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63回国会衆議院1970/05/11

農林水産委員会 第26号

発言数
133
登壇者
11
会派数
3
開催日
1970/05/11

会議録

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高見三郎君。

高見三郎自由民主党

○高見委員 私は大臣に直接伺いたいのでありますが、俊敏な政務次官がおられますので、政府の代表として、私の伺いますことは端的にお伺い申し上げますから、そう長々とお答えをいただかなくてもよろしい。端的にお答えをいただけばけっこうであります。  政府は、今年度生産者米価は据え置くという基本方針を前々から打ち出しております。もともと物価というものは、あとにも触れたいと思いますけれども、需給関係によってきまるべきものであるということは申すまでもないことであります。そこで今日の事情から申しますと、政府がいう今年度の生産者米価を据え置くというたてまえは、これは当然とは申しませんが、やむを得ないことだといえると思うのでありますが、食管法のたてまえから申しますと、この考え方は根本的にひとつ狂っておりはせぬか。政府は、口を開けば、食管法の基本はくずさない、こう言っておられる。それじゃ食管法の基本というのは一体何であるか。この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのであります。  もともと食管法というのは消費者保護のためにできた法律であります。その証拠には、食管法第三条には、生産者は命令の定めるところによってその生産した米を政府に売り渡さなければならないという命令規定がございます。倉石農林大臣は、予算委員会でありましたか、場合によれば買わないこともできるんだ。なるほど法律の文理解釈から申しますとそのとおりであります。しかし、命令規定を設けておきながら買わないことができるということは、法律の実質解釈から申しますとこれはたいへんな矛盾であって、むしろ食管法を改正しなければこの話はできない道理であります。  そこで私はお伺いしたいことは、食管制度の根本はくずさないとおっしゃる根本とは何をお示しになっておるのか、この点をまず第一に政務次官にお伺いをいたしたいのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 この点は非常に重要な問題でございますから、農林省といたしましても思想を統一しておるわけであります。食糧管理制度の場合の根幹とその内容についてはどういうことか、その根幹ということについては、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保して、国民経済の安定をはかるために政府が責任をもって米の需給及び価格を調整し、米の配給について必要な規制を行なうことである、こういうふうに統一見解をとっておるわけであります。そして、その根幹の内容は、まず米の需給や価格を調整するため必要な米は政府が生産者から直接買い入れる。第二は、その場合政府の買い入れ価格は食管法の規定に基づいて米の再生産を確保することを旨として政府が定める。再生産を確保することを旨として政府が値段を定めます。第三番目は、消費者に対しては必要な一定量の米の配給を確保する。つまり、消費者にお米の配給を確保するということが第三番目でありまして、第四番目は政府の米の売り渡しの価格は食管法の規定に基づいて消費者の家計の安定を旨として定める。まあ通常家計米価といわれるわけでありますが、その消費者の家計の安定を旨として定めます。第五番目が、米の輸出入は政府が規制をする。この五つのものが食管制度の根幹の内容である、こういうように農林省としては意見の統一をしておるわけであります。

高見三郎自由民主党

○高見委員 そこで、その五つの原則の中で、私は原則がくずれておると思いますのは、私は物価というものは需給のバランスで決定されるべきものであると思うのでありますが、あなたはいま生産費所得補償方式を堅持するという意味の御発言がございましたが、それではことしの生産者米価は据え置く、私はこれはやむを得ないことだと思うのです。やむを得ないことだと思うのですが、それでは伺いますが、これは政務次官でなくても関係の方でけっこうでありますが、生産者米価の上がる要素としては、物財費の値上がり、人件費の値上がり、これは生産者米価を上げなければならない要素である。同時にまた生産者米価が下がっていい要素がある。それは生産性向上というものの度合いがどれくらいになっておるかということが問題になるのであります。そこでひとつ数字をあげて、物財費については何%上がり、人件費については何%上がって、生産性はどれくらい向上しているから、差し引き米の値段としてはことしはこれで据え置くというのであるか。あるいはこの問題はこういうような状態になっておるけれども需給の事情上やむを得ないというのであるならば、食管法のあなたの述べられた五つの原則の中の一つはくずれておるということになる道理であります。この辺をひとつ明らかにしてもらいたいと思う。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 まず、いろいろな物財費や労賃その他の値上がりがどの程度になっておるかということでありますが、これは目下統計事務所で調査をいたしまして整理中であります。したがって、決定的なことを残念ながらきょうの段階でまだ申し上げられない。ほんとうに申しわけのないことですが、時間的な関係でまだ整理がついてないということであります。この米価の要素ということについては、いま言ったように、値上がりの要素も値下がりの要素も両方あると思います。近代化がどんどん進んで労働時間が減れば、それは一日当たりの賃金の単価が上がっても全体としては当然生産費というものは少なくなるわけであります。値上げをしない、据え置きの方針ということは、これは需給事情等を勘案をして、そうしてやむを得ざる措置として政府としては据え置きの方針であるということを総理をはじめ農林大臣もしばしば申し上げておるところでございます。

高見三郎自由民主党

○高見委員 くどいようでありますが、そういうお答えになりますと、数字が統計調査部ではっきりいたしますと、ことしの米価は当然上がらなければならないことになるわけであります。むしろ端的に、需給の事情上今年は万やむを得ず上げないが来年以降については考えるという御返事をなさることのほうが賢明な方法じゃないかと私は思うのであります。私は与党でありますからあんまり意地の悪いことを申し上げるつもりはございませんけれども、いまあなたのおっしゃるような言い方でまいりますと、ことしの生産者米価は当然上がるべきものであるということになると思うのでありますが、むしろ率直に、価格というものの現象は需給のバランスを中心に考えなければならぬ、しかも今日の米の需給状況から考えてみて、今年はやむを得ないが来年以降についてはこう考えるという御返事を私はいただけるものだと思っておったのでありますが、いまのお話をそのまま受け取りますと、統計調査部の調査が出てまいりますと、もうこれはだれの目から見ましても常識上生産者米価は今年上げるのはあたりまえだという議論が出てくるわけであります。むしろこの辺は御訂正なすったらいかがか。あえて追及はいたしません。いたしませんから、その辺のところは、今年の需給事情というものから私はやむを得ない事情だということを了承いたしますけれども、むしろそういうごまかし——と言うことはたいへん失礼な言い方でありますが、その場のがれの議論をなさらないで、率直な立場で御返事をいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 もちろん米価を決定する場合は労賃や物財費というものの資料を見ることは当然でありますが、それと同時に、やはり米価を決定する場合は生産費及び物価その他の経済事情をしんしゃくをして総合的にきめるわけでございますから、現在のような需給事情で非常に過剰米が置き場もないほどあるというような状態のもとでは、当然経済事情の中に需給事情というものはわれわれとしては入れて考えるべきであって、総合的には高見先生のおっしゃるとおりであります。

高見三郎自由民主党

○高見委員 どうも煮え切りませんけれども、この問題はこれぐらいにしておきましょう。ただ、私は願わくは、農林省が食管法を今後も維持せられるならば、少なくとも来年度米価についてはこう考えるという考え方ぐらいは明らかにされるのが農林省の責任じゃないかと思うのです。これについてはもう御答弁は要りません。どうかひとつその辺のことはお考えになって——もともと私は役人をやっておりまして、食糧の問題と取り組んだ、経済部長をやって終戦後のあれをやってまいりました。したがって、渡辺さんよりはひょっとしたら私のほうが詳しいんじゃないかと思う。だから、これ以上のことを申し上げることをやめておきます。けれども、少なくともこの食管制度ができましたときに、この制度というものは消費者保護の制度であったのです。だから、その当時の農民は、食管法を一日も早くやめてくれという運動を盛んにしたものであります。全日農あたりが昭和二十四年前後にやりました運動は、食管法の即時廃止ということであった。それが今日では、農民の側が食管法を維持しろという運動に変わってきておる。食管法の中で農民の利益を保護しているものは麦だけであります。第四条ノ二に、麦については政府は無制限に買い入れなければならぬという規定がある。米については、命令として、命令の定むるところにより売り渡すべしとある。これはもう明らかに消費者保護の法律であったのが、いまや生産者保護の法律として守らなければならぬという状態になっておるという実情を政務次官はよくお考えをいただきたいと思うのであります。けれども、これはもうこれ以上の追及はいたしません。  次に、グレープフルーツの輸入に伴う問題を一つ、二つお伺いをいたしたいのであります。  昨年十月八日でありましたか、佐賀県で行なわれました柑橘研究会に二千九百七十人という三千人近い大衆の前で、当時の長谷川農林大臣はほぼ三つの原則を述べておられる。その一つは、アメリカ四十八州が全部温州ミカンを買うという状態が出なければ、グレープフルーツの輸入はいたさないつもりであるということを言っておられる。これは、その後の倉石農林大臣の発言との内容に若干の食い違いがあるのであります。長谷川前農林大臣の方針を踏襲するとおっしゃっておられる倉石農林大臣の発言の中には、実質的に温州ミカンのアメリカへの販路の拡大をする、こういう表現をしておられる。この食い違いは相当大きな食い違いであります。むしろ長谷川農林大臣のその当時の発言は、日米経済閣僚委員会の決定の前日の話でありますから、私はこういう方針でおりますというお話であったのであります。まだきまっておったわけじゃございません。むしろ倉石農林大臣の、アメリカ四十八州ということばを変えられて、アメリカへの輸出を実質的に増大することを条件としてとおっしゃる言い方のほうが、あるいは正しいんじゃないかという感じもするのでありますが、その食い違いの中で、私は特に伺っておきたいことは、たとえば季節関税の問題、あるいはアメリカへの輸出増大の問題、この問題で、具体的にアメリカのどれくらいの州にどれくらいの量が出るという見通しをおつけになって、その見通しの上に立って、どれくらいの量が出るならばグレープフルーツの輸入を自由化するという御方針でおいでになるのか。ただ口頭で、アメリカができるだけ日本の温州ミカンの輸入を大幅に輸入いたしますというだけの話であるならば、何のことはない、グレープフルーツを輸入するための口約束をしたというだけのことであって、これは無意味なことであります。したがって、この食い違いは、むしろ倉石農林大臣の御発言のほうが私は正しいと思う。アメリカの四十八州へ輸出すると申しましても、運賃等の関係から申しまして、日本から輸出したら損をする場合が出てくる。したがって、四十八州へというような原則を私はあくまで固執して論議するのじゃありませんが、日米両国の間のこの約束は文書でなされておるのであるか、口頭でやっておられるのであるか、その辺のところをはっきりしてもらいたいのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 非常に重要なお話でございますが、グレープフルーツの自由化についての政府の方針は、ただいまも高見先生からたびたびお話がございましたように、日米交渉の際に、日本側としては、米国が日本産の温州ミカンの輸入の解禁州を実質的に拡大をする、そういうような了解のもとで、日本はグレープフルーツを昭和四十六年度末を目途に自由化するという考えを明らかにしたわけであります。  これは文書でやったのか、口頭でやったのかということでございますが、文書でやってはおらないわけであります。そして、このグレープフルーツについては、日本側としてはかりに自由化という場合において、これは季節関税をかけるという考えも明らかにしておるわけであります。一体実質的に何州解禁になったならばそれでは自由化するのかということになってまいりますと、四十八州全部ということは、むしろ適当といいますか、妥当な表現ではないというお話もございました。現在は、アラスカ州及び本州を含めて五州が解禁州ということになっておるわけで、実際問題として、消費のないような州が解禁されてみたところで意味もないことでありますから、やはりこれは実質的に日本側で発言したとおり、解禁州が相当数拡大される、こういうふうに認めたときということであって、いまここでそれは二十州でありますとか十州でありますとか、何州でありますとかという数字をあげて州の数というものを申し上げられる段階ではないと思います。これはやはり日本側が誠意をもって話をしているのですから、アメリカのほうもそれに相応した誠意のある態度がなくてはならないし、それを期待しておるし、その間まだ時間もあることでございますから、鋭意解禁州の拡大にわれわれは尽力をいたしてまいって、そして、その時点において、はたして実質的に拡大が行なわれたかどうかということをにらみ合わせて自由化の実行というものを考えるべきである、かように考えておるわけであります。

