法務委員会 第13号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/04/01
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 法務行政に関する件、検察行政に関する件及び人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤松勇君。
○赤松委員 最初に、先ほどの理事会では、本国会でたいへん問題になっております出版妨害問題につきまして、特に国政調査の質問の予定日を週一回ふやしていただきまして、そして引き続き国会において審議をするということにつきましては、金曜日の理事会で検討するということになりました。これは委員長に希望しておきますが、かねて三党から公式に予算委員長に対しまして証人の出席を要求したわけであります。自民党、公明党が反対しまして、国会対策委員長会議の段階で不調に終わりまして、そこで引き続き各委員会におきましてこれをさらに検討しよう、こういうことになっておりますから、ぜひ金曜日の理事会におきまして最善の結論が出るように、委員長も努力をしていただきたいと思います。 なお、証人喚問についてかねて要求しておりますが、予算委員会の会期の関係上、間に合いませんでしたので、遺憾ながら院外におきまして議員集会を開きました。しかし、これは正規のものではありません。私どもの要求である十二人の証人の喚問につきましては、すなわち、池田大作会長はじめ十二人の証人喚問につきましては、なお要求として残っておるわけであります。本委員会におきましても社会党は強く証人の喚問を要求し続けたいと思います。この点につきましても、事は憲法第二十一条に関係する問題でありますから、ひとつ格段の御配慮をお願いしたい、こう思います。 さて質問に移りますが、私の質問の主題に関係をいたしますので、次の諸点につきまして政府の見解を伺っておきたいと思います。 このたび、いわゆる赤軍派と称する暴力学生によりまして不祥事件が発生しました。昨日、日本社会党は教宣局長談として声明しましたが、私どもは、この種の暴力事件に対しまして断じてこれを許すわけにはまいりません。したがいまして、この問題につきましては、やがて本会議におきまして、事態の推移並びに政府の対策との関連で緊急質問をしたい、こう考えております。その前に数点お伺いしたいのは、この赤軍派と称する暴力学生グループが一体いつ羽田から福岡までの座席の予約を申し入れたか、こういう点であります。この点は警備当局として御存じでありましたかどうか、これをまずお尋ねします。
○今泉説明員 お答えいたします。 御承知のとおり、今回の犯人が赤軍派と名のっておるわけであります。ただ現状でいろいろの、たとえば板付でおりられた方からの証言といいますかお話その他で、彼らが赤軍と称しておること、それからまた、これまでの赤軍派のいろいろのやり方その他からして赤軍派ではないかと思っておりますが、しからば赤軍派のだれであるかというのは、現状では残念ながらまだわかっておりません。 ところで一方、お尋ねのように、日本航空に予約をしまして搭乗しております者を昨日来ずっとしぼっておるのでありますが、ただいま現在で十名ほど身元不詳といいますか、はっきりしない人があります。犯人はこの中の者だろうと思われますが、予約をいたしましたのは一人一人について覚えておりませんけれども、早い者は三月の初めに予約をしておると聞いております。
○赤松委員 聞くところによれば、この赤軍派グループという暴力学生に対しまして、それぞれ監視をされておるということを聞いております。これはあとで私が申し上げる名古屋市立大学の学生と違って、全く暴力革命を目ざすいわゆる過激な学生グループであります。これを監視することは当然であると思うのでありますけれども、監視をされておる中で三月の初めに日航機に予約をした、その点を警備当局は情報を入手されませんでしたか。
○今泉説明員 お答えいたします。 お話しのように、赤軍派はこれまでいわゆるゲリラ的な方法による不法行為を犯してまいりました。私どもも特に本日、これは結果的に不許可になりましたけれども、東京で集会を開くというようなこともありまして、赤軍につきましては厳重な監視をとってまいりました。ただ赤軍に属する者全員について把握するということには至りませんでした。そこでただいま、まあおそらく赤軍派に属する者であろうと思われますが、それらの者が、もし私が先ほど申しましたように、十名身元不明の中に赤軍派がおるとすれば、本名も使っておりません、身元が不明な者でございます。そこで、それとは別に、われわれ赤軍についていろいろ視察はしておりましたが、お尋ねの飛行機を予約したということについては、われわれそういうことを察知しておりませんでした。
○赤松委員 キャッチされていなかったということはたいへん遺憾だと思います。 そこで、今後この種の類似行為が再発することが予想されるわけです。国民が非常にこれを心配しております。したがって、この再発を防止しなければならぬということは、おそらく世論の一致した意見だと思います。 そこで、防止の方法がいろいろあると思うのですが、こういう措置はとれないものかどうか。これは警察当局の責任の範疇ではございません、以下私が申し上げる具体案は。しかし、警察当局としては無関心ではおられない問題でありますから、私ども日本航空にその措置をとるような進言をいたしますが、たとえば予約者の身元を確認するという方法はどうだろうか。確認の方法については、人権侵害にならないようにこれは万全の配慮をしなければならぬと思うのです。たとえば、予約をした場合に、本人であるかどうか、かねて警備当局が監視しておるそういう暴力グループの構成員であるかどうか、そういう点はよくわかると思うのです。ただ簡単に電話でやれば別でありますけれども、たとえば他人名義でもって予約を申し込むということもできると思います。これは日航に警備当局は協力をされまして、その身元の確認につきましては人権侵害にならない範囲内におきましてやっていくという方法などはいかがでしょうか。そういう点について、いわゆる事件の再発を防止する点についてどういうことをお考えになっておるか、これをお伺いしたいと思います。
○今泉説明員 お答えいたします。 先生お話しのとおり、人権侵害にわたらない範囲でそういった不法行為を犯しそうな者を把握するということはたいへん大事なことだと思います。 そこで、これには二つの方法があると思います。一つは、赤軍派のそういう不法行為を犯しそうな者を、その人間の動向を視察していく、その間にたとえば予約をするというようなことも起こってくると思います。 もう一つ、先生がおっしゃいました、日航へ予約する場合には電話で頼む人もだいぶ多いようでありますが、たとえば飛行機が飛ばなくなる場合というようなことのために、必ず連絡先というのを日航その他の航空会社では把握されるそうでありますから、そっちのほうから逆に——この場合人権侵害にわたらないということが大事だと思いますが、そういう範囲内で、そこから不法行為者を割り出していくということも警察としては非常に望ましいというふうに考えております。
○赤松委員 事件が再発しないようにひとつ万全の措置を講じていただきたいと思うのです。 法務省の刑事局長並びに警察庁の刑事局長にお尋ねしたいのですが、彼らが逮捕された場合、その罪名は何であるかということが一つです。もう一つは、韓国であれ朝鮮民主主義人民共和国であれ、その国で逮捕された場合、もちろん犯人の引き渡しを要求されると思うのですが、その点はいかがでありますか。
○辻政府委員 ただいまの日航機乗っ取りの案件でございますが、もちろん事実関係が、テレビ、新聞その他でしか私ども承知しておりませんが、それを前提にいたしましてどういう罪名が適用されるかを一応申し上げてみますと、まず強盗罪、飛行機の強盗でございます。それから不法監禁罪、それから国外移送目的の略取罪、それから威力業務妨害罪、それから強要罪、脅迫罪、それから日本人の密出国という意味で出入国管理令違反、それから多少疑問の余地がございますが、航空法百三十八条違反、航空危険罪でございます。それからまた、所持しております凶器いかんによりましては兇器準備集合罪、爆発物取締罰則違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反なども適用されるかと思います。 それから御質問の第二点の、犯罪人の引き渡しの問題でございますが、御承知のとおり、犯罪人の引き渡しは本来は国と国との間の逃亡犯罪人引渡条約というものにのっとってやるのが成規でございますが、現在逃亡犯罪人引渡条約は、わが国の場合にはアメリカ合衆国との間でしか結んでおりません。したがいまして、日韓あるいはかりに北朝鮮という場合にも、この引渡条約はないわけでございます。しかしながら、一般に国際法的にいいまして、犯罪人の引渡条約がない国の間におきましても、国際礼譲によりましてこの引渡条約のある場合に準じて犯罪人を引き渡すことが一つの慣行化いたしておる現状でございます。この犯罪人引渡条約がなくて国際礼譲によって引き渡しを求める場合の手続といたしましては、これは外務当局相互間で、まず日本から口上書で向こうに申し入れまして、口上書の交換という形になるわけでございますが、その場合には相互主義の保証の上で引き渡しを求めるというような形になろうかと思うわけでございます。これにつきましては、わが国におきましても、たしか昭和三十八年と記憶いたしておりますが、わが国の刑の未終了者をスイス国に引き渡しを求めた例がございます。スイスの場合にも犯罪人引渡条約がもちろんないわけでございますが、この国際礼譲によって相互主義を保証をした上で、現に引き取った例がございます。本件の場合は引き渡しを求めるとすれば、この口上書によって国際礼譲によって引き渡しを求めることになろうかと思うわけでございます。そういたしまして、かりに韓国といたしますれば、韓国が求めに応ずれば韓国の責任で犯人の身柄を確保するということになるわけでございます。この場合に、韓国におきまして韓国内の犯罪である、韓国の裁判権が及ぶ犯罪であるといたしました場合には、韓国が自分の裁判権で一定の犯罪を裁判するということになりますと、これは先に韓国のほうがそれをやるという場合も考えられるわけでございますが、その場合にはその裁判及び刑の執行が終わりました後に、こちらがその身柄を引き取るということになろうかと思うわけでございます。 それから、そういうことで韓国の関係から引き渡しを受けるということになりますと、これはわが国の逮捕状によって逮捕しに行く、逮捕してこれを日本国内に連れ戻すという手続になろうかと思うわけでございます。
○赤松委員 韓国の場合は、犯罪人引渡条約を結んでおりませんけれども、日本は一応韓国を承認しております。ところが、これは結果がまだ出ておりませんが、おそらく数時間でその結果は出ると思うのですが、朝鮮民主主義人民共和国はまだ未承認国です。そこへ着陸した場合に、国際的ないま言った慣習なりそれが適用されるかどうか。これはたとえば朝鮮民主主義人民共和国が亡犯人と考えない、かりにこれを政治亡命といように認定した場合に、その関係はどうなるのございましょうか。
○辻政府委員 ただいま申し上げました国際礼に基づきます犯罪人の引き渡しというものが、承認国との間において行なわれるかどうかとい問題につきましては、私この場でどうであるということをお答えするだけの自信がございませんし、過去にそういう前例も乏しいのではないか世界的に見て乏しいのではないかと思うわけでざいます。 それから、第二点の政治犯人であるかどうかいう問題でございますが、これは一般の国際法問題といたしまして、逃亡犯罪人引き渡しの場には、政治犯人不引き渡しの原則が御案内のとおりあるわけでございます。そういたしますと、引き渡しを求められた国におきましてはこれは政治犯人であるというふうに認定いたしますと、引き渡しを拒否するのが一般でございます。その場合の政治犯人というものは何かということにつきまして、これは国際法の一般理論でございますけれども、一つの絶対的な政治犯、内乱とか外患とかそういう犯罪に当たるというような犯罪自体が政治的なものであるという場合、これは不引き渡しの原則が当てはまると思うのでございますが、一つの政治目的でもって一般の刑事犯を犯したというようないわゆる相対的政治犯ということにつきましては、必ずしも不引き渡しの原則に当たるというふうには言えない場合もあろうかと思うわけでございます。この点につきましては、いろいろまだ固まらない面があろうと思うのでございますけれども、本件のような場合に政治犯人というかどうか、きわめて疑問の余地が多いと私は現在の時点においては考えておるわけでございます。
