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63回国会衆議院1970/03/12

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
464
登壇者
32
会派数
5
開催日
1970/03/12

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十五年度一般会計予算、昭和四十五年度特別会計予算中農林省所管を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。  なお、本日は多数質疑者の申し出もあり、また本会議もございますので、恐縮でございますが、質疑時間を特に厳守していただき、答弁される方も特に簡潔にしていただきますよう、各位の御協力をお願いいたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 私は、最近特に国民が声を大にして申しております物価の安定という問題について少しお尋ねをいたしたいと思う。  恐縮でありますけれども、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思いますことは、最近の日常生活の上において、果実、野菜、この問題でありますが、魚類よりも比較的高いというのが一般の声であります。これは日常なくてはならないものでありますので、少し上がりましてもたいへんな影響を及ぼしていきます。そういう意味において政府においても相当考慮を払っていただき、あらゆる調整をしておっていただくようでありますが、今後さらに果実、野菜というものの消費面は大きくなりますけれども、これについてどのような方針で、物価安定の大きな役割りをいたすか、その両面に対して、所管である農林省はどういうお考えを持っていらっしゃいますか、この点をお尋ねいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 最近野菜につきましてはお話しのように値上がりをいたしておりましたが、これは一番大きな理由は干ばつでございまして、そのために出荷が非常におくれておりまして、そこで農林省では地方農政局を通じまして、大消費地向けの野菜の出荷の促進をはかるように手配をいたして指導をいたしておるところであります。その結果、御存じのように一月中旬に比べますと入荷量もふえてまいりましたし、卸売り価格で見る限りは、二月上旬ごろを峠に価格は若干下がり始めておるわけでありますが、何にいたしましても毎日毎日の必要なものでありますので、これからそういう流通機構の整備についてさらに一段と力を注ぎまして、消費地の方々に野菜がそのために高くなったというふうな感じを持っていただかないために、ひとつ最大の努力を続けてまいりたいと思っております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 これからはそういうようなことのないようにということでありますが、前段のおことばを聞いておりますと、干ばつに支配せられた、最近はこれもある程度直って野菜は少し値下がりしたようだということであるが、年々天候だけに支配せられた価格の変動ということは、国民生活の上におきましても非常に影響することだと思うのです。そこで長期的な見通しに立った施策面で、貯蔵面あるいはこれに対する調整というようなことではどのようなお考えで進んでいただけますか。その点をひとつお伺いいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御存じのように、タマネギなどはいま産地にほとんど貯蔵庫をつくっておりまして、それから二月下旬以降は、いま申したタマネギなどは、けさほどもラジオで言っておりましたけれども、台湾からの輸入数量の増ワクは、当初六千トンの計画でありましたが、七千二百トンに増ワクをいたしまして輸入措置を講じております。今後も引き続いて輸入が行なわれる予定でありますが、なお三月下旬になりますと、国産の春野菜が出回ってまいりますからして、四月ごろには本格的に春野菜が出回ってまいりますので、そういう意味で野菜の価格も大体安定してくるのではないか、こう見ておるわけであります。そういうことで考えております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 それじゃその問題は、ひとつ今後は需給をうまくしていただきまして、日常の生活に大きく影響することでありますから、つとめて上がらないような方途を講じていただきたいと思います。  過日の新聞報道によりますと、こういうようなことが書かれて、投書せられていた欄があるのですから、大臣もお読みになったことだと思いますが、「私がつくったナツミカン、それがたったの一円で買われていきました。そうして商店に並べられたらこれが十円と値段がつけられておりました。全く私ども生産者は、あまりにも悲惨なものです。」という投書が新聞にあったのですね。こういうようなことは、一体その間の流通していく間に、もしこれを事実として考えてみたときには、どうしてこんなに価格が変わった、手数料というものが払われなければならぬかということについて、農林省は所管として、この手数料がどのようなパーセントで進んでいくか、そうして最後の消費者の手元にはどういう金額が妥当な金額としていくのか、御調査になっておることだと思いまするが、こういうような生産者の声というものを新聞が取り上げてきたとするならば、私は、現実と全然かけ離れたものを取り上げたとは思っておりません。そういう意味におきまして、これは専門的な問題になりますので、大臣から御答弁いただこうとは思いませんから、どなたでもけっこうでありまするが、担当者からひとつこの問題についての御答弁をいただきたいと思います。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 お答えいたします。  生鮮食料品の、特にいま御質問のありました果実につきまして、極力われわれといたしましては生産から出荷に至るまでの間の合理化につとめておるわけでありますが、非常に季節変動が激しくて、特に豊作の年には産地で非常に暴落いたしまして、そして一ぺんに市場に出荷していく。したがって、出荷がたたかれて、そして消費地へ参りますとまた、値段はそう暴落しないという御非難は、しばしばいただいておりまして、何とかこれを調整したい、こう思っております。具体的にくだものについて申しますと、くだものにつきましては、農林省といたしましては、価格安定対策というような、いわゆる価格政策そのものは直にはいたしておりませんので、これにつきましては平均的な出荷に全力を注いでおりまして、特にことしの予算あたりから産地におきまして出荷期に簡易な貯蔵庫等を設けまして、たとえばミカン等は産地に貯蔵庫を設けまして、そして半年くらいかけて平均的にならして出荷していきたい。そういうことで、たとえばウンシュウミカン等、昔に比べますと、三月現在時点でもなおかつ平均的な出荷の結果——その貯蔵方法もいろいろと検討されておりますので、逐次市場に平均的に出てきておるというふうに御理解願いたいと思います。また、リンゴ等につきましては、ちょっと貯蔵方法も変わりますが冷凍いたしまして、特に高級リンゴ等につきましては品質がいたまないように、品質を保持したまま冬を越して春先に至ってもなお良質なリンゴが供給できるようにすることによって、価格の異常な暴落、暴騰を今後とも防止するよう極力努力してまいりたいと思います。  なお、市場の問題等ございまして、われわれといたしましては、これの対策につきましては、経済局等も含めまして、今後さらにいろいろと改善をいたしてまいりたいと思っております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 ただいまの答弁を聞いておりますと、今後は考えていきたい、今後はそのようなことのないようにということでありまするが、まず私は現在の相場の立て方は、品物が送られてくる市場において、そのときの市によって幾ら幾らとせり相場が立てられていく。それで決定して、それが市場から今度は仲買い、小売りで店頭にさらされるということでありまするが、この制度というのは、考えてみますると、もう何十年来というものをこのままで来たのですけれども、さてこれからの文化生活をしていく上におきましても、必要度が非常に高まって、物価は日常の生活、人間が生きていくためにたいへんなウエートを占めてきているのですけれども、こういうような相場の立て方をまだこれからも継続していかれるようなお考えであるのか。何かここに大きな対策を考えていかなければ、安定性を見出すことはでき得ないとお考えになっているのでしょうか、どうでしょうか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 ただいま御指摘の点につきまして、農林省といたしまして経済局が中心でございますが、中央卸売市場法の改正案を検討いたしておりまして、近く御審議願うことになるのではなかろうかと思っております。その考え方も、やはり基調におきましては、中央卸売り市場の現行制度をさらに改善する。しかし、一応せりをたてまえにしながらやることにいたしておりますが、さらにそれだけではこの時代の流れでは十分でない場合、たとえばスーパーマーケットのような新しい動きがありますので、直接流通制度ということにつきましても、なお政府としてはいろいろと調査したり、またその行き方についても今後さらに十分な検討を加えていきたい、こう思っておる次第でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 前段に申し上げましたように、生産者が売るときに一円であった、これは一つの例にすぎない。またこれが全部だとは先ほども申し上げたように思っておりませんが、店頭に十円になってきている、その間のマージンが非常に大きい。われわれは一生懸命にやっても何らの利益も見出すことができない、苦労しているだけである、そういう投書もございましたので、こういうこともひとつ十分御研究いただいて、値段の調整は統制的にはでき得ないかと思いまするが、国民の日々の生活の上に、今後できるだけ多くをしていただきたいと思います。与えられた時間が非常に制約されておりますので、次の問題に移っていきたいと思います。  農地局長いらっしゃいますか。——国民の中で大きな関心を持っておるというのは嬉しい悲鳴ではありますけれども、余剰米の問題なんです。これは農地局長のほうで御答弁いただけるか、それともどなたから御答弁いただけるかわかりませんが、そちらでお考えいただいて御答弁いただいてけっこうだと思います。  そこで、現在私どもの知っておる範囲では、百二十万トンくらいこれを処分しなければならぬだろうというようなお話があるようですが、本年は余剰米をどの程度処分せられるか、その処分の方法、どういうところへ持っていかれるか。巷間伝えられるところによりますと、御苦労しておっていただけるようでありますが、さてこのお米をブタえさにするとか、鳥えさにするとか、いろいろの声があがっておりますけれども、国民の一部では、もったいない、苦労した米が、いかに余ったからといって、ブタえさにせられるというようなことはどうかと思うという声もあがっておりますけれども、どのような方向でこれを処理せられる御方針か、承りたいと思います。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 かなりの数量の余剰米がございます。私ども食糧庁としましては、少し前から省内にこれの対策委員会というふうなものを設けまして、その処理のあり方について検討してきたわけでございます。とりあえずは、海外に何らかの形で供与するといいますか、輸出をするといいますか、そういうことが一つの適当な方策ではないかということで、昨年以来、求めに応じまして、海外に対して米穀を供与をしてまいりました。合わせまして、大体現在までに八十万トンぐらいのものが、貸し付けないしは供与といいますか、贈与のような形で出ております。しかし、それでもなお過剰米の処理としては、相当大量のものを処理しなければならぬという情勢になっております。私どものほうにも、いろいろなアイデアが持ち込まれております。したがって、最終的には、さような各種の用途等を含めまして、総合的なめどをできるだけ早くつけたいというふうに思っておりまして、来年度にでも入りますれば、早々に学識経験者にお集まりを願いまして、いろいろな用途についての最終的な詰めを行なって、どういう用途に持っていくかということをきめたいというふうに思っております。そのためには、若干試験的な売却というようなことで、需要家の可能性を詰めたいということで、御指摘のように若干の用途については、試験的売却に着手しようと思っておる段階でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 食糧庁長官にお尋ねしますが、一昨年ごろから新聞にも報道せられておりましたが、米が余るということで、これを質度の落ちないような貯蔵方法を考えていこうというようなことから、琵琶湖に水中貯蔵するというような問題が農林省で取り上げられ、研究が進められて成功したというような報道もあったんですけれども、それにある程度の予算づけもあったようでありまするが、これはどうなったんですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 水中貯蔵につきましては、去年の四月から十一月の間に琵琶湖で実験をいたしました。三種類の容器に詰めまして、一定の期間水中に沈めまして、貯蔵の試験をいたしたのでありますが、全部が全部成功したというわけにはまいりません。ある一部の容器については、水漏れがするとか、あるいは水圧で破損をするといったようなことがございましたけれども、他のものについては、異常はないというような結果を得ております。ただ、それは物理的といいますか、そういった試験でございますが、これを本格的に取り上げていくには、どのくらいの経費がかかるか。容器代とかあるいは手間代とか、運送代とか、水中に沈める経費とかいうのを、もう少し詰めませんと——ちょっと考えますと、そう高くつかぬじゃないかというふうな気もするのでありますが、専門家の意見では、かなりまだ経費の面も詰めなければならぬというふうな判断でありますので、さようなことをもう少し詰めまして、はたして実用化ができるものかどうかについても、私どもさらに検討していきたいというふうに思っております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 四月から十月までというような話ですが、これは昨年の四月から十月までの水中における試験であったように思いますが、私の知った範囲は、もっとその前から、こういうような問題が大きく取り上げられておったように思うのですが、そんなに手ぬるいことで四月から十月ころにおやりになったんですか。私は、一昨年この問題を取り上げて、そういうことが、もうすでに実施せられておるように聞いておりましたが、そうじゃないのですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 話がありましたのは、一昨年からでございまして、一昨年の秋に、そういった貯蔵のやり方等についての研究会を設けまして、どういう方法で実現をするかということを専門家に研究をしていただいた、実際にそういった専門家の研究の設計に基づきまして試験を実行したというのが、先ほど申し上げた四月から十月ということなのでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 それでは、同じようなことをもう一点尋ねるのですが、実はこれに似たようなことなんですが、長野県の穴蔵だとか山口県の穴蔵にも、このような貯蔵をしていくことは、品質を落とさないで済むのだというようなことが報道せられて、あすにでも、これはけっこうなことだから、ひとつ調査してやりたいと思うというような農林省の談話も載っておったように思いますが、この点はどうなんでしょうか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 穴蔵といいますか、洞窟で貯蔵するということもあわせてやっております。現在やっておりますのは、三カ所ございまして、舞鶴、仙台、もう一つは、大谷石を取りましたあとの洞窟といったようなことでやっております。なお、あと一、二カ所は、さらにやってみたいということで計画をしております。現在まで、あるいは現在実行しているものというのは、以上の三カ所でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 それの結果は、どのような答えが出たのですか。まだ答えが出てこないのですか。これは水中試験と違って、そういうようなことは、比較的早く試験に入れると思うのですが、どうでしょうか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 いまやっているところでございまして、御承知のように、こういうところは、相当湿気が多いとか、あるいは空気の流通がいいとか悪いとか、一定の期間試験をしなければならぬということがございますので、いま実行中でして、まだ結果は出ていないということでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 実行中だというと、すでに米は搬入してあるのですか。どの程度の米を搬入して試験に供せられておりますか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 もちろん米を搬入してやっているわけであります。やっておりますトン数は、舞鶴は千二百トン、大谷石のほうは千七百トン、それから仙台のほうは千五百トンというような数字でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 では、大体の見通しは、いつごろ結論が出るとお考えなんですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 一つゆ越しませんと、完全な調査になりませんので、ことしのつゆが明けたところで結果が出るというふうに御了承願いたいと思います。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 私は、買い上げ価格と古米、古古米で払い下げられる価格との間には大きな差ができてくると思うのです。国民の、消費者の側に立って見ますと、これに対する関心が非常に深いのですから、つとめてお願いいたしたいと思いますことは、もし水中貯蔵米の成果があがって、これがうまくいくということだったら、これもやっていただきたいと思いますし、いまのような穴蔵というのか洞窟というのか、これもうまくいくならばその方向にも力を入れていただきたいと思います。さらに海外へ輸出をしていく、余った米を輸出する、条件は別としまして、申し入れのある国というのはどのような国でしょうか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、すでにやりましたのは韓国、パキスタン、それからインドネシア、沖縄、それからビアフラ、あっちのほうは特別の関係でありますが、そういった国がございます。現在国会に特別の条件で米が輸出できるような法案の御審議をお願いしようということで準備をいたしております。近く御提出を申し上げるという予定になっておりますが、いまのそういう法案が通りますれば申し込みたいというような意向が私どものほうでわかっておるといいますか、これは正式な話ではありませんが、大体そういった模様のある国といたしましては、やはりパキスタンとかインドネシアとかいうふうな国がございます。  なお、私どもとしましては、海外の主要な米の輸入国十四カ国に対しましてサンプルを送ったり、あるいは日本米の解説書を添付いたしまして、海外の需要の動向あるいは品質に対する考え方等について市場調査をいたしておるところでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)分科員 時間が参りましたので、それではこれで私の質問を打ち切りたいと思います。  ありがとうございました。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 私はきょうは、白ろう病に対する対策の万全を期してもらいたい立場から、この問題にしぼってその具体的な対策の点をお聞きしてまいりたいと思います。  この問題は、いわば林野庁におる山林労働者、この人たちがいわゆる生命と健康に重大な危機を感じながら仕事をしている、こういうような白ろう病に対する問題でございます。いろいろといままで団体交渉やそれらを通じまして十分成果はあがっておる、こういうようなことを聞いているわけであります。この予防、治療、アフターケア、こういうようなことに対しましてどういうふうになっておりますか、まず概要をお聞かせ願いたいと思います。

池田正範林野庁職員部長

○池田説明員 御説明申し上げます。  白ろう病の予防、治療対策につきましては、林野庁といたしましてその消滅を期するという基本姿勢に立ちまして、庁をあげてこれに対処をいたしておるわけでございます。特に国有林におきましては、機械の改良開発を鋭意進めまして、振動防止につとめますとともに、機械の操作時間の規制あるいは防寒、保温のための各種措置、職種がえをいたしました場合の賃金の保障、それから治療方法の研究等をあわせまして実施をいたしております。これらの措置は、現在の段階におきまして実施し得る、いわばできる限りの努力を払ったものと考えておりますが、当面レイノーの現在の発生状況から見まして、これらの効果が徐々にその効果を出してくれるものと期待をいたしております。  以上でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 こういうようなことが、予算委員会その他においても問題にならないような状態で解決されていることを心から望んでおった。いまの報告を聞いて、そのまま了承するということには、ちょっとまいらない点がございます。それはいわば振動機械の改善、こういうようなものに対してどれだけの熱意を払っているか、こういうようなことでございます。おそらくは熱意を払ってこれを改善しても、国有林の関係の林野庁の所管にかかるものと、民間の、いわば直接林野庁が指揮命令のできないようなところに働く労働者、この二つの面に分かれるわけでありまして、これはやはり一貫した指導もしなければならないのでございます。そういうような点からして、この振動機械の改善ということに対しても積極的に取り組んでいる、こういうようなことを聞いて一応は私も了解できるわけでありますけれども、ではこれを完全に行なうために、振動機械については国で検定を行なって、合格したもの以外の販売と使用を禁止させる、こういうような方法を講じたならば、これはもう完全じゃないか、こう思うのですが、こういうような方法をとってございますか。

池田正範林野庁職員部長

○池田説明員 御指摘の振動障害の問題につきましては、確かに国有林関係だけでなくて、全般の問題であろうかと思います。そこで労働省を中心にいたしまして振動障害対策委員会というものが設けられておりまして、林野庁もその中に参画をいたしまして、振動障害の労働者に対する影響を基本的に防止するための諸種の検討、研究が進められております。私どももその検討結果を踏まえまして、結果が出次第早急にその方向に向かって万全の体制をとりたいと林野庁としては考えております。  なお、機械そのものの振動から守る体制でございますが、これは考え方として幾つかあると思います。一つは振動機械の発する高周波の振動をなるべくなくす方向に改良を加えていくということであろうかと思います。それから、機械の振動部分は動力の部分でございますが、その部分を身体から切り離すことによりまして、いわばリモートコントロールの方式を採用することによって振動の身体への悪影響を回避するということが第二点であろうかと思います。さらに第三点としましては、これらの振動にかわる機械を使う。たとえばガソリンの使用によるモーターといったような振動の大きいものを避けて電動式に切りかえる。この電動式もなるべくショックの少ないものに切りかえていくといったような形で、いわば第二の機械、代替機械を発見する、こういうことがあろうかと思います。現在国有林としましては、これらのそれぞれの機械につきまして、林野庁はもとよりでございますが、林業試験所あるいは営林局等を通じまして、それぞれ試作をいたしました機械を現場に持ち込みまして現在検討中でございます。それらの結論のおおむね見え次第、直ちにそれが実行に移せるような体制に現在取り組んでおるわけでございます。  なお、民間のほうにおきましても一般的に、これは先生の御指摘の中にもこの意味が含まれておるのだろうと思いますが、民間の場合にはなかなかそれらが国の採用段階ほどのレベルあるいはスピードで進まないことも考えられますので、これらは労働省の局所振動障害防止対策委員会のほうに私どもの実験データ等を常時サービス、あるいは向こうからの意見も常時取り入れるというようなことで、労働省と緊密なる関係をとりまして、御指摘の方向に持ってまいりたい、かように考えておるのでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 労働災害の危険のあるような機械の使用はもちろんさしてはならない、そういうようなこととあわせて、いまそれを着々と審議会その他にかけて、結論が出次第それに対処する、こういうような方向も大体わかりました。その場合に、これは大臣に特にはっきりとお願いしておいたほうがいいと思いますが、この機械がいいということがわかって、それをはっきり打ち出しても、より安いようなものがあれば、業者としてはやはりそれに取り組む、これはいまの体制の中で野放しにしておいた場合は禁止する何ものもない。それと同時に、今後いろいろな状態で、こういうようなものを自己負担において労働者に持たせる場合には、経済上の理由から、いいものをやっても、また悪いものであっても、安くて効率が上がるものであればそれに飛びつくような可能性がないわけでもないわけです。そうなると、白ろう病はまた野放しになる。対策ができてもそういうようになってしまうおそれがある。それで今後国のほうでそういうようなものに対してある程度の検定を行なったり、こういうようなことによってそれ以外のものの使用と販売を禁止するようにしたらば、白ろう病の絶滅が期されるのではないか、こういうようなことを考えます。と同時に、この具体策として、チェーンソーの整備を含めて、民間の場合にはこれは全部労働者持ちになっておりますから、使用者のほうに持たせるのも一つの対策じゃないか。それから使用時間をきめても、高能率、高賃金というたてまえから、また出来高払い賃金制が現存する以上——やはりこれはもう守らせることが必要だと思います。それとあわせて今度は労働者に安全教育を完全にさしておくというようなことも必要だと思います。こういうような点は、当然労働省の基準局のほうでも民間に対してはこれを厳重にやらせるように指導しなければならないのと、これはやはり林野庁だけの問題でもなくなりますので、大臣のほうでこういうような点を含めて十分に対処する必要があるんじゃないか。そうでなければ、林野庁のほうでだけこれをやっても、民間の労働者のほう、民有林のほうは野放しになる、こういうようなことになっても困りますので、以上のような具体的な点をあげて対策をお願いするわけでありますが、大臣のこれに対する決意を伺っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御存じのように、最近林業関係の労働力がたいへん不足してきているわけであります。そういうところで白ろう病になるような機械を持っておることは、民間でいえば経営者としても決して利益ではないわけであります。それからまた私どものほうでも、勤務員がそういう病気にかかるということは人道的にももちろんよくないことでありますし、そろばん勘定からいっても引き合わないことでありますので、先ほど職員部長が申し上げておりますように、各方面の知識を集めまして、そしてこういう機械による障害が起きる原因を深く掘り下げて検討して、そういうことに対処していきたい。私どものほうの林野庁では、先ほどもお知らせいたしましたように、そういう点については鋭意努力しておる最中であります。民間のほうも同じように業界で、林野庁は接触しているわけでありますし、これからも十分注意いたしてそういう方向に進めてまいりたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 御存じのように、民間のほうでは、労働基準法で、勤務時間や休日、これは適用除外になっているようです。そうなりますと、一日幾ら働いても、これは野放しになるという危険性も当然あるわけであります。それで今度これに対しては精神訓話的な指導通達を出しているようでありますけれども、これは守っても守らなくてもいいような通達であります。それについて大臣がいま心配しても、民間のほうは野放しになるおそれ、危険が私感じられるわけなんです。労働省としては指導通達をどのようにして実施さしているのか、これをちょっと伺いたいと思います。

東村金之助労働省労働基準局安全衛生部長

○東村説明員 ただいま先生御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、この二月二十八日にいわゆる指導通達を流しました。それにはいろいろの柱がございますが、これをどうやって徹底するかというお話でございますが、私どもとしてはこの通達が出ました際に、全国局長会議を、このためばかりではございませんが、招集いたしまして、これは事の重大性が非常にあるので、徹底してやるからということを、われわれの行政機関の下部に流すと同時に、実は林業に関する災防協会というのがございますので、そこにも協力を呼びかけてこの通達の徹底方を期したい、こういうふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 指導通達を出しても、内容はただ単にそういうような機関で検討している程度のものであって、具体的に業者を拘束するというようなところまでこれは行かないのじゃないかということをおそれる。林野庁その他で進んだチェーンソーをいま開発中だということですが、チェーンソーは業者持ちではなく労働者持ちで、出来高払いの体制になっていますから、安いものを使ってもそれによって能率をあげるということを考えられるから、安いものであってそういう危険性のあるものは使わせないようにしておきたい。そのためには、検定に合格したもの以外のものの販売や使用は行なわせないようにする、これが第一番でなければならないと思っているのです。それと同時に、使用者がチェーンソーに関しては整備を含めて全部持っているものでなければならない。労働者持ちにしてはならない。これが第二番目です。使用時間をきめても、責任を持ってこれを守らせる体制がないのです。だれが行って監督していますか。ほとんど使用者にやらしていますから、出来高払いの現在、おわかりのとおりなんです。これも十分に監視体制、指導体制を確立しなければならない。あなたまかせではだめだ。もう一つは、労働者安全教育、この問題はがっしりやってもらいたい。  こういうようなものを一つずつあげて、これはいま大臣も努力すると言うのですから、あなたのほうでは、民有林関係のこういうような労働者に対しては、はっきりこの点を示達するなりして、これは白ろう病絶滅の一つの柱にしてもらわないとだめだ。こういうふうに思うわけです。ひとつこの点に対して十分対処してもらいたいと思いますが、どうですか。

東村金之助労働省労働基準局安全衛生部長

○東村説明員 白ろう病の問題につきましては、実はこういう観点からもわれわれは大きな問題として取り上げております。それは、労働者災害防止実施計画というものを年々立てておりますが、これによって労働災害の絶滅を期する。特に重点業種というものをあげまして、その重点災害ということを指摘いたします。その際には、重点業種として林業をもあげ、また重点災害としては振動障害を絶滅したい、こういう心がまえでやっております。  それからただいま御指摘の国家検定のお話でございますが、この問題については振動許容限度というものがまず前提にございまして、それ以上の振動を発生する機械を使用禁止するということから始まりまして、その許容限度以内のものについて認定する、こういう手続になるわけでございます。この許容限度について実は国際的にもいろいろ問題がございますし、われわれとしても鋭意検討中でございますので、こういうものが確立した時点においてこの問題は検討していきたい、こういうふうに考えております。  それから、先生いま御指摘の、どうやって実施させるか。率直のところ、われわれもたいへんな問題だと思います。ただ具体的に問題をしぼりながら、それによって監督官を動員し、専門家も動員してやっていきたい、努力をしたい、こう考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 ほんとうに努力はわかるのです。だれが行ってやるか。労働基準監督局または署、こういうようなところではどこへ行っても人手不足で、そっちのほうまで手が回りませんというのがいまの考えのようであります。上のほうでそういうふうにいっても下部のほうでは手が回らないというのです。それで指導の完ぺきを期する、こういうようなことになっても——言うべくして行なわれないことなんです。この点は十分考えて、こういうようなもののために人をふやすには一律五%減というようなことにこだわっていられないと思うのです。この点についてひとつ大いに農林大臣も聞いておいてほしい、こういうように思うのです。  またその対策とあわして、どうしてもいまの出来高賃金制、これも廃止していかなければならないのじゃないか、こういうように思います。いまの場合はそれをやると、たとえば一日三千円もらっている人は千五百円に下がるおそれもあるというのであります。ですから、やはり進んで自分が病気になる、そういうような機械を使って、そしてそういうような制度のもとに、おそらくあの病気になってからあとで苦しんでいるようなのが現状なんです。出来高払い制、これもやはり十分考えて対処する、こういうような必要があると思うのです。これはもう林野庁並びに労働省両方の問題でありますけれども、御所見を承っておきたいと思います。

池田正範林野庁職員部長

○池田説明員 御指摘のとおり、この問題は確かに大事な問題であろうと私も思います。そこで問題は、現在の林業労働の性格がはたしてどういう性格かということから考えていかなければいけないと思いますが、御案内のように非常に広い地域に分散しておりまして、なかなか経営者側の指導なり監督なりが届かないということが第一点です。  第二点は、これらの地域で散らばって行なわれております作業が、ことばはあまりあれでございませんが、自己完結と申しますか、その場で完全に終わってしまう。一回一回の区切りがつく。同時に量的にもその仕上げた仕事の量が測定可能であるということもございます。したがいまして、一般的に見まして、レイノー予防上悪い影響を与えないということであると、むしろ林業労働は出来高制によることは給与特例法の趣旨にも合致をするのではないか、ただ問題はそういう出来高制をとることによって刺激性が強過ぎて労働者が無理をして働く、そのためにレイノーにかかりやすい状態がつくられるのではないかという御指摘だろうと思います。この問題につきましては、実は昨年末の国有林の関係につきましては、労使の間で総合的な協約が成立をいたしました。この振動機械、なかんずくチェーンソーが一番大きな影響がございますが、一人一日について二時間以内、それから一週間について五日以内、さらに一カ月には四十時間を限度とする、また操作の日数も三日以上続けて操作してはいかぬ、さらにチェーンソーについては十分、刈り払い機につきましては三十分を基準として一連続時間それ以上続けない、つまり断続させるという非常にこまかい強い規制措置を講じており、そのほかいわゆる出来高制につきましても、その山の同じ職種ごとに共同の出来高制を導入するというようなこともあわせて労使の間で同意をしております。したがって、これらを相互勘案いたしますと、日給制、いまの出来高制をとりながらも、なお御指摘のレイノーの問題については十分対処していき得るのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 それならば、対処できるというならば、健康診断というようなものに対しては、一体民間のほうはどういうふうになりますか。おそらく健康診断さえもやっておらない、こういうふうな状態で十分対処しているということは——林野庁のほうはやっているが、民有林関係は健康診断さえもやっていない。これは労働省のほうでこういうような点を指導しないといけない。  それともう一つは、早期発見と抜本的な治療対策、こういうようなものも考えなければならないはずです。健康診断並びにこういうような抜本的治療策、こういうものがいまのところ考えられているかどうか。これは重要なことです。  それともう一つ、あわせて労働省のほうに特に言っておかなければならないと思いますが、これは林野庁も同じです。というのは、これは温泉療法がよろしい。いま研究の課題としてこれは実施されつつあるけれども、依然として研究費の中から出してこれをやらしている。そうなりますと、国家公務員のいわば労災補償法の関係においてもこれは認められていないから、全額自分持ちだということになってしまうようであります。それでは対策ができ上がっても何にもならぬじゃないか。またそういうような問題から治療研究の補償、こういうようなものに対してははっきりと確立させなければならないし、健康にいいとわかっておっても、これが使用できないような隘路に対してはこれを打開しなければならない、こういうふうに思うのですが、法政正とあわせて治療の方法の発見並びに健康診断、これを民間に十分やらせる、これは大事なことです。これは労働省のほうでどういうようなことをやっているか、またやっていないのですからこれに対する対策は十分考えてもらいたいが、どうですか。

東村金之助労働省労働基準局安全衛生部長

○東村説明員 まず健康診断についてでございますが、先ほど申し上げました通達におきまして、健康診断について細部を規定してこれを徹底するように指示しております。しかしいま御指摘のように健康診断はなかなかむずかしい問題でございますので、われわれもこの通達だけですべてが解決するとは思いません。確かにこの問題についてはさらに努力しなければならない、こういうふうに考えております。  それから抜本対策の問題でございますが、言うまでもなくこの問題については、われわれも早く抜本対策を立てなければならないと懸命に努力しているわけでございまして、専門家による研究委員会をつくってその予防対策、治療方法等を検討しておりますが、何ぶんにも問題が問題でございますし、国際的にもいろいろ残された問題をかかえておるようなことでございますので、当面は先ほど申し上げたような通達を出したわけでございます。  それから労災の温泉療法の問題でございますが、これは医師がその必要性を認めますならば、われわれはそれを治療として認めるようなシステムになっております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 この治療と療養のための休日、これに対しては林野庁のほうではある程度組合と話して合意に達している点があるということも聞いております。それはまことに私としては同慶にたえません。しかし民有林関係では企業者というのですか、それが六〇%の賃金しか見られておらない、こういうようなことのようであります。そうなると、せっかく治療と療養のために休んでも、生活にまた追われるということになってしまったらとんでもないことになる。したがって、あとは企業主が療養給付金ということによって若干の上積みということをしてやるように指導して、治療の完ぺきを期すべきじゃないかと思いますが、労働省のほうはどうですか。

東村金之助労働省労働基準局安全衛生部長

○東村説明員 労災保険の百分の六十の問題の御指摘のようでございますが、これをどうするかは別の問題として、それに上積みというお話でございますが、これは民間によっては業種によって労使協定等で出しておるところもございます。ただ民間の林業等においては何ぶん小、零細の企業でございますので、なかなかむずかしいのじゃないだろうかというふうに考えます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これはやはりむずかしいのじゃないかということでほったらかしておくから、この白ろう病は絶滅されない。やはりむずかしくても予防と治療、アフターケア、これは一貫して完全に指導するのでなければだめなんです。あなたは基準局の安全衛生部長でしょう。安全衛生の立場からもこれは完全に指導しないとだめです。むずかしいだけじゃだめなんですよ。何をやってもむずかしいのだから、これはむずかしくても大臣、これはやはり一歩踏み出して労働大臣と十分検討して、そうして治療の完ぺきを期すべきだと思うのです。いまむずかしいからということなんですが、むずかしいのは百も承知だ。しかし、やはりいまや公害だとか職業病だとか、こういうようなものは一つずつでも解決していかなければならない。まあ日本が世界的な焦点になっておるわけですから、これはやはり公害の問題とあわせまして、白ろう病の問題はむずかしいけれども、これらの治療の完ぺきを期するという意味から、これはやはり考えてやらなければだめだと思いますから、大臣やってやってください。いや、やるべきだと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 この問題は私どものほうにも関係がたいへん深いものですから、林野庁等においてもずいぶん苦労しておるようでありますが、労働省等とも十分協議いたしまして、こういうことはなるべくなくするためにわれわれは努力しなければならぬのでございますが、一生懸命で労働大臣とも御相談申し上げて努力をいたしたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 大体はっきりと予防対策は講じられつつあるということはわかりました。治療対策の面についても行なわれているけれども、まだ若干困難だ、この困難の打開は、ただいま大臣が労働大臣と協議してやるということで、私は了承しておきたいと思います。  最後に、こういうような労働災害、職業病のための療養所、こういうようなものも考えて、そうして療養の完ぺきを期してやるべきじゃないかと思うのですが、こういうようなものがあるのでしょうか、ないのでしょうか。林野庁と民間を問わず、これはどうなっておりますか、お聞かせ願いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 これは労働大臣がお答えすべきことでございますが、私から……。  労災病院の大部分はもうそういうことの治療のできる装置、しかも近代的な装備をしておりますので、かなり私はいけると思います。ただ、いまよく知っておりませんのは、この白ろう病に対する治療について設備があるかどうかは、私自信を持っておりませんが、その他のことについては、自後の療養などについて労災はかなり設備の完備したものを持っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 労災の病院の機能や設備はわかっておりますが、残念ながらこの白ろう病に対しての部分がないようであります。そうして、これは特に治療の中でも温泉療法が有効であるという方向にだんだん行っているわけなんです。これに対してほんとうにいいのか悪いのか、まだ決定的なデータは出ないのですけれども、大体有効だというような中間報告がなされておるわけです。しかし現状では、治療として人事院のほうでもこの問題は認めておらないでしょう、温泉治療は。そうすると、これは早急にこういうような問題も取り入れて解決をはかるべきだ、こういうように思うわけなんですが、人事院ではこれを認めておりましたでしょうか。

