予算委員会第一分科会 第4号
- 発言数
- 261 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/03/16
会議録
○笹山主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和四十五年度一般会計予算中、内閣、防衛庁及び経済企画庁を除く総理府所管予算を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。登坂重次郎君。
○登坂分科員 私は、恩給問題について、一言、政府の考え方並びに事務当局の行政の諸種の方法についてお伺いいたしたいと存じます。 現在、日本の経済は異常な進歩、発展を遂げておりまして、その経済成長の著しいことは御案内のとおりであります。しかし、この経済成長に伴って物価の上昇、消費水準の向上というものは、これまた大きな社会的な問題として取り上げられておるわけでございます。そこで、幾多の社会的なひずみが出ております。政府も社会資本の充実とかあるいは物価安定のために非常な真剣な努力を続けておられることは認められるのでありますが、その中で、恩給受給者に対しまして、やや施策がどうしてもおくれるのではないか。恩給受給者の中には、いろいろその内容が異なるものがありますけれども、総じて恩給受給者は高齢である、しかも財政資金による援助によって生活の大部分を補っておる、いな、むしろそれによって生活しておる、こういう方々が多いのであります。あるいは傷病に悩む方々、あるいは遺族年金を受けておる方々、あるいは軍人恩給を受けておってももう老齢で働くことのできない人、そういう方々を思うとき、この恩給問題というものは、われわれ国民として、今日社会保障制度拡充強化を唱えられる見地からしても、どうしても真剣にこれを考えてあげなければならない、こう思う次第であります。 そこで、政府の予算の立て方、恩給の受給者に対する考え方は、もちろん優先的に考えておることは承知いたしておりまするが、ややもすれば、どうしても他の財政資金の逼迫によりまして、これらの恩給受給者に対する措置がおくれるのではないか。政府としてはどういう方針で年々対処しておられるか、まず基本的な考え方をお伺い申し上げたいのであります。
○山中国務大臣 今日までの過程においては、いろいろと現象面で、ただいま御指摘のような経過をたどったと思いますし、また過去の物価上昇分等の実際上の遡及補てんというものがたいへんおくれておりました。したがって、基本的には私は、恩給というものは、受給者にはそれなりの根拠に基づく恩給をもらう権利のある人々であるという考えが基本になければならないし、国はその権利に基づいて理論的に計算された金額については支払う義務を持つ、義務を行使すべき立場にあるもの、という二つの考えが打ち立てられた予算が組まれなければならないというふうに考えまして、ことしの予算編成でそのような点にたいへん苦労をいたした次第でございます。 いままでの経過では、過去の物価の計上されておりました分を昨年是正をいたしましたけれども、そのなお積み残しがございましたので、その残り、並びに昨年の公務員給与並びに物価差、そういう物価指数等を勘案いたしまして、それを理論値として求めて得た金額等を今国会に提案した予算の中に大部分盛り込んでおりますが、一部積み残し分といわれておりまする過去の分につきまして、二・二五%につきまして、予算をずらしまして、予算措置のみ、理論的あるいは積算の根拠、総体の金額等については一致いたしておりますが、予算計上についてのみ財源上の立場から若干おくれました。しかし、これは決して、恩給を受給する人々の立場を権利として見る私からいって、その権利関係を後退せしめたものではない。むしろそれは非常に前進したのであって、財政法上の立場から来年度のものについて今国会の予算には計上並びに言及してありませんけれども、それらの既存的な立場は明らかになったもの、したがって、これから残る恩給審議会等の答申の検討、実施すべき事項等をさらに研究いたしつつ、恩給というものはあくまでもこれは義務的経費としての性格が、もらうほうも支給するほうも権利義務としての立場において、明確に、あまり問答の対象にならない予算になるようなものが本来の性格であろう、こう私は割り切った立場をとって今日までやってまいったつもりでありますが、今後こういう姿勢を続けていくことを私は欲しますし、それが政府の国民に対しまた税金を納める納税者に対してもとるべき基本的な姿勢であろうと確信いたしております。
○登坂分科員 たいへん政府の所信の一端が、いな全部がうかがえたので、非常にこの答弁に対しまして全国民また受給者関係も喜んでおることと存じますが、大臣はそういうつもりでありましても、財政当局、大蔵当局がどういうふうに考えておるか、これは蛇足になるようでありますが、非常に関心事のことでありますから、大蔵当局にひとつその裏づけと申しましょうか、考え方を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 その前に私から、先ほどの答弁でも少し触れましたけれども、いままでそのような理論づけもしくは権利義務観念というものをきちんと立てた予算のセットがあやふやであったような気がいたしましたので、今回は積算の根拠も要求の理論もきちんとして、何年たっても変わらないものであるという形で片づけました。これは財政当局もその考え方をことしから採用することに踏み切ったわけでございます。それだけに大臣折衝もたいへんな長い時間と回数をかけたわけでありますが、しかし一方、財政当局にはやはり次年度以降の予算を拘束するようなものを法律ないし予算によってあらかじめ先行して確保するということについては、一方財政法というものがありますから、恩給を要求する立場の官庁としての理論を通すならば、やはり大蔵省の、国民、納税者の立場を守る財政法という立場も理論的にこれは尊重しなければならないと、私自身がそう思うわけです。したがって、財政当局の答弁ももちろんありましょうけれども、来年度予算について、財政法のたてまえから、私としてはあえて正面切って論及いたしておりません。提案理由説明でもその点は触れておりませんが、これはやはり財政当局の理論も尊重すべきものである、相互尊重の上に初めて今後の基礎が築かれると考えたわけでありますが、しかし考え方、理論、その積算の及ぶ金額その他は完全に意見が一致いたしております。私と大蔵大臣並びに大蔵省事務当局を含めて一致いたしておりますので、それを前提に大蔵当局の説明をお聞き願いたいと思います。
○金光説明員 直接の担当の者がおりませんので、先生の御趣旨を十分に検討いたすように伝えます。
○登坂分科員 それでは、内容について若干事務的な見解をひとつ求めたいと存じます。 まず一番問題になるのは、私は、傷痍軍人の年金並びに恩給ではなかろうかと存じます。終戦によりまして、軍恩関係、傷痍軍人関係、遺家族関係等の恩給及び年金に対しましては、当時やむを得ない事情によりまして、戦争の傷あとを受けたこれらの方々が非常に生活にも困窮し、かつまた精神的にも非常に苦痛を受けたのでありまするが、昭和二十八年からようやっとこれらの方々に対しまして恩給並びに年金を支給することができるようになったことは、政府の努力でもありまするが、これはまた当然ともいわなければならない。そのときにあたりまして、その基礎算定の問題は、当時は経済問題あるいは財政事情によりまして非常に逼迫しておったときでありまするから、必ずしもその算定の基礎、スタートのいわゆる傷痍軍人に対する気持ちと支給金額、事務的な処理の方法の間に何らかの差異があったのではないかと思われておるのでありまするが、その算定の基礎を、いまでもその倍率をかけておったのでは、他の普通恩給あるいはその他の年金受給者との間にアンバランスがあるのではないか。これらの方々は、特に戦傷によって、なまなましい戦争の思い出を常に胸に秘めて、日常の生活にもいろいろ差しつかえがある。働くにも働けない。だんだん年はとっていく、あるいは病気はときによってだんだん重くなっていく。こういう状態にあるので、非常に気の毒であると思うのでありますが、まず傷痍軍人の増加恩給並びに年金の基礎算定について事務当局の意見を聞きたいと思うのであります。
○中嶋説明員 お答えいたします。 傷病者につきまして、恩給の法上の処遇についての考え方は先生のおっしゃるとおりでございまして、政府におきましても、軍人恩給復元以来、遺族、傷病者につきましては、他の恩給に優先いたしましてその改善の度を高くいたして今日まで至っておるわけでございますが、なお今後の恩給改善の際にも、その点はとくと念頭に置いて処理いたしたいと考えております。
○登坂分科員 そこで私は、身近にこの傷痍軍人の非常に傷の重い人、いわゆる日常生活に非常に困窮している人に接しておる関係上、特にそういう感じを持つのかもしれませんけれども、いな、当然これはわれわれとして考えなければならぬことであります。そこで、その内容を検討いたしますと、特別項症とかあるいは一項症とか二項症、こういう階級の、いわゆる不具廃疾にもひとしいような方々の等差をつけることは、あまりにも事務的にもあるいは客観的にも無理のような点がある。たとえば私の知っているある人は二項症であった。ところが先年手を片方切ってしまった。それでありますけれども項症が変わらない。これは自分の知っている人を例にとったにすぎないけれども、特別項症とか一、二項症というような重症患者には年とともにだんだんそういうことがつのっていくのではないか。そういうときに、これは科学的あるいは医療的に見て皆さんが審議会とかあるいはそういう方面で項症別に階級を分けておるのであるかもしれませんが、その内容というものは、その人個人によって、事務的に分類されたいわゆる事務的な項症別とは違った悩みがあるし、実際生活においては非常に苦しみがあるということを私は痛感いたしておるわけでございますが、こういう特別項症、一、二項症の方々に対する考え方、並びにこれらの不具廃疾にひとしい方々が一体どのくらいおるか、それもあわせてお聞きしたいと思います。
○中嶋説明員 ただいま非常にはっきりした数字は持っておりませんけれども、御指摘の特別項症、最も重い項症に該当しておる者は現在八百名くらいでございます。一項症の者もこれに若干数が多い程度と承知いたしております。
○登坂分科員 これらの分け方といいますか、特別、一項症、二項症、それは事務的に、あるいは恩給法の内規できまっておるのでしょうけれども、あまりにもこれが少し過酷であるように思う。私は、分類上私の知っている人を基準にして見ても、非常に不幸な分け方であると思うのだが、その考え方についてちょっと……。
○中嶋説明員 項症の分け方につきましては、恩給法に別表が規定してございまして、特別項症、第一項症はっきり明記してあるわけでございますが、実際の運営にあたりましては、ただいま先生のおっしゃった趣旨を体しまして、こういうふうな重症者につきましては、特にその項症をいわゆる辛く見ないような方針で査定しております。また法律的に申しますと、先般、症状等差調査会の御報告をいただきまして、これによりまして、先年の国会で、ことにこの程度の重症者の人たちを中心といたしまして法律自体をも改正いたしまして、症状等差を上げる措置をしたところでございます。御了承願いたいと思います。
○登坂分科員 政府としてもそういう努力をされていることは非常に多とするところでありまするけれども、現実にこういういわゆる重症の受給者を見るときに、これを一、二、三とこういう不具廃疾にもひとしいような人の等級差を法律で分けるということは、今日の日本の社会の世相及び政府の方針からすればやや過酷である。私は、こういう点をひとつさらに、恩給法の別表に定めるというようなそういうものでなく、もっと行政的にあたたかい措置と今後の皆さんの行政指導をひとつ特にお願いしておく次第であります。 さらに、もう少しこまかい問題で、有期年金、いわゆる五年ごとに年金を改定していく、あるいは審査を続けていくということ、これは傷病軍人恩給年金の精神に反するのではないか。もちろん内部疾患等の場合は、あるいはよくなる方もありましょう。しかし、あるいはその内部疾患がまた時を経て突然出てくることもありましょう。それが原因であるかどうか、なかなか判定に苦しむ問題もありましょうし、特にまた外傷を受けている人、たまがからだの中に入っておっても、ふだんはあまり健康上に差しつかえないというような方でも、だんだん年をとっていきますと、これが神経痛になったり、あるいはその他の余病を併発して、だんだん年齢とともにこれまた重くなるというのが普通です。からだの抵抗力が弱ってまいりまするから、そういうときにあたってこの五年ごとの有期審査ということは、これは少し考え直す段階に来ておるんではないか。もうこういう方々はだんだん年をとって、消えてなくなっていかれるのでありまするから、特に数がだんだん減っていく。でありまするから、こういう年配者の方々に対しましてなお過酷に精神的な負担をかけておるのに五年ごとの有期審査、特に恩給は二十八年からですから、もう二十年に近くなんなんとするのに、いまだに再審査をするということは、いまの国家の施策にやや反しておるのではないか、こう思うのでありますが、その考え方はいかがでありますか。
○山中国務大臣 先ほどの御質問にも関係いたしますが、しからば御趣旨のように一定の基準を設けないで全部の傷病者にできるかというと、私も実は一番軽い第四款症の傷痍軍人でありますけれども、やはり何らかの形で基準を定めませんとむずかしいのではないか、支給がかえって不公平になるのではなかろうか。ことにいま述べられましたような、外から見てわからない患者という者なんか問題をかえって起こすのではないかと思います。しかし、その基準の設定が非常に酷であるという印象も一部にはありますので、これは御承知ですけれども、昨年十月に改正しました。両上肢を全く失ったものがいままで一項症であったものが特別項症に改正されました。あるいは精神的または肉体的作業能力の大部を失ったものが二項症より一項症へ、常に高度の安静を要し、肺のレントゲン線像に広範重大な病巣陰影を呈するものが第二項症より第一項症へ、両眼の視力が視標の〇・一を一・五メートル以上にて弁別できないものが四項症より三項症へ、ハンセン氏病患者については第五項症以上とあるものを第三項症以上へ等等の手直しはいたしておりますが、さてこれから外面的になかなか判断のしにくい視覚もしくは聴覚の障害、あるいは判定ができても、肢体障害なり外貌の醜い形、外貌醜形、そういうもの等につきましては、できればもう一ペん判定すればそれでよろしいかとも思うのですし、五年ごとにやりましても、お医者さんがかわっておりますと、あなたは非常な難聴であると前のお医者さんは判定したものがなかなか、ほんとうに聞こえておるのか聞こえないのかは、医者にとってはそれは人がかわると当然判定が違ってくると思うのですね。そこらのところが、私も体験がありまして、私の家内のおやじが職業軍人で、非常な難聴者でありまして、一日じゅう耳の奥のほうでクマンバチのような音がするんだそうでありますけれども、しかし五年ごとに憂うつなんですね。そのお医者さんにそれを認めていただくというのがなかなかたいへんなことなので、私もそこらのところは実情をよくわかりますので、野方図にはできませんが、これらの点は審議会等でも検討の方向を示唆しておりますので、もう少しよく検討いたしまして、それらの方々がせめて、満足ではなくとも、困ったというお気持ちの取り除けるような手段を研究してみたい、こう考えております。
○登坂分科員 政府のそういうこまかい施策も承って、これまた安心いたしました。 なおこの有期審査に対しまして非常に日数がかかるというのがわれわれがあちらこちらで耳にする問題であります。これをもっと何とか早く処理して安心させてやるわけにはいかぬのか。恩給局においてもそれぞれの審査官がおりまして、非常に件数が多いので、なかなか一時にはできないかもしれませんが、特に問題になるような点は別といたしまして、もう問題にはならぬ、有期で、ただそのまま認められるというようなものをもう少し処理の簡素化、行政の簡素化というものをはかって、一日でも早く待ち望んでおるところの有期再審査の方々に対して、もっとあたたかい手を、施策を考えられるようにできないか。また有期再審査によってそれを却下されるというような不幸な面も多々あるようでありますが、その件数は一体どういうものか。そして何%くらいそういうものが——これはあながちパーセンテージを言うこともどうかもしれませんけれども、どのくらい再審査に失格と申しますか、恩給年金停止になる面があるか、それもあわせてひとつお聞きしたいと思います。
○中嶋説明員 再審査の結果、恩給が停止になったり廃止になったりするものがどのくらいあるかというお尋ねでございますが、詳しいデーターが調べてございませんので、まことに失礼でございますが、やはり半数以下、最近そういうふうなものが多いというふうに思っております。 御説明申し上げますと、先ほど申し上げましたいわゆる有期の恩給と申しますのは、症状が軽快することが医学的に可能性が強いというものについて有期の制度を設けておるのでございまして、先生の御趣旨を体しまして、なるべくこれを変わらないと認めた場合には無期に裁定がえをするようにいたしておりますので、非常に減っておりますが、有期として現在でもなお残っておるものにつきましては、聴神経の障害であるとか、あるいは神経系統の障害からくるものとか、あるいは先生の御指摘のような肺結核等の内部疾患に関するものでございまして、これにつきましてはやはり療養なりあるいは医療なりの結果相当軽快するものがございまして、その現実の事態で診断した場合において軽くなっておると認められて却下される場合があるわけでございます。
○登坂分科員 傷病恩給については昭和四十五年の十月からというように政府の基本政策が確立されておるとの話でありますが、残余の分についても近く実施するというお話を先ほど総務長官より伺ったので、まことにけっこうでありますが、ただ、この増加恩給とわずかな年金を併給される者が二五%差し引かれるということについて、非常に抵抗を感じておるように恩給受給者からはいろいろ申し出があるのでありますが、これは法のたてまえ上、いまはやむを得ないといたしましても、将来これを何らか検討するような方向でひとつ考えられるのではないかと思うのですが、これに対する所見を伺いたい。
○山中国務大臣 いまの問題は、恩給局からも答えさせますが、御承知のように、社会保障関係の諸給付と所得との関係、あるいは併給との関係等、たとえば同和等についてもいまやはり一部カットされておるというようなこともありまして、いろいろな問題が制度上まだ統一されていないきらいがあります。できればやはりこれも何らかの形でいずれかの方向に統一をすべきものであろう。方向は温情ある方向に進むべきがもちろん基本的な姿勢でありますけれども、そういう政府全般の問題がございますので、それらもやはりできれば統一の方向に進むべきではないかといま考えまして、その他の問題もいま検討中でございます。
○登坂分科員 また、傷痍軍人者の扶養家族の支給額あるいは扶養家族の控除額というようなものが年に一万二千円、月千円だ。そうしますと、ほかの家族手当との不均衡が非常にある。ほかの家族手当は大体千七百円程度だとしますと、またこの是正も考えられると思うのでありまするが、これはどういうふうにお考えであるか。また先ほど来の有期あるいは事後重症等の場合、再審査を受けるにあたって、これまた医療の診断を受けるに際しまして、無料診断というようなことができないかどうか、これもひとつあわせてお答え願いたいと思います。
○中嶋説明員 お答えいたします。 御質問の扶養手当と申しますか、恩給法では傷病者に対する扶養家族加給、それから遺族に対する扶養遺族加給と申しますが、これは従来在職公務員の扶養手当等を参照いたしまして、四千八百円一本となっておったのでございますが、昨年十月の改正によりまして、御同意を得まして、妻については一万二千円、その他の一人については七千二百円にするという増額を実施いたしまして、御趣旨に若干こたえ得たものと信じております。 それから、有期の傷病恩給等の無料審査というお話でございますが、これは他の一般の制度におきましても、請求する者はその証拠書類を添えて請求するという形になっておりますので、一律にそう改むべきかということについては、とくと今後検討しなければならないものだと考えておりますが、ただ、これが先ほど申し上げました、長官からもお答え申しましたような、公平な査定をするため特に重ねて診療をする等の場合におきましては、現在恩給局ではいわゆる検診という制度をもちまして、そして診断書料とかあるいは検査料等は国が負担するたてまえで公平な審査をする道を講じておりますので、これを拡充強化することによって御趣旨におこたえいたしたいと考えておるところでございます。
○登坂分科員 次に、軍恩についてちょっとお聞きしたいのでありますが、軍人恩給もこれまた終戦後一時停止されて、昭和二十八年に支給されたのでありますが、これまたそのときの俸給の立て方は、なかなか戦後の経済のバランスをとるのに非常に苦心されたと思うのでありますが、当時の仮定俸給というものがいまなお軍人恩給受給者の間には非常に問題とされておる。これもまた検討すれば、非常に、私どもしろうとでもいろいろ問題点があるのではないかと思うのでありまするが、これについて是正の方向か、あるいはどういうふうなお考えか、これまたひとつ事務的に御説明を願いたいと思います。
○中嶋説明員 軍人恩給の計算の基礎となる仮定俸給の定め方、いわゆる格づけと申しますかにつきましては、先生のおっしゃったような御意見が多々あることは承知しておりまして、これも昨年の十月の改正におきまして、年限の長い人たちにつきましてはこれを是正する措置を講じた次第でございまして、残余の点につきましては、恩給審議会の答申等もございますので、これを考慮に入れつつ、現在審議会で改善すべしとして指摘されておる事項もまだ残っておる段階でございますので、それらを処理いたしました次の段階として検討さしていただきたいと考えております。
○登坂分科員 次に、普通恩給のことでちょっと一言触れてみたいと思うのでありますが、普通恩給は、これまた公務員についても文官恩給あるいは公務員恩給という切りかえが昭和二十三年の六月に実施された。そこで、よく地方で、老齢にして文官恩給を受けておる方々から申し出があるのでありまするが、どうも二十三年を契機としてわれわれ戦前の者は非常に倍率が悪かった、あるいはその算定の基礎がどうも不利だったというような非常に不満の声が聞かれるのでありますが、これに対する恩給当局の考え方はいかがでありますか。
○中嶋説明員 御指摘の問題は、昭和二十三年六月三十日以前に退職した一般文官等に対する恩給の問題だと思いますが、恩給審議会の答申にもございますように、一般に退職時期が新しくなるほど年金額が若干多くなる、こういうことは避けられないことでありまして、恩給法上それを全部埋めるということにつきましては相当問題があると考えておるところでございますが、ただいま申し上げました二十三年六月以前の退職者の基礎俸給の問題につきましては、いわば恩給的の格づけという問題も入っておりますので、この格づけが低いではないかという御意見だと拝承いたしますが、このことについては、恩給審議会におきましてとくと調査して、その結果二十三年六月以前の者の間に不均衡があるならば適当な是正をするのがよろしいという答申をいただいておりますので、目下検討中でございます。
○登坂分科員 それでは最後に恩給当局に対しまして要望を一つ申し上げます。 恩給というものは公正でなければいけない、しかも厳正でなければいけない、これはよく承知いたすところであります。また財源等にもある程度制約を受けることも、これまたやむを得ない点と認められまするが、今日われわれがあちらこちらに行って耳にすることは、恩給審査は非常に厳格過ぎる、あるいは必要以上に資料をとり過ぎる、これもやむを得ないことでありまするが、もう古いものが多いので、なかなか旧軍人がどこに属していたか、だれがどこでけがしたか、どこの病院に入っていたか、だれの証明をとろうかというので、恩給受給者は非常に苦労しておるということは事実であります。特に、いまなお未処理の問題、あるいはいまなお傷痍軍人やあるいは遺家族についてまだ恩給が支給されていない、年金が支給されていないという場合をわれわれも耳にするのであります。そういうときにあたって、その確たる証拠を持て、そうでなければだめだということで、非常に恩給受給者は生活にも逼迫しておるし、かつまた非常に狭い範囲でおりますので、係累も少ないとか、あるいは関係筋も少ない、あるいは事務的な能力もないというので、そのままになっておるとか、たまたまあったとしても、あの書類が足らない、この書類が足らない。そういう場合に、地方自治体の長とか、あるいはその他の確たる証人があるような場合においては、事務当局としてはなるべくこれを審査会に正式にはかって——審査会の正式な書類がなければどうも事務的には処理できないんだといって、よく突っ返される点が多い。そうすると、返された人はそのまま机の下に突っ込む、あるいは家の中にほっておいて、再度申請する意欲もなくなって、そしてほっておくということをわれわれはたびたび耳にします。そういうことがないように、恩給当局は今後、そういういわゆる判断の資料としてこれなら事務的にも受け入れられる、そういうふうになるべく積極的に、これらの年金受給者あるいは申請者に対しまして、あたたかい行政措置をひとつ考えてはどうか。この点に対する最後の御意見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○中嶋説明員 恩給の請求の証拠書類の問題でございますが、遺族、傷病者につきましては、何ぶんにも終戦という非常事態にあたりまして、相当資料が散逸しておるものでございまして、この証拠というものを集めることが非常に困難であるということは、重々裁定庁として承知しております。御指摘のような点につきましては、この恩給局だけでなくて、この恩給を進達する経由庁、厚生省とかあるいは都道府県の関係当局ともよく相談しまして、受給者に不必要な時間や負担はかけさせないように、極力努力してまいりたいと、かように考えております。
○山中国務大臣 先ほどこれからの考え方をきちんと権利義務の関係に置きたい、こう申しましたけれども、権利を持たせる、付与するかしないかについては、権利義務の関係の中に入っていくわけですから、やはりどこかで証明されなければならない。気持ちの上では、明らかにそういう戦争によって傷つかれたり、あるいは恩給を受給する権利を発生する原因の症状を持っておられる場合、これは気持ちではあたたかく取り扱ってあげるということについては、何ら異存はありませんが、ノーチェックで権利の付与をするということについては、権利義務関係をきちんとすれば、やはりそこに一定のチェックがなければなるまい。ただ、そのしかたが、ある部隊が全滅しておるのに、なおかつその全滅したと思われる生き残り者をさがさなければだめだというような場合にどうするか等の極端に困難な問題がありましょうから、そこらのところは、これからケースを一々見ながら、それらの点について改正すべき点があれば積極的に取り入れていきたいと思います。
○笹山主査 次は、二見伸明君。
○二見分科員 私は、筑波学園都市について二、三お尋ねして、筑波学園都市が今後どういう方向に進んでいくのか明らかにしていただきたいと思います。 これはたしか河野さんの時代に大々的に宣伝されまして、地元のほうではあすにでも来るような大きな期待を持っていたわけでありますけれども、しかし実施に移されてから今日に至るまでそれほどの進展が見られない。そのために地元のほうでは、一体筑波学園都市というのは実現できるのだろうか、そういう大きな不安と疑惑を抱いているわけであります。もちろん学園都市は、政府の大きな構想の一つであろうと思いますし、また地域にとりましても、地域開発の面から非常に関心があるわけでありますので、これからどういう方向に進んでいくか明らかにしていただきたいと思うわけですが、これから一つ一つお尋ねしてまいりますので、その点明らかなる御答弁をお願いしたいと思います。 まず、最初に、筑波学園都市の用地取得の問題でございますけれども、用地の取得はどういうふうになっているのか。あそこはたしか単純買収の場合と区画整理と二つのケースがあるように思いますけれども、取得の状況はどうなっているのか。まず、その点をひとつお願いいたします。
○井上政府委員 お答えいたします。 用地買収につきましては、全体といたしまして千九百十七ヘクタール、約五百八十万坪の予定で一昨々年より用地買収交渉に入りまして、本年二月末現在におきましては、約九〇%の千七百十二ヘクタールというのが買収を完了しているわけでございます。
○二見分科員 その内訳ですけれども、区画整理の場合と単純買収の場合とわかりますか。
○井上政府委員 買収いたしまする面積のうちで、区画整理地区といたしまして、任意買収でいたしますのが、約百万坪、三百三十四ヘクタールでございます。それから新住宅市街地開発法によります新住宅市街地地区、あるいは自治団地の官公庁施設といたしまして用地取得いたします分、こういった土地収用権を付与されております全面買収部分が残った四百七十万坪ぐらいでございます。
○二見分科員 実は先日私この地元へ行ってまいりまして、いろいろ関係町村の方々の意見というものを聞いてまいりました。そうしたときに、地元からの大きな訴えのあったのは、区画整理の関係が買収がおくれているようだ。そうしておくれている理由としては、これは区画整理地域に指定した中の地価が上がってしまった、そのために農家が国のほうに応ずるのではなくて、地価が上がったために不動産業者のほうに売却をしてしまった、そのために区画整理がおくれているのだ、こういう話でございました。おそらくそうだろうと思います。それで、そうなってしまったことをいまさらここでとやかく言ってもしょうがないわけでありますけれども、区画整理に、国の方針に応じた農家はたしか十アール当たり山林で三十五万円ぐらいで応じております。不動産業者に売却したのは、それよりも相当いい値段で売却しておるわけです。国の政策に忠実であった農家と、国の政策に忠実でなかった者、この間に大きなアンバランスができている。これが関係町村内での一つの問題となっておりまして、このアンバランスを何とか是正する、この不公平を何とかなくす方向でこれからは考えていかなければならないのだけれども、われわれとしてはどうしようもないのだ、国のほうとしては、こういう点をどういうふうに考えているのだろうか、という深刻な訴えがあったわけでありますけれども、この点はどういうふうに認識なさっておられますか。またその不公平を何とかなくさなければならないとするならば、どういうような方法でそのアンバランスをなくしていくのか、その点をひとつお願いしたいと思います。
○井上政府委員 用地取得につきましては、いま御指摘のとおり、一般的には、地価水準から申し上げますと、反当たり三十万ないし三十五万というのは、比較的低廉な価格でございまして、県及び地元町村が日本住宅公団から業務の委託を受けまして、用地買収を進めておりますが、その場合におきましては、鹿島開発の関連でありますとか、あるいは県におきます県内全般の開発の関連といったことから、いま申し上げたような価格で買収いたしておるわけでございます。 そこで、土地収用権が付与されております地区内につきましては、そういった価格で取得ができるわけでございますが、いま御指摘のございました土地区画整理地区につきましては、任意買収でございますので、地元の町村当局におかれまして、全面的な協力を土地所有者から仰ぐという見地から、鋭意説得をしまして、やはり着手いたしましてから買収が完了いたしますまで、同様の基準によります価格で取得いたしたいというふうに考えているわけでございます。
○二見分科員 ということは、やはり反当たり三十五万かそこらでこの地域の買収は進める以外にはないと、こういうお考えでございますか。
○井上政府委員 そのとおりでございます。そこで、実は県知事におかれましても、こういった土地を手放す場合に、離農対策と申しますかあるいは営農対策という見地から、別途財政当局ともお話ししまして、約二十億円の環境整備費といったものから、関連の町村道を整備しますとか、あるいは施設農業の経営に転換するといった場合の営農指導なり営農施設費の一部補助といったものでカバーしていくというふうにいたしまして、用地取得といたしましては原則どおりやりたいと考えております。
○二見分科員 実は、区画整理をやっておる筑波学園都市のあの地域一帯ですね、あのそばに萱丸団地という団地をいま町と県でもって造成しているのです。ところで筑波学園都市の区画整理の関係は、区画整理をいたしますと、その一部を地主に還元いたしますね、たしか三〇%だと聞いておりますけれども。その筑波学園都市のすぐそばに萱丸団地という団地があるのです。町と県で目下造成中でして、住宅関係が四十ヘクタールかな、工場が四十ヘクタール、それほど大きなものじゃないと思いますけれども、造成をしておりますが、その場合の還元率が四四%なんです。筑波学園都市の場合ですと三〇%だろうと思います。買収価格は三十万ないし三十五万円、たんぼの場合ですとプラス十万円の離農補償がたしかついているように思いますけれども、それにしてもかなり低い額であるわけです。そういった関係から考えて、還元率を上げることは考えられないのかどうか。三〇%を三五とかあるいは四〇とかアップすることが不可能なのかどうか。可能であるならば、その方向で御検討いただきたいと思いますし、不可能であるならば、こういうわけでどうしても不可能なんだと、納得できる御答弁をいただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。
