農林水産委員会 第18号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/16
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鶴岡洋君。
○鶴岡委員 本日は、ただいま議題となっております外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案について若干の質問をいたします。 昨日の角屋委員の質問と多少重複のところもあるかと思いますが、御了承いただきたいと思います。また、本法案提出までに当然農林省当局としても、現在の日本農業のかかえる最大の課題、いわゆる米の過剰問題等をはじめ、激動する国際情勢等にいろいろな観点から検討されたことと思います。そこで、私はこの法案に関して基本的な運用方法、効果等についての素朴なものとなりますが、政府の考え方、見方についてお聞きしたい、このように思っております。 第一番目に、法案の中の第一項ですが、「ただし、第二号に掲げる者については、その者が、売渡しを受けた米穀を、その売渡しに係る同号に掲げる条件と同一の条件により第一号に掲げる者に対し売り渡すことが確実と認められる場合に限るものとする。」この中の同一の条件というのはどのような解釈をするのか、具体的に教えていただきたいと思います。
○森本政府委員 法律上は、政府から払い下げを受けました場合の支払い期間並びに利率、それをこの場合の条件というふうに理解をしております。
○鶴岡委員 そこで問題のところは、一号に掲げる者以外の者、すなわちこれは輸出業者、商社ということになると思うのです。そうすると、商社の利益というのはどうなるのか。もちろんその者の法外な利益というものは認められないし、また当然考えられないところでもありますけれども、相場も国によって違うし、また時期によっても違うと思いますが、この輸出業者、商社の利益をどういうふうに考えておるのか、その点お伺いしたいと思います。
○森本政府委員 売り渡し価格でございますが、原則としましてはそのときどきの国際価格に準拠して売り渡し価格をきめたいというふうに思っております。お尋ねの点は、商社の諸経費をどういうふうに考えるかということでございますが、抽象的な話でありますけれども、相手方の政府にそのときどきの売り渡し価格で売り渡しができるように考えまして、政府から商社に売る場合には商社の積み込みの費用、その他輸出の諸がかりについては適正な額を計算をいたしまして、商社に対する政府の売り渡し価格をきめたいというふうに思っております。
○鶴岡委員 そうすると、いま船の積み込み料等いろいろ話がありましたけれども、商社の純益というのはもちろん考えなければならないと思いますけれども、それはどの程度まで考えられるか、その点をお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 こまかい細目のことは実行段階で考えるわけでございますが、私ども輸入についていろいろな業務をやっておりまして、輸入商社の必要な諸がかりないしはマージンといったようなものについても適正なものを計算をするというふうなことを従来やっておりますから、さようなことに準拠をいたしまして、いまお尋ねのありましたことについては処理をしていきたいと思っております。
○鶴岡委員 次に、「前号に掲げる者以外の者」、いま言いました輸出業者、商社が相手国政府等から発注を受けて輸出する場合に、政府はその者に対しその「支払方法を、確実な担保を提供させ、」とうたっておりますが、この「確実な担保」というのは、具体的にいうと何をさすのか、お伺いしたいと思います。
○森本政府委員 通常政府がとります担保は大体のならわしができておりますが、国債その他確実な証券というのが原則でございます。
○鶴岡委員 次の問題ですが、その他の者、これも商社、輸出業者になりますが、その選定は、何社もあるわけですが、どういう基準でこの商社とこの商社というふうにきめるか。いわゆる輸出実績とか資本規模とかいろいろあると思いますけれども、どういう基準でそれをきめていくのか。また、何社くらい選定する予定にしているのか、その点いかがでしょうか。
○森本政府委員 今後検討をする事項でございますが、私どもとしましては、抽象的には、資力、信用、さらに米の貿易について相当な経験のある商社ということを考えております。現在輸入の関係につきましては、一定の基準に基づきまして登録商社というのがございますが、さようなものが大体基準になっていくものと思っております。
○鶴岡委員 次は、輸入国が主として開発途上国、東南アジア諸国ということになると思いますが、現在政府として、輸出相手国、これはどんな国があるか、どういう国を一応目標としておるのか、具体的にわかれば教えていただきたい。
○森本政府委員 主要な米の輸入国は大体十四、五ございますけれども、私どもとしては、いま、どの国を相手にしてという、特定の国を想定をいたしておるわけではありません。そういった主要な輸入国に対しまして、日本米のサンプルあるいは説明書きをもちまして、また食糧庁の職員を派遣をして市場調査ないしはPRをしようと思っております。したがいましてさような結果を待ちますれば、大体どういう国に対してどういった需要ないしは嗜好があるということがわかってくると思いますが、主として従来米を伝統的に輸入しておるような国々、それは一つの輸入対象国になろうかと思います。
○鶴岡委員 そうすると、輸出相手国の嗜好等をいろいろ研究してと言いますけれども、米はその国によって嗜好が違うわけでございます。中には古米のほうがいいという国もあるというようなことを聞いておりますが、農林省としてはその作業段階——現在この法案が通過しようとしている段階において、どの程度までその実態の研究は進んでおられるか、それを教えていただきたいと思います。
○森本政府委員 嗜好の問題でありますが、韓国でありますとか、あるいは日本米と同じようなものを常食としておるような国もございます。しかし東南アジアその他の国におきましては、通常いわゆる普通外米とわれわれが称しておるような長粒種の米が一般的に食べられておるということであります。しかしさりとて、パキスタン等に輸出をいたしました経験によりますれば、従来長粒種を食べておりました国であっても、日本から参りました米はかなり好評を博しておるというふうなことでございますから、嗜好の問題もそれほど絶対的なハンディキャップというふうには見られないのではないか。もちろん国々によってそれぞれニュアンスが違いましょうから、そういった点は十分これから調べてみたいと思います。また、円粒種と長粒種の間には一定の価格差があるというふうな国もございます。そういった点をよく配慮をいたしまして、今後輸出市場の調査ないしはPRを進めていきたいと思います。
○鶴岡委員 きのうからもお話があるように、東南アジアにおいては、同じ東南アジアでも、米を輸出する国と輸入する国とがあるわけですけれども、この輸出についての相手国との交渉、また相手国が輸入可能かどうかという打診は、どのようなルートでするのか。またどういう点で相手国に輸出を決定していくのか、その基準といいますか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 第一号のような、かなり大量でかつまた長期的な延べ払い条件といったようなものは、大体の話の筋道としては、政府が介入をしてくるということになろうと思います。そういう関係から、日本の大使館なり公使館といったような外交ルートを通じて話が始まってくる、また私どもの打診も行なうというふうなことになろうかと思います。しかしそれだけでは米の輸出について十分ではございませんから、もちろん従来経験のあります商社等を通じまして、日本米の輸出の可能性ないしは契約問題について打診をしていきたいと思っております。
○鶴岡委員 次ですが、本法案は暫定措置法案、このようになっております。いつごろまでと政府はこの暫定措置法案を考えておるのか、大体見当として何年くらい先までと目されておるか、その点いかがでしょうか。
○森本政府委員 前から御説明をしておりますように、今回の法案の主たるねらいは、日本の米のこういった供給過剰の状態あるいは政府における過剰在庫の状態といったようなものに照応いたしまして輸出の円滑な推進をはかりたいということでございますから、抽象的に言いますれば、日本の国内における米の供給過剰なりあるいは過剰在庫の状態が続く間は、こういった法案によって米の輸出の円滑化をはかっていきたいということでございます。いま直ちに具体的な年数をもってどういう期間ということは言い得ないと思いますけれども、ある程度の期間はかような状態が続く。もちろん生産調整その他によって新しく過剰の累増は避けたいということをできるだけやっておりますから、従来までたまっておりますものの処理というものがどの程度の期間に行なわれるかということによってきまってこようかと思います。
○鶴岡委員 次は政務次官にちょっとお聞きしたいんですが、この米の輸出を円滑にするためには、輸出が期待できる東南アジア諸国の経済事情、外貨の事情を考慮しなければならないわけですが、一方、アジア地域における協力問題は各国の自主性強化を基本として政治、経済の各方面にわたり国際関係の主要な基調となってきておるわけですから、わが国としても経済協力の具体的な協調施策を打ち出さなければならないんじゃないか、このように思うわけです。こういう点について政府はどのように考えておられるか、政務次官にお聞きしたいと思います。
○渡辺政府委員 御質問の意味が私はよくわからないんですが、この延べ払いの輸出を行なうにあたっては政治、経済というものとどういうふうに関連をさせて行なうかというような意味ですか。——もともとこの法案は米の過剰というものを処理するというのが一番の目的でありますから、経済援助あるいは政治的にどうこうというようなことは二義、三義的なものであります。したがって、日本としてはまず当面の米の過剰、しかも古米、古々米の処理、こういうものの一環としての貸し付けというような制度では、きのうもお話をいたしましたが、これは等質米で返還される見込みがないとか、あるいは量で余分に返されても困るとかいう問題が起きるので、そういう問題を避けるために、しかも日本の過剰米を処分しやすくするためにこしらえた法案であって、どこまでも日本の立場でつくられておるわけであります。しかしながら、それが長期の延べ払いというような形で受け入れる国があって、その国に提供いたしますと、結果的にはそれは何といいますか、一つの経済援助のような形になるわけであります。経済援助としてつくった法律ではありませんが、結果的には経済援助的な効果をもたらすということはあり得ると思うのであります。だから、まず政治的な効果をねらって、どこの国にどういうふうにやるかというようなことを考える前に、御希望な国がどこにあるかということが先であろうと思うのであります。そして、希望のある国に対してこれが提供されて、その結果としてその国の経済の発展に寄与するというようなことがあればなおさらけっこうだというふうに御理解をいただければいいと思います。
○鶴岡委員 昨日も話に出ましたけれども、米の輸出については貸し付け方式のみでやっていけば、将来わが国の需給のバランスといいますか、それがくずれる要因ともなりかねない、こういう危惧が考えられるわけです。そこで売却方式の輸出がとられると思うのでありますけれども、きのうのお話で、過去韓国にもまたパキスタンにもインドネシア等にも貸し付けをしているわけですが、この法案成立後、この貸し付け方式また供与等についてはどのように考えておられるのか、もちろん並行してやらなければならないとも思いますけれども、その点についてもう一度お伺いをしたいと思います。
○渡辺政府委員 これはこういうふうな法律をこしらえるわけですから、いままでの食管法等で輸出や貸し付けというものができたわけでありますが、それでは不十分だから古々米を処理する上においてこの法律があったほうがなおさらいいということで延べ払いの法律を新しくつくるということですから、この新しい延べ払いの法律が中心になって今後行なわれる、こういうふうに考えていただけばけっこうで、いまの段階で貸し付けや、いままでやったような方法は一切やらないということをここで言明することはできません。ただこの法律が中心になって、大部分はこの法律によって外国に対する米の輸出、米の処理というものが行なわれるようになるだろう、こういうことであります。
