予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 302 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/16
会議録
○大坪主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、通商産業省所管を議題といたします。 まず、通商産業省所管について説明を求めます。通商産業大臣宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 昭和四十五年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画の説明は、お手元に差し上げてありますが、要点のみ簡単に御説明申し上げます。 昭和四十五年度の通商産業省所管一般会計予定経費要求額は、九百七十三億円でありまして、前年度予算に対して五十七億円、六・二%増となっております。 次に、重点事項別に内容を御説明申し上げます。 第一の柱として掲げました経済の国際的展開につきましては、経済協力の推進をはかるため、発展途上国一次産品開発輸入促進事業を拡充するとともに、新たに資源開発協力基礎調査を実施する等、三十一億円を計上しております。 次に、貿易の振興と海外投融資の促進につきましては、ジェトロほか各種輸出振興機関の拡充をはかるため、七十二億円を計上しております。 第二の国民生活の質的充実につきましては、公害防止対策といたしまして、新たに公害相談事業を実施するとともに、産業公害総合事前調査の拡充、産業廃棄物処理対策の実施等のため、三億円を計上しております。なお、当省関係の公害防止対策費は、産業公害防止技術研究、工業用水道事業対策のうちの地盤沈下対策費等を含めまして、前年度予算に対して五八・五%増の三十億円を計上しております。 また、消費者利益の保護、増進につきましては、商品テスト網の整備、消費者に対する情報提供の充実等を行なうため、二億円を計上いたしております。 第三に、経済発展の基礎条件を確保するため、基礎資源の開発と総合エネルギー政策の推進を行なうこととし、新たに大陸だな石油天然ガス資源基礎調査を実施するとともに、国内外における鉱物資源開発の一そうの推進をはかるため、三十二億円を計上しております。また、産業立地対策といたしましては、新たに、大規模工業基地の総合的な開発、農村地域における工業開発に関する調査等を実施するとともに、工業用水道事業につきましては、その建設の促進をはかることとして、九十三億円を計上しており、これは経済企画庁計上分も含めますと、百一億円となっております。 第四に、中小企業及び流通部門の近代化を促進するため、まず、中小企業対策といたしましては、中小企業振興事業団事業の大幅な拡大、経営指導員の待遇改善等による小規模事業対策の拡充、中小企業指導事業の推進等のため、前年度予算に対して、二〇・三%増の三百七十一億円を計上しております。 次に、繊維工業の構造改善の推進につきましては、九億円を計上するとともに、中小企業振興事業団が行なう繊維工業の設備近代化に対する融資事業につきましては、事業規模の大幅な拡大をはかることといたしております。 また、流通部門の合理化につきましては、流通活動のシステム化を中心として流通近代化対策を積極的に推進することとし、また、流通部門における中小企業の近代化につきまして、その促進をはかることとしております。 第五の創造的発展への指向につきましては、まず、技術開発力の強化をはかる見地から、新たに大深度遠隔操作海底石油掘削装置の開発を大型プロジェクトとして取り上げるとともに、試験研究所の特別研究、重要技術研究開発費補助、住宅産業の標準化等の工業標準化事業等の拡充をはかることとし、特許行政につきましても特許法等の改正をお願いすることとし、これの円滑な施行を期することとしており、二百十九億円を計上しております。 次に、情報化の推進につきましては、情報処理振興事業協会を新たに設立し、五億円を計上する等により、情報化社会の進展に対処することとしております。また、次期民間中型ジェット輸送機(Y−X)の開発を推進することとし、その詳細設計、研究等を実施するため、五億円を計上しております。 第六に、日本万国博覧会の開催につきましては、その運営に万全を期するため、十八億円を計上しております。 以上の一般会計のほか、特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計は歳入百四億円、歳出八十二億円、輸出保険特別会計は歳入歳出とも二百九十三億円、機械類信用保険特別会計は歳入歳出とも十六億円を計上しております。 また、石炭対策特別会計につきましては、歳入歳出とも九百七十一億円を計上しており、このうち当省関係の歳出は八百六十六億円でありますが、これにより、引き続き石炭鉱業の再建、保安の確保、終閉山の円滑化、鉱害処理の推進、産炭地域の振興等の施策を推進することといたしております。 次に、当省関係の財政投融資計画につきまして、御説明申し上げます。 昭和四十五年度の当省関係の財政投融資計画は、総額一兆一千四百七十四億円でありまして、前年度当初計画一兆百六十一億円に比べ、一二・九%の増となっております。 以下おもな機関別にその概要を御説明いたします。 まず、日本輸出入銀行につきましては、プラント類延べ払い輸出の振興を中心として、七百六十億円の出資を確保するとともに、資金需要の増大に対処するため、貸し出し規模を拡大することとしております。 次に、中小企業金融三機関につきましては、前年度当初計画比一八%増の普通貸し付け規模を確保するとともに、下請企業振興貸し付け制度の新設、構造改善貸し付けワクの拡大など、特別貸し付け制度の充実をはかっております。 また、中小企業振興事業団につきましては、大幅にその事業規模を拡大するために必要な財政投融資を確保することとしております。 日本開発銀行につきましては、繊維工業、アンモニア工業等を対象とする産業構造改善金融ワク、国産技術振興資金ワク等の拡充をはかるとともに、新たに流通機構近代化、過密公害地域からの工場分散等の促進のための融資を特利適用等により積極的に行なうこととし、もってわが国経済の均衡のとれた発展を一そう推進することとしております。 金属鉱物探鉱促進事業団につきましては、鉱物資源の低廉かつ安定的な供給を確保するため、海外における探鉱及び開発について、ウラン、ニッケルを対象鉱種として追加して、事業団に対する出資を十一億円に拡充するとともに、国内探鉱についても事業規模の拡大をはかることとしております。 また、石油開発公団につきましても、出資を百三十五億円と大幅に拡大し、海外石油資源の開発を強力に進めていくこととしております。 公害防止事業団につきましては、その事業規模を百六十四億円に拡充することとしております。 以上、通商産業省関係の予算案及び財政投融資計画につきまして簡単に御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○大坪主査 以上をもちまして、通商産業省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○大坪主査 これより通商産業省所管について質疑に入ります。 質疑に先立ちまして、念のため申し上げます。議事進行の円滑をはかるため、質疑を行なわれる方は、あらかじめ政府委員等を御要求の上、主査に御通告をお願いいたします。質疑の持ち時間は、先例により、本務員は原則として一時間、兼務員もしくは交代して分科員となられた方は原則として三十分にとどめたいと存じます。各位の御協力をお願いいたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。田中武夫君。
○田中(武)分科員 きょうは通産省所管の問題でいろいろお伺いいたしたいと思うのですが、その前に、万博の問題についてちょっとお伺いをいたします。 これは、担当大臣として宮澤大臣も開会式の日に行かれまして、相当混雑その他に対する対策を考えなくてはならない、こういう点にはお気づきだと思うのであります。きょうの各紙を見ますと、たとえばある新聞の記事をここへ持ってきておりますが、「EXPOサンデー狂いっ放し」「予想半分の観客で札止め−ストップ−長い列」こういう大きな見出しが出ておるわけなんです。六十万来るだろうといっておったのが、実際はその半分の二十七万程度。しかもいろいろな設備が、停電というのか、狂ったというようなこともいわれておりまして、迷子もたくさん出た。新聞等の記事によりますと、また、私たちが参りまして気づいた点ですが、まず標識が少なくて、しかも小さい、それから動く歩道をはじめ、カプセルというのですか、あれが三時間もとまったとか、そういった設備の不十分という点が指摘せられております。さらにガードマンをはじめ案内人が、どうもまだ初めでなれていない点もあろうと思いますが、よく知らない、そして不親切である、こういう点が指摘せられると思います。それから会場へ行くあるいは帰るときの交通対策は完全か、こういうことを何回も申し上げました。しかし、それぞれその点について十分配慮しておるとか対策を講じておる、こういうことだったのですが、現にわれわれが大臣の祝賀会に出席するのに、ほとんど間に合わなかったというような込み方でした。 そういう点を総合して、宮澤さんも現に若干は体験しておられると思うのですが、万博協会のほうは急遽きょう対策を協議する、そういうようなことを新聞でいっているようです。これは担当大臣として、単に万博協会にまかせきりというわけにもいかないと思うのですが、こういうような思いもよらないことが出てきたことについて、どのように対策を急遽指示せられるか、どうお考えになっておるか、これをまずお伺いいたします。
○宮澤国務大臣 まず、万博がともかく無事開会式を済ませることができましたことにつきましては、各党から長いこと御支援をいただきまして、この点はあらためてお礼を申し上げたいと存じます。 昨日は、私は入ってよし入らぬでよしという気持ちでおりましたので、非常に大きな交通のラッシュとか、あるいは不幸な不祥事というようなことがともかく起こりませんで、初めのうちは、いろいろなことがなれますまで、多少入場者が少ないほうがあるいは受け入れ側としてはやりやすいのかもしれない、昨日の状態はそう思って見ておりました。 そこで、一、二小さなと申しますか、機械設備等に事故が起こったわけでございますが、動く歩道については、初日重量超過とかでしばらくとまったようでございます。昨日は何かものがはさまりましたとかいうことで、十分程度であったようでして、大体今後の見通しはついておるようであります。それから空中のフェリスホイールというのでございますか、何か食堂に事故が起こりましたことはまことに残念でございます。 そこで、これは会場内に五つ同様の施設があるそうでございますので、事故の原因を確認いたしますまで、運行を停止することになったと聞いております。その後、事故の原因を究明いたしまして、あれは御承知のように、カプセルそのものが自転するしかけにもなっておるようでございますけれども、これは一応カプセルそのものの自転はもうやめて、上下動だけにしたらどうかというような対策を考えておるようでございます。 ガードマン等も、これは不親切というより、あるいはふなれであったのではないかと考えております。 交通対策につきましては、昨日のところは、入場者も二十七万程度であったせいもございまして、思ったほどのラッシュはなかったように聞いておりますが、一つは、バスを使ってくれ、電車を使ってくれということがある程度徹底いたしましたのと、おそらくは昨日はたいへんであろうということから、あるいは天候も手伝ったかいたしまして、比較的来られる方が見送られたということではなかったかと思います。交通対策につきましては、ほんとうに六十万とか七十万ということになりますと、駐車場の問題があるのではないかとしきりに心配されますので、なるべく地方からマイカーで出て来られる方は、込む日は避けていただくように、私ども込みそうな日を周知徹底させるように努力をすると、前々から申し上げておりました、それを続けてまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、万全かというお尋ねに対しては、初めての試みでございますので、なかなか、特に交通関係は万全ですと申し上げがたいところがございましょうが、関係府県広域の交通対策を立てまして、とにかくわれわれとしてはできるだけのことをやるようにということを、せんだっても言ってまいった次第でございます。
○田中(武)分科員 これは新聞の記事ですが、きのうで迷子が二百二十七人、そして火事、盗難、交通事故の第一号も起こった、こういうように報じておるわけなんです。そこで、鈴木運営本部長の談話が出ておりますが、やってみないとわからぬかった、こういうような意味のことを言っております。やってみないとわからぬことが多過ぎる、一つ一つのケースを検討して、三月中には軌道に乗せたい、こう言っておるのですが、何か入場についても、修学旅行だとかあるいは何かの団体とかいうのは、あらかじめ把握をしておると思うんですが、コントロールをするとか何かの方法でないと、せっかく楽しみで行ったが、残った印象は疲れたということと、それから関係者が不親切であった、これだけが残るようでは困ると思うんです。そのような点についてひとつ担当大臣としての十分な指示というか、対策を講じていただきたい、こう思うわけなんです。 それでこの点は終わりまして、次に繊維のことでお伺いいたします。 何だか最近の新聞等を見ますと、アメリカ政府が繊維交渉に関する日本の覚え書きを公表した。アメリカ側はそうでなくて、日本の新聞、これは十二日の日本の一部の新聞に出たそうですが、覚え書きの全文が掲載せられたということで、むしろあちらはあちらで日本政府が何か約束を破ったような感じを持っているようだ。まあこういうこともちょっと感じるわけですが、いずれにいたしましても、アメリカ政府が交渉中のルールを破って覚え書き全文を公表するということは、これはただごとではない、こういうような気がいたしますが、こういう一連のいきさつをどのように感じておられますか。
○宮澤国務大臣 こまかいことを十分に知っておるわけではございませんけれども、申し上げられますことは、わが国の側でエードメモワールを公表したということはございませんし、私ども、これは両国が何か特別の事情で合意でもしない限り、公表すべきものでないと考えております。ただいまもそう思っております。それからアメリカ側が公表したという一部報道がございましたけれども、私の聞きました限りでは、それは公表ではなくて、関係方面にアメリカ政府が渡しましたものが、何かの理由でよそに漏れたということだと聞いております。したがって、両国政府ともエードメモワールは公表しないという立場をただいまもとっておる、こういうふうに承知しております。
○田中(武)分科員 そういう答弁をなされると、問題はない、こういうことになるわけですが、事実そういったことが新聞に出た。新聞等はこれをいろいろの観点から見ておるようであります。そこで、私もこれを見まして、アメリカはルールを破って公表したと私は思うのですが、大臣は公表していない。これでも見解が違うわけですが、どうも交渉を決裂さそう、こういうような考え方があるのではないか、あるいはそのことによっていわゆる規制法案、これを出そうというような動きがあるんじゃないかと見る向きもあります。しかし、私はすぐそういうぐあいにはいかないだろう、このようには考えておりますが、また、きょうの新聞を見ますと、あらためてアメリカ側が日本に対して追加説明を要求してきたというようなことも出ているようですが、実際アメリカで行なわれており、あるいは通産省ですから、外務省より情報の入手がおそいかもわかりませんが、そういうような点、現時点においてどのようになっておるのか、これをわかっている範囲でひとつ御説明を願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 いろいろ非公式な動きはあるのであろうと想像いたしますけれども、ただいまのところ、われわれが三月の初旬に先方に大使館から渡しましたエードメモワールに対して、アメリカ側がそれについての何かの反応をすべき順序でありまして、それについての公な反応はまだ起こっていない。先ほど田中委員の言われましたような一部の動きというものは、おそらく、そんたくいたしますと、わが国の主張とアメリカ側の考えとが非常に離れておりますので、そういう種類の交渉をやっておっても、これは時間がかかるばかりである、むしろ直接立法府の立法に訴えたらいいのではないかというアメリカの一部、これは業界であろうと思いますが、動きがあるというようなことは、おそらく御指摘のとおりであろうと考えますけれども、それは両国間の外交ルートにおける公の動きではもちろんない。ただいまのところ、わが国のエードメモワールに対するアメリカ側の反応を待っているというのが現時点でございます。
○田中(武)分科員 これは一部の議員あるいは業界である、私もそう理解いたしますが、繊維の輸入制限法案といいますか、これを出すぞと、こういうような動きをすることによって、日本を牽制しておるのではなかろうか、そういう感じもするわけなんです。しかし、この法案を出す、こういってみても、輸入制限法案、かりにそういう名前にいたしておくといたしましても、この内容は何らアメリカでも固まっていない、私はこのように見ております。さらに、それを出そうとするならば、EECあるいはイギリスなどのガット諸国の了解工作も必要ではないか。それもやらずに、突然議会に出してきても、これは審議できないんじゃないか。また、アメリカ本来の、貿易の自由にして拡大という基本的な線を持つ議員も多い。したがって、私は、出してきたとしても、そう簡単にアメリカの議会を通るものではない、これはあくまで一つの牽制にすぎないのではないか、このように理解いたしておりますが、大臣はどうお考えになるか。さらに、そういうような牽制によって、日本のこれからの交渉あるいはそれを取り巻くいろいろなことで、弱腰になったりあるいは譲歩するというようなことがあってはならないと思っておりますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 かりに御指摘のような動きが実際化するということになりますれば、それは私は好ましくもないし、賢明でもないと考えます。しかし、他国の立法府がなされることにとやかく私が申すべき筋合いでもございませんでしょう。ただ、申し上げられることは、かりにそのような動きがございましても、われわれが本件を取り扱う立場、交渉する立場には、何らの影響がない、何ら牽制を受けるということがあってはならないことである、またそういうことはないということを申し上げます。
○田中(武)分科員 ここでこういうことを言うことが、国益上いいのかどうかはちょっと私もわからぬですが、覚え書きの全文といいますか、これを見まして感じたことを申し上げたいのですが、その一つは、米側が被害を立証すればそれを聞き、さらに話し合いを進める、検討するというような意味のこと、こういうことをいっておられますが、これは被害論議品目といいますか、こういう被害があるといってあげてきた品目、それがイコール規制品目にはならない。ところが、そういうような受け取り方を相手がするのではなかろうかという懸念がある。 さらに期間について、一年間または一九七一年末のいずれか早い時期までと、しぼったいい方でございますが、これは先日の予算委員会における同僚加藤君の質問でも言っておりましたが、御承知の綿製品の自主規制、あれは最初は期間一カ年であった。それがいままで続いておる。しかもだんだんと品目がふえてきておる。こういう過去の経緯といいますか、やり方について、こちらとしても十分考えておかなくてはならないんじゃないか、そういうように思います。 もう一つは、被害またはそのおそれがあるということの認定については、米関税委員会の活用を示唆するような点がある。しかし、そもそも被害は与えていないんだというのが日本の立場だろうと思うのです。またそうでなくてはならないと思うのですが、これはどうなんでしょう。ほんとうに被害は与えていないと確信を持っております。したがって、そういうようなことは、外交交渉ですから、木で鼻くくったようなことは言えないと思いますが、そういった外交的辞令といいますか、外交的なことばといいますか、そういうものは、相手方に日本が譲歩するとか、あるいは希望を持たすというような点があるのではなかろうか。 実は聞くところによると、例の大統領と総理との会談においても、総理の考えておられることとニクソン大統領が受け取った感じとはだいぶ違うようです。何か話に聞くと、ニクソンは総理との会談において、総括的規制について総理はこれを了承したというような感じを持っているらしい、こういうことを聞いております。ところが、総理は、そんなつもりでなかった。こういうようなことも言われております。これは総理がどうおっしゃったのかわかりませんけれども、そういった外交辞令が相手方に誤解を与えたり、あるいはまた希望を持たすということで、こちらの言い分が通らない、あるいは意が通じないというようなことが間々あると思いますが、私は、はっきりとした態度をとるべきであり、ことばあるいは文章等についても誤解を招くようなことは避けるべきではなかろうか、こう思います。これは通産大臣よりか外務大臣に言うべきことばかもしれませんけれども、繊維担当の大臣としていかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 御指摘の点は五点あったわけでございます。 第一、被害を与えていると思うかどうかという点でございますけれども、アメリカ側から送られました資料について見る限り、被害を与えているとはにわかには私どもは判断できない。したがって、アメリカ側がそう思うのであるならば、追加の資料説明を承りたいというのが、ただいままでの私どもの立場であります。 次に、被害の立証につきましてアメリカ側に申しておりますことは、もしアメリカが被害あるいはそのおそれが生じておるというのであれば、具体的に品目をあげ、データをあげてその説明をしてもらいたい。その立証を先方に求め、それがなければ、被害なきところ規制なしというわれわれの原則に立ち返らざるを得ないということを言っておるわけであります。 第三に、期間の点でございますが、これは私どもが今度こういう期間についての考えを持っておりますのは、本来、本件はガット十九条の発動によって、もし被害があるのならば、アメリカ側が規制をすべきものでありますが、先方に何かの事情で十九条の発動が困難だ、法律上の理由で、具体的に申せば、通商法が成立していないということで十九条を発動できないという条件にあるのならば、われわれは、被害あるいはそのおそれがあれば自主規制ということを考えないではないが、しかし、それは十九条をアメリカが発動できるように国内体制が整うまでの全く暫定的な措置である。通商法が成立しますればエスケープ・クローズが生まれるわけでございますから、それがいまないというだけの理由であれば、それができるまでという暫定的な性格のものでしかあり得ない。こういう意味で、きわめて短い期間でなければならないといっておりますので、この点は、かつて一九五五年ごろ交渉をいたしました態度あるいはその後STAができ、またLTAになったわけでございますけれども、あのときのごく短い期間としばらくの期間というのと、今度の場合は考え方が違っておりまして、アメリカの通商法が成立すれば、当然十九条の本則に返るべきである。したがって、それまでの期間であるというのが私どもの考えであります。 それから関税委員会云々につきましては、これは申すまでもないことでございますが、アメリカには被害を認定するこういうりっぱな機関があるのであります。しかもその機関は、従来被害の認定等については、今度アメリカが出してきた程度のはなはだたよりない資料ではなくて、相当十分な調査もし、各方面のヒヤリングもして被害を認定しておるのでありますから、そういう機関をお持ちではありませんかということを、念のため申しておるわけであります。 それから包括規制云々でありますけれども、これは総理大臣がしばしば本院でも答弁しておられますように、総理大臣が包括規制ということについて同意を与えたということはないし、またそのことは先方もよく知っておるはずだというのが、会談に直接臨まれました総理大臣の本院に対するしばしばの言明でございます。
○田中(武)分科員 そこで、日本の基本的態度は、あくまでも被害を与えていない、もしアメリカが被害を受けておるというのならば、ガットの手続に従って話をしようじゃないか、この基本的態度はくずれていないと思いますが、さらに確認をいたします。 そこで思うのは、ガット関係の人はアメリカ人なんですね。端的に言って、同民族であるアメリカ人を納得さすような自信がないといいますか、そこでガットの場を避けて直接日本との交渉、こういう方法をとっておる、こういうように私は感じておるんです。ガットにおる同国の国民であるアメリカ人自体が納得できない、あるいは納得させる自信がないものを、日本に押しつけておるという感じなんですが、その点はどうなんでしょう。
○宮澤国務大臣 ガット関係がアメリカ人であるかどうかということはいろいろあると思いますが、けっこう国際人であるというふうに、私どもはガットというものを見ておるわけでございます。 そこで、しかし、どうしてガットに出せないのかということについては、いろいろな推測が可能でありますけれども、アメリカ側が申しておりますことは、ガット十九条の本来の問題ではないかというわれわれの主張に対して、かつての通商拡大法が消滅をして、新しい一九六九年あるいは七 ○年の通商法が成立していない、したがって、一九条を発動するための国内法の整備がいま欠けておる、そこでガットの正規の方法によることができないのであるというのが、アメリカ側のただいままでの説明でございます。 そこで、先ほどの話に帰りますが、それならば、そういう国内法の整備までの暫定期間ということを問題にすることにやぶさかではないというのが、私どもがきわめて短期間を限って問題を考えております理由でございます。
○田中(武)分科員 そこで、いまこう言うておって、このようなことを申し上げるのは、こちらもちょっとおかしいのじゃないか、こう逆に言われるかもわかりませんが、もし何らかの規制が行なわれるとするならば、一体日本の繊維業界、ことに中小企業等々にどういう影響を与えるのか、こういう点を十分検討する必要があると思うんです。 そこで、これは政府委員でも答弁はよろしいと思いますが、もし繊維規制が行なわれるとするならば、一方繊維産業の構造改善、これはようやく軌道に乗ったというか、まだ乗りつつあるというか、発足したところでございますね、これとの関係を一体どのように考えておるのか、繊維の産業の構造改善の問題とあわせてひとつ検討する必要がある。 さらに、これは大臣にしてもらえばなおけっこうなんですが、三宅さんのほうでもよい。それから中小企業庁長官見えておりますか。——次長もだれも来ていない。これは言っておったんだがね。では繊維局のほうで御答弁願いたいと思います。 繊維関係には中小企業が相当多いです。たとえば五千万円以下の資本金、これは法律でいうところの中小企業、実際は小でしょう。これの生産をちょっと見てみますと、紡績糸では二〇%、染色整理や敷きものでは四〇%ですか、メリヤス、織布等では八〇%、既製服等では九〇%がいわゆる五千万円以下の資本金の企業が持つ生産シェアと申しますか、生産高である。あるいはこの数字は若干そっちと違っておるかもわかりませんが、そのように大きな役割りを果たしておるわけですね。そういうことをにらみ合わせて、中小企業の対策をどう考えるのか。 さらにもう一つは、これは韓国の駐日公使か何かが、非公式か何か知りませんが、言ったということなんですが、もしアメリカの繊維規制が実施せられた場合、韓国に規制が及んだときには、その肩がわりを日本にしてもらいたい、そういうようなことを言ったということが伝えられておりますが、もしそういうことが——公式に来ていないとおっしゃると思いますが、少なくとも韓国はそのような希望を持っておると思いますが、それらをあわせてひとつ御答弁願いたいと思います。
○三宅政府委員 ただいま御指摘のとおり、繊維産業の中では、全体的に見ましても、中小企業のウエートは従業員で七五%、出荷高あるいは付加価値では六割を占めております。さらにいま御指摘のように、紡績あるいは織布等々では、それぞれのばらつきはございますけれども、相当のウエートを持っておるわけでございます。 ただ、繊維規制が行なわれた場合にどうなるかという御質問につきましては、実は従来どの業界、業種にインジュリーがあるかということは、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、資料的にもはっきりしていないわけであります。私といたしましては、どの業界がどうなるということを、いまここで申し上げるだけのデータも見通しも持っておりません。ただ、最近アメリカの繊維産業がやや不況になってきておる、あるいは日米繊維問題が気迷い気分もある、国内の金融引き締めも起きてきたということが、たくさん重なりまして、産地では相当先行きの注文について不安を持ってきたことにつきましても、私といたしましても心を痛めておるわけなんであります。 なお、繊維の構造改善につきましては、この問題と別個に、二、三年前から後進国の追い上げあるいは国内における労働力の不足問題に対応いたしまして、先行的に取り上げてきたつもりでございます。したがいまして、はなはだ答弁になっておりませんが、アメリカでどの品目について被害があるかどうかわからない現在におきましては、私としてそのお答えはできませんけれども、従来とってまいりました構造改善というものは、あくまで日本の繊維産業の高級化、高度化をねらった性格でございますので、本年御審議いただいておる予算等につきましても、その点につきましてはできるだけの努力はいたしたつもりでございます。 なお、韓国云々のお話は、私として承知しておりません。
○田中(武)分科員 それは、大臣、どうですか、韓国の駐日公使がそういうことを言ったということは。
○宮澤国務大臣 韓国が規制をせざるを得ない場合には、日本に肩がわりしてもらうという意味でありますか。どういう意味でございますか。たとえば想像すれば、韓国から輸出される二次製品の輸出が減るならば、それに対する日本側の原料なり何なりの供給が自然に落ちる。それはおそらくそういうことになろうと思いますが、そういう関係を申したのかと思います。それ以外にはちょっと想像がつきません。
○田中(武)分科員 これは私も新聞記事しか見ていないのですが、アメリカの繊維規制が韓国に及んだ場合には、韓国の受ける負担というか、損失といえるかどうか知らないが、そういうものについて日本に一部肩がわりしてもらうのだ、そういう発言をした、こういう意味になるのですがね。少なくともそういう希望を持っていると思うのです。ということは、少なくとも、いまの交渉いかんによっては、それがほかにも及ぶことでもあり、日本が弱腰であったというか、譲歩したから、われわれにも及んできたのだ、こういうようなことを韓国、台湾、香港、そういういわば、失礼ですが、発展途上国というのか、ともかく経済的に日本よりかそこまで来ていない国がそういうことを言ってくるだろう、そのはしりとして韓国の駐日公使がそういうことを言ったのではなかろうか、こういうように私は——ちょっといま切り抜きをさがしておるのですが、新聞記事を見ての感じですが、そういうこともあわせて考えた場合には事は重要だ、こう思うのでその点に触れたわけですが、そういうことについてはまだ別に考えておられないわけですね。
○宮澤国務大臣 そういうことを別に考えておりません。想像いたしますと、多くの製品が、いまやわが国が第一の輸出国ではなくて、わが国以外の韓国、台湾、香港等が第一の輸出国であるものが多うございます。そこで私どもは、この話が最終的に妥結するとかりにいたしましても、その際には、主たる供給国とアメリカとを含めての多数国間の話し合いにならざるを得ないということを申しておりますのはそういう意味でございまして、私ども、そういう要請をよその国から受けたこともございませんし、したがって、そういうことを考えたこともございません。
○田中(武)分科員 それじゃ繊維の問題はこの程度にして、次に、商品取引の問題について若干お伺いをいたします。 先日の一般質問で、同僚の横山君が、この商品取引の問題を取り上げて、いろいろ政府の考え方等をただしました。そこで商品取引法の法改正ということを提起いたしました。それについて、あの法律は実際は通産と農林双方で、一方繊維等は通産、穀物等につきましては農林というふうにいっておりますが、法律は通産の所管だというのです。そこで、法改正についてどのように現在考えておられるか、あるいは検討でも進められておるのかどうか、お伺いいたします。
○宮澤国務大臣 先般改正を御審議、御決定いただきまして、その結果、明年初めに許可制度に移行するところでございますので、そこで、いまそのたてまえをくずさないほうがいいであろうと思っております。もちろん、許可にあたりましては、きわめて厳格にやらなければならないと思いますが、ただ、そこへ行きますまでに、現在の法律のもとでは、まだ通達等によって直していかなければならない点がたくさんあるし、実際それは行政の面で可能であると考えますから、一切この問題を両省で根本的に洗い直して行政の姿勢を改めようということで、ただいま両省で協議しております。
○田中(武)分科員 そこで一、二の点を拾ってみたいと思うのですが、あのとき横山君は、いわゆる行政の一元化、こういうことを提起いたしました。これは繊維と穀物、実際は通産省だけでやるということもできかねると思いますが、しかし、やはり窓口は一つのほうがいいのじゃないか、あるいは運営規制等々についても、やはり一つのほうがいいのじゃないか、どうもいろいろ問題が起こる。これを見ると、各省に管轄がまたがっておるとか関係があるとかいうところが多いようであります。 そこで、やはり行政の一元化ということを私からも提唱したいと思いますが、その点について、いかがでしょう。
○宮澤国務大臣 私ども、商品取引に関する監督なり規制の権限を、別にたいへんにほしいと思っておりませんので、これは農林省においても同じかもしれません。したがって、そういう権限争議の問題ではないと思いますが、実際は商品取引所の機能は、価格と流通の安定ということが本来の機能でございますから、そういたしますと、やはりその商品を主管しております役所が、その商品について監督するということが実際上は監督が有効に行なわれますのに適当ではないだろうか。ただ私どもが反省しておりますのは、そういう本来の機能を離れて全く大衆の、いわばスペキュレーションの場になりつつあったこの取引所の取引について、行政が十分に対応しなかったというところから多数の方に迷惑をかけた結果になったのではないか、その点は反省しております。両省一緒になって行政の姿勢を改めよう、こういう相談をいたしておるわけであります。
○田中(武)分科員 いま商品取引の目的が価格の安定と流通の安定、このようにおっしゃった、私もそうだと思います。 そこで、これは従来も商工委員会等でも私、言ったことがあると思いますが、商品取引についての私の考え方を簡単に述べて、その方面、ことに経済では自信を持っておられる宮澤大臣の考え方を伺いたいと思います。議論をするつもりはありません。 私は、すべてが統制された経済のもとでは商品取引はあり得ないと思います。そういたしますと、やはり商品取引が成り立つ基盤には生産、流通——流通が自由であるということ、このことが私一つだと思うのです。もう一つは、いろいろな問題、天候だとかあるいは需給の関係だとか、こういうものを予測しながら将来、これも近い将来といいますか、そのいま言った価格、流通等の安定、ことに価格ですね、これを見通して行なわれておる、このように思うわけです。 そこで、繊維ですが、繊維は生産面においてはいま自由な生産ではございませんね。私はこのリスクといいますか、危険とでもいいますか、一種の投機ですね。これには人為的なものが入らない要素、すなわち天候等々が、人として計算できないものがかんでくるということです。そのことを危険担保といいますか、それを見越して、あるいはそのことによって思わざる変動等を見越して買った、売ったをやっておるのではないか。これは一つ例としてやはり天候等々だと思います。 そこで、繊維に関して申し上げますならば、天然繊維、綿とか毛とか、ことに綿なんかワタですから、これは豊作ということばが当たるのかどうか、やはり天候等にも左右せられる、そういう要素をかませるところに、またそれが入ってくるところに商品取引の一つの基礎があるのではないか。ところが化学繊維は、これは雨が降ろうが降るまいが、ともかく生産を機械の操作一つで幾らでもコントロールできるわけですね。いわゆる人為的に左右できるわけなんです。そういうのがはたして商品取引の対象品目になるのかどうか、こういうように考えております。 いろいろまだほかにも申し上げたい点があるのですが、そういう点から見て、私は少なくとも化学繊維、合繊等につきましては、この際対象品目からはずしたほうがいいのではないか。それは先ほど言ったように、繊維全体が生産が自由に行なわれていない。調整を受けておる。天然繊維についてはまだ要素的なものがある。しかし、化学繊維については、私がいま申しましたような商品取引の成り立つ要素、基礎がかわってきておるのではないか。このように考えるのですが、対象品目、商品等再検討して、いまおっしゃいました価格と流通の安定ということがほんとうに行なわれる、こういう上に立って考え直す必要があるのじゃなかろうか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 取引の実情をよく存じませんので、後ほど政府委員から助けてもらおうと思っていますが、おっしゃるように、私は原則的に、三品取引というものは人の力で左右できないリスクをヘッジするためにあるのだ。それが本来の機能であるというふうに、よく存じませんが、考えておるわけでございます。したがって、いまのような御議論になると思いますけれども、それからもう一つ暫定的に考えられますことは、現在商品取引の対象になっている品物が二十かある。そういたしますと、かりにこのものは本来の三品の対象になる必要はないというような理論があるといたしましたときに、現実には現在対象になっておりますから、それを経過的にどうするかという別の問題があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、政府委員からひとつ……。
