内閣委員会 第28号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/08/17
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 先般行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度の実情調査のため、委員を小笠原に派遣いたしました。 この際、派遣委員からの報告を求めます。坂村吉正君。
○坂村委員 東京都小笠原村の国政調査の結果を御報告申し上げます。 派遣班は、天野公義、佐藤文生、坂村吉正、大出俊、佐藤観樹の五委員で構成し、行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度の実情調査をおもな目的として、七月一日から四日までの四日間の日程で、小笠原村の硫黄島及び父島に参り、海上自衛隊硫黄島航空基地分遣隊、同父島基地分遣隊、防衛施設庁小笠原防衛施設事務所、気象庁父島気象観測所、小笠原総合事務所等の各機関をはじめ、小笠原の復興状況等を視察してまいりました。さらに、帰路父島から横須賀への洋上では、海上自衛隊の護衛艦による各種訓練をも視察いたしました。 なお、父島においては、村政審議会委員をはじめ現地の関係者と親しく懇談する機会を持ちました。 これら調査内容の詳細につきましては時間の関係上、口頭報告を省略し、委員長の手元に提出いたしました報告書を会議録に掲載されるよう、委員長においてお取り計らい願い、それによって御承知をいただきたく存じます。 また、各機関より受けました資料等は、当委員会の調査室に保管してありますので、適宜ごらんいただきたいと存じます。 最後に、今回の調査にあたっては、自衛隊及び現地の関係機関より、格別の御協力をいただきました。ここに厚く謝意を表する次第であります。 以上、御報告申し上げます。
○天野委員長 おはかりいたします。 派遣委員の調査報告書は、これを会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔報告書は本号末尾に掲載〕
○天野委員長 公務員の給与に関する件について調査を進めます。 去る十四日の一般職の職員の給与等の改善に関する人事院勧告につきまして、当局より説明を聴取いたします。佐藤人事院総裁。
○佐藤説明員 まず御説明に先立ちまして、勧告後間もないこの機会にいち早く御審議の場をお開きいただきましたことを、厚く感謝を申し上げます。 人事院は、先ほど委員長のおことばにありましたように、去る一四日、国会および内閣に対して公務員給与改定の勧告を申し上げたのでございますが、この勧告の基本になっておりますのは、例年のとおり、本年四月における官民給与の較差を調べまして、民間におきましては企業規模百人以上、事業所規模五十人以上の全国七千百五十の民間事業所につきまして、約五十三万人の民間従業員の四月に払われました給与を調べまして、それを一般職国家公務員の給与と突き合わせたわけでございます。 右の結果、本年四月におきます官民給与較差は一二・六七%ということになりまして、この較差をぜひとも埋めていただかなければならぬというわけで今回給与改定の勧告を申し上げたわけでございます。 ことしの給与改定はもちろん俸給表に重点を置きましたが、その他の諸手当についても種々の手当てをいたしております。 その内容を要点かいつまんで御説明申し上げます。 まず、俸給表の改善でございますが、本年における民間の初任給の上昇は顕著なものがございます。したがって、それを反映いたしまして、わが勧告におきましても初任給に相当力を入れております。次に、世帯を形成いたします当時あるいは二人世帯、三人世帯の段階における職員、これについてもできるだけの配慮をいたしたつもりでございます。なお、指定職の職員の給与につきましても、民間企業における役員給与を考慮いたしまして改善を加え、そうして全俸給表の全等級にわたって金額の改定がなされております。 俸給表別にこれを見ますと、医師それから研究員、これは官民較差等もございますし、俸給表のみならず他の優遇措置をもあわせ講じながら、俸給表の改善について相当の配慮をいたしております。 これに次ぎまして、警察官あるいは看護婦等の俸給についても格段の引き上げをいたすことにしております。 なお、一般的に初任給の問題につきましては、民間の支給額との均衡も考慮いたしまして、一般の事務・技術の職員においては、大学卒四千五百二十円、高校卒四千百六十円の引き上げといたしております。 なお、いわゆる中途採用者の初任給のきめ方につきましても一部改善いたしますとともに、自動車運転手、電工等の一般技術職員それから守衛、用務員等の初任給の幅を拡大する等の改善を行なうことといたしております。 次に、諸手当の関係でございます。 まず調整手当につきましては、御承知のように本年を目途として調査研究をするという宿題が与えられておりましたので、この点を十分考慮いたしまして調査研究を重ねてまいったのでございますが、大まかな結論といたしましては、調整手当の基本はこの際まだ変更する必要はない、ただ当面若干の改定を加えておきたいというのが大きな意味での結論でございます。 その第一は、地域別の官民給与較差などを見ますと、甲地の中で特にまた、たとえば東京のように、民間給与の高いところがございます。それらの場所につきましては、従来の甲地に対する六%にさらに二%を加算した調整手当を支給する必要があるであろう。これに関連して官署指定の道を講じ得ることといたしております。 それから次に、調整手当の支給されます地域につきましては、御承知のように相当古い時代にこれが指定されておりますために、市町村の地域なども現状に合っておりません。したがいまして、現在の市町村の地域を昭和四十五年五月一日における市町村の区域ということにいたすことにしております。 それから、これに関連して、転勤者に対する異動保障期間が現在二年でございますが、これがなかなか人事交流の要請がございまして、もう一年延ばしてほしいということでありますので、二年から三年ということにいたしまして、人事交流の円滑を期することにいたしております。 なお、医療職俸給表(一)の適用を受ける医師、歯科医師につきましては、当分の間、支給区分にかかわらず、全国八%ということにいたしております。 なお、調整手当につきましては、今後さらに三年間を目途といたしまして、人事院において調査研究を続けてまいろうという心組みでおります。 それから、次の手当といたしまして新しく住居手当を設けました。これは公務員宿舎に入っておる者との均衡等から従来種々問題とされておったのでございますが、今回これに踏み切りまして、住居手当は公務員宿舎に入居していない職員で、賃貸住宅に居住しておる、家賃、間代を支払っておる職員に支払うことにいたしまして、一カ月当たりの家賃、間代が三千円をこえるものに対しまして、そのこえる額の二分の一を手当として支給する、ただしこれも三千円を最高限度として支給する、という形で勧告を申し上げております。 それから次に、従来隔遠地手当というのがございましたけれども、これは昨今の情勢から見ますと、相当その根本のたてまえを変えることが穏当であろうということから、隔遠地手当の名前を特地勤務手当というふうに改めまして、生活の不便なところに勤務する人という点に焦点を合わせまして、支給額は従来どおり俸給、扶養手当の月額の合計額の百分の二十五、これを限度にいたしますが、さらに級別区分にも調整を加えております。 また、このような生活不便な役所に赴任していく職員、これに対してはやはり何らかの措置を必要とするであろうということから、やはり俸給、扶養手当の月額の合計額の百分の四以内の額を一定期間支給することにいたしました。なお、これらに準ずる要件を備えた官署に赴任する職員に対しても同様といたしております。 それから、次に通勤手当でございますが、これはやはり生活不便地、交通不便地という点に着目いたしまして、調整手当の支給されない地域または官署に在勤しておりまして、自転車、オートバイなどを使用しておる者、これが片道十キロメートル以上をこれらによって通勤する者に対しては手当月額を千四百円に上げました。現在は自転車七百円、その他オートバイ等が九百円ということであります。その他こまかい調整を通勤手当に対して自転車関係でいたしております。 それから次に、例の医療職俸給表のお医者さんなどに対しまする初任給調整手当を、ことしも医師等の官民較差が非常に大きく出ましたために、私どもありとあらゆる苦心をしてその差額を埋めるべく努力いたしておりまして、先ほど触れましたように俸給表でも手当ていたしました、あるいは調整手当でも手当てをいたしましたが、この初任給調整手当につきましても、支給額の月額の限度を四万五千円ということに今回引き上げました。甲地、乙地、その他の地域につきましても適切な改定引き上げをいたしますとともに、従来支給期間は十五年が大部分でございましたのを、今回支給期間はすべて二十年ということに統一延長をいたしました。 それから、その他いわゆる調整額の関係では、精薄児の施設、脊髄療養所、身体障害者更生指導所等々の社会福祉施設などに勤務する医師、看護婦、保母、またその他の職員について調整額の適用範囲を拡大し、あるいは支給額を改善いたしますとともに、社会保険審査医に対しても調整額を支給することとしております。 それから、次に特殊勤務手当でございますが、これもいろいろな部面にわたって改定を加えました。 まず夜間病棟に勤務する看護婦に対しましては、夜間看護手当といたしまして従来二百円を支給しておりましたが、今回それをさらに五十円引き上げまして一回二百五十円ということにいたしました。 そのほか交代制勤務に服する通信職員などのやはり夜間勤務関係につきまして、夜間特殊業務手当を拡充いたしました。 それから次に、航空機の操縦などに当たっておる人に対する航空手当の搭乗一時間当たりの額を最高千六百円に引き上げる等の措置をいたしますとともに、海上保安庁の操縦士に対してもあわせて調整額の不均衡是正を行なうことにしております。 以上のほか特殊勤務手当の関係では、警察通信職員あるいは電波監視職員で移動通信作業に従事する人に対する特殊勤務手当を新設することにいたしております。 次に、宿日直手当につきまして、次のように改善いたします。 現在宿日直手当は大体三通りになっておりますが、普通の宿日直勤務につきましては一回当たり現在五百十円、これを六百二十円に引き上げることにしております。 第二の種類として、刑務所等の矯正施設において管理または監督の業務に当たっておる者、これを主として行なう宿日直勤務につきましては、従来勤務一回につき千円でありましたのを千二百円に引き上げることにしております。 それから第三の種類として、常直勤務につきましては現在の月額三千六百円を四千四百円に引き上げることにしております。 なお、従来ありませんでした商船高等専門学校などにおけるいわゆる学寮当直、それから皇宮警察本部、地方検察庁におけるいわゆる事件当直などの特殊な当直勤務につきましては、先ほど第二の種類として申し上げましたものに準じて千二百円の宿日直手当を支給することにいたしております。 それから、そのあと、期末、勤勉手当でございます。これは民間における賞与等、これは毎年それらの特別給を調査しておるのでございますが、これに相当の公務員側のものと突き合わせいたしました結果、今回〇・二カ月分増額することにいたしまして、六月に支給されます期末手当、それから勤勉手当をそれぞれ〇・一カ月分増額することにいたしております。 その他として、従来といいますか、昨年の勧告の中で問題として申し上げておきましたいわゆる高齢者に対する昇給延伸の措置がございます。これは勧告に今度はのせたのでございますが、年齢階層別に見ました官民給与の較差あるいは民間における昇給の実情などにも照らしまして、今回の勧告におきましては、五十六歳以上で人事院の定める年齢をこえる職員のいわゆる普通昇給について延伸をする、その延伸は最初の昇給期間を十八カ月を下らない期間、その後の昇給期間を二十四カ月を下らない期間ということにいたしました。その実施にあたっては、あまり急激な変化をもたらすのもいかがかと思いますので、当面勧告のおもてでは五十六歳以上をうたいましたけれども、実施の面におきましては対象者の年齢は五十八歳以上にいたしまして、いわゆる行(二)の職員あるいは医療職俸給表の(一)の適用を受ける医師、歯科医師等の人々については六十歳以上ということに例外を設けることを考えております。 なお、報告書の中で最後にうたったのでございますが、本年本院が調べましたところによりますと、民間における特別給の支給割合につきましては、職務の段階に応じて相当の差異があるということがきわめて明らかになったわけでございます。したがいまして、それらの事実が明らかになりましたにつきましては、公務員側として期末、勤勉手当の支給のあり方について、そういう事実をも参考にしながら、やはり一応は検討してみてよろしいのではないか、御承知のようにこちらは大体一律ということになっておりまして、階層別の段階はないということになっておりますので、この辺をさらに検討してみたいということでございます。 これが内容のすべてでございますが、以上のうち、官民給与の比較の基礎となっております給与について、この一二。六七%という較差をどのように配分したかという点から申し上げますと、俸給で一〇・七%、諸手当で一・三六%、その他で〇・六一%ということになっております。一二・六七%は平均八千二十二円ということに相なります。 三といたしまして、改定の実施時期でございますが、本年の勧告も五月一日ということにいたしました。ただ宿日直手当の改正については四十六年の一月一日からということにいたしますとともに、いわゆる高齢者の昇給に関します延伸の措置につきましても、来年の四月一日から実施することとしております。 以上が概略の説明でございます。何ぶんよろしくお願いいたします。
○天野委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
○大出委員 ことしの勧告をめぐりましては、公務員諸君のいろいろな団体行動等もありましたから、例年以上に実は私も人事院の皆さんとずいぶん今日までやりとりをしてまいりましたが、それだけに今日の人事院が所管をされる制度、体制というワクの中で、公務員諸君なお生活は苦しいわけでありますけれども、たいへん御努力をいただきましたことに敬意を表したいと思うのでございます。たいへん御苦労さんでございました。また、私どもの主張をずいぶん取り上げてもいただいておりますが、ありがとうございました。 そこで、最初に総務長官に承っておきたいのでありますが、昨年は何か高い勧告が出たからというので福田大蔵大臣は失神したという新聞記事が出ましたが、ことしは何か強心剤を三本ぐらい打っておくからめったなことでは失神はしない、こう言っておるそうでありますが、かつて、調査時期が四月だから四月にしたいという気持ちは前からありますけれども、ことしはそういうことは申し上げずに、五月一日といま総裁おっしゃっておりますので、その意味における完全実施を政府はなさるおつもりであるかどうかという点を、明確にひとつ冒頭にお答えをいただきたい、こう思います。
○山中国務大臣 昨年十一月の官房長官談話以来、当委員会においても、あるいは予算委員会等におきましても、政府の姿勢は絶えず完全実施を明確にいたしております。したがって、人事院一安心。大蔵大臣頭が割れそうと言っておりますが、私のほうは冷静淡々として既定方針に向かって邁進するということで、近く閣議の決定をいたすつもりでございます。
○大出委員 一安心だの、頭が割れそうだのというところで、冷静にとおっしゃるから、先般のお答えをさしておられるのだと思うのでありますが、念のために申し上げておきますけれども、まさかことしは予算がたいへんかかり過ぎるからというので細工はなさらぬだろうと私は思っておりますが、文字どおり完全実施をいただける、このように受け取ってよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 細工というのは、いわゆる答申の中身をいじくり回すという意味だと思うのですが、それはいたしません。ただ、財源上に非常な細工を必要といたします。御参考までに申し上げますと、この勧告について完全実施をいたしますと——これは概算でございますので、すなわち勧告のありました日の午後二時、とりあえず給与関係閣僚会議を招集いたしまして、私が座長として、その推進に当たった際の、大蔵当局並びに自治省当局の全くの概算でございまして、両当局それぞれ、金、土、大蔵は大げさに日曜とまで言っておりましたけれども、相当なきつい作業で計算をいたしておるようであります。したがって、先週金曜の午後二時の時点における財源上の概略の見通しを申し上げますと、完全実施のための一般会計所要額は一千八百八十五億、特別会計分が四百二十億、単純に合計いたしますと二千三百五億国のほうで要ることになりますが、概算の段階でありますから、一般会計、特別会計の給与実施時期の面でダブる面がありますので、それを概算で差し引きますと二千三十億ということになります。一方、既定経費の中にすでに計上されております五%分が六百四十五億ございます。そういたしますと、一般会計の千八百八十五億完全実施にあたりましても、差し引き新規必要となる財源が一千二百四十億になるわけでございます。他方において、御承知のように本年度は予備費を対前年二百億増の一千百億といたしておりましたが、今年に入りましてからの台湾坊主その他の緊急災害予備費支出等が逐次ございましたので、まるめて現在は約一千億程度の予備費の残がございます。その予備費の中で、大体これからどうしても必要と思われてすでにきまっておりますが支出がまだされておらないものに、本年産米の米価決定にあたりまして、二百三十八億の良質米奨励金、米品質改良奨励金というものを支出することに——これは政府、与党の間でありますが、すでに拘束されたものとして決定を見ておりますので、これが二百三十八億ございます。さらに御承知のような休耕奨励金、これの面積が相当予定より増加が見込まれまして、おおむね三百三十億ぐらいの支出が必要とされるであろうということであります。したがって、一千億のうち五百六十八億ぐらいはすでに支出を余儀なくされるものが要素として残っておる。もう入り込んできてしまっておる。一方、大蔵省は予算の——これから先がいわゆる小細工の中に入るのですけれども、実行予算の中の節約、整理、そういうものをいたしまして、国の会計の中で六百億ぐらいはひねり出したい、これは例年よりか相当きつい率になると考えますが、こういう姿勢をいま示しておるようでございます。それにしましても、予備費一千億のうちすでに支出を余儀なくされると思われる金額がきまっておりますから、かりに六百億ぐらいをひねり出してみましても、絶対的に計算のつじつまの合わない支出がここにはっきりいたしたわけでございます。かねがね私といたしましては、予備費の支出のあり方のいかんにかかわらず、完全実施にあたっての財源措置はこれを最優先あるいは先取りという気持ちでいるということを担当大臣として申しました。閣議においても、明日等においてはそれらの私の決意について了承を求めるつもりでありますが、計数整理等の関係で最終決定は来週の閣議になるかと思います。しかし、これまでのところ、各省より完全実施についての異論は財源当局も含めて全くございませんので、その方向に行くことについては間違いがないと思いますが、さらに財源等につきましては、これは来年三月末までの月給を全部、期末、年末含めて一ぺんに支出するものでもございませんし、ころがしていける性格の種類の金でございますので、次の通常国会等における不足分の完全実施のための必要な経費は、当然他方において自然増収その他の財源等を検討しながら補正予算を組んででも実行しなければならないと考えておりますが、国が国民に対して公僕として働いてもらっておる公務員諸君に対する公約の実施という点において、最優先の努力をしたいと考えます。そのような思想において閣内の不統一はございません。 さらに地方自治体の財源でございますが、自治省の概算によりますと、おおむね二千四百億といっております。合わせますと、国の分のネット二千三十億と地方の概算二千四百億、合計四千四百三十億を必要とすることになるわけでありますが、その中で自治省としての地方財政計画の中で既定経費として組み込んであります計上分が千四百億ございます。すでに措置済みでございますので、差し引き一千億が地方財政において不足するということになります。しかし、この一千億の中には不交付団体分の二百二十七億が入っての一千億でございますので、残り七百七十三億というものが地方財政としてどうするかという不足分になります。自治省としては、いま国と貸したり借りたりの関係でややこしくなっておりますものをこの際返してもらいたいなどということも自治大臣は言っておられましたが、それはそれとして、地方財政にも自然増収がございますし、また地方財政ひとり節約はしないということも言えないと思いますので、これらの点はこれから関係閣僚会議もしくは閣議の場等を通じて、逐次その考え方なり実施に対する方向を詰めていくにいたしましても、国家公務員の勧告の完全実施を受けて地方公務員も当然完全実施ということは既定の事実として実行されていくものであり、財源措置はいかなる手段をとっても国、地方双方の責任をもって完全にその役目を果たしていきたい。その仕事を果たさなければならないし、そうなるということを申し上げておきたいと考えます。 以上、念のため、財源上の細工について苦労しておりますので、一応その点だけ申し上げておきます。
