P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
63回国会衆議院1970/07/10

農林水産委員会 第31号

発言数
184
登壇者
20
会派数
5
開催日
1970/07/10

会議録

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私は果樹問題と酪農問題の二つにしぼって、時間の制約がありますので、要点を中心に御質問いたしますが、答弁もひとつ要点的に御答弁をお願いいたしたいと思います。  六十三特別国会の最終委員会に、私は、ことしの特にミカンの生産量が農林省推定で二百八十万トン、市場側で三百万トン、戦後最大の大豊作ということで、その価格対策につきまして、農林省に善処を御要望いたしてきたわけでありますが、国会が終了いたしました直後、濃縮果汁の緊急輸入が決定された新聞報道を見ました。この新聞報道によりますと、閣議におきまして佐藤経済企画庁長官と倉石農林大臣との間には意見の不統一のまま佐藤総理の裁断で、総理命令ということでこれがなされたということでありますが、本日は農林大臣も御欠席でございますし、政務次官もおられませんが、農林省でこの辺のいきさつを御承知しておりますればひとつ御答弁をいただきたいと思います。

大場敏彦農林大臣官房参事官

○大場説明員 本年のただいま御指摘になりましたオレンジの濃縮果汁の緊急輸入の件でございますが、これは本年に入りましてのかんきつの濃縮果汁の需給関係が背景になっておるわけでございまして、御承知のとおり、昨年のミカンの生産量の減少、それに伴う原料ミカンの値上がり、こういった影響を受けまして、果汁の価格も昨年の四割ないしは五割というぐあいに高騰を見ているのが最近の事情でございます。また一方需要のほうを見ますと、果汁製品の需要の拡大、特にその中でも果汁の含有率の高い濃縮果汁、こういったものの消費が最近著しく増加しておる。こういったことに基づきまして果汁の、特に濃縮果汁の需給関係がかなり逼迫しておるといったことが本年に入っての需給関係の実態でございます。  こういったことをバックにいたしまして、原料としての濃縮果汁の手当てがなかなかできない中小の清涼飲料業者から緊急にオレンジの濃縮果汁の輸入をしてほしい、こういう要請があったわけでございます。これは当然生産者サイドとの意見の調整を要するわけでございますが、農林省といたしましては、生産者団体、それからこういった中小メーカー、両方の立場を考えながらその意見の調整をはかって、先ほどオレンジの濃縮果汁の緊急輸入の決定を見た、こういったことになっているわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いまのお答えによりますと、原料不足、原料高、さらに経済企画庁は物価対策、こういうふうな点が今回の緊急輸入の理由だ、こういうふうに聞いておるわけですけれども、私どもの調査によりますと、濃縮果汁の需給事情につきましては、三十九かんきつ年度以降の平均消費量は三千九百五十八トン五分の一濃縮で、ことし生産者団体が準備をしておりますのは七千二十五トン、三十九年以降の年間平均の一七七%という相当膨大な量の手当てがなされておる、こういうことであります。それにもかかわらず濃縮で五百トンという輸入がなされるということは、今日の特に天候の事情——これはすでにこの時点におきまして気象庁の長期予報でも、ことしはたいへん冷涼な天候が長期的に継続する、こういうことが予報されておるわけです。御承知のように、夏になったような感じがしない天候がずっと続いておりまして、ジュースの業界紙等におきましては、ことしのジュースの売れ行きの不振というのがすでに指摘をせられておるわけですね。こういう中で相当量の輸入を認めていくという理由がどこにあったのか、実はたいへん不可解に思っておるわけであります。さらに、原料が高くなって末端の価格にはね上がる、こういうことも一般的にいわれているわけです。これは農林省というよりも、企画庁はきょう呼んでおりませんけれども、企画庁に該当するかもしれませんが、濃縮ジュースがジュースになった場合には、いま問題になっておりますにせもののジュースというものになるわけですね。いわゆる含有率一〇%未満のものにほとんど使用されるわけであります。それらの製品のコストをこまかく見てみますと、末端価格が三十円から三十五円で販売をされております。ところが、その中でいわゆる果汁の必要量というのはわずかに三円十五銭にしかなりません。今回原料高で確かに三倍程度の原料ミカンの値上がりはありましたけれども、しかしそれを見積もりましてもたしかキロ当たり一円五銭程度でありまして、全体の小売り価格の中では三十分の一程度の値上がりだと思うのです。そういうものを物価対策だということで一挙に緊急輸入に持っていく、このことが今日日本の果樹農家に対して与えている衝撃は非常に大きいわけであります。  こういう点を私は今回の緊急輸入についてたいへんふかしぎに思っておるわけですが、ことし、まかり間違ってこの輸入等のおかげで、あるいは生産も相当たくさんやっておるわけでありますが、もし濃縮果汁が売れ残りまして在庫が相当出てくる、ちょうどノリの輸入をやったときと同じような現象が出てきた場合には一体どうするのか。これはまずさしあたってことしの末から来年にかけて出回りますミカンの原料価格の買いたたきに非常に大きく作用すると考えられます。あるいは生産者団体、輸入を要請いたしました中小の飲料業界におきましても在庫の圧迫というのがいろいろな形で出てくると思うのです。こういう場合に農林省としてはどういう処置をとられるのか、そういうことをあらかじめ想定せられておるのか、この機会にお聞きをしておきたいと思います。

大場敏彦農林大臣官房参事官

○大場説明員 ただいまお話のありましたように、かなり果汁の生産は伸びておることも事実でございます。しかしながら、一方消費の伸びも近年において相当目ざましいものがございまして、たとえば四十二年を見ますと、四十二年に四千二、三百トンであった消費が四十三年にはその五割増しに近い六千トンということになっておるわけでございまして、今後消費の伸びはかなり期待できるものと思っております。それから先ほど申し上げましたように、今回の緊急輸入の背景といたしまして原料ミカンの値上がり、これは昨年御承知のとおりミカンの生産量が、裏年ということもありましたが、それにかてて加えて干害、こういったことがミカンの需給逼迫ということに作用いたしまして一五%減っておるといったことがありまして、原料ミカンの値上がりも相当ございました。それからまた濃縮果汁の需給関係も昨年に比べまして、たとえば四十三年キログラム当たり五百五十円という値段が七百五十円から八百円をこすというような高い値段に推移しておるわけでございます。そういうぐあいで、比較的大きい果汁メーカーの方はそういう手当てができたわけでございますが、中小の業者、中小の企業ではなかなかそういった需給関係に対しまして原料手当てができない、こういったこともありましたのでその要望をくみ、かつ生産者団体の意見を十分に尊重して、実は需要者サイドから五百トンの緊急輸入の要請があったわけでございますが、生産者サイドとも十分な協議の中でとりあえず生産者団体、つまり農協でございますが、その中から二百トン程度の自販分は提供しよう、残余の三百トンをというぐあいに、数量も減少いたしまして緊急輸入を認めた、こういったことになったわけでございます。今後の見通しといったことはいろいろ天気のこともございますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、今後果汁の需要量の伸びというものは相当期待できますので、今回の三百トンの緊急輸入によって需給がだれてそのために非常にゆゆしき問題が起きるというぐあいには現在のところ考えておるわけではございません。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 需給の事情はだいじょうぶだということでありますので、ひとつこれから先の状況を見詰めながらなおこの問題について私は私なりに究明していきたいと思います。  ただ一言申し上げておきますが、五百トンの要請があったわけでしょう。そして三百トンを緊急輸入したわけですね。あと二百トンは生産者団体から分ける、こういう話が輸入以前に相談せられておるわけですね。その二百トンに対してどれだけ需要が起きておりますか御承知ですか。

大場敏彦農林大臣官房参事官

○大場説明員 いま先生御指摘のありましたように五百トンの要請がありまして、生産者サイドから二百トンは自販分を回そう、こういう話があって数量を減少して輸入した、こういうことになっておるわけでございます。価格関係がございまして、二百トンを生産者から回すということに対する現在までの契約の成立というものは御指摘がありましたようにきわめて微々たるものでございまして、現在まで六百数十キロといった程度でございまして、ネグリジブルと申し上げてよいかと思います。ただ値段が非常に高い。先ほど申し上げたように七百八十円というキログラム当たりの値段で取引されておりますので、なかなかその取引が成立しない、こういった事情がございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 二百トン出すというのに六百十六キログラムしか実際の需要がないということでありますから、私はこの五百トンの緊急輸入の根拠そのものが、値段の問題がありますけれども、やはり何か違った観点で出てきておる、こういう感じを持たざるを得ないわけです。値段の問題は、もちろん原料ミカンが高くなったということはありますけれども、問題はやはり農林省、厚生省の管轄の例のチクロが使用禁止になりまして砂糖をジュース製造の原料に取り入れなければいけないという、この問題の圧力のほうがよほど大きいわけですよ。原料ミカンの需要増加よりもその点が大きいわけですよ。その点を見のがしてただ原料ミカンが高くなったからジュースが高くなるのだ、こういう形で一般的にいわれて、そして最終的には日本の選択的拡大面の相当大きな部面であります果樹の生産というものに対して将来非常に大きな問題を残す、こういうことになっておるのじゃないか、こういうように心配しておるわけです。  そこでお尋ねしますが、この緊急輸入というものはことし限りですか。来年はもう考えないということですか。ことしの輸入ワク、この五百トンというものは来年の濃厚ジュース、オレンジジュースの輸入につきまして何かそんな足がかりになるということがあるのかないのか、この点だけ。

大場敏彦農林大臣官房参事官

○大場説明員 今年に入りましてからの需給事情、相当に逼迫した需給事情を反映いたしました緊急輸入でございますから、必ずしも今後の先例ということにはとっておりません。今後の輸入問題につきましては、そのときどきの需給状況を勘案して生産者に不測の事態を与えないように慎重に考えていきたい、こう思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 通産省お見えになっておりますね。通産省にお尋ねしますが、この輸入をめぐりまして、農林省からオレンジの濃縮果汁発注限度内示書が全飲料、全国清涼飲料工業会に出されましたね。そこで全飲料がいわゆる日進通商株式会社に業務委託をした。これをおたくのほうへ申請をしておたくのほうで許可をした、こういうたてまえになっておるわけですが、農林省の内示指定を受けているかどうかということを確認するだけでこの非自由化品目に対するオーケーを与えるのですか、従来も。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 輸入割り当てをいたします場合、通常は、たとえばいわゆる内示書があるかとかあるいはその他の必要とする添付書類があるかどうかということを調べまして、たとえば法人で申しますと、はたして登記をしているかどうかという点は実は調べないのが従来からのやり方であったわけでございます。今回たまたまその日進という名前が実は目新らしい名前でございましたので、割り当てを受け付けましてから、実際に会社が実在するかどうか東京の法務局でチェックしてみたのでございます。六月五日に受け付けまして、六月九日に登記が完了しているという事実がわかりましたので、六月の十二日でございましたか、割り当てをいたしたわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 通産省いいですか。六月五日に日進通商が通産省に輸入割り当ての申請をしたのですね。そして六月九日に日進通商が設立されたわけですね。そしてその翌十日に通産省は割り当てを決定したわけですね。私は、このルールが、いわゆるお役所の仕事として、いまあなたは法務省へ行ったら九日に登記ができたので十日にしたと言われましたけれども、五日に申請を受け付けておるのですね。五日に申請を受け付けておる時点には、この会社は法人格を持っていないわけですね。法的には成立していないわけです。それを通産省がそのまま受け付けるということ自体が、法律的にはあるいは行政事務執行上妥当なのかどうか。そういうことで非自由化品目の処理手続というものがなされていいのかどうか、この点。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 ただいま受け付けでございません、割り当てを十二日と申しましたが、十一日でございます。それで割り当てを受け付けました段階におきましては、ただいま農林省のほうからお話ございましたように、割り当ての限度は三百トンでございまして、その三百トンの発注限度を全量持ってまいりました。したがいまして、ほかに発注を受けるものはないということで受け付けたわけでございます。  会社が設立中であったのになぜ受け付けたのかということでございますが、ただいま申し上げたようなことで、農林省の蚕糸園芸局長のお出しになります発注限度内示書を全量持ってこられたということで、そこに問題がないということで受け付けたわけでございますが、あとで会社が実際に登記もされている。そうしますと、発注限度内示書を業者から受け取ったときと、それから実際に会社が設立される間、設立手続中ではなかったか、こういうことになると思いますけれども、たまたまこの内示書を受け取った会社が一つでございますし、よしんばそのときに一度申請を却下いたしましても、六月二十五日にもう一ぺん受け付けることになっておりまして、結果的には同じであったろうかと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 結果的には同じだということは、あなたそういうことを言われますけれども、そのことは大切なんですよ。法人格を持っていないものを通産省というお役所が受け付けて、そして結果的にはまた二十五日出てきますから同じようになったでしょう。そういう答弁は私はちょっと納得できないですよ。それでもよろしいと思うのですが、行政機関としてはちゃんとした筋を通さないと成り立たないと思うのですよ。こういう例がいままであったのですか。農林省が出したのは実需者割り当てでしょう。全清飲に出したのでしょう。全清飲が商社にやったわけですね。そうするとその商社が通産省に行っているわけです。その時点で通産省としてはチェックすべきだと私は思うのです。しかも非自由化品目です。国民の生活に最も関係のある品目であるから非自由化品目にしていると思うのです。そういうものを取り扱う全く新しい会社、できたばかりの会社であります。設立されていないところに認可をしていくというやり方をやっていいのかどうか。これはミスだと私は思うのですが、どうですか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 この割り当ての問題につきまして一番大事なことは、割り当て本来の趣旨に従って物が輸入されるかどうかという点だろうと存じておるわけでございます。したがいまして、問題は農林省のお出しになりました内示書が真正なものであるかどうかあるいはその発注限度内示書をいただいた人からまたさらに正当に受注されているかどうかという点が問題であろうかと思います。実際の事務の点から申しますと、非常にたくさんある受け付けの会社の名前を何回か繰り返して出してきまして、知っているものももちろんございますけれども、率直に申しまして、その会社がほんとうに実在するかどうかということを事務的にあらかじめチェックするというのは非常にむずかしいと申しますか、手数のかかる問題がございます。したがいまして、今回はそういうことを意識してやったわけではございませんけれども、要するに発注限度内示書をもらった人と、あるいはその発注限度内示書の範囲内で輸入が行なわれるかどうかという点に重点を置いて、しかも緊急輸入であるということで、事態を先へ延ばすことなくやるほうが適切だったんではないかというふうに考えておるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 どうも納得いかないのですが、今後こういう問題はたくさん出てくると思うのです。通産省はこういうことをこれからも依然としてやはり認めるという意味にもとれるわけですけれども、それでよろしいわけですか。そのものずばりでお答えをいただきたいのですが、実在をしない会社を通産省は受け付ける、そのことがいいのか悪いのか。それはいろいろお仕事の関係で忙しくて、手抜かりがあって、よく検討できなかったということはわかるのですけれども、そのことをあなたのところはいろいろな理由をつけて、いたしかたなかったということではこれからあとまたこういうことが起きるわけです。今後こういうことをやってもいいのか、これは好ましくないから十分チェックするというのか、その点はっきりしてください。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 正直に申しまして、受け付ける段階におきましては、添付書類等を見て受け付けざるを得ないと思います。ただ、実際に割り当てを行なう段階におきましては、先生御指摘のように十分注意したいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私は、受け付けるときにそのことをはっきりしてないといけないと思うのですよ。法律的にどうですか。商法上の観点では、設立行為中の会社の行なうべき事業というのはどういうことになっておりますか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 商法はだいぶ私もうろ覚えでございますけれども、学説がいろいろあるようでございまして、開業準備の行為はできるという学説もあるようでございますし、あるいは設立中であっても業務はできるんだというような説もあるようでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いろいろな学説があると言われるのですけれども、私が聞いた範囲では、設立に関するいろいろな、簡単なものは土地を買うとか人を雇うとか、そういうものはできるようですけれども、こういうたいへん重大な、その会社の比重の中では非常に大きな業務ですね、こういうものについてはやはり登記完了後でないとできないというふうに聞いているわけですよ。まして私の言うのはお役所の仕事です。お役所の仕事で、法律上効力を発揮してないところの会社をお役所が受け付けるということ、そのことが問題だ、こういうふうに言っておるわけですよ。それを相変わらずいたしかたないとか、何か肯定せられておるわけですね。私はそこのところが問題だと思うのですが、どうですか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 私がただいま受け付けざるを得ないと申しましたのは、すべて輸入割り当て申請のときにあたりまして、たとえば会社の登記抄本など添付させるということはやっておらないし、またこれからもやらなくてもいいんではなかろうかということが申し上げた趣旨でございます。したがいまして、万一架空の会社であることが非常にはっきりしたような場合、これは割り当てもまたすることも問題となるわけでございますから、そういうような場合は、また取り扱いはおのずから別になってこようかと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 どうもはっきりしませんね。この五日にはまだ架空の団体ですよ。だからそういうふうな取り扱いをしてもらう必要があると思いますし、私は今後こういう問題はたくさん出ると思いますが、やはり非自由化品目の輸入等についての処理は、資格審査的なものを、簡単なものでもよろしいですけれどもやって、少なくともその会社が実在しているかどうか、会社の内容はどうか、あるいは事業内容はどうか、こういう点をやらないと、これは個人だって、銀行から金を借りるにいたしましてもいろいろな信用調査があるわけです。まして国際的な信用に関する貿易商社の選定にあたって、ただ書類が出ればそのまま受けてすぽっと通していく、こういうやり方に問題があると言っているわけです。だから、私はやはりある程度のことは、あまりむずかしいことは必要はないでしょうけれども、やっていただきたい。私は、この日進通商の内容等を私なりに持っておりますけれども、非常に小さな会社です。初めてオレンジジュースを輸入するのですね。日本には貿易商社はたくさんありますけれども、それをストレートに、ほとんど無審査でやっておる、こういうところに最近濃縮ジュースの輸入をめぐって新聞等でいろいろなことをいわれる原因があるわけですから、その点を、農林省もそうでしょうが、通産省は窓口として十分お考えをいただきたい、このことを言っているわけですから、きょうはそういう意味で農林大臣や関係者にもっと出てもらいたかったわけですけれども、おたくとここでやり取りしても十分煮詰まらないと思いますが、その点を言っておるわけですから、ひとつ十分お伝えをいただいて、御検討いただきたいと思います。  それから、この際農林省にお尋ねいたしますが、濃縮果汁の輸入ということが、実は果樹農民については非常に大きな衝撃を与えていることは事実であります。したがって、やはり貿易の自由化というものが速度を早めてくる、いわゆる農縮ジュースの輸入を中心としていろいろな問題が出てくるのではないかという心配がありますので、この際ひとつ、繊維問題等の決裂以来、日本の貿易自由化の速度が非常に早くなる、こういうことがきょうの新聞等にも大きく出ているわけですが、農産物の輸入につきまして、農林省は今日まで一つの方針を持っておられるわけです。その方針を変更しようとしておるのか、これは大ざっぱなことになると思いますが、お聞きをいたしたいし、特にレモンジュースの輸入は、グレープフルーツと同様に四十六年末と一応予定をされておるわけですが、このレモンジュースの輸入については既定方針どおりなのか、あるいはオレンジの輸入についてはやはり認めない、こういう方針なのか、この点をお尋ねをしておきます。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 農産物の自由化の問題につきましては、自由化全体についての昨年秋以来の数次にわたる閣僚協議会の御検討をいただきまして、現在の自由化についてよるべき方針が閣僚協議会決定という形で示されております。私ども、この線に沿いまして着実にこれを実行するように考えておりまして、その他の要素で判断を確認するというようなことはいたさないつもりでございます。  なお、自由化の計画品目につきましてはすでに公表いたしてございまして、これらのものにつきまして適切な時期に具体的な自由化の手続をとりたいと考えておりまして、いまだ計画品目になっていないものにつきましては、現在自由化の考えはございません。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 重ねてお尋ねしますが、レモンジュースの輸入は四十六年末、こういうことになっておると思うのですが、間違いありませんか。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 レモンジュースは自由化を計画する品目になっておりますが、四十六年末というよりは、むしろ本年中の自由化の品目の中に見当としては入っておるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それではレモンジュースの輸入の問題は、本年末に自由化が行なわれるかもしれない、こういう事態が起きる可能性があるわけですか。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 レモンジュースにつきましては、早期に自由化するという方針で、先般物価関係の閣僚協議会がございましたときに、家庭生活に直結したものについてできるだけ年内に自由化するようにという閣僚からの示唆がございまして、その際に農林省側から、台所に直結したものの例示としてレモンジュースとそれからマーガリン、ショートニングを閣僚協議会に申し上げております。したがいまして、農林省といたしましては、レモンジュースにつきましては、できるだけ早期に自由化するという考え方をあの際に閣僚協議会に申し上げてあるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 レモンジュースの自由化を早急にするという方針ですが、いろいろレモンについてもさらに数年来問題になっておりましたが、なおジュースが入っていくということで、これまたたいへん日本の果樹農業の将来にとって大きな問題が提起をされたと思うのですが、私は時間が制約されておりますので、いろいろまだ御質問をこの果樹問題でいたしたいわけですが、十分できないのを残念に思いますが、ひとつミカンにつきましては、やはり加工をどう伸ばしていくか、この問題が今後のミカン、リンゴ等を含めた果樹の将来を方向づける、やはり非常に中心的な問題になろうかと思うのです。特にわが国の場合、加工部面のウエートは非常に少ないわけでございますので、本格的にやはり加工に対する施策を早急に打つ必要がある、こういうふうに思いますが、ところが現実にはいわゆる加工に対するいろいろな制約が幾つかあります。たとえば政策的には、御承知のように食品衛生法で、いま特にミカン等についての冷凍貯蔵方式といったようなものが立ちおくれておりますし、技術的にも非常におくれておるようです。しかし最近農林省の園芸試験場あるいは各県の果樹試験場等においても、こういうものについての研究が相当進み始めておりますので、ぜひ農林省としてもこれらに対する予算措置を大きく打って、やはり加工面をいかに拡大していくかということ——これはすでに先般の委員会におきましても、大臣も園芸局長もしばしばおっしゃられておるわけでありますが、こういう問題について大きく取り扱っていただきたいと思いますし、特に現在の食品衛生法の高温加熱殺菌方式というものを早急に改めさして、やはり冷凍貯蔵方式といったようなものが可能な方向を——これは牛乳も関連するわけでございますけれども、ぜひ進めていただく必要があると思いますが、この点厚生省と農林省の間で何か具体的に話は進んでおりますか。

