内閣委員会 第25号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/05/11
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案及び国際機関等に派遣される一般職員の国家公務員の処遇等に関する法律案の両案を議題といたします。
○天野委員長 順次、趣旨の説明を求めます。山中総務長官。
○山中国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案外一件につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 本年二月二十八日付をもって人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、今国会に別途提案されております労働者災害補償保険法の改正に対応し、国家公務員災害補償法等の改正を行なう必要がある旨の意見の申し出がありましたので、この申し出に基づき、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を作成し、ここに提案をいたした次第であります。 次に、この法律案の内容の概略を御説明申し上げますと、労働者災害補償保険法の改正法案と全く同じでありまして、その要点は、 第一に、障害補償年金について、障害等級第一級の年金額を現行の給与日額の二百四十日分から二百八十日分に引き上げる等、障害等級の第一級から第七級までの年金額を約一六・五%引き上げることにしたこと、 第二に、遺族補償年金について、遺族三人の標準的な遺家族に対する年金額を現行の給与年額の百分の四十に相当する額から百分の五十に相当する額に引き上げる等、遺族数の異なる遺家族についての年金額を平均して約十%引き上げることにしたこと、 第三に、現行では遺族補償年金の受給権者が希望する場合には、死亡職員の給与日額の四百日分に相当する額を一時金として前払いする制度が五年間、すなわち昭和四十六年六月三十日までの暫定措置として定められておりますが、実情にかんがみ、この暫定措置をさらに五年間延長することにしたことであります。 以上のほか、所要の規定を整備することといたしております。 なお、この法律案は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内で政令で定める日から施行することといたしております。 次に、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 近年わが国の国際的地位の向上に伴い、国際機関、外国政府の機関等に技術協力等のため派遣される職員の数が増大しておりますが、現行制度ではこれらの機関に派遣された職員の身分、処遇等に関する取り扱いが必ずしも統一的に行なわれにくいため、種々の不均衡を生じております。 かかる現状にかんがみ、本年三月五日付をもって人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、派遣職員の利益を保護し、安んじて派遣先の業務に従事することができるように、一般職の職員の国際機関、外国政府の機関等への派遣について新たに制度を設け、派遣職員の処遇の適正をはかる必要がある旨の意見の申し出がありましたので、この申し出に基づき、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案を作成し、ここに提案をいたした次第であります。 次に、この法律案の内容の概略を御説明申し上げますと、その要点は、 第一に、各省各庁の長は、条約その他の国際約束に基づきまたは国際機関等の派遣要請に応じて国際機関等の業務に従事させるために、部内の職員を派遣することができることにしたこと、 第二に、派遣職員は、派遣期間中、職員としての身分を保有するが、職務に従事しないものとし、派遣が終了したときは、直ちに職務に復帰することにしたこと、 第三に、派遣職員には、派遣期間中、俸給その他の給与の百分の百以内を支給することができるようにしたこと、 第四に、派遣職員が派遣先の機関の業務に関し災害を受けたときは、公務上の災害を受けたものとみなして国家公務員災害補償法による療養補償、障害補償、遺族補償等を行ない、国家公務員共済組合法による廃疾年金、遺族年金を支給する等のことができるようにしたこと、 第五に、退職手当の算定については、派遣期間を職員としての在職期間としてそのまま通算することにしたこと、 第六に、特に必要があると認められるときは、派遣職員に往復に要する旅費を支給することができることにしたこと、 第七に、派遣職員が職務に復帰したときには、任用、給与等の処遇について他の職員との均衡を失することのないように、適切な配慮が加えられなければならないものとしたことであります。 以上のほか、この法律は公布の日から三十日を経過した日から施行することとしておりますが、施行に伴う経過措置として、 第一に、現に国際機関等の業務に従事している休職中の職員は、この法律の施行の日に派遣職員となるものとすること、 第二に、この法律の施行の日前に、休職等で国際機関等の業務に従事していた期間を有する職員の退職手当の算定については、当該期間を在職期間として通算する等の措置を講ずることにいたしております。 なお、この際付言いたしますと、沖繩の復帰が昭和四十七年に予定されておりますが、復帰するまでの問琉球政府との間に人事交流の計画が定められ、これに基づいて一般職の職員が同政府に派遣されることになれば、この場合にもこの法律を適用することを予定いたしております。 以上、二件の法律案について簡単に御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○天野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○天野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鬼木勝利君。
○鬼木委員 先日、恩給法の改正につきまして御質問申し上げたわけでございますが、法案はすでに可決になっておりまして質問は残っておるという、まことに異例なことでございますが、お約束どおりなお質問を続行したいと思います。 先日来、恩給審議の場合に附帯決議をつけて、これはもう全部一致した意見でございまして、現職の給与本俸に即応した仮定俸給の改定によって恩給年金の算定、保全が大切である。これは長官もお認めいただいたのであります。従来の恩給調整につきましては、先般もお話し申し上げましたように、なお長官からもさように御説明がありましたが、一応恩給の調整の処理はできておると思います、今日までの調整も前向きで、一応理論的には処理はできておると思います、これはもう長官のおっしゃったとおり。ところが、実質は、公務員法による退職時の条件に基づいたものとはおよそ違った形になっております。全然違っておるとは申しませんけれども、単なる物価や生活水準による社会保障的態度が非常に根拠が強かった、こういうことがいわれると思う。四十三年の三月の給与を標準とした調整、その実施は四十四年の十月一日になっておる。なお、受給権者が受給できるのは早くて四十四年十二月、こういうことになっておりまして、年金の場合はさらに一年以上の事務的な遅延がある、こういう実態でございます。その点を私この前盛んに力説したのでありまして、その間、物価も上昇しますし、生活の水準も変動があっております。あるいはまた、公務員の給与の変動もあっておる。そうしますと、実際にこの受給時に受け取る実額というものは、その同時点に退職した人の七割か八割ということになってくる。もっと低ければ、六割、五割、こうなってくる。そうした非常な不利益をこうむっている恩給受給者に対しては、一日も早くこの制度化をはかって的確な恩給の調整処理をやるべきだ。しかもその制度化の促進を国会においても決議をされている。これは長官もよく御存じだと思います。その点について私は先日附帯決議をつけたのでございますが、なお特段の長官の御配慮を願いたい。くどいようでございますけれども、念には念を入れて私は長官にその点をお願いしたい。それはこの前時間がなくて、そういうはっきりした最後の線を私はあなたに申し上げることができなくて今日に及んだわけでございますので、その点について、長官の御回答を願いたい。
