予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 383 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/03/11
会議録
○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 私が第三分科会の主査をつとめることになりました。よろしくどうぞ御協力をお願いいたします。 本分科会は、昭和四十五年度一般会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管並びに昭和四十五年度特別会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管について審査を行なうことになっております。 本分科会の審査日程につきましては、お手元に配付いたしました日程表によりまして審査を進めてまいりたいと存じますので、御了承をお願いいたします。 昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。 政府から説明を求めます。 この際、大臣に申し上げます。予算の説明につきましては、時間の都合もございますので、でき得る限り簡略にお願いいたします。
○内田国務大臣 昭和四十五年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について御説明申し上げます。 厚生行政は、各位の御協力によりまして着実にその進展が見られていることに対しまして、まず厚く御礼を申し上げます。 昭和四十五年度厚生省所管一般会計予算の総額は一兆一千三十五億二千十二万三千円でありまして、これを前年度の昭和四十四年度当初予算に比較いたしますと、一千九百九十五億八千八百三十八万二千円の増加と相なり、二二・一%の増加率を示しております。また、一般会計予算総額に占めるその構成比率は一三・九%と相なっております。 以下、主要な事項について、その概要を御説明申し上げるのでございますが、ただいま主査からお話もあり、また委員各位のお手元に資料を配付をいたしてございますので、お許しを得て、以下の説明を省略させていただきたいと存じます。
○田中主査 この際、おはかりをいたします。 昭和四十五年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要につきましては、これを本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔内田国務大臣の説明を省略した部分〕 第一は、生活保護費関係の経費であります。 生活扶助につきましては、その基準額を一四%引き上げることといたしており、また、教育扶助、出産扶助等につきましても、それぞれ所要の改善をはかるなど、生活保護費として総額二千百七十一億八千五百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し、三百四十二億二千百余万円の増加となっております。 第二は、社会福祉関係の経費であります。 社会福祉施設における処遇改善につきましては、施設職員の増員とその給与の改善をはかり、施設の運営に必要な庁費等の増額を行なうほか、施設入所者に対する飲食物費、日常諸費等の改善及び低所得者に対する保育料徴収の軽減を行なうこととし、所要の経費を計上いたしております。 社会福祉施設の整備につきましては、老人福祉施設、保育所、心身障害児施設等の整備に必要な経費として五十三億円を計上いたしております。 老人福祉費につきましては、老齢人口の増加、核家族化等に対処するため老齢福祉年金の増額などの施策を推進するとともに、新たに老人性白内障の手術に対する公費負担を行なうほか、寝たきり老人対策については訪問精密検査を実施することとし、所要の経費を計上いたしております。 児童保護費につきましては、児童保護措置費の増額をはかるとともに、心身障害児に対する従来の施策をさらに強化するほか、新たに在宅重度心身障害児及び障害者に対する家庭奉仕員の派遣を実施することとし、また、母子保健対策を充実し、次代をになう健康な児童を育てるため、妊婦、乳児に対する健康診査の対象を飛躍的に拡大するなど画期的充実をはかり、児童保護費として七百七億五千七百余万円を計上いたしております。 身体障害者保護費につきましては、重度障害者に対する特殊浴槽の支給等を前年度に引き続き実施するほか、補装具給付費の増額をはかるとともに、新たに自動車操作訓練費、手話奉仕員養成費など施策の充実をはかることとし、所要の経費を計上いたしております。 このほか、特別児童扶養手当、児童扶養手当の手当額の増額及び所得制限の緩和等を行ない、また、昭和四十六年度開所予定の心身障害者福祉施設の運営のための特殊法人心身障害者福祉協会を新設することとし、所要の経費を計上いたしております。 これらもろもろの施策に必要な社会福祉費として、総額一千百十億三千七百余万円を計上しており、前年度予算に比し、二百二十五億八千百余万円の増額となっております。 第三は、社会保険費関係の経費であります。 社会保険国庫負担金は、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰り入れに必要な経費として、政府管掌健康保険の財政の健全化に資するための二百二十五億円を含め、八百六十八億五百余万円を計上いたしております。 国民年金国庫負担金は、老齢福祉年金、障害福祉年金及び母子、準母子福祉年金の年金額をそれぞれ月額二百円引き上げるとともに、扶養義務者の所得制限の緩和、母子福祉年金の本人所得制限の大幅な緩和をはかるなど、国民年金国庫負担金として一千三百七十二億五千七百余万円を国民年金特別会計へ繰り入れることとして計上いたしております。 国民健康保険助成費につきましては、療養給付費補助金など三千五百七十九億三千余万円を計上しており、社会保険費として総額は五千八百三十七億九千九百余万円となり、前年度予算に比し、一千百六十一億二千余万円の増額となっております。 第四は、保健衛生対策費関係の経費であります。 原爆障害対策につきましては、介護手当その他の諸手当について所要の改善をはかるほか、原爆被災復元調査を行なうこととし、七十一億六千三百余万円を計上いたしております。 救急医療対策につきましては、救急医療施設の整備、医師の研修など施策の充実をはかることとし、所要の経費を計上いたしております。 僻地医療対策につきましては、患者輸送車等の増強をはかるとともに、新たに巡回診療車の運営費及び僻地親元病院に対する協力助成費等を計上いたしております。 このほか、結核医療費は四百三十五億八千余万円、精神衛生費は三百五十八億二千三百余万円をそれぞれ計上するなど、保健衛生対策費として総額一千四百六億八百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し、百八十六億四百余万円の増額となっております。 第五は、遺族及び留守家族等援護費であります。 恩給の改正に準じて障害年金、遺族年金等の年金額を増額するほか、障害年金等の支給範囲の拡大、戦没者等の妻に対する特別給付金及び戦傷病者等の妻に対する特別給付金等の支給範囲の拡大及び防空法による医療従事者等に対する特別支出金の支給など、遺族及び留守家族等援護費として、総額二百四十五億三千二百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し、二十二億九千八百余万円の増額となっております。 第六は、生活環境施設整備費であります。 水道水源開発等施設整備費補助金として対前年度十五億三百万円増の三十億八百万円を計上して、水源の確保及び広域水道の助成をはかることとし、簡易水道施設整備費補助金については対前年度九億八千百万円増の三十億八千二百万円を計上し、清掃施設整備費補助金については五カ年計画の第四年次分として三十六億四百万円を計上いたしており、生活環境施設整備費として総額九十六億九千四百万円を計上いたしており、前年度予算に比し、二十七億九千七百万円の増額となっております。 第七は、公害防止対策等の経費であります。 公害防止対策につきましては、従来の施策を一そう充実するとともに、都道府県における公害監視体制の強化をはかるため、新たに、県境を越える広域監視設備を整備するほか、前年度に引き続き保健所の公害担当職員の増員を行ない、公害問題の処理機能の充実をはかることとし、また、新たに公害衛生に関する総合的な研究を行なう機関についての調査費を計上するなど、公害防止対策費として九億三千八百余万円を計上いたしております。 看護婦の需給対策につきましては、看護婦等養成所の施設を大幅に拡充するほか、修学資金貸与制度及び潜在看護力の活用など諸施策の充実をはかるとともに、新たに民間養成施設に対する運営費の助成措置を講ずることとし、所要の経費を計上いたしております。 食品衛生対策につきましては、食品の安全性を確保するため、新たに食品衛生調査研究費を計上するとともに、食品添加物等の規制の強化及び食品パトロール車の整備などを行なうこととし、所要の経費を計上いたしております。 第八は、以上申し上げた諸経費のほかに、特に御説明申し上げたい経費といたしまして、東海自然歩道の整備に着手することとし、そのため二億五千万円、児童手当制度のための調査費二千万円及び原因不明の疾病などの研究を行なうための特別研究費一億一千万円などを計上していることでございます。 以上、昭和四十五年度厚生省所管一般会計予算案について、その概要を御説明申し上げました。 次に、昭和四十五年度厚生省所管特別会計予算案の大要について御説明申し上げます。 第一は厚生保険特別会計についてであります。 一般会計より八百四十億九千二百四十七万六千円の繰り入れを行ない、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第二は、船員保険特別会計についてであります。 一般会計より二十七億一千二百六十九万九千円の繰り入れを行ない、歳入五百十一億三千五百七十七万円、歳出三百二十六億二千三百五十三万二千円を計上いたしております。 第三は、国立病院特別会計についてであります。 病院勘定は、一般会計より八十二億一千五百八十三万五千円の繰り入れを行ない、歳入歳出とも六百十一億八千百九十九万一千円を計上いたしております。 療養所勘定は、一般会計より二百四十一億八千百四十九万九千円の繰り入れを行ない、歳入歳出とも五百三十七億五千四百五十六万一千円を計上いたしております。 第四は、国民年金特別会計についてであります。 一般会計より一千三百七十二億五千七百四万三千円の繰り入れを行ない、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 最後に、あへん特別会計についてであります。 歳入歳出とも九億九千九百五十一万三千円を計上いたしております。 以上、昭和四十五年度の厚生省所管特別会計の予算案について、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。 —————————————
○田中主査 以上で説明は終わりました。 —————————————
○田中主査 この際、分科会の各委員に申し上げますが、質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられました方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力を賜わりたいと存じます。 なお、政府当局におかれましても、答弁はでき得る限り簡単明瞭にお願いをいたしたいと存じます。 それでは、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
○井上分科員 私は、昨日も予算の一般質問で申し上げたのでありますが、少しく観点を変えまして、厚生省の医療行政につきましてお伺いいたしたいと思うのであります。 このごろ看護婦が非常に欠乏しておる実態は御承知のとおりであります。この看護婦不足対策に対しましてはどういう対策をお持ちですか。厚生大臣、あなたのお話はもう長くて困るので、ただいま主査からも特に御注意がありましたが、あなたの話は長過ぎてわからぬうちにやられるものですから困りますので、簡単明瞭にひとつお答え願いたいと思います。
○内田国務大臣 看護婦の不足対策につきましては、御承知のように、厚生省におきましても、昭和五十年くらいを目途といたしまして、現在の実員を四十八万人くらいにふやす各般の計画を樹立いたしております。その詳細につきましては政府委員から答弁をいたさせます。
○松尾政府委員 看護婦の確保対策につきましては、第一番目にはやはり養成力の強化ということをはからなければならないと思います。四十五年度から特にその方面の強化をしたいと考えております。 それから第二には、それに伴いましてそれを教える教員の養成の問題等がございます。なおまたそういう養成施設の維持を適切にいたしますために、新たに民間養成施設に対する運営費の助成というものもいたしたいと考えております。また、その養成課程におきましては、高等学校卒業というものを資格といたします准看護婦の養成ということを制度化したいと考えておるわけでございます。そのほか処遇の改善をはかって定着を高めるということ等をはかりたいと存じます。また同時に、現在資格を持って野におられる方にできるだけこの実務についてもらいたい、こういうこともあわせて考えてまいりたいと思っております。
○井上分科員 私は、看護婦が不足している現状を考えますときに、大きい問題といたしましては、いままで看護婦という職業に対しまして一種の偏見があったのではないか、こう考えざるを得ないのであります。と申しますのは、いままででございますと、ここ四、五年前までですと、結婚すると大体やめさすというのが大学病院並びに国立病院の実態であったはずです。あるいはまた日赤病院においてもそのとおり。こういうようなことが行なわれておりましたが、看護婦が不足しておるので、結婚後も勤務さすというようなことになっておるのであります。しかし、いまあなた方がお考えになっておりますような、准看護婦を養成するというような立場でありましたならば、これは看護婦の資質があるいは低下するおそれがある。むしろ、この際、正看護婦、甲種看護婦を養成する機関の充実をはかるべきである。このように私は強く主張いたすものであります。これに対しては、厚生大臣はいかにお考えになりますか。
○松尾政府委員 お説のように、いま看護婦問題でどうしても解決しなければなりません問題は、その充実に、一面で量を確保する、これなくしてはやはり看護婦問題は解決し得ないと考えております。しかしながら、同時に、御指摘のように、重要な使命を持つ看護婦の質の向上、これはあわせてどうしても考えなければならない問題でありまして、この二つの面をあわせて考えていくというのが私どもの苦慮しておるところでございます。 御指摘のように、正看をふやすということについても、もちろん私どももそういう方向で進んでまいりたい。しかし、同時に、准看護婦制度がございまして、しかも高等学校の進学率というものが現在でもすでに八〇%に到達しておるというような実態から考えまして、今後中学卒業ということを原則にするよりも、高等学校卒業ということを原則にして、基礎の知識の高い人たちを養成するということが、より質の向上に対しましても期待し得るのではないか、こういうように考えておるわけでございます。
○井上分科員 私は、看護婦が不足している一つの原因といたしましては、看護婦の社会的地位が低過ぎる。いままで戦前あるいは戦後におきましても、医者の間の看護婦に対する考え方は、一般もそうでございますが、女中にちょっと毛がはえたくらいにしか考えなかったところに大きな問題があるのではないか、このように考えられる。しかし、甲種看護学校の教育内容を見てみますと、非常に充実したものがあるのです。おそらくあれだけの教育をやっておる短期大学、あるいはまたこのごろ粗製乱造しております新制の、私立の裁縫学校に毛がはえたような大学よりもはるかに内容が充実しておる。ところが、これが各種学校に認定されておりますがために、卒業いたしましても、あなた方は世間的には大学卒業でない、あなた方は看護婦だというような一般的な——これはまた社会全体の問題ではありますけれども、権威好きの日本人にとりましては、大学卒業でないということで偏見が非常に多く行なわれておると思うのです。しかし、あの教育の内容——私も看護学校で一時教えたことがございますけれども、内容は非常に稠密である。そうして充実した教育をやっておる。むしろ、私は、この甲種看護学校というものを各種学校でなくて大学にかえる必要があると思うのです。それがまた看護婦の資質の向上にもなる、このように考えるのですが、大臣どうでございますか。これは事務当局の御答弁でなく、あなたの政治家としてのお答えをお伺いしたいと思うのです。
○内田国務大臣 御説の点、同感の点がございますが、現在看護婦が非常に不足をしております状況に対応いたしますと、各種学校の形をとっておりまする養成所の施設なり人員というものも、この際やはり活用いたさざるを得ないという事態もございますので、両々相まって、先生のお説を承りながら、看護婦対策を実施してまいりたいと思います。
○井上分科員 両々相まってといいますが、あなたが実際、看護学校の実態をごらんになればよくわかるのです。実によく教育をやっている。そして、勤務時間も非常に長くて、これはおそらく文科系の大学よりも内容は、実は稠密なる教育をやっておる。こういうようなところを、各種学校で済ましておくのは、私は、問題があろうと思うのです。それがまた、看護婦の社会的な地位というものを高めるゆえんでもあろうと思うのです。したがって、四年制の看護大学というものも、それは東大をはじめ二、三あります。しかしながら、これを広めて、少なくとも、いいと言いますか、看護学校を充実して、少なくとも短期大学よりも充実した教育内容をやっておるというようなところについては、せめて大学の名前を冠した大学にすることが、看護婦の社会的な地位の向上にも役立つ、このように思うのです。もちろん、あなたのおっしゃるように、看護学校は、各種学校のままのやつもあってしかるべきだと思います。しかし、実際の内容からいって、大学教育より以上の教育をやっておるような看護学校もたくさん各地にあります。これらに対しては、大学設置基準に——あの大学設置基準なんというものは、実にでたらめなものでございますので、これを厚生大臣としては、強く要求してやる必要がある、このように思うのです。もちろん、教育学部の中に看護科なんていうのもありますけれども、こういうものじゃなくて、独立した短期大学、あるいはまた、大学の名称を付した看護婦養成所を各地につくるべきである、このように思うのですが、どうでございます。
○内田国務大臣 お説は私もよくわかりますが、現状の学校教育法に基づく施設と、それから養成所、すなわち、各種学校の形をとっておりますものとを対比いたしてみますると、各種学校の施設になっておりますものが非常に多いわけであります。でありますので、これを一挙に置きかえるということは、実際問題として、非常に無理だと思いますので、そのバランスよろしきを得るように、だんだん持っていくほかはないだろうと、正直なところ、私は考えております。
○井上分科員 厚生省というのは気の長いところで、きのうも質問いたしましたが、一年たってもやらないところでございますので、それで申すのです。だんだんじゃなくて、早急にあなたはこれをお考えください。そういうお気持ちはございませんか。充実した教育内容をやっておるところを、早急に大学に昇格さしていくというようなお考えはありませんか。
○内田国務大臣 いまも申し上げますように、方向としては、私は、先生のお説に賛成でございます。ですが、実際問題として、設置基準等の問題がございまして、一挙にまいれないので、気を長くいたしておるというわけではございませんけれども、看護婦の充足対策等と見比べながら、やってまいりたい、このように考えております。
○井上分科員 私は、看護婦急増対策という考え方よりも、むしろ、教育内容自体にすでに問題がある。高度な知識を与えておるのです。だから申しておるのです。でございますので、それはこの看護学校の中には、いろいろ段階はありましょう。ありますが、優秀なところはどんどんと大学に昇格さしていくというような方向に、早急にひとつ御努力願いたいことを強く要求いたすものであります。 これはお約束できますね。
○内田国務大臣 できるだけそういう努力をいたしてまいる所存でございます。
○井上分科員 続きまして、このごろ、過疎地帯が全国に数多くできておりますが、特に、過疎地帯における無医地区が非常に数多く出現いたしておるのであります。この過疎地帯の医療の現況を見てみますというと、実に同じ国民でありながら、医者にもかかれない、非常に重い病人でなければ、医者も応診できないというようなことが非常に多くできております。したがって、この無医地区に対して、厚生省はいかなる御処置をとろうとされておるのか、ひとつお伺いをいたしたいのと、同時に、自治省におきましては、どういう指導をされておるのか、財政的にはどういう処置をとられておるのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思うのです。
○内田国務大臣 医療機関の配置状況がいわゆる過疎地帯に対して非常に残酷な状態になっておることはおっしゃるとおりでございます。そこで、厚生省といたしましては、数年前から、それらに対応いたしまして、年次計画で、それらの無医地帯に僻地診療所というものをつくる努力をいたしてまいってきておりますが、しかし、それも、中に入るお医者の確保がむずかしいという状況も私どももよく承知をいたしておりますので、それと同時に、回診車というようなものを助成をいたしまして、無医地帯に医師、看護婦等を回していく、あるいはまた、患者輸送車というようなものを助成をいたしまして、患者を医療機関のあるところに運んでまいる、こういうようなことをいたしてまいりましたが、さらに、明年度におきましては、過疎地帯に医者のない状態に対応いたしまして、親元病院というようなたてまえをつくりまして、そうして医師のおられるその親元病院から医師と看護婦さんをチームにして無医地帯に協力をさせる、こういうような段取りも講じまして、できる限りの努力をいたす所存でございます。
○立田説明員 自治省でございますが、過疎地帯におきまするところの医療の確保という点につきましては、私たちも非常に重要な事項だと考えまして、従来から特に財政的な措置について措置をとってまいっております。それで、毎年、その措置についての充実も、厚生省の計画とあわせまして充実をはかる方向にきておりますが、現在考えておりますのは、一つは、公立の病院におきまして、たとえば県の県立の中央病院であるとか、そういうところに、過疎地域に対する診療の充実を期するような経費、あるいは地域におきます中核になりますような公立病院につきまして、巡回診療関係の患者輸送車であるとかあるいは巡回診療車であるとか、そういったような機動力を充実させるような経費、これらの経費につきましては、当然、地方団体としても一般会計からいろいろ繰り出しをされるわけでございますので、そういうものに対する所要の財政措置、こういうようなことが一つ考えられます。 それから、第二点におきましては、公立病院がある程度過疎地帯におきましては非常に経営の問題がございますので、その関係の所要の経費につきまして財政措置を、その一部でございますが、講じていきたい、こういう考えを持っております。 なお、そういうような過疎地帯におきます公立病院というもののいろいろな施設関係の経費につきまして、やはり所要の財政措置を講じていきたい。 さらに、いわゆる診療所等の建設あるいは患者輸送車、巡回診療車というものを新規に購入するといったような場合については、地方債の運用によってその充実をはかっていく、そういうことを考えております。 なお、現在、過疎地帯を含めまして、広域市町村圏構想というものを自治省としては推進しておりますが、そういうような広域市町村圏の性格においても、こういうふうな過疎地帯の医療というものがその地域におきまして、自主的に計画にいろいろ織り込まれるということを期待いたしております。
○井上分科員 時間がありませんので、なにですが、自治省のお考えを見てみますと、県単の事業でみなやらしておるのですね。県単事業でやらしておる実態からして、自治省としては、はたしてそれだけ交付税関係においてやられておるかどうかということは、私は疑問を持たざるを得ない。もう一つといたしましては、広域市町村という考え方も一つの考え方でございましょうけれども、実際問題として、広域市町村をつくってもその中に無医地区というのができるのです。これらに対する対策ができていない。この点については、あなた方の過疎地帯に対する医療対策というものが非常におろそかになっておるといわざるを得ないのです。地方債でやられるといいましても、これは御承知のように地方の借金です。地方に行きまして、過疎地帯に行きまして、無医地区に行きまして、一番困っておるのは、実は医者がなくて困っておるのです。こういう点につきましても、特に交付税関係においてこれらを見るお考えはありますか、どうです。これは自治省に対してまず簡単にお聞きしたい。
○立田説明員 御質問の点でございますが、自治省といたしましては、過疎地域に対します医療の充実ということで、いわゆる一般財源として——もちろんただいま先生おっしゃいましたように、国庫補助金等もあるわけでございますが、一般財源として、必要といたします所要の経費につきましては、その充実をはかるという考え方で四十五年も考えております。
○井上分科員 せいぜい地方債あるいはまた交付税等々で見られることを強く要求いたしたいと思います。 それから大臣にお伺いいたしたいのですが、いまお話のように、患者輸送車とかあるいはまた巡回診療車などをつくりましても、これは一時的な現象なんですね。それよりもむしろ診療所をつくっていく必要がある。これに対してはどうお考えになります。 特に、この際申しておきたいのは、医者というものがまず過疎を起こす最初なんです。ほとんどが大都市へ集中してやってくるという現象がありますので、特に過疎地帯に対する診療所を一体どういうようにして整備していくか、この点ひとつお考えをお示し願いたいのです。そしていまのこの予算に対してどういうように盛り込んでおるか、特に過疎地帯の診療所に対してどういうような考え方を持ち、予算に盛り込んでおるか、ひとつお答え願いたい。
○内田国務大臣 お説もございますように、僻地診療所の設置に厚生省は特別の助成をいたします。これまでも年次計画で進めてまいりまして、たしか四百何十カ所診療所をつくってまいりました。四十五年度におきましても、それの一環として同様の計画を進めてまいる所存でございます。ただ、いま申しますように、中身の医者の問題も同時にあるものでございますから、そこに困難があると聞いております。
○井上分科員 四百五十カ所つくっても医師がおらなければ何もならないのです。だから医師をどうして確保するかと聞いておるのです。
○松尾政府委員 御指摘のように、僻地診療所をつくりましても、その定着する医師がいないために診療業務を中止せざるを得ないという実情にあることはそのとおりでございます。最近の交通事情の発達等も考慮いたしまして、僻地対策につきましてはいろいろな対策を組み合わせていかなければならぬ、こういうふうに考えております。いまの僻地診療所につきましては、先ほど来もお話がございましたように、そこへ定着をする医師をまず確保することが第一でございます。できない場合でございましても、もよりの親元病院を指定をいたしまして、その親元病院からそこへ医師を常時派遣する、あるいは定期的に派遣する、こういうことで診療所の機能を確保したい。これは現実的な問題でございまして、来年度は、そういう意味におきましては親元病院が僻地の診療所に医師を派遣する、その助成に対します費用を助成しようということで、新規に組んだのもそういう考えでございます。
○井上分科員 私は親元病院なるものの性格はわかりませんので、どういうような形でやっていくか、あとで文書でお知らせ願いたいと思うのです。親元病院でやられましても、実際、僻地の無医地区の解消にならない、私はこのように考えますので、あらためて質問するし、また文書で御回答願いたいと存じます。 私は、昨日質問いたしました研修指定病院について、もう少し煮詰めてまいりたいと思います。 昨日は精神病院のことばかりやりましたが、総合病院におきましても百八つ指定しておるわけです。そのうちで大体六十八の病院が医師法に違反しておる病院なんであります。ここで大臣、あなたはしろうとだから、医療法関係をひとつ申し上げますと、医療法の二十一条に「病院は、省令の定めるところにより、左の各号に掲げる人員及び施設を有し、且つ、記録を備えて置かなければならない。但し、政令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。」というのがあるわけです。そしてその省令で、医者の数であるとか、看護婦の数であるとか、あるいは精神病でございますと看護人の数であるとかいうのを第一条一項できめているわけです。これに基づきまして、医療法施行規則の十九条第一項「法第二十一条第一項第一号の規定による病院に置くべき医師、歯科医師その他の従業者の員数の標準は、次の通りとする。一 医師 入院患者の数と外来患者の数を二・五をもって除した数との和が五十二までは三とし、それ以上十六又はその端数を増す毎に一を加えた数」これが医者の数であるわけです、総合病院におきましては。看護婦におきましては、「入院患者の数が四又はその端数を増すごとに一及び外来患者の数が三十又はその端数を増すごとに一。」これが医療法にいうところの医師の定員なんです。そしてこの医療法二十一条によりまして、これに罰則規定があるのです。いいですか、罰則規定があるのですよ。ところが、この医療法に違反しておる病院を厚生省は研修指定病院として指定しているのです。その数が百八のうちで六十八なんです。この実態に対して、あなたはどう考えますか。医師法の改正によって医者を研修させなければならぬ。そのときの議事録もここにあります。これは園田大臣がおっしゃった。去年においても斎藤厚生大臣は、当時の文教委員の理事、委員長、文部大臣と相談の上で、そういう不適格な病院についてはこれはやめますということを内々きめて、私には早急に善処する、こうおっしゃった。ところがそれをやっていない。善処するとは内容を改善するんだ、こうおっしゃっているのですが、一体いまこの百八の総合病院——まあ十七の精神病院は全部医療法に違反しているのははっきりしているのだが、百八の総合病院のうちで医療法に違反しておる病院は幾つあるのですか。
○松尾政府委員 私どもが最近調べましたところでは、一般病院で三十六カ所、精神病院九カ所が御指摘のような不足を告げております。
○井上分科員 その数はどうするのです。まだ改善をやろうとするのですか、それとも取り消しをするのですか。もう二年たつのですよ。一年八カ月きているのですよ。大臣どうです。大臣がこの前答弁しているのだ。あなたは政治家なんだから……。
○内田国務大臣 昨日も井上先生と予算委員会で問答をいたしたとおりでございまして、それらの不適格なるものにつきましては先生の御指摘後、病院長会議を開きまして、あるいはまた審議会の委員を派遣いたしましたりいたしまして極力改善につとめてまいっておりますこと、これは先生もある程度お認めのとおりでございますが、自余のものにつきましても改善の努力をいたしますけれども、どうしても見込みのないものにつきましては、指定を取り消すようなことをいたさなければならぬこともあり得ると私は思います。
○井上分科員 医師法改正のときに、これはもう適格病院でないところはやめると書いてあるのですよ。やらないのはあなた方なんです。そしてこの国会において園田大臣は、これは充実した病院でなければやらない、こうおっしゃっているのです。いいですか。おっしゃっておりながら違反した病院が——あなたはおそらく間違っているはずなんで、きのうなんかは医療法さえ知らぬような医務局長だったんだから、私はこれからまた調べるけれども、こういうような病院で養成される医者がどうなるかということをお考えになりますか。日本の医療の将来を考えてごらんなさい。罰則まである医療法なんですよ。医療法に違反するような病院を政府みずからが指定しているのです。責任を感じませんか。そしてまたこの国会における審議が守られぬというところに行政機関の独走がある。大臣は一年ごとにかわるし、何にもわからぬうちにともかく大臣になるから、それであやふやなことになって、官僚独善の政治が生まれてくる、政治家はもう少ししっかりしていただきたい。大臣という最高の地位にある人が、一たんこの立法府において約束したことが守られぬということはどう考えます。大臣どうです。
○内田国務大臣 たいへん責任を感じておりますので、その事態を改善するように歴代の大臣もまた当局もつとめておるわけでございます。
○井上分科員 大臣、だめなんだ。それは改善するなんていうことではないのです。これを読みなさい、お貸ししますから。そしてあなた、医療法を勉強なさいましたか。してないでしょう。罰則まであるのですよ。取り消しまでできるのですよ。そしてまた、この研修指定病院は指定を取り消すことができるということは医師法にちゃんと書いてあるのですよ。それすらあなた方は守らない。しかも、この立法府において約束したことを政府は守らないのです。これでは医学部の学生諸君がおこるのも当然だと思う。あるいは医者が、このごろ朝日新聞の夕刊の「精神病棟」というルポを見てみましても、非常にひどいようなことが書いてある。こういうような実態が起こってくるのも政府自身が自分できめた法律を忠実に守らぬのみならず、それを医者の研修指定病院として指定し、わかっておるにもかかわらずまだこれを改善するなんというようなくだらないことを言っているからわからないのです。なぜメンツにこだわるのですか。医療法に違反した病院は、この国会において大臣の言明もあることだし、またこの法律をつくる過程においてもそういう議論がなされた、約束した事柄なんでありますから、早急にこれが指定を取り消すことを強く要求する。これは委員長におかれましてもひとつ適宜御処置をとられんことを強く要求いたします。大臣いかがですか。
○内田国務大臣 私はまことに筋の通った御意見だと思いますので、十分拝聴いたしまして対策を講じてまいる所存でございます。
○井上分科員 私はこれで終わりますが、筋の通った話だとおっしゃる以上は、私の言うことに大体御賛同いただけたものと思いますので、私はこれについて大臣の政治家としての責任をお考えになって処置せられることを期待いたしまして、質問を終わります。
○田中主査 以上をもちまして井上普方君の質問は終わります。 次は島本虎三君。
