農林水産委員会 第21号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/27
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 芳賀貢君外十四名提出、農民年金法案及び内閣提出、農業者年金基金法案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。合沢栄君。
○合沢委員 まずこの制度の趣旨と目的でございますが、この制度の趣旨は農業者の老後の生活の安定と福祉の向上がそのおもな目的であって、同時に農業経営の近代化及び農地の流動化を促進するという国の政策目標を加味したものであるというように理解しておりますが、それでよろしゅうございますか。
○倉石国務大臣 その両方を兼ねておると私どもは考えておるわけです。
○合沢委員 そのように理解していいと思うのですが、第一条について先ほどの合同審査のときにも話があったのですが、私はそういうことが目的であるとするならば、はっきり第一条には前段の項は抜いて、むしろそのように後段の、この「農業者年金基金は、国民年金の給付と相まって農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資するとともに、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与することを目的とする。」というこの条項だけでいいのではないか。特に前段の「経営移譲及び老齢について必要な年金等の給付の事業」とか、あるいはこの基金の資金の運用の一部である「農地等の買入れ及び売渡し等の業務を行なう」といったようなことは必要ないのじゃないか。特にこの項については別項に事業の中に、十九条の中にも入っているわけなんです。「業務の範囲」という中に入っておるわけなんだから、すっきりとその前段は抜いて、むしろ後段だけでいいのじゃないか。前段は削除すべきだというように考えるのですが……。
○倉石国務大臣 それも一つの御意見だと思いますが、さっきからお話のございましたような目的で進めてまいるということを考えますので、第一条というのはわりにうまくできているのじゃないか、こういうふうに思っていますが……。
○合沢委員 前段は私は法の目的でなくて手段だろうと思うのです。後段こそ目的であって、前段は手段にすぎないじゃないか。目的はやはり農業者の老後の生活の安定、福祉の向上、農業経営の近代化、農地保有の合理化ということであって、そのための手段である事業として前段があるわけなんで、したがって、前段は削除すべきだ、そのことによってこの制度がすっきりするし、いいのじゃないかというふうに考える。重ねてお聞かせいただきたいと思います。
○倉石国務大臣 立案いたしました事務当局に一応見解を申し上げさせていただきます。
○池田政府委員 連合審査の場合にもいろいろ御議論ございましたが、この法律は基金法案ということになっているわけでございます。したがいまして、基金の目的ということになるわけでございますが、後段の目的だけでいいのではないかという御指摘でございますが、それでは、基金が直接的にどういう事業によりましてそういう目的を達しようとしているのかはなはだはっきりいたしませんので、こういう事業をやることによってそういう目的を達するのだということをはっきり書いたわけでございます。
○合沢委員 いまの答弁では私しっくりしませんが、この論議はもうこの程度にいたしまして、次に移りたいと思います。 この年金基金は保険仕法を導入して組み立てられておるというように考えるわけなんです。先般田中委員の質問もあったそうですが、その中で、経営移譲を保険事故とみなしているわけなんですが、はたして経営移譲というものが保険事故になるかどうか、この点についてもう少し見解をはっきりしていただきたいと思うのであります。
○橋本(龍)政府委員 御指摘のような御意見は、実は国民年金審議会の場においても出された一つの意見であります。これを明確化するために、私どもは所有名義の移転というものをその明確化の材料としてとらえました。こういうとらえ方をするならば、私どもは、当然保険事故として取り上げてもよろしいかと考えております。
○合沢委員 いまの答弁で私は満足できませんが、これはそのままにして次に進みます。 次に、これは一番この基金の問題点だと思うのです。初めから、各委員から質問があっているところですが、経営移譲をしない者は——当然ほかの年金の計算でも五分五厘の利回りを見ておるわけなんです。そうした場合には、四千円というものは支給すべきだ、支給できる。また農林省もその程度のことは支給すべきだという趣旨のもとに大蔵省に予算要求もしていると私は思うのです。ところが、大蔵省からその予算を削られて三千六百円になっている。その結果、経営移譲しない方は掛け捨てになる、四百円損するというような内容であるわけなんです。しかもこれが当然加入を強制されるということなんです。この点は私どうしても納得できないし、また加入される農家の方々も納得しがたい点じゃなかろうかというふうに考えるのです。その点、もう一度御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○橋本(龍)政府委員 また何回も申し上げて恐縮でありますけれども、私どもは、掛け捨てあるいは掛け損という考え方ではこれをとらえておりません。なるほど、六十歳で経営移譲をせられた方に比して金利の点で差異があることは確かでありますが、むしろ経営移譲というものをこの年金の支給開始要件としてとっております限りにおいて、その差異は私どもはある程度はやむを得ないと考えております。しかしそれにしても、別に掛け金の総ワクを割るわけでもありませんし、それに対して適正なる金利を、その中ででき得る限りの手厚い措置を講じていくつもりでおります。
○合沢委員 もちろん元金は掛け捨てにならないわけなんですが、他の年金等でも五分五厘の利回りを見ているわけなんです。五分五厘程度の利回りは国のいわゆる年金について当然見るべきだと思うのです。今日どこに定期預金しても五分五厘以上に回るわけなんです。それを強制するということでは、これは当然そういった方に対しては犠牲を強要するものだというように私は考えるのです。この理論は絶対正しいと思うのですがね。
○橋本(龍)政府委員 確かに一部分のみをそういうふうに御議論いただいた場合に、不合理であると言われてもやむを得ない部分がないとは申しませんということは、実は一番最初たしか長谷部委員にも私はお答えをいたした記憶がございます。しかしこの制度全体をごらんいただきたいと私は思うのでありますが、農業者に対する老齢年金あるいは脱退、死亡に対する一時金等、こうしたものもこの中には織り込まれておるわけでありますし、七百五十円の微収された保険料——国庫の補助だけでこの保険は運営をしていけないわけでありますし、従来の各年金等に対する国庫負担の利率をはるかにこえた四二・二一%という国庫の補助も行なっておるわけでありまして、その範囲内で行なってまいります限りにおいて、ある程度これはやむを得ないと御理解を願えるのではないかという感じもいたします。それと同時に、最初に申し上げましたように、経営移譲というものを年金支給開始の一つの要件といたしております以上、その要件を満たす状態でおられる方、その要件を御自分の意思によって満たされなかった方、その間に多少の差異が残ることは、私はやむを得ない措置ではないかと考えております。
○合沢委員 農業者全体あるいはまた国も四二%補助金を出しているという点はわかるのですが、かりに移譲したくても移譲できない方もたくさんあるわけなんです。そういった方々に犠牲を強制するということになろうと私は思うのです。これは加入するのは個人個人なんですから、しかもそれを強制するわけなんですからね。全体としていいから加入するというのでなく、個人に損させるのに強要する、強制するということは私は不合理だと思う。このことはそのとおり幾ら御説明があっても、いまの御説明では納得しがたい。実は私自身が農協の組合長をやっておるわけなんです。わずか千五百の組合員を持つ農協なんでございますが、しかしこの法案が出まして、私帰っていろいろ農家の方とも実態を調べてみたわけなんです。ところが現実の農家の実態というのは、御承知のようにほとんど兼業化されているわけです。二〇%は専業であっても、八〇%は兼業である。しかも今後兼業農家がはたして経営移譲できるかどうか非常に困難もある。それは兼業の実態はほとんどの者が、後継者が通勤でつとめている。そしておやじがもうだめになったというときはやめて農業をやるでしょう。それまではなかなか経営移譲しません。わずか一万六千円もらうために経営移譲する、そして月給取りをやめて自分の家に帰って経営者になるというようなことはほとんどないだろうと思うのです。しかも最近の情勢は、ますます政府の専業化という方向と反して、むしろ専業化は減ってきているという状態があると思うのです。なお農林省も、最近工業の地方分散といったようなことでそういった兼業の機会を多くしょうとしておる政策があるわけです。私は兼業化は今後ますますふえていくのじゃないかと考えられるし、そういった兼業化の進んでいく中ではたしてこの経営移譲というものがこの程度のもので促進されるかどうか。そうなると、過半数の者が経営移譲できなくして、そうして四千円もらうべきものが三千六百円しかもらわない。五分五厘の利回りに回らないという結果になろうかと思うのです。このことは総理が「農民にも恩給を」と言ったような、そういったものでなくなってくる。あの総理の発言以来、多くの農民はこの基金に対して非常な期待を持っていると思うのです。ところが、この法案の内容そのほか説明すれば、何だそういったものか、そういった農家に対する犠牲をしいるようなものをあえてやるのかというようなことで、私は多くの農家から相当強い批判が出てくるだろうというように考えるのです。私は是が非でも——これは少なくとも加入する農家にとっては損にならない、少なくとも五分五厘程度は回るということが前提でなければならないというように考えるわけです。こういう点についてもう一度御意見を聞きたいと思うのです。
○橋本(龍)政府委員 非常に、それこそ農家の実態をおつかみになった上での御議論でありますけれども、たとえば兼業という一つのことをとらえてみましても、その兼業農家の方々、その現在つとめておられる場所において厚生年金あるいは被用者年金に入っておられるならば、この対象とはならぬわけであります。この辺も十分御理解の上で御議論はいただいておると思いますが、損をさせるというお話をされますが、なるほど五分五厘という金利に回すべきであるという前提で先生御質問になれば、そういう言い方もできるかもしれません。しかし私どもは最初から申し上げますように、支給開始の要件として経営移譲というものをとってまいります限りにおいて、その要件を満たしていただく方とその要件を満たしていただけない方においてそれだけの差が生まれることはこの制度上やむを得ないと考えておりますということも実は申し上げました。これが御了承をいただけるかいただけないかはおのずから別の問題でありますけれども、むしろいま先生が御指摘になりましたような諸点は、これはただ単に農業者年金という一つの年金制度の中でだけ考えられるべき問題ばかりではなく、むしろ農業全体の中でほかの部分でお考えをいただくべき点も多々あるように思います。年金制度そのものとして考えますならば、私どもは支給開始の要件を満たしてくださる方々とそれを満たしていただけない方との間にそれだけの差異が生まれるということは、年金制度の中においてはやむを得ないというお答えを繰り返さざるを得ません。
○合沢委員 私は、支給の要件として、農業の経営移譲をする、六十歳にするということはわかるのです。また差のあることも、あっていいと思うのです。ただ問題は、その差ではなくして、五分五厘程度には回るべきではないか、加入する方を強制する以上は。五分五厘も回らない。どこにどうやって——民間の年金、保険でも五分五厘に回らないところはないのです。個人の定期にしても五分五厘回るのです。今度貯金利子の引き上げもあったわけです。それ以上に回るべきなんですよ。それが五分五厘に回らないということなんです。そういったことでいいかどうか。私は、六十歳の支給だとか、もちろんそういった経営移譲をスタートにするということはわかるのですけれども、差があることはあってもいいのですよ。ただ問題は、四千円くらいに回っていいじゃないか、だれでも考えますよ。そうお考えになりませんか。あなたも考えているでしょう。考えているけれども、あなたはやむなくそういった詭弁を弄しているにすぎないと思うのです。そんなばかなことは農民に理解できませんよ。私は帰りまして、農協の理事会をやって、またいろいろな青年同志会の会合を開いた。各部落の代表を七十何名集めました。そしてこの趣旨を話したのですよ。そんなばかなことがありますかと言っておるのですよ。私はこの制度の趣旨を決して悪いとは思わない。これをよりりっぱに直したいと思うのです、農民も期待しておるのですから。しかし農民に犠牲をしいるような内容で発足させるということはたいへんだと思うのですよ。これは自民党の政府にとっても損ですよ、こんなものは。総理が言った「農民にも恩給を」という趣旨に反しますよ。これは、自民党の国会議員をたくさん知っております、そういう方とも話してみました。全部ではないですが。これはまずいということを言っておるのを御存じないのですか。これだけ知っておいてくださいよ。そうしないと——これは農民に犠牲をしいる結果になっておるのですから、これだけははっきり修正をお願いしたいと思うのです。
○橋本(龍)政府委員 ただいま私の立場において個人的な見解を申し述べるわけにはまいりません。そして現在法律案の御審議を願う過程におきまして私として申し上げられることは、私どもは今日の時点としては最善と考えてこれを御提出いたし御審議を願っておるということであります。
