法務委員会 第20号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/04/17
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 まず、理事の辞任についておはかりいたします。 理事細田吉藏君から理事辞任の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は理事に田中伊三次君を指名いたします。 ————◇—————
○高橋委員長 次に、内閣提出、裁判所法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡沢完治君。
○岡沢委員 私は、昨日まで、属します民社党の大会がありまして、実はこの法案に対する質疑応答をほとんど聞いておりませんので、申しわけないことでございますけれども、同僚議員の質問と重複する場所があるかもしれませんが、お許しをいただきまして、私の党の立場から若干の疑問点をたださしていただきたいと思います。 私自身も実は弁護士でございますし、日弁連の会員でもあり、大阪弁護士会の会員でもございます。この法案の中身と申しますよりも、この法案の成立過程を通じあるいは成立後を通じまして、私個人として一番心配いたしますのは、日本の法曹三者の中で、ことにこの法案を通じまして明らかにされましたように、最高裁判所と日本弁護士連合会、形式的には日本弁護士連合会は会の名においてこの法案に反対をいたしております。このいわば断絶のままで法案が通過することによりまして、この法案の意図されます簡易裁判所の事物管轄に関連する訴訟の促進あるいはその他のメリットに比較して、より以上の大きなデメリットと申しましょうか、国民の立場から見て日本の法曹をになう三者のうちの二者までが非常に不幸な対立を重ねているという不利益というものが耐えられない感じがするわけでございまして、どうしてこういう弁護士会の反対の結果が出てきたか。これは裁判所側から見まして、特に弁護士会と裁判所とは連絡協議をお持ちでございますから、その経過等に照らして裁判所側の御意見を聞かしていただきたい。私は過日参考人に、御出席になりました日弁連側の意見は大体聴取さしていただきましたので、あらためて一方の当事者であります最高裁の御見解あるいは経過について、どうしてもこの際明らかにしておきたいというところを、私たちに納得できるように御説明いただきたいと思います。
○寺田最高裁判所長官代理者 いま岡沢委員からお話しのございました点は、私どもとしても痛感いたしておるところでございまして、何とかして日弁連とお話し合いをつけて法案を提出していただくということになりたい、かように念願しておったわけでございますが、不幸にして今回のようなことになったのであります。 連絡協議の結果につきましては、先般林委員の御質問に対してかなり詳細に御報告申し上げましたので、重ねて詳しく申し上げることは省略いたしたいと思いますが、結局昭和四十年の九月に、私どものほうと日弁連事務総長との間でメモを取りかわしまして、その際に、事物管轄の問題については早期に実現をはかりたいという私どもの希望を申し述べ、それを了承されまして、むろん具体的な内容等は全然きまっておらないわけでございますが、今後その問題をめぐってお話し合いをしたいということのもとに連絡協議ができたわけでございます。その点は資料で明白でございます。ところが、いろいろな関係でその話し合いが、なかなか議題にして出すことさえ御了解が得られず、やっと四十二年九月になって、「第一審裁判所のあり方について」というふうな形で提出いたしましたところ、それが出ましたとたんに、二回ほどお約束した協議の機会が流会になりました。そうして委員の御交代その他がありまして、約一年間開けなかったわけであります。そして四十三年になりまして開会できまして、その機会にもう少し具体的な案をというお話で、民事につきましては、いま問題になっておりますような案を提出いたしました。そういたしますと、また約二回ほどお約束いたしましたお話し合いの機会が流会になっておるというようなことで、そしてまた一年間は委員の選任その他で中断いたしたわけでございます。 かように、この問題につきまして、私どもとしてはもう四、五年前からお話し合いをしたいとして非常な努力を続けてまいったわけでございますが、日弁連の内部の御事情で、一度機会をお約束いただいてもそれが流れるということを繰り返してまいりました。これではいろいろな情勢にかんがみて、どうしても国会の御審議を受ける。その前提として、法制審議会で学識経験者を交えて、日弁連の代表の方も交えた席で御返答いただくよりほかにはないのではないか、私どもとしてはさような結論に達せざるを得なかった次第でございます。
○岡沢委員 いまの寺田総務局長の御答弁、非常に言いにくいことをおっしゃったと思いますが、そうするとこの法案を提出するまでのいきさつの過程では、むしろ裁判所側としては日弁連側と十分な協議をしたいという用意があったけれども、日弁連の都合によって延び延びになり、成果が得られなかった、こういうふうに解してよろしゅうございますか。
○寺田最高裁判所長官代理者 私どもとしてはさように考えております。
○岡沢委員 事務総長にお尋ねいたしたいわけであります。 先ほど私が申し上げましたように、この法案の中身、簡裁の事物管轄を十万円から三十万円に上げる、数字は十が三十になるだけでございますけれども、本質的にも、また簡裁の事件処理の内容からいたしましても、かなり大きな変化には違いありません。しかし、それ以上に日弁連と最高裁判所が、あるいは一般の裁判所が断絶状態あるいは不調和の状態におちいるというデメリットは、これは当事者だけではなしに国民の立場からしてもきわめて大きいと思うわけでございます。日弁連の正式文書としてわれわれ委員にも提出されました要望書の中に、「この法案については、左記のとおり根本的に検討すべき問題が多々あります。つきましては、この問題は最高裁と日弁連との間で協議をつづけていたものであり、緊急性は認められないと考えますので、今国会で成立させることを止め更に慎重に検討する期間をおいてくださいますよう要望致します。」という文書が提出されておりますし、また過日、参考人として御出席になりました日弁連の代表的立場の副会長の方、あるいはまた大阪弁護士会あるいは関西弁護士会を代表してだという趣旨に解しますけれども、日弁連の枢要な役職にあります参考人の方からも、いずれもこの一年間に十分な協議をして協力をする用意があるという発言がございました。この大きな不幸であります日弁連と最高裁の断絶のままで、どうしてこの国会で法案を成立させるという必要性、緊急性があるのか。私たちから見ました場合に、過去は別として、一年間放置できないほど緊急性、必要性がある改正とは思えない。もしそうであるならば、二十九年からきょうまですでに十六年の経過があるわけでございますから、それまでにもその必要性はあったわけであって、どうしても四十五年のこの国会で成立させるという必要性については、私自身としてはいまだ納得できないわけでございますけれども、事務総長の御見解を承りたいのであります。
○岸最高裁判所長官代理者 日弁連との連絡の経過につきましては、ただいま総務局長がごく簡単にお答えいたしたとおりであります。元来、司法制度というものは、裁判所、検察庁、弁護士会、この三つの柱によってささえられるべきものであって、その三者が十分に意見を交換し、協議をした上で、運用の改善なりあるいは制度の改正というものを考えていかなければならないことは、十分私どもも心得ております。しかし、先ほど総務局長からお答えいたしましたような事情もあり、また現在の経済事情の変動等、それから地裁と簡裁との事件のアンバランス、そういう点を考えますと、これはやはり早急に実現していただかなければならない改正と存じております。裁判所側でここ数年たびたび高裁長官、所長の会同を開きましたが、その会同の席でも、全国の長官、所長から——これらの方々はその管内の事情を十分把握しておられる方々でありますが、ぜひ早くこの事物管轄の調整をやってもらいたいという強い要望もございました。そういう事情から、やはり今国会においてぜひ成立さしていただきたいと裁判所側としては熱望いたしておるわけでございます。 日弁連と裁判所との間の断絶云々の点でありますが、これは私も非常に遺憾なことと思っております。決して私どもはそれを根に持ったりあるいはこだわったりする気持ちはなくて、今後もやはり従来どおり胸襟を開いて司法制度の問題を日弁連それから法務省関係、検察庁、この三者の協議によって考えていきたい、そういう気持ちは少しも変わっておりません。
○岡沢委員 いま事務総長から、これはことばじりをつかまえるわけでは全くございませんが、裁判所の長官会同等でも要望が強かったというお話がございました。私たちはこの法案を考えます場合に、裁判所側の立場あるいは弁護士会側の立場、法務省の立場、それぞれございますけれども、基本的にはやはり国民の立場に立って改正が是か非かという判断を下すべきではないかと考えるわけでございます。そういう点から見た場合に、弁護士会が単に職業としての弁護士の立場からではなしに、在野法曹としての、あるいは国民の自由と権利を守る立場からの反対意見がかなりあるわけでございまして、その辺につきましてはやはり私たちから見ましても、弁護士会の意見も必ずしも無視できない、それだけの合理的な根拠を含んでおるような主張もあるわけでございまして、この辺について私は、最高裁側の在野法曹の代表としての日弁連に対するPR、説得の不足あるいは対応策の不備というものも指摘せざるを得ないのではないかと考えるわけでございますが、過去のことを申し上げてもしかたがございません。 国民の立場から見て、自由と権利を守ってくれる法曹三者が節度ある調和を願っておるということは否定できないと思うのです。この断絶をどうして埋めるかという具体策について、最高裁としてはどのように考えておられるか、これをお伺いします。
