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63回国会衆議院1970/08/10

物価問題等に関する特別委員会 第17号

発言数
248
登壇者
18
会派数
5
開催日
1970/08/10

会議録

松平忠久日本社会党

○松平委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際おはかりいたします。  去る六月三十日より七月四日まで五日間、石川県、福井県、岐阜県及び愛知県に委員を派遣し、物価問題等の実情について調査を行なったのでありますが、派遣委員より調査報告書が委員長の手元に提出されております。  本調査報告書を参考のため会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平忠久日本社会党

○松平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕      ————◇—————

松平忠久日本社会党

○松平委員長 この際、消費者行政の推進等に関する件について、砂田重民君より発言を求められております。これを許します。砂田重民君。

砂田重民自由民主党

○砂田委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、消費者行政の推進等に関する件について決議すべしとの動議を提出いたします。  趣旨の説明にかえ、案文を朗読いたします。     消費者行政の推進等に関する決議(案)  一、地方公共団体の中には消費者行政の遅れているところがみられるので、早急にその進展を図るよう国は必要な指導助成を行なうべきであり、特に左の事項については早急に行なう必要がある。    (1)全都道府県にわたつて消費生活センターの設置を早急に行なうとともに、移動センター等により、末端までセンターの利用を徹底させるべきである。    (2)各地域の消費生活センター相互間及び国の関係機関特に国民生活センターと各地域の消費生活センターとの連携を強化すべきである。そのためにも国民生活センターについては、その業務の円滑な運営がはかられ所期の目的が達成されるよう十分な措置を講ずる必要がある。    (3)消費生活に関するモニターおよびコンサルタントの十分な活用を図るため、処遇の改善を含め、所要の措置を講ずべきである。  一、国は、国の出先機関が地域住民とより密着している点にかんがみ、特に出先機関における消費者行政部門について、その拡充強化を図る必要がある。  一、食品、食品添加物等の安全性と国民の健康生活を確保するため、国、地方公共団体等の試験研究機関の強化拡充を図るべきである。  一、食品衛生監視員を確保するため、処遇の改善、養成機関の拡充等所要の措置を講ずべきである。  一、商品テストを行なうための国および地方公共団体の試験検査施設を充実させるべきである。  一、生鮮食料品の価格の安定に資するため、貯蔵、保管施設の整備に係る国および地方公共団体の助成措置を拡充強化し、供給の安定を図るべきである。  一、地方都市における生鮮食料品の供給と価格の安定を図るため、拠点都市における卸売市場の整備を強力に推進するとともに、野菜生産出荷安定制度の対象にこれらの市場をも加える等、これら市場に対する生鮮食料品の供給体制の確立を図るための適切な措置を講ずべきである。    よつて、政府は、これらの諸問題について必要な措置を講じ、もつて、国民の消費生活の安定および向上の確保に万全を期すべきである。    右決議する。 以上であります。  何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 砂田重民君の動議に関して、谷口善太郎君より発言を求められております。これを許します。谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この決議案についての共産党の態度を申し上げておきたいと思います。  わが党は、党の政策として、消費者行政の強化については積極的に支持してまいっております。今後も支持するつもりであります。この見地からこの決議案を見ますと、決議案の第一項から第五項までは賛成でありますが、第六項、第七項に関し、次の点を条件として指摘しておきたいと思います。  一、貯蔵、保管施設の整備に国、地方公共団体が助成措置を強化するとき、大企業は対象としない。  一、卸売り市場の整備は、大資本の支配強化にならないようにすること。  一、野菜生産出荷安定制度の適用、市場の拡大は、中小農民整理のいわゆる農業構造改善を伴わないようにすること。  以上によって、わが党は、本決議案には条件つき賛成であります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 ただいまの砂田重民君の動議について採決いたします。  本動議のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平忠久日本社会党

○松平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、本決議の関係各当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平忠久日本社会党

○松平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。      ————◇—————

松平忠久日本社会党

○松平委員長 次に、質疑の通告がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、最初に、当面問題になっておる私鉄運賃について、運輸省及び経済企画庁に質問いたしたいと思います。  すでに公聴会が終わったわけでありますが、運輸審議会は現在どのような作業の状態なのか。それを運輸省はどのように見ておるのか。一部報道によりますと、政府の態度が固まらないために、運輸審議会は政府の態度待ちだというような報道がされ、当面静観をするというようなことを言っておるようでありますが、この点について運輸省はどのように見ておられるのか、これを最初にお伺いしたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松平忠久日本社会党

○松平委員長 速記を始めて。

武部文日本社会党

○武部委員 運輸省が入ってくるまでに、経済企画庁にお伺いします。  今回の私鉄運賃の値上げ申請に伴って、もしかりに申請どおりこれが値上がりした場合に、それが消費者物価にどのような影響を与えるか、これはパーセンテージにおいてもはっきりしておると思うのですが、十四社の値上げが消費者物価にどの程度影響を与えるのか。  さらに、これは公共料金でありますが、いままであなた方が種々公共料金の抑制をしなければならぬ、こういうことを強調しておりましたが、それとの関係はどうなるのか、これをひとつお伺いしたい。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 こういう席をおかりしてなんでございますが、私、七月七日に国民生活局長を拝命いたしました宮崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  ただいま御質問の件でございますが、私鉄運賃の問題につきましては、たびたび総理並びに経済企画庁長官がお答えいたしておりますとおりで、当面の物価の情勢等なかなかきびしいという情勢にかんがみまして、政府としては慎重な態度でこれに取り組む、こういうことで検討を続けておるというところでございます。私どもの立場といたしましては、こういった公共料金の引き上げが、それそのものとして物価に影響を及ぼすと同時に、いろいろの波及も考えられますので、その内容、時期等については十分慎重に配慮していく必要がある、こういうことで従来とも取り組んでおる次第でございます。  第二の御質問でございました物価に与える影響でございますが、これはまずウエートの点から見ますと、私鉄運賃の全国消費者物価に占めるウエートは〇・四六%、一万分の四十六ということになっておるようでございます。今回問題になります大手私鉄及び営団関係は大体そのうちの七割ぐらいのウエートではないか、こういうふうに考えられます。  そこで、運賃改定の率をどのくらいにするかということが問題でございますが、かりに申請どおり、私鉄十四社について三割程度の値上げが行なわれたとした場合におきますところの——申請は三二%でございます。それから交通営団が二三%。この平均を大体三割と見まして、三割程度の値上げが行なわれたとした場合には、CPIに及ぼす影響は平年度で〇・一〇%、四十五年度途中から上げるということで、かりに九月からということを考えれば、その月割りで下がる、こういうことでございます。大体その程度のウエートということに一応計算されます。

武部文日本社会党

○武部委員 運輸省が来られたようでございますから、運輸省にもう一回申し上げたいと思います。  私鉄運賃の値上げ申請をめぐって、運輸審議会は公聴会を行ないました。二日間にわたる公聴会で、公述人が賛否両論を述べたようでありますが、現在運輸審議会は、この公聴会を終わって、一体いまどういう状態にあるのか。私がこれを申し上げるのは、先ほども申し上げましたが、一部報道によると、運輸審議会そのものは静観をしておる、その理由は、政府の態度が固まらぬのだから運輸審議会としては当分静観だ、こういうことが伝えられておるようでありますが、もしそうだとすると、私はたいへん重要な問題を含んでおると思うので、回答いかんによってあとで御質問するということにいたしまして、運輸審議会の現在の状況をお聞かせいただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 お答え申し上げます。  運輸審議会は、先般公聴会を二日にわたりまして開きまして、賛成者並びに反対者、一般の公述人あるいは審議会側から選んだ公述人の方々の御意見を聞きました。さらに関係会社の収支の内容その他につきまして審査をいたして、現在審査中でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 まことにわからないような答弁でありますが、審査中である。私はずっといままでの、運輸審議会が運輸省から諮問を受けて、これに対する答申を行なった過去の実績を知っております。私が問題にするのは、この運輸審議会のあり方であります。少なくとも運輸審議会は、諮問について、それこそ厳正中立な立場に立って公聴会を行なうわけでありますから——公聴会においてのそれぞれの賛否両論の意見等も、新聞で報道されておるとおりであります。だとするならば、当然この運輸審議会は、独自の判断において、この諮問について、賛成であるか反対であるかという態度を明らかにすべきだ。報道されるように、政府の態度が固まらぬからしばらく静観だということがもし事実だとするならば、私は、これは、審議会のあり方としてたいへん問題だと思うのです。  米価審議会があれだけもめておるわけでありますが、米価審議会の答申を見ても、これは両論を並列して答申をしておるという去年、おととしの実績であります。あの答申にも異論はありますが、少なくとも米価審議会は、それだけの、自分たちの意見を、あの諮問に対する答申として出しておる。ところが、運輸審議会は、言われたとおりのものを、いまだかつて一回も、これについて独自の判断を下したことがないとさえ報道されております。私は、そういう審議会は必要ないと思う。独自の判断で自分たちの意見というものを答申することができないような運輸審議会は必要ない。  そういう点で、運輸省は、いまのところ運輸審議会は検討中だとおっしゃるが、そういうような逃げ口上では始まらない。新聞が明らかに報道しておろように、運輸省もあるいは経済企画庁も、値上げについては、総理に対してむしろ値上げを求めて訪問しておるということが、堂々と載っております。こういうことについて、私が申し上げたことについて、運輸省はいかがお考えでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 運輸審議会は運輸大臣の諮問機関でございますが、しかしながら、運輸審議会としましては、一般の運輸省並びに経済企画庁等の関係とは別個に、独自の立場で審議を進めている段階でございます。したがいまして、運輸省あるいは経済企画庁というものとは関係なく、運輸審議会独自としまして、内容を慎重に審議をしておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 どのような答弁をされようとも、私どもはそのようなことを理解できない。運輸審議会には独自性がない、こうはっきり言わざるを得ないのであります。特に、ほかの審議会と比較をしてみますと、対象人員の構成なり、あるいはその開催される回数なり、過去の諮問に対する答申なり、そういうものから見て、私は、運輸審議会のあり方に大きな疑問を持っております。きょうはこれ以上触れませんが、いずれあらためて、この運輸審議会の具体的な問題について論争したい、このように思います。  そこで、運輸省に対する私鉄側の運賃値上げの資料、その中で、十四社中小田急一社だけが黒字で、あとは十三社全部赤字だということが、報道では載せられておるようでありますが、間違いございませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 ただいまお話しになりましたのは、鉄道業とそれから全業と両方あるわけでございますが、鉄道業に関しましては、十三社は非常に悪い成績でございましたが、小田急だけが若干いい状態を維持しておった。それに対しまして、最近では、それが全社全部赤字になってきたというのが実情でございます。全業につきましては、十四社いずれも黒字を計上いたしまして、一割配当をいたしております。

武部文日本社会党

○武部委員 業務報告書あるいは有価証券報告書、そうしたものを当然あなた方は検討しておられると思うのですが、その業務報告書なり有価証券報告書と、それから運輸省に提出をされた私鉄側の運賃値上げの資料、いわゆる鉄道部門におけるところの赤字、そういうものを比較をして奇異に感じられることはありませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 有価証券報告書と申しますのは、先生御存じのとおり、証券取引法に基づきまして提出される資料でございまして、これは主として投資家の保護というような見地に立ちまして提出をされております。したがって、会社全体の採算なり損益の状況というものを明らかにするというのが主たる目的でございまして、その会社の各事業部分に必ずしもこまかくそれを細別をしておるということはないわけでございます。しかしながら、運賃申請等に対しまして会社が申請をいたしておりますところの鉄道業その他の事業の営業、あるいは計上損益でございますが、これは当該事業の内容というものをよく分析しなければいけませんので、これは必ずしも一致をしておりません。また、一致をしていないのが当然でありまして、これにつきましては、その食い違いがどこにあるのかということを、私ども、詳しく内容を分析をいたしまして、両者の矛盾というものがないことを突きとめた上で内容の審査をいたしております。  やや詳しく申し上げることをお許し願えまするならば、たとえば営業外費用というようなものの分析というものでございますが、有価証券報告書では、先生よく御存じのとおり、営業外費用というものを各事業に配賦をするというようなやり方をやっておりません。しかしながら、私ども鉄道業の損益というものを検討いたします場合には、当然営業外費用——収益も同様でございます。営業外収益を鉄道業、自動車業その他の事業に配賦をいたしまして、これを処理しなければならぬというようなことがございます。また、各事業自体の配賦におきましても、たとえば各会社におきましては、広告等を見ましても、広告事業というようなものを鉄道業の中に取り入れて規定をしておる。その収入、支出を取り入れて規定をしておるところもございますし、あるいはそうでない会社もあるというようなことでございますので、そういったようなものは同じように、これはどういう処理をするかということで、鉄道業の損益というものがはっきりするようなことにする必要がある、こういうふうになっておりますので、したがいまして、そういう意味では、鉄道業の損益が有価証券報告書にあらわれたものと必ずしも一致していないというのが、むしろ当然であろうかと思います。  私ども、そういう調査をいたしまして、両者の矛盾というものがないようにいたしまして、経費の内容を十分に把握をすることが必要であろうかと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 実は、そこが問題なんです。これから申し上げることはそれに端を発するわけですが、私の調査して知るところによりますと、収入においてはほとんど間違いがないようですが、経費の数字のとり方、ここに問題があるのです。  そこで、とり方によって赤字になっておるのではないかと思われる点があります。ということは、裏を返せば、二重、三重の帳簿がつくられておるというふうに言っても、私は言い過ぎじゃないと思う。そういう点で、この営業報告書なり、有価証券報告書というものと、今回出された私鉄側の運賃値上げの資料との間にたいへん大きな矛盾点がある、私はそのように思うのであります。  六人の公述人の人が、あの公聴会の直後声明文を出しておられるようであります。それを私は、ちょっとここに書き抜いてきましたが、こういう声明文になっております。「関連企業の実情をもっと調査する為に信頼出来る調査会か国会が実地調査をし、経営内容が公正かどうか確認する必要がある」、こういう声明を六人の公述人の方が発しておられる。これはいま私が申し上げた問題とも関連するわけであります。こういう点から見て、いまの値上げ申請の資料というものは、鉄道部門だけの赤字を原因として値上げを申請しておる。しかし、あの公聴会の代表の皆さんの意見を聞いてみると、これは関連企業を含めて全企業を総ざらいして、その中から収支を判断すべきではないか、運賃の値上げを考えるべきではないか、こういう意見がたいへんたくさんあったということを、私ども承知をしておるわけであります。  そこでお伺いをいたしますが、十四社の傍系会社というのは一体全部で何社ぐらいあるのですか。——けっこうです。六百社をこえておるのです。一社で百六十五も持っておる会社があります。  そこで私が申し上げたいのは、この六百以上の傍系会社を経営しておるうち、最高の収益をあげるのは不動産部門であります。これはもう間違いのないことであります。さらに、この十四社がプロ野球を経営しておる。そして、このプロ野球はほとんど赤字で、その補てんも全部総合的に本社がこれを見る、そういうやり方がされておることは、これは巷間明らかになっておるところであります。そこで問題になるのは、いまあなたのほうがおっしゃる運賃値上げのこの資料、それが鉄道部門だけに限られておる、ここが論争点になるのです。反対公述人が申し上げたように、総合原価主義というものをなぜとらないのか、総合原価主義が原則ではないか。こういう点、全体の経営で見て、全体の経営が苦しいならば、これはその社は苦しいというふうに見るべきではないか、こういう意見について、運輸省の見解をひとつお聞きしたいのであります。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 私が先ほどいろいろ申し上げました問題点は二つございまして、一つは、当該会社が経営いたしております鉄道業、不動産業その他の事業というものに対しまして、その収支をどのように判定をするかという問題が第一点でございます。これにつきましては、先ほど有価証券報告書との相違というものを十分申し上げまして御理解をいただきたいと思うわけでございます。  次に、第二の問題は、ただいま先生の御指摘の点でございまして、これは傍系会社、いわば当該企業といたしましては投融資勘定というような形でいたしております傍系会社というものと、それから当該鉄道との関係でございます。  これは、考え方によりますれば、いわば別の会社でございまして、その別の会社の収支というものを、その会社のある事業の収支の中に取り込んでいいかどうか、非常に問題があろうと思います。これをしなければならぬということなれば、一種の連結貸借対照表あるいは連結損益計算書というようなものによってすべての事業を律するということになるのでございましょうが、そこまではなかなかいかないのではなかろうか。現段階におきまして、当該事業とそれから傍系会社との関係というものは、投融資事業という形でつながっておる。その投融資に対する費用並びに収益の配分というものが、当該鉄道業の足を引っぱるということになっていないかどうかということが問題のポイントであろうかと私ども思います。  そういう観点で考えますと、先ほど申しましたように、当該鉄道業では赤字を出しておる。それから不動産業では相当の黒字を出しておる。それから自動車業その他の事業というものでは赤字を出しておる。投融資部門でも若干の赤字を出しておるというようなことになっておりまして、いわば不動産業が、鉄道業の赤字なりあるいは投融資事業の赤字、運送事業の赤字というようなものを相当にかかえておるということが実態であろうかと思います。したがいまして、鉄道業の損益を考える場合に、当該鉄道業それ自体が赤字でございます。したがいまして、これをその赤字という前提に立って考えますと、この問題はむしろ不動産業と投融資事業との関係ということになってくるというふうに考えられるんじゃないか。全業的に事態を考えれば、そのようなことになるんじゃないかと考える次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 先ほど私は不動産部門のことを申しましたが、四十四年度の一年間に、十四社の不動産部門が二百五十一億の利益をあげておる、こういうことが発表されております。いま、あなたは、足を引っぱっていないかどうかという話がありましたが、ちょっと答弁がずれておるようですが、総合原価主義という立場をとらないという理由——全般的に見て、たとえば近鉄本社なら近鉄本社、百六十五社という傍系を持った近鉄本社の全部の経営、これは全く黒字なんですよ。そういうものの中から近鉄本社の鉄道部門が赤字だ、だから鉄道部門だけ切り離してみて、それは値上げしなければならぬというふうにあなたのほうはお考えになっているのでしょう。そういうことでしょう。その辺、どうなんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 関係会社というのは、先生御存じのとおり、全部当該鉄道会社が株を持って、いわばその鉄道会社の一部ということで運営しているわけではございません。その株の何%かを関係会社が持ち、あるいは一般の投資家がその株を相当持っておるというものがあるわけでございまして、決してその会社の全くの分身というわけにはいかない、独立の性格を持った法人であろうかと思います。したがいまして、そういう法人についてまで、この場合は、鉄道会社のしわ寄せといいますか、その損益というものをしょわせるというような形でなければいかぬということは、一つ問題であろうかと思います。  それからいま一つ、私、申しましたように、当該親会社の損益におきましても、鉄道部門は赤字でございまして、不動産部門は黒字でございますから、したがって、そういう関係部門との関係というものは、利益が出ているところのほうがむしろ問題であるということを申し上げたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あまりこのことで時間をとりたくありませんが、あなたのほうは、独立の法人だとおっしゃる。しかし、現実にそれじゃ大手十四社が、不動産部門でどういうところに土地を買い、それを造成し、そしてどういうときに売却をしておるかということは、あなたもおそらくお調べになっておると思う。そういう沿線のいいところをこの不動産部門は買って、そうして延長するなら延長した場合に、駅をつくるところの造成地は、造成しておいても、駅をつくってからでなければ売り出さぬ。駅をつくればもう地価は二倍も三倍もするのですよ。そういうやり方をして、不動産部門はどんどんもうけているわけですよ。これは独立の法人だ。片っ方は黒字、片っ方は赤字。こっちの黒字は全然別のものだから、こういうようにやらなければならぬ。これじゃ国民として納得しないじゃありませんか。これについてはどういうことかということです。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 一般に、鉄道業と不動産事業との関係を考えてみますと、ただいま先生御指摘のように、確かに、鉄道があるからその不動産事業というものが栄えるということはあろうかと思います。また、そういう実態によりまして、鉄道事業が営む不動産の事業というものは比較的評判もいいということになっているのではないかと思います。しかしながら、先ほど申しましたように、そういうことによって、不動産事業というものが鉄道業から稗益をするという部面もあるわけでございまして、その辺はいろいろ考えてみなければならぬポイントの一つでございますが、ただ、その不動産というものは、当該鉄道事業者だけが、専属といいますか、あるいは独占的にその事業をやっておるわけではございませんで、一般の不動産会社あるいはその他の一般の会社の不動産部門というものもまたこれを行なっているわけでございます。鉄道事業者だけがやっておるわけではないというのが一つでございます。  それからさらに、鉄道事業者は、必ずしも当該沿線だけで不動産事業を経営しておるわけではございませんで、当然不動産といたしましては、収益の上がるよその地域というものにおいて相当の不動産部門を経営しておるわけでございまして、そういうものを即その鉄道の収益に還元させなければならないというような合理的な理屈というものが必ずしもないのじゃないかと、私どもは考えるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたの答弁を聞いておりますと、あろうかと思うとか、比較的よいと思うとかいうような話なんですけれども、比較的よいじゃないのですよ。これは調べておらなかったらたいへん怠慢だと思うのですが、これはどの新聞にも載っておるのですよ。新聞社の皆さんはよくお調べになっておる。沿線の土地の値段から、どこで何ぼ投資されて、どのくらいの利益を得ておるかということは、ここのところずっと二、三カ月、出しておるじゃありませんか。あれをごらんになっても、私鉄の不動産部門というものがたいへんな利益を得ておる。それも鉄道沿線で受けておるのですよ。  それをやっておるにもかかわらず、こっちはこっち、こっちはこっちというような、そういうやり方で申請してきたものを、運輸省がそれを唯々諾々として審議会に諮問をする。審議会は、いままでどおりのことならオウム返しに答申するという、そういうやり方では国民は納得しない。片一方では地価がこんなに上がっておるのですから、そういうもうけ部門というものを無視して、別な法人だからというような簡単な理由で申請を認めるわけにいかぬと思うのですよ。  きのうの新聞によると、佐藤総理もこのことについて触れておるそうですけれども、佐藤さんはりっぱなことを言っておる。たまにはほめないと……。そういう事実を述べて、私鉄の運賃について待ったをかけておるのです。ところが、運輸省にしたって、経済企画庁にしたって、もうそろそろ時期が来た、もうここまで来たらしかたがないと言うが、そういうことでは納得しません。この運賃値上げについて、運輸省として最後の腹を聞かしていただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 先ほど申し上げましたように、不動産事業というものがあって、それで鉄道事業というものを従来維持してきておる。大体において維持してきたということは認めなければならぬのでありますが、しかしながら、それだけではいけない。それは前にも申しましたが、輸送力増強工事等を行なわなければならぬという差し迫った必要性ということもございますので、当該鉄道としての収益というものも十分考えた上で処理しなければいかぬということでございますが、ただ、それにつきましては、ただいま先生のおことばでございますが、審議会に諮問いたしましたのは、これは当然、申請がありましたものは運輸審議会に諮問をするわけでございまして、それにつきまして運輸省がどういう態度をとるかということは、現在運輸審議会に諮問中でございます。したがいまして、運輸審議会がこれに対する答申を出せば、私どもはそれを受けまして、運輸省としての方向を考えて処理するということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういけばいいのですけれども、そういっていないのですよ。今回もちゃんとそういかないようになっておるのです。もう公聴会から相当な日にちがたっておるのです。だから、独自の見解で、自分たちは上げるべきだとか、上げちゃいけないということをお考えになるのはけっこうですよ。ところが、運輸省はどうですか、いま三〇%は多いから、二〇%ぐらいなところで——こうなってくると、今度は、それがどうはね返ってくるかわからぬが、運輸審議会のほうは、それは二〇%ぐらいだ、こういうことになるからおかしいと言っておるのです。そういう空気がずっと伝わっておるのじゃありませんか。それが運輸審議会のやり方じゃないかと思うのです。みんな疑問を持っておるのです。  あの公聴会のやり方にしたって、たいへん大きな疑問があるのです。なるほどいろいろな意見があったのに、四十名の傍聴者に限ってしまった。意見を聞いたって、それをどう反映するか。それじゃ反映されないじゃありませんか。こういう意見も出ておるのです。  昔、日本橋に三越ができたときに、東京駅からのお客さんをみんな、無料で日本橋の三越へやったのです。それでデパートの売り上げをどんどん上げた。昔の交通機関はただなんですよ。そうせいとは言いませんけれども、そういうやり方さえ昔はあった。  こういう点を考えると、私は、全般的な経営の中でこの運賃問題を考えるべきだと思うのです。ひとつ最後に政務次官の意見を聞きたい。

