物価問題等に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/04/02
会議録
○松平委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の国民生活センター法案を議題とし、審議を進めます。 前日に引き続き質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
○武部委員 この生活センターの具体的な問題について、昨日政務次官なり国民生活局長と、いろいろ細部にわたって質疑を行なったわけでありますが、きのうも申し上げましたように——大臣、きのうはお見えになりませんでしたが、私は、総理大臣の記者会見の内容に実はちょっと触れたわけです。総理がそういうものの考え方でおられるとするならば、私はこれはちょっと問題があるということを触れたのであります。というのは、たしか二月二日だったと思うのですが、この国民生活センターをつくることによって、物価問題が何かいかにも解決すると言わんばかりの記者会見をしておられる。国民生活センターができたならば物価問題が解決するというような、まことに安易な考え方をお持ちになっておる。きのう私は、ある週刊誌の記事をここで読み上げたわけですが、大臣、おそらくお読みになっていないと思うので、もう一回申し上げますが、それには、「物価に「へ」の役にも立たず、国民生活センターの存在価値」、こういう題名で載っておるのですよ。生活センターというものが物価問題の本質的な解決になるというようなそういう総理大臣の考え方、それがいま私が言ったような週刊誌の記事になってあらわれる。 なるほど、国民の一番いま最大の関心なり苦情は物価高にあることは、言うまでもないわけでありますが、こういう点で、政府の物価政策が総理の言うように、生活センターができて、それでもって——もちろん完全に解決するなどと言ってはおられませんけれども、ものの考え方にやはり私は誤りがあるように思うので、ぜひひとつ大臣から、生活センターというのはどんなものであるということくらいは総理におっしゃっておいていただかぬと、記者会見でああいう発言をされることは私は誤りだと思うので、この点は冒頭にひとつ申し上げておきたいと思うのです。 そこで、きょうは時間の関係で、大臣の時間もそうたくさんないようでございますから、私はきのうの物価対策閣僚協議会、これが緊急に開かれたということを聞きまして、きのうの夕刊からけさの朝刊にかけて、内容はどういうものだろうかと思って、ちょうどここに全部新聞を切り抜いて持っておるわけですが、なかなかマスコミのほうも辛らつです。ある新聞によれば「全くみえぬ真剣味」などという題名で書いておるわけです。このきのう開かれた物価対策閣僚協議会、これは当面をする異常な物価高に一体何をしようとしておられるのか、それをひとつ大臣のほうからお聞きをしておきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 閣僚会議、御存じのようにこのところ開いておらなかったわけでありますが、ちょうど国会の最盛期でもございましたし、そういうことでもって時間をとるということもなかなかむずかしかった点もあるのですが、四十四年度がちょうど締め切りまして、四十五年度に入ったわけでありますし、私たちも国会を通じ、あるいは、全体の国民の個々の物価に対する認識というものが非常に強くなってきておる、これをひしひしと感じます。また政府自身といたしましても、今後いよいよ物価問題はさらにさらに重要性を増してくる、こういうことを痛感をいたしておるようなわけであります。そういうことで、この物価についてどういうふうな態度でもって立ち向かうべきかということが、今日非常に一つのポイントでございますが、それにつけましても、私たち、まず今日の物価情勢というものをよく認識し、そして、やはり大きな方向というものをこの際再確認をしなければいかぬ、こういう気持ちであります。 そこできのうも、ただいまの総需要の情勢から見ましても、何といっても現在の引き締め基調というものはどうしても堅持しなければいかぬ。いろいろと、ちょっとした発言からいろいろな報道がなされたり、誤解も伝わっておるようにも思われます。そういう意味において、われわれはさらにこの現在の引き締めの方針というものを堅持していく、こういうことをやはりこの際再確認するということは、決して意味のないことではない。世上とかく、もう緩和されるのだろう、いろいろなこともいわれている際であります。そういう際に、私たちの強い決意をやはり一つ表明しているという点であります。 それから、価格、賃金、ますます上昇傾向にあるわけでありまして、これらについてもひとつ経済界全体として、現在の物価情勢というものを十分頭に置いて、今後経済界の運営がなされていくことを、非常に強くわれわれも希望しているわけでありまして、そういう意味におきまして、今日の情勢というものをよく見て、個別企業の立場だけでなく、全体の情勢を頭に入れた運営を期待する点を、われわれとしてもここでもってもう一回はっきりさせておかなければいかぬ、こういうことであります。 しかしながら、いずれにいたしましても、やはり物価対策というものを個別的に推進していく必要、これが一番大事であろうと思います。今日までに各種の提言がなされて、国会等でもいろいろと有益な御発言、御提言もありましたが、いずれにしても、われわれとしては、それらを十分参考にして実行していくにつけましても、これは経済企画庁の問題というより、政府全体の問題でございますから、この閣僚会議の場を使いまして、そうして各省一体になってひとつこの問題に立ち向かおう。それにつけても、やはり各省と企画庁とが一体となって、いままでの政策をもう一回洗い直してみなければいかぬ。そうしてそれを、ある程度のタイミングをめどにいたしまして、一つ一つ具体的に解決をはかるような具体的な提案、対策というものを打ち出していく必要がある、それのいわば下準備をしなければならないというので、きのうの会議を持ったようなわけであります。だから、事態は従来の方向とちっとも変わっていないじゃないか——従来も、とにかく物価の抑制に全力をあげようという方向については間違いないわけでありますから、そういう意味において、従来の方針とそう基本的に変わることはありませんけれども、よりこれを具体的に推進してまいりたい、こういう気持ちで、きのうの会議を開いたようなわけであります。
○武部委員 新聞の伝えるところと、それからいま大臣のおっしゃったようなことは、ほぼ一致しているようですが、いま個別的な対策を立てなければならぬ、それから、物価問題についてはもっと洗い直しをするような下準備も必要だというようなお話でございました。 さらに、この閣僚協議会では、公共料金の問題も出たようでありますが、さしむき大手私鉄十四社の値上げ申請があるわけですが、企画庁としては、以前からこの問題について消極的といいましょうか、むしろ反対の態度をとってこられたように思います。こうした問題は、きのうの閣僚協議会では出なかったのでしょうか。そういう点はどうでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 きのうは、いま御指摘の私鉄の問題を特に取り上げての問題はございませんでした。あいにくきのうは、ちょっと時期も悪かったのです。いろいろなことがありまして総理が欠席されましたし、運輸大臣がああいうことで出なかったりした関係もあるのですが、きのうは出ませんでしたが、しかし、この公共料金全般について、やはりさらにさらにきびしい態度でいかなければならぬ、こういう発言があったわけであります。
○武部委員 それでは角度を変えまして、一月の消費者物価の上昇は七・八%です。二月は八・五%、もう四月に入ったわけですが、三月の推定として、経済企画庁はこれをどのように見ておられるのか。ことしに入ってからの上昇が非常に急激なんです。七・八から八・五、当初の予想よりも非常に急ピッチで上がっておるわけですが、四十四年度の最終であるこの三月の消費者物価の上昇率を、一体どのくらいと見ておるのか。さらに、それによって四十四年度末の物価の上昇というのは、五%というのが五・七に改訂をされましたが、一体四十四年度末の物価上昇率というのはどういう数字になると見ておられるのか、これをひとつお伺いしたい。
○佐藤(一)国務大臣 これは御存じのように、東京都の分はすでに出ておりまして、八・〇ということになっております。全国の分は、まだ詳細がわかっておりません。が、やはり東京都の八・〇というものを大体前後するような高さのものになるであろうというふうに考えられます。
○武部委員 そういたしますと、経済企画庁が年度の初頭に見込まれた消費者物価の指数は五%でありましたね、それを中途で五・七に変更された。そうして、いまおっしゃった、大体東京で三月が八%ということになってくると、巷間伝えられる消費者物価の上昇率は、六・四ないし六・五というような数字がいわれておりますが、大体企画庁としてもそのように見ておりましょうか。
○佐藤(一)国務大臣 大体そういうことになろうと思います。
○武部委員 そういたしますと、企画庁長官が本委員会であいさつにお述べになった中に、四十五年度の消費者物価の上昇率を四・八%と見る、経済の成長率の点から見ても大体四・八%程度にとどめたい、こういう話がございました。現実に、いまお聞きいたしますと六・四ないし六・五%という、当初の数字よりもはるかにこえる消費者物価の上昇率を示しておりますが、一体四十四年度の六・四ないし六・五%という総理府統計上から出た数字で、四十五年四月からのいわゆるげたは大体どのくらいになるというふうにお考えになっておりましょうか。
○佐藤(一)国務大臣 大体三・二くらいになるかと思います。
○武部委員 げたが三・二ということになりますと、企画庁長官がおっしゃる四・八から見ると一・六しかないですね。そうなってくると、いま私が申し上げた私鉄大手十四社の問題、その他メジロ押しに並んでおる物価の上昇、こういう点を考えると、とてもじゃないが、年率一・六というようなことは想像できない数字ではないか。もう当初からこの四十五年度の四・八という数字は誤りであって、ただ単に経済成長率をスローダウンさせて、大体四・八にしなければならないのだというお気持ちはわかるけれども、現実問題として、頭から狂っておるのじゃないか。もういまの数字が異常な数字になっておるわけですから、げたがそういう数字になってあらわれるとすれば、私は、四・八ということをいまこの段階で固執されることはむしろ誤りであって、四・八という数字で四十五年度の物価がおさまるのだというようなものの考え方で、物価政策なり物価対策ということをおやりになるとすれば、これは大きな禍根を残すのじゃないかと思うのですが、どうですか、その点……。
○佐藤(一)国務大臣 まあ、げたは確かに高いのでありますが、おととし、四十三年度が御存じのように四・九上がったのです。やはりそのときのげたが三・二なんです。それで、これはいろいろと議論もあろうと思いますけれども、私たちはこの際、現在の何というか非常な好調というか、需給の逼迫というか、そうしたものをやはりできるだけ一方において抑制し、そうしてできるだけ、従来もいわれておる個別対策を実行していこう、こういうことでございます。でありますから、いま御指摘のように全然問題にならぬというような数字ではないと実は考えております。