○赤松委員 私はなぜこの点を心配するかといえば、おそらく数時間後には現実にこの問題が問題になってくるわけです。国民の間におきましても、もし、俗にいう北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国に着陸した場合に、その犯人の引き渡しについてどうなるだろうかということがたいへん心配されておりますから、私は質問したわけです。なお、まだ、未検討の面もあるようですから、外務当局と十分相談をされまして、至急この種の問題につきましては政府の政治的配慮とともに、ぜひひとつ善処していただきたい。 ただ申し上げたいことは、朝鮮人であって、そうして自分の国へ里帰りもできないというような不法不当な抑圧を、いままで日本の政府は加えてきた。そらしてこういう問題が発生したときに、何ら相互互恵の関係にない未承認国に着陸した場合に、ぜひ引き渡しを願いたい、あるいは搭乗者の身柄も即時返還していただきたいというような、言うなれば平生は足げにしておいて非人道的な行為をやっておいて、こういうときに限って相手に向かって懇願をするというような相矛盾した事態が必ず発生する。あなたは法務省の刑事局長ですから直接責任はございませんけれども、だから私どもは、未承認国に対しましてもすみやかに承認するか、さもなければ、たとえば出入国管理の問題にいたしましても、できる限り人道主義的な立場から善処しなさいということを、いままで政府に要求してきたわけであります。 そこで、最後にお尋ねしたいことは、一たん北朝鮮へ入りました、一たん三十八度線を越えましたね。テレビの放送によると、空砲か何かで発砲されたようです。そして再び三十八度線を越えて南朝鮮に入った、こういうことをテレビや新聞は報道しておる。いよいよ犯人の要求に従って北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の平壌の飛行場に入るということになりますと、これは不時着ということになりますか、不時着ならば認めざるを得ないですね。その点どうですか、不時着になりますか、それを認めざるを得ないですか、いかがですか。これを心配しますのは、入っていった、いきなり射撃を受ける、そして搭乗者が犠牲になるというようなことは起こらないか。
○松本説明員 いまの質問に的確にお答えすることは非常にむずかしいと思います。と申しますのは、国際航空につきましては、御承知のとおりシカゴ条約というものがございます。それに非常に多くの国、百十六カ国だったかと思います、これが加盟しております。これに加盟しております国相互間におきましては、相手国の飛行機が商業上の目的でなくて自国の領土を飛び越えましたりあるいはおりてまいりましたり、ましてや不時着というような技術上の目的の着陸というようなことをやる場合には、特段の制限を加えないということで、話がお互いにでき上がっておりますけれども、残念ながら全世界を見渡しますと、まだこの条約に入っておらない国がございます。現実に通常の民間機が当該国の領土を飛び越えて次の国に行くということだけにつきましてすら、制限的な措置をとっておる国がございます。 そういう実情でございますので、私どもとしましては、これが不時着という定義になるのか、何かそこら辺のところは非常にお答えしにくい問題で、私も実は明確に判断をつけがたいところでございます。通常の場合でありますならば、このような場合にある程度誘導される、どこそこへおりろということを指示されるということはございましても、いきなり撃墜してしまうということは通常は考えられないというふうに思っておりますけれども、絶対に安全確実であるというところまでは、いまの私の立場では申し上げかねる次第でございます。
○赤松委員 先ほど自民党から社会党に申し入れがありまして、運輸政務次官だけではどうも処理しにくいので、という理由だと思うのです。運輸大臣を派遣したい。参議院で予算審議中運輸大臣を派遣することについて、ぜひ社会党の了解を得たい、こういう申し出がありました。私ども重大な人命に関する問題ですから、たいへんけっこうです、どうぞ行っていらっしゃいということで、運輸大臣が急遽行くことになったわけです。その際に、いまの国際条約なり国際慣習に関する定義なり理解というものがきわめてあいまいである。こういう点をあいまいにしたまま運輸大臣が行きましても、たいへん困ることができると思うのです。いまのところ、北朝鮮に、朝鮮民主主義人民共和国に着陸する可能性はおそらく八〇%以上ある。そういたしますと、もちろんそういう定義の理解についてちゃんとした打ち合わせをした上でお行きになると思うのですが、いかがですか。
○松本説明員 いまの御質問の点につきましては、外務省とも十分連絡をとりまして、どのような方法で当方の意思を相手国に通ずるかということもございます。それから、きわめて通常の場合でございますと、先ほど私が申し上げましたシカゴ条約に加盟しておる国でありましても、何らの予告なしに外国機が入ってくるということについては当然神経をとがらせるのは考え得ることでございます。そういうふうに、きわめて突然に飛んでいくことも避けるべきであろうと存じます。 私、省を出てまいりますまでの時点では、大臣が何時ごろに出かけるようになるのかわきまえるひまもなく参りましたけれども、御指摘のような点については十分に準備をした上でおそらく大臣は参るように私は考えております。
○赤松委員 まだ質問したいのですが、理事会では、きょうはたくさんの質問者があるからなるべく時間を節約してくれ、こういうことでございますので、はなはだ残念でありますけれども、次の問題に移ります。 次に、名古屋市立大学の問題についてお尋ねしたいと思います。これはすでに警察庁のほうで現地から情報をとっていらっしゃると思います。名古屋市立大学の連続放火事件の問題であります。 名古屋市大に八回放火事件が発生している。ところが、まだ犯人はわかっていない。で、学友会の諸君が、これは名前は明らかにされておりませんけれども、新聞はA子といっておりますが、八回の火災がありまして、そのたびに現場にA子という者が来ている。それで彼女を喫茶店へ誘いまして、そしていろいろ聞いたわけです。彼女の話では、三年間実は公安調査局から学生運動の資料をスパイするように依頼を受けて、そのスパイをするために二千円もしくは三千円を受け取っておる。彼女の自供によりますと、ときにはその資料を盗んできた、こう言っております。そして、弁護士をつけましてさらに本人からざまさまな事情を聞いた。ところが翌日、本人は警察へ参りまして、自分が学友会の諸君に言ったことは全部うそだ、こう言っております。 ところが、警察当局のほうは、これが犯人ではないかというので重要参考人としてマークしていた女である。目撃者の話から、放火現場付近をうろついていたのはA子だ、これが犯人として最も疑わしい人物である、こういうふうに捜査本部では見ておったわけであります。ところが捜査本部は、このマークをしておりました最重要参考人の彼女をちょいと調べてまた釈放し、任意に出頭さして、そして随時釈放しておる。その間に、姉との間にアリバイなどもいろいろつくったようであります。どうして当局はこういう重要参考人についてもっと慎重な態度で、しかも通常行なわれるような調べ方をしないのであるか。スパイである、つまり警察の三人の警察官と常時会いまして、資料を提供しておった、そういう情状を酌量されて、重要参考人であるにもかかわらず重要参考人としての扱いをしていない。そしてその間にアリバイをつくるような工作をしている。 事件発生以来、名古屋市立大学は、学長をはじめ学友会の諸君も全面的に捜査に協力をしてきたわけです。ところが、大学の学長は、こういうような当局がスパイをかばうようなそれに対して許すわけにはいかない、したがって今後は捜査に協力はできないというところの申し入れを行なっておるのであります。 この点について、警察庁の御見解を、この際、お伺いしておきたいと思います。
○高松政府委員 本年の三月十六日に六件、三月十七日に一件、三月二十日に一件、合計八回、名古屋市立大学において放火事件が発生いたしました。いずれも大事に至らず、ボヤでございますけれども、愛知県警としましては、瑞穂署に三月十七日に捜査本部を置いて捜査をいたしております。 いま御指摘のありましたA子という女性は、確かに事件発生の当時からその付近をうろついていたということで、比較的早くに地元警察にわかっておりまして、ただ直ちに本件放火の容疑に直接結びつかないということで、内偵をしていたことも事実でございます。そのうちに大学の学生が本人を喫茶店などでいろいろ質問して、そうして自分がやったんだというふうなことを自供をいたした、こういうことがございました。それで、本人も、二十九日に警察署に参りまして、そして自分がいろいろ質問を受けて、けれども放火をしてないのに放火をしていると言われたというふうなことの申し出がありまして、警察といたしましては、その事項についても現在いろいろ取り調べ中のところでございます。 まあそういうことに対して、通常行なわれる捜査をなぜやらないのかという御指摘でございますけれども、警察のほうの現在の調べといたしましては、まだその点についての明確な証拠がとれない。で、放火と、もう一つ窃盗の問題があるわけですけれども、その二つについて十分な裏づけがとれないということで、任意捜査を続けているといろ段階でございます。スパイ云々あるいは協力者云々というような話がございますけれども、私ども警察といたしましては、そういうことで別に通常行なうべきことをやっていないということではございません。問題は、あくまで事件の本質として、ほんとうにこれを放火あるいは窃盗の犯人としての証拠づけができるかということで、その点の調べをなお続行しているというのが現在の段階でございます。
○赤松委員 そうおっしゃるけれども、現にこのAという女性は盗みをやったということを自白しておるじゃありませんか。大学の中へ入って、そしていろいろな資料を盗んでいたということを自白している。それで、私は何も別件逮捕をやれと言っているわけじゃないけれども、従来は、警察当局はしばしば、こういう場合には別件で逮捕をしている。現に窃盗を働いていることは明らかなんですから、したがって、第一の容疑者であるところの彼女を任意出頭させて、また帰す、また翌日任意出頭させる、そういう取り調べ方というものがありますか。この点は警察当局の姿勢を疑われます。みんなおかしいと思っています。スパイだから擁護するというように考えておりますから。この点はもっと強い態度で臨んでいただきたいと思うのです。いかがですか。
○高松政府委員 窃盗事件につきましても、中身にはいろいろ問題があるようでございます。たとえばこの事件が起こりました当時に、法学部における窃盗事件というもの、それからそれと同じように三月二十一日に、今度は名大の工学部における窃盗事件というものが、二つございます。それらについて、何か若干の混淆があるというふうな点も見られまして、それで本人が一応自分が取ったと言っているものの、供述が誘導によるものかあるいはほんとうの自白かというところの一つの問題がございます。それから先ほど擬装というお話が出ましたが、取った金の処分につきましても、まだこの点が明確にならない。そういうふうな点もいろいろございまして、なお捜査を続けておる、こういうことでございます。
○赤松委員 私どもが通常考えられます捜査当局の捜査の方法と著しく違っている、アリバイが不明であるというのに、それを釈放して、そしてアリバイをつくるような工作を許しておる。これはスパイであるがゆえに特別にそういうような自由な行動をさせておるのかどうか、私はたいへん遺憾だと思います。そういう疑惑が警察当局に非常に強くかけられております。この点につきましては、もうこれ以上申し上げませんけれども、ぜひ早急に犯人逮捕のためにもっともっと熱意を持ってやっていただきたい。 それから、八回も放火が行なわれておる。八回も放火が行なわれておるにもかかわらず、今日まで犯人があがらない。その犯人の第一容疑者である、最重要な容疑者であるこの女性を、いま言ったような捜査の方法でもって、あたかも、アリバイを成立させて、そして彼女は被疑者でないという余地をつくるような態度が見受けられるわけです。かりにこれが犯人だといたしますと、もうおそらく八回放火いたしました犯人はあがらないということになってくる。こういう点につきましては、ぜひ愛知県警に対しまして、ひとつ十分な資料を出していただく。そしていま言ったような強い態度で調べていただきたい、こう思います。 文部省から岩間管理局長が来ておられますが、赤軍の暴力学生なんかと違って、名古屋市立大学というのは、別にいままでそうたいした問題を起こしておる学校ではないのであります。しかも警察当局に対しまして、学校当局あるいは学友会も、この事件発生以来協力してまいっておるのであります。私は、赤軍グループのような暴力グループに対しましては、それぞれ強い監視をきれることは了解できます。しかし、どうして名市大をはじめ、あるいはその他の大学、名古屋のすべての大学にスパイを置いて、そして資料収集と称して窃盗まで行なわせるか、こういうようなことがいまや公然と明らかになってまいりました。文部当局は大学問題はどうして発生したかということをお考えになっていると思う。大学問題の発生の原因は、こういうような大学の自治を侵すというところに根源があるのです。したがって、赤軍グループと同じような扱いをするということは明らかに誤りであるのであります。こういうようにその自治を守り、学生の本分を尽くしている者に対しましては、やはりそれに適応する、それに対応する管理なり指導なりあるいは監督なりが行なわれなければならぬ、こういうように考えておりますが、文部当局は警察はたいへんよくやっている、スパイをたくさん送り込んでいいことをしているというふうに考えていらっしゃるか、それとも大学の自治を侵すようなこういう捜査には協力できないという態度をとられるか、このいずれですか。これをお尋ねします。
○清水説明員 管理局長参っておりませんので、かわりましてお答え申し上げます。 いま先生からお話がございましたことにつきましては、一般的には先生のおっしゃる見解どおりであると思います。いまお話しのスパイであったかどうかというのは、私ども実は大学のほうからも聞きましてもまだはっきりいたしておりませんけれども、もし何か協力者というようなことでございますならば、推測されますのは、名古屋市立大学が昨年の秋から冬にかけまして大学紛争がありましたり、あるいは一時政治的な問題で訪米阻止闘争とかいうようなことも出た時期がございます。そういうようなことに関連をいたしましての情報収集ということもあるいはあり得たかとは思いますが、一般的には先生の御見解と同様に考えております。