○大出委員 なかなか細工はりゅうりゅう仕上がっているというようなお話しでございますから、これで私の申し上げた小細工、つまり昨年のように支給時期がおくれましても、夏期手当であるとか、あるいはときには年末手当であるとか、支給済みのものについては差額を支給しないということはない、こういうことになったと思うわけでありますが、そういう理解をいたします。 そこで、大蔵省は皆さんおいでにならぬで、給与課長さんはお見えになっておるようでありますが、先般も大蔵政務次官の答弁に対して総務長官のほうで、私のほうで答えるというわけでございましたから、総務長官に承ってまいりたいと思うのであります。もし大蔵省の側で食い違いがあれば、課長さんのほうから御発言をいただきたいと思っております。 心配なので一つだけ承っておきたいのでありますけれども、既定経費の削減という問題でございますが、この削減のしかたによってはいろいろなことになるわけでありまして、大体一律に何をどの程度削減するということになっているのか、それとも費目別にこれとこれとこれから、これぐらい削減したいという方針があるのか。そこらは実はあとで問題になりますので、細工のうちの一つだと思いますから、いまからひとつはっきりさせておいていただきたい、こう思うわけであります。
○山中国務大臣 そこらの辺につきましては、関係閣僚会議の後、官房長宮室におきまして、官房長官、私、大蔵大臣と三者でまたさらに相談をいたしたわけでありますが、現在までの段階では、大蔵省はいま試算中であると考えますが、その答えはまだ出ていないと思いますけれども、やはりおおむね六百億ぐらいのそういう捻出はやむを得ないであろうということにおいて意見が一致いたしております。
○大出委員 そこで一つだけ、これはいますぐ結論が出るものじゃありませんけれども、御見解を承っておきたい点がある。 それは、例年補正予算を組まないといってきて三年になるんだと思うのでございますが、いまのお話でころがしていける、こういうことになりますが、給与法が国会に提出されて通過いたしませんと支給はできない、これがたてまえであります。さらにもう一つその上に制約がありまして、予算補正をするということになるとすると、予算の補正をされなければならぬことになる。そこらの関係を、ころがしていけるといってみても、臨時国会が開かれなければならぬわけでありますから、これが十二月におっついて開かれるとすれば、そこまでは閣議決定はいただいても支出はできないわけでありますから、ころがすもころがさぬも、その間は必要がないわけであります。そこらの関係はどういうふうにお考えか、ひとつ承っておきたいと思います。
○山中国務大臣 野党の方面より公害に関して臨時国会を開けという要望があることを承知いたしておりますが、給与関係のみで、ただいまおっしゃいましたようなことをすみやかに支給開始、実支給ということに踏み切ろうとするならば、当然臨時国会でも開かなければやれないということはおっしゃるとおりであります。しかしながら、やはり法律を出して、それが国会両院の承認を得た後、財政支出の実施となって公務員諸君にわたるわけでございますから、いわゆる補正なし予算という財政の運用の姿勢を示しました国の財政当局のあり方について、別段変わっているとは思いません。思いませんが、ことし変わっておるのは、財源上いかなる事態があっても人事院勧告は完全に実施をするということを決定しておりますことは非常に大きな変化でありますから、その財政の運用の姿勢が、補正なしの予算のたてまえとして均衡予算制度をとるのだという姿勢というものに、新たなる要素として財源の事情いかんにかかわらず完全実施ということにおいて、ことしはかりに最終的に補正を余儀なくされても、これは財政運用の姿勢があるいは放漫な姿勢に変わったとかいうようなことはあり得ないものだと思いますし、その意味でなるべくすみやかな実際の支給というものが公務員諸君の生活のためにすぐ役に立たなければおかしいのでありますから、実施時期だけさかのぼって、ことばの上だけで夏期手当がふえるわけじゃありませんし、支給される日まではじっと決定した金額を待たなければならない、そういうことも私は非常にいい政治だとは思っておりませんので、そこらのところはこれから先のその他の政治情勢等も勘案しながら、担当大臣としてはすみやかな支給の決定がなされるような手段、努力を講じていきたい。しかもそれによって補正を余儀なくされるような財源事情、先ほど説明いたしましたが、これは政府の財政運用の姿勢に新たなる基本的な国の要請が一つ加わったために生じた変化であるということで野党諸君にも御理解願いたいというふうに考えて乗り切るつもりでございます。
○大出委員 たいへん前向きにお答えをいただいてありがたいのですけれども、実はけさこの委員会の理事会で、私、後の理事懇談会の御提起がございましたから、その際に申し上げておいたのでありますが、例年臨時国会がずれますと、そこまで法案提出がずれ込んでまいります。したがって、そこで法案が通過いたしませんと支給ができない。だから、十カ月も、それ以上も差額支給をするというようなことで、せっかくきまった公務員給与を延々と待っている。こういうことはよろしくないのではないか。だから、たとえば政府の事情、都合で国会召集ができない、こういうふうなことであるとすれば、その間、内払いなら内払いという制度を——これは制度改正しなければできませんけれども、考えてしかるべきではないか。これは奥さん方にすれば、そろばんをはじいて、家計設計の一項目に入るのですから、だからそこまで考えなければ、たとえばせっかくことしは完全実施というのだけれども、そのありがた味というものがないんじゃないか。つまりそういう意味では予算を効率的に使っていないことになるのではないか。だから、そういう点についてここで相談するのも、時間もかかることだから、あらためて懇談会でしてもらいたいということを実はけさ提起したばかりなんです。いまの長官の答弁からいたしますと、まず一つは、すみやかに臨時国会でも開かれれば、これは待たずして、そこで給与法の提出を急ぐ、こういう姿勢に第一点は受け取れるということ、それでよろしいかどうかという点と、二つ目は、総合予算主義という形がとられて何年かになりますけれども、そのたてまえを精神的にくずすものではない。だがしかし、事情やむを得ないということで、つまり放漫財政という意味でなくて補正が必要になるかもしれない。しかし、補正が行なわれないからといって、それまで公務員給与は改定をしないんだ、あるいは差額支給をしないなどということではない、その有無にかかわらず支給すべきものはする、こういう姿勢なんだということが第二点。こう受け取れるわけでございますが、それでよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 いずれも給与担当大臣としてはそのとおりの姿勢であることは、そう受け取られてけっこうでございます。私はことしの問題はある意味において踏み絵だと思うのですね。一つの踏み絵である。ことし完全実施とことばでは言ってきたけれども、具体的にどのようなことをやるのか。初歩的な−初歩と言えば問題が起こりますから、基本的な問題としては、改定の勧告の内容をいじったりなどすることはないだろうなという問題点から始まって、完全実施のあり方、それからそれに対する実際の支給のしかた、時期、こういう問題。あるいは昨年のような、核抜きという、表現は穏やかではないですが、夏期手当は済んだからといって抜いちゃったというようなこと等をやるかやらないか。すべてがことしは一種の踏み絵である。政府がしいられている、あるいは政府が踏み絵の時期に差しかかっておると思うのです。そうすると、これはもう完全に踏みましたならば、それは来年からは政府の基本的な姿勢になるわけです。そうすると、いままでのような予算の組み方、これは大蔵大臣の答弁にまつべきでありますが、最近福田大蔵大臣も相当年輪を増しまして、単なるそろばん勘定だけの大蔵大臣ではなくなりつつあるようでありますから、ここらのところは私と意見がそう違わないと思うのですが、来年度の予算の編成のあり方、これはもうすでに各省で予算要求その他を始めておるわけでありますし、その姿勢は直ちに反映していかなければなりませんが、来年度の予算においては、当初から予定される給与改定に必要と思われる財源、これはもう一ぱいを見積もって、よほど不測の事態が起こったときに初めて予備費等において急遽措置すれば間に合うような、五%組み込むなどという形でない、予算の基本的な人件費の組み方が打ち立てられてしかるべきであろう。そのためにことしの実行のあり方というものが一つの前提となって組まれるべきである。各省の予算要求などを見ますと、どうも各省ともそれぞれ必死になって予算をふやそうとしますから、人件費の定期的な、定昇分とか、あるいはベースアップ分とかは予算要求の二五%増なら二五%増というような増の中からはずして、当然これは義務経費なんだからということで、かってに要求の二五%にはそういうベースアップ財源を抜いて要求をしたりする省も多いようでございます。これはばらばらで、良心的な省もあるようですが、ここらの調整も、八月三十一日に一応締め切るわけでありますから、政府の姿勢として財政当局より来年度の予算を組む組み方の基本姿勢を示して、そうして願わくは来年度予算からはこのような議論が繰り返されないで、当初において、一般会計、特別会計を通じて国の義務支出としての経費はほぼ組み込まれて、当初予算で出発すべきものであろう。そうするとむだな論争をそれだけしないで済むことになろうかと私は考えますので、この方面について大蔵大臣にも十分連絡をとりまして、できるだけそういう姿勢に持ち込むべきであるし、またそうしなければならぬと考えております。
○大出委員 長官、どうも総理のいすにあまり長くおられるととかくおこりっぼくなる佐藤さんもおられますが、また総理のいすが近くなると融通無碍になる方もおいでになる。それでたいへんいいときにぶつかったと思うのですが、そのいいときにぶつかったということを多といたしまして、いまおっしゃっておられるように、これは単に年輪の差ではないだろうと思うのです。(発言する者あり)やじに応酬しないことにいたしまして、ひとつ踏み絵になるとおっしゃられたとおり、確かにことし完全実施をして来年からまたあと戻りするということはできないわけです。これは伊能先生もおいでになられますが、ずいぶん長い間この委員会で、どうしたら完全実施ができるかということで、何度も附帯決議をつけたり、苦心惨たんしてきたことでありますから、ぜひひとつそういう意味で、ことしはその基礎をはっきり固めておいていただきたい、こう思うわけであります。何しろ六千三百七円のとき一あれも扶養手当等を削りましたから、これもまた完全実施ではなかったわけでありまして、だからこれがほんとうに完全実施されるとすれば、人事院の歴史始まって以来だろうと思うのです。これは紛争解決あるいは労使間の問題解決の一つの方向づけにもなろうと思いますから、ぜひひとつそういう方向でお進めいただきたいと思うわけであります。 ただ、そこで一つ、私は、どうも気に食わぬというのは少し言い方が悪いのでありますが、長らく要望し続け、かつまた委員会も努力し続けてきたのでありますけれども、これは総務長官に承っておかなければいかぬのでありますけれども、何か知らぬのですけれども、給与を勧告されて、さて政府が予算措置を講じて実施するということになりますと、何か一つくっつけなれば気が済まぬのですね。この際公務員は国民の公僕に徹せよとか、思い切った行政改革をやろうとか、人を思い切って減らすとか、必ず何かくっつく。ことしはそこにおまけがついて、旧来の各省の行政処分のその大多数は団体活動によるものだ、したがって、そういうふうなことは一切やってはいけないとか、厳に罰則を強化をするとか、そんなこと言ったって、完全実施を一つもしないからあれだけ騒ぎが起こる。ことしは総務長官があっさりげたをはいて完全実施すると言い切ってしまったんですから、そこへもってきて総裁は総裁で、民間が春闘でこれだけ上がったんだから、この機会にやることはやる、こういう姿勢で、高額かつ大幅、その上にまたいい線を行きますなんということで、みごとにストライキをやめてしまった。だから旧来からそういう姿勢をとっていただけば、だれもやりたくてやるわけではないから、この種の争いは起こらなかったはずです。だからせっかく歴史始まって以来といったようなことで、またある意味ではいい時期にぶつかったということで、完全実施をする。こういうときに、どうもあまり新聞や何かに行政管理庁なんかが、やれ一省一局削減だとかろくなことを言ってないところにもつてきて、あんまりいばってはいかぬと思う。それは単なる国民向けのアクセサリーだとおっしゃるならこれは別、そういう点は私は将来の問題について少しお考え置きをいただきたいと思うのです。これは見解の相違かもしれませんが、つけ加えておきたいと思うわけであります。御反論があるならばひとつ言っていただきたいと思うのであります。 さて、人事院の総裁に承りたいのですが、たいへん御努力をいただきましたから、あとの質問の関係があり、長官の時間がたしか午後二時までだと思いますから、能率的に申し上げたいと思うのでありますけれども、まず一つは、あんまり評判のよくないのが一つ入っているのですね。指定職の皆さん等に対する取り扱い、しかも一番最後に手当に関しても、何かちょっとよけいなことがくっついておる感じがするのでありますが、そこでまず行(一)、行(二)あるいは税務、公安の(一)、(二)、それから海事が(一)、(二)、教育が(一)、(二)、(三)、(四)、研究職、医療の(一)、(二)、(三)、指定職、こうあるわけですが、この俸給表に基づくアップ率並びにアップ額、これをさらっとひとつ言っていただきたい。と申しますのは、私のほうに何の資料もないんで、これ一々計算して出せば出ますけれども、またその時間もない。こういう状態でございますから、きょうは何かお出しをいただけるかと思ったら、これも全くないわけでして、ひとつ親切に、そこらあっさりと言っていただきたい、こう思うわけです。
○山中国務大臣 私だけの考え方で言えるわけではありませんが、私は給与担当相として完全実施についての全力を傾けるということであります。ことしの公務員諸君の、これはストと呼んでいいのかどうか、公的にはどうかわかりませんが、いわゆる不満の表明ということも良識をもって処理されたということで、やはり国民の最高の職を執行する諸君としての良識を持っておられることを証明されましたから、そういう紛争の火種というものがなくなるような方向を来年度予算からとれれば、それでおおむねお互いの良識の一致するところはあろう。しかしそれにもかかわらず、思想的その他の立場で別にあるというならば、これはまた公務員の規律の問題として別にあるわけですが、問題は行管あるいは大蔵等の分野の議論でありましょうが、この行政管理庁としての国家公務員の数あるいは欠員不補充等の問題に関する考え方、これは私のほうで直接関与はいたしておりませんが、しかしながら政府が完全実施をさらに今回は約束をするという段階において、ことしはいわゆる反面における公僕としての公務員諸君に何らの姿勢というものを示さないで実行するかということについては、私自身もやはりことばの上だけでない何らかの自粛、努力というものが要求されることはあってしかるべきであろうと考えます。そこらのところは私の口からいまのところどういうふうになるであろうということは、行管の意向というものを、まだ正式に表明を聞いておりませんので、答弁はいたしかねます。