池田正範林野庁職員部長

○池田説明員 御指摘のとおり、白ろう病の治癒をどこで認めるかということが非常にむずかしい問題のようでございます。したがって、現在白ろう病の治癒認定というものが行なわれておりません。したがって、公式には一ぺんかかりますと、なおったということは本人の自覚にまつほかはないという、その意味ではかなり憂慮すべき状態にあると思います。しかし、林野庁といたしましては、よりよい治療方法を開発しなければならないということから、東大あるいは労災病院その他研究機関に委託をいたしまして、現在、昭和四十三年度からかなり濃密な研究を進めておりまして、逐次その成果が出次第、私どものほうも営林局の所管いたしております医療施設、あるいは民間に委託をいたしまして、その効果が出るような方向で努力をいたしておるわけでございます。  なお、温泉療法につきましては、確かに一部でその効果がいいということがございますけれども、しかし、なお医学的には検討を加える余地があるようでございますが、関係省庁と十分連絡をとりまして措置をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 この絶滅のためにひとつ皆さんこぞって大いにがんばってもらいたいことを心から要請いたしまして私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 私は、去る一月の二十七日岩手県の衛生研究所で開かれた宮古市の公害についての研究会で、宮古市の閉伊川の河口部にある水質汚濁の原因について、その原因が、同市のラサ工業の宮古工場の廃液によるものである、こういうように岩手大学の後藤達夫教授が報告しておりますが、この報道を聞きまして、さっそくわが党では調査団を派遣いたしまして、私もその調査団の一員として現地に参りました。     〔主査退席、大村主査代理着席〕 その中できょうは水産関係について御質問を申し上げたいと思います。  そこで水産庁の長官にお聞きいたしますけれども、現地に参りますと水産事業における被害が非常に甚大である。すなわちカキの養殖組合の陳情によりますと、養殖カキが、すなわちその中からミドリガギといわれる変色したカキが相当発見されております。そのカキの分析を県の水産試験場でいたしますと、十月の十六日に平常のカキよりも八倍も多いという多量の重金属を含んでおることがわかったわけであります。これは米国のランソン博士の示す許容量を非常に上回るものである、こういうわけでありますが、現地に行きますと、この対策として二年養殖したものを廃棄処分にし、一年ものは上質のものだけを選別して販売しておる、こういうような状態でありました。その被害額は約一千九百四十万、このような状態で、零細の漁業者の方々が困っておったわけでありますが、それについてさっそく帰りまして農林省の水産庁にも申し入れをいたしましたけれども、これに対するところの対策、こういうことについてお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 この宮古湾におけるミドリガキの発生につきまして私どもお話を伺いまして、すぐ県当局から詳細の報告をとったわけであります。それでミドリガキの性態分析、それが銅、亜鉛あるいはカドミウム等による被害であるかどうかということの究明と、さらに水産業者がこうむった被害等につきまして県からの報告をとりました。さらに、どうもこのミドリカキの問題は、実はカドミウムの問題よりも銅、亜鉛による影響であろうという推定がつくわけでございますが、銅、亜鉛によるミドリカキの問題以外に実はカドミウムの公害の問題が一つ加わっておりますので、県及び通産省に対しまして水産庁から正式に工場の設備の改善等について申し入れをいたしたわけであります。また私どもの担当官を現地にやりまして詳細に調査をいたしました。その結果、県の水産試験場あるいは衛生研究所等におきまして現在ミドリカキを中心にいたしまして試験をやっておりまして、その試験の結果がおおむね四月中にはわかるという情報をもらっております。  それからこれも県報告を通じてでございますけれども、二年ものの養殖カキのミドリカキを約二トン廃棄をいたしまして、時価に換算いたしますと二トンで約九十万円でございますが、さらに一年ものの中でぐあいの悪いものを廃棄をしたものが若干ございまして、それを含めまして直接の損害といたしまして百六、七十万円になるということを漁協が申しておるようでございます。これもミドリガキの発生原因がラサ工業の排水によるということが直接関係づけられれば、当然漁協のほうから補償の問題が出てくるわけでございますが、これらの問題も含めて現在の水産試験場あるいは衛生研究所の試験の結果を待って処置をいたすつもりでおります。  なお、私どもからの申し入れということだけではございませんけれども、県あるいは通産省のほうから工場に指導いたしまして、施設の改善を現在工場で相当やっておりますので、カドミウムの流出が相当量減っておる。この問題はよほど改善の方向に向かっているということも聞いておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 私は、いまとっていただいたところの処置につきましては了解をするわけでありますけれども、そこで現地に参りまして、まず一番問題になりましたことは、水産行政の盲点と申しますか、そういうことが非常に感じられたわけであります。それは一つは、このカキの問題が発見されましたのは、これは東京に出荷をいたしました。そうしますと、そのカキの中にミドリガキがあるというので返品を食った。それで問題がカキのほうははっきりしてきたわけでありますけれども、それでもそのことが県あるいは水産庁にわかっていなかったのではないか。一般の方の通報によって県が初めて知ったような状態、そこにこの問題があると思うのです。現在公害は非常に大きくクローズアップされておりますけれども、特に食べものの中にこうした重金属が入っておるということは、これはいままでも中毒を起こすというようなケースもずいぶんあったわけでありますが、それを早くキャッチをして処置をしなければ、何といっても業者のほうは、騒がれますとこの出荷がとまる、購買がとまる、こういうわけでなるべく隠そうとするのじゃないかと思うのです。私ここへ参りまして特に気がつきましたことは、これは日本全体にいわれることであると思いますが、水産庁が今後やはり水産の行政をつかさどって、そしてその人たちを育成することも大事であります。しかし今度は、それを食するところの消費者、われわれ国民の人体のほうも考えなければならぬ、こういう面から考えますと、もっと早くこの欠陥行政を改めていただきたい、こういうように私は思うのですが、いかがでございましょうか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 御指摘のような事実は確かにございます。これは一つは、産地の事情といたしましては、原因なりあるいはその食害の程度等が明らかになるまでは、もしもこれが非常にたいへんなことだということが初めから十分の基礎なしに一般に知れ渡りますと、産地の銘柄、名声ががた落ちになるという、そういう事情が実はあるわけでございます。この県のカキと申しましても、生産業者百四十六名で、年間の生産額がカキのむき身で約八十トン、金額で二千万円という非常に零細漁民でございますから、おそらく産地の声価を維持するために多少は、隠すということではございませんけれども、十分の基礎なしにこれを天下に公表するということをちゅうちょする事情が事実問題としてあったと私は思います。私ども、水産行政は生産者のための行政でありますと同時に、御指摘のように消費者のための行政でありますから、あぶないものが、あるいはあぶないおそれのあるものが市場へ出回ることをできるだけ早期に発見をして十分の手を打つというつもりでやっておるわけで、その一つといたしましては、私ども水質の汚濁の調査を相当広範囲にやっておりまして、その付近につきましても四十五年度に新しくこれをやるつもりでおりますので、片方におきましては水質保全の十分の調査をやって水質の汚濁に備えると同時に、そういう市場の情勢をできるだけ水産庁として手早くキャッチして、そつのない行政ができるように、私どもこれからも心がけるつもりでございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 私なぜそのことを言うかと申しますと、これは少し前にもやはりここでミドリガキで問題が起こっておるわけであります。それから全国至るところにちょいちょいそういう最近の水質汚濁によるところの問題が出ておるわけです。したがって一般の消費者の方が騒ぐと生産者が非常に困るということもわかるけれども、騒ぐ以前に早くキャッチをして指導をすることが大事じゃないか。私こっちへ参りまして一番よくわかりましたのは、台の上にカキを載せまして青いのをこう選別しているわけです、どんどん。それに対する何の指導というか、行政もない。要するにほんとうに業者の良心に訴えるしかない。なるほどだめなものを送りますとこれはそこの信用にかかわりますから、やはりだめなものは抜いていると思いますけれども、しかし行政的な、そこに立ち合うとか、あるいはこういうものはこうしなければならぬとかいうような的確な指導が不足をしておるのではないか。これは特にひとつ大臣のほうからでも各県の水産行政に携わる人たちに通達をしていただきまして、強力な、騒ぐ以前の処置、こういうものをしていただけないか、こう思うのですが、いかがでございましょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 大事な問題でありますので、的確な指導をいたすようにいたしたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 次は林野庁長官にお尋ねし、また提案を申し上げたいわけでありますが、小さな数字をきょうは言うている時間がありませんので。私あちこちを視察し、また現地の声などを聞きまして、まだわが国にははげ山の民有林が相当あるわけであります。聞きますと、これは県が三分の一、国が三分の二の補助で植林をしていく、こういうようなことを林野庁のほうではやっておるように聞きますけれども、その点について聞きたいのです。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 いま先生のお話ですが、はげ山の対策として県が三分の一、国が三分の二というお話ですが、これは治山事業で復旧治山として、その比率で助成をいたしております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 そこで、これは戦時中の乱伐、あるいはまた民有林のことでありますから切るのをとめるわけにもいきませんので、こうした山がだいぶん——私、この前兵庫県の三田市というところに参りまして、その奥のほうに参りますと、やはりそういうのがずいぶんある。隣の国有林はどんどんいま植林をしておりますけれども、民有林はそのままになっておる。治山治水、要するにこれは水源問題にも非常に関係してくると思うのでありますが、そこで、これは民間のほうからの、要するに民有林を持っているその持ち主からの申請がなければできないのか。それについてひとつお聞きしたいのです。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 これは申請と申しますか、やはりその土地の所有者の了解がないと、治山事業として手がつけられない、そういう実態になっております。申請というよりも県で計画をして、その所有者と話し合いをして、どうだろうか、この事業をやったらどうだということでやられておる場合が多いかと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 そこで提案でありますが、これは全部のはげ山みんな一ぺんにやってしまおうというようなことも、国の財政上、また県も三分の一も出すのでありますから、なかなかできない。したがってやはりある程度年次計画を立ててそういうものをなくしていく、そして日本の国の緑を保護していく、こういうことも必要じゃなかろうか、こういうふうに私は思うのですが、その点について聞きたいのですが、いかがですか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 年次計画は全国的には第三次治山五カ年計画がございますが、それを四十三年を初年度といたしまして、現在実施中でございます。それと各県は県でそれぞれ県内の五カ年計画を立ててやっておるはずでございます。  以上でございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 実例について申し上げておりますと時間があれですから、次に進みたいと思います。  次は、兵庫県の芦屋市というところのもと国有保安林であったところが民間に払い下げられまして、その付近の土地は六甲山系で豪雨が非常に多いところで、いままで何べんか事故を起こしております。昭和十一年あるいはまた昭和四十一年というように山くずれがありまして、非常に困っているわけであります。その山がくずれますと、ちょうど下の六麓荘にたくさんの被害がございまして、急な坂になっておりますから、一ぺんに埋まってしまうというようなことが非常に懸念されまして、それについて林野庁のほうから現地調査もしていただきました。それに対して防砂堤と申しますか、そうした工事をお願いしたいというわけで、陳情申し上げたわけでございますが、これについての経過あるいはまた今後の計画がございましたら、お聞かせ願いたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 その後現地で十分検討いたしまして、昭和四十五年度の治山事業計画として実施をすることに決定をして、いま水路の設計その他もできておるはずでございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 これは必ずひとつ実施していただき、下のほうにあるところの芦屋市民を災害から守っていただきたい、こういうように思うわけであります。  次に、森林組合につきまして一言お聞きしたいと思うのですが、私吉野の山の奥に行きますと、森林組合に対していろいろな助成金あるいはまた農林中金ですか、こういう方面のいろいろの取り次ぎ、こういうような事務をやっておるのではないかと思われるのでありますけれども、補助金なんかが来たりあるいはいろいろなものが来ましても、零細なところにはその金が回らない。そして有力者といいますか、大きなところにその金が回ってしまうという訴え、そういう苦情がたくさん見られるわけでありますが、森林組合の性格あるいは農林中金の性格についてひとつお聞かせ願いたいと思うのです。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 いわゆる造林等についての補助金のあり方の問題と申しますか、制度の点でございますが、現在補助金によります造林以外の方法といたしましては、農林漁業金融公庫から融資がございます。その融資につきましては、県の信連でありますとかあるいはその他の金融機関、ここから造林者が直接融資を受ける場合、それから森林組合を通じて転貸しを受ける場合、この二つの方法がございます。いま先生の言われましたのは、その森林組合を通ずる転貸しの分だと思うわけでございますが、この件につきましては一件当たり一万円以上、しかしとにかくそれらが集まって最低十万円以上になった場合には融資の転貸しをする、こういうかっこうになっております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 融資の対象になる、そういうのは何か規定があるのでございましょうか。幾らかの担保がなければならぬとか、こういうものがなければ金は使えないのだというような、非常に大ざっぱなことですけれども、こまかいことを言うておるわけにいかぬのですが、そうではないんだ、どんな人でも借りられるのだということなのか、これについてひとつお聞きしたいと思うのです。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 金融でございますので、無担保、無保証というわけにはまいりません。ただ四十三年に改正いたしまして、それまでは森林組合の全役員の個人保証ということを要求しておったわけでございますが、現在は組合長、それから常任理事だけの保証、こういうかっこうで済むように簡素化いたしました。

岡本富夫公明党

○岡本(富)分科員 その点は了解をして、これはまたこまかい問題については、時間がありませんから、直接お聞きいたすことにします。  次に、昨年の予算委員会のときに、これは当時の大臣とそれから林野庁長官にお願いをしておきましたのですが、高知県長岡郡の大豊村の土地の件でありますけれども、この方は登記謄本によって山を買ったわけでありますけれども、その登記簿の登記の中にはきちんと出ております。ところがそこをさがしてみますとすでに林野庁の区域の中に入っておる、こういうことで裁判問題になったような状態らしいのですけれども、それについてこの前お願いしたことは、その山がどこにあるのか。これは零細な個人ではなかなか明示ができません。聞くところによると、現地の人やあるいはもと官庁にいた方々もあれなんだというのが、すでに林野庁の区域の中に入っておるというような訴えでありました。だからひとつこの問題については、ぜひ林野庁のほうで、たいへん御苦労ですけれどもさがしてやってもらいたい。ここなんだということをひとつさがしてやっていただけませんか。こういうことをお願いいたしましたところが、前長官あるいはまた前農林大臣には、わかりました、親切にさがしましょう、こういうようなことの答弁をいただいたままになっておるのですが、このあとの経過、これをひとつお聞かせ願いたいのです。前任者から引き継いでおりませんか、どうですか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 詳しい状況はわかりませんが、確かにそういうところはございます。登記所で備えつけておる公図をいろいろあてはめてみますと、国有林の中へ入るような形、あるいは入らぬような形、どっちでもとれるような公図ができておるようであります。そういった事例も全国的に間々ある事例でございまして、それを知らないで所有者名義が、転々と権利が移転をしておるという事例、裁判ざたになっておる事例がございます。問題は明治の初めにつくりました公図そのものがおそらく見取り図でつくられた場合が多いかと存じます。国有林の境界査定は明治の中ごろから本格的にやっておりますが、その際には隣接土地所有者に立ち会いを求めて、その測量の帳簿には立ち合い者の確認の判こもとって、これは国有林だ、この隣は民有林だということで現在までやってきておるわけであります。間々その公図が、似ているような地形——山の場合ですと、沢があり尾根がありという形が似ておる場合があるわけです。それをこっちへ当てはめるとそうにもとれる、こっちに当てはめるとそうにもとれるというような事例が間々あるわけでございまして、そういった場合に、その土地所有者がおれの土地はどこにあるのだという場合もございますが、これはたてまえとしては地籍訂正その他、本人の申請がなければ登記所ではこれを受けられないたてまえになっておるわけでございます。林野庁の営林局がその民間の土地を、おまえさんの土地はここですよと言うのもなかなか言いずらい面もある。そういうことになりますと、さらにその隣接所有者に波及するわけでありまして、問題は国土の調査が正確に済んでおらないということで、現在これは経済企画庁の所管でございますが、国土調査を逐次やっております。正確な図面をつくりつつあるわけであります。がどうしてもそれが平場地帯の宅地とか農地が優先されて、山のほうはあと回しになってきておるという状態で、こういうことがないように、相談があれば営林署でも親切に相談に乗るという態度はくずしておりません。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 時間ですから、最後に。大臣、実はこれは前の議事録を見ていただきますと非常によくわかるわけでありますが、祖先が血と涙で開拓し、苦しい中にも税金を完納してきた土地が、現在、持っていた人の話では、難を受けたということで非常に困っておるのだということなんで、ひとつ民間ではそれをさがすわけにはいかないというわけで、この前はあたたかい手でさがしてやっていただけないものかということを私は申し上げまして、そういうふうにいたしましょうという答弁をいただいておりますので、きょうは時間がありませんから、もう一度その点を考慮いただきたい、こういうふうに思うのですが、大臣、いかがでございましょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 長谷川農林大臣もお答えになっております。こういうことはやはり国民一人残らずに親切にやってやるのが行政府の責任であると思いますので、こういう場所では時間もかかるでありましょうから、よく事情を聞いてみて、また御納得のいくようにお世話いたしたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 終わります。

大村襄治自由民主党

○大村主査代理 北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 まず最初に、この前予算委員会の総括質問の際に、食糧の安全保障の問題をお尋ねしてあったのですが、いざ万一のときに備えて自衛隊は軍備を増強している。万一そういう場合において、一体国民の食糧の確保はどうなるかということにつきましては、実はお答えがいただけなかったわけなんですが、私がその際に指摘しましたとおり、もしそういう事態が起こるならば、現在大量の食糧を輸入しておりますから、それが輸送の関係でもって半分なりあるいは三分の二なりに減ってしまう。そうなれば、まず困るのは、家畜の飼料を外国に仰いでおりますので、畜産物、肉あるいは牛乳なり卵、こういうものが暴騰して市場から姿を消すであろう。またみそ、しょうゆ、とうふ、納豆の原料の大豆も大半が輸入でありますから、これなども食べられなくなる、こういうような事態になるのじゃないか。したがって、食糧の安全保障ということについては、もし政府が防衛という問題を考えるならば、当然国民の食糧の安全保障は計画があり、考えていなければならぬ問題じゃないか、それについてどのような計画を持っておるのか、考えておるのかという質問をしたのですが、そのときにはお答えがいただけなかったので、きょうは担当大臣の農林大臣から、この点についてのお答えを願いたいわけです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私も予算委員会であなたのお話をお聞きしておりまして、これは国策の基本に関する重大な問題だと思います。ただいま御指摘のように、いま一口に、農林物資で米は一〇〇%間に合っている、あるいはくだものはどう、野菜はどうということを申しますけれども、それは、たとえば豚、鶏を考えましても、濃厚飼料の何百万トンというものの輸入が平日のごとく行なわれるという前提に立っておるわけであります。そのほか、農林物資だけではありません。私は、先年海員組合の紛争の中に入りました当時、もしこれが二十日間続いたらどうなるかというようなことを組合側との間にも相談をしまして、それこそはだにアワを生ずるような思いをいたしたこともあります。現実にそういう点を考えてみると大問題であります。  そこで、私どもは日本の繁栄を維持するためには平和が維持されなければだめだ、もしアジアの地域に平和を脅かされるような状況が出てきたときには、わが国の今日の繁栄を継続することは非常にむずかしい、こう思うのであります。その中でも私どもが担当いたしております食糧の政策につきましては、これも米はいまのような状態でありますが、大事な食糧である肉、酪農、そういうものを考えてみましたときに、たちまち非常な脅威を感ずるようになるでありましょう。したがって、私どもは、そういう意味においてもアジアの平和、世界の平和を守り続けるというのが私ども日本の基本的国策でなければならぬ、こう思っているわけであります。端的に申し上げまして、いまあなたがどういうことを想定して質疑していらっしゃるか、そのことはわかりませんけれども、非常事態の食糧について何を考えているかということにつきましては、私がいまここで一口にお答えできるだけの用意をいたしておらないわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 平和の問題、安全保障の問題、こういう一般的な問題は別としまして、ともかくも政府は安全保障のために軍備が必要であるというので自衛隊をどんどん増強している。万一のそういう場合を想定してやっているだろうと思うのです。使わないに越したことはないのですが、その必要性の起こる場合もあるのだからというので用意している。そうすれば、同じような場合に国民の食糧が一体どうなるか、当然考えなければならぬ問題だと思うのですね。また外国では、イギリスにおいてもあるいはスイスにおいても、こういう食糧の安全保障——戦争の場合とは限らないのですね。いろんな場合があり得る。国民の食糧の確保ということは、これは第一の問題だと思うのです。それについて、いまのような抽象的なお答えでは私は納得できないですね。当然最低限の食糧は非常の場合においてもだいじょうぶなんだ。あるいはこういう計画で行くんだというようなことがあってしかるべきじゃないですか。もう軍備も要らない、平和を念願しているという立場、こういう立場であれば、あるいはもう食糧のそういうふうな用意も必要がないということが言えるかもしれませんけれども、しかし何よりも大事なのは、国を守るというのは、私は国民の生存を守るということだと思うのですね。だから、そういう意味でいえば、私は当然、農林省だけの仕事ではないかもしれないけれども、しかし、そういう場合における食糧はこのようにして確保する、このようにしてふだんから用意をする、あるいは国内の食糧生産というものはこれを考えながら政策を進めていくというものがあってしかるべきだと思うのです。何もないというわけですか。政府では何も考えていないし、農林省でもそういうことは何も用意していない、考えていないということですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 政府全体で、たとえば海上封鎖が行なわれたようなときにどういう措置を講ずべきであるかというふうなことについて何を考えておるか、担当者でありませんから、私からとやこう申し上げることは遠慮いたします。私ども、いまのような前提のもとに食糧政策ということについて特段の計画は持っておらない、こういうことであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 しかし、これはどの国でも当然考えておる。またいわゆる食糧の自給を考えるべきだと思うのであります。     〔大村主査代理退席、主査着席〕 そういう点で私は、自給の問題について総理にお尋ねをしたところが、備蓄米制度を検討するというお話であったのです。農林省としてはどのように考えておられるのか、検討しますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま米が大量に出てまいりました。その前から一部に私ども検討の一つのテーマとしてありますのは、もみ貯蔵の話であります。そういうことについてはいろいろ研究はいたしておりますけれども、いま具体的の方針についてきまっておるものはありません。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 これは必要じゃないですかね。私は、いま米が端境期に七百万トンも余るのだから、備蓄米ということは要らないんだ、当然これは米そのものがあるんだからという考えじゃいかぬと思うのです。ということは、もみで貯蔵するということは、それ自体、それだけの施設なりあるいは政策を要することであります。しかも、ことし新米が入ってくるということになった場合に、倉庫の問題とかそういうことが当然出てくるわけであります。そういう際に、もみで貯蔵するという形でもって現在のストックを別計算にしておくというやり方、あるいは一つの目標というものを立てて、半年分なら半年分、将来はそこまで貯蔵するのだがことしはこれだけの分を備蓄米として勘定に入れておく、そしてこれはこういう形で貯蔵する——もちろんもみの貯蔵であります。そういうふうな計画を立てていかなければならぬ時期ではないでしょうか。ことしの端境期になってからじゃおそいわけですね。出回るときになって、いざ米が余って、備蓄米制度でも考えなければならぬなんというときになったらおそいので、少なくともことしの予算、こういうところで案をつくり、それだけの対策を用意しなければならぬじゃないかと私は思うのです。検討するとはいっても、ことしはそんな必要はないというのですか。農村を回ってみますと、やはり倉庫が一ぱいになっておる。リンゴの処理場にまで米を入れておるというような事態なわけであります。そうなれば、当然そういう点からしても困りはしないか。いわゆるもみ貯蔵、しかも農家そのものに委託管理してもらうというような応急の措置まで必要になるような事態が出てくるのではないか、このように考えるのです。そういうこととあわせて、この備蓄米制度というものは早急に対策を立てるべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私は一つの御見識だと思います。私自身も、この前農林省に初めてまいりましたときも、もみ貯蔵についての相談を担当者といたしたことがございますが、現在それが日程にのぼってきておるわけではありません。しかし、私どもとしてはいろいろな角度から考えまして、もみ貯蔵については研究すべき大事な問題ではないかと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 それで食糧の自給度ですが、これは米だけではなくて、主要な食糧については自給すべきだと思うし、自給の計画を立てるべきだと思うのですが、農林省が出しておる資料を見ますと、自給率が金額でもって計算されておる。八三%、四十二年度というふうに出ております。金額ということになれば、これは国内価格と輸入価格との影響が出てまいりますし、数量計算とかあるいはカロリー計算とか、何かもっと正しい計算方法があると思うのですが、農林省にそういう資料はありますか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 この自給の問題についての計算方法はいろいろございます。一応私ども金額で計算をしておりますが、また、カロリー計算、トン数計算ということも決して不可能ではございませんし、全くこれは技術的な問題でございますから、そのような計算ももちろんできます。ただ総合自給率ということになりますと、金額だけでどの程度自給をしておるかということをはかるのは非常に困難でございますが、国際比較という点からは、従来金額が用いられておるような事例もございますし、そのような便宜から、一応国際比較ということも考慮して金額で計算をしておるわけでございます。もちろん、トン数あるいはカロリーで計算した場合も総合の指数は出ますけれども、最近の国際的な傾向といたしましては、総合自給ということはあまり意味がない。たとえば米一トン、牛肉一トン、野菜一トンを比較してみても、総合的にそれが一〇〇であったとしても、人間の食習慣というものもございますから、一つのものだけを特に多くとるというわけにもなかなかいかないということで、総合自給率の計算ということは、最近ヨーロッパ等でもこれは意味がないといってやめておるような実情でございます。肉が幾ら自給しておるか、小麦が幾ら自給しておるかということはそれなりに意味があるようでございますが、それぞれ現在でも金額的に計算をいたしております。もちろん、カロリーなりトン数でやることは可能でございます。これは全く技術的問題です。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そこで農林省の最近における、四十三年度ですか、需給見通しを拝見しますと、昭和五十二年になると、たとえば大豆でいえば、生産はどんどん減っていくし、需要はふえてまいります。五十二年度の需要量というものは四百十五万トン、生産量が十二万トン。現在でも九十何%まで輸入でもってまかなっておるのですが、生産量のほうが十二万トンになり、需要量のほうが四百万トン以上ということになれば、ますますもって大豆の自給というものは問題でなくなる。大豆なんというものはこれでいいんですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 大豆につきましては、御承知のように、現在非常に輸入量が多くなっておりますが、輸入大豆の大部分が油脂原料でございます。と同時に油脂以外のとおふであるとか、みそであるとか、日本の伝統的な食品、たん白を主眼とした食品にも使います。油脂原料につきましては、もちろんなたねにつきましてはかなりの収量がございますが、日本の大豆は油脂分が少ないということから——これはおそらく日本の土壌その他の関係からくるところだと思います。しかしながら、たん白を主として目的とする大豆につきましては、もちろん日本においても合理化をすれば栽培は十分可能である、かような考え方でおりまして、たん白用を主眼とした生産というものは、今度の米作転換を契機として相当これは進めざるを得ないだろうというふうに考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 進めざるを得ないだろうじゃなくて、これは進めなければならぬと思うのですね。大豆が自由化されて、不完全な不足払い交付金制度のもとでどんどん大豆の生産が落ちていく、いまお話のあったような非常に重要な油脂原料である、しかもたん白の原料である大豆というものを、ある一定率のものを確保するということがやはり需給政策として必要ではないか。私の言いたいのはそこなんです。そんなものは必要でないというのですか。どういうふうに思っているのですか。必要に迫られるであろうじゃなくて、必要であると考えるならば、やはりことしからどんどんやるとか、そういうものが政策の上にあらわれなければだめだと思うのです。いまのような不足払いの不完全な制度のもとで大豆の生産がどんどん落ちている。それをただ見ている。それじゃだめじゃないですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 植物油脂、いわゆるたん白以外の油脂資源を日本の植物で確保するということは、私は非常に技術的にもむずかしい点があるというふうに考えております。したがって、もちろんこれは日本でなるべく自給するということは望ましいのでございますけれども、植物油脂に関しては、これを全部自給をするという方向は、先ほども御説明申し上げました理由で大きな困難を伴う、かように考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 それは困難かもしれないけれども、大豆のようにほとんど一〇〇%外国から輸入するといったような、そういう事態、そういう方向に進んでいる。それを黙って見て、手を出さないというのはおかしいじゃないですか。  えさにしてもそうですよ。えさにしても需給見通しからすれば、昭和五十二年には千九百二十万トンのえさを輸入する。えさなんか自給できるじゃないですか。われわれは昭和三十六年の農業基本法の当時に、二百万ヘクタールの草地をつくるべきである、こういう政策要求をした。ところがそんな計画は所得倍増計画にも何もなかった。その結果として、いまのように外国の濃厚飼料が入ってきて、そうしてそれがやはり日本の畜産の伸展をさまたげている。いまになってから新全総計画なんかで百四十万ヘクタールの草地を開発しようと言っているのですね。八年も九年も遅れている。これは何も専門家でなくてもわかる。畜産が成長すれば、そのえさも何割かは自給で確保するという政策が伴わなければ、畜産だって何だって伸び悩むわけなんです。わかりきったことなんです。ですから私は、大豆についても、自由化する前には三割ぐらいは国産だった、三割なら三割を目標にして大豆の国産政策をやる、あるいはえさについてもこれ以上えさの輸入をふやさないで、自給のほうでまかなうというように思い切った政策をとるべきだ。単なる需給安定法ぐらいではだめなんですよ。農林大臣はそう思いませんか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま米の転作につきましても、いろいろな方の御意見を承って、やはり大豆が非常にクローズアップしてきておりますが、いまの状態では、米に見合うだけの所得を得させるにはこれはなかなかたいへんなことであります。私はやはり、御説のように、酪農、畜産をやるにしても、小麦、マイロ、トウモロコシこういうものが、できるならばわが国の国産にできるだけ待つことがいいと思います。  草地の造成につきましては、ついででありますが、われわれもいま力を入れてさらに増反しようとしていることでありますけれども、品物によってはわが国で太刀打ちのできないものもあります。そういうものはやはり濃厚飼料の原料として輸入をしなければならぬものもかなりありますし、大豆等につきましては私どもは再検討いたしまして、できるだけ自給度を高めることがいいのではないか、そういうことについては価格政策等に思いをいたさなければなりませんが、そういう点についてひとつ根本的に考えて研究していきたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 時間がありませんから先へ進みます。  次に、いわゆる総合農政における構造政策です。これなども、いままで基本法成立以来九年になりますが、いままでのいわゆる自立経営、家族経営というものを育成するという政策はほとんど進歩しないのですね。そしてだんだん変わってきている。初めは二町歩程度の農家を十年間に百万戸つくるなんて、もう約十年たっていますよ。ところがそういう過去における自立経営というのは成り立たないで、むしろ二町歩ぐらいの農家でも兼業しなければやっていけない、そういうふうに来ているでしょう。今度の総合農政の中では、これをまた少し規模を引き上げて四町歩ないし五町歩、こういっているのです。これだって同じことだと私は思うのです。やはり家族経営の限界というものはあるのですから、四町歩、五町歩であれば、いまの状況のもとでなら米作もあるいは維持できるかもしれませんが、どんどん変わってくれば、これだってやっていけない。  そこで私は、やはりここで構造政策を進めるのには、いま農林省が、今度の総合農政で、あるいは従来からの農政でやっておりますように、農地の移動を容易にして、小さな農家を整理して、その農地を大きな農家にくっつけていくというような、こそくなことをやらないで、そのものずばり、いわゆる集団的生産組織といいますか、協業化といいますか、協同化の方向へ構造政策の柱を大きく立てるべきではないか、私どもはそう考えております。  時間がないから、ずばり申し上げますけれども、いつまでも家族経営の単位に——四町歩なり五町歩にしても、いまの適正な規模とは言えないでしょう。そんなものを育成するということじゃなくて、そのものずばりで、たとえば実行組合なら実行組合単位で、完全協同でなくてもいいですよ、不完全協同から入っていくとか、いろいろなそういうふうな構造政策の柱というものをはっきりして、そして移動していかなければ、いまのような農地法をゆるめて農地を売りやすくするというようなやり方では、もう間に合わないと私は思うのです。その辺はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そこのところはいろいろ意見の分かれるところだと思うのですが、私どもも、いまの地方を歩いてみましてたいへん成績をあげている協業がございます。それはそれといたしまして、そういう考え方も取り入れながら、やはり自立してりっぱに他産業に比べてやっていかれるような農業というものを中核にして、そして日本は御承知のように、かなりの間、兼業農家というものはいまでも八割あるのでありますから、そういうものを配して、集団的な営農をやっていくということがいいのではないだろうか。それと私どもが地方の農業をやっていらっしゃる方にじかにお目にかかって聞きましても、やはり私どもが申しているようなことを待望し、またそれをねらって出てきている農家のあと取りがかなりおりますので、私どもとしては、四町歩ないし五町歩と申しましたが、そういう程度の自立農家を中心にしたものをやってまいりたい。それに配するに生産法人あるいは今度の農協法の改正によりまして農協が委託経営をやられるような形、そういうものも取り入れて農業の構造をしっかりしたものにしていくことがいいのではないか、こう考えておるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 いま水田の全国平均の価格というのはどのくらいしますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 最近不動産研究所が非公式に集計いたしましたところによりますと、四十四年の三月で全国の中田は約三十万円ということでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 その三十万円の田を買って経営をした場合、農業としては、米をつくっても、米がいまのように不安定で、食管制度はくずれてしまうかもしれない、あるいは米価は据え置きである、先行きが非常に暗いでしょう。そういう中で三十万円の水田を買って、これが五分なら五分の利子でいけば、一万五千円でしょう。利子だけでも一万五千円を一反歩から払っていく。何しろ一年に一回か二回の収穫ですから、一年分の利子を一回ないし二回の収穫で払おうというのですから、そこに農業の本質的な不利があるのですね。ですから私どもは、そういう高い農地を買って経営する経営というのは不安定だ、こういうように考えるのです。したがって、なぜ協業化なりあるいは協同化というものを柱にしなければならぬかというと、農地の規模を広げるのに、経営の規模を広げるのに、できるだけ土地についての金を出さないで済むような方法、そうして規模を拡大する方法というのは、やはり協同化のほうがすぐれている。高い農地を買い集めてやるのでは、これは計算上合わないですよ、労働生産性がかりに上がったとしても、実際の経営の面では、資本利子やら何やら出てきますから、したがってそういうふうな土地なり機械なり水なり、そういうものに対する経費というものをできるだけ安くする、そうでなかったら農業というものはほかの産業に太刀打ちできないのだ、そうじゃないですか。したがって私どもは、農地の流動化をさして、高い農地を買わして自立経営が成り立つというふうには考えないのです。しかも八年間のいままでの経過を見ると、まさに実際は、自立経営どころか、自立経営になるべきものが兼業化しているというのが、とうとうたる大勢じゃないでしょうか。それを、無理をしてその大勢と逆行して、どこまでも非常に小さな家族経営、自立経営にしがみついているという農林省の姿は、まことにこれは保守的だといわざるを得ないのですね。その点はひとつお考えを願いたいと思うのです。  さらに、時間がありませんからもう一点先へ進みますが、農林省の予算の問題なんです。私は非常に疑問を持っているのですが、いま農林省なりの中央、地方の農林関係の予算は、おそらく一兆二千億ぐらいになるのじゃないかと思うのです。農業プロパーで八千百億ぐらいかかっているでしょう。そうして地方団体、特に府県においては約三千億ぐらい足し前をしているのです。それで一兆一千億ですか、それに財政投融資を加えますと一兆数千億の金を農業に投じておる。そうしておいて輸入のほうはどんどんふえ、生産のほうは次第に後退する。しかも米だけは生産がふえたけれども、これは少し行き過ぎて、それを生産制限するために減反をする、減反をするために予算を使う、こういううしろ向きの予算の使い方をしているのですね。ですから私は、一兆数千億の予算を使うならば、少なくとも農業が、米だけはちょっとぐあいが悪いが、ほかのものはいいとか、メリットが出てなければならぬと思うのです。それが、米もだめだ、畜産もだめだ、果樹もだめだ、外国からどんどん輸入がふえ、生産が落ちていく、こういう姿は一体どうなのかと私は思うのですが、この点について農林省では一体どういう考えを持っているのです。このままでいいというのですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 先ほどお話のございましたのは、水産、林野までも含めての予算でございますが、その中に、もちろん農業が大部分であるということはそのとおりでございます。農業の生産指数でございますが、私ども、必ずしも生産の動向が量的に減っておるというふうには考えておりません。農業の生産指数、総合指数というものをわれわれつくっておりますが、これを見ましても、大体全体的に農業の生産の伸びはかなり顕著であると言うことができます。たとえば四十年を一〇〇といたしますと、四十三年には一一六・七というふうになっておりまして、累年かなりな、三%程度の総合指数でも増加をいたしております。ただ、御指摘のように、需給率との関係で、輸入が多くなるのじゃないかということは、もちろんものによってはそういう面はございます。と申しますのは、結果的にはいまの農業の生産が需要と供給に必ずしもマッチしていないということは、私ども言い得ると思います。片っ方に米等の過剰があり、片っ方に足りない農産物がある。こういうところから、需要と生産の不均衡が生じてきておるということは、私は言わざるを得ないと思います。私ども、そのような観点から、需要に見合った生産を進めるという姿勢で、いまいろいろな施策を考えておる次第でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 生産指数を言われますので、指数を申し上げますが、昭和四十年度を一〇〇として、農林漁業総合では、四十三年が一一二・七です。それが、四十五年度の見通しは一一〇・八というふうに下がるのです。四十四、四十五年というふうに下がっておる。とにかく、四十年から四十五年まで五年間に一〇・八%——一〇%ぐらいしか伸びないというのです。よその産業がもう倍にも行こうというときに、農業だけはこのように停滞しておる。おまけに耕種についてみると、ますますそれがひどいので、四十年を一〇〇として、四十五年の見通しは、この五年間にたった五・四%ふえておるだけだ。しかもそれは、耕種については、四十四、四十五年どんどん下がっておるのです。農業の主体である耕種について生産が落ちておる。生産指数においても落ちておる。しかも、成長すべき畜産であるとかあるいは果樹であるとかいうものについても、これが必ずしも順調に伸びておるとは言えない。需要がふえても、国内の生産がむしろ停滞をしている。輸入によって圧迫されるとかという困難な問題があるわけですね。畜産が順調であり、果樹が順調であるならば、それは、米のほうがだめであっても、そちらのほうへ移るということはできるでしょう。しかしそうはいかないのですよ。ですから、私言うのは、それだけ、一兆二千億もの金を使っておって、しかも、農業の粗収入というのは四兆二千億ぐらいですか、四兆二千億の粗生産に対して一兆数千億の金を使っておって、しかも、各品目別に見たって、どれもうまくいっていないというのは、一体どういうことなんです。こういう点についての反省をしておらないのですか。ということは、要するに、それだけの金を使っても機能していないということなんです。役に立っていないということなんです。そうじゃないですか。たとえば土地改良をやっても、あるいは機械の導入、近代化をやっても、それが経営にプラスにならないで、むしろマイナスになっていくとか、具体的な例はたくさんあるでしょう。たとえば八郎潟にしても、これはだれの責任かわからぬけれども、七百億もの金を使って、いまもうあの計画が停滞している。そういうようなものが集まっているのじゃないですか。ですから、私は、農林省の予算が多過ぎるとかなんとかと言うのじゃないですよ。それだけ金を使って、効果があがっているかいないか、そういうことを反省すべきじゃないですか。これは、農林省だけに私は言うのじゃなくて、われわれもそう思うのです。やはり、同じ金を使うなら、生かして使う。一兆円の農業予算を使うなら、もっと効果が出てもしかるべきなんです。それを、あらゆるものが行き詰まっておる。これはおかしいじゃないですか。たとえば一例をあげれば、補助金の問題でも、何百種類の補助金があるのです。三百以上あるでしょう。どのくらいあるのですか、農林省関係の補助金の種類は。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 ただいま資料を持っておりますので、調査をしてみます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 北山君に申し上げますが、あなたの持ち時間はもうとうに過ぎましたから、結論にお入りください。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 どうも相すみません。終わりますけれども、私は、この問題は深刻にやはり反省する必要があると思うのです。特に、農林省の中にほんとうは造反派でも出て、はたしてわれわれの仕事が役に立っているのか、農林省の予算が役に立っているのか、こういうことをよく検討する必要があると思うし、われわれとしても、これはお手伝いをして、ただ非難をするというのではなくて、これだけの金を使って、しかも日本農業がまるで行き詰まって——せんだって農家に行ったところが、もうこれは過去もない、未来もない、場当たり農政だ、こう言うのです。われわれはそう言われているのですよ。私なんかも、行ったところが、二、三日前ですけれども、あなた数年前に米がこんなに余ることをなぜわからなかったのか、いまになってこんなことを言われて困る、こういうふうにわれわれも責められるのです。深刻な問題なんです。ですから、少なくとも過去のことはさておいても、未来を開かなければならぬと思うのです。それだけの金を使って、これはもっと有効にその金が生きて、また農林省の人たちも役に立つ仕事ができるように、一ぺん全部、機構から、金から、総ざらい総点検をする必要がある、私はそういうふうに痛感していることを申し上げて、終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 私も、北山委員と同じような趣旨で、簡単に、具体的な問題でお尋ねをしたいと思います。  まず第一に、来年度予算案で、干拓事業に取り組む姿勢というか、こういうものについて、これは農林省の予算説明の中にはこのように述べられております。「国営および代行干拓事業の計画的経済的施行を旨として継続十七地区の推進を図る。」こういうことなんでありますが、この中で、一つお聞きしたいのは、四十五年度の干拓事業は、いうならば計画的経済的な趣旨にのっとっておやりになる、こういうことなんです。この計画的経済的というのは、いかようなことなのか、具体的にお話しいただきたい。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 米の生産調整とも関連いたしまして、干拓あるいは農地造成につきまして、厳に抑制をするという方針を政府として決定をいたしました。その一環として、干拓事業につきましては、国営の干拓分につきまして、改善を含むような地区につきましての新しい調査あるいは設計あるいは着工には入らない。それから、工事継続中あるいはすでに予算的に過去に着工を認めたものにつきましても、新しく水田を造成するということでは工事をやらない。その工事を一方進めながら、畑地の造成をするとかあるいは立地条件によりましては工業用地等の他種事業との共同事業に計画を変更する、そういうことの基本方針に基づきましてやる、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 具体的に八郎潟は、この計画的経済的の中のどれに該当をしますか。八郎潟は一応打ち切りですね。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 八郎潟につきましては、現在第四次入植の方々の訓練をやっております。その訓練をしておる方々につきましては、その圃場は約束をしたことでございますから、造成をいたします。そのあと募集するかしないか、ずいぶん苦慮したわけでございますが、やはり全体の生産調整の関連で、四十五年度は新しい入植者の募集をしないということにいたしました。したがいまして、当初の計画九百十戸の入植に対しまして四百六十二戸の入植で四十五年度は休止するというかっこうになっております。ただし、それではそのままほうっておくのかという問題が出てまいりますが、米の情勢がそのような情勢でございますので、その間に若干の予算をとりまして、あの地帯に畜産が導入できないかどうかというようなことの試験研究をやるという態勢をとっておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 私は主として高浜入り干拓の問題を中心に聞きたいと思うのです。そこで、高浜入りの干拓といま例に出しました八郎潟との違いは、端的にいってどういうことだろう。計画的経済的という御説明からどこが違うのか。片方はいままでずっとやってきましたね。これからもやる計画だった。ところがいまの御説明は、いわゆる事後処理のことだけをやってあとはやらないというかっこうですね。いまの御説明はそうですね。八郎潟についてはそうでしょう。そうでない、まだずっとやるのですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ただいま申し上げましたように、四十五年度は次の入植者の募集はいたしません。ただ私ちょっとことばが足りなかったのでございますが、そうかといいまして、四百数十戸入っております、それから地元の増反が周辺にございます。そのためにはやはり工事としましては、たとえば堤防を完成しておく、あるいは基幹的な道路、水路はつくっておく。これは八郎潟についても引き続きやるというたてまえをとっているわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 回りくどい説明はいいのです。ぼくが何を聞こうとしているか、おわかりでしょう。堤防をつくるのは、たんぼをつくるために必要でつくるのであって、干拓といえばいわゆる農地をつくるということなんです。だから八郎潟は、農地をつくるのはもうやめるのかと、こう聞いているのです。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 八郎潟につきまして、ただいま申し上げましたように、今後すぐに水田をつくるということはいたしませんが、土地としては完成をさしておくということでやるということを申し上げておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 その土地とは何の土地です。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ただいま申し上げましたように、その土地を有効に使わなければなりませんから、あの地帯に畜産が導入できるかどうかというために、いま試験をしまして、それが可能であれば畜産導入等も考える、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 来年度はとにかく開田はしない、たんぼはつくらぬ。しかしあなたがおっしゃるように、あとのものは畑にする、あるいは草地にするかもわからぬ、そういうことですね。そういう意味で継続しますということですか。継続するかしないかの話ですよ。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、基幹的な工事は継続をいたします。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 基幹的とは何です。堤防か。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 さっき申し上げましたように、堤防の補強、それから基幹的な道路、水路等でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 ぼくは土地のことを聞いているのです。基幹的というのは工事の基幹ということかね。しろうとでよくわからぬけれども、まあいいです。時間もないから先へ行きましょう。  高浜入りの干拓というのは、これは始めることにしたんですね。始めることにしたんだが、これは時間もないから、ぼくの見たことを先に言ったほうがいいから申し上げますが、いまあなたのお話では、予算的に見たものでもたんぼはやらせない、たんぼにはしない、こういうことなんですが、この高浜入り干拓というのは実際に工事も何もまだ行なわれていないということですね。そうですね。これは確かに四十二年十月に国営干拓事業として認定はされている。これは認められている。ところがその後何らの進展がないままに今日まで来ているわけですね。これはすでに北山委員、西宮委員から本委員会で農林大臣にお話を申し上げたとおりです。四十二年になるほど認定はしたものの、これはいままで何もやっていないのですよ。特にその前提となる漁業の問題ですね。漁業補償の問題は、漁業補償金はまだ払っていないのです。この間の農林大臣の答弁の中では、何か漁業補償はもう片づいたというか、そういうふうな意味の御答弁をなさっているが、これは四十五年の二月十八日に関係者と調印をしたばかりなんです。だから金はまだ一銭も払っていないし、よってもってこれはまだ工事にはかかっていないのですよ。しかもこれは——大蔵省はきょう来ていますかな。予算の策定の段階では、これはもうやめようということで事後処理の予算に一応なった。そして復活折衝の段階でこれは継続ということにきまった。その段階でいま局長の説明のように田ではだめだ。それはそのとおりです。だから畑にするんならいいだろうという話です。何かつくってこいというので、そこで急遽県あたりが中心になって具体的にできたものかどうかぼくは知りませんが、おそらくそういう精密なものはできていないのではないか。しかし言われることを聞くと野菜と畜産、酪農でいこうというんですね。大消費地も近くにあるから酪農と野菜でいこう、こういうことで、それならそれもよかろうということで名目が立ったということでしょうね。そういうことで予算の復活要求ができて、今年度というか来年度予算には一躍五千万から五億二千万かに実は上がっていると思うのです。  ここで農地局長に聞きますが、大体高浜入り干拓の面積は計画では千四百五十三ヘクタールとなっている。そのうちにあなたが言うとおり基幹というか、水路もあるだろうし農道もあるだろうし堤防もあるだろうということで取りますれば、農地として取得されるものは大体千百七十ヘクタール、千百七十町歩ですよ。金は幾らかかります。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 四十二年に着工をきめましたときに算定いたしました総事業費は七十億円でございます。その後若干物価の上昇がございますので、八十二、三億円になるかというふうに思います。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 これはもうすでに九十億になっているんですよね。九十億近くです。これから九年間でしょう。これは。そうでしょう。——うんといっているからそうだね。九年間というと、ことしは昭和四十五年でありますから……。あなた答えてください。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 われわれの当初の計画では、四十二年に着工いたしまして九年間というふうに考えたわけでございますが、漁業補償等の関係で延びましたので、これから九年ということではなく、工事のやり方いかんによっては若干縮められるかというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それではあなたのほうは予算をとっていま提案しておるのですから、いわゆる漁業のほうは片づいたと思っていらっしゃるのでしょうから、それを計算して、どのくらいの計画でおやりになりますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 漁業補償の問題につきましては、実質的に昨年の暮れに十二億一千五万百万円ということで妥結をいたしました。先ほど御指摘になりました二月十八日に正式に調印をしたということになっております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それを聞いているんじゃないのです。それから計算して何年後に千百七十ヘクタールは土地造成ができるのか、それを聞いているのです。四十二年から計算したら九年間だ。しかし漁業はもう片づいたのだという関係があるから……。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 五十二年ないし三年に完成するような目途でやりたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それまで物価を労賃も上がりますね。そうすると安く見て大体百億じゃないですか。一反歩幾らになります。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 十アール当たり約八十万ということになります。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 さっき北山委員があなたに聞いて、中田の平均は三十万だと言った。それでも北山委員の計算からいえば、五分の利息を払うとすれば年間一万五千円だ。八十万の土地で、いまの農業経営でやっていける見通しがありますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 現在農家に配分しております金は、この場合なら八十万という事業費に対しまして四分の一の二十万ということになるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それが北山委員言うところの経済というものです。農家はなるほど四分の一かもしれません。それでも二十万ですよ。私の計算から言えば二十五万くらいになる。安く見たって八、九十万かかるたんぼが、農民には安くやっているんだから、それでペイするなんという考えが農林省にあるとしたら、おかしいですよ。何のためにやるのか、国民経済的な立場から考えたら、これは損か得かを、まず第一に考えなければならぬのが役人じゃないですか、どうなんです。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 従来農業関係に干拓その他で土地を造成いたしまして、売り渡す場合には、農業の採算上ということから考えまして、なるほど御指摘のように、全体としては八十万あるいは百万かかりますけれども、農業採算の面から成り立つような価格ということで二十万、この計算では二十万というような売り渡しをするということにしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 あなたが言うのは、何が農家経営——あなたの観念を切りかえなければ、日本の農業なんかみんなつぶれてしまいますよ、農家自体が。これは二十年か三十年前の話ですよ。そんな考えは、どこからいったって、そんなばかな話はないじゃないですか。それじゃいまどうして乳が足りないのですか、野菜が足りないのですか。ことしの予算では、野菜の値下がりがあったときには、補給金を出すための予算が出ているじゃないか、乳価安定の金も出ているじゃないですか。何で無理してそれほどの必要がある。いままで米の増産のために開田ということをやりましたね。これは国家的、国民経済的見地から、米はどうしても増産しなければいかぬというので、開田もしてきた、そうなんでしょう。ところが今度のいわゆる高浜入り干拓一つをとってもこれを畑地に変えていく。それはいかなる大義名分からやっていくのか、その大義名分を聞きましょう。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 高浜入りにつきましては、先生御承知のように過去の経緯等もございます。地元では、やはりあそこに土地がほしいという気持ちがありました。それが水田ということで来たわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、地元としては土地がほしい。しかし水田がいけないということになりますれば、やはり都市周辺の近郊で蔬菜あるいは酪農をやっていきたいという非常に根強い希望があるわけでございます。そこで、新しく事業を始めようとする——われわれとしてはやりませんけれども、もう十年も前からの経緯等がございますので、これはやはりやってあげたほうが地元のためにいいのではないか、こういう判断で今度予算をつけていただいたわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 あなたは十年前からとかおっしゃっていますが、これは二十五年ごろから始まったのですよ。だからもう二十年ですよ。そのころの情勢とだいぶ違うのじゃないですか。今度苦慮なさっているのもそのためでしょう。それとだいぶ歴史も違うし、経緯もあるからというけれども、その経緯が違うのです。工業とかそういう土地造成をやるなら、また話は別ですよ。たとえば鹿行というか、あの辺一帯は鹿島港を中心としての鹿行開発ということで、土地はだんだんなくなるかもしれない、あるいは工業用地としてこれをどうするのかという問題があるかもしれません。しかし、農地としての話はどう言ったって——詭弁という文字はそのためにあるようなものですよ。こういうことではたして将来責任を持てますか。もっともそのころは局長さんじゃないだろうから、別なところへ十年もたてば行っちゃうだろうから。そういうことでやっている分にはかまいませんけれども、しかし迷惑は国民全体ですよ。はっきり言って、あの地区は私の選挙区です。なるほどいま魚は霞ケ浦であまりとれません。トロールを入れましたから、ワカサギもとれません。だから何とかしてこういうもので恩恵にあずからせたいという気持ちは、私は十分わかります。わかりますが、しかしここで地元のことを知っている者が一言も言わないで、予算を通すということについては、政治家として恥ずかしいからやっているのです。あなたも恥ずかしいとは思わないのですか。あなたに陳情は去年からやっているそうじゃないですか。あなた、いつから農地局長にかわったか、もう一年くらいになるのじゃないですか、あなたは十分に聞いていないですよ。それで前の農林大臣の陳情のときにも言ったそうじゃないか、終わってから。あんなことを言わぬでくれ——その中身は言いませんよ。言いませんが、そういうことであっていいのだろうか、百億近くの金をここへ捨てて——捨ててと言ってはおかしいが、ここへ持ってくる。あなたは技術屋じゃないですな、違うでしょう。あの湖底はどんな土か知っているか、ヘドロという土だそうです。私はもぐってみたこともないが、二、三十メートルのヘドロだそうです。たとえばこれが所定の計画どおり開田されたにしても、とてもじゃないが、数年間はそううまいぐあいに米はつくれないという話だ。専門家でなくても責任の地位におありですからおわかりでしょう。ましてや畑にするのにはどうしたらいいのだろうか——ヘドロというのは、土に腰がないそうだな。専門家がおられるのでしょうから、完成後何年たったら、りっぱな畑になるのか聞きたい。どうでしょう。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 私は事務屋でございますので、あるいは専門的に申し上げられないかもわかりませんけれども、確かに干拓地はヘドロ地帯が多うございます。したがいまして、堤防をつくりまして干し上げて、すぐにそれじゃ何かつくれるかということになりますと、いろいろ問題がある地帯が多うございます。オランダ等の例を見ましても、五年、十年置いておきますれば、りっぱな畑にもなるということもございますので、その地帯地帯によりまして、その完成後、いつ入植者を入れるかということは、その地帯ごとに判断をいたしたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 たいへんあなたは気の長い人で、日本人の性格とは少し違うようであります。完成後五年か七年置いたらどうなるか、五年か七年置けばよくわかるでしょうね、きっと。その間百万円もする土地をどうやっておくのでしょうか、私にはどうしても考えられない。考えられませんよ、こんなことは。大体田にするにしても、反当百万円もかけてやる必要があるかどうかの問題は、これはむしろ政府が考えるようなことじゃないですかね。これはいかがですか。これ、あなたと幾らやったって話にならぬようだけれども、佐藤総理は、予算は絶対に修正しないと言うから、このまま通るかもしれぬが、国民は納得しませんぞ、農林大臣。  しかも漁業補償というのは、だれを対象にやるのですか。漁業権を持っている漁業協同組合を対象にして補償するのですか、農地局長。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 漁業組合を対象にして権利補償、あるいは所得補償をやるわけです。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それは漁獲高に応じてやるのか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 高浜入りには共同漁業権、あるいは許可漁業権、あるいは区画漁業権等いろいろございます。これによりまして消滅地区あるいは遊水地になる地区に分けまして、それぞれの計算はございますが、権利を消滅させるために年間の収益から計算をいたしまする補償をやり、それから所得に対する補償をやり、それから財産の補償等もやるわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 この中には、もちろんあなたのほうには直接関係ないかもしれませんが、漁業協同組合の組合員であっても、現に漁業を営んでいない者もいる、かなりいるという話です。ところがこの地先、いわゆる干拓される地先の漁民は現実にやっている者がかなりいますね。最近では真珠の養殖までやっている。こういう者は、これはもちろん反対なんですね。しかし、それらに適切なる補償が与えられるかどうかというのは、かなり問題がある。だが、これはきょう補償の問題は聞く必要はないですからあとにしますがね。もう時間もございませんから、簡単に結論を申し上げますが、これは農林大臣にお答えをいただいたほうが——その前に事務当局から聞きましょう。農地局長、高浜入り干拓の当該地の水面は、公用廃止というか何というか知りませんけれども、建設省との関係は話がきちんとついているのかどうか。  それからもう一つ、自然公園法の関係は、これは何にも関係はないかどうか。いかがですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 建設省との関係は話がついております。自然公園法との関連につきましては、ちょっと私、いままで問題になったというのを聞いておりません。なお調べてみたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 建設省と話がついているというのは、いわゆる話がついているんだな。書面がかわされたとか、あるいはこういうものを干拓したいからというので、合意が書面の上でもきちんと成立しているのかどうか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 建設省と話し合いをいたしまして、これから法的な手続きをやるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 よくわかった。  そこで、これは農林大臣、私はせっかく予算をつけてくれたのでありますから、だから漁業補償のほうは、まあ、いうなら補償としてではなく有効に使うように、ひとつ考えてもらえないだろうか。補償金じゃなくて、霞ケ浦の淡水漁業の新しい施策のためにぜひ使ってもらうようにして、この干拓は思いとどまるのが筋ではないだろうか。ここまで来て、私は妥協します。話として、もちろんいろいろ御意見もあるだろうと思いますけれども、私は筋の通らぬことは、この際やめたらどうかという感じを持っているのです。そこで、五億何がしつけたんならこれで、霞ケ浦の淡水漁業も困っている、しかも最近は公害の心配も出てきました。だから、そういう方向で、ひとつお使いになることが一番正しいし喜ばれるのじゃないか、こういうように思うのですが、いかがでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 高浜入りの干拓の事業は、四十二年度予算で着工が認められておったのでありますが、漁業補償の問題で、今日まで実際上工事に着手することができなかったようであります。それが、だんだん話が進んで、昨年末にこの問題も解決いたしましたので、四十五年度から水田ではなくて畑地の造成をはかって、将来その上で酪農、蔬菜等を中心とする営農を行なうことが適当であろうということで、着手いたすことになったのでありますから、そのようにひとつ進めてまいらなければならぬと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 型どおりの御答弁でありますから、別に申し上げることもありませんよ。親方が修正はせぬというのだから、おそらく修正しない。三百人の上に乗っかっていれば、何でもできるということだろうと思うので、まあ質問を終わるにあたって、むなしさ一ぱいというのは、このことかと思います。  しかし、それであってはいかぬと思うのですね。理屈に合いませんよ。四十二年に着工にきまったところで、何もやっちゃいないのですから。しかも、いまの話、これは十五万町歩をこれから転用しようというのでしょう。いろいろ御苦心なさるのでしょう。しかも一番先にやるのは陸田はやめさせよう、こう言っているのです。これは当然かもしれません、陸田を先にやるとすれば。ところが、片方畑地をつくろうというのですから、どう見てもこれは理屈に合いませんし、しかもいままでに何も工事をやっていないのでありますから、これくらいわかりやすい、やりやすい仕事はほかにないだろうと私は思うのです。それができぬというところに、やっぱり何といいますか、現代政治の何というのでしょう、ゆがみとでも申し上げたらいいのでしょうかね、これは理屈に合いませんよ。  農地局長にも最後に言っておくが、あなたはいままでの農林大臣——新しい農林大臣には申し上げているのだろうけれども、前の農林大臣にはあまり申し上げていないようだな。一方的な意見を取り次いでいるようだから。そこで、こういうふうに間違ってきたのじゃなかろうかというふうに私は思う。今後ちょくちょくあなたのところに伺って、正しい意見を注入するから、あらかじめ御了承をいただきたい。  最後にもう一ぺん言っておく。農家には負担をかけないから、安くたんぼにしますから、畑にしますからいいじゃないですかという考えは、国民としては納得できないから、はっきり申し上げておきます。以上。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ちょっと、いま前大臣との話がございましたけれども、私、そういう一方的なことを申し上げたことはございません。なお、よく先生にお話を伺いたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 中野明君。