山村新治郎自由民主党運輸政務次官

○山村説明員 先生のおっしゃられるのはもっともでございます。しかし、また運輸省の立場といたしますと、いわゆる輸送力の増強、また安全ということも一番力を入れて考えていかなければいけません。事実、いわゆる鉄軌道部門、これがはっきり申しまして、一口に申せばもうからない企業だということになりますと、先生御存じのとおりに、いわゆる大都市対策としての四千八百億というような第三次輸送力増強等の五カ年計画もございますが、これらの達成ということを考えますときに、やはり全部先生のおっしゃったような、一緒にしてということを考えた場合には、達成ということもできなくなって、安全という面にもつながらなくなるといういろいろ苦しい立場もございますが、しかし、先生のおっしゃったことは十分検討させていただきたいと思います。

栗山礼行民社党

○栗山委員 ちょっと関連で山口鉄監局長に。  ぼくは、答弁はもう少しまじめにやってもらいたい。見解の相違という論争点じゃなくて、政府委員というのはまじめな答弁をすべきだ。その一つは、いま武部委員に御答弁のあったことを私も伺っていると、関連会社については、それぞれ法人として別途会社である、資本の構成も大手会社のものとは違う、こういうような見解を兼ねたような御答弁があったと思うのですね。そうしますと、私鉄が経営する不動産会社で、上場株として出しているところがありますか。一般公募株として会社構成をいたしておるというのはございますか。あれば、そういう会社の名前及び資本の比率構成、人事の構成ということを説明されて、——これは法人たるなにであるが、系列直接の別途法人としての性格を持つ会社が経営しているものだ。こういう実態を御存じなはずなのに、法人格が違うから、それと総合的関連を見ることができない、こういうようなことについては、私は、非常にふまじめな委員会での答弁だということで警告を発しますとともに、そういう御説明が記録に載るわけでありますから、あなたもそれは訂正すべきだ。少なくとも私鉄の経営する不動産会社の資本構成及び人事構成、この点は一般の法人としての性格を備えつつも、私鉄が経営する別途法人であるという見解に私どもは立つのですが、何かあなたのほうの資料説明を求めたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 私の説明にふまじめな点があるというようにおとりなさいましたことにつきましては、まことに申しわけないことでございまして、これは十分に注意をいたしたいと思います。  なお、先ほどの、会社が独立の法人であるということは、形式的にももちろんそうでございますが、たとえば実質的にも、上場会社等におきましては、その会社の持ち株の比率というようなものはすべてはっきりいたしております。ただいま資料が手元にございませんが、上場会社の資本構成等のおもなものはわかっております。そういうことで、私どもが先ほど申し上げましたのは独立の会社でございますから、したがって、これを全部当該鉄道のものだとだけ言い切ってしまうということは非常に問題があるであろう、当該鉄道の不動産部として取り扱ってしまうということは若干問題があるであろうということを、実は申し上げたわけでございます。  なお、当該鉄道の不動産部と、それから当該鉄道部門につきましては、先ほど申し上げましたような関係にございまして、鉄道部門も不動産部門が処理をしていくといいますか、維持をしていくという実態でございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 私、それ以上申し上げません。私は関連質問でございますから。  あなたのほうに資料がございましたら、資本構成と人事との資料を、明確な関連の資料提出をひとつ委員長に御要求申し上げて、すみやかにお出しをいただきたい、かように考えております。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 この点に関する資料提出の要求がございましたので、運輸省におかれましては、至急資料を取りまとめて本委員会に提出してください。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 上場会社のものにつきましては、ただいまのような資料がまとまると思いますので、早急に取りまとめて御報告いたします。

武部文日本社会党

○武部委員 実は、安全対策なり輸送力増強に私鉄が一体どのくらいな力を入れておるかというようなことも、お伺いをしたかったわけでありますが、公正取引委員長の時間がないようでありまして、同僚議員からも質問の通告がございますから、私、先を急ぎますが、いま申し上げたような私鉄経営のあり方について、公述人の発言内容、あるいは世論、そういうところから見て、これは相当慎重に考慮しなければならぬということが言えると思うのです。したがって、安易に運賃値上げの道をとるというようなことのないように、先ほどの政務次官の発言どおりに、慎重に考慮していただきたい。これを申し上げて、運輸省に対する私鉄運賃の質問を終わりたいと思います。  続きまして、公正取引委員長にお伺いをいたします。  先日来、地婦連の調査結果が新聞に発表されまして、カラーテレビの二重価格問題がクローズアップされました。私どもは、かつてこの電機業界がやみ再販をやっておるとか価格協定をやっておったというので問題になったことを、よく承知しておりますし、先般審決が出ました。そういうようなことから、当然このカラーテレビの二重価格ということは、論争があったことでありますし、何もいまに始まったことではないのであります。  ところが、公正取引委員会は、地婦連に対してこの調査を依頼された。私は「二重価格の実情調査報告書」というものをいただきました。これを詳細に検討してみたわけでありますが、まず最初にお伺いをいたしたいのは、この報告書の一番うしろの「不当な価格表示に関する運用基準」、これは事務局長通達第四号、昭和四十四年五月二十六日付。一年以上前にこの「不当な価格表示に関する運用基準」について通達が出されております。これは一年も前のことでございますが、この中に「二重価格表示」ということが載っておりまして、これは不当景品類及び不当表示防止法第四条第二号の運用基準で、誤れば違反になる、こういうことが書いてある。その中にずっと下のほうから四行目、右のほうに「市価」と書いてあります。「市価」と書いて、かっこで説明がなされておりますが、この「市価」というのは、あなた方としては一体どういうふうに考えておるのか、四七ページ、下から四段目、一番右端、「市価」、私はこれを読んでおって、どうもよくわからない。  そこで、今回のカラーテレビの二重価格の問題は、この通達が出ておるし、皆さん、デパートに行ってごらんになれば一目瞭然にわかるように、二重価格になっておった。そういうことについて、一年以上も前に出しておる通達と、今回地婦連がお出しになったこととどういう関係があるかということに、私は非常に疑問に思ったのですが、その点についてちょっとお伺いをしたい。  また、時間の関係で先を急ぎますが、このカラーテレビの価格問題は、三木武夫さんが通産大臣のころに問題になったのです。それから、昭和四十二年の当物価委員会で、同僚の村山喜一議員が、当時この問題に触れておる。そういう論争をかってなされておる。それをいまごろになって、二重価格だからどうだというのは非常におかしいと思うのだが、この二重価格問題に対する公正取引委員会の見解を聞かせていただきたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 まず、概括的に私からお答え申し上げます。  私も、公正取引委員長に就任いたしまして、まず、現金正価なるものは一体何であるかということから発しまして、事務局に、あれは一体不当表示にはならないのか、メーカーがつけるところの小売り正価なるものは一体いかなる意味を持つものであるか、こういう質問から実は私は始まったわけであります。  その前に、私が独占禁止懇話会のメンバーでありましたときに、いま御指摘のように、この「不当な価格表示に関する運用基準」という事務局長通達第四号が出まして、私、非常に興味を持ってそのとき見ていたわけであります。ところが、ちょうどそのときに、いま御指摘のように、「二重価格表示」という場合に、「市価よりも高い価格を市価として比較対照価格とすること。」というのが一つの考え方として出ているわけです。ところが、もう一方、そのすぐ次に(2)というところで「二重価格表示を行なう場合において、」——武部委員のお手元にあるので言えば四ページのほうに入りますが、この場合に「希望小売価格」要するに「(当該商品について、製造業者など小売業者以外の者が最近付した価格であって、あらかじめ公表され、かつ、実際の取引に用いられると認められる価格をいう。以下同じ。)」という希望小売り価格なるものがあって、その希望小売り価格よりも高い価格をいかにも希望小売り価格であるかのごとく比較対照価格とすることは、これは二重表示だといっているわけです。たいへん込み入ったことを私は申し上げますけれども、従来の見解によると、ある種のメーカーがつけましたところの現金小売り正価なるものは希望小売り価格である、かような見解があったわけであります。しかし、カッコ内でも、明瞭に「実際の取引に用いられると認められる価格をいう。」と書いてあるわけであります。  そこで、この(1)のほうのいわゆる「市価」と、それからメーカーのいわゆる「希望小売価格」との関係をいかに考えるべきかということで、私が調査を命じましたのが実はこの三月ごろだったと思います。取引部のほうもたいへん手が込んでおりまして、いろいろな問題もかかえておりまして実は私どもまだ、十分なこの問題についての実態の把握ということが進んでおりませんけれども、まさに武部委員の御指摘のポイントというのはそこにある。しこうして電気製品について、現金正価なるものと現実の取引価格との間に一般的に非常に大きな乖離を生じてきたのは、ここ二、三年のところでございます。以前から、特殊の商品や商店街等においてはもちろんございました。しかし、デパートにおいてすらなおかつ現金正価というものをぶら下げておいて、それを消して、特価と称して売るようになっては、これはもうおしまいでございますという意味で、この問題は、いままで何をやっておったかとおっしゃられますけれども、私どもの仕事の性質上、かなり現実に実態をつかまえてでないとなかなか言えません。口頭ではいろいろとこの問題は言っておりますけれども、現実の行動としていたします際の必要な調査というものは、私ども事務局のほうでもやや手間どっているかと思います。  たいへん申しわけございませんが、私は一般論をいま申し上げまして、補足は取引部長から申し上げさしていただきます。

坂本史郎公正取引委員会事務局取引部長

○坂本説明員 ただいま委員長から御説明がありましたが、若干補足させていただきます。  二重価格の表示に関しましては、昭和四十三年五月に、私どものほうのモニターにアンケート調査を依頼いたしまして、実態を調べていただいたわけであります。そして、その結果に基づきまして、ただいまお話の出ました四十四年五月二十六日の事務局長通達ということで「不当な価格表示に関する運用基準」というものをつくったわけでございます。ただし、これをつくりました場合にも若干問題がないわけではございませんで、それはただいまお話の出ました、たとえば現金正価とか定価とか、一体こういうものはどういう意味を持つのか、特にそれが実態からかけ離れているような場合には非常におかしいのではないか、こういう問題がございまして、この前アンケート調査をしましたときには、その辺の突っ込み方が非常に不十分でございましたので、その点を今回の地婦連の調査でいろいろ非常に努力していただいて明らかにされたということでございます。  二重価格表示につきましては、そのほかにもいろいろ指摘された点がございまして、私のほうとしましては、これを参考にいたしまして、なお十分監視を強め、この運用基準のようなものではたしていいのかどうかということを十分検討してまいりたいというふうに存じております。  ちょっと補足させていただきました。

武部文日本社会党

○武部委員 去年の九月、日本消費者協会が調査結果を発表いたしました。その数字を見ますと、十七万五千円のテレビで、五六%の九万八千円がマージン、リベートだという数字があがった。去年の九月、こういう結果が出ておるのです。それから、三木さんの、二十万円のテレビが原価六万円とは何事だ、こういった発言がありましたね。そういうような実態が従来あったわけです。しかし、いま委員長がおっしゃられるように、口では言えても、それでは現実にどういうようなことであるかということは、調査の結果が出ないとわからない。それがせっかくわかったわけですから、このことについては、適正な措置をひとつとってもらわなければならぬ。  そこで、通産省。通産省はこういう一連の動きについて、国内販売価格の構成、いわゆる生産部門の管理費、利益、工場出荷価格、あるいは販売部門の宣伝費、物品税、こういうようなことについてどの程度知っておりますか。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 お答え申し上げます。  テレビに限らないわけでございますけれども、価格の内部の構成につきましては、非常に企業の秘密ということになっておりまして、遺憾ながら、私のほうとしても詳細には存じ上げておらないのが現状でございますけれども、しかし、できる限り公正な価格の内訳を出しまして、輸出品との関係、それからいま問題になっております二重価格問題等につきましても、前向きにこれに対処すべきであるということで、先般業界のほうに、コストの内訳を、標準的なモデル的なものでもいいから明示すべきではないかということを強く要請いたしまして、新聞紙上にも出ておりましたが、業界側といたしましても、検討いたして、近くこれを公表いたしたいということで、現在鋭意検討中の段階でございますので、参考のために申し上げますと、現在、カラーテレビといいますのは機種が全部で百二十五あるわけでありまして、このうち、問題の十九インチは七十六もあるわけでございます。したがいまして、価格のコストの内訳といいましても、それをどういうモデルでするかということはちょっと時間が若干かかると思いますけれども、早急にこれを提出いたしまして、これを公表することによりまして、国民の各位との関係も公正なる関係を樹立いたしたいということになっております。方向といたしましては当然そういうような方向であるべきだ、こう考えておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 なるほど、あなたがおっしゃるように、企業の秘密ということもわからないではないですよ。しかし、現実にアメリカでダンピングが問題になっておりますね。そうして、こうして二重価格の問題が出てきましたね。そういうことや、あるいは先ほど申し上げるように、五六%のマージン、リベートということはもうはっきり出ておる。そういうことがはっきりわかっておるにかかわらず、通産省としては、生産部門の管理費なり、経費なり、宣伝費なり、工場出荷価格というものを全然知らないのですか。全然わからぬのですか。ある程度のことはわかっておるが、全般的なものはわからぬというのですか。こういうことを知ろうとしないのですか。知っていないのですか。どうですか。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 まことに恐縮でございますけれども、われわれといたしましても、従来そういうことを把握するように非常に努力いたしたのでございますが、現段階におきまして非常に詳細な内訳、いま先生のおっしゃいましたようなリベートがどのくらいであるか、広告費がどのくらいであるか等々につきましては、詳細に把握いたしておらないような状況でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたがおっしゃるように、業界は、近い機会に、いま申し上げたようなことで一つの平均的な値段を発表するというようなことを、新聞に発表しておったようですね。それはそれとして、そのものがどんずばり全く正しいものかどうかについては、私ども疑問を持ちますよ。それだけに、あなた方が、一体その内容が正しいものかそうでないものかどうかについては、十分検討しなければならぬと私は思うのです。こういうばかげたことがずっと続いてきておった。その内容をあなた方は全然知らぬ。こういうことは、消費者の側としては許せぬことなんです。ここ一週間ぐらいのうちにおそらく発表になるでしょう。それはどこまでも平均なんです。あなたがおっしゃったように、機種が百二十五もあるのですから、おそらくその平均をもってくるでしょう。あるいは何段階かに分けるでしょう。こういう点について、それがほんとうに正しいものかどうか、これを十分調査をしてわれわれに発表できるようにしてもらいたい、こう思います。  時間をたいへんとりましたので、最後に公正取引委員長にもう一つだけお伺いしたいと思います。  果実飲料等の表示に関する公正競争規約、これについて公聴会が七月二十二日に行なわれましたね。私ども新聞で承知いたしました。この公聴会でいろいろ意見が出たようでありますが、この公聴会の開催の案内状の中に、果汁一〇〇%は天然果汁、果汁飲料は五〇%以上の果汁とし、清涼飲料は一〇ないし五〇%というふうになっておりますね。そして、第一の天然果汁は、一〇〇%入らなければジュースと呼ばせない。「ただし、果汁飲料に「ジュースドリンク」の名称を使用することができる。」これが公聴会の案内状の中に記載されておりますね。この問題について消費者の側からたいへん批判が出て、そういうまぎらわしいジュースドリンクなどということは必要ないという意見が出たようであります。  この果汁の公正競争規約というのは二年半もかかっておるのです。この問題ががちゃがちゃしてから足かけ三年ぐらいじゃないですか。いまだにこの公正競争規約ができないわけですが、この公聴会の意見等をお聞きになって、いつごろ、どういう態度で、この公正競争規約について認定をおやりになろうとしておるのか、それをひとつお伺いしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 私も、先般の公聴会を最初からおしまいまで伺っておりました。いろいろな議論がございましたが、その中で特に、いま武部委員の触れられた問題が一つの大きな問題になっておったことを、私は非常な関心をもって聞いておりました。  いろいろないきさつ等、また、これがどういうふうに今後進められるか等につきましては、取引部長のほうからお答えいたしますが、私といたしましては、本来ならば、実はこの夏の季節に間に合うようにきめたかったわけであります。きめたかったといっても、私どもが自分たちだけできめるというわけにはいきません。やはり日本におけるいろいろな過去の習慣、それぞれの立場における違った考え方、そういったものがある程度煮詰まってまいりませんとなかなかやれないのでございますが、しかし、方向としては、やはり何といっても消費者のための正しい表示ということでございますから、そういった面から考えまして、特にまぎらわしい、または日本人の生活においてもとかく誤解を生みやすいような形での表示は避けるべきではないか。御指摘の、ジュースドリンクというふうなことばが一体どう評価されるか、それらについて、ただいまから取引部長にいろいろ説明させたいと思います。

坂本史郎公正取引委員会事務局取引部長

○坂本説明員 補足させていただきます。  規約を作成するのに非常に時間がかかるという御質問でございまして、それに関連しまして、どういうような手続で規約を作成しておるかということをちょっと御説明申し上げますと、規約を作成するにつきましては、規約に盛り込む内容につきまして、私のほうで開いております表示連絡会、これは学識経験者、消費者代表、業界、関係官庁などで構成しているわけでございますが、その表示連絡会を開きまして、問題を提起し、そこでいろいろ議論を重ねているわけでございます。通常の場合、その会議で四回ないし五回議論を重ねまして、それによって問題点を整理いたしまして、一応規約の原案みたいなものを作成する。それから消費者なり業界の意見をいろいろ聞くわけでございますが、消費者としましても、当該製品の原材料とか製造方法を十分知っているというわけではございませんので、そういった点についての理解も深める。それから、業界にもそれぞれの主張がございますから、その主張を突き合わせて、それを調整する。その場合に、私どもの立場としましては、元来、不当表示法に基づきまして消費者の誤認を排除するという性質の規約でございますので、そういった立場をできるだけ徹底するような方向で業界を説得するなり、そういう努力をしているわけでございます。  お話しの、ジュースの規約案ができますのにたいへん時間がかかったことは、御指摘のとおりでございまして、この点、私どもの努力が非常に不十分であったということをおわび申し上げなければなりませんが、先日の公聴会におきまして、ただいまのジュースドリンクの点そのほかいろいろな意見が出まして、私どもとしましては、この前公聴会で出しました規約案が非常に不十分ではないかというふうに感じておりまして、この点につきましては、いろいろ関係官庁との折衝もございますし、それからまた、業界との折衝もございますので、これはできるだけ早い機会にそういうことをやりまして、いまいつというふうにははっきり申し上げかねますけれども、できるだけ早く規約を認定する運びにいたしたいというふうに存じております。

武部文日本社会党

○武部委員 わかりました。できるだけ早く出していただきたいのです。  きょう、実はもう一つあったのですが、時間がきましたので、資料要求だけにとどめたいと思います。委員長からお取り計らい願います。  添加物の問題ですが、厚生省おりますね。私がこれから申し上げることについて、調査の結果資料を出していただきたいと思います。  清涼飲料水の問題であります。ファンタオレンジ、チェリオオレンジ、ミリンダオレンジ、ファンタグレープ、この四つについて果汁の含有量、さらにファンタグレープに対する赤色、黄色、青色、これが入っておるかどうか。ファンタオレンジに赤色、黄色、青色がいずれも入っておるかどうか。いま一つ、防止剤、安定剤として、重合燐酸塩がこの中に入っておるかどうか。重合燐酸塩、これはピロ燐酸ナトリウムのことでありますが、これはちょっと問題なので、こういうものが、いま大量に売られておる清涼飲料水の中に入っておるかどうか。これを調査の上、資料として提出をいただきたい。それによってあとまた論争するということにして、私の質問はこれで終わりたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 厚生省、だれか来ておりますか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 食品化学課長でございます。  ちょっとお伺いしたいと思いますが、ファンタオレンジ、チェリオレンジ、ミリンダオレンジ、ファンタオレンジ……。