○島本分科員 大臣にお伺いしますが、義務接種することによって法に定められた行為をした、それによって副作用を起こしてそのまま生まれもつかないようなかたわになった。こういうような人のいることで国の態度をはっきりせい、こういうようなことで、去年の四十四年二月二十八日、これはやはり委員会においてこの問題を追及したのであります。当然この結果においては予防接種法第三条の定める義務によっても、同法第十条の一で「生後二月から生後十二月に至る期間」の間に種痘しなければならないし、それを行なわなければ親は三条によって罰を食らうことになるわけであります。これをしたところが生まれもつかないような、今度は種痘後には脊髄炎になってしまった。はたして国に責任があるのかないのか。この問題についていままで一つの課題になっておりました。そしてその副作用に対しての対策は後遺症に対する対策、医療費、見舞い金、補償、こういうような件について、大蔵省の辻主計官は、伝染病予防調査会で検討しているので、その結果を待って期待に沿うように検討したい、こういうことで去年は終わっているわけです。それから一年たちました。しかし現在日本ではこういうような人が百人をこえるような状態で、生まれもつかないようなこういうかたわになった子供がいるということです。百人や二百人国のほうでやったって財政がつぶれるわけじゃない。これはまさにやらなければならぬ義務である、こうも思っておりました。これに対しましての結果はどうなりましたか、まず発表願いたいと思います。
○村中政府委員 予防接種の接種による事故の問題でございますが、これは前回の機会にも御説明を申し上げましたとおりでございまして、過失の状態がある場合には、これは公務員が公権力の範囲内で行なった事故については国家賠償法の対象という形で処理される。ところが、本人の特異的な体質あるいはいろいろ調べたけれども過失状態が明らかでないというふうな場合の措置の方法は、残念ながらいまの法律体系の中では処理できないという実態である。そこで私どもも実際に原因のはっきりしない状態で事故の起きたものの措置につきましてはいろいろ苦慮していたわけでございますが、一昨年から行なわれております伝染病予防調査会に大臣から諮問を申し上げまして、予防全般の問題とあわせまして、ただいま御指摘の、そのような原因が明らかでない特異体質あるいは無過失事故に対してどういうふうな補償と申しますか、措置をとったらいいのかというふうな点の検討をいただいておる。近いうちに中間的な報告がまとまるのではないかと考えます。 なおこの問題とあわせまして、たとえ無過失事故あるいは特異体質というふうな問題が出てまいりましても、相当程度の因果関係を確立しなければならないという問題が残るわけであります。これは御承知のとおり、昨年から発足いたしました予防接種のリサーチセンターに委託いたしまして、ここで因果関係の専門的な研究を現在進めてもらっておるわけでございます。
○島本分科員 そのとおりだと思いますけれども、しかしあまりにも長過ぎるし、対策は遅々として進まない。おっしゃるとおりに、過失があったり因果関係がはっきりしたならば国が賠償に応ずる、これは当然です。しかし因果関係、これが完全にわかるまでといったら、現在の行政ではなかなか時間を要して、完全に救済のほうにまで手が届かないうちに、あるいは死に、あるいはそのために社会的にほんとうに困った状態を現出するようなことは看過することができないわけです。 そこで大臣、これはやはり大臣として、今後はこういうものは一いまでも大臣の所管している公害関係でも、公害にかかわる被害者の医療救済法も実施されております。それから原爆関係におきましての法律でも、特別被爆者に対する措置がきめられております。これは影響によるものであって、厳密な意味での因果関係でなくとも、はっきり影響がわかるならば、それによって救済するという法律ももうすでにあるわけです。因果関係がわかったら——これは義務によって行なった結果なんですから、したがって今後は、完全な因果関係でなくてもある程度の蓋然性がわかったら、制度化して救済してもよろしいのではないか、こういうことでもう踏み切るべき段階だと思います。こういうふうにして、完全に恵まれないような子供さんたちを救うべきだ、これが厚生大臣の任務だ、こういうふうに思いますが、ひとつ、これに対する大臣のはっきりした決意を聞かせておいてもらいたいと思います。
○内田国務大臣 いま政府委員からお答えがありましたような経緯で、これは私どものほうでも前向きに検討をいたしておる事項でありますので、島本先生が御示唆なさいましたような事項をも含めて、さらに私はその結論を急いでまいりたいと思います。
○島本分科員 疑い深いわけじゃないけれども、もう一回言っておきます。 これは完全な因果関係でなくとも、ある程度の蓋然性がわかったら制度化してもよろしいし、救済しなければならない、この考えに立ってこれを対策するんだということに理解しておいて次に進めたいと思いますが、それでいいですね。
○内田国務大臣 島本先生のおっしゃる問題をもあわせて実は検討をいたしておるわけでございます。
○島本分科員 じゃ、主査も聞いておるとおりですから……。二回も繰り返したし、これはこれで確認したものと見て次に進みます。時間がきめられているので、これはむずかしいのです。 これまた大臣にお伺いしますが、社会保障予算、これは一兆円をこえた、こういうことで厚生省は大いばりであります。しかし増額分千九百億のうちの約六割は医療費関係の増額分になっておる。これは私は、問題になるのはやはり掛け金の要らない老齢、母子、障害なんかの三つの福祉年金、こういうものでないかと思います。これは当然いままで問題になっておりまして、老齢は二千円、母子二千六百円並びに障害は三千円、それぞれ二百円ずつ上がる、こういうことになっております。これは上がらないよりは、やはりこれを待ち望んでいる人に対しましてはほんとうにいい行為だと思います。しかし二百円というこのしみったれた考え方は何なんですか。老齢福祉年金ができたのは三十四年、これが十一年たって千円が二千円にようやくなった。物価のほうは何ぼ上がっていますか。これを考えた場合に、やはり老人を大事にする、こういうようなことに、もう老齢に達しながら大臣はまだそこまで足を踏み切っておらぬのだ。もう一つ私は聞いておきたいし、また提案申しておきたいのですが、拠出制年金とあわせて無拠出制の年金、これはほんとうに社会保障的な立場に立った計画を立てて実施すべきだ、長期計画でもよろしい、こういうふうに思いますが、こういうようなことを実施しますか。
○内田国務大臣 無拠出年金につきましては、もう島本先生御承知のように、わずかずつ毎年上げておりますが、昨年はたしかもっとしみったれて百円しか上げなかったのを今回は二百円、こういうことにいたしました。これは物価も上がりますし、そればかりでなしに、国民の生活水準も上がってまいりますので、ぜひまた、これだけということではなしに、毎年増額並びに所得制限等の緩和ということも続けてまいりたいと考えております。
○島本分科員 それをやってもらいます。あわせてもう一つ老人関係ですけれども、老人の所得水準ではあがなえないような一つのサービス、こういうようなものの改善、これもひとつ大臣にはっきり要請しておきたいと思います。というのは、住宅と医療であるということはもうおわかりのとおりなんですが、老人ホームに入所希望者が二十万人をこえているのに対して、七万人程度しか処理できないのだ。また同時に寝たきり老人、こういうようなものの特別養護老人ホーム、こういうようなものもまさに急務を告げるほど必要なんです。しかしながら、特に社会福祉関係の古い施設、老人ホーム、こういうものの増設八十六億円が今回三十三億に削られたままだということはまことに残念だ。これは老人の生きがいのあるような環境をつくることが近代国家の責務なんです。いまあなたは二百円にしたといばっていながら、こういうような大きなところで抜けたら、これはとんでもないことになる。 私はそれで、この老人に対しては東京都が昨年十二月から老人医療費の公費負担制度を実施しておりますが、いろいろとございますけれども、国としても老齢者の医療サービスを完全に措置しなければならない、そういうようなことからして、もう老人に対しての医療の公費負担、国費負担、こういうような点に対してももうすでにはっきり踏み切って、これは来年度からでもやらせなければならないし、そういう覚悟を持たなければならない段階だ、こういうふうに思っております。この問題は国民が心から要望しております。おわかりのとおりなんです。これをひとつ大いに踏み切って今回やることにしませんか。その決意一つでもどれほど世の中が明るくなるものか。私の言うとおり老人の生きがいのあるような環境をつくることが近代国家の責務だ。この責務を果たすことにつながるわけであります。ひとつ大臣の英断を期待してみたいと思いますが、いかがですか。
○内田国務大臣 老人問題というのは、私はもう七〇年代に一番大きくなる問題だと思います。それはわが国の人口構成が急に老齢化してまいますし、また家庭の扶養というものの姿が変わってまいりますので、厚生省といたしましても私といたしましても、いろいろの面にわたってできる限りの福祉施策の充実をいたしたいと考えております。 先生のお取り上げになりました問題をも含めて、ぜひまたいろいろ御激励をいただいたり、この上ともお知恵をかしていただきたいと存じます。
○島本分科員 幾らでもお知恵をおかしいたします。言っているのは、来年度あたりからこれを踏み切ってやったらどうですか。その準備おさおさ怠りなく進めたらいかがでしょうか、その決意を聞きたいというのです。そのための助力は幾らでもいたします。この見解を国民のためにはっきりさせておいてもらいたいということです。ただ、あまりばく然として雲の上にあるがごとき答弁では私納得できません。もう少し地に足をつけたような答弁をしてください。あとはとぼけてもよろしい。
○内田国務大臣 実は、まず前のほうのお尋ねの社会福祉の施設につきまして、養護老人ホームとかあるいは特別養護老人ホームというものが足りないことはお説のとおりでございます。そこで、四十五年度におきましては、社会福祉施設の整備の助成費も、いま先生のおっしゃった三十三億に削られたのではなしに、いろいろがんばりまして五十三億になりましたので、この老人福祉施設には特に配分に重点を置いてまいる所存でございます。 それからいまの老齢者に対する公費医療の問題でございますが、これは島本先生よく御承知のように、医療保険の抜本改正の中におきまして、老齢者医療保険制度という一つの制度を政府側から示唆し、そういう御検討を関係の審議会に願っております。もちろんそのほかにも公費負担あるいは公費負担と保険負担との混合的なやり方というものもございましょうが、これはいまの審議会の抜本審議の成り行きともあわせて、もう少し検討さしていただきたいと思います。
○島本分科員 その検討が長過ぎるから言うんですよ。これは六十五歳としてもらいたいが、いまやっているように七十歳でも老齢者に対しての医療、せめてこれだけは——いままでの保険です、社会保険ですよ。自分がやった金で自分が受けるのですよ。そしてそれらの金は財政投融資の重大な基金になっているのですよ。それほどであるならば、やはり功労者である老人に対して、せめて東京都がやっている程度のことを国費負担、公費負担いずれを問わずただにして老人の病気をなおしてやるんだ。医師会でもこれを言っているじゃありませんか、やりたいと。大臣が踏み切ればやれるじゃないですか。もう一回審議会になんて言わないで、審議会のほうに言って早く結論を出さして来年度からでもこれを実施したいくらいの意向がないのですか、あなたには。
○内田国務大臣 おおむね本年から来年にかけましてその御答申をいただくことにいたしておるわけでございます。
○島本分科員 じゃ、その答申によってこれは実現するということになりますね。
○内田国務大臣 そういうようにいたしたいと私どもは期待をいたしております。
○島本分科員 それはいたすものであるというふうに読みかえて理解しておいていいですね。
○内田国務大臣 もう一度申し上げますが、老齢者対策というものは、御指摘になりましたようないろいろの面において、厚生省がこれから一番その重点を置いていかなければならない大きな課題でありますので、私はいまここで明年度から老齢者医療については公費負担にいたすというようなことは申し上げられませんけれども、何らかの形においてそういう方向に持っていきますような努力をいたしておることは、これは私はこの場のがれではございませんで、ほんとうのことでございますので、これらにつきましてもぜひ御鞭撻やら御協力をいただきたいと思います。
○島本分科員 ちょっと時間が惜しいから、簡単にそのように努力すると言えばいいと言っているでしょう。いまあなたの言うのは、努力をすることを努力すると言っているんですよ。そういうようなツークッションも置くようなことではなしに、ほんとうに期待に沿うように来年から着手できるように努力いたしますと言いなさい。
○内田国務大臣 特殊の公費負担の病気については、たとえば今度取り上げました白内障の手術でありますとか、そういうことについてはもう御承知のとおりでありますが、一般的に老齢者の医療につきまして明年から実現するようにするとは、私もここで申し上げられない。しかし、手段はいろいろございます。公費負担という手段ではございませんかもしれませんけれども、そういうような方向で努力をいたしておりますので、御了承をいただきたいと思います。
○伊部政府委員 老人問題につきましては、ただいま大臣から御答弁ございましたように、厚生省の非常に重要な事項と考えておりまして、中央社会福祉審議会に総合対策を諮問いたしまして、ただいま審議をいたしておる段階でございます。その重要項目の一つにただいま御指摘の医療問題がございます。 なお、医療全体につきましては、御案内のとおり抜本策という問題といたしまして、社会保険審議会及び社会保障制度審議会において、いろいろな基本問題の討議が進んでおるようでございまして、こういう点をにらみ合わせまして、老人の医療問題が前向きに前進するよう事務当局としても努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○島本分科員 前向きに努力している、そのことばを私は期待します。期待は、来年実施できるようにという期待であります。しかし、大臣、これはあなたを通じて言うのは、またそれ以上あいまいになるおそれもありますけれども、しかし来年実施に努力だけはしてください。これだけはいいですね。
○内田国務大臣 了承いたしております。
○島本分科員 しますと言ってください。
○内田国務大臣 了承いたします。
○島本分科員 そこで、公害の問題でひとつ具体的にここで大臣に要請しておかなければなりません。これは大臣の問題であります。 ことしの二月二十一日ですが、予算委員会で社会党の江田書記長の質問で、公害についての企業責任をどうするか、こういうような質問があったのは御存じのとおりです。大臣もおりました。総理は、これに対して最近になくきわめて明確に言いました。企業にあることははっきりしている。企業の負担をはっきりさせ、実情を見きわめ、基本法の取り扱いもきめたいと思う、こういうようにはっきり言っております。すでにもう九日からの国際公害シンポジウムで、企業責任についても公害防止の見地から最大の責任は企業にあるという確認をした。もうすでにこれは国際的な問題にまでなっているわけであります。そうしてみますと、大臣もいまはっきり御存じだと思いますけれども、公害対策基本法ができてもう数年になりました。その中で対策基本法はつくっておくけれども、実施法はそれによって被害者のために、国民のために必ず無過失賠償制度なりこういうようなものを取り入れて立法化するようにしたいというのが、当時の公害対策会議ですか、こういうような立場で、最高の責任を持つんだという立場で、これは佐藤総理の言明があったわけです。私がいまこう見ましても、基本法第三条の責務と第二十二条の趣旨によって企業の費用分担に関する立法、これがまだ何ら行なわれておらないということであります。これは一体どういうようなことなんですか。地方公共団体の行なう事業、こういうようなもので企業負担をせい、こういうようなことなんです。初めの厚生省から出した考え方では、はっきり企業負担というものをつけておったんです。ところがいつの間にかどのようになったのか、それがもうはっきりしないで、附則のほうでこれをきめる、附則のほうへいってしまっているのです。その法できめるということがいまだにきまらないのです。企業負担というもの、企業に対する責任というもの、こういうようなものはもうすでに世界的な事実になって、わかり切っているのですが、公害基本法二十二条による企業の費用負担に関する立法、なぜこれをやらないのですか。これは早急にやるべきです。やらないことは厚生省の怠慢じゃないかと思います。これはひとつ大臣に決意を伺っておきたいと思います。
○城戸説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、公害対策基本法では、第三条に御指摘のように事業者の責務がございまして、これをさらに具体化するために二十二条に一項、二項とありまして、費用負担の規定があります。一項のほうは費用負担のたてまえを書いたものでございます。二項はいま御指摘のような義務負担としてやる場合法律できめるべきだ、こういうことを聞いているわけでございます。私どもとしましては、この点に関しましては、特に現在進めております公害防止計画の策定と関連いたしまして、この防止計画にはここにありますような地方自治体が実施する事業というのが、費用がいろいろ出てまいりますので、その際、いかなる負担区分で国と地方公共団体と企業とで持っていくか、こういうことを研究いたしておるわけでございます。その結論を持ちまして、法律的な措置を必要としますならば、立法措置を講じていきたい、かように考えておるわけでございます。
○島本分科員 その結論を得ましてという、その結論が出ないから出せない。何年たったなら結論は出るのですか。結論の出る見通しも伺いたいのですが、これはあと二年後ですか三年後ですか。
○城戸説明員 私どもといたしましては、この公害防止計画の第一陣でございます千葉・市原、四日市、水島につきましては、大体今年度内から来年度当初には承認を求めてまいることと思うわけでございますので、できるだけその時期に間に合うようにということで、関係の研究会を設けまして検討を進めておるわけでございますので、来年とか再来年と、そういうような非常に先になるということでは決してございません。
○島本分科員 そうすると、今年度においてもこの結論が出次第これは立法化できる、こういうふうに考えておいてよろしゅうございますか。
○城戸説明員 これは先生も御承知のように、この費用負担はあくまで企業がやります場合の公害防止の事業でございますけれども、地方公共団体の実施する事業についての費用負担でございます。したがいまして、地方公共団体からどういうような費用が出てまいるということによって検討を進めなければならぬわけでございまして、現在地方公共団体間の協議ももちろんいたしておりますが、厚生省でも都道府県を呼びまして、いろいろとヒヤリングをいたしております。それによりましてわかりましたいろいろな経費につきまして、はたしてこれをいかなる負担で持っていくかということ、こういうことを検討いたしておるわけでございますので、いましばらくその点御猶予をいただきたいと思っておるわけでございます。
○島本分科員 これはもうよく、このあとに自分の責任が残らない、いわゆる口は悪うございますが、官僚答弁というやつはほんとうにりっぱにできているのです。いつごろまでにめどを立ててやれるんだということを、いつ言っても、これはもう最善の努力を払っているとか可及的すみやかにということばで、これは二年とか三年、公害基本法ができて以来何年たってもこれさえできておらないということになるわけであります。これはやはり今年度中とかことしじゅうにやるつもりだと、このくらい現在の情勢の中で言っても決して言い過ぎではありませんよ。いままでやれないことですから、これは公害部長でも困るでしょうから、大臣ひとつあなた決意してください。
○内田国務大臣 これは責任をのがれるというつもりは毛頭ございません。事業者が費用負担するための法律をつくりますのは、どういう公害防止費用を事業者に負担させるかという事業対象を一つずつつまみ上げて、こういう事業については事業者がこういう負担をしなさい、こういうことを法律で書くつもりでおります。ところで、その事業というのは、先生も御承知のとおりに、たとえば昨年来方針を示して答えが出るのを持っております千葉・市原とかあるいは四日市とかあるいは水島とか、そういう地域に対しまして、そこの都道府県知事に公害防止計画というものの立案を国のほうから指図をいたしております。それが出てまいりますと、公害防止のために地方公共団体がやるべきいろいろの施設の計画が出てまいりますので、それが出てこないと、この法律はつくりょうがない、こういう形でございますので、その出てくるのを待ち、態様を大体一つの標準にまとめまして、事業者の負担区分などをきめる法律ができ上がる、こういう段取りでございます。その段取りにつきましてもほっておいておるわけではございませんで、費用負担研究会のようなものを関係各方面の専門家も加えまして現在もう予備的に研究もいたしておりまして、法律をつくらないでおしまいにしてしまう、逃げてしまうというつもりは毛頭ございません。必ず私は合理的な費用負担の法律を時期がおくれないようにつくる所存でございます。
○島本分科員 じゃ、そのようにぜひ早くつくってもらいたいと思います。 最後に、これはなんですけれども、公害病の、いわゆる公害と認定されたそういうような病気に対する抜本的治療の開発、これは毎年研究費を投じてやっておりますが、公害病といわば厚生省が認定した病気に対しましての抜本的治療法の開発がどの程度までできておりますか。この際はっきりさしてもらいたいと思います。
○城戸説明員 昨年健康被害救済特別措置法ができましてから現在まで認定されております患者数は八百八十四名でございます。まだ申請しておりまして審査の未了になっておるものもありますからふえてくると思いますが、現在は八百八十四名でございます。私どもとしましては、これらの患者につきましての治療法について、これまで公害調査研究委託費あるいは公害医療研究補助金によりまして各種の研究をやって治療法の進展をはかってまいっておるわけでございますが、イタイイタイ病につきましては、現在ビタミン、ホルモン等、カドミウムの摂取現象につきまして相当の成果をあげておりますが、すでに骨の変化が長年にわたって固定しておるというようなものにつきましては、完全に回復はできないというようなことでございまして、リハビリテーションに重点を置いておるというわけでございます。また、こういうような重症になりませんように、早期診断の確立ということに最重点を置きまして鑑別診断の研究会を置いて、全力をあげて鑑別診断につとめておるわけでございます。また水俣病につきましては、一部のリハビリテーションを要する人々以外は相当症状が固定しておりますので、もっぱらリハビリテーションに重点を置き、ほかの疾病を起こさないというような点、特にそういうような意味での医療管理に重点を置いてまいっておるわけでございます。私どもの研究補助金あるいは調査研究委託費でございますが、年々大体一千五百万以上出しておりまして、今後ともこういうような公害の認定疾病につきましては、治療面につきましてできるだけ研究を尽くしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○島本分科員 それではこれで終りますが、あわせてスモン病に対してのこの原因の究明、並びにこの対策等についても大急ぎでやられるように、これは努力されるように心から期待して、どうも三十分間ぐらいで何にも言えませんでしたが、これで終わらしていただきます。どうも御苦労さまでした。
○田中主査 それでは以上をもちまして島本君の質問を終わりまして、次は小川新一郎君。
○小川(新)分科員 大臣にお尋ねしますけれども、昨日の厚生大臣の諮問機関である児童手当審議会の経過は御存じですか。
○内田国務大臣 私はまだ会長さんにはお目にかかっておりませんけれども、担当の局長からおおむね聞いております。中身も答えますか。
○小川(新)分科員 時間がありませんから……。わかりました。 この答申は、大臣もきょうは新聞でごらんになっておると思いますが、私はそれは了解しておきますが、八月答申は無理ではないか、こういう見解が出ておりますね。それはいろいろと理由があります。こまかいことはまた専門委員会、この委員会でお尋ねするといたしまして、一言にして言うならば、財界は金を出さない、この児童手当のお金を出し切れないのだ、こういうふうに煮詰めれば言えることなんですね。そこで大臣、わが党の矢野書記長の質問に対して、十分審議して、おくれておるこの児童手当の問題について、あなたは八月に答申を出すと御確約いただいておるわけですが、こういうふうな事態が財界のお金を出す側、要するに斎藤前厚生大臣や有沢会長の試案であるところの、たたき台になっておるところのそれが行さ詰まった場合、これは一体どうなるのですか。
○内田国務大臣 児童手当審議会は昨年の七月から御活動をされておるわけでございますけれども、その間、私が承っておりますところによりますと、斎藤前大臣の試案でもまたその前の懇談会の一つのテンタティブな案につきましてまとまらなかった。いま御指摘のように、まとまらなかった理由の一つとしては、従来は財界からの意見もあった、こういうことでございます。でありますから、まとまらないままにいつまでやってもまとまらないと私は考えますので、ひとつ審議会独自の案を検討してもらいたい、こういうことを有沢会長を通じ、あるいはまた有沢会長ばかりでなしに、委員の方々がいらっしゃるところで申し上げてお願いをいたしております。八月までに間に合わないのではないかという新聞の見出しがあったようでございますが、私はそうも思っておりません。いままでのたたき台等を種とするあらゆる討論も行なわれておるわけでありますから、いままでの試案にとらわれない方向で、何らかの形をまた八月までにまとめていただけるのではないかということを今日ただいまでも私は期待をいたしております。国会に対しましては、私が八月に国会に出すということを申し上げたのではなしに、八月までに答申をいただけるように強く委員会に私がお願いをいたしておるということと、それから、この国会のある間にもし答申がいただけない場合には、その時点において問題になっておる課題について御報告を国会に申し上げるようなことにいたしたい、こういうことを述べておるわけでございます。
○小川(新)分科員 私は大臣の答弁をよく聞いておりましたのですが、八月の答申ということは、一応四十六年度予算案にこの児童手当を実施するということをめどに踏んまえて、大臣がそのようにさかのぼって言われたのだと私は理解しておるのですけれども、、一番問題は、国及び公共団体だけで、この九千億といわれておるような膨大なお金がまかなえるかまかなえないかということろが焦点になっていると思うのですね。そこを、財界とか企業体から金を取るということについて、私が理解しておるところにおいては、財界が反対しておるのですね。そういう重大な問題のすれ違いということで、全部いままでのことが御破算になって新しい段階になったと理解し、八月答申ということが非常にむずかしい、そうなってくると、来年、四十六年度にはできないんじゃないか。答申なんかいつでもかまいませんが、大臣はそのことを踏んまえて、四十六年度から児童手当が必ず実施できるのだ、しなければならぬという、そういう社会のムードの中において大臣どうですか。
○内田国務大臣 予算委員会等でも申し上げましたように、あとの段取りをいたしますためには、私は八月答申をほしいということを述べておるわけであります。これは予算につなげて考えますと、八月はいまお話もございましたように概算要求の時期ではあります。しかし予算をまとめるのは十二月でもございます。その間、関係方面、早い話が自民党との折衝等もございます。あるいはまた、委員会としてはまとめられても、背後関係の取りまとめ等もございますので、いろいろの段取りを考えて私は八月ということを強くお願いをいたしております。私は何とかひとつぜひその線でまとめていただきたいということで、これからの希望も申し上げ、さらに重ねて委員会には申し上げるつもりでおります。
○小川(新)分科員 そうすると、しつこいようですけれども、これは大事なところですからはっきり私も言っているのですが、八月のめどというものは大臣としてはどこまでも堅持していきたい、おくれるというようなことはちょっと考えられない、あなたのお考えではそういうように私理解してよろしいでしょうか。
○内田国務大臣 そうお考えいただいてけっこうであると思います。
○小川(新)分科員 それではその点でははっきりしたお答えが出ましたからこれ以上追及いたしません。あとは詳しくまた当該委員会でやらしていただきます。 次は、精神病のことについては昨日もお話がございました。私はしろうとでございますので、むずかしいお医者さんのことはわかりませんが、国民の一人として感ずることをお尋ねいたします。 精神衛生法第四条においては、都道府県においては精神病院を設置しなければならない義務づけがうたってありますが、ただし書きにおいては、次の第五条において、国の指定されたお医者とかいろいろなものがあればそれは認められるのだ、いま条文は読みませんが、そう理解しております。私が埼玉県会議員の当時、いまから八年前でございますが、当時の知事に対して私はこの点を追及いたしました。大体あなたの御意見に従って国立もしくは公立、県立の病院をつくるように至急やっていきたいというような答弁があった。ところが、現在でも埼玉県にはその県立の精神病院がございません。そこにある期間というものを認められておりますが、こういう点は好ましくないと私は判断しておるのでございますが、首都圏の中で最も人口急増過密地帯である埼玉県に県立の精神病院ができないという点ついて、私はあくまでもこれはつくったほうがいいと理解しておるのですが、いかがですか。
○内田国務大臣 精神衛生法の規定によりまして、各府県に府県立の精神病院をつくっていただくことを強く規定をいたしておるわけであります。ただし、状況によっては府県立の病院にかえて、一般の民間の医療機関を代用病院として指定することができる、こういう規定がございまして、私が当局から説明を受けたところによりますと、全国でまだ七つの府県については府県立がないそうでございます。埼玉県はその一つでございまして、おそらくしっかりした指定病院があればけっこうなんですが、ない場合、またあっても、できるならば私はやはり県立の指定病院をつくっていただくことがいいことだろうと思います。
○小川(新)分科員 朝倉病院は、御存じのとおり、これは南埼病院が指定病院ですが、国会でも問題になったくらいいわくつきの病院であります。これが一つあります。それからもう一つは、名前はちょっとあかしませんが、某県会議員が経営しておる病院がございます。この二つが大きなところです。どうしてもいろいろな問題が朝倉病院等にございます。そこで、どうしてもつくっていただかなきゃならぬ。御存じの精神神経学会で出したレポートですね、これは大臣お読みになりましたか。
○内田国務大臣 私はそれは見ました。
○小川(新)分科員 どうお感じになりましたか。
○内田国務大臣 それが一般にも伝えられて、そして世間からの批判の対象になったり、また一部の篤志家の活動にもなったと聞いております。
○小川(新)分科員 それでは大臣、新聞ではこういうふうにいっているのです。「ある種の精神病院とは、地獄一丁目であるらしい。日本精神神経学会がこのほど学会誌にのせたレポートは、そのおそるべき実態をまざまざと示している。看護人になぐり殺された患者がある。ほかの患者にしめ殺された例もある。タコ部屋のような強制労働をさせていた病院もある。ニセ医者もいれば、診療費の水まし請求もある。まさに日本残酷物語である。いったい、狂っているのは患者なのか、病院なのか。」大臣どうですか。どっちが狂っていると思いますか。
○内田国務大臣 そういう病院が精神病院の中にあることは、私は厚生大臣としてもまことに残念しごくでありまして、その姿はぜひ改めてもらわなければならない、これは私は府県知事にもあるいはまた精神病院協会にも実は強く要請をいたしております。ただ二、三私の知り合いの精神科の病院に私自身がそれに関連して警告をいたしましたところが、それは精神病院の一部である、そういう病院があることはまことに自分らとしても残念だが、精神病院にも批判の対象にならないりっぱに運営をしているところが他にあることをぜひ認めてほしい、こういうこともございましたので、そういう一部の病院に対しましては、特別措置を必要とするものには必要な措置をいたし、また改善なんかにつきましても処置をとらせてまいりたいと考えるものでございます。
○小川(新)分科員 この病院については、事務当局でけっこうですが、調査いたしましたか。
○村中政府委員 ただいま御指摘の病院は埼玉県の南埼病院ではないかと考えておりますが、いま読み上げられました事項については、私内容は承知しております。具体的にどこの施設であるかということについては承知いたしておりませんが、学会誌に発表されました内容については、一応私どものほうといたしましても改善命令あるいは指定取り消し、それぞれの措置をしたケースでございますので、内容は一応承知いたしております。
○小川(新)分科員 そうすると学会誌に載っております大阪府下の安田病院及び栗岡病院、府立中宮病院、それから神奈川県の相模湖病院、八王子市の北野台病院、東京の小林病院、それから埼玉県のいまの南埼病院、私がいま言ったようなところは調査して処置をしたのですか。
○村中政府委員 調査をいたしました。
○小川(新)分科員 処置はしましたか。
○村中政府委員 いたしました。
○小川(新)分科員 その処置の内容を聞きたいですが……。
○村中政府委員 多少順序が不同になりますが、東京の小林病院につきましては、事件の直後に立ち入り検査をいたしまして改善の勧告をいたし、その後精神衛生法に基づく指定病院の取り消しを昨年の三月の末日に行ないました。それからもう一点の東京都の個人病院につきましては、同じく立ち入り検査を行ない、改善の勧告をいたしました。それから、神奈川県の病院につきましては、これは現在内容の実態の把握が的確にまだまいっておりませんので、もう少し調査の進んだ形で処置をすることになろうと存じますが、立ち入り検査は昨年の八月、改善勧告は現在いたしております。 それから埼玉県の南埼病院につきましては、これは若干さかのぼるのでございますが、たしか昭和三十八年ごろであったと思いますが、すでに精神衛生法の指定の取り消しをいたしております。今回の事故につきましては、結核予防法に基づく指定、それから生活保護法に基づく指定、いずれも取り消しをいたしております。それから、大阪の栗岡病院についてでございますが、これは立ち入り検査を実施をいたしまして、内容についての指導をいたしております。それから同じく医療法人の安田病院につきましては立ち入り検査をいたしましたが、現在内容も引き続き指導をいたしております。それから府立の中宮病院につきましては、これは直接医療法の問題ということよりも、病院の管理の問題というふうに私自身理解をいたしております。
