文教委員会 第13号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/04/10
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 日本私学振興財団法案を議題とし、審査を進めます。 —————————————
○八木委員長 この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 ただいま審査中の本案について、参考人より意見を聴取することとし、参考人の人選、意見を聴取する日時等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 —————————————
○八木委員長 本案について質疑の通告がありますので、これを許します。河野洋平君。
○河野(洋)委員 前回に続いて、私学振興財団法のうちの私学法の一部改正の点について、もう少し質疑を続けさしていただきたいと思います。 この質疑を始めます前に、改正をされようとしている私学法それ自身について若干お伺いをしたいと思うのですが、昭和二十四年に私学法ができ上がったわけでございますが、昭和二十四年に私学法をつくった当時、この私学法については非常に画期的な法律といわれて、そしてこの私学法について非常に重要な点が何点かある。それはたとえば私立学校の特殊性あるいは自主性の尊重、公共性をもっと高めようというようなポイントも一つでございますし、同時にそれらを高めていく、あるいは認めていくということから、所轄庁である文部省の命令、監督等については一定の制限を加える。できるだけ監督とか命令とかいうようなものは差し控えるということに、非常に画期的な法律といわれた私学法の中身があったと私は聞いておるわけでございます。そうした中身の中で、それを非常に明確にしておるのが私学法の第五条であると私は思いますが、管理局長、第五条の二項は何と書いてありますか、ちょっとお答えをいただきたい。
○岩間政府委員 ただいま御指摘ございました私学法第五条の第二項は、学校教育法におきまして設けられております学校教育法の第十四条の規定、つまりこれは学校の設備、授業等の変更命令でございますけれども、それにつきましては、私立学校にはこれを適用しないというふうな書き方をいたしております。
○河野(洋)委員 つまり学校教育法の十四条で、私立学校の設備、授業その他の事項につき、法令または所轄庁の規程に違反した場合において、その変更を命ずることができるという規定を、私学法の五条の二項ではそれを私学には適用しないと書いてある。ところが、今回の私学法の一部改正の十三条十項の三号には、それと全く同じ文章が書かれておる。つまり、十項三号には、「当該学校法人の設置する当該補助金に係る私立学校が設備、授業その他の事項につき法令又は所轄庁の規程に違反した場合において、その変更を命ずること。」と書いてあるわけでありまして、私学法の五条の二項では明瞭に私立学校には適用しないと書いてあるものを、この際全く同じものを認める、適用するというふうに直してあると考えてよろしゅうございますか。
○岩間政府委員 そのとおりでございます。これは私学全般に対するたてまえというのは変わっておりませんけれども、このたび新しく設けられました人件費を含む経営費の補助を受ける私立学校につきましては、私学法の第十四条と同じ条文の適用をしておる、そういうことでございます。ただその効果につきましては、それに違反しました場合には補助金をやらないというふうなことをあわせて規定しておるわけでございます。
○河野(洋)委員 そうすると、もう少し伺いますけれども、私立学校法の一部改正、つまり五十九条の五項に書いてあります「国又は地方公共団体は、第一項若しくは第三項又は第五十一条第三項の規定により学校法人に対して助成をした場合において、当該学校法人の設置する私立学校が助成決定の際」云々という字句がございますね。その「国又は地方公共団体」と書いてあるところに、「国」として、「(日本私学振興財団を含む。次項及び第八項において同じ。)」と書いてございますが、この「国(日本私学振興財団を含む。)」と書いてあるのを裏返して読めば、日本私学振興財団を含むと書いてあるんですから、日本私学振興財団以外の国というものもあると考えてよろしゅうございますか。
○岩間政府委員 国が補助金等の交付につきましては責任を負うというのが大体いままでのたてまえでございますけれども、今度の補助金の場合には、特に私学振興財団に補助金を交付いたしまして、私学振興財団から私立学校に補助金を交付するといういわゆる間接補助の形をとっております。そこで、本来ならば国が直接やるべきものであるけれども、この場合には私学振興財団から交付する補助金をその中に含めるんだという趣旨でございます。
○河野(洋)委員 私の聞き違いかもわかりりませんけれども、管理局長の答弁は、私が理解いたしますのは、たとえば先ほどから議論をしております十三条の対象学校というものは、私学振興財団から金額の補助を受けた学校に限ってこういう条件が付されるということなんですか。それとも私学振興財団を含む国全般の補助について含まれると読むのですか、その点についてお答えをいただきたい。
○岩間政府委員 ただいま御指摘になりましたいわゆる変更命令に関する規定の適用がございますのは、私学振興財団を通じまして交付いたします人件費を含む経常費に限るわけでございます。
○河野(洋)委員 これは私の読み方が非常にまずいせいかどうかわかりませんけれども、少なくとも五十九条の五項に書いてある「国(日本私学振興財団を含む。)」と書いてある字句から見れば、私学振興財団から補助をするものも含んで、ほかに直接国からダイレクトに行くものも含まれるんだよと読むほうが常識的ではないかと思いますけれども、もう一度御答弁をいただけませんか。
○岩間政府委員 私の説明がちょっと不十分でございまして恐縮でございますが、ただいまのお話の焦点が、人件費を含む経常費のみについての御質問でありましたものですから、そういうふうにお答えしたわけですけれども、従来の五十九条の規定につきましては、国から出す補助金、たとえば新設理工系の設備費の補助金とか、あるいは教育、研究の設備に対します補助金とか、そういうものを全部含んでおるわけでございます。しかし、変更命令にかかる分につきましては、人件費を含む経常費に限られるということを申し上げたわけでございます。
○河野(洋)委員 私も、人件費を含む経常費について議論いたしております。いただいた資料の新旧対照表の二ページの上の段の条文に、私が読んだのが入っておるわけであります。私が繰り返し申し上げておりますのは、経常費補助も、私学振興財団を通じない国からの、つまり直接経常費が補助をされている私学というのがほかにあるんじゃないか、私学財団法の附則で私学法を直すことによって、いままで直接経常費補助がなされていた分までかぶってしまうのではないかということを伺っておるのでございます。もっと具体的に申し上げると、私立の特殊教育学校などは、国から直接経常費補助をしているはずなんです。その学校は、この私学財団法の附則で私学法を改正すると同時に、その学校までこういう変更命令が行き届いてしまうということになるとするならばもちろんわかるのでありますが、管理局長が言われますように、国から補助をしているものなんだから、国がある程度の監督や命令権を持つという筋はわかりますけれども、私学財団法で改正をしておいて、私学財団と関係のないところからも補助のいっている分に私学財団法の附則で改正をしてかぶしてしまうというのは、筋が通らないのではないかということを私は申し上げているのですが、その点はどうですか。
○岩間政府委員 ただいま御指摘のように、同じ内容の補助金でございまして、財団を通じないでやる場合、これはごくまれな場合と申しますか、非常に限られておりまして、そういうことが行なわれておる場合がございますが、その場合には財団を通じないで国がやるという意味で、御指摘のとおり、全部財団からの人件費を含む経常費の補助ということばかりではなくて、国がやる場合にもやはり同じような適用がある。これは同じような内容の補助金でございますから、同じような扱いをする、こういうことでございます。
○河野(洋)委員 ですから、国というたてまえからすれば私はわかるのです。ただ、私が疑問を持ちましたのは、私学財団法という法律にこと寄せて、私学振興財団と関係のない私学までかぶすということがいいかどうかということ、そういう点に問題があるのではないかという疑問を私は持っております。同じように、私はいま国の問題を申し上げましたけれども、この項目には「国又は地方公共団体」と書いてある。国が直接やったのは、いま私が例としてあげた特殊教育の問題がございますけれども、これから将来国または地方公共団体が私学振興財団以外のルートからも補助をする場合が出てくるのではないか、あるいは現にあるのではないか。現にある、またはこれから振興財団と関係なしに出てくるであろうそういうルートに対しても、私学振興財団法の附則で私学法を改正をするというのにも私は疑問を持ったのでございまして、私学法は私学法で改正をなさるというならば、私はしいてこんな議論をいまするつもりは毛頭ないのですけれども、そういう疑問がわいたので御指摘を申し上げたのです。つまり事ほどさように私学法は、それをつくられたときに、第五条で明確にしているように、学校教育法の十四条を適用除外をするとまで明言しておるのに、それを変更するというのは、私学法にとっては非常に重大な変更であろうと思うのです。その非常に重大な変更を財団法の附則でやってしまうというところに、どうも合点がいかない点がございます。しかし、そのやり方に合点がいかないのであって、その気持ちは少し私はわかるのです。やり方に合点がいかない。これは見る人から見れば、どうも財団という一つのえさを与えておいて、どさくさまぎれにやったととれる向きがどうしてもある。とるなといっても、とられるのがあたりまえだと私は思うのです。それは、そうでないなら、そうでないということを、大臣からでも、管理局長からでもけっこうでありますから、そんなつもりでやったのではないというなら、この際はっきりしておいていただきたいと思います。
○岩間政府委員 大臣からもお答えがあると思いますが、私どもの率直な気持ちを申し上げますと、このたびの補助金をとるに際しましても、私どもは私立学校側と監督者、被監督者という対立的な関係で問題を処理していただくのでは、いつまでたっても日本の私学行政というものは進展しないというふうな気持ちから、これを機会に、私学のよき理解者であり、よき協力者として、もちろんなれ合いということではありませんけれども、その立場が私学行政のあり方としては妥当ではないか、そういう意味で、そういう立場でもって一貫して今後も配慮していきたいという気持ちでございまして、今度人件費をも含めて経常費の補助金を計上いたしますに際しましても、この補助金はできるだけ私学の使いやすいようにやっていきたい。従来の補助金は、これは設備等に対しまして、たとえば図書につきましては、一冊一冊どういうものを買うのかということまでチェックしてから補助金を出すというような方法をいたしておりましたが、今度の場合には、私学側の負担につきましても制限をはずしておりますし、また補助金自体も非常に使いやすくいたしております。その際に、こういうふうな使いやすい補助金を私学に交付いたします場合に、これは国民の税金を使うわけでございますから、最小限度国民に御納得いただけるためには、どういうふうな措置が私学側としても必要なのかということを考えます場合には、やはり経理を公正に行なっていくということがまず第一の条件ではないか。それからもう一つは、教育研究の内容を充実していただく。逆に言えば、経理が公正でないところにつきましては、今度の補助金は差し上げるわけにはいかない、あるいは教育、研究の内容をむしろ低下させるような方向に向かっているというようなところにつきましても、同じようにこの補助金は制限すべきじゃないかというような考えから、こういう規定を設けたわけでございまして、決してこの際補助金に便乗して私学の統制を強める、監督を強めるというふうな気持ちはさらさらないことを御了承いただきたいと思います。