武部文日本社会党

○武部委員 ファンタグレープです。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 その四種類でよろしゅうございますか。

武部文日本社会党

○武部委員 四種類です。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 それから、天然果汁の含有量につきましては、実は私どもの所管でございませんので、農林省のほうに御連絡をいたしまして、御報告させていただきます。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 農林省の関係課長来ておりますか。——では、私のほうで取り計らいます。

武部文日本社会党

○武部委員 終わります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 公取の委員長は一時までだそうですから、主として公取の委員長に質問を集中して、きょう出席しておるほかの各省の方については、公取委員長の質問が済んだあと質問させていただくということで、保留させていただきます。  まず最初に、公取委員長にお聞きする前に、どうしても通産省の重工業局次長にお尋ねしておきたいのですが、最近新聞をにぎわしましたカラーテレビの問題です。  これはすでに昭和四十一年の十一月ごろでしたか、私はここに新聞の抜粋を持ってきておるのですが、三木通産大臣が、カラーテレビの国内販売価格が非常に高いということを問題にいたしまして、業界を指導するということを、大臣として正式に国民に発表をなさっておられるわけであります。ところが、現実は依然として、アメリカにおけるダンピング問題が非常に大きくクローズアップをしてきまして、国外の輸出価格が約六万円、国内が十八万。極端な言い方をすると、前のこの物特でわれわれの先輩議員であります村山議員が質問したように、国内の消費をしている国民自体の犠牲によって企業の繁栄がもたらされておるのじゃないか、われわれ国内の消費者が輸出の赤字までかぶっておるのじゃないか、そういったきびしい追及がここで議論をされて、その点についても善処をいたします、こういうふうに本委員会の会議録にも出ておるわけです。一体この四十一年から今日まで通産省は、こういう家電メーカーに対して、特にカラーテレビ等についてどういう指導を積極的になされたのかどうか、その点をまず通産省に明確にお聞きをしておきたいと思うのです。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 現在、輸出価格と国内価格との著しい格差ということが問題になっておりますけれども、これは先ほど申し上げましたように、近く標準的なモデル的な価格構成等を公表して御批判を正式に仰ぎたいとも思いますが、われわれの現在の判断と申しますか分析によりますと、御存じのとおり輸出品の中には、国内で売られておるものとの比較で除かれているものが大きくいって三つあるわけです。  一つは、卸、小売りのマージンが国内の価格には入っておりますが、輸出品には、これは向こう側で、アメリカ側で付されるわけでございます。FOB価格でございますので、マージン部分が抜かれておるわけであります。もう一つは、これは当然のことでございますが、国内品には物品税が現在のところかかっておりますけれども、これは当然輸出品には除かれておる。第三に、これは一番大きな分野であると同時に問題な点でございますけれども、これは売り切りにいたしますので、輸出品につきましては、現地の広告費とか宣伝費とか、それから、先ほど来出ておりました国内におきますいわゆるリベート等の費目は、国内品からはずれたようなかっこうになっております。  大きく言いまして、この三つの分野で非常なる違いが出ておりまして、これは正確ではございませんけれども、われわれのほうで現在、標準的な輸出品と国内品との大ざっぱな分析に基づきますと、世間でいわれているような非常なる格差はないのではないか。これは先ほど申し上げましたように、その価格構成等を問題にいたしまして、もう一回正式にいろいろと御議論願いたいと思います。  それから、もう一つの御質問の、最近時におきまして通産省としてはどういう行政指導をしたかということでございますが、これは一番大きなものは、小型、普及型のテレビを国内に出すべきであるということであります。御存じのとおり、現在アメリカに輸出されておりますものは、国内の非常に豪華な木製のものでございませんで、どちらかといいますとキャビネットがスチールタイプ、非常に標準型のものを輸出しておるわけでございます。この辺が価格差の原因の一つにもなっておるわけでございますが、国内のは、店頭でよく見ますが、非常に豪華なものである。これを消費者の立場で、アメリカに輸出しているものと同等程度の普及型を日本国内でもつくるべきである、販売すべきではないかということで、先ほど先生お話しの大臣発言等を契機といたしまして、四十一年十一月二十四日に各メーカーに対しまして、普及型の発売を通産省としては要請いたしたわけでございます。こういうことが契機になりまして、四十二年に入りまして、十九インチにつきましては、いわゆる非常に簡素なコンソレットタイプというのが発売されております。それから、需要の増加に応じまして価格も非常に下がってきた。  ただ、ここで若干その消費動向について申し上げたいと思いますが、日本の消費者の動向といいますのは、テレビは高級消費財のような消費需要の動向がございまして、どちらかといいますと、その後非常に多くの標準ものを売り出したわけでございますけれども、売れ行きにつきましては、非常に豪華なものが売れ行きが多い。標準ものというのは、売れ行きとしては非常に伸びが少ないというのが実態でございます。簡単でございますが……。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 四十一年から通産省が、大臣発言以降の経過としては、たったそれだけですか。それ以外のことはなかったというふうに理解していいのですね。それ以外のことは全然なかった。あの当時と同じ結果が出ていますからね。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 御存じのとおり、テレビを例にとりますと、結局価格との相関関係でございますけれども、需要が非常に伸びて、量産による価格の引き下げというのがはかられるべきであるわけでございますけれども、いま申し上げました普及型の発売と同時に、これはちょっとこまかい話で恐縮でございますけれども、現在のテレビに限らず、電子工業につきましては、ここ十五年間くらい、電子工業振興臨時措置法という法律に基づきまして、個別の機械及び部品を指定いたしまして、開銀融資をこれに流し、税制上の優遇をすることによって生産の合理化をはかっておるわけでございますけれども、同法に基づきまして、抵抗器、コンデンサー、チューナー、ブラウン管等につきましては、四十一年以降同法の指定品目にいたしまして、生産の拡大、品質の向上をはかっております。ちなみに四十年から四十四年までの一、二の例を申し上げますと、コンデンサーにつきましては三・五倍の国産の増、抵抗器につきましては三・八倍の増というようなことで、結局、先ほど来問題になっておりました現金正価につきましても、逐年価格の水準が低下ぎみに推移しておる、こういう状況になっております。大きくいいまして、普及型の発売と、全体を通じての生産体制の合理化、そのための品目の法律に基づく指定及びその育成というのがわれわれのやってきておりました施策の内容でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私は、公取委員長に質問を集中したいので、これはあとからまた国内と輸出価格の格差についてはお伺いし、また資料の提出を求めたいと思います。  ここで公取の委員長に簡単な質問をしたいのですが、現在、公取の委託した調査によっても、定価を四割、五割割って現実にカラーテレビが売買されておるということは、定価を四、五割割ってもなおかつ小売り店に利潤がある、こういうふうに理解できるのですが、その点公取委員長はどう思われますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 特別の例を除いてはそういうことだろうと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 そのことは、やみ再販、こういった問題が横行しておる、現実にはあるのだ、こういうふうに理解できるのですが、その点どう思われますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 必ずしもやみ再販とはいえないと思います。最終末端小売り価格をメーカーが何らかの形において統制しておるという姿がいわゆるやみ再販でございますが、そういうことはなしに、何とか現金正価なるもので最終の値段をつっておくとか、ないしはたいへん消費者が得をしたように思わせるという効果はあるかもしれませんけれども、やみ再販という形に必ずしもなっているとは思いません。しかし、場合によってはそういうことがあり得ないともいえないと思います。それは過去の例に見かけました。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もう簡単に質問しますが、現在カラーテレビに関しては、その定価は消費購買の水準にはなっておらない。その点についてはどう思われますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 同感であります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 公取は、現在のカラーテレビについての現金正価とは一体何ぞや、こういった問題についてはどういうふうに考えておられますか、カラーテレビに関する限り。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 どうやら、いままでにおいては、業者の希望小売り価格ないしはカラーテレビというのはこういうランクのものであるということを意味するものであるという説明が通っておったようでありますが、最近に至っては、さようなものではちょっと通用しなくなっている。逆の目で見れば、私どもから見れば、早くその姿は是正されてしかるべきものである。ただ、どの程度にどういうことでやったらいいのかという点について、私どもももう少し実態をよくつかまないと言えない、かように思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 現在のカラーテレビの価格というのは明らかに二重価格、表示違反である、こういうふうにわれわれは思うのですが、そういう疑いがあるというふうに委員長は思われますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 消費者が実際の品物よりも著しく有利であると誤認するかどうかという問題でありますけれども、逆の面からいえば、あの現金正価なるものはもはや意味がない、家電については、もうあれはただつけてぶら下げているだけだというふうになってきておれば、むしろ誤認というものがないという考え方を言う人もおりますけれども、やはりあの正札みたいなものがぶら下がっているということ自体が問題を起こしやすいというふうに考えられますので、どちらかといえば、松浦委員がおっしゃったような考え方を私どもはとりたいと思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 これはさだかでありませんけれども、近く公取のほうでは、カラーテレビ関係で電子機械工業会、あるいは電気冷蔵庫などの日本電機工業会に対して、現在の割り引き価格を販売価格に統一して、少なくとも消費者を惑わすことをやめるような警告措置をとるというような動きがあるやにお聞きをしたわけですけれども、そういうことは、現在事務レベルでやっておられますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 先ほど武部委員に申し上げましたように、実はこの春以来、そういった問題について、個々にある程度の調査を進めたり、話をしておりますけれども、全体としてどういう形でこれをやっていくか、そしてまた、やる場合に私どもだけでやれるか。もちろん、所管官庁である通産省の十分なる御協力も得たいというふうにも考えておりますので、これからの運び等については、いまここで申し上げるわけにまいりませんが、少なくともそういう問題について考えておることだけは事実であります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それからまた、公取は、月賦販売会社あるいは消費者団体、関係官庁等で構成する公正な価格表示連絡会というものを新設をして、そういった問題の改善を検討をしたい、ここでは、景表法や割賦販売法に基づいて、公正な表示基準あるいは公正競争規約というものをつくりたい、こういうようなことも、谷村委員長の談話か何かで新聞に出ておったと記憶するのですが、そういう構想を持っておられるとすれば、いつごろそういう方向をとられようとするのか、その点をはっきりしておいてもらいたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 これは私がかねがね考えている問題の一つでありまして、まだ公正取引委員会としての一つのあれがはっきり立ったというわけではございません。いわば、たとえば記者会見の場合に上げた一つのバロンデッセ、観測気球であるというふうに申し上げてもいいのでありますけれども、少なくとも過去二十何年生産拡大ということ一本やりで、と言っては語弊がありますけれども、それに非常な重点を置いてやっておりました日本の経済が、もちろん生産は経済が大きくなる基礎でありますから大事でありますけれども、いろいろの角度から変わってまいって、特に国民生活という問題が大きくクローズアップされる。これはまさに経済白書が指摘しておるとおりでありますけれども、そういう際における生活行政あるいは消費者行政という立場から、私どもが現在やっております表示問題等についてのやり方が、はたしてこれでいいのかどうなのか、法律もあれでいいのかどうなのか、また、やり方としては、何か各省と公取とが別みたいに動くということでいいのか。むしろ各省が、それぞれ所管の問題についても公取と同じような考え方で、消費者行政という面が最近非常にクローズアップされてきていることを私は評価しつつ、一体そういう方向に動くべきではないかといったようなことが頭の中にいろいろと去来しておるという段階でございまして、具体的に何をどうしようというには、まだちょっとこれは各省——この間も実は経済企画庁長官とそういう話もしたのでありますけれども、もう少しいろいろのステップを踏んでまいらないと、公取としての考え方がまだはっきりとは固まらないというふうな状況でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 公取委員長が個人的に見解を発表されることは、私は一向差しつかえないと思うのですけれども、しかし、公取委員長が言われたことが現実的に実行されない場合が非常に多いわけですね。ですから、やはり——公取委員長が言われたことは決して悪いことじゃない、正しいことを言っておられるのですよ。現に二月二十六日あるいは三月十一日ですか、この委員会で管理価格の問題を取り上げまして——管理価格の問題をきょうやる時間が時間的にありませんから、次の機会に譲りますけれども、そういった問題については、公取委員長個人ということではなくて、やはり言われたからには、公取の事務局として、事務の体制として積極的にそういう意思が政策の中に反映されるように、ぜひこの際お願いしておきたいと思うのです。特に価格監視機構とか、こういうものも公取委員長は新聞に発表されておりますし、それから、価格指標の設定をするというようなことも新しい方向として打ち出されてきておるわけですから、こういった問題についてもぜひ実行あることをお願いしたいと思うのです。  そこで、最後になりますけれども、通産省の化学第二課長の丸田さん来ておられますね。——これは公取委員長もぜひ聞いておってもらいたいのですが、実は石けん、洗剤問題について、これは六月五日の新聞報道に通産省の見解として出されておるのですが、六月四日通産省は、石けん、合成洗剤の価格問題で、消費者物価を引き下げるための解決策を業界と話し合った。ところが、価格が据え置かれても、コスト高を考えると実質的にはこれは値下げになっておるんだ。だから、価格が硬直しておるとは考えられません。また再販の問題についても、指定を取り消す必要はないんだ、こういうことを通産省が現実に、業界代表との話し合いの結果の結論としてかどうか知りませんが、新聞に大きく発表をなさったと思うのです。  この点は実際に通産省の考え方であるのかどうかということを、この際通産省にははっきりしていただいて、同時に、この委員会で私が再三質問をし、また、八月四日号のエコノミストに「管理価格に政府の介入を」ということで「この人と一時間」で、谷村委員長が出ておるのですね。あなたが出ておるのですよ。ここに書いてある。合成洗剤については、現実にどういう問題であるかという事実調査を公取としてはさらに進めたい。また、この委員会でもそういうふうに言っておられるのですね。ところが、一方では、主務官庁である通産省は、すでに、再販は認めていいんだ、あるいは価格が硬直しているのは実質的に値下げになっているんだ、こういうふうなことを現実に言っておるのですね。この点について公取委員長は、公取の委員長としてどういうふうに思われるのか。通産省は、実際そういう考え方を発表されたことについてどういう見解を持っておられるか。これは通産省の見解なのか、それとも一課長の考え方なのか、この際丸田説明員のほうからお聞かせをいただきたいと思います。