○小川(新)分科員 そのほかにもまだあなたがおっしゃらないのにも一ぱいあるのですね。ピネル病院なんか抜けておりますし、それから相模湖病院も抜けておりますね。 こういうふうに学会がはっきり雑誌のレポートとして出しているものは、当然指定の取り消しとか、または生活保護法医の指定取り消しとか、こういう厳重な態度をとるべきことはあたりまえではありますが、この問題につきまして、一九六七年十一月から同じく六八年の二月の三カ月間、精神科の博士でございますが、WHOのイギリスのクラーク博士が「日本のこういった病院の三分の一は好ましき基準以下である」という勧告を出しております。大臣、こういう勧告が事実出ております。そのときに、六七年、六八年という時代に通告が出ていればこういう問題がある程度防げたのではないかと私は思いますが、大臣いかがですか。
○内田国務大臣 全くそのとおりであると思います。先ほど来しばしば委員の皆さんから指摘されておりますように、私はしろうとでございますから、私の申し述べることが当たっておらないかもしれませんが、精神衛生の分野における日本の発展というものは最近まで非常におくれておった。国会のほうでもそれを見かねて精神衛生法というような法律を議員立法でおつくりになったという経緯から考えてみましても、まことに不十分な分野がこの傾城にはあろうと私は思いますので、この分野におきましては、今後厚生省のやるべきこと、また関係の医療機関においても改善充実をしていかなければならない分野がたくさんあると思いますので、ここに政府委員が持ってきておりますけれども、いま御指摘のクラーク博士の勧告につきましてもその場限りのことでなしに、とるべきものはとって改善の資にいたすべきだと考えております。
○小川(新)分科員 私はこの病院の監査の件で県会議員の当時一緒に行ったのですけれども、二カ月くらい前に監査を行ないますよという通告がその病院に来るのです。そうして監査をするのです。その場合には医者も看護婦もみんなそろえてしまうのです、みんな近所のお医者から。それで三十分くらいさっと見てもう行ってしまう。 私は、朝倉病院の調査のときには約三日くらいあの病院に入りましたからよく知っておりますが、大臣、一ぺん行ったらたいがいおかしくなってしまうような病院です。まず結核で死んだ人の着物を洗って干してまたそれを売るのですよ。そのほか、これは鉄条網のところにずっとかかっておる。実際見たのです。あのところに行って伝染病がよく発生しないなと思うほどきたなかった。それはたびたび改善の命令が出されても、何回もやって、朝倉の場合は指定の取り消しになったのですね。山谷のドヤ街から患者が送られてくるのです。そんなことを言うのはいやですけれども、暴力団が相当入っておる。中では語るに、見るにたえないようなことが行なわれておった。そのことは過去のことですから私言いませんけれども、いまの朝日新聞のレポート、これを毎日読んでおりますけれども、ああいう事実が行なわれておる。朝日新聞には書かれておる。それは大臣の一片の通告やただ単なることでは人権無視もはなはだしい。こういう点で、監査に対しては抜き打ち監査を行なうべきだと思いますが、大臣いかがですか。
○村中政府委員 従来やっております監査の方法につきまして、ただいま御批判が出たわけでございますが、御承知のとおり内容の実態を監査するということで、監査の事前に必要な資料の用意というようなものを求める場合もあるわけです。ただ、いかなる監査も、監査のときは常に事前に通告をしておくというようなことではなくて、いろいろな情報が入りますれば、ただいま御指摘がございましたが、埼玉の南埼病院につきましては抜き打ち的な監査もいたしております。そういう形で、今後の問題としては、そのような必要な資料を要求する場合はあらかじめ話をしてやることもあるわけでありますが、必要な場合にはさらに抜き打ち的な監査というようなことも考えてまいりたい、こう思います。
○小川(新)分科員 朝倉病院の抜き打ち検査などというものは、監査を十数回やったあとのことですよ。私はよく知っておる。そんな手ぬるいことでは、こういう社会的に大きい問題になったのだから改正してもらわなければ困る。おわかりですね、その点は。抜き打ち監査が必要であるというような事態が困るのです。 次に大臣、武見日本医師会会長は精神病のことをこう言っておるのですよ。経営者に対して牧畜業者だ。牧畜業ということは、精神病の患者というものは牛とか馬とか犬とかネコとか、こういう家畜並みに扱ったという発言だと思うのですが、それは事実そういう悪いやつがいるという意味で武見さんが言ったと思うので、全部が牧畜業者だと言ったのではなくて、見るに見かねて悪徳の精神病院の人に対して警告を発したと私は理解したいのです。またそうだと思うのです。あれほどりっぱな人がそんなことを言うわけはないのですが、それほど最も人権を尊重してあげなければならない。どこか異常があるのですね。まして日本のようにノイローゼ、ストレス、いまの環境でもって満足にこれからいけるような社会情勢ではないですよ。公害も発生しているし、環七ぜんそくなんて、環七のあそこへ行ったら夜も眠れないほど車の音がして、健康な神経の持ち主でもおかしくなる。こういうことを考えたときに、武見発言というものをどう理解したらいいのか。これは大きな問題ですから、一言大臣の所感を伺いたい。
○内田国務大臣 武見発言なるものを私は聞いたことも読んだこともないわけでありますが、そういう発言がもしあったとすれば、それは小川さんが御解説のとおり、そういうことであってはならない、こういう警告だと思いますので、私は先ほど来たびたび申しますように、精神衛生の分野における未開発の点また施設の十分でない点につきましては、今後できるだけ力を入れてまいる。もっともこれは国ばかりではできないことでございまして、病院の開設、医療法あるいは精神衛生法における一番の立て役者は府県知事でもありますので、これらの方面にも十分やってもらうことはやってもらいたい、私はこういうことを期待いたします。
○小川(新)分科員 なるほどそのとおりでございます。大臣一人力んでもどうしようもない問題で、ただ最高責任者であるあなたの一念、姿勢が全部影響してくるのですから、ひとつお願いしたい。 次に、話題をかえまして、朝鮮のコレラ菌の問題につきましてお尋ねしますが、北朝鮮に過日、日本の商社がコレラ菌を輸出したとかしないとかいうことが報道になっておりまして、そんなことはないのだということで一応決着はついております。しかし、まだまだ尾を引いております。北朝鮮と南朝鮮の内政にわれわれは干渉する意思はございませんが、その間にはさまりましてこのような問題を起こした。南朝鮮、韓国側にとっては、日本はエコノミックアニマルで、要するに経済野獣である、もうけるためには何でもやるのだ、こういうことでわが国に対して非常な悪感情——極東の安全にまで影響があるといっております。これは外務大臣にお尋ねしなければならぬことですが。それから北朝鮮は北朝鮮で、朝鮮大学に細菌があるのではないかというような疑惑を持たせるような発言が厚生省当局からなされたとかなされないとかということで、これまた感情的になっております。こういう点につきましては、非常に遺憾でございますので、朝鮮大学校にはそういった細菌というものはあるのかないのか、この席上ではっきりしていただきたいのでございますが、大臣はこの点についてどう聞いておりますか。
○村中政府委員 二月十四日の東亜日報の新聞記事だと思いますが、私のところの検疫の所管課長が該当記者と一問一答いたしまして、ただいまお話しのございましたようなことを言ったという記事でございました。その後さっそく確認をいたしまして、そういうことは一切話をしていない、したがって、朝鮮学校の問題については触れていないし、事情はわからないということで、この点は誤った報道ということで正式文書で記事の訂正方を当該新聞に申し入れております。これは実際にございません。
○小川(新)分科員 大臣、そのとおりでよろしいですか、一言。
○内田国務大臣 私も実はその情報に基づいて関係の方面を調べましたところが、いま局長から申したとおりでございます。
○小川(新)分科員 これはいろいろと外交問題に発展するおそれがあるので、一言申し上げたのでございます。これから未承認国との国交という問題も政府は非常な決意で前向きに傾いております。北朝鮮、南朝鮮とも往来が非常に激しくなりました。コレラとか、ペストとか、チフスとか、赤痢とか、こういう伝染病が他国に発生した場合、わが国に入ってくる可能性は、飛行機、船、またあらゆる商品というふうに、非常に危険な状態であることは指摘をするまでもありません。国交が密になければなるほど、人間と物、またこれらのばい菌までお互いの国々に行き来する。これは何も向こうから来ることばかりではなく、わが国のそういった細菌も他国に影響を与えてはならない。そういう事態になってはたいへんでございますので、厚生省当局としましては、貿易または人間の交流が盛んになればなるほど、七〇年代の大規模な防疫体制、特に水ぎわ防疫ということは非常に大事な問題でございますが、その点についてはどういう対策で臨むのか、また現在どのようになっているのか、さらに進んだこれからの処置また施策を講ぜられるのか、この点についてお尋ねいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○村中政府委員 ただいま、海外との交流が進むにつれて日本にない伝染病の持ち込まれる心配がないか、これに対する対策についてのお尋ねでございますが、御承知のとおり、外の国にあるいわゆる外来伝染病は、主として検疫という形で処理をいたしております。現在七百数十名の担当官が、約七十カ所の場所をきめまして、ここで外国から入る船あるいは飛行機、こういったものの検疫をいたしております。 昨年の韓国のコレラの発色の時点も、だいぶ情報がおくれましたけれども、われわれとしては万全の措置をとって水ぎわの体制を固めたわけでございます。今回、国会に政府提案として検疫法の一部改正を上程いたしておりますが、この内容につきましても、そのような新しい、近代の医学に対したような、しかも医学的に処置できるようなそういう防疫体制を強化整備するというふうな趣旨の改正でございまして、御指摘の点につきましては、今後も外来伝染病の国内への持ち込みを阻止するような決意で進めてまいりたい、こう考えております。
○田中主査 それでは、この際、午後二時十五分に再開することといたし、暫時休憩をいたします。 午後一時二十七分休憩 ————◇————— 午後二時二十分開議
○古内主査代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。 主査が所用のため、出席がおくれますので、その指名により、私が主査の職務を行ないます。 厚生省所管に関する質疑を続行いたします。竹本孫一君。
○竹本分科員 私は、二つばかりの問題にしぼって、厚生大臣並びに厚生省の御意見を承りたいと思います。 内田さんが厚生大臣になられてから、非常にがんばっておられるので、大いに敬意を表しておりますが、一番大事な部門でございますので、さらに大いに努力をしていただきたいと願っております。 一つの問題は、看護婦の問題でございますが、現在における看護関係に従事しておる人がどのくらいおって、そして、よく看護婦の不足が叫ばれますけれども、どういうふうに不足しておるのか。その辺をひとつ伺いたい。
○松尾政府委員 四十三年末現在で、就業しております看護婦の数、これは准看も含めてでございますが、二十六万七千人でございます。これは前年度より約一万三千人ほどふえております。 それから、その不足の状態でございますが、一応、病院等について、医療法で、たとえば患者四人に一人の看護婦を置けと、こういうような規定がございますが、こういう規定で、全国の病床から割り出して計算をいたしますと、約二万六千七百、ちょうどいまの就業者の一割程度が、この医療法の基準で見ても足らない、こういう実態でございます。しかしながら、そのほかのいろいろなファクターを入れますれば、もっとその不足数は大きくなると見るのが妥当かと存じます。
○竹本分科員 いまの数字の中には、病院のほかに開業医等における不足も入っておりますか。
○松尾政府委員 いま申し上げましたのは、その計算の基礎は病院でございます。開業医のいわゆる診療所というところにつきましての数は、二十六万七千人の就業者の中には入っておりますが、これには、法定上、何人置かなければならないという問題はございませんので、便宜、それをはずして一応計算してございます。
○竹本分科員 看護関係の学校から出ていく人がどのくらいおりまして、その中でほんとうに看護に従事する人が何割、何万人おりますか。
○松尾政府委員 昨年、四十三年度に卒業いたしました者が三万五千百七十八名でございます。約三万五千二百名でございます。その中で、卒業生としてすぐ看護婦業務に就業しなかった者が三千四百名もございます。これは約九・七%、約一〇%近い形でございます。この中身は、その三千四百名のうち二千七百名程度は、さらに上のコースに進学をするという者でございます。したがいまして、やがてはそういう課程をとって、たとえば保健婦になるとか、あるいは助産婦になりたい、あるいは准看護婦を出て、高等学校の資格があれば進学コースに進める、こういう方々が新たに進学をするというのが大部分を占めておるわけでございます。
○竹本分科員 毎年、新しく就職する人と、年々やめていく人が大体とんとんであって看婦婦の不足というものがなかなか解決をしないではないかといううわさをよく聞きますけれども、実態はどうなっておりますか。
○松尾政府委員 ただいま申しましたように、約三万五千人程度が卒業いたしまして、年々これはふえてきておるわけでございます。しかしながら、先ほど来申しました数字でも、二十六万七千名という就業者が、対前年に比べますと、一万三千人程度の増加にとどまっております。したがって、就業している全体の中から、その差し引き程度のものが、いわば退職していく、看護の陣営から離れていく、こういうふうに考えてよかろうと思います。したがいまして、いま御指摘がございましたように、卒業生と退職者が全く同数という状態ではございません。退職者はございますけれども、なおかつ、卒業生の新しい就業者が上回ってくるということで、年々就業実績は上がってきておる、こういう実態になっております。
○竹本分科員 昭和五十年あたりを一つの目安として考えた場合に、どのくらいの看護婦が必要であって、いまの状態で補給していったならば、その何%までが埋まっていくという見通しでありますか。
○松尾政府委員 私ども、厚生省としましては、今後のいろいろな病床の伸び、たとえば現在、病院のベッドだけで、一年間に約四万ベッドをこえる程度の増床があるわけでございます。したがって、それだけに、そういう病床の自然増に対応しても、看護婦はそれだけ埋めていかなければならない。新規需要が常に起こっております。そういうような病床の増加というものを一応昭和五十年まで続くというふうに見込む、こういうような前提に立ち、また、同時に、看護婦の勤務条件については、先生も御承知のように、いろいろ人事院判定の問題等がございまして、そういうものを織り込んだ勤務条件の改善ということがやはりはかられなければならぬと存じます。そのようないろいろな条件を入れまして、私どもとしましては、昭和五十年に大体四十八万人台の就業看護婦を確保したいというのが私どもの構想でございます。最近までかなり養成もふえておりますので、いままでの状態、四十四年末のような養成力というものがそのままで五十年まで続くといたしましたならば、約十一万三千程度、十一万から十二万程度の増加というものは期待されるであろう。しかしながら、それは二十六万に十一万あるいは十二万を足す程度でございますので、やはりその足らない部分は新しい養成力の増によってまかなわれなければならない、こういうふうに大体大きくは考えております。
○竹本分科員 ちょっともう一回言ってください。その四十八万にするとして、現在二十六万七千として、それがどういうふうに減っていって、補給がどうなって、差し引きのバランスはどうなるか、もう一ぺんその結論だけちょっと言ってください。
○松尾政府委員 いま申し上げましたのは、いまのままの状態において続けていく、こういうふうにいたしますと、卒業生がずっと累積をしていきますので、昭和五十年までの間を考えますと、純増が先ほど申した約十一、二万。もちろん、その間にリタイアする者を含めて差し引いてございます。したがいまして、残りは、やはり約六、七万というものは、新しい養成力の拡充によって五十年までに確保しなければならぬ、大体こういうふうになっております。
○竹本分科員 ちょっとことばが最後は聞き取れないんだけれども、二十六万と十二万ばかりありますね。かりにふえたとしても三十八万程度だ。そのほかに十万の不足というのはどういうふうにして埋めるか。要するに、足らない数字が幾らあるかということ、あるいは全部合っているのかどうか、そこを聞いておるのです。
○松尾政府委員 四十五年度以後のその足らない部分は、新しい養成力を確保する、養成施設を要するにふやすわけでございます。そういうことによって、約七万二、三千、あるいはもう少し多くなるかもしれません。そのほかに、もう一つ、昭和五十年までの間に、先ほど来御指摘のありましたような、資格を持っていて家庭に入っておるようなこういう看護婦さんたちがおります。要するに、私どもでは潜在看護カと申しておりますけれども、こういう方々にやはり職場にできるだけ復帰してもらいたい。この辺を期待いたしまして、これを約二万五千人程度予定をしたい。そういうことで、全体が約四十八万程度になるであろうか、こういうマクロの計算をやっておるわけであります。
○竹本分科員 まあバランスについては、いろいろ疑問もありますけれども、一応了承して、次へ進みますが、現在の看護関係の業務に従事している人たちの中で、実際看護婦の資格を持っていない人がおるのではないかということでありますけれども、厚生省としては、おるという御判定であるか、いないという御判断であるか、それを聞きたい。
○松尾政府委員 看護の仕事と申しますと、ちょっとあるいは私の意味の違いかも存じませんが、いわゆる看護業務、看護陣営と申しますか、看護婦としての仕事をやる。たとえば病院で、病棟におきまして看護婦がいろいろな仕事をする。それと一緒になって、やはり看護婦の仕事を助ける人たち、こういう意味での人たちは、これは必要もございますし、現に相当数おります。そういうことでは、私どもはやはり、補助者と申しておりますが、資格がないけれども、看護婦を助けて看護婦の仕事を能率的にする、こういう補助者は当然一緒におらなければならぬと考えます。
○竹本分科員 この補助者の問題ですけれども、資格はないけれどもお手伝いはしておる、こういうことですね。
○松尾政府委員 私がいま申し上げましたのは、やはり看護婦なり准看護婦なりがおりまして、それと一つのチームの中に入る意味での補助者というものが必要だということでございます。かりに、あるいは先生御指摘の問題が、ほんとうに看護婦らしい仕事をしながら無資格であるというものをさしておれば、これは私どもは排除したいと考えております。
○竹本分科員 医師法第三十二条によれば、無資格が准看の業務を行なうことは禁止されておる。おりますね。
○松尾政府委員 保助看婦法でも助産婦、准看護婦あるいは看護婦以外の者はそういう仕事をやってはいけないことになっております。
○竹本分科員 さらにその四十三条によれば、違反者を一年以下の懲役または一万円以下の罰金に処する旨を規定しておる。チームの中に入ってということばははなはだ明快を欠きますのでよくわかりませんが、チームワークの中でやっておるんだから、ほんとうに必要なところは必要な看護婦なら看護婦がやるので、資格のない人は、この法の三十二条や四十三条の適用を受けるような心配は全然ないと言い切れるかどうか、その辺はどうですか。
○松尾政府委員 私が申し上げましたように、一つの看護チームの中にちゃんと入って、そして補助者として働く部分においては御心配の懸念はないと存じます。むしろそれが必要だと私どもが考えておりますのは、看護婦がやる看護業務の中にも、いわゆる資格を持たなければできない仕事というものと、それを行なう前段あるいはあと始末等に、資格がなくてもやれるようないろいろな仕事が付随しておりますが、それを全部有資格の看護婦がやっているところにむしろ看護婦の専門的な技術が発揮できないという悩みがありますから、そういう意味におきましては、合理的な意味での補助者が必要だということはあろうと思います。ただし、それが本来看護婦がやるべき診療介助その他のことに手を出すということは本来やめるべきことだと思います。
○竹本分科員 法の解釈というものは厳密に解釈をしなければならぬので、実は私がやることだけれども、これは本質的にある一定の資格を持った者がやらなければならぬ仕事であるから、応援に来ているんだ、第二予備軍だ、チームの中には入っているんだ、こういうことで限界がだんだんぼけてくるということは、せっかく法が厳密に規定しても、その精神がだんだんぼけてきて、どこまでが応援団であるか、どこまでが補助、アシスタントであるのかわからなくなる。いま、明らかにチームの中に入っているんだ、こういうお話がある。チームの中に入っているという、そのチームの中で、これは必ずそちらの人がやって、応援団はこの限界にとどまるということは常識的には言えます、限界は引けますけれども、私は現実を見たり聞いたりしているところから判断をしますと、それはなかなかむずかしいと思いますが、大臣、常識的判断としていかがでございますか。
○内田国務大臣 私は厚生大臣として考えましても、看護婦の資格を持っていない者が看護婦業務をやることは全くいけないと考えます。ただし、たとえばおしめの洗たくをするとか、あるいは食事の持ち運びをするとか、そういうような業務のために病院、診療所等で働く人は看護婦ではない、私はこう考えるということでありまして、そういう洗たくとか食事の世話をする人が注射をやったり手術に立ち会うようなことがあれば、これは厳に排除すべきものだと考えております。しかし、これも看護婦が不足の現状において、私どもが放置いたしますと、竹本先生が御心配のような事態が起こってはいけませんので、きょうの先生のおことばにも十分留意をいたしまして、さらに私どももこの間の注意をいたしてまいりたいと考えます。
○竹本分科員 この問題は局長にここで問い詰めて、全然そういうものはないと断言できるかといわれれば局長も困られるだろうと思うのです。現にチームということばもいわれておるのだから、その部屋に入っていった人の中に、仕事の限界が必ず厳密に守られておるかどうかということは、常識で考えて疑問が持てますが、しかしそのことを荒立てるという立場はとりません。問題はやはり、看護婦の絶対数が不足しておるというところに問題があろうと思うので、きょうは特に無資格者の教育養成の問題についてお話をしてみたいと思うのです。 ただ、しかし私どもが聞いておるところによれば、全看護関係従事者の中には、資格がなくてチームの中に入っておる、あるいは外から応援しておる、協力しておるというものが大体十万人くらいおるだろう、あるいは十五万人おるだろうということをいわれておる。先ほども答弁の中にありましたけれども、大体厚生省の看護婦が足るとか足らないとかいう数字、あるいはお考えの根底に、病院を中心に考えておって、開業医の問題が比較的ウエートが少なくなっておったのではないかという点をわれわれは感ずる。統計の前にその問題が出てくる。先ほども御答弁の中にありましたけれども、開業医の場合は調査がはなはだ十分にやりかねる点もあるのでという御説明がありました。しかし普通の場合と違って重大な看護婦さんのことでございますから、そういうものも調査を十分にしてもらわなければ話にならない。そういう意味で、第一に、厚生行政の中で病院と開業医との関係においてウエートの差があるというようなことがあるのかないのか。それから無資格者でそういうものを手伝っておる者が、一般には三八%で十万から十五万といわれているけれども、そういうものに対する厚生省のお考えはどうであるか伺いたい。
○松尾政府委員 先ほど診療所の数について調査がないような印象を与えましたことは、私の説明不足かと思いますが、診療所につきましても病院と同じように、就業人口について毎年年末にきちんとつかまえております。現在四十三年末で約六万三千六十五人というような就業者が診療所におりますこともつかまえておるわけであります。 ただ、病院と診療所とどちらにウエートをとるのかということでございますけれども、先ほど来申し上げましたのは、病院には一応法律上いろいろな規則によりまして、これだけのものを置かなければならぬという一つの標準でしばられております。しかし、診療所については置くべき人間の数の規定がございませんので、先ほどのような計算をするときには、一応現状のまま据え置いたということでありまして、両者の間に質的な意味その他で差があるということを申し上げておるわけでは決してございません。ただ、病院の看護婦と診療所の看護婦というものとの業務の実態から見まして、相当受け持つ分野に差のあることは実態であろうかと存じますが、決してそれが本質的に差があるというような考えは持っておりません。 それから、第二の問題といたしまして無資格者という問題でございます。先ほど来申し上げましたような補助者的なものがやはり必要でございますけれども、これらにつきまして、やはり必要な病院内等でいまのところいろいろ訓練をするとかいうようなことが妥当ではなかろうか。特別に制度をつくって、もう一つこういうものに補助者的な一応の資格を与えるというところまでは私どもはまだ考えておりません。
○竹本分科員 無資格のままにやっておる者の数が十万といい十五万というのだけれども、厚生省としてはどう見ておられるかということをいまお尋ねしているのです。あとからそれを伺います。同時に、私がいま提案をいたしたいと思いますことは、その数は別といたしましても、そういう人たちに、いまチームワークの限界の問題がむずかしい問題だと言いましたけれども、とにかく早く資格を与えてやることのほうが、三十二条がどうであるとか四十三条がどうであるとかいう問題以上に前向きの問題ではないかと思うのです。そこで私が言うのは、高度の教育を必要とする看護婦教育といったようなものなら別だけれども、いわゆる准看護婦とかいうような問題になれば技術教育に重点が置かれている、あるいは置かれるべきものである、そういう意味から、准看教育の場合に、いまたくさんおるその数についてもよく伺いたいけれども、結局問題は前向きに、それをほんとうの資格のない者に少なくとも准看の資格を与えてやるという取り組み方をもう少し前向きに考えたらどうか。そのために学校があるじゃないかと言われるけれども、現実の問題としてはそのある学校へ通えるようなところ、便利なところに必要な数が必ず用意されているわけでもない。むしろこれから学校は施設を大いに充実していこうということをお考えのようでございますので、今日の時代に即応した考え方から言えば、通信教育でそれをやる、そしてスクーリングをする、その上で、あと准看の試験を受ける資格をこれに与えてやる。こういうふうにすれば、かりに十万おれば、十万の人の大部分が通信教育を受けて、スクーリングもやって、さらにそれに資格を与えてもらったということだけで非常な励みを受けて試験を受けるようになる。そうすれば先ほどお話しの潜在の力というものを現実の力にまとめ上げていくことができるじゃないか、こういうふうに私は考えている。この点はぜひひとつ前向きに取り組んでもらいたいし、そうすれば、数については私と当局とは意見が違うかもしれませんけれども、非常にたくさんの人たちが看護婦あるいは准看護婦の試験を受けることができる。受けた結果准看護婦になることができる。そうして先ほど申しました法律違反の問題も解消するし、現実の問題には非常に便利がよくなるのではないかと思うのですが、いかがでございますか。
○松尾政府委員 看護婦あるいは准看を大量につくりますためにそういう通信教育制度等を活用した御提案でございますけれども、この問題につきましては私どもの内部でもかなり検討はいたしております。ただ問題は、先ほど技術教育というふうなお話がございましたが、そういう技術教育的なものがはたしてその通信教育にどの程度なじむかというところにやはり根本問題がございまして、私どもがいろいろと検討した過程では、現在の看護婦のいろいろなカリキュラムの中で、通信教育というものにまかせ得る範囲は比較的少ないというふうな傾向が大体出ておるわけでございます。ただしこういった問題は、通信教育と申しましても、テレビその他によりますところのいろいろな新しい方法が今後出てくるということは当然前提に考えなければならぬと思っておりますが、現段階では、なじむかどうかということにつきましては、現在の問題としては非常に困難が多いように考えております。と同時に、もう一つは、そういう通信教育という問題は、他の職種でも若干例があるわけでございますが、やはりそれを行なうにはどこかで統一をした教育内容というもの、あるいはその通信の結果をチェックします場合でも、どこか統一したものでそれを取り扱う必要があるのではなかろうかと思います。看護婦というものをつくるにいたしましても、常に質の向上ということが叫ばれておりますので、それと一緒に考えながらもう少し慎重に検討したい、こういう段階でございます。
○竹本分科員 大体局長のお考えはわかりましたけれども、事務的な意味の困難な問題もいま御指摘のようにあるだろうと思うのです。しかし問題は、そういう問題に取り組んでいく決意をするかしないかということで事務的な幾多の困難はほとんど解決ができる方向にいくと思いますから、問題は決意の問題だと思うので、大臣にお伺いしたい。 一つは、看護婦というのは何といっても生命を預かる重大な問題でありますから、普通のスクーリングとか普通の通信教育といったようなものではこれはなかなかむずかしいと私は思うのです。そこで私が言うのは、第一に受験の資格を与えなさいというのであって、資格を与えなさいと言っているのじゃないのだ。受験資格を与えなさい。准看になれる、准看の試験を受ける資格を与えなさい、こう言っておるので、試験を受けて落ちればそれまでだ。しかし通る者は通してやったらいいじゃないか。これは政治判断です。大事なことだからやらないとかなんとか、事務的なマイナスの面を考えるのも一つの良心的な行き方だろうけれども、きょうは議論しませんが、これだけ足らないで、あるいは現実に法律違反というようなことになる場合だってある。そういうときに、看護婦が足らない、こういっておるときに、それだけの潜在の力があるものをどうして教育して悪いのだ。教育のしかたがむずかしい、それもわかります。まだその所期の効果をあげることができない、それも譲歩して考えてもよろしい。しかしその結果として、最終的には受験をさして通るか通らぬかできめればいいのですから、あとはむしろ受験の問題になるわけだから、受験資格を与えることまで拒否する態度をとる必要は一つもないじゃないかということが私の第一点です。 それから厚生省の関係でも、保母については通信教育を現実にやっておられる。看護婦と保母とどっちが大事かということになると、つまらぬ議論になりますから私は申しませんけれども、保母はやっていますね。そういうふうな事実の関係もある。これはしかしたいした理由にもならぬかもしれないが、もう一つ重大な問題がある。 それは私の聞いておるところによれば、沖繩においては資格がない人が、しかも看護婦として動いてもらわなければならぬような人が大体千二百名おる。これを五年計画で教育して准護婦にしようということで、昨年の十月に臨時看護婦養成所法というのを時限立法でつくったという話を聞いておる。その事実を厚生省は知っておられるかどうか。これはひとつ厚生省当局に聞きたいのだけれども、少なくともそれが事実とすれば、時限立法であるかどうかは別としまして、とにかく沖繩でもそういうことをやっている。看護婦が足らない足らないとよく言うのだけれども、学校は、行けなければ何にもならないのです。学校があるといったって、それは官僚行政の話であって、それに現実に行けて、そこで教育を受けて資格がとれなければ何にもならない。学校が全部山の奥にも海のそばにも行き渡っているんじゃないのだから、そういう抽象論をやってみたってしかたがない。現実の問題として看護婦が足らない、その資格を受けようという人がたくさんあるんだから、通信教育をやり、スクーリングもやり、そして受験資格だけは与えてやる。現に沖繩では昨年の十月にそういう形で臨時の時限立法までできておる。この際わが国内においても、本土においても、ひとつそういうことで前向きに取り組む御決意を厚生大臣にお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
○内田国務大臣 私は率直に考えまして、大学などの問題でも、新構想大学あるいはテレビ大学というふうなものが提唱されているぐらいでございますから、看護婦、准看護婦の分野におきましても、テレビ等の方法によっていまの技術教育の面を十分達成し得るような可能性が見出されますならば、それは竹本先生の御提案も私は一つの方法であろうかと存じます。これにつきましては、看護婦、准看の身分上の問題は実はいろいろの分野がございまして、なかなかむずかしい問題になっておりますことも竹本先生もおおむね御承知だと思いますので、その辺の事情ともかみ合わせまして今後検討の課題にさしていただきたいと思います。 ただ、今日准看につきましては、御承知のように中学校を卒業をいたしますと養成課程があるわけであります。これは昼間の養成課程も夜の養成課程もあると思いますので、でき得べくんばその養成課程を修めていただく。また、今度私どものほうで新しい仕組みとして、高等学校を卒業した方については短期一年の養成課程をもって准看としての受験資格を与えるような制度をつくってまいりたいと思っておりますので、したがって今日、先ほどのおことばで言えば正規の看護婦さんとともどもに病院等で働いておられる方で高等学校を卒業しておられる方がありましたならば、今度の制度に乗っていただいて一年の養成課程を経ていただくことが一番いい道であろうと私は考えますが、いずれにいたしましてもせっかくの御提案でございますから、慎重に検討させていただきたいと思います。 それから保母につきましては、通信課程によって保母の受験資格を与える道はございませんそうでございまして、理容師、美容師についてのみある、こういうことだそうでございます。 沖繩の問題等につきましては局長から答弁いたさせます。
○松尾政府委員 沖繩でも准看制度をつくるということで、たしか昨年でございますか、保健婦、助産婦等と一緒の法律の中に入れて、ただし准看の養成施設をつくる。その養成施設に現在働いておられる無資格の方々を入れて、そこで教育をして准看にするのだ、こういうふうに私どもは聞いております。