○坂田国務大臣 ただいま管理局長から御説明を申し上げましたとおりでございますが、この私立学校の法律ができました当時の状況としましては、おそらくノー・サポート・ノー・コントロールということが完全に貫かれる。そしてまあ人件費補助なんというのはおそらく考えてなかった。そしてまた、私学の基金、あるいは寄付金、あるいは適正なる授業料等において独自のあるいは個性ある建学の精神にのっとった教育と研究とが行なわれる、こういう形であの私学法というものが制定をされたと思うのでございます。もちろん、その意気込みで今日までやってこられ、かなり社会的な責任は果たしておられると思うのでございます。ところが、だんだん世の中が進んでまいりまして、私学も、私学の使命を達成するために教育、研究につとめてまいられたわけでございまするけれども、最近の経済成長等から考えまして、ただいまのような私学固有の基金なりあるいは寄付金なりあるいは適正な納付金等だけで私学経営というものができない、また私学本来の目的でございますところの教育、研究の質を落とさないで、それをさらに発展し、質的向上を目ざすということができなくなった。むしろ、大学の教育、研究というものを充実していく、質的に充実をはかっていくと考えると、それに見合うところの財源を求めなければならないわけでございますが、基金もそう潤沢ではございませんし、また寄付金もおのずと限界がございますし、あるいは授業料の形態も、今日の社会の状況からいって非常に高くなってきて、もはや限度をこえるという状況になったわけであります。この時点に立って考えた場合には、いままでは研究施設とか、あるいは設備とか、あるいは特にお金のかかります自然科学関係の研究費、設備費そういうことについては補助金も出ておったわけでございますけれども、しかし、それだけではとうていやっていけない。あるいは施設をつくるについて私学振興会のお金を借りてやったということでございますけれども、それだけでもやっていけない。やはり、もう人件費についても、人件費を含めた経常費ということについても国のお金を導入することなくしては、私学の使命が果たせない、あるいは質的向上が望めないという、そういうせっぱ詰まった状況に来ておる。こういうことからして、やはり人件費を含む経常費支出というものを伴わなければならないという強い私学側の要望ということも高まっておりますし、これに対してわれわれも、やはりそれはそのとおりなんだ、世界の状況を見ても、アメリカのような国ですらも連邦政府のお金というものが相当につぎ込まれている。またそれなくしては教育研究はやれないのだ、こういう趨勢に立ち至ったわけでございまして、私どもとしましては本年度の予算編成にあたりまして人件費を含む経常費補助に踏み切ったわけでございますが、一面におきまして、これはまた国民の税金によってまかなわれるわけでございますから、もとより私学の建学の精神やあるいは私学の姿勢というものを十分考えた上で、そしてこの納税者たる国民のお金というものが真に適正に配分され、そしてまたそれが私学の経営というよりも、むしろ教育、研究の質的向上に資する、こういうことから考えた場合におきましては、国民の税金を支出するわけでございますから、当然それとしましても経理の面についてはこれをはっきりしなければならない。特に人件費支出についてやはり一般の国民の方々がわかるような形にしなければいかぬ。疑惑を持ったり不信感を持つというようなことがあってはならない。こういうことで私学法そのものにつきましても最小限度の改正を行なった、こういうことでございます。(「長いぞ、長いぞ」と呼ぶ者あり)少し長くなりましたけれども、一応そういうわけでございます。
○河野(洋)委員 御丁寧な御答弁で十分了解をしたわけでございますけれども、いずれにしましても、この振興財団法は、前回大臣にも御答弁をいただきましたように、私学の重要性ということを非常に高く大臣はじめ文部省当局が理解をされて、私学助成というものに飛躍的に踏み切られたわけでございますから、この私学の重要性を認識をしておられる大臣のもとでこの法が私どもが心配するような使われ方はさらさらないと私は確信をいたしますけれども、この法の性格自体が私学の振興のためにあるのであって、私学を別にいじめるとかやっつけるとかという精神でこの法律がつくられようとしているわけではないわけでございますから、そういうことから考えれば、いやしくも親切の押し売りにならないように金をやるからもっと口も出すんだというような態度、姿勢というものは、できる限り慎んでいただく。本来からいえば、この法律作成についても、もっと私学の関係者と密接な連絡の上でおつくりをいただければなおよかったと思うのでございますけれども、今後どうかひとつ十分密接なる連絡をとって、先ほど管理局長が言われたように、なれ合いになってはこれはいかぬと思いますけれども、十分に話し合って、真に私学の振興のためにこの法律が使われるという姿勢をくずさずにいっていただきたいことを最後にお願いをして、質問を終わります。ありがとうございました。
○八木委員長 床次徳二君。
○床次委員 ただいま大臣から御答弁がございましたごとく、私学に対して国からの人件費の助成ということは、全く画期的なことだと思うのであります。私は、この私学の振興に対して、やはり今後におきましても円満にこの目的が遂行できるように配慮をすべきでないかということを中心にして、御質問申し上げたいと思います。なおもう一つ、特に私学振興財団というものができました以上は、この財団に期待するところのものが非常に大きいので、その意味におきまして若干質問を申し上げたいと思うのであります。 第一に、今回政府が私学振興のための経常費補助を行なわれたのでありますが、私学というものが大学から幼稚園までいろいろありますが、私学振興を考え、私学が今日教育全般に対してその普及と発展に貢献していることを考えました場合におきましては、単に大学だけ重視して補助率を増すというのではなしに、私学全般に対してそれぞれ人件費の助成という道が開かれるべきだと思うのでありますが、こういう考え方に対して、大臣もすでに表明しておられると思いますが、この機会にあらためてお伺いしたい。
○坂田国務大臣 私立学校がわが国の学校教育の普及発展に重要な役割りを果たしてまいりましたことにかんがみまして、私立学校振興の理念というものは各学校すべてに共通して貫かれなければならないというふうに考えておるわけでございます。現在わが国におきましては、技術革新による高度の産業社会の実現のために必要な人材養成に対する要請がますます高まっておると考えられますので、この要請にこたえるための高等教育の充実向上のためには、大学の七四%、短期大学の九〇%を占めておる私立の大学及び短期大学の教育の振興が、緊急の課題であると考えております。しかしながら、私学というものは、床次先生御指摘のとおりに、たとえば大学だけではなくて、高等学校、中学校、小学校あるいは幼稚園——ことに幼稚園はそのパーセンテージ、占める比率が非常に大きいわけでございます。また、公立学校ではできないところの中学校、高等学校を一貫とした初等、中等教育というものもやっておる。あるいは場合によっては幼稚園、小学校、中学校、高等学校、そして大学あるいは短期大学という形にして、一貫した教育をやっているというところに私学独特の教育の意義があると思うのでございまして、これは私学でなければできないものだというふうに思うわけでございます。そういうふうに私は考えるので、やはり大学あるいは短期大学、高専ということに対して私学の助成をやると同時に、高等学校以下のいわゆる学校法人に対しまして、交付税の中においてこれを措置するというようなことも、今年度から全般的に総合的にやることに踏み切った次第でございます。
○床次委員 ただいま御答弁のように、政府がかかる方針をきめられたことに対して、深甚の敬意を表する次第であります。十分にこれを徹底していただきたいわけでありますが、今回の本財団を通じまして行なうところの経常費の補助というものは、大体高等教育に対して行なわれ、その他のものは交付税を通じて行なわれるものと思うのでありまするが、交付税を通じて行ないまする中・小以下の学校法人に対する補助に対しましては、やはり考え方から申しますると、財団を通じて行ないまする場合と同じような考え方をもちまして補助すべきではないかと思うのでありまするが、これに対していかように考えておられますか。
○岩間政府委員 都道府県が行ないます補助の内容につきましては、御指摘のとおりだと思います。しかし、やり方につきましては、国の場合は、私学振興財団というふうな公正な第三者機関を設けましてこれを行なわせるということにいたしておりまするが、これを全部都道府県にも同じようにやるかどうかということにつきましては、これはただいまのところは都道府県知事に従来のようにまかしておいて間違いがないのではないかというふうに考えておる次第であります。
○床次委員 交付税の対象となりまする小・中・高校につきましては、都道府県を通じて行なうことは、現在の事務の体制から見ましてもっともなことだと思うのでありまするが、ただ交付の内容につきまして、たとえば将来人件費の二分の一を目標とするということになれば、小・中・高その他、府県の対象とする場合におきましても、同じような比率を目標としてすべきものではないか。そのことを伺いたい。
○岩間政府委員 御指摘のとおりであろうと思います。また、今年度におきましても、国と同じような基準でもって、地方交付税のほうでお願いして、そのとおり一応積算が行なわれたというふうな結果になっております。
○床次委員 国と同じような基準でもって積算が行なわれておることは了解いたしますが、これを実施する場合におきまして、はたしていかような裏づけをもって——あるいは法律的な裏づけということになるかもしれませんが、いかような形において交付せられるかということをお尋ねしたいのであります。 なお、学校法人を中心として交付がせられておるわけでありまするが、しかし、高等学校以下等におきましては、いわゆる学校法人以外の宗教法人の立てましたものもありますし、また幼稚園のごときは、個人立の幼稚園もあるわけであります。先ほどの精神から申しますならば、当然こういうものにも均てんすべきものではないかと思うのでございますが、文部省の御意見を伺いたい。
○岩間政府委員 従来からも、交付税によります財源措置につきましては、やはり法律の裏づけとかそういうふうなものがあわせて行なわれなければ心配だというようなことがございましたけれども、交付税で財源措置をするということは、国の財源措置の態様の一環として現在やや定着したような感じがするわけでございます。実際に、いままで私どもは私立学校に対しまして地方交付税で財源措置はいたしておりますけれども、実際の都道府県のめんどうの見方を見ますと、それをはるかに上回った財源措置をいたしております。したがいまして、私どもも、ことし地方交付税の財源措置をいたしました以上の助成が行なわれるということを期待しておるわけでございまして、この点は間違いないんじゃないかというような感じがいたしますが、なお御指摘もございますので、都道府県に対しましては十分に指導していきたいというふうに考えておるような次第であります。 それからいま一点、地方交付税で財源措置をいたしましたのは、特に幼稚園につきましては、これは学校法人に限っているわけでございまして、これにつきましてはいろいろ事情がございます。これは個人立の幼稚園などは暫定的な措置でありますから、できるだけ法人立の幼稚園にしたいというふうな希望はございますけれども、しかし、実態といたしましては、先生御指摘のとおり、個人立の幼稚園というのは社会的な役割りというのが相当高いものがございます。そういう点に着目をいたしますと、御指摘のようなものにつきましても、これは助成をして差しつかえないんじゃないかというふうな気がいたしておるわけでございます。しかし、現在個人立の幼稚園につきましては、私立学校法の適用がないというふうな事実がございまして、宗教法人立の幼稚園と同じように、憲法上の問題等もございますので、それらを検討いたしまして、同じように助成をすべきだということを基本にいたしまして、そういうような問題も検討してまいりたいというふうに考えておる次第であります。
○床次委員 宗教法人立並びに個人立幼稚園につきましては、ただいま御答弁がありましたが、ぜひそういう方針でもって努力をしていただきたいと思います。 次にお尋ねいたしたいのは、私学の振興ということが考えられます場合におきまして常に対照的に考えなければならないものは、国公立学校の新規増設あるいは拡大というものとの関連だと思うのであります。私学と国公立が、それぞれ異なった分野において特色を発揮して教育を振興するということは、きわめて大事であります。しかし、場所によりましては、国公立を普及させることをもっぱら中心とするというふうなところもあるのではないかというふうに考えられるのでありますが、今後国公立をふやす際におきましては、私学の存在をいかように考えて増加していくかということについて、御意見を伺いたいのであります。社会の趨勢によりまして、新しい学科等の新設、新しい研究科目の対象というものがだんだんふえてまいりますから、それに配意して率先して国公立が努力するということは必要だと思いますが、しかし、そうでない普通の科目につきましては、必ずしもそれほどでないものがあるのではないか。現在の私学というものをむしろでき得るだけ合理化し、経費の負担を軽減いたしまして、そうして一般国民の利用にまつというほうがむしろいい場合も少なくないかと思いますが、国公立に対する将来の方針について承りたい。