丸田幸栄通商産業省化学工業局化学第二課長

○丸田説明員 確かに、新聞報道にそういうふうになされております。私どものほうとしましては、かねてから、この洗剤が非常に家庭で使われるということから、皆さんの御関心をいただいておるということで、価格問題並びに品質両方の問題から検討してまいったわけでございますが、特に今年になりまして物価問題ということが非常にクローズアップされてまいりまして、私どもも積極的に物価問題に取り組むべきであるという観点から、化学工業局長等を中心にしまして業界との懇談会をやったわけでございます。  それで、洗剤について、たとえば下水道の問題になっています公害問題を防ぐためにソフト洗剤に持っていくというようなこと、あるいは洗浄力を上げて、より少ない量で十分な洗たくができるというふうな品質の向上の面も、かなり指導してまいったわけでございます。また、かねて、増量ということで実質値下げという面からも行政指導をやってきたわけでございますが、そういったことを踏まえまして、さらに今後十分に意思の疎通をはかっていく、そして業界を指導していくということからやらせていただいたのですが、発表の際に私どもの説明が不十分であったためか、必ずしも私どもの考えていることが十分に記事になっていないということは、残念であると思っております。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 管理価格とよくいわれるもの、たとえば生産性が向上して、本来ならばコストが下がっているにもかかわらず、コストを下げられない。そして消費者にその利益が還元されない。あるいは上がらないからいいじゃないか、世間一般は大体上がっておるのにうちは上がってはおらぬからいいじゃないか。ないしは品質の問題、いろいろの角度から値段というものを見なければならないというふうに思います。確かに、品質の問題についてはいろいろございます。しかし、品質がよくなっているからそれでいいかどうかということは、コストとの関係、あるいは一般の、たとえば競争条件のもとにおいてなおかつそういう値があるのかないのかといったような問題を、いろいろの角度から見なければならないと思います。私ども自体といたしましても、はたして合成洗剤というものの値段がどう評価されるかということについては、なかなか結論は出しにくいという状況で今日まで来ております。  しかし、その点で競争条件がはたして有効に作用しているかどうかという点についても、必ずしも有効であるとも断じがたい。いろいろと現実分析について見ますと、ああこうああこういろいろな話になりまして、現実の把握というのは実にむずかしい問題であります。そういう点では、私どもと通産省との間に評価が違っているというふうにはたして見れるかどうか。通産省側としても、これをどう評価するかということについてはある程度疑念は持ちつつ、また、ある程度の断定もできない、そういう御評価ではなかったかと思います。  たいへん回りくどく申しましたが、何を言ったか私もよくわからない。よくわからないというのはちょっと失礼でありますけれども、そういう価格問題というのは、消費者行動まで含めまして、現実にはむずかしい問題であります。そこから私どもは何ものかをつかみ出す、さらに、それをただ一方的に、ある人が個人的な——個人的というと語弊がありますが、判断ではなく、もっと行政自体全体としての一つのコンセンサスというふうな形でこういう問題を見ていくべきではないかというのが、いまの私どもの気持ちでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 委員長の答弁を聞いておっても、言われる本人がよくわからないのだから、聞くほうにぴんとこないのは事実だと思うのですが、しかし、公取委員長と管理価格の問題等で、特に洗剤について議論をしておるときには、やはりまじめに委員長に答えていただきたい。まだ継続中だと思うが、しかし、私がここで申し上げたいのは、通産省が、一課長——一課長といったらたいへん失礼ですけれども、大切な物価問題について業界の代表と話し合った結果、業界のしり押しをするように、現在の価格が硬直しておるのは実質的には値下げだとか、あるいは再販は当然認められるべきであるとかというようなことを発表なさる。あるいは漏れたかどうか別にして——いま聞いたら、それは舌足らずだ、こういうことですけれども、何か舌足らずのことがあったのか記事が間違っておったのか、その点わかりませんけれども、そういった微妙な問題については、くぎをさすようですけれども、通産省はもっと慎重に配慮してもらいたいというふうに申し上げておきたいと思います。  なお、公取の委員長が一時までで、あとの質問者がおられるそうですから、その他のいろいろな質問はそのあとにさせていただきます。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 渡部通子君。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 たいへんお時間がございませんようなので、きょうは公取委員長にいろいろ伺いたかったのですが、まとめて数点お伺いいたしますので、ひとつ簡単に御答弁をいただきたいと思います。  先日来、独禁懇の管理価格の中間の取りまとめが発表されまして、たいへん管理価格がクローズアップされているようでありますが、その中に管理価格の定義というものが示されておりますけれども、それを委員長はどのように評価をしておいででしょうか、それをまず伺いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 この間、物価安定政策会議である程度の提言がありまして、その中でも、管理価格ということばが使われていた例がございます。それによりますと、たとえば政府がその価格自体を管理しているようなものまで含めているというふうなこともございますし、また明白な意思を持って、かつ明白な行動を持って企業側、メーカー側がその価格を管理しているような場合、たとえばカルテルのようなものまでもいっている場合がございました。  私どもは、ただいま渡部委員の御指摘のように、独禁懇で御議論をいただきました結果としては、明白な協定だの何だのがあるという意味ではなかなかつかまえにくい、つかまらないけれども、何となくお互いに企業がある程度の市場支配力を持っている、そんな結果でき上がっているような価格というような意味で使う。もちろん政府が管理しているような価格は考えていない。ということは、われわれが物価問題なり競争政策の問題として取り上げる管理価格とは何か、さような立場からかような定義を独禁懇ではなさった、かように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 ただいまお話にありましたように、明らかにカルテルではないとしても、価格を硬直させているような現象、いわゆるそういう意味の管理価格で、独占禁止法の上から何らかの規制ができるものであろうか、その辺の御見解を伺いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 現在は自由主義経済体制をわれわれはとっており、また、さような自由主義経済体制のもとで市場メカニズムが有効に働いて、そこに価格形成が行なわれるということ、需給のバランスがとれるということ、それが経済の発展のため、能率のためにも一番よろしいという考え方をとっているわけでございますが、おっしゃるような意味で独占禁止政策、あるいは独占禁止法のたてまえとしては、一つのカルテルとか、そういった明白な行為が行なわれていることをわれわれは排除する、規制するという考え方でいっております。  したがって、さようなことでなしに、たとえば何らそういう人為的な行動をとらずに、しかも、ある企業が市場で非常に強い力をとるようになった場合、これは、二、三社というような意味ではなくて、かりに一社だけが非常に強い力を得てくるような場合がございます。そのような場合には、いまの独占禁止法の体制では、それをどうしようということがなかなかむずかしいということが指摘されているわけでございます。しかし、本来はできるだけ競争政策を維持するために、私ども手の及ぶ限り、また法に許された範囲においては不当な協定を取り締まるべきである、かように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 これは八月五日に、委員長御自身、経済企画庁長官とも、そういった問題をチェックするための監視機構云々という、これが新聞発表になっておりまして、意見の一致を見た、こういう報道でございますが、あの発想基盤となった理念と、それから経過でございますね、そういった点をお聞きしたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 これは要するに、本来有効な競争市場と申しますか、価格メカニズムが働くべきそういう状態が、ある程度企業の力が強くならなければ働かないという姿になってきましたときにどう対処したらいいかという問題として、わが国だけではなく、アメリカにおきましても、イギリスにおきましても、いろいろと議論をされております。そして、私がいま手元に持っております経済社会発展計画、これは実は昭和四十二年につくった、もう三年以上前のものでございますけれども、その中におきましても、そういった問題に触れまして、たとえばこういうようなことをいっております。「寡占的傾向が強まる可能性があるので、有効競争を確保し、技術進歩、生産性上昇の成果が広く国民に行きわたるよう、寡占の弊害を除去するための体制が確立されなければならない。」こういうことを言っております。しかし、どういう体制を確立したらいいのか、ということについては、実は触れておりません。「このためには、独占禁止法の基本理念を十分生かせるようその適切な運用を行なうとともに、寡占企業は国民経済に対し大きな社会的責任を有するものであるから、公共の利益に資するという見地に立って厳格な規制を行なうことが必要である。」と、まさに三年前にこういう見解を経済社会発展計画が述べ、また、政府もこれを閣議決定で、経済運営の一つの指針としているわけでございます。しかし、どういうふうにしていったらいいのかということについては、いろいろな考え方がございまして、独禁懇でもアメリカのような考え方、たとえば企業を分割するということも一つの考え方であるという例が紹介されましたり、あるいはイギリスのような、ある程度行政的に価格形成に政府が介入していくという問題が、やはり一つの例として紹介されておりますけれども、ただいまのところ独占禁止懇話会でも、別にこの問題について、どういう方向がいいということをまとまって出しているわけではございません。  そこで、私といたしましては、やはり本来ならば企業がそれだけの社会的責任を持って、そのような立場に立って行動していただくというのがもちろん筋でございますけれども、やはりそのうしろには、それを国民にかわって裏づけするという意味での一つの体制が必要ではないか、かようなことを考えまして、先般来——これも先ほどの、松浦委員から言われますと、個人で言っているのか委員長として言っているのかという話になりますが、委員長個人として、そういうような考え方を各方面に、一つの政府全体としての考え方のコンセンサスを求めるための方法として申し上げ、それがまた一体どういう形でできるかということ等、これはなかなかむずかしゅうございます。いろいろな問題がございます。しかし、先ほど来お話が出ておりますように、たとえば各省各庁におきましても、それぞれ所管の業種につきまして、必ずしも業者の立場というだけではなくて、もちろん消費者の立場、国民の立場というところから見ていくという態度をとっておられます。それがどの程度に世間から評価されるかは別といたしましても少なくともそういう体制で取り組むようになってきております。  そういうところから、われわれは、このいわゆる市場の有効な競争条件をある程度失ってきているような場合に、一体どういう対処のしかたをするかという体制のあり方というものをここで考えてみようじゃないかということを、この間経済企画庁長官ともお話ししたような次第でございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 いま委員長、個人と、半分半分のようなお話でございましたけれども、そこまでお考えが進んでおいででございますと、いろいろな具体的な御構想もすでに委員長の頭の中にはおありではないかと思うわけです。もしこういう監視機構という問題が出た場合に、それがどういう形になって、どういう運用をされるかということはたいへんな問題だと思うわけです。一体どういう機構を想定なすっていらっしゃるのか、あるいはだれにやらせようとしておいでになるのか、独立した行政委員会でもおつくりになるのか、あるいは公取的なものになっていくのか、あるいは内閣でおやりになるのか、そういった点の展望といいますか、御構想を伺いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 何か私一人でたいへんいろいろなことを考えなければならないようなお話になるのでありますが、私も政府の、行政府の一員といたしまして、この問題を行政府全体としてどう考えたらいいかという、まず問題意識として提起し、そういう問題意識として提起した場合に、はたしてどういう組織なり、運営のしかたなり——具体的には権限もございます。ただ調査してみたいといっても、協力してもらうだけでいいのか、調査権限というものも法律上きちっとあるようにしたほうがいいのか、また勧告という程度のものでいいのか、その勧告にはもうちょっと法律上のいわば裏づけがある形のものがいいのかとか、いろいろ権限の問題がございます。  それからもう一つは、いま御指摘になりましたように、とにかくいろいろ仕事をするのだから人をよこせ、機構をふやせと申しておったのでは始まりません。いまの政府全体の組織、人員、機構の中で、この問題をできるだけ能率的にやっていくためにはどういう考え方がいいのか、そのためには、たとえば縦割りというものに対して横から見る一つの組織があるというほうが、別の、何と申しますか、いわば成果を期する意味におきましてはいいという意見もあるようでございます。逆にいえば、縦割りのほかにまたそういうものができると、かえって縦でやることを横のほうにまかしてしまって本気にならないのではないか、こういう考え方もございます。むしろそれは縦、というとことばがあれでございますが、従来のそれぞれの所管官庁が、たとえば公害についてでも、それぞれの立場においてそれぞれ厳重に監督するという、そういう立場をとる、そのうしろにもう一つ、いわば推進本部みたいなものがある、こんな考え方がございますが、そういったことについても、これは、一公取委員長だけがどうするこうすると言ってみても始まりません。全体としての政府の中の考えというものが、私も及ばずながら、いろいろの意見は申し上げますが、全体としていろいろな考え方があると思いますし、ほんとうに国民のためになるようにどうしたらいいかということを広くもっと議論していただきたいというつもりでおりますから、あまり私自身として何か言うことは、ちょっとこの段階では申し上げかねるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 そういう機構ができたような場合、当然値下げ命令を出すというようなことも行なわれていくと思いますけれども、今日のわが国は自由経済体制をとっているたてまえですから、財界を中心にたいへん大きな抵抗があると思います。そういった環境の中でこういう機構をつくるということになりますと、運用面で、現在の独禁法の運用面を考えてみましても、むしろ批判としては、大企業よりは中小企業のほうに規制対象が片寄っているのではないかというような、そういう実情でございまして、御存じのように富士、八幡の合併等も、堂々と独禁法のもとで行なわれている現状でございますから、こういった監視機構ができた場合にやはり網の目をくぐって、むしろ中小企業のほうの規制が強化されはしまいか、そういう懸念が非常にされるわけです。こういった点についての委員長の御決意なり、あるいは御見解を伺いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 私どもの立場から申しますと、できるだけ自由にしてかつ公正な競争を促進させるという立場でございます。もちろん、ある意味では、独占禁止政策の一つの考えとして弱者保護、かような考え方がございます。そういう意味では、たとえば大企業が優越した地位を利用して、中小企業にたとえば下請代金の支払い等で不当な扱いをするというようなのを不公正な取引であるとして、弱者保護という立場に立っていることはある程度ございますけれども、いまのような市場価格あるいは市場メカニズムの問題に関する点では、私は、大企業であるから、甘くする、中小企業だからきつくするということでもなし、逆に、大企業であるからことさらにきつくし、中小企業だから甘くするという問題でもなしに、その問題は同じであると思います。ただし、大企業の問題を扱うということが現実には技術的にも非常にむずかしい問題があるということは、たとえば調査とか証拠の問題とか、そういう点でなかなかむずかしい問題があるということも、これも申し添えておきます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 その点については、私の申し上げたように、消費者保護、弱者保護の立場をぜひほんとうに貫いていただきたい、こう思うわけでございます。  関連してお伺いしたいんですけれども、ことしの五月にわが党で物価総点検を行ないまして、私自身も公取委員長に申し入れをした次第でございますが、その中を見ても、明らかに自動車ガソリン等、これは一番最初にあげた問題でございますが、カルテル類似行為があるという結果が出ておりました。いま調査が困難だというお話がございましたが、そういった点について、あの資料に基づいて、たとえ一つなり、二つなりとも御調査を願えたかどうか、これをひとつお願いしたいと思うのです。あれは、資料をたいへん活用していただきたいというのが私たちの願いでございます。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 いただきました調査資料そのものを直ちに利用いたしまして、具体的な、たとえば何と申しますか、調査活動に入ったということではございませんけれども、数多くのヒントをそれから与えられましたし、また、ある意味での裏づけをいただいたことを、ここに御礼申し上げたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 御礼はありがたいのですけれども、そうではなくて、私たちは、あれをヒントに、今度はこういうものを調査してみたいと思う、あるいは立ち入り検査をしたい、こういったのをひとつ公取委員会としてもスケジュールを組んでいただきたい。それに対して私たちも全面的な協力を惜しまないつもりでございますので、それをもう少し大胆に活用していただきたい、こうお願いをするわけです。  それから最後に、公取自体の機構強化ということについて私の要望を申し上げ、あるいは公取委員長に伺っておきたいと思います。  現在どのくらい持ち込まれたか。たとえば景表課に持ち込まれた件数はたまっておいででございましょうか。

坂本史郎公正取引委員会事務局取引部長

○坂本説明員 持ち込まれた件数と申しますと、違反の案件でございますか。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 そうです。

坂本史郎公正取引委員会事務局取引部長

○坂本説明員 ちょっと手元に資料がございませんので、正確なお答えをいたしかねますが……。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 私伺いたいのは、要するに正確な資料がなくてもいいんです。ただ、公取委員会がたいへん手不足で、予算不足で難儀をしておるということは、先般地方を回りましたときにもよく承知しておりますので、時によってはこんなに持ち込まれているとか、このくらいだ、こういう話をよく聞きますけれども、そういった点で未処理のものがかなりたまっているんではないか、その辺を伺いたいわけです。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 実は私、本日ここへ参りまして、当委員会に対しまして、七月の初めに、たいへん暑いところを、またお忙しいところを、私どもの名古屋の地方事務所をつぶさにいろいろ御審査いただきましたことを御礼申し上げたいと思っておりました。ほかのほうの話に一生懸命になっておりまして、そのお礼を申し上げる機会を逸しましたが、ここであらためてそれを申し上げます。  実は私も、地方を二カ所ばかり見ているのでありますが、地方に限らず、本庁におきましても、仕事の問題で申しますと、御指摘のとおり、景表関係のところはかなり問題が多うございます。先ほど来お話のあります公正競争規約の問題だけでも、私の覚えておりますだけでも、少なくとも十はくだらない問題を抱いているかと思います。それから、目につき、耳にし、あるいは本が出ておればそれも読み、また物価の雑誌でこういう問題が出ているということを私自身も毎日毎日気がついては、おいこれはどうだ、これはどうだと言って実は話すようなものがございます。そのほかに、いわゆる申告によって耳に入ってまいります案件もございます。取引部長もおそらく幾らというふうに言えないくらいあると思います。もし、ほんとうにその問題を本気になって私どもが取り組もうと思えば、どのくらい人がいても、どのくらい金があっても間に合わないくらいであるといっても過言ではないと思います。手の高さでこのくらいというわけにはちょっとまいりませんが、仕事としては相当あると思います。それは私自身がそういう実感を持っております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 したがって、予算編成期でもありますので、増員等も大いにしていただきたいと思うわけでございますけれども、まだまだ現在、世論がこれだけわいている時期でございますから、独禁法を使ってかなり大胆におやりいただけば、もっと調査が進むのではないか、あるいは結論も早く出るんではないか、これをお願いしたいわけなんです。調査してみてやってないということが立証されれば、それもまたりっぱな調査ではないか、こう思うわけでございます。委員長は大蔵出身でございますし、そういう点では予算の要求等にもいろいろなルールがございましょうけれども、大いにがんばっていただきたいと思うわけです。そういう意味で、先ほど管理価格の話を出しましたけれども、そういう調査に関する部というものをもう少し強化すべきではないか。  もう一点は、いま景表課の問題もたいへんだまっているということでございますので、景品課と表示課というものに分離して独立させても人員増をして、現在の消費者の要望にこたえるべきではなかろうか、こう考えているんですが、その点の御意見を伺いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 公正取引委員会をあずかっている私といたしましては、私どもが与えられた任務を遂行するために、やはりある程度私どもの予算も機構ももちろん増強しなければならぬという考え方を持っておるのです。しかしながら、一方において、政府の一つの大きな方針といたしまして、機構、人員の増加ということについてはきわめて厳格でございます。きわめて厳格と申しますよりは、むしろほとんどそれを認めないといって過言でないくらいの強い姿勢というものが一方にございます。また、そうでもしないと、ここも大事だここも大事だと言っていると、全体としての締まりがなかなかきかないのかとも思います。  そういう意味で、私どものところは、全体で三百五十人ほどの非常に小さな、機構といたしましても一事務局長のほか三人の部長、一人の総務参事官という程度のものでございます。何か機構を大きくしたいと思いましても、要らなくなったところを振りかえてこっちにするとか、要らないポストをこっちに回すとか、そういうこともなかなかきかない。普通の大きな世帯がやってまいりますのと違いましてたいへん苦しいということを、私も、自分でも感じております。  これをどういうふうにしてやっていったらいいか。私がただ過去において大蔵省に職を奉じておったというだけでは、決してこの問題は簡単にまいりません。各方面からの御支援も必要でありますが、同時に、やはりいろいろな角度から考えてみて、行政府全体の姿を何とかうまく再編成し直すようなことができないだろうか。これは、公取委員長、そんなことを言わないで、おまえは自分のほしいものだけやいやい言え、それでも済むわけでありますけれども、やはりそういう問題まで含めて、こういう私どものこれからの仕事のしかたを、各行政各庁とも、また企画庁等のような推進力のほうとも、また、そういうところでにらみをきかしておられるのは行政管理庁長官でございますが、そちらのほうにも、私自身として、私の責務を果たすために今後いろいろとお話を申し上げたい、そういう気持ちを感じております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 時間だそうでございますが、いまの御決意はよくわかりましたけれども、確かに、人員をふやすとか予算をとるなどということはそう簡単にできないことはよくわかっておりますので、むしろ現在のままでもう少し大胆に公取は活動していただきたい、慎重もけっこうなんですけれども、案件処理に全力を尽くしていただきたい、これを申し述べて、私は終わらせていただきます。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 公取委員長に二、三お伺いいたします。  八月六日のある新聞に、委員長と経済企画庁長官と、管理価格の問題でお話し合いになって一致点に達したという報道がありますけれども、あの報道ではちょっとわかりにくい点がありますので、ひとつその要点だけをお話し願いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 かねがね、経済企画庁長官とは仕事の上でも非常に密接な関係がございますので、雑談的にお話しする機会はございましたけれども、一つの組織対組織としてお話しする機会はございませんでしたので、ちょうど機会を得て、約二時間にわたっていろいろの問題についてお話しすることができました。  管理価格等と言われる問題だけではございません。もちろん、あの際、ああいう一つの中間報告の発表がございましたので、それに伴う私どもの問題点とか考え方とか、どういうふうにこれから進めたらいいだろうかということをお話しはいたしましたけれども、それだけにとどまらず、私どもが当面しております競争維持政策の立場から、どういうことが今後問題になり、また、どういう点にわれわれとしては力を注がなければならないか、   〔委員長退席、武部委員長代理着席〕 また、それは企画庁との間に、あるいは他の行政各省との間にどういうふうにしていったらいいだろうか、そういうふうな問題にまで触れて、事務当局まで入れて御懇談をお願いしたわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 新聞報道ではこの点を強調しているようですけれども、自由経済の結果、管理価格的な体制ができてきた。この問題は、いまの公取ではチェックできない。したがって、この問題について何らかの——公取委員長は監視機構ということばを使っているようですが、何らかのチェックする機関が必要であるという点について  一致したことは事実ですか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 これは先ほど申し上げましたとおり、何か必要であるということは、すでに経済社会発展計画、また新経済社会発展計画においてもとられている一つの考え方でありますし、また、先般物価安定政策会議でありますか、あそこの提言では、行政介入と物価という問題としては一つの取り上げ方をしておりますけれども、あの文章の中にも管理価格的なものと書いてございましたか、あるいは寡占企業の価格形成と書いてございましたか忘れましたが、そういったものについては、むしろ行政介入ということを場合によっては考えなければならぬのじゃないか、それをひとつ自分たちもこれから検討したいというような趣旨のことがございました。もちろん、あれはああいう形で総理大臣にも経済企画庁長官にも提言として報告されており、経済企画庁でもそれを受け取っておられるわけでございますし、また経済企画庁自体も、ここに経済企画庁の局長もおいでになりますが、その問題について、やはりこれからある程度取り組まなければならないと考えておられたやさきでございますので、具体的に監視機構というふうにははっきりとは言っておりませんが、何らかのそういう政府部内の体制を整えるということがやはり大事だろうということは、一緒といいますか、大体一致した考え方でございますが、それは何をするのか、実態調査が主になるのか、それとも、それに加えて何らかの権限をさらに持つことになるのか、どういう行政機構の間の組織の問題とするのか、これはただいま渡部委員にもお答え申したとおり、そこはまだこれからみんなで考えようじゃないか、かようなことでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その問題で重ねてもう一点だけお伺いしたいのですが、公取委員長は、その報道の中で、とりあえず実態がよくわからぬ、したがって、公取委員会の中に実態を調査するための組織を強化していく必要があるということばが報道されておるのですけれども、これは事実ですか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 必ずしも事実ではございません。私は、現在の公正取引委員会の陣容をもってしては、とうていそういうことをするのは不可能であると思っております。また、かりに公正取引委員会にある程度の人間をふやすことによって、一体どこまでのことができるかということについても、これはもっと広い目で、今後の公取のあり方とかあるいは全体としての機構、定員等の問題を考えなければならぬ問題だと思っております。  しかし、それでは各省各庁がほんとうにやってくれるかどうか、あるいは企画庁がやれますかという話になると、企画庁のほうでも、とてもおれのほうでは手に負えない。やはり各省各庁が本気になってひとつそういう問題に取り組むという姿勢をつくっていただくということも、一つの考え方であるかと思います。先ほどすでに通産省のほうは、そういうような態度を明らかにしておられるようでございますし、私も、別な機会に通産大臣にお会いしたときにも、この問題について、私的にではございましたが、いろいろお話をしたことがございますけれども、公正取引委員会の調査機能というのを強化するのがはたしていいのか。もしみんながやっぱりそれがいいというのであれば、私は喜んでお引き受けしてやっていくつもりでございますけれども、はたしてそれがいいかどうか、いろいろな角度からこの問題は御検討いただかなければならないというふうに考えておりますので、いまの段階で公取の人間と機構をふやせというふうには、必ずしも私はまだ割り切っておりません。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 公取の機関そのものを拡大するということについては、それだけには考えていない、各省それぞれやるということも必要だけれども、何らかの、各省を通じた国としての中心の新しい監視というか、いろいろな意味でチェックできない点をチェックする機関が必要であるということについては、企画庁長官も一致されたわけですね。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 これは企画庁長官にむしろ聞いていただいたほうがいいと思うのですが、要するに、懇談でございますから、話の間から気分を大体感じたりするということになりますので、私から企画庁長官がどう考えておられるかということをはっきり申し上げるわけにはいかないと思いますけれども、少なくとも、たとえば公害なら公害については、各省各庁それぞれ所管のものについて責任を持ちますし、それに対しては、中央にと申しますか、もう一つその背後に一つの推進体制というものができるというふうな姿を考えているようでございます。中には、それじゃ弱いからもっとそれを独立したものにしろという御意見もあるようでございますけれども、行政として、一番能率よくかつ実効があるように国民のために働く姿はどうかという点について、やはりいろいろな角度からの考え方があると思います。企画庁長官との間には、やはりそういう中心体制をつくるというふうにまでははっきりいたしておりませんけれども、かりに各省にお願いするにしても、やっぱり一つの考え方を統一したり、それからまた、やり方をプロモートするといいますか、そういうのが必要じゃないかというふうな話は出ておりました。ただ、結論みたいには出ておりません。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 物価の問題、特に最近公害の問題が出てまいりまして、政府の姿勢がだいぶ改まってきたような感じがするわけでございますが、それはいまの公取機関の拡充は必要だし、きょうも私、委員会で物価の問題の決議の一項目に、公取の機関の強化というものをうたっていく必要があるということを言ってきたところなんですけれども、しかし、いまの寡占の問題は、経済企画庁長官も委員長もお認めのように、公取のいままでの法律あるいは組織をもってしてはなかなかチェックできないという状態が出てきておるということを、長官あるいは委員長も、両方しっかりと認識を持っておられるということは、たいへんいいことだと考えております。  私は今度新経済社会発展計画を拝見して、先ほど長官が引用された三年前のあれとかなりニュアンスの違った面が出ておるように思います。それは所得政策というものを今度公然と主張され始めたんだなという感じを持つことなんです。この問題について、この新経済社会発展計画の一四ページと二四ページにかなり強調しておられますね。ちょっと読んでみますと、「物価安定のためには、経済全体としての生産性、賃金・諸所得の上昇が均衡のとれた形で行なわれる必要がある。したがって、今後は企業レベルの価格や賃金の決定に際しても国民経済的観点にたって物価、賃金・所得、生産性問題に対処することが望ましい。」ということを、一四ページの上のほうにはっきり書いてある。それから、二四ページの一番最後のところに、「こうした観点から国民経済における物価、賃金・所得、生産性の関連については、労働組合や経営者なども含めた国民各層の合理的な議論を通じて、本問題に関する一般の理解を深め、広範な世論を背景に物価安定に努めることが必要である。」こういう二つの個所で強調しておる物価、賃金・所得、生産性の問題については、あるいは労働組合あるいは経営者を含めてのことばを出しておる点は、所得政策に政府はいよいよ乗り出すようになったという印象を持つのですが、これは経済企画庁の局長さんと委員長、両方から、簡単でよろしゅうございますけれども、多少のそういうふうなニュアンスの違いというか、方針の違いが起きておるのだということがあればお答えいただきたい。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 ただいま御指摘のいわゆる所得政策といわれます物価、所得、生産性に関する問題は、四十一年に作業が行なわれました経済社会発展計画におきましても、言ってみれば一つの検討事項として残された形になっております。その後新経済社会発展計画の作業と並行いたしまして、この問題に関する研究委員会が経済審議会の中につくられまして、これは昨年いわゆる熊谷レポートという形で発表されておるのは御承知のとおりでございます。この報告書におきまして、いわゆる所得政策問題ということについての理論的な解明というものはかなり十分に行なわれておる、こういうことであると承知をいたしております。そういうものを受けまして、ただいま御指摘のような新経済社会発展計画の表現が行なわれておるわけでございます。  この問題は、何といいましても国民経済全体にかかわる非常に大きな問題でございますから、これにどのように具体的に取り組んでいくかということにつきましては、すでに通常国会等においても、経済企画庁長官から何度かお答えをいたしておると思いますが、経済企画庁の事務当局といたしましても、この問題にさらにもっと具体的な問題として取り組んでいく必要があるだろうという考えでございまして、昨年報告書を出しました熊谷委員会は、その後人員構成を改めまして研究委員会ができておりますが、このほうの研究をさらに進めますと同時に、私どものほうの物価政策会議においても、これに関連したいろいろの問題を少し勉強してみよう、こういうことをいま部内で相談しておるところでございます。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 企画庁当局のほうから言われたと同じであると思います。私自身も、新経済社会発展計画の作成の際にある程度参画いたしましたが、この前のときより一歩進んでいるかどうかは別といたしまして、あのときには課題であると思っていたこと、課題の研究に足を踏み込み、そうして国民経済全体としてこの問題をどう理解するかということを考えようじゃないかといった点では、少し進んでいるという感じを私は持っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 御承知のように、いままでのこの国会における政府の共通の答弁は、これは所得政策といってもなかなかむずかしい、軽々にこれに取り組むわけにはいかない、しかし研究だけはいたしますというような答弁だったと思うのですけれども、しかし、この発展計画というのは閣議決定ですね。閣議決定でもって、二カ所にわたってはっきりと、所得政策の内容の立て役者になるいろいろな項目をあげて、そうしてこの問題と取り組む方針だという主張をなさったことは、所得政策について、政府がとにかくこれはやらなければならないという判断に達した。谷村委員長は一歩前進したような感じだということですけれども、そういうふうに理解していいですね。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 ただいまお話しいたしましたように、この問題について、企画庁の部内としては、さらにもう少し具体的な検討を進めようということではございますが、政府として閣議決定された新経済社会発展計画、これそのものは、ただいまお読みをいただきましたようなことでございまして、結局国民全般の広い合意が必要だということを問題として指摘してございますが、これをすぐに政策として取り上げるというような形での表現にはなっておりません。この辺のところは、結局いろいろの議論があった末にかような表現になったことと思います。  企画庁の当局としては、さらにこの問題は真剣に取り組んでいきたいと思っておりますが、それを具体的にどう政策として展開するか、こういうことになりますと、私どもとしてもまだ確たる見通しをつけてやっておるわけではない。この辺についても、これからの勉強の結果、さらにそれを各方面にもいろいろの形で発表をし、御意見をいただき、さらに政府部内での議論があることと思いますが、そういうことについて私ども十分努力をしてみたい、こういう気持ちでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いろいろめんどうなあれでなくて、いままでは入り口に入るかどうかをいろいろ考えていた。しかし、これから入り口に入ってみようという決意をなさったことは事実でしょう。たとえばいま読み上げた最初の部分は「望ましい。」ということばで結んでいるけれども、二四ページの最後は「必要である。」こう書いてあるのですね。これは何もおずおずする必要はない。政府は当然のことだと思うのですが、それはどうですか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 ただいまの二四ページのことばはおっしゃるとおりでございまして、国民的に広い見地でこれを推進していく必要があるのだということをいっておるわけでございます。そういった形で私ども努力していきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 そこで、その次の問題について質問したいと思うのですが、所得政策という、ここで提示された問題意識の背景には、やはり日本の経済も、寡占的な経済体制が支配的とはいわなくても、相当大きな影響力を持ち始めておるという認識に立っての上でないと、この所得政策という問題を公然と論議し、取り上げることはできないわけですね。したがって、日本の経済というものは寡占的な体制が相当進行しておる、日本の経済の仕組みの中の重要な一つの性格になっておるというふうに御判定になっておられるからこういう結論に達していると思うのですけれども、その点どうですか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 その点は御指摘のとおり、わが国の経済実態において寡占問題、こういったことが非常に重要な段階に来ておる。そして、そういうことが物価問題あるいは賃金の決定ということにいろいろの影響を及ぼしておる、こういう見地からこのような検討が行なわれておる。これは熊谷レポート等でもそういうふうに理解しております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 きょうは時間がありませんので、この問題についての議論はこれにとどめておきますけれども、いまのこの問題と関連して、管理価格体制というものが、好むと好まざるとにかかわらず進行しておるという——自由競争条件の整備ということをいままで言ってこられたけれども、自由競争の結果出てきておるこの管理体制なんですから、したがって、先ほどから御議論になっておるような公取ではチェックできない、何らかの監視機構が必要である、ということは当然なんですね。この点についての委員長の相当確信のあるような発表というのを、私は非常に期待しておるのですけれども、ぜひともこの問題について、もっとはっきりした方向を打ち出していっていただきたい、こういうように要望しておきます。  もう一つは、公害という問題が出てまいりまして、公害の解決のためには相当の費用がかかります。これは直接その原因である企業が負担しなければならないのは当然のことであるし、また国あるいは地方公共団体も、問題によってそれ相当の負担をしなければならないということは当然のことでございますけれども、いまの管理価格という問題と関連をさして、これを消費者に、あるいは公害の除去のために、他のほうではなかなかチェックできない管理価格というものを、そういうふうな費用に転嫁するような方法、ことばをかえて言えば、公害対策というのがそのまま物価の引き上げという形になってあらわれてこないように——そうあっては困るのです。こないように、この管理価格の問題を研究してみる、対処してみるということを御検討になっておられるかどうか、この点ひとつ委員長と経済企画庁の局長からお願いしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村説明員 これはたいへんむずかしい問題であります。私自身、率直に申しまして、個々の価格形成、それのコスト、そのコストの中において、たとえば公害対策のために必要な費用と、広告宣伝のために必要な費用と、そしてまた人件費といったようなものを並べてみまして、たとえば公害対策費が必要ならばどこかを削れというふうな話というものは、個々の企業についてできるとは思っておりません。  一般に問題は、競争条件があるところでいかなる価格形成ができるかというところに、初めて企業というものは、その費用について、あるいは利潤について思うままにならないという制約があって、そこに努力が行なわれるわけでありますけれども、競争条件が有効に働かないときには、とかく価格に転嫁しがちである。こういうようなことが、いま和田委員の御指摘のように一つの傾向としてあって、そういうときには、公害の費用もついそこに乗せがちであるということが起こりそうな気はいたします。  しかし、どこからか金を拾い出して公害の費用を負担しろということだけを一方的に言うわけにも、私は実体問題としてはいかないと思います。現実に非常に窮屈であり、かつ、公害のために非常にたくさんの経費が要って、それをどうやってまかなうかということが企業として問題になったときに、その価格形成それ自体を企業が恣意的に動かせるのか、どこまで市場条件に制約されているのかという問題が、別の制約要因としてあるんじゃないか。ですから、具体的に公害の金を乗せていいとかいかぬというふうに個別に言うことは、私は非常にむずかしいのじゃないか。これはどうも私の所管ではなくて、企画庁でもなくて、あるいはそれぞれの御所管の問題であるかと思いますが……。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 ただいまの公取委員長のお話のようなことであると私も考えております。私のほうも水質公害の問題を取り扱っておりますが、とにかく言えますことは、今後、こういった防止施設あるいは対策として企業が負担していただかなければならない費用というものは非常に大きくなる。これはもう間違いないと思います。そして、それに対しては融資その他の措置が現在ございますが、いろいろのことが今後とも行なわれると思いますけれども、やはり原価の上昇に響いてくる面が相当あると思います。こういった面は、企業の合理化とか、そういったことでできるだけ物価にはね返さないように努力をしていただきたい、こういうふうに考えるのでございますけれども、非常に著しいコストの上昇になったような場合に、これが価格にはね返ることがないというふうにはなかなか言えないと思います。この辺につきましては、全体の物価問題に対する考えとはまた別の考え方でいろいろ考えてみなければならぬ点があるのじゃないかと思います。   〔武部委員長代理退席、委員長着席〕