○鶴岡委員 現在の状態では、輸出については各国間の状況を見て単発的に行なわれると思うのですが、相手国からの買い入れが単発的でなくて、たとえば年に三万トンなら三万トン継続的に契約してもらいたいという話があることも考えられるわけです。こうなればこちらとしても非常に望ましいことではないかと思うのですが、その場合に何年かの継続契約をやるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 昨日もお話をいたしましたように、需給事情はかなり転換期といいますか変動期にございますから、かなり長期にわたった輸入契約ないしは協定を相手国から申し込んでくるかどうかということは現実的には必ずしも期待はしにくいような状況ではなかろうかと思います。したがいまして、輸出はそのつどそのつど個別の案件として処理をするという形態が大部分になろうと思います。しかし、相手国の事情によりまして、向こう側から継続的な米の輸入について取りきめをしたいというふうなお話がございますれば、私どもとしてもまことにけっこうな話でありますから、向こう側の事情を十分伺い、また私どもの事情を十分考え、事情の許す限りさような要望には応じてまいりたいと思います。
○鶴岡委員 本法案は米の延べ払い輸出を法的に裏づけることによって過剰米処理の一助とすることに目的があるわけですけれども、今後輸出が期待できる国々は、先ほど申しましたように東南アジア諸国であろうと思われるわけです。その多くが開発途上国であって実質的には外貨不足に悩む国が多いところに、世界最大の輸出国であるアメリカがこれら諸国に対して低利長期の延べ払い方式による借款供与をしておるわけでございます。この大国を相手にこれから日本はいわゆる国際市場のシェアに飛び込んでいくわけでございますけれども、政府としては、この法案成立についてどのくらいの輸出数量を期待し、また見通しておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 これも昨日お話を申し上げたかと思うのですが、この一年間に、資料にもお配りしておりますように約八十万トンをいろいろな形で外に米を出しております。最終的な見込みにつきましては、先ほど来申し上げておりますような本格的な市場調査の結果を待って判明することと思いますが、この法案が成立をすれば二、三の国からそういった形の輸入の申し込みをしたいといったような非公式情報もあるわけでございますから、私どもとしてもできるだけひとつ多量の米の輸出について努力をしていきたいというふうに思っております。
○鶴岡委員 もちろんただ先方からの引き合いを待つだけではないと思いますが、この輸出振興対策といいますか、伸ばすために先ほどもちょっとお話がございましたが、PR等も必要ではないかと思われるわけです。積極的にどんなPR方法、また推進方を相手方に働きかけるか、その点についてどう具体的に考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、一般的なPRないしは市場調査としましては、主要な米の輸入国に対しましてまず日本の現物を見本として持ってまいります。それは玄米の形もあれば精米の形もある、あるいはパーボイルドライスといったような多少相手方の嗜好に合うように加工した米といったような数種の見本を持ってまいります。それから日本米の特色等について解説をしたパンフレット、その他参考になる資料を携行いたしまして、主要な輸入国に対して私どものほうから人を派遣して、市場調査ないしはPRをしたいというふうに思います。それは一般的な話。 それから個別の話としましては、この法案が成立いたしますれば当然在外公館にも十分さような趣旨がわかるような連絡をいたしまして、相手方政府並びに主要な関係者に対してよく日本米の輸出についての趣旨の徹底をはかる、それから主要な関係商社にも私どものほうからよく話をしまして、そういった商社が得意としております市場について、やはりPRないしは市場の調査をはかっていくというふうなこと、いろいろな手段を通じまして日本米の輸出についての理解を深めていきたいと思います。
○鶴岡委員 最近の新聞等によると、余剰米に引き合いがだいぶあるように見ますけれども、もっともこれは日本が余剰米をかかえて困っているという事情を聞いてのことだと思いますが、非公式でも公式でも大体どのくらい現時点において引き合いがあるか、その点についておわかりになれば教えていただきたい。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、まだ確定的な数量ないし相手は十分つかんでおらないのでございますが、先般パキスタンのほうと交渉いたしました際に十万トン貸し付けをいたしたわけでありますが、なお四十万トン程度のものは、こういった法案が成立をすれば申し込みたいといったような非公式な意向も漏らしております。なお、インドネシア等に対しても、向こうから要望があるのではないかといったような非公式な情報も得ております。なお、関係商社のほうからも、数カ国の輸入についての情報を多少得ておるといったような状況であります。
○鶴岡委員 次は国際価格の問題ですが、日本の国が政府手持ちを輸出するについては、国内米の価格が国際価格から見ると二倍から三倍にもなっておるわけでございます。その差額というのは、今度はもし輸出をすれば、食管会計が負担しなければならないという状態になると思うんです。すなわち、輸出すればするほど財政負担の額は大きくなるんじゃないか。これはもう当然だと思うのですが、この際食管赤字の増大が考えられるけれども、これに対しどういうふうに対処していくのか、政務次官にお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 御指摘のようなことで、国内の価格と輸出価格との間に差額がありますから、それについての財政負担という問題が生じてまいります。いまのところは的確な輸出の数量が折り込めないというふうな状態でございますから、四十五年度予算におきましては、大体過剰米処理対策というようなことで一定の額を見込みをもって計上しております。輸出が今後進んでまいりますれば、それに伴う財政処理については、財政当局とも十分ひとつ話し合いをしてみたいと思っております。
○鶴岡委員 わが国の売り渡し条件として、輸入国政府に対し円滑な輸出をするために、とありますけれども、アメリカの対外援助と同程度のクレジットにする必要があるんではないか、このように思われるわけです。経済事情も違うアメリカと同じクレジットでこちらは割りに合うのかどうか、この点いかがでしょう。
○森本政府委員 御指摘のように、こういった状態で米を円滑に輸出をしていくというためには、外国のほうでどういった条件で輸出をしておるかということを十分にらみまして、私どものほうの輸出についての条件も定めなければならぬというふうに思います。したがいまして、法律におきましても三十年といったようなかなり長期の延べ払い方式、また金利につきましても先般来御答弁を申し上げておりますようなことで、アメリカのPL四八〇に準じたようなことで私どもも考えていこうと思っておるわけであります。
○鶴岡委員 いままでの貸し付け方式その他によって、数量にすると八十万トンの米の輸出を行なっておるわけであります。これも当然考えられることでございますが、今度これが韓国、パキスタンからの返還六十六万三千トンに対して、将来需給のバランスがくずれるのではないか、このような点についてどういうふうに政府としては対処していかれるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 御指摘がございましたような数量の貸し付けをすでにいたしておるわけでありますが、そういった数量が一時に返ってくるわけではございませんで、二十年間というきわめて長い期間にいわばなしくずしに返ってくるということでございますから、従来貸し付けをいたしましたようなものがわが国に返還になる時期におきまして、単年度にしますとそれほど大きな数量ではないということで、わが国の需給に対して大きな撹乱要素になるというふうには判断をいたしておりません。
○鶴岡委員 このことについて新聞紙上で見たのですが、過剰米に悩む食糧庁にとって条件はともかく、在庫量が減るのはこれは大歓迎である、返してもらおうとは思っていない、代金を積み立てて開発資金にでもという記事を見たのでございますが、この点について何か具体的な話があるのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 別段、具体的な話はあるわけではございません。私どもとしては、貸し付けをいたしました条件が的確に履行されることを期待をいたしております。
○鶴岡委員 ガットのロング事務局長がこのように言っておるわけです。伝統的に農産物輸出国でない国は輸出をしないというような内容の国際宣言をまとめたい、このように提案したと伝えられておりますけれども、もしこの提案が実現しますと、わが国のように伝統的な農産物の輸出実績を持っていない国は輸出できなくなることになるわけです。これは公式ではないとは思いますけれども、そうした場合に本法案を成立させても何ら効果を発揮することができなくなるわけです。この問題についてお聞きになっておられるかと思いますが、どのように対処していかれるかお伺いしたいと思います。
○小暮政府委員 ガットのロング事務局長が来日いたしましたときに、ただいまお話しのような趣旨のことを述べたと当時新聞で報道されたことがございますけれども、この点は実はそのような具体的な直接の提案が当時あったわけではございません。ただ、本年の二月にガットの総会がございました。この総会の席で、農産物の輸出国は輸出補助金づきでなければ売れないような過剰農産物を生み出すような政策をとるべきではない、また農産物の輸入国は、政府の補助によって自給率が高まる結果、輸入の可能性が漸減するような政策をとるべきではない、こういった考え方を農業政策運用の原則として認め合ったらどうだろうかという提案がなされた事実はございます。しかしこの提案につきましても、関係国が種々検討した結果、そこまで機械的に申し合わせることは適当でないということで、何の申し合わせも行なわれなかったという経過でございます。
○鶴岡委員 過剰米処理対策の一環として米が売り渡されるわけでありますけれども、古米、古々米の在庫量は四十五年度末には約八百万トンにもなるだろう、このようにいわれておるわけでございますが、現在売り渡す米の質の問題でございますが、これを処理する場合に古々米から処理をするのか、古米から処理をして売り渡されるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 輸出についてのお話であろうと思います。輸出につきましては原則として、私どもとしては相手国の希望に応じて売り渡していきたいというふうに思います。処理のこちらのほうの都合といたしましては、できるだけ処理に都合のいいような品質から売却をしたいということは、管理をするもの、あるいは国内的な事情からいいまして当然の話であります。 従来の実績を見ますと、たとえばパキスタン等は品物を見せましたところが、四十二年産のほうが嗜好に合う、つまり古々米のほうが嗜好に合うというふうなお話がありまして、私どものほうもきわめて好都合であったわけですが、沖繩等に対しまして売却をいたします際には、やはりああいった特殊な関係でございますし、昨年の暮れなどはオール新米で渡してくれというふうなお話がありまして、そういった希望に対しては私どものほうも十分事情を考慮して品質を考えたということであります。 原則としては、さようなことで相手方とよくお話をしまして、向こうの希望、こちらの都合をよく調整をして年産別の売り渡し数量をきめていきたいというふうに思います。 なお、米を海外に輸出いたします際には、最低相手側からクレームのつかない、またむしろ積極的に日本米の品質が好評であるというふうな形で品質の問題を考えていきますほうが、将来の米の輸出については非常に好都合でありますから、さような点も十分留意をいたしまして、年産あるいは品質について慎重に配慮をしていくことにいたしたいと思っております。
