農林水産委員会 第25号
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- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/05/08
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 農林物資規格法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、ただいま議題となりました農林物資規格法の一部を改正する法律案について、数点大臣に御質問申し上げたいと存じます。 本法案は、御承知の第六十一国会に提案をされまして廃案になり、今次国会に再提案されたものであります。 まず第一点として大臣にお伺いをいたしたいのは、御承知の食品規制の問題につきましては、国際的にもFAOなり、あるいはWHOの食品規格委員会で検討中の問題でありまして、食品規制の問題については、国際的に表示の統一方向というものが真剣に検討されているというふうに承知をいたしております。同時に日本の食品規制の現状は、提案理由その他でも述べられておりますように、国際的に見れば非常に立ちおくれておるという点が率直にいって指摘されておるわけでありますが、この際、大臣からFAOあるいはWHOの食品規格委員会で検討されておる国際的表示の統一方向の現状というものについてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○倉石国務大臣 ただいまお話しの国際食品規格の計画作業は、長年にわたって検討の期間を経まして一部品目からだんだんと実施の段階に入りつつあるわけであります。この規格内容を見ますと、食形態のお互いに相異なる国々もありますので、わが国ではそのまま受け入れられないものもありますけれども、また現在のわが国の法制のもとではそのまま受諾することにはいろいろ問題もございますけれども、わが国農産物輸出の確保、御存じのように輸出もいたしておりますし、輸入もいたしておるわけでありますので、消費者保護の強化という要請に対処いたしまして、これを指針といたしまして今後の食品行政を進めてまいりたい、このように考えております。
○角屋委員 この食品規制の問題については、物価対策特別委員会の消費者保護基本法の処理の場合において、衆参両委員会で、衆参両院のそれぞれ物価対策特別委員会で附帯決議が付せられておりまして、それは農林物資規格法の改正という問題と同時に、これは第三項になりますが、第四項では、これの規格表示の統一的方向についての再検討という二つの問題の注文が付せられておるわけでありますが、この際、きのうも若干質問でも出ましたけれども、諸外国の食品制度というものの中で、主として農林省が中心になってやっておるやり方、あるいは厚生省が大体中心になっておるやり方、あるいは農林省が中心になっておりましても、厚生省も同時に並行して推進をしておる進め方、各国によって、アメリカ、イギリスあるいはフランス、西ドイツ、カナダ、それぞれ各国の特性があるようでありますが、その状況について簡潔に御説明を願いたいと思います。
○小暮政府委員 アメリカの場合には、「食品、薬品及び化粧品法」によりまして、一般的な食品規格、添加物規制、表示規制等は保健福祉教育省が所管するということを大筋といたしておりますが、食肉、家禽肉及びその製品につきましては、別の法律で農務省が行なうというような形になっております。イギリスの場合には食品及び薬品法に基づいて食品の規格、定義、添加物等に関する規則の制定は農漁業食糧省、伝染病、細菌等の食品衛生に関する規則は保健省が行なうということになっておりますが、両省それぞれ協議して、実質的には共管という形でやっておるようでございます。フランスの場合は、農務省がごく一部の伝染病関係の仕事以外は、あげて食品規格、添加物表示等について食品行政を一轄して所管するという形になっております。
○角屋委員 カナダについて言われたかな。
○小暮政府委員 カナダにつきましては、詳細まだ理解いたしておりませんが、アメリカ大陸の中では、アメリカの方式に隣国も大体準じてやっておるというように承知いたしております。
○角屋委員 先ほども触れましたように、消費者保護基本法の国会における四十三年の段階の処理の場合に、物価問題等特別委員会において衆参両院でそれぞれ附帯決議が付せられた中に、「農林物資規格法については、輸入物資を含めて対象品目を拡大するとともに、日本農林規格の品質基準の拡大ないし等級別基準の設定、表示制度の充実、表示方法の明確化をはかること。」これに関連をして今回の一部改正法案が出てきたと承知しておるわけですが、さらに同時に附帯決議の中では、「食品衛生法、栄養改善法、農林物資規格法、不当景品類及び不当表示防止法を通じて食品の表示制度が海外諸国に比しても一立ち遅れており、かつ、最近の消費生活の実態にも一適合しなくなっていることにかんがみ、統一的な観点から食品の表示に関する制度のあり方とその運用について根本的な再検討を早急に行なうこと。」こういうことで、当面の農林物資規格法についての改正問題と長期展望に立った統一的な観点からの食品の表示に関する制度のあり方とその運用についての根本的な再検討の問題が政府に課せられておるわけであります。 そこで、今回の農林物資規格法を出すまでの段階を見てまいりますというと、たとえば国民生活審議会からの注文がつくこととか、あるいは農林省、厚生省あるいは公取というところでそれぞれ意見の調整をはかる、その産婆役に経済企画庁が中心になって調整をはかる、こういう経緯がございました。この経緯の中では、特に公正取引委員会等からいろいろ意見が出ておったというふうに承知をしておるわけでありますが、経済企画庁のほうにこの法律を出すまでの調整経過について若干御説明を願いたいと思います。
○矢野政府委員 先ほど先生が言われました物価特別委員会の決議に基づきまして、それぞれ所管省でその方向に沿って問題を進め、その一つとして今度農林省から農林物資規格法の改正が出たわけでありますが、その過程におきまして、いま御指摘のように食品の危害防止と表示の適正化、これに関しまして農林物資規格法あるいは景表法あるいは食品衛生法、こうしたそれぞれの法律が関連いたしますので、この点につきましては、経済企画庁が中心になりまして、現在各省間の調整を引き続き行なっております。これは表示の問題と危険の防止、これをどういうように統一していくか、その点につきまして現在のそれぞれ所管の法律があるわけでありますが、この法律をどう相互に連携して運用していくか、それによってばらばらになったりすることがないように、どうしていったらいいかということを、現在、具体的に詰めております。この法律の作成の過程におきましても、たとえば農林物資規格法と景表法、まあそれぞれ表示の問題でありますが、この点も農林物資規格法で、今度の改正案では、表示が義務づけられることになるわけでありますが、たとえば、それに対する罰則の問題につきまして、農林物資規格法のほうでは、これが守られない場合には公表するという規定がございます。さらに、景表法との関連では、もしこれが守られない場合に、景表法のほうの不当表示の一つの基準がこちらにもできることになりますので、景表法の罰則の適用にもこれが連携がとれる。そういう関連で現在まで検討し、詰めてまいったわけであります。 なお、先ほど申しましたように、危害の防止との関連につきましては、現在、引き続き検討し、なるべく早急に結論を出したい、かように考えております。
