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63回国会衆議院1970/03/17

予算委員会第四分科会 第4号

発言数
369
登壇者
27
会派数
4
開催日
1970/03/17

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、通商産業省所管を議題とし、質疑を続けます。  この際、念のため申し上げます。  質疑の持ち時間は先例により、本務員は原則として一時間、兼務員もしくは交代で分科員となられた方は原則として三十分にとどめたいと存じます。各位の御協力をお願いいたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。川崎秀二君。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 きわめてじみな問題でありますが、将来性のある問題につきまして、私の知っておりますことを申し上げて、そうして大臣のお答えを得、前向きに取り組みたいという問題があります。  東部ニューギニアという地域がございますが、御案内のようにニューギニアは東西に分かれておりまして、西のほうはいわゆる西イリアン、東は豪州領並びに国連統治地域、ビスマルク群島あるいはニューブリテン島等々入れましてパプアニューギニアといわれておる地域であります。私はオーストラリア、ニュージーランドと、青少年の交歓あるいはスポーツの関係をもちまして、ここ数年そういう関係から糸をたぐったわけでございますが、接触をしておりますうちに、ニューギニアに日本政府並びに国会の関心を呼ぶようなことをしばしばオーストラリアの経済関係の者が申しますし、   〔主査退席、大村主査代理着席〕 また政府関係におきましても関心が持たれておりますので、昨年来大平正芳さんあるいは中曽根康弘君、秋田大助君、いずれも前閣僚または現閣僚でありますが、そういう方々と社会党の田原春次君等と呼応しまして、国会ニューギニア懇話会というものを設けまして、そしてこの調査、開発というものに興味を持っておるわけであります。申すまでもなく、東ニューギニアだけで日本の一・二倍、山脈が中央に通っておりまするけれども、その他は海岸線一ぱいに迫る大森林ということでありまして、したがって土地は非常に肥沃であり、将来性豊かなところであります。ニューギニアの開発につきましては国連も非常な興味と関心を持ち、二十世紀の後半から二十一世紀へかけて最も有望な世界第二の大島である。グリーンランドは世界一でありますけれども、これは開発の対象にはなっておらぬわけでございまして、世界で残されたるものとして、資源が豊かで、住民の数もわずか百十万ということでございますから、将来日本がオーストラリア政府との連絡のもとにこの開発をするときには、わが民族の将来の夢として非常に多望、多幸になる可能性があると思うのであります。  そういうことを前提にいたしまして大臣に伺いたいと思いまするけれども、ニューギニア経済開発につきまして、通産省としては目下どのような考え方を持っておられるか、基本的にお伺いをしたいのであります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 きわめて大切な問題を御指摘になったと思うのであります。御指摘のようにニューギニアは、かりに資源だけの問題を申しましても、森林あるいは鉱物、水産等々非常に大きな資源を持っておると思われます。また、そういう目先の問題を離れましても、これらのいわば未開の地域に対して地元の発展のためにわが国民が出かけて行って仕事をするということは、きわめて有意義なことだと考えます。  そこで、私どもといたしましては、当該土地の主権国あるいは国連信託統治の受託国、いずれにいたしましても豪州でございますが、政府と緊密な友好的な関係のもとにそういう仕事が進められますならば、これはわが国にとってきわめて意義のあることで、お互いに意義のあることであると考えております。  在来、民間のベースで幾つかの調査であるとかあるいは買い付けの促進であるとかいうようなことが、天然ガス、家具用木材、森林資源等々についてあったようでありますし、また少数ではありますが、林業、水産業、造船業等に日本企業も幾らか進出しておるようでございます。しかし、これらはいずれにしてもまだきわめて規模の小さいものでございますので、もし両国政府の間のほんとうに緊密な友好関係のもとに行なわれることができるようでありましたら、私どもとしては基本的な調査等々からひとつ大いに力を入れてまいりたいという気持ちを持っておるわけでございます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 基本的なお考えが非常に力強くうかがえましたが、少し具体的にお聞きし、かつまた提案もしてみたいと思っておるのであります。  国会二ューギニア懇話会では、昨年の十月十日に私を団長といたしまして、十六名の民間の学者あるいは文化人等を引率をしまして、二十三日まででありましたが、豪州並びにニューギニア各地を回りまして、ポートモレスビーの執行官といいまするか総督、コミッショナーにも会ったわけでございます。彼らの申しますのには、オーストラリア政府と十分なる理解と協力、打ち合わせをされるならば、日本の進出を最も希望する。これはこの背景には、最近日豪経済というものが非常な大きな躍進をしまして、オーストラリア側は日本を最大の顧客として迎え入れるに至っておる。しかるにかかわらず、オーストラリア側から輸出するものは、鉄鉱石、羊毛等はもちろんのことでございますが、最近ふえておりますけれども、なおかつ片貿易の状態を打開できないというようなことでありまして、そういうようなことから、対日感情が急速によくなりましたオーストラリアとしては、オーストラリア本土においては御案内のように百何年白豪主義である、ホワイトオーストラリア。ニューギニアの開発についてむしろ日本の協力を求めようではないか。国連からもやかましく、オーストラリアが非常な投資をしておるにもかかわらず開発がおくれておるということを、しばしばオーストラリア政府が指摘をされて弁解に苦しんでおるというような状況が看取されるのであります。したがって、わが国がそのすぐれたる技術、科学というものでオーストラリアと協力しつつ開発に努力をするならば、これは願ってもなきことだという考え方を持っているようなことが、いろいろな事情から明らかになってまいりました。最近、第二次派遣団ができまして、これは小栗教授が中心で参ります。商社の優秀なメンバーも参ります。  このニューギニア視察につきましては、一番力を入れておりまするのはもちろん日豪経済委員会の永野重雄委員長並びに日商の西川政一さんが、最近御病気でございますが、行かれまして、綿密な報告を書かれておる。また最近では、前の国協党の代議士の多賀安郎君が懇話会の事務局長としまして、これは一生の仕事だというので非常な努力をしてだんだんと積み上げてまいったわけであります。  先日二月二十七日にキャンベラで日豪共同の短編報告会といいますかブリーフィングというものがありまして、その席上で向こうの見解が明らかになりました。それはニューギニア開発について日本の協力を第一に求めたい。しかし、オーストラリア側としてはニューギニア開発については五カ年計画があって、その五カ年計画の終末時期にはなるべくパプア民族を独立の方向へ持っていきたい。しかし、将来政治的に独立させることが第一であるが、政治的独立とともに経済的独立を伴うものでなければならぬ。これはオーストラリア側の一つの伏線でございましょう。まだなかなか独立させるわけにはまいらぬということも含んでおりますが、その独立に至るまでに日本と共同事業を推進したいというようなことを言い出しておるわけであります。最近きまりましたのは、豪州がラバウルに持っております農林水産共同研究場に日本から農林関係で五人、水産関係で五人の学生を参加させて、そして熱帯地における植物栽培の状況を明らかにしよう、こういうことでございます。これは国会のニューギニア懇話会の自主的な努力でようやく結実に至っておるのでございますが、ここに御質問をいたしたいのは、実はその木材であるとかただいまお話がありました天然ガスあるいはココアとかいうものは、非常に日本の協力を要望しておったのでありますけれども、地下資源のうちボーキサイトとかニッケルとかあるいは金、鉄鉱というようなものについては何か閉鎖的な気持ちがある。これはオーストラリア側がとにかく長年努力したのだから、地下の有望資源については独占しようというような考え方が相当根強くあったわけです。ところが、アメリカの資本が最近非常に大きく入りまして、そして山分けではないけれども相当進出してきたものでありますから、そういう事情であれば日本にも門戸を開放しようという考え方になってきまして、通産省のキャンベラにおります吉田書記官という者がこの二月にニューギニアに参りました結果は、ことしを失うとその地下資源の開発に日本が非常な出おくれをする。ひとつ通産省で本格的に乗り出してくれるわけにはいかないか。たぶんレポートが外務省を通じて来ておると思うのでありますけれども、大臣も日米繊維規制問題があり、あるいは日中問題でお忙しくて、そういうところの問題は十分なレポートが来ておらないかもわかりませんが、そういうことです。私は一番近く知っておるわけでございますが、そういうことのレポートが来た際には、ひとつ機を失せずオーストラリア側と連絡をとっておやりになる気持ちがあるかどうか、こういうことを伺ってみたいと思ったわけです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 国会議員の方々がこの問題に積極的に関心を持たれまして、みずから現地にお出かけになっておられたりすることに、私は非常に敬意を感じておるわけでございます。  そこでこの問題につきまして、私ども暗うございますけれども、幾つか感じておりますことを申し上げ、またあわせてお願いも申し上げておきたいと思うのでございますが、一つは、最近豪州政府とわが国とのばく然とした関係であります。これは必ずしもニューギニアという意味ではございません、豪州政府という意味でございますけれども、何か日本側の資本進出が、ことに地下資源等等をめぐって非常に急速でありますために、やや警戒の目をもって見られていることが一般的にあるのではないであろうか。したがいまして、この点については、ニューギニアは別であるのならばもうこれに越したことはございませんが、一般的に相手側の政府とわが国との友好関係、協力関係のもとによくものを考えていくことが必要ではないか。その点につきましては、国会議員各位が、そういう当面の経済なんという問題をお離れになって、基本的な友好関係を深めていかれるということは、私はきわめて大切なことだと思うのでございますが、私どもとしてはその点をひとつ注意しておくことが必要であるということと、それから、当面ニューギニア、パプアにつきまして、ただいま申し上げたこととも多少関係がございますし、またわれわれ民族の、ことに先ほど御指摘もありましたような学生諸君などが情熱を傾けて仕事をするということが大切なことでありますので、あまり当初から利権的なにおいがしないこと、向こうの住民の幸福ということをやはり頭にしっかり置いて考えていくということが、われわれの心がまえとしては必要なのではないであろうかと思うのであります。私も、米国の資本の入り方が非常に急速であるということを聞いておりますので、先ほどお話しのように、現地の私どもの出先の者がそういうかなり詳細な知識と報告をよこしておるといたしますと、これは至急に検討をして、われわれとしては遅滞なく、いわゆる時期を失することがないように努力をしなければならないと思います。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 いまのお話のうちの、利権的なものを排して、政治的また大きな目で取り組まなければいかぬということは全く同感であります。そういう気持ちで行きませんと失敗をすると思うのであります。しかしながら、現地のパプア人種は、あの忌まわしい戦争中であるけれども、わが国のニューギニアに行った陸海軍の将兵というものはきわめて穏やかに接触もし、また山本五十六提督以下いろいろな部隊がありましたけれども、ラバウル方面に参りましたのは陸海軍の精鋭である。これは歴史に明らかであります。したがって部隊の品位、品格等につきましても非常な尊敬の念をもってながめておられたわけでございますから、したがって日本人に対する感情が非常にいいということが、今日のニューギニア進出への大きな基礎となったような気持ちがするのであります。現に一千五百万ドルという昨年の日本側からの輸出状況でございますから、今後相当に伸び得ると思っておるわけでございます。  そこで最後に、お願い——お願いというよりは要請かつ御答弁をいただきたいのは、われわれは国会の有志議員でそういう企てをしておりますが、この六月に派遣いたします調査は大規模にやってみたいと思っております。その結果いかんによりましては、四十六年度予算にはひとつ東ニューギニア開発について、通産省の中で予算をとっていただき、調査研究費、またはいままでも小規模で派遣をされておるけれども、大型の政府調査団というものを御準備いただきたいということでございますが、いかがでありましょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 相手国政府並びに現地の人々との間の、ほんとうに友好的な関係の中でそれが行なわれるようでありましたら、私としてはぜせそういうことはやりたいと思います。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 とにかく二十一世紀の島ともいわれております。私は去年の十月に行ったのですが、あそこはチョウでは世界一種類がある。鳥も七千種類ぐらいいるそうです。あるところで、山のロッジで寝ておったら、朝四時ごろから鳥がさえずる。ところが、鳥がさえずるばかりでなく、トカゲも鳴くのですね。トカゲが鳴くということはいままで知らなかったですな。近所の木で十数匹たむろしてまして鳴いているというところでありまして、非常に将来性のあるところでございますから、十分の御注意と計画をお持ちいただくようにお願いいたしたいと思うのであります。  一転をいたしますが、日中関係の経済交流というものは、近来政府の非常な消極的な方針にもかかわらず、民間関係は六億三千万ドルという往復のものを持つようになっておるわけであります。日中覚書問題は、目下政治的には、日本の政府と中国政府との考え方の差によりまして、非常に難渋はいたしておりますが、松村訪中で相当に開ける向きもあるように私どもは確信をいたしております。ここに申し上げたいことは、ココムを最近何とか大幅に緩和をして、そうして日中経済の改善に資したいという考え方が新聞紙上に散見をいたしておりますが、通産当局ではこれらの問題についてどういう姿勢でございますか。またそういうことに対して御準備があるならば、どういう品目などを用意しておられるか、基本的でけっこうでありますからお伺いしたいと思うのであります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 日中貿易につきましては、在来からも申し上げておりますように、イデオロギーにとらわれずに、できるだけ貿易量をふやしていきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。また、御承知のようにいろいろ問題がございますし、台湾との関係もあるわけでございますが、昨今でも、わが国が北京政府を敵視しているものではないということを幾らかでもわかってもらえるような措置を少しずつとりつつありますことは、お気づきだと思うのであります。  そこで、ココムにつきまして私どもが幾つか主張しておりますことは、一つは、ココムの中でソ連ないし東欧圏と北京政府とを差別をするという態度には私どもは反対である。扱いは一緒でなければならない。北京政府にとってのみ不利な扱いをするということは私どもは適当と思わないということ。次にココムそのものにきめられました品目も、時代の進展とともに意味が薄れていくものも当然あるわけでございます。そういうものについてはできるだけ整理をしていくべきものである。こういう二つの基本的な考えを持っておりまして、ココムの内容がレビューされる時期には、私どもはそういうことを従来も申しておりますが、再度主張をいたしたいと考えております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 いま具体的に一つずつの品目で伺うわけじゃございませんけれども、武器弾薬、戦争に直接関係のある禁輸品目以外の、たとえば多少戦時体制下でありますから関係があっても、大きな工作機械というようなものに対しての輸出緩和をしようというお考えがあるのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 たとえばエレクトロニクスあたりになりますと、非常に限界的なものが出てくるかと思うのであります。しかし、常識的に直接に戦争あるいは戦闘に関係のないようなもの、戦力を直接に増強するようなものでないものについては、私どもはできるだけココムリストから落としていくべきものであると考えております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 もう時間でありますから、最後に輸銀融資の問題はとにかくケース・バイ・ケースだとか長いこと言われて、ケース・バイ・ケースというのは外務省のどの官僚が言い出したのか知りませんけれども、もう今日はノー・ケースとノー・チャンスである。全然取りつく島もないというような形になりまして、中国側もメンツを重んずる国でありますし、吉田書簡を廃棄せよ、そればかり言うて全然問題にならぬような状況であることは嘆かわしいことだと思っておるわけでございます。しかし、考え方によりましては、輸銀を使わないでも、それと同程度の効果をあげ得るものも考えられるのではないか。ことに金融筋ではそういうようなことを盛んに申しておりまして、これは通産大臣の決心いかんで相当に大幅に市中銀行の非常に安い融資というようなものもできるのではないかというようなこともいわれております。  これらの問題について、知恵袋みたいな宮澤さんのことですから、何かいい知恵はないかということを最後にお尋ねしまして、私の質問を終わろうと思っております。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 この問題は、通産行政を越える大きな問題でございますので、私から政府としての基本的な態度を申し上げますことは適当でないかもしれませんが、確かにケース・バイ・ケースということが、最近ケースが一つもないと言われることはそのとおりでありますけれども、しかし、考えようによりましては、一切輸銀を使わないのだということを申し上げる立場から考えますと、ケース・バイ・ケースだと申し上げている立場は、立場としては意味合いが幾らか違う。現実にケースがないではないかと言われることは、最近私は認めますけれども、輸銀は一切使わないのだということを申し上げている立場とはやはり立場に微妙な違いがあるということは、おわかりいただけるのではないだろうかと思います。したがって、私どもは、もうこのケースは一切あり得ないのだというふうには考えておりませんで、いろいろな世の中の動きも見ながら、絶えずこの問題は、閉ざされた気持ちではなく問題を見ていくべきものだと思っております。  次に、輸銀を使わないで、金融的な効果ではそれに近いやり方というものがあり得るのではないかと言われることについて、私はあり得ると思うのであります。先方の立場にもよりますけれどもあり得ると思いますので、もしそういうケースが出てまいりましたら、私としては大いにこれは前向きに考えていきたいと思っております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 ありがとうございました。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 私はきょうはきわめて身近な問題をとらえまして、大臣に提案申し上げると同時に、また御質問を申し上げたいと思います。  そこで、いよいよ一兆円という国費を投じて開幕されました万国博覧会、非常におめでたいわけでございます。私どもまた国民は、みんなこの万国博覧会を通じまして国際親善あるいはまた大きな貿易の拡大、こういうことになるように、何とか成功したい、こういうように考えているのは私一人ではないと思うのであります。  そこで、初日にあたりまして、一つはエキスポランドの空中ビュッフェですか、これがとまりまして、約三時間半、これに乗った人たちが非常に若労をして救出された、こういうようなことも出ておりますし、また動く歩道あるいはまたあぶない遊具、こういうように新聞にも報道されておりますけれども、こうした事故が、機械のことでございますからいろいろと事故が起こるのはあたりまえでありますけれども、しかし、いずれにいたしましてもこの点検、チェック、こういうものが若干不備であったのではないか。まして、これからたくさんの人たちが参りますと、特に私、対外国関係のことを考えますれば、日本の国でこういうことが起こって、第一印象と申しますか、これが悪くなるということはぐあいが悪い、こう思いまするので、それに対する対策、こういうことが大臣のほうでお考えでありましたらお聞かせ願いたい、こう思うのであります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 ふたあけ早々でよろずふなれであったとは思いますが、空中ビュッフェで事故が起こりましたことはまことに遺憾なことでございます。しかも乗客の救出にかなり手間をとった。幸い軽傷を負われた人たちも、翌日、協会がお見舞いしたところいずれも無事であったそうでございますけれども、事故の原因は、カプセルが一定度以上傾きましたら自然に安全装置が働くはずのものが、何ゆえか働かずにさらに傾きが大きくなって運転が停止したということのようでございます。そこで現在安全装置が働かなかったのはなぜであろうかという原因を究明いたしております。この同じ装置が万博の施設の中に五基あるそうでございますが、この事故の原因が明確になるまで、全部の装置の運転を使用停止いたしました。今後協会では、原因がわかりましてから、あとこの施設について一週間以上試運転期間を置いて、それまでは使わせないということも考えておりますが、なお非常階段を取りつけるように指示をいたしております。  一般的にあの会場内にございます、高いところで運転をしておりますような機械機具につきましては、全部再点検を行なうことにいたしますとともに、メーカーの技術者を常時会場内に置かせるということにいたしまして、今後こういう事故が起こりませんように極力注意するように指導と監督を行なっておるところでございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 そうしてさっそく手を打っていただいたということはありがたいことでありますけれども、なお今後、機械のことでございますからいろいろございましょうが、子供の遊び場、こういうところもございますので、総点検をなさっていただくということはたいへんだと思いますけれども、もう一度総点検をしていただきたい、こういうように思うのでありますが、いかがでございましょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 そういうふうにいたしますようにすでに指示をいたしまして、そういうことになると思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 なお、夏になりますと、特に食中毒が問題になると思うのです。私、あの現場へ参りまして、まだふなれな点もあったと思いますけれども、食堂に入りましても、非常にごたごたしておる、こういうことでございますので、そうした食中毒という面も万全を期していただきたい、こういうように思うのでありますが、いかがでありますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 食品衛生につきましては特別に注意をいたしておりますが、会場が比較的狭く、かつ、人がたくさん入りますと、夏になりますと暑いところでございますから、からだのほうも普通よりも弱るということは十分考えられます。したがって、そういう救急施設なども十分に備えておるつもりでございますが、両面十分なお注意をいたしたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 時間がありませんから、次に移りたいと思います。  今度は金融面でございますけれども、政府が出されておるところの七兆九千四百九十七億、こういう本年度の予算は、政府のほうでは警戒中立型ということでございますけれども、私どものほうでは、どうも景気刺激型ではないか、こういうように考えておるわけであります。まあ、いままで政府のとってこられた政策を見ておりますと、景気が刺激されると経済が非常に膨張する、それに対して金融引き締めが何か特効薬のようにされておるんじゃないか、こういう感を受けておるわけでございます。  それで、今度も金融引き締めをなさっておるわけでございますが、金融引き締めで一番こたえると申しますか、一番困るのが中小企業、特に零細小企業にそのしわ寄せがまいっております。これは、日本の経済の状態から見まして、小企業はほとんど大企業の下請ということになっておりますから、そこにしわ寄せがくるのは火を見るより明らかでありますし、また、金融の引き締めは手形のサイトが延びていくとか、あるいはまた支払いがおくれていくとか、こういうことで常に小企業が大企業のクッションになっておるという現実の姿がございます。そこで、特に小企業に対して、ここでやはり政府として、特に通産省として手を打っていただかなければならぬわけでございます。  そこで、一つの問題を提示いたしますれば、小企業、特に零細企業が銀行から融資を受けるのに非常に苦心をするわけでございます。それに対して信用保険と申しますか、各県で行なっておりますところの信用保証協会がございますが、基金を苦労してそこの理事長あたりが集めるわけであります。兵庫県に例をとりますと約五億、それに対して現在定款倍率、すなわち保証限度は二百五十億ということでございまして、私、商工委員会で絶えず、何とかひとつこの頭打ちを上げてもらいたい、こういうわけでお願いをしてきたわけでありますが、これについて中小企業庁長官からお答えをいただきたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 信用保証協会の定款倍率、これはいまも御指摘の中にございましたように、基本財産に対しますところの債務保証の最高限度、この倍率を定款で規定いたしておるわけでございますけれども、この最高限度を設けました制度の趣旨というものは、あくまでも保証協会の健全な経営基盤を培養してまいるということのために設けられたわけでございまして、従来五十倍を最高限度として、主務大臣の認可を受けておるところであります。  現在、この最高の五十倍の認可を受けております協会は、全国で十二協会でございます。全体五十一協会のうち十二協会あるわけでございますけれども、四十四年十二月末現在におきます最高の債務保証額を見てまいりますと四四・一倍、これが最高になっております。したがいまして、現状におきましてはまだ保障につきまして余力があるという状況ではないかと考えるわけでございますけれども、ただ保証規模がだんだんと大きくなりつつございます。だんだんと件数もふえてまいっておりますし、保証承諾規模も大きくなりつつあるわけでございますので、近い将来におきましては、こういう問題につきまして、最高限度額の五十倍をさらに引き上げるというふうな問題も起こってこようかと思うわけでございまして、現在、そういう保証協会の経営基盤が強化されたのとうらはらの問題といたしまして、最高限度額、保証倍率を上げるということにつきまして積極的な検討を進めてまいりたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 大体どれくらいを限度となさるおつもりでございましょうか。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 これはあくまでも経営基盤の問題と関連いたしますので、それぞれの保証協会ごとに違ってまいるかと思いますけれども、一応六十倍程度をめどにいたしまして検討いたしております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 大蔵省、来ていますか。——いま、基金の四四・一倍、こういうことだとお聞きしましたけれども、保証協会の現実の状況を見ますと、いまおっしゃったように六十倍やってもよいわけでございますが、いつどうなるかわからぬというわけで、やはり若干押えておるわけであります。だから、ぜひひとつそこまでふやすようにやっていただきたい。あとで、これはもう一度大蔵省に最後に念を押しておきたいと思います。  次に、特別小口保険、無担保無保証保険でございますけれども、この限度額が現在五十万、これを百万円まで増額してもらいたいというように言ってきておるわけであります。私どもに陳情が来ておりますのは尼崎市から来ておるわけでありますが、尼崎市の例をとりますと、人口五十五万で大企業はわずか四%、中小企業が九六%を占めておる。しかも施設の老朽化、求人難、信用力の欠除によるところの資金調達が非常に困難で苦労しておる。だから、どうしても人件費の高騰、手形の期間の延長、こういうものに対処しにくいので、五十万を百万にしていただきたい、こういうような陳情が来ておるわけでございます。これについて御意見を承りたいと思うのですが、長官、どうですか。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 御指摘の特別小口保険、すなわち無担保無保証の関係の保険につきまして、その限度額を五十万から百万まで上げたらどうだ、こういう御意見、前々からお伺いいたしているところでございます。したがいまして、そういう御意見に基づきまして、政府内部でいろいろと検討をいたしました結果、実はこの特別小口保険の利用者が初めて無担保保険というものを利用した場合、しかも保険価額の合計額が百万円までというふうな場合におきましては、通常でございますと無担保保険の場合には保険料率が一厘五毛でございますけれども、この場合百万までを限度といたしまして一厘二毛として優遇するというふうな制度を設けまして、四十三年の五月から実施いたしておるところでございます。これはいわゆる無担保無保証というふうな、金額の限度を上げますことにかえまして、いわゆる無担保保証といっております三百万を限度としているもののうち、百万までを初めてそういうふうに変更して借りるということになりました場合、百万円を限度といたしまして優遇措置を講じたわけでございます。と同時に、これに対応いたしまして、うらはらの関係でございますけれども、百万までせっかく上げましても、その債務としての五十万円までにつきまして、そこまでの保証人を要求されるというふうなことになりますと、これは小企業でございます債務者のほうに相当酷な措置になるというふうなことになるわけでございますので、その保証分については保証人を請求しない。それが過度の負担にならないように、そういうふうに保証協会等を指導してまいっておるわけでございまして、おおむねその方向で保証協会のほうも協力をいたしてくれておるものと確信いたしております。  以上の措置は、実は限度額をそのまま引き上げたということにはならないわけでございますけれども、やはり低利の保証料率で百万円まで保証をいたす制度を実質的に講じたわけでございますので、したがいまして、実際問題といたしましては、この百万円の新制度が四十三年以降相当活発に利用されておるのが現状でございます。特に現在御承知のとおり、保険財政は非常に大幅な赤字財政を続けておりまして、その建て直しをいま一生懸命やっておるところでございます。したがいまして、いまここで新しく限度額を上げるということは、保険財政の見地からいきますと非常にむずかしい問題があるわけでございますけれども、なお将来とも研究を続けてまいりたいと考えます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 岡本君、銀行局から見えています。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 これは先ほど御質問申し上げました保証協会の定款倍率の件です。これについて現在は基金の五十倍、これを私再三、保証協会の要請もありまして、商工委員会で申し上げてきたわけでありますが、いま長官から六十倍まで特別のところは引き上げようというお話をいただいたわけですが、大蔵省としては、これは御承知でしょうね。

吉田太郎一大蔵大臣官房審議官

○吉田説明員 通産省ともひとつ相談いたしまして、今後検討していきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 大蔵省の担当官、これはあなたかわったからわからぬのですが、私質問するたびにおかわりになるわけですよ。いつも検討、検討。いつまでも検討と言わずに、大体通産省とも検討していただいたと思うので、御意見だけひとつ承りたいと思うのですが、どうですか。