高見三郎自由民主党

○高見委員 それじゃ念のためにひとつ確認をしておきたいのでありますが、アメリカが実質的に輸入を拡大しない限りはグレープフルーツの輸入は認めないということを、ここで政務次官は確言できますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 われわれとしては、日本側として、実質的に州の拡大をはかってほしいということを表明をして、それで交渉しておるわけであって、これは誠意をもってお互いに解決できるもの、かように考えておるわけであります。

高見三郎自由民主党

○高見委員 誠意をもっておやりになっておることはわかります。しかし、アメリカがもし日本の温州ミカンの輸入を拡大しない場合にはグレープフルーツの輸入はやらないとおっしゃるのですか。それでもやるとおっしゃるのですか。その点はっきりしておいてもらいたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 再々お答えをいたしておりますように、これは四十六年の十二月末というまだ先のことでございますから、われわれとしては誠意をもって実質的に拡大をしてもらう努力をいたしておるわけでありますから、この段階において向こうが誠意をもってやるとかどうとかということを申し上げるわけにいかないので、誠意をもって拡大してもらうことを一生懸命やっておるわけですから、ですからそれは私はその拡大について期待をいたしておりますし、当然その結果については、その四十六年末の段階で決断を下すということにならざるを得ない。いまの段階で、まことに残念ですが、もし向こうが拡大しなかったときはどうなんだということについて現在お答えをするというのは、やっぱり政府としても政治としても適当ではなかろう、かように考える次第でございます。

高見三郎自由民主党

○高見委員 非常にくどいことを申し上げるようでありますけれども、アメリカという国は植物検疫について特に神経過敏の国であります。これは政務次官も御承知だろうと思いますけれども、かつて加州のオレンジ園にカイガラムシが出た。八千ヘクタールの果樹園を全部焼き払って新しく新植した例もあります。そう簡単に温州ミカンが、誠意をもって誠意をもってとおっしゃいますけれども、誠意をもっておやりになってもできない場合が必ずあるということを、ひとつお考えにならなければならぬ問題である。昭和三十八年でありましたか、ここに中澤さんも角屋さんもおられるが、非常にやかましく言われたレモンの自由化のときに、突如として政府はレモンの輸入の自由化をやった。農林委員会で、私が委員長をやっている時代でありましたが、たいへん問題になりました。その当時宮澤経済企画庁長官が出席いたしまして、たかだかアメリカから来ておるレモンは年間三千万円程度のものだから御心配には及びませんという御答弁であった。それくらいのものかなというので、実は野党の諸君にも御了承をいただいて審議を進めたことがある。ところがその後におけるレモンの輸入は、昭和四十二年度でどれくらいになっておりますか。これは園芸局長からお伺いいたしたいのですが。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 お答えいたします。  レモンの最近の輸入状況は、暦年でございますが、四十三年、数字にいたしまして三万五千九百三十トン、金額にしまして五十四億五千九百万程度でございます。

高見三郎自由民主党

○高見委員 三千万円であった昭和三十八年の輸入量が五十億をこすような輸入量になったという事実は、それはその当時宮澤長官の発言がことさらに低く言われたのであるかどうかわかりません。わかりませんが、私の記憶ではたしか、野党の諸君も御記憶があると思いますが、たしか三千万と言われた。それくらいならまあたいしたことはないと思っておったのでありまするが、実は皮肉にもいまの宮澤さんの御郷里のレモン園は全部壊滅いたしました。これから考えてみますと、日本がアメリカ四州に現に輸出している温州ミカン、この温州ミカンの輸出総額を金額に直しますと何ぼになります。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 わが国の温州ミカンの総輸出額はただいまのところ、四十三年で二万三千トン程度でございまして、金額にいたしますと二十一億三千万円程度の輸出になっております。

高見三郎自由民主党

○高見委員 私の問い方が悪かったのですが、それではアメリカから輸入されております、現に制限品目であって輸入されておりますグレープフルーツの輸入総額はどれだけになっておりますか、金額でお答えを願いたい。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 お答えいたします。  四十四年のグレープフルーツの総輸入量が千八百十四トンでございます。それで金額にいたしまして二億二千八百万円でございます。

高見三郎自由民主党

○高見委員 そこで私は念のためにここではっきりしておきたいことが一つある。グレープフルーツが日本国民の食品の嗜好に合うか合わないかということは、これは農林大臣が言っておられるとおり入ってみなければわからないというのがほんとうだろうと私は思います。むしろ私どもの食味の感覚から申しますと、グレープフルーツは値段が高いから食うのであって、いかにもうまいような感じがするのであって、ハッサクのほうが案外うまいかもしれぬという感じすら実はいたしておるのでありますが、ここで問題になりますのは、グレープフルーツの一城を許すことによって、次の城であるところのいろいろのアメリカの雑カン類を自由化しなければならないという問題が起こってくるという可能性が多分にある。政府はこれに対してはどういうお考えでおられるのか。もしアメリカのサンキストのあらゆる雑カンが日本に入るということになりますと、日本のかんきつ生産というものはそれでつぶれるということになる。そこで私が特に政務次官に政府としてはっきりしておいていただきたいことは、グレープフルーツについては、温州ミカンの輸出拡大とともに、これは政府間の約束でもはやいたし方ない。しかしその他の雑カン類についての輸入は、将来はやるのかやらないのか、これをひとつはっきりしておいてもらいたいのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 オレンジの自由化が行なわれた場合は、それは米国におけるところの生産場輸出場が非常に大きいグレープフルーツの自由化の場合とは全然違います。ナツミカン等の雑カン類にとどまらず、この自由化が行なわれれば、国内産の果実についても非常に重大な問題が起きる。現在政府としては総合農政の推進という大きな柱を立ててやっておるわけでありますが、これにも悪影響を及ぼすことは間違いない、こういうような状態でございますから、それは雑カン類のオレンジ等の自由化というものは行なう考えはありません。

高見三郎自由民主党

○高見委員 私はその答弁を引き出したいと思っておったので、それで満足であります。満足でありますが、総合農政の推進中だとおっしゃるが、それができますかというと、農業基本法で選択的拡大というまことにきれいなことばがあった。その選択的拡大というものを農民の意思にまかしての選択的拡大をやったのが、あらゆる方面において非常な大きな生産過剰を来たしておる。これはもうかるからというので、農林省が当初お考えになっておったかんきつ生産の伸びよりははるかに大きな伸びを示したという事実から考えますと、総合農政の推進というのは農林省自身がもっと積極的に農民を啓蒙し指導するのでなければ、総合農政の指導というものは絵にかいたもちにすぎないということになるのであります。これはぜひ渡辺政務次官、大臣にもお話を願って、農林省が積極的に農民の指導をしていただくということでなければ、ネコもしゃくしも、しかも適地でないところでまで温州ミカンをつくっているというのが実情であります。その結果こうむる者はだれであるかというと、選択的拡大をやった農民の責任だといえばそれまでのことでありますけれども、その指導は農林省がおやりになるべきである。その指導が欠けておったところに今日のいろいろな問題が起こっておるということをひとつぜひお考えおきをいただきたい。これはもう御答弁を求めません。私は雑カン類の輸入はしないといういまの渡辺政務次官の責任あるおことばを信頼いたしまして、それでよろしい。ただ問題は、アメリカに対する温州ミカンの輸出がわれわれが満足するだけの拡大ができないままに、約束だからしかたがない——しかし約束は、こっちが約束をしたのでありますけれども、向こうは拡大を約束をしておるのである。向こうが約束を守らないのなら、こっちも政府間の約束だからといって、何も守らなければならぬ義務はございません。だから、私は四十八州全部とは申しません、温州ミカンの販路の拡大というものが事実上あらわれた時点においてグレープフルーツの輸入を自由化されるという御方針はぜひ堅持をいたしていただきたい。これはお願いを申し上げておきます。  その次に、私が特に水産庁にお伺いしたいのですが、水産庁は内面漁業についてはどうもやや指導に欠けているところがあるんじゃないかという感じがいたしますのは、最近ウナギに奇病が発生いたしまして、ウナギがほとんど三分の一ぐらい死んでおります。この原因はといいますと、実は水産庁でもまだおつかみになっておらないようである。しかも養鰻業者は漁災法の適用を受けておりません。これに対する対策について何かお考えになっているところがあれば、この際お伺いをいたしたいと思います。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 この原因につきましては、私どもの淡水区水産研究所を中心にいたしまして、東大と県の水産試験場等の協力を得ましてその原因を調査いたしておりますが、現在まで、いままでにない菌というようなものは発見されておりません。  そこでいままでの調査研究の結果で申しますと、池の環境が悪くなったのではないかということと、密殖にすぎたのではないかということ、それから餌料の問題の三点にしぼられておりまして、この三点についてさらに原因を究明いたしておるところでございます。  それで、こういう養殖業について共済制度をやってはどうかという御指摘でございますが、ウナギの共済につきまして四十年から四十一年にかけまして研究をいたしました結果によりますと、現在の段階ではウナギの養殖業は一つの池に順次稚鰻を入れまして大きくなったものから順次取り上げていくというのが現状でございますので、幾らの種を入れて、万一被害ができましたときに幾ら被害ができたということの認定が非常に困難でございます。その点と、過去の被害率の算定が現在のところできておりませんので、現在の段階で共済の対象にするということは困難でございますので、さらに海面の養殖業における共済とあわせまして共済制度に乗るか乗らないか、乗るにはどうしたらよいかということを検討してまいりたいと考えております。

