農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/03/17
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 午後五時三十分再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十時五十四分休憩 ————◇————— 午後五時四十三分開議
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農地法の一部を改正する法律案及び農業協同組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題となし、趣旨の説明を聴取いたします。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 農地法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 戦後の農地改革により自作農が創設され、これによってわが国の農業生産力は画期的な発展を遂げ、農業者の経済的社会的地位の向上をもたらしたのみならず、戦後における日本経済の復興と繁栄に寄与したことは申し上げるまでもありません。現行農地法は、このような農地改革の成果を維持するという使命をになってきたものであります。 しかしながらわが国の農業の現状は、いまだ経営規模が零細であり、このため、生産性の向上をはかるにもおのずから限界があることを否定し得ません。したがいまして、農政の基本目標を実現するためには、農業を取り巻く諸情勢の進展に対応して、生産、価格、流通、構造に関する各般の施策を総合的に推進する必要がありますことはもちろんでありますが、とりわけ、農地がより生産性の高い経営によって効率的に利用されるようその流動化を促進し、農業構造の改善をはかる上での条件を整備することが肝要であります。政府といたしましては、このような観点から農地法の改正をいたすこととした次第であります。 なお、この法律案は、前国会に提出し、審議未了となったものと同じ内容のものでありまして、本国会に再度提出したものであります。 次にこの法律案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一は、以上述べました趣旨に基づき、農地法の目的に土地の農業上の効率的な利用をはかることを追加することであります。 第二は、農地等の権利移動の制限の改正であります。近年における農業技術の進歩、兼業化の進行に照応して、上限面積の制限の廃止と下限面積制限の引き上げを行なうこととし、また、国が売り渡した農地につきましては、売り渡し後十年を経過したものは貸し付けることができることとし、さらに農地保有合理化促進事業を行なう非営利法人が農地の権利を取得することができることとしております。 第三は、集団的生産組織の育成と土地の効率的利用に資するため、農業生産法人の要件を実情に即して緩和するとともに、農業協同組合が委託を受けて農業経営を行なう場合には、農地の権利の取得を認めることとしております。 第四は、小作地の所有制限についてでありますが、農業生産法人に貸し付けられている小作地、農地保有合理化促進事業を行なう非営利法人に貸し付けられている小作地等につきましては、その所有制限をしないこととするほか、農業をやめて住所を他へ移した場合にも在村の場合と同じ面積まで小作地の所有を認めることとしております。 第五は、農地を貸しやすくするため農地等の賃貸借の規制を緩和することとし、合意により解約する場合及び十年以上の期間の定めのある契約等についてその更新をしない場合には、許可を要しないこととしております。 また、小作料の統制につきましては、農業者の地位が向上し、雇用の機会が増大した現在では、戦前のような高率の小作料が発生する余地は、一般的にはないものと判断されますので、これを廃止することとしております。しかし、現に存する小作地につきましては、十年をこえない範囲内においてなお小作料の統制を続けることといたしております。 第六は、草地利用権設定制度の新設であります。これは、飼料の生産基盤の拡大強化をはかるため、未利用の里山等について、市町村または農業協同組合が草地造成をする必要がある場合には、都道府県知事の裁定により草地利用権を設定することができる制度であります。 以上が、本法案の提案の理由及びその主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。 次に、農業協同組合法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 農業協同組合は農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上をはかることを目的とする農民の協同組織として、昭和二十二年に発足して以来、わが国経済及び農業の歩みとともに発展してまいりました。 しかしながら、近年における農業及び農業協同組合をめぐる諸情勢の変化には著しいものがあると考えられます。 