文教委員会 第17号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/04/24
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 日本私学振興財団法案を議題とし、審査を進めます。 御質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御質疑はないものと認めます。本案についての質疑は、これにて終了いたしました。 —————————————
○八木委員長 ただいま委員長の手元に、河野洋平君外三名から、四派共同提案にかかる本案に対する修正案が提出されております。提出者から趣旨の説明を聴取いたします。河野洋平君。
○河野(洋)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党を代表して、ただいま議題となっております日本私学振興財団法案に対する修正案について、御説明を申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 日本私学振興財団法案に対する修正案 日本私学振興財団法案の一部を次のように修正する。 附則第十四条に次の一項を加える。 4 改正後の私立学校法第五十九条第十項及び第十一項の規定は、政令で定める日までの間は、適用しない。 以上でございます。 その趣旨につきましては、本案の審査に際し十分御承知のことと存じますので、省かしていただきたいと思います。 何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
○八木委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○八木委員長 これより原案及び修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決に入ります。 これより採決いたします。 まず、河野洋平君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八木委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八木委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決いたしました。 よって、日本私学振興財団法案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○八木委員長 この際、委員長の手元に、河野洋平君外三名から、本案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。河野洋平君。
○河野(洋)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党を代表して、ただいまの法律案につきまして、附帯決議を付するの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 日本私学振興財団法案に対する附帯決議(案) 一、政府は、初等中等教育および高等教育の改革に関する基本構想を策定し、私立学校の位置付けを明らかにすることに伴い、私立学校に対する国及び地方公共団体の助成のいっそうの充実が図られるよう、配慮すべきである。 二、政府は、私立学校が公金の支出による助成の拡大に伴い、その公共性と社会的役割りの重要性をいっそう自覚し、国民の期待に背かぬようつねに自戒してその教育の充実向上に努めるよう、特に配慮すべきである。 三、政府は、日本私学振興財団の役員の業務遂行に当って、運営審議会の意見が十分反映されるよう、指導すべきである。 四、政府は、附則第十四条第四項に規定する政令を定めようとする場合には慎重にこれを行なうべきである。 五、政府は、この法律の運用に当り、私立学校の自主性をそこなわないよう留意すべきである。 以上でございます。 その趣旨については、本案の審査に際し十分御承知のことと存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさしていただきます。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○八木委員長 以上で、趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八木委員長 起立総員。よって本案に対し附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。坂田文部大臣。
○坂田国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を体しまして善処いたしたいと存じます。 なお、本法案の附則第十三条によって新たに設けられる私立学校法第五十九条第十項の規定については、これまでも再三申し上げましたように、これが実際に発動されるような事例のないことを願っているものであります。したがいまして、修正による附則第十四条第四項の政令につきましては、私どもとして今後私学の助成の拡充につとめますとともに、この助成の充実と私学の努力によって全般の水準が向上したにもかかわらず、なお教育研究条件の質的低下をもたらすような学校が見られる場合には、この政令を定めることといたさなければならないものと考えます。また、その場合には、本委員会の御意向を十分に承ってこれを行なうようにすべきであると考えております。 なおこの際、私学においても、その本来の使命にかんがみ、教育と研究の質的向上につとめ、国民の期待にこたえられることを念願してやみません。 —————————————
○八木委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ————◇—————
○八木委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
○八木委員長 文教行政の基本施策に関する件について、調査を進めます。 万国博覧会における著作物の展示に関する問題について、質疑の通告がありますので、これを許します。大原亨君。