○武部委員 そういう確信でおやりになることは、まことにけっこうだと思うのです。確信がはずれなければまことにけっこうなことなんで、いいことですが、どうもわれわれがいろいろと考えるのに、この四・八という数字は、いまの物価上昇率の内容から見ると、相当な決断をもって物価政策をやらなければ、とても四・八というようなことにおさまる可能性はないのではないか。それだけに、大臣も一生懸命になってこの問題に取り組んでおられることはよくわかりますが、当初からこういう予想が出てきておる。だとするならば、本年度のように、年度途中で五を五・七に直してみたり、それが結果的には六・五になってみたり、こういうことではやはり国民の不信を買うと思うのです。そういう意味から、いまお述べになった四十三年度のげたの三・二ですか、というような数字に比べますと、大体同じようなげたの数字になっておるからそう心配は要らぬということをおっしゃったわけですが、必ずしもそういう楽観的な見方は当たらぬのではないか。それにはそれ相応の対策なり政府の決断というものがない以上不可能な数字になって、またぞろ、年度で一回も二回も変えなければならぬというようなことになる可能性が非常に強いように思うのです。ですから、長官がそういう確信をもってお述べになったとするならば、きのうもおっしゃっているように、ぜひひとつ実行の面でどしどし具体的な政策を出し、おっしゃっておるような公共料金の抑制についても、あるいは個別的な輸入物資の問題についても、私は当委員会で、今度はひとつ具体的な政策をはっきりしていただきたい。そうでないと、これからひとつ決意をもってやるんだとか、勇断でやるんだとかいう抽象的なことばでは、これは納得できないわけですから、その点をはっきりしていただきたいと思うのです。 私が前回、大臣といろいろとやりとりいたしたときに、この異常なる物価高の根本的な原因は、季節の野菜であるとか季節物資の値上がりだということをおっしゃった。確かに野菜は値上がりをいたしておりますが、これの消費者物価の指数に占めるところのウエートは、一万分の三百四十五なんです。一万分の三百四十五が、野菜の占めるところの消費者物価指数です。そう大きな額ではないのです。それは、きのうも野菜問題がこの委員会で問題になったのですが、農林省の担当課長がお見えになっておりましたが、そう大きな値上がりではない。なるほど、たとえば大根とかキャベツとかタマネギとか、そういう個別のものを選びますと、特にタマネギあたりは倍以上になっております。ところが、レタスなんかは下がっておるのです。そういうような具体的な事実を私どもはつかんでおりますが、そういう点から見ると、必ずしも季節商品だけが異常に上がったから、今回八・五とか八%とかいうように、二月、三月上がったというふうにはとれないのです。ですから、そういう面でこの間の、大臣は見られたかどうか知りませんが、第一銀行が出しておったあの統計といいましょうか調査というものは、私はこれは非常に実感の伴う調査だと思うのです。 私、若干ここへ書き上げてきましたが、一月で七・八%の消費者物価の上昇率を総理府が発表いたしました。主婦の実感をつかむために、一年に百回以上家計簿に記入した日常購入品十品目ですね、野菜とか主食とか肉とか菓子というようなことがありましたが、十品目についてそれを調べてみたところが、一一・三という数字が出ておる。これは日常どうしても買わなければならぬ。いわゆる教養娯楽費のように、切り詰めることができるものならいいのですが、切り詰めることのできない、日常どうしても、どの人も、どの階層も買わなければならぬ品物です。こういうものを計算をすると、総理府統計局の数字に一・五倍かけた数字になるのだ、こういう調査が出ておりました。二月の消費者物価が八・五ということになったわけですが、これをかりに一・五倍だとすると、この十品目で一二・七五%という物価の値上がりになるのです。これは私が何べんも言うように、たいへん重要な品物です。主婦の実感から見れば、いかに総理府統計局がああいう数字を発表しようとも、一・五倍から二倍に近い物価の値上がりというものを身をもって体験しておる。 そうなってくると、物価問題の中で特に重点を置かなければならぬのは、こういう日常特に家庭の台所を預かる主婦の皆さんが物価高にあえいでおる、こうしたものに重点的な施策を行なわなければならぬのじゃないか、緊急一番必要なものはこういうものじゃないか。農林省にいろいろ聞いてみたって、野菜の流通機構の改善などというにはほとんどほど遠い。たとえば輸入ができるかというと、なかなか困難である。肉の値段だってたいへんなことです。アルゼンチンから持ってくる肉なんというものは、これはほとんどハムやソーセージに肩がわりされてしまっておる。こういう結果ですね。これは何べんか、私ども論争いたしました。そうなってくると、こうした庶民に一番関係の深いものについて、いま一番政府が重点を置いて対策を立てなければならぬのじゃないか。さしむき企画庁長官としては、こうした問題についてどういうふうにお考えでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 いま御指摘になったようなものを中心にして考えていこうというのは、実は私の考えでもありますし、こういう意味では、私は武部さんの御意見に全面的に賛成なのであります。 第一銀行の調査というのを、私も、あまりいろいろ議論に出るので、ちょっと見てみました。それでわかりましたことは、要するにあれは食料品なんですよ。ほとんど食料品に理髪だけ加えたものですよ。ですから大体食料品の価格なんですが、一月の統計局の数字を、そのままなまに食料品の価格全部をとってみますと、大体一一%なんです。ですから、結局、第一銀行のいろいろひねくった数字ですけれども、食料品の価格が大体一一%上がったということで、統計局の数字そのものも、全体は七・八でございますけれども、その中の食料品をとってみると一一%であるというので、そう特別のものではないような感じを私自身は受けました。しかし、中身は変わっていないわけであります。 そして、いままさしく御指摘のように、国民の皆さんが一番ひんぱんに買われるところの食料品——いまもお話の中に野菜の話が出ましたが、実は季節商品というと、御存じのように魚とくだものと野菜と三つを入れています。それで、いままで野菜の暴騰ということが非常に議論になるものですから、いつも季節商品の代表という意味で野菜だけが取り上げられていますが、やはり問題はくだものにもあるし、魚にもあると私は思います。ですから、こうしたものがこのまま上がり続けるということになると、物価の指数には大きな影響をもたらすということになるわけであります。御存じのように、食料品価格上昇に対する寄与率は大体五割といわれていますから、そういう意味におきましても、私たちもこの問題に目をつけなければならない。御存じのように、それも生産、流通を通じて確かにいろいろ問題があるわけでありますから、これはやはり一つ一つ丁寧に取り上げていく以外にはない、こういう感じであります。 特に流通の問題なんかは、そういう感じを深くいたします。しかし、それをあきらめないで、これからひとつ取り上げていこうじゃないかということで、きのうなんかもノリの問題について、倉石農林大臣も、特にこれについては、そのほうでも相当の有名な人を委嘱しまして、さっそく、どうしてこういうばかなことになっているかということで、いま検討を具体的に開始する研究会みたいなものを発足させる、こういうことを言っておるのでありますが、これはやはり御指摘のように、こうした具体的なものを、そして国民の皆さまの必需品といわれるものを中心にして今後やっていきたい。全部に手をつけたいのですけれども、しかし、その中でも重点を置けといえば、やはりこうしたものをまず取り上げなければならない。 しかし、同時に私たちは、季節商品だけに別に責任をかぶせるつもりはありません。それ以外の品物も、実を言いますとじりじりと相当強含みのところでございますし、これは全体の需給が非常に逼迫していますから、どうしてもそういう傾向にあります。こっちのほうも取り上げなければならない。全体を取り上げるつもりでおりますが、しかし、その中でも一つの大きな問題として御指摘のような商品がある、こういうふうに私たちも考えております。
○武部委員 時間もございませんから、私は、抽象的な物価論争をしておってもこれは実りあるものになりませんので、具体的な問題で、実は政府側といろいろ議論を取りかわすほうが一番いいと思うのです。 個別物価の問題については、いま対策を考えておるのだというような話がございます。そこで、私は、次回のために一つだけお聞きをしたいのですが、この間ごろからいろいろ新聞に発表になっております物価安定政策会議の提言のことについてであります。これはもちろん最終的なものではないということですが、すでにほとんど全貌が明らかになっております。この取り扱い方が私はちょっとわかりませんので、お聞きをするわけです。 この物価安定政策会議の第二調査部会がまとめたものが経済企画庁に示されると、経済企画庁は各省の物価担当官会議を開いて、その提言内容を知らせる。そうすると、その受けた各担当省と申しますか、提言に盛られておる各担当省は、これをどのように経済企画庁に反映をし、経済企画庁は、物価安定政策会議にどのようにこれをあげていくのか。私が申し上げたいのは、安定政策会議が提言をしたことがすぐ各省にずっと並びますが、さっそくこれについて大反撃が出ておるということが新聞に出た。どういうことだろうか、どうしてそういうことになるのかと私は疑問に思っておりまして、きのうもちょっと言ったわけですが、「安定会議の提言には反対」「厚生省薬務局適配再販に態度決定」、これは課長談話で、具体的に再販行為を擁護いたしております。それから薬局の適配については、これを変える意思はないといって、この提言内容とは全く逆なことになっておるわけでありますが、堂々と、こういうものを通じて業界にばらまかれておるのですね。「日刊薬業」ですが、この内容というものは、この提言と全くうらはらなものなんです。そうなってくると、こういうものがどんどん各省から出るといたしましょうか、提言内容は膨大なものです。これはおそらく六日に正式決定になるだろうというふうに聞いておりますが、こういうことは企画庁を通じてどのように反映をしていって、これがまた返ってくるのか、そういうことはどうなっておるのかということを、私はちょっと知りたいのです。そうでないと、今度六日に最終決定になったら、そのものについてわれわれは議論しなければならぬ。それは具体的な個別的な対策ですから、すぐ政府でしろということなんです。それに、政府の部門の中でまっこうから反対をしておる。こういうことがわからぬので、きょうはちょっとそのことだけお聞きをして、次回に、提言がなされましてから具体的には質疑をいたしたいと思いますので、それだけお聞かせを願いたい。