○井上政府委員 いま御指摘のございました萱丸団地の内容につきまして、私つまびらかに存じておりませんが、現在、北関東地域におきまして工業団地なり住宅団地を地元の公共団体あるいは公社等がやります場合には、最近次第に、任意買収によりまして造成いたしましても、土地所有者に還元する率は上げてきているわけでございます。ただ、筑波学園都市の場合につきましては、当初からできるだけ旧集落地域でありますとかあるいは水田、畑地といったものを避けまして、できるだけ平地林等を活用する、あるいはため池、沼等を埋め立てる、そういった方向でやっておりますので、公共減歩としまして三割くらいを減歩いたしますが、その還元率につきましては、私実情をつまびらかに存じませんので、なお住宅公団及び地元公共団体とも検討いたしまして、また事業所管官庁になります建設省とも相談いたしまして御返事いたしたいと存じます。御了承願いたいと思います。
○二見分科員 くどいようですけれども、その場合、御検討いただくのは非常にありがたいわけでございますけれども、いまきめている率に固執するのじゃなくて、何とか一歩でも二歩でも前進する方向で御検討していただきたいと思うわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○井上政府委員 区画整理地区は、大体全体で千百ヘクタールで十一地区ばかりございますが、その全体の区画整理地区の中で、用地買収面積というものを、日本住宅公団におきまして、県あるいは地元町村と相談して、一応総ワクとして地区区画整理施行面積及び買収面積を予定いたしましたので、それを拡大することにつきましては、拡大することについてなおまた問題が起こりますので、還元率をふやしますためには、所要面積を生み出すために買収区画整理施行地区というものを増加する必要がございますので、非常にいろいろな問題が生じますので、ひとつ検討した上で御返事させていただきたいというふうにお願いいたします。
○二見分科員 それから、先ほど買収価格が比較的安かった、こういうお話でございました。私もこれを調べたのですが、たとえば成田の新国際空港の場合は、反当たり、十アール当たり畑が百四十万円、山林が百十五万円、たんぼが百五十三万円、宅地が二百万円、これで買収しているのです。ところが、学園都市の場合は三十五万円なのです。成田がきまったのと筑波学園都市がきまったのは、たしか時期的には一年ぐらいの差だろうと思う。これは別に片方が安くて片方が高いというわけではありませんで、そういうようなそろばん勘定で私申し上げるわけではありませんけれども、成田の新国際空港も筑波の学園都市も距離的には非常に近いわけです。一方は三十五万円ぐらい、一方は百五十万円、もし、こういうことがあり得るとするならば、はっきり言えば成田のほうがごねているのです。筑波のほうはおとなしいのです。いわばアンバランスですね。土地買収価格に対するこういうアンバランスというもの、私はこれは国の政治として改めなければいかぬと思うのです。どちらがいい悪いではありません。どちらの価格が正しい正しくないというのではなくて、おおよその基準があっていいのではないか。ただ、地域によって倍ぐらいの差はやむを得ないかもしれないけれども、百五十三万円と三十五万円、これはあまりにもひど過ぎるのではないか。新国際空港のほうが重要で、学園都市のほうが重要でないのか、私はそうじゃないと思う。機能が違うだけの話であって、私は両方とも重要なものだろうと思います。そういう点は、これからの問題としては、これは事務局長に文句を言っても始まらぬことでありまして、あるいは建設大臣のほうに文句を言うべき筋合いのものかもしれませんけれども、こういう点は改めていただきたいと思うのです。なるだけだれでも納得できるような価格に押えてもらいたい。そのために筑波のほうではむくれておるのです。かんかんにおこっています。こんなばかな話があるか、われわれがおとなしくしたら三十五万円だった、こんなのならもっとごねればよかった。いわばこういう政治姿勢について、これは事務局長にお答えいただきたいし、総務長官にも、別にこの価格のいい悪いではなくて、総務長官には直接御関係ない話でまことに申しわけないのだけれども、同じ閣僚の一人として、今後おそらくいろいろな問題が起こると思いますので、ひとつ御見解を明らかにしていただきたいと思うのです。
○山中国務大臣 これは首都圏整備委員長は建設大臣でございますが、その事務機構を私のところの総理府に一応お預かりしているということでございまして、その意味では私も責任があるわけでございます。ましてやこの筑波学園都市の計画設定にあたっては、官庁、学校等の陰に陽に陰湿な移転反対なり何なりがずいぶんありまして、表に出たところもあれば、裏で陰湿に抵抗したところもあり、なかなか足並みが乱れておったということは私は認めるべきだと思います。しかし、その結果として、先ほども申されたような一部地域の都市計画、地方都市計画と還元率等に差が出たり、そのことだけじゃありますまいが、そのことも問題でありますし、また金額も、後ほど事務局長が地域によって算定の基礎を異にしておるわけではないという説明をすると思いますが、やはり国家的な大事業の場合に極端な開きのあるのは、それはよほど客観性のあるものでないとなりませんから、そこらのところが抵抗があればごね得で高くなるということは、前に土地収用法の一部改正でなくなっておるということは国民も一応知っておるわけでありますので、そういうふうに受け取られますと、私もむしろ筑波学園都市関係者にはたいへん気の毒だと思いまするし、そうでないことを願っておりますが、御指摘のとおりの方針をわれわれは絶えず念頭に置いて、北海道の価格と東京の価格と一緒にするというふうなことはもちろんあり得ませんけれども、客観的に見てまあまあというものでないとおかしかろう。そのことは絶えずあらゆる問題について念頭に置いて政府は処理していかなければならないことである、かように考えますが、局長から補足説明をさせます。
○井上政府委員 公共用地の取得につきましては、いま大臣から基本的な方向としてお話がございましたが、この土地取得につきましては、実は農地、山林等でも必ずしも農地、山林としての収益を資本還元しましたいわゆる収益還元価格で評価せずに、やはりその土地の素地と申しますか現状、いろいろな交通機関の整備状況でありますとか、あるいは土地条件の改良状況でありますとかいったようなことから評価いたしますので、距離的にはいずれも首都地域から六十キロから七十キロというところにございますが、一方はやはり首都の近郊整備地帯としまして、国際空港開設に伴いますニュータウンの整備でありますとか、交通機関の整備といったことも比較的計画が早うございましたし、そういった力の関係で差が出ておりますほかに、成田地区につきましては、県当局としましても、県の低開発地域の開発という見地から、統一的な、鹿島開発との関連等も考慮されてきめられましたので、双方に開きがございますが、特にこちらは急ぐからであるとか、あるいは軽重でありますとかいったようなことから差をつけたわけでないことは御了承願いたいと思います。
○二見分科員 この問題はあまりやりませんけれども、実は、一つはこれからの完成時までのスケジュールをお尋ねしたいと思うわけです。というのは、関係町村でも、一体ことしは何が来るのか、来年は何が来るのか、道路がどうなるのかというのが大きな関心事になっておりますし、確かに筑波学園都市の将来を考えた場合に、まず道路が完成されなければ、来る機関だって来ようがないと思います。まずお尋ねしますけれども、あそこには学園東大通り、西大通り、北大通り、南大通り、牛久学園線、土浦学園線という六本の道路が建設される予定になっておりますけれども、これは完成時の、たとえば五十年の完成時には六車線だけれどもというのじゃなくて、四十五年度には何車線の舗装をするとか、四十七年には何車線の舗装をするとか、そういう段階的なスケジュールは事務局長のほうでおわかりになるでしょうか。
○井上政府委員 筑波学園関係につきましては、いま二見先生からお話がございました主要なる街路及び周辺の県道、町村道、その他昨年の閣議でもその推進が問題にされております高速自動車国道でございます常磐自動車道といったものを全部推進する必要があるわけでございますが、いま御指摘の都市計画街路につきましては、全体は八路線で約六十キロございますが、東大通り線、西大通り線あるいは土浦駅、牛久駅と結びます土浦学園線あるいは牛久学園線というものにつきまして、いずれも前期の昭和四十三年から四十七年という期間で暫定断面で概成する。幅員等につきましては、全体は四車線ないし八車線ということで整備いたしますが、一応前期期間には二車線で少なくとも全部概成する。 そこで明年度でございますが、今年度も東大通り線、西大通り線あるいは土浦学園線、牛久学園線といったものにつきまして、逐次用地買収を、地区外につきましては県が、地区内につきましては日本住宅公団が、宅地造成の中の工事と一体としまして整備いたしておりますが、明年度は東大通り線、西大通り線、土浦学園線といったものに重点を置きまして、まあ完成断面ででき上がるというわけにはまいりませんが、工事等に支障がなく、また移転機関で一部移転される方もございますので、そういった方の支障のないように工事を進めたいというふうに考えておるわけでございます。
○山中国務大臣 閣議決定についてちょっと御説明申し上げておきますが、昨年の閣議決定で、前期五カ年に十一機関、後期五カ年で二十五機関、計三十六機関を移転せしめるということが決定しております。 さらにその決定外に、素粒子研究所等も新設になりますが、それもやはりいずれの時期に組み込むかは別にいたしまして、これも含めていこうということになっておりますので、前提はいま御質問されましたような、事務局長の答弁したような条件を早くそろえないといけないのですけれども、うちのほうとしては、はっきり言って、行きたがらない関係各省を説得、叱咤激励いたしまして、その閣議決定の線に沿って、不承不承でも向こうに移っていくように努力をしたいと思っております。
○二見分科員 お尋ねしようと思ったことを総務長官に答えていただきましてありがとうございました。 ただ、前期十一機関、後期二十五機関、何が来るかということは、数がきまっているだけで、中身までもきまっているのでしょうか。たとえば農林省からはこういうものが来るとか、厚生省からはこういうものが来るとか、全体の三十六機関の内容はもうすでに決定しているのでしょうか。それともこれから各省庁で検討しなければならない部面もかなりあるのでしょうか。その点いかがでしょうか。
○井上政府委員 三十六機関の内容につきましては、四十二年の九月に閣議了解で、一応それぞれ名称をあげまして決定しているわけでございます。ただ、それを確定いたしませずに、諸般の事情から内容に若干の変更はあることあるべしということになっておりますが、一応三十六機関全部きまっているわけでございます。 なお前期の十一機関は確定しておりまして、確定しておると申しますか一応予定されておりますのは、科学技術庁関係では防災科学技術センター、それから無機材質研究所の二つでございます。文部省は一機関として教育大学が予定されているわけでございます。それから建設省は三機関で、土木研究所、建築研究所あるいは国土地理院ということになっております。なお文部省につきましては、全体で十三機関予定されておりますが、そのうちから五機関ということで、名称を固定せずに、うち五機関ということで四十七年には確定いたしまして、移転工事を始めるということにしているわけでございます。
○二見分科員 もう一点お尋ねしますけれども、あの都市ができれば大体人口十六万ぐらいの都市になると思います。そのうち東京から来るのが十二万ぐらい。しかも東京から移転してくるのは、研究者だとか公務員だとかという、いわばエリートあるいはエリートに近い方々があそこに移住してくるのではないだろうか。都市の性格からいってもそうだろうと思います。そういたしますと、それが十二万も来る。地元にいるのは純朴な農家の方々が四万人だ。ここで当然考えられるのは、ひどい言い方をいたしますけれども、アイヌ化ということですね。これは考えられるわけです。アイヌ化はどんなことがあっても防がなければなりませんし、十二万ものエリートがやって来られて、地元のわずか三万ないし四万の方々が劣等感を持つようなことがあったならば、これは将来国として国土開発をやっていく場合、地域開発をやっていく場合の一つの悪い例になってしまうのではないかと私は思いますので、その点を何とか解消しなければならないと思います。たとえば小学校の問題になりますけれども、東京から移転してくる人たちの子弟の通う学校というのは、設備もりっぱにはなるだろうけれども、同じ行政区域内にある他の小学校、中学校のほうは設備が改善されないのじゃないか、というよりも町のほうの資金としてはそこまで手が回らないために、改善したくともできない、むしろ学園都市に移住してきた方々の通学区域内の学校のほうに手をとられてしまう。国としてもまたそういう学校にはあるいは補助をするかもしれないけれども、それ以外のところにはおそらく補助は来ないだろう。学校の施設の面一つを取り上げてみても、同じ行政区域内でアンバランスができてしまうのじゃないかという心配もあるわけです。そういう点は当然関係者の方々は検討されているとは思いますけれども、この点についてはどうか前向きに考えていただきたい。そのためにはこういうふうにやっていこうと、具体策なりなんなりございましたならば明らかにしていただきたいと思います。
○山中国務大臣 こういうことは、せっかく整備委員会事務局をお預かりしておりますから、私のほうでも積極的に進めていきたいことの一つだし思いますが、また私が干渉してよろしいことだと思うのです。よくいままで見られました形態として、地方の町に大きな工場等ができますと、市長さんもその工場関係者がなったり、あるいは市議会等もその関係者が過半数を占めたり、あるいはその工場等に関係のない者はなかなかそういうところで発言の規模といいますか、ウエートというものは少なくなってしまうという現象等があるようであります。ただ、いまの筑波学園都市は、行かもる方々が全部研究者でありますだけに、そのような地方行政事務その他に、自分が村長になってやろうとか、市長になってやろうとか、市会議員になってやろうとかという人の数は、ほかの一般企業が来て地域住民の数が少なくなるということとは少し現象が違ったことに結果なるだろうと思います。やはり地元におられた方々のほうから市長さんなり議員なりの方々が出られることが常識であろう、この筑波学園都市についてはそう思いますが、そうすると、そういう人々が市の政治をやっていかれるわけですから、やはりそういうようなもとからおった人たちの子弟の少なくとも学校教育は、地域あるいは職業にかかわらず、平等に義務教育を受けるわけですから、そのような陥没が見られないような行政は必ずとられると思いますし、それについては私どもは十分配慮して、また通学する学校区も全部同じに扱うというふうにしなければいけないのじゃないか。そこらのところの配慮は、微妙な問題でありますだけに、十分注意してまいりたいと思います。
○二見分科員 最後にお尋ねいたしますけれども、あそこに大都市ができれば、当然上下水道、ごみ処理、これが問題になってくると思います。上下水道は当然広域的な立場でやらなければならないと思いますけれども、いま上水道の経営主体はどこに考えていくのか。町にやらせるのか、あるいは県にやらせるのか。それから下水道はあそこは霞ケ浦、牛久沼、それから利根川と、大きな沼と川がありますけれども、現在考えている段階では、下水道はどこへ引っぱっていくのか、その点を最後に明らかにしていただきたいと思います。
○井上政府委員 上水道につきましては、あの筑波地域が基本計画に従いまして整備されました場合におきましては、水源はやはり霞ケ浦に依存せざるを得ないというふうに存ずるわけでございます。当面は地下水等によります水源にたよるということになりますが、霞ケ浦にたよります場合には、現在一応第一期と申しますか、当面日量五万トンぐらいで一般の生活用水及び各研究機関の研究業務用水というものを確保いたしたいというふうに考えているわけでございます。事業費等は、まだ積算中でございますが、数十億を要すると存じますので、事業主体としましては、地元の六町村がそれぞれ供給するというわけにもまいりませんので、原水供給のほうはいまのところ確定いたしておりませんが、関係省及び地元と話し合いしまして、県営でひとつお願いしたい。ただ、各戸に対する給水は、地元町村で一部事務組合等を設立いたしまして供給いたしますが、原水部分としましては、県営水道でやっていきたいというふうに考えているわけでございます。 なお、下水道は非常に問題がございまして、地区内にも、牛久沼に入ります河川でありますとか、あるいは霞ケ浦に入る河川というのは、おもな川が三本ばかりございますが、下水道につきましても、やはり広域的な下水道として、できれば幹線部分は県でやり、支線部分は町村でやるといったような方式でやっていきたいというふうに存じております。
○二見分科員 いま下水道のところですけれども、経営主体はわかりましたけれども、大体どこへ、利根川に流し込みますか。
○井上政府委員 牛久沼、霞ケ浦に放流いたしますと、水質保全といった見地から非常に問題がございますので、現在のところ小貝川のほうへ放流いたしまして、直接利根川に入るようにいたしたいというふうに存じております。
○二見分科員 終わります。どうもありがとうございました。
○笹山主査 次は、竹本孫一君。
○竹本分科員 私はいろいろ伺いたい点がありますけれども、官房副長官まだお見えになりませんが、山中長官なら何でもお答えできるはずですから、そういうことでひとつ二、三の問題をお伺いいたしたいと思います。 まずその一つは、現在内閣においては情報の収集についてどういう機能を持ち、構想を持っておられるかということであります。特に内閣の調査室と総理府の広報室と二つありまして、そのほかに報道室というのがあるわけでございますけれども、情報宣伝というようなものは、本来一元化しなければならないものであるという点が一つの問題点ではないか。特に私は、政治というものは情報が一番大事だ、ことに日本のこれからの七〇年代に新しい進路を開拓していく、こういう立場から考えますと、外交関係の情報等も非常に幅広く集めてまいらなければならぬ。共産圏の情報はあまり入らないとか、あるいはアメリカの情報にしても、自分たちの希望的な情報だけが入ってきて、そうでない動きはほとんどわからないといったようなことでは非常に問題が多いのではないかと思います。今日外務省が、もちろんアメリカやソ連についてはそれぞれ情報を集めておられるのだろうと思いますけれども、それらの情報が、内閣の中にはどういうふうに集約をして流れてくるか。またアメリカやソ連以外の、ことにアジアの中の日本として必要とする中共その他の共産圏あるいは東南アジアの情報というものは、どういうふうに幅広く集められておるか。そうした問題について最初にお伺いしたいと思うのでございますが、充実強化とか一元化の問題も含めて、ひとつ長官の御意見を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 内閣調査室の情報収集というものについては、私は全くタッチいたしておりません。しかしながら、おおよそうかがい知るところでは、ただいま質問されましたような、そういうような国際的な情報資料収集等よりも、むしろ国内の情報資料収集等のほうが主であるのではないか。これは責任者が来られてからの答弁に待ちたいと思いますが、そのような感じがいたしております。 一方、外務省を通じての正規ルートもしくは外務省関係のパイプによる情報、そういうもの等についても、外務省は外務省なりに努力しているのでありましょうが、しかし私たちは、もう少しこれらの問題を——たとえば中共というものはうかがい知ることのできない大国の一つでありましょう、国際的に見て。その場合に、中共のことは日本が一番よく知っている、情報は一番よく持っているという国であってしかるべきだと思うのですけれども、しかしイギリスの首相あたりが来て、日本に中共の情報等を聞きたいようなそぶりをしても、むしろ日本のほうが教えてくれないかというようなふうに見られる。私は、やはり国際的に、中共と今後どうこうするは別にいたしまして、一番近い国の情報ぐらいは日本が持っておる、それによって日本の情報の上に立った——中共と遠い国々あるいはソ連と遠い国々、日本の場合には極東でしょう。そういうような国々の情報は、日本に一応聞いてみようかというような立地条件に日本はあると思うのです。そういう意味ではまだまだ私足らない点があるのじゃないかと思います。これは、外務省参っておりませんが、もし最後まで参りませんでしたら、私のほうからそれらの点はいずれ竹本先生にお答えするように伝えておきます。 なお、一元化の問題でございますが、私のところでは確かに宣伝と申しますか、広報のほうをあずかっております。その広報も、私いままでのものを点検いたしてみました。やはりこの種の金は、幾らあっても足りるということがない。かりに幾ら少なくてもやれないということはないという性格の金です。そうすると、やはり国民の税金でありますから、これをいいかげんな、恣意な使い方がされてはならない性質のものであるということが、当然その裏面として考えられなければならない姿勢でありますから、そのような意味で私いま点検をいたしておりますが、これから先の広報のしかたというものは、やはり国民が知らなければならないものを政府の立場において知らしてあげなければならない事柄について重点を置いて、しかもそれは効果があって、しかも国民のために正しいと思われるものをやるべきである。 〔主査退席、登坂主査代理着席〕 あるいは私のところは情報収集とはいきませんけれども、国民の政治に対する考え方、あるいは日本の現在の社会に対する考え方、そういうようなもののアンケート的な、あるいはごく規模の小さいものでありますけれども、そういう考え方の動向調査、そういうもの等には心がけておりまして、それはなるべく数多く、幅広く、各態様のもとにそれを行なって、日本の政治の全体に貢献するようにしたいと考えております。 ことしの予算で特別に考えましたのは、「今週の日本」という、直接国の出しておる、パンフレットとも言えませんが、そういう性格のものがございますが、これにつきましては、沖縄の方々に、いままでは本土版をそのままわずかな部数お見せしていただけにすぎないようでありまして、これではあとわずかのあとに復帰を控えた沖縄の人々に、「今週の日本」というものを、沖縄の人たちが自分たちのためにもいい新聞と申しますか週刊紙である、週刊新聞であるという感じで見てもらうためには、どうしても現地版というものが要ると思うのです。そこで現地を調査いたしまして、輪転機その他の借料等も大体能力のあるものが見つかりましたので、現地で現地印刷の部数を相当つくりまして、本土全般に対する「今週の日本」の広報プラス何ページかの沖縄版というもので、祖国の政府というものを身近なものに沖縄の人々が感ずるような一助にしたいと考えまして、予算措置もしてございます。お答えにならなかったかと思いますが……。
○竹本分科員 中共の問題も出ましたけれども、私反省してみますのに、日本の日支事変あるいは大東亜戦争といったようなものを考えて見ましても、日本の政府の握っている情報あるいは陸海軍や当時の外務省が握っていた情報というものが非常に片寄って、極端に言えばあまり役に立たなかったというふうに思うのです。私は日支事変の原因は、中国の幣制改革の見通しを誤ったということが一番大きな原因だろうと思うのですけれども、あのときにイギリスの使節が日本に来まして、いま山中長官のお話のように、日本にどういう考えであるかその意見を聞きたいと思ったときに、日本のほうは幣制改革なんかできないもんだという前提に立ってやっておった。逆にイギリスのほうは、何とかしてこれはやってみせるという決意を持ってやってきた。その判断の誤りから御承知のように排日運動が起こり、日支事変も起こりました。そういう当時のことを考えてみましても、お隣の中国の情報一つ見識を持って見通すことができないような貧弱な情報の上に立って日本の政治が行なわれたということは、日本のためにもアジアのためにも非常に大きな悲劇であったと私は思うわけでございます。 中国の話が出ましたから、ついでにもう一つお願いでございますが、たとえばこれからの中共の動きというものを——私は日本は中国ともう少し勇敢に接近をしていかなければならぬという立場に立っておりますけれども、接近するにしろ、あるいはしないにしろ、少なくとも中国あるいは中共がどう動くかということについては、もう少し科学的な情報を集めなければならぬと思うわけであります。そういう意味で、ひとつ長官にぜひ閣内において取り上げてもらいたいことの一つを申し上げますが、それはせめてプラウダやあるいは人民日報といった新聞の動きぐらいは新聞を見てとらえられる、それぞれの国の動きは少なくとも正確につかんでおく必要がある。いまはコンピューター時代でございますので、ひとつ内閣のどこか存じませんけれども、どこかに、いつ聞いても人民日報の動きはこうなっておる、あるいはプラウダの論説はこういうふうに動いておるということで、紙面を通じての動きを的確にコンピューターを通じてひとつ理解ができるように、これは少なくとも用意すべきじゃないかと思いますので、この点はひとつぜひ取り上げていただきたいと思うのであります。もちろん、われわれもそうした情報を流していただいて、大いに勉強さしてもらいたいと思うんです。 そういうことと関連をいたしますけれども、こういうふうに情報とかいうようなものは、広報活動も同じでございますけれども、すぐれた見識とセンスの問題であります。先ほども御指摘がありましたように、人数が多いとか、予算が多いとかいうことよりも、一番大事な問題はセンスの問題でございますので、私は後ほど伺おうと思っておったのですが、一緒に申し上げますが、こうした新しい七〇年代に挑戦をしよう、あるいは七〇年代に大きな変革が行なわれようというときには、それを指導するにしても、情報をつかむにしても、そうした見識とセンスのある人がいなければいかぬ。そういう意味で私は、日本の役人の自由任用という問題についても、ただ人手が足りないから少し民間から迎えようとかいったような考え方、あるいは単なる従来の役人、東大閥だけでは困るから少し門戸を開こうということではなくて、もっと新しい生き生きとしたセンスや感覚のあるそういう人を、大いにそういう部署に抜てきするという意味での自由任用ということを考えなければならないと思うのでございますが、その点については何かお考えはございませんか。
○山中国務大臣 どうも内閣調査室の予算関係になりますと、全く私のほうはタッチいたしておりませんのでよくわかりませんが、外務省あたりでは、もちろんプラウダ、人民日報あるいは北京放送、そういうものを専門に閲覧し、もしくは傍受し、そして必要なものについてはそれを分析をしながら、内閣あるいは総理の手元、官房のほうへ届けておることは間違いないと思いますが、要するにそういうものの資料分析その他運営に当たる人のセンスの問題だ、これは確かにそのとおりだと思います。私のところの広報室の問題でもやはりいろいろと意見を聞いてみますと、いままでの運用を聞いてみますと、民間のいろいろな意見を採用しておるやに見えますけれども、いろいろなアイデアが民間から出ましても、それを採用するかしないかきめるのはお役人さんになるわけです。そうすると、そのところで一般大衆と隔絶されたと申しますか、大衆の感覚とちょっと違った感覚でもって採用するかしないかがきまるわけですから、やはりそこらのところが問題だと思いまして、俳優協会の会長をしております池部良君を、忙しい間に、ひとつそういう庶民的な感覚でもって、総理府の広報というものを一般大衆はどう見ているか、一般大衆にすなおに見てもらうにはどういうふうにすべきかということで、資格も何も与えておりませんが、助言をしてもらうということで来てもらいまして、合い間をさいてはいろいろな意見を述べてもらっておりますが、大体掛け値なしにたいへん参考になる、自分たちはいままでそんなふうにものを見たことがなかったというようなことが広報室の首脳部の感想のようでございまして、人は何か官職を与えなければ活用できないものでもありませんし、私はいま広報のことを申しましたが、情報の収集等にあたっても、つまらない売り込み情報等のみでなくて、やはりそういうものをどのように見るかという受け取り方の問題も私は多分にあると思いますから、そこらの違った所掌分野についてはこれ以上申し上げられませんが、御指摘の感触は、当然政府たるものが絶えず持っていなければならない見識であろうと考えます。
○竹本分科員 総理府の広報活動については、今後に大いに期待をいたしたいと思います。いまついでに私が申しましたのは、広報室や調査室の問題だけでなくて、役人の人事一般についていままでもいろいろ御努力はあるわけでございますけれども、こういう七〇年代に挑戦しようという転換期には、特にそういう面での人事の問題、あるいは民間でも給料の問題もありまして、抜てきもなかなか困難でありますけれども、いずれにいたしましてもそういう人事に生き生きとしたダイナミックなものがなければだめだろう。そういう点からの自由任用制度についての再検討が行なわるべきではないかと思いますが、この点はいかがでございますか。
○山中国務大臣 現実は遺憾ながら逆なようで、官界というのは拒絶反応があるようですね。たとえば専売公社が、選挙違反に関連したわけでありましょうけれども、いろいろな批判の対象になったときに東海林さんを民間から迎えましたですね。しかし、これも突然というに近い形でやはり一期だけで、一期と申しますか、まあまあここらでということで民間にお戻りを願ったようなことが最近ありました。あるいは外務省で、たしかフランス大使に古垣さんでしたかな、民間から抜てきして、これはおもしろいということでしばらく注目しておったのですが、どうやらあの人も気持ちよく外務省にさようならされたようではなかったようであるという形でおやめになったような感じが私はいたします。これは個人の見解ですが……だから、すぐれた人を官僚機構の中に取り入れて、民間との間に絶えず血がつながっておるということが理想であると考えます。アメリカあたりは、むしろ官僚の頭のほうに民間の優秀な人材をどんどん乗っけてくるという形をとるようでありまして、しかしこれも弊害を生むわけですが、政権が民主、共和でひっくり返ると、末端まで全部その系統の責任者はやめてしまう。したがって、また選挙の論功行賞みたいな人事が行なわれるのではないかという猜疑心を生むもとにもなっておるようですけれども、しかし、一方においては民主主義の徹底した国であるアメリカにおいて、やるべきことはやっているなあという感じはいたします。私ども日本のこのような政治機構というものも、やはり拒絶反応というものをだんだんなくしながら、心臓でさえも移しかえられる時代が来るわけですから、やはり優秀な人材が、しかも喜んで官僚機構なり政治機構の中に入ってきていただくことが、官民一体が人間の面においても組織の面においても望まれるべき方向であろうと私も思います。
○竹本分科員 拒絶反応の問題はいろいろ原因があると思いますが、これはひとつ長官のところでぜひ検討していただきたい問題を提起するわけですけれども、いま行政機構の簡素化とか大改革とかいう問題がいわれております。それはそのとおりだと思います。大いにこれからやってもらわなければならぬし、政府の決意が足らないところに行政管理庁等の問題もいろいろ出てくるわけだと思いますが、しかし、機構を幾らいじってみても、一番大事な問題は、人を自信を持ち誇りを持って活動させるかどうかという問題だと思うのです。これでいま一番大きな問題、あるいは日本の官僚制度の一番致命的な欠陥といいますか、矛盾は、私はかつて先輩から講義を聞いたことがあるのですけれども、文官任用令というのがある、あれはどういう意味か知っているかといって私は教えられました。要するにこれは用いてまかせろということだというんですね。文官任用令というのは支那のことばでしょうけれども、用いたらまかせる、まかせるに値しない人は用いない、用いた以上は必ずまかせる、これでなければ人は感激を持って活動はしない、働きはしない、こういう話を聞いて非常に参考になりました。その後いままで戦後におきましても、日本の官僚機構というものは、機構がすべてをチェック・アンド・バランスで、人が大体動かないように、したがって、また大きな間違いをしないようにということでありましょうけれども、しかし、行動性のある人たちからいえば全く動きにくいように、仕事ができないように、責任もとれないように、わけのわからない機構になってしまっている、これが一番大きな問題だろうと私は思うのです。ぜひひとつ行政機構の大改革も思い切ってやってもらいたいけれども、その組織の中へ入ってきた人については、あくまで用いたら必ずまかせるのだ、この姿勢をひとつ内閣で力強く打ち出してもらわなければ、やはり拒絶反応は多くなるだろうと思うのです。単なる月給の問題だけではない。私は、人間は働くことに一番感激を感ずるわけでございますから、単なる月給だけの問題としてこれをとらえないで、いまの日本の官僚機構の一番の弊害はどこにあるか、用いてまかせないところにある、この問題を打開するようにぜひひとつ考えていただきたいと思いますが、長官いかがでございますか。
