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63回国会衆議院1970/11/11

物価問題等に関する特別委員会 第19号

発言数
213
登壇者
16
会派数
5
開催日
1970/11/11

会議録

松平忠久日本社会党

○松平委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。本日は、厚生年金老人ホームの入居料問題について、本委員会に参考人として、財団法人厚生団理事長太宰博邦君から御意見を承ることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平忠久日本社会党

○松平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

松平忠久日本社会党

○松平委員長 これより質疑に入るのでありますが、本日は、企画庁長官、公正取引委員会委員長のお二人が、御都合上正午までしか時間がございませんので、まずお二人に対する質疑を集中して行なっていただき、また、御答弁のほうもごく簡単にお願いしたいと存じます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 経済企画庁長官にお尋ねをいたすわけでありますが、当面物価の上昇が非常に急テンポになってまいりまして、東京の十月の物価の値上がりは対前年比で八・五%、これは異常な値上がりであります。総理府統計局の数字でこのような数字が出てきておるわけでありますが、きょうお尋ねいたしたいことは、いま委員長からもお話がありましたように、時間的な制約がありますので、しぼってお尋ねをいたすわけであります。  まず第一は、この物価上昇の現状について、担当大臣としてどういうお考えなのか、今後の見通しは一体どうなのか、それを端的にひとつお答えいただきたい。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 いま御質問にございましたように、本年度の物価上昇率はなかなか重大な状況になっております。まあ本年の上半期だけで対前年を申し上げますと、大体七%ぐらいになっておる、こういうことであります。  一つには、これは御存じのように、よく俗称げたと称しておりますけれども、昨年の物価上昇のカーブ、描いておるカーブというものは、年度末の一−三月になって、例の干ばつを中心とする野菜の価格の上昇があまりにも急激になりまして、そのために昨年度は、三十七年以来初めてげたが四仏になるというような異常なことでございました。でありますので、結局本年かりに七男上昇するといたしましても、四%をもうすでにげたというか、四月に入った瞬間に対前年比四%増という底上げを受けているわけであります。そういうようなこともありまして、本年の対前年で見る限りにおきましては、物価上昇率というものはなかなかむずかしい状況を示しております。  いまのところわれわれといたしましては、昨年のあの異常な野菜の上昇というものは、きのうも実は会議をいたしたのですが、農林省の言明によりますと、今後出回り等も相当円滑になってまいる、こういうことで、ある程度野菜のような季節ものについて上昇が鈍化してくるというふうに予想はしておりますけれども、しかし、全体としての状況もなかなか強含みでございますから、まあ六%台でもって何とか押えられるようにしたい、こういう強い希望を持っております。そこいらのところは、目下本年度の改訂見通しを立てておる際でもありますので、もうしばらく時間を持ちたい、こういうふうに考えております。  いずれにしても、しかし、なかなかむずかしい状況になっております。そして、まあそういう状況になっております原因といいますか、一つはやはり季節商品を中心とするところの上昇でございます。本年の端境期等に特に干ばつに見舞われたということが非常に大きな原因になって、野菜等の季節商品が上がっておる。それからもう一つは、全体といたしまして、やはり主として中小企業の製品等を中心にしまして、最近の手間賃の引き上げ等が原因になりまして、繊維製品のうちの衣料等いわゆる製品になったものが上がる傾向がございます。そうしたことで、季節商品が相当上がりました上に、それ以外のものについて、これは季節商品のような上がりぐあいではありませんけれども、じりじりと少しずつ強くなってきておる状況がうかがわれます。われわれといたしましては、そうした大きな二つの面をにらみまして、これに対応する対策を立てていかなければならない、こういうふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまお話を聞いておりますと、げたのことが出たわけですが、ここでは何回か、げたの論争をいたしました。当時私どもは、あなたが四・八昭に本年度の物価上昇の率を押えたいという当初の説明があったときに、それはあくまでも期待目標であって、四・八というようなことはとてもできっこないじゃないかということを、何回か、しつつこく大臣に申し上げたことを記憶いたしております。とにかく五%以内ということを目標にしなければならぬという、それは政治目標じゃないかということをいろいろやったわけですが、大臣のほうは、決してそうじゃない、四・八%に押さえることはできると、こういうことをあなたは何回かおっしゃっておりました。私はげたの数字を申し上げて、そのげたのパーセントからいっても、これは実現できる数字ではないじゃないかということも、何回か言ったわけですが、平行線をたどって今日を迎えたわけです。  ただいま話を聞きますと、何とか六%台にとどめたいというようなことを、いま初めてあなたはおっしゃったわけです。私はここに数字を企画庁からいただいて持っておるわけですが、ここ一、二年の毎月の値上がりの数字が出ておるわけです。おっしゃるように、ことしの四月は確かに高かったわけでありますが、八・三男ですね、前年比八・三という数字が出ております。そういう数字が出て、これは確かにあなたがおっしゃるように、野菜の値上がりが相当あったということは理解できますが、その後引き続いて七・六、六・八、六・三、ずっときて、そして十月になって東京で八・五。これはおそらく、まだ発表になりませんが、全国比、全国のパーセントはこれより若干下がると思いますが、大体これに似たような数字が出てくると思うのです。そうすると、これから一体十一月、十二月、一月、二月、三月という数字をずっといままでの例から見ますと、とてもあなたのおっしゃるような数字にはならぬです。これですと七尾をこえてしまいます。そういう数字が出てくる可能性が非常に強いわけです。  さっきから申し上げるように、きょうは時間がございませんが、論争したときに、あなたはこういうことをおっしゃったわけです。ここに議事録がありますが、四%を何とか実現できそうだ、そういう感じを持っておるということを、さきの通常国会であなたはお述べになっているわけです。ところが、現実にはもうこういう数字になってしまった。そこで、その原因は一体何だと聞けば、季節商品だとおっしゃる。野菜だとおっしゃる。干ばつだとおっしゃる。ところが、あのときは長雨が続いた、こういう話だった。干ばつや長雨、これは年中続いておるではないか。何もことしに限って野菜が特殊な状況で、ある一時期上がっておるのじゃないですよ。ずっと野菜の値段を調べてみると、なるほど高い低いは若干ありますが、これはずっと上がっておるのですね。そういうことを考えると、やはりそういうことに責任を負わせるべきではないではないか。いまの物価上昇の原因というものは、公共料金の値上がりが諸物価にはね返ってくる。あるいは端的な例からいえば私鉄なりビールなり、あるいは酒なりの値上げというものがどんどん行なわれておる。再販の問題も出ておりますが、先般公取の委員長から発表があったように、あれが物価に相当大きな影響を与えるということは厳然たる事実です。管理価格もそうですね。こういう現状から物価が上がっておると私は思うのですが、一体これからどういう対策をとろうとするのか。  なお、いま一つ申し上げておきますが、去年は、五%というあなた方の目標が途中で五・七に変わりましたね。途中で手直しになった。ことしはもう半年過ぎてしまっておるのですね。あなたは四・八ということをしきりにおっしゃっておったけれども、もうこういう段階で、あなたの口からすら六%台ということをおっしゃっておる。われわれは七尾をこえると思うのです。そういう時期に、あなた方としてはこのまま手をこまねいて、何も対策を立てずにいこうとしておるのか、一体これからこれをどうしようとするのか、これをひとつ伺いたい。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 指数の上で季節商品が比重を占めているという意味でありまして、武部さんの御指摘のように、季節商品以外のものについても相当じりじり上がりつつあるということは、政府としても十分認識しなければなりませんし、また、それに応じた対策を講じなければならない、こういうふうに考えております。ただ指数の上で季節商品の影響するところが非常に大きいということを申し上げたわけです。  そこで、まさしくあなたのおっしゃいましたように、われわれも四・八の目標を立てたのであります。一つは、あのときの考え方は昨年度内の話でありましたから、げたを二・七くらいに考えておった。それが実際四・〇になった、こういうところに基本的な誤算があったわけであります。そして、二・七のげたが四・〇になったということは、結局一−三月の季節商品の異常な高さ、こういうことがやはり二・七の予想を四・〇に押し上げた一つの大きな原因になっている、そういう点があろうと思います。  それからまた、まことに困ったことでありましたけれども、引き続き季節商品が——われわれは、昨年度にああいうふうに上がったのだから上昇率もだいぶ落ちついてくるであろう、実はこういう予想を立てておったのであります。つまり、いま御指摘のように、そう気象の異常変化ということは続くものでもない、こういう前提でおりましたが、残念ながら、そこのところが裏切られました。そういうことで、今回も農林省等といろいろと話し合いをしてみますると、やはり干ばつその他の気象条件が大きな原因になっておる、こういうことでありましたので、われわれとしても一体こういう時代に、そう気象条件の変化によって大事な野菜、季節商品が上がるというようなことは、なかなか世人の納得を得ざるところであるということで、いろいろ対策の協議を昨日もいたしましたが、これについては、今後天候の影響をできるだけ遮断する意味での、たとえば畑地かんがいであるとか、あるいは施設園芸の推進であるとか、そうしたいわゆるもっと安定的な近代的な栽培方法への移行を急速に進めるということについて特段の努力を要望し、また農林省も、これについて特に今後の対策の重点を置くというようなことを申しておるのであります。  しかし、いずれにしても季節商品はそうしたことで、これはこれとして、いわゆる食料品の価格安定対策を推進することといたしまして、その他の物資についても、やはり価格の安定について今後個別的にも検討してまいりたい。御存じのように、全体としてこの状況はやや景気沈静という方向に向かっております。政府が意図しておりました総需要の抑制という点に関しましては、目下沈静化が進んでおるわけでありますから、しばらくこの推移を見たいと思います。それで、このことが意味するものは、結局全体の景気が沈静することによって、やはりいままで他の条件を無視したといいますが、他の条件とアンバランスのまま非常な上昇を続けてきたところの賃金の上昇率というものは、やはり平常化する、こういうようなことの期待が十分にできるということであります。  よくいわれますように、あまりにも経済の成長が高度過ぎるじゃないか、この高い高度成長というものを前提にする限りにおいては、なかなか物価上昇の勢いというものはおさまりにくい。そういう意味において成長をある程度安定化しスローダウンしていく。その限りにおいては、大体今日の経済成長のテンポというものは、われわれが予期したような方向でややスローダウンしてくるというふうに見通していいと思うのです。そういうふうなことを契機にいたしまして、できるだけ経済全体の環境を従来よりも安定化していく、こういうことが基本にならないと、全体としての異常な需要の強さというものによってぐんぐんすべての価格が押し上げられるわけでありますから、目下そういう意味において、ある程度環境の安定化ができつつあるというふうに私たちは見ています。したがいまして、せっかく引き締めの解除を行ないましたものの、もしこの経済の安定的な環境というものが破れるようなことになることを、われわれとしては一番避けなければならないわけでございます。そういう意味において、できるだけこの安定化を妨げるような条件が出ることをまず排除する。そういう意味におきまして、今後財政のあり方等も含めまして、いわゆる景気刺激的な要素、あるいはまた公共料金の扱い等もできるだけこれを抑制するというような方向において全体の環境を安定化していく、これが一番基本になろうと思うのであります。  その他の観点からいえば、結局個別の価格形成をできるだけ抑制する方向に持っていかなければなりません。しかし、もちろん政府が介入できるもの、できないもの、いろいろございます。したがいまして、いわゆる自由価格につきましては、そのほかには、さらに従来以上に輸入の積極的な活用その他によりまして、できるだけ一般の個別的な物価が上がる勢いというものをそいでいかなければならいい。そして場合によりましては、武部さんが御指摘のビールのような個別の問題もございます。政府としましてはいま直接の手段はありませんけれども、しかし、行政指導その他を通じてできるだけ今後抑制していく、こういう方向でやらなければならない。自由価格でありますから、一ぺんに政府の言うことをすぐ聞かれるということが実現できない場合もなきにしもあらずでありますけれども、しかし、決してこれなるがゆえに政府がこれを手放してはいけない。やはりしんぼう強く、そういう意味の説得も十分に、機会のある限り行なってまいらなければいけない、そういうふうに考えております。  今後できるだけ自由競争の動向を取り入れる。こういう方針を推進してまいる。そうして、全体としては経済の安定化、安定的な環境というものに刺激を与えないように行なってまいる。そして逐次全体としての経済が沈静化し、賃金の上昇も正常化してくる——多少のタイムラグはありますけれども、そうした方向でもって運営をしてまいる、こういうことがやはり基本になるであろうと  いうふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 いま、げたを二・七と予想したとおっしゃったわけですが、私どもにあなたのほうの説明があったときは、当初三・二だったわけですよ。これはちゃんと議事録に載っておる。三・二です。それを四%になったということでもって物価上昇の六とか七とかいう数字の根拠にされることについては、私は異議があります。異議がありますが、それはそれとして、いま長官がおっしゃったことについて、私は反論をしなければならぬと思うのです。  ということは、物価対策閣僚懇談会ですかあるいは物価対策閣僚協議会、こういうものが開かれておる日時等を調べてみますと、高い消費者物価指数が総理府統計局から発表されて、それが世論に非常に大きな影響を与えて、たいへんだ、たいへんだということが出るとすぐその会議を開いて、何か項目を羅列的に並べてこういう対策をしなければいかぬ、いままでの経過をずっと調べると、こういうふうになっておるのです。たとえば昨日あなたのほうは、新聞でも拝見したわけですが、物価対策閣僚懇談会を開かれております。その内容も、きょう見ますと羅列的に書いてある。ところが、去る六月九日にあなたのほうは物価対策閣僚協議会を開いて、「当面の物価対策について」という二十五の項目を、当面実施しなければならぬというのでおきめになっておられるはずです。これをずっと読んでみますと、きのうおっしゃっておることとあまり違わないのですよ。もちろん項目的には二十五のほうが多いのですけれども、ほとんどこれは同じですよ。ということは、六月九日に、当面こういうことをやらなければならぬ、物価が上がるのだから何とかしなければいかぬということをきめておきながら、今日まで何もしていないということです。この中に書いてあるバナナとかのりとか肉とか、そういうことについて一体何の手を打ったのか、何もしてない。そしてまた、物価が八・五%も東京で上がった。これではとても六%にもおさまらぬ、七%になりそうだ、世論もきびしい、何とかしなければいかぬというので、またきのうのように懇談会を開いて、羅列的にずらずらっと項目をあげて一体何をしようとしておるのか。そのうちの一つでも二つでも端的に実行したらどうだ、こういう世論が出てくるのは当然だと私は思うのです。そして政府がほんとうに真剣に取り組んでおるという事実を国民の前に見せつけなければ、幾らあなたのほうで項目を並べられて、こうでございます、こうしたいといったって、日にちはどんどんたっていくのです。店頭のキャベツとかなんとかの値段というものは、お調べになったらわかるとおりですよ。農林大臣がきのう言っておったことを聞きまして、何とゆうちょうなことを言っておるのだろうと思って私聞いておりましたが、一体こういう点についてどうお考えでしょうか。  時間がないので、あと一括して私長官に聞きたいのですが、この委員会で、与党の委員からこういう発言がありましたね。お聞きになったと思う。少なくとも半年くらいたって、そして物価の上昇についていろいろな数字がでこぼこ出てきた、そういうときには国民に卒直にその実態を表明して、そして国民との対話を広めたらどうだというような発言が、与党の議員からあったんですよ。もう半年たって、四・八なんというのはだれが見たって全く架空な数字であって、現実離れの数字だということはもう一目りょう然ですね。そういうときに、いまだに四・八%あるいは四%台というようなことに固執しないで、率直に現実を見詰めて、いまの状況ならばかくかくだ、こういう目標になるが、これについては何とか縮めたい、それにはかくかくの対策を立てるのだ一これから横ばいでいくならば七%こえると私は思うのです。こういう数字になる。それならば率直に、いま半年たったのですから、もう経済の見通しを誤ったのだから、この辺で数字の目標を改訂しなければいかぬ、率直にお認めになったらどうだろうと私は思うのですが、どうでしょう。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 前段の、前回の閣僚協議会との関係でありますけれども、御指摘のように、あのときに問題を提起したものが入っております。率直に言って経済企画庁としては、あのときの閣僚協議会の決定事項が十分に実行されてないという感じのものは、何回でもその問題を提起して、そして各省に注意を喚起し、各省と一緒になってそれの実行を考える、これが私は必要なことであろうと思います。よく作文行政といわれまして、その決定はしたけれども、なかなかその実行が進まない、こういうことはよくありがちなことでありますが、特に物価のような問題についてはそういうことでは困るのでありますから、何回でも私は注意を喚起する。そういう意味で、従来の項目の中で同じようなものが出ているものがあることは確かであります。しかし、それはやはり、取り上げるときには取り上げるだけの進捗があるというふうに私は考えております。  それから、たとえば前回の閣僚協議会で、輸入のワクを国内の消費の二%ということにしまして、これは一応各省で割り当てを実行しております。これは企画庁も各省に念を押して、その実行ぶりを見たのです。ところが、やはり二%では足りないではないか。ものによっては、これは需要供給の関係から二%を、もっとさらに輸入のワクを拡大をしなければならない。そうしないと、やはり物価引き下げの圧力として十分でないというようなことも感ぜられてきました。先日は特にその点を話し合いまして、二%以上——ものによってこれは一率でなくてもいいのですが、品目をひとつ至急に相談をしまして、そしてこれを五%とか六%とか、もっと輸入ワクの拡大をする。いわゆる輸入の積極的な活用ということを実際的に進める、こういうような話し合いもしたわけです。  ですから、従来のものの確認もしくはそれをさらに進捗させるという意味と、それからまた新しいそうした角度から再度問題を取り上げる、そういうようなことは、私は逐次やってまいりたい。ただ、一ぺん決定してしまえば、もうその後企画庁の立場としてはほっといていいという気持ちはございません。そういう意味で、多少重複感をあるいはお与えするようなことがあったかもしれませんが、そういう意味でありますから、その点はひとつ十分御了承願いたいと思うのであります。  そこで、後段の問題でございます。われわれとしては、先ほどいわゆるげたの問題が議論に出ましたけれども、今後できれば、もちろん目標に向かって実現をはからなければいかぬのですが、率直に申し上げまして四・八%という目標が実現できないということは、実は前回にも私はむずかしいということを表明いたしておりますし、また、この物価の目標数字ぐらいむずかしいというか矛盾した数字はないと私は思うのです。一方において、政府が掲げた数字というものは、やはりそれを基礎にしていろいろと議論されます。でありますから、たとえば相当高い数字をあげれば、それによって、いろいろと各種の民間における行動の一つの指針として扱われがちであります。こういうことは、われわれとしてもよほど注意をいたさなければなりません。勢い政策目標的な要素が濃くなってまいっております。いろいろと経済の見通しというものの数字が出ておりますが、その中でも特に物価は、そういう意味の努力目標、政策目標的な性格がどうしても強いのであります。そういうことで、実態が違ってまいるということがある程度ありがちでありますけれども、それをしからはいつ改訂するかというようなことは、これは全体の改訂との関連において私は考えてまいる。大体十二月中にこれの改訂を、もちろんいま実際の作業の必要からも迫られております。われわれもこれをどういうふうに改訂するか、いま作業しておるのでありますが、十二月中には、これはどうしても政府としても発表しなければなりません。その際にも、もちろん一面において物価が、最近のように気象条件その他も受けておりますから、率直に申し上げて、なかなかこれ一本だということのしぼりにくい要素もあることはあるのです。また同時に、いま言いましたように、政府として不必要に高い数字を掲げるということもまた避けなければなりません。そういうことで、改訂の際には、そうしたいろいろな要素を加味して改訂をしてまいりたい、こういうふうに考えております。  先ほども申し上げましたように、今後の野菜の値段等がどう動くかによっても違いますけれども、昨年のような異常なことはないであろうという前提からしますと、六%台が実現できることを私は強く希望いたしております。したがって、いわゆる政府の見通しという問題については、いま議論をするにはあまりにも、そういう意味においては、資料として基礎になる数字ではなくなっておるわけでありますから、新しい事態に即応して、できるだけひとつ政府としてもそれに応じた対策を講じてまいらなければならない、そういうふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは、申し合わせの時間が来ましたので私は終わりますが、いまの最後の説明は、私は実は初めてお聞きしました。努力目標だとか政策目標だとか、それから、あまり高い数字を不必要に出しても困る、これはちょっと問題でして、私どもとしては、この四・八をきめるときにいろいろ論議をしたわけです。そのときに、途中で改訂をしなければならぬのじゃないか、率直に国民に事実を表明すべきじゃないか、それに基づいて政府の政策を変えていくとかしなければならぬのじゃないかということを、何回かここでやり合っているのです。現実に、あなたはもう六%台ということをおっしゃった。これは四・八に比べてたいへんなことなんですよ。いままでのあなた方の答弁から比べるとたいへんなことで、これは論争しなければいけませんが、一応申し合わせの時間がございますから、私はこれで終わります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 長官に質問する時間が十五分だそうですから、簡潔に質問し、簡潔に答弁をお願いしたいと思うのです。  いま、最後の武部委員の質問に対してお答えになりました、四・八%は政策目標だ——私も四・八%というのは確かに政策目標だと思うのです。しかし、政策目標というのは、やはり四・八%に努力をする政策があって初めて政策目標ということが言えると思うのですね。長官の話を聞いておると、六%台に押えたいとか、あるいはそれが実現できるかどうかわからないというようなことでありますが、政策目標ではなくて、願望、希望目標というように聞こえるのですが、そういう意味のことをいま答弁なさったのですか。その点どうでしょう。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 ごもっともだと思うのですが、何しろ物価につきましては、毎月政府が、多少おくれてはおりますけれども、具体的に指数を発表しています。ですから、これは逃げも隠れもできない事実なんでありまして、先ほどから議論がございましたけれども、別に政府はそれについて、特に事態を国民の前におおうというような気持ちはさらさら持っておりません。客観的な数字がこれを物語っております。でありますから、率直に言って、いまさらこの数字がどうであるというようなことを言わなくても、広く一般に知れ渡っていることであります。  しかし、それはそれといたしまして、いまの四・八という数字は一もちろん四・八という数字を具体的に掲げるときには、経済企画庁でずいぶん議論いたしました。率直に言って、当時においては相当、たとえば五%ぐらいという議論もあったり、それから、いや四・五にすべきだという議論もあり、いろいろありまして、それで四・八にしたのですが、その際も、実は五%をちょっとこえるくらいのところの数字がいいという議論が相当強かった。ところが、そんな議論は吹っ飛んでしまいまして、その数字をやった直後から猛烈な野菜の上がりであります。そのために、四月一日にはもう四・〇になってしまったわけです。ですから、さっきから議論がありますように、げたが非常に高くなってしまった。そういう、私に言わせましてもちょっと異常事態だと思うのでありますが、いまから振り返ってみますと、あなたに願望目標でないか、こう言われましてもしようがないような離れぐあいに、実際問題としてなってしまいました。しかし、その時点に立ってやるときには、やはりできるだけその時点として一番見通しとしても妥当だ、そういうものを頭に置きながら、しかしながら、そのいろいろな議論のあるものの中であまり高いものをとるということは、やはりいろいろな影響からしても無理であるというようなところの一定の幅の中で、いわゆる政策目標という観点も頭に入れながら採択していくというのが実際なんです。ですから、いまから振り返ると、あなたのような御批評を受けても私は何とも申し上げるあれはありませんけれども、実際の作業はそういうことでやっておりますから、その時点に立っての現実の見通しからうんと離れた、空想的なことを考えているというふうなことだと誤解を招くものですから、その点だけは、決してそういうことでないことだけは申し上げておきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 物価担当大臣としてはたいへん耳の痛いことを申し上げるかもしれませんけれども、国民はもう物価に対しては、政府を信用しとらぬと思うのです。カラーテレビの不買運動あるいはビールの問題、どの一つを取り上げてみても、もう政府はたよりにならない。だからこそ、消費者団体を中心としたそういった運動がだんだん高まってきたと思うのですね。これは政府に対する、物価に対する一つの国民の不信感だと私は思うのです。これにこたえる方法を具体的にとってもらわねばならぬと思うのです。  一つの例を申し上げますと、ビールの問題ですね。結局、行政指導するといっても、結果的には業者主導で上がってしまうわけですね。麒麟麦酒がシェアの大半を占めておるから、しかも黒字をあげておるから、麒麟麦酒はひとつ値上げをとどまってもらいたい、こういう要望を出したけれども、麒麟麦酒も値上げに踏み切ってしまった。こういうものに対して、政府はこれから一体どういう行政指導をするのか。前の委員会でもだんだんと議論されておりますように、日本の業界は寡占化されて管理価格が横行してくる、そういった場合に、行政指導でどうやって値上がりというものを押えようとするのか。そういう点について佐藤長官はどういうふうに考えておられますか。こういうものについて、これからどういうふうに指導しようと思っておられるか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 実はビールの問題につきましては、われわれも非常にけしからぬことであるというので、国税庁といろいろ話し合いをしてきています。そこで、一つは長い間国税庁の保護のもとにあったものですから、世間一般も、今日においてもやはりまだ保護されている状況が継続されている、こういうふうな誤解もある。これはその誤解をまず解いておかなければいかぬ。これは完全な自由価格なんだということを、一般によほど趣旨を徹底さす必要があるわけです。誤解があって、何となく、これは役所できめた長い間のそういう保護的なものだからしょうがないというような感じを持たないように、そういうような点を国税庁にも話しまして、国税庁としてもそれをもっと完全な、ほかのものと少しも変わらないのだというようなことをまず徹底させなければいかぬ。これも案外大事なことである、やはり消費者が持つ心がまえとしても大事であるということで、そういう話をしましたが、しかし、何よりも実態が長い間の保護になれていまして、率直に言って、そのために今日の流通機構その他も、いわば法律の統制時代につくり上げられたそうした姿がまだ残っているわけです。そうした一つの流通の形態がもうでき上がっています。今度は、御存じのようにビールの値上げの七割が流通マージンのほうに食われるということになっているわけです。ですから、一方にメーカーの問題が大事であると同時に、流通の問題も非常に重要なのです。最近においてはどこでも流通経費が上がっている。それがみんな人件費が上がり、そして流通段階では、なかなか生産性の上昇でこれを吸収し切れないという理由で、みな流通マージンの引き上げを価格にかぶせていく。これがビールだけでなく、各分野に非常に多いわけであります。そういう際でありますので、統制時代に築き上げられたところのこの流通体系、それが自由化された後もそのままずっと継続されているわけですから、そうしたものを実態的にもっと自由化を進めるようにひとつやっていってほしい。国税庁がやはりある意味で指導してつくった今日の流通体系でありますから、それをぶちこわしてほしい、こういうことを国税庁にも強く要望いたしまして、国税庁長官も、従来の、このままの流通形態ではいけない、これをできるだけ自由化する方向へ持っていくについては、ひとつ早急にこれについて検討さしてほしい、こう言っておるのです。私も非常に歯がゆいと思っているのですけれども、長い間の伝統、歴史によって築き上げられたものですから、それなら早急にひとつそれを検討してほしい、今日つくり上げたものをもうとざっくばらんに解きほぐしてほしい、こういうことを話しているわけです。  この系統の問題には、したがってメーカーの問題と流通の問題と両方あります。メーカーのほうの問題は、しばしば指摘されているように、いわゆる違法カルテルというか、違法な話し合いが行なわれているのではないかという問題があります。この問題については、公正取引委員会にもこれをぜひ厳重に調査をしてもらいたい、両方の問題について検討を要請しておる、こういう状況です。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私はビールの問題をなぜ取り上げたかといいますと、いまの政府のやっておることは、行政指導はしました、したけれども結果的に上がった、上がったからその内容を改善するために検討いたします、——それじゃその検討が出てきたかというと、一つも出てきておらないのですよ。その例は私は野菜だと思うのですよ。確かに季節ものの値上がりが非常に高い。生鮮食料品が上がっておることは事実なんです。それに対して、政府が一体どういう手をいままで打ってきたのか。農林省が一体どういうふうにしたのか。閣僚懇談会がどういう指示をしたのか。確かに文章にはなっておるけれども、何にもされておらないでしょう。生産調整に対する転作の、そういった蔬菜類の指導ということを農林省がしたという話も聞いておらないですね。話を聞いたのは、農家に対して、高冷地野菜がたくさんでき過ぎたから産地で廃棄処分してしまえということだけは出ましたね。生産地で廃棄処分してしまう。ところが、実際に消費者である国民に対して、野菜が値上がりしたのに対して、どういう政策を具体的にして野菜を安く供給するのかという、具体的なものは何にもないでしょう。長官、農林省がそういう政策をやったと思われますか。こういうことをやったけれどもなおかつ高いのだというふうに言われるならば、政策的なものがあったと言えるのですよ。何にもしないで、ただ上がりました、やむを得ません、しかし今後は改めます、こういうやり方が、私は国民に対して物価に対する不信感を大きく植えつけたと思うのですよ。  佐藤長官、どうでしょう。もうこの際、消費者運動を政府が指導したらどうですか。政府が物価対策に何にもできないなら、いま広がっておる市民運動、消費者運動を政府がどんどん育成するのですよ。そのことによって、国民の力で物価を安定させようという以外に、もう方法はないのじゃないですか、極論すると。この野菜の例を、それでは具体的にどういうふうにしてなおかつ高いのか、あったら言ってください。何にもないでしょう。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 私も松浦さんのおっしゃることはわかるのですよ。何にもしていないというと農林省に言い過ぎになるのですが、努力しておるのでしょうが、率直に言って私はまだ足りない、十分でないというところだろうと思うのです。そして、なかなか急場に間に合わないというのは、私にとっても非常に歯がゆいのでありますが、たとえば産地指定制度の問題にしても、それから安定出荷の問題にしても、もうずいぶんいろいろと長い間言われているわけです。もっとも農林省側の言い分を言わせると、今度はしていたからこの程度で済んだのだということをあるいは言うかもしれません。しかし、確かに今日の農村というものは、急激な大都市化の大きな現象の中で、非常に被害者の立場でもある。非常に影響を受けております。ですから、一方においてこの物価問題にせよ何にせよ、積極的にそれを解決しようとする努力があると同時に、その努力を打ち砕いてしまうような現象があとからあとから起こっているということも事実であります。でありますから、なかなか成果が表に出ない点の歯がゆさを感ずるのでありますが、しかし、特に野菜なんかは御存じの近郊野菜というようなものが中心になってきております。そこで、農林省はいつも気象条件の話をするのですけれども、気象条件だけではないのじゃないか。とにかく土地が値上がりをするということになれば、安い野菜をつくるのがばからしくなる。それからまた、御存じのように全体として、日本の農民の所得の中の農外所得の比重がますますふえてきております。結局、手間賃かせぎのために農業以外のほうにいってしまうということも多い。そうなると労働力も減少してくるはずである。いろいろな原因が錯綜してきておるに違いない。もう少しほんとうの意味の原因の究明をすべきで、いつも、干ばつがあったからとか長雨があったからという理由では、国民は納得しない。そういうようなことでいろいろと話をしておるのであります。いろいろとそういう意味でむずかしい点は私もわかるのでありますけれども、それにしても、それならそれでもっと対策の進め方があるという感じを持ちます。  たとえば、従来は御存じのように、野菜についていえば一年が大体でき過ぎると、今度は次の年には、作付がうんと減って足らなくなる。そのかわりまた次の年にはできる。それを二年サイクルと称しておる。ある年高く、ある年安くなる。ところが、安いほうは一般に、社会的にはあまり認識されない。高いときだけ、事実やむを得ない話だけれども、問題になる。これを繰り返してきておる。そこで、そういうサイクルをできるだけ安定化していこう、こういう政策をとってきておる。農林省のほうは、農民の立場があるものですから、豊作になって下落したほうに注意が向いている。それだけではいけないということでいろいろと話し合いを進めて、どうしたら安定化するかというふうな話をしているやさきに四十年来の干ばつである。こういうようなこともいろいろあったわけであります。  そこで畑地かんがいのような問題も、とにかく天の恵みのつゆだけにすべてのものを期待するというようなことはあまりにひどいじゃないかということで、畑地かんがいの問題一つ取り上げてみる。そうすると、農民だけのことを考える立場からいえば、干ばつになっても、数量が減るかわりに値段が上がるから、所得そのものに変わりがないという感じが率直に言って強いのです。だから、かんがいのための施設をすることはよけいな投資になるわけであります。いや、そうじゃない。食糧の供給とか消費者の立場からすれば今度は問題が違ってくるので、かんがいがあるかどうかによってうんと違ってくる。だから、このところは農民の立場だけでなく、食糧供給者の意識を強めて消費者の立場から考える。そうなれば、なるほど干害は起こらないかもしれない。だから、干ばつがない年にはむだになるかもしれぬけれども、干ばつの用意のために、かんがいのための投資を当然行なうべきである。その投資により少しコストがふえた程度のものは、今日においては問題にならない。であるから、畑地かんがいをもっと積極的にやれ。いま言ったように、畑地かんがい一つをとってみても、なかなか考え方が進まない点がある。であるから、きのうなども農林大臣も、一面において畑地かんがいを非常にやって、その効果があがったといって喜んでおる地域もあるけれども、一部の地域には依然として、畑地かんがいは必要ないといって拒否している地域があるというような説明をしておりましたが、そういう抵抗はあるけれども、これを全面的にやる。そして、干ばつだというようなことを二年も続けて言いわけにするというような事態はないようにしてほしい、こういうのが実情です。  でありますから、あなたのおっしゃるように、何もしていないという感じはある意味においては無理のないところがあるのですが、われわれとしても一そう何回もこれを強調し、ある意味においては同じことを言っていると言われるかもしれません。そして、作文よりも実行だということで、できるだけこれを進めていく。今度の野菜のように供給が少ないと、取引方法を少しいじくっても根本の供給が少ないのですから、これではもう話にならぬ。まず何よりも生産をふやす。そして同時に取引方法の改善についても、これは率直に言うと、長い間の伝統ででき上がった市場の取引方法の改善に手を染めるにはいろいろ問題があります。が、これは農林省も覚悟して、そしてやろう、こう言っております。どうも私もそういう点の歯がゆさを感ずるのですが、できるだけこれをひとつ積極的に考えて、短期間に推し進めるように今後もやっていかなければならない。  まあ、早い話が、こういうふうになったのは日本の農業の主食偏重というか米穀偏重主義というか、あまりにも過度に米穀中心であった農業政策、戦後における二十年以上にわたるこの農業政策の総決算が今日出ているんだ。そして副食である野菜なんというものは、たんぼのわきにちょっと片手間につくればそれで済んでいた時代がある。そういうようなことがやはり今日影響しておるので、こうした基本的な問題を解決していくのには多少の時間が要るかもしれません。率直に言うと、世界じゆうでもって家庭蔬菜の面積がますます減っておる。だんだん蔬菜をつくるような連中が減ってきておる。これは世界的な傾向のようですが、そういう都市化の現象が進んでいる際でありますから、困難もあることはわかるのですけれども、できるだけひとついま申し上げたような方向へ農林省にもやってもらうというつもりでおります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もう限られた時間が来たようです。私の質問よりも大臣の答弁のほうが長かったのですけれども、実はカラーテレビの問題一つをとってみましても、確かに通産省と電子機械工業会といろいろと話をして、新品種から一〇%実勢価格に近づけるように努力をいたします、旧型についても定価を廃止して実勢価格に近づけるようにいたします、こう言っておられるのですけれども、なぜ国民がそれを信用しないかというと、蔵出し価格というものがはっきりしないからなんです。一体蔵出し価格が幾らでこのカラーテレビが流通機構に乗ろうとしておるのか、その点がびしつと明らかになっておらないから、非常に不信感を持ちます。逆に言うと、その下げた分だけが小売り店にしわ寄せされておるかもしれぬ。メーカー側は蔵出し価格はそのままで価格を下げずに、一番弱い小売り店に対してそのしわ寄せをさせてしまうというようなことが起こる可能性もあるわけですね。そういった点から考えていくなら、いまの政府がやろうとしておる価格政策といいますか物価政策という問題を、私はもっと消費者の立場に立って、消費者を中心に物価の問題を考えてもらいたいと思うのです。これもぜひ長官にお願いをしておきたいのです。  せっかく留任もされたことだし、物価問題担当大臣でありますから、今度は、この野菜なら野菜を、来年度はこういうことにならないようにこういうふうにいたします、こういうふうな具体的な方法をやります、そして来年度はこうしますという具体的な内容というものをぜひ出してもらいたいと思うのです。先ほど言ったように、ビールなんかの古い慣習なり流通機構のあり方、保護してきたそういったものについても、あなたは改めると、こう言われましたね。野菜の流通機構も改めると言われましたね。これを農林省に対して調査研究させておる、方法を検討させておると言われるけれども、そういった検討が、それでは具体的にいつ出てくるのか。それがまた二年先、三年先になったら同じことなんですね。だから、私は即決、即断で物価担当大臣が——直接各省の大臣と話し合ってやるということを前委員会で意欲的に示されたのですから、ぜひ今度は意欲的な物価安定の政策を、個々の問題について具体的に出していただきたいということを希望して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 時間があまりないようですから、一般論のほうははしょりまして、ただいまも話題に出ておりましたビールの話について少しお伺いします。  朝日麦酒を皮切りにいたしましてビールが値上がりして、国民はたいへん動揺しているわけです。公正取引委員会あるいは企画庁、国税庁がなぜこれを阻止しないのか、そういうように非常に不満に思っております。先ほど佐藤長官は三点あげたのですけれども、消費者意識を回復しなければいけない、国税庁の習慣を改めなければいけない、公取がもっときびしくする、そういうふうなお話ですけれども、第一番に、事業成績がふるわない一社が大幅に値上げを宣言する。これは、他の三社が必ず追従するはずだという見通しがなければ、あるいは四社の事前協定がなければ成立しない話だということは、だれの目から見ても当然である。これについて、四社のやみカルテルのことについて追及しないのは一体どういうわけなんだと、これは国民側としても非常に疑惑を持ち、不満を持っておると思うのです。  私は、これは業者側からの資料でございますけれども、これをざっと見ただけでも、明らかな独禁法違反の疑いの項目が数々ある。そういったことに対して一体何をしておるのか。あるいは四社の業務課長の定例会、これは各社持ち回りでもって行なわれている。この内容は小売り店対策とか裏リベートの問題とか、こういったようなことで相談しておるようですが、これは国税庁のほうでも知っていらっしゃることだと思うのですよ。それをそのままに、何か物的証拠があるとかないとかいうことでもってぐずぐずしておるということは、非常にけしからぬと私は思う。  それで、時間がありませんからこまかいことはあと回しにしまして、大体メーカーが再販指定品目以外の小売り価格を指定したり公表したりするということは、これは独禁法に定義する不公正な取引方法に該当するんだ。独禁法のあれは骨だと思うんですがね。それで、十一月九日にビールのメーカーが、小売り価格を七・七%引き上げた、国税庁に報告した、こういったこと自体がすでに問題があるんじゃないか。麒麟麦酒なんかはそういった末端価格までは言わなかったようですね、言わなくても同じことだから。末端価格まで言わしておくということ、これをどうして黙っておるのか。  それから、これは希望価格であるとか価格の指定とはちょっと違うんだとかいう話があるそうです。だけれども、現実問題といたしましては、大メーカーが主管官庁に報告して、それが新聞に広く報道をされれば、これは非常に強い規制を持ってしまう。これは現実問題だと思うんですね。それも何か法律上あるいは法令上のこまかい末端的な問題でもってぐずぐずしておる。さっきも佐藤長官が指摘なさったように、国民はビールの値上げと申しますと、国鉄や私鉄の値上げと同じような感覚でもって受け取ってしまっているわけですね。この際しっかりと確認しておきたいことは、ビールは自由価格である、これは当然なんですけれども、もう一ぺん確認しておきたいと思います。ですから、消費者が値切ることも自由である、それから小売り店が安売りをすることも自由である、このことをあらためてまた確認しておきたいのですけれども、経済企画庁、公取、国税庁のお三方からひとつ確認しておいていただきたい。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 全くおっしゃるとおりであります。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 結論だけ申し上げれば、自由価格であり、値切ることも当然であれば、安売りするところがあってもよろしい。ただし安売りの問題は、いわゆる不当廉売とか、そういう逆の意味での不公正取引にならないこと、これはまた、ある意味では必要でございます。

