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63回国会衆議院1970/03/27

法務委員会 第11号

発言数
95
登壇者
11
会派数
3
開催日
1970/03/27

会議録

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 これより会議を開運ます。  理事辞任の件についておはかりいたします。  理事田中伊三次君及び福永健司君から、それぞれ理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に瀬戸山三男君及び細田吉藏君を指名いたします。      ————◇—————

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 戸籍法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。羽田野忠文君。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 民事局長に御質問いたします。  まず、法案の内容に入ります前に、現行法による出生及び死亡の届け出の実情について、どういうふうにやられておるか、御質問いたします。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 現行の戸籍法によります出生、死亡の届け出は、戸籍の届け出に関する原則の規定でありますところの戸籍法第二十五条の規定を排除する規定が、五十一条、八十八条に規定してございまして、これによりまして、事件発生地、すなわち出生、死亡のあった地の市町村長に届け出をしなければならない、このようになっております。これによりまして、現在、その事件の発生しました地で、それぞれ届け出人が出向いて届け出をしておる、それが実情でございます。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 改正案によりますと、現在出生並びに死亡の届け出は、事件発生地においてなさなければならないということになっておるものを、届け出本人の本籍地あるいは届け出人の所在地ですることもできるし、また、出生地あるいは死亡地においてすることもできるというふうに範囲を広げておるわけでございます。これは届け出が非常にやりやすくなるという面で、私も非常に賛成なんです。ところが、現行法の前の戸籍法、いわゆる大正三年の戸籍法によると、今度改正されるのと同じようなことが過去においてきめられておる。それを現行法、いわゆる昭和二十二年に、出生地あるいは死亡地、事件発生地においてしろというふうに限定をしたわけです。これについては何か理由があると思うのですが、こういう理由、あるいはどういう必要から、現行法のように事件発生地に限定されたのか、その事情を御説明いただきたいと思います。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 現行の戸籍法の前の戸籍法は、大正三年の戸籍法でございまして、これによりますと、「届出ハ届出事件ノ本人ノ本籍地又ハ届出人ノ所在地二於テ之ヲ爲スコトヲ要ス」こういう規定がございます。これは現在の戸籍法の原則規定と同じでございますが、出生、死亡につきましては、「出生ノ届出ハ出生地二於テ之ヲ爲スコトヲ得」こうなっております。「死亡ノ届出ハ死亡地二於テ之ヲ爲スコトヲ得」このようになっております。ただいま仰せのように、本籍地でも、届け出人の所在地でも、あるいは事件の発生地でも、どこでもできるようになっていたのであります。今回の改正もそれに戻すと申しますか、それと同じ趣旨になるわけであります。  それでは、なぜ現行法のように、出生の届け出と死亡の届け出を事件発生地に限定したかということになるのでありますが、実は明治時代から、これは内務省でやっておられたのでありますが、人口動態統計というものがございます。これは大正十一年に勅令で人口動態調査令というのが出まして、それによりますと、原則として本籍地の市町村長がその人口動態調査の調査票をつくる、それに基づいて動態の統計を作成する、このようになっているのであります。ところが、戸籍法で規定しておりますように、届け出人の所在地で届け出をする、あるいは事件発生地において届け出をするということになりますと、そこからさらに本籍地に連絡いたしまして、本籍地の市町村長が調査票をつくるというようなことになり、なかなか手間がかかるわけであります。そこで昭和二十一年に、これは当時の総司令部の指示もございまして、人口動態統計をすみやかに的確に把握するためには、出生、死亡については、事件発生地で届け出をし、同時に、その届け出地で人口動態の統計資料をつくる、これが最も的確な方法ではないかということになったのでございます。終戦直後のことでございますので、交通、通信が必ずしも円滑にいっておりません。そういう情勢下において、その動態統計を迅速に、的確にやろうといたしますれば、それも一つの方法であったかと思うのでございます。そういうことから戸籍法のほうの改正をいたしまして、事件発生地で、すべて出生、死亡については届け出をしなければならない、このように規定されたわけであります。  その当時の実情を申し上げますと、これは必ずしもそのことが事件発生地と住所地の関係を明らかにするものではございませんけれども、たとえば出生の場合について申し上げますと、お産をする場所が自分の住所地外であった、住所地以外のところでお産をしたというのが全体の二・四%でございます。あとは大体住所地でお産をしていたようでございます。ところが、四十一年になりますと、住所地外でお産をするケースが八七・七%に増加しております。このことは、直ちに住所地の市町村外でお産がなされるということとは結びつきませんけれども、その可能性を十分に含んでおるものと考えられるわけであります。厚生省でお調べになったところによりますと、昭和四十四年におきましては、大体出生事件の四〇%が住所地以外の市町村でお産がなされておる、こういうことでございます。したがいまして、この二十一年のころと比べますと、だんだんとそういうふうな、事件発生地が住所地から離れていくという傾向がうかがわれるのでございます。  そこで現在、統計の面からどうかということでございますが、昭和二十一年当時と比べますと、現在は、機械集計も非常に発達しておりますし、通信、交通もその当時とは比べものにならないような状態になり、厚生省におきましても、前のようなやり方を維持する必要はない、こういうことでございますので、それであれば出生届け、死亡届けにつきましては、むしろ従前の形に戻して、本人の本籍地あるいは届け出人の住所地でするというたてまえにいたしまして、同時に事件発生地でも届け出はできるようにしていく、こういうことで今回の改正に踏み切った次第であります。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 人口動態統計を出す必要性が強くて、この二十二年の当時、事件発生地に限定をしたという点につきましては、なるほどわかるのですが、その当時、出生はほとんどの部分が住所地でなされておったということになると、事件発生地即住所地というのがほとんどであるならば、人口動態統計を出す必要から改正したという点は、ちょっと説得力が薄いような気もするわけです。私はどうしてこういう改正をなされたかということをその当時の記録等で調べたいと思っているのですが、ほとんど論議をされていないのが実情なんです。そこで私が推測するのに、戸籍の届け出は一定期間内に届け出ることを要請しておるし、もし期間内に届け出ないと、過料の制裁まであるような状態です。なるべく届け出やすいようにするということが一つの要請で、今度の改正の点もそれだと思いますが、それと同時に、届け出の正確性ということが、届け出やすいことよりももっと大事なんです。いわゆる間違いのない、誤りのない届け出をさせなければいかぬ。特に、虚偽の届け出というものを排除するようにしなければいかぬというようなところから、この事件発生地において届け出をさせるということになれば、出生あるいは死亡の届け出について虚偽の届け出をした場合には、それが発覚する公算がその他の地域でしたよりも多いというようなところから、届け出の正確性というものをそれによって担保しておるのではないかということが考えられるのですが、局長、その点はいかがでございましょうか。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 確かに仰せのように、事件発生地において届け出をいたしますれば、届け出の正確性を期する上において他の地で届け出をするよりはよろしかろう、そういうことも考えられるわけです。もちろん統計の正確、迅速を期するということもやはりそれとつながる問題でございまして、届け出を正確にしようというところから出発しておるようにも考えられるわけでございます。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 そこで、私が心配しますのは、私どもが実際に戦後ずいぶん取り扱ったのは、例の戦死者の遺族が、いわゆる遺族扶助料などをもらう場合に、実はあの戦死した子供は私の子供だ、結婚前に生まれたために、両親の子供として入籍して、自分の弟になっておる、あるいは姉さんの子供として入籍して、自分はおばということになっておるけれども、実際自分が母親なんだというケースがずいぶん出てきておるわけなんです。現在でも、そういう結婚前に生まれたからという問題は起こりませんが、子供のない夫婦が、生まれたときに子供をもらい受けて、初めから自分の戸籍に入れるというケースがあとを断たないということを聞いております。  そこで、いま婚姻前に子供が生まれても虚偽な届け出をするというケースが非常に少なくなっておるということは、婚姻前に子供が生まれるケースが少ない。ということは、人工妊娠中絶が日本においては比較的容易に行なわれておることが私は一つの原因だと思います。ところが、この優生保護法の第十四条一項四号に、妊婦が分べんによってその健康を著しく害するおそれがあるというような場合には、これは身体的場合であっても、あるいは経済的理由によっても、医師の判断で人工妊娠中絶ができるという規定があります。最近の世論は、経済的理由によるいわゆる人工妊娠中絶をやめさすべきだという論が非常に高まっております。近い将来、そういう世論の反映で人工妊娠中絶がきわめて制限された場合、戦前のように、理由なく中絶した場合には堕胎罪を適用されるというようなことになると、また、婚姻前に子供が生まれる、そうすると、それを自分の嫡出でない子というので入籍するのはいやで、親の籍あるいは兄弟の籍に入れるというようなケースが出てこないとも限らない。そういう場合に、今度の改正がそういうことを容易にするというようなことであると、はなはだ困ると思うわけです。この点はだいじょうぶだという歯どめが何かございましょうか。その点をちょっとお伺いいたします。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 優生保護法との関係でございますけれども、今回の改正は、この法律との関係は全くないと申し上げても差しつかえないと思います。もっぱら動態統計の関係から考えた事柄でございます。ことに出生届けにつきましては、届け出について医師、助産婦の証明書をつけることになっております。その取り扱いにつきましては現在とちっとも変わりません。したがって、今回の改正をやることによって虚偽の届け出がふえるということは、戸籍法の面から申しますれば考えられないだろう、このように考えております。  いずれにいたしましても、優生保護法とは関係はない、このように御了承いただきたいと思います。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 よくわかりました。そのほかの条文は整理その他だからよろしゅうございますが、最後に附則のところではっきりしないところがありますから、ちょっと説明をしていただきとうございます。  附則の改正の分で、死産の届出に関する規程、それから墓地、埋葬等に関する法律、それから死体解剖保存法の改正、こういうものが出されておるようでございますが、この点、簡単に説明していただきたい。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 死産の届け出、あるいは墓地、埋葬等に関する許可の関係、死体解剖保存の関係でございますが、これは従来戸籍法の死亡届けの手続に合わせて規定がなされていたわけでございます。したがって、事件発生地の市町村長に死産の届け出をするとか、あるいは埋葬の許可を受ける、こういうことになっていたのでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、戸籍法を改正いたしますと、その届け出を受けた市町村長がすべてこれを処理できるようにしたらよかろう、ごく大ざっぱに申し上げますと、そういう考え方から戸籍法の改正に足並みをそろえて、厚生省の御要望もございましたので、これらの法律の改正をお願いしよう、こういうことでございます。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 終わります。