○角屋委員 これはさらに経済企画庁のほうにもう一点お伺いしておきたいんですが、これは食品規格の統一の問題と関連して、本法の改正の今後の問題の中で、農林、厚生あるいは公取委、こういうところでの運営上の覚え書きというふうなものが、内面指導としてなされているというふうに承知しておるわけですが、それはそういうふうに受け取ってよろしゅうございましょうか。
○矢野政府委員 それぞれ関連の三省におきまして、連携を密にしてやっていくという覚え書きをかわしております。
○角屋委員 この食品規格あるいは表示の統一方向のこれからのいわば、物特の附帯決議にも関連しますけれども、プログラムの問題でありますが、当面、農林物資規格法の一部改正が発足するといたしますと、この一部改正の問題については、やはり巷間では、農林省の独走ではないか。今後の統一の方向について逆に支障にならないか。あるいは、混乱をもたらすことにならないかというふうな御意見等もあるわけでありまするけれども、今後のこの表示の統一方向のプログラムを具体的にどう進めようと政府としているのか、この辺のところについて、これは大臣からお答えを願いたいと思います。
○倉石国務大臣 食品行政の統一につきましては、物特の附帯決議もございますし、このことにつきましては、ただいまここで企画庁からもお話がございましたように、企画庁が主になりまして、食品行政検討会を持たれるわけであります。私ども農林省といたしましては、積極的にこれに参加をいたしまして、その結論をもって、その結論に従って、措置をいたしてまいりたいというたてまえでございますが、そういう結論の出ますまでにも、やはり毎日行政が行なわれておるわけでありまして、その間、できるだけ一般の期待に沿うように行政は進めてまいらなければなりませんので、今回の法律案は、そういう趣旨でお願いをいたしておるのでありますが、いま申し上げました政府部内の結論が出ましたならば、十分それを尊重いたしまして、処置をいたしてまいりたい、このように考えております。
○角屋委員 消費者保護基本法の四十三年五月の制定とともに、国民生活優先の原則に立った消費者保護ということが非常に大きな政治的課題になってきているわけでありますが、そういう立場から、消費者保護の強化の問題として、食品の問題については、先ほどもお触れになりましたように、危害の防止、あるいは計量の適正化、あるいは規格の適正化、表示の適正化、公正、自由な競争の確保というふうな問題が、国の責務としてこれから推進をされていかなければならぬ。その項目の中で、規格の適正化なりあるいは表示の適正化の問題として、この統一の問題に先行して、農林物資規格法の一部改正が今回提案をされる、こういう形になっておるわけでありますけれども、その場合に、消費者保護の立場から申しまするというと、本改正案の運営の問題にあたっては、何といっても、消費者保護という立場から十分な組織運営がはかられるかどうかということが今後の一つの問題であります。いままでに規格に入っておるもの、新しく追加でさらにやっていかなければならぬ問題また、運営の適正を期するというためには、当然、国自身としても、あるいはこれは地方自治体にも関連がありまするけれども、組織運営の体制を整備していかなければならぬという問題が当然ございます。農林省としては、特に参議院で通過が予想されておりますところの農林省設置法の一部改正において、いわゆる輸出品検査所をこれに活用していこうという考え方を法案として出しておるわけでありまするけれども、長期展望に立ちますと、いわゆる農林経済局の企業流通部におけるところの組織の担当がございますが、さらに、第一線の組織としては、農政局関係の活用を一体どうしていくのか。さらに、輸出品検査所というタイトルにおいてJASへの活用ということが将来ともにそういう形でいいのかどうかという問題も含めて、機構運営の問題についてこれから、当面のすべり出しはすべり出しとして、今後どういう方向で組織運営の整備をはかっていくかという点が、やはり一つの重要な問題だろうと思うのですが、これらについての大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 ただいまお話しのございました問題、私ども、御了承を得られましたならば、この法律が制定されまして、運用されるわけでありますが、このJAS制度の運用にあたりましては、いまお話しのございました規格設定のために基礎的な調査研究から、それから後の自後の監視に至るまで、本省の関係各局はもとより、食糧研究所、それから水産研究所といったような付属研究機関の知識を活用いたすことはもちろんでありますが、輸出品の検査所による市販品買い上げテストなどの実施等によりまして、農林省の各機関がいま協力しておるわけであります。今後ともこの考え方に立ちまして、施策の充実をはかってまいる考えであります。特に監視体制につきましては、当面は、いまお話しの輸検の活用で対処し得ると考えますけれども、今後食品行政の内容が逐次充実してまいるに伴いまして、お話しのように、われわれのほうの体制も強化していかなければならない、このように考えております。
○角屋委員 農林省の第一線の機構としての農政局というのは、大体、どういうタッチのしかたになりましょうか。
○小暮政府委員 地方農政局には、ただいま農林経済局の所掌事務を直接第一線で分担いたしますために、経済課という課がございまして、この中に消費経済係というものを設けております。これが各県の担当官並びに農林省出先の各種機関と連携を保ちながら、消費者行政の推進に農政局の立場から参加するという形に相なっております。
○角屋委員 これは消費者保護基本法の立場から見ましても、国、地方自治体がともどもに所要の責任分担をしなければならぬわけですが、本問題の運営で地方自治体の関係はどういう機構指導の形になりますか。
○小暮政府委員 農林物資規格法の運用上は、品目によりまして農林省の出先機関である食糧事務所が分担いたします部分と、関係の都道府県が分担いたします部分がございます。これは直接農産物を格づけするといったような分野で都道府県が規格の問題に参加する部分がございます。 それ以外の消費者行政一般につきましては、御承知のように、たとえば二十都市にモニター制度を設けるというようなことを私どものほうもいたしておりますが、こういったものをそれぞれの所在の都道府県も私どもと一緒にこれらの制度の運営に当たるというような形に相なっております。
○角屋委員 いま局長からお話のありましたモニター制度の問題については、消費者の意見の反映という形で、単に農林省の場合のみならず、公正取引委員会あるいは経済企画庁あるいは通産省というふうなそれぞれの省の関係で、たとえば経済企画庁では消費生活モニターという形で約六千名近い陣容を持っておる。あるいは公正取引委員会も消費者モニターという形で、現状はどの程度になっておるか知りませんが、約六百名くらいのモニター制度を持っておると承知しております。さらに農林省は食料品消費モニターという形で、昨日も御説明がございましたが、約千二百名くらいの陣容のものを持っておるというふうに承知をしております。その他、通産省でも消費生活改善監視員という形でモニター的なものを持っておる。あるいは同時に計量の適正化という問題で計量モニターを持っておるという形で、消費者意見の反映としてモニター制度というものがあるわけでありますけれども、これらあたりの第一線の各省のモニター制度の総合的な連携、それによるところの消費者意見の集約ということは非常に必要だと思うのですが、経済企画庁として、公取あるいは経済企画庁あるいは農林省その他各省の消費者保護の立場からのモニター制度というものの連携あるいは総合的な活用というものをどういうふうに調整としては考えていかれるのか、これは各省に御一任ということなのか、その辺のところの調整役としてのお考えを聞いておきたいと思うのです。