○山中国務大臣 すでに恩給法は通過したけれども、まだ質問が残っているということでございましたが、私は、恩給法は、会期中になるべく通してあげなければいけないという国会各位の受給権者に対する義務、愛情というものによって、日時的に通過したものだと思っておりまして、その中身についての議論が残ることは、法案があろうとなかろうとあり得ることであるし、あってよろしい。しかもそのことによって、これから先の受給権者の人々のあり方、あるいは国の姿勢、そういうものについて質疑応答においてお互いが合意に達し、あるいは得られるものがあれば、それは国益に貢献するものでございますし、ひいてはたくさんの受給権者のためにもなるものでありますから、私は時間の許す限り最大限、何らそれに対していやだとかなんとかいう気持ちを持たないで、出席をしていることは、先般も申し上げたとおりであります。率直な意見の交換を歓迎をいたします。 ただいまの御質問でございますが、問題点は二つあると思います。一つは、附帯決議にも明記されました公務員給与等にスライドさせるべきであるという単純明快なる制度を打ち立てるという御意見、さらに、スライド制をとりましょうと、実質上スライドしつつあると私は考えておりますし、ことしのような予算の仕組みが今後続行されましょうと、その基準年次の取り方の問題と二つあろうと思います。 スライド制の問題につきましては、たびたびお答え申しておりますように、他の公的年金その他も全く無視して恩給法だけでこれを定めて、あとは知らぬというわけにも政府全体としてはまいりませんので、なお諸外国の例等も見、いかなるスライド制を採用するのか、スライドといっても、そのしかたについてはどのような方式をとるかについて、これは良心的な検討をなお続けるつもりでございます。 さらに基準年次につきましては、やはり当該年度の国家公務員のベースをそのまま恩給受給者に反映することは、予算の要求の時期並びに予算の政府サイドにおける原案の決定の時期、国会の通過の時期等から考えまして、四十五年度の国家公務員給与ベースがそのまま四十五年度の恩給の基礎算定の要素になるということは事実上むずかしいと思いますが、しかし実績の出ておりまする最近値の年限をなるべく取り入れた予算要求並びに予算の政府与党サイドにおける決定、そして国会への提案ということに近づけるよう、そのことが一番正しいことであると思いますので、その理想に向かってあるべき姿を求めて可能であるかどうか、またそれに対しまして、この財源は今後は一たん決定いたしますと、悪くいえば硬直、よくいえば当然の義務経費となるべき性質の金でございますので、やはり国の一般財源なり、国民の納税者全体の立場において、単年度で一ぺんに実現するかどうかもわかりませんけれども、これらの点も配慮をしながら、御趣旨の点については二点とも——一点は私のほうでそういうことを念頭においておられるであろうということで申し上げたのでありますが、そういう実態の反映になるべく近づけていく努力を続けていく覚悟でございます。
○鬼木委員 いま長官のおっしゃったとおりで、私も、恩給受給権者が待ちわびていらっしゃる法案でございまするがゆえに、先般私の質問は残っておりますけれども、採決に賛成の意を表したわけで、一日も早くこれは通すべきだということは長官と同じ気持ちでございます。しかしながら、可決はいたしましたけれども、なお私が長官に要望すべき点は十分申し上げなければならぬ。喜んでその問題にも自分も聞きたいという長官のその真摯な態度に対しては私も敬意を表します。 そこで私は、恩給に関しまして例年改定時期が十月になっておりますが、これは当然改むべきではないかと思うのでございます。これは私の私案でございますけれども、恩給の改定を一月にするか、あるいはまた会計年度のほうから考えますると四月に改定をするか。途中の十月に改定をするということは、これはどういうことからかというと、人事院のベースアップの勧告ということからかもしれぬが、しかしこれとても、毎年四月に研究されて八月か九月ごろに勧告される、そして五月にさかのぼる、こういうことになっておるわけでございますが、恩給の改定時期を改められるお考えは長官にはございましょうか。むろんこれはあなたお一人のお力でどうということはないけれども、担当責任者である長官のお考えで大体私はそのほうに決定すると思うのでございますが、その点長官の御高見を承りたいと思います。
○山中国務大臣 これは四月一日が望ましいことは申すまでもありませんが、一月実施といいますと、大蔵省は喜んで翌年の一月実施と解釈いたしますので、実際は三百万近い受給権者の証書の書きかえその他、根拠のある請求に基づいて支払いをいたしていきますので、予算が通りまして、事務的にすぐ四月一日からということはたいへんむずかしい作業になろうかと考えます。その意味では、過去何年かの間にわたって、あるときは議員立法、最近は政府の提案等において正常な姿で進められておりますものの、過去の経過を見ますと、国会において議員提案とされましたもの等は、どうしてもやはり四月一日実施等にはなりにくいものでございますし、そのような事務的なことも背景といたしまして、なるべく早いほどよろしいのですけれども、十月にやりましてもそれは恒久的に、あとはそのまま平年度化していくものでございますから、その問の受給権者のずれの問題は確かに私も認めますけれども、十月実施はいまのところは事務的その他から考えてやはり一番近い線である。今度の二・二五カ月分の実施は、これは十月実施すべかりしものを、延びましたために一月実施ということにいたした次第でございまして、やはりこの時期については、いまのところ十月ということがむしろかえって時宜に適しておるように考えておる次第でございます。
○鬼木委員 恩給証書の書きかえその他もろもろの事務の進捗ぐあいからして、どうしても十月でやむを得ないという長官のお考えであれば、できないことをやれといったってこれはしかたありませんけれども、将来は、この改定の時期の点ということにつきましても十分ひとつ御考慮、再思三考していただきたいという私の気持ちは受け取っていただけますかどうか、その点ひとつ……。
○山中国務大臣 あなたのお気持ちは、公明党鬼木代議士というお気持ちではなくて、全国の受給権者というものがそうあってほしいと念願しておられるところであろうと私は受け取って、すなおに承っております。その御要望はさもありなんという気持ちは同感でございます。したがって、その気持ちは尊重して、どういう手段があり得るかについては、ここでにべもない答えをするつもりでなくて、やはり検討はすべき課題の一つであろうと考えます。
○鬼木委員 そのお答えを聞きまして私も非常に満足に存じます。 次に、これはある新聞記事でございますが、いつも恩給の問題については大蔵省が財源難を理由に非常に難色を示す、そこでこのスライド制の採用というようなことはあきらめざるを得ないような事態に立ち至り、恩給増額が政治的な折衝にまかされる事態がそのつど繰り返される、その制度化促進を勧告する国会の決議が行なわれていることから見ても、物議、論議を呼びそうだというようなことが新聞に出ておりますね。でございますから、非常に進歩的な考えを持っておられるところの長官でございますので、大衆のためならば勇断を持って、勇気を持って大蔵省を説得する、それだけの政治力、長官の手腕に私は期待をいたしております。その点、十分私が長官を信頼してよろしいかどうか、ひとつお伺いしたい。
○山中国務大臣 私が進歩的であるかどうかは別にいたしまして、私はあたりまえのことがあたりまえに行なわれるようにしなければならないのが政治の根底だと思います。その意味において、財源当局についても、大臣以下十分、私は四回にわたる大臣折衝、そのほか私個人で、私大臣の立場のみで、事務当局の折衝もなしに、大蔵省の財源担当の役人諸君とも一再ならず会いまして、私の考え方というものを懇々と説き、そうしてまた耳を傾けてもらいました。その結果、たしか伊能委員の質問だったと思いますが、大蔵省も今回の予算折衝の過程においては、財源等でいろいろと、若干二・二五%に象徴されたようなやりとりはありましたけれども、ルールの設定がなされたことを、財源当局としてもたいへん結果としてよかったと思うということを、責任者、いわゆる政治家としての大蔵大臣並びに事務当局の責任者からも直接私は聞きました。その意味において、恩給法のあるべき姿というものが今国会において設定されたのであって、たいへん喜ばしいことであると思いますが、ルールというものが設定をされますと、ルールを破る場合においては、新たなる何らかのルールを破り得る——違反は許されないわけでありますから、破り得る論理なり国民の納得する行政というものをそこに理論づけなければなりませんが、それは私はこの問題の事柄にかんがみ、あるいは予算の決定にかんがみ、私と大蔵省の責任者との感触から見ましても、よき慣行、むしろあたりまえのことがあたりまえに行なわれるようになったということで、今後正しく運営されていくのだろうと思います。したがって、大蔵省も財源上ことしは一番あとに恩給問題が残されての折衝になりましたから、なるほど理論的に承認したとしても財源上の議論が最後まで続いたことは私も否定をいたしませんが、今後は、いわゆる既定経費あるいは平年度化並びに当然増予算というようなもので、そうひどく論議をしないでやっていける性質の予算にしたい、そうなるであろうと思います。 ことしの予算の決定をいたしましたときに、過去によく書かれがちでありました新聞等の見出しに、恩給族まかり通る、あるいは圧力団体続々上京、恩給軍人遺家族の大会等々がことさらに大きく報道されておりましたきらいがなしとしませんでしたけれども、今回はそのようなことは、大体において私全部注意いたしておったのでございますが、私の願いであった受給権者の当然の要求に国が義務としてこたえていった姿であるということのために、そのような当然の受給権者に対する非難がましい記事はほとんど見当らなかったと考えております。今後もこういうことで、しかもこれは与野党一致して、こういう方向で協力してまいりたいものだと考えますので、大蔵省当局も、国民の税金を預って一銭一円といえどもむだ使いをしてはならないという性格の役所ではありますが、その中において、国民のために果たすべき義務については、今後当然の配慮が払われるものと期待しておる次第でございます。
