農林水産委員会 第30号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/06/06
会議録
○小沢(辰)委員長代理 これより会議を開きます。 本日は委員長所用のため、指名により私が委員長の職務を行ないます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、米価審議会の答申について政府から説明を聴取いたします。森本食糧庁長官。
○森本説明員 昭和四十五年産米穀の政府買い入れ価格につきましては、去る六月三日、米価審議会に対しまして「昭和四十五年産の米穀の政府買入価格については、生産費および所得補償方式を基本とし米穀の需給事情を考慮して決定することにつき、米価審議会の意見を求める。」旨の諮問を行なうとともに、この考え方に立った試算を提出して審議の参考に供したところ、同審議会における熱心な審議の後、会期を一日延長した本日未明、諮問に対する答申を得たところであります。 答申のあらましを申し上げますと、まず昭和四十五年産米穀の政府買い入れ価格につきましては、「生産費および所得補償方式を基本とし、米穀の生産調整が行なわれている現状を考慮して決定すること。」としております。 次に、これに関連して、第一に、「政府試算方式は不満であるが、試算米価についてはこの際やむを得ないとする見解が有力」であり、また等級間格差につきましては、「生産、流通の実態を考慮して、その適正を期すべきであるとの意見が」ありました。 第二に、これに対しまして、「政府試算米価には反対であり、これを引き上げるべきであるとの見解が強く主張」されました。 以上のうち若干の項目についてふえんをして御説明を申し上げますれば、「米穀の生産調整が行なわれている現状を考慮して決定すること。」この点はその文言にあらわされている限りでは、現に米の生産調整が行なわれているという客観的事実を事実としてとらえた言いあらわし方となっておりますが、その中には、一つの生産調整が行なわれざるを得ないような米の過剰事態であるということを考慮してという意味の合意が、かなり有力な意見として述べられております。また他方、生産者が生産調整に協力していること、その事情を考慮しなければならないという強い意見も述べられておるという背景がございます。 それから二番目の「政府試算方式は不満であるが、」という点につきまして、生産費及び所得補償方式に基づく本年の算定方法としましては、従来に比べて合理化されてきた点はあるという意見、それから、それでもなお本年の算定方法は米穀の需給事情を十分反映し切れないうらみがあるのではないかという問題、それから本方式が本来需給事情の変化に対応する余地が乏しいなど、妥当性について種々議論があるなどの点、そういう数点が含まれておるようであります。 それから第三点の、「等級間格差については、生産、流通の実態を考慮して、その適正を期すべきである」という部分でありますが、これは2の(1)の中に書かれておるという点からいたしますれば、つまり試算米価をやむを得ないとする見解を示しておりますところの、(1)の中に書かれておるということで、格差拡大を否定する趣旨ではないということと、拡大の幅のあり方につきまして具体的な注文をつけたものでもない。つまり文字どおり生産、流通の実態に十分即して適正な決定を行なうべき旨の意見というふうに理解をされるものと思っております。 以上のような答申の趣旨を十分尊重いたしまして、政府といたしましてはすみやかに適正な米価の決定をいたしたい考えでございます。
○小沢(辰)委員長代理 以上で説明は終わりました。この際暫時休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ————◇————— 午後四時三十九分開議
○小沢(辰)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 先ほどの米価審議会の答申の説明について、社会、公明、民社三党より質疑を行なうべしとの申し出があり、理事会の申し合わせの結果、この際委員長より次の四点を質問いたします。 第一点、答申の記の一の「昭和四十五年産米穀の政府買入価格については、生産費および所得補償方式を基本とし、米穀の生産調整が行なわれている現状を考慮して決定すること。」とあります。そのうちに「米穀の生産調整が行なわれている現状を考慮して決定する」という点について二様の見解が含まれていると認められるが、いかなる意見に分かれているかという点を明らかにされたい。 第二番目、答申の2の「上記に関連して、」の(1)の答申中、「政府試算方式は不満であるが、試算米価についてはこの際やむを得ないとする見解」について、試算方式と試算米価の関連を明らかにされたい。 質問の第三点、等級間格差については、生産、流通の実態を考慮して適正を期すべきであるとの意見については、政府案の等級間格差の拡大を適正というのか、または、これに対し昭和四十四年産米の等級間格差に基づいて所得の減少とならないよう適正を期すべしとの意見があったのか、この点を明らかにされたい。 質問の第四点、答申の2の(2)の、「これに対し、政府試算米価には反対であり、これを引き上げるべきである」との主張については、具体的にはいかなる試算方式によるものであるかを明らかにされたい。 以上であります。 食糧庁長官の答弁を求めます。
