物価問題等に関する特別委員会 第12号
- 発言数
- 232 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/24
会議録
○松平委員長 これより会議を開きます。 物価問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
○武部委員 きのう砂田議員のほうから、附帯決議の具体的な実施状況についていろいろお話がございました。私どもも、そういう点でたくさんの問題をかかえておりますが、きょう同僚議員も、あと三人ばかり予定があるようでございますので、できるだけ簡潔に質問をいたしますから、要点をひとつ要領よく御答弁をいただきたいのであります。 きょう最初にお伺いをいたしたいのは、残留農薬の問題について、私どもは前の委員会で、この許容基準についていろいろ論議を行なったのであります。当面問題になっておるBHCの問題、この問題は、昨日他の委員会で取り上げられたようでありまして、私はきょう新聞を見て、その内容を知ったのであります。当面この牛乳に残留するBHCの問題は、事が牛乳だけに、きわめて大きな影響を持っております。したがいまして、残留農薬の問題を、このBHCに限ってひとつ御質問を申し上げますので、お答えをいただきたいのであります。 前回の論議の中で、この農薬の使用が、日本は単位面積当たり世界一であるという答弁がございました。当時四品目、五農薬について許容限度をきめたということで、その後追加をして、この品目あるいは農薬について許容限度をきめたということも聞いておりますが、四十三年五月十五日の参議院の物価等対策特別委員会で、厚生省は、四十五ほどの食品を四十六年までにすべて調査をして、約三十五程度の農薬の残留量を決定したい、こういう答弁をいたしておりますが、この残留農薬の許容限度をきめる作業は現在どの程度進んでおるのか、現在までに許容限度を決定をした品目及び農薬の種類は幾らになるのか、最初にそれをお伺いしたいと思います。
○金光政府委員 食品の中の残留許容量の設定につきましては、昭和三十九年度から作業を進めてまいっておりまして、昭和四十三年度、昭和四十四年度で、十二品目につきまして許容量を設定いたしました。このうちで、夏ミカンが皮と実と二つに分かれておりますので、これを区別いたしますと十三品目ということになります。 それで、農薬といたしましては、砒素、鉛、BHC、DDT、パラチオン、ディルドリン――これはアルドリンも含みます。エンドリン、こういったものにつきまして規制をいたしております。 それから、品目につきましては、キュウリ、トマト、ブドウ、リンゴ、キャベツ、日本茶、イチゴ、夏ミカンの皮と実、それから日本ナシ、バレイショ、ホウレンソウ、桃といった品目でございます。 たとえばBHCにつきましては、残留許容量〇・五PPMというのが、全部の食品につきましてきめられております。それからエンドリンにつきましては、全部検出しないということにいたしております。ディルドリン等につきましても、大半が検出しないということで決定されております。イチゴ、キュウリ、トマト、キャベツにつきましては、〇・二PPMを認めることにいたします。 そういうことでございまして、現在もなお引き続き、許容量の設定につきまして作業を進めておりまして、今後の予定としましては、全部いままでのを含めまして四十八品目を対象といたしまして許容量をきめたい、さらに、農薬の種類につきましても、必要に応じましてふやしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○武部委員 順次作業が進んでいることはよくわかります。 そこで、具体的にこのBHCについてお伺いをいたすわけでありますが、他の委員会でどういう質疑がいたされたか知りませんが、この間、厚生省が、全国の都道府県のある特定の地域に限ってお調べになった検査の結果の表を、一覧表として私ここに持っておりますが、このBHCのアルファ、べータ、ガンマ、デルタのこの四種類のうちで一番問題になるのは何だ、こういうふうにお思いでしょうか。この四つのうちで一番重要な問題はどれだろうか、厚生省としてはどう思っておるでしょうか。
○金光政府委員 四つのうちで問題になりますのは、やはり人体に残存すると申しますか、蓄積いたしまして障害を起こすということが問題になるわけでございまして、そういう意味でべータBHCが一番問題として考えなければならぬというように考えております。
○武部委員 お答えのように、このべータは分解が非常におそい。そういう面で、むしろガンマよりもこのほうを重要視しなければならぬということはわかりますが、この調査の中で、大阪のべータというのは最低が〇・〇三三、最高二・六八と、高低が非常にひどいのであります。ほかの地域をとってみましても高低はひどいのですが、特に岡山も、最低が〇・〇〇九、最高〇・二三六で、高低が非常にひどいのですが、この原因は――原因といいますよりも、この調査の結果、平均が当然出てくるわけですが、この理由はどういうことでしょうか。
○金光政府委員 数値におきまして非常に差があるわけでございますが、これにつきましては、一つの県内におきましても、地域によりましていろいろと差があるということでございます。それからもう一つには、同じ農家からの搾乳のなま乳につきましても、飼料等の関係、その他の関係もあるいはいろいろあるかと思うのでございますが、非常に格差が大きいということでございます。 そういうことでございますから、ここに出ております高い数値は、これが非常に多いのだという意味でなく、格差が多いということを御了解いただきたいと思います。
○武部委員 そういたしますと、このBHCが牛乳の中に残存しておるということについては、これはたいへん困ったことなんです。先を急ぐので結論だけお聞きしたいわけですが、どうも厚生省と農林省との意見が食い違っておる。農林大臣の談話をここへいただきましたが、心配するなという程度のことしかないわけです。心配するなと言っても、あれだけ問題になって書き立てられれば、心配するわけです。一体厚生省は、農林省とどういう連携をとりながらこのBHCの汚染の問題を解決しようとしておるのか、このことについてお伺いをいたしたいのであります。 結論から言うと、厚生省と農林省で、この牛乳汚染のBHCを今後どうして取り除こうとしておるのか、その対策はどういう方法を考えておるのか、これをお聞きしたい。
○斉藤説明員 ただいまの先生のお話でございますが、農林省といたしましては、先生お手元にお持ちの農林大臣談話にございますように、今回の厚生省の食品衛生調査会によって見解が発表されましたところの、「いま直ちに危険であるとは考えがたいが、このままの状態が長期間続く場合は、保健上支障を来たすおそれがある。」しかし、今後とも「早急に牛乳中のBHCの汚染を減ずることを強く要望する。」、この調査会の意見並びに要望というものを受けまして、従来から、その二番に書いてございますように、都道府県、生産者、乳業者団体等に対し稲わら使用の規制、牧草、飼料作物や畜舎内におけるBHCの使用禁止、あるいは、稲作に対する使用の規制等について強力に指導し、その残留量の減少につとめてまいったわけでございます。さらに代替飼料に対する措置等も講じてきたところでございますが、この申し入れによりまして、さらにこの措置を強力に、全関係の組織をあげて急速に農家に浸透させる、こういうことの努力をこれから詰めてまいりたい、こういうことでございます。 さらに、その次に述べてございますように、時期的な問題がございまして、この調査がされました時点というのは――現在の段階になりますと、牧草、飼料作物、野草等も十分に給与できる時期に変わってまいっておりますので、現時点におきますところのBHCの残留量というのは、すでに漸次減少しつつあるものと考えるわけでございますが、さらに厚生省とも連絡をとりまして、従来からとってまいりました措置を強力に進めて、その効果を一々確かめながらさらに強力にやっていく、こういうことで対処してまいろうと考えたわけでございます。
○武部委員 農林省は、BHCの製造の全面禁止を決定したわけですか。その点はどうですか。BHCの全面製造禁止、そういうふうになったのですか。
○遠藤説明員 お答えいたします。 BHC原体の製造を私ども禁止をしたわけではございませんで、業界のほうへ私どもからもお願いをいたしたわけでございますが、業界のほうで、新しく原体をつくることを自粛したという形でございます。
○武部委員 自粛を要請した、それに業界が応じた。そういたしますと、BHCの製造の全面禁止ということは法令上できないのですか。
○遠藤説明員 ただいまの農薬取締法でございますと、法令に基づいて禁止という措置は規定にございません。ただ、登録取り消しができます場合は、法に違反したことをやった場合以外は取り消しができないものでございますから、そういうことにしたわけでございます。
○武部委員 先進諸国ではBHCの製造禁止をしておるというふうに聞いておりますが、そういうことはございませんか。
○遠藤説明員 全部は私どもも承知いたしておりませんが、私ども調査して把握しております限りでは、どこの国も、法令等によって製造禁止を命じたところはございませんで、やはり同じ形で自粛をさせているようでございます。
○武部委員 いろいろお聞きしたわけですが、問題は、BHCが土壌の中に残留しておる。こうなってくると、来年再びそのものが、稲わらにまじって出てくるということは当然考えられるわけです。使用が若干でも少なくなっていけば、これは減ることはわかりますが、土壌の中にそれがある以上、出てくることも当然です。きのうの新聞を見ると、何か宮崎県では、BHCが牧場に降ったとか降らぬとかいうような記事さえ出ておるわけです。もちろん、BHCが森林の駆除とかその他に使われているということもわかります。しかしながら、今日、この表に見られますとおり、これはほとんど西日本で、この数字から見ますと、WHOの許容量の数百倍ぐらい。これは高温多湿というような地質上、BHCが使われておるということにもなると思うのですが、いずれにしても、いまの日本の酪農農家が稲わらを飼料として使っておるのは、値段の上からいっても当然だと思うのです。そういう点で、いま使用するなということを農家に言うことは、私はちょっと酷だと思うのです。しかし、そうは言っても、このBHCによって牛乳が汚染されているということになれば、これまた大問題である。 そこで、本来ならば、稲わらにかわるべき安い飼料が酪農農家に配給されるということになれば、これはまことにけっこうなことなんですが、将来、こういうような問題点、いわゆる牛の飼料として何か新しい飼料を考えていかなければならぬのじゃないかと思いますが、農林省の見解も、この際承っておきたいのであります。 いま一つは、きのうだったと思いますが、新聞に座談会の記事が載っておりました。これは非常に時宜に適した座談会だと思うのですが、環境衛生局長、畜産局長、メーカーの研究所長、国立衛生試験所の所長さんもおいでになったと思います。 私はあれをずっと読ませていただいて、また、きょうの新聞の記事等を見て、実はちょっと意外に思ったので、ひとつ質問させていただくわけですが、あの記事を読んでおりますと、牛乳からBHCを取り除くことは不可能だということを、これは研究所の方が言っていらっしゃる。そうして、とにかく稲わらの使用を禁止する、あるいは、BHCが稲わらに残留しないような方法をとる。さっきお述べになったような農林大臣の談話なり、あの座談会の記事からは、そういう方法しかあり得ないというように私はとったわけです。 ところが、きのう、社会労働委員会で、厚生大臣は、「牛乳中のBHC残留許容基準を早急に決めることにした」という答弁がなされたという新聞報道がありますね。なるほど、その残留許容基準が牛乳の場合にこれこれだということをきめることは、たやすいことでしょう。できるかもしれません。問題は、その実効がどうなるかということなんですね。これは私が申し上げるまでもないことであって、皆さんの御答弁によれば、あるいはこの調査によれば、農家一戸一戸のBHCの量が全部違います。それから毎日違う。また、牛ごとによって違う。そういうような内容を持っておる牛乳という特殊な飲料に、残留許容基準をつくって一体実効があがるだろうか。許容基準をつくったって、それは一体どういうことになるのか。たったこれだけの記事ですけれども、読んでみて、なるほど、国会の答弁としては、残留許容基準をつくるんだから心配するなということに受け取れるかもしれませんが、一体これはどんな効果をあげるんでしょうか。どれをもって残留許容基準を検査できますか。私は非常に疑問に思うのですが、これはほんとうの素朴な疑問ですから。これは、一体どういうことでしょうか、実効があがるとお考えでしょうか。
○金光政府委員 実はBHCにつきましては、安全許容量というものも、ガンマBHCにつきましてはWHO、FAOでできておるということでございますが、ベータBHCについては、現在世界的にないわけでございます。そういうことで、日本におきましてこのベータBHCが問題になっておりますので、その安全許容量を設定しまして、その上に立って残留許容量というものも考えて設定をしていこうという、将来に向かっての方向を大臣は御説明されたわけでございます。いまこれをきめまして直ちに効果があがるという問題じゃないわけでございまして、今後の問題としての考え方を述べられたわけです。
○武部委員 その考え方はわかりますよ。わかりますが、牛乳に残留許容量をきめて、一体それは実効があがりますか。あなたは専門家ですが、私はそれがわからぬから聞きたいのです。どうしてこれを、許容量の基準をどこで検査するんですか。だれが一体どこで検査するのですか。毎日工場へどんどん、こっちからもあっちからも、違ったのが入ってきますね。BHCの内容はみんな違っておるのですから、そのものが工場へ入ってきて、牛乳になって出てくるのですよ。これはどこでやるのですか。メーカーのところででもやるのですか。これは毎日毎日違うのです。一頭一頭違うのです。農家一戸一戸、みんな違うのですよ。それが入ってきて、検査するといったって、安全の基準をきめたって、どこでその検査をして、これが違反であるとか違反でないとかということをきめられますか。これはどうでしょう。
○金光政府委員 残留許容量でございますが、農家におきましても一日一日で違うという問題がございますけれども、これはやはりほかの食物でも同じでございまして、ほかの食物の残留許容量も含めて言っておるわけでございます。そういうような考え方でございますので、将来におきまして、これは農林省とも相談をしながら残留許容量をきめ、それと関連いたしまして、このBHCといいますか、農薬の使用量もきめていく、こういう考え方で進んでまいりたい、かように考えております。
○武部委員 私は、厚生大臣がこういういいかげんなことを言って、当面のBHC問題を逃げようなんという気があるから問題にしておるのですよ。こんなことで問題は片づくはずはないのですよ。毎日毎日飲むでしょう。これは長く置いておけないでしょう。飲んでしまって、あとになって、あれはBHCが残留許容基準を上回っているといったって、とにかくおなかの中に入っちゃっていますよ。そういうような問題ではないのです。それよりも事前にもっと、BHCを全面的に禁止するとか、あるいはその使用を何とかしてとめて、そのものが牛乳に入らぬようなことを考えるべきですよ。しばらくあとになって、こんなことを百万べんたらたら言ったって何にもならない。私はそれを言いたいのです。ですから、国会の答弁で、許容基準をきめるから、国民の皆さん安心してくださいと言ったって、それは通りませんよ。それを私は言いたかったのです。大臣がそういう答弁をされて、あなたも将来のことだとおっしゃるし、ほかの許容基準とも関係がございますから――それも、なるほど一理ありますよ。一理あるが、当面の問題にはならぬということです。 この際、もう一つお聞きしたいのは、あなたが言っておった記事を読みますと、当面は問題はないんだ、このくらいのことでは問題じゃないんだということをおっしゃっておるが、長期間続くと問題だとおっしゃっておる。その長期間続くというのは、一体どの程度の期間なんですか。 それから、これは農林大臣の談話にもありますが、いま直ちに危険ではないが、このままの状態が長期間続く――これはあなたのおっしゃるのと同じことですね。長期間続く場合は保健上支障を来たすおそれがある。このBHCは、どの程度の期間牛乳を飲んだならば、保健上どういう支障を来たすのか、これはからだにどういう影響があるのか、それをひとつお伺いしたい。
○金光政府委員 BHCの健康上に対する影響でございますが、これは、まず肝臓等に対します肝臓障害と申しますか、それが一番中心になると思うのでございます。 それで、長期間使うと健康上支障を来たすおそれがある、こういう表現でございますが、調査会の中の御意見といたしましては、現在日本の国民にBHCという有機塩素系の農薬による障害は起きてないということでございます。これは、他の病気でなくなられた方のいろいろな調査によりまして、そういう実態がわかっておるわけでございます。そういう状態でございます。 それから、現在牛乳の中に含まれております量が一番高い数値をとりますと、かりに乳幼児が一日に一リットル摂取いたしますと、WHO、FA OできめておりますガンマBHCの一日の安全許容量、それからベータBHCを推定いたしまして計算をいたしますと、やはり若干上回っておるということでございます。これは最高値をとった場合のことでございます。それで、現在国立衛生試験所でサルの実験をいたしておりまして、三カ月間の実験結果が出たわけでございますが、その結果から考えますと、現在の牛乳の中に含有されておりますBHCの最高値をとりましても、このサルの実験からいいますと安全量と大体すれすれ、やや多いかという程度でございます。 そういうことでございますから、この研究はもう少し続けてみないと結論は出ませんが、大体の傾向としてはそういう状態でございますので、現在の段階では心配ない。これを二年も三年も続けていくということになれば、やはりそこに問題が生ずるおそれもあろう、かような考え方でございます。したがいまして、ここ数カ月間、半年間でどうこうという問題ではない、私はさように判断いたしております。
○武部委員 もう二つ、三つですが、この全国の各地方の調査では、BHCだけ検査しておるようですが、BHCよりも毒性の強い例のディルドリン、これの検査は今回はしなかったのですか。
○金光政府委員 ディルドリンのほうは全国的にやっておりません。地域によってはやっておりますけれども、全国的な調査ではいま対象にいたしておりません。
○武部委員 地域によってはやっておるとおっしゃったわけですが、このディルドリンの検出で、試験の結果それが出ましたか。
○金光政府委員 高知県の衛生研究所で調べた結果は出ております。高知県は、ディルドリンの使用量が従来多かったわけでございまして、そういうことで、現在は使用を規制しまして、ディルドリンの減少対策を進めております。