○鶴岡委員 次にこの古米、古々米の輸出についてでございますが、かつて日本が食糧難時代、昭和二十八年、二十九年ごろに東南アジアから輸入したいわゆる外米の中に黄変米があったのは御記憶になっておられると思いますけれども、今回は逆に輸出するわけでございますが、この際輸出先がおもに東南アジアから南方方面にかけての輸出となるわけでございます。そこで、輸出過程において、その米の管理方法、また気候にしても高温多湿の地方でございますので、万が一米の変質によって人体に危険性があるようなことが出てくれば、これはいわゆる国際信用の問題でもございます。この点について、米の保管、それから管理方法、輸出方法についてどう考えておられるのか、ただ万全を期すというだけではなくて、検査方法とか搬出方法、予防対策等については当然考えられなければならないと思うわけです。この点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 御指摘のようなことでございますから、私どもとしても米の品質については十分注意をしなければならぬというふうに思います。したがいまして、輸出にあたりましては、まず出庫にあたってできるだけよく精査をいたしまして、品質上問題のないものを充当するということを考えております。また特に高温多湿といいますか、非常に温度の高い、また湿度の高いような東南アジア地帯に米を輸出をいたします際に、輸送の過程あるいは向こうへ参りましてから保管の途中で変質をしないような品物、なるべく水分の低いものを選んでまいる。また精米で輸出することが非常に多いわけでありますが、精米で輸出をいたします場合には、搗精の歩どまりについても通常のものよりは若干落としていく、要するにつき込みをよくするというようなことを考える。またぬか切れについても十分研摩機等にかけましてぬか切れをよくしてまいるというふうなことで、特別に品質の管理には注意をいたしたい。また、当然のことでありますが、輸出にあたりましては輸出の港において国際的な検定機関の検定にかけるというふうなことで、品質上の管理を十分行ないたいと思います。 なお、念には念を入れるというふうなこともございますから、たとえば先般パキスタンに貸し出しをいたしました際は、わざわざ食糧庁の職員を現地に派遣をいたしまして、着いた品物はどういうふうな状況になっておるか、またその後における保管管理というのは一体どういう形で行なわれ、向こうで消費されました場合の評価はどうかといったようなことをよく見さしております。なお、パキスタン等に運送いたします際には、現在運送しておる途中でありますが、船に食糧庁の職員または十分信用の置けますところの検定機関の専門家に同乗をしてもらいまして、輸送の途中において米の品質がどういうふうな状態に管理をされておるかというふうなことも十分見さしておるような状況でございます。 あれこれよく注意をいたしまして、品質上問題のないようにしていきたいと思っております。
○鶴岡委員 この際ちょっと自主流通米のことについてお聞きしたいのですが、一昨日ですか、サンケイ新聞で、自主流通米をスーパーマーケットで販売する、こういう記事が出ておりましたが、昨年はスーパーマーケットでの販売を農林省は待ったをかけておりましたが、ことしはそれに踏み切った、こういうことでございますが、その理由はどういう理由で踏み切られたのか。ここには「消費拡大」「七月ごろ実施」ということが書いてありますけれども、この点についてお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 自主流通米につきましては、四十四年産がああいうふうな経過ないしは実績の見通しということになっておりますから、私どもとしましては、四十五年産について自主流通米の運用なりあるいは制度の改善ということについて、前向きに検討したいということで目下やっておるわけであります。ただ、結論的に申しますと、御指摘がございましたような新聞の記事、スーパーマーケットに自主流通米を販売させるというところまで目下のところ考えているわけではございません。何ぶんにも自主流通米の制度というのは全体の配給制度の一環として組み込まれておるわけでありまして、いろいろな流通の規制なりあるいは態様というのはほぼ一般の配給米と同じようなかっこうになっておるということでありますから、そういった体制の中でスーパーマーケット等に販売をしていただくことになれば、なかなかむずかしい点があるのではないかという感じがいたしております。また、監督が十分にいくかどうかということも考えなければならぬ。そういったものが入りました際の販売についての効果、弊害ということも十分考え合わせなければならぬということで、結論的に申しますと、まださような点まで考えておるわけではございません。
○鶴岡委員 そうすると、スーパーマーケットで販売をするということはいま考えてない、このように理解してよろしいでしょうか。 それと、このサンケイ新聞は非常に詳しいわけです。七月ごろから実施するとかスーパーのほうでも許可さえあればすぐにでも販売したい、非常に詳しい内容があるわけなんですけれども、これは誤報である、このように理解してよろしいでしょうか。
○森本政府委員 いま御答弁を申し上げましたようなことで、現在の段階においてはさようなところまではいっておりません。
○鶴岡委員 誤報は誤報でいいのですけれども、それでは自主流通米の量については、去年はたしか百七十万トンで約半分以下の七十三万トンですか、それだけの消化しかできなかった、このような数字が出ておりますけれども、ことしの見通しはどのくらいになっておるか、この点をお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 自主流通米の実績は二月の末までに大体七十四万トンぐらいまでいっておると思います。今後まだ多少の期間が残っておりますから、私どもとしては全体を通じて約九十万トン程度に自主流通米の実績がのぼるのではないかという見込みを立てております。
○鶴岡委員 それでは最後ですが、沖繩に関しての問題でございます。 沖繩への米の輸出問題についてはいろいろ問題がございますけれども、政府は四十五年度に三万三千トンの輸出予定になっております。沖繩における年間消費量は約九万トンと聞いております。その九万トンのうちの約九割が、アメリカをはじめオーストラリア等から輸入しておるわけでございます。したがって、この諸外国からの輸入を全面的に日本の国内産米に切りかえる考えは現在農林省としてあるかどうか、この点について政務次官にお伺いしたいと思います。沖繩現地の人に聞いたわけでございますが、輸入米は非常にまずいとも言っております。この際、日本の余剰米対策としても当然考えられることではないか、私はこのように思うわけでございますが、切りかえる考えはあるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 沖繩に対する米の輸出でございますが、何ぶんにも沖繩のほうは日本とこういった関係にあるところでございますから、私どもの気分としましては、沖繩側から要望があれば、そういう数量については十分おこたえをしたいというのが私どもの気持ちであります。ただ実際の沖繩側の手続によりますれば、琉球政府のほうでいろいろ考えまして、また向こうには民政府といったものがございますから、さようなところとも御相談をする、あるいは承認を受けるという形をとって、実際の日本からの輸入の数量、日本側に対する輸入の要請というものが行なわれてくるように伺っております。私どもの気持ちとしては、沖繩側から要望がございますれば、それには十分こたえていきたいという感じを持っております。昨年の暮れも、急に新米を新年に配給したいというお話がありまして、たいへん忙しい思いをしたのでありますけれども、沖繩側のたっての要望でありますから、あまり期間もありませんでしたけれども、できるだけ手配を早く進めまして間に合わしたということで、沖繩側からの要望があればひとつ前向きにやっていきたいと思っております。
○鶴岡委員 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
○草野委員長 角屋堅次郎君。
○角屋委員 倉石農林大臣が十二時過ぎにおいでになるそうでありまして、本日は二法案の採決の関係で、大臣に対する御質問はそれぞれ十分ずつということでありますので、きのうに引き続きまして少しく御質問を申し上げたいと思います。 数日来議論しておりますように、本年の十月に八百万トン近い米の持ち越しが起こる、この過剰在庫を処理しなければならぬ、そういう当面の非常に頭の痛い問題がございますが、同時にその問題と関連して、議論をしております本法も提案されておるわけでありますが、この輸出の問題と同時に、国内のいわば生産調整あるいは積極的な面では消費拡大というようなこと、いろいろ考えていかなければならぬわけでありまして、きのうも質問申し上げましたように、いわゆる過剰米対策についてはこれから真剣に取り組んで結論を出していこうという姿勢に政府自身もあるわけであります。 そこで、消費拡大の問題の関連の中では、一つの期待をかけております学校給食の問題について、農林省が新しく新年度から試みた米飯給食の試験実施というのは必ずしも成績がうまく進まぬようだ、計画の大体三分の一程度の段階にあって、これからまたさらにお願いをしていかなければならぬ実態にあるということが数日来の新聞でも報道されておりますし、またその報道を待つまでもなく、私どももその情勢については承知をしておるわけでありますが、この学校給食の予定をしておりました計画が、たとえば小中学校の関係で九十二校、定時制高校で二十校の米飯給食の実験校を指定してやるというのですから、全国の小中学校、定時制高校から見れば、数としてはごく一部になるわけですけれども、この間の事情がどういうふうになっておるのか、どこに問題点があってせっかくの試みが円滑に進まないということになっておるのか。あるいは、せっかく新年度から新しく乗り出したことであるから、やはり隘路があるならばその隘路を打開するためにどういう手を打とうとしておるのか、こういう点について、農林省当局から経過と問題の処理の方針についてお伺いしておきたいと思います。
○森本政府委員 この問題は主管が文部省でございますから、私ども昨年の暮れからことしにかけまして、文部省の当局のほうと、学校給食における米の利用を今後円滑にしていく、積極化していくにはどうすればいいかということをかなり長い期間にわたって議論をしたといいますか、打ち合わせをしてきたのであります。一つは、文部省のほうとされましては、何ぶん長い間学校給食の食事の形態としてはパン食、それから牛乳、それに配するにおかずというような形が主要な形態である、完全給食の姿としては主要なものだということでやってまいりました。したがいまして、一どきに画一的に米に切りかえをするということにはそこにいろいろな問題が起こってくるということでございますから、まず一つの考え方としては、米作地帯等で学校給食を希望する学校がございます。現に多少の数字でありますけれども、学校給食に弁当を持ってくるとかそういう形でやっております。そういうところに対しては、学校給食上の補助について、いままではパン食の場合に比べて必ずしも十分いっていないというふうなことがございますから、さようなものについても今後助成の面であまり差別をつけないというふうな形でやっていったらどうか。全般的に米の給食をやってまいりますには一つ問題になりますのはやはり経費がかなりかかる。新しく炊飯施設をつくらなければいかぬ。それから、パンと違いまして、米をたいて、それを食器に盛るというふうなこともありますから人手間がかかるというふうなこと。それから、食事の献立について十分栄養が配慮されるような献立をどうつくればいいかといったようないろいろな問題がありますから、さような問題を十分解明するということとあわせて、米飯の利用を促進するといったようなことから、御指摘がございましたような校数を選んで、学校給食の試験実施についての補助をしていきたいということになっておるわけであります。先般新聞に載りましたような状況については、文部省のほうとはまだ十分打ち合わせをしておりませんから、私どものほうで必ずしも実態がつかめておらないのでございますが、もし新聞に伝えられておるように希望校が少ないということが実態でありますれば、私どものほうとしても文部省とよく打ち合わせをいたしまして、今後こういう問題についてどう対処していけばいいか、真剣にひとつ研究をしてみたいと思っておるのであります。