○森本説明員 ただいま委員長から御質問がございました第一点につきまして、「米穀の生産調整が行なわれている現状を考慮して」という点につきましては、その文言にあらわされている限りでは、現に米の生産調整が行なわれているという客観的事実を事実としてとらえた言いあらわし方であると考えられる。審議の経過に照らしてみまするならば、このことばは、一方において生産調整が行なわれざるを得ない米の需給事情を考慮してという含意が有力な見解として述べられております。また他方、生産者の協力により米の生産調整が進んでいることを考慮して米価を決定すべきであるという強い主張も織り込まれているというように理解されるのでございます。 それから第二点の問題でございますが、「政府試算方式は不満である」という点につきましては、午前中の説明でも申し上げたのでございますが、本年の算定方法としては、従来に比べて合理化されてきた点はあるという意見、それから、それでもなお本年の算定方法は、米穀の需給事情を十分反映し切れないうらみがあるのではないかという問題、さらに本方式が、本来需給事情の変化に対応する余地が乏しいなど、妥当性について種々議論があるなどの点が含まれており、換言すれば、本年の方式は、需給事情を適切に反映するものとしては必ずしも十分ではないということを指摘しつつ、しかしながらそういう問題はあるものの米穀をめぐる現在の諸事情を考慮しますれば、結論的には試算米価は現段階ではやむを得ないという関連にあるものと理解されるのでございます。 それから第三点の等級間格差の拡大につきましては、答申の2の(1)の中に書かれておるという点からいたしますれば、つまり試算米価をやむを得ないとする見解を示しておりますところの(1)の中に書かれておるということで、格差拡大の方向を支持しつつ、拡大の幅のあり方につきまして具体的な注文をつけたものではない、つまり文字どおり生産、流通の実態に即して適正な決定を行なうべき旨の意見というふうに理解されるものと存じます。 第四点に関連いたします米価審議会におきましては、この主張に基づきます具体的な試算方式について意見は開陳されなかった事情がございますので、その試算方式につきましては必ずしも明らかではございませんが、物価、賃金の上昇を反映させるようにすべきであるという意見に基づくものと理解されるのでございます。
○小沢(辰)委員長代理 委員長から申し上げますが、質問の第三点の中で、ただいま食糧庁長官が答えましたのは、政府案の等級間格差の拡大を適正というのか、という点についてお答えになったわけでありますが、先ほどの質問で、またはこれに対し昭和四十四年産米の等級間格差に基づいて所得の減少とならないよう適正を期すべしとの意見があったのかないのか、この点の質問が入っているわけでありますが、これについて答えがなかったので、この点をひとつ答えていただきたいと思います。
○森本説明員 これは、いま委員長からお尋ねになりましたのは、答申そのものに対する理解ということではございませんで、米価審議会における途中の議論の過程におきましてどういうふうな意見が出たかということになろうかと思います。先ほどの等級間格差につきましての集約的な取りまとめをいたしました答申としては、先ほど私が申し上げましたようなことで文章は理解されるということでございます。したがいまして、第一点の、政府案の等級間格差の拡大を適正というのかというのは、御答申では、必ずしもどういう幅が適正であるということまで触れていないというふうに理解をしております。したがいまして、一つの原則論として、等級間格差の拡大の方向を支持する、またその幅については、先ほど申し上げましたようなことで、生産、流通の実態をよく踏まえて適正な決定をしろという意味の答申でございます。第一点はさような関連にあるものと思います。 それから第二点につきましては、四十四年産米の等級間格差に基づいて所得の減少とならないよう適正を期すべしといった意味の見解を持ちながら各種の質問をし、あるいは格差拡大について配慮すべきであるといったような意見を、質問応答及び意見の開陳の過程におきまして述べられた方がございます。 ————◇—————
○小沢(辰)委員長代理 この際、おはかりいたします。 昭和四十五年産生産者米価決定等に関する件について決議をいたしたいと存じます。 先刻の理事会で御協議をお願いいたしておりましたが、ただいまその協議がととのい、その案文がまとまりました。便宜私から案文を朗読いたします。 昭和四十五年産生産者米価決定等に関する件(案) 一、政府は、本年産生産者米価決定については、食糧管理法第三条第二項にのつとり、生産費及び所得補償方式に基づき、物価その他の経済事情の変動を考慮し、米穀の再生産を確保できるよう決定すること。 二、等級間格差の拡大については、生産流通の実態を考慮し、農家所得の減少とならないよう適正を期すること。 三、米の配給については、消費者の意向を尊重しつつ、これが改善の方途を検討すること。 四、米の需給均衡を図るため、生産の計画的な推進と相俟つて、新規需要の開発、消費拡大及び古米処理について一段の努力をはらうこと。 右決議する。 以上であります。 ただいま朗読いたしました案文を、本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、ただいまの決議に対し、政府の所信を求めます。渡辺農林政務次官。
○渡辺説明員 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重し、慎重に対処したい所存でございます。
○小沢(辰)委員長代理 なお、ただいまの決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十五分散会