○赤松委員 訪米阻止闘争とかなんとかというお話がありましたけれども、これは全学連の諸君でなくていわゆる代々木派、つまり日共のほうの諸君、民青の諸君たちが多数を占めておりますので、したがって、私はやはり暴力学生を取り締まる態度と同じような態度ではいけない、こういうことを申し上げておる。しかし、私の見解が正しいのだ、そのとおりだとおっしゃるならば、そのようにひとつ至急現地から資料をとって、そして指導していただきたいと思います。また警察当局に対しましても、よけいなことをなさるな、そういう学生を刺激するようなことをなさるなという指導をしていただきたいと思う。 学友会が声明を出しまして、「1警察は第一の放火事件直後にA子の身元を割り出しているのに、捜査を進めず捜査そのものに信頼が置けない。2A子がスパイをやめたいと言っているのに強制させていた事実がある。3警察がスパイ活動を公然と認めたことは大学の自治破壊を目ざすものである。」こういうような声明を出しておるわけであります。したがって、警察当局に対しましては、そういうスパイ活動を即時やめて、そして犯人割り出しのために強い態度で臨まれたいというのが一つ。それから文部当局につきましては、先ほど私が言ったとおり。 公安調査庁から内田次長が出ておられますが、この女性の自供によれば、三年前に公安調査庁の職員からスパイ活動をすすめられて、その後瑞穂警察署の三名の警察官にそれが紹介されて、そして金はすべて警察側から出ておるというのでありますが、この金は公安調査庁が出しているのですか警察が出しているのですか、いかがですか。
○内田(達)政府委員 お尋ねの横井と申します女性とわが庁との関係でございますけれども、スパイといわれるようなものかどうか。解釈上いろいろ問題がありましょうが、中部公安調査局からの報告によりますと、この女性は昭和四十一年の十一月ごろ突然中部公安調査局へ向こうから参りして、そして情報がいろいろあるのでひとつ提供したいということを申し出てきたそうであります。それまでは全然調査官と何らの知り合い等の関係もない女性だったそうでございます。その後、数カ月間にわたりましてその女性から学生運動に関する機関紙あるいはビラ、そういったようなものをときどき提供を受けた。それに対しまして若干の謝礼といいますか、若干の御苦労賃といったようなものを渡しておった。ところが、翌四十二年の九月ころ、この女性が名古屋で何か窃盗の容疑で警察で調べを受けるというようなことがあった。そこで、公安局といたしましても、手くせの悪いこういう者からいろいろ情報を受けてはまずいということになりまして、九月以来その女性とのそういう提供を受けるといったような関係を打ち切ったそうであります。その後は彼女との関係は何らないと聞いております。
○赤松委員 金はどこから出たのですか。
○内田(達)政府委員 その金は私のほうの役所から出したそうでございます。
○高橋委員長 途中でございますが、ただいまドイツ連邦議会法務委員長カール・オット・レンツ君が本委員会傍聴のためお見えになりました。この際、御紹介申し上げます。 〔拍手〕 —————————————
○高橋委員長 それでは質疑を続行いたします。赤松君。
○赤松委員 まだ申し上げたいことがございますけれども、同僚議員諸君の御質問もございますので、以上をもって私の質問を——なお答弁の中で理解できない点がありますので、これを留保しまして、さらに次の機会に質問を継続したいと思います。
○高橋委員長 畑和君。
○畑委員 私はかねて質問通告をいたしておりました創価学会から退転した人が、創価学会のお墓を荒らしたという関係で警察の取り調べを受けた、その問題について人権侵害の問題にかかわると考えまして、その点について最初に質問をいたします。それからそのあとに日航関係もやりたい、こう考えております。ほかの諸君が日航に関係しますから、場合によったら私も日航関係だけを先にやって、それから墓園荒らしをやってもよろしゅうございます。そう長くかかりませんから、先に墓園荒らしをやって、それから全部の参加を得て今度の日航機の乗っ取り問題をやりたいと考えています。いかがでございますか、委員長。
○高橋委員長 日航のほうを先にして、墓はあとにしてください。
○畑委員 それでは、そういう委員長の考えもあるようでありますので、日航機の乗っ取りの問題について質問をいたします。 先ほど同僚の赤松議員のほうから大体のこの問題についての質問がございましたが、私、二、三の点をさらに追加して質問いたしたいと思います。 この事件がきのう起きまして、とりあえずわれわれ法務委員会では、警察庁から出席を求めまして、事件の当時の時点においての状況を説明していただいて、それに関連して若干の質問を各委員からいたしました。しかし、その後また事態がさらに進展してまいりましたので、この問題はやはり非常に緊急を要する問題でございますので、本日またこの問題について質問するわけで、またほかの委員も続いておやりになるわけであります。 私が質問いたしたいのは、大体この問題の処理についての問題であります。これはまだ金浦飛行場にそのまま監禁をされておるようでありまして、その後の発展がどうなるか。結局北鮮に行くという可能性が私は八〇%くらいあるだろうと思いますが、この点について実はきのうわれわれの同僚阪上君も私の次に質問いたしまして、ともかく生命の安全がまず第一である、何よりも生命の安全ということを心がけなければならぬという意味において、むしろこれは北朝鮮のほうにそのまま行かしたほうがよろしいだろうというような意見すら申したのであります。しかし、そのときの政府側の答弁の中にも、どうもやはり韓国あたりに着陸させるようなふうの意向も見えたのでありますが、その後の経過からいたしましても、機長の判断とは申しながら、どうも政府側の意向が相当大きく機長の判断にプレッシャーをかけておるのではなかろうか、私はかように判断をされるわけです。 一応きのうの日航機の飛行経路をとってみますと、平壌の近く百キロまで、それからソウルのほうまで百キロというような地点で急に方向転換をした。それは空砲かどうか知らぬけれども、発砲を受けたということで南に急旋回したというのでありますが、どうも私もそれが納得がいかないよな気がします。そして金浦飛行場に到着した。しかも金浦飛行場におきましては、あたかも北鮮の飛行基地であるかのようないろいろ配慮をしてくれたそうでありますが、これがどうも相当準備をしてやられたような形跡があると思う。私は、そういうことよりも、むしろなぜ北朝鮮のほうへ外交ルートを通じて、直接外交関係がないからソ連のほうを通じて、至急にそういった受け入れのお願いをする、あるいは日赤を通じて赤十字関係でこれをやるべきだと考えておったのでありますけれども、その辺のことについて実は非常な疑問を持っている。まる一昼夜そのことでもって空費をして、依然としていまだ金浦飛行場においては福岡での状態と同じ状態が繰り返されておる、こういうことであります。しかも韓国のほうとしては、おそらくなかなか北鮮にやるまいといった考えが大きく支配しておるんじゃないか、そのためになかなか事態が進展をしないということになると私は思うのでありまして、乗客の疲労度も相当積み重なってまいっておりまして、その点を憂慮 せざるを得ないような状態だと思っておるわけであります。 この点について、政府側といってもきょうは責任者があまりおらぬので、その辺の点を質問しても答えられるかどうかわからぬけれども、この問題で何か声明書を警察庁かあるいは法務省かどちらかで、まだ福岡におった当時出したような話を聞きました。私は実はそのことを聞いておらぬけれども、家族がそのことをニュースで聞いて言っておりましたけれども、最初に何かそっちのほうで声明書を出しましたか。向こうへやってはならぬとかなんとかいったような意味の声明書を出しましたか、ちょっとその点聞きたいのです。私の間違いかもしれません。
○赤木説明員 警察庁といたしましては、今回の事件の処理につきましてそういうものは何ら出しておりません。今回の事件の処理につきましては、警察庁としても、何よりも乗客の生命の安全をはかることを第一にいたしまして、それから福岡の板付空港に着陸しておりましたときには、できるだけ福岡空港で給油その他のことで時間をかせいで説得していただきたい、こういうことを基本方針にしておりました。
○畑委員 法務省はどうですか。
○辻政府委員 そういう事実はございません。
○畑委員 それでは私の聞き間違いかもしれないと思いますが、ともかくもうすでに一昼夜以上このために空費をして、ますます事態がこんとんとしてまいっておるわけです。何よりも人命の尊重ということを第一に考えるということが必要だと思うのでありますけれども、この点について、どうも政府の態度が非常に小細工をやり過ぎたというような感じがするのです。これは操縦士の専権だとは申しても、どうもそうとばかりは受け取れない。操縦士はむしろ、学生がそう言うのだから、しかたがないかう乗客の安全を考えて北朝鮮へ早く行きたいというようなことを言うておるような話も聞きました。最近、乗客の中にもそうした声が相当出ておる、そうしたことも聞いております。それをはばむものがあるんじゃないかというふうに思うのでありますが、その辺いかがでありましょうか。どうも責任者らしい責任者がおらぬでちょっと困ったが、ひとつ答えてもらいたい。
○赤木説明員 韓国へどういう経路で今回の飛行機が着陸したかということにつきましては、私どもも何ら承知しておらないわけでございますが、ただ福岡空港を離陸しましたいきさつにつきましては、若干御説明申し上げますと、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたとおり、できるだけ福岡空港で説得その他、時間をかせぐということをねらいにいたしまして、いろいろな工作をすることを実は空港当局あるいは日航側にお願いをいたしまして、——いろいろそういった思いつく工作等につきましても、問題は飛行機でございますし、ああいう状況下でございますので、何でもできるというわけではありませんので、考えたけれども実行には移されなかったということも多々あるわけでございますが、ただ、最後に福岡を飛び立ちます前に若干移動をいたしまして、そこで老人、女性、子供さん方を二十三名をおろすという交渉ができたわけでございます。何か工作をするにいたしましても、まずその二十三名の方をおろしてもらってから、機内にいる犯人たちには故障としか思われないような形で、できるだけそういった自然な形での工作ができないかということで、実はそれも考えておったわけでございます。 ところが、いろいろなことを考えましたけれども、その中で一つの方法だけ、これは要するに手動無効装置といいますか、ガソリンがエンジンにいくのがとまるという装置がございますが、それを手動でできるというのが飛行機の引き込み足の脚納庫の中にあるそうでございます。これは飛行機の中からは操作できませんので、飛行機の外側かう操作できるわけです。この飛行機が二十三名おろすために移動する場合に、いろいろ救急車とかあるいはそのほかの職員が付随して移動しようとしたのですが、これは犯人側から全部とめられてしまいまして、タラップを操作する——タラップが自動車についておりますので、これの運転手と、それからおろしました際に、そういった老人、子供さん方を受け取る婦人の従業員二人、この三名だけ飛行機の移動についてきてもよろしい。それまで日航側の現地の所長でありますとか、整備課長でありますとかいうのも飛行機のそばについておったのですけれども、そういう者たちはついてきてはいけないということを言い出した。そこで多少手順に狂いができたわけでございますが、しかし、整備員の二名を飛行機が移動する際に飛行機の下につけまして、それでこれは機内からは見られない、完全に視界のさえぎられた、機内におる者からは感づかれないところに二名が飛行機の移動に追尾いたしまして、これが二十三名の乗客をおろしました段階で、その引き込み足を入れる脚納庫の中に入りまして、その手動のバルブを操作することを考えた。事実またそれを試みたわけでございますが、ただ飛行機のほうが意外に早く、おろして扉を締めたと同時にエンジンをかけまして、意外に早くランウエーのほうに移動を始めたものですから、相当のスピードで移動を始めたものですから、その操作をする二人の整備員自身もたいへん危険になりまして、事実これは相当のスピードを出して走り出しましたので、飛行機から振り落とされるような形で滑走路にたたきつけられまして若干負傷もしたわけでございます。そういう形で飛行機が飛び立ちました。しかもこの飛び立つ際にコントロールタワーに対する機長の連絡も何もなかったわけです。 そういうことでございますので、私どもとしましては、ああいうふうな形で飛行機が飛び立ったということはたいへん意外な感じを持っております。私どもといたしましてたいへん残念なことに思っている次第でございます。