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 一般の物価問題とは違ったたちのものであるということは、私も同感です。これはこの委員会で、先ほど委員長から御報告がありましたように、石川県、福井県、岐阜県、それから愛知と回ったときに、各県でそれぞれ物価の活動家の四、五十人の人たちと話し合ったのですけれども、物価の問題を話しておりまして、物価の問題は長く続かない。それよりは農薬の問題であったり、食品添加物の問題であったり、つまり公害あるいは公害に類するような問題を、地方の消費者活動をしておる、物価の問題を念頭に置いている人ですら中心に考えているような状態を見て、これは物価の問題とたちの違った問題である。片一方は銭金勘定の問題、これも軽視するわけじゃありません。物価の問題も解決しておりませんけれども、片一方は人間の生命に関する問題だということであって、この費用の問題は、これはおっしゃるようにそう簡単に解決できない。しかも同列に解決できないと思うのですけれども、私は、最近の報道を見て遺憾に思っておりますのは、企画庁長官が、これも八月六日の新聞だったと思いますけれども、公害の問題と経済成長の問題は課税最低限の問題とよく似ているのだという種類の理解のしかたというのはどうかなという感じがするわけですね。つまり公害という問題は、これは経済的な問題とは違った性質の問題であって、課税最低限の問題とよく似たような性格のものであるという理解のしかたでは、この公害とその費用の負担の問題はなかなか解決できないのじゃないかという感じを持つわけです。私は、きょうは長官がぜひとも出席していただくように願っておったのですけれども、御病気か何かよくわかりませんが、出ておられない。局長さん、長官のその説明の趣旨をよく御存じなんですか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎説明員 あの記事が出ておりましたのは新聞の座談会の記事でございまして、私ども事務的にいろいろ長官と御相談したり何かするようなたぐいのものではございません。  私も実は、記事を読ませていただいただけでございます。ただ、表現しておられますところを拝見しますと、要するに経済の成長がある段階を越えてくると、意識の変化その他の問題もございましょうが、非常に問題になってくる。そのある限界を越えるというところを、ちょうど課税最低限を越えるといろいろなものが課税になってきて問題になるということに表現されたように拝見いたしておりまして、そういう意味では、最近この一、二年の公害問題に対する非常な関心というものの出方、これはやはり長官の言われるような、一つの所得水準あるいは経済成長の段階におけるある段階を越えたために、国民の方々の意識というものが非常に変わってきている。同時にまた、いろいろな問題もそういった形で提起されるようになってきたというとらえ方は、私どもとしても、なるほどそういう見方もあるのじゃないかと考えた次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 時間もございませんから、また次の機会に譲ることにいたしまして、公害の問題と経済成長の問題、特に物価の問題、これは性質の違った問題でありますので、所得政策の問題もさることながら、いまの管理価格の問題、あるいはその背景になっておるシステムの問題と関連をして、一般の消費者価格にそのまま転嫁しないように対処していただく方法をぜひとも考えていただきたい。このことを要望いたしまして、委員長に対する質問を終わります。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 先ほど公取委員長だけに質問を集中しておきましたから、その以外の問題について若干質問させていただきます。あと谷口委員も御質問なさるそうですから、簡潔に質問しますから、簡略に御答弁をお願いしたいと思います。  まず、通産省のほうの次長さんにお尋ねしておきますが、先ほど武部委員の質問に答えて、対米輸出のテレビのダンピング問題に関連をして、国内販売価格と輸出向け価格の差を説明するための原価構成のモデルをつくるという発表をなさっておるわけですね。そのことと関連をして、私が先ほど質問をした、国内の消費者が犠牲になっておるのではないか、国民が対米輸出の犠牲になっておるのではないかという質問に答えて、この原価構成のモデルを作成した場合に、実際にいまの価格よりも国内価格は下がるというふうに予測されますか、現在の価格を維持したままのモデル原価が出てくるというふうに考えられておりますか、どういう指導をなさいますか、その点をまずはっきりお聞きしておきたいと思います。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 私のほうの基本的な考え方は、先ほど来問題になっておりましたいわゆる現金正価といわれるものを出発点にいたしまして、項目だけで申し上げますと、それから卸、小売りのマージンが引かれますと、それがいわゆるメーカーの出荷価格になるわけでございます。しかし、その中には、これも先ほど申し上げましたように、物品税、広告費、リベート等がずっと入っておりまして、正確なるメーカーの手取り価格といいますか、正確なる輸出のFOBと対応する価格をモデル上はっきりさせたい、こういう考えでございます。出発点は、現金正価から出発いたすことになると思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 現金正価から出発するという答弁なんですけれども、対米輸出もさることながら、先ほど、三木通産大臣の発言からも関連して申し上げましたように、国外が六万円で、国内の消費が、確かに通産省の指導でカラーテレビが安くなってきて十何万かということは、これは価格がそれぞれ違うでしょうけれども、しかし、依然として倍近くの負担をさせられておるわけですね。その差額全部が、それでは日本における商売の慣行によるものであるというふうに、通産省がそういうふうに幾ら言われてみても、やはり国民としては理解ができないわけです。だから、三木通産大臣がかつて発言をしたように、やはり、現金正価から出発するのではなくて、むしろそれは——企業の秘密も内容的にはあるでしょう。調査の進行時点ということもわかります。しかし、調査は国民の側に立って、一ぺん原価というものについては標準価格というものを洗いざらいぴしっと、通産省の指導で出してもらいたいと思う。現金正価で出していくということは、業者が指導的立場をとるということですからね。その点についてもう一ぺん明確に答弁してください。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 ちょっと私、若干間違っておったかもしれませんが、確かに先生のおっしゃいますように、現金正価自体がいろいろ問題がございますので、いま業界で寄り寄り検討しておりますもとになりますのは、大体輸出されておるものとほぼ同等のカラーテレビにつきましての現実の小売り価格であろうかと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 この際、くどいようですけれども、ただ、アメリカのダンピングに対する反論ですね。そのための資料としてこの原価が出されるのではなくて、やはりそういうものも必要でしょうけれども、それと同時に、国民の立場に立った原価というものをぜひ発表していただくように、これは注文です。どういうものが出てくるか、出てきたときにまたこの委員会で、議論さしていただきたいと思いますが、よろしいですか。