○合沢委員 それではこれは私は強く要望しておきます。 それから次に経営移譲の——先ほどの委員会でもちょっと御説明があったのですが、私は聞き漏らしたのですが、現実の経営移譲の六十歳までの率の今後の見通し、それから六十歳から六十五歳までの現状と、それからこの法が適用された場合、成立した場合の見通しの率をもう一度お聞かせ願いたいのです。
○廣瀬政府委員 この財源計算の基礎要件について申し上げますが、経営移譲率につきましては、六十歳時点におきまして現在一四・二%となっておりますのを二五%まで促進するという前提を置いております。それから六十歳から六十五歳までの五年間の経営移譲の割合は、現在三〇・二%でございますのを三八・九%まで促進するというふうに推定しております。その他死亡率あるいは有後継者率、いろいろこまかい調査に基づきまして計算しております。
○合沢委員 見通しはわかりました。 次に、御質問しますが、現在の予定されておる加入者は二百万、その二百万の中で、はたして現在親が農業をやって後継者も農業をやっておるというようなものが何名あるかわかりますか。現在二百万と予定されておるこの加入対象者の中で実際農業に従事しておる者がどの程度あるかということを聞きたい。
○廣瀬政府委員 数理課長からお答えいたします。
○淵脇説明員 この年金計算につきましてはいろいろな基礎率が必要でございますが、ただいまお尋ねになりました有後継者率と申しますのは農業者年金制度実態調査を昭和四十四年に農林省で行なわれておりますが、五十歳から五十四歳までの人で後継者のある方が七五%、五十五歳から五十九歳までの方が七七%、六十歳から六十四歳までの方が八四%という有後継者率のもとにおいて計算されております。
○合沢委員 私はそういった質問をしてないのですよ。有後継者といっても——有後継者というのは何ですか。実際働いておるのですか、それともよそへ通勤しておるとか、またよそへ行って働いておるとかいろいろあると思うのですが、有後継者だけではよくわからない。私が質問しておるのは、この推定の中で二百万人が対象とされておる。その二百万人の中で何人が実際現在後継者としてやっておるか。だからさっきの質問の中に関連しておるわけですよ。二百万人の中で何人が実際後継者として農業に従事しておるかということを聞いておるのですよ。
○池田政府委員 これは四十年の数字のようでございまして、新しい資料がちょっとないのでございますけれども、私どもの手元にありますものでは、農業に専従している後継者というのは約四十五万程度ということだと思います。
○合沢委員 いまの答弁は私の質問に答えていませんので、後日出していただきたいと思います。あしたでもけっこうですから。いまのは答弁になっていないのです。二百万の対象にしているものの中で何%が実際後継者として就業しているかということを聞いているのです。そのことは、先ほどの見通しの中で従来は一四・二%あるいは三〇・二%の経営移譲ということを言っている。それに対して見通しとして二五%、三八・九%になると、それは当然その二百万に対する数字があるはずなんです。そうすると質問できるのですが、それが出ないのであれば、後日ひとつ御提出願いたいと思います。 それから次に進みます。今度のこの基金は移譲年金の制度のウエートが非常に高いということなんで、このことは国の政策だと思う。そういった政策が強く入っておる。そこで、この部分については三分の一の補助制ということが想定をされておるわけですが、私は、やはりこういった政策については、三分の一じゃなくして、全額この分については持つべきではないか。別に今後十年間に離農する者については、十五万あるいは三十五万という金額については全部国が持つ、これは政策なんだから、同じようにやはり農業の近代化をはかっていくということで、政策で打ち出すところのこの移譲年金分については、三分の一じゃなくして国が全額持つべきだというように考えるのですが、これについての見解を聞きたいと思う。
○池田政府委員 これはいまさら申し上げるまでもございませんけれども、経営移譲を要件としているわけでございますから、経営移譲した人には経営移譲後の老後生活の安定に役立たせるということでございますから、ある意味では老後の保障にそのままつながるものでございますから、それに対して国が全額を負担するということは、必ずしもそうしなければならぬというものではなくて、やはり国が必要な限度において助成をするというのが一番考え方としてはそういう考え方になるのではなかろうかと思います。
○合沢委員 国が必要とする限度を三分の一というように見込んで、三分の一の助成にしたということになろうかと思うのです。午前中の合同審査の際にも発言がございましたけれども、石炭鉱業の年金基金、これは政策年金だと思うのです。この分についてはトン幾らというようなことで国が助成して、そして企業家のほうが全額基金を出しているということなんですね。この国が出しているトン幾らの助成と、三分の一の比率をどのように考えているかという点をお聞きしたいのです。
○橋本(龍)政府委員 石炭鉱業年金に対しましては、それこそ給付企業自体は全額事業主に御負担を願っております。国が出しておりますのは事務費の一部、その助成のみであります。
○合沢委員 国は事務費の補助金は基金に対しているのであって、企業主に対するトン幾らという補助金は企業主のほうの全額負担の財源になっておるというように解しているのですが、そうじゃないのですか。
○橋本(龍)政府委員 給付企業は全額事業主の負担であります。 なお、本年度の数字を申し上げますと、事務費に対する補助金は一千万円でありまして、これは総事務費のうちの約四分の一程度の金額であると考えております。
○合沢委員 私はそういった質問をしていないのです。トン幾らの補助金は事業主全額負担の財源になっておるのではないかということをお聞きしておるのです。
○橋本(龍)政府委員 厚生省としてはあくまでも給付に対して一切助成はいたしておりません。
○合沢委員 質問の答弁になっていませんが、これでこの問題を打ち切ります。 次に、移譲、老齢、死亡、脱退等についてそれぞれその掛け金を六百八十円、五百二十六円、九十二円という説明がございました。この六百八十円なり五百二十六円なり九十二円という金額を算出した基礎資料というものがあろうと思うのです。これはきょういますぐ出していただきたいのですが、出していただけますか。
○廣瀬政府委員 これを算出する基礎資料と申しまするより、考え方について先にお話ししたいと思います。
○合沢委員 考え方は要りません。基礎資料だけ……。
○廣瀬政府委員 それではちょっと数理課長から説明します。
○淵脇説明員 ただいまの数理計算の基礎の内容でございますが、これは年金仕法によって計算するわけでございまして、一番重要なことは、まず一番先に加入人数でございます。これは昨日配付をいたしましたように、五十五歳の加入員数二百万人ということで算定しております。それから一番大切なことは、加入者がどのように経営移譲していくかという移譲率の数字でございますが、これは現在における経営移譲というものを昭和四十四年に厚生省で、この計算をいたしますために、農業年金基礎調査というものを四十四年の五月末で農家約二万六百世帯について調査いたしたわけでございますが、この二万六百世帯の集計結果から、その経営移譲の率というものを算定いたしまして、それを国民年金審議会の農民年金の専門部会の先生方、学識経験者の方々と御相談を申し上げまして、この年金制度を実施いたしましたときに、その経営移譲率がどの程度に変化するかということをいろいろな方面から研究していただいたわけでございます。その結果、現在における経営移譲率の年齢の分布が五歳程度早まるというような仮定から、先ほど局長が答弁いたしました六十歳時点の経営移譲率一四・二%が二五%に上がるということで計算されるということでございます。 なお、このほかに加入者の中にはもちろん死亡していくものもございますし、その計算もしなければなりませんが、その死亡率は第十二回の国民生命表を使っております。 なおまた、実際に離農なさる方がおられるわけですが、この離農につきましては農家就業動向調査というのがございまして、これによりますと、離農率というものは二十歳で五・四%、四十歳で二・〇%、五十歳で一・一%という数字が出ておりますので、この脱退、離農といったもののかみ合わせで脱退残存表というものを作成いたしまして、それをもとにいたしまして年金計算を行なうわけでございます。なおこの場合にも、先ほど申し上げましたように、有効傾斜率というようなものもこれに加味して計算するわけでございます。現在の農業経営主と後継者との年齢の格差は平均で二十八歳ということによって計算いたしております。このような基礎資料を使いまして、保険計算によりまして保険料の千二百九十八円というのが算定された次第でございます。
○合沢委員 いま程度の説明では不満足なので、それぞれ六百八十円、五百二十六円、九十二円というのは別々の計算になっておると思うのです。それぞれのファクターがあろうと思うので、私が六百八十円が納得できるような、また五百二十六円、九十二円が納得できるような基礎データを、ひとつ後ほどでけっこうですから、いただきたいと思います。 それから次に進みます。五十五歳以上の方は該当しないということなんですが、こういった方が離農する場合にはそれぞれ十五万あるいは三十五万というような離農一時金を支給するということになっております。ところが五十五歳を過ぎて離農して再就職することはきわめて困難だろうと思うのです。年齢が年齢でございますので非常に困難だ。そういった方が一体どの程度あると見込んでおられるか、それをお聞きしたいのです。
○池田政府委員 現在農家が約五百三十五万戸あるわけでございますが、その中で前回御提出申し上げた資料にもございますが、五十五歳以上の方が約二百万、百九十五万七千ほどございます。
○合沢委員 そういう質問はしていないのです。当然国民年金にも加入しており、そして五十五歳以上であるために加入できない方、そういった方は基礎数字はあるはずだと思うのです。五十五歳以上で当然国民年金にも入っておる方で、将来脱退というか離農一時金として支給される者はどの程度見込んでいるかということなんです。
○淵脇説明員 第一種農家でございますが、国民年金に加入しまして五十五歳の方は四十五万程度となっております。
○合沢委員 私の質問の答弁にはなっておりませんが、後ほど調べてほしいと思うのです。もう一度質問内容を申し上げましょうか。いいですか。後ほど資料をいただきたいと思います。
○小沢(辰)委員長代理 いまの質問の趣旨わかりますか。
○池田政府委員 わかります。
○合沢委員 私は実際問題として五十五歳以上でそういう対象になる方はきわめて少ないだろうと思うのです、年齢が年齢だから。しかし離農する方には十五万あるいは三十五万のそれぞれ離農給付金を支給するということですが、こういった五十五歳以上の年齢者は三十代というか四十代というか、戦後の最も苦しい食糧危機に努力されて今日まできた方で、むしろこういった方々こそ私はこの年金の対象にしてあげるべきではないかというふうに考えるのです。特に五十四歳、一歳違ってどうにもならないといったようなことなんです。当然こういった方々には差はあってもいいと私は思うのです。移譲した場合には、一万六千円が年齢別に幾らか下がっても、やはり加入の対象にすべきじゃないか、またすべきだろうというように考えるのです。この点についてひとつ御意見を聞きたいと思うのです。
○池田政府委員 先ほどお尋ねがあったこと、十分でないと思いますが、いま五十五歳以上で離農給付金の対象になります者は、農地の処分をいたしまして離農をする者、こういう前提でございます。それを予定しておりますのは、年間一万四千人くらいを一応予定いたしております。ただ、これは将来の事態によりまして、過去のデータからは一応その程度の想定をいたしておりますけれども、促進されるということもあり得るわけでございますので、そのあたりはまだしかとはわからないわけでございます。 なお、ただいまの御質問でございますが、五十五歳以上の方で、従来農業に精進してこられた方に対して、年金に入れないということだけで、離農した場合給付金の支給対象になる方は一応別にいたしまして、その他の方にも何らかのやはり手当てをすべきじゃないか、こういう御質問だと思うわけでございます。それにつきましては、国民年金との関係がいろいろあるわけでございます。一般的な老後保障としては国民年金の体系の中に入るわけでございますし、それから私ども農業面からいたしますと、離農をいたしましてその農地を規模拡大に役立たせたという限りにおきまして、これは農業構造の改善に寄与するという意味で離農給付金を出してお手伝いしよう、こういうことでございますから、依然として農業をやりながらそれに対して何がしかの手当てをするというのは、他のいろいろな事業とのバランス等からいいましても、なかなかむずかしい問題でございます。
○合沢委員 五十四歳までは適用になるということなんですね。そして一歳違えば適用にならないということなんですね。どうもいまの答弁では答弁になっていないと思うのです。そういうことで、とにかく五十五歳以上の方が同じように農業を移譲する。六十歳までかけて、六十歳になったから後継者に移譲する。この移譲というのは国の政策なんですが、かりに移譲しても、その方には移譲年金も何もなし、しかも移譲しなくて六十五歳になっても、もちろん年金はないということなんで、そういうことに対して、いまのは御答弁になっていますか。
