法務委員会 第4号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/03/10
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 去る二月二十七日、付託になりました内閣提出の裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。小林法務大臣。 —————————————
○小林国務大臣 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。 第一点は、裁判官の員数の増加であります。これは、地方裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、判事補の員数を二十人増加し、また、簡易裁判所における交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、簡易裁判所判事の員数を五人増加することにいたしております。 第二点は、裁判官以外の裁判所職員の員数の増加であります。これは、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所における事件の円滑な処理をはかるため、裁判所書記官、家庭裁判所調査官及び裁判所事務官を増員しようとするものでありまして、合計百五人増加することにいたしております。 以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう、お願いいたします。
○高橋委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○高橋委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。羽田野忠文君。
○羽田野委員 まず、最高裁判所にお答えを願います。 判事補二十名の増員ということが要求されております。この説明によりますと、地方裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるために必要だということになっておりますが、最近、地方裁判所において特に二十名の増員をしなければならないような、事件数が急速にふえたのか、あるいは特殊な事件が係属したのか、そういう点についての事件処理の実情を説明していただきたい。
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま羽田野委員からお尋ねのございました点でございますが、お手元に法務省のほうから「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案参考資料」という資料をお届けいたしております。それの八ページに、昭和四十一年から四十三年までの地方裁判所の民事・刑事の新受件数を掲げておるわけでございます。それでごらんいただきますればおわかりいただけますように、民事訴訟事件、特に中心になります第一審の訴訟事件は漸増の傾向を示しておるわけでございます。もっとも、この資料に出ておりませんけれども、四十四年度は必ずしもこの傾向どおりに上がってはおりません。しかし、一般的に申しますと、民事の第一審事件は地方裁判所のほうに集中しておるという傾向があるわけでございます。一方、刑事事件のほうは、その少し下のほうをごらんいただきますと、訴訟第一審とございまして、四十一年から四十三年にかけまして漸減しておるわけでございます。なお、これもこの表には出ておりませんけれども、この資料をつくりました後の調査によりますと、四十四年はやはり引き続き減少傾向をたどっておるわけでございます。そういう点から申し上げますと、ごく大まかに申し上げまして地方裁判所では、民事は漸増、刑事は漸減ということになっておりまして、総件数におきましてはそう著しい変化がない、こういうのが大体の実情であると申し上げてよかろうと思います。 ただ問題は、御承知のとおり、いわゆる学生等を中心とする集団事件でございます。むろん刑事訴訟第一審事件の新受件数中にはそれらの学生集団事件の件数も含めておるわけでございますから、そういうものが相当多発いたしましても、なおかつ、全体としては刑事事件が減っておるということでございますけれども、この数の点を別といたしまして、質的に見ますと、裁判所としては非常に重要と申しますか、非常に手間のかかると申しますか、いろいろな意味で複雑困難な事件が多く出ておるということでございます。これを端的に申し上げますと、つまり地方裁判所では単独制と合議制を併用いたしておりますけれども、この種の事件は当然合議制でもって処理しなければならない、こういうことになりますと、合議制で処理することを要する事件がかなりふえておる、こういうふうに申し上げてよかろうかと思います。 そういう意味におきまして、今回は地方裁判所を重点に置き、また、集団事件というようなものを非常に考慮に置いて増員をはかる、かような考え方で予算折衝をいたした次第でございまして、その点でいま法案をお願いしておる、こういう関係になるわけでございます。