藤原重信国税庁間税部酒税課長

○藤原説明員 自由価格であることはおっしゃるとおりでございます。それから、価格が値切られるといいますか、それぞれの段階で取引できまるということは、自由価格であるということから当然だと思っております。  ただ、御承知のように酒税を含んでおります財政物資でございますので、私どもといたしましては、いま公正委員長おっしゃいましたように、ダンピングされまして、非常に酒税の保全に差しつかえるというようなかっこうで取引されるということは、税の保全上問題がある、このように考えます。

有島重武公明党

○有島委員 安く買うのも安く売るのも自由である、ただしダンピングないしは逆に不公正なことが起こってはいけないということは事実でございますけれども、これは具体例ですが、ある小売り店でもって薄利多売を志して、当店では百三十円でもってビールを売ります、こう看板を出したとします。これはいいのですね。よろしいわけだ。ところが、実際にはおそらく国税庁が圧力をかけてくるんじゃないかというおそれがあるわけです。これはそういうことはないはずなんですね。ありませんね。——それから、メーカーから出荷停止を食らう場合があるんじゃないかというおそれがある。あるいは、組合側からいろいろと有形無形のいやがらせのようなことが起こるんじゃないかという疑いもあるわけなんです。それで、これは公取さんに伺っておきますけれども、もしこうした一つのモテル店のようなものが——私は二、三そういったことを、実際に小売り店の方々から聞いているわけなんですが、これは看板を出したとします。そのときに、これに対してメーカーから出荷停止のようなことがあった場合には、公取はその小売り店を助けますか。あるいは組合から文句が出た場合に、公取としてはそれは助けてくれますか。そのことを伺いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 助けるというようなことばがあれでございますが、たとえばそういうビールの値段を、お互いの組合の考えているような値段以下で売るような者がいたら、組合として村八分にするぞとかいうような話、あるいはメーカーのほうから、おまえのところにはもう扱わせないというふうなこと、これは具体的な例がどの程度にどうということはございましょうけれども、一般的に申し上げれば、不公正な取引に該当するおそれがございますと思いますし、そういう時点があるとすれば、私どもとしては事案として取り上げて、そういう不公正な状況を排除するという措置をとる必要があることになると思います。

有島重武公明党

○有島委員 最後の、思いますというのはちょっと弱い感じがするので、いたしますと言っていただきたいと思います。  それから、自由販売ということでございますけれども、これは価格の自由、買う自由ございますけれども、販売する自由というものは大切だと思うのですよ。それで佐藤経済企画庁長官が、先日免許制の撤廃ということを口にせられたと思うのでございますけれども、これは私は非常に賛成だと思うのです。ただし、免許制が弊害となっていると思われます距離制限であるとか、新規参入ができないというような問題、そうしたことの基準は一体何を根拠として行なわれていたのか。これは法律でなっているのだとしたら、私ども非常に考えなければならないし、これは国会でもってあらためて法改正しなければならない問題でございますけれども、そうした実際に免許制の上でもって弊害となっている点が、法律なのか省令なのか、あるいはそれ以下のものであるのか。私の知っているところでは、これは国税庁長官の通達によっているのではないか。法律を見ますと、距離やなんかについては何ら制限がないわけでございます。法律規制は、ほんとうにひどい、精神異常者のようなのはいけないというだけの話です。ですから、先ほども企画庁長官から、三項目にわたって消費者の味方になってくださるというお話がございました。そういった立場からいけば、長官通達を改めることは、閣僚会議のときにでもできるわけです。これはどうしてぐずぐずしているのか非常にわからないのですけれども、これをすみやかにやってもらいたい。やってくださるという御意思があるかどうか、伺っておきたい。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 これは法律によることでも何でもないのでありまして、免許制の廃止ということは私どもも言っておりませんが、大幅に緩和するように、こういう申し入れをしているわけです。そこで、これが実効がどういうふうにあがるかという点が問題でありまして、そういう点については、もうすでに基本方針は、大蔵省と企画庁との話し合いが進んでいるわけでございます。つまり、閣僚協議会でその方向においてやろうということになっておりますから、その実行をわれわれのほうは見守っているところです。ですから、その事態に応じて、きのう農林大臣とやりましたように、また各省大臣とそういう話し合いの場を持とうと思います。そういう際に問題として指摘もし、取り上げる。そして実行を要望する、こういうことになろうと思います。いま大蔵省としては、それについてできるだけ誠意をもってやる、こういうところになっているわけであります。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、いまの問題は、大蔵省にかなり主導権がある問題である、そういうことでございますね。そうすると、これは新規参入の店ができるということを、国民は期待してもよろしいわけですね。とは思っておりましたが、というようなことにならないようにしてもらいたい。これは何もビール、酒の問題だけではなしに、ほかの経済問題の一つの典型であろうと思うから、私は申し上げるわけです。  その次に、公正取引委員会のほうに伺いたいのですけれども、「東京麦酒卸売酒販組合正常取引強化具体策としてビールの銘柄別にリベートランクを決め、裏リベート廃止を申合わせ」た、こういうような業界記録があります。これについて公取は調査、追及をなさるかどうか、伺いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 具体的なお話でございますが、ただいまのそのことについて私はつまびらかにいたしておりませんが、いつごろのお話でございましょうか。

有島重武公明党

○有島委員 これによりますと、昭和四十一年の一月ということになっております。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 時点からいたしますると、私の記憶している限り、国税庁がすでにいわゆる基準価格というふうなことをやめまして、自由価格になった時点であると思いますが、さような時点において、たとえばメーカーと卸、あるいは卸と小売り、そういった間で一体どのくらいのリベートなりあるいはマージンなり、あるいはいろいろなお互いの売り買いの条件をきめるというふうなことについての要望とか、あるいは折衝とかいうふうなことが、ある程度、相互の希望というような形で、あるいはあったかもしれないと思います。ただし、もしそれの御指摘の点が、小売りなら小売りは全部一緒になってこういう線でもってやろう、その線を乱してはいかぬぞというふうな意味での決定かつ拘束したものであるとすれば、過去のことではございますし、現在そういうことがあるかどうか存じませんが、過去において、もしかりにそういう拘束力を持った、組合なり業界としての共同の、何と申しますか、取りきめみたいなものがあったとしたならば、それは独禁法上私は問題になるかもしれないと思います。これは具体的にもう少し伺わないとわかりません。一般的にそういうふうに申し上げられると思います。