○佐藤(一)国務大臣 これは四十三年の十月から昨年の十月まで約一カ年間、第二調査部会がそれぞれの品目について、各省の担当者を招致いたしまして、そうしてヒヤリングを開いたようであります。そうして、そうしたヒヤリングをもとにして対策というものを部会が練っておるようであります。もう間もなく私たちのところへ答申をいただける段階に来ておりますから、新聞に何か出ておるように、ある程度まとまったものができているはずです。おそらく今日までいろいろとヒヤリングも受けたしするので、そしてまた、それについての各省の意見を聞こう、こういうことで、確認する意味で各省と連絡をして、どうだ、あるいは念を押す手続があったのじゃないかと思うのです。その結果として、今度各省はこの提言の内容を、少なくとも自分の関係する部分については個別的に知ることを得て、そうしてそれについて、そういう機関なものですから、ああいうふうな流れ方をしたのではないかと私は想像しているのです、新聞に出ておりますのは。でありますが、いずれにしましても、おそらく第二調査部会がそれによって左右されるものではないと思います。したがって、物価安定政策会議は政策会議の立場で、提言が行なわれると思います。それは受け取ってみなければわかりませんけれども、私たちはそういうふうに考えております。
○武部委員 これでは、時間の関係で、私はこれで終わります。
○松平委員長 有島重武君。
○有島委員 物価安定の政策の中でもって、消費者の啓発ということが今後とも大きい比重を持ってくると思います。この消費者の啓発について、これはいま当委員会でもって審議されております国民生活センターも、一つの消費者啓発に役立つものであると思いますけれども、従来なされておりました一般的なPR、あるいは学校における教育、それから社会教育でございますね、こういったものがどういうふうに行なわれていたのか、それから、今後それをどういうふうに強化していこうとしていらっしゃるのか、そういったことについて、長官の御意見を承りたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 もうこれは各省にわたりましてずいぶん行なわれているようでありますし、展示会、研修会に始まりまして、各種のパンフレットその他の出版物によるもの、テレビ等を使ったもの、いろいろな形で今日まで、消費者行政を中心にいたしまして、物価関係のものについていろいろな啓蒙がなされておりますが、これは私、決して十分と思っておりません。なおなおこういう取り上げ方を今後していかなければならぬ、こう私は思っております。 各省それぞれに、文部省、農林省、通産省、たとえば文部省ですと賢い消費者というようなテレビ放送をやっておったり、あるいはまた商品のテストと情報、こういうようなものもまた、通産省が御存じのように消費者協会から出したり、それから、あるいは農林省の関係におきましても、市況の案内、あるいはまた各種の消費者関係の講習会、あるいは優良加工食品の展示会、いろいろなこうした形で現在実行されておるようであります。
○有島委員 学校においてはどのようにやっていらっしゃるか。
○矢野政府委員 現在は学習指導要領を中学、高校等、いろいろ改正の手はずを文部省が準備しておりますが、すでに中学校教育の学習指導要領につきましては、消費者教育という観点からの項目を入れるというふうに、昨年の四月に方針がきまっております。さらに引き続き、高校の学習指導要領について現在検討中になっておりますが、逐次そうしたものが学校教育にも取り入れられていく方向をたどっております。今後ますますそうなっていく予定であります。
○有島委員 いまこまかいお話は、ここでは全部聞くことができないと思いますけれども、そうした消費者啓発を各省にわたってやっておりますけれども、企画庁のほうではそれを正確に掌握していらっしゃいますね。
○矢野政府委員 現在各省あるいは各地方において進めております消費者教育の大体の全貌は、私どものほうでも随時資料を収集しております。 またさらに、今回御審議いただいております国民生活センター法が、ここの御審議が終わり通過いたしました場合に、その発足をするための準備で、さらにもう少し現状を綿密に調べていく下準備はいろいろしております。しかし、もうすでにいろいろな情報はかなり収集しております。
○有島委員 集まっている資料を、できれば資料提出していただければありがたいと思いますけれども、委員長いかがでしょうか。
○松平委員長 資料提出、いかがですか。——提出させます。
○有島委員 私が伺いたいのは、そうした各啓発をやっているところがどのくらい実効があがっているかどうかということです。それから、社会教育なんかの教室が物価に関する、あるいは消費者教育といいますか、そういうことについて該当するような教室が六万なら六万あった、そこにどのくらいの人が来て、それが役に立っていくのか役に立っていかないのか、しりすぼみになっていくのじゃないか。私が知っている二、三の例でございますと、初めはばっと集まってくる、だんだん、そういうことを一番痛切に感じていらっしゃる方がかえって脱落していくというか、ちょっとゆとりのある方々がここに集まって、それがだんだん、数が少なくても恒常化していくと、一種のマンネリ化におちいっていく。ですから、そういう消費者啓発ということが、やはりどこか地についていないのじゃないかということを心配するのですけれども、そういった実態までやはりつかんでいらっしゃるかどうか、それはいかがですか。
○矢野政府委員 詳細な資料は追って御提出いたしますが、現在消費者啓発活動は、たとえば地方の消費生活センターでもいろいろ教室を設けて、何曜日にはどういうことについてという定期的な教室を設けて、かなり活発にやっているところもあります。それから各種の消費者団体、ここでもいろいろな形の講習会、教室、そういうものを設けて、かなり活発に動いております。 二、三の例をあげますと、たとえば生活学校、これは新生活運動協会の中心の事業として各地区に、これはかなり小さい単位で各地におきまして生活学校を開いている。あるいは消費科学センターで消費者大学というものも設けて、これも、私もときどき話に参りますが、会場があふれて、うしろのほうでもう立っている人もいるというくらいで、非常に盛会であります。 また、経済企画庁で直接的にやっておりますのは、消費者協会に補助を出しまして、ここでコンサルタントの養成をやっておりますが、これも非常に申し込みが多く、ここで教育を受けた人が各方面で、たとえば地方の生活センターで相談員になっているとか、こういう形でかなり活発に動いております。
○有島委員 そうした啓発運動の今度フィードバックということでございますけれども、一番最近アンケート活動をなさったのはいつですか。
○矢野政府委員 経済企画庁で、各都道府県に委託補助をいたしましてモニターを設置しておりましたが、そこからのアンケート調査が昨年末に集まっております。
○有島委員 物価意識とか、それから、いろいろな商品についての問題ですけれども、年齢層によって非常に差があるのではないのか。私は、これはまあ組織的に調べてみたわけではないのですけれども、非常に物価が高くなって困るというようなことを言うのは、おもに高い年齢層が多い、安い時代をよく知っているから。若い方々はそういったことについて、もう高いのはあたりまえのようなところから出発しておられるということがあるようですけれども、そういう問題については、長官はどういうふうにお思いですか。
○佐藤(一)国務大臣 これも御指摘のように、大体年齢が進むに従って貯蓄がふえるといいますか、一人頭の金融資産がふえてまいります。そうして金融資産を持つようになりますと、特に物価についての意識がやはり鋭くなってまいります。そういう意味で、老齢人口の方ほど物価についての意識が鋭いというのは、これは何でしたか、私も前に見たことがありますが、そういう傾向は御指摘のようにあるようでございます。
○有島委員 その評価の問題でございますけれども、たとえばアンケートを大ぜいの方々からとって、そうして、それも単純割り算でもってやりますと、若い方々が多いわけですから、これはたいしたことはない、そういう結果が出やすいんじゃないかと私は思うのですよ。そういうことについて、どのような配分にしたらいいかということを考えていらっしゃるかどうか、その点をちょっと伺いたいわけです。
○佐藤(一)国務大臣 老齢人口の人が特に物価の問題を非常に痛感しているという意味で、日本のように、まだ老齢人口の比率が世界的に見ても非常に低いというところから見て、いまお説のように、感じ方が鈍く出ているんじゃないかという御質問のようであります。確かに私、ある程度影響しているんじゃないかと思います。日本人の物価問題に対する意識というものは、そういう点が多少あると思います。でありますが、これも物価の高さのレベルによることでありますね。ですから、最近は一ころと違いまして、たとえば昭和三十年代の後半にもずいぶん物価が高かったわけですけれども、そのときよりもよけい物価問題の認識というものが深まってきているということは、私は全体としても言えると思います。ですから、御指摘のような点ありますが、しかし、さればといって、事実を曲げて数字をつくり直して、もうちょっとそういうものを重く感ずるようなものにするかどうかという問題、これはまた別の問題だと思いますが、そこまでしなくても、十分物価の問題についての認識は、一ころと違って非常に強くなってきているというふうに思いますけれども……。
○有島委員 事実を曲げてとおっしゃいましたけれども、たとえば六十歳代の人、五十歳代の人、四十歳、二十、十代、いろいろなそれにかける係数の問題だと思うのです。ですから、私は各年代層の物価意識というものを知りたいなと思う。散発的には聞いておりますけれども、そういったものがほしいと思うのです。それが今度消費者啓蒙の姿勢に非常につながってくるのじゃないかと思うのですよ。 それで、いまの若い人たちは、物を乱費していくということがあたりまえになっているわけですね。これからは、そういう感覚の方々に対しての啓蒙のしかたになってくるのだけれども、それは経済のあり方ということにつながりを持っているのですね。うんと乱費してもらったほうがいいんだということと、それから、多少は締まりを持たなければいかぬ、物を大切にしろということですね。その辺の御見解はどうなんでしょうか。昔風のお米の粒一粒にはというような、そういうようなことはいまはもう通用しないと思うのだけれども、余ってしようがないから。その啓発をしていく大筋ですね、今後の経済の見通しということがないと筋金が入ってこないのではないかと私は思うのですけれども、長官の御意見はいかがですか。