○池田政府委員 どういうふうに御答弁申し上げたらよろしいのかと思っておるのですが、年金仕法というものをとりますと、現在拠出制の年金でございますから、一定期間拠出をいたさないと、年金の中にはなかなか入れないわけでございます。そうすると、そこいらの拠出期間を幾らに見るかという問題がございまして、これはやや年金の技術の問題にもなるわけでございまして、国民年金審議会でもいろいろ議論がございました結果、大体最短五年くらいの拠出を満たさないと困難ではないだろうか、こういうことで五十五歳という線が引かれたわけでございます。そうすると、五十五歳以上の人に対する措置が全く欠けるではないかという一方の問題がございまして、それにつきましては、確かにそうでございますので、私どもはやはり離農したいという方を援助するという意味におきまして、離農給付金というものを仕組んだわけでございます。ところで、離農しないで農業をやりながらその手当を受ける、こういうことになりますと、これは他の業種とのいろんなバランス等も出てきまして、老後保障の充実という目的で考えなければならぬ、農業政策という面ではなしに、どっちかというとそちらのほうの面になりますので、これは非常にむずかしい、こういうことを実は申し上げたかったわけでございます。
○合沢委員 言わんとするところはよくわかりましたが、実は御存じのように、先般四月二十二日に、全国の農業会議ですか、また各県のこの制度を促進するための連絡協議会があるようですが、一緒になって、大会等が開かれて、要望書が参っておりますが、その中でも、やはり戦後一番苦しいときにやってきた、こういった五十五歳ぐらいの方々に対しても何とかひとつこのせっかくの制度の恩典に浴するようにしてほしいという要望等もあがっておるし、もちろん農協系統としてもぜひとも五十五歳以上の方について考えてほしいということなんです。 〔小沢(辰)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 年金として五年間あけるというようなこともわからぬではないのですが、もっといろんな社会情勢というか、特に戦後の食糧危機に苦労した方々に対するものを何も政治として考えなくていいのかどうか。わずか——おまえたちは田畑を売ってしまえば離農一時金を十五万円やるぞ、あるいは三十五万円やるぞといったようなことは、政治としてはどうだろうかというようなことを私は考えるわけです。そういう点で、やはりあたたかい政治の意識が働いていいんじゃないか。しかもこれが永久に続くものじゃないので、今後はもうなくなる一時的な措置なんですね。一時的な措置でもあるし、ぜひこれはひとつ入れていただくように私は要望したいと思うのです。 それから、それは御要望申し上げておきますが、次に、移譲に伴う登録の問題なんですが、この対象になるものが約二百万人というようにいわれておりますが、この二百万人の中で、現在農耕地が経営者の名義になっているものがはたして何%あるのか。実は私も自分でおやじの農耕地を登録したんですが、調べてわかったのですが、じいさんからひいじいさんの代のものがそのままになっておるわけですね。いろいろめんどうな手続をして私の名義に登録はしたわけですが、そういうことで、登録してないのが大部分じゃなかろうかと思うのですね。一体現在の経営者の二百万の中で、何%が名義になっておると見込んでおられますか。
○池田政府委員 これは農地の全部が経営者の名義になっている方と一部だけ、かりに一ヘクタールなら一ヘクタールありまして、そのうち半分程度が経営者の名義になっている、その残りは先代の方の名義になっているとか、いろんなケースがあるので、非常につかまえにくいわけでございますが、ごく荒っぽい数字で申し上げますと、何がしかとにかく経営者の名義になっている、かりに一ヘクタールのうち二反ぐらいはその経営者の名義になっているというものまで加えますと、約八七%ぐらいが経営者の名義になっているわけでございます。ただかりに一ヘクタールのうちの半分以上が経営者の名義になっておるというものを拾ってみますと、実はもうちょっと率が落ちるわけでございまして、ちょっと正確ではないかもしれませんが、大体七五%前後であったと思います。
○合沢委員 私は、私の例から見て、また自分の町の状況から見て、相当数のものが経営者の名義になっていないというように判断するわけなんですが、しかしこれは今後やはり経営者の名義にならないと、この年金の対象に簡単にはならぬと思うのですね。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 そうすると、全国的には相当多くの登録が行なわれなければならぬと思うのです。それに伴って、当然費用が要るわけなんです。税が……。どうですかね。これはやはりスムーズに促進するという立場から、この加入のために登録するような場合には、一定期間を限って登録税を免除するとかなんとかといったような措置について、大蔵省と協議する意思はございませんか。
○池田政府委員 私どもは、いまお話しのように必ずしも名義になっていない場合がございますが、これはいままでその必要がなかったからそうなっていたという気がいたすのでありますが、この制度がかりに施行されますならば、確かにお話しのように名義変更をするというケースが出てくると思います。 まあこの農業者年金に関します税の優遇措置につきましては、実は四十六年度におきまして、全般的に税務当局と御相談をしまして、適当な優遇措置を考えたいということを寄り寄り話をいたしておりますが、ただいまの税金の問題は、実はまだ具体的な結論を得ておりませんけれども、十分ひとつ相談をしてみたいと思います。
○合沢委員 それから先ほどの死亡及び脱退一時金の関係ですが、これは加入者が十年以内に死亡したような場合、または脱退した場合は一時金となっておりますが、十年の場合が十一万円ですか、幾らかですか、そのときの金額を教えていただけませんか。
○廣瀬政府委員 一時金の年金額は、法律の別表にございますが、十年以上十一年の場合には十二万五千円でございます。
○合沢委員 そうすると、加入しなくて五反歩未満で——任意ですから、加入しない。そうして十年以内に離農した場合は十五万円もらえるわけですね。そうすると、加入しておいて、しかも強制加入させておいて、なくなったとか脱退するという場合には十二万五千円ということなんで、この辺非常に不合理だと思うのですが、この点について御見解を承りたい。
○池田政府委員 不合理という御指摘でございますが、脱退一時金の場合は、過去におきまして積み立てましたものに一定の利子をつけて返す、こういう計算でそういう金額が出てまいるわけでございます。ところで離農給付金は、これはやや観点が違いまして、三十五万円と十五万円の二通りの額がございますけれども、いずれにいたしましても、離農を促進、援助をするということで、まあ離農によりまして老後のいろいろな不安があるようなことに対して何がしかのお手伝いをしようということで、五十五歳以上の方は三十五万円、もちろんこれは五反以上でございますけれども、その他の方は離農によりまして財産整理等をする、その場合の損失の一部をお手伝いしょうということで十五万円、こういうことが出てきておりますので、実はその観点が非常に違うので、一概にちょっと比較をして議論をするというのは非常に実は議論の対象にしにくい問題だと私ども思うわけでございますが、しいてその年金に入っている方が非常に不利ではないかという議論でございますならば、年金に入っている方は、当然農業経営を将来ともやるという方を大体頭に置いて考えているわけでございまして、そういう方が一定の年齢に達しまして経営移譲をすれば、それに対する給付もございますし、さらに六十五歳以上は老齢に対する給付もありますので、そういうものを総合して考えてみれば、年金加入者が非常に不利な扱いを受けているということには決してならない。ただ、かりに十年脱退というようなケースだけをとって考えますと、先生おっしゃいますように、若干そういう感じが出てくるのではなかろうかと思います。
○合沢委員 私は不合理があると思うのです。というのは、十年以内に加入しない方がやめられる場合には十五万円あるいは三十五万円なんです。そして、加入している方で同じように十年以内に農地を処分して離農するという場合は脱退になると思うのです。だから離農を促進するという国の政策とは合致すると私は思うのです。そういう方は当然やはり加入しなかった者との差があっていいなんという理屈はないと思うのです。この点がはっきり矛盾しているというふうに私は思うのですが、それでもなお矛盾していないと言えますか。
○池田政府委員 先ほど申し上げましたような基礎的な考え方があるわけでございまして、私どもは農業者年金に加入している方は当然農業を継続する、一応こういう前提で原則的には考えておるわけでございますから、そういう方について六十歳以降の給付なり六十五歳以降の給付に重点を置きまして、そのあとの生活に支障がないように、こういうねらいでございますので、かりに十年だけのところをとらえて比較をされますと、金額的に若干そういう点はございますけれども、これはいわば非常に例外的なものであるというふうに実は考えておるわけでございます。
○合沢委員 十年をとらえていってと言いましたが、じゃ十年をとらえてみるともっと悪いのですね。二十年をとらえてみると、利回りは四・三%にしかならないのですね。それから三十年をとってみると、一時金は三%にしかならないのですね。それで、二十年たってなくなった場合は、金額と利回りを見てみると四・三%にしかならぬ。やめた場合、離農した場合あるいは死亡した場合、一時金は四・三%、三十年の場合には三%にしかならないということなんです。これはどうお考えですか。
○廣瀬政府委員 利回りの点につきましては、ただいま御指摘のとおりでございます。 なぜそういうふうになっておるかと申しますと、先ほども農林省のほうからお話がありましたように、この基金の主目的は経営移譲、それからその後の老後の保障ということが主目的でございまして、この中心は老齢年金が主目的でございます。ただ、途中で死亡されたり、あるいは脱退された場合には、やはりそれまで掛け金を掛けておられたわけでございますから、それ相当の一時金を出すということをしておるわけでございますが、その一時金の考え方にはいろいろな考え方がございまして、必ずしも掛け金の長短に関係なく、死亡の場合には死亡一時金とか、あるいは途中の脱退の場合にはせんべつと申してはなんですが、そういうような気持ちで一時金を出すというような考え方もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、掛け金を割るということは非常に申しわけないことでございますので、経営移譲年金に重点を置きまして、その残った分につきましてその範囲内でできるだけの利回りを出す、そういうことで、必ずしも掛け金の長短に一定の利率を掛けたという金額にはなっていないわけでございますが、あまり長短に関係なく、しかし、その長短をある程度考慮して一時金を出そうという考え方でこういうふうになっておるわけでございます。
○合沢委員 この制度が強制になっていないならば、私問題ないと思うのです。国の法律によって当然加入で強制されておるのです。しかもその利回りは、先ほどの場合は移譲しない方は五分五厘にも回らないということなんです。これに問題があった。ところが今度はそうではなくして、二十年掛けた、死亡したというような場合に、これは四分三厘なんです。これは残った方は奥さんや子供が残るのでしょうが、まことに気の毒と思うのです。農業者のために、農業をやろうとしておる方なんです、こういう方は。そういった方があとで困るということを、当然四分三厘程度の利回りにしかならないような一時金というのは気の毒じゃないか。これは強制しておるのですよ。国が法律で強制するものが四分三厘でいいのか、あるいは三十年掛けて三%でいいのか、これは酷だと思うのです。こんな内容を農民が知ったらどう言いますかね。これはいい法律だと喜んで加入しますか。喜んで加入しないものを強制させるのですか。もう一度御答弁願いたいと思う。
○廣瀬政府委員 この年金は、御承知のように経営移譲した場合の年金、それから経営移譲しない場合でも六十五歳以降の年金、それからいまお話しの途中の死亡、脱退一時金、この三種類の給付があるわけでございます。それを原価で計算いたしますと、必要な経費が、先ほどもお話に出ましたが、千二百九十八円、これは保険料と国庫負担を入れた所要財源でございます。これでこの三種類の給付をまかなうわけでございまして、結局この財源の配分になるわけでございますが、この財源の配分をどういうふうにするかという年金設計上の問題がございます。この場合には、私どもはやはりこの制度をつくった趣旨にかなうように、必要なところへはたくさん財源を配分するということをしておりますので、主たるところへは多くの財源を配分しますと、従たるところには財源の配分が少なくなるということはやむを得ない点でございまして、そういうような関係で、ただいま申し上げましたようなことにならざるを得ないわけでございます。
○合沢委員 私は、ならざるを得ないというかどうか、そういうことを聞いてはいないのですが、大体私の言わんとするところはわかったと思うので、それについてはこれ以上追及をいたしません。 次に、私は角度を変えた別な質問をしてみたいのですが、この年金は職域年金だというように理解していいと思うのですが、そうでございますか。
○橋本(龍)政府委員 私どもは職域年金とは考えておりません。というのは、国民年金という制度の上に上積みされた一つの必要やむを得ざる年金制度でありまして、むしろこれは国民年金を本体とした付加年金の性質を非常に多く持っております。ただ、農業というものを一つの職種としてお考えになります場合には、これは職域年金の性質も当然備えているということは申せます。
○合沢委員 これは私は本会議の代表質問でも申し上げたのですが、農業の実態からしてこういった年金は考えるべきではなかろうか。そうした場合、やはり農業にほんとうに従事しているその現実の日本の農業の姿は、かあちゃん農業が多いわけなんですね。そういった農業に従事しているかあちゃん、奥さんを全然度外視するということですね。私はやはり一緒に見ていいんじゃないかと思う、実際の現実の姿から。そういう点について、私は実態に合わないような気がしてならないのですが、この点もう一度御答弁願いたいと思います。