○武部委員 そういたしますと、このことは、先ほど申し上げるように各委員会でおやりになっておるようでして、それぞれ対策が立てられつつありますから、いずれ私どもの同僚議員からも質問がありますので、この問題はこれでおきますが、一年間のBHCの国内生産量、あるいは、自粛になってからメーカーの在庫品等はどういうふうになっておるか。これは各農家が買い込んでいるところまで調べるわけにいきませんでしょうが、大体BHCの一年間の国内生産量はどのくらいなのか、メーカーの在庫量等がわかっておれば、お知らせいただきたい。
○遠藤説明員 いままでの年間生産量は、BHCは、ガンマBHC原体換算にいたしまして五千九百トンくらいでございます。それで、ただいま在庫がございますのは、同じくガンマBHC換算で二千五百トンくらいでございます。
○武部委員 わかりました。牛乳はこれだけにします。 環境衛生局長、あなたにはえらく申しわけないのだけれども、きょうで六回目ですが、実はきょうで終わりたいんです、このコーラ問題は。そこで、ひとつ明快な御答弁をいただきたいと思います。 私は、しつこく、過去五回にわたって、このコーラ飲料の内容の問題についてお尋ねをいたしたわけでありますが、最初に外資法違反の問題を私どもから提起をいたしまして、始末書をとってこれを処理をした、こういう答弁がございました。公取もそのように始末書をとった、こういう答弁をいただいたわけであります。この外資法違反で無届けであったものが、ここの国会で取り上げられたとたんに、そういう届け出をして始末書をとって済んだ。 引き続いて、次の技術援助契約の更新の認可の申請書を出された。それを農林省は受け取って、直ちにこれを認可しておる。こういうふうに私は承知をいたしておるのでありますが、外資法違反のこの技術契約の認可申請書の中にある、具体的なコーラ飲料の内容について問いただしましたところ、知らぬ、全然わからぬということでありました。何にも知らずにこれを許可するのかと言ったところが、いや、実はわからなかったという答弁で終わったわけですが、今度あらためて契約の変更の認可申請書が出たわけです。この内容について調べた結果それを認可されたのかどうか、これを農林省にお伺いしたい。
○小暮政府委員 四十四年九月に日本コカ・コーラ株式会社と外国投資家であるザ・コカ・コーラ・カンパニーから契約更新をしたい旨の申し出がございましたので、その内容を審査するにあたりまして、原料及び添加物について、次のように事情を聴取いたしております。 主原料は砂糖、炭酸ガス、カラメル、天然のカフェイン、燐酸及び調合香料である。添加物として燐酸を使用している。調合香料は植物から採取した天然のものである。甘味料は砂糖のみであるということでございました。
○武部委員 ようやくわかったわけです。いまお答えになったように、香料植物、燐酸、カフェイン、カラメル、炭酸、砂糖、これがコーラ飲料の原料である、こういうことがわかったわけです。 そこで、厚生省にお伺いをいたしますが、私がこの問題について、コーラ飲料の内容について分析をしたことがあるかということについては、いままでなかった。そこで、早急に国立衛生試験所に試験を依頼するという答弁でございまして、結果的には半年かかったわけです。この試験分析の依頼は、四十四年七月五日に依頼をして、四十五年一月十日、この試験結果の受理をいたしておりますから、約半年かかっておる。本来この分析というようなものは、私も聞いてみましたが、では二、三週間でできるのです。それを半年もかかってこの結果が出てきたわけですが、まあ済んでしまったことはとやかく言いませんが、この内容を見ると、コカ・コーラその他の試験結果と、こういうふうになっておるのです。私は、コカ・コーラを取り上げて試験分析を依頼したわけじゃないのです。コーラ飲料を取り上げておるわけでして、何もコカ・コーラだけ取り上げておるんじゃない。ペプシもあるわけです。そういう面で、なぜコカ・コーラだけをおとりになったかということについて、私も疑問に思うのです。なぜコーラ飲料全般についての試験結果を発表にならぬのか、この点がまず第一疑問に思います。 それから、この分析結果によりますと、非常に複雑でちょっとわかりません。あるものはパーセンテージ、あるものは全然パーセントを書かずに数字だけ書いてあるというようなことで、これは専門家がおやりになるんでしょうからこういうことになるのかもしれませんけれども、私どもが見たら、何のことやらてんでわかりません。 そこで、一つ一つのことについてお伺いする時間がございませんから、私はまず燐のことについてお伺いいたしたいのであります。 私が当委員会で取り上げました一つの重要な課題は、燐酸とカルシウムのバランスの問題であります。一体コーラ飲料の中に燐がどの程度入っておるか、こういう点と、カルシウムがどの程度含有されておるかということの試験結果の報告を受けたわけですが、よくわかりませんので、私のほうから逆に、具体的にお尋ねいたします。 まず、この結果によりますと、燐に換算いたしまして〇・〇二七、カルシウム〇・〇〇六ないし〇・〇〇八、これが国立衛生試験所の、皆さんからお出しいただいたこの資料の数字になるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○金光政府委員 燐に換算いたしますと〇・〇一九三から〇・〇一九六%ということでございます。それから、カルシウムにつきましては〇・〇〇八から〇・〇〇一七%ということでございます。
○武部委員 私の数字と若干違うようですが、私のほうも専門家にこれを調べてもらったんで、あなたのほうからお出しいただいた国立衛生試験所のこの資料を具体的に燐に直してみますと〇・〇二七、カルシウムが〇・〇〇六から〇・〇〇八、こういうことになるんです。大体いまお述べになったのを聞いておりますと、カルシウム一に対して燐が三ないし三・五程度のことになりますが、間違いありませんね。
○金光政府委員 先生のほうの数字でまいりますとそういうことですけれども、私の申し上げましたいまの数字でまいりますと十一対一というような数字でございます。 それで、実はこれは、従来私どもが計算しておりました数字と少し開きがありますので、再三検討してみたわけなんでございますが、いまのところでは、私が考えますのに、どうもカルシウムの量というものが不同である。必ずしも一定してない。これは他の物質の中に含有されておるものが出てまいりますので、そういう関係で、カルシウムというものがどうも不同であるというように考えます。そういうことで、今回の成績では燐とカルシウムのバランスといいますか、十一対一という数字が出ているわけです。従来私どもが参考にいたしました医療研究所等で調べた結果によりますと、カルシウムがもっと多いわけなんでございます。そういうようなことで、そこに差が出ているのじゃないか、かように考えております。
○武部委員 いまあなたのおっしゃったのを聞くと、カルシウム一に対して燐が十一ということですね。これちょっとひどいのですが、これはとり方によってカルシウムが少し少ないというふうなこともおっしゃったわけですから、大体カルシウムが一に対して燐が三・五ないし三というようなことになりはしないか、まあそれはいいです。 このくらいカルシウムと燐とのバランスが、コーラ飲料の中では違うのですよ。少なくともカルシウムと燐のバランスの許容限度というのは一対二ですよ。あなたがおっしゃっておったとおりです。一対二くらいのものがほとんど正常なバランスだとおっしゃっておった。 そこで、私はお伺いしたいのですが、ここに「食品にっぽん」という雑誌がございますが、この「食品にっぽん」という雑誌に、日本コカ・コーラの宣伝部長だかなんだか、よく新聞に出る方ですが、この方がお話しになっておる記事が出まして、私これを読みました。これを読んだところが、こういうことをお話しになっている。 カルシウムと燐との比率が国会で問題になった。そこで「コカ・コーラの場合のバランスはどうかというと、カルシウム一に対してリンはわずかに一・一なんですね。ですからバランスからいったら、コカ・コーラはむしろ理想に近いもの」だ、こうコーラ会社の人は言っておるのです。そして、そのあとに「国会でも事前によく調査をしたり、学識経験者の意見を十分に聞いてから色々な問題を討議してほしいと思いますね。一企業の浮沈にかかわる」問題だ、こういうことを言っておるのですよ。 国会が企業に対して妨害をしておるようなことを言っておる。一対一・二だ、理想のバランスのとれた飲料だと言って、堂々と発表しておる。いまあなたのおっしゃったのは十一対一なんですよ。こんなばかげたことを言って、国会でよくも調査もせずに、こんなことを言っていい迷惑だ、こういうことを堂々と言っておる。私は全くけしからぬと思う。こんなばかげたうそを言って、コカ・コーラはいかにも燐とカルシウムのバランスがとれた理想的な飲みものだと、こんなばかげたことを、こういうところに堂々と述べておる。あなたのほうの資料あるいは答弁と全く食い違う。これはこのぐらいにしておきましょう。書いてあることを言ったのですから。 そこで、いま農林省からお述べになった原料ですね。そのこともここに書いてある。「原液はほとんど日本で製造しております。原料のほんの一部は日本で調達できないのでアメリカから輸入しています。これは日本ではとれない植物から抽出するもので、精製された植物油です。」これは先ほど農林省がお答えになったあの内容だと思うのです。そこで厚生省にお伺いしたいのは、私が昨年この問題を取り上げるまで、あなたのほうは、コカ・コーラの内容というものは全然わからぬとおっしゃっておった。だんだん調べられてようやくわかったけれども、いま農林省がお述べになったようなことすら、あなたのほうではわかっていなかった。そこで、この植物油のことや、あなた方の知らないという点について私はふしぎに思うので、もう一つお伺いいたします。 これは「女性自身」という雑誌から破ってきたのですが、ここで対談をしております。これは主婦連の春野副会長と対談をしておるのです。この中でこういうことを言っておるのです。「材料もほとんど一〇〇パーセント、日本のものを使っているんだと、いいつづけてきた」、当然政府はわかっておるはずだ、こういうことを言っておるのですよ。これは四十四年の十月。内容も全部日本のものだということをずっと言い続けてきたというのですよ。あなた方はようやく、去年われわれがこのことについておかしいじゃないかと言ったから、静岡のお茶からとっておるのだというようなことをおっしゃった。彼らはもうすでに、そういうことを堂々とあなた方に言っておるはずなんです。それをいまごろになって、内容をとやかく言うのはおかしいということを言っておるんですよ。 そこで私は、先ほど農林省がお述べになった植物油とは一体何か、こういう点を問いただしたいのですが、精製された植物油とは一体何でしょうか。
○小暮政府委員 その具体的な成分等につきましては、農林省では調査いたしておりません。
○武部委員 ここが問題なんです。少なくとも精製された植物油というならば、一体何という植物でどの部分の油か、このくらいのことはわかっておっていいはずなんですよ。また当然調査していいと思うのです。そこで、もし企業の秘密だというならば、そういう理由でこういうものの内容を明らかにしないとするならば、食品衛生法の上からいって、権限を放棄したことになりはしませんか。こうしたことは厚生省でわかりませんか。
○金光政府委員 この香料は二十数種類のものを使っておるということでございまして、これは天然のものであるわけでございますが、そういうことでございまして、私どもの立場では、毒性につきましては特別な問題はないと考えております。
○武部委員 そうしたら、お調べになったんですか。
○金光政府委員 特に調べてはおりません。
○武部委員 向こうの言ったことを、あなたはオウム返しに言っておられるんですよ。これは少なくとも清涼飲料水です。清涼飲料水として、いつかも申し上げたように、日本では一年間に三十億も売れておるのです。そういうものの内容が全然わからぬ、こういうことでは困るんです。ですから、向こうの言うなりにならないで、立ち入り検査でもして、それが有害でなければそれでいいんですよ。疑問だと思うからこそ私どもが質問をしておるので、おまえの言っていることは間違いで、こうこうしかじかで何にも問題ない、こうおっしゃればそれでけっこうなのです。なぜそれをお調べにならないで、向こうの言いなりになっておっしゃっているか、私はそれがふしぎだから、いままでしつこく言い続けてきたのです。 それから、いま一つ申し上げておきますが、ここに分析のカフェインの量が書いてあります。コーヒーからずっとコーラまで、あるいは抹茶、ほうじ茶までずっと書いてある。このカフェインの数字というものは現実にお調べになったんでしょうね。国立衛生試験所で、まさか文献からおとりになったわけじゃないと思うのですが、そうすると世界大百科事典の数字とだいぶ違うのですが、これは現実にお調べになってカフェインの量 は出したんですか。
○金光政府委員 これは現実に調べたものでございます。
○武部委員 そうすると、この世界大百科事典が間違っていることになるのです、数字が合わぬのですから。それはそれといたしましょう。 もう一つお伺いしたいのは、食品衛生法上からいいまして、このカフェインは天然物の抽出したものならば違法ではない、合成品ならばこれは違法だ、こういうことに答弁されましたね。そうすると、このコーラ会社が使っておるところのカフェインは合成か天然かということは、調べなければわかりませんね。結果的には、天然であろうと合成であろうと、出てきたものは同じものなんですから。これはお調べになってこういうことになっているのですか。
○金光政府委員 これはかつて御説明申し上げたことがあるかと思いますが、製造会社に立ち入りまして調査いたして、抽出物と確認しております。
○武部委員 立ち入り検査の結果、抽出物によるカフェインだということははっきりいたしましたね。間違いありませんか。
○金光政府委員 抽出物をつくっておる、これを販売しておるということは、一応確認したわけでございます。
○武部委員 抽出物をつくって販売をしておる、それは販売会社のことでしょう。コーラ会社が一体何を使っておるかということです。
○金光政府委員 販売と申しましたが、販売は取り消します。
○武部委員 これは製造しておるところが、あなたのおっしゃったことをやっているんですよ。しかし、そのものがコーラ会社のコーラ飲料に入っているという証拠はないのです。これはコーラ会社を調べなければわかりません。コーラ会社が抽出物を使っておるのか、合成のカフェインを使っておるのかということは、当該の工場に行って調べなければわからぬのです。これは日本においてたった二つしかないのですよ。二つの会社がそれをつくっておることは、これは認めますよ。これは抽出物でしょう。しかし、天然を使っておるか合成を使っておるかということは、コーラ会社に行ってみなければわかりませんでしょう。それはお調べになっていないでしょう。どうですか、これは。
○金光政府委員 その販売と申しますか、その工場からコーラ会社に手渡す関連の問題でございますが、コーラ会社そのものを直接確認はいたしておりませんけれども、コーラ会社の仕入れ先というような関連におきましては、まず間違いないだろうというように確認いたしております。
○武部委員 どうも、あまりはっきりいたしませんね。私はここが問題だと言うのですよ。少なくともカフェインというものは中枢神経刺激剤だということは、あなたもおっしゃるとおりだ。子供には悪いんだということも、おっしゃるとおりですね。そういうようなものが、何らの標示もされずに清涼飲料水の中に入って、それを幼児も飲んでおるということに問題があるんだから、もっときちんと調べて、カフェイン――これは天然であろうと合成であろうと同じことですよ。そんなものは、入ってしまえば同じことなんですよ。それを、片一方の抽出物は認めるが、一方の合成品は認めぬというような、そんなやり方はまずいと思うのです。間違いだと思うのです。ですから、カフェインというものを食品添加物から抹消するという意思はないのですか。
○金光政府委員 現在、食品衛生法で添加物としては指定していないわけでございまして、自然の物質から抽出されたものは使用できるということでございますが、これにつきましても、規制につきましては、一つには、天然のカフェインの抽出物といえども、これを使用基準で規制するということはまあ可能なわけでございますが、これにつきましては、実は国立衛生試験所で調べた結果等に基づきまして、それとの関連をもちまして、現在食品衛生調査会で、カフェインの今後の扱い方につきまして御検討をいただいておるような状況でございますので、その結果を待って判断をいたしたい、かように考えております。
○武部委員 アメリカでは、一九六〇年にカフェインの許容量を〇・〇二%以下として、コーラ飲料のみに認める、こういう措置をとっておりますね。あなたは、いま使用基準を何とかとおっしゃったけれども、少なくともコーラ飲料には、標示も何もないのですからね。いま私が言った、せめてアメリカ並みにカフェインの使用基準、あるいは許容量といいましょうか、コーラ飲料に対してそういうものをきめて、はっきりするような態度をとれませんか。
○金光政府委員 そういった、先生の御指摘のような問題を考慮いたしまして、現在調査会にはかっておるような次第でございます。
○武部委員 まあ、一歩前進だと思うのですよ。一歩じゃない、半歩ぐらいだと思うのですが、前進だと思うのです。 さっき言ったように、天然と合成の問題というのは、値段において倍違うのですよ。ですから、天然を使っておるというけれども、高いものを使っても安いものを使っても同じ効果しかあらわれぬのだから、何も二倍の天然物を使ってカフェインをやっているということはあり得ないのです。ですから、安い合成を使ってやっておる。それは食品衛生法違反ですよ、あなた方の立場から言うならば。それを、工場でつくっているから、抽出物は間違いなくやっておるだろうということではだめなんです。私は、さっきも言いましたように、合成であれ天然のカフェインであれ、カフェインは禁止すべきじゃないか。しかし、現実にできないというなら、コーラ飲料には使用基準、許容量というものをはっきりして、そうして、国民が心配をせぬようにひとつしてもらわなければならぬ。こういう点で、早くそうしたものの結果が出るようにお願いをしておきたいと思うのです。 それから、燐酸の問題ですが、先ほど申しましたように、燐とカルシウムとのバランスがくずれておる。いつかここで岩尾さんの論文を発表いたしましたが、日本人の体質はカルシウム不足で燐のとり過ぎだ、そういう論文が出ておった。ましてや乳幼児がこうした――あなたのおっしゃるように一対十一なんですから、たいへんなことなんですが、そういう燐をどんどん飲んでいるということに問題がある。また、あなたの御答弁によって初めてわかったわけですけれども、昭和三十二年ですか、燐酸まで食品添加物に認められた。そうして、日本の清涼飲料水で燐酸を使っておるのはコーラ飲料だけだ。コーラ飲料しか燐酸を使っておらない。これも特異なケースですね。酸味を出すためにはクエン酸なり酒石酸なりというものがあるわけです。外国ではそれを使っておるのですから。それをなぜわが国だけが、そういう燐酸という特殊なものを認めておるのか。したがって、まず燐酸を排除するというようなことはお考えになりませんか。
