予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 301 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/03/11
会議録
○大坪主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査をつとめることになりましたので、よろしくお願いいたします。(拍手) 本分科会は、昭和四十五年度一般会計予算中経済企画庁、農林省及び通商産業省所管並びに昭和四十五年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管について審査を行なうことになっております。 審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。 昭和四十五年度一般会計予算及び特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。 それでは、まず農林省所管について説明を求めます。農林大臣倉石忠雄君。
○倉石国務大臣 昭和四十五年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏づけとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げます。 まず、農業についてでありますが、最近の農業をめぐる諸情勢の変化は著しく、米の過剰をはじめ種々困難な問題に直面しております。このような情勢に対処し、政府としては総合農政の展開をはかることとし、鋭意検討を続けてきておりますが、第一に、今後の総合農政の推進にあたって最も重要なことは、規模が大きく高能率の近代的農業を育成していくことであると考えております。そこで自立経営農家の育成に努力するとともに、今後とも兼業農家がなお相当の割合を占めるものと考えられるので、兼業農家をも含めた各種の集団的生産組織を育成助長することにも努力していきたいと考えております。さらに、基幹施設を有機的に結合して生産から加工、流通まで一貫して組織化される広域営農集団の形成を進めてまいりたいと考えております。 このような近代的農業を育成するためには、何よりも農地制度の改正等により構造政策の一そうの推進をはかっていかなければならないと思います。 また、中高年令層を多数かかえた就業構造の改善をはかることが重要であることは言うまでもありません。そこで農業者が希望に応じて他産業へ円滑に転職できるよう離農の援助促進のための施策を進めていく考えであります。 また、農業者年金制度を創設し、農業者が農業から引退しても老後の不安が残らないようにするとともに、これが経営規模の拡大に資するようにしてまいる所存であります。 このように、農業構造の改善を進めるにあたっての大きな前提となるのは、土地基盤の整備であります。このため、農道網の整備、圃場条件の整備、草地の造成改良など農業生産基盤の整備開発に力を入れていきたいと考えております。 第二は、近年食料の自給率が低下する傾向にありますが、私は、人口が一億をこえるわが国において国民が必要とする食料を大幅に海外に依存するのは適当でないと考えており、今後の農業生産は、従前にも増して需要の動向に即して進めることが特に必要であると考えます。 最近の米の需給の動向を見ますと、国民の食生活の変化により消費は減退しているのに対し、生産は増加しているため、相当な供給過剰の状態になっており、今後ともこの基調に変化はないものと思われます。 このような米の需給事情にかんがみ、政府の米管理の面におきましても、生産者米価及び消費者米価の水準を据え置く方針をとることとするとともに、米の需要の増進に努力いたす考えであります。 さらに、新規開田を厳に抑制するとともに、米の生産調整を緊急の課題として実施することといたしております。 畜産物、園芸作物等については、需要の伸長が見込まれますので、生産性の向上を基本として生産の振興につとめる考えであります。畜産物については、飼料基盤の整備を中心に対策を進め、また、養蚕、野菜、果実等の園芸作物については、主産地を中心に安定した供給を確保するよう対策を講じてまいる所存であります。 第三に、農産物価格政策については、価格変動の著しい生鮮食料品のうち、新たに肉用牛、野菜などについて価格の安定のための対策に意を用いるつもりであります。さらに、農産物の流通、加工の問題も重要でありますので、その近代化を促進してまいりたいと考えております。 第四に、都市に比べて立ちおくれている農村生活環境の整備と農村の整備、開発を推進することが重要であると考えております。 このため、農村における道路、通信網、医療施設等の整備を進めることがぜひとも必要であると考えております。 次に、林業及び水産業についてでありますが、それぞれ最近の需給事情、資源の動向及び従事者の所得水準等について問題が多々存在しておりますので、これらにつきましても、生産基盤の整備、構造改善の促進、従事者に対する福祉対策の充実等諸施策を強化し、生産性の向上と従事者の所得の増大及び生活水準の向上をはかってまいる所存であります。 以上申し述べました農林水産業に対する施策の推進をはかるため、昭和四十五年度予算の編成におきましては、農林関係予算の充実をはかることに一段と配慮した次第であります。 まず、昭和四十五年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計は、八千五百三十億円で、これに総理府、厚生省及び建設省の他省所管の農林関係予算を加えた農林関係予算の総額は、九千百七十七億円となり、これを昭和四十四年度の当初予算と比較しますと、一千五百十二億円の増加となります。 以下、この農林関係予算の重点事項について御説明いたすことになっておりますが、時間の都合もございますので、委員各位のお許しを得まして説明を省略し、その内容は速記録にとどめさせていただくことに御了承いただきたいと思います。よろしく御審議をくださいますようお願い申し上げます。
○大坪主査 この際おはかりいたします。ただいまの倉石農林大臣から申し出のありました農林省所管関係予算の重要事項につきましては、これを本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大坪主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 第一に、農業生産基盤の整備について申し上げます。 農業の生産性の向上、農業構造の改善等農業の近代化をはかるためには、農業生産の基盤となる土地及び水の条件の整備開発が基本となるものであります。この観点から総合農政の方向に即して圃場条件の整備、基幹かんがい排水施設の体系的整備、農用地の開発等各般の事業を計画的に推進することとしておりますが、とくに通年施行を含む圃場整備事業の強力な推進、広域営農団地農道の新規整備等農道整備事業の大幅な拡充、畑作及び畜産の振興に必要な事業の伸長を重点としております。 なお、米需給の最近の動向及び今後の見通しにかんがみ新規開田については厳にこれを抑制する方針をとることといたしております。 以上に要する経費として一千八百九十億二千五百万円を計上しております。 第二に、米対策に関する予算について申し上げます。 米は、消費が減退する一方生産が増大しているため、恒常的な過剰状態にあります。このような事態に対処して緊急に米の需給の均衡をはかりますことは、当面する農政の緊急かつ重大な課題でありますので、農業者及び関係団体等の協力を得て、米の生産調整を本格的に実施することとしております。すなわち、百五十万トン以上を減産することを目途として、このうち百万トン以上について稲から他作物への転作等を通して生産の調整をはかることとし、そのため米生産調整奨励補助金を交付することとし、総額八百十四億七百万円を計上いたしております。 なお、米の生産改善対策につきましては、米の主産地域を中心として生産性の高い稲作経営の確立を期するとともに米の品質改善に重点をおいて所要の施策を推進することとしております。 第三に、農業生産の選択的拡大に関する予算について申し上げます。 まず、畜産の振興対策であります。その生産対策としましては、飼料自給度の向上をはかるため草地開発事業等を推進する一方、既耕地における飼料作物の積極的導入のための飼料作物増産対策を引き続き推進することとしております。 次に、酪農経営の安定と肉牛資源の維持増大をはかるため、新たに市乳地域への乳用牛の輸送事業、流通粗飼料生産実験事業、肉用牛種畜生産基地育成事業等につき助成するほか、引き続き家畜導入事業、大規模牧場創設事業等を実施することとしております。 また、中小家畜につきましても、優良純粋種豚の確保対策、国産種鶏増殖センターの設置助成等の新規事業を行なうほか、さらに、畜産全体について、家畜改良増殖対策、家畜衛生対策等の諸施策を推進することとし、畜産生産対策としてあわせて百四十一億六千三百万円を計上しております。 また、畜産物の価格安定および流通改善対策としましては、引き続き加工原料乳に対する不足払い制度の円滑な実施をはかるとともに学校給食用牛乳供給事業につき画期的な内容の充実をはかることとし、前年に対し六十万石増の二百七十万石の供給を確保するとともに、一人当たり供給単位、補助単価の改善を行なうこととしております。 さらに、新たに肉用牛について、肉用子牛及び乳用雄肥育牛の価格の異常な下落の場合に生産者に対し、生産者補給金を交付する事業を行なうとともに、牛肉の流通機構の合理化をはかるため、肉用牛の主産地において牛肉の処理加工施設の設置につき助成することとしております。 以上のほか、生乳流通改善施設、食肉センターの設置等を推進することとし、畜産物の価格安定及び流通改善対策として、合わせて二百六十二億八千万円を計上しております。 次に、蚕糸園芸振興対策であります。 まず、養蚕生産対策としましては、繭生産改善推進施設設置事業を引き続き実施するほか、新たに養蚕の経営規模の拡大に対応して多回育養蚕技術指導パイロット事業を実施することとしております。 野菜生産対策としましては、指定野菜の拡大、指定産地の増加等野菜指定産地の計画的育成をはかることとし、果実生産対策としましては、近代的な生産出荷の基盤となる濃密生産団地の形成を進めるため、果樹広域主産地形成事業、果樹栽培省力化促進事業を拡充実施するほか、新たに最近の果実の生産、消費の動向にかんがみ、産地の体質改善と果実の品質向上をはかるため、優良品種への更新、なつかん園等の再開発を内容とする果実品質改善緊急対策事業を実施することとしております。 特産農産物及び甘味資源作物の生産対策としましても、それぞれ引き続き地域特産農業推進対策及び甘味資源生産合理化推進地区の設置等の事業を推進することとし、蚕糸園芸生産対策として以上合わせて四十三億九千六百万円を計上しております。 また、野菜の価格安定及び青果物の流通改善対策としましては、野菜生産出荷安定資金協会の行なう野菜の価格補てん事業について、その対象品目の拡大、交付予約数量の追加を行なうほか、野菜価格の異常低落時の補てん事業を実験的に実施する等本制度の拡充をはかるとともに、うんしゅうみかんの越年出荷を調整する産地貯蔵施設、優良品種のりんごの品質保持と出荷調整をはかるための産地冷蔵施設、果実の加工需要の拡大に資するための近代的な果汁工場の設置に対する新規助成等を行なうこととし、合わせて十三億九千七百円万を計上しております。 次に、麦の生産改善対策でありますが、機械化の推進と品質の改善により生産性を向上しつつ主産地の育成を推進することとし、麦作団地育成対策事業等を引き続き拡充実施することとし、六億五千四百万円を計上しております。 第四に、農業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。 まず、農地保有合理化法人による農地移動の方向づけ等農地制度を改善して農地の流動化を促進するため所要の措置をとることとし、二億三千七百万円を計上しております。 次に、昭和四十四年度から発足した第二次農業構造改善事業については、四十五年度からその事業実施に着手するとともに、従前の農業構造改善事業についてその計画的達成を目途とし、合わせて二百二十二億二千三百万円を計上しております。 また、農業振興地域の整備に関する法律に基づき、土地の農業上の有効利用、農地保有の合理化、農業経営の近代化及び生産基盤の整備に関する措置を総合的計画的に推進するため、引き続き農業振興地域の指定及び農業振興地域整備計画の樹立を進めることとし、二億八千四百万円を計上しております。 また、農業者の老後の生活の安定をはかるとともに、農業経営の移譲の促進等を通じて農業構造の改善に資するため、農業者年金の給付、離農給付金の支給、農地等の買い入れ等を行なう農業者年金制度の創設をはかることとし、三十六億五千七百万円を計上しております。 以上のほか、広域の農業地域において生産から出荷販売に至る一貫した体制の組織化をはかるため広域営農団地育成対策を新たに実施するとともに、農業者の転職対策を含め、農業就業構造改善対策の充実等をはかることとしております。 第五に、生鮮食料品等の流通機構の整備、消費者保護対策、農林関連企業対策に関する予算について申し上げます。 さらにご説明しました畜産物、青果物の流通の合理化対策等のほか、生鮮食料品等の流通機構の整備をはかることとし、中央卸売市場及び地方卸売市場の施設整備の充実をはかるとともに、小売業対策等の強化をはかることとし、合わせて三十四億八千八百万円を計上しております。 また、農林物質の規格及び表示に関する制度に抜本的改善を加えること等消費者保護対策の強化に一億四千百万円、中小企業の近代化促進、食品関係企業対策の強化等農林関連企業対策に一億二千九百万円を計上いたしております。 なお、以上の措置に加えて、農林漁業金融公庫に設けられた卸売市場近代化資金及び国民金融公庫に設けられた生鮮食料品等小売業近代化貸付制度の拡充をはかることとしております。 第六に、林業の振興に関する予算について申し上げます。 林業生産基盤の整備につきましては、林道事業、造林事業を計画的に推進することとし、合わせて二百三十二億五千七百万円を計上いたしております。 林業生産対策につきましては、森林計画制度、森林病害虫等防除事業等を継続実施するほか、優良種苗確保事業を充実し、また、里山地帯を中心とする低位利用の広葉樹林の合理的利用の促進等による資源の高度利用をはかるため、里山再開発事業について昭和四十四年度のパイロット事業に引き続き事業の本格的実施に入ることとしております。また、林業構造改善対策につきましては、引き続き林業構造改善事業につき、五十二億三千万円を計上し、計画的にこれを推進するほか、入会林野の整備を促進するとともに、新たに通年就労促進対策を実施する等、林業労働力対策の拡充強化等をはかることとしております。 さらに、国土の保全等をはかるため、治山事業につき三百三億四千万円を計上してその計画的推進をはかるとともに、保安林整備管理事業を強化することとしております。 第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 漁業生産基盤の整備につきましては、漁港整備事業、大型魚礁設置事業、浅海漁場開発事業等の拡充実施をはかることとし、合わせて二百三十六一億五千九百万円を計上いたしております。 漁業資源の維持増大につきましては、遠洋の未開発漁場について大規模な開発調査を拡充実施するとともに、引き続き沿岸漁場等における水産資源の保護培養対策の強化、内水面における地域振興対策の拡充等のほか、新たに資源事情、国際規制等により生産の増加が期待できない、さけ、まぐろ類、かに類を大規模にふ化養殖する技術を開発するための実験事業を実施することとし、これらに要する経費二十八億一千六百万円を計上いたしております。 また、沿岸漁業構造改善事業を引き続き計画的に推進する等沿岸漁業の経営の近代化等に七十三億一千百万円、水産物の流通加工の改善対策として三億八千三百万円を計上いたしております。 なお、第二次沿岸漁業構造改善対策事業につきましては、全国対象地域百八地域、総事業費はおおむね、補助事業八百五十四億円、融資事業五百六十億円で四十五年度以降九年間に計画を樹立して実施することとし、四十五年度においては二十四地域につき計画調査を行なうこととしております。 また、漁船損害補償制度の実施費として十五億八千七百万円、漁業災害補償制度の実施費として二十三億八百万円を計上いたしております。 第八に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林漁業金融の拡充について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を二千三百億円に拡大し、農林漁業経営構造改善、基盤整備及び卸売市場近代化等に必要な資金の拡充をはかるとともに、新たに畜産公害に対処するための貸付対象事業の拡大等融資内容の整備をはかることとしております。 この原資として財政投融資一千五百十九億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金百三十四億一千二百万円を交付することといたしております。 次に、農業近代化資金融通制度につきましては貸付資金枠を三千億円とすることとし、所要の利子補給補助等を行なうとともに、同資金にかかる債務保証制度を充実強化するため、農業信用基金協会に対する都道府県の出資について引き続き助成する等の経費八十億七千八百万円を計上いたしております。 また、農業改良資金制度につきましては、農業後継者育成資金について貸付枠の大幅な拡大と、一人当たりの貸付限度額の引き上げを図る等により貸付枠を百四十億円に拡大してこれに要する経費四十三億二千百万円を計上いたしております。 さらに漁業近代化資金融通制度につきましては、貸付資金枠を二百五十億円に拡大することとし、これに要する経費一億九千九百万円を計上いたしております。 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算について申し上げます。 まず、農山漁村の環境整備につきましては、農林漁業用道路の整備拡充、生活改善特別事業、へき地農山漁村電気導入事業、振興山村農林漁業特別開発事業等の継続実施のほか、新たに農村食生活改善推進事業、山村開発センターの設置助成、農村住宅団地建設計画の推進等を実施することとし、これらに要する経費二百十億七千九百万円を計上いたしております。 次に、農林水産業の試験研究につきましては、試験研究費の増額、試験研究体制の整備、都道府県に対する助成の充実等により試験研究の拡充強化をはかるとともに、新たに浅海域における増養殖漁場の開発および施設農業における光質利用の技術化に関する総合研究等を行なうことといたしております。 また、畜産振興の基礎をなす技術開発、特に草地を中心とする試験研究の飛躍的向上をはかるため、その効率的な推進体制を整備するものとし、新たに農林省の附属機関として草地試験場を設置するとともに、熱帯、特に東南アジア地域の農業協力とわが国の農業研究の発展に資するため、農林省の附属機関として熱帯農業研究センターを設置することといたしております。 これらに要する経費として、百六十三億八千三百万円を計上いたしております。 次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、合わせて百三十八億四千百万円を計上いたしております。 以上のほか、農業災害補償制度の実施につきましては、所要の掛金国庫負担のほか、事業運営基盤の強化をはかるため共済団体の広域合併の推進等を行うこととし、これらの経費として四百十億二千万円を計上するとともに、農林漁業関係災害対策公共事業として二百五十四億九千八百万円を計上いたしております。 次に、昭和四十五年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。 第一に、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧の管理について、前年度に発足しました自主流通米制度及びさきに御説明しました米の生産調整対策を勘案しつつ、食糧管理制度の適切な運営をはかることとしております。このため所要の予算を計上するとともに、一般会計から調整勘定へ三千十六億円を繰り入れることとしております。 また、国内産いもでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため所要の予算を計上し、一般会計から農産物等安定勘定に八億円、輸入飼料勘定に二十億円をそれぞれ繰り入れることとしております。 第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、農業災害補償制度の運営のため、必要な予算を計上しており、一般会計から総額二百七十五億六千百万円を繰り入れることとしております。 第三に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業勘定において、国有林野事業の一そう合理的な実施運営をはかるとともに、治山勘定において民有林治山事業及び国有林野内臨時治山事業を実施することとし、必要な予算を計上しております。 第四に、漁船再保険及漁業共済保険特別会計につきましては、漁船再保険事業及び漁業共済保険事業の実施のため必要な予算を計上しており、一般会計から三十三億五千百万円を繰り入れることとしております。 以上のほか、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、特定土地改良工事、森林保険および中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、昭和四十五年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。 財政投融資の計画額としましては、農林漁業金融公庫ほか三機関および一特別会計を合わせて総額一千七百十四億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和四十五年度農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。 —————————————
○大坪主査 以上をもちまして農林省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○大坪主査 これより農林省所管について質疑に入ります。 質疑に先立ちまして念のため申し上げます。 議事進行の円滑をはかるため、質疑を行なわれる方はあらかじめ政府委員等を御要求の上主査に御通知をお願いいたします。 質疑の持ち時間は、先例により、本務員は原則として一時間、兼務員もしくは交代で分科員となられる方は原則として三十分にとどめたいと存じます。なるべく多数の方々に御質疑をしていただきたいと存じますので、各位の御協力をお願いいたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。松浦周太郎君
○松浦(周)分科員 簡単に御質問いたします。 七〇年代のわが国の経済を考えるにあたりまして、他産業に比べてきわめて困難な条件の重なっている農業の行き詰まりをどう打開するか、農民にとっては重大な関心事であるばかりではなく、国民的な関心のもとでもあると思います。 そこでまず私が第一にお尋ねいたしたいことは、農業地図の制定が急務であるという点であります。最近の問題といたしましても、米作の転換が急務を要するというような今日の状況に対しまして、いまこれがあったならば、非常に便利であるということを考えられるのでありますが、いまそれがないのが残念であります。でありますから、私は農業の地域的な生産の便宜から見ましても、どうしても農業生産の地域分担を四十五年度中に作成せられてはどうか、ひとつこの御努力をお願いいたしたいということを申し上げたいのであります。その条件としては、私のいままでのいろいろの面で考えてまいりましたことを申し上げますならば、この条件は土壌の構成、自然条件、地理的立地条件あるいは運輸交通の関係あるいは流通市場の関係等から見て作成されなければならないというふうに思っておりますが、これに対しまして、大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○倉石国務大臣 最近の農作物の需給動向を見ますと、従前にも増して需要に見合った農業生産を進めることが必要でございますので、地域の生産を需要の動向に沿うように誘導してまいりたいと考えております。このため、農林省といたしましては、適地適産の見地から、現在都道府県の協力を得まして、地方農政局単位及び都道府県単位の地域分担の作成に鋭意努力いたしておるところでございますが、農業地図について御指摘がございました。たいへん重要なことであると存じまして、先般来部内におきまして、そういうものの作成に取りかかっておるわけでありますが、四十五年度中には完成いたしたいと鋭意努力いたしておる最中でございます。
○松浦(周)分科員 長年の懸案でありますから、いままでも相当下準備があり資料も集まっておることと思いますので、これを必ずぜひ今年度中にまとめて——今後、米の調整問題は今年一年で済む問題でもありませず、同時に転作問題その他がありますから、ぜひ今年中にまとめて、その基本に基づいていろいろな指示をしたり指導をしたり、あるいはまた協力をするという点においても、一つの指針になると思いますから、よろしくお願いいたします。 その次は、私は、きのう付の十日の新聞一面に読売と日経に出ておりましたものを見まして非常に喜んだのでありますが、それは大規模農家の育成をするという、大臣の御発表とは言われませんけれども、新聞に出ておりました。また農産物の価格政策を根本的には洗い直すことが急務であるという農政審議会の会長の小倉君の案も出ておりました。新聞のことですから深くは出ておりませんが、こまかしいところまではわかりませんけれども、これを一目見ただけで私の考え方は、これは非常に賛成なんです。細部に行けば合わぬところもあるかもしれませんけれども、おおむね私はこれに賛成しておりました。日本の農業は需給関係を反映しない面が強かっただけではなくて、農業構造の改善、近代化を誘発する機能が弱いという欠陥を持っておりました。これは日本農業を誤らしめた一つの大きな原因であります。物が余っても輸出ができないということはどうにも納得ができない。これが大なる政策の誤謬をおかしておったということを、いま反省しなければならぬときではないか。しかし一方において、戦後国民経済の発展と国民生活の向上のために重要な役割りを果たしてきた農民一人一人の創意くふう、汗の結晶である努力というものは、高く評価をし感謝と敬意を私は表するものであります。すなわち、今日の農業のあり方は、経営規模の拡大ということが行なわれず、単に価格政策だけで増産をしなければならないというようなことであったことは言うまでもありません。だから根本的に立て直すべきときが来たのであります。この誤りは政府のみの誤りではない。政党にもその責任なしとしないと私は思うのであります。特にある政党のごときは農民の追い出し政策だなんといって、いろいろなことを発表するので、それは農村から農民を追い出すだなんというようなことが、ずいぶん国会の速記録に残っております。また当時の農村の保有人口というものは四〇%もあった時代があるものでありますから、そういう議論が出たのもやむを得ませんけれども、今後、輸出国家として立っておる日本がだんだん労力が不足になって、農民人口が工業に転化してきたという今日、今後も工業技術国家として立っていかなければならない日本は、先進国のこれらの国々に比べれば、イギリスのごときは七%以下、ドイツでも一〇%前後といったようなことになっておりますから、日本もさらに、現在は一七・八%から二〇%くらいの保有人口を持っておりますが、これを一〇%以下くらいのところまでで国民の食糧を充足させるという政策がほんとうに挙党一致で取り入れられなければならないと思うのですよ。そうでなければ、農村追い出しだとかなんとか、そういう狭い根性では、国際的に工業国家として乗り出していけない。そこで農業がその面に立ってどういうふうにしていかなければならないか。農業が近代化をはかるためには、農業が産業として確立できるような、規模を大きくして生産性の高い、コストダウンをしての健全性の高い農業経営ができるような範囲内まで育成していかなければならないと私は思います。 私は戦後五十カ国ぐらい外国を回っておりますが、二十五、六カ国一度に回った年がありますが、そういう農業国を全部回ってみると、日本の農業が非常におくれているのです、その点については。これはもっと極端に言うならば、いままでの農地法、いま改良された、きのう説明された農地法というものは、あれは徳川時代の延長なんです。そのくらいの経営面積なんですよ。それをもって満足しているような行き方では、近代的な、世界の第二位とか第三位の工業国家になるなんというようなことはできないと私は思うのです。それと見合った総合的な経済政策の前に立って、これが経営規模の拡大した、農業も産業としてりっぱに立っていけるというようにしなければならない。これが倉石農林大臣の発表の中に大きく浮かび出ておりますから、その点から見て私は非常に賛成だと言っておるわけなんです。いわゆる現在の四倍ないし五倍にしたい、そうして健全なる農家を育成したいということが出ておりますから、それで私は賛成なんでありますが、これとともに価格政策も、小倉君が出しておる分についても検討の必要があるが、方向としてはやや似通った方向に出ておりますから、私はこれの方向を、短い時間では具体的に言われないでしょうけれども、まああなたの確信のあるところをちょっと述べていただきたいと思います。
○倉石国務大臣 御指摘の点は私どもまことに同感でございまして、農業もやはりわが国の経済構造の中で重要な地位を占めるわけであります。それにもかかわらず農業の生産性は他産業に比べて落ちている点があります。これをどうやって水準に引き上げて、そして国際競争に立ち向かい得る農業を育成するかということでございますが、私どもは総合農政の基本にも述べておりますように、やはり経営規模の大きな農業をやって、そしてコストダウンすると同時に競争力の増強をはかっていくようにしなければならない。そういうことのために、これからそういう方向で農政を進めてまいるわけでありますが、御承知のように、いま農業物資をはじめ、すべてのものが国際経済の中に立って競争してまいるためには、いろいろ自由化の大きな波にも対処してまいらなければなりません。そこでやはり私どもといたしましては、生産と消費との調整ということがたいへん大事な問題になりますので、その間に処して価格政策というものはどうあるべきであるか。御承知のように政府の諮問機関であります農政審議会等においても、種々そういう御意見も出ておりますので、なおそれらとも十分御相談をいたしまして価格政策にも対処してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○松浦(周)分科員 そこで私は先ほどの施政方針の設明の中にもありましたが、兼業農家というものが七割くらいあるわけですね。三分の一しか自立農家と見られないと思いますが、それが三反、干反を所有しておる。この兼業農家の三反、五反をどうして処理するか。いま大臣のお話の中には小農の生産組合組織をつくってやらせるというお話もありましたが、それは一カ所にかたまっておればやりやすいけれども、なかなかどうもそうはいかぬ。なかなかこれはむずかしい問題であるが、この買い入れについて、つまり経営規模の拡大をする人が土地を買おうとする場合における、三反、五反を買い入れるについて、買い入れられないときには、どういう委託方法をとるかという問題が一つの問題になると思う。もう一つは、結局委託方法をとればこれは小作制度になるであろうと思う。その小作料の限度を一体どうするかという問題。それが大きな経営規模の中に三反五反のものが方々にあって、そのぽつりぽつりとあるものが青天井式な小作料であったならば、しまいに経営自体が成り立たなくなるのですよ。だからここのところの調整をどうくふうされておるか。それと生産組合、大臣のさっきおっしゃった小農の生産組合というものとはどういう関係があるか、これについて御説明願いたい。
○倉石国務大臣 私ども総合農政の考え方で規模拡大のことを言っておりますけれども、わが国の特殊事情で、しばらくの間は、ある期間、かなり長い時間かかると思いますが、兼業農家というものの存在を無視することはできません。そこでいま私ども一般地方の方々に会ってみますと、この兼業の所得をふやしてもらいたいんだという考えがほとんど全国一律にございます。私はそうだろうと思います。また学者の中にも、むしろそれを中心とすべきであるという説をなされる有力な学者もおいでになるのでありまして、そこで総合農政の考えの中でも申し上げておりますように、私どもはどこまでも規模拡大の自立経営のできる農業を中核にいたしまして、それに配するに兼業農家の人たちもその集団営農の中に入ってやっていただく。同時に地方に分散される傾向にあります工業にその余った労働力を吸収して現金所得を取ってもらうという形がいいのではないか。そういう場合にいまお話しの小さな農地をどうするか。これは規模を拡大していかれる農家に譲渡していただくことが第一にけっこうでありますが、やはり農村の人たちとしては先祖代々持っておる土地を手放したくないという考えの方もかなりございますので、ただいま国会に御審議を願うために提出しております農協法の改正案の中にもありますように、農協なども一役買ってもらって委託経営ができるようにしようではないか。この限りにおいてはやはり在村せざる地主があるわけでありますから、そうなると小作、それから不在地主を認めるという形になるわけであります。そういうふうにいたしますときに、ただいまお話しのように小作料の問題が出てまいります。このことをいまちょっと担当者のほうから考え方を申し上げさせていただきます。
○中野政府委員 小作料の問題につきましては、御承知のように、現在農地法によりましてたんぼは大体四千五百円、畑は千七百円程度で統制をしております。しかし全国一律にそういう統制をしておりましては、貸そうという農家もなかなか貸しません。そこで、今回の改正案では小作料の統制を新しい契約からは撤廃をしたいと考えております。しかし撤廃したままでは先生御指摘のようにいろいろな問題が出てまいりますので、現地の実情に即するという意味で、各市町村の農業委員会に標準小作料というものをつくらせるという考え方にしております。それに基づきまして、各地域の生産力、土地条件等に応じた小作料の水準というものをきめます。なお、これを守らないような農家に対しましては、農業委員会が勧告するという制度をつくって対処したいというふうに考えております。
○松浦(周)分科員 いまの小作料の問題、この問題は一番大きな問題になってくると思います。それと同時に、売らないということが一番ネックになると思いますけれども、大臣のおっしゃるように、こういう人たちが集まってそれで組織された組合農業というようなものになると思いますが、それはこの小農だけではないでしょう、地域的にそういう人ばかりではないのですから、まざったものになろうと思うのです。ということで、この組織体の運営というものが——もうすでにいまやっている委託請負農業はあるのです。あるのですが、やはりソ連やそれから中共におけるコルホーズやソフホーズのような傾向になりまして、愛情が作物や農地に注がれなくなってくるのです。それで経営上うまくなくなってくる例が、すでに青森でも二、三カ所出てきているのです。そういう問題がありますが、自分の経営であるといったような、愛情が注がれるような組織にしていかなければ、これはどうしてもうまくないのです。そこで小作料ははずしていくことはいい。小地主にも十分な利益を与えてやらなければなりませんが、同時にまた青天井にしたために経営者が困るようなことも困る。この点が今後一番重要になりますから、ひとつ委員会でもつくって衆知を集めて方法を講じていただきたいと思いますか、この点についてはいかがでしょうか。