有島重武公明党

○有島委員 マージン、リベートの問題でございますけれども、これは銘柄別に、あるいは商品別に、もう非常に詳しくきまっているということはほとんど常識になっております。これについての話し合いがなかったということを言うのは、これは強弁であると思うの下すね。しかし、その証拠があまりなかったからじゃないかと思うのです。私は先ほども資料を見ておりましたらば、明らかにここでもって「申し合わせ」と書いてあるのですね。これでもってまだ公正取引委員会がお動きにならないとすると、これは、公取さんのほうもおかしいんじゃないかと国民から思われると思います。  それから、ビール全体の価格ではございませんけれども、部分的の、びんの問題でございますけれども、四十年の二月に、当時は三社しかなかったが、「三社水物容びん価格下げ 一〇円から七円に」こういった記録もございます。これもぜひ公取さんがお動きになる問題じゃないかと私は思います。  与えられた時間が来てしまいましたので、あと問題はございますけれども、リベートの問題なんかは、あとでもってもう少し詰めてまいりたいと思います。  以上で終わります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 長官に最初にお伺いしたいのでありますが、せんだっての物価関係の閣僚協議会で、総理が、もっと寡占価格の問題を注意しろという話があったようですけれども、これは、簡単に言ってどういう話でございますか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 それは新聞でお読みになったのですか。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 ええ。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 はっきりそういうふうな形で総理が言われたのではないのですが——したがって、ちょっとその点、お答えできないのですけれども……。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 最近の物価の問題の非常に重要な、ますます重要になっている問題は寡占価格の問題だと思うのですけれども、寡占価、格という問題は、単に数社が支配的な一つのシェアを持つということだけではなくして、それを持った会社が卸、小売りと、ずっとこう直営的な影響力を確立をしていくということで、つまり寡占体制というものは確立するわけだと思うのです。したがって、寡占価格の問題を検討する場合には、先ほどからいろいろ問題になっておりますように、小売り段階に対して巨大なメーカーがどういうふうな影響力を持っておるのか、それをどういうふうにして強化しておるのか、この問題に目を一そう強く光らさないと寡占対策というものは行なわれない、こういうふうに思うわけなんです。  そういうふうな意味でひとつ御質問を申し上げたいのですけれども、最初に公取委員長に、いろいろありますけれども、牛乳のメーカーの問題です。牛乳の、これも五大メーカー、その中でも三つくらいの大きいのが支配的な地位を持っているわけですけれども、これと牛乳の小売り店との関係の問題ですね、これは非常に特殊なように思うのです。また、見方によれば一番強い拘束力を持っているような感じもするわけです。たとえば売買契約をして、そしてそこで、自分と契約した自分の商品以外のものを売っちゃいけないということをかなり強調している契約がある。これを保証するために、牛乳店の家屋敷を抵当にさせて抵当権の設定をしておる契約があるのですけれども、こういう契約のしかたをどういうふうに思いますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 何と申しますか、経済行為と申しますか、それぞれの経済主体がそれぞれの自由な立場に立ってお互いに取りきめるというのが、メーカーの営業自由と申しますか原則であろうかと思うのです。そういう中でいわゆる不公正な取引方法というものはとってはならないということとして、幾つかの例があがっておりますけれども、たとえばあるメーカーが、自分の債権を確保する手段として抵当権を設定するとか、あるいはその他担保をとるというふうなことは、一つの商業上の問題として許せるかもしれない。またもう一つの例でいえば、私のところのチェーンになってください、私のところの専売店になってください、また、そうなりましょうという話でいくのも、お互い同士の話し合いであれば、これも一つの行き方であるかもしれない。要は、どこにどういう拘束を加えて相手方のある程度の自由な営業上の立場というものを締めつけるかというところが、私どもの公正な取引という問題としてつかまえるところのいわば一つの線でございまして、これは具体的に個々の問題について当たらなければ、一つの抽象的な線でもって申し上げるのはちょっとむずかしいのではないかと思うのです。ただいまの御指摘のような問題も、私どもの念願にしております自由な競争と公正な競争、この自由と公正ということの接点がどういう点にあるかという問題として、一つの例としてお引きになったと思います。具体的にこの問題がどういうことを、私、いま一つの抽象的な問題として申し上げるのはちょっとむずかしいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは、特殊なある小売り店に対して、これはちょっと怪しいかち抵当権を設定するというのではないのですよ。この場合は二千軒余り、専業牛乳店の全部にわたって、いまのメーカーとの売買契約の際に抵当権を設定をしている。これをしないと取引をしないという形なんですね。しかも、それは家屋敷を抵当にしている。小売り店としては、結局金融をつける道が非常に狭まってくる。できない。したがって、金をメーカーから借りるというようになる。借りれば、それによって拘束をされる。つまり一世紀前の高利貸し式的な商法というのですか、そういう形が実際にはできてくるわけなんです。これは例外じゃない。一つや二つじゃないのですよ。ほとんど全部といっていいと思いますけれども、小売りの専業者とメーカーとの間にはきびしい売買契約がある。これに基づいて、つまり家屋敷を抵当に入れて、これはメーカーの許可なしには自由にできないというような項目も入れて抵当権を設定しているという形なんですね。これをどうお考えになりますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 具体的な一つの例として、もしそういうことが一たとえば自分の系列店なら系列店というものを把握し、かつ自分の意思を一方的にある程度強制するための手段であるというふうなことがあるとすれば、私は問題として調査しなければならぬ点もあるかと思います。かつてそういうお話を、私ちょっと耳にしたこともございます。事務当局のほうには、牛乳に限らず、一般的にいってそういう系列支配の問題についてのいろいろな問題点というものを検討するようにすでに命じてはございますけれども、いまのような具体的な一つの例としてはやっておりませんが、やはり私どもとして調査すべき問題の一つであるというふうに思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私ここに、本契約と売買契約と抵当権の設定の契約のひな形を持っているのですけれども、こういう問題は、いろいろことばの問題、あるいは契約の自由あるいは営業の自由というような問題ではなくて、事実上の寡占体制という問題に直接つながる問題だと思いますので、ひとつぜひとも御検討いただきたいと思います。  また、これによって——いま申し上げたとおり、小売り店にとっては家屋敷というのはただ一つの財産ですね、この財産を抵当に入れるということは、もう全部的に隷属するということになるわけですね。こういうことですから、こういう関係において、たとえば乳価の問題についてメーカーと小売り店とがいろいろ取り分について交渉する。農林省のほうは、交渉すればいいじゃないかという。これでは交渉にならないのです、立場が全く違うのですから。農林省の方、見えていますか。こういう問題はどういうようにお考えになりますか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 畜産局参事官の斎藤でございます。  いま先生のお話の点でございますが、前回以来畜産局長から申し上げていることの繰り返しになってたいへん恐縮なのでございますけれども、私どもといたしましては、乳価の業界の中におきますところの話し合いというのは、やはり業者の間の自由な世界で交渉していただいて、その結果自由な形での結論が出ていくということを中心に考えていきたい、ということは変わらないわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 寡占の問題に対して、これを合理的に物価安定のためにチェックするには二つの方法があると思うのです。メーカー自体に対しくコストの問題について何らかこういうような一つの制限を加える。これは公取ではできません。もう一つの問題は、いまの取引機構の上下の中で寡占体制は完成するわけですから、ここのところでやはり公取のほうで相当注意をしていただかないと、いろいろ名目上ありましても、実際上の寡占体制になってどうにもならなくなるという問題があると思うのですね。いまの問題は、つまり流通機構における寡占体制を完成させるのがこの契約なんですから。こういうふうな契約をしておる他の業界がございますでしょうか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 率直に申しまして、私どものほうの調査はまだそういうふうに行き届いておりませんと思いますが、去年あたりからたとえば管理価格問題の調査をいたしております際に、これはメーカーサイドだけの問題ではなくて、むしろメーカーによるいまの流通支配の問題、それからさらには、その末端における消費者のいわゆる製品差別化といわれている問題、そういったところまで全部通じて見ないとこの問題というものはできないのだというようなことでございまして、いま御指摘のようなものがほかの業界にあるかと言われれば、私はないとは思いません、あると思います。そしてこの問題は、さらに将来におけるわが国の流通問題、これは通産省や経済企画庁のほうの問題かと思いますけれども、この問題をどう考えていくか。過去の小売り店系列化というふうな体制がどういうふうにこれから、特に人手不足になってまいります際に変わってくるか、また変わらなければならないのかという問題を含みながら、実は過渡的にいまいろんな問題が起きている、そういうときではないかというふうに私は思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまこの委員会でも再販制度の問題が問題になっておるのですけれども、このような取引は、再販の問題よりは、本質的にもっと重要な問題を含んでおる。というのは、再販の場合は、いろんなメーカーの品物を売ってもいいような状態があるわけですね。この場合はそうではないのです。いろんなメーカーの、他のメーカーの物を売っちゃいけない。それを確保するために抵当権を設定するということなんですから、こういう問題をよくするためには、小売り店ができるだけたくさんのメーカーの品物を扱って自由な選択をさせるということによって、つまりメーカー間の競争というものをそういう線から復活させることができるということですね。そういうような問題も非常に重要な問題としてあるので、こういうような、小売り店が一つのメーカーの全く下請以上の直接の系列のような状態は、何とかしてこれを打破していかないといけない。そうしますと、消費者にしましても——牛乳の場合は他の商品と違いまして、他の商品はみな店に買いに行くのですけれども、牛乳の場合は、支配的な形は宅配です。お客さんの要求は雪印であり、森永であり、明治であるということであっても、縛られておりますと判断ができないということであって、消費者の自由選択もできないというような問題も出てくるわけであります。特にこれは国民の健康と関係のある問題ですから、そういうふうな自由な、というよりはどのメーカーの商品でも扱えるような、少なくとも事実上それをチェックするような制度がないような状態に持っていかなければならないと私は思うのです。事実、地域によってあるのです。たとえば大阪地域と東京では非常に違うのです。東京の場合は、メーカーの本部があるものだから、強いものだから、完全に系列化している。大阪は、そういう点がわりあい自由になっているという点がある。畜産局長、こういう点はどういうようにお考えになりますか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 いまの牛乳の関係につきましての御指摘でございますけれども、これは個々のメーカー、それから個々の販売業者と申しますかとの間のそれだけのつながりと申しますか接触だけでございまして、あるいは寡占体制と申しますか、そういうことで十分に小売りの意見が通らないというようなことがあるいはあるかもしれません。先生いまおっしゃいましたように、地域的な横のつながりでの団体という形ができてきておりまして、これとまたメーカー側と地域的なものでやるというふうな広がりをさらにもう一つ持ってやっていくということがございますので、これは、いま地域的にそれの力の強い弱いがあるじゃないかという御指摘でございますけれども、形といたしましては、そういうことで十分さらに力がついていきますればいけるのではないか、この形を進めていきたい、かように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それで、いまの大阪にありますような、できるだけどのメーカーの商品も扱えるような方向に農林省としては指導したい、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 そういうことではございませんで、いわゆる商業組合的に組合としてのまとまりの力をつけていきたいということで、どのメーカーの品物も一つのところがという形を特に積極的に進めていくということではないわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それはつまり、先ほど私がいろいろ理由を申し上げているのすけれども、行政指導のしかたとして、牛乳販売店がどのメーカーの品物も扱えるような状態を基本に指導していくということは、基本的には正しいんじゃないですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 先生のお考え方は、まことにそのこと自体に反論するあれはないのでございますけれども、現実の問題といたしまして、現在の時点におきまして、そのことを中心に置いて進めていくということはなかなか——これはもちろん先生十分御存じのような事態の中で、それを特に強力に今日の時点で取り上げて進めるということが中心であるというぐあいにここではっきり申し上げるのは、なかなかむずかしい点があるのではないかと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私はよくその事情は存じないのですけれども、つまり原則論として、いまのような牛乳、国民の生活と非常に関係の深い品物を、しかも家屋敷まで抵当にさせて自分の社にくぎづけするという形は異例であって一その必要がある業者もあるでしょう。これはちょっと怪しいなと思うときにそういうことをやることもあるでしょう。しかし一般的な問題として、できるだけ自由に品物を扱えるような体制をとるということ、これは間違ってはいませんでしょう、現在いろいろな事情があるないは別として。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 考え方といたしまして、そのこと自体は、先ほども申し上げましたように一つの考え方であろうかと思うわけでございますけれども、現時点におきまして、やはり牛乳の生産から消費全体にありますところの形と申しますか、各般から見まして、直ちにこれを中心に置いて、そこを強力に進めていくというぐあいにひとつ割り切ってしまうということが、かえって、また一つの面では解決になるかもしれませんけれども、また別の面におきましては混乱が生じるというようなこともございますので、そういうことを彼此勘案いたしまして、十分慎重に検討させていただきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 わからないじゃないですけれども、いまの牛乳の価格あるいは寡占価格という問題を考える場合に、行政指導の方針としてはやはりはっきりしたものを持つべき時期に来ているということですね。これは、どの業界よりも強い小売りに対する一つの締めつけという形が現にあるということですね。メーカーは保護しなければならぬ面もあるでしょうけれども、もっと一番保護しなければならぬのは、メーカーよりは、牛乳をつくる生産者ですね。畜産局としては、いま大きなメーカーがあまり力が強いので、そこにあまり関心をとられているのじゃないか。これはいま質問が済んだあとで、例の紙容器の問題についてもう一ぺんただしたいと思っておりますけれども、そういう問題をもっと農林省も、消費者の側、あるいは小売店の問題を、今後とも寡占という弊害ができないように行政指導をやるべきである。先だって申し上げたように、牛乳価格のときに、行政指導はちょっと問題があるからやめますといった場合に一こういうふうな、メーカーが三つかあるいはせいぜい五つで統一されておる、牛乳店が完全に系列化しているという場合に、自由な価格をやるために農林省の行政指導をやめますなんということは、意味をなさないですよ。そういうことは、私がこの前から申し上げたように、行政指導が間違っているのじゃなくて、行政指導のやり方が間違っているんだ。行政指導のやり方を変えていかなければならないということを、私は、西村さんのときも、その前の農林大臣のときも申し上げたのですけれども、そういう意味で、その問題について今後ともひとつよく御検討いただきたいと思うのです。  大臣、いまのような問題なのですけれどもね、つまり流通機構の問題についても、いま現にどんどん進んでいるのは、寡占的な体制が貫かれているわけですね。総合的な対策は必要ですけれども、この問題を流通機構の場で対処する場合に、いまの一線の小売り店の自由な販売——自由な販売というのは、メーカーとの間において独立の一つの機関としての販売を確保していかなければならないという方針は、間違っているでしょうか、どうですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 私も、いま初めてお話しのような事態を伺いまして、いろいろ考えさせられる問題を含んでおると思って伺っていたのですが、率直に言いまして、契約の自由ということで、今日その契約自身は有効でしょう。まあ個々の契約は有効なんですが、だんだんとそういう事態が積み重なってきて一種の縛りの現象が出てくる、これは社会的には大いに問題ですね。  しかし、その場合にいろいろな問題を考えさせられますね。たとえばメーカーが、売り上げ金の保証をしてもらうためにそういうものを抵当に入れるという場合に、たとえば保険制度というようなものを使うようなことはできないものかどうかとか、それからまた、これをいろいろと突き詰めていくと、ひっきょうするに、今日の自由主義経済という手法のもとにおいては、やはり小売り店が弱いんだ。だから、やはり同じあれでも、伝統とか商習慣等の差で、東京と大阪で違うようですね。この前、たしか和田さんだったと思いますが、弱電についても御指摘がございました。どうして大阪と東京でこう違うのか、大阪では、弱電の商店が松下も売るかわりに東芝も売ることができるのに、東京ではできないという御指摘でしたが、いろいろな風土的な差もあるのだろうと私は思うのですが、何かそこにやはり抵抗力の弱さというようなものを感じますね。  ですから、今後一体こういうふうに——これは実は私に言わせれば、販売だけの問題でなく、生産の各段階にも、いわゆる傍系会社とか系列会社とかいって、やはり支配、被支配の関係が今日あるわけですね。そうやって考えてみますと、やはり小売りを強くしなければならない。それには一体どうしたらいいか。古い形態の小売りで、家族労働者を中心にして利潤を追求しているという形がだんだん時勢に合わなくなっているのか、もっと協業化という方面に力を入れてメーカーに対する対抗力をつける、そして消費者の立場を代表する小売り店というものの意味を発揮できるようにするのか、あるいは、そこにくるとスーパーというものも取り入れて、そして販売店の力をつけるのか、さっきから私、あなたのお話を伺っておりまして、いろいろ考えさせられていたのです。  ですから、どういう方法が一番いいのか。そして、われわれの観点からいえば、それが物価に変な影響を与えるというようなことになってはいけないわけでありまして、ただ単に法律制度だけで取り締まって、そういうような支配関係の確立を防げるものかどうか、これは実際問題として今日の時勢を見ると、単なる条文では排除はむずかしそうに思います。かりに公取にこういうことを頼んでも、無数のケースをどういうふうに処理していくか、それやこれや考えてみると、実はさっき松浦さんにお答えしようと思って忘れたのですけれども、消費者を強くするという問題は、私は大いにやらなければいかぬと思っておるのですが、そうした問題も兼ねて、小売りを強くするというような方向をどういうふうにしてやればできるか。あまり顕著なものについては、一種の社会的秩序を侵害するものであるという見地からこれを取り押えることができるようなことがあると思いますが、軽微なものでは、なかなかそこまで現在で踏み込むのはむずかしいのじゃないかという感じもして、どういう方向がいいか、結論をはっきり申し上げることはちょっとまだできませんが、牛乳の問題だけでなく、おそらくあらゆる商売につきまとう問題である。それで、もしそれがうるさくなると、今度はメーカーが直販をする。そういうようなことを考えてみると、その場合には、その中のからくりは一体どういうことになるか、外からはわからない。販売と生産の関係はほんとうにむずかしい問題を含んでいるものですから、ちょっといますぐ結論を申し上げるところまではいきませんが、しかし、確かにそういう金縛りが強くなるということが経済の非合理性を促進し、またそれが、したがって長期的な意味でもって物価問題に影響するということを考えざるを得ません。そういう意味で、やはりこれはまず社会的に監視をし、そしてその弊害の発生が一もちろん弊害が起こってくれば、これは取り締まるし、それから、発生を未然に予防するようなことについてよほど検討しなければならぬ、こういうふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 時間がありませんから、これで終わります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私こそ時間があとないのですから、簡単な御答弁をいただきたいと思います。  独占企業の独占価格を引き下げるという問題についてでありますが、これは流通過程での不当な支配という問題もありますけれども、以前から私どもは、製造メーカーの原価等に立ち入って調査するということをやるべきではないかという主張を持っているわけなんです。この問題につきましては、この間、六日ですか、テレビの問題で通産省と業界とがお集まりになって、いわゆる二重価格の問題について若干の方策を立てられたようでありますが、これに対して消費者のほうも、やはりメーカーの原価等に立ち入って調べてこれを明らかにしないと問題の本質は解決しないということで、相変わらずボイコット運動を続けるという決定をしているようであります。これは非常に大事な問題だと思うのです。  ところで、これについて九月十日ですか、参議院の物価特別委員会でわが党の渡辺委員が、そういう対策をやるべきではないかという点について長官にお尋ねしましたときに、長官からは、公取などにそうした調査権を付与することが適当である、こういう御答弁があったようであります。このことでありますが、公取にこういう権限を付与するということになりますと、現行法でいえば独占禁止法の第四十条、第二条第七項ですか、そこらに基づくことになると思うのですが、そういう点は、具体的には長官はどう考えておられるか、あるいは別途に新しい法律でも考えておられるか、そこらを具体的にお答え願いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 そういう全体の事態を調査いたしていくということについて、やはり公取のような独立的な機関がいいだろう、こういう意味でお答えをしています。ただ、原価の秘密全部について公取に調査権があるかどうか、現行制度でできるかどうかということになると、解釈上、公取としては必ずしもそれについてできるという解釈をとっておらないようであります。私も、この点についての法律条文その他について詳しくありませんから、どういう解釈が妥当なのか、どういう解釈が成立するのか、ちょっと明確にいまお答えする用意がありませんが、現行の条文に照らして公取では、必ずしもできないのじゃないか、こういう解釈をとっているようであります。  そういう場合に、今後そうした調査、原価の非常にこまかいところまで、ちょうど税務署でするような意味での調査権を与えることが一体適当であるかどうかということになると、これはやはり問題があると思います。もちろん、個々の企業のほんとうの中まで何も追及しなくても、大観的に十分にそうした事態が明らかになるケースがあるのじゃないかというふうに考えています。ですから、調査といいましても、調査の中身はいろいろあるのじゃないかというふうな意味で、一般的にそういう独占禁止法と行政との関係においで十分調査し得るチャンスがあるから、現行法の範囲においてでも調査を進めるべきではないか、こういうことを考えておるわけであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 ちょっとあいまいなお答えなんで戸惑うわけですが、しかし長官は、私どものほうでこの問題を追及しましたときに、九月の十日に、渡辺委員に参議院でそういうようにお答えになっているだけじゃなくて、六十三国会で、あれは何月になりますか、うちの松本委員がこの問題を取り上げて言いましたときにも、同じお答えなんです。それはやるべきだろう、やるほうがいいかもしれぬ、そのためにはそういう権限を付与していくほうがいいのではないかというお答えなんですね。ですから、長官の頭の中には、すでにこの問題は半年前からある。原価等にどういうふうな調査をするのかという内容の問題につきましては、それはいろいろあるだろうと思います。しかし、そこまで踏み込まなければ、いまの独占企業の独占価格——と私ども言っておりますが、これの引き下げあるいは適正化というような問題を考える場合には、そこまで踏み込まなければならないだろう、踏み込むべきだということで長官の御意見を伺ったら、長官、そういうようにお答えになっていますね。したがって、現行法でおやりになるということだとすれば、どこでやられるかということもすでに考えていられることだと思うのです。現行法で困難であるならば、これは新しい立法をするというようなことも考えていられることでなければ、こういう御答弁はあり得ない、国会ですから。その点を、あいまいでなく、できないならできないということをはっきり……。そうすれば、あなた、——言っているということになりますよ。そこらをはっきりしておいていただきたいということなんですね。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 率直に言いまして、現在のいわゆる憲法による営業の自由の問題と国のいわゆる検査権との問題というのは、非常にむずかしい問題を含んでいると思います。でありますから、たとえば税務署の調査にいたしましても一定の限界があり、それから銀行検査にいたしましても、一定の限界を置いて検査をしております。これが、特定のそういう公益に関係のある業ということでなくて、こういう各般の産業全般にわたっての問題になれば、なお私は困難な問題を含んでいると思います。しかし、一方において寡占的な様相を呈している産業もございます。そういうことで、実は私のほうも、この問題は、今日の制度的に見て最もむずかしい問題を含んでいるものですから、物価安定政策会議というのを私のほうに設けてありますが、この十月六日に工業製品の価格形成の実態、それがどういうふうにして形成されていくか、あるいはまた、その生産性向上の成果がどう配分されていくか、そういうような意味の基本的な調査を計画いたしまして、そしてそれを発足さしたわけです。これによってもうちょっとやらないと、いま言ったような突き詰めたところはなかなか出てこないんじゃないか、こういうふうに考えています。  しかし、私がお答え申し上げたのは、もちろん現在の公取委員会においても限界はありますし、また、場合によることでありますけれども、調査権能を有しておるわけですから、その限りにおいてできるだけ——今日までに調査したところもあるわけです。そういう意味で調査をひとつやるということは適当なことである、こういうふうにお答えしているわけです。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 大臣の言われたこと、ちょっと補足的に申し上げます。  私どものほうの調査権は二つございます。一つは、ある被疑事件が起こった場合に、その事件に関して調査する場合でございます。これが四十六条のことでございます。それから、そうでないのが、先ほど御指摘になった四十条のほうの、職務を行なうため必要があるときはいろいろな調査ができる、こういう権限でございます。ただし、これには罰則がついております。その罰則を伴うそのような調査権というものの行使には、やはり立法政策としても一つの限界があるということは、ただいま大臣が申されたとおりでございます、  そして私どもは、この調査権が単に一般的な原価調査というふうなことでなしに、ある独禁法上の職務執行に関連してくる問題であれば、それはある程度の調査をすることはできると思っております。ただし、一般的に、ただ寡占企業であるからたとえばその原価を知るという、それだけのことで私どもが調査をするということには、これはなかなかむずかしい問題がつくのではないか、かように考えておりますので、ややこれは技術的な問題を申し上げましたけれども、補足させていただきます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 公取さんのおっしゃっているのは、前にもあなたはそのことをおっしゃっているわけです。だから、この九月十日の参議院の質疑応答での大臣のお答えは、公取の現状ではなかなかむずかしいという状況であるが、しかし、それはあえてやるべきじゃないかという質問に対して、だから公取に権限を付与するということを言っている。現行法では不備があるから、そういうことをやれる権限を公取に付与すると言っていらっしゃる。半年前にも言っていらっしゃる。  これは重大な発言でございまして、そうすると、大臣としては、この付与するという、これは新しく付与するんでしょう。法解釈の上でこれを適正に解釈して付与するということになりますか。法の運用ですな。あるいは新しい法律をつくって付与するということになりますか。そういうことを踏まえての大臣のお答えだと私は見るのです。それは公取さんのおっしゃっている、現行法でいえばいろいろな制約があります。私どもは、それについては問題としていろいろ意見はありますけれども、きょうは触れません。私がここで聞きたいのは、大臣は、そういう不備があるからという上に立ってそういうことを言っていらっしゃる。付与する。そうすると、これは——をおっしゃっているわけじゃないでしょう、大臣の国会での発言ですから。そうでしょう。そうすると、現行法の運用でやるのか、新しい法律をつくって新しい何か体制をつくるということを踏まえて話していらっしゃるのか、そこはどうだということを聞いているのです。そうでなければ、大臣は半年前もいまも同じことを言っておって、いま国民が要求しております、原価等に踏み込んで、独占の不当な高い値段、独占価格といっているような問題を解決するためにそこまでいくべきだという国民の要求にこたえるこたえ方として、国会でそういうことを言ってうれしがらせて、しかも何にもやらぬということでしょう。そこをはっきりしてください。公取さんとしての御意見には、私は意見はありますけれども、きょうはやりません。そこのところをはっきりしてもらいたい。ただ——をおっしゃったのか、その場限りでのことか、あるいはそういう決意を持っていらっしゃるのか、決意を持っていらっしゃるのなら、どうするのかというをここで……。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○佐藤(一)国務大臣 別に、——とかなんとかいうことは、私は言い過ぎだと思いますが、そのときに私が答弁を申し上げたのは、とにかく公取の許す限りの権能でもって調査をできるだけやることは適当である、こういう意味に私はお答えしたつもりであります。しかし、念のためにひとつ調べてみますが……。  そして、さらにそれを一歩進めるかどうかということになると、いま言ったように、なかなかむずかしい問題を含んでおります。でありますから、そうしたようなことはこれからわれわれとして十分に検討しなければならぬ、こういうことであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 時間が来ましたからやめますけれども、これは大臣、私は非常に狭めた問題点を具体的に出してあなたに伺っているのであって、あなたが——をおっしゃった、そんなこと、私も口がすべったのでこれは取り消しますけれども、そういうことじゃなかろうと思う。しかし、結果においてそうならざるを得ない。半年前にも同じことを言っている。その次も同じことを言っている。しかも、あなたの言っているのは、付与すると言っている。そこをやはり踏まえてお答えにならぬと、できなければできないと言うなら——それはなかなかむずかしいだろうという気持ちで言っていらっしゃるなら、付与するとおっしゃったことはおかしなことになりますね。やれるという何か確信があって、そういうことをさがしてみたいというお答えだと私は思う。ですから、半年もたちますから、渡辺君に対する御答弁は二月も前ですけれども、そこをはっきりしておいてやる必要があるだろうと思うのです。この点は、閣僚会議があるそうですから、懇談会ですか、そこで問題を提起して、やはり具体的に進めてもらうことが必要だと思います。  終わります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 これにて企画庁長官及び公正取引委員会委員長に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

松平忠久日本社会党

○松平委員長 引き続いて厚生年金老人ホームの入居料値上げ問題について、参考人より御意見を承ることといたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  太宰参考人には、御多忙中にもかかわらず本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。  参考人からの御意見は委員の質疑によってお述べいただきたいと存じます。  武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 財団法人厚生団の太宰理事長に御多忙中御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。  私は、これから厚生年金老人ホームの入居料問題に関係をいたします諸種のことについてお伺いをいたしたいと思いますが、厚生省が所管官庁でございますので、お尋ねすることが交互になるかもしれません。その点あらかじめ御了承いただきたいと思います。  最初にお伺いいたしたいことは、この財団法人厚生団なるものと厚生省との関係は、一体どういう関係にあるのか、これは厚生省のほうからお伺いします。

宮田千秋社会保険庁年金保険部長

○宮田説明員 厚生省におきまして厚生年金保険の事業を実施いたしておりますがこれは厚生省の中の社会保険庁年金保険部——私、その部長でございますが、その中に特別会計を設けまして、厚生年金の保険料を徴収し、かつ事業を実施しているわけでございます。その厚生年金の特別会計の中で、同時に年金受給者及び被保険者、厚生年金加入者の福祉をはかるという見地から、福祉施設を特別会計で設置をする、かように法律に規定をせられておりまして、これは特別会計で国有財産としてこれを設置をいたしまして、その経営の一部を財団法人厚生団に委託をする、かようなやり方で実施をいたしております。したがいまして、いまの厚生団は、民法の三十四条の規定に基づき設置されました公益法人でございますが、これに国の厚生年金の福祉施設の経営を委託をしておる、かようなことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 太宰参考人にお尋ねいたしますが、厚生団は、現在事業としてどういうものをおやりになっていますか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 まず昌頭に、私どもの施設の関係で貴重な国会の御審議をわずらわしたことに対しまして、恐縮に存じておることを申し上げます。  ただいまの御質問の、厚生団はどういうことをしておるか。厚生団は、ただいま宮田部長からお話ございましたように財団法人でございますが、現実にただいまのところは、厚生保険特会の福祉施設の経営を委託されまして、それを運営しておるのが中心の事業でございまして、それは病院とかあるいは厚生年金会館、あるいはスポーツセンター、看護学院、老人ホーム等、ただいま全国で二十七かと存じますが、そういう施設の運営を委託されておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 病院、会館、スポーツセンター、老人ホーム、たいへんたくさんの経営があるようですが、きょう私がお伺いいたしたいのは、そのうちの老人ホームの関係であります。  この老人ホームは現在十二カ所あるように聞いておりますが、この十二カ所の老人ホームに、大体いま何人くらいの老人が入居しておられますか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 大多数はずっとお入りになっておる長期の入居者で、若干短期の保養的な二、三日ないし一週間程度もございますが、長期の方は、ここには最近現在で五百八十六とございますが、大体その見当でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 昌頭申し上げますように、きょうは入居料の問題についてでございますから、これにしぼってお尋ねするわけですが、特別会計でございますから、いままでの実績をいろいろ聞いてみますと、各年ごとに入居料の値上げをやっておられるようであります。私の手元の資料によれば過去六カ年連続値上げがあるようでありますが、間違いございませんか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 御指摘のとおり、やはり経営が独立採算ということを原則に受託契約になっております関係で、どうしてもつじつまが合わなくなっておるような最近でございますので、やむを得ず毎年値上げをしているような状況でございます、