○大原委員 先般の衆議院における著作権法の審議にあたって、具体的なこの問題についても論議をすることが著作権法の審議を進める上において必要だというふうには考えておったわけですが、議事進行に協力いたしまして、理事会の計らいできょう質問することになりました。 最初に、通産省の人、見えてますね。 〔委員長退席、久保田委員長代理着席〕 これから質問する中で、通産省は万博の監督官庁というか、所管官庁ということになっておりますが、きょう私が質問いたしますのは、政府館とか、あるいは企業館とか、テーマ館とか、地方自治体館、こういうふうに国内の展示がなされておるわけですが、その中で著作者との関係でトラブルが起きているのは、地方自治体館だけですか。
○井上説明員 お答え申し上げます。ただいままでに聞いておりますところでは、地方自治体館だけのように存じます。
○大原委員 それでは、質問の第一段階としまして文部省の文化庁に質問いたしたいのですが、著作権法をこの問題に関係いたしまして私はいろいろ検討いたしましたが、著作権法は、公法、私法に分ければ、言うなれば私法であると思いますね。芸術家の著作権を保障しながら文化の創造、発展に寄与するというふうな趣旨だと思います。しかし、著作権の保護に関する問題であるわけですから、私法だと思いますが、著作権法の所管大臣は文部大臣ですか。
○安達政府委員 お示しのように、著作権法を所管する大臣は文部大臣でございます。
○大原委員 新聞でも報道がありますように、そういう芸術家の人格と権利が保障されることによって文化を創造、発展させよう、こういう趣旨で、国際的な水準に従って国内法を整備されたと思うのですが、いま論議をされているように、もし地方自治体館で、芸術家を単なるペンキ屋と同じような考え方で、芸術家のそういう権利や人格をじゅうりんするような一方的な、そういう独断的な行為によって著作権を侵害されるということになれば、私は万博の進歩と調和、そういう面からいって、日本の国辱的なことではないかと思うわけです。ちょうどいま、衆議院を著作権法が通過して、参議院で審議中であります。ですから、そういう一方的な侵害の事件があった場合に、それに対して何ら文句を言わない、そういう芸術家の集団があるならば、これは私は良心的な芸術家の立場ではない、こういうふうに思うわけですし、ましてや住民自治とか国民の主権、自治というふうな観点でやられておる自治体の行政の主催をする万博の地方自治体館においてそういう問題があるということになれば、私はこの名誉を回復する措置をとられるべきことは当然であると思うわけであります。そこで、この質問に入る第一の問題として、この本問題と著作権法との関係を踏まえながら、きょうは一般的な議論をいたしたいと思い ます。 〔久保田委員長代理退席、委員長着席〕 写真とか図画について、著作権に関する規定は、現行法と比べるとかなり大幅な改正があるわけですが、この事件は三月に起きた事件ですから、裁判ということになりましても、これは現行法が適用されると思います。改正法はこの事案についての適用はないと思うわけです。しかし、救済措置、回復措置は新しい法律の適用の時期に入ると思うので、その点は私は若干不明確ですが、しかし、それにいたしましても、現行法、つまり旧法の写真、図画の著作権に関する規定と、それから新しい改正法の中身との関係ですね、つまり現行法を具体的な内容を明快にしていった、国際的な水準に従って、あるいは情勢の変化に対応して明確にしていった、こういう観点でかなり詳細に、あるいはかたかなをひらがなに直したということもありますが、近代的に全面的に改正をした、こういうふうに考えてよろしいわけですか。特に違った点がございますか、旧法と新法の関係で。
○安達政府委員 写真を含めまして、旧法といいますか現行法と新しい法案との大きな違いといたしましては、著作者の人格権というものを確立したということでございます。現行法におきましては、著作者の人格的な利益を守るためには、他人の著作物を発行または興行をする場合においては、その著作物に改ざん、変更を加える、またはその題号を改めてはいけないとか、同意なくして氏名称号を変更もしくは隠匿してはならない、こういう規定があるだけでございましたが、新法案におきましては、それを私法上の権利といたしましては、著作者は自分の著作物を初めて世に公表する権利、あるいはその著作物に実名、変名または無名の表示をする権利を有する。それから著作者はその著作物の内容の同一性を保持する権利があるというようにいたしたことが大きな特色でございまして、このことについては、写真にも当然当てはまるということが第一点でございます。それから写真の著作物につきまして現行法上認められておる写真についての特例規定を修正したということでございまして、たとえば他人の嘱託によって著作した写真の肖像については、その嘱託者本人、写っておる本人に帰属する、こういう規定がございましたが、そういうものをとりまして、写真は写真を創作したその撮影者にあるというように改めたというようなこともございます。それからまた未発表の写真について、その原作品を展示する権利を写真著作者に与えた、これは財産権としての展示権を与えたというようなことがございます。さらに、写真の著作権の保護期間につきまして、現行法は発行したる後十三年間となっておりますのを、公表後五十年というように大幅に延長いたしたというようなことが、おもなる内容でございます。
○大原委員 著作権をいわゆる譲渡、売買できる著作権と著作者人格権に分けてあるわけですね。著作者人格権を明確にした。その中には、いまお話しのように、公表権や氏名表示権や同一性保持権、こういうふうに十八条、十九条、二十条に書いてありますね。このことだけについて言いますと、抽象的に書いてございました現行法の中身を具体的にふえんした、この点だけについていえばそういうふうに考えてよろしいか。
○安達政府委員 中身を明らかにしたということももちろんございますが、一つは内容的にも不明確であった、たとえば公表権とかそういうようなところは、権利としてまだはっきり確立されていなかった、そういうものを確立したということ、それから何々してはならないというだけであったのを、何々する権利を有するということで、権利侵害に対してその差しとめができる、侵害を防止する措置ができる、こういうふうにはっきりいたした。こういう点におきまして、著作者の人格的利益を保護する上において非常に大きな改善を加えていると考えます。
○大原委員 現行著作権法の第一条に、複製する権利を専有する、こういう意味のことがございますね。これは新法ではどのように引き継がれたか。これは人格権として保障されているのですね。