○鬼木委員 時間があまりありませんのでゆっくりできませんが、いまの長官の御説明を聞くと一々ごもっともでございますが、進歩的でないとおっしゃったけれども、なかなか卓越したお考えを持っていらっしゃる点は私かねがね尊敬しておりますので、そう御謙遜なさらないでもう少し勇断をもっておやりください。 次に、共済制度の問題でございますが、やはり恩給年金と同じように、国庫負担金の導入あるいは適切な財源措置を講じて、公務員の福祉に寄与するように、掛け金の負担の軽減とかあるいは年金支給額の引き上げ等、その体系をもう少し調整すべきだ、改善すべきだ、このように私は考えております。やはりこの共済制度におきましても、現職組合員の給与に即応した年金額の引き上げを行なうべきではないか、こういう私は考えを持っております。共済関係法律案について諮問を受けた総理府の社会保障制度審議会がこういうことをいっております。「恩給および共済組合法両制度の関係についてはすみやかに根本的な調整をはかるべきである。」「各種年金に対するスライド制の確立およびこれに伴う負担関係については、各社会保障制度に一貫した原則の確立を急ぐべきである。」このように答申しておるわけでありますが、こういう点につきましても御所見を承りたいと思います。
○山中国務大臣 私は共済制度の責任大臣ではございませんが、しかしながら、公的年金の中に当然大きな柱を占めるのは共済制度でございますから、これらを中心にいたしまして各種公的年金等のスライド制導入にどのような形のものがあるか、あるいはこれは国庫負担はないとおっしゃいましたが、国庫負担はしてあるわけでございますが、その負担の率は諸外国その他を勘案いたしまして、現在の負担の率で正しいものであるかどうか、それらの点について、なお今後審議会等の御意見を承りながら所管大臣等とも——これは各省にも関係がありますけれども、審議会を中心によく相談をいたしまして、恩給法から発生をいたしております各種年金のスライド制という問題は、当然恩給法の立場から考えても望ましいことであると考えますので、これらについては勢力的に検討をいたしてまいるにやぶさかでないつもりでございます。
○鬼木委員 ただいま長官の仰せのとおり、社会保障制度に対しては、それは長官の直接の所管事項ではないということはよく存じておりますけれども、やはり恩給という年金制度ということを考えました場合に、それにかわるところの共済制度でございますので、そうした面におけるところの推進的な、進歩的な役割りは当然果たしていただかなければならぬと思う。そういう点から非常に御理解の深い長官にお願いをしたわけでございます。 次に、少し急いで進みますけれども、恩給外の所得による普通恩給停止に関する件でございますが、これは今度の法案の改正の冒頭に出ておりましたが、年間所得の百二十万が百三十万まで、恩給年額が二十四万を二十六万まで、こういうことに今度の法の改正でなっているようでございますが、大体この年金制度の本来の本質的なあり方から考えますれば、恩給外の所得により普通恩給を停止するということは、恩給というものを一般所得と同じように見られた結果であって、多少ここに筋が違っているのじゃないか、こういうふうに考えますが、その点は長官はどのようにお考えになりますか。恩給というものと一般所得というものを同じ意味にごらんになっておるのじゃないかと思います。 そこで、恩給法第五十八条の四に規定されておりますが、それはもう御承知のとおりでございますが、「普通恩給ハ恩給年額二十四万円以上ニシテ」これが今度「二十六万円以上ニシテ」と変わったわけです。「之ヲ受クル者ノ前年ニ於ケル恩給外ノ所得ノ年額百二十万円ヲ超ユルトキハ恩給ノ支給年額二十四万円ヲ下ラザル範囲内ニ於テ左ノ区分ニ依リ其ノ一部ヲ停止ス」と載っております。これが法的根拠だと思いますが、「この制度は、昭和八年当時における」——これは濱口内閣の緊縮内閣であったと思いますが、私どもそのときは月給を下げられて減俸になりました。「当時における異常な緊縮財政の要請により、恩給費節減の一方法として特に設けられたのであり、年金制度本来のあり方からみれば異例の措置ともいうべきで」、これはたくさんずっとありますけれども、これは読まなくたって皆さん御存じだと思うのですが、念のためここを一部分読んだのでございますがね。これは濱口内閣の緊縮内閣のときの異例の措置である。私らも、そのころ大学を出て月給百円ばかり取っておったのを下げられた、九十円か九十五円になった。だから、そのときのこれは異例の措置である。その異例の措置ということを、恩給本来の考え方のごとくじんぜん今日までそれをそのまま続けておるということに対しては、長官はどのようにお考えになるのか。また恩給局長あたりでもどんなふうにお考えになるのか。恩給というものは働いた所得じゃありませんからね。それを一緒にするというのは、そこに何らか特別の理由がなければそういうことがあるはずがない。それがここに出ておるところの昭和八年の緊縮内閣による異例の措置だと、こうなっておるのです。それを一般の恩給受給者が御存じであるか御存じでないか、幸いにして御存じがなければ、あくまでそれを知らぬ顔して続けていこうというような、そういうずるいお考えが長官には万々ないと存じますけれども、どういうようにお考えでございますか。
○山中国務大臣 これはいまお話しのとおり、昭和八年の恩給法の問題で恩給外所得についての制限というものを設けてあることは、現在の年金制度的な権利受給の関係からいっては異例の措置である、これは私も同感でございます。現在、一方においては、国から併給を受ける場合の制限もございますし、禁止もございますし、恩給制度は絶対に社会保障的な思想の入る余地のないものでございますが、国の制度の中では、社会保障制度の中でもやはり所得制限その他があるわけでございます。しかしながら、私どもといたしましては、これは審議会等でもちゃんと指摘されておる事柄であり、恩給という事柄から見て、現状ではいつまでもこれを続けていくべき根拠というものあるいは理論的な前提というものは薄い。したがって、これをどのような形で実際上完全所得制限まで持ち込んでいけるものか、あるいは税法その他等において、これは当然税法下においてちゃんと調整されているのであるから、天井はあってならないものであるという考え方そのものが導入できるかどうか。それは方向といたしましては、恩給制度というものはそのような所得の制限というものによって一部がカットされるべき性格のものではない。これは恩給法第一条の精神というものを私は繰り返して申しておりますが、その精神から出発したものでありまして、それに対しての検討は今後も続けていきたいつもりでございます。
○鬼木委員 長官の、今後これに対しては鬼木の言うこともおれもよくわかっている、そう思う、だから十分今後検討を続けていきたい、こういうお考えでございますが、今後いつまでも山中長官が総理府の長官であらせられるとたいへん都合がいいのですけれどもね、全閣僚中でも有力な方でございますので、あるいは将来またどんな偉い方になるか——いまも偉いですけれどもね。だから、少なくとも山中長官が総理府長官の在職期間中において、ぜひとも実現してもらいたい。私どもは、こういうことの考え方に対しては根本的に考え方が間違っておると思うのです。恩給というものを所得だなんという考え方は、私は間違いであると思う。 そこで、それに関連してお尋ねをしたいのでございますが、これもまたおれの所管じゃないとおっしゃると、これはちょっと話はなにでありますが、恩給年金は、御承知のとおり現行税法上は給与所得としてこれに税を賦課している、課税の対象になっているが、この恩給受給ということは、現職またはその他の給与とは、先ほどからるる私が申し上げておりますように、実質的にその性格を異にしておるのですね。それを一般所得と同じように税金をかける。だから、私はこれは給与所得とは別個に考えなければならない。つまり恩給年金所得とか恩給所得というようなものに対しては、免税にしろということは——そうなればなおけっこうでございますけれども、著しくこれを減税しなければいけない、減免をしなければいけない、こういう考えを持っておるのですが、これはおれの所管外だとおっしゃればそれまでですが、これに対して長官のお気持ちはどういうふうなお考えでございますか。