○池田政府委員 これはもういまさら申し上げるまでもございませんけれども、この制度は要するに経営移譲を促進するというところにかなり大きなウエートがあるわけでございます。あわせて老後保障の充実でございますけれども、経営移譲の促進ということに大きなウエートがある。すると、経営移譲ということでございますから、経営者ではない従事者でございますと、これはまた全く別個の観点になるわけでございまして、家庭の主婦が実際に農業に従事しているのは御指摘のとおりでございますけれども——もちろん主婦でありましても経営主になっていれば該当いたしますけれども、経営主でない主婦の方に対して何らかの措置をする、こういうことになりますと、これは全く老齢保障というような観点から組み立てるか、あるいは他の全く新しい農政上の一つの要請を導き出すかしないと、制度としては仕組めないわけでございます。で、老齢保障という観点だけから申しますと、農業者だけを抜き出しましてやるということは、これは国民年金制度との関係からいいまして困難でございますから、結局いまの農業者年金の構想からはそういう方ははずれると、こういうことにならざるを得ないわけでございます。
○合沢委員 この法律の趣旨は経営移譲を中心に考えているという御説明がございました。まあ内容的に見れば私もそうなっていると思うのです。 そこでもう一点それに関連して質問しますが、現状は六十歳まで一四・二%、そして六十歳から六十五歳までの経営移譲をする者三〇・二%と、見通しは将来それが合わして六四%ですか、近くなるというようになっていますが、私は見通しとして先ほど申し上げましたが、二〇%の専業農家はさらに減っていくような方向にある、八〇%の兼業はさらに増加する傾向にある。兼業農家の経営移譲というものがこのように進むということが実際問題として考えられますかどうか、この程度の法律で。兼業農家は、子供が通勤している、おやじが働いている。子供は通勤しているんだ。私の農協地区の場合はそういうことなんですが、ほとんどが通勤している。おやじは一生懸命奥さんと働いているということなんです。しかもそれがだんだんそういった者が多くなってくると思うのですね。そうして、おやじがもう六十になったから、子供がまだ月給もらっているが、通勤やめて、ほったらかしてやめて、自分が農業経営主になるかどうかですね、わずかの一万六千円もらうために。そういうことが可能ですか。そういうことによって促進されますかどうか。私は促進されないと思っているんです。その結果は、この中の三分の一のこれに対する国の補助金というものは非常に金額的に減ってくる。減ってくる可能性があるだろう。国の補助金はきわめて安上がりの見せかけの年金になるような感じがして私はならない。 そこで、私はそういう見通しをしているのですが、局長はこういうような数字で経営移譲が促進するということは、現状の姿からして依然としてそういう見通しをされますか。
○池田政府委員 確かに御指摘のように、他の勤務、他の職業に従事しておられるその後継者の方がおやじさんが隠退をしようということで再び農業に帰ってくるという事例は比較的少ないだろうと私も思います。ただ、この経営移譲というのはいまさら言うまでもございませんが、後継者に対する移譲とそれから第三者に対する移譲とによりますいわゆる離農ということを、両方含んでいるわけでございますから、私どもは、やはり今後離農をしようという方はかなりふえてくるのではないだろうかという感じは持っているわけでございます。なお、これは従来農林省の農業者年金のいろんな研究会で農村社会学あたりにかなり造詣の深い先生方にお集まりいただいていろいろ議論をしていただきましたときのあれとしても、大体こういう制度ができるならば少なくとも五年程度は移譲の時期が早まるのじゃないか、こういうような御意見が非常に多かったわけでございます。もちろん将来のことでございますから的確には申せないわけでございますが、私どもはやはりこういう制度が一つのきっかけになって離農を含む経営移譲というのは従来よりはるかにふえてくるのではないか、こういうように思っているわけでございます。
○合沢委員 私は離農の促進の効果、また経営移譲の促進の効果がないとはいえない、あろうと思うのです。ただ、こういった見通しでもって、こういった数字のもとにこの金額、掛け金がきめられていると思うので、そうすると、このとおりいかないという場合には相当余力が出てくると思うのです。利益が出てくると思うのです。そうすると当然この部分に対する掛け金の三分の一の金額、国が持つその補助金部分というのは非常に減ってくるだろうと思うのです。だからおそらく私の見通しではこういった数字にはいかぬだろう。そういうようなことからして、そういった三分の一の金額というものはこれは金額としては減ってくるというように考えるのです。したがってこれは国の安上がりのものになる、補助金として安上がりの基金になってくるというように考えるのです。同時に三〇%部分の補助金については、私せめてこの部分は既得権として——三分の一は減るということは予想されるので、三〇%部分については、これはこの基金の既得権としてぜひ今後も存続してほしいと思うのです。これについて今後どのような見解を持っているか、維持する考えがあるかどうか、ひとつはっきりしていただきたいと思うのです。 大臣に質問します。
○倉石国務大臣 これらの点については、法案決定それから予算編成のときもずいぶんわれわれの政府部内で相談また議論になったところでありますが、そういう点はよく承知いたしておりますので、慎重に検討してやってまいりたいと思っております。
○合沢委員 大臣、三〇%部分は農林省サイドのひとつ既得権としてぜひこれは変えなくしてやっていただきたい。特に私は、三分の一部分の補助金は、これはなかなか経営移譲はそう進まずして、三分の一そのものの金額は減ってこようと思うのです。したがって国の持つ約束部分は減ってくるのだから、せめて三〇%だけは農林省サイドの既得権としてぜひこれを農林大臣として今後継続するように努力してほしいということを申し上げ、その見解をお伺いしておるわけなんです。
○倉石国務大臣 いま申し上げましたように、十分検討してやってまいります。
○合沢委員 まことに残念な答弁でございます。せめて農林大臣であれば、要望の線に沿うように努力するというくらいの答弁はあってしかるべきじゃないかというように私考えるのですが、まことに残念な答弁でございまして、いまの答弁を農家が聞くならば、まことにたよりにならない大臣だというように考えるのじゃないかと私は思うのです。ほんとうに私も残念でございます。 次に質問を移しますが、この資金の運用についてでございますが、農地を売ったり買ったりするような資金、売買の資金、それからそういった資金の貸し付け、それから被保険者の福祉になるような事業資金というように運用せられるようですが、一体そういった金額をそれぞれ種類別にどのようにその運用比率を考えておられるかをお聞きしたいと思うのです。
○池田政府委員 これは、たとえば農地の買い入れ資金につきましては、何%というようなはっきりした比率はまだきめておらないのでございます。十分国会におきます御意見も伺いまして私どもは善処をしたいというふうに考えておりますが、従来の例から申しますと、他の年金制度の例でございますけれども、国庫負担によります積み立て額、これは資金運用部等で運用をするというのが従来の例でございます。それからそれ以外のものにつきまして、一部、たとえば三分の一というようなものが資金運用部で運用するというような例が非常に多いわけでございますが、私どもは、今回の積み立て金につきましては農地に運用するという非常に特殊な事業を織り込んでおるわけでございますので、そのために農家の方の福祉といいますか、そういうほうに非常に支障を来たすとかあるいは年金として相当な収益をあげられるものが収益をあげられない結果、それが組合員のほうに不利に反映するということにならないように、しかるべき範囲に、たとえば農地の運用等につきましても押えたいというふうに考えておるわけでございます。具体的にたとえばそれを一割にするとか、あるいは二割にするとかいうところまでは、いろいろ検討はいたしておりますが、まだはっきりきめておるわけではございません。
○合沢委員 私は、この資金の運用で、農地の売り買いですが、これを実際やるとなると相当な人手は要るだろうと思うのです。先般委員会の質問で、従たる事務所をどう考えているかということについてはまだ考えていないというようなことでしたが、私は、農地売買という問題があるのに考えていないというのはおかしいと思うのです。将来の構想等が農地売買について当然なければならぬと思うのです。農地売買をやるとした場合、一体主たる事務所だけでいけるのかどうか、これはやるならばおそらく各県に従たる事務所を全部置かなければならぬという事態になると思うのです。この点、どうなんですか。
○池田政府委員 私どもは、前回もお答え申し上げたのでございますが、事務所を置くということは考えておらないわけでございまして、それならば具体的にどうするかと申しますと、他のしかるべき団体にお願いをいたしまして、もちろんその場合に価格の基準というようなものは基金としてはきめるわけでございますけれども、そういう基準に従って評価をするというようなこと、あるいは買い入れの具体的な実務あるいは買い入れました農地の管理というようなものは、それぞれしかるべき団体にお願いをしよう、その団体をどうするか、これはあるいは農協という考え方もございましょうし、あるいは農地法の改正案が通りますならば農地保有合理化法人というものが各県にできることになっておりますので、そういうものに委託をいたしましてやるということで、あまり必要のないような機構は設けたくない、こういう考え方でございます。
○合沢委員 そうすると、従たる事務所は考えていないということにもかかわらず従たる事務所を置くようなことに規定はなっているのですが、その点、どうなんですか。
○池田政府委員 これは当面考えておらないわけでございますが、何ぶん新しい事業でございますので、将来、実際運用してみないとよくわからないという点がかなりあるわけでございます。大体私どものいまの想定では、たとえば加入者の資格の認定でございますとか、あるいは加入、脱退等の事務でございますとか、あるいはいまお話しがございました農地関係の事務でございますとか、あるいは年金の支給でございますとか、大体いま申し上げたような町村なりあるいはしかるべき団体にお願いしてさばけるのではないかというふうに考えておりますけれども、将来の事態によりましてどうしてももうちょっとこまかいことを事務所で基金としてタッチをしなければならないという事態も全くないとは申せませんので、そういう事態に備えまして置けるような規定を実は設けておくということで、現在のところはなるべく設けたくないという気持ちでございます。
○合沢委員 農地の流動化の問題については、農地法が成立すれば、また農協法等とも関連がございますが、農地の保有合理化法人が発足するということになるわけなんですが、この農地保有合理化法人の目的は、農地の流動化にあるということだと思うのです。同じような目的のものが二つあるということはかえって農地の流動化を促進じゃなくして混乱させるんじゃないか。またそれに委託するといったようなことは、このこと自体も、特に農地保有合理化法人に委託するとなりますと、農地保有合理化法人の委託しているものとこの関係はどうなるのか。これは非常にむずかしくなっていく。場合によってはきわめて危険なものをこの基金にやらせる、そして危険率の薄いものはみずからの農地保有合理化法人がやるというようなことになりはしないのか。その結果この基金の運用というものは、この確実性、安全性といったようなことが問題になる可能性があると思うのです。要するにそういった競合させる、混乱させるというようなことは、これは決していいことじゃないし、また資金の運用の安全性の面から問題があると思うのです。そういうことよりむしろこれは売買をやめて、農地保有合理化法人に融資するというようなことでどうなんですか。特にこの基金の総額が年間百八十億ですか、その程度を見込んでいる。一割程度であればわずか十八億円です。先ほどそう考えていない。一割程度ということであればわずか十八億円なんですね。もちろんこれは年々ふえていくんでしょうが、いずれにしましても、むしろそういったものは一本化して簡素化して、そして農地の流動化を促進するということのほうがよりいいんじゃないかというように考えるのですが、この点御意見を聞きたいと思うのです。
○池田政府委員 そういう考え方も私はあり得ると思います。ただ私どもが考えておりますのは、やはりこの際離農したいという方が後顧の憂いなく離農できるような万全の措置をとろう、こういうことでございまして、給付を行なうと同時に、一方ではそういう土地の処分等についてもできるだけの手を打とうということでございます。合理化法人でもできるのではないかということでございますが、確かに私どももそういう面が多いと思うのでございますが、合理化法人は御存じのように任意でございますから、できないところもあり得るわけでございます。そういうようなところで、離農者が土地を処分したいがなかなかうまく処分ができないというようなときに、基金が買い取ってあげてもいいんじゃなかろうか、またその買い取りましたものを、規模拡大をしたいという農家に譲り渡しをする、その場合に公庫資金よりさらに有利な条件で、農民から集めた金でございますから、農村に還元をするということも意味があるのではないかということで基金が取り上げたわけでございますけれども、確かに農地保有合理化法人と基金とが競合して事業をやるということは好ましくないことはおっしゃるとおりだと思います。でございますから、私どもは実際にはこれを競合しないようにできるだけ調整をしてまいりたい、こういう気持ちでおるわけでございます。 なお、基金が買ったものが不良資産みたいなものになるおそれがないかという御指摘でございますが、私どもは原則的には、この事業をやりますのは、農業振興地域で考えておるわけでございますから、農地としてさらにこれを利用するという余地は非常に多いわけでございます。原則的にはまずそういうような事態はないのではないかと思っておりますが、実際にはさらに念を入れてやりたいという考えでございます。