○坂田国務大臣 最近の大学の現状から考えまして、国立大学についての新設はもちろん、学部の増設につきましても、きわめて特別な必要のあるものを除いて、原則として取り上げない方針をとっております。しかしながら、これから高等教育機関に学ぼうとする社会的要求といいますか、あるいはニードというものは、高まってまいると思います。その場合において、従来、ともいたしますると文部省あるいは政府としては、国だけを考えていればいいんだ、あるいは公立だけを考えていればいいんだ、こういうような安易な考え方があったと思うのでございまんけれども、しかし、やはり日本列島全体を考えてこの要請にこたえていかなければならない、あるいは今日の社会の変化に対してどのような学科あるいはどのような部門というものを充実していかなければならぬかというようなことも、ある程度科学的に、数量的に分析をして予想を立てる必要があるのじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。現在中央教育審議会におきまして、大学制度の改革はもとより、小学校から大学まで全般についての教育制度の問題点を洗っておるわけでございますけれども、一応その中間報告がこの五月一ぱいにはまとまるというふうに思いますが、最終答申の来年の春ころまでの間に、むしろ長期教育計画というものを考え、さらにそれに対して一体どれほどの財政措置が必要なのかというようなことも、あわせて御検討願いたいというふうに考えております。それからまた中教審のいわば大学改革の中におきましては、国公私立といういままでのかきねを一ぺん取っ払った大学改革というものも、一つの考え方である、あるいは特殊法人の大学という設置形態等についての答申も考えられておるようでございまして、この点は今後の課題ではございますけれども、いま御指摘になりましたようなことを十分慎重に頭の中に入れて検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○床次委員 ただいま、私は国公立と私立との関係で申しました、特に国公立の問題について申し上げましたが、私立自体のいわゆる増設あるいは新設の認可申請等にありましても、同じような問題がある、御指摘のとおりであります。今日非常に高い負担をいたしましてと申しますか、入学料、寄付金等を払って入らなければならないというような学校もあるし、非常に過大な入学競争によりまして入学するというようなものもある。また、地域によりましては、非常な競争の激しいところのものもある。この点につきましては、十分にただいまの御趣旨によって御配慮をいただきたいと思う次第でございますが、特に私学の認可申請等に対しましては、従来設置基準に該当しておればこれを認めざるを得ないというような立場であったのではないかと推測されるのでありますが、今日国の政策において積極的に人件費まで助成して質の向上等をせしむる場合におきましては、いたずらに過当競争を来たすというようなことがありましたならば、かえってこの趣旨は没却するのではないか。したがって、認可申請等におきましては、十分に検討を必要とする。社会の特に必要とするものを優先して認める、これを拡張していくという方針をとるべきじゃないかと思いますが、御意見を伺いたいと思います。
○坂田国務大臣 その点は御指摘のとおりでございまして、地域的におきましても、やはり国公私立あわせて全体的に考えていかなければならないというふうに思います。やはり私学の今日社会の中における役割りというのは、私はきわめて大きい、特に教育内容、研究等につきましてその質的意義は大きいというふうに思いますし、私学の研究の成果というものが、やはり国立、公立の大学に反映をする、あるいはまた私立の学校の教育というものの質の高さというものが、逆に今度は国立にも影響を及ぼす、そうして国公私立が相適正なる競争関係によって質的向上をはかっていくということが望ましい姿じゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
○床次委員 私ども私学、国公立がそれぞれの特色を発揮いたしまして、教育の質の向上をはかることが望ましいと思っております。ただ、教育費の費用負担ということを考えますると、現状においてはすぐにこれを同じにするということを考えることは非常に無理なので、若干の差がつくということはやむを得ないと私ども思っておりますが、今回の経常費の補助ということに対しまして、私はその意味において非常に意義があると思っておりますが、私学といたしましては、人件費の激増——これはあえて私学ばかりではありませんが、最近のベースアップ、物価の上昇その他の立場から見まして、経営上からいうと、人件費の増高ということが、いわゆる予定された授業料収入等に比べますととかく上回りがちであるというところに大きな問題点があるのと、なお物件費におきましては、理工系あるいは医学等特別多額の経費を負担せざるを得ないというところに重点があるのではないか。まずこういうところから率先して助成が行なわれる、今日の文部省の方針もさような趣旨において実行されつつあると思うのでありまするが、この人件費の問題につきましては、大体専任教員というものが基準となるというふうに承っておりまするが、各学科その他の種類によりまして、設備費その他におきましても額において差がある。これに対して、一応の設置の際に際しましては認可基準というものを持っておりまするが、各学校の種類によりまして、文部省としてもいわゆる経営の標準と申しますか、経費の標準というものがなければ、今後の助成ということに対しては支障があるのではないかと思う。この点に対しまして、十分な御検討がどこまでなされているかという点について私よく存じないのでありまするが、標準があって、その上に立って助成、振興する、質の向上をするということが必要ではないかと思いますが、いかがなものでありますか。
○岩間政府委員 このたびの補助金を積算いたす場合に、積算の基礎といたしましては、御指摘のとおり医学部、歯学、理工系学部、それから文科系の学部、あるいは大学院があるかないか、あるいは大学、短大、高専というふうにいろいろなパターンをつくりまして、その中で、人件費につきましては、医歯系では三分の一、理工系では二〇%、それから文科系では一〇%、それとあわせまして研究費につきましては、ただいま四十四年度に行なわれております教育研究費の補助金の積算の基礎となりました単価をとりまして、さらに教育費につきましては、これは国立学校の教育費を参考にいたしまして、それを基準にして教育費を積算し、その三者を合わせまして、たとえば医歯系でございますと、専任教員一人当たり六十九万円というふうな単価を設定したわけでございます。したがいまして、今後ともやはり人件費、研究費、教育費というふうな三本の柱によりまして、現在のところ参考にするのは国立大学が一番参考にしやすいわけでございますけれども、そういうものを基準にいたしまして単価をとってまいりたいというふうに考えております。
○坂田国務大臣 いま管理局長からお答えを申し上げましたわけでございますが、さらにこの本務職員について考えておるわけでございますが、しかし、国立と私立と比べますと、どうも私学は本務職員というものがきわめて少ないわけでございまして、非常勤講師等が私立では非常に多い。このことは、やはり私学の教育、研究の質的向上をはかるという上から考えますと、本務職員というものがやはり充実していくという方向になければならぬのじゃないかというふうに考えられるわけでございまして、その点につきまして、まずもって本務職員ということを第一段階に考えなければならぬ。そうして、できますならば経常支出の半分ぐらいは数年の後において国が助成をするという一つの目標を立てておるわけであります。将来におきましては、やはり本務、専任教員以外の人たちについてもこれは考えられなければならないかと思いますけれども、さしよりの段階としては、本務職員ということに限定をして補助金を出すようにいたしたわけでございます。
○床次委員 管理局長からお答えがありましたごとく、私は、適正な基準をつくって、でき得る限り各私学がこの基準に沿うて教育の内容を向上するという努力が望ましいと思うのであります。この意味におきまして今後の財団その他の努力が必要なのだと思いますが、現実においては、かなり基準と差があるものがあるんじゃないか。したがって、これを是正するための努力というものに対しましては、これは私学としまして十分に心得なければならない。これは予想以上に私は摩擦も多いんじゃないかと思うし、それだけに基準の作成ということが実は非常に大事なんで、個々種類によりまして、やはりふさわしい基準をとっていただきたいということをこの機会に要望しておきます。 なお、関連して一言お願いしておきたいと思うし、御意見を伺いたいと思いますのは、今日私学の経営という立場から見て、ここに大きな経常費補助の新機軸ができたわけでありまするが、やはり教育の問題から申しますると、父兄の教育費負担という問題も、なお残されておると認めざるを得ないのでありまして、特に国公立、私学というものを考えた場合におきまして、私学におけるところの父兄の負担というものも大きいし、なお今後高等教育の普及に従いまして、大学に入る学生もふえてきて、修学率が上がってきておるわけであります。したがって、国民の教育費に対する負担というものを考えなければならぬ。単なる経営面だけではなしに、そういう立場からもお考え願いたいという意味になりますると、むしろこれは直接文部省ではございませんが、所得税におけるところの教育費控除というような立場において検討する余地があるのではないかと思うのであります。過去におきましては、高等教育その他多額の教育費を負担するものにつきましては、一部の富裕階級に限られるというような現象だったと思いますが、今日においては必ずしもそうではないので、国民全体の立場といたしまして、この教育費の負担という問題を取り上ぐべき時期になってまいったのではないかと思うわけであります。特に家庭の点から申しますると、多数の教育すべき子女を持っておりまする比較的中若年層のと申しますか、そういう家庭が負担が多く、もう老年になって生活が安定しました者につきましては、教育費の負担がなくなるというのが事実だと思います。そういう場合におきましては、そういう税制面からの配慮も必要ではないかと思うのでありますが、この機会に御所見を伺いたいと思います。
○坂田国務大臣 子弟の修学費につきまして所得控除を行なうことにつきましては、床次先生にも非常に御苦労願っておるわけでございますが、確かに父兄の負担の軽減をはかる措置は、子弟を私立学校に在学させている父兄にとりましては、まことに重要な問題であろうと思います。文部省としましては、昭和四十五年度税制改正にあたりまして、教育の機会均等をさらに進めるよう、所得税の課税にあたっては、高等学校、大学等の生徒、学生にかかわる修学費について一定範囲内で所得控除するための修学費控除の制度を創設する旨要望いたしたわけでございます。大蔵省の税制調査会においても、この点について検討をしていただきました結果、個別的事情を税制上しんしゃくするにはおのずから限界があり、扶養控除等の一般的な控除の拡充により対処することが適当であるというような答申が出されまして、当面一般的な所得税の減税を最優先に考えていくということになりまして、実は昭和四十五年度においては、その修学費控除制度の創設は見送られたのでございますけれども、私といたしましては、その実現に努力を続けたい、かように考えております。 それからもう一つは、今日の状況から考えまして、育英資金の面につきましても、貸し付け制度というものを考える必要があるのではなかろうかということで、本年度の予算におきましても、この調査費を計上いたしまして、できるならば来年度あたりからそういう制度を創設したいというふうな気持ちを持っておることを申し添えておきたいと思います。
○床次委員 ただいまの点につきましては、さらに御努力を期待するわけでございます。 次に、財団について伺いたいと思うのですが、今回従来の振興会から振興財団という構想に移ってまいったのでありまして、この機会に振興財団というものが私学の振興のために積極的な貢献をする、また将来に役立つことを私は期待しておるわけでありまして、本法の目的等を見ましても、総合的、効率的に財団が活動するということになっておるわけでありますが、この総合的、効率的ということに対しまして、私は単に補助金を交付する、あるいは資金を貸し付けする、寄付金を募集したものを配付する、あるいはその他の業務がありますが、特に公正なる第三者機関として総合的、効率的に行なわしむるということを考えましたときは、むしろ資金の貸し付け、補助金の交付というようなことを通じて私学全般に対して十分に役立つような働きをなすものではないか、かように期待をしておるわけでありますが、条文を見ますと、まず第一に、その意味が明瞭ではないのでありまして、端的に申しますと、旧振興会法の二十二条、二十三条以下の業務並びに業務基本原則というものに比べますと、今回の規定はきわめて簡単に補助金の交付あるいは資金の貸し付け等があるのでありまして、じゃはたして前の振興会の業務と財団の業務とどれだけ違ったのであろうかという点についてお伺いしてみたい。今度、補助金の交付ということだけがふえたのではないかと思われますが、この点はいかがでありましょうか。