吉田太郎一大蔵大臣官房審議官

○吉田説明員 もう先生御承知かと思いますが、現在五十倍の倍率になっております協会は、全国の五十一の協会のうち十二当たるわけであります。これらの協会の余裕のワクは、現在では相当大きくて、五十倍という倍率の引き上げについては、当面それほど差し迫った必要はないかと考えております。しかし、今後の保証規模の増大がどうなるかというようなことを注意しながら、倍率がきまっておるために保証需要を抑制するような事態が生じないよう、倍率についても弾力的に処理してまいりたい、こういうふうに考えております。  ただ、申し上げるまでもないことでございますが、倍率の引き上げが保証協会の経営の健全性ということをそこなってはならないという問題もございますので、協会自体といたしましても、県あるいは金融機関からの出捐金の増額についての努力もあわせてやっていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。具体的には、個別の協会の基本財産充実の面等をも勘案いたしまして個別に処理してまいる、こういうふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 またこの問題は次の商工委員会ではっきりしていただきます。  時間がありませんから、次に進みますけれども、それでこの特別小口保証につきまして、四十二年度をピークとして非常に保証の申し込みが下落しておる。これは全国的にもいま数字を申し上げませんけれども、この理由はどういうわけでございましょうか、長官にお尋ねしたい。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 大体いまお話しがございましたように、四十二年度をピークといたしまして、四十三年度上期までは比較的順調に伸びておるわけでございます。伸び悩みの理由は協会ごとに種々事情があろうかと思われますけれども、ただ、一般的に考えられますのは、前年度上期までの保証承諾額というものが、特に四十二年引き締めされた時期というふうな関係もございまして、保証承諾額が非常に高水準であった、そういう事情があったかと思うわけでございます。同時にまた、いまの特別小口関係につきましては、特別小口保証の利用者が無担保保証を利用する場合に、先ほどお答え申し上げました百万円までの特別の優遇措置ができました関係上、特別小口保証の関係につきましては、無担保保証のほうに移っていった数が非常にふえておるわけでございまして、特別小口保証の関係の実績が鈍化したのはそういう理由にもよるのではないかと考えます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 それは私の調査によりますと、この四十二年度をピークとして貸し付け件数が非常に少なくなったというのは、相談の段階で却下されているのが非常に多くなったことであります。保険財政も四十億という赤字になった、こういうようにおっしゃっておりましたけれども、中小企業に対するところの施策の中で一番これが適切なものでありまして、ほかにはほとんどないというような状態でございますから、間には税金も取っておるわけでございますから、ひとつこの点は今後よく検討をして、増額もし、またほんとうに困った人たちが企業を伸ばし、ある時期を乗り越えるために配慮いただきたい、大臣に御所見を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 十分にそういうふうに配慮してまいりたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 最後に、公害相談所というものを商工会議所の中に設けるように今度なったということでございますが、この全貌が若干明らかでありません。おききしたいと思うのです。  もう一つ、すでに各自治体の中に、こうした公害課、あるいはまたそうしたところの相談所のようなのがあります。これとの関連、これについてひとつお聞きしたいのですが。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 今回、商工会議所に公害相談所を設けるようになりました趣旨でございますが、御承知のように、各種の公害につきまして、ある種のものは中小企業がその発生源といたしまして非常に大きなウエートを持っておるという実情でございますので、中小企業の公害対策につきましては、従来とも団地の造成による集団移転とか、あるいは公害発生施設に対する融資制度、税制上の優遇措置というようなところで、県その他の組織と連絡をとりながら進めてまいったわけでございます。実情を克明に調べてみますと、やはり中小企業は、資力におきましても技術力におきましても、あるいは公害の認識の度合いにおきましても、いろいろの点で問題がある。これをまとめて、より親身になって相談を受ける相手をつくるのが妥当ではないかというような考え方に立ちまして、商工会議所という組織が、そういう組織といたしましては一番適当ではないかという考え方で、大体付近に中小企業で千工場以上あるような地域の商工会議所を選びまして、その中で、特に問題のある地点を選定いたしますと、現在十ないし十五くらいの範囲で考えられるものですから、その中から適当なものを選んで相談事業を行ないたいというぐあいに考えたわけでございます。  相談事業の内容といたしましては、技術的な相談、それから融資上の問題、あるいは移転上の問題、そういったことを第一に取り上げまして、さらに商工会議所の性格から見まして、地元のいろいろの関係者が非常に幅広く集まっておるところでございますので、そういう関係者との意思の疎通をはかるということもねらえますし、また日本商工会議所をセンターにいたしまして、そこを中心にいたしまして、いろいろの広報活動あるいは講習会、そういったものを開きまして、中小企業者の公害に対する認識の度合いなり、将来の施策に対する決意、そういった問題意識を大いに高めたいというようなねらいでやったわけでございます。この点につきましては、十分県とも相談の上、県で行なっております従来の中小企業指導の一環としての公害事業とは全くダブラない形において、相補完する形で施策を進めたいというぐあいに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 そこで、相談に乗られるところの相談員はある程度知識を持った専門家なのか、あるいはずぶのしろうとなのか、これは私、公害の多い県に参りますと、わりに専門家がおりますけれども、この間岩手県あたりに行きますと、公害の関係の係の方は、この間まで住民課にいたとか、そういうような人がきてるわけですね。ですから話が通じない。それではそういう人が相談に乗ったんじゃ、これはうまくいかない、こういうように思うのですが、どういうような方をこの相談員に任命するのか、またその予算措置、これについてお聞きしたいです。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 それぞれの各商工会議所におきます実情によりまして若干人的な構成が違ってくることは当然でございますが、一応の原則といたしましては、特に技術面に重点を置きまして、公害防止技術の専門家を特にその事業のために委嘱いたしまして、これは一週間まるまる相談に応ずるというわけにもいかない場合が多いものですから、たとえば一週間のうち二日なり三日なりそういった定例日には必ずその専門家が相談のお相手をするというような体制をとろうかと思っております。もちろん、商工会議所の中にも専属の職員といたしまして、これを担当する職員をはっきりきめておきまして、常時仕事の流れはそれで確保するつもりでございますが、金融上の問題あるいは技術上の問題等相当専門的な知識を要するものにつきましては、特に専門委員というような感じの方を委嘱して万全を期したいというぐあいに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 これは提案なんですけれども、私ずっとあっちこっち視察いたしまして、これは神戸の市役所の中にあるところの公害課の課長さん、この人は非常に熱心にゴム工場の団地化をやっておりました。こうした人が非常に熱心にやるときは、中小企業の皆さんもまとまって、うまく公害防除ができるわけでありますけれども、私、一週間二、三回会って、そしてただこうしたらいいのでしょう、あるいはこれくらいでしょう、そういう相談だけではこれは全然効果があがらないのじゃないか、こういう懸念をするわけです。なぜかならば、特に中小企業の皆さんは自分が陣頭指揮で会社、工場を経営しているわけですから、非常に忙しい。同時に、公害を防止することがかえって企業の大きな利益になるんだというような普及もすると同時に、金融のあっせん、こういうところまで相当めんどうを見れるような非常に強力な熱心な方がいて、初めてその地域の成果があがるのじゃないか。いまお聞きした一週間二、三回、二日か三日相談に乗るということだけであれば、現在の地方自治体の状態と変わらないのじゃないかということを懸念するわけでありますが、その点いかがでございましょうか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 説明にことばが足りなくてまことに失礼いたしましたが、商工会議所の固有の職員の中で特に公害問題に詳しい人をこの相談の事業の責任者というぐあいにきめておきまして、その方は全責任を持ちまして相談に応ずるわけでございますが、特に技術上の問題、金融上の問題で非常にむずかしい問題が発生することも予想されますので、その補佐をするといいますか、それを技術的、金融的な知識で補うという意味で、それにプラス専門家を実はお願いするという体制でございまして、ただ相談の窓口でお話を聞くということだけではなくて、現地調査その他も幅広く行ないたいということを考えておりまして、それらに関する予算も十分織り込んでおるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 いま大体十三都市の商工会議所に公害相談室を置く、こういうことですか。これはどことどこでしょうか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 まだ十三の個別の決定はしておりません。その決定する、選ぶ原則でございますが、この点は日本商工会議所で日本じゅうの商工会議所のセンターという意味でいろいろのデータなりあるいは指導方針なりを持っておりますので、日本商工会議所を中心に選定中でございますが、まず各地区の希望をとりまして、またその希望に応じて実際に行なえる実力があるかどうか、これはもちろん商工会議所の中の職員の質も十分考えてのことでございます。行なえる実力があるかどうか。それから現に公害の発生の度合いがどの程度の状況に達しておるかというような三点を総合的に検討いたしまして、商工会議所のほうで現在審査中でございますが、それを受けまして通産省としては最終的に決定したい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 それではやはり商工会議所まかせ、裏を返せばそういうように感ずるわけです。すでに商工会議所の中にそうした人材と申しますか、能力のある人がおるのかどうか、これは非常に疑問だと私は思うのです。そこで、やはり通産省のほうから強力に働きかけていただきまして、これは提案ですけれども、そういう人材をそこに雇い入れるとか、資金のあっせんと申しましても、公害防止事業団の金を借りるためには相当いろいろな資料が必要なんです。こういうものを中小企業がつくるということはたいへんなんです。ですから、ここに神戸の花田さんのような熱心な、また事務に精通した人を置かなければ、私はこれは実効があがらないんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでございますか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 御指摘の点、まことにそのとおりでございますので、この施策の実行にあたりましては、各商工会議所並びに日本商工会議所と十分連絡をとりまして、職員の質の向上を含めまして万全の体制を講じたいというぐあいに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 最後に二点。  一点は、たとえばA地区にあるところの商工会議所に公害相談室ができた、ところがB地区にはない、こういう場合、その他地域のものはどういうふうになるのでしょうか。それをお聞きしたいのです。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 商工会議所は、大体その仕事の範囲は限られた市の地域になっておりますが、公害という問題の性格上、その区域にはあまりシビアにこだわりませんで、やはりそれを中心とした周囲の工業地帯の公害の発生の状況というものを十分把握した上で、区域を越えて相談に行ける体制あるいはそれを受け付ける体制をつくりたいというぐあいに考えます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 最後に一点。その相談室の利用の見通しについてどういう見通しをなさっておるか、これをお聞きしたいのです。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 具体的に何件くらい来るであろうかという点につきましては、まだはっきりした数値を持っていないわけでございますが、大体十三の商工会議所を選ぶ場合に、大気汚染防止法、それから水質保全法、それから騒音防止法、この三つの法律で指定された地域のうち二つがダブる地点から十三の商工会議所を選びたい。なおかつその付近に千以上の工場がある地域から選びたいという原則で選定しておりますので、工場の相談件数というものは相当数にのぼるのではないか、こういうぐあいに考えております。特に現在苦情の出方その他から判定いたしますと、騒音関係の苦情が非常に多いわけでございますので、さしあたり出てくるケースといたしましては騒音を中心にした相談であろうというぐあいに見込んでおる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 これは私、見通しがもう少し強力なあれがないと甘いんじゃないか、こういうふうに思うのです。  同時にもう一つ、最後に相談事業の趣旨をPRする方法、これをひとつお聞きしたい。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 この点につきましては、まず第一に、日本商工会議所を中心にいたしまして随時講習会その他を開きまして、各商工会議所の質を向上させると同時に、各商工会議所を通じたPR体制というものを十分そこで統一的な形でつくり上げ、かつこれを指示いたしまして、地元の商工会議所を通ずるPR体制というものをひとつつくりますと同時に、もう一つは、中小企業の公害問題は県並びに市の行政内容として非常に大きなウエートを持ってきつつあるわけでございますので、市並びに県の公害問題担当部局と十分連絡をとりながら、これも随時講習会その他を通じましてその体制を固めていきたい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 最後に大臣に……。いまお聞きのとおり相談員という方は非常に熱心でしかも力のある方でなければならないし、しかも事務に精通された方でないと非常に進まないのではないか、こういう面と、それからこれはなかなか中小企業には徹底しないわけでございます。公害の除去をしたからといって直ちに利益になるものではありませんので、いまはモラルが相当変わってまいりましたけれども、その点についてどうかひとつ万全の処置を、せっかくつくっていただくのですからお願いしたい、こう思うのでありますが、御所見を伺いたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 この制度は、考え方としては私は悪くないと思います。推進してまいりたいと思いますが、なお御指摘のようにエキスパートが非常に少ないので、日本商工会議所などでも研修などもやりまして、そういうエキスパートを育てていきたいと思います。中小企業においては実際公害というのはなかなかの負担でございましょうと思います。指導、金融等も考えてまいりますが、また中小企業の側においても御協力を願いたいと思っております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 この後の質疑は、島本虎三君、竹本孫一君、華山親義君の順でございますが、都合により桑名義治君に質疑を許します。桑名義治君。

桑名義治公明党

○桑名分科員 私は産炭地の再開発についてお尋ねをしておきたいと思います。  産炭地の再開発につきましては、各省にまたがりまして、当然ただ単に通産省関係だけで解決のつく問題ではございませんが、本日は、通産省関係の中で特に鉱害復旧の問題と企業誘致と工業団地の造成という、この二点に問題をしぼりまして質問をしておきたいと思います。  御承知のように、炭鉱地帯というものは、戦前、戦後にかけまして、国策によって乱掘がしいられてきたわけでございます。そのはね返りとしまして、国土は極度に疲弊しましたし、その後住民の生活というものは非常な苦しみの中に追い込まれているのが実情でございますし、一つの市の例を取り上げてみますと、いままで五万の人口を有しておりました山田市等においては、すでに一万九千人の人口に激減をしておる。しかも、その約半数が生活保護にたよっているというような非常に惨たんたるありさまを呈しているわけであります。それに対しまして、政府の施策の中で石炭の合理化ということが叫ばれまして、すでに第四次合理化案が実施の段階に入っているわけでございますが、この合理化案実施につきましても、合理化が先かあるいは炭鉱にかわるべき重点的な中核企業を興すことが先か、いわゆる再開発が先かという論議が盛んに行なわれたわけでございますが、国の施策としましては合理化を優先して今日に来たわけでございます。その結果先ほど申し上げたような疲弊した産炭地の実情におちいったわけでございますが、その中で特に鉱害対策の解決なくして産炭地の再開発はあり得ない、このように私は強く確信をしている次第でございますが、その鉱害復旧についてまず質問をしておきたいと思います。  鉱害復旧につきましては、御承知のように有資力、無資力の二面にまず分かれると思います。有資力の面についてはもうすでに問題は少ないと思いますけれども、無資力の鉱害についてこそ問題が多々あると思います。しかしながら、有資力の場合でも現地のいわゆる被鉱害者との話し合いがなかなか煮詰まらずに、そのまま放置されているような状態におちいっているときには、どのようなあっせんをいままでなしてきたか、あるいはどのような強制力をあっせんの中に持っているのか、あるいはまた無資力鉱害についてのいままでのとってきた処置について、まず伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように石炭の生産に伴いまして鉱害が発生しておりまして、従来から鉱害の処理というのが石炭鉱業と並行した問題であったわけであります。最近は、御指摘のように合理化に伴いまして閉山が起こり、無資力鉱害が発生するという状態になっています。先般四十二年の調査では、残存鉱害量が約八百億で、そのうちの二百億程度が無資力鉱害だというふうにされておったわけでありますが、御指摘のような最近の状態で、無資力鉱害の比重は増加しつつありまして、おそらく推定では半分が無資力鉱害であろう、こういうように存ずる次第でございます。したがいまして、無資力鉱害につきまして、できるだけこれを計画的に、総合的に、しかもすみやかに解決するという必要があるということで、四十四年度につきましては、百五億のうちで五十一億円を無資力鉱害の対策費に充てたわけでございまして、来年度予算で、現在御審議願っておる予算におきましては、百二十五億の復旧工事事業費の中で六十二億、約半分が無資力鉱害の復旧事業というふうに考えておるわけでございます。なお、有資力鉱害については、原則として当事者間の話し合いということで、当事者間の話し合いのつかない場合にはこれをあっせんするということでやっておりますが、最近の情勢でいきますと、むしろ鉱害の紛争の加害者のほうの当事者がないというケースが多くなっておりまして、これにつきましては、通産局で鉱害認定するということで解決をはかるようにいたしておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 無資力鉱害につきましても鋭意努力を続けられているというお話でございますが、問題点は、その鉱害が復旧になるということは、これは大切なことでございますが、この鉱害復旧が非常におそいというところに問題があるわけです。何となれば、鉱害によってそれぞれの生活の脅威を受けている場合もありますし、あるいはまた住居が非常に疲弊をしていきますと、生活そのものに非常に不便を感ずるというような場合もあるわけでございますので、この鉱害復旧につきましては早急に前進をさしていくような努力を続けていただきたい、このように思うわけであります。  また、有資力におきましても、無資力におきましても、一たん鉱害を復旧をさした後に、さらに二次的にあるいは三次的に再度鉱害が起こるというような事態におちいっているのが実情でございますが、このような再鉱害、いわゆる二次的、三次的な鉱害に対する処置について伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 鉱害復旧におきましては、採掘が終了して地盤沈下等が安定した後に復旧工事を行なうというのが原則的な考え方でございますが、御指摘のように、現実には一たん復旧工事をやりましたあとで周辺の鉱害等とも関連して鉱害が生ずるということがあるわけでございますので、地表の土地物件に二度あるいは三度というふうに鉱害があらわれました場合には、臨時石炭鉱害復旧法の対象となる工事につきましては、臨鉱法に基づきまして再復旧をするということを現にやっておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 鉱害は、ただ単に土地が沈下をするとかあるいは家屋が破壊をされるとか、そういった問題にとどまらずに、たとえば井戸水の鉱害等もあるわけです。こういった問題につきましては、直接坑道がその下を通らなくても、相当離れたところを坑道が通りましても、地盤がゆるむとかで井戸水が枯渇してしまうというような非常に判定のしにくい鉱害も起こり得るわけであります。そういった鉱害上の争点について問題が惹起した場合には、どのような処置をとっているか、あるいはその賠償の度合いについて伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 鉱害認定の問題はございますけれども、鉱害と判断される場合には、鉱害水道というようなことで水道等の問題については対処いたしております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 次の点は、鉱害の中には金銭賠償と原状復旧というこの二つの種類があると思いますが、金銭賠償につきましては、最近は非常に少なくなってまいりました。しかし、過去に金銭賠償によって問題が落着をしている場合、隣が原状復旧、いわゆる陥没した土地をそのまま原状に復した。ところが、隣は金銭をもらって、直接には原状に復していない。こうなりますと、土地に大きな起伏を生ずるわけでございます。こういった問題で、たまたま大水等によりましてその地域に非常に災害を起こし得ることが多々あるわけでございますが、こういった格差是正について通産省としてはどのようにお考えになっているか、質問しておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 鉱害復旧をする場合に、鉱害地域の中で金銭賠償の対象地域と復旧した地域とが混在するというのは好ましくなくて、御指摘のような被害も生ずるわけでございますので、指導の方針といたしましては、たとえば鉱害復旧事業団が賠償融資をするという際に、全体の総合性を考えまして、その辺一帯の復旧を行なえるように事前に指導をする、あるいは通産局に相談がありました場合には、事前にそういう指導をするとかいうことをやりまして、できるだけ混在を避けるというのを指導方針にいたしております。ただ現実には、御指摘のように従来の会社が金銭賠償を原則としてやっておった、隣の会社は復旧を原則としてやっておったというようなことから混在するという場合が生ずるわけでございますが、こうした場合には受益者負担を徴収しまして復旧をするというようなことをやりまして、全体の復旧計画が総合的、合理的になるように努力していきたいと思っている次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 その場合の受益者負担の割合はどのくらいになるのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 事実上の問題になりまするが、従来の金銭賠償を受けた額が基準になりまして、それ以上というのはいろいろ問題がありますが、その限度くらいで片づけているのが通常でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 次に、原状復旧というものが大体原則になっておるのでございますけれども、現在は御存じのように産炭地の再開発ということでいろいろな青写真も計画をされているのが実情でございますし、社会の推移によりまして、地域の開発を行なわれることは当然なことでございます。そのことによりまして、たとえばいままで農地が鉱害を受けておった。その鉱害を受けておった農地に対して復旧をなす。ところが、その付近は住宅地にすでに移行しつつある、あるいはまた青写真の中では住宅地になっている。こういった場合に、いわゆる再度その需要目的に合わした鉱害復旧というものがなされ得るものであるかどうか、その点について伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように復旧は原状回復ということになっておりますけれども、最近の情勢ではそういう事態も生じておりますので、従来から被害者の希望があって必要な負担もできるという場合には、農地を住宅用あるいは工場用等の宅地に転換復旧するということをいたしております。今後も、むしろ最近の情勢においてはこうした制度の活用が必要だというふうに考えておりまして、そういう方針を強化してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 原状復旧のみではなくて、その需要目的に合わした復旧を推進をしていくということにつきましては、私は非常に賛意を表するものでございますが、ますますこういった事態が急速に起こると思いますので、その点に大いに留意をされていただきたい、このように思うわけでございます。  次に、この鉱害復旧につきましてのいわゆる補助金の問題でございますが、農業施設につきましては非常に高率の補助金が充てられております。それは最高額八五%、そういう高い補助率でございますが、この農業施設以外の一般の復旧につきましては、その補助率に非常に格差があるわけでございます。そういった意味から、農業施設の八五%に見合うだけの補助率を一般のいわゆる鉱害復旧にも充当できないものか、またアップできないものか、その点について伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のような点がございまして、従来からも補助率の引き上げについて努力してまいっております。今後も努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 鉱害問題につきましては、冒頭に申し上げましたように、これは単なる個人の考えあるいはまた行動によりまして鉱害が起こったわけじゃございません。要するに国策によってこういった個人の財産に被害を受けたというのが実情でございますので、そういった面に大いに留意をされまして、国としましては、全面的にこの鉱害復旧については努力を続けていただきたい、これを要望しておきたいと思います。  次に、企業誘致と工場団地造成の問題でございますが、産炭地の再開発につきましては、一番重点的になりますのは、いかなる企業をこの産炭地に誘致するかということがやはり中心になるネックじゃないか、このように思うわけでございます。いままでのこの産炭地における工場団地造成の総面積、これを各地域別にお知らせ願いたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 工場団地の造成につきましては、産炭地振興事業の中でボタ山等の炭坑あと地を積極的に活用するという方針で進めております。現在まで九百三十万平方メートルが完成しておりまして、そのうち五百万平方メートルに二百三十の企業が進出いたしております。地域別に申し上げますと、筑豊地域だけしか出ておりませんが、先ほど申し上げました九百三十万平方メートルの中で筑豊地区は五百八十万平方メートル、譲渡面積が三百十万平方メートルということになっております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 この工場団地の造成についてでございますが、いわゆる再開発という一つの青写真の上に立った工場団地でなければ、場当たり的あるいは各市町村のセクトの上に立った各工場団地の造成であるならば、これは産炭地再開発について、将来は必ずそういった問題が発展を阻害をしていくというような事態も考えられるわけでございますが、この工場団地の造成についても、全体計画にのっとったいわゆる造成が行なわれているとはどうしても考え得ない面が多々あるわけでございますが、その点についての通産省の見解を伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 産炭地振興事業としての団地等の造成等につきましては、やはりその産炭地域そのもののみならず、周辺地域、関連地域等も含めて有効に活用されるという方針で考えねばならないということで考えておるわけでございます。そういう意味では、立地条件から見て企業誘致の可能性等も考慮しつつやっておる次第でございます。あるいはなお考慮を要する点があろうかと思います。そういう点については御指摘を賜わりたいと思いますが、基本的には地域的、広域的に開発をしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 現在の工場団地に誘致をした工場の形態でございますが、非常に中小企業の誘致が盛んでありまして、中核になるような企業の誘致がなされていない、ここに問題があるのではないかと思います。そもそも、この産炭地における工場団地造成あるいは企業誘致というものは、産炭地の再開発につながらなければ意味がないわけでございます。その点につきましては、現在の雇用の姿というものが若年女子雇用型の企業が中心になっております。たとえば縫製工場や、あるいは電気器具の場合におきましても、小さな部品をつくるのは若い女性によってほとんどまかなわれているというのが実態でございます。今後、男子のあるいは中高年型の中小企業が誘致されてこそ、初めて産炭地の再開発につながりあるいは発展につながる、このように私は思うわけでございますが、政府はこの企業誘致につきまして、中核企業の誘致あるいはまた半官半民的な大企業を誘致して、それに伴う付随産業の育成をはかっていくという、そういう方向があるかないか、あるいはいままでのその努力の過程をお話し願いたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように、三十六年に産炭地域振興臨時措置法が制定されまして、産炭地域振興事業団を中核にして産炭地域の振興をはかろうということで鋭意努力してまいったわけでございますが、産業基盤の整備が立ちおくれたというようなこともございまして、しばらくはあまり成果があがらなかった、小企業しか入らなかったというような点で御指摘の点があったことは事実でございます。ただ、四十二年下期あたりから道路、港湾等の産業基盤の整備が進むに従いまして、また全国的にも労働力の逼迫等がございましたので、産炭地域の新しい企業進出の地点としての評価があがってまいりました。一昨年あたりから企業進出が増加をする傾向を示しまして、すでに六百企業が入っておるわけでございます。雇用人員も四万六千人、年間出荷額も二千二百億円というような状況になっておる次第でございます。最近は特に電子工業等の大型の企業の進出が多数見られますし、それから企業進出が困難と見られておりました杵島地区だとか北海道の産炭地域にもそうした企業の進出が多数見られるという状況に相なってまいったわけでございまして、四十四年度だけでも百六十企業ぐらいの進出が見込まれました。四十三年度に比較しまして五割増し程度の企業進出数ということになるわけでございます。  御指摘のありました中核企業ということにつきましては、まあどうしたものを中核企業というかという問題はございましょうけれども、設備投資額が三億以上、雇用人員が二百人以上の程度のものというものが産炭地域振興事業団の融資等でも一つのランクとして考えられておるわけでございますが、こういう企業の進出が多数ふえてきたという状況で、明るい状況になっております。その際、採用する人員が新卒等の若年労働者を中心にしておるということに対して、さらに中高年齢者の就業を指導すべきだという点につきましては、現在労働省等とも御連絡をいたしまして、一緒に中高年齢者も採用してもらうように指導しておりまして、逐次中高年齢者の採用が進んでおるという状況になりつつありまして、基本的には御指摘のような方針で考えておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 いわゆる企業の誘致の問題につきましての考え方については、了解をしたわけでございますが、政府の今後のこういう中核企業誘致に対する姿勢なり、あるいは具体的な努力の過程、あるいは今後の方針をお聞かせ願いたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように、今後はやはり産炭地域に中核的な企業の進出を中心にして地域の振興をはかるということが必要だと思います。したがいまして、そういう企業に対しまして、差炭地域振興事業団の融資等におきまして重点的に考慮するということによりまして、誘導してまいろうということを考えておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 先ほど鉱害の問題で御質問したわけでございますが、産炭地というものはどうしても鉱害問題とは切っても切り離せない、これは付随的な問題だ、こういうふうに思うわけでございますが、せっかく工場団地に工場誘致しましても、そこに鉱害の発生があったとすれば、これはゆゆしき問題になってくるわけでございます。そういった事例が多少あるわけでございますが、そのような事業団の造成した工場団地に誘致をした工場に鉱害の発生があった場合には、その賠償責任なり、あるいはまた、賠償の度合いなりはどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点伺っておきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 ちょっとこまかい例になりますので担当課長からお答えをさせていただきたいと思います。