武部文日本社会党

○武部委員 いままでの値上げの幅を見ますと、三十九年千円、四十年千円、四十一年五百円、四十二年八百五十円、四十三年九百円、四十四年千四百五十円、こういう値上げになっているようでありますが、本年の値上げは、いつから、どれだけ上げられましたか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 十月一日から値上げをいたすことにいたしまして、値上げ幅が、いろいろなことがございますので段階がございますが、平均して二千二百五十円くらいになろうか、こういうふうに思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 二千二百五十円ということですが、私が手元にいただきましたのでは、二千七百五十円というのが最高のようでございます。また二千五百円というのもありますし、二千円というものもありますが、大体平均して二割近く上がっているようであります。  この際一つお伺いしておきますが、昭和三十九年に入居料が千円値上げになっておるわけです。このときに厚生団は、当初二千円の値上げを予定されておったということを聞いておりますが、間違いございませんか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 ちょっとその年度であったかどうか知りませんが、お話を伺いまして、そのころにそういうことがあったか、そんな感じもいたします。

武部文日本社会党

○武部委員 三十九年は、厚生団は二千円の値上げを考えられていたようでありますが、各老人ホームの皆さんのいろいろな反対があって千円にとどまったということを、私は承知をいたしております。  そこでお伺いをしたいのは、このような料金の決定、値上げの決定は、厚生省と事前に相談をされておやりになるのですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 これは昔は厚生省の社会保険庁のほうの認可事項、承認事項でございましたが、数年前から、私どものほうで大体こういうふうにしたいということにして届け出るという制度に変わったわけであります。しかしながら、内容におきましては、こちらで十分に御説明し、そしてそれを保険庁の役所の側でも妥当と思われるような形で運営していることは当然でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、今度の値上げの幅は、過去の値上げの状態から見ると相当大幅だと私は思うのです。厚生省はこの届け出を了承しておるわけでありますが、時間の関係で先を急ぎますが、厚生団が厚生省とはかってこういう料金の値上げを決定した場合に、入居しておる老人の皆さんには、どういう方法で手続をとってそれを通知されるのですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 まず、私どもの老人ホームは、先生も御承知だと存じますが、有料老人ホームでございます。それから厚生年金の福祉施設でございまして、厚生年金の関係者が優先的にと、こういうたてまえになっていることをあらかじめ御承知おきください。  そこで、ただいま御質問の入居料の問題でございますが、先ほど申しましたように、従来は、こちらのほうでどうしてもこれだけくらい上げなければいけないということが一つと、それから経営の委託契約の中に、老人ホームの利用料金は、他の有料老人ホームとの均衡及び経営に要する費用等勘案してきめて届け出ろ、こういうことになっておりまして、いわば他の有料ホームとの均衡ということも片一方に置きまして、そういうふうにしてきめるわけでございます。  届け出まして受け付けられました場合におきまして、私ども、全国の所長を集めまして、こういう趣旨でこうしなければならないのだということを申し伝えまして、そして所長たちが持って帰りまして、ホームの方々にも、その内容を大体一カ月前くらいには御説明する。それと、大体私どものほうに入居している老人の方は、大半が、お子さん方のほうで毎月の入居料を出しておられる方が多いようでございます。したがいまして、そういう実際に負担しているような方々のところへも連絡をして、ひとつこういう事情だからあしからず、こういうようなこともやって、そして、とにかく何とかして、上げねばならないという趣旨が少なくとも正当に理解されるような努力をしてまいっておるような次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 値上げにはいろいろ理由があるでしょう。そのうち、物価が上がるわけですから、食事料が上がってくるだろうということはほぼ想定できるわけですが、今度の値上げの中で、平均すると、あなたは二千二百円くらいだとおっしゃったわけですが、私どもは二千五百円くらい、先ほど申し上げるように最高二千七百五十円ですが、この中で一体食費はどのくらいを占めますか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 ちょっとお待ちください、調べますから。

武部文日本社会党

○武部委員 私どもの承知するところでは、このうちで食費は約六百円と聞いておるわけです。そうすると、かりに二千五百円の平均といたしますと、千九百円というものは他の理由によって上がるということになるわけですね。大体いままでの値上がりは、先ほど申し上げた数字からいうと、ほとんどが食事料が中心の値上げであるというふうに理解をしておるわけです。そういたしますと、今度の値上げは、値上げ幅からいっても相当高い数字になるのではないか、こういうふうに考えておるわけですが、反論があればまた反論していただきたいと思います。  そこで、私はこれから核心に触れるわけですが、なぜこういう問題を取り上げたか、こういう点であります。  先般昭和四十四年度の厚生白書が発表されまして、おそらくごらんになったと思うのです。私も大綱的にはざっと拝見させていただきました。あの厚生白書の大半といいますかほとんどに、老人問題が載っております。老人問題が焦点になっているといってもいいくらい、老人福祉の問題が四十四年度の厚生白書に載っております。ところが現実に、それではこの老人問題が一体どういうふうに扱われておるのか、こういう点で、これから、残念ながら次のような事実が真実かどうかということをお伺いしなければならぬわけであります。これはすでに新聞にも投書が出ておりますし、私は私なりにいろいろ調べまして、直接入居中の老人の方から、非常に詳しい内容の報告を受けました。  そこで、これから具体的にお伺いをいたすわけであります。冒頭、三十九年の値上げのときに二千円の値上げが千円になったということを申し上げました。これは入居中の皆さんが、そういう値上げは困る——これは私が申し上げるまでもなく、職のない、所得の不安定な老人の皆さんが、いわゆる安息の場として老人ホームの施設を利用しておられる。そういう面から、入居者の皆さんがそういう値上げに不安を覚えることは、私は当然だと思うのです。そういう意味で、三十九年にそういう事態があったのだ。そして、当時の皆さんがお考えの大体半額程度におさまっておった。いま物価上昇についての反対の機運が非常に強いですから、そういう運動が起きることも私は当然だと思うのです。  そこで、具体的には長野で起きた例をこれから申し上げるわけでありますが、私の手元に来ました具体的な資料によりますと、そういう動きが、長野ではない、広島の老人ホームに声が上がった。広島から、そういう反対の運動をしようではないかという訴えの手紙が各十一カ所の老人ホームに回った、こういう事実があったようであります。ところが、その手紙が、日付は九月十九日の日付でありますから、皆さん方が入居料の値上げを各老人に申し渡しました日から若干あとになるわけです。具体的には、長野の老人ホームで、所長が九月七日に入居料の値上げを申し渡しております。その際に、この値上げに不服の者はホームを出ていってもらいたいということを申し渡した事実があります。さらに、九月十九日付で広島の手紙が長野へ参ったわけであります。したがって、配達された日にちは大体二十一日ごろと見ていいと思います。ところが、そのような手紙が配達されておるかどうかということは、もちろん長野の諸君は知らなかったわけです。いつまでたっても返事が来ないので、広島から督促の手紙が長野へ届いた。その日付は、十月五日付の手紙であります。それで、着いていないということで、いろいろ老人の皆さんがお話し合いをしておったところが、十月八日に、十八日ぶりにこの手紙が老人の手元に渡された。こういう事実があるわけです。そして、その数は六通でありますが、これは広島からだけ来たものではない。他のホームからもそのようなものがあったことは、これを受け取ってわかったわけであります。  なお、これは開封されておったという事実がある。開封をして読まれておる。  そこで、それを二週間以上の十八日間もとめ置いたという事実がありますが、厚生団はこれを御承知ですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 まず最初の値上げの問題でございますが、本来入居料は、厚生省から委託条項によりますれば、独立採算を原則としてやるということと、それから他の有料老人ホームとの均衡においてきめろ、こういうことでございますが、過去におきましてはなかなかそういうふうにまいりませんで、毎年巨額の赤字を出しております。その累積赤字が、老人ホーム関係だけで一億一千八百万ほどになっておるわけであります。それを厚生団のほうで、他の施設のほうの剰余なり本部の経費を節約いたしまして、そしてつじつまを合わせてまいったのでございますが、最近は特に病院関係を中心といたしまして、非常に厚生団の財政が苦しくなってまいっておるわけでございます。したがいまして、できるだけリーズナブルな線に少しづつ近づけてまいりたい、こういうふうに考えて、今回の分につきましても、有料老人ホームというのではなしに、もう少し程度の低い軽費老人ホーム、これが大体どれくらい値上げをしておるのだろうかということを調べますると、これが大体平均して二千三百円ほどの値上げ——これも規模なり場所によりましていろいろあるわけでありますが、私どものホームがもし軽費老人ホームであったならばという仮定のもとに試算いたしますと、約二千三百円ほどの値上げになっておるわけであります。もちろん、私どものホームのほうがほとんどの場合、軽費老人ホームよりも内容においては、何といいますか、語弊があるかもしれませんけれども、デラックスになっておりますので、せめて軽費老人ホームくらいのことは値上げをさしてもらわないと、私どもがあとでめんどうを見きれなくなるというようなことから、今回、多少従来よりも大幅になりましたけれども、そういうことに踏み切った次第でございます。  そういうことでございまして、必ずしも食料費の物価指数だけで私どものほうは考えておらない。人件費というものが、特に最近においては非常に高くもなってきておりますし、それから従来の赤字、厚生団でもって赤字を負担しておりましたものが、これくらい値上げいたしましても、なおかつ前年度よりもさらに多くの負担にならざるを得ないというような状況であることも申し添えて、御了解賜わりたいと思うのです。したがって、せめて前年度並みくらいの赤字にとどめたいと思っていたのでございますが、これでもなおかつ前年度よりも、厚生団としてのこのホーム関係の赤字がふえるというような状況でございます。  それから、後段の手紙の件でございますけれども、お話しのように、九月の二十一日ごろじゃなかったかと思いますが、広島のある個人の方から、長野の老人ホームの入居者御一同様というのが届いた由でございます。大体過去の例によりまして、こういう場合には値上げの反対運動というようなケースが多いものであったのでございましょうか、所長は、それをどういうふうに扱ったらいいのであろうかというふうに、いろいろ悩み、お話にございましたように、その事前に皆さん方に入居料値上げのやむを得ざることを申したら、大体皆さん方も、やむを得ないという空気というふうに考えておったようでございますだけに、また波乱が起きるのではなかろうかというふうな心配もあったのでございましょう。それで、私のほうからそれを偶然にキャッチいたしまして、それは入居している方々に不必要な不安なり動揺を与えないように、それから、そういう方々の中には相当インテリの方が多いから、やはりその根拠はどうだということを聞かれたときに返事ができないようではいかぬから、そういう点も、十分本部からあげた資料などを勉強して説明するように、こういうことで助言をいたした由でございますが、そういうようなことで、何だかんだで、確かに十月の八日の日にこの入居者の代表の方にお見せした由であります。  ただ、明瞭に一点違っておりますのは、開封は全然いたしておりません。その点を申し上げておきます。

武部文日本社会党

○武部委員 実はここのところが大事なんですね。いまあなたの話を聞いておりますと、信書というものに対する考え方が非常に軽率というか、軽々しいと思うのです。これはあとで具体的に聞きますがね。  もう一つお伺いいたしますが、手紙が届いたのが、これが配達されたのが九月の二十一日ごろですよね。そうしてこれが十月の八日に、あなたのおっしゃるように、お認めになるように、皆さんに渡された。開封のことはあとで申し上げますが、奇妙なことに、その中間の十月一日の日に広島の所長から長野の所長あてに、うちの一いわゆる広島の和光会という老人の皆さんの会があるそうですが、和光会が無断で各ホームに反対を働きかけたのは申しわけないというガリ版刷りの手紙が、各所に渡されておる。これは一体どういうことか。少なくともその手紙というものは、全然老人の皆さんには手渡っていませんね。長野の人たちは十月八日に受け取っておる。その一週間も前に発信先のところの所長が、そういう働きかけを老人の皆さんが各ホームにやったということはまことに申しわけないことだという釈明のガリ版刷りを、なぜ送ったのか。悪くとれば、事前に早くその場で読んでおって、反対の運動をしておるという内容を読んで知った上でそういうことをやった、悪くとれば、これはそうも思えるのですよ。それでは一体、何が送られたかということを、発送のときに一々事前検閲しておるのですか。広島のホームの所長は郵便を出すものを全部検閲をして、これはどこへ出すのかということまで検閲しておらなければ、こういうことがわかるわけはないじゃないですか。そういうことをやっておる。これは一日の日にはっきりと来たということを、長野の所長が認めておるのです。そういう事実がまず一点あります。  それから、いまあなたがおっしゃった中に、過去の例とおっしゃった。過去に反対運動というものがあった。そこで、入居料の値上げを言い渡した。そうしたら、手紙が来始めた。手紙が来たら、これはおそらく反対の内容だろうと、そういうケースが多いとおっしゃったが、これは、前にもそういうことをやっておったのじゃないかというようなことも、また悪くとれば、思われてしかたがない。そういうことをあなたのほうではおやりになって、偶然だが、厚生団としてはこれをキャッチしたので、指示したようでございますと、こうあなたはいまおっしゃいましたですね。  ところが、話はそうではないのです。これははっきりとここで申し上げますが、長野の所長は厚生団に対して指示を求めておるのです。こういう手紙が来たが、一体どうしたらいいかということで、あなたのほうに指示を求めておる。こういうことを所長は言っていますね。「広島ホームからの来信の内容が大体察知出来たから、早速広島所長に電話で事情を問い合せた上東京厚生団へ電話してその指示を求めたと言明」した。これははっきりと老人ホームの皆さんに言っておるのですよ。あなたのほうが偶然にキャッチしたのじゃないのです。所長が、内容がわかったので、一体どうしたものだろうかということを上部の機関であるあなた方の厚生団に指示を求めたと、はっきり釈明をいたしておるのです。こういう事実があるのです。それを御存じですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 ことばの足りなかった点があったかと存じますが、広島の所長から各所長に釈明のガリ版刷りが行ったというお話でございますが、そのことはちょっと私は聞いておりませんが、それはおそらく、御迷惑をかけたという、まあ彼ら仲間の仁義じゃないかと存ずるのでございます。  厚生団が偶然にと言ったのは、ちょっと偶然というのはことばが少しすべったかもしれませんが、実は他のホームから、広島のホームのこういう方から入居者御一同様としてこういう内容のあれが来た、それを入居者から所長がキャッチをいたした——まあ聞いたわけでございます。それで私のほうに連絡がございました。そこで、長野のホームにしぼって申しますと、私どものほうで、長野のホームではそういう様子はどうであるかを確かめたというのが、私のほうのあれでございます。そうしましたところが、自分のほうへも来ておるということでございまして、それについて実はどうしたらいいか、様子を見ながら、それから入居者に渡そうかと思うというようなことが出てきたわけでございます。一番最初に、長崎とか他のホームのほうで入居者の方から所長が聞いて、所長さん、こういうのが来ましたよ、それが私どものほうへ伝わってきたもとでございます。  御懸念のように、私どもがそれを開封して検閲したり、広島の所長が検閲したり、そういうことは一切ないのでございます。過去の例ということを申し上げましたのも、大体こういう老人ホームにおきまして、入居料という問題につきますればお年寄りの方は決して喜ぶはずはございませんので、過去においても一、二回、そういうものをみんなで反対しようじゃないかという方も、多くの方の中にはいらっしゃいまして、そういうケースがあったということを申し上げただけでございまして、御懸念のように、検閲をしているとか全部事前開封をして承知しているんだとか、そういうことでは毛頭ございませんことを御了承を願いたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、あなたの御答弁を聞きますと、広島の所長が一日に、まことに申しわけないことをしたということの手紙を出したのは、広島から長野以外の老人ホームにそういう手紙が来ておったことがわかって、そのわかったことが広島へはね返ってきたので広島の所長がやった、こういう御答弁ですか。ここが大事なことなんですよ。なぜかというと、長野だけだったら、長野はそんなこと知らないのです。開封していないとするならば、知るはずがないですよ。どういう手紙かわからぬものがここにとめ置いてあるのです。とめ置いたのは九月二十一日ですよ。それを十月一日に、まことに申しわけないことをしたといってわびがきた。だれが見たのですか。だれが知っておるのですか。どこかでだれかが見なければ、反対運動をしているということはわかるはずがないじゃありませんか。その内容をだれがどこで知ったのですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 鬼ほど申し上げましたように、その反対の手紙は長野ホームだけではないようでございます。ほかのホームへも出しておる。ほかのホームでは、これは所長の判断でございますけれども、入居者の方に渡して、入居者から、所長さん、こんな内容だったよということで所長がわかることがございます。そういうことでわかったものを広島のほうに、あなたのほうでこういうことになっておるようだということをおそらく連絡した。そこで広島の所長が、どうも迷惑をかけている——これからあとは所長仲間の仁義の問題でございます。  そういうことでございまして、別にその間に、長野のほうにおいて開封していない段階においても、広島からそういうものが回ってきたかどうか、私はいまお話を承って承知したわけで、まことに申しわけないことでございますけれども、それはあり得ることだろうと存ずるのでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それなら話はわかりました。おそらくそうでなければわかるわけがないのですから。その点はわかりましたが、いまあなたは仁義ということをおっしゃるけれども、これはつまらぬ仁義で、そんな仁義をする必要はないですよ。たとえば老人たちが、自分たちの入居料の値上げがあっては困るんだ、それほどたくさん収入がある人たちじゃないのですから。そういうことで、困った、何とかしようじゃないかということでお互いに連絡をとるのは、当然なことですよ。それを、つまらぬことをいって断わりをする所長の仁義というのは、私はどうかと思うのですが、それはそれとしましょう。  そこで、厚生団に指示を仰いだということについて、あなたのほうは偶然にキャッチしたと先ほどおっしゃるが、長野の所長は明らかに、こういう動きがあるという内容を知った上で指示を仰いだと私は見ておるのですがね。これはあとで言いますが、その指示を仰いだ。指示を仰いだら、とめ置けとあなたのほうが指示をされた、こういうことをいっておるのですが、それはどうですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 先ほど申しましたように、内容を知ってから指示を仰いだというのではなしに、ほかから、そういうようなことでおそらくこの内容も同じであろう、こういう程度だと存じます。それですから、せっかくおさまっている入居者の方々にまた波乱を起こさないようにする立場として、どういうふうにしたらということでおりましたところへ、本部のほうから、あなたのほうにもそういうことがいってないかということを突いたので、向こうとしても、実は来ておる、自分としても少し様子を見ておるんだが、どうしたらいいだろうか——その辺が指示を仰いだことになると存ずるわけでございます。  私のほうといたしましては、係の者は、先ほど申しましたように、入居者に無用の不安を与えないように、それからまた改定の根拠なりその理由なりをよく説明してあげて、そして入居者に納得をしていただくようにしろ、こういうふうに申した由であります。決して握りつぶしておけ、こういうわけではないのでございます。こちらのほうとしてはそういうことで、先ほど申しましたように、相当インテリの方もいらっしゃいまして、所長に対して質問する。その場合にそれに対して、こういう事情だとある程度お答えできるだけの資料なりを持って説明をするということになって、本部の資料も送ってやったわけでございまするので、そういう点で若干の日がそこにたったんじゃないだろうか、そういうふうに私どもは思っておるわけでございます。一般論といたしまして、やはり現場の者は何とかしておさめたいというような気持ちのために、はからずもこういうふうに日がたち過ぎた、こういうことではなかろうかと存ずるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 どうもここのところがよくわからぬのですがね。話がちぐはぐになるようですが、老人の皆さんが、この手紙が十八日間も手元に渡っていなかったということについて所長といろいろやりとりをしたときに、所長は、厚生団の指示を仰いでとめ置いた、こういう答弁をいたしておるのであります。ですから、またもう一度ちょっともとへ戻りますが、あなたのほうが無用の不安を老人の皆さんに与えてはならぬ、内容を察知した、大体そうではないかと思ったからとめ置いた、こういうことで、一所長が十八日間も信書をとめ置くというようなことは許されない。これは法律的にあとで郵政省にお伺いいたします。  その前に、開封のことについてお伺いいたしますが、私は、内容を見たから、これは困ったことだというのであなたのほうに問い合わせをして、あなたのほうはそれを、それじゃおまえ、ちょっと待っておけというのでとめ置いた、このように見ておるのです。そうしていろいろやったところが、いや、実は開封はしておらないけれども大体察知ができたのでという逃げ口上になっておる。  ところが、十月の十九日ですが、地元の新聞記者の方がホームを訪れて所長と話し合ったときに、所長は、東京の本部の指示で広島ホームからの来信を開封したと、はっきり新聞記者に言明をいたしております。これは対決してけっこうです。そういうことをはっきり言っているんですよ。所長が、東京の本部の指示で広島ホームからの来信を開封した、これを地元の新聞記者の皆さんにはっきりと語っておる。これは事実です。ですから、これは対決すればわかることなんです。そういう事実についてはどうですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 何べんも繰り返して恐縮でございますが、先ほど申しましたように、長野のホームに来た手紙を開封しませんでも、そういうふうになってまいりますれば、およそその中身はこうであろうということはわかるわけでございます。ほかから情報が入りますのでわかるわけでございまして、決してそれをもって開封したという根拠になさらないようにお願いいたしたいと思います。  それから、本部の指示を受けたということは、先ほどその段階において指示を受けたと言われたことも、確かにそのとおりであったということです、私のほうも指示したのでございますから。  それから、とめておいたということは、私のほうは、係は申しておりません。もし向こうが本部からとめておけと言われたと思ったならば、これは電話の間の食い違いで、まことに不幸な事態の上塗りであったと存じます。私のほうは、第一そういうことをするはずがございません。先ほど申しましたように、無用の摩擦を起こさないように、それから、いろいろ質問が出るであろうから十分に勉強して、こういうゆえんだということを納得させるように説明して、それからやりなさいと言っただけのことでございまして、その点は、もしとめておけと言われたと所長が言っておるとするならば、その辺に電話の上のやりとりで不幸なる食い違いがあったのじゃないかというふうにも想像されます。  それから、十月十九日に所長が新聞記者のインタビューの際か何かに開封したと言ったこと、これはうそでございます。事実ではございません。私のほうで調査をいたしました限りにおいては、開封しておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 いま二つ問題が出ておるわけです。指示の問題は電話のやりとりだとおっしゃるけれども、現実に手紙が来て、十八日間所長の手元に保管されておったことは事実ですね。それはお認めになるわけですね。それをとめ置いたという理由と、それはだれの権限でどのような理由でそういうことをしておいたのか、こういう点が問題なんですよ。  そうすると、何かお聞きしておると、あなたのほうは、よう説明せぬだろうから、よく説明ができるまでとめ置け。あなたのほうは、入居料の値上げの理由書というのはちゃんと指示を与えて、たとえば二千七百五十円上げるが、その内訳は何の何だということで、こういう理由だから値上げをしなきゃならぬのだということを、おそらく厚生省と想談をして、各老人ホームに通達を流しておられるわけですね。過去に六回も上げているのですから、今回初めて上げるわけじゃないのですから。そうすれば、かくかくの理由でこのような指示が来たということを、皆さんに九月七日に発表しているのですよ。すでに入居料の値上げということは、あなたのほうはおやりになったのですよ。納得しない方があるということは事実ですよ、みんなが認めるわけじゃないのですから。しかしながら、そのあとにこういうような事実があったことは、それならば、老人たちが騒がなければ永久に隠匿しておったのですか。隠匿ということばは悪いかもしれないが、とめておいて渡さないかもしれませんよ。いつの時点で渡そうとしたのですか。なぜ十八日間かかったのですか。それをお聞きします。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 私のほうは、十八日間隠匿しておくとか永久に隠匿しておくということは申しておりません。繰り返してたいへん恐縮でございますけれども、とにかく、いま先生のお話のように、九月の七日に一応の話をいたしまして、そのときの段階においてはまあまあしょうがないというようなことであった。それから保証人のほうにも連絡をつけた、こういうことでございます。しかし、こういうふうに新たなる波乱と申しますか、そういうようなことが起こってまいりますれば、やはり数多くの方々の中には、もう一回理由を聞こうとかなんとかいうことが出てきまして、その段階において所長がよく納得のいくような話を申し上げることができるかできぬかということによっては、非常に受けるほうの印象が違うわけでございますから、そのために、よくその事情なり何なりを勉強して話をしろ、そのために若干の——実は十八日もかかるとは私ども考えていなかったわけでございますけれども、そのほかにも、何せ現場には、職員の数も少ないしいろいろな仕事もありますので、あるいはずるずる延びたのじゃなかろうか。決して所長がそういう悪意を持ってやっているとは、私どもは思っておらないのです。この辺はひとつ、そういうふうに御了解賜わりたいと思うのでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 ちょっと納得できないのです。これは大事なことですから、やはりいろいろお話を聞かなければならぬのであります。  それで、一応の説明をした、それは九月七日ですからね。手紙が来たのは、さっき言うように二十一日ですね。そういう期間のズレもあります。それから、あなたのほうから、何か所長はよう説明せぬだろうということをおっしゃっておるわけですが、事業団の本部というものはそのために存在しておると私は思うのですよ。そういうことならあなた方が出かけて行って、こういうことで上げなければならぬがということを、なぜ老人の皆さんに話をする努力をおやりにならぬのか、この点非常に不可解に私は思うのです。ですから、むしろそういうような動きがあるとするならば、経営の実態はこうで、だからどうしても上げなければならぬのだということをおやりになるのがほんとうであって、何かどうもいま騒がれちゃ困るからということで一どんなことが書いてあるかわからぬでしょう。あなた方見ていないと称するならなおさらでしょう。どんなことが書いてあるかわからぬ信書を十八日間もとめ置くということは、これはどう考えたって許されませんよ。それをあなたのほうと連絡をとりながらやっていた。  開封のことについては、あなたはきっぱり否定されましたけれども、そういうことなら、私どもは幾らでも対決しますよ、所長ははっきりと開封したと言っているんだから。そういう事実がある。  郵政省にこの際お聞きいたしますが、憲法二十一条には、「通信の秘密は、これを侵してはならない。」と書いてある。それを受けて郵便法はどういう規定がありますか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 郵便法九条に規定がございまして、「郵政省の取扱中に係る信書の秘密は、これを侵してはならない。」という規定がございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それは郵便法第九条ですか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 九条でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 その罰則はどこですか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 八十条でございます。ちょっと読み上げます。「郵政省の取扱中に係る信書の秘密を侵した者は、これを一年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。」とあります。