○両角政府委員 補足してお答えいたします。 商品の価格の安定を追求する意味で、取引所の機能を重視されております。まことにこの点は御指摘のとおりだと思います。価格の安定を、天然繊維につきまして供給のサイドの不安定な要素があるから必要だ、こういう御指摘はごもっともでございますが、人造、人工の化繊につきましても価格の安定をはかる見地からいたしますと、単に供給がある程度計画的に見込まれましても、需要のサイドにおきましてはやはり相当な不徹底要素があるわけでございます。特に化学繊維につきましては、御承知のとおり綿あるいはその他の天然繊維との混紡、混織が非常に行き渡っておりまして、その面からくる需要サイドの将来の見通しという点につきまして、やはり価格の安定に影響を与える不徹底性が起こり得るわけでございます。そういう面から現在化繊の取引というものも一応その社会的な機能を果たしておりますと私どもは考えております。 しかしながら、ただいま大臣からも申しましたとおり、今後商品取引所の扱うべき適格品目をいかにすべきかという基本的な問題につきましては、ただいま御指摘の点を考慮いたしまして、審議会において検討いたしてまいりたいと考えております。
○田中(武)分科員 なるほどいわゆる需要という点について不確定要素がある。あるいは天然繊維の一緒に織るといいますか混織、こういうことも含めてそういう点があるということですが、私はそれはわかります。どうも私は前からそう言っておるし、両角局長にもこれはプライベートでそんなことも言ったこともあるかとも思いますが、どうもやはり商品取引というものはあくまで自由な生産、自由な取引これが基礎である。ところが、一面において流通面においてはそうではないが、生産はコントロールしておる。そういうことと、ことに化繊についてはいわゆる人為的な操作によってどうにでも生産、あるいは需要面もそうなると思います。したがって、これはどうも私ははずしたほうがいいんじゃないか、こういう感じがしております。 要は、商品取引の目的である価格、流通の安定、これを忘れた取引は一つの投機、ばくちであり。今日はそういう傾向が多いし、また、そういうような面を仲買い人あるいはセールス等々がしろうと筋をあおるので、これはむしろ繊維関係よりか穀物、ことにアズキ等にあらわれておると思うのですが、そういうことがトラブルの原因になっておる。前の法改正のときこういう点がいろいろと問題になり、私も商工委員としてその審議に参加した一人なんです。ところが、依然としてそのトラブルが解消していない。私もしろうとなんでよくわからぬのですが、この三品取引といいますか、商品取引についてやはりトラブルの多いのは農林省関係が多いと思う。ということは、繊維関係にはやはりわりにくろうと筋といいますか、しろうとがあまり参加していない。ところが穀物、ことにアズキは赤いダイヤ等々といわれてしろうと筋の参加が多い。大衆の参加が多い。そこにトラブルの原因があるのではなかろうか、こういうように思うのです。 いずれにいたしましても、もう一歩誤れば——いやそうでなくて、これを問題にするならば、詐欺行為あるいは横領行為、こういうような厳然たる事実がたくさんございます。たとえば私の知っている、相談を受けた事例ですが、これはある仲買い人といいますか取引の会員会社に、保証金というのですか、そういうことで有価証券を預ける。ところが、その有価証券を本人、預け主に何の断わりもせず、それを担保にその商品仲買い会社が融資を受けるということで、預けた有価証券がパーになってしまった。そこでいろいろと相談を受けましたが、らちもあかなかった。しまいにその会社はどこかと合併をして、そういうことで持っていきどころがなくなったという事例もございます。そういうような点については、これは農林、通産双方からお伺いいたしたいのですが、どのような配慮と指導と監督をしておられるのか。ことにそのような事態は紛争処理委員会等々があってやっているようでございますが、これは十分に機能を果たしていないと思うのです。泣き寝入りに終わっているケースが多いのです。そういうことの救済について、どれだけ指導官庁である農林省——まあ通産省関係には先ほど申しましたようにしろうと筋の参加が少ないというか、それだけにそういう問題は少ないんじゃないか、むしろ農林省関係にあるんじゃないかと思うのですが、そういう問題等々についてどうやっておられるのかお伺いいたします。これは両省からお伺いいたします。
○森説明員 確かに先生御指摘のように、農林関係で紛議が多発いたしております。まことに残念だと思います。ただ従来からやはり紛議の形態は仲買い人がそういう委託者に対して迷惑をかけたというような、迷惑のかけ方がいろいろありますが、いまの有価証券の流用、そういう問題につきましては先般の法律改正以後、その受託業務の保証金の制度をつくるということ等、仲買いの監督がむしろ進んでおりまして、最近の紛議から申しますと、営業所外の家庭、お茶の間にまで入り込んだ、その辺の紛議が非常に多いように思います。そういう点からいたしますと、まあ従来からいろいろ通達等でも改善の指導をしてきておるわけでございますが、やはり一般の委託者、一般大衆がわりに株の投資と大体同じように思っておられる向きが多いのではないか。そうしますと、もう少し商品取引というものの実態なり性格というものをやはり投資される前に十分周知徹底をしていく必要があるのではないかということから、そういう面につきましても近く通産省と十分協議いたしまして、指導通達を出す予定にしております。 いずれにいたしましても、まず一般大衆が、ことに雑穀等につきましてしろうとが投資をやられることは非常に問題を多くしやすい。そういうことから、まあやられる以上はやはりそういう商品取引というものの内容を知っていただくということが必要ではなかろうか。それから仲買い、まあ商品取引員となるわけでございますが、そこらの外務員のいろいろの行為につきましたりあるいは宣伝、広告等につきましてもいろいろ問題があるように思います。そこで、その点をもっとしっかりわれわれのほうで、両省で共同でお話ししまして指導をするということ。それからもう一つ、やはり基本は先ほどもお話が出たと思うのですが、来年の一月から許可制に変わります。そういう紛議が非常に多いとか、いろいろの問題はやはり営業姿勢なり役員の頭に一つ問題があるのじゃないかというふうに思います。そこで許可制移行については営業姿勢というものを——信用はもちろんでございます、財産的な問題ももちろんでございますが、営業姿勢に重点を置きまして、十分個別にわれわれ両省で中身を洗いながら、営業姿勢が改まるということでないと許可をしないというぐらいな気持ちで指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○両角政府委員 お客さんが仲買い人に出されましたいわゆる委託証拠金というものが有価証券等で提供されました場合に、その有価証券はこれを取引所への売買証拠金として委託をいたす、流用いたすということはあらかじめ顧客としては同意をいたしておるわけでございます。またそのほか、特定の金融機関に対してそのような有価証券を担保として提供することについてもあらかじめ同意を得ておるわけでございますが、それ以外の用途にこれを乱用するということはもとより厳重にこれを制限、規制をいたしておる次第でございます。
○田中(武)分科員 もう時間がありませんので終わりたいと思うのですが、いまの証拠金といいますか有価証券を預けた場合、仲買いの会社というか仲買い人がそれを担保に金を借りるということも承諾しておる。それは約款か何かに書いてあるのでしょうが、そういう点はどうなんでしょうね。検討の必要があるのじゃないか。おそらく預けた人は、そういうことは全然約束した覚えはないという感じを持っておると思うわけでです。 それから、今度の許可制にあたっては、これは既得権だということでいままでの仲買い人をすべて許可するというような——経過規定がとうなっておったか私忘れましたが、そういうようなことでなくて、相当洗い直す必要があるのじゃないか。たとえばタクシーの値上げ等につきましても、労務管理ないし労働条件の悪いところは値上げを認めなかった、こういうことすらやっておるわけですから、そういう変な事故が多い、こういうところについてはもうこの際切ってしまう。さらに広告の出し方等についても確かに問題があります。そういう点についてお伺いいたします。 それから大臣に最後に、時間がないのでこれだけお伺いいたしますが、いま自民党の古井さん等が行きまして、いわゆる覚書貿易で日中間の交渉というか話し合いをしておるわけなんです。政府は、これは古井君たちがかってなことをやっておるのだ、かってにやっておるんだからというようなことではいけないと思うのです。それにどのような期待あるいはどのような援助等を考えておられるのか。さらに藤山さんたち六名が二十日に中国のほうへ行かれるそうでありますが、この際ひとつ総理というかあるいは政府というか、そのあたりからメッセージか何かを持たしてやるというか持って行ってもらって、ほんとうに中国との間を前向きに考える、こういうことが総理の施政演説等々における約束でもございますから、そういうことについての何か書面等を藤山さんたちに託すというようなことについてはいかがでしょうか。 時間の関係で異質のことを一度に聞きましたが、順次お答え願います。それで終わります。
○両角政府委員 顧客が仲買い人に対しまして委託証拠金として提供しました有価証券につきましては、それを仲買い人から取引所に売買証拠金として充当いたすということ、もしくは金融機関に担保として流用いたすということについては、書面によりまして顧客から同意書が得られております。それからそれ以外の用途に対しては規制を加えておるというのが現状でございます。 それから広告につきましては、御指摘のように、誇大な広告でしろうとの顧客の投機をいざなうようなそういう内容のものにつきましては厳に取り締まる必要がございますので、現在取引所におきまする自粛行為としてその中身についての適正な改善方を指導をいたしておる次第でございますが、なお御指摘もございますので、一そうその点に留意をしていきたいと考えております。
○宮澤国務大臣 中国大陸との関係につきましては、もう申し上げるまでもなく、私ども通商の立場から申しますと、イデオロギーにとらわれずに貿易量がふえることをこいねがっておることは御承知のとおりでありますが、通商を越えまして、一方で台湾というむずかしい問題を持っておりますけれども、わが国と中共との関係がいろいろな意味で正常化していくということは、私はわが国の国益にとっても望ましいところであると思います。最近、直接通商に関係ない幾つかの問題について、わが国がかつて中共についていわゆる敵視云々ということでないことを、具体的に可能な限り施策で明らかにしていこうという若干の徴候は、あるいは田中議員もごらんになっておられるのではないかと思いますが、私はそういう見方をいたしております。 なお、総理大臣が松村あるいは藤山氏に対して親書を託されるかどうかという点につきましては、これはちょっと私からお答えできない問題でございますので、別の機会にひとつお尋ねをお願いいたしたいと思います。
○田中(武)分科員 じゃこれで終わりますが、いまの委託証拠金ですか、これを有価証券でした場合にそれを担保云々ということについては私はまだ疑問があります。それから日中貿易についても意見がありますが、またの機会にいたしたいと思います。 終わります。
○大坪主査 中西清君。
○西中分科員 最近、家庭電器製品ないしはその他の一般家庭用品につきまして、いろいろと欠陥事故が続出しております。すでに一、二質問が出ておるようでありますが、昨年のカドニカかみそり事故、それから欠陥こたつ事故、こういうような問題もございましたし、続いて現在、電子レンジの有害電波漏洩の問題、さらには赤外線ガスストーブの問題というように、いろいろと痛ましい事故も起こっているわけでございます。こうした中で、新しい器具というものが国民生活の中に定着をしてまいりますので、多くの新しい製品に対して、その安全性というものは、あらためて国民の間で大きく問題になっていると思います。 そこで私は、現在問題となっております赤外線ガスストーブと電子レンジを通していろいろと質問をしてまいりたいと思います。 政府におきましては、これは通産省から出ております文書でございますが、「消費者利益の保護増進」こういうように題しまして、企業がみずから、この安全性という問題は当然果たすべきものである。「同時に、政府としても、消費生活の安全性の確保、消費財の品質、規格、表示等の適正化、消費生活保護のための監視体制の強化、消費生活の合理化に関する啓蒙指導等の消費者保護施策を強力に推進するものとする。なお、消費者利益の増進のためには、消費者の意向が生産、流通段階に的確に反映されることが必要である」このようなことをお述べになっておるわけでございますが、初めに赤外線ストーブの問題であります。 新聞によりますと、今年一月に足立区で起こった一家三人の中毒死、これは東京綾瀬署と警視庁の科学検査所の調査によって、この赤外線ストーブに異常な量のカーボンがつき、これが原因で不完全燃焼を起こしていた、このように原因が発表されております。これについて、実態はどうなっておるか、その原因ははたしてはっきりしたのか、この点をお伺いしたいと思います。
○馬場(一)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生から御質問のありました事件でございますが、事件の概要を申し上げますと、ことしの一月九日、そのなくなられました北川さんという被害者の家族のねえさんが被害者の家を訪問いたしましたところが、一家三人の方がなくなっておられるのが発見されました。 そのときのガスストーブの状態でございますが、ガスストーブが燃焼したままになっておりまして、そして、そのなくなられた被害者の足がストーブで焦げていた。それから、二組のふとんのうち、一組のふとんのシーツの上に嘔吐物があった、こういう状況でございまして、なくなられましたのは、状況から判断いたしまして、その九日から約三日前というように警察のほうでは判断いたしておるようでございます。 このストーブはどういう状況のストーブかと申し上げますと、これは関東ガス器具という会社がつくりました二五号ウルトラHという型式のものでございますが、小泉産業というところから四十二年十月に立川電気店というのがその仕入れをいたしまして、そして昨年の十月になくなられた被害者のねえさんが買って、それを被害者に贈られた、こういうものでございます。このストーブは、バーナー部が金網四枚で構成されておりまして、燃えましたガスが、その金網を熱しまして赤外線を放出するという型式のものでございます。 警視庁の科学検査所の調べをわれわれ聞いたところによりますと、その状況のストーブは、発見されましたときには不完全燃焼をしておりましたが、金網を取りかえますと完全燃焼するということが明らかになっております。 それからもう一点、このストーブは、最初、被害者が使っておりましたときからそもそも不完全燃焼をしておりましたのか、あるいはかなり長時間たっておりますので、換気が不十分な状態で使いましたために不完全燃焼を起こしましたものか、その辺のところは現在調査中であるそうでございますが、まだ状況は判明をいたしておりません。 大体そういうのが事件の概要でございます。
○西中分科員 新聞によりますと、この事件のほかにも、同じ会社の製品の赤外線ストーブによって四十三年暮れから計五件の事故が起きておる。そして四人が死亡している。特に四十四年一月の高井戸署管内の死亡事故のときには、今回と同様、カーボンの付着による不完全燃焼を原因とした中毒死であると判明している、このように報じております。同じメーカーの同じ種類の製品が事故を起こしているわけでございますが、この前の、四十三年からの五件の事故については御報告を受けられましたでしょうか。
○馬場(一)政府委員 あとの五件の事故につきましても一応報告は受けておりますが、本件の、ことしの一月九日の事故のように、何らかの原因による不完全燃焼ということが原因で起こったものかどうか、その辺の詳細は把握いたしておりません。
○西中分科員 いままでの原因の究明、それから事後の処理、要するに、この問題が起こりましてから、警察発表で一応こういうような発表をされているといまお話がありましたけれども、その後担当の方としてはどういう事後処理をとられておるか、お聞きしたいと思います。
○馬場(一)政府委員 私ども、ことしの一月のストーブの事故を契機にいたしまして——この関東ガス器具というのは東京瓦斯の子会社でございます。そこで、東京瓦斯といたしましては、ことしの二月中旬から大体一月ぐらいの目標で、最近の密閉状態におちいりやすい鉄筋住宅、これの六十万戸というものを対象にいたしまして、特にその中でも金網式の赤外線ストーブに重点を置きまして、各戸ごとに特別巡回をいたしております。そして口頭で、それぞれ使用者の方々に、換気をよくして使っていただくように、あるいは器具を使われるときの注意事項等を喚起いたしますとともに、実地に使われておるストーブの点検を行ないまして、不良品がございますればそれの修理をいたしておるという状況でございます。この結果、今度の事故を起こしましたストーブと同じ種類のもの九千台のうちで、約三%に当たる二百七十台につきましては修理をいたしております。引き続きましてその巡回点検をやる予定にいたしております。 なお、役所といたしましては、最近関東ガス器具を呼びまして、このストーブは目下製造中止になっておりますけれども、同種のものが出回っておりますので、この種のストーブにつきまして、そういう密閉性の住宅のような環境でこのストーブをかなり長く使いましたときにどういう状態が起こるかということを、現在もう一度試験をして確認をするように指示をいたしておるところでございます。
○西中分科員 ただいまのお話で、三%修理するというようなお話かと思います。こうした生命に危険の多い器具で三%も問題の器具が出ているということは、これは大問題じゃないかと私は思います。そういう点から当然これは販売の中止なりしかるべき処置をとられてはどうなのか。そういうお考えはあるのかないのか、この点をお尋ねいたします。
○馬場(一)政府委員 先ほども申し上げましたように、このストーブにつきまして、これが正常に使用しておりましてもそもそも最初から不完全燃焼を起こす性格のものであるのか、あるいはこの不幸にあわれました方々が使っておられる間に、何らかの事故で不完全燃焼が起こりましたのか、その辺のところは、ただいま申し上げましたように、むろんこのストーブをつくりますときには、売り出します前に五千時間の燃焼試験というものをメーカーのほうではやった上で売り出しておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、もう一度、いわゆる気密性のような環境のもとでこのストーブを使ったときにどういう状態になるかというのを、目下もう一度試験をさせておるところでございます。その試験の結果を見まして、必要な措置を講じたいと考えております。
○西中分科員 ただいまのお話で、試験ということでございますが、これは状況によってかなり違うように私たちは理解しておるわけです。ということは、ほこりが非常に多いところですとそれが付着しやすい、そしてカーボンが詰まる、こういうようなことでございますので、やはり故障の器具も多いので、できるならばもう一歩強力な処置をとられたほうがいいんじゃないかと私は考えるわけでございます。それはまた御検討いただくとしまして、またこの機械については、在庫ないしは現在店頭に出回っているものはあるのかないのか、その点はどうでございましょう。
○馬場(一)政府委員 これと同型器具のものは、先ほど申しましたように、すでに製造が中止されておりまして、現在在庫はございません。ただ同種の器具を以前に販売をいたしておりますので、各消費者のうちにおいて使われているものはかなりあるわけでございます。
○西中分科員 同じ新聞の記事によりますと、関東ガス器具はこの種類の赤外線ガスストーブを四十三年で製造を中止した。これはどういうわけですか。わかっておりますでしょうか。
○馬場(一)政府委員 これは、関東ガス器具はこの型のものの製造をやめましたのは、いろいろガスの種類によりまして、天然ガスを使いますもの、プロパンガスを使いますもの、あるいは普通の都市ガスを使いますものとあるわけでございますが、現在いろいろなガスの種類が変わりましたときに、それに応じて金網等が簡単にガスによって切りかえのきくようなタイプのものを今後つくるということで、以前の型式のものの製造をやめた、こういう事情でございます。
○西中分科員 ただいまの御説明でございますけれども、すでにこのガス器具については四十三年以来事故が起こっておる。むしろ私どもは常識的に考えますと、何らかの欠陥があり、また危惧なりというものを感じて製造を中止したように感ずるわけでございますが、この点どうでしょうか。
○馬場(一)政府委員 このタイプの製造を関東ガスがやめましたのは、先ほど申しましたように、いろいろな種類のガスが非常にふえておりまして、使うところによってガスの性質が違いますので、それがガスによって金網が容易に取りかえられるような型式のものに変えるということが、そのタイプのガス器具の製造を中止した理由でございまして、事故が多いとか欠陥があるとかいうことで中止したのではないように私どもでは聞いております。
○西中分科員 御説明をそのまま受け取ったといたしましても、要するに新しい製品については、先ほど申しましたように、次から次へと事故が起こるこのガス器具についての検査はどこでやられて、どのような規制のもとになされておるのか、ちょっとこの点、お教え願いたいと思います。
○馬場(一)政府委員 現在ガス器具につきましては、いわゆる都市ガスを使用いたしますガス器具につきましては、法律上の規制はありませんで、いわゆるメーカーの自主検査、自主保安あるいは民間にガス機器検査協会というのがございますが、メーカーが自分で検査いたしますか、あるいはこの検査協会に委託をいたしまして検査をやり、それを売り出す、こういう自主的な保安体制になっております。現在この国会に提出いたしておりますガス事業法の一部改正法案が成立施行いたしますと、新しいガス事業法におきましては、そういう状態について、いわゆる自主検査体制にまかせられておりましたガス用品の製造販売につきましても、検定登録制度ということで一定の国の基準による検査を実施いたす体制になるわけでございます。
○西中分科員 ただいま今国会に法案が出ておるそうでございますけれども、ガス器具による事故件数というものはかなりの数になるのじゃないかと思います。いままでそれについての規制がなかったということは、これは非常な問題ではなかろうか、こう考えるわけでございますが、この赤外線のみならずガス器具全般についての事故件数はどのくらいあって、死者はどのくらいあるか、おわかりでございますでしょうか。
○馬場(一)政府委員 いままでのいわゆるガス中毒事故について、四十年から四十四年——四十四年は一部推定が入っておりますが、件数を申し上げますと、四十年は事故件数五十四件、死亡五十一名、中毒四十五名という状況でございまして、以下四十一年以降の件数は、四十一年が四十八件、死亡五十九名、中毒二十八名。四十二年におきましては件数四十五件、死亡四十八名、中毒四十九名。四十三年は件数五十六件、死亡者六十二名、それから中毒五十八名。四十四年は現在までのところ件数六十一件、死亡七十四名、中毒五十九名。やや最近、件数それから被害者ともにふえる傾向にございます。このうちでいわゆるガス用品と申しますか、ガスぶろでございますとか、湯わかし器とかガスストーブあるいはガスのこんろ、その他ガス器具に起因するものは大体ただいま申し上げました中の約七〇%を占めるという状況でございます。
○西中分科員 非常に件数に対しましての死亡者が多いということが私は問題であろうと思います。いろいろと器具の欠陥についてはいわれておりますけれども、このガス器具については死亡者が非常に多い。この点については、関係当局としてはほんとうに人間の命を大事にするという先ほどの御趣旨も出ておりますので、なお一そうの努力をしていただきたいし、また、各会社に対しての監督指導というものもよろしくお願いしたいと思います。 なお、これは関東ガスの器具でございますが、ほかにも類似の器具なりが他社から出ているのではないか、このように思いますが、その点についての安全性なりまたその検査結果というものはどのようになっておりますでしょうか。
○馬場(一)政府委員 関東ガスの器具以外のほかの会社のほうで同種の赤外線式の金網の赤外線ストーブというのもそれぞれつくられ販売されておるわけでございますが、ほかの器具につきまして、まだ私どもただいまのような事故のお話は聞いておりません。しかしながら、先生おっしゃいましたように、今回の事故を契機にいたしまして、ただいま申し上げましたような検査をもう一度行ないまして、その結果に基づきまして、われわれは必要がございますれば、ほかの同種のメーカーに対しましても、十分注意をするように、改正法が通りますまで行政指導をやってまいりたい。なお、ガス事業法の改正が施行されますれば、先ほど申しましたような法律に基づく検定、登録制度というのを厳重に施行して、この種の事故の発生を未然に防止してまいりたい、かように存じております。
○西中分科員 他社の製品に対してまだ手をつけていない、こういうことでございますが、いまお話しのように一刻も早く、これは法律の成立以前でもけっこうでございますから、やはり人命尊重というところはしっかりとやっていただかなければならぬ、よろしくお願いしたいと思います。 なお、次に電子レンジの問題について、すでに質問がございましたので、簡単にお尋ねしたいと思います。 通産省の公益事業局の行なった電子レンジの調査結果について、どういう経緯のもとにどういう調査をされたか、簡単にお願いしたいと思います。
○馬場(一)政府委員 通産省はことしの二月、日本機械金属検査協会の協力を求めまして、現在日本で電子レンジをつくっております各メーカー、全部で九社ございますけれども、この九社がそれぞれ製造中または在庫中の二十二機種、五十三台というものにつきまして各メーカーの工場において抜き取り調査を行なっております。この調査にあたりましては、昨年来アメリカで問題になりました漏洩波の調査ということが主目的でございましたが、この基準といたしましては、現在日本の基準にはまだこれがございませんのですが、一応今回の調査におきましては、アメリカのUL規格というのがございます。すなわち、機体から五センチメートル離れましたところにおきまして漏洩波の電力密度が一平方センチメートル当たり十ミリワット以下であるという基準がUL規格にございますので、この基準に照らしてみて各メーカーの機種がどうなっておるかというのを調査してみたわけでございます。その結果は、電子レンジを通常の使用状態で使用しております最中に付近から電波が漏洩するという状況のものにつきましては、対象といたしました五十三台ともすべて十ミリワット以下でございます。したがって、問題はないわけでございます。ただ、食品を実際に加熱しております途中にスイッチを切らないでとびらをあけました場合に、これは二重の安全装置が作動いたしまして瞬時に切れることにはなっておりますけれども、その切れるまでのきわめてわずかの間にどのくらい電波が漏れるかということにつきましては、今回の調査では五十三台中十ミリワット以下のものが二十一台、残りの三十二台が十ミリワットをこえるという状況になっております。
○西中分科員 そうしますと、五台のうち三台が基準値をこえておる。これは欠陥と認識してよろしいでしょうか。
○馬場(一)政府委員 このアメリカのUL規格では五センチメートル離れたところにおきまして十ミリワット以下という基準があるわけでございます。それでこの基準に対しまして、そのとおりになっておるかどうかということにつきまして、UL規格にはそれぞれテスト方法が書いてあるわけでございます。今回通産省が行ないました調査におきましては、必ずしもこのULの規格にきめられましたとおりの試験をやっておるということにはならないと思うのでございます。UL規格に書いてありますテスト方法——ノーマルなテスト方法、アブノーマルなテスト方法という記載がございますが、現在実際にこれをどういうふうに運用するか、どういうふうに解釈するかということにつきましては機械金属検査協会を通じましてアメリカのULに詳細を照会中でございまして、われわれその照会の結果を確かめました上で日本のUL規格、漏洩波の基準をつくりたい、かように存じておるわけでございます。今回の調査は必ずしもアメリカでやっておる検査方法どおりの検査をやったということではないわけでございます。その日本でやりました調査の結果が、先ほど申しましたような正常時におきましてはいずれも十ミリワット以下、あける瞬時、ごくわずかな時間に五十三台中三十二台が十ミリワットをこえる、こういうわけでございまして、この調査の結果をもちまして三十二台のものがすぐいわゆる欠陥商品であるかどうかということにつきましては、そういういきさつで調査をいたしておりますので、必ずしもわれわれそのとおりには言えないのじゃないかというふうに考えております。
○西中分科員 時間もありませんので飛ばしたいと思いますが、漏洩波の人体に与える影響は、新聞では、多量を長時間浴びると失明したり皮膚炎になる。これは先ほどの検査結果でも申されているように、そういう場合はまあまああり得ないということでございますが、微量で連続的に受けた場合はどうなのか、またこの電子レンジの食品に対する影響は人体に何の影響も与えないかどうか、この点は検査されましたでしょうか。
○馬場(一)政府委員 現在アメリカのUL規格にただいま申しましたような漏洩電波の基準があるわけでございますが、実際上これをこえた電子レンジを使用いたしますと人体にどういう医学的影響があるのかどうかということにつきましては、現在まだアメリカにおきましても日本におきましても、十分解明をされておらないわけでございますので、われわれといたしましては今後これの医学的な問題につきまして十分検討を進めてまいりたい、かように考えております。ただ、きわめて常識的に申し上げますと、先生さっき仰せになりましたように、電波に暴露する時間の長さ、これが瞬間的であるかあるいはかなり長く暴露するかどうかということ、相当時間によりまして差があるのではなかろうかということが常識的には考えられますけれども、瞬時あるいは長い時間を含めまして、ただいま申しましたように医学的な問題というのは、まだ十分解明をされておりません。 それから調理食品に与える影響はどうかということでございますが、電子レンジというのは、いわゆる加熱効果だけでございまして、エックス線のようなものとは違いますので、食品そのものに対する影響というのはないのではないかと存じております。
○西中分科員 こうした問題について事故のおそれが万々ないだろうということで、一応基準ワクをこえているそういうメーカーの発表をしておらない。すでに新聞ではそのメーカーを発表しているところもございます。毎日新聞でしたかどこかに載っておりましたが、あのメーカーは間違いございませんでしょうか。それとも間違いがありましょうか。
○馬場(一)政府委員 今回の調査は、先ほども申しましたようにある法の基準がございまして、これに違反したものがあるかどうかといういわゆる法に基づく検査、調査という性格のものではございませんので、われわれといたしましては、調査の結果、個々のメーカーのデータにつきましては、それぞれ当該メーカーにはデータを通知いたしておりますけれども、これを公にすることは適当でないということで現在まで公にいたしておらないわけでございます。
○西中分科員 時間が参りましたので、非常に残念でございますが、いずれにしましても赤外線ガスストーブ、この原因は事前にキャッチできなかった、または五件の事故で四人も死亡しておる、こういう事態で、やっと最近になってこれが問題になった。電子レンジもアメリカで問題になって日本に来る。こういうケースが非常に多いわけでございます。こういう点で通産省の新製品なり家庭電気器具についての検査機関というものが非常に弱体ではないか。また、アメリカあたりと違いまして、わが国には政府ないしはメーカーと関係のない、消費者によるところの検査機構もない。消費者の協会というのがございますが、この内容は非常に脆弱でございまして、たいした検査機関になっていないわけです。ただただ国民の期待は、こうした問題についても消費者の協会に非常な問い合わせが殺到しておる、こういうことでございます。われわれとしては、今後こうした類似の事件というものがどんどんと新製品とともに出てくるのではないかと思う。聞くところによりますと、通産省の検査の担当官が非常に少人数である、このようにも聞いております。そういう点で、今後やはり、こうした消費者を擁護するという点について、なお一そうの努力をお願いしたいと思いますが、最後の質問として通産大臣からよろしくお願いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 いろいろ新しい商品が出まして、メーカーは売り込むのに熱心でありますし、消費者は便利でございますから、それを使うということで、その間にどのような危険がひそんでおるかということは、両方とも実はもっと私は神経質にならないといけないと思うのでございます。したがって、消費者保護基本法にございますような心組みで、私どもとしては、つくるメーカーのほうに対して、やはりどういう品物でも使い方というものがあるわけでございますから、使い方についての消費者への御注意、それから、しかし万一の場合の危険防止というようなことを徹底してまいらなければならないと思います。もうそういうことは私どもの当然の行政の一部になってきたという気持ちでやっていきたいと考えております。
○西中分科員 では、時間が参りましたので、以上で終わらしていただきますが、なおもう一点お願いをしておきたいことは、消費者の協会なり、またそれ以外に何らかの新しい、国民の信頼にたえ得る、そうした検査機関というものを政府のほうでお考えいただければと、このように考えております。 以上で、私の質問を終わらしていただきます。
○大坪主査 久保三郎君。
○久保分科員 私は、特に通産省に関係がございます建築資材である骨材の確保と自然保護の関係をお尋ねしたいでありますが、限られた時間でありますし、関係するところも多いようでありますから、簡単にお願いすることにいたしまして、一つ、二つ申し上げていきたいと思います。 まず第一に、骨材の需給関係でありますが、これはもう御承知のように、砂利、砕石、あるいは砂、こういうものの傾向を見てまいりますと、いままでは砂利は大体河川、そういうところで多くとれ、採取をしていたのでありますが、これが大体枯渇してまいり、そのために、かなり公害というか災害も起きている実態であります。 〔主査退席、大村主査代理着席〕 そうかと思うと、それが、すでに御承知のように、海岸にかなり移動してきている。あるいは最も移動の多いのは、おか、いわゆる山、そういうところから持ってくる。それから、砂利から砕石に移動する傾向も、これは当然だと思います、もう砂利がないのでありますから。そういうことで問題を起こしているものが多いと思うのであります。 そこで、一番最初に、これは事務当局にお聞きしたほうがいいと思うのでありますが、骨材の需給見通しというか、将来についてどういうふうな見通しをしているのか。特に、これから五年後昭和五十年くらいまでの間の見通しなり、新全総という新しい開発計画もできているわけでありますが、そういうものに見合って、骨材というものは将来どういうふうな展望に立って確保しようとしているのか、これは方針でありますから、数字がございますれば、ひとつ簡単に数字を入れてお述べをいただきたいと思います。
○山下政府委員 おっしゃいますように、過去の実績では、川砂利関係が減って、山の砕石その他が比率の上で少しずつふえております。四十三年度の数字を申し上げますと、全体で四億七千九百万トンの骨材を供給いたしましたが、 〔大村主査代理退席、主査着席〕 そのうちで、川からとれました砂利は二億一千八百万トン、山からとれました砂利が一億三百トンで、合わせまして三億二千百万トンの砂利であります。砕き石のほうは一億四千九百万トン、その他九百万トン入れまして四億七千九百万トンになっております。全体の供給は、四十四年度の見込みで、私どもは五億一千二百万トンを見込んでおりますし、四十五年度には、さらに五億五千万トンほどになるであろうという見込みを持っております。今後とも建築、土木その他が続きますので、年率で七、八%の増加が続くのじゃないか、こう見通しております。
○久保分科員 局長、長い答弁は要らないのです。結論だけいただけばいいと思うのです。私が聞いているのは、これからどうするか、これからの五年先、十年先の見通しはどういうふうにお考えでありますかということを聞いているのです、要点は。 いま七%か八%の比率でふえるだろうという。それではお聞きしますが、そういうふえるものは、どこからどういうふうにこれを確保しますか。そういう目当てはございますか。山をくずしてとるのか、海岸からもっととるのか、そういう手当てというか、そういうものはどこに置いておりますか。たとえば十年先ではちょっと長いかもしれませんが、五年先くらいはどこにそういう確保の拠点を求めますか。ただ、需要がこれだけ伸びるだろうだけでは話にならぬと思うのです。いかに確保するかもあなたのほうでしょう。通産省の所管でしょう。——そうですね。それじゃひとつお答えいただきたいのです。