岡沢完治民社党

○岡沢委員 関連して。今度の改正、私はしごくごもっともだし、むしろおそきに失したという感じがするわけです。いただきました資料によりましても、昭和四十二年十月、全国連合戸籍事務協議会の要望事項、四十三年にも四十四年にもなされているわけですね。いまの局長さんを責めるわけではございませんけれども、これだけいい改正をなぜいままでほっておかれたかという感じがするので、その辺、理由があれば伺いたい。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 まことにごもっともな御意見だと思います。私どももできるだけ早く改正しようと思っていたのでございますけれども、一つには、先ほども申し上げましたように、人口動態統計の関係がございましたことと、さらにほかに、もう少し戸籍法の中で改善を要する点はないだろうかということを実は検討いたしております。しかし、なかなかめんどうな問題もございますために、これを全部まとめてということになりますと、ちょっとまだ時間がかかるんじゃあるまいか、このように考えまして、せめてこの出生、死亡の届け出だけは早きにこしたことはなかろうと思いまして、この点だけ取り上げまして特に今回提案させていただいた、こういうことでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 関連して簡単にお聞きしたい。  いま、羽田野君の質問をちょっと聞いておったんですが、私は、実は勉強不足であって、この現行法が、前に改正になって現行になったということを知らなかった。羽田野君の質問で実はわかったのですけれども、この法文の中を見てみますと、届け出ということについて、何の届け出でも、一応原則として、事件本人の本籍地あるいは届け出人の所在地ということが原則になっておる。ところが、これだけが例外になっておるというのはどういうわけなんだろう、こういうふうに考えておったんだが、それがいま、実は勉強不足が明らかになったんですが、もう一度聞きたいのは、大体どういうことで、もっと端的にいうと、少し答弁がもの足りない感じがしたのです。現行法になってから、もう相当前からこういったような事情は出ていたんじゃないかと思うのですが、どうしてそんなふうになったんでしょうか、もう一度羽田野君に対する答弁を詳しく聞かせてください。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 昭和二十一年までは、本人の本籍地あるいは届け出人の所在地ですべきものであるが、事件発生地でもよろしい、こういうことになっておったわけでありますが、これは人口動態統計の関係で、これを迅速に、正確に把握するためには、事件の起きたところで届け出をして、そこの市町村で把握するのが一番よろしかろう。これは、先ほども申し上げましたように、司令部の指示もあったのでございます。  そこで、現在の、二十二年の戸籍法ができます前に、昭和二十一年の司法省令四十七号というものがございまして、これはポツダム政令でございますが、司令部の指示に基づいて現行法と同じような趣旨の届け出の規定がここで生まれたわけでございます。二十二年に戸籍法を改正いたしますときにも、人口動態の関係から申しますればそのやり方を踏襲すべきであるということから、同じ方針をここへ取り入れた、これが従来の経緯でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 どうもそれは、進駐軍のほうではあまり実態がわからずにそういうことをやったのだと思うのですが、結局、やはり届け出るところは住所地で届け出るのが実際ですよ声。本来は、病院で子供を産んだ場合にも、自宅に帰ってきてから名前はつけるのですから、生まれたところですぐ届けるようなことはせぬで、名前をつけるときに届け出るのが普通じゃないですか、結局のところ。その辺どうですか。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 仰せのとおりでございますが、二十一年当時といたしましては、事件発生地と住所地が、先ほども申し上げましたように、統計によりますと約九七%以上が一致しておったわけでございます。そういう意味では、この改正をやりましてもそれほど不便は生じなかった。ただ、あとの残りの面につきましてより一そう正確を期そう、こういうことから、この措置がとられた、こういうふうに私ども理解しております。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 これにて本案に対する質疑を終了するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  戸籍法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 次に、法務行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。畑和君。