○倉石国務大臣 大事な問題でございますので、そういうような御意見も加味して、ひとつ慎重に検討していきたいものと考えております。
○松浦(周)分科員 それからその次には、先日来ずっと予算委員会に出席しておりましたが、大臣との質問応答は、大体米の生産調整の問題が非常に問題になっております。結局返事のしにくいような聞き方をするということもあると思うのです。頭から全量を買い入れするか、それはなかなか買い入れできないといったようなことになる。でありますから、私はこういうふうに聞きますから、ひとつお考えを願いたい。 先日からの質問の中で聞いておった結果から見ると、まず保有米、それから自主流通米その他ということをよく大臣は言われますが、私の考えからざっくばらんに言えば、生産調整のために三万五千円の金をもらっておきながらさらに生産をした、それも買えというような場合はこれは無理だと思うのです。そういう三点を除いたもので供出してきたものは、従来と同じように食糧庁は買わなければならぬ。これは食管制度堅持の方法ではないか。このことが、生産調整を真剣に推進しつつある農業の指導者や組合の連中、また米作農家が非常に心配している点でありますし、また、大臣の一言一句が大きな衝撃を与えております。でありますから、いま平たく私が申し上げましたような方法でおやりになるとするならば、別に論争する必要もなければ、完全に食管制度は堅持されていくことになりますから、そのことについてお尋ねしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 私が申しておりますのは、いま御指摘のようなことについていろいろな聞き方があるものですから、そのつど簡単にお答えしているわけですが、今度生産調整をやっていただくということで、たとえば三万五千円を受け取ったという方が、調整をなさらないというような場合も出てまいりましょう。そういうのはお金を返してもらう、こういうことであります。でありますから、それ以外のことでありますならば、従来、御存じのようにすべての米を買っておりますから、ずっとこれが慣習づけられて行なわれておりますので、そのことに変化はないわけでございます。でありますからして、今度はもっと突っ込んだ尋ね方をなさる方が、生産調整がうまくいかなかったときはどうするかというお話でございますけれども、そのときはそのときのこととして、ただ従来どおり私どもといたしましては、米をずっと無制限に買い上げておるというのが何十年とやってまいったことでありますので、そういうことについて特にことし変ったことをしようということは考えておらないわけでございます。
○松浦(周)分科員 それで、私はいままでの予算委員会及び本会議を通じていろいろもやもやしたことは済んだと思います。それを、聞き方が頭から全量買い入れるかと言うと、そうでない、こうだああだと言わなければならないのですが、自主流通米であるとか、保有米であるとか、あるいは生産調整の契約をして金を取っておきながら米を作って買えというような、これは契約違反なのですから、金を返させると同時に、それは買わなくてもいいと思うのですよ。そういうことを罰するためにもやらなければいけないと思うのです。けれども、それ以外のものは従来どおり買うというならば完全に食管法を堅持しておりますから、もうこの問題は片づいたと思いますから、そのようにひとつやっていただきたいと思います。 次に、米の生産調整は、生産団体や農民は少なくとも一年だけでは困る、三年はやってもらいたいというのですけれども、私は休耕だけではなく——この問題は重大であると思うのです。というのは、私はこの問題を党内で相談したときに、ちょっと大きな話をし過ぎたものですから、松浦の話は大き過ぎるというのできらわれた感じがあるのです。しかし、これは先ほど来、農業経営規模を拡大するという大臣の考えからいうならば、やらなければならないことなのです。なぜなれば、経営規模を拡大するということであれば、それはどうしても機械化作業をしなければこの手不足のときにどうにもなりません。したがって、経営を近代化、機械化するということになるならば、その一番前提条件になるものは三畝や五畝のあぜではどうにもならない。少なくとも三反とか五反とかいうようなものでなければならない。だから、どうしても圃場整備が先決問題になるのです。だから今年お出しになる約九百億の金を圃場整備にやるのだといったほうがむしろはっきりしているのではないかと思うのです。ということで、これはブルドーザーがないと技術的に作業ができないとみんなが政調会で言ったのですが、私は十年なら十年続けて政府はやるのだ、そして日本の農業の大革命をやるのだということであるならば、そんなものは、機械は幾らでもできるのです。できますから、現在五万五千町歩ぐらい通年作業も通じてやっておるそうでありますか、これは年に二十万町歩ぐらいずつ七年ぐらい続けてやったらどうか。そうすると百四十万町歩になるから、この水田保有面積の約半分いくのです。約半分いけば、これは自立農業の関係の大面積農業というか、経営規模拡大で自立農業をさせようとするものに対しておおむね均てんできる。同時にこれが三反歩、五反歩の連中が圃場整備に、承認しなければやれませんから、なかなか承認をとるのはむずかしいですよ、その承認のとれたのはその中へ入れてやるということをすれば、百五十万町歩できるとすれば約半分ですから、半分機械化などでどんどんやっていくとすれば、あとは自然にまかせてもやっていけるのではないか。そのくらい大きな考え方をお持ちにならぬと、うたい文句だけになってしまう。片方は三年続けてくれというのは、ただもらうだけのことを考えているが、ただやるというのは、今年でも圃場整備の補助金としてやるといったほうが、圃場整備を夏やれば米をつくらないのですから、北海道のごときは圃場整備を希望しているのです。というようなことでございますから、そういう考えになって積極的に大面積農業というものを推進する基礎工作をひとつこの際、今年はこれでおやりになる、来年以降のことはこれからだと、いままで答弁されておりましたから、きょうは七年やるとは言われぬでしょうけれども、どうか大いに研究されて、このことはひとつ政府においても、党内においても私ども大いに主張したいと思いますが、御研究を願いたいと思いますが、御意見をお伺いいたしたい。
○倉石国務大臣 ことしは、初め考えましたときは、全部転作でなければ困る、休耕に金を出すことについて非常に消極的な御意見もございましたが、いまは非常な時期であるということで、そういうことの区別をせずに奨励金を出すことにいたしたわけでありますが、それにいたしましても、私どもは今度生産調整をしていただくその地域に、いまお話しのような圃場整備、それから構造改善事業等もからませまして、あとう限り経済的にその効果があがるようにいたしてまいりたい。逆に申せば、米は別といたしまして、ほかの農作物に対しましてはできるだけ自給度を高めてまいりたいわけでありますし、そのことがまた農家も裨益するわけでありますから、御指摘のような考え方で、米の調整奨励金は本年で一応、本年は本年ということにしてありますが、農業政策でございますから、御存じのように継続的にやるべきものでありますから、お説のような考え方で進めてまいりたい、こう思っておるわけであります。
○松浦(周)分科員 どうかそういうふうな方向にひとつ政府内でも議をまとめて進行していただきたいと思います。 その次は米の消費奨励について。この消費奨励について、森田君はあとで学校給食のことについて相当言うようでありますから、それは申しませんが、この米の持っている性格をもっと科学的処理をしたならば、小麦の粉と同じように、でん粉と同じように使えるのではないか。今日のような科学技術の進歩したときに、これだけの資源があるのですから、その資源を、どうもせっかくできたけれども余るからやめるのだという、せっかく農民がつくってくれるものを、こちらのほうの、利用する側のほうの研究が足りないために、資源ができたけれどもやめさせるなんというのは、近代人としては少しおかしいのですよ、ほんとうは。 そこで、大臣、こういうことを考えたらどうですか。四百万トン小麦を入れているのですね。小麦のように米が使える——玄米パンをやってみたんだが、それは玄米パンだってほんとうは食べたらいいのですけれども、なかなか小麦のように食べられない。何でも小麦と同じように使えるように、米の粉を使えるものを研究したならば、一億円ぐらいの懸賞金をつける、このくらいの価値はあるのですよ。そうしたならば、いまの米の政策は一ぺんに吹っ飛んじゃうのですよ。ということは、これは夢みたような話だけれども、これはどうして、四百万トンの輸入をしなくてもよくなるのだから。それは多少小麦よりも味が落ちてもしかたがないと思うのです。うどんだって何だって、私はできぬことはないと思う。そういう倉石式のひとつ思い切った懸賞募集をやってみたらどうだ。日本には技術者はたくさんいるんだから、これは笑いごとじゃないです。こういうことをひとつやられてみたらどうだということを提言してみたいと思いますが、あなたのお考えはどうですか。
○倉石国務大臣 米の消費拡大につきましては、いままで農林省でもいろいろなことを考えて、ぼつぼつ試みてはおります。たとえば、みそ、しょうゆの原料に、いままで安い外米であったものを国内米を用いるとか、学校給食にやるとか、あるいはライスフレークといったような、そういうものもいろいろ検討し、それからこの間またある方が、パンの中へ二〇%米を入れまして試作して持ってきましたが、これは実にりっぱなものであります。それで何万トンかの原料米を希望したいというふうなお話もございました。そこで、ただいま松浦さんお話のございましたようなことも、なかなかおもしろい着想であると思いますので、きわめて最近に学識経験者、御意見のある民間の方々にお集まりをいただきまして、この消費拡大について、ひとつしっかりいろいろな立場から知識を出していただきたい、そういう催しをいたすことになっておりますので、ただいまのようなお話もその中に参考にいたしまして、できるだけ消費拡大に邁進したいと思っておるわけであります。
○松浦(周)分科員 米作転換の第一のものは、やはり畜産が王座であると思います。その畜産は、何といっても飼料が中心でなければならぬ。わが国の畜産は、これは畜産業ではないのです。飼育管理ですよ。なぜならば、自分の国で飼料をつくっていないのだから。四十三年度は六億五百万ドル輸入しております。この前まで五億五千万ドルぐらいだと思っておったら、きょう調べてみたら六億五百万ドル。そのうち米国のカリフォルニアからはヘイキューブという草の乾燥したやつまで輸入しているのです。これは二万トンぐらい輸入しているのです。草まで輸入しているといったような畜産国があるものではないです。これは全く飼育管理であって、畜産業ではないのです。だから、私はやはり米をやめる、転換するなら畜産が王座になりますから、この畜産に対する飼料の自給対策を目標とした生産拡充が問題である。同時に、耕地のほかに広域な未開地などの未利用地々開発して、畜産事業の飼料作物を導入することが必要ではないか。水田あと地でも、考え方によっては豆なんか密植して、豆の花の咲きかけた時分に青刈りしてやれば、相当高たん白の飼料になることはもう実行されておりますから、そういうことも考えられるが、とにかく飼料を自給するということに農林省はもっと力を入れてもらいたいということであります。この飼料自給に対し、その自給計画その他についての計画がありましたならばお伺いいたしたいのでございます。
○倉石国務大臣 松浦さん御存じのように、最近米の一人当たりの消費量は減って、逆にほかの食物がどんどんふえてきておる。その中に足りないものが畜産関係でございます。私は、特に北海道のようなところは非常に新しい近代農業をいたすに有望な地域ではないかと思っておるわけでありますが、ただいまたいへん専門的なこともございましたので、畜産局長から一応のことを申し上げたいと思います。
○太田政府委員 先生のおっしゃいますように、畜産経営の確立を推進するためには、何と申しましても飼料基盤の整備が必要でございまして、現在御承知のように、草地の造成につきましては土地改良長期計画に基づきまして、昭和三十九年十二万三千ヘクタールを十年間で四十万ヘクタールふやしまして、五十二万三千ヘクタールにする。さらに既耕地における飼料作物の導入事業につきましても、これは具体的な計画はございませんが、年々二万ヘクタールから二万五千ヘクタールくらい造成をいたしまして、既耕地における飼料作物の導入事業をいたしておるのでございます。さらに、今回の水田転換に伴いましても、できる限り現在の良質の飼料の給与率が必ずしも理想的な給与になっておりませんので、これをできる限り高めるという趣旨で、水田転換に伴いまして酪農家が所有する水田等につきましては、できる限りこれを飼料作物等に転換するという指導をいたしておるのでございます。
○松浦(周)分科員 いまのお話は、私ども北海道でやっておりますからよく知っておりますが、それだけでは足りないから申し上げておるのであって、いま申し上げましたような数字が輸入されておる。それはおおむね濃厚飼料なんです。しかし、草も先ほど申しましたようなものはカリフォルニア等から入っておることも御存じのとおりでございますから、私は四百万トン入っておるトウモロコシやなんかのような濃厚飼料の代用はなかなか草では困難であると思うが、フスマのようなものの代用は草でできる種類があると思うのです。それは他の国ではやっているのです。相当でん粉、たん白の含有した種類の草をよその国ではつくっておる。問題になっておるロシアでつくった草が、いまでは日本にまで持ってきておりますが、たん白の量は非常に多いのです。そういうことで、日本の畜産に対する草の試験場というものは全く小さなものだったのです。私どもは昨年このことについていろいろ北海道の政治的な関係がありまして、畜産局長にいろいろ御尽力も願ったのですが、とにかく相当な大規模の草地試験場をつくってもらうことになりました。しかし、これをつくってもらって、予算をとってもらっておって、いよいよこれから仕事をやるのですが、私は皆さんを前に置いてそう言っては失礼でございますけれども、北海道を開拓するときにクラークとかケプロンとか米国の学者をたくさん連れてきたのです。それで北海道の開拓をやったのです。私はスウェーデン及びデンマークあるいはフィンランドに行ったときに、日本で畜産をやるというが、一体草はどうしてつくるのだと言われた。いや、草は牧草をつくりますよと言ったら、君の言う牧草というのは禾本科のチモシーや、ああいうものだろう、そんなものをつくって牛馬を飼うなどというのはおかしいよ。大体日本人というのは草をつくることについては世界的の権威はない。米をつくることについては世界的の権威が文献の中にある。草はない、こう言った。それで私も帰ってきていろいろやってみると、そのことがはっきりしているのですよ。試験場はできたが、その試験場を動かす原動力を一体どこに求めるのだということだ、私の聞きたいことは。だから、私の希望は、北海道開拓のときにやったように、それはしかたがないから、先進国のやっぱり相当有力な科学者を一人か二人招聘して、それをけいこ台にして若い青年を育てていく。そうしてそれをもってたん白質の多いコンフリーでも——コンフリーなんかはたん白質は非常に多いのです。あれはソビエトのコーカサスの試験場でつくったのです。ああいう北のほうでもできるのです。だからああいう穀類を食わせないでも、あれを食わせれば穀類のかわりになると言っておるのですから、それがいいかどうか、日本にはわかりませんが、この国の自然条件に合ったもので適当なものをつくることのできるのを、亜熱帯はだめですけれども、温帯地方と寒帯地方の交配くらいできるのですから、これをひとつ大いに品種改良をしてやれるような科学者を招聘したらどうだということを考えるのです。これをきょう約束してください。これを入れなければ仏つくって魂を入れないということになるのですよ。これをひとつ大臣、お願いします。
○倉石国務大臣 大事なお話でございますので、この間草地試験場を新たに設けます農林省設置法の一部改正案も御審議願うことにしてあるわけでありますが、ただいまのような今後の試験研究の進展に対処いたしまして、いまお話しのございましたようなこともとくと考慮にいれて研究を進めてみたいと思っております。
○松浦(周)分科員 その次に畜産のほうに入りまして、乳のことを少し聞きたいと思いますが、農林省の前の発表は昭和五十二年には需要量の自給率は九六ないし八七%に上昇するということがあったが、その検討が甘かったとみえて、四十二年にはオーバーしてしまって、国産のものが余るという状況になっておる。これについて再検討しておると言われるが、これは一体どうなっておるか、これを一点畜産局長から直接にお答えを願いたいと思います。 それから、余剰生産、国産牛乳製品が過剰になっておる。在庫がだんだんふえております。これは自給率の高まりと外国製品の流入に起因するものであり、四十四年は民間過剰在庫五十万トンが牛乳として余る。それから事業団が買い上げに出動するまでになっておりますが、何で政府はこうなっておるのに生乳を学校給食に使わないか。四十四年度には二万一千七百五十七トン輸入していま手持ちしておる。手持ちしているのだから、これからは学校給食用として入れずに、現在あるものでこれを使えば、国内の需給関係が相当緩和されるが、今年も入れられる考えがあるかどうかという点です。もう一点は、外国の乳製品の主流は、大体学校給食用二万六千四百九十五トン、それからナチュラルチーズが二万九千五百八十七トン、これが生乳にいたしますと七十万トンに達します。したがってナチュラルチーズ国産化育成対策がきわめて重要な意義を持つということになっておりまして、前にエム・ケー・チーズのときにずいぶん畜産局長と努力し合ったのですが、割り当て関税制によって、今後国内において工場をたくさんつくっていくという考え方はよかったけれども、この割り当て関税制というものは逆に考えると輸入奨励のようなことになってしまった。それで現在ナチュラルチーズの国産化推進について一体どういう方向に工場ができつつあるか。とにかく余り牛乳をどんどん国内においてチーズに直さなければならない。それがほとんど目に見えた事業が行なわれておらぬということになると、輸入奨励をしたような結果になってしまう。これについてもう一点。 それからもう一つはナチュラルチーズの国産コストの問題でありますが、大体日本品の二分の一、CIFで入ってくるのですよ、だからこの価格ダンピングにはどうにもならない現状にある。そこで私は去年から主張しておりましたが、どうもこういうダンピングをやれるものに割り当て関税なんかではだめなんだ。だから去年きめた割り当て関税をやめてこれはやはり課徴金制度に直して、この課徴金制度によってできた金で国内のチーズの増産、工場をつくなりあるいは不足払いの資金になりしちゃったほうがもっと適当ではないか。去年これをやってその結果がうまくいくのかどうかという点を、きょうは畜産局長にひとつ返事を聞かなければいかぬです。 乳の問題についてはもう一つ申し上げます。ナチュラルチーズの問題か、そういうことでわれわれの目にとまるような工場ができていかない状況になっておりますが、今度生乳の飲用奨励というか、全国民に生乳を安く飲ませるということが一つの問題になると思うのです。これはあげて、どこにあるかというと、流通経済の改善にあると思うのです。デンマークやスウェーデン及びもう一つはオランダ、その三カ所のことを私はよく調べたのですが、これは最終消費者の払う価格の六割五分が生産者にいくのです。ところが日本は最終消費者の払う価格の三分の一しか生産者にいかない。ここのところへメスを入れない限り——この点はいまは畜産局長だけに言っておりますが、魚類も蔬菜も生鮮野菜もその他の問題も、副食物の値段が上がった、下がった、急騰するというものの流通機構も同じことなんです。そのために政府に始終いじめられて困っておりますが、一つ英断をもって農産物の流通機構の改善というものを、直接消費者に生産者から早道に渡るように、途中の流通関係の現在の不合理を思い切って改善する。これをやれば倉石農林大臣は永久に日本のことをやってくだすったということになるのですよ。実に大きな仕事なんです。これをひとつ、一番あとの問題は大臣に、前の四つは局長にお願いします。
○太田政府委員 牛乳の需要の見通しでございますが、一昨年の十一月に公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、大体四十一年を基準といたしまして五十二年で一・九倍ないし二・一倍くらい伸びるであろう、この段階におきましても、国民の一日当たりの消費量は〇・六三本ぐらいでございますので、われわれはこの程度の需要を見込んでも誤りなかろうと思っております。先般も申し上げたのでございますが、畜産局は酪農近代化の基本方針というものを昭和四十年に策定いたしたのでございますが、一応五年を目標にきめたのでございまして、これがすでに時期も参っておりますので、今回昭和四十五年度におきましては、昭和五十年度を目標とした酪農近代化の基本方針を策定いたしまして、この際にも需要の測定等につきましては十分やってまいりたい、かように考えておる次第でございます。 それから学校給食の問題でございますが、御承知のとおり、昭和四十一年に学校給食の計画目標を定めましたときには、おおむね昭和四十五年度に全量生乳に切りかえるということを発表いたしたのでございますが、先生も御承知のとおり、四十一年、四十二年というのは非常に生産が落ちまして、対前年五・八あるいは四・六というようなことで、生産が非常に落ち込んだのでございます。その当時は学校給食のテンポが低うございましたので、実は昭和四十五年度にはまだ全量生乳に切りかえるというわけにはまいらないのでございまして、明年度は六十万石ふやしまして二百七十万石ということにいたしまして、これをトン数に直しますと五十万六千トンでございます。これによりまして、現在実施いたしております学校給食の八九%が生乳によって供給されるということに相なるわけでございまして、できる限り早い機会にわれわれはこれを全量生乳に切りかえたい、かように考えております。 それからナチュラルチーズの国産化の育成の措置といたしまして、先生のおっしゃいましたように、関税割り当て制度で当面は対処するということにいたしておるのでございますが、現在エム・ケー・チーズは、北海道庁に対して工場の申請をいたしておるような段階でございます。その関税割り当て制度の実施を一応われわれは本年の十月からというふうに考えておりまして、現在そのための改正法案を提出いたしておるのでございまして、あのエム・ケー・チーズの認可にあたりましていろいろ議論をいたしたのでございますが、その際申し上げましたように、一応関税割り当て制度で発足してみまして、国産化育成ということが十分進まない段階には、先ほど先生のおっしゃったようなことも逐次考えてまいりたい。とりあえず関税割り当て制度でこれを実施してみて、どういう結果になりますか、とにかくその推移を見まして、さらに次の問題の手を打ってまいるということにいたしておるのでございます。 それから流通の合理化の問題として提案なされました点ですが、われわれも確かにこの点につきまして最も頭を痛めておるわけでございまして、従来の家庭配給のいわゆる小売りによる宅配が消費の拡大に相当役立ってきたのでございますが、最近におきましては、人手の不足等に伴いまして人件費のアップ、実はこれがまた小売り価格の値上がりにつながるわけでありまして、ここで値上がりいたしますとまた消費の伸びが鈍化するということがございまして、いわゆる小売り主導型での値上げという問題も極力われわれは押えなければならぬわけでございまして、そのために小売り段階の流通合理化ということが、行政的に見ましても焦眉の急であるわけでございます。そこでわれわれといたしましては、いわゆるワンウェー容器の採用等あるいは容器の大型化、さらには従来毎日配達しておりますものを隔日配達にするというような、従来ともいわれてまいりました流通合理化の諸方策につきまして、思い切って本年度は実施に移したいということで、現にそういった動きが小売り段階でも出てきておりまして、消費者にわりあい抵抗なく受け入れられているというようなこともございますので、さらにその芽を伸ばしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○倉石国務大臣 一般農産物の流通機構の改善につきましてはたいへん大事なことでございまして、やはり生産者から消費者に直結できることが原則として望ましいことでございますけれども、その間における取り引き関係、小売り業の——いま畜産局長の申し上げましたような小売り商というものの特別の便宜さなどもありますので、いろいろ問題はあるようでありますが、私どもといたしましては、先ほどお話のようなことは常に気がついておりますので、なお一そう研究を進めてまいりたいと思っております。
○松浦(周)分科員 時間が限られておって一問一答できなくなって、全く一年生の質問みたいなことになってしまったのですが、それじゃひとつ個条的に言いますから、それぞれの局長から答弁してもらいたい。 大型機械については助成金があるが、一番肝心の中型機械については補助金がないが、これについて補助金をつける考えはないか。 もう一つは、合成繊維は目ざましい進出を遂げておるけれども、羊毛の需要はもちろん根強い。羊毛は国内で生産があっても五%くらいであります。でございますから、羊毛の輸入を調べると、これはもう少し行っていいと思うけれども、合成繊維のほうに押されて四億ドル台を割っておりまして、三億六千五百万ドルくらいでございます。しかし羊毛の需要量はイギリスを抜いて世界第一番であります。この羊毛の自給はできぬにしても、もう少しつくる考えはないか。北海道のような冬雪が降って遮蔽しなければならぬところではそんな安いものはできませんが、九州とか中国とか四国地方において——林野庁長官おられますか、これひとつ研究して綿羊のような小動物ですから、林間放牧を研究してみたらどうか、牛や馬は林間放牧をやれば木をいためますけれども、綿羊ならば林間放牧をやっておる地方はあるのです。でございますから、これをひとつやってみら、どうかという点です。 林野庁の長官にもう一つ申したいことは、木材の需給の関係でございますが、これはもう言うまでもなく日本の森林は戦中、戦後の復興に際しまして、非常な乱伐、過伐におちいって、全く国土保全を脅かしておりますことは御承知のとおりであって、いまこの復旧造林その他に狂奔されておられます。けれども、それだけではならない。この木材は原料の輸入の王座を占めており、いま十一億ドル台に達しております。木材の需要量の約五〇%というものでございます。まあ木のことですから、そう早くは育ちませんけれども、何年後くらいに自給の関係が一体保たれるのか、これをいまの綿羊放牧のときに一緒に答えていただきたい。 それからもう一つ経済局長にお尋ねいたしたい。農地取得資金について。これは現在までの情勢は、経営規模の拡大を叫ばれている率は非常に大きい。しかし従来の農地取得資金というものは、内地は百万円、北海道は二百万円ということでございました。これは何%か自分の近所にある農地をふやすという程度のものなんだ。今度は四倍とか、五倍というものなのです。この自立農業については少なくとも二千万円、三千万円というものを二分くらいの金利にして五十年年賦——これは私はよりどころがあって言っておるのです。デンマークとかスウェーデンとか、あるいはフィンランドとか北欧の状況を見ますと、みんな長い年賦でやっております。そして十年の据え置きというような方法で貸し付けをやるのでなければ、大臣の最初発表されました経営規模の拡大と一致しないですよ。金が続いていかなければ経営規模の拡大はできないのです。これについて経済局長はどういう考え方を持っておられますか。 それから水産庁長官には、先日日ソ交渉について大臣にいろいろ質問をいたしました。方向は承っております。その後の動きは一体どうなっているか、現在会議も行なわれておりますが、相当困難なようでありますが、現状をお伺いいたしたいと思います。
○池田政府委員 機械化の導入の主たるねらいは、労働生産性の向上にありますことは御承知のとおりでございます。そういうことから従来大型機械を中心にいたしまして、これに対する助成をいたしておるわけでございますけれども、実は従来でも中型機械に対する助成はやっておるわけでございます。ただその中型機械の導入が集団的な利用の役に立つ、そういうような場合に中型の助成をする、こういう考え方でやっておるわけでございまして、私どもは土地条件等に応じまして画一的な方法ではなくて、必要な場合には中型機械の助成もする、こういう考え方でやっております。
○太田政府委員 わが国におきます綿羊の飼育でございますが、昭和四十年には二十万七千頭おったのでございますが、その頭数が次第に減じておりまして、現在四十四年には北海道、東北地方を中心といたしまして、大体六万頭くらいが飼われている状況でございまして、飛躍的な増加を期待するということは、なかなかむずかしかろうと思うのでございます。その理由といたしましては、先ほど先生が御指摘なさいましたように、化学繊維製品の急速な発展、あるいはオーストラリア、ニュージーランド等の広大な土地を擁する世界最大の羊毛生産国からの輸入が伸びているということでございます。一応今後の方向といたしまして、現在われわれが考えておりますのは、採毛用の綿羊の飼育よりも、肉綿羊の飼養に置きかえるほうがよろしいのではなかろうかということでございます。それで現在の飼養の実態は、先ほど申し上げましたように六万余頭のうち、七〇%以上のものが北海道と東北で副業的な形態によりまして飼育されている実態でもございまして、高温多雨の西南地域におきましては、林間放牧等の集団飼育を進めることにつきましては、技術的にもまだ多くの問題が残されているのではないか。そこで実は先ほど先生の御指摘になりましたような肉用牛との混合方式による林野の活用、これにつきましては、すでに私どものほうの牧場でも実験事業として福島種畜牧場の芝原分場で蹄耕法による実験飼育も指導しておりまして、その実験的な結果も出ておりますので、今後は北海道、東北等を中心といたしまして、その技術、経営の改善方法につきまして、さらに検討を進めてまいる、かように考えております。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 第一点の羊を林野で飼わないかということでございますが、いま国有林で内用牛の実験牧場をいたしております。これは林間放牧といたしまして実験中でございますが、四十五年度にはさらに二カ所北海道でも実験の場所を追加指定をする予定でおります。羊につきましては、いまやることは考えておりませんが、今後畜産局と連絡をとりながら検討してまいりたい、このように考えております。 それから木材需給の将来の長期的な展望いかんということでございますが、簡単に申し上げますと、昭和四十一年に策定されました長期の需給見通し、これは昭和九十年には九〇%の自給率に持っていけるであろう。ただし、その条件は、林道とか造林とかその他各種の林業施策が計画どおり遂行された場合ということでございます。その中間の六十年ごろまでは、国内需要の増加率が国内生産の増加率をオーバーいたします。したがって、昭和六十年ごろまでは外材がもっと入ってくるであろうということでございます。
○小暮政府委員 農地等取得資金につきましては、規模拡大をはかる立場から、構造改善のための非常に重要な施策であると存じております。私どもも、今後ともこの制度の充実には最善の努力をいたしたいと考えております。なお、御指摘の北欧等の技術等につきましては、私どももかねてから承知をいたしておりますが、先生も御存じのように、今日のわが国の各種の金融の仕組みの中で、今日直ちに先ほど御指摘のような技術まで含めることは困難と存じます。御指摘の趣旨を十分体しまして今後この制度の充実に努力いたしたいと考えております。
○大和田政府委員 日ソの漁業交渉は、現在カニとサケ・マスと同時並行してやっておるわけでございますが、カニにつきましては、科学者による資源の評価の問題を終えまして、漁獲量その他規制措置についての実質的な討議に入っておるわけでございます。ソ通則は、昨年と同様、カニは大陸だなの資源であること、さらに全般的に規制措置を強化することが必要であるということを言っておりまして、日本側の代表は、カニは公海資源であること、さらにソ連の姿勢に対して一々科学的な資料に基づいて反駁をしておるという状態でございます。サケ・マスにつきましては、三月二日に開会されまして、現在両国の当事者、科学者によって資源の評価を議論をいたしておる段階でございまして、まだ漁獲量の規制その他実質的な討議に入っておらないわけでございます。
○大坪主査 大野市郎君。
○大野(市)分科員 時間の制約がありますので、前置きは省略いたしまして、本論をお聞きしたいと思います。大臣は、農業基本法の精神を体して、食糧のできるだけ大幅な自給の達成ということを考えておられると承知しておりますので、その判断のもとでこれからのことを承りたいと思います。 一番最初に、とにかくわが国農政で未曽有の減反による大政策転換がありまして、その一つの方法として、同じ休耕をいたしますにも、前向きの、プラスの面もあるようにというので、土地改良の通年施行が、国家目的からいっても、農民のためにも非常に有益であろうという着想がございます。そこで、通年施行を各農業者にいろいろと慫慂しておられる段階だろうと思いますが、今年度予算において通年施行の申し出が各地から出たときに、これに応ずるだけの資金量の余裕がございましょうか。この点は農地局長にお伺いいたします。
○中野政府委員 ことしの生産調整の一環といたしまして、通年施行の希望が多いということは、いま大野先生御指摘のとおりでございます。ただ、この点も当初、昨年こういう話が出てまいりまして、いろいろ、私ども地元のほうに出しました節はまだ非常に逡巡しておったということでございます。奨励金が三万五千円になりまして、それも通年施行に出るということが決定いたしましたあと、非常にたくさんの希望が出てまいりました。そこで、われわれといたしましては、通年施行をやるところに、現在提案をいたしております予算案によりまして、本年度国費によりまして約三百十億、これを優先的に配分をいたしたいという考えで、いま御指摘のように、地元のほうの希望をとりながら、割り当てを、内々希望をとって充当できるかどうかやっておるところでございます。ただ、いま私申し上げましたように、最近は非常に希望が出てまいりましたので、全部が全部満たすということは若干困難なような状態になっておるわけであります。
○大野(市)分科員 この点についてとくとひとつ大臣に御理解をいただきたいのですが、私の調査によりますと、二万二千円台の休耕奨励金のオファーのときにはどれくらいの通年施行の要求があるかということの調査があった。それで各地方でこれを取りまとめたのが本部に届いておる。そのためだろうと思いますが、その後に三万五千円台の奨励金の付与が決定をいたしますると、それならばやりたいということで、陸続と通年施行の希望申し出があるが、さて持ち込んでみると、二万二千円当時出さなかったのであるから、三万五千円のこの時期においてそういうものを出されても受け付けるわけにいかぬ、こういうことで、地方でちょん切られておる実態がある。こういうことでは、せっかくたいへんな政策転換で協力を申し出ている者の意欲をそぐのであるから、これが今年度予算において、官庁の組織の上からある程度の集まった数字で予算要求をされるという実態はわかるのですけれども、しかし、現実の基礎条件が変わったときに、前向きのいいことをやろうという者に、そういう冷たい事務的な、もう締め切ったからだめだというような着想で、この政策転換が乗り切れるかどうか、この点予算と関係がありますので、大臣の御所見を承りたい。