武部文日本社会党

○武部委員 九条と八十条との関連はわかりました。  そこで、私は開封したと見ているのだし、そういう事実があると確信を持っておりますが、この信書にかかる秘密ということ、それからいまの八十条の罰則「郵政省の取扱中に係る信書の秘密を侵した者は、これを一年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。」——かりに一歩譲って、十八日間とめ置いたということについては、あなた方どういうふうにお考えになりますか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 正当に交付されたあとの問題につきましては、郵政省は関係ないと考えております。つまり、さらに少し補足さしていただきますと、郵便規則七十五条というのがございます。ちょっと読ましていただきます。「同一建物内又は同一構内に在る者にあてた郵便物は、その建物又は構内の管理者の事務所又は受付にこれを配達することがあるものとする。」という規定がございます。これによって配達を完了したものは、郵便法四十六条によりまして郵政省の取り扱い中でなくなったと判断ができますので、直接九条の問題は発生してこないと考えます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、郵政省にちょっとお伺いいたしますが、ある集団の老人ホームですね、いま問題になっておるのは。そういうところの管理責任者が、その入居中の人に対して手紙が配達されてきた。それを故意に何カ月間も隠しておいて、そうして渡さないということは、郵便法上何ら関係はありませんか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 郵便法とは直接関係ないと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 これに対する罰則は一つもございませんか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 ないと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、そういうことはしてもいいというように郵政省は考えますか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 事件の具体的な内容はよく存じませんけれども、おのずからその価値判断は別ものと考えます。

武部文日本社会党

○武部委員 法律用語でよくわかりませんが、そういうことをしてもいい、これはたいへんなことになりますよ。かってに自分で、自分のところに入っておる者に来た手紙を、悪く言えば隠して渡さない、見せない、そういうことは郵便法上何らの罰則規定も何もない、取り締まりの対象にもならぬ、そうですか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 郵便法とは関係ないと申し上げておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それなら、ほかの法令とはどういう関係がありますか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 ほかの法令につきましては、私、所管しておりませんので、ちょっと答弁の限りではないと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 それなら、郵政省の所管事項外のようですが、そういう事実は、いままでに紛争として起きたことはありませんか。私はそういう事実をたくさん知っておりますが、どうですか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 郵政省としては、そういう事件はあまり聞いておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 水かけ論ですから、それじゃまた別のほうにいたします。  かりにそうだといたしますと、開封した事実があった場合には、どういう手順を踏んでそれを調査いたしますか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 監察官の所掌外の問題かと思いますけれども、そういう関連が起こった場合には、一般犯罪として警察官に引き渡すという場合があるかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そういう事実があった場合には、監察官か監察局がそれを調査して、それを刑事事件として警察へこれを移管する、こういうことですね。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 刑事事件として調査するというわけではないと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 郵政省にちょっとお尋ねしますが、こういう事例はいままでにあるのですよ、無断で開封した。それだから、この信書の秘密というのがちゃんとあるのですよ。そういう事実がないことはないでしょう。私はちゃんと知っています。信書の秘密、かってに開封しておったのはおかしいじゃないかというので問題になったことは、たくさんあるでしょう、どうですか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 郵政省の取り扱い中の信書の開披という問題につきましては、直接郵便法に関係がございますので、その限りでは当然それ相応の措置がとられると思います。

武部文日本社会党

○武部委員 それは、この九条と罰則規定八十条にあるように、郵便に直接従事する者がやった場合にはこれにありますね、別な規定が後段にございますよ。それ以外の一般の人が信書の秘密を侵したという事例はないのですか。

吉田実郵政省郵務局業務課長

○吉田説明員 郵政省のたとえば郵便局の中にある郵便物を第三者が窃取してこれを開披するというような場合はございます。

武部文日本社会党

○武部委員 開封の問題が一番問題になるのですが、事業団のほうは開封をしていないとおっしゃる。しかし、現実に手紙が十八日間本人に手渡されないで、ホームにとめ置いたという事実はお認めになったわけですね。事業団としてお認めになった、そうですね。——そうすると、そのことは非常に遺憾なことだとお思いですか、やむを得なかったと思われるのですか。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 私どもが調べましたところでは、開封しておりませんで、十月の八日の日でございますか、立ち合いで入居者の世話人に渡した、こういうふうに聞いております。私どもは、そのとおりと存じております。  それから、十八日間というのは、確かに私は申しわけないことだったと思います。先ほど申しましたように、ただ悪意でこれをやったか、それで、あるいはその心情が相当問題になると思うのでございますけれども、私どもが調査いたしました限りにおきましては、やはり無用な不安を与えないように納得のいく説明をしてあげるというようなことから、ついそんなふうなことなどでうっかり日が延びたということであろうと思います。その点については、いずれにいたしても申しわけない次第と存じて、十分に私どもから戒めておる次第でございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 この際、参考人に申し上げます。  委員長がこの老人ホームを調査いたしました。朝日新聞の記者に対する言明も、これは事実であります。また、その手紙は私も見ました。明らかに開封したあとがあります。そのことを申し上げておきます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 武部委員の質問に関連をして、理事長にお尋ねをしたいのですが、十八日間も信書が、どういう理由であれ、事務所に保管されておった。手紙というのは、差し出し人からあて人に対していくのが手紙であって、中間に何ものも存在してはいけないのですよ。それが十八日間、事前に開封したかどうかは別として一いま委員長は開封されておった、こう言われたのですが、内容の推測をもって十八日間も信書が所長の手元に保管されておったということは、何かこの老人ホームが非常に暗いイメージを受けるわけですね。何か楽しい老人ホームというよりも、そういう信書が保管されてしまうというようなことが、今度だけではなくて、いままでも再三あったのではないかという疑念をわれわれ抱くのですね。しかも、あなたの説明を聞いておると、ことさらに値上げの紛争を大きくしたくなかったかち、事前に説明ができるようにするために信書が手元に渡らないようにしたのだ、内容はほかのほうから予測できた、開封せぬでも内容はよそのホームからわかつたから、こういうことを答弁しておられますけれども、そういうことがよしわかったといたしましても、信書というものは本人に渡されるべきなんですね。極端な言い方をすると、老人の入居しておる個人の部屋に郵政省が直接配達しなければいけない。しかし、それを便宜的に、どこどこ老人ホームのだれだれという形でいくわけですからね。そういう点については、あなたは先ほどいろいろな理由を言っておられましたけれども、これはどういう理由があったにしても、明らかに間違いなんです。その点、ずっと答弁を聞いておって、あなたは、何かおれたちがやったことは正しいのだ、事情をひとつ察してくれ、こういう言い方ばかりしておるのですね。そのことは明らかに悪かったのですよ。その点どうです。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 決して自分たちのやってきたことが正しいということを申し上げたつもりはございません。ただいま申し上げましたように、理由はともあれ、十八日間とどまったということについては、まことに申しわけなかったということを申し上げた次第でございます。外部に対しましては、一切私の責任でございます。  ただ、この心情を御了解いただきたいということで申し上げておるわけでございまして、大体御承知のとおり、その入居料の値上げという問題は、理屈がどうでありましても、非常に感情的に、入っておる方からいたしますれば、少しでも値上げしてもらいたくないというのがほんとうのあれなんでございます。ただ、そこは、やむを得ずこうして値上げするのだということをお話し申し上げるにつきましても、それを冷静にすっとのんでいただくというためには、やはり現場の者はそれ相応に善意で、悪意じゃなしに善意で苦労はしているのでございます。ただそれが、うっかりそういう点にとらわれている間におそらくそんなに日が延びてしまったのだろう、こういうことでございまして、その点をひとつ御理解をいただきたいと申し上げたわけであります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 あなたが初め言ったことだけにとどめておられればいいのですよ。あとをつけ足すから非常に誤解を生むのですね。それで、あなたは、心情としてこういうふうな形でとめ置いたのだ、こう言われますけれども、信書の場合、心情というのはないのですよ。そうでしょう。中に書いてあることが値上げ反対であるのか、あるいはそうでない場合もあるわけですから、心情でとめ置くのじゃなくて、手紙は直接渡さるべきです。そうして、それに反対する人たちがおるとすれば、信書は別として、あなた方が値上げした理由を説明すべきですよ。それがほんとうの扱いじゃないでしょうか。だから何か暗いイメージを与えるのだと思うのです。  しかも、先ほど委員長が言ったように、地元の新聞がここにありますけれども、明らかに開封した、こういうふうに出ているのですから、その点ももう一ぺんぴしっと調査して、次の委員会で、開封した事実があったのかなかったのか——委員長は開封された、こう言っておられる。あなたは開封した覚えはないと言っておるのです。その点は非常に大事ですから、もう一ぺん調査してください。それをあなたは心情で云々、こう言われるのですけれども、信書に関する限り、その点はわれわれ理解できませんね。その点もう一ぺん答弁してください。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 まことに申しわけなかったことについては、もちろん、私ただいま申したとおりでございます。あとのことはよけいなことだとおっしゃられるのですが、実際、現場の者の気持ちもそういうことであったのじゃなかろうか、悪意でないということを私どもが申し上げて、御理解をいただきたいということでございます。なお、開封のあとありというお話でございます。私どもの調査したところでは違っておりますが、御指摘のとおり、それは私どものほうで再調査いたして、何らかの形で御連絡申し上げます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 理事長、せっかく参考人として来てもらっているんだから、前向きに答弁してもらわなければ困ると思うのです。所長さんが悪意でなかったということについて、われわれは云々言っておるんじゃないですよ。悪意があったかなかったかということじゃないんですよ。信書というのは、老人ホームに来た信書というのは、どういう理由があっても、本人に直接渡されるべきだ、そのことを指摘しているんです。だから、悪意があってとか、あるいは悪意がなくてとか、そういうことじゃないんです。来たものはちゃんと本人に渡せ、そのことを私は指摘をしておるんです。どうなんです。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 御指摘のとおり、入居者御一同様というあて名でございますけれども、とにかくそれは世話人の方にお渡しすべきことで、今回はそれが、どういうことか知りませんが、非常におくれたということについては、申しわけなく存じております。

武部文日本社会党

○武部委員 いま関連質問があったわけですが、私はどうしても納得できないんです。  それから、この問題が起きましてから太宰理事長あて、あなたあてに、長野の年金老人ホームの入居者一同として要望書が出ておるようですね。私はここに写しを持っております。それから、同じように入居者一同として、厚生大臣あてにも「実状を訴える」という内容の文書が出ておるようです。この内容を読みますと、何か管理運営について日ごろからたいへん問題があったように書いてあります。たとえばこの厚生大臣に出した「実状を訴える」ということの中に「管理経営に就いてもホームを私物化し、特種関係者の精神病者を替玉入所させ、入居者に迷惑をかける等、独善専横の行為も多々有り、」というようなこともここに書いてありますね。これは厚生大臣あてのものですから、おそらく厚生省、これを読んでいると思うんです。そういうような過去のいろんなことがあって、そうして、それからこういう問題が起きたということから、所長のいわゆるやり方についても、非常に入居者の皆さんの中に不信がある。ことばをかえていえば、日ごろの対話が欠けておるというような点が言えるんじゃないかというように思うのです。  昌頭に申し上げるように、この老人の皆さんが、非常に収入の少ない中からそうした老後の安住の地を老人ホームに求めておる、そういうような中で、これはまことに不幸な事態です。さっきから何べんも言うように、少なくとも信書が十八日間も、所長の独断でそういうことがなされたということは、どんな理屈を述べられようとも、これはいい行為ではないんです。全くこれはけしからぬ行為だと思うんです。  なお、厚生団とこのホームとの間に、どうやらあまり疎通はないように思うのです。事実を十分調査をしていただいて、私どもが申し上げた信書の開封問題は、さっき郵政省が述べたように、はっきりと罰則規定もあるわけです。それだけ信書というものは非常に重要視をされておるわけですから、きょう御答弁ができなければ、十分調査をして、次の機会に私はもう一回この問題について明らかにしなければならぬ、このように考えておるところでございます。  きょうはたいへんお忙しいところを参考人として……

松平忠久日本社会党

○松平委員長 ちょっと待ってください。私から質問したいと思います。  先ほど太宰参考人は、十八日間信書をとめておいた、それはいろいろ老人各位に納得してもらう、そういうこともあってとめておいたんじゃないか、こういうことを言われておりました。ところが、先ほど武部君が最初に質問をしたときに、九月七日にその通達があって老人の方々にそれを話したときに、この値上げに反対する者は出ていけ、この老人ホームから出ていけ、こういうことを言ったということを武部君は申しました。そういう態度は一体どういうものかと思う。その後におきましても数回交渉したということでありますけれども、私の聞き及ぶところによると、これに反対する者は出ていけ、こういう態度をとっておった。こういう所長が一体あるのか、あなたは一体どういう指導をしているんだ、お答えなさい。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 先ほどとただいま、九月の七日に申し渡しましたときに、不服な人は出ていけということを言ったということでございますが、もしそういうことを申したとするならば、これはまさに暴言でございまして、いやしくも一つの施設を預かる者としては、そういうことは申すべき筋合いのものではございません。おそらく私は、こいねがわくは、それはそうでなかったということであってほしいと思いますけれども、もしそういうことでございますれば、これも調べまして、もしそれに類するようなことでも一言でも言っておるとするならば、これは十分に注意を申し上げねばなりません。この機会に私としてはおわびをしなければならぬ、かように存じております。

武部文日本社会党

○武部委員 ただいまの委員長の発言は、私昌頭申し上げたように、九月七日の午後三時ごろに、入居者全部集めてこの入居料の値上げを申し渡した際に、いま言ったように、不服の者は出ていってもらいたいということをはっきり明言をしておる、これはもう間違いのない事実であります。さらに、この入居者一同は、先ほど私がちょっと厚生大臣あての文書を読み上げましたが、そういうような過去のいろいろなことがあった、したがって所長として不適格だから、これをぜひ更迭してもらいたいということを長野県知事に対して申し入れをしたという事実もありますから、そういう点も十分調査をして、次の機会に御回答いただきたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 それから、もう一つ私から質問したいと思います。  長野県の老人ホームから東京へ陳情に参ったときに、東京付近の老人ホームに対して同じような歩調をとるのではないか、こういう考え方がありまして、それを厚生省のほうに連絡をして、厚生団のほうから東京付近の老人ホームに対して、そういう運動があったならばそれはやめさせろというような指令が出ているような話を聞いたわけであります。それは、老人ホームから陳情に来た者が大宮の老人ホームに行きましたら、おまえの来ることはもうわかっておったぞ、こういう発言をしたそうでありますが、厚生省あるいは厚生団というものは、そういう値上げ反対のことをやるのを頭から圧迫するというか、やめさせるというか、そういう指導のしかたを各老人ホームの所長にやっておられますかどうですか、それをお聞きしたい。

太宰博邦財団法人厚生団理事長

○太宰参考人 私どもの団体は、申すまでもなく営利団体ではございませんで、多分に入居料をいただいて、その剰余を生じてどうのという筋合いのものではございません。それから、現実には毎年二千数百万円の赤字をはかから出しておるような事情でございます。しかもその設備は、前に申しましたように、軽費老人ホームなどに比べればもう少し高い入居料をいただいてもいいようなことかと、私ども思っておるわけでございます。  そういう中におきまして、こういう反対がたとえ一部の方であれ出たということにつきましては、私どもとしては、やはり私どもの説明のしかたが不十分だったのだろうというように思う次第でございまして、話せば幾ら何でもわかっていただけるというふうに考えておるわけで、その点を反省しておるわけでございまして、東京近辺の所長あたりのところに行って、そういう運動を頭ごなしにやめさせろということではないわけで、こういう筋合いなんだ、理解してほしい、おそらくそういうことであろうというふうに私は存じておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 私はこれで質問を終りますが、いろいろやりとりをいたしておりまして、どうも老人ホームの運営なり、あるいはそれとこの厚生団との間に意思疎通も欠けておるように思いますし、そういう面かち、これはもう新聞に、あなたも御存じだと思うのですが、相当の投書が載っておりますね。これは反響が相当大きいのですよ。そういうことから、もう少し具体的な事実を私も調べたいと思いますが、皆さんのほうも、私どもが申し上げたことに対する反論もあるようですが、事実を十分調査をしていただいて、またの機会にこの問題の処理をいたしたい、このように思います。  ありがとうございました。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 以上で質問は終わりました。  参考人には、長い間どうも御苦労さんでございました。     —————————————

松平忠久日本社会党

○松平委員長 次に、先ほどの質疑を続行いたします。有島重武君。   〔委員長退席、武部委員長代理着席〕

有島重武公明党

○有島委員 午前中に引き続きまして、ビールに関連して質問をいたします。  ビールの原価の問題につきまして国税庁に伺います。長官も公取委員長もいま退席なさいましたけれども、長官、委員長がいらっしゃると同じつもりでもってこちらはいたしますから、そちらもよろしくお願いいたします。  かっては、これは価格が昭和三十五年まで公定であった。それから以後基準価格として、三十九年六月までこれがきまってわったわけなのでございますけれども、現在国税庁のはうでは、ビールの原価についてどのように考えられておるのか、それについて伺います。

藤原重信国税庁間税部酒税課長

○藤原説明員 けさほど先生から御指摘ございましたように、ビールの価格は自由価格でございまして、それぞれ各メーカーが自分の責任と判断において価格の決定をしているわけでございます。私どもとしてはそれをどうこうするという法律上の権限は持っておりません。こういうことでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それでは、原価については何の見解も持っていらっしゃらないということでございますけれども、三十五年に発表したものについては、これはむろん責任を持っていらっしゃると思います。三十五年のデータでは、税抜きの一本当りについて四十三円八十七銭ですか、これ以後はどういうふうになっておりますか、三十五年以後。

藤原重信国税庁間税部酒税課長

○藤原説明員 三十五年当時物価統制令に基づきますマル公が廃止になりまして、以後自由価格体制に移ったわけでございますが、急激に自由価格体制に移ることによりまして市場が混乱するということは、やはり酒税の保全上にも影響があるということで、基準価格というものを設定したわけでございます。基準価格設定当時、いま先生の御指摘のございました三十五年当時の末端価格は百二十五円、税抜きのメーカー価格四十三円八十七銭という価格を設定しております。途中で減税がございまして、税額が十円下がりまして末端価格百十五円になっておりますが、ほかの部分につきましてはその後改定はいたしておりませんで、そのまま三十九年の廃止まで、引き続きその価格でまいっております。

有島重武公明党

○有島委員 経済企画庁に伺いますけれども、原価は三十五年当時から大体上がっているのだろうか、下がっているのだろうか、そういった想定については、企画庁の御意見はどうなんでしょうか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 私のほうで特にそういった調査をいたしておりませんので、原価についてどうなっておろかという確たる見通しは申し上げられる段階ではございませんけれども、ともかくこのビールにつきましては、年率一三%ぐらいの需要の増があるということでございまして、何といいましても近代的な設備を持ったこうした工場でございますから、かなりの合理化が進められておるのではないかということも一方に考えられますし、今回の値上げということで、結果として出ましたようなああいう形の値上げが必要か、これは非常に疑問だという感じを持っております。また一方では、公表されておる利益もあるわけでございまして、その結果からも大体の状況は推察ができる、こういうふうに見ております。ただ、そういった確実な調査をしたわけではございませんので、確たることは申しあげかねます。

有島重武公明党

○有島委員 三十五年のときは、原価は四十二円八十七銭であった、そういうような算定基準でもって国税庁はやっていらしたわけですが、私の手元にございます、これはビールのメーカー側の資料でございますけれども、この原価計算表を見ますと、税抜き一本当たりが、昭和四十一年七月三十一日付でもって三十一円十四銭となっております。これは年は違いますけれども、いま国税庁のおっしゃったように、三十九年まではずっとこれを変えないでもって、先ほどの四十三円八十七銭、この近所できたわけですが、この差があまり違い過ぎると私は思う。これについては、国税庁にこちらのデータを差し上げますから、それから企画庁のほうにもこのデータを差し上げますから、これをもう一ぺんお調べ願ったほうがいいのじゃないか。とすれば、当初から十円ぐらいの、原価の中に、すでに甘い計算になっておったのじゃないか、そう思われる節がございますので、後ほどデータを差し上げますから、経済企画庁と国税庁はもう一ぺん調べ直していただきたい。  それから、リベートの問題でございますけれども、リベートによる操作というものが再販の類似行為あるいは縦カルテルの類似行為のもとになっておるということは、しばしば指摘されておりますけれども、物価対策の上からいって、このリベートが御売り物価や小売りの物価水準を高めて下ささえになっている、下方硬直の働きをしているということについて、経済企画庁のほうではどのような見解をとっていらっしゃるか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 このリベートの問題と申しますのは、各業種ごとにいろいろ実態が違う形で行なわれておるわけでございますが、一般論として申し上げれば、こういったものが非常に過大になってその結果、結局は物価にはね返ってくるということを私どもは一番おそれるわけでございます。もちろんリベートそのものは、長い間の商習慣なり業態の実態によってそれぞれ行なわれておるわけでございまして、これを中止してしまうということは実際問題としてはできないと思いますが、ともかくそういう形で、こういった形のものが、結局は御指摘のように、一つは寡占体系のささえになりますし、また、そういう形で競争が制限される結果、やはり物価の面にも影響が出てくる。こういうことから、それぞれの実態に応じて、特に監督官庁があってかなり業界の指導ができるようなところにつきましては、そういうような面についても十分指導していただきたい、こういうことを私どもは機会あるごとにお願いをしておるような次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 リベートの物価に及ぼす弊害というものを認めて、機会があればそれを是正したいとお願いをしておるが、なかなか実際はむずかしい、そういうお話でございますけれども、いまの税制の上からいきますと、むしろリベートを促進する方向にあるんじゃないか。これは、どうしてリベートを経費と認めていくのか、課税対象としないのは一体どういうわけなんだというような発想が一つあると思うのです。  これは国税庁のほうに伺いますけれども、実際に税を取る上において、そちらの説明ですと、もとで取っても、小売りに流れていったリベートでもって、そこから小売りのほうの所得として取っても同じだというようなことを、大蔵省で言っているようでございます。けれども、これは税金を取る実際の上からいけば、小売り段階までいってしまえば、小売り屋さんにはそれはいろいろなのがあって赤字になっているのもある。それでこれは非常に取りにくくなっているんじゃないか、そう思うのですけれども、実際上はこの点はどうでしょうか。

藤原重信国税庁間税部酒税課長

○藤原説明員 その問題、実は私どもの所管外のことでございまして、私から申し上げるのはるよりといかがかと思うのでございますが、いま先生のお話を伺っておりますと、リベートにメーカーの段階で課税したらどうかという御趣旨のように伺ったわけでございますが、私、本来大蔵省の主税局の立法論の問題だと思いますが、会計理論から考えますと、リベートというかっこうで支出するにしても、あるいはその売り上げの値引きというかっこうで支出しても、そういう意味では、支出した段階では経費になるべき性質のものじゃないか。受け取ったほうの所得ということで、課税上の問題としては処理していると思います。立法論の問題としては、私からは御答弁いたしかねますので、遠慮さしていただきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 経済企画庁のほうにお願いしますけれども、その問題を検討していくべきだと私は思います。それで、みすみす再販やカルテルなんかのささえになっているリベートを、これをどう規制していくかということを努力なさっているというのならば、税制に関して、もう一ぺんこれをよく検討してもらいたい。  それから、あとは租税の問題でございますけれども、租税特別措置法の恩典について、これは本来は重要産業の助成、それから設備の近代化とか資本の蓄積とか、こういった経済政策的な配慮から行なわれているということになっておりますけれども、ビールなんかの場合になおこういったことを存続さしておくということは、これはやっぱり過保護になっているんじゃないか。それで、これは新聞発表ですけれども、一位は、麒麟麦酒が千六百七十六億円の売り上げでもって、法人所得は九十五億三百万ある。そういうような報道がなされておりましたけれども、こういうような段階になって、なおこうした特別措置法をやっている、存続しているということが、これはどうしても必要なのか、望ましいのか、あるいは早くやめたほうがいいと思うのか、その点、企画庁としての見解を明らかにしていただきたい。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 租税特別措置法によりますこの減免の措置は、御承知のとおり非常に多種多様になっております。その内容も、いまお話しのように、産業政策上の必要とか新技術の促進とか、いろいろの国家的な要請があって、政策的にそういうものがとられておるれけでございますが、この租税特別措置法そのものによる減免につきましては、大蔵省のほうでも毎年の税法改正の際に、できるだけそういったものを整理していきたいというふうに努力しておられるように、私ども承知をいたしております。経済企画庁としてどうということを、私が代表して申し上げるような立場にはございませんけれども、それぞれそういった政策目的で行なわれたものも、ある時期がたちますと大体の効果を果たして、成果をあげたということになる場合が通常でございますが、そうなってもなかなかやめられないというような場合がございます。こういったようなものは、やはりその時点での必要性ということをしょっちゅう再検討していただきまして、そして整理をしていくという方向が、経済の全体の効率を保たす上からいきましても望ましいのではないか、こういうふうに私は考えております。

