まだ塩業審議会の答申が出ます時期がはっきりといたしておりません。そういうようなことで今国会に関係法案を提出いたしますことは困難ではなかろうかというふうに考えております。
○井上分科員 大臣、事、重大なんだ。予算が先に通って、あとから法律が通るのですよ。来国会なんですよ。三十五年だってそうしているのですよ。どうです。法律に基づかない予算なんてありますか。当然これは臨時措置法を出して、一緒にこの予算というものは出すべきでしょう。つかみ金でぽんと五十億円出てくるという、こういうようなやり方は国会軽視もはなはだしいと思う。予算審議もできないと思うのですが、どうです。
○福田国務大臣 先ほどから申し上げましたとおり、これは普通ならば交付基準というものをちゃんと整えまして御審議願うのが筋だと思います。ところが塩業審議会の御審議にまってその基準をきめる、こういうことになっております。(井上分科員「法律をつくりますと言っているでしょう」と呼ぶ)法律になるかもわからぬ。そこで、まだそういう段階まで塩業審議会では来ておらぬ、こういうので、一応いかなる交付基準がきまろうと、これだけの金は用意してあります、こういうことなんです。これはそういうケースなしとしないのです。まあそういうことは非常に異例ではあると思いまするけれども、全然そういうことがないかとおっしゃられると、こういうことは間々ある、かように御了承を願います。
○井上分科員 私も時間がございませんのでこういうことは押し問答したくないんです。しかし、先ほど審議官も言われましたように、法律を用意すると言っているでしょう。法律を出して、それにのっとって、それに交付基準をきめて出すと言っているんでしょう。渡すのでしょう。ところが、五十億円だけぽんと先に出してきておいて、いつの国会に出るかもわからない。どうしてこれをこの予算に出すんです。しかも、あなたのおっしゃる交付基準というものもわれわれ国会議員に示していただかなければ、この五十億円が公正に効率的に使われるかどうかということも、これまた審議の対象にならぬじゃないですか。こんな予算のやり方というのはありますか。間々あるとおっしゃいましたが、それは戦争中ぐらいのことでしょう。あなたは戦争中にお役人を、大蔵省の主計局長をおやりになったから、そういうことがポンスカポンスカ出されたけれども、いまの国会のあり方からいって、この五十億の裏づけになるものが全然なしに出されるということについて、私は大きな疑問を持たざるを得ない。これでは私は審議できませんよ。しかも、方針を聞けば、法律を出すと言っている。交付基準もきめてない、こんなことで私らは審議はできませんよ。これはどうです。
○福田国務大臣 なるべく取り急いで交付基準をきめたいと思います。なお、その際には大蔵委員会にもよく御説明いたしたいと思います。
○井上分科員 交付基準じゃないです。そこでおっしゃっているのは法律で出すと言っているんです、臨時措置法を。その中に基準を織り込むと言っているんです。昭和三十五年もそのとおりやったんです。これはもういままでのお話からいたしまして、この法的裏づけもない、交付基準も何もないというようなこの五十億円に対しましては、私どもは審議するには適当でない、このように考えますので、私どもはこの五十億円の内容をすみやかに、ともかくわれわれにお示し願うことを強く要求いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○大野主査 華山親義君。
○華山分科員 通産省とも関係のある問題でございますけれども、大蔵省にお伺いいたします。 中小企業の倒産件数は三月あるいは六月ごろに未曽有の件数に達するであろうというようなことがいわれますけれども、大蔵省といたしましては、金融の面から見まして、倒産の趨勢というものをどういうふうにお考えになっておりますか。
○福田国務大臣 昨年の九月から御承知のように金融調整措置をとっておるわけです。これはどういう趣旨かということは申し上げるまでもないわけでございますが、私どもは、いま中小企業というお話でありますが、この問題に一番関心を寄せておるわけであります。 〔主査退席、小澤(太)主査代理着席〕 中小企業に対してこの引き締め政策がどういう影響を及ぼしているかということの推移をつぶさに注目をしておるのでありまするが、大企業のほうはかなり引き締めの影響を現段階において受けるに至っております。それに比べますと、中小企業への影響はまだそこまで来ておらぬというふうに見ておるわけでありまして、倒産件数からいいましても五百件ほどで、五百件の台をずっと横ばいをしておる、こういうような状況で今日まで来ておるのです。 さて、今後どういうふうになるか。大企業のほうはさらに引き締まる。それと関連し、あるいはまたこれと関連なく中小企業が影響を受けることになりますが、これが弱い小さい立場にある中小企業に打撃的な影響を与えるということになっては相ならぬ、かように考えまして、細心の注意を払いながら調整政策を進めておる、こういう段階でございます。
○華山分科員 三月あるいは六月には中小企業に倒産のあらしが吹くであろうといわれておりますけれども、そういうことがないように、今後細心の注意を払っていく、こういうお話であります。ひとつお願いしたいのでございますけれども、私はよく企業金融における中小企業の銀行と都市銀行との間にどういう現象が起きるかということにつきまして注意を払ってまいりましたが、最近における状況は、従来起きたとやはり同じような傾向を見せております。コール市場の資金を見ますと、四十五年、ことしの一月には一兆六千五百五十四億に達しておりますが、四十四年の一月には一兆一千五百九億であります。月中平均残高にいたしましても、四十五年の一月にはコール市場資金が一兆七千九百四十三億に対しまして昨年の一月は一兆二千七百四十三億、このようにコール市場は資金が多くなっておりますけれども、この出し手を見ますと、地方銀行、相互銀行、全信連、信用金庫、農林中金それから信用農協連等の中小企業を対象とするものが軒並みにふえておりまして、これが都市銀行に集中しているわけです。このような傾向は、不況のときには必ず起きる状況でございます。このようなコールの状態につきまして、私は、一応何らか押えるような方法を講ずべきときが来たのではないか、こういうふうに思いますけれども、そのことについてお考えはございませんか。
○福田国務大臣 問題は中小企業に対する貸し出しが一体どうなるか、こういう問題ですが、これは御承知のとおり、昨年の上期あたりは中小企業にたいへんな貸し出しが行なわれたわけであります。全国銀行のほうは半分くらいは中小企業、半分くらいは大企業ですが、これは前の年に比べまして約七〇%も貸し出しがふえたわけです。ところが相互銀行、これはほとんどが中小企業に貸されるわけですが、これなどは一七〇%も貸し出しがふえるというような状態だったわけです。ところが引き締め後の数字を見ますると、その貸し出しの比率は、大企業においても中小企業においても、これはもう減退をいたすわけでありますが、それでもまだ大企業、つまり大銀行の担当する貸し出し、それからあるいは相互銀行あるいは信用金庫、こういうものの対象とする貸し出し、これの減退割合というものはかなりゆとりを持っておる、こういうような状態であります。これを抑制するというところへはまだ来ておらぬというふうに見ておりますが、今後中小企業に対しては、とにかくしわ寄せが不当に行くということにつきましては注意をしてまいりたい、かように考えます。