中野明公明党

○中野(明)分科員 私、三点ほどお尋ねしたいのですが、時間の関係がありますので、最初に林野庁のほうに……。  造林の計画なんですが、最近外材が非常に輸入がふえてまいりまして、国内における造林が、私は国有林のほうは計画的になされておるように理解しておりますが、民有林のほうは造林計画が非常におくれているように思います。特に民有林は個人の財力とか、そういう関係でなかなか思うようにいかないのが実情ですし、きょう私申し上げたいことは、御承知のとおり、燃料が昔は木炭でございましたが、それが最近に至りまして大幅な革命が起こりまして、木炭の需要というのはもう年々減少しております。そのために過去わが国の重要な燃料源であった薪炭林、ここは非常に荒廃しておりまして、年来私どもも心配をしておるわけであります。特にそれが現在の大きな問題になっております人口の過疎問題と関係をいたしまして、非常に深刻でもありますし、山にやはり植林が思うようにいかないということは、治山、治水の上からも好ましくありません。  そういう点でまずお聞きしたいのですが、薪炭材といわれる、俗に丸太ですか、これは国有林と民有林と合わせて昨年どれくらいの生産ができているのでしょうか、そこら辺ちょっとおわかりになれば……。こまかい数字がなければけっこうです。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 お答えいたします。  四十三年の実績で申し上げます。国産材で、素材が四千八百万立方、それから薪炭材が三百九十万立方でございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 これは、長官も御承知のとおり、いま薪炭は木炭の減少で大幅にダウンしてきていると思うのですが、三十四、五年ごろから一応見てみまして、どの程度ダウンしておるのですか。大体半分くらいになっているんじゃないかと想像するんですが、どうでしょうか。そこはおわかりでしょうか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 三十五年を一〇〇といたします。そうすると、四十三年が二六でございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 いま正確な数字をおっしゃっていただいたのですが、ほんとうに現状そのようになっております。過去から重要な燃料の根本であった木炭が、そういうふうな需要の減少で、いまも言われたような数字になっております。薪炭材の生産地は非常な大きな影響を受けているわけです。一つの例をあげますと、私、日ごろからしょっちゅう主張しておったんですが、薪炭の重要な供給地、私どもの四国で言いますと、四国の西南地域——高知県の西南あるいは愛媛県の西南地域あたりは、昔から重要な薪炭の供給地だったわけです。こういう方面が年々非常にさびれまして、もういよいよ山で仕事がないということで、町のほうに人々がどんどん出て減ってしまうし、まあたいへんなことになっております。ここの地域というのは、御承知かと思いますが、木を育てるのに非常に適している地域であります。全国に私、こういう地域が何カ所かあるんじゃないかと思う。薪炭の重要な生産地、高温多湿で、他の地域と比べてみましたときに、木の成長する状態というのは、もう三倍、四倍と条件が恵まれておるような感じを持っております。こういうところに私は集中的に特別造林を計画していかなければ、国土の上から見ましても、非常にこれから先も心配な気がするわけです。それで、ただ先ほど申しましたように、営林局の関係は、国有林の関係は、これはもう計画的に順調に行っているわけですが、民有林が全然手がついておらぬような現状でありますので、こういう地域を全国何カ所かピックアップされて、そして特別に、民有林ではもうとてもよういたしませんので、国有林の組織なり、あるいは技術なり、あるいは財力、そういうものをつぎ込んで、計画的な特別の造林をしていく。もちろんこのやり方はいろいろあると思いますが、こういう点について、林野庁の造林計画——前々から言うておりますが、ことし何か少し予算が出ているように聞いておりますが、その辺もあわせてお答え願いたいのです。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 お答えいたします。  いま先生のお話しの四国西南地域、確かにこれは技術的に見まして、薪炭林のまま置くよりも、これを体質改善をいたして、人工林にいたしたほうがいいということははっきり言えるわけでございます。最近その地域も逐次造林が進展をいたしておりまして、全国的な視野から見ますと、ようやくこの人工林率が追いついてきたという状態にまでなっているようでございます。そこでなお、そういう地帯が全国的にあっちこっちにあります。林野庁としましても、従来薪炭林地帯で生計を維持しておって、薪炭がだめになったという地域に対しまして、林道を主体にする大規模林業圏開発基本計画調査というものを四十五年度から計画をいたしまして、そういう地域の今後の開発構想はどういうふうに持っていったらいいか。おそらくその中心はまず林道からということになろうかと存じますので、当然林道の計画を立てます場合にも、造林計画を勘案しながらそういう計画を総合的に立てていかなければならないということで、全国おおむね二、三カ所取り上げて、四十五年度から調査をやってみたいということであります。

中野明公明党

○中野(明)分科員 この調査費は幾らぐらいついておりますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 千九百万ばかりついております。

中野明公明党

○中野(明)分科員 薪炭林がそういう状態になって、私から言いますと、すでにいまごろから調査したのではもうおそいぐらいだと思いますが、まあいずれにしてもやっと調査をして、計画を立て、基本的なことを考えようというところまで来たのですから、この点では一歩前進したと私も思います。大体調査はそんなに長くかかる必要もないし、地元に営林局もあるわけですから、そういう点から考えまして、大体その地域の指定というのは、四十六年度なら四十六年度には指定をされるという結論が出るとお考えなんですか。それともかなり年数をかけて検討するか。その辺……。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 地域の指定につきましては、これから実施計画の段階で大蔵省とも協議をしながら四月早々あたりにでも決定をしたい、このように思っております。

中野明公明党

○中野(明)分科員 いまのお答えでは、結局その調査する地域の指定ということですね。調査の結論が出て、ここで具体的に大規模な造林計画をやろう。やる方法については、これはいろいろあるでしょうね。分収とかというやり方もありますし、あるいは公団と林野庁との共同でやるということもありましょうし、するのですが、実際に調査の完了する時点、そうしてここがよかろうというふうに指定される時期はいつとお考えになっておりますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 この調査の期間でございますが、いまのところ大体二年計画で一地域の調査を終わるつもりでおります。

中野明公明党

○中野(明)分科員 そんなに時間がかかるように思わぬのですが、これはいろいろ技術的なこともありましょうが、現に全国には営林署、営林局があるのですから、大体の実情というものはつかんでおられるのじゃないか、このように私どもは考えておるわけです。それを調査をするのに二年も時間をかけて、そんなゆっくりしたことでいいのだろうか、どうだろうか。もっと早くならぬのでしょうか。大体もう一年なら一年ぐらいで——全然下地がなくて何もない白紙のところから調査を始めるというならいろいろのことがあるのでしょうけれども、幸いにして国有林の組織があり、地元に営林局があるわけですから、大体の土地の状態というものはその営林局で握っていると思います。ですから、そういう点で二年も三年もかかって調査をしなければ結論が出ないということじゃ、ほんとうはそうでなくたっておくれているわけですから困ると思うのですが、この点もっと早くできないものでしょうかね。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 その調査は、一応主体は林道計画になっておりますから、その林道の開発による経済効果がどのようになるのか。その前にその地域の経済全体の分析、また林道をつけて造林をした場合には将来どんな効果がこの地域に及ぼされるか。あるいは土地利用計画、これは林業よりも畜産のほうがいいのじゃないかというふうな場合には、そっちの方面の知恵も借りて、総合的にとにかく林業を中心にその計画を一応検討をしてみたいということで、二年ぐらいはどうしても、いい調査をすればかかるではないかと思っております。

中野明公明党

○中野(明)分科員 大体全国で、ことしの四月ごろにいまのお話では二、三カ所まず焦点をしぼって調べてみよう、こういうお考えが出ているくらいですから、これは私のしろうと考えですけれども、一年もあったら十分じゃないかというような気がしてならぬのです。もちろんそちらが専門的にやられるのですから、二年かかるといわれればそうかもしれないのですが、もっともっと早くこれはやらなければならぬと私たちは前々から考えている問題でありますので、いま計画は二年であってもぜひ短縮するように、相当急がなければ、やはりその地域の林業にたよっておる人たちはいよいよ過疎のあらしに吹きまくられて、今度は肝心やろうとしたときには人がおらないというふうな心配もあるわけです。ですから、そういうことについてはよほど早く計画を発表して、そして指定をするなり実施に移すなりしていかないと、人間がおらなければまた町のほうに行った人が、それがために帰ってもらうというわけにもいかぬでしょう。そういうふうに、私どもとしましては急を要する問題だと思っております。ですから、その点を含まれまして努力していただきたい。そして、早く指定をし、造林の計画を立ててもらいたい、こういうふうに私は考えておるのです。その点、大臣もいまお聞きになっているとおりなんですが、二年も調査しておったら私は間に合わぬような気がしていかぬのですが、一言大臣のほうから考え方をお聞きして次に移りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 営林局は一生懸命やっておるのでしょうが、私もできるだけ早くそういうことをやれるように督促いたします。

中野明公明党

○中野(明)分科員 それじゃ林野庁はけっこうです。  次に、漁港のことで二、三点、それに関連して一緒に領海問題もちょっと言っておきたい。  水産庁にお尋ねしたいのですが、この漁港の整備計画が出ているわけですが、私ども、国民の食糧の一つとして、漁業というものは非常に大事なことは、ここで申し上げる必要はさらさらございませんが、私、あっちこっち回ってみまして、大きな漁港というのはかなり整備されつつあることはわかっておりますが、中小漁港というのが非常に整備がおくれております。特に、漁業もやはり近代化ということを叫ばれて、船も大型になっておりますし、すべてが機械化されてきておるのですが、漁港を時間の許す限りあっちの県、こっちの県と私、見ていきまして、そのとき非常に感じましたことは、なるほど水産庁のほうで計画を立てて、そして国から応援をしてもらって、修復したり改修はしているようなんですけれども、せっかく貴重な予算を使って漁港の整備をされたということはわかるのですが、事実、実際に現場に行ってみると、小さいところはほとんど使用できないような状態になっております。ちょっとあらしでも来ると、相当離れたところに船を避難させなければいけない。ですから、せっかくの漁業の基地が本来の基地になっておらぬということですね。そこで、地元の人たちの話によりますと、港さえつくってくれれば船でもつくってここでがんばるんだ、こういう願望が至るところにあるのです。この点について非常に予算の配分というのですか、重点的な使い方がなされていないのじゃないか。何か総花的に、たとえて言えば、修繕をしなければならぬ港があって、その港なら港に三千万なら三千万のお金をつぎ込めば使用ができてりっぱな港になるというふうに私どもも考えるわけですけれども、その三千万の予算をあっちでことしは三百万、こっちで五百万というふうに割り振り的な形になって、その結果、工事はした、工事はしたけれども港は使えない、そしてまた次の工事を継続してもらうまで待っておる。そのうちに船が大型になってきて、いままで金をつぎ込んでやった工事が何にもなっておらぬ、こういうふうに私、見受けるわけです。こういう点をよく実情を把握されて、小さな漁業基地の整備をぜひ急いでいかなければ、いま国会あたりでも過密の問題と過疎の問題というものは非常に深刻な問題になっております。こういうことに拍車をかけておるような現状だと思いますので、ここの点、漁港整備に対する予算が、もともと絶対数が少ないのではないかというような気もします。その辺の見解をちょっとお伺いいたします。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 漁港の数は全国二千七百七十五港と、たいへん大きな数でございまして、漁港の整備について従来予算が確かに十分でございませんでしたという事情もありまして、四十四年度から漁港関係の五カ年計画、二千三百億という相当大きな五カ年計画を立てまして、四十五年度の予算も二百十六億と、いままでに比べて相当ふえておるわけでございます。いま御指摘の問題は、実は私どもの一つの大きな問題でございますが、きわめて短期間に相当集中的に金を投入する、それが能率的であることは間違いないことでありますけれども、二千七百七十五の全国にわたる漁港修理、修築の要求をどういう形で満たすかという、要するに集中することと、ある程度分散させることとのかね合いが、実はなかなかむずかしい問題で、私ども集中ということを心がけながら、やはり各県からこまかいことの要請もございますので、集中ということを心がけながら、その点もやはり何ほどか取り入れなければならない。したがいまして気持ちといたしましては、限られた予算でございますから、それが能率的に運営されるように、御趣旨のようなことでやっておるわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 結局言わんとするところはわかるのです。予算の絶対数が少ないからそういうことになっていると思うのです。いずれにしても地元の要求は確かにあるでしょうけれども、それをきちんと計画を立てて、そして長期的な計画のもとに路線をはっきりすれば説得できるのではないかというふうに私は思うわけです。そうしないと現実に予算のむだづかいのような気がしていけません。せっかく工事をしてもらっておるのに、工事をしておるときだけは何かやってくれておるというわけで安心しておるようですけれども、実際にでき上がってみたら全然使えない。また次の工事の来るまで待っておらなければならぬ、こういうふうなことで、お金をかけておるけれども、実際は漁業基地としての役目を果たしておらぬという港が非常に多いということです。いま言われることは私もわかるのです。ですから大臣もおられることですし、結局農業全体がいま一つの大きな曲がりかどにまいりまして、そうして総合農政ということもいわれておるわけですけれども、農業と漁業というものは確かに関連した産業ですから、農業をやっていた人が、今度どうですか、大体半農半漁というような人もかなりおられるわけですから、漁業にもっと力を入れて、農業を転換していくということも、全然不可能ではないわけです。そういうふうな観点から、日本の国はまわりが海ですから、いまおっしゃったように二千数百カ所漁港があって、そこでみんなそこを基地にしていままで生活してきたけれども、ずいぶん、経済情勢から近代化の要請で船が大きくなってきた、いままでの港は全部遊んじゃった、それで町へ行っちゃったという傾向、これはまだまだ続くような気がしてなりません。だからそういう点をぜひひとつお含みの上で、今後の農林省の基本方針としても漁港整備ということは、これはもう基本的な問題だと思います。何ぼ船ができましても、基地がなければ話になりません。ですからそういう点に重点的に予算を取っていただかないと、いまは少しふえたとおっしゃっておりますが、それは確かにふえたにはふえたでしょうけれども、とうてい全国の漁業者の要望にこたえるだけのものじゃないことは、はっきりしております。だからそういう点を踏まえて、ひとつ農林大臣のほうもよく検討をして、予算のむだ使いのないように、せっかく修理をしたり、ちゃんと基地として使えるような、そういう考え方で進めていってもらいたい。もちろん先ほど長官が言われましたように、集中的にするのか、あるいは要望が多いからある程度それも満たさなければならぬということも、私全然わからぬでもありませんけれども、実際に回ってみた結果として、ずいぶんこれはむだな予算になっていはせぬか。せっかくやったのに次のときにはもはや船が大きくなって、基本的にも堤防も変わってくる。こういうふうになるともう一ぺん初めからやり直しということになってまいります。そこのところを、最後に御返事を聞いておきたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 漁港を相当多数ごらんになられたということでございますが、実は漁港の長期計画の相当大きなものを四十四年度からつくりまして、それにふさわしい予算も四十四年度からでございます。私どももその金が能率的に使われるように十分注意をいたしますが、漁港の整備については、もうしばらくごらんいただければ、また二、三年たてば相当違った姿があらわれてくると思います。なお御趣旨のように、一つの計画を立てればすぐまたそれが間に合わなくなるということのないように、私どもも十分心がけるつもりでございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 時間もないようですので、この機会に簡単に一点だけ大臣にお尋ねしておきたいのですが、過日来予算審議で議論になっておりました漁業専管水域の問題でございます。いま領海も、結局アメリカあたりも十二海里を肯定するような時代にもなってきております。この機会に一点だけ、基本的なことだけお尋ねしておきたいのですが、わが国の漁業専管水域、接続水域ですか、これの設定をされる基本的な考え方は、いままで私どもが理解しておりますのは関係国との合意がなければ設定できない、こういう基本的な考え方で進んできておられたと思います。ところが世界の各国の実情を見てみますと、何か向こうが一方的に設定しておるのが非常に多いような気がするわけでありますが、日本の国としてもそういう態度をやはり変えるべきときが来たのじゃないか、このような気がするのですが、この基本的な一点について大臣から……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 わが国は御承知のように国際法で領海三海里ということになっておりまして、それをずっと守っておるわけでありますが、最近わが国の沿岸に外国船など来ました関係もあって漁業水域を広げろという御要望もあるようであります。私ども、既存の漁業協定に与える影響等、御存じのように各地に出ておりますので、特に昨年来海底平和利用問題に関係いたしまして、領海、漁業水域問題についての国際情勢の動きもきわめて流動的となっておりますので、領海三海里にわれわれは必ずしも固執するものではございませんけれども、いま申し上げましたように沿岸漁業、遠洋漁業などを含むわが国の漁業全体の問題を総合的に考えながら、この流動的な国際情勢を見きわめながら、慎重に対処してまいりたい、こういう基本的態度をとっておるわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 じゃもう一点お尋ねしておきます。  一九五八年に国連の海洋法会議がありまして、五十八カ国がたしか参加しておったと思います。そしてこれは、いまの問題で水域を広げることについては一応委員会は通ったようですが、本会議では結局三分の二が必要なために一票違いか何かで否決された、通らなかったといういきさつがあります。そのときにはたしかわが国は棄権をしたと思います。世界の大勢がこういうことですから、そういう国連の海洋法会議があったときに、日本の国はどうするのか、やはり従前のように棄権をするのかそれとも積極的に参加をして世界の大勢に従うのか、この点の御見解をお聞きして終わりにしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 ただいま大臣から申し上げたとおりでございますが、領海あるいは漁業水域の問題は、私ども一方的にこれを国際法の問題としてきめるべきことではなくて、やはり国際的にも合意が必要であるということが第一でございます。それから第二は、大臣からもお話がございましたが、実はソ連船等による沿岸漁業の問題と、それからこちらから相当カツオ・マグロその他中小漁業を先頭に立てて世界の各地に進出いたしておりますから、その遠洋漁業のこうむる影響ということも十分考えなければなりません。その二つを頭に置いて国際的に合理的な線で合意が得られるならば、私どもとしてもそれに参加をするにやぶさかではない。ただ国際的に混乱が増すような事態はやはり避けなければならぬというつもりで、現在検討をいたしておるわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 高田富之君。