○畑委員 そこで、私はそういった努力をしたこと自体が小細工だと思うのですよ。非常に危険なことだったし、第一、連中は、油がいきません、移動ができません、そういうふうになりましたということを説明したってわかりませんし、中にいる人たちは結局たけり狂うようになったかもしれないし、私はむしろそれがよかったと思うのだ。そんな小細工をして、上の操縦士すらわからないようなことをやってとめてみたところが、これが動かないのだということを理解する能力がなかなかない。また、そうやっているのだろう、こういうようなことで、逆に連中が硬化をするというようなこともあろうと思って、私はむしろそういった小細工が今度の場合に多過ぎたと思う。 韓国へ着陸したことも私は大きな小細工だと思うのだ。それが機長だけの判断ではないような気がする。まわりじゅうから機長に対して、いろいろなことで何とか北鮮に行かせまい。北鮮に行くと、外交関係が確立していないから、しかも日本がいま北鮮に対して相当の差別ばかりしているから、こういうときにかたきをとられる、なかなかうまく戻してもらえない、こういうことも考えて、何とかして行かせまい。そして韓国へ着陸した。その韓国がまた、韓国と北鮮の関係は、日本と北鮮の関係よりもっとひどく悪化していることは御承知のとおり。韓国へ行ったために、かえって私は、またものごとが複雑になっていやせぬか、かように考える。 それで、北鮮に行った場合には、こういうような緊急な場合でありますし、それから北鮮が大体、こうした過激派の連中を支持するはずも私は幾ら何でもないと思う。そういう点からすれば、むしろそうした小細工をせずに、まっすぐ北鮮に飛ばし、しかも北鮮に対して、その間に時間かせぎはある程度必要でしょうから、ソ連あるいは赤十字等を通じて、北鮮が受け入れてもらえるような万全の策を講じる。こういうことなら、おそらく私は、北鮮が着陸しちゃいかぬということを最後まで、幾ら事件に巻き込まれたくないとは考えておるだろうけれども、そういうことはむしろ人道上の問題だからすまいと思うんです。ところが、かえって私は、事件を複雑にしたと思うんです。 これは責任者がもうおらぬので、いろいろ押し問答を繰り返してもしかたがないから、その問題はもうやめて、もう一点だけ——これは外務省にその点はいろいろ聞きたいんだけれども、ちょうど外務省の当局がみんなふさがっているそうで、しかたがないからこれは別に答弁は求めませんけれども、それじゃ、ひとつ法務省のほうの刑事局にお尋ねします。 さっき、いろいろ法律のことを聞きました。このいわゆる飛行機の乗っ取り事件ですね、こういったものをそのままずばりで規制する法律という点については、日本の法律はまだこういうことを予定していないから、それはできていない。法制審議会で、艦船あるいは飛行機のそういった強奪等のことについての規定を考えておるようでありますが、これはまだ日の目を見ておりません。こういう時代になっておりますが、これはやはり、こういう事態があとまた起こらないとも保証できないわけでありまするから、この点について、独立した法規あるいは刑法のそれだけの部分の一部改正というような点でも、こうした問題をずばりと規制し得るようなことを考えておられるかどうか。そうだとすれば、どういう大体構想になるか、それを承りたい。
○辻政府委員 ただいまの御指摘のように、現在、日本の刑罰法規で、ただいまのような事件をずばり規制する罰則というものはございません。先ほど申し上げましたようないろいろな罰則に当たるわけではございますが、そのものずばりはないわけでございます。 そうしてまた、ただいま御指摘のように、現在、法制審議会の刑事法特別部会におきまして、刑法の全面改正の一環として作業いたしております作業の中には、船舶、航空機の強盗というずばり適用される案文がございますが、この案文は、「暴行又は脅迫を用いて、航行中の船舶もしくは航空機を強取し、又は航行中の船舶もしくは航空機内において財物を強取した者は、無期又は五年以上の懲役に処する。」こういう案文でございまするが、これは御案内のとおり、現行刑法の強盗罪の刑をそれぞれ少し、上のほうも下のほうも引き上げただけだといえばだけでございますが、そういう案文ができ上がっております。 ただいま御指摘のように、これを特別に早くするかどうかという問題につきましては、まだ法務省としては正式な態度はきまっていないわけでございますが、いずれ検討しなければいけない問題であろうと考えておるわけでございます。
○畑委員 そこで、それは強奪だけだね。ところが、乗客が一ぱい乗っておる。これは乗客が乗ってなければ別だけれども、乗客は一ぱい乗っている。そういったことで、乗客を一緒にまとめてほかの国のほうに行ってしまう関係ですね、その辺は、新しい法規というか、構想している法規の中にそれを組み入れる、それまで含めての一つの罰条を考えておるかどうか。そのいままでの法制審議会の案では、飛行機や艦船そのものの強奪ということだと思うけれども、それによってもたらされる乗客の生命の危険に対する不安、そういったものもまとめて規制するようなことは考えているかどうか。
○辻政府委員 このいわゆるハイジャックと申しますか、乗客もろとも航空機を強奪するというものは、いわば海賊行為に対応する空賊行為というべきものであろうと思うのでございます。この点につきましては、ICAOといいますか、国連の航空関係の機関でございますが、ICAOにおきまして、数年前から、これを国際条約で各国がこれ自体を処罰する罰則を設けるという条約を結ぼうではないかという動きがございます。しかし、現在まだそういう条約ができ上がったわけではございません。国際的にはこの問題は十分議論の対象にはなっておるわけでありますけれども、まだ具体的にハイジャックそのものをずばりやるという段階には至っていないと思うわけでございます。
○畑委員 航空機の関係については、あとの諸君が質問すると思うので、これで終わります。 それで、もう一つの問題については、皆さんのあと……。
○高橋委員長 時間が来たからあとに……。
○畑委員 それは協力いたします。
○高橋委員長 沖本泰幸君。
○沖本委員 それでは、二十分ほどという委員長からの御指定でございますから、できるだけ時間厳守をして質問したいと思います。 まず、ただいまの日航機乗っ取り事件に関連して質問をしぼっていきたいと思っておるのであります。入管関係、ジャンボの問題もありましたけれども、それは質問の権利をまた後に留保させていただきたい、かように委員長にお願いしたいと思います。 そこで、まず、たいへん国際間にわたる紛議を引き起こすような大事件になってきておりますし、先ほど来の御質問の内容も、人命尊重、この点に現在の問題点をしぼるようにと、そういうところに国をあげて焦点が集まっておるわけでございます。そこで、きのうの新聞の報道の中には、いろいろ出ておりましたが、参議院のほうで佐藤総理は、飛行機の乗客に対して十分なチェックをすると、こういうふうなことを命ぜられたということでございますが、その内容と、はたしてチェックをおやりになるのであれば、どういうふうなチェックをしていくか、また直ちに現在チェックをお始めになっているかどうか。まあ、国際線ですと、パスポートの面であるとかあるいは税関の面でいろいろな点検を経ていくわけですけれども、事国内線に関しますと、全然ノータッチという形が出ておりますが、きのうの事件に引き続き類似事件が起きないとはだれも保証できないのです。そういう点に関しましてどういうチェック方法があるか、チェックをお始めになっているか、またすぐお始めになるのかどうか、そういう点について御答弁願いたいと思います。
○赤木説明員 一応危険物等の機内への持ち込みの防止につきまして、直ちに昨日から全国の各主要の空港につきましての内外の警備要員の配置を厚くいたしまして、それからその持ち込みにつきましては、警職法によりまして職務質問、挙動その他のおかしい人に対する職務質問を励行することと、それから若干の器材、たとえば凶器探知器といったようなものがございますが、これはただそれ自体できめ手になるものではございませんけれども、そういうものも利用いたしまして、不審な者がありました場合には徹底した職務質問を行なっていくということを始めております。ただ、何ぶんにも現在の国内線の利用度というものはたいへん高うございまして、大ぜいの方が利用されますので、それらの方々の荷物を全部チェックするというようなことはとうていできないわけでございますし、これはまた別の問題もございますし、適当ではないわけでございます。できるだけ挙動その他で不審な人に対しましては、一般の乗客の御協力を得まして、われわれの許された範囲内でのチェックをやっていきたいということで、直ちに必要な人員を配置いたしまして努力をいたしております。
○沖本委員 はっきりしたきめ手になるものはないけれども、方法についてはこれからも十分考えるが、すでにチェックはお始めになっていらっしゃる、こういうことでございますね。
○赤木説明員 そのとおりでございます。
○沖本委員 その点について御要望もしておきたいわけでございますが、ちょうど万博の時期にもかかっておりますし、諸外国から大ぜいの外国の方が日本にお見えになります。国内でさえたいへんなんですけれども、そういうことを含めて、また再び類似事件が起きたということになると、これはたいへんなことになってまいります。ですから万遺漏なきを期するために、特に早急に対策を講じて十分なチェックができる。人権の問題あるいはプライバシーの問題、さまざまな問題があると思うんですけれども、そういう隘路を除きながら十分チェックができる。あるいはことによっては警乗員を乗せていくとか、こういうふうな方法も考えられるわけですが、こういう点について警察当局あるいは運輸省当局の御見解はどういうことでしょうか。
○赤木説明員 実は昨日私どもの国家公安委員長、長官と運輸大臣、航空局長との四者の合意事項というものがございます。それを申し上げますと、第一が飛行場内外の警備の強化。それから一般の乗客の方々の自発的な協力を得ましての危険物の機内への持ち込み防止の具体的方法を検討する。それから飛行機の中の操縦席を内側からかぎをかける、これを励行させるということ。それから先ほど来お話が出ておりますが、航空機の安全のための必要な法規の改正などについて検討する。 〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕 この四項目のことにつきまして合意を見ております。 ただいま先生のお話のございましたとおり、それからただいまお答えを申し上げましたとおり、現在やっておりますだけで十分とはいえませんので、先ほどお答え申し上げましたことのほかに、たとえば機内に持ち込みになります荷物はできるだけ制限して、いまかなり大きい荷物まで座席に持ち込めるようでございますけれども、これを何らかの形でいまよりももう少し制限して手荷物にしていただく、手荷物は別途の方法で見さしていただく、こういうふうなこともあわせて運輸省側とも十分今後連絡をとりながら私どもとしても具体的に検討していきたいというふうに考えております。
○松本説明員 お答えいたします。 ただいま警察庁のほらからのお話にございましたように、基本的には四つの項目についてきめたわけでございます。直ちに実行に移しますものと、多少時間を要し、あるいは準備を要するものとに分けられます。したがいまして、手荷物の持ち込みにあたりましての検査——検査ということばが悪うございますが、チェックを厳重にするということ、それから操縦室と客席との間のとびらがございますがこれに施錠するということ、この二つにつきましては、昨日中に関係定期四社に航空局長名をもって直ちに通知をいたしました。 昨日現在からすでに実施を開始しておるはずでございます。 それから、手荷物をチェックいたします場合にも、航空企業といたしましては、やはりおのずから限度がございます。運送約款に従いまして当然持ち込んでならないものを持ち込むおそれがあります場合には、航空企業といたしましても、その手荷物が何であるかを一応聞き、あるいはそれを見せてもらい、場合によってはこれを拒むということができますけれども、しかし、企業の行ない得ます行為には限度がございます。これはいま警察庁からお答えがございましたように、運輸省と警察庁との間で十分連絡をとって、今後ともこれの実施が人権をそこない、私権をそこなうことのないような範囲で、かつ有効な方法をとり、一そう継続して研究をしていきたいというふうに思っております。 法律的な措置といたしましても、もちろん具体的にいろいろな問題が出てまいります。これらの問題につきましては、早急に私どもの手で具体化するものは具体化してまいりたいというふうに考えております。
○沖本委員 運輸省のほうにお伺いしたいのですが、陸上のタクシーでも、強盗なんかにあった場合は、赤いコールサインを出すような方法がとられております。飛行機の場合でも、何らかの形で管制塔との間にコールサインを送って、乗っ取られた、事故が起きた、こういう一つのコールサインがあるとか、あるいはいろいろな形で犯人にわからないように信号が送れると思うのですね。ただ管制塔との間で無線連絡だけでそういう問題がやりとりされる。そういうところを切られてしまったらどうにもならない、こういうこともありますから、そういうふうな特定のコールサインをおつくりになるようなお考えはないわけですか。
○松本説明員 ただいまの御質問に対しまして現在の状況から御説明申し上げますと、非常事態発生の特殊の周波数を持っております。これはすべての管制機関がキャッチできるような状態になっております。この周波数を使って交信を求めてまいりました場合には、必ず何かそこに緊急非常事態が起こっておるということがわかるようになっております。 それから、たとえばタクシーの赤色灯点滅とか、あるいは漁船のSOSの自動ブイとかいうように、自動的に何らかの発信をするということも一応考えられることかと存じますけれども、御承知のように、飛行機が飛んでおります状態においては、どういう高度でどちらへ向いて飛んでおるかということを刻々把握しておきませんと非常に危険がある。このことにつきましては、いままでのハイジャッカーも大体はわかっておると見えまして、外国等の例を見ましても、全く交信途絶のまま、行くえ不明の形で突然別の飛行場にあらわれたというケースはほとんどないようでございます。したがいまして、進路をそれるとか高度を変えるとか何らかの要請をタワーなりあるいはセンターなりへ告げてまいりますその時点において、かなり明確に当該機の行動が把握でき、むしろ追跡がしやすいというようなこともあろうかと思いますが、もちろん全く手段を許さずに、目隠しのような状態で飛行が継続させられるというようなこともあり得るかと思います。その点は別途また専門家の間で研究いたしたいと思います。
