予算委員会第四分科会 第5号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/18
会議録
○大坪主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、通商産業省所管を議題とし、質疑を続けます。 この際、念のため申し上げます。質疑の持ち時間は、先例により、本務員は原則として一時間、兼務員もしくは交代で分科員となられた方は原則として三十分にとどめたいと存じます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀分科員 通産大臣にお伺いをいたしますけれども、製造工業の一般的な状態としては、生産量がふえてくればおおむね価格は安くなるというのが、私はいまの世の中の通例的なものだ、こう思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○宮澤国務大臣 従来概してそういう傾向にあったと思います。
○堀分科員 そこで、実は昨年の鉄鋼の卸売り価格というものは、全体の卸売り価格の中におきましても、たいへん上昇部分が大きくなっておるようでありまして、一月から十二月の卸売り物価の総平均の上昇に占める上昇寄与率は、鉄鋼の場合は三四・八%、非常に大きなウエートを占めておるのであります。一般的な価格について、ちょっと通産省にお答えをいただきたいのですけれども、まあ平均しまして、最近の卸売り物価を、昭和四十年を一〇〇とした指数で、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○赤澤政府委員 いま指数をさがしておりますから、ちょっとお待ちください。
○堀分科員 時間がむだですから、私のほうから申し上げることにいたします。昭和四十年平均を一〇〇といたしますと、四十五年の一月は一一三・三ということに実は相なっておるようであります。ところが、この間の生産量は、昭和四十年、一九六五年の生産量は、粗鋼で見ますと、四千百十六万トン、そうして昨年、一九六九年の暦年では八千二百十四万トンということに大体なっておるようでありますから、この間における粗鋼の生産量は、ちょうど倍になっておるわけでございますね。 そこで通産大臣にお伺いをいたしたいのでありますけれども、確かにいまの鉄鋼の平均価格というのは——これは平均価格でありますから、小型棒鋼なり中型形鋼が最近非常に上がっておりますから、一一三%の中に占めるいろいろな要素というものがありますけれども、しかしそれはそれとしても、生産量が倍になっておるということは、やはり本来ならば、平均価格においても下がるべきである、要するに棒鋼なり中型形鋼が上がってきた背景には、やはり全体としての需給関係がタイトになり過ぎているということが言えるのじゃないかと私は思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 これは非常にいろいろなおもしろい問題を含んでいると思うのでございます。いま棒鋼、中型形鋼は別にすると言われましたから、そういうこまかい分析をやめまして考えますと、確かに生産は倍になっておる。しかしそのための生産コスト、ことに限界のほうの生産コストというものは、工場建設のコストはどうしても新鋭なものほど高くなっておると考えざるを得ませんから、そういうものが価格の中に持ち込まれて、十分償却されるまでは、それが価格を上昇させるほうに立ち向かうケースがあり得るわけでございますが、これはしかし私が一方的に申し上げるごとは実はいかがかと思いますので、もう少し長期にわたって見なければなりませんが、とれだけが新鋭設備のコスト増に見合うものか、どれだけが労働賃金の上昇に見合うものか等々いろいろ検討をしませんとはっきりしたことは、私は申し上げられないように思います。
○堀分科員 ただ最近の需給関係がタイトであるということはお認めになるんじゃないでしょうか。
○宮澤国務大臣 一般に昨年あるいは最近まで需給関係がタイトだと思います。
○堀分科員 そこで通産省にお伺いしたいのは、実は昨年の九月の産構審の鉄鋼部会において、鉄鋼の需給の見通しを立てておられるわけですね。昨年の九月に四十五年度の見通しを立てられた。要するに四十五年度の需要見通しは大体幾らでしたでしょうか。
○赤澤政府委員 四十五年度の鋼材の需要でございますが、内需、輸出を合わせまして、鋼材といたしまして六千九百十八万トン、粗鋼に換算いたしますと全体といたしまして九千六百九十万トンでございます。
○堀分科員 私がいただいた資料では実はそうなっていないのです。四十五年度の粗鋼生産については八千九百四十万トンになっているのですが……。
○宮澤国務大臣 昨年の十月に立てた見通しですか。
○堀分科員 そうです。昨年の九月か十月かに四十五年度見通しを立てられたのは八千九百四十万トン、四十六年度が九千六百八十万トンです。一年タイムラグがあるような気がするのですが、そこはどうですか。
○赤澤政府委員 昨年、長期の計画とあわせまして立てましたときの見通しは、先生のおっしゃるような数字だったと思います。その後需給関係を勘案いたしまして改定いたしました数字が先ほど申し上げました数字でございます。
○堀分科員 長期見通しは、昭和四十八年の見通しが一億一千百六十万トンということに見合うものがいま私が申し上げた四十五年度の八千九百四十万トン、こうなっておるわけですね。そこでその八千九百四十万トンというのを昨年の九月にお出しになった。これは一億一千百六十万トンを積んでいくための途中経過でありますけれども、昨年の九月に出された途中経過と実際に最近改定されたものとの間に何と七百四十万トンの誤差があるということは、これは権威ある通産省の鉄鋼部会の発表として私はどうも納得ができないのです。これが百万トンやそこらの誤差ならわかりますよ、一昨年の九月ならまだわかりますよ。四十四年の九月、新たに調整されたのは年末ごろかもわかりませんが、二、三カ月の間に重要な鉄鋼需給見通しが七百四十万トン違うということはきわめて重大だと私は思うのですが、事務当局、これはどうでしょうか。
○赤澤政府委員 この点は御指摘のとおりでございますが、当時のいわゆる長期見通しと申しますのは三年ぐらい、つまり四十八年度あたりを見通しまして、過去の実績に基づいて実は考えたものであります。その後経済企画庁の新五カ年計画も着々と進んでまいりましたので、その面と最近の需給関係、特に需要部面の伸び方をさらに積み上げてみた結果がやはりアンダーエスチメートだ、もう少し大幅に上げたほうがいいということで、御承知のように長期見通しでは昭和五十年を一億五千八百万トン、こう考えまして、その辺の数字と合わせまして四十五年度の数字を考えてみまするといまの七百万トンの違い、こういうことでございます。
○堀分科員 そうするといまの新しい長期見通しで見ると、四十八年の一億一千百六十万トンというのはどのくらいに補正をされているのでしょうか。
○赤澤政府委員 これは途中経過でございますからはっきりしたことはあれでございますが、一応の数字を申し上げますと一億三千二百九十万トンでございます。
○堀分科員 わかりました。 基礎的な背景は大体これで終わりまして、最近の新聞が伝えるところによりますと稲山、永野の八幡、富士両社長は通産大臣に四十五年度の鉄鋼設備調整はしないようにという意向を非公式に伝えたと報道されておるわけですが、これは通産大臣はそういう意向を伝えられたのでございましょうか、ちょっとはっきりさしていただきたい。
○宮澤国務大臣 これはいまの段階では必ずしもいろいろな関係で明確でないのでございますけれども、本来私自身も、堀委員も御承知のように、八幡、富士の合併に自分としては賛成であったわけでございます。そしてそのころ、こういう合併ができることは少しも日本の経済に悪くないが、ただ合併ができた後には、従来やっておったいろいろなしきたりなり何なりを、もう一ぺんは考え直してみる必要はないかということを国会で申し上げたこともございます、当時経済企画庁長官の立場でございましたが。そこで合併がいよいよ実現するということになりまして、国民一般的なものの考え方も、いま言われた方々は御存じでございますし、かたがた、その方々も合併後これが一部に言われたような寡占体制等々につながることは、そういうことがあってはならないと考えておられますので、その辺の問題をやや柔軟な立場でいま考え始めておられる、その方向は必ずしも明確ではございませんけれどもというような、多少もやもやした、はっきり理解しがたい状態でございますけれども、そういうことがあるように思います。
○堀分科員 いや、いま私が伺ったのは、いろいろな発言の中から稲山さんや永野さんのお考えはわかるのですが、新聞が通産大臣に意向を伝えたと、こう報道しているものですから、だからそれはそういう意向をお聞きになったかどうか、その点をちょっと確認をしたいと思います。
○宮澤国務大臣 それにつきましては、公式には承っておりません。
○堀分科員 いまのお話は、公式にはということは、非公式には聞かれたということですね。
○宮澤国務大臣 非公式には、そういうことをお互いに話題にして、ディスカッションをいたしております。
○堀分科員 わかりました。そこで、私も当時商工委員をいたしておりましたから、商工委員会でこの新日鉄合併問題についてはいろいろと論議をしてまいりました。そしてその中で、まあ私どもの希望に反して実は合併が認められることになりました。では合併が認められた現在においていかにあるべきかということが、実はこれからの鉄鋼行政の非常に重要な問題だと思うのです。そこで私は、いま大臣がおっしゃったように、合併前と合併後は鉄鋼行政のあり方というものはやはりもとから一ぺん洗い直してみる必要がある、きわめて新しい段階に鉄鋼行政というものは移っていかなければならないという点では、私は大臣と考え方は同じであります。そこで重要な問題の一つは、やはり過去におけるいろいろな設備調整の問題に対して、少なくとも産構審鉄鋼部会なり通産省がある程度の指導的な役割りを果たしてこられたことも間違いがないと思います。ところが、まあ経済企画庁の見通しの誤差によると言われれば、何か通産省は免責されるようでありますが、私はそうは思わないのです。それはなぜかというと、経済企画庁の見通しというものは総合的な見通しであるし、少なくとも通産省は個別的にはある程度過去の実績に基づいた見通しというものを正確に把握する立場ではないのか、こう考えますと、過去における鉄鋼部会が出された見通しはいずれも相当な狂いがあるし、いま私が指摘したように、わずか数カ月前の見通しが七百四十万トンも狂うなどということになるならば、そのような低い見通しの上に立って指導した設備は、結局生産と需給の関係から見れば、望ましくないタイトな状態を引き起こす可能性というものがあり、そのことがやはり今日の状態につながっておるんじゃないのか。かつて水田さんが大蔵委員会でこういうことを——私はこれはたいへんがさつな話だと思ったのですが、鉄鋼なんというのは二〇%くらいの余剰設備があるのはあたりまえだ、こういうことを言われたことがありました。私はこの問題については少し異論があります。幾ら何でも二〇%の余剰能力がかかえられるほどいまの鉄鋼に余裕があるとは思いません。思いませんけれども、しかし常にタイト、タイトできておるこれまでの鉄鋼行政についての反省はあっていいのではないか、こう思うのであります。そこで、いみじくも稲山さんが十六日に記者会見でこういうことをおっしゃっているわけです。自主調整とは本来、業界で話し合うということで、まとまらなければ各社が自由にしてよいという意味だ、しかしこれまでの設備調整は自主調整といっても、まとまらない場合に通産大臣の裁定に従うという半強制的な面を持っている、これはひとつ考え直そうということを、実は一昨日の鉄連の会合のあとで話をされておると新聞は報道しているわけですね。そこできょうは時間が制約をされておりますから、少し端的にお伺いをしたいのであります。設備調整という問題、かねての私の主張は、大臣よく御承知のように、資本主義社会ならば企業が本来自己責任で、企業責任でやるべきことを、他からの介入によっていろいろ処理をするというのは本来間違いではないのか、企業の自己責任にまかせろというのがかねての私の主張であります。それを今日の新しい時点に立って、やはりこの際はもう一歩進めなければならぬ段階に来ておるのではないか。基本的には私は大臣とあまり考えに変わりはないと思うのです。多少立場の相違はありましょうが……。この際、通産省としてはいろいろな検討をこれからされるそうでありますけれども、この問題については検討される以前の問題ではないのかという気が私はしてしかたがない。その点をひとつ大臣からお答えをいただきたい。