○倉石国務大臣 通年施行につきまして、いま要望のありますのは、事務当局から申し上げましたとおりでありますが、私どもは、その前段に百五十万トン以上の生産調整を何とかしてやりたい、こういうことでございますので、それを満たされるような地元についてはひとつ努力をしなければいかぬ、こう思っております。
○大野(市)分科員 その大臣の御趣旨はよく理解できるのです。ただ、問題は、やはり予算の幅があるために——先ほどの局長の答弁でも予算の幅があるためでしょう、申し込みが多過ぎるとチェックせざるを得ないかもしれぬという答弁が最後にありますので、これは通常であれば私はもっともだと思います。しかし、今日は非常時である。特に補正予算のときに福田大蔵大臣は、稲作調整金の問題に対しまして、これは予測せざるものであるがゆえに、予備費からの支出も妥当であるということを国会答弁でされておるので、今回のこの異常措置に対しての反応というものはよほどむずかしい点が多いと思う。したがって、この点に対して、特に万一の場合は予備費をもってしてもこれらの問題に対して善処するという御決意があるかどうか承りたい。
○倉石国務大臣 御趣旨は私どももよくわかりますし、できるだけ目的に到達するために努力をしなければなりません。そこで、いま事務当局から御説明申し上げましたように、非常に多いので応締め切っておりますが、さらに出てまいります要望につきましては、そのことの新しい申し出の状況を十分調査し、お聞きいたしまして、その上でできるだけ何とか処置してまいりたいという意向を持っております。
○大野(市)分科員 この点は部内の問題でもございましょうから、十二分にその趣旨で貫徹できるように要望いたします。 それから土地改良の問題でありますが、この大政策転換によって、土地改良区の中ですでに水田化をされた部落と同じ水系でありながら、水田化が、水田の開田の厳なる抑制という方針で畑作に計画変更をせざるを得ない場所があります。その地方の実態によっては、農家が負担する部分の賦課金の問題で、水田と、水田にあらざるものとに計画変更をなされたときに、賦課金がその農家に及ぼす利益の限度が変わるはずだが、これらに対しての、計画変更に基づく賦課金の変化というものの分析、それに対処する用意がありますかどうか。この点も農地局長から……。
○中野政府委員 今般私ども、開田規制の措置の一環といたしまして、大野先生御指摘のように、地区によりましては、従来どおりの開田を続けることをやめまして、確かに畑作にかえるという地区がございます。その点になりますと、御指摘のように計画変更の手続をやるわけでございますが、いまおっしゃいました受益の程度というものが変わってまいりますので、賦課基準をそういうふうに変えて徴収をするというふうに一般論としてはなろうかと思います。ただ現在そういう地区が、国営から県営、団体営合わせまして、二百数十ございますので、現在地区ごとにそういう問題をどう扱うかということで、三月、四月にかけまして、各地区と御相談をした上でやっていきたいというふうに考えております。
○大野(市)分科員 なおもう一つありますのは、すでに頭首工などができておって、それが計画変更になるというと、頭首工のくみ上げの維持費その他の費用の分担が、少数の水田では持ち切れないというふうな特殊事情の地帯も出てくるのが予想されます。こういう点に対してもやはりあたたかい配慮をなさるべきであろうと思うが、この点に対して局長の見解をお聞きしたい。
○中野政府委員 いまおっしゃいました頭首工等をつくりまして、さて末端の開田をやろうというときにこういう事態になった場合がございます。その場合には大きな頭首工がむだではないかという問題でございます。その場合に、一体それじゃだれがその費用を負担するかという問題になってくるわけでございます。この場合二つ考え方がございまして、一つは大部分ができておる場合には、やはりあと残りの開田をやらざるを得ない場合が場所によってはあるかもわかりません。しかしそうでない場合につきましては、農家から負担金を徴収するわけにはまいりません。そういう場合も出てこようかと思います。そこで先ほど申しましたように、地区ごとに当たりまして、この地区はどういうふうに措置するか、これから地区ごとに詰めたいと考えております。
○大野(市)分科員 これは、最後は大臣にお聞きを願いたいのでありますが、土地改良区からの要請で、三月九日付で県知事あての通達が出されておる。その内容も拝見しましたが、土地改良区が相変わらず徴収を続けてもよいかという質問書に対して、徴収してよろしいという趣旨の答弁書が出ておるが、私がただいま質問いたしましたような、末端農民が協力しながら、なおどうなるのだろうかと思って心配しておる、徴収される側が。土地改良区の徴収する側に対して取っていいぞという通達を流される以前に、いまのような形の、これはまあひとつ御相談しますよというふうな通達、これを役所側が出されるべきではないかと思いますので、これは返答は要りませんが、そういうことが私はあたたかい農政としては大事なことでありますので、一言触れておきます。 それから、時間が何としてもないもので……。米の問題で大減産でありますが、これも事情として、お互いがやむを得ないものとして協力を誓うような体制になったようでございます。そこで、もうじきに田植えが始まりますが、米という一つの品物に対する政府の奨励する方向、どういう方向の米づくりを奨励せられるのか。この点に対しては、政策でありますので、大臣からお答えを願いたい。
○倉石国務大臣 従来は、まあたくさんとれるほうが利益に違いないのでありますから、多収量のものがたくさんでありましたが、今日のような事態になりまして、私どもはやはり品質のよい、味のよい米をなるべく多くつくってもらいたい、こういうことでありますから、したがって、今度のようになりましてからは、作付について銘柄格差、それから等級間格差等を採用すべきだというような、いろいろな御意見も出ております。米の生産にあたりましては、地域の立地条件に適して耐病性、それから機械化適応性等にすぐれて、安定した生産が得られ、そしていま申しましたような品質や食味のよい品種を奨励品種として選択して、普及して奨励してまいるべきではないか、このように思っております。
○大野(市)分科員 ただいまの大量性という部分にひっかかるのですが、良質なる品種というところを最後に述べられましたから理解しますが、この点、国の政策として、生産性の向上をはかるのが基本でございますから、そういう意味で、生産性の向上をはかることはいいが、品種の選択にあたって、大量にとれて、しかも良質なものというのは、何か新しい品種が見つかったのでございましょうか。
○池田政府委員 米の品種は、これは先ほど大臣からお答えになりましたように、最近の事態から食味のいい品種に重点を置くというのは当然でございますが、一方では生産面ですぐれたもの、これは従来から指導しておりますが、耐病性でございますか、病気に強いもの、あるいは肥料をやった場合に、生産面で支障がない。相当多量の肥料をやってもよろしいというもの、あるいは機械化等にも向く、こういうような点は従来からもやっておるわけでありますが、そういうこととあわせて、今後は、品質、食味の点も留意してまいりたい、こういうことであります。
○大野(市)分科員 そういたしますと、国の政策として、その基本方針は理解ができます。しからば、もう田植えも間近でありますが、農民はどうなることかというので、現状では良質、美味なお米に対して銘柄格差がついて、収入がふえるのではないかという期待で、それらの品種の種もみの用意をするかたわら、まことに残念なことでありますけれども、国のやる事柄は多少心配の点もあるというので、多収穫の品種の種もみもとうに保有しておるというような賢い農家が出てきて、われわれはこれの説明に困却しておるわけです。こういうぐあいでありますので、その点、いまの方針に基づいて、時間がありませんので、ほんの二、三種類でもいいですが、たとえばどういう品種名のものを奨励をなさる考え方ですか。
○池田政府委員 これは良質佳味と一口に申すわけでございますが、実は、これがはたして良質佳味かという判定はなかなかむずかしいわけでございます。特にこれはそれぞれの土地の立地条件に合ったということが必要でございますので、他の県でよくても、ある県ではまずいということもございます。そういうふうなことでございますから、私どもはやはりそれぞれの県の指導に最終的におまかせを申し上げたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○大野(市)分科員 時間がありませんので、一番肝心なところですが、各県の指導の体制で、おりる段階で、またそういうことをお伺いする機会があると思いますから、きょうは、その問題は時間がありませんので、次にまいります。 大臣にお聞き願いたいのでありますが、私は、専門家の専門的知識を一〇〇%に活用することは何の場合でも大切だと思います。ある場面のように————のごとき発言は取り消しを要求されることさえも、ほかのところではございましたので、私は専門家は尊重すべきであると思います。しかし政治家の立場といたしましては、やはりさらに高度の多角的な視野からこれを把握していただかなければならぬ。米が余るようになった事情というものをちょっと振り返っていただくと、私の新潟県の実例でいいましても、昭和四十二年までは歯を食いしばって良質美味の米の生産に各農家ががんばった統計が作付面積で出ている。四十二年には、フジミノリという多収穫ではあるが、消費者の好まないお米が全面積の二%から、四十二年に五%という程度のふえ方になった。しかるに四十三年度には一割二分という作付面積まで飛躍しました。これは私は、良質美味のものであろうとなかろうと、外形の分析で等級間格差適用の結果、農家が自分の経験から出て、消費者が食べるのを好まないことを承知しながらも、手取りのふえる多収穫種を採用するに至った悲しい歴史になっていると思うのです。そういう意味合いで、専門家は地方によって違うのだということはあくまでも言い張るでしょう。これは十数年来の論争なんです。しかし私は政治家の大臣とされてぜひお聞き取りをいただきたいのは、しかし世の中には、あの米うまいんだといういわゆる常識的な、通例何の米はうまいのだという銘柄はあるのです。そういう実態も多角的にごらんをいただくならば、品種、銘柄では四十三品種を選び出したことがあるのです。これにはもっとふやせという議論もあるでしょうけれども、通常は美味だ、良質のものだと言われる銘柄があるのです、産地銘柄でなくて。ですからそういうものの存在も、消費者が最後に消費するのですから、この銘柄がいい銘柄だということをだれかがきめて、それを消費者が承知で買って食べた場合に、それがとんでもないものだということであれば、その年の次の価格決定にあたってはこれを投げ捨てて、捨て去ればよいと思う。私は、酒の銘柄をきめますにあたって、等級をどうつけるかというのを調べてまいりましたが、酒の等級は各国税局に酒類審議会があって、そこで審査をする。この審査の方法は鑑定官室の人、学識経験者の勘によってきめている、いわゆるきき酒によって等級をきめておるのであります。 ウイスキーはアルコール分の多少、原酒の混和率の量などによってきめることがあるので審査は行なわないそうでありますが、特級酒だ、一級酒だ、二級酒だという、あの酒の世界ではきき酒によってきめている。ですから政治的判断で、これはうまいんだというのが、大体みんなが言うておるものであるならば、蛮勇をふるっていただいて、まずこれをきめてみようというふうな御決断というものが、私は専門家の知識を一〇〇%吸収しながら、なおかつ今度は消費者の要請というものなどを考えられたときに、総合的に御決断ができるのではなかろうか、このように思いますので、これは私見でありますけれども、大臣の御感触をお伺いしたい。
○倉石国務大臣 銘柄格差を取り入れることにつきましてはいろいろ御高説がございます。私どもも大事なときでありますので、需要者、生産者が納得する品種の選定ということが大事なことだと思いますので、なるべくひとつ早く検討して処置したいと思っております。
○大野(市)分科員 それで、私は事務当局の苦悩はわかっておるんです。昨年自主流通米にせらるるときに大議論があった。そのときに、自主流通米において一つの銘柄格差の形が出てきたならば、これをすなおに政府買い上げの制度の中に取り入れてこれを運用したいという答弁を国会で、事務当局の答弁でありましたけれども、また当時の長谷川大臣も了承の上での共通の意見発表をいただいておるのです。ただ御承知のように準備不足のためだと思って見ておりますが、いわゆる自主流通米が予期に及ばない数量で終わってしまいましたが、この点に対しては、私は金利の負担の問題の決断が政府の当局におそかったような点、手続が煩瑣である点というようなことのためで、事務当局の手続の改善によって、可能の部分がずいぶんあったはずです。ですから私は、銘柄格差の問題を要求するについても、政府の昨年きめられた原理に私は何ら反対などする理由はないので、その間私はただいつできるかなどという形で自主流通米の自然育成だけを待っておられたのでは、この変換期に間に合わないぞという観点からこの問題を力説しておるのですから、自主流通米の内容の前向きの検討、それからそれが実らないとしても、政治判断によって自主流通米を政府米にもできるだけ早く導入せられるということに対して、もう一回大臣の御見解を伺いたい。
○倉石国務大臣 十分その点はただいままでもいろいろ研究はさしておるわけでありますが、お話もございますし、いろいろさらに検討を続けて対処いたしたいと思っております。
○大野(市)分科員 米の問題でもう一点は、食管の根幹の堅持という問題で、たびたび国会で論争がありますが、これはもう大臣の御言明をもとにして、その次に末端の配給の組織は、これは事務的な配慮によって改良の余地があると考えますので申し上げるのですが、今日の状況が消費者に喜ばれるようなサービスのチャンスが制度的に欠けておるのではなかろうか。自由米が人気を博した理由は、あくまでも非合法のものではありましょうけれども、どこどこの米がほしいというと、日ならずしてこれが家庭に届いてくるという魔術があるのです。これはやはり配給計画によって食糧庁の配分計画を乱すのでむずかしいというのが事務当局の答えだろうとは思うけれども、これは商売でほんとうのいわゆる営利を専門とする者の感触からいうと、まだまだくふうがあるのではなかろうかというのが巷間の声なんです。ですから、いままでこうやっておったからそれで何が悪いというふうな態度は、私は専門家になり過ぎるほどそのくせがあると思うから、そういう意味合いでの、末端の消費者に喜んでもらえるにはどうしたらよいか。消費者が喜べば絶対に消費量は増加をいたします。こういう配慮が何かしら足らないというような点を痛感をしますので、この点も大臣の御感触を承っておきたい。
○倉石国務大臣 米の販売業界に適正な競争条件を導入いたしますとともに、米穀流通の近代化に資するために、昨年御存じのように消費者と小売り販売業者の結びつき登録を廃止をいたしました。消費者が同じ市町村内での登録小売り販売業者ならどこの販売業者からでも購入できるようにいたしたわけでありますが、ただいまお話しのような問題は、かなり多く私どものところに投書なども参ります。改良意見も出てまいりますので、十分ひとつこの点について研究を進めてまいりたいと思っております。
○大野(市)分科員 最後に、時間がなくなりましたので、二点だけ総合農政の見地から、特に転作を考えられておる見地から伺うのでありますが、一点は北海道方面で産出された牛乳を一番消費量の多い東京に移してきたならば、生乳を飲みたいという者がたくさんおるので、これらの価格の引き下げにも資するのじゃなかろうか。昨日の予算委員会でも国鉄の総裁から準備ができたから農林省の注文を待っておるという発言をいただいてわれわれは実はびっくりしたのでありますが、この予算の中に、農林省としてこれをさらに検討するための予算があるということを私も承知しております。ただ関係各省の関係が、衛生で厚生省とかさまざまな省の名前は省略しますが、多いので、これが運営にあたってはずいぶんと御苦労が多いと思うのでありますが、これに対して大臣はどの程度の御感触でこの輸送事情の徹底的な検討、それからその実施にあたって、お覚悟を示されるか、お話を願いたい。
○倉石国務大臣 農林省でいまお話しのように、大消費地で今後も引き続いて牛乳の飲用需要の増大が見込まれるわけでありますから、将来遠隔地にあります市乳化率の低い地帯から——つまりいまのような地域でございますが、供給が円滑に進む道を検討しなければならないことはもう当然のことでございますが、このための長距離輸送試験は、過去においても試みられておりますし、生乳の品質保持の面ではある程度可能であるという結論が出ておりますが、なお現在のところでは技術的にも経済的にもいろいろ問題がございますので、これらの問題点を解明するための輸送試験を行ない、あらかじめ問題の総合的検討を行なうこととして、四十五年度予算で生乳長距離輸送調査試験事業費を一千万円余り計上いたしておるわけであります。この事業の実施にあたりましては、現在のところ濃縮した乳を各種容器に入れた上で冷蔵コンテナを利用した貨車輸送で実施したいと考えておりますが、この実施の具体的な内容につきましては、関係専門技術者をはじめ、生乳生産者団体、乳業界、学識経験者及び関係官庁等の協力を得て検討の上にきめてまいりたい、こう思っております。
○大野(市)分科員 最後にもう一点だけ、大豆の問題ですが、これはやはり休耕地の活用の方法——転作は、私も内地においての転作はずいぶんむずかしいと思いますが、休耕をしてとにかくほったらかしにしておったときに、そのたんぼというものは使用にたえないくらいに荒廃するというのが現実なんです。そこで大豆は反当たり三十四時間くらい現在の統計では所要時間が限定されて作物になるそうであります。そうすると、先ほど言いました自給率の向上という意味合いで、九十何%かに上る輸入によって大豆の需要がまかなわれておって、内地ではわずか数%という形でありますだけに、幾らかでも内地大豆がそこで無から有を生ずるならば、それだけ食品界は内地産大豆を喜ぶのでありますから、そういうような指導、奨励を農林省としてされたらいかがかという着想なんであります。 それでもう一つの問題点は、北海道に国立の大豆研究所があります。この大豆研究所の所長以下いずれも、今日の粗放大豆農業によってはどうしようもない、しかしとにかく農作業に手を加える決心をするならば、普通の畑作並みの手入れをするならば、反収が三倍にも伸びることは可能であるということを言っておるのです。そうするとこの休耕をする機会に、比較的短時間で実る作物であるから、休耕地に大豆をまきなさいというような方策が用意されていいんじゃないか。そうすると出てくるのが、御承知の大豆、なたね交付金の法律であります。したがって翌年度の四十六年度予算において交付金の額の数億円というのをふやさにゃならぬかもしれません。しかし四十五年度予算は関係がない。したがってそういう意味で来年度予算には関係が出てくると思いますが、それらのことによって無から有を生じて、農家は休耕奨励金のほかに、さらに大豆の栽培によって、統計では反収四千円以上の基準価格をふところに入れることができますので、これらのものを労働時間で割りますと千二百円をこえるという統計なんです。だから何とかこれをうまく研究していただいて、転作までは踏み切れないとしても、休耕地はこれをやったらどうか、それで少しでも有益な、足りない農作物を食品界に出したらどうかということ、これに対する必要経費は四十六年度交付金の予算を増額する決意さえあるならば可能なんです。この点は時間も来ましたので、感触を一言だけいただいて質問を終わりたいと思います。
○倉石国務大臣 たいへん大事なことでございまして、私どもも実は今度転作、休耕を考えますときに、大豆が非常に大きく論議されて、これは世間でもそのとおりでございますけれども、そういう意味におきまして、全販連の共販ルートに乗っているものにつきましては、前向きに検討をいたして対処してまいりたい、こう思っております。
○大野(市)分科員 終わります。
○大村主査代理 午後二時零分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二十八分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○大坪主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林省所管について質疑を続行いたします。岡田利春君。
○岡田分科員 第十四回の日ソ漁業交渉が、三月の二日からサケ・マスの漁業委員会が開始されておるわけです。さきにカニ交渉が二月の九日から進められて、今日は同時並行的にこの交渉を進めていく。こういう情勢の中で、ソ連側の本交渉に対する姿勢というものについても大体ほぼ明らかになりつつあるんじゃないか、かように私は考えるわけです。したがって、第十四回交渉の情勢を一体どのように政府は把握をされておるのか。またその情勢の中で、これからの交渉にどういう方針で臨まれておるのか。この点政府の考え方を承りたいと思うわけです。
○倉石国務大臣 日ソカニ交渉は、お話しのように二月九日から、それから日ソ漁業委員会は三月二日からモスクワで行なわれております。カニ、サケ、マス、ニシンなどは公海の漁業資源であると私どものほうは考えております。資源状態の科学的評価を行ない、これを基礎にして資源の保存に十分な考慮を払いながら、諸問題の審議を通じて、わが国漁業の伝統的実績を最大限に確保するように努力してまいりたいと思っておりますが、経過を見ますとなかなかきびしいようでございます。全力をあげてただいま申しましたような、わがほうの趣旨を貫徹するように努力いたしておるわけであります。
○岡田分科員 カニ交渉については従来の長期協定の精神をあくまでも堅持していく考えかどうか。そしてまた、サケ・マスにつきましては、昨年は日本海のはえなわを含んで十万五千トン、これは豊漁年であったわけです。また一昨年は九万三千トンで妥結いたしております。今年は御承知のようにマスの不漁年であるという情勢が一段ときびしいものが予想される、かように私は存じておるわけです。したがってこのカニ及びサケ・マスの数量については一体政府はどの程度の数量を考えられて交渉に臨まれておるかどうか、この点について伺いたいと思います。
○大和田政府委員 カニにつきまして、ソ連の言い方は、大陸だな資源説という、いわばソ連の国有財産である、各種の地域については資源が漸次減少しつつあるから規制を強化しなければならないという主張をいたしております。サケ・マスにつきましては、現在のところ科学者の会議の段階でございますから、規制等について具体的な話は出ておりませんけれども、マスは不漁年でございますし、ベニザケ等につきましても、資源が枯渇しておるから規制の必要があるという趣旨のことをいろいろな機会にソ連側は言っておるわけであります。私どもこれに対しまして、カニは公海の資源である、それからさらに各種の水域につきまして調査によるデータによりまして、ほぼ資源状態が安定しているということを逐一申しておるわけでございます。 サケ・マスにつきましては、まだそこまで段階が行っておりませんが、何ぶん国際交渉でございますし、また相手のあることでございますけれども、私どもとしては、できるだけ過去の実績を確保するように努力をいたしておるわけでございます。
○岡田分科員 サケ・マスの場合に、マスが今年不漁年である、こう判断をいたしますと、一応北洋サケ・マス漁業における採算点というのは、大体九万トンを割ってはならないということが、一般常識的に実は言われておるわけです。昨年、日本海のはえなわを含めずして九万三千トンでありますから、これを含むと九万五千五百トン程度に私はなろうかと思います。そういう意味で、交渉の日程からいえば、カニ交渉と同時並行的だから、期間的には出漁まで一応交渉期間は十分であるということは、私も承知できるわけです。ただ、しかし従来の経過からかんがみて、このマス不漁年の交渉が、政府側の方針をなかなか貫くことができないという事態にもしなるとすれば、私は、減船、それに基づくサケ・マス漁業の再編成という問題が起き得る可能性は、今年は非常に強いと思うわけです。それだけに業界、各関係者は、この交渉に対しては重大な関心を払っておりますし、そういう意味で、今年の交渉は、この日ソ漁業交渉の大きな転機になるのではないか、こういう判断を私どもはいたしておるわけです。そういう点について、まずこの減船、再編成の方向だけは避けるという強い立場に立ってこの交渉を行なうべきだ、私は、こういう見解を持っておりますが、この点についてはいかがですか。
○大和田政府委員 申し上げましたように、まだ具体的な規制の問題に入っておりませんから、ソ連の出方はまだよくわからないわけでございますけれども、いろいろ伝えられる情報によりますと、なかなかきびしいものであることは、御承知のとおりであります。私ども、いままでの漁獲量の実績というものを頭に置きまして、十分努力をいたすつもりでございます。したがいまして、まだ減船その他につきましては、具体的な検討に入る段階ではございません。
○岡田分科員 私は、減船という事態にならないように、非常に重大な転機の十四回交渉であるという点を、政府はきちんと腹に踏んまえてこの交渉を進めるべきだ、むしろ叱咤激励する側に立って意見として申し上げておきたいと思います。 従来カニ交渉とサケ・マス及びニシンが一応協議の対象になっております。伝えられるところによると、ソ連側はカレイ及び底魚についても、一応今度の交渉に持ち出すかのごとき動きがあるように私は仄聞いたしておるわけです。政府側としては、従来と同様、カニ交渉は別でありますけれども、漁業委員会では、このサケ・マスとニシンに限り、こういう姿勢で臨まれるのかどうか、あるいはまた双方の話し合いでありますから、その点については、北洋の資源状況、漁業の安定を考えて、協議対象魚種というものをある程度拡大する弾力的な態度で臨もうとしておるのか、この点についてお答えができればお話しをいただきたいと思います。
○大和田政府委員 従来、西カムチャッカのカレイ、それから北ベーリング海のエビにつきまして、日ソで共同調査を行なっておるわけでございます。カレイにつきましては、昨年の委員会でも、特に資源的な問題はございませんでした。またエビにつきましても、研究の継続が必要であるというふうにされた経緯もございますので、私どもカレイ、エビ等につきまして、今年において規制措置が問題になるというふうには考えておらないのであります。
○岡田分科員 昭和四十二年七月、三木外務大臣がソビエトを訪れて、当時クズネツォフ外務大臣代理と懇談した際に、今年の第十四回交渉は、いわば日ソ漁業条約の自動延長下の第四回目の会議である、したがって日ソ漁業条約の改定は、しばしば問題になってきたわけですが、この三木さんが訪ソしたときには、漁業条約の改定について、ひとつお互いに交渉を始めようではないかという合意に達したように、実は私は承知をいたしておるわけです。現在ソ連側は、漁業開発五カ年計画を策定いたしまして、昭和四十一年から四十五年でこの計画は終了するわけですから、今年度一応五カ年計画が終了する時期にもあるわけです。特に北洋漁業の安定を考える場合に、カニについても、サケ・マスについても、二年ないし二年以上の長期協定の方式を確立しなければならないのではないか。そういう意味では、従来の考え方から一歩踏み出して、そういう意味も含めて基本条約である日ソ漁業条約の改定に踏み切るべきではないのか、こう私は判断いたしますし、まさしくそういう時期に来ておるのではなかろうか、実はこう考えるわけです。したがって、この点について、政府は、今度の交渉と関連するかどうかは別にして、基本条約である漁業条約について、合意をすれば改定していく意思があるかどうか、この点についての見解を承ります。
○大和田政府委員 北洋漁業は、わが国の漁民が、長い年月をかけて開発してきた漁業でございまして、その権益を長期安定的に確保することは、私どものかねての念願であり、主張であるわけでございまして、日ソの漁業条約の改定の問題も、実はそういう立場に立って取り上げてまいったわけでございますが、どうも従来の経過からいいますと、なかなかソ連側がこれに応じないばかりではございませんで、実はそういう問題に関連いたしまして、日ソのサケ・マスの等量配分の問題をソ連がよく出すわけでございます。またソ連が、条約改定の問題としておそらく興味があったと思いますのは、カニの問題でございますが、これもソ連のそういう立場から、実は政府間の協定に移したという経過がございます。どうも条約改定問題につきましては、ソ連が決して積極的ではございませんで、消極的な態度であるように私ども見受けるわけでございます。私どもといたしましても、条約改定の問題に触れるといたしますと、当然北洋漁業に関する権益の長期安定を旨といたすわけでございますから、それと逆行するような形でこの問題を処理すべきではないという固い立場に立っているわけでございます。したがいまして、現在の時点といたしましては、むしろ条約の改定問題を強く打ち出して、サケ・マスの資源の等量配分というようなことでまた問題がこじれますよりも、むしろ条約改定ということではなくて、条約の運用の改善ということをはかることができないか、むしろそこに重点を置いて考えている次第でございます。
○岡田分科員 今日、いままでの経過から見ましても、資源問題その他については、日ソ漁業交渉ではきめ手にならぬであろう、こう言われているわけです。しかも毎年毎年これが問題になる。その点で漁民の不安、関係業界の不安というものも、また毎年毎年起きるわけです。そういう意味において、いま御答弁をいただきましたけれども、常に受け身の姿勢ではなくして、たまたま資源増殖については意見の一致を見て、かねての日本の主張が通ったということもあるわけですから、この際、積極的な意味で北洋漁業の安定をはかる、こういう点について、さらに一そうの努力をすべきであるという見解を述べて、要望にかえておきたいと思います。 次に、昨年の予算委員会で長谷川農林大臣は、専管水域の問題の質問に対して、大体専管水域設定の時期に来ている、したがって政府としては、これを十分検討して、近く結論を出したいという答弁がなされているわけです。しかし、いまだ専管水域の設定がされたとは聞いていないわけです。一体政府は、どういう検討をされているのか。少なくとも一年間経過した今日、専管水域設定は、国際環境からいっても、むしろ常識化されて進んできている、こう実は判断しているわけであります。しかも、すでに国内自体からも十二海里の専管水域を設定すべきであるという強い要望も今日出ておりますし、また今年もこの近海にソ連のサバ漁船が進出しているという事態もすでに出ているわけです。政府はこの点についてどのような検討をされ、漁業専管水域設定についてはどう考えておられるか、明確な所見を伺いたい。
○倉石国務大臣 専管水域の問題につきましては、御承知のように国際法で領海三海里、そのほか国によっていろいろな主張をいたしておることは御承知のとおりであります。私ども、今日専管水域が十二海里をとっている国もあり、いまお話のございましたようないろいろな問題もございますので、わが国の漁民に不安を持たせることのないようにいたさなければならぬわけでありますので、政府部内で鋭意検討しておるわけでありますが、御承知のようにわが国の漁業で、たとえば専管水域十二海里を主張しているその中で長い間漁業をやっておる面もありますし、そういう地域に対しては、この国々一つずっと特別な協定をして漁業を継続しているわけでありますが、そういうような事柄をも加味いたしまして、ただいま政府部内でこれにどういうふうに対処すべきであるかということを熱心に検討中でございます。
○岡田分科員 私は、その専管水域が設けられない理由というものは具体的に何なのかという点について非常に疑問に感じているわけです。先週末すでにモーリタニアとは二国間協定が、ずいぶん時間がかかりましたけれども正式に妥結した。いわばケース・バイ・ケースでやっているわけですね。もうすでに六カ国に及んだ協定を結んでいる。しかも今日海洋法会議の条約批准の動向から判断しても、日本が漁業専管水域を設定するのにちゅうちょをする理由はほとんどない、こう判断をするわけです。あれば具体的にこの際承りたいと思うのですが、いかがですか。
○大和田政府委員 この問題は、私は二つの立場から議論されるべきものがあると思うのです。一つは国際法の立場でございまして、わが国は従来から領海三海里の範囲をこえて一方的に管轄権を主張することは認められないという立場に立ってきたということが一つございます。それからもう一つは、ソ連船が近海にあらわれたことを通じまして、わが国に領海を設けるべきだという御議論が盛んになってきたわけでございますが、水産業全体といたしましては、実は相当他国の十二海里以内の海で漁業をいたしておる実績があるわけでございまして、これは私どもの先輩といいますか、先人がいわば血と汗とをもって開拓した貴重な漁場でございまして、それを一挙に崩壊させるような主張はなかなかできがたいという問題を持っておると私は思います。これは確かに沿岸漁業の立場と遠洋漁業の立場とあるわけでございまして、しかもその遠洋漁業の立場の中には、決して大きな企業ばかりではございませんで、マグロ、カツオその他中小漁業の死活にかかわる問題が実はあるわけでございます。したがいまして、私どもこの問題を議論をいたしますのに、国際法的な立場とそれから漁業——沿岸漁業と遠洋漁業を含めての立場と、ともに検討いたさなければならなりませんし、また特に最近海洋法の会議等の動きも実はあるわけでございますから、やはり国際的な動向を見定めて日本としては対処すべきである、そういう考えで、ただいま農林大臣から申し上げましたように、私どもこの問題を現在真剣に検討いたしておるわけでございます。
○岡田分科員 私は、本件は政府としても決断すべき時期に来ている、こう思いますので、特に国内的な要望等も検討されて、すみやかに結論を出されるように希望いたします。 時間がありませんので、特に関連して。サケ・マスの七トン未満の海難事故が非常に多いわけです。北海道周辺では大体事故の一〇%を占めているという問題がございます。したがって、この協業化あるいはまた単純大型化、いずれにしてもこの方針は早急に進める必要がある。でなければ近代漁業は確立できないと思います。この点の見解と、まき網漁業の道東海域への入漁の問題について昨年いろいろ問題がありましたけれども、東経百四十七度以東、北緯四十三度以南に調整をして、水産物は当該岸にあげるということでその結論が出たわけです。しかし一年間の操業を見て、これは試験操業という立場だ、したがって来年についてはまた検討し直すという含みが持たれておったように聞いておるわけです。この点についてはこの方針が今年度も貫かれるかどうか。この二点についてお聞きいたしておきます。
○大和田政府委員 まず七トン未満の小型サケ・マスの漁船の協業化あるいは大型化の問題について申し上げます。 七トン未満のサケ・マス流し網漁業は実は日ソ漁業条約上のB地域である北海道近海で操業いたしておるわけでございますが、B区域におけるサケ・マス漁船の大型化につきましては、毎年実は日ソ漁業交渉で問題になるところでございまして、現在原則として大型化は困るということになっておるわけでございます。またこの問題なかかなかやっかいでございまして、ソ連側は七トン未満の船につきましては漁獲の管理が十分に行なわれがたいという理由で、ソ連監視船をB区域へ乗り入れさせろという話もあるわけでございますし、陸揚げ港の削減等の問題も実はいろいろ出しておるわけでございます。私どもこういう困難な事情はございますけれども、しかし一面海難防止という観点も重視しなければなりませんし、また乗り組み員の居住区の改善という問題も捨てておけない問題でございますので、関係漁業者等の要望もございますことから、なかなかむずかしい問題とは十分承知しておりますけれども、ことしの日ソ漁業委員会において、とにかく何らかの形で討議をして、その結果を待ちましてこの問題について十分検討いたしたい、そういうふうに考えているわけでございます。 第二の問題につきましては、ただいま、これも検討中でございますので、もうしばらく御猶予をいただきたいと思います。