畑和日本社会党

○畑委員 時間的な関係上、どうしてもきょう法務当局に質問をしておかなければということで、特にお願いをしてきょう質問をさせてもらうことになりましたが、それは法務局の臨時職員の取り扱いの問題であります。  いま法務局では、相当の数の臨時職員がおる、全法務局関係で一割ぐらいの数にのぼる臨時職員がおると私は聞いておりますが、その職員を、民事局長通達を出して、とにかく三月三十一日現在で一応整理をして、そしてまたその中から必要な者は再雇用するということに切りかえる模様でありますけれども、それについて、もう少し慎重に考えて、それを検討するためにしばらく猶予を置けないかということが、実は私の最終的な問題提起になるわけです。  そこに至るまでにいろいろ質問をしたいのですけれども、法務局の職場では、いまも言ったように相当の数の臨時職員がおって、登記簿の謄本とか抄本あるいは諸証明、そういったものの仕事をしておる。それからまた、受付業務、記入など、そういった比較的恒常的な仕事をやっておる人が相当多いと思う。まあ例の、今度大体一段落すると思われる登記簿の一元化ですか、ああいった問題で非常に臨時職員を雇った、こういうことはわかります。これは大体整理が済んでそういう方向に向かっておると思うのです。ところが、その臨時職員はほとんど普通の仕事に従事しておる模様でありますが、これを首切るというわけですね。普通の職員でなくて臨時職員ですけれども、いままでずっと恒常的に使っておったという扱いになっていたのを、急にそれを首を切って、再雇用するとしても、ほんとうの臨時職員の形で、六カ月かなんかしか見ないという形にするようでありますが、非常に急激なおたくのほうの方針の変更、これがどうも解せない。そういう点についてお聞きしたい。  その臨時職員は大体どういう仕事をしておるのか、私が聞いておるとおりであるのかどうか、その辺をまず聞きたい。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 この問題は、過去におきましても、予算委員会、決算委員会あるいは当委員会におきましていろいろ御心配をわずらわした問題でございます。  法務局におきましては、経常的な本来の仕事のほかに、現在の事務の体制の改善をはかろうということから、いろいろの臨時の作業をやっております。たとえば台帳と登記簿の一元化、あるいは粗悪用紙の移記の問題、あるいは商業登記簿のファイルの問題、あるいは従来の尺貫法で表示されております登記簿をメートル法に書き直さなければならない、こういう仕事があるわけでございます。  そこで、もう過去数年にわたりまして、これらの臨時の仕事を担当してもらいますために賃金職員を採用いたしまして、これらの仕事に従事させておるのであります。この賃金職員は現在千二十人くらいおります。これは本年の二月一日現在でございます。その内訳は、男子職員が七十五、女子職員が九百五十五人、こういう実態でございまして、一元化、メートル法に六百七十一人、粗悪用紙に百十一人、あるいは税務署通知に百六十九人というふうな内容になっておるのでございます。  これらは臨時の仕事でございますので、私どもとしましては、その仕事が終われば当然その雇用をやめるべきものである、こういうふうに考えてもおりますし、また過去のいろいろの御意見でも、その点についての御批判がございます。長期にわたってこういった臨時職員を採用するのはけしからぬではないか、こういう御意見でございます。私どもも反省すべきものは反省いたしまして、臨時の職員であれば臨時の仕事をしていただくのがこの制度でございますので、定員内職員と同じような扱いをすべきでないという御趣旨を十分考え、なおかつ、そういった定員外の職員でございますので、定員職員と同じように会計年度を越えても引き続いて採用する、こういうたてまえはとるべきではない、これはやはり一つの筋論でございます。そういう御要望、御意見等もございましたので、また同時に、政府の方針としましても、会計年度内で任用期間を定めてやれ、こういうことになっておりますので、姿勢を正すと申しますか、筋を通すような趣旨におきまして、一応この会計年度末で終止符を打って、さらに新年度に入って採用すべきものは採用していくべきではないか、こういうふうにけじめをつけたというのが今回の措置なのございます。とは申しましても、一元化にいたしましてもあるいは粗悪用紙の移記にいたしましても、まだこれから継続してやる仕事でございます。したがいまして、今回雇用をやめました職員を今後一切採用しないということは毛頭考えていないわけであります。ただ予算の執行なりこの賃金職員というものの性格にかんがみまして、折り目だけは正していこうということでございます。  なお、一元化の作業も四十五年度でいよいよ終了いたします。したがいまして、一元化のために入りました予算も、来年度におきましてはかなり減額の要求もいたしました。また、いろいろ反対の御意見のございました税務署に対する通知の問題でございますが、これにつきましても、国税庁のほうと相談をいたしまして、何とかいい方法はあるまいか。いままでのような全部法務局でお引き受けするというのはいろいろ問題もあるし、もう少し検討していただきたいということを私どものほうからも申し入れをしたわけでございます。そうなりますと、本年度採用しております賃金職員を来年度もそのまま引き続いて採用するということは、ちょっとたてまえ上もむずかしくなってくる。そういう意味合いにおきまして、一応筋目を正して、今回年度末で一応終了させ、さらに必要な者は新年度から採用していく、こういう措置をとったというのが今回の措置でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 その臨時職員は一元化その他の臨時的な仕事に従事さしておると言っておるけれども、そうじゃないんじゃないですか。なるほど予算を取るためには、その一元化の仕事にこれだけ金が要るということで予算を取って、庁費等で臨時職員の給与をまかなっておったんだと思うけれども、最近はだんだんと業務は減ってきて、四十五年度で終わるということなんだけれども、しかし、一般の恒常的な仕事がやはり相当多くなってきている。そこで、そういった臨時職員をそちらのほうに使っている面が非常に多いと私は聞いております。そういう事実はございませんか。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 これは前にも御質疑があったと存じておりますが、私どもとしてそういう事実が全くないということは、これは申し上げません。しかし、臨時の仕事でございますので、各法務局ごとにそれぞれ個別に計画を立てましてその作業を進めてまいります。その間にやはり時間的にロスが出てまいる場合もございますし、せっかくなれた職員でありますから、それを引き続いて次の仕事をやってもらうために、一時待機と申しますと言い過ぎかもしれませんけれども、ほかの仕事をやっておいていただいて、次の段階の臨時の仕事に入ってもらう、こういうこともあり得るわけでございます。また、なれた職員がおります場合には、ついそちらに仕事を移しまして、その穴埋めに臨時職員を使ってきたということも、これはないとは申しません。  しかし、そういうやり方自体がやはりこの賃金職員というものの性格に合わない事柄でございますので、ここ二、三年来、法務局の関係の局長なりあるいは課長の会同の機会に、私は口をすっぱくしてそういうことのないように、臨時の仕事は臨時の仕事として臨時の職員だけにやらせるのが筋だから、そのような運用に配慮するようにということを強く実は訓示しておるわけであります。しかし、そうは申しましても、採用して長く使っておりますと、これは人情も移ることでございますし、二日あとから新しい仕事をやるんだから、その二日間おまえはやめておけというわけにもいかない事情もあるようでございます。いろいろ方事情がその中へ入りまして、いまお説のように、これはまた恒常的な仕事といえば恒常的な仕事かもしれませんけれども、そういった面にも振り向けられてきたということは私は否定はいたしません。しかし、そうあるべき筋合いのものではないということは強く申しておるのであります。いろいろな面で折り目を正していかなければならぬだろう、こういうことを考えておる次第でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 局長も恒常的な仕事に振り向けてやらしておったような事実もあると認めざるを得なくなっておりますけれども、相当の数をそちらにさいておるように話を聞いておるのだが、そうだとすれば、それをやはり定員化するという努力をすべきであったと思うのです。しかもこれからそれだけの臨時職員を首を切って、またやはり臨時が必要な面があるかもしれぬ。おそらくふるいにかけて再雇用するということになると思うのだが、それがいままでの扱いとだいぶ変わってきてしまうんですね。今度は六カ月以内、とにかく年度を越えて採用するというようなことでなく、そのときそのときで臨時に六カ月以内の採用をするという形になるわけだが、いままでずっと、もう相当長くそういった人たちを使ってきたのでしょう。二年、三年と継続して切りかえてやっておる人が相当多いらしい。それらについては共済組合の適用もあったようだし、それからボーナスの適用もあった、有給休暇の適用もあった、それでずっといままでやってきている。しかも人が集まらぬ。日給六百円から九百円ぐらいの間だと私は聞いておるが、そういう安い賃金であるから人が集まらぬ。集めるためには、定員化する可能性があるのだからというようなことで、だいぶだますような形で人を集めているというような話を聞いておる。そうした上で来た人たちを、ここで急に方針を変えて首を切ってしまう。そうしてあとはこちらの必要に応じて臨時雇用を六カ月以内でやるのだ、こういうふうなことは、あまりにも急激な変化ではないか、こう思うのです。そうなれば、いままで三年間も——三十六年に閣議決定がなされておるのに、それをいままでずっとこのままでやってきた責任はどうするのか。急にここで変えてする必要はないのではないか。まあ折り目を正すということはよくわかりますけれども、しかし、そうかといって、ここで急にやるのはどういうことなのか。各省ともやっておるのか、各省はまだそこまでいってないようだ。要するに、行管のほうでも調査をするということになっておるので、それによって処置を講ずるというように、この前行管の長官は答弁をしておるようでありますが、その進行中であるわけだ。それをあなたのほうで今度急に、三月三十一日を限りとしてとにかく一応全部を整理するということになったのはどういうわけか、こういうことなんです。今までと今度はあまりにも違い過ぎる、約束が違う、こういったような臨時雇用者の声も相当多いわけです。その点はどういうことでしょうか。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 先ほども申し上げましたように、この臨時職員の長期雇用化ということについての非常に強い御批判をいただいております。それに加えて、一元化も縮小していくために予算の減額要求も当然のことでありますけれども、私どもとしてはいたしております。また、御批判の強い税務署通知にいたしましても、これは職員の立場も考えますならば、われわれもさらにこの辺で再考を要するのではあるまいか、こう思いまして、国税庁に対しましても検討をお願いしておる状況でございます。  そうなりますと、従来のままで臨時職員の雇用を継続していくということはとうていできないのでございます。各省がどのようにお考えになるか、私は存じません。しかし、少なくとも法務局につきましては、先ほども申し上げたように、二、三年来私は口をすっぱくして、この臨時職員の取り扱いについて姿勢を正すようにということを言ってまいりました関係もございますし、ちょうど今回予算の減額とかいろいろのこともございますこの機会に、やはり折り目を正して、内閣の方針に従ってやる必要があろう、これがまた国会方面の皆さん方の御意見にも沿うゆえんであろう、このように考えて実はこの措置をとろう、こういうことにした次第でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 民事局長は口をすっぱくして言ったかどうか知らぬけれども、いままではそれがなされていなかった。実際には形にあらわれていなかった。それが急に今度の三月三十一日で全部整理ということ、それを全部整理して使わないでいいならいいけれども、それを使うのですね。おそらく使わないとはあなた断言できないでしょう、仕事はあるのだから。しかも臨時的な仕事であるとも言い切れないとぼくは思うのだ。人が足りないということは厳然たる事実だと思う。これは一元化だけの問題ではなくて、全体として人が足りない、事務量がふえてきている、こういうことだと思うのです。それで、やはり依然として臨時はあると思うのです。ないなら全然ないと言い切ってもらいたい。おそらく言い切れないでしょう。あなたは口をすっぱくして言ったかどうか知らぬけれども、とにかくいままでは、閣議決定があっても、そのあとずっとずるずるとやってきた。それで急にいまになって——去年、実は参議院で総理や行管の長官が答弁をされた。質問したのは山崎昇さんですが、これは結局、臨時職員をなぜ定員化せぬか、足りないのなら定員化しろ、こういう趣旨で質問したものらしいが、ともかくそんなにあるとは驚いたという形で、実は実態を調査をして、ほんとうに定員化が必要なら定員化すべきである、臨時はほんとうの臨時の意味だから、臨時の処置であるべきだという意味でしょう。そういうような答弁をされておりますが、それで急にあなたのほうでそういうふうに切りかえられたのがどうも私はちょっと了解できないのです。  そこで、行管のほうに聞きますけれども、行管のほうではどんなことをいまやっているのですか。そういった問題について調査か何かやっているか。

吉野良彦行政管理庁行政管理局管理官

○吉野説明員 いわゆる定員外の職員につきましては、昨年各省庁に調査の御依頼をいたしまして、本年に入りましてから先般各省庁から調査が出そろいましたので、現在私どもの手元におきまして調査の結果を集計、整理をいたしておる段階でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 それで行管としては調査の結果をまとめて集計をしてどうするのですか。

吉野良彦行政管理庁行政管理局管理官

○吉野説明員 今回の定員外の調査につきましては、先般の国会におきましてもいろいろ実態等につきまして御議論がありまして、そういう御議論にこたえる意味におきまして調査をいたすことにいたしたわけでございます。そこで、もちろんこれは調査の結果のいかんによることでございますけれども、調査の結果を慎重に検討いたしました上で、格別の措置が必要であれば、その段階におきまして必要な措置をとるというようなことになろうかと存じております。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、その実態の調査の結果まとまったものをいろいろ類別などして、この省のこういう臨時職員の数は各省の実情と照らし合わせて定員化する必要があるのか、これは臨時で間に合うのか、実際にそういう仕事があるのか、そういう点を具体的に調べた結果、その結果に基づいて各省と打ち合わして最終的な処置を講じよう、こういうことですか。

吉野良彦行政管理庁行政管理局管理官

○吉野説明員 ただいま先生のおっしゃいましたのは、定員化をすべきものがあれば定員化をする措置を講ずるのかどうかという御質問かと思いますけれども、そういうような問題も当然検討の対象になるというふうに考えております。

畑和日本社会党

○畑委員 そうだとすると、別に行管としては、臨時職員は首を切れというような方針でやっておるわけでもないですか。要するに、実態がどうであるか、その実態によっては定員化も必要であろう、あるいはみんな首切る必要があるだろうとか、そういったことをその結果によって判断して各省と打ち合わせよう、こういう段階ですね。

吉野良彦行政管理庁行政管理局管理官

○吉野説明員 調査の目的自体は、決して先生がおっしゃいますような首を切るというようなことを目的として調査をいたしておるわけではございません。しかし、先生御承知のように、三十六年二月二十八日の閣議決定がございまして、定員内職員と同種または類似の職員が定員の外に発生序することを防止するために、いろいろな措置を政府部内において講ずることをきめてございます。現在におきましては、なおその閣議決定が厳然と生きておるわけでございます。そこで、その閣議決定の趣旨に従いまして各省庁において適切な管理がなされる、かように理解をいたしておるわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 いま行管のほうから聞きますとそういうことなんですが、そこでお聞きしたいのは、ほかの各省庁はどうですか。おたくのほうでこういった調査をやっておる、それが大体まとまった、ところが三月三十一日までにやはりそういった臨時職員を一斉に整理をする、首を切るということをほかの省庁はやっていますか。