○岸最高裁判所長官代理者 先ほど長官、所長会同における全国の裁判所の強い希望であるということを申しましたが、これは決して裁判所だけの都合という意味ではございませんで、やはり裁判が円滑に運営されるということは、これはやはり国民のためであります。決して裁判所側だけの事務的な都合でこういうことをお願いしておるわけではございません。 その断絶の点につきましても、先ほど申しましたとおり、こちらは何ら根に持つことなく胸襟を開いて今後ともお話し合いをしていきたいと思っています。御承知のように、司法協議会というものの設置が臨司の意見書で指摘されておりますが、この司法協議会、つまり法曹三者に学識経験者を加えた司法協議会すらいまだに成立できない状況であります。やはりこの際、やむを得ずこの法案の成立を強くお願いするほかはない、かように考えております。
○岡沢委員 私は、最高裁と日弁連の断絶と連れますか、不毛の対立の原因が必ずしも最高裁判側だけにあるとは思いません。過日も参考人の御意見の中でも、辻、和島両参考人と伊藤参考人の考えには微妙な食い違いがございましたし、私自身も日弁連の会員の一人ではありますが、必ずしも日弁連、また私の属します大阪弁護士会の公式的な決定にそのまますべて賛同するわけではございません。そういう点で弁護士会側もいろいろ機構上あるいは内部事情の諸問題をかかえておることは十分承知をいたしておりますけれども、われわれが見ました場合に、やはり最高裁のこの法案提出に至るまでの手順と申しますか、そのいきさつにつきましては、裁判官はことあげせずという立場もあろうかと思いますけれども、これは裁判ではございませんので、事務的な処理として裁判の行政事務の方面でございますから、やはり十分な根回し、説得の不足ということは指摘されてもしかたがないのではないか。今後十分そういう面での御配慮を賜わりたい。 たびたび申し上げましたように、私は大阪弁護士会の会員でございます。私の属します大阪弁護士会会員が約千名足らずでございますけれども、二日の間に反対署名が七百四十一名集まりまして、すでに請願として国会に提出されております。私は必ずしも数だけにこだわるべきではないと思いますけれども、一応良識の代弁者的な立場あるいは国民主権で、国民はすべて平等とはいいながら、在野法曹の中核的な方々が、こうして七割以上の方々が二日間に反対署名に立ち上がられるというところには、それだけの理由があるということも、ぜひ、これは大阪だけの例でございますけれども、ごしんしゃくいただきたいと思うわけでございます。 角度を変えてお尋ねしますけれども、この法案の背景には当然訴訟の促進、そしてまた地方裁判所、簡易裁判所間の事件のアンバランス、もちろん物価の変動、社会、経済情勢の変化ということが織り込まれていることは事実であると思いますけれども、やはり簡易裁判所にも、いわゆる大都市、特に東京、大阪のような大都市とそうでない過疎地帯の簡裁との間には、事件のふくそう度につきましても大きな差があろうかと思います。過日和島参考人が、この席で披露されましたように、大阪の簡裁に関します限り、いわゆる即日和解、当然即決和解ともいわれまして、その日のうちに和解が成立すべき事件が、実際には翌月あるいは翌々月にかかるというのが実態でございます。これは、私も私の法律事務所に問い合わせましたところ、事実そうでございました。急ぐ場合は、合意管轄を活用して、わざわざ地方の、たとえば奈良とか和歌山まで行って即日和解するというようなこともあるわけでございます。履行期が一カ月や二カ月でくる事件については、即日和解の用をなしておりません。簡裁が事件をかかえ過ぎておるということが大きな理由だろうと思います。この上にさらに、数字上見ますと、簡裁が六〇%以上の新しい事件をかかえるということになりました場合、事大都市に関する限りは、むしろ簡裁の事件の訴訟遅延ということがさらに顕著になるのではないか。その辺を、最も実務的な面から心配をするわけでございますけれども、人的、物的な用意がなされておるのかどうか、お尋ねいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま岡沢委員から御指摘がございましたとおり、この法案が成立いたしました場合には、約三万五千件弱の事件が地裁から簡裁へ移ることになるわけでございます。それで、パーセントで申し上げますと、簡裁の事件がかなりふえるということになるわけでございます。ただ実際問題といたしましては、簡裁によりまして、確かに岡沢委員御指摘のような、大都会の簡裁と地方の簡裁とでは、負担量もかなり違うわけでございます。そういう点は、先般も中谷委員のお尋ねにあったかと存じますが、東京と松江を比較してのお尋ねがございまして、その際に若干の計数を申し上げたわけでございますが、そういう点、いまこまかい作業をいたしておりまして、岡沢委員のおいでになります大阪等におきましては、これは最もその意味では事件のふくそうしておるところでございます。特に、いま御承知のとおり新庁舎を建設中である関係上、庁舎の施設の点での不備に基づくいろいろな御迷惑をおかけしている点が多いかと存じますけれども、しかし、御承知のとおり、すでにこれは着工いたしておりまして、数年中には完成するわけでございます。そういうことをあわせ含めまして、簡易裁判所の人的、物的な充実ということについては、できる限りの配慮をいたしてまいりたいと考えておりますし、特に職員の適正な配置ということは、これは事件の推移を見まして、早急に実施できるようにすべきことでありますので、いまその作業を進めておりまして、事件がふえる関係で、負担が非常に過重になったり、あるいは事件が遅延することのないように、綿密な計画を進めておる次第でございます。
○岡沢委員 御用意がないはずはないので、そういう抽象的な答弁は当然かと思いますが、具体的に東京や大阪の、たとえば即日和解が、即日の名のごとく、申し立ててその日か、せめて一週間以内に事件処理がされるという見通しがございますか。その用意がございますか、それについての御調査をなさいましたか、お尋ねいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 即決和解の点につきましては、前回もちょっと申し上げましたとおり、三カ月というのは何か相手方が不在その他の特殊なケースでは、あるいはあるかとも存じますが、一般的には私どもの調査では、一月ないし一月半というような報告になっておるわけでございます。これは即日すべきものであることは当然でございますけれども、しかし、それにつきましては、先般来民事局長から詳しく御説明申し上げておりますとおり、出て参りました者が本人であるかどうかを確認するために、やはりもう一度呼び出してやったほうが確実であり、そうでない場合には本人でない者の間に成立してしまって請求異議の起こるおそれがあるということから、これは大阪に限りませず、東京でも実施しておるところでございます。 ただ、その期間の点につきましては、大阪の場合は東京に比べますと、やや長いような感じを受けるわけでございまして、この点につきましては、国会で御指摘を受けました以上、早急に検討いたさなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
○岡沢委員 この法案、改正案が出されました背景には、私から申し上げるまでもなしに、社会、経済情勢の変化に裁判所が対応するという一点があろうかと思いますけれども、それよりも大きな背景としては、訴訟促進といいますか、訴訟の遅延防止対策ということが含まれておろうかと思います。ここで訴訟遅延対策について最高裁判所としてはどういう御用意があるか、特に裁判官不足の問題とも関連し、あるいは単に簡裁の事物管轄だけでなしに、しかも民事の部門だけではなしに、刑事の簡裁のあり方とも含めまして、一般的に訴訟遅延の対策について、民事、刑事を問わず、最高裁としてはどういう方途で改善策を用意しておられるか、お尋ねをいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 訴訟遅延の問題は、きわめて重要な問題でございまして、私ども常時取り組んでおるところでございます。 御承知のとおり、臨時司法制度調査会におきましても、いろいろな意見が出まして、その詳細なレポートが出ておる次第でございます。その際にも指摘されましたとおり、その原因は裁判所側の原因、当事者側の原因、裁判所及び当事者以外の第三者、たとえば証人等の関係の原因、さらには手続上の問題いろいろ多岐にわたるわけでございます。その一つ一つをたんねんに解決し、善処してまいることが訴訟遅延の解消策になろうと思うわけでございます。 で、当事者の側、あるいは証人の方の側、あるいは手続面等のことは一応別といたしまして、裁判所の側の問題といたしましては、何と申しましても人的な問題と物的な問題でございます。すなわち、増員の問題と施設設備の改善の問題であろうと思います。 増員の問題につきましては、当法務委員会で御支援をいただきまして、過去五年間に裁判官約百人、その他の職員約三百五十人の増員が実現しておるわけでございます。 一方、事件の趨勢は、全体としてごらんいただきますと、追加的にお配りいたしました資料でごらんいただきますように、民事は四十四年度は若干減っておりますが、全体的には民事は漸増、刑事は漸減という傾向にあるわけでございます。それから雑事件におきましても、民事は漸増でございますが、たとえば刑事事件は、いわゆる交通反則金の関係等もありまして、激減しておるわけでございます。四百万件ございましたが、百万件程度になっているというような現象もございます。そういう点は、つまりその部門を担当しております職員が余裕ができてきておるということになるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、まず予算定員の増加に努力いたしますとともに、先ほど岡沢委員からも御指摘のございました過疎地帯と過密地帯によりまする配置定員の適正化をはかり、さらに民刑の配置の適正をはかるということ、こういうことがきわめて重要であろうと考えておるわけであります。 物的のほうにつきましては、御承知のとおり営繕関係のほうでは毎年約四十億の経費が計上されまして、逐次庁舎の改善がはかられておりますし、物件等につきましては、御承知の裁判官研究庁費、毎年約一億八千万円が計上、その他能率化器具費の相当な額が計上されまして、漸次改善されつつある、かような状態になっておるわけでございます。 さらにお尋ねがございますれば、ものによりましては御答弁申し上げられるかと思いますが、一応、私どもが現在やっておりますことは、そういうことでございます。