○宮澤国務大臣 少しお答えが長くなりますので御了承いただきたいと思いますが、私は、基本的に自由経済社会においてなるべく当事者以外の者がいろいろなことを干渉しないということがほんとうだ、自由競争が徹底的に行なわれるということが本来の姿だというふうに考えておりますことは、よく堀委員も御承知のとおりであります。そこで、鉄鋼もここで体制の整備ができたわけでございますから、本則からいえば、そういうふうに行くのが一般論としていいのじゃないかということは、気持ちの底では考えております。考えておりますが、他方で中小のメーカーもございますし、ことに御承知のように、最近では今後の原料問題というのはたいへんなことになりそうでございますし、相当大きな資金の動くことでもあり、それらのことをいろいろ考えますと、かなり大きな業界であるだけに、群小のメーカーなり何なりが幾らでもいるというところと、国の、ことに非常に大きな基幹産業であるということと、完全に常に一緒に考えていいかどうかということについて、多少の研究がやはり要るというふうに考えております。そういうようなこともございますので、とにかく新日鉄発足という新しい事態に立って、一度その辺のことをどう考えるべきか、業界の意見もありましょうし、また役所の専門家たちの考え方もございましょう。それから産業構造審議会の方々の御意見もございましょう。そこで、予断なしに一度考え直してみたらどうだというのが、ただいまの私の立場でございます。
○堀分科員 私は検討なさることはけっこうだと思うのです。ただ私が前段の背景で申し上げてきたように、通産省としてこれまで鉄鋼部会がいろいろやっておいでになった需給見通しなりその他は、私もずいぶん鉄鋼問題を長くやっておりますけれども、率直に言って、これまで当たったためしがないわけですね。常に過小評価であった。私は常に過小評価ですよということを申し上げて、さらにその次にまた過小評価になる。もう過小評価、過小評価がずっと積み重なっている。かつて私は、この前粗鋼減産のときに予算委員会の分科会で粗鋼減産はこの期でやめるべきだということを強く主張したことがあるわけです。そのときは三木さんが大臣でございました。ところが、そのときは依然としてそのまま粗鋼減産が続けられて、それで私は、あまりにどうも情勢が悪いというので、八月の終わりごろでありましたか、ともかくも三木さんがアメリカから帰ってこられた日に大蔵委員会にお越しをいただいて、これほど鉄鋼の市況がどんどん上がってきておるのに一体いつまで粗鋼減産を続けるのだ、おかしいじゃないかという話を申し上げて、翌日粗鋼減産が解消されたという例もあるくらいで、実は過去の例を見てみますと、やはり通産省の指導というものが常に抑圧ぎみで需要のほうはそれを常に上回ってきている。私はそこにいろいろな問題があった、こう思っているわけです。これは過去のことでありますけれども、今度はその問題の上に加えて、新日鉄という新しい非常に大きな企業が発足をするという状態でありますから、これはやはり消費者の側に立つならば、少なくともいま通産大臣のおっしゃった新規設備投資がどれだけ価格の中に食い込んでおるかという問題等は、今後時間をかけて私も少し調べてみたいと思いますし、通産省の御研究の結果を私もまた承知をしたいと思いますけれども、五年間に生産量が倍になるということはこれはたいへんなことでありますから、少なくとも相当の価格の低下があっていいのにもかかわらず今日の状態を来たしていることは、需給関係をもう少しゆるめてもいいのじゃないか。需給関係をゆるめるということは、そういう需要予測をもう少し高い目に置いていいのじゃないか。いまの九千六百八十万トンは、大体私はここらだろうと思いますけれども、そうなると、いまお話しのありました四十八年が一億三千二百万トンですね、そういたしますと、いまの見通しとの間にすでに約二千万トン程度の差ができるわけですから、そうすると、これは四十五年度から四十六年度に対する設備の問題は、これまでの考え方を少し改めていいのじゃないか。しかし反面、資金のほうは非常にタイトになっておりますから、資金面から来る抑制力もあるのですから、そういう背景のあるときならば、またそれなりの配慮があって、もう少し調整を自由にしていいのじゃないかと私は思いますし、さっきお話しになった原料関係の問題も、原料関係というのは、まさにこれは通産省がお考えにならなくても、業界自体全体として考えなければならない問題であって、通産省が何とかしてくれるからわれわれはともかく設備だけつくればよろしいなどということでは、さっき申し上げた企業の自己責任は確立をされてこないと私は思いますから、どうか宮澤さんが通産大臣になられたのを機会に、もう少し業界にやらせてみる、手とり足とりで過保護をするところにやはり問題も出てくるおそれがあると思うので、少し経過を見て、悪ければまた考えてもいいと思うのです。新聞で拝見すると、大慈弥事務次官は一ぺん方針をきめたら少し長期にやりたいと言っておりますけれども、私はまだ試行錯誤の段階があっていいと思う。これまでは過保護で来たのだから一ぺん少しゆるめてみる。だめならばその時点で考えてもいいのです。先の先まで考えて、一ぺん方針をきめたら動かさないでいくのだということでは、このフラクチュエーションの大きい業界を——おまけに日本のこれからの将来の見通しなんというものは、おそらく宮澤さんもずいぶん経済の専門家だけれども、なかなかお考えになっておるとおり行っておるかどうかわからないし、私も長年経済専門にやってきて、今日の事態を三、四年前の四十年当時予想したかといえば、私も実は率直にいって予想しなかった。そういう事態が起こる日本経済でもありますから、私は当分試行錯誤があっていいと思うのです。この際、通産大臣としての考え方でけっこうです。いまここで私に確約なさる必要はありませんけれども、考え方としては一ぺん自由にしてみるという考え方、それも新日鉄というものができたことを機会に、鉄鋼価格が上がってくるのではないかという国民の不安を除去するためにも、私は通産大臣として一つの方向をお答えいただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
○宮澤国務大臣 ひとつみんなでもう一ぺん考え直してみようではないかということは、私もそう思っております。ただ、試行錯誤云々の点は、確かに私どもいろいろ先の見通しが当たりませんけれども、少なくともある方向できめる以上は、われわれの見通し得る限りではこれでだいじょうぶというような心がまえでやっていきたいと思います。
○堀分科員 だいじょうぶだという心がまえでなければもちろん困りますよ。困りますけれども、しかし、これまでがそれで来てだいじょうぶであったのなら、私も何も言わないのですよ。必ずしもだいじょうぶでなかったということは、前段で少し触れてきたわけです。率直にいいまして、鉄鋼部会という少なくとも鉄鋼に関する権威のある部会の出された見通しに、わずか二、三カ月のうちに七百四十万トンの誤差が起きるなんということは、これはやはり非常にフラクチュエーションがあるということを予想していいことではないか。そうするならば、その時点に立って正しいと思われたこと、これは私はそれでいいと思うのですよ。それが先々正しいのだから、ここで方針を固定してやろう。方針を固定する以上は非常に慎重にやって狂いのないようにしよう。幾ら慎重にやって狂いのないようにしようとしても、実態のほうが動きが大きいからこれは無理なのじゃないのか、いまの情勢では無理じゃないのかと思いますと、試行錯誤がいいと言うんじゃないですけれども、やむを得ず試行錯誤になるんじゃないかと思うのです。だからその点は、その段階段階に判断されたことに正しく処置をされるという意味で、実は調整問題も考えてもらいたい。ですから、そういう意味で、私はこういうことだと思うのです。最終的に通産省が処置されるんだということがあれば——あまりされたことはないんだろうと思うのですが、そういうことがあれば、そこでやや安易な妥協が行なわれる余地があるんじゃないか。しかし自分たちですべてやらなければならないんだと一ぺん放したときに——手を持って歩いているときは、たとえ手に力が入っていなくても、つまずいたらもたれられると思うから歩き方は違うと思うのです。しかし手を放して一人で歩けと子供が言われたときには、これは自分で十分慎重に足に力を入れて歩くと思うのですよ。その差をこの際明らかにしてもらいたいというのが基本的な私の希望であるわけです。その点についてはいかがでしょう。
○宮澤国務大臣 それはもう非常によくわかります。
○堀分科員 私がお呼びしたわけではないのでありますが、せっかく公正取引委員長が入っていらっしゃるので、最後に一ついまの鉄鋼問題に触れて、新しい公正取引委員長として、私初めて御意見を伺うわけですが、いまの新日鉄とその後の鉄鋼行政についての私と通産大臣のやりとりをお聞きいただいて、少なくとも公正取引委員会としては、現在の独禁法の考え方からしても、競争原理というものが生きるような条件を確保していくということが、私は公正取引委員会の任務だと思いますので、その点については競争原理を確保するということは、すなわち鉄鋼の設備調整については自主的に自分たちでやりなさい、そうしてそこで適切な競争が行なわれる場を広げておくということが公正取引委員長として当然考えておられなければならぬことじゃないかと思うのです。その点について委員長のお考えを伺っておきたい。
○谷村政府委員 基本的にはそういうお考えであるというふうに、私もいまお二人のお話を伺って承りましたし、またその線が日本の経済のためにもよい線であろうというふうに思います。
○堀分科員 けっこうだと思います。どうかひとつ通産省も公正取引委員会も、新日鉄という問題はすでに現実の問題なのでありますから、この新しい製鉄会社が生まれたことによって、日本の鉄の消費者、そのことはいま全国民なのであります。かつて日本国民というのは鉄ぴんと火ばちと火ばしぐらいしか使わなかったという時代から、国民一人当たり七百キログラムですか、をこえる、アメリカをしのぐ消費量になっておるという今日を考えますと、私は鉄鋼行政が国民の物価に与える影響はきわめて大きなものがあると思っておるわけであります。ですからそのことはひとつ十分お考えをいただいて、少なくとも需給関係が少しゆるいぐらいになるような考え方の上で、今後の設備投資の問題を考えていただかないと、少しゆるい目ということはさっきの二〇%などという乱暴な話ではございませんから、常にタイトであって、それが物価上昇にはね返る——さっき私が申し上げましたように、卸売り物価における寄与率が三四・八%などになるということは、これは輸入の関係だとかいろいろおっしゃいますけれども、私こまかく資料を見てみると、必ずしも輸入がこれだけにはね返っているのでなくて、需給関係の問題が非常に大きいと思うのであります。そこらをひとつ十分に勘案していただいて、通産大臣としては適切な処置をとって、私がお話し申し上げましたように、この際一回設備調整問題については通産省の手を放すという考え方で処置していただきたい、こう考えますので、その点をひとつ特に申し添えて、私は質問を終わります。
○大坪主査 川端文夫君。
○川端分科員 きょうは通産大臣に日中貿易の将来に関しての問題の二、三をお尋ねしてみたいと思うのですが、その前に、佐藤総理は、昨年の暮れの総選挙中、中国問題に前向きに努力するとして、特に日中問題は七〇年代の課題であるという発表をされているわけです。しかもそのことばのあとに、私はこの点が気になるのですが、先方が希望するならば、双方合意をし得る場所において大使級の政府間接触の道を開く用意があると発表されているのです。しかし、今国会が始まって以来の予算委員会等の質問、答弁を聞いておりますと、どうしても後退されたと思うのは、私一人ではないように思うのです。二月十七日の西村委員長の質問に答えて、近く開始される日中覚え書き交渉が双方の満足すべき結果をもたらし、その結果双方の覚書貿易事務所が日中貿易拡大のためより積極的な役割りを果たすに至ることを期待しているというお答えです。期待というおことば、こういうところにどうも満足できない面があるのですが、それはそれとして、国連における中国代表権問題については、その問題の重要性にかんがみ引き続き慎重に対処したいと考えていると答えられているわけです。私は、日本国民の大多数は、今日現在の日中関係がこのままでいいと考えている者はいないし、すみやかに明かるい打開をしてほしいと願っていると信じているわけです。佐藤総理の言われる相手国にのみ変化を求める姿勢で、はたして日中関係の打開ができるものであるかどうか、北京政府がより建設的な態度をとることを期待しとか、期待ばかりのことばを出されておるわけですが、私は中国に行って見てきておるし、北京見本市の副会長として参加した因縁もありまして、中国は長い間日本に対して被害者意識を持っているし、しかも今日の日本に対して脅威を感じている。その一面を見逃がしては日中打開の道はないと思うのです。この日中間の打開の問題が容易ではないことは私も十分わかりますけれども、佐藤さんが選挙中に言われた前向きの七〇年代の課題であるというこのことばを受けて、通産大臣は特に私が見ているところ閣僚の中でも気骨のあるお方と拝見いたしているわけですが、この日中間の貿易打開の問題に対して、貿易を通じてという立場に立って、どのような施策を考えておいでになるか、お聞かせ願いたいと思うわけです。
