農林水産委員会 第33号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/09/10
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 まず、先般本委員会より北海道地方及び九州地方に委員を派遣し、現地調査をいたしたのでありますが、この際、派遣委員からその報告を聴取することといたします。第一班三ツ林弥太郎君。
○三ツ林委員 委員派遣第一班の調査結果の概要を御報告申し上げます。 本班は、去る八月十八日から八月二十二日まで五日間にわたり、私のほか五名の派遣委員及び二名の現地参加委員をもって、北海道地方の農林業の実情、特に卸売り市場及び国有林野の活用状況等を中心に調査してまいりましたが、まず簡単に調査日程を申し上げます。 八月十八日は、道庁において道及び関係機関より農林水産業の概況と要望を聴取した後、農林省北海道農業試験場及びてん菜研究所を視察、八月十九日は札幌市において札幌市中央卸売市場を、旭川市においてホクレン旭川青果物集荷センターと民営卸売市場並びに北海道立上川農業試験場を、次いで愛別町においてライスセンターと農業倉庫を視察し、八月二十日は端野町において国有林の活用実態を調査、八月二十一日は標茶町のパイロットフオレスト及び芽室町の日本甜菜製糖株式会社芽室工場を視察、八月二十二日は音更町において農林省十勝種畜牧場及び北海道協同乳業株式会社を視察し、全日程を終了したのであります。 以下そのおもな調査概要を御報告申し上げます。 まず第一に卸売市場関係について申し上げます。 札幌市中央卸売市場は、昭和三十四年に開設されて以降、その取り扱い高は飛躍的に伸び、四十四年度においては、青果物関係で百四億円、水産関係で二百二十四億円に達し、その市場機能は、札幌市民への生鮮食料の供給のほか、北海道全域への集出荷機能を持つまでに至っているのであります。このため、従来の市場施設が狭隘となり、市当局においては、昭和四十二年度から五カ年計画により施設の拡充を強力に推進しておりました。 次に、旭川市においては、現在、民営の三卸売市場が存在するのでありますが、これら三市場につきましては、旭川市が市郊外の永山地区に四十三年度から建設中の総合流通団地事業に積極的に参加し、本年六月には、この流通団地内に二市場が移転開業し、残る一市場についても九月には移転を完了する計画であり、従来から卸売市場について指摘されてきた問題点、すなわち、市場の整備統合、施設運営の合理化、さらには交通渋滞の解消等が一挙に解決されているのであります。 このように、旭川市において、卸売市場法の制定をまたずに、地方卸売市場の機能整備が実施されたことに対しまして、市当局及び関係の方々に深い敬意を表するとともに、これが今後の市場整備のモデルケースになるのではないかと強い期待を寄せた次第であります。 次に、これらの市場視察に際し、関係者からの要望について概略を申し上げれば、その一は、卸売市場法の早期制定とその実施についてであります。現在、北海道には中央卸売市場が二カ所、地方卸売市場が百十一カ所に設置されていますが、卸売市場法の制定をまって、全道の市場経済圏を十五程度に整理統合し、これに基づき、市場の整備再編成をはかりたいというのが、全北海道市町村の強い要望であります。 その二は、生鮮食料品の輸送体系の確立についてであります。青果物についての八割程度を内地より移入している北海道におきましては、特に冬季における価格の高騰を抑制する手段として、野菜等生鮮食料品の海上輸送に政府が積極的に取り組んでほしいとのことであります。そのほか、市場法の制定を前提として、整備統合の場合の課税の特例措置、独禁法の適用除外、施設助成措置の大幅増額等についても要望がありました。 第二に、国有林野事業関係について申し上げます。 北海道の国有林は三百十万ヘクタールに及び、北海道全面積の約四〇%を占めておりまして、これらは国土保全その他森林の持つ公益的機能を確保しながら森林生産力の向上につとめ、木材などの林産物を持続的に供給することを目的として経営されております。 また、国有林は、その所在する地域の産業の振興、福祉の向上のために利用することが適当なものは、積極的に活用がはかられるよう努力がなされておりますが、戦後、北海道において農地等に所属がえされたもの約十五万ヘクタール、林野整備等で処分されたもの約七万ヘクタール、農林業構造改善のために国有林野が活用されたもの約六千ヘクタールとなっています。 以下、今回の視察日程に従い、まず層雲峡付近において調査した昭和二十九年に発生した十五号台風による風害あと地について申し上げます。 この台風は、大雪山系の原生林に対してだけでも約四千万石という未曽有の風倒木を生ぜしめたのでありまして、世界の林政史上類を見ないものと言われているのであります。 被害個所は、風倒直後に行なわれた風倒木の早期処理と風害あと地の積極的な造林事業によりまして、当時の面目は一新されておるのでありまして、ここに関係者の努力に対し深い敬意を表してまいった次第であります。 次に、端野町営忠志放牧場は、国有林野百七十六ヘクタールを草地造成のために貸し付け方式により活用しているものでありまして、現在までに百十ヘクタールの草地改良が行なわれております。端野町におきましては、現在三百五十八ヘクタールの稲作転換が行なわれておりますが、当牧場は将来この稲作転換と結びつけ、二百八十頭の育成牛を共同受託方式で放牧することを計画しています。 利用状況は、造成後日なお浅く、今後に期待するところ大であったのでありますが、当該地を調査して、町当局が今後の管理運営にさらに留意する必要があることを感じた次第であります。 次に、パイロットフオレストは、根釧地方の寒冷地農業経営に林業を取り入れた多角的経営の指標として、また、国策として強く要望されておりました緑化と拡大造林の先駆として、約一万ヘクタールに及ぶ未立木地に森林資源を造成して、パイロットファームとともに眠れる数万ヘクタールの根釧原野を緑に包まれた農林業の宝庫たらしめようと計画されたものであります。 以来、昭和三十二年から十年間の長きにわたって営々として造林が行なわれ、七千余ヘクタールの新植事業が完成し、所期の目的を達しつつあるのであります。放置されるままにまかせておいた広大な地域が、カラマツの若木によっておおいつくされているのをまのあたりに見て、感慨ひとしおのものがあったのであります。 しかしながら、この大事業は、現在、ようやく基礎ができ上がったと言えるのでありまして、今後、より充実した森林として育成し、さらに、名実ともに根釧原野開発のパイロットとして使命を達成されるよう強く期待してまいった次第であります。 以上の国有林野事業の視察に際し、関係者の説明の中で最も注目に値すると思われましたことは、北海道におきましては、昭和三十七年以来木材価格の停滞、人件費の上昇、伐採地の奥地化等によって収支は悪化の傾向を示していることであります。 しかも、このような状況は早急に好転することは期待できず、さらに、森林の公益的機能の拡充に対する国民的要請が今後一そう高まること、森林生産力を高め、増大する木材需要にこたえるために林道、造林の拡充による生産基盤の整備が急務であること等を勘案いたしますれば、国有林野の経営は財政的にきわめてきびしい情勢にあるのであります。 このように、国有林野の経営は、各種の問題を内包しつつ、わが国社会経済の発展のために安定的な経営を指向しなければならないのでありまして、関係者の今後一そうの努力を期待してまいった次第であります。 第三に、試験研究機関の関係について申し上げます。 北海道における農業試験場の沿革は、明治初年に開拓が開始されて以来、寒冷な気候の上、上火山灰地、泥炭地、重粘地等の特別に改良しなければならない土地の多い北海道において、いかに安全有利な寒地農業を確立するかにその研究課題が置かれてきたのでありますが、これら試験研究の成果は着々と実を結び、これが今日の北海道をしてわが国最大の食糧基地たらしめるのに大なる貢献をしてまいったことは言をまたないところであります。 そこで、今回の視察にあたり、試験研究機関が当面している若干の事項について申し上げます。 まず、農林省北海道農業試験場につきましては、従来から北海道寒地農業の中心的試験研究機関として、その役割りを果たしてきたのであります。現生、当試験場においては、その千三百ヘクタールの敷地内に、今後三年以内に林業試験場、家畜衛生試験場を移転させ、これに隣接したてん菜研究所を加えて、総合的試験研究団地としてその機能を一そう充実させる計画が樹立されておりますが、計画実施にあたっての予算措置の確保等これが強力な推進と今後の試験研究課題の高度化に対応できるよう人頭当たり研究費の引き上げの必要性を痛感いたしました。 また、日本てん菜振興会てん菜研究所につきましては、昭和三十四年特殊法人として設立されて以来、北海道におけるてん菜振興に多大の貢献をしてきたのでありますが、本振興会に対しては、昭和四十二年十月臨時行政改革閣僚協議会において昭和四十七年をもって廃止し、自後、国で行なうべき業務は、国立の試験研究機関において行なうこと、との決定を見ているのであります。 しかしながら、最近の北海道農業にあっては、稲作転換に関連して、てん菜等を中心に畑作物の振興がはかられている時期にあり、また、本研究所の長年にわたる技術蓄積を考え合わすとき、これを廃止するよりも、本研究所をしててん菜を中心とする独立した畑作物育種等の総合研究所として存続させることが、より妥当な措置ではないかと思われるのであります。 次に、稲作の試験研究についてこの際、簡単に触れますと、従来の耐寒性、多収性品種の育種から、今日の米の需給事情等を反映した良質米の育種にその重点が移されており、特に米作地帯の中心である北海道立上川農業試験場におきましては、これが育種普及に全力を傾注しているところであります。 次に、農林省十勝種畜牧場においては、本年度から従来の事業に加え、草地畜産に関する技術が農家経営に直接応用されるための事業、すなわち、大規模草地畜産展示事業に着手したのでありますが、本事業は、全国十五の種畜牧場でも初めての試みであり、これが完成の暁には、現在、全国各地で問題とされている大規模畜産経営技術の改善に大きく寄与することが期待されているのであります。 第四に、北海道協同乳業株式会社の概要について申し上げます。 近年北海道における酪農の伸長は著しいものがあり、乳牛飼養頭数及び生乳生産量とも全国の四分の一弱を占めるに至っているのでありますが、一方生乳処理の関係につきましては、従来大手乳業会社による独占的経営が行なわれていたのであります。 このような状況の中で、この会社は、生産者及びその団体が生乳を適切に処理し、少数従業員による徹底した合理化加工工場の運営をみずから担当し、生乳価格の安定をはかることによって生産を高め、酪農の振興をはかるべく、十勝管内の八農協を中心として、昭和四十二年に設立されたものでありまして、その規模は一工場としては全国最大のものであります。 操業は、四十二年十月に開始され、当初はバター、脱粉の乳製品のみを製造しておりましたが、四十四年十二月に市乳事業に着手し、今後はこの市乳部門を積極的に拡大したいとの意向でありました。 しかしながら、北海道は典型的な加工原料乳供給地帯であり、当乳業会社にあっても経営の過半が乳製品の製造に依存する関係上、一昨年来の乳製品価格の停滞が会社の業績に及ぼす影響が大きく、これが事態の改善をはかるため、事業団による乳製品の早期買い上げ等、政府において適切な措置を講ぜられたいとの強い要請がありました。 また、今後の乳業会社を取り巻く環境につきましては、近い将来乳業資本の自由化等が実施される気配であり、もしこれが何らの対策もなく実施されたとすれば、資本蓄積の少ない農業資本による乳業会社等にあっては、その前途は全くきびしいものと言わざるを得ず、かかる事態に対し、政府は十全の配慮を行ない、これら会社が途中で挫折することのないよう適切な措置を講ずる必要を痛切に感じてまいった次第であります。 第五に災害関係について申し上げます。 去る七月三十一日より八月一日にかけて上川地方を中心に襲った記録的な集中豪雨は、旭川市及び上川町に災害救助法が適用されるほどの激甚なものであり、その被害総額は上川支庁管内だけで三十二億円に達していますが、特に農地、農業用施設及び公共土木関係についての被害が大きく、これが復旧に対しての局地激甚災害の指定につき強い要望がありました。 また、八月十五日から十六日にかけての台風九号は、道南及び空知、上川、留萌管内を中心に多大の被害をもたらし、農作物等の被害は約六十一億円余りに及んでおりますが、このような大災害をこうむった農業関係者におかれましては、天災融資法の発動、激甚災害法の適用、農業共済金の早期支払い及び農業関係制度資金の償還延期等の措置を講ぜられたいとの切なる要望がありました。 この点われわれといたしましては、今回の災害が専業農家の多い当地域の営農に支障を生ぜさせることのないよう、政府において早急に適切な措置がとられることを督励する旨、関係者に対し約束してまいった次第であります。 以上、視察した概要を申し述べましたが、この際、今回の視察にあたり道関係をはじめ、各地域の農林水産団体より出されました要望事項等につき簡単に御報告申し上げます。 北海道における農業開発は、明治初期以来一世紀の間、寒地農業の確立を主体として推進され、特に昭和二十七年以降は北海道総合開発計画等に基づき計画的な開発が行なわれてきましたが、本年度は、第二期総合開発計画が農業面についてはおおむね所期の目標を達成して終了し、四十六年度から新たな視点に立った第三期総合開発計画が実施されようとしているのであります。 この第三期計画においても、農業開発がその重点事項として取り入れられ、特に農用地については基準年次たる四十三年度の九十九万ヘクタールから目標年次の五十五年度には百三十一万ヘクタールへと大幅に拡張されるのをはじめ、生産面においては酪農、畑作等を中心に適地適産の原則に即した農業地域の形成が計画されていますが、これが実施にあたっては、国全体の農業政策、すなわち総合農政の展開にいかなる位置づけをするかが今後の大きな課題として残されているのでありまして、この問題を中心として次のごとき要望があったのであります。 まず農業関係においては、第一に生産調整を中心とした米作の問題であります。近年北海道における米作は品種改良と栽培技術の高度化により、急速な進展を見せてはいますが、たまたま現在の米の過剰事態を背景として、今後はこの米作をいかなる方向に整備するかが北海道農業の最大課題となっているのであります。 そこで、本年度より本格実施に移された米の生産調整につきましては、道目標面積二万一千三百ヘクタールの三倍にあたる六万二千八百ヘクタールが実施されているのでありますが、その内訳について見れば、転作が三千二百ヘクタール、土地改良事業の通年施行が一万千六百ヘクタール、休耕が四万四千九百ヘクタールというように、休耕の占める部分が圧倒的に多いのが実情であります。このため、これら休耕地に対しては、大型圃場整備事業の夏期施行等、基盤整備事業の重点的実施と第二次構造改善事業の優先的指定等につき強い要望があったのであります。 次に、酪農関係についてでありますが、第三次開発計画においては、計画目標年次の五十五年における乳用牛頭数を現在の二倍半にあたる約百二十万頭程度にまで引き上げることが計画されており、北海道の酪農振興における決意はなみなみならぬものが感ぜられるのであります。そこで、これが計画達成のため、草地造成事業の拡充実施をはじめ、大規模酪農経営の確立をはかるための金融制度の改善、さらには酪農乳製品の国境保護措置等につき、国が適切なる措置を講ぜられたいとの要請がありました。 その他農業関係については、現在主産地形成が進んでいるてん菜、バレイショ及び豆類等の畑作物の振興対策をはじめとして多くの要望事項が出されましたが、この具体的内容については他の機会に譲ることとして割愛させていただきます。 次に林業関係におきましては、北海道は資源的に見てわが国の枢要な林業地帯として発展が期待されておりながら、その生産基盤が他府県に比し著しく立ちおくれており、潜在生産力が十分に発揮されておらず、また最近の林産業はかつてない不況に見舞われておりまして、その体質を改善するのが急務となっているのであります。 こうした現状から林業、林産業を振興するための措置として、林道網を整備拡充し、特に林道開設事業量を拡大して一般林道の補助率を引き上げること、造林事業を推進し、特に団地造林事業を強化すること、林産業の近代化をはかる措置を講ずること、国土保全と水資源の確保のために治山事業五カ年計画を完全実施すること等の強い要望がありました。 また、水産関係におきましては、沿岸漁業開発法の早期制定、漁業専管水域の設定、漁船海難防止体制の確立、北方海域における安全操業の実施及び拿捕漁船にかかる乗組員の積極的救済措置等につき、それぞれ強い要望がありましたことを御報告申し上げます。 最後になりましたが、今回の調査にあたり御協力いただきました道、市町村、農林省関係出先機関をはじめ関係諸団体の各位に対し深甚なる謝意を表して御報告を終ります。(拍手)
○草野委員長 第二班、丹羽兵助君。
○丹羽(兵)委員 去る八月十八日から二十一日までの四日間にわたり、私外五名の委員が本委員会の国政調査のため福岡県及び熊本県に派遣され、同地方における農林水産業の実情について調査してまいりましたので、その概要について御報告申し上げます。 まず、調査の日程について申し上げます。 第一日は、福岡市において、九州農政局長及び熊本営林局長から九州全般にわたる農業及び林業の諸情勢について、また、福岡県から県下の農林水産業について事情聴取を行ないました後、太宰府農協に参り、福岡食糧事務所長より食糧管理について事情聴取を行ないますとともに、同農協の農業倉庫を現地調査いたしたのであります。 第二日は、早朝、福岡市中央卸売市場の鮮魚市場を、次いで三潴モデル圃場、大川農協のカントリーエレベーター、玉名農協の低温倉庫の現地調査を経て、熊本県庁に入り、県下の農林水産事情について事情聴取を行なったのであります。 第三日は、熊本総合卸売市場及び熊本食糧事務所所管の政府倉庫の調査を行ない、次いで、天草の県水産種苗センターのクルマエビの養殖、熊本営林署吉無田製品事業所において林業機械による作業等について現地調査を行なったのであります。 最終日の第四日は、阿蘇国営草地改良事業を現地調査し、日程外ではありましたが、大分県において久住飯田高原開発について説明を聴取いたし、これをもって今回の調査目的の全日程を終了したのであります。 以下、調査の概要について事項別に申し上げます。 まず、最初に九州農業の概況について申し上げます。 九州農業を取り巻く環境を見ますと、耕地面積は八十二万ヘクタールで、九州総面積の一九・六%と、その耕地率は全国の一五・八%に比べて高く、また九州には御存じのように離島が多く、全国の約四割を占めていることが特徴となっています。 次に、農業人口について見ますと、その傾向は減少を示しておるのでありますが、総人口千二百二十八万人のうち農業人口は三五・一%と、全国平均の二六%に比べるとかなり高く、耕地一ヘクタール当りの農業人口を見ますと、全国が一・七二人であるのに対し九州では二・〇三人程度となっており、このことは九州における農業労働力が他地域に比べて相対的に豊富であることを物語っているといえるのであります。 このような環境のもとに営まれております九州農業において、その産出構成を見ますと、昭和四十三年度では全国の二二・九%を占めておりまして、そのうち米が四二・六%と、その大半を占めております。米については、九州は全体的に残念ながら四等米が多く、品質の改良が当面の大きな問題といわれるのであります。 畜産につきましては、乳用牛では一戸当たり頭数は四・八頭と、北海道を除く——北海道にはかないませんが——全国平均の四・三頭を上回ってきておるのであります。しかしながら、消費圏の伸びに対し生産量がさらに上回っているため、不本意ながらここでもまた相当量が加工に向けられておる現状であります。 また、問題のカンショは、最近の需要面の不安定性と低収益性から他作物への転換が進められておりますが、九州におけるカンショは防災的な意味を持ち——私ども初めて知ったのでありますけれども、カンショそれ自身がたいへんな防災的な意味を持っておりまして、畑作地帯での基幹作物として従来から定着しており、転換が進んでいないのが現状であります。 以上が九州農業の概要でありますが、今後の大きな課題としては、一つは、わが国でも有数の米作地帯である筑後川水系の農業開発と、これら地帯における農業機械化及び米の品質改良と取り組む必要があるのであります。特に九州では、農業部門での社会資本ストックは従来きわめて低水準であり、今後土地改良等基盤整備を積極的に推進することが必要であります。 また一つには、阿蘇、久住飯田高原地域に見られる低位利用地域における大畜産的な開発及び南九州地域における農業開発並びに離島農業と真剣に取り組む必要があるように痛感して帰りました。 次に、九州における林業の概要について申し上げます。 九州の森林面積は九州全面積の六二%の二百六十七万五千ヘクタールで、全国森林の約一割がこの地域にあり、そのうち国有林面積は五十万ヘクタールであります。 九州における昭和四十五年度の木材需給は、需要が一千百七十四万八千立方メートルに対し、供給は生産量五九%、外材入荷量三一%、移入量一〇%であり、このうち国有林は一九%を供給しているのみであります。わが国木材の需要は今後ともますます伸びるものと予想されますのに対し、国内の生産は停滞ぎみであるため、外材の輸入は急速な増加の一途をたどっているのであります。 この際、私どもが特に委員諸君に申し上げたいのは、森林の公共的役割りに対する国民の要請がますます強くなりつつある今日、水資源の確保、災害の防止等、森林の持つ国土の保全及び国民の保健等、その公益的機能の重大な使命に思いをいたし、造林事業の徹底的な推進を強く政府に希望せよとの皆さんの御意見でございます。 次に、福岡県について申し上げます。福岡県は北九州工業地帯を持ち、わが国でも有数の工業県として知られ、農業県としての印象がとかく薄れがちでありますが、農業は筑後平野を中心に米麦、果樹及び畜産を、漁業は戸畑市、福岡市に漁業基地を持つ遠洋漁業あるいは有明海のノリ養殖を、また林業は人工林率も全国水準を上回り、森林開発も予想外に進んでおりまして、それぞれ特色のある農林水産業が営まれておるのであります。 今後の農業については、県内を七ブロックに大別し、それぞれ地域の実情を加味し、振興をはかっていくとの力強い説明を受けたのであります。特に、全国的にも高反収の米作地帯として知られております筑後平野の再開発と米の品質改良についてはなみなみならぬ努力を見ることができました。 次に、熊本県について申し上げます。熊本県農政の基本的方向としては、大型機械を導入するため、農業の生産基盤の整備、開発を積極的に行ない、また阿蘇を中心とする高原地帯の未利用及び低位利用地において畜産を中心とした養蚕及び野菜等の安定生産農業の確立をはかるため、土地資源の開発につとめるほか、農業経営構造の改善、地域的農業生産体制の確立、農産物流通加工体系が方向づけされていたのであります。 現在の農業生産の構成比は、米麦が四四%、畜産がわずか一四%、工芸作物が一四先、野菜がこれまた低く九%となっておりますが、昭和六十年の将来展望の中では、畜産を伸ばして三三%、米麦を減らして二一%と変え、生産額で二・一倍、所得で一・八倍となることが見込まれており、地域の特性を生かした明日の農業への努力を十分見受けることができたのであります。 なお、熊本県の農協関係者から今後の農政について注目すべき意見が開陳されておりましたので、御迷惑かと存じますが、御参考までに御報告させていただきたいと思います。 その要旨は、当面の農政については、総合農政の展開の中で集約的に考える必要があるとして、一番目に、米に対する基本政策を確立することということを主張しておられました。すなわち、米作の今後の姿勢を明確にするとともに、次年度以降の生産調整の継続、水田転用の促進、食管制度の堅持等の方針を明らかにする必要がある。これでなくては農民はたまらない、こう言っておりました。二番目に、農産物の価格政策の確立、農業共済制度の拡充強化を行なう必要がある。三番目に、農村の工業化の促進については農工併進の見地から行なうこととし、農民の生活安定をはかること。なおまた農業の近代化、機械化、広域営農団地構想の拡充強化、農道の整備拡充をはかってほしい、こういうこと等であります。 次に、現地調査を行ないました点について簡単に申し上げます。今回の調査の主目的の一つであります卸売り市場については、福岡市中央卸売市場及び熊本総合卸売市場の調査をいたしたのであります。 福岡市中央卸売市場においては鮮魚市場を視察したのでありますが、この市場は消費地市場としての働きを持つほか、生産地市場としても全国でも指折りの市場で、その取り扱い高は年間十九万トン、二百億円にも達し、最近の動向からしてさらに取り扱い高はふえることが予想されております。この鮮魚市場には、現在二社が卸売り人として卸売り業務を行なっております。 市場開設者である福岡市当局の説明の中で特に注意を引いた点は、卸売り業者が不当な買い付けまたは荷受け等の業務を行なった場合には、市当局が直接卸売り業者と同様の業務を行ない得る態勢にあるとのことであります。中央卸売市場の卸売り業者は、法律上公共性の高い業務であることにかんがみ、正しい卸売り業務を行なわせるためには、このような公共団体による卸売り業務の実施もあり得るという積極的な態度は、中央卸売市場の本来の性格からしても注目すべきであると思うのであります。 熊本総合卸売市場は、これは地方卸売り市場でありますが、市場開設者は、鮮魚部は株式会社熊本魚市場であり、青果部は熊本大同青果株式会社であります。その取り扱い高は年々増加し、販路は、県内はもとより九州一円に及んでいるとのことであります。 この市場において関係者より要望されました点は、生鮮食料品の流通円滑化とそのコスト低減をはかるため、一、地方卸売り市場を含む卸売り市場のすみやかな法制化を行なうこと。二、市場を取り巻く道路網の整備を行なうこと。三、卸売り市場整備のため、公庫資金について、一そう低利で、かつ融資ワクを拡大すること。四、コンピューター導入に対し、融資でなく補助対象とすること等が強く要請されました。 次に、食糧管理の実情調査について申し上げます。 食糧管理の実情調査については、福岡県及び熊本県の両事務所長より管内の食糧事情について事情聴取を行ない、福岡県では太宰府農協の、熊本県では玉名農協の農業倉庫及び政府倉庫を調査したのであります。 その詳細は割愛させていただきますが、特に本年実施した生産調整と予約数量との関係をどのように調整したか、出来秋の倉庫調達、古米の保管状況等について現地の報告を聴取いたしました。また、玉名農協では、食管制度の堅持について不安を抱き、その方向が明確化されぬ限り倉庫建設に踏み切れず、また、現在の低温倉庫の加算額では採算がとれぬ現状にあり、これが改善について強い要請があり、政府はもう少し将来についての態度を明白にしていただきたいという強い要請があったのであります。 次に、三潴モデル圃場整備事業及び大川農協カントリーエレベーターの調査について申し上げます。 筑後川下流地域は九州一の広大な穀倉地帯で、約五万六千ヘクタールの水田がありますが、この地域の約三万一千ヘクタールは網の目のようにクリークが錯綜し、農業の機械等近代化に大きく立ちはだかっておるのであります。このため、筑後川の水資源開発を契機として、この流域の農業開発が急がれているわけでありまして、複雑多岐にわたるクリークの整備、用排水系統の整備は、安易な方法では抜本的な解決がむずかしい状態にあります。したがいまして、当局は三潴をクリーク統廃合事業の進め方の指針とするため、真剣に調査を行なっているのであります。現在の進捗状況は、一部幹線クリークが試さくされ、この泥土によって従来のクリークを埋め立て、これを圃場、いわゆるたんぼ及び幹線農道に改良いたしまして、初めての米作が今年から行なわれておるのであります。 大川市農協では、米生産総合改善パイロット事業によるカントリーエレベーターを視察いたしましたが、同農協では、これら近代化施設を効果的に始動させるため、筑後川総合開発事業の早期着手と、第二次構造改善事業の早期達成が強くわれわれに要請されたのであります。 最後に、阿蘇国営草地改良事業の調査について申し上げます。 草地改良事業の対象となる原野は、阿蘇町、一の宮町、産山町の三カ町村に分布する一万五千七百ヘクタールの粗放利用原野のうち、一千七百ヘクタールに対し草地造成及び付帯施設を設けることが計画内容でありまして、その利用方法は、主として公共育成牧場として使用が予定されているのであります。 現在では十三団地二十四酪農組合が牧場経営を行なっておりますが、その一つの農事生産法人山鹿酪農組合の概況について見ますと——そこへ私どもは足を運んでいろいろ聞いてまいりましたので、簡単に申しますけれども、四十一年度に牧場経営に着手し、四十七年度の安定目標年次には、草地面積二百二十ヘクタール、飼育頭数ホルスタイン種二百四十五頭で、粗収入が四千五百六十八万円、支出額二千四百六十八万円で、純益は二千百万円となり、組合員戸数六十戸の一戸当たりの配当が三十五万円すでに見込まれるとのことで、今後それだけの農家所得の増大が期待されておるのであります。 なお、この草地改良事業については地元町村長より、一、補助事業に一貫性がなく、事業区分で困難な問題が生じる。二、補助対象外事業については、長期低利の融資措置の必要性がある。三、道路が酪農の命であるから、道路の整備は国または県の負担としてほしい、等が訴えられたのであります。 ここで私どもは、やはりやり方によってはもう相当大きな牧場、北海道で見られるような大牧場もこうした地域には描くことができるのだ、実現を見ることができるという自信を得て帰ったのであります。 なお、大分県より、久住飯田地域の大規模農業開発についての立法化及び国の助成について陳情を受けてまいりましたことを申し添えます。 最後に、台風九号の被害について、視察先の各所で、農産物等の被害が多額に及んでおるから、その被害対策を至急に講ぜられるよう、皆さま方に御協力が願いたいとの話でございます。これをつけ加えて御報告申し上げます。 このたびの調査にあたり、協力を賜わりました県、農政局、出先の営林局及び関係市町村の方々に深甚なる敬意と感謝をささげて、御報告を終わらせていただきます。(拍手)
○草野委員長 以上で派遣委員からの報告聴取は終了いたしました。 派遣委員各位の御苦労に対し感謝申し上げます。 —————————————
○草野委員長 引き続き、農林水産業の振興に関する件について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷部七郎君。
○長谷部委員 この際、農林大臣に御質問をいたしたい、かように考えます。 時間がございませんので、端的に私はお尋ねをしたいと思うのでございますが、第一点は、昭和四十五年産米の生産調整についてお尋ねをいたしたい。 政府は、御承知のとおり、米の過剰の問題、さらには単年度の需給の均衡をはかる、こういう趣旨からいたしまして、今年度百五十万トンの生産調整を実施をしているわけであります。その内訳といたしましては、休耕、転作等によるものが百万トン、さらに水田の転用によるものが五十万トン、特にこの五十万トンについては十一万八千ヘクタールにわたる水田の転用が本委員会におきましても明確にされておるところでございます。承るところによりますると、この農家に対する百万トンの調整についてはかなりの実績があがっておる、かように承っておるわけでありますが、反面五十万トン分のいわゆる十一万八千ヘクタールにのぼる転用についてはあまりかんばしからざる成績になっておる、こういうぐあいに承っておるわけでありますが、その今年度の生産調整の実績について、ひとつこの際承っておきたい、かように思うわけであります。 なお転用分が思うように進んでおらない理由などについても、この際ひとつ明確にしていただきたい、かように思うわけであります。
○倉石国務大臣 生産調整の実績数量は、一部の都府県を除きまして、まだ最終的に報告が確定いたされておりません。しかし都府県から聴取いたしました八月末現在の奨励補助金申請数量の中間報告を見ますと、全国で大体百四十万トン程度に達する見込みであると思います。 それから第二の農地壊廃のことでありますが、この実績を示す壊廃面積調査の集計は、本年十月末ごろでないとまとまってまいりませんので、数字で説明申し上げることはただいま困難でありますが、なお農地の壊廃のうち転用許可にかかる実績につきましても、その正式集計は例年かなりおくれてまいりますので、今年度につきましては、米の生産調整との関係もありまして、目下中間集計をいたすべく努力を続けておる最中であります。しかし何ぶんにも膨大な件数にのぼりますので、これを田畑別の件数面積に分類、集計する作業に手間どっておりますので、事務当局に命じまして、なるべく早くその集計を完了させるようにいたしておる最中であります。
○長谷部委員 十一万八千ヘクタールに及ぶ水田の転用についてはいま中間的な集計を実施中だ、膨大な件数にわたるので、にわかにまとめることはできない、こういうお話でございますけれども、しかし、これは今年度の政府の内政問題においては重要施策の一つでもあるわけでありますし、少なくとも現段階にもう収穫期を迎えておる現状でありまするから、その趨勢あるいは経過等については政府は十分把握できるのじゃないか、私はかように思うのです。しかも本日の新聞等を見ますると、農林大臣の記者会見といたしまして、ここ水田の転用については、何せ初めてのことでもあるし、なかなか思うように進んでおらぬ、こういう意味の御発言もあるようであります。したがいまして私はそういう問題点をぼやかさないで、どの程度進んでおるかくらいのことは、この際明らかにできるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、この点ひとつさらに承っておきたい、かように思います。
○倉石国務大臣 御存じのように、各省で分担させまして自治体は自治体としてそれぞれ先行投資等をやらせるというふうなことをいたしておったわけでありますから、さっき申しましたように、田畑の項目別にこれを最終的に集計いたすというのはかなり事務的にも複雑なことであることはお察しいただけることだと思っておりますが、おくれておりますのは遺憾でありますので、先ほど申し上げましたように、できるだけ早く最終的集計を整備するように命じておるところであります。
○長谷部委員 なるべく早く実績をまとめて、明年度の予算編成の段階にもなっておりますので、ひとつ明らかにしていただきたい、かように要望をいたしておきたいと思うのです。 次に、ことしは百五十万トンの生産調整をやったわけでありますけれども、春以来の天候がよかった関係で、先般発表になりました作況指数から想定いたしましても、かなりの豊作が予想されておる。そういうわけで今年度も例年に引き続いて米の過剰が出るのではないか、こういうぐあいに報道されておるわけでありますが、政府として、ことに農林省といたしまして、ことしの予想収穫高からいたしまして、どれだけの単年度の過剰が出るのか、この点をひとつ承っておきたい、かように思います。