○華山分科員 前に、この中小企業対象の銀行から都市銀行に流れるコールを抑制するために、日本銀行の大企業に対する貸し出し——都市銀行を通ずるわけでございますけれども、この貸し出しをコールの取り手によって加減をするということをとられたはずでございます。今度もそういうふうな方向で行かれるお気持ちはございますか。
○福田国務大臣 コール市場が逼迫をしておるのは事実でありまして、コールレートもかなり上がっております。そこで九分をこえるコール金利というふうになっておりますが、九分をこえる金を使って、そしてこれを貸し出しに回すということは、銀行としては耐えがたきことだ、こういうふうに思います。そういうことで、この金利がかなりコールの移動につきましては抑制力を持つというふうに思いますが、まだ日本銀行が介入してこれが調整に当たるという段階までは、私は来ておらない、こういうふうに見ております。
○華山分科員 まあ、三月、六月には、そういう危機が来るだろうというふうにまでいわれておりますので、十分に細心の注意を払っていただきたいと思うわけであります。よく政府資金により、銀行等によってというふうなこともいわれますけれども、これは中小企業向けにつきましては一〇%程度のものであって、そんなに力強いものでもございませんし、どうしても中小企業専門の銀行に資金が多くならなければいけない、こういうふうに考えますので、ひとつ十分に、いまそういう段階に来そうでありますので、御注意を願いたい。 それから、もう一つ伺いますが、最近よく大蔵省のほうでは、銀行間の競争といいますか、銀行の競争によって合理化を進める、こういうふうなことがいわれております。これは間違いのないことでございますけれども、私考えますのに、そういうふうなことが進められてまいりますと、大企業である都市銀行と、銀行では中小の地方銀行、相互銀行、信用金庫との間において、競争によって、これらの中小企業専門のものが痛めつけられやしないか。痛めつけられることをのがれようとすれば、またいろいろな方法を講じて、それが中小企業にしわ寄せになるんじゃないか、こういうことをおそれます。それでひとつ、競争の中に店舗のことがいわれておりますが、店舗はどういうふうになさるおつもりですか。かってに増してよろしい、こういうことでございますか。
○近藤政府委員 技術的な問題でございますので、私から答えさしていただきます。 店舗につきましては、配置転換規制の緩和ということを、御承知のように行なったわけでございますが、その場合の一つのよりどころといたしまして、不動産比率の規制あるいはお互いに競合することを調整する、かような考え方、それからその置こうとする場所についての考え方、そういうものを店舗行政に加味してまいりまして、野放しの店舗競争にならないようにということを配慮をいたしております。
○華山分科員 最近、相互銀行が東京に支店を設けて、非常に支店が多くなっているようでありますが、これは相互銀行は東京に支店を設けたほうがいいんでございますか。何か必要がございますか。
○近藤政府委員 最近、経済圏が広くなりましたことと、特に東京と各地方との経済的な交流が緊密になりましたことと、その双方の理由によりまして、地元の企業の金融を利便ならしむるという要求からも、ぜひ東京に店をこしらえたいという希望がございます。そういうものにつきましては認めているということでございまして、ただいま先生から御指摘がございましたように、ただいたずらに東京へ出て来たがるというふうな風潮がもしあるとすれば、これは押えてまいらなければならぬというふうに考えております。
○華山分科員 私、わかりませんが、そのことによって競争が強くなってまいりますと、百万円の金を百件貸すよりは、一億円、これは相互銀行は貸さないかもしれませんが、一億円の金を一件貸したほうが、企業としては手数がかからない。そういう借り手が地方にない、したがって東京に出て来る、こういうことが、私は地方の者として心配なわけです。一面、店舗を東京にも置くということのために、地方では地方の支店を整理して、したがって従来地方の小都市にあった相互銀行等の支店がやめになっていく。相互銀行等は、これは個人の信頼によって成り立つものですから、離れた所に行って借りればいいじゃないかといったって、そうはいかない。私はそれを心配するのです。その点いかがでございますか。
○近藤政府委員 ただいまのお話、まことにごもっともでございまして、さっきおっしゃいましたこととも関連いたしますが、要するに銀行行政といたしまして、ここ一、二年弾力化という方向でいろいろやっておりますことは、いたずらに規模で競争しない、量で競争せずに、いわば質の競争をさせるということが、御承知のように主眼でございます。したがいまして、今回のいわゆる予防的引き締め下における一つの大きな特色は、この質の競争に基づきまして、たとえば相互銀行とかその辺の中小金融機関が、優良中堅企業、中小企業に対する貸し出しを非常に一生懸命やっているというようなことが、いままでの引き締めのときに比べますと、かなり違う点かと思っております。ただ、いまおっしゃいましたような心配がないわけではございませんので、そういう点につきましては、十分に配慮いたしてまいりたいというふうに考えております。
○華山分科員 そういうふうなことで、中小企業にいたしましても、東京あるいは大都市の中小企業は、これによって潤う面がありましても、ほんとうの地方の中小企業が、これによって金融の梗塞を来たすことがないのかどうか、それを心配いたしているわけであります。また、東京ばかりではありませんで、相互銀行は相互に各県を離れて支店を設けている。自分のくにのことですから、自分のくにのことを言いますけれども、山形の相互銀行は仙台に支店を出す。仙台もたいしたところではございませんけれども、山形よりは仙台のほうが融資に向くところがあるわけです。そういたしますと、山形に融資しないで仙台に融資される、そういう面がありますので、よほど気をつけませんと、地域的な優勝劣敗といいますか、そういうことが起きはしないかと思って、心配をしているわけです。そういうことのないようにひとつ十分に気をつけていただきたいと思うのであります。 もう一つは、最近地方銀行や相互銀行が都市銀行の系列、といっても株を持つわけではありませんから、系列ともいえないかもしれませんけれども、その系列に入る傾向がありますが、どういうふうにお考えになりますか。
○近藤政府委員 ただいまお示しがありましたように、資本参加とか重役派遣とかいうような系列化は全くございません。ただ、おっしゃいますように、業務提携的な系列化と申しますか、そういう広い意味での系列化は確かに非常に進んでおります。これはおもな目的は顧客に対するサービスの拡充と申しますか、そういうお互いの間の機械化、事務の合理化、連携強化によってお客さんに対するサービスを強めていこうというあらわれである限りは、私ども歓迎だと考えております。
○華山分科員 その面までは私もいいと思いますけれども、大体地方の銀行には大銀行の天下りがありますね。顧問というふうな形で来られるかどうか別にいたしまして、その面で、大銀行で資金が必要な場合には地方銀行からできるだけ引き上げて——引き上げるといいますか、銀行間の融資が行なわれる、こういうふうになることを私はおそれているわけなんです。 それでもう一つの問題は、銀行の預金金利を競争に持っていこうというお考えのようですが、これはやはりこのことが進むことによって、中小企業銀行のコストが高いんですから、そこに無理が出てくるのじゃないか。したがって、コストの低いもの、低いものにと資金を貸したがる。そういうことによって中小企業への圧迫が起きてくるのじゃないかということを心配いたしますが、どうでしょうか。