○山中国務大臣 まず前段で、恩給審議会の答申でも、これを所得制限を廃止せよというふうには書いてございません。こういうものが設けられた当時の事情、基準等を考えながら、今日の国民経済事情、そういうものに応ずるような程度のものまで改めることが必要であろう、こういうふうに書いてございますので、基本的な問題としては、私の在任中に片づけることはあるいは困難かと思いますが、このような考え方に近づける努力はしたいと考えます。 一方、税法の問題につきましては、所管外でございますが、所得あるところ課税ありということでございますので、これは税法上に定められた所得と見られない報酬とか日当あるいは実費弁償、こういうようなもの以外の普通の所得に入るべきものでありますと、これに特例を設けますことは非常に困難でございます。したがって、恩給法の思想からいえば非課税受給ということも、それは理想としては考えられることでございますけれども、それらの課税されたということを考えた後において、やはりこの恩給受給金額というものを定めることのほうが前提でありまして、むしろ恩給受給者の方々も、自分たちは隣のうちの現在働いておって所得を得ている人——これは公務員だけに限りませんから、そういう人の所得というものと違った意味で免税されて生活するということについては、社会保障的な意味が入ってこなければなかなか出てきませんので、そうすると、やはり一種のプライドというものから考えても、あるいはバランスという問題から考えても、一挙に非課税恩給支給ということはなかなか困難であろうと考えます。したがって、税金を差し引かれてどれぐらいが残るというようなことを前提に置いた金額に近づけていく努力ということが優先しようかと考えているところであります。
○鬼木委員 先ほど申しましたように、恩給を直ちに所得とそのまま認めるということはおかしい、そこでこの答申におきましても、この恩給制度の創設に当たったその当初の本質的な考えからしたならば、恩給外所得による普通恩給の停止ということは、これはいささか逸脱しておる。いま長官のおっしゃったとおり、恩給外所得は全然関係なしというようなふうに答申はしていない、これはそのとおりでございます。しかしながらこれは、異例のことが今日までまだ続いておるということは検討すべきだという答申だと私は思う。その答申に対して、だから長官も、私の在任期間中になるべくそれに近づくように努力するということは、私も了承します。理解いたします。ところが、恩給受給者に対する課税の問題でございますが、これは所管外のことでもございましょうし、大蔵省のほうとも私は論議いたしたいと思っておりますので、これはこの程度で……。しかし、私どもの申し上げておりますことは、先ほど長官がおっしゃるように、一個人鬼木として申し上げておるのではなくして、全国の恩給受給権者の総意を私はここでお伝えをいたしておりますので、将来は大いにこれを考慮していただきたい。再思三考をしていただきたいということを申し添えておきます。 それでは、私の恩給に対する質問は一応これで終わりといたします。たいへん長官からいろいろ教えていただきましてありがとうございました。 次に、公務員の災害補償の問題でございますが、国家公務員の公務上の災害は、国家公務員災害補償法によって補償されておることは存じておりますが、公務外の災害は、国家公務員共済法によって補償するということになっておるらしいのでございますが、労働者といいましても、国家公務員はストライキを禁じられております。これは、国家全体の奉仕者であるという意味からストライキは禁止してある。そうしましたときに、この労働者の災害を公務上と公務外という法の体系に分離してあるということは、私は問題があるのじゃないかと思いますが、その点人事院総裁いかがでございましょうか。
○佐藤(達)政府委員 筋道の問題といたしましては、やはり国家公務員災害補償法の関係は、これは国が大いに肩を入れて見てやろうというたてまえのものでございますからして、おのずからその対象も公務上のものに限られるということで、これは、筋としては一応立っておると私は思います。 ただし現実の問題としては、この事故が公務上であるか公務外であるかということは、非常な大きな分かれ目になるケースが相当ございます。これは、私どもが扱っておりますむずかしい事案というものを見ましても、そういう問題がよくございますけれども、われわれの立場としては、いまおっしゃったような御趣旨も考えながら、これを適正に判断していこう、そういう立場をとっております。しかし、根本問題としては、やはりいまのたてまえということは一応筋が通っておるのではないかというふうに考えております。
○鬼木委員 これが公務上災害であるかあるいは公務外の災害であるかというその判定、認定の基準というものが、はっきりないようですね。そういう点、実際問題としてどのようにして皆さんはこれを判別されるか。私はこれは非常にたいへんな問題だと思うのです。そういう点について法を制定するならば、もう少し的確な、国民全体がみな納得するような法案の提出をしてもらわぬと困ると私は思うのです。非常に老練な人事院総裁ですから、すべておわかりになっておると思いますけれども、あなたお一人がおわかりになっておっても、国民全体が納得していかなければこれははなはだ困るので、その点いかがです。
○佐藤(達)政府委員 私もいろいろな具体的のケースもだいぶん経験いたしまして、相当なところわかっておるつもりでございますけれども、お察しいただけると思いますが、わかればわかるほどこれはむずかしい問題だという気持ちをさらに深めております。 ただ、いま認定基準とおっしゃいましたけれども、一応の認定基準は私どものほうでつくっております。ほんの一例でございますけれども、たとえば自己の職務遂行中に事故が発生した場合は、天災地変は別として、原則として公務上という立場で認定をするというような意味でずっと列挙はしてあるのがございますけれども、しかし、その人のふだんからの健康状態をずっと調べてまいりませんと、血圧がふだんから非常に高い人で、うちにおってもばったりいかれたかもしらぬ、それがたまたま場所がどういう場所で発病されたというようなこともございますし、そういう点も、具体的な事実、現実をつかまえての基準というものは、これはとても書けない。したがって、われわれとしては、厚生関係の専門委員というものを設けまして、各方面のお医者さんその他を専門委員に嘱託いたしまして、そして具体的のケースごとにきわめて慎重な態度で臨んでおる。はっきりしておるのはたくさんございますけれども、わかりにくいもの、非常にきわどいものが出てくる、そういうときには特に慎重に対処をしていくということでございます。
○鬼木委員 これは御承知のとおり、法的根拠によって、そしてその災害が公務上であるか公務外であるかということをきめる、それはむろん認定基準がある、これは当然のことだと思う。ところが、なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、これが公務上であるか公務上でないかという点について、そういう事件を取り扱うごとに私はいままで非常に苦心したのです。参議院時代から、あるいは現在も、たびたびそういう問題に直面している。そうすると、いま医者がこれを審査中であるとか、医者の証明によってこれは既往の病気があったかなかったかとか、ではそのときの、かかった診断書があるかないかとか、非常にめんどうで、ただ法の番人みたように、ただ一片の法によって、法的根拠のみによって、人道上の問題あるいは真に人間性を尊重するという意味の親心という面は少しも加味されない。 先日もこういう例があったのです。あるところで、これは公務上です、目に何か当たった。で、目が悪くなった。むろん治療しておった。ところが、突然目の奥のほうにできものができてつぶれかかっておる。そうすると、公務のときに目にものが当たってそうなったか、目に当たったほうはもうよくなっているけれども、またできものができて目が悪くなったか、それは前に公務のときに目にものが当たって悪くなったことが原因じゃないか、こういうんですね。現にその問題いま私やっているんです。ところがそうじゃなくして、それはなるほど目にできものができるようになっておったかもしれないけれども、弱り目にたたり目で、そういうものが当たって目を悪くしたから、できものができることがなお早くなってできた。そうすると、医者はこれをいま審査している。ところが、公務上目に当たったときのことは直接関係ない。それも的確には言えない。どうもないらしい。これは別の原因で目にできものができて悪くなったらしい、こういうことですね。きめ手がない。私に言わせれば、そうじゃないと思う。それは医者が医学的に見ればあるいはそういうこともあるかもしれないけれども、医者も断定はできぬ。らしいということだけである。だから、公務のときに目にものが当たって悪くなったということが、できものができた直接の原因ではないかもしれないけれども、やはり遠因があるんじゃないか。医者も、らしい、審査する皆さんもわからない。