○角屋委員 当面の米の過剰在庫の状態からいって、消費拡大の一つの重要な手法として学校給食ということを当面の緊急対策としてやらざるを得ない、またやることが必要である。むしろ、この点では学校給食に対しては去年あたりにテストケースをやって、ことしからはもう少し前進をした体制というのがとれるほうが望ましかったと思うのだけれども、一こま手がおくれておる。相当量の在庫というので、過剰在庫のいわばはけ口に学校給食に回してきたという印象を強く与えておることが一つの問題点になるのだろうと思うし、いま長官からお話のありましたように、経費その他人手の問題もあるでしょうけれども、ただ、せっかく学校給食に新たな手を打とうとするときに蹉跌をすると、来年度以降さらに一歩前進をさせようということにも障害が出てくると思うのでありまして、私はここでこの問題をさらに深くお聞きしようと思いませんけれども、少なくとも本年度最小限の計画でありますから、この計画が円滑に実施できるように、いまの長官の御答弁からいきますと、直接の所管でないので実態を文部省にもよく聞いてということでありますが、これは農林省としてある意味ではお願いしておるほうなんだから、実際はよく知っていなければならぬはずなんですね。そういう点は別として、本年度のささやかな計画については円滑に実施できるように、また必要な手を打たなければならぬとすれば、そういう必要な手も打ちながら来年度への展望を切り開くということでぜひ努力をしてもらいたいと思うのですが、その点は、大臣おいでになりませんから政務次官いかがでございますか。
○渡辺政府委員 学校給食の問題は私どもの党内でもずいぶんうるさい人がありまして、なぜやらせぬか、もっとやらせろと、こう言うのでありますが、希望をとってみると、この間の新聞でもあるように、案外にそういうことを言う人の地元で賛成が少なかったりすることが多い。私どももそういう経験があるわけであります。これは一にかかって、長い習慣もありましょうが、先ほど局長が言ったように、やはり人手がかかる、それで現在必ずしも学校給食をやる場合それ相応の人手をふやしてやっておるわけではなくて、先生方がずいぶん御奉仕をして、パンを分けてやったりいろいろなことをやっているようであります。それがお米ということになって、しかも学校でそれをたいて出すというようなことは、経費の面ばかりでなくて、そういうふうな手数の面で非常に問題があろう。私個人的に学校の先生方にもずいぶん聞いてみるのですが、まず賛成をする人は非常に少ないということは、われわれ当たってみて実はそういう感じを受けておるわけであります。しかし、そうかといって新潟県やあるいは秋田県のような、これはたとえばの話ですが、米どころの産地で何もパンを食わせなくたっていいじゃないかというのも、率直な住民感情として当然でありますから、やはり施設その他を一切全部学校でつくるというようなことよりも、もっと、ともかく弁当を持ってくればおかずは学校でつくってあげます、それに対する補助は差し上げます、こういうようなことで進めるということのほうが、むしろどこで食ったって米の消費ということですから、学校でつくってみてもあるいはうちから持ってきたものを食っても米の消費には変わりはないんで、私はそういうことのほうが米の消費という点からすればむしろはかどるんじゃないかというような気がいたしておるわけであります。もちろん学校給食については、今後ともいろいろお知恵を拝借をして、その消費拡大ということに努力をしていくつもりではおりますけれども、半強制的に都市まで含めて全部学校給食に米を出させるということは、私の見通しとしては非常にむずかしいんではなかろうか。したがって抵抗のないような形で、先ほど言ったような方法等を取り入れてやることが一番いいのでないか、そういうようなことで進めてはどうかということを言っておるわけであります。ただ、学校が直接給食をするというものに対して、ことしもお米は無償で提供します、補助金も施設については相当大幅に出しますということをいって宣伝をしているのです。それについても正確な報告は受けておりませんが、私も新聞で承知をした程度でありますが、あのような模様であることが事実のようであります。したがいまして、なかなかうまいきめ手がないんですけれども、今後とも一そうの努力をはかっていきたい、かように存じます。
○角屋委員 学校給食問題について、これを実施しておる諸君の受けとめ方の問題が私は一つ問題点があると思うのです。日本の国内でできる農産物を、米にしろあるいは小麦にしろ使って、それで学校給食が行なわれるということならば、これはいわゆるどちらを選択するかということでありましょうけれども、申し上げるまでもなく、パン給食ということになれば、これはいま四百万トンの大台で外国から外貨を使って輸入しておる問題なんですね。しかもわれわれは、今日の米の過剰在庫の状況からいくならば、この四百万トンの大台を、国際貿易の関係から申しますと全部やめるというのは暴論でありますけれども、少なくとも三分の一くらい圧縮するとか、あるいは二割圧縮するというようなことを当面の緊急対策として考えたらどうだという意見を持っておるわけであります。そういうふうな前提に立って、つまり日本のいわば農政サイドの観点に立ってあるいは国益の立場に立って考えてまいりますと、学校給食というのはいわば公的に実施しておるわけですから、一般の国民がうどんを食べるか米を食べるかあるいはパンを食べるかということは一々制約するわけにもいかぬでしょうけれども、私はパン食を中心にした学校給食、本来の学校給食がねらった給食の趣旨、やはり次代の青少年の多面的な食事を通じて体位の向上をはかろうという趣旨そのものは、何も否定する必要はないと思うのですけれども、最近の米のこういう状態からすれば、緊急対策として頭の切りかえをやる、そういった点については給食実施者も強力な姿勢をとるというのが本来の姿であると思うのです。そういうことも含めて、やはり文部省自身にもこの米飯給食の問題については基本的な考え方の置きどころを——これはかって、ちょっと古い話になりますけれども、学校給食協会のあり方について、本委員会でもずいぶん議論をしたことがありましたね。そういう議論は別として、やはり現実にわずかばかりの実験校の問題が、いまの報道からいくと三分の一程度だというのは非常に残念な実態だと思うのです。これはやはりできる限りこの計画が円滑に実施できるようにぜひ努力をしてもらいたいし、その前提に立って、生産地と消費地では、学校給食で米飯を取り上げる問題は、私は率直にいって、これはちょっと条件が違う点があるだろうと思いますけれども、それにしても、さらに前進が来年でできるような方向で努力をしてもらいたいと思います。 それから、やはり消費拡大と関連をして、最近新聞に、茨城県の農協におけるいわば政府から売り渡された米をまた逆に政府に売ったかのごとき報道が出ておるわけです。若干食糧庁の調査の結果等を聞きますと、あの報道自身には実態を伝えてない状況もあるというふうにお聞きしておるわけですが、この状況について、ひとつ事務当局から、どういう実態になっておるのか、まず真相を御説明願いたいと思います。
○森本政府委員 御指摘の茨城県で起こりました事件でございますが、現在水戸警察署におきまして捜査中の事案でございます。私どもの末端の機関並びに県の当局におきましても調査をいたしておりますけれども、現在進行中のことでございますので、まだ完全に事態が判明しておるというわけではございませんが、現在まで私どものほうで入手をいたしました結果によりますれば、水戸市の上大野という農協でございまして、主として四十四年産の陸稲の買い入れについて発生をした事実のようでございます。 この農協は、昨年におきましては約百俵程度の陸稲の売り渡しといいますか、政府側からいえば買い入れの実績のある農協でありますが、その農協が、五十五俵陸稲を持ってまいりまして、さらに百八十六俵の陸稲の売り渡しの申し込み並びにそれの前段階としての検査の請求がございました。そこで担当の検査官は、従来の実績からいいますとこれは少し多過ぎるのではないかというような不審の念を抱きまして、みずから、または関係者にお願いをいたしまして、その売り渡しの手続といいますか、それを調べました。特定の数人の組合員から委託を受けて政府に売り渡すのであるという説明でありましたけれども、部落に参りましてさようなことを聞きましたところ、そういう事実はどうもないということが判明をいたしました。それでその売り渡しの手続が正当なものではないということで、関係の私どもの出先機関においては買い入れを行なわなかったということでございます。 なお、一体そういった米はどこから来たのかということを調べましたところが、やはり水戸市にありますところの人から頼まれて、農協が売り渡しにがかったということが判明をいたしております。 さらに、上大野農協の周辺にあります二、三の農協についても、そういった事実があるのではないかという疑いがございまして、私どものほう並びに関係の警察署のほうでいま取り調べをしておるというのが現在の状況でございます。 それから、そういった関係の農協からすでに買い入れをいたしました米について、現在そういう農協の倉庫に入っておるものもございますし、それからすでに消費地のほうに搬送したものもございますけれども、現在残っておりますところの買い入れた昨年産の陸稲について調査をいたしましたところが、それの品質は古米ではなくて新米であるということが判明をいたしております。
○角屋委員 いま食糧庁長官からお話しになりました茨城県の問題は、私自身直接現地の調査をやったわけでもありませんし、現に官憲がすでに捜査に入っておるわけでありますから、そのこと自身の問題については、いま情勢について報告をされた、その点を承るということで終わりたいと思うのですけれども、ただいわゆる消費拡大と関連をして、これから新規用途にも新しく振り向けていこう、場合によってはえさにも回そう、あるいは海外にも出していこうというようなことで、いわば食糧管理制度ができてからいままでのノーマルなルールによる運営方針から、新規のものがたくさん出てくる形勢にあるわけですね。したがって、いわば政府の買い入れ価格、売り渡し価格との逆ざやとか、いろいろな問題も含めて、この報道されたそのもの自身は、必ずしも実態と合わない報道であったにしても、この種報道に類するような問題というものが出てくる危険性というのは、当然持っておるわけですね。したがって、そういうことも含めて、今後の監督指導体制、こういうものをどういうふうにやっていくかという点については、やはり新しい観点から考えていく必要があるだろう、こういうふうに思うのです。その辺のところは十分御検討の過程にあると思うのですが、どういう考え方におられるか、ひとつお伺いをしておきたいと思います。
○森本政府委員 御指摘の点は、私どもが今後過剰米の処理として、国内に米を販売をしていきます際に、最も注意しなければならない肝心な点だと思っております。現在、過剰米の処理としてはまだ必ずしも新しい用途に販売をしておるわけではございませんが、なるべく早い機会にそういった処理の全体のめどをつける資料にも資するという観点から、新しい用途について、たとえば飼料用等について、あるいは一部の工業用等について試験的な売却をしたいということで、いま研究をしておるところでありますが、そういったことをやります際に、横流れといいますか、目的外に使用されるということを極力防止をしなければならぬということで、現在検討しておりますところでは、たとえば飼料用に販売をするということでありますれば、第一種の配合飼料工場に相手を限定する。またできるだけ監督の便にやすいように、自動化をしたような工場を、主として相手として選定をする。また売却にあたりましては、作業場なりそういう工場に向かって、政府のほうから政府運送によって送りつける。また製造の過程におきまして、食糧庁の職員ないしは信用のある検定の専門家に、よく監督をしていただくといったような種々の観点から、目的外に使用されるということを極力防止するような方途を、いま研究をしておるところであります。何ぶんにも大量にわたる過剰米を、将来処分をしていくことになるわけでありますから、さような安全を期するという観点も一つ大きく重視をしなければなりません。またこういうことが迅速にといいますか、持っておりますと保管料にしても、あるいは金利にしても相当かかってくるわけでありますから、迅速に計画的に処理をするというふうなことも、一方考えなければなりません。そういう両者のかね合いをいかように調整をし、配慮しながら今後処分をしてまいるかということは、私ども目下一番頭を悩ましておるところであります。