○山下政府委員 従来の河川砂利も、先ほど申し上げたように、相当の数量を占めておりますから続けますが、今後は、新しい供給源として山の砕石及び新しい骨材として石砂利以外のもの、こういうものが新しい資源になると思います。一つ御紹介いたしますと、去年私どもは一年かかりまして骨材の拠点開発の調査を十カ所近くいたしましたが、ことしもこれを引き続き調査して、立地条件と、それと大量に骨材がある地域とを調べ上げて、輸送等も含めた供給計画を立ててまいりたい、こう考えております。
○久保分科員 私が聞きたいのはそこなんです。 そこで、新しい拠点開発を十カ所おやりになる、そういうものの立地条件をにらみながらやっていくのだ、こういうことでありますが、そういうものはいまのお話では、輸送の問題も含めてと、こういうお話でありますが、はたしてこれは自然保護というか、そういうものとの関係はどういうふうにお考えであるのかと聞いても、自然保護のほうはあなたの所管ではないと思うのです。ただ、考えなければいかぬのは、公害防止の問題が当然ある。そうですね。だからそうなると、これは通産大臣いかがでしょうね、骨材の確保の拠点開発、たとえば十カ所やるとしまして、これと自然保護の関係はどういうふうなにらみ合わせでおやりになるのか、ここが一番聞きたいところなんです。特に総理も、先般の施政方針演説の中では、自然保護に言及されまして、たいへんいいところに目をつけられたと思っているのでありますし、また、たまらなくなって言及せざるを得なくなったと思うのです。 これは二、三の例でありますが、たとえば私が住んでいる近くの問題、二つほどございます。 一つは、霞ケ浦の浮島という地先で、これは国定公園の特別指定区域になっている地先で、建設省は公園法などあまり御存じないのか、実は砂利採取を許可してしまった。でありますから、いなかのことでありますが、この浮島というのは夢の浮島ということで、たいへん景勝の地であります。将来大きなレクリエーションの地域になろうかというところでありますが、これが、いまでもそうでありますが、実はサンドポンプを入れて砂を取っておる。もちろんダンプカーは横行しているし、湖面は濁ってくるしということでありまして、公園の形態から見れば、かなり問題のところもございます。これはもちろん直接は通産省の関係ではないかもしれませんが、そういうのがある。 それからもう一つは、同地域の近くにありますが鹿島灘、いわゆる鹿島開発で最近話題を呼んでおります鹿島灘一帯は、御承知のとおり砂丘地帯であります。いま鹿島港ができているところももちろん大砂丘でありまして、ここに掘り込み式の港湾をつくったのは御案内のとおりであります。ところがこれに関連して、たとえば鹿島灘は北上するに従って、やはり海岸地帯でありまして砂丘がございます。ここは海岸法によって、一部は海岸保全区域になっているのでありますが、この保全区域も十分でないようでありまして、最近では、鋳物の砂にこれはたいへんいい砂でありますので、これが乱掘されて、もう保全区域のぎりぎりのところまでいって、穴ができて危険なところばかりで、これからのいわゆる海岸保全にはたいへん問題があるのです。そういうのが一つ大きな問題なんです。 それからもう一つは、阿武隈山系は石が出る山系でありまして、てまえどもの居住区の近所にもたくさん出る山があります。いわゆる有名な石としては花こう岩がありますが、出てまいります。この議事堂の一部にも使っておるのは、われわれのほうの産出した石であります。最近では花こう岩のほかに採石用の山が、最近できたのではありませんけれども、そういうものをやりまして、たとえば県立の公園の区域の中にある山が最近買われまして、これが採石をやっておる。そればかりではありません。常磐線沿線で石岡というところがありますが、通過するときに筑波山のほうを向いて見ますと、一つの山が消えて、こつ然としてなくなったようなかっこうになっている。そういうことで骨材を確保するのには、もう川砂利はできない。でありますから当然他に求めざるを得ない。だとすれば、いわゆる山石を破砕して採石してこれを骨材に使うということだと思うのでありますが、この骨材の確保と、いわゆる自然の保全というか、そういうものがあまりにも等閑視されているきらいがあると思うのです。もちろんこれは通産省の守備範囲じゃないのでありますけれども、たとえば通産省が主管官庁としてこれをやっていく採石法あるいは砂利採取法、こういうものは先般四十三年の砂利採取法ではいわゆる公害の問題を重点にして大改正したのでありますが、採石法のほうはそれに見合ってそのときに多少手直しをしたと思うのでありますが、これは単なる公害の予防の問題だけであります。しかもこれは言うなれば採石法のごときは、いわゆる採石権の設定というか、鉱業権というか、そういうものの設定のためにこれはできた法律でありまして、もともとそういう自然を保護するとか公害を防止するとかというようなことが中心ではなかったのであります。そのために、言うならば今日いろいろな問題が地方において出ている。そこで通産大臣にお尋ねしたいのは、そういうものとのかね合いを今後どういうふうにお考えでありましょうか。
○宮澤国務大臣 採石あるいは砂利採取というのは、いかにも結果として自然をむざんに破壊するということは、私どももときどき実際に経験をいたすところでございます。世の中でいままであまり大きく言われてはいません問題ですけれども、こういう形で確かに自然が破壊されていくのでありますから、先ほども採取の拠点開発地域を云々ということを申し上げましたが、そういう際にも厚生省、たとえば自然公園法でありますとか、あるいは文化財保護法でありますとか、いろいろございますので、そういう法規には抵触しないようにというだけの行政はやっておるつもりでございます。それから先ほどの採石法についての公害防止との関係もさようでございますが、それぞれ法規には反しないが、しかし明らかに自然が破壊されていくというようなことは、実際あることでございます。まだ行政の中で、そこまで問題が解決されていないのではないだろうか、これはたいへん正直といいますか、率直なお答えになりますが、私は自分でそういうことをよく経験いたしますので、そのように感じております。
○久保分科員 まことに正直なお話でありまして、そのとおりでありまして、これをどう解決するか、やはり片方において対策を持ちながら、骨材の確保も計画的にやっていくということでないと、これはたいへんなことになると私は思うのです。もっとも最近は山の頭をちょん切ってそこを開発したらどうだなんという、とてつもない構想をする人がおりますから、そういう人にかかると、山の頭は全部ちょん切られてしまうのじゃないかと思うのでありますが、そういうものは別としても、たとえばこの砂利採取法ができた当時、国会において附帯決議がなされているわけです。「砂利採取計画の認可その他本法の運用にあたり、公共の安全を確保する見地から、関係各省の緊密な連絡のもとに適確な運用基準を定める」、こういうふうに附帯決議もされているのでありますが、この運用基準というは、いままでに定めておりますか。
○山下政府委員 砂利の採取の許可に関しては他の政府関係機関の許可、認可処分を受ける必要があれば、その処分を示す書面等を提出願うことになっておりまして、その意味で横の連絡は緊密にとっております。さらに認可準則というものその他こまかい基準を多々出しております。
○久保分科員 運用基準は各省と合議か何かなさって、たとえば海岸法の関係もあるとすれば、河川もそうですが河川局とか、あるいは文化財の関係があれば文部省とか、あるいは林野庁とか建設省とか、そういうようなところと全部合議の上に運用基準というか、そういうものをおつくりになっておられるのですか。
○山下政府委員 共同省令の場合もございますし、単独省令の場合でも事前に相談をしてまいっております。
○久保分科員 それではあとで資料としてその省令を届けてください。 時間もありませんから次にお聞きしたいのは、採石法の関係で、採石公害対策指導要綱というものを通産省は省議決定なされて、これによって運用をされているようでありますが、ここで申し上げたいのは、公害防止に関する規制強化として、これはいろいろあるわけでありますが、そのうちで地方自治体との連絡強化という問題が一つあります。地方自治体というのは、なるほど地域住民の利益代表者であるはずでありますから、公式的にはこういう意見を聞いておやりになることは当然だと思うし、正しいと思う。ところが、たまたまこういうものは非常に最近トラブルが多いのはなぜかというと、その地域の住民は反対です、困る。たとえば私の地元にある一つの例から見ると、さっき言った浮島の問題でもそのとおりです。これはもちろん法律を犯して建設省が許可をしておるんでありますから、時間がないようですからこれはあとで第五分科会でやりますけれども、そういうものがある。地元の者は一番困るのですね。 それからもう一つは、さっき申し上げた県立公園の区域の中にある山、これも町が林野庁から払い下げを受けた山を転売してしまった、そういう関係でありますから、その当該の自治体は採石をすることには賛成なんですね。ところがこの山の下にある部落は、これは自然涵養林としての、いわゆる保安林になっている山でありますから、当然これは困る。それから採石になってくれば当然困るんだというようなことを言っているわけです。だからこれは一つ考えなければならぬのは、単なる形式的な地方自治体だけの意見で通産省が許可していいかどうかというのは、私はたいへん疑問があると思う。これはもちろん役所でありますから、当然そこに反映させるようなくふうをしなければいかぬと思うのでありますが、こういう点についての配慮も今後考えていくべきだと思うが、これはどうですか。時間もありませんから、簡単にそれはそのとおりだとか、そうでないとか答えていただきたい。 それからもう一つは、通産大臣から先ほどお話がありまして、もう話の結論はつきそうなんでありますが、この法律関係一つ見ても、通産省で関係しているのは二つあります。砂利採取法に採石法、それから建設省では河川法に海岸法、それから文部省が文化財保護法、厚生省が自然公園法、農林省が森林法、あるいはその他には林業基本法なり観光基本法というものがある。どれもこれも全体を把握はしていない。観光基本法は全体を把握しているような文句はありますが、具体的にはこれは何にもならないということなんですね。そこでこの主管官庁はどこだろうと聞いたならば、自然保護の関係はないのですね、通産大臣。自分の守備範囲での関係はある。国土保全という文句を書いた法律はたくさんありますから、それはある。しかしそれを一歩出れば何もない。そこで、これは総理も演説をするほどでありますから、政府としてももう少しきちんと自然保護について政策を確立するべきだと私は思うのであります。いかがでしょう。
○宮澤国務大臣 地方民の意向を聞くということになれば、その関係市町村に聞けばそれで一応法律上は聞いたことになるわけでございましょうけれども、いま言われましたような問題は確かにございます。町としてはけっこうだと言ってきたが、地元はとてもそんなものでは困る。そういう場合、法律的には前段のお答えで済むと私は思いますけれども、それで政治というものがいいものかということになりますと、どうもやはり問題がありそうであります。自然保護といいましても、いろいろな法律に基づくものは、これは法律違反をしなければいいのでありますけれども、そうでない一般的に国土がこわされていくというようなことになりますと、やはりもう一つ考えなければならない問題があるように私自身は思います。現在の法なり行政なりの盲点になっておるのではないだろうか。これでは対策になりませんけれども、しかしそういう認識については私もどうもそう考えざるを得ない、いろいろ研究していかなければならぬ問題ではなかろうかと思います。
○久保分科員 そこでもう一つ通産大臣に、これは提言というか当然のことだと思うしお答えの中に入っておると思うのですが、骨材確保ですね。先ほど局長からもお話がありましたが、拠点を開発していくのだ、けっこうだと思うのです。その拠点のとり方が問題だと思うのですね。そこで、将来にわたって骨材確保と自然保護の基本的な政策をこの際打ち出す必要がありはしないか、こう思うのです。これは通産省だけじゃなくて各省庁にまたがることでもありますが、そうしないと、むやみやたらにこの辺で掘ってやろうとか、この辺の山はどうであろうかということで、ぽんぽんやっていく。最近そういうわけで私のほうの北関東一帯は、成田空港の工事が始まれば、交通の問題からみんなたいへんなことになると思うのです。極端なことを言うと、山がなくなってしまうのじゃないかと思うのですね。なくなってもやむを得ぬ山と、とっておかなければならぬ山と二つあると思うのですね。自然と歴史というものは、一ぺんなくなったら取り返しがつかない。あとからはつくることができないのでありますから、やはりそういう観点から考えてほしいと思うのですが、どうでしょう。
○宮澤国務大臣 やはり私もそう考えます。そこで、それならば骨材の供給をどうするかという問題をやはり解決してまいらなければなりませんが、たとえば古い建物をこわしていくといったような場合に、そういうものを再生するとかあるいは合成するとか。輸入ということになりますとコストの関係がどうなりますか、私もよくわかりませんが、とにかく山をこわせばそこに骨材があるという、そういう簡単な考え方はもうそろそろ考え直さなければならない時期だと思います。
○久保分科員 そこで、総理府副長官おいででございますが、先ほど私が読み上げたように各省庁にまたがっているし、ただいま通産大臣からもお答えがあったのですが、それは骨材も確保しなければなりません。日本のこれからの経済発展というか成長、開発ということからいって、それは当然だと思うのです。それからもう一つは、骨材ばかりじゃなくて、日本の開発そのものも問題がありますね。だから私は骨材を含めた開発と自然保護との関係は、やはり政府としてきちんとした政策を立てて、その上に立って骨材の拠点開発はどうする、あるいは開発地域のあり方はどうするかということをきめていかなければ、新全総もなるほどいろいろなことを書いてありますよ。だけれども、経済というか開発だけのことを書いてあって、自然保護のほうはほんのちょっぴりで、お義理に書いてあるだけじゃないでしょうかね。だから、いまにして自然と歴史というものをきちんと確保する方策がない限りは、これは無秩序になったらたいへんだと思うのですよ。総理府でひとつまとめてもらう以外にないと思うのですが、どうでしょう。
○湊政府委員 ただいまお話がございまして、先ほど通産大臣からもいろいろ御答弁があったようでございますが、御承知のように万博のテーマである進歩と調和、これは同時に私どもにとっては開発と保全、こういうことになろうかと思います。 そこで、私、総理府に来て、これまたたいへん率直な感想でありますが、この種の仕事というものが非常にふえて、最近わずか二カ月前後の体験の中でも、閣議において水の総合調整をどういうふうにするか、あるいは交通安全対策をどうするか、公害に関連して生ずる紛争の処理の問題をどうするかというふうないろいろな問題が出てまいっております。ただいまお話のあった点もまさにそうだろうと思います。きのう、ちょうど古都の保全の関係で奈良の飛鳥宮のあとを見てまいったのでありますが、特にそういう感じを痛切にいたしております。 そこで、長官ともいろいろ話をしまして、現在、観光政策審議会というのが私どもの所管の付属機関としてございまして、特に経済が成長する、生活が変わってくる、それに対応した新しい観光のあり方ないしそれを実施するための具体的な政策、これをどうしたらいいかということで諮問をいたしております。だんだん審議が進みまして、その中でも、ちょうどいま話があったようなことが話題になっておるようでございます。そして場合によっては開発業者、骨材等も含めて開発業者の皆さんに対して自然の景観を破壊することを事前にチェックするような措置は何かあるまいか、また、どうしても骨材の需要というふうなことで、そちらも必要でございますから、そういう場合に自然景観の修景と申しましょうか、景観を修復するあるいは復元する、そういうふうな義務を開発業者の皆さんに持っていただく、そういうふうな方法はあるまいかというふうなことが具体的に問題になっております。五月ないし六月ごろその答申が出てまいる予定でございますので、私どもとしても、いま申しますように自然保護ないしは景観の保全、そういうふうな観点から答申が出されることを期待し、同時にそういう観点から各省庁の連絡等もひとつやってまいりたいというふうに考えております。
○久保分科員 時間も来ましたから、簡単に。 林野庁、来ておりますか。——林野庁にもあとでお尋ねする機会がないものですから、一言だけ申し上げておきますが、最近、この新聞、ごらんになったと思うのですが、奥日光の国有林が切られている。これは別に、いまの林野庁のやり方について、法律的には違反はないのです。別に間違いはない。というのは、別に国立公園の指定地域でもなし、何でもないのであります。ただ問題は、林野庁というのは何だろうかという疑問が私にはあるのです。林野庁というのは林を育成していくところだろうと思うのですが、一ぺんに、何でこんなにたくさん切ってしまうのだろう。この写真を林野庁でもごらんになったでしょう。ごらんにならなければ、これをごらんください。こういう切り方をどうしてするのだろうかと思うのですね。そこに、最近自然休養林を設定するとかいって、ことしの予算でも来年の予算でも何カ所かおつくりになるそうで、けっこうです。けっこうでありますが、大体いままでやってきたこと自体、反省があまり足りないのではないですか。間伐をしてやるのが、ほんとうはいいのじゃないですか。これはまるっきり切ってしまう。そういうことやっていくこと自体に、やはり自然保護に対して、関心があるようで案外ない。林野庁などが一番なくちゃならないはずの官庁です、通産省と違って。通産省は骨材を取るほうでありますから、これは多少薄いといわれてもやむを得ないことかもしれない。林野庁は林をもとにして行政をやっているのでしょう、木をあるいは山を。そういうやり方はいかがかと思うのでありまして、これは一言、どういうことですか。自然休養林を片方でつくったって、山をまる裸にしていったのでは何にもなりませんよ。 それから国有林を変な業者に貸したり、そしてちゃちなものを建てられたりやっているのが、全国あげたらたくさんあるのではないかと私は思うのです。私の身近なところにも一、二カ所ございます。時間がございませんから一々申し上げませんけれども、そういうものに対してやはり関心を喚起する必要が私はあると思いますが、林野庁ではどうお考えですか。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 この新聞、実はまだ見ておらなかったのですが、この場所は日光の西湖の奥のほうであると思うのです。その地域は国立公園に入っております。が、その地域の地帯区分をやっておりまして、厚生省と打ち合わせをとりながら、特別保護地域、普通地域と分けてあります。この地帯は、おそらく——きょう急でありましたので正確なお答えになるかどうかわかりませんが、率直に申し上げまして特別の地域の第三種になっておるはずであります。その第三種は、一応普通の伐採はして差しつかえないという厚生省との打ち合わせの上で、いまやっておるはずであります。 いずれにしましてもこういった大面積を一度に切ることに問題があるようであります。今後そういうことのないように、切るにしても小面積ずつ切って、森林の取り扱いは、木材生産と国土保全、自然保護という車の両輪といいますか、そういう面を強調しながら、今後十分に検討してまいりたい、このように思っております。
○大坪主査 渡辺武三君。
○渡辺(武)分科員 私は、資本の自由化並びにその対策につきまして、通産大臣並びに関係当局にお尋ねをしたいと思います。 今回の繊維に始まりました日米間の経済交渉が政府の自由化に対する基本方針までも変更させようといたしておる、そのように新聞が報じております。新聞報道、必ずしも私は正しいとは思いませんが、大臣は三月六日の商工委員会におきまして、これまでの政府がきめた貿易・資本の自由化の日程を繰り上げる方向で再検討する、こういうふうに発言をされたということも、あわせて報道をいたしておるようでございます。まず大臣にその真意をお伺いしたいと思います。 自由化というものが基本的にはわが国の経済あるいは国民生活の発展向上のために進められるものである限り、わが国の国益が十分に守られる方向で国際協調がはかられていかなければならないというふうに考えるわけでございます。したがいまして、資本自由化の基本的な姿というものは、五〇%自由化というものが必要ではないかというふうに思うわけでございます。現在までにネガチブリストに載らない業種につきましては、外資審議会等で十分に調査をされた上に、いまだ国際競争力が不十分だというふうに判定された業種であるというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。国際通貨不安というものがいまなお続いております国際情勢の中にありまして、わが国が単に外国からの要請に基づいて、要請にこたえるためにのみ不用意に資本の自由化を早めることは、今度は日本そのものが、日本みずからが国際通貨不安の中に巻き込まれてしまうおそれが非常にあろうかと思います。そこでこのような問題につきましては、きわめて慎重な対応策が必要ではなかろうかと思うわけでございますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 資本の自由化あるいは物の輸入自由化等は、私自身基本的に日本自身の国益になるという考え方をしております。したがって、外国からの圧力等々でそれをどうこうするという考えは私にはございません。 それから、いわゆる五〇%の問題でございますけれども、中には、五〇%、後に一〇〇%に上げていくものも出てきてよろしいわけでございますが、五〇%そのものというフレームワークは、一応資本自由化が明年第四次を——厳格に申しますと、ただいまのきまりでは明年度のおしまいということになっておりますけれども、それまでは一応五〇%のフレームワークというものはそのまま変えないでいくという考えでございます。
○渡辺(武)分科員 大臣が商工委員会で発言をされたということが報道されておるわけですが、その辺はどのような発言をされたのでしょうか。
○宮澤国務大臣 それは、自由化のお尋ねがございましたので、私は、基本的には国益に沿うのであるから、なるべくできるものは急ぐのがいいと考えますけれども、実は繊維の問題で十分勉強をする間がいままでございませんでしたので、あらためて勉強し直してみたい、かように申し上げたのであります。
○渡辺(武)分科員 資本の自由化というものが、好むと好まざるとにかかわらず、時間の問題であるというふうに考えますときに、日本の国におきますこれからの対内直接投資というものにつきましては、まだまだ多くの解決しなければならない問題がたくさん残されておると思います。特に自動車産業におきましては、進出を希望いたします相手の企業、その企業が他産業に見られないほどの巨大な企業だけに、これはきわめて問題が大きいのではないかというふうに考えるわけでございます。そこで、四十六年十月という資本自由化の期限までに国内法の整備をはかって、そして国としての外資を迎え入れる体制づくり、こういうものを急いでいかなければならないと思いますが、昨年の十月十四日に、閣議了解に基づきまして通産大臣が談話の形式で発表されております国としての対応策、これが数々発表されておるわけでございますが、その中で、業界としての対応策は別といたしまして、国としての対応策のそのおもなるものについてお尋ねをしてみたいと思います。 まず、合弁会社の設立についてでございますが、この合弁会社の設立につきましては、従来も自動認可の六つの要件及び二つの条件というものがきめられておりますけれども、今後もこの六つの要件、二つの条件につきましては厳守をしていく必要があるのではなかろうかと思います。特に、自動車の場合は現物出資による合弁会社の設立、こういうケースが非常に多いというように予想をされますので、自動認可のこの六つの要件のうちで、最低な必要条件としていわゆる新設合併会社に対する現物出資、これをしないということが必要ではないかと思いますが、もしもそれを満足しないときには個別審査をしなければならないというふうに考えるわけでございます。さらにその個別審査をする場合にも、特に重要特許の公開だとか、あるいは経営権の確保だとか、あるいは需給関係だとか、業界との協調というようなものにつきましては特に配慮しなければならないというふうに考えるわけですが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 私自身は、日本の経済は自由競争を通じてよくなってきたし、今後もそうあるべきだと思います。その競争は国内で起こることもありますし、外国から来ることもあるわけでございまして、もうどこから何が来てもだいじょうぶなときまで待ってくれというようなお話は、一般的にそういうことにはおのずから限度のあるものであって、競争が起こっても何も変化がない程度までの整え方をしましたら、競争というものは意味がないのでありますから、私はそれなりにある段階からは競争というものが入ってくることが日本の経済にいいという基本的な考え方を持っておるわけでます。 それから、自動車につきましての合弁会社のお話でございましたが、いずれにいたしましても、これは個別審査の問題になるわけでございますから、そのワクの中で考えていけばいい。そのときに、確かに経営権でありますとか特許でありますとかいうことは大切な問題でありますから、そういうことには重点を置いて個別審査をしていくべきものだと考えております。 なお、下請あるいは部品関係についてはもう一つ整え方が十分ではないではないかとおっしゃいます点は、私はそれはやはりそういう点があるように考えております。
○渡辺(武)分科員 次に、流通秩序の撹乱防止対策についてお尋ねをしたいわけでございますが、独占禁止法の第二条第七項に、不当な対価による取引の禁止規定があるわけでございますが、この禁止規定の中をよく読んでみますと、不当な対価というものがきわめて抽象的でございますし、どこまでが不当な対価であるか、よくわかりません。さらに、相手方の進出会社が長期にわたりましてその製品を安売りする、そして販売秩序を撹乱をするというおそれがございますので、この辺でやはり安売りという不当な価格に対する基準を作成をしておく必要があろうかと思いますが、その辺についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○谷村政府委員 独禁法の二条七項第二号、不当な対価についての御質問でございますので、私のほうから申し上げます。 いまお話が具体的な問題について触れておりますから、むしろそちらのほうについて申し上げたほうがいいかと思いますけれども、通例、自由化競争が行なわれることは、いま通産大臣も言われたように望ましいことでありますが、それが不公正な競争になることは、これは望ましくはございません。特に、ここでいっております不当な対価をもって相手競争者をたとえば圧迫し去る、しかも巨大な資本力にものをいわせてやるということで流通の公正な秩序が乱れるということはよろしくないわけであります。したがいまして、どこにどういうようにしてその基準を求めるかということはかなり具体的な問題になってまいりますが、ただいま御質問のような自動車業界におきましては、今後のあるべきそういった公正な競争の秩序について、私どもはそれを公正競争規約というふうなことばも言っておりますが、たとえば中古のものであれ新車であれ、どういうふうな取引の条件、秩序によってやっていくかということを考えているところでございます。私どももそういった自主的な業界の考え方の上に立脚いたしまして、不公正な取引にわたるようなものを規制してまいる、こういう考え方で進んでまいりたいと思います。
○渡辺(武)分科員 「不当な対価」ということが字句的に載っておりますのでお聞きをしたわけでございまして、これにはやはり安売りの不当な対価というものは一体どの辺にあるのかということをいま少し明確にしておかないと、ほんとうに競争状態に入ったときに、よくわからない。膨大な資本力をもって撹乱をされるおそれというものはきわめて強いと思いますので、あえてお尋ねをしたわけでございます。 さらにそれに関連をいたしまして、不当景品類及び不当表示防止法というものがあるわけでございますが、この法律に関連をするところの商売というものは、非常に起こってくる危険性というものも当然あるわけでございまして、これには、いまおっしゃいましたように、公正競争規約というものを設けることにはなっておるようでございますが、わが国の公正取引委員会においての告示というものはまだなされていないようでございまして、業界独自が協定をしたり、いろいろな規約をつくりましても、それだけで第三者にその効力を及ぼすということは不可能でございます。したがって国として、公正取引委員会として早急にやはりこれらのものの告示を行なってそういう不当な競争が行なわれないような整備をしておくということが必要かと思いますが、この辺につきまして、いま準備をしておられるかどうか、その辺の状況をお聞かせ願いたいと思います。
○谷村政府委員 いまの不当表示あるいは不当景品についてのお尋ねでございますが、いまおっしゃったのは、たとえば日本の業界がお互いにそういう規約をきめても、外国系のものがいわばアウトサイダーのような形で、そのお互いの自主的ないわばルールに服さないというふうなことがあったらいけないから、公取としては法律に基づくちゃんとした規制のワクを告示で出したらどうかということであろうと存じます。 御承知のように、景品類につきましては、現在でもアウトサイダーを規制いたしますために業界で自主的な規約をつくりますと、そういうことを守るように規制の告示をいたしております。表示関係のことについては、それがいままではございません。今後自動車関係の問題についてさようなことが起こり得るかどうか、もし起こるとすれば、いまおっしゃったような意味で四条三号でございますか、それに基づく新しい告示をしなければならないかと思います。これは具体的にどういうやり方になるかは、もう少し動きを見てからきめなければならないことだと思います。
○渡辺(武)分科員 具体的に動きを見てからきめるとおっしゃいますけれども、現実に混乱が起こってしまってからではおそいと思いますので、そういう起こる予想がされるわけでございまして、さらに欧米等の、米国資本のヨーロッパ等に進出をいたしました状況を見ましても、多分にそういうおそれがあるわけでございますので、国としての対応策の中にそういうものが当然取り入れられなければならない、かように考えるわけでございます。さらに割賦販売法そのものにも、現在日本の場合はいろいろな問題があるようでございまして、特に頭金の問題だとか、あるいは利息の問題、あるいは期間の問題というような問題がいろいろございまして、現行の割賦販売法そのものには標準条件順守についての罰則がないようでございまして、一応の規定はございましても、なかなかこれが守り得ないというのが実情のようでございます。そこでさらに外資等の膨大な資本力がこれに介入をいたしてまいりますと、一そう混乱をするおそれが出てまいると思いますので、やはり割賦販売法そのものの改正を行ないまして、これらの罰則強化ということを考えておく必要があろうかと思いますが、その辺についてはいかようにお考えでしょうか。
○宮澤国務大臣 割賦標準条件というものは示されておるわけでございますけれども、下取りの問題でありますとかいろいろございまして、必ずしも私どもが思ったとおりその条件が守られていないという報告を聞いております。そこで割賦販売審議会などにも御意見がおありでございましょうし、そういう御意見も聞きながら、もし必要があれば、標準条件の順守について、法に定められました勧告をするというようなこともあるいは必要であろうか、その辺のことを少し検討さしております。
○渡辺(武)分科員 次に、外資による企業の乗っ取り防止策についてお尋ねしたいと思うわけですが、これも過去の例をいろいろ見てまいりますと、なかなかこの企業乗っ取りということが執拗に行なわれておるようでございます。そこでまず第一に、外資によります既存企業の株式取得規制のワクというものが現在二〇%ときめられております。これはやはり拡大をしないことが必要ではないかと思います。いろいろな問題点の中で、どうしてもこの取得ワクというものを拡大する場合には、累積投票権の生じない二五%未満にとどめておくということが必要ではないかと思うわけですが、この辺についての御意見を承りたいわけでございます。 さらに証券取引法の改正をする必要がないであろうかどうか。御承知のように外資そのものの企業乗っ取り策といたしましては主としてテンダー・オファーというものが使われておる。日本の場合にはこのテンダー・オファーというものは商慣習にないわけでございまして、もしも外資によりましてこのようなことが行なわれるといたしますならば、わが国におきます証券業界だとかあるいは一般投資家に対しましてきわめて大きな混乱が惹起をするということが予想されますので、あらかじめ証券取引法を改正してこのようなテンダー・オファー禁止の規定を設けておいたらどうかというふうに考えるわけですが、この点につきましてもひとつお答えを願いたいと思います。 さらにもう一点は、もしものときには、これはイギリスなりあるいはイタリアなりにその例があるわけでございますが、政府の出資によりましてこの乗っ取り防止のための株式保有だとかあるいは緊急融資機能を備えました救済機関というものを設けたらどうであろうかというふうに考えるわけでございまして、英国のIRCですか、イタリアのIRI、これは過去ヨーロッパに米資が進出をいたしましたときに、ヨーロッパ各国はそれぞれこのような機関を設けまして自国の民族産業を保護するという目的をもってやっておられるようでございますが、わが国におきましてもこのような救済機関というものを設立をするお考えはないかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 二〇%のお話でございますけれども、私どもとしては、企業側が非常にしっかりしておって、二〇%であろうと三〇%であろうと別に経営権をどうされるということはありませんというような企業に、日本の経済が大きくなってもらいたいと思っておりますけれども、ただいまのところ、累積投票の関係は確かに問題がございますから、それは、今後ともその点は一応大切なこととして考えていかなければならないかと思います。 それからテンダー・オファー——テーク・オーバー・ビッドのことでございますけれども、わが国にはいままでそういうことはなかったように思います。外国ではそういうことがありかけまして、いろいろそれについての法制の整備があったというお話がただいまございました。必要がありましたらそういうことも考える。しかしいま別にそういう必要があるとは思っておりません。 それからもう一つ、乗っ取り防止についてのことでございますが、これは従来からそういう企業の体質改善等々について、政府機関が融資をするというようなことは考えられたことがあると思いますけれども、そういう場合に緊急に政府が出て買い取るような機関をつくるかどうかということになりますと、これも私はいま現実の問題としてそういうことをすぐ考えなければならない事態ではないと考えております。
○渡辺(武)分科員 確かにわが国におきましては、この資本の自由化による悪影響というものが未経験なだけに、国自体としてもその対応策が緩慢過ぎるというようなきらいが、どうも考えられてならないわけでございます。御承知のように米資によるヨーロッパ市場のじゅうりん等を考えてみるときに、いま大臣がおっしゃっておるように、そのような問題が起こればとか、あるいはそういうことになってみなければというような状態では、もうすでにおそいと思うのです。現実にイギリスなりあるいはフランスなりあるいはドイツなりに、それぞれ深刻な問題が起こっておる。フランスのドゴールがあとになって激怒したけれども追いつかなかったというようないろいろな問題があるわけですね。そういう問題に対して、いままさに日本が資本の自由化をいろいろな情勢の中で早めようとするならば、そのような問題についての対応策というものがあらかじめもうすでにヨーロッパ各国でわかっておるわけですから、そういうものを日本だけではなくてほかの国もいろいろ規制をしておる。自由化を特に要請いたしておりますアメリカにおきましても、全然ストリップではないはずなのです。資本の上陸は許しても国内法によっていろいろな制限を加えておるはずなのです。なぜ日本だけがそのような国内法の整備を怠って、基本的な問題だけについての、資本の自由化の時期についてだけ云々をされておるのでしょうか。私はこの辺に非常に大きな問題があろうかと思います。特にヨーロッパ等の主要国についてもこの問題に対するいろいろな規制をしておられますが、その規制を御承知のところだけでもいいから、ひとつお聞かせ願いたい。
○両角政府委員 自由化の対応策について万全を期せよというお話でございますが、私どもも全くさように考えております。ただ、現状につきましては、ただいま大臣から申し上げましたように、既存企業につきましては、外国人株主は二〇%までしか、全体としてその株式の取得が許されないということでございますので、具体的な乗っ取り問題は起こり得ないたてまえになっております。しかしながら、今後の自由化の進展を配慮いたしまして、現段階におきましても、わが国の企業は安定株主対策を進めてまいるとか、あるいは従業員の持ち株を奨励いたすとか、あるいは将来に備えまして、役員につきまして外国人役員の選任を制限するような定款をつくるとか、いろいろな対策を講じておる次第でございます。外国におきましても、特に商法上株式の譲渡制限というようなものが、イタリアにおきまして、あるいは北欧の諸国におきまして行なわれておるようでありますが、いろいろ今後の資本自由化の進展の状態に対応いたしまして、私どもとしましても、内外の事例を参考としながら対応策の万全を期してまいりたいと存じます。