○山中国務大臣 これは政治の基本的な議論で与野党を超越した問題だと思うのです。だから率直な意見として申し上げますが、用いてまかせ過ぎておるところもあるのです。ということは、官僚機構の中で、もとの何と申しますか、一番最初からエリートコースにきまっておる、有資格者ですか、という人の歩くコース、こういうものは、見ていますと、用いてまかせてはいるが、その責任を持たしているかどうかについては、ある者は局長になる、なって一年半か二年たつと自分は次は大体ここらに行くじゃろうというようなことで、責任も持っているんでしょうけれども、その職にあってわずか一年半か二年半でもう次のところに行っちゃうわけですから、引き続き行なわれなければならない行政の基本が人によって変わってしまう。次の局長に移ったあと一カ月くらいしてから、前の局長時代のことを、君のところで手がけたことじゃないかと言ってかりに追及してごらんなさい。それは私はいまその職にありませんからと言って、私の責任はなお残っているという表現は絶対にしない。これは分を守っていくといえばきれいでありますけれども、じゃその間に、短い間であっても自分にまかされた仕事について責任を持つんだという意味においては、あまり転々とし過ぎるし、公務員の天下りの問題にもなりますが、したがって、退官年令等をだんだん若くして、事務次官に到達して、あるいは同期が事務次官になったら、あとは局長でみんなやめていくというようなおかしな現象が起こる。かと言って、じゃそのようなエリートコースでない人で、国家公務員であって非常に事務にたんのうで、生き字引的な存在の人がおるかと思えば、その人はずっと何年も同じ職場に放置されている、といってはおかしいのですけれども、ときにはあまりにも大きな権限をその人のみが握ってしまっておることになった一つの例として、かつて通産省の有名人が、通称何とかさんというような人が出たようなこともありまして、だからそういうような循環をしないで停滞をして、しかもそこにときによっては膨大な許認可業務に近いものがまかされていて、上の人は腰かけじりで、いずれ一年半もすれば次のポストに栄進するんだというような形でまかせてしまうというところも、国民全体から政府の機構というものを見た場合には、これはあまりにも食い違いと申しますか、同じ流れの中で停滞と激流と二つあって、その中でもまれる国民はいい迷惑だという感じもいたします。民間人登用の点は、もちろん用いてまかせるということに前提があるのでしょうけれども、いまの機構の中ですらこのような現象があることは、やはり長い慣習であるといっても、優秀な者には優秀ななりな地位が与えられていくということが、私は国民のすなおな目から見たら率直な現象ではなかろうか。たいへんむずかしい問題でしょうけれども、政治家同士としてはそのような率直な観点から、これは気長に正しい方向に進めていくべき事柄の一つであろう、私もそう受けとめております。
○竹本分科員 時間がありませんので、あとは問題を出して、ただ長官の御意見だけ聞けばけっこうですが、簡単にお願いいたしたいと思います。 一つは、労働者の処遇の問題でございますけれども、いまでもすでにいろいろのくふうが行なわれておることも事実でありますけれども、農民には農民年金といったような形でいろいろいっているときに、一つの職場で非常に長い間日陰の仕事をやっておるといったような問題もありますし、あるいはまた生産性の向上といったようなものに、非常にまっ正面から取り組んでおるといったような人に対して正しい評価をするといったような意味も考えまして、近い将来に、いわば一種の労働勲章というようなものを考えてみたらどうかというようなことをいろいろとわれわれは考え、また職場のまじめに働いておる労働者から、われわれは結局何にも報いられないのだといったような嘆き、悩みをよく訴えられるのですけれども、そういうものを考えてみるお気持ちはないか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○山中国務大臣 労働勲章というものも、たとえばソ連においてレーニン勲章の与え方、あるいは中共等において生産性向上とか、職場における飛躍的な研究発見等をしたものを、広く名前をつけた顕彰をやって英雄にするというようなこと等も、すぐそばに例を私どもは知っておるわけです。ただ、いま藍綬、紫綬、紺綬等のそれぞれの褒章の対象、あるいは春秋二回の叙勲等におきましては、最近ことにその傾向が顕著になっていると思いますが、灯台を営々として守ってきた人とか、あるいは特殊な文化財、世間の注目をもう失いかけておって、それをこつこつと守り続けておる人とかいうような人々が、大体相当拾い上げられ、というのは語弊がありますが、そういう方々にスポットの当たるような選考をしておることは、ここ二、三年来やや顕著になっておる傾向だと思います。したがって、労働勲章というそのものずばりをいま新しく制度として設けるかどうかについては問題があると思いますし、研究の必要のあることだと思いますが、現在置かれている諸制度、叙勲等の中で、より一そうそのような人々が、人間この世に生まれて、人生は一回しかないわけですから、その中で選んだ職業に終生を打ち込んで、その地域なり、あるいは職業の全域なり、国家なりに直接間接の貢献をした人、そのような人々については当然国が報いてしかるべきものという考え方は、今後も一そう強めてまいりたい、さしあたりこのように考えております。
○竹本分科員 一そう強めてまいるという御答弁でございますので、ぜひそういう方向で御努力を願いたいと思うのであります。と申しますのは、いまやっておられるいろいろの措置はあまりにも一般的であって、これは農民向けとか、これは労働者向けというような感じは、もらうほうでは少なくとも受け取っていない。そこを私は考えまして、やはり鉄鋼なら鉄鋼あるいは造船、あるいは問題はありますけれども石炭、あるいは機械工業といったような面で、特に労働者の長年のまじめな努力には報いる制度を政府も考えるのだ、こういう意味の一つの政治姿勢として御検討いただきたいと御希望を申し述べておきたいと思います。 官房副長官せっかくお見えでございますので、一つだけお伺いいたしたいのでございますけれども、政府が一時非常に力を入れて宣伝をされました内閣補佐官とか、あるいは内閣調整官とか、いろいろ案が出ました。私はそれは今日の政治あるいは経済というものが、会社で申しましても、八十万なら八十万の会社が分列行進をしているようなものでございますから、これに一つの方向づけをする、経済企画庁がありますけれども、そこの企画能力、調整能力というものが御承知のようにまだ非常に弱い。さらにあらゆる文化活動、あらゆる情報時代の問題を考えた場合に、すべて私は資本主義の発展というものは、高度化すればするほど集約化すると思うのです。また集約化させなければならぬ。われわれはその集約化というものは歴史の必然の流れとして受け取りまして、それをどう社会化するか、民主化するかというのがまた次の大きな問題である、そういう立場で私どもは考えておりますが、しかし、ばらばらと言うほどむだなことはありませんし、そこで何としても集約化を考えなければならぬ。政府が内閣補佐官なりいま申しました調整官を考えられたのは、そういう意味で非常に一時は期待をされながら取り上げられたと思うんだけれども、その後さっぱり動きは見えません。 そこで私が伺いたいことは、あのときに取り上げられたのはどういう感覚、どういうお考えで取り上げられたのであるか。またそこに期待された総合的機能というものが、そのままその制度が実現しないでおっても別に困らないのか、あるいは困っておられるのか、今後はどういうふうになさろうというのであるか。何としましてもあれだけ、宣伝もだいぶありましたが、大きく取り上げておきながら、あとは忘れた形になっておるというのは納得できません。どうしても私はそういう総合的な機能が必要だと思いますから、政府のお考えも一応了解できたのでございますけれども、それを実現できないままに忘れておられるということのほうがもっと理解ができないということで、その構想は、当初何を構想されておったのであるか。もちろんこれについては、先ほども用いてまかせろという議論を私いたしましたけれども、その補佐官か調整官が、一体次官級になるのか局長級になるのか、あるいは官房副長官と並んで最も政治的な高い機能を持った人にするのか、そういう問題についてもいろいろ議論があったようでございますけれども、いずれにせよ政府が当初お考えになったのは何であるか。それがそのまま、実現しないままに忘れられておるような感じを受けるのは一体どういうわけであるか。今後はその問題についてはどういう取り組みをなさろうというのであるか。この三つだけお伺いして終わりにしたいと思います。
○木村政府委員 行政がだんだん複雑化いたしまして、かつ専門化、分化されてまいりますと、特に内閣の政策調整能力、これがますます大事になってくることはお説のとおりでございます。 政府が一昨々年、内閣補佐官制度を取り上げましたのは、間接には臨調の答申に基づくものでございますけれども、かねてから政府自身が大いにその必要を認めておったところでもございますし、内閣補佐官制度というものを立案いたしまして、内閣法の改正として国会に提出いたしました。ただ、この内閣補佐官制度の考えております点が、ややあいまいな点があったことは御承知のとおりでございまして、内閣の行政機能の強化にプラスするのか、あるいは内閣総理大臣のいわゆる黒子としての存在であってよいのか、いろいろその節論議がございました。私どもは、現在あります内閣官房長官、内閣官房副長官、この制度の活用によってあるいはその機能が補えるのではないかということも考えました。また内閣総理大臣の直接の黒子的存在として、内閣全般の行政官庁的な役割りはしないでも、内閣総理大臣のブレーンとしての存在であっていいのか、いろいろ論議があったことは御承知のとおりでございます。当時私どもは、その観点におきまして、その中間的なもの、すなわち内閣総理大臣の補佐をつとめると同時に、現在内閣官房で行なっております行政機能の調整という、この二つの面を兼ね合わせたものがいいのではないかというので、実はああいう内閣補佐官制度を考えたのでございます。しかしながら、その当時、国会でいろいろ論議があったのは御承知のとおりでございまして、いろいろな観点からもう少し検討を要するのではないかというので、御承知のような審議未了になったわけでございます。 その後も内閣補佐官制度の必要性においては、われわれは依然として、ぜひこれを実現したいという考えは持っておりますが、これを実現するためにはもう少し国家行政機構、行政組織全般についての検討を要するのではないかという意見が政府部内にございますので、今度の国会には提出を控えたわけでございます。しかしながら、将来あるべき内閣機能の強化の方向といたしましては、先ほど申し上げました国家行政組織全般の検討もさることながら、内閣機能の強化という面で、内閣補佐官的なものを何とか設置したいという考えは変わっておりません。 ただ、この機会に、私の経験——個人的経験を申し上げましてはなはだ恐縮でございますが、私は内閣官房で三年有半つとめております。実は上がったり下がったりしておりますが、その間いろいろ考えましたのは、やはりこの内閣補佐官的なものがアメリカの大統領府における特別補佐官的な仕事とはやや、政治環境その他が異なりますので、あれと同じような考え方ではなかなかなじまないという考えでございます。アメリカの大統領特別補佐官の制度は、御承知のとおりこれは全く大統領の黒子的存在でございまして、他の各省といいますか、行政各部には何らの発言権、権限もないという存在でございます。そういうものが日本の内閣総理大臣の補佐機関として、はたしてこれが有効かどうかということになりますと、御承知のような政党政治下における議会制度をとっております現在の行政機構のもとにおきましては、あながちこれはなじまないものではないかと思います。結局安易な道を求めますれば、いまの内閣官房長官があまりにも忙し過ぎる、したがって、内閣全体の機能を統一するのにやや不足でございますので、できますれば、これは私の私見が入りますが、いまの内閣官房副長官の数をいま二、三人これを増加いたしまして、内閣官房長官の機能を補足し、強化するというようなところで当面いったらどうかというような考えも持っておりますが、いずれにいたしましても政府部内でもう少し検討いたしまして、立案いたしました上で御検討願いたい、こう考えております。
○竹本分科員 これで終わります。 私は、七〇年代はいわゆる変化と前進の十年であろうと思いますので、情報の収集にいたしましても、あるいは現在経済企画庁が担当しておるような経済問題についての総合調整の問題にいたしましても、あるいはいま日本ではあまり取り上げられておりませんけれども、日本のほんとうの意味の政治あるいはほんとうの意味の精神建設といったような問題につきましても、だれか本格的に問題に取り組む者が必要ではないか。日本にはキッシンジャーに値するような人はいないんだとおっしゃればそれで終わりなんですけれども、しかし、私は総合機能というものをこの際飛躍的に強めなければたいへんな問題が起こるのではないかと思う。予算の編成一つ見ておりましても、全く内閣の編成権がどこにあるのかわけのわからないような形になってしまっております。これ一つ論じましても何時間もかかる重大な問題でございますので、きょうはこの問題が政府でいまどういうふうに取り扱われておるかということをただお尋ねしただけにとどめまして、いずれ機会をあらためて論議を深めてまいりたいと思います。 これで終わります。
○登坂主査代理 午後は一時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時九分休憩 ————◇————— 午後一時三十八分開議
○笹山主査 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。中谷鉄也君。
○中谷分科員 私はきょう長官と国家公安委員長に対してお尋ねをいたしますが、最初の質問は、長官に対するお尋ねであります。 大阪教職員組合が、ことしの二月に、「大阪に働く沖縄青少年の実情」という沖縄白書を発表いたしました。その沖縄白書の詳細についてここで御披露を申し上げるわけではございませんけれども、希望を持って求人に応じた沖縄の青少年が、大阪府下において非常な期待はずれの状態にある、そういうことが新聞等にもすでに報道されておりますが、克明に記録されているレポートであります。 そこで私は、最初長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、長官は経済振興計画、沖縄の経済をどのようにして復興し開発をするかという沖縄経済に関する振興策についてたいへん御努力をいただいているわけでありますけれども、沖縄の経済振興策の具体的な前提と申しますか、一つの目標というのは、九十八万の沖縄県民が、特に働き手であるところの若年労働者の諸君が本土に吸収をされてしまう、そうして残ってしまったのは結局沖縄のお年寄りと子供だけだ、そういうことでは沖縄経済振興策というものは私は基本的に間違いだと思うのです。 そこで、長官にお尋ねをいたしたいと思いますのは、振興開発計画の一番基本になるのは、九十八万の沖縄県民が、沖縄から本土へというかっこうで人口流出、あるいは人口移動するようなことを前提としてお考えになって振興策をおつくりになっているのか、あるいは豊かな沖縄ということを繰り返し繰り返し述べられておられますけれども、豊かな沖縄というのは、現に住んでいる九十八万の沖縄県民が、沖縄において復帰後も豊かな生活ができる、そういう振興策をお考えになっておられるのか、この点についてお答えをいただきたい。
○山中国務大臣 沖縄が、もし今日まで一貫して内地の一県でありましたならば、おそらく立地条件あるいは産業的な面から見た立地、こういうものから見ても、大体いま過疎地域対策特別措置法というものが必要である、予算措置等もすでになされるようなところまできておる現象の過疎県、人口流出県であったろうと思うのです。 ところが現状は、長い施政権下の本土との断絶、渡航関係というむずかしさがあったことをかりに割り引きましても、その環境の中で比較的に、島によって違いますけれども、本島を中心として人口は増加しつつある県であるわけです。ということは、それなりに島内の企業なり、特殊な雇用環境なり、そういうものが存在しているからだということがそこに証明されていると思います。これが二年後に復帰いたしますと、そのかきねがはずされてしまう。これが何ら打つところなしにそのまま本土並みにいたしますと、これは目に見えておるのは人口の大量流出による過疎県への転落ということが言えるわけでして、私は、それを絶対にしてはならない。ですから沖縄の人々の長い苦しみにお報いする道は、沖縄がいままでのテンポのように、あのような一番南の、日本の中心の鉱工業地帯から比べれば離れているにもかかわらず、人口は増加してまいりましたその傾向を、今後も続けていくことがわれわれの責務ではなかろうか、そのような環境をつくることが必要だと考えます。 ただ、琉球政府が一応の十カ年計画を、ビジョンを立てられましたが、それには、十年後には基地は一つもなくなるというようなこと等が前提になっておりまして、そのような前提ではたして可能かどうかは、これは多分にまた検討を要するところでありますが、私どもはいままだ復帰準備大綱の作成段階でございまして、それらからおおむね輪郭がだんだん明らかになっていくと思いますが、いろいろな特別措置を講じながら、沖縄が日本と隔離されている条件であっても、なぜ人口が、ほかの県のようにどんどん流出していかなかったかということの原因がございますから、それらの原因で沖縄のために好ましいと思われるものについては、今後ともなるべくその条件を維持してあげるような特例措置を講じてあげたい。そのためには、奄美大島は復帰いたしましてから予算上の、予算特別措置だけで、別途法律上の別建てという特別会計構想はなかったのですけれども、そういう法律その他の特例も前提とした特別会計が沖縄の場合には必要であろうということを、私初めから考えておるわけでございますが、いまちょうど沖縄の求人関係に直接にプラスし、もしくは地域の関連産業に大きな雇用需要を振起するであろうと思われるいろいろな外資等の問題が、本土における外資法、あるいは業種によっては石油業法等の問題で、通産省を中心にやや現地の見解と違うところがあるようです。しかし私は、この両者の中に立ちまして、沖縄において特殊な条件で、それらのことを現地の希望に沿い得る方向にあっせんをしてあげたい。また、それによって本土の法律というものが、特例として地域によって認められるような考え方、まあフリーゾーンといいますか、そういうようなもの等も念頭に置きながら、要は沖縄のために、今後も人口がどんどん流出しない地域にしてあげたい。ですから琉球政府の、将来は百九万とか、あるいは五年後は百三万とか、いろいろと書いておられますが、その目標の積算の根拠はいずれにあるにせよ、人口が正常な状態で——人口が、島内であっても出生がふえるわけですから、できればやはり増加していく正常なる状態になるべく置く環境をつくりたいというのが念願でございます。 たいへんばく然とした答えですけれども……。
○中谷分科員 質問の予定にありませんでしたが、長官の御答弁の中で一点、かなり今後の沖縄経済について重要と思われる御答弁がありましたので、この機会に一点だけお尋ねをいたしたいと思います。 資本の自由化というふうな問題については、かなりわれわれ本土においては論議されております。そういうふうな中において、そうするとたとえば、石油等の外資、そのような会社等については、現在復帰までは本土の法律の適用を受けないわけですから、これは本土と沖縄との間におけるそのような外国資本が導入されることについてのいろいろなお話し合い、あるいはまた助言というような問題が出てくるだろうと思いますが、長官のお考えでは、沖縄経済復興という考え方から、あるいはそういう長期展望の上に立って、復帰後も本土法の適用除外を設けて、外資等の導入をもはかることが、沖縄経済復興のためには適当——適当ということばが適当でないとすれば、やむを得ないというふうにお考えになっておられるのかどうか。これは長官のおことばの中にありましたように、通産省の考え方とかなり食い違ったものがあると思いますが、この点いかがでございましょうか。
○山中国務大臣 通産省の考え方は、これが二年後の復帰ということを前提の、現在のわれわれがとっております本土の姿勢である資本の五〇%までとか、あるいは石油業法で縛るとか、そういう問題の撹乱者として本土市場になぐり込んでくる足がかりなんだというとらえ方で議論していると思うのです。しかし私の言うのは、そういうことはやはり慎んでもらわなくちゃいけないだろう、本土市場へのなぐり込みを前提、そういうことはやはり双方十分に事前に相談しなくちゃならぬが、しかし、いずれ資本も自由化をしなければならないわけですし、やがては石油業法というものは、これはやはり販売シェアの問題、あるいは精製の能力の問題、いろいろとありますから、過剰で幾らでも鉱業は興してよろしいというわけにもいきますまい。しかし、沖縄に関する限りはそのようなことも踏まえながら、なお復帰後も、国内の既存の市場について撹乱しないということが前提であるならば、そう目にかど立てて、現地側の感情にさからうと申しますか、いやな感じというふうに持ち込むようなことは避けて、現地側には非常にプラスになる、ただしそれには条件がある、二年後に返っても、かりにそれは特別に認めていくとしても、本土の既成市場については規制を守ってくださいよとか、そういう良識のある線でまとまってもらわないと、既成事実をつくって、本土市場を復帰後は撹乱するのであるということをはっきり作為的にやられますと、これは私も、ちょっと同情者としてもそこらは加勢しきれない範囲もあろうと思いますが、原則の姿勢は、現地のためになることならば、本土の現在の立場によるいろいろな規制はある程度はずしてもいいのではないかと私は思っております。
○中谷分科員 どうも予定した質問よりも別のところに私のお尋ねもいきそうですが、かりに、では沖縄経済復興というものを前提とした場合に、長官のおっしゃるように目くじらを立てるほどのことはない、現地が歓迎するならば、石油資本の、あるいは石油工場の誘致しかるべきではないか、こういうことですが、装置産業としての石油資本あるいは石油工場、精製事業というふうなものについての労働力吸収力というものは、かなり低いわけでございますね。そうすると、かりに外資を導入することが、沖縄の経済復興のためには適当だという前提を立てたとしても、それがイコール石油精製業ということに結びついていいのかどうか。要するに、より多くの労働力を吸収し得るような企業ということはお考えになるかどうか。この点をひとつ……。
○山中国務大臣 いまその例を石油にとっただけでして、石油もその企業自体の雇用増大並びにそれに対して当然関連需要というものが起こりますね。そういうものは当然沖縄、その周辺もしくは沖縄全体が、その関連需要の対象となってプラスになることは間違いないと思うのです。そういう意味で申し上げたわけであって、業種はいろいろありますから、たとえば本土から向こうに行く場合でも、本土の既存の装置産業みたいな、例はセメントとかビールとかありますが、そういうものを吸収合併に乗り出していったり、あるいは出ることによってつぶしたりということのないようなことを考えながら、なおかつ沖縄にプラスするものであれば、これから金融、税制上のめんどうを見るとか、琉球政府とも、琉球政府内の立法措置その他も相談しながら、平仄を合わせながら、全部が沖縄の人たちのためになるようなという考え方でやれば、案外交通整理は可能だと私は思っておるのです。
○中谷分科員 労働省にお尋ねをいたします。 長官のお話では、豊かな沖縄という前提の中で、九十八万という沖縄県民が沖縄において生活ができる、そういうふうな一つの沖縄復興計画、振興策の前提にある。これは私けっこうだと思うのです。ところが、では渡航制限がある中で、昭和四十三年度一体どの程度沖縄の青少年——まあ青少年ということになるとちょっと資料をお持ちじゃないかもしれないから、沖縄から本土へ、どの程度求人に応じたところの人が参っておりますか。四十四年の見通しはいかがでしょうか。四十五年度は一体どういうことになるでしょうか。そういうような点についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。
○保科説明員 沖縄からの本土就職者でございますが、学卒の関係につきまして申し上げます。四十二年が千六百八十八名でございます。四十三年が二千二百六十二名。毎年増加の傾向にございます。四十四年も四十五年も増加の傾向をとると思います。
○中谷分科員 そこで、これは一つの政策目標として、九十八万という沖縄県民が沖縄の中で豊かな生活ができるという政策目標と、資本の論理といいますか、そういうふうな労働人口の移動の問題、これは私なかなかむずかしい問題だと思うのですが、ひとつ労働省に、重ねて私この機会にお尋ねをしたいと思うのですけれども、現に求人に応じたところの沖縄の青少年諸君、ある新聞は次のようなことを報じました。昨年の五月二十九日でありまして、沖縄問題に取り組んでいるわれわれにとっては非常に衝撃的なできごとであったと思うのですけれども、沖縄からの就職の夢が破れた、離職させまいとして企業主がパスポートを取り上げたという問題があります。この問題については労働省あるいはまた大阪府労働部等においては、通達等をお出しになったということは聞いております。私のお聞きいたしたいのは、本土における労務者不足、そういう状態の中において要するに求職をしているところの沖縄の青少年に対して、求人側が事実と反するような求人の条件、就職条件を持ち出す、あるいはまた就職した諸君に対して企業主がパスポートを取り上げるというような、これは職業安定法以前の人権問題だと私は思いますけれども、こういう問題をしでかす。こういうことについては、私は求職、求人に関する職業紹介の業務というようなものは、こういう企業に対してはすべきではない、厳重にとにかく注意すべきだ、そういうようなことでなければ沖縄の青少年ひいては沖縄の県民に本土に対する非常な不信感を与えるだろう、こういうように私は考えるわけです。この点についてのひとつ労働省の御見解を承りたい。 重ねて文部省にお尋ねをいたしたい。同じくそのようなことが引き続いて行なわれておりまして、六九年十月二十日の新聞の報道によりますと、進学はかっこうだけだ、企業が沖縄就職者をつる、こういうことで、学校へやってあげますよというようなかっこうで沖縄の青少年諸君を就職をさせた。ところが、実際は全然学校へやらない、進学をさせない。そういうふうなことが新聞に報ぜられている。これも私はきわめて沖縄の青少年諸君の夢を破る行為だと思う。こういうような点について私は文部省の御見解を承りたい。
○保科説明員 本土からの沖縄の求人連絡につきましては、琉球政府と相談いたしまして要領をきめてございます。基本的な考え方といたしましては、沖縄への求人者につきましては、その地域の労働条件の水準以上であるということを要件といたしまして、安定所におきまして求人条件の審査をしております。 本土へ就職いたしまして労働条件等の食い違いがあった場合の問題でございますが、労働条件の食い違いがございましたら、職業安定機関が直ちに是正指導いたしまして、その是正指導をした結果、是正されたと認めないうちは沖縄への求人連絡を行なわないというようにいたしております。 それから身分証明書の問題でございますが、これは身分証明書を事業主が預かって一種の引きとめ策に使うというような危険もございますので、一昨年の十月に通達を出しまして、そういう企業側の引きとめ策といたしまして悪用される場合も予想されますので、原則といたしまして就職者個人に保管せしめるようにということで指導するようにという通達を出しております。
○大崎説明員 御指摘のとおり、大阪のある紡績会社が、求人の募集にあたりまして、通常の高等学校への就学の便宜をはかるかのごとき誤認をさせるような形で求人募集を行ないまして、実態は通信制の課程への就学の便宜をはかるにすぎないという事例がございまして、新聞等でも取り上げられたところでございますが、本土の実情を非常に承知しがたい状況にございます沖縄の青少年に対する募集の方法としては、きわめて不適切であり、遺憾であると存じております。その後、大阪府の当局からの指導もございまして、今後このよな募集方法はしないという誓約をしておるというふうに現在承知しております。
○中谷分科員 長官に一言、私お尋ねというよりは要望しておきますが、沖縄の青少年諸君の定着率というのは、本土の青少年諸君の定着率よりも私はかなり低いと思うんです。これは決して沖縄の青少年諸君の責任ではなしに、私はやはりいろいろな隔絶をされた中での二十四年間の沖縄の青少年、沖縄県民の苦しみがそこにあると思う。そういうようなことで、せっかく本土へ来た。ところが定着できないだけではなしに、中には転落をするような青少年もおるというようなことは、私は本土に対する不信感を招くと思う。これは御所管ということになるのかどうかは別として、ひとつ大臣としてこれらの問題について、御簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
○山中国務大臣 復帰がきまりましてから復帰ショックの一つに、自分たちの地場産業の動向がつかみにくいという不安があって、現地求人の率がずいぶん下がりました。そこで、本土への渡航もこれからいよいよふえると思いますので、一つには現地の、たとえば特別の関税に保護されている地域はまだしばらく残すとか、いろいろなことを含めて、早く安心させてあげて、求人を正常化させてあげて、不必要な流出をとめたいという気持ちがございます、これは質問はございませんが。そういう気持ちを受けまして、なぜ沖縄の青少年の定着率が悪いか、離転職の率が多いかということでありますが、これはどうもやはり一つの方言と申しますか、あるいは特殊な風俗等も、まだいなかであるわけですから、大都会にぽっと投げ込まれますと、私らの鹿児島もそうですけれども、電話の応対一つがなかなかへただったりというようなことで、青少年の職場の定着率はなかなかむずかしいようでございます。しかし、そこらのところは、いまあなたがおっしゃったように、求人しました雇用主がよくそのところを理解してあげて、そうして職場の同じ同僚の連中にも、あたたかくしてあげなさい、わからないところは、懇切丁寧に指導してあげなさいという企業主の思いやりのほかに、そういう同じ職場の仲間たちにも、あたたかく迎えてやるようないろいろな配慮をしてやる必要があると思うのです。現状は御指摘のとおりでございまして、やむを得ない点もあるかと思いますけれども、一週間か二週間前の新聞に、沖縄語で悪口を言った、ところがたまたま相手の酔っぱらっていたのも沖縄出身であったので、刺し殺したという記事が出ておりまして、私、たいへん胸を痛めました。そういうすさんだ気持ちになるのに、何かやはり受け入れていくほうの本土の側に、どこかあたたかく包容するのに欠けた点があるのではないかということを、そのできごと一つで私は感じたのでして、これはひとつお互いみんなが努力したいことだと考えております。
○中谷分科員 国家公安委員長、たいへんお待たせいたしましたが、次のような質問をいたしたいと思うのです。 これは和歌山県に起こった問題ですけれども、私はやはり全国的な問題だろうと思うのです。御承知の出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律というのがございますね。金を預かってはいけない、預かっていいというのは法律できまっていて、預かっていけないという人がとにかく金を預かる。それで高利で人をつって、結局倒産をするという例があとを断ちません。たとえば家を建てるんだというふうなかっこうで人に金を預けさせてということ、これはマイホームの夢をこわすということでずいぶん社会問題になっています。 そこで、和歌山で起こった問題というのは福徳相互住宅という会社の問題なんですが、これの捜査状況については警察庁の係の方から御答弁をいただきたいと思いますが、私が疑問に思いますのは、非常に疑問に思うというか要望をしたいのは、人から金を預かるという場合には、何千人から金を預かるわけでございますね。そして宣伝もする。そうして相当の期間継続して金を預かるわけですから、こういうようなものは防犯的な立場からいえば、そこに違法行為が行なわれているということは当然わかるはずじゃないかということもこれは言えるんじゃないかと思うのです。だから今後倒産をした、そして取りつけ騒ぎが起こった、とらの子のように、内職をして家庭の主婦がためたお金が、紙くず同様の証書だけになってしまったというようなことでは、これはやりきれないと思うのです。和歌山だけでもそういう被害者が今度の場合は二千人以上出ました。関係者を入れたら、結局和歌山市の五十人に一人はそういう被害者だということになります。 そこで、防犯的な措置を今後どういうふうにおとりになるか。宅建業法違反なんかと同じようなことがずいぶん行なわれていると思うのですが、その点について私はお答えをいただきたい。 それと、第一次的にはこれは行政指導といいますか、監督責任というのは警察なんだろうか、大蔵省なんだろうか。大蔵省の中小金融課長さんに御出席をいただきましたけれども、これは大蔵省もいまだにこういうものについて——では大蔵省にお尋ねいたしますけれども、現にこういう預かり金違反をしている事犯について、今日まで、たとえば昭和四十三年度、倒産をしないまでに検挙した件数は一体幾らありますか。 それから現にそういうふうなことが違法として行なわれている、そういうふうな違法行為をしている業者の数は一体どの程度あるというふうに推定をされますか。倒産をしてしまってから検挙した件数は、一体どの程度でしょうか。一体大蔵省はこういうものについてまともに行政指導とか監督はしておられるのかどうか。これはずいぶん恨みのこもった被害者の気持ちを私は代弁をしてお尋ねしているつもりですので、これらの点についてお答えをいただきたい。 なお、具体的に、福徳相互の問題については、大蔵省としてはどういうふうな措置を講じられますか。この点についてお答えをいただきたい。 以上であります。