○岡田分科員 時間がありませんので、次にてん菜糖の問題について若干お尋ねしたいのですが、昨年六月、日本甜菜製糖株式会社は十勝の芽室に工場設置の申請をいたしましてこれが認可になっているわけです。同会社は帯広工場をはじめ四工場がすでに施設として持たれております。甘味資源特別措置法の第十三条から第十六条を運用しこの認可を与えられたものと私は判断をいたしております。したがって、この十勝芽室工場認可にあたって特に第十六条の条件あるいはまた十三条から十四条の法律の運用についてどのようになされて認可をされたのか、承りたいと思います。
○荒勝政府委員 昨年の二月、いわゆるこの芽室工場の新設に対しまして日本甜菜製糖から法律的な指定製造施設設置の承認申請がございまして、これにつきまして農林省といたしましても慎重に検討した次第でございます。また同時に本件の適用にあたりまして北海道知事の意見を求め、また同知事は北海道てん菜生産振興審議会の答申を見ましたので、当該申請の承認を適当と農林省としては考えまして、この際あの承認に踏み切ったといういきさつがございます。
○岡田分科員 この場合、すでに日甜工場は四工場あるわけですから、この法律の定めてあるように、原料の状態、収穫区域、そういうことも判断をされて、四工場設置のまま芽室工場申請を許可されたのかどうか、この点についてはいかがですか。
○荒勝政府委員 農林省といたしましてはこの芽室工場の承認にあたりましては、北海道の現在のビートの生産実績からいたしますと、直ちに五工場というかっこうでは多少原料の不足といいますか、そういうふうにも思われましたので、当時芽室工場と同じ地区内に存在しております帯広工場、これを合わせて一つの工場といたしまして承認したような次第でございます。
○岡田分科員 同工場が許可をされるにあたって、すでに三十六年の歴史を持つ磯分内工場の取り扱いについては、たまたま一年間いろいろ意見も出てまいりましたから、その調整もはかって、この磯分内工場の認可にあたっては、ホクレンにこの工場を移譲するという原則的な了解の上に認可されたと私は承知いたしているわけです。時間がありませんから申し上げますと、その後六月以降、道及び農林省の指導も受けて、この工場は当初簿価九億七千万円、日甜の主張は二十億、最終的に十億七千万で、五万トンの材料を引き渡すことによって、九億七千万でこの工場を譲り受けるということに決定された。この間、農林省及び道においてもそういう指導をされて、現地に対しては、この歴史的な工場については、これを廃止をするということではない、したがって、それぞれの集荷区域を調整してこの工場は運用するのであるという了解の上にこれがきめられたと私は承知をいたしているわけです。ところが、その後同工場は移譲の問題が解決すると同時に、むしろそれ以前に同工場は廃止をするというこういう点が出てまいりました。地元には何らの説明がないという事態で実は推移をいたしているわけです。たとえば施設を廃止する場合でも、事前に届け出をする義務がございますし、また法もそれぞれの運用を見ましても、指定製造施設の変更の承認という面から考えても、当然農林省がこの法の運用等、事前にこれを把握しなければならない性質のものである、こう思うのでありますけれども、この点についての見解はいかがですか。
○荒勝政府委員 農林省といたしましては、磯分内工場が日甜からホクレンに譲渡されるに際しまして、同工場がてん菜糖工場として今後操業を継続されるものと当時理解しておった次第でございますが、譲渡条件等が決定いたし具体化するに従いまして、ホクレンから同工場の操業については経営採算上当分の間休業せざるを得ないし、また同工場の機械の一部についても他工場へ移設したいという御意向があるということにつきまして、中間報告を受けている次第でございます。最終決定されたというふうにはただいままだ聞いておりませんが、そういう中間報告を聞いております。農林としては、希望といたしましては、やはり工場は操業を続けてもらいたい、こういう気持ちは十分持っておりますが、ホクレンとして同工場をお引き取りにはなられましたが、経営採算上非常にむずかしい、赤字が相当出るという御判断になれば、暫時休業されるのもまたやむを得ないのではないか。ホクレンもやはり農民の組織でありますので、経営上赤字の出るようなことを無理に強行するということにつきましてはどうかというふうに考えておりますので、今後事態の推移を見ながら指導を続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
○岡田分科員 てん菜生産振興臨時措置法第三条、同法施行規則第二条によって、北海道におけるてん菜糖の生産計画その他は、規則の定めるところによって一月三十一日まで農林大臣にすでに出されておるもの、こう承知をいたすわけですが、この計画は別に、それらの工場の問題について附帯的な意見その他についてはつけられていませんが、従来どおりの申請でございましょうか。
○荒勝政府委員 手続上ただいま申し上げましたような経過がありましたので、ホクレンにおかれましても最終決定がされないし、農林省といたしましても、経過的なこともありまして最終意思表示をまだいたしてないというようなこともありまして、ただいま御指摘になりました手続はまだ十分そろっていないというふうに理解しております。
○岡田分科員 同工場は歴史的に、特に寒冷地帯のてん菜糖の耕作についてペーパーポットを開発し、それが今日ではヨーロッパに輸出されておるという実績を持ち、常に農民に対して積極的な作付指導をしてまいりましたことは御承知のとおりだと思うわけです。しかも、もう三月の半ば過ぎという時期で、そろそろ準備にも入らなければならないという点で、いま質疑応答の中でも明らかになりましたように、この点が耕作農民や地元の間に明確に説明がなされなかったことは非常に遺憾なことではないかと私は思うわけです。したがって、ここでやりとりしても結論が出る問題ではありませんけれども、局長もこの間のいきさつは十二分に御承知のはずなんで、問題は、やはりそれらの地元の耕作者及び地元自治体その他について十分懇切丁寧な説明、指導がなされてしかるべきではないか。そしてまた、この結論がどう出ましても、従来日甜が行なってきた耕作農民に対するいろいろな指導やサービス、その他については、当然それはそのまま引き継がれるべきものでなければならないのではないか。とにもかくにも、これは手続上、非常に問題があると思うのです、てん菜糖の場合には、認可は法律でぴしっとしているわけですから。従来もいろいろ問題があったものでありますから、それだけにこの運用がどうも筋が一本通っていないという点について、私は非常に遺憾だと思うわけです。したがって、これらの問題は農林省がよく御承知でありますから、これらに対して、混乱が起きないように、またそういう面についての解消に積極的に当たるべきではないのか。単に道にまかしておくのではなく、法律上はやはり農林省にすべて責任があるわけですから、その運用についてはぴしっとすべきではないのか、こういう見解を私は持っておりますけれども、この点についてどうお考えになっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○倉石国務大臣 てん菜は、この地方にとりましてたいへん重要な作物でございますので、この地域のてん菜振興につきましては、北海道庁とも今後十分協議をいたしまして、地元の生産農民に不安をかけないように努力してまいりたいと思っております。
○岡田分科員 最後に特に御要望申し上げておきますけれども、釧路、根室は、十勝、斜網地区と違って非常に寒冷地帯であります。したがって、もちろん反当収量は少ないのであります。しかし農林省の指導で、いま総合農政の一翼をになって、新座農村建設ですでに調査費もつけられ、いわば酪農のメッカであるということで、このことについては将来の酪農振興の中核的存在にあるわけです。いま非常に混乱はしておりますけれども、酪農経営が安定してまいりますと、将来生産量の制限等がもし出てきた場合には、当然永年牧草、輪作作物としてビート以外に位置づけられるものがないわけです。そういう地帯であることはもう御承知のとおりなわけです。したがって、てん菜糖政策は、特にこの地帯には斜網、十勝と違った特殊な、積極的な施策が望まれるのではないか。そのためには積極的な省力化をこの地域に重点的に施行する、こういう点が私は大事だろうと思います。いずれにいたしましても、いま大臣の答弁がありましたけれども、そういう点について十分対処されるように積極的な姿勢を要望して、私は質問を終わりたいと思います。
○大坪主査 二見伸明君。
○二見分科員 私は現在当面しております米の生産調整に伴う二、三の問題について農林大臣の御所見を承りたいと思います。 確かに現在の日本の農業はいま大きな曲がり角に来ている。そして農民の立場に立ってみれば、休耕だ、転作だということでもって農業そのものの将来に対して大きな不安を感じている。私は現在そういう農民の感情というものを考えた場合に、どうしてもここは農民が安心して農業にいそしめるような政策というか、考えをはっきりしなければならないのじゃないか、こういう観点から私は農林大臣にお尋ねしたいと思います。したがいまして農林大臣もそういう御観点からどうか前向きの御答弁をお願いしたいと思うわけです。 先日の予算委員会で、三十五万ヘクタールのうちの二十三万二千ヘクタールを転作または休耕にして、たしか農林大臣は転作が好ましい、こういう御答弁がございました。何に転作するか、農林省としては飼料作物、野菜、果樹、それから地域の特産物、これを転作の奨励品目としているわけでございますけれども、私はそのうちで野菜について二、三お尋ねしたいと思うのです。というのは農林省からいただきました長期の需給見通しによりますと、野菜の供給、これは耕地面積ベースで見ていきますと、昭和五十二年が野菜の耕地面積は七十万九千ヘクタール、こういうことになっております。四十四年はたしか六十二万ヘクタールくらいだろうと思います。もちろん両方とも果実的な野菜は抜いておりますけれども、そうすると今後八年間で九万ヘクタール、年平均一万一千ヘクタールの野菜の耕地面積の増ということになるわけです。これは現在野菜の単位面積当たりの生産量も非常に増大しておりますけれども、そういった点を考えて年平均一万一千ヘクタール、四十五年度も当然そうすれば、平均でいけば一万一千ヘクタールということになりますけれども、そういう野菜の耕地面積の増大が、需給バランスという面から見て可能なのかどうか。農林省のほうでは四十五年は大体二千ヘクタールくらいが限度じゃないか、こういうような考えを持っているということも聞いておりますので、まずその点をお尋ねしたいと思います。
○倉石国務大臣 野菜につきましては、従来から指定産地制度を中心にして計画的な生産、出荷が行なわれるように指導をしておりますが、お話のように、ただいま稲作転換によりまして、需給バランスを無視して野菜の作付面積がもし無秩序に増加いたしまして野菜価格の暴落を引き起こすことのないように、私どもは野菜作への転換にあたりましては、市況の動向あるいはその他の面に細心の注意を払って、栽培農家の経営規模の拡大と産地の集団化を主軸といたしまして転換が行なわれるように強力に指導することとしております。 なおこの野菜の専門的なことにつきましては事務当局から申し上げますが、いまお話のように、野菜の面積は大体七十万ヘクタール余り、もしそれにたとえば一割増産されたとしても、おそらくたいへんなことになるでありましょう。そこでほかの場所でも申し上げておりますけれども、野菜に限らずほかの転換でも、知事あるいは地方農政局長、そういうものと緊密な連絡をしながら地方地方における実情に応じて転換してまいることのできますように、そういう場合には生産調整費は十アール当たり三万五千円でありますけれども、ほかの作物にこれを転換していくような場合にはそれぞれ、たとえば構造改善なり圃場整備なり他の面で全面的に御協力を申し上げるようなことになっておりますので、そういう面を活用してひとつできるだけ転作してもらいたい、こういうことでありますが、野菜に対する指導につきましては事務当局からひとつ御説明申し上げさせます。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘がありました長期計画に基づく面積と野菜の最近のいわゆる増反面積についてでございますが、われわれといたしましては、大体年間といたしまして延べ面積としていろいろ計算をいたしておりますが、大体一万一千程度の延べ面積が野菜の需給上もことしから来年にかけましても必要ではなかろうか、こういうように思っております。そのうちさらに夏作としまして国民の消費の需要増と供給との関係からいたしますと、五千ヘクタールぐらいが妥当ではなかろうか。そのうちで、それは大体畑作物を中心に従来から増産してまいった数字でございますが、昨年四十四年の稲作転換といいますか、あのときに大体千九百ヘクタール程度のものが水田から野菜に転換いたしまして、その結果去年の実績等も勘案いたしまして、われわれとして、まだ現在県の段階で市町村へおろして転換の指導をされておりますが、昨年程度の五千ヘクタールのうち二千ヘクタールぐらい程度のものは水田からの転換もまたやむを得ないのではなかろうか、こういうふうに現在理解している次第でございます。
○二見分科員 そういたしますと、四十五年度においては二十三万二千ヘクタールは水田を休耕するなり転作するなり、どちらかにするわけです。そのうち野菜に振り向けられるのは、需給バランスから考えて大体二千ヘクタールである、こういうことになるわけですか。
○荒勝政府委員 われわれといたしまして現在の時点では二千ヘクタールぐらいが望ましい、こういう姿勢というふうに御理解願いたいと思います。
○二見分科員 そうすると、これは少し問題になると思うのです。二十三万二千ヘクタールは転作が望ましい、できれば二十三万二千ヘクタール全部転作されたほうが農林省としては望ましいのじゃないか。休耕よりも転作が望ましいということになれば、少なくとも半分の十二、三万ヘクタールは転作、こういうふうに常識的には理解されるわけです。そのうち野菜が需給バランスから考えて二千ヘクタールがまあいいところだ、こういうことになりますと、またその点、全国ベースで見て二千ヘクタールが限度だということをはっきりしておきませんと、これは四十六都道府県でもって野菜にこのまま転換さしていくならば、二千ヘクタールどころか、あるいは五千になるか六千になるか一万になるか、これはわからないのです。しかも農林省は転作が望ましいという基本方針ですから、しかも二十三万という大ワクがあるのですから、その中の転作ということですから野菜のほうに圧力がかかってくるのじゃないだろうか、農林省としては非常に苦しい立場になると思いますけれども、そういう点の情勢判断と申しますか、都道府県に対する指導というか、そういう点はどういうふうになっておりますか。
○倉石国務大臣 大体生産調整をするにあたりましてまず考えられることは、やはり働いていただく方に報償を出すということが考えられるわけでありますが、つまり休耕をする人と転換作物を見つけてやってくれる人と同等に扱うというのはおかしいではないかという意見もあったわけでありますけれども、私どもとしてはできるだけ転作が好ましいが、全体に見ていま私どもは百万トン生産調整をやる場合に全部が転換されるということはなかなか考えられないことで、したがって今度はそういう場合に区別をつけないで、三万五千何がしを差し上げることにいたしたわけであります。したがって、転換作物が好ましいと申しましても、やはり多々ますます弁ずる——かりに大戸みたいなようなものがあるならば、これは非常にうまくわれわれの期待にも沿い得ることでありましょうが、今度それは価格その他の面においていろいろ問題がある。こういうことでありますから、生産調整にあたりましては、転換と休耕を区別はしない、こういう方針にきめたわけであります。したがって、野菜その他をおつくりいただく場合にも、その地方地方の実情に応じて合うようにやっていただきたいということで、いま打ち合わしておる、こういうことであります。
○二見分科員 そういたしますと、あまり野方図に野菜はつくるな。全体の需給バランスも考えて、極端な言い方をすれば、野菜はあんまりつくるな、こういうふうな方針になるわけでございましょうか。その点はいかがですか。
○倉石国務大臣 あんまりつくるなということばはあたるかどうかしりませんが、御承知のようにたとえばキャベツ、白菜みたいなものがかりにドンと出たといたしましょうか。これはもう大暴落で、かえって非常に気の毒なことになります。したがって、そういう転換をしてまいりますにしても、日持ちのいいようなものにできるだけ転換してもらわなければなりません。そういうことでありますから、そういうものにつきましては、私どもは保存も比較的時間が持ちますし、なるべくそういうものに転換していくほうがいいではないかという指導をしておるわけであります。
○二見分科員 時間がありませんので先に進みますが、確かに大臣が心配されているように、白菜なら白菜を集中してつくれば、これは値段が下がることはわかり切っております。また、いわば既存の野菜専門の農家の立場から見れば、今度の転作は、おれたちは逆に被害者だ。被害者意識があるわけです。いままではよかったのに、今度は転作した農家がやたらに無計画につくられたんじゃたまったものじゃない。暴落しておれたちのほうはどうなるんだ。転作したほうは三万五千円の奨励金はあるけれども、われわれのほうは何もないじゃないか、こういう問題が出てくるわけです。そういった既存の野菜農家を保護する立場から、そういう点の対策はこれからどういうふうにお考えになっていくのか、その点お願いしたいと思うのです。
○荒勝政府委員 農林省といたしましては、従来から野菜の価格安定につきましては、十分に気をつけて、年々この点につきましては制度を強化してきておる次第でございます。したがいまして、野菜の価格安定の基本は、需給に見合った計画的かつ安定的な供給であるというふうに考えておりまして、このような見地から、これまでも野菜生産出荷安定法というものを制定いたしまして、それに基づいて集団産地の育成強化につとめるとともに、野菜生産出荷協議会等を開催して、大消費地向けの野菜の計画生産、計画出荷を進めるよう指導を行なってきております。また稲作から野菜への転換にあたりましても、野菜の時期別需給バランスを検討の上、その転換が計画的に行なわれるよう強力に現在指導している次第でございまして、しかしわれわれとしまして面積的に需給バランスを十分に合わせましても、野菜の生産が気象条件に左右されるのが非常に強いという特性を持っておりますので、野菜の市場価格が著しく低落した場合には、その対策として生産者の経営に及ぼす影響を緩和するため、野菜生産出荷安定資金協会という協会ができておりますので、その協会から必要な野菜につきまして生産の補給交付金を交付するという価格補てん事業によって、これまでも対象品目、対象地域の拡大、補てん率の引き上げ等によって現在拡充強化を行なっている次第であります。
○二見分科員 野菜の生産出荷安定法による野菜生産出荷安定資金協会ですか、この問題ですけれども、現在はたしか消費指定地域が五地区ですね。京浜と中京と京阪神、それから北九州、札幌と、現在はこの五地区が価格保障の対象になっているわけでありますけれども、農林省としてはこの地域をたとえば中国それから四国あるいは九州の南のほうだとか、そういうところに指定消費地域を拡大する意思があるかどうか、この点をひとつお伺いしたい。 それからもう一つは、その指定消費地域以外のところですね。指定消費地域の中央卸売り市場以外に各府県にも中央卸売り市場があるわけです。そこまでこの範囲を拡大することができるかどうか、またもしできるならばどういう方向で進んでいけばできるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○荒勝政府委員 農林省といたしまして、ただいま御指摘のように現在の五大消費地域が対象にただいまなっておりますが、スタートいたしましたときには確かに京浜それから京阪神それから中京地区と三地域であったかと私理解しておりますが、この約四年ほどの間に指定消費地域を拡大いたしまして北海道が入りましたのがつい先年だったかとも思いますが、そういうふうに年々いわゆる百万都市を大体目標にいたしまして、この指定消費地域を拡大してきておる次第でございます。 ただ今後いわゆる東海道ベルトラインが制定される過程で、だんだんいわゆる衛星都市といいますか、関連都市が拡大してまいりますので、それにつきましては、われわれといたしましては弾力的に本件では対処してまいる、たとえば京浜地区といいましても川崎等も入っておりますように、いわゆる関連衛星都市と申しますか、そういったものを逐次この中に入るように努力してまいりたい、こういうふうに思っております。 われわれといたしまして、この野菜の価格安定制度は生産者の価格安定になりますとともに、同時に消費者の対策でもありますので、十分そういう観点から問題を見ておりますが、ただいま第二段で御質問になられました、小さな都市だけを取り上げて指定消費地域に拡大するかどうかのお尋ねにつきましては、現在の段階ではまだそういう考え方を持っていないというふうに御理解願いたいと思います。
○二見分科員 もし差しつかえがなかったら教えていただきたいのですが、衛星都市も順次努力していく。御答弁としては非常に前向きであるけれども、内容的には抽象的なわけです。もしことしじゅうにたとえば京浜の場合には現在東京、横浜、川崎ですね。それ以外に衛星都市ということでたとえば浦和だとかあるいは茨城のほうだとか、そこら辺まで、地方としては十五万以上の大きな都市があるわけです。ことしできるならばこういうところまではやりたい、こういう御答弁がいただけるかどうか。それから先ほど、中国だとか、向こうの指定消費地域になっていないところがありますが、その点はことしどうするのか。その点を差しつかえなかったら明らかにしていただきたいと思います。
○荒勝政府委員 ただいまの段階では、本年度の予算におきましては直ちに衛星都市の定義につきましても拡大はしない予定にいたしておりますし、また先ほど御指摘の中国地方のある都市だけを取り上げてこれを指定消費地域に指定するという考え方は現在の段階では持っていないというふうに御理解願いたいと思います。
○二見分科員 それからもう一つは、やはりこまかい問題になって申しわけないのですが資金協会、この最低基準額というのがありますね。四十五年度には引き上げるという話を聞いておりますけれども、これはどういうことになるのですか。
○荒勝政府委員 現在の制度といたしましては、引き上げるというほどの手直しではございませんが、制度を申し上げますと、現在保証基準額というものがございまして、これは過去の基準年次の平均額の約四分の三をとりまして保証基準額にいたしております。その保証基準額とさらにその下のほうに下がりまして最低基準額というものを設定いたしておりまして、その保証基準額と最低基準額の差額を価格補てんの対象とする。現在の現実の市場の平均価格がそういう価格までなりました場合には差額を補てんしている、こういう制度でございますが、その最低基準額は、原則として基準年次の最低価格というものを基準として最低基準額を設定している。ところが、今回の予算におきまして、同じ最低基準額という字句は同じでございますが、それを最低基準額を基準年次の最低価格にせずに、基準年次のときの平均価格の二分の一を最低基準額にとった。したがいまして、最低基準額は実質的に若干引き上げられる、こういうように御理解願いたいと思います。
○二見分科員 これは昨年のパンフレットですから多少数字が違っているかもしれませんけれども、私、計算をしてみました。そうしたら、秋冬白菜の京浜地域の保証基準額が十二円、その当時は最低基準額は二円六十九銭、こうなっておるわけですね。いま局長のように改正されますと、この数字でいくと、最低基準額は八円に上がるわけです。二円六十九銭の最低基準額から八円に上がるというのはかなり大きな額になるのじゃないか。全般的に全部上がるようです。私、全部計算したわけではありませんけれども、多少みんな上がるようになっております。これは、農林省としても、これについてはいろいろな言い分があるのは私もわかりますけれども、稲作転換ということで、農家のほうでは非常に恐怖を感じている。価格保障制度というものは充実してもらわなければどうにもならないという声があるわけです。そういうときに、よりによってこういう——こまかいといえばこまかいかもしれませんけれども、生産者にとってはいわば恩典の少なくなるような、拡充というよりも縮小という感じのするこういう改正は、はたしてどういうふうに農家の立場としては理解したらいいのか、私はこれは深刻な問題になるのじゃないかと思うのですよ。事実白菜などはへたをするとただ同然になることもありますし、そういう点を配慮された上での決定なのか。いままでそこまで下がったことは例が少ないからということで、単純に平均値の二分の一にしてしまったのか、そこいら辺をはっきりしていただきたいと思うのです。
○荒勝政府委員 ただいま数字で御計算になりましてお話がありましたが、われわれのほうでまだ来年度の実施要綱につきましていろいろ全部計算して決定しておりませんので、申し上げにくいのでございますが、われわれといたしましては、いわゆる基準案によりまして、予算で御審議願っておりますように、価格補てん事業といたしまして、全部といたしまして六億九千六百万円をこえます価格補てん事業を提出しておる。それは前年度が一億二千七百万円でありましたのに比べますと、相当大幅な引き上げになっておりますことでも御理解願えますように、野菜の価格安定につきましては、今後非常に充実してまいるという姿勢につきましては、十分御理解願えるのではなかろうか、こういうふうに思っております。なお、個々の計算等につきましては、まだわれわれも結論を出しておりませんので、この席で申し上げにくいのですが、全体といたしましては、これは決して現在より悪くなるような制度には仕組んだつもりはないということで、御理解願いたい、こういうように考えております。
○二見分科員 時間がありませんので、最後にお尋ねしたいと思いますが、今度の稲作転換について、各府県でもそれぞれ独自の価格保障制度をすでに設けていたところもあり、これからおそらく設けるところもあるのです。これは確かに資金協会のほうでカバーできる生産者であればそれは非常にいいと思いますけれども、これでカバーできる生産者というのは数が限られておる。カバーできない生産者もいる。また品目によっては全部カバーされない品目もある。そういう面で、県が独自に価格保障事業を行なうというのは、これは私は決して悪い制度ではない。むしろ、いま局長が、野菜の価格安定については今後重視していくという立場からいけば、あるいは国のやっていることを補うという意味では望ましい方向にあるのではないかと思うわけです。しかし、府県の財政というのは非常に限られたものであり、貧乏県なんかの場合にはやりたくても思うようなことがやれない場合も多々あると思いますので、国として、そういう事業をやっている県に対して、それはいろいろ障害があるのは私どもよくわかりますけれども、そういう障害を整理し、あるいは検討した上で何らかの前向きの処置がとれないものか、助成措置がそういう県に対してできないものか、あるいは補助金でもいいと思うし、何らかの助成措置ができないものかどうか、この点について最後にお尋ねして終わりたいと思います。
○倉石国務大臣 政府といたしましては、四十五年度におきましても対象品目の拡大をはかることとしております。また各県が県単独の価格補てん事業を仕組んでそれぞれ特色を持たせておりますことにつきましては、これまでも聞いておるわけでありますが、政府としては、国の価格補てん事業の拡充強化をはかってまいるようにつとめたいと思っております。
○二見分科員 以上で終わります。
○大坪主査 美濃政市君。
○美濃分科員 私は、この機会に、過般「総合農政の推進について」が閣議で決定されたと思うのですが、この概要についてまず最初にお尋ねしたいと思います。
○倉石国務大臣 総合農政はしばしば申しておりますように、わが国の農業も他産業に比較して遜色のない所得を得られるような農業にしてまいりたい。それにはやはり規模を拡大して自立できる農業をまず中核にしていきたい、こう思っておりますが、自立経営農家といって一応目標にしておりますのは、世帯員一人当たりの所得で見て、農家と生活環境の類似した町村所在の勤労者世帯と同等以上の所得をあげられる農家としておるわけでありますが、自立経営農家の下限所得は、四十三年度で百十八万円、こういう見当をつけております。そういう農家を中核にして、それに兼業農家、そういうものも配置して、集団営農団地というふうな形をつくっていくことがいいではないか、こういうような目標を立てておるわけであります。
○美濃分科員 この中を見ると、内地において水稲単作経営は四ないし五ヘクタール、搾乳牛は二十頭以上必要であろうと、こう書いてあるのですが、そうすると、これだけの経営構造で、一応所得目標は百十八万円というのですか。どうでしょうかな。ここに書いてあるのとの関連……。
○倉石国務大臣 一応、そういうことに計算しております。四ないし五ヘクタール、それから……(美濃分科員「ほんとですかな、それは。」と呼ぶ)失礼しました。〇・五ないし一ヘクタールいうのが現状でありますから、これがいま一番多くのパーセンテージを占めておるわけでありますが、そこで、いま申し上げましたように、いまわずか一割あまりしかないと思いますが、自立経営の農家、これを多くして、それを中核にしてやっていけるような農村をつくりたい、こういう一応目標を立てておるわけでございます。
○美濃分科員 いや、そういう意味ではなくて、ここに水稲単作経営(内地)では四ないし五ヘクタール以上と搾乳牛二十頭という、これは閣議決定でしょう。ですから、これを目標にするというんでしょう。その場合の所得目標は何ぼで——あくまでこの百十八万目標で考えておるのですか。どういう所得目標にしておるのですか。
○亀長政府委員 現在、自立経営農家と申しますと、大体平均で二・二ヘクタールくらいになっております。その自立経営農家が、先ほど大臣から御説明ございました、約一割、九・九%というふうな状況でございます。将来の目標として、内地水田四、五ヘクタール、搾乳牛二十頭ということになりまして、いずれも、その際には、現在の平均規模の二・二ヘクタールよりは、目標としては、面積でいえば、そういうふうに倍近いものを目標にいたしておるわけであります。 そこで、自立経営農家の定義の問題に返りますけれども、現在、われわれが自立農家と呼んでおりますのは、大体人口五万未満ぐらいの町村の農業以外の人の所得と同じぐらいになるというふうに考えますと百十八万円、四十三年度で計算いたしますと、まずそういうことでありまして、そういうものの平均規模は大体二・二ヘクタールということでございます。ただ、将来、何年か後には、当然、この農業以外のところの所得も相当伸びますから、農業のほうの所得もやはりそういえものに見合って上げていかないと、バランスがとれないということで、その下限所得としては、大体、いまの倍近い二百万円ぐらいを目標にいたしておる、かような状況でございます。
○美濃分科員 この酪農は、当然、この二十頭〉いうのは、これも——田のほうはわかりました。酪農のほうはどういうふうになっておるか。
○太田政府委員 水稲と同じように、もちろん五十二年の目標でございます。
○美濃分科員 いや、現在の頭数と——飼育頭数といっても一応専業でしょう、これは。ここに掲げてある搾乳牛二十頭というのは、専業酪農を意味するんでしょう。酪農主業農家でしょう、これは。そうすると、現在の日本の酪農主業農家——これは米と同じで、米は二・二ヘクタールぐらいが米作専業農家の平均……
○太田政府委員 御承知のとおり、昭和四十三年の数字によりますと、全国平均の飼養規模は五・一頭、北海道では一〇・七頭ということになっておりますが、私たちが昭和四十六年を目標といたしまして昭和四十年に立てました近代化の基本方針では、いわゆる複合経営で五頭規模以上、それから、専業、特に草の豊富な地帯では十五頭以上ということで、四十六年度の目標を立てております。
○美濃分科員 しかし、ここに二十頭と書いてあるのですが、これはどういう関連を持ちますか。ずっとなるかならぬかわからぬ、この二十頭という頭数になることもあるだろうという気休め的なものなんですか、どういうことですか。
○太田政府委員 そういうことではございませんで、要するに、所得目標を二百万円程度ということでございますれば、現在の価格水準でいえば、一応、二十頭規模以上でございますれば、二百万の所得があげられるということで、二十頭以上ということにいたしておるのでございます。
○美濃分科員 さっきちょっと説明が入りまじったのですが、そうすると、現在、何ぼですか。大体酪農主業農家とみなされる日本の現在の平均頭数……。
○太田政府委員 四十三年度の生産費調査によりますと、一頭の所得が九万九千円ということでございます。
○美濃分科員 いや、頭数を聞いている。酪農主業農家の平均頭数……。
○太田政府委員 先ほど申し上げましたように、平均は五・一頭ということでございます。
○美濃分科員 これは大臣にお尋ねしますが、大体所得目標を、これができ上がったときの——まあ、これから物価がどんどん変っていけば別だけれども、現在の経済ベースで判断して、二百万の所得を目標にして、大体専業農家はこれでいきたい。ここは酪農と水稲の二大品目を出してございますが、他にも、野菜なりあるいは畑作なり果樹なりというのが別にあるわけですが、これらも、これに準じて、大体二百万目標で、いわゆる営農類型といいますか、あとからいろいろなことを書いてありますが、そういうものを立てて進めたい、こういう考えだというふうに判断していいのですか。
○倉石国務大臣 そういうふうに考えておるわけであります。