○羽田野委員 ただいま引用されました「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案参考資料」、これを見ますと、この二ページ、現在員表のところに記載されておるところによりますと、家裁の部において判事が十人、判事補が六人欠員がございます。十六名の欠員がある状態で現在事件の処理をやっていっておるということに相なりますと、まずこの欠員の補充が先決で、欠員の補充をすれば定員の増までしなくても処理できるのではないかというような気もいたすわけであります。この欠員と今回の定員増の要求との関係はどういうふうになりますか。
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘の点も、いつもこの委員会で御指摘になる事項でございます。それで私どもといたしましても、常に欠員ということを念頭に置きながら増員をはかっておるというのが実情でございます。いま羽田野委員から御指摘のございましたこの表によりますと、判事の欠員が高裁、地裁、家裁合わせて五十六人あるわけでございます。判事補の欠員が六人、簡裁判事が十人ということになっております。実はこの判事の欠員といいますものは、御承知のとおり、現在では主として判事補から埋める、こういうことになるわけでございます。きわめて少数には弁護士から来られる方あるいは大学教授から来られる方もございますけれども、これはいわば数においてはわずかでございまして、大部分は判事補から判事になるわけでございます。その時期が大体四月の上旬でございます。ここに五十六人とございますのは十二月一日現在の資料でございますが、その後三月までにさらにこれが若干増加いたしまして、七十数名ということになるわけでございます。本年判事補から判事になります者がちょうどその程度の数あるわけでございます。これは判事補本務の者と簡裁判事本務の者もありますが、広い意味において判事補からこれを埋めるということでございます。 実は私どもとしては、判事そのものの増員についても相当検討いたしたわけでございますが、最近数年間判事をかなり増員していただきました関係で、これ以上この際増員いたしましても補給源において十分に自信がないということで、今回は判事の増員を見合わせまして、判事補に重点を置いたわけでございます。判事補はこの表では欠員六人ということになっておりますが、いま申し上げましたように、判事補から判事になりますと、そこに欠員ができますし、それでこの増員をしていただきまして、今度新たに司法研修所を卒業する司法修習生でもって埋める、かような準備をいたしておるわけでございます。
○羽田野委員 現在の欠員が七十名近い。しかも、この上に今度の定員増でございますが、補給源の関係で、この定員がありながら欠員になっておるものを全部埋めて、しかも今回の増員を要求している分について全部補給ができる見通しがはっきり立っておるのですか。
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまの御説明がまだ不十分であったかと思いますが、判事の欠員が七十人ぐらいでございます。この裁判所の裁判官の定員は、判事、判事補、簡裁判事、それぞれ厳密に区別されておるわけでございます。判事の欠員の七十人程度は判事補から埋める、こういうことになるわけでございます。それから、それによりまして判事補に欠員ができます分、それに、今度の増員は判事補でございますから、それを含めました数、それが八十名余りになろうかと思いますが、その分は新卒といいますか、新たな修習生から埋める。それからなお、簡易裁判所判事から判事補に転換する者も若干予定いたしております。そういうことで、全体といたしまして補給源はある、かように考えておるわけでございます。
○羽田野委員 私は、この定員の関係と実際の配置の関係、あるいは地方裁判所の支部と定員の関係で非常に疑問に思っていることがある。その点をちょっとお尋ねしたい。 これは私が一番よく実情を知っておる大分の地方裁判所の管内の一つを例に申し上げますが、大分の地方裁判所管内に地方裁判所の支部が七つある。ところが、このうち三つは判事、判事補の定員が全くない。それから一つは判事の定員があるところに判事補が現在員としておる。もう一つは、判事の定員はあって、現在その判事が現在員としておりますが、これが近くほかに転出するようになっておって、そのあとの補充が事実上できないというような状態で、七つの支部がありながら、実際に判事が、判事補を含めて現在するものが三支部といったような実情があるわけです。 裁判所がありながら判事がいない裁判所というものは非常におかしなものだと思うのだが、全国的に見て、現在、地方裁判所支部で判事並びに判事補の定員のないものが幾つあるか、また、定員はあるけれども、実際に判事、判事補がいないものが幾つあるかへまた、いるのはいるけれども、定員より少ないものが幾つあるか、お知らせ願いたい。