高見三郎自由民主党

○高見委員 最近、稚鰻いわゆるシラスが近海では非常にとりにくい。そこで輸入をするというような状態が起こってまいっております。そういう問題からして、あるいは稚鰻自体に問題があるのではないかという考え方もあるのでありますが、いずれにいたしましても業者が非常に困っていることはもう長官御存じのとおりなんです。何らかの救済措置を講じていただきたいということを、これは要望しておきます。これはいますぐあなたにどうしろと言ってみたところが、あなたはどうにもなりっこないことは私も承知しておりますから。しかし、このままでほうっておかれては困るということを特に申し上げておきたいのであります。  それからグレープフルーツの問題でちょっと聞き落としました。私は原稿を見ないでしゃべっているものですから、つい聞き落としましたが、あのときに季節関税の問題はアメリカは了承しておりますか。了承していないのでありますか。その辺はどうなんです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 これは了承いたしております。

高見三郎自由民主党

○高見委員 その季節関税の時期というのはどういう時期をお選びになっておりますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 まだ時期についてはきまっておるわけでありませんが、来年あたり検討しなければならぬ。まあ需要期というようなことになろうと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員 季節関税の問題、これはまことにけっこうなことだと思います。しかし、私は、ここで進んで農林省は——これはかんきつだけの問題ではございません。余剰農産物。世界じゅうどこにも余剰農産物で悩んでいる国々は多いのであります。一方において食糧不足で悩んでおる国もある。そこでEECにおいても輸入課徴金制度を真剣に検討を進めておるのであります。それで日本だけが何も関税協定によって自由化しなければならない、何でもかんでも自由化すればいいというようなお考えをお持ちになっておったら、これは間違いであって、アメリカにおいてすらガットの二十五条の規定を適用いたしまして、非自由化農産物というものは十数品目残っておるのであります。そこらのことを考えますと、将来輸入課徴金の問題を真剣に考えなければならぬ時期がくる。と申しますのは、いま日本ではお茶が大体において需要供給のバランスがとれております。去年のお茶がいま大体一万五千トン程度全国で残っておる程度である。にもかかわらず、台湾から東南アジア地域の安い茶がどんどん日本に入ってきておるのであります。これはガットの条項から申しますると、お茶は年じゅう使うものでありますからして、季節関税をかけるわけにはまいりません。ヨーロッパでも三大余剰農作物というのは砂糖と小麦とそれから乳製品、ことに乳製品のごときは、需要に対して一四七%という供給があるという状態でありまするから、EECでも介入価格でもって買い取っておる。これをダンピングして売ってくるのは目に見えております。しかも市場価格と介入価格との間には非常な大きな開式がある。その非常に安く買った在庫品が世界じゅうにダンピングされることは考えられるのでありますが、それでいてなおヨーロッパ諸国では、豪州の乳製品が輸入されればなお市場が混乱するということを考えて輸入過徴金の問題を真剣に考えておる。日本においてもこの問題については農林省がまず先頭に立って輸入過徴金の問題をお考えになる時期がきているのじゃないかということを考えるのでありまするが、政務次官の御見解はいかがでございましょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 農産物を自由化する場合においては、輸入過徴金の問題は真剣に考えるべき問題だと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員 そこで、厚生省お見えになっておりますか。——ちょうど農林政務次官もおられるところで申し上げますが、いまや日本は食品公害ノイローゼにかかっておると申し上げたほうがよろしい。厚生省が、私からいえばやや軽率だと申し上げざるを得ないのでありまするが、あれにも毒がある、これにも毒があるということを——これはまあ国民、消費者から申しますると非常なショックであります。たとえばチクロに例をとってみますると、チクロを突然お禁じになった。しかもこれは農林省のJASマークがチクロ製品にはついておるのであります。農林省も私は不見識であると思う。消費者は、JASマークがついておるのでありますから、これを食っても安全だと思って使っておった。突然いかぬということになった。同じ佐藤内閣で農林省はJASマークをつけておる。厚生省は食品衛生法でこれはいかぬという。その前に事前の打ち合わせというものはなかったものかどうか。もしJASマークをつけておきながらいかぬというんなら、まずJASマークを取り消して、それから禁止をするというのがあたりまえであるし、JASマークでこれでよろしいということを決定しておきながら、つくっちゃいかぬ、売っちゃいかぬというのなら、むしろ農林省が、つくっております加工食品を全部買い上げて廃棄処分に処して、今後つくってはならないということをやるのがあたりまえの話である。その業者の損害は生産者の責任であって、農林省自身は何にも知らぬ、厚生省がやったことで知らぬというような、そんな不見識な政府の態度というものは、私は、あり得ないはずだと思う。JASマークをお認めになっている限りは、まず手続としてやらなければならぬ問題は——これはもう過ぎたことでありますから、あえていつまでもこの問題にこだわろうとは思いませんけれども、まずJASマークを取り消して、それから厚生省は販売禁止をおやりになるんならやるという、両省間の、もう少し食品に対する連絡というものが密でなければならなかったはずであると思う。そして、緊急に、一ぺんは禁止しておきながら、アメリカの学者が、いや、チクロはたいした被害はないといったとたんに六カ月延期するというような、日本の学者の不見識、厚生当局の不見識というものも——私はそのほうが大きな問題だと思う。たとえばズルチンが危害があるというんで禁止したそのときに、まだ、サッカリンについてはたいした被害はないといっておった。ところがサッカリンがいかぬというので禁止した。これもアメリカの学説から来ている。今度はチクロだ。そのチクロが、いや、たいした被害はないということになったら六カ月延ばす。こんな不見識な話は、私はないと思う。しかもいま、かん詰めの業者なんかは、大手の業者は、この六月、七月の間には二、三社、金融上の事情で倒産をするという事情になっております。農林省はこれをみすみす倒産をさせられるかどうか。チクロを禁止させた後の金融上の措置をお講じになったことは承知しております。けれども、このままではいけないのであります。これをどうお考えになるか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 チクロ問題によって損害を受けました関係業界に対しましては、これまで農林省として、いまもお話しがありましたが、農林中金あるいは政府関係の中小企業の金融機関、信用保証協会等に対しまして、関連企業の資金の面についてひとつ十分に配慮をするよう働きかけてきたわけであります。それと同時に国税当局及び自治省を通しまして、国税、地方税の取り扱い上も特別の配慮をしてほしいということを申し上げてきたわけであります。これはつまり、損害によるところの税金の還付とか、あるいはまた延納の問題とか、そういう問題であります。今後もなお、業界ごとの、事態の推移を見ながら、実態に即して関係金融機関に対する、金融等のあっせんを積極的にはかっていく考えでございます。

高見三郎自由民主党

○高見委員 小島博士がお見えになっていますから申し上げますが、食品公害というのは、食うことによって実害がある場合に初めて食品公害と言えるわけなんですね。ところが、たとえば残留農薬の問題等についても、これは渡辺政務次官にも特に申し上げたいのは、この間もたいへんなショッキングな、大きな——白書で、米にも残留農薬があるということ、これは私は、あるのがあたりまえだと思っております。あるのがあたりまえだと思っておりますが、米が余って困る、困るとおっしゃる農林省、搗精度をもう一%おふやしになれば、毒物はそれだけ減るということになります。また、余剰米の処理の上から申しましても、これは一反歩何万円という休耕奨励金をお出しになるよりはもっと早い方法で、しかも国民はうまい米が食えるということになる。しかもそれによって残留農薬というものはずっと減ってくるということになります。  天然の、たとえばシイタケについて、これは小島課長は御存じのとおりでありますけれども、天然のシイタケに毒分があることは御承知のとおり。ところが、その天然のシイタケ、なまシイタケにはあるが乾燥したシイタケにはない。そこで今日まで皆さん問題にしておられない。しかし、まさかマツタケの干しマツタケというものをつくるわけにはいくまいと私は思う。そこで、厚生省はやたらにあれもある、これもあるとおっしゃる前に、どうしたら毒分を少なくすることができるかという研究を真剣におやりになっているかどうか、この点をまず伺いたい。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 あれにもこれにも毒があるというようなことを厚生省がいっているような御趣旨の先生のお話であったわけでございますが、実はあれにも毒がある、これにも毒があるというのは一部の非常に扇情的に事を書き立てるような報道関係の面、そういったものが非常に影響しているのではないか。もちろん非常に正しい報道をなさっている面も当然あるわけでございますが、一部の新聞、雑誌等ではそういう点を相当誇張して書かれまして、内容を読んでみるとそうたいしたことはないのですが、その見出しにたとえば有毒であるというようなことが書いてある。たとえば米の問題にいたしましても、米のBHCの問題がつい先日出ておったわけでございますが、米についてはBHCはほとんど残っておりません。これは私ども全国的に調査をいたしまして、BHCの残量は非常に低いわけでございまして、ことにわれわれの食べます白米でございますとほとんど検出されないというような状況でございます。決して心配はございません。  また、先ほど先生からお話しのありましたチクロのようなものにつきましては、私どもとしては少しぐらい食べても問題はないというふうに信じてはおりますが、しかし学問的に疑いがあるということで非常にきびしい態度をとっている。そういうことで、私どもとしては行政上非常にきびしい態度をとっておりますが、しかし食品がそれでは何でもかんでも危険だというのかというとそうではございません。私どもは危険の疑いのあるものは禁止したり、あるいは行政上の措置をとっておりまして、私どもが法律上安全と認めておりますものについては心配はないということでございます。ただ、そういった点について、私どもとしては従来、国民の方の御理解をいただくという点が多少欠けていたのではないかということでございまして、今年度より実は予算も計上されましたので、国民の方に科学的な基礎のある御理解、つまり、食品というものはこういうふうに安全性が確保されている、それから天然物であってもこういうような成分が入っていることがある、しかしそういうものは、量によっては人間に有害になるけれども、量によっては問題はないというようなことをよく国民に御納得いただくようにPRにつとめたいというふうに考えております。