○金光政府委員 燐酸の害でございますが、燐酸は燐酸塩という形で人体にも必要なものでございまして、少なくとも千ミリグラムぐらい、一般的にば一グラムないし二グラムぐらい摂取されておるということでございます。したがいまして、コーラの中に含まれております燐酸とカルシウムの関連の問題もありますが、燐酸というものは特に人体に影響を及ぼすというものではないと思うのでございます。 それから、実は外国の状況を最近調べたのでございますが、現在アメリカ、イギリス、スウェーデンでも使用されておるような状況でございます。そういうことでございまして、燐酸の安全性につきましては、FAO、WHOの食品添加物専門家委員会において検討されまして、一日の許容摂取量は、体重一キログラム当たり十五ミリグラムとされておるようなことでございます。 さようなことでございまして、現在、私どもの考えでは、特に害があるというようなものではないと考えておりますけれども、いろいろとまた別の面からこれは検討をする必要もあろうかということで、実は昨年の十月に、公衆衛生局の栄養課の御協力をいただきまして、栄養関係の先生方に集まっていただきまして、燐とカルシウムの関連の問題等につきましても御検討いただき、こういった面につきましては、さらに栄養関係のほうの専門家の御意見も聞いて、もし必要であれば措置をとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武部委員 燐酸を食品添加物から削除せいと言ったって、これはなかなかむずかしい話だと思うのですよ。私が言っているのは、非常にバランスのくずれた――あなたは一対十一、私は一対四ぐらいじゃないかと思っておったのですが、とり方にもよりますけれども、そういうふうにバランスがくずれておる。そして燐というものが、特に幼児に――歯のことはいつも、あっちこっちで具体的な実験例がありますが、そういうものだから、少なくともコーラ飲料の中には燐酸を使わない。清涼飲料水の中で、燐酸を使っておるのはコーラ飲料だけなんです。これは特殊な例でしょう。私が聞いておるところによると、メーカーはクエン酸にかえてもいいというようなことを言っておる。それならばけっこうなことなんですが、厚生省のほうではそういう情報はありませんか。むしろ会社側も、クエン酸にかえたほうがいいじゃないかと言っているというようなことをちょっと聞いておるのですが、そういう点ではどうでしょうか。
○金光政府委員 私どものところでは、そういったことは聞いておりませんむ
○武部委員 食品衛生法第四条によって、少なくとも幼小児に対しては、こういう燐酸のたくさん入ったものを禁止するということはできぬものですか。
○金光政府委員 先ほど申し上げましたように、現在私どもが考えております範囲におきましては、禁止するという性格のものではないと考えております。 なお、実はこれはカフェインとも関連いたすわけでございますが、かりにある程度摂取を制限する必要があるのではないかというような問題につきましては、やはり食生活の教育上の問題として取り扱っていくべきものではないだろうか、かように考えております。
○武部委員 きょうで六回もやったわけですが、きょうでやめようと思っておりましたが、どうもやめるわけにまいらぬので、またこの次、間をおいてやりますが、少し前進したと思うのです。 なお、最後に申し上げておきますが、この人がここに書いておるように、えらく恨んでおるようですよ。私はあなたに何べんも言うように、コカ・コーラだけを取り上げておるのじゃないですよ。何か目のかたきにしておるようなことをいって書いておるのです。またアメリカのロスアンゼルスの看護婦さんですが、私に手紙をくれました。あなたはコカ・コーラだけをやっておるようだが、なぜペプシコーラをやっつけぬか、こう書いてある。コカ・コーラもペプシコーラも、分析は同じなんですよ。あなた方、コカ・コーラだけを調べているが、何もコカ・コーラだけを調べてくれと言っていない。コーラ飲料を調べてくれと言っている。すべてコカ・コーラだけを目のかたきにして、商売のじゃまをしているように言っておりますけれども、そうじゃない。コカ・コーラとかペプシコーラとか、ロイヤルクラウンコーラとか、たくさんありますけれども、そういうコーラ飲料は、カフェインや燐酸だって、すべて同じ内容を持っておるのですよ。外国からだって、なぜペプシをやっつけぬかと言ってくるんですよ。ですから、コーラ飲料全般についての対策を講じてもらいたい。ある特定の銘柄を言っているわけじゃないのです。その点、誤解のないようにしていただかなければならない。あなたのほうで、先ほど言ったようなカフェイン飲料等について解明したものがありましたら、御回答いただきたい。 それでは、この問題はこの程度にしておきます。 次は、やはり特別委員会の附帯決議で問題になり、論議がございました抗生物質の問題であります。 この抗生物質の問題については、当時いろいろ答弁がございましたけれども、あの当時の答弁と現在では、内容が非常に違っているように思うのです。あの当時の答弁を速記録から伺いますと、大体農林省のほうでは、一〇から二〇PPM飼料の中に入っておる、したがって、一〇ないし二〇PPMですと肉に残存しないという答弁がございました。確かに二〇程度のPPMならば肉に残存しないでしょう。ところが、現実にアメリカあたりの調査によりますと、WHOの資料ですけれども、成長促進剤、最高が大体五〇PPM、それから治療用、疾病予防用は二〇〇から一〇〇〇PPMというようなことになっております。そうなってくると、これは相当なものが肉に残ってくる、こういうことが考えられるわけですが、いま農林省なり厚生省は、この抗生物質についてどういう調査をしておるのか。新聞の報道するところによりますと、許可になっておる十九の抗生物質中十五種で残留分析の調査をしておるということが、当時報道されておりましたが、この抗生物質について現状を御説明願いたい。
○信藤説明員 お答えいたします。 農林省といたしましては、最近、抗生物質飼料添加剤等の需要が非常に伸びておりますので、それが実際に卵あるいはブロイラーの肉等に入るという心配も一部にございますので、これを畜産試験場、それから動物医薬品検査所を使いまして、実際に鶏を使用いたしまして調べたわけでございますが、ただいま先生御指摘のように、普通の飼料添加剤として使っております二〇PPM以下では残存が認められなかったわけでございます。治療剤といたしましては、普通五〇〇PPM、その二倍以上の一〇〇〇PPMを使いまして調べたわけでございますが、心配のようには、あまり残存は認められなかったわけでございます。治療しております途中では多少残存いたしておりますけれども、治療をやめますと早急に残存はなくなる。また、残存いたします量も非常にわずかな量でございまして、いまのところたいした影響はないというふうに考えております。
○武部委員 そういたしますと、四十三年度の飼料向け抗生物質の生産高は、純晶で幾らですか。
○信藤説明員 四十三年度は約四千三百トン、抗生物質の実量といたしまして百三十六トンでございます。
○武部委員 私はどこかでこれは拝見したわけですが、四十三年度の生産高は純晶にして百九十三トン、これを製剤に換算して四千六百五十八トン、こういう数字がありましたが、大体間違いありませんね。
○信藤説明員 いま先生おっしゃいましたのは、ほかのいろいろな用途をまぜて全部でございまして、私が申し上げましたのは飼料添加剤でございます。
○武部委員 いずれにしても、大体三十八年の数字から見ると九倍近く、抗生物質の生産量はふえているようです。八ないし九倍ぐらいになうておるようですね。 そこで、お聞きいたしますと、WHOで、去年FAOと合同専門委員会を持って制限勧告をする、それでわが国にもこれを通告したということを聞いておりますが、この規制措置の内容はどうですか。
○信藤説明員 昨年の勧告の趣旨は抗生物質の耐性の問題でございまして、人体用に使います抗生物質は、将来なるべく家畜用に使わないほうがいいのではないかというようなことでございます。また、食品の中に残留するおそれがありますので、食用家畜に与えましたあと、何日間くらいはたってからこれを食料に供するといった制限をつけたらどうか、そういったことを主とした勧告でございます。
○武部委員 アメリカあたりでは、相当この問題に慎重に取り組んでおるようですが、わが国においては、このWHOとFAOの合同専門委員会の制限勧告、それに基づいてどういう対策を立てようとしておりますか。
○信藤説明員 実は四十三年に出ました勧告に基づきまして、農林省といたしましては、動物用抗生物質の調査会というのがございまして、薬事法に基づきましていろいろな学問的なアドバイスをしてくれるわけでございますが、この調査会でいろいろ御相談申し上げましたところ、まず、WH O、FAOが動物用抗生物質の使用を制限すべきであるという根拠は、食品中に抗生物質が残存した場合の毒性、それから耐性の問題でございますが、その委員会の勧告といたしましては、抗生物質を成長促進の目的として飼料に配合する場合に、その添加期間を家畜ごとにきめていくべきであろうということで、これは現在各薬品ごとに表示をするようにいたしております。疾病の予防、治療を目的として投与する場合に、その投与する薬物が食用動物の可食部分に残存する心配があるので、これについては、残留する心配のある期間だけ使用を停止するようにということでございますが、実際問題といたしまして、日本では、採卵用の成鶏の飼料には抗生物質は入れておりませんし、豚につきましては、子豚の時期しか与えておりません。牛につきましては、抗生物質は与えておりません。実際、肉等に感染する心配はあまりないものと考えております。
○武部委員 ちょっと時間がございませんから先を急ぎますが、このWHOからの制限勧告の中に、クロマイは認めないとか、ペニシリンの牛乳残留量は〇・〇六PPMだとか、そういうことについて各国に勧告しておりますね。これについてはどうしているのですか。それを受けて、あなたのほうは、何かこれから、このことについて措置をするという態度があるのですか。
○信藤説明員 そういったことにつきまして、まだ実際のデータがWHO、FDAのほうにもないわけでございますので、先ほど農林省で始めました調査も、そういったデータをとるための試験でございます。その試験結果が出ましてから、いろいろ対策を考えたいと考えております。
○武部委員 私どもが承知しているところによりますと、あれは四十三年ですから、いまから二年前、この抗生物質の問題でいろいろ論議したのですよ。その後ブロイラーなんというのは大量に進出しまして、とにかく抗生物質を与えて早く太らせて、早く肉にして送り出す、魚には何か注射をして、鮮度を落とさないようにして送り出すとか、いろいろなことを耳にするのです。そういう抗生物質は、さっきのように、三十八年から八倍も九倍も、仰せのように生産量がふえておりますね。そうなってくると、この抗生物質について、いまの日本政府のあり方としては、少しその研究あたりが手ぬるいではないか、私ども、そういう気持ちを持つのは当然だと思うのですよ。ですから、抗生物質の問題について、それが肉なりにどういう残存の影響を与えるのか、そういう点についてのもっと研究を進めて――予算あたりもたいしたことはないのですから、そういうことではだめなんで、もっと研究を進めて、この抗生物質についての疑心を国民から取り除くようにしてもらわなければならぬ、こういうふうに思うのですが、どうですか。
○信藤説明員 先生の御意見のとおりでございますので、われわれといたしましては、十分に国民の納得のいくようなデータをとるためのいろいろな仕事を進めたいと思っております。
○武部委員 実はまだ、公取の皆さんやそれから生活局や、たくさんあるのですけれども、環境衛生局長がちょっと何か用事があるそうで、あとのお二人の方が環境衛生局長に質問があるそうですから、私はちょっと休憩してかわりますので、もう少しお待ちいただきたいと思います。
○松平委員長 渡部通子君。
○渡部(通)委員 私、きょうハムの標示の件について伺う予定でおりますが、環衛局長に対する質疑だけを先にということでございますので、その部分だけ先にお尋ねをいたします。 最近非常に魚肉ハム、それから畜肉ハムの区別が店頭でつきにくいという苦情がございますし、私も現にそう思いました。よっぽど気をつけて買わないと、買ってうちへ帰ってきてみると、これは魚肉であったというような場合が間々ございます。たまたま先般、四月八日付の朝日新聞にそのことがちょっと取り上げられた例もございましたが、この標示がたいへんにまぎらわしい、むしろ不当標示ではないかという件についてきょう伺う予定でおりますが、環衛局長さんに対してでございますが、畜肉ハム、ソーセージは十度C以下で保存をしなければならない、こういうことになっておるのでありましょうか、その理由をまず教えていただきたい。
○金光政府委員 御説明のように十度C以下で保存する、こういうことになっております。
○渡部(通)委員 その理由は、もちろん畜肉だから腐敗を防ぐということでございますか。
○金光政府委員 御説明のように腐敗を防ぐという意味でございます。
○渡部(通)委員 そういたしますと、魚肉ハムにしても、同じたん白、脂肪等が原料でございますから、十度C以下で保存をすべきではないかと思うのですが、その点、義務づけが魚肉ハムに関してはないというのはどういうわけでございましょうか。
○金光政府委員 御指摘のように、その魚肉ハムのほうは、流通の関係でまだきめておりませんけれども、やはり同じような扱いにしていくことが必要だろうと思うのでございまして、この点は思料はいたしておりますが、今後の問題として、いま検討中の問題でございます。
○渡部(通)委員 それは非常に、なまものを扱う問題としてはまずい態度ではないかと思うのです。現に店頭に一緒に並んでおりますし、十度C以下で魚肉ハムが保存をされているというお店はむしろ少ないくらいで、小さな店では、ざるなどに入れて店頭に置いてございます。当然、十度C以下ということは保たれておりません。それが義務づけられていないとしますと、これは非常に腐敗と味が落ちるという、そういう意味の危険性は大いにあるんではないかと思います。私、現にここに現物を持ってまいりましたけれども、去年の十一月の製造年月日のものが現在まだ店頭に出ておりますが、半年以上もたったこういう魚肉ハムというものについて、十度C以下の保存が義務づけられていない以上、腐敗という心配、それから味が落ちるという心配、その点ではいかがお考えでございましょうか。
○金光政府委員 先ほど申し上げましたように、この魚肉ハムのほうは、農山村までずっと普及といいますか、農山村までの流通機構という関連がございまして、そういう意味で獣肉ハムと同じような規制になっていないわけでございますが、御指摘のように腐敗防止、質の保存という意味からはやはり規制すべき性格のものでございまして、そういった面は、そういう全般の問題とも関連しまして十分検討したいと考えている一つのものでございます。
○渡部(通)委員 その御意見、たいへんありがたいのですが、大体いつごろ、どういう形でおやりいただけますでしょうか。
○金光政府委員 この問題は、先ほど申し上げましたように流通の関係がございます。それと腐敗という関連の問題でございまして、十度以下ということは、もちろん望ましいことは望ましいのでございますが、流通との関連、冷蔵庫の普及と申しますか、そういったような関連もありまして、現在いろいろ、そういった実態もあわせて検討してきめたい、かように考えておるのでございます。御趣旨に沿って、できるだけ早い機会にそういうようなことを実現してまいりたい、かように考えております。
○渡部(通)委員 いつも、検討なさるというような御答弁で、それで一年じゅう、二年じゅう、三年じゅうというふうに、ずるずるきてしまうのではないかというおそれが非常にあります。現実に私、過去の実績を見た上でもそういうことはいなめない心配でございます。冷蔵庫の普及等、そういったことをまた考え合わせながらなんて言っておりますと、これはまさにずるずるべったりになっていくのではないか。こういう危険な食品に対しては、もっと抜本的に――人の命を守る、健康を守るという意味から、お役所はもっと本気になって取り組んでいただきたい。近い将来に、なるべく早い機会にという御答弁では、これは決して国民は納得をしないと思うわけです。そういう点では、ひとつ衛生局長さんはじめお役所自体の姿勢を変えていただきたい。これはほんとうに心からお願いをする次第なんです。 で、この半年も放置されている魚肉ハムが腐らないというところを見ますと、たいへん防腐剤が入っているのではないかというのは当然考えられることで、むしろ暗黙の了解事項になっているのでないかと思いますが、これに対しては標示はなぜされないのか、また、防腐剤の実態はどうなっているのか、お教えください。
○金光政府委員 これは本来加熱をしまして、そうしてシールされておりますから、普通のものよりは保存しやすいという性格のものでございます。 それから、合成保存料の標示につきましては、七月一日から標示させることになっております。
○渡部(通)委員 七月一日の標示が義務づけられているということでございますけれども、こういった回転の早いなまものに対して、標示をする猶予期間が一年もあるということ自体、私は長過ぎると思うわけです。こういうものが、十度C以下でない場所で半年も売られているというような実態、そういうことに対しては、七月一日から義務づけられているという態度ではなくして、早急に手を打って行政指導をやっていただきたい。 なお私、こういった無責任な販売をされております魚肉ハムというものがいわゆる大メーカーの製品である、決してその辺でちょこちょことつくられたというものじゃなくて、堂々たるメーカー品である、そのメーカーの社会的責任という部面に及んでまでも行政指導は当然なさるべきだ、こう思うわけでございまして、その点の御見解を最後に伺っておきたいと思います。
○金光政府委員 標示につきましても、たとえば容器包装に入りましたものにつきましては、昨年の改正でことしの七月一日から実際の施行ということになるわけですが、実は施行は、昨年改正したときに即日施行ということでございまして、猶予期間を六月一ぱいまで置いたということでございまして、その間におきまして指導はしてきておったわけでございます。しかしながら、実際的には七月一日から施行、かようになっておるわけでございます。 それから、大メーカーとの関連でございますが、そういったところは御指摘のように、まあ能力のあるところは当然早急にすべきものでございまして、こういった点につきましては、今後とも十分配慮してまいりたいと思っております。