吉野良彦行政管理庁行政管理局管理官

○吉野説明員 現在私どものほうで作業いたしておりますのは、各省庁から出そろいました調査の結果を整理いたしておる段階でございます。そこで、詳細に省庁ごとに定員外職員の実態がどうであるというようなことを私どものほうとしてまだ把握し切っていない段階でございますので、省庁によってどういう実態にあるのか、あるいはどういう措置が行なわれておるのか、総括的にまだ申し上げられない段階でございます。御了承いただきたいと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、まだ結局どこからも何もない。報告もない。いずれあなたのところに、そういうことがあったら各省庁から報告があるのでしょう。

吉野良彦行政管理庁行政管理局管理官

○吉野説明員 先年各省庁に依頼をいたしました調査の結果は、すでに私どもの手もとに各省庁とも提出がされてございます。されておりますけれども、御承知のように、定員外職員はかなり多種多様でもございます。それから、省庁のいかんによりましては、調査の内容で重複、脱漏等もあるように見受けられますので、現在それらの点を各省庁に照会しながら整理をいたしておる、こういう段階でございますので、御質問のような、いずれあらためてまた各省庁から調査の結果が通知されるとかいうようなことはないわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 いま行管から聞くと、そういう進行状態なんです。  そこで、法務省のほうに聞きたいのだが、私が先ほど申し上げましたような実態でありますから、法務省のように、急にいまそれを実行しようということはこの際少し考えて、ほかの省庁のほうはどうであるかというようなこと等もにらみ合わして慎重に処理をされるのが私は妥当だと思う。ともかくいままでずっと、一千何名の臨時職員をかかえておって、それでしかも先ほど私が申し上げたような扱いを——ボーナスも出す、共済組合の適用も与える、有給休暇も与える、こういうようなことをずっとやってきて、そこでいま三十六年の閣議決定があるからということを振りかざして一斉に首を切るということは、私は何としても解せない。何もそんなに急ぐ必要はないじゃないか。もっともっと実態をよく把握した措置をすべきではないかと私は思う。その点がどうも、法務省は法律をつかさどるところの省かどうか知らぬけれども、ばかにしゃくし定木に、各省に先立って、実態調査の段階であるのにあなたのほうがえらく急いでそれだけの人数の人を急に首切るということはどうもふに落ちない。あなた方の責任回避、要するに役人としてどうもそういうふうなかっこうにしておかないと困るということで出られた処置だと思うのだけれども、しかし、これを首を切られた人の身になって考えてみたら、そう簡単にいけるものだろうかと私は思うのです。  その点、何もそう三月三十一日ということでなく、その通達を撤回して、そうして少し考えてみたらどうですかね。それを考えてみる余裕はありませんか。その点をひとつ伺いたい。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 先ほども申しましたように、もう数年にわたりましてこの問題についてはいろいろ御批判をいただいてきたところであります。定員外職員の長期雇用化の問題、さらに恒常的な事務に従事している者はないかという問題等にからみまして、私どもとしましては、やはり政府の方針にのっとり、すっきりした形にして皆さまの御批判にもおこたえすべきじゃないか、こういうふうに考えまして、本来一人でも人のほしい法務局でございますけれども、やはり折り目を正してやるべきことはやっていく。ただ今回、会計年度の終わりに一応——その職を離れます人たちも非常に一生懸命に法務局の仕事をやってくれた人たちであります。したがいまして、可能な限り再雇用ということも考えなければならぬと思います。しかし、いずれにいたしましても、定員内の職員ではございません。やはりそれなりの筋目の通った措置を私どもとしてはやるべきであろう、こういうふうに考えております。  なお、定員組み人れの問題でございますが、先ほど定員化とおっしゃいましたけれども、政府全体の問題としてお考えになる場合には、これは行政管理庁、総理府でしかるべく御検討になることと思います。私どものほうとしましては、昭和三十五年以来すでに千名をこえる定員外職員の定員組み入れの措置はとっております。これも試験なり選考の方法によるわけでありますけれども、できるだけそういうことを進めまして、身分の安定する定員内に人ってもらうようにという指導はいたしております。全然突き放すような措置をとっておるというものではございません。これを参考にちょっと申し上げておきます。

畑和日本社会党

○畑委員 ともかく臨時職員には臨時の仕事だけしかやらせない、これは当然だと思う。ところが、実際はそうではない。一体それでやれるでしょうか。そのうちの何人かは再雇用するのでしょう。大部分になるかどうかは知らぬが、再雇用するのだと思うのだけれども、はたして全部臨時の仕事に充てるのだということが言い切れるかどうか、それは問題だと思う。おそらくそういうことはないと思うんです。そういう人たちにやはり恒常的な仕事をやらせることにならざるを得ないと思う。そうだとすれば、やはり人が足りないのだ、したがって堂々と定員の増を主張すべきだと思う。そうして定員に組み入れていく、こういうことをやらないで、ただかっこうだけつけるというのは、どうも私は承知できない。おそらくかっこうだけつけることになるのではないか。またそのうちに逆戻りすることになるのじゃないでしょうかね。ほんとうにそれだけ、臨時の仕事をする人だけを再雇用するのだということならわかります。ところが、そうじゃないことに結局なるのじゃないか。末端の法務局あたりにいくとそうじゃないかと私は思う。だから私は言う。そういったことが必要なら、定員をどんどんふやすようなことをなぜやらぬか。人手が足りないから臨時雇用でやっていく、あくまでも臨時雇用だったら臨時の仕事をやらせるべきなのに、恒常的な仕事も実際にやらしておる。これは断言しますよ、おそらくできっこない、臨時の仕事だけやらせることになりはせぬ、こう思うのだ。それで劣悪な条件でやったって、そういう人は六百円から九百円くらいでは集まらぬでしょう。しかも共済組合の適用もないし、ボーナスの適用もないし、六カ月で首切りだ、再雇用だ再雇用だということではたして集まるかどうか、私はそれを心配している。それでしかもきついことを言えば、なかなか人は集まらぬということになるのじゃないか。どうですか、この辺は。それはきちっとやれませんかね。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 畑君、時間をオーバーしたから、慎重に考慮してもらって善処してもらうことにして……。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 仰せのように、法務局の事務は非常に激増しております。恒常的な事務のためには私ども毎年定員の増加をお願いいたしておりますが、おかげで各方面の御理解もいただいて、ある程度の措置はとっていただいておりますけれども、必ずしもこれで十分ではございません。この増員措置と臨時職員の定員組み入れというものは必ずしも結びつかない。と申しますのは、公務員の任用の条件等もございますので、これはできないわけでございます。したがいまして、法務局の立場からいたしますれば、恒常的事務のためには増員の要求を今後とも続けていかなければならないと思いますし、また臨時の職員の処遇につきましては、できるだけ不利にならないような方法を今後とも私どもは考えてまいる所存でございす。ただ折り目だけはつけないと、どうも私どももいろいろ国会方面からも御批判いただいておりますし、法務省の立場もございますので、この際、一応折り目だけはつけさしていただきたい、こういうことでございますので、御了承願いたいと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 折り目を正す折り目を正すとよく言うけれども、それは責任回避ですよ。お役人根性だよ。それはもういままでずっとやってこられた人、しかも普通の職員になれるのだというような希望で入ってきた人が、急にここで首切られて、いろんな優遇措置もなくなってしまう。あなた方はそれで済むかもしれないが、首を切られる本人の立場になれば、あまりにも急激な変化だからぼくは言うのだ。行管のほうの態度を待ってそれ存首にすることはできないか、それはどうなんですか。  最後に、今度首を切るのは千三十人だそうだが、実際はもっとあるような様子だね。組合あたりで調査するともっと多いようだが、かりに千三十人として、大体そのうちどれだけ再雇用する考えですか、臨時として。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 これは各法務局にまかせておりまして、私のほうとしまして、どのくらい見込みがあるかということは把握いたしておりません。しかし、従来の経緯から申しましても、ただ年度末に雇用をやめてそのままにしてしまうということは、おそらくないだろうと思います。

畑和日本社会党

○畑委員 そうすると、やはり優遇措置や何かみんななくなってしまいますね、六カ月雇用になると。いま私が言ったような優遇措置、ボーナス、その他。

新谷正夫法務省民事局長

○新谷政府委員 これは一年とか六カ月とかいう期間がついております。それに当てはまるものにつきましては、できるだけそういう措置を講じていきたいと思っております。      ————◇—————