○宮澤国務大臣 ただいま川端委員から、日中関係がこのままでよいとは国民の多くは考えていないのではないかという御指摘がございました。総理大臣もおそらくそう考えておられるがゆえにいろいろなことをお考えであろうと私も思います。ただ北京政府に対するどういう姿勢をわが国がとるべきか、あるいは国連代表権等の問題につきましては、おそれ入りますが、別の機会にお尋ねをいただきたいと思います。私自身、通商産業行政の立場から申しますと、イデオロギーにこだわらずに、わが国と他国との貿易関係を増大していくということが、私どもの大切な仕事でございますので、北京政府に対しても、その点は基本的に同様の態度をとっておるわけでございます。
○川端分科員 角度を変えて、御存じのように自由民主党の古井喜實代議士がいま中国に日中覚え書き貿易協定のために行っておいでになるわけですが、この二十日に松村謙三先生や藤山愛一郎先生も行かれるわけです。このことは、期待しているという総理のことばを受けて、日中覚え書き貿易は形の上では民間協定のような形になっているけれども、政府のバックアップなしにはできない問題もかなりあるはずです。これに対して何か示唆をされたか。意見を出さなければなかなか行きにくかったと思うのですが、この渡航に対して、古井さんに対してどういう通産大臣としての御意見を出しておいでになったか、お聞かせ願えればありがたいと思います。
○宮澤国務大臣 私自身に限って申し上げますと、私自身は、ああいう形で日中貿易がさらにふえていくことはもとより望むことでございますので、私のできることで御便宜がはかられることならば、何でもいたしたいということは申し上げましたし、また古井さんがなさろうとする交渉に対して基本的に私ども賛成だということも申し上げました。それは私の関する限りでございます。 政府全体といたしましては、私詳しく申し上げる、また全部申し上げるほど知識がございませんけれども、その後とられました、必ずしも貿易に関係のない幾つかの個々の処置、あるいは考えられております問題等々は、佐藤総理大臣が選挙中に言われましたことの姿勢を何がしか反映しているのではないか、私はそういう観察をいたしておりますけれども、自分の所管でございませんので、具体的には申し上げることができません。
○川端分科員 私は外交上の問題をこの委員会でお尋ねしようとしているのではないが、中国の場合においては、まずもって姿勢の問題から正していかなければ、政経分離ということで単に商売だけやりたいといっても、そうはいかないという前提をやはり確認すべきではないか、こういう考え方をお持ちいただけないかどうか、お尋ねしてみたいと思います。
○宮澤国務大臣 台湾との関係がございますから、直線コースでそのことはなかなか片づかないことは、川端委員もお認めいただけると思いますが、ただわが国が、北京政府を敵視しておるというような非難はゆえのないものである、そういうようなことはないということは、個々の施策等でできるだけ先方にわかってもらいたいという努力を、政府は従来からいたしておると思うのであります。
○川端分科員 そうであるとするならば、わかってもらいたいという努力というものが国民に知らされていない。どういう努力をされたのか。われわれの知っている努力をされたという姿は、たとえば輸出入銀行の使用の問題に対して、何かしら、六年前ですか、三十九年の吉田書簡の問題にいまだに亡霊のようにとりつかれて、輸銀使用の問題では何か歯切れの悪い態度をいまだに続けておいでになる。しかも、ことばとしてはケース・バイ・ケースだ……。しからば通産大臣としては、ケース・バイ・ケースとして、どのような場合にはどう出る用意があるかというようなことを明らかにされることも、ひとつ必要ではないか。これが打開のきっかけになるという、大きな問題でなくても、積み重ね方式が必要だとするならば、輸銀の使用に対しても思い切った態度を明らかにされる必要の時期ではないかと思うのですが、この点いかがでしょう。
○宮澤国務大臣 この点につきましては、昨日も申し上げましたが、政府が輸銀の使用について北京政府に対しては輸銀を使用しないということを申さずに、ケース・バイ・ケースだと申しておるところに、その意味があると私は思っておるのであります。そういうケースは最近ないではないか、これは使えないのと同じではないかとおっしゃれば、現象的にはそうでありますが、しかし輸銀は使わないのだと決して言っていない、ケース・バイ・ケースだと言っておるところに、将来に向かっての意味を見出すことができると考えております。それならばどういう場合にケースがあり得るかということになりますと、それはそれこそ出てまいりましたケース、またそのときの広い意味での国際情勢等々を十分考えなければなりませんので、いま予断をして、こういうケースがあるということを申し上げることは、残念ながらできません。
○川端分科員 相手国のあることですから、ここで一方的に明らかにせよというのは無理であるならば、たとえば鉄鋼の開発等に対してのプラント輸出の問題、石炭の問題等、前々から話し合いがあったわけですね。そこで今回古井さんが行かれるにあたって、こういう問題に対してある程度のプライベートというか、下話はしなかったのであろうかどうかということをお聞かせ願いたい。こういう場合があれば私のほうも相談に乗りますよというくらいのことは、おみやげとして出されたのではないか、こういうこともお聞きしてみたいという気がするのです。
○宮澤国務大臣 これは通産行政だけの問題ではございませんので、したがって、古井代議士とはそういうお話は私はいたしませんでした。
○川端分科員 輸銀の問題、押しくらまんじゅうしておっても、これはなかなからちがあかぬのですが、ただこの問題を通じて、私は昨日の夕刊を見て、いみじくも日本の置かれている立場を——朝日新聞の夕刊が意識してこうやったのかどうか知りませんけれども、無意識であったかもしれぬけれども、アメリカの中国への旅行制限緩和の問題を大きく取り上げて、その横に日本の松村先生出迎えのためには、人道上の問題として迎えを出してもいいということを明らかにされたようであります。これは通産大臣の問題ではないが、中国の問題に対してはアメリカのほうを向いて、アメリカ追随であるという——ぼくは、朝日新聞ですらそういう見方に立って、こういう並べ方の記事を出したのではないか。私どもと中国とは同文同種の間柄でもあり、一衣帯水の隣の国であるわけですから、日本としてやはり独自の姿勢で、前向きであるというならば、ここらで前向きに輸銀の使用の方針をだんだんに打ち出していくべき時期であろうと考えておることもひとつ御理解願って、御考慮願いたいと思うわけです。 そこでこの問題はなかなかお答えいただけないので、ココム制限の問題に対して、二、三聞いてみたいのですが、ココムリストの制限の内容がどのような変化をもたらして今日に至っておるか、あるいは内容的な問題で明らかにできる問題があれば、お聞かせ願いたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 中共についての輸銀使用云々の問題は、われわれはアメリカとの関係を顧慮しておるわけではございませんで、台湾政府との関係について考えておる、この点は誤解はないと思いますが、どうぞお間違いないようにお願いをいたしたいと思います。 ココムの問題につきましては、ただいま政府委員からお答え申し上げます。
○後藤政府委員 ココムの申し合わせの趣旨を尊重することが、わが国の貿易、経済の健全な発展をはかるために必要である、こういう観点から外国為替及び外国貿易管理法、それに基づきます輸出貿易管理令に基づきまして、所要の輸出規制を行なっておるわけでありますが、他の一面におきまして、共産圏諸国との貿易の拡大もわが国の貿易政策上重要でございますので、ただいまおっしゃいましたココムのリスト、ココム品目につきましても、わが国といたしましては、技術の進歩等に伴いまして規制の必要性を失ったものにつきましては、逐次緩和していくという方向で、従来とも努力してまいりましたし、また将来においてもしていくべきものと考えます。こういう方針に基づきまして、ただいまの先生の御質問は、過去においてどのように輸出貿易管理令の別表に掲げられておりまする規制品目の改正を行なってきておるか、こういう御趣旨かと存じますので逐次それを申し上げます。 ただいま申し上げましたように、技術の進歩に伴いましてこの制限品目というものは漸次改正をされていっておりますが、それに伴いまして、輸出貿管令の別表の品目も改正をいたしてきておるわけであります。たとえば三十四年四月の改正によりまして四つほどの品目、三十五年五月の改正によりまして二つほど、それから四十年十一月の改正でやはり二つくらいの品目、四十一年九月の改正で二つ、四十二年三月の改正で二つ、それから四十四年十一月に約四十項目、それは全般的に緩和したものとして三十項目、一部の緩和をしたものが十項目ということでございます。全般の改正を一々申し上げませんが、この貿管令の改正を通じまして繰り返し申し上げますように、技術進歩というものによって規制する内容がおのずから変わってまいりますが、方向といたしましては、全般的に緩和されつつあるということがお答えできるかと存じます。
○川端分科員 ココム制限の問題はいわゆる東西冷戦の遺物であって、私どもはこれはまあ中国封じ込め政策の一環から今日に至っていると思うのですが、それはそれとしていろいろな国際的な関係もありますから、その本質論に触れないけれども、時間という問題があまりにも無視されているのではないか。ココム制限をされている中に、四十四年の改正後において、なお工作機械等の幾つかの制限品目が残っている。ここでは時間がありませんからもらった資料を読み上げる時間を省略いたしますけれども、たとえば歯車研摩機とかいろいろなものが残っておる。しかしながらそのようなものがいつごろ考えられたか知らぬが、今日の日本の科学技術の進歩から見て、一年という時間はいかにスピードがあるかということは技術水準から見て明らかで、御存じのとおりだと思うのです。このことは、日本だけが進んでいるという見方は少しおかしいのではないか。中国の科学技術の進歩においても核兵器を持ったり、核時代に突入しているのに、中国が依然として技術的にずいぶんおくれているという見方に立って、こういうものをいつまでも制限しておくという考え方自体の中に、日本が何か中国を下に見るという考え方の基本があるのではないか、こういう印象を持ってならないのですが、いかがですか。
○後藤政府委員 先ほどお答えいたしましたように、漸次技術の進歩、情勢の変化に伴いまして緩和の方向に参っておりますが、先生御承知のとおり、ココムというのは西欧諸国、自由圏に属しております十五カ国の申し合わせの会議でございます。したがいまして、日本のみが独自の立場で輸出貿易管理令の別表の改正をして緩和していくというやり方ではなく、全般の同意と申しますか、そういうコンセンサスが得られましたものを受けて具体的に日本の国としては輸出貿易管理令の別表品目を改正していく、こういう手順をとってくるわけでございまして、方向といたしましては、全般的に趨勢として緩和しつつあるということでございますが、常時これはココムの事務局において情勢に応じて品目の検討をいたしておりますので、そのようになってまいるかと存じます。
○川端分科員 ココムの委員会は十五カ国でパリに本部を持っていることは知っているわけですが、しかしこれは二年に一回の会議をやって、その調整をして改正をしているというふうに報告を聞いているのですが、二年という期間はあまりにもいまの時代に即応しないのではないか。しかも国内的に見ても、いまかりに受注を受けても一年でいま制限されている品目を完成して送り出すことはできないほどのものである、国内の需要もかなり高い需要のものが多いのに、二年たって会議して、それから日本に帰って検討して解除するという形に至っては、時代的に向こうから見ればかえって笑われるのではないか、こういうおそれすら感ぜられるがどうでしょう、この点は。
○後藤政府委員 先生仰せのとおり、おおむね一年半ないし二年ぐらいの時期をおいて全般的な会議は開いておるのでありますが、しかしその間常設されている事務局といたしまして常時検討いたし、十五カ国加盟国がございますので、その間それぞれに連絡をとって各国の内容を聞き、あるいはまたその意見を聞く、そういう手順をとっておりますので、必ずしもこれが一年半なり二年なりたって、そのときその間を空白に過ごしておるということではなく、申すならば実質上のそういう時勢に即応したような品目への接近ということは常時行なわれておるというように、私どもは解釈いたします。
○川端分科員 たてまえとしてはそうであっても、私は機械工作のエンジニアですからその点ではよくわかるのですが、ナンセンスに近いような制限品目をいまだに置いている。今日千分の三ミリなんというものをどえらい精度のように考えるほど日本の技術は低くないし、国際的な技術もそれ以上に進歩している。こういうものをココム制限の品目に入れておること自体が時代おくれではないかということが一つと、もう一つの面から言うならば、少なくとも日本が積極的にココム制限の緩和に努力をしておる姿勢というものは、やはり日中貿易拡大への一つの突破口になるのではないか。輸銀の問題は先ほどからの論議の中にもありましたように、政治的な問題がかなり含まれておる一面もあるけれども、技術的な面から見て中国の技術水準というものを正しく正確に把握できれば、この程度のものは出さなければおかしいではないかということをココム委員会に日本が積極的に働きかけるくらいのことはなすべきであるし、私はココム制限にもっと勇気ある態度をとるべき時期に来ているように思うのですが、いかがなものでしょう。