○渡部(通)委員 御答弁、よくわかったのですが、一貫してやっぱり後手後手に回って、あとから通達を出していくというような、小手調べの調査をあとからするという態度に、どうしてもおちいっているように思います。やっぱりどこかで態度を変えていただいて、少々の波はかぶっても消費者保護という立場に立って、こういう問題に対しては抜本的に考えていこう、こういう本気の取り組みの姿勢というものをぜひお願いをしたいし、先ほど早い機会に早急にという問題に対しては、私もしょっちゅう消費者として買っている立場でございますので、また今後の問題として取り上げさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 環衛局長に対しては以上でございます。
○松平委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 環境衛生局長にお聞きしたいのですが、まずチクロ入り食品についての問題をお聞きしたいと思います。 昨年の十月二十九日に、食品衛生調査会と中央薬事審議会でチクロ入り食品の有害性を指摘をして、食品添加物として使用をすみやかに禁止する措置をとるようという答申をしておるわけですけれども、これは申すまでもないことですけれども、この禁止の措置をとるようという答申について現在厚生省はどう考えておるのか、この点を伺いたいと思います。
○金光政府委員 チクロにつきましては、御承知のように昨年十一月五日の告示で省令の改正もいたしまして、チクロの製造、それから加工に使用することは禁止いたしたわけでございます。それで、その時点におきましてすでにできております製品につきましては、清涼飲料水につきましては一月末まで、その他の食品につきましては二月末までを猶予期間として認めたわけでございます。 その後、社会的な情勢とかあるいは――このチクロは、そもそもアメリカで行なった実験が基礎になっているわけでございますが、アメリカ等におきましても、その発ガン性というものに対します考え方の姿勢というものにつきましても若干の変革が出たというようなことを勘案いたしまして、また専門家の意見等も徴しまして、一部の食品につきまして九月末まで延期を認めたということでございます。この延期を認めるにつきましては、サイクラミン酸含有ということを標示させまして、標示したものについてのみ猶予期間を認めた。もちろんこの製品は、最初禁止しました時点におきましてできておった製品だけということで、新しい製造、加工は認めてないわけでございます。
○松本(善)委員 そうすると、延期については、日本の学者の意見、専門家の意見はどういうふうに聞きましたか。閣議できめます前でありますか、あとでありますか。その経過を少しお話しをいただきたいのです。
○金光政府委員 延期のときにおきましては、国立衛生試験所とかの専門家の先生方、それから調査会の委員をされております調査会の会長さんその他の委員の先生方の御意見を聞きまして、再検討の余地があるかどうかということにつきまして御意見を承りまして、この程度のことはまず認めてもいいだろうという御見解をいただきまして、まあ事務的に、私どもはその方針を一応とりました。そういうことで、閣議にもお話が出た、こういうような経過でございます。
○松本(善)委員 そうすると、この程度のものは認めてもいいだろうということばに少しこだわるわけですけれども、昨年十月二十九日に答申された食品衛生調査会の考え、禁止する措置をとるようということですね、要するに食べちゃいけないんだといっているこの考えが、二カ月で変わったということですか。
○金光政府委員 禁止するという考えは変わってないわけでございまして、禁止は昨年の十一月十日で禁止いたしておるわけでございます。製造とか加工することは禁止しております。それまでにできておった食品につきまして、清涼飲料水は一月末まで、その他の食品は二月まで猶予期間を置いたということでございます。今回さらに九月末まで延ばしたものも、十一月十日の時点におきましてできておった製品にその猶予期間を延ばした、こういう考え方でございます。
○松本(善)委員 そうすると、やはりその猶予しておるものについても、健康に有害であるという考えは変わりはない、こういうことですか。
○金光政府委員 九月まで延ばしたものを食べた場合に有害であるということになれば、これは延期はできないと思うのでございます。ただ、このチクロを続けて食べる、チクロの食品を国民に提供するということば禁止すべきである。長く摂取いたしておりますとこれは発ガン性の要因にもなるおそれがあるということで、これは禁止すべきであるという考え方で禁止したということでございます。
○松本(善)委員 延期というのは、かん詰め、びん詰め、たる詰め、つぼ詰めの四品目ですか。その理由、そういうふうに四品目にきめました理由を話してもらいたいと思います。
○金光政府委員 従来食品衛生法の標示で、かん詰め、びん詰め、たる詰め等の詰め類でございますが、その詰め類につきましては、製造年月日を標示させることになっているわけでございます。そういうことで、製造年月日がはっきりしているということ。それから、子供とか、その他常時摂食するというものでないというような性格等を勘案いたしまして、それからもう一つは、たる詰め、びん詰めには人工甘味料入りということを標示させることになっておりまして、人工甘味料入りということもはっきりいたしております。そういう意味で、製造の時点もわかっておりますし、それからサイクラミン酸を使用して、甘味料が含まれておるということもはっきりいたしております。そうして人工甘味料も、サッカリン等も使っておるわけでございますから、サイクラミン酸の入っておるものにつきましては、サイクラミン酸が入っておるという標示をさせる。これも実行が可能でございますので、そういうことでこれを認めた、かようなことでございます。
○松本(善)委員 私どもは、この問題について、食品衛生調査会の小林会長が、二カ月前にできている意見が急に変わるというのがたいへん解せたいわけです。この延期については、調査会では正式に論議されたのですか。
○金光政府委員 食品衛生調査会の答申は、いつまで延期していいとか、そういうことの答申は得てないわけでございまして、このサイクラミン酸に対する学問的な医学的な評価と、どういう程度に考えたらいいかということで、すみやかに禁止すべきものだという答申をいただいておるわけでございます。したがって、その延期等の行政措置につきましては、そういった先生方の医学的な考え方を私どもが判断いたしまして、そうして決定をいたしておるという経過でございます。
○松本(善)委員 私どもはたいへん納得しがたいものを感ずるのですけれども、この延期されたサイクラミン酸入り食品の標示の問題ですけれども、ここの話でもチクロということで、環境衛生局長自身もチクロというふうに使うわけですね。チクロと言えばみんなわかるわけです。消費者の立場からの行政ということを考えるならば、チクロ入りということを標示させるのが当然であると思います。それをサイクラミン酸塩と標示をさせる理由ですね。それは化学的にとかいうのじゃない。行政上、消費者の立場から、消費者によくわかるようにというのが標示の趣旨でしょう。それならば、当然にチクロと直すべきじゃないか。それをなぜそういうふうにしているか、その理由を聞きたい。
○金光政府委員 こういった添加物につきましては省令で別表を掲げてありまして、標示の場合に化学名であるサイクラミン酸カルシウムとかナトリウムとかいった、サイクラミン酸塩ということですが、または人工甘味料という、どちらかを標示することが規定されているわけでございます。したがいまして、チクロはいわゆる俗称でございますので、食品衛生法の規定に従って、サイクラミン酸塩含有ということを標示させる、かような取り扱いをさせたわけでございます。チクロのほうが一般的によくわかっておりましょうが、これだけ社会的に問題として提起されておりますので、サイクラミン酸塩と言いましても十分国民にはわかる、かように考えております。
○松本(善)委員 サイクラミン酸塩でわかっているという奥さん方が何人あるか。私は、あなたの判断はたいへん間違っておると思いますよ。チクロ入りというふうに標示をしたら違法になるのですか。
○金光政府委員 やはり現在の食品衛生法では、サイクラミン酸塩、または人工甘味料というふうに規定されておりますので、それに従うのが当然だと思います。
○松本(善)委員 それは省令というお話ではありませんでしたか。違法になりますか。違法になるなら何条の違反になるか、ちゃんと言ってみてください、チクロ入りと標示できないというなら。
○金光政府委員 やはりサイクラミン酸塩入りということを書かなければ、六条違反ということであります。
○松本(善)委員 サイクラミン酸塩ということと、それからチクロ入りということを両方書くとか、そういうような指示をすれば、これは違法になるのかというのです。私の聞くのは、チクロ入りということを標示させるという行政指導は違法になるのか、こういうことです。サイクラミン酸塩というふうに書かなければならぬという話はいま聞きました。それと並べて、あるいはかわって、チクロ入りというふうに書いたら違法になるのか。違法になるならばどこの条文の違反になるのか。
○金光政府委員 サイクラミン酸塩と並べてチクロということを書くことについては、違法にはなりません。
○松本(善)委員 そうしたら、そういう行政指導をするべきじゃありませんか。できるだけ消費者の立場に立って、消費者がわかるようにというのが標示の趣旨でしょう。その点については、そういうこともできないのですか。
○金光政府委員 これは指導してできない問題ではないと思います。しかしながら、これだけの社会的な問題になっておりますし、サイクラミン酸塩含有というラベルを別途つけさせるわけでございます。そういうことでございますから、それをもって十分事足りると考えております。 ことに最近、ラベルを張っていないものがあったという問題も提起されましたので、先般全国に通牒も出しまして、五月は、このサイクラミン酸含有のラベルを張っておるかどうかということ、それからまた、サイクラミン酸を不当に使用しておる食品があるかどうかといったようなことにつきまして、一週間の一斉検査と申しますか、そういったことをやるように全国に指導いたしております。そういうことによりまして、先生の言われる目的は十分達成したい、かように考えております。
○松本(善)委員 この標示の問題で、消費者団体の意見を聞くというようなことがありましたか。サイクラミン酸塩でわかる、どんな主婦もわかるというふうにお考えになったら、とんでもない間違いだ。それは国会の答弁で、そういうふうにやっているのを弁護するという立場から言っておるようですけれども、これは実態とは全く離れていますよ。そういう点を率直に反省をしていくというのがこの国会という場ではないかというふうに思いますけれども、いまなお、あなたは、サイクラミン酸塩でかまわない、主婦はみんなわかる、こうお考えですか。
○金光政府委員 それはやはり、サイクラミン酸塩という化学名ではわかりにくいと思います。当初においては問題はやはりあったかと思いますが、現在の段階では相当に普及をいたしましたし、先ほど申し上げましたように、その普及徹底をはかるように全国にも通知いたしておりますので、そういうことでやってまいりたい、かように考えております。
○松本(善)委員 時間の関係もあるので次へ進みますが、あなたは、一月十九日のサンケイ新聞の報道によりますと、これまで学問的な根拠についてだけ諮問をしてきた食品衛生調査会を拡充して、もっと社会的、経済的見地を含めた問題を検討する機関にするということを言ったということなんですけれども、この社会的、経済的見地というのが、たいへん問題がありはしないかというふうに私どもは考えるわけです。これがもし業者の利益とかそういうことを考えているとするならば、これは国民の健康を守るというのがその根本の立場だ、それをそのことによって左右されるというようなことがあっては決してならないと思うのです。この、あなたがしゃべったということの意味を説明をしてもらいたいと思います。
○金光政府委員 現在の食品衛生調査会には、消費者の代表の方も入っておられますし、業界の方も入っておられますが、これはごくわずかな人員でございまして、これは、医学的にも学問的にも検討していただく場になっておるわけでございます。しかし、その他の社会科学的、経済学的な立場からも、いろいろ食品の問題については検討する分野があるわけでございます。そういう広い視野に立っての問題の検討というようなことが望ましいのではないかという気持ちを、私自身は持っておりますので、そういう意味で申し上げたわけでございます。
○松本(善)委員 そうすると、消費者の代表などをたくさん入れたい、こういう趣旨ですか。
○金光政府委員 そういう意味でございまして、消費者と申しますか、医学、生物化学といった自然科学以外の人文科学系統の方々の御意見、あるいは消費者側の御意見を十分反映するようなことが、問題によっては非常に必要な場合があるのではないか、かように考えておるわけでございます。
○松本(善)委員 現在は、消費者の代表といえる人はどの程度ですか。
○金光政府委員 現在は一人でございます。
○松本(善)委員 これを大幅にかえるという考えがあるわけですか。
○金光政府委員 これは、私がそういう気持ちを持っておりまして、たまたまそういうことが載ったかと思うのでございますが、やはり関係の方々とも十分相談をしてそういった問題は検討してまいりたい、かように考えておりまして、食品衛生調査会の場というものを、そういった学術的なものを中心にやる純粋な立場で判断する場にするかどうかは、やはりいろいろ御意見もあることでございます。今後の検討課題にしようということでございます。
○松本(善)委員 それから、BHC牛乳の問題をちょっとお聞きしておきます。 これは、武部委員もいろいろ聞かれたと思うのですけれども、あなたに聞いておきたいのは、倉石農林大臣が二十二日に、これは安心して飲んでもらいたい、こういう談話を出されたということが報道されています。一体厚生省は、安心して飲んでもらいたいと考えておるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○金光政府委員 まあ安心して飲んでもらいたいと考えておりますが、しかしながら、これは調査会の御意見にも出ましたように、この状態がいつまでも長く続くということはやはり問題を生ずるということでございますので、安心して飲んでもらうためにも、早急に減少対策を進めていかなければならないと思っております。
○松本(善)委員 安心して飲んでもらいたいけれども早急に減少をさせたいというのは、これはどういうことですか。
○金光政府委員 現在安心して飲んでもいいかとおっしゃれば、安心して飲んでください、こう私は申し上げます。したがいまして、これが、それじゃ何年もたってからどうか、こういうことになると、やはり問題を生じますので、早急に減少をしなければならぬ、かように考えております。
○松本(善)委員 これはなくさなければならない性質のものでしょう。どうですか。
○金光政府委員 牛乳というものが主食的なものでございますし、ことに乳幼児にとって非常に大切な栄養の要素でございますので、そういう意味では、牛乳は本来純正でなければならぬというのは当然考えなければならぬ問題でございます。これ以上害がないからこの程度でいいというものではないのでございまして、より以上そういった異物は少なくしていくという方向で進んでいかなければならぬ問題だと思います。
○松本(善)委員 そういうものは、やはり国民は安心して飲めないですよ。こういう科学的な結論について、私どもは、そういう政治的な発言をして国民を惑わすというようなことは許せないと思います。これは農林省にまたあとで少し聞こうと思いますけれども、そういう点は、やはり科学的な研究結果を尊重するという態度をはっきりさせなければならぬと思います。 もう一つ聞いておきますが、このBHCの牛乳汚染がWHOのきめた基準の百倍にも達するという研究結果を、高知県の衛生研究所の研究員が食品衛生学会の雑誌に発表しようとしたら、厚生省から押えられたという報道があります。このことは事実なのかどうか。
○金光政府委員 厚生省が押えたという事実はございません。私も、そういうような声を聞いたものでございますので、調べたのでございますが、そういう事実はございません。
○松本(善)委員 そうすると、何かそれに似たことはありましたか。押えたということはないかもしれないが、似たことはありましたか。
○金光政府委員 特別に似たことはございませ ん。
○松本(善)委員 それから、この記事の中で、佐藤首相が閣議で、いたずらに国民に不安を起こさせないようにという発言をしたということが報道されておるのですけれども、これに関係をして大臣その他から言われたり話を聞いたりしていることがあれば、話してもらいたいと思います。
○金光政府委員 特別何も、私は聞いておりません。
○松本(善)委員 そうすると、こういうような研究について、衛生研究所の研究員等が研究結果を発表することについては何の障害もない、そういう方針をとっているということですか。
○金光政府委員 研究者が発表することについては、これはもう当然自由でございます。 ただ、一言申し上げたいのは、誤解をあるいは受けることがあったのではないかということを想像いたしますと、やはりこれは、昨年来の研究は、国立衛生試験所を中心に、八つの都道府県の衛生研究所に協力をしていただきまして調査研究班をつくったわけでございまして、当初は高知の衛生研究所で単独でやっておったわけでございますが、これは自由でございましたが、調査研究班としての発表というものは、やはりお互いに了解し合って発表すべきものだろうと思うのでございます。やはりお互いに十分検討した結果、資料をまとめて発表するのが当然だろうと思います。そういうことに対しまして、とかく誤解を受けやすいという面はあったかと思います。
○松本(善)委員 もう一点お聞きしておきますが、サリチル酸については、いまどうなっておりますか。
○金光政府委員 現在サリチル酸につきましては、その慢性毒性につきましては国立衛生試験所等で研究をいたしております。 それから、もう一つには、このサリチル酸につきましては、従来毒性のことにつきましていろいろと云々されておるわけでございますが、普通の状態のお酒の摂取では問題はないと思いますが、嗜好品でございますから、たくさん飲む人が出てくるというような場合にはやはり問題があるというようなことで、より毒性の少ないものの開発が必要ではないかというようなことで、こういった面の研究も進められておるということでございます。