○佐藤(一)国務大臣 御指摘のように、私の言い方が悪かったのですが、事実を変えるということでなく、ウエートのかけ方ですね。そういうことも、なるほど一つの見方かもしれませんが、これはなかなかウエートの立て方をつくるのがむずかしいと思いますが、いずれにしても、全体として物価問題というものが認識されてきておる。ただ、その際にどっちかというと、一ころよく乱費礼讃というか、消費をもっとさすべきだ、日本人の消費はまだまだ世界的なレベルから見て足りない、むしろそれは経済をこれから伸ばす上においても問題だ、こういうような議論も、御存じのように一時ありました。そのときどきに、私に言わせるとそういうやや思いつき的な議論はありますけれども、しかし、総じて経済問題というものは、効率ということが非常に重要であります。これは生産の過程においてもそうでありますし、われわれの消費生活においてもそうだと思う。そういう意味において消費生活の合理化という課題は、いつまでもすたらない課題であると私は思うのです。だから、そういう意味においてむだをなくす、そしていわゆる合理的な生活を営んでいく、こういうものの考え方、これは一貫していいものじゃないか。そして、それは年配の方だけの話ではないので、若い人たちにとっても非常に重要な問題である。むしろ、もしもそれらの若い階層の間に非常に乱費の傾向があるということだとすると、これはやはり今後における私は大きな問題であると思う。その方面における教育が足らないのじゃないか。昔は御存じのように、家庭のしつけということによってずいぶん若いときから、むだをなくせ、こういうことであったと思います。それがやはり最近は、家庭のしつけというものがなくなってくる。しかも、学校やあるいはその他の公的な機関によるところのそういう方面の教育というものは、必ずしもそれにとってかわるに十分なほど進んでおらない。そうした欠陥が私はあらわれていると思います。実際問題として、ずいぶんものはむだになっておる、これは明白に言えることだと思いますから、そうした方向のものを、これから消費者行政の一環としてもやっていっていいんじゃないか。それは抑制するとか、そういう思想でなく、合理的にやってまいる。 これは余談ですけれども、この間もある中国の人に聞いたんですけれども、日本人のものの食べ方というのは、いまの若い人は、一番まん中のいいところだけをちょっと食べて捨ててしまうというんです。ですから、ものの値段が実質的に非常に高くなっている。ところが、中国人は皮も骨も使う。骨は何かダシにするんですか、皮も全部食べる。魚の皮なんというのは、肉の皮もそうですが、非常にゼラチンがあって、脳溢血の薬になるそうですが、とにかく残りくまなくあれするから、そこで実質的な価格がうんと低下するんだ。だから、大きなものを買って、その中のほんの一つまみだけ食べれば、それだけ実質的な消費価格というものが上がるんだ、そういうようなことを聞いたことがありますが、確かに消費生活の合理化ということは、特に物価問題がやかましいようなときには非常に大事な問題だと思っています。
○有島委員 非常に大ざっぱなお話でございますけれども、大体の長官のお考え方の方向というのは了解いたしました。 次の問題にまいりますけれども、センター法案の中で、業務ということがだいぶ出ております。この中でもって苦情処理をやっていく。そして苦情が全国的に、多くの窓口から直接あるいは間接に入ってくると思うのですけれども、こうした国民の声をそのまま吸い上げていくということを——統計でございますね、それを公表なさるお考えがあるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 これはもちろん、こういうものをつくるのでございますから、公表の原則、こういうものを立ててまいる、そしてそれに従って処理していく、そういうふうに思っております。
○有島委員 いまの問題について、法律の中には明記はございませんね。——ありませんね。これは当然のことであるというふうにお考えになっていらっしゃるようですね。これは当然のことだと思います。苦情が来たけれども、それが処理できなかったという件もたくさんあると思いますけれども、それもそのまま、こういった問題が来ている、これは未処理分、それから、これは処理できた、そういうような形でもって、全部公表していただけるようなシステムにぜひしていただきたい。それがやはり、国民がどういう面にどういうふうに考えているかということが吸い上げられる、大きな手がかりになるんじゃないかと思います。 それからもう一つ、さっきのウエートのかけ方という問題とよく似ているんですけれども、集団的に計画的に、はがきがわれわれのところに来ることがございます。ほとんど同文でもってどんどん来ることがございますけれども、そういうものの処理を一体どういうふうにするお考えか。おそらくそういうこともあるんじゃないかと思うんですね。それは統計の上にはばかに大きく出てくるわけですよ。そうしたことは当然予想されると思うのです。ある特定の業者が憎まれているかなんかします。そういうことについて、うんとたくさんそれが来るような場合も起こってくるんじゃないか。そういうものの処理のしかたはいまからお考えですか。その場になってから考えようというようなことなのか、いまから予想していらっしゃるか、いかがですか。
○矢野政府委員 いろいろ苦情が来ましたものは、それをいろいろ整理してどういうところに——もちろん個々の苦情につきまして、その場でもできるだけ処理していくわけですが、それと同時に、どういうところに苦情が多いのかということを知るためにも、それを集計していく、また必要に応じて公表してまいることになるかと思いますが、その場合に、おそらくいまお話しのように、何か急に一つのものがかたまって来たとかいう場合には、その中身といいますか、どういう性格のものかは、もちろん集計したりするときに考慮しておかなければなりません。常時集計していくわけですが、急に突然変異的にどこかのものがふくれるということがあれば、これはどこかおかしいというリマークをつけるという場合もあるかと思います。もちろん、いままでなかった問題が急に起こってきて、急にある面の苦情が多い場合もあります。これは当然起こってしかるべき苦情であるとか、こういう、従来と非常に違ったようなものが出てきましたような場合には、そういった点をさらに中身を調べて、必要に応じてリマークをつけるということが必要かと思います。
○有島委員 私はこう思うのでございますけれども、そうした場合でも、とにかく発表なさる数字というものは、統計上そのまま忠実に出していただいて、その上でもってただし書きをつけるようにしていただいたほうがいいのではないか。これは特殊な場合だからといって、それで数字を曲げてしまうのではなくて、そうした事象もまた国民の前にさらして、それでみんなで考えられるようにしたほうがいいのではないか。それから、そういったようなハプニングがいろいろ起こったので、これは統計そのものがあまり意味がないのではないかというような理由のもとに、ことしは統計を発表するのを見送ったというようなことは絶対にないようにしていただきたい。くぎをさすような形でございますけれども、それをお願いしておきます。 それから、あと、非常にこまかい問題なんでございますけれども、きょう公取が来ておりませんので、——不当表示の問題なんです。 昭和四十二年の夏ごろに、牛乳の不当表示のことが問題になりましたが、それで四十四年の夏に、キャップを全部直したはずなんです。コーヒー牛乳、フルーツ牛乳というようなことはいわなくなったはずなんです。ところが、駅のプライスカードにはこういうふうに書いてあったわけなんですね。これは私どもで気がついて申し上げたことがありまして、それでそれは直ったようでございますけれども、地方の私鉄なんかでは、現在なおまだこういったことがあるようであります。ひとつそういったことを徹底していくようにしていただきたい。これもまだ何か啓発が足りないというほうのフィードバックの一例じゃないかと思います。これはここで調べていただいて、どういうことになっているか——というと、これは公取さんの問題だと思いますけれども、そちらのほうからお問い合わせになって調べていただいて、徹底していただくように要望だけしておきます。 私の質問は、これで終わります。
○松平委員長 和田耕作君。
○和田(耕)委員 長官にお伺いしたいのですが、国民生活センターの業務の中で、物価という問題をどのようにお考えになっておられるか。
○佐藤(一)国務大臣 先ほど総理のお話もありましたけれども、あれは、多少ことばの表現の問題があったのだと思いますけれども、もちろん、生活センターが物価政策のすべてではないわけであります。ありますが、御存じのように、消費者行政というものが生活センターの非常に重要な使命である。そうしてまた、消費者行政というものを通じて、物価政策に対して非常に大きな寄与をすることは私は期待できる。啓発運動あるいは情報の提供、消費者の立場をいずれにしても強化する、こういうことでありますから、そういう意味で十分物価政策の一環たり得る、こういうふうには思っておりますが、また同時に、消費者行政でありますから、物価問題についての啓発、啓蒙、こういうものを、ただ消費者という見地だけでなく、物価問題全体の動向であるとか背景であるとか、政策のあり方であるとか、そうした点についても、やはりできるだけ啓蒙、啓発を行なっていくべきである。そういう意味において、今日の物価問題のむずかしいときでありますだけに、そして国民の皆さんの御協力も特に痛感されますときだけに、そうした点には私たちもできるだけ力を入れてまいりたい、こういうふうに思っております。
○和田(耕)委員 きのう局長に御質問したのですけれども、三年間に百六十一人という人員を目標にして拡充していくということなんですけれども、きのう局長も強調されておったし、私もそう思うのですが、職員の人選というのは非常に重要な問題、あるいは生活センターの死命を制するような問題かと思うのですけれども、現在の三十六人を百六十一人にするというわけですから、相当専門的な知識を持っておる者を含めて、なかなか人選がむずかしいと思うのですが、どのようにこの要員を充足しようとしていくお考えであるか。
○佐藤(一)国務大臣 おっしゃいますように、私も実はそれが一番重要だと思います。これは実際のところは、新しい首脳部をきめまして、この新しい首脳部が活動しいいように人選をできるだけやっていただく、これがもちろん筋だと思います。しかし、新しい首脳部だけでそうした人選が、こうした時節でもあり、なかなか進まないというようなことがあっては困ります。そういう意味で、もし御要望があれば、私どももできるだけ手助けしなければいかぬ、こういうふうに考えております。特に、相談を受けるというようなことになりますと、相当のレベルの人も要ると思います。できるだけその新しい首脳部の考え方によって、その適当な分野から来てもらうようにしなければいかぬと思いますし、それがいろいろとできない、あるいは役所の応援もほしいというようなことであれば、これについては、またそのときの実情に応じて、各役所からも応援を出してもよろしいし、できるだけのことをしなければならぬ、こういうように考えております。
○和田(耕)委員 これは非常に大事な問題の一つですけれども、経済企画庁はりっぱなことをおっしゃっているけれども、なかなか実効が伴わないという批評があるわけですね。それで、この生活センターの問題でも、各省との連絡という問題が非常に重要な問題になってくる。昨日も、砂田委員のほうからも御指摘があったのですけれども、各省の人直接の担当官として、適当な方法でこのセンターの職員の中ヘ持ってくるということですね。この問題は、つまり仕事はしやすいと思うし、各省との連絡はとりやすいということはあるのですけれども、センターの自主性という問題から見ていろいろ問題はあるけれども、しかし、逆に考えてみれば、各省の役人が適当な形でセンターに入るということは、逆にセンターの自主性を強めていくような役割りも持っておるわけですけれども、そういう問題を、長官はどのようにお考えになっておられるか。