○安達政府委員 現行著作権法の「複製スルノ権利」と申しますのは、これは財産権として保障しておるものでございます。
○大原委員 複製権は、人格権である表示権や同一性保持の権利や氏名表示権——氏名表示権は従来からもあった。現行法にあるわけでしょう。そういうものと裏表の関係にあるものもありますね。つまりそれを第一条で包括的に規定したのが複製の権利じゃないですか。
○安達政府委員 現行法におきましては、第一条の「複製スルノ権利」と申しますのは、いわゆる財産権としての著作権でございまして、いわゆる人格的利益のほうは、第十八条におきまして保護をいたしておるわけでございます。新しい法案におきましては、第一条の「其ノ著作物ヲ複製スルノ権利」という内容をさらに具体的に明確にしていった、こういうことでございまして、お示しの第一条の複製権と人格権とは、直接は関係がございません。
○大原委員 現行法の第十八条の著作者の人格権を具体的に十九条、二十条、二十一条でやった、こういうことですね。私、いままでの著作権法の審議の中で、あまり突っ込んで議論されていなかった、二十九条等が中心でしたのでよくわからなかったから、その点を聞いたわけです。 そこで、地方自治体館において写真の著作権を持っている人があるわけです。これは細江英公という写真家であります。これ一人がプロデューサーではなく、グループですが、この細江英公という人が写真の著作権を持っておるはずであります。もっとも百五十幾つかの写真を編集いたしておるわけですが、中には、細江英公氏が著作権を持っている写真がある、あるいは他の著作権を持っている人から使用を許可されたものもある。これは私は、具体的な事実を踏まえて一般論的に議論をしている。具体的な事実の裏づけがないと、法律の中身がわからぬから言っているわけです。細江英公氏がとった写真を複写をして拡大をする、そして著作者の細江英公氏の承諾なしにこれをかってに使うということになりますと、私は十八条の精神からいって、これは明らかに著作権の侵害ではないかと思いますが、一般論としていかがですか。
○安達政府委員 いまおっしゃいました細江さんの写真を無断で複製していくということになりますと、これは人格権の問題というよりは、第一条の複製権著作権の侵害になるおそれがあるわけでございます。他人の著作物を複製して利用する場合には、当然その著作権者の許諾を得なければいけない、こういうことが第一条に含まれておるわけでございます。
○大原委員 それでは、第一条の経済的な権利の複製権ということになりますね。そういう事実がありとすれば、複製権の侵害になる、こういうことですね。——準備委員会の事務局長で、地方自治体館の館長をやっていらっしゃる宮内氏、前から要求しておったのですが、きょうお見えになっておらぬ。お年寄りですけれども、この人に事実を聞くのが一番いいのですが、私は、具体的な事実をやらないと法律論にならぬから、あなたを責めるというのじゃなくて、聞くわけです。ここに「みんなそろって投票衆議院総選挙」こういう写真があるわけです。上のほうのは、著作者は企画者、つまり事務局の宮内館長と日建設計工務という設計事務所、これは両方が企画者なんですから、二つ並べてあります。抗議書に対する宮内氏の答弁を見ると、それをかってにごまかして解釈をしております。具体的な事実は別にして、それだけ言っておきますけれども、正式の万博のパンフレットの中には、企画者は日本万国博覧会、地方公共団体出展準備委員会、総合企画管理組織体といたしまして、日建設計工務株式会社というふうになっておるわけですね。その企画者と芸術家集団との契約ができるわけです。政府館では、この市川崑さんの有名なフィルムの撮影は、契約書がぴしっとしているわけです。しかし、ここでは全然そういうことをやらないで、全く前近代的ですけれども、頼むということでやっておるわけです。その中に、三月三日にプロデューサーのグループ、芸術家の集団が相談して撮影いたしました——全体で言いたいわけですが、それは時間がかかりますから……。「みんなそろって投票衆議院総選挙」というのが、現代の空間の一こまとしてあるわけです。これをかってに下の写真のように大きくした。大きくした意図というものが、広島の平和公園にある、絵はがきを広島に行って買ったらだれでも見るわけですけれども、折りヅルの像がある、そういうものや、被爆関係の写真等を隠すために大きくしたわけです。これは全然著作者の了承を得ていないわけです。これをかってに拡大、複製をいたしまして、展示しているわけです。その意図というものは、非常に一方的な意図で、あとで別な議論をいたしますけれども、ばあっと大きくいたしまして、広島へ行けば、あやまちは繰り返しませんという像と一緒に、折りヅルの像は、これはどの絵はがきにも出ておるし、言うなれば広島の原爆の遺跡といたしましては一般化しているわけです。これらを隠すためにやったわけです。これは明らかに改ざんなんです。改ざんというか、この局面をとってみれば、これは現行法における複製権の侵害または著作権の侵害です。抽象的なものであっても、著作権の侵害だ。あなたはうしろを向いて相談しなくてもいい。わからなかったら、私が質問してから相談しなさい。私が質問しているときに相談しておったら、聖徳太子じゃあるまいし、聞かれやしない。まだたくさんあるのですけれども、大体のみ込めたら、文部大臣でも文化庁の次長でも答弁してください。
○安達政府委員 一つの写真、つまりその写真自体が組写真のような形で構成されたものであるというようなものか、先生の示された上のほうの部分は、一つの写真ということでございましょうか、何か飾りつけの分の写真でございましょうか、ちょっとよくわからないのですが……。
○大原委員 そういうことでなしに……。そういうことを議論しておったら、あとの第二段の質疑応答に関係するから、そうするとあなたが深みにはまることになりますよ。だから、単純に答弁してください。つまり写真一枚一枚の著作権ですよね。その中に複製権とか著作者人格権というのがあるでしょう、大まかに言えば。旧法でも、原則的に抽象的に書いている。それを新法では明確にしたわけです。条文をあげて、新法と旧法の関係がちゃんと出ている。旧法の中に含まれておったのを新法で明らかにしたということが、この対照表に出ている。単純化して私は議論している。壁面に写真百五十幾つを編集したことは、これはあとでやります。その一こまとして、細江英公氏という写真家が写真をとった。その写真を本人の許諾なしに複製をして拡大をして、ぽけっとこうやっているわけだ。そのこと自体は、もちろん第一条の著作者人格権の侵害ではないか。単純化して質問している。