○竹本分科員 時間がきたようですからあれですが、ただ沖繩のは養成所法なんだから、施設があることは間違いないんだけれども、私の聞いているのは通信教育のほうが中心で、スクーリングの場だというふうに聞いております。真相はよく調査してもらえばいいんだけれども、現に沖繩でもそういう問題が取り上げられて前向きに取り組んでおる。特に沖繩では、学校があるとかないとかいう問題になりますと非常に困難があると思う。現に千二百人おる。それをどうしてほんとうの資格を与えてやるか、こういうことだから、どうしてもこれは地域、地方においてはそういう必要が現にあるんだということをひとつ大臣にも認めてもらたいと思うのです。 それから、大臣からいまお答えありました点等につきましては、これからの問題については私はぜひそうあるべきだと思うのですね。問題は、いま沖繩でも現に千二百人おるんだ。内地においても現にたくさんの人が資格なしで、いまお話しのチームの中に入っておる人があるわけです。これに教育を与え受験の資格を与えてやって、希望を与えてやって、国の全体の行政の中でひとつ成果をおさめるようにしてもらいたい。ことに、これは与えることを拒否すれば結局彼女らはそのままやるでしょう。かえって危険が多い。だから私はできる限りの手当てを講じていくほうがやはり前向きではないか。いまのままで、資格のない者が何万おるかは議論があるにしても、そのままチームの中に入って、中には越境していろいろなことをやるということよりも、スクーリングであろうが何であろうが、いろいろ限界があるにしても、とにかく資格を与えてやって一歩前進させるほうが国全体としては正しいあり方ではないかと思いますので、この問題、特に大臣の善処方を希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○古内主査代理 次に、田邊誠君。
○田邊分科員 最近身体障害者が非常にふえてまいりまして、交通事故よる障害者だとかあるいはいろいろな近代的な病気やあるいは労働災害、職業病等によって身体障害を受ける者が非常に増加をしてまいっておりまして、この対策は近来非常に重要視されておると思うのであります。 そこで局長、四十五年度の予算の中において、政府全体でもって身体障害者、障害児等を含めての対策の予算はどのくらいになっておりますか。
○横田政府委員 身体障害者福祉対策費は四十一億六千七百二十四万九千円でございます。
○田邊分科員 障害児予算が四十一億と障害者に対する予算が五十五億、それはもちろん承知しているけれども、それ以外に、障害者対策というのは、私は必ずしもいまここに盛られているところの予算だけで終わりじゃないと思うのであります。それ以外にも当然いろいろ講じなければならぬ施策があるから、政府全体で考えているところの施策として一体どのくらいの予算をあなた方は盛り込んでおるかということを私は聞いているわけです。
○横田政府委員 政府全体——労働省等を含めたものはございませんが、厚生省関係のものだけ、ただいま申しましたのはその一部でございましたので御説明いたし直しますが、身体障害児及び心身障害者対策費として事項をまとめました金額は四百一億四千万でございます。
○田邊分科員 きわめて大ざっぱな話で、それでは実際上中身がどういうことになっているかわからぬのです。それは必ずしも身体障害者に対する手当てだけじゃなくて、それに類する施設の費用や補助金等も含まれていると思うのですけれども、それではひとつあとで細目を出してください。 そこで大臣、いま私が申し上げたように、身体障害者に対するいろいろな施設を講じなければならぬ、施策を講じなければならぬということは近来非常に叫ばれておるわけであります。私は本来の目的は、たとえば施設に収容している者に対する手当て、あるいは装身具やその他の器具を支給すること、いろいろな直接的なものはありますけれども、私は最終的な目標は、障害者がそういう障害を克服し、あるいは病苦を克服して社会的に更生をする、社会的にそれが働ける、活動できるという状態までを見通してそれに対する対策を講ずること、社会人としてりっぱに活動できる状態をつくること、これが私は最終の目標ではないかと思いますけれども、どうでございますか。
○内田国務大臣 お説のとおりでございますので、私ども厚生省のほうのみならず、地方公共団体などでもリハビリテーションの施設なども含むコロニーなども計画されておること、御承知のとおりでございまして、私どもはそういう計画をエンカレッジ、助成してまいりたいと思います。
○田邊分科員 いま大臣のお話のように、私は直接的な手だてもさることながら、社会的な活動を助長するような、そういう手だてが非常に重要だと思うのです。ところが最後の詰めがなされていないために、身体障害者というものがいわば社会的な活動をすることが非常に不自由である、こういう事例が非常に多いわけであります。私はきわめて端的に二つ三つのことをお聞きしたいのでありまして、非常にこまかいようでございますけれども、私はそういうこまかい手だてがないところが非常に重大だと思っておりますので、そういった点でお聞きをいたしたいのであります。 身体障害者が自動車に乗りますけれども、不自由な人が自動車に乗るわけですから、なかなか運転がうまくいくわけもございませんですね。それで今年度の予算の中で最も特徴的な点は、新しく自動車の操作の訓練費として、わずかだけれども更生指導所に自動車を購入する予算を組んでおるのでありますけれども、これは実際には一体どんなぐあいに手だてを講じようとしているのですか。訓練所でもって自動車を買っただけではものにならぬのでありまして、実際これを役立てるような訓練について、どんな機関でどういう方法でやろうとするのか。それに対するいろいろな予算の裏づけ等がおありであるのかどうか、お聞きをしたい。
○伊部政府委員 明年度予算におきまして、自動車操作訓練費補助金といたしまして六百十七万三千円を見込んでおるのでございます。これはただいま先生御指摘のように、肢体不自由者で通常は自分だけでは歩行できない方々が、自動車に乗ることによりまして通勤ができる。したがって、いままでいわば税金のお世話になっておった方々が、むしろ税金を払う立場になられるのみならず、自分で動けるということで非常に大きな自信を与えるわけでございます。この点は実は国立身障センターにおきましてすでに相当長期間にわたりまして、入所者に対しまして自動車訓練を実施をしております。その実績によりましてもう少し広く広げたいということで、明年度におきましては十施設を対象といたしまして、その目的のための特別の自動車でございますが、これを各三台配置をする、こういう計画でございます。
○田邊分科員 それは実際に市販をしておる自動車にいわば特殊な装置をしてやらなくちゃなりませんね。この費用は一体どんなものですか。
○伊部政府委員 予算単価といたしましては、百三十二万七千五百円を見込んでおりますが、通常の市販されておりますものに若干の改装費を加えまして、手だけで運転できるという自動車に改装できる見込みでございます。
○田邊分科員 わかりましたが、私はぜひ、近代的ないまの社会の中で、身体障害者が実際の活動をするために、自動車の運転なり、自動車の操作が容易にできる体制をつくってもらいたい、こういう気持ちでおりますので、これに対して、ひとつさらに施策を充実されるように強く希望申し上げたいと思います。 次に、大蔵省でございますが、身体障害者が自動車を所有している場合は、これに対しては、特別恩典を与えまして、物品税を免除しているのでありますが、これは、現在どういう自動車に対して物品税を免除しておりますか。
○田邊説明員 お答え申し上げます。 身体障害者に対します物品税、特に自動車に対する物品税の免除は、現在その身体障害者が身体障害者手帳を持っておりまして運転免許を有している場合に、小型乗用車、それは特殊なものでございますが、一応一五〇〇CC以下のものでございまして、買いました際は、うしろの見やすいところに身障者用というような表示をしたもの、こういう取り扱いをしております。
○田邊分科員 そこで、いまは国産における小型車という概念は、これは何CCまででございますか。
○田邊説明員 ことばの定義は、その使いますそれぞれの意味によって違うと思いますが、現在の物品税法上の小型乗用車と申しますのは、二〇〇〇CC以下で区切ってございます。
○田邊分科員 そこで、身体障害者だから、いわば小さな車でいいんじゃないか、操作がわりあいにしやすいじゃないかという概念を私はいままで持っておったのですが、最近は、かなり二〇〇〇CCクラスまでの自動車が市販をされておる状態でありまするし、この操作もだんだんに簡単になってまいりましたから、そういった意味合いで、小型車という概念から、二〇〇〇CCまでのものについて、いわば身体障害者の物品税の免除を拡大することが、もう私は現在の状態からいえば最も適当ではないか、こういうように考えるのでありますが、そういった点に対して、ひとつ御検討される御用意があおりでございますか、どうですか。
○田邊説明員 小型ということばが、必ずしもはっきりした意味ではないのでございますが、現在税法に使われております大型という概念は、特に大きな、外国から輸入するアメリカ車のようなものを大型、通常国産車を小型といっておりまして、その中間で中型というのがございますが、現在市販されております国産車の大部分は、九割近くは一五〇〇CC以下でございまして、先生のおっしゃる二〇〇〇CCクラスの車は、大体半分以上がタクシーその他でございまして、おっしゃられる意味が、どのような意味で二〇〇〇CCということになりますか、また物品税法を改正する機会がございましたならば、十分に検討さしていただきたい、こういうふうに考えております。
○田邊分科員 実州際は、一五〇〇CCに乗っておっても、たとえばある一つの車種であっても、それを一六〇〇CCにかえたいというのが最近多いのです。だんだん新しい車種が出てまいりまして、従前の一五〇〇CCが一六〇〇CCに事実上なってきたり、あるいは一八〇〇CCが出たり一九〇〇CCが出たり、非常に小刻みですけれども、かなり上のクラスの排気量のものができている。そういった点からいって、私は現在の状態からいえば、当時一五〇〇CCと定めた事情から見て、現在のところ、これは二〇〇〇CCに広げて何ら私はさしつかえないじゃないか、こういうように考えるのでありますが、ひとつ近い将来において、これに対する再検討をしていただきまして、この身体障害者の小型車という制限を、一五〇〇CCから広げていただくということにぜひお願いしたいというように思いまして、いま御答弁ありましたけれども、もう一度ぜひそういう前向の形でもって検討されることを望みたいのですが、いかがでしょうか。
○田邊説明員 御趣旨のほどは十分に理解いたしましたので、いずれ機会がございましたら検討させていただきたいと思いますが、ただ、あらためて申し上げるまでもなく、この制度の趣旨は、足の悪いお方、その他身体障害者のいわば足がわりの車でございまして、現在一五〇〇CCと申しますと、大体五人は優に乗れる車でございますので、二〇〇〇CCと申しますと六人乗りということでございますので、そこら辺の事情の変化、おっしゃられる点、その他をよく検討いたしまして、今後勉強させていただきたいと思います。
○田邊分科員 このあと大臣に一括して伺いますが、いまの御答弁で、私はいろいろな面で不満がございますが、最近同じ住居の近くの者が寄り集まって通勤するような場面もありますし、必ずしも一五〇〇CC以上がぜいたく車というか、非実用車というか、そういうことにはなってこないと思います。いま言った一五〇〇CCなり一八〇〇CCなりあるわけですから、そういった点でぜひ検討をお願いしたい、こういうように思っているわけであります。 それと同じようなものでありますけれども、身体障害者が自動車に乗りまして、いろいろ用事を足したりするのでありますが、最近は、私の町などでも、どこへ行きましても駐車禁止地帯が非常に多いのであります。で、もう自動車がなかなか置けない。買い物をするにしても、かなり遠隔の地に置いて、それから歩いていかなければならぬ、駐車場が満員、こういう状態であります。そこで幸いなことに、身体障害については、駐車禁止の地域においても駐車してよろしいという特例があるようであります。これは、私、やはり最大限に生かしていかなければならぬ、こう思っております。これは警察庁の所管でございましょうが、そこで、現在の駐車禁止地域であっても、身体障害者の手帳を持ち、標示のしてある自動車については、身体障害者のどのクラスまでこの恩典を与えておられますか。
○井口説明員 ただいまお話がございましたように、だんだん駐車禁止が一般化してまいりましたので、そういった御不便の場所が多くなってきたかと思います。したがって、そういう状況で、各都府県の公安委員会によりまして必ずしも一律ではございませんが、現在除外例を設けております都府県は十ほどございまして、そのきめ方もまちまちでございますが、一般的に、身体障害者であって歩行の困難な者という言い方が大体多かろうと思います。
○田邊分科員 これは、どういうところで具体的に識別をされますか。結局自動車に標識のあるものに限って認めるということですか。
○井口説明員 ただいまお話がございましたように、あらかじめそういう方のほうから御報告をいただきまして、それで標章を差し上げまして、それを車両に張っていただくという方法で識別している県がございます。それから、一般的に駐車禁止で見つけました場合に、このとおり足が不自由だということで病状と身体障害者の手帳を持っているということでもって除外しているというやり方をしているところと、両方ございます。
○田邊分科員 そこで私は、やはりいま十都府県の実例があるようでございますけれども、いまの趣旨は生かしていただきまして、警察庁としても、できれば画一的な指導をしていただきまして、この身体障害者に対する恩典を全国的に広げる必要があるのではないか、こういうように思いますが、どうでしょうか。
○井口説明員 先生のおっしゃいますとおり、従来の交通事情からしまして、次第に駐車禁止の範囲が大都市では広がっております。あるいは観光地などで一律の駐車禁止のところが多くなっておるというようなところからいたしまして、現在のところ十二都道府県でございますが、これからますます交通規制がきびしくなってまいりますので、おそらく全国でそういう必要が生ずるかと思います。私どもその方向で前向きに検討さしていただきたい、かように考えます。
○田邊分科員 そこで社会局長、いまそういう警察庁で駐車違反で取り調べをする際に、手帳を持っていれば免除してやるというか、罰金にしないというか、違反にしないというか、そういうふうな、これはいわばあと保護だと思うのですね。私は、いまの課長の答弁は、やはり実際に標識をつけて、その人に対しては特別な取り扱いをする。私は、それだからといって、みだりに駐車違反のところにどんどん交通渋滞になるような形で置くとは思いません。思いませんけれども、そういう方向で答弁になったと私は理解をして、ぜひそういうふうにお願いをしたいと思うのですが、ただこの身体障害者の範囲について、私は区々ではないかと思うのですよ。あるところでは四級以上でやり、あるところでは身体障害者手帳を持っている者については恩典を施す、こういうふうに区々のようですけれども、私はやはり身体障害者の人たちというものは、まあいろいろな程度はありまするけれども、一番軽いといわれる七級であっても、下肢の障害について言えば、いわゆる障害でないほうに比べて、三センチ以上あるいは長さの二十分の一以上短いものということになると、かなりはっきりした形になるのですね。あるいはすべての指がなかったりする機能障害、こういった形ですから、七級であってもかなり私は歩行に差しつかえる人々が多いと思うのですよ。そういった点で、これは私は警察庁というよりも、厚生省の側で警察庁と連絡をとって、具体的に七級なら七級までこの措置がとれるように、そういう折衝をしてしかるべきではないか、こういうふうに思っておるのですけれども、そういう御用意はございますか。
○伊部政府委員 ただいま御指摘のように、身障者につきまして、このような特別の措置が講ぜられておるのでございますが、県によりまして、いろいろ差があるようでございます。その認定といたしまして、まあ交通の繁閑もございましょうし、またこの制度の趣旨そのものが、そもそも自動車をおりて、一人では歩けないという方々については、駐車禁止の場所でもそれを認めるという形でございまして、まあそういう頭で、先生の御意見もございましたので、関係官庁と十分相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○田邊分科員 警察庁と大蔵省の方、たいへん御苦労さんでしたが、ぜひひとつその方向で、実施に向かって御検討いただきたい、こういうふうに思います。それからもう一つは、これは運輸省の所管でございまするが、身体障害者に対しては、国鉄は二十七年の四月八日の公示によりまして、運賃割引規則というのを設けておるわけでございますけれども、その第五条によりますと、身体障害者あるいは介護者に対して発売する割引乗車券は片道百キロをこえる区間に限る、こういうふうになっておるのでございます。百キロというと、私の県から言いますれば、ちょうど高崎から上野までぐらいでございまして、ほとんど県外でございます。この身体障害者がいわばいろいろな面で往来をする区間というのは、どちらかといえば百キロ以内がほとんどではないかと私は思うのですけれども、いまの状態から見まして、百キロをこえて利用する者と、百キロをこえないで利用する者、これはなかなか識別というか、その状態はわかりにくいと思いまするけれども、もしおわかりでしたら、状態についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○服部説明員 お答え申し上げます。 身体障害者旅客運賃割引規則の五条に書いてございますことは、身体障害者が単独で乗車なさる場合は、百キロ以上につきまして五割の割引をいたしますという趣旨の規定でございます。しかしながら、介護者が同行なさっておる場合には、距離の長短にかかわりなく五割の割引をやっております。
○田邊分科員 もう時間がないから、的はずれな答弁をされちゃ困るのです。百キロをこえて利用されておるのは、一年に一体どのくらいありますか。
○服部説明員 ただいま手元に百キロ以上、以下に分けました数字を持っておりませんので恐縮でございますが、四十二年度の実績で申し上げますと、年間の利用人員は百六十四万五千人というふうになっております。
○田邊分科員 百キロをこえた分……。
○服部説明員 これはたいへん申しわけないのですが、いまのところ百キロ以上と以下に分けた数字を持っておりません。
○田邊分科員 しかしそれは、割引をしたのがどのくらいの数かというのはわかるでしょう。
○服部説明員 いまのは割引の対象になった人数でございます。
○田邊分科員 そこで、民間の私鉄は、百キロ以内であっても割り引いているでしょう。これはまあ国鉄線と連絡社線ということになっておるけれども、割り引いておる。なぜ国鉄だけが百キロをこえる区間だけに限っておるのですか。
○服部説明員 お答えいたします。 これはいろいろ考え方もあろうかと思うのでございますが、この割引規則のもとになっております運賃法の規定に従いまして、運賃法に定める範囲内においては、距離の長短にかかわりなく半額の割引をいたしております。それから介護者のいない場合というのは運賃法に定める範囲をこえた割引でございまして、これにつきましては、現在までのところ百キロという線で限って、割引をしております。
○田邊分科員 これは「単独で」というのが書いてあるから、それは言わなくたってわかっておるのだよ、実際に。私の言うのは、百キロをこえると特別の恩典を与えておるのだけれども、百キロ以内でも与えていいじゃないかと言うのですよ。これは、百キロ以内の人たちに対してまでこの恩典を与えるとしたらどのくらい金がかかるのですか。
○服部説明員 お答え申し上げます。 百キロ未満に乗車船なさいます身体障害者の方々につきまして、単独で乗車船なさるわけでございますが、それを対象として割引を行なった場合に、どれほどあと割引の額がふえるかということにつきましては、たいへん申しわけございませんが、私どものほうで現在のところ、試算した数字がございません。
○田邊分科員 あなたのほうに試算した数字があるはずなんです。あとで調べてください。大体二億円と推定をされておるのです。大国鉄でもってこのくらいの金を、——私は出せぬはずはないと思っておるのですよ。民間の会社でやっておるのだから、国鉄もやれぬはずがないと思うのです。私はやはり身体障害者に対していろいろな恩典を与えるとすれば、これは百キロ制限というのはやはり撤廃すべきだ、こういうふうに思うのです。私の言うことがおわかりでしたら、ぜひそういう改善の方向でもって検討してもらいたいと思うのですが、どうですか。
○服部説明員 ただいまの先生の御指摘の趣旨は、私どもといたしましても、まことによく理解できるのでございますが、ただ先生の御高承のとおり国鉄の財政は、昨今とみに、悪化してまいっておりまして、その再建過程の中におきまして、いわゆる広い意味の公共負担の是正という問題が取り上げられてきておる、そういう状況でございますので、たいへんこういう答弁をして申しわけないのでございますが、現状ではなかなかそういうことに実際踏み切るにはいろいろと問題があるというふうに思っております。
○田邊分科員 これは厚生大臣、いま国鉄の財政赤字の問題なんかを出されて言っておるのだけれども、私はそんな問題じゃないと思うのですよ。こんなことをやったって、だれもおこる者はいません。私は、おそらく与党も大賛成だと思うのですよ。そのくらいの金は、やはり政府もいろいろな面でめんどうを見られると思うのです。要は、そういった気の毒な者に対して、社会的な立場でもって活動を促進してやろう、そういういわば人間尊重の政治を実践できるかどうかにかかっておると思うのです。大臣、いままで三つばかり例を出しましたけれども、これはすべて他官庁の所管のようですが、もとをただせば厚生省の一つの決意ある努力が必要だ、こういうふうに私は思うのでございまして、いま申し上げた三つの問題に対して、大臣ひとつそれぞれ所管の役所に対して、その実現方に対して、十分な御努力をいただきたい、このように思うのですが、いかがですか。
○内田国務大臣 田邊さんのあげられた身体障害者に対する三つの優遇措置につきましては、まことに私どもありがたいしあわせで、厚生省の立場をたいへん理解をしていただいている御発言でございますので、私どもも関係の官庁と打ち合わせをいたしまして、できる限りその実現に努力をいたしてまいりたいと存じます。それぞれの事情もあるでしょうが、御趣旨に私は賛成でございますので、ひとつ当たってみようと思いますので、お含みおきをいただきたいと思います。
○田邊分科員 終わります。
○古内主査代理 次に伊藤惣助丸君。 〔古内主査代理退席、主査着席〕
○伊藤(惣)分科員 厚生大臣にお伺いいたします。 私は、社会福祉施設の整備と、そこに従事する職員の処遇改善について伺いたいわけです。 この特別国会の冒頭、佐藤総理も施政方針演説の中で、社会開発の推進と社会保障の充実をまず第一にして、特に具体的に、経済繁栄の恩典にあずかることの少ない老人、母子家庭など恵まれない人々に対して、あたたかい充実した援助の手を差し伸べる、また、この見地に立って生活保護基準及び福祉年金の引き上げを行ない、心身障害者に対する福祉施策の拡充を進める、このように述べられておるわけであります。 そこで厚生大臣に、その総理の施政方針にある具体的な方策を伺いたいわけです。その前に、現在日本には一億をこえる国民がいるわけでありますが、特に六十五歳以上の老人は七百三十万人、また学齢以下の保育児、乳幼児等の子供さんたちが約千四十五万人ほどいるわけであります。そこでこのような中に、社会福祉施設に入れたいと希望する、あるいはまた保護しなければならないという数はどのくらいあるのか、さらにまた身体障害者、重症心身障害者とか、盲ろうあ者とかいるわけでありますが、その数字を概略伺いたいと思います。
○伊部政府委員 社会福祉施設の整備につきましては、先生御指摘のように早急に整備を急がねばならぬ状況にあるのでございまして、このため、ただいま社会福祉審議会におきまして長期の整備計画を検討中でございます。その場合、どの程度の方々を収容するかということは非常にむずかしい問題でございまして、いろいろな実態調査あるいは諸外国の例等も参考といたしまして、ただいま検討いたしておるという段階でございます。
○伊藤(惣)分科員 あとでまとめて大臣から伺いたいのですが、現在の収容できる数と人員を簡単に——資料をもらったわけでありますけれども、非常に繁雑でありますし、簡単に概括的に伺いたいわけです。
○伊部政府委員 社会福祉施設には児童福祉施設、老人福祉施設等、各種の施設があるのでございますが、その現状は、昭和四十二年度末現在におきまして総数二万一千、入所または利用定員が百三十六万人、及び職員数二十一万人でございます。このうち最も数並びに職員数が多いのは御案内のとおり保育所でございます。
○伊藤(惣)分科員 ただいま局長からお話しございましたが、大体どのくらいの対象者、保護者がいるか知らないということ自体、これはたいへんなことだと思うのです。資料によりますと、きわめて低い施設または収容の人員といいますか、そういうことが実際の状態なわけです。そこで、いま政府のほうでは整備計画を急いでいるというわけでございますが、このことについて私も伺ったわけでありますけれども、昭和四十五年度を初年度とする社会福祉施設緊急整備計画、こういうものを策定するよう検討しているということでありますが、その前に大事なことは、まず実態を明らかにすることだ、こう思うわけです。さらにまた、緊急というならば十カ年なんていうのじゃなくて、もっと二年とか三年とかあるいはまた昭和五十年という、五年くらいですね、そういうめどでやるべきではないかと思うわけです。その点について伺いたいわけです。
○伊部政府委員 各種施設の対象となる方々、たとえば身体障害者あるいは養護委託老人の数等の調査はいろいろ数字としてあるのでございますが、そういう点を参考として具体的な施設の整備計画をただいま検討しておるという段階でございます。その場合、特に老人関係あるいは心身障害児関係等につきましては施設の整備緊急を要することを痛感をいたしておりますけれども、具体的にどのような方策を立てるかということはただいま検討いたしておる段階でございますので、先生のお考えも十分参考にさしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○伊藤(惣)分科員 これは大臣に伺いたいのですが、整備計画をやるといったって、実態調査をしなければわからないわけですね。これはやる気があるのですか。検討しますなんていう答弁は、これはいつでもごまかされる答弁なんです。さらにまた、整備計画をやるのだといいます、十年計画をやるといいます、それでもやはり実態が明らかにならなければ、その資金計画も立てることはできないと思うのです。そうですね。そういう点で大臣の所見を伺いたいのです。
○内田国務大臣 伊藤先生から冒頭に御発言がございましたように、一九七〇年代におけるわれわれの最も大きな仕事は、所得の増加に対応する社会保障、社会福祉施設の充足にあると私は考えます。総理の演説もまさにそこから出発しておることと考えるものでございます。いま伊藤委員から御指摘の社会福祉施設につきましても、現状につきましてはお手元に資料も差し上げてあるそうでございますし、また社会局長からもお話がございましたが、私は大臣として、各種の社会福祉施設の充足状況を見ますると、大体そういうところへ収容しなければならない要収容人員のせいぜい六〇%くらいしか充足をされていないと思います。その中で最もひどいのは、寝たきり老人などの特別養護老人ホームでございますとかあるいは心身障害児の施設などがありまして、さらにまた保育所等につきましても、これは数は全体の施設数二万一千のうちで、保育所の数が一番多くて一万二千七百くらいあるわけでありますが、それでも保育所はまだ十分な充足率を満たしておりません。それで、それぞれ個々の施設につきまして、これをどこへ持っていけばおおむね充足率が満足すべき状態になるかということにつきましては、私どものほうは調べがないわけではございませんで、調べがございます。ただ、それを一挙に二年、三年でやろうということになりますとたいへんな設備投資が要ることになりますので、それらの幾つかの施設のうちから最も充足率の悪いもの、また緊要度の高いものを選び出しまして、これらを五年なりあるいは六年なり、五十年を目標にいたしますと六年ということになりますが、そういうふうに比較的短期の目標を立てまして充足するように努力をいたす計画を立てておるわけであります。また、さらに付言いたしますと、これらの社会福祉施設は国の財政だけではございません。国の財政といたしましては明年度五十三億円のこれらの施設の補助費を計上いたしておりますが、そのほかに社会福祉事業振興会の資金による施設もございますし、また国の直轄の施設もありますし、地方公共団体の施設があり、さらにはまた社会福祉法人、宗教法人等の行うものもございまして、それらの資金との総合関係もございますので、それらをかみ合わせまして、そして所要の施設充足の計画を立てておる次第でございます。
○伊藤(惣)分科員 大臣いま調べたのがあると言ったのですが、これはとうとう資料としても出なかったわけです。そこで私は質問しているわけです。大体厚生省は、そういったすべてを統轄して厚生大臣がやっているわけでありますから、おおよそのものは個々にはやっていると思いますが、しかし大臣が、厚生省としてすべてをもっと正確にまとめておく必要があると思うのです。このことを抽象的におっしゃるのではなくて、私は具体的にお伺いしたかったわけです。大臣、ないのですよ、私は聞いたんですから。あったらすぐ出してください。そうしますと、大体ボーダーライン層はこのくらいで、直接の保護者あるいは該当者というのはこのくらいいる。したがってこの問題についてはどうしても解消しなければならぬ。総理が言うように、具体的に施政方針の中に先ほど読み上げたとおりあるわけですから、それに基づいて厚生省はさっそく前向きでやるべきだ、私はそう思うわけです。そこで、そういったことをまず明らかにしなければ整備計画もできないんじゃないかということです。しかも緊急整備計画、緊急ということがありましたら、なおかつわれわれからすれば二年なり三年なりでやるべき問題だと思ったのですが、しかもそれも十カ年計画でやることについて、何か厚生大臣の諮問機関で検討さしておる。考えてみますと、非常にのんびりした話であります。そういう意味からも、前向きに整備計画を、またできるならば今国会中、無理ならば次期国会にはぜひともそういったものを国会に提案していただきたい、こう思いますが、その点いかがですか。
○内田国務大臣 私は、できるだけはっきりした計画のもとに福祉施設の整備などはやってまいりたいと思うわけであります。これは先ほども社会局長から話がありましたように、子供が生まれてすぐ施設に収容しなければならないような者、親のない子供さんに乳児院というのがあります。それが何カ所あって、現在どれだけそこに収容されておる、しかしほんとうに収容しなければならない人人は全体としてはこれこれあって、したがって現在の充足率は何%である。またそれからずっと児童から身体障害者からいって、最後は養護老人までいくわけでありますが、養護老人につきましても、寝たきりの人は何万人おって、それに対して現在特別養護老人ホームは幾つあって、収容人員は何ぼである、したがって何十%しか充足率がないというおおむねの状況はすっかりわかっておりますので、そういうものを対比しながらどれから先やるか、国が先にやってみても地方のほうがついてこなければしようがありません。それらの調整をしながら計画を組んでまいりますから、審議会にかけてのんびりやろうというつもりではございません。ひとつ今後とも御激励をいただきたいと存じます。 なお、それぞれ施設につきましての充足率等につきましては、後ほどまた私から伊藤さんのほうに大体の状況をお届けいたすようにいたします。
○伊藤(惣)分科員 そういたしますと、整備目標の基本的な考え方、これは大臣から伺っておきたいわけです。いま答弁漏れしましたが、私は社会福祉施設緊急整備法のようなものを、これはどうしてもそういうことを推進するならば、早目に国会に提案して、またその法律に基づいて強力にそういったことを推進すべきだと思うのです。その点についての大臣のお考えも伺いたいわけです。
○内田国務大臣 緊急整備と申しますのは、先ほどから申しましたように、いろいろの社会福祉の中で、社会構造の変革に伴って何が一番緊要度が高いかを選び出しまして、具体的に申しますと、それは結局老人を対象とする福祉施設、それから身体障害者を対象とする福祉施設、それから保育所、こういうようなものを選び出しまして、それらについて中央、地方の計画を編み出す、こういう方針で進んでまいりたいと思います。 なお、緊急整備法というようなものは、これは法律をつくりましても、伊藤先生も御存じのように、社会福祉、社会保障の金額というものは国民総生産なり国民総所得に対する社会保障費の割合等できまっていくものでありまして、法律的な問題といいますよりも、むしろその辺、ことに最近経済企画庁を中心として経済社会発展計画がそろそろ最終的な段階に入りますので、そういうものとも対応しながら実体的につくってまいりたい。なお法律の問題につきましては、これは今後の検討の課題にいたしたいと思います。
○伊藤(惣)分科員 現在のわが国の社会保障費の国民所得に対する率は六・四%ですね。欧州は大体一五%くらいなわけですね、国民一人当たりに対して。わが国は、厚生大臣の一つの見解ですが、どこに一つの基準を置いて整備をしていくのかという点ですが、その点いかがですか。
○内田国務大臣 これは西欧諸国が到達しているところへ私どももやはり目標を置きたいと考えます。しかし、日本の社会保障費の比率が仰せのごとく国民所得に対して低いのは、これは社会保障の実態が西欧諸国の先発国よりおくれているということではなしに、いつも私が申しますように、日本は現在においては老齢階層というものが欧州諸国から比べますとまだそこまでシビアになっていないということや、あるいはまた国民所得の最近の伸び率が非常に著しいために、社会保障費そのものは伸びているけれども比率の上に大きくあらわれていないということや、また年金制度を創設いたしまして日が浅いために、たとえば二万円年金というものの受給者が現在の時点におきましてはそう多くないという状態があるために比率は低い。しかし医療保障にいたしましても所得保障にいたしましても、日本の組織というものは必ずしも西欧の先発諸国におくれておりませんので、これは私どもはさらに努力を続けまして、究極的には私は西欧の先発諸国に追いつくようにいたさなければならないし、また必ずなるものだと考えております。