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま羽田野委員からお話のございました問題は、従来簡易裁判所の関係でときどき御指摘を受ける事項とも関連するわけでございます。ただいまのお話は支部の関係と承ったわけでございますが、支部を中心に申し上げますと、支部の中で、実はきわめて事務量の少ない庁がかなりあるわけでございます。われわれのほうの事務量の計算から申しまして、たとえば裁判官一人の事務量を一といたしました場合に、その事務量の半分、つまり半人分の事務量しかない庁、あるいはさらに一人前の一割程度の事務量しかない庁、こういうのが支部の中にはあるわけでございます。たとえば乙の支部の中には、そういう〇・一ないし〇・二、つまり一人前の仕事の十分の一か十分の二程度の仕事量しかない庁がございまして、こういう庁に専属の裁判官を一人置きますことは、全体から見て必ずしも能率的な運営ではない、かような考え方から、たとえば本庁と総合的に配置する、あるいは二つの支部に一人の裁判官を配置する、こういうことをいたしているわけでございます。もっとも、その二つの庁を兼務いたします場合には、当然往復の旅行時間その他のロスというものがございますから、これは当然考慮に入れて定員をきめるわけでございますけれども、その配置、定員というものは、そういうふうに事務量を一庁限りで見ずに、つまり一、二の庁を総合してみて……。
○羽田野委員 問いと答えがずれている。まず幾つあるのかということを聞いている。
○寺田最高裁判所長官代理者 失礼いたしました。 乙号支部で裁判官を総合的に配置いたしております庁は、七十数庁でございます。
○羽田野委員 いまの問いの趣旨がはっきりしていないようですが、支部があって、しかもその支部に定員の配置のない支部が幾つあるか。それから定員はあるけれども、実際に現在員のいない支部が幾つあるか。現在員はいるけれども、定員の数より少ない、いわゆる欠員——全部の欠員じゃないけれども、定員が三名であるけれども二名しかいない、定員二名であるのに一名しかいない、現在員ゼロではないけれども、定員に満ちていない支部が幾つあるか。その数をまずお聞きしたい。
○寺田最高裁判所長官代理者 定員がないという意味でございますが、要するに二つ以上の庁に一人の定員を置いているということは、見方によると定員がないということになる、そういたしますと、その定員のない庁が七十数庁である、こういうふうに答えたわけでございます。 それから、定員がありまして現在員がおりません庁というものは、現在正確に数字を持っておりませんが、これはそれぞれの地方裁判所所長のほうで相互に応援してやっているという実情でございます。
○羽田野委員 これは私の大分地裁における経験によりますと、初めは大体支部があるところには全部判事か判事補がおったが、だんだんいなくなっている。しかもいないところの数が大きなものだということは、支部の数がふえたのか、あるいは定員が減ったのか、あるいはその他のいわゆる過密・過疎のような状態で配置の基準が違ってきたのか、いずれかだと思うのですが、その理由はどういうことですか。
○寺田最高裁判所長官代理者 支部の数はここ数年ふえも減りもいたしておりません。裁判官は最近五年間に約百名ふえております。いま御指摘の点は、結局は大都会の事件がふえ、中小都会の事件がかなり減っている、こういうことに帰すると思います。
○羽田野委員 裁判所がありながら裁判官がおらないということは、これはきわめて不審なことだと思う。もし裁判官を常駐させていなくてよろしい支部ならば、これを整理するということも考えなければならないかもしれない。あるいは裁判所を設置してそこに裁判官を配置するということは、普通の行政庁の事務処理と違って、裁判所というものは仕事があるからということで存在価値があるのでなくて、係争があった場合にすぐ処理してもらうために裁判所を置くということが意味がある場合が相当ある。そうすると、少なくとも裁判所がある以上はそこに判事は常駐させるということが最も望ましいことではないかと思うわけです。そうしますと、裁判官のいわゆる判事——現在要求しているのは判事補ですが、この定員というものはいま要求している二十名だけで足りるのか、各支部まで裁判官を配置するためにもつとたくさん必要なのか、そしてそれは将来どういうふうに処理していくつもりであるか、その将来の見通しをちょっと……。
○寺田最高裁判所長官代理者 羽田野委員御指摘のとおり、裁判所というものは事件がなければなくてもいいというものではございませんから、臨時司法制度調査会の意見書では、支部の整理統合ということをうたっておるわけでありますけれども、私どもとしては事件が減ったからといって支部を廃止するということには問題があろうと考えております。 一面、しかし、事務量の非常に少ないところに裁判官を常置させることがいいかどうかというのはやはり問題であろうと思いまして、先ほど少し説明しかけまして長くなって恐縮いたしたわけでございますが、要するに一つの巡回裁判的な形になるわけでございます。裁判所がございますし、そこにはおそらく簡易裁判所の裁判官は常駐している場合が多いと思います。簡易裁判所の裁判官が常駐していないところもございますが、多くのところは常駐しております。なお書記官以下の職員は常駐しておるわけでございます。たとえば事件の受付その他をやっているわけでございまして、事件のときには裁判官が参りますということは、ある意味では英米等にあります巡回裁判の思想にもつながるわけでございまして、そういうことも考えながらいたしておるわけでございます。 今回の要求ですべての支部に裁判官を配置するに十分かというお尋ねに対しましては、これはむろんまだ不十分でございます。今後給源等を考えまして増員に努力いたしたい、かように考えているわけでございます。
○羽田野委員 裁判官の増員と、将来支部に少なくとも裁判官を置くということは私は望ましいことだと思うのです。増員についての政務次官のお考えをひとつ……。