高見三郎自由民主党

○高見委員 お話はよくわかりますが、もとは厚生省から出ておることなので、御発表についてはよほど慎重な態度をおとりにならなければならないと思う。しかも、それが食品として使う場合に実害がないというのを単に国際保健機構のあれを形式的に尊重するというようなしゃくし定木なものの考え方をされますと、たいへんもない迷惑をする農民が出てくるのであります。たとえばBHCがお茶の中に残っておるといいましても、そのお茶をなまで食う人はないのであります。お茶をなまで飲んでおるのは抹茶くらいのものだ。せん茶は三十分間熱湯で煮沸をいたしましてその浸透液を検査してみますと、人体許容量の百分の一、つまり毒分はないと申し上げていい状態になっておる。それをしゃくし定木に厚生省はけしからぬとおっしゃるのであるならば、食品衛生というのは一体何をしているんだと言いたくなる。この検定の方式をこの際お考え直しになる御意思があるかないか。毒分が現にないものを、お茶の葉っぱに毒分があるからこれを使っちゃならぬ、もちろんいま生産者はこれを使いはしません。使いはしませんが、去年の古葉に使っておるものはやはりいまは機械刈りをいたしております関係上出てくるのであります。しかし、これをお茶にせんじて飲む場合には、三十分間熱湯で煮沸してみて百分の一の毒しか出ないというのであれば、このほうの検定をなさることが厚生省の当然のお仕事じゃないかと思う。その辺のところはどうお考えになりますか。念のために伺っておきたい。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 私どもといたしましては、日本のお茶が有害であるとかあるいは有害の危険があるということは厚生省として申したことは全くございません。ただ御存じのように、いろいろな農作物について現在残留農薬の許容量を設定をしておるわけでございまして、また国会等においてもその設定のスピードがおそいというような御指摘もありまして、私どもとしては現在までに十二農作物についての残留農薬許容量をきめておりますが、お茶につきましてはBHC、DDT等の含有量につきまして昨年から実は許容量決定をやっておりまして、今年の十月からそれを実施することにいたしております。しかしながら、私どもの調査いたしましたところでは、実は昨年、一昨年と調査をいたしておりますが、私どもがきめました許容量を上回るものはほとんどございませんで、大部分のものが合格するという市販の実情でございまして、問題はないというふうに考えております。なお農薬の過剰使用というような際には問題も出てくるおそれもございますので、そういう点につきましては農林省のほうと十分打ち合わせをいたしまして、農薬の使用の指導等も徹底をいたしまして、生産されたお茶が安全なものであり、また国民に安心して使用されるという点の保証をしてまいりたいというふうに考えております。

高見三郎自由民主党

○高見委員 これは大事なことであるからもう一ぺん念を押しておきます。渡辺政務次官に念を押して伺っておきますが、残留許容量とおっしゃるが、せんじ汁には何もない。しかも、そのお茶はかりに残留農薬があったとしてもせんじ汁には何もないというなら、検査の規格はせんじ汁でもって検査をする——人体に毒がなければいいでしょう。人体に影響がなければいいでしょう。そういう御指導をなさるかなさらないかということをこの際念のために伺っておきたい。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 お答えいたします。  DDTとかBHCがお茶の栽培に際して昨年まで相当大量に使用されまして、ただいま御指摘のように、多少残留農薬の懸念がありましたので、昨年の九月でございますが、農林省といたしまして、いわゆるお茶等にDDTとかBHCを極力使わぬようにという強い指導通達を出しまして、農家のほうにも十分それは徹底しておるのではなかろうか、こういうように思います。しかし、なお最近の食品公害問題でいろいろ議論がありますので、四月二十八日でございますが、あらためて農政局長と蚕糸園芸局長の両名で茶に対する農薬の適正使用ということで、DDT、BHCの使用については、使用しないようにさらに徹底の追加方をした次第でございまして、もうお茶につきましては、私たち各県からの報告等を聞きましても、DDT、BHCを最近使用しているという例はほとんど聞いてない次第でございます。したがいまして、本年産のお茶につきましては、いわゆる農薬の過剰投下による農薬公害が出るとは私たち思っていない次第でございまして、ことしの新茶以降、多少昨年の残留農薬が古い葉のほうに残っておりましても、ただいま厚生省からお話しがありましたように、ほとんど全体としての許容限度以内におさまるのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございまして、今後さらに指導の強化につとめてまいりたい。  なおDDT、BHC等の農薬につきましては、その後農政局のほうにおかれまして、事実上の製造の停止ということになっているように聞いておる次第でございます。

高見三郎自由民主党

○高見委員 私は、念を押しておきたいことは、現実に飲んで、残留農薬がどうあろうと、これが飲むお茶には影響がないというのなら、検査の規格、検査の方法を煎汁液について検査するたてまえをおとりになるのかならないのかということを聞いておるのです。無意味な検査をおやりになる必要はないじゃないかということを伺っておるのです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 御趣旨はごもっともでありますが、なかなかむずかしい問題だと私は思います。しかし、よく検討してみたいと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員 たいてい政府当局の御答弁は検討してみるという御返事でありますが、この問題は、人体に毒が残るか残らないか、人命に危険があるかないかということを基準にきめるべきものであって、アメリカがきめておるからおれのほうもそのまねをせにゃならぬというような、そんなばかげた話はないじゃありませんか。現に人体に被害がないことがはっきりしておるのに人体許容量云々というようなことはこっけいじゃありませんか。この点をはっきりしてもらいたいんだ。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 その検定のしかたその他、これはきわめて技術的な問題であって、御趣旨としてはよくわかります。よくわかるから、私は検討をさせたい、こういうことを言っておるわけでありまして、これはいまこの段階で、すぐにそういうふうにいたしますというお約束はなかなかできない、だけれども、御趣旨はよくわかりますから、前向きで検討いたさせます、こういうことを申し上げておるわけであります。

高見三郎自由民主党

○高見委員 私は、この問題ではちょっと引っ込みがつかない。たとえば橋本君がおいでになったら伺いたいと思っておったが、岡山県の牛乳には人体許容量の三十七倍の毒分がある。しかもまだこれは審査会にもかけておいでにならない。しかし牛乳は、では一日でもやめることができるかというと、これはやめることはできないのであります。農林省は簡単にわらの使用を極力制限しますとおっしゃるけれども、北海道を除いて酪農をやるのにわらをえさに使わないところは、渡辺君も御承知のとおりないはずなんです。だからしゃくし定木の議論をなさる前に、この問題については明確に私どものほうでそれではそういたしますとはっきり御返事をなすったらどうなんです。何も私は政府いじめにものを申し上げておるのではない。私は与党の立場でものを申し上げておるのですから。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 それはもう幾ら言われましても、非常に技術的な問題で、厚生省の技術の課長さんともいまこそこそ相談をしてみたのだが、いまの段階では、やはりきわめて技術的な問題だから、すぐやりますということをここではなかなか申し上げられない。しかし御趣旨はよくわかりますから、前向きで検討させます。こういうことでひとつ御了解をいただきたいと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員 ではくどい話になりまして時間をとりますから、この辺でおきますけれども、私はこういうふうに了解したいと思いますが、それでよろしゅうございますか。私のいま申し上げた煎汁液についての検査で毒分があるなら、どんな処分が行なわれてもこれはやむを得ません。自業自得でやむを得ませんが、一応政府としてはそういう方向で検討するというお考えであると了解してよろしゅうございますか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 実は試験法につきましては、いま農林政務次官からもお話がございましたように、非常に技術的な問題でありまして、これは私どものほうの検査機関と農林省の検査機関というところの専門の技術者の方と御相談してきめていただいたものでありまして、私どもといたしましては、先生の御趣旨はよくわかりましたので、その専門の技術者たちにまた相談をいたしまして、具体的に協議したいというつもりでおります。

高見三郎自由民主党

○高見委員 それではこれで質問をやめます。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 長谷部七郎君。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 きょうは農林業の振興について大臣並びに関係者にお尋ねをしたいと思っておりましたが、大臣は参議院の法案審議の関係でどうしても出席できない、こういうことでありますので、政策的な問題についてはまた機会を改めてお尋ねをすることにいたしまして、主として食糧庁の関係についてお尋ねをいたしたい、こう思うわけであります。  まず、質問に入る前に、これは官房だろうと思うのですが、昭和四十五年産米の生産調整が目下進行中と思うわけでありますが、ほとんど苗しろ作業も種まきも終わっておるわけでありますから、ひとつ現在進行中の休耕、転作並びに水田転用の見通しをこの機会に承っておきたい、こう思うわけであります。

内藤隆農林大臣官房企画室長

○内藤説明員 お答えいたします。  生産調整の実施状況につきましては、当委員会におきましても再々御報告しておりますが、現在五月三十一日を目標にいたしまして地方農政局から本省にその実施の状況を報告させることに相なっております。で、中間的な報告と申しますのは主として県当局の見込みでございますが、それを中間的にとりましたところでは、現在一〇〇%以上の達成見込みが四十一都道府県でございまして、まあほぼ一〇〇%並みに達するというふうに考えられておりますのが三府県、現段階の県当局の見通しにおきましては一〇〇%の目標を達成するのが相当に困難であるというふうに考えられておりますのが二府県、こういうふうな概況になっておりまして、いま先生ご指摘の休耕、転作の別につきましては、個々の農家の具体的な実施計画を積み上げたものがございませんので、的確なことは申し上げられませんけれども、休耕の比率が当初の政府の見込みに比べまして非常に多くて、約六割ぐらいの休耕の面積が出るのではないか、こういう県当局の推定でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 その中間報告でけっこうでございますから、後刻県別の状況をひとつ資料としてちょうだいをいたしたい、こう思うわけであります。  なお、いまの御答弁の中に水田の転用の進行状況については触れられませんでしたが、この点は  いかがになっておりますか。

内藤隆農林大臣官房企画室長

○内藤説明員 申し上げたつもりでございましたけれども、ちょっとことばが足りませんで……。個々の農家の実施計画を積み上げたものでございませんので、約六割程度が休耕になる。それから通年施行の面積につきましては、大体の計画があるわけでございますので、それらの差し引きをして転作の内容を推定する以外に方法がないわけでございますが、土地改良の通年施行が大体三万五千ヘクタール強、こういうふうに考えておりますので、休耕がかりに半数を若干上回るということになりますると、転作の面積と申しますのは……(長谷部委員「転用」と呼ぶ)失礼しました。転用の十一万八千ヘクタールの目標、当委員会においてもこの前政務次官から御報告申し上げましたが、その転用の実施見込みにつきましては、前回申し上げましたとおり、現在各省庁でその具体的な需要それから農家の供給計画等について調査中でございまして、その集計を各省いま鋭意やっておりますが、大体本月の二十日前後というふうに各省の概況を農林省としては聞いております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いまの御答弁で、各省庁では五月二十日ごろまでにまとめる、こういうお話でございましたが、過般の新聞などを拝見いたしますと、この十一万八千町歩の転用計画は遅々として進んでおらない。したがって今国会が終わりますると、それを集約をして対策を立てたい、こういうふうな記事なども見えますが、実際問題としてどの程度進行しておるのか。中間的なものでもけっこうでございますから、ひとつこの際御披露いただきたいと思うわけです。