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 次に、沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。  この際、政府に、本案の補足説明を求めます。影山政府委員。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 提案されました件について、若干の補足説明を申し上げます。  提案理由の説明にもありましたように、この法律案は、沖繩の復帰に備えて行なわれる本土と沖繩との免許資格の一体化施策の一環として、弁護士資格等の一体化に関する特別の措置を定めようとするものでありまして、昨年成立しました沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法による免許資格の一体化措置とその目的を同じくするものであります。ただ、弁護士資格につきましては、沖繩と本土とで、その取得の要件がかなり異なっている上に、弁護士の職務は特に公共性が強く、またその資格は裁判官、検察官の任命資格とも共通であることにかんがみまして、これに本土資格を付与するにつきましては、選考及び試験を行なおうとするものであります。  そこで、この法律案の内容の説明に入るに先立ちまして、まず、沖繩における弁護士の資格取得の要件及び沖繩の弁護士資格者の数、その職種等から御説明いたします。  沖繩におきましては、昭和四十三年一月一日に、裁判所法、検察庁法及び弁護士法が施行されて現行の司法制度となったのでありますが、現在在職する裁判官、検察官及び弁護士のほとんど全部は、これら新法が制定されるまでの基本法令であった琉球民裁判所制、一九五二年、昭和二十七年ですが、一九五二年布告第十二号により資格を付与された者でありまして、その資格が新法施行の際の経過措置として、新法による裁判官、検察官または弁護士の資格とみなされて今日に至っているわけであります。  そこで、これらの者の資格取得の根拠規定となっている、ただいま申しました布告十二号、これはお手元に差し上げてあります資料の三ページでありますが、その内容を簡単に説明いたしますと、第七条第二項に弁護士の資格要件として、A号、B号、C号、D号の四種が規定されておりますが、A号は、本土の弁護士資格をさしますので、この法律案の特別措置の対象外としております。   〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕  B号は、「少くとも五年間琉球列島に於て判検事の職務に在ったこと」とされていますが、これは、法曹資格がなくても特別に判検事に任命された者が五年間その職にあることにより弁護士の資格を取得することができることを規定したものであります。これに該当する者は、主として戦後の初期において沖繩に法曹資格者がいなかったため、軍政長官等から判検事に適当な者として任命され、その職に五年以上あったことによって弁護士の資格を取得したものであります。  C号は、「公認の法律学校の卒業証明及び日本若しくは琉球の法律的訓練を要する職務に少くとも二年間の実際的経験を有すること」とされております。ところで、この「公認の法律学校」とは、本土及び沖繩の大学の法学部等であるとされ、また、「日本若しくは琉球の法律的訓練を要する職務」とは、本土または沖繩の裁判所書記官、検察事務官、弁護士事務所事務員等であるとして運用されてきております。  D号は、「琉球法曹会試験局の試験に依る証明」で、昭和二十七年度以降行なわれてきたいわゆる琉球司法試験の合格者をさすものであります。この試験の科目及び試験問題は、本土の司法試験の第二次試験と類似したところがありますが、受験資格は高校卒程度とされているところが本土と大きく異なっておりまして、当初は大学卒でない合格者が多かったのでありますが、最近におきましては、その合格者の大部分を大学卒業者が占めるようになり、また、これまでの合格者五十名中三十一名が本土に委託されて司法修習を受けております。  新制度になりましてからは、沖繩の弁護士法第四条第四号の規定、すなわち、大学の教授等の職に三年以上あったことにより弁護士資格を取得し登録をしている者が三名おります。なお、昭和四十四年度に沖繩の新司法試験法による司法試験が一回だけ実施されておりますが、その合格者は沖繩の新制度による司法修習生として採用され目下本土に委託されて司法修習中でありまして、まだ法曹資格を取得しておりません。  そこで、次に資料一三ページの「沖繩の弁護士資格者数調」をごらんいただきますが、この表のA、B、C、Dは、右の布告十二号第七条のA、B、C、Dの各号該当者をさすものであり、Eは沖繩の弁護士法第四条第四号の大学教授等に在職したことにより取得した資格をさすものであります。この表の員数は、いずれも昨年十月末現在の調査により把握した結果で、できるだけ正確を期したものでありますが、それによりますと沖繩の弁護士資格者数の合計は三百四十三名であります。資格要件別の内訳は、Aが十八名、B、すなわち判検事在職五年が二十六名、C、大学卒及び法律的訓練を二年というものが二百四十六名、それからD、沖繩の司法試験を通った者が五十名、E、大学教授等が三名であります。また、弁護士資格者の職種別の内訳は、裁判官が五十五名、検察官が三十七名、弁護士が百二十五名で、これらの者をこの表では「顕在的資格者」と表示しておりまして、その合計は二百十七名であります。このほかに、現在裁判官、検察官または弁護しの職にない者が百二十六名おりまして、この表では「潜在的資格者」と表示しておりますが、そのうち六十八名は裁判官以外の裁判所職員、三十六名は検察官以外の検察庁職員でありまして、ほとんどがCに該当する者であります。  このほかに、布告十二号から新弁護士法への切りかえの際にとられた経過措置によりまして沖繩の司法修習生となる資格を付与され、目下裁判所書記官、検察事務官等の職にあって近い将来弁護士資格を取得する予定の者が百四十一名おります。  次に、この法律案の内容について簡単に御説明いたします。  この法律案における措置の主眼とするところは、以上に述べました沖繩の弁護士資格者等に選考によって本土の弁護士資格を与えようとする点にあるのでありますが、御承知のとおり、本土におきましては、弁護士の資格は、判事補及び二級の検事の任命資格と共通になっておりますので、今回の特別措置も沖繩の弁護士資格者に本土の弁護士資格を付与するにあたりましては、判事補及び二級の検事の資格をも同時に付与することとしております。したがいまして、沖繩の裁判官、検察官が、本土の裁判官、検察官の任命資格を得るについても、この選考に合格しておくことが必要となるわけであります。  そこで、この措置の御説明でございますが、資料一ページの「この法律による措置の図解」をお開き願います。この図のとおり、この法律案による措置の対象は、沖繩の弁護士の資格を有する者で本土の資格を有しない者、すなわち先ほどの表では、B、C、D、Eに該当する者と、先ほど申しました沖繩の司法修習生となる資格を有し弁護士の資格を取得する過程にある者の全体であります。  今回の措置は、これらの全体を二つのグループに分けております。  図の上の方から説明いたしますと、第一は、試験を経なくても選考を受けることのできるグループでありまして、まず、沖繩の弁護士資格者中、裁判官、検察官または弁護士に三年以上在職する者は、司法試験管理委員会が行ないますところの本土の法曹としての能力があるかどうかを判定するための選考を受けることができるのでありまして、この選考に合格したときに、裁判所法第六十七条の規定による司法修習生の修習を終えたものとみなすこととしております。したがいまして、さきに申し上げましたように弁護士となる資格のほか、判事補・二級の検事になる資格を取得することとなります。  次に、沖繩の司法試験に合格し、本土に委託されて司法修習を受けた者は、右の実務経験が三年未満または皆無でありましても、右の三年以上在職の者と同じに取り扱うこととしております。  これら三年以上の在職者及び本土に委託されて司法修習を受けた者を、後ほど申し上げます試験を受けさせることなく選考の対象とすることとしましたのは、これらの者の沖繩におきます法曹としての実務経験または本土における法曹教育の実績を尊重するのが相当と考えられたからであります。  第二は、試験を受けなければ、選考に進むことのできないグループでありまして、その一は、沖繩の弁護士資格を有する者で、前記以外の者であります。すなわち、裁判官、検察官または弁護士としての実務経験三年未満または全然実務経験のない者であって、しかも本土で司法修習を受けていない者でありまして、しかもそのほとんどがC号該当者であります。これらの者は、法曹としての実務経験が未熟または皆無の者でありますので、法曹として必要な民事、刑事に関する実務についての基礎的素養を備えているかどうかを判定するための筆記試験を行ないまして、その合格者に限り、右の選考に加わることができることとしております。  その二は、沖繩の司法修習生となる資格を有し、弁護士資格を取得する過程にある者も同様に右の試験を受けることができることといたしました。これらの者の大部分は、前述のとおり、裁判所書記官等の職にありまして昭和四十六年以降に沖繩の弁護士資格を取得できるのでありますが、この際これらの者にも試験を受ける機会は、これを与えることとしたのであります。  ところで、選考は、口述その他の方法によって行なわれる予定でありますが、選考の性質上沖繩における法曹としての実務経験等も合否の判定にあたってしんしゃくされるべきものと考えております。なお、選考は、試験、講習とともに司法試験管理委員会に臨時に所掌させることといたしました。  この委員会は、御承知のとおり、法務事務次官、最高裁判所事務総長及び日本弁護士連合会の推薦する弁護士をもって構成される機関であります。  次に、試験につきましては、その科目及び方法は政令で定めることとなりますが、試験の方法として、たとえば、民事、刑事の実務記録によりまして、出題をすること等が考えられます。  なお、試験を受けることができる者は、この法律の施行の日において引き続き一年以上沖繩に住所を有する者に限ることとしました。この特別措置の性質上沖繩と関係のない者はもとより、沖繩に本籍があっても現在沖繩に住所のない者までを、試験の対象とすることは相当でないと考えたからであります。  次に講習について御説明申し上げます。講習は、選考を受けようとする者のために、本土の法令及び民事、刑事に関する実務について行なうこととしております。  この講習は、本土と沖繩との間で法令及び民事、刑事の実務が異なっているところがあると考えられますので、これを補うために行なうことを目的とするものであります。  右の講習は、その目的等にかんがみ、これを受けることは選考の要件とはされておりませんが、国が右のような趣旨で行なう講習でありますので、選考の対象者ができるだけ参加することが望ましいと考えております。  なお、講習は、沖繩に本土の法曹実務家を講師として派遣して行なう予定でありまして、期間は三か月程度、科目は民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護を予定いたしております。  これら選考、試験及び講習は、沖繩が復帰するまでの間に限り行なうこととしており、その実施の時期は政令で定めることとなっておりますが、第一回目は昭和四十五年度に行ない、第二回目は、復帰に近い時期に実施いたすつもりであります。  次に、第七条関係の暫定措置について説明いたします。選考を受けなかった者または選考に合格しなかった者でありましても、沖繩の復帰の日の前日におきまして沖繩の法令による弁護士登録をしている者は、復帰の日から五年間に限り、政令で定めるところにより沖繩地域において弁護士の事務を行なうことができることといたしております。このように地域制限つきで弁護士の事務を行なうことを認めますのは、昭和二十八年に奄美群島が復帰した際にとられた措置と同様であります。  最後に、現在沖繩におります外人弁護士の復帰後の取扱い、並びに沖繩の裁判官、検察官または弁護士の在職年数を本土の判事・一級の検事等の任命資格とされる在職年数に通算するかどうかにつきましては、現在のところ検討中でありまして、法的措置が必要と認められる場合は、沖繩復帰の際の経過措置法令中に所要の規定を設けたいと考えております。  以上、提案理由の補足を申し上げました。     —————————————

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。羽田野忠文君。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 政務次官がおいででございますので、ちょっと改正案の内容に入る前に、政務次官に政府の基本姿勢についてお伺いいたしたいと思います。  沖繩の本土復帰に伴う沖繩の法曹資格者の取り扱いについて、政府はどのような基本的な考えをお持ちであるか、次官のほうからお答えをいただきたい。