○岡沢委員 いま局長のお答え、決して間違っているとは思いませんけれども、事、いまおっしゃいました物的、人的の中の物的な面につきましては、当委員会でも、たびたび党派を越えまして、裁判所予算の増額については、積極的に意欲を示していただきたい、委員会で予算に反対したこともございませんし、むしろ大蔵省の段階で裁判所は遠慮され過ぎるんじゃないかということをしばしば指摘してまいりました。 われわれは、近代国家の基本が、力にかわる法の支配、いわゆる司法の権威が保たれるということが近代国家の大前提である。防衛予算に金を使うよりも、司法予算が充実し、司法界にあるいは法曹界に人材が集まりまして、国民の信頼を得て、法の支配が徹底するということが、民主主義のあるいは近代国家の大前提、そしてまた、憲法の志向する方向でもあると確信しておるだけに、予算面については、おそらく国会として反対の立場をとったことはないわけでございます。むしろコンピューターの導入、その他近代化あるいは簡素化、合理化等については、裁判所はおくれ過ぎているのではないかという指摘をしばしばしてきたところでございます。そういう面の御努力を今後とも続けていただくことをお願いするとともに、問題は人的な面で、最近の司法研修所を終わります修習生の志望傾向を見ましても、裁判官、検察官の志望が非常に少ないというところも大きな問題ではないか。また、この法案の改正とも結びつきます、いわゆる特任判事の問題が出てまいりますのも、いわゆる法曹資格を持った裁判官志望の人材が集まりにくいというところに大きな理由があろうかと思います。アメリカとの人口対比をするまでもなく、日本の法曹人口、裁判官人口というのは非常に低いわけでございますけれども、どうしてその人的な面での裁判官の充実を期していかれるか、それについての具体的な御用意があるか、お考えをただしたいと思います。
○寺田最高裁判所長官代理者 いま岡沢委員から、法曹人口のお話が出まして、私どもとしても、法曹人口の問題につきましては、常に非常な関心を持ってまいっておるわけでございますが、ただこれは、たとえばアメリカと比較いたしますと、実は弁護士の数が、アメリカと日本では飛躍的に違うわけでございます。裁判官ももとより違いますけれども、しかし、その違う比率は、弁護士のほうがはるかに差が大きいというのが実情でございます。 裁判官につきましては、たとえばイギリスのような国をとってみますると、いわゆる無資格というのは、日本で言うような意味に当たるかどうか、ちょっと疑問がございますからあれでございますが、つまり、いろいろ補助裁判官的なものがイギリスの制度にはあるようでございますので、そういうものをも含めて考えますと、日本のほうが非常に少ないわけでございますけれども、ほんとうの意味での裁判官というのは、実はイギリスではかなり少ないわけで、日本のほうがある意味では比率的に多いという計数も出ておるわけでございます。ただしかしながら、これは制度の立て方が違いますので、私どもとしては、やはりイギリスのような数ではとうていできないと考えておるわけでございます。 具体的な対処方法というお尋ねがございましたが、これにつきましては、やはり裁判所を若い人たちの魅力のある職場にするということについて、今後とも努力をしてまいる。それにつきましては、単に給与の問題だけでなしに、いろいろすべての面にわたって十分に考えてまいらなければならない、かように考えておるわけでございます。
○岡沢委員 この問題は、ほかの機会でも何回か論じた問題でございますが、たとえば一つの方法として、裁判官希望の場合に、任地に拘束される、子弟の教育に支障を来たすというような観点から、私は、昨年か一昨年の法務委員会で、たとえば巡回裁判所的な考え方を採用されてはどうか。簡裁あるいは地裁の支部等につきましては、大阪なり東京なりあるいは仙台なり福岡に裁判官をプールしておきまして、沖繩で現にやっておられますけれども、最近は特に道路事情、交通事情、通信事情がよくなっておりますから、書記官と事務官を常時配置しておくことによって、裁判官は車で順次定期的に回るというような制度の採用、あるいは今国会でも御質問申し上げましたように、前検事総長が検察の立場から、刑事裁判に弁護士を公判立ち会いに参与させる方法の採用というような面も含めまして、新しいアイデア、新しい制度についての意欲がおありかどうか、その辺の見解を聞きます。
○寺田最高裁判所長官代理者 最後にお話のございました、弁護士をもって検察官職務をしていただくという問題については、当面のここでの問題ではないかとも存じますが、実は、先般の国会で、岡沢委員のお尋ねに対して私が若干消極的なことを申し上げましたことは、これはいわばイギリスの制度をそのまま持ってくるというような観点からでは非常に困難であろうという趣旨で申し上げたわけでございまして、その後いろいろな機会に岡沢委員から伺いましたような、現在の準起訴手続を念頭に置いてのお考えであるといたしますれば、これまた先般、私どものほうの佐藤刑事局長から御説明申し上げたように考えておるわけでございます。 一方、巡回裁判そのものの問題につきましては、私どもとしても全く賛成でございます。実は、ある程度はそれを実施しておるわけでございます。ところが、それが実は必ずしもそういう意味に受け取られていない。端的に申し上げますと、いまここで問題になっております簡易裁判所にも、総合配置の庁がございます。これはつまり、二庁をかけ持ちしておりますということは、月水金にある庁に参り、火木土にある庁に参るという、一つの巡回裁判でございます。当然職員その他はおるわけでございますので、事件処理その他は可能なわけでございます。しかしながら、それについてむしろいろいろな御批判がございます。したがいまして、こういうことをさらに推し進めるというか、たとえば地方裁判所の支部、さらには高等裁判所の支部等の支部について推し進めるにつきましては、やはり十分各方面の御意向を伺いながらやってまいらなければならない。もし御賛同を得ますれば、たとえば高裁の支部にいたしましても、そういうことも十分検討に値する問題である、かように考えておるわけでございます。
○岡沢委員 先ほど寺田総務局長の御答弁にちょっとお触れになりましたけれども、私は、日本の現在の経済状態、社会状態を見ました場合に、いわゆる過密・過疎の問題が、特に地方行政の面で大きなウエートを占めてきておるわけでございますが、裁判所の場合も、地裁と簡裁との事物管轄の問題をどうするかという問題以上に、過密地帯、過疎地帯の裁判所の適正な事務分配、人的、物的配置転換ということを、一つの観点から検討されるべきものではないかと思うわけでありますが、これについての御見解を伺います。
○寺田最高裁判所長官代理者 いま岡沢委員のお話の点は、全く御指摘のとおりでございます。私どものほうでは、毎年統計を集計いたしまして、いわゆるコンピューターによりまして各地の事件の事務分量というものを綿密に調べておるわけでございます。それによりまして、事件がどういうふうに都会地にふえ、いわゆるいなかのほうに減っておるかという実情は把握できるわけでございます。ただ問題は、それをもとにいたしまして、適正な定員配置をするという場合に、これはただ紙の上で適正な定員配置をつくるということは比較的容易でございますけれども、むろんそれには具体的な人事が伴うわけでございます。同時にまた、一度減りましてもまたふえるということもあり得るわけで、ある程度の恒常性を持たせる必要がある。つまり、事件の推移におくれないようについていくとともに、あまり朝令暮改にならないという二つの要素が定員配置にはあろうと思います。そういう点をにらみ合わせながら、大体二年ないし三年に一度ずつ大きな配置定員の変更をいたすわけでございますが、それがともすれば、事件の増減に十分に追随できない。そのために、大都会のほうにやや忙しさの期間が長く続く、こういう現象が起こりかねないわけでございまして、こういう点をさらに今後もう少しいろいろくふうをしてやってまいりたい。同時にまた、いろいろ裁判所の中における地裁と簡裁、あるいは民刑その他いろいろ各部の負担の調整ということも十分検討しなければならない問題であろう、そういうふうに考えておるわけでございます。
○岡沢委員 この法案の中身の事物管轄が裁判所、弁護士会の間に協議されました場合に、たしかテーマは、第一審裁判所のあり方ということが公式的なテーマだったと思います。そういう観点から、この第一審裁判所のあり方、地裁、簡裁ともに含まれるということはもちろんだと思いますけれども、特に地裁民事部の強化について具体的にどういう御用意があるかということと、あわせまして、簡裁の刑事の管轄といいますか、取り扱う範囲について、これは今後の協議事項かもしれませんし、この際明らかにしていただくことは困難かもしれませんが、一応最高裁としては、地裁と簡裁との事件の割り振りにつきまして、刑事の面ではどういう御抱負をお持ちか、お尋ねいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 この法案の実施に伴います民事部の増強の問題でございますが、まず第一次的には、現在私どもとしては全部どこも忙しいことには違いありませんけれども、しかし高裁、地裁、簡裁と比較いたしますれば、簡裁が地裁、高裁に比べればやや余裕があるという認識でございまして、負担件数の面でもそれがあらわれているわけでございます。したがいまして、その限りにおきましては、直ちにそう大きな変更を加える必要はないのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただし、各地方によりましては、やはり若干の定員の配置の変更をする必要があるところもあろう、いまこういうような見通しでございます。同時に、地裁の民事部のほうは事件がかなり減少いたしますので、従来の非常に過重な負担というものがある程度調整されてまいる、かようなふうに考えておるわけでございます。その辺は、いつの法改正の場合にも一応推定件数は出しますけれども、必ずしもそのとおりに推移はいたしません。これは合意管轄とか応訴管轄などもございますので、実際に実施をいたしました上で、その推移を見ながらということにいたしたいと考えておるわけでございます。 