有島重武公明党

○有島委員 これは、長官がいらっしゃらないからということで、こちらとしても非常に何だか質問しにくいわけなんでございますけれども、長官の代理として来ていらっしゃると思いますので、いまのリベートの問題と、それからもう一つは租税特別措置法の問題、これについては経済企画庁としてもしっかりと取り組んでもらいたい。それから、こちらの原価計算については、これは終わったら差し上げますから、もう一ぺん調査し直して、はっきりとした一つの回答を出してもらいたい。  以上で終わります。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これから牛乳びんを紙容器にするという問題、この前の委員会で取り上げた問題なんですけれども、あのときに太田畜産局長は、質問の趣旨はよくわかった、善処をしたいというような答弁だと思うのですけれども、その後どのように善処していただいたか、最初に畜産局参事官ですか、から答弁いただきたいと思います。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 牛乳の紙容器代を製造メーカーと小売り業者ということで、どういうぐあいにこれを持つべきであるか、こういうことを中心にしました、前回先生からの御質疑に対しまして、私どものほうの前局長の太田がいろいろお答えしたわけでございます。そのときお答えいたしましたことの繰り返しは避けるわけでございますけれども、申し上げましたように、確かにワンウエー容器ということが、牛乳の消費拡大と申しますか流通段階合理化、省力化ということにつながる問題として、私どものほうも大いにこれを取り上げていきたいということで、いろいろやってきたわけでございます。しかし、このいろいろなメリットが十分にあらわれるということになりますには、いずれにしましても若干の時間が要るということで、現在がその過渡段階であるということもその際申し上げ、先生からもそれはそうだというお話を得たわけでございます。  したがいまして、現在いろいろ——この前に局長からも、ある程度数字を申し上げました。先生からもいろいろ御指摘があったわけでございます。それらの数字につきましては、確かに一つの事例的なものとしてそういう数字というものはは考えられるということでございまして、実際上それではコスト、つまり紙容器の紙代、それと従来のびんのびん代、紙とぴんということだけで比較をいたしますと、前回いろいろと御指摘のありましたような点等もあるわけでありますけれども、やはりこれは、実際にそういうものがどの程度動いていくかということで、一つの企業のコスト、小売りコストということでもって比較をしないとなかなか的確なことが申せない。そういう意味合いにおきまして、一つの試算的なものとしていろいろな数字が出たわけでございます。この辺につきまして、それではそれを一つの基準と申しますか、そういうものにおいて行政庁のほうで、それをどういうぐあいに負担するのがよかろうというようなことを、この段階で指導をいたしますと申しますか、そういう形に出るには、やはりあまりにも材料が不足でございます。そういう意味合いにおきまして、私どものほうでも、いわばそうした現在のコスト等についてなるべくわかる範囲で調べて、これをいろいろ考えていくということにはいたしたいと思いますけれども、何ぶんにも企業の中身の問題でございますので、なかなかこれが的確につかめない。  そこで現実の問題といたしずして、ただいま私ども仄聞するところによりますと、小売りの団体のほうでもこの問題を取り上げられて、やはり御自身の問題としていろいろそうした客観的なデーターいったようなものも集められて、これをひとつ牛乳メーカーとの間で突き合わせていろいろと事を進めていきたいというような動きがあるやに聞いております。午前中も申し上げましたよりに、ここのところの値段の関係に関します問題は、やはり原則といたしましては業界同士の間の話ということを優先にきめていただきたいということでございますので、ただいまそういうことで推移をながめておるということでございますので、決して消極的に何もしないというわけでもございませんけれども、事の進展をただいま見守っておるということでございますので、この辺のところを御了承いただきたい、そのように思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまの御報告でございますけれども、問題が二つ、三つあると思いますね。一つは、つまり紙容器にかわるに際して、その値段は大体一円六十銭といい一円八十何銭といい、いろいろ数字がありますけれども、そうして、前の牛乳びんのときに、十四円十銭の中にびん代に相当するものが五十六銭であるとか八十七銭であるとかいろいろありますけれども、根本問題として、前にびん代として何ぼか負担したものを、今度の容器になった場合に、過渡期とはいえ、牛乳の販売店のほうが一方的に負担をしておるというこの事実について、私はこの前のときに、メーカーのほうも応分の負担をすべきではないかということを申し上げたのですけれども、つまりその根本問題が一つ。何ぼか数はわからなくとも、値段ははっきりした具体的なお金はわからなくとも、メーカーとしても負担すべきであるということが一つですね。その問題から聞いてみましょう。  その問題についてどういうふうにお考えですが

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、いま先生御指摘のことでございますが、いわゆるびん代、従来のびん代あるいは今回の紙代と申しますか紙容器代というものの負担というものは、もう先刻御承知のとおりでございますけれども、最終的には消費者がこれを持つ。消費者価格の改定がない限り、新しいものに入れましてそれだけコストバールになりました点は、メーカーのほうであるか、小売り業者のほうであるか、とにかくそむのところでもって処理をされることになるということは、言うまでもないことでございます。現在のところ、この前のいろいろな数字、ただいま先生もおっしゃいましたとおり、数字的に必ずしもはっきりしたものがなくて、いろいろあるようだがという御指摘のとおりでございまして、従来のびん代のときの、ただいまおっしゃいました五十何銭といったようなものにつきましても、これは全部メーカーが持っていた持っていたと申しますか、メーカーがそれだけ高い分を入れた卸値の建て値の中に入っている。結局、一たんは小売り業者が払ったかっこうで入手をして、消費者に渡すというかっこうでございまして、どこが持つかということでございますと、金額的にはわかりませんが、一応卸売りの建て値の中に紙代というものが入ってくるということにはなるんだろうと思うわけでございます。  そこで、ややこしい話になりますが、そのうちの何がしかというようなものを、従来の卸売り業者の利潤と申しますか、その中でもってある程度それをカバーする、いわゆる紙代のコストを卸売り業者の利潤のカットによってある程度カバーをするということにできるかできないか、こういう話になるのだろうと思います。そこで、ここで数字がいろいろございまして、的確なことが申せないということになっているわけでございます。前回の数字を一応振り返ってみますと、びん代としてはなくなる、しかし、紙代としてはふえる、紙代のほうが一応現在の段階ではコストバールになるということで、その差額ということになるわけでございますけれども、この辺のことと、いま申しました、いわゆるメーカー側におきましては二重投資と申しますか——一どきに全部紙容器に切りかえられるならばいいわけでございます。いいというか、また違った考えも出ましょうが、現在の段階ではぴんと紙と両方が併存という形になりますので、どうしても二重投資といいますか、少なくとも最初の間はメリット効果というものは——本来メーカーのほうにメリット効果というものはあまりないということはもともとあるわけでございますが、そういうことでもって、現在の段階では、メーカー側のほうは二重投資的なことでもっていかざるを得ない、そういう機械等の償却あるいは従来の洗ぴん機とか、そういったものの償却その他の問題といったものがかさんでおりまして、先生御設例の差額とかいったような数字が、その分がそういうものに見合っているという意味ではございませんけれども、またそれが、そういうことで見ることがいいかどうか、あるいはもっとよけいかかるというぐあいに見るべきか、その辺のところのいわゆる事務的な諸経費というものの分析が、必ずしもわれわれとしても十分にできないという事態におきまして、どっちでどのくらいというような話を、私どもの行政庁の側からイニシアチブをとってどうということをするということは、非常にまだ考え方としまして熟さない面がございます。  そこで、先ほど来申し上げて、繰り返しになって恐縮ではございますけれども、さしあたっては、そういうことについて一番御自身の問題としてよくわかっておられる業界同士が、ひとつ客観的な数字等を突き合わされて、そこでもっておのずからのところやっていってもらいたいというのが基本的な精神でございまして、したがいまして、現在の小売り価格をきめました、昨春でございますか、そのときの業者間の話し合いで、一応こういう問題も含めて現在の価格にセットされているというぐあいに考えますが、もちろん、その間いろいろと時間的な経過等もございますし、ワンウェー容器普及の進展といったようなこともございますので、そうした点で、時間の移動とともにかなり流動的なコスト等の動きもあろうかと思います。その辺のところは、今後私どものほうとしてもなるべくそうしたものを的確につかまえて、その時点でいろいろと考えてまいりたいというのが現在のところでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この前の値上げのときにいまの紙容器の問題は正式に、つまりメーカーと小売り店の間に話し合いがついておりましたか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 正式についたかというお話でございますけれども、要するにそういうことも含めまして、最終的な結論としてあの価格がきまった。もちろんその中でもって、紙容器ばかりじゃございません、いろいろな問題を含めまして議論がいろいろあったやには聞いておりますけれども、最終的には一応、個別の問題というよりは、全体としてあの価格に落ちついたというぐあいに聞いております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その紙容器の問題は継続的な審議、今後相談しようということになっておったんじゃないんですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 これは私、直接そこにおりませんので、必ずしも的確なお話にならないかと思いますけれども、継続に考えるということを、必ずしもそういうことであるというぐあいにきめられた話でなく、ただいま申し上げましたように全体としてセットしたということでございますし、この紙容器の問題ばかりでございませんで、乳価問題ということで、もちろん時の流れとともにいろいろ問題が生ずれば、最終のフィックスした問題であるということではなくて、またいろいろ論議をする機会があるということは、これは当然のことであると思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 農林省のこの問題についての態度がどうもよくわからないのですけれども、午前中に私は、メーカーと小売り屋さんのほうとの力関係の問題をいろいろ質問をいたしました。つまり、これは事実そのまま申しあげているわけで、メーカーと小売りが話し合いをしてきめるといっても、そこにはこんなに違った力関係がある。小売り屋さんのほうは言いたくても言えない。一つの系列化かなんかのがんじがらめといったらいいほどになっている。こういう状態で話し合いをして、その結果農林省はあれをするといったところで、そんなまともな話し合いができないということは、先刻御承知じゃないんですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 先生のおっしゃるようなケースがあるないということはおいておきまして、逆な意味で申しますと、実際の企業のあり方というものについて、確かに一律ではございません。いろいろな意味で種々差があるわけでございます。一つ一つきわめて、よく分析してまいれば、おそらく非常に多種多様な形態があろうかと思われるわけです。そういうものについて、やはりある程度業界内部の問題としてまとまってと申しますか、一つの力と申しますか、そういう形でもってある段階まで参りませんことには、個別の、非常に千差万別のようなものを中央に一つのあれに要約をいたしましてやるということ自体は、かえって問題が多かろうか、こう思うわけでございまして、この問題ばかりじゃございません。確かにおっしゃいますとおり、企業の実態等の千差万別について何とか考えられないかという根本問題、これはまた一つあろうかと思います。  その根本的な問題についてどう進めていくか、これも私どもに与えられた命題だと思いますが、そのことと現在の容器の問題ということを、いわゆる直に結びつけたかっこうで考えるというにはあまりに材料が薄い、こういうことでございますので、そこはお互いのところで詰めていって、いろいろと問題がはっきりしてくる。もうすでにはっきりしておるではないか、こういうご指摘かとも思いますけれども、こういうことでひとつ当面対処していただきたいということと、それから、確かに現在は過渡の時期でございますので、小売り商としても、紙容器にかえたことによるメリットというものが十分に出ていないということもわかりますけれども、これもまた、この状況のもとにおきましては非常な——非常なといいますか、かなりの努力をされまして、企業としていけるという形でやっておられる事例もあるわけでございますので、そうした優良事例等をも業界の問題として皆さんが考えられて努力いただきたいというのが、率直なところでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 あなたはさっき、たとえばメーカー側は紙容器にかわる場合、二重投資もあるしいろいろ費用がかかるとおっしゃったが、その費用が一円六十銭という形になって——この数はいろいろあります。しかし、一応一円六十銭という紙代になって評価されておるのじゃないですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 いまのは架空の数字でございますので、一円六十銭だということではございませんけれども、現在いろいろといわれております金額は、びん代と紙代ということでございまして、そうしたいろいろな諸経費と申しますか、その他の経費等については一応除いたことでもって考えているのが一般ではないか、こう思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 何かわからぬ答弁だとぼくは思うのですが、そういうややこしいことはのけて、とにかく合理化ということは必要ですね。これはやらなければならぬ。そして、メリットがメーカーのほうと小売り店のほうとどういうぐあいになるか、これはいろいろ議論がある。しかし、いずれにもあることは事実。あるから合理化ということを言っておられる。小売りのほうもやろうと言っているし、メーカーのほうも一生懸命やろうとしている。これは事実ですね。そういうふうなどうしても必要な合理化をやるというときに、当面必要な紙代というものを、それが何ぼにしろ——この前は一円六十銭という話だった。いままでのびん代として負担しているのは五十六銭というお話だった。その後いろいろな数字が出ているけれども、その一円六十銭という新しい経費を小売り屋さんだけが一方的に負担するということは、これはだれが考えてもおかしなことである。それは農林省でメーカーにこうしなさいということは、適当でないかもしれません。しかし、そのことはよく話し合ったらどうなんだ。目的は正しいことをやるということなんですから、だれが聞いても妥当な方向に、メーカーのほうあるいは小売りのほうをもっと説得する。これはやってもいいというか、やらなければならぬことじゃないか。やれということは言えないでしょう。また、言っちゃいけない面があるかもわからない。それをそうしないで、メーカーは、とにかく切りかえるときの直接の負担は、負担をしている傾向はない。小売りは一円六十銭の負担をしている。これがあたかも正当であるかのような態度でこの問題を処理するということが、私はわからないのですよ。だから、その額は何とも言わない。言わないけれども、メーカーも必要な合理化をする場合に費用の負担をする、むしろすべきじゃないかと私は思うのです。小売り店はいろいろ苦しい条件のもとで開拓しようとしている。しかし開拓しても、自分たちだけで負担をするということになれば、その合理化を進めていく努力もにぶっていく。いまあなたもおっしゃったように、小売り店は確かに最終的に大きなメリットはあるけれども、現在ではそうたいして顕著なメリットになっていない。事実、そういう数字は出ております。メーカーのほうもそうでしょう。これは両方ともお互いさまです。だけれども、やらなければならぬことはやらなければならぬ、合理化の問題なんだから。そういう点をもっと農林省としては考えて、そして両方が勇み立ってやるように——メーカーに負担ができなければ別ですよ。メーカーは現在、一流企業以上の利潤をあげている段階でしょう。これ以上負担ができないというなら別だけれども、それくらい利潤をあげているメーカーと、いろいろ利潤をあげているでしょうけれども苦しんでおる小売り商の問題なんですから、そういう問題を考えての行政指導というのはあってしかるべきじゃないですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 また同じことを繰り返すようではなはだ恐縮でございますけれども、いま申しましたように、この間来出ております一円六十銭でございますとか一円八十九銭でございますとか、そういったような数字、それから過去のびん代の五十六銭といったような数字、それらの数字を使って計算いたしますと、メーカーのほうが何にも持っていないというかっこうになるわけでございます。これは、さっきも申しましたように一つの事例的なもので、必ずしも正確でないものをとってやるわけでございますから、計算上はあるいはそういうことになっておるかもしれません。ただいま申しましたようなほかの諸経費等、これも幾らであるか必ずしもわからないわけでございますが、そういったものを含めました上で、いま行なわれております卸価格、これも先生御存じのとおりいろいろな種類がございますので、しかも、メーカーごとに必ずしも同じではないというようなこともございますが、そういうものを見て、ホールコストとしてはやはりメーカー側もマイナスになっておるというものもあるかもしれないわけでございまして、要するに、これでメーカー側が何も負担していないというぐあいに即断するわけにもいかないということでございます。  御存じのとおり、百八十ccのテトラとか、二百cc、五百ccあるいは千ccというようなピュアーパックとか、いろいろな形もあわせてやっておりますので、そういったことで、全体のホールコストということになりますとなかなかむずかしい。そういうものを全部含めた上で、これはメーカーも考え、小売り販売業者のほうも考えるということでございますので、そうした上で、それぞれのお話し合いの間でもって具体的な線が出ているわけでございますので、これを一応踏まえて、先ほど優良事例と申しましたが、そういった中で、現在非常に拡販をされてやっておられる小売り販売業者もあるわけでございます。そうしたところをひとつよく——私どものほうもほっておくという意味ではございませんが、業界内部の問題として進めていただきたい。  ただ、いまも先生からございましたように、いまの段階でそうそう大きなメリットがでているわけではないということも十分承知しておりますので、これはやはり何と申しましても、そういう優良な方に格段の御努力を願うというだけでは確かに無策でございますので、政府といたしましても、これは来年度予算になるわけでございますが、来年度の予算の中では、これを急激に進めていくためには、集団的に一斉に切りかわるということがどうしても必要であろう。そういうことに対しては、やはり共同受乳の施設と申しますか、そういうものに対する補助策、それから、そこへ運んでいきますところの手段として、電気自動車というものを考えておるわけでございます。これは新聞の配達なんかで実行に移されつつありますが、そういったものを考えまして、ひとつ小売りの方々がやっていけるような形を考えたい、そういったことについても予算化をしたいということで努力をしているわけでございます。これは来年の話だとおっしゃられますとそれまででございますが、そういうことの努力は積み重ねているわけでございます。  さらに、いまのいろいろなコスト等の現在のあり方等につきましても、ひとつわれわれのほうとしても努力をしまして、つかめるものはつかんでいく。その中で何か行政のほうに反映できるようなものがあれば、それを取り上げていくのにやぶさかではないというぐあいに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私は、この問題についてのあなた方農林省の態度は非常に消極的だと思うのですよ。というのは、この前太田さんに質問したのは三カ月前ですね。そのときに太田局長は、紙容器代として一円八十九銭かかるのだ——私はそのとき一円六十銭と聞いておった。一円八十九銭と九銭まで出しておるから、一応その紙容器代は何ぼかということを見当をつけたんでしょう。大体一円六十銭から一円八十銭というなら別だが、一円八十九銭という数字を、太田さんはここで答弁なさっている。それは農林省としても一応見当をつけてあるのでしょう。こういうふうな時期ですから値段は移動していきますけれども、一円八十九銭という紙容器を——容器としては、この代金を一応基礎にしてもいいと思うのですけれども、いまの話によれば、まだちょっと見当がついていない。いつまで見当をつけるつもりかということは、あなた方かもっとこの問題について熱意を持っておれば、もっと煮詰めていい時期が時間的にあったわけです。今後いつごろになれば——大体三年後はどうなるか、五年後はどうなるかということは別として、切りかえどきの行政指導の目安として、いまの紙の容器はどのくらいかかるのか、この容器は何ぼかかるから、この容器の負担については、メーカーのほうもこれくらいのことは負担すべきじゃないか、あるいはまた小売りのほうもこの程度は負担して、ともに一生懸命合理化をやればいいじゃないかというような指導をするのがあたりまえなんでしょう。農林省がそういうふうな積極的な指導をしないと、正しい価格は出ませんよ。先ほど言ったように、業者同士、メーカーと小売り同士の話にまかせていけば、これは一方的になってしまいますよ、いまの形では。そういうような御判断はないのですか。いまのメーカーと小売りの間で話し合いをして妥当な線が出るというお考えを持っておりますか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 一円八十九銭という数字をあのとき、確かに前の畜産局長から申し上げております。これは先ほど申し上げましたように、一つの事例ということであったわけでございまして、その点で、これが全体を通じた平均的なものであるということでも必ずしもないわけでございます。そういった意味で乏しいわれわれの材料の中で、その当時手中に入った数字であったということでございまして、その後いろいろな数字が出てきておりますことは、先ほど申し上げたとおりであります。この点は先生も御了承いただきたいと思うわけでございます。  それでは一体、いつになったら的確な目安がつくのかというお話でございますが、これもまた、先ほど来私何度も申し上げておりますように、おしかりかもしれませんが、なかなかっかみにくい。単純に紙代とびん代だけのことでいろいろものを言うというのも問題であるということで、確かに行政の目安として、指導の目安として、それではそういうものが入ってもいいから何か早くつかめなければいかぬのじゃないか、この御指摘もまた、当然お受けしなければならぬと思いますけれども何ぶん非常にむずかしい、そういう状況でございますので、その中で何か一つとりまして、こういう形でとこういうことで、しかもそれはこのパーセンテージ等に関係します問題ですので、数字的に詰めますにはかなり時間がかかる。しかし、先ほど来ございましたように、政府サイドでも、企業の中のほんとうのコストというようなことを的確につかまえるというのは、なかなかその手だてがむずかしい。先ほど公取の調査権等の問題もございましたが、そういうことでございますので、これはやはりまず第一義的には、業界の強さ弱さの力関係があまりに隔絶しているのではないかという、先生再三の御指摘もございますけれども、そこは先ほどお答えしました、やはり一つの商業組合のカというものでかなり努力をしていただいて、まずそういうところで解決の歩度を進めていっていただいて、さらにその上でいろいろと問題が生じた中で、行政庁で引き受けられる部分というものが出てくるかどうかということの判断にかかっていくかと思うわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、私どものほうとしましても、独自に調査等は力点を置いてこれから進めてまいるつもりでおります。  それから、いま先生のおっしゃっている問題は、また生産者と小売り販売業者とメーカーとが乳価をどういうぐあいに分けるかというような、そういうほうの問題とも連なる問題になるわけでございますので、これだけを取り上げまして強力な政府の指導という形は、現在の段階ではとりにくいというのが実情でございますので、この点は御了承をいただきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 先ほど御答弁の中に、将来乳価が変わるときというようなことがあったのですけれども、牛乳の値上げを近い将来また考えていますか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 ただいま乳価が改定になるときということは、たしか申し上げてなかったと思うのでございますけれども、要するに、いろいろなことを含めまして乳価全体の——私が申し上げました、その乳価をどちらで取るかどうかという話をそういうぐあいにおとりいただいたかと思いますけれども、そういう意味で申し上げたわけではございませんで、上げるからどうこうと、こういうことを申したわけではありません。もしそういうふうにおとりいただいたとしたらば、訂正させていただきます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 先ほど、一円六十銭か一円八十九銭かわからぬけれども、それ以外にメーカーとしてはいろいろ経費かかかっているのだというお話がございましたね。それはどのくらいかかっているか、お調べですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 これは先ほど来申し上げておりますように、そこのところの見方というのがなかなかにむずかしいので、確かに、従来のあれはそのままにして、紙代だけをオーバーしたものとして加えるというようなことでそれが見られているのか見られていないのかということの判断は、正直のところ現在ではなかなかつけがたい、こういうことを先ほど申し上げたわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いろいろごちゃごちゃありますけれども、つまり乳価、消費者に売る値段が二十三円、そのうちで生産者か十円五銭ですか、メーカーが四円五銭、それと配達業者が八円九十銭という内訳になりますね。そしてメーカーの十円五銭と四円五銭とが合わさった十四円十銭というので、従来百八十ccのびんに入った牛乳を小売り店に卸しておったわけですね。その中には、この前の局長さんの話だと、五十六銭のびんの破損その他を計算した費用が入っておるということです袷今度は紙になれば、この五十六銭というものはなくなるわけですね。いまはそれを、十四円十銭にプラス一円六十銭という値段で現に小売りは受け取っているわけですね。これが十四円十銭プラス一円六十銭ではなくて、十四円十銭から五十六銭引いたものにプラス一円六十銭なら、まだわかるのですよ。これが普通の計算でしょう。それが現在は、牛乳の卸値段というのは十四円十銭プラス一円六十銭。この一円六十銭が架空だとか架空でないとかという説はありますけれども、現に取引は一円六十銭をプラスして、牛乳店はこの金を払ってているわけです。それに限定してみると、一円六十銭はもう架空とは言えないと思うのです、現にそういう取引をしているのだから。なぜこの場合黙って——五十六銭というものは、紙容器になれば要らなくなるのだから、その分だけメーカーはもうけていることになる。そうでしょう。そういう問題について、小売り業者のほうはかなり深刻な不満を持っておるわけですよ。この一円六十銭は、この場合は架空じゃないのですよ、現に取引されているんだから。そうでしょう。したがって、これはメーカーは賛成しないかもわからぬけれども、十五円七十銭の小売りに出す値段から五十六銭分は引くのが、だれが考えてもあたりまえのことです。そうでしょう。そのときに、いまあなたのおっしゃるようないろいろな経費がかかっているとすれば、それはあなたのところは早く調べて検討すべき問題じゃないですか。そういう問題だけは、各メーカーと小売り業者の話し合いの中にあなた方が正しい一つの指導を講ずるのがあたりまえじゃないか。少しメーカーのほうも泣けよというような指導をするのがあたりまえじゃないですか。私はそう思うのですが、その点どうですか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 たびたびのお話でございますけれども、五十六銭と一円六十銭というのは一応それなりにある数字ではないかとおっしゃるわけでございますけれども、それだけの比較でございますればそれを引いたという話になるわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますようないろいろな小売りのコストという話になりますと、企業としては、百八十ccのテトラの加工しないなま乳というようなかっこうで想定をするとかいうようなことになりますと、加工乳の場合だとかいろいろございまして、そういうものの積み重ねの上で一体どうであるということになるわけでございまして、そこのところが調べ足りないのがいかぬではないかというお話でございますが、これは、先ほど来だんだん申し上げておりますように、全体的にそれをつかむことはなかなかむずかしい。したがって、非常に単純な問題として、そこだけの問題をこことここと万いうことになりましても、いざ、それでは企業としてはどうだという話になりますと、全体のコストというものを見てどうだという話にどうしてもならざるを得ないことになるわけでございます。そこのところは、先ほど来何べんも申し上げておりますように、現在の段階では、企業側もそこのところに的確なものを申す材料に乏しい。これは乏しいなんと言っておるのがいけないというおしかりとも思いますけれどもこの点等につきましては、私どものほうも、これからではおそいというおしかりを受けるとどうにもならないのでございますが、私どもとしてできる限りの調査はやっていくつもりでおりまして、体制固めをしておりますので、しばらく御猶予をいただきたい。  しかし、あくまでも基本的には、やはりそれぞれ具体的な事情を持った当事者の方のところでもってまずは話が進んでいく。入り口のところで全然問題にならないのであるということではなしに、やはりそこでもって問題の解きほぐしが始まっていくということに期待をいたしたい。先ほど申しましたように、仄聞いたしますと、乳業の小売り業者の全国組織のほうでもそういう調査を始められ、さらにそういうことでもって進めていこうというふうに方針を固めつつあられるというふうに聞いておるわけでございまして、それと並行して考えていきたい。さらに、全体的にコストの面で効果があらわれますような施策につきましては、先ほど申し上げましたように、来年度の予算等にも考えているようなことをぜひ実現させていただいて、これでもって進めていきたい。  そういうぐあいに全体を含めました総体の中で、ひとつ政府の努力というものをお考えいただきたいと思います。そうして、決してここで全く何もしないということではなくして、今後そうした調査あるいは横の話等を入れまして、私どもとして検討を進めていきたい、こういうぐあいに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 企画庁の局長さん、いまの話を聞いておられましてどう思われますか。つまり、具体的に数はよくわからない、紙容器代がどれくらいのコストになるかわからないということですけれども、具体的に動いておるのは一円六十銭として、いままでの十四円十銭をプラスして十五円七十銭として小売り業者は受け取っておるわけです。その限りにおいては、メーカーは紙容器にするに際して一銭も負担をしていないということになるわけです。そこで参事官は、いや、そのほかにいろいろと費用がかかっているんだ、そのことも考えなければならぬということをおっしゃっているけれども、何ぼかかっているかわからないという状態なんですね。私の申し上げるのは、いま申しあげておるとおり一円六十銭のプラスというものは、その前に当然負担しておったびん代としての五十六銭分はメーカーは要らなくなる、少なくともその分だけは差し引くのがしかるべきではないかということを、いま言っているわけです。物価担当官として、これはどうお考えになられますか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 前回の太田畜産局長に対する御質問、きょうの場合も、私も拝聴しておったわけでございますが、私どもの立場といたしましても、牛乳の流通問題に非常に関心を持っております。先般六月九日の閣僚協議会の総合物価対策におきましても、ワンウエー化の促進をやろうということが決定されたような次第でございまして、これがやはり急速に普及していってもらうことが今後の流通問題として非常に重要である、こういう認識を持っております。そういう際に、御指摘のように小売店にとって非常に不利なような取引の形態があるということであれば、やはり障害になるんじゃないか、こういう心配を持って私も聞いておったわけでございます。  この方策の実行について、私ども、農林省に督促をいたしておりますが、現在開銀融資の問題、それから来年度は、かなりまとまった団地について一斉に切りかえをする、そういうことに助成をしたいということのようでございます。こういう形がはっきり出てまいりますと、小売り段階における経費節約のメリットといいますか、そういうことがはっきりしてまいると思いますので、どの程度が小売りのほうの経費の節約として、したがって、またその分を紙代の負担として持ってもいいのかというような見当がわかると思いますが、現段階での話をお聞きしますと、どうも一斉切りかえというのはなかなかむずかしいことのようでございまして、まだぴんと紙とが混合して流通しておる、こういう形でございますので、どうも農林省のほうの御調査の点もその辺が非常に明確でない、こういう形になっておるように承知をいたしました。  何といいましても当然経費の節約があり、そして、その分をまたワンウエー化によるコストの増加として負担すべきものであれば、これは当然それでよろしいと思うのでございますが、いまのような混合形態の形で、必ずしも経費節約が十分行なわれていないという段階で一方的にメーカーが押しつけていくということは、どうも私も、聞いておってもあまり理解ができないという気がいたします。この点農林省のほうとも十分相談をいたしまして、いずれにしてもワンウエー化の方策が進みますように私どもとしては努力してみたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私も大体そういうふうに思うわけですけれども、けさの私の質問に対しまして公取の谷村さんも、いまのメーカーと小売り商との団地の、しかも自分の家屋敷も全部担保にして、それでもって系列化をするというような形は問題だ、こういうようにおっしゃっておられましたね。それで、経済企画庁長官は、大臣だからいろいろ含みがあるでしょうけれども、やはり前向きの状態で考えておられたと私は聞いておったのですけれども、いまの企画庁の局長さんのお話から見ても、これはつまり必要な合理化なんですね。特に先頭になって開拓をしていくのは小売り屋さんなんですね。しかも小売り屋さんだけが、目に見える値段としては一円六十銭というものを従来よりも多く負担をして、しかも必要な合理化の先頭に立っている。メーカーの場合はまだいろいろ金がかかるでしょうけれども、これはあまり明らかじゃないけれども、小売り店としては、いまの五十六銭がかからなくなったという状態でこの問題に対処しているということなんですね。実際は、これはあなたもおっしゃるようにまだわけがわからぬけれども、総体で他のいろいろな経費がかかっているとおっしゃるけれども、むしろその総体での経費というのは、つまり一円六十銭というものの中にはめ込んで考えるのがコストとしてはあたりまえのことですね。紙容器代は一円六十銭というのですから、一円六十銭の中にメーカーとして負担すべきものは入っていると見るのがあたりまえのことです。それが一円六十銭と八円九十銭とでは、これはどうか。現在きまっているのが一円六十銭。もう一円六十銭で現に動いているのですよ。そういうことが問題なんですから、この際、農林省はもう少し、牛乳の公正な価格構成というものを考えた場合に、しかるべき行政指導というものがあってしかるべきである。これは過渡期の問題だから、きまったものでなくてもよろしい。よろしいけれども、この必要な合理化を推進するために、目に見える形で小売り業者が一円六十銭の負担増になっている、メーカーは五十六銭の負担減になっている。その問題の調整だけは考えるべきだとぼくは思うのですよ。その点はひとつ善処していただきたいと思うのです。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 だんだん私も申し上げまして、私どもの申し上げたいことも先生おわかりの上でおっしゃっていると思いますが、最後におっしゃいましたそこのところの問題だけ取り上げますと、確かにそういうことだということも一つ出てくるわけでございますが、まことにおことばを返して失礼でございますけれども、そのことをそれではどう取り上げていくかということになりますと、また何もわからぬでというお話になりますけれども、その全体の企業コストという問題ともどうしても結びついてきますので、先生のおっしゃいましたこの問題の点につきまして、私どももこれは十分頭に置きまして、先ほど来申し上げておりますように、可能な限り役所としてつかめることの範囲で、最近のコストの実情といったものの把握につとめまして、その上で慎重に考えさせていただきたいと思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 では、これで終わります。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 カラーテレビの問題なんですけれども、この間、六日に通産省は業界の十二社ですか集められて、いわゆる二重価格の問題について、当面の対策をお聞きになって考慮されたようです。これの内容でなくてもいいと思いますけれども、現金正価というのは一応取り払う、そしてそのあとにしかるべき実売価格が安定したときに、それに沿うて新たに現金正価といいますか、そういうものを考える。それから、新機種からそれに見合った正価をつけていこう。それから新機種の製造年月日を表示していこう。これが大体メーカーの段階での問題ではないかと思います。それから、流通過程では例のリベートの問題、これを合理的なものにしていこう、その他であったと思うのです。  そこで、私ども聞きたいと思っているのは、つまりどこも現金正価の表示はなくなるわけですから小売り店がそれぞれ消費者に売る価格を一応店頭に表示することになる。そうしますと、小売り店に表示される価格はまちまちにあらわれるわけですね。高いところもできるし、安いところもできる。そういうことになりますか。