○佐藤(一)国務大臣 私もそうこだわらなくていいのではないかと思っています。もちろん運営については、もう走り出しましたら、われわれとしてもとやかく言わないで——言うつもりもありませんし、できるだけ自主的な運営をはかっていかなければならぬ、こう思っております。ただ、人的な充実ということは、今日なかなかむずかしい点もありますから、いまお話しのように、もし適任者があるならば、役所のほうの適任者に助けてもらっても私は少しもかまわない、そのことが別に自主性を傷つけるというようなこともない、これは首脳部の考え方で運営すればそういうことはない、こういうように考えております。
○和田(耕)委員 たぶん、役人が相当数入ると、それまた官僚的だというような批判が出ると思うのですが、そういうことをおそれて民間から妙なのを持ってくると、こういう機関として適当な業務が行なえないということにもなるので、物価の問題については、あまり一般の評判みたいなものに影響されないで、もっと自信を持ってやってもらいたいという感じがするのです。そういうおそれがあるように思うから……。 こう申し上げるのは、生活センターがいろいろ相談を受ける、また、各省の持っておる試験機関その他のものが内容を検討する、そうしていろいろなお答えをするというような問題の処理を考えてみても、なかなかむずかしい問題——単なる知識の問題というよりは、公正な扱いという問題になってくると、なかなかむずかしい問題になってくる。たとえば、ある商品が有害だという判定を下す場合には、これはなかなか問題になるので、そこらあたりの問題を、設置の趣旨に照らしてやってもらいたいという感じがするのです。 また、いまの行政全体から見ても、私、これから内閣委員会でその質問をしようと思っておるけれども、米穀事務所だとか、あるいは米穀関係の人が非常に余っておる。その他、そういうようなところが各役所にもあるわけです。そういう余った人を消費者行政のほうに回す必要があるんだというのが、行政管理庁が提案した問題なんですが、こういうふうな問題も、百六十一人だからたいしたことはないのですけれども、しかし、そういうような政府の余っておる人を、しかも、その商品については知識を持っておる人だというような場合には、こういうところに積極的に転用して、そうして向こうの人員を減らしていく、総定員法の精神もこういうようなものから生かしていくということも、必要な感じがするのです。 そういうわけですから、あまり一般のジャーナリスティックなものに影響されないように運営をしてもらいたい。要するに、政府は責任を持った運営をしてもらいたいんだということなんですが、この問題についてのお考えを承りたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 私も実はそういう考えを持っておりまして、これはあまり一面においてジャーナリスティックに過大に扱うことも慎まなければいけません。もっとじみちな努力が必要だと思います。そして、その人的な構成も、やはりそれに応じて選ばれていいんだろうと思いますが、これはやはり新しい首脳部の趣味にも相当関係してくると私は思いますけれども、われわれとしては片寄らないようにやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○和田(耕)委員 その問題と関連しまして、私は宮澤長官のときも、菅野長官のときにも、政府の長官の御意向をただしたことがあるのですけれども、最近新聞で、例の物価安定政策会議のある部門の提案として、これは草案のようなかっこうのようですけれども、政府の行政指導の問題について、こんなものはいけないのだ、好ましくないのだ、自由な商品流通の条件をつくったほうがいいのだというような学者諸君の意見があったと聞くのですけれども、これは事実ですか。
○佐藤(一)国務大臣 いまのお話は、先ほどもちょっと出ていました。例の行政介入の問題だと思います。行政介入の問題につきましては、いま物価安定政策会議の第二調査部会で結論を急いでおりまして、ごく最近に政府に提言になると思います。この提言というものをよく見ましてわれわれは措置していきたい。 その中にいわゆる行政の直接的な介入、間接的な介入、こういうものがあって、さらに経済的な介入と経済外的な介入がある。この経済外的な介入というものの中に——これはまだ正式に提言を受けていないのですが、新聞等にも一部には出ておりますけれども、とにかくタクシー料の問題であるとか、その他各種のそれ自体としての立場からの行政からする介入、そういうものと物価との問題が一体どういうふうにからみ合うか、こういうことを指摘して、そして提言がなされてくると思います。ですから、これはやはり一つ一つ私たちよく検討して、その提言の措置をきめてまいる、そういうつもりでおります。
○和田(耕)委員 その場合に、学者諸君の物懇以来いままでのその問題についての提案は、ぼくはかなり問題があるという感じがしておるのです。というのは、自由な取引条件をつくればいいんだ、これが根本だ、その理論としてはわかりますよ。わかりますけれども、たとえば牛乳のとき指摘したのですけれども、牛乳の小売り商の場合は大手の系列下になっておるという、一つの看板の変わった寡占的な状態が今日の機構の中にある場合に、自由な取引条件ということは逆に物価を引き上げるという条件になるのだ、せめてもの歯どめは、農林省の正しい行政指導があれば歯どめになるのだという問題があるわけですね。これはたとえば、今度のお酒の問題が新聞にも載っているのですけれども、ビールの値段を五円上げるという問題がある。これを政府は、それは業界がやるから知らぬ顔しているんだというような、自由の問題を政府の都合のいいような方向に取り上げていくという可能性もある。牛乳の場合、若干そういう傾向があります。農林省は、おれらの行政指導を拒否したんだから知らぬのだというような、責任回避のような状態にこの問題を持っていくという可能性のほうがもっといけないことだ、というような感じが私はするのです。行政指導のやり方が悪いということは確かに問題がある。米の統制の問題とこの問題とがあまり混雑し過ぎておるという感じがするのです。もっと政府は、責任をとる問題については、積極的な行政的な指導に乗り出していくという心がまえがあってしかるべきだというふうに思うのですが、この問題、長官はどういうようにお考えになりますか。
○佐藤(一)国務大臣 これは私たちも、非常にむずかしい問題だと思っています。行政には行政としてのタッチをする立場が当然あるわけです。 それからもう一つ、自由競争価格といいますか、今日の段階において、価格をできれば自由競争にさらすということは理想には違いありません。これが全体として日本の経済の進み方にとって大きな一つの原理になっておるし、そういう意味においての競争原則というものは、われわれはたてまえを尊重しなければならないと思いますが、まあどんなものも無条件にただ競争すればいい——そこには過当競争の場合もありましょう。あるいはまた株の値段の動きと同じように、物の値段があすときょうとその前の日と違う、しょっちゅう変動するという、そういうもののあり方がいいかどうか、やはりいろいろな角度から問題はあると思います。ただ、それらを通じて、個々の現象を通じて、そこにやはり競争による合理化というものの精神をできるだけ生かしていくようなかまえというものは捨ててはならない。これがやはりほんとうのところであって、さまつ、末端までしょっちゅうがたがた、毎日のように需要供給の変動で動くというあり方が必ずしもいい、また、それがほんとうの自由競争だとも言えない。そういう意味においては価格のきまり方、価格のあり方自身も、そう機械的にものごとを考える必要はもちろんないと思っておりますし、それからまた、行政のあり方ですが、たとえば先ほど牛乳のお話が出ましたが、これらについて私たちよく考えなければならぬのは、それをはずしたことがかえって値段を上げた結果になったか、それとも下げた結果になったかのこの認識は、よほど調べないと出てこない。牛乳なんかの例をとってみますと、むしろそれをはずして、いま和田さんの御指摘のように上がった、マイナスであったという、そういう一時的な効果ということは前から取り上げております。それからまた、最近では牛乳の価格が非常にばらつきが出まして、高いものから安いものは十七円とか、そういう安いものも出てきた。これがこういう状態になったのはあれを取っ払った結果かどうか、そういうようなことをよほど認識した上で議論を立てないと間違えるのではないか。そうしてまた、結局今度は業界がつぶれてしまって、元も子もなくなってしまうということがいいとも思わないし、なかなかそこいらのところは——特に中小企業の問題については、私たちとしても十分頭に入れなければならぬ。ただ全体として見ると、今日の行政のあり方から見て、行政が介在したためにかえって下げにくくしておるというケースが多いのではないか、こういう立場で、物価安定政策会議もこの問題を取り上げたと思うのです。ですから、すべての場合にこれを機械的に判断するということは、私たちも避けたいと思っています。
○和田(耕)委員 私も、行政が介入して下がるべきものが下がらないという事実があると思います。しかし、それは行政の介入のしかたがまずいので、しかたがまずいということを考えないといけない時期ではないか。つまり物価が上がってくるということは政府の大きな責任だという——これは何といっても政府の責任になってくる。そういう場合に政府が責任をとるのには——役所が関係したからいけないということは、役人がまずい指導をしたということの意味であって、いろいろな物価の問題その他の問題について公正なあれをする場合に、法的な立場から発言をする、これが役人という形で代表されてくるのはやむを得ないとすれば、これはこういう事実があったから行政はやめよう。しかし、やめた結果うまくいく保証はないのです、現在のたいがいの品目において、業界のたいがいの行動において。そういう状態であるのに、つまり役人の指導というものだけを取っ払う。そして民間の自由な競争にまかす。しかし、民間自体は寡占状態であったり、あるいは独占的な状態であったりという状態をそのままに、それを改善しないで、役所が介在するからおかしいんだということだけで、役所の責任をのがれていく。結局、責任のがれの結果になってくるという事実が多いんじゃないかと思うのです。いま、全体の問題としても、国民の生活を守るという立場から見て、公的な機関の発言力が弱ってくるということは、私は正しくないと思う。その場合に、おかしいからというのは、やり方がおかしいのであって、役人がタッチすることがおかしいということにはならない。そういう問題をもっと検討してもらいたい。また、ジャーナリズムが役人をくさせばわりに人気がいいということも、それだけ役所のほうに不徳のところがありますけれども、そういうことによって物価政策、当然政府が責任をとらなければならない段階においてそれをカムフラージュするような政策は正しくない、私はそう思うのですけれども、長官はどういうようにお考えでありますか。