内藤隆農林大臣官房企画室長

○内藤説明員 ただいま申し上げましたように、たとえば農林省の調査につきましても目下集計中でございまして、いま先生御指摘のような進行状況の中間的な把握というようなことも現段階では実際においてなされていないというような状況でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 全然見通しが立っておらないということは、いわゆる成果があがっておらないということにも解釈できると思うのであります。  そこでこれは政務次官にお尋ねするわけでありますが、要するに百五十万トンの休耕、転作、転用が、まあ努力したけれども結果的に目的に達しなかった、予想を下回った、こういう事態にかりになった場合に、どういう対策を考えておられるかですね。もう少し申し上げるならば、来年度もこういう生産調整のための奨励金を交付する方針をとるのか、それとも一切これはやめまして、いつかお話があったように買い上げ制限へ移っていくのか、そこいら辺がいま一番農民の皆さんが心配をしておる点であろう、こういうぐあいに考えますので、この機会にひとつできれば明快に方向をお示し願いたい、こう思うわけであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 これはなかなか、明快にと言われましても困るのですが、いままでたびたび議論が出ているところであります。いまも事務当局から説明があったように、百万トンの休耕についてはこれはまあ予定どおりあるいはそれ以上にできそうな見通しである。したがってそういうような見通しでございますと、われわれとしては食管の根幹を守っていくという目的でやったわけでありますから、それ以上の必要はないんじゃないか。一方、やはり毎年毎年休耕というようなものを続けていくということは、事実問題として非常にむずかしいと思います。したがってなるべく休耕は少なく転作を多くという指導をやっておるわけです。それと同時に、先ほど言った永久転換といいますか、都市周辺の宅地、工場その他への壊廃というものも、農地法の基準を緩和していまやらせておる段階で、その数字がまだはっきり出てこないのです。したがって数字が出てこない段階で来年はこうするということを申し上げるわけにもいかない。その数字が出たところで慎重に検討していきたい、こういうことであります。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それでは次に食糧庁にお尋ねをいたしますが、まず第一に、最近いろいろ言われておりますが、ことしの米価決定の時期は、五月の下旬から六月の初旬にかけてやるんだ、こういう報道がなされておりまするけれども、政府といたしましてはことしの米価審議会はいつごろ開催を予定しておるのか、この機会に承っておきたいと思う。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 大体これはまあ例年に従うというようなことになろうかと思います。したがって具体的に言うとやはりまあ五月の末から六月ということが——去年は六月初旬ですかでございましたが、はっきり申し上げられないが、まあ大体その辺の見当ではないか、こういうふうに御理解をいただけばけっこうだと思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次に米価審議委員の任命でありますけれども、これはいつごろなされるのか、明らかにしていただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 これは現在人選中でございます。長官が来ましても、私と違うことを言うはずはございませんので、御安心をいただきたいと思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 目下人選中だ、こういうわけでありますが、念を押すわけでありますが、生産者代表並びに消費者代表は従来の方針に従って、そのまま構成委員に入れるかどうか、はっきりしていただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 従来どおり入れようと思っております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次に米価の算定方式でありますが、従来とも生産費及び所得補償方式、これを踏襲してきたわけでありますが、私はおそらくことしもその算定方式はそのまま続けられるのではないか、こういうぐあいに考えるものであります。ただ問題は、生産費のとり方でございますが、従来は平均反収からいわゆる標準偏差というものを利用いたしまして、四十三年産米は一シグマ、それから四十四年産米は〇・五四シグマを採用しておる。ことしも消費者米価、生産者米価同時据え置きということをすでに佐藤総理は明らかにしておるところでございますから、おそらく据え置きに合わせるとするならば、その据え置き方針というものに合わせていこうとするならば、このシグマを縮小して、そうして平均反収に近いものにしていくという腹づもりではなかろうかというぐあいに考えるわけでありますが、この点ひとつお示しをいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 米価の算定方式について、きょうだだいまはっきりしたことを決定しておりませんので、申し上げるわけにはまいりませんが、従来の例もございますから、それらを踏まえて慎重にこれはきめてまいりたいと思います。  それから、シグマの問題で、平均反収、限界反収の問題がございますが、これは経済事情を勘案してということでありまして、特にその中には、われわれとしては需給の問題というものは経済事情の一環である、こう考えておりますから、需給が反映するような形でそれらのことは取りきめられるだろう、かように思っております。これは米価審議会のもちろん答申を得て、そうしてきめていくわけでありますから、そういう手続はもちろんとるわけであります。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 もちろん米価は、米価審議会に諮問をしてその答申を待った上で最終決定をすることは、私も承知しておりますが、少なくとも諮問案を政府原案をきめるのは農林省でありますから、そういう角度から申し上げるならば、これは当然方針というものを持っておられる、こういうぐあいに思うわけです。限界反収を採用するのか、平均反収を採用するのか、その辺のことはいかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 具体的なことについてまだ省で実は相談をしてないのです。相談をしておりませんから、はっきりしたことは申し上げられません。しかし方針としては現在の需給の現状というもの、これを無視して算定をするということはできまいと思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 委員長に申し上げますが、これは大臣はやむを得ないにいたしましても、少なくとも食糧庁長官らがそろってついておるはずがないと思うのです。必要がないと思うのです。当該委員会で重要な問題の審議が取り上げられておるときだけに、ひとつどちらかが、話せばわかることだと思うので、出席をしてくださるようにひとつ強く要請いたしたいと思います。  それからことしの米価を左右する問題は、やはり物財費の動向、労賃の動向並びに反収、こういうことだろうと思うのです。そういうことから申し上げると、もう国会が終わると直ちに作業にかかるという気がまえのようでありますから、おそらく資料が出ておるのじゃないか、こういうぐあいに私は判断をするわけでありますが、ひとつことしの物財費の動向並びに労賃、生産性の問題等をひとつこの機会に御報告をいただきたい、こう思うわけであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  米価算定に必要な生産費の調査その他につきましては現在取りまとめ中でございますので、まだ確たる数字を申し上げるところまでできておりません。そこで、御参考までに、農業パリティ指数はどうなっているかということをまず申し上げます。  農業パリティ指数につきましては、ことしの二月まで数字ができております。そこで経営部門、すなわち肥料とか農薬とか経営資材のほうでありますが、それは一九九・九八になっております。これは二十五年、二十六年を基準にしたパリティでございます。そこでその数字が去年の同期に比べてどうであろうかということでございますが、〇・八四上がっております。  それから次に家計のほうでございます。家計のほうは数字はことしの二月で一九四・五四になっております。それで前年との対比ということで見ますと六・〇八%上がっております。すなわち最近物価が上がっておるといわれますが、主として消費財の値段が上がっているのがこの数字にあらわれております。そこでそれを全部総合いたしますと、二月の農業パリティ指数は一九六・四三、前年に比べて四・二四%上がっております。これが農業パリティの数字でございます。  それから次に賃金のほうがどうなっておるかということでございますが、これにつきましては労働省から公表している数字がございます。その労働省の公表数字によりますと、ことしの三月は前年同期に比べて一六%賃金が上がっております。以上が現在われわれが見ることができる統計数字でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ただいまパリティ指数総合では四・二四%、それから労賃の問題は三月の段階で一六%増、こういうことになっておりますから、これを見ただけでもことしの米価は当然引き上げられる、こういう要素が出ておると思うのであります。  それから統計調査部のほうの資料はいつごろまとまるのか、これもあわせてお尋ねをいたしたい。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 四十四年産米の生産費調査につきましては、ただいま鋭意取りまとめ中でございまして、米価審議会の開催を目前に控えておりますので、これに間に合いますように早急に取りまとめたいと考えております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それはいつごろまでにできるかはっきりしていただきたいんですよ、米価審議会の開催に間に合わせるようにというようなばく然たる答弁じゃなく。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 例年の例でございますと、米価審議会は七月に開かれておったというのが通例でございました。麦価の関係の審議会を終わりましたあとに普通開かれておったわけでございますが、昨年米価の審議を先にいたしまして、六月の初旬に開かれたわけでございまして、昨年は暮れに間に合わせるために私ども非常に苦労いたしましたし、事務的にもいろいろと迷いがあったわけでございますが、昨年の例に徴しまして、ことしは昨年のペースでおそらく米価審議会も開かれるであろうということを予想しまして、事前に多少作業を急ぐように段取りをとっておりますので、昨年程度の時期に公表できる予定でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 そうすると国会終了までには間に合わない、こういうことですね。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 国会終了の時期は五月十三日でございますから、これまでに取りまとめて公表することはちょっとできかねると思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次にお尋ねをいたしたいのは、等級格差の問題でございます。先般政府に対して、研究会のほうから中間的な報告がなされたようでございます。それを拝見いたしますと、農産物検査の規格を改正すべきであるということが第一点。それから等級区分が、現在は一等から等外まであるわけでありますが、その等級区分を簡素化すべきである。さらに第三点は、等級間の格差を拡大すべきである。こういう内容の中間報告が出されておるようであります。これを受けて食糧庁はいろいろ作業に入ることになると思うわけでありますが、検査の規格を改正するということは、農産物検査制度の一番重要な柱にもなるわけでありますので、この検査規格の改正問題について政府はどういうぐあいに現在考えておるのか、まずこの点から承りたい。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  最近の米穀事情の緩和、それに伴って消費者のほうができるだけうまい米を食べたいというようないろいろな要請等もございまして、検査の等級間格差や銘柄格差などの問題が非常にやかましくなってきたことは御承知のとおりでございます。その結果、食糧庁におきまして、ただいまもお話がございましたが、専門家の方々に集まっていただきまして、米の品質に関する研究をやっていただきました。その中間報告が五月八日、ごく最近出たわけでございます。その内容につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたことが書いてございます。食糧庁といたしましては、等級間格差については、拡大の方向で検討を進めてまいりたい。銘柄格差については、この中間報告にもいろいろ問題があるということは書いてございます。そこで実は中間報告が出たばかりでございますので、この報告を受けて、どうするかということにつきましては、関係方面ともいろいろ相談してやりたい、こう思っております。  次に、検査の規格をどうするかという問題でございますが、これも最近のいろいろな情勢に伴って検討しなければならないだろうとは思っておりますが、まだ手をつけておりません。