山形栄治通商産業省重工業局次長

○山形説明員 私、言い方がまずかったかもしれませんけれども、一番最初にお話ししましたときに申し上げたつもりだったのですが、本調査の目的は、国内価格と輸出価格とのすり合わせ、それから、いま非常に問題になっております国内の二重価格の実態、二重価格があるかどうかの両方を踏まえておりますので、先生のおっしゃいますようなかっこうで後ほど発表いたしまして、御意見を伺いたい、こう思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 よくわかりました。ありがとうございました。  次に、先ほど公害の問題が和田委員のほうから出されたんですが、実はガソリンの問題についてちょっと質問させていただきたいと思います。質問の通告をしましたら、委員部のほうから、それは公害対策特別委員会の内容じゃないですか、こう言われたのですけれども、実はガソリンの問題を、私は公害の問題から取り上げていきたいのです。  ここに「石油文化」という業界から出された雑誌がある。「石油文化」と書いてある。これは公害だけを中心にずっと編集されておるのです。おそらく、通産省が来ておるから、読まれたと思うのです。私のところにわざわざ業界の方から送っていただいたのです。確かに公害の問題としてとらえていくと、業界の言われることも、ここに書いてあることが、われわれはしろうとですから——公害対策特別委員会でおそらくいろいろと議論されるでしょう。ところが、どうもふに落ちないのは、物価問題として取り組んでみても、この石油業界の皆さん方の考えというのが、これを読んだ限りではどうも理解できない。  それで通産省のほうにお尋ねをするのですが、実は第一点は、ハイオクタンというガソリンが実際に国内の市場で使用されるようになったのはいつごろかというのを調べてみましたら、実はメーカーから、販売実績をあげるためにハイオクタンをどんどんと販売してくれないかということを、各小売り店に対して二年半ぐらい前に、文書でなくて口頭で出されておるのです。それからずっとハイオクタンというものが使われるようになったと思うのですが、そういうことについて通産省は知りておられますか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 ハイオクタンとレギュラーの二種類のガソリンは、二年前ではなくて、ちょっといま数字を調べますけれども、相当前から二種類のガソリンが売られております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 二種類のガソリンが売られておることは事実なんです。ところが、いまここには担当局長が来ておられないので質問するわけにいかないのですが、自動車工業会では、ハイオクタンを使う自動車は大体全生産量の一割だというんですね。特にスポーツカーとかこういったものにハイオクを使われるのだ、それ以外の九割はほとんどレギュラーガソリンでいいのだ、こう言っておられる。現に、二年前のハイオクタンの消費量というものを調べてみると、ほとんどないんですね。ところが、そういう口頭でメーカーが指示して以来、金売り上げ量の一八%から二〇%近くハイオクタンが消費されるようになった。二年半前にあったことは事実です。しかし、実際に販売実績がぐんと伸びてきたのは二年半ぐらい前からなんです。これは特約店の人から聞いたんだから間違いないです。ただ、それが文書になっておらぬから、残念ながら口頭で言わざるを得ないのですが、その点はどうなんです。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 御指摘のとおり、運輸省で承知しております数字では、自動車のうちどうしてもハイオクタンでなければならないというものは一〇%だといわれております。しかし、またハイオクタンの需要が全体の一八%、昭和四十四年度の数字でありますが一八%であることも事実でございます。  これらの数字の関連性ということでございますが、なかなかむずかしい問題も含んでおるかと思いますが、ただ、ハイオクタンを過大な宣伝をした事実があったということは業界も認めております。そして、それを自粛をするという申し合わせをしたわけでございます。事実また、近ごろではそういうことを取りやめております。ただ、レギュラーで走れるようにデザインされた自動車に対しても、ハイオクを使うことによってベタードライビングといいますか、ベターコンディションといいますか、それらをドライバー自身がエンジョイするというふうな傾向があったことも事実でございます。それらと相まって、そういうふうに売り上げが伸びてきたということになったかと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 結局いままでは、当然レギュラーでいいものを、ハイオクタンを消費者は買わされておった。御承知のように、ハイオクは一リットル当たり十円くらい高いですね、二〇%程度高いわけですから。実際にはレギュラーでいいものを、高いものを買わされておった。これは明らかに業界の、いま課長が言われたように、過剰な宣伝、極端にいうと不当表示だと思うのです。そのことは公取の問題だと思うのですが、そういったことで業界も自粛をなさった、こういうことだと思うのです。現実に消費者としては高いものを買わされた、こういうことだと思うのです。  ところが、実際にハイオクタン価の基準というものは、一〇〇とした場合に、この雑誌によると九五だ、こういつているのです。九五を基準にして、それ以上のものをハイオク、それ以下のものをレギュラー、こういっておるのだ、その点間違いないですか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 JISに定めております数値によりますと、ハイオクタンが九五であり、レギュラーで九〇ということになっております。しかしながら、一般的に従来売られておりましたいわゆるハイオクというふうなものは、その後だんだんオクタン価が上がってまいりまして、これがただ単に鉛を加えただけじゃございません。いろいろな精製設備の改良その他によりましてオクタン価を上げてまいりまして、最近は大体一〇〇、それからレギュラーと申しましても、九〇というのがJISに定められた数値でございますが、実際には九二、三になっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 実はここに、通産省が七月一日から業界に指導なさった指導内容があります。ハイオクを九七以下に押えろ、レギュラーは九〇に押えろ、こういう指導をなさった。これに対して、この業界の方は何と言っておられるかというと、確かに九七に押えるようにするけれども、内容的には九七にならない。会社によっては、メーカーによってはそういうものはつくれないのだ、九五以下程度のものになるかもしれない、こう言っているのです。そうすると、実際にハイオクタンというもので売られる可能性というものが九五以下でもあるということですね。レギュラーでなくて、ハイオクタンとして消費者に供給される場合がある、こういうことですか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 先ほどJISで定められたレギュラーの数値を九〇と申し上げましたが、これは私、間違えました。九五でございます。  それから、ただいまの通産省の通達で、ハイオク九七、そしてレギュラー九〇というふうな数値につきましては、現段階で加鉛量をあの程度に押えましてこの間通達を出しましたけれども、スーパーにつきましては一・一CC以下、レギュラーについてはできるだけ低くというのが通達の内容でございますが、実際の数値は後ほどまた申し上げますけれども、両方とも一・一CC・パー・ガロンを下回っておる。現在の精製設備の工場が持っております能力とそれらの加鉛量ということからいたしまして、一部どうしてもそういうふうなオクタン価を維持できないというところができるかもしれません。しかし、それはやむを得ないことでございます。できないところはハイオクとして売るわけにはいきません。しかしながら、実際問題として、おそらくそういう場合には、ベースガソリンと申しますけれども、ガソリンを製品として出す前のブレンド用のガソリンがございますが、それらの交換といいますか、購入というふうなことによってそれらがカバーできるというふうな面もございまして、実際には私ども、先日通達をいたしました数値以下のオクタン価のガソリンが市場に出回るというふうなことはないと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 実際にはないわけですね。そうすると、現在業者のほうでハイオクとして売っておるものについては、通産省の通達どおり九七ですか。それ以下のものはない、こういうふうに理解していいわけですか。間違いありませんか、その点は。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 そういうふうに御了解いただいていいと思います。ただ、現在産業構造審議会の自動車公害対策小委員会がございますが、将来は加鉛量をなしにしよう、無鉛ガソリンをつくろうというところへ計画を練っております。その計画の無鉛ガソリンになる過程で、これらのオクタン価も変わってくるという計画になっておりますけれども、現在では、先日の通産省の発表いたしました数値と御理解願いたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 そうすると、結局公害の問題と関連をしまして、ドライバー自体が、当然レギュラーガソリンでいいものをハイオクを買わされておったという事実から見るなら、われわれ消費者はほとんどの車種についてレギュラーを購入しなさい、こういう指導が現実問題としてあってしかるべきだと思うのです。そういうふうに自動車工業会も言っておるし、現実に公害問題から発生をして、通産省のほうは加鉛を半減にしなさいというふうに指導しておるわけですから、逆に言うなら、消費者に向かっては、もうハイオクのガソリンは使う必要はないのだというふうな指導があってしかるべきだと思うのです。  現実に、これはここで言う必要があるかどうかは別にして、黄色いこれによりますと、最後のほうに、業界の皆さん方は何と言っておるかというと「たとえ百歩ゆずって排気の鉛が人体に有害であるとしても、有害さはウンと減るわけだから、ドライバーは運転の安全を考えて、ハイオクを使う方が無難じゃないかな。」こういうふうに業界の皆さん方は——これは業界の人じゃないかもしれません、雑誌の付録ですから。たまたま見たら、最後の締めくくりにそういうふうなことが書いてある。そういう行き方をしている。これは業界の人か、編集者かわかりませんけれども……。  ところが、実際に近畿とか中国では、いま斎藤説明員が言われたように、ハイオクの販売については自粛をしますという業界の決議がなされておるけれども、東京ですね、柳町を中心にして、自動車から出る公害に一番悩まされておる東京地区の石油販売の皆さん方が、そういう自粛を申し合わせたという事実がない。むしろこういうふうに、ハイオクタンを買ったほうが安全ですよというような指導がなされているやに聞いているわけです。そういう点に対して、通産省自体がやはりもっと積極的に公害問題——これだけ問題になっておるし、また、われわれ消費者のほうは、ドライバーのほうは、何も十円高いハイオクを使わなくてもレギュラーで十分間に合う。現実に通産省がそういう指導をしておるわけだから、そういうふうに消費者に対して指導するという考え方は、通産省におありになりませんか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 ガソリンの加鉛量につきましては、現在の委員会の得ました一応の結果では、昭和四十九年にレギュラー、スーパーともゼロになるということにいたしております。その過程にお  いてどの程度ハイオク、レギュラーで加鉛量が違うかというふうな数値もまた別途計上されておりますけれども、いずれにしましても、一般的に申しまして、わずかな差ではございますけれども、レギュラーのほうが、先生御指摘のとおり鉛が少ないという傾向は出てまいっております。そういう意味から、レギュラーで走れる車に対してはレギュラーで走るほうが経済的でもございますし、消費者のほうで当然そういう道を選ぶべきだと思います。私どもも、ハイオクを特に使うべきだというそういう宣伝パンフレットは、はなはだけしからぬと思います。そういう人たちに対して、従来とも、石油連盟に対して過大な宣伝を自粛すべきじゃないかということも申し入れましたし、今後ともそういう方針でやってまいりたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 国民生活局長の宮崎さんにこの際お願いしておきますが、国民生活局長の立場でこうした公害問題、あるいは極端に言うと、高いガソリンを買って経済効果はレギュラーと変らぬわけですから、そういった問題については、物価対策上からもレギュラーを使うべきだという企画庁からの指導、そういったものがあってしかるべきだと思うのです。そういう点についてどういうふうに考えられるかということが一つ。  それからもう一つは、消費者保護という立場から、ハイオクについては赤く着色してありますね。ところが、実際にそれが手に触れたり、油がついたのを手で洗ったりする人がおるのです。油でよごれた場合に、石油で洗ったらきれいに落ちますから。そういった方に対しては、これは加鉛ガソリンであるというような表示を、たとえば小売り店なら小売り店、こういったところにすべきではないかというふうに私は思いますが、そういう点どうでしょうか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 ただいま先生御指摘のガソリンの色でございますが、これはハイオクに限りませず、レギュラーもやはり色をつけておるわけであります。実は工業用ガソリン、これは一般のガソリンスタンドでは売っておりませんけれども、先生先ほどおっしゃいましたいわゆる洗剤、あるいは活字を洗ったり、そういう工業用のために使うガソリン、これは透明でございます。これは特殊なところに行かなければ売っておりません。一般の人の手に触れるいわゆる自動車用ガソリンは全部着色を義務づけておりまして、レギュラーもハイオクも同じ色の、赤系統の色をつけろというふうに日本ではいっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 レギュラーも着色してあるということですが、それじゃ両方ですね。そういった注意書き、ただし書きというものが表示さるべきじゃないか、ドライバーにわかるように。そういう点どうでしょうか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 ちょっと私の説明がまずかったかもしれませんけれども、一般のガソリンスタンドで売られておりますものは着色してございまして、これは工業用ガソリンではないという意味でございます。したがって、工業用ガソリンでないものを工業用に使えば、これは危険なわけでございます。現にそのために事故も起こっております。工業用ガソリン以外の着色されたガソリンで手を洗ったり、家庭のものを洗うのに使ってはいけないというふうなことは、先回問題になりましたおり、そういうことに対する注意をいたしました。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 よくわかりましたが、私たちのようなしろうともおるわけですから、われわれ専門家じゃないのですから、だから、それをそういうものにもわかりやすいように表示したらどうか、これは取り扱い上の注意事項、そういうものを表示したらどうか、ガソリンスタンドにも、そういうふうに加鉛ガソリンについてはこうだという注意書きを表示したらどうか、こういう意味です。着色してあることはわかりましたけれども……。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 現在のところ、自動車以外の容器を持って買いに来ますお客さんにつきまして、そういうことを実際問題として、これは自動車用であぶないから手や何か洗ったりしてはいけませんよ、そういうふうに指導するようにということを、ガソリンを扱っております業者の団体に、そういう保安上の指導をやらせております。一部、これは自動車用で、その他の用に使ってはいけませんということを張ってあるところもあると聞いておりますけれども、なお趣旨徹底のために、その点、それら業界に保安上の問題から、いま先生の御指摘の点を徹底させるように話をしていきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それから、これは私もはっきりしたことはわからないのですが、コストで、レギュラーとハイオクの関係ですね。加鉛のコストは一円ないし二円程度だというふうに聞いているんですが、それくらいでしょうか。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 御指摘のとおり、ハイオクとレギュラーでは、いわゆるアルキル鉛の加鉛がしてございまして、その面での差があることも事実でございます。しかし、大半のコストの差といいますか、それは先ほどもちょっと触れましたけれども、ガソリンは、いわゆるベースガソリンという、いろいろな種類のガソリンの基剤が製油所の各設備から生産されまして、それらをブレンドしてつくるわけでございます。比較的オクタン価の高いものを集めたものがハイオクのガソリンであり、そして比較的オクタン価の低いものが集まったものがレギュラーである。そして、最後に加鉛量でオクタン価をアジャストしておるというふうな生産過程をとるわけでございます。したがいまして、レギュラーとハイオクが、加鉛量がほんのわずか違うのに十円も違うのはおかしいという議論だけではございませんで、それぞれの改質装置であるとか分解装置であるとか、それらの複雑な装置を経たものを比較的多量に使っておるハイオクガソリンがコストとしても高くつくということは、これははっきり言えるのではないかと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 通産省の考え方はわかりました。ただ、われわれ非常に心配するのは、われわれ消費者が加害者であり、加害者が消費者であるという、きわめて矛盾した立場にわれわれは立たされるわけです。ですから、そういった面では、高いガソリンを使ってみてもむだなんだからレギュラーでいいんだという指導を、もっとはっきりしていただいて、やはり公害と物価というものを関係させた上で、このガソリンの問題については公害特別委員会で取り上げられるでしょうけれども、いつの間にか消えてなくなるというようなことじゃなくて、もっと積極的に前向きに、そういった問題についてもこの際御検討いただきたい、御指導いただきたいということを最後に意見として申し上げて、質問を終わりたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 農林省の畜産局長その他、だいぶ時間がおそくなって申しわけございませんが、ちょっと牛乳の問題について、ぜひとも一つ二つお聞きしておきたいことがあるわけです。  牛乳の消費者価格という問題が、この数年前からたいへん問題になっているわけでございますが、その合理化の一つの重要な要素として、いままでの取り扱いのなかなかめんどうなびんの容器から紙の容器にしたほうがいいんだということをいわれておるし、農林省の方々もそういうふうに御指導なさっておられると思いますけれども、その指導の方針と、現在の紙の容器がどの程度まで使われておるのか、この問題を簡単にお教えいただきたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 御承知のとおり、牛乳の小売り価格の改定が毎度問題になるわけでございますが、特に小売り段階におきますところの合理化がたいへんむずかしいということで、従来と違いまして小売り主導型の値上げが行なわれることが一番心配されるわけでございます。そこで、思い切って流通段階の省力化をはかるためには、従来のガラス容器を紙容器にかえたほうがよろしかろうということで、実は、特に昨年来ワンウエー容器の採用ということを積極的に進めることにいたしておりまして、これは小売り店の方々の御要望でもあり、メーカーもこれに応じまして、実はワンウエー容器の採用に踏み切っておるわけでございます。  そのため政府といたしまして、ワンウエー容器の充てん機についての関税を全部免除する、あるいは租税特別措置法に基づきますところの特別償却を本年七月一日から認める、さらには、まだ実現を見ておりませんが、ワンウエー容器の採用につきまして長期低利の資金の融通をはかるというようなことを、実はこれの裏づけとして取り上げておるのでございます。  本年度の当初に大体五%くらいの普及率であったものが、大体最近におきましては一〇%をこえるという段階になっておると承知いたしております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 ワンウエー容器の普及、たいへんこれは重要なことだと思うのですけれども、いま局長のお話にあったように、そういう新しい紙の容器に牛乳を充てんするいろいろな機械だとか、そういうふうなものを輸入する場合に援助する、あるいは税金その他の問題でこれが普及をはかるということもけっこうだと思うのですけれども、こういうふうなものの利益は、やはりメーカーもその転換について相当利益を受けているわけですね。当然小売り商も利益を受けるわけですけれども、メーカーも相当受けている。これはそれでいいと思います。思いますけれども、いままでびんの容器のときには、びん代はメーカーが持っておったのですね。そうじゃないのですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 びん代につきましては、最終的な負担は結局消費者が負担をいたしておるわけでございます。メーカーが卸売り建て値の中にびん代を含めてきめておることも事実でございまして、びん代は一切メーカーが負担をしておるというようなことはございません。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それは消費者が負担しているということはあたりまえのことですけれども、結局びんに牛乳を詰めて、それを小売り商に流して、小売り商はそのびんに入れた牛乳を売っておるという状態ですね。それが、びんですから割れるものもあるから、割れるものについては、何割か、小売り商はその割れる分について若干負担をするというような関係であったわけですね。ところが、この紙容器になってから、いま五%あるいは一〇%に達する相当なものだと思いますけれども、このワンウエー容器については全部小売り商が——つまり原価が十四円十銭ですか、これが不変であると、紙容器の原価を小売り商が結局負担をして、消費者に売っていく。いままでより小売り商は、びんの破損分よりももっと大きな負担をしなければワンウエー容器にならないということになるわけですね。これは違いますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 びん容器の代金に比較しまして紙容器の代金が高うございますから、末端の小売り価格二十三円というものが変わらない限り、小売り業者の手取りが、その限りにおいて少なくなるということはあり得るわけでございますが、やはり紙容器の場合には、また紙容器をわれわれが推奨するだけの意味もあるわけでございまして、これによりまして、いろいろな従来かかっておりました小売り経費が安くなるというメリットも、当然あるわけでございます。もちろん切りかえの過渡期におきましては、その効果が十分出ないというようなことがあるかと思いますが、将来におきましては、当然、びん容器の場合でございますと、一日一人で三百本から五百本しか運べないものが、千四百本も運べるというようなメリットもあることを、ひとつ十分御承知おき願いたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 確かに小売り商にもメリットはある。あるけれども、メーカーにもそれと同等、あるいはそれ以上のメリットがあることも事実ですね。とすれば、びんの場合は大部分をメーカーが負担して、つまり、びんに詰めたものを小売り商のところに持ってきて、小売り商がそれを売っておったのにもかかわらず、紙容器になって、紙の容器代は全部小売り商だというのは、これはおかしいじゃないですか。メーカーも当然その相当部分を負担して、初めて公正なことになるというのか、小売り商も喜んで必要な合理化、つまりワンウエー容器への転換を進んでやっていくということであって、負担を小売り商だけが受けて、しかもそれをどんどんやっていけというのは、これは殺生じゃないですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 びん容器から紙容器への切りかえにおきまして、先ほど申し上げたようないろんな特別措置を講じたことも事実でございますが、いままでありました機械がそのためにまた不要になるというような意味のロスも、事実はあるわけでございます。メーカーも、いままでびん容器につきまして、もちろんこれはある程度小売りに負担をしてもらっておったわけでございますから、全部紙に切りかえたことによって、それが直ちに小売りにとって非常に不利であるというふうには理解をいたしませんが、紙容器に切りかえるに伴いますところの合理化のメリットというものが相当大幅に行なわれませんと、その過渡期におきましては、確かにそういった問題があろうかというふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 紙の容器の代金は大体一円六十銭くらいだということですけれども、これは事実ですね。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 大体そういうふうに承知しております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いままでのびん代の小売り商の実際上の負担は、大体三、四十銭というふうに聞いておりますけれども、これは事実ですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 いま先生おっしゃいましたのは、実は容器代ではございませんで、容器が破損するような場合の負担金として、小売り屋さんが従来負担しておったものでございまして、容器代としては大体五十六銭くらい卸売り価格の中に含まれておったわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その場合に、非常にやらなければならない合理化として紙容器にしておる。しかも、紙容器にしたがために、将来はもうけていくでしょう。だけれども、その切りかえどきの大事なときに、小売り商が負担の増加になって、この必要な合理化をいやがる。あるいは、こういうことをやっても、結局自分たちだけが損するんじゃないかというような感じを持たせては、この必要な合理化自体が進まないことになることは非常にいけないことですね。そういうことを考えましても、また、いままでびんの場合にはメーカーが相当負担しておるが、今度紙になるとメーカーが全然負担をしない。しかも、その紙に詰めるいろんな費用についこの国のいろんな援助もメーカーにはあるということになると、これはやはり常識から考えまして、あまり穏当だとは思われないので、これは紙容器の相当部分を、一円六十銭するものなら、あるいは六十銭は小売り商で、一円分はメーカーだと、これは一つの例ですけれども、その率が正しいかどうかわかりませんけれども、そういうふうな配慮があってしかるべきではないか。つまり、必要な合理化を進めるために過渡期のいろいろな問題はありましょうけれども、そういう点について局長さんの御意見を伺いたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 先生の立論の根拠に、びん代の場合にはえらいメーカーが負担をしておる、負担をしておるというお話であるのですが、そういうことではないわけでございまして、びん代につきましても、やはり小売り屋さんが負担をいたしておるわけでございます。ただ、現実にまだ紙容器の普及率が非常に低い段階におきまして、びん代に比べますと紙容器代が高い。その限りにおいて、合理化が行なわれなければ小売り屋さんの手取りが減るということは当然のことでございます。しかし、小売り屋さんの中には、非常に努力されまして、全部紙容器に切りかえるというような合理化を、消費者の納得を得つつやっておられる小売り屋さんもおられるわけでございまして、こういったことが行なわれますれば、当然、いままでのびん容器の場合よりもはるかにコストが低い形で経営が行なわれるということもあるわけでございますので、われわれは、こういうコストの問題としてこの問題に対処しなければならないのじゃないかというふうに考えております。しかし、そうはいっても、過渡期の問題として、一挙にそれだけ切りかえるということもなかなかむずかしい場合もあろうかと思いますので、これらの扱いにつきましては慎重に検討してまいりたい、かように考えます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまの十四円十銭という値段で、いままで小売り商はびんに入れた牛乳を売っていたわけですね。そうでしょう。十四円十銭というコストで小売り商はびんに入れた牛乳を受け取って、その牛乳を売っていたわけですね。しかし今度の場合は、十四円十銭という同じ値段で、一円六十銭という紙の容器代が加わって、これを小売り商が売るのじゃないのですか、いまの転換というのは。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 従来どおりびんをただ単純に紙にかえただけであれば、そういうことになるわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 そうでしょう。現在行なわれているのは、びんを紙にかえただけじゃないですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 先ほども申し上げましたように、消費者の納得を得て紙容器にかえることができますれば、たとえば、いままでびん容器の場合には一人で三百本から五百本しかできなかったものが、一日千四百本も配達できるというようなことにもなるわけでございますから、それに伴う合理化というものにメリットがあるわけでございますので、先ほど申し上げたようなことを御答弁申し上げた次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 何だかちょっとわけがわからないけれども、その合理化のメリットというのは、単に小売り商だけじゃなくて、メーカーもあるのじゃないですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 過渡期の問題になりますれば、先ほど申し上げましたように、メーカーも二重投資になるような形になるわけでございまして、従来洗びん機等の措置もいたしておるわけでございますが、こういったものが将来に向かっては不要になるわけでございます。そういった問題もあるということでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それは、確かにメーカーは、いままでびんの容器のためにいろいろ投資をなさっておる。このびんの投資がだめになる。紙容器の投資がまた必要だという問題も起こります。起こりますけれども、この問題があるからといって、新しい紙容器の代金をメーカーが全然負担しないというのはおかしいのじゃないですか。小売り商だけがそれを負担するという結果になるのだから。そうでしょう。十四円十銭という値段は変わりませんよ。値段は変わらないで、小売り商はそれにプラス一円六十銭という紙容器代を加えて売らなければならない。そうですね。メーカーはびんに入れなくても済むのですから、びん代金だけは減ってくる。ただ、いままですでに投資した分は、これはだめになってくる、そういう関係になりますね。したがって、過渡期のいろいろな問題はあります。ありますけれども、原則として、常識的に考えてみて、つまり品物を売る側の人は、完全に売れる状態で物を売っているわけですね。小売り商がそれをいろいろ加工して売っているわけじゃないのです、いろいろな商取引の慣習からいって。売れるような状態にするのはメーカーの仕事なんですよ。そうでしょう。いままでそのとおりにやっておったでしょう。牛乳のびんに牛乳を詰めて、小売り商がそれを受け取って、十四円十銭という代金を払って、これを一般の消費者に売った。今度紙容器になってから、紙代だけはメーカーは知らぬ顔だというのじゃ、常識で考えれば、これはおかしなことじゃないですか。それはいままで、びんの容器に対する投資はいろいろありますよ。ありますけれども、その問題は、したがってメーカーも小売り商も、新しい紙容器については合理的な形で負担をする、これはあたりまえの話だと思うのですけれども、おかしいのですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 従来の卸売り建て値の中にびん容器代も含めて入っておるわけでございまして、紙容器とびん容器の差の分だけ卸売り建て値が高くなっておることは事実でございます。にもかかわらず、末端の小売り価格は、普通牛乳でございますと百八十cc当たり二十三円ということでございますから、その限りにおきましては小売り屋さんの手取りが減ることはあり得るわけでございますけれども、紙容器に切りかえることに伴いますメリットもあるわけでございますから、そういった面のメリットも、これはまた小売り屋さんとして当然考えていただかなければならないことであろうというふうに考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 どうもよくわからぬけれども、いままでびんに牛乳を入れた。このびんをととのえる費用も、びんをつくる費用も、いままではメーカーが負担したわけでしょう。そうじゃないの。メーカーがびんに入れた牛乳として小売り商に渡して、その代金として小売り商は十四円十銭払ったのでしょう。そうでしょう。ところが、紙容器になれば、そういうびんは必要でないでしょう、全部かわったとすれば、紙容器の分だけは。そうでしょう。そうですね。そうだとすれば、メーカーは、つまりいままでのびん代だけは要らなくなるということでしょう。投資部分がだめになるという問題はありますよ。これは別にして、どうも私はよくわからぬけれどもね。私の言うのは、いままで十四円十銭で、小売り商がびんを込めて払った原価と同じ値段で紙容器のものを受け取るのではなくて、実際上は紙容器代の一円六十銭分を十四円十銭にプラスしたものとして小売り商は受け取るわけですね。つまり、小売り商だけが負担をするということになりはしませんか。違っていますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 末端の価格が二十三円で、小売り商への卸売り建て値がいま十四円十銭でございますから、八円九十銭だけが小売りの手取りと申しますか、小売りの経費になっておるわけでございます。その部分が紙容器に置きかえることによって少なくて済むということを、私は申し上げておるわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それはわかりますよ。わかるけれども、十四円十銭という値段が同じで、メーカーと小売り商との負担の均衡というものがとれますかということを言っておる。しかも、今度はびんが要らない。紙容器は小売り商が負担をする。こういうことになるでしょう、紙容器になるということは。そうじゃないですか。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 畜産局長、もっとまじめに答えなさい。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 どうも私の説明が不十分なのかもしれませんが、いままでのびん容器代も、実は卸売り建て値の中に入っておるわけでございます。今回も、紙容器とびん容器との差の分だけ卸売り建て値が高くなっておる。したがいまして、先ほど申し上げたように、その分だけ小売りの手取りが一応計算上は減ることになるわけでございますが、さっき申し上げたように、紙容器に切りかえることに伴いますところの合理化のメリットもあるわけでございますから、それでいけるのではないか……。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 負担のことを言っているのだからね。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 そのメリットの問題は、小売りにもメーカーにも両方あるわけですよ、よく売れるわけだから。そうでしょう。だけれども、ここで私が問題にしているのは、新しい紙容器の一円六十銭というもの、しかもこれは容器代で、容器代というのは普通通念からいえば、メーカーが負担して小売り商に持ってくるものですね。そういうものとして売っているんでしょう。そうじゃないですか。アイスクリームも、封を取ったらすぐ食えるような形で市場に出しで、小売り商がこれを売っている。その問題も必要な合理化だ。必要な合理化だけれども、その新しい一円六十銭という容器代を小売り商だけが負担するのはおかしいじゃないか、というのが私の質問なんです。メリット云々じゃないんです。メリットは、あなた方は、今後小売り商が、たくさん売れてもうけができるから、それくらいの負担は当然じゃないかとお考えかもわからないけれども、それはもうければそういうこともできますけれども、しかし、メーカーの側は同じ十四円十銭もらうのだから、そうでしょう。十四円十銭で小売り商がメーカーからもらうんでしょう。そうじゃないですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 紙容器代の場合には、それに先ほど申し上げました紙容器代を乗せた分をもらっておるわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 だから、その分をもらって、メーカーはその分を何にしますか。紙容器代の分を。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 従来の卸売り建て値の中にもびん容器代が入っておるわけでございますから、びん容器代と紙容器代の差を、卸売り建て値はその分だけふやして小売りにおろしているということでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それならば、紙容器にかわったときに、メーカーはいままでよりも負担は少なくなるね。びんが要らないんだから。そうじゃないですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 それは、先ほども申し上げましたように、いままではびんでやっておったわけでございます。その際、びん容器代として卸売り価格の中に入れておったわけでございます。それが今回は紙容器に一部切りかわる。その場合に、紙容器のほうがびん容器よりも高うございますから、その分の卸売り価格の改定をいたした。それだけを見ます限りにおきましては、何回も申し上げますように、末端の小売り価格は変わっておりませんから、小売り屋さんの従来の八円九十銭というものが、びん容器から紙容器にかわることによって一応少なくなるわけでございますけれども、それはそれなりに、紙容器にかわることに伴いますところの合理化メリットもあるわけでございますので、やっていけるのではないか、こういうことでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それをどうしてメーカーが負担していけないの。紙容器代の一部をどうしてメーカーが負担していけないの。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 いままでも、メーカーがびん容器代を負担しているということは、実はないわけでございます。びん容器代としては、容器代として卸売り価格の中に含めているわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 委員長から質問したいのですが、十四円十銭という卸代の中に、びん容器代は幾ら入っているのですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 私たちの推定では、五十六銭ということでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 五十六銭入っている。五十六銭ということであるならば、紙容器にした場合に、五十六銭取ればそれでいいじゃないか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 その紙のコストが、先ほど申し上げたように、正確に言えば、私のほうで加工乳のテトラパックとして計算いたしますと一円八十九銭、これだけ経費としてかかるわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 つまり、それを小売り商が負担するのがおかしいというわけですよ。小売り商の取り分が多くてメーカーの取り分が少ないという話は、別の問題としてありますよ。しかし、びん容器を紙容器にかえる場合に——これは必要な合理化です。これをかえる費用の一円六十銭なら一円六十銭としたものを、小売り商だけが負担をするという結果になるわけですよ。そうじゃないですか、そうでしょう。それがおかしいのじゃないかというのが私の質問なんですよ。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 先ほど申し上げましたように、容器代が一円八十九銭、これは紙容器のときでございますが、びん容器の場合は五十六銭でございますから、差し引き一円三十三銭コストが高くなるわけでございますね、卸売り建て値が。その分はそれなりに、末端の価格は変わりませんで、びん容器も紙容器も二十三円でございますから、その限りにおいて、小売り屋さんの従来の八円九十銭というものが減ずることは事実でございますが、紙容器に切りかえることに伴いまして、小売り屋さんの経費も安くなる面があるわけでございますので、そのことを申し上げておるわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 だから、このことを私は質問しているわけじゃないですよ。小売り屋さんも将来どんどん合理化されて、経費も少なくて配達もできて、メリットもあるだろう。しかし、小売り屋さんが過渡期の場合に負担して、メーカーは負担をしないというのはどういうわけですか、高くなった部分を。メーカーだけは負担しないで、小売りだけが合理化の負担をするというのはどういうわけですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 その見方の問題として、先ほど来御説明申し上げておるとおりのことで、一応昨年の乳価の決定の際に、小売り屋さんとメーカーとの話し合いが行なわれまして、いま言ったような決定になったというふうに承知しておるわけです。しかし、私が先ほど申し上げましたように、一斉に切りかわることに伴いましての合理化のメリットがかなり大きくあるわけでありますけれども、一挙にそこまで消費者の了解を得て、びん容器を紙容器に切りかえるということもなかなか困難な面もありますので、過渡期の問題としてこの問題に対処しなければならないというふうには私たちは考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この容器の切りかえの一番頼みになるのは小売り屋さんですよ。小売り屋さんが新しい容器を一生懸命消費者のところへ持っていって、このほうがいいから、このほうが結局安くなる可能性があるから、これを使いましょうよ、こうしなければならないのですよ。この合理化を一番実行する小売り屋さんが、いままでよりは高い値段になった、そういう状態で合理化ができますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 その面だけを見ますれば、確かにそういう先生のような御議論もあるわけでございますけれども、現に小売り屋さんの中には、紙容器に全部切りかえられまして、そのために従来いろいろかかっていた経費が浮いて、紙容器に切りかえたほうがずっとベターであるというような小売り屋さんもあるわけでございます。しかし、すべてそういうふうにいくわけでもございませんので、過渡期の問題としては考えなければならない問題であるというふうに考えます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 過渡期の問題としてどういうふうに考えますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 私のほうといたしましては、小売り屋さんを指導申し上げまして、一斉に切りかえるというようなことをこの際ひとつ——これは消費者の了解を得なければならぬわけでございますから、そういった事例もありますので、これらの事例に即して、そういった一斉切りかえをこの際一そう進めていただきたいというふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それでは、メーカーのほうはへいままでと変わった点はどういう点……。もうけっ放しということになりますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 メーカーがえらいもうけるというようなことをおっしゃるわけですけれども、実は容器代としてそれだけ経費がかかっておるわけでございますので、これも全く無視して、従来のように紙容器代をびん容器と同じような値段でやるというわけにはまいらないわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 容器代がかかっているけれども、一斉に切りかえれば、びんはなくなるでしょう。びんにがかった費用はなくなるでしょう。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 びん容器としては確かに五十六銭でございまして、この分を従来のコストの中に含めて卸売り価格として卸しておったわけでございますが、今度は、紙容器代として、加工乳で申し上げますと、一円八十九銭というのがかかるわけでございます。これで一円三十三銭の差が出るということでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私もよくわからないけれども、とにかく、私の言いたいのは、この合理化は必要な合理化です。この合理化を消費者にPRするのは牛乳屋さんです。消費者に宣伝して回って、配達するのは牛乳屋さんです。この牛乳屋さんが、紙容器にかわったがために、紙容器に必要な一円六十銭というものを余分に負担するような指導のしかたというのは間違いじゃないか。もっと牛乳屋さんが納得できるように、メーカーもその切りかえの費用の負担をし、牛乳屋さんも適度の負担をするというような形で、この必要な合理化を推進していくのが正しいじゃないか、こういうふうに思うのですよ。これは間違っていますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 紙容器を大いに普及させるためには小売り屋さんに御努力願わなければならぬことは、われわれもよくわかるわけでございます。そこで、紙容器でございますので、容器代が一円何がしかかる、それを全部小売り屋さんに負担をさせた形で現在は行なわれておるわけでございますが、紙容器に切りかえることに伴いますところの小売り屋さんにはね返るメリットもあるということは、先生ひとつ御理解いただけたと思うのでございますが、直ちにそういったことで、紙容器についての負担を全部小売り屋さんに負担さすことがいいか悪いかというような問題も、確かにあろうかと思います。過渡期の問題として——全部切りかわるような時期におきましては、それはそれなりの合理化効果も出るわけでございますので、小売り屋さんにはね返るメリットもかなり大きいとわれわれは見ておるわけでございます。そういったことも直ちになかなか実行できるわけでもございません。そこらあたりの問題を踏まえまして検討してまいりたい、かように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それでは、その切りかえの問題については、紙容器の費用は、小売り屋さんだけに負担はさせないで、他の方法で、あえてメーカーとは言いませんけれども、他の方法で過渡期の問題を処理していきたい、そういうふうに検討したいというふうに理解していいですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 昨年の乳価の卸売り建て値の改定の際の話し合いで、一応メーカーと小売り屋さんの間に、いま言ったようなことがきまっておるように承知をいたしております。なお、最近の切りかえの状況等も考えまして、両者の意見もよく聞きまして、役所として打つ手がございますれば、その手を打ってまいりたい、かように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その問題について、局長も御存じのように、いまの牛乳の小売り商の約七〇%は大メーカーの指定的な小売り人、ひもつきですね。大メーカーのひもつきの小売り店が約七〇%といわれておる。これは事実でしょう。こういう状態におけるメーカーと小売り屋さんとの交渉というものを、そのままの形で農林省が見るということは穏当を欠く面がありますね。大メーカーの系列でなければものが売れないような弱い立場の小売り屋さんがおる。片一方強い立場のメーカーがおる。この二つの話し合いの状態において不当な面があれば、農林省畜産局長としては、当然過渡期の問題としても、その不当な点を直して、過渡期の必要な合理化の仕事をやっていかなければならぬということじゃないですか。ただ、小売り屋とメーカーとの話し合いがある、この話し合いがあるから、この問題は、という単純な問題じゃないですよ。現在は、小売り屋さんはメーカーの系列なんですから、メーカーの意向に反すれば自分の商売ができないような弱い立場におるのです。だから、言いたいことも言えないというような状態におるのですから、そういう問題をあなた、よく見て指導するのが正しい指導なんでしょう。そうでしょう。三年ほど前から牛乳の問題については、物懇の提案以来、自由価格にすべきだ、自由競争にすべきだという提案がありますけれども、これは間違っておる。農林省の行政指導というものは撤廃しなさいという、あの意見も私は間違っておると思います。その証拠に、あれを撤廃した結果、すぐに牛乳の値が上がってきた。上がるはずですよ、小売り商というものは自由な競争者じゃないのですから。競争するのに、小売り商というものは大部分は大メーカーの系列なんですから、したがって、五つくらいの大きなメーカーの話し合いによって牛乳屋さんの意見がきまってくるというわけですから、自由競争の名におけるいわゆる寡占価格的なものを形成する、そういう状態だから、自由競争にするということが間違いである。行政指導がおかしいのではなくて、行政指導のやり方がおかしいのだ、もっと正しい行政指導をしたほうがよろしい、自由競争にするという形で、政府の責任をのがれるような形はやめたほうがいい、こういうことを私は主張してきたのです。現在、牛乳の値段でも、紙の容器代あるいは原料乳の容器代、いろいろな販売コストすべての問題を勘案して、総合的に判断をして乳価の値段をきめていくという要素がなければならない。そういう場合、都合のいいときだけ自由競争にまかせ、業者とメーカーの間の話し合いにまかしておるというような指導に現在なっておるのではないかということを、私、心配するのです。この点は、この前の西村農林大臣のときも、いまの農林大臣にも申し上げた。もう少し畜産当局としてはこの問題について——むずかしいことを考える必要はないわけです。必要な切りかえに対する、この容器の負担についてはもっと公正な負担をできるような指導をする必要がある、私はこう思うのですよ。そういうような意味で、いまの一円六十銭の新しい容器の費用を小売り屋さんが一方的にかぶるような状態、それでは合理化も進まない。したがって、この問題については、政府はもっと公正な判断と指導が必要である、こう申し上げたいわけなんです。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 御承知のとおり昭和四十二年に、経済企画庁に置かれております国民生活審議会消費者保護部会で、従来政府がとっておりましたところの末端の小売り価格についての指導価格制度を撤廃しろ、と申しますのは、指導価格がございますと、どうも下方硬直性になりまして、たとえば二十円ときめますとそこまで上がってしまうというようなことで、競争原理を導入するために撤廃したらどうかということになりまして、従来やっておりました指導価格というものを撤廃したことは、御承知のとおりでございます。その結果、非常に末端の小売り価格がばらばらになったことも事実でございまして、もちろん上がったところもございますし、小売り屋さんの中には、たとえば小売り価格が二十三円ときめられても、実際には二十三円がとれないというような小売り屋さんのあることも事実でございます。これだけ牛乳の問題がうるさい、末端、特に小売り価格がうるさいというか、非常に問題になっておる時期でもございますので、われわれは過去の経緯等も十分勘案してみなければなりませんけれども、消費者の多くの方々から、やはり指導価格があるとよろしいというような声があり、それが世論になりますれば、われわれとしてももう一度その問題については考え直さなければならないだろうというふうに考えております。  それから、今回のこの切りかえに伴います問題につきましては、先ほど申し上げましたように、先年の五月に一応三円値上げをいたしましたときに、取り分の問題として決定をいたしましたような経緯もあるわけでございます。その間におきます両当事者の言い分も十分伺いまして、われわれも打つ手があれば打ってまいりたい、かように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 そういう問題について、いまでも農林省は効果のある内面指導のできる立場にあると思うのであります。また、しなければならない時期にあると思うのですけれども、することがあればやるというのでなしに、もっとやるべきことをやるのだという形をしないと、都合のいいところだけで逃げる、都合のいいところだけ取るなんという、そういうことじゃいけないということなんです。その点をよくお含みいただいて、この問題について善処していただきたい。  繰り返して申し上げますけれども、紙容器になった場合に、小売り商としてもかなり大きなメリットがあるということは事実なんです。その中で、紙容器代を消化していけるということも事実かもしれません。しかし、それだからといって、このしなければならない合理化というものも、小売り屋だけが負担をするというような状態を行政当局として放置してはいけない、こういうことを考えるわけなんです。よろしくひとつ善処をお願いいたします。