○倉石国務大臣 これも先般私が閣議で報告をいたしまして、また新聞にも発表いたしましたのは、八月十五日現在のものの報告の取りまとめでありますが、最終的にはまだこまかな数字の集計はいたさないわけでありますが、大体集めてみますと、作柄は、発表いたしましたように一〇四という程度であろうといわれております。したがって本年は、いまお話のありましたように、生産調整は、政府としては、現在の状況から考えまして、生産調整を御協力願ってやったわけでありますが、しかし天候がよくてたいへん豊作型であった。これは米を管理いたしておる全体から考えますとそういうことでありますが、私は米をつくっておる人の身になってみれば、豊作であるということは喜ぶべきことではないかと思っておるのであります。これに基づいて今度はどういうふうなことをしていくかということはこれから研究すべきことでありますが、ただいまわかっておりますのはそういうところであります。
○長谷部委員 いろいろ申し上げたいわけでありますけれども、限られた時間でありますから先に進ませていただきたいと思うのです。 そこでことし生産調整をやったけれども、単年度においてかなり過剰米が出る、こういう頭になっておるようです。そこで明年度の生産調整が今日いろいろ議論されておるわけであります。去る五日における大臣の記者会見あるいは昨日、九日の記者会見等からいろいろ新聞報道が行なわれておるわけでありますが、大体本年の倍に匹敵する三百六万トンの生産調整を来年は考えたい、こういうことで農林省の方針を固めたやに実は報道されておるわけでありますが、その報道がそのとおりなのかどうか。もし三百六万トンにのぼる生産調整を実施をする場合、具体的にことしと同じような方式が採用されるのかどうか。たとえば休耕、転作あるいは水田の転用、こういう形でやるのかどうか、まずこの点をひとつ明らかにしていただきたい。 それから第二点は、どうも新聞報道等でしか私は承知しないわけでありますけれども、今度は補償金の問題について、ことしは休耕、転作通年施行など一律の補償金が交付されることになっておるわけでありますけれども、明年度の場合は、休耕、転作あるいは通年施行、こういうものに対して補償金の差をつける、こういうような意味の報道がなされておるわけでありますが、その補償金についての農林省の考え方をひとつこの際明らかにしていただきたい。 さらに私は、一律の減反政策、一律の生産調整というものは、米どころも都市近郊も全国一律に二割なら二割の生産調整をやるということは、これは最も下策中の下策だと思う。少なくとも地域の気象条件あるいはいままでの米の生産性、こういうようなものを考えました場合に、こういう一律の減反割り当てというものは考えなければならない、もっと地域の特性を生かしたものにしなければならぬのではないか、こういうぐあいに考えるわけでありますけれども、これらの点につきましてもこの際大臣の所見を承っておきたい、かように思うのであります。
○倉石国務大臣 このことにつきましては、先般の国会中も皆さん方から、続いて昨年くらいやるべきではないかというようなお話がございました。農業団体等の申し入れ文書にもそのようなことが書いてございましたが、そういうことについて私どもの見解を申し上げておきましたとおり、本年の生産調整の経過並びにその結果を見て、その上で判断をして、どのようなやり方でやっていくべきか、いずれにいたしましても、私ども、やはり本年もまた何らかの生産抑制策を講じなければならないということは考えておりますけれども、先ほど申し上げましたように、最終的集計もまだ出ておりませんし、いろいろそういうデータに基づいてただいま私どもが鋭意研究中でございます。私も新聞はなるべくよく注意して見ているつもりでありますが、私は新聞に三百六万トン云々という、いま長谷部さん御指摘のようなことは言っておりませんし、そういう記事を私は見たこともないのであります。そういう量であるとかやり方であるとかということをこれから検討しまして、その上で方針をきめてまいりたい、こう思っておるわけであります。
○長谷部委員 そうしますと、このような重要施策が何ら大臣の了解も承認も決裁も得ないままに数字まで発表になる、こういうことは、事務当局は一体何をやっておるか、私はこう言いたい。本日の日本農業新聞を見てごらんなさい。来年の生産調整は三百六万トンに農林省の方針が固まったと書いている。もしこういう数字が、大臣が了承しないままにこういった重要な問題が公表されるということになるならば、私は事務当局の責任を追及せざるを得ない。少なくともこういう問題は政府の責任者である農林大臣の決裁を得た中で発表されてしかるべき問題だと私は思う。この辺は一体どうなんでしょう。責任を明らかにしていただきたい。 〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
○倉石国務大臣 御指摘のとおりでございまして、日本の農林大臣は私でございますから、私がそれぞれの機関を通じて政府としての方針を決定しないのにその数字が出てくるはずはないのでありまして、そういうことがどこから出てまいりましたか、あるいはどういう話の想像で書いておるものかよく存じませんが、事務当局といたしましても農林大臣と常に接触をいたし、それぞれ検討いたし、先ほどお話のありましたように、予算編成に備えて私どもの態度をきめなければなりませんので、毎日のように連絡をとってやっておりますので、そういう新聞記事に出てくるようなことを発表するはずがないのであります。要は、私が責任をもって申し上げられますことは、いま鋭意これからやるべき措置について検討をしておるわけでありまして、その検討が、われわれの腹づもりができますれば、露骨に申し上げて、政府与党であります方々のそれぞれの機関とも相談をし、それからまた私どもの政府の諮問機関もあることでありますので、いろいろな方面の御意見も徴した上で方針を決定してまいりたい。そういうわけでありますから、いまのところ何もそういうことについてきまったものはないのであります。
○長谷部委員 いま大臣の答弁できまったものはない、おそらく私も想像するに、かかる重要な問題については予算編成の最終段階で決定されるべきものであろう、こういうぐあいに思います。しかしこういうぐあいに具体的な数字が世間に出るようなことは、そうでなくとも今日農民は、この生産調整やあるいは食管問題については異常なほどに神経をとがらしておる時期でもございます。ですから、大臣の答弁でわかりましたけれども、ひとつ慎重な上にも慎重な態度で、あまり刺激をしないような慎重な措置を今後とっていただきたい、かように私は思います。 次に承りたいのは、先般九月三日に渡辺農林政務次官が自民党の総合農政の小委員会に出席をされて、食管法を改正するときがきた、さらにまた翌日大臣は、食管法を改正する機が熟した、こういう意味の御発言があったようでございます。全国の農民はいわゆる米の生産調整については基本的には反対をしておるわけです。しかし食管制度を守っていくためにやむを得ず協力をしておる、こういったのが農民の心境だと私は思うのであります。そしてことしの国会が終わってまだ四カ月くらいしか経過しない段階で、食管制度を改正する機が熟したというような御発言に対しまして、全国の稲作農民は政治に対し大きな憤りを持っておるわけであります。私どもに対しましても、こういうネコの目農政、ネコの目のように変わる農政ではとても安心して農業はできない、何とかひとつ国会でこういったネコの目農政を改めるようにしてもらいたいという強い要望が出されておることは事実でございます。食管法を改正する機が熟したという判断は一体那辺からきておるのか、この点をまず明らかにしていただきたい。 改正する場合に、たとえば生産調整をやってもその歯どめをしなければ何にも役に立たない、したがって国の買い上げを制限するのだ、買い上げる割り当てをするのだ、そして政府が買い上げるものについては政府決定の米価で買うけれども、いわゆる買い上げの対象にならない米についてはずっとずっと安い値段で買い上げる、いわゆる二段米価制を採用するのだ、こういうようなことも新聞等にはいろいろ流布されております。目下検討中のようにも思われるわけでありますけれども、農林大臣が全国の農民に、食管を守るためにひとつ生産調整に協力をしてもらいたい、こういうことでやったその舌の根もかわかないうちに、食管制度の改正の機が熟したという判断に立たれたという経過は一体どこから来るものであるか、この点を私はまず明らかにしていただきたいし、また改正をするとするならば、改正をするに際してどういった点をどう改めようとあなたは考えておられるのか、この際明確に御答弁をいただきたい、こう思うわけであります。
○倉石国務大臣 お話しのように、先日自由民主党の総合農政小委員会の会合で渡辺政務次官が、これは個人の見解ではあるがということでいろいろお話があったということを、そのあとで渡辺君から私も聞いております。しかし、そういうところで渡辺君が語りましたことがそのまま新聞に出るというのは私どもにとって理解できにくいことであります。あるいはその小委員会の者があとで会見をしてあらかたお話があったかもしれませんが、渡辺君の発言というものを注意深く見ておりますと、法律を改正するとかなくするとかというふうなことは言っておりません。要するに今日の在庫がふえてまいる食管の状況というものをこのままに放置しておくということは全体の国の農業政策にとっておもしろくない結果を生ずる、ひいては農村の人々にも決して利益にならない、この辺でやはりこの管理の制度について根本的に検討する必要がある、こういうことを言っておるわけでありまして、翌日閣議後の記者会見で、渡辺政務次官の党の役員会における発言について大臣はどう思うかという御質問がありましたので、渡辺君の考えておられる方向は全面的に私も同意である、こういうことを申しております。そういうことでありますので、ただいま私どもとしては、いわゆる総合農政を来年度予算に反映させるために、また皆さん方の御要望にもありますように、地域分担というようなことについて、きわめて事務的に鋭意検討中であります。そういうことも含めて検討をさせておる最中でありますので、先ほど来申し上げておりますように、生産調整を含めて考えていくのでありますから、まだ何も方針がきまっておらないわけであります。いろいろなケースを持ち寄って検討をいたしておる、われわれの与党のほうの政務調査会とも緊密な連絡をとりながら相互に研究し合っておるという段階であります。こういうのが現状でございます。
○長谷部委員 検討をしていくという御答弁でありますが、少なくとも米の買い上げ制限あるいは二段米価制、こういうものは渡辺政務次官も表明をされておりますし、また大臣も渡辺政務次官の言明に対しては全く同感だ、こういう意味の発表をされておられるわけであります。しかも新聞等では、いままでは食管法は改正をしないで、いわゆるなしくずし的に既成事実をつくってどんどん進めてきたけれども、今度はいよいよ法改正の時期が熟した、こういうぐあいに言明をされておるわけであります。世間では、いよいよ農林大臣やあるいは農林政務次官、いわゆる農林省の幹部が法改正に踏み切ったのだな、こういう印象を深め、常に変わる農政に対して不信が高まっておる、少なくともこれとうらはらのような関係で、大蔵大臣も米の買い上げ制限あるいは二段米価制というものをぜひやらなければならないのだ、こういうことを新聞発表しておる。ですから目下検討中だ、こういうことで逃げられては私は困るのです。私お尋ねをしておりますことは、どういうような判断から食管法改正の機が熟したと判断されたのか、ここら辺の大臣の気持ちをひとつこの際明らかにしていただきたい、私はこういうことを申し上げておるのです。あまり答弁を逃げないでひとつ率直にお答えをいただきたい、私はこう思うわけなんです。
○倉石国務大臣 長谷部さんが、質問のやり方がきわめて巧妙なものですから、何となくそこへ連れ込まれちまうようなおそれがあるので、警戒しなければならないと思っているのでありますが、私は、あなたがおっしゃるように、もうきまったものを持っているのじゃないのであります。これは変な話ですが、こちら側にいらっしゃる自由民主党の政務調査会、総合農政の方々と緊密な連絡をして——いまのところ政党政治でありますから、どこでもそうであろうと思いますが、そういう権威ある機関にわれわれの見解として持ち出すべきものをいま検討しておる。おおよその腹がきまれば、こういう方向でいかがなものでありましょうかという相談をしなければなりません。ただ何も材料を持たずに相談に出かけるわけにいきませんので、その材料を作成するために事務当局を督励していろいろ検討さしておる。その一つには食管制度も確かにあります。地方の農業団体、中央の農業団体の方々等ともいろいろな角度で接触をし、御勉強願っております。政府の諮問機関の方々にも研究をしていただいておりますが、さっきから申し上げておりますように、逃げるわけではありません。どうせ予算編成をいたさなければなりませんし、委員会は月に一ぺんくらいずつはあるようでありますから、逃げおおせるものでもないし、逃げる必要もないことであります。ただ今日のところは衆議院の農水委員会に出てこいという御通知をいただいたときに、腹の中で考えたことは、きょうはまずい日だなあと思いました。なぜだというと、いまのような質問を受けてもお答え申し上げることができないので、私のように率直にしゃべる男でも、何も申し上げようがないので困ったな、こういうようなわけでございますので、ひとつその辺はあしからず御了承願いたいと思います。
○長谷部委員 いま大臣はなかなか答弁が上手で、さっぱり核心をつかないでいろいろなことで逃げておられるわけでありますが、私はいまのお話の言質をとるわけではありませんけれども、いま事務当局に食管法の改正について実は検討を命じておる、こういう意味のおことばが漏らされたわけなんです。一体食管法の改正にあたってどういう点を検討するようにと大臣は御指示されたのか、この点をひとつ、せっかく事務当局に命じたというお話ですから、そこの点を再度承っておきたい、かように思っております。
○倉石国務大臣 あとで速記録を調べてみなければいけませんが、私は食管法の改正を検討するように命じたとは申しておりません。本年も先ほど御指摘のようにおてんとうさまのおかげでたいへん豊作であった。そこで生産調整はたいへん御協力願ったにもかかわらず、やっぱり蓄積される米は一向に減ってこない。これはトン一年一万円保管料がかかるといたしましてもばく大な国費の浪費であります。これをえさに出せとかなんとかいう御意見もありますが、えさに出せばこれもばく大な国民全体の御負担になるわけでありまして、そういうことを考えてみますと、私どもとしては納税者たる多数消費者に対してもまことに相済まぬと考えますので、この米管理の方法、生産調整の方法について、一番国民の利益になる方法はどういう方法がいいかということで検討を命じておるのでありまして、食管法改正などというそういうとらわれた一つの小さなテーマではないのでありして、総合農政の中において、国民の総合した利益をどうしてはかることができるかということを研究せよ、こういうわけでありまして、長谷部さんも御賛成を願えることだと思います。
○長谷部委員 ついに本音をはかぬわけでありますけれども、とにかく渡辺政府次官やあなたの記者会見でお話をいたしましたいよいよ食管法改正の時期が来た、こういう意味の新聞報道は、全国の稲作農民に対してはかり知れない衝撃を与えておると私は思うのです。しかも食管を守るためにひとつ生産調整に協力してくれ、こういうことで地方の知事以下あるいは市町村長あるいは農業協同組合長、農業委員会、こういった地方の幹部は、食管を守るためにはやむを得ないのじゃないか、こういうことで生産調整に協力をさせておるのが現状だと私は思う。したがってこういったことに対して私どもの県では、県主催で全県のあらゆる階層が結集をいたしまして、食管堅持の県民大会というものを開きまして、そうして政府や関係方面に対して強い要請運動をやっておる。おそらくこの動きは、全国各県において行なわれておることだろうと思うのであります。農民としては、食管だけはひとつぜひ守っていただきたい、これが偽らざる声だと私は思う。政府は、そういう全国農民の真の声に耳を傾けて、いやしくも生産調整を続ける限り、食管法改正などというものが行なわれないように、この際政府は腹を据えてかかっていただきたい、こう思うのです。そういうわけで、食管法の問題については、この際改正する気持ちなのかあるいはこのまま推し進めていくのか、この辺の責任者としての大臣の言明をこの委員会でぜひともいただきたい、こう思うわけであります。
○倉石国務大臣 全体の総合農政という立場で、米についてはどういう管理の方式を考えるべきであるかということを検討いたしておるのでありますから、いま私の立場といたしましては、そういう各方面の勉強をしていただいております最中でありますので、その勉強の結果が出てまいりました上で腹をきめなければいけない、こう思っておるわけであります。誤解があるといけませんが、私はいま食管というものをなくしてしまうとか、そういうようなことを申したこともありませんし、すべて現状の段階で、この次やるべき生産調整を含めて米に対してはどういう措置を講ずるのが一番妥当であるかということを検討さしておる、こういうのでありますから、私が先入感を先持って押しつけることは慎んだほうがいいと思っておるわけであります。
○長谷部委員 以上で食管の問題については終わります。 次に一点だけただしておきたいことは、昭和四十五年産米の収穫の時期も迎えておるわけであります。もう間もなく新米が出回りをする、こういう時期に来ておるわけでありますが、どうも食糧庁では産米改良という名のもとに、一俵についてこれこれの余ますを入れるように、こういう行政指導がなされておるやに私は承っております。一俵について——各県ではこの余ます競争になっておる。私のほうの県は、いま一俵六百グラムの余ますが産米改良協会の指導のもとに行なわれておる。隣の岩手県においては七百グラムの余ますが入れられておる。宮城県においては八百グラムの余ますが入れられておる、こういう形に、今日余ます競争というものが行なわれておるのが現状でございます。私はこの余ますというものが、いわゆる消費者の台所に届くものであるならば、これはある程度考える余地もございますけれども、ほとんどこの余ますというものは卸売り業者あるいは小売り業者のもうけになるわけなんです。またその余ますの多いものほどよい米である、良質の米であるということで、卸、小売りは宣伝をしておるわけであります。こういった中間の卸、小売りの業界をもうけさせるために農民が犠牲にされてはたいへんだ、かように思う。一体食糧庁はこういった余ます問題についてどういう行政指導をなされておられるのか、この際、食管法からまいりますと、一俵正味六十キロあれば政府は買い上げる、こういうことになっておるのです。それにもかかわらず——食糧庁は知らないと逃げるんでしょう、おそらく食糧事務所長も知らないと言って逃げますよ、私のほうではそんな、余ますを強要したことは、そういう行政指導したことはない、こうおそらく逃げられるのだろうと思いますけれども、私はそれではいけない。少なくとも米を管理しておる責任は、これは食糧庁にあるのですから、もし業者が、あるいは産米改良協会の、農協、集荷業者等が、そういう誤った指導がかりになされておるとするならば、監督官庁として私は正しい意味の行政指導をする責任があるのではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。この点についての見解をひとつ明らかにしてもらいたい。 それから、今度長官がかわったわけでありますが、食糧庁は先般来検査当局を通じまして四十五年産米の検査の規格については、そのままであるけれども、四十六年産米については検査の規格を改正するという意味の全国指導がなされておる。一体どういうぐあいにこの検査規格を改正しようとしておるのか、この二つの点について、ひとつこの際明確な御答弁をお願いしたい、かように思います。
○亀長説明員 余ますにつきましては、食糧庁といたしましては検査の時点におきます正味重量を確保するという以外に、余ますの要求は行なっておりません。しかしながら、各地に産米改良という声が高くなりまして、各地の産米の改良等で余ますを奨励しておることが事実として行なわれております。この勧奨が行なわれるようになった理由は、一つは目こぼれがあるとか、あるいは生産者のはかりの普及状況、あるいは包装重量にフレがあるというようなことを考えまして、検査時において正味重量を確保するための手段として包装時に量目に多少のゆとりを持ってはかり込むとか、あるいは消費地において目切れなどの非難をこうむらないようにするというような、産米の声価の維持というような観点から、各地の米麦改良協会等で余ますの奨励ということを行なっておるようであります。私ども自主流通米がだんだん多くなっておる段階のもとでこれを一がいに禁止するという考えは持っておりませんが、御指摘のようにあまり極端なことがあるようでございますれば、私どもとしても各協会に十分注意をいたしたいと考えます。 それから検査規格の点でございますが、御指摘のように米に対する味覚と申しますか、うまい米を配給してほしいという良質米への要求が非常に強くなってきておりますことは申すまでもないところでございまして、現在の検査規格は数十年同じ検査規格でございます。現在の消費者の意向に応じてこれをどういうふうに改めたらいいかということで、私ども目下検討中でございます。現在専門家の参集を求めまして、委員会をつくって検討してまいりたいと思っております。現在まだ結論が出ておりませんが、小委員会の検討の結果がおそらく今年じゅうぐらいには得られるだろう。それに応じて政府としてはどのようにこれを改正するかという点をあらためてその答申をまって研究をいたしたいと考えます。具体的内容につきましては、そのような段階でございますので、いまの時点で残念ながらお答えすることができませんが、方向といたしましてはさような観点で目下検討中という状況でございます。
○長谷部委員 最後に。いまの長官の答弁でわかったわけでありますが、特に余ますの問題について誤解があれば困るというので、私も申し添えておきたいと思うのですが、検査時点において六十キロあればよろしい、だからといって正味六十キロ入れてそれでよろしいというものでは私はないと思う。保管中の目減りあるいは減耗、輸送中の減耗等々を考えますると、多少の余ますは、これは入れなければいわゆる産米の声価を維持することができない。そういう意味で私もわかるのです。しかし、私が言わんとするのは、今日の余ますというものはもう常識を逸脱した余ます競争になっている。多く入れればよろしいという競争になっておる。はなはだしいのは六百グラム、あるいは八百グラム、九百グラムという余ますが今日指導されておる。私はこれは行き過ぎである、こういう観点から指摘をしておるのでございますから、ひとつ全国的にいまそういう傾向にございます、これは長官も現実に認められると思うのです。そういった行き過ぎた指導、こういうものについては監督官庁として私は強い態度で指導すべきではないか、こういうことを申し上げておるのでございますから、ひとつこの点は誤解のないようにお願いしたい、こう思うわけであります。 それから、長官は検査が六十年来、数十年来同じ検査規格でやっておるなどということを言っていますけれども、これはそんなことはありません。今日の検査規格はこれで十三年目ですから、十三年間検査規格は改正になっていません。数十年同じ検査なんかやっていませんから、この点はひとつもっと勉強していただきたい、こう思うのです。 以上。
○小沢(辰)委員長代理 松沢君。
○松沢(俊)委員 まず大臣にお聞きしたいわけなんでありますが、先ほどの長谷部さんに対しまするところの答弁の中で、総合農政ということをしょっちゅう言われるわけなんです。で、去年の十一月に佐藤総理大臣がアメリカ訪問をやりまして共同声明を発表してきておられるわけなんです。その中には台湾の安全、韓国の安全は日本の安全に通ずる、こういうのが載っているわけなんでありまして、この総合農政というその農政は、単に日本列島のワクの中で農業を考えるのであるか、それとも台湾や韓国、さらには東南アジア全体の中で農業というものを考えるのであるか、その辺はっきりお聞かせを願いたいと思うのです。
○倉石国務大臣 総合農政ということばが妥当であるかどうかはいろいろ御意見もあるところだと思いますが、要するに私どもは時代が変転してまいりますにつれて、すべての産業がいろいろな新しい事象に出つくわしまして、それを克服してまいるようにしなければなりませんので、要するに農業構造というものをいままでのような形で維持していくということは不可能になってきた。そこで農地法、農協法等を改正していただいたり、また農業者年金制度のような新しい制度を設けたりいたしまして、規模を拡大してりっぱな体質を備えた農業を育成しよう、こういうことでありますので、要するに農業経営の構造をしっかりする、体質をしっかりするという意味で農業全体を見ていこう、こういうことでありますから、いまお話しのような外交関係のことについては全然関係はありませんが、ただしかし、農業も産業でございますので、これはいま全世界で、たとえば日本がOECDに参加しております。あそこで低開発国からの特恵関税や輸入の拡大をできるだけはかってやって、そうして全世界が経済が安定して、そしてよって来たるところの世界平和を招来しようではないか、こういう大理想に向かってはわが国も大賛成である。ことに東南アジアが平和でなければわが国の平和も維持できないのでありますから、そういう意味においては国際的な状況も勘案しなければなりません。しかし、さっき御指摘になりましたようなこととは全然関係ありませんで、われわれは要するに日本農業の体質をしっかりさせるためにどのようなことを考えていくべきであるか、こういうのが総合農政の終局の目的であります。
○松沢(俊)委員 私は、日本の農業の構造をしっかりさせる、こういうことが総合農政のねらいであるというふうに大臣言っておられますけれども、日本の農業はいまほんとうにたいへんな状態に入っておることは御承知のとおりだと思うのです。特に出かせぎ等におきましては、これは推定でありますけれども、百二十万人も出かせぎをやっている。それから去年、ことしにかけましての米の価格の据え置き等によりまして、農業外収入が農家収入の中で半分以上を占めるという、そういう状態に入っておるわけなんです。でありますから、それをどうするかという、どうするかどうするかという議論の中でどんどんと総兼業の方向に農業が進んできていることははっきりしていると思うのです。 一面におきまして、日本の経済はアメリカに次いで資本主義国では第二位である。こういうぐあいに成長発展を遂げている。そうなれば、やはり労働力の問題というのも非常に重要な問題になってくると思うのです。そうすると、その労働力というものをどこから捻出しなければならないかということになれば、やはり農業の中から捻出をして、引き出してこなければならないという問題が起きてくると思うのです。 それとあわせまして、東南アジア、いわゆる開発途上国、そういうことばが使われておりますが、そういう開発途上国における開発援助、こういうものもからみ合った上に立って日本の農業というものをお考えになっていいのじゃないか、私はこう思うのです。ですから、外交問題ということよりも、この日本の農業というものは将来どうあるべきかということは、経済の発展と、そして開発途上国との関係、そういうような全体的な目から農業をどうするかという、そういう答えをやはり引き出さなければならないのじゃないか、こう私は思っているわけなんです。そういう意味で、総合農政というものは、要するにそういう関連性をどう考えておられるのか、こういう点をもう少しお聞かせを願いたいと思うのです。
○倉石国務大臣 私ども一般国民にも申しておりますのは、先ほどOECDの例を申しましたけれども、わが国がこれだけの経済成長をやってまいりますためには、国際社会の貿易について協力をしなければ現状の地位を維持していくことは不可能であることは御存じのとおりであります。そこで農業も、競争していかなければならないわけでありますから、そういうことの除外は不可能であります。しかし、そういう競争をしてまいるにつけても、わが国の農業というものをやはり規模を拡大して、しっかりした経営ができるような農業を育成をしてまいりたい。しかしながら、そういうことをわれわれが考えましても、私どもの推察では、いまお話しのございました兼業農家のような形はおそらくしばらく長く続くであろう、ある程度そういうことを予期しておかなければなりません。したがって、その兼業の方々で、農業を離れて他産業に転換していこうとされる方々には、そういう雇用機会を増大していくように御協力を申し上げなければならない。もう一つは地方における労働力を中央の工場地帯にだけ無計画に吸収してしまうようなことは、国全体として好ましいことではありませんので、できるだけ産業を地方に分散して、そういう地域にあるパートタイマーとしてお働きになれる、兼業農家の方々の労働力も、所得増大と労働力を活用するという二つの意味でそういう政策をとってまいろう、こういうことを言っているわけであります。 そのためにいままで考えてまいりました施策をそういう方向に集中的にやっておるわけでありますが、先ほど労働力のお話しがございました。私は一昨晩総評傘下の民間単産の有力な委員長諸君と会同する機会がありまして、長時間いろいろ話しているうちに、やはり労働力の話が出ました。労働組合の指導者たちの観測も私どもとあまり違っておりませんが、私は日本の産業で一番大事なのは、たとえばいま一〇・六%ぐらいずつ一年に経済成長率を維持していこうということを大蔵大臣は言っておられますけれども、これはそういう見込みであっても、私は労働力の点においてたいへん困難が生ずるのではないかという点について、一作晩いろいろそういう話をしてみました。大体において私の危惧と同じような憂いを持っておられます。しかし、その労働力を、いまあなたが御指摘になりましたように農村からだけ吸収する、そのために農政をやっているのではないかという、そういうお尋ねではなかったかもしれませんが、そういうことをおっしゃる人もありますが、私どもはそういうことを考えているわけではありませんで、農業の面からして総合農政は考えておるわけであります。いま東南アジア地域の開発輸入のお話がございました。私はやはりこれから日本の産業というものは余っておる労働力をたよりに外地に進出して、その地域の開発を考えると同時に、その地域の労働力を活用するということが必要になってくるのではないかと思います。そうでなければ、一〇・六%ずつも成長させようというならば、足りない労働力を、いま西ドイツあたりがやっておるように外国労働力を吸収しなければならなくなるでしょう。そういうことを考えてみましたときに、アメリカのいまの人種問題だとかイギリスの人種問題等を考えてみましたときに、わが国の将来にとっては産業問題を離れて重大な問題が出てくるであろう、私たちは労働組合の指導者の方々などともに憂えておるのは、そういうことであります。したがって、外地に余っておる労働力をわれわれがこれをどのように活用するかということについては、相手国の事情によっては違うでありましょうけれども、考えられることではないかと思います。開発輸入のお話がございましたが、いま御承知のように日本はアメリカからかなりトウモロコシ、マイロ、小麦を買っておりますけれども、これは私はやはり日本の近隣の諸国で、しかももっとコストが安くてわが国に必要なるものがはいれるならば、いま民間でそういう開発について協力しているというふうなことはわが国にとっては好ましいことではないかと思っております。それよりも、わが国の農業が現状のままで競争力を維持していくにはどうしたらいいかということがその前に考えなければならない大問題でありますので、私どもは総合農政の焦点をそういうところに合わせて、わが国の農業が産業としてりっぱに立ちいけるような、農業として育成するにはどうしたらいいかということを考えているわけであります。
○松沢(俊)委員 いま大臣が言われましたように、私の町は中小企業の町ですけれども、最近同じ製品というものが台湾あるいはまた朝鮮から逆輸入されるという、そういうことで中小企業が非常に困り抜いている、そういう実態が出ているわけです。お話をいろいろ聞きますと、台湾では日本の労働賃金の十分の一、それから南朝鮮では五分の一だ。そういうところで軽工業というものを発達させるということになると、日本の零細中小の軽工業というのがやられてしまう、すでにそれが来ているわけなのであります。こういう問題があります。 私、農業の問題でお伺いしたいのですが、いろいろいわれておりまするけれども、開発途上国とうことになれば、やはりいま大臣も言われましたようにマイロだとかトウモロコシ、これは最近飼料問題でもう二回も大幅な値上げというものが行なわれているわけなのです。アメリカ依存ということをやめて、東南アジアのほうに目を向けなければならぬじゃないか、こういうような声も実は高まっているわけなのです。 米の問題というのは一体どうなっているのだということでありますが、いろいろ新聞だとかあるいは雑誌だとかを見ますると、インドネシアと住友が開田の契約をしたとか、あるいは三菱商事がインドネシアと契約をやっているとか、あるいはベトナムのメコン川流域に米作地帯というものをつくる計画があるとか、そういうようなことが耳の中に、目の中に実は入ってきているわけなのであります。 そこでお伺いしたいのですけれども、そういう開発途上国、いわゆる東南アジア、そこで政府ベースそれから民間ベース、そういういろいろな手づるによって開田が計画をされているというのは大体どの程度になっているのか。これはやはり日本の農林大臣である限りにおきましては、そういうことも勘案検討した上に立って日本の米作農業というものをお考えになるのが私は当然だ、こう思うのですが、大体その辺ではどの程度の面積というものが開田になっておるのか、その辺をお伺いしたいと思うのです。
○倉石国務大臣 どこの国のことを言っていらっしゃるのか、東南アジアと申しましても広いわけですから。しかし、つづめて申しますと、米についてあるいはその他、政府ベースでいまそういう開発をいたしておるというところはございません。わが国は東南アジア諸国の御依頼を受けて、その地域の農業発展のために農業の技術者を技術的指導してくれということで頼まれて指導いたしておるところはありますけれども、いまおっしゃったような問題について政府ベースでやっておるところはございません。民間ではいろいろあるようであります。いま私はその民間のどこの会社がどこでどういうことをやっておるかということについてはつまびらかにいたしておりませんが、わが国の米の状態がこういう状態であることがわかり切っておるわけでありますから、わが国を相手に米のことを考えるばか者はないでしょう。インドネシアもそうでありますし、その他の諸国でも米の足りない国はございますので、あるいは自国用のためにそういうことをやることはあるかもしれませんが、私どものほうとしては政府ベースでそういうことをやっておるのは一つもありません。