○大出委員 せっかく御答弁がございましたから、私も実はきょうは行管をお呼びいたしておりませんしいたしますので、深く突っ込んで申し上げていないのですが、私が申し上げたいのは、本年は公務員の皆さんのほうもずいぶん精力的に各関係省庁にお伺いをして話し合いを続けてきた、そういう姿勢でございます。私も始めからしまいまでついておりましたから知り過ぎておるのですが、かつまた特に山中総務長官が精力的に良識に訴えてということで、かつまた政府のすべき努力はしてということでたいへん御努力をいただいたことも私は存じております。私自身も何べんか長官とお話をしたわけでありまして、かつまた人事院総裁のほうも、ことしはまたずいぶん御努力をされまして、細大漏らさずといっていいくらい給与局長を含めまして公務員諸君のいろいろな苦情を聞いてきたわけですから、そういう努力の結果、こういう結果になっておるわけでありまして、つまり努力すればできるという一つのこれは先例だろうと思うのでありますが、だからお互いわかっているわけであります。そこへ何か、どうも三年五%というものは、すでにこの委員会でさんざん論議をしてきめてある、それをいまさら強調してみたって始まらぬ。だから三年五%が終わるまではまだ年限があるのでありますから、それ以上のことをやろうといったって、これは委員会もあるわけでありますから、できない。その時期にそこからまた何年か先のことをつかまえまして、三年五%が終わってもまだ大幅に整理するんだというようなことを、簡単にできもしない行政管理庁が言うことが、一言多いですな。私はせっかくこういうお互いの努力でまとまった時期に、自粛せよ、公僕たれと言うことはいい。いいが、しかしそこから先そんなことを言うと、公務員の皆さん非常に心配される。けさ傍聴においでになった方々何人かおいでになるので、秘書を通じて聞いてみたら、行政整理というふうなことをまたおっしゃり始めたから心配だという方々であります。それではやはり困る。だから、やるべきことは、筋を通して、行政管理庁もものをまとめて提案をされればいいのでありまして、そこらは私は、どうも一言多いと、また紛争の種になる火種がふえる、それでは困る。実はこういう気持ちがありまして申し上げたのでありまして、時間の関係もございまして、それ以上申し上げません。おっしゃられる長官の御答弁については理解いたします。 そこで、先ほどの人事院側のアップ率、アップ額をさっと読み流していただきたい。
○尾崎説明員 各俸給表のアップ率、アップ額の話でございますけれども、いわゆる月給総額といたしまして一二・六七%、八千二十二円ということでございますが、その中で、俸給面といたしましては一〇・七%ということになっております。その一〇・七%でございますけれども、それを俸給表自身の引き上げ率というふうにいたしますと、一二・〇%ということになります。一二・〇%、六千九百五十三円ということになるわけでございますが、それを各俸給表別にざっと申し上げたいと思います。 行政(一)の場合が六千四百九十二円、二一・〇%、行政。の場合には六千百九円、一二・九%、税務七千六百二十七円、一一・五%、公安(一)七千五百八十六円、一二・三%、公安(二)七千三百九十八円、二・七%、海事(一)八千八百八十一円、一一・八%、海事(二)六千八百四十六円、一二・九%、教育(一)九千七十四円、一〇・九%、教育(二)七千九百三十六円、一一・七%、教育日七千五百九十七円、一二・〇%、教育(四)八千八百七十九円、一一・一%、研究八千九十四円、一二・三%、医療(一)一万三千百三十六円、一三・五%、医療(二)六千五百五十五円、一二・四%、医療(三)五千九百九十円、一三・五%、指定職三万三千八百七十一円、一五・〇%ということでございます。
○大出委員 これは、公安の(一)、(二)というのは人事院側からすれば抜けるのだと思いますが、それはそれとして、もう一つ、これは念のために伺っておきたいのであります。 この人事院がお出しになった勧告の本文になりますか、この一番最後に「別記第二 切替要領」というのがありますね。私もよくわからぬのでありますけれども、この切替要領に妙なことが書いてありますね。切替要領の2「切替日の前日において指定職俸給表の乙欄の適用を受ける職員のうち人事院の定めるものについては、切替日において甲欄を適用するものとする。」、つまり指定職甲と指定職乙とありますね。いまおっしゃっている指定職というものは甲乙含めて一五・〇%、最高の上げ幅でございましょうが、三万三千八百七十一円、そうなっているのでありますが、この切替要領を見ますと、いま申し上げたようにこの切替日において甲欄を適用する乙欄の者——指定職乙の方々で人事院が認めたものは、切替日において甲欄になる、こういうことになると、これはもちろんさかのぼって遡及実施でございますから、こうなると、この種のことをおやりになろうとするなら、これは確かに切替要領か何かで入れておかなければできないと思うのです。だがしかし、これはふしぎなことがある。おそらくこれは、私は本省の局長さんあたり、指定職乙の方をこの切替要領に従って甲に持っていっちゃおう、こういうことだと思うのですね。何か切替要領も出ておるのですから、そうは言えぬのですけれども、しろうと考えで見れば、ちょっとこれは気がつかないで済んでしまう、そういう感じまでするわけでありますけれども、これは一体どういう考え方でこうされたのか、念のため承っておきたい。想像はつきますが……。
○尾崎説明員 おっしゃいますように、別記第二に切替要領がございまして、その2に、従来指定職俸給表の乙欄の適用を受けている人で人事院の特に定めるものについては、今度は甲欄を適用するという内容でございまして、これは本省局長及びそれに準ずる官職につきまして、指定職俸給表の甲欄を今後適用いたしたいということを内容といたしております。これにつきましては、今回の指定職甲、乙の関係におきまして、従来指定職の甲は一官一給与制度というふうな形で運用されておりまして、乙のほうはそれに準ずるという形で運用されておったわけでございます。その場合に、準ずる形ということで、たとえば局長の場合には、乙六号から九号俸まで最初のうちは一年昇給と申しますか指定がえといったような形で四号俸にわたって指定がえをするという形をとっておったのでございますけれども、その場合にあまりに同じ官職におきまして指定がえの幅が大き過ぎるという関係もございまして、今回本省局長につきましてはその指定がえの幅を短くいたしたい。乙欄の職員につきましては、やはり職務給化ということで指定がえの期間をもっと長くするというような方向で処理したいというふうに考えまして、甲俸給表につきましてはさらに下のほうに一号をつけまして局長を収容するというふうに考えたのでございますし、乙欄につきましては従来の九号俸ありましたのを七号俸に圧縮をいたしまして、指定がえの期間を延長するということで、今回の指定職甲、乙の俸給表を考えたのでございます。
○大出委員 これは官民比較の面で俸給表を見ますと、次官なら次官をどこにぶつけるかということになる。これは指定職俸給表のこの欄を見ますと、最高の七号俸が四十万ですね。するとてっぺんが四十万。つまり会社の社長ではない重役さんが皆さんの調査によると四十万となっておったというわけですね。おたくのほうの考え方はそこにどこをぶつけるかという……。二万刻みなら次官は四十二万となったっておかしくない。ところがあなたのほうは頭を四十万円と押えたから一これは時間がないから、お互いわかっているからこまかく申し上げません。だがそうすると、あとの局長やその他をよくするのにうまい方法はないかということになる。つまり現一号が新二号になる、そうでしょう。現二号が新三号になる、現三号が新四号になる、現四号が新五号になって、現五、六は新の六になる。これを見るとこういう勘定ですね。そうして四十万というふうに頭を押えましたから次官はここにいく、こういう勘定になるのだと思うのです。このあとにある切替要領の3のところにありますね、これはそういう意味だと思うのですが、そういうことになると、確かにいま御説明いただいた指定職というのは、一五・〇%の三万三千八百七十一円などということではなくて、実質は新聞がいろいろ書いておりますように、やれ二八%上がるじゃないかということを書いておりますけれども、実際はそういうことになってしまう。そういうことになりかねない。実質的にはそうなる。ここらあたりがどう考えても今回の措置は受け取れぬという気がする。一官一給与であるということも知っています。ここらあたりはどうも下のほうの、いまお述べいただいた一二・〇%から始まるこの行eの俸給表。それで人事院は物価上昇その他を考えてということで今回は一つの線を置いて、八%の物価上昇、給与改善分というのと両方あわせて一〇%と踏んで、各俸給表ともこれを最低に押えるという線があったように聞いておりますけれども、しかし実際に調べてみればそれを割るところもある。そういう中で指定職だけワク外だからといってここまで一挙に引き上げるという神経が私はわからぬ。その辺は一体どういうお気持ちでございますか。
○尾崎説明員 俸給表全般といたしまして、民間の上がり方ということに準じて上がる面を考えたのでございます。したがいまして、俸給表面におきましては、最高約二〇%初任給の辺で上がるところから、比較的に高号俸におきましては次第に昇給の関係で上がり方が少なくなっていっておりますけれども、それでも約一〇%上がるという形になっております。 いま御指摘の場合の指定職の関係でございますけれども、これは参考資料に別表といたしましてことし初めてつけたのでございますけれども、「民間における役員の報酬および特別給の状況」というのが三六ページに添付してございますけれども、そこにございますように、本年四月に調べました五百人以上の民間企業における給与を調査いたしまして、この場合の最高給与、つまり社長級だと思いますけれども、その場合に五十八万三千円でございます。常務、専務級におきましては四十万円でございますし、部長兼任重役におきましては二十五万八千円という状況であったわけでございます。したがいまして、これと均衡というほど強い問題じゃございませんけれども、こういう面を考慮いたしますと、巨大企業ではもちろんございませんで、五百人以上の平均という場合に常務、専務の平均が大体四十万ということでございますので、やはりこの程度の給与は一般職の最高給で一これは平均でございますし、一般職の最高給をどの程度に持っていったらいいかという点も考えるのでございますけれども、今回はこれを向こうの平均を最高給のところに押えまして四十万ということにいたしたのでございまして、そういう点ではなおいろいろ問題があると思いますけれども、まあこの程度は引き上げ率から申しましてもやむを得ないというふうに考えたのでございます。
○大出委員 時間がありませんから、申し上げるだけ申し上げていきますが、気持ちはわからぬわけではない。私もよく天下りなんというのを取り上げたりしますけれども、やめて民間においでになった方と、同期で官に残っている方が会ったときに、おまえ幾らもらっているんだと言ったらおれは四十万だ、おまえ幾らだと言ったら二十何万だ、ずいぶん少ないじゃないか、おれも天下ろうかな、という気持ちになる。だから思い切ってふやしておけば、天下り天下りとろくなことを言われぬから、天下ろうという気にならぬで官庁にいて何とかやっていこうということになる。そういうところに一つの政治的配慮があったのだというなら、私はあえて世の中に言うべきだと思うのですよ。それをいま言ったような、何もことし初めて人事院は調査しているんじゃないでしょうが。民間の重役が幾らもらっているか知らぬ給与局長ならやめたほうがいい。それをいまになって、ことし初めて調査したかのごとくものを言うというのは、一体どういうわけだ。だから新聞がろくなことを書かぬ。だから、天下りばかりやって困るという頭が人事院にあるなら、給与をそこまでおっつけてやれば天下らぬでもいい、そこまで考えているんだということを言ったらいいと思うのです。それに対する批判はいろいろあろうけれども、真意がそこにあったらあったでいい。それを何か切替要領のほうへ持っていって、こんなことまでやって上げなければならぬという理屈がどこにあるのか。一番最後のほうにひっついているのでは、手当のほうも民間より多い。それにおっつければつじつまが合わぬから、民間の重役はこれこれだということでそっちも何とかしなければ仏つくって魂入れずということになるので、そっちのほうも近い将来ふやします、両方一ぺんにやったのではあまり極端だからというので、総裁も両方提示できぬ。委員会でたたかれてどうにもならぬということになりますから。まあ手当のほうだけはちょっと足がかりにしておいて俸給のほうはあとにしよう、社長に合わしてない、専務とか常務というところに合わしたのだ、せめてということにしよう、何かそういうふうな気がする。そのたいへん苦慮されたところも私はわかるわけですけれども、それならそれでそう言ったほうがすかっとしているんじゃないか。山中さんみたいな人なら、私はそう言うんじゃないかと思うのですがね。いかがですか。
○佐藤説明員 たいへんうがった御観測も交えて、こっちがいかにも老獪であるかのごときことにもなりかかっておるわけでありますけれども、私どもは純粋に職務のあり方、職務の性格をとらえて、少なくとも行政職では最高のトップである事務次官というものに対して、いまの格づけで一体いいのか、これはおかしくないのかということが一つありまして、ほんとうをいえば、先ほど局長が述べました民間の役員給与でいえば、四十万のところにいくのがあるいは筋かもしらぬということさえ考えた上での処置でございまして、その結果非常な昇給になることは、これは当然覚悟の上であります。天下り対策の問題も、これは実はまんざらそういうことがないわけではない。しかしわれわれの立場としては、表立ってそういうことを申し上げる立場ではありませんから、別に世間に声を大きくしてはおりませんけれども、少なくとも天下りの推進という面から見れば、ブレーキ役になるだろうということは、はっきり申し上げられると思います。 それからことしにわかに民間の給与を調べたというお話がありましたけれども、この指定職の俸給を上げるときは、いつもちゃんとデータをそろえて、こうなりましたということをお見せしているのです。ことしの場合は、この間の調べからいうと、やはり格段に民間も上がっておりますが、民間追随主義というのがことしは少し批判の的になっております。私はこれは正しいと思いますが、やはり役員と、こちらは事務次官、局長クラスというものはこれは堂々と突き合わせてみていいので・そこに較差があれば合わせるのがあたりまえじゃないかという気持ちを持って、正面から取り組んだということを御了解願いたいと思います。
○大出委員 時間がかかりますから、あとでまた申し上げたいと思うのでありますが、この委員会でございますから、率直に言っていただきたいと思って天下りの問題も持ち出したのでございますが、お答えをいただきましたから真意のほどはわかった気がいたします。ただ新聞の書き方なんか見ますと、人事院の説明不足もあるのだろうと思いますけれども、何かことし初めてあたかも民間の重役、社長を調べたかのごとく人事院が言うたように書いてある。そうではないはずでございます。したがって私は、これはいまに始まったことではないので、急にこうやられたというところに疑義を感じてものを申し上げているわけであります。それと、末端で働く方々との開きというものを考えるときに、やはりいろいろ職場の中には、ずいぶん上げたものだなというところから始まりまして、けしからぬという声まであるわけでありますから、そういう声を代弁して申し上げたわけであります。いずれまた俸給表が出てまいりますから、場所を改めて申し上げたいと思います。 それから、中途採用者の方々をこのままほっておけるのかということを私先般の委員会でいろいろ申し上げたのでありますが、これはちょっと中身を聞いておきたいのでありますけれども、二分の三、あるいは三分の二、どっちでもいいのでありますけれども、通算のしかたですね。これは現行十八カ月一号というのを、たとえばそれを多少切って、期間を短縮をして上げるというふうなことをおやりになる、こういう意味でありますか。
○尾崎説明員 中途採用の職員の場合の給与評価でございますけれども、やはり従来からずっとつとめている人と途中から入ってきた人の間に差をつけるという関係が、一般的にどこの会社でも、官の場合でもそういうふうに行なわれてきておったわけでございますが、その関係が、従来は御承知のとおり、ほかの経歴を三分の一とりまして、つまり三分の二で評価するということであったのでございますけれども、最近のように、労働事情が逼迫してまいりますと、なかなかそれで押していけないという面がございます。したがいまして、民間におけるそういう中途採用の改善状況がいろいろございますので、今回そういうものもよく考えまして、従来の三分の二という計算を、一部でございますけれども、五分の四に改めるという形で改善をいたしたわけでございます。その場合に、たとえば行政(二)表のような場合には、初任給幅があるわけでございますけれども、その初任給の幅を三号ほど幅を広げまして、そしていま申しました、従来の三分の二計算を五分の四計算で再計算して上げる、つまり在職者調整は、その初任給幅の三号幅を上げまして、その上さらに三号までを在職者につきましては再計算して上げるという形で、よそから入ってきます中途採用者につきましての金額を上げるという、そういう措置とあわせまして在職者調整をやりたいというふうに考えております。
○大出委員 考え方はわかりました。これはそれでもなお足りないくらいでございまして、何とかめんどうを見なければと思うのです。 次に、これは非常に基本的な問題なんですが、去年の労働省発表の春闘の民間賃金のアップ率を見ますと、これは公表しておりませんけれども、労働省は百五十社平均一五・八という数字を去年出しているのですね。これは給与局長よく御存じのとおりであります。今年は一八・三という数字が出ている。これまた御存じのとおりです。そこで私は実は、この差が二・五ありますから、去年人事院は実質一〇・二の勧告をされておる。そこで労働省の昨年、本年のアップ率の差をとってみれば、去年より二・五上がっている。それを一〇・二に足すと、一二・七という数字が出なければおかしいのだということをさんざん言ってきた。ところが、私の主張を、大出君の言うとおりにしてはまずいからというので、ちょっと上のほうを切りまして一二・六七ですか、そういう話のようでございますが、今度は私はそういうことで申し上げておったのです。これは私の言うとおりにしたら調査しなくていいということになってしまいますから、人事院は労働省の言うとおりにしておけばいい、こうなってしまうので、少しはそこら変わらなくちゃならぬとお考えになったのかもしれないけれども、一二・六七というので〇・三くらいちょっと——どうせそれなら一二・七三くらいにすればいいのに。六七にすることはないでしょう。 ところで、人事院の調査のほうを見ますと、去年の人事院の追跡調査、これをながめてみますと、去年の引き上げ率一五・七になっているのですね。今年は一八なんですね。労働省の一八・三をこっちは一八に見ている。何でもこう違うのだということなんですけれども、おたくのほうは何か説明をされたときの話を聞いてみますと、また聞きですからわかりませんが、あなたのほうは追跡調査の中に中小を入れた、だから切れたのだという意味のお話だったということを間接的に聞いたのです。だからということになると、これはおかしくないかという気が私はする。なぜかというと、春闘共闘なんかでも本年は加重平均で中小を入れて計算した。全部コンピューターを使ってはじいているのです。この数字を見ますと、中小を入れると上がるのですよ。最近は、春闘の様子を見ておりますと、中小のほうはアップ率は高いです。賃金は従来低かった。それが人がないから、追っかけていますから高い。中小を入れたから下がったという理屈はどこからも出てこない。だから、ことしのコンピューター調査に基づく春闘共闘の加重平均の計算を見ましても、中小を入れまして一九・一という数字が出ている。組合数にしても全部で千四百五十三組合調べているのですね。この傾向というのは変わらない。だからなぜ一体これが切れるのか、これは私は了解に苦しむところでありまして、そこらのところをまずどうお考えか、承っておきたいと思います。
