法務委員会 第9号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/03/24
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 すでに付託になっております、沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案、戸籍法の一部を改正する法律案、民事訴訟手続に関する条約等の実施に伴う民事訴訟手続の特例等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、及び訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案、右各案を議題とし、政府に提案理由の説明を求めます。小林法務大臣。 —————————————
○小林国務大臣 沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案について、その提案理由を御説明申し上げます。 御承知のとおり、沖繩の弁護士等の大部分は、本土と異なる要件によって弁護士資格を取得した者によって占められているのでありますが、近く沖繩の復帰が実現されることとなりましたのに伴い、本土と沖繩との免許資格の一体化施策の一環として、これらの者に対して復帰前に本土の弁護士資格等を付与する特別の道を開き、弁護士資格等の一体化をはかることが相当と考えられますので、この法律案を提出することとしたのであります。 以下、この法律案の概要を申し上げます。 まず、沖繩の弁護士資格を有する者で、政令で定める日までに三年以上沖繩の裁判官、検察官または弁護士の職にある者及び沖繩の司法試験に合格し本土で司法修習生の修習と同一の課程を終えた者につきましては、本土の法曹として必要な能力を有するかどうかを判定するための選考を行ない、この選考に合格した者に、本土の弁護士及び判事補・二級の検事となる資格を付与することとしております。 次に、沖繩の弁護士資格を有する者で右以外の者、及び沖繩の司法修習生となる資格を有し目下弁護士資格を取得する過程にある者につきましては、民事及び刑事の実務に関する基礎的素養についての試験を行ない、この試験に合格した者に限り右の選考を受けることができることとしております。 また、選考を受ける者のために、一定の期間上が国の法令及び法曹の実務に関する講習を行なここととしております。 これら選考、試験及び講習は、沖繩が復帰するまでの間に限り行なうものとし、これらに関する事項は、司法試験管理委員会に所掌させること、しております。 なお、右の選考を受けなかった者またはこれに合格しなかった者で、沖繩で弁護士登録をしている者は、沖繩の復帰の日から五年間に限り、政令で定めるところにより、沖繩地域において、弁護士の事務を行なうことができることといたしました。 以上が、この法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。 次に、戸籍法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 現行戸籍法によれば、出生及び死亡の届け出一は、事件発生地においてすべきものと限定されておりますが、届け出人の便宜をはかるため、事件本人の本籍地または届け出人の所在地でするものとするほか、事件発生地でもすることができるように戸籍法の一部を改正しようとするものであれます。 なお、これに伴い、戸籍法と同様の趣旨で定められている死産の届け出に関する規程及び墓地、埋葬等に関する法律等の一部につきましても、附則において、戸籍法の改正と同趣旨の整理をしようとするものであります。 以上が戸籍法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。 次に、民事訴訟手続に関する条約等の実施に伴う民事訴訟手続の特例等に関する法律案につきすして、その趣旨を御説明いたします。 民事訴訟手続に関する条約について承認を求あるの件及び民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約について承認を求めるの件がこの国会に提出されておりますが、これらは、渉外的な民事事件に関し、裁判手続の迅速化と当事者の利益の保護増進をはかることを目的とする条約でありまして、両条約の批准に伴う国内法上の措置として、この法律案を提出したのであります。したがいまして、この法律案の内容は、渉外的な民事事件に関し、民事訴訟法、外国裁判所ノ嘱託二因ル共助法等に定める手続について、両条約の批准により必要となる措置を定めるとともに、両条約により課せられる義務を履行するため、若干の規定を新設したものであります。 次に、この法律案の要点を申し上げますと、第一に、わが国の裁判所と外国の当局との間の文書の送達及び証拠調べの嘱託について、両条約により設けられた転達の経路として相手国領事官等から嘱託を受理する当局に、外務大臣を指定しております。 第二に、両条約に基づき外国の当局から文書の送達及び証拠調べ等について嘱託があった場合、わが国の裁判所が法律上の補助をするものとし、その管轄及び実施の手続について若干の規定を設けております。 