○岩間政府委員 その点につきましては、先般も河野先生からちょっと御指摘があったわけでございますけれども、法文を簡単にいたしましたのは、これは立法技術上の問題でございまして、内容といたしましては、従来から私学振興会が行なっておりました貸し付けその他の業務の上に、新しく補助金の交付の業務、それから寄付金の募集、管理配付の業務、そういうものを加えまして、私学の経営面全般につきましてできるだけ親切に相談に応ずるとか、そういうふうな気持ちで運営をしていただくということを期待しているわけでございます。
○床次委員 ただいま後段のほうでもって、でき得る限り私学の振興なり相談に応ずるようにということでございましたが、実は法文上から見ますと、あまりこの点がはっきりしてない。旧振興会のほうでありますと、助成措置という字句でひっくくってありますので、むしろ旧振興会のほうがよけいできるのではないかというような感じがするのでありまして、ただ第二項でありますか、旧法同様第一条の目的達成に必要な業務を行なうことができる、これは文部省の認可でもって行なうことができるようになっていると思うのです。会自体といたしましては、そう積極的な私学振興のための事務ができるかどうかということが、規定の上から見るとあまり明らかではない。どうも貸し付け金を貸し付けるということが中心になっている。私からの私見をもって申しますならば、資金の貸し付けをいたします以上は、私学の経営内容というものを十分見なければ貸し付けの効果があがらないわけでありまして、ある意味において指導監督という字を使うことは少し強いかもしれませんけれども、積極的な指導によりまして、私学の内容を改善せしむるということができるのではないか。貸し付けを総合的、効果的にやるということには、むしろそういうことを意識してお書きになったんじゃないかというくらいに私は感ずるし、むしろそうなったほうが、私は財団としての将来があるのではないかと思うのです。先ほど河野委員からも御質問がありましたが、単に監督権を考えまする場合に、国費であります以上は、国といたしましてもおろそかにできないことは当然のことでありまして、国民の血税を使っての補助でありまするから、その行くえに厳正を期さなければならぬことは当然でありますが、むしろ貸し付け業務をしておりまするところ、あるいは交付業務を行ないますところの財団が、もっぱら第一線に立って行なうというところに意味があるんじゃないか。特に私学の性格から申しまして、これに自主独立性をなるべく持たせたいというのが従来からのお考えでありますし、またわれわれもそうありたいと思っております。特に今回の規定におきましても、第三者的機関を設けてやるというところに重点があってしかるべきだと私は思います。しかし、法文で見ますと、きわめて簡単に貸し付け業務その他のことが書いてありまして、ただいま申し上げましたことは、ほとんど法文にあらわれていない。文部大臣が認可すればできるというような形、むしろ前の私学振興会のほうが、規定の数からいっても多いし、業務の基本方針等もかえって明らかである。この点についてひとつ御意見を伺いたい。
○坂田国務大臣 いま床次先生がおっしゃいましたのは、明文上は確かにそういうふうにおとりいただくのもやむを得ないかと思うわけでございます。これは一にかかって私どもは今度の私学振興財団の運営にかかっていると思うのでございまして、むしろ私はそこに考えを及ぼしていきたいというふうに思っているわけでございます。ことに運営審議会という審議会を設けました意味も、いま御指摘のとおりなんでして、相当の方をここに吸収して、実は私学振興の基本的なことについての審議をわずらわしたい。一応これは理事長が文部大臣の認可を得てきめるということになっておりますけれども、私学振興に関しましての識見を持っておられる、非常に広い知識を持っておられる方をここにお願いをいたしまして、そうしていま御指摘のような形に振興財団を運営していく、こういうふうにいま考えておるわけでございます。その意味合いにおきまして御了承賜わりたいと思うわけでございます。
○床次委員 ただいま大臣の御意見を承りまして、よく事柄は了解いたしました。私もぜひそういうふうにありたいと思うのでありまするが、何ぶんにも法律によって規定された業務というものの内容が、非常に消極的なように私は考える。こういう消極的な規定でもって、大臣がいま言われましたような形において運用いたしますると、その際においていろいろの摩擦も出てくるのではないか。むしろ明文上にそういうことを明らかにいたしまして、たとえば文部大臣の認可を得てすることができるというような形でなしに——そこに入ったのではまことにおかしいのでありまして、むしろ積極的に私学振興に裨益する機関として、これがいわゆる国の管財業務を代行するところの一つの中立機関、第三者機関としての、あるいは私学の自主的機関というようないろいろな性格を持った形において役立ち得ると思うんです。したがって、この法律的裏づけと申しますか、大臣の言われました運用の方針というものが、でき得る限り明瞭にあらわれることが必要であると考えて、御質問したわけであります。したがって、そうした執行機関、また運営審議会等の権限等につきましても、これは関連いたしますし、また人的機構、人数等についても関係があるのだと思うのです。いまのところはそこまで手が回らないのだということになるのかもしれませんが、こういう発足の機会において、私は、この点は誤らざることを期することが大切なのではないかと思います。いろいろと無理があるかと思いますが、でき得る限りこの点は明確にして発足していただきたいし、これが私学の振興の根底ではないか。先ほど河野委員も御質問になりました私立学校法との関係もあるわけで、ずっとこの条文を見ておりますと、とかく附則において規定されましたところの私立学校法の改正というものが、かなり大きくクローズアップしておる。しかし、本文の改正提案の理由を見ますと、私学振興のための総合的な機関であるということになっておりまして、だから交付いたしました補助金の将来のいわゆる監査と申しますか、指導と申しますか、その重点は国にあるのかあるいは財団にあるのかということが、明らかにされる必要があるのではないか。交付事務を適正に行なうというところに当然入っているといわれればそうだと思いますが、ちょっとその点だけでは読み切れるかどうかという点に疑問を持つのでありますが、もう一回その点について……。
○岩間政府委員 財団といたしましては、補助とか貸し付けを行ないます場合の適正な執行のための調査とかあるいは監査、そういうものを行なうということになりますけれども、財団自体は行政機関ではないわけでございますから、行政上の監督機能は、これは文部大臣が行なうということになるわけでございます。しかし、十分財団のほうで相談に応じ、それから指導を行ない、それから調査等を行なう、その能力があるように、このたび財団の人数も相当増しまして、またそれに伴う機構も整備するということで、実際上は財団のほうで自主的な調査を行なうようにいたしたいと思っております。
○床次委員 交付金に対する監督、指導というものがどこまで考えられるかという運用の問題にも関連するのでありますが、現在、たとえば大学等につきましては、大学のあり方というものに対して根本的な考え方が検討されつつあるわけであります。したがって、私学等におきましても、こういう法律によって特殊法人をつくるのでありますから、これが直接行政機関ではない、だから従来のような監督権はもちろん持てないという議論もあると思いますが、そういう特殊な法人でありまして、委託を受けてやるならば、ある程度までこの点は相当の広い範囲において効果をあげ得るのではないか。実際においてそれを期待しておられるかとも推測はいたしますが、この点やはり一般国民に対してよくわかられておく必要があるのではないか。ちょっと見ますと、財団法によりまして補助金を交付しておいて、監督は本来の文部省あるいは所轄庁がこれを行なうのだというふうに見える。また見方によりましたならば、財団でも行なえますし所轄官庁も行なう二軍監督ができるのではないかという考え方もあるわけでありますが、むしろ私の意見から申しましたならば、第一義的にはこの財団がその指導を行なってまいる。そうして最終的な必要のあります場合には、文部省——あるいは所轄庁については、多少運用の問題があると思いますが、文部省が行なうという形でいい。そうなりますと、私立学校法の五十九条以下に書きました規定というものの精神の相当部分が、財団の業務の中へある程度まで書かれてもいいのではないかと思うのですが、この点はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○岩間政府委員 権限の問題は、先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、ただいま仰せになりましたことは、私は、全くそのとおりだと思っております。また、そのように運用したいということで、財団の機構等につきましても、そういふうな体制に応じられるようなものを考えていきたいというふうに考えております。 なお、五十九条の関係も、事経営に関します分につきましては、これは仰せのようにいたしたいと考えておりますけれども、実際の教育のやり方と申しますか、そういうものにつきまして問題がございます場合には、これは財団の権限ではございませんので、これはまあ文部大臣のほうになるというふうに考えております。
○床次委員 ただいまのお話のいわゆる教育の指揮監督権という立場と交付事務とは、これはもちろん差がなければならないのですが、運営という問題でありますので、これは全く交付の運用の際の問題、またそれによって指導ができるんじゃないかと考えます。この点が、私は非常に実は実質的な意義を持っているのではないか。ただいまお話しのように、この点はひとつ十分に留意して御検討をしていただきたいと思うのであります。 それからなお、こまかなことになりまして私もよくわかりませんが、「所轄庁」という字がこれは私立学校法にありまして、監督権を持ってくる。先ほど河野委員の質問もありましたが、この「所轄庁」と書いてあることによりまして、文部大臣と知事がそれぞれ権限を持つようになってくるように思うのでありますが、その場合にはたして知事が十分に権限を行使し得るか。また、この点は、過去において知事が行なっておりました行為の実態も考えなければならないと思うのでありまするが、今後相当事務がふえてまいると思うので、はたして知事が十分であるかという点につきましても若干の疑問を持つわけでありまして、この点はどんなふうにしていかれるか、多少その猶予期間と申しますか、経過措置を持っておられますから、ものによりましてはいけるかと思いますが、知事が従来指導、監督と申しますか、所轄しておりましたことが、新たな立法的な裏づけによりまして行なわれます際におきましては、とかく摩擦が出てくると思います。この点に対してどのようにお考えになるか、伺いたいと思います。
○岩間政府委員 御指摘の所轄庁を高等学校以下の場合には都道府県知事にするということにつきましては、これは私学法制定のときにもずいぶん問題になった問題だと聞いております。しかし、私学側のたっての要望もございまして、都道府県知事が所轄庁になるということになったわけでございます。しかし、最近、やはり都道府県知事のほうで少し事務のふくそうと申しますか、そういう面から申しまして、教育委員会のほうに事務の一部あるいは全部をお願いするところもできてきたようでございまして、その点につきましては、これは都道府県のほうにおまかせして従来もそう大きな間違いがなかった。特に知事の所轄庁でございますと、財政面におきましてもある程度知事が親身になってめんどうを見てくれるというふうないい点もあったわけでございます。その点の比較得失はあろうかと思いますが、これは都道府県におまかせして、今後もうしばらく様子を見てまいりたいというふうに考えている次第であります。
○床次委員 小さい問題でありますが、第五十九条の届け出書類等につきまして整備されることになりました。公認会計士あるいは監査法人の監査報告等が添付されることになりまするが、これに対しましては政令でいろいろ配慮されることと思いますが、学校の規模のいかんによりまして、はたしてこれが必要かどうかということについて相当問題があろうかと思いまして、この点は十分に政令等におきまして実施段階において考慮せられるものと思いますが、とかく一般社会におきましては、相当の負担で評価されるんじゃないか。一般の監督権の強化というようなことにこういうことを通じて受け取られがちでありますので、十分配意すべきだと思いますが、政府の御意見を伺いたいと思います。