○沖本委員 非常にこまかいことまで申し上げているようなんですけれども、これは警察当局あるいは運輸省にもお願いしだいことは、いままで爆破事件とかこういう事件は、必ず類似事件があとを追ってすぐ起きるというのが、現在までの過去にあった例ということがいえるわけです。そうすると、やはり流行みたいに、好ましくありませんけれども、こういろ形のものがすぐあとを追って考えられてくる。起きてはならないことが起きる。こういうおそれが十分あるわけですから、そういう点を十分考えていただいて、対策を立てていただかなければならない。当分そういう問題が人々の頭から薄れていって問題化されないまでは、厳重な警戒をしていただかなければならない。こういうことになりますし、また、運輸省の側にお願いしたいことは、現在のふくそらした航空のダイヤ、組み方にもいろいろ問題があると思うわけです。羽田は二分間隔で飛び立っておりますし、こういう中にあって不慮の事故が起きてくると、非常な事態を引き起こしてくるということにもなってくるわけですから、そういう事故が起きた場合に十分対処できるような組み方をしなければならないし、いまお話しがあったとおり、高度がすぐつかめるあるいは飛んでいる位置が確認できるというような内容の中に、民間の航路の中には非常にふくそうして飛行機が飛んでおる。こういう状態の中ですから、空中事故も起きかねないといろ点も考えられるわけです。そういう点十分御配慮をしてやっていただきたい。これが現在における私たちの一番の懸念、こういうことになってくるわけですから、お答え要りませんから、その点については十分研究もしていただき、すぐ処置をとる体制をとっていただきたい。こういうことを御要望したいわけです。 さらに、時間も参りましたから委員長にお願いしたいわけですけれども、国際関係のいろいろな問題もございます。あるいは政府間協定をはかっていけ、こういう要望も出ております。しかもきょうの事件が全世界で話題になっておるという事態、こういうときにあって、法務省の刑事局長のお話では、こういうものもいま刑法の全面改正の中で検討されてきておる、こういう状況でございますが、こういう非常事態でございますから、この点を十分考えていただいて、委員長のほうから、これは理事会にはかっていただかなければならない事柄とは思いますけれども、これらに関する法律の改正を早急にやるような委員会決議をとっていただきたい。こういうことをお願いしたいわけでありますが、委員長のほらでいかがでしょうか。
○瀬戸山委員長代理 ただいま沖本委員の、新しいこれに対する対策法をつくる必要があるがということについては、後刻理事会で御相談していきたいと思います。
○沖本委員 以上で質問を終わります。
○瀬戸山委員長代理 次に岡沢完治君。
○岡沢委員 最初に委員長にお願いしておきたいのですが、昨日の話では一時間質問時間を与えられているということでございました。私はほかの質問を一切放棄いたしますので、この問題で若干の、二十分という制限あるいは二十五分という制限にはこだわらないで少し超過することをお許しいただきたい。どんな場合でも一時間オーバーすることはいたしません。
○瀬戸山委員長代理 岡沢君に申し上げますが、二十分とは限りませんけれども、そこは常識の線で……。
○岡沢委員 良識でもちろん判断いたします。 昨日来のこの事件につきましては、いろいろ批判もあろうと思います。警察の手落ちを責めたい気持ちもいたします。しかし、ここは法務委員会でございますので、それ以上に法的な不備がなかったかという点を中心にして私は質問をいたしたいと思います。 いま沖本委員、そして先ほど畑委員からも御指摘がありましたけれども、いわゆる二十世紀の犯罪と申しますか、ハイジャック関係の新しい犯罪、この委員会でも問題になりました公害罪とは性質は別にいたしますけれども、やはり従来の刑法ではまかなえない範囲の犯罪が現実に続発しているわけであります。そういう意味でわが国の国内法あるいは国際法上、このハイジャックあるいはエアパイラシーの犯罪に対する不備がなかったかどうかという点についてお尋ねをいたしたいと思います。 先ほどの畑委員の質問に関連して、法務省の刑事局長のほうから御答弁がございました。現在法制審議会の刑事法特別部会第五委員会だと思いますが、そこで御審議中であります。先ほどの御答弁では、わが国のいま予定されております草案では、この種の犯罪に対して、刑期の点でございますけれども、無期または五年以上の懲役ということでございました。私は、このハイジャックを防止する方法というのは、きめ手はないかもしれませんけれども、一つの方法として、やはりこういう飛行機乗っ取り事件は割りに合わないのだという、厳罰に処するということが、誘拐罪に対する予防措置とも関連して当然考えられるべきだと思います。アメリカの場合も航空法を二回ほど改正して・非常にきびしい無期または死刑というほうに改正がなされたようでございます。このハイジャックを規定する刑罰法規の基礎となると思われるのが一九六三年の東京条約だと思いますけれども、この東京条約の規定でも重罪に処するという中身になっております。外国の場合、重罪といえば十五年あるいは二十年以上の懲役、無期ということに該当すると承知いたしておりますけれども、日本の五年以上というのは少し軽過ぎやせぬか、その辺のことをお尋ねいたします。
○辻政府委員 先ほど来法制審議会で審議いたしております船舶、航空機の強盗、これは無期または五年以上の有期懲役ということになっておることは御指摘のとおりでございます。私、先ほど、一般の強盗よりも短期のほうも引き上げておるということを申し上げましたのは誤解でございまして、長期は、現在の強盗は有期懲役でございますが、無期を一つ入れておるわけであります。重罪というならば短期五年は少し短いのじゃないかという御指摘だと思いますけれども、現在のこの草案におきますと、これは今後大いに検討しなければならない問題であろうかと思いますが、航行中の船舶もしくは航空機内において財物を強取したというものも一緒に規定しておるという関係から、この五年以上という法制審の案が出ておるのではないかと思います。純粋のハイジャックということになりますと、御指摘のように多少問題があろうかと思いますが、この草案といたしましては、量刑の問題として考えているのじゃなかろうかと推察するわけでございます。
○岡沢委員 私の先ほどの発言中、アメリカの航空法の改正は最高が死刑で最低は二十年、いずれにいたしましてもわが国の草案とはだいぶ開きがあるようでございます。刑事局長の御答弁、理解できないわけではもちろんございません。これは刑罰法規に関しますから慎重な審議が必要だと思いますけれども、沖本委員からも御指摘がありましたように、公害罪の場合にこの委員会で委員長の発言があったと同じような趣旨で、やはりこの種の事件を防止する一つの方法として、刑罰法規をきびしくする、あるいは規定を明確にするというのはタイミングな要請であろうと思うのです。ぜひ早急に御検討をいただき——公害罪のときにも指摘いたしましたけれども、法制審議会の一環としてであれば、早くて四十七年度でなければ法案が提出されないわけでございますので、ぜひこの点沖本委員の御趣旨も生かしていただいて、早急に単独立法あるいは刑法の一部改正ということを御検討いただきたいと思います。 いま国内法の問題に触れましたけれども、関連いたしまして東京条約。これは残念ながらきょうは外務省お越しいただけませんので、運輸省にお尋ねいたしますが、日本の関与する国際条約の中で東京条約という名前が冠されておるのは、私の知る限りではたった一つです。この東京条約が日本で一九六三年会議が開かれて作成されたにかかわらず、なおわが国が批准をしていないということについては、理由があろうかと思いますけれども、どういう理由で日本は調印はしたけれどもいまだ批准をしておらないか、お尋ねをいたします。
○松本説明員 お答えいたします。 御指摘のように、本二年に東京条約が署名されまして、昨年の暮れに発効したわけでございます。わが国は署名をしておりますが、いまだ批准の状態に至っておりません。その理由といたしまして——冒頭にお断わりいたしておきますが、これは運輸省の立場からの考えというふうに御了承いただきたいと思います。その場合に一つ大きな問題がございますのは、現在の東京条約の中で、この種のハイジャッキング的な行為に対処し得るような条文は御承知のとおり一条あるだけでございます。これもどちらかと申しますと、 ハイジャックが起こった後において、犯罪人の引き渡しでありますとか裁判管轄権をどうするというふうな点についてはある程度明確化されておるわけでございますが、ハイジャッキングそのものについてどういうふうにとらえ、どういうふうにそれを処置していくかという問題になりますと、この条約の行なわれました時点においてハイジャッキングがなかったわけではございません、六一年ごろからあったようでございますのでなかったわけではございませんけれども、大かたの認識も非常に低かったのではないかということで、条約をお読みいただけば直ちに明らかなように、非常に不満足な形になっております。このことが最近ICAOにおいてハイジャッキングあるいは飛行機爆破ということに関してのみの新しい条約をつくろうという積極的な動きになっている理由かとも存じますけれども、こういう点におきましてハイジャッキングということを考えました場合に、この東京条約の批准が直ちに有効な成果をもたらし得ないというふうな点に一つ大きな疑問を持っております。 もう一つの点といたしましては、この条約に批准をいたします場合に、通常私どものとっておる考え方といたしましては、国内法規との抵触を起こさないということを考慮してまいる必要がございます。そのためには、機長の権限というものが東京条約の中にかなり明細に書いてございますが、御案内のように、現在の航空法にございます機長の権限というものは、航空機に搭乗してその職に従事する者を指揮監督するという程度にとどまっておりまして、機内の秩序維持というところまで実は現在の航空法では及んでおりません。したがいまして、東京条約を批准しまして国内法との抵触なからしめるためには、航空法上に何ぶんの手当てが必要になってまいります。この場合に、東京条約に書いてございますような機長の職務の権限と類似のこういった運送機関におきます長の権限、たとえば手近なところで運輸省の例で申しますならば、船長の権限というものとの間にもやはり全体的な形の中において調整をとらなければならない、思想的に矛盾があってはならないというふうなこともあるわけでございます。そういう点を研究する必要がわれわれの側にはあったわけでございます。
○岡沢委員 二つの理由のうちの最初の、これができたのが一九六三年だ、ハイジャッキングがそれほど多発してなかった時代だから不備がある、それはよくわかります。しかし、やはり必要があって東京条約は調印され、しかも現に四十カ国以上の加盟国がありますし、航空機の発達しておる北欧三国、あるいはわが国の近隣でもフィリピン、台湾等もすでに批准をしているわけです。アメリカも批准をいたしましたし、昨年の十二月に発効しているわけですね。この条約に加盟することにより、そしてまた批准することによって、たとえば今度の場合の石田機長の処置等につきましても、あらかじめの訓練等も十分に行なわれたのではないかということを考えました場合、不完全だから批准しなかったということは私は納得できない感じがいたします。もちろん、新しくICAOのほうで航空機乗っ取り防止条約というような条約が検討されていることは承知いたします。これに対しても当然加盟すべきだと思いますが、いまの第一の理由はどうしても私には納得できない。 また、第二の国内法上の関連、これは先ほどの刑法の一部改正とも結びつき、あるいは航空法の改正とも当然関連してまいると思いますけれども、ぜひその法の整備も進められて——これは立法府である国会の責任かもしれません。われわれも積極的に取り組む考えでありますけれども、何としても一九六三年、あれから七年たっておるわけですから、いまだに批准をせられておらないということを考えましたときに、やはり法上の不備というものは否定できないのじゃないかと感ずるわけでございます。 ここで機長の責任の問題が出ましたので、機長と船長の責任の違い、これは船長の場合は、御承知のとおり準警察権的なものを与えられております。それについて今後どういう方向で対処されようとするか、これは運輸省、法務省、両方にお尋ねをいたします。 あわせまして、昨日の板付空港、いまのソウルの空港とも関連いたしまして、飛行機が飛行場に着陸いたしております場合の責任、これは機長あるいは飛行場長あるいは警察、三者に分けましてどういう責任の分担といいますか守備範囲か、その辺をお伺いいたします。これは警察庁にもお答えいただきます。