○安達政府委員 一枚の写真を拡大する、あるいは縮小する、あるいは一部分を拡大して利用する、写真の場合はいろいろございます。その場合に、同一性の問題、現行法の十八条でも、あるいは新法におきましても、その同一性の問題は、要するに著作者が考えている内面形式を変更したものであるかどうか。たとえば一枚の写真を非常に大きくした、それで非常に粒子が荒くなって醜くなったというような場合においてはどうかという問題、これはおそらくただ粒子が荒くなったということで、大きくすればそういうことになるけれども、写真家自体が持っているところのイメージとか、内面形式そのものの変更ということにはならないだろうということが、まず一つ言えるだろうと思う。もう一つは、そのことによって元の写真家の意図した内面形式を著しく変更するようなことになるということになれば、十八条なり、新しい著作者人格権に抵触することもあり得る、こういうふうに思います。
○大原委員 他の個所にもあるのですけれども、写真の一部をとったり、全体をそういうふうに大きくしたり、そういうふうなことを著作者の承認なしに複製をしてどんどんやってもいいのか。
○安達政府委員 まず、人格権とそれから著作権、財産権としての問題と、二つに分けて考えなればいけませんけれども、一般に他人の写真を無断で複製してそれを公に利用するといったようなことは、まず著作権侵害の問題になります。これは第一条の問題でございます。 第二の問題として、その内容を変えるというような場合において、この十八条に抵触するかどうかという問題が第二の問題になるわけで、黙って他人の写真を複製して、たとえば個人用に自分で写してみるというような私的使用の問題なら別でございますけれども、そうではなくて、それを営業の目的とかその他公の場で用いるということになれば、そこにやはり著作権侵害の第一条の問題が出てくるということは、お示しのとおりです。
○大原委員 著作権侵害についてのことは、はっきりしました。 それからもう一つ、これは地方自治体館の、一号館、二号館があるわけですが、一号館の外周に、写真家の細江英公氏が責任者で写真の構成をやっているわけです。この写真は、第二次案です。第一次案については、宮内館長側から意見が出たわけです。そこで第二次案をつくったわけです。これは住民や戦後の現代の自治ですから、非常に明るい。住民が自治についての希望や自分の意思表明をしているという明るい写真ですね。これは赤ん坊がおかあさんの乳を吸っている。これは母親の手で、子供の手を握っている。これが第二次案ですね。この第二次案を、これをカットしたわけです。カットというか、改ざんをしたわけですが、このときはかなり議論をしてやって、第三次案ができた。これは本人、著作者は了承しているわけです。著作者のグループも、写真家も、映画監督も、プロデューサーも、それから絵をかく美術家も、日本一流の世界的な人がやっておるのです。だから、非常に誇りを傷つけられたという問題があるわけですね。人格権を侵害されたわけです。第二次案を、全国知事会の事務局長の宮内館長、これが現場に行って、これはだめだと言う。こう言った理由に——これは一部新聞報道されておりますが、赤ん坊がおっぱいを吸っているのは、これはエロだというのです。これはグロテスクだ。だからだめだ、こう言ってきめつけてやった。しかし、ともかく館長が言うのであるから、これは修正しようということで、現在第一号館の外周にあるのができたわけです。そういう調子で、問題は、この第一号館の四階と、内面にある歴史の空間、それから現代の空間というのがあるわけですが、それは地方自治の歴史を戦前の歴史と戦後の歴史に分けまして、戦争前の歴史の問題、廃藩置県以後の自治体が進んでいった問題と、戦後の新しい主権在民の自治の問題についてつくってあるわけです。それは地方自治の歩みという問題を取り上げるという、四名の芸術家集団が委嘱を受けてやったわけです。そこで、それに基づいて写真を集め、あるいは録音をやり、照明をやり、美術をやって、全体としてそういう自治をあらわしていこうということをやった。そのときに問題は、歴史の空間、つまり昭和二十年の八月十五日以前の地方自治の歴史、廃藩置県以降の歴史、これを現代の空間に対して歴史の空間というところへ百五十何枚の写真をもって編集したわけです。そういうシナリオを書き、現地調査をし、関係者の了承を得て、そしてプロデューサーのグループが全体として編集をして、そしてシナリオを書いた上で、今度はこういう小さいミニチュアをつくったわけです。こういうやつをずっとつくったわけです。つくって、全国知事会にも説明している。あるいは準備委員会にも説明している。顧問会議にも説明しているのです。当然宮内館長は出席をして聞いておるのです。著作者の諸君が非常にふんまんしておるのは、そういう事実なんです。それで、ミニチュアについては、いろんな工作をつけ加えたりいたしまして、それでこれは承認をしておきながら、三月十四日に開館をいたしまして、十五日にオープンいたしました。私ども開館式には十四日に行きましたが、三月十三日はマスコミの皆さん方に開放したと思います。それで、そのときに実物大ができた。できる過程において、著作者の意思を一方的に考えないで、その意思を無視いたしまして、そしてその地方自治の歩みの写真の構成をかってに変えたわけです。あれをはげ——この写真は、これは実物大ですけれども、これはそんなに悲惨な絵ではないけれども、原爆の写真をかってにはぐ。これはそれほど悲惨なものではない。国会では、政府館や万博に原爆の展示をしたらどうかという議論を、私どもは何回もしたことがある。通産省の参事官は知っておられるはずだが、当時の参事官とはわかっておるけれども、椎名さんが当時の万博の担当大臣だった。私も質問しておりますけれども、とにかく原子力を戦争に利用すれば、広島と長崎の原爆のようなひどいことになりますよ、平和利用にすれば、こんな無限な展望が開けますよ、こういうたとえば原子力の明暗について、日本の万博においてそういうことを展示することは、非常に意味があるし、原爆の被爆の実相は悲惨であっても、そのことを隠して日本の原爆というものや日本の理解というものは成立しないではないか、こういうことを議論いたしまして、椎名外務大臣も、小さな声ですが、御趣旨は私は賛成です、専門家にまかせてやりたいと思います、いま検討中と言っておったわけです。