○岩間政府委員 御指摘のとおり、公認会計士の制度と申しますのは、最近ようやく定着したというところでございまして、人数も四千人程度でございますから、学校法人全体につきまして監査をするということは、これはなかなか十分な下地ができませんとむずかしいだろうと思います。そういう意味で、私ども、臨時私学振興方策調査会におきましての御答申によりまして、この一年半かかりまして私立学校の会計基準をいま準備をいたしております。また、この点につきましては、私学側におきましても前から研究もされてまいったところでございますので、この基準ができますと、公認会計士の監査も非常にやりやすくなるんじゃないかということでございます。それをまちましてからやりたい。 それから、御指摘のございました高等学校以下につきましては、これはなかなかその準備が整うまで時間がかかるだろうと思いますし、また、実際にそういう必要性があるかにつきましても、もう少し検討をしてまいりたいという意味で、主として大学につきまして、この制度をできますならばできるだけ早く活用したいということを考えておる次第でございます。
○床次委員 最後に、大臣に重ねてお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、先ほど申しましたように、振興財団というものができました以上は、私は、これを十分に活用すべきもの、先ほどいろいろ運営上の心がまえをお話しになりましたが、ぜひそういう趣旨において振興財団が効果があがるようにしていただきたいと思う。附則において行なわれましたところの私立学校法の改正によってその実際の執行を行なうというような主客転倒と申しますか、そのような行政にはなっていけないし、また、一般社会に対して私立学校に対する国の考え方がそんなふうになるように誤解されることに対しても、私は非常に遺憾に思うのでありまして、そういうことのないようにひとつ十分に御配慮を願いたいと思う次第であります。
○坂田国務大臣 全く御指摘のとおりでございます。私学の果たしておる役割り、社会に果たしておる役割りを十分考えまして、その自主性、その個性ある教育研究というものが十分に行なわれるようにこの私学財団というものができたわけでございますから、その運用にあたりましては、その点は十分考えてまいりたいというふうに思っております。
○八木委員長 木島喜兵衞君。
○木島委員 私の考えておる、きわめて初歩的でありますけれども、二点ほどについてだけ若干の御質問を申し上げたいと思うのであります。 この法律の第一の問題点と私考えますのは、私学に対する公権力の介入というものをどう制限するか。しかし、もちろん今日の私学の実情からいって何らかのどこかからの助成は必要であることは、だれもが認めるところでありましょうけれども、しかし、国がたとえば助成をする場合に、それの引きかえに干渉がきびしくなったのでは、私学は私学たり得ないということは言うまでもありません。そういう意味で、私は最初にそういう問題についてだけ御質問申し上げたいのでありますけれども、そういうことになりますと、まず第一に、憲法の八十九条の解釈というものをどう理解するか。もちろん私は、今次私学振興財団法あるいは今次の助成も、この憲法に違反するんだと断ずるのではありませんけれども、しかし、少なくともこの憲法の解釈というものをどうわれわれは理解するかということ、このことを基礎に置かなければ、この運用が誤るのじゃなかろうかという意味で大臣の考え方をお聞きしたいわけであります。私立学校法ができましたのは昭和二十四年でございましょうか、そのときの経過も私はいささか知っておるのでありますけれども、たとえば私立学校が戦災でたいへんな打撃を受けた。しかもインフレのときである。だから、実際には困って、公の支配に属するという形をとらざるを得なかったという経緯があると思うのです。そのために、たとえば業務会計の報告とか、あるいは助成の目的に不適当なときは変更を勧告するとか、あるいは役員の解任の勧告とか、そういうことを条件として、そういうものをもって公の支配に属するとしたのであります。しかし、このことは憲法の解釈上今日なお多くの疑念があることは、いなめないだろうと思います。それだけに、八十九条の解釈なり理解なりというものをこの際明確にしておかなければ、今回の法律はさらに公権力の介入がきびしくなっておるわけでありますから、それだけに大臣の憲法八十九条に対するお考えをまず承りたいと思います。 そこで、まず第一に伺いますけれども、公の支配ということをどのように大臣はお考えになっていらっしゃいますか。
○坂田国務大臣 憲法第八十九条は、公金その他の公の財産は、公の支配に属しない教育の事業に対し、これを支出し、またはその利用に供してはならない旨定めておるわけでございますが、私立学校を設置する学校法人は、私立学校法及び学校教育法に基づく監督に服し、憲法第八十九条の公の支配に属しており、学校法人に対する助成は、憲法第八十九条に違反しないと解されます。このような観点から、私立学校法、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律等幾つかの法律が制定をされております。これらの法律に基づき、現在すでに学校法人に対し、国及び地方公共団体の補助が行なわれておるところでございます。また、私立学校振興会法に基づき、私立学校振興会を通ずる融資が行なわれている、こういうわけでございます。
○木島委員 いま私が大臣にお聞きしておりますのは、いま私立学校法が憲法に違反しているとかいないとかということでなしに、憲法第八十九条に、公金は公の支配に属しない教育事業には支出してはならないとありますね。その「公の支配」というものは、いまあなたがおっしゃったように、たとえばいまの私学法における報告なり勧告という理論的な、名目的な、そういうものでもって公の支配に属すると解釈をしていいのだろうか。もっと事業なら事業全体の根本を動かすところの力といいましょうか、影響力といいましょうか、そういうものがなければ、公の支配に属するということに元来ならないのじゃないだろうか。しかし、私は直ちに、だから私学法は違憲ですなどと言っているのじゃありませんよ。ただ、そういうものの考え方を明確にしておかなければならないだろうと私は思うのです。そういう意味で大臣のお考えを承っておきたいのです。
○坂田国務大臣 確かに学説といたしましてもいろいろこれはあるわけでございますけれども、しかしながら、私どもといたしましては、「公の支配」というのは、国または公共団体が経営主体になるということではなくて、法令の根拠に基づいて指導、監督することだとされておるということによるものでございます。
○木島委員 私は、決してこれを違憲だときめつけておるのじゃありませんよ。そのように解釈しますと、たとえばすべての公益法人というものは公の支配に属するということになりかねないのではありませんか。どうでしょう。
○岩間政府委員 大臣からお答え申し上げましたように、「公の支配」につきましては、いろいろな考え方が学説としてもございます。その場合に、学校法人につきましては、これは学校教育法その他によりまして設置の際の条件がいろいろございます。そういうふうな条件に従って認可を受けて、設置をされておる。それからただいま先生から御指摘ございましたように、私学法の中で、五十九条のような監督を受けるというかっこうになっております。私どもはその程度で公の支配に属しておると考えておるわけでございますが、特に先ほど先生からも御指摘ございましたような役員の解職勧告というような、ある程度人事権にタッチをしておるという点については、ただいまお話のございましたほかの公益法人には見られない一つの違った点じゃないかというふうに考えております。
○木島委員 それからその次に、八十九条の教育の事業というのは、学校事業がほとんどなんじゃないでしょうか。その他どんなものがありましょうか。
○岩間政府委員 御指摘のように学校の事業と一応考えていいんじゃないかと思いますが、その際にはやや広く考えまして、現在行なわれております各種学校における事業というふうなものも含めましてのことであろうというふうに考えております。
○木島委員 そこで、いま公の支配に属する私立学校というもの、これは私立学校というものの本質からいって、大臣、どうお考えになりますか。公の支配に属しないことが私学の生命ではないかと思うのですが、その点はどうお考えになっておりますか。
○岩間政府委員 これは憲法の八十九条あるいは現在の私学法等を考えます場合に、ノー・サポート・ノー・コントロールというふうなことが、私学に対する基本的な原則のように受け取られるわけであります。そういう意味から申しますと、現在の憲法の規定を全く逆に考えますと、公金の支出を受けない私立学校は公の支配に属すべきではないというふうにも読めるわけでございまして、そういうふうな考え方から申しますと、本来私立学校というものは公の支配に属しないというのが理想的だというふうにも、極端な言い方をしますと、読めないわけではないわけでございます。そういうふうなたてまえと申しますか、そういうふうな感じというものは、やはり私学法におきましても受け継がれておるというふうに一応考えるわけでございます。
○木島委員 私はたびたび言っておりますように、決して私立学校法が憲法違反だときめつけておるのではございませんよ。だから、要するに八十九条のねらいは、私的な教育事業の自主性に対して公権力の干渉を排除するということのねらいと、まず理解しなければならない。そういう意味では、国が、公が支配するものと私的なものとを峻別しておる、まずそういう理解というものが必要なんだろう、そうでなかったら私学というものに致命的な弊害を与えるという本質というものをまずわきまえておかなければいかぬだろうと思うのです。それで、実は私はそう思うのです。いま公の支配に属するのは、私学はすべて属する。そして教育の事業はほとんど学校事業である。そうすると、実はこの八十九条というのは実質的には空文化しておるということになるのでしょうか。大臣いかがでしょう。
○岩間政府委員 空文化しておるということではないと思いますけれども、現実の問題としましては、そういうふうなよき考え方が、だんだん時代に即応しなくなってきているということは言えるのじゃないかというふうな感じがするわけでございます。これは実態を申し上げておるわけでございまして、憲法の精神はあくまでも精神として尊重する。つまりそれは、現在におきましては私学の自主性というものをできるだけ尊重するということでございますが、同時にまた、現在の私学の経営等から申しますと、やはり国あるいは地方団体の援助というものがなければ実態として運営がなかなか困難になってくるという面から申しますと、公共性というようなこともあわせて考えなければならない。また、その面がかなり強くなってきつつあるということは言えるのじゃないかと思います。
○木島委員 公共性とか実情とかというものは、これはたとえば私学法に公共性ということがありますね。それは私学法をつくるときに実は入れたことであって、先ほど申しました公の支配に属するということが、先に憲法の中にあったわけです。すると、憲法の精神というものは先ほど申したとおりのものでございますから、それだけに実質的にはきわめて空文化されておるというように皆さまが理解していらっしゃるのじゃないか。しかし、そうでありますけれども、実情は私はわかりません。同時に、今日の実態からいいますならば、国が助成をするか、さもなくば財界が助成をしていく。その場合は、しょせん助成をしたものが口を入れますから、今日の国が干渉した場合と財界が干渉した場合とどちらがいいかという議論もありますが、私は決してこれをきめつけるのじゃありませんけれども、しかし、実際には大臣、いかがですか、八十九条というのは今日もう実情に合わないのだという式にお考えになっていらっしゃる向きはありませんか。
○坂田国務大臣 私は、そう考えておりません。やはりこの八十九条の精神というものは生きておりますし、また生かされなければならないというふうに考えておるのでございまして、私学の自主性、あるいは教育内容、あるいはその根本に触れる問題というものに対して、国家権力はみだりに介入すべきものではない、こういうふうに私は考えておるわけでございます。しかし、いやしくも国民の血税というものが、この私学の振興、あるいは教育、研究の質的向上のために使われる以上は、それが適正に使われなければならぬという限りにおいては、やはりそれ相当の監督というものがなければならない、かように考えるわけでございます。 これは私非常におもしろいと思いますのは、イギリスのUGCの歴史的な、沿革的なことをちょっと調べてみたわけでございます。当時、戦前のことでございますし、またそのUGCの出発した最初のときに、ウエールズ地方におきましては、三大学は、公の支配によってコントロールされるおそれがあるということで、これに対して反対をしたという経緯がございます。しかもそれに対してイギリスの国教の支配、つまり宗教の支配も受けるということで反対をしたようでございますが、しかし、あとでは結局UGCのビジティング制度といいますか、私どものほうではコンサルタントというものを考えて、UGCと大学側と両方を取り持つあっせんの制度というものを考えまして、いろいろこの補助金の申請、あるいはそれに対する援助という関係において非常にうまくやっておるようでございます。その後、今度は結局UGCからお金を受けるということになっておりますが、その経営に際しまして、やはりそのコントロールを受けるのだということに対して反対したという意味は、やはり私学の持つ自主性が侵されるのじゃなかろうかという経緯があった。ところが戦後、もう非常にお金が私学に入るようになって、そして相当お金がつぎ込まれるという形になりましたら、いままでは全く会計検査院というものはタッチしない、いわばノー・サポート・ノー・コントロールということに徹しておったイギリスにおきましても、一九六八年にはこの会計検査を認めるというような形になってきておる。こういうことを考えますと、先ほど冒頭に申し上げましたような精神はやはりなお生きておるし、生かされなければならないけれども、しかし同時に、やはり経理の面につきましては国民の前にむしろ明らかにするという要請というものがまた出てきた、こういうふうに解すべきではなかろうかと考えておる次第でございます。