大竹太郎自由民主党法務政務次官

○大竹政府委員 御承知のように、沖繩の法曹は、占領後二十有余年の間非常に困難な状況下にありまして、沖繩の司法の再建につとめますとともに、在住する百万の同胞のいわゆる人権の保護に当たってきたという実績、経験というものがあるわけでありまして、しかも御承知のように、この沖繩が日本に帰ってくるということは歴史上ないおめでたいことでもあるわけでございます。  政府といたしましては、この際、実績と経験というものをある程度評価しなければならない。そして、これを評価するたてまえにおいて一体化をしたい、こう考えておるわけでございますが、いま補足説明にもございましたように、両方における法曹資格取得の要件が相当異なっておるということ、同時にまた、御承知のように法曹資格というものは、その職務の性質上非常に公共性に富んでおるということも考えなければならないわけでございます。そういう面からは相当慎重に考えなければならない、こう思うわけでございまして、いまほど補足説明にもございましたように、実務の経験を尊重したたてまえにおいて選考、試験の制度をとるというのが、この法律案の趣旨でもございますし、政府としてはそう考えておるわけでございます。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 これは、聞くところによりますと、沖繩の法曹資格者のほうでは、現在いわゆるアメリカの施政権下において法曹の資格を取得しておるのだ、その施政権が今度は日本のほうに移るのだ、取得した資格はそのまま日本のほうで承継して、全部の者に法曹資格を与えるべきだということを沖繩のほうの法曹の方は言っておられるようであります。この要求も無理からぬと思うのであります。しかし、いま御説明のように、日本と沖繩とは法制の基本的なもので相違もありますスタートのようにある。そうすると、実際に沖繩で判事や検事をしておる諸君に、そこから一年生でスタートさせるということも非常に気の毒だという面もあるわけですので、これは、弁護士の場合にはその点がたいして問題になりませんが、裁判官、検察官としてそのままずっと残っていく場合に、職務権限あるいは待遇等について、いままでの実績を考慮するということを考えておるのか、それは全く考慮しないのか、そういう点はどういうふうにお考えになっておられますか。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 仰せのとおり、この資格法関係の法案だけですと、裁判官でいえば判事補、検事でいえば二級検事の一番下の線になるわけでございます。そこで、この点は、経過法の問題でございますので、復帰の時点までにその間の在職年数等をいかに評価し、どういうふうに通算するかということを検討して、もし法的な措置が必要でございますれば、また法案を提出して御審議をお願いする、こういうつもりでおります。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長代理 次に、中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 三点ばかり問題を提起をいたしまして、法案の審議が三十一日、四月三日と続いていくようでございますので、本日お答えをいただけないようでしたら、ひとつ政府の統一的な御見解をそのとき承りたい。  まず第一点は次の点です。要するに、沖繩の弁護士諸君に本法案によって本土の弁護士の資格を与えるという一体化としての営み、このことについては基本的には賛成であります。ところが、そういうふうな中で、私、結論的に申し上げますが、現在われわれの最大の関心というのは、沖繩県民の国政参加、これが最大の関心。この点については現に努力をいたしている。要するに、施政権下におけるところの沖繩というものを、施政権というおもしをはねのけていく、それが私は国政参加の一つの側面だろうと思う。そうすると、立法、司法、立法のみならず司法の面においても、そのような努力が当然これはなされねばならない。  そこで、ひとつ政府の統一見解を承っておきたいのは次の点であります。すでにもうこの点については沖繩等の特別委員会において何べんも論議をいたしましたが、もうそろそろ政府の統一見解をいただいてもいいのではないか。沖繩についてのいわゆるサンマ判決、別にシムズ判決といわれている判決、この判決の要旨については、要するに布令、布告についての審査権を沖繩の裁判所に認めるのか認めないのか。要するに審査権がないというふうな、その後、当時のアイゼンスタイン法務局長の発言要旨等が発表されている、そうでございますね。片一方においてわれわれは国政参加についての努力をして、日米間においての交渉をしている。そうすると、本日、琉球現行法規総覧を持ってまいりましたけれども、琉球現行法規総覧の裁判所法の第一条によりますると、「すべて司法権は、この立法の定めるところにより設置する裁判所に属する。」「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ない、法にのみ拘束される。」こういう規定であります。これは言うまでもなしに、日本国憲法七十六条の規定と相通ずるもの、こういうことになっておると思う。  そこで、政府の統一見解を求めたいというのは、まず第一点は、アメリカの布告、布令の審査権が沖繩の裁判所にあるという見解を、希望として当然この機会にもう出すべきだ。しかし、審査権がないなどというふうなアイゼンスタイン局長等の発言がかってなされておる。この点について、その後日米間においてどのような交渉がなされたか、そうして政府のこの点についての統一見解は何か。これについてひとつ政府の御見解を、三十一日は大臣御出席になるのかどうか、御出席になるようであればそのとき、そうでなければ四月三日、これは外務省あるいは総理府あるいは法務省、いずれにいたしましてもそれぞれ関係があると思いますが、法務省の政務次官御出席いただいておりますので、この点についての統一見解を、施政権下のことなんだからそれはということではなしに、この機会にひとつ明確な、国政参加とのからみ合いの中で、司法の問題についてもひとつ見解を明らかにしていただきたい。本日御見解を求めるつもりはありませんが、これはひとつ政府部内において御検討いただきたい。この点についてひとつ最初お答えをいただきたいと思います。