第三に、民事訴訟手続に関する条約第十七条の規定を実施するため、締約国に住所を有する締約国の国民がわが国において原告となった場合には、その者がわが国に住所を有しないときでも訴訟費用の担保を課さないものとしております。 第四に、民事訴訟手続に関する条約第十八条及び第十九条の規定を実施するため、訴訟費用の担保の免除を受けた者に対し訴訟費用の負担を命ずる裁判につきましては、締約国からわが国に外交上の経路を通じて執行認許の請求がされた場合の裁判手続に関して詳細な規定を設けております。 第五に、訴訟上の救助、公示送達、費用の予納等に関し両条約の実施上必要な規定を設け、さらに裁判所の手続に関して必要な事項は、最高裁判所が最高裁判所規則で定めることができるものとしております。 第六に、この法律案は、両条約が日本国について効力を生じる日から施行することとし、これに伴う経過措置を定めるとともに、民事訴訟法及び非訟事件手続法について所要の整理をすることとしております。 以上がこの法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。 次に、裁判所法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、近年における経済事情の変動にかんがみ、簡易裁判所が取り扱う民事訴訟の範囲を改定しようとするものであります。 御承知のとおり、簡易裁判所の取り扱う民事訴訟の目的の価額については、昭和二十九年の改正により、十万円をこえないものとされ、今日に至っております。しかし、その間わが国の経済は著しい成長を遂げてきたのでありまして、統計によりますと、国民の所得や消費にも著しい増大があったほか、物価についてもかなりの程度の上昇を見たことが知られるのであります。かような経済事情の変動を考慮いたしますと、前回の改正以来すでに十数年を経過した今日におきましては、簡易裁判所が取り扱うことができる訴訟の範囲は狭きに失するに至っており、この際、これに右の経済事情の変動に応じた改正を加える必要があると認められるのであります。 そこで、今回、右の経済事情の変動の状況等を勘案して、簡易裁判所が取り扱う民事訴訟の目的の価額の上限を三十万円に改めることといたしました。 なお、この措置に伴いまして、訴訟の目的の価額を算定することができない請求につきましては、現在と同様に地方裁判所がこれを取り扱うことになるように、民事訴訟法に所要の改正を加えることといたしております。 以上が裁判所法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。 次いで、訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、民事訴訟及び刑事訴訟の証人、鑑定人等の日当、宿泊料等の最高額をそれぞれ増額しようとするものであります。 第一点は、日当の増額であります。現在、民事訴訟における当事者及び証人並びに刑事訴訟における証人の各日当は、その最高額を千三百円と定められ、また、民事訴訟における鑑定人等及び刑事訴訟における鑑定人、国選弁護人等の各日当は、その最高額を千百円と定められているのでありますが、最近における経済変動等を考慮いたしまして、いずれもその最高額を引き上げることとし、当事者及び証人の日当につきましては千六百円に、また、鑑定人、国選弁護人等の日当につきましては千四百円に、それぞれ改めようとするものであります。 第二点は、宿泊料並びに鉄道及び汽船の通ずる水路を除く旅費すなわちいわゆる車賃の増額であります。現在、民事訴訟及び刑事訴訟における証人、鑑定人等の宿泊料及び車賃の最高額は、国家公務員が出張した場合に支給する宿泊料及び車賃の定額に準じて、宿泊料については特別区の存する地等においては二千円以内、その他の地においては千六百円以内と定められ、車賃については一キロメートルごとに八円以内と定められているのであります。政府におきましては、国家公務員の旅行の実情等にかんがみ、国家公務員について、内国旅行における宿泊料等の定額を引き上げる必要を認め、別途今国会に国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、証人等の宿泊料及び車賃につきましても、右の法律案における取り扱いに準じて、それぞれその最高額を引き上げる必要があると考えられますので、今回、宿泊料につきましては、特別区の存する地等においては二千七百円、その他の地においては二千三百円、車賃につきましては一キロメートルごとに十三円に改めようとするもであります。 以上がこの法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。 以上であります。
○高橋委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 以上各案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 次回は、明二十五日午前十時十分理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会