○佐藤(一)国務大臣 そういう御指摘の点が非常にあると私も思います。 今度の提案、いずれ詳しい説明をこれから受けるわけですけれども、どちらかというと、一つは、先ほども申し上げました経済外的といいますか、他の目的のために規制を行なっておる。そのために物価という見地からの検討というものがなされない。そして、むしろ業界の統制であるとか、その業界の立場からのコントロールだけが行なわれている。かえってそのために物価という見地が忘れられている。こういうような意味で、むしろそういうものはないほうがいいんじゃないか、またこういう議論が出てきたわけですね。ですから、これは各省の行政一般を通じて私は言えると思うのですが、その際、企画庁が幾ら物価物価といっても、農林省なら農林省がその気になってくれにゃならぬ。ところが農林省は、いままではどっちかというと生産者本位であった。かりにそういう議論があるとすれば、やはりそれを、同時に消費者の立場を考える論争に変えていってもらわにゃいかぬ。さらに、行政をなくすわけにはいかない、こういう問題がまた他面あるわけです。ですから、もしもその運営が間違っておるということであり、角度が違うのなら、今度新しい角度でこれを取り扱うようにさせることによって、十分改善が実現できるものも私はあると思います。それからまた、現在は多くの場合、タッチのしかたに中途はんぱなものが多いと思うのです。十分に中身もわからない、原価もわからない、そうして、いわば惰性的にこれを扱っておった、そういうようなものが、こまかい行政に多々あると思います。ですから、そういうものを、ほんとうにできるものは改善する。そうして、全体としての評価の結果として、やはりこれがあってはどうしてもまずいというものがあれば、自由化するという提言を受け入れていいものも出てくると思います。 しかし、先ほど申し上げましたように、この問題は、私は機械的には考えたくない。お説のように、やはり改善できるものは改善する、こういうことも私は大事だと思っています。これからひとつ中身をよく検討させていただきたいと思っています。
○和田(耕)委員 もう一つ、これは出たかもわからぬと思いますけれども、先ほどの、物価の値上がりの、つまりおもな犯人というのですか、野菜だというあの宣伝のしかたというのは、これはいい意味で言っているのですけれども、政府の説明のしかたはちょっと問題があると私は思うのです。 きのうも、農林省の人に来てもらってその説明を聞いたんですけれども、やはり四十年から四十四年までの農産物というのは、野菜は平均すればそんなに上がっていないのですね。年間に二%弱しか上がっていない。そういう状態があるということは、一般の人はあまり知らない。物価がどんどん上がってきた。これは政府のほうも、野菜が上がるんでねというようなことのほうが耳によけい聞こえて、その問題があまり出てきていない。つまり、このことは、物価の値上がり、物価の高騰に対する政府の今後のかまえの問題と関連してくると思うのです。それで、一応、質問者なり不審に思っている人に、それは野菜ならしようがないなというふうな感じを持たすといけない段階であると思うのですがね。したがって、国の全体の基調の中に物価の高騰する要因があり、これがいよいよ火を吹き始めてきているというところに物価問題の焦点がいくように、ひとつ長官としても御指導いただいていかなければいかぬじゃないかという感じがするのですけれども、どうですか。
○佐藤(一)国務大臣 それはもう全く、むしろ私がお願いしたいところなんです。というのは、どうも先般からの議論が、なぜ五%を五・七に変え、六・三になったかという式の議論があまりに多いものですから、それは率直のところ、数字の示すところ明らかなとおり、野菜、くだものという話になってしまったのです。これは私としてはあまり本意ではありません。というのは、和田さんが御指摘になりましたように、野菜は下がるときは下がるわけです。それで、去年のちょうど二月には二割くらい下がったのです。そして、去年の二月に二割くらい下がったところから、今度は四割も五割も上がっている、こういうことなんですね。そういう意味において、価格問題全体として見ますと、野菜その他の季節商品だけ取り扱う。それも話を簡便にするために、季節商品には、先ほど申し上げたように、くだものもあれば魚もあるのですけれども、つい野菜野菜ということになったのですが、これは決して私の本意ではございません。 われわれが取り組むべき本体、そして、これから皆さんとともに御議論を願わなければならないのは、むしろそうでない、物価全体の他の問題でございます。これ自身がやはり相当、じりじりと上がる傾向がある。そこを私たちも心配をしているのであります。また、したがって、あれはやむを得ず受けて立つお答えとして出たのであって、別にこれをPRするつまりはさらさらございません。 野菜というのは、普通、御存じのように二年サイクルで、下がると上がり、上がると下がる、こういわれております。私は、この動きについては、今後変化がくると思います。それは、農村における労力不足の問題であるとか、いろいろなことで他の要素も出てくる。でありますから、私は、昔ながらのように二年サイクル説を農林省の専門家が言うのを、必ずしも信用はしていない。まあ米の生産過剰をなかなか当て切れなかったのですから。そういう意味では、野菜のようなむずかしい問題は、これからよほど慎重に分析して——簡単に、ただサイクル理論だけで処置することは適当ではないと思います。したがって、今後もわれわれはそっちのほうも進めにゃいかぬけれども、しかし、野菜が真犯人であるというふうには私も申し上げたくないのであります。
○和田(耕)委員 わかりました。 終わります。
○松平委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 長官にお伺いしたいと思います。 昨日来、国民生活局長にもいろいろ聞いてきたのでありますけれども、そして同僚の委員もいろいろ申しましたが、国民生活センターについては、一体何をやるのか、これはへの役にも立たぬということが週刊誌に書いてある。盛んにここでも論議されたわけであります。一体具体的に何をやるんだろうか、また、ほんとうに役に立つんだろうかということについては、みんな疑問を持っておると思うのです。いまの和田さんの質問でも出ましたけれども、これは国民の生活に対する不安の最大のものであることは、もう言うまでもないと思いますが、この物価の問題についていうならば、どうしてもやはり政府の責任という問題が出てくる。これは政府の、物価上昇を抑制するという責任が果たされてないんじゃないかという問題にならざるを得ない。この問題について研究していくならば、国民生活センターの中での総合的、基礎的な研究にいたしましても、どうしても政府の批判ということにならざるを得ない。こういうことを含めてそういうことはやっていいのか。きのうの生活局長のお話では、もちろんそういうことはやってもいいのだという話でありましたけれども、そういうことも含めまして、長官はこのセンターについて、物価問題について一体どういうことを期待をしておるのかということについて、まずお答えを願いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 確かに、でき上がった国民生活センターが能力を発揮しないというようなことでは困りますし、きのう以来十分御審議を願ったことと思うのでありますけれども、これは幾らでもやることはございます。でありますから、そういう意味で、窓口を通ずるところの消費者行政という見地から、今後活発になるにはどうしたらいいかということを、われわれとしてもできるだけひとつ努力をしてまいりたいと思うのですが、しかし同時に、情報の提供というような具体的なことから、さらにそのもとである基礎的な研究、こういうふうなものもやはり一連のものとし、一貫していいと思うのです。窓口の仕事だけをやるから、それだけやればいいのだというわけにはまいらない。十分調査研究というものも必要でありますし、それからまた、御存じのように今回の場合には、従来の研究所を引き継ぐ形になっています。そういう意味で、スタッフ的にも調査にたんのうな人もおるわけですから、そうした人の能力というものを大いに使って、フルにそれを発揮してもらって、そしてまた、それが生活の行政、消費者行政というものに大きな力になると私は思っていますから、窓口だけをやる、こういうふうにも考えていません。そういう意味においては、それじゃ焦点がぼけるじゃないかというお話があるかもしれませんが、欲ばっていろいろなことを、これからわれわれはやりたいと思っている際でありますから、ある程度やむを得ないと思っております。
○松本(善)委員 ちょっと確かめておきますが、物価問題についての総合的な研究、その結果が政府の施策の批判になるというようなことになってもやむを得ないというふうに伺ってよろしいですか。
○佐藤(一)国務大臣 これはどういう研究が出てきますか、それは予測のつかないことでありますし、政府の部内の研究の中でも、いままででも政府の行政に対して批判的なものもないことはありません。でありますから、それらのことをどういうふうにするかということは、私はいまから特に取り上げる必要はない。やはり研究の結果は研究の結果として、発表すべきものはちゃんと発表する、そういうことでいいだろうと思います。
○松本(善)委員 少し具体的にお聞きしたいと思うのですけれども、私はこの委員会で、前に長官に、鉄鋼の原価の問題について御質問したことがありました。この商品の製造原価の問題は、私は、物価を抑制する面では非常に重要なものではないかというふうに考えるわけであります。あらためてお聞きしたいのでありますが、ここで私は、少し数字を申し上げてみたいと思います。 カラーテレビの場合は、原価三万円くらい、輸出価格は六万円くらいで売られておる。それから、国内の小売価格では十八万というふうにいわれております。電気冷蔵庫の場合には、大阪の商工会議所の調査によりますと、原価は一万七千七百二十円、小売り価格は六万九百円ということであります。それから乳児用粉ミルクが、千五百グラム入りで小売りが九百八十円、原価は五百円くらいというふうにいわれておる。コカコーラは、一びんの原液代は三円くらい、ところが小売りは三十五円。これなんかになるとたいへんな、十数倍ということになる。薬品類で見ますと、大正製薬のコレステロール製剤のカプセルが原価で二円くらい、卸価格で六円、薬価基準によると、これは二十六円六十銭というふうにいわれております。武田薬品のビタミンB1で見ますならば、ビタミンB1の相場は一キロ当たり五千八百円くらいといわれております。それで逆算しますと、百錠入り百円の小売り価格のものが原価三十銭ぐらいというふうに計算されるのじゃないかと思うわけです。肥料の硫安は、一袋四十キロ入りが、六八年には七百八十一円でありました。しかし、原価は四百八十円ぐらいといわれておるわけであります。 こういう商品の原価をずっと調べまして、利潤をあげ過ぎているという場合に、この値段を下げさせるということが、物価全体を下げていくという点で非常に重要なことではないかと思いますが、この点についての長官の御意見を伺いたいというふうに思います。