真野温通商産業省鉱山石炭局石炭部産炭地域振興課長

○真野説明員 ただいまの桑名先生の御質問の産炭事業団の造成した工場団地における鉱害問題でございますが、これについては、先生御指摘のように、昨年におきまして産炭事業団造成団地におきまして稼動中の工場の中において、一部陥没事故がございまして、そのために操業停止というような事態になりましたところがございます。ただ、本件につきましては、私どものほうとしても、産炭地における企業誘致に及ぼす影響及び当事者の被害その他の重大さがあるかどうか、この辺について十分検討すべきだということから、相当関係者及び学識経験者を集めまして、精細な調査をいたしまして、その結果、少なくとも当該案件に関する限り産炭地域振興事業団による造成のミスよりも、むしろ工場側の、工場建設のミスによるものであるというような調査報告書を学識経験者の調査団からいただいた経緯がありました。これに基づきまして当事者間で話し合いまして、円満に解決がついたわけであります。  ただ先生の御指摘のように、筑豊地域の地下は、いずれも石炭の採掘が非常に進んでおりまして、その上につくりました事業団の造成団地につきましては、そういうような将来鉱害発生のおそれがあるというようなことになりましては、これは非常に企業誘致上も問題でございまして、私どもとしましては、従来からもまず造成地点の選択について、地下の鉱害との関係がどうであるか、さらに造成工事の段階において十分そういうような鉱害予防ができるかどうか、さらに完成しました団地については、その地耐力から見て適切なる業種、企業であるかどうか、譲渡にあたって十分検討し、さらに具体的な譲渡の場合にあたっては、進出企業に対して十分土地の状況について説明する、こういう手はずで、こういう事故が起こらないようにいろいろ十分手を尽くしてまいるように指導してまいっております。  なお、今回のような事態が起こらないように、さらに全団地についても、そういうような土地の地耐力の状況について再調査をいたしまして、必要な措置について万全を期してまいりたい、こういうふうに考えております。  なお、具体的な案件について、事業団造成団地におけるこういうような工場の陥没事故その他による賠償問題については、ただいま申し上げましたようなケースだけでございまして、具体的には造成のミスなのか、あるいは工場側の建設上の不注意といいますか、そういうようなものによるものか、具体的案件によって判定せざるを得ませんが、少なくとも現在の事実上の見地から十分予防し得るような措置をできるだけ事業団の造成工事においてもとってまいりたい、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 時間が参りましたので、最後に大臣にお聞きしたいと思いますが、先ほどから鉱害問題あるいはまた産炭地開発の問題につきまして多少質問を申し上げたわけでございますが、お聞きのとおりに、非常に産炭地は疲弊しております。で、いままで政府もばく大な金をつぎ込んでおる事実につきましては私も承知をしておるわけでございますが、いずれにしましても地域住民の生活の安定のために、あるいはまた荒廃した国土再開発という意味におきましても、最大の努力を続けていただきたい、このように思うわけでございますが、その点について最後に大臣の所信を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 戦争中はもとよりでございますが、戦後のわが国の復興期において産炭地の人々が果たされました貢献は、もう非常に大きいわけでございます。しかも、時勢の変化に従って閉山、終山等の事実も起こり、また別途鉱害も起こるというようなことでございます。これらの人々に、及び地域の経済に対しては、私どもできるだけのことを続けてまいらなければならないと思います。幸いにして、先ほど局長が申し上げましたように、わが国の経済の成長に伴って必要な工場用地あるいは労働力等々、相当逼迫してまいりましたので、この産炭地へ工場立地するものもまた多くなりつつございます。しかし、その際鉱害があっては何にもなりませんので、それらのことを総合して考えながら、地域の開発の計画に国も協力してやってまいりたいと考えております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十八分休憩      ————◇—————    午後三時四十四分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、通商産業省所管について質疑を続けます。松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 通産大臣にお尋ねをいたすわけでございますが、日本の国における外貨獲得の重要な業種でありますところの双眼鏡の業界でありますが、ここ数年来不況にあえいでおります。そして多数の倒産社が出ているわけでございます。昭和四十一年ごろからこの傾向が出てまいりまして、昭和四十一年には三社、四十二年には六社、四十三年には非常に倒産が多くなってまいりまして、その数は十五社を数えております。四十四年に六社、そして四十五年、ことしの一月から三月まで、すでにもう四社倒産が出たわけでございます。現在これらの企業で細々ながらも仕事をしているのが百二十一社ございますが、このように、四十一年以降本年三月に至るまで、このような倒産が引き続いて起こっているという原因は、なぜこのようになったのか。その原因について通産省としてはどのように把握されておるか、伺いたいわけであります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 詳細につきましては、ただいま政府委員より補足をしてもらいますが、非常に輸出比率の高い業界でありますとともに、中小企業が多いということで、とかく過当競争になりやすい。近年輸出事情がほぼ横ばい、ことに昭和四十四年には、数量としては前年比八%減ということであったことに対しまして、御承知のように、労務費が上がっておる、こういうことが事業力の弱いところにしわ寄せされたのではないだろうかと思うのでございます。私ども昨年も特に金融を頼みましたりいたしましたことは御承知のとおりでございますけれども、現状はそのように把握しております。  なお政府委員からお答えをいたします。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいま大臣からお答えいたしましたことと関連をいたしまして、若干補足的に御説明いたします。  ただいまも大臣からお答えいたしましたように、この業界は非常に零細な、中小企業と申しますよりも、むしろ零細企業の多い業界でございます。したがいまして、また体質的にはいろいろと問題のある業界でございますが、特に昨年ごろからアメリカの不況と申しますか、景気の後退、こういったことにも関連をいたしまして、輸出の数量が落ちてきております。アメリカ向けは全体の輸出の中の約五六、七%でございまするので、こういった面が相当強く響いておるのではないかと思います。そういったことから、全体の数量が前年に比しまして約八%減ということになってきております。また金額的には、いまもちょっと申し上げましたように、輸出の価格がやや持ち直してきてはおりますが、数量が落ちてきておるということは、とりもなおさず零細な小さい企業のほうにこういった輸出の面のダウンが大きく影響してきた、こういうことになってきております。そういった関係もあるところへ持ってまいりまして、労務費等が急上昇をしておるというようなことから、経営の内容が悪化をいたしまして、ただいま先生からお示しのありましたような倒産件数になってきておる、こういうふうに私ども把握をいたしております。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 その倒産の主要な原因については、一応赤澤重工業局長の言われるとおりだと私は思うのです。しかしこの業界では、おのおのの企業体は非常にまじめにこつこつと自分の仕事に取り組んでおります。決してその会社の代表者がうわついた考えでやっておるようなところはごうも私は見受けておりません。また勝負ごとに手を出したとか、あるいはまた婦人の関係があったとか、そんなことで倒産するのと違うわけですね。非常にこれらの方々がまじめに、こつこつと外貨獲得という面から一生懸命やっているのにかかわらず、この倒産があとを引いている。こういう点につきまして、何とかこの業界をこのような状態から一日も早く救ってあげる、この事故を未然に防ぐ、こういうことができなかったのだろうか、役所のほうの指導体制は完全だったろうか、こういうふうに私たち思うわけでございます。  それでまず一番大きな問題としては、昨年も私、この分科会におきましてこの問題を取り上げた記憶がございますが、金融の問題、これが一番大きなポイントだと思うのです。何とかしてこの事態を切り抜けたい、そしてこの窮地を脱出したい。そういうところから業界自身でも手を打ってはきております。しかしながら、なかなかその実効があがらないというような点もございますけれども、この脱出方に対して企業をもう一歩育成するためにも、担当の通産省として行政指導の点に欠ける点はなかったか、こう思うわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 双眼鏡の業界が先ほど申し上げましたように、非常に零細企業である。しかし、また同時に非常に輸出比率の高い外貨の獲得産業である。こういったことから、私どもも日ごろからこの業界がうまく協調をして過当競争を避け、買いたたきを防ぎそして輸出がもっと増進をされていくということに心がけておる次第でございます。  ただいま申し上げました零細性というような点からいたしましても、たとえば全体でこの業界百五十五社余りでございますが、その中で従業員五人未満のものが五十四社、六人から十人これが四十一社でございますから、言ってみますれば、十人以下の従業員の会社が全体百五十五社のうちの九十五社ということでございます。こういったような、いわば中小と申しますよりも零細な企業者がたくさんおるわけでございまするので、こういった面につきましては、金融問題がやはり重要な問題になってくるだろうと思っております。金融問題につきましては、あとで中小企業庁長官からもあるいはお答えがあるかと思いますが、昨年来商工組合中央金庫に対しましては、特に双眼鏡業界に対しまして特段の配慮をしてもらいたいというような要望を通産省からもいたしておりまして、一例でございますが、たとえば東京の望遠鏡の協同組合、こういったものに対しましては四十三年、四十四年それぞれの年末の融資残高を比較いたしましても、約一千万円余りの融資残が増加をしておるというような実績も見ておるのであります。ただ、業界それぞれ各企業にまでおりてまいりますと、いろいろ困難な問題がありますので、今後もこの点は一そうの努力をしてまいる必要があろうかと思っております。  それからもう一つの問題は、ただいま申し上げましたような零細な企業の集団でございまするので、先ほど申し上げましたように大きな商社等によります買いたたきと申しますか、こういった問題を極力防止する必要があるということから、御存じのように昭和四十二年から中小企業団体法に基づきまして八つの事業協同組合をつくっております。輸出につきましては、この八つの事業協同組合を通じてでなければ出荷してはならないというようなこともいたしておりまするし、特にまた昨年度からは、輸出入取引法また輸出貿易管理令等の運用によりましてこの協同組合自身が輸出もできるというような道も開いておるわけでございまして、この事業協同組合がまだまだ十分な運用がなされておると思いませんが、私どもも一緒になって今後この組合がうまく運用でき、そして輸出を通じてこの業界が今後発展をしていきますように、一そう心がけてまいりたいと考えておる次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 中小企業庁長官に伺いたいわけでございますが、いまお話もございましたが、確かにこの倒産の主要なる原因というのは金融のやりくりがつかない。われわれは中小企業と呼んでおりますが、確かにその実態は零細企業に近いと私は思います。しかし、おやじさんをはじめとして女房から子供まで一生懸命にやっています。それでなおかつそのやりくりがつかない。そこでいわゆる政府機関であるところの三金庫から貸し出しが行なわれている。運転資金といい、設備資金といい、いろいろの面で御配慮いただいていることは私もかねがねそれらの方々と接触をいたしまして承知をいたしております。しかし、ここでもう一度この金融のやり方について中小企業庁長官からこういうやり方もあるのだ——われわれも聞いしておりますけれども、実際やり方があっても実効が伴ってこない。確かに方法はいろいろなものがきめられております。やっていただけるようにできてはいるけれども、現実にそれじゃほんとうに必要なときに金が流れてくるか、お願いしてもオーケーしてくれるかというと、なかなかしてこない。そこで長官に伺いたいのですが、この金融の問題につきましても、とにかく金融機関は資金需要の妥当性、これを考えることは当然だと思いますけれども、その債権の保全に偏するきらいがあると思うのです。ほんとうに必要なときにそれに見合うところのものが出てこない。それが出るまでには非常に時間的なものが要るわけです。そういう点から考えて制度が十分に活用されていないと私たちは思うのです。どうかここで、その制度の点について簡単でけっこうであります、そしてまた実際問題として、その制度が活用されていない具体的な例をわれわれは幾つも幾つも知っております。ここで長官からこのような方法があるのだ、それに対してはどれくらい融資をした、こういった実績も私たちは握っておりますけれども、なお簡単でけっこうですが、それらの実績についておっしゃっていただきたいと思うのです。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 特に双眼鏡等の中小零細企業関係につきまして、いろいろの金融制度があるわけでございますけれども、現在まで中小企業金融公庫は大体ここ数年毎年約二億円の貸し付けをこの方面に対してやっているわけでございます。ただし、これは統計の関係上、双眼鏡というふうに限定されていないのでございますけれども、中小公庫の場合には顕微鏡、望遠鏡等を含めまして毎年約二億円の貸し付けを行なっております。ただし、四十四年度におきまして、この二月末までの関係で約一億三千万円の貸し付けが行なわれております。  それから国民公庫でございますけれども、これは貸し付けの対象が精密機械器具製造業というふうに分類されておりますので、他の精密機械が一緒に入っての貸し付けの数字でございますけれども、大体毎年約二十億円程度の貸し付けが行なわれております。  それから商工中金でございますけれども、これにつきましては、四十四年の十二月末までにおきまして、これは双眼鏡のほかに同ケース等が入っておるわけでございますけれども、約四億四千万円の融資残高でございます。  それからさらに一般の市中金融機関等からの融資を円滑にいたしますために、いわゆる無担保無保証の特別小口、あるいは無担保制度によります信用保証の事業というものをやっておるわけでございます。またこの関係につきましては、実は実績の数字をつかまえておりませんけれども、特に担保力のないそういう企業、中小零細企業に対する保証の制度もあわせ併用いたしております。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 そのほかに特別な貸し付けであるとか、近代化促進の貸し付けであるとかいろいろお考えいただいていることはわかるんですけれども、問題は必要なときに金が出てこないということなんですね。そのために倒産してしまう。卑近な例が、たとえば今月のみそか、三月三十一日、年度末でもございますし、昨年の暮れに振り出している手形をここでどうしても落とさなければならないという情勢に追い込まれた。手持ちの双眼鏡はあっても、これを売ってすぐ金にするということはなかなかできないし、しかもまた売り急げば値段をたたかなければならない。何とかつなぎの資金がほしいといってお願いするわけであります。お役所のほうでもたいへん御理解をいただいておりますので、課長さんはじめいろいろお骨折りいただいているようではありますけれども、だんだん下、と申し上げては失礼でございますけれども、担当の方に直接お願いするような段階になってきますと、いろいろな条件、制限がつきましてなかなかできません。またその金庫の窓口に参りましても、実際問題としておいそれと必要なときに金が出てこない。信用保証協会のそのほうをずいぶんと日参をいたしましても、これが解決をしない。要すればつなぎがほしいのですが、そのつなぎができないために倒産に追い込まれてしまう、こういう状態であろうと思うのです。中小企業庁長官なり直接担当であるところの重工業局長のお考えがどうかひとつ最末端まで届くようにしていただきたい。確かに金融のやり方としていろいろのやり方がございます。しかし、業者の方々もほんとうにせっぱ詰まってまいりますと、とにかく何とかしてお金を借りたい。しかし市中の、いわゆる金融屋さんなんかから借りたならばたいへんなことになるということは承知しておりますから、そういうところにかけ込むことはいたさないで、何とかして政府の機関にお願いをしたい。ところが実際問題として、窓口ではなかなか思うように取り運んでくれない。そのうちに日がたってしまって、ついにみそかが来てしまって、手形を落とすことができなかった。そういうことから連続的に倒産を招来している。ここでどうかその制度を十分に活用されるように教えてもいただきたいし、指導もしていただきたい、こう思うわけでございます。一方双眼鏡の業界といたしましても、現在の状態は非常に緊迫した状態である。このことは十分認識しておりますし、昨年末以来、業界の理事会は大多数をもって、組織的に適切な安定策を講ずることを決議しております。自分たちの力で何とかして立ち上がりたい、そういうところから組織的に適切な安定策を講ずることを決議しておりますけれども、現在具体策を研究中であって、なかなかこれがまとまらない。まとまらないということは非常に残念なことでありますけれども、業界の方々というのは、言うなれば一国一城のあるじでございますので、いろいろな考え方を持っているわけです。しかし九〇%の人たちは、こうしなければもうだめだという一つの考え方に固まってきているわけです。しかしまだ一、二の人は非常に危険な考え方を持っている人もある。いっそのことこの際つぶれてしまえば自分だけ残るのだ、自分さえ残ればいいのだ、こういう考え方を持っている方もあるわけです。しかしそうしてしまったのではもう全面的にだめにしてしまうと思う。そこで、この時期にひとつ通産当局から適切なアドバイスをしていただきたい、こう思うのです。  ここで更生策といいますか、具体的な案を持っているわけですけれども、それを前面に押し出してやると、中には反対する者ができてくる。しかしもう九〇%以上は、いま業界でこうやろうじゃないかという案に賛成し固まりつつある事態なんです。そういうときでございますので、ここで一歩お役所からこう言っていただけると、業界も一本にまとまってその方向に進めるような体制がいまつくられつつあるわけです。無理なお願いかもしれませんが、通産当局がいままで以上に御熱意をもっていまの時期において適切なアドバイスをしていただくならば、この業界の立ち直りはできるのではなかろうか、われわれこのように思っておるものでございますが、その点についてひとつお答えをいただきたいと思うのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 業界がいまこういった不況に当面をいたしまして、いろいろと業界内部でその更生策と申しますか対策を検討しておられるということは、私どもも承知をいたしております。私どもといたしましては、こういった非常にむずかしい業界でございますけれども、すでに中小企業近代化促進法の指定業種にもなっておりまするので、そこでもう一歩これを踏み込んで、業界として構造改善の事業に着手していただいたらどうか。そこで構造改善事業業種として指定をするということも、実は考慮いたしております。ただこういった構造改善事業を全面的に進めていくということになりますと、どうしても業界の団結、またいまお話がございましたように、大部分はそういった覚悟をきめておられると思いますけれども、まだ全般として、全部の企業の方がそういったことをはっきりと自覚をして進んでおられるということまでには至っておりません。たいへん残念なことだと思っております。私どもといたしましては、そういったことも頭に描きながら、業界全部がまとまってそういった構造改善事業に進んでいくという方向に向かわれるように、なお一そうの行政指導を続けてまいりたい、こう考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 確かに業界自体でそれをやれれば一番いいのですけれども、いま申し上げたように九〇%の人たちはそういう方向に向かいつつあっても、一部の方、一〇%の方々は、まだまだそこまで考えが至っていない点も確かにあるようです。  そこで、再度でございますが私申し上げたいのは、お役所からこうやったらどうだ——こうやれということはできないにしても、こうやったらどうかということが一声かかるとうまくいくような情勢に来ている。この点を申し上げまして、どうかひとつ適切なアドバイスをお願いしたいと思うのです。  構造改善等につきましては、やはりこれは長期の年月を要すると思うわけです。それができ上がり、レールが敷かれてうまく走り出す、そうすればいいわけですけれども、問題はそこへ至るまでのつなぎです。このつなぎの時期にどうしたらいいかということ、これがもう先立つものはやっぱり金なんです。その構造改善ができ上がるまでの間のつなぎとして、何とかこれをめんどう見てもらえると、組合も業界も非常に力を得てでき上がると思うわけでございます。このつなぎの対策、これをひとつお願いをいたしたいと思うわけでございます。  最近、これはわれわれの危惧でございますけれども、外貨の準備高が過剰ぎみなために、従来の輸出振興策があるいは消極化されるのではなかろうか、こういうふうな心配もしておりますけれども、私はこの業界の力というものはまだまだ相当なものがあるし、日本の外貨獲得の面からは大いにこれを育成してやるべきではなかろうか、こう思っております。四十四年におきましても、百六億円以上の輸出実績もありますし、全世界の需要のうちの約八割は日本の双眼鏡が占めておるわけでございます。こういう点を考まして、この業界に対する育成の根本方針をどこに置くか、この点通産大臣からひとつ伺っておきたいわけでございます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 先ほどから政府委員から申し上げておりますように、やはり非常に輸出貢献度の高い産業でございますし、またわが国のように、技術とある程度労働力のある経済においては、伸びなければならない産業であると思いますので、先ほども構造改善に入ろうか——これは多少業界の中にも一割か、ほんとうに一部そういうなにがございましても、そこまでいきますと、やはりほんとうに基本的な体質改善ができるのであろうと思います。私ども、業界に空気のないときに介入することは避けなければならないと思いますが、多くの人が希望しておって、ほんとうに役所が一はだ脱いでくれるのならというような、現実にそういう空気でありましたら、これはまた一はだ脱ぎますのも公僕としてのあるいは仕事であるかもしれません。その辺のところも行政をやっている人たちによく見てもらいまして、できるだけ支援態勢をとりたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 日本が非常に、世界においても双眼鏡のシェアを占めているわけですが、新しいいわゆる台湾であるとか香港であるとか、そっちのほうの面から、新興勢力と申しますか、出てきております。これに対してはどのようにお考えでございましょうか、伺っておきたい。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 お示しのような事態が来ておることは私どもも承知をいたしております。そこで問題は、やはり品質の問題だと思っております。ただいま不況の問題とからみまして数量制限等をしたらどうかというような一部の意見もございますが、私どもとしては、かりにこういった数量規制等をいたしますれば、その間隙を縫ってまた発展途上国の進出が見られるのではないか、こういうことも懸念をいたしておりますので、私どもは不況対策としては安易な数量規制等は極力回避していきたい、こうも考えております。やはり問題は従来の市場の確保と申しますか、そういうことが中心課題であろうかと思いますので、あくまでやはり乱売を避け、品質のいいものをつくっていくという体制を内で固めていくということが、何にも増して、こういった発展途上国の追い上げを防ぐ最大の道ではないか、こう考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 質疑の時間も迫っておりますので、最後に大臣に伺っておきたいわけでございますが、お役所のほうの担当官でございますが、担当官の更迭が非常に短期にしばしば行なわれる、こういう点でございます。実は非常にむずかしい業界でございますので、この業界の実情を把握していただくのにはやはり一年はかかる。いろいろな機会を通じてお役所に行って陳情もし、現場も見てもらい、そしてほんとうにのみ込んでもらって適切なアドバイスができるようになるまでには、やはり相当の年月がかかるわけであります。まあ、優秀な方ばかりでございますので、大体一年でほとんどのものはつかんでしまい、二年目にはもう適切なアドバイスができるように、こういうふうになって業界の方々は非常に感謝しているわけであります。ほんとうにこれで本腰を入れて取り組んでくれる、よく実態もわかったし、たいへんけっこうなことだ、ぜひここでもう一度力を貸してもらいたい、指導をしてもらいたい、適切なアドバイスをしてもらいたい、こう思っておりますと、その担当官がかわってしまう。そうなりますと、またイロハのイの字から教えなければならない、教えるというと語弊がございますが、覚えていただかなければならぬ。そういうことでいつもいつも、せっかくここまで来るとまたその担当官がかわってしまうために、非常に業界のほうではマイナスをしておるわけでございます。こういう点を考えまして、どうかひとつ——いろいろお役所にはお役所の人事の問題として、当然のことであろうとは思いますけれども、この双眼鏡の業界の実情というものがいまたいへんなところにあるだけに、どうかひとつ、これらの点も勘案されまして、担当官にみっちり取り組んでいただけるように、ある程度の期間はその場所にいていただけるように御配慮いただければたいへん幸いであるということを、業界の幹部が言っておりますので、ぜひともこの点も大臣に知っておいていただき、御協力を願いたい、こう思うわけでございます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 御注文はよくわかりますわけであります。非常にむずかしいことは、行政は親切でなければなりませんが、いわゆる癒着というようなことを生じてはいけないという問題が、また別にございます。それで理想的な形といたしましたら、おそらく、たとえばある業界については非常に精通をしておるいわゆるエキスパートという人が長くおって、しかしその課なりその局なりの決定というものは課長なり局長がする、つまり実情は非常によく把握していてそれは局長なり課長なりにアドバイスもするし実情の説明もするが、決定権はやはり課長なり局長なり、あるいは合議体にある、こういうような形が私は一番望ましいのではないかと思っております。確かにあまり更迭が早過ぎますと、いま言われましたようなことがございます。実情を把握しながら、しかしいわゆる癒着をしないように、そういう人事をやっていくことが必要であろうと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)分科員 時間も過ぎましたので以上で終わりますが、どうか双眼鏡業界に対して、通産当局、中小企業庁の各担当官が一そうの行政指導をしていただいて、何とかこの業界をさらに一そう発展させ、日本の外貨獲得に一役買わせていただきたい、こう思いまして、お願いする次第でございます。  終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 相沢武彦君。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 私はウランの海外資源開発についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  文明の進歩とともに石炭や石油にかわる重要なエネルギー源として原子力エネルギーが時代の脚光を浴びてくるわけでございますが、この原子力の平和利用というものは、二十世紀の文化をさらに飛躍発展させるためにはどうしても必要欠くべからざるものであるということは御承知のとおりでございます。ウランの利用度の九九%は原子力発電である、こういわれております。わが国におきましても、昭和六十年度には発電設備の四分の一が原子力発電になる見込みだといわれております。わが国の原子力発電計画を達成するためには、昭和六十年度までには約九万トンから十万トンのウランが必要であろう、こう算定されておるわけでございますが、しかし日本の国内におきまして、現在まで発見されているウランというものは約七千トンにしかすぎないわけでございます。今後国内で開発し獲得可能と予想されるウランの量にしても、せいぜい二万トンが限度であろう、こう思われているのですが、この不足分をどうするのか、まず当局としての基本的な構想について御返答をいただきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。御指摘のように、わが国の原子力発電は六十年度末になりますと、四千万キロワット、あるいはそれをこえるというふうにいわれておりまして、それに必要な累積のウラン必要量は九万トンないし十万トンということは御指摘のとおりでございます。しかも御指摘のとおり、わが国におきますウランの埋蔵量は、確定、推定埋蔵量を合計いたしましても六千五百トン程度というふうにいわれております。したがいまして、今後九万ないし十万のウランの必要累積量に対しまして、わずかに六千数百トンということでございますから、そのほとんど全量に近いものを海外に依存せざるを得ないという現状であることは御指摘のとおりでございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 いまお話しのように、結局、原子力発電に必要なウランはほとんど輸入にたよらざるを得ないわけでございますが、現在、自由世界の、経済的に採掘が可能だといわれるウランの埋蔵量は七十万トン、こういわれております。そのうちで、日本が今後必要とする量に対してどれだけ輸入できるかということは、非常にまだ疑問があるわけでございまして、そこで、どうしても日本の国自身でウランの探鉱あるいは開発をして確保につとめなければならない、こういうことが課題になっておりますが、これまで日本の政府並びに企業団体が海外ウラン資源の探鉱、開発について積極的な態度だったのかどうか。どうも民間企業団体の場合なんかは、ウランの探鉱、開発については、ここ二、三年来初めて乗り出してきたような現状でして、諸外国に比べると非常に立ちおくれているんじゃないかという感じがしますが、この点についての御見解をお願いします。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように、昭和六十年度の所要量が九万トンないし十万トンというのに対しまして、現在手当てをしております累積量は二万八千トン前後でございまして、相当な数量のものを今後確保する必要がございます。このためには、総合エネルギー調査会の原子力部会の報告に基づきまして、探鉱、開発あるいは長期の購入の契約等によりましてウランの安定確保を推進していくということが必要でございます。ことに、今後の自主的な確保ということが問題にもなりますので、探鉱活動を活発にやるということがきわめて必要だという状況でございます。  民間の海外ウランの開発状況につきましては、われわれといたしましては、決して消極的であるとは申せないと思うのです。と申しますのは、ウラン開発ブームと申しますか、これは昭和三十一年、三十二年ごろが第一回のウラン開発ブームといわれたころでございまして、アメリカ等において、ボーリングの延長延べ数が非常に高くなったころでございますが、このころに人形峠の発見が行なわれ、原子力燃料公社の設立が行なわれたということで、当時ウラン鉱石の確保については積極的な態度をとっておったと思います。その後、ウラン問題につきましては、かなり下火になりましたが、一九六六年、四十一年ごろから米国等においても再びウラン探鉱が盛んになるという状況でございます。わが国の民間業界におきましても、人形峠等の調査、探鉱のほかに、海外探鉱に積極的に出てまいるということで、いままでのプロジェクトでは、アメリカ、カナダについて七つのプロジェクトがございます。そのほかに、最近はニジェル等、海外探鉱に積極的に出ようという状況でございます。したがいまして、海外探鉱についてきわめて消極的、退嬰的であったとはわれわれは考えておらないのが現状でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 かなり積極的な態度を示してきた、こういう御返答ですが、ウランの資源の確保については、欧米諸国は非常に政府が手厚い保護助成策をとっております。ここの一覧表を見ますと、「各国のウラン資源確保策」として、アメリカの場合は情報の収集、地質調査、基礎的研究教育等の助成、ストックパイルの実施等を行なっておりますし、カナダはストックパイルの実施、政府出資会社による探鉱開発の実施、それからフランスでは国営企業による国内外の探鉱開発の実施、民間開発鉱石の買い上げ等を行なっております。西ドイツは探鉱費の七五%を国が補助する、こういうようになっておりますが、わが国の援助体制は一体どうなっておりますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 先ほども申し上げましたように、海外ウランの探鉱、開発が必要だという総合エネルギー調査会の原子力部会の報告に基づきまして現在とっております制度は、一つは、情報の収集を含む現地の調査あるいは簡単なボーリング等を行なうところの基礎調査段階に対しまして、動力炉・核燃料開発事業団によります海外の基礎調査を行なっております。これは政府資金による調査というふうに考えられます。その次の段階の地質調査あるいは科学探査、ボーリング等を行なうところの探鉱段階につきましては、先進国に対しましては金属鉱物探鉱促進事業団、後進国の発展途上地域に対しましては海外経済協力基金から探鉱費の融資を行なうということになっております。それから開発段階になりますと、主として輸出入銀行の融資、もう一方では金属鉱物探鉱促進事業団による債務保証によって、資金の調達を援助するというのが現在の体制でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 これまで民間企業団体が何カ所か海外の探鉱、調査あるいは開発等を行なっておるのですが、これまで成果があがっておるのかどうか、また今後の見通しについて当局としてはどのように考えておられるか、お聞きします。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 先ほど申し上げましたように、アメリカ、カナダ等について七つのプロジェクトがございまして、それぞれ鉱山単独であるいは電力、鉱山が協力してウランの開発に努力しておりまして、昭和四十一年以来いろいろ努力しておるわけでございます。ただ、現在までのところでは、若干のウランの放射能物資があるという鉱徴を見る状況になりまして、さらに経済性のある鉱床の発見に努力しておるというのが現状でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 そうすると、まだ可能性があると踏んで、さらに調査等をやるわけですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 そうでございまして、実は、当初のアメリカ等におけるウラン鉱石の発見は、露頭といいまして、地表面に鉱脈の一部が出ておるところを見つけるという状況で発見してまいったわけでございますが、最近におきましては、頭が地下にもぐっておる鉱床、潜頭鉱床というものを探鉱する段階に進んでおりますので、ボーリング等によりまして放射能物資の存在を探りながら探鉱するという状況になっております。鉱徴が出てまいりましたので、確実な鉱床が発見できるように、さらに探鉱を続けておるという状況でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 次に、最近の新聞記事によりますと、同和鉱業など非鉄金属会社、電力九社、それから石炭産業がフランス原子力庁及びイタリア炭化水素公社と手を結んで、アフリカでのウランの共同開発に乗り出すという計画が発表されておりますが、これについて何点かお尋ねしたいと思うのです。  この海外ウラン資源開発のために関係会社が共同出資で新会社をつくるということは初めてだそうでございますが、これまでいろいろお聞きしましたように、ウランの海外資源開発を大いに今後振興させることは必要であるという観点から、企業にだけまかせておいてだいじょうぶかなという考え方と、この新会社設立に対して政府機関が、条約等を含めて援助措置、指導等をどのように行なおうとするのか、その計画がありましたらお願いします。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 現在御指摘のウラン探鉱のための共同出資の会社の設立の話があるわけでございまして、これが設立されることになりますときわめて画期的なことで、今後の海外ウランの開発というものは一そう進むということで、われわれとしても大いに期待しておる次第でございます。したがいまして、これが発足いたしまして活動に入るということに相なりますと、政府といたしましてもできるだけ指導、援助を行ないたいと思います。たとえば海外経済協力基金による探鉱費の融資であるとか、あるいは動力炉・核燃料開発事業団による技術指導等とかいうようなことによりまして、その成果をできるだけあげるようにやりたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、この話に政府がタッチしていたかどうかという点につきましては、民間企業の立場で日本の業界が接触しているということ、それからわが国の核燃料民有化の方針というものを検討しておりますので、探鉱開発活動等についても民間企業がその責任においてやるという体制で進むという意味で、間接的な指導援助ということは行ないますけれども、直接のタッチは現在いたしておりません。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 いま融資並びに技術指導を行なうと言いましたけれども、どのくらいの規模の、たとえば技術指導者を保有していて、企業側から要請があれば出せるのでしょうか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 いまどの程度の陣容があるかは存じませんので、後ほど御説明をさせていただきたいと思いますが、動燃事業団の担当理事は長く鉱山会社におられた方で、この方面の権威でもございますし、従来からもそういう意味で、原燃公社を引き継いだ関係から動燃事業団には有力な技術者がいるのが現状でございますので、技術的な援助はできるように考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 今後ますますウラン鉱開発の技作者の養成ということが大事になってくると思うのですが、これまでの規模に加えて新たに技術者の養成を増大するという考えを持っておられるかどうか、その点どうでしょうか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 今後の技術陣の強化は御指摘のとおりでございます。動燃事業団を中心にして、事業団の強化ということにも協力していただくようにいたしたいというふうに思っております。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 今回のニジェルとイタリア側が共同探鉱権を持っているケニア、ソマリア各国の状況について、その調査結果については詳しく政府当局のほうに報告がまいっているのかどうか。それから探鉱権を持っている相手国との共同開発の場合、ウランを日本がどの程度確保できるという見通しを持っておられるか。また報告があったとすれば、十分な採算と確実な見通しがあると政府としては考えているのか、その辺の見解をお述べいただきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 現地調査の結果につきましては、われわれのほうにも報告をいただいております。しかし、この十六日から具体的な交渉に入るという段階でもございますので、この点については説明を御容赦願いたいと思います。  それから、経済性があるかどうかという問題につきましては、このニジェルのプロジェクトについては、熱帯の砂漠地域だという条件が悪い点はございますけれども、品位はかなり高い鉱石が出るというようなとこでもございますので、今後そうしたものが確実に確認できるならば、十分採算に乗るというふうに考えるわけでございます。  それから、シェアの問題でございますが、御承知のように、ある程度フランス側としてはいままでにフランス自身として調査、探鉱を進め、あるところまで探鉱成果をあげておる地域でございますので、現在われわれの知っておるところでは、フランスが七、日本が三ということになっておりますが、従来の事情等を背景にいたしますとやむを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 昨日からフランスの原子力庁の担当者一行が参って、交渉がいよいよ始められるわけですが、政府機関ではオブザーバーとしてもだれも出席しないわけですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 先ほども申し上げましたように、民間ベースの話し合いということで、原子力庁ではございますが、フランスの原子力庁というものは、原子炉あるいは核燃料開発、研究というような、わが国でいえば動燃事業団のような公的性格も持っておりますが、反面ウラン鉱の生産販売を行なうという企業的な性格も持っておりまして、今回の取引につきましては民間取引のような性格になっておりますので、政府からは出席をいたしておらない次第でございます。ただし、動燃事業団あるいは金属鉱物探鉱促進事業団からは理事が出ておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 外務省からいらっしゃっておると思うので、お聞きしますが、ニジェルには現在日本の大使館は設置されていないと思います。そこで、日本外交がまだアフリカに十分注がれていないという現状と思うのですが、そういった状況で、今後いろいろな現地の労働力の確保とかあるいは輸送関係あるいは対日感情、こういった点でスムーズな開発ができるかどうか、その点の見通しについて御見解を承りたいと思います。