○渡辺(武)分科員 いま言われました半分以上のことは、企業独自がやらなければいけないことです。もちろんそういう企業に対する指導ということも必要でしょうけれども、そうではなくて、国自身がやらなければならないことがたくさんあると思うのです。これはいまさら私が言うことではなくて、すでにもう昨年与党である自民党の政務調査会あたりも、いろいろな問題点をあげられまして、政府に対して強い要請をしておられます。その中にはたくさんこまかい条件が書かれております。その中のおもな条件を私は質問したのですが、それがもういまのような状態ですから、この与党そのものが強く要請しております一つ一つの条件につきましても、何らまだ進展を見ていたい。問題が起こってからという態度では非常に問題があろうかと私は思いますので、もう少し真剣になってひとつ考えていただきたい。 いずれにいたしましても、この資本自由化の問題につきましては、民族、国の産業、国益というものに非常に重大な関連があることでございますので、問題が起こってしまってからそれを追っかけるような対応策というものは、きわめて問題が多いと私は思います。そういう意味において、一歩先んじて、日本だけではなくほかの国でもやっているのですから、ひとつ日本だけが無防備のままでその自由化だけを急ぐ必要はごうもないと思います。それほど弱腰になる必要はない。そういう意味で、私は、国としての対応策というものに万全を期せられた上で資本の自由化を進められんことを強く要請をいたしておきまして、質問を終わりたいと思います。
○大坪主査 山口鶴男君。
○山口(鶴)分科員 最近東京におきまして、社会科学者による公害問題の国際的なシンポジウムが行なわれました。わが国のみならず世界各国で、公害防止のために自然科学者のみならず社会科学者も含めまして、これがための世論喚起ないしは対策等が論議されておりますことは非常にけっこうなことだと考えておる次第であります。特にわが国は国土も非常に狭く、そういう中で経済の高度成長を続けていくという場合におきましては、この公害問題が頻発することは当然と考えられるのでございまして、そういう意味で、公害防止に対して政府がき然たる態度をとっていただくことが非常に必要ではないかと思っております。そういう観点から考えました場合、去る二月十八日、通産省がかねて住民から提起されておりました群馬県安中市の東邦亜鉛工場の拡張問題につきまして、請求人の主張を認めまして昭和四十四年一月二十五日付をもって東京鉱山保安監督部が一万七千トンの施設拡張を認可したのを全面的に取り消すという措置をおとりになりましたことは、われわれとしても高く評価をいたしたいと思っておる次第であります。 そこでまず問題は、この拡張せられた施設が取り消しになったということだけでは問題は解決をしないと思います。今後東邦亜鉛のみならず、全国のカドミウムを排出しております工場——これは亜鉛とともに出てくるわけでありますから、亜鉛製錬をいたしております工場におきましては、いずれも同様の問題が起きるわけでありまして、これらの工場に対しまして、やはりきちっとした態度でもって汚水ないしは排煙の基準というものを厳格に守らせるということが必要ではないかと思います。この二月十八日の裁決を契機にいたしまして、通産省は全国の亜鉛工場に対して点検をおやりになったそうでありますが、その後、岩手県の宮古等でも同じような問題が起きておりますが、その後の点検の結果につきましては問題はありませんか、まずそのことをお尋ねいたしたいと思います。
○橋本(徳)政府委員 二月以降、全国で亜鉛の産出鉱山並びに製錬工場が全部で五十五ございますが、これを全部点検いたしまして、ほとんど全部一応の基準には該当しておる。ただ一カ所まだ地元との話の関係で、別途の水路を設けるといったような関係で細倉鉱山におきまして、話はついておりますが、その工事が四月ごろでなければ完了しないというのが一カ所ございますが、それ以外につきましては全部基準を満足してございます。
○山口(鶴)分科員 一カ所を除いてはすべて点検結果は合格しているということでございますが、大臣就任のときのごあいさつを、私テレビで伺っておりましたが、公害の問題等については力を入れるということを冒頭申されておりました。この裁決の際にも当初の公約をお果たしになったと私ども非常にうれしく思ったわけですが、先ほど私が申し上げたような、日本が経済の高度成長を続けている。今後も、ある程度スローダウンするかどうか知りませんが、相当経済の成長が続くことは間違いないと思います。またそういう計画を政府自体もお持ちであります。とすれば、公害についてはよりシビアな態度で臨むということが必要だと思いますが、その辺の決意のほどをまず承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 時代が進んで技術が開発され、また世の中の公害についての認識が定着するに従って、公害の規制基準というものはもう年とともにきびしくならざるを得ない、またきびしくなるべきものと思います。
○山口(鶴)分科員 さてそこで、通産省が二月十八日にこのような裁決を下したわけでありますが、その前に被害者住民の方々が行政不服審査法に基づく行政不服審査を通産省に請求をいたしまして、七月二十一日付をもって東京鉱山保安監督部が弁明書というものを出しておられますですね。この弁明書を拝見いたしますと、特に安中の東邦亜鉛の工場の場合排水も問題になりますが、乾式の製錬をやっております関係で排煙が問題になることは、かねがね私も指摘をいたしてまいりました。排煙に対していろいろ弁明書で書いておるわけでありますが、まず排煙中に含まれる亜硫酸ガスの問題でありますが、この濃度は乾燥機関係では〇・〇〇八一%、焼結機関係では〇・〇一 ○一%、硫酸工場関係では〇・〇〇三五%、さらに場所によりましては〇・〇一九六%という数値であり、いずれも昭和四十三年度の鉱煙特定検査要領に示している基準値の〇・二二%を下回っている、こう弁明書では書いております。それからさらに排煙によって、周辺の大気がカドミウムによって汚染をされているわけでありますが、これに対して測定結果等を示しておりまして、米国における労働衛生上の許容限度としての作業環境値である〇・一ミリグラム・パー立方メートルと比較すると約七百四十分の一に相当する値であり問題はない、こう書いておるわけでありますが、しかしこの裁決書を見ますと、硫黄酸化物、亜硫酸ガスにつきましては、この許可申請書中〇・〇一%以下と記述されているにもかかわらず、現実に測定をしてみると〇・〇四%前後となっているということが記載をされております。カドミウムについては十分調査ができなかったようでありますが、それはおくといたしましても、弁明書を七月二十一日に東京鉱山保安監督部が出しましたが、会社の言い分といいますか、そういうものをまるまる認めておるかのような弁明書をお出しになった。そしてそれから約半年たちましたあとの通産省の裁決書では、会社が言うておるような硫黄酸化物の濃度ではないじゃないか、より高いではないか、したがってこの工場拡張部分については、これを取り消すという裁決を下しておられるわけですね。私はそういう意味では、東京鉱山保安監督部は一体何をしておったのかということを言いたいわけです。同じ通産省の下部機関である監督部が、しかも現実に一番鉱山その他を監督いたしておりますのは、この監督部だろうと思うのです。大臣がいまおっしゃったように、よりシビアな基準というものを設定をして、公害をなくするようにしていかなければいかぬという、こういう決意のほどを示されても、下部のほうがきわめてあいまいな態度をとっておるのでは、私は公害防止にならぬと思うんですね。この点はいかがでございますか。
○橋本(徳)政府委員 実はその点につきましては、何ともおわびの申しようがございませんけれども、その間におきましては、実はそういう予防施設をつくりましたメーカーその他から調査いたしました段階においては、そのメーカー自体で、当時その機械の能力として表示しておったものが必ずしもその能力にはなってこないというふうなことがその後判明もいたしましたし、それから先ほど先生読み上げられました数値は、実は机上でのいわゆる計算上の問題でございます。したがいましてその計算上の問題が、必ずしも現実にはぴしゃっとその数値が出るという保証はない、したがいまして保安法のたてまえとして一応認可をし、しかし実際にそれを稼働さしてみた場合に、それに違ったような数値が発生し、かつまたそれが害を及ぼすといったような状況になりますれば、これは竣工検査をとめるとか、ないしは改善命令を出すとか、法律の形も二段階がまえになっておるというふうな形におきまして、監督部といたしましても一応の机上の計算としてはこの程度であろうという判断を下したということと、もう一つ先ほどのようにつくったメーカー自体のサイドにおいても問題があったという、この二点だと思います。
○山口(鶴)分科員 今後、現実に鉱山等を監督しております各地区の鉱山保安監督部が、机上プランだけで適当な判断を下すということのないように、そういうことが一万七千トンの許可をしたそもそもの間違いであったと思います。それからまた、鉱山保安法八条、九条の規定がありながら、この検査も通らぬ前に違法操業をやっている、東京鉱山保安監督部もそれを承知していながら見のがしているという遺憾な事態を防ぐ道でもあると思いまして、この点は十分大臣に要請をしておきたいと思います。 問題は今後の問題だと思いますが、設備改善命令をお出しになったようであります。これを見ますと、ことしの二月二十五日までに設備改善に関する実施計画を立て、同計画書を提出するようにということが記載されております。計画書は所定の期日どおり出てまいりましたか。
○橋本(徳)政府委員 出てまいりまして、現在それを審査中でございます。
○山口(鶴)分科員 そこで今度は設備改善命令を通産省はお出しになった。これに伴いまして企業側では計画書を提出された。したがって今後硫黄酸化物、カドミウムにつきましても当然通産省が示しました基準がシビアに守られるような設備改善が行なわれていくだろうと思います。問題は、住民の側からすればいままでいろんなことがあったわけでありますから、当然今後の硫黄酸化物ないしはカドミウムの排出について基準が厳格に守られているかどうかということを確認したいという気持ちが起きるのは私はやはり当然だろうと思います。三月十五日の新聞に、通産省としまして昭和四十五年度におきましては、公害問題の国際シンポジウムにおきまして東京宣言を出して閉会をしたというような情勢も踏まえまして、公害を未然に防ぐために、企業と住民による地域ぐるみの体制づくりをする方針をきめたということが報道されております。当面この対象として考えておりますのは、火力発電所あるいは原子力発電所等が設置をせられる地域、そういうところに四日市のコンビナートでつくられた政府、県、市、地元民、学識経験者で構成された四日市地域公害防止対策協議会、これをモデルにした、企業、自治体、住民を打って一丸とした住民参加方式による監視機構と申しますか、そういうものを考えておられるようでありますが、通産省がせっかく裁決をいたしまして、設備改善命令を出しましたこの安中地区の硫黄酸化物並びにカドミウムについても同じような方式をおとりになるということはお考えになっておられますか。
○橋本(徳)政府委員 実は先生御承知のように、安中におきましては、住民の方たちに、いろいろ意見が分かれております。したがいまして、現段階におきましては、とにかくさしあたって県、市、そういった地方自治体に中に入っていただき、いわゆる地方住民の福祉と安全をやっていくべき自治体においてとりあえずいろいろ意見調整をやってもらい、かつまた、そういう意見調整の上に立って今後のそういう監視体制をどうすべきかということもあわせて考えてほしいというふうなことで、先般も知事にもお願いし、市長にも通じております。したがいまして、地方自治体にそういうお願いもしておりますので、そのほうの意見が出ましてから考えていきたいというふうに考えております。
○山口(鶴)分科員 確かに住民の意見が分かれていることは事実です。しかし、なぜそう分かれるようになったか、これはやはり経過があるわけでございまして、いわば企業側がいろいろな手を講じて反対運動を分裂さしてきたということをやはり否定をすることはできないと思うのです。しかも、通産省とすれば、住民の人たちが結集して、この行政不服審査法に基づいて不服審査を出してこられたものを認めて、そうしてあのような裁決もいたしました過程を考えれば、やはり当然このような運動を起こされました住民の意向というものを十分尊重する必要がある。そういう意味ではもちろん自治体を含めてけっこうだと思います。県、市、もちろんけっこうでありますが、そのほかにやはり通産省をしてこのような裁決を出さしめた原動力となった住民の方々の意向というものを十分尊重する。せっかく新聞にも大きく報道されている住民参加方式というものをこの地域においても当てはめるということが必要ではないかと思うのです。重ねて、恐縮ですが、この点いかがでしょうか。
○橋本(徳)政府委員 確かに先生おっしゃいます点はごもっともな点があると思うのでございます。ただこの点につきましては、地元の市並びに県におきましても非常に頭を痛めておる段階でございまして、どういう方式でこういったいわゆる監視体制並びに話し合いの今後の進め方をやることが最も適当であるかというふうなことを、ただいまこちらからも依頼し、向こうも真剣に考えておるような段階でございまして、その点につきましては、地元の意向そのものを十分反映するような形でなければならないと思いますが、自治体その他につきましては、やはり一応お願いしておる顔も立てるということもございますので、もう少しお待ちいただきたい、こう考えます。
○山口(鶴)分科員 ここに報道されておりますような全国の主要地点に、国、地方公共団体、企業、住民、四者が参加する機関を設けるということは、通産省としては、昭和四十五年度、安中という具体的なことじゃありませんが、主要な地域において、こういう四者が参加する機関を設ける、こういう指導はおやりになるわけですね。
○宮澤国務大臣 せっかく公害の問題を通産省が自分の行政の問題として一生懸命かかろう、そういう姿勢になりつつあるわけでございますから、だれが加害者で、だれが被害者であるというような、そういう奇妙な議論から問題がごたごたすることを私あまり好んでいないのであります。したがって、ほんとうにみんなの問題として、具体的な、客観的な事実を究明していこうじゃないかというようなことでございましたら、私はそういう場をつくるということは決して悪いことではないと考えております。
○山口(鶴)分科員 ただいまの大臣のお話ですが、四日市あるいは京浜工業地帯、川崎周辺というような幾つもの企業がございますところは、だれが加害者であり、だれが被害者であるかということはなかなかむずかしい問題があると思います。私もそういった化学方面の学校を出た関係もありますから、その点はわかりますが、東邦亜鉛のようなケースは、だれが加害者であり、だれが被害者かということは明瞭過ぎるほど明瞭なんです。ですから、そういった意味で、この四日市のような地域において大臣が言われるお考えというのは、私はわかるような気がしますが、私が指摘する安中のような場合は、はっきり加害者というのはきまっておる、特定されておるわけですから、そういう点は特に被害者、加害者というようなことにとらわれることなく、対処すべき問題じゃないかということをこの際つけ加えて申し上げておきたいと思うのです。 時間もありませんから次に進みたいと思いますが、今後の対策でありますが、とりあえず自治体を中心として通産省が考えているような機構を安中の場合にもお考えになっておられるようでありますが、住民のことは、これはだれが分裂をさせたかということを十分配慮されて、住民と一口に言いましてもどの住民の意向を尊重すべきかということは通産当局も十分承知しているわけでありましょうから、その点はひとつ念頭に置いて対処していただきたいと思いますが、この設備改善がきちっと行なわれるまで、一万七千トンの拡張部分の操業というものは絶対に許さぬだろうと思います。そのことが第一。 それから、問題はこの設備改善命令が完全に守られているかどうかという判断を当然通産省もお下しになるだろうと思いますが、私はその際は、やはり住民といいましても、化学的な知識があるわけじゃございませんから、住民が依頼する科学者、こういうものの意見も、これほど大きく問題になったこの問題については、当然尊重すべきではないか、聞くべきではないかと思うのですが、その点はどうですか。
○橋本(徳)政府委員 実はこの施設の改善と操業との関係になると思うのでございます。実は今回の改善措置が従来に増して相当膨大なる改善計画を出しております。したがいまして、この改善計画は同時にすべての施設が完了するものではなく、順次各部門ごとに改善がされていくと思うのでございます。したがいまして、その改善されました段階におきまして十分調査をして、そうしてそれが現在の基準その他から見まして、しかもそういった基準に対してかなりの余裕をもって、公害のより以上の発生のおそれなしというふうな段階がまいりますれば、施設ごとに順次操業をさせていきたいというふうな考え方を持っております。ただしかし、その場合におきましても、もちろんいろいろな方面の意見は、われわれとしても十分参考にもいたしますし、かつまた、従来からいろいろまき散らしておる公害その他につきまして、これは会社サイドにおかれましても、十分地域の改善の考え方を持っておりますので、そういったものの話し合いなり、進行なりというふうなものの様子を見ながら、措置をやってまいりたい、こういうふうに考えております。 もう一つは、こういった調査につきまして、いま先生のおっしゃいました地域の住民の側からのいわゆる科学者でございます。さしあたってわれわれ考えておりますことは、通産省それから県、市、こういったところが共同調査をする。まず、とにかく責任をはっきりさせるという意味におきまして、そういった三者によりまして調査をし、なお必要がありますれば、そういった外側からの意見も聞いていきたいというふうに考えておりますが、さしあたって責任というものを明確化するという意味におきまして、三者共同というふうな考え方をとっております。
○山口(鶴)分科員 当然これからは補償が問題になるだろうと思います。その場合、当然地域の自治体の果たすべき役割りというのが大きいだろうと私は思うのです。これについてはどうお考えですか。
○橋本(徳)政府委員 補償問題につきましては、御承知のように、本来からいいますれば、当事者の話し合いというふうなのが原則だろうと思うのでございます。しかし、いろいろ従来の例からいきまして、どうも当事者が相互に相当不信感を持っておるというふうな状況もございますし、また、自治体もそれがゆえにいま苦しんでおるというふうな状況でございます。したがいまして、こういった裁決を下し、一応過去のこういった問題を水に流した今日におきましては、知事もまた市のほうにおきましても、こういったいわゆる場を設けて、双方の話し合いというものを大いに進めていきたい、かつまた、その間においてできるだけ相互の信頼を取り戻すようにしたいということで、いま努力しておりますので、双方においてもこういった方面について今後は努力を払っていただけるものと考えております。
○山口(鶴)分科員 結局、裁決を下したあとは、設備の改善が通産省の期待どおり厳格に守られるかどうか。それから過去蓄積いたしましたカドミウム等があるわけでありますから、従来の補償、あるいは農地をもとに戻すための土地改良事業というようなことが問題になると思います。これにつきましては、ひとつ通産省自体も、 エラーがあったなどと言うといやな顔をされるかもしれませんが、鉱山保安監督部におきましてはエラーがあったことは事実であります。通産省におきましても、これらの問題につきましては、十分適切な指導をやっていただかなければならぬ、かように思います。その点、通産省に対して強く要請をしておきたいと思います。 時間がありませんから、最後に一つ聞きますが、これは硫黄対策の問題です。群馬では現在三つの硫黄鉱山が稼動いたしております。昨年商工委員会におきまして硫黄業安定に関する決議が行なわれたわけでありますが、その後見ますと、松尾が会社更生法の適用を受け、その後硫黄部門を一応閉鎖いたしました。また万座硫黄が一応操業をやめたという事態で、やや硫黄の価格というものも安定をしているやに聞いております。しかし、問題は、油の消費量というものが飛躍的に増加をしております。二年、三年後を考え、あるいは四年、五年後を考えました場合に、回収硫黄というものが相当市場に出回わるということはやはり考えられると存じます。昭和四十四年の回収硫黄は、やや計画を下回りまして十六万トン、それから明年は二十六万トン程度と一応考えられておるようでありますが、これが飛躍的にふえることはやはり必至だと思います。 そうなれば、いまこそこの硫黄業安定の決議にうたわれております輸出会社を設立し、あるいは輸出基地を建設し、そして海外に硫黄の市場を求めて、回収硫黄は主として輸出に回していくという態勢を確立していくことが重要ではないか、かように考えております。この点、この商工委員会で行なわれました硫黄業安定に関する決議を、今後どのように実施をしていくか、承りたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。昨年七月御指摘の商工委員会の硫黄に関する決議をいただきました。四点あったと存じますが、この四点につきましては、安定的供給と円滑な輸出をはかるということで、まず需給計画の適正を期すために、四半期ごとに鉱業審議会の硫黄分科会で、需給計画の策定とその適正を期すということをやっておる次第でございます。 それから御指摘のように、回収硫黄は本年は十六万トン前後しか出ませんでしたけれども、今後は公害対策の強化、脱硫の必要上、今後の生産は相当なテンポで増加すると存じます。したがいまして、過剰硫黄の発生というものが出てまいります。これにつきましては、輸出の体制を整備して、過剰硫黄を輸出せよということを決議されておりますが、これにつきましては、昨年の八月一日に日本硫黄輸出株式会社というものを設立いたしまして、輸出入取引法の五条三の一項に基づく協定も認可を受けまして、業務を開始いたしましたが、まだ本年度は業務開始早々で一、二万トンの輸出を行ないましたが、今後は輸出会社を中心にして過剰硫黄の輸出をはかろうという態勢でおります。 それから硫黄の輸出基地の設置の問題でございますが、この問題につきましては、広島県の能美町に建設しようということで計画を進めておりますが、ようやく基地建設の町の了解は得るに至りましたけれども、周辺地区の了解を得るに至っておりませんで、その了解の段取りを県等にごあっせん願っておる次第でありますが、この解決を見て輸出基地を建設し、ここを中心にして過剰硫黄の輸出を推進してまいりたいと存じております。 それから硫黄鉱山の合理化問題につきましては、本年度は新鉱床の探査費につきまして、従来の坑道掘進費あるいはボーリングの補助金につきましては、単価を五割アップして、その合理化を推進するということを予算として要求し、御審議願っておる次第でございます。 それから重油脱硫に伴いまして硫黄の発生があるわけでありますが、できますれば間接脱硫によりますアスファルトに入った硫黄は、アスファルトとして出すことが必要だと存じますので、アスファルト需要の開拓のために、東南アジアにアスファルト調査団を出しておりますが、四十五年度も引き続き調査団を出しまして、海外市場の開拓と、さらに海外市場の調査を継続してやりたい、こういうふうに存じております。
○山口(鶴)分科員 これで終わりますが、最後に、そういう形で硫黄業安定のための施策を講じていただいているようでありますが、今後とも大臣が言われたように、硫黄酸化物、亜硫酸ガスの規制基準についても、次第にシビアにしていかなければならぬだろうと存じます。そういう中で当然回収硫黄が増大し、国内の硫黄業安定の重要性というものは、これはますます必要になってくるだろうと思いますが、そういった観点から、商工委員会決議に対して大臣としてどう進めていくか、決意のほどを承りたいことが第一であります。 第二は、安中のカドミウム公害等の中で、私もつくづく思ったのでありますが、かつてあの地域は電力が安かった。そういう中で、水源県でしたから、ああいう工場ができたことは一面やむを得なかったと思います。しかし、いまや電力は火力に重点が移り、やがて原子力に重点が移っていこうとしております。こういう中で、国内にあのような硫黄酸化物を出しあるいはカドミウムを出すような企業を置くということは、私は無理になっているんじゃないかと思います。今後これらの問題につきましても、より規制基準をシビアにしていく必要があろうかと思います。そうなれば、工場立地という面から亜鉛の製錬工場をあの地域で拡充するということはもう無理だ。当然海岸その他しかるべき立地条件のところに亜鉛製錬工場などは設立をしていく、内陸地域におきましては、これ以上の施設拡張は許さぬという方針が、やはり必要ではないかと思うのです。この点につきまして、これまた大臣の所見を承って、質問を終わりたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほど局長から御説明を申し上げたようなことをやりつつあるわけでございますが、昨年七月の衆議院商工委員会の御決議に対しましては、その線に沿って今後とも続けてやってまいりたいと思います。 工場立地の問題につきましても、確かに趨勢的にはただいま言われましたようなことを考えていかなければならない時代に来ておるという認識を持っております。
○大坪主査 午後は二時より再開し、経済企画庁関係所管を議題といたします。 この際、暫時休憩いたします。 午後一時三十二分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○大坪主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十五年度一般会計予算中経済企画庁所管を議題といたします。 まず、経済企画庁所管について説明を求めます。経済企画庁長官佐藤一郎君。
○佐藤(一)国務大臣 経済企画庁長官を拝命いたしましたが、今後もひとつ皆さまによろしく御指導をお願いしたいと思います。 昭和四十五年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 なお、詳細につきましては、お手元に昭和四十五年度経済企画庁予算事項表という資料をお配りしておりますので、御参照願いたいと存じます。 昭和四十五年度の総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算の総額は四百三十七億五千一百六十三万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと五十七億九千八百八十八万円の増額となっております。 これを予算の主要経費別に区分いたしますと、経済企画庁の一般経費では四十三億六千八百八万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと九億三千三百四十二万円の増額となっおります。 公共事業関係費では三百九十三億八千三百五十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと四十八億六千五百四十六万円の増額となっております。 次に、特に重点として取り上げました事項について、その内容を御説明申し上げます。 まず、第一に、国民生活行政の推進に必要な経費であります。 国民生活の充実に関連する諸問題は、各省各庁の協力によって初めて対処し得るものでありまして、当庁の経費は各省庁の施策が、総合的な効果を発揮し得るように、その調整を促進するため必要なものでございます。 昭和四十五年度におきましては、特殊法人国民生活研究所を発展的に解散し、特殊法人国民生活センター(仮称)を設立するとともに地方消費生活センターを増設し、国民の直面する日常生活上の諸問題を中心に、政府と国民との対話の場を確立するために必要な経費を計上しております。また、生鮮食料品を中心とする流通機構の再検討や、地方物価行政組織の強化をはかるなど物価安定のための調査調整機能の強化につとめるとともに、水質汚濁現象の全国的拡大に伴い水質保全調査の充実をはかるなど国民生活行政の推進に必要な経費として、前年度予算額に比較し三億三千四百二十八万円増の五億七千七十五万円を計上しております。 第二は、地域開発調査の促進に必要な経費であります。 わが国の経済社会の発展とともに、その高密度化が一そう進展することを考えますと、国土の計画的、かつ、総合的な有効利用の必要性はますます高まるものと思われます。 昭和四十五年度におきましては、各種の地域開発計画に関する調査を促進するとともに、これに関する各省庁間の調整を行なうための地域開発計画調査費を大幅に増額しておりますが、この経費をもって新たに後進地域の開発に関する調査を行なうことといたしております。 また、国土調査事業につきましては、昭和四十五年度を初年度とする新国土調査事業十カ年計画を策定し、その促進をはかることといたしております。 これら地域開発調査の推進に必要な経費として、前年度予算額に比較いたしますと三億七千四百九十四万円増の二十億三千六百三十七万円を計上しております。 第三は、国土総合開発の推進に必要な経費であります。 新全国総合開発計画に基づく国土の総合的な開発は、各省庁の施策の進展にまたねばなりませんが、当庁といたしましては、国土の開発にかかる各種公共事業の調整を行なうとともに、総合的な水資源の開発、離島、山村地域、豪雪地帯の振興対策の促進をはかることとしております。 昭和四十五年度におきましては、公共事業関係費を中心に、これらに必要な経費として、前年度予算額に比較いたしますと四十八億九千一百七十九万円増の三百九十六億二千四百八十八万円を計上しております。 この経費の内訳は、国土総合開発事業調整費として七十三億円、水資源開発事業費として一百十五億三千八百二十万円、離島振興事業費等離島関係事業費として二百五億四千五百三十五万円、また、豪雪地帯対策特別事業費として一億三千四百三十三万円、振興山村開発総合特別事業費として一億七百万円となっております。 以上、一般会計予算の概要を御説明申し上げましたが、次に、経済企画庁関係の財政投融資計画につきまして、簡単に御説明申し上げます。 まず、海外経済協力基金につきましては、わが国の国際的地位の著しい向上とその果たすべき国際的責務の増大に対応し、アジア諸国等に対する海外経済協力の大幅な拡充をはかるため、資金運用部資金三百十億円、一般会計出資金二百九十億円を含めた自己資金等四百二十億円を財源とし、事業規模として前年度に対し、百六十億円増の七百三十億円を予定しております。この内訳は、直接借款六百三十億円及び一般案件百億円でございます。 次に、水資源開発公団につきましては、利根川、淀川、筑後川、木曾川及び吉野川の各水系における開発事業の推進をはかるほか、愛知、豊川用水管理等を行なうため、資金運用部資金九十八億円、公募債三十五億円、水資源開発事業費を含めた自己資金等二百七十四億円を財源とし、総事業費として前年度に対し、三十四億円増の四百七億円を予定しております。 次に、東北開発株式会社につきましては、会社の経営基盤の整備強化をはかるとともに、大規模な開発事業に必要な調査等を実施することとし、産業投資特別会計出資金五億円、公募債十一億円を含めた自己資金等十二億円を財源とし、事業資金として前年度と同額の十七億円を予定しております。 最後に、北海道東北開発公庫につきましては、資金需要の増大に対処するため、産業投資特別会計出資金五億円、資金運用部資金等政府資金と公募債三百七十五億円、自己資金等百四十億円を財源とし、貸し付け規模として前年度に対し、七十億円増の五百二十億円を予定しております。 以上をもちまして、経済企画庁の予算並びに財政投融資計画についてその概略を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほど、お願いいたします。
○大坪主査 以上をもちまして、経済企画庁所管についての説明を終わりました。 —————————————
○大坪主査 これより経済企画庁所管について質疑に入ります。 質疑に先立ちまして念のため申し上げます。 議事進行の円滑をはかるため、質疑を行なわれる方は、あらかじめ政府委員等を御要求の上、主査に御通告をお願いいたします。 質疑の持ち時間は、先例により、本務員は原則として一時間、兼務員もしくは交代で分科員となられる方は原則として三十分にとどめたいと存じます。各位の御協力をお願いいたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。松浦周太郎君。
○松浦(周)分科員 私は、物価と金融操作についてお伺いしたいと思いますが、与党の私があえてここに立ちましたのは、これは今日非常な社会問題になって、経済問題は重要でございますから、私は真剣に歯に衣を着せずに聞きます。同時に政府側も、与党だからといったような考えを持たず、国民の前に立ったという考えのもとにお答えを願いたいと思っております。 わずか一時間の間にこの大きな問題を処理することは困難でありますから、あらかじめ皆さんが発表されました問題ごとの項目や表は、その題名だけでごかんべんを願いたい、それによってそのことをひとつお考えを願いたいと思います。また、ことばを非常に短く言っておりますが、このこともできるだけ突き詰めておりますから、ひとつ十分にそれらのことについてもお考えを願いたいと思います。 先般御発表になりました昭和四十五年度の経済運営に対する基本態度においても、まず第一番目に消費者物価の安定を取り上げておられます。国民の一部の間にはすでにあきらめムードがただよっており、それが政府に対する不信感ともなっておる。保守党内閣の生命をつなぎ得るものは、政治的には別でありますが、政策的には経済企画庁の物価安定政策をおいてほかにない、こういうふうに私は今日考えております。 したがって、私どもも選挙にあたって国民に、この問題については以下六点を強く叫びました。それは、低生産性部門、すなわち農業や中小企業の構造の改善、二は流通部門の合理化、三は運輸交通、情報活動の整備強化、四は弾力的な輸入政策、五は公共料金の適正化、六は金融財政経済政策等による調整等、きわめて必要な施策であるにかかわらず、どうも一時しのぎ的な対策に終わってしまっていそうな気がしてなりません、いままでの質疑応答を見ておりますと。それは、何といっても重要な問題でございますから、それぞれのむずかしさはわかりますが、このような状態では、変化の激しい今日、何らの対策ができないうちにまた別の変化が起こってしまい、一そう困難性がただよってくる。 企画庁内部において物価政策研究会を設け、また地方に物価担当官を置く等、一つの方法ではありましょうが、いわゆるお役所的な行政のみであって、国民の理解と協力がはたして得られておるかどうか疑問であります。いままでのこういう手口と違った、政治的な方向においては大筋の筋を通しながら、行政的にはきめのこまかい新しい手法が必要であると思う。ただそれをただいままでは耳にしないのでありますが、企画庁長官は、この根本的なあなたの考え方というものをひとつお洩らし願いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いろいろな物価対策が講じられてきておるけれども、どうもぴんとこない、こういうお話でございます。どうも、今日ますます物価問題がむずかしくなっていることは確かだと思います。私たちもこの物価問題の根深さというものを十分認識しておるつもりであります。したがいまして、その対策は根本的な、いわゆる総需要対策から、構造対策から、それ以外のいわゆる個別対策に至るまで、私はきめこまかに、かつ総合的にやる以外にないと考えております。いま御指摘がありましたように、一時限り、一時しのぎ、こういうような気持ちでは物価問題の処理はできないと思います。でありますから、もちろん計画を立て対策を立てるには慎重な下準備、調査が要りますけれども、しかし、それを必ず実行するという態度でもってやっていかなければならない、こういうふうに感じております。 問題は多岐にわたっております。それからまた、構造対策のようにやや時間のかかるものもございます。また一方、公共料金の抑制のように具体的にきわめて短時間のうちにこれを処理すべき問題もございます。いろいろございますけれども、いま御指摘のような点は私たちも十分心に銘じておりますが、場合によっては政治的な解決方法も必要なこともあろうと思います。そういう意味でもって今後対処してまいりたいと思っております。