○松沢(俊)委員 私はそこがやはり重要なところだと思うのです。政府ベースでそれはおやりになっておらないという点も、やはり全体のアジアの将来の食糧問題、こういう点からしまするならば、民間ベースでどのくらいどうなっておるのかというようなことは把握をした上に立って農業政策というのが打ち出されなければならぬと思うのです。いま、まさか米が余っておるのにそこで開田をやってそれを輸入してくるなんていう、そんなばかなことを考えておる者はいないだろう、こういうふうに簡単に大臣はお答えになっておりまするけれども、いま米が、実際ことしも余剰米が出て、そしてさっき長谷部さんに対する答弁の中にもありましたように一トンの保管料だけでも一万円もかかる、要するに国民の血税をむだに使うという、こういう状態に入っておるのだということを言っておられますけれども、しかしこの米というものは突如として突然変異を起こして余ってきているわけではないと思うのです。私はやはりその責任というものは政府にあると思う。そしてまた、米が余るというのはアメリカからの小麦輸入というのが相当影響があるのじゃないか、こういうぐあいに私は考えているわけなんであります。現にことしも四百万トンあまりの小麦の輸入というものがあるわけでありますから、したがって、その小麦の輸入というものが米にはね返ってきているわけなんであります。学校給食なんかの場合におきましても、大臣もいろいろとテレビを見ておられると思いますけれども、子供たちに学校給食はうまいかまずいかということを聞くと必ずまずいと答えているわけだ。そして何がほしいのかということになると弁当がほしい、こう言っているわけだ。だから国民の大半の人たちはパンにはまだなれておらぬと思うのです。嗜好が変わったなんていう、そういうことではないのであって、学校給食の面におきましてもアメリカの小麦粉を使う、あるいはまた労働者は最近共かせぎをやっているわけなんでありまするから、共かせぎということになれば食事の準備もなかなかできないから簡便食であるところの麦類を食べる、こういうことがやはり米を余しているところの結果になっているのだと私は思うのです。そういう点を改善をしない限りにおきましては、これはどうにもならないということになるのじゃないか、私はそう考えるわけなんであります。そういう意味に立って考えました場合において、一体この減反政策あるいはまた減産政策、それをやって、要するに米作農業というのをつぶしながら調整をはかっていくというそのやり方というのは、私は間違いだと思うのですよ。そういう点で、一体大臣はどうお考えになっているのか。 それから、もう一つの問題といたしましては、さっきも食管の問題が質疑されておるわけなんでありまするが、この食管の問題にいたしましても、昨年の暮れの選挙は、農村地帯におきましては安保選挙ではなくて食管選挙であったわけなんです。大臣も長野県から出ておられるわけなんでありますから、長野県でも食管を守る運動というのは盛んであると思うのです。農村地帯は、もう安保の選挙でなしに、要するに食管を守るか守らぬかというところの選挙であったわけです。そこで、自民党の候補者のほとんどの人たちというのは、食管は守ります。新潟県なんかの場合におきましては、一律減反なんかは断じてさせません、そういうことで選挙民に公約をして、そうして当選してこられたところの議員が自民党の議員の大半であるわけなんです。でありますから、食管の根幹を維持するという点におきましては、農村地帯から出てこられたところの自民党議員の皆さんが選挙民に公約した事項であるわけなんです。その公約をしてからわずか半年か一年足らずのうちにそれをほごにするというわけには、自民党たりといえどもできないと思うのですよ。そういう点からいたしますと、いまいろいろ食管に手をかけようということを渡辺政務次官が言い、そうしてまた、大臣も、ここにも出ておりますように、食管改正に二、三案準備しているんだということが載っているわけです。それは、選挙民に対するところの公約不履行ということに私はなると思うのですよ。そういう点からいたしまして、一体ほんとうに食管に手をかけるのかどうか、かけなければならぬのかどうか、かける方針でいくのかどうか、こういう点をやはり明確にこの場で答えていただきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 第一の小麦のことでありますが、これはやはり学校給食等についても米はなるべく使わせるように、米の栄養のことについて、文部省にも十分PRしてもらうように努力をいたしておりますが、四百万トンに及ぶ小麦をやめちまえとあなたは言うわけでもないでありましょうが、これがうんと少なくなるとすれば、パンや菓子やうどんの値段がうんとこさ上がるでありましょう。やはり、反面から反撃がまいります。その辺のところは十分われわれとしては調整を考えながらやらなければなりません。 第二番目の食糧管理のことにつきましては、先ほど来申し上げておるように、いまどのようにいたすべきか検討中であります。
○小沢(辰)委員長代理 ちょっと松沢君に申し上げますが、あと平林君が前からのあれですから……。
○松沢(俊)委員 じゃ、あと時間がありませんので、十分な質問できませんけれども、ただ、食管の問題につきましては、軽々しく手をかけるというわけにはいかないという状態が、昨年の暮れの選挙で当選してきたところの議員の立場だと思うのですよ。大臣も昨年の十一月に選挙に当選してこられたわけなんですから、農民不在の行政というのはやめてもらいたい、こういうことを強く要望いたしまして、なおまた、時間がありましたならばこの問題について詰めていきたいと思いますけれども、きょうは時間がございませんので、この程度で終わらせていただきます。
○小沢(辰)委員長代理 平林君。
○平林委員 私は農薬公害の問題について政府当局の御説明を承りたい、また、この質疑が進むに従いまして農林大臣の責任者としての見解を承っていきたいと考えておるわけであります。特に最近は公害の問題が国民的関心事でございまして、その中に、各行政官庁がばらばらであり、そしてその取り扱いによって国民に迷惑をかけるという事例も指摘をされておりまして、私がこれから申し上げる点もまさにその標本ともいうべきものでありますから、質疑の中から適切なる解決案を見出したいと考えまして、以下申し上げたいと思います。 これは、最近各商業新聞が食糧庁の倉庫米の薫蒸にあたって使われておる薬剤による公害を伝えているものであります。参考のために少し御紹介をしていきたいと思います。 昭和四十五年六月十三日の朝日新聞には、「住宅密集地に殺虫ガス」という見出しで、甲府の食糧庁指定の米倉庫で殺虫剤の劇物クロルピクリンをまいたところ、ひびだらけの倉庫の壁からガスが漏れ出して、付近一帯に、目、のどの痛み、頭痛、吐きけを訴える住民が続出した。この十年間、毎年二回ずつこの消毒のたびに同じような被害が出ている。倉庫会社は、国の仕事だからがまんしてくれと言うだけ、こういう記事が出されております。 昭和四十五年七月二十三日の東京新聞、これは仙台の食糧庁宮城食糧事務所の倉庫での同じ毒ガス事件を報じまして、倉庫米公害だと、住民被害者の声を伝えています。これがそうです。 昭和四十五年七月二十四日の読売新聞では、「古米倉庫から猛毒ガス」「消毒中もれ、百人吐き気」という見出しで、北海道苫小牧の政府指定の倉庫での同じクロルピクリンによる被害を報じまして、「クロルピクリンは空気一リットルあたり〇・〇二ミリグラムで催涙、二ミリグラムで死亡させる猛毒で、少量でも吸い込むと肺をおかし、血液のヘモグロビンを酸化させ胃腸障害、腹痛、下痢症状をおこす。」と解説をしております。これが読売新聞の記事です。 昭和四十五年七月二十四日の毎日新聞は、同じく宮城食糧事務所のこの事件について、昨年も大騒ぎしたのに、また繰り返すとは、お役所公害だと、被害住民の声を伝えておるのであります。これは毎日新聞の記事です。 このところ倉庫米薫蒸に使うクロルピクリンによる公害の問題は、ただいま御紹介申し上げましたように、国民にとっても重大な関心事になっております。この報道を知った国民は、これによって一体政府はどういう措置をとられたかということに注目をしておると思うのでありまして、政府はこの問題に対してどういう手を打たれたか、これをまずお伺いいたしたいと思うのであります。
○亀長説明員 食糧倉庫の薫蒸ガス漏れ事件につきましては、私どもかねがねから食糧事務所並びに保管業者を指導してまいっておりますが、最近事故が各地で発生しておるということで、再発防止という観点から、六月の二十七日に「住宅等の密集地に隣接する倉庫におけるくん蒸の実施について」という通達を出しまして、今後再発のないように万全を期したいと考えております。この通達におきましては、薫蒸実施に際し事前に発煙筒などにより倉庫の密閉度を点検すること、薫蒸後開放に際しては強制換気扇等を使用して残存ガスが隣接の住宅地などに流れないように留意すること、住宅密集地で密閉不十分な倉庫などについてはガス薫蒸を強行することなく、人畜無害の殺虫剤を使用するかあるいは他の薫蒸可能倉庫に倉移しをした上で薫蒸を行なうこと、以上のような趣旨の通達を出しまして、今後事件が二度と起こらないように指導いたしてまいりたいと考えております。
○平林委員 いまお示しの食糧庁長官の通牒は私も手元に入手しています。昭和四十五年六月二十七日付で食糧事務所長にあてた「住宅等の密集地に隣接する倉庫におけるくん蒸の実施について」ということで、ただいまお話しになった内容がございます。同時にこの通牒の中には「くん蒸薬品として現在使用されているものの規定投薬量によるガス理論濃度および許容限界濃度は、次のとおりであり、クロルピクリンよりもホストキシンの方が安全性が高いので、害虫防除の場合は、ホストキシンに切換えること。なお、メチルブロマイドを使用する場合は無臭、無刺戟で蒸気圧が高いので特にガス漏洩に注意すること。」というようなことがありますが、この文書ですね。
○亀長説明員 六月二十七日付の通達で御指摘のとおりでございます。
○平林委員 農林省農政局長に少しお尋ねします。 昨年の十二月農林省農政局長は「有機塩素系殺虫剤の使用について」という文書を出されましたけれども、御記憶がございますか。
○中野説明員 昨年の十二月、ただいま仰せの通達を出しております。
○平林委員 正確にいえば四十五年一月二十八日に出された通牒であります。 そこで厚生省からおいでになっておりますね。クロルピクリンというのは、私は毒物及び劇物取締法を調べてみたのでありますけれども、有機塩素系殺虫剤であると理解しておるのでありますが、その点はいかがですか。
○山高説明員 有機塩素系殺虫剤でございます。
○平林委員 農政局長、あなたがことしの一月二十八日に出されました「有機塩素系殺虫剤の使用について」、これは昨年来、農薬のDDTが食品に入り込んでいるというようなことがアメリカで騒がれたためにこの通牒を出したと私は理解しておるのです。厚生省も昨年の十一月に、牛乳の中にやはりBHCの問題がございまして、農薬検査を急ぐように指示したというような新聞記事も承知いたしております。この文書では「DDT、BHC、アルドリン、ディルドリン、エンドリンについては、農作物における残留農薬対策として厚生省の残留許容量設定に対応し、」措置するように安全使用の指導につとめよ、そしてこうした塩素系の殺虫剤についてはその製造についても自粛をする、こういうようなことがあるのでありますけれども、クロルピクリンはいまお話しのように有機塩素系の殺虫剤でありながらこの文書の中には含まれていない。これはなぜですか。
○中野説明員 ことしの一月に出しました通達は、御指摘のように当時問題になりましたBHC等の農薬の残留性の問題についての通達でございまして、ただいま御指摘のクロルピクリンにつきましては、そういう問題とは方面が違いましたものですからこれには出していないわけでございます。
○平林委員 きょうは時間がありませんからあれですが、私はそういう問題についての見解を持っていますけれども、少し認識が違うと思います。議論をする時間がございませんが、しかし検討をする必要があると思うのであります。 農林大臣にお尋ねしますが、私はいま、各紙が報道されております農薬の公害についての実情を御披露申し上げました。それに取り組んでおる食糧庁長官のお話も、通牒の内容でお聞きのとおりでございます。私はこの問題を検討いたしました結果、どうも政府の態度は少しぴんときていないんじゃないか。これは単にこの農薬を使う関係者だけの問題ではなくて、その付近住民にも重大な影響を与える。いや、それだけではなくて、国民の食糧米としての米そのものにも影響を与えるのではないかと、実は重大な疑問を感じておるわけであります。いろいろの学説や調査結果を検討いたしました結果、消費者にもやはりクロルピクリンの公害として米の食味を悪くする、それから栄養分が低下する、こういう調査結果やいろいろな学者の研究結果が報じられていることを承知しました。そればかりではなくて米の販売者、精米業者におきましても、精製をするときに歩どまりが悪くなってしまう、くず米が多く出るというような損失もあることがわかったわけであります。これら有機塩素系の殺虫剤は国民の保健上にも大きな影響があると私は思うのであります。これは一々確認をしなくともわかっておることだと思うのでありまして、このクロルピクリンはすでに外国等においてもほとんど使用されておらない、こういう状態であります。私はクロルピクリンについての使用も、この際DDTその他と同じように制限をすべきではないかと考えておるのでありますけれども、農林大臣の御見解を承りたいと思います。
○倉石国務大臣 いろいろな公害につきまして政府は重大視いたしましたので、先般中央に公害対策本部を設け、鋭意そういう諸般の、つまり各省の所管の事項の中の害毒について総合的な措置をいたさなければならぬというわけで、ただいまは各省所管の事項についての公害関係を中央に持ち寄って、それに対処するという熱意をもってスタートいたしておるわけでありますので、私ども所管のことでただいま御指摘のような問題がいろいろあるようでありますから、なお十分検討いたしまして、一般国民に御迷惑のないようにいたさなければならないと考えて、そのように指導いたしたいと思います。
○平林委員 食糧庁長官、先ほど昭和四十五年六月二十七日付の通牒についてお尋ねしまして、私はその中で特に注意を喚起する意味で申し上げましたように、「クロルピクリンよりもホストキシンの方が安全性が高いので、害虫防除の場合は、ホストキシンに切換えること。」と通牒をされたわけであります。これは昭和四十五年七月三日付の朝日新聞の朝刊に報ぜられております。ところがここに「くん蒸剤に対する新聞報道について」という文書が食糧庁から発せられました。あなたはこの事実を御存じですか。
○亀長説明員 お答え申し上げます。 私就任早々で十分聞いておりませんので、調査をいたします。
○平林委員 調査するまでもなく、私はその文書をここに持っています。昭和四十五年七月四日付、第四五五六号、これは各食糧事務所長にあてた「くん蒸剤に対する新聞報道について」という通達であります。私はこれを見て驚いたのであります。なぜかというと、「七月三日付け朝日新聞の朝刊に、クロルピクリンくん蒸剤について食糧庁が使用を控えるよう指示した旨の報道は、内容が適切でないため、一般に誤解を生ずるおそれがある」「誤解の生ずることのないよう徹底願いたい。」ということで、食糧庁長官が今度は安全性の高い害虫防除剤に切りかえようということについて、これはどうも新聞が「同通達を引用して、あたかもくん蒸剤中ホストキシンが最も安全性が高いように報道されているが、これは通達にあるとおり、あくまでもホストキシンを立法メートル当たり0.5錠使用した場合の理論ガス濃度から見たものであって、ホストキシン自体は、法令により特定毒物に指定されているものであり、従ってその毒性は高く、使用に当っては先の「くん蒸実施上の留意事項について」通達を十分熟知のうえ、目張り等もピクリン同様に行ない、安易にホストキシンを使用することのないよう致されたい。」と書いてあるわけです。私はまことにこの通達は不可解、不明朗といいますか、食糧庁内部において何らかの背景があるんじゃないか、そういうものを感じさせる通達であります。商業新聞もお役所公害であるということを指摘しておりますけれども、まさにその標木ではないか。しかもそれは食糧庁内部における買入課長名義でもって食糧庁長官の発した通達をかえるような印象を持った通達を御丁寧にわざわざ発しておる。私はここに一つの問題を感ずるのでありまして、新しい長官十分御存じでないようでありますけれども、こういう誤解を受けるような通達はあまりお出しにならぬほうがよいのでないか、こういうことを御注意申し上げておきたいと思うのですが、御感想を承りたい。
○亀長説明員 その間の経緯につきましては業務部長が十分承知いたしております。いま業務部長から答弁をお許し願います。
○中村説明員 ただいまのホストキシンにつきます取り扱いに対する注意は、六月二十七日付の通達に基づきましてホストキシンを使うようにということをいったわけでございますが、これにつきましては、ホストキシンについては防毒マスクを使わないでもいいとかあるいはあまり目張りをしなくてもいい、毒が少ないとかいうふうな流説がございまして、かねがね私のほうではやはり危険があるのでそういった目張りその他につきましても十分に注意をするように、こういうことを指導いたしてまいっております。ところが新聞報道で、この通達をあたかもホストキシンは有毒でないというふうな感じを与えるがごとき報道がなされたものでございますので、そういうことに惑わされてやるべき注意を怠ってはならない、そういう意味で買入課長から特に注意をしたのでございまして、決して長官通達を打ち消す、矛盾するものではございません。
○小沢(辰)委員長代理 平林君に申し上げますが、理事会の申し合わせの時間がだいぶ超過しましたから、最後の結論を急いでください。
○平林委員 私は決して朝日新聞を弁護するわけではありませんけれども、そういう誤解を受けるような報道にはなっていません。それをわざわざ私が指摘したような誤解を受けるような通達を出すことにむしろ問題がある、それを私は指摘いたしたいのであります。 ところで昨年の十月九日、衆議院の商工委員会で公明党の近江委員が同じクロルピクリン、同じ薫蒸剤であるメチルブロマイドの問題を取り上げています。これは輸入植物検疫に関してクロルピクリン、メチルブロマイドを薫蒸剤として使用するためにこれに関係する港湾作業員労務者の事故発生を指摘いたしまして、人道上の問題じゃないかとその善処を要望しております。すでに中毒死をはじめ、頭痛、目まい、視力障害、吐きけその他のガス障害が発生し継続をしておるのに、なぜクロルピクリン、メチルブロマイド以外はこれを認めないのか。これはなぜかという疑問を実は提起いたしておるわけであります。私はこの問題の経緯を調査してみましたら、日本港湾労働組合が昭和四十三年二月十五日、時の労働大臣、運輸大臣に対しまして、中央における根本的対策が樹立されるまでメチルブロマイド、DDTなど人体に危害を及ぼす薬品による薫蒸は一切行なわないよう要請書を発しておることを承知しました。また港湾貨物運送事業労働災害防止協会などに対しましても、薫蒸にメチルブロマイドを使用せず、人体に危険性を伴わない薬物を使用させよと強く訴え要望しておるわけであります。いま広島港で起きたメチルブロマイド全員中毒死事件は、その遺族が農林省を相手どって損害賠償の請求をやっておることは御承知のとおりであります。ところが労働省も運輸省も海上薫蒸作業についてメチルブロマイド中毒の予防という通達を出しただけで、肝心のメチルブロマイドの使用についてはほおかむりをしておる、こういう点が、最近一つの問題をとらえましても、各省がこれについてあまり関心を持たないという一つの標本ではないかと思うのであります。これは昭和四十四年六月三日付の時事通信農林経済版で私は読んだのでありますが、「農薬禍を追放せよ、がんは無関心な行政」だと指摘しておるわけであります。私はいつまでも検討中とか調査中ということだけではこれは済まないのではないか、こう思うのでございますけれども、この機会にお尋ねしておきますが、輸入植物検疫規程の改正に関する公聴会が最近開かれたと聞いております。この実情についてこの機会に御報告をいただきたいと思います。
○中野説明員 御指摘の公聴会はことしの七月三十一日に開いたわけでございますが、その議題といたしましたのは消毒方法の基準のうちで温湯の浸漬及び臭化メチル倉庫薫蒸等の基準を改正すること、それと並びまして臭化メチルサイロ薫蒸、それから燐化アルミニウム倉庫薫蒸及び同サイロの薫蒸を追加することということで利害関係人十八人の意見を聞いたわけでございますが、燐化アルミニウム薫蒸を消毒基準に追加すること以外の件については反対はございませんでした。燐化アルミニウムの件につきましては、ただいま御指摘の件でございますが、これは九人の意見が述べられまして賛成が四人、反対が二人、条件つき賛成が三人という結果になっております。この結果に基づきまして農林省といたしましてはこの燐化アルミニウム、いわゆるホストキシンが一部のコクゾウムシのさなぎにまだきかないという問題があるものですから若干問題がありますけれども、そういう条件等も考えあわせまして近くそれを輸入検疫の薫蒸剤として使えるようにただいま準備をしておる最中でございます。
○平林委員 この件につきましても、私は先ほどの食糧庁長官と買入課長の通達の食い違い、末端に対する指導の疑問と同じ意味で公聴会の告示内容について疑問を持っておるわけであります。いまお話しのように七月三十一日、燐化アルミニウム倉庫薫蒸及びサイロ薫蒸を追加することについてという公聴会があったのでありますが、その公述人の賛成、反対の内容につきましても、私は直接これに参加した人たちの意見を聴取いたしました。その分類は必ずしも適当でない。同時にその公示内容には重大な誤りがある。たとえばその使用薬量について、薫蒸日数についても、実際に使いやすく安全であるという食糧庁長官の一つのことばもありましたが、これを無視して使用期間を長くしたり、人夫経費がかさむ形で公示し、利用者が使えないようにしている。また燐化アルミニウムの適用害虫からプラナリアコウゾウ、コクゾゥ、ココクゾウ、ヒメアカカツオブシムシなどを除外して、穀物の代表的害虫を除いて公示をしている。世界の百カ国以上ですでにその効果を認めて使用しているのにその公示は不当であり、訂正すべきである、こういうような意見も私は聞いておるわけであります。 時間がありませんから続けて申し上げますが、日刊海運造船速報のことしの四月十五日号に次のような注目すべき記事があります。「最近、米国や豪州から動物の飼料用に使われるアルファルファペレットやヘイキューブを大量に輸入しているが、この薫蒸が大きな問題になっている。すなわち、いままで使われていたメチル・ブロマイドという薬は殺虫効果がホストキシンより劣るのに、植物防疫所とメーカーの黒い霧が原因で、新薬への切りかえに防疫所が難色を示しているといわれる。」いろいろの記事を紹介いたしたのでありますが、私は少なくともこれらのいろいろな機関の報ずる記事にどういう事情があるかわからぬ、またどういう背景があるかわからぬ。しかし、少なくともこのような指摘をしてなお公聴会の告示の内容についても問題を指摘されるようなやり方で農林省がおやりになっておることについては重大な疑問を発するのです。その背景が何かということはきょう私は時間がありませんから全部そこまでは追及いたしません。しかし少なくとも関係者各方面からいろいろな疑惑を持たれていることだけは事実です。そしてその行政上の背景の結果関係者に重大な損害を与え、住宅密集地の住民に公害を与え、また国民全般にとってはお米の問題として重大な関心を持たれているということもまた事実なんであります。私は農林大臣が、このように報ぜられている問題の真偽についてひとつ積極的に解明をされ、調査をすべきではないか。そして調査だけではなくて、十年来検討中、調査中という農林省の行政の態度を改めるべきではないのか。先ほど農林大臣もおそらくこの問題は初めてお聞きになる事柄かと思いまして、十分私は意を尽くし得ませんでしたけれども、一度同じ状況で、同じ分量でやったならばどうであるかとか、今日までの農林省のこの行政の中に誤りがないかとか、偏見はないかとか、しいて具体的なことは申し上げませんでしたけれども、その背景に何かないかとかいうような問題を調査し、同時にこの問題についての結末をつけるという態度で臨んでもらいたいということを要望いたしたいのでありますが、農林大臣の御見解を承りたいと思います。
○倉石国務大臣 お話がございましたので、事務当局もよくここで聞いておりますので、至急にいろいろ調査をいたしてみたいと思います。
○平林委員 なおいろいろありますけれども、きょうはこれだけにとどめまして、また次回、適当なとき、その後の経過措置を見て、質問の機会を得たいと思います。どうもありがとうございました。
○小沢(辰)委員長代理 鶴岡君。
○鶴岡委員 大臣に食管の問題、生産調整について二、三お伺いします。ごく簡単に、端的にお伺いしますので、簡単に答えていただきたいと思います。 先ほど長谷部委員からお話のあった来年の生産調整三百六万トンの件でございますが、事務当局の云々というお話もございましたけれども、この新聞を見ると、今週中にもこの件について全国農協中央会との調整に入る、ここまで書いてあるわけですが、先ほどの大臣の答弁でいきますと、これは知らない、こういうお話でしたが、そうするとこれは新聞の憶測で書かれたのか、それとも新聞の誤報なのか、その点どうなんでしょうか。
○倉石国務大臣 新聞社の人は俊敏な人がそろっておりますので、担当者からいろいろ情報をおとりになるかもしれませんが、要するに農林省で方針をきめるというのは私がきめるのでありますから、何もきまっておらないわけであります。
○鶴岡委員 これも先ほどお話ございましたが、もう一度お伺いしたいと思います。去る九月三日に渡辺政務次官が発言され、そのあとを受けて大臣が四日に記者会見でいろいろ発言があったようでございますが、その内容は、一つは食管法は改正すべき時期が来ている、二つには米の生産調整数量は来年度、本年度の百五十万トンから平年作の二、三割にふやす必要があるのではないか、こういう内容でございますが、食管法に対して法そのものを改正するのか、それとも政令、省令を改正するのか、また新聞等に出ておりますが、特に臨時措置法の立法化を考えているのか、この点について農林省はどういう方向に考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○倉石国務大臣 米管理について、いまのままではだめだなということについては、みんなそういう方向を考えておるようでありますが、先ほども申し上げましたように、いろいろなケースを考えまして、そしてどういうふうに対処したらいいかということを検討いたしておるわけでありまして、それにはこういう意見もある、こういう意見もあるといういろいろな意見を持ち寄って、それの長所、短所をいろいろ研究をいたしておるわけでありまして、研究過程でございますので、何ら結論は出ておらない、こういうことであります。
○鶴岡委員 そうすると、ここでお聞きしておきたいことは、まずいまの段階では先ほどから大臣のお話しになっているように、検討中また調査中、こういうことでございますけれども、そうすると、来年は改正なし、このように言明できるかどうか。もしできないとするならば何らかの方法で改革があり得る、このように理解してよろしいかどうか、この点いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、どういうことをしたら一番いいかということについて検討しているわけでありますから、大体われわれの腹づもりができますれば、与党であります党のそれぞれの担当の部門と十分相談をして、そして政府・与党一体となっての方向をきめるわけでございますので、そういういま過程でありますから、するとかしないとかいうことを私がお答えし得る段階ではないわけであります。
○鶴岡委員 次に、生産者米価の算定方式に対して算定方法を変更する御意思なのかどうか、この点お伺いします。
○倉石国務大臣 本年の米審でも、この算定方式についていろいろ議論がありました。私はその後の経過を見てみますと、この次の米価決定までにはかなり深刻ないろいろな議論を戦わした上でないと困るのではないかと思っております。そういうような問題についても、やはり省内はもちろん先輩等の意見を徴して、いま検討をいたしておる最中・であります。
○鶴岡委員 このところ盛んに来年度から買い入れ制限、二段米価、これを採用するという話が出ておりますけれども、これを農林省としてやる考えなのかどうか、この点お伺いします。
○倉石国務大臣 いまさっき申し上げておりますように、いろいろなデータを持ち寄って検討をいたしておるわけでありますから、何もまとまったものは一つもない、こういうのであります。
○鶴岡委員 買い入れ制限のことについては、六十三国会のときに、たしか農林大臣が現行食管法で行なうことができる、このように発言したと記憶しておりますけれども、この二段米価制に対する法解釈は現行法で行なえるのかどうか、この点いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 二段米価という説をとられる方もかなりおるようであります。しかし、そういう場合には、法律上はどういうふうになるかというふうなことも検討しておるわけであります。全部が研究の一つのテーマにはなりますけれども、われわれがこれをとったらいいという腹づもりはまだ一つもできておらない、こういうことであります。
○鶴岡委員 もし二段米価制をとるというならば、その根拠はどういうことになるかということですが、食管法の第三条の二項の「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」の再生産の確保は、もしそういうことになるとどういうことになるか、その辺の解釈は大臣いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 大体学問的に見て、二段米価というのは理屈づけにいろんな議論が出てくるのじゃないかと思いますが、そういうことについては、専門家からいろいろ意見を私も聞いております。私どもといたしましては、やはり一億あまりの人口をかかえておる独立国の政府が、国民の主食について野放しにいいかげんな態度をとるわけにはいきません。どこの国家でも、政府というのはそうだと思います。したがって、食管制度というものについての使命というものもまたあるわけでありまして、そういうような角度から、現在の米管理の状況を勘案して、どういうふうに処置すべきであるかということについて検討しておるわけでありますから、いまのところお答えをいたし得るような段階になっておらない、こういう次第であります。
○鶴岡委員 生産調整でございますが、いまの米の過剰問題から考えて、ことしもやったわけですが、来年は政務次官の言うように、やはり二割から三割、これはどうしても必要ではないか、そういう時期になっておるわけですが、これをことしと同じ方法で行なうのか。これは先ほどお話がございましたけれども、休耕、転作に格差をつけるというお話もございますけれども、どんな考えでおられるか、その点だけお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 転作と休耕とは区別すべきであるという御意見が、一般の地方の国民の消費者大衆の中にはたいへんに多いように承っております。しかしこれから、さっきどなたかおっしゃいました三百六万トンとかいうお話がありましたけれども、やはり現在持ちかかえております米を来年度消費者に幾らか食べてもらうかどうかというふうなことを考えることによっても、生産調整の量は違ってくるのじゃないかと思うのであります。そういったようなことを一つ一つ取り上げてみますと、幾多の議論が出てまいりますので、そこで専門家の御意見をいま一生懸命で徴して腹を練っている、こういう最中であります。
○鶴岡委員 この点についても、前々から話が出ているわけでございますが、作付転換をするにも、その米価に見合う他の作物がないことである、これは言われているとおりであります。また、それを政府から、いままで何回も当委員会でも質問があったわけですが、はっきりした答弁が聞けなかったわけです。作付転換を奨励するならば、当然それに相当する、それに見合う作物を明示していくのが、政府の責任ある立場ではないか、このように思うわけですが、この点、現在の政府の態度といいますか、対策といいますか、それが非常に甘いような感じがするわけで、これを積極的に進めていかなければならない、このように思うわけですが、この点いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 その点は、私も全く同感でございまして、元来、米の生産調整というふうなことを農村の人々に呼びかけるときには、しかしながら農業というものに対するビジョンはこういうことでございますというものが出されるのが、私はきわめて理想的であると思っておりました。私ども、そのころは農林省に就職はしておりませんでしたけれども、農林省及び政府は、いま鶴岡さんのおっしゃったように、先に農業者が安心するような方向を、もう少し打ち出すべきではなかったかと申しておったのでありますが、しかし反面考えてみますと、事務当局が一生懸命でいろいろな研究をいたしましても、その間に総選挙があったり、内閣の改造があったりいたしまして、考えてはおったでありましょうが、実現にそごを来たしておって、この点は、私いま農林省の責任者として責任を感じております。そこで農業団体その他からも熱心な御要望もございますので、米はこういうふうにするが、これをこのように転換して、他の作物にこのようにやっていただいたらいいのじゃないかというふうなことをするために、いま鋭意、先ほども申し上げましたように、地域分担等について検討しております。これは、きわめて近代的な調査方式をとって、地方農政局を督励し、県知事さんや農業団体等の御協力も得て、いま着々いろいろ地方のデータが集まっておる最中でありますので、これができましたら、私は広く国民一般に政府はそのまま訴えたらいいと思うのであります。そうしてそういうものをごらんになった上で、いわゆるナショナルコンセンサスというのができるわけでありますから、そういう上で私どもは大事な方向を示していくべきではないか。しかしその以前にまだ、予算編成等に臨みましてわれわれは生産調整を決意しなければなりません。したがって、このことは、その生産調整の問題が先に出てくるのでありますが、私どもは、その調整のときには、おっしゃるように各地方地方の人々に、その地域に適したような作物に転換していただくように、おすすめできるようにでき得るだけ努力をしてまいりたい、こう思っているわけであります。
○鶴岡委員 生産調整の問題ですが、米の生産者側にすれば、転換をしないとは言っていないわけです。その点もよく事情を考えて心得ているわけです。農林省側としてほんとうに安心して作付転換できるように最大の努力を払うべきではないか、このように思うわけです。農産物の価格政策、それから農作物の生産の地域分担、これは先ほど大臣の答弁の中にございましたが、この地域分担等の検討が進んでいるようでございますけれども、どの程度まで進んでいるのか、できれば具体的にお示し願いたい。
○倉石国務大臣 いまも申し上げましたように、地方の県知事さんあるいは農業団体、その他自治体の方々とも私どものほうの出先の機関が緊密に接触をいたしまして、その地方、地方のいろいろなデータを集めておるわけであります。これは今年中はかかるのではないかと思いますが、こういう農業地図を日本全体にかいてみるということは非常に有意義なことでありますので、拙速よりもやはりしっかりしたものをつくって、国民全体の同意を得られるような方法をとってまいりたい、こう思っているわけであります。