○矢野政府委員 ただいま御指摘のように、各省でそれぞれ目的を持ちましてモニター制度が行なわれているわけでございますが、それぞれのモニターの相互の連携につきましては、現在企画庁がやはり中心になりまして各省間に消費者行政連絡会議を持っております。そこで相互にそのモニターの活用のしかた、あるいはモニターを通じて上がってまいりました情報等について相互に交流をはかり、またそれに基づく意見の調整あるいは行政の上にそれを役立てていくための相互の連絡調整をはかってやっていっております。また、現在各地方の自治体に消費生活センターの設置が進んでおります。これも物価特別委員会の決議にもございまして、それに基づきまして経済企画庁では四十四年度からその建物に対する補助をし、本年度も引き続いてやる予定でおり、大体四十六年度に全都道府県出そろうことになっております。さらに本年度は、すでに衆議院を通過いたしておりますが、国民生活センターを設置する手はずになっておりますので、こうしたところも二つの大きな場にいたしまして、そうしたモニターから上がってまいりますいろいろな意見に基づき、またこうしたセンターの活用を通じまして、消費者保護の観点からそれぞれ十分連絡協調体制をとっていくように取り運んでおります。
○角屋委員 今回の改正のポイントは第十九条の二、三、四というところが重要なポイントだと思いますけれども、同時に本法案の運営の立場から農林物資規格調査会の改組をいわばやるというふうに第三条、第四条、第五条の関係でなるわけでありますけれども、農林物資規格調査会の従来のいわゆる各セクション別の運営というものを、新しい改組にあたっては輸入品が入ってくる、あるいは食品を中心にする新しい追加を考えなければならぬというふうな問題、あるいは規格についてはこの調査会にかけなければならぬという新しい明定とも関連して、従来の運営の実態から、新しい今後の改組の構想についてはどういう運営のしかたをやっていくかという基本的な考え方について承っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 農林物資規格調査会の加工食品部会が直接関係になりますが、この構成及び運営につきましては、従来は具体的な規格案につきまして専門的な意見を聞くという考え方に立ってこれを構成いたしておる、運営いたしてまいったのでありますが、最近における食品問題の重要性にかんがみまして、農林省の食品行政に消費者の声を十分反映させたいと思いまして、広くJAS制度運営の基本について学識者の意見を聴取いたしたい、こういうことも考えておるわけであります。そういう観点から消費者代表を多く加えるなどその構成と運営を改めておるわけであります。したがって、本法案の運営にあたりましてもこの方針を踏襲いたしてまいりたい、このように一応考えておるわけでございます。
○角屋委員 局長のほうから、従来のセクションの運営を新しい改組にあたってはどういうやり方をやっていくのか、これを簡潔に御説明願いたいと思います。
○小暮政府委員 これまでは、ただいま大臣からお話がございましたように、規格の原案を農林省の責任でつくりまして、その規格の原案そのものをきわめて専門的に審議してもらうという考え方が基本でございました。したがいまして、委員の中に私をはじめとした関係の役人も実は入っておる。もちろん試験場の専門の諸君も入っておるという形で、どちらかと申しますと担当の職員並びに専門の技術者という数がきわめて多いという形でございました。それで、それぞれに部会を設けまして、農産物あるいは加工食品について規格の審議をいたしておったわけであります。この法律が通りますと、表示の義務づけといった新しい仕事を私どもこの法律に基づいてやることになりますので、従来のような、単に自主的な規格をそこで詮議するという専門的な観点からの検討だけでは適当でないというふうに考えますので、広く学識者並びに消費者代表、あるいはその他各般の広い範囲から委員を選びまして、品目の選定の問題さらにJAS制度そのものの運用の問題について常時御審議をいただきながら、あわせて具体的な規格の問題についてそれぞれ専門的な検討をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○角屋委員 今後のJAS法の運営の場合に、加工食品というのは、今日までもそうでしたけれども、これからさらに食品の高度化、複雑化、多様化というようなことで、加工食品の問題は非常に大きなウエートを占めてくると思うのだけれども、農林省の経済局としては、その指導のもとに、従来、食品工業対策懇談会というふうな組織をつくって、食品工業の近代化問題あるいは流通技術の近代化問題というものをいろいろ検討されて、ある場合には中間報告、あるいは、ある場合にはその結果の報告ということを、私も資料をもらっていますが、やってきたわけであります。その問題で、食品工業の現状をどういうふうに把握をし、また、今後この近代化あるいは整備のために、どういうふうな点に手を加えなければならぬかということが、単に形式的なJAS法の運営ばかりではなしに、その対象になる食品工業あるいは加工食品のりっぱなものができてくるという問題が重要だろうと思うのですが、その辺のところについてはどういう見解を持っておられるか、簡単にお伺いしてみたいと思います。
○小暮政府委員 武田誠三氏を会長として、食品工業の近代化、合理化の方途を見出そうということで、研究会活動を過去二年続けております。これは今後も一継続するつもりでおります。 食品加工業におきましては、私どもの現在の問題意識は、一つは、原料調達の面で、食品加工業の場合には企業の実態が大きく左右されるという問題がございます。これを、農林行政の角度から、安定した良質の原料を供給するという問題、さらに、生産者団体との連携のもとに、安定した形で原料を入手するという問題、そういう原料調達面で、農政上打つべき手が多々あるはずだ、これらの点を逐次改善してまいりたいというのが第一点でございます。 それから第二点は、国内の農産物を原料として行ないます食品加工業は、原料が全国各地に散在いたしておりますことから、逆に、中小企業としてのメリットがあるということで、これまでも中小企業の形で発達してまいりました。この形は、今後も長く続くと思います。ただ、中小企業に固有の労賃の問題その他、さまざまな中小企業形態から発生します困難がございます。この点については、共通の目的のために、技術の開発あるいは共通の問題を処理するために、食品産業センターというものを、ことしの予算で農林経済局としてはお願いしておりますが、こういったもので中小企業のマイナスを補完しながら中小企業としての企業の合理化をはかってまいりたい。 第三点は、輸入の原料を主として使います巨大な形での食品加工業というものが次第にふえてまいっております。これらのものにつきましては、えさの問題あるいは食物油脂の問題、あるいは製粉、製糖といったような問題がそれぞればらばらに発達してまいりますよりは、臨海工業地帯の合理的な設定というようなものを通じまして、合理的な形での食品産業が臨海地帯に近代的な形で発達することが必要であろうと思いますので、これらの問題につきましても、立地部会等を設けて、ただいま鋭意検討いたしております。 おおむね、以上の三点を中心に食品加工業の近代化をはかりたいというように考えております。