それから、なお刑事の関係でございますが、これはまだここで私どもとしての意見を申し上げるのはあるいは早いかとも存じますが、日弁連との連絡協議の席に提出いたしました案はあるわけでございます。これは一応のたたき台としての案と考えておるわけでございまして、基本的にはやはり軽微、簡易な事件は簡易裁判所で、複雑、重要な事件は地方裁判所でという原則を維持すべきである。それについては一応罪名というものが相当大きな基準になりますけれども、罪名だけで直ちに複雑、困難であり、軽微であるということをきめるのは適当でない面もあるのではないか。もう少しほかの要素も加える必要があるのではないか。そういう面では特に刑事の場合において、地方裁判所から簡易裁判所の管轄に移すべきものもあると同時に、簡易裁判所の専属管轄とされているものの中にも、地方裁判所で処理するのを適当とするものがあるのではないか、こういう立場から一つのたたき台としての試案を弁護士会にお目にかけたわけでございます。ただし、この点は非常に重要な問題でございますし、弁護士会のほうでもいろいろ御反対があるということを伺いましたので、さらに十分私どものほうでも練り、御意見を伺いながら検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○岡沢委員 この法案は、簡裁の事物管轄だけが一応テーマになっておるわけでございますけれども、国民の立場からいたしました場合に、りっぱな裁判官によって安心できる裁判が迅速に実現されるということが、最大の希望であり期待であろうと思うのです。そういう点から、ぜひこの簡裁の事物管轄ということと結びつけまして、簡裁の刑事の問題も含め、地裁との関係、あるいは民事、刑事、横の関係、そして過密地帯、過疎地帯、いわゆる大都市と非常にひまな簡裁との配置転換、これは簡裁だけじゃございません、地裁、高裁も含めまして適正な人的、物的配置、いわゆる縦横両面の角度から、ぜひ国民の側から見て最も希望に即するような裁判所のあり方を実現していただきたい。 法曹の世界では、先輩の方々を前にして言いにくいわけでございますけれども、どうしても裁判所の場合、昨年大学紛争で大学がやり玉に上がりましたと同じような意味で、非常に封建的なあるいは保守的な色彩が強い。また、それはそれなりの必要性も意義もあろうかと思いますけれども、やはり近代国家にふさわしい近代裁判所のあり方について、意欲的な制度改革に取り組んでいただきたいということを指摘したいと思います。 ここで、この委員会でもすでに何回か問題になりましたように、三十万円に拡張されますことによって、特に不動産事件等を通じまして、訴額が三十万円以内であって実質価値がはるかにそれを上回るという、訴訟物の価額と実際の価値との違いから、食い違う事件の処理が特任判事の多い簡裁で行なわれることに対する心配ということが一点ございますし、いわゆる形式的な訴額だけで実質的に非常に複雑な事件が簡裁に係属することによって、国民の期待に反するような裁判が行なわれるということに対する懸念の問題がございます。この辺の配慮といいますか、この辺の対策、まあ民事訴訟法のいわゆる裁量移送の活用ということを御答弁としてはたびたび触れておられますけれども、民事訴訟法の裁量移送の活用によってこれが防げるかどうか。正直申しまして、裁判官の裁量によって地裁に移すという場合に、それを多く良心的にやる裁判官は、逆に自分が簡裁で裁判をする能力がないという評価を受けないだろうかというような心配もされるわけだ。むしろ能力のない人こそかえって事件をかかえ込んでしまうということもあり得るのではないか。この辺で民事訴訟法の改正の必要がないかどうか、お尋ねいたします。
○矢口最高裁判所長官代理者 岡沢委員のお尋ねの点はまことにごもっともでございます。裁判官として裁判をやるにつきましては、いま御指摘のようなことがあってはならない。自分の気持ちとか、人からどう思われるかというようなことから判断をどうこうしてはいけないというものではございますけれども、人間の、自然人の気持ちとして、そのように移送した場合には、人からあれはできないというふうに思われはしないかというような配慮と申しますか、一歩譲った気持ちがそこに働かないということは申しがたいわけでございます。しかし、本来といたしましては、このようなことはあってはいけないことで、現に第一審の事件の管轄の配分ということにつきましては、訴訟法も元来特則を設けておりまして、地方裁判所に簡裁管轄の事件が提起されました場合には、本来ならば移送すべきである事件であっても、地方裁判所が相当と認めるときにはそのままやってもよろしいという規定がございます。また、簡易裁判所本来の事件が簡易裁判所に提起されました場合でも、簡易裁判所の裁判官が、これは地方裁判所でやるべきであるというふうに客観的に考える場合には、これを地方裁判所に送るべきであるということを規定しておるわけでございます。私どもはこの点につきましては、今回の改正法案が成立いたすというような場合を考えてみますと、この運用はますます重要性を加えてくるのではないかというふうに考えております。 そこで、いま御指摘がございましたようなことのないように、この条文の本来の趣旨を会同、研修その他あらゆる機会に裁判官に徹底いたしまして、また受付の事務をいたします裁判所職員等にも、受付の事務の関係においていささかもこの条文の精神に反するような取り扱いをしないように十分に指導し、ともに研究いたしていきたい、このような覚悟でおるわけでございます。
○岡沢委員 もう一度民事局長にお尋ねしたいのですけれども、たとえば当事者の双方が地裁の裁判を希望した場合に、いわゆる合意によって本来三十万以下の事件であっても地裁に移す、いわゆる裁判所の職権による判断を無視してでも当然に移送という方向への制度の改正という点はお考えにならないのでございますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 一審の裁判所には元来合意管轄の規定がございまして、あらかじめ双方が合意いたしております場合には、地方裁判所、簡易裁判所、自由にその管轄を選ぶことができるということに相なっておるわけでございます。ただお尋ねの件は、一たん訴訟が簡易裁判所なら簡易裁判所に出まして、その後当事者がこれを地方裁判所に移送してほしいということで一致して申し立てをした場合に関するわけでございます。私どもこのような場合には当事者の気持ちを尊重いたしまして、また移送の規定もございますので、その精神を尊重いたしまして、運用といたしましても当然このような扱いが原則としてなされてしかるべきものではないかというふうに考えております。 お尋ねの件、私ども、運用としても十分やっていけるのではないかというふうに現在のところは考えておるわけでございます。立法ということになりますと、これは運用の成果を見まして、なお法務省当局とも御相談申し上げなければいけないことでございます。とりあえずの問題といたしましては、運用で十分まかなっていけるのではないか、このように考えておるわけでございます。
○岡沢委員 これからお尋ねする問題は、おそらくすでに同僚委員から質問のあったことだと思いますけれども、今度の改正に関連してやはり問題点の一つだと思いますので、党の立場からお尋ねするわけでございます。 今度の改正によりまして、事物管轄が拡張されました場合に、上告審が高等裁判所になりまして、最高裁判所で裁判を受ける権利が奪われる事件が相当数生ずるわけでございます。民事の場合は、過半数当面はそれに該当するわけでありますが、それによって判例の不統一あるいはいわゆる最高裁での裁判を受ける権利を奪われるという点に対する是正方法について、民事訴訟法の改正あるいは現行法の活用等と関連して、どういう御用意があるか、お尋ねいたします。
○矢口最高裁判所長官代理者 簡易裁判所、一審の事件が上告された場合に、高等裁判所が処理いたすのが現行法のたてまえでございます。ただ、判例の不統一問題を防ぎますために、民事訴訟法は、四百六条ノ二に規定を設けております。高等裁判所は、判断するにあたりまして、その意見が高等裁判所あるいは最高裁判所のこれまでの判例と違うというような場合には、事件の審理を最高裁判所に移送することを規定して、判例の不統一を防ぐたてまえをとっておるわけでございます。 これまでの運用におきましても、その例は、少のうはございますけれども、数件の例があるわけでございまして、現に、非常に重要な実務上の問題が、高等裁判所からの移送によって現在最高裁判所で審理されておるということもあるわけでございます。私どもは、その裁判例の結果がどのようになるかということを刮目して待っておる、このような事件もあるわけでございます。 その他の事件におきまして、これまで二十数年の運用がございますけれども、私ども、運用の実情といたしまして、この規定が十分に運用されなかった結果、高等裁判所の判例が最高裁判所の判例に抵触したというような困った例をいまだ聞かないと申し上げても過言ではないと思うわけであります。判例の統一という面から見てまいります場合、この四百六条ノ二の規定は、今後ますます活用されることには相なるかとは存じますが、この規定の活用によって十分に判例の不統一の結果を防止することはできるもの、このように考えておる次第でございます。