大竹太郎自由民主党法務政務次官

○大竹政府委員 この問題はかつて非常に大きな問題になったことも承知しておるわけでありまして、当時たしか法務委員会としても現地に視察に参られたこともあるわけでありまして、この弁護士法の問題また復帰の問題等もからみ合わせて、非常に重要な問題でございますので、三十一日までに部内において協議をいたしましてお答えをいたしたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 政務次官からお約束をいただきましたが、それは外務省の問題であるとか、それは総理府だというふうなことではなしに、ひとつ政府として、法務大臣のほうからこの点についての御見解を承りたい、これが第一点であります。  次に、この法案の審議の基本にあるものは、要するに沖繩に本土法を適用していく、私はそういうふうな基本的な考え方があろうかと思うのであります。三月二十六日に沖繩復帰対策大綱政府原案がまとまったということが報ぜられております。そこで、この機会に私自身、次回までに御準備をいただきたい資料は次の点であります。  先ほど引用いたしました琉球現行法規総覧司法・法務民事法の〔I〕の2の裁判所法に始まって第六章の司法試験に至るまでの現行法規総覧に記載されてある各法律の施行適用によって現にいろいろな制度や運営がなされておる。そうでございますね。それが復帰大綱との関係において本土法を全面的に適用していくのだという中で早急に措置しなければならない点はどの点なのか、こういう点についてはひとつ法務省あるいは総理府のほうから御答弁をいただきたいと思います。ただ現に施行されておる沖繩県におけるところのこれらの法律にかわって本土法を一括適用していくということだけでは済まないいろいろな問題があろうと私は思うのです、運用上の問題その他……。これらの問題についてひとつ次回にお答えをいただきたい。これはかなりたいへんな作業だと思いますが、資料要求を兼ねてそういうことを申し上げておきます。お約束をいただきたい。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 お答えいたします。  御質問の最初のところに出ました、沖繩にこの法律を適用するという意味合いで考えるというようなことを前提にしてお話しになったように伺いましたけれども、これは昨年の免許資格の統一の法律のときも御議論がございまして、一応政府からの統一見解という形で御回答申し上げたことがあったと思います。その際は、これは沖繩に本土法を適用するということ自体は現時点においてはできないという意味であるけれども、ただこの資格の問題につきましては、沖繩の人の資格に対して窓口を開いたという意味合いのものとしてお答えしたように考えております。そういうことでございますので、現時点において、すなわち復帰までの間に本土法をそのまま適用するということは考えられないわけでございますが、本土法を復帰の時点において適用するに際してどのような形で適用していけばいろいろな社会上の不安が生じないかという点がこれから総理府を中心にいたしまして復帰対策をきめていく基本的な考え方でございますが、先生がいま御指摘になりました復帰大綱、三十一日ということで御指摘になりましたけれども、その大綱というのはこれからどういうふうに復帰準備を進めていくかということを閣僚協議会できめていただきたいという意味合いでございまして、この大綱そのものもどういう形になるかわかりませんけれども、そういうようなことでございます。  したがって、現時点において、先生の御指摘のように、琉球立法の各条項につきましてどういうふうにその暫定措置といいますか、そういうものを考えていくかということを三十一日ないしは三日の日までに言えということはちょっと無理でございます。当な選考の方法等を期待しているわけでございます。これにつきましては選考委員会自身が合否をおきめになるという構想をとっております。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 本土と違う法曹資格者に本土における法曹資格を与えるというような事例は、いままでほかにも朝鮮弁護士会あるいは奄美群島の復帰のときの問題というような例があるようでありますが、過去の例は今回のこの法曹資格を与える方法と同じような方法がとられたのか、あるいは違うのか、違うとするならば、それはどういう理由で違うのか、その点の御説明をいただきたい。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 過去の例を考えてみますと、終戦によって朝鮮から引き揚げられてきた朝鮮の弁護士の有資格者の方については、このように試験、選考という二段のことはいたしておりませんが、選考によって弁護士資格を付与するということにいたしております。この法曹資格をとりますのには、実務経験を区別いたしませんで、したがって、試験を用いることなく選考にいける。全部をそういうふうに取り扱いましたのは、やはり資格取得要件が、朝鮮の場合は沖繩の場合と比較いたしまして、著しく異なるという程度ではないのではないかということからそういうふうになったものであろうかと考えられます。  それから奄美大島の場合は、これは選考いたしませんで、そのかわり三年間に限って奄美地域に限って弁護士事務を行なうことができるというふうにいたしたわけでございます。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 この三条で講習の規定が入れられておりますが、これは選考を受けようとする者は必ず講習を受けなければならないのか、あるいは受ける受けないは任意であるのかという点、並びにこの講習の目的、それから実際に実施する講習の構想、内容は、どういうふうな講習をするのかという点を御説明いただきたい。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 まず講習の目的のほうから申し上げますと、この講習は資格要件の取得の差によるレベルアップというような、必ずしもそういう趣旨ではございませんで、先ほど申し上げましたように、本土の法令及び民事、刑事に関する実務について行なう、要するに本土と沖繩との間では法令及び法律実務の取り扱いが異なっているところがあるというふうに考えられますので、この点について修得していただくという趣旨でございます。そういう趣旨でございますことと、それからもう一つは、先ほど来申しましたように、本土で司法修習を受けた者とか、あるいは本土と関係のある訴訟事件を扱っている弁護士の方々とか、あるいは本土に研修に来たり、本土の講師による研修を沖繩で受けたというような方々も相当数おられますので、これを全員に強制するということにはいたしておりませんで、この研修を受けなくても選考は受けられるということにいたしたわけでございます。  研修の方法でございますが、なるべく選考に近接した時期に三カ月程度の講習を本土から講師を派遣いたしまして行なう、その講師には裁判官、検察官、弁護士の本土の実務家を充てたい、かように考えておる次第であります。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 次に、この経過規定のような七条ですが、これはほかの条文と全く異質のもので、一番問題のあるものだと思っているのですが、この五年間に限って、沖繩において弁護士法三条に規定する事務を行なうことができると、こういう本来本土における弁護士法の所定の弁護士でなくしてその事務を行なう者は、たとえば日本国憲法の三十七条で、「刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」こういう、いわゆる資格を有する弁護人というようなものに当たるものであるのかどうなのか、あるいは当たらないのか、非常に疑問があるのですが、これはどういうふうに解しておられますか。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 七条の措置でございますが、これは、ここにもございますように、「沖繩の復帰の日から起算して五年間に限り、政令で定めるところにより、沖繩において、同法第三条に規定する事務を行なうことができる。」とございまして、この同法と申しますのは、申すまでもなく弁護士法でございますが、日本本土の弁護士法の弁護士ではございませんで、沖繩限りにおいて弁護士の事務を行なうことができる三条一項の事務、すなわち弁護士事務を行なうことができるということでございますので、正確に申しますと本土の弁護士法上の弁護士ではないという考えでございます。そこで、民事訴訟法、刑事訴訟法との連絡でございます。つまり、弁護士の事務を行なうことができましても、訴訟法上の弁護士といえない、現実に弁護士業務が行なえないわけでございますから、そこで、ここにございますように、政令で定めるところにより、行なうことができる。この政令で、いまの、たとえば訴訟法の弁護士とみなすとか、そういう手当てをいたしまして、その間円滑に運用ができるようにいたしたい、このように思っております。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 どうもそこのところが私はまだちょっと納得できない。というのは、いま答弁にもありましたが、この民事訴訟法の七十九条、刑事訴訟法の三十一条、いわゆる弁護人は弁護士の中から選ぶ、あるいは地方裁判所の民事事件の代理人は弁護士でなければできないという、弁護士ということをはっきり特定しているこの各法条があるわけですが、そういう場合に、この事務を行なうことができる者がそれを行なうということは非常におかしいことだ。また、行なえなければこれは全く意味がない。そういう職務上の問題それから弁護士法では、弁護士でないものは弁護士ということはできない、事務所を持てないということが明定されておりますが、この職務上の権限の関係、並びに事務を行なうことができる者は名称はどういう名称を使うことをお考えになっておるのか、この点ちょっと御説明いただきたい。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 まず、特にこの弁護士、正確な意味で弁護士法の弁護士ではございませんけれども、この法律によりまして、弁護士の業務を行なえる権限というのは、持っている職責と申しますか、持っているわけでございますから、その意味で、その活動をするために、先ほど申しましたような、若干の政令で若干の手当てをすればよろしいのではないかと考えております。  それから名称の点でございますが、これはたいへんむずかしい問題でございまして、どういう名称をつけますか、これは、その名称を持って仕事をされる弁護士さん側あるいは沖繩住民の側にも、名称によってはどういう印象を与えるか、いろいろ問題があろうかと思います。しかし、これは奄美の復帰の場合にも、この種の仕事をされる方が、ごく少数ではございましたが、あったわけでございます。そこで、いろいろの先例を調べるなりいろいろ検討をいたしまして、いずれにしろ経過措置の問題でございますので、それまでに政令でその点を調節したい、かように考えております。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 奄美の場合は、あれは三年としてありますね。今度の場合、五年としたのは、何か意味があるのですか。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 奄美の場合は、占領期間も今回に比べると非常に短うございまして、約八年でございますが、今回は、御承知のように二十数年に及びますのと、それから、地方事務と申しますか、地方の規模が奄美とは格段の差でございまして、先ほどの補足説明にも申し上げましたように、有資格者の数も非常に多うございます。占領期間も、その活動の期間も、長かったというようなことで、三年では少し短過ぎるのではなかろうかという考慮に出たわけでございます。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 最後に一点。  これは、きょうの補足説明によりますと、これで本土の法曹資格を取得した者について、沖繩での裁判官、検察官あるいは弁護士の在職年数を、本土の判事その他の任用資格の計算をする場合に通算するかどうかは検討中だということがあります。これがあとで問題になると思いますが、法律でいうと、この法曹資格を取得したときに「司法修習生の修習を終えたものとみなす。」と、そこがスタートのようにある。そうすると、実際に沖繩で判事や検事をしておる諸君に、そこから一年生でスタートさせるということも非常に気の毒だという面もあるわけですので、これは、弁護士の場合にはその点がたいして問題になりませんが、裁判官、検察官としてそのままずっと残っていく場合に、職務権限あるいは待遇等について、いままでの実績を考慮するということを考えておるのか、それは全く考慮しないのか、そういう点はどういうふうにお考えになっておられますか。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 仰せのとおり、この資格法関係の法案だけですと、裁判官でいえば判事補、検事でいえば二級検事の一番下の線になるわけでございます。そこで、この点は、経過法の問題でございますので、復帰の時点までにその間の在職年数等をいかに評価し、どういうふうに通算するかということを検討して、もし法的な措置が必要でございますれば、また法案を提出して御審議をお願いする、こういうつもりでおります。

羽田野忠文自由民主党

○羽田野委員 終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長代理 次に、中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 三点ばかり問題を提起をいたしまして、法案の審議が三十一日、四月三日と続いていくようでございますので、本日お答えをいただけないようでしたら、ひとつ政府の統一的な御見解をそのとき承りたい。  まず第一点は次の点です。要するに、沖繩の弁護士諸君に本法案によって本土の弁護士の資格を与えるという一体化としての営み、このことについては基本的には賛成であります。ところが、そういうふうな中で、私、結論的に申し上げますが、現在われわれの最大の関心というのは、沖繩県民の国政参加、これが最大の関心。この点については現に努力をいたしている。要するに、施政権下におけるところの沖繩というものを、施政権というおもしをはねのけていく、それが私は国政参加の一つの側面だろうと思う。そうすると、立法、司法、立法のみならず司法の面においても、そのような努力が当然これはなされねばならない。  そこで、ひとつ政府の統一見解を承っておきたいのは次の点であります。すでにもうこの点については沖繩等の特別委員会において何べんも論議をいたしましたが、もうそろそろ政府の統一見解をいただいてもいいのではないか。沖繩についてのいわゆるサンマ判決、別にシムズ判決といわれている判決、この判決の要旨については、要するに布令、布告についての審査権を沖繩の裁判所に認めるのか認めないのか。要するに審査権がないというふうな、その後、当時のアイゼンスタイン法務局長の発言要旨等が発表されている、そうでございますね。片一方においてわれわれは国政参加についての努力をして、日米間においての交渉をしている。そうすると、本日、琉球現行法規総覧を持ってまいりましたけれども、琉球現行法規総覧の裁判所法の第一条によりますると、「すべて司法権は、この立法の定めるところにより設置する裁判所に属する。」「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ない、法にのみ拘束される。」こういう規定であります。これは言うまでもなしに、日本国憲法七十六条の規定と相通ずるもの、こういうことになっておると思う。  そこで、政府の統一見解を求めたいというのは、まず第一点は、アメリカの布告、布令の審査権が沖繩の裁判所にあるという見解を、希望として当然この機会にもう出すべきだ。しかし、審査権がないなどというふうなアイゼンスタイン局長等の発言がかってなされておる。この点について、その後日米間においてどのような交渉がなされたか、そうして政府のこの点についての統一見解は何か。これについてひとつ政府の御見解を、三十一日は大臣御出席になるのかどうか、御出席になるようであればそのとき、そうでなければ四月三日、これは外務省あるいは総理府あるいは法務省、いずれにいたしましてもそれぞれ関係があると思いますが、法務省の政務次官御出席いただいておりますので、この点についての統一見解を、施政権下のことなんだからそれはということではなしに、この機会にひとつ明確な、国政参加とのからみ合いの中で、司法の問題についてもひとつ見解を明らかにしていただきたい。本日御見解を求めるつもりはありませんが、これはひとつ政府部内において御検討いただきたい。この点についてひとつ最初お答えをいただきたいと思います。