○後藤政府委員 先ほど来お答えいたしておりますとおり、ココムの規制につきましては緩和の方向についてもわが国としては従来とも努力をいたしてきてまいっておりますし、将来ともその方向で進むこととなると存じます。
○川端分科員 このことは日本の政府の方針、国の方針として、戦略兵器に対しては輸出しないということを明らかにして、これは何も中国だけではないのでありますから、百尺竿頭一歩を進めて、ここらでココム制限なんというものは各加盟国の自由にさせてほしい、自由にして、日本は日本の見方で、一番近い条件にある隣の国である中国に対しての輸出に対しては独自性を持たしてほしいということを言うべき時期に来ているように思うのだが、大臣はこの点はいかがでしょう。
○宮澤国務大臣 それは結局ココムを解散するかどうかということになると思うのであります。私どもとしましては、北京政府が世界の平和撹乱勢力になることを事実上助けるというようなことは避けるべきであると考えておりますから——無意味なものは制限をしても無意味でございます。しかしそのような方向に助長する危険のある、かなりそれに力をかすような品物についての輸出は、やはりしばらくそういう心配がなくなりますまで最小限の規制はすべきものであると考えるのであります。そういたしますと、これはみんなが規制しなければ意味のないことでございますから、やはり何カ国かの集合体の合意になるということになる。したがって、ココムそのものを現在廃止してしまってもいいではないかという考えは、私は持っておりません。
○川端分科員 そういたしますと、大臣の考え方からいうならば、まだまだ中国は危険な国家である。したがって当分まだ封じ込め政策の流れを日本も守る以外にはないという前提にお立ちになってのいまのお答えのように聞こえるのですが、違いましょうか。
○宮澤国務大臣 そうではございません。中国、北京政府自身が非常にかたく国を閉ざしてわれわれのいろんな働きかけにも応じない。また米国その他の働きかけにもなかなか応じないということは、完全に世界の各国と一緒になって門戸を開放してという姿勢とは違うように思う。私どもはそれが時間とともに変化してくれることを願っていますし、そのためにこそいろいろな働きかけもしておるのでございますけれども、しかし基本的なイデオロギーにおいてはいわゆる世界革命、それも必要に応じては暴力を使う世界革命も辞さないという看板をおろしてはいない現状でございますから、そういうことを助長するような施策というものは差し控えたほうがいい、こう考えておるだけでございます。
○川端分科員 これ以上になりますと見解の相違になりますが、私は中国のあの革命方式というものは中国独自なものであって、今日世界にそれを輸出しようという考え方よりは、かえって世界からの脅威を感じていろんな問題を起こしているという見方にしか立たないわけです。その意味からいうならば、やはりわれわれ、長い間日清戦争以来中国に対して迷惑をかけてきた日本としては、あたたかいまなざしをもって中国に友好の手を差し伸べることが前提でなければならぬ。そうしなければ、友好の打開はできないんだ。そこで外交の問題は別としても、やはり一つ一つ積み重ね方式でいくというならば、貿易関係の障害になっているものを取り除いていく。向こうの感情的刺激を避ける意味においても、ココム制限に対して日本が積極的に動いている、これを解散するための努力をしているんだという姿はあってしかるべきだ。しかも伝えられるところによると、今年の一月、米中会談も行なわれている。必ずしも成功しているように伝えておりませんけれども、米中会談も行なわれているさなかに、日本が依然として前に取りきめたココムのあの委員会の協定をかたく守っているというこの姿勢は、日中打開には通じないんじゃないか、貿易打開に通じない道ではないか、こういうふうに考えますが、大臣としては何か新しい道を別にお持ちになれば、お聞かせ願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほども政府委員から申し上げたと思いますが、私どもはココムのリストの内容というものを最小限のものにとどめておきたいということで、従来から緩和の主張もいたしておりますし、またココムの中で中共、北京政府とその他の国とを差別しようという考え方にも、私どもは終始反対をして今日に及んでいるわけでございます。
○川端分科員 日中問題に対して、私は特にいま流動する七〇年代といわれている時代に、自民党内閣、いわゆる政党政治である今日、内閣総理大臣が佐藤さんであるのに、自民党の中からも進んで中国との貿易打開のために、しかも八十七歳になる松村先生も行かれようとするときに、閣僚の中の通産大臣としてある程度思い切った努力をするというぐらいの態度をお示しになることは必要でないか、私はこのことをお願いし期待申し上げてこの問題を打ち切っておきます。 ただ、最後に一つ、公正取引委員会の委員長さんに来てもらっているのだから、時間がなくなりましたから、一言だけお聞きしておきたいのですが、長い間問題になっておりました、あの金融引き締めの影響の問題とあわせて、今日公取が発表している拘束預金の問題です。拘束預金が横ばいになっておるという資料を私どもいただいたわけですが、形の上では、拘束預金、歩積み、両建てをあれだけ騒がれて、特に私どもの党の春日一幸さんがしつこくというほど国会で努力された結果、拘束預金という形のものはそう強要されていないことは、現場において私どもがよく知っております。しかしながら今日の金融機関は、単に公正取引委員会が調べた拘束預金だけ減らすだけで、中小企業のために金融の道をあけておるかどうかという問題とは違うと思うのですが、そういうものの見方に立って調べたことがありますかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○谷村政府委員 私ども公正取引委員会の立場といたしましては、いわゆる公正な取引秩序を維持していくという立場におります。そういう意味で、日本の、わが国の金融機関が公正な取引秩序の上に立って行動しているかどうかということを見ておりますが、もちろんそのことは、背後には必要な役割りを日本の経済の中で十分に果たしているかどうかということも当然に踏まえなければならない問題だとは思っております。しかし具体的にたとえば拘束預金の調査なり何なりをそのこと自体において、たとえば金融機関が必要な中小企業貸し出しを十分にやっているかどうかというところまで立ち入ってやるということは、これは大蔵省の権限に属する問題でありますから、具体的な問題としてそこまでは行っていないというふうに御承知願いたいと思います。
○川端分科員 これも時間がなくなりましたから希望だけ申し上げておきますが、言うなれば、拘束預金という姿においては、ある程度いわゆる無法な状態から幾らか秩序を取り戻しつつあることは認めますけれども、中小企業に対していろんな形において、預貸率という姿においての圧力を別な形でかけておることだけは間違いない事実であるから、この問題は後日また商工委員会で申し上げる機会もあろうと思いますので、公正取引委員会として、拘束預金が減ったから中小企業の金融が緩和されてよくなっているという考え方は、ひとつ考え直した見方に立っていただきたいことを御希望申し上げておきたいと思います。 もう一つ、これも時間がなくなったから質問の形は商工委員会で申し上げますが、通産大臣にもう一つ申し上げますと、政府関係金融機関の代理貸しが、金融機関が自己資金の貸し出しのごとき態度をもって、ある程度預貸率の中にはめ込むような発言をしている事実がかなりありますが、この点に対しても十分考慮される必要があるのではないか、このことを申し上げておきたいと存じます。こまかいことはまた商工委員会で申し上げます。
○大坪主査 井上普方君。
○井上分科員 私は水資源の問題につきましてお伺いいたしたいのでありますが、特に宮澤さんは先般まで経済企画庁の長官としてやられており、またニューライトのホープであられる。わが党もいまのところしばらくは政権につけないのじゃないかと思いますので、われわれが天下を取ったときにはスムーズにそのまま皆さん方の成果がわれわれに使えるようにという立場から、ひとつ質問をしてみたいと思います。 まず第一番に、全国総合開発計画によりますと、首都圏の人口は昭和六十年には三千八百万になる。しかし、これだけ人口が膨張する首都圏における水資源を一体どうするのだ、こういうことは非常に大きい問題じゃなかろうかと思うのです。一つには、あるいは原子力産業が発達して海水の淡水化ということも行なわれるかもしれません。しかし、これとても現在のところまだまだコストの高いものでございますし、なかなか考えられない。そうなってまいりますと、利根川、あるいはまた関東地方を流れておる水、それから霞ケ浦を貯蔵湖にするという計画があるようでございますけれども、これとても足らなくなってくるというような考え方に立たざるを得ないのです。したがって、首都圏の人口が三千八百万人になった場合の水需要を一体経済企画庁はどのくらいお見込みになっておられるのか。そしてまた、生活がこう高度化いたしますと、どうしても一人当たりの水の消費量というのは多くなってくる。いまニューヨーク市民と東京市民との水の消費量の比較を見ますと、大体五分の一くらいじゃないかと思うのですね。したがって、一人当たりの水の量がどれくらいになるか。昭和六十年に、いまから手当てしなければ間に合いませんから、どのくらいの都市用水が要るのか、この点、ひとつお聞かせ願えればと思うのでございます。
○宮崎(仁)政府委員 新全国総合開発計画は、昭和六十年を目標にした計画ということになっておりまして、この中において首都圏の人口は昭和四十年の二千七百万から大体三千八百五十万くらいに増加するという一応の想定をいたしておる、こういうことでございますが、現在でも首都圏の地域では水需要が相当逼迫をいたしております。今後こういう形で人口が増加する、産業の面でもある程度の増加がございますが、そういうことになってまいりますと、格段にこの関係が深刻になる、こういう想定でございます。もともとこの計画は、大都市地域において大規模な都市改造を行ないながら、必ずしも大都市になければならないということがない、たとえば工業でありますとか教育、研究関係の機能、そういった機能はできるだけ徹底的に分散をしようということをうたっておりますが、こういった水の関係も一つの要因になるわけでございます。 したがいまして、今後この地域における水の供給をはかっていくということはなかなかたいへんなことでございますが、一応の想定といたしましては、ただいま申しましたような人口その他の動向を背景にして、昭和六十年度の都市用水の需要を推定いたしますと、これは単なる推定でございますが、首都圏で一年間約百十五億トン程度の需要が発生する、こういうように考えております。そのほか農業用水の需要等もございまして、そのまま合計しますと、利根川水系あるいは霞ケ浦、那珂川等の開発で大体一年間百億トン程度の供給が可能と見ておりますが、これでは足りなくなるというような事態が考えられるわけでございます。したがいまして、この間においていわゆる慣行水利権といわれますような農業用水の合理化の問題、あるいは首都圏の地域外からの水の供給というような道も考えなければならない。また同時に工業用水等につきましては、回収率を大幅に引き上げていくことによって合理化をはかっていく必要もある、こういうことを考えておりますが、いずれにいたしましても、今後この問題が非常に大きな困難な問題になってくる。したがいまして、国土の利用という面から基本的に対処していかなければならないというのが、この全総計画での一応の考え方でございます。
○井上分科員 私は一人当たり幾らということをいま聞いておるのです。ニューヨークの都市用水の使用量と昭和六十年の日本人の一人当たりの水の使用量はどれくらいになりますか。
○宮崎(仁)政府委員 現在東京都における一人当たりは約四百リットル程度であると思いますが、ニューヨークの数字はちょっと私いま手元に資料を持っておりませんが、この二倍強程度であったと記憶しております。今後当然この一人当たりの水の消費量というものは上がっていくという想定で、ただいま申しましたような数字もはじかれておるわけでございます。