○木島委員 ですから、私学の実情から、助成はする、憲法八十九条の本来のねらいから助成はするけれども、私学の自主性というものは最大限に尊重する。いまおっしゃるように、しかし、助成をすれば、国民の税金でありますから、それに対する何らかの監督は必要であるけれども、それは最小限のものにとどめるということが今日最も必要であると思いますが、その点でよろしいですね。
○坂田国務大臣 私は、まさにそのとおりに考えております。
○木島委員 そこで、この法律の附則十三条は、立ち入り検査とかあるいは事業の変更を命ずるとかというように、いままでよりもたいへん強くなってきております。そのことは、いま大臣がそのとおりにとおっしゃいましたことに反すると思うのです。もちろん大臣はいろいろよけい金を出すのだからとおっしゃいますけれども、金は出さなければならない、しかし自主性は最大限に尊重する、干渉は最小限にするという立場からするならば、このような改正をせねばならない必要性というものは、一体どこにあるのでしょうか。
○坂田国務大臣 この法案そのものが、やはり私学におけるところの教育、あるいは研究の質的向上というものを目ざしておるわけでございまして、その意味におきまして、私学側が自主的にその向上を目ざして協力をされるということが第一であるということは言うまでもないことでございますけれども、そのことにつきまして、われわれが私学側の質的向上を願う気持ちは、これは何も大学の自主性あるいは私学の自主性というものをそこなうものではないというふうに私は考えるわけでございます。もちろん実際上の問題としまして、そこの兼ね合いというものはむずかしいと思いますけれども、しかし、私はそういう基本的な考え方に立ってこれを運用するならば、先生御心配の点はないのじゃなかろうかというふうに思う次第でございます。
○木島委員 私の質問いたしておりますのは、私学法の五十九条に、現にある程度の税金を使っておる限りにおいては国民に対する責任を果たすための規定がある。そこで先ほどから言いますように、最小限に干渉を制限するとするならば、それをさらに強化したところの必要が一体どこにあったのかということを聞いておるのです。干渉は絶対にいけないと言っているのではありません。せねばなりません。
○坂田国務大臣 その点につきましては、先ほど河野委員の御質問に対しましてもお答えいたしましたとおりに、この私学法ができました当時とそれから今日の状況においては、多少いろいろの変化が起きておるというふうに思うわけでございまして、私学側自身としましては、その当時は全くノー・サポートでやっていけるという状態にあったかと思うのでございます。しかしながら、今日ではもはや何らの援助というものなくしてはやっていけないような状態になってきているという経緯も、やはりそういうような変化が出てきたというふうに御理解いただきたいと思います。しかし、そのことによって憲法に定められた公の支配云々の問題には抵触するものではないというふうに、私は考えているわけでございます。
○木島委員 私が質問しているのは、いま現に五十九条にある程度の制限がある。あるのに、今回たいへん強化していると私は思うのです。なぜ強化しなければならなかったのか。いま大臣の御説明では、事情が変わったということです。金を出さないでいいという考え方はあったとおっしゃいましたけれども、今度金を出すことはいいと言っているんですよ。だから、私学法ができたときには、金も出す。口もいれる。しかし、規定も五十九条に現にある。それでいいんじゃないですか。なぜ今回強化しなければならなかったのか、必要はどこにあるのか、お聞きしているんです。
○坂田国務大臣 これは皆さん方もよく御承知だと思いますけれども、やはり私立大学が今日公共性を持ってきたという一面があるわけでございます。同時に、しかしながら、私学側自身が、その教育の内容あるいは研究の内容等において質的な向上につとめなければならぬことは申すまでもないことでございまして、それがなければ私立大学の存在意義というものもまた失われる。大かたの私立大学等におきましてはそのようなことはございませんけれども、しかし、中には定員を数倍上回るような私立大学がないわけではございません。しかし、このことははたして一体いいのか、悪いのか。もちろんそれは社会の要請に対してこたえなければならないので、その自主性を尊重してそれのままにしていいじゃないかという議論も私は成り立つとは思いますけれども、しかし、そういうようなことについて、われわれが適正なる定員、あるいはそれに対してほんとうに教育、研究がやれるような状況にするというのも、その私学に学ぶ学生というものを考えた場合においては、当然考えられてしかるべき問題だというふうに思うのでございまして、そういったことについてあまりにもはなはだしい、あまりにも常識を逸したような場合、あるいは法令違反等があったような場合には、これを正すというような道を開くことは、やはり必要ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。しかし、実際問題としてこれを運用いたします場合には、そういうようなことが全くないような形に、私立大学自身が社会的責任を感じてそれを是正していただきたいと思いますし、しかもその間、すぐそれをやれといってもなかなかできるわけではございませんけれども、それは今日の私立大学の実態に即しまして、十分時間をかけつつ、この社会的責任を果たせるようなりっぱな教育、研究が行なわれるように回復していただきたいというふうに願うものでございます。したがいまして、この条項があるからといって、しゃくし定木に運用すべきものではない、やはりそれは憲法のたてまえを踏まえて運用に当たらなければならないんじゃないかというふうに、私は考えております。
○木島委員 私の質問にお答えになっていらっしゃいませんから、逆にお聞きします。これは局長でけっこうでございます。たとえば五十九条の第二項、「助成をするについては、当該学校法人の設置する私立学校の備えている条件について、その助成の目的を有効に達し得るかどうかを審査しなければならない。」とありますが、これはきちっといままで助成するものとして審査をし、そしてその審査したものとその結果というものがどのようなことになっておるのですか。あるいはいま大臣からたいへん言語道断のようなことがあるというふうなお話がございましたが、とすると、この審査というものはずいぶんいいかげんなものであったのだろうかということを、いま直観的に思うのでございますが、その点はいかがですか。
○岩間政府委員 ただいままでの補助金は、大体設備とか施設に対する補助金でございまして、たとえば本を買うとかあるいは教育用の設備を整えるとか、それを一々私どものほうでチェックをいたしまして、それに対して補助金を出すというふうな、きわめて繁雑な形をとってきたわけでございます。またその際に、補助金が本来の目的のために使われるかどうかということが審査されたわけでございます。例外といたしまして、たとえば補助金を不正に使用した学校、そういうものにつきましては、少なくとも翌年度はその補助金の不正使用が是正されるかどうかを確めましてから補助金を渡す。それから紛争中の学校がございます。そういうところは、教育、研究というものが現実にストップをしておる、あるいは設備の補助金を出しましてもそれが有効に使われるかどうかがきわめて疑わしいという場合は、やはり補助金をストップするという場合がございました。このたびの補助金と申しますのは、人件費を含む経常費に対する補助金でございまして、こういう補助金ができましたのは、明治以来画期的なことだと思います。その使用につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、私学の自発的な配慮というものを非常に尊重いたしまして、いわば教育、研究の向上のために使うならば何に使ってもよろしいというような形の補助金にいたしております。そういう際に、これはやはり国民の税金を使うわけでございますから、効果がはたしてあがるかどうかということを担保する最小限度の要請は何かということを考えますと、五十九条の新しい規定を裏から読んでいただきますと、非常にわかりやすいんじゃないかと思いますけれども、一つは会計経理が紊乱をしておりまして、補助金をやってもはたして有効に使われるかどうかが期待しがたいというふうなことがございますので、会計経理の公正ということを一つお願いしているわけでございます。それからもう一つは、教育、研究の条件をむしろ悪くするようなものにつきましては、これは補助金を交付するわけにいかないんじゃないかということで、補助金を交付しないとすればどういうものが考えられるかということを、むしろそこに法律をもちまして、国民の代表者でございます先生方の御審議をいただきまして、こういうものを国民の前に明らかにしておくということが必要ではないか。この規定を、先ほども申し上げましたように、文部省対私学、監督者対被監督者という立場でお読みいただますと、確かに権限の強化でございますけれども、むしろ文部省と私学の間には、一本の信頼関係というものがなければ、私学の行政というものは円滑にいかない。たとえば親子の間で幾ら子供をしかりましても、これは信頼関係というものがあるからこそ、そういうふうな注意をするということにつきましては世間が納得するというふうなことであろうと思います。そういう意味におきまして、私どもとしましては、先ほど大臣が申し上げましたように、私学が教育、研究の向上につきまして熱意をもってやってもらいたいというふうな願望を込めまして、ここに新しい規定を設けたというふうに御理解いただければたいへんありがたいと思います。
○木島委員 私は逆に、むしろ信頼関係がないからこういう条項が入ったんじゃないかと思うのですよ。もしたとえばいまのお話しのようなものがあれば、変更を命ずることができるし、役員の解職も命ずることができる、現行法で。そうであったら、いまの御説明では、現行法でもやれるじゃないか。もしやれなかったら打ち切ればいいのであって、先ほどから言っております私学の生命というものを断ち切る方向にいける干渉の拡大というものは、避けるべきである。現行法でできるじゃないか。説明にならないと私は思うのです。むしろそこには信頼関係がないんだろうと思うのです。その点いかがですか。
○岩間政府委員 私学を信頼するということは、これは基本的なことでございますけれども、私学といえども、これは人間がやっていることでございますから、あやまちがないとは言い切れないわけでございます。また、財政問題その他運営問題からいたしましても、あやまちをおかすということはあり得るわけでございます。そういう場合に、信頼をしておればこそ、私どもが私学にいろいろ強くものを申しましても、それは私どもの私学に対する好意として受け取ってもらえるんじゃないかということが前提にないと、やはりこの条文は監督権の強化というふうにお受け取りになられると思いますけれども、信頼があるからこそ強くものが言えるというふうに、私どもはむしろ理解しております。
○木島委員 信頼すれは、話し合いができるならば、だったら現行法の五十九条で済むではないかと私は言っているのです。信頼感があれば、私は五十九条の現行法でやれる、変更を命ずることができる。信頼感があって自主的な話し合いができるならば、その条文を入れることでなくても、その解決はできる、改善はできると私は思う。そのことが好ましいんだと私は思います。それを条文に強化して入れるということに、さっきから憲法の規定から、解釈から私お聞きしているのは、そこなんです。その点をもう一ぺん、大臣、これはむしろ大臣の御答弁のほうが必要なんじゃないでしょうかね。