それらの議事録等を見て、プロデューサーの諸君、芸術家集団の諸君は、この程度のことは、ミニチュアのときにはいいと言ったので、それを展示いたしまして、政府の次官会議か何かで問題になったらしい。それと前後いたしまして、ぱんぱんと自分かってにはいでいっちゃった。そこで文部大臣や文部省を責めても、この問題についてはしかたがないとは言わないけれども、所管官庁、所管大臣として適正な指導をやらなかったということにはなるかもしれませんが、これはあとの議論にいたしまして、そういうことで、個々の写真についての侵害については、旧法、新法に比べて明らかに著作権の侵害であるということはわかるけれども、問題は、そういう写真を構成し、編集をして、シナリオをつくり、ミニチュアをつくって、現地調査をして、そうしてきちっと著作者の意思によって、四人の討議によってでき上がったものについて、一方的に削ったり隠したり、そういうふうなことで全く無性格だといわれておる地方自治体館の歴史の空間の一こまが、——現代の空間もそうですが、歴史の空間の一こまが、そういう状況になっているということは、これも著作権の侵害ではないか、こう思うのです。いかがですか。
○安達政府委員 いまお示しのものが、第一番目に著作物として言えるかどうかということが一つの問題点になります。いわゆる組み写真というような程度のものでございますと、これはやはり個々の写真というよりは、組み写真自体が一つの写真として著作物として考えられるというようなことがあるわけでございます。ただ、非常に大きな壁面構成、展覧会のディスプレーというようなものも、一種のアイデアというものがあって、そこで行なわれるわけでございますが、それの壁面構成とか展覧会のディスプレーそのものを著作物——個々の写真は別にしまして、そのものを著作物として取り扱うのかどうかということにつきましては、いろいろな議論がございまして、現在の段階では、なお壁面構成あるいは展覧会のディスプレーのしかたそのものを著作物としてとらえるというのは、現在の学説、判例等からしてやや無理な点があるだろうと思うのでございます。いまお示しのものが、いわゆる組み写真のような領域に入るのか、あるいは壁面構成として著作物としてとらえられないものであるのかということにつきましては、さらに具体的な事情によって判断さるべきものであろうと思うわけでございまして、いまのお示しのものが全体として著作物としてとらえられるかどうかということが、第一の問題であろうと思うわけでございます。 それから第二の問題は、一体著作者というものは、いまの場合だれであるかということでございます。この著作者についてプロデューサー・グループ、それから企画準備委員会、日建設計工務会社ですか、そういう三つのものがあって、お互いに最終的にだれが一体決定するかというところの問題になってくるわけであります。つまり、プロデューサー・グループというのは一つの参考のアイデアを提供して、そしてだれかが決定をするというものなのか、それともプロデューサー・グループそのものがまかされてしまって、そのまかされたものがこの最終的な決定権があるということになれば、プロデューサー・グループが著作者であるということになるわけでございます。第二の問題は、したがっていまの写真の連続のものの著作者が一体具体的にだれであるかというところの問題があるわけでございます。この二つの問題について、私も具体的な事情、当事者間におけるところの事情をよく存じませんのではっきりいたしませんけれども、そういう二つの観点に従って判断をさるべきものである、かように考えるわけでございます。
○大原委員 あとのほうから申し上げますが、当初の企画は、全国都道府県クラスの大都市、沖繩を含めまして五十三の地方公共団体がつくっている出展準備委員会——あなた、企画と言いましたが、そうでなしに、出展準備委員会ですね、出展準備委員会が日建設計に総合監理を委託したわけですね。日建設計がプロデューサーのグループと話し合いをいたしたわけですね。そうして当初の企画のときは、そういう準備委員会の、宮内事務局長の事務局を含めて、どういうものをやろう、こういう点をやろう、戦前戦後の地方自治の歩みをやろう、こういう大まかな点については議論をしたわけです。そうしてその途中からプロデューサー・グループが選任をされて、それが参加いたしまして実施の企画をやったわけです。どういう実施をやるか。シナリオをつくって、写真をとって、そうしてそれを編成する、こういう仕事をやりたわけです。ですから、日建設計というのは、宮内館長の側の、出展準備委員会側の立場に立っておるわけです。代理者みたいな立場に立っておって、そして著作権を持っておる芸術家の集団と関係しているということは、これははっきり言い得るのじゃないかということが一つ。 もう一つは、旧法の、いわゆる現行法の著作権法の第十四条の編集著作物に関する規定の中には「数多ノ著作物ヲ適法ニ編輯シタル者ハ著作者ト看做シ其ノ編輯物全部ニ付テノミ著作権ヲ有ス但シ各部ノ著作権ハ其ノ著作者ニ属ス」、つまり一つ一つの写真の著作物については、著作権者がおるが、これを組み立てましてそしてやった場合には、編集著作物として編集者に編集著作権がある。それは雑誌なんかだったら、その場合は——中央公論とかいろいろなやつだったらはっきりする、文章が書いてあるから。一人一人が著作者でありながら、全体としても編集著作権があることははっきりするだろう。写真も、シナリオを書いて、写真を組み込んで、そうして録音構成をし、照明をやり、そういう音楽を入れる、フィルムなんかに手を入れたり、そういうふうな構成をしておるわけですが、そういう構成はやはり編集著作権であるというふうに、現行法によって主張する、著作者に権利はある、こういうふうに私は考える。後者の私の意見に対してどう思いますか。
○安達政府委員 編集著作物についての考え方は、旧法でも——旧法といいますか、現行法でも、新法案においても、変わりはないわけでございます。いまお話しのようなものが、いわゆる十四条に該当するところの編集著作物として編集者自身が著作権を持ち得るようなものであるのか、それとも先ほど申しました壁面構成とか展覧会のディスプレーのように、なお全体の総合的なものを著作物としてとらえられるかどうかということは、その内容によるわけでございますので、先生のようなそういうとらえ方もあり得るでございましょうし、いやそういうものではなくて、全くそういうものとは違った展覧会のディスプレーのようなものであるというようにいえるかどうか、どうも具体的な内容を十分精査いたしませんと、いずれとも言いにくいというように考えます。