○伊藤(惣)分科員 究極というのは何年先のことですか。それで、まだ聞くことがたくさんありますけれども、時間がありませんのでその点も含めて答弁願いたいと思いますが、いずれにしても今年度の予算は五十三億と聞いております。その配分はまだきまっていないとも聞いております。私から見れば非常に整備計画がおくれ、しかも完全な実態把握がない。先ほど資料として提出くださるというけれども、それは単に乳児院だとか保育所だとか、きわめて一部のものに限っているわけです。六十五歳以上の老人のうちのどのくらいのパーセントになるのか、または心身障害者がどのくらいいるのか、ろうあ者がどのくらいいるのかということについての総括的なものがないことは、私も担当官から聞いて、何回も資料提出を求めたわけですが、もらっていないから、その点も知っているわけであります。したがってまた、それがあれば整備計画も当然早目に出るわけでありますし、そういったもののないことからも、まためどがつかないというふうに聞いているわけであります。大臣非常に勉強なさっておりますから、その点もさらに深く検討されて、そして今後の対策をがっちりと講じていただきたい、こう思います。 私は、社会福祉施設の整備については常に、どういうところに前向きでやっているのか。たとえば東京都でいうならば、あの辺にいい土地がある、これは国有地だ、あるいはまた埼玉県にこういうところがある、いい施設がある、こういう施設をつくるときに、どういう基準でやっているのかわからないわけであります。最近東京にも、米軍基地であったグラントハイツが返還になるというお話がきまっているのです。今年度から四カ年計画でグラントハイツが返還されるわけでありますが、あの返還されたあと地というのはすべて一回大蔵省に入る。国有地に戻るわけですね。そうしますと、国有地でもあの基地は非常に広くて、約六十万坪あるわけであります。そうしますと、現在住宅であるとか公園であるとかグランドであるとか、その原案がいま練られているわけでありますけれども、私たちは、ああいうような大きな国有地こそ大規標な社会福祉施設をつくるべきではないか。住民もまたそれを願っているわけであります。そういう点について、そのような話があった場合。今後また関係各省からもその話があるのではないかと思いますが、そういったことについて大臣がどのようなことを思われているのか、また前向きでそういったことを整備計画に入れながら考えられるのか、この点について具体的に伺いたいわけです。
○伊部政府委員 社会福祉施設の整備にあたりまして国有地を活用することにつきましては、基本的にはけっこうなことでございまして、その施設の種類、利用者の分布状況、立地条件等を勘案して検討してまいりたいと考えているのでございます。米軍基地をそのようなふうに活用したという例といたしましては、町田市にありますこどもの国、あれは元米軍使用の弾薬庫でございますが、この三十何万坪をこどもの国に変えた例がございます。いずれにいたしましても国有地を活用するということはけっこうなことでございまして、なお具体的に検討してまいりたいと思います。
○伊藤(惣)分科員 同じように、豊島区の中に巣鴨拘置所があります。これも約二万坪ありまして現在そのあと地については新都市開発センターという、財界の発起人が集まってその開発にいま当たっているわけです。この運営についてはいろいろなうわさがありますが、きょうはその問題は別といたしまして、特に社会開発について力を入れているというふうに言われておりますので、あのあと地に三十六階のビルを二むね建てるとか、あるいはまた六十階の超高層ビルを建てるというような計画がございますが、こういったところにもぜひとも地域社会にマッチした福祉施設をつくるべきではないか、こう思うのですが、その点についても伺っておきたいわけです。
○伊部政府委員 具体的な土地の利用ということになりますと、やはり東京都ないし区、要するに地方公共団体が中心になっていろいろな計画が立てられるべきだと考えますので、そのような計画が東京都から提示されました場合におきましては、十分検討させていただきたいと思います。
○伊藤(惣)分科員 それからこのような社会福祉施設に従事する職員並びにこういった従事者ですね、その方々の処遇問題についてでありますが、非常に給料が低いということがいわれております。聞くところによりますと、四十四年から三カ年計画で準公務員並みに引き上げる計画がある、このように伺っております。私はこういった方々について思うのですが、きわめて大切な、また大事な仕事を扱う立場にある職員なんですから、この処遇の改善については早急に講じていただきたい。特に最近の新聞報道などには、保育児が事故を起こしたとか、あるいはまた精神病院の運営がでたらめで取り消しになったとか、いろいろな社会問題になっているわけでありますけれども、私はこのような問題、あるいはまたでたらめな取り消さざるを得ないような運営をするようなことは、やはり根本的には政府の低い処遇あるいはまた安い単価、こういったことが究極は人間無視あるいはまた収容者の虐待という結果になったということと決して無関係ではない、こう思うわけですが、その点についても、大臣から処遇改善について伺いたいわけです。
○伊部政府委員 社会福祉施設の運営にあたりまして基幹をなしますものは、建物ももちろん重要でございますが、その職員が最も基本的な要件であることは先生御指摘のとおりでございます。このため四十二年現在で調査をいたしまして、三年計画で格づけ是正の計画が進んでおるのでございます。しかしながら、御指摘のように職員の処遇の問題につきましては今後の社会福祉行政の重点事項の一つとして、大臣の御指導を受けて十分取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
○伊藤(惣)分科員 私は準公務員並み——これでも準公務員ですから公務員とは違うわけです。必ずしも公務員ということを望むわけじゃありませんけれども、少なくとも公務員以上、公務員並みプラス特別手当とか、こういうものをぜひとも出していただきたい、また出すべきではないか。そうしなければ、たとえ今後どんなにいい施設ができても勤務する人はいない。また、そういった施設に収容されても、非常に親たちが不安であるとかというような状態が必ず問題になると思うわけです。その点について大臣から前向きな答弁をいただきたいわけです。
○伊部政府委員 たてまえといたしましては、施設職員の待遇につきましては、それぞれ国家公務員に準じた格づけをいたしまして、それによる処遇を考えておるのでございます。そこで三年計画をもちましておおむね二号俸程度の引き上げを実施をするということでございますが、昨年の暮れのベースアップもございますので、それらを含みますと十数%の改善にはなる見込みでございます。いずれにいたしましても、これらの処遇改善という問題は非常に重要な問題でございます。そこでこれを、職員分科会という分科会を社会福祉審議会の中に設けまして、資格をはっきり確立していく、それとともに処遇を大幅に改善していくということで、ただいま長期目標をもってこの問題に取り組んでおる状態でございますが、御趣旨に沿って努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○伊藤(惣)分科員 最後に大臣に伺いたいのですが、先ほど最終は欧州レベルが目標である、こうおっしゃっておりますが、最終とはいつなのか。たとえば整備計画と同じ、まあ基本的には、たとえば五十年なら五十年、あるいは十年間なら十年間でやるのか、その辺わからないわけでありますけれども、私はぜひともこの社会施設の整備計画については十年なんと言わないで、緊急という名のごとく、少なくとも五年くらいでできないだろうか。また処遇改善の問題についても、やはり準公務員並みという格づけであっても、実際の待遇については公務員プラス特別手当みたいな処遇改善をすべきではないか、この点について大臣から答弁をいただきたいのです。
○内田国務大臣 伊藤先生の御趣旨を尊重いたしまして、できる限り早く西欧並みの比率に到達し、また社会福祉施設に勤務される職員の方々の処遇につきましても、これはもう現に国家公務員、地方公務員である人もおるわけでありますから、それらの人々に準じてその処遇が改善され、そしてこれらの人々がほんとうに誇りと信念を持って社会福祉のために働いていただけるような、そういう客観的な状態をつくり出すように努力をいたしてまいりたいと存じております。
○伊藤(惣)分科員 終わります。
○田中主査 それでは伊藤君の質問をこれで終わりまして、次に木原実君。
○木原分科員 三十分という時間でございますので、自閉症の子供たちに対する対策、それから心臓病を持つ子供たちに対する対策、それから最後に結核の国立療養所、これを総合病院等に編成がえをしていく、こういう問題について少しばかりお伺いをいたしたいと思います。 最初に、この自閉症児の問題でございますけれども、実は私はこの予算の分科会で、この三年ほど連続して自閉症の子供たちの問題を取り上げてまいりました。たしか一昨年からでしたか、少しばかり施設の予算その他のことがついてまいりまして、やや厚生当局の取り組みの方向などが出たように考えておるわけでありますが、ことしは一体どういうことになっておるのか、簡単に予算上の措置、それから対策の方向等について、ひとつお示しを願いたいと思います。
○坂元政府委員 自閉症児対策につきまして木原先生から毎年御質問を受けております。政府としましても、自閉症児対策ということにつきましては、まだ学問的に不明な部分が非常に多いわけでございますが、できる限りそういう科学的な研究を進めながら、それと相並行しまして、モデル的に自閉症児のいろいろ療育を進めているわけでございます。 そこでお尋ねの明年度、四十五年度予算につきましての対策でございますが、これは四十三年度からやってきております自閉症児の施設を四十五年度にもう一カ所ふやしたいということが一つ。それから前年度、四十四年度から進めておりますいわゆる治療訓練の対策、これを本年度も補助金を出しましてやっていきたい、こういうようなこと。それからもう一つは、特別研究費というものをもちまして、いま申しましたように、まだ不明のもの、つまり発生原因なり、治療なり、診断なり、そういう不明な分野がございますので、そういう不明な分野につきましても、この研究を進めていきたい、大体こういう方針でおるわけでございます。
○木原分科員 予算の規模については、ことしはどのくらいになりますか。
○坂元政府委員 施設整備費でございますが、これはまだ確定したものができておりません。いま当該県と相談中でございます。金額その他はまだきまっておりません。それから自閉症児の治療訓練費でございます。これは四十四年度が七百九十万ということでありましたが、四十五年度におきましては三千百九十三万というものを計上いたしているわけでございます。それから特別研究費でございます。これは四十五年度の特別研究費のワクは、個々のワクについてはまだきまっておりませんが、大体の感じとしましては、前年度と同様にやっていきたいと考えております。
○木原分科員 もう一つ伺いますが、新しくできる施設は大体三重でございますか。
○坂元政府委員 三重県を予定しております。
○木原分科員 そこでお伺いしたいわけでありますが、これはたいへん一歩一歩ということなんですけれども、御承知のように、推定によりますと年々自閉症ないしはそれに近い症状を呈するような子供たちがたいへんふえている、こういう傾向にあることは御案内のとおりであります。そこで、自閉症児の子供たちについての数などお調べになったことがございますか。ありましたら示していただきたいと思います。
○坂元政府委員 先ほど申しましたように、自閉症という症状自体がまだ学問的にはっきりきまっておりません。これは専門家の御意見を聞きましても、はっきり診断ができないようでございます。したがいまして一般通念としまして、自閉症児というふうにいわれておる対象児童につきまして、確実な調査というのがなかなかできにくいわけでございますが、私どもとしましては、現在各方面の専門家の先生方のいろいろな御意見等を聞きますと、大体全国的には三千人から五千人くらいの数がいるのではなかろうか、こういうような概数をつかんでいるわけでございます。
○木原分科員 まあ三千——これは診断ができないわけですから、科学的にどうこうということはありませんけれども、私どもがいろいろな方面から聞いたところでは、おそらく一けた違うのではないかと考えておるわけです。しかしそのことは、ふえていき一つつあるということで、ひとつ了承したいと思うのですが、この施設をおつくりになるのはいいことですし、それからまた特別研究費をお出しになって、不明の分野について科学的なメスを入れていくことも、たいへんけっこうなんですが、あわせて治療訓練に当たる人の養成についてはお考えになっていらっしゃいませんか。
○坂元政府委員 現在厚生省がやっております治療訓練の方式は、先生御承知のように精神病院、これは公立の精神病院にお願いをしておるわけであります。したがいまして、精神病院の中にそういう自閉症児のための特別な病棟をつくりまして、そこに対象児童を入所させ、一定の療育をやっておるわけでございますので、したがいまして、精神病院でございますから、当然精神病院の根幹となる医師、看護婦の問題が一番問題でございます。これにつきましては、御承知のように、医務局のほうで従来からいろいろ対策を講じているわけでございます。ただそれ以外に保母さんとか、あるいはセラピストとか、そういう特別な指導員の方が当然要るわけでございます。こういう特別な指導員の方等につきましての養成、訓練、確保でございますが、これにつきましては、予算的にもそのような特別な保母さん、あるいは指導員等をできる限り確保し、そして処遇できるような予算を治療訓練費の中に計上してございます。同時にまた保母さん等につきましては、一般の保母の養成対策としてやっております。問題は、セラピストのような専門家、そういう特殊な専門家の養成、これは先生先刻御承知かと思いますが、申し上げますと、この点が、いま私どもとして一番心を痛めている点でございますので、このような心身の治療等をやりますセラピストの養成というものにつきまして、いま研究はいたしておりますが、なかなか現在身分的にもそういう制度というものがはっきりしておりませんので、一定の対策というものを考えることが非常に困難でございますが、何とかして将来のことを考えまして、こういう特殊な専門家の養成というものについて、前向きにやっていきたい、こういうことで、せっかく研究を進めている段階でございます。
○木原分科員 これは、もう坂元さんのところでも御案内のように、一種の文明病じゃないかというようなことが言われて、そしてアメリカ等の文献などを見てみますというと、かなり対症療法の面でも進んだ面が見られるわけです。特におっしゃいましたセラピストの問題等についても、かなり進んだ面があるやに聞いておるわけです。ただ、われわれの場合は、まだ緒についたばかりで、治療の方向もまだ定まらない、こういうような面があるのは実はたしかなんです。ただ私どもが接した範囲の中では、専門家も、治療の任に当たる人たちも、研究の面は、ごく限られた一部の人たちが関心を持って研究をしておる。つまり学者やお医者さんの世界でも、残念ながらまだ全般的な関心のある研究対象として取り上げるというような方法がない。しかも言えることは、確実に自閉症児であるかどうかという診断は別にして、そういう症状を呈する子供たちが、ともかく都市を中心にかなりふえているという事実があるわけです。したがって、これはだんだん広がって、どうにもならなくなって、施策があとから追っかけるというのではなくて——専門家を養成するのには、おそらくかなりの年月がかかると思います。ですから、私は、治療研究費ないしは精神病院の医師や看護婦の人たちには、それだけの教育を受けてもらうということもそうなんですが、やはり自閉症に対する対策というものをきちんと持って、そのワクの中で何よりも——施設は、ある程度予算さえつけばできるわけですけれども、人の養成はやや長期を要する。こういうことになりますと、おっしゃった専門家の養成にこそ思い切ったワクを設けてとりかからなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、いかがなものでしょうか。
○坂元政府委員 御意見、まことに私どももさようだと思っております。したがいまして、医師、看護婦あるいは保母等につきましても、従来のいろいろな対策を今後強化していくということで一応考えられるわけでありますが、セラピストのような特殊な技術屋、専門家の養成は、非常に重大な問題でございますので、私どもも関心を従来から持ってはいるわけでありますが、何ぶんにもまだ自閉症というものの学問的な、科学的な究明が十分できていない面がありますので、御指摘のように、特別な研究等の成果を十分こちらの分野に活用するようにいたしながら、この専門家の養成というものについて、もっともっと前向きに検討をいたしたい、かように思っております。
○木原分科員 それからもう一つ。精神病院云々というようなお話がありましたけれども、これも若干私は問題があるんじゃないかと思うのです。国の施設が三カ所新しくできて——三カ所という程度ですから、ある程度やむを得ませんけれども、精神病でないというふうに言う専門家もいるわけですね。精神病院の状態にもよりますけれども、いまの精神病院の中で、はたしてたいへん手のかかるこの種のことをやる能力があるのかどうかということも、一般論ですけれども、心配があるのです。施設が将来拡充されることが望ましいわけです。 それに関連をしましく、自閉症的な症状を呈する子供たちを持った親御さんたちが、毎年春になって困られるのは学校の問題なんですね。医師の人たちは、自閉症児ですから、やはり社会性を身につけるということで、学校に行くことをおおむねすすめるわけですね。症状の重い子供たちは施設に入るなり何なりですが、しかし比較的軽くて、通学の能力がある程度ある、こう認めるわけですが、しかし症状があるわけですから、そういう場合に治療訓練の意味も含めて学校へ行くのがいいのだ、こういう専門家たちの判断があるわけです。ところが実際問題として、なかなか学校側が受け付けない。最初は普通の子供として入る、そして症状が出るものですから、先生たちが扱いかねる、一月、二月で子供もいやがって学校をやめていく、そういうところからいつも問題が起こってくる。これは、はっきり自閉症児だ、こういうことで病院なり、あるいは治療訓練所なり、ないしは施設なりに入る条件があればいいのですが、その前の段階、これが一番大事で、一番層が多いと思いますが、これらの子供たちが行く場所がないわけです。わずかにその学校の校長さんなり、受け持ちの先生なりのいわば善意で入学が許されている。多くの親御さんに会って話を聞きますと、学校へ行けば確かにそれだけの成績があるというんですね。ところが学校に、きちんとした養護学級その他がありましても、対象が違うものですから、なかなか扱いかねるという面があるわけです。しかし少なくとも学校に行くということが自閉症の子供たちにとって意味があるとすれば、これは何らかの形で学校に入れるような措置をとるように、文部当局と相談をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○坂元政府委員 前々から木原先生よりそういう御意見をいただいているわけでありますが、私どもも自閉症児というものが、症状が重い軽いの区別はあると思いますが、やはりある程度症状が軽くて、学校に通学できるような対象の児童につきましては、これは確かに文部省のほうと御相談をして普通の学校に入れるなり、あるいは特殊学級等をつくっていただくとかいうようなやり方があるわけでありますが、そういう点につきましては、いま文部省と相談しておりますが文部省のほうも、こういう問題につきましては非常に関心を高めてきております。全般的な特殊学級のそういう特殊な児童の入学問題につきましては、文部省自身も非常に関心を最近高めてきておりますので、先生の御意見も十分尊重しながら、自閉症の子供さんたちが学校教育を受けられるようにする方向で検討していきたいと思っております。 それから現在いわゆる施設に入所しておられる児童の方につきましては、これも私ども文部省と話し合いをしたいと思っておりますが、施設なり特殊学級というようなものを設けていくように、いませっかく相談中でございまして、そういうようないろいろな形を進めながら、先生御指摘のように、学校の教育が受けられるように、つまり治療なり訓練を受けると同時に、教育というものが並行していくような形でこの問題については対処していかなければならぬ、こういうように考えております。
○木原分科員 たいへん前向きのお話で、私どもうれしいわけですけれども、大臣、いまお聞きのようなことでございまして、自閉症児の絶対数は、そんなにまだ多くありませんけれども、しかし、どうも高度成長で文明社会が展開しますと、外国の例等に見ましても、この種の子供たちがふえていくということは、やむを得ない側面があるわけです。それだけに厚生省は、たいへんたくさんの問題をかかえている役所ですけれども、しかし、こういう症状を持っている、ものを言わなくなった子供たちをかかえているたくさんの親御さんたちが涙を流しているということを、ひとつ考慮に入れていただきまして、いま答弁のありましたような線で御努力願いたいと思います。 それから、あわせて子供のことですけれども、心臓病を持つ子供たちの問題でございます。これは、厚生省のほうでもいろいろとやっておられるわけですが、一つは先天性の心臓病児といいますか、それから後天性、リューマチ熱その他が出て心臓病を持っておる子供たち、これもたいへん数が多いわけなんですが、問題はこの医療費がたいへんかかるわけです。御承知のように技術的には非常に進んでおりまして、手術は可能なあれが多いわけですが、いまの制度の中でなかなか保険の恩恵等にも浴さない。しかもだんだん聞いてみますと、もう個人の負担の能力をこえるわけですね。そういう面について、ことしも何がしか予算も増額されて措置をされているようでございますけれども、こういう子供たちに対しましての新しい措置について、ひとつお示しを願いたいと思うのです。
○坂元政府委員 先天性の心臓疾患の子供の療育でございますが、これは御案内のように、三十九年度から育成医療という制度のもとにおいて現在まで、実施を進めてきているわけであります。毎年毎年、逐年予算も増額されてきております。明年度におきましても、心臓疾患の子の療育ということにつきましては、私どもとしましても非常に関心を強めまして予算の折衝に当たったわけでございます。したがいまして対象の件数、それからいま御指摘がございましたいわゆる単価等も、前年度に比べまして相当大幅に増額されております。 簡単に申し上げますと、四十四年、つまり今年度は、単価のほうから申しますと、単価は約三十万円でございましたが、四十五年度におきましては四十一万六千円、それから対象の件数につきましては、千八百件の前年度の件数が、四十五年度につきましては二千七百件、それから予算額につきましては、一億六千万の前年度予算が、四十五年度につきましては三億五千万、こういうようなことで、件数も伸びますし、それから単価も四十 一万円というようなところまでいっておりますので、先生御指摘のように本人の医療費の負担が、手術費等の負担が非常に高いんだということでございますが、四十一万円というのは新しい医療費改定によります単価でございますので、まあこの程度でございましたら大体間に合うのじゃないか、私どもはかように思っておるわけでございます。
○木原分科員 その問題の育成医療なんですが、これは後天性の子供たちには適用されないのですね。どうでしょうかね。
○坂元政府委員 現在までの育成医療の対象になっておりますのは、先ほど来お話がございましたように先天性の心臓疾患だけでございます。後天性の、たとえばリューマチ性の心臓疾患等につきましては、確かに現在制度の対象になっておりません。この点につきましては全国の小児科学会あたりが、この後天性の心臓疾患につきましても制度の対象とするように検討してほしいというような御意見をいただいておりますので、これから私どもも研究をしなければならぬと思っておりますが、ただ先天性の心臓疾患というものがまだまだ十分なところまで水準が上がっておりませんので、とりあえずはやはり先天性の心臓疾患のほうに重点をかけていきたい。そしてそれと並行しまして、後天性の心臓疾患というものをどういうような形でやっていくか。この後天性の心臓疾患につきましてもいろいろな問題点があるようでありますので、さらにこれは研究をしていかなければならぬ、私どもはかように思っておるわけでございます。
○木原分科員 それと、もうこれは厚生省もよく御存じだと思いますけれども、この育成医療の所得制限ですね。つまり適用範囲、これは少し逐次広げてもらいたいと思うのですが、やはりすれすれのところがありまして、理想案を言えばきりがないわけですけれども、やはりある程度ワクを広げる方向で、ことしは二千七百件ということであれですけれども、制度の方向としては少しワクを広げるということも考えてもらいたいのですけれども、いかがでしょうか。
○坂元政府委員 先ほど申し上げましたように、逐年予算も増額されてきておりますが、まだまだ十分なところまでいっておりません。したがいまして、いまお尋ねのように今後とも予算をできるだけ増額いたしまして、対象者の増をはかっていくように、またいろいろ医療費の単価等につきましてもできるだけ実情に合うような方向で今後とも努力をいたしたい、かように思っております。
○木原分科員 もう一つ、これは新聞等にもいろいろなことが報道されたわけですけれども、この制度を沖繩に適用していく、これは少し一般論になるわけですけれども、どうでしょうかね。
○坂元政府委員 沖繩のほうの実情を、実は恐縮ですが私詳細に存じておりませんが、大体沖繩のほうでも琉球政府のほうがこういう育成医療というような制度を持っているようでございますが、まだ十分なところまで水準がレベルアップしてないようでございます。おそらく本土復帰等も間近に控えておりますので、厚生省としましても、琉球政府と十分連絡をとりながら本土の水準にできる限り近づけていくように御相談をいたしたい、かように思っております。
○木原分科員 もう時間がありませんので終わりたいと思いますけれども、ここでもやはり同じように、設備、機械、技術、こういう面は大いに進歩しているそうですけれども、先ほど来問題がありましたように、看護婦さんがくたくたになってしまう。特にたいへんな手術ですから、予後少なくとも一週間、十日まるまるつききりでやるというようなことで、この種の手術にチームの中でやる看護婦さんがなかなかいないという嘆きをあちこちで聞くわけです。これは先ほど来の問題の中の一環ですから、この方面についてもひとつよく御検討いただきたい、こういうことでとどめたいと思います。 最後に医務局長さんですか、国立療養所を総合病院に逐次改編をしていく。これは一般論ではなかなか言えないことだろうと思うのですけれども、私ども見ておりますと、かつてはいわゆる結核療養所ということでたいへん広大な敷地——施設はたいていぼろぼろですけれども、そういうものが随所にある。ところがその周辺がだんだんと過密になってくる。関係者、地元からも、いっそ総合病院にして便宜をはかってもらいたい、こういう声があるようなところがあちこちふえていると思うのです。どうですか、厚生省の国の方針としては、総合病院にしていくことについてはいろいろ難点もあるでしょうけれども、方針としてはどうですか。そういうふうに編成がえをしていくというような一般的なな方針はおありなんですか。
○松尾政府委員 国立療養所、特に御指摘のような結核の療養所でございますけれども、これを一般病院のほうへ転換をする、三十六年以来の実績として約二十一カ所すでに転換しているわけでございます。そういう実績から見ますれば、そういう必要性がある場合、個々にこれは判断いたしますけれども、それは今後とも考えていくべき問題であろうと思います。ただ一面また療養所は療養所として慢性疾患を対象といたしまして、特に先ほどお話しのようなリューマチの問題でございますとか、あるいは老人性疾患の問題でございますとか、あるいは子供の小児ぜんそくの問題等、いろいろまた慢性疾患として対応していかなければならぬ部分が、結核以外の部分でも今後また広がってくるだろうと思います。そういうことと、なおかつ結核につきましても老人性の結核、あるいは昔のように短期に手術でなおせないようなそういうがんこな結核が、最終的に吹きだまりにたまっているわけでございます。こういうものを始末していきますのも、国立療養所の一つの使命でございますので、実績もございますけれども、同時にまた療養所としての使命も考えながら、また同時にそういう周辺のいろいろな医療事情の変化と対応いたしまして、個々のケースとして、より誤りないように判断してまいりたいと思います。
○木原分科員 私の質問が抽象的過ぎるのですけれども、あまり時間がないので……。個々に検討していく、こういうことなんですが、おそらくそうだろうと思うのです。結核は決してウエートが下がったと私ども申しません。しかしながら、周囲の状況の変化ということが、特に東京の近郊とかあるいは大阪の近郊とかにあるわけですね。そういう場合に、条件がかなえば総合病院にしていく、そこには結核病棟を残すということも含めて、そういうことは条件さえかなえば可能だという御答弁でございますか。
○松尾政府委員 条件がそういうふうに非常に整備されてくれば、また同時にそういう一結核療養所だけのことを考えるのじゃなくして、その他の医療機関の配置状況、機能なり、そういうものを組み合わせた上でやるべきだと考えるならば、それは地域住民のためにそういうふうに転換していくべきだと思います。
○木原分科員 これはいろいろな複雑な問題が、転換についてはからむことは御案内のとおりだと思います。医師会が反対するとか、これはよくわかっているわけです。ただしかし、われわれはどう判断しても、この広大な敷地で、そしてぼろぼろの——そう言っちゃ悪いですけれども、昔の兵舎のなごりのような施設で、したがっていまの制度のままだとお医者さんもあまり来ない。せっかくのそういうものがあるのですね。これならば少し金をかけて、総合病院にしてやれば、住民にサービスにもなるし、またそんなに医師会とも競合をしない。そういうところを幾つか私は具体的に持っておるわけです。ただ聞くところによると、どうも国のほうはあまり転換を好まない。転換するについても、できれば地元の自治体なり何なりが銭を持って協力をすればやってもいいんだというようなことをちらちら聞くわけですけれども、それはともかくとしまして、個々の条件にかなえばという、この条件の中身はどういうことなのですか。
○松尾政府委員 具体的な、ここはどうだというお話でございますとなおはっきりするのでございますけれども、やはり先ほど来申し上げましたように、一つは周辺の条件、特に最近のように新しい団地づくりができる。それは概して医療機関がないようなところを選びまして広大な団地ができます。そしてそこには若い年齢層のおかあさんと赤ちゃんというものが非常に大きなウエートを占める人口構成になる。そういうところで、たとえば小児科系統あるいは子供さんの系統というりっぱな病院はあまり計画されておらない。たまたま近くにそういうのがある、ところがほかに何もそういうものがないのだから、そのような場合にはやはり個々の条件としてかなり適格性を持つものではなかろうかというふうに考えます。
○木原分科員 もうこれで終わります。ただ、いま局長さんがおっしゃった、おそらくそういう条件にかなったところが幾つかございますので、これはあらためて、方針じゃなくてやり方について別の機会にお話を申し上げたいと思います。ひとつ、世の中がだんだん変わっていっておるわけですから、せっかくの施設、敷地、そういうものがあるわけで、生かして使うという方向からぜひ考えていただきたいと思うわけであります。終わります。
○田中主査 以上で、木原君の質問は終わります。 次に、中野君、質問を許します。
○中野(明)分科員 私、二点ほどお尋ねしたいと思いますが、まず、一点は、船員保険の保養所の問題でございます。 御承知のように、日本の国は海に囲まれている関係で船員の数も非常に多うございます。それに伴う家族も入れますと、社会構成のかなりの部分を占めておると私も理解しているわけです。全国ところどころに船員保険の保養所がありますが、これの運営はどこがなさっておるのでしょうか。
○高木政府委員 船員保険寮の設置は国で行ないますけれども、運営は船員保険会に委託して行なっております。
○中野(明)分科員 委託費は、本年の予算でどれくらいでありますか。
○高木政府委員 四十五年度予算では、委託費は二億八千九百万円でございます。
○中野(明)分科員 大体建設の計画ですが、年間何カ所ぐらいずつ……。
○高木政府委員 いままでの実績から申しますと、大体毎年二カ所ぐらいの新設を行なっております。
○中野(明)分科員 本年の計画はどことどこになっておりますか、わかりますか。
○高木政府委員 現在のところ、計画といたしましては、三重県の鳥羽、それから和歌山県の和歌山築港、この二カ所に計画しております。
○中野(明)分科員 そうしますと、全国で現在までに大体何カ所ぐらいあるのですか。私はときどき見ますけれども……。
○高木政府委員 全国で、ただいま五十五カ所ございまして、そのうち港に近い保養所——臨港保養所というのと、それから温泉地等にございます保養所と大きく分けると二とおりあるわけでございますが、臨港保養所が三十五カ所、それから温泉保養所が二十カ所、大体こういうことになっております。
○中野(明)分科員 外国にはありますか。
○高木政府委員 現在一カ所、スペイン領のカナリー群島だと思いますが、ラスパルマスというところに一カ所保養所を持っております。
○中野(明)分科員 先ほど言われた五十五カ所の中では、たしか東京にはなかったと私は思うのですが、東京にはございませんか。
○高木政府委員 東京には現在ございません。
○中野(明)分科員 私は要望を付してお尋ねをしたいのは、東京へ最近、他の船もそうでしょうが、特に人口が一千百万からの大都会で、重要な消費地になっておりますので、そういう関係で漁船が東京に入港する機会が非常にふえてまいりました。特に遠洋漁業、近海ももちろんですが、そのために東京へ入ってくる、こういう時代ですから、またすぐ出ていくというような形で、入港のたびに地方から家族が上京してくるというのが非常に多いわけです。いままではどうしておったかといいますと、私も一度行ったことがあるのですが、築地の魚市場のそばに、何か市場の厚生関係で経営しておられるのじゃないかと思うのですが、そういう寮や何かを借りて、海幸寮か何かいいましたが、そういうところを利用しておるようです。非常に不自由を感じておるようです。これは最近の現状から考えて、ぜひ東京につくるべきではないか、このように思います。遠洋漁業関係で、高知県とか鹿児島県とか和歌山県とか、三重県も多いようですが、そういうところなどは多いのです。はるばると東京まで出てきて、そして宿泊するところ、落ちつくところにも非常に不自由をしておる現状です。ぜひこれは東京に計画されるべきではないかと思うのですが、その辺の構想というのですか、お考えを一応お尋ねしてみたいのです。
○高木政府委員 先生おっしゃるとおり、東京港に入港する船舶の数は非常にふえてきておりますので、東京地区に船員のための宿泊施設を設置してくれという非常に強い要望があることは、私もよく承知をいたしております。この船員保険寮の問題につきましては、この関係者であります被保険者の方々の御意見、それから船舶所者の方々の御意見、こういう方々の御意見を十分聞いて従来からやってまいっておりますので、その方々とも十分意見をかわしまして、その点については今後よく検討してまいりたい、かように考えます。