であるならば、それがわからないなら、直接であろうが間接であろうが、現実に目が悪くなっておるということは、あの場合に、公務のときの目を悪くしたから、やはりそれも幾らか原因になっているのじゃないかというような、人道的な、真に大衆を思うというあたたかい親心があってしかるべきじゃないかということをいま私は力説して樽爼折衝しておるわけですけれども、いまあなたは、公務上であるあるいは公務外であるというのは厳然と話ができるようになっておりますと言われるけれども、事実はそうじゃない。時間がありませんけれども、これは例をあぐればたくさんあります。 自衛隊の隊員の問題もあります。十年前に演習のときに大砲で耳が悪くなった。これは公務災害です。ところが十年後の今日に至ってそれがわかった。本人はずっといままで悪かった。先日、ここの内閣委員会で私は防衛庁長官にもその点は言っておいた。自衛隊には医官がおらない。昔はちゃんと軍医というのがおったが、いまはおらない。おらぬはずです。月給はわずかしかやらぬから来るはずがない。そして国民に親しまれる自衛隊なんて——だから身体検査もしていない。今日それが問題になっておる。ところが医者は、これは十年前のことでそれには関係ないでしょう、こうなんです。しかし本人は十年間耳が遠い。電話かけるのでもようかけられぬ。そうなってきますと、公務上、公務外というのは全然わからぬようになってしまう。そういう点について、これはいま人事院総裁を責めてもしかたありませんけれども、ただ法一点ばりでなくして、真に国民を思う、真に大衆のために人道的に法の解釈はすべきだ、加味すべきだ、こういう点を私は痛切に感じておる。そうしなければ、やれ証明書を持ってこいと言っても、五年も六年も前のを持っておる人はおらない。これはたいへんなことですよ。これは全部言われます。どうでしょうか。そういう点、ひとつ人事院総裁、あなたは非常に御人格円満な恩情あふれるお方でございますから、私の申し上げることは十分おわかりだと思いますが、いかがでございますか。
○佐藤(達)政府委員 お話の節々は全く身につまされる思いがいたします。いまおあげになりましたようなむずかしい例をわれわれは控えておる。ただ、先ほど血圧の高い人という例を申し上げましたけれども、ふだん血圧が高かったからといって、それはどこででも倒れた人だろうということで冷たくは扱ってはおりません。ふだん血圧が高くても普通に勤務しておったかどうか、超過勤務はどのくらいなすったかというところまで調べて、そしてこれは公務の影響があるということであれば、公務上というふうに認定しております。そういう意味では、いま鬼木委員おっしゃったような心がまえで、私どもは最近は特に留意をしてやっております。したがって、昔だったらアウトだったかもしれぬなというような感想を漏らしながら公務上にしておる例も相当ございますので、その辺の扱い方の基本的な気持ちというものは十分御了解いただけると思います。 それからもう一つ、いまの自衛隊の医官がおらぬ、これはわが方の所管外でございますけれども、しかし災害が起こらぬで済むものなら起こらぬように管理者側としても特に気を使っていただきたい。それをひしひしと感じる場合がございます。もうからだが弱っている人を、おまえ、休めと言わないで無理やり休まず働かせるということもございます。それから例の白ろう病などで申しますと、チェーンソーという機械がございますけれども、このチェーンソーをもっと被害が起こらぬような、無害ないい道具というふうにできぬものかというような意味で、災害が起こってからの補償も大事でございますけれども、災害が起こらぬようにできるならば、それにこしたことはないという心がまえで、私どもは管理者側にも望んでおるというふうに御了解を願いたいと思います。
○鬼木委員 人事院総裁のお考えと私全く同感でございます。これも余分なことでございますけれども、いまのお話の自衛隊の医官の問題でも、防衛庁の諸君は、いや、町の医者に委託をしております、町の医者を雇ってきて委託をしております、いろいろなことでどうやら間に合っております、こういうことを言います。とんでもない話だ。いまあなたのおっしゃるとおり、病人を処理することに間に合っておるなんて、これはふざけた話だ。病人が出ないように予防をすることが医者の役目なんですよ。この保健ということが大事なんです。あなたと全く同感でございます。これは蛇足でございます。 次に、国家公務員災害補償法の基本的なたてまえは、労働者災害補償保険法と両者均衡を保つことにつとめておる、こうおっしゃっておりますが、実際には差異が非常にある。すなわち前者の国家公務員災害補償法が標準にならなければならぬのに、後者の労働者災害補償法は最低基準になっておるように思われる。こういう点についてどういうふうにお考えになっておるか。これは私、今度のこの法案を見せていただいて少々納得がいかないのですよ。労災保険のほかに補償を何かしてもよろしいというようなことをいっておられるようですけれども、私はこういうところに問題があると思うのですよね。これが大きな問題点だと思いますが、人事院総裁、どういうふうにお考えでございますか、御見解を……。
○佐藤(達)政府委員 これもまことにごもっともなお話だと思います。ただ公務員災害補償法のほうでは、労災のほうとすべてについて均衡をとっていけという——これは明文もあったと思いますが、そういう精神が出ております。度はずれた差異を設けるわけにはいかない。しかしこれも、いまいみじくもおっしゃいましたように、向こうは最低基準をきめておるのではないか、この最低基準の上に団交によってさらにこれを上積みしていくことは可能ではないのかということに対して、国家公務員のほうはそういう場面がないという事情もわれわれ十分承知しておるわけです。それらも勘案して、表づらは実はあちらよりも少しよくなっている場面というものもございます。これがあまりよくなっているということを大きな声で申しますと、また公務員は特権だというようなことで、今度は一般大衆のほうからの批判もございます。したがって、度はずれたことはできませんけれども、そういう気持ちは持ってことごとに臨んでおるということは御了解願いたいと思います。
○鬼木委員 総裁のお話を聞くと、大体わかりますけれども、たてまえは両者均衡を保つということは、私はこれは根本だと思うのです。この根本精神をお忘れになって立法されるということは、これは筋がだいぶ離れておるんじゃないか。その点に十分御考慮を願いたい。 次に、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する問題でございますが、開発途上国からわが国に対する専門家の派遣要請は逐年増加の一途をたどっております。しかもその派遣期間の長期間化、なるべくこれを長く向こうにとどまっていただくように、長くおってくださいという、すなわち任期延長を強く要請されている事例も私は非常に多くなっておると思うのです。つまり、開発途上の国から長くとどまってもらいたいと要請されておるそれらの派遣員に対して、いわゆる在勤俸というような制度でもいまあるのですか、ないのですか、その点をお伺いいたします。
○佐藤(達)政府委員 現在のやり方はなかなか複雑になっておりまして、国際技術協力の機構として、OTCAと普通申しておりますが、そういう特殊法人が日本にもありまして、そこを通じて行く人と、それから官庁から直接行く人と二色あって、結果においてはバランスはとっているわけですけれども、そのOTCAなるものを通じて行く人に対しては、在勤俸的な面から支給しておる、そういう形になっております。 こまかいことをもしもお尋ねでございましたら、政府委員のほうから答えさせます。
○鬼木委員 大体そういうふうな制度がいろいろきめこまかくあるということは事実ですね。何ならそれを資料として出していただきたい。どうですか、人事院総裁。
○佐藤(達)政府委員 いまちょっとよけいなことを申しましたけれども、今回御審議をいただいておりますこの法案の主たる部分は、直接国から派遣される場合が多うございますので、それに対してはちょうど外交官に支給するがごとき在勤俸というようなものは考えておりません。これは相手国からどういう給与があるか、それとのかね合いの問題でありますために、その相手方の給与の支給状況を見合わせて、こっちの公務員としての月給のほうを調整していこう、そういうアイデアに立っております。したがいまして、こっちから特にプラスアルファで在勤俸というようなことは、この法案では直接には考えておりません。
○鬼木委員 そのプラスアルファの在勤俸が私はほしいと思うのですよ。そして後顧の憂いなく長く現地にとどまって技術交換をやる、交流を行なう、こういうことが望ましいと思うのです。これは御承知のとおり、開発途上にある国々に対して、物質的な援助ということも何でございましょうが、私はそれよりも、技術の交流ということが大事だと思うのです。それにはやはり官民を問わず優遇すべきである。異国の空において日本の皆さんの名誉のためにししとして奮励努力されておられるところの皆さんに対して、物心ともに十分なる応援をしてあげなければならない、このような意味で私は申し上げておる。総裁どうですか。