大場敏彦農林大臣官房参事官

○大場説明員 ただいま御指摘になりましたように、わが国の、ことにミカンの加工という部面の立ちおくれが、これは欧米に比べまして相当おくれておるわけでございまして、今後ミカンの生産の増大に対応いたしまして、需要の増大、特にその中でも加工部面における需要の増大という問題を喫緊の問題として農林省は受けとめてい政策を転換してまいります。御承知のことでしょうが、本年度から十分であるかどうかは、いろいろ今後努力する必要はありますが、いろいろの予算措置も講じておるわけでございます。  それからただいま御指摘になりました今後新しい製品としての冷凍濃縮果汁の製造を拡大していく、こういうことになりますと、御指摘になりましたように、食品衛生法との関係がございまして、加熱を要するというぐあいに規定をされているわけでございます。今後農林省が四十五年度から予算措置をとって展開してまいろうといたしておりまする新製品の冷凍濃縮果汁は、その製造過程におきまして、従来のように加熱という過程を経ませんで、零下二十度以下にいたしまして、雑菌を不活性のままにしておくという、こういったことでございまして、これはどういうわけかと申しますと、御承知のことでしょうが、風味、栄養いずれの面においてもそのほうがすぐれておる、こういったことであるわけでございます。ただ、こういった新製品を拡大し、需要を拡大してまいります過程におきまして、食品衛生法の七条、清涼飲料水の製造基準及びその保存基準というものがございまして、製造後高温の加熱殺菌を必要とする、こういったことがございますので、この点は調整を要するわけでございます。従来これにつきましては、再三厚生省と折衝いたしておりまして、厚生省のほうも、食品衛生法上いろいろ世論がうるさい世の中でございますが、前向きにアメリカ等の事例も——アメリカはむしろこういった新製品が主流をなしておるわけでございますから、そういった事例等を参考として検討してもらっておる段階でございます。ただわが国におきましては、新製品でございますので、データがやや不十分であるといったようなことがありますので、データを逐次厚生省のほうに、生産者団体のほうとも打ち合わせて送り込んでおる実情でございます。できるだけ早くその結論を得て、その新製品の需要が本格的に展開できるように措置したい、こう思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 果樹の問題は以上で終わりまして、あと一、二問酪農の問題について御質問をいたしたいと思います。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 簡単に願います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 御承知のように、ことしの加工原料乳はキロ二十一銭価格安定法に基づくアップの決定がなされたわけでありますが、現在生産者団体とメーカーとの間に市乳、特に夏場におきます市乳の値上げの話し合いがなされておりますが、どうも最近の天候の事情、特に需給の事情等が反映をいたしまして、ほとんど進展を見ていないというふうに聞いておるわけであります。需給事情についてこまかくお尋ねをいたしたいのですが、時間がありませんが、確かに牛乳をめぐる需給事情というのは、今日必ずしも楽観を許さない状態でありますけれども、御承知のように、えさが相当上がっておりまして、ことしの三、四月に配合飼料が千円から千五百円上がった、それから農林省のほうはどういう御指導をせられておるか知りませんが、八月から九月にかけて第二次の飼料の値上げが行なわれる、こういう状態になっておりますので、酪農家といたしましては、やはり飼料の値上げ分に対応する乳価の値上げというものは当然の要求として出ておると思うのですが、なかなか思うように値上げが進まないようであります。その原因の一つは、畜産事業団の在庫、いわゆる脱粉の在庫というものが相当大きなウエートになって、特にメーカーの思惑にこれがある、こういうふうに聞いておるわけであります。農林省としてこの問題についてどういうお考えでしょうか、お尋ねをいたしておきたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 御承知のとおり、飲用乳価につきましては、それぞれ取引当事者間の話し合いで価格形成が行なわれることになっておるわけでございまして、本年度におきましても、ただいま先生から御指摘のございましたように、人件費の値上がりとか諸物価の値上がり、さらに飼料の値上がり等に伴いまして、夏場の供給が不足する時期に限りましてある程度乳価を改定してもらいたいという要望が、生産者団体から乳業者に出ておることは承知しております。その際に事業団の手持ちの脱粉等が脱粉の値上がりの抑制になっているのじゃないかというお話もございましたが、現在の需給は、本年度当初われわれが立てました需給によりますと、大体需給が均衡するのではないかというふうに考えておりますので、事業団手持ち脱粉を直ちに放出するような事態というのは、実はいま直ちには考えられないということもあるわけでございますので、そういった意味でこれが乳価の形成に非常な悪影響を及ぼすということはなかろうというふうに考えております。ただ毎年これの話し合いが非常に難航するというような場合に、最終的にはやはり政府が間に入って何とかしないかという話にもなるわけでございますが、そういったことがいままでの例であったわけでありますが、本年度につきましては、目下当事者間での話し合いが行なわれておる段階と聞いておりますので、いましばらくこれらの推移を見まして従来の例等を参酌いたしまして、政府としても時期が至りますれば、しかるべき指導に当たりたい、かように考えておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 だいぶ時間に追われますので、質問の要点だけ項目的に並べて一括お答えいただきたいと思いますが、一つは、いま畜産局長申されました畜産事業団の在庫を今日の時点では放出をする必要はない、こういう御答弁であったと思いますが、私もそういうふうに考えますが、いまの市況の状態からいたしまして、事業団の脱粉の放出ということは考えられないと思うのですが、この点、いつごろまで——これはなかなかむずかしいと思いますけれども、ここ当分は事業団脱粉は必要ない、こういうふうに、まあ法律的なことでこれはやっておるわけですから、その時点が来ればまたそうでしょうけれども、少なくとも今日の時点ではここ当分の間、脱粉の放出は考えられないという理解をしてよろしいかどうか、これが一つであります。  それから第二は、最近の酪農の生産の状況を見てまいりますと、昨年暮れあたりから生産がだんだん減退をしてきておるのじゃないか、こういう心配をしておるわけであります。農林省のほうの資料をいただいておるわけでありますが、毎年大体一二%内外の生産の伸びがあったのでありますが、昨年十一月から四十五年の一月、二月、三月、四月、五月と、だんだんこれが低下をいたしておりまして、前年対比大体五%、六%、こういう生産量の増強になっておると思うのです。特に問題は、市乳地帯といわれる地域ですね。農林省の資料では、関東、東山、東海、近畿、こういう地方につきましては、生産の減退が著しく出てきておるわけであります。近畿等については、これは五月でありますけれども九八・八%、前年よりも生産が減ってきておるということであります。これは、都市周辺の酪農というものが、今日ある意味では非常に大きな問題をかかえておるということを示しておるのではないかとおそれるわけであります。従来、畜産物価格安定法なり不足払い法等を通じて原料乳というものに対して政策的ないろんな手当てがなされておったわけでありますが、同じ乳でありますから、従来からもこの委員会でも問題になっておったようですが、市乳というものに対してやはり本格的に考えてみなければ畜産、酪農の振興というものは考えられないのではないか。特に今日、都市近郊の酪農というのは、御承知のように地価の問題、労賃の問題、さらにふん尿処理の公害の問題、こういう問題がありまして、所によりましては多頭飼育がつぶれるというところもあるやに聞いておるのでありますが、この際、市乳地帯における生産振興の方策というものを農林省として具体的におつくりになる考えはあるかどうか。私は、これを十分考慮していかなければいけない段階にきておる、こう思うのでありますが、その点をお聞きしたい。  第三に、乳価交渉でありますが、これは第六十一国会で太田畜産局長が、生産者とメーカーとの乳価の交渉に何らかのルールをつくらなければいけない、農林省としても積極的にそれに乗り出していきたい、こういう答弁がなされておるわけですが、その後相変わらず乳価交渉というのは、なかなか利害が相反しますので、メーカーと生産者との間に実はいろいろいきさつはありながら進められておりまして、解決がたいへん長引く状態がしばしば出るわけでありますが、乳価交渉について、農林省としてどういう方法でこれに入っていくのか。たとえば酪農振興法の規定に基づいて調停の機能といったようなものがもう少し本格的に動くようなルールはできないのか。月給取りの場合は仲裁裁定というのが出てくるのでありますが、おたくのほうも生産費調査というものを正確にやっておるし、乳業メーカーの状態といったようなものももう少し調査いたしまして、そういうものに基づいて——物価問題等があってなかなか末端の小売り価格を上げることができないという制約もあるわけですから、現実にはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、やはり正確な分け分というものを考えていく必要があると思うわけです。私は、昨年牛乳の三円アップですか、その配分のしかたで、乳業者はある程度取っておると思うのですよ、乳業会社の業務実績は高いのですから。ことしの場合は、小売り価格を上げることはできないということがありますだけに、なかなかむずかしく、はっきり返事をしないんだと思いますけれども、しかしこういう問題等についても農林省として、何も生産者のほうにばかり顔を向ける必要はありませんけれども、正確な資料に基づいて、そういうふうにこじれた場合には、こういう方法で処理すべきだというアドバイスを積極的に進めていく、この際思い切って何らかの方法で市乳の価格形成についての一定のルールをはっきりつくり上げていく、こういう点をおつくりいただきたいと思います。これはおたくのほうでも局長のほうでもはっきりやると言っておられるわけですが、どういう考えで進めておるのか、この点も第三の問題としてお答えをいただきたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○太田説明員 事業団の放出がいつごろ行なわれるのかというお話でございますが、これは将来の生産なり需給の見通しを立てませんと簡単に申し上げかねるわけでございます。本年度は大体需給均衡であろうと見ておりますので、いま直ちに払い下げを行なうという事態にはならないだろうというふうに考えております。  それから牛乳の生産でございますが、御承知のとおり不足払い制度が発足した当初におきましては、実は生産が非常に鈍化をいたしまして乳製品の価格が上がった、そのために事業団が大量の輸入を実施いたしたのでございます。と申しますのは、昭和四十二年の生産が対前年一〇四・六、ところがその後酪農振興対策特別事業等も実施いたしましたし、不足払い制度の効果もあらわれまして、四十三年におきましては対前年一一二・六、四十四年が一一二・三というようなきわめて高い伸びを示したことは御承知のとおりでございます。ところが御指摘のございましたように昨年の十一月ごろからやや伸びが鈍化をいたしておりまして、本年に入りまして一月が一〇七・〇、二月が一〇七・一、三月が一〇五・七、四月が一〇五・二、五月が一〇六・二ということで、われわれは大体七%から八%くらい伸びるのではないかという想定をいたしておりますが、それよりやや低目に推移をいたしております。これは一つには、御指摘のございましたような都市近郊地帯の酪農がやはり公害問題等で産地の移動が行なわれておるというようなこともあろうかと思いますが、やはり何と申しましても飲用乳化を進めるということが酪農近代化の一番の早道でもございますし、酪農民の手取りから見ましても有利であるわけでございますので、われわれは都市近郊の市乳圏地帯というものの確保をはかってまいらなければならないというふうに考えております。  そこでわれわれが考えました政策として従来具体化しておりますのは、たとえば飼料置き場を整備するための既耕地における飼料作物の導入事業に対する助成とか、場合によっては公害等で移転を迫られておるところの農家に対しましては、畜産団地の造成事業というような事業も新しく四十五年度から仕組みまして、公共事業として実施するというようなこともいたしておるわけでございまして、都市近郊における酪農家が公害等の問題で移転を迫られておるような場合には、これらに受け入れの場所をつくっていくというような形で考えてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。  なお飲用乳価の問題でございますが、御承知のとおり現在加工原料乳につきまして不足払いをいたしておるわけでございまして、保証価格の決定を政府が畜産振興審議会にかけまして決定をいたしているわけでございます。ある意味におきましては、これが間接的に市乳価格の支持にもつながっておるというふうに理解をいたしておりますが、何ぶん市乳につきましては当初から申し上げておりますように地域の需給実勢によって価格が決定されるというふうに考えておるわけでございます。そうは申し上げましても、かねてから必ずしも当事者間の交渉にゆだねておるばかりでは価格決定がなかなかむずかしいということもございます。かつて指導価格を政府がとっておりました時分には市価逆算方式というようなことが生産者団体から提案されたこともございます。しかし現在は指導価格も撤廃をしてしまった今日でございますので、直ちにそういった方式もとりにくいというようなこともございます。それから現在のたてまえでは御承知のとおり生産費調査はいたしておりますが、メーカーにおける市乳の処理加工経費等の調査は実はいたしていない、有権的な調査がないわけでございます。そういったこともございまして、とにかく何らかのルール化をはかりたいという気持ちには変わりはないわけでございますが、集まって検討はいたしておりますが、これといった確たる方式がまだ見出せないというのが実情でございます。しかし、そうも言っておられませんので、われわれといたしましては、近く研究会を発足いたしまして関係者の方にお集まりをいただきまして、そこで各人の自由なる討議をしていただきまして、そこから何らかの結論を得たいということで、せっかくいま人選をいたしまして近く発足することにいたしておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 松沢俊昭君。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私は、大体三つ質問をしたいと思いますけれども、第一点は米の生産調整をめぐっての質問であります。  ここに配付されました資料に、米の生産調整の実施計画の目標と実際の状態、七月八日付の農林省の数字が出ておりますが、この中で一〇〇%達成をしていないのは新潟県と京都府、この二県でありまして、あとは大体達成されている、こういう数字になっているわけであります。しかし、私も新潟県でありまするが、これは町村段階で把握をいたしまして、そうして県に出してきているわけなんでありまして、やはり農民感情といたしまして、隣から隣まで順々に田植えが始まっていきますと、休耕にするつもりであったのが、まあ、休耕はやめだということで植えつけが行なわれているということになりまするから、実際はこれよりも下回るところの成績ということになるんじゃないか、かように私考えますのですが、この点、農林省のほうではどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 お配り申し上げました数字は、五月末現在の実施計画の数字でございまして、実際の生産調整の実施状況がどうなるかは、七月なり八月なりに確認をいたしませんとわからないわけでございます。いま、若干数字が減るんじゃなかろうかという御指摘がございましたが、確かにそういう傾向もあると思います。私ども、いろいろ県等を通じまして調査をいたしておるわけでございますが、若干そういうことを言っている県もございます。ただ、どの程度そういうものが実施計画の数字から減るか、あるいは、場合によってはふえるということもあり得るわけでございますが、いまの段階では、ちょっと数字としては把握しにくいわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そこで、来年も生産調整をやっていくということを政府のほうでは言明しておられるわけなんです。二、三日前に生産調整協議会が開かれた。その席上におきまして、政府のほうでは生産調整に非協力な県に対しては制裁立法というものも考えていかなければならぬのじゃないか、こういう発言があったということを聞いているわけなんですが、その真意のほどをお伺いしたいと思うのです。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 七月の八日でございますが、生産調整の中央推進協議会を開催したわけでございます。その議事の中におきまして、一部の方から御意見がございまして、生産調整の目標を各県非常に苦労をして達成している、ところが、結果に出ておりますように、一部の県でかなり目標を下回っている、これは、常識的に考えていかにもアンバランスではないか、何らかの措置を考える必要があるんじゃなかろうかといったような趣旨の御発言があったわけでございます。それに対しまして、実は、私がお答え申し上げたわけでございますけれども、生産調整というのは、御存じのとおり農家の方あるいは農業団体、それから地方公共団体等に御協力をお願いいたしましてやる筋のものでございまして、これは頭から強制するという性格のものではないわけでございます。そういう事業の性格からいたしまして、いろんな事情はあるわけでございますが、目標数量を達成しないからといって、直ちに制裁的な措置をする、こういう趣旨のものではないわけでございます。そういうことを実は申し上げまして、ただいかにも社会的な常識としてアンバランスではないかという気持ちはわからぬことはありませんというような趣旨のことを申し上げたわけでございます。でございますから、そういうことにつきまして、これは来年度生産調整をやるかどうかということは、政府としては決定をしておらないわけでございますけれども、かりに何がしかの生産抑制措置というものを来年度行なう場合に、一つの問題点として検討をする必要があるというふうに私どもは考えておりますが、制裁的な立法をするとか、そういうことを現段階において考えておるわけでは全くないわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 何らかの方法を考えなければならぬのじゃないかということ、それはやはり非常に重大だと思います。新潟県と京都府、この二県ということになっておりますけれども、私は新潟県の実態もここに持ってきておるわけなんでありますが、達成率五〇%以下の町村というのが、県がまとめたやつでも二十幾つか出ているわけなんであります。そこで、一番小さいところになりますと、もう一五%程度しか達成をしていないという町村があるわけでありまして、これらの町村と近代化資金の貸し付けの問題、この二つを比較してみましたところが、成績が悪いところの町村の近代化資金の申請というのはほとんど不承認という状態になっているわけなんであります。いままでは全部、書類上の不備の点は直して、たとえば田植え期のごときに至りましては、昨年の暮れあたり買ったやつを本年出す、そういうものは除外されましたけれども、しかし、近代化資金の貸し付けの時期がだいぶおくれますので、事前着工という場合があるのですが、そういう場合におきましては、こういう理由によって事前着工せざるを得なかったという付せんをつけて出したものに対しましては、ほとんど承認をされておったわけなんであります。ところが、今回は、それが全部不承認になっておる。それだけでなしに、その他のこれから買うものにつきましても不承認というものが非常にたくさん出ているわけなんであります。こういうことを考えますと、いまあなたのほうから言われましたように、何らかの方法を考えるというその考え方と、新潟県で行なわれているところの近代化資金の貸し付けの不承認の問題とがぴったり一致している。そうだとすると、これはやはり政府のほうで、県の当局のほうに対しましてそれらの指導をおやりになっているのじゃないか、こういうぐあいに私考えるのですが、この辺はいかがになっておるのか、はっきりお答えを願いたいと思うのです。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 農業近代化資金制度の運営につきましては、農林経済局のほうで関係県と相談しながらやっておりますが、生産調整の進捗状況と関連させて、その運営について特段の措置をするような指示はいたしてございません。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 はっきりしてもらいたいことは、これはやはり強制でなくして、自主的に目標を立ててやってもらうという筋合いのものになっているわけなんでありますから、報復措置、制裁措置というものは絶対にやらないというふうに理解して差しつかえございませんか。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 現在やっております生産調整は、おっしゃるとおりの趣旨のものでございますので、私どもといたしまして、目標を達成しない場合におきましても、制裁的な措置ということは現在の段階で全く考えておりません。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 来年もお考えになりませんか。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 来年生産抑制対策をどうするかということは、これはまだ今後検討すべき段階でございますので、いまの段階でお答え申し上げることは非常にむずかしいわけであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それともう一つの問題でありますが、最近、新潟県の場合におきましては農協の倉庫がほとんどからっぽになってしまうという状態が続いておるわけなんです。去年、おととしまでは、要するに米の検査時における混乱というものはたいへんであったわけなんであります。ところがことしは、古米、古々米の宣伝というものは行なわれておりまするが、新潟県の平場地帯におけるところの倉庫というのはほとんどからの状態になっております。去年、おととしにこりまして、全部農協のほうでは倉庫をつくったわけでございますが、その倉庫の倉敷料が取れないというところの状態まできているわけであります。政府の手持ち用の米の倉庫の全国的な分布図、そういうものをひとつ資料として御提出を願いたいと思いますが、どうでしょうか。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 分布図というのは、どういうことを整理すればいいのかちょっとよくわかりませんけれども、あるいは県別の政府指定倉庫の数ですか、そういうものはもちろん整理をしてお出しすることはできます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 とにかく七百万トン、五百六十万トンというふうにいわれるわけなんでありますが、それだけ余っている。余っているが、反面生産県であるところの新潟県の倉庫はからっぽである。非常に奇異な感じを農民は持っているわけであります。でありますから、どこにどれだけ山積みになっておってどこがからになっておるか、そういう一目瞭然わかるような資料をひとつ御提出を願いたい、こういうことであります。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 倉庫別といいましてもきわめて膨大でございますから、先ほど申し上げましたように、県別に倉庫がどれだけある、それから県別に政府保管米がどの程度あるというような数字は、整理をしてお出しすることはできます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それじゃそれをひとつ出していただきたいと思います。  それから二番目の問題でありますが、やみ米の問題であります。これは新聞は五月十八日付の新潟県の地方紙でありますが、すでに新潟日報で出しているわけなんであります。昨年も米の横流し問題でだいぶ問題が起きたわけであります。ことしもまた「再び起きた配給米の横流し」ということが出ているわけでありまして、「食管法を食い物に」「罪悪意識もない米穀業界」こういう見出しで出ているわけなんであります。これは長岡市の米穀の卸業者とこの業者と取引のある十二の小売り店を調べたところが、これまでに二万俵、千二百万トン、金額にいたしまして一億八千万円、こういう政府米の横流しというのが出ているわけであります。その後さらに県会等におきまして追及がされたわけなんでありますが、その結果さらにまた別なところに米が横流れているということで、また新たに一万俵の米の横流しというのが出てきているわけなんであります。おそらくこれは、調べたところがそういう状態でありますから、調べないところを計算するということになりますと、相当政府米が横流しされているのではないか。  ところが、食管法やあるいはまたその施行令等におきまして、こういうやみの横流し問題が起きた場合におきましては、それなりの行政的な処分が行なわれるということになっているわけなんでありまするが、この点につきまして、食糧庁のほうではどのような措置をおとりになったのか。そしてまた、昨年はどのような措置を県に対して指示をされたのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 御指摘のように新潟県におきまして、昨年も販売業者についていわゆる横流し事件というものが発生をいたしまして、私どもきわめて残念に思っておるわけであります。処分の権限は県に委任をしておりますので、私どものほうとしては県にも十分指示をいたしまして、そういった事件が明確になれば適切な措置をとるようにということを指示いたしております。昨年発生をいたしましたそういった事件については、県当局もしかるべく行政措置をとっておるというふうに承知をいたしております。  なお、全国的といいますか、他府県におきましてもさような事件がございます。私どもとしては、販売業者に対しまして定期的に業務の監査をする、できるだけそういった監査を通じて不正事件が発生をしないように予防をするといったようなことをやっておりますが、不幸にしてそういうことが見つかりました場合には、それぞれ実情に応じまして適切な行政措置をとるということで県にも命じ、また県でもさような措置をとっておるという状況でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 食糧管理法の三十二条に処罰規定というのがあるわけなんでありまして、この処罰規定からいたしますと、移出、移入、こういうことをやった場合におきましては、要するにそのものを没収をする。没収することができない場合においてはその価額を追徴することができる、こういうことになっていると思うのです。それから今度は政令からいたしますと、政令では業者の登録の取り消しをやるというふうになっておるわけなんでありまするが、昨年はそれが行なわれなかったと思います。ただ司法処分といたしまして、罰金が八千円から五万円ですか、その程度で終わっているわけなんであります。そして県会の農林部長答弁を聞きますと、中央の食糧庁側のほうであいまいな態度をとっているのでなかなかはっきりしたことができないのだ、こういう趣旨の答弁もやっているわけなんであります。  いまこういうふうにして食糧管理法が空洞化されつつあるとき、これを完全実施をするという姿勢が食糧庁にないところに問題があるのではないか。そうして一俵に二千円近くの逆ざやを取って金もうけをしている。こういうものを公然と認めていくということになれば、いま問題になっておりまするところの食糧管理制度というのは完全に崩壊してしまうじゃないか。だからその点はもう少しきちんとした姿勢で、これらの法律、政令に基づいてあるところの処分、処理というものをやらなければどうにもならないということになるのじゃないか、かように考えますが、この点は食糧庁のほうではどうお考えになっているのか、はっきりしていただきたいと思うのです。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 おことばにございましたように、食糧庁のほうであいまいな態度をとっておるから県としてもやるべきことがやれないというふうな発言が県当局であったとすれば、私どもはきわめて心外であります。食糧庁としてもこういった法律なり制度が堅持をされております以上は、そういった目的に違反するような行為に対しては適切な処置をとるという態度は堅持をいたしております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そこで、その適切ということばなんでありますが、適切ということばは非常にあいまいであると思うのですよ。昨年は登録の取り消しというのが行なわれなかったわけです。ことしもまた登録の取り消しをやらないということになれば、やみ屋を公然と認めることになるわけであります。ことしはもうすでに新潟県で発覚したものだけでも三万俵であります。これをさらに調べていけばもっと量は増大してくる可能性があると思うのです。でありますから、やはりちゃんと法律、政令できめられた処分というものをやるのかどうか、その点をはっきりしていただきたいと思うのです。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 もちろん御指摘のように、法律上行政措置の権限は与えられております。そういった法律上適切な措置をとるということ、あるいは業者に対する指導のあり方といたしまして、そういった事件が発生しないようにするためには行政指導、行政措置としてそれぞれ実態に応じた適切な手の打ち方もあるわけでありますから、現在、御指摘がございました新潟県で発生をしつつあるという事件につきましては、県当局に対してさらに詳細な調査報告を求めておる段階でございます。そういった詳細な調査報告がございましたならば、私どもとしても県当局に適切な指示をする所存であります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 これは新潟県の場合においては前科者なんでありまして、今度前科二犯ということになるわけだ。でありますから、適切な措置というのは要するに業者の指定の取り消しをおやりになりますか。現に同じ業者が同じことをやっているんですから、取り消しをやるのかやらぬのか、その点だけはっきりしてもらえばいいわけです。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 ただいま申し上げたようなことで県から詳細な報告がございましたならば、そういう事実を十分検討した上で適切な措置をとるということでございますから、いま具体的にいかなる措置をとるかということは、調査の報告を待った上でないと、この席で明確にはお答えできないということでございます。いずれにいたしましても、あいまいな態度をとるといったようなことは絶対にしないということは申し上げておきます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それではその次の問題に移りたいと思います。ことしの米価の問題につきまして簡単に御質問してみたいと思います。  米の値段というのは割り算なんでありまして、要するに分母と分子をいろいろ操作をすれば答えも大きくなったり小さくなったりするのであります。そこで去年、おととしは平均反収から標準偏差というものを差し引いて、おととしはワン・シグマ、去年は〇・五四シグマ、ことしはそれを全然差し引きをやらなかった、そういうことで分母の面が大きくなったわけなんであります。一体標準偏差を引くというそのことがいままでは誤っておったのか、それとも誤っておらぬけれども、低米価を答えとして出すためにやむを得ないところの措置であったのかどうか、その点をまずお聞かせ願いたいと思うのです。  それからその次の問題といたしましては、生産性向上に伴うところの利益の還元分、いわゆるメリットでありますが、昨年までは二分の一ですか、農民の努力によって報われる生産性の向上した利益分というのは農家に還元するというものの考え方になっておられたわけなんでありますが、ことしはその考え方がはずされたということは一体どういう意味なのか。  それからもう一つの問題は付帯労働時間。米が生産されるところの状態というのは去年もおととしもさきおととしも、そしてことしもやはり同じ状態であるわけなんであります。それにもかかわらず、去年まで付帯労働時間というものを認めておったところの農林省がことしはこれを切ってしまう。これは生産様式が変わったというふうにお考えになっているのかどうか。合わせると分母が大きくなって分子が小さくなる、そして答えを出して二万三百二十円という基準米価が出てくる、こういうものの考え方についてひとつはっきりした御見解を承りたいと思うのです。   〔委員長退席、安倍委員長代理着席〕