しかもこれは昭和三十一年からずっとやっておりますので、これをいじるということは、農家経済あるいは米の流通にもいろいろ影響がございますので、慎重にこれはやらなければならぬ、こう思っております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それから検査規格については、現在の規格が決定になってからかなり長年月経過をしておる、しかも諸般の情勢も違ってきておる、こういうことから、改正に踏み切るというぐあいに私は受け取ったわけでありますが、等級区分を簡素化せよ、こういうことについても同様の考え方かどうか、承りたい。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、中間報告が出たばかりでございますので、この問題は単に学識経験者の意見だけではなしに、実際の関係の方々の意見も聞かなければなりませんので、各方面との折衝を待ってきめたい、こう思っておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 この検査規格の改正の問題は、いろいろこれから作業に入るのだろうと思うのですが、大体食糧庁としては、めどをいつごろに置いてこの作業を完了する腹づもりなのか、ひとつ承りたい。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 ただいま先生からも御指摘がありましたように、現在の検査規格は制定後相当長い年月を経過しておりまして、それに基づいて現在検査が行なわれ、米の流通が行なわれておるわけでございます。したがいまして、単に最近の消費者の品質に対する要望ということだけでこの問題を取り上げるべきではなく、米の生産の実態とかその他も十分踏んまえた上で検討すべき問題でございます。したがいまして、再検討にあたっては、要するに規格というものは検査制度の根本をなすものでございますから、十分時間をかけてやりたい。したがって、この際いつまでにそれを改正するんだということにつきましては、今後いろいろ検討してみた結果でないと、何らのことをこの際申し上げる段階ではない。要するに、これは非常に重大な問題でございまして、軽々にやるべき問題ではない、こう思っておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 私もこの検査規格というものは、農産物検査制度の根本をなすものでありますので、単に消費者がうまい米を求める、そういう声をのみ重視して、一方的な立場でこの改変という問題はやるべき性質のものではないじゃないか、私はこういうぐあいに考えます。したがって、これこそいわゆる米をめぐる関係者の声をかなり広範に聞いた上で結論を出すべき問題ではなかろうか、こういうぐあいに考えますので、その辺のことはひとつ慎重に対処していただきたい、こう思うわけであります。  特に検査規格をきびしくする、さらに等級間格差を、下位等級の格差を拡大をする、こういうことになりますると、実質的に米価が引き下げられることは、これは当然でございます。現在の例を見ましても、上位等級と目される一等、二等は、わずかに八・二%でございます。三等を含めて、四十五年産米の場合は一等、二等、三等で五二%、ちょうど全流通量の半分が三等以上、こういうことになっておる。私はほぼ、現在の上位、下位の状態を見ますと、いわゆる検査歩どまり、等級歩どまりを見ますと、適正な格づけになっておる、こういうぐあいに判断します。しかし今後検査規格をきびしくすることによって、一、二等がさらに減って三等以下の下位等級が増加をする。現在の米価は御承知のとおり三等を建て値としてきめられておる。したがって、下位等級が多くなればなるだけ実質的な農家の手取り米価というものは少なくなる。いわゆる検査規格を動かすことによって、きびしくすることによって、実質的な農家の手取り米価を少なくするという作用が伴ってくるわけであります。ですから、これはきわめて慎重を要する問題だと思います。それに加えて、下位等級の格差を拡大するということになりますると、これまたさらに米価を引き下げる、こういうことに通ずるわけであります。ですから、物価が上昇する中で米価が据え置かれ、さらに検査規格がきびしくなることによって実質米価が引き下げられる、格差の拡大によってさらにそれが引き下げられる、こういうことになりますると、生産農民にのみ犠牲を押しつけるという形になろうかと思うのであります。したがって、きわめて私はこれは重大な問題であるだけに、この格差の拡大の問題、検査規格の問題についてはひとつ十分慎重を期していくべきものではなかろうか、こういうぐあいに考えるわけでありますが、御見解を承りたい。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  私どもといたしましても、るる申し上げましたような影響がございますので、これは慎重に検討すべき事項である、しかし一方、時代の要請といいますか、流通の変革というようなものもあることはございますので、その辺は十分考慮しながら農家経済に影響のないようにやりたい、こう思っておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次に、銘柄の問題について一つだけ承りたいんです。今度の研究会の中間報告を拝見いたしますと、現行制度のもとでは政府買い入れ米について銘柄設定をするということはいろいろな問題があるので好ましいことではない、こういう指摘がなされています。私もこの銘柄というものは現行制度の直接統制のもとでは、これはもしやるとすれば自主流通米というものは全然なくなってしまう、こういうぐあいに思います。したがって銘柄設定は私は自主流通米はこれはまあ採用してもいいでしょうけれども、政府買い上げについては採用するべきものではない、こういうぐあいに考えています。この点、政府のお考えを承りたいのです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 銘柄格差を政府米に導入しろというような御要望も非常に強くございます。しかし、ただいまあなたからおっしゃいましたように、技術的にむずかしいし、それから自主流通米にそのはね返りがいくというようなことなので、これは現在のところ政府米に銘柄格差を入れるということは考えておりません。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 しかしこの銘柄格差の導入という問題で一番熱心なのは自民党の田中幹事長だと聞いています。したがって、与党のほうでは銘柄格差を導入すべきだという強い意見があります。政府としては、ただいま政務次官の見解を政府の統一見解と受け取ってよろしゅうございますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 農林省としてはいろいろな事情を説明をして銘柄格差を政府買い入れ米に導入することが困難であるということを了解をしてもらうつもりであります。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次に自主流通米の——昨年からわれわれの反対を押し切ってこの自主流通米というものをやったわけでありますが、で、昨年の七月だと記憶しておりますが、食糧庁は二十三の銘柄を指定したわけであります。産地品種銘柄ということで二十三銘柄を指定しております。漏れ承るところによると、この銘柄設定にあたって、生産者側のほうではたくさんの銘柄を出した。希望が出た。反対に米の販売業者のほうからはなるべく銘柄を少なくしようとしぼりにかかった。そういう中で談合が行なわれて二十三銘柄に落ちついた、こういう裏話があるわけでありますが、私は、この銘柄を指定するにあたって当然入るべきものと考えておったものが漏れておる、あるいは入るべきものではないと思ったものが加えられておる、きわめて不明朗な指定になっておるんじゃないか、こういうぐあいに思うのでありますが、まあ政府としても初めてのことでもあるし、一年間やってみて、もし結果がよくなかったならば修正を加えるという腹もあって、あれでいったと思うのですが、一年間やってみました経験の中から、あの二十三銘柄でやっていく、変更の必要がない、こういうぐあいにお考えになっておるのかどうか、承りたいと思う。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 自主流通米の銘柄につきましては、御指摘のとおり昨年二十三の銘柄を指定いたしました。自主流通米は、指定業者と都市の配給業者というものが主体となりまして運営していくものでございますので、食糧庁といたしましてはなるべく自主流通米については業者の自主性を生かしたいということがございまして、そのような経緯もあって二十三銘柄の指定を行なったわけでございます。ことしの銘柄指定についてどうするかということについては、現在検討中でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 検討中のことはよくわかります。一年やってみた中で、いろいろ問題が出てきていることだと思うので、場合によってはあの二十三銘柄は修正もあり得る、変更もあり得ると解釈していいのかどうかですね。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  修正があり得るとお考えいただいてけっこうだと思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それから次にもう一点お尋ねをいたしたいと思いますが、食糧庁が発表いたしました四十五米穀年度の需給計画を拝見いたしますと、その中で四十五米穀年度中に外米輸入米として三万トンを予定しておる。今日の米過剰の時代に、こういう外米の輸入というものをいまなお続けなければならないということについて大きな疑問を持つわけでありますが、おそらくこれはモチ米ではなかろうかと推察をするわけです。もしモチ米であったとするならば、こういうモチ米についてはなぜ国内で契約栽培をして国内自給をできないのか、私は非常に疑問に思うのですが、この点ひとつ承っておきたい。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 四十五年米穀年度の政府米の需給計画の中に三万トン余の外米の輸入を見込んでおることは御指摘のとおりでございます。これがモチ米であるということも先生の御指摘のとおりでございます。そこで、モチ米につきましては確かに契約栽培その他で極力国内でこれを需要を満たしていくということが望ましいことは申すまでもございません。最近実需者といいますか、いわゆるおせんべい屋さんその他から聞きますと、彼らとしてもなるべく国内で自給してほしいということで、農協等に働きかけて契約栽培を極力進めたいというような動きがあるようでございます。そこで問題は、モチ米がウルチと比べて反収がどうであるか、そういう農家経済の問題もございますので、自主的な契約栽培がずっと広がっていってモチ米が自給できるような体制になることが望ましい、こういうふうに考えておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 この際承っておきたいと思うのですが、全国的に見まして、モチ米の需要というものは総体でどの程度あるのか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 ちょっとモチ米自体の数字をただいま持ち合わせておりませんので、米の、要するに加工用に使われるものがどのくらいあるかということとそれから用途から、大体推定がつくのじゃないかと思いますが、酒米が五十万四千トンでございます。それから菓子用が十万五千トン、この中に相当モチ米がございます。それからみそ用が六万六千トン、穀粉が六万一千トン、ビタミンの強化米が五千トン、その他が二千トンというようなことで、需要は大体そうなっております。酒米につきましてはちょっと例外になりますので、菓子の十万五千トンのうちの相当部分がモチ米だろう、こういうふうに思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 こういう米過剰の時代に、たとえモチ米であろうとなお外国からそれを買わなければならぬということは、こういう事態は農民感情としても私は許されるべき問題ではないと思います。したがって、ひとつこの際食糧庁としてはもっと業界を指導、強化いたしまして、当然国内で自給をする、こういうたてまえでひとつ御指導を願いたいものだ。こういうぐあいに、休耕させてまで生産を押えている時代ですから、モチ米の計画栽培、契約栽培というものは、当然進んで今日の農民の皆さんは受け入れてくれるものである、こういうぐあいに私は判断をします。したがって、これはひとつ強力にそういう方向で指導を願いたいものだ、こう思いますが、もう一回承っておきます。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  申し上げるまでもなく、モチ米の大きな用途は一つは正月用のもちがございます。これは何としても国内で確保しなければならぬということで、まずもちに使う。それからあと加工用についてどうしてもモチ米でなければならぬというような需要がございます。そういうものにつきまして極力国内でこれを充当するようにしたいということは私どもも全く同感でございます。そこで、昨年モチ米が相当自主流通米で出るだろうということで期待しておりまして、関係者も農協と実需者が話し合うというようなことでいろいろモチの手当てはしていたわけでございます。ところがいろいろな経緯がございまして、特に陸稲のモチが政府に売られたということで、現在政府は五万トンくらいモチ米を持っております。しかし、ことしの米穀年度末までの需給を考えますと、やはりモチが足りない。そこで四十五年産米がどうなるかという問題がございます。しかし、これも出回ってくるのは大体ことしの十一月、もちろん早場米はそれより早く出るわけでございますが、操作に乗るのは来米穀年度になりがちであるということで、私どもとしても、このモチ米の需要につきましてはいろいろ実需者のほうから要望もございますので、いまいろいろと苦労しているところでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それからもう一点は、現在の政府米の保管状況、特に昭和四十五年産米の買い上げを控えての保管施設の収容余力の問題でございますが、この点をひとつ承っておきたいと思うのです。