○荒木国務大臣 お答えします。 一般的に預かり金事件については、預け主にとっては銀行預金を上回る有利な利回りの利殖でありますために、経営が順調である間は被害の申告がないために、捜査の端緒も得がたく、実害が発生するおそれが出てから発覚するというのが実情であります。 どっちが先かといえば、これは大蔵省、警察両方同時にということが望ましいと思うのですが、概念的には無法のあるところ警察は怠慢を許しませんけれども、実際上事前に捕捉が困難でありますために、とかく手おくれになる傾向があります。今後大蔵省とも十分連絡をとって、災害が起きない前に発見できるように注意したいと思います。 なお、具体的には政府委員からお答えします。
○長谷川説明員 福徳相互住宅株式会社の取り締まり状況につきましてお答え申し上げます。 この会社は、昭和三十一年に設立されたのでございます。その後今日に至っておるわけでございまするが、昨年無免許で宅地、建物の売買をしてるという風評を警察のほうで聞き込みまして、そして本年一月に捜査に入ったわけでございます。その捜査の最中に、無届けで預かり金をしているということがわかりましたので、目下これにつきまして厳重捜査を進めておる状況でございます。
○結城説明員 第一点の、検挙をしないでどのような防止策を講じているかという点でございますが、実は大蔵省としましては貸し金業の取り締まりといいますか、監督の権限は現在ございませんわけで、御承知のとおり出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律に基づきまして、貸し金業者が開業、休業あるいは廃業する場合に届け出を受理する、届け出の制度になっております。したがいまして、通常の金融機関に対する監督のような形における監督は、もちろんやっていないわけでございます。したがって、第一点の検挙しないでどういう防止策を講じているかという点でございますが、具体的に違法事実があった場合、あるいはそういうことについて一般あるいは県等から具体的な照会があった場合には、法律に照らしてたとえば預かり金行為であるか、あるいは現在の法律に照らして該当するかどうかということについて、こちらとしても十分注意して回答しているわけでございますが、具体的な防止策としては特に講じておりませんです。 それから、第二の検挙件数は幾らかという点でございますが、これは私ども件数は承知しておりませんです。 それから、第三点の福徳相互住宅問題の対策いかんということでございますが、これはただいまの預かり金の禁止といいますか、そういうふうな面から法律の違反ということで、警察のほうのいわゆる刑事罰の対象になるということでの対策が福徳相互住宅問題についての措置、こういうことになるのじゃないかというふうに思われるわけです。
○中谷分科員 あと一点だけですけれども、行政指導をしておられるというのですけれども、ほんとうにその行政指導をしておられる件数なんというのはあるのでしょうか。これはほんとうの野放しですね。そういうような状態の中で、行政指導しております、問い合わせがあったということですけれども、じゃ、大体どの程度そういう違法行為をしている件数があるというふうに大蔵省は把握しておられますか、これは私は御答弁いただきたいですね。
○結城説明員 ただいまの点でございますが、貸し金業者は届け出を受理しているだけで、現在、これは県のほうで受理しておりますが、個人が五万八千百三十四名、四十四年の三月末でございます。法人が二万八百十一名、計七万八千九百四十五名、非常に膨大な数になっております。 それから、御承知のとおり業態も、大半が個人的な業態になっておりますし、規模が非常に小さい。届け出があっても、現実に休業している者もある。異動が非常にひんぱんでございますし、私どもとしてそういう見地で取り締まるというふうな、あるいは監督するということが事実上不可能だという状態でございます。したがいまして、行政指導といいましても、そういう権限が与えられておりませんわけでございまして、実態的に警察あるいは県のほうから、個々の問題として法律に触れるかどうかというような意味での法律解釈等について照会がありました場合に、当方でそのつど回答している、こういう状態でございます。
○中谷分科員 終わります。
○笹山主査 次は大原亨君。
○大原分科員 先年、総理府の青少年局が青少年対策本部に切りかえられたわけですね。これは一つは朝令暮改の一種ですけれども、今度は本部長は、官庁名簿を見てみますと、総理大臣が本部長で、それで山中総務長官が副本部長で、次長が今村武俊氏でありますね。大体これは、政府委員でよろしいのですが、本年度の予算はどのくらいで、何を重点にお仕事をされておるわけですか。
○今村政府委員 お答えいたします。 昭和四十四年度の予算額は七億四千九百五十五万五千円でございます。大きな項目として三つございますが、青少年対策本部の経費、これは本部の職員の人件費あるいは青少年問題審議会に要する経費でございます。第二番目が青少年健全育成対策費でございまして、青少年に関する諸問題を研究調査する経費、あるいは非行防止対策の拠点として青少年補導センターに対する補助金の交付、あるいは青少年健全育成推進事業として、青少年育成国民会議あるいは県民会議等に対する補助金の交付、それから青年国際交流経費として、青年の船あるいは青年海外派遣に要する経費。それから第三の項として、国民健康体力増強費がございまして、健康つくり、体力つくりに関する経費がございます。おもな経費はこういうところでございます。
○大原分科員 山中長官、総理府は、あなたがいつも言われるように、各省の調整をやるのだ、そういうことで青少年問題の調整、特に非行少年の問題等が大きな社会問題となっておるときに、文部省だけでなしに他の省全体でやるのだということで、総理府に青少年局を設け、一局削減で対策本部になったというふうに承知しておりますが、大体これは、そういう局に相当するような組織を総理府で持たなければいかぬものだろうかどうだろうか、持っておるのに積極的な意義があるのだろうかどうか、存在の価値、理由ありやいなや、こういうことでひとつあなたの所見を聞いてみたいと思います。
○山中国務大臣 総理大臣の思いつきだとも言いませんが、行政改革というものがなかなか抵抗が強いので、思い切って、各省有無を言わせずに一省一局削減というのをやって、総理府では青少年局だったと思うのです。しかし、その結果皮肉なことに、今度は総理みずからが、総理府のそういう職階のたてまえから本部長の立場につかざるを得なかったというので、一体どちらのほうが機構として簡素化されたのかは、私も疑問に思うのです。しかし、青年の船とか海外青年派遣とか、各種の地方のそういう青少年団体の連絡指導、そういうものは、どこかの役所でイニシアチブをとらなければいけないでしょう。文部省でとれぬこともないでしょうし、あるいは非行方面になったらこれは法務省に——これは非行をした者についてですから、防止策はあるいは本来の仕事でないかもしれませんが、厚生省とかいろいろなものがあると思いますけれども、どこかでやはり日本の青少年問題を——このごろは意識調査等もやって、政治のあり方とか人間の社会に対する考え方とか、いろいろなものもつかもうという努力もいたしておりますので、なければ、じゃあ総理府として困るかといえば、なくて困る役所でもないと思うのですが、しかし、どこかにかなければやはりいけない機構であろうとも思いますので、現在のところ総理府のほうで、連絡を密にしながらめんどうを見て差し上げるほうがよろしかろうと思っております。
○大原分科員 それで、たとえば青年の家なんかでしたら文部省でやって——南極探険隊だって文部省がやっているわけですから、おかしくないわけですね。それはともかくといたしまして、これはまたあとで逐次質問をいたしまして、総合調整官庁として総務長官、総理府のあり方についてひとつ議論をするということにいたしまして、時間も限られておりますから進めてまいりたいと思います。 私がきょう主として取り上げるのは、最近義務教育あるいは高等学校を含めまして、そういう学校教育制度の体系の外で、社会教育の面といってもいいし、幼児教育を含めて、そういう面における青少年の問題が非常にたくさん起きてきておると思うわけです。というのは、パートタイマーだって百万単位でふえているわけですし、あるいは共かせぎも高度成長の中では普通になっておるわけですね。また核家族化ということで、子供は一人でストップするとか二人でせいぜいとかいうふうな状況で働きに出る、あるいは核家族化というふうなことで、子供の問題、社会性の問題がやはり議論になると思うわけです。その他交通安全とか、家で遊ぶ——家の外に出るという場合に、安全の問題等が問題になるわけです。それが、中央の本部の官庁間の調整ということもさることながら、具体的な、青少年特に子供の学校内外における、あるいは時間外におけるそういう生活指導という面からいいますと、社会問題が非常に多いだけに、私が調査いたしてみますと、その対策が非常にばらばらであるという印象を得ておるわけです。非常にばらばらである。これらを中央での総合調整の官庁である総理府かどこかがイニシアチブをとって、有機的に連絡調整をすべき面があるのではないか。あるいは、中央集権的に命令一下やるということではないが、具体的に子供の生活、児童の生活指導という観点から、この問題はあまりにもばらばらではないかという議論です。 これは最終的に論議をするといたしまして、そこで私は、各省別に関係者のほうからお聞きしたいのですが、文部省、厚生省、建設省あるいは法務省等で、この学校教育の体系外あるいは時間外において生活指導をする面において、概略かいつまんで、どういうふうな制度があり、大体どのくらいの規模で、スタッフでやっているのかという点を、要領よく説明をしてもらいたいと思います。私が申し上げた順序で……。
○山中説明員 文部省関係を御説明申し上げます。 ただいま先生のお話しのありましたように、少年の教育が学校教育だけですべて十分であるというわけにはまいりません。ことに最近都市におきましては、子供の遊び場が足りないというようなことから、集団的な伸び伸びとした活動ができなくなっているというような状況が顕著になってまいりまして、これは教育上も大きな問題であると考えております。こういうものに対処いたしますために、文部省といたしましては、学校教育と学校外の少年教育の連係を考えて、大きく分けまして三つの柱を立てまして業務を進めております。 その一つは、地域の子供会やボーイスカウトなどの少年の団体活動を奨励援助いたしますとともに、そういう集団活動や遊びの場を確保するために、学校の校庭や体育館の施設を放課後も開放するようにということで、市町村に対して助成措置を講じております。 二番目には、そういう地域の少年団体活動を育てたり指導したりする方を委員にお願いいたしまして、あるいはこういう委員の方々の指導者の研修を行なうというような形の仕事も進めております。 第三には、学校や少年団体との連係を深めながら、個々の学校ではできないようなもの、たとえば大型な化学実験とか展示工作などを行なう場といたしまして、児童文化センターというものを各市につくっております。 それからまた、最近自然環境が失われておりますので、豊かな自然環境の中で児童生徒に集団宿泊の訓練を行なう場を与えるということで、少年自然の家を都道府県等につくるように助成措置を講ずるというような措置を現在講じております。
○橋本説明員 厚生省といたしましては、子供に健全な遊びを与える、特に幼児及び低学年の児童を個別的または集団的に指導するというふうなたてまえのもとに、こういう子供の健康を増進して、さらに情操を豊かにするというふうな目的のために、児童福祉法で規定しております児童厚生施設として、地域的に児童館、児童遊園というものをつくっております。これにつきましては、児童厚生員という専任職員を二名設置いたしまして、人件費の補助を実施しておるわけでありますが、なお今後も大いにふやしていきたいというふうに、増設計画を持っております。 以上でございます。
○川名説明員 建設省でございます。 私どもといたしましては、都市公園を造成いたしております。都市公園は、都市計画の区域の中もしくは都市計画の施設として決定されましたものに対しまして補助制度を行ないまして、児童公園あるいは運動公園等を実施をいたしております。この実施にあたりましては、都市計画に基づくわけでございますが、同時に区画整理等を実施いたしまして用地を確保する。そこに公園の事業の補助を行なって、いわゆる社会活動としての緑地をつくってまいっておるわけでございます。 都市計画課、区画整理課、公園課、それぞれ関連をいたしますので、それぞれのスタッフを合わせますと約五十名程度のものが、本省においては担当をいたしておると思います。ただ、都市公園につきましては、地方公共団体が設置管理するものでございますから、これらを含めますとかなりの数になると思います。 以上でございます。
○大原分科員 いまお答えがありましたように、文部省では三つの柱で、特に学校開放をやっている。これにはやはり人がついているわけですね。 それで、ちょっとこれから答弁してもらいたいのは、人がついている場合に、いままでお話がなかった点について補足してもらいたいのと、それは謝金という形なのか、あるいは賃金という給与の形なのか。つまみ銭であるのか、あるいは給与であるのか。あるいは全国的に大体何人ぐらいいるのか、こういう点を補足してもらいたいと思うのです。
○山中説明員 御質問の点に端的にお答え申し上げますと、謝金で措置しております。これは社会教育のボランティアに対するお礼という意味でございます。 それから、学校の施設の開放は、校庭開放を四百五十五校、それから留守家庭の児童会としてやっておりますのが四百二十二カ所でございます。
○大原分科員 建設省は、第一線では何しているの。児童公園の管理……。
○川名説明員 私ども、直轄工事といたしましては国営公園工事事務所がございますが、そのほかのものにつきましては地方公共団体でございますので、私どもの本省のスタッフでは、直接造成及び管理はいたしておりません。
○大原分科員 先年、二、三年前でしたが、児童公園で遊んでいてけがしている。だれもそれを遊びの指導をしたり見ている者がいない、こういうことが問題になったことがあって、これは建設省のほうから人をつけたということはないのですか。それで、自治体において、第一線で二つか三つかの児童公園を管轄するような人を一人一応適当に置いた、そういうようなことはあるのでしょう。
○川名説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、地方公共団体が設置及び管理をいたしておりますので、公共団体によりまして、そのようなことを実施いたしておる団体もございますし、また弱小団体においてはそういうことができずにおる団体もございます。
○大原分科員 各施設とも、たとえば文部省などは社会教育の面から、あるいは学校外の教育の面から、かなり力を入れているはずであります。しかし、それを見てみましても、学校開放は全国で四百五十五カ所で、一カ所について二名と言いましたか、一カ所で二名の謝金による自主的な自発的な奉仕を期待をした、そういう人的な施設設備がある。あるいは留守家庭のかぎっ子対策としては四百二十二カ所あって、これも謝金によって人間の面を処理している。あるいは厚生省は児童館。このほかに学校教育の体系からいえば、問題となっておる幼稚園や託児所、保育所の問題があるわけですね。 こういうふうに見てまいりますと、これは各省で、建設省も建設省の関係で、建設省のルートで、地方自治体では、教育とかあるいは厚生の関係とかという面でなしに、これをやっておるわけですね。しかし、何といっても大きな関係で施設と人的な面を見てみると、文部省の幼稚園と保育所が一番大きな中心の二つの柱だと思うわけです。そこで、学校開放で、学校の施設を開放するということも社会的な要請ですし、遊び場の安全という問題から考えてそうですし、それから留守家庭のかぎっ子対策をやるということもいろいろあるでしょうし、あるいは同和地区においては特に同様施設をやるということもあるでしょう。そういう点から考えてみますと、各自治体や地域によりまして非常にばらばらで、全国的に見ると非常に小さな規模でつまみ銭を出しておって、一昨年からずっと予算が横ばいの状況のところも調べてみるとあるし、重要性を認めて児童館のようにふくれてくるところもあるし、こういうことで、もちろん、自治体側の受け入れ体制や自主的な要請というものと無関係にこれが育っていくわけはないのですが、あまりにも制度が多くて、そうしてばらばらであるということが、これは非常に予算の面からいっても中途はんぱではないかということであります。 そういう面では学校という体系の外における、あるいは保育所や幼稚園の外におけるそういう——法務省がいま出席いたしましたが、そういうことが非行青少年対策を含めまして、これはきわめて連絡が悪いのではないか。私がたとえばこの問題をちょっと追及し、追跡をいたしました契機は、広島市の例なんですが、広島市では、児童館にいたしましてもかぎっ子対策でも、非常に進んでいるわけです。非常に熱意を持ってやっているわけです。しかし、たとえば留守家庭のかぎっ子対策にいたしましても、小学校の低学年その他が学校を昼からは出ていくという場合に、謝金で人を雇う場合です。そういたしますと、大体十一時から十二時ごろにその人が来まして、そして五時過ぎまで、親が帰るまではつとめて、そして一時間くらい後、六時ごろにいろいろな整理や見回りをして帰っていく。こういうことになりますると、六時間くらいのパートタイマーになるわけです。いまは企業において、パートタイマーの処遇について大きな問題となっておるわけですが、労働省でも検討いたしておるわけですけれども、そういう点から言いますると、かなりやる気になれば責任のある仕事ということになるわけですが、しかし、これも自発的な奉仕活動だということで、つまみ銭で謝金だという制度になっているわけです。 ですから、私はやはりどこか中心棒が第一線にはあって、そしてこの問題については、単なる謝金ということで、その時間だけちょっと自発的につとめるということではなしに——社会活動としては有意義な活動ですが、そればかりに期待はできないような実情ですから、人手不足その他あるわけですから、そういうことで、もう少し学校とか児童公園などというふうな施設に見合ったようなそういう活動面を指導、管理をするようなセンターというものがあって、そうしてこれらを有機的に結びつけるような活動を、有機的に見ていくような指導をするような活動をやはりやるべきではないかということもある。これは非常に中途はんぱな仕事であります。そういう点で、たとえば広島市の例で言いますと、謝金ではなしに、賃金としていままで払っておったのだけれども、謝金ということだけで中途はんぱな制度というものは、大蔵省との関係で、予算査定その他で補助をいたしておりますから、実際にはこれを進めて、市が給与で人を若干つけて、そしてそれら全体を動かすというふうなことも事実上できない。そうなればこれは謝金を打ち切る、こういうふうなこと等ができておるわけですが、私はこのことだけにこだわる意思はないのですが、これを調べて追跡をいたしていく中で、あまりにも学校外のそういう生活面の指導体系というものがばらばらであるということを見たのでありますが、私は、第一線においても、地方でも意思統一して、関係者が集まって、こういう生活面の校外指導についてもう少し連絡が密になるような、そういう活動が自治体の活動として起きることが望ましいのではないか。そういう人的、財政面からも、大蔵省は予算を査定するという——できるだけ少なく査定すると点数が上がって出世ができる、手柄になるというそういうシステムでなしに、そういう活動を助長できるようなかっこうで、現在の最初申し上げたような事態に応じたような体制をとることが必要ではないか。総理府はそういう意味において、総理府の連絡調整機能というものは、中央におけるこの事務の配分で残ったものを便宜的にやるとかいうことじゃなしに、そういうことで対策本部というような、総理大臣がやっておるわけですが、そういうことからも、そういう交通や公害やその他たくさんの問題がある今日の段階において、地域の子供を中心とした対策の調整を、介入にならない範囲において人的、施設的なそういう問題についての総合的な活用、管理というものについて、もう少し連絡を密にしてもらってやってもらいたいという希望を、私は率直に持ったわけであります。 そこで、関係各省に集まってもらって、このことを聞いてもらうことと一緒に、非常に決断力、実践力のまれにある山中総務長官ですから、そういうことでひとつこの点についての見解をお聞きし、これから関心を持っていただきたい。上のほうだけつまんで持っておるというのじゃなしに、一線の住民の立場に立ったそういう調整が必要なのではないか、こういうことについての見解を聞きたいと思います。
○山中国務大臣 いまこう各省が、自分たちの所管をそれぞれ言っておるわけですけれども、説明しましたけれども、たとえば都市計画をやっておる場合に、そこに児童公園をつくると、その中に本来ならば児童館を同時に併設されれば一番望ましい地域なのかもしれない。ところが、行政ルートが別なために、全然そういう配慮がなされていないで、ばらばらの申請があって、そういうものが建つところはぽつんぽつんと建っておるという傾向にあるのじゃないかと思うのです。その他の施設についてもそうだと思います。 そこで、私のほうでこういうことを考えてみたいと思います。自治省を経由して各県の地方課長といいますか、そういうところにいきますか、あるいは総務部長あたりのほうに出しますか、あるいは総理名で知事に出しますか、いずれにしても、そういう青少年対策諸施設の補助申請、融資の申請、起債の申請等にあたっては、既存の施設もしくは将来建てたいというようなものを総合的に申請する市町村が検討をして、できればセットの形で申請をして、同じ二、三年後にはもう一つつくるのだというものがあるならば、それを省が違っても同じ年にセットにして、地域の青少年のために、あるいは幼児、学童のために役立つような、そういう地域から見て適正なる申請がなされるような統一された申請、そうすると、各省にまたがって、建設省に児童公園をお願いして、その中に今度は厚生省の児童館というものを建てる構想とか、いろいろなものが出てきましょうから、そういうものをひとつ何かまとめまして、毎月一回私のほうで連絡担当官会議をやっておりますので、そこらで一つのモデル的な通達と申しますか、一つの指令を地方に流す型をつくってみまして、それでこれから申請するときには、一つ一つだけの希望の申請じゃなくて、将来はどういう構想を持っているのだ、その構想の中でやるとすればこういうものをまず取り組んでいくのだとか、あるいは有機性はどういうふうに持つのだとか、少なくともそういう関連性のある申請のさせ方をしてみようか、こう思っておりますので、それを今村次長を中心に各省の連絡官会議で、少し内容を練らしてみようかと思っています。
○大原分科員 最後の一つですが、いまの総務長官の御答弁をひとつ実行してもらいたいと思います。 これは厚生省、文部省が非常に関係深いわけですが、児童福祉法の第三十九条によりますと、——これは保育所の定義づけですが、幼稚園との関係です。保育に欠ける子供に対して保育所の設備があるわけですが、その中に「保育に欠けるその他の児童を保育することができる。」というのが第二項にあるわけで、これは何歳までの児童のことをいうのかというと、たとえば児童の概念にいたしましても、省によりまして小学生までを児童というのがあるし、中学生までをいうのがあるし、十八歳、高等学校までを含めていうのがあるわけであります、児童ということば自体にも。調べてみますと法律で使っておるわけです。だから、保育所などは十八歳までの保育に欠ける子供、児童を管理するのだということもあるわけであります。あるいは文部省の幼稚園の問題も、もちろん児童の学外の活動、かぎっ子その他の問題もあるわけですが、私は主として文部省の教育上の体系と、厚生省の保育所と幼稚園の関係をどうするかという基本論は別にいたしましても、その省が密接な連携を持って仕事を進めていくことが必要ではないかと思うわけであります。そういう立場に立つと、たとえば建設省のいまお話がありました児童公園というようなのもあるし、それから山中長官、児童公園以外にも、たとえば河川敷の開放というのがいま中小都市では非常に問題になっておるわけです。公共のための河川敷の開放、そういう点では、遊び場といたしましては、河川敷がゴルフ場に使われたりそういうことがあって、どこでも問題になっておるわけであります。したがって、そういう点で、この中軸になる官庁は別にいたしましても、末端だけでは解決できないような面もあるわけですから、そういう積極的な遊び場の対策その他をやってもらいたいと思うわけです。 そこで私は希望いたしておきたいのですが、たとえば謝金ということだけで、人的な裏づけのそういうことだけにこの問題はとどまるべきではない。したがって、そういう生活指導、遊びの指導ということになれば、総合的に考えて、有機的に考えて、もう少し、そういう奉仕活動だけに期待をするという——その面もあってもよろしいが、そういうことだけでなしに、やはり全体的に中心的な仕事ができるような体制を考えてもらいたいというのであります。これは文部省と厚生省が連絡をとってよくやってもらいたいと思うのだが、これはよく連絡をとって、そういうことについては手落ちのないようにする意思がありやなしや、こういう点について、これは文部省から……。
○山中説明員 御指摘のとおり、児童ということば自体も、学校教育法では学齢児童を使い、児童福祉法ではずっと年齢が高いところまでとらえているという違いもございます。それからまた、それぞれの省が、学校教育でねらっているもの、あるいはいわば民生安定という見地からねらっているものがございますために、末端にいきますとそれぞれの措置が違っているということがありますけれども、住民の側から見れば似たような事業であるという点は、まさに御指摘のとおりであると思います。ただ、私どもがいたしておりますのは、もっぱらそのための専門の施設ということではなしに、個々の親が自分の子だけめんどうを見るということでなしに、お互いの地域の住民が子供のめんどうを見ようという見地から、そういうボランティア活動がいま盛んに行なわれておりますので、それを促進するという形で行なっておるわけでございます。 なお、厚生省のほうでは、児童館なり保育所なり、もっぱらそういう専用の施設あるいは専任の職員というものも置いておられますので、こういうところとも十分連絡をとりながら、そごのないように協力してまいりたいと存じております。
○大原分科員 終わります。
○笹山主査 それでは、次には山口鶴男君。
○山口(鶴)分科員 過般、一般質問で同和問題についてお尋ねをいたしましたが、時間の関係で意を尽くすことができませんでした。同和問題にしぼりまして、幾つかの問題をお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、昭和四十五年度予算におきまして、同和関係の予算、補助金並びに起債を含めまして一体幾ら措置をいたしておりますか。事務当局でけっこうですから、具体的な数字をあげてまずお答えをいただきたいと思います。
○小熊説明員 昭和四十五年度同和対策関係予算といたしましては、補助金約四十二億、こまかく申し上げますと四十二億三千七百四十六万三千円、それからこれに対する補助裏の起債といたしまして、自治省に七十億円別ワクで組んでおります。 なお、先般自治大臣がお話し申し上げましたように、建設省関係で、一般ワクの中に八十四億円の住宅並びに街路関係の予算が組まれております。組まれておるといいますよりは、これは一般ワクの中から最優先で同和関係経費として使途に充てるということで、それの見込み額でございますが、これが八十四億ございます。
○山口(鶴)分科員 そうしますと、補助金として約四十二億、それから住宅関係の補助金として八十四億、それから起債、これは国庫補助事業に対する起債、それから単独起債合わせまして七十億、そういうお答えであります。 そこで、先般大臣にお尋ねいたしたのですが、この特別措置法が制定になりまして補助率については三分の二、それからさらに起債につきましては、その八〇%まで元利償還を国が見る、こういうことになっているわけでございまして、問題は、このような法律が制定される以前にこの事業に対する御調査をされた、法律制定後におきまして事情が変わったわけでありますから、この点いま一度調査をしたらいかがかということを申し上げまして、大臣のほうからこれに対する調査を必要とあらばやろう、こういうお答えがあったわけであります。したがいまして、そういう意味では、より画期的なこの調査に基づく事業計画ができるだろうと思っておるのですが、特にこの同和事業の中の中心は、不良住宅を改善するということが大きな柱だと思うのですね。補助金もこれに対して八十四億というのですが、昭和三十六年の調査、これはたいへん古い調査でありますが、このとき改良ないしは新築を必要とする不良住宅が約三万戸ある、こういうふうに当時の瀬戸山建設大臣が答弁をしておるのです。参事官もおられるから聞きますが、一体新築ないしは改良を必要とする不良住宅というのはどのくらいあるということに、現在の調査ではなっておるのですか。
○小熊説明員 私ども調査いたしましたのは昭和四十二年の八月でございますが、この際の各省関連事項についての調査書はすべて各省へ参っておりますので、これは後日建設省のほうから伺いたいと思いますが……。
○山口(鶴)分科員 じゃ、わからぬというわけですね。今度の予算では、一体公営住宅が何戸ぐらいで改良住宅が何戸ぐらいになりますか。八十四億ではわかりませんか。八十四億で一体どのくらいできますか。
○小熊説明員 この改良住宅及び公営住宅につきましても、建設省といたしましては、従来の実績から見込みまして八十四億という数字になるであろうという推定をいたしておるわけでございまして、これが具体的にどれだけの住宅であり、どれだけの街路であり、どれだけの上下水道であるかということについては承知しておりません。
○山口(鶴)分科員 それでは、あとで資料として出してください。
○山中国務大臣 いま電話をかけさせています。
○山口(鶴)分科員 じゃ、それはしばらくおきましょう。 そこで問題は、これはひとつ大臣に伺いたいと思うのですが、結局この特別措置法によりまして、他の事業については補助率が上がって三分の二になったわけですね。ところが、住宅については従来の補助率が三分の二であって、今回の特別措置法をもってしても補助率は全然改善をされなかった、こういう形になりますですね。そこで、一般質問の際にも申し上げたのですが、補助率が変わっていない。それからさらに、これに対しまして三分の一は起債で充当するわけですが、地方交付税法の関係もあって、あるいはこの特別措置法制定の過程におきまして自民、社会、民社、公明、これらの各党といろいろ話し合いをしたそうでありますが、そういう関係の中でも、結局この問題については元利償還の対象にするという話し合いができなかった。そういう経過もあって、これについては起債の元利償還の対象にならない、現在なっていないということでありますが、何と申しましても、同和事業の一番の中心は住宅の問題なんですね。悪い環境の中に住んでいる、これを改善をしようというのが、何と申しましてもこの特別措置法の中心だろうと思うのですが、その場合補助率も引き上がらぬ、それから起債で充当いたしましたものに対してもこれは元利償還の対象にならぬ、いわば自治体まかせであるということでは、何か今回の法律の柱ともなるべき問題の措置が非常に欠けているではないかという感じを持たざるを得ないわけであります。したがって、これについては一挙にというわけにはいかぬと思うのですが、自治大臣も何らかの形で考えたいものだということは言われておるわけでありますが、これについては大臣、ここでずばり、こうしたらどうだろうかという回答がすぐ出るとは思いませんけれども、何らかの形でひとつ前向きで検討する、やはり同和事業の中心であるこの事業については、何らかの形で対処をするということが必要ではないかという気がするのです。お考えはどうですか。
○山中国務大臣 私はずばり答えは出せるのです。それは、地方財政法の政令のカッコ書きの中で(住宅を除く。)となっている。その中から、同和対策特別措置法による住宅資金を除くと、さらに除けばいいのです。ですけれども、これは自治省なんで、秋田自治大臣は、私の党の中ではずっと一貫して同和を中心にやってこられた方で、同和というと秋田さんというくらい熱心な方だったのです。ですから、自治大臣の熱意を背景に大蔵の財政当局と、特別措置法ができたという事実を踏まえて、しかも補助率はもともと三分の二であったわけですから、今度は全部が三分の二にそろったというので、その点は、もと三分の二だったからこれを四分の二にしなければいかぬかどうかの議論は別にして、せめてその財源の元利償還等については、そういう特別措置を踏まえた何らかの措置を、しかも政令だと私、思っておりますが、そういうことでやるかやらぬか、これは私も助言をいたしますけれども、何としても所管大臣の自治大臣と財政主管省たる大蔵省との話し合いがつかなければできないことであろうと思います。私はそれに対して問題点を指摘し、助言をしていく立場にあるということは認めます。