○岡沢委員 弁護士会がこの法案に反対される大きな理由の中に、簡裁における特任判事の方々の質の問題、あるいはその量の問題、あるいは法曹資格の問題等々が結びついていることは言うまでもございません。 そこで、私は必ずしも、その特任判事のすべての方が無能力者であり、また裁判官に値しない能力の持ち主だとは考えておりません。特任判事の中にも優秀な、素質的にも、能力的にも、人格的にもりっぱな方がおられることはもちろんでございますけれども、しかし、一般の傾向として、実際実務に当たる弁護士の体験からいたしまして、特任判事の方にやはり問題点の多い方がおられることも、これは否定できない事実であります。そういう点から見まして、いわゆる特任判事の方、あるいは、一般に判事あるいは判事補の再教育と申しますか、非常に失礼でございますけれども、法律もどんどん変わりますし、時代も経済的に社会的に急激な変化をしておるわけでございます。十年前、二十年前の大学あるいは研修所における勉学がそのまま用を足すとは思いません。もちろん個人的には、判例研究あるいは学説の研究等を通じて努力されておることは否定はいたしませんし、また当然だと思いますけれども、やはり裁判所としても、定期的に再教育といいますか再訓練と申しますか——たびたび裁判官会同等を催されておることも承知はいたしますけれども、しかし、まだまだ時代に対応した国民の期待に即応できるような裁判体制ができ上がっているとは考えられない面がございます。一方で、この委員会でも問題になりましたような、民事上では公害の問題、あるいは刑事上も公害罪の問題、あるいは近く法案が提出されようといたしておりますような航空機強奪罪等の、新しい時代の流れに即応した法律的な解釈あるいは立法というものが当然要求されておりますし、また実際、具体的な事件として裁判官はその解決に当たっていただかなければならない立場におられるわけでありますが、そういういわば裁判官の教育の問題について、どういう御用意があるか、お尋ねいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 一応私から御説明申し上げたいと思いますが、いまのお話の中で特にいわゆる特任簡裁判事につきましては、新任後研修所で約三カ月、十分な研修と申しますか研究をさせることにいたしておるわけでございます。そして、その後もう直ちに小さな裁判所で独立の勤務をするような方法はとりませんで、比較的大きな簡易裁判所で勤務をして、同僚その他とある程度意見も戦わしながら、つまり勉強していく、そういう機会を与えるようにいたしておるわけでございます。そういう特別な配慮をいたしますが、一般問題といたしましては、御承知のとおり、司法研修所でいろいろな実務研究あるいは司法研究等もございますし、それから裁判官の会同は、これは大体中央会同の場合には新聞にも出ますのでよく御存じのことと思いますけれども、年に相当多い回数、全国的な会同をいたしておりますほかに、高裁管内のブロックの会同もいたしておりますし、さらには地方裁判所単位の会同なり研究なりもいたしておるわけでございまして、戦前と比較するということは妥当でないかもしれませんけれども、戦前などと比較いたしますと、けた違いの機会が与えられておるわけでございます。しかし、私どもとして、むろんこれで十分とは考えておりませんので、今後とも一そうその増強に努力してまいりたい、かように考えるわけでございます。
○岡沢委員 私の実務体験からいたしましても、いわゆる特任判事の中で、その選考が問題でございますけれども、裁判所事務官、書記官の方にも非常に有能な、研修所出身とちっとも変わらないくらいの能力の持ち主もおられますけれども、しかし、この特任の採用の場合に、往々にして、たとえば事務局長の経験者、これは地裁の所長さんなり高裁の長官と非常に接する機会が多いということから、いわゆる論功行賞的な人情が入った採用がなされる。御本人が希望されるのであるかもしれませんけれども、結果的には裁判実務を全くこなし得ない方もあることは事実のような体験がございます。そういう点で、やはり特任判事の採用について、私は将来を考えました場合、裁判所の訴訟の促進の面からいたしましても、これは単に裁判官だけの問題ではなしに、優秀なスタッフとしての書記官、事務官に人を得るということの大切な面を考えました場合、この特任制度の活用ということに必ずしも反対ではございませんけれども、その乱用の結果、国民の裁判への信頼を裏切らせる、あるいは逆に訴訟遅延を来たすというようなことのないような配慮が必要だと思いますけれども、この辺についての見解を聞きます。
○寺田最高裁判所長官代理者 先ほど岡沢委員からお話しのございました、国民のために、りっぱな裁判官によって安心できる裁判を迅速にしなければならないという点は、私どもとしても最も熱望しているところでございます。いま特任簡裁判事のお話が出ましたけれども、これは確かに、発足の初期に、多くの人を獲得しようという目的から、選考の基準が十分でなかった面もあったかと存じますけれども、最近におきましては、相当厳格な選考をいたしておるわけでございまして、実は裁判所の職員の間では、どうも司法試験よりむずかしいような試験でやられるのではないかというようなことを言う向きさえあるように聞くわけでございます。しかし、そこまで言いましては、むろん私どもとしても口が過ぎると考えておりますけれども、弁護士会の代表の方あるいは法務省、検察官の代表の方もお入りになった委員会でもって選考を実施しておるわけでございまして、その点につきましては、従来も、少なくともここ十数年は、かなり厳格にやってまいっておりますが、なおその点につきましては十分な配慮をいたしたい、かように考えるわけでございます。
○岡沢委員 簡裁の本質論等の基本的な課題もございます。これはぜひとも今後とも日弁連とも十分協議を重ねていただき、国民の立場から見た簡裁のあり方、特に戦後アメリカの制度が土壌の違う日本に直輸入された結果としての再検討すべき時期がちょうどいまではないかと考えますだけに、抜本的なあるいは白紙に戻った立場からの簡裁のあり方あるいは地裁のあり方をぜひ御検討をいただきたいと思います。 今度の法案の改正によってやはり具体的に一番心配なのは、簡裁の、特に大都市簡裁の負担の過重によって、訴訟促進とは逆の効果が一面実務面では出てこないか、あるいは一部の簡裁の判事をはじめとして職員の方々に過重負担がもたらされるという心配が直接のものでございます。先ほど配置転換その他で十分配慮するということがございました。しかし、現実には裁判官の不足はおおうべくもございませんし、内部の操作で簡単にまかなえる問題とも思えません。法案が通りまして施行されましたら、特にそのときから事件の数は移動するわけでございますけれども、裁判官の異動につきましては、先ほど局長が御答弁になりましたように、非常にむずかしい状況の問題、あるいは子弟の教育の問題等がございまして、簡単にはいかないと思うのです。実際にそれには対応できるかどうか非常に心配なわけでございまして、一片の当委員会における答弁だけではなしに、実際に最高裁としての事件の多寡に対応する適切な対策の用意をいまから——もうすでに始めていただいておると思いますけれども、物的、人的に整備していただくことが最大の急務だと思います。もう少し具体的に何かこの面についての御用意がありましたら、たとえば民事、刑事の裁判官の内部での配置転換あるいは地裁、簡裁、先ほど申しました過疎地帯と過密地帯との異動等につきまして、定期異動の時期は過ぎているようでございますけれども、そういう面につきましてもやはり何か用意があるのか。単に法案を通すためにそれに対処したいという抽象論では納得できないものがあるような感じがいたしますので、重ねてお尋ねいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 実は岡沢委員のおひざもとでございます大阪の裁判所につきましても、この法律の施行後民事についてどの程度必要になり、刑事について交通事件の関係で若干の余裕ができるという点については、これは計数は持っておるわけでございますけれども、ただ私どもこの委員会で御報告申し上げました場合に、さらに職員等に対する問題等もございますので、この点はひとつ十分最高裁判所を信頼いただきまして、御趣旨を体しまして善処するということで御了承をいただきたいと考えるわけでございます。
○岡沢委員 そうしますと、私も抽象的にお聞きいたしますけれども、具体的には東京、大阪、名古屋あるいは福岡等の簡裁で、現在の簡裁の訴訟遅延の状態よりも悪化することはないと解してよろしゅうございますか。
○寺田最高裁判所長官代理者 その御趣旨に沿って善処いたしたいと思います。
○岡沢委員 重ねてお尋ねします。 裁判官の具体的な補充といいますか人員を増加する問題について、これはほんとうに真剣に考えないと、単なる事務分配あるいは行政機構の合理化、簡素化、能率化だけでは済まされないものがあると思うわけです。魅力ある職種にしたいという抽象的な御答弁がございました。たとえば司法試験の採用人員をふやすとか、民間の法曹あるいは大学教授等を裁判官に迎えるについて、やはり特別の用意がなければ、抽象論では解決できないし、実際問題として、私は先ほども申し上げましたように、信頼される裁判官あるいは裁判制度、司法の優位といいますか法の優位こそ新しい近代国家に要求される最も正しい道だ。国会の面あるいは政治の面におきましても、予算を外交、防衛で全く使うなという意味ではございませんけれども、その面に使う金をもし有効に司法制度あるいは内政面の充実に使うことのほうが、よほど国際的に見て平和、あるいはまた国内的に見て国民のしあわせに通ずると信ずるだけに、やはり具体的な御用意をしてもらわなければ、抽象論としてはもう論議を重ね過ぎた感じがございます。いまは実行の段階であると思いますので、具体的な裁判官の充実あるいは裁判機構の合理化、近代化についての構想があればお聞かせいただきたい。 特に最後に、これで終わりたいと思いますが、先ほど申しましたように、公害、交通災害あるいは新しい傷害事件、特許、従来の裁判所で扱っていただきますケースに比しまして、性格的にあるいはまた内容的にだいぶ日本の近代化に対応して新しい面での訴訟事件というのがいわば続発すると言うと語弊がございますけれども、大きなウエートを占める時期に来ておると思いますだけに、そういう面に対する最高裁としての御用意があるかどうか。これは事件が起こってすぐといっても間に合いません。そこで、裁判をしていただく裁判官にそれだけの素養を持っていただく、あるいは理解を持っていただくためには、かなり事前の先手を打った御用意が必要じゃないか。事件が起こってから裁判官に勉強していただく、あるいは国会の場合に、問題が起こってから公害罪の創設を急速あわててやる、あるいはまた民事上の場合、刑事上の場合、ともに国会としても、今度の乗っ取り事件あるいは公害等を通じまして、いわば非常にその場的な立法がなされる心配があるわけでございます。これはそのことが悪いのだというよりも、われわれの事前の用意が後手に回ったという指摘を受けてもこれはしかたがない、国民から非難を受けてもしかたがないと思うだけに、やはり最高裁としても、これは事件を待っていただく立場でありますけれども、事件が起こったときにすぐに対応できる機構上のあるいは法制上の人的な用意が必要だと思うわけでございますが、その辺の対応策をお尋ねいたします。