○尾崎説明員 労働省の調査の場合には、大手二百社における単純平均でございます。ところで、私どものほうの関係では御承知のとおり、事業所規模五十人以上、会社の規模百人以上というところで七千ほどの事業所を調べまして、そしていわゆる積み残し企業についてのアップ率の平均でございます。したがいましてこの関係が完全に同じになるという保証はないわけでございますけれども、大体似たり寄ったりになるだろうということは出てくると思います。
○大出委員 ただ御参考までに申し上げておきますが、これを突き詰めていきますと、あなたのほうはいつも答弁で、調査時期が時期だから、じゃ調査時期をかえるかということをすぐ言い出すので、そこまで行けばけんかになってしまう。こんなことを言うなら調査書まで全部出せ、そういうことになる。ただこのコンピューターで調べたものから行きますと、明確な数字に出ているのですね。三百人以下のところで四百五十社ばかり調べている。それで出てきている数字は二〇・一%なんです。そして三百人以上のところ、それから千人以上のところ、これは合わせて千組合ばかりですけれども、片方の三百人以上のほうが一九という数字が出ているが、千人以上というところで一八・八になっている。傾向としてはこれは明確だと思うのですよ。小さいところを入れて上がっている、こういうことになる。にもかかわらず人事院のほうが下がっているということになるとおかしくはないかということを申し上げているのです。ここのところは数字が出ている基礎なんですからね。はじき方が違うという点もありましょう。ありましょうけれども、そこの点だけは申し上げておかぬと、来年のこともありますから……。 それからもう一つ、五月以降の妥結というところが年々ふえているわけです。妥結企業数という東京都の労政局が調べた数字などによりますと、去年の五月以降妥結した数が二九・六、ことしの五月以降では三五・九、つまり年々五月以降妥結がふえているという傾向にある。ですからやはりそこのところは追跡調査の面で、これは十分おやりになっておられると思いますけれども、念を入れておやりいただきたいという気がする、さっきの数字とあわせまして。皆さんのほうが調査書その他を公開をなさるなら私の疑問も消えてしまうかもしれません。しれませんけれども、そうでないだけに、まわりからしぼっていくと、どうも不納得だという結果になる。ここの点だけ申し上げておきたいわけです。 それから次に初任給でございますが、これは標準生計費その他いままでいろいろ問題がありまして、御存じのとおり、私はいままで何べんも筋が通らぬじゃないかということを申し上げて聞いてきました。そこでことしの初任給決定を見ますと、国家公務員の男女比率、これが一つ入ってきている気がするのであります。ことしの民間のものを見ますと、上場七百五十八社、非上場二百三十九社平均四十五年度の初任給、これによりますと、高卒で男子三万一千五百三十二円、一八・四%、女子で三万百七十二円、一七・七%、平均をいたしますと一八・〇五%という民間の新高卒の初任給の上昇率になっているわけであります。そこで公務員の場合には男子が八六、女子が一四、こういう男女比率になっているわけですね。この八六と一四という男女比率に基づいて皆さん方は初任給をはじいておられる、こういうことだろうと思うのです。つまり平均でいっていない。民間の場合には男子が三六で女子が六四くらいですから、それを国家公務員の八六、一四におとりになって、そして七百円近く違うのじゃないかと思うのでありますが、初任給決定をおやりになっておられるわけであります。そして二万七千三百円というのが高卒の新しい初任給だというふうに思うのでありますが、大学卒が三万四千五百円ですか、それにしても本年の民間の新高卒初任給、男子が三万一千五百三十二円、女子が三万百七十二円、これからいきますとだいぶ低いですね。一体これで公務員を採用しようという側から見て政策上安心できるのかという点。 それともう一つ、時間がありませんからあわせて言いますが、将来に向かって何かここで考えなければ、いまの人事院の給与体系上、これは限度だと思うのです。これ以上の方法はないのじゃないかと思うのです、男女ウエートまで入れたのですから。そうなるとこれ以上上げようがない。そうすると、将来に向かってどんどんこの傾向は開くばかりということになると、七十年代の後半に近づくまでは人手不足が続くというのが新経済社会発展計画をつくられたときの見通しでもあるから、当然そうなる。そうなると、ますますこの傾向はひどくなる。何らかここで人事院に手がなければ魅力ある公務員に来手がない、こういうことになる、そこらどうお考えですか。
○尾崎説明員 いま申されましたように、高校卒の場合には、本年の民間の初任給の平均的な上がりが一八・二%でございます。今回俸給表の面で考慮いたしましたところは一八・〇%、二万七千三百円というふうにいたしたのでございますけれども、その関係といたしまして、やはり去年六百円ほど、民間の平均的なところより調整したわけでございますが、ことしの場合は民間において男が高く女は低いという実態面がございますので、公務員の場合は男の場合が八六%、約九割もおりますし、実態的に男子の職員を採っておるという面があるものでございますので、その男女構成を考慮いたしまして二万七千三百円ということにいたしたのでございます。これでも御指摘のように、昨年の三公社五現業の場合には二万六千円ほどでございまして、ことしの場合には三万一千円をこえておるわけでございますけれども、そういう意味で、この初任給といたしましては、民間の初任給の全国の平均というものをめどにいたしておりますが、理屈のつく限り、男女構成等を考慮するとか、そういうことで、ことしは二万七千三百円ということにいたしたのでございますけれども、それでも三公社五現業の初任給よりはだいぶ低いという面もございますし、一般のいわゆる大企業の場合に比べましてさらに低いという面がございますので、この関係はたいへん心配ではございますが、しかしながらその他の採用の際におけるいろいろな努力によりまして、できるだけいい人を集めるという努力は十分にいたしたいというふうに考えます。
○大出委員 これは総裁に承っておきたいのですが、これは基本的な問題なんです。いま尾崎さんは三公社五現業とおっしゃるけれども、郵政省は三万一千円でしょう。電電公社は三万一千七百円の初任給というのです。しかも外勤なんという方々はそれでは全然来ない。だから外勤手当というものを別につけようというわけです。それが一万円が妥当かどうかわかりませんけれども、そういうやりとりも現にあるのです。そうでなければ三万一千円払ったって絶対に来ない。たまたまいなかへ行って引っぱってきたって、その局の前にビラを張られて民間が募集したらすぐ行ってしまう。現実にそうなんです。だから外勤手当というものを別に相当額出してつなぎとめようと考えて進んできている、こういうわけでしょう。だから、そういう職場でなくったって民間は景気がいいですから、なかなか公務員に行きたがらぬのです。それで本年五月におきめになった新経済社会発展計画が正しければ——五十五兆も使うのですし、一〇・八%の経済成長を国際的不況にかかわらず維持しようというのですから正しいと思う。そうだとすると、この傾向は当分、七十年代ではなくならない。そうすると、いまここで手を打たなければ私はたいへんなことになりはせぬかという気がするのです。高齢者なんかだって、これは早くやめさせてみたって、恩給をよけいもらえば金の計算から行けば一緒なんです。問題は若い人がどんどん入らなければいけない。そういう意味で考えると、どうしてもいまの制度の人事院の限界が来ている、もうこれ以上の理屈のつけようはないのですから。男女ウエートも出てきた。理屈がつき、やれる限りのことをやっちゃった。それでも現実は追いつかない、さてそこでどうするかということをぼつぼつお考えいただかなければならぬと思うのですが、総裁いかがですか。
○佐藤説明員 人手が足りない、また公務員に来たがらないということは、全く私ども毎年一番頭の痛いところでございまして、あらゆる面から努力をしておるわけでございますが、やはりいま御指摘になりました官民比較の際における男女の問題というのは一つの問題点であろうと思います。ただ表向きこれを取り上げるには、民間で同一労働、同一賃金の原則にそむいていはしないかというところまでもっていかないと、なかなか軽々しくはいかぬ。こちらは憲法の平等の原則を直接かぶっておるわけでございますから、そういう点で問題のむずかしさを感じながら、何とかできないものだろうかと盛んに知恵をしぼっているわけでございまして、またお気づきの点がございましたら、いろいろお教えをいただきたいと思います。
○大出委員 これは初任給のみならず、来年以降の賃金体系のあり方とからむから、私は総裁に承っているのです。実は先ほどの一八%云々という積み残し問題というのは局長にお考えいただけばいいのですが、この問題は政策の問題ですから。 そこで、いまの給与体系というものはちょうちん型になっている。防衛庁なんかはすそは開いておりますけれども。ここは何かどこかで魅力がなければ公務員のなり手がないのです。ことしの場合の例をとれば、公務員共闘なんかはしきりに東商のモデル賃金なんかを持ち出して、たとえば行(一)の六等級九号などという例をとりますと五万九千四百円ですが、扶養手当が三人分で二千七百円、八%の調整手当がつくとすると五千二百円、そうすると約六万七千四百円。ことしは尾崎さん御苦心なさって、こういう数字が出ているのです。これはちょっと数字が違っているかもしれませんが、簡単に当たってみてこういうことになる。それから二人世帯なんかで四万七千二十円という数字が出てきたのです。そうするとこれはある意味の世帯別賃金だ。そうでしょう。中だるみだ何だという問題はいろいろあります。ありますが、生活の実態に合わせてものを考えるとなれば、東商のモデル賃金でいま申し上げましたが六万七千円という数字が出ている。そこらをいろいろ考えてみますと、世帯別賃金という様相が人事院の今回の体系の中に一つ入ってきている。そうすると、これはやはりこのあたりで——日経連が、現在年平均で百十八万人、人が足りない、こういっているのです。だから昭和五十年になるとどうなるかというと、八百九十万人、人が足りない、これは日経連の言い分です。そうすると、こういう式で単に指定職がワク外だからといってそこだけを引き上げる。確かに天下りとの関係もありましょうが、引き上げる。それだけで一体いいのか。つまりワク内の配分という問題を考えた場合に、指定職はワク外だからやれる、ワク内だからできない、初任給にも制限が出てくる。——このままでほうっておけないという気が私はするのです。何かそこにいま申し上げた一つの例ですけれども、世帯別賃金というものもある。さらにもう一つ申し上げれば、これは法律的には、実態生計費から世帯別賃金というふうなものを入れてもおかしくない。つまり公務員法の六十四条二項に「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」法律はこうなっているのですね。「生計費、民間における賃金」、こういうふうにポツが打ってあるのですから。そうすると、人事院が今回おとりになった、六等級九号あたりにもってきた六万七千円台の賃金、こういう考え方というものをもう少しひねって考えてごらんになって、俸給体系全体を少し検討する、いまの俸給体系というものはずいぶん古いのですから。昔、私がまだ組合をやっているころ、全逓の賃金部長であった塩田君というのが、郵政省の賃金天皇といわれた土生給与課長と一緒になって、この種の人事院式の俸給体系を団体交渉でつくった。皆さんのほうがおやりになったのはその翌年です。人事主任会議で土生課長がほらを吹いた。人事院は乗っかって、あなたはお出しになった。ずいぶん古い。だからもうこのあたりでひとつお考えをいただかぬと、せっかくことしは完全実施をおやりになるのだから、来年以降の方向づけが出てこないという気がする。そこらの皆さんのお考えがないはずはないから承っておきたい、こう思っておるわけです。
○尾崎説明員 給与体系の関係と生計費の関係でございますけれども、公務員法に書いてございます生計費というのは、どちらかというと生計費物価の上がりという面が強いと存じますが、やはりそういう面とは別に実態の生計費の上がりという——現実の状況は、生計費物価ばかりでなくて、実質賃金が相当上がっておりますから、そういう面もやはり実態問題としては踏まえていく必要がございますし、標準生計費としましては、標準という中にそういう面もやはり考えておく必要があるわけでございます。そういう実際の面がございますので、こういう生計費的な面をとらえます場合に標準的な生計費という形でとらえることになるわけでございますけれども、これと支給する俸給表の面とを突き合わせまして、そういう面からの説明もなるべくできるという給与体系というものが望ましいことは申すまでもございません。そういう意味で、今回は標準生計費、特に全国の標準生計費でございますけれども、そういう関係と俸給表の面との突き合わせが従来になく良好にできたという点があると思います。そういう面の関係は今後も留意してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○大出委員 そういう意思でおやりになれば良好にできるのでして、初めからその気がなければできないのですから、そこで私は、やはり将来の人事院の俸給体系というものを、これだけの公務員を扱っておられ、世の中の事情はこうなっておるということを御存じなんだから、だとすれば旧態依然でいいのかというとそうではないはずだ。初任給一つとらえての例ですけれでも、さっき申し上げたように幾ら最善のことをやったてそうしかならぬのです。そうでしょう。困ることですよ。そういう意味で御検討いただきたいと思うのです。これは論議しますと長くなりますから、この辺にしておきたいと思います。 それから、さっきワク外の指定職だけというのでなしに、やはりワク内の者についても手が打てるようなことをということをつけ加えておきましたが、それに対してはいまの総括的な御答弁の中に入っておるのかと思いますが、ここらもひとつお考えおきいただきたいと思うのです。病院の院長さんだとか大研究所の所長さんだとか、今度の勧告では指定職甲にもっていくというお話がありますね。つまり研究職の一、二等級初めの三号をとっちゃったのですね。俸給表を見ると線を引っぱってありますね。これもやはり切替要領のここにくっついているこれがそうだと思うのですが、切替要領の一番最後の三ですね。「旧号俸で研究職俸給表一等級および二等級の二号俸または三号俸である職員の新号俸は」云々、これに関係あるのじゃないかと思うのですが、これは三等級の一般の研究員、こういう方々が相変わらずなおざりでは困る。何か手が打たれないのですか。そこらのところはこの切りかえとからんでどんなふうにお考えになっていますか。簡単でけっこうです。
○尾崎説明員 研究職につきましては官民較差をいろいろ検討してみたのでございますけれども、やはり一等級の部長級研究員及び二等級の室長級研究員に官民較差の幅が非常に大きいという点がございますので、そういう関係者につきましての俸給表面の引き上げ方ということも何か考慮しなければいけませんけれども、他に方法がないかということをいろいろ考えてまいったわけでございます。実は研究職の俸給表は昭和三十二年、十数年前につくられたものでございますけれども、その場合に室長級研究員及び部長級研究員の上がり方といいますか、室長に上がった場合の昇進の年齢等につきまして、従来の予想と実態とがその後の運用におきまして非常に違ってまいりまして、行政職の場合には非常に成績の優秀な者につきましては幾らか飛び昇格が一号くらいあるという場合もございますけれども、研究職の場合にはそういう関係が皆無でございまして、一号、二号等につきましては——現在の二号、三号でございますけれども、二号、三号につきましてはほとんど使う人がないという面があるものでございますので、したがって行政職の上がり方との均衡を考慮いたしまして、下のほうの二号を一応落としまして四号から始めるという形にしたわけでございます。したがって研究職の場合でも、非常に優秀な研究効果をあげまして、そうして室長に抜てきされた方につきましては、非常に若い場合には若干の飛び昇格というのが行なわれる、そういうメリットをつけるという点がこの措置のポイントでございます。したがいまして、二号、三号の切りました号俸に現在わずかの人間がおりますけれども、それは当然に四号に切りかえられるということでございます。
○大出委員 そういう言い方をすれば、ほんとうはこの二万七千何がしの新高卒の初任給だって、たしか八等級二号でしょう。あれは五年もつのでしょう。あんなものは、八等級なんかなくなっちゃったっていい。しかしもとへ戻ってしまいますからこの辺にしておきます。また理屈のほうに走りますから。あとを急ぎます。 住宅手当ではない、居住手当ですね、正式の名称は、これはだいぶ総裁を攻めましたが、ときには足切り問題などいろいろ申し上げて、そこまで言われてはという顔色をされたことがありましたが、とにかくワクをつくってもらって、来年からもっとふやせ、そういう意味ではことしはたいへん御努力をいただきましてありがとうございました。 かといってそれで済ますわけにいきませんで、公舎が三二%ですか、持ち家が三四・七%ですか、庁舎の一部なんかに住んでいるのが一・四%、その他の借家あるいは借り間、これが一九・四%、四十八万人の二割、約九万人、こういう数字ですね。原資でいうと一人当たり百八十二円ですか。それでは民間の、つまり官民比較に入ってくる、較差ベースに入ってくる民間の住宅手当なるものを計算すると三百円から四百円くらいになるんじゃないですか。そうなると、一人当たり百八十二円ですから、したがって俸給の面でその分だけ上のせになっているという勘定になる。理屈は間違いない。だからそういう事情にあるわけですから、この公務員宿舎に入っている人の頭にも乗っかっているわけでありますから、そういうことを考えると、持ち家の方に出さないというのはどうも筋が通らぬという気がするのです。これは夫婦共かせぎで二人で共済から借りて建てている人もいる、もちろん銀行ローンなんかで借りて苦労している人もいる。そうなれば、こうやってくれるのならば無理して建てるんじゃなかったという人も出てくる。住居手当というのは将来ふえるのですから一いまの数字で行くと九千円というのが頭ですね、そういう数字になります。三千円を引いて、半分で三千円だから九千円ですね。だから、そうなるとちょっとおかしくなるんじゃないかという理屈も将来生まれますから、そうなると、今度持ち家を全部抜いてしまったというのは、今回はとてもそこまではいろいろな意味でできなかったということになるんだとは思いますけれども、考え方だけははっきりしておいていただかないとまずいので、お答えいただきたい。