松平忠久日本社会党

○松平委員長 谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私鉄運賃に関連しての質問です。時間がありませんので、はしょったやり方でやりたいと思いますから、あなた方のほうでも簡単な御答弁を願いたい。  四十一年の、この前運賃の値上げをいたしましたときに、政府のほうでは、閣僚会議か懇談会みたいなもので、次の値上げについて一応方針を出している。特別に事情の変更がない限り値上げ申請はやらさぬようにする、そういう申し合わせをして、通達を出していたと思うのです。今回運賃値上げの申請を受け付けられたというについては、何か特別な事情の変更があったとお考えになったのだろうと思いますが、それはどういうことですか。

山村新治郎自由民主党運輸政務次官

○山村説明員 これは先生御存じのとおり、いわゆる鉄軌道部門の赤字というものが、昭和四十三年度に八十七億、四十四年度に百九十七億円と、巨額に達してきております。その収支状態というのはきわめて悪化してきておりまして、全業としては、この巨額な赤字というものを、まあ一口に申しますと不動産部門の利益と社有地の売却、これらによって補っておるというのが実態でございます。しかし、運輸省として指導しておりますいわゆる第三次輸送力増強五カ年計画、これが大手私鉄の第一次対策として四千八百億円という巨額なものに達しておるわけでございます。そうして、このまま推移いたしますと、人件費等の高騰もありますし、運輸省の一番力を入れております安全、それと輸送力増強の面がなかなか達せられないじゃないか、そこで一応どういうようなことになるか、検討を審議会のほうにお願いをした、そういうようなことでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そういう結論をお出しになるにあたって、私鉄の経営実態を十分全体にわたって御調査になりましたか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 先生御承知のとおり、私鉄の経営は、鉄軌道部門を中心といたしまして、自動車運送事業あるいは不動産業、百貨店業その他の事業を兼営をいたしておりまして、全体でもって収支を償わせ、配当をいたしておるというのが実情でございます。そこで、それに関しまして申請がございますので、申請につきましては、私ども常時監査をいたしておりますので、当然その収支内容を把握しております。鉄軌道事業につきましては、赤字であるということは私どもわかっておりますので、当然申請は受理いたしまして、成規の手続にのせているわけでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そうしますと、これは新聞報道でありますから、ここで取り上げるのはどうかと思いますけれども、しかし、国民の理解としては、あの新聞報道を信じます。この間、この問題で運輸大臣とかあるいは企画庁長官とかが総理にお会いになったときに、総理は、経営の実態を十分調査した上この問題は結論を出すべきだというふうに言ったように伝えられております。あなた方は調査したと言うし、総理のほうでは調査は十分しなければならぬと言う、そういう段階にあるようですな。総理のほうが知らぬのですか、あなたのほうがうそをついているのか、どっちです。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 総理大臣がどのようにおっしゃいましたか、私ども直接伺ってないわけでございますが、ただ、先ほど私ども申しましたように、鉄道事業は実は免許事業でございますので、したがいまして、免許事業といたしまして、毎年この事業に関します事業報告を私どもに対していたしております。その報告をいたしております内容によりますと、私鉄の経営というものは、鉄道事業につきましては赤字であるということであります。ただし、先生御指摘のように、兼業部門で相当の黒字を出しておりまして、それによりまして一〇%という配当をしておるというのが実態でございます。そういう実態にかんがみましてこれを受理いたしまして、そうして、これに対してどのような結論を出すかということは、十分審査の上決定をするということであろうかと思います。  総理大臣のおっしゃった内容はわかりませんが、いずれにしても、さらにもっと慎重に審査をしろとおっしゃったとすれば、そういう御趣旨かと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 政務次官どうです。総理はどう言ったのです。

山村新治郎自由民主党運輸政務次官

○山村説明員 総理としては、われわれ以上に高い立場に立っていろいろ考えなければならない。そこで、いろいろ物価の問題そのほかにもはね返る問題でもあるので、なお一そう慎重に検討してやったらどうか、そういう意味で言われたんじゃないか、そういうふうに考えます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それでは、もう中身に入ります。  鉄道部門が赤字だ、これはこの前、私が六十三国会の予算委員会で伺ったときにもそう言っておられた。このことについてはあとでもう少し詳しく触れたいと思います。  いまおっしゃったように、鉄道部門も含めた経営全体、全事業では、これは相当のもうけになっている、一割の配当をしているということなんですね。これはお認めになるわけですね。その中で、特に先ほど論議になっておりましたが、不動産部門、このもうけはばく大なものだというふうにわれわれは聞いている。幾らぐらいもうかっているのですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 前国会におきまして御質問なさいましたころは、数字が全部確定していない時期でございますが、現段階におきまして、四十四年度の決算も一応はっきりいたしております。  そこで、私ども、一応の経費の配賦等をいたしましたところ、鉄道では百九十七億の赤字である。しかしながら、不動産業では二百五十一億の黒字である。それからバス事業、タクシー事業その他の自動車事業等、あるいは投融資等、そういったものをひっくるめまして百十八億の赤字である。さらに、全体のつじつまを合わせるという意味で特別損益というのがございますが、これは、たとえば社有の土地を売却をしたりというようなことをいたしましてつじつまを合わしておりますが、それが六十四億あるということでございまして、これによりまして一割配当をする決算をしたということでございます。  したがいまして、いま申しましたように、不動産部門が非常に大きな利益をあげておるということでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 いわゆる兼業部門全体として——自動車なんか赤字のところが多いようでありますが、しかし、全体の兼業部門として非常にもうけている。特に不動産部門では、私のあれでは、実に四十四年度のもうけは二百五十一億ということになっている。これはもうけですよ。それから、そのほかに現在まで所有している土地、つまり商品として所有しておる土地、これも評価価額を見ますと、その所有高は十四社で二千五十五億というふうになっている。それくらい大きなもうけを持っているのですが、先ほどのあなたと社会党の方とのお話では、こういう兼業部門を含めて、この中で、つまり全事業収支の上で運賃問題を考えるべきではないという説をあなたはとっておられるわけですが、これはどういうわけでそう考えるべきでないのか、わからなかったのです。特に、あなたがおっしゃっていた中で、不動産部門を兼業している、この不動産部門を兼業しているという問題を、不動産を取り扱っている会社に対する投資などという問題とあなたは混同しておっしゃったようですが、それは、現在の私鉄が私鉄の事業としてやっている不動産部門があります。そのもうけはいま言ったような状況なんですね。なぜこれを一緒にして、全体の経営の中で運賃問題を考えることができないのか、その事由をもう少し詳しく知らせていただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 私先ほどお答え申し上げましたのは、不動産部門を鉄軌道の収益の中に入れて鉄軌道の原価計算をし、それによって運賃改定をすることがいいかどうか。そうすべきであるというふうに申し上げたことではないのでございます。ただ現実は、不動産部門で非常に収益をあげ、そうして鉄軌道の赤字を補っておるということを申し上げたわけでございます。そして、不動産事業の利益は鉄軌道の中に入れてよいかどうかという問題は、今後検討すべき問題であろうかと思います。  ただ、鉄道事業者は、これは株式会社でございますから、したがって、投資をする場合に、当然投資の態度ということが経営者としての大きな関心事であろうと思うわけでございまして、鉄軌道部門が非常に赤字であるという場合に、そういう赤字のところに大きな投資を期待することができるかどうかという点は若干疑問があろうかと思います。特に、私ども役所の立場といたしますと、これは何といっても鉄道事業は安全がもとでございます。輸送の安全を確保して、そうしてまた輸送力をふやして、こまないで利用者に御利用していただくということが根幹でございまして、そういう輸送の安全の確保と、それから輸送力の増強のために投資をどうしてもしてもらわなければならぬということであろうかと思います。そういう投資を、この事業が非常にもうからないということのために、経営者が渋るというようなことになっては、これまた大問題でありまして、私どもそうあっては非常に困るわけでございます。そこで、鉄道事業の赤字を兼業でまかなってやればそれでいいんだということを考えた場合に、そういう経営者の投資態度というものを十分に期待することができるだろうかということは、今後、私どもこの申請事案を処理する上に十分考えていかなければならぬということは申し上げられると思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私鉄の場合は、私鉄の鉄道部門という仕事、これと兼業している仕事、これはいろいろあるようです。不動産部門もありますし、遊園地を経営したり、ホテルを経営したり、あるいはデパートを経営したり等々ありますね。これらの関連産業といいますか、副業としてやっております兼業部門、これは私鉄それ自体の、つまり交通機関という一つの性格を持ったこれ自体の本質から付随して当然起こってくる経済行為だというように、われわれは見るべきだと思うのです。  ただ、どの私鉄を見ましても、大きいところはいろいろな兼業をすることをちゃんと社の規定にきめておる。特に不動産部門はみな持っておる。これはただ偶然持っておるのではない。これはいろいろな理由で言えるのではないですか。つまり、どう言いますか、私鉄という一つの経営の中で、その外に起こってくる経済効果といいますか、そういう問題を吸収するということも含まれている。そういう性格を持っておる。だから、いま言ったようないろいろな、私鉄に関連しているといいますか、経済的に実際関連している、そういう兼業部門を持っておるから、私鉄自体の経営は鉄道部門だけで考えるべきではないというふうに言えるのではないか。また、どっさり兼業部門でもうけているのですから、特に不動産部門などは大きなもうけをしておるのですから、これを私鉄経営に、つまり鉄道経営部門に回すということは当然だろう、私鉄の性格からいって。  今度の西武の問題でも、秩父線が完成しましたね。これは新しい線をつける前に、山奥にどっさり土地を買って、そうして路線をつける。そうして土地の値上がりでどっさりもうけておるという関係があるのですね。これなんかは、先行きそういう投資をやってしまって路線をつけるというようなやり方、これは実にえげつないやり方だと思いますけれども、私鉄というものの性格からいって、資本主義の社会ですから当然だと思う。私鉄というものはそういう性格を持っておる。だから、兼業部門でもうけて、鉄道部門の経営にそれを足しにするということは当然やるべきではないか。そのために、そういうふうなやり方で鉄道部門がもうからぬということは、本来の姿を掘り出していけば投資家なんかの意欲をそそらぬだろう。そういう点では、あなたは非常に危険だとおっしゃるけれども、これはそうじゃなかろうと思うのです。  だから、当然、兼業部門でもうけたものは、つまり全事業の中でやはり私鉄という本来の鉄道部門の経営を考えていくというふうになるべきだということは、これはあなたはそうおっしゃるけれども、運輸大臣もそう言っていますよ。この間関西に行ったときに、朝日の記者に語っておる。それから、先月の十日のこの委員会で、これは企画庁長官が同じようなことを言っているわけですね、そういうふうに考えるべきだと。兼業部門でのもうけを鉄道部門の赤字——私は赤字はないと思いますが、これはあとで言いますが、そういうふうに考えろと言っているのです。だから、そういう意見が出ておるし、特に、今度の料金値上げにつきまして、経営全体の中で非常にもうけているにもかかわらず、もうからないと言う。そういう、私どもに言わせれば一つの粉飾をしているような、その鉄道部門の問題だけ出して、そして赤字の問題があるから料金値上げをするというふうなことは、国民は納得しないのです。この点どうですか。政務次官に伺います。これは政治問題ですから。だから、兼業部門、つまり私鉄の全事業の中でこの鉄道部門のことを考えるべきだ。特に運賃値上げの問題は、もっと根本的な言い方をすれば、あなたのおっしゃるとおり、第三次整備計画、これの資金繰りが困ってきておるということを各会社は言っているのだ。そういう問題を含めて全事業の中で解決していくという態度をとるべきだと思う。政府はそういう指導をすべきだと思うのですが、その点どうですか。