○角屋委員 当面審議の俎上にのぼっております外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案、この問題と関連をして、わが国の米の輸出、これは専門調査室の資料にも現実に出ておりますように、いままで八十数万トン、貸し付けであったり、あるいはケネディラウンドによる食糧援助であったり、あるいはその他の方法を通じて出されてきた。ところがその内容を見ると韓国が六十万トンをこえた量を占めておって、あとのところがその他の部分である。そこで本法が実施をされる場合に、本法の実施でことしや来年あるいは数年間に期待できる量、あるいはケネディラウンドの行くえが来年六月三十日以降延期されるかどうかという例の食糧援助規約の十一条問題というものはもちろんありますし、きのう外務省等にもお聞きしたわけですが、そういう問題も含めて、過剰在庫の問題が、五年くらいの射程の距離内でどれくらいのものが米の輸出ではけるか。これは一つの判断の問題になるわけです。これは相手国もありますし、必ずしも的確にはいかぬわけですけれども、おそらくこちらとしては五年の射程の範囲の中で、毎年の平均でいうならば五、六十万トンから、できればそれをオーバーする方向で、ひとつ出したいというふうなことでなかろうかと思うのですが、その辺のところの判断としては大体どういうふうに持っておられるか。きのうはその点については真正面からの御答弁がなかったわけですけれども、ひとつお聞きしておきたい。
○森本政府委員 昨日もお答えを申し上げましたようなことで、いま的確に何トンということはなかなか言いにくい情勢でございます。過去一年間ほどの間に、御指摘がございましたように韓国が中心でございますけれども、韓国その他数カ国に対して約八十万トンの米の輸出をしたという実績がございます。また従来と変わる大きな条件としましては、こういった法案が幸いに成立をいたしますれば、こういった法案ができたということを各国によく連絡ないしは通知をいたしますと、そういう観点からの米の輸出についての申し込みもあり得るということであります。かなり有力な輸出の促進の一つの材料になるということは、これはいい得ると思うのであります。また現実にこういった法案ができますれば申し込みたいというふうな国も、二、三あるという情報、これは必ずしも公式の情報ということではありませんが、そういう気配があるということを私どもも受けておる。それからさらに先般も、落札はいたしませんでしたけれども、南米のペルーでやはり米の入札がありまして、わがほうの商社も参加をしたというような、小口というと語弊がありますけれども、そういった輸出の形態もまたあるということでありまして、私どもの気持ちとしてはできるだけ多くのものを望みたいという希望は持っております。またできるだけこちらから積極的に出かけてまいりましてPRをする、またいろいろな話し合いをするというふうなこともございましょうから、できるだけ輸出の増進にはつとめたいと思いますけれども、何年に何トン出るというふうなことまで、いま、この場で的確に説明しろと言われましても、その点については十分なトン数を申し上げかねるというのが、率直な現在の状況でございます。
○角屋委員 非常に慎重な御答弁があったわけで、事務当局としてはそうであろうと思いますが、ただ韓国も含めて東南アジアに対する米の輸出の期待ということから考えてみると、常識的には大口として期待されそうなのは、一つは従来の実績とも関連して韓国、それから五十万トンの緊急輸入の要請があって、当面十万トンの輸出をいたしましたパキスタン、それに人口が一億をこえておるわけですから、しかもケネディラウンドでもちろん食糧援助をやっておりますが、インドネシア、それから五億二千万の人口を持っておるインド、これは国別には必ずしも実態を精査しておるわけではありませんけれども、数量は年次によって若干の差異はありましても、この辺のところにある程度中心を置きながら、長官もお答えになりましたように、その他の国々の小口需要、それは単に東南アジアばかりでなしに、あるいは南アメリカにも行くだろうしあるいは場合によってはアフリカにも行くだろう、こういう形で総計をして、年次によっても違うでしょうが、ここ五年の射程距離でいうならば、年間平均五、六十万トンからオーバーしてもらえば非常に幸いというふうなことではなかろうか。だから、そういうふうな感じを持つわけですけれども、ただ韓国の場合は食糧の不作ということが一つの大きなモメントだったわけですね。ただしかし、最近の韓国経済のいわば活況を呈しておる状況と関連をして、需要の増というものも相当やはり旺盛であろうと思うのですね。そういう点は、本法の施行と関連して、従来の貸し付け方式をこれが出てくればこれに切りかえるということだろうと思うのです、韓国の場合も。そこで韓国の問題は、短期のオーバーの需要であったのが、長期的に見てどの程度のものが見込めるかということは、ちょっと答弁しかねますか、いかがでしょうか。
○森本政府委員 韓国に対しましては二回貸し付けを行なったわけでありますが、第一回のときは韓国の米作が水不足等で不作であったといったようなことで、緊急に必要だ、要するに凶作対策といいますか、不作対策といったような感じが非常に強かったわけでありますが、二回目のほうは、その年そのものの作柄は韓国としては不作というよりはむしろできがよかったというふうな状況であったわけです。しかしながら、韓国側としては、御指摘がございましたように、韓国経済との関連で、物価問題にはきわめて慎重な配慮をしなければならぬ、また農村におきましても、やはり所得の向上に伴う米食の増加といったようなことがありまして、なかなか韓国政府が予定しておるような買い上げ数量に達しないというような実情がございまして、私どものほうに貸し付けを要望してきた。これも緊急な政府の在庫の計画を補てんするというふうなこと、またその補てんをいたしませんと都市における米価の上昇が心配される。また、現実に米価がじりじりと上がっておったようでありますから、そういった事情でございました。そういう二つをかね合わせますと、必ずしも韓国におきましてはいっときの不作ということだけで米の需要が対外的に出てくるというわけでもない。やはり恒常的な米の消費増、それに対する生産のあり方いかんといったようなことが韓国経済との関連において出てくるというふうな感じがするわけでございますから、そういった展望が一体どういうふうに見通されるかということにも関連されて、今後対外的にいかなる需要になってくるかということを判断をしなければならぬと思います。いずれにいたしましても、米ばかりでなしに、小麦もかなり韓国は入れておるようでありますから、穀類全体についての韓国の需要と生産がどういうふうに見合ってくるかということで将来の対外的な需要がきまってくるというふうに考えております。
○角屋委員 パキスタンの場合は、五十万トンの緊急輸入の要請があって、そして当面十万トン出したわけですけれども、緊急輸入の五十万トンの要請があった事態はそのままやはり条件としては残っておる、したがってこれは本年度の場合も相当量期待できる、こういうふうに判断をしていいのでございましょうか。
○森本政府委員 パキスタンの場合は御案内のように東と西がございます。向こうのいろんな事情ですから私どもも的確には十分つかめないわけでありますけれども、国内における米作にも努力はしておるということであります。また円粒種等についても生産を長期的にしたいというふうなことを言っておりますから、国内における米作についての努力はかなり続けられるのではないかという感じがいたします。当面のこちらのほうが貸し付けをいたしましたときの事情は、その後それほど日にちもたっておりませんし、ある程度続いておる、まだ十分解消はされていないのではないかというような感じを持っております。
○角屋委員 日本が本法によって長期延べ払いによる米の輸出をするという場合に、米を出す価格の問題で、これはタイにおける相場というのがやはり東南アジアにおける一つの基準になっているというようなことをお聞きしているわけですが、最近トン当たり高いときには百七十ドルぐらいまで、通常は百四十ドル前後と思ったのが少し低下傾向にあるというふうなことが出ておるわけですが、最近の米価の国際的な状況についてはどういう形勢と見ておられますか。
○森本政府委員 御指摘のようなことで米の国際的な価格は最近かなり下がってきております。特にことしに入りましてから米の国際的な価格がかなり急激に下がっておるというふうな状況であります。 タイ米の価格でございますけれども、ウルチ米の砕米の混入率が一〇%というのが代表的なものでありますが、一九六六年ごろは大体百四、五十ドルから六十ドルといったようなかっこうになっておりましたが、六七年、六八年というのは非常に高騰いたしまして二百ドルぐらいの相場がかなりの期間続いたということになっております。昨年に入りましてからは若干落ちつきはいたしましたけれども、やはり七月、八月当時は百七十ドルないし百八十ドルといったような相場の推移を示しておりましたが、ことしに入りましてからは御指摘のように一月、二月、三月、いずれも百四十七ドル、百四十四ドル、百四十一ドルといったような形で相当低落傾向という状況でございます。
○角屋委員 そこで、本法の第一項第一号の場合でも「外国の政府その他これに準ずるものとして農林大臣が指定する者売渡しの対価の支払方法」と書いてあるのだが、対価ですね、これの具体的な運営の方法はどういうふうにしてきめるわけですか。これは食管法の第六条の中では、例の輸出、輸入あるいは移出、移入というような形で価格については農林大臣これを定むとこう書いてあるわけですが、そういうこととも関連するのですけれども、具体的運営は本法の場合どういうふうにやられるわけですか。価格はやはり時期的には変動があるわけですね。具体的にはどうなる。財政的な問題にもやはり財政負担で関連してくるわけですけれども。
○森本政府委員 こういった国際的な競争の中で輸出をするわけでありますから、原則論としては国際価格に準拠をしてきめるということになります。ただ御案内のように、小麦でありますれば国際価格というのは世界的なマーケットがかなり形成されておりますから、つかみいいわけですけれども、米の場合にはそれほど、国際的な完全なマーケットというものがあるような、ないような話でありますから、国際価格と抽象的にいいましても、何をもって国際価格と判断するかということはなかなかむずかしいわけであります。組織的に調べるといたしますれば、個別散発の取引を追っかけてもしょうがありませんから、結局基準にするものは、タイの輸出の建て値というのが国際的にいってまあまあ準拠すべき一つの基準というふうな感じがいたしております。これはもちろん、先ほど来申し上げておりますように、月により、また同じ月内でも日により違うといったようなかっこうでありますから、できるだけタイのそういう値段を迅速に私どもとしても把握をする。しかし品質のことも考えなければならぬ。また出します相手先の市場の状態、つまり南米でありますれば、近隣のブラジルでありますとかそういうふうな国がかなり至近の距離として輸出をするわけでありますから、タイ米の価格を基準にしながら、そういった市場の状況もよく考えあわせまして売り渡し価格をきめていきたいというふうに思っております。