羽澄光彦外務省中近東アフリカ局アフリカ課長

○羽澄説明員 ただいま御指摘のありましたように、現在ニジェルには大使館はございませんが、象牙海岸にございますわが国の大使館が兼轄しておりますので、もちろん十分なことができないきりいはございますが、必要に応じまして現地に出張いたしましていろいろ御協力するように、この前の調査団の派遣にあたりましても、そういった御協力をした経緯がございますので、この方針を続けるつもりでございます。また、このウラン開発の話が進みまして、多数の日本人が現地で活躍するというような状態になれば、在外公館の設置もまた検討する必要が生じてくるかと考えております。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 今回のアフリカウラン開発の話が出てきてから、正式に外務省のほうにも連係がございましたか。

羽澄光彦外務省中近東アフリカ局アフリカ課長

○羽澄説明員 連係がございまして、たとえばこの前、秋でございますが、ニジェルからディオリ・ハマニ大統領が、非公式でございますけれども、訪日されましたときには、外務省で、現地に行かれます同和鉱業の代表者と大統領との非公式の会見をアレンジした経緯もございます。また、フランスの大使館におきましても、フランスの原子力庁との話し合いをアレンジしたり、そういった側面的な援助をしております。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 現地の様子を多少お聞きしたいわけですが、非常に気温、湿度が高くて、労働がたいへんではないかということが聞かれますが、現地の労働者の場合は可能でも、日本の技術者が行った場合非常な難儀が予想されますが、その点についての御見解を……。

羽澄光彦外務省中近東アフリカ局アフリカ課長

○羽澄説明員 確かにおっしゃいますとおりに昼と夜が非常に温度の違うところで、たとえば昼間四十度、五十度になりましても、夜は二十度を下るというようなことで、生活を合わせることが非常にむずかしいようでございます。しかしながら、たとえばこれは日本政府から派遣されたのではございませんが、むしろニジェル政府の大統領の経済顧問といたしまして、わが国から、長崎大学だったと思いますが、先生が国連の関係で行かれたことがございますが、そのお帰りになった話など伺いますと、まあ最初のうちはえらいけれども、なれれば何とかやれるし、現地の人は非常に親日的で、あたたかい気持ちで接してくれるので生活は非常に愉快であったというような話を聞いております。技術者が行かれましても、生活は最初のうちは非常にむずかしいかと思いますが、なれれば生活できないというほどのことはないかと考えます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 日本が行なってきたこれまでの開発場所の中で一番期待が持てるのではないかという予想もありますし、民間ベースでの話し合いが進められているわけですが、政府当局も技術家あるいはその他の面での指導、あるいは協力等を大いにやっていただきたいと思うのです。  最後に大臣に、日本の国の原子力産業の将来の見通しと、政府の具体的あるいは建設的な対策についての御見解があれば、賜わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 将来の原子力発電だけを考えましても、先ほどお話しのございましたように、昭和六十年にはそのような需要になってまいりますのに対して、ただいまのところ、長期契約にいたしましても探鉱にいたしましても、まだまだ緒についたばかりでございます。しかも世界が同じ趨勢に向かってまいりますから、ことにわが国としては、政府もいろいろな形で支援いたしまして、ウラン探鉱ということに力を入れていくことは、まだ先のようなことでございましても、しかしいまからやりませんと間に合わないことでございます。きわめて大切なことであると考えます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 ひとつ遠大な計画の上に立っての一そうの御努力をお願いしておきたいと思います。  以上で終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 午後五時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。   午後四時四十三分休憩      ————◇—————    午後五時三十八分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業省所管につきまして質疑を続けます。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 まず私は、大臣に、私の間違いであればと、こう思う点が一カ所ございますので、その点を問いただして、それから本来の質問に入りたいと思うのです。  昭和四十五年二月二十一日の衆議院予算委員会で、わが党の江田書記長が質問した際に、公害の問題で総理と大臣が答弁なすっておるわけでありまして、宮澤大臣の答弁の中で、いわゆる公害の責任問題に論及した際に、企業は社会の構成員であり、社会に対して責任があるとの考えを定着させたい、しかし、すべての責任を企業が負担するのはむずかしいので、国は財政、税制の面で援助する、これは議事録と新聞を読み直してもこういうようなことだったように私は思っておるわけです。こうなりますと、これはあくまでも企業は社会の構成員であり、社会に責任があるとすると、総理が前に、失言ですから取り消しますと、言わず語らずのうちで取り消した必要悪である、こういうようなことに公害を追いやってしまう考え方に共通したものがあるわけであります。こういうようなことをもし発言されてあるとすると、私が尊敬する宮澤大臣にして、まことに私として不可解なる疑念が残ることになるわけでありますが、現在のこの情勢のもとに、国際公害シンポジウムも東京で行なわれたりいたしまして、まさに「世界で最も急速な経済の成長した日本には、環境破壊のあらゆる実例がそろっており、初めて公害問題国際シンポジウムを開く場所として、まことにふさわしい」ことがわかった、こういうようなまことに不名誉な一つの、これはスイスの社会科学研究所のカップ博士ですが、そういうようなことばを吐いているわけであります。このことばに通ずるわけじゃございますまいけれども、どうもこの辺は理解に苦しむのでございます。この点について、大臣、間違いではなかろうかと思いますが、ひとつこの真相を究明していただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 それは速記録で前後をごらんいただきますとおわかりいただけるかと思いますが、私が江田書記長に申し上げましたのは、企業といえども社会の構成員でありますから、社会に対して責任がある、こういう意味でございます。それを責任の主体は社会であると、こうおとりになったのかと思いますが、そうではございませんで、企業も社会の構成員でございますから、構成員として社会に対して責任がある、こう申し上げたわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうでなければならないと思います。ただ、その前に総理が、これは責任は企業にあることははっきりしている、企業者の負担をはっきりさせ、その実情を見きわめ、そのあとで基本法の取り扱いについてきめたいということを言っているわけです。どうもそのあとのことばですから、どうもこの辺の前後が、私としては尊敬するあなたにしてこういうことばはないと思っての質問であります。大体わかりました。  そういたしますと、あわせてこの点をお伺いしておきたいのですが、公害防止事業に対して、公害基本法の三条の責務と二十二条の趣旨にのっとって、グリーンベルトの、いわば緩衝地帯の設置であるとか、または公害防止のための市街地開発であるとか、上下水道の整備であるとか、都市の廃棄物の処理施設であるとか、あるいはまた監視体制の整備であるとか、こういうようなものの計画に対して企業の費用負担、この法律を制定する義務があるのであります。これは公害対策基本法第二十二条によって明示されておるところなんですが、いまだにそれができておらない。まだ計画が立たないからできないのか、当然そうだと思いますけれども、そうなりますと企業の義務負担——負担すべき細則は法律によってきめるということにきまっているわけで、その法律でさえもまだきめておらない、こういうようなことになりまずと、はたしてこの辺にどういうような意図があるのか、私は現在の情勢に対して、自由世界第二位の生産力を誇っている日本としてまだこのようなおくれた態度では困るじゃないか、こういうように思うわけであります。そういうような観点からして、この負担区分を現状から当然これはすべきである、どのような困難性があるかもわからぬけれども、これはやるべき義務があるものである、こういうように思うものであります。これに対して何か困難性があってやらないのか、またいままでどうして、細則は法できめるといいながらも、公害基本法ができて四年間、その間にまだ全然やっていないということは私ども理解に苦しむわけですが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 その条文は当時たいへん議論のあったところでございます。私は、先ほど御引用になったことばをもう一度使わしていただきますが、企業は社会の構成員であるから、社会に対して責任があるというようなこと自身も、実は数年前にはなかなか簡単には言えなかったことでございまして、ここ何年かで急速にそういうものの考え方が世の中に広がりつつある。企業といえどもそれを基本的には認めざるを得ないというところにだんだん来ておると思うのでございます。公害基本法ができましたときに、第二十二条というところで、別に法律で定めるということになりましたのは、もう明らかにどこまでが企業の負担であるべきかということについて、政府部内に議がまとまらなかったからでございますが、これはいまから四年前といいますと、現在よりもなおなおその辺の観念は希薄であったでございましょうから、私はまあやむを得なかったと思います。そこで、これはいずれ各省相談してきめなければなりません。公害基本法ができましたときよりはものの考え方のほうはだいぶん定着をしてきたと思いますけれども、従来何しろ企業というのがこういうことに責任がないということを、もうそれこそ何十年そういうことで来ておっただけに、にわかに企業が責任を負担の形でほんとうに理想的にまでしょえるかどうかということには問題があると思うのでございます。これは逃げるのではありませんで、やはり技術の進歩であるとか、観念の定着であるとか、また企業が当然そういう費用を社会的なコストとして問題なく初めから予定して考えるというようなものの考え方がだんだん深まってはいきますけれども、にわかに理想的なところまではいけない。私は時勢とともにこれは企業にとってきつくなるのは当然のことであって、企業の側もそれは覚悟されるべきだと思いますけれども、いままだなかなかこれが理想だというところには遠い。だんだん近づいていくというところにあると思います。したがってやがてこの二十二条の二項で申します法律もきまらなければならないのでありますけれども、ただいまのところまだ議がまとまっていないというのが現状だと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 現状だと思いますということを聞いているんじゃないのでして、大臣としてこれをどういうようにして実行しようとするのかということを聞いているのであります。いま大臣が言っていたのはいままでの経過でございまして、その経過は私もおぼろげながら知っているのであります。ただ具体的にやるとすると、いままでやっていた四日市は企業自身がいろいろな関係で四分の一ほどの負担は覚悟してやっていたかもしれない。これからあらためてやる京葉工業地帯のようなところは、もう三分の一になっても実施せんとするのかもしれない。またあるところは二分の一でやっているのかもしれない。この調整についてあなたはっきりした態度を示さなければ公害に関してのいま言ったようないろいろな施設、これに対して負担区分がきまらない。負担区分がきまらないとこれは当然実施できないということになるから、あなたの英断を期待しておる私どもにそういう経過報告を長々と言われたって、三十分の時間が過ぎるだけじゃありませんか。私それ少し不満ですな。どうなんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 それは新しい工業立地をいたしますときには、このごろは世の中が非常にこの問題で鋭敏でございますから、立地の条件としてただいまのようにかなり大きな負担も企業は考えるということは間々あちこちで起こっておることで、それはけっこうなことですが、既存の企業についてまでこれを考えていくということになりますと、とにかくそういうことを予定しないで長年立地をしておった連中でございますから、そこで法律できめるということになればこれはそのとおり守られなければならない……。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 いや法律でそうなっている。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 ですから、それをどういう程度にきめるということが各省で議論になっていることであろうと思うのです。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 だから部長、これはどういうふうにしてあなた事務的に処理するか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま先生の御指摘の点は、われわれとしてもできるだけ早い時期に問題点を解明いたしまして、できるだけ早い時期に法の作成まで持っていきたいという考え方を持っております。現在通産省にあります公害部会の中に費用負担小委員会を設け、東大教授の金沢先生に委員長をお願いいたしまして、各般の専門家を集めまして、現在検討しておりますのは、対象とすべき事業の範囲なり、あるいは費用負担をすべきそれぞれの比率なり、あるいは比率がきまった場合にどの程度の事業者の間にどの程度の比率で分けるべきかという具体的な問題につきまして現在鋭意検討中でございまして、この結論がまとまり次第何らかの形で法制化を考えたいというぐあいに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 早くきめてもらいたいと思いますが、大臣、私が具体的に指摘したように、現在法律がないからそれぞれの手でばらばらに行なわれているんです。ただしこれは四年前に基本法で、細則は法できめるということになっているのですが、まだきめておらないからこれに対してそういうような困難点もありますということを私が指摘したわけです。問題は、究明しているというのはそこなんですよ。それ以外にないですよ。ですからこれは早く調整して、そうしてできるならば人畜に被害のないように早く実施すればいいのに、この点については腰が重いようですから、ひとつこの点は私から特に要請しておきたいと思います。公害の実態はもう一日もほったらかしておく時代ではございません。それと同時に、今度終わった国際公害シンポジウムの中で一致して言われ、新聞に出て、私ははっとして驚いたのですが、経済観念といいますか、今回の場合、「資本主義体制を前提として公害対策を語る学者らも、いまや頭をきりかえて、従来の経済観や価値観を根底からくつがえしていかねば、環境破壊に正面から立ち向うことはできない」このことを強く訴えたということが載っておるわけであります。もうすでにそういうような段階になっておるのでございまして、これはなかなか重大な問題であります。したがって、大臣はもうすでに現実の問題として公害対策費の見積もり、こういうようなものを何%ぐらいずつ見なさいと企業に指導しなければならないような段階に来ているのじゃないかと思います。今度のニクソンのいわゆる公害白書と申しますか、あの中にも具体的な指導として、いわば啓発と一緒に、企業に対してはこれくらい見よ、政府もこれくらいは見るぞ、やらなければ一日一万ドルの罰金を課するぞ、こういうようなことまではっきり言っているのです。そうしてみますと、今後の企業の中では何%ぐらいを見積もってこれを指導するのか、こういうふうな基本的な考えもやっておかないと、これからの行き方に対して立ちおくれを来たすのではないか、こういうふうに思うのですが、この点はどういうふうに指導しておられますか。これは部長にお願いします。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 これは先生よく御承知のとおり、公害の原因につきましては、いろいろの原因がございまして、それに対するそれぞれの対応する防除施設につきましても種々さまざまの方法があるわけでございます。したがいまして、それらを総合いたしまして、企業に対して何%という基準をわれわれは現在持っておりませんで、これをかりにつくるといたしましても、なかなかむずかしいことではないかと考えております。ただ現在の企業が公害防除施設に対してどの程度投資しておるかという点につきましては、詳細な調査を行ないましてデータを持っておるわけでございますが、昭和四十四年度に従業員三百人以上の工場約二千五百社につきまして調査をやりました結果、四十年の公害関係の投資総額はこの二千五百社で約三百億でございます。これは総投資額に対して三・一四%、それが四十四年度は約三倍以上の一千四十九億に増加しております。これは総投資額に対する比率は五・二五%になる。アメリカにおきます同期間の公害防除施設の金額を調べてみますと四・五七%という数字が出ておりまして、四十四年度の段階におきますと、絶対額ではもちろん及びもつきませんが、投資額に対する比率としては、アメリカの水準にほぼ近づいてきている。この傾向はさらにわれわれとしては大いに促進していきたいというぐあいに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 四十四年度の企業投資額は幾らでしたか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 四十四年度の公害関係の投資額は一千四十九億、その会社全体の投資額が一兆九千九百九十五億でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 すでにこういうような点については、数年前からアメリカは五%で指導しているということを聞いております。いろいろ数字の取り方で五・何%まで上がったということですけれども、現在の情勢を見ても、こういうようなことでまだ上がったと言っておられるような状態じゃありません。この点はひとつ今後も十分指導してしかるべきだと思います。この点はまずその程度にとどめておきます。  次に、以前から、工場の新築、増設、こういうのは知事の許可制を取り入れて、そして建築基準に合った許可制を実施してはどうか、このような意向が厚生省側から出されたことがございましたが、通産省側では、工場の立地条件の改善が先決であるから、許可制を入れた工場立地適正化法案をつくることが先決だ、こういうようなことを主張して数年たっております。この工場立地適正化法案はどうなりましたか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 先生御指摘の工場立地適正化法案は、昭和四十一年の八月に産構審の立地部会の中間答申に基づきまして、通産省として法案にまとめまして、その実現方をはかっておったわけでございますが、その間もうすでに四、五年経過しておるわけでございまして、いまに至るまで実は政府において成案を得るに至らないというのが現状でございます。これにはいろいろ問題点があったわけでございますが、われわれといたしましては、適正化法案でねらっております過密の解消と、それから過密地帯から新しい工業地帯に工場を分散させるという考え方は、相変わらず強く持っておりまして、適正化法案は実現しておりませんけれども、現実にそういった目的を貫徹するためには、実はいろいろ方法を考えておる段階でございます。たとえば過密防止の点につきましては、工業開発構想というのを四十二年十二月に策定いたしまして、これからの工場立地はこうあるべきだということで一つの指導方針を打ち出しまして、いろいろの手段を使いましてそのほうに誘導するとか、あるいは工業開発指導員制度というものを新しくつくりまして、その指導員の力を借りて具体的な工場の展開を促進するとか、さらに税制上、金融上の措置その他を考えまして、いろいろ実行しておるわけでございます。  公害防止の点につきましても、産業公害総合事前調査の充実とか、あるいは公害防止施設等に対する助成措置の強化、あるいは大気汚染防止法に基づく特別排出基準の設定、あるいは一般排出基準の強化、そういった手段を通じまして、目的の達成につとめておるわけでございます。これらを総合して、従来の立地適正化法にまとめるかどうかという点につきましては、いまだはっきりした見通しが立たないのが現状でございますので、今国会に対する提案は一応見送りにしておるというのが現状でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これは、では永久に出さないのですか。これは大臣ですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 まだあきらめていないようであります。いろいろ時期を見て各方面と調整をしながら、いずれは出したいということを事務当局は考えておるようであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 いま公害関係では、通産省のほうと厚生省関係とが、大臣の就任の場合に、内田厚生大臣といみじくも公害に対する考え方が双方とも同じだった。私はあれをテレビで拝見しておりまして、今度の場合には、宮澤通産大臣が出て、これは画期的な、企業に対してもまた公害対策に対しても一つの前進をせしめるのではないか、こういうように思っておったわけなんでございます。しかしいまこうやって見ますと、これからの努力の傾倒がなされる段階にあるようでありますが、ひとつこれはやらぬとだめだと思います。ことに微量重金属排出規制にかかる特定有毒物質の規制法、こういうようなものは厚生省との間でまだごちゃごちゃ問題があるようでありますけれども、これもやはり早く出さないとだめなんです。これはまた経済企画庁の側の水の問題とも関連してくる問題でありまして、なかなかこれはめんどうくさいけれども、何としても通産省のほうがそのキャップでありますから、これは大臣、可及的すみやかにこれを出して公害の撲滅を期するという決意くらい出しておかないとだめじゃないか、こう思うのであります。いかにお考えでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 私が事務当局に申しておりますことは、公害というのは通産省の知らぬことだというようなものの考え方ではなくて、やはり産業行政をやっているものが、産業行政の一部として公害というものを前向きに取り上げていかなければいけないというものの考え方、姿勢なりを定着させたい、こう思っておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 よそのことを言ってしまって逃げるんだから、だめだな。  じゃ、これはいかがでしょうか。私も先般宮古のほうに行って、少し公害状況を視察してまいりました。あの中で、やはり行政の中で、私は二つの点でちょっと意外だと思ってまいりました。一つの工場の中で、いわゆる製錬部門に属する点と肥料部門に属する点がありまして、沈でん池は一つなんであります。一つでもってやっているから、どっちのほうから出るのかわからない。そのままに今度仙台の鉱山監督部長あたりが、カドミウムの含有率〇・〇一PPMの基準に対して、排水する場合には〇・〇〇三、これほどまでにしてやれ、こういうようなことでよく指導しているわけですという。指導していながらも出てくるのはおかしいじゃないかといったら、今度は肥料部門のほうがいわば野放しみたいになっていて、いわゆる工場排水規制法によっての指導だけなんで、強力なる監督はないわけであります。そうなると、片や宮城県庁のほうの指導になる。一つは製錬部門、これは仙台の鉱山監督部長、このほうの指揮下に入って完全に指導を受けている。このほうは通産省のほうがきつくやっていたようでありまして、二つにわたってこういうふうにやるようになったら、どっちがどっちかわからないままにカドミウムが排出されて、住民自身が恐怖にさらされた、こういうようなことがあるわけであります。こういうふうな点なんかも、ひとつ強力なる行政措置の面とあわせて現地のほうで調整すべきだと思うのです。この問題についてはどういうような措置をその後してありますか。

橋本徳男通商産業省鉱山保安局長

○橋本(徳)政府委員 先生ただいまおっしゃいましたように、宮古の問題につきましては一つの工場に対していわゆる指揮監督、指導のルートが実は二つに分かれておるということは、確かにおっしゃいますとおりでございます。またこの二つのルートが、終局的な効果を得られるためには必ずしも十分な体制がとられていなかったということも、おっしゃるとおりでございます。われわれは、こういった公害の問題を取り扱うときには、これは各方面にいろんな関係がございます、市なり県なり、こういったようなものは地元の住民の代表であると同時に、またその企業のある部面についての監督指導もやっておるというふうなことで、常時そういった面で住民的なサイドあるいはその企業の監督的サイドという両方の面から、十分地方において密接なる連絡を保持しながら指導監督をするようにというふうなことでやってはきておりましたけれども、その点につきましては、必ずしも県と監督部との間が十分でなかったというふうなことで、まことに遺憾に思っております。しかしその後は常時県並びに市と連絡をとって、相互に情報の交換、データの交換というふうなこと、あるいはその後の会社に対するいろんな双方の指導の効果、こういったようなものを相互に交換し、これは仙台だけにとどまらず、これを例にいたしまして、全国の監督部局及び市町村、県あたりとの連絡を緊密にするようにということで、先般も監督局部長をわざわざ東京に招きまして、いろいろそういう指示もしておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その監督部長のほうはよくやっていることは私自身よく見てまいりました。めったに通産省のことをほめませんけれども、これはよくやっていましたから、あなたの部下として私はほめておいてもいいと思います。ただ行政が二つになっている点で調和を欠いておりますから、万国博のあのテーマは調和でありますけれども、あれは不調和ですから、ひとつこういうような点で十分調和をはかるようにしてやってもらいたい、こういうように思うのです。  それで、昭和三十七年から四十二年までの間にミドリガキが発生しております。これに対して、銅に対して、その許容基準というようなものをあそこに実施させてあるのですか、ないのですか。このミドリガキの被害は二十億だと聞いておりますが、このようなことはどうなっているのですか。銅だからどうなっているのか。