○大竹政府委員 裁判の進捗は法治国としては非常に重要なことでございますので、いまの御意見もございましたので、今後支部の判事その他についてはできるだけ増員の方向で考えていきたいと思っております。
○羽田野委員 次は、やはり最高裁に聞きますが、簡易裁判所の判事五名増員ということが求められておるわけであります。その理由は「交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、」ということでございますが、実際に、現在この簡易裁判所において業務上過失致死傷事件がどの程度増加しているか、どういう状態で処理されておるか、御説明いただきたい。
○寺田最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げました資料の九ページの第七表でございます。四十一年から四十三年までにおける簡易裁判所の民・刑新受件数でございますが、その中の刑事の略式命令という欄に業務上過失致死傷の件数が出ております。四十一年から四十三年まで、かなりのスピードで増加いたしておるわけでございます。もっとも四十四年は、当初推定いたしましたよりはかなり伸びが低くなっておる。大体いまの推算では四十二万件ぐらいになっておりまして、当初推定しましたよりは伸びが減っておりますが、やはりふえてはおるわけでございます。
○羽田野委員 反則通告制度ができまして、業務上過失致死傷以外のもので、従来簡易裁判所の略式手続等を要しておったもので、今度は反則通告制度で裁判所以外のところで処理されるというものが相当大幅になっておりまして、このために簡易裁判所の事務量の減少ということも逆に考えられる。その減った分と業務上過失致死傷でふえた分、この関係はどういうふうになっておりますか。
○寺田最高裁判所長官代理者 これもお手元のいま申し上げましたすぐ下の欄でございますが、四十一年に道交法違反が三百七十六万件、四十二年が三百九十万件となっておりましたのが、四十三年の七月から反則通告制度ができまして二百三十八万件と、かなり減っております。ただ、これは七月からでございますので、年間の統計ではございませんで、半年ということになるわけでございますが、四十四年度はいまの大体の試算では百万件を少し割る程度になっておりまして、そういう意味では相当大幅に事件は減っておる、かように申し上げられると思います。
○羽田野委員 数からいうとむしろ減ったほうが多いのではないかと思うのですが、先ほどの説明で、業務上過失致死傷の増加と、それからいま減ったものと、数ではなくて質のほうからいって結局増員が必要だということになるわけですか。
○寺田最高裁判所長官代理者 御指摘のとおりでございます。
○羽田野委員 次に、裁判官以外の裁判所職員の増員、書記官、家庭裁判所の調査官、裁判所事務官、合計百五名という相当大幅な増員を求めておるようです。この増員の内訳並びに増員を要する具体的な理由を詳細に説明してください。
○寺田最高裁判所長官代理者 裁判官以外の一般の職員は、総計においていま御指摘のような人数になるわけでございますが、その内訳はお手元の資料の四ページ、三ページというところでございます。第三表裁判官以外の裁判所職員の新旧定員内訳、資料の一番右の端に増減が出ております。それでごらんいただきますとおわかりいただけますように、書記官二十五人、それから家裁調査官十人、それから事務官、事務雇七十人、こういう内訳になるわけでございます。 なお、この事務官につきましてちょっと補足して御説明申し上げますれば、事務官の中で大体百人というものは法廷警備という関係の事務官ということを考えておるわけでございます。そうして、そのほかに執行官の会計事務を相当する者を二十名ということで、合計百二十人でございまして、それからその七十人を差し引きました五十人、これは司法行政部門でいろいろの能率的な処理をいたしましていわば減員ということになりまして、差し引き七十人増員、こういう勘定になるわけでございます。 それから書記官の二十五人は、裁判官が総計二十五人増員になっておりますので、大体従来から一人と一人という割合で増員ということになっているわけでございます。
○羽田野委員 この増員につきましても、資料の五ページ、六ページにあるこの裁判官以外の職員の定員、現在員を見ますと、やはり欠員が非常に多い。特に書記官、事務官、事務雇、こういうものの欠員が非常に多い。欠員合計が三百十二名と非常に多い欠員になっておりますが、従来この欠員状態がずっと続いてきたのか、あるいは年間にこういう欠員ができ、そしてそれを次の年度当初で全部補充をして、なおかつこの増員要求のようにふやしていくというように処理されておるのか。この欠員と増員の関係についてちょっと……。
○寺田最高裁判所長官代理者 この点は、いま御指摘のように、年間ずっと続いておるわけではございませんで、年度当初はほとんど埋まるわけでございます。職種によりましては、ふえたり減ったりと申しますか、欠員が埋まったりまたできたりするものも若干ございますが、いま御指摘の書記官のようなものは、大体書記官研修所というところを卒業した者で埋めることになりますので、いま、この表にございます十二月一日ではかなり欠員になっておりますが、先般卒業をいたしましてそれである程度埋める、そういうことで、つまり四月には埋まる、こういうことになるわけでございます。