森本修食糧庁長官

○森本説明員 本年産米価の決定についてのお尋ねでございますが、私どもとしては、本年産米価の決定にあたりましては、生産費・所得補償方式を基本としながら、現在といいますか最近における米の需給事情を適切に考慮して決定するというのが基本的な考え方であります。需給事情について詳細申し上げる必要はないかと思いますが、さようなことで、従来米価の決定にあたりまして、生産費・所得補償方式の運用について、それぞれそのときどきの需給事情をバックグラウンドにして政策的に配慮をしてまいるといったような要素のありましたことは御案内のとおりであります。したがいまして、ただいま御指摘がございましたような各要素についてはそれぞれ従来何年間かやってまいりましたけれども、そういった諸要素を考慮する際に需給関係が不安であるといったようなバックグラウンドを背景にして、必ずしも原価性といいますか、生産費という点においては原価性は認められない、あるいはきわめて疑問であるといったようなものについても政策的に配慮をして加えてきたといったような要素は、今年のような需給関係のもとにおいて米価を決定する際においては、そういう配慮は現在の需給関係を考えれば加える必要はないという意味で、算定方式の運用についても精査をして決定したといういきさつであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私の聞いているのは、その一つ一つを理論的に説明をしてもらいたいのであって、いろいろな情勢がどうだとかこうだとかいうことではない、きわめて簡単な算術なんだから、算術には理屈があると思うのです。その理屈をきちんと説明をしてもらいたい。いままでワン・シグマを引いておったのは誤りであったというなら誤りであったでいいのです。あるいは付帯労働時間をつけておったのは誤りであったということなら誤りであったでいいのです。それではどういうわけで誤りであったのか、そういう点を明確にしてもらいたいわけなんです。だからばく然たるところの米価そのものを私は聞いているわけではないのであって、そういう計算方式というものが変わったというのには変わったなりの誤りがどこかにあったから変えたんだろう。誤りがなかったら変える必要はないじゃないか、この点をはっきりしてもらいたい、こういうことであります。  それから、時間がありませんから、それはそれで答えてもらいたいと思いますが、続いてその次に第三条の第二項の意味なんでありまするが、これをひとつ明確に答えてもらいたいと思うのです。   〔安倍委員長代理退席、委員長着席〕  第三条二項には「前項ノ場合二於ケル政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」こういうことになっておりますが、物価それから生産費は上がっている。政府が発表するだけでも物価は六・四%上がっている、こう言っているわけです。中身の検討をやればもっと上がっていると思います。生産費につきましても前年対比で出されるところの資料によりましても一六・三%上がっている、こういう状態になっているわけなんです。どのようにお考えになったのか、その点。それから「経済事情ヲ参酌シ」こういうことになっておるわけなんですが、経済事情というのはどういうことを意味しているのであるか。それから「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ」ということなんですが、米穀の再生産確保ということは、これは個々の農家の再生産の確保ということを意味しているのか、日本全体の再生産の確保ということを意味しているのか、その点をはっきりしてもらいたい。それから、かりに全体ということになりますと、たとえば米価の歴史の中にはバックペイを出されたことがあるわけなんでありますが、それとの関連は一体どうなるのか、この点をはっきりしていただきたい。これが二点の質問であります。  それから売り渡しの問題でありますが、売り渡しの場合、きめる場所というのは閣議できまるのですね。閣議の決定を官報に登載して告示をやりますね。これが一つですね。それから次に買い入れ条件の公示をやるということになっておりますね。それから事前売り渡しの申し込み期限の告示をやる、こういうぐあいに三つ告示、公示というものが行なわれておりますが、これは政府の一つの行政処分ということになるのかどうか、その点はっきりしていただきたい。  それからもう一つの問題でありますが、いまこの米価というものは要するに不当、違法の米価である、だからこれは取り消すべきじゃないかという裁判提起が行なわれようとしているわけです。その場合に、予約をやったものは一俵千円の前渡し金をもらうということになっているわけなんであります。ところがいまの農家の状態からいたしますと、自殺者も出ているというところの現状でありますから、都市近郊の土地の売買によって収入を得ているところの農家は別といたしまして、純然たる農村地帯の経済状態というものは非常に逼迫している、これは現状であります。そうだとすると、その予約をやる場合、皆さんのほうでは買い入れの条件というものを官報で出されるわけですね。だから予約をやるというのは内金をもらうわけですから、これは契約ということになるわけです。契約条件というのを出される。契約条件を認めたから予約をやったのだ、売り渡しを申し込んだんじゃないか、こういう見解をとられるかどうか。それともそれはそうではなしに、予約をやったからといっても、それは契約条件というのをのみ込んでやったのではないのだ。要するにそういう契約条件というものは私は認められないけれども、これは盆が越せないから、金をもらわなければならぬから申し込んだのだ。その場合、申し込んだやつは認められない、要するにこういう措置をとられるのかどうか。この点を明らかにしてもらいたい。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 第一点は、先ほどの米価の決定についての問題でありますが、私どもが従来決定をしてまいりました米価は、それぞれその当時の状況を踏まえまして、適切な算定により決定をしてきたということであります。先ほど例示的にお話がありました反収の問題にいたしましても、従来から米価審議会におきましても答申等に、需給事情を適切に反映するということであれば、平均反収に持っていくべきであるというのが二、三年前から答申に載っております。そういう観点からいきますれば、今日のような需給事情を適切に反映するということであれば、平均反収に持っていくことが適切ではないかという考えであります。従来とっておりましたことが間違いであったということでは決してないわけでありまして、従来は、その年度における価格決定としては適切な算定により適切な価格を決定したというつもりであります。  それから食管法の規定の話が第二点としてございましたが、この第二項のほうのそれぞれ参酌をする項目が書かれておりますけれども、私どもとしてはこういった諸事項を総合的に参酌をいたしまして、米価を決定してまいるというのが第三条の第二項の規定の読み方だというふうに思っております。  それから「米穀ノ再生産ヲ確保スル」というのはどういうことかというお話でありましたが、米の生産のために投下をされました諸経費といいますか、そういったものが生産をやりまして十分回収をされ、さらに将来の生産を再び続けてまいるのに支障がないというふうな意味でこの規定を読むのが適当ではないかという考えであります。  それからあとは価格の決定なり売買条件の告示なり、これは一体どういうものかというお話でございますが、これは必ずしも個々の具体的な行政処分というわけではないと思います。売買条件の告示なりあるいは買い入れ価格の告示は、売買の条件なりあるいはそれぞれの価格についての基準を定める一般的な私どもの行為であるというふうに理解をいたしております。  それから最後に予約の関係がございましたが、ちょっと御質問の趣旨がわかりにくかったのでございますけれども、現在やっておりますたてまえは、事前売り渡しの申し込みは、私どもが告示をいたしておりますところの売買条件によって売り渡したいという申し込みを私どもは受け付けるということでございますから、事前売り渡し申し込みの内容としても、売買条件に書かれておりますことを承知の上でこちらのほうに申し込みをする、私どものほうでもさようなこととして申し込みを受け付けるということでありますから、ちょっと質問の要点がよく読み取れませんでしたので、一応さようなことであるというお答えをいたしておきます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 これで終わりますが、再生産の確保の問題ですが、非常にあいまいとしておったようでありますが、私の聞いているのは一人一人の農家の再生産の確保ということを意味しているのか、日本全体の生産量の再生産の確保ということを意味しているのか、その点をはっきりしていただきたいということであります。  それから一番最後の問題なんでありまするが、売買条件はこれは認めない。売買条件が告示されますね、そんなのはとてもじゃないが低米価で認められない。だけれども、予約行為というやつをやらぬければ金をもらえないから、われわれは予約行為をやるんだという農家が出てきた場合、あなた方のほうではそれを予約、要するに契約をするかしないかということですね。そういう農家が出た場合ですが、そういう農家が出た場合においては契約をやるかやらぬか、条件を認めない人の予約というのは私のほうではできません、こういうふうにして受け付けないのかどうかということなんです、おわかりですか。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 再生産の確保について私が申し上げましたのは、それぞれの農家といいますか、個別経営としても投下された費用が回収をされて再生産が続けていかれるといったようなことが、その内容の主たるものではないかというふうに思います。  それから予約の点につきましては、先ほどの答弁と繰り返しになりますけれども、売買条件による申し込みということでありますから、あそこに書いてありますところの価格その他の引き渡しのものについての内容とか諸種のことを書いておりますが、そういった内容の売り渡しの申し込みである。私どものほうとしてもそういう内容についての売買契約を締結するのであるということで、両者の意思が合致するということでありますから、そういうふうにひとつ御了承をいただきたいと思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 どうもはっきりしませんですけれども、時間がまいりましたようですから、これで終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 鶴岡洋君。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 私は七月一日関東地方南部の大雨による災害に関して質問をいたします。  実は私も七月一日、集中豪雨は午後からでございましたが、午前中から現地に行っておりましてその災害の実情をそれから三日間見てまいりました。すでに新聞等で発表のように被害状況は非常にばく大なものであり、また初めての経験であるこの災害に千葉県は非常にいろいろな面で困難をきわめている状態でございます。去る六日に災害対策特別委員会において関係各省にわたっていろいろの角度から質問がなされておりましたが、私は当委員会として特に農業関係について当局にお尋ねしたいと思います。いつも災害が起こるとそのたびごとに国会においていろいろと論議をされるわけでございますが、その当面に早急に善処する、対処するという国会答弁でございますが、国会の権威をもってもほんとうに罹災者の身にかわって早急に処理をし、そして対処していただきたいことをお願いして、何点かお尋ねいたします。  いま申し上げましたように、早急にやっていただくのは願うところでありますが、すでに七月一日から一週間以上もたっておるわけでございます。したがって今日までどういうふうに手を打たれたか、またいままでの検討の結果今後どうするのか、時間もございませんので、私どもも簡潔にお尋ねいたしますので、そちらも要領よくお答え願いたいと思います。  総理府は来ておりますか——最初に総理府のほうへお尋ねしますが、今回の南総の災害が山村に起こったために特に情報収集のおくれが目立ったわけです。緊急時にあっての行政指導はどうなっているのか。今回の災害の場合も同じ時刻に豪雨に見舞われ、南総一帯に災害が起きたわけです。同時刻であっても、私の行ったところ、そこが一番ひどいというので行ったわけですけれども、それよりももっとひどいところがあったわけです。対策本部の情報収集が確実でないためにラジオ、テレビ、いわゆる報道情報にほんろうされていたきらいがあるように私は思うわけです。災害とともに電話が不通になって道路が切断され、幹線道路から入った農村は完全に孤立して、先日新聞にもあったように、ひどいのは養老川上流でございますが、三日間も孤立し、被害状況が一切わからなかった。これが一住民の通報で三百戸もの孤立がやっとわかったというようなお粗末なこともございました。  質問の点でございますが、緊急を要する場合、通信の方法としてどういうふうに考えているのか。たとえば各町村に無線装置を設置するような考えがあるのかどうか、この点について総理府にお聞きしたいと思います。