○山口(鶴)分科員 自治省の財政局長を呼んでおいたのですが、来られないというので、成田調査官ですか、見えておるようですね、自治省の考え方はどうですか。
○成田説明員 お答え申し上げます。 実は午前中同じような質問が、奥野先生から私のほうの大臣にございました。私のほうの大臣のお答えといたしましては、建物の部分につきましては、これは家賃という特定の収入がございますので、現在現行法のたてまえからいたしまして、同じような特殊な恵まれない事情にございます問題としまして、たとえば災害の場合の住宅復旧の問題、また辺地におきますところの住宅建設の場合、これらの場合におきましても、実はいま申しましたように家賃という事業収入が伴いますので、これは現在のところ、自治大臣の指定にかかる地方債の扱いはいたしません。したがいまして、後年度におきましてその元利償還が行なわれます場合、交付税で措置するということはいたしておらぬわけでございます。でございますけれども、まあ住宅の用地につきましては、これはたいへんな、今後いろいろな施設の整備をするにつきましても、自治体の財政負担が増高する、こういう懸念がございます。こういう用地の手当てをいたしませんと、施設の整備が非常におくれるという点が、今後の施設整備の大きな盲点であるようにも考えられますので、これにつきましては自治省といたしましても前向きで検討するしかない、こういうような覚悟でおるわけでございます。したがいまして、ただいま山中長官より御答弁がございましたけれども、わが省といたしましては、したものについてはやはり前向きで考えるべきではなかろうか、このような考えを持っておるわけでございます。
○山口(鶴)分科員 山中大臣は過疎対策についても非常に熱心ですね。同じようなものは、いまお話しがあったように辺地債あり、これも元利償還八〇%見ているわけですね。それから新たにこの本年度予算、地方債計画に乗っております過疎債、これは私ども、八〇%まで元利償還を見てもいいのではないかと思っていますが、自治省の考え方は五七%というようなわけです。しかし、過疎対策につきましても、どうしてもこれからは、集落の再編成というのがやはり過疎対策の中心にならなければいかぬ。辺地について辺地対策を行なう場合も同様だろうと思います。そうなってまいりますと、この同和対策についても、公営住宅に対する起債をどうするかということが、大臣の言われたように大きな問題点。問題は交付税法、これに伴う政令、その書き方の問題と思うのでありますが、これは所管とはちょっと離れるのですが、特に大臣は過疎対策についても熱心であった。しかも集落再編成についても、この過疎問題の中の重要な柱だということからいけば、これはひとつ政府全体として取り組んでみてもいい問題じゃないですか。同和対策としても重要な柱だし、過疎対策としても重要な柱じゃないかと思うのです。所管とちょっと離れるので恐縮ですが、佐藤内閣の閣僚である国務大臣としての所見をひとつ承っておきましょう。
○山中国務大臣 御承知のように、お互いに議論しましたから、過疎対策の中ではやはり同じような、先ほど自治省の説明がありましたような家賃収入ということがあって、過疎対策そのものの対象にはしませんでしたかわりに、自己の意思に半分ぐらいは反して集落再編に応ずるのが実態であろうということで、住宅金融公庫の中の特例に、据え置きが三年認められておるのは災害だけでありますけれども、今回の過疎の法律による集落再編成では、三年据え置きの十八年という二十一年ものを新しく対象としたということで、その点は一応解決したのですけれども、この同和の問題は、やはり特別措置法の精神から考えて、いま言ったようにまず収入があるからということであるならば、せめて土地というようなものだけでも市町村に対してめんどうを見てやるというような点は、考えるべき手がかりだろうと思いますから、そこらのところは財政法のたてまえその他をよく承知の上で、私も助言をしていきたいと思います。
○山口(鶴)分科員 成田調査官にお尋ねしたいと思うのですが、昭和四十四年度特別交付税の中に約三十四億、同和対策事業として支出をされたようです。昭和四十五年度——これは昭和四十六年の二月末でないと特別交付税の配分はきまらぬわけですが、しかし、特別交付税配分の重要なルール計算の一環としてこの問題を据えることは必要だろうと思うのですね。したがって、いまのところで幾らになるかということは、明確に言えるか言えぬかわかりませんが、昭和四十五年度の特別交付税はどの程度になりますか。当面この特別交付税の中で、先ほど住宅の用地については考えておるという話でしたが、この特別交付税である程度見るということ。もちろん大臣の言われるように、政令の書き方を変えるということが一番根本的な解決だと思うのですが、それがすぐできればけっこうです。内閣の中で十分議論をいただいて、これは直していただければいいわけですが、もしそれが一ペんにいかぬという場合に、これは特別交付税で十分配慮をするというのも私は一つの方法ではないかと思うのですね。その点を含めて自治省の考え方を聞いておきましょう。
○成田説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、本四十四年度におきましては特別な財政需要がある。特に本年度特別措置法ができました趣旨にもかんがみまして、従来より増しまして重点的に、私のほうの大臣の御意向もございまして、交付税の措置をいたしたわけでございます。来年度はまだ全然見当もつかぬ段階でございますが、私の気持ちとしましては、担当の立場といたしましては、今年度を下回るような数字は実は出したくない。おそらく今年度初年度で、相当の地方団体における同和関係の財政需要が出てまいってございますけれども、来年度はさらに——本年度はたまたま、年度中央におきまして特別措置法が制定を見た、こういう経緯もございます。したがいまして、若干事業のテンポにつきましても問題があったかとも思いますけれども、来年度は実質的に、全面的に、年度前半はこの問題について真剣に取り組むべき段階かとも思われますので、おそらく相当の地方団体における財政需要が出てくるだろうと存じます。 ちなみに、先ほどちょっとお話がございました来年度の地方債の問題でございますが、総理府から御答弁がございましたように、実はこれは国の関係省が出します事業の補助裏の関係の起債という問題ではございませんので、七十億の内訳としまして、一応われわれとしましては、国の補助裏が大体十七億ないし二十億くらいの見当で考えておりまして、あとの五十億ないしそれ以上の数字は、地方団体単独の事業の充当を考えておるわけであります。 そもそも今度の法律のねらいは、やはり国のほうの大きな財政上のてこ入れが望ましい、こういう発想で考えられた制度だと考えますと、自治体の財政負担も当然でございますが、これに増しまして国家財政のほうの応分の協力もあってしかるペし、こういうような観点からいたしますと、今後われわれとしましては、自治体の立場を財政的にいろいろ御協力申し上げる立場でございますけれども、応分の御協力を国のほうからもお願いしたい、こういうような気持ちでおるわけであります。したがいまして、そう言いましてもなかなか国の財政事情もございましょうから、その足らずまえのところはできるだけ特別交付税等で措置いたしまして、支障のないようにいたしたいと考えておるわけでございます。
○山口(鶴)分科員 先ほど総理府から御答弁いただきました数字と、自治省からもらった数字とは少し違っておるのです。住宅関係の経費は、総理府のほうで八十四億と言いましたが、自治省のほうでは、国費の合計が五十九億という程度の数字になっています。起債が、この住宅関係に充当するのが五十四億、したがって、住宅関係合計いたしまして百十三億、それから投資的経費に対する助成が百四億で、国庫補助事業が五十一億、その内訳が国費が三十四億で、起債が十七億、単独事業が五十三億ですね、合計で百四億になるわけですが、そのほか消費的経費の補助で六億、そういたしますと、合計すると国費関係が九十九億で、地方債の関係が住宅とそれから国庫補助事業、単独事業合計いたして百二十四億、そうして国費関係の総計が二百二十三億、こうなるわけですが、自治省でもらいました資料によれば、国費が九十九億で地方債が百二十四億、こういうことですから、自治体の負担にまかされるものが多い。しかも単独事業の起債五十三億、これについては八〇%の元利償還はない。住宅についてもない。八〇%元利償還の対象になるのは、国庫補助事業の十七億の起債に対してだけあるということですから、結局国がめんどうを見るのは、補助金の九十九億と八〇%元利償還を見る起債の十七億、こうなりますと、地方負担のほうがむしろ多いという計算になりますね。こういうことでは、やはり私はこの特別措置法制定の精神が十分生かされていない、かように思わざるを得ないのです。総理府のほうから言われた住宅の八十四億というふうに見ますと、もう少し国費のウエートが上がりますが、それをもってしても十分ではない。したがって、自治体にまかされる部面が非常に多いということであるならば、当然国が見られる方法としては、先ほど申し上げた特別交付税も一つの方法だと思うのですね。ことしは私十分ではないと思っておりますが、交付税総額が一兆六千億くらいにたしかなるわけですから、特別交付税が約一千億程度にはなるはずですね。そうなりますと、やはり特別交付税の中心としてこの同和事業の問題を据えてもいいのじゃないかという感じが相当するわけであります。秋田自治大臣がおればいいのですが、おりませんから、どうもやむを得ませんので、山中大臣にお尋ねしますが、そういった特別交付税のワク全体が非常に広がっておるという状況から見ても、先ほど大臣が言われました住宅に対する措置のしかた、これが不十分である、これを何らか解決するという考え方、けっこうでありますが、あわせて一つの解決の方法として、この特別交付税の額全体がやはりふえておるという中で同和対策事業に対してもう少しウェートを置いてもいいんじゃないかということも、あわせてひとつ閣内で議論をいただきます場合の一つの材料として御検討いただいたらどうだろうかと思います。 それから、次にこの特別措置法の中に自治体の責務について触れております。成田調査官にお尋ねしたいと思うのですが、どうも地方公共団体の中に非常に熱意のある公共団体もあるようです。特にこの補助金を見ますと、文部省がおりませんから質問はいたしませんけれども、特に進学奨励費等で文部省関係二億ぐらい組んでいるだけでありまして、文部省関係の補助金も三億程度しかない。それから厚生省につきましても同和地区改善施設整備費というのが二十七億ほどございまして、全体としては三十億程度という状態であります。 進学奨励等については、熱心なところは大いにやっているだろうと思うのですが、この程度の助成では足りぬことはもう言うまでもないと思います。そういう意味で、自治体によりましては非常に熱意があるのですが、自治体によりましてはまたあまり熱意がないというところも話として聞くのであります。せっかく八条に「(地方公共団体の施策)」というのがあるのですが、自治体に対しては、この法律にのっとって大いにやれという指導は当然やっておると思うのですが、自治体ごとどれほど熱心にやっておるかどうかということは自治省としてある程度点検をしておるのですか。この点はどうです。
○成田説明員 お答え申し上げます。 調整というおことばがどのような意味だか存じませんが、今度の特別措置法の精神が十分生かされますようには、たとえば私どもの関係で地方財政の指導監督の立場にございますけれども、そういう筋合いからいたしまして、県のレベルにつきましては財政課長会議、あるいは市町村のレベルの関係につきましては全国の地方課長会議、こういうものがございますので、この機会等をつかまえましては法の趣旨をよく理解徹底させまして遺漏のないようにいたしておるつもりでございます。
○山口(鶴)分科員 全般的には総理府がこの仕事を進める窓口として今日もやってまいりましたし、今後も大臣としてもそうあるように設置法の改正その他でもそういう趣旨でやっていきたいということを過般も言われたわけですが、総理府としても各自治体がどの程度真剣に取り組んでおるかということについてはある程度御調査をなされておるのですか。
○小熊説明員 各地方自治体がどの程度の財政を投入してやっておるかといろことについては自治省のほうに調査を依頼しております。
○山口(鶴)分科員 具体的な県名をあげることは差しつかえもありますから避けたいと思いますけれども、関東でも九州におきましても東海におきましても、やや県によりましては地方公共団体として熱意が足りぬではないかというお話を聞くのであります。そういった地方自治体に対する指導点検は自治省でやっておるということでありますから、自治省としても先ほど御答弁ありましたが、よりひとつ法の精神にのっとって対処いただきたいことをお願いいたしておきたいと思います。 最後に、時間もありませんからこれで終わりにしておきたいと思いますが、何と申しましても本年度の国の予算が四十二億、住宅関係で八十四億、起債で七十億という予算措置では十分ではないと思います。大臣としても、法律制定後の新たな段階に処して、必要とあらば調査もして、いま国会でこういうことが問題になること自体が遺憾なことだということを先般申されたのですが、そういった大臣の趣旨を生かしまして、明年度の予算におきましてはより画期的な施策をひとつ実施していただきたい、強く要請をいたしたいと思いすす。大臣としての御決意を承りまして、質問を終わりたいと思います。
○山中国務大臣 地方自治体もやはり財政の問題には敏感ですから、特別措置法ができて、いろんな補助率の引き上げその他が行なわれたんだということがもう徹底いたしましたので、これからおそらく予算が足りないというような現象になってくることを私は期待しております。したがって、そういう実績が出まするならば、それに応ずるように当然努力をしていかなければなりませんし、また諸種の地方自治体の超過負担の中でも、この種の超過負担は、これはなるべく超過負担でない義務負担的な、国のほうがめんどうを見る意味の負担であるようにしたい。普通の超過負担と同じような扱いをしたくないという気持ちで私はおります。 なお、最後に一つおわび申し上げますが、最近地方財政法の勉強を少し私もなまけておりまして、さっきたしか政令だったと思いますがと申し上げましたが、地方財政法十一条の二でございました。誤りを訂正しておきます。
○山口(鶴)分科員 先ほどは政令を直そうということで、いま訂正をされましたから、地方交付税法、法律を直していただきまして、解決するという方面にも力を尽くしていただくように要請をいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○笹山主査 次は横路孝弘君。
○横路分科員 私は、交通事故の対策について、時間もございませんので、安全施設の問題だけに限りましてお尋ねをしたいと思うのですが、私、弁護士の仕事をしておりまして、交通事故の被害者、加害者いろいろな事件を手がけてまいりましたけれども、一つの事故が発生しますと、非常にたくさんの家族を含めての悲劇というものが生まれているわけです。 そこで最初に、警察庁の交通局長さんにお尋ねをしたいと思いますけれども、昨年は大体死傷者を含めまして百万人、車の台数で千六百万台ということになりまして、前年に比べまして死傷者の数で大体一五、六%増、車の台数で二〇%増ということになっているわけです。これから五年後、十年後の車の台数というのは——十年後運輸省の計算によりますと三千四百万台というような数字が出ているわけでありますけれども、この二〇%増というような計算にしましても、これから十年後、一九八〇年には大体三千六百万台前後の車の台数になる。そうしますと、いままでの統計のいろいろな推移から申しますと、車がふえると、それに伴って事故もふえていくというのは当然のことでありますけれども、まず第一点、いまから五年後一九七五年の時点において、大体現在のような車の台数の伸びで、現在のような投資の額を前提にいたしますと、大体交通事故の件数にして何件ぐらいになるのか。死者の数、負傷者の数にしまして大体どのくらいになるのか。一九八〇年、いまから十年後大体その件数並びに死傷者の数がどのくらいになるのか。今後十年間の死傷者の数の累積数ということになると、大体どのくらいの数を警察庁のほうでお考えになっているのか、まずその点を初めにお尋ねをいたしたいと思います。
○山中国務大臣 警察庁の統計的な数字も必要でしょうから答弁させますが、政策的な一つの方向といたしましての……(横路分科員「あとで聞きます」と呼ぶ)あとでいいのですか。——ではまず一応統計数字だけ……。
○久保政府委員 私どものほうの手元で昭和五十年を目標にする長期計画を現在つくりつつあるわけでございますが、それの前提といたしまして長期予測をさせたいということでやっておりますが、まだ結論を得ておりません。ただし現在の暫定的な見通しとしてこういう数字を一応使っております。と申しますのは、死者の伸び率で毎年五%増、これは昨年の伸び率が、いまお話しのように一四%、一昨年は四・七%でありますが、これを一応五%に押え得たといたしまして、昭和五十年、一九七五年で二万一千七百人ばかりであります。それから八〇年の数字は持っておりませんが、七九年で二万六千五百人くらい。そこで私の手元の数字では昭和四十四年から五十四年、七十九年までの累計で二十一万四千人という一応の数字になっております。 それから、負傷者の数で、これは昨年の伸びが一六%、一昨年は二二%でありましたが、かりにこれを一〇%で押え得るといたしまして、昭和五十年、七十五年が百七十一万人、それから七十九年が二百五十万人、累積いたしまして昭和四十四年から五十四年までで千六百九十万人ばかり、一応そういうような数字になっております。これはもう少し論拠のある数字にいたしてみたいと思いますが、ただもし御必要であればあとで御質問いただきますけれども、死者の五%というのは少し意味を持った数字でございます。
○横路分科員 いま死者の数を大体五%に押えるとして二十一万四千人、それから負傷者の数を一〇%に押えるとして千六百九十万人、大体この十年間で、この計算でいきますと、いまの人口の割合からいって六、七人に一人はこの十年間のうちに交通事故に出会う、こういったような状態になるわけです。 そこで、山中長官にお尋ねをしたいと思うのですが、先日の予算委員会の質疑の中で、これから五年間に現状の、交通事故を半分に減らしたい。これはそうした意味で一つの政策目標の設定として非常にけっこうなことで、ぜひそれはやらなければならない問題だと思うのですが、具体的に今後の五年間のうちで事故の件数そのほかを含めまして半分に押える、そのために、交通安全施設の面だけでけっこうでございますから、具体的にこうしたいという内容をお持ちでしたらお話をいただきたいと思います。
○山中国務大臣 今年度を含めまして、昭和五十年までですから、正確に申しますと六年間です。これは願望でありますけれども、ぜひ達成したいものである。そんなことできるものかという反証としては、アメリカでお聞きになっていたかもしれませんが、一九三五年から五十五年までに結果として半分に減ったというので、一九六九年から十年間でさらに半分にしようという努力を今度は政策目標として掲げたようであります。私どももやはり今日の交通事故死の激増を見て、みんながきょうは人の身、あすはわが身という運命にあるわけですから、文明国家として恥ずかしいと思いますので、そういう政策目標を掲げたわけです。そのためには、この間はいろんな交通規制その他を申しましたが、現在までの道路五カ年計画がたびたび半ばで、あるいは新しく改定もしくは新設されますけれども、その際に道路の安全施設というものが道路予算の中に実は入っていない。したがって、ことし向こう五カ年の新規計画として十兆三千五百億が設定されましたけれども、交通安全施設に対する五カ年計画の裏づけ予算が実はその中に入っていなかったということが閣議でも問題になりました。これも所管は警察庁の荒木大臣のほうでありますけれども、ことしは実は過去三年、そしてことしが二年目に当たる緊急三カ年計画の後期の二年度にあたっております。 そこで警察庁の問題提起のしかたも予算編成にたいへんおくれた問題提起をしたものでありますから、私の手元で各省関係者に集まってもらいまして、その閣議の明くる日にはすぐに会議を開きました。そしてどのようなことをやったならば、すなわち、道路のみをどんどん建設していく、ところが交通事故をそれによって防ぐための施策が伴っていない、ことに安全施設の年次計画がない、それを精査いたしましたところ、警察庁のほうでは、五カ年計画ならば、人件費を除きまして、純然たる施設備品費だけで、約十兆三千五百億の三%程度の三千五百億くらいかかるのではなかろうかという試算が出ました。五年間にです。そこで来年が緊急三カ年計画の最終年次でありますから、これとどうスタートを調整するか、緊急三カ年計画の後期の三年目を、新しい交通安全施設の五カ年計画の初年度に置きかえるか、ここらのところもこれから研究いたしまして、これには道路財源が来年はたいへん窮屈になりますので、道路財源の十兆三千五百億を円満に達成するためには、来年はどうしても新規課税になりますか、あるいは引き上げになりますか、何らかの財源措置が必要となります。それらの見通しの上に立って、一年おくれで五カ年計画の安全施設はスタートを切ることになるわけですけれども、道路建設というものは一年くらいおくれて安全施設がついていっても、かえってちょうどいいくらいのタイミングかもしれぬと思いまして、できれば来年度から三千五百億そのものというのは、これから精査しなければなりませんけれども、五カ年計画の裏に必要とする望ましい安全施設は幾らが正しいか、そのための年次計画と初年度の予算は幾らにするか、財源は道路予算を含めて、道路予算の二年度、さらに安全施設予算の初年度というものの財源をセットでどう考えるか、ここらの問題を来年度に備えるために鋭意各省集めていま研究中であるということでございます。
○横路分科員 そうすると、現在第二次計画の二年度にあたって、来年度でそれが終わりということでありますけれども、その計画を道路整備のほうの計画に順応するような形で改定、拡大していく、こういうことでございますか。
○山中国務大臣 そのとおりです。
○横路分科員 そこでその場合に、その政策目標として五年後には半分にするというお話でありましたが、いま死者の数四・七%ないし五%に押えるという警察庁のほうからのお答えがありました。去年は御承知のように一四%ということでございますが、安全施設の面から考えてみますと、たとえば歩行中の事故、こういうものについては、安全施設の完備によってほとんどなくすことができるのではないか、それには膨大な投資がかかるわけでありますけれども、これを五%に押えるということの根拠といいますか、そういう点はどういうことになりますか。
○久保政府委員 一昨年に対して昨年の死者が一四%ふえたということは、その以前の段階に比べますと、非常に異常な状況であります。ところで今後の見通しを立てる場合にどういうような推測のしかたがあるか、おそらくいろいろのやり方があると思うのでありますが、私、考えましたのは、車台数当たり何人死ぬかという台数当たりの死亡者の数を出してみます。これはわが国の場合に逐年減少いたしております。車の台数がふえるに従いまして、その減少の度合いが鈍化してまいります。ところで昨年の死亡者は車十万当たり一〇・三くらいになっておったかと思います。これはただし警察統計でありますので、外国と比較いたします場合には、それよりも二、三割多い厚生統計というものを使うわけでありますが、これで外国の減少率、つまり外国が車の台数の増加とともに、逐年台数当たり死者がどういうふうに減少してきたかということを比較してみるわけであります。つまり、わが国のいまの減少率をそのまま延ばしましても、これは車の台数が非常にふえてくると減少率が違ってまいりますので、必ずしも正確ではない、そこで千二、三百万台という当時のイギリスの例がわが国にわりと当たるようなふうであります。つまりイギリスが一九六〇年ごろにたしか十万台当たり十二、三人くらいであったろうと思いますが、そのぐらいからスタートをいたします。つまりイギリスの減少カーブを日本に適用いたしてみますると、大体五%ぐらいの減少、逆に言えば上昇率になるわけです。それがたまたま今日のヨーロッパ及びアメリカにおける車台数当たりの死亡者の数のほぼ平均のところに落ちつきます。したがいまして、今日のアメリカを含めたヨーロッパのまず平均的なところを私どもは昭和五十年の目標にするということを考えたわけであります。しかしながら、これも外国の交通のマナー、道路環境、車のあり方、その他からいいまして、私どもから考えれば相当シビアな条件であると思いまするけれども、一応そういった数字で押えてみたい。ただしもう一つ前提を申し上げますれば、先ほどお話にもありましたように、自動車のふえ方は毎年二割ずつ、それから交通事故の非常に多くなります道路舗装率、これがここ数年、毎年二割ずつアップしております。舗装されておる道路におきまする交通事故というものは九五%ぐらいそこに集中しております。したがって、舗装率が二割ずつ上がるということは、これはやはり交通事故も二割押し上げる圧力、プレッシャーになっておるということが言えるかと思います。ですから、放置しておけば十数%ずつは伸びていくんだ、それをいろいろな施策をもって何とか五%、あるいは負傷者は一〇%に押えたい、そういったような目標でございます。
○横路分科員 その新しい計画でございますけれども、具体的な内容については交通安全委員会のほうでさらにいろいろとお伺いをしていきたいというように考えておりますけれども、現在の時点で一応この交通安全施設ということになりますと、歩道とか歩道橋とかあるいはガードレールとか、警察の関係ですと信号機とか、いろいろな関係から見ることができると思いますけれども、ともかく絶対数が不足している中で、大体現在設置しなければならないものは、将来の見通しからいいますとどのくらいのものになるのか。つまり現時点で、たとえば、第二次計画の中で指定されている指定道路の歩道の設置率の割合その他考えてみますと、まだまだ非常に不十分なわけでありますけれども、そんな点で何か警察なり建設省のほうで数字をつかまえておられるようでしたら、具体的に明らかにしていただければ、私たちこれから議論していく上で基礎的な数字として参考になりますので、明らかにされることができましたらぜひお願いしたいと思います。
○久保政府委員 公安委員会の関係で一部申し上げます。 いろいろなこまかい技術的なものがありまして、わかりにくいので、一応代表的な信号機をとらえてみます。そういたしますと、四十三年度末、これは第一次の交通安全施設の緊急整備計画の最終年度でありますが、四十三年度末で信号機の数が一万七千そろいました。これは個所であるとお考えいただいてもけっこうです。基という単位を使っておりますが、一万七千基が四十三年度末。それから第二次の三カ年計画で、四十六年度末にできます見込みが二万五千基であります。ところで、先ほど総務長官もお話しになりました長期的な見通しのもとにおける目標数というものは、これはまだ私どもの手元の数字ではありまするけれども、信号機だけをとってみますと、九万基でございます。その他単に数字だけではございませんで、物そのものを漸次高度化していくという面も伴いますので、予算的にはまた相当大きく伸びる、数字以上に伸びるということが考えられると思います。
○平川政府委員 お答えいたします。 交通安全施設のうちで、歩道の昭和四十六年度末における完成パーセンテージを申し上げますと、いわゆる第二次特定交通安全施設の整備計画によりますと、指定道路延長は七万三百八十九キロでございます。そのうちいわゆる市街地——市街地と申しますと、大体五百メートルにわたりまして人家が立て込んでいる、こういうところを市街地と申しますが、その市街地の面積が二万五千三百三十八キロでございます。四十六年度末におきまして歩道が完成いたしましたのが一万三千七百十二キロでございまして、パーセンテージといたしまして約五五%の歩道完成率、こういうことになります。
○横路分科員 それは指定された道路について五五%ですか。
○平川政府委員 そのうちの市街地の面積に対する割合でございます。
○横路分科員 そうすると、三カ年計画の中で指定された道路について、その計画の中で四十六年度末までに全部について歩道が完成する、こういうわけではないわけですか。
○平川政府委員 そういうことです。
○横路分科員 本来そういうものとして計画自体が立案されているのと違うのですか。
○平川政府委員 御承知のように、この法律は第二次の段階を迎えております。第一次が昭和四十一年から昭和四十三年まででございます。第二次計画は昭和四十四年から四十六年でございます。実はこの計画は、御承知のように、地方の団体から積み上げた形で出てまいっているわけであります。積み上げたものにつきましては、ほとんどそのまま適当だと思われるものは実施していく、こういうことでございます。したがいまして、地方公共団体の実施する能力なりあるいは意図なり、そういったものを参酌しつつこの計画は立案されているわけでございます。で、先ほど申し上げました施設は建設省関係の施設でございまして、なおこのほかに先ほど警察庁から御答弁がありました信号機関係のものを合わせまして法律が施行されている、こういうことでございます。総額は、第一次は、地方公共団体の分を合わせまして約一千億、それから第二次三カ年計画におきましては千六百五十億、こういう数字になっております。
○横路分科員 先ほど一番初めに山中長官のほうから、ともかく不備であり、かつ満足すべき状態でないから、道路の整備と関連して新しい計画を立てて、それに伴って安全施設のほうも強化充実していくのだという御答弁があったわけですけれども、何かそのお話によりますと、警察関係だけのものをその中で立案するようなお話だったわけですけれども、私がお伺いしたいのは、いま歩道の点についても、第二次計画の三カ年計画の中で指定された道路そのものについても、まだ完成する見通しがその予算の中でないのじゃないかという点、その点ちょっと建設省のほうから御答弁をいただきたいと思います。
○井上説明員 お答えいたします。 ただいま安全調査室長が申し上げたとおりの数字でございますが、実は市街部の道路といいましても、歩道の全く設置できない狭い住宅街の道路も指定道路の中に——たとえば、横断歩道橋が必要であるという場合にはそれを指定いたしております。しかし、私どもとしては、いま御答弁ございましたように、歩道の設置できるような道路には極力歩道を設置する、場合によっては沿道の家を全部切りましてでも設置いたしたいと思っておりますが、膨大な金と、それから市街地につきましては都市計画事業との関連もございまして、この三カ年ですべてに歩道をつくるということはちょっとできない関係もございまして、ただいま市街部の指定道路で歩道のございますのが二九%にすぎません。これを約五五%に上げる。この三カ年が来年で終わりますが、その後もこの三カ年が継続するかどうかは別にいたしまして、道路事業の中でさらに歩道設置を進めまして、そのあとの三カ年といいますか、今後六カ年、四十四年度から六カ年になりますが、ただいま申し上げましたパーセンテージを八割ぐらいに上げたい、この場合には完成道路であります国道等は一〇〇%歩道がつくということを考えております。
○横路分科員 そこで、従来からいわれてきていることなんですけれども、交通安全の施設を考えてみましても、道路については道路の管理責任、それから、信号機等については公安委員会ということで、ばらばらに行なわれている。その点が、先ほど山中長官がお話しになりました道路整備五カ年計画の問題として閣議で問題になったようでありますけれども、ここで警察庁の交通局長さんにお尋ねをしたいと思うんですけれども、この十兆三千五百億円という道路整備計画に伴いまして、先ほどのお話ですと、三千五百億円程度というお話でありましたけれども、この道路整備計画そのものだけじゃなくて、いまのこの日本の全体の道路を考えてみて、先ほどのお話ですと、信号機については二万五千基が来年末までにつく。九万基必要なんだ。そうすると、相当のここに差額があるわけですね。そうしたように、全体的な五年なり十年後の見通しの問題との関連の中では、大体、どのくらいの予算といいますか、金があると現状で満足すべき状態になるのか。先ほどは信号機だけお話しになったわけなんですけれども、個々ばらばらのことについてはけっこうですから、全体的な中でどのくらい必要なのかという点について、何か数字がありましたら、お答えをいただきたいと思います。