○中野(明)分科員 東京の場合、時代も変わってきましたし、昔のような形態ばかりじゃなしに、やはり東京の町にふさわしいようなものもかなり必要でしょうし、いま申されたような関係方面と御相談も必要ですが、非常に要望が強いことは事実です。ぜひこれは大臣にお伺いしておきたいのですが、いまお聞きのような現状で、たまたま船が入港して、はるばる何十時間もかけて家族が上京してきても、落ちつくところがなくて非常に迷惑をしている。迷惑というよりも困っておるというのが実情です。先ほどのお話では毎年二カ所ずつぐらい建設計画を持ってやっておられるようですが、ぜひこれは東京に設置を促進していただきたい、このことを要望したいわけです。一言、大臣のほうからお考えを伺いたい。
○内田国務大臣 船員保険の保養所勘定といいますか、福祉施設勘定というものは、そのために関係の方々並びに船主からも御負担を願っておるものでございますので、制度の趣旨が生きますように、皆さまが便利になりますように、御意向を十分承りまして、善処してまいるべきだと考えます。
○中野(明)分科員 船員保険のことは以上で終わりたいと思います。 いま一点、お尋ねしたいと思います。 最近非常にやかましく言われ出しました海中公園の問題でございます。ちょうど新しい年代に入りまして、海洋の時代ということを最近は新聞紙上なんかでもよく見ますし、非常に海に目を向けてきた時代、これは世界的な傾向だと思います。私ども、最近の物質科学の発達というのですか、すべて機械化されていって、これはある一面では非常に喜ばしいことですし、特にコンピューターの発達なんかは目をみはるばかりでございます。ところがそういう関係から、やはりだんだん、よく言われている人間疎外というようなことで、日常の生活というようなものも機械と機械の間にはさまれている。大都会は御承知のとおり空気も悪いし、公害もひどい、こういう状態。そういうときにあたってまりますと、ますます自然の景観というのですか、こういうことにつきましてはお互い非常に郷愁を感じ愛着を感じるのは当然のことだと思うのです。そういう自然の景観をこれからますます保護しなければならぬ、そういうたてまえから、いままでは陸上だけでしたが、昨年も審議があったわけですが、自然公園法を一部改正して海中の自然景観も保護する、そういうふうに自然公園法の一部改正が出されておるわけです。それが国会を通りますと、海中公園が指定されるわけですから、これは私どもも非常にけっこうだと思います。 そこで、この海中公園に関係をしまして二、三お尋ねをしたいのですが、日本の国としてもこれは初めてのことです。まことに画期的なことでありますが、ただ私、心配しておりますのは、指定をなさるだけで、一体本年の予算に幾らかでも予算を見込んでおられるのかどうか、そこら辺、まずお聞きしたい。
○中村説明員 お話がございましたように、海中公園が海中公園地区で指定になりました場合におきましては、国といたしましては、海中公園の施設整備につきましては従来の陸上におきまする国立公園あるいは国定公園と同様、その施設につきまして助成をいたしたいというわけで、これは国立公園、国定公園の助成に関する予算といたしまして支出するように準備をいたしているわけでございます。
○中野(明)分科員 ことしの予算の中で海中公園に——新しく法律が通れば指定があるわけですが、海中公園に関してはどの程度の予算が……。
○中村説明員 補助金の内訳といたしまして、海中公園分が幾らという区分けはいたしておりませんが、これは本年におきますところの海中公園の指定と、それに伴いますところの海中公園の事業の状況とを見まして助成をいたしたいというわけで、別に区分けはしてございません。陸上でもどちらでも使えるようになっております。
○中野(明)分科員 全体でどれくらい、両方でどれくらい見ておりますか。
○中村説明員 昭和四十五年度の国立公園等施設整備費補助金は四億三千四百万円となっております。
○中野(明)分科員 昨年とどうでしょうか。
○中村説明員 大体昨年と同様であろうと思っております。
○中野(明)分科員 昨年とあまり変わらないということになりますと、私ども心配しておりますのは、せっかく海中公園の指定があっても国からの補助という、そういうのがやはり陸上のみに片寄って、せっかくの新しい指定を受けた海中公園の地域にこないのじゃないか、そういうふうに一応心配するわけです。せっかく国のほうでこういう斬新な、特に大事なことだと私も思いますが、指定をなさる以上、やはりそれだけの予算のワクを取っておかれる必要があるのじゃないか、このように思うわけです。そこらは昨年と同じということになりますと、国立公園国定公園はたくさんあるわけですから、どこでも昨年より予算が減ってくるということになりますとやはり異議のあるところでしょうし、その辺のお考えが、ただもう指定だけしておけばいいというふうにお考えになっているのじゃないかというところまでわれわれは心配するわけです。
○中村説明員 私どもも、今後海中公園の指定が具体的になされますと、それに伴いまして当然公園を利用するためのいろいろな整備ということが必要になってまいりますから、したがいまして、この方面につきましての補助金というものは今後十分に配慮いたしたい、こういうふうに考えておりますが、本年につきましてはまず海中公園の指定が第一であろうかと思われまして、それに伴います事業が具体的に各地区におきまして実現いたしますのは、あるいは本年においてはそれほど事業量としては多くないのではなかろうかと思っております。しかしながら、本年度内におきましてもそういうような計画がございますれば、私どもは決して海中公園につきましてそれに消極的な態度はとりませんで、いま先生のお話しのとおり新しい事業でございますので、海中公園の整備につきましてはこれは十分力を注ぎたい、こういうふうに考えております。
○中野(明)分科員 これは年来の懸案にもなっておりますので、地元の方もそれぞれの地域でことしこの法律が通ることを相当期待している向きもあるように聞いておりますし、やはり海中ということになりますと、夏から秋の初めというとこら辺にどうしても力を考えるでしょうし、そういう点で、いま答弁がありましたが、大臣もずっとお聞きいただいておりますので大体御了解いただけると思いますが、これだけの新しいことを、しかも画期的なことをして、事実海中公園の中に包括されている海中の景観とともに、サンゴの群生とかあるいは熱帯魚とかその他貴重な海草類、そういうものは学術的にも非常に重要な価値があると思います。そういう面を保護するというような上から、ぜひ国のほうで強力にこれを応援というよりも、国の責任でやっていただきたいような気持ちです。 それで、いまの御答弁で、大体前向きになって考えていただいているようですから了承いたしますけれども、いま一点、あわせてお尋ねしておきたいことは、いまお話にも出ておりましたように、公園が、国立公園と国定公園と、二様に分けて指定をされておるようであります。国立公園の指定ということについては、審議会か何かがあるように私も聞いておりますが、これは、今後も国立公園をふやしていくお考えがあるのかどうか、この点をちょっと…。
○中村説明員 国立公園は、現在二十三カ所指定をされておりまして、この二十二番目の指定が行なわれましたのが昭和三十九年六月、北海道の知床、それから南アルプス、この二カ所が最後に指定をされまして以降、今日まで国立公園の新たなる指定は行なわれておりません。 国立公園は、先生御承知のとおり、わが国の風景を代表するに足る傑出した自然の風景ということになっておりますので、非常に格が高いわけでございます。そこで、国立公園として今後新たに指定するものがあるかどうかということにつきましては、そうこれから先、数がふえるということは考えられません。しかしながら、ただいまもお話がございましたとおり、海中景観のいいところがずいぶんございますので、したがいまして、海中公園地区を指定いたします場合におきまして、そういう、従来対象にならなかった海中の景観等を含めました場合に、新たに、従来の国立公園地区でなかったところが国立公園になるという場合は、今後あるいはあり得るかと思うのでございますけれども、独立してというところはほとんど残っていないんじゃないか、こういうように考えております。
○中野(明)分科員 そうしますと、いままでの国立公園指定基準の中には、海中景観ということは一応入ってなかったわけですか。そこはどうでしょう。
○中村説明員 海上はございましたが、その海中に関することは従来の基準になかったわけでございます。
○中野(明)分科員 じゃ、今後は、海中公園を指定されるところまできたわけですから、国立公園を指定する基準の中にかなりの評価をして考えられる、そういうふうに理解してよろしいですか。
○中村説明員 法律の改正が行なわれました後におきまして、海中公園地区を設けるにつきましては、当然国立公園、国定公園という従来の指定地区につきまして、新たに検討を加えまして、適正な措置がいたされるようにいたしたいと思っております。
○中野(明)分科員 私のほうからお尋ねしたいことは以上二点でございましたが、いまの御答弁にもありましたように、せっかくの指定でございますので、海中公園の指定後における国の応援、この点については、ことしだけではございません、当然来年あたりからは本格的になってくると思いますが、ぜひ強力な応援をしていただきたいということと、そして、いま申しましたように、非常に日本の国にとりましても貴重な財産のようにも思いますし、学術的にも大事なものがたくさんあります。同時に、海中の景観というのはすばらしい、人類でいえば未知だと言ってもいいようなものです。将来、この海中公園というものについてはいろいろと考えられているようです。これはもう私から申し上げるまでもなく、よく御承知かと思います。海底の遊歩道あるいは海中水族館、いろいろなことが盛んに計画されているし、技術も進んできたようですから、すばらしいものになると私も思います。そういうことから、わが国の景色を代表するという意味からも、国立公園の昇格その他については——先ほどのお話、では、三十九年から指定が、全然新しいのがないということですが、ぜひ検討事項に入れて、適当なところがあれば昇格ということも考えてもらいたい、このように最後に要望して、終わりたいと思います。
○田中主査 以上で中野明君の質問は終わりました。 次は、後藤俊男君に質問を許します。
○後藤分科員 一番最初に、ちょっと厚生大臣にお尋ねするわけですが、去年の七月ですか、同和対策事業特別措置法が成立いたしまして、四十五年度の予算も一応組まれておるわけです。厚生省としまして、同和対策事業特別措置法の具体化について、四十五年度としてどういうふうなことをお考えになっておるか、その点を初めに御説明いただきたいと思うわけです。
○内田国務大臣 昨年同和対策特別措置法が成立をいたしまして、またそれと相前後して同和対策についての十カ年の長期計画、それを前後五カ年ずつ、大体五カ年で見当をつけて、後期五カ年ではその補正をするということになっておりますことは私も承っておりますので、四十五年度の同和関係の予算につきましては、四十四年度に比べまして相当の予算の計上ができることに相なりまして、国会に提出をいたしておるわけであります。概数を申し上げますと、あとで局長のほうから詳しく申し述べさせますが、大体四十四年度の予算は十八億円前後であったと思いますが、それに十億円余りのせまして、四十五年度においては二十九億円余りの事業費助成予算になっておるはずでございます。また、それとは別に、簡易水道等につきましては、簡易水道としての別ワクから必要に応じ優先的に助成支出をいたすことになっておりますので、それらもあわせて考えてみますと、この法律の趣旨は生かされて、四十五年度の予算の上に実現してまいっておると考えるものでございます。
○伊部政府委員 ただいま大臣から御説明がございましたように、明年度におきましては対前年比一五六・六%の増額をいたしまして、新たに屠畜場施設整備費、同和地区保健相談指導費、トラホーム予防費等を設け、さらに起債の面におきましても七十億の起債を予定いたしておるのでございます。
○後藤分科員 そこで、大臣にもう一つお尋ねするのですが、実はこの同和対策事業特別措置法の——各県の実情なりあるいはその他いろいろな問題につきましては、昭和四十二年に調査が終わっておると思うわけです。ところが、その昭和四十二年の調査の際に、調査の報告をしなかった県もあると思うのです。それと、もう一つは、昭和四十二年の調査そのものが、十カ年計画の基礎にするという調査ではなかったと思うわけなんです。四十五年度の予算そのものは十カ年計画の、四十二年の調査を基礎にした四十五年度の予算であるという説明だろうと思うのですがね。そういうことになってまいりますと、たとえば報告を出さなかった県もあり、あるいはその方法は、十カ年計画の基礎にしようという調査ではなかったと思うのです。これらを考えると、四十五年度の予算そのものは、いままでの予算よりかは、大臣が言われましたように、現在までの予算に対してある程度膨張さした形で予算が組まれておるような気がするわけなんです。でありますから、同和対策事業特別措置法十カ年計画の予算をつくる場合には、四十二年の調査だけにたよるのではなしに、根本的にもう一ぺん各省とも調査をし直す必要があるのじゃないかと思うのです。そうしないと、具体的問題その他につきますところの予算等もいいものが出てこない、こういうふうに考えるのですが、その点いかがでしょうか。
○伊部政府委員 昭和四十二年に同対協におきまして実態調査を実施いたしたのでございますが、今後予算の具体的な執行面におきましていろいろ補正を要するものがあれば補正をしてまいりたい、かように考えておるのでございまして、さしあたって再度実態調査をすることは考えていないのでございますけれども、長期計画におきましては、後期五カ年計画の段階で前期五カ年計画の実施状況に検討を加えるということになっておりますので、その時点におきまして総合的に判断いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○後藤分科員 いま言われましたように、前期の五カ年やったところで調査をして、さらにあとの五カ年間でまたやるのだ。そうすると、いまあなたが言われましたように、四十二年度の調査というのは十カ年計画の基礎にしようという調査ではなかったと思うのです。いわば非常に粗漏な調査ではなかったかと私は思うのです。県によっては報告を出しておらぬ県も五つも六つもある。そうなってまいりますと、昭和四十五年度の予算そのものを組む場合に、一体何を基礎にして組まれたかということが問題になると思うのです。その点いかがですか。
○伊部政府委員 昭和四十二年の調査は同対協が関係者とも相談をして調査をいたしたものでございまして、その時点におきまして適正な調査である、かように考えておる次第でございます。
○後藤分科員 これは適正な調査である、その時点においては。しかし私が言いましたように、十カ年計画の基礎にする調査だということではなかったと思うのです。ただその時点の調査を基礎にして——基礎というとおかしいが、それをもとにしてやられたのだろうと思いますが、でき得るのなら、これだけ長い間かかって成立しました同和対策事業特別措置法でございますので、もう一ペん各省とも実情を調査をして、その上に立って妥当な予算を組んでいくということが間違いのない行き方ではないかと私は考えるわけです。その点は今後の問題としてひとつ考えておいていただくようにお願いしたいと思うわけです。 それからさらにその具体化の問題で、先ほど大臣も言われましたように、昭和四十五年度には隣保館の問題から上水道、簡易水道の問題、いろいろあるわけですが、予算単価と実行単価の問題ですね。これは厚生省関係ではかなり建築関係もあると思うのです。そうなってまいりますと、昨年の七月に同和対策事業特別措置法が成立をいたしまして、さらにこれは珍しく念を入れて、これに対する確認事項というのもあるわけです。そうしますと、その確認事項によりますと——予算単価と実行車価との違いで地方の自治体は予算的に非常に負担が大きくなる。ですから、この確認されたときには、予算単価と実行単価とをそういう負担をかけないようにやりますからひとつ御安心くださいということを大蔵大臣が言っておられるわけなんですがね。ことしの二月までの調査によりますと、九十六億七千七百万円のうち国のほうが二十五億で、あとは地方自治体のしわ寄せのような形になっておるわけです。これというのは、その中身の一番大きいのは予算単価と実行単価との違いだと思うのですがね。それは措置法ができる前にかなり心配があって、確認事項として予算単価と実行単価とは食い違わせないように、そういう影響を与えないようにしますから御心配くださるなというのが大蔵大臣の答弁でしたのですが、これからの問題として厚生省としては、いま言ったような方向で大蔵大臣の確認どおり実行していただけるかどうか、この点をひとつ承りたいと思います。
○伊部政府委員 補助単価を実施単価にするということは、さきの国会におきまして同和対策事業特別措置法の審議過程におきまして、実態に即するように措置する旨の政府の見解が明らかにされておるところでございまして、厚生省といたしましてもこの趣旨に沿って最善の努力をいたす覚悟でございます。
○後藤分科員 そうしますと、最善の努力をされるということは、確認どおり実行をしていただけるということですか。これは地方自治体に非常に影響が大きいわけなんです。先ほども言いましたように、二月までで九十何億のうち約七十億ぐらいは地方自治体へ影響さしておるわけなんです。この中の一番ウエートの大きいのは何かというと、予算単価と実行単価の関係なんですね。ですから確認どおりさえやってもらえるなら、これはかなり減ってくると思うわけなんです。だからあなたが言われるように努力するということは、あの措置法ができましたあとではっきりと確認されたその確認どおりに実行をいたします、そういうことなのかどうかという点をお聞きしたいのです。
○伊部政府委員 御趣旨に沿いまして最大限の努力をするという趣旨でございます。
○後藤分科員 いまの問題は地方自治体といたしましてもかなり大きい問題になっておりますし、部落の大会等でもこれが一つの大きい問題になっておりますから、いま言った方向で全力を尽くしていただく、それだけはひとつお願いいたしたいと思います。 その次には、厚生省の四十五年度の同和対策事業特別措置法の中におけるいろいろな方針等があるわけでございますけれども、その中で特にに福祉関係につきましては気を使っておられると思うわけなんです。この福祉関係について具体的にはどのようなことをお考えになっておるかお聞かせいただきたいと思います。
○内田国務大臣 私が大臣として承知をいたしておりますところによりましても、たとえば隣保館という一種の公民館のようなものでありますとか、あるいは共同ぶろでありますとかあるいは共同井戸でありますとか、あるいはまたその地域における道路法上の道路に乗らないような、厚生省が助成金を出すような同和地区内の地区道路、そういうものにできるだけ助成をいたして整備をしていただくように計画をいたしております。そのほか、簡易水道につきましては先ほど申したお金の以外でやる、こういうようなことが主でございます。
○後藤分科員 いま大臣言われましたのはわかったわけですが、たとえば社会保険関係では何かあるでしょうか。
○梅本政府委員 特別に考えておりません。
○後藤分科員 そこで、今度の国会におきまして日雇健康保険の問題が出ておるわけでございますが、その中の擬制適用の問題ですね。実はこの同盟関係の地域を回りましての集会等におきましても、あるいは一部におきましては、この擬制適用の問題等で紛争を起こしておる県もあるようにも私聞いておるわけでございますけれども、この擬制適用の問題につきまして、ぜひひとつ部落解放同盟のほうにも何とか御配慮願えぬだろうか。これは非常に強い要請なんです。しかしながら、現在厚生省の方針としましては、この擬制適用についてはなるべくしぼっていこうと、少なくしていこう、これらの方針につきまして、私も十分知っておるわけでございますけれども、特に先ほど話をいたしましたように、去年の七月に待望の同和対策事業特別措置法、これらも日の目を拝むことになっておりますので、それらの関係も十分考えていただいて、部落解放同盟における擬制適用の問題についても、ぜひひとつ前向きに遠からず実行に移せるような方向へ大臣の御配慮をいただけぬものだろうかというふうに考えておるわけでございますけれども、この点いかがでしょうか。
○高木政府委員 日雇い健康保険は、現在財政的に破局的状態にございまして、いまのままでいきますと、昭和四十五年、来年の末には累積赤字が千百四十二億円にも達するだろう。この、被保険者数が百万程度の保険で一千億をこえる累積赤字を持つということは、これはきわめてゆゆしいことでございまして、私どもは日雇い健保制度自体の存廃が問われているという危機感を持っております。そういう状況でございますので、これ以上赤字をふやすような要因は一切とめたいというのが私どもの考えでございまして、四十三年の三月以降擬適組合の新規設立は厳に禁止いたしております。したがいまして、そういった点から、いまのような制度自体の存廃をむしろ問われているというような事態でございますので、私どもとしては現在の方針を堅持してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○後藤分科員 そうしますと、擬制適用の問題については全日自労の問題とか、その他いろいろ各団体があるわけなんです。そういう中において、部落解放同盟との関連は、仕事の関係その他の関係でもこれはいろいろあると思うのですけれども、いまあなたが言われましたように、方針は方針として、私もあなたに聞くまでもなく、大綱、方針というのは私もはっきり知っておるわけなんです。しかしそこで赤字がふえるから、赤字がふえるからということもさることながら、もう一つの大きい理由としては、何べんも言いますけれども、同和対策事業特別措置法という法律ができた。これはもう厳然たる一つの理由だと私思うわけなんです。それらの点を考えていただくならば、この擬制適用につきましても、ここでひとつ考え直していただく必要があるんじゃないか。それと同時に、いままで擬制適用を受けておる団体は、新しい団体については認めぬけれども、いままでできておる団体においては新加入は認めておるわけなんです。そうなってまいりますと、特別法がこちらにできておる。これは全然認めませんよ。あるいはこれからの新設の団体も認めません。ところが既設の団体につきましては新加入も認めましょう。こういうことになってまいりますと、その辺の問題がやはりあとに残ると私は思うわけなんです。だから、厚生省としての方針というのはいまあなたがおっしゃった方針だろうと私は思いますけれども、こういう措置法ができた以上は、ここでもう一ぺん皆さんに考え直していただく。この点については実行できるような方向へひとつ検討してみたい。これくらいなところまで踏み切っていただかぬと、せっかく同和対策事業特別措置法ができまして、大臣の話じゃないが、下水道からいろいろな設備等もできるのですから、いま言いました私の方面のほうも少しは気を使っていただいて、いま言ったような方向へひとつ進めていただきたい。これは重ねてお尋ねするわけなんです。
○内田国務大臣 私は厚生大臣といたしまして、日雇い健保の中における擬制適用組合というものにつきましては、正直に申しまして制度の実態からいささか抵抗を感ずることなしといたしません。この点につきましては後藤先生いまお認めのとおりでございます。あなたがおっしゃいますように、せっかく同和対策特別措置法というものができ、またそのための審議会というものがりっぱな答申を政府になさっておられるのでありますから、私は、すべて元も子もなくなって、日雇い健保という制度が崩壊してしまったのではどうもこうもいたせませんので、今度のこれの改正が成立しました暁におきましては、その措置法の趣旨、審議会の答申の趣旨をも考えまして、でき得る限りの検討をいたすべきだと思います。
○後藤分科員 いま大臣の言われました方向でぜひひとつ、今度の国会で通過すれば直ちに擬制適用の問題についても前向きで検討をしていただく、そういうことでぜひお願いいたします。 それでは終わります。
○田中主査 それでは以上をもちまして後藤君の質問を終わります。 次は、相沢武彦君。
○相沢分科員 現在全国的に医師の不足、看護婦の不足の問題が大きく取り上げられておりますが、最近特にその傾向は産炭地の炭鉱病院に顕著にあらわれております。北海道の場合は、大都市を除いて全道的に医療機関の体制というものは全国水準に比べて非常に低いわけなんですが、特にこの道内の炭鉱地帯の医療体制を見てみますと、道内最大の炭鉱都市である夕張におきましても、こういう現状になっております。ここは市立医院がなくて、市民は炭鉱病院と開業医にほとんど医療を依存しているわけでありますが、人口に対する医師の充足率は人口千に対して〇・七人、これは全道二十九都市平均の充足率一・二人に比べてきわめて低いわけでございます。夕張の炭鉱病院の場合は内科で最低六人は必要だ、こういう現状にありながら、現在二名しか内科の医者はおりません。しかもかなり老齢の院長さんが一日に七十人から百人の診療をみずからこなしている。これは非常に過酷な医療労働だと思うわけです。開業医も二十カ所ありますけれども、これだけ合わせても市民全体の医療体制としては不足だ、こういう現状でありますが、北海道における国立病院の数と医師数、それからそういう医師不足に対して供給体制は一体どうなっているのか、まずその点からお聞きしたいと思います。
○内田国務大臣 医師不足の問題は、これは大都会とかあるいは中都市を除きまして、御指摘のようにその配置が非常に不均衡になっておりますことは、私どもも遺憾に存じております。そこで厚生省といたしましては、僻地あるいは離島などもそうでございますが、医療対策といたしまして僻地診療所の設置などもやっておりますけれども、しかし施設ができましても中にいらっしゃる医者が確保できないというようなことで、僻地診療所の設立にあわせまして、回診車と申しますか、医者と看護婦を乗せて、そして到達し得る僻地の範囲は巡回診療をしてまいること、並びに僻地に患者が発生した場合にはその患者を輸送する患者輸送車、そういうものの設置を助成いたしまして急場をしのいでいるというような状況でございます。ことばは適当でございませんが……。もちろん医師全体の配置適正化なり養成につきましては今後とも十分恒久対策としてつとめてまいる所存でございます。 なお、北海道の事情につきましては私のところにいま資料がございますが、国立病院等の医師の充足状況だけを見ましても、国立病院の四施設について、医師の定員に対して常勤医師において、これは四十四年十二月一日の状況でございますが、九五・八%の充足率であって、不足分は非常勤の医師をお願いをして補っている、こういうようなことで現在の診療所の支障をようやく回避をしておる、こういう状況だそうでございます。また国立療養所十三施設もございますが、常勤医師が八三%の充足率しか得られないので、極力その充足につとめているというような状況でございます。ことに御指摘の産炭地等の炭鉱病院で、医師の不足のために病棟があいているというような点についてはまことに遺憾なことでありまして、至急にさらにその調査を行なって、医師不足のために必要な患者の入院に支障を来たしているということがありますならば、当面もよりの公的病院かち医師の応援等の措置を講ずるように指導してまいりたい、こういう次第でございます。
○相沢分科員 政府もお考えになっていると思うのですが、まだまだ医師の供給体制は消極的な態度であるというふうに感ずるわけなんで、特に北海道の場合は地域が広大でございますので、一〇〇%充足しても要望のあるところへ出向いていくということは、時間的な問題を考えますとなかなか頼んでも回ってきてもらえないという点があるわけですね。美唄炭鉱の場合、いまも大臣おっしゃいましたようにここは病棟があいているわけなんですね。医療法からいきますと六、七人は医師が必要なところを現在四人しかいないということで、緊急な場合は北大から応援してもらうという約束になっているんですけれども、実際には間に合わない。忙しくて来てもらえないという現状で、まあ医者が不足、いい医者がいないということで、だんだん人気もなくなってしまって炭鉱病院は病棟があいてしまう。一方市立病院のほうは病棟が不足。増設希望が出ているが、なかなか医師が配置できない。美唄炭山の場合は一番奥地の二の沢というところから市内まで出るには約八キロくらいあるわけなんです。特に冬期問ここは積雪の深いところでございますから、市内に出るには地域の住民は非常に不便を感ずるわけで、結局派遣医師の養成ということが急務になっているわけですが、昨年度と比べて本年度、派遣医師の養成という点について一歩前進あるいは二歩前進したような対策がとられていましたら具体案をお聞かせいただきたいと思います。
○松尾政府委員 炭鉱病院というような問題ではございませんで、一般的に僻地に医者を送るという問題でございます。特に診療所等を御承知のようにつくっておりましても、医者がおりませんために十分な運営ができない。それかと申しまして、現実にはそこに固定した医者を確保するということがまたなかなかむずかしいという問題がございますので、いわゆる親元病院というものをつくりまして、大体国立あるいはその他の公的の医療機関がその親元になりまして、そこからその僻地の診療所に必ず人を出す、そういうことについて従来もやってまいりましたが、そういうことによりまして、その親元病院自身がやはりいま御指摘のようにいろいろ苦しい状態でございます。たとえば診療業務に支障を来たす、そういう問題も起こってまいりますので、来年度の予算におきましては、そういう親元病院が僻地に医師を派遣するためにいろいろかかる問題については公費で助成する、こういう道を新規に開いて、一そう僻地と親元の協力体制を強めてまいりたい、こういうようにいたしております。なお、国立病院等につきましても非常勤の定員をもっておりまして、僻地専用にそういう振り向けをするということもやっておるわけでございます。
○相沢分科員 いまのお話の助成は来年度ですか、今年度ですか。
○松尾政府委員 四十五年度でございます。
○相沢分科員 赤平の場合も調べたのですが、ここの住友炭鉱病院の場合は一応医師の体制はそろっておるのですが、若干の不足に対しては青年医師連合から二、三カ月間の交代で出向している。ところが二年以上在籍する固定医が非常に少ないという点で非常に病院側の運営上からスムーズさを欠くわけです。これはどこも同じ問題でございますが、医師を確保するためにそれぞれ医療機関は高額の給料等をもって確保しようとつとめるわけですけれども、多少給料が高くてもいわゆる税金の負担が大きくてうまみがないといいますか、そうした点で非常に来手がないというわけですが、ここでは税金という点は別にしまして、いわゆる国立、公立の医師の待遇改善について、いままでに新しい具体案を考えておられるかどうかお伺いしたいと思います。
○松尾政府委員 特に国立関係の医師の給与の場合、人事院調査におきましても民間の勤務医師に比べて約五〇%ほど低い、こういう公務員と非公務員との開きが最も大きいものでございます。したがいまして、毎年大臣みずからも人事院のほうに御折衝いただきまして、とにかくこれをうんと近づけるように非常に努力をしていただいているわけであります。昨年の勧告におきまして、一般の平均が約一〇%程度でございますが、医師につきましては初任給の調整手当その他を含めまして、大体一五%程度上げていただいたわけであります。しかし御指摘のようにまだ差がございまして、そういう面自体からでは十分な格差の縮小になっておらないわけでございます。 ただ、もう一つ私どもは、国立関係につきましては、医師は御承知のように月給さえ高ければいいというばかりでもございませんので、むしろそこで勉強ができるあるいは研究ができる、そういったことに若い人たちが熱意を持つということが多うございますので、研究費あるいは医療器械は新しいものを備える、こういうことにつきましても来年度予算におきましては、たとえば国立病院等におきましても療養所におきましても、従来よりも医療器械等の額もふやし、また新しい特別研究費の項を起こしまして、そういう研究意欲も大いに進めよう、そういういろいろな手を打ちまして、十分勉強しながら残ってもらうということを心しております。
○相沢分科員 上砂川、歌志内の両炭鉱の場合を見てみますと、医師の体制は炭鉱従業員あるいは家族の数に比べてかなり現在ゆとりがあるようです。これは炭鉱従業員の減少等に伴って、医者はそのまま滞在しておるという点からゆとりができたのでしょうけれども、こういった場合、医師不足のところへ回すような手だてを講じられていくようにしてはどうかと思うのです。ですから、厚生省あるいは道がその地域全体の医療体制を総合的に把握してコントロールしていくような機関——あまり強い権限は持ってないとは思うのでありますが、そういった総合的な医療体制を組んでいく指導的な機関といいますか、調整機関みたいなものをつくっていくようなお考えがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○松尾政府委員 医師の配分自体につきましてそういう機能を考えるということは、いま御指摘のようになかなかむずかしい内容を持っております。ただ、医療自体がやはり地域的にいろいろなコンビネーションを考えた上で計画すべきだということで、大体そういう方向はわが国で定着をしてきている考え方でございます。そういう医療機関の整備なりあり方なり、そういったことも含めまして、地域自体でのいろいろな検討を持つ、こういう方向が望ましいと存じます。その中でやはりいかなる医療機関が要るのかというようなことが検討されまして、そして特色のあるいろいろな機関の組み合わせというものができれば、もう少し医者のいわば活動につきましても、お互いに協力しながらあまりむだのない重なり合いのない、しかもあまり競合しない、こういうことが期待されるのではないか。これらもっぱらその地域の実情に応じて考えていくべきものであろうと思います。 なお北海道におきましては、ああいう特殊な事情もございますので、私ども聞いておるところでは、関係者がみんな集まりまして、北海道における地域的な医療問題ということについて相当熱心な、また具体的ないろいろな計画を立てているように聞いております。私ども、やはりそういうものをベースにいたしまして、いまのようなことで調整をはかるように将来つとめたいと考えております。
○相沢分科員 次に、救急医療体制についてお尋ねしたいのですが、交通事故者の激増につれて救急医療体制を完備するということは非常な急務になっているわけでございますが、公立病院のうち救急指定病院に指定されているのは何カ所あるか、最初にお伺いしたいと思います。
○松尾政府委員 現在、いわゆる告示病院というものが四千二百八十四カ所、診療所も含めてございます。いわゆる問題になります国及び公的な病院、診療所というものがその中で七百八カ所、これは大部分病院でございます。診療所は八カ所しかございませんから、全部が病院と申し上げていいかと思います。そういう状況でございまして、なお国立病院についてだけ申し上げれば、八十三カ所が告示病院になっております。国立病院全体が九十四カ所ございますから、温泉病院でございますとか特殊なもの以外は大部分告示病院になっている、こういうふうに考えてよろしいと思います。