○美濃分科員 そういたしますと、これを目標にするといたしますと、かなり現況で、こうならない政策上の矛盾というものは、かなりあるわけですね。こういうことを言い出してもまずならない要素がある。それは倉石忠雄さんという人が絵にかいたのか、官房長が絵にかいたのか知らぬけれども、閣議で佐藤総理大臣以下決定して掲げたけれども、なかなかこういうことに行かない要素というものが、いまの政策上の矛盾というものがかなりあるわけです。それはもう全部、ほんとうにこれによってあらゆる矛盾は解決する、こういう御意思ですか。——わからぬようですから……、いろいろ数々の矛盾があります。たとえば酪農をいま五・一頭のものを二十頭に引き上げるということになると、五・一の〇・一は別といたしますと、これは十五頭ですね。十五頭の搾乳牛をふやすということは、まず第一番に、飼料を生産する土地が五頭分しかないわけですから、あればもっと飼っておるはずですから、まず土地の問題。それから、酪農は全国平均でいま百万かかります。一頭の搾乳牛をふやすのに、土地を買って、畜舎をつくって、サイロをつくって牛乳をこしらえるということになると、百万以下ではできないですね。百万というのはちょっと安く見たんで、百二十万とも言えるわけです。百万で計算しても、一千五百万の投資がなければならない、一千五百万の資金がなければならない。投資力がなければ、政府が政府資金で牛を見るのかどうするのか、それを自己で積み上げて二十頭ということになると、百年先のことだ。なることかならぬことか。自己資金ということになれば、何年先になるかならぬかわからない計画だ。そうすると、融資を入れて促進するということになりますと、現行融資で二千万かかって、これは二百万所得の中に含まれるいわゆる生活費を除いて、地代、資本利子、借入金を支払うということになりますと、余裕というものは限度があるわけですね。その余裕で、一千五百万の現行の総合資金の約定で計算すると、百二、三十年。いまの五分を三分にして百年以上の資金でなければ払えない。無利子にしても、いまの約定年限ではちょっと無理がある。そういうことで実際にこういうことを絵にはかいてもやれない。それなら背景には何があるかということになると、まず農地の高いということです。たとえば田の地代補償というのは、いま全国平均で米価の中で——去年は据え置いたので前年度、四十三年度でいいのですが、十アール当たり大体五千円ですよ。五千円ということは収益評価をすると七万円ということなんですよ。たとえば田の場合をさしても、いま平均が二・二ヘクタールの専業農家が七万円で、あと二・二ヘクタール売るものがあって、買ってやるというのだったら、現行の融資条件で現行制度資金を直さぬでいけるわけです。ところがいま田は平均何ぼですか。全国平均ベースで七万なんかで買えない。そうすると、こういう政策を進めるためには、現行の政府資金というものの考え方をこの支払い条件に合わしてしまうということが一つありますね。もう一つは、牛乳の価格にしてもあるいは米の価格にしても、地代と資本利子補償を現行融資条件で支払い得る条件に価格をアップしても、二百万では払えませんから三百何十万円、これだけの経営構造をやって払えるというのだったら、三百万以上の所得にしなければ払えない。 もう一つ、経済ベースから見れば、二十頭の酪農をやるということになれば、一頭当たり百万とすると二千万ですね。二千万の金が自己資金であったとしたら、安定株を買っておけば、一割で二百万の配当所得ですよ。こんなことをやらなくたって、遊んで所得が発生しますよ。そうすると、こんなことをいっても、経済ベースから見てもやれないということなんですよ。 もう一つ、ついでに申し上げますが、農地法の改正なんかというものはこれと全くギャップをしておる。ほんとうに食生活を考え、日本の農業経営を考えると——農地は生産手段の資産だという、いわゆる自作農創設特別措置法をやったときの考え方で、根本的に日本の農業の体質をよくする。小作料は青天井だとか、そんなこと言わないで、自作農創設特別措置法の姿に立ち返って、主要農産物の価格で補償して、地代逆算の価格で土地の譲渡ができ、強力な地価抑制の権利調整手段を講じない限り、私はならぬと思うのです。たとえば賃借流動をやる。前国会であの法案を衆議院で審議したとき、一万五千円くらいの貸借があります。それは親戚か友人かの二種兼業農家やなにかがつくれぬような条件で、少ないたんぼを好意的につくって、それが家族三人で計算しても一万五千円払ったからそれで所得ということにはなりませんよ。ですから、好意的にそういう一部の耕作がある現象はあるかもしれぬけれども、そうしたら、二・二ヘクタールを賃借流動で借りて、一万五千円、二万円という年貢を払ってやるばかがありますか。そろばんは全然とれない。二百万所得にならぬですよ。年貢に取られてしまう。たとえば今度の農地法改正で賃借流動を促進するというのでしょう。二・二ヘクタールを四ヘクタールないし五ヘクタールにする。二ヘクタール以上の田を一万五千円、二万円という年貢を払って借りて、農民はどこに生活ができますか。賃借流動もこの面では絵にかいたもちですよ。私自身も農民だが、そんなばかなことはやりませんよ。親戚や友人で二反や三反の二種兼業の人が何かの都合で耕作ができなくなって、つくってくれぬかという場合においては、どうせこのくらいつくったってたいした労働力の過重でもないし、あなたも経済的にたいしてよくないのだから、おれも努力して——たとえば家族労賃が三万五千円ですよ。一万五千円払っても、手間賃も一万五千円ほどあるし、それだけつくったからといって労働の大きな過重にならない。つくらなかったとしても、他の職場へ出かせぎできるほどの状態でもないから引き受けてつくってやろうかというような、好意の中では一万五千円も払える。経営反別の半分以上、賃借流動で借りて今日それをつくったとしても、一万五千円も二万円も年貢を払ってこんなものが成り立つとは考えられないのです。そうすると、五千円が米価で補償している地代であれば、全国平均の賃貸借というものは十アール当たり五千円で縛っていく。昔の農地改革をやったあのときの農地の安い賃貸価格というものはなくなっているわけですから、ああいう条件でなくてもいいが、現況に合う条件で拘束していかなかったら、そんなものは全部絵にかいたもちでしょう。そういう矛盾はどう考えるか。できてもできぬでもいいのだ、これだけの経営構造を二百万円と打ち出して、農民はやるかやらぬか、気休めに打ち出しておけというような気がする。本気になってやろうとすれば、いま申し上げたような数々の、今度提案してきている農地法で、こういうことはやれない、実際には経済ベースとしてやれない条件の政策を片や打ち出してくる。どうなんですか、この矛盾というものは。
○倉石国務大臣 私どもがいま考えておりますのは、やはりそういう私どもが見ております方向をたどっていくのでなければ国際競争に立ち向かっていけないのじゃないか。他産業に比べてひけをとらないだけの所得を得られるという構造がなければ、幾らやれといってもやれないでしょうね、農業は。それでは困るわけですから、そこで目標をつくりまして、その目標に向かっていくための努力はもちろん私どもはいたさなければなりません。この間も農林省で幾日間やったか知りませんが、地方の若い農業者たち、それぞれ酪農の人もあり、米の人もあり、果樹の人も来ておりました。彼らの経験をじっと聞いておりますと、かなり発明くふうをこらしながら、しかもただいまの系統資金その他を活用して規模拡大に努力をしております。私どもは総合農政で目標を掲げておりましても、それが絵にかいたぼたもちであっては何にもならないのであります。したがって、それに行くためにはあらゆる盤根錯節を切り開いていかなければならぬことは当然でありますけれども、まずひとつ、その辺で目標を立ててやってまいりたい、そういうことについて逐次計画を進めてまいりたい、こう思っておるわけでありますから、その間においてどういう苦労が必要であるか、どういう苦労が伴ってくるであろうか。それはたくさんございます。そういうものを策定する間においても、みながそういうことを自覚しておるわけでありますから、決して空論を唱えるわけではありませんで、目標は理想的に掲げておりますが、それに至るまでには細心の注意を払って努力をしなければならぬことは当然でございます。
○美濃分科員 いろいろ言っておりますが、私どもは現実に考えると、それは青年がそういう大きな夢を持っておることはけっこうなことなんです。筋金入りの——私も農村地帯でみずからが農協の組合長ですから、そういう夢を持った青年というのは、やはり農村の後継者として大切にしなければならない。しかしあくまで夢ですから、たとえばその青年が計画を立てて、この目標に向かって——優良青年を農林大臣が研修会か何か開いて呼んで、青年をおだてて、夢を持って帰ってくる。それはいいんですね。夢を持つことはいいんです。しかし現実はいま言ったように、たとえば全国平均というと、内地の平均は四十万円以上するでしょうか。もっと安いですか。私は四十万円くらいするんじゃないかと思う。高いものもあるようですね。二ヘクタールだと八百万ですよ。たとえば現行保証乳価の中で確かに二十頭飼えば二百万になるのです。北海道の平均搾乳量をしぼれば、現行乳価で、乳価を上げなくても二百万になるのですよ。ただ五・一頭しか飼っていないものが一挙に融資を一千何百万貸せといわれた場合に貸せるかどうか。公庫は延滞をしても黙っておるかどうか。うるさくてどうにもならないのだ。われわれ農協が借りて延滞すると蛇蝎のごとく言われるのです、あとの融資は貸さぬぞと。だって、そろばんをはじいたら払えないという原則に立っておるのですよ。二百万じゃ、千六百万払えぬですよ。どうです、農林大臣。払えますか。あなた、そろばん入れてみてください。千六百万。二十頭で、現行保証乳価で二百万にはなります。これは直接経費を除いて二百万になるのです。この資本率というあの保証乳価の中に入っておるものをひっくるめると、一頭十万ですから、四千キロちょっと搾乳すると、一頭十万ですからこれはなるのですよ。ならないことはない。二十頭飼えば二百万になるのです。なるのだが、五・一頭から二十頭に引き上げるには、やはり千六百万の投資を要する。それをかせぎ出してやれというのじゃ、これは何年先かわからない。千六百万からのものです。十年先か十五年先か、あるいはそのうちにはできないでつぶれてしまう農家もある。あなた方が火をつけて、青年は意欲を燃やして帰ってくる。総合資金を借りておれにやらせろと言う。こうして計算したら払えないという計算が出てくる。これはどうすればいいんですか。それはどう考えておるのですか。そういうものを解決しなければ私は絵にかいたもちになると思うのです。 もう一つは、農地法なんですよ。かなり高姿勢であの農地法を提案どおりで通そうと農林大臣は考えておるのです。あれが通ったらこれにはいきませんよと言っておるのです。地価はどんどん上がるような方向へ向かっておるわけですから、年貢は何ぼ取ってもいいというのですから、あの農地法を改正して、それではたして経済性はこっちへ向きますか。どうなんですか。まず農地法の問題をひとつ、これはこの国会に出てくるのですから。農地法は自作農創設特別措置法のほうへ向いて権利調整を強化してはじめてこれが実現できるのですよ。これができない方向へ法律をゆるめて、ただやれと言ったって、そうはならぬですよ。それは経済性から見たら、いまの米の価格で、四十万なんというものを買って米をつくるのなら、そんな金があるなら安定株でも買って遊んでおったほうが、先ほど申し上げたとおり、いいですから、農業なんかやらなくてもそれで生活できるのですよ。そういう全然経済性に合わないことを、いまの仕組みの中で出した計画は——私もこれは尊重しますよ。国際競争の上でこのくらいの規模にするということはいいのですが、そこへ持っていくのに全然これとは反対の政策を法律として打ち出してくるのですよ。それでは全くどうにもならぬですよ、こんなものは出してみたって。これが破壊される法律を片や提案してくるわけだ。これはものすごい矛盾ですよ。金融制度やなんかは、今度の場合、今後検討するでもそれは了解しますよ。しかし、この政策と農地法を改正しようとする矛盾というものは、私から検討すれば許すべからざるものなんだな。こういうふうにならないように、こういうふうにすることには経済性から見ても資金の裏づけから見ても、無利子で千四百万貸せといっても、そんなこと成り立たぬですよ、何ぼ財政投融資しても。それで三十件です。無利子で三十年。利子を三分にしても百年だ。五分なら利子だけ払ったら元金は払えませんよ、こうなるのですよ。利子だけ払っておれば元金は償還できませんよ、こういうことになる、千分の利子なら。そういう方向に、農地が全然収益を無視した、どういうかげんやら全然収益性を無視した方向に農地なんかが上がっていく。それを推し進めるような法律をつくって改正してくるわけです。あるいは税法一つ見てもそうですね。生産手段を七万しか見ていない。相続税は時価だ。税法見ておったらみんなそういうふうにしておる。農地価格を、さも価があるぞ価があるぞと言ったって、他の政策は全部収益性を無視した方向に農地というものがつり上がっていく政策をとっておる。税法一つ考えてみても、相続税は時価価格である。なぜ相続税の評価基準や売買登録税の評価基準というものを七万で押えないのですか。そういう政策が何もないのです。とにかく上がる方向へ上がる方向へいく。それに便乗して農地法もそうしてしまおうというのだ。それでこの政策が進められるか。あえてその中で進めるとすれば、融資条件は三十年無利子にしなければならぬ。無利子であれば三十年で払えるであろう。利子をとるというのであれば、利子をとる限度においてずっと長い資金でなければ全然それは償還に合わない。これは計算してみてください。そこに頭のいい人たくさんおりますから。私はでたらめなことを言っていないつもりだ。そういうものをどうするのか、どう考えておるのか、あまりにも大きな矛盾です。だから利子の問題なんかあとでいいですから、まず農地法の今度の改正は、これを進める政策としては農地法の改正はあたりまえと考えて提案しておるのかどうか。
○倉石国務大臣 あなたのお話は専門家のたいへん貴重な御意見と思いますが、少し飛躍しておるのじゃないかと思うのです。私どもはいまかりに五頭の牛、それをすぐあした二十頭にしなければならぬということを言っておるのじゃないのでして、この人は自主的に経営されておるわけでありますから、逐次そういう域に到達するようにあらゆる角度から努力をしたい、こういうことを言っておるのでありますから、そのつもりでそれ相当の経営者は努力はされる。それについて金融面その他あらゆる制度でわれわれは協力申し上げて、いま私どもが期待しているような酪農家になることを願う、こういう希望を述べておるわけです。したがって、返済でもそのとおりであります。一ぺんに何千万円要るわけではありませんで、経営しながらそれを返済していくわけでありますから、ただそのことの——おそらくあなたは専門家だから頭の中でそろばんをはじいてこう計算していらっしゃると思いますが、それについての、いま毎年返済する計画、予定とかなんとかいうものは、私どもの頭にはすぐ出てきてはおりません。率直に申し上げてそうではありませんが、計画を、いま私どもが将来の見込みをそういうふうに置いている、こういうことであります。 もう一つ、農地法につきまして、私ども実は都市計画法というもののいわゆる線引きがいま行なわれておりますけれども、そういうものを地方に出張してみて思いますことは、農業をやっていらっしゃる方が農産物から出てくる所得を楽しみにだけしておられるのが農家だと思っておったら、まんざらそうでもなくて、環境が変化することを巧みに取り入れて、自分の土地の財産価値がふえてくることを非常に楽しみにしていらっしゃるということを如実に見せつけられるわけであります。私はそういう点で、農林大臣としてはまことに感慨の無量なものがあるわけでありますが、確かに私はいまわが国のあらゆる施策に一つの大きな障害になっているのは土地価格だと思うのです。これは私の領域ではございませんが、やはり国の政治としてはもう少しこのことについて対処しなければいけないのではないかと思っております。いま小作料のお話もありましたが、先ほどお尋ねに政府委員もお答えいたしておりましたけれども、いままですでに全国に二万を突破したやみ小作が行なわれておったというような話がしばしば農林関係のお話し合いでも出てきております。その小作料については実情に応じたある程度の調整が行なわれるとしても、経営規模を広げようと希望いたしております人に小規模の経営者が譲渡できるように、あるいは委託経営ができるようにということをすることが、あなたのお話によればわれわれの考えている総合農政の考え方に逆行する結果になるのじゃないかということがどうも理解ができないのです。私どもは農地法の改正案については決してそういうことを考えているわけではありませんで、当初述べております規模拡大の目的を達成していくために農地法はこのように改正することが合理的ではないか、こう思っておるわけでありまして、あなたが先ほど御指摘になりましたようなこと、その結果そうなるであろうというふうなことをあまり予測しておりません。
○大坪主査 美濃君に申し上げますか、あなたの持ち時間は過ぎましたから、どうぞ結論にお入りください。
○美濃分科員 では結論に入りますが、しかし農地法の権利調整を含めてこれを達成するといっても、それは大きな矛盾ですよ。 さらにもう一つ申し上げておきますが、五・一頭だというのですね。五・一頭だからいま融資でやればこうなりますよという話をしておる。しかし、これは五・一頭から一挙にいくということじゃないです。たとえば酪農主業でどうでしょうか。他の作物と合わせてつくっておる兼業酪農もしくは賃金収入酪農であれば五・一頭ということもあるけれども、今日の乳価で五・一頭で五十万の所得でやっている農家というのは、低所得で、ほんとうに生活を切り詰めて、年寄りの方あたりが、高年齢の方あたりがやっていないとはいえませんけれども、中年齢あるいは後継者がついて一人前の酪農家で生活をしようという酪農主業農家で五・一頭という飼育態形はありませんよ。もっとそれ以上になっておりますよ。それは一頭、一頭の混同飼育の形態の平均頭数は五・一頭かもしれないが、酪農家の頭数では五・一頭なんかでは生活できるものではありません。北海道にはおりません。そんな農家は早くやめちゃっている。五・一頭の酪農主業農家というのはいないですね。こんなもので生活できません。しかし二十頭にはまだほど遠いわけですね。だから倍の十頭くらいへいくのがあたりまえだと思うのです。他の専業二・二ヘクタールというのは全国平均と了解するが、酪農は、十頭ぐらいに酪農主業農家はなるだろう。見方として九頭ないし十頭くらいでいいと思うのです。それを二十頭にするにしても、融資の額が一千万要るというのです。でも現行条件が合わないという問題がある。私も決して針小棒大に言っておるわけじゃないですから、これはよくあとから農地法の改正ももう一ぺん検討して下さい。大臣がいま言ったことは現実に合いません。私は大臣以上にそういうことの実態——イデオロギーじゃないわけです。ほんとうに農業をよくする、実態として。農地法の改正は大臣がいま考えるような甘いものじゃない。そういう実情とは違う。それは一部には賃借流動化も、大臣の言ったような現象のあることも認めましょう。全部が全部私の言っているとおりだとは言いません。しかしこれを進める体制として、農地法の権利調整をああいうふうに弱めて、こっちへ持っていくというなら大きな矛盾がある。これだけ申し上げておきます。
○大坪主査 大原亨君。
○大原分科員 短時間ですから二点にわたって質問します。一つは、かつて予算委員会で問題になりましたが、農業用ガソリン、それに関連をして農免道の問題、もう一つは、豚の集団飼育に伴う公害の排除の問題、この二点について質問いたします。 第一は、農免道に関連をしまして、農業用のガソリンというのは——この話のもとはガソリン税というのは目的税ですね。しかし道路を使用しない農業用のガソリンについていままで議論になったことがあるわけです。これは倉石さんが前農林大臣のころだったかその前ですね。それで農業用のガソリンというのは、推定でいいと思うのですが、大体どのくらい使われているものですか。脱穀機その他たんぼで使うガソリン、農業用機械のガソリン、そういうふうなものは大体どのくらい使われているものですか。
○中野政府委員 所管の局長がちょっと見えておりませんか、農免道路を担当しておりますので、かわって申し上げます。 四十五年度のわれわれの見込みでは揮発油の消費量は五十三万キロリットルというふうに聞いております。
○大原分科員 五十三万キロリットルを卸売りの価格にしたらどのくらいですか。わからなかったら小売りでもいいですよ。
○亀長政府委員 すぐ照会しまして御返事をいたします。しばらくお待ち願います。
○大原分科員 農免道は、まあその議論の経過は別にいたしまして、そこで農業用ガソリンについては切符を発行して、そして免税のガソリンを使用したらどうか、こういう議論から問題が発展しまして、それは技術的に困難であるから農業用道路に、税金を取っただけ予算を出すことによってつじつまを合わしていこう、目的税でガソリン税を取っているわけですから、何でもかんでも取ればいいというものじゃない。そういうことから農免道というのが出てきたわけですね。農免道が始まりましてから、今年度の予算を入れて大体どのくらい予算を使うことになりますか。
○中野政府委員 農免道路の予算は四十年からもう始まりまして、四十年が三十四億それから順次ふえてまいりまして四十五年度、ただいまの予算をお願いいたしておりますのが百二十八億八千万ということでございますが、これを合計いたしますと約五百億になります。
○大原分科員 それで、五十三万キロリットルというふうに昭和四十五年度の農業用ガソリンの推定量を言われたわけですが、これは、値段、大体出ましたか。
○亀長政府委員 いま計算をいたしております。
○大原分科員 大体昭和四十年からどのくらい農業用ガソリンを使って、そして税金をどのくらい払っているか。むずかしいですか。いや、あなた方、予算要求をするときには資料を出すのじゃないのですか。だからそれを大体見当づけながらやはり還元していくのが私は当然だろうと思うのです。とんち教室みたいなことを質問してあなた方困ったかもしれないけれども……。
○中野政府委員 予算要求をいたします際には、いま申し上げました揮発油の消費量の見込みを出しまして、それに揮発油税の単価、現在でありますとキロリッター当たり二万四千三百円というものをかけまして、ただいま申し上げました百二十八億八千万というのを出しておるわけであります。
○大原分科員 それは揮発油税の単価に使用量をかけて計算したのが、百二十八億になるわけですか。
○中野政府委員 農家が払っております税額をかけておるわけです。
○大原分科員 それで、大蔵省から主計官の方が見えておると思うのですが、大蔵省のほうは大体その計算の基礎に従って農免道の予算を出しておるのですか。
○中野政府委員 そのとおりでございます。
○大原分科員 そうですが。私はそうじゃないということを聞いたから……。大蔵省、それは間違いないですか。農林省がそれを積算して出したらそれが農免道の予算になる、こういう仕組みですか。
○松下説明員 私どもが農免道路事業費の査定をいたしますときには、農林省の要求の基礎になっておりますただいま御説明のありました使用数量かける単価というものをチェックいたしまして、これが適正と認められればそれをそのとおりお認めすることにいたしております。来年度予算におきましては御要求の数字でそのとおりに認めております。
○大原分科員 要求どおり認めているの。
○松下説明員 はい。
○大原分科員 それは私の勘違いだった。間違いないですね。あとで計算してみよう。私が聞いたのと違っているが、二人とも間違いないというなら間違いないだろう。それは当然のことですね。農免道はそれで還元をしていくのが当然のことです。 問題は、農免道の個所づけの方針、基本原則ですよ。これはどういう原則に従って各都道府県に割り当てをしているのですか。
○中野政府委員 農免道の割り当ての原則は、新規地区の採択につきましては公正を期するために、農業用の機械の台数それから耕地面積、農家の戸数などの要素を勘案いたしまして、全体の——先ほど申し上げましたたとえば来年度でありますと百二十八億というものを各農政局別にワクをつくりまして、そしてこのワク内で今度は農政局が地区別に各県から出てまいります希望の農免道を審査をいたしまして、別に定めております採択基準に合致するものを本省に持ってまいりまして、そこで最終的な審査をいたしまして採択をするということで進めておるわけでございます。
○大原分科員 それを農政局単位に指数を基礎にして割り当てる。ここまでは合理的だと思うのですね。それを各都道府県に割り当てる。各都道府県ではどういう基準に従って農免道の個所づけを行なっているのですか。原則なしかな。
○中野政府委員 農免道につきましては、御承知のように各地元からの希望が非常に多いわけであります。そこで県のほうといたしましては、農林省でつくっております基準に合致するものについて希望をとりますと、たいてい非常にたくさん出てまいります。その中で緊急度と申しましょうか、大体順位をつけまして農政局に持っていくというのが現状でございます。
○大原分科員 それでその農政局単位の、たとえば中国地方、広島県とこういうふうにおろして他の府県との均衡を考えた場合に、これはいまのようなやはり一つの基礎数字で割り当てて、そうして各都道府県で申請に応じて順位をつけてやる、こういうことですね。だから各都道府県の間において差があるということはないですね。たとえば倉石農林大臣の長野県のところが一番多くとるというふうなことはないのですね、これはたとえての話だが。
○中野政府委員 ただいまのようなことでやっておりますので、原則的にそういうことはございません。もし先生の御心配があるといたしますれば、農政局に各県から上がってまいりました順序の一番ビリのほうの二つをどっちにするかといったときに、緊急度の高いほうに持っていったときに、ある府県がふえるということはあるかもしれませんが、原則的にはただいま私が申し上げたとおりでございます。
○大原分科員 それからこれは助成は幾らだったかな。
○中野政府委員 三分の二補助でございます。
○大原分科員 三分の一は地元負担ですね。その地元負担との関係で、必要なところでなしに、たとえば財政力豊かな臨海工業地帯のほうに農免道が偏重してつくというようなことはないのですね。
○中野政府委員 いまとちょっと逆のようなことを申し上げるようでありますが、山村振興というようなこととも関連いたしまして、山村振興の地域にもあるパーセントを割り当てするというような考え方をとっております。財政力の豊かであるかどうかによる判断でやっておりません。 なおちょっとつけ加えますと、農林省の三分の二補助、大体の県はその残りの半分以上を持っておるのが実態でございます。末端のほうに対しましては、町村で持つ場合、そうでない場合は農林漁業金融公庫の融資を受けておりますので、財政力によって左右するということはございません。
○大原分科員 私は、ここで具体的な問題でとかくの議論はしませんが、同じ都道府県の中で片寄ったようなつけ方は、この性質上いけないと私は思うのです。それはまんべんに、公平につけろというので、小刻みにつけて効率が悪くなっては困るのですが、しかしこれは農業用ガソリンの議論から出ている問題ですから、還元についてはやはり農業に連なりしかも公平な措置をしてもらいたいという、その点については疑義のないようにしてもらいたい。一つところに片寄るというふうなことはいけないのではないか。同じ県内においても、それらのことを考慮してやることが、この経過から見て至当である、こういうふうに思うわけです。その点については十分ひとつ注意をしてもらいたい。これは答弁してもらわぬでも、非常に公正な農林大臣だからいいと思いますが、農林大臣、その点は気をつけてやってもらいたい。もし悪いことがあったら追及しますよ。
○倉石国務大臣 農林省の行政は、全国きわめて公平にいたしておりますから、これからもそういうふうにやってまいるつもりでおります。
○大原分科員 それから第二は、豚の集団飼育の公害、私は、かつてここの分科会で、広島県の佐伯郡の五日市というところで、広島から豚の飼育をほうり出したところがあるのです。石内というところがあるのですが、そこで豚の集団飼育三千頭ないし五千頭くらいやりまして、非常なふん尿の公害で、その下流地区や周辺地区が弱わっている問題について議論いたしまして、農林大臣は、これは何とか善処するということでありました。韓国人の諸君が多かったわけでありますけれども、ふん尿を小さな河川に投棄をするわけです。小さな河川に投棄いたしますと、その下流地域の水田はアンモニアその他で土地をつぶされる。豚のふん尿は、残飯をやりますと人間の六倍くらい出すそうですから、四千頭おりますと、その六倍ですから二万四千人くらいの人口の町が奥地のほうにできたと同じことになってしまう。人ぷんについてはかなりこれはきびしい管理ができておりますが、二万四、五千名の人口の町ができたような豚の集団飼育に対しましては、全く河川法から考えても各方面から考えても、盲点であったということであります。そこで、いろいろな施策を農林省では立てられて、それについては苦労されたわけですけれども、苦労が全然実っていないわけであります。その経過についてはどういうふうに御理解になっておりますか、わかっている人がありましたら、政府委員でなくてもよろしいから答弁してください。
○太田政府委員 ただいま大原委員がおっしゃいましたように、多頭化飼育の進展、それから家畜飼養地域の市街化に伴いまして、確かに豚の公害問題が大きな問題になっていることはわれわれよく承知いたしておりますが、この問題の解決策といたしましては、基本的には土地へ還元するということが一番よろしいわけでございますが、そればかりではできないところがあるわけでございまして、そのために、われわれとしては、一つは公害発生のおそれのない地域に経営を移転するということ、それから第二番目にはふん尿処理施設、公害防止施設を設置するということであろうかと思うのでございます。 そこで、まず、第二の家畜ふん尿の処理施設につきましては、昭和四十三年度、四十四年度に約三千万円くらいの経費をとりまして、全国それぞれ三カ所ずつでありましたが、家畜ふん尿処理実験施設設置事業を実施中でございます。それで、この実施の結果を待ちまして、どういう対策を講ずるかということの検討に入りたいと思っておるのでございます。それから公害発生のおそれのない地域への経営の移転の問題でございますが、実はただいま御審議をいただいております昭和四十五年度予算におきまして、都市近郊におきますところの畜産農家が集団で経営移転をなさる。それが規模拡大にも資するし、同時に公害の問題の解決にもなるというような場合には、団地造成に対しまして補助を行ないますところの畜産団地の造成事業という予算を、約三億七百万程度の額でございますが、公共事業として要求をいたしております。さらに新しく農林漁業金融公庫に畜産公害対策移転施設資金という、主務大臣指定資金の中でございますが、融資ワク約七億を設けまして集団移転をなさる場合、あるいは個別移転をはかる経営体に対します資金融通の円滑化をはかる措置を講じたのでございます。 なお、以上のほか、実は四十三年度から四十五年度にわたりまして、試験研究機関で最も効果的な家畜ふん尿処理の施設についての実験事業、これも研究事業でございますが、実施をいたしておりまして、それ以外に私のほうといたしましては、畜舎汚水排水の実態調査費、これを新規に要求をいたしております。こういったことによりまして、畜産公害の回避の問題につきまして、積極的に対策を進めているつもりでございます。
○大原分科員 私は、地元だけの問題を言うわけではないですが、具体的に提起をしました問題で、各県でも集団飼育で公害が発生しておるわけですが、たとえば石内なら石内というところ、たとえば畜産の指導ということになると、大規模な集団飼育をやることはいいことですよ、畜産や果樹のほうは選択的拡大をするのですから。しかしながら、そういう都市近郊で豚を飼育するというのは多いのです。なぜかと言えば、金を出して残飯をとってくれということになる。百貨店の食堂や大きな食堂はみなそうですよ。金を一カ月について何万円出すから残飯をとってくれ、こういうことになるから、どうしても都市近郊のあき地とか都市に近い山間地とかそういうところを開拓して、残飯で集団飼育をやるわけです。つまりこっちでも金をもらえるし、こっちでももうかるという仕組みだから、そして飼料はただだから、どうしても都市近郊が多いわけです。選択的拡大は別ですよ。実際上そういうことが多いわけですね。そういたしましたら、たとえば五日市というのは広島の郊外で、補償金を出して広島市内から移転さしたのです。そして山を開いてやったのですが、申し上げたように、小さな川ですから、河川法で監督のしようがないわけです。しかし、小さな川であっても、大きな川へ流れるのです。明治製菓とかいろいろ食品、かん詰め工場とかが川下のほうにあるわけです。その近辺のたんぼはアンモニアで土地をつぶされ、稲がしいなになってしまう、井戸水には豚のふん尿が入ってしまう、川には一ぱいふん尿が堆積しておるわけです。だから、この間も冗談に言ったのですけれども、火事でもあって、ポンプでやったら、火は消えるけれどもくそまみれになる。それで全部だめになってしまう。そういうようなひどい公害があるわけですよ。しかし、それを移転させようと思っても、実際移転できないわけです。それは神戸近郊でもどこでもあるのです。だから、そういう場合に、やはり一方では、何でもかんでも取り締まれということではないけれども、取り締まる法が要るわけだ。今度経済企画庁が主管省でやっております水質保全法ですが、これは小さな河川には適用にならぬのでしょう、どういう河川が基準ですか。知っている人があったら、経済企画庁が来ておらぬから……。私は適用外だろうと思うのです。
○加賀山説明員 ただいまのお尋ねでございますが、経済企画庁のほうでお答えするのが筋でございますが、大原先生が御質問のように、小さな河川は指定になりません。現在指定になっておりますのは六十八河川でありまして、近く七十をこすと思います。
○大原分科員 今度水質保全法が適用になれば、そこへ汚物を投棄した場合には取り締まりを受けるわけですが、こういうのは、実際そこへ入ってきて、そして山を開拓しまして、そして豚はからだはきたないけれども清潔を好む動物ですから、一日に二回くらいそれを洗浄するわけです。それを流してしまうわけです。そうしたら、谷間を通って川へ流れてずっと川下へ行くわけです。ですから、そういう場合には規制措置がなければ——この前議論したときにはポンプをつけようということであった。農林省は、だいじょうぶだ、最新式のポンプであるから、豚のふん尿を処理するのにいいということで、一千万円くらいの金を出して皆さん非常に気を使ってやったわけです。そうしたら一週間もたたぬうちに詰まってしまった。一千万円もかけて一週間もたたぬうちにパアだ。詰まってしまって全然使えない。ふん詰まりと言うが、ふん詰まりとはこのことだ。だからこれは、この技術的な開発も必要だと思うけれども、しかし、これはそんなことをやって、豚の死んだ子供を川へ投げ散らす、そうしたらいろいろな動物が来る、ウジ虫がわく、そういうことで、都会とのつながりがあるから、もし伝染病その他があれば川下なんかもたいへんですしね。人間の汚物については、これはどんな河川でも投棄しちゃいかぬと思うのですけれども。そういう河川法上の取り締まりが運営上も改善されているのかどうか、あるいはそういう汚物を投棄した場合に、たとえば厚生省なら厚生省の立場ではどういう取り締まりの方法があるのか、原因ははっきりしておるのですから。水俣病とかいろいろな病気については、原因についていろいろな説があったけれども、これは原因結果がはっきりしているのですから、そういう場合に水質保全法でも取り締まりができないというふうなことになれば——取り締まりが一本でいいというわけではないけれども、他のほうに移転しろといったって、残飯やその他を簡単にとれるところがいいわけですよ、彼らがやっている場合には。そうしたら居すわったらどうしようもないということになってしまうわけですね。いうなればこれは無法状態ですよ。農林省あるいは建設省、厚生省がそれぞれの立場でこのようにそういう点については社会的な責任を負わせる、取り締まりをするというそういう点についてひとつ発表してもらいたいですね。
○太田政府委員 私が先ほど申しましたように、処理の方針としてはやはりそういった地帯におきましてはふん尿の処理施設を設置することを指導する以外になかろうと思います。ただ、現在の段階におきましては実は一頭に一万円かかるというような非常にコストバールな処理の技術しかまだ開発されておりませんので、実は先ほど申しましたように私どものほうも実験事業をやっておりますし、試験の機関でさらにコスト低下するような方法の機械の開発の研究をしてもらっておるわけでございますが、将来そういった地帯におきましてはやはり処理施設の設置ということを指導によってやってまいるということが基本であろうかと思いますが、さらに先ほど申し上げましたように、非常に問題の多いようなところでは、公害の発生のおそれのない地域への集団移転、これも新しく今回助成をすることにいたしたわけでございますから、地方公共団体と一体となりまして、こういった指導で問題の解決に当たりたい、かように考えております。
○城戸説明員 厚生省の立場で申し上げますと、これは主として清掃法の体系に属するわけでございますが、このふん尿を含めまして清掃法では汚物ということになっております。汚物につきましては河川法の問題がございましたが、清掃法のほうでも十一条で汚物の投棄の禁止の規定がございます。なお、その中で特別清掃地域内の汚物につきましては市町村長が清掃の義務がございますが、こういうような豚のふん尿等につきましては一般の清掃施設では処理が非常に困難でございますので、第八条の規定により特殊の汚物として経営者に対しまして運搬あるいは処分を命ずる、こういう形に従来なっておるわけでございます。ただ私どもとしましては、これが第一次産業ばかりでなしに、いわゆる一般に産業廃棄物といわれておりますもの全体の問題でございますので、現在そういうものを含めましての処理の問題につきましては、生活環境審議会に諮問をいたしておりますが、私どもとしましては、いま農林省のほうからお話ございましたような処理施設が完備されまして、特に汚水の問題を含めまして完全な処理ができるということを期待しているわけでございます。ただ、最後に残りますのは、下水道にいたしましても糞尿処理設施にいたしましても、こういうようなものにいたしましても、汚泥が残るわけでございますし、こういう全体のふん尿廃棄物をいかに処理するかということについては、今後十分検討をしてまいりたいと思っております。来年度はとりあえず清掃事業の特別地方債のワクの中に、特殊廃棄物処理事業としまして八億円が計上されて、具体的には大阪に施設をつくる、かような形になっております。