○角屋委員 本法が成立した場合に具体的に運営をしていく過程で、たとえば「支払期間三十年以内(十年以内の据置期間を含む)の年賦支払の方法で農林大臣が定める」、それから利率については「政令で定める利率を下らない利率による利息を附」する、こういうふうになっておりまして、きのうもお聞きしましたように、アメリカが現実にやっておる据え置き十年、支払い期間それにプラス三十年、そして据え置き期間中の利率は二%、それから支払い期間中のものは三%、大体これが、これを考える場合の判断の基準になるだろう、こう私は判断をしておりますが、同時に第一項第二号の商社等の場合の三年以内の支払いについては、アメリカのCCCが韓国にやっておる例の三年、六・五%、このあたりのところがものの基準になるだろう、こう判断をしておるわけですけれども、それはそれとして、具体的にこれから運営をしていく場合に、「以内」と書いてありますから可能なわけでありますけれども、国によって据え置き期間あるいは支払い期間というものにある程度弾力性を置くのか、こうは書いてあるけれども、利率にいたしましてもあるいは据え置き期間、支払い期間全体にいたしましても、そう国によって差異をつけるということをやらないという運営の考え方でいくのか。東南アジアを中心にして本法による長期延べ払いをやる場合に、そこは弾力的にいくわけですか。こうは書いてあるけれども、実際上は国によって差異は原則的には行なわない、こういう考え方でいくのでしょうか。その点の今後の運営の問題の考え方についてはお伺いしておきたいと思うわけです。
○森本政府委員 国によって差をつけるという考えは別にございません。ただ、それぞれの案件について同一にするという必ずしもわけではございませんで、こういう一定の基準の中で具体的に判断をしていくということになろうかと思います。特に金利につきましては、これはそれほどそれぞれの案件ごとに差をつけるといった性格のものではございませんから、据え置き期間、それから償還期間というようなことで従来から申し上げておりますように、アメリカの例を基準にしてきめていきたい。 それから償還期間のほうは、これは取引の単位、つまり何トン取引をするかという数量によってかなり影響を受けるしろものであります。数量がどうしても多くなれば向こうのほうの返還の単年度における負担が多くなるわけでありますから期間が相対的に長くなる。それから数量が少なければ相対的に短かくというふうな観点から、具体的に案件ごとに判断をしていきたいということになろうかと思います。
○草野委員長 このまま休憩します。 午後零時十六分休憩 ————◇————— 午後零時十八分開議
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 大臣御出席になりまして持ち時間十分で質問を終わってくれということで、外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案というのは新法でありまして、本来なら最小限三十分くらいほしいところでありますけれども、理事会の申し合わせでありますから、前提を抜きにいたしまして御質問申し上げたい。 御承知の当面の過剰在庫というものを打開をするために、国内の消費拡大問題、あるいは生産調整、さらには外国へ米を出す。これは従来ケネディラウンドの食糧援助でやってきた向きもありますし、また食管法第七条第一項による貸し付けも去年あたりから実施をしてまいりましたが、新しく長期低利の延べ払いによって売却方式をとろう、こういう方法を出されたわけでありますが、同時に、あすはエカフェの総会に愛知外務大臣がバンコクへ行かれて、これから五年後には、例の国連の貿易開発会議で、二回目のときに、第一回目の国民所得の一%目標というのを、国民総生産の一%目標というのに勧告決議がなされたわけですけれども、愛知外務大臣のきょうの報道によりますと、いわゆる後進国援助については五年を目途に、国民総生産の一%を目途にやりたいというふうな報道が出ておりましたり、さらに政府自身としては、農産物を含む自由化問題というのをスピードアップしてやりたいということで、内外の農業をめぐる情勢というのはあわただしい面もありますし、同時にまたきびしい条件も現実にあるわけでありますが、本法と関連して農林大臣にお伺いしたいのは、そういう情勢の中で、わが国の農林物資の対外輸出方針というものを、具体的にこれから七〇年代の方針としてどう考えていこうとするのか。私は米の問題の当面の性格は、国際比価と国内価格との関係というふうなものもこれあり、必ずしもノーマルの形における米の輸出という形ではなかろうと思いまするけれども、まあまあ鉱工業の非常な発展の中で、国際的にそれぞれの部門で第一次第二次とかいうふうな目ざましい中で、日本の農業がこれだけ農民諸君が勤勉に一生懸命やっておるのに、なおかつ今日の現状では残念ながら、国際的に対等に競争できるという品目もありまするけれども、多くの問題は国際比価その他の関係でそういうふうにならぬのであります。しかし、そういう農業の持つ内部の体質の弱さも克服しながら、気持ちとしては、日本の農政の柱である米も含んで、正常状態である程度の適量のものは出されるという方針でいくようなかまえで日本農業の体質改善も考えたらどうかという前提も私の気持ちの中にはありますが、いずれにしても、七〇年代の農政サイドの対外に対する農林物資の輸出方針というものを、どういう考え方でされようとするのか、農林大臣からまずこれをお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 農林物資の海外輸出につきましては、海外市況のこともありますし、それから国内の農業生産及びその価格等、いろいろ困難な問題があるわけでありますが、しかし長期的に見て、政府といたしましてはぜひ農産物の輸出につきましてはこれを検討し、助長いたしていくように努力すべきである、このような基本的考え方に立っているわけであります。
○角屋委員 大臣は私とのやりとりのときはきわめて慎重に、あまり深く触れられないですが、時間の関係もありますから、もっと腹の中にあることはざっくばらんにひとつ出してもらって、お考えの真意を実際つかみたいのですけれども、わかりました。 きのうも私質問の中でいろいろお伺いをしたわけですが、いわゆる国民総生産の一%目標の援助ということになると、技術援助その他も含めて、農政サイドの問題でも従来でもやっておりますが、これから東南アジア等を中心にして技術援助その他資本の協力その他もありまするけれども、ただその場合に考えていかなければならぬのは、例の開発輸入ということが通産サイドからよくいわれるわけですけれども、農林省の関係から技術協力等を考える場合でも、国内の主幹作物になるものと著しく競合するようなものに、日本政府自身が農林省を通じて積極的に開発輸入の促進をはかるという姿勢は、やはり国益の立場から問題があるというふうに思うわけです。これから対外援助は増大されるでしょう。その基本的性格の問題の是非は別として、増大されると見なければなりません。その場合に、農政サイドからの技術援助あるいは開発輸入というものに対して、農林大臣としてはどういう御方針でこれから推進されようとするのか、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 開発途上国からわが国に対していろいろなプロジェクトについての協力を求められております。私どもの関係の農業関係につきましても同様でございます。したがって今日まであまり政府側としてはまだやっておりませんが、民間では御存じのようにそれぞれいろいろなことをやっておりますが、従来までやってまいりましたのは、技術協力が一番大きいものであります。しかしこの技術協力に加うるに、いまお話がございましたような海外開発途上国は、わが国からいろいろな経済援助等も受ける立場にそれぞれございます。そういう場合に、彼らの希望するプロジェクトについての要求もこれからだんだん出てまいるであろうと思います。しかしお説のように、私どもの農産物資と競合するようなものについては慎重にやらなければならぬことは当然でございますが、わが国で不足しておる、しかも海外から多量に輸入しておるような物資につきましては、そういうプロジェクトについては、そのときの事情に応じて対処していかなければならぬのではないか、こう思っております。
○角屋委員 ことしの農政白書で新しく自由化の国際的な要請、それにこたえて日本の農業サイドの問題から実体を十分判断しながら、しかも国際的要請をある程度受けざるを得ぬということで、自由化が従来予想されている以上のテンポで進んでいくわけですけれども、それと関連をして、ことしの農政白書で、関税あるいは課徴金のこれからの運営の検討をやはりしていく必要があるだろうということで、課徴金問題というのが新しく提起されているわけです。私はこのヨーロッパのEECその他国際的な課徴金の実際の運営問題ということもありまするけれども、おそらくこれからの具体的プログラムとしては、農政審議会で主要農産物の価格政策についての討議をやるという、これは単に国内の農産物の価格問題だけでなしに、外国から入ってくる農産物とそれの国内への大きな影響を与えない方策をどうするかということになれば、課徴金あるいは関税問題というのは当然考えられてくる手法ですけれども、そこでこの課徴金問題に対する検討というのは、本年から来年にかけてこれが真剣に、具体的にどうするかというようなことを検討されて、そして例の来年度末までの農林物資の自由化のプログラム、あるいは場合によってはそれ以降のものを繰り上げてというのにタイアップして、課徴金の具体的な実施というのは明年度後半期以降出てくるのではないかというような一つの判断を持つわけですが、この課徴金問題というものに取り組んでいく農林省自身のこれからのプログラムは、政治的にどういうふうに判断したらいいのでございましょうか。
○倉石国務大臣 貿易の自由化をしてまいらなければならぬということは、もうすでに閣議でも決定いたしておることでありますし、その方針をとることが、わが国の全体として利益であることは、申すまでもないことであります。しかしその間に処しまして比較的低生産性の物資につきましては、これは品目ごとに慎重に検討しなければ、にわかに賛成することができないという立場をわれわれは堅持しているわけであります。そういうことを考えてまいります間に、やはり価格政策が非常に重要になってくることは申すまでもないことであります。したがってそういう場合に、関税あるいは課徴金等の制度を採用しなければならないという問題も当然出てくるわけでありますが、政府の諮問機関であります農政審議会等においても、いろいろな意見があるようであります。そういういろいろな方面の意見を徴しながら、私がいま申しましたような趣旨を貫徹し得るように、そういう課徴金あるいは関税制度を弾力的に採用してまいりたい、基本的にはそういう考えでありますが、これからなお各方面の意見を十分聞いて、態度をそれぞれきめていかなければなるまいと、慎重に対処しておるわけであります。
○角屋委員 約束の時間の関係がありますので、きょうはこれで終わります。
○草野委員長 他に質疑の申し出もないようでありますので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ————◇—————
○草野委員長 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 農林年金法の改正につきましては、昨日事務当局に内容的な質問を行ないましたから、特に農林大臣に対する保留の質問に対して数点お尋ねいたします。 第一の点は、農林年金法の第六十二条一項並びに二項に定める規定に対して、これは昭和四十五年度の関係予算の確保とあわせて農林年金法のこれに該当する部分の改正が必要でありますが、それが今国会において予算の面においてもまた今回の法改正の面においても、何ら政府の熱意が示されておらぬということは非常に遺憾であります。特に六十二条第一項の給付に要する費用については、昨年の当委員会においても長谷川農林大臣は、今年度は百分の十六を百分の二十に改定する措置はできなかったけれども、四十五年度に向かっては予算の確保並びに制度の改正等については全面的な努力をするということを約束しておるわけであります。これは当然倉石農林大臣においても継承して、四十五年度の予算の確保等の場合においても十分努力をされたと思うわけであります。しかし、努力はしたかもしれませんが、予算面においても法律改正面においても努力のあとが全然見受けられないわけです。どういうわけでこれはできなかったのか。その点を明確にしてもらうのと、今回はできなかったが、来年の四十六年に向かっては必ず実行するという見通しと決意があるか、その点を明らかにしてもらいたい。