○松本説明員 現在、私どもでこの点についてもう少し研究を詰めなければいけないのではないか。先ほど先生御指摘がございましたように、私どもとしましてもこれをないがしろにしておったわけではございませんで、研究はずっとしておったわけでございます。その結果、この点をもう少し詰める必要があるのではないか、私どものサイドから考えておりました点は、機上犯罪防止、秩序維持、規律維持というふうなことに関します機長の権限を国内法にどういう形で入れたらよろしいのか、航空法だけの法域の中に入れてしまうのか、別の法律との関連性を考えなければいけないのか、こういうふうな点について最終的にこの考え方でいくべきではないかというところまで私どもとしては詰めることができない、現時点ではまだ詰められていない、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。 船長等につきましては、御案内のように昔から一つの国際的な慣習のようなものがございまして、船長の権限はかなり確立されておるわけでございます。飛行機の場合には、非常に時間が短いということと、それから飛行機そのものの中において機長の持ちます自分自身の仕事というものが非常に複雑化しておるため、機長がそういったふうなことにまで責任をもって仕事をするという場合において、実際具体的にどういう行為をとるようにしたらよろしいのかというふうな点についても技術的にいろいろむずかしい問題点がある、こういうふうな点が私どものほうで研究課題として現在検討中の問題でございます。
○辻政府委員 ただいまの船長と機長との権限の問題でございますが、私どもの所管事項に関しましては、司法警察官といいますか、刑事訴訟法上の司法警察職員としての権限を持つかどうかという問題であろうと存じます。 御承知のとおり、船長につきましては古く大正十二年の法令によりまして、船長はその船舶内において司法警察官としての職務を行なうようになっておりますが、機長につきましては、先ほど来御指摘のように、そういう規定はないわけでございます。その必要性の有無という点につきましては、ただいま運輸省からお話しのように、船舶と航空機とは多少実体が違うのじゃなかろうか。特に司法警察官という立場におきますと、やはり船舶のほうは長期間一つの社会を形成しているという実体が強うございましょうが、航空機の場合は短期間というような点がたいへん違ってくると思いますし、また東京条約におきましても、司法警察権までは議論をされていないように承知いたしておるわけでございます。なお十分検討を要する問題とは思いますが、非常にむずかしい問題があろうかと考えております。
○赤木説明員 警察の任務といたしましては、ああいった場合、とりあえず犯罪の被害者でございます乗客の救助と、それから司法警察職員といたしましての犯罪の捜査、この二つでございますが、ああいった場合は場所柄特殊な条件下で起こっておりますだけに、空港当局あるいは日航当局に私どものできる範囲内でできるだけの力添えをいたしまして、それらの方々の処置とあわせまして、できるだけの努力をしていくというのが私どもの任務だと思っております。
○岡沢委員 時間の制約がありますので、残念ながら次に進みますけれども、いまのお答えを聞きましても、あるいはきのう来の情報等を見ましても、いわゆる空港長の責任あるいは日航の責任、機長の責任、警察の責任、何といいますか、非常にばらばらという感じが、皆さん方の努力にかかわらず、私はするわけで、いまの御答弁でははっきりしたものが出てこないし、また、いま法務省の刑事局長がお答えになりました機長に警察権を付与するかどうかという問題、確かに船長と違う面もありますけれども、しかし、十七、八世紀の海賊行為に相当するものが二十世紀の空賊だというふうに考えました場合に、やはりこの辺の法の不備はわれわれとしても免れないのではないか。これも圧力団体がないからかもしれませんが、公害罪と同様に立法措置がおくれるわけでございますけれども、実力者である委員長代理にもお願いしまして、あるいは与党の理事にもお願いして、こういう問題にはぜひ国会も取り組む姿勢を示しますし、あるいは当局のほうも、いつだれが被害者になるかわからないという、こういうある意味では非常に弱い不特定多数の被害者を保護する立法もぜひ必要ではないかという点を指摘して、次に進みたいと思います。 これは日航もおられませんし外務省もおられませんので、いささか残念なんでございますけれども、運輸省にお尋ねいたしたいと思いますし、あるいはまた警察庁にもお尋ねいたしたいと思います。 今度の犯罪がいわゆる国内線で起こったというところに一つの盲点があるのではないか。国際線でございますと、パスポートあるいはお金といような問題でなかなかそう簡単にいかない。ところが、乗っ取った側にすれば、国内線のほうが確かに手っ取り早くて効果的だし、しかも国際線と全く同じ効果が発揮できる。こういう点では、国際線に対しては幾らのんびりした日本の運輸行政でも対策は外国の例にも照らしてやっておられると思いますけれども、国内線だったところに一つの大きな盲点があったと思います。そういう点の不備がなかったかどうか。あるいは日本の置かれた特殊事情を考えました場合、今後むしろ国内線にこそこういう犯罪が続発するおそれがあるという心配もありますので、先ほどの警備の四原則とあわせまして、この点についての御意見がありましたらお尋ねいたします。
○松本説明員 お答えいたします。 御指摘のように、国際線の場合には出国のためのいろいろな関門がございますので、単に航空会社の目だけでございませんで、政府関係官憲の目を通じてこれをチェックするということが非常に容易にできるわけでございます。国内線の場合には、御承知のように、むしろバスに乗るような形で簡単に乗るというところに一つの利点もございます。これをあまりにも煩瑣な手続にするということもいかがというところに、確かに盲点があったという考え方は成り立つかと思います。 したがいまして、先ほど申し上げました四つの原則を直ちに実施できるものと、早急に研究を開始するものと分けまして、まず防止するという面におきまして、航空企業が手荷物等を預かります場合、あるいは機内持ち込み等を認めます場合に、先ほど御議論にも出ておりましたけれども、荷物の大きさでございますとか個数でございますとか重量でございますとか、一応これらのものについてそれぞれ運送約款での制限がございます。さらにその基本となります航空法上の諸規定に基づき制約があるわけでございます。こういうものを厳格に守っていく。疑わしい場合には、旅客に対して失礼にならない程度に、それが何ものであるかを説明してもらう。そしてそれが明らかに違法なものであると考えられる場合にはその持ち込みを断わるということは、航空企業のほらにさっそくとらせるという手配をいたしたわけでございます。 それからかりにやむを得ず何らかの事情によりましてそういう人間が中に入ってしまった、それが機長をおどかすというふうなことを避けるために、コックピットと客室との間にドアがあります。このドアに必ずロックをかけることを実施させるようにしておりますので、したがって、それをもって万全と申し上げかねますけれども、少なくともまず第一歩は踏み出すようにいたしましたということだけは申し上げられるかと思います。
○岡沢委員 いまの再犯防止の処置に関して、先ほど来の質問がありました。アメリカではいわゆる電波金属探知器といいますか、もうすでに実用化されておるようでありますが、日本にもこれを採用される用意がないかどうかということが一つ。 それから、やはり再犯防止に関連いたしまして、先ほどのICAOの一般的な国際条約の問題での話がありましたが、アメリカとキューバでは、このハイジャック防止のための特別の協定があるようでありますが、日本の場合も、簡単に国内機が飛べる韓国とか北鮮とか——北鮮は国交がありませんから問題はありませんが、近隣諸国と、そういうアメリカ・キューバ間に類似するハイジャック防止のための協定を結ぶ用意がないかどうか。運輸省あるいは関連の御当局の御答弁がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○松本説明員 まず前段のハイジャッカーのおそれのあるものを未然に防止することにつきましては、現在ICAOの不法妨害委員会というところで研究しております。さらにまた、きわめて最近、スイス航空において爆発事故がございました。そのことから、スイスにおいても国の中で特に研究しておるようであります。それから国際航空会社の集まりでございますIATAにおきましても、いろいろ研究しております。その研究の中に、先生ただいまおっしゃいました金属探知器でございますとか、あるいはやわらかいレントゲン線を使って調べるというふうな、いろいろな技術的な方法によりまして、未然にこれをチェックしようという方法が考えられておりますが、現在のところ私どもの承知しておりますのでは、いまおっしゃいましたマグネチックを使って金属を探知するという方法が利用されております。そのほかにランプ地区、つまり飛行機の出入りいたしますところにはっきりとセキュリティーをいたしまして、そこにいろんな者が入らないようにする。このやり方につきましては、すでに羽田においても実施に移されておるわけであります。 こういうものは、最近の技術の進歩によって、何らか使いやすいものが出てくると思っておりますので、私どもも諸外国の研究等を見ながら実用化できるものは実用化していきたいと思っております。 それから、第二段のお尋ねにありましたハイジャックに関する一種の航空機返還協定の取りきめのようなものにつきましては、実はちょっと詳細を私自身が承知しておりませんので、申しわけございませんが、御返答できかねますので、お許しをいただきたいと思います。
○赤木説明員 先生のおっしゃいました金属探知器は、警察においてただいま使用いたしております。
○岡沢委員 いまの松本国際課長のお答えになった最後の近隣諸国とのハイジャック防止の協定、これは民間ベースでもいいから早くする必要があるのではないかとう感じが、特に日本の置かれた国際的な位置、地理的な位置等考えた場合、必要性を感じますので、御検討いただきたいと思います。 それから、先ほどの法務省刑事局長の御答弁、機長に警察権を付与することに関してはかなり消極的な御判断があったわけですけれども、先ほどの橋本運輸大臣の記者会見で正式に、この点については前向きに検討したいという御発言があったようでありますから、横の連絡を密にしていただきたいと思います。
○辻政府委員 ただいま私が申し上げましたのは、一般の秩序維持の権限を申しているわけではございませんので、刑事訴訟法上の司法警察職員としての職員に関してのみ申し上げたのでございまして、その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。
○岡沢委員 時間がないので残念でございますけれども、警察のほうにお尋ねいたします。 きのう来の新聞報道あるいはテレビの報道等では、学生と呼ぶ場合と犯人と呼ぶ場合と、これは違うわけですね。私は、彼らを学生と——これは敬称といえるかどうかは別として、非常に特別の扱いをする過保護がまた一つの犯罪の原因でもあるし、昨年来の大学紛争とも結びつくわけでございますけれども、こういう犯罪は、目的がいかに、まあ本人たちが主観的に正しいと思うものであっても許されない人類に対する極悪犯罪だという前提があるだろうと思うのです。この呼称等について警察としてはどういうふうに考えておられるのか。もうすでに犯罪が続行中でもあるので、現行犯であることは明らかであります。この辺の問題が一つ。 それから、昨日来のテレビあるいはラジオの放送を通じて心配いたしますのは、そのテレビやラジオの放送等がそのまま機内で傍受されているのではないか。それが逆に向こうに作戦を知らす結果になっているのではないか。先ほどの運輸省の御答弁の中で、非常の場合の特別の電波を持っているというお話がございましたが、その辺石田機長に手ぬかりはあるのかないのか、それによっては対策が大いに変わると思うのです。その辺のところについてお伺いしたいと思います。
○赤木説明員 犯人につきまして、報道等で学生ということばが使われましたのは、私ども承知いたしておりますが、私ども自身といたしましては、学生ということばは使っておりません。学生らしき若い者ということは言っておりますが、学生という断定はいたしておりません。 それから、ラジオ等の機内で傍受されるという点につきましては、私どももそれは心配いたしまして、いろいろマスコミ関係の各社にはお願いをいたしておりまして、特にラジオ等につきましては、機内に備えつけもあるようでございますので、ニュースの際は、当局側の措置等につきましては、これを慎重に取り扱っていただきたいということでお願いをいたしまして、その旨私どものクラブでは御了承も得て御協力をいただいておる次第でございます。
○松本説明員 先ほど私の申し上げました非常用の周波数と申しますのは、ちょうどSOSを発信しますときに使うような周波数でございまして、周波数によっては届きの悪いものがございます。非常にどのステーションでも聞き取りやすいようにという特殊な波長を使うということを申し上げたのでございまして、たとえば福岡の空港に着きましていろいろ機長と話をいたします。この場合は、やはり御案内のように、機長と副操縦士と機関士、これは全部イヤホンを持っております。これをおどかして取り上げれば全部聞かれてしまうということでございます。私ども、ここで断言ははばかりますけれども、機長の処置に特段の誤りがあったというふうにはいまのところ考えておません。
○岡沢委員 いまの御答弁と関連して、石田機長あるいは一般的に操縦士にこういう事態、まあ珍しい事態ではないので、外国では昨年、一昨年だけでも百件をこえているというようなことなんで、また日本の大学紛争等考えました場合、当然考えられたケースでございますので、機長の非常の場合の措置、いまの無線傍受の場合も含めて、予防的な訓練的な措置がなされておったのかどうか、その点お伺いいたします。