橋本徳男通商産業省鉱山保安局長

○橋本(徳)政府委員 銅につきましては、従来から検査をして一応の基準というものを、特別の基準というものはございませんが、指導監督上銅の排出の減少をはかっておったのであります。しかし昨年の十一月にあらためて、ミドリガキの問題が発生いたしましたので、銅の排出基準を関係方面の研究機関とかその他の意見できめまして、本年の二月に監督基準をきめて、それを守らせるというふうなことにした次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そろそろ時間なようでありますが、大臣、最後に一問でありますけれども、いわゆる産業廃棄物の問題であります。この産業廃棄物でいみじくもいま日本でとっているような方法を、ニクソン大統領のいわば公害白書で、新たにアメリカでも指示したようであります。それは、固形廃棄物、こういうようなものは高度の消費社会が捨てた残りものである。ますます増大するこれらの廃棄物は、風致を害するとともに、そのしわ寄せが市政府の施設にあらわれている。多くの廃棄物は潜在的に再使用が可能なものである。そして原料を再循環させることは、廃棄物処理のために、資源保存のためにも、今後ますます必要の度を高めるであろうと言っているわけであります。そうすると、これが廃棄物だといって、それを廃棄するために予算その他行政上、自治省であるとか都であるとかいろいろやる前に、それが再生産に対する一つの資源なんだ、こういうような考えの上に立って今後指導を強化していくことが、通産省が公害を乗り切る一つの有効なきめ手になるのじゃないか、こう思うわけです。たとえばある点では、水の点であっても、煙の点であっても、鉄鋼の場合だったら、それをとることによってもう一回再生産して、それが一トン八百円の煙のかすがそのまま今度一トン三万円で売れるほどの何とか亜鉛になって、それはメッキ用の最優秀なる亜鉛である、物質である、こういうようなことがいまもうすでにやられておるのであります。そういうふうにして一つの廃棄物、こういうようなものは多彩にありますけれども、こういうものを一つ一つ再生産するために、資源活用という点からどんどんこれは指導し、こういうような行政を強めていくということは、今後皆さん、命題でなければならぬと思うのです。そのためには、今後やはり公害防止事業団の融資、こういうようなことも必要でありましょう。また皆さんのほうの強力な指導、こういうようなものも必要でしょう。これを強力にやるという大臣自身の決意もそれに上積みして、今後の公害を克服するための一つのきめ手になるわけであります。今後ひとつこういうような点に重点を置いてがっしりがんばってもらいたい、こう思いますが、確信はございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 廃棄物というのは全く新しい問題でございますが、ほうっておきますと非常なことになります。で、脱硫のようにかえってそこから硫黄が出てくるということであれば、これは非常にうまい関係かと思いますが、プラスチックのようにいまだにわれわれどうしていいか、高分子のものについては方法がわからないでおるわけでございます。ですから、片一方で産業構造審議会のようなところで廃棄物の処理をどうするかということを考えておりますが、他方で工業試験所のように、ただいま言われましたような方面から技術的な検討を加える。これは全く新しい分野の問題で、言われますように、これを全部再生して新しい原材料にするというような方法が全部ございましたら禍を転じて福となすわけでございます。そういう方面、それからどうしてもどうもならぬというようなものについての最終的な廃棄の方法という、両方を考えていかなければならないと考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 公害行政に対する今後の通産省自身の奮起をここにこいねがって、私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 私は二つの点について御質問をいたしたいと思います。一つはただいま御質問がありました再生資源取り扱い業の問題でございますが、通産省は、昨年の春以来この問題の研究に着手して、すでに調査の中間報告をまとめておられるようであります。くず鉄や故紙の集荷等の価格調整の必要を認め、かつ指導しておられる、そういう立場で私が伺いたいのは、末端の集荷機能に対してこれからどういうふうに指導していかれるかという問題であります。中間報告にもありますように中間集荷機能であるいわゆる立て場業者というものが大体一万五千軒、そのもとで働く、買い集める人が七万六千人、こういうふうにやっておられますし、また国民金融公庫の調査によりますと、これらの産業で取り扱っておる金額は大体四千億円に達するというので、たいへんこれは中小企業としても業種の規模としては上位に位する重大なる部門であります。ただいま公害の問題、その見地からの議論もありましたけれども、私は、この原料の限界生産者という意味で、限界の供給を担当しておるという意味で、産業政策の面からも、これは非常に慎重に考えなければならぬ問題だろうと思います。  そこで、通産省のほうは、従来おやりになっておるところを見ておりますと、再生資源取り扱い業のうちで上のほうの有力な問屋、くず鉄問屋とか故紙の問屋に対しましては、それぞれ設備近代化資金の助成を実施しておられますが、集荷機能のかなめである、第一線である、中核である立て場に対しましては、あまり手が打たれていないように思います。  そこで、私の第一の質問は、大臣が急がれるので結論のほうを申し上げるわけですが、これから第一線の立て場の近代化の指導、助成に特に力を入れていただきたい。そこで、力の入れ方の問題でございますけれども、業種ぐるみに体制を整えるという意味で、近促法の業種指定をなさっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。  次には、優秀な業者に対しましては、近代化資金も貸し付けてやるくらいの努力をする必要があると思いますが、この点についてのお考えはどうであるか。  さらにまた、一部の協業といったようなものも進めていくべきではないかと思いますが、この三点について具体的に通産省としてはどういうお考えを持っておられるか、特に大臣からお伺いをいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 立て場業の問題をお尋ねでございまして、取り扱いが非常に大きいので、私も実は驚いたのでございますが、おそれ入りますが、企業局長から御説明申し上げます。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、廃品回収業は、国民経済全体の中でたいへん大事な役割り、重要な役割りを占めておる次第でございますが、特にお話しの立て場業につきましては、労働力の不足の問題あるいは取り扱い物資の価格の変動のしわ寄せを受けやすいといったような面から、非常に苦しい状況におちいっておるという点は、私どももさように考えております。したがいまして、この立て場業につきましては、今後他の廃品回収業、特に問屋との利害の調整問題、あるいは立て場業自体を、御指摘のように近代化促進法の指定業種にすることについても慎重に検討を加えまして、対策に遺憾なきを期したいと思います。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 いま企業局長から明快な御答弁をいただきましたが、大臣、これは重要な部門でございますので、第一線のものを指導、助成するという形においてぜひ力を入れていただきたい。強く要望いたしておきたいと思います。  第二は構造改善の問題でございますが、主として印刷業の構造改善について伺いたいと思うのでございます。  その前に、精紡機設置制限が六月末で期限切れになります。御承知と思いますが、構造改革に関連して、繊維工業におきましては繊維新法による精紡機の設置制限が本年六月までに大体終わる。七月からはいわゆる設備自由化時代に入る。ここで憂慮されますのは、わが国の悪いくせでございますけれども、設備過剰、生産過剰の歯どめというものがなくなっていくということであります。そこで大臣に決意のほどを伺いたいのでありますが、七月以降は一体これはどうなるか、そのまま手放し、野放しにするということであるのか、あるいは従来のせっかくの努力を集約をしていく、あるいは守っていくという立場において何らかの方法を考えられるか。その方法の一つとして、私は七月以降は精紡機の設備を登録制にでもして、実態を確実に把握しておくということが必要ではなかろうかと思いますが、この点について通産大臣の御意見を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 法律が失効になりますが、これをあらためてつくり直すというつもりはございません。詳細なことは、ただいま繊維雑貨局長から申し上げます。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○三宅政府委員 ただいま大臣の御答弁にありましたとおり、新法失効の際これを再延長する考えはございませんけれども、御質問にもございましたように、再び過剰投資が起こるのではないかという懸念が若干ございますので、所要の実態調査費を計上いたしまして、設備の動向について絶えず十分な配慮を払ってまいりたい、かように考えております。ただ一般的に人手不足がだんだん激しくなってきておりますので、一般の常識といたしまして、設備がそうむちゃにふえるということはないのではないか。ただ非常に心配いたしますのは、中小企業、中小紡績がこの過渡的な経過期間において非常な窮迫をしては困ると考えておりますので、今般の四十五年度の財政投融資計画におきましても、中小紡につきまして開発銀行の特利適用の幅を拡大いたしまして、高級な非量産番手に転ずる、あるいはスリーシフトの設備を導入するとか、こういったケースにつきましても特利を導入することによりまして、中小紡に新しい道を開いていきたい、かように考えております。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 この問題も十分論議したい点がまだ残っておると思いますけれども、時間を大臣急がれるということでございますから、本論の印刷業について少し伺ってみたいと思います。  一つは、構造改革の方法というものはバラエティーがなければならぬのじゃないかということであります。政府の構改の指導は、グルーピング、協業化の数をもって進捗率のバロメーターにしておられる、こういうような感じもいたしますけれども、協業化というのは一つの重要な手段ではありますけれども、共同事業の経験さえまだ持っていない段階の業種に対して、一挙に協業化のほうへ飛躍させるということには実際問題として幾多の困難があるのではないかと思います。したがいまして、構改にはもっとバラエティーを持った考え方にしていったらどうか。たとえばマッチの製造業の構改にあたりましては、これは組合本部にコンピューターでも置いて、組合員に対しましては在庫がどこにどうあるか、需要がどういうふうに出てくるかといったような情報網を張りめぐらして構改の効果をあげていく。事実それによってある程度の効果をおさめておるようでございますが、これは単なる共同事業として見るということではなくて、構造改革の一つのあり方だというふうに認めていく。その他の一般の、これは一つの例でございますが、構造改革というのも観念的に協業化といったような一律の考え方でなくて、それぞれの業種にあって、いまのレベルを一つ上げるということをもって具体的な指導の内容にしていただきたいと思いますが、この点はいかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 構造改善をいたしますときに、何ぶんにも中小企業が相手でございますし、業界にいろいろな特色がございます。ことに印刷業などは受注産業でありますし、その方法、製品の種類もいろいろでございます。でありますから、いま構造改善を希望しております業界に対して、どういうやり方が一番いいかということを業界も研究しております。一つレベルを上げるか半分上げるか、一つ半上げるかというようないろいろ考え方がそこにあろうと思いますけれども、実情に即さないようなあまり理想的な図を描くということはこの構造改善をやるときに私はあまり適当でない、なるべく業態に沿ったようなやり方をして前進させていくということが行政としていいのではないかと思っております。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 いま大臣の御答弁になりましたような幅を持った考え方でぜひひとつ対処していただきたいと思います。何と申しましても構造改革というのは単なる企業整備ではありませんから、集めて数を減らしていくということだけではなくて、その業界、その特殊性に応じたものであってほしいということでございます。印刷業の場合でもやはり同じでございまして、観念的に適正規模の問題を持ち出して、これで引っぱり回すというようなことだけでいいかどうか。たとえば中小の印刷工業の場合のごときは——東京や大阪といったような大都市の場合にはこれはまあ一定の経営規模というものが当然必要でありましょう。しかしながらその他の場合に、やはり適正規模ということだけを一律に論ずることがいいのかどうかという問題であります。メリヤスとか織物のようなマテリアル製品の業種と、それから印刷のように生産品が直ちに商品となって、しかもすぐそのそばにいる人に持っていかれなければならぬといったものをわざわざ中央に集めて適正規模だということで無理やりに大きくするということが必要なのか、あるいはその場その場で現地解決のできるような形をとって、やはりレベルアップはしなければなりませんけれども、レベルアップをさせることで満足すべきものかという点についても、私は十分政治的な特殊なそれぞれの配慮というものがあるのではないか。要するに業種により業態により地域の実情により問題によって、構造改革のあり方をぜひ具体的に検討していただきたい。先ほどの話の続きになりますけれども、お願いをしたいわけであります。  そこで、中小企業のこの共同事業は現行法では構造改革の手段としては認めておるのか認めないのかという問題であります。印刷工業について見れば、大都市では、先ほどもずっと申しましたけれども、特に製本段階は完全に独立しておるのが常識であります。ところが地方におきましては、印刷工場は製本部門を自分で大体設置せざるを得ない。それの稼働率が低いので経営のコストが非常に高くなってくる。こういうことになりますとたいへんな問題がありますので、したがって地方の中小印刷工業の場合には製本工場を共同事業として新設することがむしろ構造改革の主要部分になるのではないか。こういう場合にはそのような共同事業というものは当然に構造改革の一環と見て取り扱うべきではないかと思いますが、いかがでございますか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○三宅政府委員 御存じのとおり、印刷業につきましては、従来中小企業近代化促進法によりまして、印刷機の自動化あるいは近代化については相当の伸展を見たわけでございますが、一番人手を食います組み版の段階あるいは製本の段階というのには、今後労働需給の逼迫に対応いたしまして、非常に問題が出てくると予想されるわけであります。そういうことで、御指摘のとおり業界でも、非常に業界ぐるみの構造改善の意欲が盛り上がっておりまして、私どもの調査でも約八割の方がこの事業に参加したい、こういう意欲を燃やしておられると聞いております。現在全日本印刷工業組合を中心に構造改革の具体的なビジョンを策定中でございますので、それと連係をとっていまその具体的な内容について検討中でございますが、印刷業が受注産業であるということ、あるいはまた機械の内容が多種多様であるというようなことを考えまして、前向きにそれらの御指摘の問題については検討したい、かように考えております。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 大臣お急ぎですから、これで最後にいたします。  これは事業団融資の問題でございますが、都市計画法の八条に基づくところの工業地域である場合のみに共同工場の設置について事業団融資が認められるということになっておりまして、商業地域における共同工場の融資は認めていないということになっておるようであります。しかしながら、東京の実態をとってみますと、印刷工場というものは大体中央に密集しておる。その密集しておるところは、たまたま私ここに地図を持っておりますけれども、全部商業地域なんですね。そうすると、さっぱり用をなさないということでございます。商業地域における共同工場の融資を認めるようにしなければ、東京においてはせっかくの事業団がほとんど役をなさないのではないか、こういうことで非常にこれは業界も悩んでおるのではないかと思うのであります。ぜひそういう意味で商業地域についてももう少し弾力的な運用をはかってもらわなければいかぬのじゃないか。また、都市計画法の第九条にも、商業地域というのは「主として商業その他の業務」をやるための地域だ、こういうことになっておりますから、「主として」の解釈によってもずいぶん変わるでしょうけれども、いずれにしましても、いままでの事業団融資はあまりに画一的に割り過ぎておる。やはりもう少し東京なら東京の実情に沿ったようにしないと、せっかくの事業団融資がほとんど意味をなさなくなるというようなおそれがある。この点についてはひとつ大臣、弾力的な運用をはかっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○三宅政府委員 従来構造改善業種に指定されました業界においては、ただいま御指摘のような都市計画法が共同化の障害になるというようなケースは出てまいっておりませんでしたけれども、御指摘のとおり印刷業は受注産業でございますので、いま御指摘のような問題が予想されることは十分頭に入れております。ただ、この問題は、何しろ都市計画法には都市計画法としてのたてまえがございまして、用途地域あるいは商業地域の指定制というものがその法律の体系ないしは考え方の中で行なわれておりますので、具体的な事例が出てまいりましたら、建設省あるいは関係の都道府県と個別にその弾力化の限界また可能性について協議してまいりたい、かように考えております。しかし、同時に、先ほど申し上げましたように、都市計画法それ自身にも一つの体系的な考え方がありますので、できれば業界が共同化事業の計画を作成されます場合に、そういった点についてあらかじめ十分な配慮をしていただきたい、こう考えております。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 それじゃ運用の問題とも関連いたしますが、もう一つ重大な問題で大臣に伺っておきたいと思うのは、一般業種の構改の場合に、やはりスクラップ・アンド・ビルドの原則をひとつ貫いてもらったらどうだろうかという問題なんです。というのは、これは大臣よく御存じのように、スクラップ・アンド・ビルドというのがこれからの一つのやり方だと思うのですけれども、スクラップのほうがなくて、ビルドばかりやっておりますと、しかも新しいやつが能率のいいものを備えつけるものですから、一般業種の構改の場合においても旧設備の廃棄を一つの条件にする、そして設備過剰のおそれをなくするということを当然考えるべきじゃないかと思うのです。これは一つの大きな政治的な判断を要する問題でございますので、これを伺って最後にいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 業界によって多少事情は違うと思いますけれども、構造改善ということになりますと、本来スクラップ・アンド・ビルドということを本則に私は考えていくべきものと思います。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 大臣が急がれるので、質問があちらこちらということになって恐縮でございますけれども、お許しをいただきたいと思います。  まず最初に、構造改革でもう一度毛布やタオルの問題に返りたいと思うのですけれども、明年度の構造改善業種指定として繊維工業の毛布やタオル等を、特繊法による指定ではなくて、近促法による一般指定とした理由は何であるかということでございます。

三宅幸夫通商産業省繊維雑貨局長

○三宅政府委員 特繊法の対象——特繊法はいまの近促法の構造改善業種よりも先に法律としてスタートいたしました観点が一つでございます。さらに、特繊法の業種指定の考え方は、繊維の中でも基幹部門中の基幹部門、それを特繊法で指定してまいりました。こういう関係から現在四業種にしぼられております。しかし、その後近促法によりまして構造改善業種を新しい角度から取り上げるという方式が出てまいりましたので、いま御指摘の毛布あるいはタオル、その他各般の繊維の業種につきまして、雑貨関係を含めまして、現在は近促法の構造改善業種で取り上げておる次第でございます。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 時間がありませんから、それはこのままにいたしまして急ぎますが、構造改革の業種指定の数をもう少しふやしたらどうかという、あるいはふやすべきではないかという問題について、これは大臣に聞きたかった問題なのですけれども、私は、希望としましては近促法の指定、特繊法の指定の各業種並びに小売り商業の業種のボランタリーチェーン等、少なくとも百ぐらいの業種については構改の対象とすべきではないか。御承知のように、近促法でも百十七が大体対象にしております。大体百ぐらいの業種についてそういう努力をするのがむしろこの段階では必要ではないかと思いますので、この点についてひとつ……。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 構造改善業種は、国際競争力を強化する、あるいはまた発展途上国の追い上げに対処するために、ほんとうに緊急に構造改善を実施する必要がある業種を選びまして指定いたすということになっておるわけでございまして、本年度におきまして八業種の指定をいたしたわけでございますが、さらに来年度におきましては、二十業種程度にまでふやしてまいりたいと考えておるわけでございます。もちろん緊急にそういう構造改善をやらなければならない現実の事態、逼迫しておる業種も相当あるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、いまの御趣旨に従いまして、できるだけ多くの業種をこの構造改善業種として指定してまいる方針で処理していきたいものと考えます。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 もう一つお伺いいたしますが、構造改革をやるときに一体どの辺を努力目標——先ほどレベルアップと申しましたけれども、レベルアップというのはこれから経済の国際化とかあるいは資本の自由化、特恵関税、いろいろな問題を考えながら、構造改革の努力目標は一体どういうところに置いておられるのかということが一つ。  それからもう一つ長官に伺いたいと思いますのは、絵をかくのはわりに簡単でございますけれども、経済の実践の過程の中で、ほんとうにその所期のねらいとする目的を、政策効果をあげようと思うならば、中心になって引っぱっていく指導者といいますか推進力といいますか、そういうものがなければならぬと思うのです。ところが今日、たとえばいまの事業団の共同工場設置についての政策融資を見ますと、参加企業の五分の四以上が従業員が二十名以下でなければならないということになっております。十の企業のうち二企業が二十名以上の規模であるということが認められるわけでございますが、そういう形で共同工場全体の指導企業といいますか中核企業といいますかが形成されていくのに、これではたして十分であろうか。せっかく、努力目標をいま伺いますが、その努力目標を描いてみても、それをだれがになっていくか、だれが引っぱっていくかという中心指導勢力がなければ、所期の効果を期待できないのではないかと思うのでありますが、この二つの点についてお伺いして最後にしたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 最後の努力目標をどの点に置いておるか、こういう御質問でございますが、大体五年くらい先におきます当該業種の国際的な競争関係がどういう事態になっておるかということを、これは外国の文献等も参考にしながら改善計画の目標を定めておるわけでございます。もちろん内外の経済情勢は目まぐるしく変わりますので、慎重な配慮が必要であろうかと思いますけれども、一応のめどとしましては五年後という姿を描いておるわけでございます。  それから第二の御質問でございますが、いまの事業団関係の構造改善事業につきまして、参加企業の五分の四以上が従業員二十人以下のものでなければならない、それでは牽引力になるものが入ってくる余地がなくなりはしないであろうか、こういう御指摘であったかと思うのであります。実はこの共同工場化事業につきましては特に事業規模の小さいいわゆる中小企業基本法でいっておりますところの小規模事業者、これが二十人以下ということになっておるわけでございますけれども、こういう小規模事業者につきまして格段の配慮を行なう必要があるというふうなところに着目いたしまして、融資比率にいたしましても八〇%、また無利子というふうな、非常に優遇した措置をとりまして競争力強化につとめてまいるということを趣旨にいたしております関係上、二十人以下が五分の四ということになっておるわけでございますけれども、実は二十人以下だけが集まりましたのでは、いま御指摘がございましたように牽引力になるものがいないということになるわけでございます。したがって少なくともその中心勢力になるような、五分の一、二割は二十人以下でなくてもけっこうでございますというのが現在のたてまえでございます。したがいまして、一応こういう特別の融資比率でございますし、無利子でございますというたてまえに立ちまして、やはり小規模事業についての特別の振興策としてこの事業を扱っておりますので、この関係の基準、たてまえをくずすということはむずかしいのではないかと思うわけでございます。ただ先ほどのような事例でございますと、これ以上のもの、たとえば三十人前後というふうなことになりますれば他の制度をもってこれを補完いたしておるわけでございまして、たとえば共同化あるいは協業化事業につきましては、工場団地制度でございますとか、あるいはまた協同組合等によりますところのいわゆる共同施設というふうな高度化事業の制度があるわけでございまして、これは実は融資率あるいは金利等において先ほどの小規模事業者を対象とするものよりかちょっと条件が悪くはなっておりますけれども、しかし六五%、二分七厘という非常に低利の金利でそういう事業を推進しておりますので、むしろ二十人以下ではなくて三十人前後というふうなことになるといたしますれば、こちらのほうの制度を積極的に御活用いただくのがいいのではないかというふうに考えております。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 これで終わりますが、とにかく印刷業をはじめすべての業種においては、これから技術革新というものは非常に重要な当面の課題になると思うのです。結局集まってみましてもその技術革新に対応できるだけの姿勢、体制がつくられなければ意味がありません。結局それを牽引していくためにはあまり観念的といいますか、センチメンタルといいますか、そういう気持ちだけに傾き過ぎておると、実際の問題として一応かっこうはできますけれどもそれがはたして所期の目的を達するに十分なだけの体制ができるかということについて、私は技術革新が激しいだけに、そのにない手もあるいは牽引者も、りっぱなものを持ってこなければ引っぱっていけないのじゃないかという心配をいたしますので、あらゆる面から、ぜひ前向きに検討していただくように希望を申し上げまして、質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山分科員 通産大臣がお見えになるまで、そのほうはあとにいたしまして、きょうは防衛庁から御出席を願っておりますので、防衛庁にまずお聞きしたいと思います。  最近、しばしば防衛庁長官は、兵器製造の開発というふうなことをおっしゃっていられるように新聞に見えますけれども、これはどういうふうな意味なんですか。また具体的にどういうことを開発されようとしているのか。予算的にはどういう面にあらわれているのか。またその開発が防衛庁内部だけの問題なのか、あるいは兵器産業と関連して行なわれるのか。兵器産業と関連するならば、どういう方法をお考えになっているのか。それが予算とはどういう関連があるのか。まあ、たいへん長くなりましたが、それを承りたいと思います。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 先生の御質問に対しまして、御説明申し上げます。防衛庁長官が、いわゆる兵器の研究開発、装備品の研究開発を自力で行ないたいということを申されましたお考えのもとになっておるのを、私なりにそんたくいたしまして申し上げたいと思います。  わが国の防衛力という問題につきましては、いわゆる自主防衛という立場にわれわれは立っております。自主防衛という立場に立ちます場合、国の防衛につきましては、いわゆる自衛隊だけがこの国を守るのではなくて、国民全体でこの国を守っていくというお考えに長官は立っておられるのだと思います。そうしてその一環といたしまして、日本の工業力というものが、日本の国の防衛の一環であるというお考えに立っておられるのだとわれわれは考えております。したがいまして、わが国の装備品につきましては、でき得る限り国産化をしていくということが、この国の防衛の一環であるというふうなお考えに立たれまして、装備品の研究開発というものを促進していくべきであるということを申されたのだというふうに、私どもは考えておるわけでございます。また、そういう方針にのっとりまして、私どもといたしましても、装備品の国産化の推進という面につきましては努力してまいりたい、そのように考えておるわけでございます。  したがいまして、そういった装備品の国産化をいたします場合、どういう方法でやっておるのかという御質問がございましたが、現在防衛庁のほうで装備品の国産化をいたします場合、あるいは研究開発を実施いたします場合、まず——防衛庁には御存じのとおりそれぞれ幕がございまして、陸幕、海幕、空幕、三幕ございます。わが国の防衛構想に基づきまして装備構想というものが出てまいりますが、その三幕が、それぞれ防衛構想に基づきまして、まず装備すべき装備品、これの要求性能と私ども申しておりますが、装備品の性能というものを要求してまいります。それを受けまして、長官は、防衛庁の中にございます装備審議会にかけて、それぞれ中身を検討いたします。そこで基本要目というものがきまります。基本的なその装備品についてのそれぞれの性能、これにつきましてきめましたものを私ども基本要目と申しておりますが、これがきまりますと、それに基づきまして、防衛庁にございます技術研究本部、ここにその基本要目がまいります。それを受けますと、技術研究本部長——部長がおりますが、部長が実際の調達をいたします調達実施本部というのがございまして、そこを通じまして、その基本要目に基づきます基本設計につきまして、民間企業に対しまして発注をいたします。こういうもので設計できるかどうか、それに基づきまして、いわゆる試作、これが民間企業に発注をされます。それができてまいりますと、それを受けまして、技術研究本部でその後の試験を行ないます。その試験を行ないまして、その試験結果がそれぞれ上がってまいります。それを装備審議会にもう一度かけまして、試験をやってみて、それでよろしいということになりますと、制式とわれわれ申しておりますが、制式として採用される。採用されますと、それからいわゆる自衛隊の装備として装備されるという段階を経るわけでございます。  それでは、そういった研究開発についてのやり方、いわゆるお金の面の御質問があったかと思いますが、これにつきましては、四十五年度予算におきましては、そういった設計、試作という予算が九十億一千四百万でございます。ちなみに四十四年度は約七十五億でございました。四十五年度九十億一千四百万という予算が組まれまして、この予算をもちまして、そういった研究開発の実施をするということに相なるわけでございます。  その場合、さらに先生の御質問があったかと思いますが、研究開発費につきましては、こういった予算に基づきまして——いわゆる設計、試作という経費につきましては、予算に基づきまして防衛庁から、その受けました民間企業に支出をされるということに相なるわけでございます。  先生の御質問に、あるいは足りないところがあったかと思いますが、一応御説明を終わりたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 この九十億というのは、そういたしますと、民間に出る金であって、防衛庁内部のものではない、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 御説明が、あるいは足りなかったかと思いますが、この中には技術研究本部が、基礎研究と申しますか、こういったものを行なっておりますが、その分も入っております。いわゆる人件費等を除きました研究開発費というのが九十億一千四百万ということに相なっております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 くどいようですが、これはほとんど全部と言っていいかもしれませんが、民間の兵器産業にいく金でございますね。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 技術研究本部に、先生御存じのとおり、五つの研究所がございますが、そこにそれぞれ研究者がおりまして、こういった者が、五つの研究所で基礎研究をやっております。そういったものを含めた金額でございまして、このお金が民間企業に全部いくということではございません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 これは予算の中では分けられませんか。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 ただいま、こまかい全部の資料を持っておりませんので、まことに申しわけございませんが、分けられることはできます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 じゃ、あとでまた伺います。  それで、今年度予算におきましてはどういうふうな研究が主眼点になっておりますか。何か軍の秘密だとか機密とかいうことであれば私はよしますよ。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 それでは大体代表的なものを申し上げたいと思います。  まず中型輸送機、いわゆるCXというものでございます。それから超音速高等練習機、いわゆるTXといっております。それから短距離の地対地誘導弾、SSMといっております。それから短距離地対空誘導弾、SAMといっております。それから新型戦車、こういったものが四十五年度実施いたします研究開発のおもなものでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 これにつきまして、もう初めから委託研究というふうな意味で民間のほうに委託するというふうなケースはありませんですね。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 最初から民間へ委託するという先生のお話でございますが、先ほど防衛庁の研究開発のやり方につきまして御説明いたしました手続といたしましては、まず幕のほうから要求がございます。それに基づいて装備審議会にかけて、それから始まるわけでございます。したがいまして、いわゆる研究開発という段階のうち、設計と試作という段階が民間に委託をされるものでございます。その基本となります基本計画あるいは基本設計、そういったものはすべて防衛庁でこれを行なっておるという段階でございます。何もかもわからずにいきなり全部民間に委託をするということはございません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そういたしますと、ここで経費を出しているわけでございますから、今後発注した場合に、その発注の中に研究費というものは原価の中には入りませんですね。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 研究開発につきましては、ただいま御説明いたしましたように、そういった設計、試作という経費につきましては、予算に基づきまして、それに必要な金額は防衛庁から民間企業に払う。先生のおっしゃるのは、それが終わったあと装備品となった場合に、いわゆる増産といいますか、装備をするというので生産を開始するということにつきまして、そういった研究費がその中に入っているのじゃないかということじゃないかと思いますが、そういうことにつきましては、私どもは、研究開発はあくまでも研究開発である、それが装備品として——制式として採用され、装備品として発注をするというときには、その必要な金額につきましてはまた予算化しまして、その必要な量だけ調達をするという考えで進んでおります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私お聞きしたのは、そういうふうにして発注するわけでございますね、大体研究したところに発注が行くだろうと私思いますけれども、その際に、発注する単価の中には研究費というものは入らない、こういうふうに了解していいかということ。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 私どもは、いまも申し上げましたように研究開発というものはあくまでも研究開発として考えておりますし、装備品として採用するという場合には、その段階において必要な単価、正当な単価、適正な単価で物を調達していくという考え方で進んでおります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 くどいようですが、その単価の中に研究開発のための経費というものは入っておらないのかということなんです。私は常識的には入らないと思いますけれども、念のために伺った。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 私どもは入っていないというふうに考えて進んでおります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 入っていないんじゃなくて、いれないということでございますね。そういうふうに了承していいわけでございますね。  それで、いまのようなことでございますが、このことについてはあなたのほうでは通産省とのいろいろな関連がございますか、仕事の面で。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 先生御存じのとおり、企業については、武器等製造法という法律と航空機製造事業法という二つの法律がございまして、この二つの法律は通産省所管のものでございます。私どもが装備いたしておりますものにつきまして、大部分がこういった法律によって規制をされる。生産あるいは、研究開発についてもそうでございます。そういったもので規制をされるということにつきまして、通産省とは非常に関係が深い状態にございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 抽象的なことをお聞きしますが、日常具体的にはどういうふうな場合に通産省と協議されますか。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 あくまでも武器等製造法という法律に基づきまして認められた企業だけが武器を製造できるということでございます。したがいましてそういったものを私どもが発注をするという場合でも、その認可を受けた者に発注をするというようなことに相なるかと思います。武器等の装備品の産業というものを今後考えていきます場合には、やはり通産省とよく協議をいたしまして、十分意思の疎通をはかって、そうしてそういった産業の育成といったものをやっていかなければならないというふうに考えておりまして、私どもと通産省とはよく緊密に連絡をしているという状況でございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 大臣がおいでにならないのであなたにばかりお聞きして恐縮なんですけれども、いま育成ということをおっしゃいましたね。ことばじりをつかまえるようで悪いのですが、どういうことを通産省に希望しておられますか、育成については。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 先ほども申しましたように、長官のお考え等につきまして、私そんたくしたことを申し上げました。私どもは防衛産業というものが適正に育っていくということを望んでおりまして、私、育成と申しましたのはことばがちょっと足りなかったかと思いますが、適正な規模で育ってもらうというふうにひとつおとり願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 たいへんあなたにばかり……。具体的に日常通産省とは一体どういう御相談があるものなんですか。いままでの経験によってどういうふうな御相談が一体あるものなんです。私は通産省とは無関係にこの仕事をおやりになっているのじゃないのかと思うからお聞きするのですが、何かありますか、具体的に通産省と御相談になったようなことが。ちょっと具体的に言ってみてください、どんなことがあるのか。