○羽田野委員 家庭裁判所の調査官の増員がありますが、これは少年調査官になるのかあるいは家事調査官になるのか、どちらのほうの仕事をする調査官ですか。
○寺田最高裁判所長官代理者 本年度増員いたします分は少年事件を重点に置いて考えております。
○羽田野委員 そこで、ちょっとお伺いしたいのですがね。裁判所のこれに対する見解をちょっと聞きたいと思うのは、最近反則通告制度を少年にも適用しようという考え方ができて、その準備も行なわれておるかに聞いております。 〔委員長退席、畑委員長代理着席〕 少年のいろいろな交通違反について反則通告制度を適用して反則金を納めさせるということは、これは一種のいわゆる罰です。刑罰にかわるべき行政罰的性質を持っている。いわゆる少年法では、少年はむしろ刑罰優先よりも教育指導を優先させるという精神に立っておるのに、この反則通告制度、いわゆる罰を優先させるというような考え方に移行しようとしておる。これは私は非常にゆゆしい問題だと思っておるのですが、やはりこの交通違反についても少年の場合には家庭裁判所で指導教育をするという立場を堅持してもらいたいと思うのです。 そこで、今度この職員の増員要求について、少年調査官の増員要求というものはそういうふうな意味も加味されておる、あるいはこの少年の交通事故の取り扱いについて最高裁判所はどういうふうな、いわゆる反則金制度を適用することについてどういうふうな考え方か、この点をちょっと……。
○外山最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 ただいま御指摘のありました少年法の精神、まことに仰せのとおりでございます。少年に反則制度を適用いたしますことにつきましては種々問題があると私どもは考えまして、従来その点を指摘してきたところでございます。家庭裁判所において、交通違反の少年の取り扱いが、結果から見ますと不開始、不処分という結果になっておるものが相当数にのぼりますので、いかにも家庭裁判所で交通少年を野放しにしているかのごとき外見を呈しますけれども、従来、家庭裁判所といたしましては、全体の交通事件の約八〇%につきましては、何らかの保護的措置、教育的措置を加えました上で、不開始、不処分の措置をとっているわけでございます。そういう点から見まして、反則通告制度を全く一律に、成人と同じように適用することは問題があるように思うわけでございます。特に事故に結びつくような危険な行為を犯した者、あるいは違反を繰り返しておるような累犯少年につきましては、教育的措置が必要であるというように考えます。その点につきまして、私どもでは反則制度と少年との関係について意見を述べてまいりましたが、今回、警察庁で御検討になられました法律案には、私どもが指摘いたしました右のような問題点が若干反映されておりますので、ある程度私どもの考え方も取り入れられた、こういうように思っております。ただ、かりに反則制度が少年に適用されるといたしましても、やはり家庭裁判所は、家庭裁判所に送致されてくる少年についての取り扱いの態度というのは従来どおり、あるいは反則制度が行なわれることによって、さらに手厚い保護の措置をとっていく必要があると考えております。
○羽田野委員 この点は最高裁のいまの考え方は私は非常にいいと思うのですが、事実は警察庁で、少年に反則通告制度を適用するような方向に進んでおりますが、これは裁判所の考え方、あるいは世論もそれを支持しているようですが、それがどうも力が弱いように思うのです。政務次官、どうでございましょう、この点について政府のお考えはどういようなことでしょう。
○大竹政府委員 ただいまの御質問でありますが、御承知のように、新聞等でも非常に問題になっておるところでございまして、法務省といたしましても、この問題について、率直に申し上げればまだ研究中だと申し上げるよりしかたのない段階にあるということを申し上げておきたいと思います。
○羽田野委員 最後にもう一つ、ちょっと裁判所のほうにお伺いしとうございますが、今回執行官の制度上会計事務を処理するために裁判所事務官を増員するということが必要になってきております。今度の増員で、この執行官の金銭保官事務がすべて処理されるとは思わない、まだこれは裁判所が一部行なう人数しか補充されないような気がするのですが、 〔畑委員長代理退席、委員長着席〕 いつごろ執行官関係の金銭保管事務を裁判所で全部行なわれるようになるのか、あるいはその点についての裁判所の計画、それから今後の増員計画、こういう点も含めまして、御説明願いたい。
○寺田最高裁判所長官代理者 現在この事務を実施いたしておりますのは、二十五庁でございまして、今回二十人の増員が成立いたしますれば、大体さらに八庁について実施できると考えています。したがいまして、三十三庁になるわけでございます。あとまだ十数庁あるわけでございまして、それに必要な人員が五十数名かと思います。できますれば、私どもとしては四十六年度、おそくとも四十七年度においては完全に実施できるようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○羽田野委員 終わります。
○高橋委員長 次回は、明十一日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十分散会