○寺田最高裁判所長官代理者 法曹人口の増加の問題は、私どもも熱望するところでございますが、先年最高裁判所で開かれました司法修習運営諮問委員会では、むしろ弁護士会側のほうがやや消極的な御意向のような印象を受けたわけでございます。その点につきましても、今後法曹三者が十分話し合って進めてまいらなければならぬ課題であると考えておるわけでございます。その中における裁判官の増加の問題は直接私どもの問題でございまして、毎年数名ずつの増員が実現いたしておりまして、本年も判事補二十名、簡裁判事は五人でございますが、そういう増員が実現したわけでございます。一挙に多い数の増員というのは御承知のとおりのいろいろな事情でむずかしゅうございますが、何度も繰り返して申し上げましたように、五年間で百十名ばかりの増員ということでこの線を今後推し進めてまいりたい、かように考えるわけでございます。 それから新しい時代に即応した新知識の採用の問題も、たびたびお尋ねを受けた問題でございますが、研修所におきまして十分そういう問題に配慮いたしますとともに、特に御承知の司法研究というものが若い裁判官、中年くらいの裁判官で行なわれるわけでございますが、そういうところの課題に取り上げまして、そこで詳細なレポートでもつくっていただく、そういうことを通じまして一般の裁判官の勉強のかてにしたい、かような考えでおるわけでございます。
○岡沢委員 終わります。
○高橋委員長 沖本君。
○沖本委員 私に許されました時間は五分ほどしかございませんので、五分間で全部を言い尽くせることはないわけであります。一応いままでの御質問は、ほとんど弁護士資格をお持ちの方々の専門的な御質問でありまして、私はしろうとの立場から、あるいはまた一国民としての立場から、いままでいろいろ論議されました中でどうしても疑問になっておる点を、質問も重なり御答弁も重なると思いますけれども、どうしても国民の立場からこの問題を詰めてみたい、こう考えますのでお答え願いたいと思います。 いま岡沢先生が御質問になったことに重なるわけでございますが、この法案は経済の変動に応じた処置をとるというものであるということでございますが、簡易裁判所は従前より訴訟の目的の価額の高い事件を取り扱う、こういうことになるわけでございます。そこで、ただいまの御質問がありましたとおり、簡易裁判所の判事さんの法曹資格を有する方のほかに特別に任命された方があるわけですが、その判事さんについてはいまもやりとりのあったとおり、資格能力の向上ということがどうしても大事である。これはまた私が単に事件を持って簡裁へ行った体験の中からもそういうことがいろいろ言えるわけでございますが、その資格をお持ちの方と特別任命された判事さんとの数の比率はどの程度現在あって、そしていま岡沢先生の御質問に重ねて申し上げるようですけれども、その能力の向上について具体的に今後どういうふうな処置をお講じになるかという点をもう少し詰めて、国民が納得できるようなお答えぶりをしていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○寺田最高裁判所長官代理者 簡易裁判所の中でいわゆる法曹資格を有します者が約四七%、有しません、いわゆる特任選考判事が五三%ということでございます。 それから、特任選考判事の資質の向上ということでございますが、先ほど岡沢委員のお尋ねに対してもお答えいたしましたとおり、最近は選考が相当厳格に実施されておるというふうに私どもとしては考えておるわけでございますが、当委員会の御審議を通じまして、さらには弁護士会方面からもいろいろ御批判もございましたので、選考委員会のほうに十分その趣旨を伝えることにいたしたい、かように考えるわけでございます。 それから、次に研修の問題でございますが、その具体的内容は先ほど岡沢委員のお話に対して申し上げたとおりでございます。今後は研修の強化もさることながら会同をもう少し増加するというようなことにつきまして、予算的措置もつけて十分な検討を加えてまいりたいと考えております。現在の、先ほど申し上げましたように、中央の会同、それから高裁管内のいわゆるブロック会同、地裁別の会同あるいは研究会等あるわけでございますが、高裁管内のブロック会同には大体簡易裁判所裁判官の三分の一程度は出席することになっておりますし、特にできる限り選考裁判官をその会同に出席させるようにいたしておりますので、おおむね一年ないし一年半に一度は出席できる勘定になろうかと思います。そういう点につきましても、今後も一そう配慮を加えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 それから、なお定年退官判事はいわゆる法曹有資格の裁判官でございまして、定年退官裁判官ができる限り簡裁判事として再就任していただくということについて努力を重ねたい、かように考えるわけでございます。
○沖本委員 さらに詰めたいのですが、時間がありませんから次に移らしていただきます。 この法律が実施されますと、相当量の事件が地裁から簡裁に移されるということになります。これに対しまして、やはり一番問題は、先ほども御質問がございましたとおりに、簡裁での人員及び物的設備が十分でない、これはもう明らかでございます。これはいままでたびたびこの点の御指摘があったわけでございますが、こういうことで事件の処理に対しまして支障が起きないようにしなければならない。現在では支障が起きてくるということが当然予想されるわけです。これを充実して強化していくのが一番最大の急務である、こういうふうに考えるわけでございますが、その点に関しまして具体的にどういうふうにしてこれを解決していくか、この具体的な案についてお答えを願いたいと思います。
○寺田最高裁判所長官代理者 人的な面につきましては、先ほど岡沢委員の御意見に対して詳細に申し上げましたので、時間の関係上省略さしていただきたいと思いますが、物的な面におきまして、まず営繕関係につきましては、詳細なことは時間がございますれば経理局長から御報告するわけでございますけれども、時間の関係もございますので私から大まかに申し上げます。独立簡裁におきましては、かなりの程度で改築が進んでおるわけでございます。さらにいわゆる総合庁舎の面におきましても、地方裁判所の本庁は全部完成または改築に着手しておるわけでございまして、ここ一、二年の間にはすべて完成するということになるわけでございます。 なお、先般も御報告申し上げましたいわゆる研究庁費に基づきます物件あるいは図書の整備という点も、第一次五カ年計画が終わりまして、昭和四十五年度から第二次五カ年計画に入りますと、乙号支部簡裁のほうに振り向けるということになっておりますので、簡易裁判所百庁をこえるところにおきまして、まず相当程度の改善が加えられ、逐次それが他の庁に及んでまいる、かように考えておるわけであります。
○沖本委員 まだ備えていただかなければならない問題なんかでいろいろ御質問があるのですが、時間がありませんから次々と問題点だけ御指摘したいと思います。 先ほども御質問があったわけですが、この法律でいわゆる訴訟価額の高い事件が簡裁のほうで処理されるようになってまいります。そのために処理の困難な事件も含まれてき、たびたび話がありました不動産等で、実際の取引価額が高いのに固定資産税の評価では価額が低い、こういうようなものもだんだん事件が来るようになってまいります。こういうことになると、地裁で処理するものがだんだんこちらのほうに移っていく。こういうことになってきて、その間に非常な危惧が起きてくる。岡沢先生もそういう点を御指摘になっておったわけですが、こういう点で地裁と簡裁と相互でどういうふうに公平に国民の権利を守っていただけるか、非常に危惧されるわけです。この点もう少し具体的な関係について、その処理の方法をお答え願いたいと思います。
○矢口最高裁判所長官代理者 先ほど岡沢委員の御質問に対してもお答え申し上げましたように、一審の裁判所といたしましての地方裁判所と簡易裁判所は本来の職分があるわけでございます。簡易裁判所におきましては、その管轄に属する事件でございましても、これが地方裁判所において慎重に審理することが相当であるというふうに考える場合には、これを地方裁判所に送るということになっておるわけでございます。また地方裁判所におきましても、本来簡易裁判所の事件でも、その事案の内容によりまして、複雑困難であると思われるときには、これを地方裁判所でそのまま審理するということになっておるわけでございます。その複雑困難な事件の例示といたしまして、いま沖本委員からお話しのございましたように、不動産事件等は一つの一般的に申しまして適例ではないかと思うわけでございます。境界確定の訴え等も、これは場合によりましては、訴訟価額そのものとしては非常に安いものもあるであろうと存ぜられますけれども、その内容がきわめて複雑な場合が多いということも、私どもの間ではいわば常識的な問題であるわけでございます。このような事件をどのようにして適正に処理するかということに相なりますと、結局はその訴訟物の価額ということと関係なく、むずかしいものはむずかしいように地方裁判所で処理するということで、先ほども御説明申し上げましたように、三十条の二項の規定でございますとかあるいは三十一条ノ二の規定というものを十分に活用していく。その間に裁判官が、これを移送したりこれを自分のところでやったりすることが事件を多くするとかあるいは自分が能力がないと思われるというような、そんなことから判断を左右されることがいささかもあってはならない。これは裁判官の心がまえとして今後十分考えていくということを私申し上げた次第であるわけでございます。 なお、不動産事件等で、現在その訴訟物の価額できまるわけでございますが、その訴訟物の価額のメルクマールといたしまして、固定資産税評価額というものをとっておるわけでございます。しかし、一般の例といたしましては、固定資産税評価額が一般の取引価額よりもややともすれば低い場合があるということも、これはいわば公知の事実であるわけでございます。その場合、私どもは決して固定資産税評価額を固執するものではございませんで、あくまで取引価額によって、これが三十万円以上であれば当然地方裁判所でやる、このような扱いをしていただくこと、もちろん異論はないわけでございます。そういった点も、これは窓口事務のほうに徹底いたしまして、遺憾なきを期したい、このように考えております。