栗林隆一防衛庁装備局管理課長

○栗林説明員 具体的に言いますと、それぞれ、通産省は防衛産業行政という面で考えておられますし、私どもは国の防衛という面から防衛産業というものを見ております。そういった中で、あるいはそごを来たすというようなことのないように、常日ごろよく連絡を密にしてきておるということでございます。たとえば、こまかいことでございますが、装軌車等につきまして、そういった業界をどのように育てていったらいいか、また将来どのようにあればいいかというようなことにつきましても、通産省とよく協議をいたしております。そういったことでひとつ御了承をお願いいたしたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それでは大臣がお見えになりましたので、これから、委員長のお許しもありますので、十五分間だけお聞きいたしますが、いろいろお聞きいたしたいことがありますので、私も簡単に申し上げますから、ひとつ簡明にお答え願いたいと思います。  この間私、本会議で、私はあまり武器のことばかり言っておりますので少し気もひけたのですけれども、新聞等にもそういうことが出ましたのでお聞きしたわけでございましたが、三原則に該当しない場合には輸出は無条件にお認めになるのかということをお聞きしたのに、大臣は、まだ議事録が出ておりませんので正確にはわかりませんけれども、そういうことはないんだというふうに、あるいは場合場合に応じてというふうにおっしゃったかどうかわかりませんが、というふうな趣旨のお話がございましたけれども、そういうふうな三原則に該当しない場合については、場合場合によって認めたり認めなかったりするんだというふうな御趣旨のように思われますが、これについて何か原則がございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 どうも御迷惑をおかけいたしました。  せんだって本会議で申し上げましたときに、私は、貿易管理令による輸出の許可は一々ケース・バイ・ケースでやっておりまして、その運営の方針はかなり消極的なものでございますということばで申し上げたと思います。すなわち、わが国もいろいろなものを輸出をして貿易は盛んにいたしたいと思いますけれども、少なくとも武器を大いに輸出して国を富ましたいというような政治の姿勢というものは、私どもとりたくない。また過去の実績に見ましても、そういう運営の精神は貫かれておるように考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ぜひひとつそういうふうに消極——もう出さないということを断言することも、私もむずかしいことかと思いますけれども、ぜひひとつ極力消極的な態度であっていただきたいと思います。  とにかく最近の中近東の模様を見ましても、宗教と民族の渦巻き、それに力を与えているのは大国からの武器輸出だということを考えましても、またアメリカがもう地上戦には参加しない、出さない、こう言っても、武器でやろうというふうなこともうかがえますし、これからの武器輸出の問題は国際的にも非常に重要な問題になると思いますので、ぜひひとつ消極的な態度で一貫していただきたい、このことを、いまお話がありましたので重ねてお聞きいたしませんが、ぜひお願いいたしたいと思います。  それで、先ほど防衛庁のほうからお伺いいたしましたけれども、この防衛産業というものにつきまして、基本的にはどういうふうな態度を通産省は持っておられるのか。具体的に言うならば、国内の需要を満たす程度でいいんだ、これを発達させてそして国外にでも出そうというふうなところまではしなくたっていいんだというふうにお考えになっているのかどうか。その点ひとつ基本的な考え方をお聞きしておきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 防衛産業というのは、防衛庁の装備を満たすために、私どもはそれを主たる目的として持っておるというふうに考えておりまして、輸出を目的として防衛産業を育てていくというふうには考えておらないのでございます。ただ、防衛庁の装備と同種のものについて、操業に余裕があったといったようなときに、品物によってそれを輸出しようということについてはケース・バイ・ケースで、すべてそれを禁止するという立場はとりませんが、輸出産業として育成しようというような気持ちはございません。  なお、御存じのことで申し上げるまでもございませんが、私どもが武器産業、兵器産業と申しますときに、航空機そのものは一緒に考えておりません。航空機産業は私ども大いに伸ばしたいと考えておりますことは、これは御承知のとおりでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それで伺いますが、長期の低利融資、たとえば開発銀行の融資というものが兵器産業にはあり得ますかどうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 御承知かと思いますが、武器産業に対しましては、昭和二十九年度から経済援助資金特別会計、普通にはMSA資金、こう申しておりますが、これから融資ができるという道が開かれております。ところが、この特別会計が会計制度簡素化の趣旨によりまして昭和四十三年度以降は産業投資特別会計に統合されております。そういったことから、日本開発銀行の一般融資ワクから、いままでMSA特別会計へ出しておりました資金が出されているという仕組みになっております。したがいまして、今後この武器産業に対しまして日本開発銀行から全く融資をしないということにはならないと思っております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 全く融資をしないということにはならない——どういう場合に融資になりますか。そういうふうなことは、それは財政を軽くするということでは意味があるかもしれませんけれども、別に予算でもって研究開発費も出るわけでありますし、実質的にそういう政府資金によるところの長期、低利融資というものは私はあり得ない、必要がないと思いますけれども、いかがですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 過去にさかのぼって恐縮でございますが、いままで……。

華山親義日本社会党

○華山分科員 制度のことを聞いておるのではございません。ただこれからどうする方針かということです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いままで、二十九年度から四十一年度まで武器関係の製造設備に対しまして約十億円が出ております。今後これが統合されて開発銀行一本になるわけでございますが、私ども武器産業と申しますものも、やはり先ほど大臣がお答えしましたように、自衛隊の必要とする装備をまかなうというたてまえでございますし、そのために必要な製造設備が要る、これは当然でございます。ただ、武器産業と申しますのは非常に高度の技術を必要としますものが多いだけに、そういったものが一般の産業界にも波及効果を持って、いわゆる機械産業の高度化に役立つといった場面も多かろうかと思います。そういった観点から、今後とも必要がある場合にはあるいはこの開発銀行から融資が行なわれるということがあり得ると私どもは考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 とにかく先ほど防衛庁のほうからお話のありましたとおり、これらの開発については国の予算でまかなう、こういっているのだから、何も特別にさらに低利資金を融資するというふうなことは私は必要があるまい、必要がないんじゃないか、こういうふうに思います。この点につきましていま結論を言えと申し上げても、これは大臣とも御相談にならなければいけないことでしょうから、いまここでは回答を求めませんけれども、私はそういうことは考えられないと思います。ある開発につきまして、それが武器にも関係があるんだという場合はあるかもしれない。しかし、純然たる武器をつくるということについて開発銀行の融資ということはあり得ないのじゃないか。やるならば、先ほど防衛庁がおっしゃったとおり、予算措置でやるべきものじゃないか。それを発注するときには、それに必要なところの経費は予算を組んでいるんですから、私はそういうことはないのじゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。  それで、この程度にしておきますが、先ほど公害のことがありましたので、私大臣にひとつお聞きしておきたいと思うのですが、最近のニクソン大統領の発言、また国連の事務総長の提唱、それから東京の国際シンポジウム、こういうふうな国際問題になってまいりましたけれども、私はこの問題の将来を考えますと、とにかくある国がそれをやりますと、国際競争に経費上アンバランスが出る。ある国で進めると、それだけコストが高くなるというふうなことから、私はILOの場合と同じように各国がひとつ一緒になってある基準でやっていこうということが出てくるんじゃないか。それはそれまで待とうと言われちゃ私困りますけれども、そういうふうなことは考えられませんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 実は私もうかつでありましたが、昨年パリに参りましてOECDの活動を聞いておりましたときに、OECDが公害問題を取り上げたということで、うかつでございましたが、実は非常に驚いたのでございます。やはり多国間でもって公害問題を取り上げるというそういう世の中になってきたということを感じましたので、ただいま言われましたような方向というものはやはりあるのだ、そういうふうにまた動いていくべきものであろうと私は考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 それで、それまでに日本も進めなければいけませんけれども、ILOのときみたいに、日本はまだ準備中だとか何だとか言って、国際の協定ですか、条約ですか、何かそういうことに批准がおくれるなどという醜態がないように、そのときになって急にそういうことをしなければいかぬというふうな事態が起きないように、ひとつ国際的な動向を見ながら、公害の防止の問題については進めていただきたい。またそのときになって、日本はまだ準備ができないとか、それからいま急にやると国際競争力が落ちるとか、そういうふうなことのないように、基本的には考えておいていただきたい、このことを申し述べたいと思いますが、ひとつ大臣、重ねてお答え願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 その点につきましては、わが国は幸か不幸か、国土が狭い関係もありまして、非常に公害の防止の必要を感じておる国でございます。意識もかなり早く進みつつあるように思いますので、そのようなことが起こりませんように十分注意をいたしたいと思います。

大村襄治自由民主党

○大村主査代理 卜部政巳君。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 まず大臣にお伺いをいたしたいと思います。  それは、高度成長の落とし子とでもいいましょうか、過密と過疎、これは車にたとえれば両車輪のようなものでございまして、過密を解決しなければ過疎というものの解決はない、こういうことでございます。しかしこの過密の問題はこの委員会におきまして各種取り上げられる面もありましたし、また取り上げられてもまいりましたので、私は、過疎を中心として、ひとつ質問をしてみたい、こういうふうに思います。  そこで、まず新全総の問題でありますが、これから発展をするというか、それの流れをくんで、自治省あたりでは広域市町村圏、さらに建設省におきましては地方生活圏、それぞれの構想を打ち立てています。その中にあって、これはこの予算分科会じゃありませんが、各分科会の中で指摘をされ確認をされておるわけでありますが、それぞれに、一番過疎の激しい地域、そういう点についてはひとつモデル地区を制定をする、そしてこの設定の中で推進をしていきたいという答弁がなされておるわけであります。そういう観点に立って、いま日本列島のうちに一番過疎現象の激しい島根の例をとってみた場合に、その沿岸並びに地下資源、こういうものが豊富であります。この豊富な地下資源や海中資源に対して、大臣は同じくこれの開発に努力を払っていただけるものかどうか、まず冒頭にお伺いをしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 御指摘のように、わが国の国内が過疎問題だけでございましたら、過疎問題の解決はむずかしゅうございますし、過密地区だけでございましたら過密の問題の解決はむずかしい。両方がありますがゆえに解決の方途があるというのが全国総合開発計画の考え方であると思います。そこで、いま島根県のお話がございましたが、地下資源あるいは海中資源というものについて私ども注目をいたしておりますが、そこで考えなければなりませんのは、やはりそのような資源あるいはエネルギー源というものは、経済法則に従って需要があり、供給のあるべきものでありまして、過疎であるがゆえに経済法則に合わないエネルギーを開発するということは、私は、施策としては長続きがしない、こう考えております。むしろ全国総合開発計画で申しますと、ただいま島根県のお話が出ましたので申し上げるわけでございますけれども、これから最も国民が必要とするであろうような、そういう、いわゆる人間らしい生活のできる、あるいは旅のできる環境、そういうようなものを、むしろ島根県には保存し、あるいはさらに育てていくべきではないかというのが全国総合開発計画の考えであったように記憶しております。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 この新全総のビジョンについては、私は批判があります。それは、ビジョンというものが鮮明じゃないということもあるわけです。しかしその問題はともかくといたしまして、力強い大臣のおことばがございました。したがいまして質問を進行させてまいりたいと思いますが、地下資源の問題さらに海中資源の問題、これからの日本の産業に欠くことのできない海中資源の問題等もあります。そういう点から順次進めてまいりますが、まず第一点といたしまして地下資源の問題でありますが、新産法が島根県にも適用されました。しかしこれは御承知のように失敗であります。財源の裏づけも何もなく、失敗に終わっていることは御承知のとおりです。しかし私はそういうことをいまさら申し上げることを省略したいと思います。しかしその時点で、島根県の知事をはじめとして、この新産都市の制定と同時にここに大きく浮かび上がったものはやはり黒鉱の問題である。この黒鉱に寄せる期待というものはほんとうに大きいものがあるわけであります。その黒鉱の調査につきましては、通産省からまた絶大な御協力をいただいておることについても私は敬意を払いたいと思いますが、この調査の進行状況でありますが、この点に若干、私をして言わせるならば、一、二点御注文を申し上げたいことがございます。その点、これは大臣はおわかりでないかと思いますが、政府委員の方から現在の進行状況についてひとつお伺いをいたしたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 島根県につきましては、第一段階の国の調査としての広域調査でございますが、これは四十一年から四十四年まで実施いたしておりまして、これは北島根の地区でございます。そうして四十三年から四十四年にかけまして精密調査に入っております。益田地区につきましては、これは山口県にもかかりますけれども、四十三年から広域調査を開始して、いま二カ年続けて実施しておる段階でございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 そこで北島根の問題ですが、四十一年から四十四年までの精密調査、ボーリングでありますが、これの年次ごとの計画、この点をひとつ御発表願いたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 ちょっといま手元に資料を持ってまいっておりませんので、後刻報告させていただきたいと存じます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 当初の計画によりますと、この三年間で四十五本のボーリングがなされるという予定でありました。そうしてこれが十一本、十五本というふうになっておったわけでありますが、最終年度においては十一本と減少しているわけであります。ですから大臣がおっしゃられたように、そうした誠意を持って行なうということであるならば、むしろその計画を上回るボーリングがあってしかるべきだ。しかしせめて計画くらいは完全にしてもらいたかったと私は思います。しかしそれが実際問題としてはなされていないという現実があるが、この現実は即予算が伴わないということもあろうと思います。対大蔵関係の折衝過程の問題もあろうと思いますが、この点については四十三年度からの広域調査の問題も含めて、ひとつ大臣、そうした島根の地下資源の開発の問題については、計画はさることながら、将来に向かっても、それが開発されるまで重点的にそこに予算をつけて開発をしていくという意欲、さらにまた努力がなされるだろうかどうか、この点をひとつ大臣にお伺いしたいと思います。——いや、大臣にお伺いしたいのです、それは姿勢の問題ですから。具体的なものは事務当局でいいですから。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 先ほど申しましたように、地下資源にいたしましてもエネルギー資源にいたしましても、やはり経済法則、メリットというものを考えなければならないと思います。いま御指摘の点は、計画に従ってなお進めていくつもりでございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 そうすると、大臣のおことばのように、開発がなされ、日本の産業に貢献できるまでやっていく、精密調査も広域調査も。委員長、私はこういうふうに確認をしたいと思います。  では続いて次に参りますが、いま政府委員のほうからおっしゃられましたところの問題の中に広域調査、益田川との関連がございますが、全体として二十七地区ということになっておりますね。二十七地区あるんですが、それは島根県の大田のほうの沿岸部でありますが、なおかつ邑智郡に大きな資源がある。こういうことで、いま島根県も総力をあげてここに調査を進めております。そういう問題についてやはりワクを拡大をしていくという、こういう一つの誠意があってしかるべきじゃないだろうか。確かにそういう資源があるんだということもわかって、県も重点的にそこに調査を施行してもらいたい、こう言っておるのでありますが、大臣いかがでございましょうか。そういう分野にも広げて、やはり過疎をなくする、そこに大きな地下資源があるとするならば、ただ二十七地区でとどめるんじゃなくて拡大をしていく、こういう一つの考え方はいかがなものでしょうか、大臣にお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、経済法則ということをやはり大事に考えていかなければなりません。同時に国内資源があるものは、なるべく国内資源を開発するということが本則でございますから、これらの賦存量あるいはコストなどを考えながらきめていくべきことだと思います。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 大臣、大臣の頭のいいところでことば巧みに逃げられる問題じゃなくて、もう切実な問題です。そしてそれは二十七カ所であるがふやしてもらいたいという、そういう申請もなされておるはずです。私も島根県の県議会その他の問題でいろいろと陳情を受け、その中に現実に首を突っ込んでおりますが、そうしたものを、ただ予算が云々だとか、経済のメリットで云々だということでなくて、やはり心やさしい過疎地帯に対する配慮というものがあってしかるべきじゃないか、こういうことを私は言っておるのですから、あまり公式的に御答弁にならないように、ひとつやはり心あたたまる御答弁がほしいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 実情、私明瞭でございませんので、政府委員から申し上げます。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 先ほどお話のありました二十七地点につきましては、なお未着手のところが六カ地点あるわけでございます。これは四十五年に現在やっておるところのものが一応見当がつきますので、四十六年以降につきましては現在の二十七地点以外の有力地点についても対象にするということで、探鉱分科会でいま検討するという態勢にございます。したがいまして、御指摘のような有望な地域がありますれば、そういうところが今度の審査の対象になり得るという様子になっております。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 前段のほうでは、何かあした待たるるその宝船のような感じを与えられたようですけれども、何かいまのほうではまだ検討するというおことばのようです。しかし前段のことばを私は信用いたしたいと思いますが、ともあれいま御指摘のあったように、四十六年度からはその二十七地区以外にもひとつワクを拡大していただいて、地下資源の開発にひとつ御努力をいただくという、そのことばを議事録にとどめ確認をしながら、次に参りたいと思います。  時間がないものですから次へ参りますが、いま政府委員のほうから申された益田川との関係ですが、これは山口県との接続がありますね。こういう問題について、いま島根県から調査が始まっておりますけれども、あれは聞くところによると隔年調査となっておりますが、ことしは島根県だ、来年は山口県だという、こういうような調査ではまさかないと思いますが、その点は終わるまでということで確認してよろしゅうございますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 指定された地域としてやりますから、まとめてやることに相なります。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 じゃ飛び飛びにやるということにはならぬということで、了解をいたしたいと思います。  次に、地下資源の問題はそれくらいにいたしまして、時間がございませんから海中資源の問題に入ります。いま第一次電波探索の中の調査によりますと、島根県のあの沿岸は、すばらしい有利な石油そしてまた天然ガスがあるようでありますが、この点についてちょっと私気になることがありますので、お伺いをいたしたいと思いますが、いま通産省のほうで大陸だな鉱物資源開発促進法案というものが準備されつつあるやに聞きますけれども、この点についてそれは正しいことですか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 検討はいたしておりますが、検討を継続する現状でございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 しかし、まあこれは通産大臣のお得意の場面でもあるのでありますが、三マイル説をとられておる立場もありますね。それで、大陸だなの問題について、現在第二次の電波探索が行なわれているわけですが、浜田からずっと下がって下関というところに有利な——有利なといってはおかしいのですが、有望な資源が埋蔵されておるやに調査の結果では判明をしておるわけであります。そこで問題になりますのは、今度この法案が出た場合のその三マイル説、いわゆる大陸だな以外の領海外のいわゆる鉱区権の問題、試掘権の問題、そしてまたこれは率直に申し上げると税金の問題、こういうものがどうなるのかという問題があろうと思います。したがって、その点まだ準備をされていないとはいいながら、やはり構想はあるのだろうと思いますが、その点の構想をちょっとお知らせ願いたいと思います。簡単でいいです。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 領海外におきましても、沿岸国の主権は地下の鉱物資源に及ぶというのが国際慣習法として認められておりますから、そうした事態のときには鉱業法の適用があるというふうに考えております。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 そういたしますと、現在の鉱業法によるところの適用、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 そのように私たちは考えております。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 ああそうですか。  この促進法案の中の第三条に「大陸棚における鉱業の実施については、この法律の規定によるほか、鉱業法及び鉱山保安法の規定による。」と、こういう条文があるわけですね。その以外に、これは私が見ておる範囲では、二月の九日に出た法案の試案でございますが、それから改正されたものはございませんか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 その点については改めておらないと思いますが、現在もなお検討中でございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 これは過疎との関係の中でお話を申し上げておるわけですが、現在の鉱業法によりますと、鉱区権——鉱区税ですね。その鉱区税自体も地方税の中に組み入れられていたわけでありますが、いま政府委員のお話の中でこれは確認をされたのですから、これはもとどおりになっては困りますが、これがきょうの本会議のガソリン税だとか何かと同じように、知らぬうちに国に吸い上げられるとか、そういうようなことはもう絶対ないということを、私はいまの政府委員のおことばで確認をしながら、ひとつ次に移ってまいりたい、こう思います。——いや、ちょっと待ってください。そういう確認をしておるのですから。  そこでもう一つ申し上げたいのですが、どうなのでしょうか、政府委員の方。この場合に、私はやはりそういう心配がもしあるとすれば、そしてまたそれは地方公共団体との関連があるとすれば、当然協議すべき内容のものではないだろうか——ちょうどいい発言の機会をお与えいたしますから、どうぞひとつそれに便乗してお答えを願いたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 鉱区税が地方税であるのか国税であるのかどうかというのは、鉱業法と関係のないことでございますので、鉱業法の適用があるということで、鉱区税が地方税であるということにはならないと私は思うわけでございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 それから、その協議の問題は……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 協議の問題は、現在鉱業法で運用しておる方針に従ってやりますから……。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 促進法は相談しないわけですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 鉱業権の設定されたあとには別にございませんが、設定の際には知事の意見を聞くことになっております。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 わかりました。ここでそういう枝葉末節なことの押し問答はやめたいと思います。ただ前段のいまのおことばの中で、鉱業法による云々と言われた点、まあそれはそれでいいでしょう。しかしこの第三条によるものは、結果的に地方税の中に入るということでしょう。想定されるいわゆる促進法というのはそのことを意味しているわけでしょう。そういうようなことで逃げられては困りますよ。まあよろしゅうございましょう。そういうことで最初に確認をされたわけでございますから、次のほうに進んでまいりたい、こういうふうに考えます。  次に対ソ貿易の問題であります。これは大臣も御承知のように、現在の対ソ貿易は貿易公団によるものと協同組合の貿易というものと沿岸貿易という三つに分かれておる、こう思うわけであります。ところが島根県や鳥取県や、日本海沿岸のこういうような県が行なっておるところの貿易は、二と三に入るいわゆる協同組合貿易と沿岸貿易というかっこうになります。そうしますと、情けない話であるが、欠石が出たり乱尺が入ってくる——まあおもに木材ですが、長かったりさらにまた石に足らなかったりすることが多いわけです。だけれども、甘んじてそれを受けなければならぬ、文句を言おうものなら今度は輸出ができない、こういう状態の中に二と三はあるわけであります。だけれども、一のほうの貿易公団と大企業が行なっておるところの貿易はスムーズに行っています。こういう点について大臣、今後そういう二と三の対ソ貿易等については、これを沿岸貿易によるところの県、島根県、鳥取県、兵庫県などありましょうが、それを統一してまとまった一つの団体にしていくという通産省の指導というものが、これからなされてしかるべきだと思いますが、どうでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 まあ一の種類に属します貿易でも、仰せられますようには、なかなかスムーズに行っていないようでございます。まあ向こうがああいう国柄でございますから、どうもやむを得ないのかと思いますが、しかし、いわゆる沿岸貿易につきましても、政府間貿易の交渉の場ではしばしばソ連に対して、沿岸貿易についても事態の改善をしてほしいということを、実は政府から申しておるようなわけでございます。したがって、地方の方々で行く者もおありになるようでありますから、その際にもおっしゃっていただくといたしまして、政府も政府間貿易の機会には絶えず先方の注意を喚起しておるところでございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 まあ大臣がおっしゃったように、相手は社会主義の国ですから、貿易の関係についてはなかなか資本主義の国のようなスムーズさがないことは事実でしょう。しかしながら、この貿易公団と大企業が行なっておるところの貿易というものは、沿岸貿易やまた協同組合貿易がぶつかっておる、デッドロックに乗り上げておるほどのものではないのですね。また大臣自体も御承知のように、大企業のほうとはヒヤリングなんかをおやりになっておるわけですね。何といいますか、日ソ貿易の懇談会というものを開かれて、やはりそれに対しては指導的な立場で、そしてまた懇談の中で、対ソ貿易をどうするのかというヒヤリングが行なわれておる。この沿岸貿易の人々には、また協同組合のそれにはそういう処置が行なわれたかといえば、行なわれていないのが現実ではないかと思うのです、私に言わせるならば。と言うと、ことばがきびしくなりますが、若干通産省の態度は冷たい。だからやはり、そういう不平等的な貿易を行なわれておる沿岸貿易等については——大企業はより積極的に、商社から人を派遣されて、欠石だとか乱尺のないような措置はとれるのですからね。だけれども、実際の問題として、そういう小さなところはとれないのですから。それをやはり政府があたたかく見守ってやる、そしてそういう小さな力ではいかぬから、沿岸貿易は全部集まって大きく統一しなさいという指導ぐらいはしていいと私は思うのです。将来そういう方向に向かっての指導をされるお気持ちがないかどうか、この点をひとつ大臣にお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 私も詳しくは存じませんが、沿岸貿易は沿岸貿易としての貿易公団の外での機能を果たしてきておられると思うので、これは地域の切実な要求からそういうことが起こったことだと思います。そこに私どもがどのように関与をすることが適当であるか、ともかくいずれにいたしましても、政府間の貿易交渉では、地方のそういう苦情なり、あるいはお困りの様子を絶えず向こうに伝えまして改善を求めておりますことは確かでございます。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 大臣、確かに向こう側に向かって言っていること、これは私はよく理解ができます。だけれども、そういう小さな、たとえば島根県だとか鳥取県だとかというふうにずらっと並んで、そういう沿岸の貿易を各県ごとにやっているわけですね。ですから、そういうものをやはり私は統一する必要があると思うのです。大きな力にする必要がある、こう思うのです。その点で、外に向かっての大臣の気持ちはよくわかりました。そういうことのないようにということをソビエトに言うことはわかったけれども、内に向かってはやはり、そういう小さなものを大きなものにさしていく、相手のそういう不平等な措置を甘んじて受けないような大きな力にするという指導をひとつしていただきたいというのが私の意見なんですから、その点の大臣の態度というものを明らかにしていただきたい、こう思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 さあ、それは各県でおのおの独自のやり方をしておられますので、そういうことができることであるか、適当なことであるかどうか、はっきり存じません。少し調べてみたいと思います。