○井上分科員 総合開発局長さん、どうもその数字は違っているのですね。ニューヨークでは八百リットルというような数字じゃないですよ。千リットルはるかにこえて、おそらく千六百リットルくらいになると思うのです。ともかくそういうような基礎的な問題が解明されぬことには将来、われわれが政権を取ったときですけれども、そのときにはどうもスムーズに行かずに困った問題が出てくるので、うまいことあなたのほうでつくってもらいたい。それであえて申し上げるのですが、いまあなたがおっしゃった都市用水百十五億トンを霞ケ浦、利根川、那珂川で解決できますか、あるいは多摩川で解決できますか。私は、富士川ないし信濃川の水をこちらに運んでこなければ解決できない、しかもおたくのこの基礎の数字が間違っておるように思われてならない。先般も安芸皎一さんに私この問題についてお伺いしたところ、東京ではいまニューヨークの市民が使っておる水の五分の一だというお話がございました。先生、それでは将来どうしますかと問いますと、やはり富士川あるいはまた日本海に流れておる信濃川、こういう川を分水するということでなければ解決できないし、そのほかにも原子力産業によるところの海水の淡水化ということを考えぬ限りは、昭和六十年代の、あるいはここ十年後の東京あるいは大阪の水不足の解消にはならない、このように言われておるのであります。全国総合開発なんというのは、これは作文ですから簡単にできるかもしれませんけれども、どうも基礎の数字をはっきりさせてくれぬと、私どもは気持ちが悪くてしようがないものですからお伺いするのです。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおり、昭和六十年ということにこの計画の目標年度をつくってありますが、それに合わした水の開発計画というような具体的な内容というものは、この計画の中には示してございません。水資源の需給の関係につきましては、別途こういった基本的な計画に基づきまして、水資源開発促進法による利根川水系の水資源計画というのがつくられておりまして、現在のものは昭和四十五年度まででございますので、これを昭和五十年度までのものに改定すべく作業中でございます。この五十年度までの計画には、霞ケ浦あるいは思川と申しておりますが、栃木県のダムその他幾つかのダムを入れて、当面五十年度までの事業をまかなう計画をつくりますが、その先ということになりますと、御指摘のように非常にむずかしい問題にぶつかってくるということでございます。当面考えておりますのは、利根川上流にかなり大きなダム群をつくらなければならない。具体的な地点は御承知の点もあると思いますが、そういったものを五十年度の後半ぐらいまでにはつくらなければならぬ。こういうものをつくるにあたりましては、やはり域外河川からの分水問題というのがどうしても課題としてあがってこようと思います。現在の時点ではまだそのような問題を具体的に持ち出すという雰囲気にもございませんので、当面昭和五十年度までの水資源計画をつくるべくいま作業中でございまして、そのほうはあと三、四カ月のうちにまとめるつもりでございます。 最初に御指摘のございました一人当たりの使用量の問題でございますが、確かにニューヨークは多うございます。これはいろいろ資料の内容について見ますと、必ずしもわが国の生活様式と比べて議論すべき問題でないようでございまして、たとえば自動車の洗車に使うというような量が相当多いとかいろいろ問題があるようでございますが、わが国の場合も、とにかく一人当たりの使用量というのが逐次上がっておりますし、今後とも上がっていくことは、これは考えざるを得ない。それを見込みまして今後の需要を考えていくわけでございますが、ただいま申しましたように、供給量の面でかなりの制約がございますので、海水の淡水化のような技術開発がこの間にできれば別でございますが、当面の問題とすれば、やはり人口、産業の配置というような面から基本的に考えていかなければいかぬということで、私どもはこの計画を考えた次第でございます。
○井上(普)分科員 あなた、これは昭和六十年を目標とした全国総合開発計画なんですよ。ここには水の需要のことを書かれています。書かれてはいますが、単位はともかく低く見て、将来摩擦が起こるようなところは全部残しているのじゃないですか。全国総合開発計画というのは、この計画自体を見ましても、まず第一番に行き詰まるのは水資源である、私はこういう感を深くするのです。あなたはアメリカの生活様式と日本の生活様式とは違うと言われる。相当違いましょう。しかし、だんだん似てきているのです。あなた、一例として洗車の水なんておっしゃいましたけれども、これでも日本ですでに洗車をやっているじゃないですか。だんだんアメリカの自動車台数と近づいているでしょう。人口三千八百五十万に首都圏はなる、そのときには百十五億トンでいい、この根拠自体がすでにもう問題がある。ましていわんや、昭和六十年といったら今後十五年後ですよ。いまから用意される必要があると思うのです。ニューライトである自民党の宮澤さん、どうでございます。この点、もう少し的確につかんだ見通しをつけてやられる必要があろうと思うのですが、どうでございますか。
○宮澤国務大臣 それはそのとおりであります。全国総合開発計画はそういう意味でいろいろ問題を提供しているのでありまして、水について、たとえば首都圏についてつじつまが合うというようなことは、おそらくその中には書いてございませんし、また実際そこまでつじつまを合わせることがいまの段階では無理であったのだと思います。しかし、御指摘のような問題は、もう確かにそうなんでありまして、これからの施策としては、先ほど宮崎局長も言っておられましたように、結局有効利用ということに私はなると思うのであります。現在の体制でも、降った雨が実際に有効に利用せられている率は非常に少ないのでありますから、そういう中で、先ほど政府委員からお話しのありましたような大きなダムの建設であるとかいうことも、有効利用の一つであります。それから慣行水利権、この問題はおそらくその時点までに、いま申しますと大きな問題になりますけれども、首都圏の生活なり産業の態様は変わってまいりますから、慣行水利権から回収できるものが相当ある。それから工場用水の回収率の引き上げ、それらはすべて現在あります水の有効利用になるわけでございます。それから原子力発電がそこまでまだ安くなりきらぬと思いますが、一部は淡水化が可能であると思います。それだけ考えまして、詰めてみましてさらにだめであるといたしますと、周辺の地域からの、たとえば信濃川でありますとか、富士川でありますとかというものを導入してくるということになるかと思います。 いずれにいたしましても、昭和五十年までの開発促進計画をいま経済企画庁を中心に立てつつありますので、とにかく五十年までの見当をつけてみたいというのが、いませいぜいのところで、全国総合開発計画で水が非常なネックになりそうだ、しかもそれについて十分解決策が与えられていないというのは、計画そのものの性格からしてやむを得ない。むしろ問題を提起しておるというふうに私は考えております。
○井上(普)分科員 昭和五十年までの計画がすでに挫折しているのです。八ツ場ダムあるいは大場ダムというものが利根川の上流でつくられつつあります。これが着工が二年延びているのです。それから霞ケ浦、あれはまたあそこの河口ぜきという問題につきましても、漁業問題等の紛糾の結果まだまだ着工にならないのです。同じように、琵琶湖におきますところの調整ダム的な要素も、これは宮崎さんも御存じのとおり、あの調整を一メートルにするか三十センチにするかというのが大問題になっているでしょう。大阪のほうの近畿圏の問題は別にいたしましても、琵琶湖において、あれだけ長い間かかってまだ解決がつかないんだから、霞ケ浦がこれから着手するのに、昭和五十年までに間に会うとは考えられないんです。また河口ぜきの問題も考えられないんです。したがって、そういうような総合的な開発計画をやはり企画庁はやられる必要があるんじゃないか。 同時に、特に宮澤さんに私は申し上げたいんだが、分水ということになってくると、あなたはいま慣行水利権ということをおっしゃるが、しかしそれよりももっと直接の問題として、電力会社の持っておる水利権というのは非常に大きな問題になってくる。これは財界のバックがありますからなかなかむずかしいです。根本さんは慣行水利権というようなことで吹き上げられておりますけれども、この慣行水利権の問題にいたしましても、考えてみますと、新河川法を制定する際に、いままでは慣行水利権の権限というものは地方自治体の首長にあった。県知事が持っておった。それを剥奪して建設大臣に取ったといういきさつがあります。これは、なぜ知事に慣行水利権というものを与えておったかといいますと、小さいところの河川の水利権というもの、これを一々明らかにすることはむずかしいので、官選時代においては知事が持っておった。その官選知事から今度は民選知事に移って、持っておる水利権というものも知事から剥奪して建設大臣が握ってしまったという歴史がある。言いかえますならば、この水利権というものの中央集権的な性格が、はっきりと現在の政治の上に出てきているのです。それにまだメスを加えようというのですから、根本さんは慣行水利権で—————するのは間違いないと私は見ておるのです。これは間違いないと思って見ております。しかし、この慣行水利権の問題は、首都圏においても農地がつぶれていってそれだけ農業用水を少なくしていくということはできるでしょう。しかしそれよりもむしろ根本的に考えるべきは、いかにして首都圏三千八百万人にも及ぶところの人口、しかも将来水需要として一人当たりの水の使用量というものは増大してくる。おそらくニューヨークに近い水需要が一人当たり要ってくるだろうと思う。その際にどうすればいいか、これはいまから考えなければならない。これが経済企画庁の仕事じゃないですか。しかも先ほどおっしゃられた利根川水系の開発も二年間おくれているんですよ。こんなことを考ると、あるいは東京砂漠がこれから現出する可能性が十分にある。小河内ダムのごときはなんですが、小河内ダムのようなのが満水することは三年に一ぺんか五年に一ぺんくらいでしょう。ともかく東京砂漠が現出する可能性が十分に出てくる。しかもそれは近い将来です。この計画でいけば二、三年後に起こってくる。そう思いませんか、経済企画庁は。
○大坪主査 ちょっとお待ちください。 ただいまの井上君の発言中に、根本さんは—————するということばがございました。これはちょっと穏当を欠くと思いますから、速記録から削除することにいたします。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のような非常に困難な問題があることは事実でございますが、利根川につきましては御指摘のありました利根河口ぜき、これはすでに着工をいたしておりまして、確かに当初の計画よりはちょっとおくれましたけれども、現在もうどんどん進行中でございますので、あと一、二年のうちにこれが水の供給に入ってくるという状況でございます。 それから霞ケ浦につきましては、水源県である茨城県との間で若干の議論がございますけれども、大体大筋はまとまってきておりまして、先ほど申しましたように、数カ月のうちに基本計画決定ができるという見通しでございまして、昭和四十五年度の予算で着工ということで、水資源公団の事業費予算を予定いたしておる次第でございます。八ツ場ダムは、確かにまだいろいろ水没地域での見通しがむずかしゅうございます。 琵琶湖につきましては滋賀県当局の考え方が非常に進んでまいりまして、ことしの夏ごろには基本的に方針をまとめたいということで、いま関係各省協力いたしまして、滋賀県の要望いたします総合開発的な事業の調査なども進めておるところでございますので、ぜひひとつ今年度内にこの計画もまとめたいと思っておる次第でございます。そういうことでやってまいりますけれども、なおかつ水の需給の関係というのは相当たいへんであるということは事実でございます。五十年度までの計画におきましても、現在利根川関係におきまして予想される需要を各県からとっておりますが、これを全部まかなうということは供給計画の面ではなかなか困難だという事態でございまして、いろいろ使用の合理化のほうもやっていただかなければなりませんし、また場合によっては今後における増設というような問題につきまして、ある程度そういう面から御遠慮を願わなければならぬという問題が出てくるのではないか、こういうようなことも考えております。 慣行水利権の問題、お話がございましたが、この問題も御指摘のように非常に長い困難な問題でございます。しかし、このように急速にこういった大都市周辺の土地利用が変わってまいっておりますので、そういった地域での農業者の方々あるいは農業団体の方々の意識もかなり変わってきておりますので、私どもとしては、こういう問題についてもこの際基本的に取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。先般建設大臣から閣議でそういう趣旨の御発言がありまして、いま関係各省が総理府を中心に検討を進めておりますが、全般的な方針も大事でございますけれども、当面首都圏あるいは近畿圏のような非常に逼迫した地域におきまして、具体的にこの問題の解決がはかれないかということで私ども取り組んでまいりたいと思っております。
○井上分科員 私は、特に慣行水利権を云々されるよりも、むしろ電力会社の水利権についてメスをふるうほうがより解決の促進になるのではないか、このように思うのです。一度水利権をとりますとなかなか放さない、こういうようなことがありますので、通産大臣として今後の指導の方針ですね、特に経済企画庁長官をやられた宮澤さんとしては、電力会社が持っておる水利権の問題、これを将来全国総合開発計画と合わせていくおつもりがあるか、これが私は根本じゃなかろうかと思われますので、御決意のほどをひとつ承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 実情につきまして、まず政府委員からお聞き取りいただきたいと思います。