○松本(善)委員 そうすると、いまは研究しているだけで、これはだいじょうぶだということ、そういう態度でいるということですか。
○金光政府委員 業界に対しましては、昨年国税庁のほうで指導されまして、サリチル酸の入ってないお酒をつくるというようなことにつきまして指導されておるわけでございますが、そういうことによりまして、一部、そういったようなサリチル酸を含まないお酒もできてまいっておるような状況でございます。
○松本(善)委員 これはやはり禁止という方向にいくべきじゃないかというように私どもは思いますけれども、全然そういうことは考えていないのですか。
○金光政府委員 そのことにつきましても、昨年末厚生省としましても、国税庁のほうに対しまして、これをやめるわけにはいかないかどうかということにつきまして御意見を伺い、また協議をするということで進めておるわけでございます。
○松本(善)委員 これにかわるもの、そういうものの研究をするということについて、力は注いでいませんか。
○金光政府委員 現在検討中のものがございます。これがかりにいいといたしますれば、毒性はかなり少ないものだというように考えておりますが、いずれにしましても現在検討中ということでございます。
○松本(善)委員 こういう食品添加物の問題について、消費者の利益を守るという観点から、やはりもっときびしくしなければならない。厚生省がその職責を果たしておるというふうには、私どもにはまだ見えないわけです。これだけ問題になっておりながら、まだまだ問題が残っておるわけであります。これを早急に、すべての食品添加物の問題についてやはり真剣な検討と、少しでも国民の健康を阻害するということのない方向にいかなければならぬ。私たちは、こういう問題が起これば、まずやめさして、それから研究をする、こういうふうにするのが国民の健康を守るという立場ではないかというふうに思いますけれども、その点を最後に伺っておきます。
○金光政府委員 こういった科学的なものの考え方というものには、いろいろの考え方の段階があるわけでございまして、私どもは、いやしくも害があるということが私どもとしても判断できるというような場合、また、専門家の先生方が直ちに禁止すべきだというようなものにつきましては、当然それに従って処置をしたいと思います。しかしながら、学問におきましてはやはりいろいろの段階があるわけでございまして、そういったような段階を踏まえて現実的に結論を出していく、かような考え方で進めているわけでございます。そういうことでございますので、いやしくも国民に害があるというものをそのまま放置して、研究を進めると申しますかやっていく、かような態度は持っていないつもりでございます。
○松本(善)委員 私の言いますのは、科学的な研究であれば、もちろん新しい研究であれば、それは反対論も出てくるでしょう。そういう場合に、問題があるというふうに指摘をされれば、すぐやめて、そして研究をする、あとからそれは無害であったということになるなら、これはまたそれから使うようにすればいいじゃないか、そういう立場をとるべきじゃないかということなんです。それは賛成か反対かということです。
○金光政府委員 やはり私は、学問というものは、一人の人が提起された場合、かなりの専門家の多数の人の意見を聞いて、総合的に判断すべきものだというふうに考えております。
○松本(善)委員 もちろんそれは、一人が提起をしたらすぐということではありませんけれども、いま、食品衛生調査会がチクロを禁止するようにということを言っても、ずっと延期されておるわけです。そういう問題にいたしましても、やはりある程度の結論が出ますならば――研究中、研究中というのは非常に長い。何年も何年も研究中だという事態が続いているわけです。そういう事態を変える必要があるんじゃないかということをお聞きしているわけです。その点についてはいかがでしょう。
○金光政府委員 調査会の先生方の禁止ということで禁止はしたわけでございますけれども、延期ということについては、調査会の決定ということはございませんけれども、やはり私どもの技術行政官といたしましては、先生方の大体のお考えというものを総合いたしまして判断しておるというようなことでございまして、研究研究ということで事態が延びるというようなことになっては、これはいけないことでございますが、その辺は、やはり適切な判断というものが必要なわけでございます。それについては今後とも十分注意はしてまいりたい、かように考えます。
○松本(善)委員 納得できない点もあり、不満な答弁もいろいろあるわけですけれども、時間の関係もありますので、きょうはこの程度にいたしますけれども、一そうの努力をしてもらいたいというふうに思います。
○松平委員長 この際、厚生省環境衛生局長に申し上げます。 昨日及び本日の本委員会における質疑応答を顧みまして、消費者保護に関する環境衛生局の取り組み方が積極性を欠いておるという点を、多くの議員から指摘されました。この点、今後積極的な姿勢をとるよう要請いたします。 武部文君。
○武部委員 昨日砂田委員のほうから、食品衛生法の改正点等についていろいろ質疑がなされまして、大体の行き方がわかったわけですが、私は別の観点から、この問題について少し見解をただしておきたいと思います。 きのうの答弁によりますと、厚生省としては、この第一条の目的の問題について結論が出ていない。経済企画庁が統一した方向をとることを期待するというような、どうも厚生省自身として、われわれが附帯決議に決定をいたしました統一食品法の将来の方向について非常に消極的だということが、きのうの質疑の中でわかりました。 確かに統一食品法というようなものが、そうしごく簡単にできるものとは思いませんが、今日起きておるもろもろの不良食品なり、あるいはその他有害な食品なり、あるいは不当表示なり、そうした食品の横行する段階においては、先進諸国に見られるような統一した食品法をつくることが最も望ましい、このように私どもは考えておるわけです。ところが、先ほど申し上げるように、どうも消極的で、何か一つのからにとじこもって、自分のところはこれこれしかできないというようなことが非常に述べられておったようであります。なるほど厚生省、農林省、公正取引委員会三者にまたがる問題でございますから、そう簡単にできないとは思いますけれども、現実問題として、私どもは、今日三者が経済企画庁を中心にして、何とかひとつ統一食品法の制定に向かって進んでくれるだろうという期待を持って、今日まで二年間おったわけですが、どうもその期待は、私どもとしては裏切られたような気がしてなりません。 そこで、一体いまの機構の中で食品法というようなものはつくれないのか。何か一つの役所ができて、それが中心になってやらなければ、この食品法というものはできないというふうに考えておられるのか。それならば、これはもう抜本的な行政機構の改革が必要でございますから、そういうことがない限りは統一食品法というようなものはできないのか。そうすると、これは相当な年月がかかってくるわけですが、一体、私どもが従来から主張してまいりました食品法についてどのようにお考えになっておるか、これは厚生省ですか。
○鴛淵説明員 ただいまの統一食品法の関係でございますが、きのう局長も砂田先生に御答弁なさいましたように、現在経済企画庁を中心に関係の食品行政担当課長の段階で、いろいろ各省庁が分担しております食品関係の法律をまとめられるかどうかということについて、昨年の十一月から検討をいたしておるわけでございます。やはり各省庁でそれぞれやっております歴史がございまするので、これを一挙に統一してやることがよろしいのか、あるいは現行のままの食品の行政体系で、現行の状況の法律体系を強化したほうがよろしいのか、現在検討中でございまして、まだ結論は出てないわけでございます。 〔委員長退席、砂田委員長代理着席〕 ただ、いま先生おっしゃいますように、別の機構をつくって、たとえばアメリカがやっておりますようなFDAみたいなものをつくりまして、食品省とでもいいますか、そういうふうなものができてやればよろしいのかと思いますが、そういうのは非常に不可能だと思いますし、やはり現在の状況では、消費者保護基本法の精神を生かしまして、私のほうでは現行の食品衛生法、それをとりあえずは強化するというような方向でいま検討しておるわけでございます。 現在食品衛生法の中で取り扱っておりますものは、御存じのように目的が危害防止に限られております。国民の御要望の、不良食品あるいはうそつき食品についての規制がなかなか届かない。それを若干、厚生省の守備範囲で拡大していくというようなことができるかどうかというようなことを検討したいと思っておるわけでございます。
○武部委員 農林省はどう考えておりますか。
○小暮政府委員 ただいま経済企画庁におきまして、関係各省で寄り寄り検討中でございまして、ただ行政の行き方としまして、たとえば食品につきまして生産を担当いたします私どもの部局がございまして、農林省におきましても、生産、さらに流通、消費、全段階をある食品について責任を持って指導をいたしたいという立場がございますので、こうした行政上の立場と、食品衛生法等の運用にかかわる立場とをどのように相互に連携を保っていくかということが、当面最も肝要ではないかというように考えております。ただ、各省の協議の結果、よりよい知恵が出ますれば、さらに統一的な仕事の運び方についても十分検討いたしたいという気持ちで討議に参加いたします。
○武部委員 公正取引委員会はどうお考えでしょうか。
○吉田(文)政府委員 私どもとしましては、公取の関係は景表法でございまして、不当表示の規制ということで、どちらかというと受け身の立場にあるわけでございますけれども、食品表示の問題は、これは衛生も関連してまいりますし規格も関連してまいるというふうなことで、やはりわれわれの不当表示の立場からだけでは、これは完全な表示ということは望めないのではないかということで、私どもとしては食品法をつくるということに賛成でございまして、その線で厚生省、農林省、企画庁とも、ただいま協議を進めておる段階でございます。
○武部委員 三つの機関の御見解はわかりましたが、きのう金光環境衛生局長、こういう御答弁をされましたね。一年ないし二年間検討をしたけれども、近々に結論を出す、次の国会には措置をする、こういうことを、砂田君の質問にこたえて答弁をされました。私は、これが真実ならば、われわれとして食品法の議員立法を提案することは撤回してもよろしいと思うのです。すでに私ども成案を持っておりますが、もしあの答弁が事実とするならば、次の国会に食品法が出るということになるわけですから、そうなれば、私ども、別にあらためて議員立法をしてまで出す必要はない。金光環境衛生局長の答弁どおり、そのように進むものと見て差しつかえないのか。これは取りまとめをしておる経済企画庁からひとつお聞きしたい。
○小川説明員 先ほど各省庁から答弁いたしましたように、私どものほうでただいま集まりまして、食品行政のあり方につきまして検討しておる最中でございますが、その際には、社会党その他各方面からの、食品法あるいは食品行政のあり方につきましての御意見なりを重々取り入れまして検討しておる段階でございまして、ただ、法律を一本化したほうが能率があがるのか、あるいは行政機構を一本化したほうがいまの御意見に沿えるのかという点から、目下検討中でございまして、いまこの段階でどちらがいい悪いということは、まだ検討中でございますので、ちょっと御返事はむずかしいと思います。
○武部委員 どうも、きのうの金光環境衛生局長の話と違うようでございまして、私も金光さんのお話を聞いておって、何か、JASに期待をするとか、景表法に大いに期待するとか、よそのことばかり期待しておったのですが、おかしいなと思ったら、近々に次の国会に措置するとおっしゃるから、これは食品法をお出しになるのかと思って、いいことだと思ったのですが、どうも前後の話が食い違っておるのです。 そこで、いまのあなたのお話を聞くと、いまの法律をもっと強化をしたほうがいいのか、それとも新しい食品法をつくったほうがいいのか、それを企画庁が中心となって、公取と農林と厚生でもっていま協議をしておるのだ、こういう答弁であって、次の国会に措置をするとかなんとかいうことはお考えになっておらぬわけですね。どうなんですか。
○小川説明員 食品行政の考え方につきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、うそつき食品に対する問題と、それから有害なる食品に対する問題と両方あると思います。まだ企画庁としてははっきり意見を聞いておりませんが、厚生省のほうにつきまして、食品衛生法の関係の改正を考えておるやに聞いておりますが、それ以外に、うそつき食品までをまとめた案がそこに含まれているかどうかは、私どもまだ聞いておりません。
○武部委員 これは、金光環境衛生局長が来られてからもうちょっと具体的にやらぬと、どうも調子が合いませんから、あとに譲ります。 そこで、今度は添加物のことについて若干お答えをいただきたいのですが、これは佐藤総理が予算委員会で、三百五十六の食品添加物を総点検をしていくのだという答弁がありました。それで私も、食品添加物が総点検されることはけっこうだが、これから先、食品添加物をどういう計画で総点検をして、いつごろ結論を出すというような作業順序があるのか、これをひとつお伺いしたい。厚生省に……。
○小島説明員 再検討のことにつきましては、私どものほうでは昭和三十七年から再検討を始めておりまして、当時、国連のFAO、WHOでつくりました基準に従いまして、慢性毒性試験を行ないました。問題視されるものから洗っていったわけでございます。現在までに、色素にいたしまして十品目、それ以外の品目、三品目とを削除いたしました。大体において、発ガン性が世界的に疑問視されていたものについては終わったと考えております。 ただ、現在その他のものといたしまして、たとえば先ほど問題のありましたサリチル酸等の問題、あるいはサッカリン等――現在では問題ないと考えられておりますが、さらに念入りにやってみたいというようなもの、そういったものについての慢性毒性試験をやっているわけでございますが、これにつきましては、学問の進歩あるいは慢性毒性試験のやり方の進歩というものもありますので、私どもとしては、そういった学問の進歩ということにあわせて新しい方法を採用して、いろいろな試験をどんどんやってまいりたいということでございますので、いつまでにということはございませんが、現在のものをさらにいろいろな角度から念入りに検討いたしまして、少しでも疑いのあるものは規制をしてまいるというような方向でやっております。 それからもう一つは、安全であっても、やはり使用の量が少ないほうがよろしいわけでございますから、必要性の少ないものはやめていくということで、昨年、生鮮野菜等に使用色素等の規制をしたわけでございます。そういった方針で今後も調査をいたしまして、必要性の少ないものを制限をしていく、使用量を減らしていく、こういうような方法をとりたいと考えております。
○武部委員 私は予算分科会で、このことをいろいろと厚生大臣に問いただしたわけですが、いまあなたがおっしゃったような趣旨のことの答弁がございました。しかし、現実にタール系色素の問題とか、その他たくさん検討し直さなければならぬ。昭和二十二年に食品衛生法ができて、その翌年からずっと添加物が認められて、いま三百五十六ですけれども、現実に削除されたものは、私の計算では二十八しかないのですよ。どんどんふえる一方なんですね。これはタール系の色素とかズルチンとか、抹殺されたのは二十八種類ですよ。そうしてふえる一方だ。一たん許可したものでも、いまあなたがおっしゃるように、相当に学問も進歩して、それが有害だ、あるいは相乗毒性、慢性毒性という結果が出てくるわけですから、そういう点では、早急に三百五十六種類の添加物については点検して、いいものはいいのですから、悪いものがあれば即刻これは削除する、そういう措置をぜひともとってもらいたい。これは総理もそういうふうに答弁されたわけですから、急いでひとつやっていただきたい。 それから、監視体制は、きのう砂田委員のほうからも質問がありまして、私はあれを聞いておって、まことにどうも厚生省というのは、二年間もたっているのに、いまだにこういうことかと、あ然としたわけです。この間皆さんがお出しになった厚生白書を見ますと、営業許可になった個所は百四十六万カ所ですね。そういうものが認められておる。許可の要らない集団給食施設が百三十万カ所、合計二百七十六万カ所、食品を扱っておる個所が。そこで法定回数の約二割程度の監視しかなっていないのです。そうして答弁によりますと、製品検査についても、検査能力は必ずしも十分ではない、こういう答弁。これでは必ずしも十分どころの話じゃない。こういう二百七十万カ所を一体何人の人が監視をしておるのかということで、御答弁になった数字を私、書きとめたのですが、九百十二名だとおっしゃった。これは専門の検査員ですね。二年前は一体幾らだったか、八百四十七名だったのです。二年間たって九百十二名になった。その差は六十五名。全国でわずかに六十五名の専任しかふえていないのです。二百七十万カ所にのぼるところの食品を扱うところに、一体これだけの人間でどれだけの検査ができるか、監視ができるか、これは非常に疑問に思うのです。 それから、輸入食品も問題になりました。これもおととし、この場所でいろいろやりとりしたときに、十二万件、年に入ってくる。調べてみると、一年に一万件ずつふえておりますね、輸入食品は。人間は二年間にたった一名しかふえていないじゃないですか。そういうことで、一体監視体制というものが万全とは絶対に言えないですよ。それだからこそ、いま私が知っておるような事態がどんどん起きておるのです。厚生省はこの食品の監視体制について、これから一体本気でやる意思があるのかどうかということについて、非常に強い疑問を持ちます。 十一の港に二十人の輸入監視員、全国で九百十二名、これではとても万全の措置はできないと私は思うのです。輸入食品について、かりに三割の法定回数を調査するとするならば、百人必要だというのです。百人必要だというふうに厚生省は認めておる。それが二十人しかいないんですね。全国の専門の監視員はどのくらい要るのか、こう言ったら、四千人か五千人必要だとおっしゃっておる。現実には九百人しかいないのです。こういうていたらくです。ですから、少なくともわれわれがいま起きておる具体的な問題等を考えたときに、この監視体制については万全の措置をとってもらわなければならぬ。これが少なくとも消費者保護基本法の精神だと思うのです。今後厚生省は、こうした食品の監視体制についてどういう見解で臨まれるか、私はこれをひとつ聞いておきたいと思うのです。