○久保政府委員 公安委員会の関係の安全施設は、交通の流れに関連するものが多いわけであります。道路管理者のほうは、道路の構造と一体となった、言うならば、静的な安全施設が多いわけでありまして、そういったところで性格が違おうかと思いますが、ところで、私どものほうの安全施設の中で一番大きなものは、やはり信号機と、さらに、一定の規模以上の都市につきましては、その信号機における交通量をコンピューターに入れまして、コンピューターからさらに信号機にフィードバックをいたしまして、交通の流れをコントロールする。これを、私どもは、交通管制組織ということを申しておりまして、一部実現しつつあるわけでありますが、こういう面が一番金が多いわけであります。そのほかには、道路標識、これもやはりできるならば、電動式に切りかえるとか、あるいは灯火、光を当てるようにしますとか、反射式にするとか、あるいはオーバーハングと申しまして、道路の上のほうにそういうものをぶら下げるといったような標識にしますとか、あるいはペイント作戦とも申しますが、道路標示、道路の中に安全のためのいろいろなペイントを書いていくといったようなこと、そういうものを総合いたしまして、相当な金額になるわけでありますが、冒頭に申し上げました、信号機とそれから交通管制、コンピューターの組織を含めまして、これはまだ公にする数字ではありませんので、一応、私ども内部の数字とお考えいただいたほうがよろしかろうと思いますけれども、それが三千五百億ぐらい。その他のもろもろのものを加えますと、四千億から五千億ぐらいというのが、私ども局内の一応の試算でありまするけれども、これは警察庁の中でも十分に内容を検討し、さらにその上で、総務長官もおっしゃいましたように、総理府での検討に耐えるようなものでなければなりませんので、ここでは一応の数字であるというふうにお感じいただきたいと思います。
○横路分科員 もう一つだけ道路局長にお尋ねしたいと思うんですが、十兆三千五百億円のこの中で、交通安全関係の施設のための予算というのはどのぐらいになっていますか。
○井上説明員 お答えいたします。 十兆三千五百億の中身につきましては、ただいま作業中でございまして、まだはっきりしたお返事を申し上げる段階ではございません。ただし、交通安全施設につきましては、先ほど来の緊急三カ年計画がございます。この三カ年計画は、緊急措置法に基づくものでございまして、既存の道路に交通安全施設だけを応急的につくるというものだけが勘定されておりまして、これが三カ年、四十六年までで道路分七百五十億でございます。しかしながら、道路整備の全体、たとえば、新しい道路をつくるとか、それから、既存の道路を拡幅する、その際に、横断歩道橋をつくったり、歩道をつくったりという金は、この七百五十億の中に入っておりません。大きく言えば、大部分の道路整備事業が交通安全のためであると言って言えないこともないと思います。たとえば混雑している道路のバイパスをつくるといいますと、事故も減ってくる、こういうことで、ただいまのところ、十兆三千五百億のうちで幾ら安全施設が投入されるかという御質問には、ちょっとお答えできないわけでございます。七百五十億の既存道路につけます応急的な安全施設につきましては、その約八割以上を歩道及び歩道橋に注ぎ込んで、四十六年までに約五千キロの歩道、それから、千二百カ所の横断歩道橋を設置いたしたい、こういうふうに思っております。
○登坂主査代理 横路君、結論をお急ぎ願います。
○横路分科員 警察のほうでは三千五百億、すべて含めて大体五千億程度あれば何とかなるんじゃないかというお話、道路のほうの整備のためにはこれから十兆三千五百億円もお金が投入されるわけであります。そうした意味で、この交通安全の行政というものを考えていく場合に、やはり警察なり、外務省以外大体どこの役所でも全部関係あるといわれているぐらいに交通関係になりますと非常に広い所管がそれぞれ分かれているわけでありまして、そうした意味で、時間もそうございませんから詳しい点につきましてはまたあとで交通安全委員会のほうでお尋ねすることにいたしまして、交通安全委員会のほうに交通安全対策基本法というのが提案されまして、その審議が始まるわけでありますけれども、先月末の予算委員会の中でも、社会党の久保さんの質問に対して佐藤総理が、やはり行政一元化の方向でこの交通安全対策というものを考えていきたいということをお答えになっているわけであります。そうした意味で、総務長官として、各省非常に管轄が違っていて、その調整そのほか非常に困難な面がたくさんあると思いますけれども、この行政一元化の方向についてどのようにお考えになっているのか、それをお伺いいたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
○山中国務大臣 先ほど私が御説明したときに、交通安全施設に限れとおっしゃったので省略をした部面がございますが、予算委員会ですでに答弁しております、人口百万以上の都市においての幹線は原則的に一方通行である。さらに、八十万以上の札幌、川崎等を含む都市については原則的に幹線は右折を禁止する。さらに、二十万以上の都市及び二十万以下であっても県庁所在地の市については裏通りの危険防止のための徹底した交通規制をやる。通学時間帯には通行禁止、あるいは、通過車両と思われる大型車両はその細い通りには入れない、あるいは、遊園地、商店街、通学路等においてはふだんでも、飛び出したのにすぐにブレーキを踏んで間に合うようなスピード、すなわち、ほぼ十キロ程度のスピードを原則にするというようないろいろことをやりまして、これは金は食わないわけで、そういう点では、やれるものはきびしく規制をして、要するに、車からとうとい人の命を守る、人の命は金にかえられないんだという気持ちを出発点として諸種の施策をいま進めておりますが、その意味において、行政官庁はおのおの異なりますが、いまのところ、交通安全対策基本法等々も国会で成立いたしますれば、なお一そう、私の手元におけるその種の各種施策の統一性、斉一性、あるいは目標に向かっての足並みというものはそろえやすくなるであろう、こう考えております。
○横路分科員 この道路の整備計画の中で、建設省と警察庁のほうとのいろいろな問題が明らかにされて、この間のような閣議における指示事項になったのだろうと思いますけれども、いずれにしても、いまの対策本部のようなこの内容では、そうした調整が私は十分いかないんじゃないか。やはりもう少し強力に——それは総務長官のほうで統制する権限をお持ちになってもけっこうだと思うのですけれども、やはりまだ強化していかなければ、今度の交通安全対策基本法にしても、政府提案の内容を見ますと、いまの対策本部と何も変わりのないような現状で、やはり従来と同じような問題が繰り返されるんじゃないかという危険性があるわけでありますけれども、そうした意味におきまして、今後、山中さんのところでぜひその権限を強く持って、その各省の調整そのほか当たっていただきたいということをお願いいたしまして、終わりにします。
○登坂主査代理 次に細谷治嘉君。
○細谷分科員 最初に沖縄の点について一、二御質問申し上げたいのですが、山中長官は近く沖縄においでになる、こういうことが伝えられておりますが、いつごろ、どういう目的で、どのくらいの旅行をなさるつもりか、まずお聞きしたいと思います。
○山中国務大臣 当初は万博で国会が金、土、日と休みが続きそうでありましたので、その機会に大体三泊四日、できれば沖縄本島に二泊、宮古一泊、石垣一泊というつもりで予定を立てておりました。しかしランパート高等弁務官の離島の視察が組んでありましたことと、肝心の屋良主席がまた万博で上京されることが、これは私の不覚でありましたけれども、あとでわかりまして、両責任者不在のところに行ってはしようがありませんので取りやめました。ただ私なるべく早く行きたいと思っておりますが、これは国会審議で、お許しを得る期間というものが前提になります。ほかの例のようにただ飛んでいって一泊二日で那覇から引き返すということは私は実はしたくありません。そういう現状についてはもうつぶさに承知いたしておりますので、私の頭の中でいまの沖縄の復帰に伴う、決定したことに伴って逆に生じた不安、動揺、混乱、こういうものを、私の知識の上にさらに現地を踏んで、私がこれから描こうとする青写真の素材を拾って帰りたい。そして現地の希望、要望、期待というものに対して、まず私のほうでくみ取るというつもりで、もっぱら受け身で行って、皆さんの御意向を率直に承ってくる機会にしたいと思いますので、なるべく早く、しかもなるべく時間をかけて回りたい、こう思っております。
○細谷分科員 いまのおことばの中に青写真ということばがありました。その青写真というのは、具体的にはどういうことなんですか。
○山中国務大臣 私の答弁があまり長いと御迷惑をかけると思いますので、なるべく短くやりますが、いまは沖縄の方々はそれぞれ職業によって、あるいは島によって形態も違いますが、少なくとも本土であったならば過疎県になったであろう地域であるにもかかわらず、人口はふえておるわけですね。そして所得も、職種が違いますし形態も違いますけれども、相当なレベルにあります。率直に言って、私の鹿児島県よりか県民所得は高いわけですね。だからこの状態をやはり維持し発展させるということのためには、沖縄の人々の置かれた立地条件を、単に極東の防衛の拠点の何のという見方ばかりでなくて、世界経済的な意味で見て、日本領土の最南端がどのような立地条件、価値を持っておるかという角度から私はもっぱら沖縄をながめまして、地球儀をながめてという意味ですが、その意味で沖縄の人々に、特別な現状というもののために沖縄が発展してきて、これからもなお発展が続くと思われるものは、なるべく租税等についても、あるいはいろいろな企業の対策についても、職業等についても現状をさらによくする、あるいは現状を最低限維持するという特例措置等をいろいろとつくっていきたい。そのために、復帰を二年後に控えられまして、復帰をされても大体こういう青写真がありますよということを皆さんに早くお示しする義務があると思いますので、そういう意味で一応青写真ということばを使ったのですが、安心していただく計画を早く示すということでございます。
○細谷分科員 沖縄の県民所得は、長官のふるさとの鹿児島県はそれより若干低いですけれども、税とか物価とかなんとか考えますと、実質可処分所得というのは鹿児島県のほうが高いと私は記憶しているのです。そういう点でいろいろ問題があるわけですが、次にお尋ねいたしたい点は、おそらく長官、青写真ということは、沖縄の経済というものをどういうふうに復興させようか、建設していこうか、こういうことをおっしゃったのだろうと思うのでありますけれども、昨年の五月三十日に閣議決定を見ました新全国総合開発計画の中には、あれはたしか五次案が閣議決定になったと記憶しておりますけれども、前文に四、五行書いてあるだけなんですね。その程度なんです。そういたしますと、これは早く新全総計画とバランスする形でつくってやらなければならないものと私は思うのでありますけれども、そういうような構想なり位置づけ、そういうものをもう少しお聞かせいただきたいと思うのです。
○山中国務大臣 新全国総合開発計画の経企庁原案には、沖縄のことは触れてなかったのです。それを私ども党との調整の段階において、沖縄の条項もあのようにつけ加えましたが、私は、いまむしろこれで新全総に合った沖縄のあるべき設計図をつくるのでなくて、新全総では及びもつかない、すなわち、新全総のような、常識的にといってはおかしいのですが、一応のものさしで当てはめるような経済は、沖縄ではそのままではだめなのであって、新全総計画をはみ出すような、ウエートが沖縄に置かれた新しい計画をつくって、それが新全総計画の中に沖縄の特殊形態として入ってくる、逆にそれを受けて本土経済等も、手直しすべき点があれば新全総も手直ししていくという形に持っていきたいものだと考えております。
○細谷分科員 前文の一番最後に何行か知りませんけれども、五、六行ですよ、いま長官がおっしゃられたような意味で書いてあるわけです。沖縄、北方関係については、現在自分たちでは手の届かない特殊事情に置かれておるから、できるだけ早く計画というものをつくって、そして新全総計画の中に載せていく、こういう意味のことが書かれておるわけですが、それ以外に何にも書かれてないわけですね。長官もいまそういう意味でおっしゃったのでしょう。過去の大きなへっこみ、こういうものを復興計画の中には取り入れて、現状に大きくプラスしたものでやっていかなければならぬのだ、ですから、新全総計画そのもののペースではいかぬのだ、こういうことをおっしゃったのではないかと思うのであります。 そこで、沖縄の平和経済の復興再建の問題についていろいろいわれているわけでありますが、主管大臣としてどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。一体どういう基軸産業というものを持っていってやっていくのか、現在九十八万の同胞がおるわけでありますけれども、どうも九十八万は多過ぎるのではないか、戦争中は五十七、八万だったじゃないか、どうも九十八万というのは多過ぎるんじゃないか、いや九十八万はそっくりそのまま沖縄で雇用しなければならぬのだ、いろいろな説がありますけれども、長官としては、これはやはり何といっても責任者でありますから、柱ぐらいはここでお示しいただかなければ……。新全総計画を発表されまして、前文が書かれましてからすでにやがて一年になろうとしている段階なんですね。これをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○山中国務大臣 あなたはふだんまじめに出てきておられるのですが、きょうは遺憾ながら先ほど中谷君との間でその問題はずいぶん質疑応答をやったのですよ。しかし質問者がかわりましたから、あらためて懇切丁寧な答弁をすることにします。 私は、沖縄がもし本土の中で戦後ずっと一緒の、同じような県であったら、おそらく過疎地域対策特別措置法にほとんどの町村が適用されるような姿になってしまっていたであろう。しかし、現実にはそのようなことがなくて、沖縄では人口がふえております。私はこのふえておる状態を復帰後もなお維持できるような沖縄経済の姿をつくり上げていきたい、こう思っているのです。先ほど中谷君にはそこまで言っておりませんが、たとえば本島と離島とは違うというところまで言いましたけれども、先島といわれておる宮古群島並びに八重山諸島のほうは主として、立地条件からいっても地形からいっても、キビとパインとさらに新しく畜産を組み合わせまして、さらに漁業等について近代化、大型化等の資金をめんどう見ていきますれば、おおむね本土の離島並びに近づく、あるいはそれ以上の立地条件にありますから、有利な条件を有利に生かすことにおいて未来図は描きやすい。本島におきましても、本島の北部のほうは同じような観点から、パインとキビと畜産でもって描きやすい。問題は主として中部に集まっております那覇市、コザ市を中心とする軍需産業の特殊な依存の形態、業種別にいいますと、三次産業が那覇市で七三%、コザ市で七九%というのは、まさに異常です。所得のウエートだともっと高くなります。これらの現象をどうするかという問題は、たとえばこちらですと、ぜいたく品には大体高い関税をかけますから、時計、貴金属、宝石、スコッチウイスキー、こういうものは高い関税で消費税も高くしておりますが、沖縄では一律に観光税ということで五%にいたしまして、したがって、那覇市の国際通りの繁栄、いわゆるショッピングの魅力というものが……(細谷分科員「なるべく短くしてください。」と呼ぶ)あなたのほうで具体的な写真を示せといわれるから、その中にだんだん入ってきましたので……。そういうようなこと等も維持してあげる必要があるのではないか。それから軍需産業に依存する平和産業というものに何があるかという問題をもっと真剣な具体的なものとしてすみやかに青写真に書き込む必要があるのではないかということにいま専心努力しておる次第でございます。
○細谷分科員 ちょっと長官触れられましたけれども、沖縄の九十八万の同胞、それが本土並みの平和な経済で生活をしていくという場合には、過去の畜産の復興ということもあるにしても、サトウキビあるいはパイン——パインというのもどうも品種が悪くてハワイあたりには及ばない、そういうことも言われておりますが、それだけでは立っていけぬ。やはり何らかの近代産業、そういうものが必要である。同時に、沖縄は必ずしも水資源に恵まれておりませんから、水をたくさん消費するようなものは産業として向かぬだろう。にもかかわらず、前方に大きく広がっていくような産業を選んでいかなければならぬ、こういうことでありまして、なかなかむずかしいのでありますけれども、一つこの点について、私は最近の新聞をにぎわしておる点で、たとえばガルフ、エッソ、そういう石油資本が入ってきておる。そういうものがいまかけ足で沖縄に入ってきておる。復帰後にその既得権を要求しておる。それについて、本土のほうはこれを押えにかかっておる。こういうことで琉球政府と本土政府との間に意見の不一致が見られるように思いますけれども、この点はいかがですか。
○山中国務大臣 これも中谷議員にお答えをいたしたのでありますが、あらためてお答えを申し上げます。 なるほど御指摘のように、はっきりと通産省のほうは資本自由化の——いまだ自由化いたしておりませんから、外資は五〇%以内ということの制限を国内法ではかかえておりますし、さらに石油業法というものを持っておりますから、操業率その他生産量について規制しております。ですから通産省の言い分はよくわかるのです。しかし、かといって現地のほうではそのような外資法の壁もなく、あるいはそういう進出意欲を見せておる企業がどんどんこようというのを、本土政府が、いかにも沖縄のことなんかどうでもいい、そういうことは本土が困るからよしたまえという感じを与えていることははなはだよろしくない。私としては、フリーゾーン構想等の中に、いわゆる本土になぐり込みを将来復帰後はかけるのだという意味の申請でないような性格のものに指導しつつ、そしてそれに伴って起こる直接の需要あるいは関連産業の雇用事情等が当然沖縄に対して貢献してくれることは間違いありませんから、水並びに電力、これらの問題点を十分考慮しながら、今度も水資源調査費を新しく組みました。あるいは湾によりましては、いま塩屋湾でやっておりますが、湾を締め切って淡水化してみることが可能であるかどうか、そこらの問題等も踏まえながら、電力事情等も今後考えて、要するに沖縄の人たちの生活向上に貢献する企業は私としては歓迎する姿勢を示しております。よって、通産省の基本的な国内産業の法律による立場と、沖縄の現地の人々の期待もしくは反感の間に私が立って緩衝の役目を果たして、私は沖縄の人々のためになるようなほうに事柄を解決していきたいと思っております。
○細谷分科員 それも聞いた、あれも聞いたと言うので、これから先、言えなくなっちゃうのだけれども、一つお聞きしますが、琉球政府と本土政府との間の外資の導入をめぐっての意見の大きな相違というのは、そもそもは本土政府あるいは本土内の企業が沖縄に対してほんとうに進出しようという腹がまえがない、不信感というものが非常に大きな原因になっているんじゃないかと私は思うのですけれども、この点はいかがですか。
○山中国務大臣 私は本土の企業が、やはり当然の、半分は義務だと思うのですが、沖縄に出ていく、そして沖縄の立地条件を最大限に生かして沖縄の人々の収益向上に貢献すべき義務があると思います。ただし、現在沖縄には、沖縄の特殊な環境の中で育ってきた産業がありますから、それを圧迫するような企業の進出までは応援するのはぐあいが悪いのですけれども、沖縄の既存産業を圧迫しない範囲で沖縄に貢献する本土企業の現地進出については、税制、金融その他で、現地政府の受け入れ体制も一緒にしながら十分のめんどうを見て、なるべく本土資本が沖縄の人々から歓迎されて、なるほど自分たちのためにも本土の資本は役に立つのだという気持ちがまず第一義的には必要なことだ。その線に沿う仕事は私のほうで努力していきたいと思います。
○細谷分科員 長官、中谷君と私とが、打ち合わせも何もしておらぬのに、期せずして同じ質問に入るというところに、今日的な重要な課題があるということを腹の中にぴしゃっとおさめておいていただきたい。 そこで、そういういろいろな計画が進められていく場合に、何といいましても一番重要な問題は、やはり金融機関なんですね。金融機関の整備ということが必要でありましょう。あるいは本土との関係ということでありますけれども、昨年鈴木調査団が参りまして、かなり分厚い調査報告が出ておりますね。それから大蔵省の調査団も行っております。それが本土に返ってくる準備として、沖縄の金融機関の本土との一体化を進めるということが、現地ではかなり大きな、ショッキングな情報としてまかれておると聞いておるのであります。言ってみますと、現在沖縄の金融機関に働いておる人はおよそ六千五百か七千ぐらいおるのではないかと思うのであります。大臣は、沖縄は特殊なんだ、たいへん大きなへっこみがあるのだと言うのですけれども、機械的に経済主義に基づいて本土との金融機関の一体化をやれば、これは沖縄の銀行はどれ一つ立っていきませんね。みんなつぶれてしまいますね。ですから、よくいわれるように、第二の全軍労の首切りのようなものが金融機関の労働者に起こってくるだろうということがいわれております。この辺についてどうお考えなのか、承っておきたいと思います。
○山中国務大臣 これは質問は出ておりません。 アメリカの政策もありまして、一行の独占を廃止するために、大体地方銀行から始まって生保、損保に至るまで、二社ありますね。だから、私としては、これはやはり復帰までに、防衛体制の意味でも一本化すべきだ。地方銀行は地方銀行なりあるいは相互信用は相互信用なり、そういうことをいま間接的に指導いたしておりますが、直接私が指導いたしましてその方向に動いておりますのが、損保会社は二社ありますが、一社になるという申し合わせを両社長そろって約束しております。あと、生保会社も一緒になりなさい。ということは、二つありますと、大体一方が大きくて、一方が小さいんですね。そうすると、その小さいほうに、本土のほうの金融機関がこれを買収して乗り出していきますと、もう力関係で、本土が小さいほうに乗り込んでいったらこうなるわけですから、向こうでは大きくても、その大きいほうがつぶれて、実際上はいまおっしゃったようなことになるおそれがありますので、その前に、琉球は琉球の、沖縄の範囲内でやっていけるように、金融機関もなるべく同種のものは一本化しなさい。もういまごろ、二年後に控えて、きょうだいかきねにせめぐときじゃないじゃないかという指導をいたしております。これは、私ども、直接の口頭指導なりあるいは内面指導等もいたしておりますが、大体皆さん認識を一にしておられまして、困難な分野もございますけれども、やはり自分たちは自分たちなりで、まず沖縄のそういう金融機関ごとの、業種ごとの協同が必要だ、協力し合うことが必要だと、長い間の対立を解消しつつあるという好ましい傾向にあることを御承知願いたいと思います。
○細谷分科員 大まかに言いますと、たとえば、沖縄本島では、これから中部以北の開発というのが必要なんだ。そうなってまいりますと、中部には金融機関というのはない。これでは中部以北の開発というのはできないんだ。ですから、中部の銀行をひとつ設けてくれという、かなり激しい運動が起こっていると聞いております。大蔵省は、そんな銀行はもってのほかだ、こういうふうに調査団は言ったと現地の新聞には書かれてございます。 それから、沖縄の生命保険会社は、本土のほうにいまのうちに進出しようという許可の申請を出しておると聞きますけれども、これもいろいろ問題がある。さらには、琉球の民政府の公社の関係、金融機関、琉球政府の持っておる公社、金融機関がいろいろありますね。言ってみますと、こういうものを必然的に結合しなければならぬでありましょうけれども、いろいろ問題があり、少なくとも民間だけで六千五百ぐらいおる金融機関に従事する人たちは、第二の全軍労的な大量の首切りというのが起こるんじゃないかということで、非常に不安がっていることは事実であります。ですから、この沖縄にショック療法というのは、私はあまり適当でないと思うのですよ。 こういう点で、大蔵省はいわゆる経済ベースでものを考えておるわけでありましょうけれども、本土から金融機関が乗り込んだら、これはもう一たまりもなくつぶれてしまうと思いますから、ひとつそういう点については、格段の配慮をお願いしておきたい、こういうふうに思っております。 そこで、あまり時間がありませんから……。総務長官、今度二十八億円程度を、市町村財政強化のためにやりましたね。去年よりも十億程度ふえたでしょう。大臣になりましてから、ずいぶん復帰記念事業等の新しい予算もついたわけでありますけれども、沖縄に参りますと、大きく言いまして、沖縄の県民が納めておる税金の九割というのは琉球政府に入っていくわけですね。わずかに一割というのが市町村であります。その琉球政府のほうから——むろん生活保護とかなんとかは政府がやっておりますけれども、交付税というのはきます。本土と同じようなタイプでありますけれども、非常に問題があります。私は、沖縄の今日の非常に重要な課題は、沖縄の市町村の整備充実ということが緊急の課題ではないかと思っております。ずばり言いますと、弁務官資金というので、住民が政治に参加することは押えられてきた。言ってみますと、市町村の行政を強化すること、自治行政を強化することを押えてきたというのが今日までの占領軍、アメリカ軍の沖縄における行政であったわけですね。ですから、私は、二十八億なんということでは今日の沖縄の市町村はどうにもならないんじゃないかと思うのですよ。 せんだって、私の総括質問に対して大臣は、沖縄には交付税をうんとやらなければいかぬのだ、少なくとも本土とイコールか、あるいはそれ以上やらなければならぬと言われたが、そうであるとすれば、二十八億配ってやっても、なお、本土にある市町村ならばもらったであろう交付税というのは、まだまだ六、七十億足らないんじゃないかと私は思うのでありますが、こういう点について、山野さんから先に聞いて、それから最後に長官の決意のほどをお聞きしたいと思います。
○山中国務大臣 ことしから琉球政府に対して県政援助費の二十億、さらに調整費で、災害も含めてでありますが、十億ほど新規にとりましたし、市町村に対しては御指摘のとおりの数字がふえました。これは大蔵省としても言い分はありまして、一行政区画だけが国税を全く負担しないで、そして交付税をよこせ、交付税をよこせという理論は、財政法をたてにとる大蔵省としてはなかなか従いにくい理論なんです。しかし、反面では、やはり沖縄にいまおっしゃったようないろいろな現状がありますから、税体系も全然違いますし、みそ、しょうゆや魚まで税金がかかっておるような実態もあるわけですから、どうしても特殊事情で、復帰までの間にはすらっと本土の交付税法に移管できるような中間措置をつくらにゃいかぬ。そのためには、ことしはどうしてもその第一歩として、県政援助費も必要だし、市町村の財政交付金にかわるものもやはり同じようにふやさにゃいかぬということでやったわけでありますが、これは理論づけるのはたいへんむずかしゅうございます。いまの国税と関係のない地域に対して国からだけ持っていくというのは、類似県との比較がなかなかしにくいわけでございまして、しかもその中における租税体系が全く、琉球政府と市町村の間においてすら、御承知のように内地の県と市町村の関係と違った関係にありますので、これらを逐次、二年ぐらいの間に直しながら、少なくとも交付税体系というものはすらっと本土に受け入れられる体制で、あるべき姿で、あるべきファクターによって金額をもらっていく、当然とるという形には持ち込めるようにしていきたい。その経過措置の第一歩が来年度の予算であるとお考えいただきたいと思うのです。
○細谷分科員 山野さんはいいのかな。(山中国務大臣「もう答えることはない。」と呼ぶ)山中長官、非常にこまかく、局長が答えることはないと言う。確かにぴしゃっと答えた。そこで、第一年目で長官満足されておるようでありますけれども、これではだめなんですよ。それは確かに税の体系は違います。言ってみますと、日本よりも低所得者に対して過酷である。そういう税体系になっておることは間違いない。高所得者に対しては日本よりも軽い。日本もひどいのでありますけれども、沖縄はそれ以上の体系になっておる。それを直さなければならぬにしても、そういうものを本土でとったようにしても、沖縄の市町村の財政というのはきわめて不十分である。それが今日までの政策であったわけですけれども、これは直してやらなければならぬ。 同時に、特連局長、大体、あなたがついておって、交付税の計算がなっちょらぬ。ここのほうも、日本でもあまりに精緻、巧緻だといっていて、大もとを忘れた感がありますけれども、向こうのほうは基準財政需要額・収入額の計算でややその実態に即しないような計算状態になっているようですね。私は、それではいけないのではないか、こう思います。ですからそういうやり方等についても十分指導をしていただかなければならぬのじゃないか、こう思っております、向こうを。いいですか。それだけを要望して、時間がもうありませんから終わりますが、何か一言あったら……。
○山中国務大臣 局長をして常時そのような意向に沿ってやらしめております。
○細谷分科員 終わります。
○登坂主査代理 次に、堀昌雄君。
○堀分科員 私は、昨年の、当分科会ではありませんけれども、運輸に関係する分科会で、国道沿いにたくさんありますところのドライブインの酒類の提供問題を取り上げました。これはさっそく閣議で検討をされて、昭和四十四年五月八日に「交通対策本部決定」ということで実は文書になって行なわれておるのでありますが、実はこれを取り上げましたもとは、キリスト教の団体である婦人矯風会という皆さん方が非常に丁寧にいろいろ調べて——この方たちは本来できるだけ禁酒をしたいということだろうと思いますが、しかしとりあえずは運転者は禁酒をすべきではないか。禁酒といっても、運転をするときは酒を飲まないで運転をするべきだという考えに基づいて請願を持っていらしたのを私が委員会として取り上げたわけであります。それで、実は私の性分としては、こういうものを取り上げた以上はある程度成果があるまでは毎年これを取り上げて、それをトレースしていくというのが過去における私のものの考え方でございますので、きょうは単にドライブインの問題もさることながら、飲酒運転というものをひとつ日本からなくしていきたいということが基本的な考えです。 実は皆さんのほうの資料を拝見すると、「交通取締り件数」というのがあって、その中で「酒酔い(酒気帯び)運転」というのが昭和四十三年に十一万六千九百八十七件、四十二年が十一万五千九百四十九件でありますから、毎年十二万件弱の実は酔っ払い運転がある。それが事故になっておるかどうかという点では、事故では二万六千件ぐらい、死亡者では千三百人余り、こういうことになっておるわけですけれども、一年間のいろいろな取り締まりをしている中で十一万余りも酒を飲んで運転している事実があるというのは、これは私はやはり相当重大な問題だと思うのですね。そこで、いろいろな取りきめをしていただいておるけれども、今後ただこの一片の取りきめによってどれだけ成果があがるかというと私は問題がある。最近道交法の改正が行なわれてきびしく処置をされることになって、囲みを読んだら、あなたが何か荒木さんと一席やったということが囲みに出ておった。その問題も含めてひとつあなたの飲酒運転に対する基本的な考え方と、ただ紙に書いたのではものは運ばないということ、ではここに書かれたことの中で飲酒運転を取り除くためには総理府としてはもう少し具体的な対策があるかどうか、それについてお答えをいただきたい。
○山中国務大臣 その問題が堀君の提議によって政府がまず取り上げた問題であることは私もいま初めて知りました。これは当然政府の責任でやらなければならぬことであって、だれが言ったっていいことはいいことですが、やっておることにこしたことはないのですが、実態は、じゃ一体どこまでそれが実施できているか、規制できているかという問題に尽きると思うのです。そこのところを、私は予備知識はなかったのですけれども、酔っぱらって運転をするおそれのある者に対して酒を提供しもしくはすすめてはならないという訓示規定にしても、おそれがあるなんということで、いやおそれはないと思ったと言えば取り締まれない。そういうことはおかしい。法律はあいまいであってはならぬということから言ったわけですけれども、そのときにドライブインの問題も私が提議したわけなんです。一体、ドライブインもしくはモーテル、要するに大体自動車に乗っている人を相手にしているのだなと思われる飲食提供の場所において、酒類を販売することを禁止するということはどこの役所なんだ、それができないはずはないではないかということを厚生大臣にただしましたところ、厚生大臣は、これはそういう禁止するというには、普通の食堂では提供できて道路沿いであったならばできぬというふうにもなかなかできないし、じゃドライブインという名前を変えてしまえばできないのかということにもなるのでということを言っておりました。しかし喫茶店という営業許可を受けた者は酒を出すことはできないわけですね。そうすると、飲食の許可を受けた者はこれは都道府県の保健所、ですから知事でしょう。その許可を受けた者は同時に酒が出せるのだといういまの考え方も少しおかしいのであって、そこらのところはこれからもう少し——幸い私のところが交通対策本部を持っておりますので、少しよその省の所管になりますけれども、ドライブインにおける酒の販売の規制を合法的にやるためには法律はどういうふうに扱ったらいいか、政令で済むものなのか、そこらを私はもう少し詰めてみたい、たいへん価値のある問題だと思っております。国税庁も酒税が取れないサッポロライトなんというものを十本がぶ飲みしたのはかまわないのかという、これは冗談じゃなくて、やはりそういう問題もあると思うのです。そこらのところは私のところで関係各省寄ってもらって、もう少し率直な法の解釈なり運用なりあるいは新規立法が必要なら、私はやるべき価値のあることだと思って、目下検討中であるということです。