○佐藤(一)国務大臣 率直に申し上げまして、この原価を調査すること自体、なかなかむずかしい問題であります。それから、いま御指摘の数字もどういう数字か、私もわかりませんが、これについては、見方もずいぶん相違があろうと思います。そういうことで、原価を一々調査してみても、さらにその間の流通の経費の取り扱いをどういうふうに見るとか、いろいろとまた経費と資本との関係で、いわゆる財務的な取り扱いをどういうふうにするかとか、いろいろの考え方が入ってくると思います。ですから、一がいに、これだけの差額が利潤であるとかなんとか言うことはできないと私は思います。 しかし、そうでありましても、最近においては、御存じのように、好景気によって相当法人の利益もあがっていることは事実であります。でありますが、この利益をどうするかという問題は、われわれは、これはもちろん税金の問題として取り扱うべき問題であると思っております。ですから、そういう利益をどういうふうにして取り上げるというようなことは、私はむしろ、主として税金の問題であろうと思いますけれども、同時に今度は、その生産されたところのいわゆる付加価値といいますか、そういうようなものを資本と労賃というものだけに分けておりますけれども、これについて、あまりそれが行き過ぎてきますと、たとえ自由競争によって、需要と供給によって価格がきまるといたしましても、他の経営、他の物価に相当影響を及ぼす。それからまた、物価問題の立場からしましても、それが極端になった場合においては、これはわれわれとしても捨ておくことができません。でありますから、よく議論が出てきております管理価格の問題なんかも、管理価格であるかどうかという認定が非常にむずかしいことは事実です。しかし、これはやはり今後——一般の官庁では調査できませんが、公取委員会では十分調査をすることが可能なわけであります。そういう意味において公取とも連絡を取り、そうして不当なものがもしあれば、これはもちろん公取としてもほっておきませんが、われわれとしても、それが物価の上昇を抑制する一つの手段になる。そういう意味において警告を発したり、さらに、ものによって介入することも不可能ではないわけであります。でありますけれども、一般的に、大きなそうした産業なり商品生産全体について、利益があるのだから下げろ、こういう取り扱いのしかたというものは、現状においてはなかなか議論がある。いま申し上げましたように、引き算でもってすぐ、それがみんなまるまる利益になるから価格でとってしまえ、こうもなかなか結論しかねる問題が、実際問題として多いということも事実であります。
○松本(善)委員 もちろん私のあげた例が、そのほかの検討のしかたがないというようなことを申すわけではありませんけれども、しかし民間でも、この製造原価と販売価格の差というのは相当論じられてきておる。これが一体正しいのかどうかということも、国民の関心事でありましょう。それについて一体どうなっているかということを、やはり正確に調べる必要があろうと思います。それからまた、需要と供給との関係で価格がきまっていくということだけであるならば、そんなにべらぼうな利益があがるわけはないわけであります。べらぼうな利益があがっているということになれば、間接的ではあるけれども、これは私どもがいう独占価格、いま言われる管理価格という疑いがあるんじゃないかという問題にもなってくると思う。そういう意味では、原価の調査というのは非常に重要なことであろうというふうに私は思うわけです。 長官のいま言われることについて、私、多少引っかかる点がありますのは、一般的に全部原価調査をしてやるということはどうだろうかという、疑問的な発言をされましたけれども、長官もあるいは総理も、企業の生産性向上の成果を、その配分にあたって価格引き下げにも充てるということを、はっきり言われたわけです。いまの話では、これは税金だけでいくべきだという趣旨にもとれるわけです。長官が経済演説で言われた内容、価格引き下げに充てるというのは、具体的に一体どういうふうにやるつもりなのか、それを少し話してもらいたい。
○佐藤(一)国務大臣 先ほど松本さんの言われましたのは、原価と最終のところで売っている値段とに差がある、こういうお話から、非常に機械的に出たようなお話であったから私申し上げたので、その中に中間段階がある。この中間段階でもって実際に生活をしておるたくさんの人間がおるわけですし、それはコストとして当然計算に入れなければならない。問題は、それがいわゆる近代的な原則から見てもっと合理化をすべき問題があるじゃないか、いわゆる流通の合理化というような問題として、われわれはこれを取り上げていかなければならぬ。そういう意味で、流通の合理化の過程を通じて、できるだけその中間段階のものを減らしていかなければならぬということは、これは私が申し上げたとおりなわけであります。 それで、問題は、さらにそうしたものを除いて、とにかくいわゆる純利益というものが法人に出た場合にこれをどうするか。これについては、もちろん、先ほど申し上げたように、本来税金で取りますけれども、しかし、その純利益というものが非常にばく大だというようなときには、これはやはり問題でございます。価格との関係も当然に考えていいと思います。それからまた、法人の利益というものの帰属ということが、一体どういう理由でもって法人に利益を与えられておるかというその基本的な問題にさかのぼれば、これは御存じのように、いろいろの言い方があるわけでありますから、そういう意味で、利益を与えてはいけないというわけには当然まいらない。 そういうことで、この問題は、一面においては、中間における流通のコストの問題をどう扱うかという問題であるし、一面においては、利益の処分の問題であるし、一面においてまた、労使だけで配分すべきものをもっと消費者に還元することが適当であるという問題も含んでおる。いまお話しのものは、非常に広範な問題を含んでおるように私思ったから、そういう御説明をしたわけでありまして、いわゆる寡占による管理価格の弊害ということが、最近非常に指摘されつつあります。これも機械的には私は議論はしたくない。その中のものを調査いたしまして、ものにより、必要によって取り上げていくものがあったらばこれを取り上げていく、こういうつもりであります。
○松本(善)委員 その中間の問題については、卸売り価格がどのくらいかは簡単に調べがつくのです。わかりにくいのは製造原価だと思うのです。どこに利益が隠されているのか。これは卸と小売りとの関係でいうならば、そこの利益は一目りょう然になるわけです。やはり製造原価を調べるということが一番中心の問題になると思うのです。 いま長官の答弁は、だんだんきめがこまかくなったというか、訂正というか、そういうふうになってきたと思いますけれども、私さらに聞きたいのは、長官が言われました、生産性の上がっているその成果の配分にあたり価格の引き下げに充てるというのは、具体的にはどうやって実行するかということなんです。問題の焦点はお互いに共通になってきたように感じますので、一体どうするのか、ここをお聞きしたいのです。
○佐藤(一)国務大臣 御存じのように、生産性が上がるということで、その結果として生じてきたところの付加価値というものを資本と労賃でもって分け合う、それでもって全部分けてしまうというようなやり方が、結局一方において労賃の循環的な上昇をもたらし、そしてまた、中小企業経営に対しての大きな圧迫にも一面なっておるということも事実であります。それからまた、法人の利潤につきましても、御存じのように、最近におけるところの巨額な投資ということも頭に置いて、その資本に対する配分は一体どうなさるべきか、こういうことが当然きまるわけであります。 でありますから、一がいに議論はできないけれども、しかし、いま言ったように、非常に過大な利益が継続して出たり、あるいは賃金の上昇というものがただ循環的に行なわれてくるようなことになってくると、これは物価政策としてほうっておけない問題であります。でありますから、現在の制度のもとにおいては、公取等においてまず調査をしてもらわなければなりませんが、その調査を前提といたして、一体これはどこに帰属さすべきものであるか、付加価値の配分、帰属という問題は、別にぴったりとした配分の比率をきめる原則があるわけではありませんから、これはその産業の情勢あるいは価格の状況、そうしたもの全体を見て判断をしなければならぬと思います。その結果として、これはやはり引き下げを勧告するほうが適当だというものは、引き下げを勧告しなければならぬものも出てくると思います。私たちは、現在そういうものについて、直接こうしろという介入の手段は与えられておりません。でありますから、まず一般的な警告を発しなければならぬ場合もあります。しかし、ものによっては、あなたのおっしゃったように、それは公取の調査をまず行ない、その調査の結果によって措置をしていく、こういうことになろうかと思います。
○松本(善)委員 いままでのところでは、公取が原価調査をやって、その調査結果はこうだ、だから引き下げ勧告だというようなことはなかった。一体公取が原価調査をするについての障害というのはあるのですか。それとも怠慢というと、あるいはことばが強過ぎるかどうか知らないが、やってなかっただけかどうなのか、その辺はどうですか。
○佐藤(一)国務大臣 これは私も実は公取委員長に確かめてみたのですが、実際問題としてなかなかむずかしい。この間、御存じのように三品目ばかり調査をしたようであります。まだその検討をしておるようでありますけれども、調査自体がなかなかむずかしいようであります。それから、その結論をつけること自体にもいろいろ問題はある。このところが一つ問題はあるのですが、公取におきましては、いわゆる独占禁止法という法律を前提にしての調査であります。でありますから、一体独占あるいはカルテル価格というのがほんとうに結成されておるのかどうか、公取が正式に認めないカルテル価格をひそかに結成しておるかどうかというような、独占禁止法のたてまえからこれを判断する、こういうことになっております。しかし、価格に非常に関係のあることは事実でありますが、そしてまた、競争条件がなくなっているという完全な独占状態かどうかというような判断で、非常に判定に苦しむところがある、こういうことを話しておりました。