○鶴岡委員 お話はわかりましたけれども、この地域分担の計画が単なるガイドポストということでは終わらないように検討しておられるようですけれども、やはりその計画ができた以上、勇断をもって農林省としてやってもらいたい、いろいろリアクションもあるでしょうけれども、このように要望しておきたいと思います。 次に、生産調整を進めるにあたって、先ほど話の出た二段米価制の問題でございますけれども、そうすると今度はいわゆる生産農家の所得の問題になってきます。年々他産業所得が上昇し、あらゆる物価が上昇している今日、農業従事者の所得だけが事実上引き下げになるというような結果になるわけです。これでは農業基本法の第一条の精神「農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営むことを期することができることを目途として、」云々、こうありますが、これには反するのではないか、このように思うわけです。どのようにして農業所得の確保をしようとするか、また所得が下がってもやむを得ないと考えているのかどうか、この辺いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 鶴岡さんも御存じのように、今日すでに他産業の従事者に比べて格差がございます。これは日本だけじゃございませんで、世界各国いずれを見ても、農業と他産業との間には大小の差はあれ格差がございますが、これをなるべく近づけるということにわれわれの努力が必要であろうと思っておるわけです。いまお話しのように、生産調整に伴って二段米価というものをとればなおさら所得減になるのではないかという前提つきのお話でありますが、二段米価というふうなことは学説として聞いてはおりますけれども、私どもいまそういうことを採用するかどうかということについては検討中でありますので何とも申し上げることができないのでありますが、所得を減らさないようにということについては、これは大事なことでございますので、私ども、生産調整に伴って農村のためにどのようにしたらいいかということについて、いま同じくあわせて検討しておるわけであります。
○鶴岡委員 最後に、来年ももちろん休耕をやるような事態にいま来ているわけですけれども、この休耕をやる場合の米作地帯のあと地利用でございますが、一年、二年、三年と続いていくと農地はますます荒廃するおそれがあるわけです。この土地の具体的利用方法はいま農林省としてどのように考えているか、これを最後にお伺いします。
○倉石国務大臣 大ざっぱに申しまして生産調整ということを考えますと、やはりある程度の水田というものを他用途に転用することが必要ではないか、こういうふうに思います。農協法の改正案等を成立さしていただきました、その場合にも、われわれの頭の中、皆さんの頭の中にありましたのは、農協それ自体で農住構想というふうなものを持ちまして、地方に分散されている産業と提携をいたし、同時にまた規模を拡大してまいります自立経営の農家を中心とした広域営農団地というふうなものをつくっていこうというわけでありますから、そういう方面に農業者団体等とも協力をいたしながらあと地の利用について政府が積極的にひとつ協力してまいりたい、このように思っておるわけであります。
○鶴岡委員 大臣に対する約束の時間が来ましたので、これで終了いたします。
○小沢(辰)委員長代理 合沢君。
○合沢委員 私は、米の問題、それからえさの問題、それから農産加工等について質問したいのですが、時間の制約がございますから要点だけの質問をしますので、簡潔にひとつ御答弁を願いたいと思います。 最初、米の問題ですが、この問題については先ほどから再三質問があっておるようでございますが、大臣が特に米の問題、いま一番農家が心配している食管法改正の問題あるいはまた生産調整の面積の問題、トン数の問題等についてはなかなか口を割らないわけなんです。私が質問しても割らないだろうと思いますのであえて質問はしませんが、なぜ答弁しないかということを予測してみるのです。これは先ほども質問があっておりましたが、昨年の総選挙の際、またそれ以後もこの食管の改正についてはやらない、根幹を堅持するということを再三言ってきておるわけなんです。特に自民党の農村出身議員でも、おそらく食管法の改正についてはそう簡単に認められるものじゃなかろうというように私、考えるわけなんです。そういった問題もあるし、そう簡単に大臣もこの問題については軽々しく口にすべらすことは困難だということで、おそらく考えはあってもこの席ではお述べにならないだろうというように考えるわけでございます。しかしながら米の問題については非常に古米がふえてきている、ことしも生産調整をやったがなおかっこの単年度でも需給において余るといったような事態で、さらに古米が増加するというような予想の上に立って大臣も非常に心配されていると思うのです。われわれもこの問題については実は大臣と同じように非常に心配しておるわけなんです。何とかならないものかということで心配している気持ちは同じです。 そこで、特にこのことしの生産調整というのは、それ以前にまず米価の据え置きをやっている。赤字赤字でもここで当局は通常のベースアップ等をやっておるわけなんですが、同じように政府の管理下にある米については一銭も上げなかった。その上生産調整をやった。百万トンで農家に要請したのが百五十万トンもやった。これはやはり何といってもこの食管の堅持をぜひしてほしい、食管制度を崩壊してはならないという気持ちが一五〇%の生産調整になったものというように考えるわけなんです。しかし、なおかつ余るということなんです。余った理由は政府の百万トンの農家に対する生産調整の要請、さらにまた農地の五十万トンの転用ということで、合わして百五十万トンあれば単年度の需給はいいだろうという想定のもとにやったと思う。農家だけでも百五十万トンやった。しかし農地の転用はこれはなかなかいっていないようなんです。そういうこともあって大臣の、四十五年産の米については単年度の需給は余るというような結果になろうかと思う。このことは、私は農家の責任ではないと思う。本年度の米が余るということは農家の責任ではないと思う。この点は大臣としてもしかと胸にとどめて、絶対食管制度の堅持をもって、これを崩壊してはならないということからして、せっかく農家が一五〇%も生産調整に協力したという点を考えて、農家に動揺を与えないような食管制度、根幹は堅持するということの表明はぜひしてほしいというように考える。従来、米については最近まで米をつくれ、米をつくれで増産一本でやってきた。余った。生産調整やった。ところが農家が応じたらまたさらにその食管の改正というようになると、全く米作農民についてはほんとうに農政に対する不信が積み重なっていく。たいへんなことになろうかと思うのです。そういったことで、ぜひひとつ、できれば、この食管の根幹については守るんだ、食管は堅持するんだという表明をしてほしいものだというように考えるものでございます。この点ひとつできれば大臣のそういった表明をしてほしいとお願いする次第でございます。
○倉石国務大臣 食管についてのいままで申しておりましたたてまえはちっともかわってないわけであります。しかし、このままでいまの管理の制度を運営していかれるかどうかということについては、御存じのように多くの問題を包蔵しております。そこで、国全体としての立場から、この管理の方法をどうすべきであるかということについて研究することは、もう当然のわれわれの義務であります。したがって、いろいろな角度から検討をしておる。その検討をいたしました結果が出れば、それについて広く国民に訴えて、それなりの措置を講じなければなりませんが、まだいろいろなデータを持ち寄って勉強している最中でありますので、先ほどお答え申し上げましたとおりであります。
○合沢委員 そういった御答弁をなさるだろうと思ったのです。ところが、米の生産調整ですが、来年もおそらく米の生産調整、特に本年度より以上の生産調整をしなければならぬと思う。要らぬものをつくる、古米が増加していくということは、これはよくない。やはりわれわれもより以上の生産調整をしなければならぬだろうというように考えるのです。そこで、生産調整をやれば、私は、食管の改正というか、この管理をそう変えなければならぬという理由はどこにあるだろうか。問題は生産調整ではなかろうか。これがうまくいくか、それが農家の納得を得られるかどうかということによって、食管の改正の問題が上がってくるんじゃないか。生産調整こそがその前提になるものじゃないかというように考えるわけなんです。そういった生産調整について、必要なものを農家は協力するという前提の上に立っての食管制度の改正はしないというようなことも言えませんか。
○倉石国務大臣 食管制度の改正をしないと私がここで言うことも、やはり先入主を交えることでありますし、そういうようなことも含めて検討中である。変えないかもしれないし、幾らか手をつけるかもしれないし、検討中でありますので、結論を先に申せというのは少し無理なことではないかと思います。
○合沢委員 食管改正、生産調整がいまほんとうに毎日のように新聞に報ぜられて、非常に農家は動揺しておるわけなんです。やはり私は、政治はそういった国民に動揺を与えない、安心して農業を進めるということが最も大事じゃないかと思うのですが、大臣は、幾ら私が申し上げても、また先ほどからそれぞれの方々が申し上げておりますが、全然口を割らないので、これ以上申し上げませんが、考えてみると、私は、農業というのは国民に食糧を供給するということだ、そしてその供給率を高めていくということが最も大事じゃないかと思うのです。最近の日本の農業の国民の食糧の供給の度合いを見てみますと、米は確かに余るほどできておる。要らぬものはつくる必要はないと思う。しかしながら、その他の麦をはじめとする雑穀等は年々自給度が低下してきておるということで、おそらく四十五年産の麦は百万トンそこらに落ちるんじゃないか。大体昨年、四十四年度においても、麦の海外からの輸入というのは飼料を含めると五百万トンを上回っているんじゃないかと思うのです。おそらく本年度は五百五十万トンあるいはそれ以上の麦の輸入になるんじゃないか。おそらく今日麦の輸入は世界第一位だというように私は考えるのですが、その他の雑穀にしてもそのとおり。さらに畜産物等非常に国民食糧はそういった方向に需要が増加していっているのですが、そういった畜産物については、御承知のようにどんどん畜産は振興しておりますが、しかしながらその内容というものはどうか。ほとんどが海外の飼料に依存しておるという現状で、畜産がふえればふえるほど相対的には飼料の自給率というのはむしろ下がっていっているということなんです。米だけは余るほどあるが、麦、その他の雑穀、さらに畜産物等はむしろ非常に低下してきておるというような現状じゃないかと思うのです。そうしてみますと、さらに米の需要が減退するというような方向にあるならば、このまま進めば、国民食糧の自給というものはますます低下していくというような方向になるのじゃないかというように私は考えるわけなんです。一体かような農政でいいのかどうか、私は、その点について今後どのように考えるか、大臣の見解を求めたいと思うのです。
○倉石国務大臣 私ども昭和五十二年を期して長期見通しというものを出しております。ごらんいただいておると思いますが、それによりますと、いまは米が一〇〇%以上でありますが、五十二年までには一〇〇%、つまり需給を平均することができるとして、一〇〇%にしてもなおかつ食糧生産は七七%くらいな自給度を維持するようにいたしてまいりたい、こういう考え方をとっておるわけであります。問題になりますのは、いま米だけが生産過剰である、これをどうするかということが一つ除外された問題として残っておるというだけで、私どもとしては、自給度をこれ以下にしてしまうということについては厳に慎むべきである。したがって、できるだけ農業の採算ベースを維持するようにしなければならない。そういうことで、いわゆる総合農政で苦労しておるわけであります。したがって、米を減らしていくかわりに他の作物に転換する。その転換するものはどういうものが一番その地方地方の実情に応じて妥当であるかというふうなことを、ひとつ農業団体、県知事その他と相談をしておよそのガイドポストを示しましょう、こういうことでいま努力しておるわけでありますので、米の生産調整をやるからといって、他の作物について私どもはどうなってもいいというような考えを持っているものではない。当然なことであります。まあその点は十分御理解いただいておることだと思いますが、いま麦のことがお話ございましたけれども、ことしはわが国の西のほうで長雨が続きまして、麦については非常な打撃を受けておりますけれども、私どもといたしましては、やはり麦については麦の対策を講じておるのは御存じのとおりでございまして、現状程度の生産力というものはぜひ維持してまいるようにいたさなければならない、こういうことについて他の作物についても努力を続けてまいる、こういうつもりであります。
○合沢委員 麦については現状維持ということですが、本来もっと積極的に麦の品種改良あるいは営農体系の問題等合理化をいま以上に進めるべきではないかというように考えるわけです。 それから畜産の問題ですが、御承知のように最近非常にえさが値上がりしておるわけなんです。業者それから農協系統ともに最近えさの値上げを一、二回やってまいっておるようでございます。七月等においては卵価は百十円といったようなことで、ほんとうに養鶏農家は非常にくたびれておる。特に大きな養鶏農家ほど非常な打撃を受けておる。朝日がさめる、毎日何万円か損しておるといったような状態が続いてまいったわけなんです。しかも海外のえさの上昇というのは、私から申し上げるまでもなくきわめてむずかしい情勢で、今後えさが安くなる、原料が安くなるというような見通しは全然ないということなんです。先ほども申し上げましたように、こういう畜産がどんどん伸びてきても、窮屈な海外の飼料事情に依存しておるということが今日のこういう事態を招いておるのではないか。もしこれが外国の——いまアメリカで発生しておる白葉病ですか、そういうような病気がどんどん出てくるといったようなことで、海外の飼料事情、生産事情というものが悪化するならば、さらにまたどんどん経済の成長によって船舶等が不足するというような事態が続けば、日本の畜産は一体どうなるのか。せっかく規模拡大ということで大型化した畜産農家は非常な苦境におちいると思う。まさに日本の現在の畜産というものは海外のえさを加工している業者に負い過ぎるんじゃないかと私は思う。どうしても飼料の自給度を高めていくということでなくては、日本の畜産の自給度を高めるということにならないと思うのです。麦の問題はわかりましたが、畜産の問題、特にえさの自給度を高めるということについてどのようにお考えになっているかお聞きしたいと思うのです。
○倉石国務大臣 お話しのように、われわれのほうでいわゆる選択的拡大と申しておりますその中でも、畜産については特に力を入れる必要がありますし、また伸びる可能性のあるものでございます。 〔小沢(辰)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 わが国の畜産は、海外から豊富低廉な濃厚飼料原料の輸入をいたしてまいったことによって今日の発展が出てきたものであることは御存じのとおりであります。この濃厚飼料原料の輸入は、畜産振興上必要な原料確保のために生じたわけでございますが、いまの畜産に対する国民の全体的需要の動向を見ておりますと、今後ともますます濃厚飼料の需要量は増大するものと見られますが、世界の需給から見まして、少数の特定の国に依存することは、いまトウモロコシの病気のお話もございましたけれども、畜産の安定的な発展をはかる見地からは問題が多いのではないかと私は思っております。 一方、わが国の農業の置かれました経済的、社会的立地条件などからいたしまして、飼料穀物の生産というものは、御存じのように、これもいろいろな意味でなかなか多くの困難を伴っておるわけであります。しかし米の生産調整の問題もありますし、土地資源の有効利用という見地からも、飼料穀物の生産量について十分検討する必要があるということは、政府も考えておるわけであります。ただ、そういうものの生産が農家所得にとって、現在のべースでどういうふうになっていくかということを考えますと、このことにつきましては貿易の自由化等ともからみまして、ある程度の措置を講じていかなければならないのではないか、このように考えております。それからまた、今後もかなりの部分について海外からの供給に仰がなければなりませんので、先ほどもちょっとどなたかのお話がありましたが、われわれは東南アジア等についての開発輸入等も考える必要があるのではないか。 とにかく、需要が年々増大いたしてまいるわけでありますから、これが困難なことは合沢さんもよく御存じのとおりでありますけれども、その困難の上に立ってもなおかつ畜産というものをさらに振興してまいるという立場に立って飼料対策を講じてまいらなければならない、このように考えているわけでございます。
○合沢委員 当面の飼料対策として、いま飼料が不足している、値上がりもしているというような現状の中で、農業団体では、政府の手持ちの古々米等を飼料として払い下げてほしいというような要請等も出ておるわけですが、緊急な今日の飼料事情からして、早急に古々米等を放出すべきではないか。特に古々米等は、持っておっても金利はかかるし倉敷はかかるし品質は悪くなっていくわけです。やはりこれは持っておって決してプラスになるものじゃないのです。古々米等について、困っている農家の飼料事情を考えた場合には、早急に放出すべきだというように私は考えるのですが、その点大臣はどのようにお考えですか。
○倉石国務大臣 仰せのようなことについて検討いたしたいと思いまして、とりあえず六万トンほど試験的にやってみようかということでございますが、さらにいまお話しのような、海外からの輸入飼料がたいへん品不足のために高騰してまいる傾向にあるというときでありますので、もしこれが相当量古々米をもってまかなうことができるならば一挙両得であると考えて、実はそれぞれの方面といま接触をいたしておる最中であります。
○合沢委員 早急に結論を出していただいて、古々米等が放出されるように要請申し上げる次第でございます。 それから飼料等の需給に関連して、これは全くしろうとの意見ですが、水田は何千年来農家の祖先がほんとうに汗とあぶらでもって開田したものだと思う。また近年においては国が相当な財政投融資等をして補助金等出してそうして今日の水田はでき上がっておると思う。貴重な国家の財産だろうと思う。この貴重な国家の財産を相当量の生産調整をしなければならぬ。かりに三百万トンも生産調整をしなければならぬとなると、面積にしても六十万ヘクタールあるいはそれを上回るというような面積になるわけですが、そういった貴重な国の財産がつぶれる、水田として使われないということになることはまことに惜しいと思うのです。そうして水田は米をつくることが最も生産性は高くなると思うが、ただ余るものをつくってもしようがないわけです。そこでほんとうに、味なんかどうでもいいので、増収一点ばりの飼料の米をつくる。そういうことについても転作の奨励金を出すとかといったようなことができれば非常にいいのではないか。これは特に農家でもってみずからそういったものを飼料にするということもあり得ると思うが、どう考えても先ほどの転作の場合に何をつくるかということについては大臣も非常に頭を痛めておる、苦労しておるということでございますが、今日、水田には米ほど安定した作物はないと思うのです。他の作物をつくってもなかなか生産性は上がらない。農家の所得は下がっていく。そこでやはり生産性の高い米を、しかもより増収できるような品種を研究してこれを飼料として考えていく。そうしてできれば、その米というものがトウモロコシより以上の価値の発揮できるような飼料の研究というようなことができないものかどうか。そういったようなことを全くしろうとの意見でございますが、考えてみておるわけです。特に農家がそういうふうなことでみずから増収用の米をつくってそうしてこれを飼料に転用したいというような場合、来年度の転作等について考慮したらいいのではないかというように考えるのですが、そういう点についての見解を聞きたいと思うのです。
○太田説明員 先生が御指摘のように、米をえさに利用するように高い品種の米をつくったらどうかというようなお話でございますが、実は米につきましてこれは青刈りで何回も刈りまして家畜のえさに供するというようなことを実は私どものほうの試験場でやった事例がございます。また現に新潟県あたりの講習所等でそういった経営を、これは実験的でございますがやっておる例もございます。ただその結果を見てみますと、実は刈り取りに非常に労力がかかるというような難点があるようでございますが、さらにわれわれはこの問題については真剣に取り組まなければならぬというように考えております。
○合沢委員 それから問題をかえますが、次は農産加工の問題ですが、これは今後農産加工というか、こういった産業は農業にとって非常に大事な産業だと思うのです。ところが、この大事な産業が、昨年のチクロの問題等から非常に苦境におちいっているということは御承知のとおりなんです。話によりますと、すでにこのパッカー業者をはじめとして問屋等は五十一社も倒産しておるというようなことも聞いておるのですが、販売の期限が九月一ぱいで切れる。すでにこの損失が百二十八億も出ておる。さらに在庫品が四十億円、合わせてこのチクロ添加物の製造並びに販売禁止に伴う業者の損害は百六十八億円にも達するといったようなことでございまして、非常にかん詰め業者は困っている。しかもこのかん詰め業者の実態を見てみますと、約四百社のうち、御承知のようにほとんど九〇%は、中小企業あるいは農協関係の工場でつくっているというようなことなんです。非常に困っておるわけなんですが、これについては、チクロの添加物の製造禁止以来、ことしの予算委員会でも、社会党の大原先生からこの問題についてはずいぶん追及があって、これは国の賠償すべき問題ではないかというようなことも言われておる。この点については、最近の話ではアメリカでも国の補償という問題で検討がなされるような趨勢にあるということも聞いておるわけなんです。私はまず第一に、この問題について、やはりこれは国がこれまでは使ってもよろしいということを法律で認めておきながら、急に禁止したのだから、それによって起こるところの損害は国が当然持つべきだというように私も考えるわけなんです。この点について、農林大臣から、国務大臣としてもなかなか御答弁が困難かと思うのですが、そういった方向でひとつ閣内での善処方をぜひお願いしたいというように考えるわけなんです。同時にもう一つは、その後チクロのああいった問題以後、経済局長名でもって、非常に困るので、そこで金融の措置の通達等を銀行等に出したというように聞いておるのですが、実態はチクロによってかん詰め業界は非常に不況におちいるぞとなりますと、そう簡単に金融業者は金を貸してくれない。話によると、千葉県では千葉銀行が七社のかん詰め業者に金を貸した。その際には県が保証した。同時に七社は連帯保証をした。そして一社が倒産した。そのことによって一千万円の回収不能が起こったので、残った六社でもってこれを分担して払ったといったようなことも聞いておるわけでございますが、チクロでもって業界が困るという中になかなかそう簡単に金を貸す金融業者はないと思うのです。そこで非常に困って、倒産していると思うのですが、たまたまというか、ことしはミカンが非常に豊作でございます。おそらく一昨年より以上の二百五十万トンも生産できるのじゃなかろうかと心配しているのですが、そのようなチクロの問題からして、昨年つくった七百万ケースの国内向けのミカンかん詰めが、例年であればほとんど売ってしまうのが、そういった影響等もあって、まだ二百万ケースも残っている。昨年は七百万つくったが、ことしは五百万ケースしかつくれないというようなことですが、しかもなおかつその五百万ケースについても、おそらくその原料資金あるいはまたかんだとか、そういったものを見ると、百億からの資金が私は要るだろうと思う。そういった資金ですね、今日非常に困っている中小企業のかん詰め、あるいは農協の工場等においては、資金手当にも非常に困る。そのことがまたことしのミカンの原料というものを安くするというか、あるいはまた場合によっては金が払えないというような事態も考えられると思うのです。そういうことで非常に農産物の加工工場の最近の状態は苦境の状態にあるわけです。こういうように私、思っているわけであります。そこで私は、これは今後非常に大事なことなんで、この際、そういった実態を十分調査の上で、あるいはもう調査されているかと思うのですが、ぜひひとつ何らかの金融措置を講じて、ことしの原料が買えるような、そして中小企業や農協のかん詰め工場が運転できるような措置をしてほしいと思うのですが、これについて御検討しているならば、ひとつ御意見を聞かしてほしいと思うわけです。
○倉石国務大臣 ただいまお話しのように、お気の毒であると存じまして、農林省は融資の円滑化をはかるように農林中央金庫それから政府関係の中小企業金融関係三機関、それから信用保証協会などに要請いたしまして、それからまた返品廃棄に伴う損害額につきましては、税制上の特別な取り扱いにつきまして、損金算入ができますように税務当局からも通達をいたさせてございますが、猶予期間も切れます九月末日以降さらに金融円滑化のために特別な措置を講ずるかどうかにつきましては、業界の状況、それからただいまお話しのような諸般の事情を勘案して、どうすべきかについて検討をいたしておるところでございます。
○合沢委員 いまの問題については、私は国の補償問題とあわせ、今後の資金の問題等前向きな施策をぜひ御要望しておきたいと思うわけでございますが、同時にかん詰めの業界の問題について、私は、農林省として、また通産省等とも協議の上で、前向きな近代化、合理化の施策を強力にやるべきではないかというように考えるわけであります。私から詳しく申し上げるまでもないと思うのですが、かん詰めの業界というのは、ほんとうに中小零細企業が多い。そのことが今日までいろいろな農産加工に大きな支障になってきておるというように考えるわけです。ぜひひとつ、この際あわせて零細な中小企業のかん詰め業界を賛助して、近代化、合理化を強力に進めていただきたいということを要請しておきたいと思います。 時間がないのでもう一点申し上げたいのですが、最近日本の経済も非常に発展して、成長してきた。そこで海外からやはり貿易の自由化に対する要請も強まってきておるということ等についてはわからぬわけじゃないのでありますが、しかし農産物の貿易の自由化が大幅な——特に所得政策等から農産物の自由化ということは、大臣も相当積極的に取り組まれておるようですが、今日、米がこういった状態で、そうして他のものはどうなるかわからぬ非常にむずかしい情勢にあると思うのですが、こういった中で簡単に自由化すれば非一常に問題が多いというように私は考えるわけなんです。特に私感じましたのは、これは確認をしていないのですが、先般新聞等を見れば、全中の宮脇会長と全信の田中会長、農業団体の幹部がアメリカへ行った。そしてアメリカの現地の農業団体あるいは役員等と懇談しておるのですが、その中でグレープフルーツの自由化については、これは非常に日本のミカンの生産者が心配しておるのだということで、田中会長からそういったことで、そうおまえたちは自由化を要請せぬでもいいのじゃないかというような話がされておる。しかしそれについても、そんなに日本は困るのならば自由化をやめて割り当てをふやすというようなことでもいいのじゃないか、そういった意味の新聞記事が出ておるわけなんです。私、田中会長にも宮脇会長にもこの点は確認はしていないのですが、私はやはりもっと日本の農業の、特に米が余っておる、畜産もこういった実態だ、そういう中で農産物の自由化をすることが日本の農業を壊滅をさせるということで、ひとつ十分話し合って、農産物の自由化についてはもう少し慎重な態度で臨むべきじゃないかというように考えられるわけでございます。特にこの点は私御要請を申し上げ、また大臣の所感もお聞きしたいと思うわけでございます。
○倉石国務大臣 御意見のほどは十分私も同感でございますし、理解いたしておりますが、私自身が農作物の自由化に対しては非常に慎重な態度でやっておるわけでありますから、その点につきましては、十分われわれの態度をひとつ御理解をいただきたいと思います。御意見のほどは参考にいたしまして、対処してまいりたいと思います。
○合沢委員 これで終わります。
○三ツ林委員長代理 鶴岡洋君。
○鶴岡委員 最初に水産庁長官に、海難遺児の件について二、三お伺いしたいと思います。 その前にお尋ねいたしたいのは、すでにおわかりのとおり海上保安庁の統計によると、昭和四十年から五カ年の平均で一千百五十件以上にも達する漁船の海難事故が毎年発生しております。その結果、海中転落等による犠牲者もありますけれども、それを含めて平均して年七百人もの乗り組み員が毎年生命を落としております。この七百人もの労働力損耗は、近年のいわゆる若年労働者の減少により老人漁業家の減少を来たしているのに、さらに労働力減少に拍車をかけている結果になっているわけです。この貴重な財産の維持に関して抜本的な対策を講ずる必要があると思われますが、水産庁、政府の対策をお伺いします。
○大和田説明員 御指摘のように漁船の海難の件数はここ四、五年、大体千百隻ほどでございます。海難によります死亡、行くえ不明者は、昭和四十年に七百人をこしたことがございますが、以降、四十一年から四十四年にかけて大体三百人前後ということでございます。しかし、それでもこれはなかなか漁船労働力という立場からばかりではなしに、漁家の生活あるいは遺族の方たちにとりましても大きな問題でございますので、私ども漁船の海難防止についてできる限りのことをやっておるわけでございます。 各省の体制といたしましても、漁船の安全確保に関する法規の励行指導あるいは気象情報の早期伝達、海難救助体制の整備等を各省共同でやっておるわけでございますけれども、私どもの受け持ちの分野といたしましても、たとえば漁船の整備の近代化、特に安全性の強化あるいは漁船員の運航技術の向上指導、漁業の無線局によります漁業気象の通報、避難漁港の整備等々海難防止につとめておるところでございまして、今後とも水産庁限りでやれますことは大いにやるし、各省共同で協力してやるべきことは各省よく連絡をとって海難防止については強力にその施策を進めていくつもりでございます。
○鶴岡委員 そこで、このような海難事故の犠牲者の陰には、いわゆる一家の柱の働き手を突如として奪われた遺族があり、また遺児があるわけです。これら漁業の犠牲者になった方々の遺家族の実態、また遺児の数はどうなっているのか、またその生活の保障、また所得に対する免税の点、それから子供たちの教育等について水産庁としてつかんでいるかどうかお伺いしたいと思います。
○大和田説明員 漁船の海難遺児あるいは遺家族の実態につきましては全漁連が最近調査したものがございます。これによりますと、遺家族の中で遺児の数だけ申し上げますと、総計で四千百二十人ほどでございます。その中で未就学児童が五百六人ほどございます。この遺児の生活の状況でございますが、生活保護世帯に属しております者が約一割三分、これに準じます者が五分で、両方合わせまして二割弱が相当苦しい生活をされておるわけでございまして、全漁連といたしまして大日本水産会等々と協力をいたしまして、いわばオール水産の立場に立って、この漁船の海難による遺児の育英事業のために一つの組織をつくりまして基金の募集を現在やっておるわけでございます。私ども、できる限りこの全漁連を中心とする海難遺児の育英資金の造成について現在協力をしておるわけで、都道府県知事等々に依頼する以外、機会あるごとにこの運動に対する協力方を訴えておるわけであります。
○鶴岡委員 いま全漁連の実態調査の報告がありましたけれども、私が長官に申し上げたいのは、水産庁としてそれをいままでなぜやらなかったのか。水産庁として実態調査も実際にはしていないようでございますけれども、またその遺族に対して何ら手が打たれていないような感じを受けるわけです。確かに全漁連のことしの調査によると遺児は四千百二十人、こういう数字が出ております。現在社会福祉政策の進んできておる今日、たとえば交通遺児育英会、これは四十四年の五月に発足しております。それから消防育英会、これが四十三年の一月、警察育英会、これが四十二年の二月にそれぞれ発足し、救済事業が行なわれておるわけです。海難遺児についてはその数は少ないかもしれませんけれども、いわゆる水産国日本といわれるわが国において、歴史的にも古くからおるわけです。これをいままでほうっておいたというのはいわゆる政府の責任であり、人道上からいってもこれはまかりならぬ、私はこのように思うわけです。そうしていまなおこの人たちは政治の谷間に追いやられて忘れられておる現状にあるわけです。こういうところにあたたかい手を差しのべるのがいわゆる血の通った政治ではないか、このように思うわけです。政府はこのことについてどう考えるか、いま協力するという御答弁がありましたけれども、所信をお伺いいたしたいと思います。
○大和田説明員 海難遺児あるいは海難漁夫の遺家族等々の生活のごめんどうを見る方法といたしましては、現在船主がいろいろな形でそれを保護しておるばかりではございませんで、たとえば船員法あるいは労働災害補償法等々によって年金、一時金その他のめんどうを見ておるわけでございます。私ども、船員に対しまして船主がいろいろな形でめんどうを見ておりますことを、漁船保険の面で船主の保険ができないかということを現在検討いたしております。また、従来はおおむね二十トン以上の漁船の乗り組み員だけが船員法あるいは船員保険法の適用を受けておったわけでありますが、最近における法律の改正によって、逐次五トン以上の漁船にもその制度を適用することになるわけでございまして、そういう社会保障の充実という面からも私どもこの問題に対処していきたいと思います。
○鶴岡委員 いま申したとおり、その遺族や遺児は経済的に非常に不安定な苦しい生活をしておるわけです。先ほども数字で保護世帯の数字等をあげられましたけれども、数字の上から見ると全体の八八・三%がいわゆる母親の内職等によってささやかな収入でまかなわれているわけです。そこで、水産庁としてもいわゆる漁船の関係官庁として本格的にこの遺族、遺児の実態調査を一度やって、そうして認識をあらためてもらいたい、このように私は希望するわけですが、この点についてお伺いしたいと思います。 それからいわゆる漁港を持つ、また漁民をかかえておる地方自治体としても同様です。先ほど申しましたように、この海難遺児については前向きに救済方法が考えられていないのが実情であります。いま漁船保険、またいろいろな補償制度でそれを補っていく、このようなお話がございましたけれども、沿岸漁業の多い零細漁業では、いわゆる一家の柱をなくして、実情は船主からの葬儀料、それから見舞い金、そして十分な補償もなく、あらゆるものを含めて現実としては大体七十万か八十万の一時金で済まされておるのが実情です。ひどい人はわずか三十万くらいで、あとは何もないといったのがあります。たとえそうであっても、漁民は危険きわまりない海に出て、そして命をかけて働いておるわけです。考えてみれば、これこそいわゆる日本漁業の本質的な問題ではないか、このようにも私は思うわけです。いずれも、先ほどから何回も申しますように、残された主婦が子供をかかえて、恵まれた環境で働いている人というのは皆無にひとしいわけです。そうかといって市が残されたその主婦に対して内職をめんどうを見ているかというと、実情はそうではない。私もこの家族を十数軒訪問して実情を見てまいりましたが、実際はたいへんな生活をしております。母親は昼も夜も働き、子供は学校で肩身の狭い思いをしている、このような実態を一人でも多くの国民に知ってもらいたい、海難遺児には一向に見向きもしない国や自治体に少しでも考えを改めてもらいたいと、いま銚子では、うら若い一人の女性が七月から毎日犬吠岬に立って、暑いさなかまっ黒になって一日じゅう道行く人に呼びかけて、そして募金運動をやっているということも聞いております。このような実情を考え、こうした人の熱意にもこたえるべく、政府の手によって何らかの救済措置を講ぜられないか、遺児手当の創設等を考えられるか、積極的に取り組む用意があるのかどうか、もう一度お伺いしたいと思います。