高田富之日本社会党

○高田分科員 このたびの政府の新規開田抑制という基本方針が決定されましたことに伴いまして、全国であちこちに関係者の間にいろいろむずかしい問題が起こっておるようでございまして、先ほどの久保君の質問もその一つであったようにお聞きしたわけでございます。ただいま私が伺いますのも同じ政府の方針転換に伴う問題でございます。事例を具体的に申し上げますので、具体的な御説明をいただきたいと思うのです。  私が伺いたいと思っておりますのは、実は私の住んでおります地域で、荒川の総合開発に伴います荒川中部土地改良区の問題でございます。御承知のとおり田畑輪換の開田計画三千六百町歩、うち千八百町歩があらたに開田されるという計画でございまして、二市二町数カ村にわたります相当大規模な土地改良事業でございます。すでに荒川のダムもでき、国営の基幹水路も完成いたしまして、ただいま県営の支線水路に着工しており、また広範な地域の圃場整備にも着手されておる段階で、突然政府の方針が大転換いたしまして、開田は計画変更ということでございます。  そこで第一に伺いたいと思いますことは、このようにすでに何年かの長い間にわたりまして官民協力して取り組んでまいりました大事業であり、相当の物心ともに犠牲も払われ、関係地域の農民は非常に大きな希望と期待をかけて協力してまいっておるわけでありますが、こういう大きな転換がなされました場合に、政府といたしましては、その関係地域の関係団体なり関係農民等に対しまして政府の意のあるところを十分伝え、またこれに伴ういろいろな不安、いろいろな質疑、こういうものに十分こたえて、そして今後の転換する政府の施策に協力を求められるものかどうかというようなことについても、懇切な意向聴取があってしかるべきものと思うのでありますが、こういうふうなことが、私がいま申し上げました事例を含めて一般的に今回の政府の方針転換に伴いまして行なわれておるものでありますかどうですか、この点をまず伺っておきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ただいま具体的に荒川中部のお話でございますが、それに即して申し上げたいと思います。  荒川中部は、国営事業の基幹施設はもう完成をしております。それに基づきまして、一部田畑輪換での圃場整備も二百四十ヘクタールほど進んでおるわけでございます。これにつきましても、開田を今後進めるということ自体にはあるいは一般論としては問題があると思いますので、方針といたしましては畑地かんがい等に切りかえてほしいとわれわれ考えておるわけでございます。しかし農林省で一方的にそういうことを考えるだけでは、こういうふうに事態が相当進展したあとの問題については非常に問題があろうかと思いますので、今後地元と十分協議、調整をやって、いま申し上げました畑地かんがいの方向に持っていけるような話し合いを進めたいというふうに考えております。一方的に畑地かんがいにしろという命令はできないのではないかというふうに考えておりまして、すでに農林事務次官通達を出しまして、この荒川中部等も含めて地区ごとにそういう相談をこれからやりたいと考えておるところでございます。

高田富之日本社会党

○高田分科員 そのような方針、ただいま申しました事務次官通達ですか、政府の具体的なそういう指示はいつ出されておりますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 二月の十九日に地方農政局長、都道府県知事に出しております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 そうしますと、二月というのですから、そう前というわけでもありませんので、おそらくこれからおやりになる計画だったのだろうといまの御説明でわかりましたが、関係の地域におきましては、政府の基本的な方針転換についてはいち早く新聞その他を通じまして知っておるわけでありますね。大きな、方針がほんとうに百八十度というような転換がありましたことは、関係者、関係団体、関係農民にとりましては、まるきり過去数年間、十年近い間考えてきたことがこれで全部ひっくり返るわけなんで、これは並みたいていの問題ではないのでありますが、それに対して、そういったいま御説明のような懇切丁寧に地元の事情を調べ、意向を聞きというようなあれがずっとおくれておりますから、いまだに実はないわけでありますから、どういうふうになるかという不安動揺というものは想像以上のものがございます。これはおわかり願えると思うのであります。そうしていまちょっとお話に出ましたように、せっかく水が行くようになったのだから、この際たんぼでなくて畑地かんがいというようなことで畑にその水は使ってほしい、使えないものかという方針は、それはもちろんわからないではないわけですけれども、そうはいいましても、いままで、たんぼならばということでせっかく協力する態勢ができここまで進んだものが、一ぺんにそうでなくなるわけですから、これはなかなかおいそれとはいかないわけであります。もともと田畑輪換のたんぼをつくるという問題にしましても、かなり大きな地域においては革命的なことなんで、これに納得して大ぜいの人がついてくるまでには、相当長期にわたる試験圃場等を設け、県からも、また指導的な立場の人も精魂を込めた説得と指導を長くやってようやくまとまったものなんで、ここまできて一ぺんに変わったときに、今度は畑にこの水を使えなんといっても、それは簡単に切りかえのつくものではないということはおわかり願えると思うんですね。そういうことでありますので、いま改良区の指導的な立場にある方々が頭を悩めておりますことは、畑地かんがいといっても、これでやってもらえるものがはたしてどれだけあるだろうか。畑地かんがいで何かをつくるといったって、何をつくっていいかも第一なかなかわかりませんし、経費をかけてそういうことをしてみたところで先行きどうなるかは保証の限りではありませんし、無理にすすめるということも、いままでやってきたことが大転換しただけに、無理に勧奨するような態度はいささかも出したくない、また出せない、こういうことで頭を悩ましております。そういたしますと、いま考えられますことは、おおよそ六、七割程度の水が余ることになる、それはまず避けられまい。まあはっきりわかったわけじゃありませんけれども、指導的立場にある人々の考えとしては、どうもその程度余ることは、これはいかんともしがたいのではないかという問題がございます。もしそういうことになった場合に一体どうしたらいいだろうかということなんですが、幸いにしてこの地方は工場団地等もでき、どんどん発展途上にあります関係で、そういう方面に、農業以外の方面に水を転用するということになれば、可能性はあるわけであります。なくはないのであります。もしそれが可能であるということになりました場合にこれはどういう形になるかですね。改良区として、農民が不要になった部分については改良区の責任、改良区が主体となってその水をそういうふうに転用して、これでもって、いま実は国営工事等の負担金の支払いは延期していただいてあるそうで、これは相当ばく大なものにのぼっておるわけですが、こういうものについて支払いに充てたり、また事務費、維持費等に充てたりしていく、残余の部分を国のほうに納入するとかなんとか、そんなことが一体可能なものなのかどうか、どういうふうにしていいかというようなことについても非常に思い悩んでおるわけでありますが、これらについてはどういうふうなことが考えられましょうか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ただいま最初にお話しになりました地元の非常に心配されておること、私たちもまさにそういうふうに考えております。これは荒川中部だけではありませんで、各地にこういう事態が起きておりますので、できるだけ地元と十分話し合いをとっていくという方向でやりたいということを重ねて申し上げたいと思います。  第二点の工業用水への転換の問題でございますが、現行の土地改良法によりましても、施設を他目的に使用させるという形式をとることによりまして工業用水への転換は一般的には可能でございます。しかし、それにはいろいろ問題が出てまいります。いまお話にもありましたように、その負担関係がどうなるかということでございます。たとえばこの地帯は夏九トン、冬一・九トンというような使い方になっておるようでございます。したがいまして、冬は畑地かんがい等に使う水であるようでございますので、全部なかなかすぐに工業用水に持っていけるかどうか問題はあろうかと思います。若干一般論で申し上げますと、たとえば一トンは夏冬通じて転換をするということになりましたら、その転換先が、熊谷なら熊谷市その他の市でそういうことをやるとなれば、市のほうで、あとで経費をまた振り分けといいましょうか、アロケートをし直さなければならないわけです。そういうことを頭に置きました上で市のほうから使用料を徴収する。その使用料は、現在この施設は国のつくった施設でございますが、土地改良区に管理委託をしてございますので、使用料は土地改良区に入ってまいります。その使用料の中身は建設費とふだんのその施設の維持管理費とになるわけです。そのうちで維持管理費は土地改良区が当然とる、市からもらうということになるわけであります。建設費の分につきましては、これは国なりあるいは県なり地元分担ででき上がっておりますので、筋から申しますと、その分は一部は国に納め、一部は県に納め、地元負担分は土地改良区がいただく、こういうことになるかと思います。ただ現在までそういう例がございませんで、若干ありましたのは、国営開墾事業でやりました分について二、三の例がありまして、その場合は、いま申し上げました建設費は国のほうに納めるということをやってきております。先生お話しのように、そういう転換が地元の話がまとまってまいりますれば、われわれとしましても十分協議をしていけるというふうに考えております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 そうすると、念を押しておきたいと思いますことは、せっかく工事がここまで進んでおることであるから、何とかしてできるだけ畑地かんがいに使わせたいという気持ちはわかるわけですが、あまりこれを強く推進して、ややもすると、そんなことはないと思いますが、半ば国の方針だというような気持ちで押しつけがましいようなことでもありますと、これは非常な混乱を招くおそれがあると思います。これは気持ちの上から言いましても、これだけの転換をされたわけですから、普通でしたら相当これに対しては何か補償措置のようなものがあってもしかるべきほどのことだと思うのです。ですから、新たな方針については全く農民の自由選択、好意的な指導、勧奨はいいとしても、強制にわたると疑われるような一方的な指導はぜひ避けていただきたい。そして農民の自発的な意思を十分尊重した指導ということでやっていただきたいと思うのです。これは念のためですけれども……。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ただいまのお話のとおりでございまして、われわれとしまして一方的に強制的に押しつけるということはいたさない。十分地元と話し合いをいたしたいと考えております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 それで、ただいままでの国営事業に対する負担金部分につきましても、まだ工事が、全面的に圃場整理が終わりますには数年を要すると思います。相当広大な地域ですから、完了まではとりあえず国費の負担金の支払い期限が参りました分は延期の措置を便宜とっていただいておるわけですが、それも来年一ぱいなんですね。ですから再来年からはまた支払いの義務が生ずるわけでございますが、こんな状態のもとでありますので、その水の処分なり今後の圃場整備完了後の状況がどうなるかということにつきましても判明しておりませんので、これもやはり引き続き支払い等は当分延期をしていただくような、そういう点についてもあたたかい配慮がぜひこの際必要であろうと思うのでありますが、いかがでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 この地区を、たとえば畑地かんがい等に切りかえますると、受益の程度も変わってまいりますので、当然計画の変更をやることになる。そうしますと地元負担金額が変わってまいります。そうしますると、従来どおりよこせというふうにもまいりませんので、地元に不当な負担をかけないという方向で善処をしたいというふうにいま考えております。と申しますのは、こういう事態がここだけではありませんで各地に出てまいりますので、そういう実態を各地区ごとに見きわめました上で、どういうふうに処置するかということを考えたいと思っております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 くどいようですが、ですから、せっかく始めたことでもありますので、圃場の整備については完了まで協力するということにはおおむね異議はないようなんです。これはまだ着手したばかりで非常に広大ですからやっておるのですが、まだ何年もかかるでしょうが、とにかく完了するまで県営でやっておるわけですが協力していこうということなんです。要するに、水についてはもう不要だという声は相当上がってしまっているわけです。桑畑でも何でもするのなら水は要らないというのです。あの地帯はそういう地帯なんです。あまり進んだスプリンクラーなんかを使う蔬菜なんかにつきましては、一部の人はやろうとしますが、みんながなかなか取りつけないという現状です。それにもかかわらず、圃場整備についてはやりかけた事業ですから、最後まで協力していくというわけでございますので、いまおっしゃいますように、目的は全部変わってしまったわけですから、経費負担については、これは相当特別な配慮が必要じゃないか。もともとこういう事業は、農民指導——強い指導とはいっても農民の希望がなければ始まらない事業ですから、農民のほうも希望して始めたことですけれども、途中で方向が変わったわけですので、かかった経費を、どういう形にされるかわかりませんけれども、全部出せというのも酷じゃないかというふうにも思われますし、ましていわんや経済効果を実際発揮してもいないうちから、期限が来たからといって取り立てるというのもいかがかと思います。ですから、いま申しましたように、さしあたっていま問題となっておりますのは、すでに期限が来た国営分の負担金でございますが、あとまたいろいろ経費もかかるわけではございましょうけれども、まず国営分については当分の間一たん延期していただいております。これをさらに明後年でございますから、さらに引き続き延期していただき、さらに事業の諸経費についてもいろいろ特別の御配慮を願って、そうして今後の変わった方向への指導についても心よく協力できるような状態を関係農民の間につくっていただきたい、こういうわけでありますが、いかがでしょう。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 先ほども申しましたように、地元とこれから相談に入るわけでございます。その入る具体案に応じて、必要な場合にはまた県と相談をいたしました上で、負担金の延納その他のことも考えたいと思っております。ただ、ちょっとつけ加えさしていただきますと、先ほどお話しがございましたように、四十六年までは県が立てかえ払いをするということになっておりますので、若干日があると思いますので、よく相談をしたいと思います。

高田富之日本社会党

○高田分科員 いままで実は全然地元の改良区の役員にさえ国の方針も正式には伝えてありませんし、それで実はいろいろ陳情を私自身受けましたので、急いで県にも照会をし、現地にも行ってもらうようにお願いはしておきましたけれども、どうかひとつ本省のほうからも積極的にただいまのお話に沿った線で懇切丁寧な話し合い、指導がなされますように御督励を願いたいと思います。  それでは時間もありませんので、あと二つばかりお伺いしておきたいのですが、これは昨年実は文書で御回答いただいておる問題でございまして、施設園芸等の災害補償制度の確立に関する問題でございます。  昨年いただきました政府の文書の回答によりますと、施設園芸についても共済制度の整備をはかる必要がある。そこで、ただいま実態調査を実施中であるが、これは災害補償制度の整備をはかりたい所存であるという御回答をいただいております。これはもう重ねて申し上げませんが、近年非常に多額の経費をかけました施設園芸が盛んになってまいりましたが、これに対して雪害等による災害も頻発しており、関係農民は相当強い要望を持っておりますので、できるだけ早い機会に実現が望まれるわけでありますが、ただいまどの程度の準備が進んでおり、いつごろからおおむねどんな形の制度として発足されるめどがついておりますか、御説明を願いたいと思います。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 ビニールハウス等の施設園芸の施設につきまして共済制度を検討するという方針のもとに、四十三年に初めて専門家のグループに対して委託費を支出しまして、まず研究の手始めをしてもらいましたが、本年度からは農林経済局の保険管理課のほうでその調査を役所の調査として続行することにいたしました。明年度予算にも百万円前後でございますが調査費を計上して、さらに調査を続行するつもりでおります。施設園芸が次第に急速に伸びておりますので調査は急がなければならないというふうに考えておりますが、果樹共済の検討の場合でもわかりますように、かなり本格的な調査をいたしませんと、掛け金率等につきましてのめどが立たないという事情もございます。私どもといたしましては、どうしてもそういう設計をいたしますためにも三年程度の調査期間が必要ではないかというふうに考えております。  なお、その仕組みにつきましては、現行法のもとでは、御承知のように省令で指定すれば任意共済というものが仕組める法令にはなっておりますけれども、この任意共済では再保険の道もございませんし、いろいろ制度として十全ではないというふうに考えられますので、ただいまの実態を精査しております期間、これと並行いたしまして何らかの仕組みを検討したいということで、これまた財政当局とよりより研究を続けておるところでございます。

高田富之日本社会党

○高田分科員 そうしますと、まだ、たとえば三年後には何とか実現できそうなめどがついたとかなんとかいうことは言われない段階なんですか。どこまでいっておりますか。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 全く調査中でございまして、仕組みについてめどが立ったというふうにはまだ申し上げられません。

高田富之日本社会党

○高田分科員 これはかなり前から問題になっておりますし、研究され着手されてから相当たつと思うのです。これは急速にふえておりますし、ぜひピッチを上げた御検討を願って、ひとつできるだけ早く実現できるようにしていただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そのように努力をいたしたいと思います。

高田富之日本社会党

○高田分科員 ぜひともひとつこれはお願いします。  それから、なお検討しておられる中身等についても、でき得るならばそのつど農林委員会等で御報告をいただき、いろいろ意見も出す機会をお与え願いたい、こう思っております。  それから時間がありませんからもう一つだけ、これもこの前伺ったことのある問題ですが、近年大規模な畜産が各地に起こってまいりまして、これも私の地域に実例があるのですけれども、養豚で六千頭やっておるというような大規模経営が出現をいたしまして、そのための畜産公害、これはもうたいへんなものなんであります。昨年春あたりから県議会でも問題になり、県当局からも調査団等も参りまして実態を調査し、農林省においてもつとに御研究願っておるわけでありますが、何しろ六千頭というような養豚でございます関係で、地域はかなり人家の少ない開拓地を選んではおりますものの、これだけ大規模なんですから被害がないということはあり得ないわけで、ただいまのところ細い掘り割りに流されております屎尿が、そこから荒川に注ぐまでの間八キロないし十キロの間でありますが、悪臭、それからこれが地下にしみ込みまして、幅、五、六百メートルくらいのところにあります井戸に流れ込みまして、飲むことができないというような状態で、住民もこれでは生活上非常に困るものですから騒ぎになりまして、市当局、県当局にもいろいろ折衝を続けておるようでありますが、なかなかうまい解決策がない。保健所も来て調べておりますが、やはり危険だ、そういう疑いがあるという話が保健所のほうからありまして、これは放置できないのであります。これらの大規模な畜産に伴う公害問題、これは新しい問題でございますが、これに対する措置であります。これは何とかしないわけにはいかないのでありますが、当局としてはどの程度これに対する対策が考えられておりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 養豚経営の多頭化と都市化の進展に伴いまして、畜舎汚水の処理が問題となってきておるのは御指摘のとおりでございますが、この対策といたしましては、第一には農地への還元の促進、第二は公害発生のおそれがない地域へ経営を移転させること、第三はふん尿処理施設の設置等がございますが、このために農林省は四十五年度予算におきましては、都市近郊における畜産農家が集団して経営移転を実施する場合の団地の造成に対して補助を行なう、それから畜産団地造成事業費を計上するほか融資措置を講ずる考えでございます。  なおまた、処理施設につきましては、国及び県の試験研究機関におきまして試験研究を実施いたしますほか、昭和四十三年度及び四十四年度の両年に家畜ふん尿処理実験施設、これは全国六カ所でありますが、これを設置いたしまして目下実験中でございますので、これらの結果に基づきまして、なるべく早く実用化をはかってまいりたいと考えております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 その中にもございますが、たとえば、ただいま私が申しましたように、数千頭も経営しておるというようなものに対しまして、実情がいま申しましたように非常にひどいものであるという場合に、これを移転させるということを行政指導によって行なえれば問題ございませんが、法的に飼育頭数を何とか制限するとか、処理施設に見合った程度まで減らさすとか、あるいはある程度強制力を持って移転させるとか、そういうようなことについての法的な措置は何か考えておりませんか。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 ただいま大臣のお話がございましたとおり、四十五年度におきまして、実は新しく畜産団地造成事業ということで三億六百万の予算を公共事業費として計上いたしまして、現在予算要求をいたしておりまして、先生御指摘のとおり、この問題につきましては地方公共団体も非常に関心もございますので、この助成を一つの誘導策として団地移転ということをやってまいるということで当面は対処してまいりたい。これを法的に強制するというところまでは現在考えておりません。