○松本(善)委員 確かに公取の場合は独占価格ということ、管理価格、それを前提にということでありますので、非常に狭くなる可能性があると思うのです。私はいまずっと、初めから論議しておりましたのは、一般的に原価調査というものをやはりやる必要があるのじゃないか、そういうふうに考えるわけですけれども、それをやるとすればどこでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 つまり私どもが演説等でお話ししておるのも、いまあなたが狭くなるという御指摘のあったそうした問題についてであります。一般的なものは、これは本来の価格政策で行なうべきものである。そういうような状態を長く継続して生じさしておくこと自体問題であるのでありまして、そこにも、私どもが物価政策を一生懸命やらなければならぬ一つの大きな理由があろう。今日のところ、たとえばあの業界がだいぶ利益があるからこれを全部引き下げさせようというような制度のたてまえになっておりませんし、また、そういうことを介入するということが是認もされておらないわけです。ですから、私たちは価格政策全体の運営によって、いわゆる常識的に見ても不当な事態の生じないような状態に持っていくことがわれわれの政策の主眼である、こういうように言えると思います。
○松本(善)委員 現在の制度がいろんな点で、一般的に原価調査を強制的にできるというようなものでないということかもしれません。しかし、民間でも、もうすでにいろいろ、書物でも原価について、それが正確であるかどうかは別として、かなり論じられておるわけです。価格政策を一生懸命やらなければならぬというけれども、やはり原価調査をしなければ始まらないんじゃないか。高いといったって、企業がもうけていないということであれば、それはどうにもならぬということにもなりましょう。ですから、やはりそこのところが私どもは焦点ではないかというふうに思います。これがもし現在の制度においてそういう仕組みになっていなければ、本格的に物価を引き下げるということを考えるならば、原価調査をできるような仕組みにする必要があるのじゃないかと私どもは考えておるわけです。その点についての長官の見解を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 現在の体制におきましては、個々の調査をする、すべての企業についての原価を調査をするというような機能も、もちろん与えられておらないし、また、それに応ずるだけの体制もありません。また、これを本格的にやろうと思ったら、これもたいへんな問題でしょう。でありますから、先ほど申しましたように、現在の体制においては独占禁止法を前提とするところの調査、これだけが初めて可能である。そうして、その調査の結果として不当な事実があれば、それに応じて処置をとることができる。そうして、ただ一般的に、あの企業がもうかっているようだ、あの部門がもうかっているようだという程度のことでは、もちろん行政にはなりません。もしも本格的にやろうと思えば、AもBもCも比較してみて、ほんとうにバランスのとれた処置を求められる結果になります。今日においては、そうした行政措置をとり得るだけのそういうような体制もなければ、そうしたことも介入もできないという前提であります。 でありますから、私たちは、もしもそういう——一般的な不当な事態というものが万一にも起こらないように、価格政策を通じて、できるだけそういう事態の起こらないように努力をする。そうして、特に不当なものがあれば、先ほど申し上げたように、われわれとしてはまた引き下げについて措置をとる道が与えられておりますから、そういうものについてはわれわれとしても方法を考えよう、こういうふうに考えております。まあ、税制ということも、先ほど私が申し上げましたように、そうしたものにこたえる現在における制度であろうと思います。
○松本(善)委員 私どもの考えによれば、物価を下げろということは、国民のもう圧倒的な政治への要求になっている。これを実現するというのは至上命令くらいに考えなければならないものであろうと私どもは思うわけです。私たちの党では、この物価の原価調査を強制的にできるようにすべきだ。それは国会という国権の最高の機関というところに権限を与えて、そうして、調べていく問題があるんじゃないかというふうに思えば、やはり調べていく、こういう方法をとっていくべきではないか、こう考えておるのですけれども、そういう方向について長官の御意見を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 これは、現在の経済体制におけるところの価格形成の根本に触れる問題だと私は思います。その価格がどういうふうにして形成されるか、それを企業のみならず、すべての経済単位にわたって、全部を一体トレースをできるものかどうか、私はそういうことは疑問に思っております。この凡百にわたるところのすべてのものについて、精密に、バランスのとれた裁定というものが求められた場合に可能かどうか、これにはこれで問題がある。過去の歴史におきましても、何か特別の事態において特定の産業だけをねらい撃ちして、そうして下げろとか上げろとか、そういうような議論をした国もあるようでありますけれども、結局、そのことは永続性もないし、価格を全体として下げるのにどれほど役立ったかということについても、疑問が提起されておるわけであります。でありますから、私はそこまで問題を広範に推し進めて議論をなさるのであれば、これは全体としての需給調整の問題であるとか、いわゆる価格対策を通じて価格の引き下げをはかる、これがオーソドックスなやり方であろう、こういうふうに思っております。
○松本(善)委員 そうすると、私は最初に戻るわけだけれども、生産性の上がっておる企業から価格を引き下げさせるということについて、では、具体的に一体どうやっていくだろうかということについて、また疑問を持たざるを得ない。長官は、前回私がこの論議をしましたときに、まだどの企業、どの企業ということについては考えていないと言われました。それも考えていないということであれば、これは総理の演説にいたしましても、それから長官の演説にいたしましても、まことに口頭禅ではないか。何も具体的な保証のないことを言われたというふうにしか見えないのではないかと思うわけです。あらためて、具体的には何をどういうふうにおやりになるかということをお聞きしたいと思うわけです。
○佐藤(一)国務大臣 これは、ああいうふうに総理の演説にも出ておりますが、しかし、具体的な、先ほどから申し上げておるような調査をもちろん前提にしておることであります。でありますから、公取等の調査によって具体的に、これについては引き下げをどうしても勧告すべきである、こういうような結論が出た場合のことでありまして、それを当初からこれこれだというふうに予定できないのは、私はやむを得ない。しかしまた、さればといって、そうであるから、あの総理の演説の中の文句というものは単なる空文であるということも言えないと思います。
○松本(善)委員 長官、あの演説からもう何カ月もたっているわけですけれども、一体いつごろまでにあれの具体化についての調査のめどといいますか、それを立てられるつもりでありますか。公取という話ですけれども、いつごろですか。
○佐藤(一)国務大臣 これは松本さんのお立場から言うと、全部を計画的にやれというお話でしょうが、われわれはまだ別に、片っ端からやるという計画を立てているわけじゃございません。そこで結局、やはり問題がありそうであるというようなものを公取が判断して、そしてピックアップをする、こういうふうなやり方でやっていくことになるわけです。
○松本(善)委員 私も片っ端から全部やれということではなくて、もちろん、問題のありそうなところからやる以外にはないわけです。その結論、一応のめどをいつおつけになるかというのですよ。
○佐藤(一)国務大臣 これはまあ私たちとしては、いろんな条件を勘案しながらやらなければならぬということで、主として公取の調査に依頼しているわけでありますから、大体公取の考えを中心にして、そしてまた、私たちが気づく場合においては公取に対してもアドバイスを行ない、そしてやっていくという以外にはないと思います。
○松本(善)委員 そうすると、時期的にはいつごろまでに一応のめどをつけるという計画はない、こういうふうに伺ってよろしいでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 目下のところは、この間行なったところの調査の結論を公取も急いでいるようですから、それがどういうふうになりますか、その決定を見たいと思っています。いま具体的にこれからやるという一定の計画はございませんけれども、しかし、やはり問題に応じてやっていく、こういう態勢です。
○松本(善)委員 この点については国民生活センターに強制権限はありませんけれども、センターに何か期待をされることはありませんか。
○佐藤(一)国務大臣 これはセンターの本来の仕事、今度の法律案で御審議を願っているいろんな仕事もございます。それから、これのスタッフの関係もございます。でありますから、そう一ぺんに大きなものを望みましても、なかなか無理だと思います。この国民生活センターの本来の業務ということもあわせ考えてみますと、このセンターにこれを期待するというのは無理じゃないか。むしろこれは、もしやるとすれば当然政府の機関の行なう問題である、こう思っています。
○松本(善)委員 センターの運営協議会の構成に、この中に労働組合の代表でありますとか、あるいは生活協同組合とか消費者団体、こういうところの代表を加えるという考えはありませんか。
○矢野政府委員 運営協議会は、現在提出しております法案で、「三十名以内で組織する。」その「委員は、センターの業務に関し学識経験を有する者並びに関係行政機関の職員及び地方公共団体の長のうちから、内閣総理大臣の認可を受けて、会長が任命する。」ということになっておりますが、一つは関係行政機関——かなり広範にわたりますので、そこの職員。地方公共団体——四十六都道府県とはまいりませんが、まあそこの代表の方、何名になりますか、これから検討することになります。それから、学識経験者の範囲につきましても、現在のところは、まだこの法案の審議中でもありますし、具体的にどういうところからということは——もちろん今後法案ができましてからあとのことでありますが、おそらく消費者代表あるいは労働組合、産業界等、このセンターの業務を運営していくその目的に照らしまして、必要なところから会長が任命するということになっていくかと思います。具体的にどこからあるいは何名ということは、この法律ができてからあとで考えることになります。
○松本(善)委員 長官に伺いたいのですが、外郭団体に官僚が天下りするということについては、非常に世論の批判がきびしいわけです。このセンターとの関係で、これはどういうふうにお考えになっていますか。
○佐藤(一)国務大臣 まあ、あれでしょう、その外郭団体の性質にもよる、求められている機能にもよることであって、私は一がいに機械的な判断は避けたい、こう思っております。そしてまた、このセンターの自主性を尊重するという意味からいいましても、まあ新しい首脳部がその考えに従ってある程度選ぶというのが、やはり筋であろうと私どもは考えております。特定の役人から必ずよけい採らなければいかぬとか、全部民間人だけにするとかいう、そういった特別のことを考えなくていいんじゃないか。まあ適任者がある、そしてその新しい首脳部が適任者であるという判断を持った場合には、やはりそれを採用してもらうということでいいと思っております。
○松本(善)委員 終わります。
○松平委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十六分散会