卜部政巳日本社会党

○卜部分科員 ひとつ大臣に期待をいたしますが、各県はそれぞれに通産省のそうしたあたたかい指導というものをやはり待っていることは事実です。おれはおれだというセクトというものはここにみじんもないことだけはつけ加えておきたいと思います。  同時に、いま三つの問題を申し上げまして、過疎の問題とからめての御質問を申し上げましたけれども、地下資源の問題もしかり、海中の資源の問題もしかり、そしてこの対ソ貿易の問題もしかり、そこには、いま言うように、豊富な資源がある。そしてまた、貿易については浜田港だ、江津港だという恵まれた港があるわけですね。そういう港に今度は入り船出船というかっこうで貿易が行なわれる。そうすると、当然そこに御承知のように産業が振興してくる。こういうことを考えるならば、過疎対策というものを単に現象をつかまえてやるだけじゃなくて、そういう抜本的な問題にメスを入れていただくことをお願いをして、時間が来ましたので終わります。まだ地盤沈下その他がありましたが、どうも時間がないようです。ですからこの程度で終わりますが、ほんとうに大臣の英断を期待し、またその大臣の所信に基づいた行動、具体的な実践を政府の手によってひとつ示していただきますようにお願いをして、私の質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 私はきょうはゴルフ企業の最近の悪徳化、それとそれに対する対策、こういったことについてお尋ねいたしたいと思います。  そこで、最初に大臣にお伺いいたしますが、ゴルフ企業の指導官庁、監督官庁はどこですか、これをお伺いいたしたいと思います。でないと質問が進みませんので。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 私も実は先ほどまでつまびらかでございませんでしたので、経緯をあわせまして政府委員から申し上げます。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 お尋ねの点でございますが、競技といたしましてのゴルフは文部省だと存じますが、経営といたしましてのゴルフ場の監督は、通産省でいたしておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 おそらくこれは最近そういうふうに大体確定してきたんじゃないかと思います。そこで企業としての問題、これにつきましては通産省だということになるわけでありますが、その局はおそらく企業局でしょう、どうですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 さようでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 最近そういうふうになったのでありまするから、なかなか指導、監督が十分にいかないだろうということは私もよくわかりますが、それにしてもこれほどのゴルフ企業という大きな投資額を持っているもの、それが監督官庁、指導官庁もわからなかったというようなことは、非常に私は遺憾に存ずるわけであります。そこで、局長、いまどういうような指導、監督をやっておられますか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 本来ゴルフ場の経営というものは、大体スポーツマンの集まりでございますので、それ自体自主的に運宮されて、適当な経営の成果をあげてまいるのが本則であろうかと思いますが、新聞等によりますると、必ずしも適正でない経営もしくは計画がまま見受けられておりますので、そのような点の自主的な措置を期待いたしまする意味におきましても、日本ゴルフ場連盟という新しくつくられました社団法人を通じまして、ゴルフ場連盟に加入しておりまする各ゴルフ場の経営の健全化、適正化ということにつきましての自主的な改善をお願いをいたしておるような次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 そこで、少し抽象的になりますけれども、企画庁で在来から新全国総合開発計画、昭和六十年、こういったものを手がけておられたわけでありますが、その中で土地利用計画、こういったものは当然あるだろうと私は思うのであります。そこで、国民生活とレジャー用地の関係なんですが、土地利用計画の中でレジャー用地としてのゴルフ場用地、こういったものが位置づけられておるかどうか、それからそれについてどのような見通しを持っておられるか、端的にいいますと、昭和六十年までの土地利用計画の中で、どの程度にゴルフ場用地というものを見込んでおられるか、これをちょっと伺っておきたいと思います。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、企画庁におきましては、新全国総合開発計画におきまして、国土の総合的な有効利用というものの計画を立てておられるわけでございますが、それは主として包括的、概括的な計画でございまして、たとえば産業工場用地としてはどういう構想でありあるいは港湾、道路、鉄道等の計画はどうあってほしいとか、太平洋沿岸ベルト地帯の構想はどういうふうに具体化さるべきである、そういういわばマクロの計画でございまして、ただいま御指摘を賜わりましたような、ゴルフ場用地についてはどのくらいの見通しであるかというような具体的な点までは立ち至っておらないというふうに解しております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 全総計画の練り直し、これは私も目を通しております。しかし、その中にはおっしゃるとおりそういったものについて具体的に何も出ていない。ここに問題があるのでありますが、きょうはその問題を言うわけじゃありません。ただ、これはたしか企画庁から出ている「土地利用状況」というのがありますね。そして昭和六十年を推計されておる。その中に、宅地につきましては、四十年度におきましては七十八万ヘクタール、それが六十年には大体百十五万から百二十五万ぐらい必要になるだろう。その内訳を見ますと、住宅が六十年度推計で七十五万ヘクタール、工場用地が三十万ヘクタール、その他というところで大体二十万ヘクタールというものが出ておるわけです。これは宮澤さんおつくりになったのだと私は思うのですが、そうじゃないかもしれないが……。この中にそういったものが含まれているのですか、どうでしょう、これも局長。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 土地の有効利用の計画の中でございますれば、入り得ると思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 そこまでお尋ねいたしまして、さらにこれは局長からですが、ゴルフ企業の実態について若干伺っていきたいと思います。  まず第一番に、ゴルフ場の数はいまどのくらいあるのか。それから、これは時間がありませんから一緒くたにやりましょう。ゴルフ場の面積がどのくらい占めておるか。ゴルフ人口はどのくらいか。それから、特に私知りたいのは、ゴルフ場建設に対する投資額はどのくらいか。この四点についてひとつお答え願いたいと思います。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ゴルフ場の数はただいま全国で五百五十ということに承知をいたします。面積は、寡聞にしてただいま手元に資料もございませんし、後ほどお答えさしていただきたいと存じます。それからゴルフ人口は、これも正確な統計はございませんが、まあ普通五百万ないし六百万といわれておるように承知をいたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 それから投資額は何千億ぐらいになりますか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 別途検討いたしまして、お答えさしていただきます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 なかなかおわかりになるのも無理だと思います。ただ、相当な投資額にのぼっているんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。何さま五百五十ないし六百といわれているゴルフ場、一カ所大体平均十億見当とかりに見ましても、かなりの額だということはおわかりになると思うのであります。的確な数字はおそらくまだ調べられていないだろうと思いますが、これは指導監督のたてまえから今後十二分にひとつ把握していただきたいと思います。  そこで、この間うちから本委員会で御案内のように十一万八千ヘクタールの米の減反、これが出ているわけでありますが、各省ともみんな押せ押せでもって、自分のところで引き受けましょうというような気のきいた形が出てこないのであります。土地が足らぬ、足らぬと言いながら、そういう状態をいまたどっているわけです。しかし、私の調べでは、現在のゴルフ場の面積、これが七千六百二十万平方メートル、こういうことになっておりまして、坪に直して二千三百万坪というようなところへ来ております。これは少し数字が古いのですから、もっと大きなものになるんじゃないか、こういうふうに思っておりますが、たいへんな用地。しかも投資額は非常に大きい。かつゴルフ人口がいま五百万ないし六百万とおっしゃっている。スポーツ競技の中でゴルフほど競技に参加する人口が多いものはそうたくさんないのであります。見物するほうは幾らでもありますけれども、競技としてもこれはたいへんな競技であり、しかも数からいいましても非常に大衆化されておる。それからいま一つは面積が非常に広いものを占めておる。こういった役割りを果たしておるゴルフ場。ところが最近ではこのゴルフ場が建設にからんで非常に悪徳化されている、こういうことであります。そこでこれまた局長にお伺いしますが、入会金を集めてゴルフ場をつくらないもの、この間富士五湖のゴルフ場が問題となって、これは新聞で大きく取り上げられておりましたが、この種のもの、これはずいぶんありますが、そういったまぼろしのゴルフ場というようなもの、これはゴルフ場がまだできていないのですから通産省の管轄じゃないかもしれないのです。非常にむずかしい問題なのですが、お調べになっておればひとつ聞かせてもらいたいと思うのです。あとで対策のときにこれは問題になりますから。入会金を集めゴルフ場をつくらないもの。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 信頼できる資料かどうかは別といたしまして、私どもが調べました範囲での一応の結果によりますと、入会金を集めてゴルフ場を実際建設をいたさなかった例は十八件ほどあろうかと存じます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 これは別にやっつける意味で先ほどから質問しているのじゃありませんから、私が調べたもの、これも必ずしも十分じゃないのですが、局長との間に確認してみたいと思うのですが、私のほうでは、まぼろしのゴルフ場というようなものは大体全国で百ぐらいあったのじゃないかというように考えております。たとえば関東だけ拾い上げましても、私の手元にある資料では三十一ある。そのあとぼつぼつつくったのはあるかもしれませんが、そういうようなのがある。名前をみんな私持っております。  それから、一体入会金を集めた額はどのくらいになるか、そういったことについておわかりじゃないと思いますが数百億、これはばく然としたことばですが、数百億にのぼるのじゃないかと思うのです。それからいま一つは、建設に実際必要とする資金以上に金を集めて、そしてその必要以上の分についてゴルフ場をつくらずに他に流用している、そういったケースがあるやに伺っている。これはどうでしょうか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 現在日本ゴルフ場連盟でいろいろ実態調査も行なっておりまするので、それらの調査がまとまりますればある程度責任をもって申し上げられる材料がそろうかと存じますが、現段階におきましては、何ぶん資料不足でございまして、的確な御答弁ができかねるわけでございますが、かりにゴルフ場をつくると称しまして資金を入会会員から集めて、しかもそれが建設されなかったというようなケースは、むしろゴルフ場としての経営の問題以前に刑法上の問題になり得るのではなかろうかと存じます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 確かにおっしゃるとおり刑法上の問題にもなりましょう。ただ、どうしたことかあまりそういうものを告訴したり何かしている例というのは非常に少ないのですね。これはおそらくゴルフをやる人が当時たまたま——最近では非常に大衆化されましたけれども、特権階級的な人がやっておったということもあって、名前が出るのはいやだとかというような問題もあり、そういうことになったんじゃないか。それから同時に、会員の会員権といいますか使用権というか、そういったものとからんで、それからそれに対する何か証憑書のようなもの、証書ですか、そういったものが有価証券であるかどうかというようなことについても非常に問題があって、裁判に持っていってもなかなか解決しないというようなこともあるわけです。だから、それはなかなかそこへ持っていかないというようなことだと思うのですが、それだけに、やはり何らかの保護をしてやらないと、これはたいへんなことになるのじゃないかというふうに感ずるのです。その施策についてはあとで伺いますが、そのほかにも不健全な経営によって欠損を続けて、その結果会員から預かっている入会金というようなものに食い込んでしまうというようなケースもあるようであります。これらの点につきましてはひとつ十分に調べていただきたいと思います。  きょうは、大蔵省が見えておりませんからよすが、しかし、いずれにしても、これは私も調べてみて、何らかの金融に対するそういう保護措置がとれないものか、検討してみたのでありますが、いま申し上げましたように、どうも有価証券ではない。学問上の有価証券であるけれども、証券取引法の法律による有価証券じゃないということになっておる。それだけに、こういったものに対する規制というものは非常に重大だと思います。  そこで、これらに対して一体どうすればいいかということなんでありますが、大臣、これは小さな問題のようでありますけれども、たいへん国民が迷惑している問題であります。どういうふうにしたらいいとお考えになりますか。通産の指導監督の立場から、何かよき手はないだろうか、こういう質問になっているわけなんですが……。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 どうもやはりこういう問題が、ときどきどこの役所の権限に属するかというようなことが、必ずしも官庁の機構が世の中の変化の実態に即していかないものでございますから、ございます。実は私も、先ほどお答えいたしましたように、ゴルフ場の経営というのは通産省の所管かといって政府委員に聞いたような始末でございましたほどでございます。そこで、いま聞いてみますと、今度ゴルフ場連盟というものが社団法人でできましたので、それを機会に、この連盟を通じて、各地のゴルフ場の実態調査を委嘱いたしまして、それに従って、経営の健全不健全、適当不適当というよりむしろ不正があるというようなものについて実態を把握しようとしておる由でございます。いまのところ、行政はその程度のところまでしかまいっておりません。幸い、こういう社団法人ができましたので、これからは少しくそういうこともしっかりやっていただけるのではないかと思っております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 社団法人のゴルフ場連盟ができて、そういったものを使って調査もし、なおいろいろな関係から、とてもこれを規制するわけにいかないので、法的な規制が困難なので、自主規制の方向で指導していく、こういうことであると思うのであります。ただ、ここで問題になりますのは、ゴルフ場をつくってないんですね。つくってないで、ゴルフ場連盟に調査をし、自主規制をやれといったって、これ自体できない相談になると思うのです。したがって、一番いいのは、やはり何かゴルフ場建設に関する規制というものを考える必要があるんじゃないか、立法措置を講ずる必要があるんじゃないかと私は思う。ところが、戦後発達したゴルフを見ておりますと、これはまあ自由放任で恣意にまかしておったから、今日のような繁栄をもたらしたという逆説が出てくるわけです。しかし、その結果が今日のような、ゴルフ場の認許可制がないものですから、先ほど言ったような、悪徳化されたようなそういうケースが出てきた。そういうものが出てきたら、やはりここで何らかの規制が必要だ、こういうふうに私は思うわけなんです。そこで、通産省として打てる手として考えられることは、これを認許可の対象にするということはどうかと私は思うのですが、できますか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 スポーツにはルールがつきものでございますけれども、ゴルフ場の運営もしくは経営というもの自体につきましては、私どもとしましては、本来経営者が自主的にこれを健全に運営をされていくことを期待いたしたいというのが第一の姿勢でございます。しかしながら、ただいま御指摘を賜わりましたように、ゴルフ場になる以前の段階におきまして、いろいろ社会的な問題があることも事実でございます。これらの点につきましては、ゴルフ場としての規制という考え方ではなくして、まさにゴルフ場になる以前の社会的な問題として、むしろ刑法上の問題等も含めまして、一般的な予防対策というものを考えていくのが適当ではなかろうかと存じております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 通産省設置法の第四条二十八号に「所掌事務に係る公益法人その他の団体につき許可又は認可を与えること。」というのが権限となっていますね。でありますので、できるだけ規制はしないほうがいいと私も思います。しかし、先ほど言ったような悪徳がどんどん出てくるという状態で、しかも、ゴルフ場連盟に自主規制をやらそうとしても、ゴルフ場連盟に加入する以前の問題だということになってくる。そこで、あなたはいま刑法上の問題で処理すればいいと言うけれども、先ほど言ったようなケースが出てくる、こういうことになるので、そこで、これは行政として刑法にまかしておくだけが能じゃなかろうと私は思うのです。この際、やはりそういった権限をある程度生かして、そして、公益法人ではありませんけれども、「その他の団体」ですか、それに対して認許可制を設けることによって、そういう悪徳な建設をやろうとする者、あるいは建設する意思がなくて金を集めているというような者に対して、これは認許可がないんだということによって、国民はそれに対して非常に注意をし、ごまかされないというような形になっていくのじゃないか。今後、いままでのような、日本の住宅団地のような形式ではなくして、ああいった兵舎のような形の住宅団地の形成のしかたではなくして、ゴルフ場を中心として、それも含めて、住宅の分譲等をやっていくような建設等が行なわれていく、これはすでにワシントンその他でも皆さん御案内と思いますが、やっておるのでありまして、そういう方向へいまだんだん向いておる、こういう状態にいまなっているのであります。そういった先行きも考えてみますと、この際将来のことを考えてやはり許可制度に踏み切るということが必要じゃないか。そうでなくてはこれはとても規制はできないんじゃないかと私は思うのですが、大臣どうでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 どうもにわかに、どういうふうに考えていいものか、よくわかりません。法人格がございましたら届け出がある。しかしそれ以前の場合どうするかということになれば、ちょっと考えられますことは、詐欺行為が行なわれるなどの場合にはおそらく会員募集であるとかいうようなことで、たとえばこのごろでございましたら少なくとも三十万とか五十万とかいう金が動くはずで、それはたいてい金融機関を払い込み先に指定するだろうと思うのでございます。さあそこで地方のことでございましたら、それも東京の金融機関など指定いたしませんでしょうから、地方の金融機関ということになるのでございましょう。そこが一つのチェックのポイントではないかというふうに私はちょっと思いますが、しかしそれをどういうふうな仕組みでやりましたらできるのでございますか、にわかに私にはわかりません。ちょっとしたヒントしかわかりませんので、少し研究さしていただきたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 先ほど、当分の間そういう成案が出てこないということになりますれば、ゴルフ場連盟等を利用して自主規制をやっていく。しかしそれに加盟しないところのものに対して、あるいは建設の段階において出てくるこういった悪徳漢の問題、それについては非常にむずかしいだろうと思います。しかしそれだからといって通産省知らぬ顔しているわけにいかない問題じゃないか。ひとつ十二分に通産省で今後御検討願いたい。  これでもって私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 次期輸送機XC1、これのエンジンJT8D−9、これと同型のJT8D−1ないし−7は、いま727あたりに使っているわけです。このオーバーホールあるいは修理、改造はどこが行なっていますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいまお話しのございました727あるいは737に積んでおりますこのエンジンは現在石川島播磨重工業でオーバーホールを行なっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 防衛庁がCX開発のために輸入する六台のJT8D−9、それのうちすでに二台は輸入済みであると思うのですが、この試験運転はどこでやっていますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 石川島播磨でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 もう就航しておると思われますけれども、このXC1用の、−9をつけた727あるいは737、今月末あたりから就航するんじゃないかと思いますが、そのサポート、これは航空機製造法に基づく申請が要るわけですが、その申請をしておる会社はどこですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 事務的にはまだ——申請が出てきておるそうでございますが、ただいま申請を出しております会社は石川島播磨重工業でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 この、−9を現在生産、修理するに必要な体制を整えておる会社はどこでありますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 このエンジンの生産はまだ国内では行なわれておりませんが、いわゆるオーバーホール、修理と申しますか、これはただいま申し上げましたように、石川島播磨重工業が担当いたしておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 したがってそういう体制が現在整っておるのは石川島だけである、間違いないと思います。  そこで昨年十二月二日、まさに総選挙の直前でありますが、この、−9の国産化を前提にした場合のプライムは三菱重工にきめられました。三菱重工は現在、−9を生産、修理することのできる工場施設がありますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 −9、いまお示しのエンジンそのものをつくっておりませんので、そのものずばりの設備があるかと問われますと、ややお答えいたしかねると思いますが、というのは三菱大幸工場では御存じのように各種のエンジンの修理を行なっておりまするし、また石川島播磨で行なっておりますジェットエンジンその他の部品の一部を製造いたしております。したがいましてまだこのCX用のエンジンの修理あるいは製造——修理は別でございますが、製造する場合どういう部品を国産をするかというようなことがきまっておりませんので、正確には申し上げかねると思いますが、現在いろんな部品を製造いたしておりますので、そういった設備でもって製造が大体可能であるというぐあいに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 どうして可能ですか。なぜ可能なんですか。現在三菱重工はCT63をつくっておるが、これは部品を買ってきて組み立てておるだけです。そして馬力はどのくらいですか、問題にならぬでしょう。−9は二万から二万五千馬力、そうでしょう。  具体的にお伺いします。テストセルを持っておりますか。それから大は小を兼ねることはありますが、小は大を兼ねることはできませんです。したがって組み立て設備があるか、補機試験の設備があるか、現在使っておるやつは、−9には使えない。−9の分解組み立て工具があるか、ないです。だから私は調査団を派遣しなさいと言っているんです、予算委員会で。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいま申し上げましたように、現在三菱重工ではオーバーホールはもちろんでございますが、ジェットエンジンの部品といたしましても、J3のもの、あるいはJ79のもの、あるいはJ47、こういった各種のジェットエンジンの部品の製造をいたしております。したがいまして、いまお話しのありましたような点から申しますと、こういった部品を製造する設備を使えば、もちろん部品の国産化の内容がまだ未決定の段階でございますから、正確には申し上げられませんけれども、大体においてある程度の部品の国産は可能である、こういうふうに考えております。  ただ先生がいまおっしゃった中で、テストセルにつきましては、大幸工場は町の中にございますので、非常に馬力の大きい約二万馬力弱の——馬力に換算いたしますとJT8Dというのは約二万馬力弱のものになろうかと思いますが、そういったもののテストをいたしますのに騒音の問題がございますので、これは郊外に移してやらざるを得ないだろう、かように考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 CT63の馬力は三百十七でしょう。ダートの場合は四千、−9あるいはJ79は約二万馬力です。問題にならないのです。だから、現在の設備で可能だなんという、そういう不正確な答弁は困ります。そして、たとえばJ79の部品をつくっておるといっても、これは石川島が指導しておるのでしょう。そうじゃないですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 J79の部品は、いろいろな各種の部品をつくっております。79自身のライセンスは石川島播磨重工業が持っておりますから、もちろんそういったライセンスを持っておる石川島の指導のもとにつくっておるものと思います。ただ、もう相当期間つくっておりますので、その点については技術的な習得はでき上がっておるのではないかと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 ではないかと思っておりますくらいの御答弁しか、実際問題としてできないと思うのですよ。昭和四十一年十一月十七日の高島重工業局長の「航空機用エンジン生産のプライムについて」という通牒は今日も生きておりますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 これは局長の通牒でございますので、有効とか無効とかいう問題は本来的にないと思いますが、私どもとしては、ここに盛られております考え方はそのままとり続けておる、こう考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 このねらいとするところは、石川島、三菱、川崎、この三社の申し合わせに基づいてこれが出された、その申し合わせを尊重する、そうなっておりますね。そうすると、申し合わせの中に過当競争や重複投資を避けるということが申し合わせになっておりますから、この通牒のねらいというものはやはり二重投資の防止あるいは技術の交流、そういうことだと思うのです。その精神は生きておるわけですね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 おっしゃるとおりだと思います。この通牒で考えておりますことは、ジェットエンジン工業というものにつきまして、従来約十年間石川島播磨重工業が一社だけ生産に関する通産大臣の許可を持っておりました。他の二社は修理だけの許可を持っておったわけであります。そういった十年間の事態を踏まえながら、なお今後発展していくジェットエンジンというものについて十分な技術習得をお互いにしながら、しかも設備の二重投資を避け、また技術の向上をはかっていくということのための原則的と申しますか、一般的な考え方を示したものである、こういうふうに私ども考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 この通牒には「今後の航空機用エンジン生産のプライムについては」となっておりますね。それから「原則」ということが書いてあります。この原則を変えなければならない変化がTX用エンジンアドーアですか、これの決定以後に、そういう急激な変化をもたらすべき、原則をへし曲げるような理由が何か起こったのですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいまTXエンジンをきめた以後と言われましたが、その間約一カ月足らずでございます。私どもエンジン工業の今後の問題につきましては、もちろん相当期間にわたりまして直接の需要者であります防衛庁とも累次打ち合わせをいたしてまいっておったわけでございますが、たまたま決定の時期がTXのほうが急ぐということで先にこれを決定と申しますか、内定をいたしました。引き続きなお検討した結果CX用のエンジンがきまった、こういうことであろうかと思います。なお、私どもがただいま先生がお読み上げになりましたいわゆる高島通牒、これについての考え方は変わっていないと申し上げましたのは、CXのエンジンをきめますに際して、先般予算委員会でも防衛庁のほうから御答弁がございましたように、防衛庁側の御意見も十分私ども拝聴し、同時に、今度のCX用のエンジンがその機数においても量が少ない、また、おそらくはそういった関係もあると思いますが、部品の製造、国産と申しますか、そういった程度においてもいわば完全な国産化にはならないのではないだろうか、こういったようなことも十分考え合わせまして、そういったことであれば、この通牒に盛られておりますような、一社だけがジェットエンジンの生産を独占をしておるという体制からさらに一歩踏み出した四十一年通牒でございますので、その線をさらに延長したものという考え方のもとに、三菱重工業に対しまして、プライムになることがいいのではないかという内定をした、こういうことであろうと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 そんな理屈がどこから出てきますか、この通牒から。あなた方は、何か三菱重工にきめなければならないという至上的な命令か何かあって、あとから理由をつけたとしか思えないですよ。この通牒の中に競争原理というのが入っているのですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この通牒を出しました当時、もう四年くらい前でございますが、その当時には必ずしも競争原理というものを大きく取り上げたとは考えておりません。ただ、その後の防衛庁の考え方あるいは主張、意見というものの中にいまお示しのいわゆる競争原理というものが相当強く出てきたというふうに私は承知をいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 そうすると、通産省の考え方と防衛庁の考え方は微妙な食い違いがあるではありませんか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 先ほども申し上げましたように、約十年余にわたりましてエンジンの生産を独占をしておりました石川島播磨重工業に対しまして、小型ではございますが、他の二社に生産を許したということが四十一年の段階でございます。その段階において、私どもは表面上競争原理というものを大きく打ち出してこういったふうに踏み切ったというふうには考えられませんが、もちろんこういったふうに三社にそれぞれエンジンの生産を許したという理由の中には、競争原理というものも当然加味されておったものと考えております。今回の場合、そういった競争原理の導入という観点がさらに引き続き防衛庁から強く要請があった、こういうふうに私は御説明をいたしておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 その競争原理なるものは、国際的な現在のエンジン製造に対する考え方と一致しておりますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 海外におきますエンジン、特にイギリスなりあるいはアメリカ、フランス等におきますエンジン製造の歴史というのは非常に長い歴史を持っております。そして相当数のエンジン生産メーカーがありましたものが、相当な年月を経ましてだんだんと集約化の方向にいっておる、こういうことでございます。ただ、日本の場合には、ただいまも御説明を申し上げましたように、航空機工業が生産を開始いたしましたのは昭和二十七年でございまして、エンジンにつきましてもその後これが開始をされた、しかもその後約十年余にわたりまして一社だけが生産の実績を持っておった、こういう状態でございまして、それぞれ国によりまして状態が違うかと思います。ただ、日本の場合におきましても、今後の発展を見守りながらではございますが、私どもはこの三社がそれぞれその技術の特色を生かしながら、将来は一体化の方向に向かっていくことがやはり望ましいという考え方は通産省として持っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 各国でそう違ってないのです。いま集中一本化の方向、過当競争を避けて——それが国際的な潮流ですよ。現実をひん曲げてもらっては困りますね。この高島通牒から言うならば、四のところに「ライカミング社、アリソン社以外のメーカーの開発に係るエンジン生産のプライムについては、石川島播磨重工業株式会社とする。」と書いてある。そうするとこの通牒からいけば、−9はプラット・アンド・ホイットニー社ですから、この四からいくと、当然石川島にならざるを得ぬのじゃないですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いまの通牒の四項に書いてありますことばのとおりであれば、先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、先ほど来申し上げましたように、四十一年の当時におきまして、エンジンの生産に関する原則的なと申しますか、一般的な考え方を示したものというふうに私ども受け取っておりまするので、文章の冒頭にも「原則として下記のとおり」ということがきめられております。