○藤井説明員 先生から御指摘がございましたように、現在都市用水を確保する場合におきましても、そのほかの場合も同じでございますけれども、河川におきましては、いろいろと水利権と申しますか、既得の水利権がございまして、それらでもうすでに満ぱいになっておるという状況で、この中から既得権益を分けるということについては、いろいろ問題が生ずるというような状況であろうかと思います。そのために、新たにダムをつくりまして、そしてたとえばこれを多目的、総合的に開発するというようなことで確保するのが一番いいのではなかろうかと思います。ただ、おっしゃられましたのは、発電関係の水を回したらいいというようなお話だと解釈したわけでございますが、これにつきましては、水力発電にはただいま投資をやり、重要なピーク供給力として使っておるわけでございまして、水がほかの用途にとられていく、ダムからほかに回っていってしまうということになった場合に、供給力自体に支障を及ぼすということもございますので、これにつきましてはなかなか簡単に行かない問題かと思っております。
○井上分科員 簡単に行かない問題かと思っておる……。特に水利権の問題については電力会社の関連が大きいんです。だから私は言っておる。大臣に答弁を求めておるのです。利水ダムとしてつくっても、実際は発電ダムにしか使われていないというケースがたくさんあります。そうしてそれを取り上げようとしますと、これこそ慣行水利権で、いままでどおりの水をくれということで、利水じゃなくて発電ダムに使われるケースが非常に多い。例をあげればよろしゅうございます。たとえば神戸ダム、これは当初は多目的ダムでつくりました。しかしこれはいつの間にか電力オンリーに使っている。しかもこの電力会社は、私らはいままでの慣行水利権の関係で、いままでどおりの水の使い方をさしてくれということを強く言うんですね。ここいらに私は一つの大きな問題があると思う。将来の日本の首都圏における水の需要について、電力会社と住民の水需要との間に衝突が起こってくる。それをいまから考えて処置をしなければならないと思いますので、あえて宮澤さんに御答弁を求めているのです。どうでございます。
○宮崎(仁)政府委員 神戸ダムの問題が出ましたので、これは私のほうの基本計画としてあげまして、現在水資源公団でやっておりますのでお答え申し上げますが、これは多目的ダムでございます。発電も入っておりますが、やはり利水事業が相当のウエートを占めております。御承知のとおり水力発電のダムは、水を消費してしまうという場合は非常に少ないわけでございまして、もっとも例外的には途中から海に水を落としてしまう発電の方式をとっておるものもございます。こういうものはまさに水を使ってしまうわけでございますが、大部分の水力発電は水の位置のエネルギーを使うということでございます。落差を使う。水そのものはまた下流に流れていくわけでございます。これを下流でまた受けて工業用水なり上水道に使うという形になっております。具体的な問題として、発電を途中でやるために水の都市用水としての使い方が制約されるという事例もないわけではないと思いますけれども、大部分のものは、これは再びそういった都市用水として使えるという形に私はなっておるものと思っております。特に利根川等につきましては、上流にたくさんの発電所がございますけれども、全部下流のほうでそれをまた、たとえば利根導水路とか、あるいは下流のほうの両総用水というような形で使っておるということでございまして、発電のダムができることがすなわち他の用途をそれだけ排除してしまうという形のものではございません。水そのものは山の奥から流れてくるわけでございますから、これはできるだけ有効に使いたい、こういう趣旨で私ども考えております。
○井上分科員 時間がございませんので、私は申し上げるんです。あなたはいま水力発電はピーク発電になっているとおっしゃったでしょう。いまの水力はピーク発電のときに使うだけなんです。でございますので、流れる水に大きい波があるんです。したがって、落差のエネルギーが発電に使われた水はそのまま有効利用に使われるとは限らないのです。大きい波を打って流れてくるのですから。私らのくにの吉野川なんかを見ましても大体河口から十五キロ地点において、あの広い川で大体水の差というものは三十センチから四十センチあるんです。それからその次のダムまでに何キロあるかといいますと、六十キロぐらい奥でなかったらダムがないんですね。それで大体三十センチから四十センチあるのです。だから三十センチの水というものが一日のうちで一時間ないし一時間半で一時に出てきます。でございますので、これは川の中に流れざるを得ない。調整ダムがあるからというが、調整ダムはあることはあるが、小そうございますから、オーバーフローしてしまう。これが現在の実態なんです。だからおたくで考えられておる霞ケ浦につくられるというようなことは一つの方法です。あるいは河口ぜきをつくるというのも一つの方法でしょう。しかしこれが直ちに都市用水に転化するかといいますと、霞ケ浦の水も、あるいはまた河口ぜきの水も、特に河口ぜきの水を都市用水に転化するには、水質の関係において相当問題があるわけなんです。こういうような問題をたくさん含んでおりますので、なお一そう皆さん方は、日本の人口に応じた一人当たりの水の消費量をもっと御勉強になっていただきたい。これがまず第一点です。 それと同時に、東京砂漠といわれるこの首都圏の水需要をいかにして満たしていくか、供給するかということを真剣になってお考えになっていただきたい。特に宮澤さんにお願いしたいのです。この全国総合開発計画を見まして、私は一番大きいネックは水ではないかという感を深くするので、あえて私は質問申し上げると同時に、宮澤大臣の御決意のほどを承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 新全国総合開発計画について、確かに大きな問題は水でございます。これは御指摘のとおりであります。ただいままでいろいろ承っておりまして、御教示を受けることが多かったのでありますが、需給関係がゆるやかなうちはかまいませんけれども、逼迫しますと、やはり総体的に需要と供給の間にシステム的な手法で最大の有効利用をしなければならないということにならざるを得ないと思います。電力会社の水利権についても、あるいは言われるような問題があるのかもしれません。そういうことをだんだんシステム的に総合的にどのようにしたら最高の利用ができるか、調整ダムもその一つでありましょうけれども、そういうことをもう少しよく私どもも研究いたさなければならないと思います。
○大坪主査 林百郎君。
○林(百)分科員 私は通産大臣に主としてお聞きしたいのですが、問題は社会主義国との貿易が著しく不当な制約を受けている、そしてそのことが国民に著しい不利益をこうむらしておる、こういう観点から、この問題について通産大臣にお聞きしたいと思います。 まず最初に、社会主義国との貿易の規制の三つの柱があると思うわけですが、その一つはココムに加盟しているという問題、第二は延べ払いの禁止の問題、第三は人事往来の制限の問題だと思います。 そこでココムの問題ですけれども、これはすでにリスト自体も、純戦略物資を除いてはだいぶ緩和をされてきておるわけでありますが、今日なお日本がココムへ加盟しているということは、一体どういう意味でココムに今日なお加盟しておるのでしょうか。まずそこからお聞きしたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 沿革的な理由な相当あろうと思いますけれども、私の考えますところでは、世界平和を維持し増進したいというわれわれの考えに対して、必ずしも同じ考えを従来持っていないかに思われる国々がある。それらの国々が平和撹乱的な動きをさらに助長するような種類の品物の輸出については、われわれとしては制限した品目については輸出をしないほうが、われわれの考えておる世界平和の増進に役立つ、こういうことが沿革ではないかと私は考えます。
○林(百)分科員 社会主義国が平和を侵す、そういう政策を持っているんだという通産大臣のお考えに対しては、われわれはまっこうから承知するわけにいきません。ベトナムの情勢を見ましても、あるいは世界の軍事的な緊張の諸要素を見ましても、いずれもアメリカの帝国主義的な侵略政策が民族の独立、統一、民族が望んでいる平和に、自分の新しい市場を獲得する立場から軍事的な抑圧を加えているというところから軍事緊張が起きてきておる。それこそが侵略だというようにわれわれ考えていますけれども、しかしそういう問題を離れて、貿易という問題については、もう資本主義国と社会主義国が一そう拡大の方向をたどっている。たとえばイギリスにしてもフランスにいたしましても、ココム加盟国でありながら、日本のようなこういう規制は排除して大幅な貿易をしているわけですけれども、日本がいまもってココムに加盟し、しかもそれに他の資本主義国と比較にならない厳重な規制を受けておる理由、そこをお聞きしたいと思うのですよ。たとえば戦略物資のリストも非常に緩和されてきましたし、そのほかココムの制度を見ますと、事前審査制度がある。申請承認をしますと行政的な措置で行政によるストップを受けている。ココムの制度の中には、あなたのいま言った戦略物資というほかに行政的なストップの制度もあるわけですね。だからココムへ加盟して言いなりになっていれば、あなたのおっしゃるような目的からさらに拡大された行政的な措置という意味でのストップも受けているわけです。そういうことについて、なおココムに依然として加盟し、このような日本だけが特に他の資本主義国よりきびしい規制を甘んじて受けていく、こういう方針を宮澤さんとしては続けていくつもりなんですか。
○宮澤国務大臣 私は先ほど沿革的な理由と考えるものを申し上げたのでありますが、世界全体が、徐々にではありますけれども平和の事態になりつつあるということも事実でございますから、あまりヒステリカルな立場でそういう問題を考えたいとは私は思っていないのであります。ヒステリカルというのは私どものものの考え方について申しておるのでございます。そこで、そういうことは柔軟に考えていくべきだと思っているのでございますし、また、そういう意味で緩和もされ、たとえばある国と他の国とをココムの中で差別待遇をするということは私どもは反対であるという主張を常にやってまいりました。いま林委員の言われましたような、わが国のココムの規制のしかたがもし他の国の規制のしかたよりもちょっときつい、あるいは何か別の方法を講じているというのでありましたら、これはよろしくないことでございますが、そういうことがもしございましたらひとつ直さなければならぬと思いますが、私どもはそういうことはないというふうに実は聞いておるのでございます。
○林(百)分科員 たととえばイギリスのとっている措置等を見ますと、明らかに日本よりはリラックスな範囲で貿易を中国としておるわけでありますから、通産大臣もよくその点を調べて、他の資本主義国以上の規制を甘んじて日本がいつまでも受けておる必要はありませんので、これはあなたの責任として調査をされたいと思うわけであります。
○宮澤国務大臣 それはよくわかりました。
○林(百)分科員 それから第二の規制の問題は延べ払いの問題ですが、いま対中国覚え書き貿易についてもこの点が非常に重要な問題になっているわけで、これはあとでまた中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム民主共和国等の貿易については個々に聞いていきたいと思いますが、いま総括的にお聞きしたいのですが、社会主義国に対する延べ払いの禁止の措置ですね。これは政府に言わせれば、ケース・バイ・ケースだと言いますけれども、たとえば中国あるいは朝鮮民主主義人民共和国あるいはベトナム民主共和国等に対して、ケース・バイ・ケースと口では言うけれども、延べ払いが認められた例は全くないと言っていいと思うのです。ヨーロッパの諸国を見ますと、日本は絶対認めない対社会主義諸国の貿易についても五年以上、十年あるいは場合によっては十五年もの延べ払いを認めておるということです。ところが日本ではケース・バイ・ケースなんと言っても、私の記憶に残っているとすれば池田さんのときにビニロンプラント、これは倉敷ですけれども、輸出入銀行で融資したということがたった一回あるか程度でございますけれども、これは西欧諸国と比べてはなはだしい差別的な措置が延べ払い禁止については、ことに中国、朝鮮民主主義人民共和国、あるいはベトナム民主共和国等にとられていると思いますけれども、この点についてはどうお考えになりますか。こういう方針を依然としてお続けになるのですか。あなたの答弁は大体わかっています。ケース・バイ・ケースで考えていきますというけれども、あなたのおっしゃるケース・バイ・ケースというのはやらないということをそういうことばで粉飾しているように私はとれるわけですよ。いつまでもこういう措置をとっていれば西欧諸国のこういう措置に押されてしまって、大事な社会主義国の市場がどんどん奪われていく、というと変ですけれども、他の資本主義諸国の進出にまかされてしまうということになるのじゃないでしょうか。その点どうお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 従来輸銀についてケース・バイ・ケースと申し上げておること、これは輸銀を一切使わないと申し上げていないということは、私は何かの意味があると考えているものであります。ケースが最近ないではないかと言われればそのとおりでございます。そのとおりでありますが、輸銀は中国や北鮮に対しては使わないということを言っているのではないというところに——ものごとの考え方に使わないと言っている場合とケース・バイ・ケースと言っていることとの間には、やはり微妙な違いがあると私自身は思っております。もちろん、輸銀というものは国家資金が入っておりますから、これを国によるフェーバーであるというふうに関係国は考える。そこでいろいろ問題が起こっているわけでありますから、一般の延べ払いというものの考え方があり、また可能でありましたら、私どもはそのこと自身に対して反対する必要があると必ずしも思っておりません。