○佐藤(達)政府委員 きょうは全く御同感のことばかり仰せられるのではなはだ心強く存じますけれども、行き先の問題を考えますと、これは、たとえば国連の事務局に行っておるようなのは、私どもの役所からも、国連に対する天下りと称しまして課長補佐クラスのものを差しつかわしておりますけれども、これが何と人事院総裁クラスの月給をもらっておるわけですね。秘書がちゃんとついておるわけです。こっちを出るときは課長補佐なんです。そういうことがありますので、これは相手によりましてピンからキリまでございますので、これは先ほど申しましたような趣旨で、それを見合わせてこっちのほうで調整をする。さらにプラスアルファでつけるかどうかという問題になりますと、これはまた現在まことに気の毒な状態になっている人が非常に多い。普通の休職で行っておるのです。そして退職金の通算もほとんどその計算に入れられないというような形、それを一つの休職に似た形ではありますけれども、特殊の優遇措置を講じて、いまおことばにありましたように率先して向こうへ行こうという気持ち、励みを与えたいという趣旨でございます。なおまた、これが運用されたあとでいろいろまたこまかいことが出てくるでございましょうが、そのときはそのときで、またその辺に遺憾のないように、あるいはまた改善につとめなければならない。しかし、とにかくいままではあまりに気の毒であったということで出発しておることだけは御了承を願いたいと思います。
○鬼木委員 いろいろ人事院総裁に御相談申し上げたいことは山積いたしておりますけれども、時間に制約されておりますので、いずれまたゆっくりお話をいたすといたしまして、もう少し問題を持っておりますので……。 一般職の公務員で業務上の災害に対する補償でございますが、現地政府の療養補償などがもし不十分な場合の補てん、その他補償内容の充実をどのように処置されておるか、その点を承りたい。
○佐藤(達)政府委員 これもまことにうれしい御指摘でございますが、数年前こっちからローマに派遣しておった人が、やはり向こうの仕事の公務上の災害にあいまして、それを何の手当てもできなかったというむしろ批判がましい記事が新聞に出ておりました。そのころから私はこれはほうっておけぬなという気持ちを持っておったのでございますけれども、今度のこの法案に盛り込みましたように、向こうの公の仕事として受けた傷害には本来の公務員としての公務災害と見てやろうという形でその辺は扱っておるわけです。それ以上ということになりますと、これはさっきのお話にもつながりますけれども、いまのところそれ以上とまでいかずに、せめてここまではどうしても補償してあげたい、さらに向こうから何かもらえば、もらったときにそれを差し引くというたてまえにしておるわけです。
○鬼木委員 それで、この法案を拝見しまして、そこに私は問題があると思う。いまおっしゃるように、これは過去においてそういう問題もあったから、そういうことをいろいろ勘案されてこういう法案をお出しになったと思います。法の精神はわかりますが、やや具体性を欠いているから、実際こういう場合にはこうやる、こういう場合には、いまあなたのおっしゃるようにこちらから立てかえでもする、そして向こうから出た場合に差し引きでもするとか、きめのこまかい具体的なあれがないからちょっとお尋ねしたのでございますが、要は異国の空で現地政府の公務上のことで災害にあった方が十分安心して治療、療養のできるように、もし万一現地政府の療養が不満足であったというような場合には十分なる処置をしていただく、そうして安心して療養ができるようにする、十分なことはできませんけれども、というようなお話でございますが、それは逆です。十二分なことをやっていただきたい。そういう点は、どうも人事院総裁は非常におやさしい方だから消極的ですけれども、何もあなたのお金を出せというんじゃないんだから、そういう点はもう少し、長官もここにいらっしゃるんだから、長官の前でも堂々とあなたの所信を披瀝してください。
○佐藤(達)政府委員 いまたまたま立てかえというお話がありましたけれども、この法案の趣旨は、立てかえどころか、こっちにおられる公務員がこっちの役所で公務のため災害を受けたのと同じにこっちからも払ってやろうというのです。さらに向こうからもらえば、みみっちい話ですけれども、あるいは差し引くということもあるかもしれない。立てかえではなしに堂々とこっちからこっちの職員としてやろう、そこをよく御理解いただきたい。だからそれ以上のことになりますと、これはまた今後の問題として、いままではそれさえなかったということを十分お考えいただきたいということです。
○鬼木委員 大いに前向きで一歩も二歩も前進でございますが、その点は私も非常にうれしく思いますが、あなたのさっきの御説明がちょっと立てかえみたようなお話をなさったから、それで私は少し遺憾の点がある。わが国の公務員でございますから当然こちらからやるべきだ。なお向こうのやられるのをみみっちく差し引き計算するなんて、そんなことは、私はあまり喜んでいただきたくない。 次に、派遣公務員の家族を含めての業務外の疾病、傷害あるいは死亡というような場合に補償する、また何らかの方法で給付するというようなことはお考えでございましょうか。
○佐藤(達)政府委員 いやが上にも優遇の措置を考えるということは、これは一つの考え方だと思いますけれども、さてしかし、一面においては国内で普通の公務員の仕事をやっておる人にやはりいろいろな事情というものも起こり得るわけです。遠隔地に出張しておる人も普通のこっちの公務員にもおるわけです。そういう人との関係も考えながらその辺は適正に考えていきませんと、あまり度はずれた優遇もできない。そこに気持ちの矛盾というのが実は私の中にある。できるだけよくしてやりたいという気持ちはありますけれども、片や待て待てこっちにおる人のことも考えてやらなければならぬという気持ちもございます。
○鬼木委員 それはあなたも自分の気持ちはある、しかし待て待て、その待て待てがちょっとおかしい。内地にたくさんの公務員がいらっしゃることは私存じております。しかしそうじゃなくして、万里の波濤をけって遠い異国の空で国家のために働いていらっしゃる、開発国のためにいわばわが国の選手として送っている人なんですよ。その家族の方がなくなったとかあるいは病気をされるというような場合に、後顧の憂いなく働くことができますか。右を見ても左を見ても異国の人ばかりだ。あなたもそういうことは少しはおわかりでしょう。先ほどその気持ちはわかっているけれども待て待て、待つ必要はないんじゃないですか。あなたはなかなかゼスチュアがうまいけれども、こういうことはゼスチュアでは通じませんよ。いかでございますか人事院総裁、私はいいかげんなことを言っているのじゃありませんよ。実際気の毒じゃないですか。異国で最愛の妻が病気をしたとかあるいはいとしい子供が他国の空でけがをしたとか、どうしますか。内地であれば右も左もわかる、相談相手もありましょう、力になる人もあるでしょう、物心ともに応援する方もあるでしょう。しかし遠く異国の空で、ほんとうに後顧の憂いなくして働けるようにしてあげる、それが佐藤さんの言われるほんとうに大衆福祉の善政であるというべきである、いかがですか。これはあなたばかりでなく、長官にもお尋ねいたしたい。
○佐藤(達)政府委員 待て待てと申し上げましたかどうか忘れましたけれども、その趣旨は、こっちにも鳥も通わぬ離れ島に家族と離れて苦しい勤務をしている人もあるわけですから、そういう面においても、こっちも考えるのもさることながら、そっちの人も考えてあげなければならぬという意味です。したがってこっちを引きとめるというわけではありませんので、広く同じような条件にある公務員諸君に対してできるだけ優遇の措置をわれわれとしては考えなければいかぬという気持ちを持っておりますから、ここだけ率先してはという気持ちをちょっとあらわしたということでございます。その辺は御趣旨はよくわかります。