○角屋委員 この食品加工業の問題では、貿易の自由化問題あるいは資本の自由化問題という今後の方向と関連をして、大体、世間の常識上からも、食品加工業はやはり成長産業の一つであろうということで、外資の導入問題というふうなものが今後増加の傾向を持ってくるんじゃないかという判断がされるわけでありますけれども、食品加工業における現状の外資の導入あるいは今後の外資の導入に対するいわば歯どめというものについて、農林省としてはどういうふうに考えておられるのか、その点ひとつお伺いしておきたいと思います。
○小暮政府委員 原料だけまず申し上げます。 農林省所管の食品関係の業種で、資本自由化されております業種は、現在二十一業種でございます。そのうち十五業種が、例の五〇%資本比率という形でございます。第一類の自由化でございます。六業種が第二類の業種に相なっております。 なお、食品分野で外資が進出しておりますのは、御承知のように、インスタントコーヒーとか清涼飲料のような、食生活の変化に伴って新たに出てまいりましたような食品形態のものが大部分でございます。
○角屋委員 これは、今後、この方面に対する外資の導入という問題がさらにふえてくるという予想もあるわけですけれども、わが国の国内のプロパーの食品加工業の育成強化というものと関連をして、政府としては、この方面に対する外資の導入のいわば適正な運営といいますか歯どめといいますか、それは大臣としてはどういう御方針をお持ちでございますか。
○倉石国務大臣 資本の自由化につきましては、御存じのように、わが国はOEODの加盟国でございます。そういう国際的な義務もございますし、食品関係の分野につきましても、基本的にはいわゆる前向きの姿勢でこれに取り組む必要があるわけでございますが、食品工業は、ただいまお話のございましたように、零細企業の多い分野でございますので、資本自由化によって急激な影響を受けないように、今後とも業界の近代化を積極的に進めるなど、施策の充実強化につとめてまいりたい、このように考えております。
○角屋委員 いままでに、JASの対象品目あるいは規格数というものについては、資料でも明らかなように、五十四品目、三百三規格ということで、これは現状からいたしますと非常に立ちおくれておる。したがって、早急に新規にJASの設定を検討する品目例として、きのうも質問に答えておられましたが、大体四、五十のものを設定して速急にやりたいというふうな御方針のようでございますけれども、これは現在の組織、運営の体制から見て十分実効はあげられるというふうな形に判断をしてよろしいのでございましょうか。今後新規にJASの設定を検討する品目の内容と、それの受け入れ体制というものについて説明を願いたい。
○小暮政府委員 昨日も、今後四、五年間にさらに四十ないし五十の品目についてJAS規格を設定いたしたいという私どもの考え方を申し上げましたが、現在は五十四品目でございますが、規格としては三百三規格になるわけでございます。したがいまして、四十ないし五十の品目について今後数年かけて規格を設定いたしますことは、実はかなりたいへんな仕事であろうというふうに内心思っております。ただ、JAS制度発足以来非常に長い経験がございますので、従来一つの品目について三ないし四の規格を設定するのにおおむね二年の検討を必要としておりましたけれども、これまでの検討の蓄積を活用することによって、従来よりももう少しスピードアップすることができるんじゃないかというふうに考えております。 なお、四十五年度に特に設定を検討しております品目は、冷凍食品、即席食品のうちの粉末飲料、アイスクリーム類、チーズ、つけもの、食酢、かまぼこ、ウニびん詰め、それから、食品ではございませんが、足場板用の合板といったようなものについて、ただいま年度内に規格を設定したいということで具体的な検討が進んでおります。
○角屋委員 新規にJASの設定を検討する品目例の内容を見ますと、冷凍食品あるいは水産の調味加工品から穀粉類、でん粉類、めん類あるいは農産つけもの類あるいはインスタント食品、さらにはパン、ビスケット、お茶から調味料というように広範にわたっておるわけですが、清涼飲料との関係で物特でもしばしば議論になりますコカコーラの問題は、これからの中では入れて取り扱っていく方針なのか、これは対アメリカの関係等で中に入ってこないのか、この考え方について承っておきたいと思います。
○小暮政府委員 清涼飲料も私どもの検討の全体の課題の中には入っておりますけれども、ただ、ただいま御指摘のような特殊の食品につきましては、それぞれ企業ごとにさまざまなくふうをしております嗜好品的な要素のあるものでございますので、これは農林物資規格法の観点からの統一規格という問題には比較的なじみにくい問題ではないかというふうに考えております。
○角屋委員 結局、いまの答弁からいくと、なじみにくいという理由でコカコーラについては今後ともこの対象に入れないという考え方なんですか。おかしいじゃないですか。
○小暮政府委員 私どもといたしましては、果汁等についての規格の内容の充実ということのほうを先にやり遂げたいと考えておりまして、御指摘の品目につきましては相当時間をかけて、先の問題であるというふうに考えております。
○角屋委員 いま一般の消費の中におけるシェフはどれぐらいに農林省としては見ておられるわけですか。コカコーラの消費のシェアの問題をどういうふうに見ておられるわけですか。
○小暮政府委員 コーラ性飲料の中のおおむね五割以上を占めておると思います。
○角屋委員 私、いまちょうど手持ちのあれを持っておりませんが、これは相当宣伝等も資力を使ってやっておりますし、シェアとしては相当上回っているのじゃないかというふうに思います。 大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、物価対策特別委員会でもコカコーラの問題は保健上の問題としての議論もありますし、あるいはこれは他の飲料水との関係で、原価はそうたいしてかかっていないのに、原価から見れば利潤を相当膨大に得ておるわけですね。そういう問題等も関連して、当然これからの規格の中ではこれも含めて今後検討されるというふうにわれわれは判断をしておるわけですが、いかがでございますか。
○倉石国務大臣 先ほど経済局長からも、いまやる場合になじみにくい、こういうお答えをいたしたわけでありますが、私どもといたしましては、これについて十分検討いたしまして対処してまいりたい、こう思っているわけであります。
○角屋委員 きょうは厚生省からは担当課長でしたかね。
○草野委員長 鴛淵食品衛生課長です。