○大原委員 それは裁判所で争う以外にないということですか。
○安達政府委員 さようでございます。
○大原委員 これは写真で構成いたしました全体の作品も、たとえばかってに変えたり、張ったり、カットしたり、そういうふうなことをやったら、その全体の構成というものは——プロデューサーまで入って、映画監督まで入ってやって、そして十分シナリオや、ミニチュアの段階では検討しながら、途中で一方的にカットすれば、全く著作者の人格、権利というものを侵害することになるわけです。全く無性格のものに一変するような、そういうことをかってにやる。そういう中では、最初に議論いたしました細江英公という写真家がとりました写真、そういうものもかってに複製をする、こういう事件も入っておるとすれば、これは明らかに、プロデューサー・グループ、芸術家集団の共同でやりました共同著作権と関係がある共同著作権、あるいは共同でやった著作権、共有物であるところの共同著作権、そうして編集著作権、これを侵害する。ずっと昔ならともかくとして、今日では写真で地方自治の歩みを構成しようということで契約して準備をしてきたわけですから、それを一方的にカットしたり、改ざんしたり、切ったり張ったりすることは、著作権の侵害である、こう私は思う。いかがですか。
○安達政府委員 もちろん全体として当不当の問題があろうかと思いまして、その当不当の問題はもちろん別でございますけれども、いまの議論の著作権法という法律問題として考えますと、そのものは著作物であり得るかどうか、そうしてその場合の著作者がどういう関係になっておるか、そういう具体的事情に即して判断をされなければならない、こういうふうに考える次第でございます。
○大原委員 文部省とこういう議論だけをずっとやりましても、いまのところが限界だと思うのです。あとは宮内館長とかプロデューサーのグループとやはり一問一答しまして、それらを、管轄大臣である文部大臣が指導上の責任があるわけですから、注意や勧告をする責任が私はあると思うのですから、そういう問題が起きた場合には、そういう権限というか、行政上の権力をもって規制する権限はないけれども、著作権法の著作権を守っていくという精神から、私は文部大臣も全然道義的な責任がないとはいえないと思う。そういうことで、そのことについては実際に事に当たっている当事者との間において議論しなければわからない、はっきりしないものである。しかし、裁判ということになりますと、裁判は済んでしまう。 もう一つ問題は、やはり広島の原爆の写真のことなんですが、映画に「明けゆく日本列島」というのがあるわけですが、その中の中国ブロック編の中に、広島の原爆の被爆者に関する部分が、五、六秒あるわけです。それを宮内館長がプロデューサーのグループに対しまして、カットを命令したわけであります。中に入りました日建設計は、それをもってこれを製作いたしました日映新社との間に折衝しておったのですが、日映新社はこれを一応拒否されたわけです。現在はカットされないやつが載っているわけですね。あれは、ある新聞社の記者諸君が、こっちをカットしておいてこっちが残っておるのはどういうことかといったら、そうか、それならこっちもカットせい、そういうことらしいんだ。自分で全く思いつきをそういうふうに独断的にやるということだ。何ら、著作者に対しまして十分協議をする、ディスカッションするということがない。その原爆のフィルムにいたしましても、私は理論上の議論はいたしませんけれども、しかし、カットされた中には、原爆とか日露戦争、沖繩の写真などがあるわけですが、そういう歴史的な事実を除いて現代の自治の歴史を語ることはできない。しかも宮内さんは、地元の広島県の知事やその他関係者の了解を得たといって盛んに圧力をかけたというのでありますが、あとでよく報道機関等が調べてみますと、知事は全くそのことについては相談にあずかっていないし、知らない、こう言うのであります。関係都道府県知事の結集体であるところの……。そういう点から考えてみましても、これはおかしいじゃないか、こういって議論が出ております。私はきょう欠席されておる宮内さんのことを何でもかんでも悪口を言うつもりはないけれども、あの人は昔警察をやっておられたというのだけれども、そのフィルムに対してこういうことを言っている。この中にあるわけですけれども、あの原爆のところがどうこうできなかったら墨を塗れ。昔の検閲と同じじゃないですか。そういう考えでやったようにとられてもしかたがないじゃないか、こういうことがあるわけです。そういう映画のフィルムは著作権法上はいろいろ議論がありますが、そういうことについて現在までの製作過程を承認しておきながら、どたんばでそういう思いつきで一方的にカットを命ずるというようなことは、明らかに芸術家の良心と自由を侵害するものではないかと思うのですが、いかがですか。
○安達政府委員 現行法によりますと、映画の著作者がだれであるかということが不分明でございまして、だれが映画の人格権を持っているかということが不分明である。これは新しい法案におきまして、監督、カメラマン、美術監督というように非常に明記いたします。そういたしますと、監督等が明らかに人格権としてそのカットを禁じ得る権利というものがはっきりいたしますが、現在は一体だれが著作者であるかわからないわけです。その辺でその事態が非常に不明確な状況にあるという前提の上で、まず一つ申し上げなければならぬわけでございます。 それから第二の点は、実際問題として会社の映画を企画する人が、ちょっとこの点は直してもらえないかということを、プロデューサーグループと申しますか、芸術家側に言って、そして両者の合意の上で直すというようなことは幾らでもあるわけですから、そういう修正を要求——要求といえば語弊がありますが、そういう相談を持ちかけること自体は、著作者人格権の問題に触れないということはございます。そういうことも、かりに監督その他が著作者であると仮定した上の話でございますが、その場合にもし黙ってやるということになれば、これはやはり人格権侵害の問題にも触れてくるというようなことでございますが、ただ、その場合に、どうも現行法では著作者人格権を持っておるのはだれかということがわからないものですから、あるいはその日映新社というものが持っておるのか、その辺のところもしごく不明確になっておるわけでございます。