○倉石国務大臣 補助率の引き上げにつきましては、四十五年度予算編成にあたりましていろいろ検討いたしました。これは前大臣のお話もございますし、大体私どもそういう立場でございますが、いろいろ検討いたしましたけれども、他の共済組合制度とのバランスなどの点で実現を見なかったわけでありますが、農林省といたしましては、この年金の現在の状況、財政状況等を見きわめながら、今後もその方向でひとつぜひ努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○芳賀委員 昨日の当委員会における農林省の農政局長並びに大蔵省及び厚生省の担当者の説明によりましても、主として恩給法との比較論の上に立っておるわけです。農林年金の内容を積極的に改正すれば、それは恩給法との関係が出てくるのでできがたいというところに十分な改正ができなかった重点が置かれておるわけです。われわれとしては、比較論ということになれば、国家公務員等の共済年金制度との比較、あるいはまた元来は厚生年金から分離した経緯もありますので、厚生年金との比較論の上に立って理論的な論議をするというんであれば、これは認める点がありますが、恩給法との比較、影響ということになると、これは了承できないわけです。そこで、昭和四十五年度予算における政府が計上した恩給費というのは一体どうなっていますか。これを軍人恩給と文官恩給に分けて、恩給、年金全体を入れての中でこれはどういうウエートを占めておるか。だから農林年金についてはなかなか所期の改正ができないという理由があれば、そこで明らかにしていただきたい。これは農林大臣から……。
○倉石国務大臣 いろんな技術的な問題はもうずいぶんお話があったと思います。それで私どもは、長谷川君もいま申し上げましたように努力することを言っておりましたし、私どももしばしばいろいろな団体の方々にお目にかかってお話を聞いたりしたりしておるわけでありますが、いま申し上げたように農林省としては、これはぜひいままで考えておりましたような方向で努力をしたい。それから予算編成にあたりましても、財政当局と私との間にはこの点でかなりの時間を費やして論議いたした経過もありますので、さらに努力を続けてまいるつもりであります。
○芳賀委員 それはいいが、昨日も非常に強調された恩給費というものがどうなっているか。これは、政府において四十五年度予算というものを編成されたわけですから、私よりも大臣のほうが予算のことはわかると思うのです。だから四十五年度の恩給費というものが、軍人恩給はどうなっておる、文官恩給はどうなっておる、特に昨年度に比較してどういうような伸びを示しておるかという点は、これはもう頭の中に入っておると思うのです。いかがですか。
○倉石国務大臣 事務当局からお答えいたします。
○芳賀委員 いや、わからなければいいですよ。 そこで、百分の十六を百分の二十に改めるという点は、当然年金法の六十二条第一項の改正が必要になるわけです。第二項は、給付に要する費用に対する国の負担のほかに、国として必要な財源調整の費用を支出しなければならぬということになっておるわけでして、これが年金の財政からいえばいわゆる整理資源といわれるものであります。ですから、整理資源部分についても毎年の予算を通じまして四千万、六千万、昨年は一億、今年は一億五千万というように、額においては上昇をしておりますが、支出の積算の基礎、根拠というものが明確でないわけであります。ですから、整理資源に対する国の負うべき負担というものについては、当然法律の上においてもその負担すべき最低の率というものを法文化して、いわゆる定率化するということが当然必要になるわけですが、これに対しても具体的な措置が講ぜられていないわけです。ですから、百分の十六を百分の二十に改定することはもちろんでありますが、この整理資源に対する必要な調整財源の措置についても、これは国の責任において根拠を明確にする、この点の努力というものはあわせて必要になるわけでありますが、これは大臣としてどう考えておるわけですか。
○倉石国務大臣 これは御存じのように、政府部内で最終的予算折衝にあたりまして大臣折衝というやっかいなところに残りました難物でありますから、数字を私、いまだによく覚えておるのでありますが、財政関係はいまお話しのようにたしかことしは五千万ふやした。引き続いて定率のことについて種々相談いたしましたのでありますが、昨日もお話があったことと思いますけれども、いろいろな理由でこれが不可能であった。しかし先ほど申しましたように、この農林年金の財政事情ともよく勘案いたしまして、さらに善処してまいる努力を続けるつもりであります。こういうのが私どものいまの姿勢でございます。
○芳賀委員 第二点は、既裁定年金に対する、一つはスライド原則に基づく発動基準をすみやかに確定して、そうして最近における国民の生活水準あるいは物価水準等の経済変動に対応できるようにしなければならぬということは、農林年金法の第一条の二においてもこの点を原則としては示しておるわけでありますから、これを、各公的年金共通の問題でありますが、特に農林年金を所管する農林省においても、農林大臣として積極的な推進が必要であると思うわけであります。 さらに今回の改正の中におきまして、既裁定年金の最低保障額については、これは十分な改正が行なわれておらないわけであります。特に退職年金、障害年金等につきましても、年齢七十歳以上の者というような特に年齢制限をするというようなやり方は、これは他の年金制度の運用にも見ることのできない、まことに逸脱した消極的なやり方といわなければならぬわけであります。 もう一つは、二十年未満の遺族年金の関係等についても、昨年の改正の場合におきましても、今回の改正の場合においても、これは対象から除外するということになっておるわけであります。したがって、旧法期間の一番低額のものについてはいまだに遺族年金は一万九千円台というのがそのまま残されておるわけです。一万九千円が月額であれば話がわかりますが、年額一万九千円、あるいは二万三千円というような常識で判断できないような点が未解決になっておるわけでありますから、これは当然、政府が改正案を出さない場合においては、当委員会において進んで修正の形で実行すべきところでありますが、いろいろな事情がありましてこれさえもできないことはまことに残念であります。 したがって、一体農林大臣としては、農林年金においても、あるいは社会保障制度の重要な柱である年金制度の中において、既裁定年金の退職年金にしても、障害年金にいたしましても、あるいは遺族年金といたしましても、ほんとうに社会保障の本来的な立場の上に立ってこれを理解して推進しておるかどうかということに大きな疑問を持たざるを得ないわけでありますが、この点について来年度を目途にして必ず根本的な改善を行なう意思があるかどうかということについて、この際見解を明らかにしてもらいたいわけであります。
○倉石国務大臣 最初にお話しのスライド制でありますが、このことにつきましては、他の公的年金制度とも通ずる問題でありますので、政府においてはそういう御意見についていま検討いたしておるわけでありますが、そういう政府の態度決定を待たなければ、私どもだけで何とも申し上げかねるわけであります。 それから、この農林漁業団体の農林年金の補助率の引き上げにつきまして、国の財政事情との関連を無視していま直ちにこの法的措置を講ずるということは、私どもといたしましてはそのようなことはできないと考えております。 なお、二十年未満の者にかかる遺族年金につきましては、国共済との関連がございますので、単に農林年金だけの問題として処理いたしかねる事情にあることは御了承願いたいと思いますが、その金額が十分であるとは決して考えておりませんので、先ほど来申し上げておりますように、この年金制度全体について前向きの姿勢で対処してまいりたいというのが私どもの考え方でございます。
○草野委員長 芳賀君、簡潔に願います。
○芳賀委員 いや、簡潔にやりたいが、大臣の答弁がなっていないですよ。
○草野委員長 だけれども、時間だから……。
○芳賀委員 いや、時間だけにこだわっては、大事な質問は済まない。 いいですか、大臣、あなたのいまの答弁は要を得てないですよ。私の聞いていることと別なことを、別なメモを読んでいるじゃないですか。特にこの七十歳以上の年齢制限の問題とかあるいは二十年未満の者の遺族年金が依然として改正されないという点については、これは昨日の政府委員の答弁によりましても、決して国家公務員共済年金やあるいは厚生年金との比較でできないというわけではないのです。これを改正した場合においては恩給法との関係があるのでできがたいということをるる述べておるわけでありますので、これは農林大臣から明確にしてもらうということになっております。ですから、われわれとしては恩給法と農林年金制度との直接な関係というものはないというふうに、これは判断しておるわけですから、恩給法以外の他の公的年金においてはこのような差別的、制限的な措置というものは講ぜられていないわけです。ですから、これは農林年金法の本則にこれを戻すという措置がすみやかにとられなければ改善はできないということになるわけです。当然ことしすべきであったものができないので、来年を目途にして、ぜひこれは解決をすべきでないかというのが、これは単に私だけの質問ではなくて当委員会全体の意思でありますので、この点重ねて明確にしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、国共済との関連がありますので、こちらだけやるわけにいきませんという趣旨を申し上げておるわけでありますから、そこでこの制度全般についてはいろいろ意見もございますので、前向きに検討いたしますと、こういうことを言っているわけであります。
○芳賀委員 国共済とは関係がないということを、昨日、政府委員は具体的に説明しておるわけです。だから、私は大臣よりも実際に実務を担当する政府委員の答弁を信用しておるわけです。これはあとで十分この点を大臣自身が検討して、間違った点に気づいた場合にはすみやかに委員会において指摘した方向に向かって努力をすべきであると指摘しておく次第であります。 最後に第三点としては、今回の改正におきましては、平均標準給与の最高限度というものが昨年の改正と同じように据え置きになっておるわけです。この中で特に新法による最高限度額と旧法による最高限度額にまだ大きな懸隔があるわけです。つまり旧法十一万円、新法十五万円という大きな隔差があるわけでありますから、この点についても次の改正の時点においては新旧の格差の是正をすると同時に、この最高限度額についても経済情勢の変化に対応して、当然これは最高限度を引き上げるという措置が必要であるというふうに指摘するものでありますが、これについては大臣として明確な見解を示してもらいたいわけであります。
○倉石国務大臣 既裁定年金の改定にあたりまして、その裁定の基礎となる平均標準給与を標準給与の上限額で頭打ちさせていることにつきましては、四十四年度における改定の場合と同様でございますが、これは農林年金において標準給与制がとられておる以上やむを得ないことであるとわれわれは考えております。
○芳賀委員 最後に、これは政府直接の責任ではありませんが、農林漁業団体に加入しておる三十数万人の組合員の給与の実態というものは、毎年委員会において指摘しておるとおり、国家公務員に比較いたしましても、あるいは厚生年金に加入する多くの民間労働者に比較いたしましても、非常に給与の平均水準が低位に置かれておるわけであります。したがって、これを根本的に改善する措置が講ぜられなければ、年金法そのものの内容を改善いたしましても、実際にこれに対する恩恵を受ける場合においては十分なものがないということになるわけであります。特に、最近米の生産制限の問題にいたしましても、あるいは米価そのほか牛乳、畜産物の価格据え置き等の問題を通じまして、こういうような農政全面的後退の時代において、農林年金の組合員である職員の給与というものが大きく他に比較して伸長するということは非常に困難な事情に追い込まれておるわけであります。ですから、こういう現状というものに対して、農林大臣としてはどういう打開策を講じてこれらの年金に加盟しておる三十数万の組合員諸君の給与改善をはかるべきかという具体的な考えがあれば、この際示してもらいたいわけです。