○林(百)分科員 延べ払いと輸銀の関係を、私はここで政府の当事者としてのあなたに言ってないのですが、延べ払いと輸銀の融資との関係というのは、御承知のとおり、金利が五%前後の負担で、市中銀行で出すと一〇%前後になるわけですから、どうしても延べ払いを認め、しかも金利を五%前後の負担にとどめるという措置をしてやらなければ、せっかくプラント輸出なり何かの商談が来ても、これは日本の業者としては受けるわけにいかないわけなんですね。ですから延べ払いは認めるけれども、そうすると金利のほうの問題はどうお考えになるのか。一般的に延べ払いと輸銀の融資の問題を一応切り離して、あなたは延べ払いのほうはもっと積極的に認めるつもりだ、しかし輸銀のほうは、国家資本も入っているのだからこれは若干のコントロールが必要だという意味の御答弁ですけれども、しかし、延べ払いを認める以上金利のほうを考えてやらなければ意味がないことになるわけで、そうすると、延べ払いは少しリラックスして認めてやるという前向きの答弁があったわけですが、これもことばだけで、具体的にどうなるかわかりませんけれども、それと金利との関係はどうするつもりですか。ということは、ヨーロッパでは延べ払いの場合はもうほとんど五%から五・五%の金利負担ですから、せめてヨーロッパ並みにしてやらなければ、延べ払いは認められたが、金利は一〇%では、実際に延べ払いを認められたことにはならないわけですね。その問題はどうお考えになっているのですか。
○宮澤国務大臣 それはこういうことになると思います。外国との間でテンダーに競合があるといたしますと、わが国は地理的にも近うございますし、技術的にも相当すぐれておりますから、外国と完全に同じ金融の条件でなければいけないということは私は必ずしも言えない場合があると思います。そこで、輸銀を使わずに相当の長期の延べ払いで、何かの形で金利もそう高くない——これは頭金が幾ら、納入期間が幾ら、また全体の価格が幾らというようなことの総合で、輸銀を使わない形で期間なり金利なりについて金融のメリットが出る方法がかりにほかにあるといたしますと、私はそれまで反対する必要はないという考えであります。
○林(百)分科員 ちょっと論理がこまかくなりましたけれども、そうしますと、延べ払いは認めるけれども、延べ払いの場合の金利負担は市中銀行とおやりなさい、そこまで政府は考えません、そのメリットは業者が自主的にお考えなさい、こういうことなんですか。政府はそれに対しては何ら事実上の援助もしないのだということになるわけですか。
○宮澤国務大臣 そこはこうだと思うのでございます。ある国と日本がたとえば中国なら中国のマーケットで競争いたしましたときに、かりに、わが国のほうの品物は同質の品物として安い、これは距離なんかの関係で十分あり得ると思います。ただ、わが国のほうの金融の条件はよくない、向こうのほうがいいというときに、どちらをとるかということになりまして、買いますほうから申しましたら総合的な決断になる。その際、わがほうが何かの形で、輸銀を使わずに相当長期のいい条件を出せるということでございましたら、これは経済的な利益を与える与えないという問題であって、政治が入ってまいりませんから、そういう商談ができるかできないか存じませんけれども、かりにできるのであれば私は反対する理由がない、こう思います。さらに先のことをおっしゃいました。そのときに、国内で安い金利を構成するために政府が何かの形で関与する用意があるかと言われますと、これはまたもう一つむずかしい別の問題になるだろうと思います。
○林(百)分科員 そのむずかしい問題をお聞きしなければ、この質問をした何らの効果もないので、それでは、輸銀の融資を今日よりもう少しゆるやかにして認めてやる、あるいはそれが何らかの政治的な条件で不可能な場合は、それにかわる金利負担を軽くする方法が民間同士でもあるじゃないか、あるいは政府が援助するでも、この範囲のことは輸銀の融資というような非常に政治的なシリアスな問題に触れなくてもあるじゃないかと言うなら言うて、そこのところ、もう一歩進んだ答弁を求めたいのですけれども。
○宮澤国務大臣 それは非常にむずかしい範囲に話が入ってくると思います。御承知のように、政府は政府機関を通じて特別の金利のフェーバーを与えるということはできないわけでございますし、また、政府が介入いたすようになりましたら、これは輸銀によるフェーバーと同じような結果になるわけでございますから、そういうことはなかなかむずかしいであろう。しかし、わが国と競合するテンダーにおいてはわが国が価格等で有利になり得る場合は十分ございます。多少金利的に不利であっても、受けるほうからいえばそのほうが総合的に有利だということはあり得るわけですから、そういう場合には、かりにそういうものがかなりの延べ払いになるといたしましても、私どもはそれに反対する理由はないと思う、こう申し上げるわけでございます。
○林(百)分科員 そうすると、輸銀の融資をいま私の申しました諸国、中国あるいは朝鮮民主主義人民共和国あるいはベトナム民主共和国等に、将来政府の言うとおり、ケース・バイ・ケースということばの内容として、さらに今日よりは範囲を広げ、あるいは融資対象を広げ、あるいはその条件を緩和して考慮してもいいじゃないか、対社会主義国貿易が重要な段階に来ているから。今度は輸銀の問題にしぼってお聞きしますが、そういうお考えは宮澤さんとしてはお持ちにならないですか。いままでどおりというお考えなんですか。
○宮澤国務大臣 そういう場合に輸銀を使うか使わないかということは通産行政を越える問題であるというふうに私は考えております。そこで私の意見を申し上げることはあまり意味がない。国政全体として考えなければならないものでございますから、それにつきましてはケース・バイ・ケースと申し上げるよりただいま申し上げることができないと思います。
○林(百)分科員 それではその問題をいつまであなたと言っていても、あなたの権限外だと言いますから、それはそれでとどめておきます。 第三の社会主義国との貿易の制限は、人事往来の問題なんですけれども、他の国々では非常に自由に人事往来が行なわれているわけなんですが、たとえば中国の例を一つ見ても飛行機の往来ができない、あるいは朝鮮民主主義人民共和国行きのビザがおりない、あるいはベトナム民主共和国には非常な人事往来の制限がされているというようなこと。これはあとでまたこまかい点はお聞きしたいと思いますけれども、こういう人事往来の制限を、飛行機の往来をもう少し自由にするとか、あるいは朝鮮民主主義人民共和国へのビザをもう少し自由に発行するとか、こういうようなことはお考えになっておりませんか。
○金沢説明員 未承認共産圏に対する日本人の往来の問題でございますが、その問題につきましては、われわれといたしましてもできる限り自由に認めていきたいという基本的な考え方でございます。しかしそれにつきましては、未承認共産国それぞれの事情もございますので、そういうことも考えまして、わが国全般の国益の判断から検討いたしたい、こういう考えでございます。
○林(百)分科員 非常に抽象的ですが、たとえば今度の中国とのMT貿易の交渉でいま人事往来が非常になされていますけれども、こういう場合に飛行機で行ったり来たりするようなことですね。それから、具体的にお聞きしますよ。朝鮮民主主義人民共和国の平壌なら平壌行き、そういうビザを貿易のためにおろすというようなこと。そういう方向で通産省としては努力しないですか。
○宮澤国務大臣 通産省としてお尋ねがございますと実は困りますので、これは政府全体の外交上の姿勢の問題でございますから、私からは何とも申し上げにくうございます。
○林(百)分科員 どうも慎重過ぎて味のある答弁がちっとも出てこないのですが、それならこの問題とからんで万博の問題でひとつお聞きしたいのですけれども、政府は国交の未回復を理由にアジアの一連の社会主義国を万博の招待から排除している点ですね。たとえばベトナム民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国、中華人民共和国、モンゴル人民共和国、ドイツ民主共和国、アルバニア人民共和国、この六つの社会主義国とアンドラ国の七国には招請をしていないわけですけれども、これはどういうわけでしょうか。ことにモンゴル人民共和国には、私の記憶ですと、昨年の七月自民党の代議士を団長とする代表団を建国四十八周年記念式典に送って、熱心に万国博への参加をすすめて、七月二十五日の閣議ではモンゴルを招待するという方針をきめているんですね。これは外交関係の未回復の社会主義国のいろいろの問題とからんで、そのときの閣議ではモンゴルを招請する、こういう方針をきめておるのにもかかわらず、招請しておらない。こういう一連の社会主義国を招集しないという理由はどこにあるのですか。
○宮澤国務大臣 当時の事情が私につまびらかでございませんが、基本の考え方としては国際博覧会条約の第五条と、それに基づく日本万博一般規則第九条で、外交上の経路を通じて公式招請を行なうということだけで、外交上の経路のないものには公式招請を行なわなかったというふうに聞いております。
○林(百)分科員 外交上の経路を通じてということは、その国と事実上の外交関係がなし得るならば、万博の精神からいってできるということじゃないでしょうか。だからこれをかってに解釈して、未承認国だということだけで——事実上外交関係がやれるならば、また実績があるにもかかわらず、たとえば中国などは事実上あるわけなんですから、それをかってに解釈してこういう国を招請しないということは、万博の精神に反するんじゃないでしょうか。担当国務大臣としてどうお考えになりますか、この第五条の解釈ですね。これはやはり非常に拡張解釈をしておることになるのじゃないですか。事実上承認国、未承認国というような関係のない諸団体がちゃんと招請されてきているわけなんですから。
○宮澤国務大臣 どうもその辺に、私当時の事情がよくわかりませんが、五条は、外交上の経路を通じて、諸外国に対し招請を行なう、いずれの政府も、招請が行なわれないときは参加することはできないという——参加というのは公式参加という意味でございましょうが、おそらくこれを基礎にいたしまして、正式に相手を国として承認をしていない以上は、そういう相手に対して正式の書面を出すことはできない、こういう解釈をしたものと思います。
○林(百)分科員 私のほうは承認国、未承認国との関係はないと考えますけれども、それならそういう国々が見学に来ることはいいですか。
○宮澤国務大臣 私はそれは一般の入国管理の問題になると思います。
○林(百)分科員 入国管理の問題ですけれども、そういう国々の人たちも万博を見たいといって、日本に来たいという場合は、万博担当の大臣としてはどうお考えになるのですか。あなた、みんな大事なところは逃げちゃうから、ちっとも答弁にならない。
○宮澤国務大臣 それは万博を見に来るからといって特に特例を設けることがいいのか、あるいはそれは一般のケースであるかということは、私は入国管理のほうのものの考え方、それに従っていけばいいので、特に万博だからこうしてくれというようなことは申すつもりは別にございません。
○林(百)分科員 そうすると依然として差別的な取り扱いをする。これらの七つの国、そのうちの六つは社会主義国ですけれども、そういう人たちが万博を見たい、見学をしたい——担当国務大臣としてはそういうことすら積極的に考慮しないというように聞こえるわけなんですが、これははなはだ万博の精神に反するものと私たちは考えざるを得ないわけであります。そういうことから日本と社会主義国との間の不必要な緊張が、日本の国側からもなされていると、こういうことになるのじゃないでしょうか。万博の見学ということに目的を制限して入国を許しても何ら差しつかえないのじゃないですか。それすら政治的な配慮でとめなければならない理由があるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 入国を認める、認めないという場合に、おそらくは入国を認めればかくかくの弊害が生じるからという理由があるのであろうと私は思うのでございます。そういう立場だけから言えば、万博を見ること自身は弊害を生ずることはない、それは明らかだと思うのでございます。それでございますから、弊害を避けるために入国を認めないのかという、その一般原則に従えばいいじゃないかという意味でございます。