なお、エンジンの一本化問題は、私ども将来の問題としては当然頭に置いておるわけでございますが、ただ、海外の場合と日本の場合とでは技術開発力の格差というものが非常に大きなものがございますので、こういった技術開発力を向上させるということが当面の日本のエンジン生産については非常に重要であるということを考えておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 原則が通るのが普通ですよ。ではこの通牒は生かされてないじゃないですか、ほごじゃないですか。これは三社をだましたことになるんではないですか。そうでしょう。この文章からいけばこれは原則を書いてあるので、今度の場合は原則のとおり行ってないでしょう。原則をひん曲げなければならないほどの理由があるかというと、さっきは競争原理と言う。競争原理なんてこの通牒にはないんですよ。それでTX用のアドーアを石川島にきめたときの理由として、通産事務次官の熊谷さんは、国際競争力強化のために過当競争や重複投資を避けてきめたと言っておる。そしてアドーアのプライムをきめるときに技術、設備、経験などを比較してとうてい三菱や川崎では無理だ、それで石川島にきめたと言う。そうすると、そのアドーアは一万馬力ですね。一万馬力のアドーアをきめるに際して、設備、技術の面から三菱、川崎は無理だから石川島にきめたというが、そうすると、アドーアより二倍の馬力を持っている二万馬力の、−9をきめるには、アドーアのときの理屈でいうならば、三菱、川崎ではよけい無理だということになるでしょう。どうして一貫しないんですか。アドーアをきめられたのが十一月五日です。そうしてわずか一カ月足らずの間に、今度は当然二重投資になるのに三菱にきめるとは、全く筋が通りませんよ。なぜそういうことをするんですか。なぜそういう無理をしなければならないんですか。これは三菱にきめて、そのための理屈をあとからつけたとしか思われないんですよ。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいまの御質問、二点ばかりあるかと思いますが、まずTXのエンジン馬力は確かに一万馬力程度のものでございますが、これは超音速のジェット練習機に使います新しい機種のエンジンでございます。こういった意味からでもございますし、またCX用のJT8Dと申しますのは現在民間機にも使われておるものである。こういったことで、馬力だけから申しますと確かに先生の御指摘のようにアドーアよりもJT8Dのほうが大きい。しかし事柄の内容、機自体から申しますと、馬力ではなくて機自体は、いま申し上げましたように、アドーアのほうが超音速のジェット練習機に使う新機種であるということからいって、かりに両方を国産にいたすとしても、その困難性は違うのではないかと思います。  それから重複投資云々のお話がございましたが、これはC、T両方のエンジンの場合も同様でございますが、特に従来から私ども指導してきております部品等の相互発注あるいは生産技術開発の交流といったことを中心に考えてきたわけであります。こういう趣旨のことをTX用のアドーアをきめますときにも通産省で発表いたしておりますが、この趣旨はCXの場合も同様でございまして、私どもは、国産化をいたしますと、最後の組み立ての場合はともかくとして、部品の生産等につきましては、三社がそれぞれ従来持っている設備を十分に活用し、二重投資あるいは過大な投資にならないように指導してまいりたいと思いますし、また同時に、それぞれの会社からそういったことについて十分協調体制をとっていくという念書が差し出されている次第でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 通産省自体が言っているじゃありませんか。今度の決定で石川島と設備の面では重複投資になることは否定できないが、過渡的な段階として——こう言っておるじゃありませんか。あなたの答弁は全然納得できないんですよ。  そこで防衛庁にお伺いいたしますが、三菱重工業はCX用エンジン国産化計画を縮小と新聞に出ているということは、そのCX機体の国産化の費用が当初の見込みより非常に高くなりそうで、四次防で五十機ぐらいと思っておったのがあるいは三十機ぐらいになるかもしれない、そうするとエンジン自体も台数が少なくなる、これでは採算がとれないから輸入して、一部部品を国産化する——補修用部品と書いてあるか、防衛庁もこれを了承したとなっておりますが、そういうことになったんですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いまの新聞記事の話は私ども全然聞いておりません。ただ、その事情というかいまの立場を御説明申し上げますと、いまのCXというものは輸送機である。そのエンジンは民間で一般に使われているエンジンと同じ系列のものである。そこで現在われわれはCXの開発を行なっておりますけれども、実はこれだけの経済成長がありまして人員、人件費、物価が上がったために、思ったよりも高くなっているということで、現在われわれとしましては、いまのエンジンを三菱でやる場合においても、輸入する場合に比較して妥当な値段でなくちゃこまるという問題と、石川島でやる場合に比較して高いのでは困るという条件をつけております。その関係から、三菱がどういうかっこうで持ってくるかは今後見守っていきたい、こういうふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 三菱にきめられたのは、国産化を前提としてきめられた。そうすると、その国産化の内容は、もし洋服でいえばボタンをつけるぐらいが国産化、これでも国産化が一部入っておる、その程度の国産化ということも、ことばの上ではあり得るわけですね。だから常識的に考えて大部分が輸入をするという状態になったら、このプライムは変更されますか、国産化を前提としてきめられておるのですから。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま装備局長がお話ししましたように、まだ国産化の程度、内容はきまっておりません。私どもが三菱にきめましたのも、先ほど来申し上げておるように機数も少ない、国産化の程度についても、防衛庁筋のいろんな話を協議の途中で聞いておりますと、どうも他のものに比べてそう大幅な国産化ではなさそうだということから、私ども先ほど来繰り返し申しておりますように、いわば高島通牒に盛られておる考え方の線上にあるものとして、きめたのでございます。したがって全然国産化がないという場合には、これはまた少し考え方を変えざるを得ないと思いますが、国産化をするということであれば、そういう前提のもとに内定をいたしておりますので、国産化の程度いかんによって取り消しという考えは、いまのところ持っておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 ほんのわずかの国産を含む場合でも変えないのですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 仮定の問題でございますので、いまここでどうというふうにお答えいたしかねますが、いずれにしても国産をする、あるいは頻度の高い部品の国産をするということになろうかと思いますが、わずかの国産化でございましてもやはり最終的にはそこで組み立てが行なわれ、またその過程において私どもがねらっておりますような技術の習得があるわけでございますから、私どもとしては、考え方として技術の習得をはからしてやろうという考えでございまして、その程度はまだ全然わかりませんので、仮定のことでございまするが、おそらく内定を取り消すということにはならないと私は思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 何機つくるというその生産計画もきまっていないのですね。国産化の内容もきまっていない。それでどうして総選挙直前にそのプライムをきめられたのですか。採算がとれるかどうかも何台要るということで初めて出てくるんじゃないですか。採算がとれなかったらやらないでしょう。そうすると、そのプライムに決定した会社の考え方ですべてが変わってくるのですか。方針というものがそういうものなんですか、私はどうしてもこれは納得できない。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 今回のエンジン問題は、私のほうで初めて開発するCXという機体でございます。これが今後のいろんな研究あるいは発展していく母体になると思いますが、このためにはどうしてもエンジンのほうからもサポートがなければ、単にオーバーホールだけするというかっこうではその機体の今後の発展はあり得ない。われわれとしましても毎日激しい訓練をしますので、相当な守備体制を持ったサポートを必要とします。そういう意味での国産化はどうしてもほしい。特にいまのわれわれはCXという輸送機については、そう多くも望みませんけれども、これは今後の日本の民間輸送も考えまして、あるいは防衛庁の今後のものを考えまして、いろんなかっこうに発展していく母体の機体だと思います。そういう意味で、その機体を今後発展さすためにも、エンジン面からのサポートが要るということが第一点でございます。  それから先生から解散前にきめたというお話でございますけれども、実は私たちもう少し早くきめたかったわけでございます。ということは、今年度の秋にはフライトが終わって四十六年度予算に量産の方針をきめたい、そのためにはどうしてもわれわれ防衛庁内で検討するのにこまかい予算設計をしなければいかぬわけです。あるいはいろんな関係の計画を立てなければいかぬ。そのためには少なくとも四カ月、いや半年はほしい。もう一つは、そういう計画をつくるための企業のほうの検討が——技術的な検討が多いわけでございますが、それについてはいままでの経験で最小限度四カ月はやりたい。それ以上あればあるほどいいという問題でございますので、実はむしろわれわれはおそきに失したと思っておりますが、そういう意味で通産省のほうには早くきめてほしいということを申し入れたわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 大臣お聞きのとおり、これは四十一年の高島通牒というものがふらふらしているんですね。原則のとおりに行なわれない。だから私は、大臣もこの辺はひとつ整理をしてもらいたいと思うのですよ。私はなぜこれを言うかというと、あらゆる観点から考えて三菱重工にきめられたのは筋が通らないんですよね。これは普通ではないですよ。私は時間がないし、この場では不適当と思うから出しませんけれども、私のところに何通か変な手紙が来ています。つまり黒い霧ですよ。いまの佐藤内閣の大番頭さんの後援会とのつながりの問題で来ております。非常に変なものを感じさせます。だからもう少し筋を通した決定のしかたをしていただかないと、どうしてもこれは私は納得できない。あした総括の補充をさしていただくそうですから、調査団の件はあしたまた念を押したいと思いますけれども、われわれ予算委員としてはひとつ納得のいくものを見せてもらわないと困ると思うのです。  これで終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 防衛庁にお聞きしたいと思いますが、先ほど華山委員のほうから民間の委託研究の問題が問題になったようでございますね。そこで兵器産業の問題についてきょうはお尋ねをするのですが、簡単な質問から片づけていきたいと思いますが、民間の委託研究の結果生じた工業所有権を取得し得るようなもの、それは一体どちらに帰属するのでしょうか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 原則として両者で協議をしてきめることになっております。そういう原則のない場合、あるいはこちらでそういうことを申し入れない場合には、民間に帰属するということにしてあります。それから、初めから協議の段階で、これは防衛庁に帰属するものについては、こちらに帰属します。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 特許はいいのです。ところが特許を取得することの不利益というのがありますね。要するにノーハウの問題。このノーハウというかっこうで委託研究の成果というものを企業秘密ということで特許を申請しない。ノーハウという形において防衛庁と企業との間で企業秘密として守っていくということは方針としてあり得るのでしょうか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いまの先生の御指摘のノーハウの問題、われわれも今後とも勉強する問題でございますけれども、現実問題としましてはA社が開発をした、それに対してそのノーハウをB社に譲ってつくらせるということは、われわれは指導しております。その場合にはB社はA社にノーハウを払って、われわれの指定価格でつくってくるということをやっております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 兵器産業のうまみというのは、要するに委託研究ということで技術の開発に非常にメリットがあるということですね。そうすると、ノーハウとして特許を取得しないことによってうまみがあるということで、私がお聞きしているのは、A社のノーハウをB社がノーハウの使用料を払ってということではないのです、企業秘密としてノーハウというままの形において研究開発の成果を委託研究を受けた会社が独占していていいものかどうかという問題です。その点について何か御方針はありますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 先生御指摘のように、現在ノーハウがわれわれにこないという——実は私どものほうの技術研究本部自体が工場を持っておりませんから、それを取得することは非常にむずかしいということで、いまノーハウの扱いは相手方に言わせますと、ハードウェアの開発の金をもらった、しかしソフトウェアの金をもらってないじゃないか——いまの電算機でもソフトウェアとハードウェアの問題が出ておりますが、そういう問題が出ておりまして、われわれとしてもいままでは原則として特許権、ノーハウを含んで協議できめろと先ほど申しましたけれども、現実にはノーハウというのはわれわれが工場を持っておりませんから、それをそのまま取得してマスターするというかっこうにないわけです。われわれとしましては今後の大きな研究課題として考えたいと思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 質問と答えが違うのです。特許を申請すれば当然特許権の対象になるものをノーハウとして、企業秘密としておくということは、委託研究の場合許されるのかという質問なんです。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 特許権になるかならぬかの問題はまたむずかしい問題だと思います。  もう一つ、先生の御指摘の中にありますのは、特許申請をしない場合に、ノーハウとして残っているものをどう取り扱うかということですが、そういう意味で、特許権になるものはする。いま言った特許になるかならぬかわからないものについては、やはりノーハウというかっこうで企業に残っている、それをわれわれがどういうふうに吸収するかという問題は、今後勉強する問題だと申し上げておるわけです。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 簡単な前提を立ててのお尋ねですから、それにお答えいただきたいのです。要するに、特許になるかならないかはもちろん特許庁のお仕事ですね。ただ、特許を申請すれば特許権を取得できるであろうとの見込みがある、見込みがあるものについては特許を申請するようなかっこうで——特許を申請するということは、委託研究を受けたところの一社の独占にしないということです。先ほど楢崎議員の言っていた競争原理の導入とは観点は違いますけれども、そういう意味の質問なんです、私の質問は。  そこで見込みの問題だけれども、特許を申請すれば特許権が取得できるであろうというものは特許の申請をする、委託研究というものはそういう約束になっているのか。それとも、特許を申請すれば特許権が取得できるという場合であっても、ノーハウという形で——そのようなノーハウですよ。ノーハウにはいろんなものがありますからね。そのようなノーハウとして企業秘密としておいておくという方向で、防衛庁は企業との間で委託研究を締結されておるのかどうか、こういう質問なんです。質問は簡単でしょう。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いまの御質問に対しまして、逆な、特許を取る場合には協議するということの協定がございます。特許を取るか取らないかという問題について前向きでどうするかという問題は、いままでは協定に入っておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 特許を取るか取らないかということは企業がきめるか防衛庁がきめるかだけれども、要するに、特許を取りたいと言わない限り、いつまでもノーハウとしておいておけるということですね。  そういう点については問題があると思うのですが、大臣、たいへん恐縮ですが、いかがでしょうか。この委託研究の問題ですが、技術開発の点からいって委託研究を受けた——本来特許は公開制度だから、全体として産業界の技術がそのことによって発展するわけですね。ところが、委託研究を受けてノーハウということで一社がそれを独占している、特許以上のノーハウもあり得るというあり方は、委託研究のあり方として通産行政の立場から見て正しいでしょうか。そういうことだとすると、非常にもうけは少なくても、実際の入札の単価は少なくても、あるいは随契のときの単価は少なくても、そういうノーハウがとにかくいれられるなら、大きな会社は委託研究をどんどんやっていくだろうという感じもするが、そういうものは独占しておいていいだろうか、そういう趣旨の質問なんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 どうもまことに恐縮でございますが、むずかしくてよくわかりません。勉強してまいります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 じゃ重工業局長は……。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 これはおそらく防衛庁の委託研究開発契約と申しますか、そういうところに問題があるだろうと思います。その点を御指摘になっているんだろうと私は思います。先生の御論点は、そういったものでできたノーハウはすべからく特許を申請させて一般に公開をすることが一般の技術レベルの向上に役立つのではないか、こういう御質問だと思います。この点は私もよくわかりませんが、もしそういうもので特許に類するものがあるとすれば、特許を申請していただいて一般に公表して、他の機械工業その他に使えるものは使っていくということが望ましいとは思います。ただ現状、防衛庁がどういう形で契約しておるかどうか、私もつまびらかにいたしませんのでわかりませんが、一般論としては、そういったことが望ましいという先生のお考え方がいいように私は思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 きょうの質問は、通産関係は商工委員会で幾らでも質問できますから、あすの防衛庁に対する質問の前提の質問ですから、あまり目くじらを立てて質問はいたしませんが、もう一点だけ装備局長にお尋ねしておきます。  MSA協定の四条には「工業所有権及び技術上の知識の交換の方法及び条件」についての記載がございますね。この場合の「技術上の知識の交換」というのはノーハウなんかを意味するものでしょうか。この程度のものは一体どの程度ございますか。そしてこの工業所有権については公開の原則が否定されておりますね。それは何件ぐらいありますか。こういう質問をするのは、自衛隊がどうもわれわれからもだいぶ遠いところにきている、わからない部面が多過ぎると思うからです。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 私も、いま突然の御質問なので、あるいは十分な御答弁になるかどうかわかりませんが、その点はまた勉強いたしますけれども、御質問の逆から御返答しますと、いまアメリカ側は特許権という形でわが国に持ってきておりません。というのは、多分あるでしょうけれども、日本の特許制度が信頼できないということかもしれない。そういう意味では特許権という形で持ってきておりません。それからいまの前段のほうの技術上の知識という中には、特許権とそれを取り巻くノーハウと両方を含んでいると思います。それは現在のF4E協定でもバッヂ協定の問題でも、すべてそういう技術を渡してきております。件数としてはわかりませんが、現実としましては現在の防衛庁の装備品の中で世界的なものは、すべてアメリカの技術でつくっております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 件数はわからないとおっしゃいましたが、件数は委員会で答弁できるのですか。答弁していい事項なんですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 そういう件数はないんだそうでございます。いままで何を入れたかということは申し上げますけれども、先生おっしゃるような意味の技術上の知識、それが何件あの協定によって来たかということは、わからないのではないかと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 わからないというのは、件数があるのかないのか。要するに、四条の対象になったものは幾らあるのか、それはいわゆるMSA協定によって、そういうことは答弁ができないのか。その辺は考え方として明確にしなきゃいかぬと思いますが、いいです。  そこで今度の予算委員会では武器輸出三原則というものが、従来から論議されていますが今度もかなり論議されたのです。一応私は論点を整理といいますか、整理する必要もないということになるのかもしれませんが、一応論点だけは私なりに整理をしてみたいと思います。  そこで、武器輸出三原則にいう武器と、武器等製造法でいう武器とは、範囲が違うわけでございますね。そうすると武器輸出に関する三原則にいう武器というのは、通産省の法律では、どこに記載されているのですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 これは別に法律上の定義としてきめておるわけではございません。武器輸出に関する三原則と申しますもの自身が、いってみれば貿管令の運用上の考え方でございますから、特に法律とか政令その他で、こういったものを武器というのだというふうな形で、いわゆる武器輸出に関する三原則というものがきめられたものではございません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 そうでしょうか。そうすると武器輸出三原則というのは、従来からかなりきびしいものだといわれている。ところがその武器輸出三原則にいう武器の範囲が不確定だとするならば、武器輸出三原則にいう武器に当たらないのだということで、三原則の適用を受けない武器というものはあり得ることになりますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま定義が不明確というような御指摘がございましたが、これは要するに武器輸出三原則にいわゆる武器とは、ということ自身が、法律とかそういったことで明らかにされていないということだけでありまして、私どもは武器の輸出の三原則と通俗いわれております場合の、いわゆ武器というものの定義は明らかにいたしております。すなわちその定義は、軍隊が使用して直接戦闘の用に供するもの、これを武器というふうに考えて、貿管令の運用上先ほど申し上げました三つの原則に基づいて輸出の制限をしておる、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 そうするとこういうことでございますか。私さっき調べてきたのですけれども、貿管令の別表の一の一九七から二〇五までに、要するに全地域について承認を要するものがあると思われますね。すると一九七から二〇五までに含まれているものは武器三原則にいう武器ではあるのですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いまお話しの貿管令の第一条第一項第一号別表第一、御指摘のとおりです。その一九七から二〇五まで、これがいわゆる武器三原則にいわれている武器の大部分だと思います。ただこれ以外にも、あるいはほかの項目で、軍隊が使用し、直接戦闘の用に供するものがあれば、これはやはり武器だと思います。ただ一応これで大部分はカバーされておると私は思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 では貿管令の関係で、一九七から二〇五以外のものが、とにかくあるとした場合に、別表一に記載されていないわけですね。そういうようなものについては、貿管令のどの規定によって輸出を承認しないのですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いまのお話の一九七から二〇五以外のものが、あるいはあるのではないかということを申し上げたのですが、この点は出てまいりませんとわかりませんが、私はあるいはあるのではないかと思いましたので、申し上げたのですが、これはもちろんそれぞれの条項に従って輸出の承認が必要であり、かつそれによってよければ輸出承認をする、こういうことになるのだと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 それでは私は大臣にお尋ねをしたいと思います。武器輸出三原則にいう武器は、武器等製造法にいう武器を含むものであって、武器等製造法にいう武器は、武器三原則の武器に含まれているということは御答弁でわかりました。大体そういうことで御答弁いただいたと思うのですけれども、武器等製造法第五条の第一項第三号に「その許可をすることによって当該武器の製造の能力が著しく過大にならないこと。」とあります。これは一体、日本の兵器産業といわれるものは防衛庁需要、自衛隊需要を満たすのだということが前提になっておるのだといわれておりますけれども、「著しく過大にならない」ということの判断基準は、どういうところに置かれているのでしょうか。防衛庁需要との関係において、ひとつお答えいただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 考え方としては、いまおっしゃるとおりだと思います。やはり防衛庁需要を充足するのが、武器製造をいたします最大原則でございますから、そういう関係から見て過大にならない。また同時にこの法律は過剰投資を戒めておりますから、そういった意味からもやはり過大であってはならない、こういうことだと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 そうすると五条一項の三号が通産省の許可によって適確に行なわれているという限りは、財界からの輸出圧力などというものは、少なくとも武器等製造法にいうところの武器については、起こってくる可能性はあり得ない、論理的にはそうなりますね。要するに著しい過大な設備を最初からできないんだから、防衛庁需要に見合うものしか設備されていないんだから、本来は輸出の余地はないはずなんです。輸出圧力などというものは、まず武器等製造法にいう武器については、何か経団連も防衛生産委員会などでは輸出をしたいとかコストを下げたいとか言っているけれども、少なくとも既設の武器等製造法にいう工場製造能力のもとにおいては、輸出圧力という問題は生じない。武器輸出ということをいわれているけれども、とにかくそういうものは生じない。生ずるとすれば、通産省の許可条件が甘かったんだということにならざるを得ない。この点大臣ひとついかがでしょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 私がかわって御答弁さしていただきます。  論理的には先生のおっしゃるとおりだと思いまするが、防衛庁の発注ももちろんある程度の長期の見通しを持ちまして計画的に行なわれることが望ましいわけでございますが、そのときの予算の都合でありますとか、あるいはたまには計画の変更というようなことがございますので、必ずしもコンスタントに一定の設備に見合った発注があるとは限らない。つまりある程度計画の中で波があるということについては、これはやむを得ないことではないかと思います。したがいまして、そういう要求があること自身が——先生の御質問を裏返してたいへん恐縮でございますけれども、そういう要望なり圧力があること自身が、この許可にあたっての運用のしかたが甘かったのではないかということには、直ちにならないと私は思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 まず、輸出圧力というのがあるのかどうか、製造能力に著しい余剰があるのかどうか、実態を御答弁いただきたい。  それといま一つ、装備局長のほうから御答弁いただきたいけれども、重工業局長が御答弁になったように、とにかく需要に波がある、コンスタントに需要がないというようなことは、ちょっと防衛庁の統計を見てみても、そういうことは私考えられません。その点はまずいかがでしょうか。いまの局長の御答弁はちょっと実態と違うように思う。だから、お二人から御答弁ください。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 私が申し上げましたのは、一般的なことで申し上げましたので、どうも防衛庁の計画はたいへんずさんであるというふうにおとりいただいては、たいへん恐縮でございます。その点はそういうふうな御理解をいただかないようにお願いをいたします。  それから現実に輸出圧力といいますか、そういったものがあるかという御質問でございますが、これは経団連その他関係の財界からは武器等についても輸出をさしてもらいたいという要望がしばしば出ております。この点は、私思いまするのに、一つには著しく過大でないとしても、ある程度の余力がある場合があると思います。それからもう一つは、メインの設備は別にいたしましても、若干の追加設備をすれば、能力的に相当なものが生産できるという場合があり得ると思います。そういうことで、若干の設備投資によって能力増を来たし、そしてその余った分を輸出できるとすれば、全体のコストは下がる、経営上そういうことは言い得るんじゃなかろうか、こう思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 装備局長の御答弁はけっこうです。あすにまた防衛庁をお聞きする機会がありますからあとに回しておきます。  そうすると、こういうことは私どういうふうに理解したらいいんでしょうか。武器等製造法の武器というのは、第二条に記載されている、はなはだ武器としては原始的な初歩的な武器でございますので、その武器については第五条の一項三号によって製造能力が著しく過大にならないようにという一つの制限を設けている。昭和二十八年につくった法律です。ところが、武器等製造法にいわないところの、規定されてない武器ですね、すなわち、たとえば例を引いて言うならば、貿管令に記載されているようなもの。このものについては製造制限というものはない。要するに近代的な兵器というか、そういうものについては一そう輸出圧力というものは高まっているということになるんでしょうか。また、なり得る可能性があるということでしょうか。このあたりがきょう私の質問したかった点なんです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この武器等製造法の第二条に記載されておりますところの武器、これは非常にプリミティブなものだというお話がございましたが、私どもはそうプリミティブなものだけでなくて相当高度なものも十分この定義でいけると思っております。どういうものがプリミティブか高度であるかということになりますが、何か御例示いただきますればなんでございますが、まずいま自衛隊が使っておりますような高級な——高級ということばは私もよくわかりませんが、そういったようなものも一応武器等製造法にいわれている定義の中に全部はめ込まれておって、したがってただいまお話しの第五条一項第三号にかかってくるものと私は了解いたしております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 大臣にお尋ねいたします。要するに予算委員会、商工委員会その他の委員会で毎年繰り返して大臣、総理から御答弁をいただいておりまするけれども、兵器産業あるいは武器産業、防衛産業、こういうふうな内容も兵器産業というものを論議する中では明確にしていく必要があると思うのです。あるいは軍事産業ということばも最近出てきましたから、そういうものを明確にしていかなければ、そういうものに対するアプローチが非常に問題があると思うのだけれども、要するに武器産業ということばを一応使いますが、武器産業を育成する限界をどのように考えているかという質問は、もう何十回とこれは質問があって、側十回と御答弁いただいた問題ですけれども、やはり大臣の御答弁をひとついただきたい。ことに輸出との関係でこれももう何べんも御答弁をいただいておることですけれども、最後の質問ですから、そういう質問をして終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 これも何度も申し上げておりますが、武器産業を育成するというのは、防衛庁が装備に必要とするものを国産で自給をしたいということから育成をするのでありまして、武器のようなものを外国に売って金もうけをしようといったけちなことは私どもは考えたくないし考えるべきでもないと思います。  なお、貿管令の別表にないような新しい武器が出てきたらどうして押えるかとおっしゃいますが、それは貿管令の別表を変えればいいのだと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 時間が来ましたけれども、貿管令の別表を変えればいいとおっしゃいますが、貿管令の別表に載ってない、そういうときには論理的には一体どうなるのでしょうか。大臣そうおっしゃいましたね、別表を変えればいいと言いますけれども、別表で全地域の輸出承認をするのでしょう。そうしたら、とにかく論理的にいえば別表ができるまでにという場合はあり得るじゃないですか。そういうことはどうなんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 申請がかりにありましたときに、別表を変えてそれを禁じましても、私は権利を害することにならないと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷分科員 終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 本日の会議はこの程度にとどめ、次回は明十八日午前十時より開会し、通商産業省所管について質疑を行ないます。  本日はこれにて散会いたします。     午後九時十九分散会

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