○近藤政府委員 ただいま御指摘のありましたような観点から、預金金利の自由化というふうなことにつきましても激変を避けるという方向でいろいろ考えております。したがいまして、急にそれが変わってきて、いまおっしゃったような傾向が直ちに出てくるというようなことはまずあるまいかと存じておりますが、ただ、長い目で見た方向といたしましては、先ほど私が申し上げましたように、やはり規模の競争ではない、質の競争ということが金融機関相互の間で行なわれるということが望ましいことでございます。経営効率をできるだけ発揮していく、同時にまた顧客に対するサービスを充実する、その二つが両々相まちませんと完全な銀行経営になりませんので、その意味におきまして、預金金利についても弾力的な考え方を長期的にしてまいりたい。だがすぐには激変を緩和するような措置を十分にとってまいりたい、そういうことを考えております。 それからまた、いま御心配のございました貸し出し先についていろいろな変化があるのではないかということでございますが、これはさっき申し上げました中堅優良企業あたりがただいま娘一人に婿何人というような情勢にございます点から見ましても、それほどの心配はないのじゃないかというふうに考えております。
○華山分科員 配当も自由にされるそうですけれども、私は配当というものの銀行における負担はそう大したことはないと思いますし、めちゃくちゃな配当もしないと思いますから、中小企業銀行についてあまり大した圧力にはならないと思うのですが、先ほど申しました預金金利の面では行き先重大な問題ができるのじゃないのか、こういうふうな気もいたしますので、私はこの中小企業金融機関を守り、これによって中小企業金融を後退させるようなことのないように、ひとつ十分に慎重に御配慮の上、進めていただきたいと思うわけであります。 それから、中小企業について私実情を見ておりますと、これは銀行の言い分なのかもしれません。特に山形県のような場所はひどいのかもしれませんが、よく言われることは、金融先が一般官庁向きに行く、官庁から吸われる、このことのために中小企業の御要望に応ずることができないという声を聞くわけであります。たとえば、地方債計画を見ますと縁故債がございますが、銀行縁故債は三十五年には四十億円程度だったものが、ことしの地方財政計画によりますと一千九百二十億円になっている。毎年毎年増しまして、四十一年の不況の年に飛躍したのでありますが、その後ちょっと下がりましたけれども、また四十五年は四十一年をこしているわけです。そういうふうな縁故債にも見られるとおり、そういう資金が多い。したがって、民間には回らないんだということが言われる。私、大銀行はどんなふうだかよく存じませんけれども、こういう傾向があるのであります。 それから、時間もありませんから申しますが、この財政計画の銀行等の縁故資金ばかりじゃないですね。私よく調べようと思ったんですが、まだきょうもはっきりいたしませんでしたが、このほかに鉄道利用債というものがある。鉄道利用債は東京にはないという話です。地方に参りますと、国鉄が建設をする場合に、ある一部でしょうけれども縁故債を持たせる。そうしますと、この縁故債は県庁等には要望してくるのですけれども、県庁にそのような金のあるはずがない。したがって、県庁等のあっせんによって地方の銀行がこれを引き受けるわけです。それで地方では利用債と一般金利との差額を県や関係市町村で引き受けるということが行なわれているわけです。その他、たとえば起債の部分に入らない場合でも、県庁が、いろいろな公団みたいな、そういうふうなものをつくる、その際に自己資金も出しますけれども、一面金融機関に金融を仰ぐ、出資を仰ぐというふうなことが非常に多くなってきておる。こういうことのために、地方の銀行が府県等の金庫等もやっておる関係もありますし、大口に貸せば手数がかからなくてコストが高くならないという関係もありますので、そういう面における地方における銀行に対する要求が一般中小企業の資金を圧迫しているんじゃないか、私はこういうふうにも考えますし、またそういうことをよく言います。これは銀行が口実にしているのかなとも思いますけれども、よく言われるのです。これは一体どういうものでしょうか、実態をお調べになったことがございますでしょうか。
○近藤政府委員 ただいま御指摘の点は確かに一つの注目すべき問題だと存じております。たとえば地方銀行におきまして、いまおっしゃいましたような種類の地方自治体の関係の債券の保有あるいは貸し付け、そういったようなものが年間三〇%ぐらいもふえ、そして現在、たとえば地方銀行で申しますと、資金量総額の五%がそういうもので占められているといったような実態になっておるわけでございまして、これは確かに一つの注目すべき現象でございますが、ただこれをどう判断すべきか、あるいはそういう地方の自治体の財政規模の拡大、地域開発の進展というようなことを通じまして、これがまた地元の産業、企業にはね返ってくる分量がどのくらいあるものか、その辺についての考慮もひとつしなければならないことと、それからもう一つは、そちらの地方自治体のほうに対する資金供給もふえつつあるわけでございますが、同時に中小企業のシェアも非常に高まっておるということも事実でございます。たとえば地方銀行でまいりますと五四、五%ぐらいのシェアでございましたのが、いま五六・四%ぐらいのところまで来ております。こういう状況でありますということは、いまの段階ではこれはあまり目にかどを立てるというほどのことではないかというふうに考えております。
○華山分科員 確かに統計で見ますと、地方の金融機関の中小企業への貸し出しは、昨年から見ますと、今年の一月あたりは上がっております。しかし、それでいいというのじゃあるまいと私は思うのです。やはりいまの当面の問題もありますし、今後金融機関の競争ということになりますれば、どうしたって地方の中小銀行は中小企業向けのものはコストが高い、これは現実なんでございますから、どうしてもそれを避けようとする一般の現象は出てくると私は思う。どうぞそういう面のないようにひとつ具体的にお考えになっておいていただきたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○大野主査 宮井泰良君。
○宮井分科員 まず最初に福田大蔵大臣にお尋ねをいたします。 国有財産の管理、払い下げにつきまして、基本的な方針はどのようになっておりますか、お聞かせを願いたいと思います。
○福田国務大臣 国有財産につきましては、こまかいところは格別といたしまして、まとまった大きな土地につきましてはそう簡単にこれが処分はいたさない、こういう基本的な考え方を持っております。 しかし、それを処分する場合におきましても、適正な方法で適正な価格で、しかも相手は国の用途あるいは公共の用途ということを優先してやっていきたい、かような考えでございます。
○宮井分科員 できるだけわかりやすく、詳しく御説明をお願いしておきます。 次に、国有地の払い下げの昨年度の実績はどのようになっておるでしょうか、お聞かせを願いたいと思います。
○岩尾政府委員 国有財産の払い下げ実績でございますが、大蔵省所管の一般会計の普通財産につきましては、四十三年度中に払い下げた実績は、売り払い件数が一万二百九十六件、譲与が五百七十五件、合わせまして一万八百七十一件でございます。それから数量は、売り払いが二千三十六万二千平米、それから譲与が二百五十万平米、合わせまして二千二百八十七万平米、区画にいたしまして、払い下げの売り払いが百六十三億二千六百万円、譲与のほうが、かりに評価をいたしますと二十五億一千百万円、合わせまして百八十八億三千七百万円ということになっております。