○大和田説明員 遺児手当の創設ということは、なかなかむずかしい問題でございますけれども、お話のように、まず海難の防止のために私どもとして全力を注ぐこと、さらにいろいろな制度を拡充いたしまして、遺児あるいは遺家族の生活の援護にできるだけつとめること等々につきましては、私どもとしては全力をふるうつもりでございます。
○鶴岡委員 最初の、実態調査をやるかどうか。
○大和田説明員 全漁連が相当詳細な調査をやっておりますことと、さらに全漁連が中心になりまして遺児の育英資金の募集を現在やっておるわけでございますので、それを援助しながら、その推移を見て、必要があれば私どもも独自の調査をやるつもりでございます。
○鶴岡委員 この海難遺児の件について最後ですが、現在先ほどからお話ありましたように全漁連の業界がこの海難遺児を励ます育英事業に取り組んで十月をめどに発足させようとしておりますが、それにはやはり設立の準備の面、また運営面等について政府の協力が私は必要ではないか、このように思うわけです。水産庁としてもう一度考えて改めて、具体的にはどう協力し、援助していくのか、もう一度長官からお伺いしたいと思います。
○大和田説明員 この運動は、全漁連が自主的に始め、また全漁連の組織に沿って現在やっておりますことでございますので、私どもやはり側面からこれを強力にバックアップするということが一番よかろうと思います。財団法人の設立等々につきましては、水産庁としてできるだけ御協力を申し上げるつもりでございます。
○鶴岡委員 募金運動が行なわれておりますけれども、水産庁といたしまして何か手を打ったのかどうか、通達等を出したのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○大和田説明員 私ども水産庁の職員として応分の御寄付を申し上げました。と同時に、都道府県知事その他関係機関に対して協力方を強力に呼びかけているわけでございます。
○鶴岡委員 海難遺児については以上で終わります。 次に、畜産公害についてお伺いをいたします。 この畜産公害については、これは現在の農業にとって一番の課題であり、また悩みでもあり、追い込まれた深刻な問題でございます。すなわち、畜産物の価格が低迷している現在、この中で生産者の農業所得をささえるためには、当然飼養頭数、羽数をふやさなければならないわけでございます。そこで、さらに規模を拡大すれば、おのずとそれが畜産公害につながるという認識が一般化している今日、どうしてもこの畜産振興の面においては前途多難であるということが予想されるわけでございます。 そこでまず、この畜産物価格を安定させるためには、その計画性とか流通機構などの問題もあると思いますが、政府はどのような対策を講じてきたか、また今後どうしていくのか、価格安定についてお伺いをいたします。
○増田説明員 お答え申し上げます。 畜産物の価格安定につきましては、御承知のとおり、たとえば牛乳につきましては不足払い法、あるいは和牛につきましては価格安定資金、あるいは卵価につきましては卵価安定基金、豚につきましては買い入れ制度、そういうようにそれぞれの畜産物につきまして、政府としての可能な限りの価格政策をとっているわけでございます。しかしながら、先生先刻も御承知のとおり、畜産物は本来がなまものでありますし、生産というものが工場生産のように計画的にできるわけではない、特にたとえば牛は三年に二匹しか生まないとか、あるいは中小家畜は簡単にふえる、こういうことで、生産と需給の調整というものが必ずしもうまくいかない。そういう意味で農産物価格の代表としては、いわゆるビッグサイクル問題、こういう問題があるわけでございます。そういうことで、そういうものについては生産の調整あるいは出荷の調整、そういった問題につきまして系統団体あるいは消費者系統と協力いたしまして、その面についての協議、協力を進めておる次第でございます。
○鶴岡委員 率直にお聞きしますが、近年日本国民の食生活が非常に変わってきておるわけです。また輸入食糧等の諸問題をかかえておる現在ですが、農林省として、この畜産振興について、特に豚と鶏については、その方針として積極的に増産を奨励しているのかいないのか、どっちなのかお聞きしたいと思います。
○増田説明員 確かに豚、鶏等について公害問題のあることは事実でございますけれども、御承知のとおり経済の発展に伴いまして需給は堅調に伸びる、そういうことで豚、鶏の増産は今後も積極的に進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○鶴岡委員 それじゃその年次計画をちょっとお知らせ願いたいと思います。
○増田説明員 御存じのとおり、政府は四十三年度に農産物の需給と生産の長期計画というものを策定をいたしました。それによりますと、たとえば豚は年率一〇・二%、採卵鶏は四・二%の平均年率で伸ばす、五十二年度におきましては豚は千四百九十四万七千頭、採卵鶏は一億七千六百万羽ということを計画をしているわけでございます。しかしこれは最終年次をきめているわけでございまして、年次計画はきめておりません。しかし、先ほど申しました平均年率というものをわれわれは基準に置きまして、その年度における実態と勘案しつつ、その線に沿って指導をしてまいっておるわけでございます。
○鶴岡委員 現在豚を例にとると六百万頭、昭和五十二年にはいまお話のあったように千五百万頭の見通しということですが、ここで問題は、この増産計画に伴って公害対策が考えられているのかどうかということです。もちろんこれから規模拡大にしても、団地造成にしても、公害排除を考慮に入れての増産を進めると思いますけれども、ただ数字上の増産目標だけではなく、それに当然伴って発生する公害問題を考慮に入れて、並行して計画は進められなければならないと私はこのように思うのです。その具体的な対策は立てられているかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○増田説明員 先生御指摘のとおり最近養鶏、養豚というものが土地を離れまして、ふん尿の処理能力をこえた経営規模が行なわれ、その結果としてふん尿公害というものが各地に行なわれているわけでございます。一方都市化というものがどんどん進んできている。こういうところからいわば経済成長のひずみの問題として大きく取り上げられてきているわけでございます。こういう事態に対処いたしまして、われわれとしてこの対策に積極的に取り組んできているわけでございますが、一つは、われわれ基本的に率直に申し上げまして、現在いろいろのふん尿処理施設の開発というものが行なわれております。先生すでに御承知かと思いますけれども、活性汚泥法、嫌気性浄化法あるいは拡散ろ床法、こういったようなそれぞれの方法が開発されて現実に行なわれているようなこともあるわけでございますけれども、ただし御承知のとおり水質基準というものも、家畜場から出される排水基準というものもまだきめられていない、こういう現状において、その施設についてはなお多くの問題をかかえているのが問題であるわけでございますが、実際に公害問題というものが発生しているわけでございますから、われわれとしてはたとえば経営近代化資金あるいは豚鶏資金、畜産経営移転資金、そういったような各種の資金というものを融資いたしまして、その施設に積極的に取り組んでいるわけでございます。同時に初歩的な、最も基礎的な衛生対策、たとえば窓に網をかけるとか、あるいはくさいものにはふたをするとか、定期的に消毒をするとか、こういったような衛生指導を徹底させるとか、あるいは広域的にそのふん尿を農地に還元させるシステムをできるだけ進めるとかいうことをやっているわけでございますが、都市近郊におきましては、やはり根本的に解決するためには、経営の移転ということが根本的な解決策にならざるを得ないのではないか、そういうことで本年度より経営の移転事業を積極的に取り上げてきているわけでございます。
○鶴岡委員 その移転の問題ですが、いわゆる養豚団地造成事業では二千五百頭、五ヘクタール以上の団地を国の補助で造成し、これに入る農家は五戸以上となっておりますが、これはそれだけまとまって養豚農家があり、それだけの数があれば一応問題はないことになりますけれども、いわゆるこの対象にならぬ——私は千葉ですが、特に千葉方面の郡部では、一戸当たり二十頭、三十頭程度で、一村まとめても千五百頭から二千頭というところがあるわけです。この小規模経営の対象外となる農家に対してどうするか、こういうことが問題だと思うわけです。畜産公害はいわゆる養豚数、養鶏数に関係なく、悪臭とか水質汚濁というのは、被害者側から見れば同じ立場に立たされているわけです。この点について小規模の養豚、養鶏農家に対する対策はどうなっているのか、お伺いします。
○増田説明員 畜産団地造成事業につきましては、先生のおっしゃいましたとおり五ヘクタール、五戸、こういう条件がございます。その場合、二千五百頭と申しますのは、それが最終目標年次において二千五百頭になるという条件でございまして、最初から二千五百頭になるということを条件としているものではございません。したがいまして十頭であれ二十頭であれ、現実に公害問題を起こしており、しかもこの際積極的に所を移して畜産の経営に取り組みたいという農家につきましては、当然これは門戸が開かれているというわけでございます。
○鶴岡委員 それにしても、畜産団地造成事業に関してこの畜産団地へ移転できるのはいわゆる畜産農家あるいは法人で、しかもその条件が非常にきびしくなっておるわけです。たとえば現在市街化区域で畜産経営をしているものとか清掃法による特別清掃区域で経営をしているもの、住宅密集地域で経営しているもの、云々というものが五、六項目ほどありますけれども、このきびしい規制をもっと緩和するような考えはあるかどうか、この点をお伺いします。
○増田説明員 現実にいま公害の問題として緊急に取り組まなければならないのは、先生が御指摘なさいましたような都市化の最も進んだ地帯でございます。そういう意味でそういうところから優先度をもってやったわけでございますが、何せことしから始めた事業でございますので、今後の事業の進展のぐあいを見ましてその点については善処したい、かように考えております。
○鶴岡委員 時間の制限がございますのでこれを最後としますけれども、この畜産公害で河川等に廃棄するものによって、非常に水質汚濁の問題も大きな問題になっております。千葉県の旭市を流れる新川の上流にも、養豚場、それから屠殺場、加工センター、大体一緒になっている施設がありますが、そこには屎尿処理施設、それから浄化装置等、あるいは確かにありますけれども、そこでは処理し切れなくて、一日八百頭も屠殺する屠殺場などは、夜などは浄化装置を通さずにそのままストレートに川に廃棄するしまつであります。地元民は住民大会等を開いてその公害に対して非常に憤慨しているわけでございます。夏場などは二キロも遠いところからこの悪臭がにおい、川はまつ赤な川となっているのが現状であります。農業用水路としてできたこの川でありますが、これでは沿岸の農作物にとってもたいへんな悪影響が及ぼされると思うわけです。水質保全法から見た、いわゆる家畜ふん尿処理、加工センターの廃棄物の法的規制は畜産局としてはどのように考えるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○増田説明員 水質保全法が改正されまして、先生の御指摘のような施設の排水基準というものは昭和四十七年度までに定めるということを目途といたしまして、目下その準備を進めているわけでございます。しかしながら、問題はその年度を待つわけにはまいりませんので、先ほど申しましたような施策をわれわれとして積極的に進めているわけでございます。
○鶴岡委員 終わりに、水質汚濁に対して新川の場合ですけれども、市としてもいろいろ指導に乗り出しておりますし、手は打っておるようでございますが、きびしい取り締まり規制がないのが難点と私には思われます。政府としても早急に公害規制法を制定すべきだ、このように思うわけです。 もう一つ、この新川に関連して、これは要望でございますが、いま市、県で九月度の補正等によって補正予算を組もうというところまできております。汚濁浄化のため努力しておりますが、一つの緊急対策として、大利根農業用水を新川に放流し、通水浄化を行ない、いわゆる汚濁水を排除していただきたい、これが私の要望でございますが、あそこは川の流れが非常にゆるやかなために、そうしていただけるとたいへん緊急措置としてありがたいわけでございます。この要望をぜひ取り入れていただきたい。これを要望して私の質問を終わらせていただきます。
○岩本説明員 ただいま御要望のあった問題でございますが、御指摘の地域には大利根用水がございまして、これは本年度から着手した国営事業でございます。この仕事は老朽した施設の改修を目的としておりまして、用水改良事業でございますから、新川の浄化用水を見込んでおりませんので、御指摘の問題に対処しますためには農業用水のほかに新川の浄化用水を見込む必要がございまして、これは水利権の問題に関係をしてまいります。また浄化対象河川までの送水に利用する用水費用とか幹線水路の建設費及び維持管理費の負担の問題が出てまいりますので、これらの問題を解決いたしますためにはいろいろな機関と折衝も必要でございますし、研究を要する問題でございますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。
○三ツ林委員長代理 午後三時四十分に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後二時五十一分休憩 ————◇————— 午後三時五十六分開議
○三ツ林委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前の会議に引き続き質疑を続行いたしたいと存じますが、その前に、台風第九号及び第十号による農林水産業関係の被害状況及び石川県下における農地転用問題について政府から説明を求めます。大河原大臣官房参事官
○大河原説明員 台風九号、十号についての被害状況その他について御報告申し上げます。 お手元に九号と十号と分けまして資料を差し上げてございます。それに即しまして簡単に要点だけ御説明申し上げます。 まず、九号でございますが、九号につきましては、お手元の総括表にも明らかなように、漁港、海岸寺の水産施設、農地農業用施設等農業関係及び林道等それぞれ相当な被害を受けまして、県報告によりますと、九月一日現在でございますが、九十二億円、なお若干被害がふえておるような状態でございます。 それから農作物被害につきましては水産、林産、家畜等合わせまして三百十六億円ということに相なっております。これにつきましてもなお若干の被害が県報告としては増加するような状態になっておるわけでございます。 二ページ以下にそれぞれ総括表に基づきます施設別、県別の被害があるわけでございますが、農地、農業用施設を合わせまして二十六億円、海岸が六億三千万円ということに相なっておりますが、当然のことでございますが、台風の通過の最も影響を受けた地帯について大きな被害を示しておるわけでございます。 それから林野関係が三ページの資料でございまして、これにつきましても民有林、国有林別に荒廃林地なり治山施設、林道あるいは林産物等につきまして、県別にそれぞれの被害があげてあるわけでございますが、総額の民有林の被害が約二十八億というような大きな金額になっております。 それから水産関係につきましては、同様四ベージに漁港施設なり共同利用施設あるいは漁船、漁具等、養殖施設等につきまして県別の被害がございますが、これも同様台風通過の近い各県において大きな被害を示しておりまして、施設では二十六億円、それから水産物では二十三億円、合わせて約五十億円というような数字になっております。 それから五ページ目には作物関係につきまして大づかみの被害状況を明らかにしておるわけでございますが、これも台風の影響を受けた地域、北は北海道から九、四国諸県というようなところに被害が大きく出ておりまして、水稲では百二億円、野菜で四十億円、果樹で百十三億円というような数字になっておりまして、二百八十四億円というような数字に相なっておるわけでございます。 それから六ページでは、いわゆる共同利用施設等についての各県別の被害の総額十一億円につきまして県別に明らかにしておるという数字でございます。 それから一週間おいて追っかけてまいりました台風十号の被害につきましては、同じくお手元に資料が差し上げてございますが、これにつきましても水産施設あるいは農地、農業用施設、林業施設につきまして大きな被害を受けまして、県報告によりますと百九十五億円ということに相なっております。これについても、その後の県報告によって、若干ではございますけれどもふえる見込みでございます。 農作物等につきましては、農作物の二百七十二億、水産の三十四億、林産の五十五億等がございまして、合わせて三百六十七億ということに相なっておるわけでございまして、両方を合わせまして約五百六十億程度になっておりますけれども、昨日まとまりました統計調査部の国としての調査におきましても約四百億ということに相なっておるわけでございます。 県別その他につきましては、先ほど九号について申し上げましたとおりでございまして、二ページ目では農地、農業用施設の県別の被害金額を明らかにしております。 林野関係については三ページに同じく民有林、国有林別にそれぞれの施設別の被害金額を明らかにしております。 それから、水産関係については四ページのお手元の資料をごらんになっていただくと明らかなように、県別、施設別にそれぞれまた、施設として約五十七億円程度に達します施設の被害、水産物も合わせて九十一億ということになっております。 それから、農作物関係につきましては、水稲、野菜、果樹その他にグルーピングいたしまして、県別の内訳と二百七十二億の総額を明らかにしておるわけでございます。 また同様、農業関係施設等につきましても、共同利用施設と非共同利用施設及び家畜をあげまして約四十一億円にのぼる数字を明らかにしておるわけであります。 以上が九号、十号の災害の状況でございますが、ただいま御説明申し上げましたように、共同施設及び作物等についての大きな被害でございますので、災害発生直後それぞれ地方農政局等におきます災害対策本部の設置あるいは災害調査班の派遣等、従来の災害の例にならっての実情の把握を行なうことはもちろんでございますが、災害直後の応急用米の配給とか国有林の復旧用の備蓄用材の放出というようなものについて行なうとともに、施設の復旧等について緊急査定を要するところにつきましてはすでに査定を開始しておりまして、おおむね九月下旬までにはその査定を終えたいというふうなことで、施設災害についてもその復旧の促進をはかっておりますし、また被害農林漁業者に対する措置としての天災融資法の発動の準備なり、あるいは施設及び天災融資法を含めまして今回の被害が激甚でございますので、九号、十号合わせての激甚災の適用の準備なりあるいは自作農維持資金の災害ワクの設定、農業共済関係の共済金の早期の支払いとか、それらにつきましても被害が何ぶん甚大でございますので、それぞれ所要の準備を取り進めるというのが概況でございます。 以上、簡単でございますが、九号、十号について御報告申し上げます。
○岩本説明員 先回の本委員会で追及を受けました石川県加賀市におきまする農地のゴルフ場用地への無断転用の件につきまして、その後の経過を御説明申し上げます。 八月十九日に、北陸農政局長は石川県知事に対しまして、石川県知事から関係者に対して農地に復旧させるための所要の指示を行なうよう、文書をもって指示をいたしました。 八月二十日、石川県知事は新保土地改良区理事長、関係農業者代表者及び北陸観光開発株式会社に対して、農地復旧についての具体的な指示を文書をもって行ないました。 新保区長及び新保土地改良区理事長は石川県知事に対して、石川県の指導に従い当該地区の農地回復を九月五日までに完了できるよう努力する旨の文書を八月二十日に提出いたしております。 八月二十七日には、石川県は農地回復工事の細部について関係者を指導いたしました。 九月三日に、地元は農地復旧工事に着手をいたしました。その後、北陸農政局の担当官が九月七日に現地を視察しました。報告によりますと、ブルドーザー三台を投入いたしましてウォーター・ハザード、バンカーの埋め戻し、起伏の整地作業を現在実施中ということでございます。この農地への原状回復の工事は九月半ばごろまでに終了する予定であるというふうに聞いております。 以上御報告申し上げます。
○三ツ林委員長代理 以上で説明は終わりました。 —————————————
○三ツ林委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま官房の大河原参事官から過般の九号台風、十号台風に基づく主として農林省関係の被害の概要並びに対策の一環について説明を聞いたわけでありますが、午前中に当委員会の調査班の報告の中にも、たとえば北海道においては七月三十一日から八月一日にかけて上川地方を中心とする集中豪雨の相当激甚とみなされる被害があったという報告、また九州班におきましても九号、十号の被害の概況の報告もあったわけであります。 そこで順を追ってお尋ねしますが、七月三十一日から八月一日にかけての北海道上川地方の集中豪雨、この災害を政府としてはどういう取り扱いをする方針であるかお尋ねしたいと思います。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問がございました七月三十一日から八月一日にかけました上川、空知地方の集中豪雨につきましては、その後被害の実態を把握したわけでございますが、施設で二十億をこす被害、農作物等で三億をこえる被害ということに相なっております。これにつきましては、実はまず被災農家に対する災害融資等の問題をいろいろ検討したわけでございますが、天災融資法の発動に必要な被害金額三十億というような点になかなか達しがたいということで独自の発動は困難であるというように考えておるわけでございますが、これにつきましてはその後も九号台風により同地方が不幸にして受けた事態がございまして、被害が累積しておるというようなこともございますので、被災農家の資金需要、それらの点を勘案して取り扱いたいというふうに考えておるわけでございます。 自作農資金その他についても当然先生御案内のように並行してこの問題を考えていくというような対策を講じておるわけでございます。 なお保険、共済金の早期支払い等についても北海道庁に指示いたしまして、共済金の仮払い——もう時期は最も迫っておりますので、早期本払いのほうが農家の実情には合致するのではないかというふうな判断もございますが、いずれにいたしましても早期支払いというような体制で他の災害と同様な措置をすみやかにとるという体制になっております。 一方施設でございますけれども、施設につきましては非常に集中的な豪雨で被害を多く受けておりますので、これにつきましては、公共施設でございますと、農林関係では治山施設等につきましては公共土木の負担法、それから農地、農業用施設につきましては暫定法、これに基づきまして所要の二班に分けまして、第一回の早期査定を、この七日から開始をしております。そのあとのほうも大体十月上旬にはこの査定を終了したいということで、急いでやっております。もっとも林野関係等については、ほぼ終わったというような報告も受けております。 いずれにいたしましても、これらの災害につきましては、従来の災害の例にならいまして、対策の万全を期したいというふうに進めているのが現段階でございます。
○芳賀委員 この被害の取り扱いですが、災害の指定については一災害一指定という原則があるわけですね。しかしその取り扱いは多様にわたっておるわけです。たとえば五月から七月までの長雨を中心とする一定期間中に生じた災害に対しては、これを一災害として災害指定を行なっておるわけです。ですからそれに例をとりますと、たとえば七月下旬から九号台風発生までの期間にこれと同種の集中豪雨とか災害等が全国的に発生しておるとすれば、前例によるとそれらを一括して一災害ということで災害指定を行なった、こういう実例はあるわけですね。ですから、もう他に全然そういう被害を受けなかった、幸いにしてこの災害だけ同期間中に発生したにすぎないということなら別ですが、その間の事情はどうなっていますか。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、天災融資法その他災害関係の災害の指定は、同一気象原因によります災害ということになっておるわけでございます。 で、お話しの本年の長雨等につきましては、やはり前線停滞ということが四月の下旬からございまして、それが七月まで続いたということで、気象庁等の気象の判断もやはり同一気象原因であるというふうなこともございまして、あとう限り被害農家に対する施策を考えるという政策の面もございましたが、同一気象原因の説明がつくというようなことで、長雨につきましては天災融資法なりその他の措置がとられたというふうなわけでございまして、局地的な、期間の離れた災害につきましては、その気象原因に基づいた災害として被害の規模その他を判断いたしまして取り扱わざるを得ないというのが実情でございます。
○芳賀委員 これは総合判断で処理されるべきだと思うわけであります。 そこで、参事官からも報告がありましたとおり、また北海道調査班の報告にもありますとおり、この八月一日の集中豪雨の災害を受けた地域が九号台風にまた襲われておるわけですね。ですから、同一地域が反復して被害を受けておるということになるわけです。 たとえば、農作物等は集中豪雨で先にやられて、また収穫前の九号台風でやられたということになると、被害別の認定というのはなかなかできないと思うのです。だからそういう点はいずれにしても九号台風、十号台風は農林省関係だけでも、いまの説明によると、約一千億に及ぶ被害というふうに、県報告であっても、そういうことになっておるわけだから、これはもう近いうちに九号、十号については激甚災の指定が発動されることは、これはもう疑う余地のないところなわけです。だから、私どもの聞いておるのは、この八月一日の集中豪雨について農作物は反復した九号等の被害と総合的に考えられるわけですが、特に施設被害ですね、この公共土木関係、それから農地、農業用施設の被害というのはこれが特に甚大なわけです。とにかく一地方で旭川市とか、上川町が災害救助法の発動を受けたとか、局限された地域だけで被害総額三十二億円ということになれば、相当これは深度のある被害ということになっているわけです。 そこで考えられることは、一昨年からこの激甚法に基づく激甚の指定を行なうことになって、相当これは災害対策としては効果をあげておるわけです。で、私ども分析しますと、八月一日の集中豪雨災害というものは、この施設面においては公共土木関係ですね、それから農地、農業施設等のこの被害を取り上げた場合、当然局地激甚の指定基準に適用できるのじゃないかというふうに判断するわけです。被害の全市町村ということではないのですよ。たとえば町村名をあげれば、石狩川最上流の上川町とか、それから愛別町とか、当麻町、これらは局地激甚の指定基準の一項の公共土木、それから二項の農地、農業用施設、これらに大体適用になる、そういう被害規模でないかというふうに考えておるわけですが、これらはとにかく政府において災害の査定をしないと、災害復旧に要する費用がどのくらいかかるとか、あるいはまたその被害市町村の標準の税収入が幾らであるとか、あるいはその被害町村の農業所得推定額が幾らであるというような点が総合的に明確にならなければ局地激甚の指定ができないということになると、まだまだある程度の期間は要すると思いますが、これらの検討についてはいまは農林省あるいは建設省も検討しておると思いますが、どういう経過になっておりますか。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 先生のお話しのとおりでございまして、今回の災害も七月三十一日から八月一日、非常に短期間に集中的な被害があり、約二十億くらい、農地、農業用関係ですね、農林関係の施設災害もあるというようなことでございまして、従来の例に徴しますと、やはり一般激甚は困難であるけれども、局地激甚等についてこれを救済する方途の検討ということは当然なされておるわけでございます。先生お話しのように、公共関係、農林関係でございますと、治山等につきましては、これは公共施設全部ひっくるめまして一定の基準に該当するかどうかというようなことで、建設省が中心になって取りまとめるということになっております。農地、農業用施設あるいは林道等の暫定措置法関係の施設につきましては、御案内のように査定事業費、これは決定の復旧事業費でございます。それとその年の当該の町村におきます農業所得を見まして、その一割をこえた場合にこの局地激甚が適用になるというようなことになっておりますが、先ほど御説明申し上げましたように、施設の査定はただいま急いでおります。まあ大体十月初旬には査定事業費等も出てまいるというようなことでございますし、分母になります農業所得につきましても統計調査部で十月中にはこれを出したいということで急いでおりまして、それらを勘案しましてその適用し得るものについては積極的に適用するというような心がまえで、われわれ関係者はただいま取り進めておるわけでございます。
○芳賀委員 この問題は、明日衆議院の災害対策特別委員会がありますし、また来月は当委員会も開かれることになるので、局地激甚の扱い等については、農林省あるいは建設省の災害に対する査定等が進むわけですからして、その時期にまた、いま大河原参事官の説明されたような趣旨に基づいて、できるだけ現行制度を生かして災害対策を進めてもらいたいと思います。 次に九号台風の関係。これは全国規模ですが、特に北海道の場合、北海道調査班の確認した金額にしても、農作物全体で六十一億円ということになっておるので、県別にすればこれは北海道の農作被害が一番首位を占めるということになっておるわけです。ただその中に果樹被害が非常に多いのですね。北海道だけで、農林省のいまの報告によっても約二十四億円ということになっておる。それで、この果樹被害に対する取り扱いについて特に重点的にどういうふうに進めておるか、お尋ねしたいのと、もう一つは、北海道の果樹関係においては昭和四十三年に凍害を受けておるのですね。それから昨年も台風による被害を受けておるわけです。今年また九号台風による大幅な損害ということになるので、ちょうど三カ年間連続被害を受けておるということになるので、果樹農家にしては経済的にも相当回復しがたいような深刻な打撃を受けておるものも多いわけです。ですからそういう事情の上に立って、近く激甚法の発動等も行なわれるわけでありますからして、当然重厚な対策は進むと思いますが、これに関連してどういうような対策を進めていくのか、一とおり聞いておきたいと思います。 あわせて、昭和四十三年度から果樹共済が、これは四十七年まで五カ年の期間で実験的に進められておるわけです。これはまあ都道府県単位に見れば、実験の指定を受けておる共済組合というのは数少ないかもしれぬが、あわせて北海道等においてはこの実験共済をどういうふうに受け入れてやっておるか。これは内地府県においても果樹災害はあるわけですから、制度的な問題だから、あわせて説明を願いたいと思います。
○荒勝説明員 御説明いたします。 北海道の果樹、特にリンゴを中心といたしまして、今回の九号台風で相当な被害が出ておりますことは事実でございます。それで蚕糸園芸局といたしましては当然、ただいま大河原参事官からお話がありましたように天災融資法に基づく激甚災の指定もあることと思いますので、それに基づきます手厚い融資がある程度いくのじゃなかろうか、こういうふうに思っております。低利の融資だと思いますが、そこへさらにわれわれといたしましては、天災融資法に基づく融資の発動があれば、さらに自作農創設維持資金等も同時にいろいろ検討し、資金需要に応じて出ることになると思います。 それで技術問題といたしまして、台風によって果実だけでなしに樹体被害も相当出ておりまして、こういったことにつきましてはわれわれのほうから指導いたしまして、倒れた木の引き起こしとか、あるいはその折れた枝のあたりからさらに病虫害が発生しないように、あるいはその折れた枝のあと始末を枝幹の剪定とか、そういったもろもろの技術指導等も関係者を動員していたしたいと思っております。 さらに融資のほかただいま御指摘のありました果樹保険につきましては、保険のほうから御返事申し上げたいと思います。
○小野説明員 北海道におきます果樹保険の実施状況でございますが、北海道におきましてはリンゴが対象樹種になっております。その加入実績でございますが、北海道におきますリンゴの成園面積は四千五十ヘクタールでございますが、加入面積は百二十九ヘクタール、加入率は三・二%ということになっております。これは実験実施ということでございますのでそういう率になっておる、こういうことでございます。
○芳賀委員 果樹共済の関係ですが、一昨年の三月ですね、例の台湾坊主の被害があった際、当時私ども災害対策特別委員会として現地の被害調査をやったわけです。その時期はまだ、四十三年の四月一日から実験共済が始まったわけですが、現地は降雪等によって樹体がひしゃげたりなんかして非常な損傷があった。収穫保険も必要だが、樹体保険等については実験段階であっても相当効果的な強力な運営ができるようにしてもらいたいという要望が当時あったことを記憶しておるわけです。それでいま聞きましたのは、収穫保険あるいは樹体保険等が引き受けになっておるわけですが、五年間に相当積極的に制度の効果性というものが浸透して、五年たった暁に相当強力な共済制度として運営できる見通しがあるのかどうか、その点はいかがですか。
○小野説明員 ただいまの樹体保険でございますが、現在は収穫保険の付帯的なものといたしまして実施しておるわけでございますが、樹体保険ということになりますとやはり幼木の保険ということが一番主体になるかと思いますが、これは現在調査中でごごいます。そのほか果樹保険につきましては、保険金額の限度をもっと上げる問題とか、あるいは国庫負担割合の問題とかいろいろあるわけでございますが、この果樹保険は御案内のように四十三年度から五カ年ということになっておりますが、本格実施のための検討をこれから始めるということで、そういういろいろな問題につきましてもあわせて本格実施の際に検討いたしたい、かように思っております。
○芳賀委員 次に、荒勝園芸局長から重厚な答弁があったわけですが、たとえば私が指摘した果樹地帯が三年間連続被害を受けておるということになれば、たとえば激甚法による特別被害の融資にしても、あるいはまた災害対策の自作農資金にしても、ほとんど満度の融資を受けておると思うのですね。その場合天災融資法等の特例措置はありますが、たとえば一番期待されておる自作農資金等は、何だか特別ワクとか限度を越えた融資措置等を講じないと、答弁だけ重厚であっても施策が重厚さを欠くということにもなると思うのです。そういう点はどう考えておりますか。
○荒勝説明員 ただいま御指摘になりましたように、あの地区につきましては、相当連年災害を受けておることも私たち存じておりまして、本件につきましては、それぞれの融資の問題でございますが、関係局と十分協議をいたしまして、できる限りの何らかの方法を考えてみたいというふうに思っております。