○角屋委員 これは食品衛生法の関連で、物特でもコカコーラの保健上の問題その他の議論もありましたが、厚生省のほうは食品衛生法との関係で、現状においてこの問題についてどういう処理をしておられるか、ちょっと厚生省のほうからお伺いしたいと思います。
○鴛淵説明員 コーラ飲料につきましては、内容成分の検査を国立衛生試験所のほうでいたしまして、分析をいたしまして、内容物、特にカフェインあるいは燐酸について食品衛生調査会の部会に御相談申し上げまして、大体基準化をするという方向でいま検討中でございます。
○角屋委員 今回の改正の中心のポイントは十九条の二、三、四だと思うんですけれども、この格づけの問題に関連をして、たとえば「改善命令等」の規定の十九条の二、あるいは「製造業者等が守るべき表示の基準」の十九条の三、さらに「表示に関する指示等」の十九条の四、こういう規定が新設あるいは強化されたわけでございますけれども、この問題については、実際上この法案をまとめるまでに、いわゆる調整の過程で、論議の過程で公取との問題が出たと思うのです。この際、公正取引委員会も御出席願っておると思いますので、相互の連携を今後どういうふうにやっていかれるか。例の景表法第四条の、いわば不当表示を禁止しようとする措置との関連の問題も当然出てくるわけですけれども、今後の運営の問題に関連して、公正取引委員会から御見解を承っておきたいと思います。
○坂本説明員 公正取引委員会といたしましては、景品表示法に基づきまして、対象が農林物資であるといなとを問わず、消費者の正しい商品の選択を促進するために商品等の不当表示の規制を行なっているわけでございまして、それによって一般消費者の利益を保護する、こういう役割りを遂行しつつあるわけでございます。これに対しまして農林物資規格法は、農林物資の規格を制定しまして、これを普及させる、それによって農林物資の品質の向上をはかるということを目的とするものというふうに存じておるわけでございますが、この法律が成立しました暁には、公正取引委員会といたしましても農林省と緊密な連携をとって、不都合な摩擦などが起こらないように対処してまいりたいというふうに存じております。 ただ、法案の二十二条でございますか、この法律の規定は景品表示法の「適用を排除するものと解してはならない。」というふうな規定もございまして、私どもの景品表示法の四条で不当な表示の規制に関する規定がございますが、この規定に該当するような案件がございますれば、これは公取としても当然やらなければならない任務がございますので、その点はこの第四条の規定に該当するかどうか、その辺を十分検討して対処してまいりたいというふうに考えております。
○角屋委員 大臣、肝心なところでちょっと間をあけられたわけですけれども、いまわが党の同僚委員からも意見が出ておりましたように、コカコーラに限りませんけれども、特に私コカコーラという問題を出すのですが、今度はこのJASの法案では輸入品も含めてコントロールしようという前提に立っておられる改正の趣旨からいっても、またコカコーラが飲料の中で占めておるシェアの増大という傾向から見ましても、これは国内のやはり食品加工の関係者の利益を守るという立場も含めて、本法案でも今後JASの対象にする検討を進めて、すみやかにそういう実現の方向にいくということは当然考えられてしかるべきだと思うのですが、その点は大臣としてはどういうふうにお考えか、さらにもう一度お伺いしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 清涼飲料の規格設定の問題につきましては、表示の問題を含めまして早急に検討させたいと存じます。 なお、先ほど来お話のございましたコーラに表示義務を課することにつきましても同じように早急に検討させたいと存じます。
○角屋委員 きのう同僚の長谷部君が大臣に対する御質問といってせっかく言われておりましたので、時間も相当切迫をしておりますが、長谷部君に質問をバトンタッチして、私はこの程度で終わらしていただきます。(拍手)
○草野委員長 関連として長谷部君。
○長谷部委員 きのう大臣に対する質問を保留しておりましたので、二点だけお尋ねをいたしたい、こう思うわけであります。 その第一点は、今回のJAS法の改正に対して公取なり厚生省のほうでは、いわゆる農林省の独走である、したがって今後の統一食品法の制定に混乱を来たす結果になるんじゃないか、そういう批判があるということを承っておるわけであります。したがいまして、この際私は統一食品法、なるほど理想的でございますが、それまでにはかなりの時間がかかると思うのであります。したがって、それまで待っておるということは消費者のためにもならぬと思います。したがって、JAS法の改正については先にやってもよろしいものだとは考えますけれども、同じ政府部内にそういう批判がある、あるいは異論があるということは問題だと思いますので、その辺の調整をどういうぐあいに考えておるか、それからまた統一食品法の制定に対して大臣はどういう見解を持っておられるのか、これが一つでございます。
○倉石国務大臣 お話しのございましたような経過でございますし、またお述べになりました御意見、私どもと全く同感でございます。この法案につきましては前の通常国会に提案いたします際、農林省原案にいろいろな修正を加えたわけであります。そうして閣議におきまして各省の意見が一致をいたしました上で提案されたものでございまして、今回の提案にあたりましても、各省ともこれを了承いたしておる次第でございます。それから前通常国会に提案するにあたりましての各省の調整の段階で、国民生活審議会消費者保護部会などから意見もございましたが、この法案はその意見に従いまして農林省原案を再検討して所要の修正を加えた上で提案されておるものでございます。 第二点につきましては先ほどもお答えいたしましたし、ただいま長谷部さんのお話にもございましたように、私どもは、企画庁が中心になりまして検討を進めるということになっておりますので、それに積極的に協力をいたしまして、その結論が出ましたならば、それを尊重して善処いたしてまいりたい、こう思っておるわけでありますが、その間におきましてもやはり行政をないがしろにすることはよくないことであると存じますので、農林省として今回の法案を提出いたした次第であります。
○長谷部委員 それから第二点は十四条の二項にかかわる問題でありますが、登録格づけの機関は農林大臣の承認を受けることになっているわけであります。ところがこの内容を見てみますと、農林省の本庁並びに出先機関あるいは都道府県の地方公共団体、こういうだれが見ましても第三者機関と目されるものに登録格づけが行なわれるのが公正だと思うのであります。しかるに、この登録格づけ機関の中には、いわゆる当該農林物資を製造しあるいは加工するあるいはそういう仕事に従事しておる団体も登録格づけ機関になり得る、こういう仕組みになっておるようであります。たとえばかん詰めならかん詰めの製造メーカーの連合会、こういうものも登録格づけ機関になっておる。むしろそういう業者団体が多いように見受けるわけであります。そこで私はこういった自分たちがつくったものを自分たちが格づけをするということではいわゆる第三者機関としての性格を果たせるものかどうか、きわめて疑問にたえないわけであります。私の意見はむしろこういう登録格づけ機関は、政府関係職員あるいは地方公共団体の職員、こういう者の手によって行なうのが一番の理想的な姿ではないか、こういうぐあいに考えておるわけでありますが、これに対して御見解を承りたい、こう思うわけであります。