○堀分科員 総務長官がそこまで非常に前向きに取り上げておられることは私も非常にけっこうだと思うのです。この前、原田運輸大臣に私は質問をして、これはだれの所管かよくわからない。わからないけれども、おかしい話だ。幸いにして高速道路沿いのドライブイン、ここでは酒類の提供を禁止しておる。そこで高速道路沿いにドライブインをつくるについては、建設省その他に許可を得てつくるということになっておる点に一つのそういう制限が設けられておるのでありましょうが、お話のようにこれはちょっと簡単にいかない問題ですけれども、しかし明らかに運転者を対象としておるところがいまのようなことで野放しになっておるという点は問題がある。 そこでちょっと警察庁に伺いたいのですけれども、この文書の中には、「飲酒運転に対する指導取締りの徹底」ということで、「飲酒運転に対する指導取締りを強化するとともに、酒酔い運転については、運転者の責任の追及はもとより、当該酒酔い運転の原因となるような酒類の提供を行なった者に対しても、酒酔い運転の教唆または幇助等の責任をさらに徹底して追及するものとする。」とここにこう書いてあるわけですね。四十四年の五月八日にこういうあれができているんだが、はたしてそういう教唆、幇助等の責任を徹底してどういう形で追及したのか、追及した成果があったのかどうかですね。警察庁側ちょっと答えてもらいたい。
○久保政府委員 その決定の中にありまする一般の行政指導は別に行なっておりまするけれども、指導取り締まりの面で申し上げますると、全国統計をとっておりませんので数字が出ておりません。しかしながら一、二の県の数字をちょっと見たことかありますが、それによりますると、幇助という形で現に行なえる者は一つの県では数十件程度、といいますのは幇助と申しましても、ただいま総務長官もちょっとおっしゃいましたように立証はなかなか困難な面がございます。しかしながら単に立件送致するだけでなくて、参考人調書としてとったりあるいは警告書としてとりましたり、これは数百件に及んでおりますので、おそらく全国的な統計をとってみますると、単に立件送致するだけが能ではございませんで、警察官が立ち入りをしまして警告なりあるいは本人を警察署に呼んでいろいろの調書をとってみる、こういうことも相当効果は上がっておるのではなかろうかと考えます。
○堀分科員 そこで、これは警察庁にお願いをしたいのですけれども、私は来年の予算分科でまたこれをやります。要するにある程度実効があがって、私の得心のいくまでは私が議員である限り毎年これをずっとやりますから。いままでは各県ごとにばらばらに、時期もばらばらでいろんな資料をとっていらっしゃいますけれども、ひとつ酒酔い運転については全国的に計画をしてもらって、その酒酔い運転によって起こったいろいろ——いまの取り締まり件数は十一万件あるわけですね。その十一万件について、少なくとも酒酔いだということで取り締まった以上は、一体どこで飲んできて幾ら飲んだのかとか、要するに酒酔い運転に関する全国的な整備された資料、だからいまの十一万五千件ですかの取り締まり対象になったもの、二万四千件余りの事故対象になったもの、それから千三百人余りの死亡者の原因となったもの、これらについてひとつ向こう一年間、これからのことでございましょうし、それをひとつ何とか少し資料を整理をしていただいて、それがいかなる原因でどういうことになり、その対策についてはどうすれば一番いいのかという問題は、総務長官もいまお答えになっておりますから、警察庁側としても、この酔っぱらい運転を何とかひとつ日本から取り除きたい。その他の事故は、これは私はなかなか、たとえばわき見運転なんということはこれをちょっと阻止するのはなかなか困難でありますけれども、酒を飲んで運転することを阻止することは私はできると思うのです。これはできることです。これによる事故を防ぐことは、これは私は人間わざでできることであるから、できることはやはり私はまず第一にやるべきではないか、こう考えますので、その点について、これからの問題でありますけれども、ぜひひとつそういう調査を、各県ばらばらで時期もばらばらということでなく、総合的に、皆さんのほうの仕事もたいへんでしょうけれども、おそらく相当に調べておられることではあろうと思うのです。ですからそれを何か適当な書式をきめられて、一斉取り締まりのときにはどの項目だけは必ずそれに書くというようなことの処理をぜひお願いしたいと思うのですが、その点についての警察庁側の見解を承りたいと思います。
○久保政府委員 飲酒運転の追放は警察の取り締まりの中での三つの重点の一つであります。当然これについての事故対策というものを十二分にやらねばなりませんが、その前提は、ただいまおっしゃった統計分析であります。そこで、飲酒運転による事故防止のために必要な範囲におきましては、ひとつ御参考になるようなものをまとめてみたいと思います。
○堀分科員 そこで、いま総務長官もお答えになっておるように、これからいろいろやっていただくのですが、とりあえず私は一つお願いをしたいことがあるのです。とりあえずお願いしたいことは、やはりもっぱら自動車で行ってそこで飲食をする者、これはドライブイン、モーテル、ほかにもあるかもしれませんが、そういうものについては、まず第一点として、だれが見てもわかるように、運転者には酒を提供しません。運転者がもし故意その他で酒を飲んでおるときには、取り締まりがあることがありますから、御注意くださいというようなものを書かせて、制服で皆さんが行くのは私はたいへん営業上問題になろうと思いますから、ひとつ私服の交通取り締まり官を、少し適切に、そういうもっぱら自動車をもって行って、そこで飲食をするところは適宜ひとつ調査をして、ずいぶんどんどんやっているやつがいる、そういうときには、あなたは運転をするんじゃないですかということを確かめるという程度のことを少しやれば——私は何もそれによってひっくくったりどうかしろと言うのじゃないのですけれども、そういう取り締まりを少しやると、そこに書かれておる、取り締まりもあるということになると、私はおのずとそこでは飲むまいということに、うっかり飲んでて制服のおまわりさんがいないからと思って安心して飲んでられねえぞ、これは。私服のそういう交通取り締まり官がいるんだということになれば、これはやはり、私はかなりそういう人たちが、運転者でない者はなにおれは運転者じゃないからいいやということになるでしょうけれども、運転者はやはりそれだけ書き出されていて取り締まりがありますよということになれば、私はかなり影響があるんじゃないか。ですからいろいろと法的な抜本対策その他もぜひ総務長官のほうでいろいろ考えていただきたいけれども、とりあえずは私何でもないことだと思うのです。それは犯罪者をつくることじゃないのですからね。そういう事故を防止する一つの側面としてそういう提案をしたいのですが、警察庁側としては、これについてはどう考えられるか、お答えいただきたい。
○久保政府委員 現在のところ取り締まりのしかたそのものは県にまかせておりますので、先生のおっしゃるようなやり方をやっているところもあろうかと思いますけれども、全国の警察に対してそういった方法を指導すると同時に、御承知のように今度の道交法改正の中で罰則はありませんでも、そういった式の法文ができますので、より一そうやりよくなるかと思います。
○堀分科員 県の自治体警察ということになっておるのでありましょうけれども、やはりこういう措置は全国ある程度一律でありませんと、どこかの府県はやかましいけれども、どこかの府県は楽なんだということでは私は困ると思うのです。ですから、その点はひとつ警察庁のほうである程度基準その他を示されて、何とかそういう予防的措置、事故が起きたりしてからではこれはもうしかたがないわけですから、事故を起こさないための予防的措置のために私は一つの提案をしたわけでありますけれども、これらもやり方その他は皆さんのほうで専門的にお考えをいただければけっこうですが、せっかくここには各種の団体を利用して自主規制をやるようにということが実はこの中に書かれているわけですね。ですから、片面では自主規制をやらせる、同時にその自主規制について警察庁としては監視もしますよ。そうして私は、そういうところで、数の上ではなるほど各府県の中の酔っぱらい運転事故の中に占めるドライブイン、モーテルのウエートはあまり高くないようでありますけれども、ここはもっぱらそういう者の行くところでありますから、そういうことで自主規制をやらせて、そして自主規制をやってなおかつ、皆さんの取り締まりの結果、同じ場所でひんぴんとそういう問題が起きてくるという場合には、これについてはやはり別途何らかの処置を考える。それはいま総務長官がお話しになったような、これは厚生省のほうの所管の処理をするのか何をするのかは別としても、私はこういう問題については行政的な処分があっていいんじゃないか、刑事処分でなしに。これは私は、少なくとも公俗ですか、要するに本来のあるべき公益を守るために必要なことでありますから、そういう行政処分というものが反復してそういうことを繰り返すところに対しては行ない得るような道を開きたい、こう思うのです。これは、後段のほうは立法的な問題にも関係しますので、総務長官の意見をちょっと承っておきたいと思います。
○山中国務大臣 許認可に関して、許認可の目標、目的の中に何かつけ加えれば、それに違反した場合は当然、そういう反復とかあるいは初犯であってもいけないと書いてあればいけない、あるいは何回か繰り返したら営業を取り消すとかいろいろなことになるでしょう。そこらのところはよく研究してみます。
○堀分科員 以上、飲酒運転とドライブイン、モーテルについては総務長官のほうで積極的にひとつ取り組んでいただくということでありますから、ぜひひとつ取り組んでいただいて、最終的には日本国内ではそういう飲酒をした場合には自動車は運転しないというのが常識であるというところまでやっていきたいと思う。しかしそのためにはなかなかお説教だけではいきません。やはりそういうことをすることは自分にとってマイナスだということが、いろんな角度から認識される条件というものを総合的につくり上げていくということなくしては、なかなか簡単にいかないと思いますので、これは非常に長期的でありますけれども、それを目途として、これらのさっきのお答えの警察庁の資料もちょうだいしながら、今後何年かにわたってこの問題を引き続き取り上げていきたいと考えています。これが第一点。 第二点目の問題は、実は今度は事故が起きたあとのほうの問題なんでありますけれども、救急病院の問題です。私は御承知のように医者でありますから、この人たちといろいろと話し合う機会があるのでありますけれども、こういう救急病院の中でみなが非常に困っておりますのは、一番困るのはひき逃げなんですね。しかし負傷者のほうはかつぎ込まれてくる。これの処置がみな非常に頭の痛い問題のようでありますけれども、公的な病院ならばこの問題についてはある程度の配慮のしかたがあろうかと思うので全体の数を少しこう調べてみますと、どうもやはり公的な救急病院の数というものがもう一つ十分でないような感じがするわけです。昭和四十四年四月一日現在では国及び公的な救急病院は七百二で、うち診療所が七だ。民間は病院が千八百七で診療所が千六百二十九だ、こういうことになっておりますから、民間の合計三千四百三十六に対して公的なものが七百二というのは、やはり私は公的なものがやや少な過ぎるんではないか。問題の性質上特にこの交通災害のようなものについて公的な救急病院なり救急診療所というものがもう少し整備されてもいいんじゃないか、こう思うわけです。皆さんのほうの資料を拝見したら、それについては毎年努力をしておる、こういうことでありますけれども、ちょっとこれについてひとつ伺いたいのは、厚生省側がここにはこう書いておりますね。「救急医療センターについては、国及び公的の医療機関を中心に、おおむね人口百万に一カ所程度の割合で設置する計画の下に、国庫補助等の助成策を講じており、昭和四十四年三月までに六十数カ所(整備中のものを含む。)を整備したが、引き続き昭和四十四年度以降においても、積極的にその整備を進めることとしている。」こうあるわけですが、この点について長期的な計画があるのかどうか。短期的にはいまここに書かれておるようなことがあるんだと思うのですが、ある程度の長期的な計画があればそれを述べてもらいたいし、ないとすれば毎年こう継ぎはぎでやっていくのでは問題があろうかと思うので、そういう計画を立ててもらわなければならぬと思うのですが、この点についてちょっと厚生省側の見解を承っておきたいと思います。
○信沢説明員 先ほど先生から御指摘ございましたように、救急告示医療機関につきましては公的医療機関の数が圧倒的に少ない、この点は御指摘のとおりでございます。ただいまお読み上げになりましたのは、私どもがたとえば脳神経外科とか、こういった重篤な患者に対する治療を行なうぞ、こういう施設の整備を計画的にやっているぞ、こういうことでございまして、いまお読み上げのようにおおむね人口百万に一カ所ということで百十一カ所の計画を現在持っております。この計画もほぼ来年で達成いたしますので、来年度予算ではさらにその後の人口移動の状況あるいは交通網の整備、こういったようなものを考えまして、若干新しい施設をつくる予算も計上しておりますが、それについての全体的な計画というものをただいま検討中でございまして、確たるものを持っているわけではございません。
○堀分科員 そこでもう一つの問題は、実はそういう傷害事件が、特に自動車事故でありますけれども、起きた。その起きたものの運び先によってその人間の命がきまるわけです、実は。これが非常に今後の重要な問題であって、最初にいま総務課長が答えられたような脳神経外科に対する対策のできるところへ入った者は命が助かるけれども、そうでないところへほうり込まれると、これはそれを移すということはなかなかもう困難になる。この段階で必要なのはそういう救急病院なり救急対策医療機関も必要なんだけれども、救急車がそういうときにある程度の判断をして——この救急車には医者が乗っていないのですからむずかしい点があるかもしれないけれども、交通事故が起きたようなところに行く救急車がそういう判断のもとにある程度患者の配分が行なえないと、せっかく病院をつくっても肝心なものが来ないということになりかねないと思うのですね。この問題は、きょう消防庁呼んでないからおそらく入ってないと思うので、ここらもひとつ救急対策上の問題として総務長官のほうで、受け入れ側の能力はある程度できておる、ところが肝心の患者はそこへ行ってない、ほかのところへ行った、そうするとそこでは十分な処置ができないから助かるべき者が死んでしまった、これではいまの片面で整備をしてもこれは生きてこないと思うのですね。だからそこらを含めて、ひとつこれは救急対策の中で頭部に傷害があるとみなされた者は多少それが十分十五分時間はかかっても、そういう設備のあるところへ持っていくんだとか、手足の外傷だけならばここでよろしいとかというある程度の区分けがきちんとされて——それは医師が救急車に乗ってくれば一番いいんだけれども、そうならない場合でもそういう救急対策の要務員である消防署の救急車に乗っておる者が処理できるような対策もないと、せっかくの対策が効果が生じてこないと思うのです。それらについてもひとつお考えを願いたいと思うのですけれども、これについてお考えをお聞きいたしたいと思います。
○平川政府委員 厚生省から答弁するのが本来かと思いますが、私どもでわかっている限りでお答えいたします。 先生がいま御指摘になりましたように、交通事故が起こりました場合に、どういう病院へ運ぶのが最も適当であるかということはなかなか判断がつかない。これに対するいわゆる情報網といいますか、そういうものをつくる必要があるということで、実は救急指令装置というものをつくっております。これはA型とB型に分かれておりまして、昭和四十五年までに約十八基が完成する予定でございます。ここへ電話をかけていただきますと、どういう病院にどういう空床があるか、あるいはどういう医者が待機しておるかということが、コンピューターによりまして大体わかる。こういう装置が大体四十五年末におきましては十八基ほどできる。これにつきましては消防庁におきましても、今後ますます充実していきたい、このように検討中でございます。
○堀分科員 その点はぜひ効率のよい運営をすることによって、事故が起きてからではしかたがありませんけれども、その事故を最小限に防ぐということにしてもらいたいと思うのです。 以上、私は交通事故のいろいろな問題の中でわれわれの努力によって防ぎ得るものをまず最初に努力をして防ぐ。あとのいろいろな問題は——あとの問題の中で非常に重要なのは、大体事故を起こす者は何回も事故を起こすのです。事故を起こさない者はあまり事故を起こさない。私は昭和三十二年に免許証をとって、いま四十五年ですから、十三年ですか、乗っておりますけれども、いまだ事故を起こしたことがないわけです。私がよく東京で運転をしていて、同僚にちょっと乗せてやろうと言うと、いやおまえの車に乗るのはちょっと保険をかけてからにすると、こう言いますけれども、乗った者は異口同音に、ううん、君の運転は心配ないな、こう言うわけですね。それはどこに問題があるかと言えば、実は自分の能力の七〇%くらいで運転をするということにすれば、これはもうどのような事故にも対処ができるんだけれども、残念ながら、一般的な運転者の中には能力の九〇なり九五で運転する、一〇〇で運転はできないですけれども。そのときには対応ができない。要するにこちら側のミステークでなくて、相手のミステークに対応できるだけのアローアンスがあるかないかで実は交通事故はきまってくると思うのです、大体は。ですから、そういう点で、もう一つの最後の問題点は、しばしば事故を起こしておる人は、ただ法規の講習をするとか、ただ免許証を停止をいろいろするというよりも、まず何か欠陥があるはずなんだ、その人間そのものに運転者としての欠陥があるはずなんだから、これをひとつ専門的に扱うための何か施設ですね。それはいろいろ脳波を調べるか、何を調べるかは別としても、生理的にも心理的にも、いろいろな情緒の問題その他もあるでしょうから、いろいろなそういう科学的な角度から、何回か引き続いて事故を起こしておる者は十分な検査をして、場合によってはもうあなたは免許証はあげません、あなたが自動車に乗ることはその他にも迷惑をかけるし、あなた自身にも被害を及ぼすおそれがあるからやめましょうというような対策をとっていかない限り、これからどんどんふえてくる運転者と自動車の数に対して適切な処置はとれないのではないか。だから、おそらく、これはこの前も衆議院の運転手さんに聞いてみたんだけれども、やはり事故を起こしやすい人と起こさない人とタイプがあると言っています。だからその点は私は今後の対策の重要な問題点だ、こう考えますので、ぜひ何か——数回事故を起こした者に対してそれの分析をするといいますか、心理的にも医学的にもあらゆる点から分析をして、雇用状態もあるでしょうし、睡眠状態だとかいろんなものがあるでしょうから、そういうものを分析した結果その人が運転者として適するか適しないか。必要な処置はどうすればいいのかという問題をぜひ対策の一つとして取り上げてもらいたい、こう思います。 以上で終わりますが、それについての総務長官の御答弁をいただきたいと思います。
○山中国務大臣 確かにその問題点は今後医学の分野とそれに対応する国の設備、そういうものがその方向に向かって進まなければならぬと思うのです。それともう一つ、この保険ですね、自動車保険。これもいま対車保険でしょう。そうすると赤字がふえてきたから保険を上げろ上げろといったってまた今度上げなければならぬような状態で、これはやはり対人保険の免許証所有者というものにして——ただつかまえるのが陸運事務所でなくて警察ですから、したがってそういうものが、累犯が今度はわかってきますね。そういうものはメリット、デメリット制を採用して保険金その他で差をつけていくとか、そういう、その前の信賞必罰も考えていくようないろんなことを組み込んでいきたい、そういうふうに、いまの御意見もそのとおりだと思いますから、受けとめていきたいと思います。
○堀分科員 終わります。
○笹山主査 次に安宅常彦君。
○安宅分科員 まず行政管理庁長官、この間たいへん失礼しました。行政管理庁長官だけのような気がしまして、国家公安委員長と二つ兼ねておられるそうでありまして、申しわけございません。 この間本委員会で一般質問のときに私がちょっと言及したのでありますが、たとえば天下り人事というものがたいへんいま世論の指弾を受けている。人事院総裁はその世論などを考慮しながら、非常に締めているのでございますと盛んに言っておりましたが、われわれが基本的に原則的に考えることは、同じ法律の中で、まあ人事院総裁はたいへん人格者でりっぱな方ですからこれは信用いたしますが、そのときの政府の都合、権力の都合によって法解釈がたいへん違ってくる。たとえば天下りをゆるめたりきつくしたりすれば法のもとに平等ではなくなるわけですから、こういうことは原則的な原則論としては長官、やはり行政管理庁として絶えず目を光らせておって、そういうことによって、法の運用なりそういうものが間違った、人民に不利な方向にいくなどということはやはり監視をしなければならない。こういうことは行政管理庁長官の職務の中にあると思いますが、いかがですか。
○荒木国務大臣 天下りとおっしゃいますと、民間法人にですか。それは公正なる立場から人事院が判定することになっております。私ども無関心じゃあり得ませんけれども、有権的にどちらかといえば人事院総裁が受け持っております。
○安宅分科員 権限はわかりますよ。権限はわかりますが、たとえばそれでは食糧管理法という法律がある。食糧管理法に対して、本予算委員会で農林大臣がこの間、食管法の解釈からいえば、生産者の生産する米を全量政府が買い上げる義務はない、こういう解釈であります、こういうことを述べられたわけであります。そうしますと、食糧管理法の運用というものは、いままでの概念とたいへん違ってくる。米が足りないときと余ったときで、時の権力の都合で、解釈がいきなり百八十度極端な変更になるということについて、これは行政上ゆゆしい問題が起きる。こういうことについて、管理庁長官は、権限はどこにあろうと、それはちょっとおかしいのではないかとかおかしくないとかいうことについて、たとえば国民の側からおかしいではないか、私はこういう被害を受けるのはおかしいというふうなことがあった場合には、当然取り上げなければならない問題が起きる、私はそう思うのですが、そういうことについてはそのとおりだと思いますけれども、どうでしょう。
○荒木国務大臣 行政管理庁長官として、食管法の解釈を時に応じて二、三にするからけしからぬという解釈そのものをかれこれ言う立場でございません。常識で言うならば、そのつど解釈が違うということはあり得ないだろう。そう考えることは適切ではないということは言えますけれども、食管法について、いまお示しの点を責任を持って申し上げる立場ではないと思います。
○安宅分科員 それでは解釈によっていろいろ行政に不都合があった場合に、勧告をするなりあるいは国民の訴えによってこの問題を処理するということは、あなたのほうの行政管理庁の監察局、そういうところに訴えられた場合には、当然それを調査しあるいは勧告をしたりいろいろ基準があるようでありますが、そういう行動をとらなければならないと思います。それはそのとおりではないでしょうか。
○荒木国務大臣 法の解釈は、その省の責任者がやりますから、行管では法の解釈そのものはいたしません。
○安宅分科員 解釈によって実態が出た場合。
○荒木国務大臣 実態は、結果は、監査することはあります。
○安宅分科員 わかりました。 それでこういうことがある。たとえばいま言っているのは食管法の問題でありますが、これまでは食管法によって、生産した米は、生産者がすべて政府に売り渡すべきものなりという解釈、したがって政府以外に売った場合には、やみ米を売ったあるいは横流しをしたといって、そうして警察にひっくくられてぶち込まれて刑罰を食う。こういうことが何千何万件ある。これではいけないというので、良心的なある裁判官が、配給米だけで食べていたから餓死したなどという事件が戦争直後あったわけであります。今度農林大臣は、解釈は解釈そのとおりだが、実施するかどうかは別だなどと言っておりますが、その解釈によれば——国家公安委員長として、私は聞きたいのですが、政府に売らないで、いわゆるやみ米、横流しをした人というのは、全量政府が買い上げる義務はないという農林省の解釈、政府の解釈、これは予算委員会ではっきり言ったのですから政府の解釈だと私は断定をいたしますが、そうでないというんだったら、これは農林省のどなたかに出てもらってもけっこうですけれども、私の断定によって論を進めるならば、今度は米が余った時期でもありおそらくそういうふうに言ったでしょう。そうしたら今度は政府以外のところに米を売った者に対しては検挙も捜査もあるいは処罰を加えることもできないはずでありますがどうでしょう、国家公安委員長。
○荒木国務大臣 食管法の解釈は、政府の指定する者以外に売ってはならないとあるかと思いますが、その解釈に従いまして、政府の指定した者以外に売ったらば取り締まらにゃいかぬというたてまえであります。実際は非常にひどいやつ以外は取り締まっておりません。
○安宅分科員 私は、昭和二十四年ごろですが、私のおやじは草屋根ふきでござんして、峠を一つ越したところあたりに地盤があって、得意先があって、そこでお金のかわりに米をもらったからむすこ取りに来いといわれて、当時全逓信労働組合の山形の何か書記長をしておったころですよ。そして行った、しょってきたわな。そうしたら峠のまん中ごろでおまわりさんにとっつかまって、そうしてひどい油をしぼられて、それで名誉に関するようなことまで言われて、そうして私が平あやまりにあやまって返せばいいんでしょうと言ったら、じゃ返せばいいかもしらぬというので、その人は返せというから、また峠の道を三里ばかり戻って、そうしたら林の中に隠れて見ているのですよ。今度はだいじょうぶだと内心思いましたけれども、そうしたらうしろからまた追っかけてきて、これは林の中で見ていたなと思って、しかたがないから私は返しました。こういうことをやられた。これは軽度の問題ですね。しかし、取り締まりはしておりませんというけれども、強権供出のときなどはたいへんいろいろなことがありました。飯米まで取り上げられて、農協の幹部や町の助役さんあたりが沼に飛び込んで死んだなどという例が私の山形県の中にもあります。これは軽微なものは取り締まらない、たちの悪いやつしか取り締まらないとあなた方は言いますけれども、ほんとうに庶民が生活をしなければならないときに列車の中でとっつかまったりしたり米をせっかく、ぶん投げてあと逃げてしまったり、いろいろな事件をまのあたり私は見ております。今度はそういう取り締まりはどのようになさるつもりでありますか。そういう例はもうやらないのでございますか今度は、そういう解釈は。解釈ですからね。当然その解釈に基づいて行動するのがあなた方の任務ですよ。
○荒木国務大臣 法律は改正されておりませんから、いままでどおりと思っております。そういう解釈が成り立つものならば、正式にそのことが何らかの形において確定的解釈が行なわれない限り、私どもはいままでの食管法のたてまえに従って取り締まりをいたします。
○安宅分科員 だから私はあぶないと思って農林大臣を呼んでおったら、農林大臣きょうは来ていない。これは何か、農政局長来ておるようですが、来ておりますか農政局長。——あなた方の省では、前に出荷を促進するために出荷協力費とかという協力費を各地方自治団体にまで流して、その地方自治団体はいわゆる横流しというか、政府以外のところに米を売る諸君を取り締まるためにほとんど使われております。こういうことは御存じですか。
○森本政府委員 先ほどのお話がございましたが、食管法の法律の解釈、特に第三条が問題になる条文でございますが……。
○安宅分科員 いや、私はそんなことを聞いていない。出荷協力費をあなた方は出したことがあるはずなんだ。そうして、府県の警察の検挙やなんかに協力するためにほとんど府県は使ったはずだが、そういうことは知っているかと聞いているわけです。
○森本政府委員 それでは直接お尋ねがございました点について……。従来、需給がかなり逼迫しておるというふうな事態におきまして、御質問のような出荷協力費といったようなものを府県に配付いたしまして、それによって、主として府県の方々にも十分協力をしていただいて、食糧の供出の督励に大いにつとめたという事態はございます。
○安宅分科員 それでは食糧庁長官、この食糧管理法の解釈は本委員会で農林大臣が言明いたしました法解釈としては、やるかやらぬかは別として、ということはあとであわを食ってつけておったようですが、法解釈としては政府以外に売ってもかまわない、政府は全量買い上げの義務はない、こういう解釈はあなたもとっておられるわけですね、農林大臣はそうなんですから。
○森本政府委員 先ほどちょっと申し上げようと思ったのですが、主として食管法の第三条の問題でございますが、食管法の第三条は政府が買い入れて管理する必要のある米を政府に売り渡す義務があるということで、政府に無制限買い入れの義務を課したものとは解せられない、これは従来も今日も変わりはないと思うのです。そういう法律の規定によりまして、需給がかなり逼迫をしておりました時代においてはもちろん第三条の規定で、主として保有米を除きまして全量政府に売り渡すといったような形で、あるいはまた他の法第九条というのがございますが、その規定によって政府以外には米は売り渡すことができないといったような政省令の規定によって、さような運用をしてまいりました。しかし法律自身の解釈によりますれば、いついかなる時期においてもさようなことを政令以下の段階でやらなければならないというふうには解せられないわけでありまして、これは別段いまやるとか、これからやるとかいうことを申しておりませんけれども、需給事情いかんによっては必ずしもそこまで縛らなくてもよろしいというふうに解釈がされるものであるということを大臣が御答弁になったのであります。現行の法律あるいは政令、省令のもとにおきましては、従来からもそうでありますけれども、現状においては先ほど来先生が御指摘のような形になっておりますから、従来からもさようなことに運用をしてきたということでございます。
○安宅分科員 政令はかってにおれたちは変えられるんだから、法律はあってもそのときの事情によって政令を変えたり省令を変えたりすればいいことだ、いまのはこういう答弁ですね。えらいものですね、あなた方は。つまりその解釈によって政府が全量買い上げの義務がないということで、将来も——従来もそうだったのですが、じゃ全量買い上げる義務がないとすれば、政府以外に売ったったって処罰のしようがないじゃありませんか。それでは余った米はどうしろというのですか。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、従来までかなり需給が逼迫をする、また需給自供がそういうことを許さないといった段階におきまして、政省令でさような措置をとってまいりました。したがいまして、そういった政省令あるいは法律のもとにおきましては、やはりいままでのような取り締まり体制ということが続かざるを得ないということであろうと思います。私が申し上げましたのは法律自体の純粋な解釈からいえば、いかなる事態においても政府が無制限買い入れの義務があるというふうにあの法律は読めないということを申し上げておるわけであります。
○安宅分科員 だから、じゃ政府以外のところに売ってはならないと書いてあるから政府以外には売ってはならない。政府は全量買い上げる義務がない。これだけ売って、これだけしかあとは買わないと。でもそういう解釈も成り立つとあなた方は言うのですから、そうしたら余った米はどこに売ればいいんですか。馬みたいに食えというんですか。そんなばかなことを、あなた方役人衆が、米が足りないときは食管法でぶち込む、今度は余ったからお目こぼししようなどという権力は、あなた方に与えられていないのが法治国家の原則です。そういうことを言われては困る。荒木さんたいへん困って、従来どおり取り締まりするとこうおっしゃっておりますが、事実上取り締まれないんじゃないですか。警察庁長官どうですか。
○高松政府委員 確かに御指摘のように食管法ができました当時と現在とは客観情勢が著しく違っております。私どももこういう行政犯についての取り締まりというものはやはりその情勢の変化に応じて取り締まりを実施すべきものだと思います。ただ、いまいろいろお話しのございました米穀の買い入れ制限するかどうかあるいは余り米の流通に対する規制はどうなるのかということは私どももまだよく承知いたしておりませんので、これは現実に取り締まりといたしましてはどういうふうな形で行なわれるというのをよく見ましてから、それによって適当な方法を考えてまいりたい、かように存じております。