○宮井分科員 そこで少し具体的なお話に入るわけですが、私がここでお尋ねしたいことは、山口大学の旧農学部あと地のことについてでございます。 この土地の経緯を申し上げますと、昭和二十二年山口大学農学部の設置につきまして、下関市との話が出て、昭和二十四年に決定いたしまして、下関市の協力によって、山口県から国へ寄付いたしております。その後、昭和三十年、三十一年ごろから同農学部の移転問題が起きておったようでございます。やがて昭和三十九年四月、国立学校特別会計法が制定されまして、国立学校特別会計所属財産となっております。そして昭和四十一年十月、同農学部を山口市に統合移転し、今日に至っております。 この国立学校特別会計所属財産というのはどのようなもので、管理はどうなっているか、文部省との関係はどうかということをお聞きしたいと思います。
○岩尾政府委員 国立学校特会と申しますのは、昔はございましたが、戦後なかったのですけれども、授業料とかあるいは土地の売り払い収入とか、そういったものを根幹にして特別会計をつくろうじゃないかということになりまして、いまお話しのございましたように、四十一年に特別会計を一般会計から独立させまして区分整理をするということをやったわけであります。従来の国立学校、大学、高等学校、中学、小学校とございますが、おもに大学ですけれども、そういうものを中心にその管理運営を行なう会計、こういうふうに御理解いただきたいと思います。 そこで、その会計の持っております財産は、まず国有財産法におきましては、各省各庁の長が管理する財産ということと、それから一般会計と特別会計財産ということで二つ考え方があるわけでございますが、本件のような場合には、学校特別会計を所管いたします文部大臣が管理運営を行なうということになっております。
○宮井分科員 そうしますと、文部省の関係で財産となっているのならば、そのあと地利用といたしまして教育関係の施設でないといけないのか、またその処理状況につきまして説明をお願いしたいと思います。
○岩尾政府委員 ただいま申しましたように、学校特別会計におきましても、行政財産もあれば普通財産もあるわけでございます。そこで、行政財産はもちろん学校の目的のために使うわけでございますが、普通財産を処分する場合にどういうふうに処分するかというのは、特に学校でないといけないということはございません。先ほど大蔵大臣がお答えになりましたように、公的かつ公共的に有効に使うということでございます。なお、実際上の手続といたしましては、文部大臣が所管いたしておりますけれども、こういったような普通財産の処分につきましては、大蔵省のほうに依頼がございまして、その事務を委託を受けて現地の財務局長がやっておる、こういう現状でございます。
○宮井分科員 そこでさらに具体的に話が入りますが、現在この土地は、詳しく申し上げますと、下関市大字豊浦村字八幡、七千五十四・五一平方メートル、同じく同土地で二千六百四十六・六一平方メートル、それからもう一つ離れたところに豊浦村字江下、ここに一万一千八百九十・八四平方メートル、詳しく申し上げますと、この土地が現在建造物がなくて、荒れ地になっております。国道沿いに長く伸びた土地であり、国道を隔てて臨海工業地帯となっております。利用目的といたしましては、学校を建設することも考えられますが、運動場が取れないということと、一部鉄道路線に沿っているために騒音が大体八十ホン以上をこえる場合があります。したがって、工業地帯を控えていることも考慮いたしまして、公害防止のためにも緑地帯あるいは運動公園に利用したら最適であるとの地元の方の意見が出ておりますが、そういった場合の払い下げる件について、どのような方針になっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○岩尾政府委員 本件の払い下げにつきましては、いま先生より申されましたように、山口への移転に伴いまして残った土地がいろいろございまして、各県それぞれについての要望があるわけでございます。 それで、お話しの件はどの分であるか、私は現地を見ておりませんのでよくわかりませんが、私の聞いております範囲内では、先ほど先生からるる申されましたような経緯で取得をしたものと、結局国立学校特別会計の所属財産になっておるものと、そうでない、いま農林省のほうで所管をしておるようなものもあるやに聞いておりますが、この国立学校のほうのものであれば、いま申し上げましたように文部大臣の御判断がもちろん必要でございますけれども、その委託を受けまして私らのほうで十分現地の状況を聞き、先ほど申したような方針でお話し合いに応じていきたい、こういうつもりでおります。
○宮井分科員 さらに、先ほど述べました土地から少し離れましたところに、詳しく申しますと、大字清末字時末という四万二千九百九十五・〇二平方メートル、これが農学部の実習農地であった関係で畑となっているところでございます。これは詳しく言いますと五千八百八十六・一二平方メートル、そのまん中を中国縦貫道が通るようになっており、ここが二分断されます。付近は静かな樹木に囲まれまして田園地帯であるために、また近くに学校もございますし、住宅用地に払い下げてもらいたいとの意向が地元にございますが、この点はどうでございましょうか。
○岩尾政府委員 ただいま申されましたのは、先ほど私の申した農林省の関係の自作農創設特別会計の所属の普通財産のことであろうと思います。この土地につきましては、農林省のほうといたしましては、自作農創設特別会計の所属財産ということで、農地法に基づく売り渡し手続を進めようとしておったわけでございますが、ただいま先生の申されたような地元からの意見もございましたので、現在その処分を保留しているというふうに聞いております。今後どういうように農林省のほうでお考えになるかということは私どもまだ聞いておりませんが、先生の御意見を十分参考にして相談をしていきたいと思います。
○宮井分科員 それでは最後にお尋ねいたします。 同じようなことになりますが、いま述べました土地と別個に、下関市乃木浜というところに二十六ヘクタール、これは同じく山口大学農学部の農業用地となっていたところがございます。二、三年前に農地にとの話も出たようでございますが、農地にするほどの価値もない、盛り土をするにはばく大な資金が必要とのことで保留されておるそうでございます。下関市といたしましては、どのような利用目的であれば払い下げるか、あるいはまた住宅用地、産業道路、緑地帯にとの一部の声もございますか、その点をお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○岩尾政府委員 私、先ほど申したように、現地を知りませんので正確なあれはできませんが、いま申されましたようなところにつきましては、自作農創設特別会計所属のものであれば、農地法の精神に従いまして原所有者にまず返すということになりますが、それ以外のものであれば一般に公共的に適正な方法で売り渡すということになさるはずでございます。したがって、そういう方針で私どものほうは処理いたしたい、そういうふうに考えております。
○大野主査 辻原弘市君。
○辻原分科員 短い時間でありますから、問題を一つだけ大臣、それから関係政府委員の皆さんに伺っておきたいと思います。 それは同和対策に関することであります。まず最初に大臣からいわゆる同和問題というものに対する大蔵大臣としての御認識をひとつ伺っておきたいと思います。