○合沢委員 農業振興地だからというわけにいかないので、大体離農しようというのは、農業振興地の中にも条件の悪いところが多いわけなんですね。特に過疎地帯等もあるわけなんです。そういうことで、農業振興地だから危険がないというようなことはあり得ないわけなんです。 それから、農地資金に低利で貸す、それについては利子補給を考えているというようなお話がございましたが、この利子補給をする場合、それは一体原資というか、どの程度の利子補給を受けるというか、利回りになるようなことを考えているのか、それについては農林省等は大蔵省と話が済んでいるのかどうか、そういう点ひとつお聞きしたいと思います。
○池田政府委員 これは四十六年度予算の問題になろうというふうに私ども考えているわけでございますが、原則的に、前回も御答弁申し上げたかと思いますが、たしか三分くらいの利率を考えているということをお答え申し上げたわけでございます。そういうものを前提にいたしまして、必要な額の利子補給をするということは、原則的には私どもは財務当局のほうとも了解をしてもらっているというふうに考えております。
○合沢委員 私は利子補給は一体どのくらい回るのかということを聞きたかったのですけれども、後ほど、もしそこまで話が進んでおるのならば、何分程度の利回りになるような利子補給を相談しているということでお答え願いたいと思うのです。 それからもう一つ、売買する場合、離農する方から農地を買った。ところが売る間に相当の期間もあるわけですね。この間にはゼロなんですね。貸す場合はそうですが、運用利回りはゼロになるわけなんです。三分にならないわけなんです。そういう場合もどう考えているのか。それからもう一つの問題は、離農する者から農地は買ったが、売れないということがあるわけですね。相当長期にわたって売れない。しかし地価は下がっていく。そして結局欠損せにゃならぬという場合が起こってくると思うのです。こういった欠損になることもあり得るわけなんで、こういうようなことにこの資金を使うということは、これはもう安全性という面からどう考えているのか、この点をお聞きしたいと思うのです。
○池田政府委員 前段のお答えでございますけれども、下のほうを三分ということを基準にして利子補給をするということにおいては、原則的に財務当局と話がついておるわけでございますが、上のほうを幾らにするか、たとえば五分五厘にするとか六分五厘にするとか、あるいは七分にするとかいうことは、まだ話はそこまでは実は詰まっておらないわけでございます。私ども極力実際に合わせたいという気持ちでございます。 それから、買い取りました農地が、地価が下がる等のことがあって欠損を生じた場合にどうするか、あるいは持っている間どうするかということでございますが、私どもは、買い取りましたものにやはり利子部分を見込みまして、買い取りの希望者に譲るというのが原則的な考え方であろうと思います。また買い取りましたものが地価が下がるということもあり得るわけでございますけれども、一方では、たとえば買い取りました土地が市街化等になりまして農地としては利用しにくい。しかし、いつまでも持っているわけにはいかないということで整理売却みたいなことをする場合もあるわけでございますから、そういうものといまお話しのございました下がるような場合とを相殺するというようなことを考えれば、基金にそう大きな負担をかけるということはないのではなかろうかと思いますが、御指摘の点は十分私どもも注意をしてしかるべき基準で売買等を検討したいと思います。
○合沢委員 非常に重要な問題だと私は思っているのですけれども、いまの答弁では私は満足できないのです。農振地域を中心にして売買するということをおっしゃったと思う。そのあと市街化区域になる可能性がある、そして地価が上がる場合がある、こういうことを言って、そしてマイナスになる部分がそれでカバーされるということなんですが、農振地域はそう簡単に市街化区域になりますか、第一。それからもう一つ。農振地域でも相当過疎地域があるわけなんです。そういうところを売って離農する。ところが、買った農地、水田なり畑でもだれも耕作しないでおると、これは農耕地としての価値が下がっていくわけなんです。水田の場合には土砂が詰まったりして水田としての価値がなくなると思うのですけれども、畑地でも草がはえていくということなんです。私は、そういった振興地域の売るような農地というのはこれは将来地価が下がるということは当然考えなければならぬと思うのです。損することははっきりしていると思うのです。こういう不確実な安全性のないものに対して資金を使うということは、これは問題だと思う。当然こういう場合には損失補償についての大蔵省との話し合いが前提になければならぬと思うのですが、この点どう考えますか。
○池田政府委員 私どもは過疎地域といいますか、これも農業振興地域に該当するという前提でございますけれども、そういう地域も中にはあろうかと思います。そういう地域におきましては若干地価が下がるということもございますけれども、従来の一般的傾向は御存じのように、むしろ地価が上がっている場合が非常に多いわけでございまして、そういうような点をいろいろ考えてみますと、運用が非常に適切を欠けば別でございますが、十分注意して運用すれば、これによりまして非常に欠損を生じるということはあまりないのではなかろうかと私どもは思います。しかし、御注意の点もございますので、私どもはそういう売却の価格等につきましては十分さらに検討いたしてみたいと思います。
○合沢委員 私はこれは非常に大事な問題なのでもう少し突っ込んでお聞きしますが、もし損した場合その損は基金の赤字勘定になって、その分ははっきり農民の掛け金が上がる要素になると思うのです。組合員の七百五十円が上がる要素になり得ると思うのです。これは私は大事な問題であって、そういうこともあるので、これをやるならば歯どめとして損失補償は絶対取りつけるべきであるということ、そうでなくてはやるべきでないと思うのです。このことを強く私は申し入れておきたいと思うのです。 それから次に、これはもう従来どなたも言ったことなんですが、この基金の機構ですが、理事長も監事もまた評議員も全部農林大臣の指名ということなんです。私は、もっと何とか農家の意思、加入者の意思が反映するようなことはできないものかどうか、この点非常に問題が多過ぎる。特にこの点については先ほども申し上げましたが、去る四月二十二日の農業会議等の大会においても、このことが最後の大きな要望事項として上がってきているし、また農協系統としても何とかこれをもう少し農民の意思が反映できるようなことにしていただきたいというように要請もしておるわけなんです。私は、そこで最もすっきりするのは、各県から一名の代議員が出て、そうしてその代議員の中で理事長を選任する、役員を選任するということが一番民主的でいいだろうと思うのです。最近こういった団体に対する役人の天下りということが問題になっているときでもあるし、もちろん役人の方を全部理事長なり役員にするとは書いてないのですが、やはりそういった可能性も多分にあろうかと思うのです。私はやはりこれはもっと日本の農民の加入者の意思が反映するような、各県に一名ずつの代議員をつくって——評議員というのは単なる諮問機関なんです。議決機関でも何でもないと思うのです。諮問機関であるということをはっきり明記しておりますし、やはり最高議決機関としてこの代議員制度を設ける。これには各県から一名ずつということにして、そうしてこの理事長なり役員を選任する。しかし、監督権は強化していくというようなことでいいんじゃないか。そういうことにできないものかどうか。特に農林省が当初評議員の数を要請する場合も、各県一名といったようなことで評議員の数も予算要求しておるようですが、当然各県の実情というものも違いますし、そういった事情が反映できるというためにも、各県から一名ずつ、しかもそれが代議員である。そしてその代議員会で理事長、役員が選任されるというような方向に農業団体等の要望もございますし、この際ひとつ変えることを要望したいと思うのですが、これについての御意見をもう一度聞かしていただきたいと思います。
○池田政府委員 これは実は下から積み上げる方式という御主張だと思うわけでございますが、とにかく非常に数が多いわけでございまして、大体二百万人を一応想定している。そうすると、そういう二百万人のところから積み上げていくということになりますと、これはおそらく選挙制か何かをとりまして、たとえば農業委員会の選挙みたいに選挙区でもつくりまして選挙をして、そうしてそこで代議員といいますか、そういうようなものを選んで、それからさらに理事長なり何なりを選ぶ。こういうような方式になるのではないかと思うわけでございますが、とにかくそういったような二百万人のところからそういうものを選んでくるということは技術的に非常にむずかしいというのが私どもがいろいろ検討をいたしました段階で一つあったわけでございます。 それともう一つは、やはりこの基金の性格論があるわけでございまして、これは経営移譲ということにかなりウエートを置いた年金、いわば国の農業構造の改善政策の一つの色彩を非常に強く持っておる年金でございまして、性格も公的年金でございます。そういう年金で、さらに基金は農地の買い入れ等の事務をやりますし、離農給付金という、国からある意味では委託を受けた事務をやる。こういうことでございますので、そういう性格からいたしまして、下から完全に積み立てるということがどうもやはり若干問題がある、こういう議論がございまして、そういういろいろな点を勘案いたしまして、現在の制度に落ちついたわけでございます。 なお、評議員の数が少ないのではないかという御指摘でございますが、それは確かにたとえば五十人、六十人という考え方もあり得ると思いますが、これはあまり数が多くなって、十分いろいろな綿密な議論等をするのに支障を来たすということもございますので、そこらも考えて、三十人くらいのところが穏当なのではなかろうかというふうに一応考えた次第でございます。 なお、しかし実際の運営におきまして、評議員会では重要事項を十分御検討をしていただいて、その線に沿って理事長が事を運ぶ、あるいは主務大臣が監督をいたします場合もそういう線に沿って十分監督をするというのは当然のことでございます。
○合沢委員 国の政策目標、特に国の政策が非常に入っているからということのようですが、私も確かにそのことを認めるのですが、ただ、国の政策を遂行するにはやはり民主的な方法によらないとうまくいかないだろうと私は思うのです。何でもそういった官僚的なものの考え方では、かえって反感を持つし、政策遂行のための手段としては有効適切ではないというふうに判断するのです。いま国の政策を——こういった農業者の農業経営の近代化なり農地流動化の問題等は決して農家も反対していないのです。私は反対していないと思うのです。そういった政策を遂行するのに、何でこういった機構でなければならないか。私は決してそういったものじゃないと思う。むしろそれを官僚機構にすることが、こういった機構にすることこそ政策目標を達成するための妨げになる。必ずこれについては農民の世論は反対の世論が起こってくると思うのです。というのは、すでに農業会議にしても、大会等でそういった要請をしている。また農協組織もこれについては反対しているわけなんです。だから私は、そのことがこの政策目標を達成するようにならないと思う。そういった意味でも私は決していまの御答弁では満足はしないのです。ぜひひとつこの点は再度御考慮を願いたい点でございます。 次に進みますが、委託の問題でございます。業務を委託するということなんですが、その中で農協にこの業務の一部を委託をするとなっておるわけでありますが、この制度は経営移譲をするというような方にとっては非常に有効なんです。ところが経営移譲をしない方には不利であるということは私は先ほど指摘したとおりだと思うのです。そのことは農家の人もすなおに受け取ると思うのです。そこでしかも経営移譲をしない方のほうが圧倒的に多いというように私は判断するわけなんです。ということは、そうなるとこの制度では不利を農民に強制するというような内容になってくるわけなんです。また機構も、現行の案では決して民主的な機構でもない。農民の意思を反映できるような運営は考えるということですが、機構としてはそういった民主的な機構にはなっていないと思うのです。一方農協は、御承知のように農民の自主的な意思で民主的に運営さるべき団体であるわけなんです。そこでそういった民主的な自主的な組織である農協に、このような性格の基金の業務を委託するということ、しかもそれが法律できめられるとなるとちょっと問題があるのではないか。農協の性格からいって問題があるように思うのですが、その点ひとつ御意見を聞かしていただきたいと思うのです。