○鴛淵説明員 ただいま御指摘のとおりでございまして、今後特に監視員の増員につきましては、府県の監視員については、御存じのように交付税の算定基礎に入っておりますが、十分安心のできるような数の確保に今後ともつとめてまいりたい。輸入についても同様でございまして、本年四十五年度につきましては、とりあえず施設整備の予算を従来の予算より倍にいたしまして、能率化をはかったわけでございますけれども、やはり何と申しましても人数が足りない。この増員についての努力は、今後ともやってまいりたいと思っております。
○武部委員 きのうの説明の中で、交付税に対する対象で、四十一年度は百七十万人で三十六名という基準を、四十五年度には四十四名にふやしたんだ、こうおっしゃったんですね。四十三年度に例をとってみますと、これを人口割りに引き伸ばしますと二千三百三十一という数字が出るのでありまして、それが現実には八百四十七しかいなかった。人口割りに直しますと二千三百三十一という数字になるのです。現実はそういうようなことになっているのです。ですから、そういう点について十分検討して、ことしの予算はもうきまってしまったんですからやむを得ませんが、来年の予算要求のときには、こういう食品の監視体制については万全の措置ができるように、厚生省としてひとつ特段の配慮をしていただきたい、こう思います。これは要望になります。 次に、同じく消費者保護基本法の附帯決議の中で、私どもは、消費者団体ということで特に生活協同組合ということを、具体的な字句として記載をいたしました。 そこで、あまり時間がございませんから、私は三つ、四つ質問をいたしますから、一括してお答えをいただきたいのです。 生協法が制定されましたのが昭和二十三年ですから、今日二十二年間たっておるのです。その間、改正がなされたのは昭和二十九年ですね。抜本的な改正が一度あっただけ。そうして、いま問題になっているのは地域制限の撤廃問題です。これは第二条の改正に関係するわけですが、これについて前の社会局長は、地域制限の問題は考え直す時期に来ておる、特にいま首都圏とかその他、そういうようなことで地域制限のワクを越えてどんどん合併が進んでおる、こういうようなことから制限の撤廃を必要とするのじゃないか。これは小売りとの対立関係があります。 〔砂田委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことが理由になっておりますが、私は、そういうことは理由にならぬと思うのです。というのは、私、先日灘生協へ参りまして――灘生協はたくさんの店舗を持っております。店舗を持っておって、それが付近の小売り店と対立状況にありはしないかと思って、調べてみました。全然逆であります。むしろ小売り店は、生協の店舗が出現をすることを大いに期待をしておる。そのことによって人間の往来が非常に多くなって、付近の小売り商がその恩恵を受けておるという具体的事実がたくさんあるのです。これはあなたのほうが行って調べられたらよくわかるのですが、もう地域制限撤廃の、小売りとの対立という条件はなくなってしまっておる、このように私は見ますが、この問題についてどうお考えか。 第二は、生協の店舗への厚生年金の融資です。これは年金福祉事業団の施行令第一条に関係をいたしますが、この余裕金の運用で、融資の対象から生協の購買事業がはずされておるわけですが、この購買事業に厚生年金の融資をやるということについて、いまの段階はどうなっておるか。これは前の答弁では、前向きで検討したいというような抽象的な答弁でした。 第三番は、祖税特別措置です。損金算入のことですが、農協並みにすべきではないか、こういうことを私どもが申し上げたわけです。 御承知のように、昭和三十五年まで農協や中小企業と同じ損金算入をとられておった生協が、全部一括して、昭和三十六年に切られましたね。切られて三十九年に復活したわけですが、農協や中小企業は復活したけれども、生協のみはオミットになった。四十二年に復活したときに、一千万円の出資金がなければということが前提になって復活したわけです。御承知のように、この生協の出資金一千万円以上というのは一一・四%しかないんです。約八八%というのは一千万円以下なんです。ですから、対象はわずかなのです。この一千万円の損金算入の特別措置というものを緩和する意思があるかどうか、これが三点。 それから、この生協なり農協なりその他と差別があるわけですが、その撤廃、これは酒とかたばことかそういうものの販売をする権利、そういうものについてどうお考えか、これが第四点。 第五点は員外利用です。これは農協が二割の員外利用を認めているわけですが、現実の姿から見て、生活協同組合には員外利用を少なくとも農協程度認めるべきではないか、こういうことを言ったところが、生協法の第十二条の第三項ただし書きによって、いまの行政措置で、当該行政庁が許可をした場合にばこの限りではないという一項目があります。その運用で相当なものはいけるのじゃないだろうかという、社会局長の答弁があり度した。あれから二年たっておるわけです。 生活協同組合法の改正について、以上五点についてあなた方の御見解をひとつ承っておきたいと思います。
○岡田説明員 お答え申し上げます。 まず第一点の、地域制限の緩和の問題でございますが、これは先生御指摘のとおり、現行法でもっては十分ではないというふうに私ども考えております。ただ、昨年でございますか、私ども、関係各省といろいろと協議をしたのでございますが、その結果並びにその交渉の際のやりとりの状況につきまして、日本生活協同組合連合会等関係団体必ずしも満足ではない、これでは不十分じゃないかというような意見もございまして、現在日本生活協同組合連合会と協議中の段階でございます。この問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、私ども、現行法のみをもってしては現状には合わなくなっているという意見を持っております。今後とも、この改正の問題につきましては最大の努力をいたしたいというふうに考えております。 第二番目の、厚生年金の融資の問題でございます。この問題につきましては、昨今、生活協同組合の非常に大きな問題にもなっておりますけれども、大量購入、大量販売といったような問題があるわけでございます。私どもといたしましては、できるだけこうした方面につきましても、低利、長期の融資をするようにつとめてまいりたいというふうに考えておるところでございます。ただ、厚生年金の還元の融資につきましては、生協にのみ特別の融資をするということはなかなかむずかしいといったような関係もございまして、私どもといたしましては、中小企業金融公庫あるいは農林中金、そういう方面に対しまして、この生協の店舗あるいは冷凍食品の貯蔵、輸送、販売等の設備につきまして、関係方面からできるだけの資金を融通するようあっせんしておるというふうにつとめておる次第でございます。 それから、三番目の祖税特別措置、これは先生御指摘のとおりでございまして、私ども、関係各省に対しまして強くお願いをしておるところでございますけれども、やはり小売り商と申しますか、そういった方面との関係もあるように聞いておりまして、なかなか実現しておりません。しかしながら、これは私どもの努力の不足いたすところでございまして、今後とも実現に向かって努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。 それから酒、たばこあるいは米の販売の関係でございます。この問題につきましては、いろいろ実現のむずかしい点もございますけれども、たてまえ上は、これもほかの協同組合とは区別されないというかっこうになっておるわけでございまして、あくまで運用の問題でございます。この点につきましては、今後とも私ども、積極的に関係官庁に対しまして要請を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 最後に、員外利用の問題でございます。員外利用の問題につきましては、現在生協の中の一部ではございますけれども、員外利用を認めることについては、生協経営の基礎でございます出資金の確保といった面からいたしまして、適当じゃないのではないかといったような意見もあるやに聞いておるところでございますが、私ども、できるだけ実態調査をさせまして、実情に即応できるような措置をとってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○武部委員 いろいろ他団体との関係もあるわけで、はっきりした答弁はなかなかできにくいことはよくわかるわけでありますが、私が第三番目に申し上げた特別措置の損金算入の問題は、せめて農協並みにやるべきじゃないか。農協と中小企業と生協が、なぜその取り扱いが別にされるのか。その原因は、農協は生産活動体だ、中小企業は生産活動体と流通部門である、生協というのは消費生活の相互扶助だ、こういった違った行き方なんだということが理由なんですね。ところが、現実に農協は、あなたも御承知だと思うのですけれども、販売活動が非常に活発ですよ。ほとんど生協と変わらぬようなやり方をしておるのですよ。それについて、片方だけ損金算入をあのような形で認めて、片や生協については一千万円出資金以上のものでなければだめだというような、そういうことは現実の姿から間違っておると思うのです。そういう点では、厚生省としては生活協同組合というものを非常に重要視しておる。ですから、附帯決議の中に具体的にこれを入れたわけなんです。 五つのことを申し上げましたが、ぜひ御検討いただいて、これは大蔵省とかいろいろなところに関係があるでしょうが、員外利用の問題その他もございますが、ぜひひとつ、日生協連あたりと具体的な地域制限の撤廃等についても相談をして、前進するように御協力を願いたい。このことを最後に要望しておきたいと思います。 たいへんおそくなりまして、公正取引委員会には申しわけなかったわけですが、同僚議員の質問の関係があっておくれましたことを、最初にお断わり申し上げたいと思います。 きのう砂田委員のほうから、消費者保護基本法のアフターケアの問題に関連をして、再販の問題が質問をされました。このたび出されました物価安定政策会議の提言の中にも、再販の問題が具体的に記載をされております。いずれこの再販の問題は、その提言をもとに、あらためて公正取引委員会の見解をお伺いしたいと思っております。 きのう事務局長が答弁されたのをちょっとここに書いておきましたが、四十四年五月から二百二十五社を調査して集計がまとまりつつある。はなはだしいマージンやリベートや現品添付があって、一〇〇%以上のものもある。こういうことで、これは消費者の利益を不当に害するということに該当するのではないかという点がある、こういうようなお話がございました。私もいろいろ調べておるわけですが、一〇〇%以上リベート、マージン、現品添付、合算をして一二五、こういうものがあることを承知をいたしております。私は最高だと思うのです。少なくとも現品添付やリベートやマージンが一二五というようなことは、まことに許せない内容だと思うのです。 なお、事務局長が答弁になった、一〇〇%以上というようなものもあるということですが、いままでの調査の中で、マージン、リベート、現品添付が、少なくとも大メーカーの中に相当あるということを私は承知をいたしておりますが、公正取引委員会としては、きのうお述べになった数字はごく一部の数字と思われておるのか、それとも非常に多くある、このようにお考えになっておるのか、その点はいかがですか。
○吉田(文)政府委員 まだ中間の集計段階でございまして、全部集計を終わっておりませんが、私どもとしてはごく一部ではないかというふうに考えております。
○武部委員 なるほど、一二五なんというのは、そうざらにあったらたいへんなことなんですが、たとえば一〇〇とかあるいは八〇とか――いつか当委員会で事務局長は、八〇という数字をお述べになりましたね。八〇%というものがあった。少なくとも五〇以上のものは相当あるように、私どもは推定できるのです。 そこで、今度は公正取引委員長にお伺いをいたしたいわけでございますが、いま私が申し上げた一二五というものの中には入っておりませんが、そのほかに景品があるのですね。たとえば、きのう砂田君が言っておったのは海外旅行であるとか招待観光旅行、その他、たとえば時計を景品につけるわ、毛布をつけるわ、たくさんの景品がこのマージン、リベート、現品添付のほかにあるのです。そうなってくると、この二十四条の二のただし書き、消費者の利益を不当に害するということとこの数字というものとはどういうふうにかみ合うのだろうかということが、一番疑問になるのです。 きょうは、具体的にこのことで論争することを避けますので、端的にお伺いいたしますが、再販を認めておるけれども、三十四条の二のただし書きで消費者の利益を不当に害するという、そのワクといいましょうか、けじめですね、これは一体どこから消費者の利益を不当に害し、どこまでが不当に害さないというふうにとるのか。これは非常にむずかしいことかもしれませんけれども、少なくともこういう現実の姿が出てきたのですから、その場合には、二十四条の二のただし書きに該当するものは認めてはならぬのです。そうすると、いまあなた方が御調査になっておる段階ですが、どの程度のものは二十四条の二のただし書きに該当し、どの程度のものは該当しないというふうにお考えになっておるのか。それがなければあの条文は死んでしまうのですからね。この点はどうでしょうか。
○谷村政府委員 まさにそのとおりでございまして、こういう問題について、いろいろな事例がら推して、本来ならばもっと安く消費者の手に渡るべきものを、そういう形で安くしていないというのはいけないから、どういう基準を立てて考えるべきであるか、早急に検討をすべきである。先生と同じようなことを、私も内部で申しております。
○武部委員 それだけではだめなんです。そこまでは大体、二人同じ意見なんですがね。いまの再販というものは、砂田君の意見と私は違うのです。きのう砂田君は、再販というものは、いまの流通機構のいろいろな段階から見てやむを得ぬものだ、こういう態度で質問をされておったようですが、私は反対なんです。再販は、いまメーカーの利潤確保のための隠れみのになっておる、こういうことを、私どもは今日まで指摘をしてきたわけです。したがって、その再販について具体的に洗い直しをしてほしいということを、二年も三年も前から言ってきたのです。そのことがようやく今日、こうした具体的な数字になってあらわれてきたのですね。そうすると、私がいま言うように、メーカーの利益確保のための隠れみのになっておると思われる再販行為、そしてこのリベート、マージン、現品添付という異常な数字、これが二十四条の二のただし書きにどう抵触するのか、このことについて、公正取引委員会がしっかりとした、きちんとした一つの基準を設けて――これ以上のものについてはだめだ、再販は認めない、これ以下のものについては認めるという一つの基準がなければ、こういう調査をしても何にもならないと思うのです。そのことについて調査の結果を待つと同時に――あなた方のほうでいまここで言えなければ、それでけっこうです。言えなければけっこうですが、こういう数字の上に立って、どこからはこの再販のいわゆる二十四条の二のただし書きに該当する、それまでは該当しないというきちんとした見解を一緒にまとめて、あなた方としては態度を決定される意思があるかどうか、それをお聞きしたい。
○谷村政府委員 この前もお答え申し上げましたとおり、再販制度というものが一体いかなる法益を持っているものなのであるか、その法益に照らしてみて現在の実態ははたして適当しておるかどうか、そういったことを、ただいまのただし書きの問題も含めまして、全体として、この際私は検討しなければならないというふうに思っております。それは御指摘のとおり、二年前から言われていることでございましょう。そのとおりでございますが、私自身としましては、もう少し全体の問題をよく突っ込んで検討してみたい、こう考えて、事務当局にそういうふうに命じておる次第でございます。
○武部委員 それじゃ、しつこいようですが、もう一つ、このことについて確かめておきたいと思います。 これは、私どもから見ると特に医薬品に多い。そのほかのものには、さほどのものはないように思うのです。医薬品ですね。それで、この二百二十五社の資料がまとまった段階において、さっきから何べんも言うように、二十四条の二のただし書きに該当するというふうなものについてはこれを排除する、取り消しをする、また申請は受け付けないというような、きちんとした基準をおつくりになる意思があるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○谷村政府委員 さっき武部委員も触れられたように、一つの商慣行なり何なり、いろいろな現実の事態をもとに置いた場合に、どういう線が一つの基準になるかということを見つけ出すことはむずかしい問題であると思いますが、私どもは、むずかしいからといって、そういうことを避けておるわけにはいかないというふうに思います。 そこで、いまおっしゃったような問題を、二百二十五社の調査ができ上がったときに、関連して、直ちにそこでうまく言えるようなことになるかならないか、その点は、そこまで具体的にいますぐ何かができるというほどの検討は、私はまだ進んでいないと思います。それができるくらいなら、もっと過去においてもできていたと思います。そういう意味で、直ちにお話しのようになるかどうかわかりませんけれども、私は、そういうことを含めて、私どもがいままでやり足らなかったことをもっとしっかりやっていかなければならない、さように考えております。
○武部委員 この二百二十五社というもののリベート、マージン、現品添付の調査をしたのは、今回初めてでしょう。医薬品についていままでやっていなかったわけでしょう。それをおやりになる過程において、相当数のものがまとまってきておると思うのです。これは一年かかっておるわけですからね。四十四年五月からやってきておるわけですから、ある程度のものはまとまっておるはずなんです。そうすると、二百二十五が全部集まらなくたって、大体の傾向はわかっていると思うのです。そうすれば、あなた方が御結論をお出しになるときに、この内容を勘案しながら、一体この具体的な――A社はリベートが一〇〇、B社は一二五、片っ方は六〇、いろいろな問題が出てくるでしょう。その場合に、それと並行しながら、あなた方のほうとしては、この調査はしたが、あとの二十四条の二のただし書きのほうはひとつ十分考えてというようなことでは、これは消費者の利益を不当に害するということがずるずる先に延びてしまうのです。現実に、毎日買っておるのですからね。そういうことで、早急にこの二十四条の二のただし書きに該当するものについて結論をお出しになるのが、私は消費者保護基本法の附帯決議の精神に沿った行為だと思うのです。そういう意味では、早急におやりになりますか。
○谷村政府委員 もちろん、いたずらに遷延するのはよろしくないことでありますから、私どものできる限りの努力をいたしまして、早急にできるものはやりたいと思います。
○武部委員 これで終わります。