高橋盛雄内閣総理大臣官房参事官

○高橋説明員 お答えいたします。  緊急時におきます通信の迅速かつ正確な情報の提供、収集、連絡に関する御質問でございますが、これは中央防災会議といたしましては、防災基本計画においても、特にその通信関係を緊急事態に即応して整備するということを一つの重点に置きまして、各省が立てられます防災業務計画、それから都道府県が立てられます地域防災計画においても、その通信網の整備ということを特に重点を置いて指導してまいってきているわけでございます。  水防無線等については、各県の土木事務所とそれから消防関係において現在市町村にわたってそのような計画の推進があるように承っておりますが、このような水防無線、それから消防関係、さらに警察電話等々を活用いたしまして、できるだけすみやかな情報の収集、それに対する適切な対策の樹立ということを考えてまいりたい、このように存じております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 防災計画のことについては私も承知しておりますし、毎年毎年それに応じてやっておられると思いますけれども、私の聞くのは、現在のその防災計画の中で、そのような孤立した村が現実にあったわけでございます。過去にもあったわけですから、それに対して計画の中で無線装置を設置するような考えがあるかどうか、それを聞いているわけです。

高橋盛雄内閣総理大臣官房参事官

○高橋説明員 お答えいたします。  総理府の防災会議がつくっておりまする防災基本計画は、各省の実際の行政運営に当たられる各省の防災計画のいわば総合的調整にたった指針となるべきものでございまして、そのような具体的な点までは触れておらないわけでございますが、それにつきましては、各省実施機関であります建設省、消防、警察、各機関において検討されるべき問題だと、このように考えております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 よくわかりませんけれども、そのように、先ほども申しましたように実際にあるわけですから、電話も道路も不通になってしまえば、これはあと無線より以外にないわけですから、その点について特に検討していただくことを要望しておきます。  それから、防災訓練の件でございますが、防災訓練といっても、火事もあるし、水害もあるし、地震、危険物等いろいろありますが、この訓練について行政指導の面は、また実際に訓練がどのような状態で行なわれているか。その点についてお伺いしたいと思います。

高橋盛雄内閣総理大臣官房参事官

○高橋説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のとおり、防災訓練は、災害の発生を予防するとともに、また災害の拡大を防止するということで、きわめて有効な措置でございまして、中央防災会議におきまする防災基本計画におきましても、特に防災訓練の強化といいますか、実施につきましては、各防災業務に担当される政府、地方公共団体機関の各職員の教育とともに、関係者の防災訓練ということを指導してまいってきているわけでございます。さらに、防災につきましては、関係地方住民の自主防衛的な立場による協力ということも当然実をあげるためには必要でございますので、関係機関それから日赤等指定公共団体、それから関係住民を一丸とする総合的な防災訓練ということも指導してまいってきております。大体各県が主体となりまして、関係の国の機関、関係公共機関、それから住民を網羅した防災訓練をやってきているわけでございます。大体、どこの地方においても、いままで年に一度は実施してきているというような状態でございます。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 そういう抽象的なことじゃ、私はわからないのです。いわゆる防災訓練は防災会議のほうからこういうふうに指示をして、県としてこういうふうにやっている、市町村としては、たとえば例をあげれば一年に二回、何月と何月、そういういわゆる台風シーズンを迎えるにあたってやるとか、私も実際に現場へ行ってみてそういう訓練がなされているのかいないのか、これはよくわかりませんけれども、いずれにしても川がはんらんをしてボートは設備としてはあるけれども、そのボートが使えない。もちろん何年にもなかった災害でありますから、その点も考慮しなければならないけれども、いずれにしてもそういう資材、用具等が使えない状態になったということも一、二聞いておるわけです。これはやはり訓練の強化がなされていないのじゃないか、このように思うわけです。そういう点、大体一年に一ぺんというお話がいまございましたけれども、そういうことはなくて、地方によって違うでしょうけれども、やはりこまかく指示をしていただきたい、このように思うわけです。その計画がどういうふうになっているのか、それをお聞きしたかったわけです。もう一度お願いします。

高橋盛雄内閣総理大臣官房参事官

○高橋説明員 お答え申し上げます。  九月一日は防災の日でございまして、ちょうど八月の中旬に都道府県消防防災担当主管課長会議が開催されますので、その席上さらに防災訓練につきましては特に実情に即応するような形で実施していくように、中央防災会議といたしましても指導してまいりたい、このように考えております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 先ほどお話のありました災害基本法に基づいて昭和三十八年に中央防災会議が決定した防災基本法というのがあるわけですけれども、これにのっとって毎年毎年その年度の講ずべき具体的施策について発表しているわけです。災害はいつどこでどんな形で起こるかわからぬし、また今回のように珍しい集中豪雨、一時間に大多喜の場合は百十六ミリもの雨が降ったケースも出てきたわけですから、防災会議自体としてもなかなかその点については対策等むずかしいと思われます。また先日の特別委員会で気象庁長官がおっしゃっておられましたけれども、集中豪雨の予想というのは現段階では非常に困難であるようなことも言われておりました。今回この珍しいケースを範として、防災計画を立てておられる現在のものを変更して、そうして前向きに考えてはおらないかどうか。現在の防災計画のままで将来もまた進むのか、その点をお伺いしたいと思います。

高橋盛雄内閣総理大臣官房参事官

○高橋説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のように現在の防災基本計画は昭和三十八年制定されたわけでございますけれども、その後の災害の実情に応じて新しい形の災害も出てまいっておりますので、今後防災基本計画についてはさらに実情に即するように改定方について検討してまいりたい、このように存じております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 じゃ、もう一点。台風シーズンを迎えて、全国的には広範囲のために非常に困難だと思いますけれども、災害最危険区域といいますか、そういう県について至急再点検、総点検をする前向きな考えがあるかどうか、この所信を伺いたいと思います。

高橋盛雄内閣総理大臣官房参事官

○高橋説明員 お答えいたします。  災害危険地につきましては急傾斜地の問題、それから宅地造成区域の問題、それから危険な個所の判断、そうした各種にわたってあるわけでございまして、これが実際の行政を運営する建設省、または危険個所について総合的な立場から警察庁、それぞれこのたびの防止対策並びに人命保護対策について緊急な通達を出されて再度災害防止をはかっておるわけでございますけれども、なおさらに中央防災会議事務局といたしまして各省の御意向を聞きましてただいまの御質問に対する検討をしてまいりたい、このように存じております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 次に建設省にお伺いしますが、千葉県はいままでいわゆる本格的な台風に見舞われていないため危険地帯の、いわゆる危険河川、この対策に真剣さがなかったのではないか、こういう見方をする意見もあります。しかし、南総の今回の被災地は昨年六月と九月にはやはり雨によって河川のはんらんはあったわけです。それでなくとも南総一帯は土砂くずれが起きて、そのたびに鉄道が不通になっておるわけです。こうした危険な河川の半分以上は、いわゆる千葉県でも南房一帯に集中しておるわけでございます。宅地化が進むにつれて土砂くずれの危険がふえているのに、このような面についての対策が人口の多い、いわゆる北総、東葛、京葉地区に重点が置かれているのではないか。確かに南総は過疎地帯でございます。過疎地帯といっても、過疎地域であるからそれが保護されないという理由もないし、過疎とはいえどこまでも生きる権利はあるし、また行政の保護を受ける権利もあるわけです。そういう面で、過疎地帯は投資効率が悪いから南総地区河川を軽視していたのではないか、このようにも考えられるわけです。この点について、建設省の御意見はいかがでしょうか。

本間俊朗建設省河川局治水課都市河川対策室長

○本間説明員 お答えいたします。  従来、利根川、淀川等の大河川につきましては、最近におきましては比較的災害が少なくなってまいりました。しかし、毎年中小河川につきましては御承知のようにたくさんの災害が起きております。で、建設省の治水事業第三次五カ年計画におきましては、こういった中小の河川に対する手当を十分にしなくてはいけないということを織り込みまして、それらの河川につきましての改修を促進するように考えております。南総地区の河川につきましては、従来若干の仕事をしておりまして、総事業費二億七千万をもちまして昭和四十五年度は中小河川四河川、小規模河川四河川、局部改良七河川につきまして事業を実施しております。今回の災害にかんがみまして、これらの河川改修につきまして根本的に河川改修計画を検討し直して、今後の災害に対処していこうというふうに考えております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 時間がございませんのではしょってやります。  農林省にお聞きしたいのですが、激甚災害の件について、激甚災害法の第五条の「農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置」及び第二十四条の「公共土木施設、農地及び農業用施設等小災害に係る地方債の元利補給等」の措置が災害の被害状況に応じてそれぞれ適用すべき措置として規定しておりますが、千葉県の被害総額は、五日現在でございますが、二百四十五億という大きな被害から見て、早急に激甚災害に指定し、復旧活動に力を入れていただきたいと思うわけですが、その辺の見解はいかがでしょうか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 農業施設に対します激甚法の指定基準は、全国の農業所得推定額のおおむね〇・一五%以上の災害というふうにきめております。さらに、当該県の農業所得の推定額の四%をこえる県、または十億円をこえる県が一県以上ある場合であるというふうな一応の基準、取りきめがございまして、この基準に該当するかどうかという問題でございます。今回の千葉県下の集中豪雨につきましては、七月九日現在で県報告が約二十九億六千万円でございまして、この金額から見ますと、激甚法の指定基準に達しておるという状況にはございませんのでございます。したがいまして、指定基準から申しますと、今回激甚災害法の指定は困難であるというふうにわれわれは考えざるを得ない状況でございます。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 それでは、局地激甚というのがありますが、その点についてはいかがでしょうか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 局地激甚につきましては、なお調査を要する点もございますが、地域によっては該当するところがあると思いますので、これにつきましては前向きに対処いたしてまいりたいと思っております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 また、ことしは全国的に異常に雨が多く、しかも長雨のために、毎日のように被害が、現在でもどこかで出ている状況でございます。この集中豪雨と、六月、七月における長雨における被害に対して、全体を見て激甚災害の発動を考えているかどうか、この点をお伺いいたします。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 激甚災害の指定は、申すまでもなく中央防災会議で決定をするというたてまえに相なっております。今回の梅雨前線豪雨による災害につきまして、現在各機関でいろいろ被害を集計中でございますが、現在までの都道府県の被害報告からいたしますと、法第五条については、おおむね激甚災害法の適用は、これを一括することが可能ならば適用が可能でないかというふうに考えております。現在の段階では、ただ被害の集計がまだ最終的にまとまっておりませんので、私のほうから具体的に適用の有無を申し上げるという段階ではございませんが、中央防災会議で被害の集計の結果、そのような決定がなされ得るならば一括の可能性もあり得るというふうに考えられます。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 次の問題として、罹災農地に対する共済金の早期支払いを特にお願いしたいわけでございますが、この点はどうでしょうか。見通しを教えていただきたいと思います。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 農地と申されましたけれども、作物被害についての共済の問題かと思います。集中豪雨によりまして、はなはだしい被害を受けました地域の共済組合等に対しまして、必要に応じ共済金等の仮渡し並びに再保険金の概算払いの請求手続をとるよう、千葉県知事を通じて通達を七月七日にいたしてございます。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 この長雨で全国的に被害の大きかったことは、いま申されたとおりでございます。総額にして二百三十億六千万。聞くところによると、ことしの六、七月における長雨、豪雨等によるということで、全国ひっくるめて天災融資法の適用を考えている、このようにも私聞いておりますが、そうなると、まだ雨は降り続くことでもありますし、発動がおくれることも考えられるわけです。また今回の千葉の集中豪雨は極端に被害が集中しておりまして、農業関係だけでも、水田だけで十四億六千九百万、野菜、家畜を含めると二十三億八千万、その他関連施設等を含めると八十億にもなっておるわけです。したがって、これを長雨と千葉集中豪雨ということで分けて考えられないかどうか。その点は当局としてどういうふうに考えておるか、お聞きしたいと思います。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 ただいま統計調査部で被害の取りまとめを急いでおりまして、来週の後半には数字が統計調査部段階でまとまるはずでございますが、いかんせん、非常に長期間にわたりましての長雨、断続いたします間に同一の作物について集中豪雨の被害が積み重なるというような状況でございますので、長雨と豪雨を区別してある作物についての被害状況を把握するということは統計的には非常に困難であろうかと思います。全体として当該作物についての被害状況を把握するということに相なろうかと思います。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 次に、農道と河川の復旧作業でございますが、これも先日の委員会で出たことですが、初年度には二割、次年度は五割、三年目に三割、この二・五・三のことでございますが、第一点は、端的に言ってこれを三年もかけずに何とかその復旧作業を二年もしくは一年に短縮できないか、この点についてお伺いしたいと思います。  もう一点は、これに関連してでございますが、いままでの災害の例でいきますと、確かに大きな復旧工事等については、いま申しましたように、二・五・三のこの比率で仕事を進めなければならないという場合も考えられるわけでございますが、例にあったことで、一農道にしても河川にしても小規模な被害のあるところがあるわけです。それをしゃくし定木に計算をして、中には一週間か二週間くらいで復旧できるものを二・五・三のルールに乗って復旧されてこなかったものがあるわけです。小さな農道は利用度が低い、小河川だからほうっておいてもいいという理由はないわけです。できれば、短期間にできるものをほうっておかないですみやかに復旧するという処置をしていただきたいと思いますが、この二点についてお伺いいたします。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 お答えいたします。  災害復旧工事の早期完工につきましてはかねて努力を続けてまいっておるところでございます。  緊急を要するものにつきましては、暫定法の三条の三で特別に緊急を要するものは達成年度から三カ年以内に完了するというような措置もできるようになっております。  なお、ただいまはかんがい期で非常に大事な時期でございますので、応急を要するものにつきましては応急工事をやりまして、後ほど災害復旧工事に織り込むということもできますし、またいわゆる査定前着工というような方法もとっておりますので、御迷惑をかけないように処置できるものと思っております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 次に、現在米が余っておって、その過剰問題をかかえて、ことしは休耕、転作の施策がとられたわけでございますが、今回の災害で千葉県の南総方面も県で予定していた以上、ある町では一三〇%から一四〇%も休耕したところがあります。それが災害にあい、いわゆる冠水、冠土、流失、もうそれこそ原形をとどめないような休耕地についてでございますが、これがまた来年も作物をつくらない、その次の年もつくらない、それがそのまま住宅地とか、また考えようによっては他目的に使用される、またそのまま荒れ地になってしまう、こういうことも考えられるわけです。  そこで、この休耕地を農林省としては農地と認めるかどうか、現在農地と認めているのかどうかという点でございますが、この点、いかがでしょうか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 ちょっと御質問の趣旨がわかりかねるのでございますが、農地と認めておるのかどうか。耕作の目的に供される土地は一われわれ農地というふうに考えておりますが、今回災害を受けたものに対してはそれぞれ共済金その他災害対策を適用して救済措置を講ずる考えでございます。もちろん、将来ほかに転用になる場合には農地の転用基準に照らしまして転用の承認をする、こういうことに相なろうかと思います。災害を受けましてそれが耕作の目的に従来も供されてきたということであれば、耕作の用に供する農地ということにおいては変わりはないと思います。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 認めるとするならば、当然災害にあった休耕地も復旧対象になり、もとの農地に修復される、こう理解してよろしいと思いますが、それでよろしいわけですね。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 今回の生産調整その他で休耕、現在作付をしていない、しかしそのものが災害を受けたという場合には、これはやはり一般農地の災害の対象になるというふうにわれわれ考えております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 次に、今回の災害で特に河川のはんらんによる農地の被害が大きく、水田でも先ほど申し上げましたように十四億以上になっておるわけです。実情に即してこの田植えのあった水田について休耕扱いとし、いわゆる生産調整奨励金を支払うよう考慮していただきたいという意見が非常に多いわけですけれども、この点についてお伺いしておきます。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 生産調整は御承知のように四十五年産米をつくることができるにかかわらずつくらない、こういうのを対象にいたしております。したがいまして私どもの考えとしましては作付の前に都道府県に生産調整の計画を出して、その上で実施するというのがたてまえでございます。災害を受けました場合には結果的にそれで米が収穫不能になるかもしれませんが、その救済といたしましてはあくまで災害対策、たとえば共済金の支払いであるとかあるいは資金の貸し付け等の災害対策によって対処してまいりたい。これを生産調整の一環にのせるということは私どもは制度的に困難である、かように考えております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 奨励金の対象にならないという場合は、罹災者農民としては共済金の支払いとして千葉の場合は二万五千円前後でありますので、調整費に比べると十アール当たり約一万円の差が出てくるわけです。これも今回の災害が七月の上旬ということで稲も田植えが終わった直後でございますからこういうことも言えると思います。農家の気持ちとしては全滅の水田を前にして何か割り切れないものがあるわけであります。したがって国としての補償面では何か考えられないか、この点についてお聞きしたいと思います。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 共済金の支払いあるいは天災融資法の低利融資等あるいは自作農資金の貸し付け、このような災害対策を拡充することによっていま御指摘のような農家の御要望にこたえたいと考えております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 水田において災害がひどく田植えしたかどうかわからなくなったものは確認日に確認してあるかどうかが基準になると思うわけです。これらを確認するにはどうするのか。またいままで確認してなかった田についてはどのような方法を考えていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 これは五月末現在で各県にお取りまとめをいただいた、先ほどもお配りいたしました実施計画というものがあるわけでございます。もちろん実施計画のとおりに生産調整が行なわれるかどうかは確認をしなければわからないわけでございますけれども、私どもはそういう災害等を受けまして確認が非常にむずかしいという実態はかなりあろうかというようには考えておりますけれども、これは県あるいは市町村等にいろいろ御努力をいただいて、極力実態に即した確認をしていただきたい、かように考えているわけでございます。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 次に保有米の件ですが、保有米を流失した農家がたくさんあるわけです。この調査状況はどうなっているか。それからこの農家に対してどのような措置をしていくか。また災害地の食糧事態が非常に悪くなっているわけですが、応急配給米を緊急に配給する考えがあるかどうか、この点を簡単にお願いしたいと思います。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 私どもとしては、災害によりまして飯用米に不足を来たすというふうな被災農家に対しましては、政府米を配給いたしまして、飯用米に支障を来たさないように十分措置をするということで、すでに現地の所長に対してもそういうことに手抜かりのないように指示をいたしております。ただいま飯用米がどのくらい不足をするかという調査は、必ずしも十分集まっておりませんけれども、いずれにいたしましても、それらに対応するような米は十分持っておるわけでありますから、それぞれ現地におきまして適切な配給をするように処置をいたしております。なお応急の食糧につきましては、すでに千葉県の知事に対しまして、米並びに乾パンを所要量売却をいたしております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 ではあともう二点、かんがい用水のことですが、これは地元のほうとして切なる願いでございますが、揚水機が流失等でほとんど使用できない状態にあるわけでございます。すると勢いかんがい用水は早急に困ってしまうわけでございますが、農林省にはその揚水機のポンプ、モーター等が用意があると聞いておりますけれども、もしそれが貸与できるものなら早急に貸与していただきたい、こういう意見でございますが、この点については農林省としていかが考えておられるか。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 今回の千葉県の災害におきまして、揚水機の流失あるいは故障を受けた地帯が相当あるという点は承っております。農林省といたしましては、関東農政局にこういう非常貸し出し用のポンプがございまして、六十台余りございます。これも整備して待機しておりまして、ただいま罹災地のほうでポンプの機種とか大きさとか台数その他を調査しておりますので、要望がございましたらいつでも貸し出せるという体制をとっております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 もう一つ現地地元の意見として、河川の流域というのはほとんど農地、水田になっておるわけでございます。そこでいままでの河川のはんらんもありまして、状況を見ると、河川のほうが先に整備されて、農地、水田があとになったとか、それが期間が非常にあいておった。また農地が先に整備されて、河川がそのままになっておった、そういう例があるわけでございます。これはやはり一貫してやっていただきたいというのが地元の声でございます。この点についてよく連携をとってその対策を講じていただきたい。農林省としてはどのように連携をとり対策を考えておられるか、その点についてお伺いしたいと思います。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 ただいま御指摘の点は災害復旧工事か平常の事業かという点、ちょっとはっきりいたしませんでしたが、御指摘のように農林省の中の工事におきましてのそういう跛行性の問題かと思いますが、極力こういうことはないように、横の連絡を十分とっております。  なお、建設省あるいは都道府県の河川改修におきましても当然でございまして、十分に緊密な連絡をとりまして、そのような跛行性が極力起こらないように努力をしております。