○松浦(周)分科員 先ほど申し上げましたように、ただいまのお話では抽象的でほとんど問題になりません。低生産性部門あるいはいまお話の構造改善、流通部門の合理化、運輸交通、輸入政策、公共料金、そういうものはもういままでも何べんも答えられておりますし、いまのお話とあまり変わりはありません。それできょうは一つにしぼって話をしていきたいと思うのです。金融、財政、経済政策について総合調整がなされていなければならぬが、大まかにこれにしぼっていきたいと思っております。 私どもはしろうとで、あなたのほうが御専門の問題でございますが、一般会計は言うまでもなく七兆九千余億、財政投融資は三兆五千余億、地方財政は七兆八千余億、あるいはこれに伴う三公社五現業も地方財政に伴う程度のものが計上されております。地方交付税交付金、国庫の補助金あるいは政府の投融資等、重複しているものがありますが、新しく散布されるものは二十数兆に達するのではないか。これは天文学的数字になっておりますが、その点についての数字はあなたの手元にあると思いますからそれによってお答え願えればいいと思いますが、特に財投関係においては、住宅、道路などの公共投資に重点が置かれておりまして、産業や民間投資は控え目になっていることは、大蔵大臣の財政演説の場合にもはっきりいたしておりますし、その後の答弁においてもわかっております。 このように、一方的に民間の需要を刺激して財政政策は大きく組まれた。しかし他面において、金融引き締め政策がとられているということは、一体矛盾ではないか。需要を非常に喚起しておいて、そうして他面において融資を不十分にしていくということは、仕事を準備させておいて融資をしないのだから、これは非常に矛盾ではないかというふうに考えるのです。それには、あとで出てきますけれども、前もってあなたのほうで五十年度までの計画を授けておるのです。それで今回の金融引き締めによると民間の設備投資が縮小され、また輸出も、アメリカの景気のスローダウンによって対米輸出を中心に鈍化の傾向にありますことは言うまでもありません。経済界においても弾力的な政策を望んでおりますことは言うまでもありません。私は基幹産業において非常に心配いたしておりますことは、いままでずっと安定してきた電力関係において、四十五年度の資金計画が立たないで、社債の償還にも困っておる。また、特に一部の地域においては、四十八年度までの設備計画がありますが、今年度において千八百億不足しておるということも伝えられております。同時に、鉄鋼、電気、機械、化学工業、自動車等、基幹産業は相当行き詰まっておりますことは、私は表もすっかり持っておりますが、あなたのほうから出た表もあります。あなたのほうがはっきりいたしておりますから、時間がかかりますから一々読みません。 日銀の貸し出しは、昨年の十月から十二月までは前年度の二〇%増であります。また、本年の一月から三月までは四%の増でしかない。仕事はうんと伸びる計画になっているのです。それは経済企画庁が前に計画を立てられたものを行なうとするならば、今年度それだけのものが必要なんです。それで市中銀行は全体金融の三〇%しかする力がない。農協をはじめその他の金融は七〇%となっております。したがって、この三〇%の市中銀行にたよっておる基幹産業及び重工業その他のものはいま参りかけているのです。七〇%のものにたよっている中小企業はいまは比較的安定しているのです。 これからだんだん質問してまいりますが、その他の法人税の引き上げ、金利の引き上げあるいは企業側は今日一段と逼迫感が迫ってきております。最近の新聞で、引き締めのための資金難でいろんな仕事がうまくできなくなった。これはあまり会社の名前を言うとその会社に影響しますから、私は会社の名前はきょうは一切言わぬことにしておきますが、事柄だけ言います。あるアンモニアをつくる会社は、計画を延期した。またある化学工業は、二社合併でようやく困難を切り抜けた。ある会社はいま非常に困難な中に彷徨いたしております。こういう会社は大きな会社で約三十社あるのであります。そういうことで現在に至っております。 私が御質問いたしたい点は、一方においてそういう需要を喚起しておいて、他面において政府の政策に従ってそれぞれの設備投資や企業を拡張していったものの支払いができなくなったという第一の犠牲は大企業及び基幹産業であるが、このしわ寄せは一体どこへ行くかという問題でございます。まず、この方面の融資に対して、この矛盾は一体どうするかということについてのお尋ねを先にしておきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 予算あるいは財投というような財政関係が少し甘いのじゃないか、一方、金融引き締めの効果というものは相当きびしくあらわれている、両方の関係に矛盾がありはしないか、こういう点がポイントであろうかと思います。今日の物価高あるいは非常な全体としての経済の過熱といいますか、こうした状況は一体どこに原因があるかということは、いろいろにいわれております。しかし、これらの逼迫しました原因の一つの大きな要因が、やはり私どもは、この四年間も続きました高度成長、実質二二%台の高度成長が三年も続き、四年間の好景気である。結局これをリードしてまいりましたところの、民間の設備投資を中心とするところの問題がやはり大きな原因になっておる、私たちはそういうふうに考えております。昨年の九月に、御存じのように金融引き締めに踏み切ったわけでございますが、これはいま申しました経済の過熱をこのままにほっておいてはいかぬ、これはとんだことになるといかぬという心配があったわけであります。そして直接的には、卸売り物価等もだんだんと上がってまいるいろいろな徴候が出てきましたわけですから、踏み切ったわけでありますが、そうしたいきさつから考えましても、われわれとしては民間設備投資の引き締め、これは現在の経済運営においてはまことに万やむを得ない措置である、こういうふうに感じております。 率直に申しまして、昭和三十年代の後半に私たちは非常に高い経済成長を実現した、こういうふうによくいわれておりますけれども、この三十年代の後半よりももっとさらに高い水準でもってこの四カ年の高い経済成長が実現してきておるわけであります。そして、それが続くに従って過熱化してきておるということも確かであると思います。これをこのまま放置いたしますと取り返しのつかないことになる、場合によってはインフレに突入する、こういうことでは困るというので、まず一方において金融引き締めをしっかりとやらなければいかぬ。そうしてまた同時に、財政につきましても、われわれももちろんこれは配慮しなければなりません。 もっとも、財政につきましては、御存じのように財政自体のいわゆる財源配分の機能と申しますか、現在の立ちおくれているといわれておる社会資本の充実であるとか、国民生活についての社会保障その他のいわゆる社会開発の問題であるとか、いろいろな職能を分担しております、こういうものも殺すわけにはまいりません。まあそういうようなことで、財政についてはやや引き締めというよりも警戒中立というくらいの態度で臨んできたわけであります。もちろん、したがってこの予算の伸び率につきましては、御指摘のように一八%に近い伸び率になりました。従来は、日本はこの金融引き締めと財政引き締めをいつも同じ程度にやるというふうに臨んできておりますし、そういう運営が多かったのです。その結果、どういう結果になったかといいますと、両方一ぺんに引き締めて、いつもその結果として社会資本の立ちおくれがだんだんと表面に出てきた、こういうこともございます。そういうことで、御存じのようにポリシーミックスといいますか、金融政策と財政政策をどういうふうにあんばいするかということが、われわれとしても一番頭痛の種でございます。まあこの程度の財政の伸びは、現在としてはやむを得ないのではなかろうか。ただし、それにつきましても、規模が一七・九%になりましたが、しかし、何もしないというのじゃございませんで、一方において法人税率を引き上げるあるいは公債の発行を極力押えていくというようなことで、まあ現在の経済に対して相当の配慮をすべきところはいたしていかなければならない、こういう考え方でやってきております。でありますから、この両者の間に、少なくとも現在御指摘になるような意味ではそう大きな矛盾というものはないのじゃないか、私どもはそう感じております。 ただ、先ほど申し上げましたように、金融をこの程度引き締めるのなら、財政ももっと引き締めろ、どっちかというと、そういう常識が今日もございます。そういう意味におきましては、これはもう少し現在の引き締めの状況というものを見守りまして、その状況いかんによりまして、政府もたびたび申し上げておりますが、弾力的に対処していかなければならない。まあ一段と財政の実行過程において引き締めを必要とする場合には、これはまた弾力的な措置も必要であるかもしれぬ。しかし、これは現在の情勢を十分見守った上で、今後の景気の動向がどうなっていくか、これを見守った上でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○松浦(周)分科員 いまのお話については、私が大体最初に申し上げた点とあまり違わないことをおっしゃっておるようですが、私は財政規模と金融規模とがそぐわないということを言っているのです。それは社会投資が多いからいいというものではないのです。そのことは国民にいいことですよ。しかし、国の財政金融政策というものから見れば、それは物価の問題にはかかわらないということなんです、出るのですから。だからその点が、財政は一七・九五やったからこれは近来にない大きな財政を組んだ、そのために財投のほうは縮めたのだ、だからせめて民間金融においてはこれをかばうことが常識であると私は思うのだ。それをいつまでたっても、両方の金融機関で締めつけて、仕事だけは大きくしてしまった。——これは私はしろうと論ですよ。しろうと論だけれども、仕事を大きくしておいて、それで流動資金を縮めていったら、どこかに破綻がくるのはきまっていますよ。どんなにりっぱな議論をされても、そのことは間違っている。それでその結果どうなるかといったら、これはいままでの間は、いま申しましたように、あなたのほうは三割の金融を受けている基幹産業及び大企業にやっているのだから、中小企業のほうにはあまり倒産者がない、去年の倒産者の数をそう上回っておりません。それはあたりまえなのだ。それは七〇%のほうはそう引き締めをやっていないから。けれども、背に腹はかえられないから、いまに大企業のほうは中小企業に向かって、下請産業その他のことで、どんどん締めつけてきます。そうすると倒産者が続出する。これは数においては相当のものになるのですよ。私はこういうことをこういうところで議論したくはないのです。ないけれども、やむを得ず私は申し上げるのですが、これでもあなた方は何とか言わなければならないために答弁はされるでしょうけれども、必然的にこういうようなところに追い込まれてくるのです。 三月十一日にあなたが参議院で答弁されたのには、財政がああいうふうに組んであるから社会資本をそういうふうに組んでおるけれども、場合によってはこれを縮小するかもしれぬと言っておられる。これはときどき日本の大蔵大臣、やるのです。私は、それならば国会を終わる前に、これの本会議が終わる前に、引き締めて修正すべきであると思うのです。そうでなければ、一ぺん国会の審議を経たものをあとで大臣の権限において縮小するということは、これは国会議員の権限を無視することになるのですよ。そういうこともいまからおっしゃっておられる。重要な問題であるからこれはおっしゃっておられるのです。この現実の姿をいまちょっと申し上げたのでございます。 今回、引き締めがねらっておられるところのものは物価対策であるのでございますが、設備投資をさいて、生産性を押えて、それで購買力は現状のままである限り、一体設備投資を押えることが消費者物価を下げることになるかどうか、これは問題ですよ。これは日本の政府のあなた方だけではなくて、日本の学者の中にも相当議論があるのです。私はずいぶんいろいろな書類も見ました。またアメリカでもニクソン計画について、今日相変わらず五・四%の物価上昇を継続しているのです。一年間やったのですが、継続しているのです。これはそのはずなんですよ。国内における第一の購買力を持っておるものは何であるかというならば、設備投資を押えることによって購買力が減退するものよりも、国民全体の購買力のほうが多いのです。だから私の思うのには、去年は北海道、東北は少し凶作ぎみだったけれども、やはり史上第三番目の豊作なんです。それから労働賃金は一五%の値上がりをしておる。これも史上最高の労働賃金です。これは全部購買力になって回っているのです。その一方において、購買力のほうを押えずに、生産のもとを押えたら、もっと物価は上がるんじゃないですか。しかし、これはしろうと議論ですよ。あなたは行政的にうまいことやれるとおっしゃるんでしょうけれども、経済議論はこのしろうと議論のほうが間違いないと私は思うのですよ。私は商売やってきているのですからそれはどう解決されるか。 新経済社会発展計画をおつくりになったでしょう。その新経済社会発展計画というもので、五十年には総需要量は全体において現在の倍になるということは、政府は国民にすでに掲げておられる。企業家は全部これを目当てにして、年次割りにして今日進んでいる。そうすると、今日の現状でいって、金融引き締めをいまのままで直さずに抑制しておいて、五年後の需要をどうして押えることができるか。なお一そう困ることになりはしないか。この点が私が非常に矛盾していると最初から言っている一点なんですよ。これについて、私は時間がありませんからもう少し言わせてもらいます。 大体において、国の産業政策と金融政策が一貫しない感じがいたしております。計画担当の企画庁としてはどのように考えられますか。現在そういうふうな考えをしてはならないのです。日銀も経団連の一行に、選挙の終わる時分に、一−三月でやめるということを言ったものですから、この一−三というものについては、もう選挙の直後か最終のころですよ、そう言ったものだから、これは国民への公約になっているのですよ。これをやらないということになったならば、これはたいへんな問題になると思うが、これについて、またたくさん申しますとなんですから、どういうふうにお思いになりますか。
○佐藤(一)国務大臣 現在の景気過熱に対しては、いろいろな原因がもちろん相当重なっているわけでございますが、その一つである購買力というものをほっておいていかぬじゃないか、こういう大きな問題があります。御指摘の点については、われわれも十分に検討しておるのでありますが、いずれにしましても、御存じのように消費需要は、何しろ高い成長が続くものですから、その成長に追っつかないんです。そのために、松浦先生も御存じのように、経済計画あるいは過去の国民経済の全体の動きを見ますと、だんだん全体の総生産の中において占める消費需要の割合が、少しずつですけれども下がっている状況なんです。これは成長のほうが高いものですから、なかなか消費需要が追いつかない、こういうような目下状況でございまして、したがって、また貯蓄もわずかではあるが伸びておる、こういうふうな情勢になっております。 したがいまして、この購買力については、収入もふえておりますから、いろいろと個別的には問題があるのでございますけれども、これをいま非常に引き締めるということには、これはこれで経済の需要をささえる意味でもって、大きな問題があると私たちは実は見ております。もっとも、今日は、外国と違いまして、消費需要を直接に押えるという手だては政府には与えられておりません。むしろ経済全体を引き締めて、それによって全体の一環としての購買力というものの行き過ぎを戒めていく、こういうことになろうと思うのであります。 われわれとしては、現在の金融引き締めというものは、情勢を十分に見守りながら、そしてまた、御指摘になりましたように、まじめに働いておる者が変なことになるというようなことをできるだけないようにしながら、しかし、景気の行き過ぎだけは何とか押えてまいらなければならない。何といいましても、民間設備投資はこのところふえにふえております。四年間二割五分くらいのベースでもってふえております。そのために全体の総生産の中に占める比率もだんだん上がってきておる、こういう状況であります。でありますから何とか、現在の過熱の原動力にもなっておりますので、この引き締めにつきましては慎重な取り扱いをしながらも、情勢を見る必要があろうか、こういうふうに考えています。 いま政治の公約というお話がございましたが、私も、日本銀行が選挙中にそういうことを言ったというのは、いま初耳でありますが、日本銀行は中央銀行の立場でありますから、どういうふうに言っておるか、政府とある意味においては独立した存在であります。しかし、その一−三月に引き締めるということを言ったというのは、まだ聞いてはおりません。が、しかし、日本銀行自身もこれは金融の責任者として、当然現状なかなかなまやさしいものではないという認識を十分に持っております。したがいまして、この三月あたりの情勢というものを十分見まして、そうして今後企業の設備動向というものがもう少し慎重なふうになっていく、こういう点をよく見きわめて、その上でもって金融引き締め政策を今後どういうふうに持っていくかということをきめていくものというふうに私は考えております。
○松浦(周)分科員 相変わらず企業の設備投資の面だけに力を入れておられるようでありますが、それならば私はさらに申し上げます。たとえば長く続かなければそれはできぬことですね。即効的ではない。また即効的にはできないでしょう、基本的でなければ。しかし、この手だけではできないことになる。できないうちに次の——最初に申しましたように、やっているうちに次の問題が起こるのです。それはこういうことなんです。 経済成長が緩和されて低くなれば、自然に労使の関係の話し合いもついて、賃上げも少なくなるだろう。むしろ経済成長がとまれば、労使の話し合いも賃上げが少なくなるだろう。そのときに日本の購買力は少なくなるだろうというふうな考えよりほかに、われわれはあなた方のやっておられる購買力減退の方法についてはないと思うのです。そうなると、日本の総評は、そんなこと考えてはおらぬですよ。階級闘争をあくまでやって、日本の経済力を弱めて革命を起こそう、それはそういうためじゃないですか。そうだとすれば、そんな回りくどいことをやっておったのではどうにもならぬ。ぐずぐずしているうちに、角をためているうちに本体の経済が死んでしまう。角をためて牛を殺す、このことをあなた方はもっと真剣に考えなければ、従来の経済議論だけで日本経済が直るなんて考えたらたいへんですよ。日本の現存は精神問題に入っているのですよ。民族精神の問題が入っているのですよ。同時に、唯物精神と日本の民族精神の戦いに入っているのですよ。その基礎をえぐらないで、ただこんなことをやっていて、ごらんなさい、いつまで過ぎたって直ることはないのです。あまり断定的に言ってしまってはなんですけれども、私はそう思っておりますから決定的なことばを申し上げます。しかもそれに加えてもう一つ、長時間かかるということは、またそれに加えて労働者のほうは売り手市場です。これを中小企業に考えるならば——大企業や親方日の丸、いわゆる電電公社あるいは林野あるいは国鉄は親方日の丸だ。国鉄が何ぼ赤字を出しても、要求だけ賃金をもらう。企業体から見てこんなばかな話ありませんよ。それも政府は黙って見ているという姿だ。そういう姿において片方が話がつくようになる。そんなばかなことありませんよ。労働市場は売り手市場だから、どんどんそういうものが上がっていけば赤字に赤字を重ねている中小企業は、大企業と同じ賃金を出さなければ人が来てくれないのです。みんなとられてしまうのです。おる人も行っちゃうのです。ここまでの中小企業の血の出るような痛さは、そう言っちゃ失礼だけれども、あなた方学校に行って、役所へ来て、こういう議論ばっかりやってきておるんだけれども、ほんとうの仕事をたたいてないんだ。だから下請企業のつらさはわからない。私はほんとうはこの人たちを代表する。この人たちと勤労者を代表する。労働ブローカーを代表するのではない。勤労者とほんとうに働いている下請企業者はかわいそうなんです。あなた方はこのことを真剣に考えないで、日本経済を直そうなんて思ったって、直るものじゃないのです。だから、私の申し上げたいことはこれから先のことなんです。 最初に、私は皆さんに、大筋の違わない、きめのこまかいとこう言った。これは旺盛な購買力に対して、生産性のもとを押えるぐらいなことでは逆になるだけなんだ。私は簡単なことばで短く言っていきますが、物価は需要供給の原則をおいてほかにない。とするならば、強権発動をもって労働と物価のストップ令を出せば一番簡単に押えられるけれども、それは日本の現在としてできない。とするならば、私は労使双方が節度を守って貯蓄を奨励する以外にないと思っております。そこで、きょうは労働基準局長にも来てもらっておりますが、これから基準局と両方にお尋ねいたします。 中小企業では、賃金の上昇が生産コストの中に吸収されずに、物価高の原因となっている。大企業では、賃金の上昇が大部分は生産上昇の中にカバーされて吸収されていっておりますが、今後たび重なって毎年上がってくれば、これは商品価格の上に見ていかなければどうにもならないということになってまいります。私もその経験を持っております貿易業者の一人であります。しからば、国際貿易の上に今後どういう影響を及ぼすか。これは経済を担当しているあなた方の一番重要な問題だと思うが、これを今後どうされますか。
○佐藤(一)国務大臣 前労働大臣としてのお考えで、いまの労働問題について御見識の披瀝がありました。確かに現在の賃上げというものにつきましては、それの生産性との関係において非常に問題がございます。今後この両者の関係というものを、われわれも十分に見守っていかなければならぬと思っておりますが、しかし、いずれにしましても、松浦先生のほうがよく御存じでありますけれども、先ほど御指摘になりましたように、労働問題はなかなかむずかしい点を持っています。基本的に労働需給ということが緩和されなければ、現在の賃上げの問題というものはそう簡単ではございません。そういう意味において、全体の経済をどうしたら鎮静できるか、そうしてそれによって結局需給の逼迫というものを少しでも緩和する方向に持っていきたい、これが私たちの念願でございます。現在は、頭からいかぬと、こういうふうに言えるはずのものではもちろんありません。そういうことでありますから、それだけに全体として経済の鎮静化をはかってまいりたい、そういうことであります。 しかし、いまお話がありましたように、全体としての鎮静化をはかると言いましても、それだけではなかなか不十分です。労使話し合いをしていく、こういう空気が生まれることは、私も大歓迎でありまして、何とかそういうふうな方向に空気がなっていくことを、われわれも非常に期待をしております。労政局長も見えておるようでありますが、そうした点は、われわれとしても大いにそうした期待を持ちながら、今後どうしたならば労力の需給の緩和をはかることができるか、こういうことで、多少松浦先生と認識について、あるいは違いがあるかもしれませんが、率直に申しまして私たちはもう一息見ないと、ほんとうのことがなかなかわからない、こういうのが実情であります。 先ほど御指摘ありましたように、今度の引き締めはむしろ大企業につらくて、中小企業は、かりにあるとすればこれから起こってくるだろう、こういうことであります。その点についてはわれわれも大体そういうふうに見ております。先ほどお話のありました電力の問題なんか、これはその大事な計画に万一支障を来たすようなことがあっては、これはたいへんでありますから、私たちもそれの資金については一切そうした心配のないようにひとつ処理してまいりたい、こういうふうに考えておりますが、私たちとしてはこの情勢を見た上で全体として処理していきたい、こういうふうに考えておるようなわけであります。 労働問題については、御意見よくわかりました。われわれもひとつそういうふうなことで、できるだけそうした情勢に持っていくようにしたい。しかし、私は実はこれはなかなか時間がかかると思っておるのですが、そういうふうに感じております。
○松浦(周)分科員 先ほどの日経連の連中が、選挙最終時分に日銀総裁をたずねて、金融をゆるめてくれということに対する話をいたしましたことは、新聞にはっきり出ております。その新聞持ってきておりますから間違いありません。そのときは一−三月はやると言っているから、四月からはゆるめるという考えだとみな思っているのです。私もあの新聞見て、立ち会い演説でそういう演説をしたのです。私はあの新聞を見せながらやった記憶があるからそう言っているのです。そうしてきのう大阪の新聞では、大臣はまた六月までやるのだというようなことを言っておられるのです。しかし、これはドルもそうだし、イギリスのなにもそうでありますが、前日まで切り下げやらない、切り下げやらないというのは、これは大臣の通例なんですが、ほんとうは三月一ぱいで打ち切るといえば、九月から初めて六カ月ですから、これはみなそう思っているのです。今度また六月までやるといって三カ月延ばす、一貫性がないのですね。これにはみな非常に困っているのです。何月から何月までやるのだといってやってやれば、その間にくめんもできるのですよ。 そこで、ひとつ企画庁の長官は——私は、日本の企画庁の長官は大蔵省の次官みたいに取り扱われているのはかわいそうだと思うのです。ドイツの企画庁の長官はエアハルトといって、大蔵大臣を次官にしておったのですよ。そのくらいひとつ権威を持って、大蔵大臣に、君はそんなことを言うけれども、おれの立てた計画を実行しようとするならば三月一ぱいで打ち切らなければいかぬ、局長と二人で相談して、そのくらいのことをひとつ若い、エネルギーのある企画庁長官はやってほしいのだが、お二人の御答弁をお願いしたい。
○近藤政府委員 ただいまお話のございました日銀がいつから解除するかというお話でございますが、金融の解除は、先生よく御承知のように、そのときどきの経済指標というものを時々刻々に見ながら判断をしてまいらなければならないものでございますので、何月から解除するとかいうことは、中央銀行当局としては非常に言いにくいこともあろうかと存じます。 ただ、先ほど来御指摘がございましたように、需要と供給との間のギャップについて将来どういう変化があるかしれぬからその辺を真剣に考えろというお話、それからまた需要項目の中で、たとえば生産設備、たとえば労賃などを含めましての消費、そういうものの全体の関連についてできるだけ真剣に考慮しろ、そしてその結果が金融政策などに敏感に反映するように考えてもらいたいというお話はまことにそのとおりでございまして、私ども、企画庁も大蔵省も日本銀行も、その点についての意見は、ただいまは需要超過、したがってまた予防的な金融政策というもののたてまえを堅持してまいらなければならないというふうな判断では、ただいまのところ一致しておるわけでございます。
○佐藤(一)国務大臣 いままで私からるる御説明をしたような状況でございます。今日、率直にいいまして、私も非常にむずかしいところだと思っています。中小企業というものが今後だんだん引き締めのしわが寄ってくるんじゃないかという御心配ももっともであります。われわれもしたがってそういう点はできるだけ遺漏のないように十分に考えてまいらなければならない、そのつもりでおります。 一方におきまして、この過熱現象が不健全な経営を生む程度にまで非常に各方面にいろいろな影響をもたらしておることも事実であります。でありますから、この際何といいましても日本の経済というものを、ただ成長すればいいというこの過熱ぎみな状態を一ぺん正常なものに戻さなければならない、これがやはりこれからわれわれが、先ほど御指摘ありましたが、新しい新経済社会発展計画の出発に際しましても一番大事な点であります。新しい計画におきましても、大体いま私たちが昭和四十五年度に考えておるようなテンポで今後の経済六カ年をやっていかなければならぬ、こういうような気持ちでおります。これは引き締めを現在やっておりますけれども、われわれが四十五年度の経済見通しとして考えているテンポは決してそんな低いものではございません。引き締めをして、そうしてなおかつ、それであってしかも一一・一%というのは相当高い経済成長というものを目ざしておるのでございます。でありますから、現在がむしろ異常である。先ほども御指摘ありました昨年の四月−六月は実に前々年に対してその倍の銀行貸し出しが行なわれておる、こういうようなことがいろいろいまになって考えられておるわけであります。私どもとしましても、アメリカの轍は踏みたくない。よくよくその点をしっかりと運営いたしませんと、現在のアメリカのようになかなか収拾が困難になるような状況にもなるわけでありますから、情勢を十分見きわめたい。さればといって、いまゆるめるとかあるいはさらにきつくするとか、そういうことを言える時代でもありません。現在、実をいいますと、御存じのようにこの三月には、そういう意味ではいろいろとわれわれに材料が集まってくる時期であります。そういうことでそうした通産省の情報なりその他いろいろな情報をこの際集めてみまして、その材料がそろったところでまた、今後どうやっていくか、もう一回ひとつよく見直してみたい、こういうふうに感じております。
○大坪主査 銀行局長まだ要りますか。
○松浦(周)分科員 銀行局長がおってもそれ以上答弁できないですね。
○大坪主査 第二分科会で……。
○松浦(周)分科員 銀行局長及び長官は大蔵大臣、日銀総裁、三者相談の上善処を私は要望いたしておきます、この問題は重要でございますから。というのは、先ほども申しましたが、あなたがこしらえられました新経済社会発展計画、いわゆる五十年までに日本の総需要が大体倍になるという五カ年計画です。これに対して、なるほど去年の七月は融資は倍であったかもしれない。しかし十月−十二月は二〇%の伸びだ。一月−三月は去年の四%の伸びだ。これが新経済社会発展計画に合っておるかといえば私は合わないと思うのです。言うならば五年の後に急に倍になったらどうしますか。これもさっき聞いたけれども、これに答えないのだが、記録に載せておきたいのですけれども、私の与えられた時間がなくなるから簡潔に答えてください。
○佐藤(一)国務大臣 そこに別に矛盾があるとは感じません。
○松浦(周)分科員 四%ではできないでしょう。去年の四%ではできないですよ。
○佐藤(一)国務大臣 四%とかなんとかいいますのは、全体を通じての問題で判断しなければいかぬと思うのです。
○松浦(周)分科員 それは三〇%に対する四%ですよ。七〇%の分はあたりまえにいっておるのですよ。
○佐藤(一)国務大臣 これは年間を通じて議論しなければならぬ。
○松浦(周)分科員 これから伸ばすか、四月から伸ばすか、聞いておるのだ。
○佐藤(一)国務大臣 ですから、もしそういうことになれば、御存じのように、現在でも通貨の増発率は相当高いのです。ですからこうした高い増発力が続くということは、われわれとしては健全とは思いません。そういう意味において、そうしたことを頭に置いて今後そうした貸し出しというようなこともやっていきたい、こういうふうに考えております。
○松浦(周)分科員 銀行局長もお気の毒ですから、それじゃ三人で御相談するように大蔵大臣に言ってください。というのは、新経済社会発展計画の五十年までの五カ年計画ですね、これに合うような融資計画をしなければいかぬ。いまは四%だけれども、一年を通じてそれに間に合うようにすると企画庁の長官はいま発言された。それを基礎にして四月一日以降どういうふうな処置をとられるか。これは三人で相談して善処してもらいたい。これはこれでいいですね。
○大坪主査 銀行局長はよろしゅうございますか、松浦さん。
○松浦(周)分科員 もういいです。
○佐藤(一)国務大臣 単純に機械的に何%ならいいが何%がいかぬというものでは私はないと思っております。いままでも加速度がついておる話ですから、それが昨年の四月−六月以来からますます加速度がついてきておる。この加速度をどうやってスローダウンするかというときには、単純な平均算術ではいかぬわけです。そういう意味において、いま日銀がポジション指導において前年に対して相当きびしい態度をもって臨んできておることはやむを得ないことであると私どもは考えております。四十五年度も引き締めが続くかどうか、これは先ほどから申し上げおりますように、われわれの手元に集まる材料によって今後十分に判断してまいりたい、こういうふうに考えております。
○松浦(周)分科員 どうも経済問題になるとパーセントや数字にこだわる企画庁もそうじゃないようなことを言われるので、世の中が逆になっておかしいですけれども、しかし、私の切なる希望のあることはわかっているでしょうから、三者相談のときによく伝えて善処してもらいたい。 それで、労働省からおいで願っておりますから……。
○大坪主査 松浦君に申し上げますが、労働基準局長は来ておりません。
○松浦(周)分科員 労政局長は……。
○大坪主査 労政局長代理として労働経済課長が来ています。よろしゅうございますか。
○松浦(周)分科員 労働省の勤労統計でも、賃金の上昇は企業の支払い能力にそれだけの余地があったということになっているが、いまや他企業との相対的な関係によって一方の企業が賃上げを行なえば、他方も追随して引き上げなければならぬという仕組みになってきていることは争われない事実であります。政府はこのところ賃金については労使の自主的な話し合いにまかせているが、そこにはやはり節度が必要ではないか。さっき大臣は話し合いに持っていかなければならぬということを痛感すると言われた。これは全くいい考えでございますが、そこで、先ほども申し上げました新しい手の打ちようはないかと強く押しましたのは、労使双方において、この難局を乗り切るためには民族愛に燃える節度と協力がなければならぬ。そこで、多年懸案になっているところの経営協議会を発足させる時期にきているのではないか。私は、これについてはドイツの共同決定法あるいは経営組織法——まあ共同決定法は石炭が下火になってからはあまり歓迎されておらぬようでありますが、その中にも経営協議会というものはある。また経営組織法、いまの日本の商法と同じようなものの中にはこの経営協議会があるのです。経営協議会があって、これだけの賃金、これだけの原料、これだけの輸送費、これだけの経費というものを労使間で話し合いのもとにやっていくことが、私はほんとうの日本貿易国家たるゆえんだと思うのです。そこまでの話がほんとうにできるのでなければ、これは永続性はありませんよ。労使闘争の中に真理ありというのは、こんなのはまるっきりまゆつばものですよ。あくまでも労使というものは、これは民族愛のもとに節度を保ちながら相協力しなければできるものではない。 この点を考えるならば、こういうイデオロギーを中心にして共同経営協議会というものを発足させる考えはないか。私はもう時間が少ないから、イデオロギー的なことばを入れる時間がありませんが、この経営組織法をつくるときは、りっぱな日本の民族というものの永遠の、百年の大計を立てるだけのものを基礎にして、日本でも経営組織法をつくったらいい。そして労使ともに生きられる、日本がそれによって円満に生きられるというものでなければならぬと思いますが、労働省の考え方及び局長の考え方を承りたいと思います。
○田沢説明員 労政局長がちょっと病気で参りませんので、私かわってお答え申し上げます。 経営協議会につきましては、現在日本の場合に、実質的にいろいろな面でドイツの経営協議と同じようなことが行なわれておりまして、四十二年の調査によりますと、労働組合のある企業で、その約五割くらいの企業におきまして労使の協議制というものが行なわれております。それからもう一つは、そういう企業レベルの問題ではなくて産業レベルでも、最近繊維、造船、電力その他七産業で産業レベルの労使協議が行なわれておるわけであります。それからそれ以外に、労働省が最近財界及び組合に呼びかけまして、トップクラスの労使の話し合いというものを中立委員及び政府を含めまして始めておるところでございます。 西ドイツのような法律で経営協議をするかどうかという問題につきましては、現在の日本の労使関係の実態その他から見て、ちょっと尚早だとは考えていますが、実体的には日本の企業の中で労使の話し合いというものが非常に行なわれておる。労働省としてもこういうものを促進したいと考えております。
○佐藤(一)国務大臣 ドイツの協議制と、いまの労働省の説明の協議制は、また多少違うかもしれません。しかし、とにかく協議の体制が非常に進んでおるという事態については、私も非常にけっこうだと思います。いま労働省から言っております会議等にも、われわれ経済を担当する者も出席しまして、そうしてできるだけ今後の全体の行き方についてお話し合いをしていく、これは非常にいいことだと思っています。
○松浦(周)分科員 そういう法的な話し合いの場は経営協議会という話し合いの場でなければいかぬのですが、そのことはおわかりですね。 それではその次に、貯蓄奨励について、私は手を打たなければいかぬと思っております。それは物価が高いから賃金を要求するということは、無理はありません。勤労者の生活をよくしていかなければならないことは私もよく承知しておりますが、中にはずいぶんむだな浪費をしている点もないとはいわれません。そこで私は、理屈を言っている時間がありませんが、個人の備荒の上においても貯蓄というものは必要である。日本の貯蓄の率は世界的に悪い率ではないけれども、よくて悪いことはないのですから、どんどん奨励をして、一つは自分の備荒貯蓄なり、他面は民族国家の経済基礎の強化になるという点を重視して、経済企画庁においては、相当これについてのことを考える。第一には、こんなに物価が上がるのに、貯蓄しても損するではないかということになるのだから、ひとつ預貯金の金利を思い切って上げたらどうか。そのほうが、あんな変な設備投資をするのにつけるよりも早いですよ。買う人がなかったらひとりでに下がる。物をつくろうと思うものを、政府の計画どおりに押えようとするよりも、こっちのほうの買うほうを押えるほうが、それも自分の貯蓄のためにやるのだから、これについてのお考えをお伺いいたしたい。 もう一つ、時間がありませんから方向を変えて、先ほどの案の説明の中にございましたが、国土の開発について相当な経費も計上し、これを運営していくということをおっしゃったのですが、私は北方経済の問題について、つまり北方経済、国際経済圏の北海道は拠点であるという点であります。 北海道の地理的条件というものは、これは立地条件というものがアラスカ、カナダ、シベリア、北方の要衝になって、大きな発展の可能性のあることは言うまでもありません。太平洋のベルト地帯、あるいはその他の現在の工業地帯というものは、用地、用水、港湾、道路というものが狭くなりまして、人間がこれ以上になれば生きるにも生きられなくなる。だから結局、政府の税金でできるだけ公害防止、空気と水の汚濁防止、人間を生かすために、あるいは道路の混雑防止というものをしなければならぬが、それでは耐え切れなくなるから、企業者に、おまえはこういう企業をやるならば、空気中にあるいは水の中にこういうものが出ないような設備をせいということになるのです。そうならざるを得ないのだ。そうすると、コストが高くて、こっちでやれなくなる。そのときには広い耕地、用地、よい水資源の使えるところ、これが必然的な適地にならざるを得ないのです。いま申しました北海道は、こういう国際的な地点の要衝でございますから、私はこれに北方領土が返ってくるならば、国後、択捉というのは北のほうに突き出ているのだから、さらにこれにプラスして、最近起こっているところの低温工業、海底産業というものに対して、もう一歩さらに踏み込むことができる。ここに思いを及ぼすならば、何も込み合った大阪、静岡、名古屋付近に飛び込むことはないのです。そこで原料を得て、そこでつくって、世界へ売り出せばいい。それだけの設備は十分できるのだから、その措置を考える。いまから百年前の明治の政府は特使をつかわして、北海道の開拓をやった。これまでは北海道地内の開発を考えた。しかし、この北海道の今日の文化の上に立った、跳躍台に乗ったわれわれは、今日のこの台の上に乗って、しからばお互いの視野から見たらどうしたらいいかということを考えれば、今後の北海道及び国土の総合開発計画というものについては、対岸のシベリアあるいはカムチャッカあるいはカナダ、アラスカ、そういう方面の拠点になって、その付近には工業民族はいないのです。これについて、あなた方中心人物になるのですから、ひとつ第二の黒田清隆になったつもりでいい案を考えてもらいたい。どういう考えを持っておりますか。