したがいまして、この問題、かりに著作者というものがはっきりしており、その著作者に無断でカットされるということになれば、これはやはり明らかに著作者人格権の侵害の問題になる、こういうように考える次第でございます。 それからなお、先ほどお話のございました著作権侵害事件があった場合に、文部大臣なり文化庁長官がこれはぐあいが悪いといって忠告をするとか指導、助言をするということは、著作権法が、先ほど先生のおっしゃった私法でございますので、それはやはり一応認められていないわけでございます。ただ、そういうことではなかなか紛争がうまく片づかない。それで簡易で合理的な解決をはかるために、新しい法案では紛争解決あっせん委員という制度を設けまして、新法案が通りますと、そういう問題も非常に簡易、合理的な解決がはかられる、こういうぐあいになるわけでございます。
○大原委員 新法のPRですが、新法が通ると、紛争が継続しておったときには法の適用であっせん委員会等のあっせんであっせんができますか。
○安達政府委員 あっせんでございますから、十分いたします。
○大原委員 それから、これをもう少し突っ込んでやるには実際は当事者が必要なんですが、この万博を全体として担当しておる通産大臣は、この前の予算委員会のときに西宮委員のほうから質問の口火を切って保留になっておるわけです。実態を調査するということになっておる。秋田自治大臣もそういうことを言っているし、宮澤通産大臣も言っている。このような著作権侵害のような事実がかなり随所にある、あるいは疑惑を持たれたものがあるわけです。そういう事実が起きておることを新聞や報道その他を通じてわかっておるのに、あなたのほうはその事情については知ってないわけですか。そういう野蚕な権利侵害です。今日において考えられないような——まだたくさんあるわけです。朝倉攝氏の「人間の壁」という壁画は、傑作だというふうにいわれておるわけですが、こんなのはだめだといってすぐカットして、そうして委嘱をされた本人も宮内館長も了承しておる芸術家集団との間に腹を立てたり、けんか、トラブル、全くそういうことは前近代的なわけですよ。そういうことについて調査をされた結果、そういう事実について知っておられるかどうか、あるいはこれに対して何らかの対処をするお考えはないかどうか。
○井上説明員 最初の御質問でございますが、このような同種の問題が各パビリオンで起こっておるかどうかということでございますけれども、これは先ほども文部省のほうから答弁がございましたように、製作過程においていろいろ御意見を一言ってプロデューサーみずから直したというような点は多々あろうかと思いますけれども、私どもの聞いておりますのでは、この種事件はほかでは聞いておりません。 それからパビリオンの展示内容につきましては、いろいろな大きい判断、たとえば麻薬取締法に違反をするとか、あるいは非常に風紀上の問題があるとか、そういう問題につきましては、会場関係で規則がいろいろございまして、そういう規則で処理いたしております。したがいまして、そういう点について違反のない範囲におきましては、特にこちらからこういうことにしろ、ああいうことにしろというような注文は、内外ともいたしておりません。したがいまして、われわれがこういう問題の発生を知りましたのは、新聞紙上等に報道されただけでございます。
○大原委員 自治省は、この万博出展準備委員会——事務局長は宮内さんですが、万博出展準備委員会の顧問団がいまいるわけです。それで事務局長は、顧問団と相談してやったというふうなこともいわれているわけです。その顧問団の中には、自治省の次官がいるはずですね。私はこの自治体に対する権力統制ということなら別であるけれども、その顧問団の性格が非常に問題になっているわけです。歴史の空間から現代の空間へ移っていく地方自治の歩み、その現代の空間にふさわしいような顧問団ではない、そういう話があるわけです。自治省の次官は、顧問団としてどのようにこの問題にタッチしておるのですか。
○林説明員 お答えいたします。顧問団としては、自治省の細郷次官、それから通産省の大慈彌次官、それからあとは荻田保さん、三好重夫さん、多田鉄之助さん、この五人で構成をされておると聞いております。実際にはこの顧問団は数回会合が開かれて、展示物の基本的な考え方についての御相談があったと聞いておりますが、実は私のほうの次官は、所用がありましてその顧問団の会議にはついに一ぺんも出席をしなかったようです。もちろん展示物をどうきめるかという全体の基本的な方針だけの御相談があったということでございますので、こまかい展示物の内容その他については、この顧問団は一切御相談を受けておらないようでございます。
○大原委員 通産省は顧問団の中に入っているけれども、どういうことをやっているのですか。
○井上説明員 お答え申し上げます。直接次官から話を伺っておりませんけれども、ただいま自治省から御答弁ございましたように、非常に基本的な問題だけについて御相談にあずかったのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○大原委員 当時、椎名通産大臣は大まかな点についてきめて、問題は専門家にまかせる、そうして企画をしてもらってやるんだ、こういうことを言っているんですけれども、通産大臣としてもこんな野蚕なことが行なわれていることについて無関心とはおかしいです。こういうトラブルがあるのは、国際上においてみっともないです。こんなことはおかしい。 もう一つ、その間の契約関係について自治省に質問したいこともあるのですが、文部大臣がお急ぎのようですから、あまり長くお聞きしてもと思うので、私は一言だけ質問いたします。文部大臣は、文化庁の統括でもあるし、国務大臣でもあるわけです。したがって、著作権法は私法上の権利の問題でもありますが、しかし、すぐれてやはり政策上の問題でもあるわけです。常に著作権についての正しい認識を啓蒙、徹底し、著作者の権利を保護するという国民の立場に立った、そういう行政指導があってしかるべきであります。この問題について、よく関係者に対しまして、私が議論いたしました点を中心に、一方的な情報じゃなくて事実に基づいて、国務大臣としてあるいは文部大臣として、新法、旧法にとらわれず、この審議をしておる精神に従って、将来のあっせんの問題等含めて、私は納得できるような、そういう措置をとるような指導をしてもらいたいと思うのですが、これに対する所信をお伺いいたします。