鶴岡洋公明党

○鶴岡委員 それでは最後に一言、今回の集中豪雨の被害については、調査の結果被害額はまだまだふえるかと思われます。また何年にもない未経験の大災害にあった千葉県に対し関係各省が強力な災害対策を講ぜられていることについては、私も深く感謝している次第でございます。きょうは、今後の問題として、少しではございましたけれども何点かについてお尋ねいたしましたが、いま現地の罹災者はこの大きな災害にもめげず、元気に立ち上がっているわけでございます。そこでこれからの復旧作業が将来への希望と力となってくるわけでございます。関係当局としてさらに一段と強力な対策を講じていただきたく切望するものでございます。特に千葉南総地域は、数字でもわかるように農地関係、農業関係の被害が多いのでございます。したがって農林省としては思い切った施策を講じていただきたいことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 午後二時再開することとし、これにて休憩いたします。    午後一時七分休憩      ————◇—————    午後二時八分開議

安倍晋太郎自由民主党

○安倍委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。合沢栄君。

合沢栄民社党

○合沢委員 私は、きょうは麦のことで質問しようと思っているのですが、その前に米については、生産調整とかあるいは米価の据え置きというようなことで実に農家の生産意欲が減退していると私は思うのです。さらに最近のような労働事情が続くと、一そう米の生産というのは落ちていくのではなかろうか、そして近い将来には、米が単年度不足する、また外米を輸入しなければならないというような事態が起こってくるのではなかろうかというような心配もしているものでございます。ところが国民の主食である米が、そういう状態であるにもかかわらず、一方麦のほうを見てみますと、近年急速に麦の生産が落ちてきているということでございます。先般麦価について米審に諮問しました参考資料を見てみますと、四十年の生産面積約九十万ヘクタールのものが、四十四年では五十七万ヘクタールに減っている。約四〇%の減少になっているということなんですが、生産量も二百五十万トンが百五十七万トンというように、これまた四〇%近い生産量に落ちてきている。百万トンの減少でございます。したがって国内自給率は二〇%を若干上回るというようなことなのでございます。この麦作農家も三十五年から十年間で半減しているというようなことなんです。そしてこういった減った麦の生産をカバーするのに安易な輸入でもって需要を満たしているということで、四十年から四十四年の間に百万トンからの余分な輸入が行なわれ、飼料を含めると約五百万トンの輸入になっているということなのでございます。その結果、一九六四年には輸入量で世界第五位であったものが一九六八年ではインドとともに第一位になっているというようなこと。しかも全国的には輸入国がやはり自国の生産を増して主要輸出国の輸出量は減ってきている。したがって麦については近年在庫がふえてきておるというような傾向にあるようでございますが、一体国民食糧のおもなものである米、また特に麦といったようなものがこのような安易なことでいいのかどうか。決していいと思っていないだろうと思うので、麦の生産についても努力されていると思うのです。しかし努力の結果が生産を減退するというような結果になってきている。このことはきわめて重要ではなかろうかと思うのです。昨年米審の答申を見ましても、やはり麦政策の具体的な検討を早急にやる必要があるというような答申がなされておりますが、一体どのような考えでおられるのか。基本的な麦の生産対策についての方針を承りたいと思うわけです。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 麦の需給につきましてはまさに御指摘のような実態であるわけでございます。私ども生産面を担当いたしております者といたしましては、実は本来の考え方といたしましては国内で必要といたします食糧につきましては、これは原則的には国内で生産をするというのが一番好ましいわけでございます。そういうようなことで麦対策につきましても、従来米価審議会等でしばしば御指摘があり、またそういう御指摘を受けまして、政府といたしましてもいろいろな研究会等を数回開催いたしましてこの問題に対する基本的な方向というようなものを従来いろいろ検討してまいったわけでございます。  その方向といたしましては、ごく簡単に申し上げますと、米と並びまして比重はだいぶ違うことは違いますが、やはり日本の各地方で非常に広範に栽培されている作物でございますし、非常にたくさんの農家が関係している作物でございますので、私どもといたしましては極力生産性を上げて、そして現在の需給事情の中におきまして極力国内生産を事情の許す限りふやしていく、こういう方向をとりたいという基本的な考え方であるわけでございます。ただ御存じのとおりでございますけれども、日本の麦作の実態というのは規模が非常に零細である。個々の農家にいたしますと、非常な零細規模で栽培をしている。したがいまして、それと同じことではございますが、農業経営の中で非常に従属的な地位を占めているという実態があるわけでございます。  それから一方、価格面から見ますと、御存じのように国際的な価格水準と比べますと、日本の麦の生産費というものが非常に高い。国際価格水準との間に大きな開きがありまして、そういうような点から一つの隘路があるわけでございます。  しかし私どもといたしましても、先ほど申し上げましたような観点で、生産対策の方向としては、主産地域を中心にいたしまして、そしてある程度のまとまりを持った麦作団地というようなものを極力育成をしてまいりたい。そういうところにおきまして、表、裏作を通じました機械化体系というものを確立をしてまいる。そういうことによりまして生産性を極力上げていく。それと同時に、これは試験研究の面でございますが、優良多収品種というようなものを育成するようにさらに努力をする。こういうようなことと結びつけまして、極力国内の生産を確保する、こういうふうにしてまいりたい。いま自給率のお話がございましたが、御指摘のような自給率でございまして、私どもが前にやりました長期見通しでは、五二年におきます見通しといたしましては、小麦では一三、四%、大裸では四四、五%を一応見通しているわけでございますが、実は率直なところを申し上げますと、この自給率の維持自体がなかなか困難があるわけでございます。私どもといたしましてはそういう難点はあるけれども、先ほど申し上げましたような方向で、少なくともここに示してあるような作付面積はぜひとも維持をいたしたい、こういう考えで従来努力をしてまいっているわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 麦が年々自給率がしかも急速に低下してきているということで、やはりこの自給率を今後どのようにするのかという基本的な姿勢というか、そういったものがまず策定されなければならぬと思うのです。それらと並行して主産地の形成といったようなこと、さらに省力栽培の機械化に対処していくということももちろん非常に大事なことだと思うのです。さらに多収品種の研究等、おっしゃるようなことは非常に大事だと思うのですが、しかしただこれは口で言うだけではできるものではないので、ますます自給率が低下していくだろうと思うのです。さっき言った五十二年のその目標の維持すら困難になってくるだろう、ほとんどもう現状ではなくなってしまうのじゃないかということすら心配されるのです。  そこでやはりこの麦については米にやったような力をもう少し注ぐ必要があるのじゃないか。国民の主食である以上それらが四百万トンも五百万トンも——飼料を含めると五百万トンも輸入して、世界第一位の麦の輸入国だなんということは米が余っているとはいえ、これは決して望ましいことではないし、このことは国民経済の健全な発展の上に非常に大きな支障を来たすものだ、このように考えるわけです。そこでやはりこれについてはただかけ声だけではなくして、やはり抜本的な対策というものが講じられなければならないというふうに考える。局長もそういった考えを持っておられるようですが、四十五年度についてはたいした予算化もされていないわけなんです。四十三年、四十四年、四十五年とこう並べて麦の関係の予算を見ましても、ほんとうにやろうという姿勢が予算の面にも出ていないということなんです。こういうことでは問題があろうかと思うのです。私はこういった問題はこれは大臣のほうから直接答弁を聞きたかったわけなんですが、大臣がおられないので答弁が聞けませんが、ひとつ局長、この麦の問題については四十六年度以降抜本的な対策を講じられるよう特に要請したいと思うわけでございます。  それから、いま御答弁のございましたのは主食の点だと思うのですが、近年飼料については麦類をはじめ非常に多くの輸入がなされている。畜産振興とともに飼料の輸入が非常に多い。年々ふえてきているということでございますが、この点についてはどのようにお考えになっているか、この点もひとつあわせてお聞きしたいと思うのです。

池田俊也農林省農政局長

○池田説明員 麦の飼料化の問題でございますが、これにつきましては、従来そういうことを一応目標にいたしまして、いろいろ検討を重ねてきているわけでございます。具体的には、三十六年度ごろから飼料用の大麦品種の育成について特に努力を行なっているわけでございますが、品質の点は若干劣るわけでございますけれども、かなり多収の、機械栽培に適したような品種も逐次育成されつつあるわけでございまして、そういう意味では私ども将来十分そういう点についてさらに発展が見込まれるのではないかというふうに考えているわけでございます。ただ、御存じのように価格等のいろいろな問題があるわけでございますし、またそういうものの流通機構というものも国内では必ずしも確立いたしておりませんので、流通飼料としてはなおやはり検討を要する問題点が多いのではなかろうか。したがいまして、当面は自給飼料として考えるという方向で、できるだけ生産コストの低い、大規模な機械化体系に乗り得るようなものを極力育成いたしまして、飼料化の目的に沿うように努力をしてまいりたい、こういう気持ちでおるわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 主食用、飼料用ともに国内のが不足して、どっちも輸入がふえてきているということなんで、やはりこれは非常に大事な問題でございますし、農林省全体としてやはりほんとうに麦についての姿勢を正さないと、これは農林省の第一線で麦の指導をしている方、あるいは県、市町村にまで麦はどうでもいいのだというような空気が流れていると思う。それがやはり農家にも影響していると思うのです。この麦の多収品種の問題にしても、国が力を入れないと、真剣にそういったものを研究しようという意欲も薄らいでくると思うのです。すべて国の姿勢というものがはっきりする、そして将来いまの自給率をもっと上げるのだ、どうしていくのだということが明確にされて、予算等も裏づけされることによって、全体の麦に対する意欲も出てこようかと思う。価格も高いのですが、そういったものもやはり主産地の形成とかあるいは機械化、省力化等によって、相当研究すれば、太刀打ちはできないにしても、輸入するよりはよっぽどいいというような結果も出ようかと思う。ひとつ麦についての抜本的な対策を新年度から樹立されて、麦の国内生産体制、自給率の向上ということに努力されるよう、強く御要望したいと思うわけでございます。  ところが、麦は毎年というか、ときどきつゆの長雨によって非常に大きな打撃を受けるということなんです。見ていますと、長雨があって麦の被害があった翌年からぐっと生産が減少してきているというような情勢にあるわけなんです。先ほど申し上げましたが、ことしも長雨で麦が非常に大きな被害を受けている。ひとり麦だけでないのですが、麦類をはじめとして野菜類あるいは果樹等、農作物が非常に大きな打撃を受けているわけでございます。そこで、やはりほんとうに麦の自給率を高めていこうというならば、やはりそういった災害対策といったようなものが十分でないと、依然麦の生産も意欲を落としてくるということになろうかと思うのです。そういった意味でも特に災害対策というのは非常に大事じゃなかろうかと思うのであります。私のほうの大分県では、ことしの麦の被害は非常に大きいわけなので、約二十億からの被害をこうむっている。それ以外の野菜なりくだもの等を加えると三十三億だというような県の数字になっておりますが、ひとり大分県だけではなくて、各県で相当大きな農産物の被害が出ていると思うのです。いずれそういった被害の対策等につきましては、農林省のほうの調査ができた上でその対策が樹立されようかと思うのでありますが、要望したいのは、三十八年に麦の大きな被害があった。その際には特例法がつくられまして、そうして麦の救済の対策が打たれたわけでありますが、今回は麦作農家に限らず、野菜をやっている、あるいは果樹をやっているといった農家も米の生産調整というようなことにもあっているわけです。米の生産調整はする、一方予定した麦が、あるいはまた野菜が、果樹が大きな打撃をこうむるということは、非常に大きな痛手じゃないかと思うのです。そこで、三十八年災害のときと同じような、何らかの特別な措置は打てないものかどうか、この点ひとつ御意向を聞きたいと思うわけです。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 三十八年、九年の災害と今回の災害と、被害においては非常に近似した点もございますが、三十八、九年当時は連年災害という事情もございまして、そういう面では変わった事情もございます。御承知のように、災害につきましては一つの対策の型と申しますか、そういうのがございまして、私どもはすでにこういう場合には天災融資法を発動する、こういう場合には共済金の概算払いをするというふうに、一応の定型的な対策が予算上も講ぜられておるわけでございまして、今回の災害にあたりましても、もちろん従来の災害対策としてすでに予算措置あるいは法律措置のございますものについては、これを可能な限り十分に適用して、農家の御要望にこたえるというふうに考えてまいりたいと思います。ただ、新立法等につきましては、御承知のように国会も目下のところ開会をいたしておりませんし、また実際の被害から見ましても、大体において現在ある法律、現在ある予算、こういうものを運用して十分御要望にこたえられるのではないか、かように考えております。

合沢栄民社党

○合沢委員 三十八年の災害と違うこともわかるわけなんですが、ただ当時と違うのは、新しく米の生産調整といったような問題があるということと、それから地域によっては非常に大きな災害になっているということなんです。そういう点等を考慮されて、いま国会が開かれていないので、新しく法律を制定することは困難と思いますが、やはりそういった米の生産調整を前にして受けた大きな被害、特に地域によっては農作物全部が非常に大きな災害を受けているということでございますので、ひとつ特別な配慮を要請しておきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。

安倍晋太郎自由民主党

○安倍委員長代理 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 奥秩父、奥日光の国立公園に指定されている国有林の森林計画に基づく伐採について、最近とみに社会問題化しておりますが、これに対し林野庁長官並びに農林大臣に質問をいたす次第であります。大臣がきょうはおいででございませんので、官房長から後ほどお答えをいただきたいと思っております。  御承知のように、わが国の森林資源というものは国土のおよそ六八%を占める森林からなり、このうちに国有林が七百八十四万ヘクタール、二一%を占め、その蓄積が九億七千六百四十九万立方メートルといわれております。森林は林産物の生産及び国土保全その他の公益的機能を通じて、国民経済の発展と国民生活の向上に寄与しておることは言うまでもないことでありますが、また最近における産業施設等の拡大に伴って、水源涵養のための資源及び防災資源としての森林への依存度はますます高まり、レクリエーション利用の増大による保健休養資源としての森林の重要性が高まってきたことは周知のとおりでございます。  そこで、まず最初に長官にお尋ねいたしたいことは、国全体といたしまして森林の持つ公益的機能と経済的機能との調整をどのように考えかつ行なっていられるか、長官の御見解を承りたいと思います。