○坂田国務大臣 その辺はなかなかむずかしい問題かと思います。とかく国立大学に対しましても、従来われわれ文部省は一生懸命やっているつもりでございますけれども、向こう側から見れば、不信感がまだ強いわけでございます。しかしながら、そういう、またわれわれのほうからいったら、大学の自治という形においてやっておるのに、一体一年来の大学紛争の状況はどうなんだという、また大学側に対する不信も強かったわけでございます。それが、まあ大学紛争を通じまして、漸次歩み寄りではございますけれども、大学側の文部省に対する信頼関係、あるいはまた私どもの大学に対する信頼関係というものも、だんだん醸成されつつあるわけでございまして、やはりその信頼関係というものが確立をして初めて国立大学につきましても、管理運営、あるいは教育、研究というものがりっぱにやられ、そして社会的責任も大学それ自体がやり得るというふうに思います。その意味合いにおきまして、いままで、やはり文部省とそれから私学側におきまして、相互にそのような情勢があったということはいなめないと思います。しかし、私はこれからこういう画期的な、いわば私学助成というふうなことをやる形において、私学側もその社会的責任を果たされますと同時に、私どももそのように大学の自主性をそこなうようなことに介入するということは、毛頭考えておりませんし、そのもとにおいて、ほんとうに信頼関係の醸成ということに相つとめていかなければならないというふうに思うわけでございまして、私はこれからそういうようなつもりでまいりたいと思いますが、これはやはり御心配になるように、もしこういう条項をせぬでもよかったのではないかというような事柄について疑問をお持ちになるということも、従来からの考え方からするならば、当然生まれてくると思いますけれども、その辺はひとつ十分われわれも信頼をしていただきまして、これから先は、やはりこの振興財団を通じて、また文部省あるいは私学側のおのおのの信頼関係を回復する努力ということによって、初めてこの条項というものも意味が出てくるのではなかろうかというふうに思いますし、こういうような条項をきびしくいつでも適用するというような、そういう考え方でなくまいることを願っているわけでございます。そういうようなことによって、初めてこの財団のつくります意味が出てくるというふうに思うのでございます。
○木島委員 大臣のおっしゃることは、要は運用でもってやるから、条文は入れてもいいじゃないか、そこは信頼してくれということに尽きるようですね。ですけれども、いま大臣がおっしゃるように、いままで信頼感がなかったけれども、今度多少信頼感が回復した。信頼感というのは、これは歴史的に何か——将来もありますよ。同時に、あなたがいつまでも大臣でいらっしゃらないわけでございますから、もうあなたの場合は名前のとおり誠意に満ちた方でいらっしゃいますから、そういう意味では、これは御信頼申し上げますけれども、しかし、そういうようなことで条文を入れる。さっき私は、そういう意味で憲法の議論からしておる。やはり私はこういうことを入れなくても、信頼感があればできる。そういう意味で私はその批判をする。ことに十項の第三号、これは先ほど河野さんからもお話がございましたけれども、これは河野さんとダブる点は抜きにいたしましても、この点は私立学校法が今日できるときに、国会が修正をして入れたのですよ。五条の二項を入れたのです。それを今回またここに入れる。これは率直に言って状況が変わったとおっしゃるかもしれませんけれども、国会が満場一致でもって昭和二十四年に修正をして入れたのですよ。これをそのまま入れておる。しかも授業の変更を命ずるということは、これは憲法二十三条の「学問の自由は、これを保障する。」ということにも影響するほどのものであって、ここにこそむしろ私は私学というものの生命があるのだろうと思う。それを変更するということまで入れるということになると、これはいささかこの法律のできる経緯からしてもちょっと行き過ぎではないかと思うのですが、いかがですか。
○岩間政府委員 ただいま御指摘の変更命令につきましては、この条文は、私立学校法を提案いたしますときには、一応政府の原案のまた原案には入っておりましたものですが、これは提出いたします際に、すでに落として提出をしたというふうに私ども聞いております。 それで、原則としてはずされております十四条を、このたびの人件費を含む経常費の助成をいたします学校につきまして適用するということの意味は、先ほど大臣が申し上げましたように、教育、研究の水準の向上をむしろ逆に妨げるものにつきましては、これは補助金をやるわけにいかないというふうなことを明らかにしておるものでありまして、その際、「設備、授業その他」と書いてございますけれども、教育内容とかそれから教員の人事というものは、これは当然含まないことは明らかでございます。そういうものにつきましては、干渉する意思は毛頭ないわけでございます。ただ、学校の基本的な条件でございますものにつきまして違反があった場合、たとえば私ども具体的に考えられますことは、ある学校におきまして、大学の単位が百二十四単位ときめられておるにもかかわらず、その単位を下回ったものを卒業させるとか、あるいは四年間在学しなければならないというのに三年くらいで卒業させるとか、そういうふうな極端な場合が起こりました場合、あるいは免許法にございます教員の免許資格を備えない者に対しまして免許状を発行するとか、そういうようなことを防ぐために設けた規定でございまして、ただ、実際に法令に違反するかどうか、そういう点につきましては、これはこの法令にも明らかにしておりますように、私大審議会の意見を聞かなければならないということになっております。私大審議会は、御承知のとおりに、私立学校関係者が四分の三以上入らなければならないことになっております。しかもその四分の三につきましては、これは私学の団体の推薦によって選任されるわけでございますから、文部大臣がかってにそういうものを選任するということではございません。そういう点から考えますと、これはむしろそういう場合に私学がみずからのところで自己規制を行なうというふうに考えていただいてもいいような規定じゃないかと思います。 なお、この効果につきましては、実際に変更命令を聞かないということが起きました場合には、今後、補助金を差し上げないという効果だけしかないと申しましょうか、そういうことで担保するという形になっております。
○木島委員 ですから、さっきから言っておりますように、条文上いつでも補助金を打ち切ることができるならば、いま運用のことをいろいろおっしゃいましたけれども、われわれが警戒しますのは、あるいは私学の方々が不信感を持つということもそうなんでしょうけれども、やはり条文になってしまうと、立法のときの運用上とかという答弁というものは忘れられて、文理解釈のままでいくでしょう。そういう意味で行き過ぎではないかと申しておるのです。そういう意味では、十項の一号に、関係者に質問させるということについても、帳簿、書類その他の物件を検査する、帳簿、書類その他の物件ということも、これは範囲を拡大すればずいぶん拡大される疑念が出てくるところであります。時間がありませんから簡単に申しますけれども、私の結論は、たとえば財務諸帳簿というような限定したものに規定することができないだろうか。「その他」ということで、この条文上だけでいうと、たいへん乱用されるおそれがあるという感じがするのですが、いかがでしょうか。
○岩間政府委員 そこで問題になっておりますことは全部助成と関係のあることでございまして、助成に関係のあるもの以外につきまして、これを調査するというようなことは考えておらないわけでございます。また、これはそのいわゆる立ち入り調査の規定と違っておりまして、事務所に入る場合には、やはり事務所に入るというようなものにつきましては承諾を得ましてから入るというふうなことでございますから、これはいわゆる立ち入り調査の規定とはいささか内容が違っております。 それから立ち入り調査の場合には、御承知のとおり罰則がつくわけでございますけれども、この条文につきましては、罰則というようなものはつけないというふうな配慮をいたすつもりでございます。
○木島委員 きょうは本会議がありますから、時間の制限もあるそうでありますから、次に移ります。 そこで助成をするという、たとえば原則なり目的等についてちょっとお聞きしたいのでありますけれども、私立学校法ができてから私学がたいへんふえました。昭和二十四、五年のときには、五十を下回っていたくらいじゃないでしょうか。今日九千余くらいにもなっているといわれますが、大学で申しますと、先ほどお話がありましたように、百六十五万中百三十五万も私立におる。このように、どうして私立というものがこんなに大きくなったのでしょうか、私よくわからぬものだから……。
○岩間政府委員 これは大学に進学を希望する者の数と申しますか、いわゆる社会的需要がふえたということが第一ではないかと思いますけれども、アメリカの場合を見ましても、単線型の学校でございますと、どうしても上まで行きたい、最後まで行きたいというふうな者が増加してまいります。そういう意味から申しまして、今後まだふえるだろうと思いますが、終戦後特にふえました理由の第一としましては、そういうことが考えられるわけでございます。それから、従来高等教育を受ける者が非常に少なかったのでございますけれども、大学自体も、従来の師範学校から高等専門学校を全部含めまして、いわゆる高等教育機関が一本になったという点で、高等学校だけではやはり社会の第一線に立っていくためには不十分であるというふうな観点から、特に大学を希望する者がふえてきた、それが一番大きな理由ではないかと思います。
○木島委員 最近発表されております新経済社会発展計画でも、大学でいうならば、昭和四十三年の一七%が二五%になるだろう、こういっておりますね。これはさらに六十年までたてばたいへんなことになるのだろうと思うのです、局長おっしゃるように。そこで、その場合、国立というのは一体どのくらい収容したらいいものなんでしょうか。と申しますのは、一つは、私立学校がふえたということは、いま局長おっしゃるように、希望者がたいへんよけいになってきたということですけれども、教育の機会均等からいえば、国民が教育を受ける権利があるとすれば、なるたけならばその施設を国がつくらなければならない義務もあるわけでありましょうから、そういう意味では、国がある程度拡大しなければならなかった理由もありましょう。国の義務というのは、私立を強化する、そういうことも含めるとおっしゃるでしょうけれども、元来、教育の機会均等という、厳密にいえばたいへん金も使う、格差もあるわけでありますから、そういう意味では、だんだんとよけいになってきますが、国立というのはその中で一体どのくらいを入れることを考えたらいいのだろうか、どうなんでございましょうか。
○坂田国務大臣 これは非常にむずかしい問題でございますが、先ほど局長からお答えをいたしましたように、一つにはやはり六・三・三・四制度をとったということ、それから日本の経済が非常に成長したということ、それから元来日本人が非常に教育熱心であるということ、この三つから、大学に入ろうとする者が当該年齢人口二〇%をこえるような状況になってきたということだと思います。 これにつきまして、従来は長期教育計画と申しますか、そういうものが当然なければならなかったのじゃないか。そうして日本列島全体を見て、あるいは社会の変化ということ、発展ということについて、どういうような人材を養成すべきかというような、完全なものではないといたしましても、相当の長期計画というものが設定されて、しかも日本列島全体を通じまして、その私学を認可する場合においても、多少国としてのそういう大きいプランのもとにおいて意思が働いてこなければならなかったというふうに、私は思うのであります。しかし、それが実はいままでなされなかったということでございますが、これからはやはりそういう長期計画というものがつくられなければならないというふうにまず思うのです。したがいまして、おそらくこの五月には中教審の答申がなされると思いますが、さらに来年の春ごろまでに、長期計画と同時に、それに対して一体どのような財政措置を考えたらいいか、そしてそのお金というものはGNPでどれくらいだというようなことまでも、おおよそ見当をつけなければならないというふうに思います。それからまた、中教審におきまして、いま大学改革に対する試案を発表しておりますけれども、その中におきまして、国立の意義というものを検討しておるわけでございます。あるいはこういう国立という形でいいのかどうかということまでも、考えておるわけであります。国公私立というもののかきねを撤廃するといいますか、そういうような形で一ぺん考えてみてはどうかというようなことから、一つには、たとえば特殊法人というような考え方も出てきておるようなわけでございまして、確かに明治初年の勃興期におきまして、国立学校の果たしました意味合いというものは、非常に大きかったと思います。あるいはまた、今後も国立大学の意義は大きいかとも思いますけれども、しかし、国立であるがゆえにかえってその教育、研究というものが十分でない、あるいはそれに縛られておるがためにかえってやりにくいのじゃないかということが、国立大学の中からもぼちぼち出てきておる、あるいは国立大学以外の国民世論の中からも出てきておる、こういうことでございまして、この一年中教審の検討を持ちまして、来年の春ごろにその問題に私たちは具体的に取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。 国立の場合は、たとえば授業料が一万二千円でございますし、また現在国立大学に学んでおる三十数万の学生というものは、比較的低所得者の優秀な子弟というものが入ってきておるということを考えました場合におきましては、やはりこの国立大学の意味というものは大きいというふうに、一応私は考えておるわけでございます。