○沖本委員 ただいままでに申し上げました問題につきましても、数々いろいろ当委員会で指摘された問題でございますし、非常に摩擦を起こしたり、また不安定の問題、こういうものに対しては、できるだけ早い時期に法律を改正するような方向に持っていっていただきたい、こういうことを要望したいわけでございます。 さらに法務大臣に、時間がありませんので、お願いしたいわけでございますが、きょうは、ずっとせんだってから日本弁護士連合会からの参考人の方もお越しになって、御意見も十分お述べになったわけでございますが、ちょうどこれを機会にして、裁判所側あるいは弁護士会側の意見の疎通をはかられなかったりあるいは対立関係になったり、こういうことはわれわれ国民としては一番心配な問題である、こういうふうに考えるわけでございます。そういうところで、国民の権利を守るという立場に立っていただきまして、ちょうどこれが機会でございますから、こういう立場に立ちながら、相互の御関係を深めていただく、あるいは法務省も入って、三者でいろいろと協力をしていただく、あるいは学識経験者の方々もお入りになっていただいて、スムーズな協力関係が得られて、弁護士会からも有能な方々が幹事さんにどんどん出ていただけるような機会もどんどんつくっていただきたい、こういう道を開いていただきたい、こういうふうに私は希望したいわけでございます。こういう点について、法務大臣は、今後こういう問題についてどういうふうな形でこの問題を開いていただけるか、御所信を承りたいと思います。
○小林国務大臣 今回のこの法律案につきまして、最高裁判所側とあるいは弁護士会側と十分な了解が得られなかったということは、私は非常に残念に存じます。しかし、何と申しましても、法律の運用というものは、法曹三者の協調、協力の上に成り立つものでございますから、今後、お話しのように三者ともひとつ十分な意思の連絡が円滑にいくように、こういうふうにみんながひとつ反省の上で努力をいたさなければならぬと思うのでありますし、ことに最高裁当局に対しましても、今後の問題として十分ひとつ弁護士会側とも円満な協調のできるように御努力を願いたい。また法務省もそのつもりで、ひとつその努力をいたすということを、特にこの際私、発言をいたしておきます。
○沖本委員 まだあるわけですけれども、時間も越えましたから、次の機会に譲ります。
○高橋委員長 松本善明君。 沖本君が少し時間をオーバーしましたので、松本さんは時間オーバーの常習者ですから、この際なるべくひとつ約束の時間内で済ましていただきます。
○松本(善)委員 裁判所にお伺いしたいと思いますが、この法案がもし成立いたしましたときに、簡易裁判所に非常に事務量がふえて、これが一応戦前の区裁判所としての性格を持つようにさらになっていくということを、法曹関係者一様に心配しておるわけでありますが、この点について民事訴訟法第三十条の二項や三十一条ノ二を活用すればこの問題は解決をするかのような意見もあります。しかし、この点については実際は、この管轄の問題というのは訴訟当事者にとっては切実な利害にも結びつくわけであります。一方の当事者が移送を求めた場合に、片方の当事者が反対というようなことが非常に多くあるわけであります。この三十条の二項あるいは三十一条ノ二を活用することによって、この裁判所の事務量の問題を解決をするというようなことが、私は実際問題としてはできないことではないかというふうに考えますが、この点についての最高裁のお考えをお聞きしたいと思います。
○寺田最高裁判所長官代理者 私どもは、この規定はあくまで複雑な事件は地裁で、簡単な事件は簡裁でという趣旨でございまして、それによって事務量をどうするかということを考えておりません。ただ、結果において事務量が変動いたしますれば、それに伴う措置を講ずる、こういうことでございます。
○松本(善)委員 そうすると、結局、この活用によってこの法案の結果生まれてくる事態を変えるということに非常に有効であるというふうには、裁判所も考えてはいないということでありますか。
○寺田最高裁判所長官代理者 必ずしもそうではございません。これはその事件事件によってきまることでございますから、実施の成果を見るほかはない、かように考えるわけでございます。
○松本(善)委員 私の言いますのは、当事者の意向をもちろんこういう点については尊重しなければなりませんから、この簡裁への大量の事件の移転ということを解決するにはあまり役に立たぬのじゃないか、こういうふうに言っておるわけですけれども、その点についてのはっきりしたお考えを聞きたいわけであります。
○寺田最高裁判所長官代理者 私は、国民なり当事者が簡易裁判所を避けて地方裁判所にのみいこうとすべて考えておられるとは考えておらないわけでございます。もしそういうことであれば、合意管轄が成立するわけでございます。したがいまして、実際に複雑困難な事件が移送が行なわれるということがございますれば、その程度において事務量の変化を生ずる、かように考えるわけでございまして、これを活用することによって十万から三十万円までの事件がほとんど地裁のほうにいってしまう、かようには考えていないわけでございます。
○松本(善)委員 そうすると、実際はこの法案が通過をすることによって生ずる簡易裁判所の事務量の増加ということについては、これはこの活用によっては解決するということはそう期待できないということを、裁判所もお認めになったということにならざるを得ないというふうに思います。 それから法務大臣にお聞きしたいのでありますが、この問題はどうしても、弁護士会の意見もそうでありますけれども、一審裁判所としての地裁を強化をする、そこの人的、物的施設の充実をはかる、そのことによって解決をするべきだということであります。このことについて異論のあるべきはずもないことであります。ところが、これについては前回の質疑の中でも明らかにいたしましたけれども、政府といたしましても、ここ数年裁判所の人的、物的施設の増加についてはほとんど変わらない。毎回毎回これではだめだということが言われておりながらも、ほとんどこの増加については努力をしていない、そういう結果がいろいろのひずみを生じておるわけでありますけれども、この点について法務大臣はどのように具体的に、これは来年度の裁判所職員定員法が論議をされるころになって議論をしていたのでは、これはとうていまた同じことになるに違いないと思います。現在からこの問題について考えなければならないはずでございますが、その点についての法務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○小林国務大臣 これは前回も申し上げましたが、ことしの職員の増加もほかの官庁に比べれば相当よく見てある、こういうことでございますが、特に今回この法案の審議につきまして強い御希望、御要望がありましたので、政府としても特に次の予算、また予算の前にこういうことも十分にひとつ協議をして、そうしてお話しのようなことが少しでも前進できるようにいたしたい、かように考えております。
○松本(善)委員 最高裁判所としてこの問題についての現在からのお考えをお聞きしたいと思います。
○岸最高裁判所長官代理者 これまで何回かの機会にその点に触れた御質問がありまして、お答えいたしましたが、裁判所の物的施設の充実、人的機構の充実、そういう点については今後ともわれわれといたしましても十分に努力を尽くしたいと思っております。
○松本(善)委員 特任判事の問題について伺いたいと思うのでありますが、最高裁は、こういうことになってきますと、どうしても特任判事の増加ということを考える方向に行かざるを得ないというふうに思うわけです。この問題について、その特任判事の増加と結びつくということについて非常に反対も強いわけであります。こういう方向になっていかないという保証はありましょうか、その点についての御意見を伺いたいのであります。
○寺田最高裁判所長官代理者 私どもとしては、この法案を利用して特任判事を増加するということは考えておりません。
○松本(善)委員 そうすると、これは法曹有資格者だけでまかなっていくという方向でやっていく、こういうことでございますか。
○寺田最高裁判所長官代理者 簡易裁判所判事には両方の種類のものがあるわけでございまして、それは別にいずれがいずれにまさるということも必ずしも言えない面もあるわけでございます。ただいろいろ御批判もございますので、その点は十分念頭に置いてまいりますけれども、特任判事の場合にも厳重な制限のもとに採用すべきものである、かように考えております。
○高橋委員長 松本君、だいぶ時間が延びたから最終質問でひとつ……。
○松本(善)委員 法務大臣にお聞きしたいのでありますけれども、この特任判事の問題も含めまして、本委員会で論議されました諸問題は全部、司法がほんとうに民主的に進んでいくかどうかということに関する重大な問題であります。私どもは本日もここで採決をされることについては反対でありますし、法務大臣としてはここで論議をされました諸点について、ほんとうに司法が民主化されるように配慮をしなければならない、ここでの論議を真剣に考慮をして今後やっていかなければならないと思いますけれども、それについて法務大臣の所見を伺いたいと思います。
○小林国務大臣 ぜひさようにいたしたいと考えます。
○江藤委員 議事進行に関する動議を提出いたします。 本案に対する質疑は、これにて終了されんことを望みます。
○高橋委員長 ただいまの江藤隆美君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立多数。よって、本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○高橋委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。畑和君。