○福田国務大臣 同和問題につきましては、昨年四党で協議をいたしまして、同和対策事業特別措置法また同和対策事業長期計画、この二つが成立をいたしたわけです。これは明治以来といっていいくらいかと思いますが、画期的なものである。この同和対策は十カ年をもってひとつ完了したいという意気込みを持っておる法案であり、計画でありますが、ぜひこれを実現いたしたい、かように考えております。
○辻原分科員 お話のごとく、多年の懸案でありました特別措置法が昨年七月、四党の共同一致によりまして成立を見ました。いま大臣がおっしゃったとおりであります。 そこで、まさにお話のように画期的なものである、これを推進し、実行していきたいといういまの大臣のおことばでありますが、来年度予算に盛られておるその予算の内容において、いま大臣が言明をなさいました明治以来の多年の懸案である同和問題がかなり解決をされる、いわゆる改善事業そのものがかなり改善、解決をされると大蔵大臣としてお考えになっておられるかどうか、その御認識をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○福田国務大臣 この十カ年計画は、申し上げるまでもないことですが、前期、後期と分かれております。まあ前期では荒っぽい計画の推進、また後期におきましてはこれをきめこまかく事後処理をする、こういうことになりますが、四十五年度予算では、一般会計予算におきまして四十二億円、さらにまだ同和対策事業として特定はいたしておりませんけれども、あるいは住宅対策費の中に、あるいは下水道費の中に、これからこの個所づけを行なうわけでありますが、これを個所づけによりまして同和対策と指定されるものがかなり多額なものがあるであろう、こういうふうに見ております。数十億円と見ております。さらに、この同和対策は地方自治団体が主軸になる、こういうことでございますが、地方財政計画におきましては四十五年度から初めて同和対策事業特別ワクを七十億円設定いたしましてこれが推進に当たらしめたい、かように計画をいたしておるわけであります。
○辻原分科員 いま大臣がお話しになりましたいわゆる十カ年計画そのものでありますが、この十カ年計画を樹立されたその基礎は、どういうデータ、またどういうような調査をもとに立案をせられたか、それについて伺いたいと思います。
○福田国務大臣 二、三年前に同和対策にどういう施設を必要とするか、そういう調査をいたしまして、それを基礎にいたしまして十カ年計画が策定をされたわけであります。これは四党で十分話し合いをいたしまして、こういう骨格であろうというきまり方になっておるわけであります。それにのっとってただいま予算化をやっておる、こういうふうに御了承願います。
○辻原分科員 お話のように、四十二年の調査に基づいて十カ年計画を立てられているやに私は聞いております。ただそこで問題は、同和対策審議会の答申が生まれ、特別措置法ができ、全国的にこの問題に対する新しい関心と意欲が今日わいてきております。そうなりますと、四十二年と申せば、時間的にももうすでに三年を経過しておるのでありますから、最近の社会情勢の動きから見ますと、必ずしもそのデータは新しいとは申せません。したがって、十カ年計画というものはもちろん長期的展望のもとにつくられるのでありますから、一定時限を調査の時点として設定しなければならぬことはわかりますが、しかし時々刻々動いていく社会情勢に対応し、また関係地区あるいは市町村、都道府県等のその後における熱心な計画等を入れられるためにも、もう少し新しいデータをこの計画に加味していく必要があるのではなかろうか、私はこう最近の実情を見て実は考えておるのであります。これはもちろん大蔵大臣だけの所管ではございませんけれども、しかし、何といいましても、対策事業そのものでありますから、これは金が伴います。したがって、大蔵大臣の指導的な役割りというものが非常に大切なものになるのではなかろうか、こう考えますので、その点について何か御所見がおありになりまするならばお答えをいただいておきたいと思います。
○福田国務大臣 昨年十カ年計画ができたばかりなんです。しかもこの十カ年計画は四党でかなり練りに練ってつくり上げた計画なんでありまして、今日この段階で手直しということは考えておりません。しかし、これを実施してみると、あるいはそれは不要であったというものも出てくるかもしれぬ、あるいはプラスしなければならぬというものも出てこないとも限らぬ、それらは弾力的に対処しなければならぬというふうに考えます。特に後期五カ年ですね、この五カ年の具体化にあたりましては、そういう点を特に重視する必要があるのじゃなかろうか、このように考えております。
○辻原分科員 それからもう一つ大事なことは、全般の同和対策事業についての国、地方公共団体のいわゆる推進のための十カ年計画と並んで、それぞれ対象地区を含む市町村では、新しい改善事業、同和対策事業を推進するそれぞれの市町村プランというものを積極的につくっております。いわばこれは最近の都市における都市構造改善、あるいは過疎地帯におけるいわゆる山村の構造改善等と並んで、いわゆる対象地区をなからしめるための新しい町村プラン、これがかなり具体的に作成をされて推進をされております。 そこで私がお尋ねをしておきたい重要な点は、この特別措置法を見れば明らかでありますように、これは全般としての対象地区における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上、これが目的であります。したがって、その事業内容とするところは、そこの法律に列挙して書かれておりますように、非常に広範多岐にわたる。だからこれをもしばらばらに、非能率、非効率にやりましたならば、これはせっかくの立法の趣旨あるいは予算上の措置も十分な効果をあげることはできないんじゃないかという心配がある。そこで、新しいそういうプランを策定をした町村に対しては、でき得ればこれを国が直接指導をして、ある意味においてはモデル的な改善事業の地区とし、それに集中的に、また総合的に国の援助等を充当してりっぱなものをつくり上げていく、そういうことが、私は、この立法が行なわれました後における改善事業としては非常に大切なことではないか、しかも私は具体的な個所は名前はあげませんけれども、そういうことで非常に積極的に全地域運動が起きているようなところがございます。総合的かつ効率的におやりになることが必要だということを私は申し上げているわけでありますから、そういうことについて大臣としても積極的にこれを取り上げ、推進していくというお考えがあるかどうか、この点を承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 この対策事業は、中央でいいますと、各省にまたがるわけです。また県におきましては、各部局にまたがる問題です。でありますから、これがばらばらに実行されるというようなことになると、これは御指摘の村づくり、町づくりという上に支障がありはしないか、そういうふうに考えます。そういうようなことで、これはもう各市町村ごとに一つの総合計画というものを立てて、それにのっとってやるということが必要であろう、こういうふうに思います。 そういう見地から、まずこの推進主体として重要な地方自治団体、これがどういう財政需要を必要とするかというようなことにつきましては、地方財政需要として交付金の算定上も計算されることでもありますし、また地方債特別ワク、これを配分するという上におきましても、自治省はそういう方向の指導——と言うと悪いけれども、配意をするであろうし、私ども大蔵省としては直接接触するところは少のうございますけれども、総合的にこの施策が進められるように協力をいたしたい、かように考えます。