○松浦(利)委員 関連質問をさせていただきたいと存じます。 衆議院物特委決議2の(7)、参議院物特委決議1の(7)、不当景品類及び不当表示防止法についての公取委の見解をお尋ねしたいと思うのであります。 実はきょう、たいへん忙しいと思ったのですけれども、ぜひ公取の委員長に御出席を願ったのは、公坂の基本に触れるような重大な問題があるからであります。御承知のように、いままでのこれに対する排除命令をつぶさに見てまいりますと、一つは当面の是正措置、もう一つは今後の違反を禁ずる旨の宣告、もう一つは一の是正措置についての報告義務、この三つが、排除命令の主文として常に記載をされておるわけでありますけれども、この排除命令は、最小限この要件を満たさなければならないということなんでしょうか。どうでしょう。
○谷村政府委員 御承知のように排除命令は、景表法のたとえば第六条でやるわけでございますが、必要な事項を命ずるのにどの程度のことが必要であるかということを考えて、そうして命令するわけでありまして、いまおっしゃいました三つのものが必ず備わらなければならない不可欠の要件であるということではございません。事案によって考えます。たとえば景品等におきましては、今後の予防措置の一つとして、その次にまた懸賞などをするときには、それをそのつど届け出てこいというようなのも入れております。それから、たとえば必要でないと考えるときには、その一つをつけない場合もございます。それは、当該排除措置の目的とするところが何であるかによって、必ずしも画一ではないと存じます。
○松浦(利)委員 いま私はここに、昭和四十五年第十四号、同じく四十五年第十五号、東芝商事株式会社の不当景品類及び不当表示防止に関する排除命令、及び西友ストアーの排除命令をもらっておるのですけれども、このいずれも二の項が削除されておるわけですね。この二の項というのは、先ほど言いましたように、今後は違反をしない旨の宣告ですね。これが抜けておるのはどういう理由ですか。
○谷村政府委員 いま松浦委員は二の項が削除とおっしゃいましたけれども、別に削除したわけではなくて、つけなかったわけです。 本件につきましていずれ御説明を申し上げますけれども、この二件が出ます前に一つ、やはり主文の中で繰り返し禁止の命令をつけなかった例があるわけでございます。そして、一体何のために繰り返し禁止命令をつけるかということは、将来、本件事実と同様な事実をもりて不当な表示を行なった場合、そのときには、またもう一ぺん排除命令というやり方もございましょうけれども、法律的な効果からいえば、直ちに公取委員会の審決違反という事態を生ずることのために、その繰り返し禁止命令の問題があるわけでございます。 そこで、私が一つの例を申し上げます。 たとえば、繰り返し禁止命令をつけなかった一つの例は、煙探知器というものをつくっておりますあるメーカーが、たいへん自分のところの製品がいいもので、アメリカの航空宇宙局、NASAでいろいろテストを受けたという情報を耳にいたしまして、そのうちに、さらにまたNASAが、それをたいへんいいものだということでアポロに乗せたという一つの情報を耳にいたしまして、それをもとにいたしまして、アポロに乗った、乗ったという広告をしたわけでございます。これは、私どもとしては、あとで調べましたところうそでございますので、そういう広告は排除しなければならないと言ったのでございますが、その間、事務当局がいろいろ事情を聞いてみましたところ、全くそれはいろんな手違いで、まさにそうであるかのごとく当事者のほうも思い込んで、たいへん申しわけないことであったけれどもそういうふうにしてしまったというような事情があったので、そういう、本人みずからがだまされたようなかっこうでやったものに、また繰り返し禁止命令をつける必要はない。これは当然のことということで繰り返し禁止命令をつけなかった、という例もあるわけでございます。 それで、もし必要とあらば、なぜこの十四号、十五号についてつけなかったかということを御説明申し上げてもよろしゅうございます。
○松浦(利)委員 私は削除したんだと思ったのです。ところが、いまの説明によると、それは削除したのではない、つけなかったのだ。こういうことであれば、意識的につけなかったというふうに理解してよろしゅうございますか。そのとおりですね。――だとしますと、これはいま委員長が言われたように、この排除命令は、繰り返し行なうことができるわけですね。極端にいうと、法律的にはこれと同じことをまたやることができる、そういうふうになるのじゃありませんか。その点はどうでしょう。
○谷村政府委員 そこが非常に誤解しておられるところだと思うのです。景表法でも、ちゃんと第三条及び第四条において、不当な表示をやってはならないということは、それ自体に書いてあるわけでございます。やれることはないのです。やってはいけないのです。やった場合に公取から排除命令を出されるということは、これは法律の執行として、私どもがそういう表示をしてはいけないということを言うのでありますけれども、やっていいのだとおっしゃるのは間違いでございまして、やってはいけないのでございます。
○松浦(利)委員 私が言ったのは、この業者の立場でものを言ったのですよ。これは二の項がないから、いまやったものがいけなかった、この次やってみて、公取のほうから排除命令が出たらやめる。同じことが繰り返されるということが――二の項が抜けておるために、この業者はやろうと思えばできるのですよ。そうじゃないですか。
○谷村政府委員 いわゆる繰り返し禁止の命令はどういう形でつけておるかと申しますと、大体の場合は、たとえば当該会社はかようかような、本件事実と同様な事実を行なって、不当に何々してはならないというふうなことをつけているわけでございます。ですから、たとえば奈良漬を不当に過大包装をしてやったものに排除命令を出した場合に、奈良漬をまた同じような過大包装をしてはいけないというのはつきますけれども、柴漬を同じようなことをしてはいけないということはつけないわけでございます。 そこで、話がややこまかくなって、私も実のところ正直言いまして、委員長になって、この繰り返し禁止命令の問題というのはどういう意味であるのだということを、いろいろ考えてみたのでございますけれども、本件の場合に関しましてなぜそういうふうなことができましたかというと、違反事実というのは、私どもがこれではいかぬぞと言った事実というのは、御承知かもしれませんけれども、月賦あるいはローンというものによって、いわば即金で買うのでない場合に、その表示のしかたがあいまいであるという点にあったわけでございます。それは御承知であろうと思います。その、一体どういう表示のしかたが現に行なわれており、また、みんなは一体それをどう理解するかというふうな問題になってまいりますと、これは理解する人の立場立場によって違うと思いますけれども、いまだ非常にあいまいであるわけであります。あいまいであるからこそ、私どもは、そこはあいまいであってはいけないということで排除命令を出すと同時に、事務当局に命じまして、こういう問題について十分よく――業界としては、どういう表示のしかたが一番いいかということを考えてほしい。そうでないと、ただ本件事実と同様の繰り返し禁止の命令をしましても、他の形においてまた出てきたときにまた問題になるだけで意味がない。排除命令の中で繰り返し禁止の命令をつけることよりも、もっと大事なことはそのもとを正すことではないか。さような意味合いにおきまして、私は、どういう団体とどういうふうにやってくれているか存じませんが、現在、私どものほうの事務当局が業界に呼びかけまして、業界のほうも、こういうことで問題になったということでは、はなはだお客に相すまないということでございましょう。ローン価格とか分割特価とかいろいろな言い方につきまして、しっかりした一つの線をまとめて出そう、かような考え方にいまなっておるところでございます。
○松浦(利)委員 私、どうも理解できないのですが、繰り返し禁止命令を出す必要はない、こう言っておられるその委員長が、昭和四十五年第十九号の海苔トップの排除命令では、ちゃんと二項を入れておるのですよ。あなたが言うとおりなら、この二項もないのがほんとうじゃないですか。なぜ片一方だけ二項を削除して、この二項は載せるのですか。その点どうなんですか、はっきり答弁してみてください。
○谷村政府委員 海苔トップのほうは海苔トップのほうとして、載せることが必要である。少なくともまた同じようなかんの中に同じようにノリをわずか入れて出すということであってはよろしくない、かように考えまして、海苔トップに対しては、してはならないということをつけたわけであります。海苔トップについては、いま私が申し上げました東芝とか何でありますとかというようなところと、事情が違うところであると思います。
○松浦(利)委員 事情が違うのは、東芝商事株式会社、西友ストアーというのは、非常に企業が大きいということですよ。海苔トップというのは企業が小さい。資本力がないのです。大きなところについては二項を削除しておるけれども、小さなところについては二項を入れておる。そういうふうにしか私たちには理解できない。あなたがどんなに言いわけしても、公取の排除命令をずっと見ておりましたけれども、二項を削除してきたというのは、あなたが委員長になられてから、これが急に連続して二つ出てきた。しかも、業界では何と言っておるかというと、この排除命令はわざありだ、こういう言い方まで私の耳に入っているのですよ。業者の方はだいぶ公取に陳情したということも知っていますよ。その点どう思われますか。これからも二項は全然載せないというふうに言われますか。それとも、場合によってはこのような二項は載せるのだ、ある場合には二項を削除するのだ、こういう仕分け方をされますか。
○谷村政府委員 松浦委員がそういう誤解といいますか、または、私どものやっておりますことを十分に理解されないで、大きなところであるからとか、陳情があったろうからとか、あるいは、わざがあったとかなかったとか、さようなことを耳にされることをもって、私にそのやり方が違っておるというふうに言われるのは、はなはだ私としては残念であります。私どもとしては、行政官庁としていかなる行政処分をするのがよろしいかということを、公正に考えてやっておるのでございまして、今後とも、必要があるところであれば、大きかろうが小さかろうがつけますし、必要がない、あるいはここはまだ問題である、この点ははっきり事態を調べてからやったほうがよろしいというところであれば、それはいたすようにいたしたいと思います。何も二項をつけるとかつけないとかいうことが一つのきまったルールとしてあるわけではなくて、その必要必要に応じてつけるべきものはつける、つけないものはつけないということであろうと私は思います。 なお、念のために申し上げておきますが、私ども委員会の耳に入りません、あるいは、私どものところまで参りませんで、事務局限りにおいていろいろと注意をしたり指導をしたりして済ましておるものも、たくさんあるのだというふうに思います。さようなときにおきましても、事務当局は決して、相手がどうであるからとかこうであるからとかいうことによって、先生がおっしゃったように分けているのではなくて、事案に応じて、行政官庁としての必要な措置をそれぞれに対応してとっているのだ、私はかように理解しております。
○松浦(利)委員 急に変わったからふしぎなんですよ。いままでの、前委員長時代の排除命令をずっと調べてみられたらわかるのです。ちゃんとこの三つの形態というのはつながっておるのです。あなたになってから、あるものには二項が入っておる、あるものには削除されておるという姿が出てきたからふしぎに思うのです。入っておらぬならみんな入らぬ排除命令が出てくるならわかりますけれども、あるものには入り、あるものには入らないということになれば、当然われわれとしては、なぜだろうかということを考えます。その場合に、大きい小さいということも、当然私たちとして出てくるわけですよ。だから、あなたが言うように、これからもこういうふうなことがあるかどうかということを、はっきり言ってください。
○谷村政府委員 何といいますか、事案がたまたまそういうことに触れたのだと思いますけれども、私がさっき、基本的に考え方として申し上げたとおりでありまして、大きい小さいということであるいは御不審をお抱きになったかもしれませんけれども、さようなこととは一切関係なしに、事案によって――たとえば、さっき申し上げました煙探知器のごときも、その一つの例でございます。あれがおそらく主文二項で、従来どおり繰り返し禁止の命令をつけなかった最初であろうかと思います。たしかそうでございましょう。それで私はいいのだと思います。必要でなければつけないものがあっていい。行政というものは、さように何もきまり切った一つの形をつくっておいて、そのとおりやるということではない。その実態に応じて必要なことをやっていけばいい。ですから、問題があれば、どのくらい大きかろうと、どんなに陳情があろうと、何を言われようと、私はやることはちゃんとやります。
○松浦(利)委員 あなたの言っておられることは、非常に勇ましくてけっこうだと思いますが、やっておられることと違うのです。結果出てきたものは、いま私が申したような内容が出てきておるから、ふしぎでならないのです。 もう一ぺん言いますと、たとえば東芝商事でもいいし、西友ストアーでもけっこうです。この企業が同じことをしようと思えば、やってはほんとうはいけないのですけれども、しかし、この業者が悪どい業者で、今度また同じようなことをやっても、法律的には、繰り返しのあれがないから、やろうと思えばできるじゃないですか。いままではそういう繰り返しができないように、ちゃんと排除命令に二項が入っておった。ところが、この人たちは良心的な業者だから、一ぺん注意されたらやらないということが保証できるかもしれない。しかし、場合によったら保証できないかもしれない。やろうと思えばできるかもしれない。そのことを私は非常におそれるのですよ。だから、あなたにくどいように聞いているのです。この業者が再びするというようなことは考えませんけれども、一ぺん排除命令を受けた、しかし、この業者がやろうと思えばできるのです。なぜこういうふうにしたのかということがわからない。もしあなたが言うことが事実なら、私はここに委員長を通じて、これを削除した理由、こちらのほうに入れた理由、今後のこの排除命令に対する考え方、以上について、文書で当委員会に提出していただきたいと思います。その文書が出てから、またこの問題についてさらに質問を詰めたいと思います。 もう一つ、武部委員の質問に関連して申し上げておきます。 再販の問題です。この問題については、ばく然と議論したのでは話になりませんから、次回の本委員会で洗剤の再販問題について議論をする資料を、おたくのほうでもそろえてもらいたいということを申し上げて、私の質問は次回に譲ります。
○松平委員長 公正取引委員会の委員長に申し上げますが、ただいま松浦君の要望のとおり取り計らっていただきたいと思います。 渡部通子君。
○渡部(通)委員 先ほどの魚肉ハムについての質疑を続けさせていただきます。 たいへんまぎらわしいというお話を申し上げました。それはちょうど朝日新聞に取り上げられて、消費者団体から突き上げがあったという話でありまして、そのときに、公坂も七日から調査を始めた、あるいは、農林省はJASを早急に改正することになった、こういう報道がなされたわけでございまして、こういうちょっと一見まぎらわしいものをなぜいままで見のがしていらしたのか、あるいは、七日以降どういう調査をお始めになったかという点を、まず公坂に伺いたいと思います。
○吉田(文)政府委員 それは私から御答弁申し上げます。 魚肉ハム、ソーセージにつきましては、畜肉製品とまぎらわしい表示があるということでございますが、これにつきましては、ことし四月七日に申告が、福井県生活科学センターと、それから日本消費者連盟協議委員会からございまして、さっそく調査をいたしているわけでございますが、まぎらわしい表示の内容は、プレスハム、つまり魚肉のハムにプレスハムという名前を使っている。プレスハムというのは――プレスということばは魚肉、畜肉に関係はないわけですが、一般には、これは畜肉ハムに用いられるというふうに考えられます。そういうことで、景表法第四条の不当表示の疑いがあるということで調査をいたしておりますが、調査の途中の段階におきまして、これは早急に表示の改善をさせたほうがいいのではないかという考えから、業界に対しまして表示を改善しろということを申し入れまして、これは四月半ばごろでございますが、要望しましたところが、商品名の二分の一の大きさで魚肉ハムという文字を明示する、並べて魚肉ハムということをはっきり薄く、それと同時に、使用している原料名を配合の多い順に書く、業界のほうがそれを受け入れるということで、そういうふうに記載することになったわけでございます。これは現実にそのとおり記載しているかどうか、まだ確認はいたしておりませんが、業界としてはそういうことで今後やりたいということになったわけでございます。 なお、ほかにもたくさん、こういうまぎらわしい表示の例があると思いますので、魚肉ハムと畜肉製品をあわせまして、今後適正な表示を行なわせるというために、公正競争規約による業界の自主規制を設定したほうがいいのじゃないかというので、その線で、規約の設定の指導についても検討を始めております。
○渡部(通)委員 大体四条違反ということをお認めになった立場で調査を始めた、と了解してよろしゅうございますか。
○吉田(文)政府委員 まだ違反かどうか、これははっきり、私どもの委員会でおきめになることでございますので、私ども事務局としましては、違反の疑いがあるということで調査をしております。
○渡部(通)委員 いまの御答弁の中で、種別の表示をすれば二分の一の大きさでいい、そのほかに材料を書くという、そういう話はわかって、そのような表示になっているのですけれども、確かに種別は、ゴールドハムとかハイソーセージとかビタミン強化とか、いろいろなことがあるのですが、この材料別のほうが非常に小さいのです。これが私は一番問題だと思いまして、やはり買う場合には、何でできているかということが一番心配なわけです。特に現在のハムとかソーセージは、魚なのか、ときには犬だなんといううわさも出てくるくらいですから、これは見ただけではわからないです。虫めがねで見なければわからないような材料表示になっているわけなんです。この辺がたいへん問題だと思いまして、これは農林省に伺いたいのでございますが、メーカー側の言い分ですと、JASマークについているから、表示してあるからいいということで通っているそうなんでございますね。ですけれども、いま申し上げたように、JASマークのわきに書いてある魚肉というこの表示が、虫めがねで見なければわからないほど、どれもこれも非常に小さい。しかも、その表面にJASが押してある場合はほんとうにございませんで、どれを見ても、横側とか裏側とかに書いてある。これはまことに逃げているという印象しか受けませんで、少なくとも消費者に対して親切であるなどということはめっそうもない話になっているわけでございまして、そういう指導で通っているのかどうか、これは農林省に伺いたいと思います。