○倉石国務大臣 職場に働く人の待遇を改善していくことは、一般論として必要なことであると私どもは思っておりますが、ことに農林漁業団体に勤務される職員は、それぞれ特色を持った仕事であります。また重要な任務でありますので、それにはなるべく人材を集める必要があります。そういうことを考えてみますと、その職員の待遇は改善されるように期待いたすのでありますが、いまの傾向として農協等の合併もだんだん行なわれることでありますので、そういう機会にさらにこの待遇改善に努力をしてもらうように指導してまいりたいと思っております。
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案について、特に農林大臣に最後の締めくくりとして質問を申し上げるわけでございます。 時間もだいぶ経過しておりますので、要点を申し上げますが、ただいまも質問にございましたように、私も三十数年農業団体に関係をしてまいりまして、職員の給与ということについては特に関心を持っております。特に今回の法改正によって、この法案の目的が「職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、もって農林漁業団体の事業の円滑な運営に資する」ということになっておりますが、私たち承知しているところでは、職員の給与の月額が、四十二年度末調査によりますと、国共済が四万一千四百五十九円、地方共済が四万五千二百六円、公共企業体が四万二千五百八十八円、私学共済が三万六千六百七十九円、厚生年金が三万四千八百七十七円、農林年金は最低でございまして、三万二百三円、一番低い額になっております。大臣も御承知のとおりでございます。しかも掛け金は一番高く給付は一番安いということは皆さん方も御承知のとおりでありまして、先日来たびたび論議をしてきたところでありますが、第一次産業の待遇改善をしなければ幾ら法改正をしても結局は解決しない、こういうふうに私は思うのです。特に十一の年金の対象団体がある中で、一万六千百十八団体の中でも、農協関係が七千九百十五団体もあります。約五割を占めておるし、組合員の数も四十万八百七十六名という中で三十三万四千四百八十四名を数えております。すなわち、八割程度が農業職員ということになっております。こういったことから、仕事も公務員と同じことをやっているのであり、さらに仕事の今後の激務等を考えましたときに、公務員待遇との格差がはなはだしいということで、先ほども指摘されたとおりでありますが、いま大臣からも答弁がございましたが、この点については、こういったことが農業団体の一番切なる願いでもあるし、われわれも多年このことをお願いしたいということで、この日を実は待っておったわけでございますので、どうかさらに大臣もこの問題については、農林年金所管の農林省として善処されるように、よろしく要望を申し上げておきます。 次は、第二点目に、資金の運用について一点お伺いしておきます。 昭和四十五年一月三十一日現在で、農林年金は九百二十七億七千六百六十二万二千円という膨大なもので、間もなく一千億になろうとしております。その中で、有価証券が六百六十八億九千六百二十五万七千円ということで、一番大きく、全体の七二・一%となっておりますが、言うまでもなくこの年金の運用については安定運用をはかるということが大事であることは十分承知をしておりますが、たとえば電信電話債等もその対象にするなど、資金の効率運用ということについて大臣は用意があるか、お考えを承りたい、こう思うのであります。
○倉石国務大臣 農林年金の積み立て金を効率的に運用するということは大切なことだと思います。ぜひ必要であろうと考えておりますが、なおそれと同時に、こういう性質の金でありますから、安全確実な方法によることがぜひとも必要であると考えております。このような観点から、従来一定の方法によることを指導してまいっておるわけでありますが、安全性をそこなわない限度においてできる限り効率的な運用が可能となるように、たとえば政府保証債の償還があった場合には、これをより有利な方法によることも認めることといたしました次第であります。そういうことで、安全性と効率的運営について、なお私どもはそういう面で指導してまいりたいと思っております。
○瀬野委員 最後に二点まとめて簡潔にお伺いいたしますので、御答弁をいただいて終わりにいたしたいと思います。 財源調整費の補助率を六%に定率化してほしいということは、たびたび質問にも出てまいったわけでありますが、これについて四十二年は四千万、四十三年が六千万、四十四年は一億、四十五年度は一億五千万と、ずいぶん上がってきておりまして、今年はまあまあということでございますが、毎年毎年保障がないので不安に思っているという点でございます。こういう点について、はっきり六%という定率化をするということについて、大臣の御見解を最後に承っておきたい。これが一点。 もう一つは、旧法の平均標準給与の頭打ち撤廃の問題でございますが、これは役所の手落ちじゃないかということをわれわれは言っているわけです。他の制度との関連がないのでありますから、この頭打ちの撤廃は当然できる問題である、かように私はかねがねから思っておるわけでございますが、この点について二点、大臣の御答弁を承って質問を終わりたいと思います。
○倉石国務大臣 お話しの調整費につきましては、政府といたしましては必要額を確保するというたてまえを堅持してまいったわけでございます。 頭打ちは、さっき申し上げましたようにいまのところこれを改めるということはなかなかむずかしいことでありますが、さらに検討してみたいと思っております。
○瀬野委員 以上で質問を終わります。
○草野委員長 他に質疑の申し出もありませんので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。 —————————————
○草野委員長 この際、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。 修正案はお手元に配付してありますとおりでありますが、その案文を読み上げます。 なお、本修正の結果必要とする経費といたしましては、加入人員、標準給与の額の推移等により変動はあり得るが、平年度約一万円の見込みであります。 以上のとおりでありますが、何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三により、内閣の意見があればお述べいただきたいと思います。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、年金制度の体系等から見て賛成いたしかねます。しかし、修正案が院議をもって決定された場合には、その運営に万全を期する所存でございます。 —————————————
○草野委員長 本修正案について御発言もないようでありますので、本案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、これを順次採決いたします。 まず、本案に対する修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○草野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。
○草野委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○草野委員長 この際、芳賀貢君外三名から自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま修正議決せられました昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を読朗いたします。 昭和四十四年における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 農林漁業団体職員共済組合における年金給付の水準は今日国家公務員共済組合等他の共済制度なみに改善をみたが、農林漁業団体の給与水準が低位にあるため、その平均支給年金額はたの制度に比べて低い実情にある。また、農林漁業団体職員共済組合においては、制度発足当時より多大な整理資源をかかえ、さらに既裁定年金の改定等により整理資源率は一層増高している。 よつて、政府は、農林漁業団体職員の給与水準の改善等について適切な指導を行なうとともに、年金財政の健全化等について再検討を行ない、昭和四十六年度を目途に左記事項の実現に努めるべきである。 記 一 給付に要する費用にに対する国庫補助率を百分の二十に引き上げるとともに、整理資源については必要な財源調整費を確保すること。 二 既裁定年金については、スライド原則に基づく改定方法をすみやかに確立するとともに、その最低保障額を新法の水準まで引き上げること。特に、二十年未満の遺族年金については、今回も改正の恩典が及んでいないので、すみやかに改善すること。 三 平均標準給与の最高限度額をさらに引き上げるとともに、旧法の平均標準給与の最高限度額についても、新法と同様の取扱いを行なうよう改善すること。 右決議する。 附帯決議の趣旨につきましては、質疑の過程で十分尽くされており、各位の御承知のことと思いますので、その説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜わりますようお願い申し上げます。
○草野委員長 以上で趣旨説明を終わりました。 本動議について別に御発言もないようでありますので、直ちに採決いたします。 芳賀貢君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
○草野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと存じます。(拍手) —————————————
○草野委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○草野委員長 次に、外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案を議題といたします。 本案は、先刻質疑を終局いたしております。 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
○草野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○草野委員長 この際、三ツ林弥太郎君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。三ツ林弥太郎君。
○三ツ林委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、ただいま議決されました外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 以上でありますが、その趣旨につきましては、委員各位の熱心なる質疑を通じまして明らかにされておりますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。
○草野委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 本動議について、別に御発言もないようでありますので、直ちに採決いたします。 三ツ林弥太郎君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
○草野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。倉石国務大臣。
○倉石国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重の上、開発途上国との関係にも配慮しつつ、本件に対処してまいるつもりでございます。(拍手) —————————————
○草野委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○草野委員長 次会は、来たる二十三日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十二分散会