山村新治郎自由民主党運輸政務次官

○山村説明員 もう先生のおっしゃるのはごもっともで、今回の一割配当という大きな黒字を出しておるというようなところも含んでおられると思うのであります。   〔委員長退席、和田(耕)委員長代理着席〕 先生の言われるのはごもっともではございますが、しかし、何と申しましても運輸省としては、安全という面をまず第一に考えなければいけません。そこで、いろいろ先生の言われるのを参考にいたしまして、前進的に考えてまいります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 その場合、私は当然、不動産部門なんかにどっさり持っておる土地を処分すべきだと思う。いま非常に緊急時で、五カ年計画が実際にできないような状況にあるからね。だから、資金繰りの上でも何でも、そういう点では、少なくとも不動産部門は処分すべきだと思います。これは政府にしましても、あるいは自治体にしましても、あるいは住宅公団でもいいですから、これを適正な価格で買い上げる。私鉄は、放して資金をこさえるというやり方を考えるべきだと思うのです。  この問題を言い出せば、たとえば、担保に入っておるとかいろいろな問題が出ると思いますけれども、これはやはり、都市における交通逼迫というのは非常に大きな問題になっておるのですから……。ラッシュ時における混雑濃度は二〇〇%をこえておるという状況になっておる。これは当面とにかく解決しなければならない。そうしますと、これだけ過去の経営の中からもうけて蓄積を持っておるものを吐き出していくというような方法、そういうことも考える必要があると思うのです。これは勇断ですね。政府の態度ですよ。この点をひとつやってもらいたいと思います。

山村新治郎自由民主党運輸政務次官

○山村説明員 いま先生おっしゃいますように、持っておる土地を全部出せというのは、それはどこまで入るのがわれわれの限度であるかということもございます。しかし、いまこちらへ来る前に局長とも話をしておったのでありますが、局長もいろいろ手を打っておるようでございました。そのこまかい点を、いま局長のほうから御説明させます。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 先ほど先生御指摘のように、私鉄の事業というものは、鉄道を中心として、それに関連する自動車運送事業、不動産事業というような事業を経営して、その全体で仕事をやっていくということは、先生御指摘のとおりかと思います。  ただ、問題は、そういうことによりまして、それでは不動産業と鉄道事業と関連があるから、その利益はあげて鉄道業の穴埋めに使っていいということも、おっしゃるとおりの理屈は一つあろうかと思いますが、また、一方から見れば私企業でございますから、その私企業に対して、もうからないところの投資を大いにやりなさい、そのための経営の内容の悪化はあっても、もうからないところの投資を強力にやりなさいということを言うことは、これはまた実は非常に問題があるのじゃないか。そういうことを期待することは非常に困難があるのじゃないか。そうして考えると、ある程度鉄道業というものはもうからなくても何とか食いつないでいけるという程度にすることが必要じゃないかということも、またいなめない実情であろうかと思います。  なお、先生の御指摘のように、鉄道はもうからなくても不動産でやっていったらいいじゃないかということも、十分そういうことは考えられるわけでございまして、現在私鉄が一割配当をいたしておりますというのも、まさにこの数年そういうふうなやり方をしてまいって、一割配当をしておるということでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 鉄道部門は赤字だ赤字だ、もうからない、もうからないと盛んに言っておられるのですけれども、私どもはそう思っていないのですよ。ここに大きなからくりがあるというように思っておるのですが、その問題に入ります。  この前の、先ほど申しました予算委員会での私の質問に対して、これはあなたじゃなかったですかな、運輸大臣にかわって、何か局長さんが答えたのだが、あのときには、いまあなたのおっしゃったとおり、概算の数字で二百何十億か鉄道部門の赤字がある、しかし、この問題を例の営業外収支の問題、特に利子の問題ですが、支払い利子の問題、これと相殺をして、これが約三百億ぐらいあるから、運賃全体としてこれをとれば若干黒字であるけれども、しかし、これを計算すれば赤字になるのだ、こういうことをおっしゃった。  今度の場合は、その問題が問題になるので、そこで、この営業外収支の受け取り利子に対する支払い利子の関係を見ますと、差し引きまして支払い利子、会社が負担しておる利子のほうが四百四十九億四千六百万円ですね。これの鉄道部門への配賦、それからその他の兼業部門への配賦はどういうふうになっていますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 ただいま先生御指摘ございました、営業外損益でもって、営業外収入と営業外費用を比べてこれを差し引きずるということは、経理上そういうやり方は適当ではないと私ども考えておりまして、結局、営業外費用は営業外費用としてどのように配賦をするか、営業外収入は営業外収入としてどのように配賦をするかという基準で問題を解決するということであろうかと思います。  そこで、まず、大きなものは営業外費用でございますが、営業外費用につきましては、当然これを鉄道部門と他の事業というようなものにおのずから配賦をする必要があるわけでございまして、したがいまして、その配賦につきましては、固定資産の割合だとかいうような各般のものをもっていく。あるいは営業外費用として専属的な処理ができるものについてはそれを配賦していく。あるいは、営業外収入につきましては、これは関連会社の受け取り利子、配当金というようなことだとすれば、これは投融資額に応じて、それに対する配賦をしていく。それ以外の営業外収入につきましては、たとえば全体の収入の割合で分けていくというようなやり方で、一方の費用の項目に従いまして、あるいは収入の項目に従いまして、個別的に全部配賦をしていくというやり方をとっております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私の聞いたのは、鉄道部門に配賦する割合とその他の部門に配賦する割合とは、四百四十九億の中でどういうふうに四十四年はなったかということです。それは個々の問題でいえばおっしゃるとおりですけれども……。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 ちょっと突然のお尋ねでありますので、こまかい数字が若干違っているかと思いますけれども、ごく大ざっぱに申し上げまして、専属固定資産割合で分けましたものが約四六%でございます。それから、専属営業収入で分けましたものが五八%でございます。それから、専属営業費用で分けましたのが六七%でございます。それから、専属職員数割合で分けましたものが六七%というふうに、各項目に従いまして判定の基準をつくりまして、これによって配分をいたしております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この民鉄協の計算方式でやりますと、これは鉄軌道部門の固定資産、それに対する全事業の固定資産との、その割合で配分するということになっているが、そういうやり方をやっていませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 先ほど申し上げましたように、固定資産の割合で配賦をすることもございますし、それから営業収入の割合で配賦をするのもございますし、営業費用で配賦をするやり方もございますし、あるいは専属職員数で割り振りをするというやり方もございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 運輸省が試算をやっているようですが、その結果は、鉄軌道部門へのことしの配分はどうなっていますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 ただいまのお話は、たぶん利子の問題が中心だろうと思いますが、利子の問題につきましては、配賦は、三百九億円の配賦を鉄道事業にいたしております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 三百九億三千七百万円というふうになっていますね。ところが、各社がやっていますね。これはまちまちにやっております。あなたのおっしゃるとおりに、いろいろなやり方がありますから、必ずしも民鉄協のこの配分方式でやっていない、いろいろなやり方でやっています。この各社でやっている報告書を全部計算しますと、これは、鉄軌道部門への配賦は、先ほど申し上げた四百四十九億の中から二百六十二億になっている、これは御存じでしょうな。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 この営業外費用の配賦というのは、これは、実は対外的に出ている数字というものではないわけでございます。有価証券報告、あるいは会社が株主総会に出します営業報告書等におきましては、営業外費用というのは一本で出ておりまして、それが鉄道業に対してどのように配賦されるかどうかということは、一切明らかにしてないわけでございます。ただ、そういうものを、私ども事業を監督する立場から、当該事業の収支を判定しなければならぬわけでございますから、したがって、それをただいま申し上げましたような基準で各事業に配賦をいたしまして、そして鉄道業の趨勢はどうか、今後どういう指導をしたらよいかということを検討をするというのが、ただいま申し上げました営業外収支の配賦でございます。  そういうことでございまして、そういう前提に立った私どもの配賦のやり方に従いますと、ただいま申しましたような数字になる、こういうことでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 政府の計算と、それから私どもの計算、企業の報告その他をあさってやったんですが、それとは食い違っているということですが、実際は、この政府のほうは、これはめちゃくちゃなことだと思いますが、四百四十九億の中の三百九億ですから、あと鉄軌道部門以外のところへ百四十億残るというだけですね、この支払い利子の配分は。鉄軌道部門については、三百九億、あと全部の、鉄軌道部門をのけた全事業で百四十億ということになるわけですから、その利子の配賦の問題だけでも、鉄軌道部門にいかに多く配賦するということになっているか、これだけ鉄軌道部門に配賦すれば、それだけ赤字になるわけです。ですから、そういうことが非常に不当でありますから、各社の配賦にいたしましても、実際は、二百六十二億というけれども、これは非常にインチキがあると私どもは考えている。  というのは、先ほどおっしゃったように、私も言ったのですが、やはり固定資産というのはこの場合にはかなり大きな意味を持ちます。鉄道部門の固定資産、その他の部門の固定資産、あるいは土地部門の固定資産というふうな、固定資産がかなり大きな配分についての要因になるわけですが、さっき申しました、現在私鉄が十四社で持っております土地の評価価額、これがでたらめな評価価額なんですな。どれくらいひどいかといいますと、ちょっとなにしてみましょうか、こう言っているのですよ。この評価価額の基礎になっているのは、買った原価と登記代と整地代ですな。これが帳簿上の固定資産としての持っている土地の評価価額の基礎になっている。そこで、どういうことになっているかといいますと、西武の例によりますと、一平方メートル百六十五円、それから、これは京浜だと思いますが、三浦地区が一平方メートル三百五十三円、これが房州地区になりますと、千十九円ということになっております。もちろん、これは極端な例かもしれませんけれども、いずれにしましても、時価でないことは明らかだと思うのですね。これをほんとうに時価で評価すれば、こんなことじゃない。こういう意味で評価したものを基礎にして、その支払い利子の配分をやっている。こっちが少なくなるのはあたりまえですよ。支払い利子のほとんどの部分を鉄道部門に持っていくというからくりがあるのですね。この点はやはりはっきり皆さんが調査して、こういう不当なことをやらしちゃならぬということをはっきりさせる必要がある。  これは私が言っているのじゃなくて、これはどなたか知りませんが、経済企画庁物価政策課の西村さんという方がいらっしゃいますな。彼は、こういう「公共料金をめぐる諸問題」という本を書いています。その中で、この配分の不当性についてこう言っていますよ。これは東急の場合を例にあげている。「正味営業外損失率のかけ離れて高い東急について、その企業内容を検討する」ということを言っておりますが、「私鉄統計年報によると、営業外収入二十一億七千万円、営業外支出五十一億七千万円、差引損失三十億円となっている。これに対し、兼業部門を含めた全事業の営業外収支は、有価証券報告書によると、営業外収入二十六億九千七百万円、営業外支出六十三億四千四百万円、差引損失三十六億四千七百万円となっており、総額三十六億四千七百万円のうち、三十億(八二%)が鉄軌道部門のコストとして配賦されている」こういう不当なことがなされていると、これはあなた方政府部内の一人が書いている。こういうことをやりますから、それは鉄道部門は赤字ということになります。そこらは調べましたか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 ただいまのお示しの資料につきましては拝見しておりませんけれども、先ほど先生おっしゃいましたが、三百何億の利子というのは不当に鉄道にかけておるじゃないかという問題につきましては、これは、先ほど申し上げました専属営業固定資産の割合によりまして鉄軌道部門を算出をいたしました結果がそうなるということでございまして、決して恣意的にそういうことをやっておるわけではございません。計算上の数字でございます。  それからなお、第二の問題は、その場合の簿価の問題であろうかと思います。結局、鉄道用地等は非常に古い時代に買ったものでございますから、したがって、当然原価は安かったわけでございまして、その簿価をいま修正しないでやっているということのために、固定資産の価額が安く出てくるという問題であろうかと思います。ただ、この場合には、鉄道のほうの簿価の安いということは、鉄道に配賦される利子の配賦が少なくなるというふうに作用するわけでございまして、私ども、そういう簿価によったところの基準というものが必ずしも鉄道業に有利といいますか、鉄道業の赤字をふやすという作用をしておるというふうには、実は考えておらないわけでございます。  鉄道の簿価というのは、買った当時の簿価というものから、ただいま先生御指摘のような、若干の登記の費用だとか、その後の若干の値上がりということを見込んでおりますけれども、原則としてはあまり大きな評価がえというものはやってない。資産再評価はやっておると思いますが、それ以外にはやってないということになりますと、それは比較的低く出てくる。低く出てくれば、それはその鉄道の用地に対する費用分担、支払い利子の分担というものが低くあらわれるということになるわけでございまして、決して、鉄道によけいの費用を負担させるという性格のものではないのではないか、このように考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 あなたは誤解していますよ。私は鉄道部門の用地のことを言っているのじゃないのです。鉄道部門以外の不動産部門が商品として持っている土地、そのことを言っているのです。その土地の全体の評価価額は、ここにはっきりしたあれを持っておりますが、四十四年には二千五百十五億三千百万円、これは売る商品の土地ですよ。これがいま言ったような評価価額でこれをやっているのですね。ほんとうは、さっき申しましたように一平米百六十何円ということを、これは全体としてそういうことをやっていますね。会社によっては、地域によって変えているところもあります。とにかく非常に安くて、その評価価額の計算の基礎になっているのは原価と——買った値段ですな、それに登記料と整地した分、これだけです。だから、一がいに言えぬということは、私はさっきも言っていますね。安いところもあるだろう。高いところもあるだろう。しかし、一応こうして出しているのはそういう計算のしかたでやっておる。ところが時価は違います。何倍か何十倍かしている。これはわかるでしょう。そういう評価でなしにやっておいても、なおかつこれだけ持っているんだね。これを基礎にして——これは土地だけじゃありませんわな、鉄道部門以外の資産といいますと。土地だけじゃありませんよ。土地問題だけを考えましても、土地部門だけを考えましても、支払い利子の配分は不当に安いということです。あなた方でいえば、四百四十九億か支払い利子があるうち、三百九億これはあなた方の計算なんだ。これは実行してないと思います。企業自体が実行しているのは、私が言っているように、二百何十億。これ自体が私どもは間違いだと言いたいわけですけれども、いずれにしましても、利子負担が鉄道部門に不当に高くなっておる、いろいろな操作で。だから、鉄道部門は赤字になるのはあたりまえですよ。そこらまで突っ込めませんと、私鉄のやっているインチキが——これは先ほどもお話がありましたが、幾つかの内容の変わった決算報告書を持っておるそうだ。税務署用、政府用、料金値上げ用、株主用と持っているらしいですな。そこらまで突っ込んで調べて——これは総理の言い方じゃないだろうか。あなた方調べると言うが、調べる気はないのか。ここのところにメスを入れなければほんとうにだめだということです。鉄道部門は赤字だ赤字だと、企業の言うとおりあなた方は言っておる。これは一つの問題だと思う。これはどうですか。そういうふうに考えられませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口説明員 鉄道部門が赤字だというのは、私どものほうとして、先ほど考えましたような計算基準によりますと赤字になるということを申し上げてございまして、企業がこのとおり赤字であるとかなんとかいうことではございません。私どもの試算によれば赤字だということを申し上げておるわけでございます。  それから、土地につきまして、これを全部評価がえをして、評価益を考えてやったらいいじゃないかということも考えられるわけでございますけれども、鉄道事業の用に供する固定資産をはじめ、その他販売用土地にいたしましても非常に膨大なものでございまして、これを評価がえをいたしまして、それによって費用の計算をするというようなことは、実際問題として非常に困難なことではないかと私ども考えるわけでございまして、現段階ではやはり帳簿価額というもので、これの配賦をする。かりに不動産業が利益が生ずるということならば、それは帳簿価額と売価の間で今後収益が出てくるということであろうかと思うわけでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 時間がありませんから——ほんとうはもう少しこの点突っ込みたいのです。  政府が計算している利子の鉄道部門の負担分と、企業が実際やっている分と違っているのですよ。百億も違っている。私の言っているのは、企業のやっているのは政府の計算よりも低いけれども、それでもなおこういう考え方をすれば、つまり、土地部門で保有して商品として持っている土地の評価は安いから、これを正当な評価をすればもっとここへかからなければならない。ところがそうでないのだという状況にあると、私は指摘しているわけです。だから、この結論は、つまりこういう操作でもって鉄道部門へ利子を負担させることを多くしている。これは政府の人もそう言っているのだ。これは公刊物でしょう。政府の役人でしょう。それがはっきりそう言っているのだからね。ここには、三十何億のうち三十億まで東急は鉄道部門にやっている、これは不当だといっている。ここを認めぬことには、ここまでメスを入れぬことには、鉄道部門が赤字になっているといっても、国民は承知しない。これが一点です。まだいろいろありますけれども、先へ進みます。  それは各種引き当て金の操作、これなんかも私ども納得できないのです。このうち特に退職手当引き当て金というものは、実に膨大なものですね。これは御承知のとおり、二十七年ですか、税制改正で、退職手当引き当て金の積み立てにつきましては、大体大ざっぱな言い方をすれば、全従業員の半分首を切ってもやれるというところまで積み立ててよろしいということになっている。それに基づいてやっているので、現在では相当なものになっている。これは蓄積総額、十四社で、現在六百三十三億三千九百万円ですね。退職手当引き当て金、こんなもの要らぬです。半分首切る必要はありませんからね。これはやっぱり経費で落とされる。これは鉄道部門ですよ。こういう点ですが、むちゃな引き当て金の積み立てをやって、そして収入が減ったように帳簿上操作をするというやり方をやっている。  まだたくさんありますけれども、この二つを見ただけでも、利子の配分の問題この不公正、それからこんな非常にばく大な、いわば税金のがれのために経費で落としていくというような退職手当引き当て金として残していく、こんなことをやっていて、これを黙っておる手はないですよ。交通地獄でたいへんなんですよ。それを解決するかどうかの問題でしょう。これだけ金を持って、これだけインチキをやっている会社にメスを入れて、ここらははき出させる——と言うことばは単純だが、実際やる場合には、いろいろ行政上もちゃんとしたやり方をやらなければならぬと思いますけれども、しかし、これにメスを入れる態度が政府になかったら、それなしに料金を上げろということだけをやっておってもしようがない。だから、私鉄の鉄道部門が赤字なんという、そんなことをあなた方は言っているけれども、国民だれもほんとうにしていない。赤字でない。操作された、つくられた赤字である。みな隠匿したり、かってなところに使ったり、私鉄は鉄道部門から取ってきている。ここへメスを入れなければだめだというのが共産党の主張です。これはおそらく国民も大賛成だと思う。総理のおっしゃったのはそんなことじゃない。これはいろいろありますが、言えません。次にやります。  だから、こういう点がありますから、やはり私鉄問題については、ほんとうに徹底的に企業の実態をもっと調べてみる。そこから出発しなければ——単純な形で、会社が言ってきたからといって料金を上げる。あなた方、審議会にいろいろな諮問をしておりますけれども、こんなものは形式でありまして、さっきも話がありましたが、国民はだれもそんなものは信用しておらぬ。だから、どうすべきかという国民の声を背景にしたそういう行政指導をやる必要があるということです。これを私は強調しておきたい。  それから、私鉄の問題でもう一つ重要なことがありますが、これは大金融資本との関係。これは株をどっさり持っている。金は貸している。今度の五カ年計画の資金繰りでも、二千何百億借金して、そして二千億の利子を払う計画です。二千億の利子を払って、二千何百億借りるということですね。そんなことをやっておる。これは大独占的な金融資本に支配されておる。食いものになっておる。その問題はありますが、これは別に次にやります。  私は、以上申し上げまして、委員長、どうも時間をとりましたが、赤字はつくられておるから、そんな簡単なことで、鉄道部門が赤字だということを政府が率先して言うばかなことはないということを、ここで強調して申し上げておきたいと思います。  以上であります。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員長代理 本日は、これにて散会いたします    午後三時三十二分散会      ————◇—————

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