○木島委員 そのように長期計画がなかった。国民が教育を受ける権利がある、だからそれを受けさせる施策をせねばならなかった義務が、今日まで完全に果たされておらなかった。それだけに、私立に期待をせざるを得ない。だからこそ、助成がまたより多くなされねばならないと思うのであります。 そこで、当面の助成目的というのに、私は四つあると思うのです。その一つは、たとえば授業料とか、入学金とか、受験料とか、その他納付金、あるいは公然、非公然の寄付金あるいは学債、こういうものを上げない、または引き下げるという目的が一つあるのだろうと思うのです。そこで、授業料というのは、一体どういう性格のものなんでございましょうかね。と私がお聞きしますのは、学校の人的、物的施設の使用料と、私は一応見るのですよ。そうすると、たとえば入学金なり寄付金というものとダブるでしょう。受験料は、これは厳密にいえば、受験にかかる費用と、こう理解していい。じゃ、学校をつくるその他の寄付金が要る。しかし、授業料には、その施設の使用料というものも入っておるのだろうと思うのですよ。人件費だけじゃない。もちろんそれは授業を受けるその対価としての報酬という理解でしょう。けれども、それを学校というもので見れば、人的、物的なものでしょう。その使用料と私は考えるのです。そうすると、物的な使用料と物的な寄付金、物的な入学金、この関係は一体どう理解したらいいんでしょう。
○岩間政府委員 授業料は、御指摘のとおり、先生のおっしゃるように施設等に対する使用料と考えるのが、従来までの通説でございます。入学金と申しますのは、入学に伴う諸般の費用に充てるためのものであろうと思いますけれども、それが最近ではやや拡大されまして、新しい施設をつくるとかそういうものに充てるための費用として取られているようでございますが、本来の目的からいいますとやや大きくなっているということでございますが、全体的に見ますと、学生納付金というもので見ますと、いろいろな区分けはございますけれども、しかし、学校に必要な費用を受益者が負担するというふうなかっこうで、その中の区分けは、御指摘のような授業料、それから入学金、それから施設拡充費、その他の寄付金等もございますけれども、全体として見ますと、やはり学校を運営していくための費用を学生が負担をするというふうな、その全体としての性格はそういうものであろうと思います。
○木島委員 ですからね、もし全体ならば、授業料一本でいいはずでしょう。
○岩間政府委員 きわめて平常な状態でございましたら、御指摘のとおり授業料だけでよろしい。あるいは入学に伴いまして、オリエンテーションその他若干の費用がございますれば、入学金という形でこれを取る。あるいは施設を整備いたしておりまして、これを何年かの間に償還するというふうなことでございましたら、施設拡充費ということで各学年の学生に負担させるというふうなやり方があると思いますが、総じて申しますと、やはり学校の経営の内容はいろいろ区々でございますけれども、そういうものを全体としていろんな形でまかなっておるというのが実態でございます。
○木島委員 私、学債ならわかるのですよ。ですけれども、どんぶり勘定の感じですね。授業料も、入学金も、寄付金も、大学の中においてはその使途が区分されておりませんね。どんぶり勘定という感じでしょう、いまの御答弁で。しかも授業料を上げるということは、これはもう世論なりあるいは学園紛争の一つの原因にもなっているわけですから、それはできない。そこで入学するときの新入生から寄付金なり入学金を取るということは、これは非常に容易にできる。安易な道を歩いている。しかし、学生なり父兄負担という意味では、全く同じことです。だから、ここをやはり区別しないと、文部省は私学を信頼しなかったというようなことがあるとかいろいろな事件があったということは、実はそういう使途というもの、各授業料なり入学金なり寄付金というものの性格を明確にし、それぞれが別々の使途に使われるという、これが明確にならないと、今日のこの法律の助成をする一つが、授業料、納付金を下げるという、あるいは下げると同時にあるいは引き上げない。あるいはもう一つは国民に明確にする、何かわけのわからない、何といいましょうか、何か変に思わせる、そういうものを与えない、そういう意味でも、おそらく大学だけに、そういうものはすっきりしたいと思うんですよ。そういう措置は考えられませんか。
○岩間政府委員 御指摘のような点は、これは臨時私学振興方策調査会においても、何か基準を検討したらどうかというふうな御指摘がございます。私ども、今後その基準の検討については研究を進めていくつもりでございますけれども、先ほど仰せのような授業料は、これは各学期あるいは各学年で取っていくわけでございますけれども、入学金というのは一時的に新入生から取るという金でございます。父兄の立場といたしまして、入学する際に一ぺんに納めたほうがいいのか、あるいは毎年毎年納めたほうがいいのか、これはちょっとなかなかむずかしい点だろうと思います。入学を目標にいろいろ資金計画を立てて、家庭のほうで一時に納めて、そのかわり授業料は安いというのがよろしいのか、あるいは毎年区分けをしてやるのがよろしいのか、そういう問題につきましてもなお検討の余地はあろうかと思いますが、しかし、学生納付金があまり明瞭な形でなくて取られておるというふうな実情もございますので、この点につきましては、今後検討いたしたいというふうに考えております。
○木島委員 ことに四月七日の朝日新聞の社会面に「私大の医学部」「ついに千万円相場」。入学寄付金が昨年は四百万円、ことしは五百万円が相場だけれども、一千万円に落ちつく。しかし、中には二千万円、三千万円の寄付金がこの中で登場したともいわれておるということになると、これはもう社会問題だろうと思うのです。そういう点の実態は、文部省はつかんでおるのですか。
○岩間政府委員 これは寄付金は学校とそれからまあ学生あるいはその父兄との契約によってやるわけでございますから、なかなか捕捉することがむずかしゅうございます。いままで私どものほうで個々別々に調べたということはございませんが、ただ四十二年度の財政調査によりますと、寄付金の額が百六十四億ございまして、そのうちで指定寄付その他を除きました個人の寄付が、約七十三億ございます。その七十三億の大部分が、おそらく個人の入学時の寄付金じゃないだろうかというふうに推測されるわけでございます。医学部につきましても、ただいま先生の御指摘にございましたようなことを、調べたわけではございませんが、私ども耳にしておりまして、これは御指摘のように非常に大きな問題でございます。あるいはあまり金額が高いということになりますと、優秀な人がむしろはずれて、優秀でない人が進学するというふうな、いわゆる逆淘汰の現象も起きかねないということでございます。そこで、今度の補助金を計上いたします場合に、やはり医学部、歯学部につきましては、たとえば人件費の三分の一を基礎に置くというふうに、ほかの学部よりもむしろかなり高い水準でめんどうを見ようというふうなことにいたしたわけでございます。なお医学部の場合には、これは教員数それから施設等に比べまして学生数が非常に少ないということでございますので、もし病院の経営があまりうまくいかない、あるいは費用が非常にかかるということになりますと、どうしても一人当たりの金額が大きくなると思います。したがいまして、それに対して国の補助が大きければ、本務職員当たりの計算でかなりの額がいけば、それだけ学生一人当たりに対する負担というものは急速に軽くなるということも考えられるわけでございまして、そういう点を考えながら今回の補助金も考えておるような次第でございます。
○坂田国務大臣 実はそういうようなことになりましたので、私どもとしましては、画期的なことでございましたが、今度私学に対する助成に踏み切ったわけなんでございます。と申しますのは、最初、私学というものを考えた場合は、世界的に見ましてノー・サポート・ノー・コントロール、それで十分やっていけるのだ、いろいろな人の干渉を全く許さないのだ、こういうことで済んだと思うのです。しかし、そういうことがいえなくなってきた。たとえば先ほどイギリスの例を申しましたけれども、アメリカのような非常に私学が発達をし、そうしてまた相当の基金も持って、あるいは卒業した人から寄付金ももらい、またフォードとかカーネギーとかロックフェラーというような大財閥から寄付金を多額にもらって研究をやるというようなところですらも、もうフォードやカーネギーやロックフェラーというような財団の寄付なんかではてんで問題にならないのだ、少なくとも、一人の医学部学生を教育、研究させるには、そんなことでは追っつかないのだということで、結局連邦政府の金が注ぎ込まれ、それが四十数%にもなってきている。こういう実情でございまして、日本の場合におきましても、おい立ちにおきましてはノー・サポート・ノー・コントロールなんで、結局私学というものをつくるのは寄付金や基金や授業料であるけれども、さらに昔の財閥から寄付金ももらう。そしてだんだん人数がふえますし、質的向上をはからなければならない。国立と私立を考えてみましても、一人の医学部学生をつくる費用というのは、国立で百二十万かかるならば、私学だってやはり百二十万はかかるわけなんです。それが、そういう寄付金や基金やその他の財源がないとするならば、どうしたって授業料かその他のいわゆる納付金というものにたよらざるを得ないというところまで追い込まれてきた。いま御指摘のとおり、納付金やあるいは授業料だけでは、もうこの私学経営がやっていけないのだ、あるいは質的向上は望めないのだというぎりぎりのところになったということで、根本的には、いまのように医学部に入る者は千万円もというようなことがないためにも、私はこの私学助成というものを今後十分考えてやっていかなければならぬ。しかし、そうなれば、相当のお金が私学に流れていくのであるから、やはりその面に関しては、経理については、いままでと同様な形、精神においては私学の自主性をあくまでも考えていくけれども、しかしその経理の面については国民の不信を招くようなことがあってはならない、あるいはいまも御指摘になりましたような、多額な納付金を要求するというようなことが今後ないような形に持っていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
○木島委員 大臣、誤解しないでください。私聞いておるのは、なるたけ自主性は尊重するということは、前段に申しました。しかし、助成しなければならない。けれども、こういう一千万円とか三千万円という問題が、現に起こっておる。だから、助成する限り、今日社会問題になっているのだから、いまの助成のしかたでこういう社会問題が解決しますか。たとえば医学部なら医学部、局長も言われたように、必ずしも能力のある方が入らない場合がある。これは投資したのだから、今度は逆に回収しなければならぬという問題が起こってくる。そういう点では、国民の健康、生命の上にたいへんな影響があるという意味で、社会問題になってくる。だから、私は、助成するならば、こういう問題が起こらないような、助成する目的の中に、学生なり父兄なりが負担をするものを下げる、あるいは上げないという目的が一つあるだろう、それにはこれで十分なんですかという意味のことを実は聞いておるのです。たとえば、昭和四十年に早稲田でもって学費が納入できないで除籍された者が、百名あると聞いております。これはきっと全私立なら、たいへんな人数なんだろうと思うのです。一方、そうなっておる。しかも大学は今日多分に私企業でしょう。ですから、他の大学に比較して、なるたけデラックスに、なるたけマンモスにしなければ、企業は成立しない。したがって、そのためには、父兄の負担によって大学の資産はふえます。大学の資産も、大学の運営費も、すべて学生なり父母の負担だけにかかっているということではならない。だから、私は、大臣のおっしゃること、わかるのです。ただ、助成するには、それで足るのですか。助成をするには、そういうものを下げなければならない。下げなければならないにかかわらず、そういうことがこれでできるか、あるいは下げようという意欲を持っておやりになるのですかと、逆に聞いておるのです。
○坂田国務大臣 私は、今年度の予算くらいでは、それこそとても下げられないと思うのです。しかし、先ほども申しましたように、少なくとも本務職員の半額というものは、近い将来、といっても四、五年の間においてはその程度までは持っていかなければならないのじゃないかというふうな、非常な意欲を実は持っておる次第でございます。
○木島委員 私先ほど助成の目的を四つと申しましたけれども、いまその一つだけを申し上げたのです。あと三つあるのですが、時間が来ましたから、保留させていただきます。
○八木委員長 次回は、来たる十五日水曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十七分散会