○池田政府委員 私どもは農業者年金の掛け金のたとえば徴収でございますとかあるいは給付等の仕事を農協とかあるいは市町村に、実情に応じましてお願いをするということでございますが、これは農協の性格とは一つも矛盾はしないのではなかろうかと思います。 ただ、若干農協の方にも一部誤解があったようでございますが、それは掛け金を納めないときに強制徴収をする、これを農協にやらせるということになりますと、これは確かに農協との間の性格の矛盾という問題が起きてまいります。しかしこれは私どもは実は考えているわけではございませんで、これは市町村にお願いするというつもりでございますので、その他の事業につきまして農家の方はほとんど農協に入っているわけでございますから、そこを利用していただくのが一番農家の方も便利なんじゃなかろうかというふうに実は考えてきたわけでございます。 ただ、農協もいろいろな事情でこの際年金の業務を引き受けるというのは、どうもその余力がないというようなことでございますならば、これはもちろん強制するつもりはございませんので、市町村等にまたお願いをする、こういうつもりでございます。
○合沢委員 了解いたしました。 それから次に、農業の問題については確かに構造改善等進めていく必要がある。そこでこれも若干の助けになろうかと思うのですが、われわれは農林水産委員会ですが、林業の問題あるいは水産業等の問題についてもそういった政策がやはり必要だと思うのです。そこで林業者あるいは水産業者といったようなものも同じような構造政策のところもあるし、この年金の中に項目を別にしても入れるべきじゃないかというように考えるのですが、現行案に入っていない。そこでいまこれをすぐ入れろといっても無理だと思うのですが、将来こういうことを考えておられるかどうか、その点についてお聞かせ願いたいと思う。
○池田政府委員 これはいろいろ検討いたします段階でもそういう問題がいろいろあったわけでございます。検討の経過みたいなものから申し上げますと、林業者の方は実はほとんどの方が農地を持っております。一部全く持ってない方も、非常にまれな例外でございますが、ほとんどの方が持っておりますので、実質的には農業者年金の対象になろうと思います。漁業者の方も一部農地を持っている方がありますので入る可能性はございますけれども、これはかなりニュアンスが違いますので、やはり漁業者年金というものをもしかりに考えますならば、別の範疇になろうというふうに考えるわけでございます。ただ今回の農業者年金は前からいろいろ話がございますように、経営移譲ということを一つの重要な支給要件にいたしておりますので、漁業の場合に同じような経営移譲というものを考えるような実態にどうもないようでございます。したがいまして、現在の段階におきましては、漁業者年金というものは非常に考えにくい、こういう結果にはなっているわけでございます。ただ、いろいろ漁業のほうでも御意見があるようでございますので、また将来の検討課題にはなろうと思いますが、現状におきましては同じような考え方をするのは困難であろうというふうに考えます。
○合沢委員 最後に御要望申し上げたいのですが、まず最初に、私、先ほどの質問の中で御要望申し上げましたが、この年金の掛け金の算定の基礎資料の詳細なものをひとつぜひいただきたいということ。あとでいいですが、よろしゅうございますか。 それからもう一つは、二百万人を対象にしていますが、そういった二百万の対象の中で、一体どの程度が現在後継者が一緒に農業をやっているか、その見込み等もお示し願いたい。 それから最後に、この年金は佐藤総理が「農民にも恩給を」といったようなことで、あれ以後ずっと農家の方々は、おれたちにも恩給がもらえるんだということで非常に期待しているのが実情だと思うのです。ところが先ほど指摘しましたように、また従来指摘されておりますように、掛けたものが五分五厘にも回らないというようなことでは失望しようと思うのです。それから、五十五歳以上の方で一生懸命戦後から今日までやって、今日の日本の農業を盛り上げた功労者の方々はこれには適用されないということで、特にこれには農業会議、農協もあげてひとつ適用してほしい、何とか考えてほしいという要望もしているわけなんですが、それができないとなると、こういった方々は非常に失望するだろうと思うのです。さらにまた運営、機構等の面においては、農家が反発を感ずるような内容になっていると思うのです。こういう点、はたして総理が「農民にも恩給を」といって農家が期待した内容になっているかどうか、非常に問題があろうかと思う。こういう点については十分ひとつ御反省を願いたいし、できるならばこういった問題については修正方をぜひお願いいたしたいということを最後に御要望申し上げます。 以上であります。
○草野委員長 千葉七郎君。
○千葉(七)委員 農業者年金基金法に対しまして若干の質問を申し上げまして、提案者の御意見をお伺いいたしたいと思うのであります。 農業者に対する年金の問題が公式に取り上げられましたのは昭和三十三年ころからでありますから、すでに十数年を経過いたしておるのでありますが、これが現実の具体的日程にのぼりましたのは、昭和四十二年一月の総選挙の際に、佐藤総理大臣が、農業者にも恩給を支給する制度を実現をするということを公約されまして、それが発端となりまして同年の三月、衆議院におきまして、国民年金ですべてのものをまかなうことが非常に困難な点があるので、農業のいま置かれておる地位から、ことにまた継続的な農業、専業農家等を育成強化するためには、農業の特殊性にかんがみて農民に対する年金なり恩給なりを内容とする特別なくふうがあってしかるべきだと考えておるのでその検討をしておる、こういう答弁が行なわれましたことが現実の日程にのぼった発端となっておるわけであります。農民に対して恩給を支給するというのでありますから、この総理大臣の言明を聞きました農民は非常に大きな期待を寄せたであろうことは、これは想像にかたくないところであります。 私は厚生問題につきましてはずぶのしろうとでありますから、したがいまして、この問題の初歩的な点からお伺いをいたしてまいりたいと思うのでございますが、第一番にお伺いをいたしたいのは、佐藤総理大臣がおっしゃいました農民に対して恩給を支給するという制度を実現するというのでありますが、この恩給の定義は一体どういうことかということであります。恩給の定義なり、あるいは年金の定義と申しますか、その点をまず第一にお伺いをいたしておきたいと存じます。
○廣瀬政府委員 佐藤総理の使われた意味がどういう意味を含めて使われたのか、これは私は何とも申し上げられませんが、一般に恩給ということばは、昔、軍人それから文官にあったわけでございます。その場合にはいずれも官吏でございまして、国に長い問奉仕したという意味を含めて、退職した後に生活を保障するという意味に使われておったわけでございます。現在は国家公務員共済組合が引き継いでおりますが、これは年金制度の一種でございます。一般に厚生省では厚生年金あるいは国民年金を所管しておりますが、私どもの使っております年金制度の年金ということばでございますが、これは老齢になりまして所得が減少をしましたり、あるいは所得が全然なくなった場合に、その所得を保障するために公的な保険の制度を利用いたしまして年金を出すという意味に使っておるわけでございます。
○千葉(七)委員 私は、恩給というからにはこういう内容を持っているのではないかと思うのであります。社会的にあるいは国家的に任務を果たした一定の年齢に達した老齢の人に対して報いるための国からの給与、したがって老後の生活を保障する制度、これが恩給の制度の内容ではないかと思うのですが、このように理解して間違いありませんか。
○廣瀬政府委員 恩給の問題はいま現在ございませんが、昔の制度の引き継ぎがございまして、現在総理府の恩給局で所管しておりますので、私からは正確なお答えはできませんが、大体そういうお考えでよろしいのじゃなかろうかと私も考えております。
○千葉(七)委員 総理大臣は農民に恩給をやる、こういうことで選挙を打たれたわけなんですが、その結果自民党が勝利を得た、こういうことなわけですが、この総理大臣の言明に端を発して今日の農業者年金基金法が制定をされようとしておるわけでありますが、この基金法の内容を見ますと、およそ恩給あるいは年金といったような性格からは全くはずれているのではないか、このように考えられるわけであります。年金基金法、この法律の性格あるいは目的、それには二つ掲げられておるわけであります。経営移譲した農民に対して経営移譲年金を支給する、ある一定の年齢に達した農民に対しては老齢年金を支給する、こういう二つが目的として掲げられておるわけであります。政府の考えとしては、この二つの目的のどれを主として考えられておるか、それをひとつお聞かせを願いたいと思います。
○池田政府委員 総理の発言からのいろいろ御議論でございますが、私ども実はこの問題につきましてはずいぶん長い問いろいろ社会保障の専門家の方あるいは農業の専門家の方、いろいろな場でいろいろな御議論を実は拝聴してきたわけでございます。特に国民年金審議会というようなところにおきましては、一体どういうふうにしてこの従来の国民年金との調整をはかるかというところにかなりいろいろな議論が行なわれてきたわけでございます。そして現在のような形になったわけでございますが、これの考え方といたしましては、もちろん農民の老後の保障、老後の生活の安定をはかるということは、これは農業構造の改善につながるわけでございます。老後の生活が保障されるならば経営を早く譲ってもいいということは出てくるわけでございますが、それならば老後保障だけで年金が組み立てられるかということになりますと、これは国民年金との関係もいろいろございますし、他の業種との関係もございますので、それだけでは農業者年金をつくるという根拠が非常に薄いわけでございます。結局、そういうようなことから経営移譲というものを取り上げまして、経営移譲後、経営移譲した方がそのあとの生活に不安を起こすということになりますと、これは経営移譲がなかなか進まないということになりますから、経営移譲した方には、そのあとその老後の生活を御援助するために年金の支給をしよう。従来は、国民年金では六十五歳から支給されておりますが、それではいかにもおそ過ぎる、やはり農業経営の実態からいいましても五年くらい繰り上げるのが至当であるということで、六十歳以上で経営移譲した方にはそのあとの老後生活のお手伝いをするという意味で、経営移譲を支給要件にした年金を仕組むということになったわけでございまして、従来いろいろ御議論がございますが、私どもは経営移譲というものが老後生活の保障ということと決して無縁ではない、むしろ非常に密接に結びついているものというふうに考えているわけでございまして、どちらに重点があるかということになりますと、そこいらが密接不可分であるということになるわけでございますが、やはり老後生活の保障だけでございますれば国民年金以外の制度をつくるという理由は乏しいわけでございますから、そういう意味で申し上げるならば、経営移譲のほうにかなり大きいウエートがあるのは事実でございます。
○千葉(七)委員 経営移譲に重点を置いた年金基金法の性格であるということになりますと、いろいろな原因で、あるいはいろいろな事情で経営の移譲ができない人には非常に不利な内容になっているということは、これはいなめない事実だと思うのであります。いろいろいままで論議をされてまいりました内容から見まして、この法律の性格は、経営移譲年金という部分を一応論外に置きまして、老齢年金の部分を考えてみますと、内容的には年金とか恩給とかいったような概念と申しますか、あるいはそういうカテゴリーと申しますか、そういう範疇からは全くはずれておる制度になっておると私は理解をするのであります。経営移譲しない農民にとっては、これは全く年金制度でもなければ恩給制度でもないのであって、単なる生存者保険制度的な内容しか持っていないとしか考えられないのであります。その点はどうでしょう。
○池田政府委員 私がお答えしていいのかどうか若干問題がございますが、私どもけさからのいろいろ御議論もございましたが、これは厚生省の政務次官からもお答えがございましたが、切り離して移譲年金は別にしてとおっしゃると、どうもそこだけで比較をするのは非常に問題がある。やはり経営移譲というチャンスがあるわけでございますから、そのチャンスをつかんだ場合においては非常に有利な年金の支給が受けられるチャンスがあるにもかかわらず、そういうチャンスを利用されなかった方については、比べてみますと若干不利な点があるというのは否定できないところだと思います。ただ、それにつきましても、私どもはやはり農家の方の率直な気持ちというものを十分に考えまして、六十五歳以降の給付をいたすというのは、二百万の人がすべて対象になる制度でございますので、その方に相当充実した給付をいたすということになると、掛け金が相当高くならざるを得ない。しかし、掛け金を高くすると、一方ではまた農家の方が負担能力から問題があるという御意見がございまして、率直なところを申し上げますと、ずいぶん負担能力と給付水準との間に行きつ戻りついたしまして苦労したのでございます。もちろんそこに国庫負担という問題がからみまして、国庫負担でどのくらい見るかという問題がからんで、この三つの間を行きつ戻りつした結果、いまのような形に落ちついたわけでございまして、いまの落ちついた形をごらんになって、どうも元利合計がたとえば二十年の方は十分に戻らないとおっしゃれば、それは確かにそのとおりでございまして、たしか三分二厘くらいであったかと思いますが、少なくとも十年程度の方には五分五厘の利子をつけてお返しする、あるいは十年よりかもっと短い方は五分五厘以上の利息がついておるわけでございます。ちょっといま正確には知りませんが、たしか五年程度であれば六分くらいついておるように思いますが、そういうことに一応なったわけでございまして、いろいろな負担能力とか国庫負担——これは当初は四二%くらいに実はなっておるわけでございまして、他の年金に比べますと非常に高率でございます。そこらの三者の間を行きつ戻りつした結果ということでまとまりました結果の一部だけをごらんになれば非常に不満だという御指摘もあり得るかと思いますが、そういう事情があったということはひとつ御了解をいただきたいと思います。