高田富之日本社会党

○高田分科員 それではそれは研究していただくとして、さしあたり行政指導——相当これは強力な指導をしなければなかなかおいそれとは言うことをきかないと思うのでありまして、ただいま私が申し上げたのは実例で申し上げておるわけであります。私の地区にあります六千頭、これは埼玉県当局も頭痛の種でございますから、ひとつ具体的に何とか促進していただきませんと、約八キロから十キロ、長い間でございまして、両側がたいへん迷惑をしておりますから、強い御指導の上何とか早急に解決策を見出すようにお願いしておきたいと思います。  時間が参りましたのでやめます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時四十八分休憩      ————◇—————    午後三時九分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林省所管について質疑を続行いたします。藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 私は、政府が昨年方針として決定したというふうに承っておりますグレープフルーツの自由化問題に関連をするミカン危機の問題について、以下お尋ねしたいと思います。  まず第一にお尋ねをしたいことは、政府がさきに、たしか昭和三十七年であったと思いますが、策定をいたしましたミカンの植栽計画を含む需給計画については、その後計画のずさんさというか需給計画の見通しに大きな誤りがあったというか、結果としては、昭和四十二年に農産物の需給と生産の長期見通しという四十三年から五十一年にわたる計画を立てられておると思いますけれども、その計画の内容、いわゆる需給計画について説明をしてもらいたいと思います。  その場合、時間の関係もありますから、効率的に私も質問したいと思いますし、答弁のほうもそのようにしてもらいたいと思いますが、その答弁に関連をして、四十三年度現在ではミカンの成園、未成園の比率は約半々程度、こういうふうに理解をしておりますが、その程度のものかどうか。また、長期計画の中に盛られておる五十一年度の政府計画による未成園の比率は何割と見込んでおるのか、その点についてまずお尋ねしたいと思います。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 お答えいたします。  ただいま農林省の園芸局で策定をしておりまして、明年われわれといたしましてはこれにつきまして再検討をいたしたいということで、大体現実になっております数字を申し上げますと、四十四年の確たる生産量が確定いたしておりませんが、四十三年の数字で申し上げますと、大体ミカン等は出発当初に比べますと相当ふえまして、いわゆる二百五十五万トン、これはウンシュウミカンでございますが、そのほかナツミカン等は二十五万トンという程度で、あとリンゴ等が百十三万トン、大きなものではブドウが二十六万九千トンというふうに最近非常に増大してまいりまして、昭和三十八年を一〇〇といたしますと、ミカンは二一三%でございます。それからナツミカンが一四八%、リンゴが一三〇%、ブドウは一七四%というふうに非常に増大しております。この結果当初の……。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 ミカンを中心に説明してください。こちらはミカンを聞いておるんだから。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 ミカンはそのようになっておりまして、面積のほうで申し上げますと、昭和三十年に対比いたしますと、ミカンは生産面積は約四六一%増ということで、約四・六倍というふうになっている次第でございます。  それで、新植と未成園の四十四年の現実は、一部推定も含みますが、ミカンにつきましては未成園率が四一%、十五万八千六百ヘクタールがミカンの総面積でございますが、そのうち成園が九万二千九百ヘクタール、未成園が六万五千六百ヘクタール、こういうふうになっておりまして、ただいま申し上げましたように四一%の未成園率、こういうふうに御理解願いたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 五十一年は。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 失礼しました。果樹農業振興基本方針の関係の需給見通しを申し上げますと、五十一年と基準年度の関係でございますが、五十一年ではミカンにつきまして栽培面積が十六万八千ヘクタール、それから生産量が三百六十四万六千トンというふうに見込んでおりまして、基準年の三十九年のほうは栽培面積が十万一千三百ヘクタール、生産量が百二十二万九千万トンでございます。この基準年次と五十一年との伸び率の関係は、面積で一六五・八%、生産量では二九六・七%、こういうふうに推定している次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 私の調査によりますと、いま言ったことと大体一致しておろうかと思いますが、昭和四十二年の農産物の需要と生産の長期見通しによれば、四十一年度は栽培面積において十二万六千八百ヘクタール、それに対して当時の計画としては需要トン数において百七十五万六千トン、ところが実質的には、実績としては生産量が百七十五万。当初の計画では自給率七〇%と見込んでいましたけれども、実績の面ではもうその需給計画が根本的に狂っておる。以下四十二年、四十三年、四十四年までの数字は省略しますけれども、政府が当初立てた計画は根本的に狂ってきたということについては農林省自身も認めておるわけですね。そういう前提に立っていま局長が答弁されたように、来年度その計画策定をもう一度やり直す、このように理解してよろしいのですか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 多少私のことばが足りなかったかとも思いますが、四年前に基本方針を立てましたので、ことしで大体四年目になりましたが、その間多少果樹ごとにでこぼこがございまして、ミカン等は多少予定よりも進捗率がよかった。それに対しましてほかの果樹等につきましては、まだ現在の段階では進捗率があまりよろしくない。植栽面積といたしまして、ただいま申し上げませんでしたが、基本方針では、ミカンにつきましては三万ヘクタールの植栽面積を考えておりましたが、四十二年、四十三年、四十四年と、四十五年はまだ入っておりませんが、四十四年度までに二万七千百三十ヘクタールの植栽が行なわれまして、残る二千八百七十ヘクタールの植栽可能面積、目標達成率が現在の段階では九〇%、ことしじゅうに一〇〇%を多少オーバーするのではなかろうか、こう思っておりますが、いずれにしても時代的に国民の嗜好の方向も変わり、また農家のほうのこれに対する裏づけといいますか、対応のしかたも多少変わってきておりますので、五年間の計画でございましたので、あらためまして今度四十七年以降の植栽面積、向こう五年間の新しい果樹の基本方針を打ち出したらどうかということでありまして、たいへん違っておったから直すのだという趣旨ではございません。五年ごとに基本方針を改めるという考え方で進めている次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 時間的な関係で数字的な論議をする余裕がありませんが、少なくとも政府が当初見積もった、四十二年度に策定したものよりは相当大きな数字上の狂いが出てきておることは事実だと思うのです。結局、生産量が飛躍的に伸びたために、生産過剰といいますか、供給過剰現象が起こっておると思うわけです。その結果は、価格問題に当然悪い面として強く影響が出てきておると思いますが、どうでしょうか。三十八年以降の、単位はキロ当たりでも何でもけっこうですが、年度別の単位当たりの価格はどういう傾向をたどっておるかということを聞かしてもらいたいと思います。  なお、特にこの機会に触れておきたいと思いますが、四十三年度の実績でいくと、ウンシュウミカンのごときは、限界生産費を割って、費用価格を下回るような、ことばをかえていえば、自家労賃にまで食い込むような状態が起こりつつあるのではないか、こういうふうに私自身は見ているわけですけれども、そのあたりの見方について、実態を説明してもらいたい。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 ミカンにつきましてのいわゆる値段でございますが、いろいろな階段でのとり方がありますが、先生の御指摘の関係からいたしますと、農家庭先価格が一番妥当ではないかと思いますので、農家庭先価格で御説明申し上げます。  一応ミカンだけ取り上げますと、なまの二、三等ということで、十キロ当たり値段と御理解願いたいと思いますが、三十五年度が四百四十六円、三十六年度が六百二十五円、三十七年度が七百五十二円、三十八年度が七百二十二円、三十九年度が六百十円、四十年度が六百九十四円、四十一年度が六百十四円、それから四十二年度が七百四十三円、四十三年度が、これがたいへんな豊作でありましたので、五百二十一円というふうに下落しております。四十四年、去年産ですが、去年の秋からいまにかけまして出荷されているミカンは、まだ平均値は出ておりませんが、八百円前後になるんではなかろうか、こういうふうに理解いたしている次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 いまの説明によってもわかりますように、三十八年を一つのピークにしてずっと、若干の変動はありますけれども、昨年は豊作とはいえ、いわゆる豊作貧乏ではございませんけれども、価格の大暴落を来たした。したがって、愛媛のごときは、ミカン農家に二名からの自殺者を出すというような悲劇さえ生まれておるわけであります。  こういう状態の中で、私が冒頭触れましたようなアメリカのグレープフルーツを自由化する、いわゆる非自由化品目からはずすということになれば、これは結果としては、ミカン農家を決定的に破滅に追い込んでいくことになるんではないかと思いますが、こういう政策は、日本のミカン農家を守るという立場から見れば、まさに農業政策としても、経済外交としても逆行しておる政治の方向だといわざるを得ないと思うのです。これに対する農林大臣の見解をひとつ聞かしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 貿易・資本の自由化というのは、いま私どもが直面しておる全般的な大きな問題でありますので、これにできるだけ対処していかなければなりませんが、われわれのほうと競合する物資の自由化につきましては、やむを得ないものはいたし方ないとしても、それに競合するものについては、できるだけその競争力を維持するようにしていきたいと思っております。そのためには、四十五年度予算等においても、いまもいろいろお話があったようでありますが、そういう立場で競争できるようにして、われわれのほうで受ける影響をできるだけ少なくするように努力したい、こう思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 四十五年度の予算案の中に盛られております果樹対策といいますか、ミカンの問題については、私も後ほど触れたいと思いますけれども、あの程度の微温的なものでグレープフルーツの輸入に対抗するだけの条件というものは、とてもじゃないができないと思うのです。  そこで、私は、政府の方針をしかと聞いておきたいのでありますが、われわれの理解しておる範囲では、またせんだっての農林委員会における農林大臣の答弁によりますと、一定の条件を整備するまではグレープフルーツの自由化には手をつけない、四十六年の十二月の末までは自由化はしないんだという意味の答弁があったようであります。一部、新聞その他で見てみますと、政府部内にも、四十四年の十月に二品目、ことしの二月十日でしたか九品目の自由化をやりましたが、こういう自由化促進説を強く持っておる人たちの見解として、このグレープフルーツの自由化をことしじゅうにやってはどうか、こういう強い意見を持っておる者がいるということで、これはかなり大きく新聞にも出たと思いますけれども、農林省なり政府の統一見解として、どういう条件の完全な整備ができるまではこのグレープフルーツの自由化はやらないのかという点をひとつ明確に聞かしてもらいたいと思います。少なくとも、いまのような条件の中でことしじゅうにやるなんということは絶対考えられないと思うわけですけれども、ことしじゅうにやるなんということは、農林省、通産省としても絶対考えていないと思いますが、そのように理解してよろしいかどうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 まあ、やってみればどうなるか、私ども想定しておるところを見ますと、グレープフルーツというのはそんなにたいへんな脅威になるものだろうかということについて、いろいろ考えさせられる面がありますが、季節関税を設けることによって、こちらにできるだけ影響がないようにいたすこと。それから、いまお話しのような議論もありますけれども、前の農林大臣が言っておりますように、アメリカでもウンシュウミカンをほとんど各州で自由にしてくれるように努力すると言っておりまして、そういうことも継続して努力いたしますし、いまお尋ねのような四十六年末以前にやるということは、こちらは考えておらないわけであります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 四十五年度中にはやらないということについては明確になったわけですが、なお、一定の条件整備という中身としては、季節関税の問題ですね。あるいは、いままでアメリカの西部五州に対してのみ輸出をしておったものを、全米全地域に輸出をしていくような体制整備をはかっていく。この二つに集約されるような答弁であったと思いますが、たまたまそういう答弁がありましたので、ミカン危機の具体策の一つとして、いまの答弁に関連して質問をしておきたいと思いますが、季節関税については、何月から何月までの間くらいを考えているのか、そうして、全米を対象にする販路拡大については、どの程度の目標を設定して、今後貿易ワクの拡大、販路の拡大をはかっていこうと考えられているのか、その構想、目標というものをできるだけ具体的に説明してもらいたい。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 まず、季節関税の点でございますが、これは来年の次期の通常国会に農林省といたしましては正式に提案いたしたい、こう思っておりまして、現在まだ検討中でございます。季節関税の時期をどうするかということにつきましても、これはただいま検討中でございますが、やはり日本の競争関係にありますナツミカン等の出回る最盛期前後を中心として検討いたしたい、こういうふうに思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 質問はちょっとメモしておいて落とさないようにやってもらいたいと思うのですよ。季節関税の問題については時期の問題と、販路拡大なり全米の輸出のなにについてはどの程度の目標を中心にやるのかということを聞いているわけですから、その点は一つ答弁漏れがあるということ。それとこの機会に、季節関税の率についてはどれくらいのものを考えているか、このことをお尋ねしたいと思います。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 率につきましては、ただいまのところまだ何ら確定いたしておりませんが、われわれといたしましては、やはり国際的に通用するような常識的な線ということで検討いたしております。  それからまた、先ほど答弁漏れがありましてまことに申しわけございませんでしたが、区域につきましては、極力アメリカに実質的に日本のミカンが輸出できるような範囲内ということで、まだ何州何州というような具体的な州にまでわたっての話ではございませんが、実質的に拡大できれば、こういうふうに考えておる次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 時間がありませんから、私はこの点についての一つの意見なり要望をしておきたいと思うわけですが、当初私が質問しました四十二年のこの策定計画によれば、概数として五十一年度の計画としてはその生産量において三百六十五万トンという程度のものを策定しておるわけですけれども、これは先ほどの答弁のように計画変更があるかもわかりませんが、少なくとも政府が当初そういう計画を立てたものに沿って、ミカン農家というものは政府の方針を信頼して努力をしてきているわけですから、少なくとも政府がミカン農家に向かってそういう約束をした、計画を公表したものは、これは国内的な消費と国際的なそういう貿易ワクの拡大あるいはグレープフルーツの自由化をできるものなれば規制をしていく、こういう条件の中で目標を達成してもらうように強くこれは要請をしておきたいと思います。  そこで、もう時間がわずかしかありませんから結論的な質問に移りたいと思いますけれども、大臣はグレープフルーツを自由化しても影響はさして大きくはないのじゃなかろうかというようなことを言っておりますけれども、これは私ども見通しの問題として、きわめて見解が違うわけであります。このグレープフルーツが自由化されれば、少なくともミカン農家に対する打撃は致命的なものがあるというふうに見ておるわけですが、この具体的な措置として、このグレープフルーツの自由化の時期を延長することができないのかどうか。  時間の関係で項目だけ申し上げます。二つ目はガット条項ですね。ガット条項の十九条あるいは二十五条の五項、こういったものの適用によってミカン農家を保護育成していくような対策を講じる用意があるかどうか。これは詳しくは申し上げませんが、アメリカもガット条項からいえば形式的には農産物の残存非自由化品目はないように見えておりますけれども、これは大臣あるいは当局の皆さん御承知のとおり、かれこれ実質的には十四品目ぐらい非自由化の、しかもアメリカの農産物にとっては重要な品目が残されておるわけですから、わが国における米なり麦類あるいはバターといったようなものが自由化品目からはずされておるように、政府が少なくとも選択的拡大ということで農基法の線に沿って奨励をしたような品目については、しかもグレープフルーツの自由化によって大きな打撃を受けるであろう、こういうグレープフルーツの輸入については、ガット条項の適用のために農林省としてもまた通産当局としても、いわば政府として最大の努力を払うべきだと私は思うわけでありますが、その点についての見解をひとつ聞かしてもらいたい。  三つ目の問題としては、ミカンの消費量を拡大する政策としては、一つには国内的な消費の拡大と、一方では貿易量の拡大をはからなければいかぬ。アメリカに対しては先刻答弁があったわけですけれども、いま一つソ連に対しては民間貿易の形でいま一部取引がなされておりますが、そういう窓口があいておるわけですから、政府の全体的な貿易計画の中でそういう民間貿易をさらに発展をさしていく。政府の責任においてミカンのソ連に対する輸出ワク、共産圏に対する輸出ワクの拡大をはかって、今日憂慮されておるミカン農家の危機を克服する考えはないかどうか。ぜひそうやってもらいたいと思うわけですが、それについての見解を聞かしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 グレープフルーツはこれは国際的な問題で、もう四十六年末にいたすという約束をしておりますから、いまから延長ということはめんどうだと思います。それで、私がさっき申し上げた、そんなにたいへんな脅威になるかどうかというのは、これはしろうと的な個人的な考えですけれども、その辺の店屋で聞いてみますと、グレープフルーツは一個二百円も二百五十円もするから、人のところへお見舞いに持っていくのに何となくきれいだというようなことで、あの普通の百円、百二、三十円ということになれば、需要のほうでもかなりきくんじゃないか。そういったようなことで、私どもそんなにおそろしいものではないかと思うが、それにしても競合する物資でありますから、競争力を維持するために、農林省としてはできるだけこちらのミカンの保護のためにいろいろな予算をやろうとしておるわけであります。  いまお話しのソ連貿易につきましては、農協などでも代表団が視察に行ってやっております。私の郷里は長野県で、リンゴを引き合いに出していますけれども、まるで安い小さいものばっかりほしがっておって、われわれのほうの上等品はほとんど話になっておりませんから、これはこれからの研究問題だ。私は、世界じゅう至るところに販路を拡張する努力はするほうがいいと思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 限られた時間ですから詰めた論議はできませんが、大臣はいま、世界各国に対して、いわばソ連貿易を含む社会主義国家群に対しても貿易量のワクを拡大する必要性を認めたと思います。これは私の強い要請として申し上げておきますが、単なる研究課題ではなくて、緊急の重要課題としてひとつぜひ御検討をいただきたい、この点を要請いたしておきたいと思います。  最後に、このミカン生産農家の危機を克服する国内的な施策としては、これまた項目的なことを申し上げて一括御答弁をいただきたいと思いますが、一つには、いま一番心配しておるのは、一部改植計画も進んでおりますが、ナツカンのごときは自衛手段として改植施策も進んでおりますけれども、やはりミカン農家にとっては価格を安定さすための支持価格制度というものをこの段階でつくってもらわぬことには、政府が国の基本法に基づいてミカンをつくれ、やれ何々をやれ、こういって奨励をしてきておるわけですから、そういう政府の方針に沿って、いわば誠実にまじめに働いてきておる農民に不信感を与えるような、大きくいえば政治不信を与えるようなやり方というものは私はやめるべきだと思うのです。そういう観点からいって、支持価格制度と申しますか、そういう安定措置を講ずる必要があると思うわけですが、それについての見解。  二つの目の問題としては、いま非常に多くの制度金融による借財をかかえて、ミカン農家は困っています。この各種制度金融に対して、政府はその償還期限を延期するとか、あるいは利子補給を行なうとか、そういう措置をぜひとってやってもらいたいと思うわけですが、それに対する見解を聞かしてもらいたい。  これは、一部私の見解でありますが、かつて昭和四十年だったと思いますが、私が大蔵委員をやっておりました当時、山一証券の証券界の不況問題に関連をして、たしか富士銀行、三菱銀行、あるいは興銀等が中心となって、八回にもわたって無利子、無担保で、三百億に近い融資をやったことを記憶いたしております。私は、ミカン農家がかれこれ二十数万戸あると思いますけれども、平均家族の人数に引き直して、約百五十万程度のミカン農家が、このグレープフルーツの自由化を前提にしていま非常に困っておる。こういうものに対しては、政府はひとつ思い切った、利子補給、償還期限の延期のために適切な手だてをやってもらいたいと思いますが、その点についての見解を聞かしてもらいたいと思います。  それと三つ目の問題は、先ほど大臣も言われましたが、四十五年度の予算の中には、基幹的農協果汁工場の設置のために二億円程度、また果樹消費促進事業費としてたしか二百三十万程度、産地の貯蔵庫としてこれまた二億五千八百万程度、こういう新しい、確かにある意味では前向きの施策が出ておるわけですけれども、こういうものはこの程度のことではとてもじゃないが私は当面のミカン危機を克服することにはならぬと思うので、政府としては、ひとつ来年度以降は思い切ってこの種の助成策、あるいは問題解決への施策をはかってもらいたいと思うわけですが、それについての見解をぜひ聞かしてもらいたいと思います。特に、先ほど触れました各種制度金融に対する償還延期の問題なり利子補給の問題については、これは具体的な措置として緊急に手だてをしてもらいたいと思うわけですが、政府の見解を承りたいと思います。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 まず第一番目の御質問の、ミカン等にもいわゆる農産物価格安定といいますか、支持価格制度を設けろという御質問でございますが、現在の時点で、先ほど予算の上でも御指摘ございましたが、われわれといたしましては、ミカンにつきましては、まだ支持価格制度ということの適用よりも、いわゆる生産出荷の安定といいますか、生産も安定的な生産をいたしまして、需要と供給のバランスをとりながら生産増強につとめるとともに、収穫期といいますか、とれどきにもいきなり全部とってしまって直ちに出荷するというのではなくて、産地に貯蔵庫を設けて、プールしながら平均的な安定出荷をする。そういう形で、需要と供給のバランスをとりながら出荷していくという体制につとめてまいりたい。したがいまして、産地に倉庫を設けたり、あるいは場合によりましては、だんだんミカンが多くなる過程でくずミカン等もふえてまいりますので、そういったものの加工を中心としまして、ジュースとかそういったものに加工して貯蔵して、そして端境期にまた出荷していく、こういう形で、いわゆる安定供給という形で当分の間この価格安定をはかってまいりたい、こういうように思っております。  また、次の利子補給といいますか、貸し付け金が相当多額にのぼっていることも、こういう成長産業の現時点におきましては当然でございまして、相当な融資が各種制度金融から行なわれている次第でございますが、われわれといたしましては、需給のバランスさえ十分とれば、この償還の話もそうむずかしい話ではないのではなかろうか。たとえば去年の四十三年産のミカンのごとく、異常な大増産とそれに国民の消費が十分についていけないときには、そういった需給のアンバランスから価格の低落を来たしましたが、たとえば四十四年産のミカンになりますと、ナツカンまで含めましてことしの春先のナツミカン相場等も非常にいいようでありまして、需給バランスが非常に安定している。したがいまして、価格の面にも十分に反映しまして、農家にそれほどひどい打撃というふうにはわれわれ見ておりませんで、むしろことしなんかは多少余裕ができるのではなかろうか、こういうふうに見ております。現在の金融制度自体が、果樹につきましては、それぞれの金利体系等の中でも相当優遇されたような形で、また金額も大きくなっておりますので、その辺は十分御了解をお願いいたしたい、こういうふうに思っている次第でございます。  それから、今後の予算でございますが、果汁工場とかあるいは植栽育成資金とかいったこと、あるいは産地の倉庫というようなことは、園芸局としては初めて予算をお願いするようなかっこうになっておりますが、われわれといたしましては、先ほど大臣からもお話がありましたように、グレープフルーツ等の自由化も時期的にも切迫しておりますので、今後ますますこういった施策の拡充強化をはかりまして、果樹生産農家の経営の安定に努力いたしてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 これで終わりますが、いまの局長の見解には私は納得はいきません。と申しますのは、冒頭申し上げたような需給計画には相当大きな見通しの誤りというか、実績上においては狂いが出てきておりますし、これまた冒頭の質問の中で触れたように、未成園の比率がかなり高いわけですから、需給のバランスをとるということは実際問題としてむずかしいのじゃないか。ですから、その需給のバランスをとるところに重点を指向しながらも、部分的に起こってきておるミカン農家の跛行的な問題については、緊急的な措置として私が指摘をしたような対策を講じなければいけませんし、またかたがた基本的な問題としては、グレープフルーツの自由化そのものに対して大きな制約を加えていくという施策が当然伴わないことには、この問題の解決にならぬと思います。その点についての大臣の見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど来事務当局が申し上げておりますが、私どもはそのあなたの御観測と若干食い達いがあるかもしれませんけれども、私どもが日本の果樹園芸について国際競争力を維持していくためにこの上とも努力をいたしますということにおいては変わらないのでありますから、さように御了承願います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 最初に大臣にお尋ねいたしますが、今回農地法、農協法の改正が出ております。私はこういう問題はしろうとでございますので、あまり詳しいことを論ずる資格はありませんけれども、そういう素朴な質問の中から大臣にお尋ねするのであります。  農協の問題ですが、農協法第一条の「農民の協同組織の発達を促進し、以て農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展を期することを目的とする。」「以て農業生産力の増進と」とございますが、こういうふうに先祖代々からの農地を農業政策の中から農協に売り渡し、また農協はその土地を他に転売するようなことがこれからできるようになってまいりますと、この農業協同組合法の第一条とちょっと違っていくんではないか、こういう考え方を持っておりますが、まず第一点お尋ねいたします。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 法文の解釈にも関連いたしますので私からお答えいたします。  農協法で御指摘のように、農協の目的といたしましては「農業生産力の増進」ということと「農民の経済的社会的地位の向上」ということをうたっているわけであります。今回の農協法の改正に関連をいたしまして土地の取得の問題でございますけれども、私どもの理解では、この農協法の目的というのはそう限定的に解釈しなくてもよろしいのではないか。むしろ農業あるいは農民に利益をもたらすようなものであればわりあいに弾力的に解釈してもよろしい、こういうふうに実は理解をいたしておるのでごいます。  なお、今回の農協によります土地の取得でございますが、これは農地を農地として取得いたしまして規模拡大農家に売り渡します場合には、これは明らかに「農業生産力の増進」ということにそのまま結びつくわけでございますが、転用目的で農地を取得いたします場合が若干疑問があるというふうに考えられるわけでございます。これも私どもの本来の趣旨は、土地の農業的な利用とそれから宅地等の利用との調整をはかりながらやってまいる、こういうことでございますので、いわゆる農地のスプロール化を防ぐというのが基本的な趣旨でございますから、そういうような意味では「農業生産力の増進」というものにつながるものである、こういうふうに考えておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そうすると、総合農政なんというものは、農民が農地から生み出す価値、麦とか大根とか米とか、こういうもののほかに住宅も生み出す、工場も生み出す、だんだんそういう拡大解釈をしていくというふうに私にはとれるのです。首都圏農業というのが、だんだんこれは農業をやらない農民が出て、農協はそのままになっている。日本で一番か二番というような蓄積資本を持っている。そうしますと、農業本来の目的からだんだんはずれていって、農民という名前だけはあるけれども体がない。農民のためになれば何でもいいんだ、そこにスーパーマーケットも生じてくる、トルコぶろも出てくる、いろいろな業種が出てくる。そうして今度は不動産業界もこれは介入する。そのうちには今度家を建てて大家さんにもなる。もう農協なんという事業じゃだんだんなくなっていっちゃうんですよ。そこで私は、総合農政というものはそういう農民のためになること一切を含めた中で土地というものから生じてくる価値、すなわち価値創造というものをそういう非農業生産の面も含めた中で総合農政という立場に立って貫いていくんだから、今回の農業協同組合法のこの一部改正というのはそういう精神から出発しているんだということに理解している。どうしても都市住民でありますのでそう理解してしまうんですが、その辺のところは大臣、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私どもの言っております総合農政というのは、私どもがいま日本の農業というものの地位を考えてみますときに、なるほど昔ながらの考え方だけではたいへんにちぐはぐな点も出てまいります。しかし、われわれはやはり日本全体の産業の中で農業というものが一定の国際競争力を持って立ち向かっていかれるだけのものに体質を改善したい、こういう考え方で、そういう考え方からいろいろな施策というものが出てくるわけでありますから、そこで農業に対する基本的な考えは、まああなたも時間もないでしょうから、いつでも言っていることでありますから同じようなことでありますが、しっかりした経営規模のものを中核にして、そして集団的なりっぱな農村をつくってまいりたい、こう考えているわけであります。  そこで、いまお話しのございました農協の土地の話でありますが、これは前々からそういうお話はあったでありましょうけれども、私どもに対して熱心に希望されるのは、農転をゆるめられたりして大事な農地がスプロール化してしまうことは非常に困るということ、したがって、自分たちがそういう大事な農地を保護しておきたいという。もう一つは、農村、農家の人々が徳川時代から持っておるああいう古い家、あれをだんだん新しいものにかえたいという若い者もありますし、かたがた住宅事情等もございますので、そういうようなことを農協として一つの田園都市的な考え方ができるようにやってまいりたいという、つまり農村、農業を維持していくために考えたいという御趣旨でありますので、まあ私どもはいい考えではないか、こう思って賛成しているわけであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 この議論はいろいろとあるのですけれども、長い時間かけていられませんから……。  そこで第八条、「組合は、その行う事業によつてその組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行つてはならない。」とこうあります。そういたしますと、不動産業界と同じような仕事がこれから農業協同組合にも課せられてくるのですね。その場合には全然営利を目的としないような農協の土地の移動というものを行なうのですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 八条で非営利原則ということをうたっているわけでございまして、これは農協の事業全般を通ずる考え方であり、また、事業の運営のあり方を規定していると私ども理解しているわけでございますが、今回の法律改正によりまして農協が農民の持っている土地を取得する、そしてそれを宅地等の需要者に供給をするという形があるわけでございます。この形自体は、これは確かに御指摘のように、一般の不動産業者といいますか、そういうものと同じだと思います。ただ、その事業をやります考え方なりあるいはやりました結果の整理なりそういうものは農協は違う、こういうように私どもは考えておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そうすると、不動産業法は農協に適用するのですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 宅地建物等の取引業者は登録を受けまして事業をやる、こういうルールがございますので、それはやはり農協といえども該当すると思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そうするとあなた、不動産業法を適用してきますと、その取引の謝礼なんというものは五分とか三分とかきまっているのです。これは一度でも動かせば土地なんというのはものすごく高いですから相当の額になってくる。三・三平方メートル当たり三十キロ圏で十万円以下のところはないです。そういう市街化区域に指定された農民がこれから農地としてはやっていけない、といって自分で売るのはたいへんだから農業協同組合を通して売買する。農協はそれを買って——七万円くらい価値があるけれども、おまえこれは公共の立場だからもっと安く売れなんということは言えない、農民の利益を考えなければいけない。そこで当然メリットを生ずる仕事をしなければならない。そこであなたのおっしゃったような不動産業法を適用することになれば、第八条ともちょっと考え方が違ってくるだろうし、ここに明らかに第三の宅地戦争に介入してくる農業協同組合の一つの形というものがあらわれてくる。そういうものに対して、これから不動産業者と競合していく場合、当然競争も出てくるでしょう。農民だって安いほうには売らないのですから、農業協同組合に買ってもらうためには不動産業者よりいい条件でなければ買わせないんだから。それでまた農協はどこへ売るかというんです。こういう土地というものは第一地主から第二地主に転換する時点に一番商品化されてしまうことはあなたも御存じのとおり。その辺のところはどうなんですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 農協が土地を取り扱います場合に、私どもの基本的な考え方は、やはり組合員の委託によりましてやるのが一番よろしい。したがいまして、原則としてはそういう方向で指導いたしたいと思うわけでございますが、中には買い取りをいたす場合もございます。その場合に一般の不動産業者でございますならば、やはりなるべく安く買って、そして高く売り渡すというのが普通の考え方だと思います。私どもの農協の場合にはそういたす必要はないわけでございまして、要するに農家に、土地の所有者である組合員に、いかに有利にそれを整理してあげるかというのがねらいでございますから、まあ売り渡し価格のほうは一応別にいたしましても、必要な経費をまかなうだけの分を農協が取得して、あとは農民に還元をすればよろしいわけでございます。したがいまして、そういうことから申しますれば、やはり一般の需要者に対する価格も、一般の不動産業者よりは安く、いわば適正価格で供給できるのではないかというふうに、私ども筋道としては考えておるわけでありますし、またそういう指導もいたしたいと考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そうすると、この土地の高騰について、農住構想という新しい構想を大臣から承っておるのですが、そこで大臣にお尋ねしたいことは、市街化調整区域内に買ってある不動産業者の土地が、埼玉県を中心にして関東五県だけで四千四百ヘクタール以上あるといわれておる。これは住宅にして二十万戸か二百万戸か、ちょっとはっきりしませんが、相当な戸数である。これは建設省関係の仕事なんですが、市街化調整区域というのは、そういう不動産業者がもしもいま買ってある土地を開発しろ、開発しろと建設省にいって許可を受けようとして、建設省がもしも許した場合には、農業サイドから見た場合、これはどういうことになるのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御存じのように、都市計画法では市街化区域の農地は転用を願い出なくてもよろしいということになっています。したがって、調整区域は農業としての大事な地域でありますから、それに住宅や工場を建てるために市街化調整区域が売買されているというのは、おかしいのじゃないでしょうか。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そこが大臣、たいへんな問題なんですよ。あなたはいまどういうふうな宅地戦争がやられているか御存じないみたいですね。いまものすごい勢いで調整区域で買い占めをやっています。そうしてこの六月から新しい線引きが行なわれる。だから私が言うのは、いままでに市街化調整区域の線を引きまして、その調整区域内に買ってしまってある不動産業者の土地が、いま言ったように四千四百ヘクタールほどもあるといわれておりますが、日本不動産協会から申請が出ているのです。それは、私たちの買った土地が市街化調整区域になったら、二十ヘクタール以上の大型開発しかできなくなるから、われわれのいままで買ってある調整区域の中にある開発だけはさせてくれ、させてくれと建設省へきているのです。  だから、いま大臣のおことばを承りますと、私、そのとおりだと思います。何のために市街化区域と市街化調整区域をきめたのか、市街化区域内の問題なら問題はないのです。調整区域内に買ってある不動産業者の取得した土地をこれから許可するかしないかということが議論の争点になるのですよ。これは農業サイドがめちゃくちゃになってしまうから、農林大臣としてはどうかということです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 よくわかりました。私ども聞いておるところにもそういうものがあると思うのですよ。いま全国でわれわれが信頼すべき農家の方方が農業を営んで、そこから出てくるものを楽しみに生活しておられる方ばかりだと思ったら、そうではなくて、おれのところの土地は調整区域に入れないでくれという運動が非常に熱心なんです。だからいま私どもとしても、まことに感慨無量であると、この間もどこかでしゃべったのでありますが、いま調整区域に線引きをやっている最中でしょうから、おれのところも調整区域からはずして市街化区域に入れろという運動ばかりです。これは私、非常におかしいことだと思うのです。  そこで、いまおっしゃったことは、調整区域ですでに土地業者のようなものに買われておる土地のことをお話しになったと思うのですが、しかし、それは農地である限りは農地転用をいままで許可してあるはずがないと思うのですが、農地がどうしてそういう人たちの手に入っているのでしょう。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 どうして入っているのでしょうと私に言われても困るのです。実際は大臣のほうの監督がよくないからだ。私が調べたところによりますと、農地転用の許可を受けた数字と実際の宅地になった数字とは四倍も差があるのです。その点はそんなことを言ったらたいへんですよ。現実に不動産業者が買い占めているやつについて所管大臣が逆襲されても、私は議員の立場だから権力がないのだからどうしようもないのです。おまえ困ったな、どうするんだ、取り締まれと私に言われても、それこそ農林大臣が監督する立場ではございませんか。私に言われてもほんとうに迷惑でございます。そういう点をどうするかということを心配しているのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私は、あり得べからざることだと思うのですけれども、とにかく農転が許可されているはずがないのですから、そういう地域は。ですから、よほど巧妙なからくりをやっているのでしょうが、現実にはその名目が変わっているはずはないと思う。しかし、そこで御指摘のようなことがなるほどあるのでしょう、あるいは全国的にあるかもしれない。しかし、いままで私どもはそういう農地が一種、二種、三種それぞれありましょうが、大事な農地でいまのような経過になっているというものは、公式には認められておらないはずでありますから、この点は私どもとしては、やみの扱いが行なわれているのではないかと思います。現実にそれが法律的に発効するかどうかということは、非常に問題だと思うのです。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 これは実際にいまも言ったように、四千四百ヘクタールというように数字が出ている。大臣は人がいいし、大将でいらっしゃるし、長野県の、それこそ土地のたくさんあるところにいらっしゃるけれども、そんなのんびりしたことをやっていたら、この東京周辺はたいへんなんです。ほんとうに私どものところは、もうどんどん不動産業者が入り込んでいる。そうしてそこの線引きを拡大しようとしている。どうしてこれを拡大するかということで議論したら、またたいへんになりますから、きょうはいたしませんが、その点に対する大臣の考え方は、そういう問題は好ましくない、調整区域内にある不動産業者というものは許可をせぬ、こういうように解釈していいのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 あとのほうのことはむずかしい法律論かもしれませんが、そもそも都市計画法を建設省と農林省とが話し合いをつけて、ああいうふうにやりましたゆえんのものは、やはり将来都市化してくるであろう地域については、もう農転はかまわないで、原則として建設省の御計画で進めていただきたい。ただし、農業地域として必要な調整地域については、きびしい制限をつける、こういうたてまえであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 ありがとうございました。よくわかりました。そうすると、調整区域については、あくまで農業サイドでものごとは判断をする、こう理解をいたします。  それから、先ほど局長さんは、農業協同組合にも不動産業法を適用する。これは間違いなく御返答いただきましたから、大事な問題ですから、確認しておきます。  それから、農民らしかざる農民が、これからどんどん出てきますが、大臣、東京都内練馬の地帯なんというところは、もうおそらく都市計画区域ですから、御存じのとおり農地はないのですね。そういうところにある耕作地はどんどん市街化区域になってしまって、農協も必要がなくなりますが、農協というものは今後存続させていくのですか。要するに市街化区域に指定された、昔は農業をやっていたけれども、どんどん工場とか宅地とかできて、耕す土地がなくなってきた。これは東京都内には随所に出てきている。ところが、農協が依然として存続していて、金がどんどんここに集まっている。日本で一番、二番といわれるような金を集めている。もう農業生産を主体とすることができなくなって、他の方面に金を使っていくというのが、東京、大阪というような首都圏、こういう大都市の周辺にはどんどんできてきたのでございますが、そういう農協の扱いはどうしますか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 御指摘のように、そういう事態がだいぶ目立ってまいっているわけでございます。私どもは基本的に申し上げますならば、やはりこういう都市周辺で一部農民は残りましても、大部分が他の業種の方であるというようなところにおきましては、従来の農協みたいな制度でよろしいかどうかという基本的な問題はあると思います。昔、産業組合当時もそういうような別の形があったわけでございます。したがいまして、農協制度の問題といたしまして、そういうことについて別の制度が何かあってしかるべきではないかというような議論も相当ございますし、私どももそういうことを全く否定するつもりはないわけでございます。ただ現状におきましては、まだそこまで非常にはっきりした形をとっている農協というのはきわめてわずかでございます。準組合員のほうの数が多いという組合はございますけれども、相当数の農民が残っているわけでございますので、現状ではそういう農協の事業のあり方というものを現状に適応させながら、やはり本来の趣旨を貫くような指導をいたしたい。ただ制度としてはやはり将来検討の一つの問題であろうという気持ちでおります。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そうすると、それは最後まで残していくということに私、理解してしまうのですが、どうでしょうか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 農協は、御存じのように、十五人以上の発起人がございますならば設立ができるわけでございますし、またそれだけの数があれば存立ができるわけでございます。したがいまして、その地区の農民の方がぜひとも存続させたいということでございますならば、これはその意思を尊重せざるを得ないと思います。ただ制度としてはまた別個の制度があってもいいという議論がございますし、検討に値する議論だと私は考えておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 大臣どうですか、その問題は。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そういうところでしょうな。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そういうところでしょうなということは、私、大臣の御苦労はよくわかるのですよ。いまの日本の曲がりかどのいろんな問題が出てくる。だから、いろんな農協の問題がからんでくるので、これから中小商工業者ともトラブルを起こしたり、いろいろな問題を起こしている。こういう点を将来考えていかなければならぬとわれわれは思っているので、大臣にお尋ねしたのですが、大臣はそういうところでしょうなくらいに言っておりますが、これは大事な問題だと思うのですよ。しろうとの私が指摘するまでもないと思います。よろしくお願いしたいと思います。  そこで、次はもう時間がありませんからお尋ねしますが、ノリの問題でちょっとお尋ねします。  日韓の問題で、ノリ交渉が行なわれておりますが、まだ平行線をたどっておるといわれております。農林大臣は大体韓国から買う意思があるのかないのか、このような大豊作のときに一体どういうお考えを持っておるのか、外務大臣はどうプッシュしておるのか、この点についてまたお願いします。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ノリの問題は、お隣の韓国と親善関係を維持するためにはいままで大事な一つの問題でありました。ところが、ことしはこちらもたいへんな豊作ですし、向こうも豊作でございます。私のところへノリを買ってくれという話はあまりきておりませんけれども、外務省からも別段何もそういうことはありません。そこで、いま何を考えているかというのは長官のほうから御説明申し上げましょう。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 日本のノリの生産はことし五十億枚の大きな数字でございます。韓国も実は二十億程度の非常な豊作で、両者九日、十日と日韓のノリ会談をやっておりますけれども、まだ意見が合いませんで、そのまま会議は中断をいたしておる状況でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 質問にお答えしてないんですよ。農林省としては買う意思があるのかないのか。どうしても政治的な配慮で、要するに外務省が買わざるを得ない、農林省、外務省、大蔵省、通産省、四省でいま話し合いが行なわれておると思います。その代表として外務省が交渉に当たっておると思うけれども、このような大豊作五十億枚ですか、べらぼうにとれた。昨年は二十九億枚ぐらいですね。そういうふうな状態の中で、生産者に与える影響等を考えるときに、農林省としては買う意思があるか、買わないほうがいいのか、その点だけ聞いておきたい。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 これは農林省とか外務省とかいう意味じゃございませんで、日本政府といたしまして、実は四十年の日韓貿易会談で、二億枚ないし五億枚の韓国ノリを輸入するということにきめておりますので、全然輸入をしないというわけにはまいらないと私どもは思います。ただ作柄が申し上げたとおりでございますから、その数量についてはきわめて慎重な態度を現在とっておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そこで私、お尋ねしたいことは、そういった政治的配慮があって、どうしても一方的なことは言えないということになりますが、二億枚とか五億枚とかいいますが、それらが入ったときには生産業者にはどういう影響が出てくるのですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 ノリは三月一ぱい、あるいは多少四月にずれ込むことはございますけれども、大体もうすでに共販で四十億枚近く生産者が売っておりますので、かりにノリが韓国から入ってまいりましても、浜相場がいきなり影響されることは私は万々ないと思います。ただ、たくさん入りました場合に、五十億枚以上という国内産と合わせて来年にずれ込むことがある、それは来年以降に問題があるわけでございますから、いま浜相場が下がっておるときでありますから、消費者価格をできるだけ引き下げるように指導して、消費の促進につとめるということがまず第一だというふうに考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 私が心配しますことは、生産がだんだん拡大していくという一つの理由に技術の革新がある、そのほかノリに対する生産意欲の向上がある、これがまた生産者米価——米の問題とノリの問題と結びつけてまことに失礼なんですが、こういう問題と、私どもが懸念することは、韓国と日本との外交的な問題から、これからもどんな豊作でも毎年毎年買っていかなければならない、そのたびにノリが蓄積されていくのだということになりますと、古ノリ、古々ノリということばが出てくるのではないか。古米、古々米、今度は古ノリ、古々ノリなんという、米の古いのとノリの古いのと合わされたすしを食わされては国民はたまらない。古々米に古々ノリをつけられたノリ巻きを子供に食わしたらかわいそうですから、その点を心配していま私は質問しているのです。その点をどう調整できるかということです。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 昨年の秋に、実は十枚三百六十円以上の小売り価格ができまして、ノリが非常に高いために、国民からノリが離れるという事態がございました。その後だんだんにノリの小売り価格が下がっておりまして、現在はもうすでに三百円を割ってなお落潮を続けておるわけでございますが、私は、小売り価格が必ずもう少し下がりますから、それによって消費の促進は相当期待でき得るように考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 こういう質問を大臣にするとはまことに失礼だと思いますけれども、最高責任者として、大臣、いまノリは十枚幾らしていると思いますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 あまり自分で買ったことはございませんが、農林省に入りましてから少し覚えたのですが、二月で二百七十円くらいじゃないかと思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 アメ横に行くと、いま百二十円くらいです。百五十円くらいのもあります。山本山みたいないいのは高いのです。大体大臣のお答えが正しいのです。  生産者のノリはいま一枚幾らしておりますか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 二月の浜相場は、十枚で平均百十三円七十銭程度であります。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 私の調べでは、これはおたくのほうから聞いたのですけれども、十一月で十一円三十七銭、三月では十円を切っているそうです。多小違っているのですけれども……。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 そのとおりです、二月の。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 十円をいま切っておりますが、こういう状態でございますので、ひとつ生産者の立場を強く感ずると同時に、ノリの流通機構が非常に複雑でよくない点もありますので、こういう点の改革等をはかり、国民が安いノリが食べられるように、ひとつがんばっていただきたいと思うのです。  時間がありませんから、最後にウナギの話をちょっとします。  ノリからウナギに入ったのでございますが、いま静岡県の養鰻業は非常な恐慌を起こしております。病気がウナギにはやりまして、池一ぱいウナギが死んでおりますが、これに対してどのような調査——また原因、それから生産にどういう影響があるか。ノリも上がっていますが、いまウナギはウナギのぼりに上がっております。かば焼きも食べられないような状態では、国民がかわいそうでありますので、ひとつその点だけお尋ねいたしまして、私の時間が、ちょうど四時十九分でございますので、終わらせていただきます。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 静岡県から愛知県にかけて、ウナギの新しい病気というのが、昨年の十月くらいにありまして、二月で、県からの被害の統計で見ますと、五百トンくらい、これはもう少しふえるのではないかというふうに私どもは思っております。これは、県の水産試験場あるいは農林省の水産研究所等々で現地を調査してその診断に当たっておりますけれども、どうも病気の原因になるような菌がまだ見つからない状態でございます。したがって、何か単独の病気であるのか、あるいは漁場環境が非常に悪化したというようなことであるのか、その他何か特別な理由があるのかということを、いま県の試験場、農林省の研究所、大学総がかりで探求をしているという段階でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 これで私の質問は終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 津川武一君。

津川武一日本共産党

○津川分科員 まず大臣、外米の輸入と開発輸入についてでございますが、一九六五年には百七万もの外米を、六八年には二十八万トンも輸入をしている。今回の日米共同声明では、日本の大資本がアジアの経済開発に主役を果たすことを取りきめ、さらに残存輸入制限品の撤廃など、アメリカヘの経済協力をかなり露骨にしてきたので、再び外米の輸入がふえる可能性が出てくるのではないかという心配を持っているわけですが、外米をふやさないという保障がありますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 外米は買う必要がありません。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それでは別な面から、開発輸入のことについてお尋ねします。  野菜やくだものの開発輸入ですが、たとえば丸紅飯田が、タイエー、国分商店、日本水産、ヒノマル日水と、台湾で果実、野菜の開発輸入に乗り出す方針を固めています。台北、高雄付近の農協と提携して、トウモロコシ、桃、野菜などを集荷し、これを冷凍加工し、その全量を日本に輸入するという計画を立てています。これはほんの一例ですが、こうなると、稲の作付転換したあとに野菜やくだものなどを栽培しようとして、日本の農民が一生懸命になり、また希望も託しているのですが、その農民の希望と努力が再び水のあわになることも考えられます。大臣、こういう開発輸入はやめなければならないと思いますが、これをやらせるつもりですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 開発輸入につきましては、いろいろ民間で計画等もあるようでありますが、御承知のように、いまこういう時代でございますので、外国へ投資をするということを直接に抑制するという場合は、きわめて限られた場合でございます。問題は、そこのものを日本にどういう形で——いろいろ新聞等に報道されているように、そのまま輸入させるのかどうかという問題でございますが、私ども農林省としては、日本で必要としないものをことさらに開発輸入をする、そういうものに積極的に助成をするというつもりは毛頭ございません。また、日本の農家にとって重要なものにつきましては、外貨割り当て制度を依然としてとっておるものもございますので、そういう面で日本の農業等に悪影響がないように十分配慮しながらこの問題は考えていきたいと考えております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 丸紅飯田で桃の開発輸入を考えているようですが、これは大臣、御存じですか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 お答えいたします。  農林省の園芸局といたしましては、まだ公式に丸紅からそういうお話を、現在の時点では承っておりませんで、まことに申しわけないと思います。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それから米作の転換、野菜とくだものをやるように指導する、それと競合するものも開発輸入は許さないつもりでありますか、大臣答えてください。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 農林省といたしまして、現在、農産物の一部につきましては、たとえばタマネギ等につきましてはすでに自由化が決定いたしておりまして、台湾からもこの端境期にちょうどタマネギが入荷してまいるわけでございますが、そういった一連の自由化されたものにつきましては、どこのだれがおつくりになろうと、農林省といたしましては輸入を認めざるを得ない。ただ農林省といたしまして、積極的にそういう外地での開発に協力したりあるいは指導したりするという計画も、また実際そういう手続も何らいたしておりません。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そうすると、実際にはこれから米作転換で皆さんが奨励する野菜とくだものと競合するものでも開発輸入を認める、こういうことは言い切れるわけでございますか、大臣の答弁を求めます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そこを担当しておる者に御返事いたさせます。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 これは開発輸入の問題と申しますよりも、一般的に外国から農産物を入れるかどうかという一般問題に関係するかと思います。私どもといたしましては、現在のところ農林物質につきましては、なお相当な非自由化品目を持っておるわけでありまして、日本の農家としてどうしても外国に対抗できないというものにつきましては、依然として外貨割り当て制度をとっております。さらにある程度の関税等によって十分対抗できる、あるいは海外でとれるけれども輸送その他の条件でそう簡単には来ないようなものだけ自由化しておるわけでありまして、その自由化されておる物質につきましては、かりにその生産の根源が、他の国独自の資本によるものであれ、あるいは日本の技術あるいは資本等が進出したものであるにせよ、その点の差異を設けて扱うということはなかなか実際上困難であろうと思いますので、日本にとって危険なものにつきましては、残存輸入制限あるいは関税という形で日本の農業を守っていく、かような考えております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 これは大臣の答弁をいただきたいのですが、やはりこれから奨励すべき野菜やくだもの、だんだんきまっていくと思いますが、それと競合するくだものや野菜の開発輸入をするのかどうかということです。これは大臣の答弁を求めます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま事務当局で申し上げたとおりであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 次は、米の用途を広げることでございますが、沖繩です。沖繩県民に、琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別措置に関する法律によって、四十四年十二月には二千三百トンの日本米が輸出され、四十五年度には三万五千トンの売り渡しが予定されていますが、その条件は、三年据え置き、二十年年賦、食べた沖繩県民がそのつど支払った代金については砂糖製造業に使うなどのきびしい条件をつけているのです。同じ日本人にはこのようにしておきながら、韓国に対しては第一回、三十三万三千トン、第二回目としてこの三月、三十万トン、この条件が十年据え置き、十一年目から二十年間にわたって米で返還する、荷扱いの経費は韓国持ちというだけで、ほとんどその他の条件がついていない。普通の人の考え方では、くれてやったと同じ状態。日本人の沖繩県民にはかなりきつい条件をつけて国際価格で売りつけ、韓国にはこういう条件で貸しているんですが、これでは沖繩県民は満足するはずはありません。現に昨年沖繩の屋良主席は、わが党の国会議員団が訪問した際に、日本本土政府から年間六万トンないし八万トンの米を何とか供与してくれないか、そのために骨を折ってくれないかということを言っておるのです。そこで沖繩県民が求めているように、八万トン韓国並みの条件どころではなく、もっといい条件で、いま直ちに無償で、条件なしに食べさしてやってみる、こういうつもりはございませんか。大臣、ひとつ答えていただきます。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 それぞれの国ないしは地域から日本米の導入についてお話がございました。それぞれ国の事情が異なりますので、必ず同じ方式でお出しするというわけにはいかないことがございます。別段韓国と沖繩とを差別したつもりはございません。それぞれ沖繩の方々とよくお話をし、また韓国の方々とも十分お話をして、それぞれ合意をいたしました線で供与をするということにいたしております。沖繩につきましても、もちろん無利子でございますし、無担保といったようなことでございます。ただ韓国と異なりますのは、若干償還期間といいますか、支払いをいたします期間が異なっていますけれども、数量が韓国が三十万トン強ということでございます。沖繩のほうは一年間で、御指摘がございましたように、約三万トン程度ということで、数量の差を考慮いたしますと、決して韓国にのみ有利にしておるといったような状況ではないというふうに私どもは思っております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 農林大臣ともなられるので、当然覚えていると思うのですが、サンフランシスコ条約で沖繩があのとおりになって、米をつくる自由がなくなっているのですよ。そこでカリフォルニア米や豪州米を食べさせられておる。日本人として本土米を食べたいとみんな言っているのです。この事実は覚えておりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私は、戦前から戦争が終わるまで台湾、沖繩におりましたので、沖繩のことはよく知っているのですが、沖繩は、いまあなた、しかたがないからとおっしゃたけれども、あまり米がないんですよ。それで、ああいう状態であるから、アメリカの施政権下にあるから、しかも日本の米のちょうど半額ですから、それでカリフォルニア米を食べている。今度は、米それ自体よりも米を供与してもらうことによってそれだけの金をほかに活用したいという考え方もありました。その資金の用途について、われわれにも陳情があったわけでございます。いま食糧庁長官の御説明のように、ああいうような条件をつけて、一応ああいうことにいたしたわけでありますが、これから日本の本土に復帰した場合に、沖繩の人たちはいままで買って食べていた米の倍額を払わなければ、米は食えないわけであります。そういうようなことでありますが、彼らにしては痛しかゆし——去年私、行きましたとき、やはり米についてはアメリカ並みにならないかという話をしていました。それは政府は、もしそうだとすれば、それだけ損して、沖繩だけ半額で払い下げなくちゃならぬですから、そういうことはなかなかむずかしいんじゃないかと思います。  そういう事情で、米のことはそういうことだと思うのですが、現実にあそこで米の産出というのはあまりありませんから、これからの問題は、そういう点では負担が大きいのではないかと思います。

津川武一日本共産党

○津川分科員 大臣、沖繩は戦前は三万トンできておったのです。いまは軍用地に取られて一万トンしかできないのです。そんなこと御存じでしょう。そうして食べているのが九万トンから十万トンです。これから日本から三万トンということですが、韓国には貸し付けて十一年後に二十年間かかって返せばいいのですよ。こういうことを韓国にやってやる。国の事情が違うといえば、よけい沖繩に対しては愛情がなければならない。この点でやはり屋良主席が言っておるように、六万トン−八万トン、やはり貸与してあげたらどうですかということです。これが一つ。それから日本に復帰すれば倍の金を払わなければならないと言っていますが、それは二重価格制度でやっていくのでしょう、沖繩では。この二つについてひとつ……。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 沖繩に出します米の数量でございますが、私どもの考え方としては、沖繩側から特連局を通じまして申し込みがあります数量については、できるだけ要望に沿いたいということでございます。現在のところは、目下話し合いをしておりますけれども、沖繩側からは、先ほど御指摘がございましたような三万トン程度というお話でございますから、さような数量にしよう。将来もっと希望がありますれば、需要に応じて輸出をしたい考えであります。  それから、こちらへ復帰をいたしましたあとの食管制度なり食管法の適用の問題でございますが、先ほど御指摘がございましたように、価格が相当違います。したがいまして、私どもとしては、復帰後の沖繩と本土との食管制度の適用の問題については、沖繩側の事情もよく配慮して、それほど大きな影響のないような形で処理をしたいということで、まだきまっておりませんけれども、さようなことを将来検討をしたいというふうに考えております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そうすると、琉球政府から六万トンないし八万トン韓国並みにひとつ供与してくださいと申し出があれば、そのとおりにすると解釈してよろしいですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 先ほど言いましたように、米を出します方式については、沖繩側からはああいう方式がよろしい、つまり輸出の形態をとって、その資金を開発資金に使いたいということでございますから、方式を全く同じにするかどうかは、沖縄側あるいは韓国側との話し合いの問題でございます。数量については先ほどお答えを申し上げたとおりであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そうすると、屋良主席なり沖繩政府から韓国並みにしてくださいと申し込んで、お願いに来たらそういたしますか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 繰り返しになりますけれども、方式については、たとえば貸し付けということになりますれば、現物をそれだけ等質、等量のものが払えるかどうかという問題がございますから、方式を全く同じにするかどうかは、これは相手側の事情によることであります。数量その他の問題については向こうの希望をよく伺いまして、私どももできるだけ需要に応じたい、こういう考えであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 質問を変えますが、米の生産調整でございます。総理も農林大臣も、たとえば農協の中央会が、このままだと食管制度を守れないという非常に大きな危機感にとらわれて、自主的に生産調整をすることを農林省に申し込んできたから、政府は米の生産調整に踏み出したと言っているのですが、そのとおりでございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 少し、私どもの言っておることとあなたの言われておることとニュアンスが違うようです。私どもは米の生産調整が必要であるということについて県知事や農業団体等に話しかけたところが、よくわかりました、これはひとつ御協力しなければなりませんと、こういうことであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そうすると、われわれもできるだけこれは協力いたしますが、かりに百五十万トンというものが計画したとおりいかなかったとすれば、その対策に対して農林大臣は農林水産委員会で、その条件はよく考える、検討すると言っておりましたけれども、責任はやはり政府にあると考えてよろしいでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 大体昔の国会というのは同じ委員会で同じことを何べんもお聞きにならないのが慣習だったんだけれども、最近の国会では同じことを何べんでもおやりになるのですが、何べんでも同じことを答える。この間私がお答えしたときにあなたはおいでになったでしょう、それと同じことを言っているんですよ、そのときに考えることだと。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そのときに考えるというのは、政府の責任だという立場から考える、こういう意味でございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 責任とか責任でないとかなんということを言っているわけじゃありません。