○山中国務大臣 私が閣議へこの法律案を提案締め切り日以後に提出する気になりました理由の一つとして、私入閣をいたしまして今日までばく然と感じておりました一つの問題がございます。日本の国際経済力というものが、国際統計によってきちんとはかられますGNPを基礎にして、国連分担金あるいはアジア開銀、IMF等いろいろの場所で分担金要求が出てきておるわけでございまして、そのようなことを背景に、日本の分担率に応じてそれらの国際機構に日本人がどれくらい行っているだろうかということの調査を命じたのです。その調査の結果は大体私の想像どおり。かりに日本が分担しておる金額をもって国連なりその他の国際機構の定員から割り出したあるべき数字、日本人で希望する者があるならば充足される権利を持つ数字というものを前提にして考えますと、その充足率がたいへん低うございます。御参考までに国連本部では、これは動きますのであれですけれども、充足率が低いときには大体五四%から高くても七五%くらい、これが実は目ぼしいほうでは成績をあげているほうでございまして、国際原子力機関その他大体五〇%くらいでございます。中には国際民間航空機構(ICAO)等については全然実人員がない。しかし割り当て数は七名もとれるはずだというようなもの等もございます。その他万国郵便連合あるいは政府間海事協議の機関というようなものも日本人の職員はゼロでございます。ことにアジア開発銀行等に至りましては、本部を日本に設置しそこなったといっても、その総裁は日本人がなっておるわけでございますが、これらの機関においてすら、なおかつ日本人のあるべき分担金に伴う定員というものが四五%から低いときには三九%台でございます。 これらのことを考えまして、なぜそのような国際機関に対して日本人が行ってどんどん働く数が少ないかということをさらに検討してみたのですが、大別いたしますと、一つは言語の問題があるようでございます。日本語の言語体系というものが、国際的なことばになりかかっております英語になじまない言語体系である。たとえば発音その他が英語になじみやすい体系下にある中国等においては、比較的英語の達者な人たちが多いために、充足率が高い、こういうような点もあります。 さらに、これは日本人の持つ一つの特殊性でもございましょうが、子弟の教育ということに非常に熱心な国民でありますので、先生がお話しになりました妻子の災害の問題もありますが、何といっても自分の子供たちの教育の問題ということを——日本人は、日本と西ドイツとイギリス、世界の三つの非常に教育熱心な国民の一つでありますから、そういうこともあって、どうしてもそのような国際機構に行きまする場合に自分たちの子供のことを考える。考えれば単身赴任ということになるというようなことが足をだんだん鈍らせるというような原因等になろうかということに大体想像がつきました。そのほかに何があるかということになりまして、やはり休職で行ってしまいますと、退職金の通算にしてもいろいろな問題にしても、行く人たちの決意が鈍るというようなこと等も、その原因としてわれわれ議論しておりますときに、たまたま法案の提出といたしましては時期がおくれておりましたけれども、人事院から勧告という形で意見の申し入れがございましたので、これはぜひ例外として今国会に出そう、そしてその原因のうち、せめて本土におる公務員と同じように、その地位もあるいは身分も、そして待遇も、まさかの場合のいろいろな補償も認めてあげたならば、少しでもこの充足率が高くなりはしないかということを考えまして、私も最終的に今国会に提案をして、相なるべくんば——たいへんおそく提案いたしまして審議時間が少ない法案ではございますが、事柄の一歩前進である、当然すべきであったことがいまやっと出てきたという事柄であると御理解願って今国会で成立さしていただけるのではないかと考えた、おくれて提案をいたした理由が実はここにございます。私は、先ほど来の人事院総裁との応答については、まさにそのような配慮をいたすべきことがたくさんあると思います。まず第一歩としては、公務員たるの誇りと身分、それから待遇というものが認められたということによって、少しでも外国に有能な諸君が行ってくれて、経済動物ではない日本人というものが世界の共通の機構の中で働いてほしい、少しでもこの法律によって充足率が高まってほしいというぐらいの希望を持っておるわけでございます。答えにはならないかもしれませんが、この問題に対する基本的な考え方を一言申し述べさしていただきました。
○鬼木委員 いずれにしても、長官並びに総裁も私の申し上げておる趣旨は御賛同いただきましたので、将来十分この点については御考慮を願いたいと思います。 本会議も迫っておりますので、最後に、この派遣公務員の任国における技術上必要とされる現地調査、そういうものに対しまするところの調査費ですね。旅費等のことは出ておるようでありますけれども、その調査費なんというものは公務員担として十分取ってございますでしょうか。これが私はまた大事なことになるのではないかと思いますが、その点ちょっとお聞かせ願います。
○佐藤(達)政府委員 この法案の主たる対象は、日本政府の職員の身分は持っておりますけれども、今度はもう相手国の職員になってしまう。国連で申しますならば国連の職員になってしまう。ただ身分をこっちで保留しておるだけだというたてまえになっておりますから、それで割り切ってしまえば話は簡単でありますけれども、そう簡単に割り切れないから、身分を保留するとともに、いまたまたまお話がありましたように、本来ならば旅費を向こうからもらうのはあたりまえじゃないかという論理も立ちますけれども、旅費はこちらから支給できる道を設けた。帰る旅費についても向こうが出すのがあたりまえだ、しかしこっちから先んじて出す、そういうたてまえになっておりますので、結局向こうの人になり切るにもかかわらず、日本政府はこれだけみてやるのだというところに根拠があるというように御了解を願いたいと思います。
○鬼木委員 だから、この法案に盛り込んであることを私ずっと拝見しまして、いま申し上げておるわけです。調査費というようなものがうたってないように——これは私の見そこないかもしれませんけれども、旅費とかいろんなことはされますけれども、やはり現地において調査をするのは、向こうの任国の政府の職員になり切っているんだから、そちらでまかなっておるから、こうおっしゃれば、この法案に盛ってあるあとは何も知らないことになる、そうじゃなくて、それは現地調査をなさるにつきましては、やはり特別に雑費も要りましょうし、実は経費もかさむことと思われる。現地を十分に調査するためにはやはり旅費なんかも支給されて——特別の場合にはと、こう書いてありますよ。じゃあ調査費も特別の場合にはということがあってしかるべきじゃないか。これは大事なことじゃないかという意味で申し上げておるのです。きめのこまかい案をよく考えていらっしゃいますけれども、ここは総裁の手から水が漏ったんじゃないか、漏っていなければけっこうだけれども。それでもう一度お尋ねしている。
○佐藤(達)政府委員 きめのこまかいお尋ねで、これまた非常にうれしく思いますけれども、向こうの職員になりますから、向こうの政府の仕事としてどこを調べてくれ、どこに出張してくれということはあるわけです。その場合の出張旅費あるいは調査費その他はもちろん向こうの給与と同様の政府が支給するのがたてまえだ。こちらから向こうにたどり着くまでの旅費、これも向こうに出させていいのだろうけれども、日本から鹿島立たせるのだからこちらから出してやるのがほどよい線じゃないかということで、これが出ておるというたてまえでございます。ただ、これが全然別に向こうの職員にならず、日本が外から協力してやるというので技術者を派遣する場合もあります。これは日本政府の職員として日本政府の仕事として向こうに応援に行くわけです。向こうの政府には入らぬ、外側から協力していくという場合においては日本政府から堂々とむろん出張旅費はもらえる、調査費も、日本政府の調査でというようなことで、もちろん国が見てやるということであります。これは向こうに入り込む人というふうにお考えを願いたいと思います。
○鬼木委員 それは先ほどからおっしゃっておるからわかっておるのですよ。わかっておりますが、特別の場合に旅費を支給するという法案がここに出ておるが、じゃあ旅費の中に調査費も含まれておるのか。旅費及び調査費というふうな法案の説明がないから、そこを私はお尋ねをしておるので、いまの御説明は不肖私もわかっておるからあなたにお尋ねしておるのです。あそこには旅費と出ておるから、じゃあその旅費の中で調査費を含まれておるのか。おればけっこうです。旅費及び調査費云々ということになっておればお尋ねしないけれども、その点をお尋ねしておるのですよ。非常に頭のいい総裁にしてはちょっとものわかりが鈍いようですね。
○佐藤(達)政府委員 御疑問はごもっともに思うのでございます。先ほど説明申し上げたように、こっちから鹿島立つときと向こうから帰ってくるときということの旅費を考えておるということで、まあ不明なところはあるいは人事院規則その他の方法もありますから、その点ははっきりさせます。
○鬼木委員 じゃあわかりました。時間がありませんので、大体以上、私は御質問いたしまして、これで打ち切ります。どうもありがとうございました。
○天野委員長 受田新吉君。