○坂田国務大臣 著作権につきましては、やはり私の所管でございまして、今度著作権の権利を認めるという基本的な考え方で明治以来の大改正をいたしたのも、いま先生が御指摘になった意味だと思うのでございます。また同時に、従来、ともいたしますとこの権利の主張というものをやらなければならぬ人が自分に権利があるのかないのかすらもわからないような状況でございまして、その点一般にこのようなものに対して、何といいますか、著作権の権利に関する事柄についての全国民にわたる意識というものがきわめて低いということでございますので、私といたしましては、できるだけその普及、徹底をはからなければならないというふうに考えておるわけでございます。本委員会におきましてもそのようなお尋ねもございましたし、私自身としてもそのような事柄につきまして十分指導、徹底をはからなければならない。そうして特に芸術作品等につきまして、十分その人格権を認めるというような方向に国民全体がなるということが望ましいというふうに思うのでございます。
○大原委員 問題は残っていますが、きょうといたしましては最後の質問にいたしますが、自治省は顧問団に入り、事務次官が協力している、あるいは全国知事会の事務局長の宮内さんは、自治体五十三団体との関係が深いわけでしょうね。だから、これはどうも逃げておったほうがいいということで逃げておるらしいけれども、そういうことでなしに、いままでだって調査すると言っているんだから、誤りを追及することはできるわけだけれども、ひとつ私が明らかにしておきたいことは、宮内館長がこのプロデューサーグループ、芸術者集団の抗議書に対しまして、回答をしておる。この回答は、全く前近代的、不遜きわまるものだ、野蛮きわまるものだ。しかも日建設計にまかしてあるから、それとの関係、それに対して命令したんだから関知しないんだということがある。私は、いま文部大臣の答弁になりました著作権法の精神を全くじゅうりんするものであると思う。そんなものは、住民自治、つまり自治館のそういう展示は、人間の、人間による、人間のための地方自治を確立するんだということを基本のシナリオにいたしまして、みんながそれを認めてつくったのです。ですから、いいかげんなことで、古い感覚をもってわざわざ著作権者の創作物を変改するようなことは、私はいけないと思うわけです。だから、そういう点については、日建設計を間にはさんでおいて私が議論して、実際に宮内館長やあるいはプロデューサー等の皆さんを参考人として要求したわけですが、いろいろな仕事の都合ということで、委員長は御努力になったけれども、できなかった。しかし、日建設計は、予算上の権限も何もないわけですから、予算をまかされておるんじゃない。政府館のほうは、市川崑さんのほうはまかされておる。フィルムという特殊性があることは、私も知っているのです。その製作にもたくさんの金を使うということも知っている。しかし、ここなんかは全く前近代的な、そういう民主主義の原則からいうとむちゃくちゃなことが行なわれているということは、私は許しがたいことである。こんな抗議書に対する回答などというふうなものは、自治体の名前において出すということは、日本の国辱であると私は思っている。この点はさらに明確にしていきたいと思うが、あなたは自治大臣にかわって今後の決意についてひとつ表明してもらいたい。
○林説明員 御趣の点は十分参酌させていただきたいと思いますが、ただ自治大臣としては、この場合指揮監督し、指導する立場にございませんわけです。自治体館の展示物を、地方自治をいかにして表現するかということについてはいろいろな考え方もございましょうし、それを最終的にどういう展示物にするかは、契約の文面でも、先生御承知のとおり、規定していないことが非常に多うございます。その間はすべて当事者の協議でやっておるようでございます。この協議を円満に遂げまして、関係者がそれぞれ納得ずくの上でこういった醜い争いを起こさないでみんなの力を合わせてりっぱな展示をしていくよう、それは指導する立場にはございませんけれども、よく話し合いをし、注意をしてまいりたいと存じます。
○大原委員 通産大臣のほうへも同じように——これは進歩と調和じゃないですよ。退歩と不調和だ、あなたそう思わぬですか。こういうでたらめなことが、国際間にとびらを開いた万博で行なわれているということ、しかもどたんばになってこんなことが起きて、そして展示物についてはいままでずっと準備しながら、どんどんカットをしまして、全く無性格な展示をして、著作者の人権を侵害しているんだ、名誉を棄損しているんだ。著作者はちゃんと四名のプロデューサーグループの名前が出ているんですよ。間に新法による氏名表示権でちゃんと表示してあるんです。そのことは氏名表示してある人の創作、あるいは創作の意思、あるいは権利を侵害する形でやらないということの反面解釈でもあるわけなんです、氏名表示権というのは。それから内容の一貫性を保持する権利ということも、そういうことですね。それであるのに、こういうでたらめなことを一方的に独断をもってやっているということは、顧問会議も相談にあずかったというが、あるいは関係知事も相談にあずかったというが、実際はそうじゃない。そういうことで、だれがこういうふうなことをやったかわからぬが、こういう処理がなされているということは、私は日本の国辱であると思っている。したがって、委員長、きょうは宮内館長やあるいは芸術家集団の代表者が——通産大臣あるいは自治大臣が前の予算委員会でも答弁されておるが、調査をしてひとつ検討いたしますという答弁があった点からいいますと、まだまだほんとうの著作権法を理解するためには議論をし、そうして私どもお互いの国民の自覚と姿勢を正す、こういう意味において、やはり著作者の権利を尊重するという著作権の精神が貫かれるということを私は心から希望しますが、そういう点において、きょうは概括的な質問にいたしまして、ぜひとも理事会にはかって、この問題については竜頭蛇尾に終わらぬような措置をしてもらたい、そういうことを希望いたしておきます。委員長、何か見解をお述べ願います。
○八木委員長 あとで理事会でよく相談をいたしまして、善処いたします。
○大原委員 終わります。
○八木委員長 次回は、来たる五月六日水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十二分散会