すなわち、米の過剰問題が生じている反面、農家の兼業化が進み、零細経営規模の農家がなお相当の割合を占めるなど高能率の近代的農業を育成していくためには幾多の困難な問題に直面しております。 このような事態に対応して農業構造の改善をはかるためには、農地保有の合理化を促進するとともに、協業など生産の集団的な組織を育成することがきわめて肝要でありますが、また一方においては最近における米の過剰問題をも配慮して転用を目的とする農地等の計画的利用をはかることもまた重要となっております。 また農業協同組合自体につきましても、組合をめぐる諸情勢に対処し得るよう昭和三十六年以来進めてまいりました農協合併の進展の結果、組合の規模が拡大しその経営基盤が充実しつつありますが、合併後における組合の組織管理面、事業運営面などにつきましてなお改善を要する点も少なくなく、また系統組織の運営面におきましても解決を要する問題が生じてきております。 このような情勢のなかで、農民の協同組織であります農業協同組合がその役割りをよりよく果たすためには、組合員及びその役職員の自主的な努力にまつところが大きいのでありますが、制度面において改善を要する点もありますので、このような観点から農業協同組合法の改正を提案する次第であります。 なお、この法律案は、前国会において審議未了になったものに一部修正を加え再提出したものであります。 以下、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 改正の第一点は、集団的生産組織に関連する制度面の改善措置であります。 その内容といたしましては、まず農業協同組合に組合員から委託を受けて行なう農業経営の事業を認めることであります。近年組合がトラクター等の機械施設を保有し、組合員から農作業の委託を受ける例が全国各地に見られますが、就業構造の変化と機械化の進展に伴い、さらに農業経営自体を組合に委託するような必要が生じつつありますので、組合が組合員の要望にこたえて、このような事業を行ない得る道を開こうとするものであります。 次に農業経営を行なう農事組合法人につきまして、その経営の合理化や就業事情の変化に対応して、組合員資格及び員外従事者に関する制限を緩和して、経営の安定向上をはかるとともに、設立の円滑化に資そうとするものであります。 改正の第二点は、農業構造の改善及び米の生産調整の必要性等に対応して、組合の事業範囲の拡充をはかる措置であります。 まず、組合が農業の目的に供するための土地の供給の事業ができることとするものであります。農地の流動化を促進して、組合員の経営規模の拡大をはかり、もって農業構造の改善に資することは、組合としても当然意を用うべきことでありますので、組合の事業として、農地法の規制のもとに、農業の目的に供するための土地の売り渡し、貸し付け及び交換の事業を行ない得るようにしようとするものであります。 次は、組合による転用相当農地等の売り渡し、区画形質の変更の事業等を認めることであります。 米をめぐる最近の情勢に対応し、かつ、農地転用の計画化による土地の効率的な利用を促進する等の観点から、組合に対し、組合員の委託等により、農地法による農地転用の規制のもとに転用を目的とする農地その他の土地の売り渡し、区画形質の変更等の事業を行ない得る道を開こうとするものであります。 改正の第三点は、農協合併の進展による農業協同組合の規模の変化に対処するための措置であります。 まず、総代会制度を整備することであります。合併の結果組合の規模が大きくなったため、総会の開催ないし運営に困難を生じている組合がふえておりますので、このような状況にある組合につきまして、その円滑な管理運営を確保するため、総代会の権限を拡大し、役員の選挙または選任及び定款変更の決議につきましても総代会において行ない得るようにするとともに、これに伴い、総代の定数の最低限度を引き上げようとするものであります。また、組合の解散及び合併につきましても、総代会において議決をし、さらに、組合員の直接投票による賛成を得ることによってもこれを行ない得ることとしております。 次は、農業協同組合連合会の会員につきまして一会員一票制の特例を設けることであります。合併の進展に伴い、連合会の会員であります農業協同組合の規模に相当の格差を生じ、従来の一会員一票制では実質的な平等が確保されがたい実情も見られるようになってきておりますので、今回、これについて特例を認めようとするものであります。なお、中央会につきましてもこれと同趣旨の措置を講ずることとしております。 以上のほか、農業協同組合の事業運営の現状にかんがみまして、信用事業につきまして貸し付けに関する規定の整備を行なうとともに、信用事業を行なう農業協同組合連合会が行なう指定金融機関の業務代理を間接構成員のためにも行ない得ることとする等の措置を講ずることといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びおもな内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○草野委員長 以上で両案の趣旨説明は終わりました。 次回は明十八日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十七分散会