○佐藤(一)国務大臣 これは松浦先生一番御存じのように、私たちの全総計画、これにおいても北海道開発の基本構想というのは非常に重視しております。国土の再編成で、どうも東海道ベルト地帯に片寄り過ぎておった従来のものの考え方はこの際ぷっつり改めよう、こういう思想であります。ですから、雪に埋もれた北海道を雪から解放しよう、そうしてまた大型空港あるいは大型の港湾を中心に交通網を十分にしよう、そうして日本としては珍しい重要な資源を持っておる北海道というものを、いまお説のように国際的な視野に立って開発をしていこう、そのためには開発庁の考えておる計画についても、この全総の大きな線にのっとって考えていきたい、これが私たちの考え方であります。いままさしく御指摘になったような観点から新しい計画に際しても臨んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○松浦(周)分科員 最後に、長時間わずらわしまして、次の方の時間を三分ばかりとって恐縮に存じます。 私きょうお尋ねいたしましたのは、今日の金融引き締めはちょっと過度に過ぎるのではないか、ひとつ最後の決定は三大臣で協議の上に一日も早く解いてやることが——一時解いてまたやるということになっても、竹の節を一つつくったらどうかということ。第二は、労使の関係は、いまにおいて改めなければ日本はその面からも破綻をするのではないか、だからその点については、闘争ではなくて、あなたのおっしゃるように話し合いで、それには道徳的な節度があった上において話し合うというならば、やはり経営協議会を制度的にしなければならないのではないか。それからもう一つは、購買力を調整するのには貯蓄奨励を大いにやったらどうか。それと北方領土の問題。物価の問題。この五点をお聞きしましたが、いずれもよろしくお願いいたします。
○大坪主査 古寺宏君。
○古寺分科員 東北、北海道地方の開発は明治以来の国策として推進されてまいりましたけれども、戦後東北開発三法が制定されて、重点的に東北地方の総合開発推進の体制が整備されることになったのでございますけれども、戦前におきましては内閣に東北開発局が設置をされておったのでございますが、昭和三十二年に経済企画庁総合開発局に東北開発室が設けられたにすぎず、東北開発会社、北海道東北開発公庫もその営業内容、資金ともにきわめて制約されたものであるために、東北の開発は年々強化されるどころか、むしろ後退の道をたどっているといっても過言でないと思うのでございます。当初は食糧増産あるいは資源の開発等、国民経済の役割りを果たすという美名のもとに大資本、大都市への犠牲をしいられ、最近は既成大都市の公害排除あるいは分散という名のもとにあと始末をしいられているというのが実情でございます。国の開発施策が高度成長経済目標達成のために奉仕し、真に地域住民の福祉向上を主眼としていないところに失敗があったのではないか、そういうふうに思うわけでございますが、戦後二十年の東北開発は完全に失敗した、そういうふうに私は思うわけでございますが、今後地域住民の要求を開発行政の上にくみ上げてこれを実行するというお考えをお持ちになっているかどうか承りたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 御指摘の点は、新全総計画等でも、従来のいわゆる片寄ったものの考え方を全面的に改めようということでありますから、東北地方の開発についても、すでに古寺さんが御存じと思いますが、新しいネットワークをつくり、そうしていわゆる一方において大食糧の供給基地としてあるいは大畜産の基地としてこれを重視する。それと同時にこの新しいネットワークの上に立って大きなプロジェクトの構想もまた考えておる、こういうことでございますからして、それにはわれわれとしては十分な調査を行なっていかなければならぬ。そういう意味において各種の御存じのような調査をわれわれもいま実行しつつあるところでございます。できるだけそうした趣旨で進めていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○古寺分科員 政府は過去二十年の間、経済企画庁の中に東北開発室を設けていろいろ作業を推進してまいったわけでございますが、その二十年間にそれではどのようないわゆる調査研究が行なわれたか、あるいはまた新全総計画を推進する立場において東北開発局あるいは東北開発庁というものを設置するお考えを持っているかどうか、その点についてお尋ねいたします。
○宮崎(仁)政府委員 東北開発室が設立されて以来の問題もございますので、その辺をちょっと申し上げます。 昭和三十二年に東北開発室がつくられたわけでございますが、御承知のとおりその以前から東北開発をどういう方向で進めるかということにつきましての調査が三年ほど行なわれました。その後東北開発三法がつくられまして、これに基づきまして各種の事業が進められておることは御承知のとおりであります。 いま東北開発三法成立以来の状況が失敗であるというお話がございましたが、その後の経済指標等をごらん願いましてもおわかりのとおり。東北の伸びがそれほど劣っておるというわけではございませんし、もちろんこの間において国の経済政策の中心あるいは地域開発の政策の中心というものが、いわゆる拠点開発構想から今回の新しい全国総合開発計画に示しますような全国的な活用に変わるというような点で、相当の変化はございますけれども、最近においては、むしろ東北における工業開発の状況は、全国のブロックのうちで第一の伸び率を示しておるというような状況でもございますし、それほどの遜色はないものと考えております。 いままでどのような調査をしたかということでございますが、これは、国土総合開発事業調整費等を使いまして各種の調査が行なわれておりますし、また東北開発室といたしましても、毎年度かなりの調査を行なっております。そういったことを生かしながら現在まで施策が進めてこられたという状況でございます。 今後の問題につきましては、いま大臣からお話しがありましたようなことで、これから東北の占める地位というのは非常に大きくなる、それに応じまして、大規模開発プロジェクト等の調査を現在実施いたしておりますが、さらに、この審議会の部会等において現在いろいろ検討を進めておりますので、そういう面も含めまして、これから積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○佐藤(一)国務大臣 いま古寺さんから、東北開発庁ですか、そういうお話がありました。私どもも、東北の現状から見まして、今後できるだけこの開発に力を入れたいと思っています。したがいまして、たとえば現在の東北開発促進法、こういうようなものもいま検討を加えておるのでございます。しかし、そのために新しい役所をつくるというところまでは目下考えておりません。内容的に今後充実したものに持っていくべきである、こういうふうに感じております。
○古寺分科員 新全総を策定するに当たって、東北開発におけるところの問題点、あるいは東北の地域的な分析、あるいは費用効果分析は一体どういうふうに行なわれたかということについて、後ほど、その内容を書類をもって提示していただきたいと思います。 さらにまた、現在の東北開発促進計画というのは、昭和三十九年以来一回も手直しが行なわれておりません。これは一体必要を認めなかったのかどうか。 さらに、この促進計画は、昭和四十五年度で一応終わるわけでございますが、新しい促進計画については、どういうふうに現在作業が進んでいるか、それをお尋ねいたしたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘の計量的な問題、あるいは効果の測定の問題等につきましては、地域計量モデルというモデルを使いまして、この計画第二部に示してありますブロック別のフレームというものをつくっております。これにつきましての資料は提出をいたします。 それから、東北開発促進計画の問題でございますが、昭和三十八年からの計画になっておりますこの計画の改定については、従来も若干問題になっておりますが、新しい全国総合開発計画を作業中でございましたので、この計画ができたあと新しい計画をつくろう、こういう腹づもりでございます。 現在、その前提といたしまして、関係各県において、この新全総と同じ、昭和六十年を目標年度とする県別の開発計画を作業中でございまして、ことしの夏ごろにはできることになっております。この県別の計画ができましたところで、これを調整いたしましてブロック別の計画に持っていったらどうだろうか、こういう考え方で、現在いろいろ県別の計画についての御相談にあずかっておるという状況でございます。
○古寺分科員 国の経済計画が変わっている中で、東北開発促進計画だけが一ぺんも手直しを見なかったということは、時代に対応した計画ではないと私は思うわけでございます。したがいまして、こういう地域計画というものは当然国の政策に敏感に反応する、そういう計画であるべきだ、こういうように考えておるわけでございますが、その点については、今後十二分に考慮をして計画を進めていただきたい、こう思うわけでございます。新全総の中に、地域開発関係法については再検討する、こういうようにうたわれております。ところが、東北開発三法というものは当初から立法の精神というものは貫かれておるわけでございますけれども、今後再検討の段階で東北開発三法についてはどのようなことを検討していくのか、また改正するというようなお考えを持っているのか、その点について大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 三法のうちで促進法につきましては目下検討を加えておるところでございます。他の二法については別に目下特別にこれを改定するというような機運にはなっておりません。したがいまして、これらについて具体的なものはまだないわけでございます。しかし、全体としていま御指摘の点の具体的な問題があると思いますので、それを政府委員から答弁させます。
○宮崎(仁)政府委員 東北開発三法につきましては、いま大臣の御答弁がございましたが、特に開発促進法につきましては四十一年ごろから東北七県知事会議等におきましてこれを抜本的に直す必要があるという御提言がございました。その後私どものほうでも事務的に検討を進めてまいりましたし、また自民党その他の政党方面におきましてもいろいろの案が出されております。ただいま御指摘のように、新しい全総計画におきまして、こういった地域開発行政につきましての現在の法体系を再検討しようということをいっております。この具体的な作業がだんだんいま進んでおりますが、関係各庁あるいは東北各県等とも御相談をいたしまして、できるだけ早く成案を得るようにいたしたいと考えております。もちろんこれはそのほか九州、四国各ブロックにも関係あることでございまして、私どもいま東北をモデルケースとして作業をやっておるところでございますが、できるだけ早くそういったものをまとめてみたい、こういうように考えておるところでございます。
○古寺分科員 次は、東北の産業開発を促進するために北海道東北開発公庫というものが設立をされました。以来投資を続けてまいったわけでありますが、そのほとんどが中央の資本のためのものであって、地元企業が非常に冷遇をされておる、そういうふうにいわれておりますけれども、今後地元企業を優先する方針に改める考えをお持ちでないかどうか、大臣に伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いまほとんどというお話でありましたが、私たちは地元についても相当重視しているというつもりでおりますが、もちろん今後におけるところの開発の方式というものは、プロジェクトその他ますます大型化してまいります。そういう意味においてこれらの資金調達をどうやっていくか、これにつきまして、御存じのように中小企業関係は一応中小企業公庫がございまして、その上に開発公庫が乗っておる、こういう体系に一応金融的にはなっております。でありますから、ある程度大きな企業への融資もありますけれども、しかし、今後やはり開発全体の計画の中において地場企業をどう持っていくか、どういうふうに重視するか、こういうことがまず先決であろうと思います。そうした開発計画の前提にのっとって開発公庫の融資というものが大企業偏重にならないように、われわれとしてもこれを十分考えなければならぬ、こういうように考えております。
○古寺分科員 この北海道東北開発公庫の人事機構というものは、その幹部の大部分が日本興業銀行からの出向職員である。そういう関係から、日本興業銀行と取引のある中央資本に対して優先的に融資が行なわれている、そういうふうにいわれております。そこで私は、そういう弊害を今後は取り除いていただきたいと同時に、現在この公庫から融資を受けている大資本の中で、日本興業銀行と関係のある企業の名前を後ほど書類をもって示していただきたいと思います。 さらにまた、この公庫の窓口は現在仙台にしかございません。少なくとも各県一カ所ぐらいの窓口を設けて、そして地元企業を優先していくお考えがあるかどうか、承りたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘ではございますが、確かに設立当初に、金融関係の専門家がおりませんので、日本興行銀行からの出向の方が相当入っていただいたことは事実でございますけれども、融資にあたって日本興業銀行の系統を特に優遇するとか、そういったことは私は全くないと思います。資料の御要求でございますけれども、そういった形での資料の提出はちょっとできますかどうですか。これは公庫当局のほうとも打ち合わせまして、どういうようなものになるか、できるかどうかということをちょっと確かめさせた上で、ひとつ御相談をしたいと思います。 現在、公庫の機構としては、北海道の札幌と東北の仙台に支店がございますが、貸し付け案件について見ますと、本社扱いも相当ございますし、現在の機構で大体いいのではないかと思っておりますが、なお、融資にあたっての便不便等の問題もございますから、ただいまの御提案の点は、もう少し検討してみたいと思います。
○古寺分科員 時間がないので急ぎますが、新全総計画によれば、「東北地方開発の基本構想」の中で、「稲作」「について高生産性 大規模主産地の形成を推進する」こういうふうにうたっているわけでございます。これは東北をわが国における米作の主産地として開発する構想である、こういうふうに考えられるわけでございますが、今回の総合農政による一割減反を東北に適用するということは、すでにこの新全総の構想そのものがいわゆる矛盾している、そういうふうに思うわけでございますけれども、今後この方針を貫いていくのかどうか。今回の一割減反は臨時的な措置であって、将来の構想はあくまでも新全総に盛られた構想で進んでいくお考えかどうか、その点について承りたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 これは古寺先生の御指摘のように、今後の方針として全総の方針でやってまいりたい、こう思っております。今回はいわば臨時緊急のあれなものですから、やむを得ずこういう措置をとっておるわけであります。
○古寺分科員 次に移りますけれども、青森県の上北郡に坪川という川がございます。この川の流域の水田が公害によって減収を来たしている、こういうことを聞いておりますけれども、この公害問題について、経済企画庁はどのような調査を行ない、今後どのような措置を考えているか、承りたいと思います。
○矢野政府委員 坪川の水系につきましては、本年度水質基準の調査を実施しております。お話しのように、一時農業及び漁業に若干の被害が出たようでありますが、その後排水処理施設を整備したりあるいは天間林ダムの建設が完了いたしまして、その後漸次よくなっているようであります。なお、今後につきましては、現在基準設定の調査をしております。その結果を見ながら四十五年度において、水質審議会に坪川部会を設けまして、指定水域の設定及び水質基準の設定を行なうべく現在準備中でございます。
○古寺分科員 この川は昭和十二年ごろまではサケ、マスあるいはウナギとか川魚を入れますと、現在の価格に換算して大体一億円ぐらいの水揚げがあったわけであります。それが鉱山の操業開始によって昭和十八年から全然魚がとれない。しかも先般行なわれました弘前大学の農業調査によりますと、その化学分析の結果、カドミウムが検出されたというお話も承っております。今日までこの経済企画庁の調査の中間発表が全然なされませんので、地域の住民は非常に不安を感じているわけでございます。なぜこういうふうに、中間発表をせずに、今日まで放置をされてきたのか、その点について承りたいと思います。
○矢野政府委員 ただいままでのところ、利水地点におきましては、カドミウムは検出されておりません。いまお話しの弘前大学の調査につきましては、なお照会してみますが、現在承知しておるところでは、大学の正式の発表ではなくて、学生の卒業論文に載ったものだというように聞いております。したがいまして、その調査の信憑性についてまだ私よく自信が持てませんので、この点につきましては、照会をいたしまして、県の調査では、利水地点においてはカドミウムは検出されてないという報告もありますので、その両者を突き合わせた上で、今後の基準設定の参考にしてまいりたいというふうに思っております。
○古寺分科員 青森県の衛生研究所では、原子吸光機がなかったわけです。ですから、当然カドミウムの試験というものは、これは十二分に行なえない。そのデータによって未検出である、こういうようにお答えになっていると思うのですが、そういうような根拠のない調査による発表では、将来いろいろな問題が発生してくると思うわけでございます。ですから、今後この問題については、十二分に御検討の上、正確なる調査を実施していただきたい、こういうふうに御要望申し上げます。 時間がございませんので、最後に、青森県の下北、上北の開発というのは、御承知のように、砂鉄鉱業あるいはビート、こういうものによって地域住民は非常に大きな打撃をいままでこうむってまいったわけでございますが、今度の新全総の陸奥湾、小川原湖周辺の大規模工業開発基地の建設によって、はたして今度のこの構想が実現できるのかどうか。そういうことを地域の住民は非常に心配をいたしております。さらにまた、最近におきましては、土地ブローカーの暗躍によりまして、大がかりな土地の買い占めが行なわれておりますけれども、用地計画についてはどのような手を打っているのか。また、公共用地の先行取得については、財政的な援助等を考えているのかどうか。その点について承りたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 小川原湖地区の工業開発の問題は、新全総計画におきます遠隔地大規模工業基地の一つの候補として、東北開発の構想に書かれたものでございまして、この計画は非常に大きなものでございます。したがいまして、これを実際にどのような形で実施していくかということになりますと、現在まで行なわれました工業開発の方式というようなものがそのまま使えるかどうか、その辺についても問題がございます。したがいまして、この問題については東北開発審議会の中に分科会をつくりまして、現在開発の構想あるいは方式といったような問題を検討いたしております。また一方では、国土総合開発事業調整費その他の調査費によりまして調査を開始したところでございます。今後この計画を固めるまでにかなりの額の調査費が必要になると思っておりますが、四十五年度予算等においても、その辺のところを進めてみたいと思っておるところでございます。したがいまして、現在の段階で具体的な計画がこうなっておって、それに基づく用地はこうするというような固まったものはまだできておりません。 いま民間の不動産業者等が入っておるというようなお話もございましたけれども、そういったような動きというのを私ども聞いておりますが、何ぶんにも地区が広大でございますから、そういった民間の資金で直ちに主要な用地が買われてしまうというようなおそれはまずないのではないか、こう思っております。 しかし、いずれにしましても、この工業用地あるいは御指摘の公共用地等につきまして、やはり計画的に取得をはからなければならないわけでありまして、そのための方式として、たとえば最近完成に近づいております鹿島の工業地帯の方式、鹿島方式と申しておりますが、こういったものとか、あるいは苫小牧の方式であるとか、その他いろいろの前例もございます。また、新しい制度をつくってやったほうがいいかどうか、そういったことも含めまして、先ほど申しました審議会の分科会で検討いたしております。計画の構想のまとめ方と一緒に、そういった問題も今後固めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○古寺分科員 その地域開発に関する調査研究については、電子計算機の利用による情報センターというものをつくらなければならない。そういうことが新全総の中にございます。この情報センターについて大臣は設置するお考えを持っているのか、あるいはまたいつごろ実現をする見通しであるか、承りたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 ちょっと私から経過だけ申し上げます。 いま御指摘の点は、新全総計画の第三部に、国土総合開発の研究機関のようなものをつくる必要がある、そういったものを検討する必要があるということを書いておりますが、この問題につきましては、四十四年度の予算におきまして、調査費三千万円がついておりまして、これは地域開発のためのそういった各種の研究的な問題をどう組織として処理するかということであります。現在、外国の事情などを調べるべく幾つかの調査団などを出しておりますが、四十四年度も引き続きこの問題はもう少し調査をしたいと思っております。何ぶんにもこういった問題に取り組むといたしますと、非常に大きな事業になりますので、どういう形がいいのか、組織的にどうか、あるいは民間の方式のほうがいいのか、半官半民がいいのかどうかというような、いろいろな問題がございますので、現在はまだ調査段階ということでございまして、いつごろからどうするというような問題は、まだ全然きまっておらないという状況でございます。
○古寺分科員 時間ですから、終わります。
○大坪主査 島本虎三君。
○島本分科員 これはスイスのカップ博士、先般の公害問題国際シンポジウムに東京へ参ったスイスの人でありますが、その方が最後に、世界で最も急速な経済成長をした日本には、環境破壊のあらゆる実例がそろっており、初めて公害問題国際シンポジウムを開く場所として、まことにふさわしいものであることがわかった、こういうように言っておるのであります。また、それに参加したある学者は、日本に来てよかった。この教訓を見て、自分らの危機感も杞憂でなかったという確証を得たと言っておるわけであります。そうしてみます場合には、現在の日本の高度経済成長、これのもたらす影響というものは手放しでもちろん喜べない。それは国民に還元されるものは、すべて公害ということになって還元されることであるならば、国民の生命と健康を犠牲にして日本の経済が発展しているということになりかねない、またなっている。そこであわ食って公害基本法ができた。そのあとで実施法として、大気の場合には大気汚染防止法、騒音の場合には騒音防止法ができ上がって実施中であります。 しかし、水の場合の公害防除のために、大臣としては今後どういうふうな考えで実施していくのか。これは主管大臣として重要な問題でありますので、まず決意を聞かせておいてもらいたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いまの御質問は、私も実は同感であります。それだけに水質保全のいわゆる環境基準の責任者である経済企画庁としても、容易ならぬ責任を持っているわけであります。 御存じのように、従来水質保全法によっていろいろとやってまいりましたが、さらに公害基本法というのができまして、目下環境基準の作成を、これは特に私としても関心が深かったので、着任以来非常にこれを急がせております。この問題につきましては、すでに御存じのように、関係方面が水についてはほかのものと違いまして非常に複雑でございます。どうもそれらの話し合いで、なかなかひまをとるというようなことであったようでありますが、そんなことはもう問題ではない。とにかく一刻も早く、国民の健康を中心にして、これを何とか進めなければいかぬじゃないかというようなことで、目下せっかく勉強させておるのであります。したがいまして、非常にこのところピッチを上げまして、できるだけ基準の設定も急いでいるようなわけであります。 私は、率直に言いますと、水につきましては、いわゆる国民生活を中心とする観点、それから産業を中心とする観点、その中間の環境保全を中心とする観点、いろいろ基準がございますが、国民生活を中心として今後これを考えてまいる、こういう気持ちでもってさらに督励したい、こう思っております。
○島本分科員 国民生活を中心として考えるということであると、やはり水質汚濁防止法または水に対しては保全法と、はっきりした題名である法律が望ましい。しかし、出される法律案の内容は、公共用水域に関する水質の汚濁を防止する法律案という名前のようであります。そうすると、公共用水域以外のものは野放しかということに当然なってしまうわけであります。いま大臣がお答えになったのと、ちょっと趣旨がずれやせぬかという危惧がありますが、なぜはっきりと、この場合には水質汚濁防止法なり保全法なりと具体的なものにしないで、公共用水域というふうにして、あるいはそれに限定するんだという考え方に立つような題名の法律をお考えになっておられるのでしょうか。私はその点では、少し疑問に過ぎるかもしれませんが、大臣のはっきりしたお考えを聞かせておいてもらいたいと思う。今後のためにも重大であります。
○佐藤(一)国務大臣 あるいは私の理解が足らないので、御質問の趣旨を正確に理解しているかどうかちょっと不安でありますが、大体現在の対象水域はすべて公共用水域というふうに実は考えております。あるいは御質問の趣旨が、たとえば個人の家庭から出る水、こういうものまでもという御趣旨でありますと、それは公共用水域とはあるいはいえないかもしれない。しかし、それらが下水のところから出ますので、そこから私たちは水質基準のいわゆる取り締まりの対象として考えるつもりでおりますから、御質問の趣旨と私たちの考えとは違っていないのじゃないかと実は考えておるのです。
○島本分科員 私は違ってもらいたくないために、それを次から次へと聞いてまいりたいと思うのでございます。 そうなると、環境基準の設定をどういうふうにしていくか、そういうふうなこともまた当然問題になってくるわけです。あるいは用途別の水域の設定にするのか。こうすると、よごれた川はよごれた川でしようがない、これからきれいな川をけがさない程度にとどめよう。先ほど質問があったように、よごれた川はサケもマスものぼらないのだからしようがない。これからよごれない川にのみ限定して、そういうけがさないような方法を考えようじゃないか。こういうふうな点がいままでの考え方としてあったわけであります。たとえば東京あたりでもありましょう、隅田川はじめ。ところが北海道では常呂川、こういうのはきれいだったのがよごれてしまった。鮭鱒が上がったのが上がらなくなって、いまこの問題であわを食っている川の一つです。石狩川もそのとおりであります。あと残されているのは十勝川だけ、きれいに守っていこうというふうな考えがあるようであります。 そうしますと、いま公共用水域といってきめたそのものは、これからよごされないあるいはきれいにするけれども、よごれたものはこれはやむを得ないのだという考えの上に立てば、国民の健康も環境も守るということにならないのでございますが、そういうような意味では、少し大臣と私の考えか——違わないことを私は欲しますが、いままでの考えはそうだったのですね。これは今後改めなければならないと思いますが、大臣、どうですか。
○佐藤(一)国務大臣 現在よごれてないものは、これからよごれるのを防ぐことは当然であります。しかしさらに、現在よごれておるものをそのままにほっておくということは、なおよくないと思います。全般を通じて私たちはこの基準を設定してまいる、そういうつもりでおります。
○島本分科員 そうすると、それに対しては相当程度以上の予算の準備が必要だということになります。公共用水域の水質保全に関する予算は七千七百九十七万ですか、それで前回よりも二千四百八十九万、四六%アップになっておる、この程度でありますが、いま大臣、このくらいの予算で、はたしていま言ったようなこういうような環境にまで、また健康や生命にまで影響を及ぼさないようなりっぱな環境基準をつくって、また指導していくということはでるきでしょうか。この予算で十分ですか。
○佐藤(一)国務大臣 いま島本さんのおっしゃられましたように、まず環境基準の設定を急がなければなりません。そうしてその基準に従ってそれを実行させなければならぬわけです。基準の設定その他の事務は、これをいま非常に督励し、急いでおりますが、これは経費としては私はそれほどのものは要らないと思います。問題は、これをどういうふうに実行させるか、こういうことになろうかと思います。 御存じのように、これの実行につきましては、地方長官に委任しておる分が大部分でありますが、そういうような関係もございまして、経費そのものの問題としては、経費が不足だからできないという問題は、いままでは少なくともなかった。もちろんこれを実行するために、今後下水道の整備が必要であるとか、全般としての所要経費を考えればこれは膨大なものでございます。これらはもちろんわれわれとしても今後できるだけ整備の促進につとめてまいりたい、こういうふうに考えております。
○島本分科員 そのために今後いろいろ施策を講じて熱心に努力していく、これはわかりますが、最近国際連合からいろいろ注意が喚起され、アメリカでもニクソン大統領が環境汚染防止に関する教書を発表した。そうしてかつてないような決意を示しておるのです。それによると、七つの重大な提案をしておる。その中の一つに、「拡大された実施手続によって課せられる新たな責務を果たす上で、州公害防止執行機関を援助するために、それらの機関に対する連邦の運営補助金を、今後五カ年にわたって——現在の一千万ドルから一九七五会計年度には三千万ドルへ——三倍にふやすことを提案する。」こういうように七つの中の一つとしてはっきり言っておるわけです。そうすると百九億五千万ということですよ。しかし、日本はもう自由主義の国で二番目。一番目がアメリカで、二番目は日本だといっておるのに、日本はただ七千七百九十七万円でもって十分だという考えだ。向こうではもうすでに計画で百億円をこえるようなものでやっていくんだという。これでは少しまだやり方のどこかに完全でない点やゆるさがあるのではないか、こういうふうに私は思うわけです。 それで大臣にも時間を気にしながら質問しますけれども、近代国家としての観点から、環境基準は一本に定めらるべきが望ましい。現在の水質行政は、よごれてしまえば、これはもうある程度やむを得ないんだという考え方が現存しておるのであります。しかしいま大臣の答弁で、そうじゃないということがわかりました。そうでないということがわかった以上、公害対策基本法第九条を受けて、今度抜本的な水の環境基準を設定することが大事だということになってまいります。それは早期に基準を設定して、監視機構も十分にして、またこれらに対していままで甘かった罰則の点についても、完全に考えていかなければならない。こういうことを当然考えなければならないんじゃないかと思うのです。そのためには、環境基準の設定にあたって産業的、営利的な観点からだけ基準の設定をするなんということはもちろん排除して、公害対策基本法第九条の精神を十分生かすということが私は最も大事だと思うのです。この点だけはっきり確認させておいていただきたいと思いますが、いかがですか。
○佐藤(一)国務大臣 島本先生のおっしゃるとおりと思います。
○島本分科員 そうすると、今後環境基準の用途別水域の設定、こういうものではなく、一本でこれをやっていくのが望ましい、ことに生活環境保全のための設定がなければだめだ、こういうようなことになるわけであります。もちろんそうなれば水産の動植物も住める水になる、こういうようなことに相なろうかと思うわけでありますけれども、大臣、その場合には、特に微量重金属というようなものは絶対この水域に流すようなことがあってはだめです。前の委員の質問も、その点カドミウムに触れていろいろ質問があったようでありますけれども、これは産業廃棄物を河川、海域に投棄することを厳重に今後取り締まるための立法措置も講じておかなければならないというように思うわけなんですが、こういうような点に対しての決意を承っておきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いわゆる微量の金属の問題は、私たちも一番心配しておりますし、したがいまして、いやしくもそうしたものによる弊害のないように、今後極力その方面については特にきびしい考え方で進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○島本分科員 それと同時に、今度はそれに違反した場合の罰則ですが、いまで水の場合に水質関係二法案がございました。もう実施されてから十数年たっておりますが、まさにしり抜けである、こういわれながらも、その監督官庁はおたくさんだったわけであります。それは間違いない事実。 そうなりますと、なぜそうだったかという点を具体的な点でいろいろ解明してみますと、罰則がほとんどない、こういうような点が大きい一つの要因であったことを、これははっきり反省しなければならないと思います。今後、大臣として、こういうような点をいろいろと規制する場合には、この罰則というような点については、どういうような決意をお持ちでしょうか。それもひとつ片りんを示しておいていただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 御存じのように、水の問題につきましては、基準を経済企画庁でやります。そうして、今度具体的にそれの規制は、いわゆる工場排水法等の法律によってこれを施行しております。また、その実行にあたりましては、通産大臣並びに地方の知事にこれが委任されておるものがたくさんございます。そして、この法律においては、御存じのように、罰則として一年以下の懲役の規定もあるわけでございます。 公害問題がますます近ごろ国民一般にも認識をされてまいりました。そして、いわば普遍的な認識を得るようになってまいりました。でありますから、今後これらについては、いわゆる公害というようなはっきりしたことばもできている段階でございます、できるだけきびしくこれに臨んでいく、こういうつもりでおります。
○島本分科員 これは事務当局のほうからでいいですが、一年以下の懲役、これがあって、過去十年間にこの罰則を受けた件数は何件ございますか。
○矢野政府委員 工排法所管省に照会しませんと、正確なことがわかりませんが、私が聞いておる範囲では、いままでなかったと思います。
○島本分科員 大臣、こういうふうにして、ほとんど、あってもこれは実施されないような罰則だったのです。 今度の場合、特に私どもは、なぜアメリカが環境汚染防止に関する教書まで出して、どういうような重大な決意をしているのだろうか、これを調べてみましたが、ほんとうにこれは、自分はやるけれども、守らないものに対して自分は責任を持つぞ、こういうようなところまでもいってあるわけです。そのためには、罰則としては、今度裁判所の決定の処理を、まさに日にちを限ってまでも迅速に決定させるという。そして違反したものは、罰金としては一日一万ドルだ。次の日にいったならば、また一万ドルこれに加えるのだ。三日たったら三万ドルだ。こういうような行き方にする。もう一つは、緊急停止命令を権限として長官に実施させる。こういうようなところまで、三つ具体的にいっておるわけです。 そして、今後長官が出すと予想されている公共用水域のこういうようなのを見ますと、改善命令を書面においてのみの勧告にとどまるわけであります。形式的ではありませんか。おそらくこれは、世界第一の生産力を持つアメリカと、自由主義国のうち第二位の生産力を持つ日本とでは、まさにこの差は、こういうようなものに対する責任体制は雲泥の違いがあるということは、どうも私としては残念であります。先ほど私言ったように、このことば、世界で最も急速な経済の成長をした日本には、環境破壊のあらゆる実例がそろっており、初めて公害問題国際シンポジウムを開く場所として、まことにふさわしいことがわかったという、このまさに裏づけじゃないですか。 私は、今後の水の点は、まさに残された一つの問題、こう思ってもいいと思います。もうすでに空気もあるのです。騒音もあるのです。今度は水なんです。水の場合に、おっしゃるとおり、いろいろ複雑な要素があるのはわかるのです。なぜこれがこういうふうに長引く情勢にあったのか。こういうようなことになりますと、初めにできたときしり抜けであったところのこの法律、これが基礎になっておりますから、それ以上りっぱな法律があとからあとからできても、水の点だけは一歩も前進できぬわけであります。今度ようやく改正するように態度が変わってきたら、まさに抜本的にすべきだと思うのです。手直し程度ではだめです。いま言ったように、この罰則に対する心組み、心がまえ、これだって天地の開きがあるじゃないですか。私は、そういうようなところからして、これについても、大臣、はっきりした一つの決意を示しておいてもらいたいと思うのです。今後のためにお伺いしておきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 お説のように、どうもむずかしいといえばむずかしい点もあったと思いますが、水の問題はおくれがちであったと思います。アメリカにおいても、最近急速に関心が高まってきましたが、わが国においても、それに劣らず、いまや公害の問題、したがって水質の問題もこれから非常な大きな関心事になろうとしております。私たちも十分そこを考えまして、今後、運用その他においても、そうした点において手抜かりのないように、お説のとおりの方向でひとつ進めてまいりたい、こういうふうに考えています。