○倉石国務大臣 ただいまのお話しのございました格づけは、農林物資規格調査会の議を経て、農林大臣の定める分析検査の方法に従って機械的に行なわれるものである、こういうことになっておるわけであります。したがって、検査機関のわがままな意思が入り込むようにはなっておらないわけであります。格づけ機関の登録にあたりましては、営利を目的としない法人であること、それから第二は格づけのため十分な設備と人員を有していることなどの要件に適合するものに限って行なうことといたして、きびしく規制をいたしておるわけでありまして、さらにまた改正法におきましては、この要件を一そうきびしくすることといたしておりますので、登録格づけ機関が格づけを担当するからといって、格づけが信頼できないということではないのではないか、このように考えております。しかしながら、農林省としても格づけの厳正、一そうの完ぺきを期するために、最近におきましては、JASマークが張られ、市販される製品について、農林省の機関でございます、先ほどお話しのありました輸出品検査所が買い上げテストなどを行なっております。この結果に基づいて、登録格づけ機関の指導、監督につとめておるわけでありまして、この面からも、公正かつ適切な格づけが行なわれるように指導してまいりたい、このように思っております。
○長谷部委員 お約束の時間でございますから、これで終わります。
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林物資規格法の一部を改正する法律案について、農林大臣並びに関係当局にお尋ねをいたします。 本改正案は、昭和四十三年消費者保護基本法の制定と、その際付せられたところの消費者保護の強化に関する件の附帯決議により、政府に対する要請を実現するために、国民生活上必要な農林物資を中心に、従来の規格が、食品工業等の健全な発展に重点が置かれて制定されていたものを、消費者保護のため品質表示を適正化して、消費者が選択しやすいようにするなど改正されて提案されておりますが、まず最初に確認をいたしたいことは、この格づけ方法の統一ということと、今回の改正案の最大の目的でありますところの品質に関する表示の制度、すなわち品質表示の基準というものについてお尋ねをいたしたいわけであります。 言うまでもなく、品質の表示の標準というものは、品目、内容その他ございますが、略語の問題とか、まぎらわしい表現等の禁止というような問題等があるわけでございますが、この点について最初にお尋ねをいたしたいと思います。
○小暮政府委員 今回のこの法律で表示を義務づける権限を政府に与えていただくわけでございますが、その際の表示の基準につきましては、一般消費者が農林物資の購入に際して、希望する商品が的確かつ容易に選択できるように表示しなければならないというように考えますので、わかりにくい略語等は、原則としてこれを採用しない、また貯蔵方法等につきましても明記するというふうに消費者の選択並びに消費者の購買活動に対する保護という目的が十分発揮できるような表示の基準をつくりたいというように考えております。
○瀬野委員 さらに等級という問題について、今回の改正で規定はなくなったわけでございますが、必要に応じて等級を設けるということは差しつかえないという解釈だと思うのです。そこで品質の基準の内容である等級について、大衆物資に対する関心を上級品に誘導するという結果におちいるというような憂いがあるのでございますが、和洋酒類などの製品は、すべて等級をつけることが従来から親切であるとされておりますし、等級を設けることが、本制度の真の姿であるという意見もあるわけでございますが、この点について、政府の考えを明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 JAS制度が、かつて原料農産物あるいは合板といったようなもので発足しました当時の構成としては、等級ということを法律でうたっておったわけでございますが、その後加工食品等に仕事の重点が移行してまいりました。加工食品につきましても、規格によって等級を示すということではなくて、むしろ品位、内容を明示するというのが規格の本旨でございますので、等級という表現はやめたわけでございますが、ただ消費者がかん詰め等の中を全然見られない、中を見通すことのできない食品につきましては——中にたとえばモモが二つ割りで入っているのか、四つ割りで入っているのか、あるいは昨日も申しましたように、かま傷なり折損のないタケノコが入っているのか、そういういわばすそものも入れて安いものをつくったのか、そういうことがきわめて明快にわかるように表示する必要があるだろう、そういう意味で、統一品目について、幾つかの規格をつくるということは、制度の目的から十分出てまいるというふうに考えております。
○瀬野委員 次に、都道府県が行なうところの格づけにつきまして、従来各県が各個に条例で定めていたのが実情でございますが、これを改めまして、都道府県が行なう場合についても、今回省令で定める方法で統一して全国を一本にしようというものであり、これによって格づけの検査の制度をそろえることになるとされておりますが、一例をあげますと、木炭の格づけのような場合に、従来自主検査というものをやっておりましたが、木炭も当然この対象になるわけでございますが、この場合に、県は条例を改正するということになると思いますが、これの検査手数料というものが従来どおりなのか、今後どういうように考えられるのか、この点について明確にお伺いいたしたいわけでございます。
○小暮政府委員 都道府県が関係しております品目は、比較的わずかでありますが、しかし、これらのものについて、各県それぞれの条例で規格のきめ方を定めるということでなしに、農林省の責任において全国統一の規格をつくるという趣旨でございまして、そのことのために何か二重の構造になって、県の仕事が複雑になるということは一切ございません。規格のきめ方を国の責任で明示するということでございます。したがいまして、本件改正との関連で手数料等が実質的にふえたりいたすことのないように関係県を十分指導いたしたいというように考えます。
○瀬野委員 登録格づけ機関のことについてでございますが、全国延べ三十機関で実質二十四機関になっておりますけれども、その中で木炭については、四十一年の登録で新潟県の木炭協会一つだけになっておりますが、今後各県の木炭協会等も、格づけ機関に登録するようになるのか、またこれについては、どういうふうになさるのか、積極的に推進されるものか、これらのことについてお伺いしたいのであります。
○小暮政府委員 木炭の場合には、御承知のように、その生産を次第に縮小いたしておりますので、かつて木炭の非常に大きな生産高を占めておりました場合と同じような仕組みを各県が持つということは、別の意味で経済的に無理があろうかと思います。したがいまして、これらのものが、地域によって逐次整理されることはやむを得ないというように考えております。ただ北海道等の例で申しますと、林産物の道営検査を昨年廃止いたしましたけれども、北海道林産物検査協会が登録格づけの仕事を肩がわりするというようなことで実際的に処理いたしているようでございます。これらの点につきましては、今後各県の実情を十分把握しながら適切な指導につとめたいと考えております。