○佐藤説明員 持ち家の問題は必ず出ることは初めからわかっていることで、この席におきましても、住宅手当を実施するにしても、たとえば持ち家の人をどうするかというようなむずかしい問題がありましてなかなか簡単には踏み切れませんということを、二、三回申し上げたわけです。それは問題であることは事実です。しかしそれにこだわっておったらタイミングを失してしまう。ことしあたりが絶好のチャンスじゃないかということであれば、そういう御議論はあとあとのまた研究課題にすればいいので、悪いことなら格別、いいことなら少しでもいいことをしたほうがよくはないかということで踏み切ったわけでございます。
○大出委員 理屈はないというわけだ、いまの話からいうと。そうなると私も弱いので、そう言われると、ともかく何でもかんでも制度をつくれと言ったんだから、制度をつくったのだからこれ以上突っ込むといささかやぶへびの感があるので、そこの理屈は先に並べてしまったわけです。本来ならば攻め手に使うところですが、いまさきに全部並べてしまった。研究課題というのは、民間のほうは一人当たり三百円から四百円になる。ところがこれを割っていきますと、公務員一人当たり百八十二円ですね。だから官民較差、較差ベースに入るものとすれば、住宅に行くものが俸給に乗っかっているということもあるということの一つの例をあげたわけで、そこらのことを将来お考えをいただきたい。ワクをつくれと言って、つくったのだから、出てしまったものをその先また食い下がるわけにいかぬから、将来の研究課題として、ただし総裁、前向きで考えていただきたい。たくさん意見が出ると思いますから、そういうことをつけ加えておきます。 それから調整手当でございますが、八%というのはどんなところにつくのですか。ちょっと聞きにくいけれども……。
○佐藤説明員 これは従来の調整手当について、私どもでいろいろ検討いたしました結果、どうしてもいまの六%程度では人間の採用その他あるいは生計関係からいって、そのままでは過ごせないところがあるというところから、万やむを得ないことではありますけれども、暫定当面の措置として二%の加算をする必要があるだろう。これは申すまでもなく東京が一番典型的なところでございますが、たとえば大阪方面はどうするかという問題もございましょう。私どもとしては必要最小限度のところをしっかりしたデータに基づいてこれを指定してまいりたい、そういう気持ちでおります。
○大出委員 これもだいぶ私の申し上げたいろいろな経過がございますから、この際あまり突っ込んで申し上げてもしかたがないと思うのでありますけれども、ただ、いま東京、大阪という話が出てまいりますと、まん中には名古屋というところもありますから、これはどうするのだということになるでしょう。また東京、横浜だけおっしゃっていると、京浜地帯ではありますけれども、川崎はどうするんだということも出てきます。そこで、これはいずれにしてもあとで規則でおきめになるのでしょう。この調整手当が初めて出たときには、規則で出すべきものを全部ここで出してくれといって、ぼくはだいぶねばったことがあった。そこまでのやぼは申しませんけれども、これは一つ間違うと議論を呼ぶところでございますから、したがってたとえば広域化ということでお考えになろうというのかあるいは特定の地域というものをお考えになろうというのか、そこらのところぐらいはせめて言っておいていただいて、あと規則をお出しになる前に何らかの形で御相談をいただくような——というのは、これは調整手当だけじゃないんですよ。今度通勤手当の交通不便というのも何を基準にするのかという問題がはっきりしないバス路線の廃止になったところとかいろいろあると思う。ここら辺はどうするのか。ここらもあとからするわけでしょう。あと隔遠地、今度のは隔遠地じゃなくて特地手当というのですか、これもこれから先一体どうするのかということになると、たしか今日五段階あるその先にもう一つつけるわけでしょう。どこにつけるんだということになれば、たとえば小笠原なら小笠原には在勤手当がありますね。あんなふうな問題とからんで——隔遠地という場合は沖繩という問題もありますね。そこら辺は一体どういうふうに考えているのか。あとの仕事でございますというだけで済むかどうかという問題もある。しかし順序を追っていけばあとにならざるを得ないといえば、いまの調整手当、通勤手当あるいは隔遠地手当、いずれもあとですから。そこらのところを何とか意思の疎通を欠かないようなことをお考えおきいただけぬか。あけてびっくりでは困りますので、そういう気がするのですが、そこらにお考えがあれば聞いておきたい。
○佐藤説明員 われわれの線の引き方としては、機械的に云々というよりも、いまおことばにもありまじたように、たとえば京浜地区というようなところを見て、そうして押えていこうという気持ちを持っておるわけであります。
○大出委員 では先ほどのを私の要望にいたしておきます。 それから一時金〇・二というのですけれども、ことしは〇・〇九を切ったですね。昨年は切れたのは〇・〇八でございました。たしか四・五のところへ四・七九になったのですか、それで差の〇・二九のうち〇・二をおとりになって、〇・〇九をお切りになった。計算のしかたはありましょうが、どうも〇・〇九——九というのを切られては、世の中には四捨五入の原則もあるので、ちょっとどうも九としますと、せっかく九あるんじゃないかという欲がやはり人間なら残ります。あまり前例にされたくないので、この際だいぶ御努力をいただいたから、あまり声を大にしては言いたくないけれども、〇・〇九を切るのが前例になっちゃ困るので、そこはまたどうお考えになりますか。
○佐藤説明員 事務次官は問題ないと申しましたけれども、これはきっとやられるだろうということで、われわれは覚悟してここへ出てまいったのであります。これは前例になってはとおっしゃいますけれども、実は前例がこういうことで、これは大出委員十分御承知の上でおっしゃっているので、ずっと先例がそうなっております。先例の根拠といいますのは、やはり民間におけるその年その年の業績をとらえての給与でございますので、それをまるまる——大体公務員の側の本制度としては、若干固定性を持ったものとしてわれわれは考えていかなければならぬだろうという気持ちも加わりまして、従来の先例はやはり正しい線を行っておるということで、これを尊重しておる次第でございます。
○大出委員 従来の前例の中にあったのかなかったのか、わからないのですけれども、大体今度は勧告の一番最後に妙なのがついているでしょう。どうも民間の重役だとか社長というのは多いでしょう。下っぱのほうはよけいもらっていないのですよ、ところが公務員は下っぱのほうも含めて全部同じように一律にもらっているのですよ、というのが、この前例といわれるものの中の一つに前からあるのです。だから、〇・〇九だけれども、民間との考え方から行けばというようなことがあると、来年はえらい方々のところに手当の面で大きなものが出てくるという感じになる。そこらもちょっとひっかかるものですから、そこで私は言っているわけなので、これを前例があるからとおっしゃるけれども、〇九の前例はない。昨年は〇八でございますから、九まで行ったのですから、来年は〇・〇九五ぐらいになるかもしれません。そういう切り方はふに落ちない。お考えいただきたいのですが、よろしゅうございますね。 高齢者問題でございます。もう残りわずかでございますからごかんべんいただきたいのですが、これは給与法改正のときにさらにものを申し上げたいのでありますが、これではあまりがたがたしないで、今度は高齢者というのは官民の比較からはずしちゃいけませんか、どうですか。
○佐藤説明員 ぐあいの悪いものは全部はずすということにもまた受け取られるようなことでございまして、たとえば女子の給与は全部はずすとか、だんだんとこっちの都合ばかりでは考えられない。いろいろなところまで問題が発展してまいるわけでございます。われわれとしては筋のあるところは筋ということで、断固としてこれを基礎にする。そうしてわれわれは勧告はぜひ一指も触れずに完全に通していただきたいというのが一番いいというふうに考えております。
○大出委員 何も私は全部はずせと言っているのではなくて、皆さん都合が悪ければ皆さんがはずされる。初任給なんというのは標準生計費、標準生計費といっていたけれどもはずしたでしょう。私はこれだけはずせと言っているのですよ。都合が悪いのはみんなはずせと言っているのではありません。高齢者だけはずせと言っている。というのは、たとえば早くおやめになるとすれば、それだけ恩給をもらうのですね。それは恩給局のいっている生残余命年数というのは二十年あるのですから、公務員というのは、そうでしょう。いま七十幾つでも皆さんおじようぶで生きている者は多いですから。そうすると、たとえば五十五でやめたって、二十年生きられる。そうなると、二十年間恩給をもらうのですから、退職年金を。そこらのこともありまして、ほかに意図があれば別ですけれども、つまり今回、現状では国家公務員については定年制という制度はない。定年制という制度がないところで、官民比較の面で高齢者についてこう出てくる。何らかの措置が必要である。それはせめてこのぐらいのことはやっておかなければ、しかも中身が冷酷むざんでないようにということならということで、そう言っていただければまだ話はわかる、いかがですか。
○佐藤説明員 これは単純な給与制度上の問題として私どもはとらえておるわけでございます。したがって何もいやがらせをして早くやめてもらおうというような気持ちでこれを考えたわけでも何でもございません。筋のあるところをたどっていけばこういうことにならざるを得ないだろう。しかしあまり冷酷むざんにならないようにというような配慮は加えつつやはり断行せざるを得ないという気持ちでおるわけでございます。
○大出委員 これは俸給表のところであらためてまた申し上げたいと思いますけれども、ただやはり一定年齢まで来てストップだ、やれ隔年昇給だというワクに入ったということになると、その人の立場からすると、おれもいよいよそういう年になったかなということになって、がくんと来るでしょう、やはり人間ですから。ぼつぼつやめようかということになる。事務的にやってもそういう心理的影響を与えるのですよ。だから、かつて閣議で問題になったように、肩たたき年齢が各省まちまちだ。定年制をつくりたいができない。一つ間違って五十八歳だなんといったら、国家公務員である女子の先生は五十歳くらいでやめるのが通例だ、ところがまだ私は八年あるわというので、八年つとめてもらっては困るという話も出ている。人事院にげたを預けて、法律でやるのか規則でやるのか、人事院はそんな国家公務員の定年制は必要はない、こう言っておられるわけでしょう。そうすると、そういう経緯があるのだから、何かやっておかないと、必要がないといってもちょっと困る。だから単純に事務的にとおっしゃるからそれは聞いておきますけれども、それは聞き流しておきます。そうではないのではないかという気が私はするのです。これは過去の皆さんとのやりとりの経緯から見て。ただここで、言いたくないとおっしゃるからあらためて場所を変えて言いましよう。 そこでいま冷酷むざんでないということとあわせて考えまして、人事院は何か冷酷むざんでない御処置をおとりになるお考えはございますか。
○佐藤説明員 一応私からお答え申し上げますが、民間関係から来る筋としては、やはり五十六歳以上ということで線を切るのが正しいであろうということが一つの出発点になります。しかし現実に当面の問題として、それをそのまま適用するということはいかがかと思われますので、一応規則では内輪に——五十八歳以上が内輪か外輪か知りませんが、五十八歳以上ということにいたしまして、さらに職種によって行政日表の人たち、これは仕事の性質からいっても五十八で直接かぶせるのもどうかということで、六十歳以上ということでやることになりました。それからお医者さんは、これは民間においてもそうですが、あまり年によって較差はないのです。これもあわせて六十歳以上ということにいたしたわけであります。それからさらに、おやめになるときの特別昇給というのがございますけれども、これは従来大体一段階一号俸ということであったと思いますけれども、今度たとえば二十年以上というような条件に当たる方は二号俸上げ得るような措置をして、退職手当などに便宜をはかろうということと、それからさっき局長から御説明申し上げた在職者調整手当とかいろいろな問題が、これはおるときから問題になりますけれども、これもプラスにはなろうというような考え方でおるわけでございます。
○大出委員 一つだけ聞いておきたいのですが、現行二十年以上一号というのが人事院規則九の八に基づく永年在職者の特別昇給、いまお話もありましたけれども、これは今度は二十年以上の方は二号おやめになるときに特別昇給をさせる、こうされるわけですね、いまのお話は。そうして十年以上二十年まではいままで何も措置がなかった。ここに一号乗せる。十年以上二十年までの方に、おやめになるときに一号乗せる、これは新設ですね。ところが十年未満はない。ところが行。なんかのような途中採用の方はたくさんおりまして、これは地方で右へならえになる。国家公務員だけお考えになるなら地方では右へならえ。そうすると地方の場合には六年、七年がたくさんある。十年未満というところにもあわせて措置をおとりになっておいたほうがいいのではないかという私は気がする。これはいま皆さん規則でおやりになるから、やればできるはずです。いまここで即答をいただこうとは思いませんけれども、これから法律が出てくる、そこの論議もございますので、そこらを踏まえてこれはやはり御検討をいただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。要望しておきます。 それからもう一つ、あわせて申し上げておきたいのでありますが、一二・六七、こういうふうにおっしゃるときに、民間の企業なんかの場合で、何%上げたという場合にはね返りなんというものは本来計算に入っていないのですよ。ところが人事院のほうの何%というときにははね返りまでちゃんと入って、その他などといって、ちゃんと計算をして何%、こういうのですね。あまりりっぱな風習でないような気がする。だからほんとうをいえば、そういう形でなく——これは医師の初任給の調整手当ですか、二十年間つとめて調整手当がついているというのも、どうもこれは妙な話だと思うんですがね。二十年間調整手当、これはどういうわけですか。何かほかに方法はないですか。初任給調整手当ですよ。二十年つとめてまだ初任給調整手当がついている。冗談じゃないですよ、これは。こういうかっこうのよくないものは、総裁、少しお考え願えぬですか。しろうとばかりおるわけじゃないのだから。二十年私はつとめています、初任給調整手当を一号もらっています、そんなちゃちな話はないんじゃないですか。もう少しこういうところはお考えをいただけないかという点です。この点について何かあればひとつお答えいただきたいと思います。
○佐藤説明員 二十年つとめて永年勤続の表彰を受けるような人が初任給調整手当を受けているということは、当然出てくる批判であります。したがって、せめて名前ぐらいもうちょっと気のきいた名前にしようじゃないかという話がありますけれども、とにかく医師の官民の較差というものはものすごいものでありまして、われわれはどうしてそれを埋めるかということでほんとうに四苦八苦、いわばなりふりかまわず手当てをしているということを御同情願いたいと思います。
○大出委員 そこまでなりふりかまわず言われちゃしょうがないですがね。 そこで総務長官お帰りになりますから、最後に二つばかり申し上げておきたいのでありますが、さっき申し上げましたが、なるべく早い時期の閣議で、来週というお話でございましたが、そしてなるべく早い時期に何かの問題で臨時議会が開かれれば、こういうふうにおっしゃっておりますから、当面はそういう措置でいいかもしれません。しれませんが、さっきぼくが例にあげましたように、たいへん長い期間払われずに待っているということであっては、やはりせっかくそこまで御努力いただいた効果が薄れますから、まだくれないのか、こういうことになるのですから、そこらのところを一ぺん、技術的な問題でもありますから、どうせ払うのですから、政府のほうの皆さんが利子をくれるわけではないから、この際、がまんしろ、そのかわり五月実施を四月にして、これは利子分だとおっしゃっていただけば一そこらのところもございますので、ぜひその辺人事局長その他のほうでお考えおきいただけないか、そういうふうな気がします。 それからもう一つのお願いは、公務員の退職手当ですね。これはそれぞれの団体等からは八月六日ごろに要望書等が出されているのだろうと思うのでありますが、老後の保障を含めまして、退職手当をぼつぼつもう何とか改定しなければならぬ時期にきているのじゃないかという気がするのであります。そこで人事院のほうでも問題がございますけれども、総理府のほうとそれから人事院のほうで何とかぼつぼつ国家公務員の退職手当、この法律をいじるなり、再検討、改定をするなり、そういうふうに手をおつけいただいてもいいんじゃないかという気がするのでございますけれども、そこらのところをちょっと聞いておきたいのであります。
○山中国務大臣 どうせ同じ金を出すなら、しぶしぶ出すようなかっこうをとりたくないのはあたりまえのことなんです。だから来年度からはきちんとしたいと、さっき答弁いたしました。それに対してことしどうするかについては、なるべくその趣旨に立って努力してみます。 退職手当の問題については、税法その他の非課税限度改定等で配慮はなされつつありますが、基本的な問題としてはやはり研究を続けていかなければならぬ問題があると思いますので、そこらの点もこれから研究してみたいと考えます。
○大出委員 人事院のほうからもひとつ退職手当についてのお考えがあったら聞かしていただきたい。
○佐藤説明員 私どものほうは直接関係はない事柄でございますけれども、先ほど申したような点にも触れて非常に重大な関心を持っておるということで、人事局ともいろいろ連絡していい方向に行くように検討したいと思います。
○大出委員 今度の勧告全体を通じましてたいへん御努力いただいて、私もずいぶんものを申し上げてまいりましたが、相当部分、きょうは特殊勤務手当その他も申し上げませんでしたが、給与局でだいぶ御努力をいただいておるようでありまして、またの機会に御要望申し上げたいのでありますが、その意味で感謝申し上げますが、ただどう考えてもやはりこういう時期でありますだけに、人という問題がやはり先に出るわけでありまして、なり手がないのでは困るわけでありまして、そういう意味で、退職手当を取り上げましたのも、やはり国家公務員になるということに対する地方公務員との給与の開きもあります。これは幾ら皆さんがおっしゃっても、同じ給与なら国家公務員になる人なんですが、給与が地方公務員のほうがいいという場合に地方公務員になりたがるという人も出てくるわけでありますから、そこらも考えるとやはり退職手当あたりまで触れて何とかもう少し国家公務員の給与というものを全体的に見て、これならばもう長年公務に携わって苦労してみようという気に若い方がなるようにということが実は頭にありまして申し上げたわけでございますから、せっかく御努力いただきたいと思います。たいへんどうもありがとうございました。