猪野曠林野庁指導部計画課長

○猪野説明員 長官がいますぐ参りますが、私かわかりましてお答え申し上げます。  御質問の公益的機能と経済的機能との調整の問題でございますが、森林は御承知のように公益的機能と経済的機能とをあわせ持っているわけでございます。そして自然的経済的あるいは社会的条件等から見まして、必要な場合は保安林その他の制度によりまして、公益的な機能を優先させて経済的機能を制限することもあるわけでございます。このような森林の機能の具体的な調整につきましては、森林法に基づきます五年ごとに策定される全国森林計画において基本的事項を定めまして、これに基づき民有林は地域森林計画の策定と森林施業等の指導において、また国有林のほうにおきましては、経営基本計画並びに地域施業計画の立案、実施の段階において、具体的に調整を行なっているところでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、近年における森林の保健休養機能への要請というものがますます強くなってまいったのであります。この要請は特に国有林へ向けられておるわけでございますが、国有林野の経営においてはどのように対処しておられるか、お伺いしたいのでございます。

猪野曠林野庁指導部計画課長

○猪野説明員 国有林野の森林は、国立公園あるいは国定公園等のうちかなりの部分を占めているわけでございます。こういった地域の森林につきましては、従来から関係機関と十分協調の上、国民の要請に応じました適切な施業を行ないまして、森林の保護及び保健休養機能の向上につとめてきているところでございます。またその他の地域におきましても、保護林等を設定いたしまして、事業実行におきましては保護樹帯等を設けるなど、森林の現況、その環境条件を考慮した施業を行なってきているところでございます。  さらに、近年の社会経済の伸展に伴いまして、森林の持つ保健休養機能の国民生活に占める重要性はますます増大しつつあることにかんがみまして、昭和四十四年度から保健休養適地につきましても、計画的に自然休養林を設置いたしまして、国有林野内の風致及び自然環境等の維持に特別の考慮を払い、積極的に国有林野の森林をレクリエーションの場として広く国民に活用をはかることといたしているわけでございますが、この面につきましても、今後とも一そうこの推進をはかってまいりたいというふうに考えているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 国有林野の原生林等の自然保護についての林野庁の基本方針というものについて見解をお伺いしておきたいと思います。

猪野曠林野庁指導部計画課長

○猪野説明員 お答え申し上げます。  国有林野の原生林等の自然保護につきましての基本方針でございます。わが国の経済の高度成長に伴います都市人口の増大あるいは産業施設の集中化、それから所得水準の向上それから余暇時間の増大等を背景にいたしまして、森林が持っております国土保全、保健休養機能等に対する国民の要請はますます高まりつつあるというふうに私ども考えているわけでございます。国有林野事業におきましても、森林の施業を行なうにあたりましては、林業生産及び国土保全、こういった面との調整をはかりながら、国有林野内の保健休養についての動向等を十分把握いたしまして、貴重な自然物を積極的に保護するとともに、特に自然休養等適地につきましては、風致及び自然環境等の維持に特別の考慮を払う方針でございます。自然保護を特に必要とする地域の施業につきましては、厚生省あるいは文化庁等関係機関と十分協議、調整を行ないまして、適切な処置を講ずる考えでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 以上三点について、国全体としての考え方をお尋ねしたわけでございますが、実は私は去る六月以来、奥秩父、奥日光について、数回にわたり現地調査を行なったのであります。現在この奥秩父、奥日光の原生林が社会問題となっている関係から調査をしてまいったわけでありますが、具体的な問題について逐次質問をしてまいりたいと思います。  御承知のごとく奥秩父は荒川の最上流を占め、東京都の重要な水源地帯であるばかりでなく、秩父多摩国立公園の中心でもあり、モミ、ツガ等の針葉樹とブナ等の大径木を主とする原生林の美しさと水成岩の変化に富んだ山はだで知られて、秩父古生層と呼ばれる古い地層に育った高山植物等の宝庫であることは御承知のとおりでございます。昭和二十五年に国立公園の指定がなされまして、昨年秋に西武池袋線が秩父まで延長したため、東京に近い自然公園として、山を訪れるハイカーやまたは登山者がますますふえて多くなってまいっている現状でございます。さて、奥秩父国有林においては、原生林の大面積皆伐施業を現在行なっておりますが、東京の奥座敷ともいわれる東京近郷において残された数少ない原生林であり、貴重な資源を保存すべきものと私は考えるのでありますが、また地元の強い要望も出ておりますが、これら奥秩父に対する施業方針について承りたいのであります。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 お答えをいたします。  奥秩父の国有林は約九千八百ヘクタールございまして、その国有林に対しまして林野庁は昭和二十五年以来国立公園の指定を受けております。その関係で地域区分をいたしまして特別地域、普通地域、さらに特別地域は第一種、第二種、第三種という区分をいたしまして施業を続けてまいっております。これは厚生省と協議をいたしまして、その地帯区分ごとの施業方法をきめておるわけでございますが、先生のごらんいただきました地帯は、その協議のととのった地帯区分によりますと普通地域になっておる地域でございます。したがって国の立てる施業計画の面では普通の施業ができるという地域になっておったのでございます。そこへ信州のほうへつながる林道が開設をされました。その林道は、峠までは国有林会計で負担をいたしまして営林局が作設をした林道でございます。したがって森林を開発するというための林道でございまして、そういうことでいままでは主として皆伐方式によりましてあの地帯一体が伐採をされてまいりました。ところが最近ああいった奥地の地帯に都市生活者ないしは一般の方が非常にたくさん訪れるようになった。そういうところへ行ってみますと、せっかく原生林があると思っておったものが伐採をされておるということで、いま世論の注目を浴びておる地区でございます。そこで林野庁としましても、従来の計画は計画として、本格的には来年度、四十六年度、施業計画の調査をそこに入れまして、今後あの地帯の取り扱いをどのようにしたらいいかという基本的な方針につきまして再検討してみるということで、いま考えを進めております。当面、それまで、いままで予定をされておりました伐採をできるだけ手控えるということで、いま現地とその手はずを調整中でございます。ただ、まあそのようにして従来伐採をしてまいりました関係上、しかもそれは関係省庁とも協議をしてつくられた施業計画ということでありますので、営林署としてもそこに職員をかかえております。そういった、別な場所に伐採個所を移せるかどうかといった営林署内部の事情もございます。そうは言うものの、決して職員の月給を払うためにああいう地帯を伐採するんだということではないわけでございます。そこに伐採計画があり、伐採の仕事があるということで、そこに職員をかかえておったということでございまして、今後はその新しい方向に向かいまして慎重な検討を続けてまいりたい、このように考えます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 長官も現地におもむかれてつぶさに山を見られ、新聞記事で見たわけですが、これはひどいと、こう書いてありまして、率直に感じられたと思います。ある方に聞きましたら、長官はもともとまじめな方で、隠しなく率直に言われる方だということで、私も敬服した次第でございますが、まあ普通地域であればそういった森林計画によって伐採計画が進められるということもわからぬではありませんけれども、地元の要望も強い要求が出ておりますし、いま長官から基本的な検討を再検討する、現在予定している伐採についても手控えるなど考えたいというありがたい答弁がございましたので、今後見守るとして一応了としますが、でき得るならば関係省庁とも協議されて、施業計画、または伐採個所等も検討され、他に移すなど、ひとつ慎重な検討をしていただくように重ねてお願いをいたす次第であります。  さらに私は、隣合わせでありますところの、これまた問題になっております奥日光の国有林についても調査をいたしたわけでございますが、奥日光国有林は、その地域の一部であるところの西ノ湖北側、弓張峠、柳沢流域、光徳牧場等において天然林を皆伐し、あと地にカラマツを造林しているのでありますが、言うまでもなく、奥日光は奥秩父とともにわが国における代表的な天然林の美しさと水源涵養、動植物、こん虫の宝庫でもありますし、レクリエーションの得がたい地域となっておるわけであります。最近、御承知のごとく全国的な規模での自然保護運動がにわかに高まりまして、去る六月二十七日には宇都宮大学教授あるいは大学生たちが中心となりまして結成されましたところの、日光の自然を守る会のデモ行進が行なわれ、さらに日本自然保護協会や自然保護を唱える各種団体、一般市民、大学生及び日本野鳥の会なども、自然を返せ生きものの連合という会を結成いたしまして、あしたもさっそく東京都内でデモを行なうことになっております。さらに引き続き、来たる十八日には自然保護を呼びかけるために、初の全国一斉のデモが計画されて、いま進められておる現状でございます。このように国民世論が高まって、奥日光の天然林の保護が強く叫ばれるに至っておりますが、次の三点について林野庁長官に御見解を承りたいと思うのであります。  まず第一点として、奥日光の、また奥秩父もそうでありますが、特に奥日光の亜高山地帯における森林の取り扱いについてはどのように対処されておるのか、まず承りたいのであります。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 第一点の、奥日光一体の亜局山地帯の森林の取り扱いという御質問でございますが、林業技術の上からは、亜高山地帯の森林を取り扱う方法としまして、そこに現在はえておる樹種がどのような樹種であるかということによってその取り扱い方が違うわけであります。その樹種によっては皆伐をしてそのあとへさらに生長の高い樹種に植えかえるというやり方、またその樹種によりましては天然力を利用してそのあとを更新をするというやり方と、二つございます。これは普通の亜高山地帯の取り扱いでございます。ただ、奥日光の亜高山地帯ということでありますと、それは国立公園の制約を受けておる地帯でございます。したがって林業技術の面からばかりは申せないことになります。そこで、自然公園法で制約をされる条件を加味しながら、また、最初に申し上げました自然的な、技術的な要件をつけ加えながらそこに適正な技術が行なわれなければならないということであります。  先生のお尋ねのところは、おそらく先般視察をしていただきました地域でありますと、弓張峠と柳沢林道の付近かと思います。その地帯は、やはり最初に申し上げましたそこにある樹種を入れかえまして、さらに生長の高い樹種に植えかえるということで経営計画がきめられております。しかも国立公園の制約上は、普通地域に入っておるということで特別な公園上の制約を受けておらなかったということで、営林局、営林署でやっております技術の森林施業のやり方は皆伐方式というのを主体にしてやってまいりました。ところが、最初の奥秩父の問題でお答えしましたように、情勢が変わってまいっておりますので、奥日光につきましても早急にその基本的な取り扱い方針につきましてさらに検討を進めてまいりたい、このように考える次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 長官から奥日光についても基本的なことについてさらに検討を進めたいということでございますので、ぜひそうしていただきたいと思うのであります。  特に私は、奥日光では海抜千八百メートルございます金精峠の峠から群馬県境へずっと参ってまいりましたが、あの水成岩にしがみついておる亜高山地帯の植物というものは、長い年月かかって岩はだにやっと風雪にさらされながらしがみついて育っておる植物でございます。学者に言わせますと、千五百種くらいの植物があって、得がたいものがある。日本海から太平洋にわたる前橋営林局の広大なバラエティーに富んだ管内でもございますし、東京から日帰りできる得がたいところでもございます。こういったことは慎重に検討していただいて、亜高山地帯等の伐採については禁止をしていただき、また保護区をふやすなり慎重な検討をしていただきたい、かようにお願いをつけ加えて申し上げる次第であります。  第二点としまして、先ほど長官から答弁ございました弓張峠から柳沢川流域に至りまして、すでに昭和三十五年ごろから伐採いたしましたあと地に一ヘクタール二千本のカラマツが植えてあります。なるほど疎植で、広葉樹の侵入がしやすいように配慮されておることも、相当神経を使っておられることもよくわかるのでありますが、奥秩父にしても、奥日光にしても、伐採あと地は主としてカラマツを植栽しておられるわけでありますが、カラマツの用材としての用途というものはいかに見通しておられるのか。地元の方、またわれわれ仲間でもカラマツの用途についてはいろいろ批判があるわけでございますが、林野庁長官からひとつカラマツの用材としての用途について今後の見通しをはっきりとお示しをいただきたい、かように思うわけであります。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 カラマツの用途でございますが、従来は土木用材、たとえばビル建築のパイル用材、また埋め立て工事のくい用材、そういうものに使われておるわけでありますが、これは建築用材にならないかということで、カラマツは狂いやすいという欠点がいわれておりますが、これも三十年くらいで若くして伐採されたものはとかく狂いやすい。しかし五十年、六十年年数を置けばほとんど狂わないということがいわれております。山梨県、長野県あたりでは普通一般建築にどんどんカラマツを使っております。そういうことで、カラマツも建築用材に使えるんだという指導なりPRなりを今後やる必要があろうかと思いますが、ただ、そういった小径木、狂いやすい細い木の使い方をどうするか、これにつきましては、林野庁林業試験場、そういった研究機関におきまして、その利用開発の新しい研究を進めておるわけであります。以上でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま長官からカラマツの用途についての答弁をいただきましたが、林業の生産というものは、御承知のようにずいぶん長期でございまして、五十年、六十年すると狂わないということでございますが、何としてもいま杉についても適正伐期齢級が設けてあるのに、それをはずして早く切りたいという方もあるわけでありまして、この幼齢木にしても、用途が適正な用材として使えるようにひとつ研究を進められて、またPR等にもつとめていただきたい、かように思うわけです。なお、奥日光にしても奥秩父にしても、ウラジロモミとかツガとか、ほかにも樹種を選定して植栽すればいいんじゃないかというふうに思っておりますし、現在上木の下に後継木がかなりはえております。こういった稚樹に対しても育成をはかっていくなり養苗をして植栽をはかるなり、いろいろと御検討いただきたい。このことをつけ加えておきたいわけであります。  第三点としては、そこでいまいろいろお伺いしてまいりましたが、奥日光の現地における今後の具体的施業の態様について、明確にひとつ長官から御答弁をいただきたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 奥日光の現地の具体的な施業方針、場所を——一応奥日光といいましても非常に広い区域でありますが、先生の視察いただきました弓張峠ないしは柳沢林道という地域に限って申し上げますと、先ほどもちょっと触れましたように、この地帯は自然公園法の地域区分では普通地域に指定をされておりました。したがって、特に施業の制限を受けなくてもよろしいという地域でございますが、最近の自然保護また景観の維持、破壊防止というような世論もございますので、その地帯の森林の取り扱いにつきましては、これは現在の予定では昭和四十七年に施業計画の調査が入る予定でおりますが、本格的にはその調査を通じまして、この地帯の施業方針のあり方を検討してまいりたい、それまでの間どうするかということでございますが、当面あそこの小田代から柳沢、西ノ湖のほうへ向かってまいります途中の林道から、伐採をされている現場が現在よく見えますので、その見える地帯はひとまず伐採を見合わせることにいたしたい。その見合わせた伐採をどこへ持っていくかということにつきまして、目下営林局、営林署と打ち合わせ中でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 長官からありがたい答弁がございまして、私も了とするわけでありますが、小田代から柳沢の一帯についてひとまず伐採を見合わせて、伐採計画をどこかへ移すというお考えを明らかにしていただきまして、地元の方もたいへん喜んでいるだろうと思います。なお、地元の方は全面伐採禁止ということを強く言っておられますが、林野庁としての森林計画、施業計画の問題がございますので、全くの全面というわけにはまいらぬと思いますけれども、どうかその趣旨を慎重に検討していただきまして、昭和四十七年に施業計画の調査に入るということでございますので、さらに検討を進めていただきたい、このように申し上げる次第であります。  そこで次の問題に入りますが、林野庁は昭和四十五年度国有林野事業特別会計、国有林野事業勘定の予算額というものは歳入歳出とも千六百三十三億五千四百万円で、前年度の千四百八十二億一千万円と対比すると一一〇・二%の伸びとなっておるわけでございます。  そこで私がお尋ねいたしたいのは、木材価格の現在のような低迷によるところの状態で、おそらく林野庁としても歳入の伸び悩みということが問題になっておるだろうと思っておりますが、さらに人件費等の増高に基因いたしまして、林野庁の特別会計の収支というのはますます来年度以降悪化傾向となり、窮迫すると考えられるわけでありますけれども、今後のこういった収支の問題に対して、対処方針はどのように検討していられるか、お伺いしたいと存じます。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 収支の悪化に対する対処方針でございますが、確かに収支は急速に悪化をしてまいっております。四十三年の収入、支出の差額が二百十四億円ございました。四十四年度のそれは大幅にダウンをいたしまして、十三億になる見込みでございます。これはまだ決算を締めておりませんので……。そのように非常に黒字が減ってまいっております。  これに対しまして、林野庁はどうするかということでございますが、一口に申し上げますと、生産性の向上と経営の合理化を積極的に進めるということでございます。たとえば生産基盤の拡充をさらに力を入れてやる、また生産性の向上、合理化のためには林野作業の機械化、作業仕組みの改善、高密度の施業体制の確立、新技術の開発、導入ということにつきまして、今後とも全力をあげてこれに対処をしてまいりたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 では、いまのに関連しまして、最近世間一般でいろいろと取りざたされて印象づけられておる問題は、林野庁関係の、特に奥秩父、奥日光については職員給与あるいは林道償却、先ほど長官からも説明ございましたが、こういった林道償却のために原生林あるいは天然林の伐採をしているという印象が強いのであります。いま問題になっている奥秩父、奥日光の国有林を所管している秩父、宇都宮両営林署の収支というものはどのようになっておるのか、御答弁をいただきたいのであります。  またさらに原生林等の伐採による伐採費、運搬費等によって赤字であるともいわれておるわけでありますが、そのように赤字が出ておるのか。また赤字を出すようであれば秩父、宇都宮両営林署等も無理に原生林を伐採しなくてよいではないか、こういう世論がほうふっとして起きております。この点についてもあわせて長官から御答弁をいただきたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 秩父、宇都宮両営林署の収入、支出の差額について申し上げますと、四十四年度仮決算でございますが、宇都宮が七千四百万円の黒字でございます。それから秩父営林署が千五百万円の黒字ということになっております。これは営林署全体でございますが、ただ営林署の区域内の部分部分を見ますと、あるいは赤字の事業をやっておるんではないかという批判が出ようかと存じます。そこで考えなければいけないのは、現在立っております天然林を伐採するそのあとへ造林をする、しかも林道もつくらなければいけないという、それだけを考えますと場合によっては赤字になる場合もございます。ところが造林事業の赤字、黒字を云々する場合には、やはり造林をした山が三十年、五十年後にどうなるか、どんな収益を生むのかという長期的にそれをはじきませんと、赤字、黒字というのはなかなか判定がつきかねるわけであります。現在奥日光なり秩父なりで天然林を伐採したあとを造林をいたしております。その造林は現在立っておる天然木と造林その他の経費の見合いでやっておるというよりも、生長のおそい立っておる森林を体質改善をして生長の早い人工林に切りかえる、そうすることによって将来の生長量なり伐採量がふえてくるという前提に立って伐採をしておるつもりでございます。このように考えまして従来はやってまいりましたが、そういった地帯の今後の取り扱い方につきましては、さらに先ほど来の新しい観点を取り入れまして今後とも慎重に対処をしてまいりたい、このように存じます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、動植物学者や日本野鳥の会、自然愛好者の間で、林野庁が使用している除草剤について、省力的にやっている面とか経費節減の上から使っていることに対しては、その意図は一応了とするのでありますけれども、動植物、こん虫等の宝庫である都市近郊の林野で除草剤を使用するということが最近問題になり植物、こん虫の死滅が多く問題化されておるのであります。林野庁は、除草剤の使用について薬害や自然保護の面から取り扱う必要があると考えるわけでありますが、その見解なり方針について承りたいのであります。  なおこの問題に関連しまして、さらに六月十日青森県下北郡大間町の二四五丁の除草剤の薬害問題が社会的な問題となっております。これについても経過措置について簡単に説明をあわせ承りたいのであります。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 まず最初に除草剤という新しい技術は、最近になって開発されました。昭和三十八年ごろから導入をされております。この技術は、今後の日本林業がかかえておる労働力の問題というものに対処いたしまして、どうしても開発をして進めていかなければならない技術であるという、技術開発の一つの方向でございます。ただ問題は、そこに公害というものが伴っては非常に困るわけであります。そこで営林局としましても、そういった薬剤による被害が起こらないように十分に注意をして対処をしていかなければならぬということで、いまやっております方法は散布区域から、もしその薬がかかることによって影響を受けるような人家とか農耕地、そういうものがある場合には、それを避けて、しかも相当な幅を置いて散布するようにしろというようなこと。また風力、風の強いときはその空中散布をやめなさい。たとえば粉剤でありますと、風力が二以上の場合には散布中止、粒剤とか液剤でありますと、風力三以上のところは散布を中止しろ。さらにそういったようなことを事こまかに規定をいたしまして、あやまちのないように実施をしておるつもりでございます。  大間におきましてそういったことについて非常に地元で心配をされまして、散布反対であるという動きがございました。そこで、営林局、営林署としましても、以上のような十分な注意を説明しながら、しかもその薬の毒性というものを説明、PRをいたしまして、各戸に戸別訪問いたしました。その結果、大かたの了解をつけられまして、散布の実施も二日も延期をしたということで、地元の了解を取りつけながら、しかも十分な安全の注意を払いながら実施をした次第でございます。   〔安倍委員長代理退席、委員長着席〕