○松本説明員 日本航空が直接このケースに当たったわけでございますので、日本航空を例にお答えさせていただきたいと思います。 日本航空におきましては、航務関係の本社指令を出しておりまして、これはすでに二年くらい前出しております。それで、さらにそれを改定いたしておりますが、ハイジャックの類似行為あるいはハイジャックそのものが行なわれた場合に、どのように機長としては措置をするかという点につきまして、相当詳細な項目にわたって指示をいたしまして、これによる機長の訓練、教育ということは欠かさずにやっておるように、私ども承知しております。
○岡沢委員 時間がないので、もうこれ一点の質問で終わりたいと思いますけれども、現に解決したかどうか、私知りませんが、この「よど号」の救出に関連して、一つの点を申し上げたいと思うのです。 昨日来の報道によりましたら、被疑者と見られる学生の身分の二、三名は名前も明らかになったようであります。特に田宮高麿の場合は、赤軍の軍事行動責任者ということで指名手配中でもあります。あるいは梅内恒夫につきましても、すでにおそらく指名手配ともなったし、御連絡があったようです。実は恥を言うようですが、私は昭和二十年八月の終戦のときに、戦争継続を計画いたしまして、殺人予備罪、銃砲等所持禁止令違反で裁判をも受けたわけでありますが、そのときに一番ききましたのは、やはり家族からの説得であります。この場合、田宮にも、あるいは梅内にも、あるいは高校生といわれる人にも、おそらく家族の所在もはっきりしていると思うのです。こういう人をソウルにも派遣して説得するというのも一つの案ではないか。 またもう一つは、この名前がはっきりいたしました田宮なんかの場合と関連して、彼らのこの行動は、いわゆる指名手配者が国外に逃亡するという一環としてなされたという見方もできないことはないわけです。そうしますと、やはり私は警察の手落ちを指摘せざるを得ない感じがいまするわけであります。そういう点につきまして、赤軍派の実態と申しますか、またそれに対する警察の対処のしかた、あるいは今度のこの乗っ取り事件と関連して対策というようなものをお聞きして私の質問を終わります。
○今泉説明員 お答えいたします。 学生が中心でありますが、赤軍派の学生でない者も含めまして、赤軍派は特に過激な行動を昨年来行なってまいりました。それだけにわれわれも視察、警戒、また検挙ということにつとめました。御承知のとおり、大菩薩峠の事件をはじめといたしまして、これまで一年足らずの間に四十四件、二百二十二人を検挙いたしております。うち五十数名がいま身柄を拘束されております。 今回の事件につきまして、具体的な情報を事前に察知せなかったのでありますが、従来の手口、また今回赤軍派と思われるわけでありますが、今後また赤軍派の動きに対しましてはより一そう警戒を深めてまいりたいと思います。 それから、お尋ねの中で二人の名前をあげられました。これは特定されたのではないかというお尋ねでございました。実は先ほど申しましたとおり、赤軍派のだれが乗っておるかというのは、実は乗客名簿その他からは特定まではいたしかねております。ただ、板付で昨日おりられた方に赤軍派の写真を示しまして、また昨日の朝、羽田でチェックをされた方に写真を示しまして、その中からいまおあげになったこれらに似た者が乗ったように思われる、あるいは乗っていたように思われるということで、そういった者が乗っておるのではないかと思っておるのが現状でございます。
○岡沢委員 最後の解決策の一つとして家族を会わせるということについて、私は警察庁の高松刑事局長、例の静岡県の金嬉老の事件の解決に名手腕を発揮されて最善の方法で解決されたわけですが、同種の事犯と見られないこともないわけで、人質をとった事件であります。しかも今後は国際的——刑事局長が金嬉老の事件の解決にもまさる名手腕を発揮される絶好の機会だと思いますけれども、解決策がありましたら、お願いします。
○高松政府委員 警備局の所管で事件をやっておりますので、直接にあれでございませんので、私のかつての経験から申しますと、あのときにも、金嬉老のときに母親と恋人がみずから説得を買って出てまいりました。しかし、彼は絶対に会いたくない、もし母親を連れてきたら、自分はこれをやる、こう言っておりました。ああいう一つの極限的な異常な事態になってまいりますと、その辺はよほど見定めて、もしあの事態が長く続いたら、私もどうしたか、あるいはそういう方法を考えたかもしれませんけれども、その辺はよほど事態を見定めてやってまいることが必要であろうかと思います。これからどういうふうに事態が続いていくか知りませんけれども、やはり実際の画に当たっている者が一番心を悩ましておる、そういう人たちの判断、見方というもので、それがいいと思ったときにそれをやるべきだ、その時期の選定が実はたいへんああいう種類の事件についてはむずかしかろうというふうに私自身は感じております。
○岡沢委員 終わります。
○瀬戸山委員長代理 松本善明君。
○松本(善)委員 警察にお聞きしたいのですが、同僚委員が最後に聞いたことにも関係するのですが、いわゆる赤軍派というものについての情報をかなりとっていたということが新聞には報道されております。たとえば三月五日の読売新聞によれば、一月に行なわれた政治集会で秋に武装闘争をやる。それから一月の十六日の「神田の全電通会館で行なわれた集会でも「キューバに武装闘争訓練基地を作り、ここに軍事要員を送りこんで養成、秋の武装ほう起の際には、これらのものが中心となって戦う」」ということがきめられておるということが報道されておりますし、それから昨日の夕刊ですね、毎日新聞の夕刊では「「飛行機乗っ取り説」については昨年秋関西の赤軍派大学生が飛行機の構造図までもちだし、研究しているとの情報があった。」ということが出ております。 それぞれの新聞が報道しているところによりますと、赤軍派といわれるもののこれらの計画については、治安当局が相当の情報をとっていたというふうに見えるわけですけれども、一体どういうことまでわかっていたのか。また、いま申しました飛行機乗っ取り説についてはどうだったか、これをお答えいただきたい。
○今泉説明員 お答えいたします。 先生がおあげになりましたように、一月十六日の大会で秋季武装蜂起を赤軍派は唱えました。もともと昨年赤軍派が結成されましたときから、国際根拠地ということを盛んに言いまして、具体的にはキューバとかアメリカとかそういったことも申しておりました。そういうことから、そういう面についてわれわれも非常に警戒をいたしております。 それから、昨日の夕刊の例をあげてのお話でございますが、総理訪米時にそれほど具体的ではありませんでしたけれども、飛行機乗っ取りと申しますか、そういったこともございました。ただし、これは赤軍派に関するものではございませんで、当時その面についても警戒をいたしましたことは事実でございます。 なお、今回の件につきましては、先ほども申しましたとおり、四月一日に政治集会を、今時点ですが行なう計画がありましたし、また先ほど申しましたとおり、たとえば総理官邸を襲うために大菩薩峠で訓練をする、これが大菩薩峠において検挙をいたしまして未然に防止したわけでありますが、そのほか非常にゲリラ的と申しますか、そういった方法をとる集団でありますので、それに備えて情報も収集し、またそれに対する対策ということには特に意を用いております。が、今回の件については、具体的な情報を入手するに至りませんでした。
○松本(善)委員 飛行機の構造図を持ち出して研究しておるという情報はありましたか。
○今泉説明員 赤軍派についてそのような情報はございませんでした。
○松本(善)委員 この赤軍派というのは、最もそういう傾向が強いということで、治安当局ではマン・ツー・マンの警戒を行なっていたということがいろいろな新聞に報道されております。たとえば昨日夕刊の日経、それから本日の毎日新聞にもありますけれども、このマン・ツー・マンの警戒はいつからいつまでやっていましたか。
○今泉説明員 いつからいつまでと申しますか、これはいつからという点、ちょっとあれでございますが、赤軍派についてはそういった方式を常時といっていいほどとっております。
○松本(善)委員 この事件の起こる前にマン・ツー・マンの警戒をやっていれば、こういうことは起こらなかったはずです。この時点においてはやってなかったということですね。
○今泉説明員 赤軍についてそういったマン・ツー。マンといいますか、そういった非常に接近した警戒の方法はとっておりましたが、本件につきましてはそういった具体的な計画を知るに至りませんでした。
○松本(善)委員 本件について計画を知るに至るということではなくて、マン・ツー・マンの警戒をずっとやっていればこういう事件は起こらなかったはずです。いまここで警察はやはり重大な責任を感じなければならないはずです。国会でこの問題が論議をされるというについて、なぜこの事件の防止をできなかったかという問題について、もう少し真剣に考えてくるべきではありませんか。マン・ツー・マンの警戒をやってきたというのが、それがなぜいつからやめになったかということについて答えられる程度の知識を持ってこなければ、国会へ出てくる資格はないんじゃないですか。その点については全然知らないんですか、いつからいつまでやっているかということについては。
○今泉説明員 先生のおっしゃるマン・ツー・マン・全部の者に対して二十四時間警戒するという意味かと思いますが、今日赤軍派に属する者を私たち大体四百名程度と推定いたしております。ただそれらの者の全部を特定するまでに至ってない部分もあり、あるいはある特定の者について、その者を知ってはおりますけれども、その者の所在をつかんでないという部分もございます。そういう意味では、私、先ほど答弁を誤ったかと思いますが、常時マン・ツー・マン、そういう全部の者に対して二十四時間という意味では、必ずしもそういう方式をとっておりません。
○松本(善)委員 しかし、マン・ツー・マンというのはどの程度にどういうようにやっていたのですか。あなたは全部について、四百人は確認してないと言うけれども、これは飛行機乗っ取り説もある、構造図を持ち出しているという話もある、秋季は武装闘争だという話もあるということであれば、当然そういう警戒をするということはあたりまえでしょう。どの程度のことをやっていたんですか。どの程度のことをいつからいつまでやっていたのか。
○今泉説明員 どの程度のことをいつからいつまでというあれでございますが、たとえば最近行なっておりましたのは、赤軍の中で特に違法行為を犯しそうな者を五十名程度——他の者を監視しないという意味じゃありませんけれども、特に五十名については警戒を厳にし視察を厳にするというような方法をとっておりました。
○松本(善)委員 それはいつからいつまでですか。
○今泉説明員 特に昨年の十月、十一月以来行なっております。
○松本(善)委員 十一月以来現在までですか。
○今泉説明員 そうです。
○松本(善)委員 そうすると、そのマン・ツー。マンでやっていた者以外の者が今度はやったということですか。
○今泉説明員 その点は、先ほど来申し上げておりますとおり、だれが行なっておるかというのが実は断定までできない状況でございますが、たとえば五十名行なっておりましたが、その中には途中で失尾するというような者も出てきております。
○松本(善)委員 マン・ツー・マンでやっている者の中に今度の乗っ取り事件にも関係している者があれば、事前にわかるはずなんですよ。焦点はそこなんですよ。そこのところをやっていなかったのかと聞いているのです。
○瀬戸山委員長代理 説明を明らかにしたいために委員長から問いますが、いままで視察を常時しておられた者が、不明の者がないかどうかを加えて答弁を願いたい。
○赤木説明員 私どもで赤軍関係の捜査のほうを担当しておりますので、捜査の点から若干ただいまの補足をいたしたいと思いますが、現在写真でおおむねこれではないかというふうに割れてまいりました者が確実だといたしますならば、これはいずれも逮捕状が出ておる者でございまして、これをさがすために私どもはたいへん努力をいたしておったわけでございます。そのためにその周辺におると思われる者等につきましては徹底した尾行等もやり、いろいろ努力しておったわけでありますが、ただ彼らのほうも非常に警戒心が強うございますし、それからアジト等も非常に転々と変える、連絡場所等も非常に巧妙な方法をとるということで、全部の活動状態を把握するというようなことは、残念ながらなかなかできておりません。したがって、今回の、いままでにわかっております乗っ取り事件の中におるかと思われます人物につきましては、これが事前にわかっていれば直ちに逮捕した人物でございます。
○松本(善)委員 そうすると、逮捕状が出ていた人物がやったのだろうということですか。
○赤木説明員 はい、いま名前のわかっておる範囲内の者につきましては、そういうことがいえます。
○松本(善)委員 それほどはっきりしている人たちが集まってやったということについて、警察としてはたいへんな手落ちで重大な責任じゃないかと思いますけれども、これは警察はどう考えているんですか。事前に絶対防止できなかったかと思うんですが、もしきちっとした警戒体制をとっていれば、こういうことは起こらなかったのではないかと私は思いますが、その点については警察は責任は感じていないのですか。
○赤木説明員 責任を痛感いたしております。