○川崎説明員 先生御承知のように、水質保全法の指定の水域内につきましては、これは保全法を中心にしましていろいろな法律の体系で規制の措置がきいておるわけでございます。河川のその他の区域につきましては、現在河川法の二十九条に川を清潔にしなければいけないというような法律上の条項がございまして、それの具体的なことを政令できめることになっております。したがっていま先生のお話しのような問題につきまして、河川が一般の飲用の支障になるようなことを規制をするというようなことで、ごみを捨てる問題とかあるいはきたない水を流し込む問題、そういったものもあわせまして二十九条で規制すべく、現在政令につきまして各省と協議をいたしております。(大原分科員「いつごろできるか」と呼ぶ)大体今国会くらいに目鼻をつけるように現在努力をいたしております。なお一方、企画庁のほうで、いわゆる公害対策基本法の面から環境基準というものをいろいろ設定の作業をやっておられますが、こういった地域の基準を見詰めまして、河川法の政令もその線に沿って排出の基準も考えていきたい、こういうように考えております。
○大原分科員 終わります。
○大坪主査 ちょっと大原君、先刻の計算がわかったそうだから……。
○亀長政府委員 先ほどの数字、調査をいたしました結果、四十四年度におきましては四十七万七千キロリットルが農業の消費量でございまして、これに揮発油税額、キロリットル当たり二万四千三百円をかけました百十五億九千万が農林省の予算に計上されております。四十五年度におきましては、税額は同一でございますが、消費量が五十三万キロリットルに伸びましたために百二十八億八千万、これが農林省に計上されております。なお、石油の価格でございますが、小売り価格はキロリットル当たり五万三千円程度のものでございますので、これを五十三万キロリットルにかけますと約二百八十億円に相なりますが、これは直接には農林省の予算と関係ございません。 以上でございます。
○大坪主査 斎藤実君。
○斎藤(実)分科員 私は北方領土水域における安全操業問題と、これに関連する外国船による拿捕漁船あるいは乗り組み員の救済措置についてまず基本的なことを大臣にお尋ねしたいと思います。 御承知のように、北方海域における安全操業問題については、政府としてもソ連側と交渉してきました。ところがほとんどその解決を見ていないわけですね。 〔主査退席、大村主査代理着席〕 四十年の赤城試案の提案に対しても、あるいは四十一年イシコフ漁業相との交渉もまだそのままになっている。昨年愛知外相が訪ソのときも、回答もまだ正式に来ていないようだ、こういったことで安全操業がいつ実現するのか、こういうわけで漁民が非常に熱望しておるわけですね。いまのところ全く見通しも立っていない。こういう状態下でいまなおソ連の拿捕事件が続いているわけです。昨年、昭和四十四年拿捕された漁船は三十九隻、乗り組み員の数は三百六十二人、その中でいまだ抑留されている船は二十五隻、二十二名が乗っておった、こういったことで、この北方海域の拿捕抑留漁船の数というものは千三百十四隻、それから乗り組み員の数は一万一千百二十六名、その損害額も八十二億になっている、こういうふうにいわれているわけです。それで、この北方海域に対しては北海道だけじゃなく全国から操業に出ているわけです。この海域においては毎年約三千隻にものぼっておるわけです。乗り組み員も延べで約三万六千人ぐらい、水揚げ量も約八万トン、金額にしても約百億といわれているわけです。こういった状況の中で、これらの海域に操業している漁民が、日ソ間の領土問題がまだ未解決だという状態の中、あるいは日ソ間の領海の主張が違っている中で、しかも寒冷地という悪条件の中で生活をささえているわけです。ですから、私は安全操業とこれらの拿捕に関連する乗り組み員に対する救済措置というものは、日本漁業振興あるいは沿岸漁業の育成強化という立場からここで放置しておけない問題である、こう思うわけです。 そこで私は、佐藤内閣で随一の実力者である倉石農林大臣が、少なくともこの問題について前向きな解決の意欲を示してもらいたい、こういうふうに考えるのですが、いまだに、一向この問題は解決されていない。ですから一日も早くこの安全操業を願う北方漁民の熱意を背景にして倉石農林大臣が、今後安全操業と——もちろんこれは国際的な関係もありますけれども、あわせて拿捕、抑留者に対する救済措置について、より一そう前向きな強固な施策というものがとられなくてはならぬ、こう思うわけですが、農林大臣の基本的なお考えを最初に承っておきたい。
○倉石国務大臣 北方安全操業の問題につきましては、昭和三十二年以来公式、非公式にソ連側と折衝を続けてまいっておりますが、昭和三十八年に貝殻島周辺のコンブ採取に関しまして民間協定が成立したばかりで、いまだ解決を見るに至っておらないのはまことに遺憾なことでございます。 そこで昨年、すなわち四十四年の九月に愛知外務大臣が訪ソいたしまして、領土問題の解決するまでの暫定的措置として歯舞、色丹、国後、択捉周辺水域におけるわが国漁民の安全操業の実現方を強く要求いたしましたところ、ソ連側は慎重に検討して回答する旨約束いたしました。 この問題は、ただいまお話しのありましたように、領土問題等とも関連して、これまでのいきさつから見ても解決が困難な問題でございますが、北海道漁民らの多年の宿願でありますから、ソ連側の回答を待って、具体案の策定等を行なって、ひとつできるだけ早期に解決を見るように努力をいたしてまいりたい、こういうのが私どもの考え方であります。
○斎藤(実)分科員 なるほど国際問題ですし、ソ連の態度ということもありまして、これはなかなか早急には解決は困難であるとしても、拿捕漁船乗り組み員に対する国の救済措置について、いま若干やっているようですけれども、これについてどうお考えでしょうか。
○倉石国務大臣 昭和四十五年度におきまして予算を要求いたしております。それは北方領土周辺海域におきまして、戦後ソ連官憲によって不法に拿捕抑留されました漁船、船主、乗り組み員等の実態を調査することといたしております。大日本水産会等から、韓国によって拿捕されました漁船に対する特別交付金に準じた国の救済措置をとるように要請がございますが、この措置などは、日韓国交の正常化に伴ってとられました特別の措置でありまして、ソ連に拿捕された漁船の場合と事情が違うので、大日本水産会等からの要望については、まず実態を調査してから慎重に検討をすべきものであると考えておるわけであります。
○斎藤(実)分科員 この拿捕された家族に対して調査をする、これは了解いたしました。しかし拿捕漁船に対する国の援助措置としては、昭和三十四年の五月一日に閣議決定で死亡者に対して七万五千円ですか見舞い金を出す、それから留守家族に対しては月一万円という閣議決定をされておるわけです。そのほかに漁船員の乗り組み員給与保険の運用、こういう二つあるわけですね。最近では昭和四十一年の五月に第十一進洋丸が国後島沖でソ連船に連行途中に沈没して六人が死亡した、昨年は第十三福寿丸、これは歯舞沖でソ連船が追突して十一人死亡したという事件があって、これに対して昭和三十四年の五月一日の閣議決定の見舞い金が一人七万五千円支給された。地元として見れば、見舞い金ですから幾らくれということは言っておりませんけれども、十二年前のことでもあるし、物価あるいは経済ベースということを考えてみれば、もう少し何とかしてもらえぬかという要望が非常に強かった。それで道のほうでも、国とは別に、この拿捕中に死亡した人に対してはもともと二万五千円出しておった、昨年の第十三福寿丸については、政府のほうでも、これは何とか、わずかな金であるけれども少し上げてもらえぬかということを要望しておるけれども、何ともこの見舞い金を引き上げるということまで至ってない。道としてもこれは少し上積みしようということで二万五千円アップして五万円にしたわけですね。昭和四十一年から昨年まで五年間で十七人がなくなっているわけですね。これからもこういったことが起きてくるのじゃないか。安全操業の解決策はありませんし、この点何らかこの見舞い金を多少アップをすべきではないかというふうに考えるのですけれども、これはたいした金額でもありませんし、この点ひとつ何らかの措置を当然すべきではないか。この点長官どうでしょうか。
○大和田政府委員 拿捕等によりまして死亡した船員に対しまして国が七万五千円のお見舞い金を差し上げました。第十三福寿丸につきましても実はいろいろ問題があったわけでございますが、それをいわば押し切って、早期に、昨年の暮れに私どもとしては交付をいたしたわけであります。これに対して確かに北海道で一人五万円の上積みをいたしました。七万五千円が多いか少ないかという問題になりますと、これはなかなかむずかしい問題で、もともと国から差し上げるお見舞い金でございますから、いまの物価等を勘案してどうかという御議論もいろいろあると思いますが、私どもこのようなケースにおきましては、まず漁船保険で漁船に対する補償をいたしておりますし、御指摘になりましたように、家族に対する見舞い金あるいは保険金の支払い、それから死亡された場合につきましては、労災法あるいは船員保険法で一時金ないし年金の支払い、その上につけ加えての国からのお見舞い金七万五千円でございますから、この七万五千円の問題は独立さしてどうこうするのではなくて、いまの段階ではこれはなかなかむずかしい問題でございますが、片方で安全操業の早期実現を期するために一生懸命やることとあわせまして、全体としてやはり何らか検討すべき筋合いであろうかというふうに考えておるわけでございます。
○斎藤(実)分科員 先ほど大臣が言われたように、韓国との関係のときには、韓国と日本との国交回復したという時点で、一応あれは約四十億ですか、特別交付金ということで処理をされたわけですね。そして十億程度の低利の融資ということも考えた。ソビエトの場合は問題が解決されておりませんから、損害賠償の請求権は留保しているわけですね。ですから、そういう国との関係が違うとはいっても、操業中に拿捕されたという事実は同じだ。ですから、相手国が違っておっても何らかの救済措置を考えられないものかどうか。賠償金の内払いといったことでも、死亡した場合あるいは拿捕された船主、乗り組み員に対して特別に考えるべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○大和田政府委員 先ほど大臣からも申し上げましたけれども、韓国の場合は実は日韓国交の正常化に伴って国が請求権を放棄したという事態があるわけでございます。ソ連の拿捕等によって被害を受けました場合は、——御承知のように第十一進洋丸あるいは第八多与丸、第十三福寿丸等々の被害に対しまして、最近現地から、ソ連政府に対する損害賠償の請求が私のほうと外務省のほうにまいっておりまして、その総額が二億七千万円ほどでございますが、私ども外務省と相談いたしまして、近くソ連政府に対してその手続を行なう予定にいたしておりますので、韓国の場合と、ソ連によって拿捕された場合と、私は相当事情が違うだろうと思います。しかし、これは大臣からも申し上げましたように、拿捕された船千三百隻ほど、あるいは一万一千人ほどの人が拿捕されておるわけでございますから、その人たちの実態をまず調査して、そこで慎重に政府全体として判断をすべき問題だ、そういうふうに申し上げておるわけでございます。
○斎藤(実)分科員 いま長官から、調査をし、その実態を見てから考えるという御答弁がありました。それもそうでしょうけれども、基本的に日本としては、北方領土は日本固有の領土であるという領土権を主張している。しかも、領海三海里もいまのところ主張しているわけですね。政府の主張している海域において操業中に拿捕された、あるいは抑留された、沈没して死亡したこれらの船主、乗り組み員に対しては、やはり前向きの積極的な基本的な考え方、何とかこれは救済しなければならぬというふうな態度が必要ではないかと思うのですよ。先ほどの、調査費をつけて調査しよう、それはけっこうです。私もこれは前向きな姿勢だと思っておりますけれども、今後日ソ間の領土問題が早急に解決されるとなれば安全操業は問題はないと思うのですけれども、だれが見ても、当分長引くのじゃないか、今後もこういった拿捕事件が発生するのではないかということも考えられるわけです。 先ほど、ソ連に対する賠償問題については、日韓国交回復に伴う場合は特例であって、韓国のようなわけにはいかぬという御答弁でした。昭和三十四年五月の閣議決定においても、この七万五千円の見舞い金は賠償金の内払いの趣旨というようなことばも使っているわけですね。大日本水産会でも、これらの損害について八十二億にものぼっている、こう言っているわけですから、この調査の結果、私は願わくは賠償の内払いという方式など、これに準ずるような救済措置を講じてもらいたい。先ほど長官が言われましたように、乗り組み員給与保険に入っていないところもあるのですよ。あの海域は船主兼船頭というのもあるわけです。こういう方が対象にならぬわけです。こういったことも非常に大きな問題だと思うのですけれども、ひとつ前向きな、積極的な考え方を持ってもらいたい。これで、調査によっては賠償内払いという形式でもやりたいのだ、こういうお考えなのかどうか、この点、ひとつ御答弁願いたい。
○大和田政府委員 先刻申し上げましたように、これはなかなか大問題でございまして、非常に理屈を言えば、韓国の場合と違うということも言えますし、また拿捕された人たちの実態についても、いろいろ私どもも聞いておることがございますので、調査の結果をまって慎重に判断いたしますというふうに申し上げる以外にいまの段階ではございません。
○斎藤(実)分科員 大臣にひとつ政治的なお考えをお伺いしたいので すけれども、いま私が申し上げましたような事情なんです。それで、年々水産物の漁獲量というものは少なくなってきている。沿岸漁業に対してもいろいろな問題が起きているわけですね。この北方海域というものは長年にわたって日本人が苦労し、開拓してきた漁場だということで、この北方海域の安全操業あるいは補償問題は一北海道の問題ではなくして、やはり前向きに取り組んでいかなければならぬと考えるわけです。それで、先ほど申し上げましたような、長年にわたって放置されてきたこの補償問題、救済措置について大臣の任期中に解決するのだという決意があるのかどうか、その辺のところをお伺いしたい。
○倉石国務大臣 北方海域の安全操業の問題は、わがほうで領土権を主張しておる地域の領海が多いわけであります、そのほかにもございましょうが。したがってこれは多く、国際的な領土問題が非常に大きく横たわっておると思うのであります。したがって、この解決というのは、やはり漁業問題、安全操業の問題だけでなくて、領土問題が根底に横たわっておりますので、いまのような不当な占領がわが国の領土において行なわれておるということを前提にして考えてみますと、なかなかむずかしい問題でございますが、さりとて、先ほど来お話のありましたような問題がございますので、ひとつ事情を十分調査いたしまして、その上で、迷惑をこうむっておられる人々にどのようにめんどうを見て差し上げることができるかということについて、ひとつとくと検討をいたしたいと思っておるわけでございます。
○斎藤(実)分科員 では、以上で終わります。
○大坪主査 山中吾郎君。
○山中(吾)分科員 私は、水産関係を中心にしてお聞きいたしたいと思いますが、岩手の三陸沿岸漁業というものを、その実情を見ながら御質問を申し上げるのです。 最近、沿岸漁業の不振の状況の中で、漁民の方は、例の、とる漁業から育てる漁業というのですか養殖漁業、こういう行き方でないと生きていかれないというので、各漁村の部落の青年グループろとか、あるいは青年といわず成人を含んで、アカガイの養殖の研究とか、従来のアワビその他のいいろの研究を盛んに始めておるわけです。そういう人たちの声を聞きますと、研究費の助成が非常に少ないので、たくわえのない貧乏な漁民にとっては、養殖その他で生きていくしかないので、切実な問題であるけれども、国からのそういう養魚、養殖の助成金が非常に少ないことを絶えず耳にしておるわけであります。現在、農業関係についてはずいぶんと手厚い保護があるのでありますが、漁業関係については、いわゆる漁業構造改善事業というのは着手はしておりますけれども、企業化する以前の一つの基礎になる研究そのものに対する助成というのが非常に少ないのではないか。その点を非常に不合理に思いますし、また、生産意欲に燃えて、とるだけの漁業でなくて、もっと知的な、育てる漁業という方向に転換をする中で努力をしておる漁民に対する政策が非常に貧困である。 それでまず、現在、そういう研究段階にある漁業に対する国の手当て、研究費を中心として、どういう状況にあるかをお聞きしたいと思います。
○倉石国務大臣 いま御指摘のことは、たいへん大事な問題でございます。水産庁長官から現在の状況を御報告申し上げます。
○大和田政府委員 御指摘のように、私ども、沿岸漁業の一翼として養殖の問題が非常に大事な問題になってきておると存じます。それは、私ども、三十七年から第一次の沿岸漁業の構造改善事業をやっておりますけれども、その過程で、今後沿岸漁業を振興させる二つあるいは三つの技術的な柱ができたというふうに思います。 一つは、農業土木に匹敵するような水産土木工学がこの十年ほどの間に相当発展をいたしたということで、それによりまして浅海漁場開発事業というものを四十五年から、松島湾でありますとか浜名湖について、事業化を始めておるわけでございます。 それから、もう一つは、いま御指摘の養殖関係でございまして、現に、岩手ですからハマチはございませんけれども、西のほうでいえばハマチはすでに三万トン以上の養殖ハマチの出荷がございまして、天然のブリの生産額というのは大体四万トンちょっとでありますから、天然のブリの産額にほとんど匹敵するようなハマチの養殖ができておる。あるいは東北で申し上げますれば、ワカメの養殖が非常に盛んでございます。 もう一つは、電子工学の発展による漁船の近代化という問題でございます。 この三つが、私ども今後の沿岸漁業をささえる柱であろうと思いますが、こういう立場から、私ども、研究につきましても相当力を加えておりまして、これは技術会議の所管でございますが、浅海養殖につきまして、約一億ほどの総合的な予算を取りましたことが一つ。 それから、養殖の中で、人工ふ化あるいは養殖のところまで、いわば実験室の過程としては成立しておりますけれども、企業化が非常にむずかしい。サケとか、マグロとか、カニとかいうものの企業化の試験につきまして、約六千万円ほどの予算を取りました。 それからさらに、ウナギでありますとか、あるいはハマチでありますとか、天然の種苗をさがして養殖をするものでございますけれども、種苗の生産がはなはだ不安定というものにつきまして、種苗の安定的供給をはかるための予算も新しく組んだ次第でございます。 私ども、さらに普及に近づけるために、瀬戸内海の栽培センターの予算も充実をさせるつもりでおるわけで、養殖関係の予算につきましては、相当の配慮をいたしておるつもりでおります。
○山中(吾)分科員 大体それは魚のほうですね。貝類のほうについてはどうですか。
○大和田政府委員 貝類の問題につきましては、ホタテガイあるいはアワビ等々、これは実験室におきましても、企業といたしましても、大体確立をいたしておりまして、すでに沿岸漁業構造改善事業で幾つかの県で実際やっておるわけですが、先ほども申し上げましたが、第二次構造改善事業を相当大規模に四十五年から調査に着手して、四十六年からこれを実施いたします過程で、私が先ほど申し上げた水産工学を使っての漁場の改良と、それから新しい技術を使っての養殖の展開を、構造改善事業の新しい内容として相当持ち上げていきたいというふうに考えております。
○山中(吾)分科員 私が聞く実態からいいますと、海岸の各漁村で、資金がないものですから、ホタテガイとかそういうふうなものを、かつて自然に繁殖しておったものでいま途絶したものを復活をしている。前に育っておったものですから、条件があるわけです。そういうふうなグループをつくって研究している者に聞きますと、県からのあるいは漁連からの助成が十万ずつくらい程度が最高である、国からの助成というのはどうしてどうなっているのやらわからないのですが、いま構造改善事業費の中で、研究費という助成があるのですか。
○大和田政府委員 構造改善事業は事業の実施でございますから、直接研究的なものはございません。ただ漁協の組合長で非常に進取的といいますか、進歩的といいますか、企業としては多少未確立でございますけれども、やってみようということでやっておるものはございますけれども、それはやはり単純な、研究というものではございません。
○山中(吾)分科員 それで、いわゆる構造改善事業は事業であり、それは事業化したものに対する助成、それから事業化する前段階のいわゆる研究段階については対象にならないようである。したがって、国からは何ら手当てがない、末端からいえばそういうことになると思うのです。結局県とか市町村とかあるいは漁連というふうなものが若干の助成をしておるという状況である。これは他の関係からいいましても、研究に対する助成というものは多いか少ないか、みな、している。水産関係だけがどうも手薄であると思うのですが、これはぜひ奨励助成といいますか、そういうものについてはひとつ芽を出すように大臣にも御検討願っておきたいと思いますが、いかがですか。いま突然ですから何ですけれども……。
○大和田政府委員 多少こまかくなりますけれども申し上げますと、構造改善事業で設置した県営の種苗センターが、県にいたしまして十五でございます。これは事業費が八億ほどで国費が三億一千万円ほど出ております。設置の場所といたしましてはいろいろなところがございますが、相当多くのところで県の試験場の分場で種苗センターをつくっておりまして、それは普及と同時にやはりある意味で実践的な意味での試験研究の要素も多少入っておるわけであろうと思います。私どももそういう現場に何回か立ち寄っておりますけれども。したがいまして、県の試験場は元来試験研究の機関でありますと同時に、普及のセンター的な役割りも当然持っておるわけでございますから、厳密にいえば、構造改善事業の補助金というのは試験研究ではなくて、まさに普及の段階に支出されるものですけれども、実際問題としては普及のセンター的な役割りと同時に、ある程度の試験研究も目的としておる。そしていまお述べになりました十万円というような小さい単位のものではございません。相当大きな金額が十五の県に出ておるわけでございます。
○山中(吾)分科員 その種苗センターについて次に聞こうと思ったのです。研究しておる漁民から聞きますと、研究というものに成功して、これからある程度企業化しようとするときに、種苗が要るわけですね。その種苗を供給するのが種苗センターである。したがって、種苗センターは、営業というか企業としてすでに成功してその段階に達したときに種苗を供給するところだから、その研究段階についての助成とは違うのです。どうしても種苗センターの前の問題として研究費助成というものを、国の予算で一千万、二千万くらいの計上はしてやって、沿岸漁業がもっと知的な漁業に転換する費用を——農業のいろいろなことを考えると、漁業に対してはほとんど政策不在といってもいい状況ではないかと思うので、この研究費についてはぜひ検討していただきたいと思うのです。
○大和田政府委員 養殖の問題というのは大事でございますから、構造改善事業を進めると同時に、県の試験場の試験研究等についても十分配慮をいたしているところでございます。
○山中(吾)分科員 そこで、いま局長のほうから言われた種苗センターですが、研究したあといよいよ今度は一つの事業としてやるときに種苗がない。いまお話しになった漁業改善事業で八億くらいの予算があって、全国二十カ所くらいですか、ある程度助成をしてこれは県でやっておるわけですね。県に対する補助だと思います。非常に小規模のものなので、県内における種苗センターの対象になっておるものだけは何とか役に立つ、しかし、県内にないところの種苗、これはどこからも供給をしてくれない。したがって、たとえばアカガイとか、そういうふうなものは岩手にもできれば、あるいは北陸その他にも出てくるわけですから、全国的に必要なところに配給してやる機構でないとほとんど役に立っていない。瀬戸内海の栽培センターというか、あれは国立でしょう、国立でないのですか。とにかく全国的に配給できる、そういう機構でないと意味がないのではないか。したがって、ああいう三陸沿岸ずっと、東北なら東北全体に少なくとも配給のできる国立に相当する国営種苗センターでなければ役に立たないという声を私は聞いているのです。あれは県だけの話で、もう隣の県には供給しない。セクショナリズムがあるものはいけないといえばそれまでですが、こういうものはやはり国の高い技術と施設をもって大量に種苗あるいは種をつくって配給してやる機構が必要で、私は国立が妥当ではないかと思うのですが、それはいかがでしょうか。
○大和田政府委員 私は、種苗の供給は漁業者と密接な関係があるわけでございますから、全部が全部国立あるいは国立的なものの供給にまつということは必ずしも適当ではないのではないか。種苗につきましても地方的なものもございますし、それから種苗生産についてそれほどの技術が必要でないというものもございます。どこの県でも自分のところでほしいというものがございます。たとえばアワビ、アカガイ、ホタテガイ、クルマエビ、タイというようなものは、構造改善事業その他の補助によって県で種苗を生産してじかに漁家に供給するという方法でいいのではないか。私ども瀬戸内海で、これは国の委託でやっておりますものは、カニでありますとかタイでありますとか、ヒラメ、カレイ、クルマエビもそうでございますが、大量生産の利益があって、県にまかせておく場合よりも、いわば国家的な規模で行なうことがベターと思われるようなものについてやるべきではないかということで、種苗につきましても単純に——単純というと失礼でございますが、一律に全部国営の種苗センターということじゃなくて、県と国的なもの——これは国立でなくても、私はある意味では地域的なものでもいいと思いますけれども、そういうものとに振り分けて種苗生産をやることがいいのじゃないか、そういう趣旨で実は瀬戸内海の種苗センターも動かしております。
○山中(吾)分科員 実態は各小規模に県の内部の小さな種苗センターなのです。したがって隣県、その付近にもほとんど及ばなくて、せっかく研究が成功しても種苗センターの供給というものを受けられないので、全部しり切れとんぼになってしまっている。その実態をよく調査していただいて、三陸沿岸のような全体の大きい漁場を持っておる三県ぐらいを含んだものには公平に必要に応じて分配できる、そういう種苗センターをやはり発想されて、実地を調査されることを要望したいと思う。これは現実の漁民の声です。 次に、そういうことも含んで文部省も来てもらったのですが、現在の水産学校というのは、養魚養殖の方向に進んでいくときには、これだけの技術者を養成する学校としてはほとんど機能を持っていない。岩手の場合には宮古に宮古水産学校がありますけれども、その地域のそういう開発にはほとんど役に立っていない。したがって、いま海洋開発というふうなものも含んで相当総合的に国策としてやっていこうというときでありますので——工業は国立の工業専門学校に昇格をして技術者養成にずいぶん国税を投じておるのです。それから商船も専門学校に昇格しているのですが、水産高等学校も水産専門学校として再検討される必要があるのではないか。現在、水産学校というものはほとんど役に立っていない。卒業生は水産学校を出て山の中の小学校、中学校の先生をしておるとか、結局身につけたものは不徹底なものだから、海でその技術を活用するだけの技術の形成はない。ほとんど山の中の先生をしたりあるいはせいぜい漁連の事務職員といったような程度であって、ほとんど学校の目的を果たしていないのです。こういう養殖も含んで専門学校水準に持っていって、そこの付属が養殖センターの機能を果たすようなことをしなければ、おそらく沿岸漁業の開発はできないのではないかと私は思うのです。文部省においても、いま商船と工業だけを専門学校にしておるのだが、水産教育も同じように考えるべき課題ではないかと思うのです。これは農林大臣、水産庁関係の人のおる前で文部省の人の意見を聞いて、また文教委員会で発展させたいと思うので、審議官がおるのだから、ここでひとつ何かお聞きしておきたいと思うのです。
○清水説明員 ただいま山中先生から御指摘ございましたように、水産高校におきまして、漁業とかそれから水産製造というような水産の養殖学科が置かれております。御指摘のとおり、単に魚をとるということから養殖の関係に漁業が移行している傾向にあることは確かでございます。したがいまして、高等学校段階のことで申しますと、先般の高等学校の学習指導要領の改訂案におきましてはそういう点を重視してまいりたい、こういう案が提出されておるわけでございます。 いま御指摘の高等専門学校にしないのか、こういう点でございますけれども、養殖につきましては、御承知のとおり大学付属の研究所とか、あるいは研究施設とかまた水産実験場等で研究中というのが実態であると思うのでございます。専門家のお話を聞きますと、非常に養殖ということが理論的にも技術的にもむずかしいというようなこともあるようでございます。高等専門学校の制度としての拡充の問題につきましては、先生御承知のとおり、ただいま制度調査会を設けまして、電波、それから一般農業、商業等のことについて検討しているさなかでございます。水産の養殖につきまして、これが中学校から一貫して教育体系に入るかどうか、こういう点が一つ大きな問題になろうかと思います。また御指摘のとおり、卒業後の進路というようなものを踏まえまして、大学所管の研究所等の研究成果を見て、この制度調査会で十分検討さしていただきたい、かように考えているわけでございます。
○山中(吾)分科員 最近の水産技術の点からいえば、中等教育としての水産高等学校はもう役に立たない。前期高等教育程度の技術者養成を目的とした教育機関でないと、卒業生は結局は全部漁業に従事していないのです。ほとんど技術者として一つの技術を身につけていない。水産高等学校はそういう機能を果たさない教育機関——その地域の水産開発のためにつくっておるのですが、そういうことになっている。それから一方、水産庁の水産行政のほうも技術開発については政策はない。そういう関係から技術者の養成という点、それから研究がそこから生まれてくるという体制はほとんどないのだと私は思うので、その点は具体的にどうということば特に申しませんが、研究費の助成も含み、技術養成も含んだ体制をとにかく一つの漁業中心地域においてはつくる発想を御検討願うべきである。農林省というのは名前のとおりで、農林水産省ではない。水産がない。どこでやっているんだと思ったら農林省の中に水産庁があるのですが、農林大臣ですから、農林水産大臣とつけていれば、少し水産にも着眼するかもしれないが、農林大臣なのでどうも水産が抜けている。しかし、島国であり資源の少ない現在、海洋開発というのは大きい国是として取り上げるべきような問題に現実の条件が違ってきておるときですから、もう少し本格的に海洋開発という中の一環として、水産政策、水産行政を大々的に推進すべきであると思うので、その点を特に強調しておきたいと思います。 農林水産大臣のその点についての御所見を伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 農林省でも水産については特段に努力をいたしておるわけでありますが、お説のように、私どももわが国全体の立場から見て水産業は実に大切でありますので、水産関係にも十分力を入れてまいりたいと思っております。
○山中(吾)分科員 最後に一つだけ具体的な問題を……。 宮古は、この間私は視察に行ったのですが、あそこにラサ工業があって、カドミウムが出る。例のイタイイタイ病の原因ですね。それで岩手大学の後藤教授が調査をいたしましたならば、その沿岸の魚を食っておるという一つの立証になるわけですが、内陸部の、たとえば盛岡付近に住んでおる人よりも、この付近の人にカドミウムが数倍多かった、摘出してみますと。そういうことから、また一方に宮古湾のカキがいわゆるミドリガキと称して一つの問題になっておりますが、その原因はどこにあるかということもいま研究中であります。しかし、カドミウムというものと関係があることはほぼいえるのではないか。そこで数年後あるいは十年後に例のイタイイタイ病などがもし発生すれば、それまで捨てておくということは、実質的には人体実験なんです。人間がそういうイタイイタイ病になって、それから処置するならば実質上人体実験だと思うのです。 そこで、私はぜひ農林大臣及び水産庁長官に御検討願いたいのは動物実験——そういうカドミウムが出ていることは事実です。最近私たちがやかましく言うので、石灰その他をさらに倍加をして基準より下げておる。しかし、報告のときは下げておるけれども、油断をするとまた出てきておるわけです。調査をしたときはそれを処置する。それを繰り返しているうちに何か出てくるのではないか。したがって、そこの魚を通常食わす、動物、犬でも何でも。県立水産試験場に必要なら皆さんのそういう助成をして、その地域に水産試験場があるのですから、そこの魚を犬か何かに食わして、人間がそういうイタイイタイ病になる前に犬か何かでそういうものが出るか出ないかを動物実験をされるくらいの処置はされるべきではないか、たいした金でないのですから。いまは報告を受けてそういう基準以下になっております、会社のほうは手当てをして、条件の良好なときだけ報告をする。通産省の仙台にある通産局長のほうは、公害部長は不意打ちをやってみたところが昨年はこうだった、基準は越えておる、そういうことでお互いに糊塗しておるだけです。しかし、十年、二十年後に出てくる病気なんですから、カドミウムが出ていることは事実なんです。やはり水産行政の一つの公害防止の責任として、動物実験をされる必要がある。犬を飼って食わしておればわかるのですから、それぐらいはおやりになってはどうか。またぜひそういう手当てをしてもらいたい。それをひとつ私の提案として、ぜひ御検討を願うことをお願いして終わりたいと思います。
○大和田政府委員 ラサ工業のカドミウムの問題につきましては、私のほうから担当官を視察にやりましたし、県なり通産省なりに厳重に申し入れて、工場の施設改善等についての申し入れをいたしておるわけです。それで県からの報告によりますと、海水のカドミウムの含有率は〇・〇一PPM以下、どうもそれほど問題ないではないかという報告もあるわけでございますけれども、現在、県の衛生試験場を中心にして、カキにつきましてモルモットを使っての試験をやっておって、それが近く結果が出るそうでございますから、その検討を待って私どももいろいろこの問題についての検討をいたしたいというふうに考えております。
○山中(吾)分科員 ミドリガキや、またあまり金もうけと密着したことだけをやっている。そうでなくて、カドミウムの出ておる海と川の境の魚を犬か何かに食わせなければそれはだめなんですよ。ミドリガキのことばかりやっているけれども、それはミドリガキの問題なんです。そうでなくて、あの地域に住んでいる——こんなに大きく新聞に載っているのですよ。これは実験のことも出ておりますが、時間がないから省略しますけれども、盛岡に住んでいる、内陸部に住んでいる者の四倍、人体にカドミウムが入っておる実験も出ているのですから、何らかのものが出るに違いない。それを魚そのものを食う動物実験をやらせるべきではないか、これを私は言っているのです。