○相沢分科員 救急指定病院は医療機関の申請によって指定されると聞いておりますが、今後この救急指定病院の増加ということを考えました場合に、私立の病院が救急指定病院にふえていくよりは、いわゆる国立、公的な医療機関にそういった救急受療の機械あるいは医師等の完備を行なって、国立、公立医療機関において救急指定病院が増加していくことが望ましい、私はこのように考えます。なぜかといいますと、どうしても私立病院の場合は、ともすると営業第一といいますか、過剰受療されるということがよく聞かれるわけなんです。そんなにかかるはずがない受療なんだけれども、請求書を見てびっくりした。自分の友だちが国立、公立の救急指定病院にかかった場合と比べてみて、症状はそんなに違わないのに受療費は相当な開きがある。これはやられたなという声がありまして、痛ましい事故にあい、さらにそういった受療費の負担で苦しまなければならないということは非常に気の毒なわけでありまして、最小の負担で最大の効果があがる受療を国民に与えるという責任の上から考えまして、将来、もっとどんどん救急指定病院に指定できるようないわゆる財源の補助あるいは医師の養成ということを考えていく御意思があるのかないのか、そのことをお聞きしたいと思います。
○松尾政府委員 救急医療の問題につきましては御承知のとおりでございますが、事故が起こりましたとき、なるべく早い段階で一番近いところでまず初療、ファーストエードといわれるものが行なわれ、そこの判断によって直ちに別の治療ができるところへ連れていくということが普通考えられる典型的な形でございます。そういう意味におきましては、一応ファーストエードをやりますような医療機関の網の目というものはなるべく広いほうがいいというふうに考えられまして、この場合にはいわゆる診療所等も含めました広い意味の網の目をかぶせるというのが第一の考え方でございます。しかしながら、同時に、特に頭部の外傷でございますとか相当高度の外傷でございます場合には、とうていそういうところでは扱えない場合が多いわけでございます。したがって、そういう高度の診療機能を持ったスタッフもおるようなところを私のほうではいわゆる救急医療センターという形で、いまの告示病院の中からさらにそういうものを抜き出しまして、高度な機能を持たせよう。この場合には大体人口百万人に一カ所というようなところをめどにいたしまして、すでに年次計画で進めてまいっております。もちろん、この対象になりますのは、いま御指摘になりましたような公的な機関でございまして、その公的な機関に対しましてそれぞれの設備等を充実するための補助金等も出してまいっております。大体四十五年度で、一応予定どおりまいりますれば、全体百十一カ所という計画の中で百二カ所程度までは完成するというめどでございますので、そういうことによりまして、救急センターを公的な機関で十分整備をする、こういうことを従来方針とし、続けてまいっておるわけでございます。 なお、ただいま御指摘のように、そういう設備をつくりましても、それを担当する医者が十分訓練されていないということがあれば、痛ましい事故でございますので、脳神経外科学会等にも委託をいたしまして、毎年特定の人間について特別の訓練を実施をいたしております。また、そういう脳外科系統の方と一緒になってやるべき麻酔の専門家、この養成も同時に必要でございますので、このほうもまた学会に委託いたしまして、いわばそうした高度のエキスパートの訓練ということを毎年計画的に進めておる、こういうわけでございます。
○相沢分科員 今年度の救急医療対策予算を見ますと、三千七百万円余を増加しておるわけでございますが、救急医療施設医師研修費を見圧すとわずか百万しかふえておりませんし、特に脳外科医の研修費では前年と同じく三十人分しか認められていないわけでございますが、この分野の専門医はもっと非常に必要である、こういう声も高まっているおりから、今年度の予算にはもっと脳外科医の研修についての予算はとるべきではなかったかと思いますが、この点はどういった事情だったのでしょうか。
○松尾政府委員 私どもも、全く、そういうような御疑問がいただけるものだと存じておりましたが、できるだけ早くふやしたい、こういう希望がございますが、実はいろいろと学会等と相談をいたしましてやりますと、相当の専門家がついて、そこでそういうケースにぶつかっていながら訓練をするという単なる講義だけの訓練ではございませんもんですから、いわば受け入れ体制のほうにまだ余裕がございません。そういうことでやむを得ず三十名にとどめておりますが、だんだんに、来年度等におきましては大学にまたそういう講座も新設される予定でございます。また、大学の付属研究所のほうにおきましても、そういう問題も新しくふえる、こういう計画で文部省も進めていただいておりますが、そういう拡大によりまして私どもも漸次そのワクは広げたいと思っておるわけでございます。現在はもうとにかくこれだけしかできないというような限度があるようでございますので、やむを得ずとどまっておるような事情でございます。
○相沢分科員 いまお話のありました救急医療センターですね、事故が発生して、円滑に運ばないと死亡率がふえるということで、その点は非常に問題になるわけです。これは消防庁の関係になってくると思うのですけれども、いわゆる救急指定病院がどこにあるのかわからない。事故が発生したときに一番手近な病院はどこかということがわかり、また運び込んでもすぐ治療体制ができているかどうかということが総合的にわかる救急受療指令センターというものを、これは大阪でつくっているわけですけれども、もっとこの点について、消防法に基づいて行なわれているというのですが、強化して、人口百万の都市、あるいはできればもう一段階下げまして、人口五十万以上の都市にはこのいわゆる救急受療指令センターというものを設けるように、もっともっとこれを強化したらどうか、こう思うのです。それは、一つは、負傷者を運び込んでも専門医がいなかったりベッドがあいていないということで、ずいぶんたらい回しされて、ようやくかつぎ込んだ場合に患者の容態がもう悪化してしまった、またあるいは不幸になくなられたという例もずいぶんあるようですし、また私立の病院が盆暮れに、いわゆるタクシー会社につけ届けをしておいて、患者を回してくれというような、事前に依頼されておりますと、せっかく手近に指定病院があっても素通りして、依頼された病院へ持っていってしまうということが実際に行なわれておるようでございます。そういった点をもう少しチェックする機関、あるいは改善していかなければいかぬのじゃないかと思うのですが、その点について消防庁においてはどのような対策をしておられますか。
○中沖説明員 先生の御意見のとおりだと思います。消防庁といたしましては、そうした趣旨にかんがみまして、昭和四十三年度から救急指令装置と申しておりますが、これにつきまして補助金の交付をいたしております。四十三年度は一千万円、四十四年度は約一千四百万円でございます。四十五年度は約一千七百万円が今回の予算案に計上されております。御指摘のように、病院と救急車をつなぎまして、病院につきましては患者のたらい回しをなくし、救急医療車につきましては患者の迅速、適切な収容処置が行なわれるというための機能を有する措置でございますので、私ども今後とも大いにこの救急指令装置が都市に設置されるように、一そう努力してまいりたいというふうに考えております。現在は大体人員二十万以上の中都市に補助金の交付をいたしております。
○相沢分科員 補助金は三十万以上の都市に支給されておりますけれども、実際にこの装置があって活動されておるわけですか。
○中沖説明員 救急指令装置は百万以上の都市には、A級と申しますか、大体基準額一千五十万程度のものが交付されております。それから人口三十万以上の中都市につきましては、基準額四百五十万程度のB級の救急指令装置が交付されております。いずれも非常に効率的に使用されております。御承知のように、昨年の統計では、救急出場件数が年間約六十万件ということでございますので、非常に効率的に使われております。
○相沢分科員 最後の質問ですが、年々高速道路も拡大されていくと思うので、高速道路における救急業務、これは建設省と道路公団のほうになってくると思うのですが、今次改正されますと、高速道路における救急業務は道路公団に渡していく、こういうお話でございますが、私が道路公団に確認してみましたところ、体制としては救急のための通信設備、鉄道、また次の段階としては救急車の配置ぐらいまで考えていく、こういうお話なんですが、私はもっと進めて、インターチェンジの中から主要なところを選んで、インターチェンジのあき地に応急処置のできる救急診療所ぐらいは将来設けるべきだ、こういう考えを持っています。というのは、事故を起こしてかなり長距離を運ばなければならない場合に、特に頭部外傷の場合には動かせば動かすほど死亡率がふえるわけですから、なるべく手近に応急処置ができるような診療所が必要であろう、また高速道路近辺の市街地で救急指定病院を持っていないところもかなりあります。そういうところの場合は、高速道路に乗り入れれば、非常に短距離、短時間で応急処置の診療所まで連れていくことができる、こういう一石二鳥が考えられるのではないかと思うのですが、もし将来建設省あたりでこういうのを行政指導した場合に——それには医師が問題ですが、対応させるだけの準備をいまから心がけていく意思があるかどうか、お聞きしたいと思います。
○松尾政府委員 高速道路ができましてから、御指摘のように、救急体制というものも新しい観点で見直されておりまして、特に市町村単位におきますような救急業務にいたしましても搬送業務にいたしましても、一たん入りましたらインターチェンジはバックができませんので、次のインターチェンジまで行かなければならぬ、それもはるかに越境した先まで行くというような問題になりますので、そういう観点から見ましても、従来の考え方よりも一歩進んでいるところをいかなければならぬと思います。私どももそういう事情のもとに、現在できておりますようなインターチェンジを中心にいたしまして、どういうところに、救急病院がどれくらいの距離にあるかということは細大漏らさず一応調べたのでございます。しかし中には、近くにあるといたしましても、交通繁華な中を通らなければならぬというようなことで、インターチェンジをおりまして、時間がかかり過ぎるというような事情のあるところもございますので、先ほど申し上げました、今後救急医療センターをつくるという計画の中に、そういう地域につきましては、高速道路のことも考慮しながら実は配置をしてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○相沢分科員 時間もありますから、これで終わります。
○田中主査 それでは相沢君の質問を終わりまして、山中吾郎君、質問を許します。 〔主査退席、古内主査代理着席〕
○山中(吾)分科員 私、酒の害について、一点にしぼって御質問したいと思います。 私は、坊大臣のときから、さらに園田厚生大臣に引き続いて、予算の分科会では酒害問題を繰り返し繰り返し質問をしてきております。現在だんだんとアルコール中毒患者がふえておりまして、家庭が崩壊に瀕している者、あるいは暴力をふるって精神病院に何回か入ってもまた出て失敗を繰り返している者が、地方的には数は違いますけれども、非常に多くなっている。そして数は少なくても一つの村に二、三人おればその村全体の影響は非常に大きいので、アルコール中毒を出さないように、出た者は社会に復帰するように、そういう対策はやはりもう政治の問題として取り上げなければならない、こういう考えで質問し続けてきたわけであります。厚生大臣もよくかわりますし、また予算も非常に少ないので、引き継ぎをされる事項でもなさそうであるから、大臣がかわれば注意を喚起申し上げる意味において、これはどうしても一回は質問しなければならない、そう考えておるわけであります。 それでまず局長にお願いしますが、現在計上されておる酒害に関する予算、ことしはどのくらいになっておりますか。
○村中政府委員 お尋ねのアルコール中毒の対策、四十五年度分でございますが、一つは予防思想啓発宣伝費という形で、三百二十五万円計上しております。それからことし、新年度から地域精神衛生事業、これを、主として過密都市地域における精神障害者、これにあわせまして、アルコール中毒の相談施設、これは相談所でございますが、現在ございます保健所に窓口を設けたい、これが合わせまして約一千四百万、予算の中に計上されております。そのほかにアルコール中毒の研究費という形で、新規に二百万程度を計上しておる。そのほかいつも御指摘の、国立の医療施設のアルコール中毒病床の整備、こういう考え方で、これは特別会計の中で処理いたします。以上でございます。
○山中(吾)分科員 ある程度前進をしたという感じがあるのですが、アルコール中毒相談業務というものも、保健所の中で大体看板でも立てて相談に乗ってやるかどうだか。そういう実態が出るかどうか、これから予算執行の姿を見るしかないと思いますが、私も昔、大いに酒を飲んだものですから、そっ罪滅ぼしにやっておるわけですけれども、先般私のおる盛岡で、酒の害を語る会というのを開いたのですね、私はあまり表面に出ないで。そうすると五十名くらい集まった。そうして、子供がどうもアル中で、なおしたいというおかあさんも来る。あるいはみずからも何とかやめたい、しかし、意思が弱いのでやめられないという者が、そのくらいある。そうして、これは表面に出しますと集まらないのですね。それから、岩手医大の精神病の大家で、自分で取り扱ったアルコール中毒患者の一覧表を見たのですがね。これも世間には出していないのですが、地方の名望家なんです。そっとやめようと思って、医大の病院ですが、精神科に三月くらい入って、家へ帰っているのだが、また飲んでる。そういうのが表面に出ないままにあるのです。その人々を見ますと、非常に資質が優秀でして、素質の優秀な者です。学校その他を見ましても、それから非常に育ちもいい者が多いのであって、そういう意味において、非常にアルコール中毒にかかっておる者が自分の能力をそのために発揮できない、人に迷惑をかける、家庭に非常に不和を起こし、中には奥さんにも逃げていかれるというのがあるので、このアルコール中毒の患者を矯正する施設を、やはりもっと積極的に取り上げるべきであるということを主張してきたのます。国立アルコール中毒患者の矯正院、医学的に直す矯正院を置いたらどうかということを主張してきたのですが、それがまだ実現はしていないのですけれども、いままでこの予算分科会で私が質問したので、ようやくいまの宣伝費の三百万そこそこのものが出た。それから今度は相談事業に若干出てきたという、牛の歩みのごとく徐々に出ておるのが実態でありますが、今度は新しい厚生大臣は何か一つ前進をして、厚生大臣在職中に一歩でも二歩でも前進させる努力をしてもらいたい、これが私の質問の実は趣旨なんです。 そこで、ひとつ端的に申し上げますけれども、長い歴史を持っておる全国禁酒同盟があります。会長は片山哲きんですが、これも昔はキリスト教的な精神を持った人が中心にできまして、結局禁酒というふうなことが一つの宗教的な信念として出たと思うのですが、いまはそういうなにはなくなって、あらゆる人々が入って、一つの社会教育団体的なものになっておるんです。その禁酒同盟が、民間の篤志家によって土地を提供されて、アルコール中毒で自分もなおしたいというので、そういうものがアルコール中毒をなくする一つの施設として、地元の寄付を受けて、八丈島に更生センターをつくっているわけですね、民間の力で更生センターを。私は、さらにこれを、最近また篤志家から寄付を受けて、もう少し整備をして改造しようとしておる動きがあるのを聞いております。八丈島にあるこういうものに力をかしてやる、厚生省において若干の助成をするとか、せめてそこに一歩前進されたらどうかと思うのですが、これはいかがですかね。
○村中政府委員 幾つかの酒害あるいは断酒、禁酒の団体があるわけでございまして、私どもも過去においてそういう団体を育成強化という前提で、いまの山中委員の御指摘の何かそういう施設に対する助成をしたいと考えた時期もあったのでございます。が、なかなか団体のほうの実態などにつきまして、非常に私どもで踏み切れないという事情もあって、実現しないで今日に至っておるのであります。最近もまた団体のほうから、いまの御指摘のような矯正施設と申しますか、更生施設と申しますか、そういったものについての話を伺っておりますが、これは何ぶんにもまだ日が浅うございまして、今後もう少し検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
○山中(吾)分科員 禁酒同盟は信用できるのですね。いろいろありましてね、それはここでは一々申しませんが、私はよくわかっておるので……。八丈島の施設というのは、これはまじめである。そこで一人現地を視察に出してもらって、ひとつ現地を見てもらって、それで厚生省で自信を持ったときに協力されていいと思うのですが、とにかくそういう専門の矯正施設ですね、精神病院ではなくて——現在は精神病院に入れておるわけですが、そういうのでなくて、これに、ある程度の施設に援助されるということが私は現実的であると思うのです。そこで、とにかく実態を見られるということが大事だと思うので、ひとつ見られることだけ約束してもらいたい。大臣、いかがですか。
○内田国務大臣 山中先生が酒害防止あるいはアルコール中毒者の矯正についてたいへん御熱心であることは、厚生省の中でも非常に敬意を払っておりまして、前の大臣から引き継ぎもなかったろうがというお話でございますが、ここにこの問題についての先生の発言集が私のところにも出されております。昭和四十二年以来の先生の発言集、またこれに対する大臣の答弁の要領も載っておりまして、厚生省ではさようにこの問題について関心を払っておるところでございます。私は実はたいへんうかつな話で申しわけございませんが、このアルコール中毒者あるいは酒におぼれる人々は、昔と違ってたいへん少なくなってきているような、そんな感覚を持っておりましたけれども、この問題実は先生によって年々非常に熱心に提唱されておることを承りまして、私の考えが違っておったことをここに思い直すものでございます。 なお、八丈島の断酒療養所の件でございますが、厚生省の資料によりますと、三十七年に開設されたが、運営がむずかしく数年で閉鎖されてしまっている。最近日本対アルコール協会という任意団体が禁酒同盟のこの八丈島の土地を譲り受けて矯正施設を建設する計画があるやに聞いておる、こういうようなことでございまして、したがって、現在はこの施設は閉鎖されたままになっておるのではないかと思います。八丈島にこういう施設を見に行くというようなことのお約束は、私はそんなむずかしいことでもございませんので、いま私が申し述べましたこのことについても、さらに先生ともお打ち合わせをして確かめまして、施設が動いているような状況がありますならば、だれか調査に出すようにいたしたいと思います。
○山中(吾)分科員 対アルコール協会というのは、禁酒同盟の会長の片山哲先生が、いままでのままでおればキリスト教信者ばかりの団体のように思われるから、それではいけない、もっと広く社会的に、現在酔っぱらい運転もあるから、そういうことにしなければいかぬので、広くしなさいという片山さんの御指示によって対アルコール協会をつくった、私はそう聞いておって、これは健全なんだ。いま一つほかにあるわけですが、それは私も実態がわかったものだから、これは批判的で、何とかせなゃならぬとここで言ってもいいと思いますが、自分もよく研究しておるのですが、それは厚生省でもよくお調べになって、実態を見ながら、これは助力を加えるに値するというお考えがあれば、ぜひひとつしていただきたい。いつも私申し上げるのですが、どうしてもこの思想というものが日本の思想に生まれてこないので遺憾に思うのですが、酒の税金が五千億から六千億国が徴収するのであるから、アルコール中毒にかかった者は、何十年酒を飲んで、税金を飲んでおるのだから、千分の一を還元しても、五千億に対しては五億だ。国民から取った酒の税金を千分の一返還すれば、五億ぐらいの施設ならば、全国で、重症患者で自分が郷里から離れて、だれも知ないところでなおしたいと思う者は千名、二千名あるわけですから、それはできるのじゃないかということを言うのですけれども、この酒税の返還思想というか還元思想はなかなか育たない。そういうことも含んで、ぜひ一歩でも二歩でも前進をしてもらいたいと思うのです。 最近、岩手医大の精神病の大家といろいろ話をしましたんですが、精神科の中に入ってもなおらないというのです、自分の経験では。自分の長い治療関係を調べて、ずっとある名簿を調べてみると、元村長をした者もありますし、元教育委員長をした者もある。それはぼくは知らない。そっとして帰っているんですが、やはりなおっていない、なおらないというんですね。それは、一つの集団で激励し合う、アルコール中毒患者は孤独ですから、ああいう精神病院に入っているときだけは飲まない。出ると直ちにやる。したがって、激励して、そういう体験を通じて成功した者とか、何かの集団の中でないと抵抗力は出ないのだということを、精神病として取り扱った人々の体験なので、やはりこういう施設がないと社会復帰はできないだろう。できればずいぶんと社会のために尽くせる能力を持っておる者が非常に多いわけです。それを申し上げているわけであります。 私は、実際を見なければならぬと思いまして、東京都内におけるそういうアルコール患者を集団の中に入れて矯正する断酒友の会の会場に行って、黙って傍聴したこともあるし、それから日曜日になると一アルコール相談室を開設しておる対アルコール協会の——これは大久保にありますが、そこへ私一日行って見ていたのです。そうすると、おかあさんのような人が来て、主人はもうどうにもならないという相談に来るし、むすこのために来ているのをこう見ていますと、そういう相談活動がないとこれは矯正できない。ことに最近アルコール分のきついウイスキーその他の自由化問題が出ておる。ヨーロッパあたりにおいてはアル中が非常に多い。奥さんも非常に多いわけですが、アルコール分の多いウイスキーその他を飲んでおるヨーロッパに多くて、わりあいにアルコール分の少ない日本酒ですから、日本には少ない。そのかわり、潜在アルコール患者はある、家庭でも困る程度に。そういう自由化というものを考えて、現在の風潮を考えると、いまのうちに手を打たないと、私はヨーロッパ水準並みのアル中患者が相当日本にも生まれてくるのではないかということを心配するわけでありますから、一歩早目にそういう対策をお立て願いたい、こういうことであります。その辺をひとつ御検討願って、なお、団体についての信用できるできない等について、私も大体わかっていますから、局長、課長とも忌憚なくお話をしますので、大臣の、この政策を一歩進めることについてだけはひとつ積極的に御検討願いたいと思います。その辺もう一度大臣のお答えを聞いて、私はこれだけで質問を終わります。
○内田国務大臣 正直のところ、山中委員の御所論を聞きまして私も認識を新たにいたしました。できる限り私も前向きで努力をいたしてまいる所存でございます。
○山中(吾)分科員 それでは終わります。
○古内主査代理 次は山口鶴男君。 〔古内主査代理退席、主査着席〕
○山口(鶴)分科員 私は、全国に約九千名おります、私立の施設もありますから約一万人弱ということになりますが、全国に一万人弱おられますハンセン氏病患者、いわゆるらい病患者の方々の問題につきまして二、三お尋ねをいたしたいと思います。 お尋ねをする前にまず申し上げたいのですが、実は、去る四十二年の総選挙が終わりましたあと、全国に十一のハンセン氏病の国立療養所がございますが、その国立療養所所在の衆参両院の国会議員、これらの方々を結集をいたしまして、ハンセン氏病議員懇談会というのをつくりました。もちろん自民、社会、公明、民社各党の国会議員それぞれお入りをいただいております。そうして、今度の総選挙が終わりましてからはまだ新しい組織をつくっておりませんが、前回の選挙後つくりました際には、自民党の亀山孝一先生、それから小渕恵三先生、それから社会党では、今度不幸にして落選はいたしましたが、柴田健治先生並びに私、これらの者が世話人になりまして、いわば全国民の中でも最も不幸な立場に立っておられますハンセン氏病患者の方々のために、少しでも予算獲得に努力しようではないかということでつとめてまいった次第でございます。したがいまして、私も社会党という立場もございますけれども、あわせましてこのハンセン氏病議員懇談会の世話人といたしまして、この問題について一、二お尋ねしたいということをまずもって申し上げておきたいと思います。 ハンセン氏病と申しますと、昔から何か、光明皇后以来ですか、いわばお上のお慈悲でもって何とかすると、こういうような考え方がずっと続いておったんじゃないか。ごく最近に至っても、まだそういう考え方は完全に払拭されていないんじゃないか、こう思います。しかし、私はやはり、このハンセン氏病患者の方々のことを考えた場合に、らい予防法という法律で、強制的に、いわばハンセン氏病を蔓延させないために、患者の方々を公権力をもって一定の療養所に収容するということをいたしておるわけであります。したがいまして、最愛の家族とも別れて、一人さびしく国立療養所に入所したという方がおられるわけですね。したがいまして、これらの方々の人権という立場に立ちますならば、やはり憲法二十五条の、健康にして文化的な生活を営む権利を国民は有する、こういう観点から、いわばお慈悲でもってやるということではなくて、これらの方々の人権を尊重する、こういう立場で、私は、ハンセン氏病対策に取り組むべきではないか、そのように思うわけでありますが、まず、大臣としての御所見を承っておきたいと思います。
○内田国務大臣 御所論を承りましたが、実は、私のところにも、いまお話の中にはございませんでしたが、身延山に深敬園というらいの療養所がございます。これは全国たった三つの私立の施設の一つでございまして、さような意味から、私も従来、若干の関心を持ってまいってきた一人でございます。 措置入院と申しますか、強制入院と申しますか、そういう状態のもとに置かれている患者の方方の心情につきましては、私も山口委員と全く同感の気持ちを禁じ得ません。ただ、幸い、厚生省に参って承りますと、近来、特効薬ができたりして、たいへんその治療面におきましても明るい状況になってきておる。また、新しい患者もふえないというような事態になっておるということを聞きまして、愁眉を開いておりますけれども、今後こういう気の毒な病気の一そうの退治につきまして、また、それらの患者の方々の処置につきまして、でき得る限りの対策を進めてまいりたいと思います。
○山口(鶴)分科員 いま、大臣の御答弁聞いて、私のほうも、世話人としましてたいへん怠慢をしたと、実は反省をした次第であります。十一あります各園の所在の衆参両院議員をもって懇談会をつくっておりますが、私も私立の施設が三カ所あることは承知をいたしておりました。ところが、私立のこの施設所在の国会議員の方に呼びかけることをいままで怠っておったわけでございまして、この点、大臣就任中はたいへんぐあいが悪いと思いますけれども、まあ内田厚生大臣にも、任期中大いに御健闘いただきまして、また、大臣を去る場合におきましては、今度は私立の施設所在の議員の方々にも呼びかけたいと思いますので、その際はひとつ、議員懇談会のほうにも、厚生大臣経験者としてお入りいただいて、大いに御努力をいただきたいとお願いしておきます。 そこで、これまた大臣の御答弁にもあったのですが、プロミン等ができまして、確かにハンセン氏病患者の方が、現在どんどん治癒しているという現状でありますことは、私もたいへんうれしいと思います。ところが、病気という面からいくと、治癒をいたしましても、結局、手がやはり少しぐあいが悪いとか、それから、私も専門でないからよく知りませんですが、汗腺がやられてしまいますので、発汗の状態がたいへん常人とは違う。したがいまして、労働には耐えられぬ、こういうような体質になるということも聞いております。したがいまして、病気の面からは、治癒いたしましても、なかなか一般社会へ出まして一般の方々とともに働くということには、やはり相当困難があるようでございます。もちろん、退所されていく方々もあるわけでありますが、私は、そういう意味では、幸いにして退所した一般社会へ出る方については、現在の措置ではたいへん不十分だというふうに聞いておるわけでございまして、一般社会へ出ます場合の手当てをもっと思い切って拡充していただきたいことと、あわせまして、なおったけれども、現在、やはり所内に生活をしなければならないという方々のために、私は、所内でも当然、国家公務員をして仕事をしてもらわなければならぬ部分というのがあるんじゃないかと思いますが、そういう方面に雇用の道を開くとか、そういう点でもう少しくふうをしていただく必要があるんじゃないかという感じがいたします。この点、事務当局でもけっこうでありますから、お答えをいただきたいと思います。
○松尾政府委員 患者の社会復帰は、いま御指摘のように、私たちも期待をしたいところでありますけれども、一つは、ただいま御指摘のような問題もございまして、また、もう一つは、長い間の生活というものがございまして、社会に対しておっくうになるという問題もあろうかと思います。したがいまして、できるだけこういう方々で働ける方々の働く気持ちというものを、所内でございましても生かしていくということが必要じゃなかろうか。現実にああいう社会の中におきましては、患者さん方にいろいろとお互い同士の仕事にしろ、援助してもらうことが多くございます。そういう実態に着目いたしまして、たとえば作業賞与金というようなもので働く意欲というものをやはり維持してまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○山口(鶴)分科員 昨年は、国の予算の伸び率に対しまして、国立らい療養所の予算の伸び率が残念ながら下回りました。昭和四十五年度の予算におきましては、国立らい療養所の経費が一八%増加いたしまして、国の一般予算の伸び率一七・九%を、わずかでございますが、上回ったということは、近来にない画期的なことでございまして、この点は私ども議員懇談会の者といたしましても、非常に喜んでおるところであります。 そこで、特に私どもが重点的な項目として要求した点が三つございました。一つは、日用品費を生保並みに引き上げてもらいたいということで、一昨年来お願いをいたしておったのでありますが、昨年一部それが実現をいたしました。ただし、軽症者に対しましてはそれが実現を見なかったのでありますが、来年度におきましては、軽症者の方々に対しましても、生保並みの日用品費を支給するという点で改善をいただきましたことは、たいへん私どもとして喜んでおるところであります。 次は、医薬品費の問題でありますが、結局、国立療養所に入院しておられる方々の状況を見ますと、らい病自体、ハンセン氏病自体ではなくならないわけですね。結局、結核でありますとか、あるいは成人病でありますとか、他の病気を併発いたしましておなくなりになる。こういう状態であります。したがいまして、このプロミン等、ハンセン氏病関係の医薬品のみならず、他の疾病に関する医薬品が非常に不足しておるということを、かねがね患者の皆さんはもちろん、国立療養所を預かっております園長さんの方々も、ひとしくこれを要求しておられました。この点、今回も改善されたことは私ども非常にけっこうだと思っております。 それから、何せ戦前からの老朽施設もございまして、これらの施設を早急にやはり近代的な設備にしてもらいたい。そういう意味では、施設整備費を思い切って拡充をいただきたいという点でお願いをしてまいりました、これにつきましても、ある程度の増加を見ることができましたことは、これまた非常に喜んでおるところであります。 そこで、お尋ねしたいのは、軽症者の方々を生保並みに扱うということにつきましては、そのように実現を見たのでありますが、結局生活保護の場合、他に所得がありました場合は、当然控除になるということが制度としてできておると思うのですが、それをハンセン氏病患者の日用品費についても右へならえしようというふうにお考えになることは、制度として一面やむを得ないと思います。しかし、私先ほど強調いたしましたように、ハンセン氏病患者のほうは、らい予防法という法律によって、国家権力の手でいわば強制隔離された、こういう特殊な方々であります。ですから、一般生保の患者の方とは性質を異にする面のあることは、大臣も御理解をいただけると思うのです。したがいまして、制度のたてまえがございましても、この軽症者の方々の慰安金につきまして、生保と同じように他に収入があれば何でも差し引く、こういうことではなしに、ある程度この国立らい療養所、ハンセン氏病患者の方々の特殊性というものを考えて措置をお願いしたいものだ、私はそういう気持ちがしてならないわけであります。制度のたてまえもあることで、なかなか困難とは思いますが、何とかひとつ前向きで御検討いただけないものか、この点ひとつお答えをいただきたいと思います。
○内田国務大臣 私は、正直のところ、実態はよくわかりませんが、先生のお話は所得控除というよりも収入認定の問題だろうと思います。これは、先ほど来お話がありますように、また、私も承知をいたしておりますように、ハンセン氏病患者の特殊性にかんがみまして、私はそういう特殊性の認識のもとにひとつ検討させていただきたいと考えます。
○山口(鶴)分科員 収入認定の面で十分御考慮いただければありがたいと思います。 それから、結局プロミン等で治癒はする。しかし、顔の形とか手の形とか、そういうものがどうしても——指が曲がったり、あるいはまゆ毛が全部抜けたり、頭髪が全部抜けたりというような方もあるわけですね。したがいまして、ハンセン氏病自体を治癒するお医者さんも必要なのでありますが、そのほかに整形とかあるいは歯科とか、他のお医者さんもどうしても必要なわけです。ところが、各園共通だと思いますが、定員に対してお医者さんの充足率というものがどうも十分でない。現在お医者さんの充足率はどの程度でありますか。それからまた、お医者さん確保のために、これはやはり相当献身的なお気持ちのお医者さんでないと——こういうハンセン氏病患者のために一生をささげようというお医者さんは、なかなか貴重な存在だと思うのです。そういう意味で、お医者さんを確保するという点にはいろいろ障害があることはわかります。したがって、これに対して当然ある程度その労に報いるということをなすべきではないかと思うのですが、今回の予算におきましてどの程度それが実現をしておりますか、あわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