○千葉(七)委員 いまの答弁によりますと、経営移譲のチャンスがあるにもかかわらず経営移譲しない人は不利をこうむってもやむを得ないんだ、こういう答弁なわけですが、私はこの経営移譲のチャンスがあるにもかかわらず意識的に経営移譲しないというような、そういう農民はほとんどないんじゃないかと思うのです。だれも年をとってよぼよぼになるまで農業をやりたいという人はないんです。できるなら早く後継者に経営を譲って、楽隠居的な生活をしたい。おそらく六十歳を過ぎた、あるいは六十五歳にもなった農民だったら、だれだってそう考えるだろうと思うのです。にもかかわらず経営の移譲ができない。自分で農業の経営を継続しなければならぬという人は、経営を移譲したくてもできない理由があって経営移譲ができない。そういう人が経営移譲しないで農業経営に従事している。それが農家の実態だと私は思うのです。私は農村出身ですが、そういう実態になっておるのです。経営移譲したくてもできない。そういう人がこの法律に定めのある年齢に至っても経営移譲しない。それが大部分なんです。そういう人に対して不利な扱いをするということは、全くどこから考えても私は納得がいかないところです。これはあとからまただんだんお伺いをいたしますけれども、そういう農村の実態から見ますならば、この制度は全く年金に値しない制度だと思う。全く羊頭狗肉というか、そういう感じがしてならないのであります。いまの御答弁のように、移譲の機会があるにかかわらず移譲しないのはけしからぬから不利をこうむるのは当然なんであるというような考え方は、根本的に改めてもらいたいと思うのです。七十、八十になるまで自分で農業経営をしたいという人はおそらく一人もいない。経営移譲したくてもこれはできない。そういういろいろな事情があって、経営移譲しないからそういう人を差別待遇することは、全くこの法の精神からいって、年金の精神からいって、あるいは総理大臣の言明の恩給をやるという精神からいって相反していると思うのですが、その点に対するお考えはどうですか。
○池田政府委員 これは多少議論めいた話で恐縮でございますけれども、私どもは、年金の精神は必ずしも老後保障だけではなく、社会保障制度としての年金でございますならばそういうことであろうかと思いますけれども、私どもがいま御提案申し上げておるのは農政上の要請につながる年金制度を御提案申し上げておるので、経営移譲を促進するような仕組みにするのは、ある意味では当然でございます。それで経営移譲ができない場合が現実にあるというお話でございまして、私どもも確かにそういう面はあろうというふうに考えるわけでございますけれども、しかし後継者がいないとか、そういう事由で経営移譲ができないということでございますれば、これは他の第三者に土地を譲り渡すということもございますし、あるいは基金に譲り渡すということもございますし、おそらく先生がおっしゃっているのはそういう意味ではなかろうと思いますけれども、やはり本来の制度の仕組みからいえばそういうことにならざるを得ないと思うわけでございます。 なお、「農民にも恩給を」ということばで、やや一般の農家の方が何でも年さえとれば金がいただけるというふうに理解をされている向きが確かにあろうかと思うわけでございまして、そういう方の感情からすれば、どうも理解ができないというのは私わかるわけでございますけれども、総理もたしか発言されていると思いますが、とにかく年金として一つのくふうがあってしかるべきであるということを言われておりまして、年金としてどういうふうに農業者年金を仕組むかということでいろいろ社会保障の専門家なり農業の専門家なりが集まりましてできました仕組みというのが、国民年金審議会でまとまりましたこのような考え方であるわけでございます。
○千葉(七)委員 この問題は、これは結局私の意見ですからこの程度で打ち切ることにいたしますが、次にお伺いをいたしたいのは、この被保険者の要件として一定の面積の経営者で国民年金に加入している農民を当然強制加入ということになるわけですが、この一定面積を〇・五ヘクタールとした理由、私は日本の農業の実態から見て、いま現実の実態から見て、〇・五ヘクタールとした理由は実情にそぐわないのではないかという感じがするのですが、この〇・五ヘクタールとした理由をひとつお知らせをいただきたいと思います。
○池田政府委員 これは基礎的な考え方といたしましては、農業者年金でございまして、二十年拠出というたてまえでございますから、相当先を見まして、そのときの経営移譲を促進するという考えでございますから、現在農業をやっておる方が将来とも農業を継続して営むという方に入っていただかないと、これは意味がないといいますか、近く農業をやめるんだというような方に入っていただくのは意味がございませんし、またほとんどほかのほうにウエートがかかっていて農業はほんの片手間で、いずれは本業のほうに専心するというような方に入っていただくというのは、本来の趣旨からいいまして矛盾でございますので、まずそういうような意味の農家らしい農家を対象にしよう、こういう考え方でございます。その場合に、一体農家らしい農家、あるいは将来も農業をやると考えられるような農家、どこで線を引くかという問題でございますが、これはいろいろな考え方があり得ると思いますが、私どもがこういう、現在都府県〇・五ヘクタールと考えておりますのは、少なくとも一人の方が農業に専従をする規模として、どのくらいの規模が要るかということからいいますと、いろいろな計算がございますけれども、大体〇・五ヘクタールくらいではないかというようなこと。それから、あるいはそういう、たとえば〇・五ヘクタールという線を引きましたときに、どの程度それが日本農業の中でウエートを占めているか。たとえば農地面積でございますとか、農業粗生産額でございますとか、そういうところでどうかというようなことを検討いたしまして、まあ大体八割ないし九割、ほとんど大部分の方がそういう加入できるようなものということも考えまして、〇・五ヘクタールで一応線を引いてはどうだろうか、こういうことでございます。なお、しかしそれに漏れる方も確かにございます。現在は〇・五ヘクタールなくても、それに匹敵するような農業経営をやっているとか、あるいは将来、さらに規模を拡大していくというような方もございますので、最下限といたしまして、都府県〇・三ヘクタール程度以上のものでございますならば、任意加入ということで加入ができるような道を開こうということをあわせ考えたわけでございます。
○千葉(七)委員 これは先ほども質問がありましたが、北海道の道南地方では大体二ヘクタール以下の農家が七〇%も占めておるという実態だそうですが、北海道等は二ヘクタール以上とするのは合理的ではないんではないかというような感じがするわけですが、その点はどうですか。
○池田政府委員 北海道の場合は、確かに御指摘のような問題がございます。北海道全体でとってみますと、私どもの検討では二ヘクタールが都府県の〇・五ヘクタールくらいに匹敵するのではないかというふうに考えるのでございますが、地域的に見まして、たとえば道南地区というようなものをとりますと、これはほとんど内地と変わらない、こういうような実態がございますので、私どもは現在原則的には北海道の場合二ヘクタール程度ではないかと思いますが、たとえばいまの道南みたいなものについてまた別途の考えをするかどうか、これは十分に私どもも検討いたしたいということで、北海道の場合は原則としてということを申し上げているわけでございます。
○千葉(七)委員 いろいろ論議をされておりますから、論議をされました点についてはできるだけ重複を避けまして進めたいと存じますが、この給付金ですね、経営移譲年金、それから老齢年金、この二つと、それから死亡、脱退の際に一時金を支給する、こういうことになっておりますが、この死亡、脱退の際の一時金は拠出三年以上の者に対して一定の金額を支給することになっておるわけでありますが、そういたしますと、三年未満の拠出の金額というのは、これは切り捨てになってしまうことになっているわけですね。そういうことになりましょうね。
○廣瀬政府委員 三年未満しか掛けない人が途中で脱退いたしましたり、あるいは死亡した場合には、その方は一時金はもらえません。その財源は他の年金給付の財源に回っておるわけでございます。
○千葉(七)委員 これは私は非常に不公平な扱いではないかと思うのです。脱退の農民には、それはいろいろ脱退の理由があるでありましょう。したがって、その理由いかんによっては、これは切り捨てになってもやむを得ないでしょうが、死亡した場合にも脱退と同一に取り扱うということは、これは非常に何と申しますか、無慈悲な取り扱いではないかと思うのであります。先ほどどなたかの質問に対して、脱退の際には一時金を支給するのはおせんべつのつもりでいればいいのだというような答弁がありましたが、たとえ三年にならないとしても、死亡なり、脱退なりの際には、多少でもおせんべつなり、香典なりを加入者に対して支給をするというくらいの、何と申しますか、処置があってもいいのではないかと考えますが、その点はいかがですか。
○橋本(龍)政府委員 先生のお気持ちとしては、それは実はよくわかるのでありますけれども、御承知のとおり、国民年金の上に組み立てられたこの制度としては、多くの要件が国民年金と同等にならざるを得ないわけでありますが、ちょうど国民年金も実は三年という一つの時限を置いて掛け捨てのような状態をつくっておりますので、この土台の構造から実はこういう措置をとったわけでありまして、この点はお許しをいただきたいと思います。
○千葉(七)委員 それは考え方がおかしいのじゃないですかね。土台の制度がそういう規定になっておるから、その上に補完をした制度もそれにならわなければならぬという理由はないと私は思う。要するに、国民年金だけでは十分でないからして、したがって、この農民年金の制度を制定して、そうして農民の労苦に報いようというのがこの制度の趣旨なんでしょう。そういう観点からいうなら、土台の国民年金が三年未満の掛け金の人が死んだ場合には、国民年金には脱退ということはないのでしょうから、死んだ場合には何らかの措置もしないということであれば、それを補完する制度ですから、したがって、この農業者年金の制度では、この三年、土台の国民年金が三年までは切り捨てなんだから、これも切り捨ててもいいんだ、そういう理由は私は成り立たないと思うのですが、その点はどうでしょう。
○橋本(龍)政府委員 もともと実は平家建てで設計いたしましたうちに二階を継ぎ足したわけでありますが、やはり平家の構造がそういうふうにできておりますと、その平家の面積以上の二階屋をつくるというのは建築技術上実は困難なのでありまして、先生の御指摘のお気持ちはたいへんわかりますけれども、お許しをいただきたいのであります。
○千葉(七)委員 そういう理由は当てはまらないと思うのですね。私はそう思うのです。 それからこの老齢年金の問題ですが、これもしばしば論じられましたから、したがって私は簡単に私の見解、考え方を申し上げて提案者の御意見をお伺いしておきたいと思うのです。しばしば論じられましたように、この老齢年金の支給額は、いまの金融機関の最低の定期預金の金利五分五厘で計算をすれば四千円をこす。それを三千六百円しか支給しないということは非常に不合理だという点が、これはどなたからも指摘をされ、強調されておるわけであります。それに対する当局の答弁としては、これは経営移譲年金を中心として考えておるのだから、したがってこの老齢年金が多少不利であってもやむを得ない、こういう答弁のように理解をいたしたわけですが、私はそういう考え方は、強制加入の加入者に対しては全く差別と申しますか、これは不合理きわまる取り扱いだと思うのであります。少なくとも金融機関の最低の利子で計算をした額だけはこの加入者に返すのが当然の措置だと思うのです。その上に経営を移譲した人々に対して優遇をするということならば、これはあってしかるべきだと思う。これは当然そうあるべきだと思うのです。しかるに経営移譲者のほうにはこれを優遇するのだから、したがって経営移譲しない者は不利になってもやむを得ないという考え方は全く不合理な考え方だと思うのですが、その点はどうでしょう。もう一ぺん御意見を聞かせていただきたいと思います。
○橋本(龍)政府委員 たびたびお答えをいたしておるとおりに、経営移譲というものを給付の要件として発足をさせる年金でありますから、その給付の要件たる経営移譲というものを満足させていただけない場合に、どうしてもそこに差異が生まれてくることはやむを得ないと思うのであります。その点については、その金額、利率のいかんを問わず、そういう差というものについては、いま先生もお考えの中でお認めをいただいたようでありますが、その場合に現行七百五十円の保険料に対し、国として助成措置を講じながらこの年金を運営してまいります現在の制度の中で、これ以上の状態がつくり得ないわけでありまして、御了解を願いたいと再度申し上げる次第であります。
○千葉(七)委員 私は経営移譲を中心として組み立てているこの農業者年金基金法をけしからぬと言っているわけじゃないのです。それはそれでいいんですが、それだからこそ経営移譲した人を優遇する、そのために移譲しない者を犠牲にするということはないだろうというのです。
○橋本(龍)政府委員 私どもは犠牲にいたすという考え方ではございません。これも何回か当委員会で申し述べてきたわけでありますけれども、従来わが国にあります各年金に比して著しく高率の国庫負担もしておるわけであります。そうしてその中で生み出された金額がこういう形であったということで、何も私どもは、優遇しないとかあるいは不利にその方々を追い込むのだというような考え方でこういう制度をつくったわけではございません。
