物価問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/02/19
会議録
○松平委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 この際、佐藤経済企画庁長官から、政府の物価対策及び消費者保護の対策について発言を求められておりますので、これを許します。佐藤経済企画庁長官。
○佐藤(一)国務大臣 このたび経済企画庁長官に就任いたしました佐藤でございます。きわめて未熟なものでありますが、これから物価問題を通じまして、皆さまともいろいろおつき合いが多いと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 物価対策、消費者保護対策につきまして、最初に所信の表明を申し上げたいと思います。 わが国経済は、本年二月で通算五十二カ月の景気上昇局面を迎え、ここ三年来、実質一三%をこえる高成長を続けております。しかし、このような急速な経済拡大の過程において、従来からの消費者物価の上昇に加え、内外需給の逼迫による卸売り物価の騰勢も顕著になり、物価の基調に新たな変化が生じようとしております。 このような事態を放置するならば、わが国経済はインフレへの道を歩む危険もなしとしないのであります。 政府としましては、こうした段階において、物価安定を経済運営の最重点課題とし、一切の安易な態度を捨てて、その実行に取り組んでまいる所存でございます。 このためには、まず何よりも、総需要の急速な拡大が物価上昇圧力とならないよう、財政金融政策を慎重に運営することが必要であり、また、このことはとりもなおさず、次に述べる構造改善のための諸施策が効果をあげるためにも必要となるのでございます。こうした総需要政策と相まって、低生産性部門の生産性の向上、特に生鮮食料品の流通合理化のため格段の努力を払い、輸入の自由化や競争条件の整備をはかり、経済の効率化を進めてまいる考えであります。同時に、米・麦価水準の据え置きをはじめ、各種公共料金については極力抑制をはかり、また、地価の上昇に対しても総合的な対策を講じてまいる所存でございます。さらに、今後予想される労働力需給の逼迫化という環境においては、賃金と物価との関連についても十分な配慮が必要であろうと考えます。 以上により、四十五年度については、消費者物価の上昇率を四%台にとどめるとともに、卸売り物価の沈静化をはかり、これを手がかりとして長期的な物価安定を実現してまいる所存であります。 こうした諸政策を実行するにあたって何よりも御理解をいただきたいことは、物価安定には、必ずそれなりの代償が要求されるということであります。経済全体の効率化をはかり、物価の安定を達成するためには、従来の産業保護的な制度、慣行に大きな変化が要求される場合も数多く予想されます。このような問題を一つ一つ克服していかなければ、いかなる施策といえども机上の空論にとどまらざるを得ません。国民各層の理解と協力を心から期待いたしたいのでございます。 次に、物価問題と並んで国民生活に密接な関連のある消費者行政につきましては、消費者保護基本法の精神と同法成立の際の国会決議の方向に沿って施策を進めてまいっておりますが、今日までのところ、次第に成果をあげつつあると考えております。 しかし、有害食品、誇大広告等から消費者を守る必要性がますます高まっている情勢に対応して、今後とも危害の防止をはじめ、表示、規格の適正化等の施策を推進するとともに、合理的な消費生活にとって必要な情報の提供、中央地方を通ずる苦情処理体制の整備を一そう強力に推進することによって、消費者利益の擁護と増進をはかる所存でございます。 また、急速な経済の発展、技術進歩に対処し得ないため、日常生活の各部面において国民の不満が高まりつつある現状から考えまして、国民との対話の場を確保し、市民の直面する消費生活上の諸問題について、円滑な情報、意見の交流をはかることが肝要であると考えます。 このような視点から、四十五年度予算において国民生活センターを設置することにいたしました。 本委員会におかれましても、以上のような政府の考え方を御理解いただきまして、よろしく御支援を賜わりますようお願いいたす次第でございます。
○松平委員長 次に、山口経済企画政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。山口経済企画政務次官。
○山口政府委員 今回、経済企画政務次官に就任いたしました山口シヅエでございます。 今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○松平委員長 次に、矢野経済企画庁国民生活局長から発言を求められておりますので、これを許します。矢野経済企画庁国民生活局長。
○矢野政府委員 国民生活局長の矢野智雄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 —————————————
○松平委員長 次に、公正取引委員会の業務の状況について、谷村公正取引委員長から説明を聴取することといたします。谷村公正取引委員長。
○谷村政府委員 ただいま発言を求められました谷村でございます。 私は、昨年の十一月十五日をもちまして、山田前委員長のあとを受けまして公正取引委員会の委員長の任務につきました。いろいろ当委員会におきまして御指導、御鞭撻をいただくことになることと思います。よろしくお願いいたします。 さて、昭和四十四年中における公正取引委員会の物価対策関係業務について、御説明をいたします。 御承知のとおり、ここ数年来、物価問題が非常に大きな課題として取り上げられてまいりましたが、物価対策の面で公正取引委員会の果たすべき役割りは、独占禁止法等を厳正に運用いたしまして、公正かつ自由な競争を促進することによって、経済の発展を促進し、究極において一般消費者の利益を確保するという本来の任務に尽きるわけであり、具体的には次の四点に重点を置いております。 第一点は、価格協定等違法なカルテルについて厳重な取り締まりを行なうとともに、独占禁止法の適用除外となっておりますカルテルの許容についての主務大臣等からの協議にあたりまして、きびしい態度をとることでございます。