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 政府所有の食糧の収容力というものは、これから四十五年産米の政府売り渡しあるいは自主流通米というものを考える場合に、これはきわめて重要な問題でございます。そこでややこまかくなりますが、ちょっと数字を申し上げてみたいと思います。  現在の倉庫の収容力は、これは日本全体でございますが、平均収容力、すなわち、普通にやっておった場合に千四百三十一万トンの収容力がございます。これを最大限に活用するということになりますと、千七百四十六万トンの収容力がございます。そこで、米がどうなっているか、現在どれくらいの在庫があるかということでございますが、四十五年の三月末の在庫数量が千二百八十三万トンでございます。したがいまして、平常の収容力から見ても現在余裕があるわけでございます。四十五年の十月末になりますと、大体四十五年産米の早場米の出回り期になってまいりますので、見込みの数量が千二百五十五万トンということでございます。そこで、まだ相当余力がございますので、四十五年産米の倉庫の収容力については心配がないのじゃないかと思っておりますが、ただ、一部の地域について問題があるということは私どもも承知しております。そういうことがないように、現実に農家が政府に売り渡しをするあるいは自主流通米に売るという場合に、倉庫の問題で混乱を起こさないようにいまから準備をしたいと思っていろいろやっておるところでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ただいまの説明でまだかなりの余裕がある、こういうお話でございますが、私は、これは政府米だけをとってみれば、こういうぐあいに多少の余力がなおある、こういう判断ができると思うのですが、実際現場において拝見しますと、いわゆる自主流通米というものは別配になっておる。しかも銘柄別に買い付けをしなければならない、こういうことでかなりのスペースを食っておるわけです。したがって、単にこれは政府米の在庫というものだけから検討していったならば、これは将来重大な混乱を起こすのじゃないか、こういうぐあいに考えます。したがって、当然配慮されておられるとは思いまするが、自主流通米の出回りというものを計算に入れた収容計画というものを立てていかないと、それに伴った倉庫の手を打っていかないと、対策を立てていかないといけないのではないか、こういうぐあいに考えますが、この点どうお考えになっていますか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 ただいま申し上げた数字は、確かに政府所有の米の収容力についての数字でございます。全体としては、かりに自主流通米百万トン以上がここに入りましても、別に特に問題が起こるというような数字ではございませんけれども、ただ先ほども申しましたように、地域によって非常に問題があるわけでございます。たとえば具体的に申しますと、青森、北海道あたりに非常に問題がございます。そこで自主流通米のことも考えながら、農家が米の売り渡しに困らぬというようにしたい。これはこれから、九月から先の問題でございますから、いろいろ食糧庁の需給操作というものを通じまして、現場で混乱が起こらないようにしたい。こういうふうに考えているわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 以上で質問を終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 古米、古々米等の有毒カビ等の問題について当局に質問をいたします。きょうは農林大臣が参議院の審議に出ておられますので、政策的なことについては次の機会に伺うことにいたしまして、留保しておきたいと思います。  このことについては去る四月一日、私が当委員会で当局に対して質問をいたしたところでございます。当局は結論として心配はない、こういうような答弁があったわけでございますが、最近マスコミ等の取り上げるところともなりまして、しかも現在五百五十四万トンの過剰米を保管しておりまして、本年のつゆ明けの七、八月ごろはたいへんな事態になるのではないか、こういって関係者は憂慮いたしております。常識的に申しましても当然このことが心配されるわけでございます。秋には七百五十万から八百万トンにもなろうかといわれ、いよいよ過剰米と本気に取り組まねばならないときがきたと思うわけであります。また国民のばく大な税金がかかっておるわけでありまして、これが有効処理については国民の保健上からも、また家畜の飼育の面からいっても、心配のない処置が緊急事であると思うわけでございます。このような点から逐次質問をしてまいりたいと思います。  まず最初に、倉庫のことについて農業倉庫、集荷承認倉庫、営業倉庫、政府倉庫等がございますが、これら経営主体別の棟数はどのくらいあるか、これをお伺いいたします。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  四十五年、すなわちことしの一月一日現在の倉庫別の棟数は、農業倉庫が三万六千五百二十九棟、それから集荷承認の倉庫が三千六百六十三棟、営業倉庫、これは政府が使っておる営業倉庫でございますが、四千二百六十三棟、それから政府倉庫が百四十九棟、それからいわゆるサイロが二千三百五十一棟ございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それではその経営主体別の、四十二年度産米と四十三年度産米に分けまして、古米、古々米の量について数字をお示しいただきたいと思います。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 四十二年産米の数字は、これは三月末でございます。先ほどの数字は一月末ですが、三月末現在の数字は、農業倉庫が五十五万二千トン、集荷承認の倉庫が三万七千トン、営業倉庫が五十二万四千トン、政府倉庫が六万二千トン、合計百十七万八千トンになっております。  次に四十三年産米でございますが、農業倉庫が二百三十七万九千トン、それから集荷承認の倉庫が十六万四千トン、営業倉庫が六十二万三千トン、政府倉庫が七万四千トン、三百二十四万一千トンという数字になっております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に米の有毒カビ等がずいぶんいわれておりますが、培養検査の結果、カビには大体六種類あるやに聞いております。これは動物実験の結果であると思いますが、それらのカビの種類について、どういうカビがございますか、お示しいただきたいと思います。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  私どもが聞いておりますところでは、カビの種類は二百以上、あるいは多い人は四百以上あると言っているということを聞いております。  そこで、従来から毒素を発生することで問題になっておりますのは、アスペルギルス・フラバス及びペニシリウム属系の黄変米菌でございます。これは大体毒を出すカビであるということになっているようでございますが、学者によっていろいろ意見が違います。そこで最近問題になっておりますのは、マイコトキシンに関する研究が進みまして、たとえばアスペルギルス・ベルシコラーあるいはアスペルギルス・グラウカスといったようなグループの、米のカビの中の幾つかのものが毒素を出すのではないだろうか。これは毒がはっきり出ているというところまでは学者も言っておりません。毒が出るのじゃないかということで問題になっているわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 私は、去る三月には新潟県のほうの現地調査を行ないました。今回休みを利用しまして、去る五月三日から五日の間に舞鶴市及び滋賀県の現地調査を行なったのであります。舞鶴市にある舞鶴倉庫株式会社という民間会社が常時三万四千トンの収容能力を持ち、現在一万七千四百八十三トンの米を収容しております。内訳は、四十二年産米が八千八百四十一トン、四十三年産米が三千五百六十八トン、四十四年産米が五千七十四トン収容されております。ここの倉庫は、旧軍隊の洞窟であるところの弾薬庫に千二百トンが貯蔵され、その他兵器庫、埠頭倉庫等に——国から借用いたしまして舞鶴倉庫株式会社の営業倉庫となっております。地元では日本一の米の貯蔵基地といって自負しておるわけでございますが、この舞鶴倉庫の中の埠頭倉庫の六号倉庫と旧軍隊の洞窟であるところの弾薬庫あと、その他若干の倉庫について、古来、古々米の中から明らかにカビが発見されておるのであります。私も現地に参りまして、よもやと思って若干の米俵を点検してまいりましたが、このようにカビがはえている現物を持ってまいったわけです。  そこで、このことについては現地の食糧事務所の所長が立ち会い、倉庫の責任者も立ち会っておったわけでありますが、このことについて現地から何か報告を受けておられるか、まず最初にお伺いしたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 現地から報告を受けております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、私はこのカビのはえた米について、五日の日に帰りまして、六日の日に東大の斎藤教授と農林省食糧研究所の二カ所に試験を依頼いたしたのでございます。もちろん、培養検査をしてカビの検出をするためには若干の時日がかかることは承知しておりますが、とりあえずカビの有無について、またできればどういうカビであるかということを調査依頼をいたしたのであります。けさほど、中間報告として農林省の食糧研究所のほうから報告がございました。この報告によりましても、埠頭倉庫と旧弾薬庫倉庫の中にありました米について明らかにカビのある事実を認めております。なお今後引き続き調査を続行して、いずれ詳しいデータをいただくことになっておりますが、このようにカビがはえているという事実については、おそらく全国的にはかなりたくさんあるのじゃないか、こう思っております。この間の食糧庁の答弁では、そのようなことは心配ないというようなことを答弁されておりますが、これについての見解を承りたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  カビがはえるということにつきましては、申すまでもなく水分が非常に関係あるわけでございます。たとえば、消費者の家庭におきましても、精米を三カ月も台所のすみに置いておきますと、やはりカビがはえます。もちなんかもよくはえる経験がございます。したがいまして、どういうところに保管されているかということが非常に大きな問題になるわけでございます。それからさらに、燻蒸をいたしますとカビは落ちます。そこで、燻蒸がどうなっているんだろうか、特にカビは大体つゆが過ぎました七月あたりが一番はえるわけでございますが、その期間にどういう燻蒸をするかというようなこともございまして、古々米であっても、必ずカビに汚染されているというわけではございません。そこで、食糧庁は大体一月に一ぺん倉庫検査をいたしまして、特に下のほうに刺しを入れてとってみて、カビがはえているときにはすぐ燻蒸するというようなことで、十分な管理をしておりますので、古々米についてもカビの汚染はそう大きな数量でないのじゃないか。ただ、保管状態が悪いところにつきましては、確かに御指摘のようにカビがはえるということもございます。特に六月、七月という時期には非常にカビについて注意しなければならぬということで、私どもといたしましては現地の食糧庁の検査員をよく指導いたしましてやらしておりますが、絶対にカビがはえてないんだということはもちろん申し上げることはできません。ただ、そんなにたくさんの数量があるとは私ども考えておりません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま答弁をいただきましたが、国民に対する影響もまたありますので、いろいろ懸念されると思うのですが、私が四月一日の当委員会で過剰米問題をお尋ねした際にも、森本政府委員は、政府が現在保管中のものにはカビが発生してない、培養検査の結果、二回とも、有毒な物質あるいは有毒物質を出す可能性のあるカビは認められなかった、こういう答弁をされております。また食糧庁は、国立衛生試験所において政府所有の古々米、古米等については有毒カビの試験は行なっていない、こういうふうに言われておられるのでありますが、これほどマスコミでもいろいろ取り上げておられるし、東大の斎藤教授も認めておられるわけです。私も現地に行って、若干の俵でございましたが、全部を検査するわけにはまいりませんでしたけれども、常識からいってもあのように報道されておりますので、その懸念があることは十分感ぜられるわけですが、私はこういったことについて調査をして試験をするのが当然じゃないか、こう思うのです。いまだに試験は行なっていない、こういうふうに言っておられますが、これはまさに職務怠慢じゃないか、かように思うのですが、この点どう見解を述べられますか、お尋ねしたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 食糧研究所で四十二年、四十三年について行ないました検査の結果では、ただいま従来から有毒だということになっておるカビ、すなわちアスペルギルス・フラブス及びペニシリウム属の黄変米菌は出ておりません。そこで問題になりましたのは、アスペルギルス・グラウカス属のカビでございます。これはまだ絶対毒を出すということには学界でもなっていないのでございますが、それが一グラムについて一・七個出たわけでございます。われわれが承知しているところでは、一グラムについて大体カビが千個以上あるとそれは人体に有害かもしれないということですが、そこで一・七個でございます。