大竹太郎自由民主党法務政務次官

○大竹政府委員 この問題はかつて非常に大きな問題になったことも承知しておるわけでありまして、当時たしか法務委員会としても現地に視察に参られたこともあるわけでありまして、この弁護士法の問題、また復帰の問題等もからみ合わせて、非常に重要な問題でございますので、三十一日までに部内において協議をいたしましてお答えをいたしたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 政務次官からお約束をいただきましたが、それは外務省の問題であるとか、それは総理府だというふうなことではなしに、ひとつ政府として、法務大臣のほうからこの点についての御見解を承りたい、これが第一点であります。  次に、この法案の審議の基本にあるものは、要するに沖繩に本土法を適用していく、私はそういうふうな基本的な考え方があろうかと思うのであります。三月二十六日に沖繩復帰対策大綱政府原案がまとまったということが報ぜられております。そこで、この機会に私自身、次回までに御準備をいただきたい資料は次の点であります。  先ほど引用いたしました琉球現行法規総覧司法・法務民事法の〔I〕の2の裁判所法に始まって第六章の司法試験に至るまでの現行法規総覧に記載されてある各法律の施行適用によって現にいろいろな制度や運営がなされておる。そうでございますね。それが復帰大綱との関係において本土法を全面的に適用していくのだという中で早急に措置しなければならない点はどの点なのか、こういう点についてはひとつ法務省あるいは総理府のほうから御答弁をいただきたいと思います。ただ現に施行されておる沖繩県におけるところのこれらの法律にかわって本土法を一括適用していくということだけでは済まないいろいろな問題があろうと私は思うのです、運用上の問題その他……。これらの問題についてひとつ次回にお答えをいただ重たい。これはかなりたいへんな作業だと思いますが、資料要求を兼ねてそういうことを申し上げておきます。お約束をいただきたい。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 お答えいたします。  御質問の最初のところに出ました、沖繩にこの法律を適用するという意味合いで考えるというようなことを前提にしてお話しになったように伺いましたけれども、これは昨年の免許資格の統一の法律のときも御議論がございまして、一応政府からの統一見解という形で御回答申し上げたことがあったと思います。その際は、これは沖繩に本土法を適用するということ自体は現時点においてはできないという意味であるけれども、ただこの資格の問題につきましては、沖繩の人の資格に対して窓口を開いたという意味合いのものとしてお答えしたように考えております。そういうことでございますので、現時点において、すなわち復帰までの間に本土法をそのまま適用するということは考えられないわけでございますが、本土法を復帰の時点において適用するに際してどのような形で適用していけばいろいろな社会上の不安が生じないかという点がこれから総理府を中心にいたしまして復帰対策をきめていく基本的な考え方でございますが、先生がいま御指摘になりました復帰大綱、三十一日ということで御指摘になりましたけれども、その大綱というのはこれからどういうふうに復帰準備を進めていくかということを閣僚協議会できめていただきたいという意味合いでございまして、この大綱そのものもどういう形になるかわかりませんけれども、そういうようなことでございます。  したがって、現時点において、先生の御指摘のように、琉球立法の各条項につきましてどういうふうにその暫定措置といいますか、そういうものを考えていくかということを三十一日ないしは三日の日までに言えということはちょっと無理でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 私はこういうようにお尋ねしているのです。当然のことですが、本土並みの法令、制度の適用に伴う立法措置などは一括して国会に提出するように努力をいたしたい、こう言っているわけでしょう。だからそういうことはもう当然のことで、施政権が返還される以前に本土法が直接適用されるとは言ってないわけなんです。ただそういうふうに本土並み法令というものをもっていこう、こういうことですね。ですから参事官、そういうふうにお答えになりますと、たとえば高等裁判所裁判官任命諮問委員会法なんというのがありますね、こんなのが一体七二年までこのままでいいのかどうか。ですから、これは早急に琉球政府にそういうふうな点についてのアドバイスをして、廃止するものは当然廃止をするというふうな営みについての努力をさるべきだというように、これは私の提言なんです。そこで、その点についてはどういうふうなことを考えておられるか。  次に、二年前に出ている一体化報告については先ほども参事官とお話ししましたが、法令の整備を急ぐこととなっている。そうでございますね。すでにこの琉球現行法規総覧のこの条文は、とにかく本土並み法令としてはおかしい、七二年までに当然これは廃止、修正すべきだということは出てこなければいかぬので、そういう点については次回までに準備をしていただけますね。ほかの争いのあるといいますか問題のある法案をわれわれかかえておりますので、そういう点についての御準備がいただけないとなると、この法案についての審議がかなり延びますけれども、準備はいただけるかどうかもう一度。あまり時間がないから、準備していただけるかどうかだけで……。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 おととしの調査以来、私どもといたしましては、まだ復帰のめどもういていない段階でございましたので、諮問委員会を通じましてできるものについての措置をとって、琉球政府のほうでそれがとれるような技術的な援助あるいは財政的な援助等をいたしてきたわけでございます。本土政府の段階でとり得るものにつきましては、矢ほど申し上げました国家試験の免許資格統一の法律、そういう法律を制定していただきまして、そういうようなことで準備してきたわけでございます。そういうことでございますので、いまの時点でそのこまかい点につきまして態度をきめるということは、私ちょっと申し上げかねるわけでございます。と申しますのは、十二月に各省の担当官会議というものを持ちまして、さらに一月に部会を持って各部門につきましてそれぞれ問題点を指摘し、その復帰準備のための対策を目下検討中でございますので、そういう意味におきましても、三十一日とか三日とかいうことは私としてはちょっとお答えしかねるわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 法務省はいかがですか。要するに、御準備いただけないということになれば、私自身もう一度あらためて問題点を——御指摘いただけないならば、この沖繩の弁護士に本土の弁護士の資格を与えるというのは、司法制度整備の一環としてのわれわれの努力であり営みなんですから、そうなってまいりますと、これ全部についてこの点はどうなるのだ、この点はどうなるのだということはこの機会にお聞きしておかなければならぬ。たいへんな時間を要しますよ。かなり問題意識としてあるいは問題点は法令の整備をしなければならぬということは、四十三年の七月十六日にすでにこういう一体化調査報告書が出ているのですから、そういうものについては法令の整備の内容についてこの点についてはこういうようにしたいと思うというような程度の——国政参加という重大なできごとをとにかくわれわれは迎えようとしている。司法の整備に関してそういう問題点の指摘は、法務省としては、これは法務省の御所管ですから、あなたのほうは準備できますか。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 ただいまの点でございますが、何ぶんにも広範な司法制度全般にわたりましてすぐにどういう方策をとるかという点は、ちょっとお答えいたしかねると思われます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 二年前からだということを重ねて言っておきますが、そうなれば、私のほうからあらためてこの点はどうなるのですかというようなかっこうでお聞きをすることになるかもしれませんが、むしろあなたのほうでそれは当然お出しになるべきだということで、私、資料を要求したのですが、私のほうからいろいろな点を質問していくわけですか、そういうことならそれでけっこうです。  それといま一つ問題になる点は、司法権の独立、弁護士が社会正義の実現、そういうことについて努力をする。これは現に先ほど提案理由の説明の中にあったように、非常に施政権下の苦しい中で、政務次官のお話の中にあったように、沖繩の弁護士諸君が人権擁護のために努力してきた労を多としなければならぬということは私は当然だと考える。そんな中でこの点について、これも従来から何べんも論議をされたことでありまするけれども、政府の御見解を次回までに承りたいと思うのであります。米国民政府上訴審裁判所、米国民政府刑事裁判所、米国民政府民事裁判所、それと琉球裁判所制度の民事裁判権、琉球民警察官の逮捕権、これは数回にわたって取り上げた問題であります。それから一体化調査報告書の中においてもすでに指摘をされておる刑法並びに訴訟手続法典、これらの布令、布告、その他の琉球法令集布告布令編の中に記載されておる司法に関するもの、これらのものについて日米間において今日までどのような協議がなされたか。特に政府として、アメリカに対して廃止ないしは修正を求める布令、布告は何か、この点が一点、これをひとつまとめて次回に明解な御答弁をいただきたい。  なお、本法案の資料といたしまして、裁判所の仕組みについての資料をいただいております。軍の裁判所は一体どうなっているのか、民政府の関係の裁判所は一体どうなっているのか、その民政府の裁判所における沖繩の弁護士諸君の活動は一体どうなっているのか。これは布令、布告を見ても必ずしも明確でない点がある。ことに必要弁護がどの程度まで許されているかどうかもこれは明確でない。はたして沖繩県民の人権が守られているのかどうか、こういう点もはなはだ不明確です。これらの点についての資料としては、事件数等も民刑にわたって資料の中に出ているわけすが、われわれがむしろ知りたいのは、民政府裁判所関係におけるところの事件数であり、弁護士が付せられたかどうかという問題この点が私は問題だと思う。これらについての資料は、沖繩の弁護士諸君が今日まで努力してきたことの一つの歴史だと思うのです。そういう点からも三十一日、三日、このいずれかに御準備をいただきたい。それらの準備を待って質問をいたしたいというのがまず一点。  第二点は、この機会に法律事務関係者であるところの沖繩の司法書士、それから公証人の問題、これは当然お気づきになっておられるだろうと思いますけれども、これらの問題についての一体化案等について、これをはっきりしていただきたい。ことに公証人の問題については一体どういうことになるのだろうか。これは法務省も十分御検討になっているだろうと思いますけれども、これについての見解も次回までに明らかにしていただきたい、こういうことです。明らかにしていただけるかどうかお答えをいただいて、私の資料要求的な質問を終わりたいと思います。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 ただいまのお尋ねの件ですが、私どもでも、向こうの実情を的確に把握するということはなかなかむずかしい点もございますが、できる限り御趣旨に沿うような資料をさがしてみたいと思います。しかし、何ぶん次回あるいはその次というふうにすぐ間に合うかどうかはちょっとお答えいたしかねます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 日米の、従来から指摘されている布令、布告の廃止を求める協議は一体どのような経過をたどったか、これは外務大臣の出席を求めてお聞きすべきことだろうと思うけれども、政府として、法務省のほうでその点についてのそういう協議はした事実が全然ないならないでやむを得ない、そういう点については記録として残っているはずですから、これは次回までにはお出しいただけますね。

影山勇法務大臣官房司法法制調査部長

○影山政府委員 外務省とも相談いたしまして、お出しします。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長代理 それでは、ただいま中谷委員から提起されました政府の見解、資料等について、可能な限りひとつ御善処を願うことといたします。  次回は、来たる三十一日午前十時二十分理事会、十時三十分委員会を開会することとして、本日は、これにて散会いたします。    午後一時一分散会

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