○島本分科員 そういうような考え方の上に立ちまして、今後やはりこういうような罰則の強化という点もはっきりここに取り入れなければなりませんし、水の犯罪については、いままではまさに野放しの感がございました。ですから、今後は、陸上の犯罪と同様に、水の点においても、この違反事項に対しての取り締まりは、まさに厳重にこれを強化して当たらなければならない、こういうように思うわけです。そのためにも、体制を整える必要も十分あろうかと思います。これが責任官庁である水の場合は企画庁、まず大臣の考え方を先ほどから伺っておりまして、だいぶ私どもの考え方と格差がないような点まできたこと、私は成功であると思うのです。 それで、ひとつどんなものですか、公害行政一元化というたてまえ、これはもう内田厚生大臣が、この一元化のために、この水の問題も当然一元化するようにすべきじゃないかということを閣議で発言したということを私ども伺っておりました。しかしながら、所管はその後厚生省に移らないで、依然として企画庁のほうでこれは従前のかまえで行なうということになったようでございます。この一元化行政について、大臣、内田厚生大臣が閣議でこれは発言したそうでありますが、それを受けてどのようなお考えでございました。
○佐藤(一)国務大臣 何でも機構のことですから、できるだけ、あんまり複雑でないほうがいいのですが、私もそういう意味で、内田厚生大臣の言われる点もわからぬではないのですけれども、どうも水の問題は、厚生省だけでも片づかぬことがあるようです。関係各省に非常に広範にまたがっておるようであります。そうしたいきさつから、経済企画庁の所管になったという経緯もありますので、これはやはり水の行政は一つの省だけが幾らふんばりましてもだめでして、結局各省の協力を緊密に得た上でやらなければ、円滑な行政はできない。そういうことで、過去の経緯等にもかんがみまして、私は、現状のままでもって機構そのものは別に差しつかえないと思っておりますが、いままでるる御指摘のありましたように、それにつけても、今後の推進のしかたについて私は特別に今後やはり深い関心を払ってまいらなければならない。そしてまた、いま処罰をはじめいろいろと御指摘もありましたけれども、何をいいましても、まず水準設定そのものが非常におくれているわけであります。これをまず早急に急ぎ、そうして今度それをいかにして実行するか、並行してこれを進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○島本分科員 もう少しゆっくりこの問題は話したほうが国民のためにいいと思うのですが、与えられた時間はあと四分です。ですから、ひとつスピードアップしてお願いしたいと思うのですが、そういうような点から、当然これは水俣病、イタイイタイ病、こういうようなところにあったように、今後やはり環境基準を設定されたあと、それが最終目標年度には、設定された水質基準が必ず達成されるよう、すべての汚濁源を厳重に規制する関係法令の改正強化をする。それと同時に、屎尿や下水処理場、こういうふうなものも早急に完備する、こういうふうな施策をあわせて講ずるのでなければ、真の水質の保全にはならないのでございます。そして当然いままでの経験によって水産動植物の体内に蓄積されるか、または濃縮されるような重金属、こういうふうなものはほとんど環境には全く存在しない、こういうふうなことにならなければならないはずであります。最終年度でありますから、せめて大臣としてもこれだけの決意を持って法の改正はもちろんのこと、総体的にいままでのしり抜けだった点を補って十分これに対処していかなければならないものである、こういうふうに私どもは考えておるわけです。大臣も当然その点は同感だろうと思いますけれども、あえてもう一回決意のほどを伺っておきたいのです。これはいずれ法案が出たときには大事な一つの心がまえになるわけですから。
○佐藤(一)国務大臣 いままさしく御指摘のとおりでございます。私どもも、魚に蓄積されたものがめぐりめぐって人間にも悪影響を及ぼすことのないように、そこまで十分配慮して現在基準の設定をはかろうとしております。
○島本分科員 そうなりますと、農薬取り締まりについては、現在のところ、それらが川に全部入り込むことによって相当の害悪をいままで及ぼしておったような例もないわけではございません。またそういうようなことについてもあれこれいわれておるわけであります。そうなりますと、今後人体並びに水産動植物に害毒を及ぼすような激毒性農薬、こういうふうなものに対しては十分対処していかなければならないと思います。もうすでに発表もありましたが、弗素系、フェノール系のいろいろな排出についての基準を強化する、こういうふうなことがきまっておるようであります。一歩進めてそういうふうなものに対して使用禁止するまでに、農薬取り締まりについて——これは農林大臣ですから閣議でやらぬとだめでしょうが、そういうふうな点まで一歩進んで、汚濁源をここにストップさせるという意味でいまこういうふうなところまで考える必要があろうと思います。この点大臣、十分お考えの上、閣議等にはかって善処されましょうかどうか。
○佐藤(一)国務大臣 ひとつ十分農林大臣にそうした点を注文をつけてみたいと思います。
○島本分科員 かねて問題になっておりましたけれども、北海道の網走川、これはどうも無酸素状態になっている、こういうふうなことをいわれておりますが、あれはでん粉その他の廃棄によるものであるということになります。これをはっきり調べたデータも皆さんの手元にあろうかと思いますが、ただ一つ、無酸素状態になっているということは重要な今後の一つの問題になる点でありますが、この点は杞憂ですか、そんなことはございませんでしょうか、聞いておきたいと思います。
○矢野政府委員 現在網走川につきましては、サケ、マスの遡上期においてBODが三PPM以下、またそれ以外の期間につきましても網走湖の特性に着目してきびしい規制をするよう、いま基準設定の作業を進めておりまして、二月に調査は終わっておりますので、近くこの基準の改定の準備をいたしたい、こう思っております。
○島本分科員 私の手元にある新聞を見て実はあ然としているわけなんです。これはなるべく誤報であってほしいと思います。いろいろこういうふうな廃棄物が流されて、あの水清い網走湖が無酸素状態になっているということになりますと、大事ですから十分考えて対処しておいてほしいと思いますほかに、これは基準を設定していままでよりなお環境が悪くなったという例が、大臣、意外に多いのです。基準を設定したらよくなるのがあたりまえなんです。基準を設定したらなお悪くなってくる、こういうような例がいままでほんとうに多いのであります。それは何か基準の設定そのものの方法か、またやり方に今後重大なる一つの反省しなければならない点があるのじゃないかと思います。一つ一つの排出するそのものばかり見ても、総体的の流量全体を考えない場合には、これは何にもならないのです。一つあった場合はいいが百になった場合は全然もうこれは話にならないような汚染状態になりますので、基準を設定してなお悪くなったということは過去の事例であって、今後一切ないものである、この決意を伺って私は終わりにしたいと思うのですが、大臣の最後の決意を聞かせてください。
○佐藤(一)国務大臣 各方面に都市化が進んだりいたしまして、われわれが当初考えていた以上に御指摘のような点が起こっておると思います。そういうことから今回公害基本法によりまして新しく流水全体についての目標値を設定しよう、従来の個々の排出規制を中心とするところの水質保全体系だけでは不十分であるということで、われわれも公害基本法に基づくところの基準設定を急いでおるようなわけでございます。 なおまた、従来の水質保全によります分もそれらとあわせ考えまして、できるだけ手直しの調査をいまいたそうといたしております。今後そういうことのないようにぜひやってまいりたいと思っております。
○島本分科員 では、これで終わりますが、いずれ法案が出された際には、いま大臣の御答弁のありました一言一句余さずそれを中に盛り込むように努力することをお誓い申し上げまして、私の質問をこれで終わらしていただきます。
○大坪主査 和田春生君。
○和田(春)分科員 本日は、この分科会で民社党を代表いたしまして、物価問題に焦点をしぼって政府の所信をお伺いいたしたいと思います。 今国会が始まりました際に、佐藤総理の施政方針演説、福田大蔵、佐藤経企両大臣の財政経済演説がございまして、いずれの演説を通しましても物価問題を非常に重視をして、物価を上げないようにあらゆる努力をするという決意が、抽象的なことばではございますが、本会議の席上で約束をされておりました。その中で特に佐藤長官は、物価問題に多くのことばをさきまして、終わりのほうで「いまや、インフレとの戦いに安易な態度は許されないのであり、この戦いに勝つことなくして、今後のわが国の発展はあり得ないと考える」ということをおっしゃっておられます。ところがその後の国会内におきます質疑応答を通じ、さらにまた国会外の動きを通しまして、政府の決意というものについて疑わしい徴候がいろいろあらわれております。中でも、最近、本人に直接聞いたわけではございません、新聞を通じて見たわけでございますが、いわば通貨の価値の守り神さまをもって任じております日銀の佐々木総裁が、十一日に内外情勢調査会で講演をいたしております。その中で、「各国ともインフレとの戦いに取り組んでいるが、完全雇用のもとで物価安定をはかることはきわめてむずかしい、所得政策も成功していないし、いままでの経済理論では物価安定を達成することはむずかしくなってきた、」要旨このような発言をしておるように伝えられておりますが、この点について長官は御存じでございますか。
○佐藤(一)国務大臣 私もその記事を拝見いたしました。ただ私も日銀総裁とはお会いをしていままでもいろいろとお話をした機会も十分あります。そういうようなことで、その記事の後にお会いしているわけじゃありませんけれども、しかし総裁のいままでの政策運営の方針というものについても十分承知しておるつもりでございます。そういう意味において、どういういきさつでああいう記事が出たか知りませんけれども、あの記事は、少なくとも日ごろの総裁の心事から想定しまして、ちょっと行き過ぎた表現のように私は私なりに受け取っております。目下のところ物価政策を最重点事項としておる点も、それからまた、それについては関係各方面で協力一致してこれを遂行していかなければならないという政府の態勢なり決意も変わっておらない、こういうふうに信じております。
○和田(春)分科員 しかし、日銀総裁の地位というのは非常に重要でございまして、世間もその一挙手一投足にはたいへん注目をいたしております。その中で佐藤長官が、多少行き過ぎた発言であると思うが政府の意思は変わっておらない、こういうふうにおっしゃっておるわけです。 ところで、大蔵大臣の予算の審議に対する財政方針演説の中で、福田大蔵大臣はこういうことを言っておるわけであります。「成長する経済におきまして、成長政策を進めながら物価の安定を確保することは、きわめて困難な課題であります。しかし、総需要を適正な水準に保つとともに、競争条件を整備し、輸入政策の活用をはかり、経済の効率化を進め、全力を尽くしてその実現に努力いたしたいと存じます。」こういうふうに言っているわけですが、これは、前段では成長経済のもとでは物価上昇を押えるということはきわめて困難な課題だ、こういうふうに説明をしているわけです。どうも日銀総裁の発言を見ますと、あとのほうはどこかへ飛ばしてしまって、前段を受けてさらに重ねて裏づけをして物価上昇に取り組むと言っておるけれども、簡単に言いますとできない相談である、そういうような印象を国民の中に与えていく一種の世論操作のような気配さえうかがわれるわけですが、その点について長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 日銀総裁がそういうお考えをもって発言されたとは私は思っておりません。
○和田(春)分科員 それでは具体的に少しお伺いしてみたいと思いますけれども、経済学者の議論もいろいろ行なわれておりますが、成長経済の中ではある程度物価上昇をしていくことはやむを得ないのだ、こういう考え方もあることは事実であります。一方物価上昇というものが国民生活を現状において脅かすだけではなく、将来の生活設計に対しましても物価の上昇というのは非常に重大な問題でありますから、物価が上がることは社会悪である、そういう前提に立って物価を押えるためにあらゆる努力を集中をする、そういう政策的姿勢、こういう立場もあるわけです。 この点に関しまして、政府側の演説あるいは説明、これは日銀総裁も含めまして全般的に通じて見ますと、物価上昇が社会悪だからこれはあくまでもとめるということにウエートがなくて、上がるのはやむを得ない、できるだけ上がらないようにやってみるけれども、上がっていくことはしかたがない、そういう姿勢があるように思うわけです。政府としてほんとうにどういう姿勢で取り組もうとしておるのか、ひとつ明確にお答えを願いたいと思うわけです。
○佐藤(一)国務大臣 学者の中でいろいろと意見が分かれていることは御指摘のとおりと思います。ただし、政府は一貫してこの現状における物価の状態というものはぜひ是正すべきである、これもまたはっきりしていると思います。ただ御指摘のような社会悪——あるいは悪ということばを使っていないかもしれません。しかし、いずれにしても現下のこれからの日本の経済を安定した成長の路線の上に持っていくためには、どうしても必要なのは物価の抑制である、これだけは一致していると思います。
○和田(春)分科員 それでは長官のそういう御説明をそのまま受け取るといたしまして、あらゆる努力をしてやるという場合に、抽象的ではなく具体的に物価を押えるための努力というものがなければいけないと思います。こういう点について、今日のような状況において非常に必要なことは、いろいろな経済的な条件も変化をしていくわけでございますけれども、そういう変化に対応する具体的な努力といいますと、一つは、やらなくてもよいことやあるいはやってはまずくなりそうなことはどんどんやめていく、そういう具体的な政府の政策ないしは一般の民間の企業活動に対する誘導的な政府の姿勢というものが必要だと思うのです。もう一つは、物価を安定させるために必要な仕事あるいは政府の施策というものを積極的に進める、この二つが大事だというふうに考えているわけですが、まず政府として物価を安定させるためにまずいと思われる点について、こういうことは今後改めよう、やめていこうと具体的に考えておられる政策の中身、それから今後必要な仕事と考えて積極的に進めていこう、こういうようなことの中身につきまして、今年度の予算と経済運営の方針との関係において非常に重点を置いて緊急と思われていることを二、三お聞かせを願いたいと思います。その上でまたあらためて御質問します。
○佐藤(一)国務大臣 やらなくていいものということにつきましては、実は現在物価安定会議におきまして、行政介入が、物価の下がるべきものも下がらないというような効果を相当もたらしているのではないかというので、広範にわたって各種の行政介入について現在検討してもらっております。近々中にその提言が出ると思うのですが、そうしたことを十分に見まして、そしてわれわれとしてもできるだけ実施をしてまいりたい、こういうふうに考えています。積極的な問題ということになりますと、御承知のように、われわれとしても今後さらに構造改善を進めなければならぬ。特に流通問題については、私たちとしてもこれを取り上げてまいらなければいけない。非常に広範囲ですから、これについてもいろいろと問題を全部片づけるというわけにいかぬ。逐次やらなければいけませんが、私たちは、いま農林関係においては市場関係の整備を中心に流通関係の問題を取り上げたい。あるいはまた通産関係においてはさらに広く、和田さんも御承知の各種の予算関係を相当増額いたしまして、そしていわゆる中間の流通過程というものを合理化してまいりたい。そのために開銀その他にも相当の金をつけてこれを促進してまいる。流通関係は一番今日問題が多いように私思っています。あるいはまた、いわゆる輸入の自由化もしくは輸入をできるだけ積極的にやる、こういう点につきまして自由化の繰り上げをさらにはかってまいりたい。そしてまた、自由化までいかなくても、具体的にひとつ輸入政策を必要に応じて活用してまいる、こういう方針のもとに運営をしていく必要がある、こういうようなことをいろいろと考えております。これらも、私は実は比較的近いうちにもう少し具体的にその中身について一括して整理してみて、そしてこれを逐次実行するような段取りをとりたいと思って心組んではおりますが、いずれにしても早急にいま申し上げたような問題点を中心にして物価対策を進めたいと思っております。
○和田(春)分科員 まだそういう点について具体的なことをこれからできるだけ早く検討して整理をして進めたいというお話でございます。その点いろいろ追及いたしておりましても、たいへん短い時間でございますからなかなからちがあかぬと思うのですけれども、佐藤長官が本会議で演説された内容から見ましても、またいまのお答えから見ましても、流通関係の構造改善をやるということ、それから特に食料品あるいは農産物等の輸入の自由化というものを進めて、国際価格に比べて非常に日本の国内のものが高い、そういう点について値下げの効果をねらおうというようなこと、そういうことをいろいろお考えになっておられるようでございます。 しかし、ここで非常に問題なのは、日本の非常に特殊な従来からの経緯があるものですから、流通面で構造改善をするといいましても、 〔大村主査代理退席、主査着席〕 その間に非常にたくさんのマージンに多くの業者がぶら下がって生活をしているわけであります。いいとか悪いとか言ってもそれは事実だと思うのです。またそういうのはおおむね中小企業が非常に多いというようなケースもあるわけでありまして、ややもすれば従来この種の流通関係の改善をはかろうとすると、そういう抵抗にあいまして、計画はいいんだけれども腰砕けになってしまう。最後まで終わりを全うしないという事例をしばしば見ているわけであります。これは片方にしてみれば、たとえどう言われようとも生活がかかっているわけでありますから必死でやるわけであります。また、輸入の自由化にいたしましても、国内物価を引き下げるためにそういうふうにいたしますと、現在の日本の農業関係に非常に大きなしわ寄せが来るという形で、農業関係者からはそういうことに対して猛烈な抵抗や反対というものが行なわれてきている。あるいは中小企業の生産性を向上して、低生産性部門を引き上げて物価を上げないようにしようといたしますと、当然現在の日本の中小企業には、ことばは悪いかもわかりませんが、切り捨てというような事態も起きてこざるを得ないことになるわけであります。非能率、非生産性のところにおいてはそのまま何もかも保護をしていくというわけにはいかない、こういう問題が出てくると思うのです。そういたしますと、流通関係を改善をする、輸入の自由化を考えよう、あるいは中小企業の生産性を高めよう、ことばはいいわけですが、その政策を具体的に進めるためには、いま言ったような問題に対してどういう手を打つかという裏づけがなければ、これは口頭禅に終わる、机上のプランに終わるというのがこれまでの経験だったと思うのです。そこで、いま指摘いたしました面について、政府としては具体的にどういう対策を準備しておられるのか、これは予算書を見ましても、いままでの政府の説明等を見ましても、はっきりしない点があるわけであります。その点をお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 和田さんが御指摘になりましたように、ものにもよると思いますが、非常にむずかしい問題を含んでおると思います。また、農業投資一つをとってみましても、最近ずいぶん、たとえば果樹その他に農業投資の金額をふやしております。これはもちろん一律ではございませんが、ものによってはかなりそうした自由化を一面において進める趨勢というものを頭に考えながら、一面において一刻も早く私たちがそうした面における合理化を進めてまいる、そうして、いわゆる低生産性部門と称せられている部門の効率化をはかってまいる、そのためには財政あるいは財政投融資によってできるだけその前に合理化をはからなければいかぬ、こういう気持ちで本年度あたりもずいぶん金額をふやしている部面もございます。ですから、そうしたことでわれわれとしても配慮を十分しながらやらなければならないものが多いと思います。でありますから、流通の合理化一つとりましても、いま御指摘のように、それを合理化する際に、それでは始末はどうするのだ、こういう問題等も十分あると思います。しかし、一面において新しいルートを開発するとか、いま、たとえば物価安定会議にもわれわれ生鮮食料品の問題を検討してもらっておりますけれども、もっと直接的な流通ルートをどういうふうにして設けるかとか、そうした取り上げ方もあろうと思うのです。そういう点をもう少し具体的に進めてまいる。われわれとしては、いたずらに一部の人の犠牲をしいてその上にだけ事を処理しよう、こういうつもりはございませんから、十分そうした点を配慮しながら進めなければいかぬ、こういうふうに考えております。
○和田(春)分科員 一、二の例示をしてでも具体的なことをわかりやすいように御説明を願うとたいへんよろしいのですが、依然として抽象的でございます。 かつて、しばらく前にある評論家が、日本の社会主義政党は、具体的な政策を立てるよりも、具体的な政策を立てて積極的に取り組む、そういうことばをもって具体的政策を立てたような気持ちになっている、こういう政党は伸びないという皮肉な評論をした人がおりますけれども、どうもこのことばは現在の佐藤内閣の物価政策に対して呈上したほうがよろしいのではないかという感じがするわけであります。総理の説明、またただいまの佐藤長官のお話を聞きましても、具体的にいろいろ講じていきたいというけれども、その具体的な中身がどうか、こういうようなことについてどうもさっぱりはっきりしないわけであります。必ずしも経済企画庁長官の御所管ではないかもわかりませんが、やはり七〇年代の経済の運営について責任を持っておられるわけです。 そこで具体的にお伺いしたいと思うのですけれども、この東京には御承知のように全人口の一〇%が住んでいるわけであります。特に最近どんどん都市化現象が進んでおるわけであります。流通機構においては従来のあり方では間尺に合わないような状況がどんどん出てきておる。非常に問題になっているわけでございますが、そういうようなものに対して、たとえばこの四十五年中に、これが一つの目玉商品だ、こういうことをやれば経済効果があるということについて、具体的にどういうことを政府はお考えになっておるか、御説明を願いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 目玉商品というようなことになるとあれでありますけれども、御存じのように目下総需要の抑制ということで、全体の基調というものをそこに持っていきながら個別対策をやっていこう、こういうことでございます。 それで抽象的というお話もありましたけれども、個別対策については、いま申し上げましたように、たとえば現在提案中の卸売り市場などの問題にしましても、その他具体的にいわゆる流通機構の問題を取り上げておるわけでありますから、特別のものはございませんけれども、手広くひとつ個別対策をやってまいりたい、こういう考えでおります。
○和田(春)分科員 依然として抽象的でございまして、たいへん長官の意欲はわかるのですけれども、どうもわれわれからいいますと心もとない感じがするわけでございます。時間もございませんので、いま長官のお話の中に総需要ということばが出てきたわけでございますが、現在の物価上昇は、やはり総需要がどんどんふえていっている、これが物価上昇の原因であるから、総需要を抑制、調整することによって全体の政策として物価安定のある程度の目的を達せられる、こういうふうにお考えになっているのかどうか。この点につきましては、現在の物価上昇は必ずしも総需要の伸びとはそれほど直接的な因果関係はないという意見もあることはお聞きになっていると思うわけです。それよりも、むしろ総需要は裏返せば総支出でありますから、そういう点を抑制をすれば、構造改善その他における必要な投資とか仕事の面においてもしわ寄せが来て、物価上昇を押えるという面について効果がかえってないのではないかという意見も行なわれているわけでありますが、その点について、ただいま適正な総需要を保つ、これは演説の中にもございましたけれども、その点についてどういうふうにお考えになっていますか。
○佐藤(一)国務大臣 御指摘のように、総需要対策と物価対策というものの関係ですね、物価対策における総需要の抑制の意味というものはなかなかむずかしいものがあります。しかし、いずれにしても高い成長をこういうふうに続けて加速化してきた過熱状態、こういうものを冷やしていくことは、今後物価対策をやる上の大前提であると思います。個別対策だけを幾らやりましても、全体のバックというものがそれを支援する態勢になければいけない、そういう感じが強いのでございます。また最近は、御存じのように卸売り物価が上がってまいる。この卸売り物価と共通しているところの消費者物価が上がっております。これらにつきましては、やはり総需要対策、引き締めというものが卸売り物価対策としては相当重要である、そしてまた、それに関連する消費者物価対策にもなってまいる、こういうような意味で、私たちはこの際まず総需要というものを抑制をし、そしてその上に立って個別対策をやっていって初めてこれが生きてまいる、こういう考え方を持っております。
○和田(春)分科員 この総需要につきまして私たちが考えているところでは、四十五年度の予算案、日本の経済成長の伸び、そういうものを見ていきまして、政府は警戒中立型であるというような説明を何度かされておりますけれども、むしろそうではなくて、物価上昇を刺激する要因を幾つも含んでいるのではないかという危惧の念を持っているわけでございます。そこへ加えて、長官は、行き過ぎた発言であるように思うとおっしゃいましたけれども、通貨価値の守り本尊である日銀総裁が、こういう状況では物価抑制はむずかしいんだ、こういうふうな意見を言われている。また、最近金融引き締めその他におきまして、産業界においては、もっと緩和政策をとってほしいと、突き上げも行なわれておるというようなことも伝えられているわけであります。こういうことを総合して考えますと、国会が済んだあとぐらいからそろそろ、むしろ総需要をふくらますような方向に政府の政策が転換をしていく危険がたいへんあるように思うのですが、断じてそんなことはないとお約束できますか。
○佐藤(一)国務大臣 九月に金融引き締めを行ないました目的を達成できればもちろん別ですけれども、そういうあかしのない以上、解除をするというようなことは考えられません。日銀総裁の言も言い過ぎだと申し上げたのじゃなくて、ああいう言い過ぎた表現はされてなかったのじゃないかと私は思うのですけれども、多少誤解もあるのじゃないかと思いますが、そういうふうに感じております。
○和田(春)分科員 それでは、ここのところで佐藤長官の言明を、同じお名前ですから佐藤総理のものとあわせて決意を表明されたと思いまして、信用申し上げておきますけれども、もし違った結果が出ますと、次の国会等ではまた今日の質問の続きをやらしていただくことにいたしたいと思います。 時間もございませんので、物価の点につきまして政府の見通しを最後にただしたいと思います。御承知のように、一月の対前年比の物価は七・八%消費物価で上昇をいたしております。したがって、政府が当初五%と見て、その後修正して五・七%、それもさらに上回りまして、四十四年度は六%をこえることはほぼ確実であるというふうにいわれているわけでございます。これは生鮮食料品等の季節商品の値上がりもあるかもわかりませんが、ここまで上がってまいりますと、この四十五年度の経済見通しにおいて政府の立てられた成長率、物価の上昇率というものも当然修正をせざるを得ない要素がはっきり具体的に出てきておると思うのですけれども、それを修正されるおつもりですか、そういうおつもりはありませんか、お伺いいたしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 修正するつもりはございません。どうもまことに私も残念に思っております。五%が五・七%になり、それがさらに六%をこえようとする情勢を見まして私も残念でございます。が、まあこれは私があまり説明すると言いわけがましくなりますので申し上げないのですが、率直に言えば、五%を五・七%にしあるいはそれが六%をこえようとしておるのがほとんど季節商品でございます。それらを除いてみますと目下大体五%くらいのところにいっております。四十五年もさらにわれわれの努力を重ねまして、これを四・八%くらいに持っていきたい、ぜひそうしたい、こういうふうに思っております。
○和田(春)分科員 この点につきまして、たとえ季節商品の影響によりましてもこれだけ上がってしまいますと、政府の見通しの四十五年度の物価上昇平均値に対しまして三十四年度はしり上がりになってきたわけですから、アローアンスというものはもうほとんどないわけなんです。結局いまから全く横ばいに過ぎたところで、やはりもう四十五年度中は四十四年度に対してある程度のパーセンテージ上がってしまうわけですから、よほどきびしい形で進まなければならない。ところが現在、これらの消費物価は、一ぺん上がりますと実際上は下がらない。それから値段が上げてなければ、特に必需物資については品物の形が小さくもなっておる。そういう傾向があるわけでありまして、よくわれわれのまわりでは、何もかも値段は同じだけれどもものが小さくなった、食いものが。大きくなったのはちくわの穴だけだという話があるわけですけれども、実際そういう形でどんどん生活を圧迫しているわけです。いま長官は修正する気持はないとおっしゃいましたけれども、それならば、もう時間もございませんので重ねてお伺いいたしますが、政府の施策が積極的に進められ、努力することによって見通しの物価上昇の範囲内に押えられるとお考えになっておられるか、あるいはそれはむずかしい、しかしいまこれを修正することは影響が大きいのでほおかぶりしていくけれども、見通しよりもより多く物価が上がるとお見通しになっているか、その辺をお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 終始非常に明晰な分析でございます。私は四・八%の中におさまる、こういうふうに思っております。
○和田(春)分科員 時間がまいりましたのでこれ以上続けられませんが、長官のそのことばを信用するわけにはいきませんけれども、そのつもりで御努力されることを期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大坪主査 岡本富夫君。
○岡本分科員 私は、きょうはわずかな時間ですから経済企画庁長官に、いま一番大事な公害問題につきまして、水質保全の法案が出ておりますから、そこであとこまかく審議したいと思いますけれども——いままで水質保全の問題について経済企画庁でこれをおやりになっておる。考えますと、経済企画庁でこの問題をおやりになるというのは非常におかしいのじゃないか。大体物価の問題あるいはまた国民生活、そういった問題をやるところであって、大体建設省とかそういうところでやるのが普通じゃないかと私絶えず思っておるわけであります。その水質保全の行政について、いままで水質基準をきめる場合に何と何と何をきめていらっしゃったか。これをひとつお聞きしたいのです。——たとえば基準をきめられますね、その基準は何と何と何をきめられたか。もう一つは、どういうわけで経企庁に水質の行政が行ったのか。この二点についてお聞きしたいのです。
○佐藤(一)国務大臣 足りないところは政府委員に補足してもらいますが、私も経済企画庁に水質の保全行政があるということについては、どなたもお持ちのように一応しろうと的な疑問を持ったのであります。まあ沿革的なものは確かにあると思いますが、御存じのように、これはむしろ岡本さんのほうがお詳しいのですが、水の行政関係方面が非常に多いものですから、なかなか単純でないようでございます。建設省に持っていけば、それはそれなりに問題がある、厚生省だけというわけにもまいらない、こういうようなことで、総合調整をつとめとする経済企画庁に持ってきた、今度はそのかわりに何かそぐわないような感じも出るということだと思いますが、水質基準の行政を担当してから相当の年になります。その間必ずしも実績十分とは私は思っておりませんが、このところ公害基本法による水質基準の設定その他鋭意努力を重ねておるつもりでございます。 なお実行は、御存じのように、工場排水法その他によっておりますからして、これらは他の実行官庁と連絡を密にいたしまして、そしてやってまいりたい、こういうふうに思っております。 なお水質基準の設定の具体的なことは政府委員から直接説明させます。
○矢野政府委員 水質基準の設定につきましては、まず指定水域を設定いたしまして、現在約七十ほどの水域が指定されております。それぞれの水域につきまして業種、項目、それから排水の基準の場合に、どういう項目についてどういう基準以上の排水をしてはいけないという基準値、及びいま申しました業種につきまして、水域によりましていろいろ違いますが、二十近くの項目がございます。ちょっと例を申しますと、ごく一般的なのはBOD、CODあるいはSS、あるいはPH、そのほか、たとえば特殊の金属ですと、メチル水銀、銅、鉛、亜鉛、フェノール、いろいろございます。大体そういう項目につきましてそれぞれ指定水域ごとにやっております。
○岡本分科員 そこで、私きょうは一々事例を申し上げ、提案をし、御意見を伺いたい、こういうわけでありますけれども、先般、岩手県の宮古におきまして、閉伊川河口にありますところのラサ工業、そこから相当なカドミウムの検出を見た、こういうわけで、岩手県の岩手大学教育学部の後藤達夫教授から発表されたわけでありますが、それを私、新聞、テレビで見ましてさっそく行きました。ラサ工業の排水処置の姿を見ましたならば、いままで私ずいぶんあちこち回ったのでありますが、廃液処理状況というものがまことになっていない。こういうわけで、さっそく帰りまして通産省あるいはまた厚生省にも申し入れたわけでありけれども、この結果はあとで通産と厚生省にお聞きしますけれども、聞くところによりますと、ここには十年前からこうした鉱毒物の排水が流れておる。そういうことに対して経企庁のほうでは水域の指定もしていない。あるいはまた基準も設定していない。こういうような姿を見たわけでありますが、かつて神通川のイタイイタイ病あるいはまた新潟県の阿賀野川の問題、こうした大きな公害の問題が起こったところに行ってまいりますと、ほとんど経済企画庁のほうから水質基準もきめていない、こういうような姿を見てまいりました。したがいまして、先ほど聞きましたのは、あなたのほうではどういうものを水質基準をきめておるのか、あるいはまたいままでどういうような行政をやっていらっしゃるのか、これをお聞きしたいわけでありますが、これについてひとつ、局長さんからでもよろしい。
○矢野政府委員 現在御指摘の場所につきましては、後藤教授が四十三年の四月三十日及び七月四日に調べましたときに、カドミウムの排水が相当高い数字になっておりますが、その後仙台におきます鉱山保安監督部からラサ工業に対しまして、宮古工場の排水処理施設に改善の指示が行なわれております。これは四十四年一月でありますが、その後会社側の改善努力によりまして、現在では監督部の監督基準、カドミウム〇・〇三PPMでありますが、その後ずっとフォローしておるところによりますと、それをかなり下回っておりますので、たとえば四十五年に入りましてからは、一月二十二日〇・〇六七が一番高くて、そのあとは大体〇・〇二程度のところで推移しております。なお、この地区につきましては、経済企画庁で基本計画を立てましたときには、県のほうから要望がございませんので、基本計画には入っておりません。しかし現在カドミウムにつきましては、もしこれがいささかでも人体に影響が出ますと、非常に問題でありますので、問題の地点につきまして、四十五年度調査することにしております。 なお宮古につきましては、カドミウムを含めまして、四十五年度調査する方針にしておりまして、必要があれば水質基準の設定をいたしたい、こう考えております。
○岡本分科員 そこで長官、いま御答弁のほうは、うまいぐあいになさったわけです。これはおそらく鉱山保安局からお聞きになったと思うのですけれども、私実際に行ってみまして、去年の十月までは処理施設はなかった、十一月にただPHを下げて、中和させるものを持ってきて、それもほんとうにお粗末なものです。これでやっているというような状態でございました。この会社はやはり十年前から再開されて活動しているのですけれども、その間ほとんど野放しであった。これは通産省に対しても私強力に申し入れたわけでありますけれども、一地方の大学の教授が学生と一緒にはかりまして、そして発表された、そしてあわててそれから対策を立てる、これでは非常に不安に感ずるわけです。御承知のように、亜鉛工場、あるいはまた亜鉛とか銅とかとっているとカドミウムが出るということはわかっているんですから、よくひとつ通産省等とも連絡をとり、そしてどんどん施設基準の決定もして、そして経企庁のほうで取り締まっていかなければならないのではないか、報告もさしていく。何か事件が起こってから手を打つというように私は感ずるのです。その姿勢をひとつ改めていただかなければならない、こう思うのですが、いかがでございましょうか。