これが新聞にカビがあったあったということが出たわけでありますが、そのカビにつきましては一定の許容限度と申しますか、いまのところ食糧研究所の検査で出たのは、千個の許容限度とみな学者の方々も言っているところに一・七個出た、それを食糧庁が隠していたのじゃないかということでジャーナリズムが書き立てたのでございますが、私どもといたしましては、その点は一定の許容限度の範囲内ならば人体に害がないのじゃないかというように考えております。  なお、この問題につきましては、きわめて重要な問題でございます。またある意味では非常にデリケートな問題でございます。そこで本日、農林省と厚生省の専門家、それからただいまお話が出ました斎藤先生、倉田先生、その他カビを専門に研究しておられる学者の方々に集まっていただきまして、現在会議をやっております。その結果、今後このカビの問題についての古々米の処理方針をきめたい、こう思って会議をやっておりますので、十分学問的な検討を経た上で、これならばだいじょうぶだろうという結論が出るのではないかと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま答弁をいただきましたが、この有毒カビの発生ということについてはすでに昨年夏ごろもいろいろ報道されたことがございまして問題になったわけです。きょう会議を開いていろいろ今後のことを検討するとおっしゃっておられますが、このようにずいぶん前から判明しておったのにもかかわらず、きょう初めて第一回の正式の会議を開くことになったと理解してよろしいですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、食糧研究所の調査では、アスペルギルス・フラブス及びペニシリウム属の黄変米菌は出ていなかったわけでございます。したがいまして、古々米についてのカビ毒の問題は、私のほうで検査いたしました結果これはだいじょうぶだと思っていたわけでございます。ところが、学問の発展によって最近マイコトキシンに関する研究が進みまして、その結果アスペルギルス・グラウカスのグループがおかしいじゃないか、こういうことが出てきたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、別にこれは新しい問題ではなしに、昨年も検査いたしまして確信していたわけでございますが、学問の進歩の結果、特にことしの春になりましていろいろな先生方からどうもグラウカスグループがおかしいぞという話が出たために、この問題について本日関係者が集まって検討しなければならぬ、こういうことになっておるわけでございます。別に管理を怠っていたわけではございませんで、過去においてビルマ米の黄変米事件も経験しておりますので、その辺のところは十分管理をやっておったわけでございますが、そういう新しい学問的なファクターが出てまいりましたので、その問題について特にきょう相談する、こういうことになっているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 食糧庁は肉眼でカビの寄生が認められる米については、主食用はもとより、飼料用にも売却しない方針であるので問題はないものと考える、このようにおっしゃっておられまするが、現に私の調査でも、先ほど申しましたように二、三の倉庫でありますが、カビが発見されておりますし、これら古々米、古米についてカビの発生したものが今後かなり多く出てくる可能性があるし、つゆを越しますと、さらにその可能性が多くなってくるわけですが、この方針のとおり、カビがあった場合は飼料にも主食用にも売却しないという方針に変わりはないか。そのように解してよろしいか。御見解を承りたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  実は、本日の会合はそういう点を詰めてもらいたい、こう思って専門の方々に集まっていただいているわけでございます。  そこで、食糧庁といたしましては、官能検査でカビが見えるというようなものは、いかに有毒カビがなくても、食品の原材料用とかあるいはえさ用には売るべきではないだろうということは私どもも考えております。ただ、その他の問題も含めて、きょう実はそこまでいろいろ専門家の御検討を願おうということで、現在会議をやっている最中でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 おくればせながらその点は一応了とするとしても、きょうの会議の結果でまたいずれ報告があろうかと思いますが、それではこのように、先ほどの舞鶴倉庫株式会社等が保管している営業倉庫等の保管米のカビのはえた事実に対しての責任というものは政府にあるのか、業者にあるのか。この点をどうお考えであるかお尋ねしたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 その米は政府米でございます。したがって、政府の所有でございます。それを農協なりあるいは倉庫業者が預っている。そこで預っているものが十分なる管理をした後においてもカビがはえてしまったということであれば、すなわち、善良な管理をやっていて、さらにカビがはえたというまでは責任は追及できませんけれども、たとえば管理を怠って放置しておいた、雨漏りがあった、それを放置しておいた、その結果カビがはえたという場合には、やはり保管者に責任があるんじゃないか、こういうことだと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 これはなかなか微妙な問題だと思いますので、これ以上詰めることはどうかと思いますけれども、食糧はもちろんのこと、飼料にしてもたいへんなことになりますので、いずれにしてもこういう懸念があるわけでございます。かりにこういったことが政府の責任であれば相当な損害を受けることになりますし、保管業者の管理の不行き届きならば保管業者の責任ということでたいへんな損害を受けるということにもなりましょう。ところがまた、食糧検査員等の月一回の巡回検査等のチェックがあり、倉庫の中にはちゃんとカードが置いてあります。それを見ると、大体水分とか、十四度とか十五度とか書いて温度等も記入してございますが、それらのことが問題になってくるんじゃないか、こういうふうに思うんですが、もちろん完全なる倉庫ではございませんので、入り口のほうは扇風機で通風したり、奥のほうはずいぶん温度が違うというような状態があります。こういった検査員の検査は一応は記録されておりますけれども、そういったカビが発生して管理の問題が提起をされた場合に、その辺の問題はどういうふうになるのか。御見解を承りたいと思うのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 先ほど申し上げましたように、一月に一ぺんずつ見回って検査をしている。しかしカビがはえるのはやはり六月、七月ごろが非常に多い。したがいまして、私どもは今後検査員に、その時期にはより注意深い保管管理をさせるということで指導する。すなわち、おかしければ一月に二回でも燻蒸するということまでやってカビの発生を防がなければならぬ、こういうふうに思っているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間の関係もあるので若干急いでおりますが、この舞鶴の倉庫には、北海道、青森あるいは秋田、石川、富山、福井とか岡山あるいは九州の佐賀等からも米が運ばれてきています。ずいぶん高い輸送費を払って収容されているわけですが、保管料も月トン当たり二百四十円という保管料でございます。ちなみに私調べてみましたが、政府が出している国内米の保管料は、四十二年から四十五年まで三百九十億が見積もられております。このようにカビの発生を見ましたときに、現在のような完全な倉庫でない倉庫もたくさんあるわけでございますが、国民の血税のばく大な損害である、こういうように思うのです。もちろん倉庫は断熱材を使うとかいろいろ方法もあるのですが、燻蒸をするにしても空気が漏るような倉庫もたくさんございます。  そこで、どうしてこのような全国各地から舞鶴に高い輸送量を使ってこのように米を貯蔵されておるのか、その点御見解を承りたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 舞鶴について具体的にどういう事情があったかということは、私ども調べてみなければちょっとわかりませんけれども、現在の食糧庁の管理が、大体生産県につきましてはそこの県で全部消費できるわけではございませんから、消費県のほうへ持っていくという操作をしております。その関係で北海道、青森あるいは九州の生産県の米が入っているんだと思いますが、いずれにせよ舞鶴自体へなぜそういうふうに持っていったかということは、ちょっと調べてみないとわかりません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 全国の米の輸送の状態というもの、これはいずれまたあらためて機会をとらえてお伺いすることにいたします。  そこで、先ほどもちょっと話がありましたが、昭和二十八年から二十九年に起きましたいわゆる食糧難時代の黄変米事件、こういったことが再び日本国内で起こったのではこれはたいへんなことになる、そういうことが起こらないとも限らない心配があるわけです。それで今後これらの米について検査体制というものがまず当面の焦点になりはせぬかと思うのですが、こういった検査体制を軌道に乗せるということについてはどのように考えておられますか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 ちょっと御質問の意味がよくわからなかったのですが、検査体制というのは古々米の検査体制ですか。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そうです。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 古々米の検査体制につきましては、ただいま申し上げましたように、なるべく厳重な見回りをやって、必要があればどんどん燻蒸をするということでやると同時に、なるべく管理のいい倉庫に移すというようなことも場合によってはやらざるを得ないんじゃないかと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 実はその検査体制というのは、カビがはえた米を将来いろいろ飼料とかまた食糧加工用として出す場合の問題でございますけれども、時間の関係もございますので、あと二点だけ簡単にお伺いしまして終わりにいたします。  現在各地の倉庫を見ましても、特に舞鶴、滋賀県等の倉庫を見ましても、米のはい積みというものが、通路が狭くて、しかも規定量以上に収容して、そのために事故が起きた事例もありますが、かなりたくさんの米を積んであります。そこで、この米のはい積みを積みかえる。いわゆる奥のほうとか下のほうとかいうものは、カビのはえる可能性がずいぶん強くて、検査するにしてもなかなか見ることができません。相当一ぱい詰めてあります。もちろん倉庫不足の点からこういうことになっているんだと思いますが、こういった米に対する積みかえということについてはどのように考えておられるのですか、お伺いしたいのであります。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  非常に悪い状態になっているという場合には、はいがえをいたします。ですから、全部毎回定期的にはいがえをやるというのは、これは非常に経費もかかりますし、そこで検査をしてみた結果、これははいがえしなければますますひどくなるとか、あるいはカビがはえそうだというものにつきましては、極力倉庫の収容能力が許す範囲内ではいがえをしたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それでは、最後に一点だけお伺いして終わりにいたしたいと思いますが、政府所有の古米、古々米について、いま私が申し上げましたように事実カビを発見しておりますし、石川県等でも問題になっておりますし、またカントリーエレベーターの問題等もございます。きょうは時間が制約があるので以下の問題は次回に譲ることにして、最後にお聞きしたい。  政務次官にお尋ねしたいのですが、こういったようなカビのある事実が発見されたし、またことしのつゆを越すとかなり今後こういったことが拡大されて心配される。これは大方の人の御意見であり、常識から考えてもそういうふうに思えるわけです。今後輸出用の六万トンも中止したように報道がされておりますが、やはり倉庫の総点検または古米、古々米の総点検をこの機会にやって、そうして国民が安心するような施策をすべきじゃないか。一方では生産調整、また米の問題を大きくとらえて農地法、農協法等の改正を行なって進めてまいっておりますが、やはり農家が汗水流してつくった米に対してないがしろにできない、国民の血税であり、三千億円のいわゆる食管赤字をかかえた問題もございまして、ぜひこれは一回総点検をして国民に安心をさせるような方法でやるべきじゃないか、こう思うのですが、この点について最後に政務次官にお伺いしたいのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 先ほどから食糧庁次長のほうからるるお話をいたしましたが、政府としては、御趣旨ごもっともでありますから、その趣旨に沿って総点検をすると同時に、そのようなカビの発生を未然に防止をし、もし万一発生をしたようなものについては、これが一般に迷惑のかかるようなことの絶対ないような措置をとって、安心をしてみんなが食糧に供してくれるようにするつもりであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 あとたくさん質問が残っておりますけれども、次回に譲ることとしまして、時間が参りましたので、本日はこれで終わります。ありがとうございました。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 次回は、明十二日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十三分散会

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