○天野委員長 伊藤惣助丸君。
○伊藤(惣)委員 本年度の人事院勧告についてはいままでお話しありましたように一二・六七%、これはいままでにない高い勧告であります。これは物価の上昇やあるいは民間のベースから当然だと思うのですが、しかしこれは公労協の要求やらまた民間の要求のベースというものを下回っておることは事実であります。またこの勧告が完全に実施されたとしても、公務員労働者の大幅な生活改善というものは決して期待はできない、私はこのように思います。 そこで、いままで伺っておりましたが、人事院総裁にもう少し聞きたいことがございますので伺いたいと思います。 その第一は指定職についてであります。先ほどから伺っておりましたが、確かに今回の人事院勧告というのは一等級から八等級までは。パーセントにおいては上薄下厚、こうなっております。しかし金額は逆であります。特にこの指定職についてでありますが、事務次官の例を申し上げますと、いままでは五号、そしてこれが暫定繰り入れも合わせまして二十九万五千円が八万五千円上がって三十八万円になったわけですが、この比率は二九%であります。こういう大幅な値上がりが勧告になってあらわれておるわけです。そして、このことは国会議員の給与にもはね返る、こういうことでありますが、そこら辺人事院総裁は当然承知してなさったと思いますが、そこら辺のところを伺いたいと思います。
○佐藤説明員 いまお尋ねありました国会議員の歳費にはね返るという面は、これはたいへん申しわけないところでありますけれども、私どもはやはり一般職の給与の体系としてかくあるべしというところに徹して出た結果がそうであるということになるわけでありますが、従来私がこの地位におってすでに七、八年になりますけれども、初めは事務次官あたりのところの給与というものはむしろもっと高くあるべきだというような気持ちを持ちながらも、上厚下薄ではないかという批判もおそれながら非常に遠慮深くやってきたということは事実であります。しかしだんだんと全体の給与が上がってまいりますと、漸次これはあるべき姿に持っていかなければならないということから今回の措置になったわけでありますけれども、今回の措置も、先ほどちょっと触れましたように、たとえば事務次官を例にとりますと、民間の役員給与からいえば四十万円というのがあるべき姿であろう。しかしこの際は三十八万円、そういうことにとどめた。多少気がねがまだ残っておりますけれども、大体これで、事務次官、一省の大臣を助けて、一省の全体の仕事を預っておる行政職の職員としては、これはトップであって、これ以上のところはないという最高のところでございますから、責任も重いし、かたがた、やはり民間役員給与でいえば四十万ないしそのちょっと近いぐらいのところにするのが当然であろうという気持ちでございまして、その点においては、やはり官民比較のたてまえをとっております私どもとしては当然の措置ではなかろうかと思います。 なお、たとえば高校卒の人と事務次官の給与との比率はどうなっているかというようなことから申しますと、いまあります指定職の俸給表ができました昭和三十九年の比率と今度の勧告における高校卒の人との比率を見ますと、三十九年当時よりもことしのほうがやはりまだ下がっておるということで、そうひどいことではないということだけは御了承願っておきたいと思います。
○伊藤(惣)委員 指定職の給与については、民間の社長及び重役クラスの給料を約五百社から選んで、そしてその平均を出した、こういうお話でございますが、各そういった企業においては、自分が資本金を投資して、自分がお金を出して経営する、あるいはまた、必ずしもこれは平均でない、平均以下の事業所もたくさんある、こういうことも考える必要があったんじゃないか、こう思うわけです。そのことについて、私はこのクラスに限ればきわめて高額な勧告が出されたというふうに考えております。それに比べまして、医療職俸給表(一)の関係でございますが、これはいままでですと民間のほうが五二・五%ほど高かったわけです。しかし、この勧告というのは、非常に上げたとはいいますけれども、実際には二二・五%、その他を加えても二五%程度しか上がっていないわけであります。先ほどからのお話によりますと、だいぶ思い切ってやったといいますけれども、思い切ったときになぜこういうものをさらに民間と同じペースにすることができなかったか。その点の総裁の考え方を伺いたいと思います。
○佐藤説明員 御指摘のように、俸給表その他も合わせて二五%程度ということはおっしゃるとおりでございます。ただ、これは公務員側の特殊の事情として、私どものあずかっております一般職の公務員というのは非常にいろいろな職種に分かれております。その職種その職種を通じての部内の均衡ということも考えなければならぬ重要なポイントになっております。たとえばお医者さんにつきましても、大学病院で医学部の先生が診療をやっていらっしゃる場合、大学の先生とのバランスはどうなるか、あるいは厚生省の局長になっていらっしゃるお医者さんはどうなるか。やはり広くとらえて、そこに線を引きませんと、度はずれたことはできません。あるいは看護婦の場合で申しますと、看護婦さんの場合は例年民間の看護婦さんより公務員のほうが高くなっておる。逆の較差が出ております。逆較差だから放っておいていいかというと、そうはいかない。やはり部内の均衡の原則からいって、これは水増ししてあげるという点もございまして、やはりその点は広く見渡しながら、そして適正な措置をとっていかなければならぬ。そして、なおお医者さんの場合も、大体民間の病院の場合を申しますと、超過勤務手当というようなものは、別にそう国の場合ほど厳密にやっていらっしゃらないということで、あるいは俸給の中に込められているという部面もある。国の場合は、超過勤務手当その他の面は克明につけておるわけです。大量観察からいって、そうひどいものではないのではないかというところで、率直に言って、まあまあこのくらいが限界であろうという気持ちでおるわけであります。
○伊藤(惣)委員 指定職が二九%上げているのですから、そういったことから見ましても、この職種に限って、たとえ上げたとしましても民間まで行かなかったということは残念だと思います。 次に、調整手当の点でございます。いまも大出委員から質問がございましたが、民間給与の特に高い地域にいろいろ問題があると思うわけであります。このことについても少し意見があったようでありますが、どういうところを考えておられるか。 さらに「今後三年間を目途として調査研究を行なう」。いままで三年間調査をして、さらに三年間調査するというその理由、原因はどんなところにあるのかという問題点、そういったところを伺いたいと思います。
○佐藤説明員 調整手当の問題ですが、具体的にはっきりきめておるわけではございませんけれども、さっき申し上げましたように、まずたとえば京浜地区というようなところ、あるいは京阪神関係というようなところを重点に結局取り上げることになりはしないか。このほかにも、たとえば中京地区の問題もございますし、そういう点はなおこれから十分研究していきたいと思っております。 それから三年間を目途としてというのは、大体地域給というものは、やっぱりそのときそのときの事態が変わっていくものですから、克明に周囲の状況を追及していくことがあたりまえのことなんです。たまたま現行暫定手当ができましたときに、法律は三年間ということをうたわれましたけれども、これは法律にうたっていただかなくてもあたりまえのことじゃないかという気持ちさえするのでありまして、たとえば西ドイツの例を見ますと、こういう地域は二年ごとに、それからイギリスはロンドンの場合ですが、大体三年ごとということになっております。これは私どもの心がまえとしてではありますけれども、そういう気持ちを説明書の中にちょっとはさんだわけであります。
○伊藤(惣)委員 高い地域とか低い地域とかということでございますが、京阪神とかなんとかと言いますけれども、だいぶ圧力によって高い地域とか低い地域とかがあるようにうかがっております。そういうようなことが実際今後もあったんじゃ私も問題だと思います。その点も十分考慮の上指定をしていただきたい、こう私は要望しておきます。 さらに住宅手当の問題でございますが、先ほどは公務員宿舎で三等−五等の三千円ですか、それを基準にしてきめたというようなお話でございます。そして、九千円というものを上限にきめて線を引いたようですが、なぜそういう線を引いたのか。さらに私は、公務員宿舎の三等−五等の三千円を基準とする考え方はおかしいと思うのです。そういう点で、非常に額が低いし、今後の問題としても、明確に総裁の考えを伺っておきたいと思います。
○尾崎説明員 今回新たに設けられました住居手当でございますけれども、民間の場合には住宅手当といった名前が多うございますが、やはりこの趣旨はいろいろございまして、ポイントといたしましては、民間における社宅、公務員の場合には公務員宿舎に入っている者と入っていない者とのバランスという問題がポイントであろうと考えます。その場合に、公務員宿舎ないし民間の社宅に入っております者の払っている使用料が大体三千円程度でございます。したがいまして、これ以上の問題がやはり問題点になるということでございますし、民間における支給額というのが大体三千円程度ということでございますので、三千円を限度というふうにしたわけでございます。結果といたしましては、御指摘のとおり、九千円払っている者が最高限の三千円をもらうということになっておるわけでございますけれども、それは結果論でございますが、東京等におきまして、民間の借家借間で払っている平均的なものは約九千円程度に当たっておるということでございます。
○伊藤(惣)委員 特殊勤務手当について伺っておきたいのですが、この「夜間病棟に勤務する看護婦に対する夜間看護手当の勤務一回当たり現行二〇〇円を二五〇円に引き上げる。」は非常に少ないわけですね。そして、次の通信職員ですが、これについても引き上げ額が非常に低いわけです。これは非常に低いのだけれども、何を基準に考えてやったのか、それから民間の実態、それについてはどうなのか、その点伺っておきたいと思います。
○佐藤説明員 低い低いと仰せられては、はなはだ心外でございまして、これは目玉の一つに考えておるわけです。沿革だけ申し上げますと、前は百円で出発したわけですが、それが二年、三年据え置かれまして、去年二百円になったわけです。それを、またことし追っかけて二百五十円というのは、たいへんなあれであって、私どもとしては目玉に考えて、御自慢申し上げていいと思っておるところであります。
○伊藤(惣)委員 これで喜んで働く人がいれば、私は文句ないわけですよ。病院に勤務する皆さんに聞きますと要らない、勤務したくないという人が非常に多いわけですね。ですから、去年上げてまた上げる、そういえば給与も全部そうでありますから、もうそのことは問題にならぬと思います。ただ私は現在の勤務状況から見て、その点を質問したわけであります。 それから通常の宿日直勤務、この点についても同じことが言えるわけですが、大体引き上げについては、物価指数なりあるいはまた民間の何かの積算基礎というのがあるわけですね。今後も続くと思いますけれども、たとえば五百十円を六百二十円に上げたという積算基礎、この点を伺っておきたいと思います。
○尾崎説明員 特殊手当、宿日直につきましてのアップ率についてでございますけれども、たとえば看護婦の場合には、民間におきましていわゆる夜間勤務の割り増し率というのがございまして、これは公務員の場合には二五%でございますけれども、これを民間の場合に平均いたしますと四三%ということになっております。そういう関係と、それから割り増し率以外に別途に手当を出しているという点がございまして、そういう金額を公務員の中に当てはめた場合にどうであるかということを計算いたしまして、昨年は二百円を出し、ことしは二百五十円出すということでございます。 それから宿日直についても同様なことでございまして、民間でやっております宿日直、これは例があまり多くございませんけれども、宿日直関係の民間で調査をいたしました結果の伸び率に二一・九%というのがございますが、これに基づきまして今回引き上げたということでございます。
○伊藤(惣)委員 総裁に最後に伺いたいのですけれども、この人事院勧告については、毎年五月に勧告され、五月の実施、これをわれわれは毎回政府に要求してきたわけです。ことしは幸いにも五月から実施されて、非常にいいことだと思うわけですが、実際に四月から調査は行なわれておりますし、民間は四月から実施しております。私はそういう点からいいますと、勧告それ自体も五月より四月に実施する、こうすべきではなかったかと思うわけであります。今後のこともありますので、その点を伺っておきたいと思います。
○佐藤説明員 これも沿革的に申し上げれば、もう十年ばかり五月実施で勧告申し上げております。そして、その理由として、調査が四月の調査の結果に基づくものであるから、五月一日というようなことを非常にはっきりうたっていままできているわけです。これは、もうそういうことを勧告申し上げたその当初は全然問題にもならずに、それがそのまま受け入れられてきているということも考えますと、これをそう簡単に無意味なものとして変えるわけにいかぬのじゃないかという気持ちは、やはり基本的にあるわけです。しかし、最近になっていろいろそういう御議論もありますから、やはり謙虚に検討をする必要はあるだろう、そういうかまえで臨んでいるわけです。
○伊藤(惣)委員 常に勧告は民間を基準にしてやっているわけでありますから、当然今後は四月一日から実施をするように勧告をすべきである、そのことを私は要望しておきます。 総務長官に伺いたいのですが、今回のこの人事院勧告について、さらに前回の質問等においても、五月実施については私たちも何回となく要求し続けてきているわけでありますが、幸いに今回は五月から実施されることになりました。福田大蔵大臣は、この高額な人事院勧告について、失心どころか頭が割れそうだ、こういうことも言われているようでありますが、重ねて念を押して伺っておきたいのですが、いつを時期に一もちろん臨時国会があり、あるいはまたその補正というものが組めれば、早い時期に実施されると思いますが、もしそれがなくて、来年になるようになった場合には、公務員の方々は、その点では非常に迷惑をするわけでございますので、私はなるべく早い時期に何らかの形で支払いがなされるべきだと思いますが、さらにこの完全実施について、重ねて長官から答弁を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 大蔵大臣が、去年は失心をしそうだと言ったそうでありますから、ことしは失心をしないように事前に私のほうから、相当にでかいものであるということを、カンフル注射を二、三本打っておきました。そこで表現を改めて、彼は、頭が割れそうであるということを言ったわけでありますが、その内容を、私は大蔵大臣にかわりまして、大出君に詳しく財源事情を説明しました。そのやりくりの問題でございまして、完全実施をするかどうかの判断についての失心もしくは頭が割れそうな状態は去年までで、もうすでに観念しているところであるとお考えいただいてけっこうであります。 実施時期についても答弁はありましたが、これが最もおそくともいつであるかということでありますならば、通常国会の召集冒頭に、与野党の合意を得てすみやかに衆参両院の議を経て、この給与表改定だけはすみやかに実施するようにしたい、これが最もおそい時期についての明確なる表現ということでお受け取りをいただきたいと思います。
○伊藤(惣)委員 勧告については、いろいろ問題もございますが、いままで伺った中で、さらにまた大臣の答弁もございましたが、すみやかに実施されますことを要望して質問を終わります。
○天野委員長 東中光雄君。
○東中委員 今年度の人事院勧告は、初任給及び世帯形成時の職員の給与の引き上げを軸として中位等級以下の職員の給与改善に重点を置くとともに、指定職職員の給与についても改善を加える、こう説明書に書かれているわけですが、上薄下原の改善を加えるような勧告をしたのだということですが、実際には大幅かつ高額に引き上げられたのは、ふたをあけてみたら、次官や局長クラスの高級官僚の皆さんは文字どおりそのとおりでありますが、高卒の初任給は二万七千円程度、公労協関係の三万一千円程度と比べてみてもなお低い、こういうような問題点がたくさんあります。大多数を占めている中位等級から下位等級の公務員労働者の皆さんの生活の安定に寄与するという点から考えると、まだずいぶん問題があるように思うのですが、私は時間の関係もありますから二、三の点についてお伺いしたいと思います。 最初にお聞きしたいのは、人事院勧告が出されましたが、いま申し上げたように公務員労働者の低位、下位の皆さんにとってはいろいろ問題がたくさんありますので、あくまでも当事者である公務員労働者の意思を尊重してやるということが非常に重要だと思います。前回も私この委員会で総務長官にお伺いしたのですが、公務員労働者の代表との話し合いを勧告が出ても十分やってもらいたいということであります。総務長官、勧告が出たあとだからといって、からに閉じこもって会わないということはしない、こう前回も言われておりますが、公務員労働者の代表と使用者としての政府の代表、結局総務長官、これの話し合いというのは、時の総務長官の人柄や性格で話し合いをするというふうなものでなくて、むしろ公務員労働者の処遇の改善についてその責任を負う総務長官が直接いろいろ話し合いをし、交渉をし——団体交渉権はない、協約締結権はないというふうにいわれておりますけれども、憲法第二十八条のたてまえからいいましても、十分、直接会って聞いて、実際上公務員労働者が納得できるような事実上の合意というか協定といいますか、そういうことができるような努力をされることが非常に大切だと思うのですが、そういう点で今後もひとつそういう角度からの交渉、話し合いを公務員労働者の代表と続けていかれる考えがあるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○山中国務大臣 性格によって変わるものでないとおっしゃいますが、私はそういう性格の持ち主でありますから、時間があり次第、機会があり次第、いつでも会って忌憚ない意見の交換もしております。また組合側自体で調査をされた意識調査みたいな、誇りを持っているのかどうかとか、子供を公務員にする気があるかどうかという調査なども私のほうもいただきまして——単なる組合側自体だけの調査ということでなくて、組合側が自由にものを言うときにはこういう調査もあるんだ、あるいはそういう意識もやはり受けとめなければならぬということで、それもいただいて参考にしております。でありますから、勧告が出ましたあとでも、あるいはこれから先の問題もあるわけですから、私としては喜んで会いたいと思っております。また、私のほうの独自の問題としても、さらに残る問題としては、これは人事院そのものよりも給与担当の私どものほうでデータその他を準備して将来に備えなければならないという問題等では、たとえば法定外福利費等の問題については、やはり国家公務員と民間とどのようなものをとって、そしてどのような比較をすべきかについて、いままではことばの上だけでございますから、大した違いはないとか、あるいは国家公務員の法定外福利費の実態と民間とはその質において異にするので一がいに比べることができないということでまいっておるようでありますが、やはり給与担当の私の立場としては、どのような実態が双方ともに存在し、それに基づいてどのような比較ができるのかできないのか、比較して、その結果をどう国の予算であらわしたらいいのか、そこらの問題等も独自で予算その他において措置をしようと思っておりますけれども、将来の問題等も含めていろいろの措置をするということは大切なことであります。また、会いましてもお互いの意見をただ一方的に述べ合うばかりじゃなくて、私自身がたびたび会いましたあと、何ものも得なかった会合というものはやはりありません。会って、面と向かって、そして忌憚なく話をしますと、そこに何らか双方得るところがあると思います。事実今後もそういうことであろうと思いますから、よき慣習として私も努力し、さらに将来も受け継がれるように、そういう雰囲気をつくっていきたいと思います。