○小暮政府委員 これまでの魚肉ハムあるいは魚肉ソーセージについてのJAS規格では、残念ながら、原料名を表示するということがJASの表示の規準の中に入っておりません。ただ、JASというしるしはございます。あのしるしのワクの中に、魚肉ハムあるいは魚肉ソーセージということを表示するように義務づけておるわけです。 この点につきましては、私どもも、今回の事案を十分審査いたしました結果、これは改善の必要があるというふうに考えておりまして、ただいま魚肉ハム及び魚肉ソーセージのJAS規格の改定について、すでに検討を急いでおりますが、これは審議会におはかりしなければなりませんけれども、私ども、審議会におはかりするときには、JASマークの輪の中に書くことと変えまして、先ほど公取のほうからも御指導のございましたような趣旨を体して、明らかに魚肉ハム、魚肉ソーセージということが簡単に識別できるように、大きな字で外側に書くということを、今回のJAS規格の改定の際にこれを行なおうとしております。
○渡部(通)委員 たいへんその御答弁は、ありがたくちょうだいいたします。必ずJASマークの外に表示をしていただく、そして大きく書いていただく、その点をお願いしたいと思いますが、大体いつごろから、それは実施できるようになりますか。
○小暮政府委員 その問題だけでございますと、今月中にも審議会にお願いできるかと思いますが、実はせっかくの機会でございますので、魚肉ハム並びに魚肉ソーセージの成分等についての表示の問題その他関連した事項を、いま早急に検討いたしております。いずれにしても、六月には審議会に成案をおはかりするというくらいのテンポで仕事を進めたいというように考えております。
○渡部(通)委員 それから、魚肉ハムと畜肉のほうを区別するために、陳列ケースを分けたほうがいいとかいうふうにいわれているそうでございますけれども、私は、ケースを別にするよりは、やはり表示を大きくしたほうがいいのではないか、そのほうがやはりわかりやすいし、陳列ケースを分けるといっても、なかなか小売り店等でそうもいかない場合がございますので、そういう意味からもぜひこの表示をはっきりしていただきたい、こう思うわけでございます。 それから、いま問題は、一応農林省のほうから御回答いただきましたけれども、種別を書くよりもやはり材料を明記するという、こういう点については、農林省がそういう決定をなされば、公取のほうとしては別に御異議はございませんでしょうね。
○吉田(文)政府委員 私どもとしては、農林省がそういう決定をなされれば異議はありません。
○渡部(通)委員 次に、重量表示でございますけれども、これはいまはほとんど、全然ないということについては、どういう御見解でございましょうか。
○吉田(文)政府委員 重量表示の点につきましては、従来私どもで、食品につきまして公正競争規約というものができ上がっているのが、十三でございますか、表示についての規約ができておるわけでございます。その中には全部重量表示もさせてございます。したがって、このハムについても規約ができるかどうか、これはこれからの問題でございますけれども、もし規約設定ということにでもなれば、その中に重量表示をさしていきたいというふうに考えます。
○渡部(通)委員 JASの規格においては、この重量表示という点はどうなんでしょうか。
○小暮政府委員 実は魚肉ハム、ソーセージの製法がまだ――長さを斉一にするというところまではできておりますけれども、太さ等の関連で、間違いなくある一定のグラム単位、誤差が少ないところにできるところまで、製造工程が合理化されておりません。私どももかねてその点について、まず製造の実態のほうをそういうふうに改善することを急ぎまして、しかるべき機会に重量表示を規格の中に盛り込むということにいたしたいと思います。
○渡部(通)委員 ハムの問題については、たいへん前向きの御答弁をいただきましたもので、ぜひともこれがなるべく早い機会に実現をするように、重ねてお願いをしたいと思います。 もう一つ、飲料水についての表示でお尋ねをしたいのです。 実はこういう新聞広告でございます。これは三月の宋に出たものでございましたけれども、果実飲料水の、これも若干行き過ぎではないかということをお尋ねをしたいと思うのです。ジュースということの定義でございますけれども、いまジュースという名称をつけられるのは天然果汁のものだけなのか、その辺の基準はどうなっておりますでしょうか。
○小暮政府委員 この問題につきましては、の今日の姿を申しますと、まだジュースという名称の使い方について、画然とした制度的な区分けはございません。ただ、ただいまジュースについて、そのジュースということばを使い得る場合を明らかにしようということで、寄り寄り協議中でございます。
○渡部(通)委員 少なくともジュースという名称がつけられるのは何%以上、たとえば一〇〇%天然果汁でなければならない、あるいは六〇%、七〇%以上でなければならないということが、すでに業界側の申し出等できまったというような話を私、聞いたことがございますが、それは……。
○吉田(文)政府委員 いわゆる果汁飲料でございますが、これにつきましては、かねてから公正取引委員会で公正競争規約の指導をしておりまして、すでに表示連絡会等も何べんも行なっております。その中で、いまおっしゃられましたように、ジュースという名称については、一〇〇%天然ジュースということに業界の意見がまとまっているようでございます。
○渡部(通)委員 それではお尋ねしたいのですけれども、このメーカー、大メーカー、明治でございますが、これが四〇%入りの清涼飲料水ですね。これをかん詰めのかんの容器を変えて、ラベルを変えて、あけ口を変えて、〇〇ジュースとして、フレッシュなジュースとして売り出している。これは明らかにジュースという表現でございますが、このデザインを変えて新装発売するジュース、これはちょっとひっかかるのではないか、違法にはならないかという疑念を持つのでございますが、いかがでございましょうか。これは四〇%です。
○吉田(文)政府委員 その点でございますが、ジュースというのが、先ほど申し上げましたように、公正競争規約でもっていま検討中で、規約ができ上がれば、今度、天然果汁一〇〇%のものでなければジュースという名前が使えないということになると思いますが、現在の段階でそれが直ちに不当表示になるか、検討してみないとわからないと思うのです。
○渡部(通)委員 先ほどの御答弁ですと、大体業界の申し合わせだと一〇〇%がジュースである、ただし、これはまだ規約になっていないから拘束力がないというお話でございますけれども、これは消費者保護という立場から考えたら、道義的に見ても当然こういうことはあり得べからざることだと私は思うわけです。しかも、これだけ信用のあるメーカーが、デザインを変えて、もともと同じ四〇%の天然果汁のものを、ジュースとして新装発売として、大々的に季節をねらって広告をするなどということは、まだ公正競争規約にないからといって放置してはならない問題だと思いまして、こういうことに対してどういう行政指導をしていただけるか、この点を伺っておきたいと思います。
○吉田(文)政府委員 そのジュースというのが一体何であるかということが、まず先決問題でございます。これは現状において、一〇〇%果汁のものでなければジュースでないというふうな明確な確立された観念があるということは、私まだ知らないのでございます。いまおっしゃいましたその事件につきましては、さっそく調査をいたしまして、不当表示になるかどうか検討してみたいというふうに思います。
○渡部(通)委員 こういうところに勇敢に排除命令を出していただくような、そういう行政処置を私はぜひ望むわけです。 これも、先ほどの牛乳の問題と関連しますけれども、これはやはり乳製品を扱っている大メーカーでございまして、そういったところは、こういう規約にないからといって、法の目をくぐってこういうことを悪らつにやってくるというこの態度というものを、やはり徹底的に追及して指導していただかなければ――牛乳の問題にしたって、BHCがどれほどあるといっても、同じ会社がやっているんだから、同じような製品ではないか、同じごまかされているのではないかという印象は、消費者としては免れがたいと思うわけです。これからあたたかい季節になってまいりますと、やはりこれは氷山の一角でございまして、こういう問題が町にはんらんをしてくるのではないか、むしろこれを、規約をつくってからとか研究をしてからとか、そういう姿勢ではなくして、こういう芽は小さいうちにつみ取っていく、やはり行政の側としてはこういう態度を持っていただかない限り、現在の世相を直していくことはできなかろうと思うのです。そういう意味で、牛乳の問題ともひっかけて、このメーカーが同じである以上は、こういったところには強い態度で当たっていただきたい、これを最後にお願いをするわけでございます。
○松平委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 BHCの混入牛乳の問題について少し伺っておきたいと思いますが、先ほどもちょっと問題にしましたけれども、農林大臣が、安心して飲んでもらいたいということを言った。これはどういう意味ですか。このことを、ほんとうなら農林大臣に聞きたいわけですけれども、農林省としてはどういうふうに理解をしておるわけですか。
○斉藤説明員 先生のただいまのお話、大臣の談話でございますので、本来なら大臣がお答えすべきでございますが、書きものにして発表しておりますので、これをごらんいただければおわかりいただけると思うのでございますが、特に農林大臣といたしまして、厚生省からいろいろと出ました点について、特にそれと意見の異なることを申すという趣旨で申したわけではございません。ここにございますように、今回の厚生省食品衛生調査会によって出されました意見の結論的な部分として、「いま直ちに危険であるとは考えがたいが、このままの状態が長期間続く場合は、保健上支障を来たすおそれがある。」さらにそれに続きまして、今後とも「早急に牛乳中のBHCの汚染を減ずることを強く要望する。」こういう要望も加えてあったわけでございます。したがいまして、農林省といたしまして、この厚生省サイドでの御検討の結果をそのまますなおに受け入れまして、従来からやっております残留量の減少につとめますいろいろな手段、これをさらにこの際、徹底的にもう一段力を込めて、組織的にも全組織をあげて、これを強力に末端に浸透させるという形をとる、こういう措置を今後はとります。 したがいまして、最後のところにございますように、時期的な問題といたしまして、調査がされました時点から考えますと、今後は牧草でございますとか飼料作物、あるいは野草といった青草の類がたくさん出てまいりまして、いわゆる稲わらの使用というものが減ってくる時期でございます。そうした観点からいいまして、当然一、二月の時点に出ましたような数値というものは、今後は漸減をしていく、そういう環境があるわけでございます。それらを勘案いたしますと、現段階では、特に消費者の皆さま方に御心配をいただくということではなくて、従来どおり飲用をしていただいてけっこうなのではないか、こういう趣旨を申し上げたということでございます。
○松本(善)委員 そういうことならば、安心して飲んでもらいたいということではないし、従来どおり飲んでもいいというふうに言うのは問題があると私どもは思いますけれども、ここであなたにそのことを言っても始まりませんので、これは先ほど来の答弁の中にもあったようですが、自粛を要請するということだけで一体済ましていくつもりでおるわけですか、農林省のほうでは。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、自粛をさせるということで大体目的を達成し得ると思っております。従来もこれは農薬取締法が、一ぺん登録いたしました農薬の取り消し措置というものがない法律になっております、法律に違反しない限り。だものでございますから、大体そういう問題が起こりましたときには、業界に自粛と申しましても、もちろん私どもは、やめてもらうように指導するわけでございます。それによりまして、従来も農薬の切りかえをやってまいりまして、別に支障はなかったわけでございます。たとえば、いもち病の防除剤でございました水銀農薬、これもいま種の農薬以外は全部やめてしまいましたし、それから、パラチオンでございますとかチップでございますとかという急性毒性の激しい有機燐剤、そういうものも指導してやめてまいりました。今度も、原体の製造は全部中止しております。これは私どもも、従来からいきまして、だいじょうぶだと思っております。
○松本(善)委員 水銀農薬をやめさせたのも行政指導でやったわけですか。
○遠藤説明員 さようでございます。
○松本(善)委員 そうすると、これからの稲わらを使う時期に来ましても、こういう問題は起こらないというふうに考えていいですか。
○遠藤説明員 自粛といま申しましたのは、メーカーのほうの製造のことでございます。 それから、農林省が各県に通達を出して指導をいたしております要点は、まず、えさにする作物、稲わらを含みますえさにする作物に対しましては、使用禁止ということをいたしております。 ただいままで、御案内かとも思いますが、稲の虫――ウンカ、二化メイ虫でございますけれども、それの薬の半分か半分をやや越すくらいがBHCであったわけでございます。したがいまして、去年の十二月にそういうことが起こりまして、自粛をさせてしまったわけでございますが、先ほどどなたかから御質問がありまして、ストックが二千五百トンあると私、お答えしたわけでございますが、その分はえさにしない。普通の稲につきましては、穂ばらみ期以降は使わせない。穂ばらみというのは、穂が大体できてくる時期でございますが、簡単に言いますと、稲の生育の後半期は使わせないということにしたいと思います。 それはなぜかといいますと、稲の前半、全期を通じて使ったものと、いろいろ私どものほうも、厚生省と力をあわせて分析をいたしました結果、後期に使っておりませんものは、大体後期に使ったものの十分の一以下のオーダーに残留量が落ちております。それから、厚生省のデータでもはっきり出ておりましたが、西日本が高いと、さっきから厚生省申しておりましたが、そういう地域で特に高いところは、おそらく秋ウンカの発生地域と大体同じでございます。秋ウンカは八月、九月ころに出るものでございます。それのごくうしろのほうにまきますBHCが残る可能性が多いわけでございます。そういったものにつきまして後期、はらみ期以後押えてしまいますれば、大部分のものはだいじょうぶだ。何ぶんにも、先ほど申しましたように稲のメイ虫、ウンカの防除剤の主流を占めておりますもので、にわかに置きかえることが非常に困難ですので、とりあえず後半期、オーダーが非常に高くなるおそれのあるところは全部切りまして、前半期につきましては使用を認める。それも新しいものをつくらせないわけでございますから、ストックになっております原体でつくり得るものだけでございますので、おそらく今度の稲作の前半期、四十五年の稲作前半期で使ってしまえば、もうあとは使うものがございません。ほとんどないと思います。それから、それ以後には、ほかのカーバメートでありますとか低毒性の有機燐剤の製造が間に合ってくると思いますし、その時点からは切りかえ得ると思っております。 ただ、稲につきましてはそういうことでございますが、森林でございますとかあるいは果樹でございますとか、そういうものにつきましてのBHC使用というものは、かわりの農薬がまだございませんわけで、原体製造を中止しておりますとあと困るということもあろうかと思います。そちらにつきましては、私どもはかわるべき農薬というものの探索をいまいたしておるわけであります。
○松本(善)委員 そういう行政指導をやってもらいたいと思うわけですけれども、その結果、農家には何の罪もないわけなんで、これが被害を受けるということについてはどういう対策があるのか、あるいは、そうたいしたものではありませんか。
○遠藤説明員 農家の被害という意味が、ちょっと私わからないところもあるのでございますが、一つのとりようで、私、こういうふうにとるわけでございます。一つは、BHCがなくなってほかの農薬にかわる、それが間に合わなくては防除ができないではないかという生産の面の要求と、それからもう一つは、前半でもまけば、稲わらへBHCをまいたものはえさにしてはいけない、そういうことにいたしますとえさがなくなるではないかという問題と、それからもう一つは、まだ前半期といえども、BHCをまくからほかの作物に影響を及ぼさないかということと、三つくらい私は考えますが、薬代につきましてはちょっと省略いたしますが、大体値段といたしましてBHCよりやや高くなるが、ほとんど変わりございませんので、その点は、前半期さえ過ごしてしまえば、後半期には製造が間に合って何とかしのげる。それは、そういった意味では被害があまりないわけであります。 えさにするわらがないではないかというお話でございますが、これはいままでありましたわらというものは、先ほどベータが高い、低いという御議論がございましたけれども、あれは去年までまいておりましたもののわらでございます。これから出てまいります四十五年稲わらにつきましては、もちろん、えさにするものにつきましてはまかせないということをいたしますので、それからまた、えさにします地域というのはある程度限られておりますし、えさにいたしております稲わらというものは、全体の稲わら生産量の約一割くらいでございます。そういった地域をつかんで厳重に指導をする。それでBHCのかかってないわらなり飼料作物なりを食べさせていくべきである。また、それはできると思います。 それから、前半期にまきましてほかのほうでどうこうということがございますが、ほかの、たとえば野菜でありますとかそういうものにつきましては、別途、先ほど厚生省から御説明がありましたようなBHCの残留許容基準がございます。それに従いまして、私どものほうでは、たとえばある時期には絶対使用していけないという基準のものもありますし、ある時期以降はまいてはいけないという基準のものもあります。そういうことで、被害は前々からセーブをいたしますし、まわりの農家と打ち合わせて、十分指導していきたい。大体末端におきまして私ども手足になる職員といいますか、補助職員が一万八百人ほど各県におりまして、それが防除組織というようなものを村々につくりまして、それの申し合わせで指導するように指導いたしております。そういった点につきましても、安全対策費として八千万円ほどの予算を計上しております。厚生省の出先とも打ち合わせまして万全を期してまいりたい、そういうふうに思っております。
○松本(善)委員 終わります。
○松平委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十八分散会