○松尾政府委員 こういうらい関係のことを専門にやりたいという医師は、御指摘のとおり非常に少ないのでございます。したがいまして、その確保については苦労いたしておりますけれども、現在国立療養所の医師の充足率は、常勤の医師だけでらい療養所につきましては八九%であります。百十七名の中で百四名が常勤医師、こういう状況でございます。なお足らないところは、ほかのところの非常勤というような専門家によって補っておるわけでございます。 なお、その後継者の確保につきましては、各園からもそれぞれ出身の大学その他のところに常時連絡をいたしまして、若い人々にぜひ認識を持ってもらって、中には学生中に、夏休みにこういう島を訪れましたり園を訪れまして、いろいろ見学したり勉強したりという方がおられます。そういう方々が将来こういう方面に入ってくるケースが非常に多いようでございまして、そういうような努力も続いてやっておるわけでございます。 なお、こういう方々の処遇につきましては、御承知のとおり従来から特別の調整号俸が設けられておるわけでございますが、なおこのほかに、やはり意欲を持って勉強していくという必要もございますので、来年度におきましては、研究費等におきましても、若干ではございますけれども、ふやしまして、また新しい特別研究という項目も起こしまして、みなが一体になりまして、よりこの治療関係について勉強できるように、こういう関係を少しでも前進させたいという配慮をしたつもりでございます。
○山口(鶴)分科員 現在、東西問題のほかに南北問題ということが問題になっております。特に国民総生産の一%というものを後進国開発のために海外援助に振り向けるべきじゃないかという議論がございます。特に私は、そういう意味で、第二次世界大戦で日本がたいへん迷惑をかけた東南アジアの国々ですね、こういう国々は、インドをはじめといたしましてハンセン氏病が比較的多いわけです。宮崎先生のようにほんとうに献身的にインドの救らいのために御努力をされた方もおられますけれども、そういう意味で、東南アジアから日本はややもすればエコノミックアニマルだというような批判もあるやに私は聞いておりますけれども、そういった概念を払拭して、ほんとうの意味で南北問題に取り組む、また東南アジアの国々の開発のために取り組むということの一つの重要な仕事に、このハンセン氏病に携わるお医者の方々を東南アジアの国々に派遣し、そして、これらの国々の患者治療のために努力をするということが、私は日本としてまさになすべききわめて重要な問題ではないだろうか、かようにも思っているわけです。ところが、国内の療養所すらハンセン氏病に携わるお医者さんを求めることが困難だ、こういう状態は残念だと思います。 そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、どうかひとつ厚生省は力を入れてその定員を確保すると同時に、先ほど私が申しました東南アジアの国々に対する海外援助の重要な柱として、これらの問題についても取り組むという積極的な姿勢でやっていただいたらどうだろうか、かよう思います。大臣の御所見をお聞かせいただきましょう。
○内田国務大臣 山口委員のおっしゃるとおり、このハンセン氏病に携わる医者の数が日本は少ないわけですから、東南アジアあるいは沖繩等、この病気が多い地域に医者を協力のためにさくということは、なかなかむずかしい問題だろうと思いますけれども、しかし、お医者になられる若い方方に一つの励ましを与え、また、この問題に対する日本の誠意を東南アジアに対して示しますためにも、私、できるならば前向きに検討すべき事項だと考えます。
○山口(鶴)分科員 それから、沖繩の問題が出ましたから、ついでにお尋ねしたいと思うのですが、国民年金につきましては、沖繩の方々に対しても、本土の措置と同じようなものが当然手当てされることになると思いますが、同じように日用品費等含めまして、国内の療養所に入所しておられます患者の方々と同じような待遇が、当然私は沖繩の——沖繩は率から申しますと本土よりもハンセン氏病の患者さんの率が非常に高いといわれておりますが、こういった沖繩の方々に対する措置も、一体化ということを政府がお進めになるならば、当然私は進めてしかるべきだと思うのですが、沖繩に関しましては、この点どうなっておりますか、お尋ねをしたいと思います。
○松尾政府委員 このように、昨年来重症者関係、あるいはことしから軽症者関係というようなことについて、園内におけるいろいろな格差是正につとめてまいりましたけれども、私の知る限り、まだ沖繩につきましては、そういうこまかい配慮をやっていなかったと存じます。しかし、御指摘のところはごもっともな点でございまして、私たちもさっそくいろいろ実態等も調べまして検討させていただきたいと思います。
○山口(鶴)分科員 沖繩の特徴としまして、在宅患者が非常に多いということを聞いております。患者さんの率も高いし、そうして在宅患者の率も相当高いというのが実情でございます。そういう点は、沖繩の問題につきまして政府としても取り組むわけでありますから、その一環といたしまして、ハンセン氏病の問題もひとつ一体化を実現するという観点で積極的に取り組んでいただますように、これまたひとつ大臣に強く要請をいたしたいと思います。 それから、時間もあれですから、最後にお尋ねしたいのは年金の問題であります。資料をいただきましたら、軍人恩給をいただいている方が、国立らい療養所の中では一番所得の多い方になるわけでありまして、平均いたしまして月額一万七千七百円という状態だそうです。そのほか厚年あるいは共済組合、文官恩給、こういうものもあるだろうと思いますが、こういったものの平均が五千三百円、こういう状態であります。平均して一万七千七百円の方が普通の社会におきましては非常に低額な収入ではありますが、国立らい療養所に入れば最高の高額所得というような状態になると思うのですが、そういう問題も一つございます。 それから、さらに問題になっておりますのは、国民年金、拠出制の障害年金を受給されておる方と、それから障害福祉年金を受給されている方とのアンバランスの問題であります。大臣も御理解いただけると思うのです。が、国立療養にお入りになっている方は、拠出制であろうと無拠出制であろうと、みずから掛け金をするということはないわけですね。結局国がかわって拠出をするわけでありますから、自分のふところから拠出をするということはない。いわば病気の発生した時期の差によりまして、片や拠出制の障害年金、片や障害福祉年金、こういうことになるわけであります。現在におきましても、拠出制の障害年金一級につきましては六千円、二級が五千円、これに対しまして障害福祉年金は二千九百円でありますから、ほぼ一対二という格差がございます。これが今後法律その他が通りまして改善されますと、拠出制の障害年金は一級が一万円、二級が八千円になりまして、障害福祉年金が二千九百円が三千百円ということになりますから、一対二の格差がさらに開きまして、一級の拠出制の障害年金と福祉年金とを比較いたしますと、一対三以上に格差が開く、こういう形になるわけであります。結局患者さんの皆さんの不満は当然なんでありますが、私も有澤廣巳国民年金審議会会長さんにも何回かこの問題は訴えました。それからまた所長さん、園長さんの立場からも、同じような立場にあるのに、発病時期その他によって非常な収入の格差があるということで、所内の円満を維持するためにも非常に問題があって困る、こういうことをしばしば言われておるわけであります。従来認定につきまして、法律のワク内におきまして、非常に配慮ある取り扱いをやっていただきました。漸次拠出年金に移行する方々が多くなってまいりますことは私も承知いたしております。しかし、依然として大多数の方々は安いほうの福祉年金の対象者であります。したがいまして、この点の改善は私はぜひともすみやかにやっていただきたいものだ。法律的にはなかなかむずかしい点がある。実は議員懇談会の中でも、それでは議員立法でこれを何とか措置するように考えたらどうだろう。それから有澤先生には、国立療養所内という一つの限定した範囲でこれを全部統一するということなら何とかできるはずじゃないかということもいろいろお願いをしてまいりました。議員懇談会としても努力したいと思うのですが、ひとつ厚生省としても何とか前向きでこれは検討できないか、不公平を解消できないか、そのことを特に私念願いたしております。ひとつ大臣のお考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
○内田国務大臣 制度の創設された時期、あるいは発病の時期によりまして、御承知のとおりアンバランスがありますことを承っておりますので、これは制度としては、いまおっしゃるとおり非常にむずかしい面がありますが、運用上検討の余地があるやにも聞いておりますので、これは私はさらに検討を進めさせていただきたいと思います。
○山口(鶴)分科員 事務当局のほうからどうですか。具体的に検討している立場からひとつ考え方を示してください。
○穴山政府委員 この問題は、一つは制度の関係になりますと、制度に加入する前の障害者の扱いをどうするかという問題になりまして、これは国民年金に限らず他の公的年金全般の問題にもなります。非常に制度として本質に触れるむずかしい問題でありまして、一つは現在身体障害者福祉審議会あたりにも、こういうものの取り扱いをどうしたらいいか、今後どうしていったらいいかというようなことを審議をお願いしているわけでございます。 それから、もう一つは、年金制度と申しますのは、やはり一般的、包括的な制度でございますので、各疾病ごとに特別の取り扱いをするというような扱いを考えますことも非常に困難な問題でございます。したがって、制度自身をどうするかということにつきましては、公的年金全般の問題とも考えあわせて、これから考えていかなければならない問題だと考えております。 ただし、先生がおっしゃいますように、現在のハンセン氏病患者の方々の置かれている非常に特殊な実情というものもございますので、私どももそういった実情にかんがみまして、現在の制度の中でできるだけ運用についてこれから配慮をしてまいりたいというように考えております。
○山口(鶴)分科員 特に一九七〇年代は内政の時代だ、その最初の年である一九七〇年は内政の年だということを、総理も非常に強調されております。そしてまた、施政方針演説におきましても、特に国民の福祉を向上するために努力をしたいということを強調しておられるわけですから、そういう意味で、一億国民の中でまだ、ハンセン氏病は遺伝じゃないか、こういう著しい誤解をしている国民の皆さんもまだまだ残念ながら相当多いというのが現状だと私は思います。そういう意味で、厚生省が、ハンセン氏病は決して遺伝の病気ではない、明らかにこれは伝染病であるという点でのPRを大いにやっていただく必要があると思います。同時に、外地に戦争へ行きまして不幸にしてハンセン氏病にかかって内地にお帰りになった、そのほかいろいろな理由がございましてハンセン氏病にかかられたという方が現に一万人ほどおられるわけですね。そういう意味では、一億国民の中で一番不幸な方々である、こう申しても差しつかえないと思います。こういう方々のために、総理の言う内政の年、あるいは国民の福祉を向上するということをほんとうに実行するのならば、まずこういうところから私は積極的に問題解決に努力すべきではないかという気がしてなりません。数は少ないですから、厚生行政の一つの柱というほどにはいかぬかもしれませんが、数は少ないけれども最も配慮しなければならぬ重要問題、こういう認識で大臣お取り組みをいただくことを心からお願いをいたしたいと思います。そういった私の考え方に対して、大臣の考え方をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内田国務大臣 私の考えておりますことと同じラインでございまして、山口先生のおっしゃること大いに傾聴をいたしておる次第でございます。
○田中主査 以上をもちまして、山口鶴男君の質問を終わります。 次は、小林政子君の質問を許します。
○小林(政)分科員 私は、勤労者の家族が普通の生活を続け、安心して子供を養育することができる家族手当制度の確立がいま何よりも緊急に必要だというふうに考えます。 そこで、厚生大臣にお伺いをいたしますが、たとえば子供に対する国の施策を見ましても、学童の給食費の一部負担、あるいはまた低額所得者、生活保護者に対するわずかな手当の支給などに限られるもので、全く粗末なものといわなければならないと思います。子供の養育費につきましては、四十二年度厚生省の調査資料によれば、義務教育終了前の子供が二人いる四人家族で月収六万円以下の勤労家庭では、その養育費の割合は家計の二九・六%となっております。子供の養育費が 一般の勤労家庭にとって大きな負担になっていることをこのことは示しています。その上、からだの不自由な障害児あるいはまた障害者、働けないお年寄をかかえております御家庭の扶養費の負担増は深刻なものがございます。このような事態に対して政府が適切な措置を行なわないために、昨年の九月一日現在で、すでに百三十八の地方自治体が、限られた財源の中から児童手当制度を実施して住民の要求にこたえています。大臣は、このことをどのように認識し、児童手当の実現のためにどのような御努力をされているのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○内田国務大臣 児童手当を実施したいということは、もう私ばかりでなしに、歴代の厚生大臣の念願でございます。しかし、これにつきましては、現存する他の給与との関連、税制との関連、あるいは社会福祉施設との関連、あるいはまた、政府、民間等における家族手当等を含めての現給与体系、そういうものとの調整の関係など広範複雑な問題がございまして、一つの成案を得るに至らず今日に至っておることは御承知のとおりでございます。私が就任いたしましてからも、児童手当は何らかの形において実現したいという考えを持ちまして、昨年設置をせられて論議を続けていただいております児童手当審議会の諸先生に対しまして、ぜひひとつまとまった答申を、またそれも、これまでの考え方にとらわれずに、この八月くらいまでに出していただきたいということを御要望申し上げておる次第でございまして、答申を得ました上は、各方面と折衝を重ねましてこれが実現に向かって進んでまいりたい、こういう考え方を持つものでございます。
○小林(政)分科員 ただいま大臣から、この問題についてぜひ実現をしたい、そして、これまでの考えにとらわれることなく、早くまとまった答申を出していただく、このようなことでございましたけれども、私はこの際大臣にぜひお聞きをしておきたいのですが、一昨年の十二月三十日に、御承知のとおりに、児童手当懇談会の報告でも、この問題については、単なる防貧の見地ならば第二子あるいは第三子からでも差しつかえないが、児童全体の健全な育成からすれば、第一子から支給しなければ、児童手当という趣旨が徹底しない、このようなことが書かれておると同時に、家族構成を主体とした報告になってございました。これは私は根本の問題だと考えますので、大臣はこの問題についてどのようにお考えになられているか、見解をお伺いいたしたいと思います。
○内田国務大臣 児童手当の支給対象を第一子からにするか、あるいは二子、三子からにするかというようなことにつきましては、今日まで長い議論の間、いまだ帰一していませんで、両論があるようでございます。また、これはもちろん直ちに支給の総金額に大きく関連いたす問題でもございますので、結果論といたしまして、その財源配分等のことにも関連をいたしまして、したがってきめられておりませんので、この際、私といたしましては、第一子からを主張するとか第三子からを主張するということを現在においてはいたしませんで、委員の皆さま方のコンセンサスと申しますか、合意によって一つの案をつくっていただく、こういう態度を持しておるものでございます。
○小林(政)分科員 この問題については、いま審議会で検討されているということでございますけれども、私がお聞きしているのは、すでに児童手当懇談会等でこのような趣旨の発表がございました。これに対して、責任を持つ厚生省としての、国としての考ええ方を——答申がどのような形で出てまいりましょうとも、この問題についての基本的な国の姿勢の問題として実はお伺いをいたしたわけでございます。 御承知のとおり、憲法二十五条では、健康で文化的な最低の生活を営む国民の権利と社会福祉、社会保障の向上及び増進に対する国の責務がうたわれております。さらに、この憲法の精神を受けた児童憲章では「すべての児童は、心身ともに、健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される。」と規定していますが、私は、この権利を家族構成によって限定することは不当ではないかというふうに考えます。大臣に、この点についてお考えを率直にお述べいただきたいと思います。
○内田国務大臣 憲法で日本国民の健康で文化的な生活を保障されておりますことはお説のとおりでございます。しかし、ここ両三年の間における児童手当に関する論議の状況を見ておりますと、ここで私が、国として、あるいは厚生大臣として、こういう案でまとめてくれということを児童手当審議会——これは昨年、厚生省設置法の改正によって正式に設けられた審議会でございますが、これに私が一つの方式を持ち込むということをいたしますと、これでは、これまでと同じように、審議会としてまとまった答申が得られませんことは、これまでの経緯から全く明らかでございます。前の大臣も一つの草案を持っておられまして、昨年それを審議の中心にしていただいたことも御承知のとおりでございますが、そういう線でもまとまらなかったのでございますので、私といたしましては、児童手当制度を何とか実現に持ち込みますために、委員の皆さん全体を共通する発意によってまとめていただいて、そして、とにかく正直のところ出発をいたしまして、必要なる手直し等があれば、それは事態の推移によってやることが一番現実に適した方法だろう、こう考えておるわけでございます。
○小林(政)分科員 私は、先ほどから大臣がお答えをされているように、答申がまだ出ていないということでございますけれども、その答申の問題について伺っているのではございません。すでにもう公表もされております。懇談会が報告を出しております。その問題について大臣としてどのような考え方を持っているかということを、先ほどから一貫して実はお伺いをいたしているわけでございます。それに基づいて私も質問をいたしておりますので、率直にひとつお答えをいただきたいというふうに思います。 たとえば、児童手当の支給対象というものがそれにも報告をされております。この発足時としては、そこに書かれていることは、義務教育終了前の第三子とすることが適当だというふうに書かれておりますけれども、この第三子以降とは、義務教育終了前の子供が三人以上いた場合の第三子ということでございましょうか。それとも、三人の子供がいて、第三番目の子供が義務教育終了前であればということなのでございましょうか。この点についてその内容を御回答いただきたいと思います。
○内田国務大臣 私が申し上げております趣旨は、これはもう何もかもそのとおり申し上げまして、児童手当に関する各方面の識者に御検討願っておりました形が、昨年の七月までは法律に基づかない懇談会という形でやってまいりました。懇談会が一つの構想を打ち出したのは事実でございます。ところが、懇談会は、法律で設けられた組織ではないので、したがってこれが政府部内の各方面、あるいは私どものほうの党内、その他社会的にも説得力がないということで、わざわざ厚生省設置法を改正いたしまして、正式の児童手当審議会として昨年の七月発足をいたしました際に、前の懇談会当時出ました一つの報告といいますか、案というものは、御破算にして、斎藤厚生大臣が、こういうことでまとめてくれという案を実は出されておるのであります。でありますので、私がその懇談会時代の案についてここで批判を申し上げたり、あるいは斎藤前大臣の試案について批判を申し上げますことは、かえってせっかくいま進めていただいておりますところの児童手当審議会の前向きの姿勢に混乱を与えることになりますので、いませっかくのお尋ねでございますが、私が前のあの当時の一つの構想についてどう考えるかということについては、私はいまむしろ白紙で臨んでおる、こういうふうに申し上げておる次第であります。 なお、資料としてここに関係の局長もおりますので、当時の考え方はこうであったということを、局長のほうから申し上げさせる分ならばよろしいかと思います。
○坂元政府委員 お尋ねの児童手当懇談会が意見をまとめておられますが、その懇談会の意見は、いまお読みになりましたように、義務教育終了前の第一子、ということで提案をしておられるわけであります。お話が出ました斎藤前大臣の一つの提案というものは第三子からというふうにいわれているわけでありますが、この第三子というのは、やはり義務教育終了前の子供が三人以上いた場合の第三子という意味の提案でございます。
○小林(政)分科員 そうしますと、義務教育終了前の子供が三人いた場合の第三子という解釈だということでございますけれども、この際お伺いをいたしておきたいと思いますけれども、その対象の人員というものは大体どのくらいになるのでございましょうか。それはまた義務教育終了前の児童の大体何%くらいに当たるのでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。
○坂元政府委員 義務教育終了前の第三子ということになりますと、私どもの推定では二百二十六万くらいという計算になっております。義務教育終了前の全児童数というものは、二千五百五十四万人くらいおりますので、その中の比率としましては約九%くらいだ、こういうふうに推定しております。
○小林(政)分科員 いま数字の内容についての御報告がございましたけれども、私はこれは全く少ない数だと思うのです。たとえば、私などの例で前のそういう諮問の内容等を考えますと、私の場合は、長男が高校の二年生でございます。そして次男が中学の一年生でございまして、長女は小学校の三年生でございます。これは大体世間にもあるごく普通の家庭の家族構成だろうというふうに考えておりますけれども、いまの基準と申しますか、これでいきますと、もし私が児童手当を支給されると仮定するならば、長女が一年生までということでございます。結局、子供が全部学校に入って、そして一番お金のかかるような時期には児童手当は支給されなくなるということになるわけでございます。私はこういうことでは児童手当の精神と全く矛盾するものと思いますけれども、大臣は、今回は白紙で臨んでいらっしゃるとおっしゃっておりますが、この点について、児童手当の精神と全く矛盾するものだというふうにお考えにならないでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。
○内田国務大臣 私は、児童手当を何とか出発させたいという一念に燃えておりまして、その中身の組み立て方については、先ほど来申しますように、私がいろいろいまここで申しますと、いままでそうであったように、審議会のほうがまとまらない。小林先生がおっしゃっているような、そういう議論ももちろんあるわけでございます。でありますので、私は、先般私がかわりましたときの第一回の審議会におきましても、何とかひとつあとの段取りも私はやらなければならぬことがあるのでおまとめを願いたい、第一案、第二案、第三案というようなことであったり、あるいは多数案があり、ほかに少数案がありというようなことでは、ものをまとめにくくなってしまうので、とにかくおまとめを願いたい、こういうことでいまの立場を守っておりますので、その批判につきましては、その案ができまして、かなり私どもがそれを各方面とも打ち合わせまして、一つの案が国会に出されましたときに、十分御批判をいただければありがたいと思うものでございます。
○小林(政)分科員 私は、少なくとも大臣にこの点を強く要望したいと思いますけれども、義務教育終了前の子供たちの中で、前回の考え方によりますと、わずか九%といいますから、一割弱の児童しか対象にならない。九〇%をこえる義務教育終了前の子供が除外されるというようなことは、今度のこの諮問、あるいはまた、答申を得て大臣がこの問題を解決されるときに、このような九〇%の子供が対象から除外されるような措置はぜひとっていただきたくないものだ、このように考えております。児童手当の中身というものについては、児童憲章の「すべての児童は、心身ともに、健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される。」という、この規定を実現するために、満十八歴未満のすべての子供を対象として児童手当が絶対に必要であるということを考えます。私ども常にこのことを強くいままでも主張してまいりました。ぜひともその点を大臣に強く要望をいたしたいと思います。 次に、老人に対する対策についてお伺いをいたしたいと思います。 わが国の老人人口は年々増加をいたしております。昨年五月の厚生省の調査によりましても、働くことのできないお年寄り、これは五百八十五万人といわれ、福祉年金受給権者は三百二十二万人となっております。また、総理府が昨年九月行ないました五十歳以上のお年寄り三万人を対象とした世論調査によりますと、七十歳未満のお年寄りで、各種年金または恩給をもらっていない人は七一%を占めています。このことは、老人の生活水準が非常に低いことと、働くことのできないお年寄りを扶養している家族が大きな負担を受けていることを物語っています。このような老人の老後の生活保障はいま大きな社会問題になっております。 そこで、お聞きをいたしたいのでございますが、七十歳をこえる老人で収入のないお年寄り、低所得に属するお年寄りの老齢福祉年金は、わずか一カ月千八百円というきわめて低いものでございますが、これらのお年寄りの生活は何によって保障しようとしているのでございましょうか。
○内田国務大臣 わが国の人口の老齢化は、私どもが試算をいたしましても、ここ十年、二十年の間に急速に進んでまいりますので、私どもが社会福祉施設をいたします場合に、老人対策というものは一番大きな課題になりつつあるわけでございます。 そこで、私といたしましても、この問題を大きくとらえまして、老人の方々の医療保障あるいは所得保障のみならず、それらの老人の方々は、私どもの社会の先輩でもあられますので、お達者でおる限り、社会的な活動においても、十分人生の意義を生かしていかれるような、そういうような環境をつくってまいりたいということで、実はでき得る限りの施策の計画をいたさんといたすものでございます。 お尋ねの七十歳以上の老人につきましては、これは、いい悪いは別にいたしまして、日本での老人扶養はおおむね家族扶養に吸収されている面が現在は多いわけでございますので、したがって、その福祉年金の金額は、今度の予算で初めて月千八百円になるという、まだまだ低いものではございますけれども、御家族の方々に養われておられる部分が現状においては相当多い、こういうことを私はいわざるを得ないと思います。そういうことをも把握いたしまして、さらに私は改善のために施策を積み上げていきたいと思います。
○小林(政)分科員 いま大臣のお答えでございますけれども、私、率直にいまお聞きをいたしたのは、家族の扶養と申しますか、そういう方々は御家族でお年寄りのめんどうを見ていらっしゃる。いろいろな家庭の事情等で、御本人に収入がない、あるいはまた、その御家族も非常に低所得であるとか、こういう人たちの老後の生活保障というものは、千八百円ではできないわけです。したがって、生活保障は何によって保障をしているのかという点についてお答えをいただきたいと思います。
○内田国務大臣 これはまあ、生活が全くできない場合には、言うまでもなく生活保護の制度があるわけでございますが、しかし、私はそういうところへ私どもの先輩である老人を追い込みたくないと考えます。したがって、いまの無拠出の福祉年金でも、できますならば、今日の千八百円とか二千円とかいうよりも、より多額なものが支給できるような、あるいはまた、年齢につきましても、先般他の委員会でもちょっと申したのでありますが、ことにからだその他に欠陥のある御老人につきましては、七十歳ではおそ過ぎるというような問題もございまするので、そういう点をも含めまして、これはいま一挙に改善はできませんけれども、今後でき得る限りの改善につとめてまいる。また、幸い拠出制の老齢年金の支給が明年から始まります。ただし、これは二十年掛け、二十五年掛けの老齢者年金が来年発足するわけではございませんで、来年発足いたしますのは十年掛けの年金、経過的な拠出制の年金が発足いたしますけれども、これは二千円ではございませんので、それらの点をも考え合わせながら、できるだけ意を用いてまいる、こういうつもりでおります。
○小林(政)分科員 そういうお年寄りについては、生活保護に追い込みたくない、そして何らかの対処をしていきたい、こういうような御答弁でございます。しかし、現状におきましては、このような家庭が生活保護を受けておるということも事実でございます。私どもは、そういう立場からお伺いをしたいと思うのでございますが、そのようなお年寄りは、生活保護と老齢福祉年金によって老後の生活を維持する、こういうような状態にいま置かれているわけでございますけれども、生活保護の目的というものは一体どのようなものでございましょうか。
○伊部政府委員 最低生活を保障するということでございます。
○小林(政)分科員 老人福祉法の目的とは何でございましょうか。
○伊部政府委員 老人の福祉の向上をはかるという趣旨であります。
○小林(政)分科員 いまここにいわゆる六法も持ってきておりますけれども、そこにもこれは明確に書かれていることで、特に担当局にいまさら言うまでもございませんけれども、老齢年金というのは、老人福祉法に、苦しみに耐え抜き、今日の社会をつくり上げた人々の老後の安らかな生活を保障するということがうたわれておりますけれども、この老人福祉法の精神に基づいて老後の生活保障をはかる、これが老齢年金の基本的な、受けて立つべき姿勢であろう、このように私は考えます。したがって、老齢福祉年金もまた、私は同じ精神によって制定されなければならないものだというふうに考えます。ですから、生活保護法は、同じ憲法二十五条に基づくものでございましても、生活困窮者に対する一時的な保護であり、あくまで自立を助長することを目的とするものであると同時に、老齢福祉年金とは基本的に目的を異にするものだというふうに考えます。これを混同して、いま行なっております老人対策を生活保護法で、それに若干老齢福祉年金というような形でごまかすという態度は、これはきびしく批判をされなければならないと考えます。私どもは、このような老人の生活を改善するために、完全な年金の制度が実現するまで、当面、家族手当制度の一環として、働くことのできない六十歳以上の老人に老人手当を支給することをいままで一貫して主張いたしてまいりました。この問題について大臣の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○伊部政府委員 昭和三十八年の高齢者の実態調査によりますと、三三・二%は自分の収入で暮らせるという数字が出ておるのでございます。その他の方々も、同居の子の扶養、別居の子の扶養等の状況にあるのでございまして、生活保護を受けておる方は二・二%でございます。なお、同居をいたしております方は、七九・九%が子と同居されております。したがいまして、老人福祉対策といたしましては、関係当局とも協力いたしまして、年金、医療、その他の面でいろいろ今後努力をいたさなければならぬと考えておりますが、福祉年金に関しましては、むしろ家庭内における老人の地位を高めていくということに主眼があるのでございまして、生活保障の面は、万一最低生活ができないという場合は生活保護法でお世話をするという体系になっておるのでございますが、今後とも大臣の御説明にありますように、拠出年金も相当ふえてまいります。今後はますます毎年引き上がってまいるわけでございますので、そういう点も御勘案いただきたいど思いますが、全般的に引き続き努力をいたすつもりでございます。
○小林(政)分科員 ただいまの御答弁ですと、福祉年金は、ただ家庭の中での地位を高めるだけのそういうものであって、そうして、生活できないような苦しい方に対しては、これは生活保護でもって見ていくのだ、これでは大臣の御答弁と食い違いが出てくるのではございませんか。私は、やはり大臣が先ほど言っていたそれと全く食い違った答弁に対して、納得することはできません。この問題については、きょうは時間もございませんので、後日あらためて十分討議をまたいたしたいというふうに思いますけれども、いまの老人福祉年金制度のこの基本的な考え方に対しては、私は根本的に改めるべきだというふうに考えております。 時間が参りましたので、最後に一つだけお伺いをしておきたいと思います。 私ども、このように家族手当制度の問題について、児童手当あるいはお年寄りのみならず、現在不十分な社会保障では解決のついていない約百八十万人の働くことのできない身体障害者、あるいは障害児、あるいはまた、精神障害者とか、精神薄弱者、これらに障害者手当を支給し、さらに、働き手を失った母子家庭や準母子家庭には、母子加給金を加算することが必要だと考えております。また、妊産婦に対しては、母性を保護し、健全な子供を安心して産めるための出産手当を支給することもぜひ必要だと考えております。これら働く者の生活をすべての面から保障する国と資本家負担の家族手当制度、これこそ国民が強く要望しているところでございます。家族手当制度もしくは児童手当制度は、世界の六十二カ国ですでに実施をいたしておりますし、その中には、一人当たり国民総生産がわが国よりも低い多数の国々が含まれております。わが国は、現在国民総生産で資本主義世界第二位といわれております。したがって、このことは、私はほんとうにやろうとすればすぐできることだというふうに考えますが、この点についての基本的なお考えについて大臣にお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内田国務大臣 小林先生、女性でいらっしゃいまして、お年寄りやまた母子保健対策などにつきまして深い理解を持っておられまして、私ども激励されておる気持ちもいたします。基本的には先生と全く同感でございますが、ただ、これらを全部一度にやるということは、現実の面からいたしますならば、厚生省一体となってやっておることでございますけれども、一挙には実現できません。日本の国の経済は世界で第二位とは申しながら、一人当たりの生活水準というものはまだそこまでいっておりません。また、公負担というようなことになってしまいましても、これまた適当でない面もございますので、それらの事情をも勘案しながら、先生から激励をいただきましたその理念の達成に向かって私は尽くしてまいりたいと思います。
○小林(政)分科員 大臣、全く同じお考えだということでございますけれども、世界の各国ではすでにもう実施いたしております。大企業や大きな資本家のために使う財源より、このようなほんとうに下積みの底辺におります人たちの問題、あるいはまた、勤労家庭の生活の向上というようなものに対して、当然その財源を十分とっていくゆとりが、日本の経済にはあるということを申し述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
○田中主査 次回は明十二日木曜日午前十時から開会し、午前中厚生省所管、午後労働省所管について審査を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時五分散会