第二点は、再販売価格維持行為の規制についてであります。第三点は、いわゆる管理価格など硬直的な価格の実態を究明いたしまして、その対策を考えることであります。第四点は、商品の不当な表示を排除し、過大な景品つき販売を規制することにより、消費者の商品選択にあたっての価格意識を高めるようにつとめることであります。 まず、第一点の違法な価格協定等の取り締まりでございますが、独占禁止法ではこれを不当な取引制限といっております。すなわち、事業者が協定などによって価格を決定したり、維持したり、引き上げたり、あるいは生産数量、販売数量などを決定したりすることによって、一定の取引分野における競争を実質的に制限することがこれでありまして、第三条において禁止いたしております。 昭和四十四年中における審査件数百七十四件のうち、価格カルテルに関するものが九十九件を占めており、また、審査いたしました事件のうち法的措置をとったものは二十三件でありますが、価格に関するものは十七件にのぼっております。なお、家庭電気製品についての違法な再販売価格維持行為等九件について審判を行ないました。 次に、独占禁止法では、原則としてカルテルを禁止いたしておりますものの、例外としまして、中小企業関係として中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、貿易対策の見地から輸出入取引法など、四十の法律によって合法的にカルテルを認めておりますが、その数は、昭和四十四年十二月末現在八百九十四件にのぼっております。これらのうち、中小企業団体の組織に関する法律に基づくカルテルが一番多うございまして四百七十七件、次いで、輸出入取引法に基づくカルテルが二百二十三件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づくものが百二十三件となっており、これらが大部分を占めております。 公正取引委員会といたしましては、これらの認可にあたって主務大臣から同意あるいは協議を求められました場合には、それが必要最小限度のものであるかどうか、あるいはそれが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害するおそれがないかどうかを厳重に審査して、同意または協議に応じております。 このほか、独占禁止法におきましても不況カルテルの制度が認められておりますが、現在では不況カルテルを実施しているものはございません。 第二点は、再販売価格維持行為の規制の問題でございます。 再販売価格維持行為は、製造業者が卸売り業者、小売り業者の販売価格を指定し、これを守らせる行為でありまして、これは、原則として独占禁止法の不公正な取引方法の態様の一つとして禁止されているところでありますが、特定の商品につきましては、製造業者と卸売り業者間あるいは卸売り業者と小売り業者間の再販売価格維持契約を独占禁止法の適用除外といたしております。しかしながら、この再販売価格維持契約制度が安易に用いられる傾向がありますので、物価対策の見地から、昭和四十四年中には、医薬品、化粧品、家庭用石けん及び歯みがきにつきまして、リベート、現品添付等の実態を調査いたしましたが、今後も引き続きその適否を検討するとともに、個々の契約内容につきまして、それが正当な行為の範囲を逸脱したり、また、一般消費者の利益を不当に害することのないよう厳重に規制を加えていく所存であります。 なお、昭和四十四年中における再販売価格維持契約の成立届けは七社、十件でありまして、これを累計いたしますと、昭和四十四年十二月末現在九十三社、百二十八件となっております。また、昭和四十四年には十三件の違法な再販売価格維持行為について審査を行ない、三件について法的措置をとりました。 第三点は、いわゆる管理価格の調査であります。 これは、比較的少数の大企業が支配的な地位を占めているような業界におきましてある程度価格が硬直しているような商品につき、その原因がどこにあるかということを探求することであります。最近、物価対策の見地から、大企業における生産性向上の成果の一部を消費者にも還元すべきであるというようなことがいわれておりますが、いわゆる管理価格についての調査はこのような要請にも寄与するものと存じます。公正取引委員会といたしましては、単に価格が硬直しているからといって価格の引き下げを命ずる権限を有するものではございませんが、調査の結果、たとえば価格協定などの事実が明確である場合、あるいは新規企業の進出をはばむ等の行為が行なわれているような場合には、いずれも独占禁止法違反の行為として排除措置をとることになります。公正取引委員会といたしましては、いわゆる管理価格調査を、昭和四十四年中には写真用フィルム、アルミ地金につきまして実施いたしましたが、この問題の重要性にかんがみ、今後とも一そうの努力を続けてまいりたいと存じます。 第四点は、過大な景品つき販売及び不当表示の規制であります。 過大な景品つき販売、虚偽誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、正常な品質や価格による能率競争を阻害することとなるため、公正取引委員会といたしましては、消費者の価格意識を高め、消費者を保護するという立場から、不当景品類及び不当表示防止法を厳正に運用することにより、これらの規制につとめております。昭和四十四年中には、過大な景品の提供十七件、不当表示五十三件につきまして排除命令を行ない、また景品関係二件、表示関係四件の公正競争規約の認定を行ないました。 以上が昭和四十四年中における物価対策関係業務の概要でありますが、今後、公正取引委員会の業務は一そう重要性を増すものと考えられますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。
○松平委員長 以上で説明は終わりました。 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午前十一時二十五分散会