津川武一日本共産党

○津川分科員 大臣、ゆっくり考えてみましょう、大事な問題だから。責任の所在を明らかにしなければならないので……。それで私は主として政府に責任があると思うんだけれども、そういう反省の上に立つといい農政が展開されるので、繰り返し聞いておるわけです。もう一度答えてください。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 農林大臣はお答えにならぬようですが……。

津川武一日本共産党

○津川分科員 主査、ひとつ答弁を求めてください。——これはあとで予算委員会で、この答弁しないことに対して必要な処置をとるよう主査に求めて、私は次の質問を続けていきます。そのことをひとつ頼みますよ。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 ちょっとお待ちください。必要な措置をとるということはどういうことですか。

津川武一日本共産党

○津川分科員 国会議員に対して政府当局は答えるのがほんとうでありませんか。どうです、主査の見解は。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 お答えいたしますが、それは同じような質問を繰り返し、同じような答弁を繰り返されている場合に、ある場合には答える必要がないということで沈黙をされることもあり得ると思います。それは私の見解です。

津川武一日本共産党

○津川分科員 同じような答弁を求めているんじゃないのです。農林大臣は農林水産委員会で、不成功に終わったときのいろいろな条件があるからそれを検討してみて対策を打つ、私もこれは正しいと思うのです。そう答えているのです。私のいま問うているのは、主として政府に責任があるんじゃないか、政府のやり方に問題があるんじゃないか、どう考えるかと聞いておるから、同じ質問じゃないのです。答弁を求めます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 それは責任があるかないかという問題ではない、こういう答えがあったのですから、それが答えじゃないかと思うのですが、それを繰り返してさらに追及されるということですか。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それじゃ別な形に変えましょう。政府の責任において問題がうまくいかなかったときの状態を検討する、こういうことですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 主査に御迷惑をかけてすみませんから申しますが、まだ生産調整ができたかどうかわからない。できるとかできないとかいうのは、これから先のことでしょう。そのときの責任がどこにあるかなんということをいま言われたって困るじゃないか、こういうことをあなたに何べんも言っているんですよ。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それじゃもう少し聞きますが、大臣はみな協力してくれるからうまいこといくだろうと言う。私もそれを希望しますけれども、現実は京都で受けてないですね。それから大臣の出身の長野県の飯山市、佐久市、山ノ内町、栄村などをはじめとして、全国の市町村議会で減反反対の決議をしている。私の出身の弘前市農協というのは日本一、二の大農協ですが、これも反対しているのです。日本農民組合も反対しているのです。このことを大臣は覚えていますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまあなたの言われました長野県の山ノ内町とかなんとかいうのは町長は共産党ですよ。そういうところではそんなことはあるでしょう。しかし、京都の例を引かれましたけれども、京都の知事は非協力みたいなことを新聞で見ました。現実はどうかというと、いろいろな説得も熱心に行なわれておりますし、知事の意向にかかわらずいろいろなことが行なわれている。私どもはいま一、二指摘された地域の町長なんかがおっしゃっておっても、やはりその周囲にたくさん現状を憂えている農業団体、それから役場の衆——いまあなたの御指摘になった山ノ内町というのは私の選挙区ですが、そういうことを一部言っても、やはり農業団体その他の人は非常に一生懸命で協力していただいています。ですから、総括的に私は日本人の良識を信用して、これは協力していただけるものだろう、こういうふうに信じております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 倉石大臣から共産党をおほめいただきましてありがとうございました。それだけの市にうちの市長がおれば文句ないのです。あまりおっかながらないでくださいよ。  そこで、弘前農協では、減反を割り当てるからいけない、希望する農家ならよろしいと言っているわけです。二つには、食管法を守ってくれればよろしい。三つには、リンゴなどに転換すると十年もかかる、その間の資金、指導を政府で保障してほしい、こう言っているのですが、こういう要求には大臣はこたえていくつもりですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ときどきこれも問題になり、私どもたいへん心配していることですけれども、やはり米は調整していただきたいのでありますけれども、その他の農作物につきましては、来年度予算で農林省でいろいろな計画を出しておるのをごらんくださればわかりますように、構造改善事業も十年間で一応期限の来たやつを、さらに大幅なものに広げてまいる、あるいは圃場整備、土地改良等にうんと力を入れて、そうして地域によって違いますが、転換していくものと構造改善事業とマッチしたようにして、転換の成果をあげたいというようなことで、全力をあげてやっていこう。農林省は一生懸命なのでございますから、農家の方々にそういうことで御不安を持っていただかないようにしたいと同時に、また、県知事さんや地方の農業団体に、わがほうの農政局長等も緊密な連絡をさせまして、そうしてその地方の実情に応じた作目転換をやっていくように努力をしていきたいというのでありますから、そういうことについては、もし地方のほうで御不安があれば、どんなにでもおっしゃっていただけば、私どものほうでは努力をいたします、こう申しておるわけであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 時間が来ましたからこれで終わりますが、重ねて最後に、食管法第三条、生産者は米を売り渡すべし。それからその内容をきめた米を売り渡す政令の第三条で、農民が売り渡し米を申し込みした分は全部政府が買わなければならぬ、この二つの項目、これは大臣、法律でありますので、そのとおり実施するつもりでございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 あなたはほんとうに同じことを場所を変えてお尋ねになるのですけれども、法律は守るのです。私は立法府の議員であり、ことに政府の国務大臣でございますから、現存する法律を守ることは当然なことであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それは、同じことを繰り返すのは心配だからなんですよ。食管法の第三条一項では、生産者は政府に米を売り渡さなければならない。その内容をきめた政令の第三条では、事前申し込みをしたら、全部政府は買い入れろときめている。それに対してあなたは、食管法をこのままにしておいても買い入れ制限はできるからと言っている。私たちは、あなたに食管法の第三条を守っていただいて、三条の内容をきめた政令の第三条を守っていただくと、政府に売り渡しても全部買ってくれるから農民は心配なくなる。そこのところで農民を安心させたいから繰り返し聞いているわけです。それに対してあなたは、現在のままの食管法でも買入れ制限できる、こういうふうに法律は解釈できると言うから、私はその議論をしないつもりで、その二つの条項をあなたが守ってくれれば、農民は安心して、生産したものは政府に売り渡す、政府は買ってくれる、こう言っているから、繰り返したわけであります。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 食管法の法律に関します法的な見解といいますか解釈は、しばしば大臣からあるいは私から申し上げておるとおりでございます。現存する食管法の法律なりあるいは政令なりは、それが現存する限りにおきましては、政府としても十分守ってまいるというのが大臣のお答えだと思っております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それを聞いて安心いたしました。食管法の第三条の一項と政令の第三条を守っていただくそうですから、ありがとうございます。  企画庁長官にも少し出してあったのですが、時間が来ましたので、これで終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 分科会における質問は三十分ということでありますので、あまり多くのことは聞けませんが、いずれまた関係委員会でも十分お尋ねの機会があるわけですけれども、若干当面聞いておきたい数点の問題についてお伺いいたしたいと思います。  それは、一つは同和対策の関係であります。それからその他二、三の問題についてお伺いしておきたいと思います。  まず冒頭に、過般、大臣御承知の行政監理委員会の安西委員長代理をはじめ数人の諸君から、各省にまたがっておりますけれども、農林省関係の問題についても、たとえば糖価安定事業団あるいは日本蚕糸事業団、こういうものを即時やめたらどうだという意見が出たり、あるいは出先にあります食糧事務所や統計事務所の整理縮小の問題の意見が出たり、さらに生糸検査所の問題についても、これをやめてはどうかというふうな意見が出されておるわけであります。これは関係の向きでは、どういうふうになるのか非常に注目もしておるし、また心配もしておることだと思うのであります。  そこで、大臣がお答えになる前に、関係局長の諸君から、糖価安定事業団あるいは日本蚕糸事業団、食糧事務所、統計事務所、生糸検査所等の問題について問題指摘のあったところで、廃止または整理縮小の出ておる点を一体どういうふうに受けとめておられるのか、あるいはそれは意見としては出ているけれども、現状の業務遂行から見て、政策的に見てそれは当たらない、こういうふうに考えておられるかどうかという点からお伺いをして、最終的に農林大臣のほうから、この問題に対して今後どういうふうに臨まれるかを伺いたい。  まず冒頭に関係局長からお伺いしたいと思う。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 行政監理委員会の意見というのが、民間六人の行政改革に関する意見という形で発表されたということは承知をいたしておりますが、行政監理委員会の公式意見というふうに必ずしもまだ熟していないということも聞いております。行政管理庁からもその取り扱いについて正式の連絡もまだ受けていない段階であります。連絡のあり次第、いろいろ指摘されておりますような点については農林省として十分検討いたしまして正式の態度を決定し、また、行政管理庁とも十分打ち合わせをする段取りにいたしております。私がいま申し上げたような段階でございますので、本来、正式の連絡があって向こうの意向も十分聞いてから、具体的な問題について私どもの意見を発表すべきが筋だろうと思いますが、一応、いまいろいろ出ておる段階でのわれわれの考え方を暫定的に御報告申し上げたいと思います。各局長というお話でございましたが、便宜、一括して私から御説明申し上げます。  食糧事務所につきましては整理縮小すべし、支所、出張所についても削減をすべし、こういうふうに承っております。御承知のように、食糧事務所につきましては、過去十年間に検査数量も二倍になっておりますし、御承知のような大きな在庫もかかえております。その是非は別といたしまして、現実にそれだけのものを正確に管理をし、輸送し、売っていかなければならぬ、こういう実務上の問題がございます。またすでに、政府の一般的な方針に従いまして、昭和三十八年以降、定員の増加はいたすどころか、逐次削減あるいは他局への振りかえ等を実施いたしております。四十五年度末までには、三十八年に比較いたしますと二千百人の定員を削減する段取りにいたしております。このような事情からいたしまして、行監の委員会の御意見については、現在の食管制度のもとにおいてはわれわれとしても能率的な業務遂行をはかるように最善の措置をとっているということを説明して、十分了解を得たいというふうに考えております。  それから、統計事務所につきましても、御承知のように定員につきまして、四十三年度には約一万二千五百人おりましたけれども、これは最小必要限度の一万人に圧縮するという方針をすでにつくっております。さらに、その二千五百人は他に振り向けろという御指摘もございましたが、すでに農産物の流通改善等に二千五百人は振り向けるということで逐次進んでおります。  また、支所、出張所等につきましては、これは食糧事務所も同じでございますが、最末端につきましてはやはり産地と密着をした行政というものがどうしても必要であるというふうに考えております。  なお、統計調査事務所の県本所につきましては、地域農政と密着をさせるという趣旨の設置法改正案を今国会に提出していることは御承知のとおりであります。  生糸検査所につきましては廃止という御意見のようでございますが、民間の自主検査に移行させたらどうかということでございます。御承知のように、生糸検査は非常に長い歴史を持っておりますし、また、その検査いかんが当事者の取引に大きな影響を及ぼすという関係でございまして、長年の検査を実施した経緯もございますので、これを性急に廃止するということは取引上も非常に大きな問題があるのではないかというふうに考えております。ただ現在、行政管理庁で行政監察の結果、生糸検査のあり方につきましては農林省といろいろ協議中でございますので、その進行状況も見合わして検討を進めてまいりたい、かような態度でおります。  次に、蚕糸事業団につきましては廃止をせよという御意見のようでございますが、これは基本的に私どもが承知をしておる段階では、生糸に対する政策に対する批判が多分に含まれておるように思うのであります。この問題につきましては、生糸の非常に特殊な性格、特に生産機構、流通構造が他のものと変わっておりまして、製糸の過程あるいは乾繭の過程、いろいろな過程がございます。その結果、過去にありましたような大きな価格変動を防止するということが、生糸の価格安定のためにはどうしても必要なわけでございます。  さらに、御承知のように、生糸につきましてはすでに自由化をいたしておりまして、海外からの生糸による価格変動ということも十分考えなければならぬという情勢でございますので、現時点におきまして、たまたま蚕糸事業団が、生糸の保有がないということから、これの廃止をいわれるのはきわめて早計じゃないかというふうに考えております。現に、四十三年の七月から九月まであるいは四十三年の十二月から翌年八月までの間には、事業団の買い入れ、売り渡しによりまして、生糸の価格安定が行なわれたということもございますし、また、海外からの価格変動につきましては、先般の糸価安定法の改正におきまして、海外の生糸に対しては、必要があるときは適切な措置をとるような修正もしていただいたような経緯もございます。そのような経緯から、私どもとしては、早急な廃止は困難であるという考えであります。  糖価安定事業団につきましても、多分に政策的な御批判のようでございまして、国内産糖のほうは生産者に対する助成のほうに振りかえろ、沖縄産糖につきましては、別個独自の措置をとれというような御意見のように承知をいたしておりますが、御承知のように、糖価安定事業団の廃止をいたしまして、現在の輸入糖価から差益を徴収するという制度を廃止いたしまして、国内産糖の保護を生産農家に対する直接補助に切りかえるといたしますれば、もちろん、財政負担としては現在よりはるかに大きなものを負担しなければ十分な安定が守られない。しかも砂糖は、御承知のように、国際商品でございますので、国際価格の変動というものが、生産者に対する変動あるいは財政負担に対する影響、いずれにしても大きな変動を与える要素として作用する。さらにこれは、砂糖に関連をいたしますブドウ糖、水あめ原料であるでん紛というような問題にも波及をいたすというふうに考えております。なお、沖縄産糖につきましても、それぞれ内地の産糖と価格に程度の差はあるが、本質的には同じ問題であると考えておる次第でございます。  いずれ、詳細につきましては、行監委の正式な意図表明並びに説明を待って農林省の態度を決定いたしたいと思っておりますが、いまのところはそのような考えでおります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 いま、行政監理委員会の安西委員長代理以下、数名の諸君からの意見に対する農林省の事務当局としての当面の考え方についてお話がございましたが、大臣に少しく希望も含めて申し上げておきたいのであります。  どういう角度から農政を考えるにしろ、七〇年代の農政というのはたいへんむずかしいところにきておる。農林省の機構の問題については、すでに内閣委員会で農林省設置法の一部改正というものを議論すべき段階にきておるわけですけれども、私は、農林省の機構、それから農林省関係の公団、事業団、こういうものを含めて、大臣の鋭利な頭で十分実態を精査して、これからの機構、関連の組織としてどうやっていくかということについては十分検討してもらいたいというふうに思うのです。ことに第一線の農政局あるいは出先等も含めて、これはいずれ別の機会にまた私の意見を申し上げることもあるかと思いますが、縦割り行政的なものを中心にした行き方をもっと総合的に考えるという、機構の再編というものがあり得るかどうかということも含めて、十分ひとつ検討してもらいたいという気持ちを、率直に言って、持っておるわけです。当面の行政監理委員会の問題提起の点は、いずれ正式の議論が出てきてからそれに対処するということでございますが、いま申しました農林省の機構あるいは関連の公団、事業団等の問題について、大臣としてのこれからの御方針をちょっと伺いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 たいへん貴重な御忠告をいただきまして、私どもももちろん、行監委員会もいっておりますように、冗費を節約して機構を簡素化することは、原則として大賛成でございます。しかし、だんだん複雑になってまいります行政その他の面を考えてみますと、いま問題になりましたような五つのもの等につきましては、官房長が御報告申し上げましたのと同じ考えであります。お説のように、関係の公団その他については、なお十分検討してまいりたいと思っておりますが、農林省は、御承知のように、決してそういうことにいままでやぶさかでなかったのでありまして、たとえば愛知用水公団、魚価安定基金というようなものを一番先に先行して、ああやって廃止、合同をいたしたような次第でありますから、そういう点においては農林省は非常に果敢な行動をとった役所でありますから、これからもなお検討して、時代に即応してまいるようにいたしたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 次は、これは予算委員会でも議論になった点ですけれども、例の商品取引に基づく最近の大衆投資家の非常な実害問題が社会的にも大きな問題になっております。この問題と関連をして、私どもの党内では一部に、機構の一元化ということと関連をして、通産省に商品取引局なり商品取引部なりをつくって、いま通産省、農林省の二つの省にまたがっておるのを一元化してはどうかという意見も出てきておるわけであります。私はその意見には必ずしも賛成でないものですから、いま党内でもいろいろ議論を戦わしておる段階でありますけれども、そういう議論の過程で出てくる問題は、やはり農林省のほうの監督、指導といいますか、これは検査官が十分であるとかないとか、いろいろな問題はありましょうけれども、通産省に比べて、その人たちの言い分では、非常にルーズである。いろいろなデータを求めても、通産省からはデータが出てくるけれども、農林省からはなかなかデータが出てこないというふうな問題等も指摘されておるわけです。私も、この商品取引所の関係は、前に問題が起こったときに大阪のほうへ行ったことがございますけれども、そう専門ではございませんが、商品取引所の最近の問題に対処して、農林省として具体的に、今後どういう考え方でいこうとするのかという点だけは、少なくとも明確にしておいてもらいたい。同時に、機構の問題について、いま私ども党内でも一部にそういう意見が非常に強く出てきておるわけです。そういう問題に対して、私は、一元化したら問題は解決するという単純な問題ではないし、それぞれの関係部局の連絡調整ということはあるけれども、それだけでは本質的に解決しないということで議論しているのですが、そういう問題についての考え方も含めて、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 商品取引所の監督の一元化というのは、私は一つのりっぱな見識だと思います。私も、農林省に参ります前から、実はああいうものについて平素いろいろ考えておったものでありますが、しかし、最近世間を騒がすような事件ができてまいりまして以来、農林省の担当局においては、決して世間にはでやかに活動はしておりませんけれども、非常に慎重な態度で、しかも精細な調査をいたしております。先般予算委員会で、紛争のありました店を発表せよという御要望がありましたときに、私がこれは慎重にすべきだと思いましたのは、大体ああいうものにつきましては、それの関係しておる経済界はもちろん、一般の委託者に対して非常な影響を持ってくるおそれのあるものでありますから、私は慎重にすべきだと思ったのでありますが、まあ出てきました。  そこで、これからはもちろん、ただいまお話しのように、一元化のことについても研究をいたしますが、大体ああいうふうにいま両省共管であるには、それぞれの取り扱い品目についての理由があるわけでありまして、同時にまた、ああいう事件がときどき新聞にも出ておりますけれども、これについては、一般の方は軽はずみにああいうところに安直に手をお出しになるなという社会教育といいますか、そういう方面の欠陥がやはり土台においては指摘されるのじゃないかと思う。もう一つは、そういう弱点に乗じてたくさんの外務員がことさらにいろいろなことをやる、そういうことが大きくなってくるわけであります。そこで、今度私どもは、許可制にいたしますまでの間に十分に精査いたしまして、商品取引所のあるべき姿がりっぱなものになり得るように、ひとつ全面的に努力をした上で対処してまいりたい、こう思っておるわけで、なかなか問題はむずかしいと思いますが、そういう態度で勉強してまいりたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 時間の関係もありますので、同和対策の問題について数点お伺いいたしたいと思います。  過般、全国の部落解放同盟の全国代表が東京に上がってまいりまして、新年度予算に関連をして、各省別にいろいろ折衝された経緯がございます。私、農林省関係をひとつ世話してくれということで、全国代表の方々のお世話をいたしまして、担当の局長、最後は次官にもおいでを願って、いろいろ現地のなまの声をお伝え願ったわけでありまして、このうちの数点については、今月末までに部落解放同盟に正式に文書で回答してもらいたいという希望の向きがございまして、それはそういうふうに文書で回答しましょうということになっておるわけです。ただ、その折衝に参画をして、第一線の方々の御要望を聞いておりまして痛感いたしましたのは、例の長年の懸案であった同和対策事業特別措置法が昨年成立いたしまして以降に、従来以上に爆発的に同和対策事業に対する要請が熾烈になってきておる。そういう点から見て、御承知の四十二年の同対審問題と関連して、実態調査を御承知のようにやられました。この実態調査に基づき、これからの十年間の時限立法に基づく事業計画ではなくて、その後の情勢等についても、これはもちろん統一的にもやらなければなりませんが、各省のほうでもむしろ積極的に現地の実態を補完的にも調査をやって、そして十年の時限立法ということで、十年で終わるかどうかということは、これは長い目で見なければわかりませんけれども、しかし、いずれにしても十年の時限立法、そして長期計画も立てて、計画的に推進をするということでお運びになるわけですから、まず第一にお伺いしたいのは、四十二年度調査というもののあとにおける同和対策事業に対する非常に熾烈な要求とも関連をして、大臣は閣僚経験は何回もあられるわけですけれども、これは農林省だけではなくて、御承知の総理府が中心になって一本にまとまってやっておられる問題でもあって、この機会にやはり調査を補強して十分なものにして、そして計画的に同和対策事業を推進するというためにも、そういう方向が必要であるし、農林省としてもそういう姿勢で四十二年度調査というものを補強する必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、その点、まずどうでしよう。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 調査の問題でございますので、まず私からお答えいたします。  いま御指摘をいただきましたように、四十二年に総理府が中心になりまして調査をいたしましたものがあるわけでございまして、現在それを基礎といたしましていろいろ事業の実施を考えておるわけでございます。いろいろ御指摘ございましたように、この四十二年の調査がどうも十分ではないのではないかという御意見が従来ございまして、私どもも確かにそういう点があろうかと思います。  それで今度の特別措置法ができまして、今後十年間の間に事業をやるわけでありますが、考え方といたしましては、最初の五年間に重点を置きましてやっていくということで、その五年間の実施状況とにらみ合わせながら、必要に応じて四十二年の調査を補足していく、こういう考え方でいるわけでございまして、全体の調査は総理府がコントロールしておりますので、私どもちょっと言いにくい立場でございますが、農林省は農林省として必要に応じて従来の調査結果を補足していく、そういうことはせっかく努力をいたしたい、こういう気持ちでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 いま四十二年度調査の整備の問題とも関連するのですけれども、過般交渉に参加してみて、非常に強く第一線の諸君から出た問題は、ことしの昭和四十五年度予算では、農林省関係の国費は、資料をいただいておりますが、六億五千三百七十七万三千円というふうに承知しておりますけれども、全国の五千近い部落関係の、しかも同和の関係は、農林省に関係する地域がきわめて多いという事情から見て、去年度予算の五割増しということで、何か一般の予算の伸びから見れば非常に伸びたように言われるけれども、総額が何せ六億五千万程度で、しかもこれで基盤整備事業もやっていく、あるいは共同利用施設のいろいろな近代化施設も取り入れるということになると、全国の相当に広い地域にあります同和対象地域から見て、十分な要請にこたえ得ない。しかも、これはやはり同和対策事業特別措置法ができた関係上非常に各地とも熾烈な要求が盛り上がってきておる。代表者の諸君の意見では、ひとつ補正を組んででも農林省として積極的に取り組む必要がないのかとまで言っておった事情もございますので、この機会に大臣にお伺いいたしたいのは、長野県でも、私の県でもそうですけれども、相当な同和地域がございます。そうして私どももときどきお世話をさしてもらうことがあるのですけれども、そういう事情で、歴史的に見て言ってみれば、一般地域から見て確かにここは同和地域のような、そういう差異のある経済環境、社会環境のところがまだ相当にあるわけでして、農林省サイドの同和事業に対して農林大臣としてどう取り組むのかという点について、ひとつお答えを聞かしていただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お示しの同和地区における住民の経済的、社会的地位の向上は、わが国における国民的な課題であると考えております。そこで、政府といたしましては、同和問題の早急な解決のために、同和対策事業特別措置法に基づいて、今後とも積極的な努力を続けてまいる所存でございますが、特に同和地区における農林漁業者は、ほかに比べまして規模が比較的零細で、生産性の低い実情でありますことにかんがみまして、地区の実情に即した特別の事業として、農山漁村同和対策事業の活動を拡充実施することといたしまして、同和地区における農林漁業経営の改善をはかってまいるようにつとめたいと存じでおります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 この同和対策の関係は、昨年の七月八日閣議了解で、同和対策長期計画というのがありまして、これの各省別の内容なんかを見てみますと、非常に抽象的に書かれておるわけです。これは深く触れませんけれども、しかも、たとえば農業関係を見ても、私承知しているところでは、おそらく一戸当たり三十五アール程度になるのじゃないかと思うのです。歴史的経過から見て、一般の農家の反別平均よりもはるかに低い悪条件である。同時に、やはり一たん金を出すとなると、非常にきびしい条件が入るということもあるのだと思いますが、たとえば農山漁村同和対策事業実施要領ということで三十九年六月十日に出されて以降、四十四年七月二十九日の改正等もございますけれども、いわゆる混入率とかいうようないろいろな問題がありまして、事業をやる場合には、とにかく戸数ではこれだけなければいかぬ、それから混入率は五割以上でなければいかぬとか、いろいろな条件がありまして、せっかく特別措置法ができて同和対策の関係の事業が非常に積極的に進むと期待しておられる関係者から見ると、この通達事項にあるようないろいろな——私も内容を見ておりますが、これにひっかかって十分こなせない、あるいは県外にやられるというふうな実態についても、この前の交渉でも非常に出ておりました。この辺のところは、法の制定を機会にもう一回再検討されて、むしろこういう関係の悪条件のところが積極的に他の農家と同じレベルにいく、あるいは他の漁業者と同じレベルにいくような政治的配慮というのが必要ではないかということを痛感をしたのですけれども、その辺のところはどうでございましょう。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 先ほど大臣から基本的な態度のお答えがあったわけでございますが、確かに先ほど御指摘のように、最近のこの事業に対する要望額というのは非常に増大いたしまして、これは特別措置法ができまして、負担の関係が改善されました影響だと思うわけでございまして、私どもも従来の感じから見ておりますと、あまりにも急速に要望額がふえたものですから確かにいまの予算は十分でないという感じを持っておるわけでございまして、これはこれとして大いに努力をいたしますし、またいろいろくふうをしてみたいと考えておるわけでございますが、いまお話がございました実際の事業実施の場合のいろいろな制約の問題、これは私どもも確かにそういう方向で努力をする必要があるというふうに感じております。たとえばいまお話しの中の混入率の問題でございますが、これにつきましては、実は昨年改正いたしまして、従来よりはかなり緩和したつもりでございます。なお不十分な点もあるかと思いますので、十分検討いたしたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 すでにもう時間が参りましたので、大臣に希望を述べて、ひとつお答えを願いたいと思うのですが、農林水産全般がなかなかたいへんな地域ですけれども、その中でさらに悪条件にあるこういう同和関係の人々のために、昨年度の予算より五割伸びた、したがってこれは非常に熱を入れたのだという形に絶対量からいって必ずしもならぬわけです。したがって、最近非常に爆発的な現地の要望が出てきておるというような実態にかんがみて、特に農林省関係とか厚生省関係とか、さらには建設省等もあるでしょうけれども、一律伸び方式では実態にそぐわない点があると思うのです。そういう点で関係者からも強く出ておりましたけれども、やはり一般の予算の伸びから見て、これは非常に伸びておるというだけの問題ではなしに、十カ年の全体的な計画をいま局長からもお答えのように、前期五カ年でできるだけ消化をするという姿勢から見ても、今後の予算の整備という点については、特に農林関係者が多いわけですから、積極的にひとつ今後閣内においても、あるいはまた農林省サイドからでも努力してもらいたいというふうに思うのですけれども、いかがでございましょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 こういう点につきましていま事務当局からも申し上げましたけれども、なおその運営にあたっては最大の努力をいたしてまいりたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 吉田之久君