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 除草剤の問題について御答弁いただきましたが、奥日光、奥秩父にしましても除草剤を使うことによって植物が枯死したりこん虫が極度に死滅し、さらには鳥獣の生息も少なくなってきたという問題が起きておりますから、今後とも慎重な検討をして進めていかれるようにお願いをいたす次第であります。  次に、農林大臣にお伺いしたい問題でありますけれどもきょうはおいででございませんので、官房長に二点ほどお伺いいたしますが、その第一点として、一九七〇年代は公害の年代といわれ、いまや全国至るところに河川汚濁、湖沼、港湾の汚濁等が起こりまして、国民は公害に悩まされ、公害列島日本というふうな異名でさえ呼ばれているところであります。このような状態で、さらに高度成長の名のもとに推移してまいりますと、将来おそるべき状態になることを憂慮するところでありまして、日を追うにつれて公害は社会問題としてその度を深刻にしておるわけであります。先ほど来東京の奥座敷といわれる奥日光、奥秩父の原生林または天然林の保護について、林野庁長官にその方針と見解を承ったのでありますが、官房長は、国土保全の上からも、はたまた水源涵養、都市用水の確保、動植物、こん虫等の保護並びに学術研究、国民の休養地としてのレクリエーションの場として、残り少ない重要な資源であることを再確認されたと思うのでありますが、公害対策の一環として、森林の保護について、農林大臣にかわりまして官房長の所信をお聞きしたいのであります。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 公害問題は、ただいま御指摘のとおりでございまして、毎日毎日紙上をにぎわしておる状態でございます。農林省といたしましても本年度から官房に公害対策室というのを設けまして、関係の各局といろいろ緊密な連絡をとり、また関係の省庁ともいろいろ連絡をとりまして、公害問題の解決に取り組んでおる次第でございます。  御指摘の森林につきましては、もちろん森林が林業として木材生産の機能に重要な経済的な使命を持っておるということは私から申すまでもございませんが、森林はこのほかに国土保全あるいは国民休養、さらに鳥獣の保護というふうな公益的な使命というものが非常に大きいものだというふうに考えております。この公益的機能というものは当然森林に課せられた大きな社会的使命の一つでありまして、そういう場合に経済的な問題と衝突するというふうな場合には、当然公益と経済との関係を慎重に検討した上で、場合によっては公益的機能を優先する用意がなければならぬ、かように考えております。  公害につきまして、大きな社会問題の一つとしてこの解決に森林が大きな役割りを果たしておる、またになわなければならないということは、全く御指摘のとおりだと思っております。森林の保護、またこれが国民の厚生的利用という面につきましても、これは今後十分検討を進めまして、国民の森林に対する要望に十分こたえたい、かように考えておる次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 官房長は公益的機能を優先して今後十分検討するということでございますので、どうかひとつそのように進めていただくようにお願いいたす次第でございます。  もう一点は、国有林野事業というものは現在独立採算制をとっておるたてまえから、赤字を出さないために自然に国有林の過伐となり、東京近郊の奥秩父、奥日光等の原生林が伐採されるというような印象が国民にずいぶん強いわけであります。この点については、先ほど来林野庁長官の答弁で一応その方針は明らかにされましたが、国有林野事業のうち治山事業等の、国土保全上国民に密接な関係が深い公益的性格の強いものについては特別会計からはずし、一般会計をもって行なうべきものと考えるが、これに対する政府の見解、官房長の御答弁をいただきたい、こう思います。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 お答えいたします。  現在の国有林経理につきましては、御承知のとおり国有林野事業特別会計という制度でございまして、原則的に独立採算的に運営することが望ましいという方向でもって運営がされておるわけでございます。もちろん、現在におきましても、治山事業につきましては、場合によっては一般会計で負担するということもあり得るわけでございますが、原則として国有林野の経営そのものは独立採算ということになっております。しかし先ほど来も御質問のございましたように、国有林野の中には必ずしも経済的な機能を持たない山もございます。これは大きな意味で、国の治山治水あるいは国民の休養といった公益的機能といった見地から、国有林が保有しておる森林経営から見れば必ずしも合理的でない林野があるわけでございます。こういうものを国有林の経済的な機能だけで、内部でまかなっていくということにはいろいろ問題がございます。国有林野の経営につきましては、さきにいろいろ、数年前に検討された結果もございますが、私どもとしましては、最近の国有林に対するあるいは森林一般に対する公益的な機能が強い事情にかんがみまして、国有林というものはすべて一般会計でまかなうべきだ、こういう論理には簡単にくみし得ない。むしろ、そういう論理があるとするならば、この際それは新しい観点から再検討をして、時代の要請にこたえるべきではないかというふうに考えております。もちろん国有林の経営自体につきまして、これがいろいろな経済の面におきまして完全に合理的であるというふうには私ども決して断定はいたしておりません。経営自体についてもいろいろ改めるべき点があろうかと思いますが、基本的な問題として、国有林が全部採算的な山であるとは限りません。採算的でない山を持つのも国有林の使命であるとするならば、当然そこに国の財政から何らかの負担というものも——むげにこれを拒否するという考え方は非常に疑問がある、かように考えておる次第でございます。  いずれにしましても、国有林のあり方につきましては、林野庁においても目下、特に最近の材価が必ずしも従来どおりに上昇していかないというふうな経済的な理由もありまして、林野庁内部において目下検討中でございますので、そういう方向と相まちまして、必要な財政負担が必要であれば、これについては当然主張すべきものは財政当局に主張をしてまいりたい、かように考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間の制限がございまして、十分な質問ができませんが、ただいまの問題については一応これで終わることにしまして、どうか官房長のいまの答弁のように、今後の課題として検討して、ひとつ国民の要望に十分こたえていただきたい、かように思います。  まことに恐縮ですが、最後に二点だけ簡単に質問をいたしまして、終わりたいと思いますので、よろしく御協力のほどお願いいたしたいと思います。  実は午前中にもこのことは問題になったわけですが、新潟県で問題になっている配給米の横流し事件について補足的に一、二点、私この機会にお伺いしておきたいと思うのであります。  昨年に引き続いて今年も卸業者による配給米横流し問題が起きておりますが、午前中の質疑の中で、この違反事実に対し、森本食糧庁長官は、残念に思っている、権限を県に委任しているので適切に処置をとるように指示をした、昨年の違反については処置をしたと承知している、またこの事件は心外である、違反行為については適切な措置をとることを堅持すると言われ、さらに現在県当局に詳細調査報告を求めているので、これが判明したら適切な処置をする。決してあいまいな態度をとることはしない。大要以上のような答弁をされておりますが、実は私の調査によりますと、去る五月十五日、この問題について新潟県議会において県農林部長が次のような答弁をしているのであります。このような問題がどうして起こるかということについては、新潟県の米は内地米で品質がよい。そこで政府は新潟米を味つけ米として消費を伸ばしているような答弁がありまして、さらに、今回の事件については、最後の締めくくりを食糧庁がつけてくれないと、県としては動きにくい。食糧庁と協議した上で、県としてははっきりした態度をとりたいと答弁しているのであります。また、知事も断固とした態度で臨みたい、食糧庁長官とも話し合いたい、こう言っておるわけであります。  そこで、私は午前中の質問ではっきりしなかった点についてお尋ねするわけです。今回の事件については四月上旬にすでに判明しておる、さらに五月一日に食糧庁が従来の配給割り当てを一人月七・五キロから〇・五キロ減らし、七キロに切り下げて処置をしている、こういうことでございます。こういったことから、すでにこういった横流し事件がはっきりとしているわけでありますが、県のほうは二回にわたって食糧庁に申し入れをし、これらの処置についていろいろと相談をしているというのですけれども、県と食糧庁とがなすり合いをしているような感じを受けるのです。県は食糧庁の意向を承って処置をするといっておりますが、この点、午前中の質問ではっきりしませんでしたので、もう一度お尋ねするわけでございますので、長官よりはっきりと御答弁をいただきたいと思うのであります。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 午前中もお答えをしたのでございますけれども、新潟県で販売業者の横流し等の不正の事件があったということは、詳細はまだ調査中という意味の報告といいますか、連絡を受けております。そういった事件があるということは報告はございますけれども、県のほうでさらに詳細については現在調査をしておるので、実態といいますか、事実といいますか、そういうものについては、精査の上追って報告をするということに実は県との間ではなっておるわけであります。したがいまして、私どものほうとしても県の詳細な調査を待って、販売業者がいかなることをやったのであるかという事態が正確に判明をいたしますれば、その段階で県に対して十分打ち合わせをするというつもりであります。まあいずれにいたしましても、午前中お答えを申し上げましたようなことで、かような事件が起こるということは私どもとしてもきわめて遺憾であるというふうに存じます。したがいまして、それに対する措置としても、そういった事態の判明を待って適切な措置をするよう県当局にもよく打ち合わせをしたいということであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間の制約があるので最後に一点だけ。いま答弁がございましたが、事実小売り業者が米を流している者もあれば、卸業者が小売り業者に対して割り当てをよけいやったようにして、実際は卸業者が米を流しまして、そのリベートを小売り業者にやっている。いろいろなケースがある。また農家の保有米を卸業者がどんどん流しているという事実が至るところにあるわけです。これはもうますます激しくなってくるわけです。さらに日本経済新聞には自由米の相場がずっと出ております。聞くところによると、また別な新聞にも何か出ておるそうですが、こういったことを見ましても、政府は食管の堅持を口に唱えながら、自由化への移行を認めているようなものではないか、こういった批判が起きてきておるわけであります。このような自由米の相場が出ておるということが、いわば業者の横流しを促進しているような傾向にならざるを得ないということで憂慮しております。この問題はあに新潟県のみならず、各県のこういったことがちらちらと耳に入っております。どうか確固たる態度で登録業者の規定であります食管法の二十一条あるいは卸業者の取り締まり通牒等がございますが、こういったものに対して厳格なる処置をしていただくなり、午前中もございましたように、断固たる態度で処置をしていただき、そうして明るい行政をしていただきたい、かように思っております。自由米の相場の問題について日経にも出ておりますが、長官はどういう御見解をお持ちであるか、その点だけお伺いして質問を終わることにいたします。

森本修食糧庁長官

○森本説明員 現在こういった実態になっておりますことば私どもとしても事実としては認めざるを得ないというふうに思います。ただ、現在の情勢のもとにおいて取り締まり当局とも打ち合わせをしておりますけれども、従来から取り締まり当局としても大口のきわめて悪質な、いわば現在の社会情勢のもとにおいて反社会性がきわめて大きいというふうなものについては、厳重に取り締まりをするということになっておりまして、私どもとしてもさようなものについては今後取り締まり当局ともよく連絡をとりながら、配給秩序といいますか、そういった流通秩序の正常化については努力をしていきたいというふうに思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 津川武一君。

津川武一日本共産党

○津川委員 林野庁長官に先ほどの除草剤、二四ジクロールフェノキシ酢酸ブドキシエチル、この除草剤についてお尋ねいたします。  最近宮城県の仙台、古川、青森県の深浦、大間、岩手県の岩手、川尻など、十六営林署管内二千六百二十ヘクタールの山林に三百七十トンの除草薬が空中散布され、至るところで問題が起きております。たとえば問題の大きなものは、山形県でございます。村山農業高等学校で昨年六月この除草剤を散布したところ、一カ月後にゼンマイ、ワラビ、ヨシノユリ、ウバユリ、ウド、こういうものが枯れてしまったのであります。それだけでなく、本来害を及ぼしてはいけない杉にまで被害が出て、たいへんな問題が提起されておる、こういうことなんであります。  もう一つの問題は、弘前大学の石川茂雄教授でございますが、この薬を薄めて使えばかえって成長を促進して雑草がはえる。下枯れ、つる枯れの効果があるようにまくと、今度はあの下北半島で日本の北限であるノカラマツだとかコバノフユイチゴだとか、たいへん貴重な植物が死んでしまう。さらにサルのえさであるイチゴがなくなってしまう、こういうことを言っておって、こういう枯れ草作戦に使用した薬を散布するのだったら、なぜわれわれに前もって相談してくれないのだろう、われわれはちゃんとした意見を持っている、こういうことを言っておるのであります。さらにそういう形なものですから、その地域住民がたいへんに心配いたしまして、宮城県の花山村では村長がわざわざ営林署をたずねて、慎重を期してやってくださいと要請して、慎重を期しますといって、うちに帰ったらもう散布されておったわけです。そこで村役場では緊急村議会を開いてこの対策を講じなければならない。いま林野庁長官が地域住民の納得を得た上で散布したといっておりますが、このような状況がたくさん出ているのであります。そこで、いろいろな問題が出ましたら、これらの営林署に関係しておる青森営林局の安江営林局長は何と言っておるかというと、こう言っております。森林の下にいる動物に被害があるかどうか、野生動物の保護はこれから十分に調査して研究していきますと言っているのです。水に被害があるかどうか、水の汚染について散布地域下流の水を散布直後から採水して調査する、こういうふうなのが散布した営林局長の記者会見でございます。そこで問題は、動物に対しても、水に対しても、その他の貴重な植物に対する影響に対しても、十分な調査がまだされないまま、実験されないままに使用したんじゃないかということが、地域住民の中に、学者の中に、十分な疑いが持たれているわけであります。  そこで質問でございます。どんな毒物検査をやったのか。農薬の検査所にどんな申請をして、どんな認可を得たのか、これを明らかにしていただきたいと思うのです。二つには、動物に対して実験したのかどうかということを明らかにしていただきたい。水に対して、用水、河水に対して、特に宮城県花山村はその下の水を用水に使っているわけです。そういう点に対して実験したのかどうか、これを明らかにしていただきたい。四番目には村山高等学校の先生たちがやったこの実験に対して何と考えているのか。五番目には弘前大学の石川教授の見解に対して何と考えているのか。このことを答弁していただきたいと思う次第でございます。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 第一点、どんな検査をしたかということでございますが、これは昭和四十四年から林業試験場、淡水区水産研究所というところに試験調査を委嘱をいたしまして、その結果はいずれも影響がないという結果を得ております。  それから動物に対して実験をしたかということでありますが、動物に対してはまず魚毒性、これに対しましても、現在までの調査研究では、その影響はきわめて少ないという結果を得ております。  それから水に対してどんな試験をしたかということでございますが、これも塩素酸塩系の除草剤が劇物の指定を受けておりますが、その毒性は日常食用に供されておる食塩よりも低いということがいわれております。またフェノキシ系除草剤はこれは劇物指定の面では普通物でございます。したがってそういう危険は全くない部類に指定されているわけでございます。林地において実際に散布する量も、ヘクタール当たり原体で六キロぐらいの程度で、その毒性はやはり食塩よりも低いということ。スルファミン酸系除草剤についてもサッカリン程度の毒性である。いずれにしましてもこの毒性の程度によりましては空中散布を行なわない。手まきで遠くに散らないようにしておる。また空中散布する場合にも、河川に流入をしないように、下流に人家とか農耕地とかあるようなところは絶対空中散布をしないようにというような、十分の注意を払いながらやっておるわけであります。  それから村山高校の先生の実験は、たいへん申しわけないのですが、私、まだ聞いておりませんので、さっそく調べまして御返事をしたいと思います。  それから弘前大学の石川教授、これも私、きょうここに用意をしておりませんので、たいへん申しわけないのですが、あとでひとつ説明にあがりたいと思います。

津川武一日本共産党

○津川委員 長官があまりよくわかっていないようだから、これ以上聞くのは何か気がひけるような気もするのですが、日本でサルが一番北にいるのは大間営林署の区域なんです。このサルに影響ないかというようなことを調べないで、淡水魚でやって、それでいいかということなんです。昭和四十四年に淡水魚で検査したものを、そういうところでやっていいかどうかという点、長官あまりよくわかっていないようですが、だからその発言が水の中に入らないなどという答弁になってくるわけですが、国有林野は大事な水源地であって、そこから上水道に入ってくる水がわれわれの普通に使う水になるので、ここいらあたり、あまり追及してどうかと思うわけですが、そこで四十四年にどういう形で、どこで何日間、どのような試薬を使って検査したのか、それから農薬検査の検定所はこれをどういう注文をつけて認可したのか、これも明らかにしていただきたいと思います。  それから、村山地方であれほど問題になっているのを、弘前大学であれほど公然と問題になっているのを、県民で知らない人がないのを、安江営林局長から報告なかったのかどうか、この点を答弁していただきたい。あなたの答弁を聞いていると、いよいよ質問しなくてはならなくなってくるのは、あなた自身が不明確だし、まして世論がたいへんなことになっておるので、そのものがしばらくしばらくして、すっかり安心できるまで、この二四D、ブラシキラー剤の散布を禁止させませんか。このことは非常に必要だと思うのですが、もう一度答弁願います。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 先ほどはサルのことでつい申し落として申しわけございませんでした。獣類に対する影響につきましても調査試験をやったデータもございます。これによりましても現在使っております二四五Tその他、十分影響はないんだというデータも出ておるわけであります。それを申し述べますと非常に時間がかかりますが、一、二申し上げてみたいと思いますが、これはサルに対しましては実験をやった結果がございません。牛とか羊とか鶏というものにつきましてのデータがございます。そういった報告によりますと、動物自体への影響とか、動物体への蓄積を通じ人体に影響を与えることはまず考えられないという結果が出ております。総括をいたしまして申し上げますと、二四五Tの散布試験区での獣類に対する影響は特に問題はなく、また野生獣類に対しては、除草剤使用基準により鳥獣保護区、特別保護地区を使用除外区域に指定をしておる。そういう地域には除草剤をまかないということをいま林野庁内部の運用できめて、それを営林局長に通達をしております。鳥類に対しての影響もございますが、これは省略させていただきます。