○東中委員 実はこの前お聞きしたのですが、七月七日に国家公務員共闘会議が総務長官と話し合いたいという申し入れをしておったのですが、長官それは聞いてないというお話だったのです。これはどこかでとまっておったと思うのです。補佐官を通じて正式に申し入れをしておったようですが、こういうことがないようにしてもらいたいと思うのですが、この前の事情、どういうことになっていたのか、簡単にでも、わかれば明らかにしていただきたい。
○山中国務大臣 私どものほうにおいては考え方は変わらなかったのですが、たまたまその前後、その日も含めて非常に私の日程が詰まっていて時間がさけなかったというので、私の秘書官室との時間のセットの問題で人事局長が仲介に立ったようでありますが、その会合が持てなかったというのが真相のようであります。
○東中委員 いずれにいたしましても、長官がおっしゃったような積極的な姿勢で今後とも公務員労働者あるいはその代表の人たちとの話し合い、交渉を続けていただきたい、こう思うわけであります。 人事院総裁にこの点についてお伺いしておきたいのですが、人事院も労働組合との交渉を重視されるべきだと私思うのです。結局は人事院規則あるいは通知という形で給与をはじめ勤務条件を具体的な決定をされる人事院として、話し合いが非常に大切な場だと思うのですが、給与問題についても話し合い、交渉をやられるかどうか、そういう点についてのお考えをお聞きしたい。
○佐藤説明員 これは実はたいへんうとい御質問のような気がして、ついどうもほほえんだわけでございますけれども、これは組合のほうの幹部にお聞き取りを願えばもう十分おわかりになることです。
○東中委員 いや、交渉していることはわかっていますけれども、事実上の話し合いでなくて交渉の相手方、義務者として積極的に話し合いに応じる、こういうことでございますが……。
○佐藤説明員 大体いままでの実績によって私どもの心がまえというのは十分おわかりになっているはずだと思っていますから、そういうあらたまった御質問はちょっと意外に思います。
○東中委員 実際話し合いされていることは知っておるわけですけれども、じゃあ続けてそういう話し合いをしていく、これはしかし法律上交渉の義務として話し合いをするということも当然のことだというふうにいま総裁が言われたように解してよろしいわけですか。
○佐藤説明員 これは義務とか権利とかそういうものではないと私は思います。やはり私どもの立場としては公務員の給与を勧告する立場にある以上は、公務員諸君の要望というものを具体的に、少しでも精密にこれをとらえるというのはわれわれ勧告上の責任でございますから、したがって公務員の意見を代表される人々とはむしろ進んで会う立場にある。そういう勧告という仕事からくることでありまして、義務とか権利とかであると私は思っておりません。
○東中委員 そうなりますと、もう一つ聞いておきたいのですが、人事院規則をつくられる、あるいは通知を出されるということで実際上、これは勧告じゃない分ですが、実際上公務員の勤務条件をきめていかれるわけですね。そのきめられることについても交渉されるか。勧告をするについてその資料を集めるために聞くということだけをお聞きしているわけではなくて、最初に私御質問申し上げたときも、人事院規則なり通知なりということとの関係で、公務員の勤務条件決定をする、そういう上で公務員労働者の要求を十分聞き交渉するということをされるかどうか、こうお聞きしているわけですから。
○佐藤説明員 東中委員は法律家でいらっしゃるものですから、何でも法律的に答えないとお気に入らないということのように思いますけれども、私どもは法律的であれ、実質的であれ、先ほど申しましたように公務員諸君の要望を体しながら、もっともだと思われる点は率先して取り上げていくという立場におりますからして、私どもがさあいらっしゃいと呼びかけないでもしょっちゅう、とにかく激しいものですよ。しょっちゅう御熱心にいらして、われわれ局長と手分けして——これは一ぺん組合の幹部にお聞きになったほうが早いと思いますね。
○東中委員 実情の問題ではなくて私は事柄の筋道の問題をはっきりさせておきたい、こういうことで聞いているわけですから、局長と手分けをして会うために非常な努力をしているということでございますので、それはそれでけっこうでございます。 次に実施の時期の問題であります。これは先ほども言われておりましたが、要するに予算措置、給与の改定、時間が相当おくれておるわけですが、ちょっと計算してみますと、おくれる金利だけでも国家公務員だけで二十九億ぐらい三十億近くになります、いままでの例でいけば。公務員にとっては、上がったけれども、形の上で上がっているだけで実際に支給がおくれる、これは非常によくないことですし、民間との関係もおかしいですし、公害問題もありますが、早急に臨時国会を開くということで総務長官努力していただきたい、こう思うわけですが、それはよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 臨時国会の問題は、御承知のように政府が召集するにいたしましても、各党間の議運、国対委員長等の相談が現実に実質上は運ばれていって、合意がなされてから召集という経過を普通たどるわけでありますから、私自身が一閣僚として臨時国会をいつ開くとかあるいは開かないとかという言い方はちょっとできないわけでありますけれども、先ほど伊藤君に答弁いたしましたおそくとも通常国会の開会冒頭ということをさらに分けて申しますと、そのときにたとえば予算措置が足らないから補正を組むということになっても、そのときまでにそういろ補正予算ができていなくとも、支給するための必要な給与法の改正ということだけやりますと、すでに既定経費その他に組み込んである金があることを申しましたが、実施給与の開始にはやりくりがつくわけでありますので、そういう補正等の時期が召集冒頭に間に合わぬからといって、給与改定の法律について出すのを逡巡するということはない。そこまでさらにこまかく分ければ、少なくとも支給開始に最低必要な給与法をすみやかに改定してもらうための努力を国会冒頭に行ないますということになると思います。
○東中委員 次に、いま伊藤委員からも言われましたが実施時期、五月を四月にするかどうかという問題です。前の委員会でもお聞きしたのですが、筋としては、四月の較差が明らかになったら四月から実施する。理屈上は、四月の条件がそれより前いつから行なわれているかわからないという点でいえば四月以前ということになるけれども、少なくとも四月で較差があったら四月でやる、これが筋ではないか。慣行は、なるほど五月からやられておったというのは事実でございますけれども、ひとつその点について、人事院として四月実施ということを今後の問題として考えていただきたい。今度の勧告で五月になっていますけれども、これはそういう筋道からいえば、勧告の趣旨を尊重して勧告どおりやらなければいけないわけではないので、四月から実施されても一向にかまわないわけです。総務長官、そういう点はどうでしょうか。
○佐藤説明員 先ほどお答えしましたように、四月の調査の結果に基づくものであるから五月一日から実施してほしいということをもう十年前からやっておって、そうしてどなたもそのとき疑問をお述べになった方なしに、まあ東中委員的な表現を使えば平穏公然に十年間もやってきた。しかし、最近そういう声がこの二、三年来非常にあるということはやはり検討せねばいくまいということで、そういうかまえで考えておるということを先ほどお答えしましたし、東中委員にもお答えしておきます。
○山中国務大臣 私のほうは、五月実施による勧告を受けましたその財源措置について、非常な苦労をしていま作業中であるということでございますし、これをさらに給与改定の勧告というものの中に入っていない四月までさかのぼるということは、現時点においては考えておりません。
○東中委員 今度、上薄下厚ということになっている、そういうように言われておるわけですが、どうもそうでない。先ほど来問題になっておりますが、私ここでちょっと明らかにしておいていただきたいと思うのは、次官、局長クラス、特に事務次官の方での今度の改定額、それから上昇額、どれくらいになるか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○尾崎説明員 事務次官は、現在俸給表の俸給額、それに暫定手当の俸給繰り入れ分を含めまして二十九万五千円でございます。それは現在甲の五号俸になっておりますけれども、今回の勧告におきましては、その二十九万五千円を三十八万円に改定いたしたいということになっておるわけでございます。
○東中委員 行(ニ)の高齢者で問題になっております六十歳前後の人では、大体現在何ぼぐらいで、今度の額でどのくらい上がるのか、その点もあわせて明らかにてしいただきたい。 それからもう一つ、初級採用の高校卒初任給、これも明らかにしていただきたい。
○尾崎説明員 高校卒の初任給につきましては、現在暫定手当の本俸繰り入れ分を含めまして二万三千百四十円になっておりますが、それを二万七千三百円、一八・〇%の引き上げといたしたいという内容でございます。 なお、行(二)の高齢者につきましては、たとえば六十歳の者がどういう金額におるかという点がきわめて、いわば一定の法則がございませんで、いろいろな等級の号俸に散在をいたしておりますので、それが何%上がるかという平均的なものはちょっと困難でございます。
○東中委員 いますぐ出せないということでしたら、またあとで整理してもらったらいいと思うのですが、いずれにしましてもその次官、局長の給与が非常に大幅に上がったということの中で、昨年では較差の一番大きいのが一三・五倍だというふうにいわれておりましたが、ことしは十五倍にもなるのではないか、こういうふうに思うのですが、この調子でいくといよいよ上厚下薄の傾向が深まっていくと思います。また報告で、民間のボーナス支給割合は職務段階に応じて上にいくほど厚くなっている、公務員の上下一律というのは再検討すべきである、こういう趣旨の表現が今度初めて入れられているわけですが、いよいよそういう較差がひどくなる、事実上ひどくなっていくというふうに思うのですが、こういう傾向というのは非常に好ましくないように私、思います。そういう上厚下薄をふやしていくという傾向をどうするか。逆に、文字どおり上薄下厚といいますか、一般公務員労働者の生活を確保する方向にもっと重点を置くべきではないか、こう思うわけですが、そういう点についての総裁のお考えをお聞きしたい。
○佐藤説明員 給与法のたてまえは、要するに職務と責任の重要性に応じて適正な給与をきめるということが鉄則になっておりますが、それとあわせて私どもはやはり公務員の生活という面も十分これを重視しながら、標準生計費なども、先ほど申しましたように大きなささえにしながら俸給表をつくっておるわけです。したがって、そのポストポスト、職務職務に適応した正しい給与表をつくり上げるということが念願であり、上薄下厚だとか上厚下薄ということは外部から見る人の見方の問題でございます。私どもが進んで、今度の勧告は上薄下厚だとか上厚下薄というようなことを外へ申したことは一ぺんもありません。したがいまして、そういうことも一つの批判の尺度にはなりましょうけれども、私どもとしては、この俸給表を見てください、事務次官が高いとおっしゃいますけれども、それにはこれだけの正しい理由がありますぞということを御説明申し上げて、納得していただくというのがあるべき姿であろうというふうに考えております。
○東中委員 民間の重役の報酬を一つのデータに入れられた、これは先ほども言われておりましたが、結局重役というのは経営者であって、そういう点ではいわゆる高級公務員の場合でも、やはり違った面を持っているのではないか。こういう重役の給与というものを一つの指標にして入れてくるというのは、どうも一そうこの差を実際上広げていきますから、それは単に上薄下厚というふうな外からの批判とおっしゃったけれども、要するに国民の信頼、不信の問題、ここにかかわってくる問題ですから、公務員に対する信頼あるいはそういった問題として見て、やはり上厚下薄にならないように、較差がうんと広がらないように、こういう点については十分考えてもらわなければいかぬじゃないか、こう思うわけであります。 この点要望しておきたいのですが、それと高齢者の昇給延伸でありますが、私調べてみますと、五十六歳以上の人というのはずいぶん多いわけですね。今度の行(ニ)関係で見てみますと。四十四年一月の実態調査、人事院から出された実態調査の数字でありますが、五十六歳以上、実に二二%を占めております。相当この昇給延伸というのは影響する人の幅が広いということを示しておると思うのですが、今度の官民給与較差で三十歳未満のところで民間が公務員対比二四・一、これは昨年ですが、六十歳以上で八三・五だった。今度発表されたところを見ますと、三十歳未満が一一七・一、六十歳以上が八五・八といわばこの差がなるほど三十歳未満でも開いてきておりますけれども、一方高齢者の場合は較差が縮まってきておるという状態、この数字からいけばそうなるわけですが、そういう状態であり、いつも指摘されておりますけれども、高齢者の場合は昇給額の幅が低くされてきておるわけですから、行(ニ)の場合なんかは千円を割り六百円くらいの昇給額にしかならないというような場合もある。そういう状態でなおまたこの延伸をこの時期にやらなければならないというのは、これはどうもそういう点では解せないのです。なるほど総裁の言われるように較差があるのは間違いないですけれども、むしろ詰まってきているときに、なぜこの時期にこれをやられたのか、そこら辺をただしておきたいのです。
○佐藤説明員 それが詰まっているというお話はよく了解できませんけれども、大体この年齢層によるそれぞれの対応関係は、依然として相当官民の間に逆の開きがあるということは現実の問題としてわれわれが認めざるを得ないところであります。したがいまして、今回の措置はどうしてもとるのが筋として正しい、給与制度の本来の基本理念からいっても当然のことであるということでございます。昨年勧告でこの問題を投げまして、実はすぐもう実行に移せるだけの案は一応得ておったのでありますけれども、なおしかし一年間やはり余裕を置いて十分皆さんに納得していただいた上でということで、今回勧告で正面から取り上げたということでございます。またそれに伴う諸般の扱いにつきましては、先ほど大出委員にお答えしましたような配慮を加えながらぜひ実施に移したい。 それから高齢者の中にも中途採用の方なんかもございまして、中途採用の方なんかもずいぶん昇給幅の広いところをお歩きになっている方もいらっしゃる。そういう方のこともありますから一がいには申せませんけれども、先ほどこれも触れましたように、中途採用者の初任給をきめるについての幅あるいはそれに伴う在職者の調整というようなこともあわせ考えて、あまり極端なことにならないようにという配慮は十分しておるわけであります
○東中委員 先ほども申し上げましたが、去年は八三・五だった、今度は八五・八になっておるという点では較差が詰まりつつあるということはやはりいえるのじゃないかと思うのですが、いずれにしましても、相当多数の高齢者の、しかも影響するところの大きい問題ですので、総裁がよく言われますように冷酷むざんにならぬように、この実際の実施について公務員労働者と話し合いをしていただき、ひとつ一そうの、そういう点での無理のないようにぜひ努力をしていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。 それからそれと関連してですが、一般の昇給延伸のことについてお聞きしておきたいのですが、なるほどこうして勧告がされ、上がっていくのですけれども、省庁によっては昇給延伸が、いわゆる普通昇給の場合ですね、これが延伸されるというのが非常に——非常にとはいえませんけれども、ふえてきておるというふうに考えるわけであります。それでいわゆる普通昇給というのは、普通の勤務状況であれば昇給していくというふうに一般に考えられているわけですが、給与法でいっている「良好な成績で勤務した」場合の「良好な成績」ですが、これは人事院で規則あるいは通牒を出しておられるわけですけれども、給与法八条の解釈としては普通の勤務成績というふうに理解していいのかどうか。その点をひとつ総裁にお聞きしたいのです。
○佐藤説明員 法律で「良好な成績」と書いている以上は文字どおりそうでございます。ただどういう程度から上を良好と見るかというような問題は、これは判断の問題として幅がございますから、われわれとしては各省でも自由裁量であると思いますけれども、特段に良好でなくともいいものという解釈で臨んでいることは事実であります。
○東中委員 特に良好な成績ということで格段の良好な成績ということになれば、昇給との関係でいえば特別昇給の問題になってくるわけですから、「良好な成績」ということばでいわれているのは、言えば特別に悪くない、そういうふうに一般に理解をされておると思うのですが、そういうように聞いてよろしいわけですか。
○佐藤説明員 裏から申しますと、昇給延伸にかかっている人、これは何かよくないことをなさった方が大体大部分であると思います。それでも御不満の方は、これはまた行政措置要求というような形で人事院に提訴してこられます。それはまた、具体的にその事実についてはわれわれのほうで判断いたします。大体いままでの実際はそういうことであります。