○辻原分科員 これは政府委員の方でけっこうでありますが、いま大臣がおっしゃった総合的なことを具体的に指導、また実施に移すという行政面での取り扱いについて、少し伺っておきたいと思います。これは大臣が、私も抽象的に伺ったのだが、大臣のお答えも抽象的であったわけですが、すでに町村ではそういうプランができ、それが要請されております。そういたしますと、従来のやり方からするならば、たとえば起債の必要なものは自治省を通して起債をやる、あるいは厚生省所管のものは厚生省が、文部省所管の教育については教育関係の予算、これは結果的にはてんでんばらばらになるわけであります。それでは町づくり、村づくり、いわゆる地方の改善ということでは必ずしも一体的なものにならぬのじゃないか、総合的なものにならぬじゃないか、私はこう考える。ですから、やり方としてもっと具体的なことを考えられておるかどうか。やり方をこうこうやるのだ、町村からあがったその一つのプランをどういうふうに扱ってどういうふうな指導をするんだということをひとつ実際の行政を担当する方々から一ぺん伺ってみたい。
○船後政府委員 同和対策関係は各省広くまたがっております。ところが、これを現地に参りますと、総合的に遂行しなければならぬ。過去におきましてもモデル地区というような考え方のもとにこの事業を推進した例があるわけでございますが、今度の新しいこの対策特別措置法のもとにおいて、どういうやり方で事業の効果的な執行をしていくか、非常に重要な問題だと思います。 先生からこれを重点的に総合的にやったらどうかというようなお話もございました。現在内閣にございます内閣審議室で取りまとめをいたしておりますが、実行にあたりましては、そのような方法も考えるというような線で検討中でございます。具体的な案ができますれば、執行上円滑にまいるようにわれわれも十分協力いたしたいと考えております。
○辻原分科員 それで、私はこれからの取り扱いをここできちっと確かめておきたいと実は思っているのです。まず町村では、改善事業の新しい町村づくり十カ年計画なら十カ年計画を策定をした、それに即して毎年こま切れの予算をちょっとばかりつけてもらって従来やってきたような、そういう事業の推進ではなくて、十年先にはこういうものが一つのものとして実際にでき上がるんだという青写真を今日からでも描いておけるこういったことを強く希望しているわけです。そういたしますと、市町村がそれを主管してそういうプランをつくった、都道府県と協議いたします、それから国にその問題を提示する場合に、いまお話しのような内閣審議室なら審議室にそれを提示して、内閣審議室がそれを総合的なものとして各省とお話し合いを願えるという指導を行なってもらえるのかどうか。ここらの点は政府部内としてどういうような話し合いになっておりますか。そうでなければ、口では総合とかあるいは長期プランとかいいますけれども、実際はいままでやってきた方法と何ら変わりはない、こういうことになるわけですから、何かもう少し国の積極的な調整機関があっていいんじゃないか、こう私は考えるのです。もちろん内閣審議室も従来ともそういうことでおやりになっていることは私は否定はいたしませんが、私も二十数年来この問題を扱ってまいりまして、毎年度いろいろな予算の問題にタッチいたしましても、結局各省各省で御熱心にはおやりになるのだけれども、その熱心の度合いにも差がありますし、なかなか総合的にというようなわけにはいままではいきませんでした。しかし、いままでとは違って、そういうことでは困るから、ひとつ特別立法をやってもらいたいというので特別立法が生まれて、初めてついた予算なんです。それを今度は執行するわけですから、その運用の当初にあたって、私はもう少しこれらの点を皆さんにも御認識をいただきたいし、もう少し行政的な指導といいますか、総合的な面における何かセクションプランがあってもいいんじゃないか、こう考えるものだから、くどいようですが、その点を申し上げているわけです。どういう経路でどういうふうに扱って、結果としてこういう指導をいたしますということが言えれば、私はこの機会におっしゃっておいていただきたいと思います。
○船後政府委員 大蔵省が直接執行する予算ではございません。しかし、どこかに地方に総合的に計画的に考える部局が必要なことは、御指摘のとおりでございます。現在内閣審議室がその役割りを果たしておると思いますが、本年度の予算の執行過程におきましては、先生の御提案になりましたような御趣旨で、より効率的かつ総合的に予算の執行が可能なように、審議室並びに関係省庁とも十分協議いたしまして実行いたしたい。これにつきましては、私どものほうも十分の協力をしたい、かように考えております。
○辻原分科員 長期的かつ総合的というのは私も非常によくわかるのですが、それをほんとうに具体的にどうするかということがせっかくの法律の趣旨を生かすか生かさぬかのかなめだと思う。ですから、内閣審議室は従来からありましたし、従来からも若干の指導もされておったし、各省もあれしましたけれども、それはこう言っちゃ申しわけないが、事、予算の執行ということになりましたならば、必ずしも内閣審議室が実質的な調整機関になれるかどうかちょっと疑問があります。そういう意味で、いま後段におっしゃったように、いま一度総合的に地方のそういうプランを受けて実施し、地方の期待にこたえられ得る、そういうためにはどうすればいいのか。これは行政当局としては行政の中でお考えになることでありますから、それを至急に私は御相談いただきたいと思う。そのことをお尋ねしているわけです。いままでのシステムでは、私は必ずしも十分とは申せない。だからこれは新しい初年度の予算の執行に入るわけだから、何かその際に総合的なことがほんとうにやれるようにひとつくふう、改善をお願いしているわけですが、これはひとつ早急に関係各省で御相談願いたい。そうでなければ予算は生きませんよ、私の経験から申しますると。またぞろ同じようなことでこの法律は空文に終わる。若干の起債等のワクが設定されたというだけで、少しふえたというだけにとどまって、また長い間の運動に対して失望を与えるということになりますから、もう少し何かくふうをしていただきたい。これはくどいようですけれども、もう一ぺん大臣からも、これについてお考えを承りたい。
○福田国務大臣 おそらく辻原さんのお話は、十カ年の展望を絵に描いて各村ごとにあるいは町ごとにそういう計画を持て、こういうお話だと思います。これはかなりむずかしい作業になるのじゃないかと思いますが、意のあるところは私も全く同感です。できる限り総合的な計画に従って毎年毎年の予算化が行なわれる、こういうふうに私どもとしても協力をいたしていきます。