○千葉(七)委員 しかしこの老齢年金については政府は何ら負担をしていないということになるわけですね。しかも老齢年金分の掛け金の五分五厘の計算でいくと四千何がしの支給の金額になる、それを三千六百円しか支給してないのだから、したがってこの老齢年金の部分に対しては政府は何ら負担をしてない、こういうことになるわけですね。それにもかかわらず不利になってもやむを得ないという考え方は、これは私はどうしても納得ができないわけなんです。しかしそれをいつまでも繰り返しておってもしかたがありませんから、その点は何としても私たちは納得ができない点を強調して次に移ることにいたします。 今度の基金の事業は、いわゆる年金の支給、それから、それに加えて農地の買い入れ、売り渡しが事業の内容になっておるわけですが、この条文を見ますと農地に付帯をする施設をも買い入れる、こういうことになっていますね。農地及びそれに付帯をする施設を買い入れるのだ、こういうことになっているのですが、この付帯施設には宅地とか居宅等も含まれるかどうか。
○池田政府委員 これは一応法律にもあるわけでございますが、農地等の農業上の利用のために必要な土地とか、あるいは立木でございますとか、建物とか、工作物または水の使用に関する権利ということでございまして、宅地あるいはその方が住んでいる住宅というものは考えておらないわけでございます。
○千葉(七)委員 この付帯施設には宅地や居宅は含まっていない。としますと、過疎地域の農家が一家あげて離村をする、そういった場合には、農地及びそれに付帯をする作業場——農業に付帯するといったほうがいいかもしれませんね。作業場とかあるいは立木、山林というようなものは買うのだけれども、宅地あるいは居宅等は買わないのだ、こういうことになるわけなんですね。そういうことになったんでは、これは離農をして転業をしたい、その際基金に一切を売りたいといっても、これは離村も離農も転業もできないということになるわけですが、それに対する救済の方法は一体あるかないか。その点をひとつどういう方法でそういう人の希望をかなえてやるか。その方途はあるかないか、ひとつ聞かしてもらいたい。
○池田政府委員 これははっきり申し上げますと、ないわけでございます。なぜ買わないかということでございますが、これは先ほどもいろいろ別の面からの御議論がありましたように、やはり農民からの拠出金を土台にいたしまして運用をいたすわけでございますから、基金が非常にしょい込みになるようなものを買うのは、いろいろそっちの面からの問題がございます。でございますから、たとえば非常な過疎地域等におきます土地でございますとかあるいは住宅というようなものになると、これはなかなか処分が非常にむずかしい。特に住宅等になりますと、相当年限が経た住宅を買い取って、それを基金が持って管理すること自体が非常に困難でございますし、売るのもまたむずかしいというので、そこいらは離農を援助するという趣旨から言えば、確かにおっしゃるようなことも援助すべきであるという御議論はあり得ると思いますが、かたがたやはり基金の運用ということを考えまして、そこまでは実は考えなかった、こういうことでございます。
○千葉(七)委員 そういう地帯の農家を離農させようという政策が国のこれからの農業政策の基本でしょう。そういう地帯の農家、これを離農させようというのがこれからの農業政策の基本であるとするならば、農家の離村があるいは離農ができやすくできるような方途を講ずることこそ、私は国の政策の最も重視しなければならぬ点じゃないかと思うのです。それに対しては何らの施策が講じられていないことは、非常にこれからの農業政策を遂行していく上にも大きな問題があるのではないかと思うのです。それは、この基金では買い入れをしないということですから、それはやむを得ないでしょうが、いずれにしましてもこれからの日本の農業は経営の規模を拡大して、そして農業の近代化をやり、そして外国の農業とも太刀打ちができるような農業にこれを組み変えていくというのが、これからの政府の考えている農業政策の基本なわけでありますから、したがって、こういう過疎地域の不良な農地などはこれはだんだん縮小していく、あるいは生産性の低い農地等はだんだん縮小していくという、そういう政策がこれからとられるだろうと思うのですが、おそらくこういう農地を買ってもらいたいという申し出のあるのは、こういう農地が一番多いのじゃないか。この基金に買い取ってもらいたいという希望、売り渡しを希望する農地がそういう地帯の農地が一番多いのではないかと思うのです。これは宅地とか居宅は買わない。それは考えの外においてそういう地帯の農地売り渡しを希望する農地、それは問題なく買うわけですか。
○池田政府委員 これは一定の条件に該当するものを買う、こういうことでございまして、その条件といいますのは、第一には農業振興地域でなければならない。もちろん経過的には別個の措置がございますけれども、原則としてはそうでございます。この考え方は、要するにやはり将来とも農業を中心にして地域の振興をはかっていく地域が農業振興地域でございますが、そういうところにおいではじめて規模の拡大とか農業の近代化とかいうことができるわけでございますから、そういうところで基金が必要に応じまして農地を買って、そういう目的に役立てるということでございます。でございますから、そういう可能性が非常に乏しいところにおきまして土地を買うというのは非常に問題があるわけでございます。いわゆる過疎地帯といわれているところでも、私どもは農業振興地域に指定されるところが相当多いんじゃないかと思いますので、そういうところは買いますが、それ以外はむずかしい、こういうことでございます。なおそのほかに、たとえば価格等の条件が合致した場合ということは、これは当然のことでございます。
○千葉(七)委員 これは先ほどもいろいろ議論がありましたが、この農業振興地域内においても過疎地域というのは当然あるわけですから、したがってそういう地域の不良農地を売り渡しを希望するというような場合、そういう場合におそらくこれはさっきも話がありましたが、基金が受託事務所を各県に設けるわけではないのだ。したがって買い入れの仕事あるいはそれらの評価等はこの一定の団体に対してその仕事を委託をするのだ。こういうことですから、したがってその評価なりあるいは買い入れあるいは売り渡しの実際の仕事というのは、その地域の団体がこれを行なうことになるだろうと思うのです。そういうことになれば、当然この農業振興地域内の一定の標準に適合すれば、不良農地でも買わないというわけにはいかなくなると思うのですね。生産性の低い農地でも買わないというわけにいかないだろうと思う。おそらくそういう農地がたくさん売り渡し希望が多くなるだろうと思うのです。もちろん私たちはそういう農地も希望する農家のためには当然買ってもらわなければならぬと思いますけれども、そういう農地を買い入れるということになると、結局それは売り渡しができない農地、つまり基金が手持ちをする農地がたくさん出てくるんではないか、こういうふうに考えるわけですが、この一定の団体に対してこれらの仕事を委託をするというお話でしたが、それはどういう団体を考えているのですか。
○池田政府委員 まあ団体といたしましては農協でありますとかあるいは市町村農地保有合理化法人とかいろいろあるわけでございまして、それぞれの地域の実情に応じまして最も適当なところにお願いしたい、こういう気持ちでございます。 なお前段のお話でございますが、先ほどから申し上げておりますように、この事業をやりますのは規模拡大に役立たせる、農業構造の改善に資するという見地でございますから、土地は買ったけれども全然それを農業的に利用する方法がない、可能性がないというようなものを買うのは本来の趣旨に合わない、こういうことになるわけでございます。
○千葉(七)委員 要するに私はいろいろな点から考えてみて、基金がこういう農地の買い入れ、売り渡しの仕事をするということは、この基金の目的からいうならばそぐわない仕事ではないかという感じがするのであります。というのは、いま申し上げましたように、この買い入れをした農地が考えたように順調に売り渡しができるかどうかということにも大きな不安がありますし、そういう点からいいますならば、この制度の基本となっておるたとえば安全、効率さらには福祉、こういった事業の目的にも沿わないということにもなるわけであります。しかも、この農地の買い入れや売り渡し、そういったような仕事をする機関がほかにないのならともかくも、この農地の合理化法人の指定があれば農協もそれができますし、町村もそれができるわけでしょう。それからあるいは各県等に設けられる農地開発公社等、そういった機関もあるわけですから、したがって、そういうところに対して資金の供給をするというような仕事であれば一応考えられるんですけれども、基金自体が買い入れ、売り渡しをするといったようなそういう仕事まで手を出すというのは何か過剰な仕事のような感じがするんですが、どうでしょうその点、私の考えに対する見解は。
○池田政府委員 しばしばそういう御指摘を受けているわけでございますが、私どもは実はこの点につきましては言い方は妙でございますが、相当前向きにぜひ考えたい。離農したいという方を援助をしまして農業構造の改善をなし遂げていくということにおいて、それは確かに公庫もございますし、それからあるいは今回の農地法によります合理化法人もございますけれども、さらに基金としてもそういうことの非常に密接なつながりがある組織でございますから、御援助をぜひしたい。しかもその農地の取得等につきましては、農民から集まった金でございますから、国が援助をするにいたしましても低利でやりたい、いわば組合員に還元するという考え方で低利でやりたい、こういうことで実は、あるいは農民の立場あるいは農業の立場に非常にウエートを置きまして、ぜひそれを基金としてはやりたい、もちろん集まりました金を信託に回しますとか有価証券の買い入れをするとかいうのは非常に簡単でございまして、むしろ高利というか利息をかせぐという点からはまあやりやすい方法でございますけれども、あえてそういうやりやすい方法ではなしに、そこまでやらなければどうもうそではないか、こういう非常に積極的な考え方があるわけなんでございまして、その点は御了解をいただきたいと思います。
○千葉(七)委員 私は、こういう仕事は非常に困難を伴うんじゃないかと思うんです。この評価をする、あるいは買い入れに農地の売り渡し、これが円滑にいくかどうかという問題、非常にいろいろな困難な問題が出てくるのではないか、かように考えるわけであります。したがって、そういう仕事にまで基金が前向きに積極的に、農業近代化のためにそういう仕事もやるんだというんですけれども、それは非常に危険を伴う仕事ではないかという感じがするわけなんであります。したがって、この点はどうしても私たちは納得のいかない点なのですが、それはそれといたしまして、さらにお伺いをいたしたいのは、この年金の制度の実施によって経営の規模が拡大するということ、これは大臣の提案理由の説明にもありましたし、またいろいろな関係資料等にも強調されているわけでありますけれども、私はこの年金の実施によって経営規模が拡大することに直接つながりはないと思うのです。この年金を実施したからといってその農家の経営規模が拡大をする、そういうことは直接にはつながりはないと思うのですが、この強調されている根拠はどこにあるのですか。
○池田政府委員 私どもは非常に関係があると思うわけであります。と申しますのは、従来たとえば六十五歳くらいに経営移譲が行なわれていた。それを、この年金を支給いたすことによりまして、かりに六十歳に促進をされるということになりますと、そういう経営移譲の機会というものは非常にふえてくるわけでございます。経営移譲の場合にはむすこに経営を譲る場合もございますし、適当な後継者がいない場合には第三者に土地を譲る、こういうことになるわけでございます。そういうことになりますれば、第三者のしかるべきところに土地が集積といいますかつけ加わるということになりますと、これは規模拡大になるわけでございます。そういうような意味におきまして当然規模拡大につながる、こういうように考えております。
○千葉(七)委員 農業の経営を引き継ぐ人がいなくて、他の農家に土地を譲り渡すことによって経営の規模は拡大する、こういうような答弁のわけですね。これは年金が実施になろうとなるまいと、後継者がいなければ当然だれかに売るのですよ。したがって、この年金の制度を実施したからといって、特別にその経営規模が拡大するとは私は考えない。したがって、こういう点を強調するということは何か欺瞞があるような感じがするのです。当然そうでしょう。自分の後継者がいなければ年金制度があろうとなかろうと、だれかに売らなくてはならないのはこれは当然の話ですから。したがって、年金制度が実施されることによって経営規模が拡大するということは、これは全く根拠がないことですからね。そういうところにもこの年金制度の欺瞞性があると思う。それからまた、この制度が実施されることによって農業の近代化が実現するという、これも根拠がないと思うのですね。経営者が若ければ必ず農業が近代化するというものではない。しかも五十歳、六十歳、そういう年齢の人が必ずしも保守的な退嬰的な考えを持っているとは限らないわけですよ。六十歳、六十五歳ぐらいは、もう日本人の寿命は伸びているのですから、まだしゃくしゃくたる働き盛りですよ。そういう人たちが農業経営をやるのでは農業経営の近代化が進まないとは断定できない。そういうことをこの制度が強調するところに私はごまかしがあるのではないかという感じがするわけです。 いずれにいたしましても、時間ですから私、やめますけれども、この制度は、私たちはどうしても農業者の老後に対して生活を保障する、そういう考え方からは全くはずれている制度だといわざるを得ないわけであります。そういう意味において、私たちは農民の老後の生活を保障するためには、純粋の老後の生活を保障するという立場に立って対案を提案をしているわけでありまして、その実現のためにぜひ私たちは努力をしたいと思っております。 私の考えを申し上げまして質問を終わります。
○草野委員長 次回は、明二十八日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十四分散会