○瀬野委員 次に、今回の改正で、輸入品についてもJASを適用することになったわけでありますが、輸入港の倉庫から出庫するまでの間に、輸入業者の申請に基づいて検査、格づけをするということについては、昨日も問題が提起されて、一応了解をしたものでありますけれども、一度輸出した品物は、自国で検査をして出したものであります。実際に輸出の際に検査をして出したものと、検査をせずに出てくるものとあるわけでありますが、どちらがウエートを占めておるか。また検査を自国でやって輸出した場合の品物について再び輸入国で検査をし、格づけをするということは、業者としてはあまり喜ばないという点が心配されるわけでありますが、この点についての御見解を承りたいのであります。
○小暮政府委員 輸出国側は、やはりその国の産品の海外での声価の維持という観点から検査をいたすわけでございまして、輸入国側といたしましては、自分の国内の流通という角度から、これを国内法規に即してチェックするわけでございますので、これは入れるほうと出すほうと両方でそれぞれの立場から検査するということはやむを得ないと考えます。
○瀬野委員 次に品質基準の水準についてお尋ねしておきたいと思います。 現在のJAS製品のうち加工食料品の規格、品質の基準の定め方としまして、加工食料品の品質が順次向上しておることにかんがみまして、それに見合ったところの品質基準を検査の基準としておるわけでございます。したがって、JAS製品は全加工食料品の平均的水準が若干それよりも高いということが言えるわけでございます。そこで最低の品質を保証すべきか現行の水準でいくか、一がいに判断のできないところでありますが、この点の見解はどういうふうになっておりますか、お伺いしたいのであります。
○小暮政府委員 加工食品の態様によりまして業界の姿勢もやや違いがあるようでございますが、私どもきわめて積極的にこの問題と取り組んでおるというふうに見ております一、二の業界の例で申しますと、できるだけ多くの関係業者にJAS規格を守ってもらいたい、JAS規格に参加してもらいたい、こういう角度からはあまりにも高きを望まないほうがいいという要素が一つございます。しかし品質そのものは次第に向上しますし、消費者の選択の利便に供するために格づけし表示するわけでございますから、時代の進展に伴って内容を逐次上げていくという必要がございます。そこで、できるだけ多くのものに参加させるためにかつてある規格をつくりまして、その後業界で切磋琢磨しまして、平均水準が上がったということを確認して、近く規格の内容をさらに向上したいと考えておるような業界もございます。こういったような形が望ましいのではないかというふうに考えております。
○瀬野委員 生鮮食料品の取り扱いについて一点伺いたいと思いますが、工場生産によって生産される品目が中心になっておる関係で、JASとはあたかも加工品の規格であるというような印象を一般に与えております。今後それらの加工品と並んで果実の生鮮食料品または水産物等いわゆるなま魚に対する規格化ということについてJAS規格の制定というものを今後検討する必要があると思うのですけれども、この点の御見解はどういうふうになっておりますか。
○小暮政府委員 全くのなまのものにつきまして、これを小売り段階の姿を把握する形で規格化することは、昨日も申しましたように技術的に非常に無理がございますが、ただ今後の問題といたしましては、たとえば生産者団体等が本格的なプレパッケージの仕組みをこなすというような形が出てまいりますと、その包装規格といったようなものを軸といたしまして、消費者にその内容、量を安心して識別してもらうというような問題が当然日程にのぼってくるかと思います。 それから冷凍食品につきましては、ただいま特に冷凍魚につきまして、協会において真剣にその規格化について自主的な検討を始めておりまして、これも先ほど申しましたように、いきなり高い水準に一気に持ち込みます前に、ここ若干の期間協会が自主規格というものを行ないまして、その結果を見ながらできるだけ早い機会にその規格をつくりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 認定工場制について一点お尋ねをいたしたいと思います。 今回の改正で、十四条二項及び十五条の規定を新たに置くことによりまして、いわゆる認定工場制を法に明記されておりますが、この認定工場制によって、従来からとかくいわれておりました零細企業が圧迫されるというような問題、不当に差別を受けるというような心配はないか、この点御見解をただしておきたいと思うのであります。
○小暮政府委員 JAS規格の声価を維持いたしますためには、認定工場はかなり高い水準に到達したものでなければこれを認定しないというふうに考えます。しかし規格そのものにつきましては、中小企業も十分ついていけるような適切な規格をつくりまして、これについて指導いたしておるわけでございますので、この角度から中小企業が不当に圧迫されるという御心配は一切要らないと考えます。
○瀬野委員 次は報告及び立ち入り検査の問題について一点お尋ねをいたしたいと思います。 農林省は、ややもすると生産者側の味方になりまして、消費者のことをなおざりにするという一部有力な消費者団体からの批判があったことは、先日も論議されたところでありますが、これらの意見を軽視することなく、監視を怠らないようにすることが今後肝要でございます。したがって、一般消費者等から法第二十一条等の申し出があった場合に適切な処置を行なうようにすべきであることは当然でありますが、この法案が取り締まり法でないことから、農林省としても積極的に行なうことはできない面があるわけでございます。したがって、不当JAS製品があることを申し出た場合に、さらに進んで申し出る前に手を打つような十分な態勢を整えていくことが肝要であると思うわけでありますが、それらをどのように検討されたか、お伺いをしたいのであります。
○小暮政府委員 全く御指摘のとおりにいたしたいと考えておりまして、今回農林省設置法の改正の際にも、輸出品検査所に工場に対する立ち入り検査、指導等の権限を明記いたすようにお願いいたしております。したがいまして、消費者からの通報に基づいて検査することはもちろんでございますけれども、そのほかに私どものほうで計画を立てまして、輸出品検査所の業務に支障のない限り、できるだけ計画的に巡回検査並びに指導を行ないたいというように考えております。
○瀬野委員 次は大臣にお尋ねしたいのであります。ジュースの規格についてさっきもいろいろ触れられましたが、別な問題についてお尋ねします。 最近のようにミカンが過剰生産の状態にございまして、御存じのように農業の今後の発展、園芸振興という見地からも、従来のジュースという観念を改めて、もちろんジュースにはいろいろ規格がございますが、生ジュースというものがジュースである。いわゆるミカンの生産が今後ますます過剰になってまいりますので、そういった濃厚ジュース等を今後つくるということを農林省も打ち出しておられますが、こうした消費者の観念というものを変えていくということが大事ではないか。そして園芸の振興をはかるなり、また消費者保護の見地からもきわめて重要であると指摘いたしたのでありますが、この問題について農林大臣はどのように考えておられるかお伺いしたいのであります。