○芳賀委員 最後にお尋ねしますが、北海道の場合は特に北海道開発庁、それから実施機関としては北海道開発局というものがあるわけですが、これらの開発庁並びに開発局は、災害が発生した場合、その復旧に対する努力とか、あるいは災害の実態調査とか、将来にわたっての対策等については、どういう責任分担をして取り組んでおるのか、各方面から指摘もあるわけですから、この際政府として明確にしておいてもらいたいと思うのです。
○京坂説明員 お答えいたします。 開発庁は、災害のいわゆる主務官庁にはなってないわけでございまして、災害につきましては、起こりました場合、それをどういうふうに処理するかというのは、それぞれの主務官庁があるわけでございます。北海道開発庁はその災害の資料をもとにしまして、将来の北海道の開発事業につきまして、計画を立て、それからそれらを調整するというふうな仕事があるわけでございます。実際の災害査定その他につきましての事務は、北海道開発庁は何らタッチしてないという現状でございます。 開発局におきましては、これは実際の仕事の実施官庁ということになっておりまして、それらの実施につきましては、各主務官庁というものがございまして、たとえば建設省の建設災害ということの中でその直轄分の災害につきましては、開発局が分担するというふうなかっこうになっておるわけでございます。
○芳賀委員 開発庁の水政課長程度と言っては失礼ですけれども、説明員の答弁では権威あるものとは認めがたいので、これは農林省、建設省が結局本系的な力を持っているわけですから、きょうは開発庁の首脳部来ていませんが、農林省としていまの答弁を素材にして、そういうような官庁の仕組みであるかどうか、その点を、これは新任の太田官房長からでもいいですから……。
○太田説明員 先生も御承知のとおり、従来補助事業につきましては、北海道庁をして実施をいたしておりまして、直轄の事業につきましては、ただいまの答弁にございましたように、開発局をして実施いたす、こういう状況でございます。
○芳賀委員 終わります。
○三ツ林委員長代理 田中恒利君。
○田中(恒)委員 畜産局長にお尋ねをいたします。畜産局長とは初めてでありますので、ひとつお互いにざっくばらんに現状を明らかにしていただきたいと思います。 御承知のように、従来から日本の畜産は根なし草だといわれまして、日本の土壌に畜産が定着をしていないということが指摘をされておったわけでありますが、ことしに入りまして一千五百万トンといわれる濃厚飼料が大幅に値上がりをいたしまして、四月にトン当たり千五百円程度、さらに七月に商社系が二千円ないし三千円、農協関係も近く大幅な値上げに踏み切る、こういう状態になってまいりまして、いま日本の農業経営の総資材、おおむね一兆二千億程度と推察いたしますが、その中心はえさでありまして、えさがおそらく五千億を上回っているのじゃないかと思われるわけであります。特に新しい畜産の部門として拡大をいたしております豚、鶏、酪農、こういう部面の濃厚飼料の中に占める比重はもう決定的なわけでありますが、この飼料の値上がりがことしに入りまして、急激に出てきたということで、御承知のように全国の畜産農民はたいへんな恐慌を来たしております。おそらく今月あたりを中心にいたしまして、全国各県で畜産農民のえさ値上げに対する動きが表面化をしてくる、こういうようにわれわれも聞いておりますし、現に私ども各地を回りまして、非常に端的にえさの問題をよく聞くわけでありますが、一体この原因をいま農林省としてどういうふうに把握をせられておるのか。ことに問題になっておりますアメリカの市況、市場、いわゆるシカゴの市場というものが最近どういう動きをしてきているのか。特に私どもが一番心配をいたしておりますのは、すでにことしに入りまして第一次値上げ、第二次値上げ——農民はこの第二次値上げを阻止してくれと言っておるわけでありますが、必至の状態になっておるわけでありますが、引き続いて来年の春には、第三次値上げをやらなければやれないのではないか、こういうことすらうわさをされておるわけでありますので、これらの状態について農林省において承知をしております事項をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○増田説明員 配合飼料の値上げにつきまして先生からいろいろ御質問があったわけでございます。先生御指摘のとおり、ことしの二月及び四月におきまして約千五百円の値上げがあり、さらに七月に至りまして商社系で二千円ないし三千円の値上げの動きがあり、系統組織におきましても近く値上げの動きがある、こういう状態になっているわけでございます。この原因につきましては、第一は昨年の中ごろよりフレートがおおむね一トン当たりハドルぐらいのフレートであったわけでありますが、その後世界貿易の拡大のためかと思いますけれども、急激にフレートが上昇をいたしまして、現在では大体トン当たり十四ドル前後の高い水準で推移している、これがまず一番大きな理由の一つでございます。 それから第二に、配合飼料の原料の問題でございます。特に配合飼料のうちの三五%はトウモロコシ、それから二三%がマイロによって占められるわけでございまして、この二つの値上がりが決定的な要因になるわけでございますが、世界のトウモロコシの貿易におきまして世界の生産量が約二億七千万トン、そのうち世界貿易量が大体二千五百万トン、そのうちアメリカの輸出量がその五五%を占めておるわけでございまして、アメリカのでき、ふできが世界のトウモロコシ相場というものを決定するわけでございます。御承知のとおり昨年はアメリカの生産は四十六億ブッシェル、こういう話であったわけでございます。当初、ことしのトウモロコシの生産はおおむね六%ぐらいの増産になるのではないか、こういうことであったわけでございますが、その後一部に干ばつがあり、さらに葉枯れ病が八月以降蔓延をした、そのために減産し、現在のところ、これは決定的なことはわかりません、と申しますより明日、アメリカ付ではきょう十日でございますが、アメリカ農務省が穀物の収穫予想を発表するわけでございまして、そこで詳しいことはわかるわけでございますが、かなりの減産がありそうで、事と次第によっては昨年の水準を下回るのではないか、こういうことがうわさされているわけでございます。そのためにことしの七月、八月から御承知のとおりシカゴの穀物相場がウナギ登りに上昇いたしまして、十七、十八、十九と三日間連続ストップ高というような事態を現出したわけでございます。これはうわさでもありますので、確実なことを申せませんけれども、たまたま日本で兜町が低迷をいたしますとアズキ市場が高騰するということを俗にいわれておりますが、それと同じような現象がどうも穀物相場に出ているのではないかといううわさもありますが、そういう思惑も相当あるのではないか、こういうことでございます。とにかく現在は一ブッシェル一ドル五十セント台で上下を推移している、これを日本のCIFの価格に直しますと大体トン当たり二万九千円台の価格になるのじゃないだろうか、かように思われます。 それからマイロでございますが、マイロは、アメリカの生産が大体三千万トン、それがことしは不作でございまして、約一割減産の二千七百万トンであった。ただ幸いにしましてアルゼンチンが非常な増産で、豊作であったということであったわけでございますが、御承知のとおりアルゼンチンは南半球でございますので、出回り期はもうすでに終わったということで、マイロもトウモロコシに次いで上昇してきている。その結果、現在二月ないし四月相場から見まして、トウモロコシ、マイロがおおねむ二割近い上昇を示している、こういうのが現状の姿でございます。 またこれと関連しまして大豆かす等についても強含みで推移してきた、こういうような状況があるわけでございます。 御承知のとおり配合飼料のコストの九割までは原料代で決定されるわけでございますので、当然飼料メーカーとしては値上げをしたいという動きが出るのは一応わかる話だと思うわけでございます。しかし、今後どうなるか、三次値上げがあるかというお話でございますが、これを決定するのは、日本では明日、正確には十二日になるかと思いますけれども、アメリカの発表がどう出るかということが一つの判断の基準になろうかと思っております。
○田中(恒)委員 いまお知らせをいただいたような事項は一般的にいわれておるわけですが、私は、こういうことになりまして、そのあと分析をしてこういう結果になりましたということでは困るのだと思うのです。ことしの畜産物の価格審議の際の、官房長になっておられますが、太田畜産局長の話によりますと、政府の飼料の需給安定法に基づく調整操作飼料については、民間中心にやっていくので、民間以外のもの、民間貿易、商社系が取り扱う以外のものを政府のほうでやっていくというようなことで計画等も立てられておったようでありますが、現実には民間の商社の取り扱いのトウモロコシ、マイロが中心になって、その他に影響してすべての配合飼料関係のものが一斉に値上がりをしてきたということであります。特に、シカゴの相場というのはあすわかるということでありますけれども、現実にはものすごいですね。これはおそらく日本の着荷にいたしますと三万二、三千円、トン当たり二万一千円から二千円がとんとんだといわれる日本の畜産経営のところで、一万円台の大相場が乗ってきておるわけであります。こういうことになりますと、せっかく今日まで畜産の振興をうたっておりました日本の畜産の土台が、このえさ値上げでたいへん混乱を来たしていく。小さいところから豚も鶏もぶつつぶれる。私の試算では、いままで三千羽やっておったものが九千羽やらないといまのえさの価格ではどうにもならぬ、こういうことに相なってきておるかと思うのです。 そこでやはり農林省としては、できるだけ事前にこういうことを察知して施策を立てていただくことが必要だと思いますし、当面アメリカにおきましても思惑値上げという動きがある、こういうように私はお聞きしたわけでありますが、こういう事態が日本の商社なり、あるいは系統農協はまさかしませんでしょうけれども、日本のえさ業界においても、この際これをえさにして何か飼料の価格の操作というものが出てこないのかどうか、そういう点も心配をいたしております。そういう問題等について、ぜひひとつきめのこまかい施策を打っていただきたいと思います。 時間がありませんので、具体的にこういう段階で農林省としておとりになっていく施策を一つ一つお聞きをいたしますが、まず第一に、いろんな方法があるわけですけれども、きめ手になるものは正直いってさっぱりない、こういうことじゃないかと思います。ただこの際思い切ってやるとすれば、午前中お話しになりました政府在庫米、この古米をどうしていくかという問題が、だれが見てもいますぐこのえさ値上げに対して政府がやれる手だと思うのです。午前中倉石さんは国民の税金をむだに使ってはいけない、われわれとしても百姓がつくった米を家畜のえさにしたくない、こういう気持ちはありますけれども、そうしたら政府は古米をどういうふうに処理していくかという方針はさっぱりないと思うのですよ。そうすると、この際思い切って古米をえさとして放出するという手を打つべきだと思うのですが、農林省のほうでもこの処理については研究会等で何か案を立てられたと聞きますが、この時点で古米に対してどういうふうな取り扱いをしようとせられておるか、お尋ねをいたしたいと思う。
○亀長説明員 古米につきましては、ただいま私どものほうで余剰米処理対策委員会というのをつくっております。現在のところまだ報告が出ておりませんが、米の各種の用途、さらに加工の利用対策等、種々研究をいたしております。まだ現在の段階では結論が出ておりませんので、私どもとしてはこの委員会の結論を見た上で対処をしてまいりたいと思います。 飼料用の払い下げにつきましては、まだ委員会の結論も出ておりませんが、とりあえず試験売却をいたしておりまして、六万トンにつきましてはすでに売却手続を始めております。大体二、三カ月でこの六万トンは消化をするであろうとわれわれ見ておりますが、その結果を見まして、またこの委員会の結論も見ました上で過剰処理米の対策というのをつくってまいりたい、かように考えております。
○田中(恒)委員 委員会の結論を見てやられたのでは間に合わないわけです。どうですか、技術的にえさに古米を混入することは別に問題はない、こういうことも出ておるようですし、混米率等についても技術的なものが出ておるようでありますが、すでに農業団体等では百五十万トンとか二百万トンとかいう要請も出てきておるわけでありますし、いろいろお聞きするところによると、農林省内部でも五十万トンであるとか百万トンであるとかいう話もちらほら聞いておるわけであります。この際、この古米をえさ用として緊急に放出をするという考えに基づいて検討せられておるのかどうか、重ねてお聞きいたします。
○亀長説明員 えさ用に団体のほうから百万トンとかいう御要望も承知をいたしております。また内部でも五十万トンぐらいは何とかならないかという要望もございまして、私どもも検討はいたしております。しかしながら、何ぶんにも、これをかりにやるとすれば膨大な財政負担も要することでございますし、現在の予算のもとで直ちに大量の放出を約束するという段階にまで至っておりません。飼料用に利用できるかどうかということにつきましては、本年度当初におきましては飼料業界にもいろいろな御意見があったようでございますが、現在におきましては十分使えるというふうに意見の一致を見ておるかと私は思います。しかしながら、過剰米を充当することになりますと、先ほど申し上げましたように非常な財政負担をしなければならぬという問題、さらにまだいろいろな御意見があるようでございまして、いま田中先生もお触れになりましたが、やはり国民的に納得されるような形で利用する。さらにこれが主食用に横流れをして不正事件を起こすというようなこともないように十分に注意をしなければなりませんので、全体的な過剰米処理の方針が出てから私どもとしては本格的な処理にかかりたい、かように考えております。
○田中(恒)委員 どうもいまの御答弁では納得いかないのです。食管の問題でいろいろお話しもありましたけれども、やはり問題は古米、古々米の過剰米をどう処理するかということで、農林省が腰を上げなければ、私は食管の問題や米価の問題やその他農産物の価格体系全体に関することであると思うのです。逆にいえば、農林省として古米古々米の在庫を持つことによって食管をいじる、こういう解釈も成り立つわけでありますので、前の委員会あたりから絶えず問題になっておりますように、古米の在庫米の処理についてみこしをどうしても上げていただかなければいけない。特にえさの問題がこれほど緊急な事態になっておるわけでありますから、もう少し積極的に、何かいい知恵があるならば別ですけれども、現在までいろいろ検討されておるようですけれども、これというきめ手になる古米の処理案というものがまだ出てきてないように聞いておるわけです。ぜひこのえさ問題とからませながら古米の取り扱いを前向きに御検討していただきたいと思います。さらに、次にお聞きをいたしますが、農産物価格安定法第四条並びに不足払いの第十一条の八項によりますと、物価その他経済事情の変更によって保証価格や安定価格を変更することはできるという規定があるわけでありますが、今日えさが非常に高くなりまして、生産費の中で占める比重が大きくふくらんできております。こまかくは計算をいたしておりませんけれども、生産農家にとっては、豚肉にいたしましても、卵にいたしましても、牛乳にいたしましても、相当生産費が上がっておることは事実であります。こういう急激な経済事情の変動、農業経営の変動というものを前提にして、この法律の条文に基づいて畜産物価格審議会を開いて本年度の豚肉なりあるいは牛乳の価格について再検討する御意思があるかどうかお尋ねをいたしたい。
○増田説明員 今回の配合飼料の値上げが畜産物のコストプッシュになることは事実だと思います。しかしながら保証価格というものをわれわれがきめるルールというのは、長期にわたってきめるのではなく、毎年きめていくということが大事であります。それで、毎年きめるときにおきまして直近時までわかる条件はすべて織り込む。いろいろの要素につきましてわかる要素は全部織り込む。たとえばことしにおきましては、二月ないし四月のえさの値上げというのはすでに織り込んで計算をしておるわけでございます。そういうふうに計算し、その他その年度における生産事情とか需給事情というものを総合的に勘案してきめておるわけであります。したがいまして、そのきめたあとにおいていろいろの生産要素の上がり下がりというものは当然あるわけでありますが、そういうものはすべて次の年度において反映させるということが一般的なことになっているわけでございます。 今回の値上げは、それぞれ家畜によっていろいろ影響の度合いが違っております。たとえばトウモロコシの値上げ、それの影響を一番受けますのが御存じのようにブロイラーと卵だと思います。次に肥育豚、豚であります。牛乳につきましてはわりかた影響は小さいのであります。それで、今後巷間伝えられております値上げをそれぞれ百キロ当たりの生産費に直しまして何%程度響くであろうかということを計算してみますと、牛乳については一%切れて〇・九%程度、それから豚につきましては一・七%程度の影響であるわけでございます。この程度が決して軽いと申すわけではございませんけれども、この程度の値上がりというものは、農家の方のそれぞれの合理化の努力の中に十分吸収し得るのではないか。また最近におきます牛乳の需給事情あるいは畜産物の価格の動向という点を総合的に考えますと、現在ぜひ価格を改定しなければならない事情にあるというふうには判断できないのではないか。したがって現在の段階では、審議会を開いて安定価格を変えるという考えは持っておりません。
○田中(恒)委員 開かないということですが、しかし、いまの御答弁にはなかなか納得いかないわけであります。いろいろえさの値上がり分も加味しておると言われますが、ことしのたとえば牛乳の保証価格は四十三円七十三銭、これは昨年に比べて二十一銭アップであります。この二十一銭アップをどこに持っていくかということになりますと、流通市場は四銭アップしておる。資本率が十六銭、収入経費が一銭、これで計算しておる。この四銭は、実はいま局長が言われましたように、その時点においてえさ代が上がるであろうという想定のもとに、この四銭が妥当であると私は言いませんけれども、そういう要素で加えられたと聞いておるわけです。ところが、今度また第二次値上げがあったわけですから、この要素は入っていない。四銭自体が問題なんです。特に私の計算によると、これは農林省のほうでもっと本格的に調べられれば正確でしょうが、今度のえさの値上がりで、キロ当たり約七十五銭アップ、卵にいたしますと六円八十銭程度上がる、こういうふうに私は聞いておるわけです。こういう点はなお資料を突き合わしてみなければいけませんけれども、そういう状態でありますから、やはりキロ当たり一円、二円上がるということは、卵の価格にとりましては非常に大きな要素なんです。しかも御存じのように、畜産の価格というのは、卵は多少回復しておりますけれども、この間が底値でありました。豚はおそらく大暴落、ブロイラーはやっと低迷から抜け出したけれども、生産過剰で価格全体が非常に悪い状態になっておる。ここにもつてきてのえさの値上げですから、本来であるならばこういう条項を発動して価格審議会を開くべきだと思います。需給事情の問題もわかりますけれども、そういう姿勢で臨んでいただきたいと思うわけであります。 いろいろまだあるわけですけれども、時間がないので非常に困るのですが、あと一つ、二つ聞きますので、簡単にお答えをしていただきたいと思います。 それは、この間農協の首脳がアメリカに行きまして、この際アメリカはいわゆるCCCの持っておるものを放出してくれ、こういう要請をして、それを佐藤さんや倉石さんにも言って、政府も善処するということであったそうですが、その後これについて政府はどういう処置をせられておるか。特に今度のえさの問題は、アメリカの事情、特に日本は今日までアメリカの最大のお得意としてアメリカにお役立てしておるわけです。こういうときにこそ日本の政府は積極的にアメリカに向かって言うべきことを言わないと——いままでアメリカのえさのお得意さんになってアメリカをもうけさせておる、アメリカを助けておるわけですから、この際思い切って、こういう場合には日本の実情を訴えて、CCCの持っておるものを引き出していただく努力をしていただかなければならないと思います。さらになま乳の交渉が今日なお妥結しておりません。しかもえさの値上がり、こういう状態でありまして、メーカーのほうは在庫があっていろいろ言う。生産者団体も旗を立てておるし、四つに組んで、もう秋場に入るわけですけれども、夏場の市乳の奨励金が依然としてきまっていない。こういう段階に入っていきますと、そうでなくともえさ値上げでたいへんな状態になっておるわけですから、農林省当局としては市乳問題の解決に対しても積極的に乗り出していただきたい。このこともあわせてお願いし、いまの問題、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○増田説明員 CCCの問題についてでありますが、現在CCCの持っている在庫量は六百五十万トンだといわれております。そのうち約半分だけが自分の所有で、あとは農民がローンかリシールしているものだというふうに聞いておりますが、その放出につきまして御指摘のようなことがございましたので、在米大使館を通じまして交渉しておりますとともに、昨日私のところに参りましたCCCの幹部と私自身とで交渉を持ったわけでございます。まさに先生に教えられたような、同じせりふで実は交渉をいたしました。ただ、向こうはその意思は十分向こうの幹部に伝える、自分は権限がないのでということで逃げたのと、もう一つ、中間選挙の問題があるので、それまでは解決は若干むずかしいかもしれないというせりふを残しておりました。続いて私のほうの参事官が十六日アメリカに参りますので、ワシントンでさらにこの要請を続けたい、かように考えているわけでございます。 それから、生乳の交渉でございます。七月から十月までの四カ月の夏乳の一円値上げにつきまして、生産者と乳業者との間で交渉が持たれていて、いまだに解決を見ていないわけでございますが、当事者の間の話が大体煮詰まりつつあるように私承っておりますので、必要があれば私どもも出ることを考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 えさ問題は以上で終わりますが、えさの問題はいろいろな構造上の問題もありますし、従来から政府自体もいわれております国内の需給体制をどうつくっていくかという問題等がこの機会に本格的に検討されねばいけないと思いますが、特にえさの輸入についてはやはりアメリカ一本やりの段階からもっと多元的な輸入の路線を確立する、こういう問題等もありましょうし、いろいろ御検討もせられておると思いますが、今日のこういう緊急事態でありますから、ぜひできるだけ最大の努力や対策をこの際打ち立てて、畜産農民の不安にこたえていただきたいと思います。 もう一つ、専売公社お見えになっておられますので、一昨日から昨日にかけまして葉たばこ審議会が開かれて、ここでもいろいろ議論がなされておるようでございますが、ことしのたばこの問題につきまして特徴的に出てきておりますのは、西日本の長雨、東日本では干害、この関係に加えまして、公社のたばこの生産指導の変更等によりまして、全国的に異常な減収を来たしておるわけでありますが、このたばこの災害、減収につきまして、きょうたばこの審議会の答申の中には、災害に対して何らかの処置でたばこ耕作農民を救済する方法を講ずべきだという要望意見が専売公社のほうに提出をされたと聞いておるわけでありますが、公社のほうでは、これらの答申を受けて、ことしのたばこ災害に対して耕作農民に対してどういうふうな手をお考えになるか、この点をできるだけ具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
○黒田説明員 昨日の夕方、明年のたばこ耕作面積の審議をお願いしましたたばこ耕作審議会におきまして面積の御答申をいただきましたが、ただいま先生御指摘のように付随いたしまして、要望事項がついたわけでございまして、本年作の減収に対しまして適切な対策を配慮してほしい、こういうようなことがあったわけでございます。公社といたしましては、これに対しまして措置をとるのかどうか、まだ未定でございます。実は今月の中旬から西日本一帯で黄色種の葉たばこの収納が始まりまして、収納が始まりますと、実際の収量、品質、したがいまして収納代金、その辺の実績がはっきり出てくるわけでございます。私どもそういう実際の収納が進行中の実績の数字を見ながらいろいろ検討していきたい、かように考えております。ただ、御承知のようにたばこの災害に対しましては、たばこの災害補償制度という制度がございまして、これによりまして三割以上の被害者に対しましては、それぞれの補償金をお払いしておるわけでございますが、この制度が昭和四十一年に改正されまして、改定以前に比べてかなり補償率が厚くなっている、こういうようなこと、あるいは現在のたばこの事情と申しますものが、やはりかなりの過剰なものをかかえているというように非常にきびしいというようなことがございますので、こういうような制度にないことをやるというようなことが非常にむずかしい問題を持っているという点を御理解いただきたいと思います。
○田中(恒)委員 私は災害の問題につきまして公社のほうに何らかの措置をとるべきだ、こういうふうに申し上げておりますのは、もちろんたばこの災害補償制度に基づく事項については当然せられると思いますが、しかしこれは三分の一以上の被害でありますし、特にいろいろな条件や数字等がありまして、これに該当できない、たとえば二割九分とか二割五分とか二割とかいう被害もあるわけでありますが、たばこの場合は専売であります。さらにその上ことし問題になりましたのは、御承知と思いますけれども、公社が当然農民のたばこ収納代金が少なくなるような生産指導をされておる、こういう問題が出てきたわけですね。いわゆるたばこのしんどめの時期をずらしていく、従来五輪程度のものであったものを、十五輪から二十輪、いわゆるたばこの花の最盛期であります。このときまでしんどめをずらすということは、たばこの収量を減らす。これはおたくのほうの試験結果でも出てきておりますし、何か一昨日来の審議会等でも、そういう意味を御肯定なさったような発言もあったわけでありますが、そういうことをやっておるわけですね。しかもたばこの鑑定になります標本というものは、そういうものを加味したものじゃないわけなんです。これは公社としての一つの大きな生産指導と、たばこの買い上げをめぐって完全に体制が整っていない欠陥が、ここに出てきておるのだと思うのです。こういう点を見ますと、これはやはり専売公社として当然責任を持たなければいけない事項なんですよ。おたくのほうが農民に対して収量減になるような生産指導をやられて、農民はまじめにそれを聞いてやったわけですよ。たばこについては御承知のように専売公社の言い分を聞かなければどうにもならないという仕組みになっておるのですから、そうして減収を来たしておるという結果もここに出てきておるわけですから、そういうものを勘案しながら何らか方策を講ぜよという結果になったというふうに私どもは理解しておるわけです。これについてまだはっきりしていないということですけれども、あなた方としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○黒田説明員 私といたしましては、いずれにいたしましても、収納の経過を見ながらなるべく早く検討いたしたい、かように考えております。
○田中(恒)委員 収納の経過を見ながらということは、具体的にどういうことでしょうか。
○黒田説明員 実は収量が減っているということは、私ども統計的の調査を現在やっておりますので、大体把握いたしております。八月二十日現在で全耕作者の方の一割に該当する程度の方の収量調査をやって把握しておるわけでございますが、品質につきましては正確な数字がないわけでございます。そういうことで収納が始まりますと、収量、品質ともに正確に数字が出てくるわけでございまして、収量掛ける品質が収納代金になるわけでございますので、これで非常にはっきりと減収の実態が正確に把握できるわけでございます。そういうものを若干つかみました上で、対策を考えるかどうか、はっきりとその辺のところをきめたい、かように考えております。
○田中(恒)委員 たばこの災害補償制度に規定どおりに入らなくとも、品質であるとか、数量であるとか、そういうものが明らかにされれば、十分に審議会の意図を体して処置をしていく、こういうように理解してよろしいですか。
○黒田説明員 先ほどお答え申し上げましたように、公社といたしましてまだ処置をするということの決定はいたしておりません。
○田中(恒)委員 審議会の答申をどういうふうに受け取られておるか。審議会からそういう要望意見が出ておるわけですね。従来たばこ審議会の要望等については、公社のほうでは何らかの方法でほとんど具体化せられておるというように私どもは理解しておるわけです。今回の場合についても内容はいろいろあるでしょうけれども、従来どおりの処置をとられるものと期待をしておるわけですが、審議会の意思——この審議会に対しては、私どもはまだいろいろ意見はあるわけですけれども、そのことについてはどういうようにお考えですか。
○黒田説明員 従来から審議会は諮問に対する御答申が中心でございますが、それに付随しまして建議とかあるいは要望事項とか、こういうものがついてくることがしばしばあるわけでございます。公社といたしましては、従来から審議会の御答申は尊重してそのように処置する。また建議とか要望等につきましても、公社としてできることはその線に沿うように努力してまいったわけでありますが、何ぶん御要望等も範囲の広いものがあったり、公社としてどうしてもやり得ないようなこともございますから、そういうものにつきまして全部を実施した、そういうことでは過去においてもないわけでございます。私どもとしましては、これまでもそういうものを尊重をするという方向で取り扱ってきております。
○田中(恒)委員 尊重するということで今回も取り扱う、こういうように理解してよろしいですか。
○黒田説明員 これは非常にむずかしい問題でございますので、ここで私がそういう処置をとりますということは申し上げかねるわけでございます。
○田中(恒)委員 たばこ耕作審議会というのは、あなたのところの総裁から諮問をして、そしてその答申をやはり尊重しなければいけないのじゃないですか。従来だって尊重しておるわけですから、今度だって尊重するということでいいんじゃないですか。
○黒田説明員 答申と要望とは若干違うと思います。
○田中(恒)委員 答申と要望が違うのは知っておりますよ。知っておりますけれども、答申だって、要望だって、審議会全体の意思として出てきておるわけです。そうしたらあなた、審議会のそういう委員の意向をあれですか、まあ内容によってはどうでもいいんだ、こういうように言われておるわけですか。
○黒田説明員 私どもとしましては、ああいうような御要望もございますので、収納の開始を待って、しばらく収納の実績を見た上で検討して態度をきめたい、かように現在考えております。
○田中(恒)委員 だいぶ時間をとりましてえらい恐縮ですが、たばこの問題ではまだいろいろお尋ねをいたしたいことがたくさんあるのです。ありますが、けさ審議会がそういう答申をしたということを聞きましたので、答申事項、要望事項の中で、特にことしのたばこの審議を通して一番問題になりましたのは、減収に対する公社の取り扱いでありますから、この点を重ねてこの国会で御意向をお聞きをしておるわけでありますので、ぜひ専売公社としても審議会の意思を体してことしのたばこの実情を十分御検討せられまして、ひとつ減産に対して、農民に対する何らかの処置を講じていただきたい。このことを特に強く御要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○三ツ林委員長代理 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 カドミウム汚染米の問題につきまして、若干のお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初にお尋ねをしたいと思いますが、七月二十五日に食糧庁としての各都道府県知事あての通牒をお出しになったようであります。また八月十二日に同じくカドミウム含有米の買い入れ上の取り扱いについてという文書をお出しになったようであります。現在これによって要観察地域で凍結といいますか、この文章でいけば消費者感情を考慮して配給しない、いわば凍結ですね。この凍結しております米は、各地域別に現在それぞれどのくらいの数量がありますか、お尋ねをいたします。あわせまして要観察地域でカドミウム一PPM以上の、いわば汚染米ですね。昭和四十五年産米におきましては青田刈りしたところもあり、いろいろ措置しておるようでありますが、これが各地域どの程度ございますか、お答えをいただきます。
○亀長説明員 現在のところ要観察地域の米は三千五百八十二トン、大体三千五百トンございます。このうち、各地域によって大小はございますが、群馬県で約三百四十トンくらいございます。それから富山県の黒部で二千六百七十トン、それから長崎県で六十トン、大分県で五百十トン、以上合計しますとおおむね三千五百トンになるかと思います。以上でございます。 なお、青刈りをした分につきましては、私どもまだ調査が不十分でございますので、いま申し上げることができません。
○山口(鶴)委員 いろいろ調査いたしますと、群馬県では十一・二ヘクタールといわれておりますが、青田刈りした地域は十・五ヘクタール程度、富山の黒部におきましては六十六・六ヘクタールあると聞いております。そこでさらにお尋ねをしたいと思いますが、要観察地域以外の地域でカドミウム汚染米が問題になっておる地域がございます。たとえば石川県の小松、福島県の磐梯町、あるいはその他にもございますが、こういう地域では、いまの要観察地域にはなっていないが、実質的に凍結しておると聞いておるのですが、この数量は幾らありますか。
○亀長説明員 要観察地域以外で、政府で買い入れましたが当面売却を保留しておるものの数量だと思います。福島県が二百八十八トン、石川県が四百四十四トン、兵庫県が百三十トン、富山県が八百五十九トンでございます。
○山口(鶴)委員 そのような相当量のものが現に凍結されているわけですが、問題はその補償であります。一・〇PPM以上の汚染米、これらが出ました地域につきましては汚染田として当該府県で指定をいたしまして、これらにつきましては富山県、群馬県では企業と住民との間に補償交渉が行なわれてある程度話し合いがつきつつあるということはお伺いをいたしております。問題はこの要観察地域で一・〇PPM以下のものですね。要観察地域で一・〇PPM以下の汚染米の扱いでありますが、これにつきましては凍結をする。したがって一般消費者の口には入らぬわけです。ところが当該地域の農家はどういうことになるかというと、これは保有米として保有をしている。で、食糧庁の通達によれば、農家が希望すれば配給米は配給することができると書いてある。しかしそれに対しては補償は何もないわけですね。そうしますと、いわばこの食糧庁の現在の見解によれば、要観察地域の一・〇PPM以下の汚染米については農家はそれを食べろと、まあこういう態度だといって私は差しつかえないと思うんです。これはたいへん遺憾であります。 そこでこの点私は厚生省に聞きたいと思うのですが、厚生省おられるですか——おられますね。阿賀野川、それから熊本で起きました水俣病、それからイタイイタイ病もそうですが、これはどうやって起きたかというんですね。結局商品として売っている食品を買って食べた結果起きたわけじゃないでしょう。イタイイタイ病の場合は農家が自分でとれたいわば保有米を食べ、水を飲んだ結果こういう病気になったわけですね。水俣病の場合は当然その地域でとれた魚を食べたことによってこういう悲惨な病気が起きたわけであります。ですから一般商品としては流通しないようにとめたところが、保有米の扱いをきちっとしなければこういう病気というのは再び発生することが当然考えられるでしょう。で、七月七日に厚生省は厚生省見解をお出しになりました。特に安中地区では九名の方を特に精密検査をいたしました。そのうち一名の方は尿中カドミウムが約五十ガンマ、非常に高いので、この人の検査が最後まで問題になったと聞いておるわけです。これらの方はそれでは汚染田として指定されて、そうしてこれは補償があるわけですから当然配給米を受けて食べるということになります汚染田の地域に住んでおるのか、それからそうではなくて、みずからの保有米を食べなければならぬという汚染田以外、言いかえれば一・〇PPM以下のお米を生産している農家の部類に属するのか、一体どちらだか調査してありますか。