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 大臣、連日お疲れだろうと思いますが、しばらくおつきあいいただきたいと思います。  私は、去る三月七日の予算委員会の一般質問で、米の生産調整の問題につきまして若干の基本的な質問をさせていただきました。政府がこの緊急な課題に対してずいぶん悩んでおられますし、また腹の中でいろいろとお考えになっておられる考え方につきまして、われわれも相当理解できたつもりでおります。ただ、どう考えてみても、この一刻の猶予も許されない緊急課題に対して、大臣は一挙に三つの変化球を農民に対して投げつけられたような感じがするわけであります。農民の側からいえば、一体どれを打っていいのか、たいへん戸惑っているというのが実態であります。私は問題を私の近所の農家の人を集めましていろいろとメモし、またその人たちのこの問題に対する具体的な考え方も聞いてまいりました。この前も申しましたように、私の考え方は、やはり休耕、転作、減反という三つの問題を同時に処理しようとすることは、遅々たる変化しか遂げることのできない農業に対してはなかなかむずかしい問題であります。まず静かに休耕して、それから計画ある転作あるいは減反に移っていくべきではないかというのがわれわれの基本的な考え方でございますが、なおそういう考え方に立ちながら、この際実際農民の人たちがこの問題に対してどういうこまやかな具体的な疑問点を持っているかということを申し上げてみたいと思うのであります。大臣や高級官僚の皆さんからお聞きになれば、なんだ、そんなことかと笑い話のように思われるかもしれませんが、実はその笑い話の笑えぬところに今日の農村問題があるし、その辺がこまやかに処理されなければこういう変革はなかなかなし遂げられないと思うからでございます。  実は率直に申しまして、たとえばわれわれの近所、大阪の近郊でございますけれども、平均耕作反別は大体四反であります。農業団体や市町村が調整面積は七%という指示をいたし始めております。四反の七%と申しますと二畝八歩というんですか、約三畝でございます。これはどう考えても一筆にならない面積でございます。しかも大体四反あるいは三反程度の百姓というのはいわゆる飯米百姓でありまして、自分の家の食う分しかつくっていない。こういう農家に対しても一律にやはり休耕や転作や減反をしいていかなければならないのかどうか。また一筆にもならない田地をどうして休耕させるかという具体的な問題でたいへん心配をいたしております。その点、どうお考えになりますか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 生産調整の実情の問題かと思いますので、私からお答えを申し上げますが、御承知のように非常に耕作面積の小さいところもございます。しかしそういうものを除外するというわけにはまいらなかった事情を申し上げたいと思いますが、御承知のように百五十万トン生産調整では、百万トンに見合うものを、どうしても生産の縮小をはからなければならぬということでございまして、私どもはその面積を計算いたします際に、全体として計算をしておるということでございます。したがいまして目標面積も、全体として目標面積を町村なりにお願いをしておるというわけでございまして、私どもの希望といたしましては、そういう小さな地域ではやはり集団化した形でどこか一カ所でまとめて、あるいは数カ所でまとめてやっていただくということが一番望ましいというふうに考えておるわけでございます。まあ全体的に七・何%かの生産調整の率でございますので、それを個々の人々にまで細分化して割って、一反にも満たないたんぼの何がしかをやれということは決して望ましい姿ではないというふうにわれわれ考えております。ただ、そうは言いましても、なかなか仲間同士の折り合いがつかないという場合もあるかと思います。そういう場合にはまことにやむを得ないということに相なるわけでございまして、その場合に、私どもとしては少なくとも水田一枚は単位にしていただきたい、それからそれがどうしてもまだそこまでも話がつかないというような場合には、やはり一枚の中でも境の仮畦畔でもつくってはっきりしてもらいたい。御承知のように奨励金でございますので、実際にやったかどうか、これは補助金適正化法の適用を受けるという問題もございますので、やむを得ない場合もそれをやったということだけははっきり認識ができるようにしたいという考えでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 おそらくそういうふうにどこかでまとめて休んでもらおうということになるだろうと思うのです。そこで今度は農民の側は、それじゃうちで引き受けようかどうしようかなという具体的な判断になり、御承知のとおり、各地区によって少し格差があるようですが、私どもの周辺では反当たり大体三万六千円、米に直せば一石八斗くらいになる。何にもしなくてそのくらいになるんだったら乗ってもいいなという気持ちは確かにあります。しかしその水田というのはそのまま何にもしなくて一年間放置しておけば、これはもう人間の背たけ以上に草がはえています。したがって当然除草や防除というような問題は、これは農地集団としても当然要請するでありましょうし、また政府としても農業団体としてもおそらく強力に指導されるはずだと思います。そうすると、除草や防除が義務づけられるとすれば、当然それには相当な諸経費が要ります。一体おれたち農民にとって反当たりどのくらいの手取りになるんだろうかということがすでに問題になっております。政府はこの点どのように計算されておりますか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 奨励金の平均三万五千七十三円、これは各地区の反収によってかなり違ってまいりますが、基準反収一キロ当たり八十一円ということでございますから、その地区の基準反収によって増減があることは必定でございます。休耕管理費あるいは病虫害の防除等、これは要するに法律上の義務ではございませんけれども、耕作を維持する上からもやはりある程度やらなければならぬということも事実でございます。  この三万五千円の中で一体そういうものをまかなえるかどうか、三万五千円というものが一体どういう内容かということでございますが、米作の収入が、場合によりますけれども四万二、三千円から四万四、五千円というのが純粋の収入でございます。そういうようなことも考えまして、大体米作の所得の相当部分が補てんをされる。  それから生産費につきましても、生産費という面から見れば一体どのくらいかという点でございますが、生産費の中でも、たとえば種苗代とか肥料代とかいうふうなものはもうかからないわけでございますが、実際にかかる経費だけを計算して見ますと、この三万五千円ほどはかからないというのがわれわれのいままでの生産費調査の結果でございます。その際に、防除のための金というのは大体どのくらいかかるかというふうにわれわれはいろいろ計算をいたしてみましたけれども、大体反当二千円前後のものでなかろうかというふうに考えております。そこで三万五千円の金の中の二千円でございますから、私はお互いの人がやはりどうしても転作をしなくてたんぼとして維持をするということであれば、そのぐらいは支出可能な金額ではなかろうかというふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 局長はどういう計算をなさっているのか知りませんけれども、一年間に二千円ですか。草を刈るのに一日だって人足の日当は二千円必要とするのですよ。どういうことなんですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 私どもといたしまして、休耕した場合の水田管理費をどういうふうに見るか。草刈りのお話が出ましたけれども、自家労賃の見方はいろいろあると思います。しかし全体として三万五千円という経費を計算いたしました基礎といたしましては、いろいろ水利費、建物費等の実費から計算いたしますと、三万五千円かからないで若干の余裕がある、そういうものは十分防除費等に向けられるべきものであるというふうに考えております。本来私どもとしてこういう防除費を義務的に支出する必要があるかどうかという点については、いろいろ問題があろうと思うのでございますけれども、従来の所得なりあるいは今回支払われる金額等から見まして、私がいま二千円と申し上げた金額が妥当であるかどうかは別といたしまして、十分支払い得る余裕があるのではないかと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 比較的回転は早いほうだと思いますので、答弁は簡潔で、結論だけでけっこうです。  三万六千円の範囲内で何とかなるだろう、あたりまえですよ。米をつくらないで、もらった金で草ばかり刈っていたら、だれがついていきますか。当然相当部分自分の収入に入らなければ、神さまでも仏さまでもない人間がこれについてこれますか。だからその点政府はそういう具体的な問題まで全くお考えになっていない。二千円というのは薬代にも足りない。薬をまいておったって全部それでおさまるわけじゃなし、また近所のたんぼに対していろいろな悪影響を与えればこれは大問題ですから、相当気を配りながら休耕しなければならないという問題です。全くその辺まではお考えになっていないということだけはこれではっきりいたしてまいりました。  次に、実は地主の場合です。小作料をもらえば年に反当たり五千円程度でございます。三万六千円くらいだったらそのほうがいいな。じゃ、この際ひとつ小作を取り戻そうじゃないかというふうな動きが当然出てくると思うのです。地主と小作のトラブルというのは、この問題を契機として激化するのではないかというおそれがございます。どうお考えですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 確かにそういう場合が地域によっては起こり得るかと思います。そこで私たちといたしましては、原則的にそういう場合には小作地を対象にしないほうがいいのではないかということで、すでに各県を通じて指導をしております。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 次に水利組合の掛け金の問題であります。あるいは相当大規模な土地改良区というものが各地域で現にございますが、休耕した場合にあるいは転作した場合に、この掛け金は払わなくてもいいものかどうかという問題であります。いかがでございますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 いささか制度論にわたって恐縮でございますが、土地改良区の賦課金と申しますのは、利益があるという可能性によりまして賦課しております。たまたま一年休みましたからといって、すぐに賦課金を払わないということになりますと、生産調整でありませんでも問題があるかと思います。そこで、法律的には賦課金が取れるということになっております。なお、官房長がいまちょっとお答えいたしましたように、今度の生産奨励金の中に、平均的ではございますけれども、水利費は折り込まれているという計算になるわけでございます。そこでわれわれといたしましては、そういうようなことがございますので、これもすでに県を通じて指導いたしておるわけでございますが、土地改良区がそういうことを農民によく周知いたしまして、土地改良区のほうで賦課金を徴収するとか、あるいは場合によっては、地域によっては賦課基準を変えるとか、そういうようなことで生産調整の円滑化にも資するようにということで、すでに指示してございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 大臣、お聞きのとおり、この問題は考えてみれば非常に複雑微妙な、しかも農村にとっては深刻な問題が出てまいると思うのでございます。農村の指導者は言っております。もっと増産しろ、米をつくれ、こうみんなを督励して、だからこうするんだというのは非常に指導が楽らしいのです。しかし米を減らせ、農民に対して働くな、しかも賦課金は取るというのでしょう。理屈の問題では取れるというのでしょう。しかし実際問題としては現地を納得させるということは容易ならぬ問題だと思います。おれは水が要らないのにどうして賦課金を払わなければならないのか。生産調整奨励金だといえば、まず三万五千円か六千円おれのふところに入るのかという期待感から話は始まるのでございます。これはずいぶんよく検討されないと思わざるそごを来たす要因が一ぱい広がっていると思うのでございます。  ついでにこの奨励金というのは、最終的にはその該当者に、いつきめていつ支払われるのかという問題をお聞きします。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 奨励金は、休耕したときの事業が完了したときでございます。したがいまして、これは休耕の確認の完了が終わったときというふうに考えております。したがって、それからまいりますと秋ごろということになりますが、概算交付という道が可能かどうかについて目下私どもで研究中でございます。その方法が可能になれば、事業実行前におきましても概算渡しという形で、より早目に渡すことができるというふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 たとえばこういう場合がありますか。どうしようかと思いながら、すでにもう苗しろも用意した、たんぼに植え始めた、ところが秋ごろになって台風が吹いたり、あるいはいろいろな害虫によってたいへんな被害が出た状態で全部刈ってしまった、そして捨てた、ないしは鶏のえさにした、この場合は休耕になりますか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 そのようなことは生産調整をしない年においてもいつもあることでございまして、私どもとしては、初めから生産調整の意図を持って行動した場合に限って概算渡しも可能であろう、こういうふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 生産調整に具体的に協力したという事実が判明したときに、それは該当者であるといって奨励金を渡すんだと先ほどお答えになったんじゃないですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 先ほどの私の答弁が不十分であれば訂正をいたしますけれども、最初から生産調整の意図を持って作付を行なわないで、その作付転換なり休耕が完了した場合という意味でございます。したがって、最初から生産調整の意図を有しないで、結果として、毎年あるような台風の結果、米がとれなかったあるいは不作であったあるいは倒れたから早く刈ったというものは生産調整の対象には考えておりません。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 もうすでに早いところではここ一月、二月の間に苗しろの準備が始まるんじゃないかと思うのです。いまのようないろいろな問題がありながらそんなに短期間に農民に対して、私は休耕に応じましょう、あるいは転作に応じましょうという判断をつけさせることが物理的に可能であるかどうか。どうですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 私ども各府県にも、数回会合を開き、また農政局をしてそれぞれ私どものやり方の考え方なりも徹底しておりますので、そのような誤解は一〇〇%避けるべく努力をいたしております。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 大臣お聞きのとおり、机の上では確かに理路整然といろいろ休耕、転作の考え方ができ上がったようでございますけれども、これを実際の農業の現地の人たちに移していくということでは、これはたいへんなむずかしいことであることは賢明な大臣はお気づきになっただろうと思います。一そうひとつ金額の問題、それから私がいま申し上げましたような点で、さらに政府として配慮すべき問題に対しては具体的な対策を急がなければ、幾らデスクプランはできても実際は農民がだれも応じてくれなかったということになれば、これこそ大問題であります。国家の経済、財政の問題からも、日本の農業の問題からも非常にゆゆしい問題になってくる。われわれも憂いをともにする一人でございますので、どうかひとつその辺のところは、東京の官僚の皆さん方がデスクプランでつくられたことと実際の農家の現状とは全く違うということをひとつとくと御認識いただかなければならないのではないかと思います。  いま一点、液卵の問題であります。私は去年同じくこの委員会で液卵の問題に触れました。昭和四十一年には二千六百トン、それから四十二年には八千七百トン、四十三年には二万トン以上、ともかく年々三倍ずつオーストラリアあたりから液卵が日本に入ってきております。これが日本の卵価に非常なショックを与えておりますことは御承知のところでございます。この辺でぜひともひとつ、自由品目ではあるけれども輸入商社を指導して押えるべく努力をいたしますということを前農林大臣は申しておられました。どういう努力をされたか、また四十四年の輸入量はいかがでありましたか。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 数字の問題でございますから私からお答え申し上げますが、四十四年度の輸入量は約二万二千トンでございまして、国内の四十四年の総生産量が百五十七万トンでございますから、一・四%ということでございます。  それから商社の指導の問題でございますが、あの際に私が申し上げ、また大臣もそうおっしゃったと思いますが、要するに全体の生産のわずか一・四%——四十三年はたしか一・五%くらいだったと思いますが、そういうことでございますので、国内に対する影響は非常に少ないと思っております。いずれにいたしましても卵価が非常に安い時期にこれが入ってまいりますと、また卵価の低落に拍車をかけるというようなことでございますから、われわれは輸入商社を指導いたしまして、卵価の安い時期は避けて入れてもらうということの行政指導をいたしておる、こういうことでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 皆さんの努力も手伝ってほぼ落ちついてきたようでございます。ただ、この際国内においてもひとつ液卵の生産の普及をはかりたいとお答えになりましたが、その努力はその後どうなりましたか。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 四十四年度から鶏卵出荷合理化モデル施設設置事業というものを予算で御要求申し上げまして、実は基本的には国内で液卵を生産することも考えたらどうかということで、これが対抗するための手段として一番有効ではないかというふうに考えたわけでありまして、実は四十四年度には三カ所のそういった施設に対する助成をいたしたのでございます。引き続き明四十五年度におきましても、前年度と同様な考え方で二千三百七十万四千円の予算を要求いたしております。これによりまして液卵の生産製造施設に対する助成をやってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 そこで、これはできたら大臣から御答弁いただきたいのですけれども、いま古井喜實さんらが中国へ行っておられます。日中貿易の問題はいよいよ前向きに政治のスケジュールに乗ってくるのではないかと思います。そうした話の中で、すでに伝えられておりますのが中国から鶏卵を輸入する、これは考えられることでございます。液卵が入ってくることによっても日本の卵価というものは非常にショックを受け、日本の養鶏業者はそのたびごとに非常な赤字をかかえて呻吟しております。もちろんそうした情勢の中で、卵価安定基金というものが発足はいたしておりますけれども、外国から入ってくる卵がいかに敏感な影響を与えるかということは想像に余りあります。今後中国から鶏卵を輸入する問題が具体的に政治の課題になってきたときに、大臣はどのようになさろうといまからお考えでございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御存じのように現在まで友好商社に八百トン許可はしてあるわけであります。     〔主査退席、大村主査代理着席〕 いまのお話の、これからの問題につきましてはいま検討中でございまして、腹をきめたわけではありません。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 もちろんまだまだなかなか腹のきまるべき問題ではないと思いますけれども、ひとつ十分に国内における生産者の事情を認識、把握してこうした問題に対処してもらわないと、たいへんな農業関係の混乱を生ずるおそれがあると思いますので、ひとつ慎重に検討を進めていただきたいと思う次第でございます。  それからこの機会に、日本の食糧事情が、その内容が年とともに変わってまいりました。だんだんヨーロッパに近い食糧形態になっていくのではないか。そうするとぜひとも必要なものは酪農の振興であると思います。今度の転作の場合でも、何とかしてひとつ牧草などを積極的に農民が受け入れてつくってくれるような方法はないだろうかという点で非常に努力をなさっていると思います。しかし、単に転作の中で牧草の問題を考えるだけでなしに、この際国公民有林と申しますか、およそそういう山林をできるだけ利用して牧草を栽培するという方向に指導していけないものであろうか。私ども聞いておりますところでは、牧草というのは大体北方系の牧草が非常に多いようであります。遊牧民族が北方にあったことから、どうしても歴史的にあるいはそうかと思います。だとするならば、山ろくを利用したりあるいは相当中腹まで山を利用して牧草を大量につくるということは考えられない話ではないと思いますけれども、その点御検討になったことはございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまのお話しの畜産経営の安定的成長をはかりますためには、もちろん経営規模の拡大等飼料自給率の向上が必要でございますが、ただいまお話しのように、国公民有林を活用して、これを生産にもっと活用できないか、私どもも全く同感でございます。土地改良長期計画に基づきまして、土地の有効利用、国土保全などに十分農林省としては留意しながらも、いまお話しのように、国公民有林を含めて山林等の未墾地を開発いたしまして、草地を積極的に造成いたしておりますが、四十五年度におきましては、さらに三万一千ヘクタールの草地造成を行なうことといたしております。このため七十七億三千万円の予算を四十五年度予算に計上いたしておるような次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 いま一つの問題として、ちょっと最初の米の問題に戻るわけでございますけれども、この前も申し上げましたように、国が積極的に地方自治体などに働きかけて、ひとつこの際、十一万八千ヘクタールの土地を水田から宅地に転換さしていこうではないかというお考えでございます。これは当然調整区域の中に対象を求めなければならないと思います。いまの都市計画の中で。いま地方は線引きの問題で一生懸命やっておりますけれども、せっかく進みかけた都市計画というものと今度の米の問題から出てくる水田の買い上げ問題とが急にぶつかり合って、このことによって市街化区域と調整区域の線引きという作業が一挙に混乱し始めているという事実、それから調整区域と市街化区域のそれぞれの持つ特色というものが、この問題で相当失われてしまったのではないか。また、そういう線引きを無視して、新しい宅地化された団地というものが割り込んでいくことになりはしないかという点を非常に心配いたしておりますけれども、この点、農林省と建設省は具体的にどのような調整を現にはかっておられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 今度の五十万トン分に見合うものの他用途への転用ということで、この都市計画法による線引きがたいへん混乱してきたことは私ども見ておりません。     〔大村主査代理退席、主査着席〕 この市街化区域に入っております全体の農地が二十九万ヘクタールくらいあるといわれておりますが、そのうち水田が十八万ヘクタールほどあるわけであります。やはり十一万八千ヘクタールをあるいは先行投資等で自治体が買い上げをされるような場合にも、当然そういう中のものも目標になってまいりましょう。それからして建設省では、国道、県道等の沿線両側百メートルという地域については、今度の考え方の中にできるだけ取り入れるようにいたしたいといっております。そういうものを見てまいりますと、いま私どもといたしましては、今度農転を緩和することによりまして、一種農地で大きな面積で、しかも土地改良などをやりましたようなところは、もうできるだけ保持することにいたしますが、二種、三種の地域については、若干緩和していってもいい、こういう考え方に立っているわけでありますから、そのために市街化調整区域の線引きが非常に混乱している、そういうふうには私ども見てないわけであります。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 作業上はそうはならなくとも、今度は住民の側から、調整区域になるんだろうか、いやぜひ市街化区域に入れてくれ、どちらでもいいわ、どうせこの辺は宅地になるのだろう、政府もそういっているしということで、私が心配いたしますことは、都市計画の線引き、区域の区分というものの権威がずいぶん低下してきたのではないかというおそれを感じている次第でございますが、これはひとついろいろ配慮されればいい問題だろうと思います。  最後に、もう一点だけお聞きいたしますけれども、その減反の場合あるいは休耕、転作の場合、当然各市町村に、あなたの町では何%減らしてくれ、こういう割りつけをしなければならない。各市町村は各部落ごとにそれを割りつけていかなければならない。ところが、各部落ごとに平均耕作反別に非常にむらがあります。たとえば極端な場合、先ほど角屋分科員も言われましたけれども、同和地区でありまして、非常に少ない耕作反別しか持っておりません。そういうところへも、同じようにあえて一律に休耕、転作、減反をしいていくのかどうかという問題だけ、お答えいただきたい。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 私ども農林省としては、府県に対しての生産目標面積を一定の基準で示しただけでございまして、それ以後の町村、さらに町村内における部落単位につきましては、それぞれ町村長なり知事がその間の調整をとって、実情に合せて円滑にいくように、そのためにいろいろな団体も入れた協議会の意見も聞いてくれという指示をいたしてございます。それ以上のこまかな指示はいたしておりません。むしろ現地の実情にまかして、いま御指摘のような実情をあまり考えないで、一律にやるということは好ましくない。むしろ実情に合ったようにやっていただきたいというのが、われわれの念願でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)分科員 最後に、私は特に大臣に申し上げておきたいと思います。  最初のほうの論議でお聞きのとおり、ずいぶんいろいろな問題がありました。政府の思惑と農民の思惑との間に異常なまでの食い違いが出てくるようでございます。私どもも、この問題は何とかしなければならない問題だと、大いに農村で説明をしている次第でございますけれども、先ほどの全くデスクプランにすぎないような案を聞きまして、だんだん自信を失い始めておりますけれども、ひとつ大臣のほうも、その辺のところをよくお考えになりまして、格段の配慮をなされますことを特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 相沢武彦君。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 最初に、米の生産調整の全国状況について、現在どのような状態になっているか、主務官庁がどこまで把握しているか、一応お知らせいただきたいと思います。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 米の生産調整の実施状況につきましては、私ども二月の十三、十四日、各県の部長会議を招集いたしまして、生産調整の予算その他実施方法の大綱につきまして、詳細指示をいたしてございます。なお、各地方農政局におきましても、それぞれさらにその後こまかく方針のきまったものについて、逐次きまったものから指示をいたしてきておる段階でございます。  各県におきましては、各県で推進協議会に各段階のお集まりを願って、御意見を聞いた上で、町村別の割り当てをきめるという作業でございますが、これは京都府を除くすべての府県において終了いたしております。  次に、市町村段階でございますが、これも現時点におきましては、ほとんどの町村において、県がすでに市町村に割り当てを完了いたしておりまして、現段階は、大部分の町村が市町村長と各部落あるいは農家の方々とそれぞれ具体的に、だれにどの程度やっていただくかということを協議中の段階でございます。  京都府につきましては、いろいろ御議論がございましたようですが、京都府では、すでに市町村に各生産調整の目標数量というのを、参考という表現でお示しになっているようでございます。  以上がその概況でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 いま御説明の段階の程度のことは十分承知しておるのです。もっと実際に、非常に円滑に割り当てが進んでいるとか、あるいは非常に難航しているとかという、もっと具体的な状況をおつかみかと思ったのですが、残念です。私の調べによりますと、東北の青森県あるいは北海道では、その中でも特殊な市町村だと思いますが、割り当てられた休耕面積よりも、休耕申し込み面積が多いところが出てきておるようでございます。たとえば北海道の妹背牛町では休耕割り当てが二百五十六ヘクタールに対しまして、申し込みが一千ヘクタール、約四倍程度の休耕申し込みになっております。これは農林大臣賞でも出るかと思うのですが、また一方、市町村、部落にどう割り当てたらいいかということで、難航しているところがあると聞きまして、非常に全国的にばらつきがあると思います。こういった点で、政府としては、全国的な視野に立って調整をはかる意思があるかどうか。まかせたきりでほっときますと、その地域ごとに非常なあつれきがあると思うのですが、早くその全国の状況を的確に把握して、少ないところから回すとか、そういう手を打てば、いたずらなあつれきを避けることができるのじゃないかという気がするのですが、その点どうでしょう。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 実は私どものほうで各県の生産調整協議会、市町村の協議会の資料を収集いたしておりますが、急の御質問でございましたので、まだ到着いたしませんので、概況のみ申し上げたのでございます。  北海道におきましては、予定よりも早く休耕の申し込みが割り当てを上回っておるということを、私、承知をいたしております。もちろん北海道以外の地区でも、東北の一部にもそういうところがある。しかしながら、一部においてはまだ町村と農家との話が進まないというところもありますから、非常にばらつきがございます。ただ、私どもの考えとしましては、これは問題の趣旨からいたしまして、全国的に目標は百万トン、各県とも全部目標を達成していただきたい、こういうことでございます。さらにそれを上回った場合には、奨励金はさらに追加をして予算の措置を講ずる、こういう考えでございます。したがいまして、できないところをできそうなところへお金を回すとか、そういうことは一切不必要なわけでございまして、とにかく目標完遂あるいはそれ以上の達成に全力をあげているというのが、いまの段階でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 いまも同僚議員からお話がありましたけれども、特に温暖地方は、あと二カ月ぐらいで耕作にかかるわけですけれども、そういった時期まで、あつれきがあってもなおかつ目標を達するように要請していくということは、非常にまた農政に対する不信といいますか、国民感情も悪くなりますので、その辺はもう少し調整を考えられたほうがいいのじゃないかと思うのです。  またもう一つ、申し込みがオーバーしている地域であっても、政府の方針に対して満足して申し込んだのかというと、そうじゃないわけでして、全面休耕をもし希望した場合でも、その間、農業組合費また土功組合費等は、実際に経営しているときと同じような率で取られるということで、それに対する非常な不満もあるわけでして、そういった事情等を政府当局はもっともっとつかんでいただきたい。府県に割り当てて、あとは地元でよろしくやってくれというだけにとどまらないで、中央機関から視察員みたいな方が回って、もっともっと具体的な現地の両方の言い分、そういったものをつかんだ上で、調整をはかるという努力がなされてしかるべきじゃないかと考えますが、その点伺います。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 非常にこれはむずかしい問題でございますので、各府県、町村並びに農業団体でも私どもは真剣に取り組んでおるというふうに承知をいたしております。場所によりましては、あまり事情を知らない者が来てもらわないほうがいい、かえってもめごとを起こすばかりだ、われわれで必ずまとめるから、というような御意見のところもあります。また、先生御指摘のように、私どものほうでだれか回ったほうがよいという地区もあるようでございまして、私ども、そういう点につきましては、地方農政局をこの際十分に活用をしまして、北海道は道庁でございますけれども、そういう点の地元から御要請がありました場合には、十分御協力なり御指導をする体制をとっておるつもりでございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 現在、わが国は国際経済の影響を著しく受けまして、非常に日本の農政自体が危機に立っていることは認識をしているわけでございますが、それについて政府が目下総合農政というもののあり方について慎重に検討を進めていらっしゃるわけですけれども、農林大臣として、北海道に限って考えた場合、まあ北海道の場合は、非常に高生産性の大型農業ができる可能性を持った土地条件を持っておりますし、特に今後の酪農製品を中心にする日本の国の食糧基地としても、十分にその役割りを果たせるだけの立地条件を持っている。そういった立場で考えて、日本農業における北海道農業の位置づけについて、大臣はどういう見解に立っていらっしゃるのか、この際、お伺いをしておきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私は、北海道というところには特別な興味と関心を持っているわけで、この前農林省におりましたとき、日本の農業の将来をみんなで相談するために構造政策推進会議というものをつくりまして、いまでいえば総合農政であります。そのころもやはり農林省の人たちみなが一致して申しておったことは、北海道の特殊性でありまして、一口に申せば、私は、北海道というところは、近代農業を模範的にやる地域として、一番興味のあるところではないかと実は思っているわけであります。  いま、北海道農業のお話がございましたが、北海道は、積雪寒冷地域でありますのと不利な条件もございますけれども、一方、豊富な土地資源に恵まれております。今後も大きな開発の可能性を有する等の有利な条件にも恵まれておるわけであります。したがって、これらの地域の特性を生かしまして、大規模畜産基地の形成をはかるほか、その他いろいろな生産性の高い経営の育成をはかって、わが国の主要な農産物供給基地としての農業の振興をはかっていくことが、北海道対策として重要なことであると存じます。私ども農林省といたしましては、そういう考え方から、特に北海道については重大な関心を払ってやってまいりたい、こう思っておるわけであります。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 特に北海道の場合、大型酪農経営というものが将来脚光を浴びると思うのですが、それにつきまして、いわゆる政府の酪農経営に対する指導機関の責任は非常に重くなってくると思うのです。これまで私は道内を歩きまして、いわゆる酪農経営をされている方が失敗に終わった例をよく見ますと、米づくりもそうですけれども、いわゆる飼育技術というものが七年ないし十年かからなければ身につかない、非常にむずかしいわけでありまして、こういった点の技術指導機関、またそういう技術指導者の育成という点ですね、これはもう道や支庁にまかせるだけでなくて、国の機関が相当力を入れなければならないのじゃないかというふうに考えております。  現在、農林省所轄の種畜牧場は日高と新冠と十勝の三カ所にございますが、十勝を除きましてこの日高、新冠は、北海道においてはわりあい気候条件が牧畜には適したところだ、こういうふうに認識しております。そこで、非常に積雪も少ないし、またそういった種畜には適しているところで実験をやって、良好な結果をおさめるということはあたりまえということで、そこらのデータをもって奥地の寒冷地の酪農経営者に対して、ああやれこうやれ、あるいはこうやっているのだからできないはずはないというようなことを押しつけられたら、非常に迷惑だ、説得力に欠ける。こういうわけで、地元では、日高、それから新冠にある種畜牧場の研究の使命というものは一応終わったのではないか。ですから、民間に土地を開放して、道東の根釧原野あるいは道北の天北原野、こういった寒冷地に新たな農林省の機関の種畜牧場等を設置して、そしてそこでりっぱに酪農経営の実をあげる、まず政府機関がその手本を示すようにしてもらいたい、こういう意見があるのですが、この点について大臣の御所見を承りたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 御承知のとおり、農林省の種畜牧場は全国に十五牧場、三支場ございまして、その果たしておる業務でございますが、優良な種畜、種鶏の改良、増殖をはかるための育種改良業務を主体といたしまして、多頭数飼養等による乳用牛及び肉用牛の育成事業、それから繁殖基礎牛の供給事業、外国産家畜の性能調査事業、それから優良飼料作物種子の供給事業、それから畜産技術者の研修等の事業を実施いたしておるのでございます。  そこで、新冠、日高の両牧場におきましても、いま申し述べましたような種畜牧場の基本的な業務でございますところの、家畜の育種改良体制の確立、強化等をはかる目的をもちまして、現在施設の整備、拡充中でございまして、われわれは、現在実施いたしておりますところの育種業務の重要性から見まして、両牧場を直ちに民間に開放することは困難だというふうに実は考えておるのでございます。  それから、実は昭和四十五年から新しい事業といたしまして、国が草地試験場を設置することになったわけでございますが、これとタイアップいたしまして、私のほうの十勝種畜牧場に草地畜産実験展示施設というものを設置いたしまして、中核的な農業者に対します研修指導を実施することといたしております。それとの関連におきまして、いま先生が御指摘になりましたように、将来開発されますところの天北あるいは根釧等に、できればまたそういうものを設置してもらいたいというようなお話が出ておることは、われわれも承知をいたしております。しかし、いずれにいたしましても、まず十勝の新しい施設を整備いたしまして、その後の段階でどういった形態のものをつくったらよろしいか。実はこの問題に関連をいたしまして、昨年、四十四年度予算で九重、飯田、これも将来開発されるところでございますので、いまのところ十勝と同じような目的を持った施設を県に助成をしてつくった事例がございますし、こういったことも考えあわせた上で、将来検討をしなければならない問題であろうというふうに、現段階においては考えておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 いま局長から御返答いただいたわけでございますが、ぜひ大臣も、天北原野や根釧原野等を歩かれまして、その地に種畜場の施設の設置が必要だという必要性を早くお感じになって、できるだけ促進していただきたいということを要望しておきます。  次に、産炭地の問題と周辺農業の振興の関係でございますが、御承知のように、石炭産業はどんどん閉山が進みまして、北海道の場合は、産炭地の企業誘地といっても、非常に立地条件が悪いために、おいそれと企業の誘地はできません。しかも、その産炭地の周辺にはかなりの農家が散在しておりまして、炭鉱をやめた方、あるいはわずかの耕作面積を持った周辺農家の今後の振興あるいは生活の安定、収入の増大等を考えますと、どうしてもその周辺都市に農産物加工場等の誘地を考えていただきたいという点なんですけれども、岩見沢であるとかあるいは美唄、砂川、芦別、こういった産炭地は全部同じ条件でございますので、ぜひこの点についての政策を考えていただきたいし、またそれに伴う財政措置等もいまからお考えをいただきたいと思いますが、それについての当局の御見解を承りたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 産炭地域の振興のための事業につきましては、これは御存じのとおりでございますが、臨時措置法によりまして、通産大臣が振興の基本計画あるいは実施計画をきめるということに相なっておるわけでございまして、北海道の産炭地につきましても、実施計画を拝見いたしますと、農産物の加工場を設置するという構想がございます。ただ、現実には、年次別の計画の中には、まだそういう具体的な計画は出ておらないようでございます。これは私、おそらく想像いたしますのに、やはり農産物の加工場でございますので、原料農産物の供給の問題、あるいは将来の販路の問題等につきまして、まだ十分な成案を得ていないために、具体的な計画としては出ておらないのであろうと思うわけでございますが、考え方としては、確かにそういうことが十分考えられるわけでございますので、私どもも、これは通産省とも非常に関係いたしますが、十分連絡してやってまいりたいと考えております。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 次に、国有林の払い下げについてお伺いしたいのですが、全国で毎年国有林木はどれくらいの数量を払い下げておりましょうか、大手パルプ業者と地元製材工場に分けましてお願いします。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 販売の方法に三つございまして、このうち一般競争入札、これにつきましては、競争でやっておりますので、パルプに行ったか、製材工場に行ったか、その内訳は調査をいたしておりません。あとの指名競争と随意契約につきまして、それを見ますと、比率で簡単に申し上げますと、地元製材工場へ四四%、それからパルプ工場へ二三%、このような比率になっております。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 それは全国の総トータルでございますね。地域によってその率はかなり幅がございますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 地域によってはかなりの幅がございます。その資料が手元にございません。あとでお届けいたします。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 特に市町村におきまして、全面積のうち、ほとんどが国有林で占められているようなところの地元業者に対しては、中小企業の保護、育成、または地場産業の振興の上から、もう少し地元業者に対して払い下げのワクを拡大してほしいという声がかなり前からあるわけでございます。北海道の沙流郡の日高町の場合は、全面積の九〇%以上も国有林で占められておりまして、毎年十五万立方メートルの木材が生産されておりますが、地元にある十カ所の製材工場には、毎年生産量の約一〇%程度しか払い下げがないわけでございます。それは工場生産力の約四分の一しか満たされないものですから、非常に経営が苦しい。この町の産業の主幹をなしております関係上、町自体が存亡の危機に立っている。  最近辺地の過疎化ということが非常に問題になっておりまして、これを防止するためにも、地域住民が喜んで定着していけるためにも、もっともっと生産の場を持つ明るい街づくりが肝要である、こう思うわけですが、こういったように町の主体をなすような地元業者に対して、もっともっと国有林の払い下げワクを拡大できるような方法等を講じられないものかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 北海道の日高の管内は、私つい先般まで関係しておりましたので、よく承知しておるのでございます。確かに、先生のおっしゃるとおりですが、最近、国有林の伐採、それから出てくるところの材の配分というのは、広域的に計画が行なわれるようになっておりまして、ある期間はある営林署に集中伐採をされる、一つの地域で調整をとっております。したがって、日高の営林署管内では、おそらくいま伐採が集中されておるということで、この日高の営林署管内から出てまいります木材は、周辺地元工場にも相当配分されておるはずであります。先生のおっしゃる方向につきましては、地元の製材工場と臨海地帯の工場と山元工場、外材その他の関係もございまして、今後検討してまいりたい、このように思っております。

相沢武彦公明党

○相沢分科員 以上で終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 古寺宏君。

古寺宏公明党

○古寺分科員 去る一月の二十九日に沖縄西方に発生しました低気圧によって、全国的に強風雨に見舞われて、北海道や東北を中心にいたしまして、農林水産物に相当の被害を受けましたが、その被害の概況について御説明を願いたいと思います。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 お答え申し上げます。  一月二十八日でございましたか、沖縄西方に発生いたしました低気圧が、月末、本土に近づくに従いまして、台風並みの低気圧になり、俗称台湾坊主というふうに呼んでおるのでございますが、全国的に強風雨を伴いまして、特に北海道、東北を中心といたしまして、農林水産業に相当な損害をもたらしたのでございます。被害県は二十七県に及ぶというような報告を受けておりますが、内訳は、水産関係で百四十億八千万円、農林業関係で十四億三千万円、合計百五十五億一千万円でございまして、被害の九割は水産関係の被害でございます。特に水産関係の被害については、漁港の三十三億円、養殖施設の二十七億円、水産物等の六十八億円等が大きな被害になっておるわけでございまして、今回の災害は、特に水産被害が大きいという点が特色でございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 今回の異常低気圧によりまして、最も被害を受けたといわれております宮城県本吉郡の大谷海岸、三島海岸、唐桑町の唐桑海岸等に先日行ってみましたところが、養殖ワカメの基幹線のブイが海岸に打ち上げられ、一カ月もかかって整理したといわれる養殖ワカメのケースが海岸にたくさん積まれておりました。沿岸漁民は水産物被害の痛手にとほうにくれておりましたが、政府の対策の概要について、お伺いをいたしたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 ワカメ養殖の被害が今回は相当多額にのぼっておるわけでございますが、まず私ども第一に、被害漁家に対しまして、天災融資法の発動による低利融資を行なうことと、さらに、異例なことでございますけれども、ワカメ養殖施設の被害に対しまして、激甚災の法律の適用対象といたすように、現在努力をいたしておるところでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 現地の人のお話によりますと、当日の気象通報が、非常にこういう災害をもたらすような気象通報には聞かれなかった、こういうことが事前にわかっておれば、被害を最小限度に食いとめることができたのではないか、そういうことを申されておりましたが、こういう沿岸漁業や水産業に対するところの気象通報の制度は、一体どのようになっているか、承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 これは実は気象庁の予報が正確であり、かつ適切であるということが前提でございますけれども、沿岸の漁家あるいは沿岸の漁船は、気象庁の気象通報をラジオ等によりまして当然知るわけでございますが、さらに沖合いの漁船につきましては、私ども全国に約三百五十の海岸の無線局を、水産庁も相当補助して設立しておりまして、そこで、気象庁の行なう気象通報をテレックスなりあるいはラジオ、テレビの気象放送によりまして海岸の無線局が受けまして、これを沖合い漁船に周知放送しておるわけでございます。水産庁といたしましては、気象庁の予報が正確かつ適切に行なわれることを前提といたしまして、無線局等を利用して周知徹底をいたしておるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 当日の予報経過について、長官は御存じになっておられるかどうか、承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 詳細は私も存じておりませんけれども、この台湾坊主の予報につきましては、私のところに陳情に来られた人々からも、相当問題があったというふうに聞いておるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 当日の予報を読み上げますと、一月三十日の十四時五十分においては、低気圧が発生しているので、日本近海は風波が立ち、山岳地帯はきょうから明日にかけて荒れますので、御注意ください。それから当日の二十二時十分の発表では、低気圧が次第に強くなって東北東に進んでいる、今晩、明日にかけて次第に荒れてきましょう、こういう予報が流されております。これであっては当然漁民は被害を予測することはできないと思うわけでございますが、この点について、今後長官はどういうふうに対処していくお考えか、承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 気象の通報はもっぱら気象庁の仕事でございまして、水産庁が独自の通報をいたすわけにもまいらないわけでございます。気象の影響を非常に受けやすい漁業でございますから、気象予報が正確に気象庁から行なわれるように、私どもかつていろいろな機会を通じまして、気象庁とも相談をいたしておるわけであります。そうしてその上で正確な気象を、私どもが相当助力をしてつくりました海岸の無線局を通じて正確に流す。それはあるいは漁船につきましても、十トン未満の漁船で集団的に操業するものにつきましての無線機の施設につきまして、構造改善事業等で補助をいたしておりますので、そういうものの漁船の近代化も私どもは今後ますます進めたいというふうに考えております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 大体漁業従事者というのは、低気圧といってもわからないわけです。冬の台風とか何かの表現でないと、ぴんとこないわけでございます。そういう点について長官は非常に思いやりがないと、そういうふうに思いますので、今後はそういう点については十二分に予防措置を講ぜられるような体制をお考えになっていただきたいと思います。  いまちょうど大臣がお帰りになりましたので、お伺いいたしますけれども、先ほど長官のほうから、天災融資法並びに激甚災について適用する、発動する、そういうことを検討中である、こういうお話がございましたが、先日の災害対策特別委員会におかれましては湊政府委員が「内部的にはもう適用するというふうに大体腹をきめたわけであります。そして、政令の公布が必要でございますので、政令の手続をできるだけ急いで指定したいというふうに考えております。」このように答弁をいたしておりますが、大臣はどのようにお考えになっておられるか、承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいまお話の災害につきましては、天災融資法の発動につきまして発動の方針のもとに事務当局をして手続を進めさせております。  それから激甚災害法の発動につきましては、養殖施設等について発動を行なうように関係機関において所要の手続を進めさせております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 大体いつごろに発動になる予定であるか、また六月の操業開始までに間に合うかどうか、承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 なるべく早くいたしまして、今月末には発動のできるように取り運びたいと思っております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 現地の漁民のお話を聞きますというと、十勝沖地震のときに適用された天災融資法の借金がまだ払い終わっていない、かりに天災融資法が適用されても経済的な能力がないと言っておりますけれども、このような場合の救済法についてお考えになっておられるかどうか、お尋ねいたします。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 被害が重複いたしました場合に、実情に即しまして借りかえあるいは延納といったような問題については十分措置する考えでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 一般の被害地域の利率は六分五厘であり、特別被害地域の利率は三分でございます。ところが前回においては一般被害地域であって、今回は特別被害地域であるというような場合には、いままでの利率が六分五厘であって今度は三分ということになります。あるいはまた、いままで三分支払っておったけれども、災害が重なったために今後利息を返済するにも容易でない、そういうような問題が考えられるわけでございますが、この利息についてたな上げをするとか、あるいは前の分については助成をするとか、そういうようなことについてはお考えになっていないかどうか。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 利率それ自身につきましては、ただいまの制度ではこれをかげんするわけにまいりません。それぞれの災害のときに指定されました利率で考えさせていただきますが、最初に申し上げましたように、償還の可能性につきましては、災害を幾つも重ねて受けた被害の農林漁業者につきましては、十分その実情に即するような返済の期間を配慮いたす考えでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 大臣にお伺いしたいと思いますが、天災融資法では、一般被害地域に対しては六分五厘以内、また特別被害地域に対しましては三分以内の利率と、こういうふうに非常に幅を持っております。今回のように災害が重なった場合においては、この三分以内あるいは六分五厘以内というその範囲において、これらの方々を救済するようなお考えをお待ちにならないかどうか承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 これはいま事務当局も御説明申し上げましたように、それぞれの法によってきめておるわけでありますので、それが重なりましたような場合の手続をいま経済局長からお答えいたしたようなわけでございまして、それ以外のことにつきしましても何か申し上げることがあれば事務当局から申し上げます。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 直接の御指摘にお答えすることにならないかと思いますが、実際の災害融資の実態を申し上げますと、今回のような被害でございますれば、ほとんど九割ぐらいが三分資金に該当するのではないかというふうに見ておりまして、そういった面で制度的には被害の態様により六分のものと三分のものとなりますけれども、かなり低利の融資が行なわれるというふうに観測いたしております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 私がお願いを申し上げているのは今回の問題ではなしに、前回のいわゆる借り入れ金の利率についてでございます。その場合にそういうような調整ができないかどうか、そういうことを承っておるわけでございます。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 繰り返しになってたいへん恐縮でございますが、利率につきましては今日までのところ、これをあとから直すということを政府としては考えておりません。