○大和田政府委員 宮古湾におきまして、やはりカキが問題で、魚はあんまりとっておらないのですけれども一しかし、御指摘の点もございますから、私ども十分勉強いたします。
○山中(吾)分科員 ミドリガキだけでなくて、全体のその付近の川にある魚を対象にして一緒にやらなければ、これはカキばかり食っている人がそうだというのじゃないのですから、魚を直接食う動物実験を特に私は強調しておるのですから、それは誤解のないようにしてくださいよ。それはひとつぜひやってもらいたい。むだであろうが何であろうが、人間がそうなったあとはこれは人体実験ですから、大臣お知りになっておりますか。その点の御意見を聞いてから終わります。大臣に一言……。
○倉石国務大臣 十分にひとつ検討させなければならない問題だと思います。
○山中(吾)分科員 終わります。
○大坪主査 芳賀貢君。
○芳賀分科員 最初、米価審議会の関係についてお尋ねします。 農林大臣は三月中に米審を開催する予定を立てておられると聞いておるわけですが、その際農林大臣として、米審に諮問すべき事項についてはどういう内容になっておるか、あるいはまた、懇談会形式等で開くとすれば、その懇談会に対してはどういうような協議事項を提出されるか、この点をお尋ねしたいと思います。 そこで、たとえば昭和四十五年の米価については、昨年同様二カ年連続据え置きの方針を政府においては定められておりますので、この点について報告をするのか、この点が一つですね。 あるいはまた、与党自民党の総合農政小委員会等におきましては、今年から米の銘柄格差あるいは等級格差の拡大等について実行するということでありますので、これらの点についても米審にはかって方針を立てようとしておるのか。 それから第三の点は、昭和四十三産米を中心とした過剰米の処理対策等についても、政府としての具体策を米審に示して参考に供するのであるか、こういう問題が出ると思うのでありますが、お尋ねいたします。
○森本政府委員 昨年の米価審議会で麦の値段の御審議をいただきました際に、二、三調査をしあるいは検討して報告しろという事項がございます。それが大体当時の御意向では、年度内にというふうなお話がございましたので、私どもとしましてはさような調査なり検討の準備が整いますれば、そういった時期に米価審議会なりあるいは懇談会なり何らかの形でお開きをして御報告をしなければならぬということになっております。したがいまして、こういった時期に開きますことになりますれば、そういった趣旨がおもなことになる。ただ最近、こういう時期でありますから、米をめぐる諸問題についてもあるいは御論議があろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、こういった時期に開くといたしますれば、さようなことが主題になるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○芳賀分科員 そうしますと、米審が開催された際に、政府側から四十五年の生産者米価並びに消費者米価、両米価据え置きの方針あるいは銘柄格差、等級間格差の設定、拡大の問題、古米処理対策の問題、こういう具体的な問題を政府側から提出するということはないわけですね。
○森本政府委員 本年産米価の決定に関します米価審議会は、いずれ別途またお開きをして御審議をいただくというふうなことになろうかと思いますので、そういった問題について最終的な御討議をいただくというのはそういう時期になろうかと、いまのところは思っております。
○芳賀分科員 私の聞いておるのは、四十五年産米の価格をどうするかということでなくて、四十五年の米価についてはすでに政府として据え置きの方針を決定して国会においても明らかにしたので、この点を米審においては了承してもらいたいということをこちらから提示するのかどうかということを聞いておるのです。
○森本政府委員 いずれにいたしましても、この三月とかあるいは四月の初めにもし米審を開くということになりますれば、まだそういうふうな段取りは私ども部内で検討いたしておるところでございますから、どういうふうにいたすか、最終的にまだきめておりませんけれども、お話を申し上げておりますのは、開きますおもな動機、あるいは先ほど申し上げました麦価の御審議の際に求められておりますところの報告を申し上げるということが主題であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○芳賀分科員 次に、先日の予算委員会において私から農林大臣、大蔵大臣に、本年度の米価の問題について質問したわけですが、この際事務当局として、この生産者米価を昨年と本年二カ年間連続据え置きにするということを、いまの食糧管理法に基づいて算定をするということはなかなか困難な作業だというふうに考えるわけでありますが、どういう算定方式を用いて前年同様据え置きになるような作業をやるかということについてはすでに研究を進めておるかどうか、その点はいかがですか。
○森本政府委員 しばしば大臣からも御答弁がありましたような方針をとりたいということでございますけれども、具体的にいかような方式でいかような数値でやってまいるかということは、まだ十分材料がそろっておりませんので、いまのところは検討は進んでおりません。
○芳賀分科員 総理大臣や農林大臣の国会における説明、答弁は、これはあくまでも自民党政府としての政治発言ということになるわけですが、いやしくも役人の皆さんの場合は、現在ある食管法というものを中心にして、忠実に事務的に作業しなければならぬと思うのですよ。何でも総理大臣や農林大臣が言われれば、そのとおりしますというようなことで口調を合わせるようなことでは、これは官僚としての資格はないんじゃないかと思います。苦労はあると思うので、どういうやり方で二カ年間どんぴしゃり据え置きになるような計算をするのか。まだ作業に着手しなければこれはやむを得ぬが、ぼつぼつ始めておるとするならば、どういうやり方で進もうとするかということ、これは貴重な参考になるのですから、述べてもらいたい。
○森本政府委員 いずれにいたしましても、食糧管理法に定められておりますような条文に基づいて米価を決定しなければならぬということは申し上げるまでもないことだと思いますが、具体的にその作業をどういうふうにしてやっていくかというところは、先ほど申し上げましたような段階でございますので、いまのところは御答弁を申し上げるような材料はまだ持ち合わしていないということであります。
○芳賀分科員 次に、古米の処理対策でございますが、第一に昭和四十二年産米について、ことしの新年度の食管会計の中におきましても、えさ用に六万トン、加工原料用に十八万トンを放出して、その損失を埋めるということになっておるわけでありますが、この中で特に六万トンを家畜のえさに回す、しかもその価格はトン当たり二万円ないし二万五千円程度ということになると思いますが、この扱いはなかなかむずかしいと思うのです。新聞等によると、米屋は一日も早く食糧庁が古米の放出をえさ用としてやってもらうということをここで期待をしておるのですよ。えさ用であっても何でも放出すれば巧妙な手口でこれは米屋に当然流れていくわけですね。四十二年の米にしても、これは食用に向かぬということじゃないわけですよ。そうなると、たとえば払い下げ価格が十二万五千円ですか、卸売り価格は。それだけの価値のあるものを二万五千円で、まあ途中リベートを出すにしても手に入るということになれば、これは相当大きな不当利益を得ることができるわけですからして、払い下げをするという場合には、その点に対して絶対そういう心配のないようにするという措置が事前に必要だと思うわけです。 それからもう一つは、簡単に人間の食糧だから家畜に回せば飼料は心配ないというものじゃないと思うのですね。やはり乳牛にしてもあるいは馬にしても、家畜に米を飼料として給与する場合には、一日の分量であるとかあるいは使用方法であるとか、こういう点はやはり農林省内部では、畜産局等が中心になって十分研究した結果、もし飼料用に回す場合には、このような方法で家畜に飼料として使用すべきであるというふうな、やはり明確な方針を立ててでないと、これはたいへんにまた被害が及ぶというふうにも考えるわけです。この点についても明確にしてもらいたいと思います。 それからもう一つは、貴重な政府の管理食糧ですからして、みだりに飼料に回すということでなくして、たとえば食糧不足国で米の援助的な供給をしてくれというような場合には、この際進んで行なうべきだと思うのです。そのために政府としても政府米の輸出に関してこれを延べ払い措置ができるというような一連の法律を提案する用意をいたしておるわけですからして、むしろこういう点に重点を置いて過剰米の迅速な処理方針というものを立てる必要があるのではないかと思いますので、いまの点に対して具体的に長官から述べてもらいたい。
○森本政府委員 かなり膨大な過剰米が発生をしておるわけでありますが、私どもとしましては、できるだけそういうものについて財政負担等の関係も考え、また、せっかく生産をされました方々の御気分といったようなことも十分考え、また、用途としても適切なものを選択をいたしまして処理するということで計画をつくりたいと思っておりますけれども、また、いろいろな用途についていろいろな措置がございますけれども、私どもとしては十分詰まっていない点がありますので、できれば来年度に入りまして早々いろいろな学識経験者のあらゆる方にお集まりをいただきまして、さような点について御意見を伺って、ひとつ専門的な処理のめどを立てたいというふうに思っておる段階でございます。 ただ、一部のものにつきましては、試験的に売却をいたしまして、そういった用途に十分向けられるかどうかということを確認をする必要もありますので、たとえば飼料用あるいは若干の工業用等についてはそういった試験売却というふうなことを考えなければならぬというふうに思っております。 用途といたしまして、ただいま言われました輸出なり援助なり、これはきわめて好ましい、また、私どもとしても推進をすべきことであろうというふうに思っております。現在までにも全体として約八十万トンぐらいは貸し付けなりあるいは援助なりという形で米を出しておるという形であります。 えさ用のことにつきましてお尋ねがありましたけれども、これは当座、先ほど申し上げました試験的な形で売却をするということで部内で検討しております。 いずれにせよ、御指摘がございましたように、そういった目的で売却をいたしましたものが他用途にいたずらに横流れをするということは厳に戒めなければならないということで、所要の監督措置また売却の方法についてはひとつ慎重にやっていきたいというふうに思っております。
○芳賀分科員 その次に、農林省がいま持っておる、農業基本法はじめ各法律に基づく長期計画があるわけですが、これらを総合すれば、食糧、農畜産物の国内における総合的な需要の動向というものを明確に確かめて、これに対して農業の生産というものをどういうふうに計画的に長期的に対応させるかということに目的があると思うわけであります。そこで、農業基本法においては第八条によって、農畜産物の需要と生産の長期見通し、これは四十三年十一月に閣議決定をもちまして内容の改定が行なわれておるわけであります。それから次に酪農関係等につきましては、酪農振興法に基づいて酪農近代化計画というものがすでに決定になっておるわけであります。それにあわせて酪振法においては牛乳の学校給食に関する長期計画というものも法律に基づいて実施するということになっているわけであります。それから農産物の生産の基盤であるところの土地改良等については、土地改良法に基づいて土地改良長期十カ年計画というものが着々進行しておるわけです。 これらの一連の農林省の長期計画というものは、具体的にこれを検討すると、総合性がないのです。それから長期計画であっても、計画と実績を対照いたしますと、なかなか計画の達成ということについて十分な努力が払われていないということにもなるわけであります。加えて、いま当面しておる米の生産調整の問題を中心にして、水田の大幅な転用等が行なわれておるわけですからして、いま私の申しました一連の各長期計画については、相当大幅な変更を要するのではないかというふうに考えるわけでありますが、一つは、計画そのものに対してこれをどう扱うかという問題と、もう一つは、やはり農業の長期的な発展というものを計画的にとらえて、しかも食糧の総合需給計画というものをこの際確立しなければならぬと思うわけであります。 これらの点について、各所管の官房長、局長、長官から明確に説明をしてもらいたいと思います。
○亀長政府委員 四十三年十一月に公表しました「農産物の需要と生産の長期見通し」これは御承知のように、基本法の八条に基づきましてつくりましたわけでございますが、五十二年までの需要と生産の姿を見通しております。もちろん、これは四十三年に出ましてから約一年有余の月日がたっておりますので、その間に、需要、生産ともに見通しと実績には若干の食い違いがございます。しかし、全体の傾向としては、長期見通しで想定した方向に従って推移しておると思います。また、米その他の品目によって乖離のぐあいも程度の差がございます。もちろん、それはそれなりにいろいろな変化がこの間にあったということを言わざるを得ないわけでございます。特に米につきましては、需要の見通しにつきましては、ほかのものに比べましてかなり乖離がはなはだしくなっておるということを言わざるを得ないわけでございます。 今後の問題といたしましては、私ども現在経済審議会で新経済社会発展計画というのを作成中でございまして、四月早々にはこれがまとまるということも聞いておりますので、その中におきます所得の伸び率、個人消費支出のあり方、また一般の経済成長率等によりまして、農産物の需要の見通し等についても再検討を要する点が出てくるのではないかと思っておりますので、その点も含めまして、今後この長期見通しの再検討につきましては十分検討を続けてまいりたいと思っております。
○太田政府委員 まず、酪農近代化計画について申し上げたいと思うのでございますが、先生がおっしゃいましたように、四十年十月に酪農近代化の基本方針を公表いたしまして、これを受けまして各都道府県の酪農近代化計画、市町村の酪農近代化計画を作成いたしまして、これに基づきまして従来の酪農政策というものをわれわれは総合的に実施してきたつもりでございますが、御承知のとおり、酪農近代化の基本方針はおおむね五年ごとに作成することになっておりますので、近くこれを改定すべく目下鋭意検討中でございます。 改定のおもな点は、御承知のとおり、四十年に基本方針を定めた以後、酪農経営におきましては着実に経営構造の改善が行なわれまして、多頭化が進んでおりますし、生産性が向上しておりますので、基本方針で近代的な酪農経営の基本的な指標をきめておるわけでございますが、もっと高い目標を示す必要があるのではないか。あるいはその後の社会経済条件の変化を織り込んだ生乳の需給の見通し、あるいは生産目標を示す、これらも改定する必要があるだろうということで、ただいま申し上げたように検討いたしておる段階でございます。 それから、学校給食の供給目標でございますが、御承知のとおり、昭和四十一年におおむね昭和四十五年度に全量牛乳に切りかえるということで供給目標を公表いたしたわけでございますが、その際の数字に対しまして、本年度の計画では、これが二百七十万トンということでございまして、ほぼ八一%に相当するということに相なっております。学校給食の供給目標もやはりおおむね五年ごとに定めることになっておりますので、われわれといたしましては、昭和四十五年度には、この点につきましても検討しなければならないだろうというふうに考えておる次第でございます。
○中野政府委員 土地改良計画につきましては、昭和三十七年の見通しをもとにいたしまして、昭和四十年から十カ年計画で進めてきておるわけであります。昭和四十四年でその前半の計画は終わります。その間に米の需給事情の緩和をはじめいろいろな状況が変わっておりますので、農林省といたしましては、この改定をすべきではないかと考えまして、本年度の予算で補足調査の予算を取りまして、その補足調査も大体まとまってきたわけであります。 ただ御承知のように、ことしの米の生産調整を緊急にやるという問題、それから先ほど官房長が答弁で申し上げました、長期需給見通しをどう扱うかという問題等とも関連いたしまして、昭和四十五年度中に下半期の改定をやるということは困難かと思っております。しかし、いま申し上げましたような状況でございますので、今後は圃場条件の整備、それから農道の整備、あるいは草地改良の拡充という方向に重点を置いて、できるだけいま申し上げましたようなほかの計画に合わせて至急に改定をいたしたいと考えております。
○芳賀分科員 この機会に畜産局長にお尋ねしておきますが、最近の新聞報道によると、四十五年度の加工原料乳保証乳価が、今月中にきめて四月一日に告示するわけですが、ことしは保証乳価についても、米価にならって需給均衡方式に切りかえて、まず保証乳価は前年同様据え置くということに腹をきめたというふうに伝わっておるわけです。大事な食管による米価を去年から政治的に需給事情導入という形で据え置きしたわけですから、いまの自民党政府としてはありそうなことですが、やはり加工原料乳の法律の審議をした経過にかんがみて、そう軽々に総理大臣や農林大臣の命令だけで需給均衡で据え置くというわけにはいかぬのですよ。そこらに、局長としても抵抗の苦心はあると思うけれども、一体需給均衡で据え置きするつもりであるか、その点を率直に述べてもらいたいのと、それから牛乳の遠距離輸送の実験事業の予算が一千万ついたのですね。これはようやくつけたということですが、先般の予算委員会でも、国鉄総裁は数年前からやる気十分で、牛乳のコンテナまで千五百個用意してあるが、農林省が踏み切らないので遺憾であったということを言っておるわけです。ですから、こういう点についても要点だけひとつ述べてもらいたいと思います。 それから国鉄の話が出ましたから、懸案の牛乳の列車内販売等についても、これは農林省が強力に必要性を述べれば逐次実現するものだというふうに考えるわけですから、それらの点について明確にしてもらいたい。
○太田政府委員 おっしゃいましたとおり、四十五年度の加工原料乳に対する保証価格につきましては、今月の二十八日に畜産振興審議会の酪農部会を開きまして、そこへおはかりすることにいたしておるのでございますが、私たちが申し上げておりますことは、最近におきますところの生乳の需給事情がややゆるみがちでございます。したがいまして、今後酪農に関する施策を進める場合の基本的な姿勢として、至急に需給のバランスを回復することが必要ではないか。こういうことが緊要な課題であるということで、飲用していくことが必要ではないかというふうに考えておるのでございますが、この審議会におはかりするにあたりまして、御承知のとおり、参考としての試算をお示しするわけでございますが、目下その作業を進めておる段階でございます。基本的な考え方といたしましては、昨年の場合と同様な方法によりまして、算定いたしたいと考えておるのでございまして、特に四十五年度の価格の算定にあたりまして、需給均衡のための方式を織り込むということは考えてはいないのでございます。 それから、生乳の長距離輸送でございますが、現在の段階におきましては、やはり地域により、季節により、一部の消費地におきましては飲用乳が不足する。そのために遠隔地にある市乳化の低い地帯から、牛乳の供給を円滑にするためにいかにしたらいいかということが、前々からの課題になっておるわけでありまして、そのための長距離の輸送試験というものは、いま先生がおっしゃいましたように、過去においても行なったことがあるわけでございまして、生乳の品質保持につきましては、ある程度可能であるという結果も得られたように聞いておるのでございます。 なお、われわれといたしましては、さらに技術的にも経済的にも検討する問題点が残されておるというふうにも考えておるのでございまして、これらの問題点を解明するための輸送試験を行なって、あらかじめ将来に備えまして、問題の総合的な検討を行なうことが必要であるということで、四十四年度予算におきまして、いまおっしゃいましたところの長距離の輸送調査試験事業費というものを一千万円ほど計上いたしまして、実施することにいたしたのでございます。そこで、この事業の実施にあたりましては、現在のところ、濃縮した乳をいろいろな容器に入れた上で、冷蔵コンテナを利用した貨車輸送という形で実施したいというふうに考えておるわけでございます。なお、実施の具体的内容につきましては、関係の専門技術者の方をはじめといたしまして、生乳生産者団体の方々あるいは乳業界の方々、さらには学識経験者、関係官庁等の協力を得まして、検討の上きめてまいりたいということにいたしておるのでございます。 それから、消費拡大のためにいろいろな手を考えていったのでございますが、列車内の牛乳販売もその一つの方策として取り上げたのでございますが、紙容器で供給することにつきまして、厚生省との原則的な了解を取りつけましたし、国鉄当局の全面的な協力を得て、すでに一部の地域では実施に移しておるのでございますが、今月中には、新幹線におきましても、これを実施し得る見通しがついておるのでございます。先生がおっしゃいましたとおり、列車牛乳というものは、流通改善のための紙容器、ワンウエー容器の普及ということにもきわめて有効と考えられますので、この方式による需要の開発というものに、今後一そう努力いたしてまいりたいというふうに考えております。
○芳賀分科員 次に、農地局長にお尋ねします。 いま長期計画の問題については説明がありましたが、先般、事務次官並びに農地局長通達で、新規開田抑制の問題を中心にした通達が出されたわけであります。これはおそらく土地改良法に基づく国営あるいは都道府県営、団体営等、全体に対する継続の事業あるいは新規事業とか全体設計あるいは調査等全般にわたっての抑制措置であるというふうに考えるわけですが、これは土地改良法に基づいて地域の総合的な土地改良事業の計画というものがそれぞれ立案されて、農林省がこれを認定して実行させておるわけですから、今回の抑制措置は、もうこれで中断されて計画は全面的に先のほうは変更ということでいくのか、あるいは米の生産調整その他に効果かあがる時期までの間、一時的にこれをストップさせるという考えのものであるか、これは地元で相当不安がありますので、明確にしておいてもらいたいと思います。 それからもう一つは、これからの土地改良事業の中に、単に水田を畑作に転換するというようなこと、あるいは水田を農業以外の用途に大幅に転用するというようなことだけでなくて、たとえば土地改良事業を通じて田畑輪換等が十分に平場地帯等において行なわれるような排水施設あるいは土壌改良、あるいは畑作物の場合には畑作かんがい等ができるような、そうした積極的な土地改良事業というものをこの際農林省として打ち出して、これは当然政策転換の一環でありますから、国が責任を持ってそれらの事業というものを推進する、こういうことにする必要があると思うのですが、こういう点についてはどう考えておるかということを、明らかにしておいてもらいたいと思います。 最後に、これはどこの所管になるかわかりませんが、「米生産調整目標数量の配分方法」というものを農林省として二月五日に公表してあるわけです。四項目にわたっていますが、この中でも三番目の「目標数量の市町村別および農家別配分」については、「市町村の調整に委ねることとするが、市町村長が農業協同組合の内部調整に委ねることを適当と認めるときは、その内部調整によることとする。」この点はどういう経路で町村長が農協に対して、農協がやることが適当だから農協において内部調整しなさいということができるのか。この点ともう一つは、項目の四番目に「目標数量の配分に関しての留意事項」「開田については、自力開田と土地改良法に基づく開田とを区別し自力開田については、都道府県段階または市町村段階で、その開田による生産数量を生産調整数量に上積みし、土地改良法に基づく開田については既成田に準じて扱う。」。ですから、この扱いが現地ではすなおに了承できないというのです。たとえば去年の夏以降の新規開田、まだ作付の実績のない水田ですね。これらに対して政府、が直轄事業等の関連として国の手厚い補助、あるいはまたそれに対する資金の導入等が行なわれて造成された新規開田について、この際調整金は同様に支出するが、休んでもらいたいというのであれば、まだ理屈としては話はわかる。それは既存水田並みに扱う。一律一割とか八%の休耕でよろしい、しかし、自己の責任で開田した分については、これを市町村の一律調整の上積み反別にして、そうして全面的に休耕しなさいというのは、これは逆じゃないですか。政府はもう新規開田に一銭もめんどうを見ておらぬ。資金についても、一昨年から近代化資金を新規開田の、しかも自力開田には使ってはならぬというストップ令を出しておるわけです。だから、これらの水田は何ら政府のお世話にならないで、自分の力で十アール当たり五万円とか七万円かけて開田しておるわけなんですよ。それについて全部休みなさいというのはけしからぬじゃないですか。政府がめんどうを見た分について、この際協力してくれというなら話はわかるが、めんどうも何も見ない水田に対して、この分を上積みして全面的に休耕をせい、こういうけしからぬ権力的な、官僚的なやり方というものは、いまの時代には通らぬですよ。ただ、今度の生産調整は、政府が権力的に押しつけはしない、あくまでも生産者の自主的な協力によって目標を達成してもらいたいといっているわけだから、こういうものはたいした圧力にも何にもならぬですが、ものの道筋がこれでは立たないと思うのです。ですから、これらの問題もあせわて、農地局並びに——生産調整はどこですか、明確にしてもらいたいと思います。それで質問を終わりますが、その答弁が終わったあとで、農林大臣として各長官、局長の答弁に間違いがあるとか補足したいという点があれば、お述べを願いたいと思うわけです。
○中野政府委員 第一点の開田抑制の問題でございますが、御承知のような生産調整の段階でございますので、今年は厳に新規開田を抑制するという基本方針を立てたわけでございます。 そこで、各地区ごとにそれをどうするかという問題になってまいりますと、ある地域によりましては、開田部分だけ地区から除外をしてやる、あるいは畑地かんがいに切りかえる、あるいは場合によりましては、畑とたんぼが混在しているところは、畑を全部一カ所に寄せましてやるということが出てまいります。そういうようなことで、目下各地区ごとに相談をしていきたいと思っております。と申しますのは、土地改良法に基づきまして、先ほど御指摘のありましたように、所要の手続を経てきておりますから、そう一方的にやるというわけにはまいりません。十分相談をして生産調整のといいましょうか、米の過剰対策に対する御協力を得たいと思っておるわけでございます。 したがいまして、いま一時的なものかどうかという御質問でございますけれども、生産調整は四十五年度限り、当面そういう措置をとるわけでございますが、将来の見通しといたしましては、開田をどんどん進めていいということにはなかなかならないのじゃないかというふうに思いますので、いま私が申し上げたような措置を進めていきたいというふうに考えております。 それから、二番目の田畑輪換を取り入れてはどうかというお話でございますが、これは私たちもそういうふうに考えております。そのためにはやはり用排水の完全な分離ということと、それから水利施設の整備ということ、あるいは圃場の拡大ということが必要でございますが、残念ながらまだそういうふうになっておるような圃場は、全国の一割程度しかございませんので、今後の土地改良長期計画の面におきましても、その点を十分気をつけてやっていきたいというふうに考えております。
○亀長政府委員 生産調整の分につきまして、私からお答え申し上げます。 農協の内部調整という表現の問題でございますが、これは市町村長が適当と認めるときは農協内部調整によるというふうに書いてございまして、市町村長が適当と認めるというのは、実際的には一方的に判断をするわけではございませんので、運用といたしましては、市町村に農協の代表者等も入りました協議会の意見を聞いた上で、適当という判断をするわけでございまして、実際は町村長と農協で話し合いがついた場合に、そういうことが行なわれる。特に農協の中で、自分たちでやりますという場合には、農協におまかせしたほうがうまくいくだろう、こういう程度の意味でございます。したがいまして、農協のそういう同意なくしてやるというものではございません。 それから、第二の新規開田の取り扱いの件でございますが、確かに私どもの方針として、施策開田、これについては一般の既成田扱いにする、自己開田についてはその上積みをするということが書いてございますが、この趣旨は、施策開田につきましては、御承知のように、土地改良法に基づく開田でございまして、この手続を踏むまでには三分の二の同意、あるいは単純なる共同施行であれば全員の同意というような所定の法律上の手続までやっておる、こういうふうなものでございますし、しかも大部分が一人だけの施設でなくて、共同的な施設も伴っておる場合が大部分でございますので、その場合には、既成田と同じように、ある一定の率くらいで考えるのが妥当じゃないかということでございます、ただ、自分で開田をした人の面積だけは上積みになるということは、中は昭和四十四年度あたりから新規開田の工事が伴なわれておるものがかなり多いのでございまして、簡単に申しますと、この人たちは、なるほど金銭的には政府にたよることなく、自分たちでやったのでございましょうけれども、私どもとしましては、開田は抑制するという方針はすでに四十四年度から打ち出しておるわけでございます。一万ヘクタールの転換も計画をいたしましたし、それから農林公庫のいわゆる三分五厘の融資もやめたというふうな背景のもとで、自分に資金的余裕があって開田をされたということでございまして、もしこういうものを全く別扱いいたしますと、今年においても自分の金による新規開田というものが、米価水準が大きく変わらぬ限りは、引き続き行なわれる、しかもそれを政府が買わなければならぬ。こういう事態はなるべく避けたい、こういう趣旨でそういう方針をとったのでございまして、現実にはこれは目標面積の算定上のことでございますので、どの人がどれだけ引き受けるかということは、おのずから別個の問題でございます。これは町村内部の話し合いで引き受けるということでございまして、私ども目標面積の計算上そういうふうにいたしたいということでございます。 なお、先ほどお話しのように、奨励金は、いずれの方に対しても、転換ないし休耕なさる場合には、一般の人たちと同じように支払いをすることにいたしております。
○大坪主査 華山親義君。
○華山分科員 今度の減反等につきまして、しばしば総合農政といい、農林省だけでできるものではない、各省の協力を求めていかなければいけないということもいわれております。そして私は前前から、もう六年にもなりますけれども、兼業農家対策を考えてもらいたい、兼業農家が次第に伸びることによって、兼業農家の内部の兼業の部分が伸びることによって農業の力がなくなって、そこで大きな規模になるのじゃないか。土地を手放すことが日本人にはなかなかやれませんけれども、そういう形態に向かうべきじゃないかということを、私は六年も前から言っておるのです。なかなか大臣はお聞きにならない。そして兼業農家はふえますよというふうに私が申しますと、いや農林省は減らすつもりだ、こう言った。そして専業大規模農家を育成するのだ、こういうふうに言っておられたのですけれども、兼業農家はどんどんふえておるわけです。そういうふうなことにあるわけですけれども、この際全部の官庁が協力して、農林省にはまかせないでやる、こういうことがなければ私はできないと思う。 それでひとつ伺いますが、農林省関係として一つの例を申し上げますけれども、いままで土地改良、圃場整備、水利事業、構造改善、いろいろなことで農民は負担を負っておるわけです。とにかく休耕した場合あるいは転作した場合、そういうふうな公的の負担というものは一体どうなるか。
○亀長政府委員 農地局長おりませんので、私からお答えいたします。 生産調整いたしました場合の土地改良区の負担金の取り扱いに関しまして、いろいろ団体等からの照会がございました。近く農地局長名でお答えする予定をいたしております。 そこで、私が申すまでもなく、生産調整をいたしましても、土地改良による効果を受益し得る状態にあれば、負担金の徴収は可能であるということは、これは土地改良法の上からいっても当然でございます。ただ、転作をする場合あるいは休耕するという場合、普通の水稲をつくっている場合とは受益度に違いがありますので、そういう場合には、普通の水田をつくっている方と賦課基準を多少変えるというふうな実情に応じた措置をとるということも、いまの土地改良法では許されているわけでございます。実際の措置といたしましては、御承知のように、平均三万五千円の政府からの奨励金が支払われるわけでございますが、これは大体米作の収入等を考えに入れまして、三万五千円をきめたわけでございまして、三万五千円でございますと、大体休んだ場合に種代とか肥料代は要りません。しかし、水利費とか公租公課というようなものはある程度かかってまいります。そういうふうなものは、これはその中に十分含み得るという計算を私どもいたしておるわけでございます。したがいまして、水利費につきましても、いろいろ米の生産費調査にあらわれておりますような、これはもちろん統計上のことでございますか、統計上あらわれているような金額は大体見込んだ上での三万五千円、かように考えております。したがいまして、土地改良区で水利費の徴収につきましては、そう大きな支障はないんじゃないかというふうにわれわれ考えております。ただ、転作するとか、休耕する場合に、従来と同じような額だと、多少そこらへんに、水をもらってないとかいう不平があるかもしれませんので、そこら辺んは部落の実情に応じて十分土地改良区内部で調整をとってもらいたい。原則的には三万五千円の中にはそういう水利負担も見込んでおる、われわれとしては考えておるつもりであるという趣旨で、近く団体にもそういう御返事を農地局長から差し上げることにいたしております。
○華山分科員 相当農民の実感と私違うと思いますけれども、水をもらっているから金を払っているのじゃないか、水をよこさなくなったら金を払う必要ないじゃないか、こういうふうなことが起きると思う。したがって、その際にその負担が減ったときには、その負担分を減らした場合も御答弁によればあり得るわけですけれども、別の農家に全部かぶるわけでございますか。
○亀長政府委員 土地改良区もいろいろ諸経費の分割の問題になりますので、たとえば、従来何らかの大きな工事をやっておったというような費用、それとまた、水を直接使う量が減るとか、たとえば電気料とかいろいろな費用、こまかく言えば、もらう人が少なくなれば、減る費用もございます。そういうふうな実情を一々加味して私どものほうでいろいろ指示するということも困難でございますので、転作なり休耕の必要があれば、その実情に応じて賦課基準は土地改良区内部の協議によって修正をして、賦課するということも可能であるから、そういうことも十分考慮に入れてもらいたいということを、あわせて団体のほうには通知するつもりでおります。
○華山分科員 もうやめようという人は、これからはそういう負担はなくなるというものの考えでやっていられると思いますから、できるだけすみやかに混乱の起きないように、そんなつもりじゃなかったというようなことのないように、早く通達を出していただきたい。 それから、こういう土地は田にしてあったわけです。今度はそれが地目が変換されましてどうなるのか、原野になるのかどうか知りませんが、固定資産税はどうなりますか。
○亀長政府委員 担当の局長がおりませんので、私からお答えしますが、水田であれば、地目変換も要らない。畑にすれば、畑のように地目変換をするが、従来どおり水田の扱いを受けるということでございます。
○華山分科員 来年は間に合いませんね。これからですよ。地目変換をして、そして税をかけるというようなことは、来年度には間に合いませんよ。間に合いますか。