○山本説明員 ただいまのお尋ねでございますが、その人たちの住んでいるところにつきましては若干の異同があろうかと思います。その辺につきまして個々のリストを調べますとはっきりわかると思います。いまちょっと私リストを持ってまいりませんでしたのですぐお答えできない、御必要がございましたら出させていただきたい、かように存じます。
○山口(鶴)委員 私は県で調べました。全部これらの方は一・〇PPM以上の汚染田に住んでおる人ではないのです。言いかえれば一PPM以下であって保有米を食べなければならぬ人たちがこれらの九名の方々全部なんですよ。そこで五十ガンマというような非常に尿中カドミウムの高い方がおられる。この方はこの見解でいけば金を出せばそれは保有米をそのままにして配給米を買うことができる。しかしお金については何らの補償もないのですから、結局言いかえれば汚染米をどんどん食べなければならぬという立場にあるのですよ。この点なんですが、厚生省としてはどうお考えになりますか。結局問題は、従来要観察地域をきめるものさしが〇・四PPMだった。ところが今回食品として流通するのは玄米一・〇、白米〇・九、それをこえたものはいかぬということにしたわけですね。結局そのような矛盾がいま言った方々のところへ集中的に出ているということだと思います。そういう尿中カドミウムの多い、より観察しなければならぬ人たち、しかもイタイイタイ病というのはカドミウムが漸次累積していくことによって起こる病気ではありませんか。現にすでに体内に相当カドミウムが蓄積されておる。その方が保有米をなおかつ食わなければならぬという政治は私はだれが考えてもこれは残酷だと思う。この点の御見解はいかがですか。
○山本説明員 ただいまの安中の九名につきまして一名だけが鑑別診断の班で問題になった、こういうことでございますが、最終的な結論は、尿中のカドミウムの排せつ量はその一人につきまして多かったわけでございますが、さらに尿の蛋白等の精密な分画検査をいたしました結果これはカドミウム中毒ではないというぐあいに鑑別診断班ではきめた、こういうことでございます。さらに、いまのその人たちが安中の場合には地域以外に仲んでおったということでございます。
○山口(鶴)委員 ですからどうしたって汚染米を食べなければならぬわけです、との九人の方の大部分がですね。ですから結局イタイイタイ病というのは蓄積による病気でなければ問題ないですよ。現にすでに相当蓄積があるからこそ、現状はイタイイタイ病とはそれは認定はされなかったけれども相当危険な要素があることはこれは十分推察できるわけですね。そういう方がこの保有米を——この九名の方、そのうちの一人が特に重いわけですが、こういう方が、さらに汚染田として指定されればこれはもう補償があって他の米を食べればいいわけですが、そうでない一PPM未満のいわば汚染田であるために保有米についてはみずから食べなければならぬ、それ以外のものを配給を受ける場合には補償なしでお金で払わなければならぬということではいかにも残酷ではないのか、こういうことなんですよ。
○山本説明員 先ほどの御説明が若干不足であったかと存じますが、安中の場合には九名の人につきましてはいずれもカドミウムの中毒症ではないということでございますので、いま申したような問題は起こらないのではないか、かように存じます。
○山口(鶴)委員 私は前OECDへ行った橋本さんならそういうつれない答弁はしないと思うのですね。あなたは来たばかりだからそういうことを言うのかしらぬが、イタイイタイ病の性質というものを考えてごらんなさい。一ぺんに、ちょっと食べたからすぐ病気になるというのじゃないでしょう。長い間カドミウムが体内に蓄積していってある程度の量をこえると次第にそういう病気の症状があらわれてくる。萩野さんに言わせれば一期から五期の症状がある。安中の場合は一期、二期の患者である。これがいかに将来四期、五期の患者にならないようにしていくかが一番問題なんだということは、衆参両院のいわば参考人の陳述として申されておるわけですね。 そういうことを考えれば、すでに相当カドミウムが体内に入っている。尿中にまでカドミウムが多いということは、そうですね。そういう人が、現在のこの厚生省と食糧庁とで協議してつくった通達によれば、結局一PPM未満ではあるけれども自己の保有米を食べなければならぬということは——しかもそればかりじゃない。大気中にカドミウムがあるでしょう。安中の場合、これは湿式の製錬ではなくて乾式の製錬ですから。それから、他の野菜、牛乳、卵、そういうものも、多い少ないは別としてカドミウムが含まれている、他の地区よりも。そういう意味で、なおかつこの保有米を食べなければならぬということは残酷ではないのか。しかも、一般の消費者に対しては、一PPM未満の要観察地域のお米についても配給しないという措置をとっている、凍結しているわけですから、いかに要観察地域の方々は哀れかということにならないのか。常識的に考えてもですね、どうですか。 この点は、ひとつ厚生省考えがあったら言ってもらって、それから食糧庁も、いまのような議論を聞いた上で、この通牒というのは非常に不完全だというお感じを持つだろうと思うのですね。いかがですか。
○山本説明員 たいへんに冷たいような御返事を申し上げたようでございまして恐縮でございますが、私どもといたしましては、確かに、その九人の方につきましては、尿中の排せつ量が多いということは言えるわけでございます。したがいまして、こういった人たちにつきましては、今後ともさらに予防的な精密検診を定期的に継続的にやっていくということを考えております。そのほか、そういった方々に対する一PPM以上のものは食べないような措置を講じていただくようにしていただきたい、かように存じます。
○山口(鶴)委員 聞きますが、一PPM以上のものはというと、〇・九九PPMのものは一体どうなんです。〇・九PPMのものはどうなんですか。 そういうことで、一PPMをこえれば危険だがそれをこえなければ全く危険がないというようなことは、こういうイタイイタイ病のような病気については言えぬのですよ。どうなんですか、そういうことは。あんまり非科学的なめちゃくちゃな答弁をせぬでくださいな。
○山本説明員 一PPMの数字をきめました過程では、安全率を考えておるわけでございまして、たとえば〇・九と一・〇という違いがありましても、いずれもそれには安全性が入っているということでございますので、御心配は要らない、かように考えております。
○山口(鶴)委員 そういう押し問答で時間をとりまして恐縮ですが、人命に関することだものですから少ししっこく聞きましたけれども、この九名の方にこれ以上カドミウムをとらせぬということが一番重要だと思うのです。ですから、一PPM以上はいかぬけれどもそれ以下ならばいいのだというようなことではない。できる限りカドミウムの入った食品は食べさせないということこそがとるべきことではないか。そういう意味では、このように、保有米を食べなければならぬ農家の方を考えれば、そういうやり方は、非科学的であるし、きわめて冷たい政治だということをここで強調しておきたいと思います。 時間がありませんから、あと簡単に聞きたいと思います。 さて、そこで、現在この一PPM以上の米が発見された地域、安中、黒部、これは日鉱三日市製錬所、東邦亜鉛、大企業です。したがって、この補償の問題につきましても、当然企業が支払い能力があるわけですね。ところが、近く会津が要観察地域として指定される見込みだそうであります。さらに、カドミウムの汚染米の今後の推移によりましては、広範な地域がやはり要観察地域になり、あるいは一PPM以上の米が発見される危険なしとしないわけです。そうした場合に、これらの地域は、中小企業あるいは休山、廃山している鉱山が相当多いということも考えられるわけです。そうした場合、現在鉱業法では無過失責任を問うことになっておりますが、これらの大企業の場合はけっこうでありますが、中小企業ないしは廃山、休山した地域の企業責任は一体どうするのかということは、将来私は問題になると思います。 鉱業法の百十七条にはそういった場合の規定があるわけでありますが、これは現にどうなっておりますか。
○伊勢谷説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘になりましたように、すでに安中地区及び黒部地区につきましては、一PPM以上の産米について企業がその補償を行なっております。なお、最近は、一PPMの米であるということが確認されておらない地帯、たとえば福島県のいわき市でございますが、こういうところでは、関係企業があらかじめ農協に対してその補償額を積むというようなことも、すでに現実に行なわれておるわけでございます。このように、先生御指摘になりましたように、現在まで起きておりますこのカドミウムの汚染につきましては、その補償につきましては、いまのところ万全が期されていると私どもは思っておるわけであります。また、近い将来におきまして、先生がおっしゃっておりますような補償ができなくなるのではないかという心配は、実は私のところではまだいたしておりません。ただし、これまた先生が御指摘になりましたような、今後だんだん中小企業の問題あるいは休廃止鉱山によるカドミウムの汚染問題というようなものが起きてまいりますことも考えられますし、さらにカドミウム以外に、いま予想されていないような公害問題の発生のおそれもごいますので、先生が御指摘になりましたような鉱業法の第百十七条の三項に、予想される公害の損害に担保するために供託金を積み立てるという制度が法律的にきめられておりますが、これにつきまして、これをどう活用していくかというようなことで目下検討を進めておるわけであります。すでに私どもは業界との間に研究会を設けておりまして、今年度内には何らかの結論を得べく検討中でございまして、結論を得次第実行してまいりたい、このように存じております。
○山口(鶴)委員 鉱山、それから付属製錬所の場合は鉱業法が適用になりますので、無過失責任を追及できます。ところが、独立製錬所は鉱業法の対象じゃありませんから、そうは言えない。幸い、私指摘いたしまして、富山の黒部の三日市製錬所につきましては、これは付属製錬所として鉱業法並びに鉱山保安法の適用ということになりました。いま問題になっております福島県会津の日曹金属、これは独立製錬所であります。これは現行法ではどういっても鉱業法、鉱山保安法をかけるわけにはいかない。そうしますと、これについては無過失責任が現行法では追及できないということになります。八戸、小名浜、さらに日鉱播磨工場、直島、こういった七つばかりの独立製錬所につきましてはその点が問題になると思います。こういったものを一体通産省ではどう考えておるのか。一番いい解決の道は、いま国会で問題にななっております公害基本法の中にすべての公害について無過失責任を追及できるというふうに法律改正することだと私は思います。そういったことを含めて、独立製錬所の場合現行法では無過失責任が追及できない、これについて通産省としては一体どう考えておるのか、この点をあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○伊勢谷説明員 ただいまの御質問のように、独立製錬所は保安法の対象にもなっておりませんし、同じく鉱業法の対象にもなっていないわけでございます。私がお答えいたしましたときに、鉱業法の百十七条の三項に準じてこれを活用してというふうに申し上げましたのは、実は鉱業法の適用を受けますところはもちろん法律的に問題はございませんが、独立製錬所も込めてその積み立て金制度を実施したい、そういうことを検討いたしたいということでございます。したがいまして、目下あらためて業界と研究会を設けて検討に入っておる、こういう意味でございます。
○山口(鶴)委員 最後に食糧庁にお尋ねしたいと思うのですが、いまのような通産省の考え方、それから先ほど冒頭食糧庁長官が申されました凍結米が要監察地域で三千五百トン、それ以外の地域におきましても約一千トンというものが現に凍結をされている。いま食管会計がなかなかたいへんだということは承知をいたしております。そうしますと、これら凍結米は工業アルコール用原料等に払い下げれば十何分の一という安い値で売らざるを得ないでしょう。そうしますと、食管に対して相当な犠牲をかけるということになります。やはりこういった凍結米につきましても、当然現在の鉱業法の無過失責任のたてまえからいって、また独立製錬所につきましても同じような趣旨で対処をしていくという通産省の考え方からするならば、凍結米によって生ずる食管会計の赤字といいますか損失というものについても、私は当然企業に対して責任を追及すべきだと思うのです。これについて、食糧庁のお考えは一体どうですか。
○亀長説明員 カドミウム米買い入れによりまして国損が生じたわけでございます。そのカドミウム米の措置につきましては、原因者の有無並びにその行為の有責性と申しますか、責任があるかどうかということも調査をする必要がございますので、私どもとしては関係の各省、通産省、厚生省とも十分協議をしながら、今後個々のケースの実情を調査して、それによって適切な措置を決定したいと考えております。
○山口(鶴)委員 どうも不十分ですね。厚生省も、〇・四PPM以上の米が発見されたということは、これは自然界のカドミウムによるものではないんだ、何らかの企業による汚染ということが問題になって、それ以上の米ができるんだということで要監察地域にしているわけでしょう。しかもその場合、安中ならばその責任はだれだ、東邦亜鉛である。黒部市ならばだれか、これは日鉱の三日市製錬所だ。いわき市ならば、これは東邦亜鉛の小名浜製錬所だ。会津におきましては日曹金属だということはおのずから明らかですね。だれがいいましてもその点はもう明確になっていると思う。しかも現に鉱業法で無過失責任というものが明記をされているということであれば、これから相談して云々なんということでなくて、しかも現在の食管がたいへんなんですから、こういう理屈のきちっと通るものぐらいは即刻企業責任としてかぶせるのだというくらいの明確な見解があってしかるべきだと思うのですね。そうじゃありませんか。
○亀長説明員 先ほど申し上げましたように私どもとしましては、企業が特定されて有責性が明らかになれば、これは国損に対して賠償を求むべきだと考えております。ただ現在、この米もまだ処分をいたしておりませんし、どの程度の価格になるかということもございますし、根本的な問題等につきましても関係各省ともなお詰めなければならない問題がございますので、そういうことが明らかになり次第適切な措置をとりたいと考えております。
○山口(鶴)委員 時間がありませんのでもう一問で終わります。 問題は、一PPM以下の保有米がやみに流れておるということが新聞では報道されております。私はそういうことではたいへん遺憾だと思う。しかも農家が、カドミウムの汚染米だということで八千円だ、七千円だというふうに買いたたかれておるということも非常に問題だと思います。これに対する対策はどうですか。 それからさらにこの公害基本法には土壌がありませんが、土壌を加えるということはいまや国会の世論になっておりますから、たぶんそれは実現をすると思います。カドミウムに限らず重金属の染汚地帯、これらの土壌を一体どうするのか、鉱業法では原状回復を企業にさせることができるということが書いてありますね。農林省として、そういった鉱業法の規定も受けて、これらの汚染された土壌、これらの地域の農家に対してどのような対策をとろうとしておるのか。その点をお聞きしまして、終わりたいと思います。
○亀長説明員 御質問の最初の部分につきまして私からお答え申し上げます。 農家で一PPM以下のお米について、自分のほうとしては食べたくないということで政府の配給を受けたいという申し出がありました場合には、私どもでは希望に応じて配給米を渡すことにいたしております。食管法のたてまえとしまして、保有米は原則として自分で食べる、足りないものを配給するという趣旨でございますけれども、例外的にそのような措置をとっておるわけでございます。その場合に、一PPM以下の米であって食品衛生上危険と認定されておるわけではございませんけれども、私のほうで自分たちの保有米がありながら配給を渡すというたてまえ上、保有米はよそには売らない、主食用には売らないということを県に要望いたしまして、福島県の例で申しますと、福島県が農家からそういう誓約書をとって、県においてもそれが横流れしないように厳重監視をしておる、農家もそのように努力をしておるというふうに承知をいたしております。 なお、後段の部分につきましては加賀山審議官からお答えがあると思います。
○加賀山説明員 ただいまの第二の点につきましてお答え申し上げます。 確かに土壌汚染を通じまして作物の中にそういう有害物質が入っているというふうに考えられるわけでございまして、その土壌汚染を何らかの方法で抜くということができれば最高なわけでございます。ただ、作物と土壌中のカドミウムとの関係というのは科学的にも非常にむずかしい機作になっておりまして、現在鋭意研究を進めておるわけでございますが、少なくともその汚染土壌をさらに新しい土壌にかえるということが技術的に可能であれば、そういうことも前向きに対処いたしたいと考えております。そのためには汚染地区の土壌の汚染の状態を十分調査をいたす必要がございまして、それにつきまして現在関係官庁で調査をいたしておりますが、その調査の結果及び作物と土壌との関係というのは非常に重要でございますので、それ等も現在鋭意研究いたしておりますが、それらの結果を待ちまして前向きに土壌対策等も取り上げてまいりたい、かように考えております。
○三ツ林委員長代理 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 飼料原料のトウモロコシに発ガン性カビペニシリウム属等十二、三種類のカビが発生し、配合飼料として製造されている事実について、現在国立予防衛生研究所食品衛生部長、千葉大学腐敗研究所長でありますところの宮木高明教授に試験調査を依頼中でございますが、その毒性の培養試験結果が一週間後には判明することになっておるのでありますけれども、この発ガン性カビペニシリウム属の中にも、きわめて有毒であるものとそうでないものとがあるわけでございますが、いずれにしてもカビが発生したというトウモロコシを主原料といたしまして飼料にして、家畜の体内にこの飼料についたところの菌が残留し、食肉、牛乳を通してこれを摂取すれば人体的に残留するという、保健衛生上憂慮すべき目に見えない公害、人体に対する間接的な公害ともいえる問題等につきまして、農林省当局並びに厚生省当局に答弁を求めるものであります。 まず質疑の順序としまして、最初にわが国の飼料の需給状況について、その概要を農林省当局に一応お伺いをしたいと思います。 ちなみに申しますと、四十四年度の飼料輸入は、トウモロコシがアメリカより三百四十三万トンも入り、輸入量に占める比率が七八・七%になっておりまして、トウモロコシ、マイロとこの二品目だけでも飼料輸入額は一千五百三十九億円にも及んでおるのでありますが、この点について一応の説明をまず最初に承りたいと思うのであります。
○増田説明員 現在の飼料の需給状況を簡単に御説明申し上げたいと思います。 昭和四十五年について申し上げますと、普通TDN、可消化養分総量で申しておるわけでございますが、総需要量が二千五十八万トン、そのうち粗飼料が七百十八万九千トン、残りの千三百三十九万二千トンが濃厚飼料であり、千三百三十九万二千トンのうち九百十二万一千トンが輸入飼料でございます。これを実数で濃厚飼料だけについて申し上げますと千七百九十一万三千トン、輸入飼料は千百八十七万三千トン、こういう数字になるわけでありまして、輸入依存度はおおむね六八%、こういう数字になるわけでございます。
○瀬野委員 次にそれではおもな輸入国とその航海日数、特に船に積んで港から港へ着く日数及び日本に入港するおもな港及びその港の数等について概略御説明をいただきたいと思います。
○増田説明員 おもな飼料、特にトウモロコシ、コウリャン、大豆かすについて申し上げますと、アメリカが七八・七%の三百四十二万トン、次にタイが一一・三%の四十九万二千トン、南アの二十万七千トン、四・八%、これが大部分でございます。コウリャンはアメリカが六八%、アルゼンチンが三〇%、この両国で二百九十万トンのおおむね大部分を占めるわけでございます。大豆かすにつきましては、もうアメリカだけのような状態でございます。ちなみに魚粉につきましてはペルーが五七%、ソ連が一一%というのがおもな輸入先でございます。 それからおもな飼料についての積み出し港から日本への航海日数でありますが、ガルフ諸港からは航海日数が三十日、太平洋洋からは十五日、インドネシア十日、タイ十日、カンボジア八日、南アフリカ二十五日、アルゼンチン三十五日、ともに入る港といたしましては小樽、千葉、川崎、横浜、清水、名古屋、神戸、門司等三十三港でございます。
○瀬野委員 では、日本の飼料工場は、お伺いいたしますと、たしか二百十七くらいあるように聞いておりますが、確実なその工場数及びおもな飼料メーカー等総数どのくらいあるかお伺いしたいのであります。
○増田説明員 現在飼料工場数は二百十七、企業数にいたしまして百四十七でございます。それで百四十七のうち農協系が六十、商系が八十七でございます。それでこのうち十五ほどが大手といわれているわけでございます。
○瀬野委員 農林省は省議室において去る六月十七日、中小企業近代化審議会配合飼料製造業分科会が開催されまして、昭和四十五年度配合飼料製造業中小企業近代化実施計画というものが決定されておりますが、その中で昭和四十五年度における生産目標千四百七十万トンとなっておりますが、その生産量の動きについて若干お伺いしたいのでございます。
○増田説明員 この千四百七十万トンの算定の方法につきましては従来の趨勢によって求める方法と、それから家畜の飼養頭数とそれに要する単位当たりの飼料需要量の相乗積で得られた数との三つを平均して求められたのが千四百七十万トンでございます。これは昨年より約一〇%増になるものでございますが、昭和三十五年には二百八十八万二千トン程度であったわけでございます。それが昭和四十四年には千三百三十六万二千トン、四十五年はただいま申しました千四百七十万トンを若干上回る千五百万トンに近い数字になるのではないかと現在推定をされているわけでございます。
○瀬野委員 また「配合飼料製品の品質については、需要動向に即応しつつ登録の推進を図るとともに、飼料添加物の使用の適正化により一層努め」「このため、各地域毎に品質管理講習会を開催する。」とありますけれども、いままでどのような管理講習会を開いてこられたか、今後の計画についてもあわせお伺いしたいのであります。
○増田説明員 近代化実施計画の第二項にそういうことが書いてあるわけでありますが、従来とも品質管理につきましては検査所ごとに協議会を設けてそれぞれ研究をしてまいったのでありますが、今度のこの計画に基づきまして本年六月から七月にかけまして、全国を五ブロックに分けまして各工場の管理者あるいは技術者、都道府県の職員を招きまして、農林省主催のもとに品質管理の重要性の問題を中心とした講習会を開催したわけでございます。特に本年度はカビの問題等もその重要な議題になったわけでございます。今後も毎年こういう講習会を計画的に実施して、品質管理向上の指導を積極的に進めていきたい、かように考えているわけでございます。
○瀬野委員 さらに製造管理技術水準の向上をはかるために研究施設の設備拡充につとめ、これらの技術講習会を開催するとなっておりますけれども、この点についても具体的にお示しをいただきたいと思います。
○増田説明員 研究施設の拡充ということについては機会あるごとにわれわれとして指導しているわけでございますが、特に関税定率法に基づきます承認工場をやる場合には、必ず承認の条件ということで推薦をやっている次第でございます。そういうことで今後ともそういうものについて研究施設の整備をはかるとともに、品質管理と表裏一体の関係にある製品、技術水準の向上につきまして常に指導を進めていきたいと考えております。
○瀬野委員 では、昭和四十五年度において設置すべき設備の設置に要する資金というのが約六十二億七千万円及びその付帯工事等を入れますとかなりの金額になるわけでありますが、これらが計上されまして今後計画を進め、着々と設備が行なわれているわけでありますけれども、その具体的な計画の概要をここであわせお伺いしたいのであります。
○増田説明員 この六十二億七千万円というのは五カ年計画における三百万円の第一年次の額、こういうことでございまして、その内容といたしましては、たとえばサイロ、ばら受けタンクの設置とか、あるいは自動計量配合装置だとか、固型飼料成型機、あるいは自動計量包装機だとか、自動はい付け装置、集中制御装置、集じん機、そういったものがおもな内容になっているわけで、これはもっぱら施設機械の類であります。
○瀬野委員 もう一点。原料については良質な原料の安定的な確保と、輸送方法の合理化による経費の節減につとめる、とありますけれども、その対処方針についてお伺いしておきます。
○増田説明員 良質な原料を安定的に確保するというのは当然メーカーのつとむべき義務でございます。と同時に、経費節減のために、たとえば原料の共同購入とか、あるいは大型専用船の就航によるフレート代の節減だとか、あるいは港頭の大型サイロの建設、あるいは港湾荷役作業の合理化、こういうことを積極的に進めることを内容としているものであります。
○瀬野委員 昭和四十三年の六月ごろから四十四年三月ごろにかけまして、新潟県から埼玉県大宮市の大宮屠所に送られてきた豚が屠殺直前に急死するという事故が続出しまして、このため農林省の極秘の依頼で、厚生省ガン研究班マイコトキシンのカビの研究グループの日本獣医畜産大の大久保薫教授らが解剖調査した結果によりますと、二百五十頭もの大量の豚が肝硬変現象を起こしていることがわかったのであります。さらに出荷元の新潟県五泉市の養豚場を調べてみますと、同じ時期にやはり百五十頭にのぼる豚が次々とショック死していた事実が明らかになったと報道されたのであります。大久保教授からの報告で、同研究グループが四十四年春から死因追究の本格的調査に乗り出した結果、昨年暮れまでに強力な発ガン物質を出すことがある有毒カビでありますところのアスペルギルス・フラブス、同属のアスペルギルス・フミガーツスというのと、ペニシリウム属のペニシリウム・オリビノビリデ、同サイクロビューム等が二十七、八種類にのぼって検出されまして、これら各種のカビを培養検査でいろいろ検討が進められておると聞いております。また、えさから豚の体内に入ったこのカビ属は煮たり焼いたりしても破壊されず、肝臓に残留したまま食卓にのぼるおそれがございまして、人体への危険が考えられ、厚生省のガン研究班の角田博士は病変豚の肝臓を食べた場合人体に対する残留カビ毒の毒性が問題なりと、このように警告を発しておられます。この点について、その概要とその後の処置等について見解を承りたいのでございます。
○増田説明員 事件の概要につきましては先生のほうで詳しくお述べになったとおりでございます。その原因を調査した結果によりますと、当然与えたえさに疑いが持たれたものでありました。というのは、えさをかえたとたんにその病気がなおった、そういうことがなくなったということでございますので、えさに原因があったということではありますが、それがはたして原料段階で入ったのか、配合工程で入ったのか、あるいは流通段階で入ったものなのか、あるいは養豚場における保管の段階で入ったものなのか、そういうことについては、いずれの段階で何に起因するものであるかは残念ながらわからなかったのであります。なお、同一メーカーから他の地域に出荷されたものにつきましては、それによって事故を起こしたという報告は何ら一つも受けていないわけでございます。 なお、先生の報告の中で、農林省の極秘の調査ということがございましたけれども、そういうことはないので、念のために申し添えておきます。
○瀬野委員 ただいままでいろいろと答弁をいただきましたが、実は私、ここに持ってまいりましたトウモロコシでございますけれども、これは去る七月にアメリカより日本の某港に入港しましたところのトウモロコシであります。先ほどもちょっと申しましたように、これにはまだペニシリウム属の培養検査中で、一週間後にわかるということでいま検討してもらっております。千葉大宮木教授のほうでいずれはっきりした結果がわかると思いますが、いずれにしてもペニシリウム属の菌を含めまして十二、三種類のカビが現にありまして、これらが現に飼料として配合飼料の中に混入して製造されておるのでございます。こういったことを思いますときに、実は私たちもかねがねからこういったことをしばしばうわさでは聞いておりましたが、ようやく私ども今回手に入りましたもので、国民の保健衛生上から憂慮すべき問題であるし、特に現在の飼料の値上がり等によって、先ほどもいろいろと質問があったわけでございますが、国内の飼料需給問題等、今後たいへんな問題にぶつかるわけでありますけれども、だからといって、このような飼料が市販されて、家畜を通じて、発ガン性カビ等の有毒物質が残留して人体を目に見えない公害でおかすというようなことがあってはならない。かような見地から本日現物を提示したわけでございます。 そこで私お尋ねしてまいりたいのでありますが、家畜の肉、なかんずく牛、豚等の肝臓または牛乳等にアフラトキシン等の発ガン性カビが残留することは、過去の試験結果で証明されているところであります。これらを人間が摂取した場合人体に残留し、大なる影響があることは言うまでもないことであります。特に子供の栄養上、病弱な児童あるいは乳幼児に被害を大きく受けるということは、動物実験でもその結果がはっきりと出ておるわけでございまして、飼料のカビ毒の問題は残念ながら現在まさに盲点というか、放任されている現状であると言えるのであります。カビ毒の問題としては当然検討すべき重大な問題で、各学者も、積極的に科学的なマイコトキシンの直接検定をやって調査を急ぐ、こういった組織をつくってやっていかなければ学問的にもたいへん心配であるという見解を述べているところでありますが、これに対する見解並びにどう検討されているか、その対処方針等について御答弁を承りたいのであります。
○増田説明員 カビ毒の問題は、先生御指摘のとおり非常に大事な問題だと思います。ただカビ毒が現在市販の牛乳にまざっている、残留しているという報告はいまだ私は一件も受けておりません。また変性を起こした肝臓は、当然屠畜検査の段階で取り除きますので、これが食用に回るおそれは全然ないと思います。しかしながら御指摘のとおり、カビ毒の畜産物への移行、動物体内における蓄積等の問題につきましては、現在すべてが解明されているという問題ではない、むしろこれからの問題であるというふうにも考えますので、農林省といたしましても特別研究にこれは取り上げまして研究を進めているところでございますし、また肥飼料検査所におきましても、検出の方法のわかりましたアフラトキシンの研究については今後積極的に進める体制を進めているわけでございます。
○瀬野委員 先ほどの御答弁の中で、新潟県の例に関して、飼料にいろいろ原因があったかあるいは原料段階か、流通段階か、保管段階か、どの段階で入ったかわからないという答弁もございました。ただいまもいろいろとお話ございましたけれども、いまおっしゃったように牛乳とかまた牛、豚等の肝臓に現にこういった有毒カビが残留するということであればたいへんな問題である。ところが防疫検査関係でなかなかその点、手抜かりの点がかなりあるわけでございまして、この点は後ほど順序を追って指摘することにいたしますが、事実、私が何カ所か調査した中でこのようなのを発見しておりますし、こういったものが配合飼料として粉末になりますのでなかなかしろうとの目にわからない、また農家もわからない、こういうことで、たまたま食べさせたえさが家畜の肝硬変あるいは中毒を起こすということで被害をこうむる。善良な農家が高い飼料を買って、そして家畜をいためる、またひいては人間をいためる、こうなったのではたいへんな問題であるので指摘をしているところであります。 そこで、順序を追って指摘をしてまいりますが、従来このような発ガン性あるいはまたカビ等の付着したトウモロコシあるいはマイロ、大豆かす、油かす等が輸入されてきた例があるかどうか。こういったものが入港時に発見されますと、当然海洋投棄というようなことで防疫検査の結果処置されるというふうに承知しておるわけでございますけれども、そのような処分した例があるかないか、この点明らかにしていただきたいと思います。
○増田説明員 従来、私のほうで、これは肥飼料検査所というものがありましてえさの検査を行なっておったわけでございますが、それは率直に申し上げまして、先ほど申し上げましたとおり、配合飼料というものが最近急激にふえてきた。そういうものの流通がふえてきた。したがって検査の重点がその含まれた成分、たとえばたん白質とかでん粉質とかそういう成分の問題あるいは成分要素の問題、異物混入、そういった問題に置かれておりまして、そういうカビ等の問題に手が回っておらなかったということを、これは率直に申し上げざるを得ないと思うわけでございます。 しかし、われわれのほうとしましては、そういうカビの問題の重要性を認識いたしまして、いまその職員も養成し、その体制を着々整備しているわけでございます。したがいまして、わがほうがいままで検査して廃棄させたという例は残念ながらございません。しかしこれは非常に大事な問題でございますし、メーカーにとっても信用にかかわる問題でございますので、こういうものについては十分指導を強めてまいりたい、かように思います。