○畑委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、本法案に対して反対の意見を表明いたします。 この問題につきましては、日弁連と最高裁との間で連絡協議を重ねてきたのでありますけれども、その協議がいまだ終わらないうちに法務省を通じて一方的に提案をされた案件でございます。 そもそも裁判所法が制定をされました当初の立法の趣旨から申しますると、日本の現在の簡易裁判所というものは、いままでの、旧来の区裁判所等とは違って全然新しい構想のもとに設置をされたものと思います。そのことは、当時の昭和二十二年の裁判所法の立法の提案理由の説明にも、明らかに当時の木村司法大臣から述べられておるところでありまして、ごく軽微な事件を簡易迅速に裁判をして、民衆のための裁判所にしたい、このことが大きく日本の司法の民衆化に役立つゆえんであるということを明確に述べておるのであります。 そのためにまた、それに相応するように、そうした事件のためにということで、いままでかつてなかった、いわゆる法曹資格のない簡易裁判所判事というものを置いて裁判の処理をさせようという趣旨でこの簡判制度が設けられたことは、御承知のとおりです。しかもそのために、民事訴訟法において簡易裁判所における特則を特に規定しておるわけであります。ところが、その特則はほとんど行なわれておらぬわけであります。しかも、昭和二十五年、二十九年、また今回の改正、こういうことで、累次の簡易裁判所の事物管轄の拡張によって、その本来の簡易裁判所の性格が失われつつあるわけでありまして、かつての区裁判所と同じような、すなわち地方裁判所の小型化が最近の簡易裁判所の現実となっておるような状況でございます。 今度の法案の提出の理由には、表面あくまで経済事情の変化、物価の変動等だけがうたってありますけれども、そのもとはといえば、裁判所の都合によって簡裁と地方裁判所の事務の分配を都合よくしよう、こういう考えのもとに提案されたことは明らかであります。確かに物価は二十九年のころよりも相当上がっておることは事実でありますけれども、その裁判所の意図するものがそういうところにあると判断するがゆえに、日弁連はあげてこれに対して反対をいたしておるわけです。この間、ここに招致をいたしました日弁連関係の三参考人も、口をそろえて、この法案には反対である、この問題が基本に関する問題だけに、しばらく時間を置かしていただいて、約一年間のうちにひとつぜひとも裁判所と日弁連とで協議をして、その協議の上に立ってならともかくも、この際ひとつぜひとも継続審議にしてもらいたい、こういう意見であったわけでありまして、私もそういう点から、この際急いでここで採決をして通す必要はなかろう、その緊急性がないということでわれわれは反対してまいりました。むしろそれよりも、これによってますます法曹二者の間の対立が深まるということは、日本の司法の将来にとって大きな禍根を残す、こういう意味も大いにあるわけであります。 ここで私は、そういう意味から社会党を代表いたしまして、この法案に対して反対の意向を表明する次第であります。以上。
○高橋委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、裁判所法の一部を改正する法律案に反対の討論をいたします。 第一に、最高裁判所は、簡易裁判所の民事事物管轄を十万円から三十万円に引き上げる理由として、物価その他経済事情の変動をあげていますが、実際は簡易裁判所の性格を変え、司法全体に影響を及ぼす重大な問題であります。 本来、簡易裁判所は、少額軽微な事件を簡易迅速に処理する民衆の裁判所として設立されました。そしてその趣旨は、民事訴訟法第三百五十二条以下の簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に明確に示されているところであります。ところが最高裁判所は、この特則の実行を事実上行なわず、簡易裁判所設立の趣旨を有名無実にする方向をとってまいりました。そればかりか、数次にわたる事物管轄の拡張を行ない、最高裁当局さえ認めているように、簡易裁判所を戦前の区裁判所の性格に近いものに変えてきたのであります。 臨時司法制度調査会の意見書によりますと、簡易裁判所の事物管轄の拡張を行ない、名称を区裁判所に変更することが明記されておりますが、この改正案は明らかにこの路線に沿ったものであり、簡易裁判所の民衆裁判所としての性格を没却し、司法の民主化に逆行するものであります。これが反対の第一の理由であります。 この法改正によって、簡易裁判所にかかる事件は激増し、簡易裁判所の裁判官の需要は増大します。このことは、簡易裁判所にいわゆる法曹資格を持たない特任判事の増加を招き、裁判の質の低下をもたらすばかりでなく、簡易裁判所を第一審とする事件について、最高裁判所への上告の権利を奪うことになり、全体として国民の正しい裁判を受ける権利を奪うものであります。これが反対の第二の理由であります。 第三に、以上のような本質を持つ法案でありますので、日本弁護士連合会は反対の意向を表明してまいりました。本来、わが国司法の根本にかかわるような問題は、最高裁判所と法務省、日本弁護士連合会の三者で協議をし、納得のもとに行なわれなければ、司法の円滑な運営は保障されません。にもかかわらず、日本弁護士連合会の意向を真正面から踏みにじって、この法案を成立させようとすることは、わが国司法の将来に重大な禍根を残すものであります。これが反対の第三の理由であります。 審議の経過の中で明らかになったところによりますと、最高裁判所岸事務総長は、日弁連の意向に反してもこの法案を成立させなければならない緊急性は、地方裁判所の事務量増大にあると述べました。もしそうであるとするならば、毎年裁判所職員定員法改正の審議の中で論議をされている、裁判所職員の大幅な増員によって解決できる問題であります。ところが、政府と最高裁判所は、この問題についてほとんど見るべき努力を払っておりません。(「そんなことはないよ。」と呼ぶ者あり)それは事実を見ればわかるはずだ。政府がこの点について真剣な努力を払うならば、日弁連と最高裁の対立はなくなるだけではなく、簡易裁判所を真に民衆の裁判所として、本来の趣旨に従って運営することも可能になることは明らかであります。 以上をもって反対の討論といたします。
○高橋委員長 これにて討論を終わりました。 これより採決いたします。 裁判所法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) —————————————
○高橋委員長 ただいま議決いたしました裁判所法の一部を改正する法律案に対し、鍛冶良作君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の五派共同提出にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者に趣旨の説明を求めます。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の五派共同提案にかかる附帯決議について、その趣旨を説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 裁判所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、政府及び裁判所は、簡易裁判所判事の任用に関し、可及的に法曹有資格者をもつてこれに充てる等、簡易裁判所判事の充実強化に努めること。 二、裁判所は、民事訴訟法第二編第四章「簡易裁判所の訴訟手続に関する特則」の活用に努め、簡易裁判所本来の機能を発揮しうるよう努めること。 三、簡易裁判所の民事関係事物管轄の改正にかんがみ、裁判所は訴訟当事者の意向を尊重し、不動産に関する訴訟その他複雑な事件の取扱いについては、民事訴訟法第三十条第二項、第三十一条の二の活用により簡易裁判所の管轄に属する訴訟を地方裁判所において処理しうるよう努めるとともに、政府及び裁判所はこれに関する法改正についても検討すること。 四、政府及び裁判所は、裁判所法の今次改正にかんがみ、速やかに第一審裁判所としての地方裁判所及び簡易裁判所の人的、物的設備の充実強化に努めること。 五、政府及び裁判所は、即決和解に対する請求異議事件を地方裁判所の管轄とする法改正について検討すること。 右決議する。 以上でありますが、第一審裁判所としての地方裁判所及び簡易裁判所の現状については、かねてからその人的、物的設備等の面において不十分であることはしばしば論議されてきたところであります。したがって、政府及び裁判所は、本案の実施に際しまして、簡易裁判所判事について可及的に法曹有資格者を当てることにつとめるとともに、簡易裁判所をして現行の簡易裁判手続の活用をはかることはもとより、不動産に関する訴訟その他複雑な事件を処理することを避けることにより、簡易裁判所本来の機能を発揮するように希望します。また、全国各地区の実情に応じ、事務負担の不均衡等、処理の不適正を来たすことのないようにつとめること等が必要と思量いたします。 なお、第一審裁判所のあり方その他裁判所一般のことにつきましては、かねてからではありますが、今後とも日本弁護士連合会と十分協議を重ねて、かようなことは進めていただきたいと思うのであります。 以上が附帯決議案の提案の趣旨でございます。 何とぞ御賛成あらんことを願います。
○高橋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 これより本動議について採決いたします。 鍛冶良作君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 ただいまの附帯決議について、小林法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小林法務大臣。
○小林国務大臣 政府は、ただいま全会一致をもって御決議くださいました附帯決議の御趣旨を尊重して、その実現につとめたいと存じまするし、なお、これに関して法改正等の問題もありますが、これらも直ちに検討に着手するようにいたしたい、かように考えます。(拍手) —————————————
○高橋委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○高橋委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十二分散会