○亀長政府委員 地目変換をするところは、おそらく恒久的に水田をやめるというようなところは、あるいはそういう御決心でそういう手続をなさるかと思います。しかし、実際上、御承知のように、大きな面積でございますので、転作ができないというようなところは、ことし一年休んで、一年間のうちに考えてみようというようなところは、あるいはそういう手続をなさらないところがあるかもしれませんが、私どもが奨励金として出しております三万五千円の中には公租公課、これは米の生産費調査にあらわれました公租公課というものは織り込んで、そういう金額もきめておるつもりでございます。
○華山分科員 ですから、固定資産税は従来どおりなんだということ、その点をよく現地にわかるようにしておかないと、混乱が起きますよ。よくわかるように、末端まで通知をしてください。固定資産税は従来どおりなんだと。 そういうふうことで、まだ準備が私は十分にできておらないと思うのですが、農地局長がおいでにならないそうですから、違っておったら、また別の機会に伺います。それから次に伺いますが、私は前々から言っていたんでございますけれども、工場の分散というものは、農業のためにやるんだ、地域の発展などという問題じゃない。地域の発展は、農業がよくなればできるんだから、とにかく農家の余っているところの、省力農業をやっているんだから、それによって余った労働力をどう吸収するのかが問題なんだから、工場の分散ということを前から私その立場で言ってきたわけです。昨年になってようやく工場の分散ということばが農林省から出てきた。工場分散について、現在通産省あたりとどういう交渉をしていらっしゃいますか。
○亀長政府委員 私ども通産省と昨年来いわゆる総合農政の一環といたしまして、農村地域工場適地において工業開発促進をはかるための特別措置についてという、これは両省、労働省も含めましてまとまった事務当局の案ができております。この趣旨によりますと、農村地域工場……。
○華山分科員 あまり私、時間がありませんので、内容はいいです。
○亀長政府委員 農業振興近代化にも貢献をする、同時に産業界における深刻な人手不足及び過密問題の解決に寄与するということでございまして、これは農業及び農業以外の産業、双方に貢献することを目的としておるわけでございます。
○華山分科員 通産省に伺いますが、そういうふうな方針で今年度予算、それから方策等につきまして何か計上されたものがありますか。
○柴崎説明員 具体的な予算措置といたしましては、四十四年度の例の緊急調査費一億円のうち、約二千七百万円を通産省が配分を受けまして、現在これからの農村地域の工業化につきましての基本的なデータを収集中でございます。それとあわせまして、四十五年度の予算といたしまして約一千万円計上いたしまして、現在まで農村地域に出ました工場の実態を調査し、かつ、その本社の意向調査といいますか、これからどういう形でその工場の拡大なり、あるいは新規の工場を建設する意向があるか、そういう意向調査を進める予定になっております。それが調査関係の予算でございます。 あと、財政投融資の関係で、開発銀行と北海道東北開発公庫、これにそれぞれ五百二十億円の地方開発ワクというワクがございまして、政府の基本的な方針といたしまして、そのワクは農村地域の工業化に優先的に使うということになっておりまして、これを大いに活用したいということを考えております。 それから、さらに新しく日本開発銀行と中小企業金融公庫に、工場分散化のための特別のワクというものを設けまして、日本開発銀行に対しては大都市再開発ワク四百五十億円のうち三十億円を、それから中小企業金融公庫につきましては十五億円程度ということで、これも農村地域の工業化のために大いに活用したいというぐあいに考えております。 それから、さらに現在地方公共団体で工業団地をつくる場合に起債のお世話をしておるわけです。四十四年度は八十億円でございましたが、四十五年度は百億円それに投入いたしまして、工業団地を積極的に造成することによって計画的な分散を進める。 以上でございます。
○華山分科員 私は、融資が多くなるからそこに工業がいくというものじゃないと思う。特例をつくるとか、何かもう少し地方に工場がいくような積極性がありませんと、私は無理じゃないかと思うのですよ。私は、うたわれているような工場分散ということに積極性がまだ足りないと思う。これから調査をするという段階ではないと思う。この点、農林大臣にはお聞きいたしませんけれども、とにかく重ね重ね工場分散ということで余った農家の労働力を吸収するんだ、こういうことを言っておられるのだから、もっと積極的にやっていただかないと、特に米産地等につきましては所期の目的は達せられない。そうして出かせぎばかりになってくる、こういうふうに考えられますので、その点はひとつ積極的にお願いいたしたいと思うのです。 それから、いま出かせぎと申しましたけれども、私は毎年言っておりますが、出かせぎというのは、いままで省力農業によって余ったところのものをどう使うかという国の方針がないから、積極性のものがなかったから出かせぎが出たと思うのです。しかし、そういうふうな根本的なことはなかなかむずかしい。いま減反あるいは米価が上がらないということになりますれば、ますます出かせぎ者が多くなる。通産省でお考えのようなことも、それはもういつできるのかちょっとわからぬ。そういうことについて私はもっと出かせぎ者対策というものを根本的に考えてもらいたいと思う。労働省からもおいでになっておると思いますが、いかがでございますか。
○小鴨説明員 先生御指摘のように、出かせぎ労働者、これは失業保険のほうの統計から申しますと約六十万人というふうにいわれております。したがいまして、四十二年から出かせぎ対策要綱というものをつくりまして、特に地方の安定所長を通じまして、いわゆる就労経路の正常化あるいは労働条件の適正化ということについて、手帳を本人に渡しましてこれについての指導監督をしておるところでございます。それから東京その他四カ所に、出かせぎを受け入れる事業地のほうに出かせぎ相談所というものを設けまして、職業相談体制のほかにきめのこまかい相談に応ずる、こういうことでございます。
○華山分科員 それで、私が現実を見ますと、労働省の御努力でこの三、四年よくなってはきておりますけれども、現場の状況、未払いの状態、相当努力はしていただいていろいろな方策はとっておられますけれども、私はまだまだだと思うのです。特に気の毒なのは、あの人々には団結がありませんから労働協約もない、就業規則もない、もういつでも首を切ろうと思えば一カ月分の給料さえ払えば首切れる状態です。そういうような不安定な状態になっているわけです。そういうふうなこともありますので、ひとつ国全体、関係各省あげて出かせぎ者の対策というものをつくっていただきたいと私は考えました。しかし、それにはもう農林大臣が中心になってやるより方法がないのではないか、こう思いまして、前の農林大臣に私はこのことをお願いしたのです。農林大臣が中心になって、関係各省の係官でもいいからとにかく協議会のようなものをつくって出かせぎ者対策について積極性を持ってもらいたい。それが進むに従って出かせぎ者に対する立法もできるのではないかということを申し上げたのでございますが、前の長谷川農林大臣は気持ちよく引き受けてくださったのですけれども、おかわりになったのでさっぱりわからなくなってしまった。どうでしょう、農林大臣、その点につきましてひとつお考えできませんか。
○倉石国務大臣 ただいま労働省から御報告申し上げましたように、いわゆる出かせぎにつきましてはできるだけきめのこまかい施策を講じてお手伝いしておるというお話でありますが、それはそれといたしまして、やはり出かせぎというものも長い間習熟されておりまして、そういう人たちを当てにしておる事業もたくさん都会地にあるものであります。私ども総合農政のところでも申し上げておりますように、やはり大規模な、営農を大きくしてまいることをしてまいりたいとは思いますが、お話しのようにかなり長期にわたって兼業農家が多いと思うのであります。したがって、政府はあの総合農政の方針でも申し述べておりますように、やはり自主的に経営のできる農業を中核として、そのところに兼業農家を配置いたしまして、そうして集団的営農ができるように、こういうことでございまして、先ほど官房長から御報告申し上げましたように、通産、労働、農林三省が一緒になりまして、そういう方向で取り組んでまいるように計画をいたしておるわけであります。それにもかかわらず、やはり当分出かせぎというものが一部にある場合には、先ほど労働省の申し上げましたように、できるだけのお世話をして不安なからしめるということが必要だと考えますが、だんだん過疎地帯等をなくするためには、地方に産業が分散されるように努力をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○華山分科員 もう時間もございませんけれども、とにかくこの問題につきましては、労働省も関係があるし、建設省の非近代的なやり方もあるし、関係する各省が多いと思うのです。しかし、農業白書というものを見ますと、あの半分は農家のことが書いてある。そして農家の内容がどうかということが書いてあるわけですよ。それを見ますと、農家というものの責任を農林省が背負っておるのですよ。その面から私は、農家というものに対する農林省の立場からいっても、出かせぎ等の問題については農林省がもっと積極的に関係各省に働きかけるなり、幹事になっていろいろな協議会をつくるなり、そういうことをしていただきたいと思うのです。前の農林大臣は承諾なされましたけれども、いまの農林大臣はあまりそういうことには乗り気じゃございませんか。
○倉石国務大臣 私は、前の農林大臣と変わらない程度にそういう点については情熱を持ってやるつもりでおります。
○華山分科員 しかし実際、農林大臣たよりないですね。農林省が中心になって関係各省とともに出かせぎ者に対する措置をやりましょう、こういうふうに私に御快諾になったのですから。どうも農林大臣のお話を聞くとまことにたよりない。私は総合農政というものはそういうことじゃないと思うのですよ。総合農政ということになりますれば、先ほど兼業農家の話も出ましたけれども、道路ですね。産業がいきやすいように道路というものができなければならない。それもありますけれども、大きな問題は通勤に便利なように建設省に考えてもらいたい。これは東京だったならば一時間でも何でもかかって来られますけれども、山の中にまで工場ができるわけでもありませんから、まあ中都市程度のところに工場ができて、そしてなるべく早くそこに通勤ができる、こういうふうにならなければならないと思うのですが、その点は建設省でお考えございますか。
○倉石国務大臣 お答えいたします。 華山さんのおっしゃることと同じようなことを先般の総選挙で、私個人のことを申し上げて失礼ですが、私の選挙公報には書いてあります。全くそういう点は同感でありまして、いまから三年前、私まだ農林省におりますときの内閣の閣議で、佐藤総理大臣は、地方を開発してまいるには一級国道のスピードアップもさることながら、地方道に建設省は全面的な努力をせよということを言われまして、御存じとは思いますが、あれ以来地方道の補助金はいままで国費では出しておりませんでしたけれども、五割の補助をするようになりました。それからまた、昭和四十五年度予算などでは全国の農道を舗装するというような予算も農林省予算ではつけておりますし、今度予算で御審議願っております中にも、農林省は大型の農道を各県に一本ずつぐらい建設することになりました。建設省はこういうことにも非常な協力をしていただいて、交通ということもさることながら、やはり私どもの考えております集団的な営農団地の作業所等を経過していくような広い道路をつくって、それがやがては全部直結するわけでありますから、私ども総合農政で申しておりますような大規模の経営ができることは主体であるが、長い間やはり先ほど来お話しのありますような兼業農家があるのでありますから、そういうような方々の余った労力を地方に分散される作業所に就職していただくためには、どうしたって自分の家から通えるようにならなければなりません。いま御承知のように、おたくさんのほうの農家でもどんどん自家用車を持てるようになってきたのでありますから。そこで私は、家から通勤ができて、その地域の作業所で現金所得を得られるようにすべきではないか、こういうことを言っておるわけでありますからして、私どもとしては非常に喜ばれるような施策をずっと始めておるわけでありますから、たぶんこの予算をごらんくだされば華山さんも大いに賛成をしていただけるのじゃないかと思っておるのです。
○華山分科員 私も同じことを選挙のときに言ってきましたよ。それは私なんかのほうがまだやわらかいのです、自民党の候補者よりは。日本が米が余るというならば、日本経済全体から見て、よけいなものをつくるだけのそういう力は、まだ日本の経済はないんじゃないのか。だから米の生産調整というものはあったってしかたがないと思うけれども、全国同じようにやれというのはおかしいじゃないかということを私は言ってきた。まああとのほうは別といたしまして、私は同じことを言ってきた。 そこで、私は建設省にお伺いいたしますが、今度減反になる地方に重点的におやりになりますか。
○三浦説明員 お答え申し上げます。 ただいま明年度の減反をする地域について道路整備の重点を置くかという御質問がございましたのですが、具体的に明年度の道路整備の重点をこまかい地域にどのように配分して整備を促進していくかということにつきましては、現在各省として調査しております調査中の問題とも関連いたしまして、具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、基本的な考え方としましては、先ほど農林大臣がおっしゃいましたように、私どもといたしましては、都市を中心にいたしまして農村の生活が広域化いたしますし、また、そういう都市を中心にいたしまして工場等の分散も当然伸ばしていかなければならないという考え方から、地方生活圏というものの整備をはかるべきだということで昨年来鋭意調査を進めてきております。本年度もさらにこの調査を伸ばしまして、それにあわせまして道路整備を進めていこうというふうに考えておるわけでございます。
○華山分科員 農林大臣、ひとつ建設省に強く要求してください。とにかく減反によって特に米産県につきましてはそういうことが必要なんですから、道路整備の重点を今度減反する米産県等に置いてやるようにやっていただかないと、総合農政は成り立たないと思う。そういう点を私は特に建設省にも農林省にもお願いをしておきたい。 それから、運輸省にお願いしますが、もう時間がありませんから私は希望だけ申し上げますけれども、運輸省につきましては、赤字路線をやめろとか、あれはたいへんなことですよ。赤字路線をやめろというが、あれは通勤のために使っているんですから。それから何か今度バスはどんどん整理していくんだとか、そういうようなことはやめてもらいたいと私は思うのです。バスは営利ですからやむを得ないかとも思いますけれども、とにかく私はこれも四、五年前に言っている。そういうところについてはとにかく役場で、あるいは県と協力してマイクロバスでも普通の自動車でもいいじゃないですか、一日に一回なり二回なりの往復をやればその土地からはとにかくつとめに出てこられる、そういうふうなことを申し上げてきたんですけれども、最近バスの廃止というようなことも山間僻地では多いようでございますので、その点留意していただきたいと思います。 時間が来ましたから、希望だけ申し述べて私の質問を終わります。
○大坪主査 川崎寛治君。
○川崎(寛)分科員 農林大臣、どうも御苦労さんです。気の重くなるような話が続いておりますけれども、さらに私のお尋ねしますカンショ並びにイモでん粉価格の安定、こういう問題は日本の農業の中でもさらにきびしい試練を受けておりますので、限られた時間でありますけれども、お尋ねをしたい、こういうふうに思います。 まず第一に、去る二月十三日の外資審議会で、コーンスターチの世界市場のシェア四〇%を持っておりますCPC・インターナショナルの日本食品化工への資本参加を条件づきで承認をされたわけでありますけれども、これはでん粉二次製品メーカーがわが国のでん粉企業に上陸をするのは初めてであります。このことについて農林省としてどういう判断をしておるのか、このことの影響それから今後の対策、まず大づかみのところをお尋ねしたいと思います。
○荒勝政府委員 お答えいたします。 先日、いま御質問のありましたCPC社と日本食品化工との間の合弁事業について許可いたしました。その際に、われわれも長い間これは懸案でございまして検討いたしました結果、いま申し上げますように、大きくいいまして三つの条件をつけまして、一つは、現実に日本に現在いわゆるコーンスターチの製造設備を持っているということが一つ、何も持たないまま外資が上がってくるのでは困りますので、まず現実に日本側で工場を持っているということが一つ、それから資本比率は七五対二五で、日本側の優位性を強く条件として付与したということ、それから三番目に、原料を外国に求めますいわゆるトウモロコシだけでなく、いわゆる国内産のイモでん粉の開発についても協力を求めるということで、国内産のイモでん粉の開発について所要の施設を必ずつくること、ということを三つの基本的条件として、この外資の進出を認めた次第でございます。 いずれ私ども、これは一方的な感触かもしれませんが、日本政府におきましても、基本的に防衛産業等そういうものは別といたしまして、資本の自由化が逐次早まっている段階におきまして、場合によりましては世界的な企業と日本側の企業との間にやはりいまのうちに提携すべきものは提携しておいたほうが、自由にかってに入ってくるよりも何らかの意味で若干メリットがあるのではなかろうか、こういうふうに判断して許可した次第でございます。
○川崎(寛)分科員 それでは、そのCPC社が初めてでありますけれども、いま言われたその自由化というかそういう方向に向けて、このCPC社のほかに、これからさらにでん粉業界関係で外資企業に日本への導入を認める、資本参加を認めるという考え方があるのか、あるいは検討されているものがあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○荒勝政府委員 お答えいたします。 ただいまの段階で、いろいろ風聞はございますが、現実に農林省に対しまして外資提携の申請を持ってこられるところは全然ございません。ただ、先ほど三つの原則を申し上げましたが、われわれとしましては、ただいまはこの三つの基本原則にかなうものにつきましては、場合によって個別審査の上今後もあるいは認めることがあるかもわかりませんが、現在の段階では何ら申請がない、こういうように御了解願います。
○川崎(寛)分科員 三つの原則を言われたわけでありますが、その中で、聞くところによると水あめとかブドウ糖、そうした中小企業の多い二次製品分野には進出しないという条件がついておるのかどうか、その点を確かめておきたいと思います。
○荒勝政府委員 ただいまの御質問につきましては、実は私のほうからはそれにつきましては条件を付してはおりませんが、向こうの申請者のほうから念書が入っておりまして、二次製品のいわゆる糖化部門等につきましては当分の間いたしませんという念書が入っておりますので、その念書を許可に際しての添付資料として出していただく、こういうことでございます。
○川崎(寛)分科員 それでは、いまの点をさらにお尋ねしたいと思いますが、先ほど言われたのは日本政府側の条件、いま言われた企業側の念書、こういうことになりますが、それでは企業側の念書の中身を明らかにしていただきたいと思います。
○荒勝政府委員 いま申し上げましたように、念書の中に入っております一つが、いわゆる甘味部門には進出いたしませんということ、それから二番目に日本政府の行政指導に服しますということと、それから施設を設けますということでございます。
○川崎(寛)分科員 別の企業についてもあるいは検討するかもわからぬ、こういうことでありましたが、このことについてはくれぐれもひとつ慎重な態度で対処していただきたい、こういうふうに思います。そうしてその際に、先ほど園芸局長の御答弁にあったわけでありますが、イモでん粉——バでんも含めまして、イモでん粉の需要は国内において増大する方向にあるというふうに判断を、長期というかあるいは中期というか、そういう見通しを持っておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○荒勝政府委員 われわれ毎年当該年度のでん粉の需給見通しを立てて、いろいろ輸入でん粉との調整等をはかっておりますが、現実に最近のいわゆるでん粉の需給事情からいたしますと、先生すでに御存じのように、たとえばグルタミン酸ソーダ、グルソーの部門から最近急速にでん粉の需要がなくなりまして、いわゆる糖みつの部門あるいはその他の、場合によりましては石油系統のグルソーに原料部門がかわってきている。そのほか、最近どうも全体としていわゆる国産の、従来からありましたイモでん粉の部門について、どうも需要が減退ぎみでございまして、ほかの部門では非常に伸びておりますが、全体としてこの二、三年来でん粉の需給事情はむしろ横ばい、もしくは国産イモでん粉としては需要はむしろ下降ぎみ、こういうふうに理解している次第でございます。
○川崎(寛)分科員 いや、私がお尋ねしているのは、いま最後に国産といわれましたけれども、コーンスターチも含めまして、でん粉全体の需要はやはり下降ぎみだ、つまり百二十六万トンとか百三十万トンとか、こういままで見てきておったわけですけれども、その需要は頭打ちでダウンするのだという方向なのか、あるいはまだ少し横ばいか、微増かという、そういう方向で行き得るのかどうか、その辺いかがですか。
○荒勝政府委員 その辺どうも、この二、三年来、どちらかと申しますと、われわれ見通しを少し戸惑いぎみというような感じでございますが、実際どうも全体として、感じは、この二、三年来の動きだけを見ますと、弱気という感じでございます。むしろ将来でん粉等についての特別の新規開発でもありますればまた需要が上昇することもありますが、どうもいまのところは原料部門がほかの部門へかわっていっているというふうに見ております。
○川崎(寛)分科員 そうしますと、その全体のでん粉需要の中で、国内産イモでん粉の割合というものは——つまりこれは後ほど鹿児島、宮崎の南九州の現状との関係でもう少し具体的にお尋ねをしますけれども、国内産でん粉の需要の割合というものを引き上げる方針なのか、あるいは自然に推移するにまかせるつもりなのか。特に今回三カ年間という条件つきで二次関税の引き上げをやっていこう、こういう暫定措置をとられるわけでありますけれども、そういう中で国内産イモでん粉の割合というものについてどう考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○荒勝政府委員 非常にむずかしい質問なんですが、われわれといたしまして、従来から国内産のイモでん粉につきましては、十分にいろいろと保護を加えながら今日まできておるわけでございます。実は農林省の長期見通し、いわゆる四十三年十一月に発表いたしました長期見通しからいたしますと、この五十二年にはカンショ面積は四十四年の約七割に当たる十一万二千ヘクタールというふうに見込んでおるわけでございますが、実際のその後のこの二、三年来の面積の動きを見ますと、急速にカンショでん粉の生産面積は予想以上に減少してきている、こういうふうに見ている次第でございます。
○川崎(寛)分科員 先ほどCPC社の問題にちょっとお触れになっておりますが、でん粉の自由化という問題、一応その三カ年間は今回の過渡的な措置でいかれようというわけなんだが、それ以降にかかってくる問題でありますけれども、でん粉の自由化ということについて、これは鹿児島あるいは宮崎、そうした多収穫地帯、さらにはでん粉の主産地でありますけれども、農家にしても業者にしてもたいへんな不安を持っているわけです。この自由化についての政府の方針というものを、農林大臣いかがですか。
○倉石国務大臣 このことは、いま局長から五十二年に十一万二千ヘクタールぐらいになることを見込んでおったがやや減少しておる傾向だというお話でございましたが、こういうことは、やはり海外競合産品との関係からその生産合理化が一そう望まれることは私どもは必要なことだと思っておりますが、南九州等主要生産地域は、その立地条件などから将来においても主産地として振興すべきものであると考えておるわけであります。したがって、これらの主産地につきましては、地域特産農業推進事業、畑作経営総合改善濃密指導地設置事業あるいは畑作振興特別土地改良事業などによる集団的生産組織を育成したり、また土地基盤の整備、生産集出荷の合理化を積極的に推進いたしまして、南九州地域等の主要生産地域におけるカンショの近代化をはかるとともに、農産物価格安定法の適切な運用を通じまして、原料カンショの価格安定をはかってまいりたい、このように南九州のカンショについては政府は考えておるわけでございます。 なお、お尋ねの自由化の問題でありますが、これはタイ国などから強い要望がございますけれども、いま閣議決定いたしております四十六年末までの自由化予定計画には、イモのことにつきましては織り込んでおりません。
○川崎(寛)分科員 大臣の基本的な方針、たいへん抽象的ですからなかなかわかりにくいわけですけれども、そういう南九州の主産地については価格安定の方針をとりたい、こういうことでありますので、その点は確立をしていただきたい、こういうふうに思うわけです。 現在、三カ年間の暫定措置でありますけれども、この間に鹿児島、宮崎等南九州においては、むしろでん粉需要全体の中における割合というものを引き上げたいといういま意気込みになってきておるわけなんです。そこで、それは長期見通しと少し食い違ってくる点でもあろうかと思いますけれども、何といってもこの南九州の特殊な条件というものの中では、たとえば鹿児島ですと米に次いで栽培面積は第二番目、それから生産額も米に次いで第二番目、全農業生産のうちの一八%を占めておる。それから宮崎は、生産額においては米、野菜に次いで三番目で一%、こういうぐあいにたいへん高い地位を占めておるわけです。それからカンショの生産量というのは、鹿児島、宮崎で全国の四七%を占めておる。カンショでん粉については、鹿児島、宮崎で全国の七八%を占めておる。なかんずく鹿児島にとってみますならば、四十二年には五三・四%、半分以上ですね。それから四十三年は四九・八%、こういうふうに少し落ちてきておりますけれども、そういう状態にあるわけです。だから、これを何とか引き上げていきたい、特にこの三カ年の間に力をつけたいということで、県をはじめ市町村なり郡なりそれぞれの段階においてもカンショ生産の対策協議会をつくって、いまたいへんな力を入れようとしておるわけです。だから、そういう中でこの南九州の農業に占めるカンショの位置づけということを考えますと、先ほど価格を安定をさせたいのだ、こういうお気持ちでありますけれども、私はその一つの方法としては、従来繰り返し農林水産委員会なり分科会等でも御質問をし、また提案もしてきておるのでありますが、カンショについては、南九州の七八%、八〇%を占めるそういうカンショでん粉の状況の中でありますから、生産地域の指定をやるべきだ、そして安定をはかるべきだ、こういうことを絶えず私は主張し続けてまいっております。この点について大臣あるいは局長にお尋ねしたいと思います。
○倉石国務大臣 産地の指定の野菜の中にはイモは入っておりません。したがって、それではありませんけれども、主要生産地域としての取り扱いをいたしておるわけでありますから、さっき私が申し上げましたように、この地域の特産物でありますイモにつきましては、もちろんこの競合物資が国際的にも来るわけでありますから、その経営について合理化等勉強していただく必要がありますけれども、これが安定して生産のできますように、私どもは力を入れてまいりたいと思っております。
○川崎(寛)分科員 甘味資源の問題としてサトウキビは地域指定をやっているわけなんです。だからそういうふうに見習ってカンショについてもできないか。理論的にはできると思うのです。それを政策として打ち出せないか、こういう点です。
○倉石国務大臣 いままでどういう経過をたどってきておりますか、事務当局からひとつ申し上げます。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘がございましたが、農林省としましては、カンショにつきましては、今後とも、生産並びにその加工あるいは流通については、従来以上に力を入れてまいりたいと思いますが、甘味資源に基づきます地域指定の件につきましては、なお相当検討いたしたいと思いますか、実際問題としてなかなかむずかしいのではなかろうか。むしろわれわれ、予算上施策をとりまして、先ほど大臣からも申し上げましたように、地域特産農業としまして、予算上推進事業として、補助金等を配分いたしまして、この南九州におけるカンショの生産振興に当たってまいりたいというふうに考えて、年々予算の配分は相当増大しているというふうに御理解願いたいと思います。
○川崎(寛)分科員 次に、でん粉工場の合理化促進についてお尋ねしたいと思います。 中小企業近代化促進法、これの業種指定、これはたしかなかったと思うのですが、このことについては、農林省だけじゃなくて、大蔵、通産それぞれ関連があるわけでありますが、その点をぜひ早急にしてもらいたい。そして、融資のワクを広げ、合理化の充実と生産性の向上をはかるということについて、抜本的な施策をとっていただきたい、とるべきだ、こういうふうに思うのでありますが、その点いかがでありますか。
○荒勝政府委員 でん粉工場の合理化対策でございますが、われわれもかねてから、つとにでん粉工場はやはり近代化していただきたいということで、特にコーンスターチの工場のように非常に巨大なりっぱな設備ができますと、従来のようなイモでん粉工場のあり方では、なかなか今後の将来性が期待し得ませんので、そういう意味で近代化を要望してまいったわけでございますが、バレイショでん粉につきましては、北海道のほうの非常な御努力等もございまして、この三、四年の間に、非常に近代化、合理化され、また統廃合されまして、一時は千九百もありましたバレイショでん粉工場が、現在は約二百前後にまで集中され、特に合理化工場は四十四になっておる次第で、その九割前後はそこでバでんがつくられておるわけでありますが、これに対しまして、カンショでん粉の工場は、その意味では、イモ生産のあり方等から見まして、どうもなかなか集中できませんで、いまだに群小工場が乱立しているということにつきましては、われわれも、この指導について非常に苦慮しているような次第でございます。こういうことでは、今後カンショでん粉の将来性について非常に問題が多いので、何とかして近代化への道を歩みたいということで、ただいま御指摘の近促法に乗せる問題についても、ただいま検討している段階でございます。
○川崎(寛)分科員 その検討している段階という、これはいつごろ結論を出していただけますか。三年間という今度のカンでんの暫定期間ですね。そうすると、三年間の問題と、三年以後の問題と二つあるわけです。農林大臣が先ほど言われた基本方針というのは、ずらっと並べた方針になりますから、そこで、具体的に三年間と三年以後という、つまり三年後の恒久対策というのは、イモ生産にしましても、あるいはでん粉企業の安定策にいたしましても、当然、当面の三年間というのと三年以降という問題について分けなければいけない、こう思います。それは最後のところで締めくくりをいたしますけれども、いま言われたように、近促法のそれについては検討中と言うけれども、検討中ということは、ただずっとペンディングでいくのじゃなしに、早急に結論は出るというふうに受け取ってよろしいですか。
○荒勝政府委員 われわれとしましては、かねてからこのでん粉工場につきましては、むしろ役所側のほうが積極的に呼びかけてきたようないきさつがあるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、原料事情が急速に変化してきているということと、それからカンショでん粉につきましては、特に、いわゆる農協系と商組系との間の乱立等がありまして、思想といいますか意思の統一がなかなかむずかしいように聞いております。しかも、南九州だけでなくて、南関東にもやはりでん粉工場がいまだにございまして、その辺の調整等もありますし、そういう事情を十分——思想統一のほかにも、各省の間にもいろいろまた御意見がございまして、われわれとしては、努力は従来以上に努力いたしまして、単なるおざなりで検討というのではなくて、われわれの呼びかけたいきさつというのは十分お含みの上、御協力を願い、われわれとしてもほんとうに努力してまいりたい、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○川崎(寛)分科員 たいへんくどいようですが、そうしますと、宮崎と鹿児島はちょっとまた事情が違うと思いますけれども、いま言う、むしろわれわれ政府側が働きかけたのだ、こういうふうな御答弁でしたが、そうすると、地元側がそういうものにこたえられる、そういう態勢というか、ものを出せば、早急にそれはそういう方向に進み得る、こういうふうに理解してよろしいですね。
○荒勝政府委員 そういうふうに御理解願ってけっこうだと思いますが、ただ、事情が事情で、原料がどんどん実際減ってきて、かつ、多少原料地盤も移動しておる。そこにもちまして、したがいまして、でん粉工場自身のほうが、話をまとめようとしている間に、どんどん吸収をされていかれまして、いわゆる思想統一のためには、やはり一定の事業者の数がある程度まとまって話がまとまらぬことには、どうも流動状態だというところに、本件が非常にむずかしいという、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○川崎(寛)分科員 早急にひとつこの点については御指導願い、確立を願いたい、こういうふうに思います。 最後に、今回の二次関税率の引き上げの措置による三カ年間が経過をする間に、当然その三年以降の四十七年以降の方針というのをまた一つ恒久策としてきめなければならない、こういうふうに思います。その点については、どういう検討をしながら、いつごろまでに明確に定めていくのか。あるいは三カ年間ずっと事情を見て、それからまたということになりますと、これまで毎年一年一年でやってきましたね、ようやく三カ年、こういう暫定措置になっておるわけですが、この措置の切れる三年以後の恒久対策についての方針を明らかにしていただきたいと思います。
○荒勝政府委員 御指摘のように、従来コーンスターチの二次割り当てにつきましては、毎年一年一年の暫定延長できたものですから、生産者並びに消費者の方にも非常に御迷惑をかけたので、この機会をということで、三カ年ということで多少中期的に決定したような次第でございます。ただ、これを今後どうするかにつきましては、いろいろ関税率審議会におきましても、また、この案を作成します間にでん粉研究会等にもいろいろ御意見を聞きましたが、やはり各方面全部で、今度提案しております関税率の方式で十分御満足はいただいてないというふうに私も理解しております。しかしながら、といっていま直ちにこれにかわるもっといい案を園芸局長何か考えろ、こうおっしゃいましても、いろいろな諸般の事情でなかなかむずかしいということで、なおこの三年間の間にじっくりいろいろ検討いたしまして、その間にまたでん粉事情のみならず、いろいろな経済事情も相当な変動があると思いますので、その変動を踏まえながら、さらに次のいろいろの検討をしてみたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○川崎(寛)分科員 それでは、もう時間ですから終わります。
○大坪主査 本日の質疑はこの程度にとどめます。 次回は、明十二日午前十時より開会し、農林省所管についての質疑を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時一分散会