○辻原分科員 私は和歌山県なんですが、実は私のほうの和歌山県でも、これは県と議会が非常に積極的に長年この問題を取り上げてやっております。議会の中に置かれておる同和対策の委員会においても、最近非常に強い意見を出してきております。というのは、対象地区の中でも、もうすでにそういう町村改造のプランを非常に精密なものを策定して、県に要望している町村があります。その中で、これを実行する際に、実現していくためにはなかなか従来の方針ではいかぬだろう、場合によると国が直轄ででもやっていただくような、そういう方針に踏み切ってもらいたいという強い希望すら出てきているわけなんです。それほどの強い決意でもって当たらないと、なかなかこの改善事業というのはいかぬのじゃないか。私は、いま直轄云々の議論をいたしましても、これはすれ違いになりますから、申し上げませんけれども、それほど強い希望が出ているわけなんです。そういう意味で、全部の対象地区にすべての計画を策定させろという意味を申しておるのではございませんで、非常に積極的な地域がそういうプランを持った場合に、それを生かしてやってもらいたい。国が十分にそれにこたえられるような行政機関としてのあり方を示してもらいたい。それには総合的にやる中心のセクションがなければいかぬのじゃないか、こういうことを申し上げておるのであります。そういうふうにひとつ御理解を願っておきたいと思います。 それから、先ほど大臣から予算についてお話がございました。これは大臣でなくてもけっこうでありますが、私の把握しているところでは、直接いわゆる同和対策予算として計上せられておる分は、予期に反して非常に少ないようであります。地方の改善事業に伴う予算措置、これを全国的に集計いたしてみますると、約百億近い金になっておりますが、それに対応する国の直接費というものはきわめて少ない。私の把握している金額では二億五千万程度にしか当たらぬと思いますが、これはいかがでしょうか。
○船後政府委員 国が同和対策予算といたしまして計上しておりますのが、四十五年度で四十二億三千六百万で、このうち国が直接行なう事業、こういうことになりますと、結局、総理本府とか法務省とか、こういった省庁の予算が同和対策事業の中心をなす。厚生省あるいは農林省、こういったところの予算は、たいてい補助事業として遂行する仕組みになっております。そういった関係上、国の直接費は少ない、こういうことになっておりますが、補助事業を通じてこの予算は遂行してまいるわけであります。
○辻原分科員 ここらにも今後一つの問題があるわけです。というのは、先ほど私が国の直轄事業ということを一つ申し上げた。それから大臣に、冒頭に同和問題というものに対する認識が大蔵大臣としてどうおありになるかということをお尋ね申し上げた。時間がありませんから、私はその理念の議論をここでするつもりはございませんけれども、一般的にも昔から二つの考え方がございます。いわゆる同和対策として表に出さずに一般の中でそれをやっていけばいいじゃないか、こういう考え方と、いやそうではないんだ、あくまでも同和対策というものをストレートにそのまま直接的な対象としてそれを別途にやるべきだ、こういう意見、これは長い間、理念的にも論争してきました。また実際の扱いの上でもそういうことが毎年次、これは厚生省の方々あるいは内閣審議室ではよくご存じだと思いますけれども、これは議論されてきた。いま国が同和対策事業として銘打った限り、従来のやり方から一歩前進をしてもらわなければならぬ。その意味は、いわゆる直轄費をふやしなさいという意味なんですよ。一般の住宅建設の中にそういう配慮をいたします、あるいは教育予算の中にそういう配慮をいたします、こういうことでは、配慮はできても、先ほど私が申し上げているような同和対策としての新しいプランに基づいた事業を遂行するには舌足らずではないか、こういうことを申し上げたいわけです。だから、いわゆる関係費というものは国の予算の中でもふえておりますけれども、直接費は全体予算から見ますと、まことに微々たるものであります。そういう意味で、私は、できるだけ直轄的な同和対策に対する予算も今後ふやしていただくような方法をとっていただかなければならぬ、こう考えているわけであります。
○船後政府委員 先ほども申し上げましたように、同和対策事業の中身が、地方公共団体の施行する事業、こういうことになっておりまして、たとえば法務省の人種擁護の仕事、これは直轄の仕事でございます。そういった分野は非常に少ないわけでございます。やはりこの経費をふやすといたしましても、どうしても仕事の性質上限度があるのではないか、かように考えております。
○辻原分科員 大臣にその点はちょっとお考えを承っておきたいのでありますが、実際問題として、地方の改善事業を市町村あるいは都道府県に補助事業としてこれをやってもらっておっただけでは、なかなか思うように進みません。したがって、これはいささか飛躍をいたしますけれども、将来私は直接国費をもってこの種の改善事業を直轄でおやりになるような、そういう御検討、研究も、できれば進めてもらいたいと思うのですが、この点について大臣はどうお考えになりますか。
○福田国務大臣 それはなかなかむずかしいんじゃないかと思うんです。同和地区が三千余の市町村の中でどのくらいありますか、それのこまかい一つ一つの計画に国が直接関与する、こういうことは事実上もう不可能にも近いのではないか。やはりこれは自治体が地域社会の問題としてこれを取り上げて、その計画を国が助成をする、こういう方法をとるほかはないのではないか。とにかく地方の自主性を損するというようなことがあってもならないし、また現実に国が出ていって事業を遂行する、これも実際問題とすると不可能じゃないか。国は力を入れますよ。入れますが、入れ方が、国がみずから出ていってやるかどうかというと、これはもう地方の自主性にまかせる。地方の地域社会、これを地方の構想によってやっていく、こういうことかと思います。
○辻原分科員 構想はもちろんこれは地方でやります。ただ、従来これは長年やってきたわけです。一例をあげると、いまこういう問題を私の手元に持ち込んでこられている町村がありますが、たいへんに困っているわけです。たとえば、対象地区において、最近の河川の汚染から、その川で子供が泳げない。そこでその対象地区にプールをつくりたいが、非常に経済力が不足しておりますから、なかなか従来のそれに対する国の補助、若干の起債でもっては永久にそういうものが設けられない。設けられないからその地区は夏になっても子供が泳ぐことすらできない、こういうものについて、もう少し対象地区に対する援助がないものかどうか。これは一つの例であります。それから現在厚生省が所管されている隣保館、これはもちろん一つの地方の事業としてあるのですが、しかし、これなどは明らかに同和対策事業として、歴史的に見ますと、予算上生まれたものだと思うのです。しかし、それはどこの地区だってできるとは限っておりません。やはり地方負担が伴い、対象地区が多ければ多いほど——一般的にいいますと、経済力の不足しているところが多い。そういうことを考えたときに、私は明らかに改善事業として設けられておる施設ぐらいは、将来直轄ないし直轄に近い国の援助があってしかるべきではないか、そういうことを考える。そういう趣旨で御理解願えれば、それに近づける御努力がいただけるのではないか、こう思うのです。法律では、三分の二、その他いろいろございますけれども、しかし、時間があれば承りたいと思ったのでありますが、本年度予算の中においてもそう大幅に補助率あるいは実際の施行の単価、こういうものが引き上がったようには聞いておりません。そういたしますと、具体的な実施の段階になりますと、やはり経済力の不足なところは幾ら計画を進めてみたって、地方は負担にたえない、こういうことで実現がしないという結果が起こるわけであります。そういう意味で私は申し上げておるので、何かそういう方法を講じていただくことが、実際、現実に即した方法ではないか、こう思うのです。