○林(百)分科員 閣内でわりあいにリベラリストと思っていた宮澤さんが、こういう社会主義国の人たちが万博を見に来ること自体も、どうもそのことから影響されて他のいろいろな不利益なる影響を国内に及ぼすじゃないか、他の要因が加わってくるじゃないかとおっしゃるということは、私としてははなはだ心外だと思うのですよ。同じ世界の人でありながら、しかも万博の共通のことばとしては世界は一つだという、その世界は一つなのに、社会主義国の人が万博を見に来ることは、他のファクターが加わるから、これはどうも日本にとって承認いたしがたいということを、しかも万博の担当の宮澤さんが国会でおっしゃるということは、世界は一つだなんということがから念仏になる危険がある。それだけでなると私は単純に申しませんけれども、なるのではないか、宮澤さんらしくない答弁だ。この点はこれで打ち切ります。——答弁ありますか。あったら言ってください。
○宮澤国務大臣 こう申し上げておるつもりでございます。 入国を許さないということは、入国管理を所管される立場から何かの弊害を生ずるということが理由であろうと私は想像いたしますが、万博を見ること自身が弊害を生むというふうには私は考えておりません。こう申し上げておるわけでございます。
○林(百)分科員 そうすると、私が申し上げましたこれこれの社会主義国の人たちが万博を見に来るということは、それは万博を見ることだけではなくて、他の要因が加わって、何かの弊害があるということになるのではないか、チェックされるということは。だから万博を見るだけならいいけれども、他の国家機関によってその人たちがチェックされるということは、万博を見に来ること以外の要因があって、それが弊害を与えるということから、チェックされるとすればされるんじゃないか、こういう意味だと思うのですけれども、それはおかしいと思うのですよ。それでは世界は一つだなんて——世界は一つ、ただし社会主義国を除く、こうおっしゃったほうが正直じゃないですか、この点はもう時間がありませんから除いていきます。 そこで私は社会主義国との貿易の点で、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム民主共和国について、時間がありませんから要点だけお聞きしていきたいと思います。 まず日中貿易なんですけれども、これはこれに加えられている制限、たとえば吉田書簡による輸銀の融資の問題、あるいはココムによる制限とか、こういうような制限措置をすみやかに廃止していく、すぐ廃止ができないにしても、それを緩和していく。いま北京では自民党のあなた方の同僚が交渉している最中なんですから、この国会であなたが答弁されることは非常に重要な影響が国際的にもあると思いますけれども、従来の日中貿易の各種の制限措置を、これこれこういう点で緩和していく方向へ努力する、そういうようなことで具体的に答弁がありますか。たとえば吉田書簡、これについては従来政府からいろいろ答弁していることは、私は知っておりますけれども、この問題にからんでの輸銀の融資の問題、あるいはココムとの関係、こういう点で、政府は日中貿易については制限緩和の方向へ前向きに進めておるつもりだというようなことで、ここで何か答弁できますか。
○宮澤国務大臣 ココムについては、従来とも私どもは緩和の方向を主張してまいりましたし、また中国その他の国を差別待遇するということには反対という立場を貫いてまいっております。これからもそういうふうにいたしたいと思います。輸出についての金融につきましては、先ほどかなり詳しくお尋ねにお答えを申し上げたつもりでございます。
○林(百)分科員 そうすると、宮澤通産大臣になってから、対中国貿易について、私としては従来より積極的にこういう方向へ取り組もうと思うという具体的な答弁はあるのですか、ないのですか。あなたは非常に慎重過ぎちゃって、あなたの答弁には味もそっけもない。あまりに慎重過ぎて、きちっとし過ぎていて味がないわけですけれども、私は盛んにあなたを誘導尋問して、有利な答弁を引き出して、そしていまあなたの同僚が北京で交渉していることに対してプラスの影響を及ぼすようにと思っているのですけれども、あなたが自分一身の慎重さを期してそういう答弁ばかりをしていらっしゃれば、何のプラスにもなりません。私のせっかくの好意も無になります。これはやむを得ない、あなたが受け入れなければ。何かあるのですか、ないのですか。
○宮澤国務大臣 ココムということについては、私が自分で所管を少なくともしておりますから、先ほども自分の考えを申し上げました。中国についての輸銀の使用については、これは国全体の問題でございますから、私限りで申し上げることはできません。ただ、それ以外の金融については、先ほど少し申し上げました。閣内ではいろいろ私どもももっと議論をいたしてまいりたいと実は思っておりますけれども、ただいま公の席で私限りで申し上げ得ることはこれだけでございます。
○林(百)分科員 あと日朝貿易とベトナム関係、一問ずつくらいで終わります。 朝鮮民主主義人民共和国との貿易で、これはもう貿易そのものより、重要な阻害になっているのは貿易関係者にビザがおりない。今度は御承知のとおり、旅券法が改正されまして、もしよその国から、ビザに目的地が書かれておってその目的地以外へ行くようなことがあれば処罰される。処罰される上にその人には再び旅券はおろさないということになっている。そうすると、いままで朝鮮民主主義人民共和国——かりに一歩譲って、平壌という旅券も、これは貿易関係者にはおりないわけなんですね。貨物貿易の貨物には朝鮮民主主義人民共和国の貨物、これはおりるわけですが、人におりないわけですね。そうすると、やむを得ないからソ連なりを通って朝鮮民主主義人民共和国に行くよりしかたがない。ところが今度旅券法が改正されまして、その点ができない。しかもそういうことをすれば処罰される。一たん処罰された者は、二度とビザがおりないということになれば、これはもう朝鮮との貿易は、その面でストップされざるを得ないわけです。ようやく金額にしましても、昨年百八十億近くの貿易になりまして、これは将来非常に大きく広がる可能性が十分あります。プラント輸出なんかでも、私も行って来ましたけれども、非常に求めております。平和的な意図を持って日本が朝鮮民主主義人民共和国との貿易に取り組むならばと、大いに期待しているということは、私、行って強い印象を受けてきているのですけれども、これがいま言った面で、ビザの問題、もう一つは、何かあると韓国側からの大きな障害があって、これに日本政府は、われわれから見ると、もう無条件で屈してしまうという条件があるわけです。ここでお聞きしたいのは、通産大臣と——外務省の方、見えていますね、この点はひとつどう改善していくおつもりですか。この状態では、日本と朝鮮民主主義人民共和国との貿易は、貿易関係者の入国ができないということで、こちら側から行くことができないということで、これは中絶せざるを得なくなると思うのですけれども、この点についてはどうお考えになりますか。大臣と外務省関係にお聞きしたい。
○宮澤国務大臣 旅券関係でございますから、外務省のほうからお答え願いたいと思います。
○金沢説明員 ただいま御質問の旅券法の改正の問題でございますが、たまたま本日午後から衆議院の外務委員会で、この旅券法改正の問題が審議されることになっておりますので、そちらのほうでもいろいろ大臣から御答弁があると思います。この旅券法改正の問題は、昨年の国会にも提出されまして、審議未了になったわけでございますが、そのときにも大臣は、北鮮との貿易については、いろいろ関係の方々とお話しになりまして、それでその問題は解決し得る問題だという心証を得ているということをお答えになっておられるわけでございます。
○林(百)分科員 どういうように解決するのですか。記録にとどめたいのですよ。だから具体的に説明してください。どうするというのですか。
○大坪主査 時間がありませんので……。通産大臣は商工委員会で待っていますから……。
○林(百)分科員 いまのをひとつ具体的に答弁してください。それで記録にとどめておきたいと思います。
○金沢説明員 具体的にとおっしゃいましても、旅券法を今度の国会で御審議をいただいておるわけでありますので、その席上で大臣がお答えになると思いますので、私のほうから具体的にいま申し上げるのは、いささか権限を越えるものじゃないかという感じを持っております。
○林(百)分科員 もう一問で終わります。 よその委員会で答弁するからこの委員会で——ここは分科会でありますが、答弁しなくてもいいということはおかしいと思うのですよ。大臣でなければお答えできない……。大臣でなければ答えられないというほどのことでもないのじゃないですか、私が聞いておる範囲のところでは。だから少なくとも私が納得する大綱ぐらいはここで答弁ができないはずはないと思うのです。またそのことは、日本と朝鮮民主主義人民共和国との両国の利益にもなるということならば、これは大臣の答弁もあれですけれども、担当のあなたがここで言われても、もしそういうことならば差しつかえないことだと私は考えますけれども、せっかくあなたがそうおっしゃるなら、私はそれじゃこの点の質問はこれで終わります。 最後に一つ、大臣、ベトナム民主共和国との貿易の問題があるわけですね。これは北爆が停止された後も貨物船の配船も差しとめているわけです、今日。これは事実上アメリカの海上封鎖に日本も一役買っているということになるわけなんですけれども、北爆停止後のベトナム民主共和国と日本との貿易関係で、どういうような措置がとられているのか。また北爆があろうとなかろうと、それは関係ない、基本的な立場があるわけですけれども、今日北爆すら停止されておるわけですから、そういう条件の中でベトナム民主共和国との貿易を拡大するという意味で、どういう措置をとられているのか。依然として貨物船の配船を差しとめるということで、海上封鎖に一役買っておる。その中には肥料というような、何らココムにも関係ないようなものの貿易関係の貨物船の配船が差しとめられておる。これはココムの点からいってもはみ出しておる措置だと思うのですが、大臣、御存じですか。御存じだったらその答弁を求めたい。
○宮澤国務大臣 これは私どもの通産省の通商政策に関する限りは、北ベトナムだからといって、特段の差別はしておりませんで、一般の共産主義国——社会主義国というのですか、共産主義国と同じ扱いをいたしております。 配船のことになりますと、実は私どものほうにはわかりかねます。
○林(百)分科員 では、知っている人、だれかいたら、答弁させてください。
○金沢説明員 大臣もおっしゃいましたように、これは運輸省の所管の問題でございますが、私の承知しておる限りでは、これは民間業者が自主的に行なって決定する問題でございまして、政府がいまの段階で認める、認めないということの問題ではないというふうに私、了解いたしております。
○林(百)分科員 これで終わりますが、通産大臣に申し上げます。 私も社会主義国を回ってまいりましたけれども、社会主義国が日本の国を侵略するとかなんとかということは絶対にあり得ない。しかも社会主義国では、消費部門などはやはり日本の国の産業と平和的な交流をしたいという希望が非常に強いわけですよ。そしてまた無限の市場もあるわけなんです。ところが日本がこういう著しい差別待遇措置をとっておるために、ヨーロッパの諸国がどんどん入ってきております。たとえば海を一つ渡ればすぐあそこは朝鮮民主主義人民共和国、ここなんかもどんどんドイツやイギリスが入ってきておるわけです。朝鮮の諸君に聞けば平和的な関係がある限り日本と貿易をしたいという非常に強い希望があるし、それからプラントの輸出も求めたいという希望も非常に強いわけですよ。いま大臣のお話を聞くと、そういう方面に対しての積極的な意欲というものが全然見られない。一方、アメリカに対しては繊維規制で見られるように、まあわれわれから見れば非常に従属的な態度を大臣はおとりになっている。私はここで一つあなたに建言いたしますけれども、どうかこういう社会主義国との貿易を一そう拡大する方向にあなたが積極的に取り組んで、そういう面から両陣営の緊張を緩和する一助にするように努力をしていただきたい、このことを希望しまして、私の質問を終わります。
○大坪主査 これにて林君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、経済企画庁所管、農林省所管及び通商産業省所管に関する質疑は全部終了いたしました。 —————————————
○大坪主査 この際おはかりいたします。 昭和四十五年度一般会計予算中経済企画庁所管、農林省所管及び通商産業省所管、並びに昭和四十五年度特別会計予算中農林省所管及び通商産業省所管に関する本分科会の討論、採決につきましては、先例により予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大坪主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の格段なる御協力によりまして、本分科会の議事を無事に終了することができました。ここに深く感謝いたします。(拍手) これにて散会いたします。 午後零時三十二分散会