○倉石国務大臣 お話のございましたように、だんだん天然果汁がふえてまいるわけでございますが、果汁飲料につきましては、消費者保護の要請と果実の需要の拡大の見地から天然果汁と、果汁を用いた清涼飲料の区分をさらに明確にするという考え方に立ちまして現在JAS規格の改正を準備中でございます。
○瀬野委員 時間の制約があるそうでございますので、最後に大臣にもう一点お伺いしまして質問を終わることにいたしますが、本法は成立しましてから二十年になろうとしておるわけでありますけれども、本制度の運用の実績というものは全く現在まで不毛に近いという世論の批判を受けている状態でございまして、もし、真に消費者の保護を考えるのであれば、まず現行法のもとでその運用の強化をはかることが先決ではないか、このように私は思うわけであります。本来果たすべき行政責任を放てきして、新たな行政分野に手を出すというようなことは本末転倒ではないかというように関係者の中でもらわれておりますが、最後に大臣から、本法の改正にあたっての今後の考え方についてまとめて一点だけお伺いしたいのであります。
○倉石国務大臣 近年の加工食品の普及に伴いまして、消費者が安心して購入できるように、また適切な商品選択ができますように、その規格と普及と表示の適正化に対する社会の要請が強まってきていることはしばしばお話に出ましたところであります。私どもといたしましては、農林省の重大な仕事の一つとして消費者行政が厳として存在しているわけであります。したがって、そういう角度からさらに予算的にも人員的にも整備いたしまして、所期の目的を達成されるように努力してまいりたいと存じております。
○瀬野委員 以上で質問を終わります。
○草野委員長 他に質疑の申し出もありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○草野委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。鶴岡洋君。
○鶴岡委員 私は、公明党を代表しまして、農林物資規格法の一部を改正する法律案に対し、次の理由により反対の態度を表明するものであります。 まず第一に、本法は農林物資の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化及び使用または消費の合理化をはかり、あわせて公共の福祉の増進に寄与することを目的として昭和二十五年に制定され、すでに二十年を経過しておりますが、本制度の運用の実績は十分な効果をもたらしたとは言えません。政府当局に、国民の健康と利益を貫く姿勢があるとするならば、まず現行法のもとでその運用の強化をはかり、消費者に対し前向きの姿を示すべきであると思います。しかるに政府は本来果たすべき行政責務を放置して、新たな行政分野に手を出そうとしていますが、これは決して得策とはいえないと思うのであります。 第二に、今回の改正案において表示の義務化、品質基準の高度化、多様化をはかるなどとうたつておりますが、このような取り締まり行政を産業助長行政をつかさどる農林省が担当すること自体、私は納得できないのであります。アメリカにおきましても農務省と、それを監督する厚生教育福祉省の食品、医薬品局と明確に立て分けております。そのような点から考えましても、今回の改正が消費者の立場に立ったものとは思えないのであります。 第三に、現在わが国においては食品に関する表示の規制関係法律として独禁法、不当景品類及び不当表示防止法並びに食品衛生法がありますが、四十三年に消費者保護基本法が制定されて以来、これら関係法の抜本的整備、強化が要望されているにもかかわらず、本法改正案をもって既存の法体系に割り込んで表示制度を設けようとすることは、制度の統一化を害し、食品監督行政上の混乱をするもの以外の何も一のでも一ありません。 わが党は、食品監督行政に関する関係法を整理統合して、真に国民の健康と利益を確保していくことこそ急務であると考え、食品法を制定するよう推進しているのであります。 以上、幾つかの理由により本法律案について反対の意を表明し、討論を終わらせていただきます。
○草野委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより本案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○草野委員長 この際、芳賀貢君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。芳賀貢君。
○芳賀委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、ただいま議決されました農林物資規格法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 農林物資規格法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、食料品に関する消費者保護が諸外国に比して立ち遅れている現状にかんがみ、左記各項のすみやかな実現を図るべきである。 記 一 食品の規格は、食品のもっている多面的な性格にかんがみ、その安全性、栄養性、嗜好性、経済性等を考慮して統一的観点から定めなければならない。従つて、すみやかに統一的食品規制の制度を検討し、そのさいは、食品の製造基準、表示方法等についてあらためて統一的に強化すること。 二 食品の規格および表示に関する制度および行政機構が分立しており、種々の問題を惹起していることにかんがみ、食品に関する本制度の運用にあたつては、関係諸制度との連絡・調整を緊密に行ない、消費者の利益の保護に遺憾なきを期すること。 三 食品の品質および表示に関する監視体制が不備であることにかんがみ、政府の機構および人員を十分活用して、その充実を図ること。 四 本法により現在規格化されている食品のなかで、たとえば、果実飲料のJAS規格のように規格基準にあいまいなものが多く、原料生産者、消費者双方から苦情が寄せられているので、政府は、すみやかにすべての農林物資の規格基準について再検討し、その引上げなど適切な措置をとること。 五 農林物資の生産の合理化、取引の単純公正化及び使用・消費の合理化のため、すみやかに生鮮食品及び加工食品の包装材料、包装単位、容器の大きさ、量目等の基準を整備し、その標準化に努めること。 六 添加物問題の重要性にかんがみ、JAS規格の制定にあたっては、不必要な添加物の使用は、これを排除する方向で対処すること。 右決議する。 以上でありますが、その趣旨につきましては委員各位の熱心なる質疑を通じまして明らかにされておりますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○草野委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もないようでありますので、直ちに採決いたします。 芳賀貢君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと存じます。
○草野委員長 なお、ただいま可決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕
○草野委員長 次回は、来たる十一日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十二分散会