○東中委員 人事院規則の九—八第三十四ですか、第一項は「監督する地位にある者の証明を得て行なわなければならない。」こうなっているわけですが、その「監督する地位にある者の証明」が理由を示さないで非常に恣意的にやられるといいますか、要するに昇給ストップされた人たちが、なぜ昇給ストップされたか全然わからないというふうな状態が、ある官庁では非常にふえてきているという傾向があるのですけれども、そういうことになりますと、勤務条件が——普通昇給するものだと思っているのに、なぜ昇給しないのか理解ができなくなってくる、公務員労働者の勤務条件が非常に不安定になってくるわけです。そういう点で、「監督する地位にある者の証明」というのは、監督の地位にある人の恣意なり個人的な感情なり、そういうようなことではやれる性質のものではない、こう思うわけですが、その点どうでしょうか。
○尾崎説明員 その点につきましての人事院規則におきましては、「昇給させようとする者の勤務成績について、その者の職務について監督する地位にある者の証明を得て行なわなければならない。」というふうに規定してございますけれども、これはもちろん一般論といたしまして、監督者がそういう昇給させようとする場合につきまして、客観的にそういうものが良好でないということはない、良好であるという判断をしてもらいまして、昇給を実施するということで、そういう規定を設けておるわけでございますけれども、われわれといたしましては、その運用につきまして、もちろん適正に行なわれることが必要でございますので、そういう関係については留意しつつ監査等で見ておりますけれども、実際問題として不服がございます場合には、それを不服審査のほうに持ってきてもらいまして、こういう関係も含めて適正に運用をしたいというふうに考えております。
○東中委員 たとえば、いま私のところに来ている一つの例を申し上げますと、これは神戸税関の摩耶埠頭出張所の勤務者の関係ですが、昭和四十三年の十二月に上司に礼をしないということ、説明された理由はそういうことなんですね、そういうことで勤勉手当がカットされた。それから四十四年三月に組合の要求を書いたペン立てを机の上に置いたということで勤勉手当がカットされた。それが四月になると、今度はペンを立てて置いてきたことなどが勤務成績不良だということに援用されて、今度は定期昇給が延伸される、こういう形でやられていくわけですね。その年の六月には食堂で朝めしを食っていたというととが理由で、朝からそんなところでめしを食っておる、そんなことじゃいかぬということで、勤勉手当がカットされて、七月は定期昇給が延伸されておる。こうなってくると、その監督の地位にある人のまさに恣意というか、これで延伸されるというようなことになったのでは非常にぐあいが悪いのではないか。昇給延伸の理由を聞きに行ったら、理由は全然説明されないというのが出てきているんですね。そうなると、あれは君はわかっているはずというふうに言われる場合もある。そうじゃなしにいわれない、ほかの者より劣っている、こう言われる。これが一般化すれば、公務員の勤務条件、特に賃金昇給というのは非常に重要な勤務条件になるわけですが、非常にまずいことになると思います。こういう点について、いま監査とおっしゃいましたか、監督とおっしゃいましたか、実際にやられておる状態を人事院が点検をして、はなはだしい省庁間での不公平が起こらないような点をひとつ実際に移される必要があるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○尾崎説明員 勤務成績の関係によります昇給延伸という関係は、実際の例としては、そんなにたくさんはないわけでございますけれども、したがいまして、各省間におけるアンバランスというものが現在あるというふうにはわれわれは考えておりません。したがって、非常に根本的な場合の話になると思いますので、その職員——いま御指摘になりました職員がきわめて不満であるというお話の場合には、私ども公平審査機能を持っておりますので、そういう関係として処理することは適当だというようにも考えます。
○東中委員 時間がありませんので、一言だけ申し上げておきたいのですが、この審査請求、措置要求を出せということですが、これは出してもどうせだめだということで出さない人もあるだろうし、それから案件も一これは大蔵省のほうから返事をいただいた数字ですが、人事院規則できまっておる、たとえば休んだ日が長いとか、あるいは懲戒処分を受けたとか、こういうことでない、理由がはっきりしないで定昇ストップになっておる数字、これが労働組合などの関係で聞けばふえにているわけです。そういう点で税関関係でいいますと、私の調査では昭和四十三年には二十六人、四十四年十七人、それまでは一けただったのですが、非常にふえてきておるということがあるので、この昇給延伸の基準について、たまたま起こってきた、個人的な、特別な監督者が妙なことをやっただけでなく、一つの省庁、一つの官庁のそういう傾向がほかの官庁よりも多いというふうな場合に、これはやはり勤務条件が実際どうやられているかということを人事院としては調べてもらい、それに対して適当の処置あるいは話し合い、勧告——勧告という公式ばったことでなくても、何かやってもらうことができないのか、これは総務長官のほうで、そういう点についてのバランスを欠くようなことのないような処置をひとつ考えてもらえないか、こう思うのですが、この点いかがでしょう。
○山中国務大臣 私のほうでは、各任命権者の各省庁の長が、それらの問題については持っておる権限事項でありますから、具体的なケースで、公務員としていわれなしと思うような場合においてとられた処置について不服がある場合は、人事院から先ほど来答弁のありますような行政措置要求を人事院にする道があるわけでありますので、それらの措置を当然とられるべきだ。しかしとられていないのがなぜあるかということは私よくわかりませんので、やはりどこに出してみても自分の言い分は正しいのだという人は、当然そういう措置をまずとってみることだ、その結果、ある省においてきわ立って人事院への行政措置要求というものが数が多過ぎるという点においては、何かそこに問題があるのかもしれませんので、それらの問題が具体的になった場合においては、あるいは私どもが全体を展望いたしまして考えなければならない問題が起こってくるかと思いますが、いま言われた個々の、たとえば税関等について言われましたけれども、それがはたして人事院に措置要求をするようなものであるのかないのか、あるいは本人がしたのか、しないのか等について、そこらをつまびらかにいたしておりませんし、人事院の答弁を聞いておりますと、ある省においてきわ立ったそのような行政措置要求というものをやっておるというふうにも聞こえませんので、まず人事院に対する開かれた道をどのように利用するかということにおいて、その成り行きをしばらく見守りたいと考えます。
○東中委員 人事院のほうでもこの実態——措置要求するようになると思いますけれども、そういう点について、ひとつぜひ実態をよく見ていただいて、規則が実際に適切にやられておるかどうかという点を、ひとつ監督といいますか、やっていただきたい、このことを要望しまして、終わります。
○天野委員長 和田耕作君。
○和田(耕)委員 本日は同僚の受田新吉議員から質問の通告をしてございました。この予定の時間にどうしても間に合わないようでございますので、私かわりまして、ごく簡単に二、三の問題について、総務長官あるいは人事院総裁に御質問したいと思います。 先ほどから野党の同僚委員の質問を聞いておりましたところが、まあこの問題は、いままでの問題についての質問と違って、全部ではないけれども、九分ぐらいまでは満足しているような感じの質問でございますけれども、総裁、これは責任者として、今度の勧告は一〇〇%満足できるというふうな自信で出されたのでしょうか。
○佐藤説明員 それは毎年のことでございますけれども、自信なしではこういう大それたことはいたしません。
○和田(耕)委員 総務長官、政府もそう困ったような面持ちはないようですけれども、総裁から総理に勧告書を出すときも、総理も少しにこにこしておったし、先ほど大蔵大臣も、えらい困ったような話があったのですが、しかしテレビとか新聞ではにこにこしているという感じを受けているのですけれども、この間、私ちょっと思い出しましたのは、一九七〇年代の百人というのに登場してくる将棋の名人が、一番考えるときはどういうときですかという質問に対して、あまりによ過ぎるというときに私は一番よけい考えるという答弁であります。私非常に印象深くあの答弁を承ったのですが、この問題を今度新聞で各紙とも論説なんかで取り上げておるのですけれども、これに対して、いままでのように文句をいって批判をするような論調はなくて、これでいいのか、やれるのかというような感じの論調が非常に多いと思うのですね。こういう問題は、ひとつこの際、かなり大きな転換期と申しますか、切りかえどきと申しますか、いままでさんざん議論した問題が、五月実施の人事院勧告を完全実施するという、しかもその勧告はかってないほど大幅なものであるということについて、ちょうどこの機会に御所見を承っておきたいのですけれども、これは民間と公務員との給与の問題を完全に一致さすという考えが前提になっているようですけれども、そう理解してよろしゅうございますか。
○佐藤説明員 給与法もそう具体的には書いておりませんけれども、その精神をうたい上げております。したがいまして、私どもは、その精神に沿って、いまおことばにもありましたように、厳密に官民を比較をするというたてまえをとってまいっておるわけであります。
○和田(耕)委員 そうなりますと、先ほど大出委員から質問がありましたように、恩給の問題あるいは給与、俸給のたてまえの問題も、民間の現につくられておるようなものと似たようなものに今後改正をしていくというような問題については、どういうお考えでしょうか。
○佐藤説明員 恩給あるいは先ほど総務長官の述べられました一般の福利、厚生というような面も周辺にあります。これは主として総務長官が大いに努力していらっしゃるところであり、また御主管でもありますからして、私どもはやはりそれと連携をしてよくなるようにという努力はしてまいりたいと思います。
○和田(耕)委員 今後いつになるかわかりませんでしょうけれども、民間のしゃんとした給与体系と公務員の給与体系とをできるだけ一致できる——一致というよりも、似通ったものにするという、そういうお考えを持っておられますか。将来の見通しとして、長官どうでしょうか。
○山中国務大臣 先ほどの、総理も大蔵大臣もにこにこしていたということですが、これは会議に入る前のテレビやカメラマンの撮影のときでありますから、そのときに、別段佐藤総理が佐藤総裁に含むところがあるわけじゃありません。ぶすっとした顔をする場合もありましょうし、われわれ関係閣僚会議のときには、事前の雑談しておりますときにたいがい写して、もちろん御承知のようにカメラマンが退席されてから会議を始めるわけですから、その事前の表情は即会議の雰囲気であり、総裁が渡したときの一方の佐藤総理の笑顔は、たいへんけっこうなものであるという、中身の問題で笑っておるわけではない。つまらないことですけれども、そういう意味でございますから、やはり真剣に検討しているのであって、給与関係閣僚会議の席上等においては、たとえば今度にこにこしておるのは人事院総裁一人だ——前に置いて恐縮ですが、という話が出たくらい、みんなやはり完全実施という決定は守らなければならぬ、しかしそれにつけてもふところのさびしさよという深刻な議論をしておるのでありまして、誠意をいかに実現するかについては非常な問題があるということであります。 それからいままでのようなやり方についての外部からの見方というものについては、先ほど来その内容について、高齢者の昇給延伸問題、あるいは指定職の引き上げ問題等について批判等があったということでありますが、一方において、このような形でずっとずるずる行くことが、人事院勧告として国家公務員給与体系に対してとるべき措置であるかどうか基本的に疑問であるという見解も出ておるようであります。ということは、民間の勤労者諸君はやはり企業ぐるみの生産性向上あるいは企業の収益のための合理化の努力をしておるわけであります。しかし、国家公務員の場合には、やはり一方において国民に奉仕する勤労者としての能力の向上なりあるいは近代化、生産性の向上なりというものが、内容は違いましてもやはり要求されておる時期に来ておる。その意味において、このままで民間と一律に結果論だけ比較していくことはどうであろうという論調がことしの論調の顕著な一つの傾向だったと思います。やはり私どもは、国民の税金でもって国家公務員諸君に働いてもらっておるわけでありますから、これらのことについても謙虚に耳を傾けて、すべての国民に奉仕する者として、最も能率の高いサービス行政をやるにあたって、ある意味の生産性向上というものをしなければならぬ、これは反面の税金で養われる公務員たるものの義務であろうというふうには考えますが、来年からすぐこれをいまの様式を変えようじゃないかというようなことは、いまのところ議論しておりませんし、考えてはおりませんが、長期的な問題としてはそのようなことは絶えず心がけていくべきことになってきた、あるいはそういうことに心がけていく必要があるというふうに考えております。
○和田(耕)委員 長官、時間の関係があるようですから……。先ほど大出委員の質問に対して、この勧告の完全実施は五月から実施するということで、そういうふうにしてもいつこれが実際に金が渡るかわからないという質問に対して、来年からも一つとびしっとやっていきたいというお答えであって、そうしてそのぴしっとやっていきたいという意味は、当初から各省の予算の中にそれに相当するような額を組み込んでおくということも含まれておると思いますけれども、その場合に、当初人事院勧告が予想される額を予定する場合に、どういうふうな見当で予算に組み込んでいかれるでしょうか。
○山中国務大臣 予算編成権は厳然として大蔵大臣の権限でございますから、私のほうから先ほど答弁申し上げたのは、大蔵大臣と相談をしたいということを言ったのでありまして、たとえばその相談の場合にどういうことがあるかといえば、前年昇給の結果の実績、こういうものは当初から盛り込んでおく、したがって、当該年度にその現年度になって人事院から給与勧告されました内容がその組み込んでいたもので不足であった場合初めてそこに予備費の金額のわずかな操作でもって足りるようにしておくという原則を確立すべき時期に来たのではなかろうかということを申し上げているわけでございまして、過去の経緯は申すまでもなく、いつから実施するかが不明なままでやってまいりましたために論議も多かったし、そのために財政措置も及び腰で、一応各行政機関の予算に一定率を組み込んでおいて、昨年は予備費から二百六十億円流用をしてつじつまを合わせたということ等になっておりますので、そういうことを予算編成としてもう改める時期に来たのではないか、むしろそのほうがより財政当局としてもやりやすいのではないかというふうに考えて申し上げたわけであります。これはあくまでも私の見解でございます。しかし、給与担当大臣としての見解でもありますから、大蔵大臣と、さしあたり昭和四十六年度予算の編成にあたっては、そのようなことが盛り込めるかどうかについてはよく相談してみたいと考えております。
○和田(耕)委員 それは私も非常に正しい方向だと思うのですけれども、そうしますと、この秋にきめていく来年度予算は、今年度の人事院勧告のあのレベルを各省とも予算に組み込んでいく、こういうふうにしたいと長官はおっしゃるわけですね。これは非常に合理的な方法だと思うのですけれども、そういうふうになってまいりますと、私が最初に質問したい重要な点は、今度の新しい経済社会発展計画を拝見しますと、二カ所にわたって政府はいよいよ所得政策に踏み込んでいったなという感じを与えるところがあるのです。この間物価問題対策特別委員会でその質問をしたのですけれども、それに近いような答弁をしておったのですが、つまり今年度の春闘のようなかなり大幅な賃上げが行なわれた。これに見合って公務員給与の勧告も行なわれた。これがスタンダードになって、来年からの予算編成になっていくと、どうしても賃金あるいは物価、生産性あるいは所得というような問題についての、全体的な一つのバランスを、あるいは計画を考えてみないと、予算編成自体が困難になってくるという問題に直面しておると思うのです。こういう問題も——この所得政策というものは悪いことばかりじゃないので、やり方によっては非常にいいこともあるわけなんですけれども、この問題を人事院勧告と関連して、長官、どのようにお考えになるでしょうか。
○山中国務大臣 これも大蔵大臣の財政運用の基本の問題でありますが、しかし、これは全体にまた政府の姿勢としての問題でもあります。アメリカ等においても所得政策等の導入について、相当大統領が先頭に立って意欲的な行動も展開した時期があったのでありますが、どうしても民間への強制力を持ちませんために、それが具体的には見らるべき方向としての結論づけが得られていない。イギリス等においても、検討はなされたけれども、非生産性部門に従事する民間の労働者の税金の操作、還元操作等を、生産性の高い製造部門に振り向ける等の、税制の措置等でお茶を濁しておるようでございまして、共産主義、社会主義諸国は別といたしまして、自由主義制度の国家の中で、これがいわゆる所得政策であるというような政策をとって、財政の運用をきちんとしておる国はいまだないと思います。日本の場合においてもそれらの問題を採用するかしないか、あるいは断行するかしないかの前に、それらが実行可能であるかどうかの点については十分に配慮をしていかなければならないことでありまして、絶えず検討していかなければならない事柄であることは、私はそのとおりだと思いますが、すぐ来年度予算から所得政策の導入ということは、現時点では困難ではなかろうかと思っております。
○和田(耕)委員 非常にいい話は考えてみなければならぬという背後に、私は政府はいよいよ所得政策への踏み切りをつけた、つまりそれを腹に持っておって、こういう問題について、総理は困ったというようなことを言っておりますけれども、やはりにこにこしているというような感じがあるのじゃないかということを勘ぐっておったものですから、一言長官にその御質問をしたわけです。私は、所得政策自体が悪いと申し上げておるわけではございません。ただ、今度の賃金あるいは物価の値上がり、あるいは所得の問題、消費の問題すべてを考えて、いよいよ所得政策の問題を本気になって考えていかないと、この人事院の勧告自体も処理していけない、つまり来年度予算にこれを組み込んでいくにしても、非常に正しいことですけれども、組み込むためにはそういう他とのバランスの問題を考えていかなければならないということにもなる、また、これを組み込めば、来年の賃金も今年と同じように、民間で一八%ぐらいのアップになっていくということが一つのベースになっていくということになれば、当然所得政策の問題を考えないと、全体の国の経済の指導はできていけなくなるという問題も含んでおるわけであって、こういう問題はお考えかと思って質問したわけでございます。どうもありがとうございました。
○天野委員長 次回は明十八日午前十一時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十七分散会 ————◇—————