○瀬野委員 率直に認めていただいたことはけっこうなことでございますけれども、実に心配な問題でございます。成分とか異物等を重点的に検査をして、実際にカビといったようなものに対しての検査その他は十分でないというような答弁がありまして、現在職員養成その他体制をつくってやる、こういうようなお話でございましたが、実は一昨年ごろからアメリカものの事故品が急にふえてきたのであります。私のほうでいろいろ調査をしたりまた調べてももらいましたが、その結果によりますと、事故の原因に、アメリカの収穫期にピッカーシェラーという機械を使いまして収穫のスピードアップをして省力的な対策をとっておるのでありますけれども、収穫しながらその機械の中で脱粒するわけでございますが、圃場で脱粒した直後には二七、八%ぐらいの水分があるわけです。それをカントリーエレベーターへ直接持っていきまして機械乾燥をしてやるわけでございますが、従来のような自然乾燥をする段階を省くものですから、外側だけが乾燥して中の水分はなかなか抜け切らない。そうして皮だけが固くなる。それをいよいよ港で船積みをする際に、SKDとかいうのですけれども、いわゆるコンベアからずいぶん低い船底へ、何十メートルというところに落とすわけです。そのショックでトウモロコシが割れる、これが一つの事故の原因であり、カビの原因になっているということがいろいろいわれておるわけであります。また船のハッチの中に水がたまっている、あるいは荷を積む際に雨が降ってきて、その雨がトウモロコシ、マイロ等にかかって、それがまたカビの原因になる。輸送途上で、いわゆる船の換気扇だけがございまして、船そのものに十分な施設がないために温度が、最初は低温であったのが途中で二、三日もたつとずいぶん高くなる。先ほど答弁がございましたように、アメリカから三十日、東南アジアからは十日、オーストラリアは三十五日というふうにずいぶん航海日数がかかるわけでございまして、こういった輸送途上に毒カビ等の発生の事故が起きて変質する、こういうふうにもいわれておるわけであります。船の状態その他を調べてみましても、これは常識で考えても当然考えられる。こういったことで、カビの発生は当然である、こういうふうに思えるわけです。そこで、その処置は輸入業者と配合飼料工場との話し合い等によるわけでありますけれども、保険にかかわるものは保険会社との約束で処理することになっておると聞いておりますが、いままでにこのような事故がどのくらいあって、掌握しておられるか、この点についてもお伺いしておきたいのであります。
○増田説明員 先生のような非常に技術的なお話がございましたので、そういう点についてはなお検討を加えるべき点があろうかと思いますが、普通常識的に考えてみまして、輸入業者がえさを輸入する、そういった場合に、その積み地におけるトウモロコシの変質、特に水分が幾らであるかあるいは來雑物がどれくらい入っているか、あるいは砕けたものがどの程度入っているか、変質したものがどの程度入っているかということは、これは重要な商取引の契約内容でございます。したがいまして、これにつきましてはどの輸出国におきましても、輸出する場合には、アメリカの場合には当然州の検査機関が検査をいたしておりますし、タイのようなときには国際的に認められました第三者の検査機関の検査を受けるわけでございます。そうしてまたそういう検査を受けませんと、その証明書をもらいませんと、当然それの船荷証券を発行してもらえませんから、その検査というものは十分厳重に行なわれているものと私は考えるわけでございます。なお私のほうでいろいろ調べてみたわけでございますが、いままでの私たちの把握したもので見ますと、積み地検査は、時期によって違いますが全部水分は一五%以下あるいは一四・五%以下、こういうようなことでこちらに着きましてもおおむねその中で入ってきているという調査をしているわけでございます。
○瀬野委員 ただいま検査は十分に行なわれていると思うということでございます。積み地の検査では水分が一五%以下ということでございますが、一応私たちもそのように聞いておりますけれども、先ほども申しましたように、トウモロコシの中にはかなり水分があるということを現地の方たちも指摘されております。 次に私引き続きお伺いしたいことは、輸入飼料の品質管理の問題でいまの問題に関連ある問題でありますが、アメリカからトウモロコシを買う場合はシップドファイナルといいまして、ニューオーリンズで船積みする際検査官が検査した銘柄等級の格づけで買っている、こういうふうになっているわけであります。そして輸入の際トウモロコシがカビ等で変質したり來雑物が混入していたり、また過去にまれにございました有害物であるところのヒマが入っておったということで問題になったことがございましたが、このような異議がある場合には申し立てできる制度になっておるのですけれども、これほど大量の穀物を買うのでありますので、そのためにニューオーリンズに当方の日本からの立ち会い人というものを当然置かねばならないということであるのですけれども、現在立ち会い人は置いていない。もちろん商社の品物を受け取る方はおるかもしれませんが、そうした検査に対する立ち会い人といいますか、水分等を確認するこういった立ち会い人がいないということが問題になって、業界からもしばしばこういったことをわれわれ個人的にも聞くわけでございます。そこで船積みをする前に点検の必要、またカビその他の有害物質が入っている場合のチェックということが最も大事じゃないか、こういうふうに思うのでありますが、この点どのような行政指導をしておられるか、この機会にあわせお伺いしておきたいのであります。
○増田説明員 トウモロコシのような世界商品というものは、先ほど申しましたとおり、そういう国立の検査機関とかあるいは国際的に認められた検査というものを信用している上に成り立っているものでございますが、先生のおっしゃるとおり取引が大量になってくるというようなことになればそういう点の心配もあろうかと思いますので、今後そういう方面の指導ということを業界と協力して強化してまいりたいと考えております。
○瀬野委員 次に植物防疫についてお尋ねをいたします。 飼料原料の輸入にあたり、植物防疫のために薫蒸を行なって、プラナリアコクゾウムシとかアメリカシロヒトリ、またはシガレットビートルというような最近はたくさんの虫が入ってきているのですけれども、こうした害虫を殺していることは当然でございますが、現在はメチルブロマイドを使用していてクロルピクリンは使用していないようにも聞いております。午前中の質問でもいろいろ出ましたが、この点を含め植物防疫の現状について簡単に一言御答弁をいただきたいと思います。
○中野説明員 海外から多数といいましょうか非常に大量の農林水産物が入ってまいります。また輸送方法が非常にスピード化しておりますので、病害虫が入ってきます機会も非常に多いということで、植物防疫の立場からいたしまして、最近でも出張所を増設するとかあるいは人員の増強をはかるということで防疫体制の強化につとめてきておりますが、御指摘の輸入植物の検疫におきます薫蒸をやっております。現に大体二千万トンくらいの量が入ってきておりますが、その中で消毒しておりますものが大体千五百万トンくらいになっております。やります方法といたしまして、主として穀類につきましては臭化メチル、それから青果物についてはシアン化水素ガスを使っております。御指摘のようにクロルピクリンは植物防疫といたしましては使っておりません。 以上でございます。
○瀬野委員 そこで害虫については一応薫蒸によって殺すことができるとしても、発ガン性カビなど毒カビについては、これが死滅することはないわけである、こういうふうに私は承知しておりますが、その点植物防疫の上から明確に御答弁を承っておきたいのであります。
○中野説明員 ただいまの植物防疫のやり方といたしましては、直接植物を加害しますとかあるいは寄生する害虫あるいは病菌類の侵入を防止するという立場でやっております。したがいまして、直接植物を加害しないようなカビ類あるいは家畜等動物寄生等のカビについては検査取り締まりはしていないわけでありますが、先ほどからるるお話がありますように、そういう御指摘のようなカビ類がはたしてそういう加害をするのかどうかという問題等もございます。確かにそれでは全部完全かといわれますとそうではありません。いまもお話しのような問題もございますので、われわれといたしましても、これは一植物防疫の上からだけではまいりませんが、試験研究の進み方その他とも合わせまして、そういうものまで厳密にやれる方法というのは今後とも検討し、そこで技術が確立しますれば検疫を実施する必要があろうかと思っております。
○瀬野委員 次にアメリカや中南米、東南アジアなど世界各国から、先ほども答弁がございましたようにトウモロコシやマイロあるいは大豆かす、麦などが輸入されてくるわけですが、これらのさまざまの原料穀物を輸入してまいりまして、目に見えるカビというものはしろうとが見てもわかるわけですから、検査官が見れば当然わかります。ところがいまもお話がございましたように、カビがあるかないか、また來雑物があるかというくらいが人手不足のために精一ぱいである。そこで一度に何万トンというばく大な飼料がやってまいりますので、検査もたいへんであると同時に、目に見えるようなカビというものはこれは老齢化している状態でありまして、目に見えない、すでにカビにおかされておるという幼齢期のものがあるわけでございます。この点がたいへん心配なのであります。すなわち原穀に微量に寄生していたカビが粉砕加工やふすま、魚粉などの配合飼料となってあとで急激に繁殖する可能性があるわけであります。また飼料メーカー側も商品管理的にチェックしているといっておりますけれども、実際に流通過程に乗ったあとは全くの野放し状態になっている、こういうことを指摘いたしたいのであります。そこで飼料化されてからの衛生面での規制も野放し同然であります関係から、日本のカビ学者も科学的な畜産行政を急げ、このように強く過去に申し入れておるように聞いておりますが、この点どのように対処されておられるか、この機会にあわせてお伺いをいたしたいのであります。
○増田説明員 畜産局長がお答えするのが適当かどうか、若干広い問題であろうかと思いますけれども、先生の御指摘のようなカビの問題につきましては、なお解明すべき非常に多くの問題が残されているように思うわけでございます。そういう意味におきまして、この研究の密度を急速に高めるということとともに、たとえばえさの検査機構の整備を急速に行なう、こういうことがぜひ必要ではないか、かように考えているわけでございます。
○瀬野委員 それではあと三点だけお伺いしたいと思うのでありますが、最近問題になっている古々米、また本日指摘しました飼料の中に、今日では最強のカビといわれるアフラトキシンやまたペニシリウム等の発ガン性カビ等不安がつのっておるところでありますが、昭和四十六年度予算編成にあたり、国民の目に見えない公害というものをなくす、そして不安を取り除くというためにも、国が思い切った対策費を計上して研究、調査をすべきであると思うのであります。ちなみにアメリカの例を申し上げますと、毎年五百万ドル以上の対策費をもって、穀類の中にいかなるカビがどのように分布しているか、常時どのくらいのカビ毒が含まれているかという監視、いかなる条件のときに穀類にカビがはえやすくなるかというような検討、あるいはそのカビがはえないようにいかなる対策を講ずべきか、さらにはカビ毒が家畜のからだを通じて人間の口に入るという経路について、行政的なカビ毒に対する安全性の保障に努力しておると聞いております。言うまでもなく、保健衛生上発ガン性カビ毒を排除することが大事でありまして、強い弱いはともあれ、できるだけ取り除くことがガン対策に連なるわけでございます。ましてやわが国のごときは高温多湿の風土で、言うなればまさにカビ風土にあるわけでございます。農林省当局においても百も承知のところでありますから、さきに申し上げました思い切った対策費の計上と、早急な研究調査をお願いしたいが、この点の御見解を再度お伺いいたしたいのであります。
○増田説明員 先生から非常に参考になる御意見も伺いましたので、そういう点も取り入れまして、今後の対策を考えたいと考えております。
○瀬野委員 アメリカの西部農業技術研究所での検討の結果、発ガン性カビであるアフラトキシンが牛の内臓、ラットについて調べたときに十数%、乳については食べさせたものの三%が出てくると発表していますが、鶏卵についてはまだそのデータが出ていないといわれております。わが国でもその検討がいまだなされていないが、国民の不安を取り除くためにも、当然早急な検討をすべきと思うが、この点も一応、卵には現在心配ないといわれておりますけれども、あわせ御見解を承っておきたいのであります。
○増田説明員 先生のおっしゃいましたとおり、現在卵については心配はないということになっておりますので、いまのところ特にこちらでやろうということは考えておりません。
○瀬野委員 最後に一言お尋ねします。 農林大臣にもお伺いしたがったのでありますが、きょう大臣おいでになりませんので、その点お含みの上御答弁いただきたいと思います。時間の制約もありましてずいぶん問題の焦点をしぼったわけですけれども、こういった問題についての総点検の問題について一言御見解を承りたいと思うのであります。 先ほどからるる質疑をしてまいりました。特にトウモロコシ等飼料原料の輸入について明らかに発ガン性有毒カビの疑いあるもの、現実に十二、三種類のカビがついている飼料原料輸入を私、事実確認をしておるわけでございますが、こういったことが行なわれますと、国民の保健衛生上もたいへん心配なことになります。しかも植物防疫所の検査員不足による検査のずさんといいますか人手不足というか、こういったことが特に憂慮されておるのでございます。一億五百万といわれる日本国民の保健衛生上も、輸入飼料及び全国二百十七の飼料工場の総点検を行ない、国民の不安を除くべきと思うが、御見解を承りたいのであります。
○増田説明員 先ほどお答えしましたとおり、国といたしましては、肥飼料検査所の整備強化をはかって、こういう問題に対して十分対処し得る体制を整備することとともに、業界に対しましても、これは業界の信用にかかわる問題でございますので、この協力を得ましてそういう体制の整備を指導してまいりたい、かように考えております。
○瀬野委員 では、時間が参りましたので、以上で質問を終わります。
○三ツ林委員長代理 小宮武喜君。
○小宮委員 相当時間も経過して皆さん方もお疲れのようだし、私自身ももう疲れておりますから、そのつもりで急いでやりますから、答弁するほうもそのつもりで答弁をお願いします。 先ほども質問がありましたが、カドミウムの汚染米に対する取り扱いの問題です。これはいままでの食糧庁の見解を総合しますと、一つ目には、カドミウムの汚染度が一PPM以上の地域の米は買い入れない、あるいは一PPM未満の米でも買い入れはする、しかし配給はしない、こういうふうな考え方が今日まで明らかにされておるわけです。しかしこの中で、先ほども質問にありましたように、農家に対する補償の問題が明らかになっておりませんので、やはり長崎県にも対馬にあるわけですが、そういった地域の農民は米をつくっても売らなければどうにもならぬ、今後どうすればいいのかということで非常に不満を抱いておるわけです。そこで、食糧庁としてもこの農家の不安を解消するためにやはり早急にきめのこまかい対策を示すべきだというふうに考えます。特にこの汚染米の問題について、私は四十三年度、四十四年度産米、いわゆる古米、古々米に対する取り扱い、それから四十五年度産米に対する取り扱い、それから四十六年、来年以降の問題をどうするかという三つに問題を分類して質問してみたいと思います。 まず、質問の第一点は、四十五年度の汚染米を買い上げないということでございますが、食管法では、農家はつくった米は政府以外に売り渡してはならないというふうになっておるわけです。そこで、この一PPM以上の汚染米を政府が買い上げないという問題について、何を根拠にしておられるのか、おそらく食品衛生上の問題ではなかろうかと思いますが、まず一PPM以上の汚染米を買い上げないというその根拠についてお伺いします。
○亀長説明員 カドミウムの汚染濃度が一PPM以上の米は食用に供することが不適当である旨の厚生省の決定がなされております。私どもはこれに従いまして、食糧管理のたてまえ上買い入れができるのはやはり食品として利用できるものに限るのであって、利用できないものまで買い入れるということは現在の食糧管理法でも想定をしていないというふうに考えて、一PPM以上の米は買い入れないことにしているわけであります。
○小宮委員 そこで、厚生省は、結局食品衛生上の問題からいっておると思うのですが、ただ、そういった場合に、食管法と食品衛生法との関係ですね。私は、もともと食品衛生法というのは食管法とは異質の問題ではなかろうかと考えるわけです。政府もこの汚染米の対策に苦慮しておるとき、こういった食品衛生法というものが、たまたま幸いにもあるので、そっちのほうにひっかけてこれを買い上げないという方針を打ち出したのではないかというふうに考えるわけですが、その点について、農林省としての見解を承りたいと思います。
○亀長説明員 現在の法規のたてまえ上、人間の健康に有害な食品は食品衛生法で指定をして、これに関連する取り扱いも規制をされるように考えております。もちろん食糧管理法は食品衛生法よりも古くからあった法律でございまして、直接食糧管理法が食品衛生のことを規定はいたしておりませんけれども、国の全体の法体系から見まして、食品に適さないものを食糧管理の面で買い上げるということは適当でないというふうに考えております。
○小宮委員 食糧庁が一PPM以上の米を買い上げないということと食品衛生法において食品として供してはならないという問題とは、これは別問題ではないかと思うのですよ。これは食品衛生法に米を対象として一PPM以上の汚染米を買い上げてはいかぬということははっきりしてないわけです。ただ政府は、そういった一PPM以上の汚染米を食用に供してはならぬということで、買い上げてはならぬということじゃないわけです。したがって食用に供することはできないけれども、買い上げることとはまた別問題なんだ。だからそういった意味では、食糧庁としては昨年作付をするときは何らそういう指導はなされないで、ことしになって、しかも厚生省がそういうような基準を出したということで、それで買い上げはしないというようなことは、これは農家に一方的に責任を転嫁するやり方じゃないか。もっと生きた政治をやってもらいたい。そういった意味ではむしろ食糧庁は一PPM以上の汚染米であっても買い上げをすべきだ、その義務があるというふうに私は考えておるわけです。その点についてはどうですか。
○亀長説明員 現在の食糧管理法は、申すまでもなく国民の食糧の確保ということを趣旨にしておりまして、主食に向けられるということを前提に買い入れをするというふうに考えております。したがいまして、主食に適さないものは売り渡しの義務もないし、国においても買い入れ義務もない、食糧管理法はそこまですべての、食えないものまで買うという法律ではないと私どもは考えております。
○小宮委員 その点についてはこれくらいでやめまして、そうしたら、いままでの見解で一PPM以上の汚染米について、その汚染源が企業にあるということがはっきり認定できる場合は、これは企業に肩がわりさせるわけですね。そういうふうに理解していいですな。汚染源が企業にあるという、責任がはっきり企業にあるというふうに認定した場合には、企業に肩がわりさせるわけですな。
○亀長説明員 先ほども御質問ございましたが、現在私どもですでに買って保有をしておる汚染米がございます。このうち一PPM以上のものは今後は買い入れませんけれども……。
○小宮委員 四十五年産米だけでいいです。四十三年、四十四年の古米についての取り扱いは今後の問題としてやりますから、四十五年産米について汚染源が企業にあるということがはっきりした場合は、企業に肩がわりして買い上げさせるのかということです。
○亀長説明員 四十五年産米につきましては、私ども一PPM以上の汚染地域の米は買い入れないという方針でございますから、もしそういう米が生産されれば、これは当然農家と企業との間の話し合いになるべきものであろうと思います。食糧庁としては買い入れするつもりはございません。
○小宮委員 そうしたら、そのことはただ農家と企業と話し合いさせるだけで、食糧庁として何ら関知せぬということなんですか。
○亀長説明員 もちろん農政全般の問題としてはいろいろな問題があるかと思いますけれども、食糧管理の面からは一PPM以上の汚染地域の米は買い入れないというだけでございます。
○小宮委員 どうものれんに腕押しみたいですが、だから企業自身にはっきり責任があると認定した場合、国はただ買い上げぬということだけで、企業と農家のほうで話し合いをしなさい、こっちは知ったことじゃない、食糧庁としてはそういうような態度なんですか。
○亀長説明員 すでに四十四年産米に関しまして、企業との間で話し合いがついてしかるべき補償が行なわれている地域もございます。四十五年産米につきましてもやや類似のことがあるかもしれませんが、食糧管理だけの面から申しますと買い入れないということでございますけれども、全般の公害対策としては、農政全般の問題としてそういう場合の公害に対する賠償問題をどういうふうに解決するかということは十分配慮すべき問題であろうと思います。
○小宮委員 だから四十四年度産米についても企業と農家で話し合いが行なわれて、企業のほうで買い上げておる、話がついておるところもあるという話ですが、話がついてないところもある。だからそういったものについて、食糧庁として企業の責任ありとはっきりした以上は、ひとつ企業側にその買い上げをやるように行政指導をなすべきじゃないですか。これはその責任が不明確の場合は別ですよ。不明確の場合はむしろ国が買い上げるべきだという意見を私は持っておるわけですが、汚染源がはっきりしておる場合にそれは企業と農家の話し合いだけにまかせて、われわれは知ったことじゃないというようなことで、食糧庁としていままで米の生産にも協力し、今回の生産調整にも協力してくれた農家に対して、そういった血も涙もないようなことでいいのですか。
○亀長説明員 事柄の性格上食糧管理という問題とはもちろん離れてまいるかと存じますけれども、四十四年産の例を見ましても、府県が仲介に入りまして、企業側と農家の間の話を調停し、いろいろ努力をされて解決された事例もございます。もし今後そのような事例がございますれば、従来以上に府県も御努力なさると思いますし、農林省全体といたしましても両者の間に円満な解決が望ましいという態度は変わりございませんので、実情に応じてしかるべく農政局あるいは私どものほうでも御協力申し上げ、解決に努力したいと考えております。
○小宮委員 それはしようがありません。われわれから見れば、それは県があっせんをしてそういうような企業と農家の話し合いを進めておるところもあります。しかしながらこういった問題については県にまかせ、企業にまかせ、農家にまかせて食糧庁のほうは全然ノータッチということについては、われわれとしては全く遺憾千万です。しかし最後に何か行政指導をちょっとするとか努力をするということでありますから、そういったことに期待をしますけれども、こういった問題については、食糧庁でなくとも政府自身として、たとえば厚生省、通産省、いろいろなところがありますでしょう。そういうようなところで協議して、農家に対する補償、そういった問題について農家に不安を与えないように十分配慮してもらいたいということを希望しておきます。 それからこれも先ほど出ておりましたが、食糧庁は一PPM以下の汚染米は、買い上げはするけれども配給をしないという方針ですね。そうすると配給に回さない汚染米の汚染の範囲はどれくらいかということです。たとえば厚生省は、当初〇・四PPM以上の米は配給に回さないということをきめましたね。そうすると一PPM以下の汚染米についても買い上げはするけれども配給には回さないというその汚染度の範囲は、〇・四PPM以上一PPM未満の米だというふうに理解していいですか。
○亀長説明員 汚染地域でなくて単なる要監察地域の米は一PPM以下大体〇・四PPMまでの米であると判断されております。そういう米につきましては、政府は買い上げをいたしますけれども、消費者には配給しないということでございます。
○小宮委員 そうした場合、いまの方針は本年だけではなくて来年も堅持するわけですか。ことしは厚生省が当初〇・四PPMという一つの基準を出したものだから、これに対して消費者の立場を考慮して、これでは困るだろうと、いろいろ問題も大きくなることを考慮して食糧庁は〇・四PPM以上一PPM未満の米は買い上げをするけれども、配給に回さぬというような方針のようですね。したがってその考え方に立つならば、政治的な配慮なら別ですけれども、ほんとうに有害だというふうに判定したわけじゃないんですね。それは来年は変えるわけですか。来年の配給の場合、一PPM以上は配給には回さぬけれども、一PPM未満の米はもう全部配給に回す考え方ですか。その点はっきりしておいてください。
○亀長説明員 一PPM未満の米は食品衛生上は安全であるという判定に相なっております。しかしながら、私どもが配給しないのは消費者の感情、さらにいま米の需給が非常に緩和しておって米がたくさんあること、こういうことを考慮して配給をしないということにいたしておるわけでありますから、今後におきましても消費者にそういう不安がなくなるようなことがありますれば別でございますが、おおむね現在のような状況が続く限りはいまの方針を継続していきたいと思います。
○小宮委員 それなら米は来年もどうせ余るわけでしょうから、あり余るのにそういった米を別段回す必要はないわけですから、その方針は来年も踏襲するというふうに理解していいですね。
○亀長説明員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在そういうものを配給に回さなかった事情があるわけでございます。その事情が続く間はいまのとおり配給しないようにいたしますということでございます。
○小宮委員 それでは、一PPM以上の汚染米の保有農家では、先ほど質問が出ましたけれども、汚染米は許されぬわけですから、保有米を食べるわけにいかぬわけです。したがって配給米を渡すわけですけれども、その場合の配給米代金については、これも、私は企業に責任があるということがはっきりした場合は、むしろ一PPM以上の汚染米も企業が買い上げるまたは配給米代金に相当する金額も企業が負担すべきだというふうに考えるわけですけれども、保有米に対しての配給代金についてはどう考えておりますか。一PPM以上の汚染米、農家の配給米ですよ。
○亀長説明員 私どもはたてまえ上、配給いたすといたしますと、農家からお金をいただいておりますが、それはやはり汚染米を生じたことによる農家の損失であるというふうに考えれば、これは当然企業者の責任が明らかであれば企業者に請求をしてしかるべきものだと思います。
○小宮委員 そういうような考え方ではちょっと話がされぬですな。そういった意味ではもう食糧庁の考え方というのはどうも冷たいですね。これはもういまさらその問題を論議してもしようがないでしょう。それでは四十三年、四十四年度産米についてもおそらくいまのような考え方でしょうから、質問したってむだでしょうからやめます。そうすれば今度、来年以降の問題について結局どうするのかという政府の、農林省なり食糧庁なりの考え方が明らかになっていないわけです。逆に農家では、とにかくもう汚染米でも何でもどんどんつくれ、つくってひとつ政府に売ってやろうというような動きすらあるわけです。それに対してどういうふうに来年のこの汚染地域に対する指導をされるのか、あるいはその場合、客土とか土壌改良をやろうという動きもあります。そういうような問題について、来年以降についての作付指導、またこのような問題について根本的にどう考えておるのか、それをひとつ聞かしてください。
○加賀山説明員 ただいまの問題でございますが、確かに来年以降どうするのかというのはたいへん重大な問題だと考えております。ただ土壌中のカドミウムがどのように稲に吸収されるのかというのはたいへんむずかしいメカニズムと申しますか、ことになっておりまして、たとえばおくての品種とわせの品種とではカドミウムの吸収のしかたがだいぶ違うというような研究成果も出ておりますので、はたして現在の汚染地帯に稲をつくることがいいのか悪いのかということも、そういう問題をもう少し突き詰めてみませんとわからないという現況であります。 それからもう一つ、常識的に考えますと、稲作以外にもっとほかの作物に転換したらどうか、こういうふうな問題が出てまいりますが、これもできるだけ口に入らないものというようなこと、そういう考え方も出てまいります。でございますから、花木であるとか庭園樹であるとか、そういうものであればカドミウムを吸いましても別に口に入るものではございませんから、こういうものにつきましても、土壌中のカドミウムとそういった作物あるいは花木等との関係は現在鋭意研究中でございますが、非常にむずかしい関係にございまして、何がはたして一番カドミウムを吸わないか、あるいは吸ってもだいじょうぶか、そういうふうな作物と土壌中のカドミウムの関係になってまいるわけでございます。 それからもう一つ、もし稲作を継続する場合に、そこの土壌改良なり土地改良をすることによって、そこの汚染度が下げられるということであればそういうふうな対策を打つべきである、そういうふうに考えるわけでございますが、これも土壌中におけるカドミウムの形というものはいろいろな形をいたしておるものでございますから、その地点地点におきまして相当十分な調査をいたしませんと、どのような対策、土地改良なり土壌改良の対策を打つべきかということは、現在早急にはなかなか見つからない。しかし来年の稲作を控えまして、やはりそういう問題につきましても十分な検討を早急に進める必要がある、このように考えておるわけであります。
○小宮委員 その場その場の答弁だけでは、もうすでにそういうような対策なり方向なりを早く打ち出さぬと——ここでいまの答弁みたいにむずかしい問題だから検討する、研究するというふうな段階ではないのです。早く今後の方針をやはり示すべきなんです、そういった考え方を。それならいつ結論が出ますか。こういった地域についての作付指導をどうするのか、それについてはどういうような結論がいつごろ出ますか。
○加賀山説明員 御承知のように作物の研究というのは、すぐに結論が出るものではなく、なかなか時間のかかる場合が多いわけであります。われわれのほうもそういう研究あるいは調査等を急がしておりますけれども、技術対策といたしましては、はっきりした結果を待って対策を打つほうが確かであるというふうに考えておりますので、先ほど御答弁申し上げたようなことでございます。
○小宮委員 まあお役所根性でしょうから、それ以上のことは言ってもむだでしょうからやめます。 それから生産調整の問題ですが、先ほどから来年以降の生産調整については、大臣は各委員から盛んに質問をされても、われわれが聞いておると、結局見え透いた逃げの一手を打っておるわけですね。だからその問題についてはこれ以上質問しても、おそらくその範囲を出ないだろうと思いますから、来年以降の生産調整の問題については質問しないけれども、ただ今年度の生産調整の問題について若干質問してみたいと思います。 まず質問の第一点は、いろいろ新聞紙上で報道されておりますが、新聞紙上の報道は、農林大臣が言うように最後の決定権は自分にあるのだ、新聞紙上がどういうようなところからネタを入れたのかわからぬというようなことを言われておりますけれども、それでは四十五年度産米の収量見込みは大体どれくらいになりますか。
○中沢説明員 お答え申し上げます。 本年の水稲の作柄につきましては、目下のところ八月十五日現在で把握しておりまして、御案内のように全国的な好天候に恵まれまして、作況指数で申しますと一〇四という数字になる状況でございます。この指数を使いまして、昨年度の作付面積また本年度の作付面積の実態が把握してございませんので、それを使いまして、なおかつさらに生産調整の目標数量でございます百五十万トンを差し引いて計算いたしますと、試算でございますが、千二百七十二万トンという収量が計算されるわけでございます。
○小宮委員 今年の生産調整における休耕、転作の実績をちょっと資料で見ますと、京都と新潟県ですか、これは目標を下回っておるわけですね。そうした場合に、これはちょっと大事な問題を質問しておきますが、この目標を達成した府県と達成しなかった府県の四十五年度産米の買い上げの方針はどうなんですか。
○亀長説明員 他県に対すると同様でございます。
○小宮委員 私はその点について意見があるわけです。それでは大きな問題になるのは、たとえば生産調整に協力した府県また農家とそうでないところが同列な取り扱いをされた場合に、結局は協力した者、正直者がばかを見るというような結果になりはしないかということを非常におそれるわけです。そのことは、来年以降もすでに生産調整をやらざるを得なくなっておることはもう事実ですが、現在すでに休耕が六割を占めておるわけですから、そういった場合に、同じ協力せぬでもつくるだけつくったら政府は食管法で買い入れるんだということになった場合に、来年以降の生産調整は根本的にくずれる結果になりはしないかということを非常に私は懸念するわけですけれども、そのような問題についてはどのように考えておられるのか、ひとつ質問いたします。
○亀長説明員 御指摘の点につきましては、私は全く先生と同様の懸念を持っております。また県別でなくて個人別につきましても同じような問題がございます。来年度以降の生産調整をどうするか、いま熱心に検討をいたしておりますが、その際には御指摘の点も十分検討の中に入れまして来年度の生産調整のやり方を決定いたしたいと考えます。
○小宮委員 それから今度の百五十万トンの中でこの五十万トンに見合う水田の転用の問題ですね。これは先ほども質問が出たわけですが、農林大臣の十月になって集計してみなければわからぬということは、われわれが知り得る範囲内では、転用水田の面積というものは結局あの予定の四分の一しか達しておらぬ、三万ヘクタールといわれておるわけです。したがって、最終的にこれを集計しても、調査漏れの分を含めても大体五万ヘクタールぐらいに達するのがもうせいぜいではなかろうかといわれておるわけですね。そういったことから見て大臣は、いまそれを言い出すとこの数字、中間経過を報告するといろいろとまた問題をかもし出すので十月まで待ってくれというように言ったのだろうと私は想像しておるわけですが、現在少なくともいまの時点でその転用水田面積はどれくらいですか。その点はわかっていますでしょう。
○岩本説明員 水田転用の面積につきましては、けさほど農林大臣から御答弁ございましたように、近く統計調査部の数字も出ることでありますし、農地のほうはまだ集計がまとまっていない、こういう次第でございます。
○小宮委員 わかっているはずです。それをわざと公表しないところがやはり問題なんです。しかしそれ以上言っても、大臣が答弁したってそれ以上のことは言われぬでしょうからこれくらいでやめますけれども、いずれにしてももっと大臣が答弁するにしても誠意をもってこの委員会で答弁をしてもらわぬと、きょうの答弁を見ても何か非常に人を食ったような誠意のないような答弁だと私は感じております。これがお役所根性でしょうけれども、こういうようなことではほんとうにやはり今後の農政を進めていく上に大きな問題だと思います。しかしその点についてはもう時間もございませんからこれくらいで私は質問をやめますけれども、そういった意味では今後そういうのはもう少し親切にひとつ御答弁を願いたいと思います。 これで私の質問を終わります。(拍手) —————————————
○三ツ林委員長代理 小委員会設置に関する件についておはかりいたします。 すなわち、小委員九名よりなるいも、でん粉等価格対策に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員、小委員長の選任、辞任、補欠選任並びに小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その人選等所要の手続につきましても委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長は、追って公報をもって指名いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時六分散会