○松本(善)委員 痛感しておるでは私ども足りないと思うんです。これは前から飛行機乗っ取り説まであるということが、いまここでは否定しているけれども、この点については、紙ではありませんよ。飛行機乗っ取りについて構造図を持ち出して研究しているという情報を治安当局が得ていたということを書いておるのは一紙だけではありませんよ。そういうことまでありながら、こういう事態に至ったら、責任者は相当の責任をとらなくちゃならぬと思います。そしてそれだけではなくて、この点については、先ほど赤松委員も名古屋市大の問題でスパイの問題を言いましたけれども、これは意識的に泳がしでいる。私どもは前からこのトロツキスト集団については言ってきているけれども、その疑いがほんとうに強いです。警察が本格的にこれを防止しようとしたら絶対できないことはないはずだと私たちは思うんですよ。これについては、このような証拠は幾つも出てきております。 たとえば、この間の六九年八月六日には、警視庁の警部補がアナーキストのリーダーに、情報収集という名目で金をやっている、それを使って爆弾をつくっているというようなことも公判廷で明らかになったし、それから昨年の十月には、法政大学に機動隊が出動したということが、八日に出たことがありますが、そのときの写真で、法政大学の職組が発表したところによれば、警察の公安関係の部分の電話番号、これをちゃんと切り抜いて、そしてビニールで包装して持ち歩きできるようにして持って歩いている。あるいは黒板に「明日の予定」として「全共斗書記局より」ということで「四機」、これは第四機動隊ですが、「山田さんへ連絡をとること」「ガサ入れ情報を仕入れること」これは写真にちゃんと出ている。 私どもは、そういうことを見ますと、今度の事件についても非常に疑いを持たざるを得ない。この点について警察はなぜその赤軍派の問題について、先ほど来私どもは、たいへんな手抜かりであるということで、重大な責任を感じているということまでは認めたけれども、しかし、それにとどまらないものだと思います。そういう疑惑を持たれるということについて、あなた方の意見を聞きたいと思います。
○今泉説明員 お答えいたします。 今回の事件についてこれを未然に防げなかったという責任は、先ほど警備課長も申し上げましたとおり、責任を痛感しておるものであります。 なおそのほか、一般的にわれわれが不法行為を未然に防止するためにいろいろ情報の収集を行なっており、またその際、協力を仰いでおることも事実でございますが、そのような場合に、われわれとしては人権を侵害しないという範囲で協力を得ておるということでございます。
○松本(善)委員 きょうのNHKの正午のニュースでは、同大の植田三郎学生部長の話によると、関西赤軍派学生が、外国の航空機は簡単にピストルで乗っ取れるけれども、日本の航空機は旧軍人のパイロットが多いから、ピストルぐらいでは不成功だろうと対策を練っておるのを一週間ぐらい前に聞いたということが報道されたということであります。こういうふうに赤軍派が飛行機乗っ取りを計画をしているということは、これは相当広がっている話なんです。警察は今度情報をとることができませんでしたということで、これは済まされる問題では決してないと思うのです。先ほど重大な責任を痛感しているということは言われたけれども、警察部内ではどういう責任をとることになっているのですか。
○赤木説明員 繰り返して申し上げますが、今回の事件を未然に防止できなかったということにつきまして責任を感じておりますが、われわれといたしましては、今後ともこの赤軍派のような極左暴力集団に対する監視を強めまして、またすでに令状等の出ております者は、先ほども御説明ございましたが、現在二百二十二名を逮捕いたしまして、あと二十名ほど逮捕状が出ておりながらまだ未逮捕の者がございます。それから昨年来の相次ぐ取り締まりによりまして、赤軍派自体も非常に大きな打撃を受けましたけれども、本年の一月からオルグ活動といいますか、彼らの勢力の再編のための活動をいたしておりまして、現在もまた相当数に成長しつつあるというのが現況でございます。 こういうふうにたいへん構成員その他が流動して変化してまいりますけれども、それらの新しく赤軍派に入りました者、あるいはその周辺におります者などを含めまして、今後十分に警戒し、今後こういった重大な事案が敢行されます際には、できるだけ事前に阻止できるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○松本(善)委員 何人逮捕したかということではなくて、この事態が起こったということが問題なんですよ。それは当然に普通に注意をするならば防げたはずの事件なんです。それがこういうふろに行なわれているということが疑惑を持たれているし、重大な責任を感ずるということをあなた方も言わざるを得ないということです。私はいまのような答弁だけではとうてい足らない。私はもっともっと重大な責任を、ことばではなくてほんとうに責任を感ずるべきだし、いままでやっているやり方を警察は反省して変えなければならない。そうでなければこういう事件は決してなくならぬということを警告して、質問を終わります。
○瀬戸山委員長代理 中谷君。
○中谷委員 一点だけ質問をいたします。まとめて申し上げますから御答弁をいただきたいと思います。 警察庁の刑事局長にお尋ねいたしますが、要するに航空機乗っ取り事件というのは、過去数年間、世界の一つの流行的な現象になっていたということは、すでに公知の事実でございますね。そういうふうな中で、かりにそういう航空機乗っ取り事件が起こった場合について、警察はどのような処置をすべきであったかというふうなことについての事前の訓練その他を今日までされたことがあるのかどうか。先ほど松本委員は、赤軍派の関係についての調査等についての不十分さを指摘されましたが、このような事案というのは、たとえば狂信的な人あるいは精神病者等においても行ない得る可能性がある。そういうようなことで、運輸省は先ほど、日航の関係においては日航の中でこの問題についての指示を機長等にしているという話がありましたけれども、板付空港におけるできごとというものは非常に予想できないできごと、対応し切れないできごと、要するにハプニングが私は多過ぎたと思いますけれども、かねてからこういうふうな事態が起こった場合というふうな一つの想定をして、そして訓練をしてあるということになれば、そういうふうな予想できない事態に対してもかなり対応し得たのではないか、こういう感じがいたします。 それでは私は、やはりいまもこういうふうに乗客の生命の安全が気づかわれている状態でありまするから、これらの問題についてはひとつあらためて、それらの問題も教訓的なものとして別な機会にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、ただやはり確認をしておかなければいけないのは、日航だとか全日空だけではなしに、空港関係者及び運輸省、そうしてまた警察、さらにその他の関係機関と航空会社、この間における乗っ取りを予想しての、乗っ取りをされたという場合の処置、それが航行中の場合、着陸をしている場合、そういうようなことについての訓練をされた事実があるのか。あるとすれば、今回の事案についてはそのような訓練、予想されるできごとを上回ったということになるのか。このあたりについてはひとつ刑事局長さんとそれから運輸省のほうから御答弁をいただきたいと思います。その点が一点です。 それからいま一点は次の点です。これは非常に現実的なと申しますか、機長が判断をすべきだといっても、私は機長についてもかなりもう判断する能力というのは生理的にも精神的にもこういう長時間でありますから失われている状態にあると思いますが、先ほど畑委員のほうからの質問にも関連をしますが、この場合乗客の生命の安全ということが第一義的に考えられねばならないということは言うまでもない。それがためにとるべき処置いかんという点が現実の問題として判断対象の事項になってくる。そこで、先ほど警察からお話がありましたけれども、板付空港でとろうとしたような諸処置、すなわち手動の、エンジンに対してオイルを送らないようにするとか、あるいは新聞等に伝えられたところの車輪を破損させるとか、あるいはその他機体の一部を破損させるとか、要するに離陸不可能にするというふうなことの処置も今後断り得るのかどうか。これはしかしそういうふうな処置があり得るとすれば、一体それはどういうふうな生命の安全という判断の上からケース・バイ・ケース、非常に流動的でありますからよくわかりませんけれども、そういう処置もあり得るのか。 いま一つは、これは先ほどからの畑委員の質問は、政治的な判断というものをこの場合に入れるべきでないという趣旨に私は承った。要するに生命の安全ということが第一だ。この場合、韓国の主権下にある。そういうような処置をとるといっても、これは韓国の警察権の行使の問題になってくる。だということになってくると、生命の安全ということを第一義としたところのこういう処置が正しいのだという、そういうわれわれのといいますか日本国政府及び日航の主張というものは全面的に通してもらわなければいかぬ、かりに食い違った場合には。そういうふうなことについては、これは刑事局長としてはどういうふうにお考えになるか、運輸省としてもどのようにお考えになるか。 それから、大臣御出発されるということです。これは私は、ある意味では生命の安全ということのためには措置として非常にいいという判断はあると思うけれども、大臣が行くまでは結局何もしない状態で膠着したような状態になるというふうな問題だってあり得ると思うのです。要するにそのあたりは一体どういうようにお考えになっているのか。 これはちょっと時間の関係で一言で質問を終わるつもりですから、私は一言だけお尋ねをいたします。だからかりに訓練をしてなかったということになっても、そのことについて困るとかけしからぬとかいうことでそれ以上は責任を追及しません。非常にわれわれは貴重なといいますか教訓といいますか、家族の方にとってはこれは全く耐えがたい犠牲をしいられた事件であります。ここでは、今日この段階においては、責任を追及することよりも当面どうするかということがポイントであろうと思いますので、ことに第二の点について力点を置いてお答えいただきたい。 以上であります。
○高松政府委員 ハイジャックの問題につきましては、近年各国でいろいろ行なわれ、またICPO、国際刑事警察機構の京都大会でもその問題を取り上げていろいろ議論され、よき防止方策は何かということをいろいろICPOからも資料が参っております。そういう程度でやっておりますけれども、ただ、警視庁には特殊捜査班というようなものがございまして、航空機の事故あるいは航空機内のいろんな犯罪に対処しての会社、空港その他との平素の連絡、あるいは航空機の構造あるいは新幹線の構造というふうなものについて一般的な勉強は一応やっております。しかし、何と申しましても、私は率直に申しまして、そういうハイジャックについてのわれわれの研究というものは非常に不十分であった。これはまあ、それじゃ非常に怠慢じゃないかというおしかりを受ければもうそれに服するより方法がないと思いますけれども、ただ何ぶんにも初めてぶち当たった。各国の事件というものはいろいろ聞いて、こういうやり方をするんだなというふうなことの頭はございますけれども、現実にこれをからだで体験してほんとうにどうするかという点については、私は従来からの私ども刑事警察としての研究もたいへん不十分であったように思います。こういう点も今回のことはこれは非常に大きな教訓でございまして、今後東京のみならず主要な空港を持つ警察についてはうんと勉強を進めさせていきたい、こういうふうに思います。 それから、個々の問題について具体的な予防措置というのはとったことは、従来もたとえば昨年十一月にもそういうことが一応一回行なわれたわけですけれども、しかし、一般的にはそういう点で私はまだまだ各方面との連絡、それからとるべき措置というものについてのふだんからの準備というものは必要だろうと思います。そういう乗客の生命の安全というのは、この場合においてもこれは何よりも大切なことでございますが、その生命の安全を確保するための具体的な措置は何が一番いいのかということは、個々のケースで非常に違ってまいろうと思います。先ほどもちょっとお話がございましたが、二年前の金嬉老の事件においては、彼は、殺して自殺する、こう言っていた。今度は北鮮へ行きたいと言う。非常にこれは違うわけであります。そういう場合にそれぞれどういう措置をとったらいいか。たとえば飛行機を発進させたほうがいいのか、とめたほうがいいのか、それがどちらがより乗客の生命の安全を確保できるか、こういう問題になろうと思います。 いま韓国に飛行機が参りまして、それで国際的な問題もいろいろ起こっておりますけれども、その前にもまず国内的にもどうすればいいのかということがいろいろ問題であろうと思います。これはいろいろ御意見の分かれるところであろうと思いますけれども、私どもは何よりもこういう事件については乗客、それから乗り組み員、この生命の安全を確保するというところに全力を向けていくべきだろうと思います。 そういう点で、たいへん不十分な答えでありますけれども、私自身そういうふうに感じて、これから大いに研究をさせてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松本説明員 御指摘の企業、それから空港当局、警察、そういったもの全部打って一丸として、こういう事件が起こったらどうするのだという想定的なもとに整然とした訓練をやったということはございません。そこまでとても思い及ばなかったというようなことであろうかと思います。したがいまして、今回の事件を一つの具体的な指針として、とれる措置は、毎々申し上げておりますようにとりまして、今後ともその方面の研究を進めたいと思っております。
○瀬戸山委員長代理 次回は、来たる三日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時一分散会