津川武一日本共産党

○津川委員 長官、農薬の認可、製造認可、販売認可を得るときの基準御存じですか。これは端的に答えていただきます。  その次に、村山の高等学校の熊沢教諭からこんな反論が出ているし、弘前大学の石川茂雄教授からこんな反論が出ておるので、これを確かめて納得するまでこの使用を停止しませんか。そして、間違いなく国民に公害が及ばないような確信が出てから使用するという態度に出てみることが必要だと思うのですが、これが第二点。  第三点も、どうも存じないようですから、実験をどこでやったのか、どのような実験をやったのか、何日やったのか、どの種類、何種類、二匹の動物を使ったのか、三匹の動物を使ったのか、何カ所でやったのか、こういう点を文書で、わかればけっこうでございますが、わかって話ができれば、わからなかったら文書でもよろしいですが、この三つのことを答えていただきます。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 農薬の登録段階で検査済みでございます、製剤急性経口毒性LD50、これが八千四百ミリグラム・パーキログラム、普通物に指定をされておるわけであります。これは実は先生のきょうの御質問が林野庁長官に対してないということでありましたので勉強不足の点もたいへんございます。今後なお勉強しましてあらためて先生のところへ説明にあがりたいと存じます。

津川武一日本共産党

○津川委員 このブラシキラー剤は時期的にもまく時期でなくなったと思うのです。六月がせいぜいで七月になってくるといろいろな問題がありますので、六月で終わるかと思うのですが、それにしましても、弘前大学の石川教授、村山の高等学校の先生の研究は見ておいていただいて、これから秋になって使うようなときがあったら、長年の疑念を晴らしてから使う気持ちがあるかどうか、最後に聞いて、あとで長官から報告していただきます。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 次回までに十分調査して報告させていただきます。

津川武一日本共産党

○津川委員 ブラシキラー剤はこのくらいにしまして、千葉県における今度の災害について少しお尋ねしてみます。  四日に現地を見て、きのうまた大多喜町の現状を見て関係者から話を伺いまして、非常に私も心を痛めております。一日も早く被害から立ち直れるようなことを望むものの一人でございますが、いま何よりも一番困っておるのは、町道、農道、林道がつぶれて開通していないということでございます。林道が百三十六カ所、農道が三百六十五カ所、市町村道が五百一カ所、合わせて千二カ所、寸断されてまだ通過できない。そのために農地の災害、農業施設の災害、農作物の被害が確認できないでいる状態でございます。  また家畜のえさを運ぶにも事欠いております。乳牛でいうと二百九十頭、五千六百万円、肉牛百九十八頭、三千万円、合わせて四百八十八頭、これが流されなくなっておりますが、この倍の家畜がいるというのであります。これにえさを運ぶにも農道、市町村道が通過できないで困っておる。さらに、いろいろな山のがけくずれや何かで材木がそこに出ておって、これがじゃまになって、これを片づけるにも困っておる。また材木を切っておいたのを搬出して売って復旧費に充てる。このこともできないでおる、こういう状態でございます。これが現状であります。これに対して本格的な復旧ができておるかというと、小型のブルドーザーが足りなくてできないのです。持っていっても大型のブルドーザーは入らない。これが一つ、もう一つは、これを作業する人夫がいないのです。きのうもびっくりしたのですが、川鉄やあそこの京葉石油コンビナートで雇っていく労働者が、あの被害地域からきのうでも五十台のマイクロバスで運んでいる状況で、小型のブルドーザーがないのと労働者がないために、人夫がないために、復旧ができないでいるわけであります。これに対して私は、きょう建設省にも来ていただくように要求していたのですが、建設省が来てないそうですから農林省へ、建設省に要求する、また農林省自身でこの問題をどう解決するのか、特に災害復旧のための労働力をどうするのか、こういった点で答えていただきたいと思います。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 御案内のとおり農道が災害を受けました場合には、農業用施設の災害復旧事業としてこれを取り上げる道ができておるわけでございます。ただいま先生からお話しございましたように、交通を確保するということは、農作業の面また農作物の搬出等におきまして非常に大事なことでございまして、一般の災害復旧工事といたしまして計画概要書をつくりまして査定を受けて工事をやるという点では時期を逸し、また間にも合いませんので、応急工事という方法がございますので、県、市町村のほうを強く指導いたしまして、たとえば土俵積みとか棚工をつくるとか、あるいは仮橋をかける、そういう応急工事を早急にやりまして交通を確保するようにという強い指導をやっておるのでございます。

津川武一日本共産党

○津川委員 答弁まことにけっこうでございます。だがね、現実には小型のブルドーザーがないの。人夫がないの。あなたの言っていることは村に通ってないの。そこですぐにでも小型のブルドーザーを支度してあげなければ通りません。それから人夫を支度してあげなければいきません。労賃も、川鉄で雇う労賃が高くて、災害復旧の人夫賃が安いものだから、振り向きません。こういった点が、具体的にどうするかということ。小型ブルドーザーをここで現地で支度してあげるか送っていく施策を、それから人夫をあそこに派遣する対策を私は聞いているのです。応急工事をやれという指示はわかっています。ところがそれがやれないから私はこうして質問しているわけであります。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 作業用の機械が非常に不足しておるという話でございますが、この点につきましては、はたして小型のブルドーザーということは手配むずかしい点があろうかと思いますが、国といたしましても多少保有機械がございますし、それから先般お答え申し上げましたのですが、農地開発機械公団というのがございまして、現在工事実施中の時期ではございますが、県からの要請がございましたならば、国の保有機械とあるいは農地開発機械公団の機械を都合をつけまして、御要望におこたえして貸し出したいというような道を講じております。現在のところ、まだ具体的に県からそういう機械を心配してくれという要請はまだまいっておらないようでございます。

津川武一日本共産党

○津川委員 あなた方が一生懸命やっていることは私も認めますよ。でも現地に合ってないの。たとえば復旧すべき農用地の問題、今度の残った稲、大多喜町に行ってみますと千三百町歩なんです。このうち大体六百町歩は冠水か埋没している。これに対してポンプアップすればいいと言っている。ところがほんとうにびっくりしました。関東農政局に六十台あると言っている。実際いま必要なのは百六十一台なんです。だからあなたたちのしゃべっていることは私はいいと思う。だけど現実の実情に合ってない。もっと現実の実情に合ってないのは、ポンプが流れている。ポンプの中にどろが入ってしまって、コイルを直すにしても間に合わない。それより新しく買ってきたほうが早い。泥から皆さんがこんなことを言っているうちに農民は新しく買いにかかっているのです。ところが買いにかかると、新築だから国の補助が出ない。それで困っている。いつ査定するのかといったら、八月に入ってからだそうです。このポンプを買う、災害復旧でやるよりも早い、こういう点に具体的に私は問題を進めたいのです。したがってここのところにずばりずばりとポンプを据えつけていくということでないと、もうきょうあたり日が照っていますよ。このことが一つ。修理するよりもポンプを買ったほうが早い。このポンプに対して災害復旧費を出すか。出すべきだと私は思う。この法的な根拠いろいろあるでしょうけれども、ここはひとつ皆さんは専門家だから、乾坤一てき研究してこれを買ってあげてほしい、こう思うわけであります。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 揚水機の問題でございますが、ただいまお話しございましたように私のほうの手持ちの資料も、揚水機の被害台数は百六十一台となっておりまして、揚水機、揚水場が流失したものがこのうち五十二台でございます。それから揚水機が水をかぶりまして、修理とか点検を要するものが六十三台、それから揚水機場外のパイプとかそういう付属関係の被害を受けましたものが四十六台となっております。それでただいまお話がございましたように関東農政局で応急貸し出し用のポンプが六十数台ございまして、これにはいつでも御要望に応じて貸し出せるという体制をとっておるわけでございまして、これにつきましては現在のところ大多喜町周辺の町村から四台ほど貸してくれという申し込みが出ておるようでございます。それ以外のあれにつきましては、ただいまお話がございましたように新しく揚水機を購入しなければならないところもございますが、こういうのも新規に購入して間に合わしていただきましたやつは、後ほど国の補助対象として認められるようになっております。現在のところは、七月の終わりまでに大体新規購入あるいは修理点検それからいまの貸し出し、こういう面で一応七月末までには応急の対策ができるというような報告を受けております。

津川武一日本共産党

○津川委員 それから査定ですが、この間災害対策特別委員会で大蔵省が、建設省、農林省と一緒に行ってやる。現地に行ってみました。建設省は来ています。大蔵省は見えていません。こういうことが実際なんです。そうすると大蔵省が行ってないと、地元で無理をして技術者でやって査定を終わった。また大蔵省がもう一回査定する。これは時間がかかるし、今度は削られる。八割だとか七割になる。こういう体制なんで、大蔵省を同時つけてやる、必ずつけてやるということ、これはきょう大蔵省がいないから、農林省から、強く官房長から要求しなければならぬ。八月に査定だというのです。このことは農林省としてもっと早くならないかという、こういうことです。二つの点。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 大蔵省は来ておりませんので、私から断定的に申すわけにはまいりませんが、大蔵省にぜひともこれは行ってもらえば事務処理はきわめて簡速にいくと考えております。大蔵省にも御趣旨を十分要望いたしたいと思います。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 災害復旧上の進め方と申しますか、仕組みといたしまして、一応災害を受けました個所の災害復旧事業計画概要書というのをつくりまして、これができ次第査定をするというたてまえになっております。千葉県の場合、この計画概要書をつくります技術者が非常に不足しておるという状況にございまして、これはただいまの集計でございますが、千葉県だけの技術者では不足しておりますので、関東の近傍都県から応援の技術者を出すようにただいま手配中でございまして、茨城、栃木、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡等の都県から一名ないし二名ずつ、十名余りになろうかと思いますが、職員を千葉県に派遣しまして計画概要書を大至急つくるという応援の手配も進めております。

津川武一日本共産党

○津川委員 その次は、やられた農地の復旧についてですが……

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 簡潔に願います。

津川武一日本共産党

○津川委員 はい。大多喜では千三百ヘクタールのうち約六百ヘクタールやられて、うち二百ヘクタール、私も現地を見たのですが、岩が落ちてきているのです。それから木が、ものすごい根や雑木が入ってきて、どんなにお金をかけても復旧できるかできないか心配だというのですよ。二百ヘクタールは、六百ヘクタールのうちに農地としての復旧は無理じゃないかという、こういう意見なんですね。これが耕地であるかどうかということを、先ほど午前中の答弁で、転用しなければ農地であるという定義を下してくれたので私もほっとしているわけなのですが、こういうことに対する復旧の問題。特に農地の災害復旧の場合、十万円以下の被害のところは対象にならない。もう一つは、土地改良区や、県や市長村でやるそういう団体営でなければ対象にならないということになっている。この大多喜に行ってみますと、ちりぢりばらばらになった谷間の間の田が十アール、十五アール、こういう形でいって、団体営の問題にならない。したがって、いま国がかなり強硬な復旧措置を法外ででも講じないと廃地になるという心配が非常にあるわけです。私たちは日本の運命にかけても廃耕にしたり廃地にしたりするのはいけないと思いますので、この点に対してひとつ端的なる見解を明らかにしていただきたいと思うのです。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 ただいまの農地災害の問題でございますが、たてまえといたしましては原形に復旧するということになっておりますが、ただいま御指摘ございましたように、原形に復旧することは非常にお金がかかるとか、非常に無理があるというような場合には、その近傍に農地造成できるようなところがございましたような場合には、砂れき、岩石などが入りまして復旧困難な場合には、その近傍でそれに代替の農地を災害復旧費でつくるというような道もございまして、その地区地区のあれによりまして、いろいろ被害の状況が違っておるんじゃないかと思います。そういう方法もあると思います。

津川武一日本共産党

○津川委員 これは官房長に聞いたほうがいいかもしれませんけれども、私はそんなことを聞いているのじゃないのです。具体的に何を聞いているかというと、十万円以下の小さい災害に援助が及ばない、これをどうかしなければならぬ、これが一つ。第二番目には、ちりぢりばらばらになっていて団体営でやれない、国の補助がいかないから、これの補助をどうするかということを聞いているわけです。もう一回。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 農地局の予算上のことになりますが、実は私、残念ながら詳しく勉強いたしておりませんので、参事官からお答えをお許し願います。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 ただいまの十万円以下の小災害のことでございますが、この小災害の復旧につきましては、三万円から十万円未満のものというものは一応小災害として災害復旧ができるわけでございますが、激甚災害の特例法の指定になりますと、元利補給措置がとられるような道がなっております。これに、激甚災害特例法の適用にならない場合でございますが、その場合も、町村が十万円未満の小災害の復旧工事をやりました場合には、単独災害復旧債が認められることになっておりまして、実質的にはこの起債によりまして地元の負担はそう大きなものにならないような措置になっております。

津川武一日本共産党

○津川委員 時間が来ましたのではしょりますが、簡単に、それじゃその次に農民の生活費でございます。暮らしの費用に事欠いているわけです。これには自創資金が残されている道かと思うのですが、自創資金を、申請した分だけ該当すれば全部認めるかどうか、該当するというのは、農民が来たならばこの自創資金のワクの拡大について……。これが一つ。  第二番目には、生活資金に事欠いているので、すでに元利払いの始まっておる系統資金に払うお金がないわけであります。大多喜だけでも千三百ヘクタールで二億円なんです、元利払いが始まっているのが。そうすると、利子も入れるとたいへんなもので、これを払うわけにいかない。そこで元利払いの延期、それから耕地として復旧できないものに対しては免除、このことが必要になっていますが、この延期と免除について。  それから最後に、共済金でやるか生産調整の休耕でやるかというわけです。じっくり数えてみたら、共済でやると、条件の悪いところは十アール二万五千二百円、条件のいいところは二万八千八百四十円、休耕でやると、条件の悪いところで三万二千円、いいところは三万五千円、これは先ほど答弁を聞きましたからそのことは繰り返しませんが、六百ヘクタールぐらいやられておって、あと三百ヘクタールぐらいは何とかすれば稲がなるかもわからないというところなんです。したがって、耕地は明らかに米をつくるために努力すべきところであって、これが休耕地に指定されると、農民はどれほど助かるかわからない。そこで問題は、資金の問題でもこういうことの問題でも、農民がどうしていいかわからない、手をつけていいのか、つけないでいいのかわからない。そこでぴしっと方向を与えて、農民を勇気づけることが必要なわけです。したがって、二割ぐらいしかとれない、三割ぐらいしかとれないところ、これも休耕地と認定する必要があると思いますが、この意図があるかどうか、これも官房長に答えていただきます。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 あとの御質問が先になりますけれども、先ほど私お答えいたしましたとおり、生産調整と今度の被害というものとはあくまで別個に扱いたい考えでございます。生産調整は、当初から作付可能な土地に作付けないということを事前にそれぞれ行政機関に申告した上で奨励金を交付するという考えでございます。したがいまして、災害を受けたものに対しましてはあくまで災害の各種の施策のワク内で救済を考えていきたいというふうに考えております。したがいまして、私どものほうにいろいろ陳情もございますけれども、やはりたてまえ上災害は災害、生産調整は生産調整で、その間の切りかえということは考えないでまいりたいというつもりでおります。  それから生活資金のことにつきましては、経済局長からお答え申し上げます。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 御指摘の自作農資金は、実は配分の責任者は農地局長でございますが、ただいま参っておりませんので、農林経済局長から便宜お答え申し上げます。  御承知のように、千葉県の場合には、日ごろあまり災害がございませんでしたので、あらかじめ配ってありますような自創資金のワクは少ないというように私は承知いたしておりますが、別個に、公庫のほうに災害ワクというものが年度当初から設定いたしてございます。したがいまして県当局と十分打ち合わせまして所要の資金ワクを配賦したいというふうに考えております。

津川武一日本共産党

○津川委員 一つは償還期間がきた……。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮説明員 失礼しました。償還の問題につきましては、農林漁業金融公庫の関係いたしております融資の場合には、公庫の総裁に、このような場合に償還条件の緩和等について適切な措置ができますような権限を与えてございます。

津川武一日本共産党

○津川委員 一つ最後に官房長に。ほんとうに農民が求めているのは、全部やられてしまって、稲をつけるというたてまえからはずれているところは、これはいたし方ないとしても、現に北海道では休耕地にしようか、つくろうかというので、春気候が悪かったからちょっと見ているのがあるんです。悪いようだったら抜いてしまって休耕地に申請しよう、こういう実際上のこともありますので、これは二割、三割、四割、五割くらいしか上がらないようなところまで追い込まれている水田についても休耕地として扱うということは、来年にも非常に大事なんです。来年はまた皆さんが生産調整で資金を出すというふうな方向が大体ちらほら見えているものだから、いま復旧しておかないと今度はもらえないという、どうしても来年休耕しなければならない状態にあるわけです。その点のことを考えて答弁できたら答弁していただきたいし、じっくり考えて検討してみてくれるなら答弁は要らないし、そこいらどちらでもよろしいです。——答弁していただけますか。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 本年度の問題といたしまして、災害地があと米をつくらないということで生産調整の奨励金を交付するという考えは、非常に困難であると思います。私ども、これにつきましていまさら検討を開始しても、制度のたてまえ上むずかしいというふうに考えております。来年度以降、かりに生産調整を続ける場合に、本年米作をやっておってそれが災害を受けた、来年も生産調整をやる場合に、その人たちが復旧をして生産調整をやるというような場合にどう扱うか、さらに、その人が復旧はしないでそこで米をつくらないという場合に生産調整の対象にするかしないかという問題は、来年度の問題といたしまして、私ども来年度の米生産の抑制策を決定する際に十分検討いたしたいと考えます。

津川武一日本共産党

○津川委員 一つだけ指摘しておかなければ。官房長、ほんとうに行って見たら、岩で、大きな根っこがはえて、木がはえて、復旧しようと思っても復旧できないところがあるのですよ。それがことしのうち農地になっていないから、復旧できなかったからといって、生産調整を認めないということじゃたいへんなことになるので、鋭意努力するつもりでいても復旧がめんどうな場合があり得るわけです。このところを来年度の生産調整の場合にオミットするようなことがないでしょうね。

亀長友義農林大臣官房長

○亀長説明員 来年度どういうふうにやるか、基本的にまだきまっておりません。生産調整をやりたいという気持ちは、いろいろ農業団体にもございますし、またわれわれのほうにもございますが、政府としてこれを続けてやる、あるいは、具体的にやる場合に、ことしと同じようにやるかあるいは転作等もございますので、そこら辺、かなりことしとは違ったやり方をするか、そこら辺がきまっておりませんので、今後予算編成も控えましてそういうことも検討してまいらなければなりませんので、その際にあわせて御指摘の問題も十分に調査をいたし、また検討もいたしたいと考えます。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後四時十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