○佐藤(一)国務大臣 御趣旨のとおりだと思います。これが企画庁で水準を設定いたしまして、これを具体的に取り締まるのは工場排水法等によっておるということなんで、われわれとしてもそうした関係の穴ができるだけあかないように、ひとつ通産省とも今後はよくこの公害問題を密接に連絡してやっていかなければならないというふうに感じております。いま話がありましたが、県のほうで要望がなかったというのですが、最近はだいぶ岡本さん御存じのように、公害問題の認識が高まってきました。地元の公選知事の立場もありまして、公害問題について非常に意識が高くなってきたことは私も喜ばしいと思いますが、私たち率直に言いますと、むしろ地元の公選知事にもう少しこの行政を委任したほうがいいんじゃないかと思うことがずいぶんあります。中央でやかましく言って、きつい立場の知事の声をうっかりチェックなんかしないで、もっと思い切ってやらしたほうがいいんじゃないかという感じを実は私自身は持っているのですが、現在の体系のもとにおきましては、経企庁としましても、ひとつ水質基準の設定ということだけでなくて、その決定をする以上は、それが実行されますように、これは十分通産なり各関係方面とも協議体制を整えて、そしてできるだけ督励をしたいというふうに考えております。
○岡本分科員 そこで、局長さんの答弁の中に、現地の県のほうでそういう要求がなかった、こういうお話であります。大阪とか、東京とか、神奈川県だとか、あるいはまた兵庫県だとか、愛知県もそうでありますが、こういう公害の強いところでは相当な意見も出てまいりましょう。しかし、岩手県のようなところにおきましては、私、向こうの県の公害対策室ですかの姿を見てまいりますと、ただ二人おるだけなんです。二人ともこの間まで何か事務屋をやっていた、そういう人がお二人いらっしゃる。ですから、公害のことなどはわからない。そういう人の御意見をもとにしてきめていらっしゃるところにおいては、私は特にこうした郡部と申しますか、あまりいままでやかましく言われなかったところ、ラサ工業だとか、あるいはあちこちに鉱山がありますけれども、そうしたところのほうがむしろ大事じゃないか。阿賀野川の問題もそうですし、新潟県の昭和電工の問題もそうですし、富山県の神通川の問題もそうです。ですから、長官、もう少し強力に、なるべく水質基準をきめないというような消極的でなくして、要すれば、そこにある工場などをよく検討していただきまして、基準設定に当たっては重金属の毒性を規制するということをやっていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○佐藤(一)国務大臣 その点は全く御趣旨のとおりだと思います。ひとつさらに督励をしたいと思います。
○岡本分科員 いままで水質保全法が経企庁の手に移ってから、現在七十河川しかできてないわけですね。あと何河川ぐらいあるわけでしょう。
○矢野政府委員 水質保全法ができましてから、まず基本計画を設定したものが百六十八水系あります。そのうち調査が終わりましたのが百四十五水系でありまして、現在までに水質基準の設定されましたのは、いまお話しのように七十水系であります。なお、本年四十五年度におきましては、すでに調査しましたもののうちから二十余りの水域を指定水域にする予定であります。もちろん今後の調査の進捗状況、あるいは特にまたいろいろ問題が起こってくるおそれのあるものは逐次追加してまいりますが、現在の予定では二十余りさらに指定する予定であります。なお、先ほど調査が終わったと申しました百四十五の中には重複もございますので、いま百四十五のうち七十というのは必ずしも半分というわけではございません。しかしいずれにいたしましても、当初の間かなり遅れておりまして、ここ一、二年の間にピッチが上がってきておりますが、本年さらに七十余り指定する手はずになっております。
○岡本分科員 私ちょっと資料を持ってこなかったのですけれども、長官、全国に相当な河川があると思うのです。したがいまして、行き当たりばったりといいますか、予定の範囲内ということもあるかわかりませんけれども、五年あるいは十年計画の——まず五年計画のような計画をつくりまして、そうして端からどんどん指定をしていく、あるいはまたそうした計画を持ってやらなければ、何か事件が起こってから初めて調査をして指定をしていくということでは、少しおそいように思われるわけです。その点もひとつ計画に織り込んでいただけましょうか、どうでございましょうか。
○佐藤(一)国務大臣 全くお話のとおりだと思います。どんどん事態も変わってまいっておるのでありますからして、今後ひとつできるだけ予防的な意味を含めてこの面の促進をはかっていかなければならぬ、こういうふうに考えています。
○岡本分科員 岩手県の宮古市の閉伊川のカドミウム問題につきまして質問をしているわけですけれども、厚生省のほうにも私のほうから申し入れをしております。そのうちの一つとして大きな問題は、いままでのカドミウムの水を体内に摂取した人は、大体十五年から二十年で経産婦の人たちに起こっている、こういう事実が経験上ございますけれども、幸いラサ工業、ここの会社は創業してまだ十年です。いまのうちにその摂取をとめれば、イタイイタイ病のような大きな被害にならないで済む、こういうわけで、厚生省にお願いしたのは、ひとつ健康調査をお願いしたい、こういうことでお願いしたのでありますが、その後の何といいますか、経過あるいは処置についてお伺いしたい。
○橋本説明員 いま御質問のございました件につきましては、厚生省から担当官を現地に派遣いたしまして、現地の事情をつぶさに聴取いたしました。幸いそこの地区は水道が入っておりまして、水から入る可能性はまず考えられない。ただ家庭用水道に主として可能性があるように聞いております。この点については、県のほうと市のほうを指導して調査をさせるということを私ども考えております。その点につきまして、現在県のほうで私どもの指導した要綱に従って調査計画をまとめつつありまして、県と市とを指導いたしまして、厚生省として環境汚染の調査と、もしも必要であるならば尿から出るカドミウムの量等につきましても相当な研究が進んでおりますので、そういうものも必要があれば調査をするということで対応いたしたい、そういうふうに思っております。
○岡本分科員 この地域に古い井戸があっちこっちにあるわけです。水道だけで生活しておる人、あるいはその井戸の水を飲んでおる人、こういう人がだいぶあるわけでありますが、必要があれば調査というよりも、私はいまの間に人体被害調査をしてあげて、そして軽いイタイイタイ病であれば、いまならなおる。これはどんどん進んでからではおそい。こういうわけで強力に申し入れておいたわけでありますが、厚生省としてただ県に言ってある、あるいは市にさしておるではなくして、何人か調査班を送るとか、あるいはまたその監督をあなたのほうでするとか、それに対する予算措置はどうか、これをひとつお聞きしたいのですが、いかがですか。
○橋本説明員 いま御指摘のありました点につきましては、カドミウム汚染に対しましてこのような施設で調査をするようにと言いますことにつきまして、非常に多分野の専門学者が寄りまして固めたものでございます。その要領によって調査をするという技術的な指導は考えております。 それから予算につきましては、公害調査研究委託費というのがございます。その中で環境汚染と、いまおっしゃいましたカドミウム汚染というような問題につきまして、だれがそのメンバーとなるかということにつきましては、厚生省のほうでも従来の調査班と同じ人も中に加わるようにということでこれに対応していきたいというふうに思っております。 なお御指摘の健康診断の件でございますが、これは従来行なっております成人病検診に若干の手を入れれば、それに対する対応ができるということでございますので、カドミウムの影響の健康診断というような形ではすぐさまやるという考え方は私どもは持っておりませんが、先生のお話もございますので、十分成人病検診の際にそのような考慮も中に入れて対応するということで臨みたいと思っております。
○岡本分科員 通産省にちょっとお伺いしますが、宮古湾の閉伊川のカドミウムの問題につきまして、私ども参りまして現地を調査して、ラサ工業の排水処理あるいは排煙処理、こういうものが非常にまずいということでございます。それに対してとった処置、あるいはどうするかということをひとつこの際明らかにしていただきたいのです。
○橋本(徳)政府委員 ラサ工業の排水並びに排煙問題につきましては、昨年の当初以来いろいろ監督部で対策をとり、あるいはいろいろな監督指導をやってまいっておりました。一時監督部のほうでいろいろ調査いたしましたところ、昨年の夏ごろまでおおむね基準に近い程度の数値ということになっておりましたところ、秋になりまして、ミドリガキの問題、並びに県自体で調査をした段階におきましてそれが不十分であるということが発覚いたしましたので、その後非常に厳重な措置をいたしまして、特に昨年の十二月末におきましては工場長を呼び、始末書をとり、基本的な改善計画というものを提出させまして、最終的な工事の完成は本年の四月、五月ということになるかと思いますが、それまでに約四億程度の金を投入いたしまして、あらゆる排水並びに防煙施設につきましての予防対策の完ぺきを期するということで、目下その指導並びに監督をやっております。大部分の施設はこの一月末に完了いたしまして、最近の調査結果によりますれば、おおむね基準値を満足するような状態になっておるようでございます。
○岡本分科員 時間がありませんから……。調査の結果こうした改善計画を立てた、そのあとでもう一度現地の後藤教授を入れた試験をしていただけるかどうか。通産省の試験をうのみにするということには非常に危険があるというのではありませんけれども、いままでの例を見まして、やはり現地の学者を入れた常時監視体制を整えていただく、これが私は大事じゃないかと思うのです。いよいよあした調査をやるからと、前の日にあわてて掃除をしておる。帰ってしまったら——これは仙台から見ておるわけですから、非常に遠いところから監視しておるわけですから、当分は、やはりこれだけの処理施設をつくったら、それで完全であるかどうかということもやっていただきたい。この二点についてお答えいただきたい。
○橋本(徳)政府委員 私のほうはいままでの不手ぎわから、まことに信用がございませんので、実はその点につきましては、会社から毎日レポートを提出させてはおりますが、それだけでは不十分ということで、地元の県、市に話しかけまして、県、市を中心にしたいわゆる現場の監視体制をつくっていただく、その県、市がまたそういったいわゆる監督以外のサイドからものをチェックするというふうなことで、県、市にさらに先生のお話を伝えまして、必要な措置をとっていただくようにというふうなことで再度連絡はとりたい、こういうふうに考えております。
○岡本分科員 もう時間でございますが、長官、なぜあなたの経企庁の担当のところで、こうして通産省、厚生省を呼んで答弁をしてもらったかと申しますと、現実のこの姿を見ていただきまして、あなたのほうは調整官庁ということでございますから、今後こうした事件が起こらないようにしていただきたい。なおこうした鉱山の排水あるいはまた廃坑の排水、こういうものがまだあちらこちらに相当あるように承っております。したがいまして、こちらのほうの取り締まりも、通産省あるいはまた厚生省の上前をはねるわけではありませんけれども、水質保全の総責任者の官庁であるあなたのほうでありますので特にお願いしたい、こういうわけで来ていただいたわけであります。よろしくお願いいたします。 最後にもう一点だけ。水産庁に一つだけ伺いたい。 それは兵庫県の淡路の沼島の問題でございますが、離島対策。離島振興法は経企庁の関係になるのですが、仕事は水産庁の仕事になると思うのです。この進捗状況、これについてのことしの予算措置をひとつお聞きしたいと思うのです。漁港の問題です。
○瀬尾説明員 沼島の漁港の整備につきましては、沼島漁港は主として漁業の島でございますから、その重要性からこれを整備しなければならないというたてまえで、第四次漁港整備計画に採択いたしまして、現在その整備を進めておる次第でございます。この計画というのは、四十四年度から始まりまして四十八年度までの五カ年計画でございます。沼島漁港は昭和四十四年度から着工をいたしております。昭和四十四年度は初年度でもありました関係上、千三百万円をもっていま整備をいたしておるわけでございますが、進捗率という点から申し上げますと、総額は二億七千三百万円程度でございますから、非常に少ない進度でございますが、これは初年度で仕事の都合等がございましてそういうことに相なっておるわけでございますが、昭和四十五年度からは、四十八年度までの計画期間内にこれを完成するように、ひとつ昭和四十五年度の工事についても十分配慮しなければならないということで、目下いろいろとその点を検討しておるところでございます。
○岡本分科員 これは二億七千三百万、五カ年計画でしょう。初年度千三百万。これは千三百万や二千万ぐらい入れていったのではできるかどうか。だから現地のほうも非常に心配しているのです。また、いまここでは御答弁いただくということはちょっとたいへんだと思いますけれども、あとでどういうことになるかということを、ひとつ計画を聞かしていただきたい、これを要求いたしておきます。 時間が参りましたので終わります。
○大坪主査 相沢武彦君。
○相沢分科員 経済企画庁で作成しました新全国総合開発計画を見ますと、その計画策定の意義についてこのように述べられております。この計画は、「全面的な都市化の進行のうちに、情報化社会といわれる新しい未来への転換期を迎えた今日において、今後長期にわたる国民の活動の基礎をなす国土の総合的な開発の基本的方向を示すものであって、巨大化する社会資本を先行的、先導的、効果的に投下するための基礎計画であり、あわせて、民間の投資活動に対して、指導的、誘導的役割を果たすものである。このため、国土利用の現況と将来におけるわが国経済社会の基本的発展方向にかんがみ、情報化、高速化という新たな観点から、国土利用の抜本的な再編成を図り、三十七万平方キロメートルの国土を有効に利用し、開発するための基本的な方向を示すことが、この計画を策定する意義である。」こうございます。 そこで経済企画庁長官にお尋ねしたいのでございますが、わが国における産業経済の拡大、都市化の進展あるいはエネルギー構造の変化などに伴って、今後港湾取り扱い貨物量は著しく増大すると考えられますし、それに伴って工業立地の大規模化が急速に進むと予想されます。そこで長官は、今後大規模工業建設はどのような形で推進することが望ましいと考えるか、基本的な構想をお聞かせいただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 これはすでに相沢委員が御指摘のように、新全総の中にすでにいわゆるプロジェクト構想として入っておるわけでございますが、なお具体的には今後必要な事態に応じてこれを追加していく、大体こういう立て方になっております。なおこれにつきましては、すでに御指摘のありましたように、もちろん全国的な交通通信のネットワークを前提にいたしまして、そしてそこに巨大なプロジェクトをつくり上げていく、そういうことで、さらにそれらに関連するところの諸施設、そしてまたそれを取り巻くいわゆる広域圏、こういうような構想になっておるわけでございますから、これからも相当の社会投資を必要といたしますし、そうしたことで、この計画には、それらに見合ったところのフレームを一応前提といたしまして、ここに述べられておるわけであります。
○相沢分科員 次に、日本の国際経済交流の中において、一九七〇年代において北方圏との経済交流はどの程度活発化すると長官は予想されるか、見通しについて承っておきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 新全総の全体の考え方が、いままでいわゆる積雪地帯、北方地帯というようなところがとかく粗略になっておる、東海道ベルト地帯に偏在したものの考え方がある、それを根本的に改めて、そうして狭い国土を最効率的に使おう、こういう立て方でございますから、したがって当然北方の地域というものを非常に重視しておるわけでございます。もちろん、政治、外交等、経済以外の要素も将来はこれにいろいろと加わると思いますけれども、経済的な観点からいいましても、そうした角度からの再編成をはかる。したがいまして、いまお話ししました、まずいわゆる交通幹線その他についても北方に相当の力を入れ、そうしてその拠点である大港湾というようなことについても相当の投資を行なっていかなければならない。今後さらに北方との貿易であるとか、そうしたことについては、これは政治情勢とも相まちまして、非常に明るい予想が立てられておるわけでございますから、それらと相まちまして、なおひとつこの方面の進展をはかってまいりたいと思っております。
○相沢分科員 この新全国総合開発計画を基幹としまして、第三期北海道総合開発計画というのが発表されておりますが、その中には、苫小牧東部地域に、一市二町村にわたって大規模工業基地の開発構想が発表されておりますけれども、これについての用地の買収等について具体的に進められているのかどうか、現状について当局からお願いいたします。
○角田説明員 お答えいたします。 第三期の北海道総合開発計画、ただいま原案を策定しているようでございますが、まだ私どものほうに正式に具体的な中身について協議がございませんので、つまびらかでございませんが、新全総の中でも、北海道の中で、構想としまして、太平洋の沿岸地域で、そういうふうな大規模な工業基地をつくったらどうかという構想を一応予定しておりまして、北海道のほうで聞くところによりますと、道が中心になりましてある程度用地買収等も手をつけているというふうなことを聞いております。
○相沢分科員 この苫小牧を中心とする臨海部における工業生産は、現在鉄鋼、アルミ工業、また将来にわたって石油精製などを中心にどんどん拡大されると思うのですが、これに伴って、隣接の室蘭であるとかあるいは表玄関の函館あるいは道東の釧路、こういった工業拠点、港湾の整備拡充ということも考えられておりますけれども、苫小牧の港湾新設と同時に推進されるのか、一貫した整備拡充の計画は経済企画庁が立てられるのか、あるいは北海道開発庁独自でやるのか、その点について……。
○新保政府委員 現在の苫小牧港の東部地区に大規模な工業基地を建設するという構想を立てまして、これを第三期の北海道総合開発計画の一つの大きな柱、プロジェクトにいたしたいと考えて、内々検討を進めておるところでございますが、これには当然大きな港湾の建設という問題が伴います。一方、仰せのように函館、室蘭、釧路等々の港湾の建設の問題でございますが、これはすでに現在の港湾整備五カ年計画にそれぞれ所要の事業が織り込まれておりまして、これはこれで進めていく。一方苫小牧の第二工業基地と申しますか、それに伴う港湾建設の必要が生ずるわけでございますが、現在は、先ほどお尋ねがございましたように、目下工業用地の先行取得に着手したばかりのところでございまして、港湾の建設はかなり先の問題になろうかと思います。いずれにしましても必要な港湾につきましては、それぞれを港湾整備計画あるいは次期の港湾整備五カ年計画に織り込みまして、この整備を進めてまいりたい、かように考えております。
○相沢分科員 新規建設予定の苫小牧大規模臨海工業港、これができ上がるとすれば、鹿島港の一・五倍、全国一の規模になるだろうといわれています。また扱い高貨物量は現在世界第一のオランダのロッテルダム港をしのぐ一億七千万トンぐらいになるのではないかといわれておりますし、臨海面積からしましても一千ヘクタールという大規模なものです。工業用水も一日二百八十万トン必要とすると予想されておりますが、この工業用水の補給について不安がないかどうか、その点の見通しについてお聞きします。
○新保政府委員 これはまず、第二苫小牧と申しておりますが、現在の苫小牧の東部地区工業基地の建設の構想につきましては、現在マスタープランを立てつつあるわけでございますが、いま仰せの工業用水の問題も一つの大きな問題でございます。まず工業用水が幾ら必要になるかという前提といたしまして、その工業基地にどういう企業、どういう業種を張りつけるかという問題があるわけでございますが、昭和六十年代におきましてフルに稼働した場合に、三兆円ぐらいの工業出荷を見込む。それが第三期計画の最終年次であります五十五年度にどの程度のものになるか、あるいはどういう業種がそこに来るであろうかというようなことを、現在通産省なり現地の通産局、あるいは北海道、あるいは個々の企業に当たっておる段階でございまして、それを固めた上で必要な工業用水の建設を考える、こういうことになろうかと思います。その工業用水をとる場合にも、どの河川からとるか、いろいろ考え方があるようでございまして、いろいろなことを含めましていま検討中でございます。いずれにしましても、四十五年度中ぐらいにマスタープランをつくり上げたい、かように考えていま調査を進めておる段階でございます。
○相沢分科員 豊富な用地、用水に恵まれているということで開発の予定地になっているわけですが、それであっても無秩序に開発を進めると、いわゆる産業公害の発生の危険が出てくるわけでありまして、産業開発にあたっては公害の事前防止ということにつとめなければならない。地域住民の健康の保護あるいは生活環境の保全ということはきわめて肝要であることは御承知のとおりでございます。どうしても既発の産業公害防除というものは非常にむずかしい。先日来公害問題国際シンポジウムに参加した諸外国の学者の人たちが、静岡県の富士市の公害の実態を視察して、これはひど過ぎる、信じられないほどのひどい公害だ、こういうことを口々に叫んだわけですけれども、これも実際にその公害が完全に除去されるには相当な期間、また費用等もかかると思う。それで結局産業公害対策が、事前防止が根幹でなければならない、こういうことなんですが、ひとつ苫小牧の臨海工業地帯の開発、これは将来の問題ですが、かなりの期間がございますので、産業公害の事前防止という点について将来にわたる模範的なそういう実行がされるように、総合的かつ計画的な事前防止を推進してほしい、こう思っているのですが、国の機関としてはどこが責任をもって担当するのですか。
○柴崎説明員 お答えいたします。 産業公害の事前防止につきましては、特に通産省で昭和四十年から一つの制度として実施しておるわけでございます。したがいまして、苫小牧につきましてもこの産業公害総合事前調査制度に乗っけまして昭和四十五年度に大気関係の調査を実施する予定でございます。ただ、まだ苫小牧の計画につきましては、将来どういう企業がどの程度の規模で進出するかはっきりとらえがたい点があるものですから、来年度の調査は現地の気象条件に重点を置きまして、その気象条件に、北海道開発庁あるいは一応うわさにのぼっておる企業等の希望に応じましていろいろのモデルをつくりまして、そのモデルと気象条件をつかみ合わせまして、これを電算機方式でいろいろ答えを出して、将来の姿を予想してみたい、かように考えております。
○相沢分科員 今年中に大気汚染防止の事前調査をやって、その地域指定をするというようなことも聞いておるのですけれども、地域指定までいきますか。
○柴崎説明員 地域指定の点につきましては、目下検討中でございまして、四十五年度にはたして指定する必要があるかどうか、その辺につきましてはなお慎重に配慮したいと考えております。
○相沢分科員 苫小牧市としては、今年度気象調査、それから風向風速計の設備、調査費用等を経費に計上しているわけですけれども、通産省としてはこれについてどれだけの調査費を見ているのでしょうか。
○柴崎説明員 調査費の総額は、水と大気を含めまして約一億、大気関係で八地域、それから水関係で五地域を予想しております。その辺の配分いかんで金額がきまってくるわけでございますが、一応の金額といたしましては約一千万円程度の金額を充てております。
○相沢分科員 十五日の朝日の朝刊のトップ記事に、通産省は四十五年度から工場建設等の前に企業と地域住民と四者協調しての公害防止の調査をやるということが出ておりましたけれども、この場合の地域住民の選定については、どういうような基準で選ばれますか。
○柴崎説明員 通産省は、従来から地域開発につきましては、その地域のコンセンサスの上に立ちましていろいろ開発を進めていきたいという方針をもって臨んでおるわけでございますが、おそらく朝日新聞の記事も、そういった従来の考え方を確認したというような形で出たものとわれわれは推測しておるわけでございますが、地域住民の参加のしかたにつきましては、地域の特性に従いましていろいろ形は考えられるかと思います。たとえば四日市地区の協議会には、地域の住民が町内会あるいは自治会というような形でその代表者が参加するというケースもございますし、あるいはほかの地区では県会の先生方が代表として参加する場合もありますし、いろいろあるかと思いますが、特にその地域の特性に応じまして無理のない形でいろいろ体制を考えていきたい、かように考えております。
○相沢分科員 苫小牧の臨海工業基地の開発は、第三期北海道総合開発の柱として計画しているようでございますし、七月には閣議決定に持ち込まれるというようなことも聞いておるのですが、地域住民は大きな期待と同時に、各地に発生している産業公害の実例をまのあたりにしまして、非常な不安も感じている。こういう現状です。この辺はかなりの風速のある地帯ですし、もしいいかげんな公害除去設備等で終わりますと、早来、安平それから千歳市まで公害を受けるのではないか、こういうようなことも心配されております。そういうわけで、関係当局は快適な生活環境の保全は基本的な人権である、こういう観点に立って十分な調査、研究、また監視、規制指導の強化をはかるように強く要望したいわけですが、この公害の防止に関する主要計画をなすっている企画庁長官から、最後に一言、公害対策に対する御決心なりをお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 私どももこれだけ大きな新全総計画を立てるわけでございます。特に公害については御存じのように一項目を設けまして、そして環境基準の設定、あるいは汚染物質の排出規制の拡充強化、あるいは公害発生源の集中的な排除、その他緩衝地帯の設定、いろいろな政策をここに掲げてございます。これらは、これらのプロジェクトの進展に伴い、逐次われわれとしても実現するように努力してまいりたいと思っております。
○相沢分科員 次に、同じく新全国総合開発計画にある北海道開発の主要開発事業の計画の中からお伺いしたいと思うのですが、「開発を進めるに当たっては、域内および本州との交流を円滑化、迅速化し、地域経済の拡大発展を促進するため、まず、交通体系を重点的に整備する必要がある。」こう出ております。そして「鉄道については、青函トンネルの調査を早急に終了し、建設を推進する。また、青函トンネルを経て札幌に至る新幹線鉄道を建設するとともに、函館本線等の電化、線増等を進め、札幌と道東を連絡する鉄道網を建設する。」こうございます。また十二日の新聞には、運輸大臣の諮問機関である鉄道建設審議会がいわゆる新幹線網の法案要綱をきめておるようでございますが、そこで北海道のいわゆる新幹線網の計画について、私は冬季の雪害に対する十分な考慮を払わなければならないということを申し上げたいわけなんです。 御存じのように、東海道新幹線等はわずかの雪にしょっちゅう事故等でストップするということでありまして、北海道の雪害を考えますと、同じような規模の新幹線網であっては、せっかく多額な金額をかけて将来つくったとしても、利用客が非常に迷惑をする、こういうことになりはしないかと心配するわけでありまして、私は、これはしろうと考えではございますが、こういった考え方も必要ではないかということで申し上げるのですが、たとえば北海道の場合の新幹線網は、いま浜松町それから羽田間で使っている高架式のモノレールですね、ああいう式にしたらどうか。スピードは出ないという欠陥はあるそうでございますが、いわゆる雪害ということを考えた場合には、高架式ですと非常に雪害がないということと、もう一つは直線コースを組めるという利点がございます。あるいは地上の鉄道網を敷いた場合は、透明の風防をかけて雪がすべり落ちちゃうという計画、これは発想でございますが、こういったことを考えてやられるかどうか。その計画は、そういった考慮は企画庁のほうでやるのか、あるいは実際に仕事をやる運輸省の鉄道関係でやるのか、その辺からお聞きしたいと思います。
○長浜説明員 仰せのとおり、東海道新幹線の例を見ましても、雪害に対する対策を十分とっておかなければならぬということはすでに十分承知しております。特に今後起こります全国の新幹線網、中でも北海道地区の新幹線については、雪が多いことはもうはっきりしておりますので、いま先生の言われましたようなことを含めまして、私たち研究を急いで進めなければならぬということでやっております。特に国鉄としましては、幸いなことに技術研究所を持っております。あるいはまた、技術研究所の出先の雪の研究所を新潟に持っている、あるいは在来いろいろ雪の対策をやっておりますので、それらを考えまして至急対策を立てたいと思います。 ただ、今後起こります新幹線の場合には、山陽新幹線の例を見ましても、トンネルが非常に多くなろうと思います。その点で相当助かるんじゃないかと思いますが、必ずしも全部トンネルというわけにもまいりませんので、やはり屋根をかけるということも一つの課題でございましょう。あるいはモノレールという考え方もございますが、モノレールの利点を在来の鉄道にも応用する、すなわち砂利を使わない鉄道ということにすると、これは非常にいいわけであります。といいますのは、雪による害というのは、雪のあるところを走っておるうちに、二百キロで走りますので、スカートの下に雪を全部かかえ込むわけです。それがあたたかいところに来まして解けますので、解けたときに石だまみたいに雪がなって、それが二百キロで走ると同時に飛んでいくわけです。それによって砂利を飛ばすとかしまして、両車の機器をこわすというようなことがございますので、そういうことを防ぐためには、そういう砂利のない線路をつくるというようなことも一つの考え方かと思っております。そういうことを含めまして、早急に研究をすべく準備を進めております。
○相沢分科員 長期の投資の場合、二重投資になるようなことは絶対避けるべきだと思いますので、一そう研究を促進させて、最初から快適な旅行ができるような、あるいは輸送力増進できる、そういう体制にしていただきたいと思います。 また、「道路については、とくに冬期における交通確保に留意し、雪害防除対策を講じつつ、北海道縦貫自動車道および北海道横断自動車道を建設」する、こういうことが出ております。この北海道の道路網の雪害についても同じことが言えると思うのですが、道路関係のほうは、開発局、それから道庁、道の公共事業直轄で、そのうちの除雪費はどのくらいか御存じですか。
○井上説明員 昭和四十三年度は、北海道で直轄で四億五千万円、それから補助で三億二千百万円、これは北海道だけでございます。
○相沢分科員 私が開発局で聞いてきたのでは、開発局と道庁と道の公共事業直轄で、合計十億四百万、除雪費がかかっているというのです。ことしもここに記事がありますように、もうすでに予算をオーバーして非常にいま雪害のために道路保全の確保は困難であるということが出ております。そういうわけで、今後この北海道縦貫道路あるいは横断道路、しかもだんだん高速化するということを考えますと、雪害対策ということは非常に力を入れなければならないんじゃないかと思います。また冬期間道路面の凍結によって非常に交通事故等も激増しますので、そういった点からもっともっと雪害対策ということは考えなければならない。しかもだんだん一車線から二車線という道路が確保されておりますし、そういった点で、ブルドーザー等による除雪作業はやっておりますけれども、それだけにたよったんじゃだめじゃないかなというふうに感じるわけです。 それから、また、これは鉄道の話に戻りますけれども、国鉄の除雪費にしても、四十三年度は二十一億五千万からかかっております。そのうち、北海道だけで七億の除雪費がかかっております。雪の多いところ、まあ、札幌から近いんですが、岩見沢あたりの機関区、あそこはかなり広い機関区ですが、毎年二メートル近くまで積雪になりまして、保線区の方は非常にたいへんなんですね。雪が降り続きますと、それこそ二、三時間の仮眠で、二日間、三日間泊まりがけで除雪しなければならない。 北海道に鉄道が敷かれてから、一体何年でございましょうか。——まあ、いいですわ。「汽笛一声新橋を」までいかなくても、北海道に鉄道が敷かれてから相当年月がたっていると思うのですが、保線区の除雪作業の姿を見ていますと、昔と変わらないんですね。もう非常に疲れて、家へ帰ってもものをしゃべるのが大儀だ、こういうふうに言われる方がおります。また、いわゆる労働力確保も非常にたいへんだということで、ごく一部の鉄道保線区の方に相当な労力がかかる。これだけ文明が発達し、進歩してきたんだけれども、どうも、鉄道関係の除雪作業は旧態依然である。もう少し何とか科学技術を駆使してできないものか、こういうことを考えるんです。 そこで、あまりこまかい話までいかないで、時間を節約して最後にしてしまいますが、科学技術庁のほうで、もう少し原子力利用の、いわゆる融雪の技術を開発できないかどうか。熱水等でかなり利用できるんじゃないかという話もあります。実は、私最初、北海道の石炭を活用して火力発電にして、それで主要道路はロードヒーティングにしたらどうかというようなことを考えたんですが、これは経済的にだめだという話で、それではいっそ原子力を活用したほうがいいだろう、こういうような意見でありましたし、そういう点の見通しですね。いわゆる北海道縦貫道路あるいは横断道路の道路面の融雪、それから国鉄の融雪、これに原子力を活用できないか、考えられないか。これについて、現状及び将来の見通しについてお伺いしたいと思います。
○石川政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。 科学技術庁におきましては、付属機関といたしまして防災科学技術センターというものがございます。ここではいろいろな種類の雪害対策というものの研究を行なってはおりますが、これは研究が主体でございまして、昨年から山形県の新庄にまた支所をつくりまして、ここで野外実験を行なっております。しかし、これは従来の方法を利用したものでございますので、地下水を使いまして、またそれを消雪パイプ——雪を消すパイプでございますが、消雪パイプから出しまして、そして、いろいろ効果をあげる実験はやっております。しかし、北海道のように非常な極寒地になってまいりますと、普通の地下水でございますとやはり温度が低くなりますので、これはどうしても、北海道で利用するということになりますと加熱しなければいけないということになってまいります。しかし、この加熱設備というものは非常に膨大なものになりますので、これは、ただいま先生がおっしゃいましたように、やはり原子力を利用するということは非常に可能性のある問題ではあると存じますが、原子力と違いまして、安く、しかも豊富に、温熱水と申しますか、あったかい水あるいは熱い水というものを出す段階までにはまだ至っていないというのが現状でございまして、まあ原子力を使うということは可能性は十分あるということでございます。
○長浜説明員 国鉄の除雪対策について、あまり進歩がないというようなお話でございましたが、何ぶんにも、もう雪が降っているのをいますぐのけなければならぬということで、ついいままでのやり方をやっておるわけでございます。しかし、毎年十億ないし三十億の除雪の機械その他を入れまして、機械そのものは改良に改良を重ねております。また、御承知のように、新幹線の場合には、水をスプリンクラーで飛ばしまして、雪を消すと同時に氷にしてしまって、雪の舞い上がりを防ぐというようなことを実施いたしまして、これに約六億ばかりの金をかけましたが、これによって新幹線のおくれがかつての五分の一ぐらいに減っているという実情でございます。また、鉄道のポイントだとか、そういうのは融雪をしなければなりませんので、いろいろな火器を用いるとか、あるいは電気ヒーターでやるとか、あるいは温水を使うというようなことで機械的な実験は進めておりますが、経費との関係でいまこれといった目ぼしい決定版がなかなか出ないような状況でございますので、いま先生のおっしゃいましたようなことも参考にさせていただいて、今後ともなお一そう、研究所も使いまして勉強していきたい、こう思っております。
○相沢分科員 特に極寒地帯という話が出ましたので、ついでに話しておくのですけれども、深名線というのがございますね。深川から名寄に抜ける線ですか、あそこの朱鞠内というところは、一番ひどい日は三十八度から四十度まで下がるし、相当な雪の量で、冬季間ほとんど交通網は閉ざされてしまう。列車はほとんど二カ月間か三カ月間は走りません。その地域住民のいわゆる冬季間の生活苦というものは非常なものでございます。経済企画庁の長官も、豪雪対策等をかかえておりますので、ひとつ現地を視察されて、科学技術庁あるいは鉄道のほうを督励して、雪害対策に対しても一そうの御努力をいただきたいと思うのです。 以上要望申し上げまして、終わります。
○大坪主査 以上をもちまして昭和四十五年度一般会計予算中経済企画庁所管に関する質疑は終了いたしました。 次回は明十七日午前十時より開会し、通商産業省所管についての質疑を行ないます。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時八分散会