関山吉彦通商産業省重工業局電子機器電機課長

○関山説明員 御指摘の点につきまして御説明申し上げます。  通産省といたしましては、根本の問題といたしましては、生産並びに流通の合理化ということをこれから一そう推進いたしまして、良質廉価なテレビを消費者が安心して購入できるようにしたいというのが、問題解決の基本と考えておりますけれども、現下の情勢を考えますと、現金正価と実売価格というものの乖離が非常に極端になってまいりまして、また実売価格間の開きというものが非常に大きいという現状から、消費者が非常に混乱して安心できないのではないかという各般からの御指摘もございまして、われわれといたしまして、生産のみならず販売関係の業界、それから消費者の各団体からもいろいろ意見を聞き、いろいろな調査もしたわけでございますが、とりあえず当面の問題といたしまして、混乱のもとになっております現金正価というものをこの際はずしたらどうかということになったわけでございます。確かに正価がはずれますと、御指摘のように、小売り店と消費者のそれぞれの対話とでも申しますか、それによりまして多少の価格のばらつきは出てくるのではないかというふうに考えております。しかし、これが先ほど申し上げましたように、正価と実売価格が不当に乖離して消費者を欺瞞しているというような御指摘もある際でございますので、暫定措置、緊急避難とでも申しますか、そういう措置といたしましてこのような方策をとった次第でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 ですから、現金正価というものはなくなって、小売り店がそれぞれ売る値段を店に掲げるのだから、同一機種でも小売り店によっては価格が違うというあらわれ方、当面はそういうふうな形であらわれるだろうということですね。一定したものは出ないわけですから、それはそうなりますね。小売り店にあらわれる価格が表示されるのですから、これはそれぞれ変わってくる。いろいろな形で同一機種が、市場では高いところもあるが安いのも出るというようなあらわれ方になるわけですね。そうなりませんか。