○安宅分科員 あなた方はどういう内容を質問されるのですかというので一生懸命レクチュアしてきて、いま逃げ方一生懸命ですよ。それはわかります。わかりますがね、あなた少し考えてみたらどうですか。法解釈だけで実施しないからまだ問題がない、こういう言い方だ。農林大臣がそういう発言をするときは、いままでとっつかんだやつを、全部名誉を回復するような予算をちゃんと出してきて、それから発言するぐらいの度胸がなければ、とんでもない思いつきで言ったのか、あるいは役人衆から言われて、前後の見さかいもなく言ってしまったのか知らないけれども、そういう解釈だということならば、その解釈によって法は運用される、解釈によって警察は動く、こういうことなわけでありますから、本予算委員会で農林大臣がこういう解釈だと言ったならば、農家の人は余った米をどこに売るのかり政府は全量買い上げの義務はないと言うし、たいへんなことだ。それで、しようがない、どこかに売れば、従来どおり荒木さんは処分をする、取り締まりをすると言うのです。こんなでたらめな政治というものが世の中にあるでしょうか。だから日本の政治というものは信用されなくなるのであります。こういうことについては、きょうは分科会でありますから、私は次のいろいろな、そういうあたりほとりのことを考えないで、いろいろなことを役人衆がきめたことの矛盾というのは一つ二つ実例をあげたいと思っているので、きょうはこれくらいにしておきますけれども、これは必ず問題になる。農林大臣はここで食言をしたということにまでなる。それをこの予算委員会で総理が弁護していますよ。きょうは総理も官房長官も法制局長官もいないから、ここであなた方に、解釈はおれは知らないと荒木さんに逃げられてしまった。荒木さんというのは逃げない人だと思ったけれども、きょうは逃げられたから、これ以上言わないけれども、だれが考えたって、三歳の童子が考えたってこれはおかしいことだ。国民は一番先にそれを考えています。こういうことについて、あなた方はあとで私からたいへんいじめられる時期がくるだろう、こういうことだけ申し上げておきましょう。 それで、こういうことがたくさんあるのです。たとえば農林省、あなたのほうで、だれよりもだれよりも農民を愛すなんて幹事長言ったかどうか知らぬけれども、たとえば農業の後継者を育成する資金だ、それで融資をする、こういうことをきめた。たいへんいいことだとみんな思う。農家の人はそう思っている。それから農業の規模を大きくするのだ、こういうことで、これはいいか悪いか相当問題がありますが、農地取得のための資金をあなたのほうで融資をされる、こういうことを考えて、農林省は一生懸命やる。ところが、その場合税金なんかどうなるのかなということを考えてあなたのほうでは政策立案をやったのかどうか、たいへんおかしな節があるのです。こういうことは考えてやったのですか。これは農政局長ですかね。
○池田政府委員 ただいま御指摘がありました問題でございますが、私どもは、農政を極力農民の需要にあった形で進めたいということで、ただいま御指摘いただいた後継者資金もその一つだと思うわけでございますが、これにつきましては、税金の関係におきましては、私どもは、直接税金をそのために納めなければならない、こういう事態は必ずしも起きないのではないだろうか、そういうふうに考えているわけでございます。
○安宅分科員 ところがあるのですね。この間私のところの若い人が百万円を、これは後継者ではなくて、農地取得のための資金です。これはしかし同じことですね。それを借りた。農業の計画書を持ってこいというふうに言われたから、自己資金十五万円と、百万の金を借りたいというので借りた。そういう計画書もちゃんとつけて借りたところが、税務署がこれに対して十六万の贈与税をかけているのですよ。こんなばかなことがあるかというので、税務署長と私の秘書が大げんかをしたというのですね。ところが、そこのうちの場合にはおやじがおらぬで、おかあさんしかいない。これは実質上は世帯主と同じだろうというので贈与税は取らないことに何とか話し合いがついたそうでありますが、後継者育成資金を借りた、そうして計画書をみな出さなければならない。そうすると、ある計画があって、その足りない分を借りるという場合もあるし、そんなの何も頭金がなくとも、たとえば訓練や何かで、どうしてもその借りた金でひとつ農業後継者としていろいろな事業をやろう、訓練も受けようなどという人もおるでしょう。そういう場合に、これはすべてこの融資を受けた金額そのものに、四十万の控除をやってその残りに税金をかけている。こんなばかなことはないではないかと言っても、税務署は聞かない。どこの村の、どこの町の説明会へ行っても、それは譲らない、こういう例があるのです。どうしてくれるのですか、これは国税庁長官。
○佐藤説明員 御質問のように、もし融資を受けたものでございますれば、贈与税の対象にはならないわけでございます。
○安宅分科員 私もいろいろ聞いてみたのですよ。そうしたら、おやじさんが生きているうちに相続した人に対しては、そうして後継者のためにおやじから土地を採草や牧草地にするなんというので何とかした、こういう場合には、借りたことにすればそれは贈与税はかからない。したがって農林省から受ける融資も税金はかからない、こういうものだということを私は考えている。ところが、現地の税務署はそうではないと言うのです。そんなことはない、絶対に贈与税はかかるのだ、事業をやるというためにそれはかかるのだといって、実際に先ほど何とかまとめたやつも、百万借りて十五万の自己資金の計画を立てたものに対して十六万の贈与税をかけるのだといって、一週間も二週間も粘っているのですね。そういう例がある。これは後継者育成資金もそうですよ。こういうことは一体国税庁はどういう指導をなさっているのですか。こういうことがあったならば改めるのですか、どっちでしょう。
○佐藤説明員 ただいま御質問になりましたその事実につきまして、はっきり確認できないわけでございますけれども、もし融資ということでございますれば、別に贈与税の課税対象にならないわけでございますが、いろいろな事案がございまして、借り入れを仮装しておるようなものもほかの一般の事例の中にはあるわけでございまして、そういうような点につきましては、やはり贈与登記等のいろいろな資料があがってまいりましたときに、やはりそれについて問い合わせをいたしまして、事実をよく確認をして、課税関係が起こるかどうか十分に確かめてやっておる状態でございます。
○安宅分科員 時間がないのですが、では、後継者がおやじから金を借りた場合、土地を借りた場合は贈与税も何もかかりませんな。
○佐藤説明員 たとえば無償で土地を借りておるというような場合におきますと、そこで使用貸借の関係が起こるわけでございますが、無償で借りておるというような場合でありますと、そこに贈与関係が利子分について発生する場合もあるだろうと思います。
○安宅分科員 こういう答弁はおかしいのじゃないですか。だから念を押して、実はあなたのほうのお役人さんのいま耳打ちされた人に私はさっき聞いているんだよ。そういうことは絶対ございませんとあなた言ったじゃないか。ただその場合、農地法上おやじがむすこに土地を貸したということは小作になるような気がするのだが、農地法上問題がないのか、こういうことを聞いたら、それは私はわかりませんけれども、おやじから借りた、安宅常彦から借りたというのだったらかまいません、それは贈与税はかからないはずであります、こういうことを盛んに一時間前に私に言ってたんだよ。一体それは何だ。こういうインチキなことをあなた方がやって、それで農林省は、口では農業後継者を育成するのだとか、あるいは農地の経営を拡大するために資金を貸すのだとかうまいことを言っているけれども、片脇では税務署がうしろから一生懸命北海道の熊がマスを落としていくのを拾っている。拾っているのじゃなくて、これはもいでいるんだ。えらいことじゃないですか。どうも行政というのはそういうところが多いのです。行政管理庁長官、これは食管法もそうです。そういうことについて私どもは国民の側から立った場合には、そういう政治というか行政というものは改めてもらわなければならない、こう思います。 ただ、簡単に農林省の方に聞きますが、おやじさんから土地を借りたという場合には農地法上どうなるのですか。——時間が来ているんですよ。だから答弁できないんだったらできないでよろしい。そういうことだからいかぬということだけを言っておく。終わり。
○笹山主査 それでは次にまいります。林百郎君。
○林(百)分科員 沖縄の国政参加の問題が具体的に差し迫ってきております。そこで私は、この問題を実現し、立法化す上で問題になっている点について、これは政府側の見解をただしてみたいと思うわけです。 国政参加の問題で、われわれがここで検討すべき問題は大きく分けて三つあると思うのです。これは沖縄の立法院の二月十三日の「沖縄県民の国政参加に関する要請決議」にも三つになっておりますが、これは長官も十分御承知だと思いますが、一つは参議院の全国区をどうするかという問題、その二つは渡航の自由をどうするかという問題、その三は不逮捕特権あるいは免責特権、これは国政参加する沖縄の選出された議員の二つの権限の問題だと思うのです。 そこで、この三つの点を時間の範囲で質問したいと思います。 まず第一に参議院の全国区の問題なんですが、これは、これがありませんと完全な沖縄県民の、私は沖縄県民と言わしていただきますが、完全な本土のものと同じ公正な国政参加になりませんので、やはりこの問題を質問じみたいと思うわけですが、これは立法技術からいうと、言うまでもなく選挙権、被選挙権を沖縄と本土とをどういうように統一していくか、選挙運動について本土と沖縄の一体化をどうするかという問題、第二は得票数の合算問題をどういうようにするかという問題、第三は選挙無効の訴訟、当選無効の訴訟の管轄権をどういうようにするかという問題、第四は選挙犯罪についての裁判権が競合する問題をどう調整するかという問題、それから言うまでもなく渡航の自由をどう保障するかという問題があるわけです。しかし、これは日本の施政権が沖縄に及ぼす——要するにアメリカ側ですら潜在主権とかなんとかいっておりますけれども、日本の主権が沖縄に及ぼすということを日本政府側がアメリカ側に交渉して、少なくとも参議院の全国区問題ですね、そして日本の公職選挙法がそのまま沖縄に適用されるという方法をとる。実際は、日本国沖縄県と参議院の全国区の場合に沖縄を扱うということで公職選挙法をそのまま沖縄に適用するという了解をとれば、これは立法技術上の困難な問題は解決されるわけなのですけれども、この点について、国政参加が具体化してきておる今日、政府側の見解はどういう見解か、まず知っておきたいと思うのです。
○山中国務大臣 もちろん林さんも政府側の見解として聞くのだという前置きがありましたが、これは私は、よかったか悪かったか別として、国会のほうに沖縄の国政参加の立法をゆだねてありますね。このことはあるいは、各党みんなが意見を持ち寄って議論し合うので、かえって結果としては、政府が一方的に公職選挙法に基づいて困難なものは困難と判断して取捨選択して原案を出して議論をするよりもよかったのではないかという気持ちもいたします。しかし責任を逃げた形でまかしたわけではないでしょうから、したがって合意に達する点は合意に達しなければならぬと思いますし、その意味では私も喜んで政府と国会とのパイプ役を引き受けます。ただし選挙法の担当大臣は実は自治大臣でございまするので、私からその選挙法のこまかな規定その他について、立場上の権威ある答弁というのはいたしかねるわけですけれども、私としては、ただいま御指摘になったような問題点が確かに幾つかございますから、それらの点を踏まえて、なおかつ参議院全国区について今回の国政参加法案の中にうたえるものならばうたってほしいし、うたい込むことが非常に困難であるということならばやむを得ないのではないかと思っておりますが、本土並みということを、地方区の参議院二名と衆議院五名ということがさしあたりの問題でございまするので、時期的にいうと、法律では全部書いておくべきなんですけれども、いますぐ必要なことは地方区二名の参議院と衆議院の五名ではなかろうかというふうにも判断しております。
○林(百)分科員 あなたが国会にまかしてよかったということは、問題の所在を国会に転嫁した、あなたもそういう意味ではないと断わっていますけれども、しかし実際はそうなるのじゃないでしょうか。ということは、国会側が沖縄の人たちに国政参加のための選挙に公正に参加してもらうというためには、どうしても全国区の選挙にも参加してもらわざるを得ないわけですね。参議院の全国区の選挙に参加しない、参加させない国政参加というのは公正な扱いにならぬわけです。ところが国会でいろいろ検討した結果は、これは立法技術の問題ではなくして、日本政府が日本の主権を沖縄にどの程度及ぼさせるかというその範囲ですね、それによって解決される問題だ。だから参議院の全国区の問題については、沖縄に関する限りは、日本国沖縄県と実質的に同じに取り扱うというこの努力を日本政府側がしなければ、いまの政府のアメリカとの関係のままで参議院の全国区を沖縄の人たちに適用させようと思っても、これは立法技術からいっても非常に困難な問題が一ぱい起きてくるわけですね。それがもし施政権が、日本の国の主権が、事この問題に関する限り、あるいは他の問題ももちろんそうですが、この問題に関して完全に日本国沖縄県と同様に及ぶ、そうして公職選挙法がそれと同じ性格を持って沖縄県に適用されるということになりますと、立法技術の問題は解決されるのです。ですからこれは政府の努力いかんにかかっているので、国会で御審議していただいてどうもよかったということでは解決できないので私があなたに質問しているわけです。国会の論議の結果、これは政府の努力いかんにかかっているのだ、だから政府は一体この問題についてどう考えているんだろうかという立場から質問しているのですから、あなたがほんとうに沖縄の県民を本土の参議院選の全国区に参加させようと思うならば、この問題についてもっとアメリカ側と交渉して、日本の主権を沖縄に及ぼすようにしなければいけないと思うわけです。その点を聞いているわけです。
○山中国務大臣 全く趣旨は同感なんですが、私は、決して、国会にまかして逃げたということを申し上げたのではないので、そういう問題点を各党が参加してフランクな議論をされたことはかえってよかったんじゃないかと思っていると、こう申し上げているので……(林(百)分科員「国今のことはいいんですよ。政府はどう考えているか。」と呼ぶ)政府のほうで、これはもうだめだから出しませんでしたというよりもよかったんではないかと思ったわけです。ただ、すぐにいま国政参加を求めるという対象は、先ほど申しましたように、参議院地方区と五名の衆議院ということでございますから、さしあたりの立法としては、参議院全国区がいますぐに同時に沖縄だけに行なわれるということは、まだ現実に不可能なわけですから、一応、これが立法されまして、いま当面必要な、さしあたりすぐ選出さるべき地域代表が出られたあと、参議院全国区が行なわれるまでの間に、それらの問題点について解決を見て、そして新たに沖縄の国政参加法案に対する一部改正法案なり、これは政府提案でも場合によってはよろしいと思うのですが、全国区選挙が本土と同じように復帰までの間にも行なわれるということができる道を努力するということは、当然のことだと思います。
○林(百)分科員 一定の前進のある答弁が出たので、時間の関係上、次の問題もありますので、その点を確かめたいんですが、そうすると、とりあえず、このたびは、衆議院五名、参議院議員——これは地方区、全国区という名前を省いて、参議院議員二名ということで立法を求めて、その間、次の全国区の参議院の選挙の行なわれるまでの間にその法律をさらに一部改正をして、全国区の参議院選にも沖縄県民が参加できるような一部改正の法案なりを提案する方向へ向かって、政府は努力するつもりだと、そう聞いていいんですか。具体的にはどういう努力をなさるんですか。
○山中国務大臣 あなたのほうでこまかに指摘していただきました五、六項目、ネックがありますね、そういう問題を、国政参加というものをアメリカ側も合意に達したわけですから、あと残りの全国区についてのみ、頑強にそれらの問題点を固守する意思があるのかどうか、それらのところも、これから詰めていけば、あるいは案外簡単にこれが実現に向かうかもしれませんし、あるいは、施政権、裁判管轄権その他の渡航のチェック権、そういう問題等で、相当ひっかかる問題があるのかもしれませんが、これはしかし、やはり平等の権利を当然復帰前にも与えるという大目的に意見が一致するならば、われわれの努力していかなければならないことですから、なるべくそういう方向にいけるように努力する、こういうことでございます。
○林(百)分科員 時間がありませんので、私があげましたネックをどのような立場で、どうアメリカ側と交渉するかということを聞きたいのですけれども、これを聞いていますと、それだけで時間が過ぎてしまいますので、次の質問に移りたいと思いますが、次の問題は、渡航の自由の問題ですけれども、国政参加が実現して、かりにあなたの言われますように、また国会が考えております、衆議院と参議院の、実質的には地方区ですけれども、その選挙、その範囲に限りましても、これは沖縄県民の国政参加によって、本土の政治地図も影響を受けるわけなんですから、そうすると、やはりこれは完全に本土の政党関係の人たちも、沖縄に渡航が自由に保障されなければならないし、また、沖縄の人たちも、本土の政党関係の人たちと密接な交流が行なわれなければならないということになると思うんですね。そうなりますと、ある政党の関係者は選挙に自由に応援にも行ける、ある政党の関係者は絶対に一歩も沖縄へ行けない、これでは公正な国政参加を沖縄県民に与えたことにならぬわけですね。そして、同時に、本土の政治地図にも影響してくるわけです。ですから、本土の政党人としても、やはり沖縄に支援、応援をしなければならないわけです。ところが、現実は、長官御承知かどうか、非常な差別的な取り扱いを受けている。ことに共産党に至っては、いままで共産党の国会議員ですら、議長の証明つきで申請をしても、一人も沖縄へ行けたことがないわけですね。しかも、本土の国会には堂々と国会議員は参加しているわけですから、われわれも、日本の政治地図に影響する場合は、沖縄に、われわれと志を同じゅうする人たちを支援したいと思うわけですが、それは絶対できない、他の政党は自由に行けるということ、この不公正さを長官はどうお直しになるつもりですか。それがなければ、公正な国政参加、公正な沖縄の選挙ということにならぬと思うのですが、それはどうですか。
○山中国務大臣 まず公正な選挙の第一は、沖縄の県内の区域における公正さ、これは私はもう大体公正に自由に行なわれると思うのですね。むしろ、たとえば本土の教職員は、教育二法の適用下にありますけれども、沖縄では自由な選挙運動をしてもよろしいというふうに、都合のいいようなほうもむしろ向こうにはある。ただ、問題は、おっしゃるように、応援だと思うのです。その意味で、御指摘のように、党名をあげられましたから、あなたの党ですから、これは率直にそのとおりだと思います。ところが、前の主席選挙が初めて公選されたときに、今度は私のほうの党名をあげましょう、自由民主党は大量に議員を、いろいろのバラエティに富んだ送り方をいたしましたが、結果はどうだったかというと、沖縄県民の良識はそれを拒否して、わが党の候補者は敗北をしたわけなんですね。しかし、かといって、共産党の人たちは、じゃ、今後も渡航させないのが正しいんだとは私は断じて思っておりませんで、私たちの姿勢は、もちろん、アメリカ側に対して、区別なく全部、もう二年先のことですから、そろそろ全部自由にしてほしいということは絶えず要望しておりますし、国内の渡般手続についても、いままでもたびたび簡素化しておりますが、もっと手続も簡素化して、国内から向こうへ行く国内手続については、もう原則差別なし、全く自由ということにしておりますけれども、ところが、向こうのほうでは、御承知のように、公安局が中心になってチェックしておりますですね。だから、向こうの入国許可書はどうしても、施政権そのものがチェックをいたしますから、公安上好ましいと思っているのか思っていないのかわかりませんが、そのようなものさしからチェックされるので、いまおっしゃったような現象が今日まであったと思います。しかし、私は、少なくとも、国政参加に関する問題につきましては、どこまで行けるか知れませんが、日本の国民が正常な憲法のもとに正常な選挙の法律のもとに選び出した国会議員については、党派の区別なく、全国会議員が、たとえ応援とかその他でありましても、渡航が自由に、少なくとも選挙に関する渡航は自由になるように、私としては努力してみたいと決意はいたしておりますが、まだその点に対して、向こう側の了承とかいうところまではまいっておりません。
○林(百)分科員 長官の決意は壮たるもので、これはまことにけっこうですけれども、問題は、その決意をどのように具体的に、どこと交渉してどういう方向に向かっているか、あるいはまた、その決意の実現の一部として、こういうことが行なわれているということがあったら……。あなたの決意だけここで聞いてもしようがない。ということは、そのことはもう、佐藤総理自体が一九六七年十二月二十二日の参議院の沖縄特別委員会でわが党の春日議員の質問に対して、総理としては「参議院議員の方が渡航される、公用でお出かけになる、それがいまだに行かれない、これについて私たちも善処すべき問題だと、かように思っております。」と善処すべきだということは一九六七年にももう言っているわけですよ。ところが、その善処が何をしたのか、具体的な善処のしかた、具体的な善処の効果というものが全然あらわれておりませんので、せめて山中長官からは、非常に沖縄問題では熱心だと聞いておりますので、もう少し具体的な話を聞かしてもらいたいと思うのです。
○山中国務大臣 共産党のほうは許可されなかったので感謝されないかもしれませんが、先般の全軍労の応援等に本土からたくさん参られましたが、そのときにもずいぶん、私のところの渡航課長を向こうの現地に飛行機で飛ばせて、向こうの公安局長と直接、そろそろ意固地な態度を解いてほしいという折衝もさせましたし、そのために幾人かの人が助かりましたし、不許可の通知を向こうで発送してあったのがこちらでは届かなかったという形で行けた人もありますし、また、私自身が野党の諸君の友だちの人の責任を持つことを、それを前提として私が保証するという立場までとりまして許可になった人も数名おります。また、このような事例を聞くかもしれないとおっしゃっていたということで、私、メモを読むのはきらいなんですが、こういうようなことが一つあります。和歌山市在住の診療所に勤務しておられる小松譲さんという方が、結婚式に出席したいからというので渡航申請をされたのですが、二月二十日に不許可になった。ところが、その不許可に対しまして、わがほうで、これは結婚式に出席するというのに、別な意味からのチェックはおかしいじゃないか、人権問題だというので強い反発をいたしまして、三月六日の夕刻に入域の許可が出まして、結局その人は七日に上京いたしまして、総理府が直接その場で身分証明書を交付いたしまして、無事に翌日の八日の結婚式に出席されたという例が一つ。これは役人が書いたものですから、こういう例があったということを、聞かれたら御答弁申し上げるつもりでいた例も一つはございます。
○林(百)分科員 聞かれたらというのは、私が聞くというのを前から言ってあるので、何もあなたからそう言われる筋合いじゃないのですが、これは先ほどから共産党の議員の話ばかりですけれども、これに至っては共産党ばかりでないし、また共産党以外の民主的な諸団体に属する人たちの間にもチェックされる場合があるわけですが、一体どういうことでこの人はチェックされていたのですか、何が理由であったのですか。それで問題になって、これは御承知のとおり立法院の行政法務委員会でも取り上げて、そして公安局に申し出もしておる。それから政府がそういう措置をして三月六日には許可がおりたというのですが、当然許可がおりるべきものが何でチェックされたのですか、どういう理由だったのですか。これは実兄の結婚式に列席するということで渡航申請をしたわけですね。それがチェックされているというのは、どういうわけだったのですか。
○加藤説明員 お答えいたします。 いままでの渡航不許可の例につきまして、われわれがアメリカ側にどういう理由で不許可になったか、こういうことを聞きましても、その理由については一切明らかにしないというのが慣例でございます。ただ、この問題につきましては、事情が事情でございますので、そういう渡航の目的が非常にはっきりしておりましたので、われわれのほうからその点を指摘しまして、こういう理由で渡航するんだから許可すべきではないかというふうに話した結果、いま長官からお話がありましたように許可になったわけでございます。
○林(百)分科員 私人間の結婚でチェックされたのをあなた方のほうがそういうように説得したら許可がおりたというなら、国会議員が、日本国憲法の最高機関たる国会の国会議員が沖縄へ、しかも議長を通じて申請しているのに、これが渡航できないということについてはどうしてもっと熱意をもって説得しないのですか。長官にちょっとお聞きしたいのですが、しているのですか、していないのですか。はれものにさわるようにして、実際はしていないというのですか。しているとすれば、どういうことを言って、どこにネックがあるのですか。
○山中国務大臣 私がなりましてからは、そういう事例はないのですが、渡航の会議を持つたびに、そのことは公的な議長経由のものであるからということを要請をしておるそうでありますが、答えはだめだということだそうです。 先ほど私の申し上げましたのは、選挙に関しては少なくとも国会議員は党派の区別なく行けるように私は努力したいということを申しましたが、もしそのようなケースがありましたら、私がいま長官でございますので、私自身がある程度の自分自身の努力もしてみる覚悟でございます。
○林(百)分科員 時間がありませんので、その問題について実はこういう意見も法律関係の人たちからあるわけですが、渡航申請の個人経歴書の記載事項には職歴、住所歴、それから共産主義とかファシスト団体との関与など、微に入り細にわたって記載するようになっている。このことは結局思想調査にも通ずるものである。一方今度は、沖縄から本土への渡航手続の中にも補助申請書を添付しなければならない。その補助申請書には、親しい親戚、政治、職業、文化その他一切の団体名、その所在地及び所属機関、共産党との関与、逮捕歴の有無等、補助申請書として記載しなければならないということになっておる。その調査は詳細で、思い出して記入するのに本人でも絶対の正確を期しがたい上、思想調査であり、しかも提出すれば必ず許可されるものでもない。したがって、従来から思想、信条の自由を害するものとして批判の的となっていて、提出を拒む戦いもなされた。最近では米国民政府も補助申請書の提出を求めなくなっている。しかし制度としては依然として残っておる。こういうことが非常に問題になっておるわけですが、これは本土から沖縄に行く場合、沖縄から本土へ来る場合も、共産党との関係だとか、あるいは政治経歴だとか、そういうものを記載させる。そのことは日本国憲法に規定されておる政治、信条の自由を侵すものだ、こういうことが指摘されておるのですが、これについて今日どうなっておるか、あるいは長官としてはどう改善していくつもりか、答弁願いたいと思うのです。
○山中国務大臣 わがほうの渡航申請その他にはそのようなものは一切ないことは御承知だと思うのです。向こうの施政権者たるアメリカ側の入域許可書の申請の中にそのような条項がある。これは私どもといたしましても、わが国において共産党は非合法の政党でもありませんし、現地でも人民党は非合法の政党じゃないので、瀬長君を先頭に活躍をしておるわけですから、そこらのところは、どうもやはり公安上、交流を好ましくないとアメリカ側が判断をしているのでありましょう。しかし、これはもう日本に返ってくるのはごくわずか先のことにきまった現在、やはりいつまでもそういうことを復帰までずっと続ける意思なのかどうか。これら等については、今後直接、間接、これは外務省ルートを通じなければなりませんし、そこらのこともある程度ありますので、努力はしてみたいと考えます。
○林(百)分科員 わがほうの本土から沖縄に行く場合にそういう記載がないはずだというのですが、これはやはり渡航申請書の中に所属する政党の記載はあるわけなんですよ。どういう政党に所属しているか、そういう意味で、たとえば共産党だとか、あるいはそのほかの政党の記載をさせられているわけですね。それが事実上大きなチェックの理由になっている。現実は、あなたがどう改善するかは別として、そうなっているので、必ずしも沖縄から本土へ来る場合だけでない。こういう思想、信条の自由、その人がどういう政党に所属しようと、そのことを記載し、そのことが渡航の一つの条件になるということは、少なくとも日本国憲法の上からいっては許されないはずなんで、それは本土から沖縄へ行く場合も身分証明書には所属政党の名前を書かなければならない。これは総理府のその関係の人に私が来てもらって聞いたときに言っておりますから、知らないとすれば、大臣がまだそういうこまかいことですから知らないのかもしれません。その点どうですか。
○加藤説明員 お答えいたします。 われわれのほうといたしましては、所属団体ということでいろいろその団体名は書くということはございますけれども、共産党とかいうような意味で特にそれを指摘しているわけではございません。
○林(百)分科員 時間がありませんので、もう点だけお聞きしたいのですが、不逮捕特権と免責特権の問題です。これは国会は国会なりに論議しておりますけれども、これも政府側の姿勢、政府側の対アメリカ政府との交渉等が影響してきますのでお聞きするわけですけれども、言うまでもなく、琉球政府章典の第二十三条、同立法院法第二十三条の二によって、沖縄の立法院議員には不逮捕特権、免責特権があるわけですね。新たに国政参加議員に対して、沖縄でこの身分が保障されないということは、これは不公正な取り扱いになる。ことに琉球列島の管理に関する行政命令等を調べてみますと、高等弁務官が強力な拒否権を持っておるということになりますと、二つの問題が出てくると思うのです。一つは、まず基本的には、当選しても、おまえは好ましくない人物だからおまえの当選を拒否するという場合が起こらないという保証をここで大臣ははっきり言うかどうかですね。これが一つ。もう一つは、国政参加して、日本の国会へ来て、そして沖縄の現状を吐露する、あるいはアメリカの異民族支配のことを吐露する、そして帰っていって、このことが琉球列島の管理に関する行政命令に違反するということで逮捕されるというような事態が起きるとすれば、これは完全な国政参加にならないわけですけれども、そういうことのないという保証ですね、その二つの問題について長官としてはどう考えられるか。
○山中国務大臣 そこらの問題は当然国会のほうでも議論されたと思うのですが、政府といたしまして、これは責任がございますから、琉球の立法院が本土の国会議員選挙法に準じた不逮捕特権、免責条項を含む身分上のそういう向こうの法律を公布していただきまして、それを施政権者たる米側も完全に尊重するということはぜひとも取りつけたい。したがって、そのことも取りつけられると同時に、県民の意思によって選ばれた代表者がチェックされるようなことのないように、もちろん私のほうで努力しなければならない、これは日本政府全体の責任であると考えます。
○笹山主査 林君、時間が参っておりますから、結論に入ってください。
○林(百)分科員 もう具体的に国政参加の立法が国会の中で進んでいるときに、いま私の聞きました、当選が拒否される、これはたいへんなことなんですけれども、この問題と、さらにいま国会側の論議の中で問題になっておる不逮捕特権、免責特権、これが沖縄で特別立法されるということについてアメリカ側と交渉するつもりだというのですけれども、まだ交渉されておらないのですか。そのあなたの考え方、そして見通し、具体的などういう手だてを講ずるかということをここでお聞きしないと、これは国会の立法の責任からいっても、重大な問題になると思うのですね。
○山中国務大臣 これはアメリカ側の了解のもとに国政参加をやるわけですから、したがって、それに基づく権限あるいは権利についても当然順守してもらうための現地における話し合いも進んでおりますし、こちらとしても、最終的に法案が議論されることになりますれば、それに対して政府はどのような形をとっておる、どのような折衝でどのような傾向である、あるいは結果であるということは当然報告すべき義務があるものとして、引き続き努力をしてまいります。
○林(百)分科員 これで終わりますが、共産党の立場は、サンフランシスコ条約三条は現在の段階では国際的にいっても廃棄さるべき条項だ、したがって、沖縄は日本国沖縄県だという立場に立っております。ただし、きょうはあなたに質問する立場から、だいぶあなた方の立場に立ってもこうすべきではないかという質問もあったと思いますけれども、いまあなたのおっしゃるような、アメリカ側と交渉するつもりで——いまの段階で、つもりではもうおそいので、その点については政府側が十分責任を持って保証します、国会側が立法する国政参加の沖縄県選出の議員については、当選の拒否はないような保証はもちろん、不逮捕特権、免責特権についても必ず保証する、またそういう交渉もしますということをここではっきり言っていただかないと、これは国会側の責任にも響いてくることでありますし、それから沖縄の立法院でもそのことを求めて決議もしているわけですから、もう少し責任ある答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○山中国務大臣 私は、つもりであります、と言っていないので、国政参加を米側が了解に達したということの裏には、当然そういうことも承知の上のことであって、したがって、それを具体的にするために、琉球立法院の法律の中身並びに現地における米側当局との折衝、それらが進められている。それについては最終的に政府としては、国政参加に何人が選ばれようと、それは了解に達した上で選ばれた人であって、差別すべきでないという立場を貫くつもりです。
○笹山主査 これにて、昭和四十五年度一般会計予算中、内閣、防衛庁及び経済企画庁を除く総理府所管予算に対する質疑は終了いたしました。 明十七日は、午前十時より開会し、法務省所管の予算を議題とし、質疑を行ないます。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十六分散会