古寺宏公明党

○古寺分科員 まことに残念なことだと思いますが、天災融資法の中には三分以内あるいは六分五厘以内というふうに幅を持っておりますので、今後この点につきましては現地の情状を十分におくみ取りをくだすって調整をしてくださるようにお願いをしておきたいと思います。先ほど大臣からお話がございましたが、激甚法が適用された場合に、いろいろな補助対象、採択基準というのがございまして、いろいろな制約がございます。こういう点について現在水産庁はどの程度まで検討しておられるか、その点について承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 激甚法の適用につきまして、現在財務当局とも相談をいたしておるところでございますが、したがいまして、まだ内容の詳細について申し上げることはできない段階でございますが、まず養殖の施設について申し上げますと、ノリ、カキ、ワカメあるいはホタテ等についてこれを行なうことが適当ではないかというように考えておるわけでございます。これらはいずれも滅失、大破というようなケースに適用するものでございまして、激甚法の施行令関係の規定によりますれば、養殖施設は被害率が二〇%以上の市町村に適用される、そういうことでございます。詳細は、養殖施設につきまして激甚法の適用がございますのは非常に珍しい例でございますが、その一つの例として十勝沖の地震の例がございますので、そのときの事例も頭に置いて今後検討を進めたいと考えております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 十勝沖地震の場合を見ますと、対象漁業者の要件あるいは補助対象の数量にいろいろと制約があるようでありますが、たとえばワカメであれば四台、カキであると六台、こういうふうになっておりますが、今回、ただいまお話がございましたホタテについてはどの程度をお考えになっておられるか、承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 ホタテは十勝のときにはこれを適用いたさなかったわけでございますが、ホタテにつきましてはその際適用いたしましたノリ、カキ、ワカメ等々とのバランスをとってきめるように現在検討いたしておるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 次は漁業共済の問題でございますが、昭和三十九年に発足したばかりでございまして、宮城県の場合でございますと、加入率がカキについては六十組合中五組合、ノリが五十組合中二十七組合、そういうふうになっております。また養殖ワカメについては、共済制度の対象にはなっていない、そういうふうに承りましたが、今後どのようにしてこの漁業共済の加入率の向上をはかっていかれるのか。また現在入っていないところの養殖ワカメあるいはホタテ等については、今後この漁業共済の中に含んでいくお考えがあるかどうか承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 漁業共済の歴史はまだ新しゅうございますので、加入率といたしましても全国的に見まして養殖共済でノリが四一%、ハマチが五〇%という以外は相当低い率でございます。これは政府において相当掛け金の国庫負担もいたしておりますし、国が再保険もいたして相当な財政負担をいたしておるわけでございますが、やはり何といいましても、こういうものは短時日ではそう漁家に普及をいたしませんし、また行政当局だけの力で加入率をふやすこともなかなかむずかしいわけでございますから、漁家経済のために漁業共済がきわめて必要であるという認識を漁業団体等の運動によりましてだんだん盛り上げていきたい。全漁連系統におきましても最近全戸加入というようなことで相当な呼びかけをいたしておりますので、私は今後相当な加入率がふえるというふうに考えておるわけでございます。  なお養殖のワカメとホタテにつきましては、現在漁業共済に入れておらないわけでございますが、ワカメとホタテは多少問題が違いましてホタテは養殖が行なわれることがごく最近であるばかりでなしに、北海道あるいは東北の一部というように相当ホタテの養殖の地域が限られておりますし、被害率等のデータも実はきわめて乏しいわけでございますから、これは今後相当時間をかけて検討いたさなくてはならないというふうに思います。養殖ワカメにつきましては、共済制度に乗せることについて実は技術的に——詳しくは申し上げませんけれども、なかなかむずかしい問題があるわけですけれども、すでに養殖ワカメの産額というのは天然ワカメをこえるほどの成長ぶりでございますから、私どもできるだけ早い機会に漁業共済に乗せるように、いろいろ技術的にむずかしい問題はございますけれども早急に検討を進めるつもりでおるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 漁業共済につきましては、県によりましては掛け金を県が一部負担をして非常に加入率を促進しているという県もあるようでございますが、先ほどは相当の国庫負担も見込んでいるんだと、そういうお話でございましたが、今後この漁業共済につきまして強制加入にするようなお考えがあるのかどうか。あるいはまたいまのような共済価格を引き上げてそして魅力のある漁業共済にするような、そういうお考えは持っていないかどうか承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 強制加入というのはなかなかむずかしいわけでございますが、私どもものによりましては強制加入の一つ手前の義務加入、たとえば組合員の大多数がこれを希望すれば加入するというような形も一つの案として考えられると思います。しかし、何せ普及率がもう少し進みませんとそういうような問題を持ち出す地盤がなかなか出てこないというふうに思うわけでございます。  それから共済価格の問題は、実は掛け金と関係がございまして、たとえばノリでいいますと、ほとんど一〇%に近い掛け金率でございますから、ノリの共済価格が低いことによって掛け金も低いということであり、共済価格が高くなればなるほど掛け金も高くなるという関係にございますので、私どもやはりこれは相当下からの声がまとまらないと始末できない。むしろ役所がかりに相当思い切って共済価格を引き上げた結果、掛け金が高くなってまた加入率が下がるということも現実にあり得るわけであります。今後慎重に検討したいと考えております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 時間がございませんので、今後沿岸漁業というものをこういう災害から守るための、いわゆる防災技術の開発、こういうようなことについて研究を進めているかどうか、また今後進めるお考えがあるかどうか、承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 防災技術を水産について申し上げます場合に、たとえばノリの養殖でいいますと、いままでは温度が相当高くなって海水があたたまりますと、そこでノリが腐るわけでございますけれども、この一、二年の技術開発の普及によりまして、たとえば冷蔵網ということで、海水があたたかくなってノリがぐあいが悪くなると冷蔵している網を海に入れてすぐ生産力を回復するということもやっておるわけで、私ども防災技術については相当試験研究でも熱心にやっておるつもりでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 最後に大臣に、今度のこの被害は非常に大規模なものであり、また現地の漁民は非常に心配いたしておりますので、一日も早く天災融資法あるいは激甚災の適用の発動を急がれることをお願い申し上げまして、きょうの質問を終わらしていただきます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 たいへんに時間がおそくなりました。私が最後でございますから、もうしばらくおつき合いをお願いしたいと思います。  これで分科会はいよいよ終わりでございます。大臣はたいへんに分科会は愉快だからもう少しやりたいとおっしゃっても残念ながらこれで終わりになってしまうわけであります。もうあとはやれないわけですから、ひとつあまりかたくならないでゆっくり——私も落ちこぼれた問題を少し拾い上げて、いわば大臣と意見の交換をしたいというようなつもりでごく断片的な問題を幾つか拾ってお尋ねをいたしますから、かたくない答弁をお願いいたしたいと思います。  第一は、問題になっております作付制限の問題でありますが、これに伴って来年以降は正直のところどうされようとしておるのか、ほんとうの腹を聞かしていただきたいと思うのです。と申しますのは、この一年間に政府が期待するような作付転換などが全部できてしまう。つまり三十五万ヘクタールについてそういう措置が行なわれる。一部は農地から転用されるということになりましょうけれども、それを除いてその他の部分は作付転換等が行なわれるというようなことになればもちろん何も問題はないわけですが、それはなかなか言うべくして容易ではないんではないかと思う。そうなりますとほんとうに来年はどうするのか。ことし一ぺん休耕をしたけれども、また来年は水田に復活してしまうというようなこともあり得ると思うのですけれども、そういう問題などはどういうふうにお考えでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 たびたび同じようなことをお答えしてまことに相済みませんが、いま私ども地方にいろいろ視察をさしております。私もこの間九州へ行ってまいりましたけれども、とにかく一生懸命でやっておっていただいて、農業団体の会合にも出ましたけれども、たいへん大事なことだからというので、いまやっておるわけであります。  そこで、ざっくばらんの話が、いまおっしゃいましたように、そうは言ってもできるときもできないときもあるじゃないか、こういうようなときにはなぜこういうような結果になったかというようなことを十分掘り下げて検討をいたしまして、それで対策を立てるということじゃないかと思うのです。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 それだけの御答弁しかいただけないのならばお尋ねしても全く無意味なんですけれども、いまの大臣の立場ではあるいはやむを得ないかもしれません。私はそういう意味で、ほんとうにある程度将来にわたった見通しを立てて農政を指導されないと、農民は非常に困るということを強く指摘をしておきたいと思うのです。つまり、いまの大臣の立場ではそれ以上言えない、同じことを繰り返すだけだということならば何ともやむを得ませんけれども、たとえばことし一年休んで、来年また作るなんということになると雑草の処分だけでも容易ではない、そういう問題が起こってしまう。ですから、この農業政策の場合は、何とかもう少し先を見通した政策を確立するということが必要ではないか。私は現地に参りますと、たとえば種もみの注文はおととしやってしまう。あるいは肥料なども大体手配をしてしまっておる。そういうところにもってきて作付制限が起こるというような問題、あるいはある一部が休耕をすると、そこに当然雑草が繁茂する。そうすると近所の水田がたいへん迷惑をするというような問題が起こりましたり、あるいは、たとえば土地改良の負担金などをずっと払ってきたけれども、これから収入が減るわけですから、なかなか負担金の支弁が容易じゃないというような問題などが出たり、そういうことでたいへん困っておるということを現地に参りますとほんとうに至るところで聞かされるわけです。ですから、大臣は同じようなことで聞きあきたと言われるかもしれませんけれども、あえて言わざるを得なかったので申し上げたのですが、どうかそういう点を十分考えていただいて、長期とは言わないまでも、ある程度何年か先を見通した農政を確立をしてもらいたいということをお願いしたいと思うのです。その点いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 同じようなことを聞きあきたなんという失礼なことを申したのではありませんで、私の答えが同じことを繰り返して相すみません、こういうのでございます。  そこで、いまおっしゃいましたことは、ほんとうに私どもにとりまして大事なことでありますと同時に、農政当局としては一番胸の痛む問題でございます。西宮さんの御郷里のような東北、北陸地域は特に私はたいへんだと思います。私の郷里などですとわりあいに転換がやさしい。それで、この間も私の郷里の長野市が各村々に割り当てました表、それからその村では調整奨励金が幾ら入るという数字をあげたものが出てきております。そしてまた、転換について各村ともたいへんによくやっております。そういうところばかりではございませんので、もちろん農業政策というものは長期展望に立ってやらなければならないものでございますが、とにかくほかのこともさることながら、米につきましては、いまだかつてやったことのない調整というような非常手段をとるわけでありますから、そのことによって生ずる第一には農村民の不安、同時にまた農村の人々の経済に影響する問題等、私ども、ことに農林省はそういうことについて十分深いおもんぱかりを持って対処していかなければならないとつくづく感じておるわけであります。そのために、しばしば申し上げておりますように、地方自治体、それから農業団体、農政局等、出先、出先でその地方に応じたできるだけの施策を講じてまいりたい、それを講じるためには、たとえば調整いたしますその地域にたまたま構造改善事業などもありますところが多いですから、そういうものともうまく連携調整をとって不安なからしめるようにしていかなければいけないのではないか、こういう謙虚な気持ちで一生懸命対処いたしておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ぜひそうお願いしたいと思います。私も大臣の言われたことを曲解したわけでもなし、あるいは皮肉にとったわけでも決してないので、大臣も非常に苦労しておられると思うのですけれども、私どもも実は現場にあって苦労しておるものですから、御一緒に苦労を語り合いたいというようなつもりで申し上げておるのですから、そういう意味であまりかたくならずにお聞き願いたいと思います。  食糧庁長官にお聞きをいたしますが、消費拡大の方法として、たとえば搗精度を引き上げるといいますか、精白度を引き上げるというか、こういうやり方はどうなんでしょうかね。何%くらい、もっと引き上げるというのか、引き下げるというのか、可能でしょうか。もちろんこれはその分だけはぬかになって出るわけですから、その分だけ経済的には食管会計としては損をする、これは当然だ。何か一%で八十億くらいの損になるのだというふうに聞いておりますが、そういう数字なのかどうか、あるいは同時に、その金の問題は別にして、どの程度までいま申し上げたことが実行可能なのか聞かしてください。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 御指摘がありました数字は大体そのようなことでございます。米の消費を拡大していく、特にかような情勢でありますから、私どももあらゆる方途をとりたいということで、たとえば先ほど来申し上げておりますように、輸出にどれだけ向けたいとか、あるいは外米の輸入をやっておりましたのをできるだけ内地米に代替をしていくとか、考えられるいろいろな方途についてはできるだけ検討して、前向きに対処していきたいということで考えております。  歩どまりを下げるという話は、私どももいろいろな方面から伺っておりまして、これは一つの有力な方途ではないかという感じはしております。ただ、現在やっております歩どまりは随時引き下げてまいりまして、専門的に申し上げますと、大体完全な精米の状態になっておるということでございます。もちろん新米あるいは古米によりましてそれぞれ歩どまりを変えております。そういう変え方によって完全な精米の状態で配給をするということでやっておるわけであります。それ以上歩どまりを下げるということになりますと、はたしてどの程度消費がふえるものであるかということも、なかなかこれは判定がむずかしいという話であります。それからまた完全精米の状態からさらに歩どまりを下げるということになりますと、末端で一体どういうふうに歩どまりを下げたかということを判定する技術もまだちょっと確立をしていないというような状態でございますから、さような点についてできるだけ詰めをいたしまして、いろいろな専門家の意見も伺う、またそういった技術的な点もできるだけ詰めるというようなことを早急にいたしまして、十分ひとつ御意見の点については検討さしていただきたいと思っておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 それじゃ今後の検討に待ちますから、どうぞほんとうにやれるやつは大いにやってもらうということをぜひお願いしたいと思います。  それからもう一つ、酒に添加しているアルコールですね。あれを米に置きかえたらどうかという説です。これは元来は米がほんとうなのだ、戦後米が足りないのでアルコールを使ったということでありますが、ただしかし、その使った期間が非常に長くなったので消費者の舌の感覚がむしろそれになれてしまったので、いまではむしろそのほうが歓迎されているという話なども聞くのですけれども、全くの俗論でありますから、専門的にはどういうことになりますか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 これも専門的に検討いたしますと種々御意見がございます。かなり長い間アルコールを添加しておるわけであります。現在は大体四五%ぐらい酒にアルコールを添加して長い間飲まれてきた、こういう嗜好の定着といいますか、そういうこともございます。それからまた、無添加酒にいたしますと、すでに酒屋さんのほうではアルコールを使うといったような形で経営が定着をしておる。したがって、かわりに米を使うとすればかなりコストの点では、米の取得価格というのは安くしないと酒の値段に響くとか、あるいは酒屋さんの経営に影響があるとか、そういった問題がございます。つまり嗜好がそういうふうに無添加酒に今後なじんで相当需要がふえるかどうか、また製造の問題としてうまくいくかどうかといったような問題がございます。私どももいま国税庁とそういう点については前々から打ち合わせをいたしておりまして、もし事情が許せば、酒についてそういう形で使うために試験的な売却をするというふうなことも考えてみたらどうかということで、いま打ち合わせをしておるところでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 これも研究中だそうでありますから、ぜひ検討してもらいたいと思います。  それから米の消費に関連して、いまの下位等級の米は配給には何等まで回っておるわけですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 いま買っております等級は一等から五等までという形で買っておりまして、配給には一−四等は通常の配給ということで回しております。五等のほうは徳用上米という形で配給をいたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 お尋ねしました趣旨はそういうことでなく、将来たとえば買い入れ制限をするというようなことから、下位等級のものはだんだん食用と考えなくなる、つまり米として買い入れをしなくなるというような懸念があるのではないかというふうに思われるのでお尋ねをしたのですが、そういう懸念はありませんか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 これも長期的に考えますと、御案内のようにこういった情勢でありますから、できるだけいい等級のものを生産者も出すように御努力を願う、またそういう意味では需要に見合った形で食糧庁としても買い入れをしていく、また検査の規格もさようなことで考えていくということは当然必要であろうかと思います。ただ、当面早急にそういうふうな切りかえができるかどうかということは農家のほうでも対応ができるか、あるいは検査規格等についても十分検討しなければいけませんから、いますぐというわけにはまいらないと思います。したがいまして、当面はそう——当面といいますか、少なくとも今年産米くらいは現行の状態を変えることにはならないだろうと思っております。長期的な話はいま申し上げたとおりでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ほんとうに完全整粒ですね、それだけを配給する、したがって、不完全な不整粒といいますかそういうものを最初から除外していくということにすると、最初からそういう不整粒は人間の食用とは考えないというふうにしていくと、それもまた一つの方法だと思うのですが、その点についてはどうですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 私が申し上げましたのも大体それに近い考え方でありまして、こういう事情でありますから、できるだけいいものをより分けて生産をしていただく、また食糧庁が買い入れるということは、検討すべき方向としてはさようなことだと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ただし、それをやるためには相当の設備も必要だし、だからそういう問題も同時に合わせて考えていかなければならぬと思うのですが、まあひとつ御検討願いたいと思います。  大臣にちょっとお尋ねいたしますが、先ほど開発輸入という問題で問答をしておられましたが、熱帯農業研究機関ですね。あれはどういう構想なんですか。いわゆる開発輸入というような考えにつながるのではないかという懸念が持たれるわけなんだけれども、そういうこととはつながりはありませんか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 熱帯研究所を設置するという案で設置法を昨年出しましたし、また今年も出しておりますが、これはもちろん熱帯地域、その中に多くの後進国があるわけでございまして、後進国に対して農作物の技術を指導する、さらにその基本となる試験研究を行なうというものでございます。同時に、日本における農作物、人間に有用な植物の研究水準を上げる、こういう両方の目的を持っておりまして、開発輸入とは直接の関係はないというふうに考えております。日本がいろいろと技術指導をしたり——もちろん外国が技術指導をする場合もありますが、あるいは直接後進国の人に情報を提供する、こういう趣旨のものでありまして、いわゆる資本的な投資を伴った、外国へ日本の企業が投資をするとか、あるいはその物を買うとかというようなこととは関係ございません。あくまで後進国なり熱帯地域における農業の多角的研究を推進する、こういう趣旨でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 昨年の六月に三菱商事がジャワで水田開発の契約を結んだそうですが、これなどはどうなんでしょうか。あそこで水稲をつくって日本に持ち込むというような、そういうおそれはないでしょうか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 インドネシアは現在米につきましては不足の状況でございます。私が申すまでもなくいずれの国におきましても特に後進国では米などは自給をしたいという気持ちがかなり強いのでありまして、当然インドネシアがそういう技術開発なり指導を希望しておるということは無理のないことであろうと思うのでございます。しかしそれを日本が買うということは私どもとしては考えておりません。特に現段階におきましては御承知のとおり米がこういう状態でございますので、インドネシアはもちろんのこと現在相当輸出をしており、また過去に実績のあった国、台湾とかあるいはタイ等からもビルマ等からも現在買っておらない状況でございますから、そのことは新しく米作を始めようとするインドネシアにつきましても、当然同じようなことに相なると考えます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いま、きょうあすの問題として、日本の国内の米の需給がこういう状況ですから、それを持ち込んでくるというようなことはちょっと考えられないのですが、しかし向こうの米は非常に安くできる、そういうことで日本の国内の米作を圧迫する、そういう問題が起こりかねないと思うので、あえて申し上げたのですが、そういうことを十分念頭に置いて、そういうことにならないように、お願いしたいと思います。  農地局長にお尋ねをいたしますが、いままで農地転用をやったあとで転用には条件をつけるわけですが、その条件が条件どおりに実施されていないというようなことで、つまり条件違反になる、そういうケースがどれくらいありますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 最近の状況を申し上げますが、昭和四十一年に農地転用違反件数六千二百八十一件、四十二年七千七百九十九件、四十三年七千八百九十四件、こういうような状況になっております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 私は今度の例の五十万トンに相当する水田をつぶしていくという問題の際に、たとえば工場なら工場をつくるというふうなことで申請をして、それに条件を付して許可する。ところがその条件を無視して、もう一ぺんそれを水田にしてしまうというようなことがもしあるとすると、これはほんとうに文字どおり大企業が経営するそういう資本主義農業というようなものが日本にも出現するということになるおそれがあると思うのですが、そういうものは十分チェックできますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ただいまの問題につきましては、数年前から、われわれとしましては転用許可をしましたあとも定期的に業者から報告をとっております。そしてなかなかそういう許可どおりにやらない場合につきましては、文書で勧告をするというような措置をとっております。今後ともそういうことでまた水田に戻るというようなことがないように、厳重にやっていきたいというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 倉石大臣が発言をされて以来、非常にみんなの関心を集めた問題でありますが、つまりいわゆる買い入れ制限は現行法のもとにおいても法律の解釈としてはできるのだ、こういう説を述べられたのですが、ただ一つ私が問題だと思うのは——これは必ずしも大臣でなくともけっこうです。いま法律問題としてお答えをいただきたいと思うのですが、私はやはりあの法律をそのまま読んでそうはいかないのじゃないかと考える一つは、つまり食管法の第一条は、国民食糧の確保あるいは国民経済の安定ということになっているのですね。したがって国民食糧の確保というためには、当然に生産者が米を生産しなければならないはずですね。それでその生産をさせるために、再生産の確保ということを価格の面で保障しているわけですよ。だから価格の面で再生産の確保、再生産ができなければ、第一条にいうところの国民食糧の確保はできなくなってしまう。どうしても農民には再生産を可能にしてやらなければならぬということは当然ですね。それが単に価格だけの問題ではなしに、せっかくつくったものが一部分はどこにも売れなくなってしまうのだというようなことになると、私はとうてい農民の再生産は確保できないと思う。ですから、現行法のもとで解釈上は可能だ、買い入れ制限は可能だという考え方は、私は問題があるのではないか、間違いではないかと思うのだが、その点はいかがですか。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 お説のように、経済の主体といいますか、あるいは米の生産を確保していくといったような観点からいきますれば、価格のみでなしに生産者が生産をいたしました米の販売なり販路について、政府としても周到な考えをめぐらさなければならないということは当然あることだと思います。しかし食管法の規定におきましては、しばしば申し上げておりますように、第一条なり第三条なりからは全量を政府が買い入れる義務があるというふうには読めないわけであります。しかしお説にございましたように、だからといって生産者の生産をいたしました米の販路について政府としても周到な配慮をしなければならぬということとは決して矛盾はしていないというふうに思っておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 これ以上議論いたしません。いずれそういう問題はもし具体的な問題になる時期があったらば、そのときは私ももっともっと勉強しておいて議論しなければならぬと思いますが、ただ、いま長官が最後に言われた点は、行政措置の問題だと思うのですよ。農民に不安を与えない、そういう措置を講じなくちゃならぬというような点は、行政措置の問題だと思うのです。私が主張しておるのはそうではなしに、買い入れ制限そのものが法律解釈として可能だという答えは出てこない、こういうことを私は主張しているわけです。それを特にいまの再生産の確保という観点から価格の点で保障している限りには、要するに農民に再生産をさせるのだということが大前提、それなしには第一条でいうところの国民食糧の安定的な供給ということはできないわけですから、国民食糧の供給を確保するためには、大前提として農民の再生産の確保ということがその大前提になっておらなければならない。したがってそういう観点からいうならば、法律解釈としても、現行法のもとにおいて買い入れ制限ができるというふうにはとうてい読めないと私は考えるのですが、特に御答弁があれば御答弁をもらいますし、なければ、私は本格的な議論は、また別な機会にそういう問題が具体的に出てきたらそのときこそ大いにやらなくちゃなりませんから、そのときに譲ってもけっこうですけれども、何か御意見があるならば聞かしてください。

森本修食糧庁長官

○森本政府委員 法律解釈は先ほど来申し上げておりますようなことで、くどくなりますから省略をいたしますが、お説のようなお話は確かに農業政策なりあるいは私どもの行政の姿勢としては当然配慮しなければならないことであります。また買い入れ制限をするというふうなことがかりにございますれば、そういった経済的な措置、またその米についての流通のあり方等については法令的な措置も、もちろんあわせて検討しなければならぬということを否定しておるわけではございません。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 これは大臣にぜひお尋ねをしたいのですが、この前の質問の際にも簡単に大蔵大臣にも意見を求めたのでありますが、農政が従来量産に重点を置いてきた、これは食糧が足りないという状況下において当然だったと私は思いますが、いまや、コストを低減する、コストダウンの問題に農政が大きく目を向けなければならぬときではないかという気がするわけです。米の問題をとってみても、たとえば、輸出をするというようなときに大きな支障になっておるわけです。しかも、米だけではないと思うのですが、そういうコストダウンのために農政が転換をする、あるいは農業研究機関が方向転換をする、そういう問題が必ずあるのではないかと思いますが、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農業といいましても、やはり日本全体の経済の中で考えられるべきだと思うのであります。一方において、いまよく物価の話が出ますけれども、消費を考えない生産というものはあり得ざることだと思うのです。そういう角度から、私どもは、やはり日本経済全体が伸びてまいりますためには、農業を維持拡大していくと同時に、その製品が適当な価格で消費されるということが必要だと思う。したがって、鎖国経済ではないのでありますから、しかも、国際経済の中にあって生きていく農業でありますので、あらゆる努力をして、まあ、御存じのように、土地改良その他の予算にばく大なる資金を投じておりますのも、やはり農業ができるだけコストダウンして、しかもそのために農業の経営が完全にでき、消費者にも妥当な価格で行き渡るようにつとめなければならない、そういう意味で、経済政策の中で、農業もやはり同じ重要な問題をかかえておるのではないか。したがって、そういう競争の社会の中で農業が立ち行くようにつとめていかなければならないのじゃないか。そのために農政の苦労があるのではないか、こう理解するわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 つまり、私の言ったのは、いままでは、これはまあ当然だと思うのですが、金は幾らかかっても、一粒でもよけいにとろうということで、農業技術などはそういう体制で研究されてきておると思うのですよ。しかし、事ここに至っては、もうそういうのから切りかえて、どうしたらば安くつくれるか、こういう研究に、研究機関も態度を変えるということが当然必要じゃないかと思う。これは、おそらく大臣も反対をされないと思いますから、その程度申し上げるだけにしておきますが、いま大臣が言われた土地改良の問題ですね。これなどは、いわゆるコストダウンのためには大きな力になると思います。ですから、私はあえて申し上げるんですが、土地改良などは全額国庫負担でやってもよろしい、社会党は前々からそういうことを言っておりまして、ずいぶん虫がいいというふうに人からも言われたりしておったわけですが、私は、いまになってみると、それでなければコストダウンなどはできないんじゃないかという気がするわけです。特に、最近の減反問題などが出てきましてからは、土地改良の問題など、だいぶブレーキがかかっているわけです。むろん、いつの場合でも、土地改良などをやろうとすると、何人かは反対する。利害関係の一致しない人が何人かあるわけなんです。しかし、そういう人もいままでは大勢に順応しておったわけですけれども、最近のように作付制限なんというような問題が出ると、こういう時節に、金をかけてまで土地改良なんかやる必要はないんじゃないかということで、自己負担を拒否するわけです。そういうケースがすでにあちこちに出ております。これは、一々申し上げなくても、そういうケースがあちこちに出ておることは御承知のとおりだと思う。だから、そういうことを避けるためにも、思い切って土地改良は全額国が持ってやるということで、それで米の生産費を減らす、あるいはまた、田畑輪換を可能にするというようなことで、酪農対策を安定させる、あるいは野菜などもつくれる、そういういろいろなことが同時に可能になってくると思うのですが、その点について、大臣いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 これはしばしば皆さんのほうから提案されている御意見でありますが、いま申し上げましたように、わが国の経済というのは、私どもの立場は自由な経済でございますので、受益者がある程度の負担をし、その恩恵として、できるだけみんなで分配にあずかるという考え方からいえば、なるほど土地改良に限らず、いろいろな施策は政府がかなりの負担をいたしております。これは日本だけじゃなくて諸国がやっておることでありますが、その改良される土地を、命令でなくて、個人の農業者が自分の発明、くふうで活用して成果をあげるのでありますから、やはり私はいまの程度の制度がいいのではないかというふうに考えております。これは土地改良ばかりでありませんで、すべての施策がそうじゃないかというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 今度の減反問題に関連をして、土地改良を通年施行させようという案があるわけですが、私は、例の三万五千何がしという休耕奨励金も、せめて通年施行の場合ぐらいは、それが完了するまであの奨励金を交付する、そして、とにもかくにも、一刻も早く土地改良をやらせるということが必要だと思うのだが、その点はどうですか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長政府委員 通年施行は、私ども一年間で終了することが一番望ましいと思っております。というのは、奨励金の問題につきましては、これは予算措置にも非常に関連をすることでございますし、明年度の措置につきましては、いま必ず出すというようなことは言いにくい状況でございますので、できるだけ一年間で終わるということを希望いたしております。もちろん、その中に何年かかかるというものがあるかもしれませんけれども、本来、工事施行中は、そのために一時的に取得が減ることがあっても、むしろ将来は生産力が上がるという、リターンと申しますか、成果と申しますか、見返りと申しますか、そういうものがあるはずでございますから、私どもとしましては、いまここで奨励金を三年間出すというふうな約束がなくても、通年施行はある程度進められるだろうというふうに期待をいたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 コストダウンのもう一つの方法として、つまり、生産資材の費用を安くする、低下させるということがあると思うのだけれども、この問題について、何か農林省として手を打っているというようなものはありませんか。たとえば、トラクターと乗用車を一緒に並べて比較をするというのはもともと無理かもしれませんけれども、六十馬力程度のものを見ても乗用車なら、いま五十万足らずで買えると思うのですよ。ところが、トラクターならば百三、四十万は当然するというので、そういう点についてずいぶん不合理があるのではないかと思うのだが、要するに生産資材・機材の費用の低下というような問題について、何か手を打っているということはありませんか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 生産資材の価格を極力安定させ、かつ、できれば下げていくということは、今後の農政の一つの課題として非常に重要だと私ども考えております。  御存じだと思いますが、たとえば肥料等につきましては、これは肥料価格安定の特別措置法がございまして、これで生産者と利用者との間で生産費を基礎にして適当な価格をきめるというようなことをやっておるわけでございます。現に相当な効果をあげていると私ども考えております。  いま御指摘のございました農機具等につきましては、そういうようなことはやっておらないわけでございますが、基本的にはやはり従来の農機具の導入台数は比較的少なくて、新しく開発された機械が多いというようなことで、いわば大量生産の段階に入っていないために、たとえば自動車に比べますと、価格が非常に高いというようなことがあるわけでございます。私どもはやはり適当な機種をはっきりさせまして、それはたとえば私どものほうにも機械化研究所という施設がございますけれども、そういうようなところもよく使いまして、安心して農作業に使えるような高能率の機械を確定をした上で、そういうものは極力大量に生産をしていきたい。一方では導入の助成をしていく。こういうようなことをやることによりまして逐次コストの低下をはかっていく、こういうことが必要だろうと思います。そういうことはいろいろやっておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 まあひとつ大いにやってもらいたいと思います。  コストダウンの問題で園芸局長に簡単にお尋ねをいたしますが、野菜が値上がりをする点で、物価騰貴の最も凶悪な犯人は野菜だというようなことを常にいわれるのでありますが、私どもいろいろ聞いてみると、野菜にもまだコストダウンの道がいろいろあるようなんです。ずいぶんそういう話をいろいろ聞かされるのですが、なぜもっと積極的にそれに取り組めないのか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 園芸局といたしましては、野菜につきましては常に生産といわゆる需要の安定的なバランスをとることが一番肝要だ、こういうふうに理解しております。したがいまして、長期並びに単年度ごとの年間の野菜の需給バランスを見ますと、大体最近の国民所得の増大に伴いまして野菜の需要も年々非常に増大しておりまして、ヨーロッパの生活水準よりも野菜に対する需要はふえております。したがいましてわれわれといたしましては、指定産地制度を設けまして指定野菜につきまして近代的な集中生産によりまして合理的に、いま先生の御指摘になりましたような極力低コストの野菜をつくるように努力しております。たまたまことしのごときは非常な五十日連続干ばつというような干ばつによりまして、冬野菜につきまして非常に天候が悪かった。したがいまして需給バランスがくずれまして野菜の値段が非常に騰貴しておりますが、昨年のいわゆる夏野菜のごときはむしろ生産が潤沢になりまして下がったような感じでありました。一方またわれわれも指定産地並びに野菜の制度の強化につとめておりますので、需給事情は安定して価格も冷静に戻るのではないか、こういうふうに期待しております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 もちろんいろいろなことをやっておられるのだと思いますが、ただ、いまの答弁だと、生産の段階においてのコストの低下ということだけに力を入れておられると思うのだけれども、たとえば輸送の問題なりあるいはまたいわゆる地域分担をきめていく、つまり都市の周辺はだんだん耕地がなくなっていくのですが、つぶれるのだが、それに対してそれをカバーする野菜の生産地を新たにつくっていく、そういう対策がないと、都市近傍にはいろいろな混乱が起こってくると私は思うのです。そういうことも当然考えていかなければならぬでしょうし、いろいろ問題がたくさんあると思う。ひとつぜひ大いに成果をあげて——どうも物価が上がるといつも野菜だ、野菜だといわれてわれわれもすこぶる肩身が狭い思いがするわけですよ。そういうことのないようにお願いしたいと思います。  最後に、厚生省の担当官に少しばかり農村の農民の健康状態というのでお尋ねしたいと思うのであります。  私は、ここにたくさんの新聞の切り抜きを持っておるのでありますが、全くのしろうとでありますからちょっとわかりませんが、特に農村における農業者あるいは農村の婦人、そういう人の健康状況について憂慮すべき傾向というようなものがないのかどうか、まず聞かしてください。

今野恒雄厚生省公衆衛生局企画課長

○今野説明員 ただいま先生の御指摘のございました農村地域におきます婦人の健康問題でございますが、私ども農村地域におきます健康問題はなおこれから非常に改善すべき問題が多いと理解しております。特に先生いま御指摘の婦人の健康問題につきましては、先般も農村医学会を中心といたしました研究の報告もあったわけでございまして、主として農村特有の生活環境、労働の問題、さらに栄養の問題からいたしまして、いわゆる貧血という問題がいわれておるわけでございます。これにつきましては私どもまだ完全な研究調査を完了しておるわけじゃございませんが、農村地域の保健問題といたしまして、私ども種々対策は講じておるわけでございますが、特にその研究面からの報告を見ましても、このような農村におきまして保健問題、特に婦人のただいま申し上げました貧血問題も今後大いに改善すべき問題点ではないかと私ども聞いております。これにつきましてはやはりいわれておりますのは、農村における婦人の労働問題とかあるいは生活環境、先ほど申し上げました栄養摂取のアンバランスの問題もあるわけでございまして、そういった点で今後私ども十分検討してまいりたいと思っておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 純然たる医学的な対策、対症療法みたいなものも必要でございましょうけれども、同時に、最近の農村の農民の生活実態というようなことがその原因になっているということであれば、その原因を取り除かなければならぬということに当然なると思うのだけれども、ただ、いまの答弁だと、大いに検討しているというようなことだけでまことに心細いのだが、もう少し積極的にこういう問題の解決のために何かやるのだというようなそういう姿勢はないのですか、あるいはそういう具体的な見通しはないのですか。

今野恒雄厚生省公衆衛生局企画課長

○今野説明員 申し落としましたが、そのような問題がございますので、従来から保健所活動を通じまして栄養指導、健康相談指導をやっておるわけでございます。またさらに御婦人を中心としました母子の保健活動もやっておりますが、特に栄養指導車、キッチンカーを配備いたしまして、現在百台ございますが、これによって栄養指導をやっておるほか、さらに来年度におきましては新しい事業といたしまして保健所における保健栄養教室を開催する費用を計上いたしまして、それによりましてさらに一段と進めてまいりたいと思っておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いわゆるハウス病というのがだいぶ問題になっておるということが新聞等で報道されておりますが、これに対する対策がございますか。

今野恒雄厚生省公衆衛生局企画課長

○今野説明員 最近問題になっております農村ハウス病でございますが、これにつきましてはまだいろいろ研究段階だと私ども伺っておりまして、これにつきましては特にこれを中心といたしました施策という特有なものはまだございませんが、健康管理、健康指導という一般の保健衛生指導を通じまして、特に農村地域については濃密な健康管理を進めてまいるということでこの点は進めておる次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 まあことばだけでなしに、農村には濃密な指導をするというのがほんとうに文字どおり実施をされるならば、われわれも大いに期待したいと思うのだけれども、どうもいままでだと、むしろその逆であったのではないか。したがって農林大臣もお聞きを願いたいと思うのですが、たとえば青森県でこの前、例の献血運動をやったわけですよ。だんだん都会の血が当てにならなくなってきた、いい血が取れないということで、農村に期待をかけてやりまして、応募で農協婦人部から八十一名献血に応じたわけです。ところがそのうちで合格したのはわずかに二人だけしかない、こういう実情なんですね。これは要するに、農村の婦人があるいは過労なりあるいはまた栄養の不十分さからこういう問題が起こってきているのだ。せっかく最後の頼みの綱にしている農村でさえそういう状況だというようなことになりますと、これはかつて騒がれたような黄い血の問題というような問題になって、まさに全国民的な問題だと思うのですよ。だから私は、農村の婦人たちがそういう状態に置かれているということは、全く看過すべからざる重大問題ではないかと思う。何か厚生省で特殊な対策があるならばそれをお聞きをして、さらにそういう点について農林大臣の御所見を伺って終わりにしたいと思いますので、まず厚生省のほうで最近いわゆる貧血というか血が薄くなるという問題についてはその原因等を十分究明されているのですか。

今野恒雄厚生省公衆衛生局企画課長

○今野説明員 血の薄い問題はいわゆる貧血状態でございまして、中のヘモグロビンの不足ということがいわれているわけでございます。これにつきましては、主として現段階でいわれておりますのは栄養にも相当大きな影響があるのではないかという点で、先ほど申しました栄養改善指導を重点的にやっておるわけでございます。そのほか一般の健康管理指導といたしましては、来年度におきましては農村地域におきます民間団体が行なう健康管理指導車についても積極的な活動、運営費の補助をしてまいりたいということで進めておるわけでございます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま私カバンをさがしていたのは、実は厚生大臣がこの間農夫病につきまして非常に関心をもちまして、内田君の立場で私にいろいろなものを書いてくれましたので、それを御説明の資料にしようかと思ってさがしたのですが、ちょっとございませんけれども、この間予算委員会でこの話がどなたかから出まして、内田君たいへん関心をもたれて、当局に命じていろいろお調べをいただいたようであります。私も実はそのことでたいへんびっくりいたしたこともありますし、厚生省とともども協力いたしまして、こういう問題については努力をしてまいりたいと思っております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いろいろ御答弁をいただきましてありがとうございました。  何と申しましても、近ごろ農家の皆さんは、これからどうなるんだというようなことでずいぶん心配をしておる。こういう向きが非常に多い。あるいはまた最近の出かせぎ等に関連をして、私は実はその問題で私の関係するところでいま大がかりな調査をやってもらうことにしておるわけですが、そういうために生徒児童に対して非常な悪影響が及んでいるというような問題等があったり、何といいましても農村はそういう非常な苦境にあるわけです。非常に混迷を続けているわけです。これは大臣なども十分御承知だと思うので、もうこの分科会はこれで終わりになりますけれども、ひとつそういう点にこれから徹底的な検討をされて対策を確立をしていただきたい。一日も早く農家の皆さんが安心して生業を営めるような農政を確立してもらいたいということを心からお願いをいたしまして、終わりにいたします。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 以上をもちまして昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、農林省所管に対する質疑は一応終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後七時四十五分散会

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