関山吉彦通商産業省重工業局電子機器電機課長

○関山説明員 各小売り店の実勢価格と申しますか、これは地域の需給バランスの状況によっても異なる点もございましょうし、また、その小売り店の仕入れのいろいろやり方、取り扱いの量などによりましても、これは自由な競争というような立場からいいましても、それぞれの店頭表示される値段に幅が出ることはやむを得ないだろうと考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 つまり小売り店の仕入れの状況だとかいろいろな条件がありますが、それぞれ違う。そこで安いのも高いのもできるというような、つまり小売り店同士の自由競争の中でテレビの実売価格を一定の水準でもっていくように、そういうことをねらっておられる、こういうことになるように思うのですが……。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 今般いわゆる現金正価の表示を撤廃するということにいたしましたが、これは趣旨は十分御了解いただけると思います。現在のいわゆる現金正価と実売価格というものは非常にかけ離れているということから端を発しまして、消費者、小売り業者それぞれいろんな話し合いが行なわれました。その結果、消費者のほうからの強い要望もありまして、小売り店側がこれを一時撤廃いたしましょうということをきめまして、その動きが現にあるわけであります。それに対しまして、いわゆる現金正価と申しますものはメーカーが売り出しますときにつけてまいりますので、メーカー側もこういった消費者、小売り店の動きに対応してはずすようになさい、そういうものをつけないようにしなさいという指導をいたしたわけであります。  その結果についていま御質問がございますが、テレビと申しましてもいろんな機種がございますし、いま全部のカラーテレビだけで百二十七銘柄ございます。十九インチだけで七十七銘柄もございます。そういったように多種多様な銘柄があり、また品質的にもいろいろ違ったものもございます。トランジスタのものもあれば真空管のものもある。スピーカーも、二つもあれば四つもあるといったように、非常に違っております。こういったものが実際商店で消費者との間で取引をされてくるということになりますと、その機種のいわば強さ弱さと申しますか、そういった機種ごとの価格も、もちろん取引の段階で変わってまいります。それから、東京でありますとかいなかであるとか、地域によっても変わってきます。また、小売り店自身のいわゆる強さと申しますか販売力と申しますか、そういったものでも違ってくる。そういったことで、流通形態、機種に応じていろんな価格がおそらく形成されるであろうと考えております。そういったようないろんな価格が数カ月、どのくらいの期間かわかりませんが、たつにつれまして、おのずからそこに何となく、この機種については大体このくらいのところが実勢販売価格ではないだろうかというようなものが、もちろんばらつきはございますが、大体ある範囲のばらつきで固まってくるのではあるまいか。消費者の方も非常に賢明でございますから、なるべく安いところ安いところとねらってお買いになるわけでございますから、当然そこに何となく、一定の幅で実勢価格というものは生まれてくるであろう。その生まれてきたものをよく見計らったところで実勢価格に即した価格、新しい価格というものをつけたらどうだろうかというのが、今回の私どものねらいでございます。  したがって、いま先生が御指摘のように、何かそこで下ざさえと申しますか、小売り店同士の協定と申しますか、そういうものが出るのじゃないかというような御懸念もございますが、いま申し上げましたように多種多様の機種があり、かつ小売り店といたしましてもお互い競争でございますから、消費者の選択の度合いも非常に強い、嗜好性も非常に強いという製品でございますから、ある種の協定といいますか、そういうことで何か価格がきまってくるというふうに、私どもは考えておりません。あくまでこれは消費者の選択のもとに、いわゆる実勢価格というものがほぼ固まってくるのではないかという考えでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 いや、私はそういうことを言ってないのですよ。あなたのおっしゃるとおりのことでありまして、だから、いまメーカーに御指導なさる方向の本質は自由競争になるのですから、そこでは、同一機種でも場所によって、あるいは仕入れの条件によっていろんな値段が出る。小売り店が売る場合、高いところもできるし安いところもできる。機種が違うのはもちろんだし、メーカーはもちろん違います。そういうことは当然でありますが、しかし、いまの方針ならば、同一機種でも売る値段ですぐ表示するだけでありますから、そういう意味でいろんな値段が表示される。消費者の側からいったら、同じものでも、ここは安くここは高いという形であらわれるということでしょう。それはそうでしょう。私ども、協定するとかなんとかでなくて、その実態は、だから小売り店同士の競争になります。そうでしょう。そうあらわれるということと認めていいかどうかということを伺ったのです。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 おっしゃるような事情になると思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そこで、そうなりますとこういう点が、また次に問題になる必要性があるのではないか。いまおっしゃるとおり、いろんないい条件で——内容に入っていけば、もちろん資料もありますしいろいろありますが、非常にいい条件で仕入れている小売り商もある。小売り商といいましても、小さな店からスーパーのようなところもありますね。デパートなんかもある。ですから、いい条件で仕入れているところは、安く売ってもそこでちゃんと利益がある。そういう条件がありますからテレビがどんどん安くなっていったのですから。しかし、そうでない小さな店なんかは、そういういい条件でない。そういうスーパーやデパートなんかでやっているいい条件で仕入れられないから、これはそういう競争に投げ出されるのですから、非常に困難な立場に立つという問題が少なくとも当分は起こるということはあり得るですね。これはお認めになりますか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 御指摘のように小売り店の販売部の強弱、仕入れ値段の違いといったようなことから、小売り店の間にいま御指摘のようなばらつきが出てくると思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 しかもその場合、テレビの実情からいいますと、これは立ち入って話をしなければならないことだけれども、皆さんよく御承知だから省略しますが、現在までのやり方の中では、メーカーが現金正価というものを設定してやってきておりますね。小売り商の、単純な言い方からすれば利益ですね、もうけ、これにはマージンと称される部分もあるし、それからリベートと称されるものもあって、このリベートにはいろんな操作があって、流通市場を支配するという形態が出ているということで、今度の皆さんの申し合わせにもあるいは行政指導にも、その点でリベートや何かについては統制するということが一項あるわけですから、そういうことで、現在やっているカラーテレビ界におけるリベートのあり方が、単に大きいところはもうかるというそういう商売上の問題だけでなくて、もっと政策的なものが入ってきていて利益が多いというところがあり、また非常に利益が少ないというところがあって、小さい零細小売り店は非常に困った立場に現実にあって、やめていくところすらあるという実情なんですね。そういう中で、小売り店同士の自由な競争でテレビの実勢価格を引き下げていくという政策をおとりになって、そこへそういう零細な小売り店が投げ出されるとすると、たいへん困難な立場になることは明らかだと思います。これに対して、何とかそれに対する対策ですね、それを今度の措置にはお考えになったかどうか、お考えになっておれば、その点についてのお話をいただきたい、こう思うのです。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 おっしゃるような事態が出現してまいることも当然予想されるところでございます。このリベート問題といいますのが、私ども、まだこれから実際の調査をいろいろして、こういった面につきましても流通体系というものの整備を、メーカー側からも小売り店側からも両方の意見を十分聴取しながら、調査の実態に基づいて詰めてまいりたいと考えております。  ただ当面、いまお話しのような事態が生じた場合一つ考えられますことは、当然小売り店側としてはメーカーに対して、メーカーの出し値をもう少し安くしてもらわなければ成り立っていかないというような要請が出ることが考えられます。それからもう一つは、やはり当面の問題としましては、年末等の大売り出しといったようなことがございますから、そういった面についてメーカー側から、当面こういった措置をすることについてどうしてもやっていけないという段階であれば、特別のいわばリベートと申しますか助成費といいますか、そういったものを出してもらいたい。そうでなければ、現実問題としてやっていけないというような事態も出ることが想定されます。  こういった問題は、個々の実情に応じてメーカー、小売り商相互の間で議論にされ、またそれ々りの対策がとられるものと私たちは考えており達す。したがいまして、その点については、私ども、ずっと先でこういったものを整備をしてまいりますが、それにはやはり相当実態調査もしなければなりませんし、調査に基づいて消費者、小売り商、メーカー、こういったものの意見の調整をはかってまいらなければなりません。そういった段階を経て、できるだけ早い機会にきちっとした、消費者が安心して買えるような、また小売り店自体が適正なマージンを得て生活がしていけるような、営業活動がしていけるような流通体制というものを最終的にねらっておりますが、当面そこへ持っていきます過程においていまのお話のような点が出れば、おそらく私が申し上げたような方向で小売り店、メーカー間の協議が行なわれる、こういうふうに私は考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 御答弁だと半分安心もするが、半分こわいですね。メーカーの出荷価格といいますか蔵出し価格といいますか、これにまで立ち入って、そういう小さな小売り店でも利益のあるようにこれを安くする、そういう動きも起こるだろうというお話なんですね。私もそうだと思うのです。しかし、それは小売り店からそういう動きが起こるということの一応の推定でありまして、あなた方は、そういうことに当然なるという状況にあるから、そういう問題にまで立ち入って行政指導をするという積極的な態度でないというふうにも受け取れるので、ちょっと不安なんですね。私は、そこまでやはり通産省として指導すべきだろうと思う。もっと言いかえれば、つまりメーカーが出す出荷価格あるいは蔵出し価格、これもやはり同様に下がっていかなければ、これは非常に不公平になるだろう。そこまで立ち入って行政指導をなさるという方針を持っていられるかどうか。小売り商の中からそういう動きが出てくるだろうということでは、だからメーカーと小売り商が集まって適当にやっておけということでは、ちょっと片手落ちだ。なるほど消費者のために、現金正価という架空の値段から実際の価格は下がっているんだからそこへ落ちつかせろという行政指導をなさったわけだ。ところが、そうやりますと、単純なやり方をやりますと、非常に高く仕入れている小さな小売り店は困るという問題が起きてくる。これはいまお話があったように、わかったわけですね。この人たちも救わなければならぬとしますと、問題はリベートの出し方なんかを合理的にするという問題とともに、メーカーが出す価格、ここのところまで踏み込んでこれを引き下げるというところまでやらなければ、片手落ちになると思うのですね。そこのところはどうですか。おやりになる気なのか、やらぬ気なのか。それはメーカーと小売り商との関係だから政府は知らぬという態度ですか。しかし、そこまで踏み込まなかったら、零細の小売り業者は困るだろうと思う。少なくとも当面困るだろうと思う。その対策にならないから踏み込んでやるんだという姿勢を持っていらっしゃるかどうか、これをちょっとここで聞いておきたいと思います。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 いまの御指摘の点はまことにごもっともな点だと思います。また、私どもが一番むずかしい問題として苦慮している問題でもございます。と申しますのは、このメーカーと小売り商の関係というのは、各メーカーの系列店であるもの、ないもの、また、いま私どもが大ざっぱに調べましたところでは、小売り店の約五割くらいのものが二機種以上扱っている。AとBというような、あるいはABCというような三つの会社の機種を扱っているというのが約五割でございます。したがいまして、メーカーと小売り店の関係も、ある場合には返品約款つき、つまり残ったらメーカーが引き取りますというような約款つきのものもあるようであります。いろいろなケースがございまして、一律に、ある会社のものであるからその場合こうだということまで立ち入った、詳細なデータが、実は私ども手元にございません。そういうことが非常にこういった場合——個別のある電機業者の方が非常にお困りになっている、それについて何かするかどうか、こういうような場合、それから、ある地区の多数の業者が非常に困難しているといったような場合、あるいは、ある系列のある商品についてそういう事態が起こっているというようなケース、いろいろなケースがあり得ると私は思います。それから、そういったように事態が非常に複雑であるし、また、その事態を正確に把握するだけの資料が、小売り商側からも、メーカー側からもまだ出ていない。これからそれをやろうとかかっているところであります。そういう現実が一つございます。  それからもう一つ、私どもやはりいろいろ考えておかなければなりませんのは、小売り店のそういった事態がかりに起こった場合に、通産省がそこに何らかの形で、たとえば行政指導という形で介入するというようなことになった場合、それが一面から見ますと、消費者側から見て、通産省の行政指導によって価格の下ささえが行なわれるという形になること、これも私ども、きわめて遺憾なことでございます。そういうことは私どもは全然意図しておらないことでございますから、そういうふうになることは非常に困る。したがって、どういう段階でどういう形態のものについて私どもが出ていけばいいか、こういったことは、実は非常に困難な、千差万別の事態に対して考えていかなければならぬ問題だと思います。  ただ、これは何も重工業局、私どもの立場のみならず、中小企業庁といたしましても、こういった小売り商の面で、商業近代化あるいは構造改善といった面でいろいろなことをやっておりますので、そういった施策等も考え合わせながら、事態をやはりよく見て通産省がそういう行政指導を、メーカーと小売り商の間に立ってある程度マクロのと申しますか、広い立場でものが言えるという事態がはっきりいたしますれば、私ども、決してそれを避けるものではございません。ただ、いかにも事態が千差万別でございますし、いま申し上げたようにいろいろな状態が想定されますので、あらゆる場合に通産省が直ちに出ていって指導するということは、なかなかむずかしかろうと思います。しかし、何らかの形でそういうことをやるのが消費者のためにもなり、かつまた小売り商の側から見ても必要であるという事態があれば、私ども行政指導に乗り出すことについてはやぶさかでございません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 事態があればではなくて、私ども調べてみますと、大体現金正価の三割ぐらい下がったところに落ちつくだろうと思うのですよ。これはいろいろ、四割も五割近くもまけているところもあるし、機種もある。しかし、そうじゃない、かなりまけ方の少ない機種もありますが、大体平均して三割ぐらいになるのじゃないかというぐあいに、われわれは推定しているわけです。そうしますと、三割だけつまりテレビの値段が下がるわけです。あのモデル価格ですか、何かあれを見ますと、小売りと卸との段階で二二%、据えつけ料その他のマージンなんか合わせて三〇%、それから卸のほうのマージンですか、これが八%、要するに三八%というものは、カラーテレビ業界の流通段階における流通業者の現在のもうけ分になっているのだという資料を、業者が出しているわけですね。それは現金正価の場合ですね。これが三割下がるのですよ。そうすると、現行の状況の中では流通段階での業者のもうけというものは、たとえば三割下がったとしますと、正価が三割下がるところに落ちつくとしますと、実際のもうけは八%しか残らぬということになるでしょう。これは全体として原則的な根本問題ですな。いろいろな事情によっていろいろな形であらわれることは、あなたのおっしゃるとおりです。これは現実の問題ですから、それはそれで、その現実に立って修正しなければならぬと私ども思いますが、そういう論理の立て方でなければならぬと思います。そうしますと、現金正価なるものが三割下がるということになりますと、今度はほんとうにまた正しい実売価格と一緒になったものになってしまうが、それは三割下がってそういうところに落ちつくとしますと、もうける部分がほとんどなイなるわけです。どこから出てきますか。これはやっぱりメーカーが問屋に卸す蔵出し価格といい亜すか、そこのところに何とか救いの道を入れななたらどうにもできないんじゃないかということが根本にあるわけですね。論理としてもそうかし、事実そうだろうと思う。その立場に立って行政指導をおやりになるということになれば、現実の問題はいろいろな形であらわれますから、これはいろいろな修正がその中にできますけれども、基本は、本質はそこになきやならぬでしょう。その立場にお立ちになるかどうか。つまりメーカーの出している価格に手を触れなかったらそういうことになるでしょう。そうはなりませんか。触れる立場でおやりになるのかどうかということですよ。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 きわめて理論的なお話でございますが、一つの問題は、実売価格といわゆる現金正価なるものが現実にどのくらい開いているか、いろいろなデータがございます。先般地婦連でお調べになったデータ等を見ましても、ひどいものは三八%も違っているものもある。二割とかいうのは普通に下がっているということでございますから、現在すでに二割あるいは二割以上の開きがあるわけで、それが実勢価格なんです。その実勢価格が、今度は現金正価なるものをはずしてみて、現在の実勢価格よりもさらに下がるかどうか。あるいは、下がるとしたらどのくらい下がるかということを、私どもは見ていかなければならぬ。いきなり、いまの実勢価格からぽんと三割も下がるとは、私は思っておりません。先生のお話も、いわゆる現金正価からおそらく三割ぐらい下がるだろうとおっしゃっておる。調査によりますと、現に三割ぐらい下がって売られているものもあるわけです。ですから、現在の実勢価格を割ってさらにどのくらい下がるだろうかというのが、一つの問題であろうと思うのです。したがって、そういうことになってまいりますと、メーカーのほうも、これは小売り商あってのメーカーでありまして、メーカーが直売をしているわけではございません。小売り商を通じて消費者の手元に持っていっているわけです。したがって、自分の関係の商品を扱っている小売り商が成り立っていかなくなるということは、今後自分の商品が売れなくなることでございますから、これは困ることだと思います。したがって、メーカーと小売り商の間では、いまお話しのように、何と申しますか、いま百五十万台近くあるといわれております在庫圧力、そういったこともあって、私はいまの実勢価格よりも下がるだろうという感じを持っております。どこまで下がり得るか、また下がるか、それいかんによっては、メーカーといえども黙視し得ない事態である。その事態については、言ってみれば、メーカーの蔵出し値というものをメーカー自身が当然下げざるを得ない。下げなければ、今度は小売り商自身に影響が出て、自分の商品が売れなくなるわけです。当然そこは、メーカー対小売り商の相互関係からいって、ある一定のところにくれば、もちろん、それぞれの事態に応じてメーカー側でも対策を打つだろうし、小売り商側も、自分が非常に損をして倒産しなきゃならないような価格で売るはずはないと思うのです。そこにおのずから、流通の段階においてある一定の形というものが出てくると私は思います。  先般、松下電器の社長が消費者団体と懇談をしておりますが、その席で、今後下がってくる場合、われわれとしてはある程度——どの程度か知りませんが、それじゃ、どうするのですかという質問に対して、いわばメーカー出し値である程度カバーせざるを得ないと思うという答弁を、松下の社長はいたしております。そういうことは、単に松下電器のみならず、おそらく一般のメーカーも当然そういうことを頭に置いて、今後の実売価格の成り行きというものを見ていくというふうに私は承知をいたしております。  そういった段階でございますから、そういった点について、先ほど来申し上げましたように、ほんとうに個々の商売関係の中にいま直ちに通産省がうまく、しかも消費者の利益を害しないような形で入っていくということについては、いろいろむずかしい問題がございますが、私は、直ちにいまどうというのではなしに、やはりその辺の推移は十分見た上で、必要な、また適当なやり方で通産省は行政指導をしていくということではないかと考えます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そこらに非常な不安があるのです。いま実際は、おっしゃるとおりに実売価格というものは下がっている。しかし、現金正価かあるいはそれに近い値段で売らなければもうマージンがないという小さな小売り商もあるのですよ。ここのところは下がってないのですよ。あるいは下がったって、わずかしか下がってない。下げられるところは、下げられる条件があって下げている。その操作はメーカーでやる。これは皆さんも問題にしているところだと思うのですけれどもね。だから、下げられるところで下げられる条件があって下げている値段が実際の価格になってきますと、高く売っているところは売れなくなるでしょうという問題が現に起こるし、起こるということは皆さんも認めていらっしゃるわけです。そうでしょう。だから、そういう中では、メーカーもしかたないから、自分のところの蔵出し価格を引き下げるであろう。松下もそう言っているとあなたはおっしゃるけれども、松下はそんなことは言っておりません。新しい機種の場合には一〇%下げるとかなんとか言っていますが、自分のところの現在の、メーカーとして卸屋へ売る値段を引き下げるというようなことは言っておりません。そんなことをやるところなら、これは問題は起きないのですよ。あの独占資本どもの集まりでは、そこのところを確保するために、あの手この手で流通過程を支配してきている。小売り商が犠牲になろうがどうしようが、彼らはそんなことはかまわぬという立場、自分の都合のいい連中だけを集めてやっていこうという立場だと思います。だから、そういうことが必然的に起こらざるを得ないという条件は皆さんも十分認めていらっしゃるのたから、そこまで踏み込んで行政指導する必要があるだろうというふうに私どもは思うのですがね。自然に、自由主義だから自由競争でやればいいから、メーカーもそうなったら自分のところが困るだろうから下げるだろうというような言い方はしないで、現に小売りの値段については政府は介入した。消費者に対して渡る値段については実際はこういうふうになってきているのだから、こういう条件があるのだから、したがって現金正価なんというようなかっこうのものをつくらないで、実売価格で一定するような方向であるべきだということで行政指導をやったわけですね。それなら、それが実際に実行できるように、小さな小売り店も生きていけるような立場でもって、メーカーの出し値段、これに対しても強力にしかるべき行政指導をやるという立場は当然だと思う。これは皆さんも、そこまで必要を認めていらっしゃるし、そうなるだろうとおっしゃるけれども、なるだろうという見通しがあるならば、なるように行政指導されることは、これは全く道理、法則に沿っていることであるから、できることである。こういうことはできませんか。やる気はないのですか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 先生のお話と私の御答弁、そう大きな開きはないように思いますが、私どもの感じは、やはり政府の行政指導といいましても、いまのようないわゆる自由にして公正な競争の確保、かつまた良質廉価なテレビを消費者に渡すという私どもの目的、同時にまた、基本的にはやはりメーカーのコスト、それから流通の費用、こういったものを下げて、ほんとうにもっと安くならぬだろうかということをねらっております。ただ、政府がそういうことについていろいろ申す場合には、やはり実情に応じてやっていくべきでありまして、そういうことがありそうだ、あるいは、メーカーが蔵出し価格というものを絶対に下げないだろう、消費者に渡る前の小売り店の段階ではそれは非常に困るだろう、こういったような一つの想定のもとに、おまえは幾ら蔵出し価格を下げたらいいというような行政指導というものは、ある一面から見れば、やはり政府の企業に対する不当な干渉になると思います。そうでなくて、私どもは、そういうことで実際の実売価格がいまよりは下がるだろうと思いますが、下がるべきものについては、それなりの対応策が、業界の競争を通じ、あるいは業界の協調を通じて行なわれるということがあり得るわけですから、またそれを期待をいたしておる。したがって、あらかじめ、先ほど来申し上げているような千差万別の事態を想定して、この場合にはこうやりますよということは、いまの段階ではいかがかと思います。あくまで、そういったような事柄の実態を見きわめて、政府としてなし得る適当な範囲で、かつ必要な範囲で私どもはやるべきことはやる覚悟でおります。ただ、いまここで、そうなるにきまっておるから、いますぐ何か手を打つべきだ、こう言われても、私はまず現段階としては、小売り商とメーカーとの間で、それぞれ従来の商取引の慣行もあり、かつ、いままでの間でいろいろな関連があるわけですから、あるいは、いまのように売れないものは返品しますという返品条件つきの小売り商もあるわけですし、そういったいろいろなことを通じて、現実にものは解決をしていく。しかし、解決されざるものが出てくるかもしれない。それはわかりません。私は、その段階である程度蔵出し価格も下げていく、あるいは小売り商自身も、自分のいろいろな不合理な点も改正する、いろいろなことでこれは行なわれていくだろうと思います。あるいはそうでない場合も、ケースとしてあり得ると思います。それをいまから、じゃ、どういうケースがどういうふうに出てくるか、それに対して政府はどう対処するかということは、その実態がわかりません限り、あらかじめ政府がこういうことをどうするということは、一がいには申し上げられないということを申しているわけですが、決して私は、何もしないでほっておけばよるしいということを申し上げているわけではございません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この点ばかりやっていられませんから次に移りますけれども、私どもは、実際に現在の市場で実売価格というものは引き下げざるを得なくなってくるだろうし、また引き下げるだろう。しかし、それには引き下げ得るような条件のある人と、そうでない小売り商とがあるという事実があるのですね。だから、全体としてみれば、引き下げるという条件が現状の中にあるんだからこれをやらなければならないが、しかし、いま申し上げましたような格差がありますからね、その全体として見た場合には、当然小売り価格が下げられるならば、やはりメーカーが出してくる価格も下げるという、そういう行政指導があってしかるべきだし、そうしなければならないだろうというふうに私どもは考えておるわけです。強力にやってもらいたいと思いますが、それはそういうふうに、私どもの意見を言っておきます。  次に、月賦の問題があるのです。これもおそらく皆さんのほうでも苦慮しておられることではないかと思う。現在の月賦で買っている人たちは、現金正価そのもので買っている人もあるかもしれませんし、それより安い人もあるかもしれませんが、いずれにしても現金で買う値段よりは高い金を出すことになりますね。これはまあ利子その他の関係がありますからね、その点は私は、どんな場合でもあり得ると思う。ただ、その買ったときの値段が現金正価の場合はもちろんのことでありますが、それに近い値段でそれを設定して、そして条件は別として月賦で買う。これがいま下がるわけですね、実際は。あなたのおっしゃるのは二割くらいかもしれませんが、私の言っているのは、三割だろうということを言っているのですが、これは推定ですから、実際はどうなるか、ちょっと私どもはわからない。しかし、いずれにしても下がるだろう。そうして、これはまた月賦ですから、品物はやはり現実には小売り店のものということですね。小売り商その他とメーカーとの関係から、いまの実情からいえばメーカーが支配しているということになりますが、支払うまでは自分のものではない。全部金を納めた後に自分のものになる。買った人のほうからいえば、まだ向こうのものなんですね。近い将来かあるいは十カ月先の将来か知りませんが、とにかくそうなるまでの間、その途中である。そのときに、がすんと安くなってくるんですね。今度なるのですよ、実際に。実売価格が安くなります。その際問題があるわけです、うちも少し安くしてもらおうという。いままではしかたがないけれども、これから月賦の月数を減らしてもらうとか、あるいは月々の払う金を減らしてもらうとか、とにかく新しくできる実売価格に相当したものでやってもらいたいという要求が出るのは当然だと思う。これに対して救済策をお考えになっておりますか。月賦の人たちが高い値段で買って、その高い値段をずっと月賦の支払いが済むまで維持していくというのは、安くなったものに金を払うのですから、そこらは不平が出ると思いますが、どうなさいますか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 これは通産省がどうこう言いますよりも、それぞれの小売り店あるいはその小売り店の上部にありますメーカー、こういったものと消費者の関係でございまして、まあ月賦で買った場合、いわゆる現金正価に対応する月賦価格で買った方もあるし、実際問題としては現金正価そのものが何割か安く売られておるわけですから、それに月賦の金利その他通常の現金正価と月賦正価との開きを足しまして、そうして買っている方もある、そういったようなのが実情だろうと思います。したがって、いまここで現金正価となるものをはずしたためどのくらい下がるものなのか。これは現金正価をはずしたために下がったのか、あるいは先ほど申し上げましたように、メーカー、流通段階、両方合わせまして百五十万台近い在庫があるといわれておりますが、こういった在庫圧力を背景に下がったものなのか、いろいろな要因で下がるのだとは思うのですが、そういったことから、消費者としても、いままでしばらく待っておればよかった、そうしたらもっと安いものが買えたかもしれない。これはやはりそのときどきの小売り商と消費者の何と申しますか売買の交渉過程、いろいろなものをやはり反映するのじゃないかと思うのです。したがって、一つ一つのケースが、これまたいろいろなことで違うのじゃないでしょうか。したがって、こういった問題については、今回現金正価をはずすということによって、私どもはある程度1そのこと自身によっても、現在の実売価格は引き下げられる方向にあると思いますし、普通の経済原則からいえば、より以上の在庫圧力というものが実売価格を下げるだろう、こういうようにも思います。  したがって、月賦で買った人の中にも、もう半分以上払った方もあり、先月買ったという方もあるし、これこそ千差万別だろうと私は思いますが、いずれにしても、月賦で買った方々から小売り店に対して何らか要求の出るケースは、大いにあり得ることと思います。これはほんとうの末端の売買行為でございますから、それは末端の売買行為の実態を通じて小売り商が解決しなければならぬ問題だし、あるいは小売り商自身が解決できないような事態に直面すれば、メーカーも、この点については当然小売り商に何らかの支援をせざるを得ないだろうと、私はかように考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 時間もないのでなるべく簡単にしますが、これは政府としての答弁は、そういう御答弁だろうと思うておった。これは結局小売り店と消費者との間の契約ですから、だから、それは本人同士できめてくれというふうな御答弁だろうと思うておった。しかし、それでは済まぬというふうにわれわれは考えるのです。いまあなたは、おそらく何らかの形で月賦購買者は小売り店に要求を持ち出すかもしれぬということをおっしゃった。私はおそらく、これが実際に実行されて、それが経済界にあらわれてきた場合、これは小売り店に向けて相当大きな打撃になると思うのです。そこのところにあなた方政府としてのねらいがあるのじゃないですか。小売り店と月賦利用者との対立ですね。しかし、それは解決しませんですよ、そんなもので解決できないのですよ。しかも、これはおそらく数十万か数百万か、私ども調査したことはありませんけれども、相当な数だと思います。  それから、あなたのおっしゃったように、先月から始めた月賦者もあるだろうし、もうあと一カ月で済むという人もあるだろうし、条件はみな違います。けれども、それを平均的に考えなければなりませんが、とにかくそういう月賦者があって、自分の買ったものが、惜しいことには、そのもう少しあとに買えば安かったのに、高いものを買った、安くなったんだから、これは何とかせい、そういう運動が起こるにきまっている。これは政治問題ですよ。それを、小売り店と購買者との関係だから、そこで解決をよろしくやれということじゃ困る。まあ今度は、事業者を集めて、実売価格はこういうふうに下がっておるんだから、そこで、現金正価という制度を当分は取りはずしてという行政指導をなさったわけですね。そこから不買運動は起こっているわけですよ。それを、おまえたち、かってにやった契約だから、政府は知らぬぞという態度では、これは政策にならぬと思うのです。当然私は、やはり政府としてはそれに対してどうすべきかという考えがなければならぬと思う。おっしゃるとおり、小売り店では解決する力はありません。これはやはりメーカーですよ。そういうところに着眼してやらなければならぬと私ども思うのです。そういう政治問題が起こる。また、そういうふうにこの問題を取り上げなければならない問題だというふうに思うのですが、そこら、やはり依然として——私ども最初に、まあこういう御答弁だろうと思った御答弁をなさったのですけれども、それ以上出ませんか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 こういった場合における政府の役割りということについての御質問だろうと思いますが、いま言ったような実際の取引関係にあるわけでありますから、第一義的には小売り者と需要者との間の問題であり、小売り商自身片づかない範囲の問題については、今度は小売り商対メーカーの問題、そういうことだろうと思います。したがって、メーカーはこれについて何ら解決の方策を示さない、おれの知ったことじゃないとメーカーは言えると、私は思っておりません。また、こういった措置をとるということについて、メーカーが全員あげて賛成であるということを言っておるその背後には、いま先生御指摘になったような事態が当然起こることをメーカーは予想し、当然それに対してメーカーとしても、自己の責任の範囲においてこれに対処するという前提でこういった行政指導に同意しておるものと、私は考えております。したがって、そのメーカーの範囲を越えて、さらに政府として、じゃ何かやらなければならぬことがあるか。たとえば、そのことのためにメーカーが非常に困る、救済資金をメーカーに出してくださいということでもあるのかどうか、私はそういうことはないと思う。それはもう第一義的には、まずメーカー段階で、こういうことの行政指導について承知をした限りは、当然メーカーの責任において処理し、片づけるべきである。それをもしメーカーができません、じゃ、なぜできないのですかということになってくれば、その段階で実情をよく調査して、政府として必要な措置を講ずることは私はあり得ると思いますが、いまの段階でいきなり、第一義的にそれを政府の初めからの責任であるという形で出ていくというのは、ちょっといまの段階では申し上げかねるんじゃないか。こういった行政指導を全員一致で承知して、やろうと言っている限りは、われわれよりも商売人でありますから、当然そういう事態があることを前提の上で彼らは承知をして、これをやっていきましょうということを言っているわけです。したがって、そういう事態が出れば、これはまずは小売り商といいますか、販売者と購買者の間、かつまた、その間について解決のつかないような、かりに経済的な事態が起これば、つまり小売り商が非常にそれによってしわ寄せを受けるということがあれば、当然小売り商は黙って引っ込んでおるわけにまいりません、自分の生涯に僕達する問題でありますから。当然メーカー側に要求が出るでしょう。メーカーは受けていかざるを得ないと私は思います。  そういうことで実際の事態というものが進行していくと私は思っておりますので、そういう事態を注視しながら、その段階において政府として必要かつ適当と思われる何らかの指導なり、あるいは介入なり必要であれば、私はそれをやるにやぶさかでありません。ただ、いまこの段階で直ちに、政府がこれをきめたからには、おまえは何かそこまで考えがあるかと言われれば、私は簡単明瞭に申し上げれば、それは第一段階としては、まずメーカーが責任をもって処理すべきだ、こうお答えを申し上げるよりしかたがないと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 今度の御答弁は六〇点です。なかなか大事なことをおっしゃった。おそらくメーカーは、今度の行政指導を納得したのは、そういう事態もあるということをちゃんと自分でやっているだろう一あなたの御推測だろうと思いますが、しかし、そこは経済的にいえば、法則ですからな。当然そういう結論が出てくるという御推定だ、あるいは御立論だと思うのです。それを踏まえて、それではそういう事態になった場合に、当然メーカーとしてそういう責任をとるということになれば、そのときに問題が起きた場合には政府として対処するというお答えだったと思います。そう伺ってよろしいですね。それでけっこうだ。いますぐにどうせい、こうせいということは、私はもちろんできないと思いますけれども、 しかし、その見地に政府が立っておられるということは、やはり一つの問題としてこの問題を解決するのに大事な観点だと思います。そうではなしに、ただ小売り商店と需要者との間の個人契約だから、かってにそこでやったらいいという態度ではだめなんで、これはおっしゃるとおり経済法則ですからな。したがって、メーカーもそれを覚悟している、だろう、これは御推定だろうけれども、いま言うように経済法則上の立論としては、結論はそうでありますからな。そういう立場にあなた方は立っておる。その上に立って対処するとおっしゃるなら、それでいいと思います。  しかし、これは相当強力にやらなければ、メーカーさんはそんなに甘くない、独占企業だから。これはあなたも百も承知だと思うし、そんなことを私は言う必要もないと思いますけれども、甘くない。相当強力なことを指導をやりませんと、適当な時期にやらないと、できない。その点は念をおしておきたいと思います。  最後にもう一点伺っておきますが、新しい機種から現金正価をつけるということになっておりますな。これはもちろん、いまの実売価格が下がるということを踏まえてその起こりを突くことになると思いますが、現在売り出されているもの、そういった下がった価格以上のものにならないというふうに私ども考えるのですが、その点はどうでしょう。これも、いろいろ状況によって違うという種お答えだろうと思うのですがな。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 これは新しく発売するというのは、いわゆる新機種といわれているものでございます。先般も新聞等で御存じのように、松下電器のほうは三つ新しい機種を出します。一割ぐらい下がった価格でこれを出したい、こういうことを発表しております。  それでは一体新機種とは何かということを、われわれはまだ詳細承知をいたしておりません。これについては、いろいろなことが考えられます。一つは、従来のもののある種のモデルチェンジであるのか、あるいは全然そういうものではなくて、全く新しいメカニズムを持った一つの機種であるのか、そういうことも、実は新機種というばく然たることばではよくわかりません。ただ、いずれにしても従来なかった一つの機種であることは間違いございません。  それについてある種の、いわば実勢をにらみながらきめた価格、いまのように、ただ十九インチが十九万円前後だから、今度出すのは二十インチだから二十万円というようなことでつけて出すのではございませんということをメーカーは言っておりますし、私どもも指導をしておるわけです。したがって、お答えを先に言われてしまったようでございますけれども、これこそ中身を見ませんとわからないというよりしょうがないことなんです。  ただ私どもは、それだけでは消費者に対して回答にならないと思いますので、その際は、新機種というものは比べるものはございませんから、こういうもので、かりにこういうものと比べてみれば——モデルチェノジの場合は比較的いいと思うのです。前のものについてこういうモデルチェンジをしました、前は現金正価は十九万幾らでございました、こうこうこういうふうに新しい装置をつけ、あるいは中身を変更し、その結果われわれは、現在の実勢もにらんで幾らという値段をつけました一これは消費者の批判の対象になると思うのです。消費者は、それでも高いと思うかもしれないし、それは相当ものがいいし、安くなったと思うかもしれない。そこは私は、メーカーのほうも当然そういったことを考えて出すと思います。ただ、いまの段階で、そういうことをどうしろという行政指導もいたしておりますが、先生、先にお答えを言われたのですが、これは何とも私ども、それがどうだということはちょっと申し上げられないと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 ことばは同じなんですよ。二通りあると思うのです。ほんとうは中身は変わらぬけれども姿は変わるというモデルチェンジと、もう一つあるのは、これは私どもよくわからないので、専門家にいろいろ聞いて回って調べてみたのです。遠い将来は別として、当面、新しい機種、全くメカニズムが違うというのは、オールトランジスタ・カラーテレビといいますか、その方向だと  いうふうに言っているのです。  そうしますと、内容的に中身はあまり変わらない、中身はそのままだ、しかし、外側でちょっと見た感じが違ってくるというような、いわゆるモデルチェンジの機種。これは現在売り出されている機種が、現在の現金正価より三割安く実売価格がいって安定するならば、これより高いものであってはならぬことは明らかですね。これは納得されますな。  もう一つは、メカニズムが若干違うようになってくると思うのですけれども、要するにオールトランジスタ・カラーテレビということになりますと、真空管方式よりもはるかに安くなるという条件があるらしいのです。私はしろうとだからよく知らぬが、専門家の言うところではそうです。トランジスタを使ったほうが、真空管を使ったよりもはるかに安い。だから、現に松下などは、真空管方式などといいながら、そのうちの相当部分はトランジスタでやっておる。現在の機種に対して、コストを安くするためにトランジスタ方式をやられているらしいですね。そういうことをやっていることで証明されるように、トランジスタの方向はむしろコストは安くなる、こう専門家は言っております。  そうすると、遠い将来、いまの真空管方式とかトランジスタ方式ということ以外にもっと別な、それこそ色彩といい、音響といい、いろいろな点で全く違ったメカニズムのものができるという場合は別ですけれども、しかし、いま考えられる方向で考えるならばその二つだとすると、やはり現在の機種で実勢価格が三割なら三割下がったところに移るとすれば、むしろそれ以下になっていい。そういう内容を本質的に持っている。これはあなた方のほうが詳しいのだろうと私は思うのです。ここのところをはっきりしておきませんと、でたらめなことをやられたのでは困る。あなたのおっしゃるように二種類の傾向かあるだろうということはいいと思うけれども、内容的にはそこまで踏み込んで政府としてお考えになっておるかどうかということを、ちょっと伺っておきたいと思います。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 メーカーが新しい価格をつけて出したものが売れない、あるいは、それがまた大幅に値下げをしなければ売れない、そういうことでは新しい機種に値段をつけて出す意味がないと思うのです。私どもが要望しておりますのは、新しい機種をお出しになったときには、当然それはいまのいわゆる現金正価よりも引き下げられた価格の新しい価格でお売りになるのでしょうね、当然そうしていただきたいと、私どもは要望しておるわけです。そうします、こういう返事が返ってきておるわけなんです。  したがって、中身がどうであるか、あるいはそれは本来幾らであるべきかという議論は抜きにいたしましても、私は、いわばいまの新機種については、少なくとも一方では実勢価格をにらみ、一方では新しい機種の内容というものをよく周知認識してもらうという努力をし、またここで再び二重価格というものが起こらないような体制で売り出してくれということを要望し、承知をしておるわけです。したがって、それがはたして幾らが適正な価格であるかという判断は、これはまたコスト論になってまいりますから、ちょっと違った問題だろう。政府としては、コスト論から幾らが適正であるかという攻め方を、いまの段階で直ちにすることは困難と思います。そういうのが実態のありようだというふうに御了承をいただきたいと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それじゃ私、これで質問をやめますが、実は午前中、委員長お聞きくだすったと思いますが、いまコスト論が出ました。コストの問題にまで立ち入ってカラーテレビの問題——カラーテレビだけに限りません。たとえばビールの問題その他いろいろありますが、現在の独占価格の問題に対しては、非常に不当なあるいは不公正なことをやっておりますから、そういう時代でありますから、だから、そのコストの問題にまで立ち入る必要があるという立場を私どもは堅持しておるわけですね。企画庁長官の私どもの議員に対する御答弁では、それはそういうことが必要であろうと思うし、そういうふうに立ち入る権限を現在の公取へ新たに付与していいのじゃないかという考えを持っているというような御答弁があったので、そのことはまた、それじゃ実際にどうしてやるのだということを聞いたらあいまいになっちゃいまして、やる気がないのだという大体の見当がつきました。やはりこの問題は、消費者のほうも、コストの問題に立ち入ってはっきりしてもらわぬことには、どうも現在の、この間おやりになった行政指導の範囲では納得できぬということで、依然としてボイコットを続けるということになっておる。ここはやはり大きな問題だと思う。  そこで、できるなら、委員長、これは次の理事会で申したいと思いますけれども、テレビ業界の責任あるメーカーのだれかに来ていただきまして、そうしてそこらの問題を委員会でただすなり、そういう処置をとっていただきたいということをひとつ提起しておきたいと思います。つまり参考人か——証人と言ったら少しきつ過ぎるかもしれませんが、参考人でけっこうだと思いますが、そこらを次にお考えいただきたい。こういうふうに提起して、私の質問をやめます。  どうもありがとうございました。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 ただいまの御要望につきましては、委員長と相談して、次回の理事会におはかりいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十五分散会

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