○福田国務大臣 お気持ちはよくわかりました。わかりましたが、お気持ちを実現する方法になりますと、やはり地域社会の問題であるので、これは地方が主軸になってやる。それをやり得ない原因が財政的な事情であるというならば、あるいは地方交付税をどうするとかいろいろな方法があるわけでありますから、そういう財政の裏づけの問題としてこれは検討さるべき問題であって、国が出しゃばっていってこまかいことまでみずからやるんだということでは、なかなか解決されない問題じゃないか、そんな感じがいたします。
○辻原分科員 最後に伺っておきたいと思いますが、本年度の予算で、各省にまたがっている補助事業、厚生省、建設省、それから文部省等の従来の改善事業に関係のある予算で、補助率ないしはかくかくのワクを設定したというような予算上の特別な措置がとられている費目がありましたならば、それをひとつ具体的にお示しをいただきたいと思います。
○秋吉説明員 まず新規の項目から御説明をさせていただきます。 厚生省関係といたしましては、新たに屠畜場整備を補助対象に加えたという点が一つの注目すべき点でございます。それから、さらに保健相談指導費でございますが、これも新たに設定をいたしまして、二千万円を計上してございます……
○辻原分科員 ちょっと説明の途中で恐縮なんですが、金額は予算書を見ればわかりますから、そうじゃなくて、従来の補助率を、たとえば法律では三分の二とかいろいろありますね。そういうことで補助率をアップされた費目とか、それからもう一つは、たとえば住宅なら住宅、一般の経費の中に従来含まっておりました、そのうちで今度は同和地区に対してはおおむねこの程度の予算にした、かりに目標予算でいいますと、対象地区における校舎建築についてはこういう配慮をいたしましたというような具体的な配慮ですね、これを承りたいわけです。
○秋吉説明員 補助率の点につきましてはすでに四十四年度から実行済みでございまして、大体二分の一程度でございましたのを、原則といたしまして三分の二に引き上げております。したがって、その補助率についてはそのまま本年度においても採用しているということでございます。
○辻原分科員 それはどの範囲まで拡大されておりますか。その三分の二というのは、この法律に載っかっているもの全部じゃないでしょう。
○秋吉説明員 それは四十四年度の特別措置法ができます際に、これこれのものについては政令で特に指定をいたしまして、先ほど大臣が申し上げましたように、四党の間でいろいろ話し合いをした結果に基づきまして、すでに四十四年度措置されております。したがって、本年度においては特にその点についての変更はございません。
○辻原分科員 四党協定以後、本年度の予算の中で特別に何か配慮したものがあるかどうかということを聞いているのです。
○秋吉説明員 一般の公共事業費等につきまして、特に個所別の区分けをして予算にあらかじめ組むという問題につきましては、やはり一般のワクの中で、個々具体的に実行段階の際に実施計画の中に配慮するということになっております。この点も昨年と同じでございます。 ただ、変わっておりますのは、従来同和対策事業として特掲しなかったものにつきまして、新規項目といたしまして本年度特に計上したものはございます。それは、先ほど申し上げましたように、厚生省所管におきましては屠畜場整備費あるいはトラホームの検診員、保健相談事業につきまして新規に補助対象に設定をした。それからまた労働省の所管でございますけれども、失業保険特別会計におきまして、就職支度金につきましては一千万円新たに計上するとか、あるいは職業訓練関係の手当でございますが、技能訓練手当といいますか、それにつきましても新たに補助対象に設定する。そういった新規の補助対象の設定は今年度いたしております。
○辻原分科員 最近、地方で非常にやかましくいわれております問題は、一つは教育関係の予算、これはもちろん一般的にはPTA負担その他がかさんで、それでなくても費用分担の、公費以外のものが非常に大きいというわけで議論されておる。これが対象地区になりますと、なおさらこういう問題については大切な問題であると同時に、経費負担については敏感であります。したがって、先ほど私がちょっと例に申し上げたような教育関係予算の中におけるプールでありますとかあるいは僻地における学校建築、住宅建設、あるいはその他一般的な学校整備のための建築予算、そういう問題については何ら考慮を払われなかったのかどうか。
○秋吉説明員 僻地の問題につきましては、先生御案内のように、へき地教育振興法というのがございまして、それに基づきまして適切な予算の配慮をしております。いま御指摘の学校につきましての補助率のお話でございますが、これは、御承知のように、学校建築につきまして同和対策事業として認めることがいいかどうかという基本的な問題がございまして、特に学校建築の場合は義務教育でございまして、機会均等に、全国的に平等に施設を設けるというたてまえでございます。その意味合いからいたしまして、私どもといたしましては、同和対策事業に小中学校の義務教育施設を特定することはいかがか、こういう考え方を持っておりますし、文部省のほうでもそういう考え方を持っておるように伺います。
○辻原分科員 まさにそれは一つの理屈であることを私も承知いたしますが、実際問題としてこれがかなり大きなウエートで問題になっております。おそらく文部省関係でもそれは御承知だと思いますけれども、理論的にはいまお話しのようなことに反駁すべき何ものもありません。しかし、何らかそういう配慮があってしかるべきではないか。特に、逆に機会均等を保持するためにも、ある程度のそういうような配慮がない対象地区においては、校舎整備がおくれておる、そういう現状を考えたときに、何らかの配慮があっていいのじゃないか。これも私は一つの議論になるのじゃないかと思います。したがって、あながち理念的な議論だけで問題を処理し押されるということには、私はいささか同意しかねるのです。やはりその議論を押しまくれば、国民はすべて法のもとに平等であるのでありますから、特定してその事業をやることにも議論があるはずであります。したがって、教育問題だからといってそれをすべていわゆる同和対策事業として考えていかないということには、私は合点がいきません。だからそれはランクがあってもよろしいです。補助率とかいろいろな問題についてのランクはあっていいと思うが、何がしのそういう対象地区があればそれは十分考慮するのだというくらいのことはあっていいのじゃないかと思うのですが、大臣いかがなものでしょうね、その点は。
○福田国務大臣 なかなかむずかしい問題のように思いますが、とにかく義務教育につきましてはもう差別はしない、こういう大原則をとったわけなんです。問題はその地区の財政問題じゃないでしょうか。その地区の財政がちゃんとしておれば、学校の校舎もりっぱになるし、あるいはプールもできましょうし、どうもそっちのほうの問題であって、義務教育諸施設を同和対策については特殊なものにすべしという議論、それはちょっと飛躍し過ぎておるのではあるまいか、そんな感じがいたします。
○辻原分科員 終わりますが、これは逆ではありませんで、実情は必ずしも大臣がおっしゃったようなことではございません。実際にはそういう必要性が各地方からたくさん起きてきております。だから、機会を見て、そういう点についてもひとつ十分御検討をいただきたいと思います。 時間がだいぶ過ぎましたので、私はこれだけで終わります。
○大野主査 これにて大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。 明日は、午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十分散会