○受田委員 委員長、もう三十分しかありませんので、もしはみ出たら午後、本会終了後ちょっとだけ質問を続行さしていただくようにお願いをしておきます。できるだけ短時間で能率を上げます。 この法案とあわせてお尋ねをさしていただきたい。前回の恩給法の残余の質問でございますが、幸いにこの法律は現職の法律の問題点であり、恩給法は退職後の公務員の問題点でありまして、現職と退職者を一貫した意味で質問のできるという形を私実は感謝しております。 そこで、私きわめて明快に質問しますので、ごく端的に要点を御答弁願って能率をあげたいと思います。 最初に、この法律案が出ておりますので、この法律案のほうをちょっとだけ触れておきたいのですが、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等というこの法律は、地方公務員にもこれを波及しようという御意図があるのか。長官、今国会でぜひという愛情をお示しになったのですが、特に外国の日本人学校等に勤務する教員なども、当然これは考えていかなければならぬ問題で、いま長官御指摘のとおり、海外在留者の子弟の教育というところに非常に困難性が伴っておる関係で、その海外勤務に二の足を踏むということもあり得るのでございますから、日系人のたくさん出ているアメリカ、ブラジル等は申すまでもないことですが、東南アジア等にすでに幾つか日本人学校ができている。その他の地域にも日本人学校が相次いでできている。また日本人の海外に移住している地域、たとえば南米の各国のごとき、こういうところでは日本語の先生が出かけて、祖国とのつながりを持つという大事な使命を果たしてもらいたい。そういう意味からは、現職の身分を温存しながら海外に三年ないし五年間勤務するという道を開くべきだと思うのです。文部教官、そういうことで海外移住の振興の可能性を持つし、また海外に勤務する人々にも希望を与えることになる。そういう意味からは、教員は特に地方公務員が多うございますので、地方公務員のこうした道が開けることを同時に考えるべきであると私は思います。むしろ地方公務員のほうへ力点を置いてあげないと、背景の薄い人たちであるだけに、非常なアンバランスができる可能性があると思いますので、この点を御答弁願いたいと思います。
○山中国務大臣 教育公務員でも、国家公務員の大学教官等につきましては、教特法二十条で「現職のままで、長期にわたる研修」という形で、適用の対象になることになっておりますが、ただいまおっしゃいましたように、地方公務員である教職員の方、これが在外の日本人小学校、中学校という問題に入ってないという点は私も問題にいたしまして、問題にしたものでありますからいま少しそこを探していたのですけれども、この問題は、やはり身分上は地方公務員でありますだけに、また普遍的な現象としてそれが行なわれずに、何か特別にある地域について、じゃ自分が行こうかという希望者というような者等が行っていただいたり、現地の人が先生の資格がたまたまあったためにやっていただいたり、いろいろなケースがございますので、やはり都道府県の条例等というものを考えなければならないことになるでしょうし、そうなりますと、他の一般地方公務員の問題もやはり同じように何らかの基準を定めなければいけないと思いますが、教職員以外の他の地方公務員についてはあまり例がございませんし、ことに相手は国の単位でまいりますので、やはり問題は教職員だろうと考えます。この際は、私も少し考えてみたのですけれども、学校教育に携わる地方公務員のみについての特例というところまで、この法律では踏み切ってございませんが、これは少し文部省等と相談をいたしまして、考えてみたいと思っているところでございます。
○受田委員 長官、英断をふるっていただきたいと思います。これは懸案でございますから。 それでもう一つ、この法律の施行に伴いまして、一応身分的に保全されるわけでございまするが、国家公務員法の各種の規定がそれぞれこれによって生きてくる、休職でないという形になりますので。ただこの法律が施行された時点において救済される人々はけっこうですが、この法律が施行された時点においてすでに退職をした人々は非常な不利を見るわけでございます。そういう退職者に対しての遡及効を考える道があるのかないのか、御答弁を願いたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 御承知のとおりに、現に前に行ってまだおる人については、これを助けることにいたしましたけれども、これをさかのぼって非常に古い時代に行かれた人ということになりますと、事実上の扱い方の点にもなかなかむずかしいところがありますし、また多くのこういう制度としては、せめていま足をかけておる人という辺のところで打ち切ればまずまずではないかという気持ち、ほんとうはおっしゃるような気持ちでわれわれも検討いたしましたけれども、そこまではちょっとむずかしかろうというのが率直なところでございます。
○受田委員 長官並びに総裁、非常に苦心の作品と思いますけれども、そうした現時点で退職をしたばかりの人もあるわけなんです。退職後一年を出ずしてこうした道が開けた、私はちょっと半年前にやめたためにこの適用をはずれたという人も何人かおられると思う。そういうものは、ちょうど恩給法の改正と同じように、過去においてやめた人で、現に生存している人に対しては、何かの方法で救済措置をとられるような検討をしていただきたい、よろしゅうございますね。——肯定された場合は、答弁があったものと認めてどんどん進めていきますからね、速記録もそういう肯定がありましたというふうに……。
○山中国務大臣 ただの肯定ではございませんので、これは恩給法の場合の救済と少しく異にいたしまして、国家権力ないしは雇用者の、命令権者の立場で強制したものではないのでありまして、本人の承諾を最終的に得る、よく相談をし合って、その前の条件のもとによろしいということで行ってもらって、たまたまその任期が切れたために、この新しい法律の——それらの人々にもやはり親心を示そう、安心してこれからも行ってもらう、行っている人にも安心してもらうという時点が、この法律が通過してから後の時点になるわけでありますから、本人の意に反したものではございませんので、この点は、沈黙は直ちにそうするというふうに了解をするというのでは、私も責任を持たなければなりませんので、人事院総裁ともども、それらの人々のあり方についてどうするかの点については、知らぬ、打ち切るとは申しませんが、少しく恩給とは異にするという点は御理解を願っておきたいと思います。
○受田委員 そういうことで検討する含みで肯定したというふうに私は了解しておったわけです。 そこでもう一つ、在外公館に勤務する外務公務員があるわけです。各省からそれぞれ出て、外交官として勤務している書記官、理事官等がある。こういう方々はそれぞれ在勤俸——いまは在勤俸と名前がかわりましたし、沖繩の場合は在外手当というものが出ておる。これは沖繩にも適用することになっておるようです。そういう問題は、日本の在外公館の外務公務員としてちゃんと法律的に擁護されておる規定がある。と同時に、同じ国で勤務するのであるが、別の角度から、国際機関、外国政府その他のいろいろな公的機関に勤務しておる。同じ外国におって、同じ国家公務員であって、外務公務員になったほうは非常に安定している。それからこちらから行ったほうはちょっと格が下がったような印象を受けて、その国で冷遇されているというような国であると、外務公務員と比べて著しく低い。在勤俸などと比べて、住宅手当等もなくて、向こうのどこかアパートなどへ入っておると思うのですが、そういう格差があり過ぎるようなことがあるとすれば、それぞれの国の実情に応じた処遇が適正であるかどうかによって、いま鬼木委員が指摘されたような、別の角度からの手当あるいは補償措置等も考えていいのではないかと私は思っておるのです。国家公務員という資格でおいでになるのでございますから、そのバランスがある程度とられるべきだ。これは総裁として御答弁いただきたい。
○佐藤(達)政府委員 外務公務員は、申すまでもなく日本の国の仕事を国の職員としてやっておるわけであります。片やこちらのほうは、身分は休職的な身分のつなぎ方はしておりますけれども、現実には向こうの政府にはまり込んで、向こうの職員になっておるという人ですから、その基本的な違いは認めざるを得ません。ただし、われわれのほうとしては、送り出す場合には——われわれの人事院のほうからも国連に行っております。タンザニアにも一人行っております。これらの国では幾らくれるか、向こうの待遇はどうですかということを親元としてはとことんまで見きわめた上でないと、なかなかうかつには出せないということであります。先ほど申し上げましたように、人事院総裁よりたくさん取っておるという者も片ほうにはあるということでございます。現実には、きわめて卑近な形でものごとを見きわめてやっていかなければならない、そういう心がまえでおるわけでございます。
○受田委員 長官、さっきこれらの国連本部等に勤務する人々の数等もちょっと御指摘のようでしたけれども、海外で現実に現時点でこの法律の対象になる人は何人おるのか、それからまた、ちょうど同じような形で、逆に外国から日本の国へ来ておる人が何人あるのか、ちょっとお示し願いたい。各省から出ていると思います。
○栗山政府委員 私から答えさしていただきます。 先生のお話のこちらのほうから出ておる人間、これは先ほど総務長官からお話がございましたが、その点は申し上げられますが、向こうのほうから一体どのくらい来ておるかというお話につきましては、われわれちょっと資料を持っておりませんので、その点はひとつごかんべん願いたいと思います。 そこで、こちらのほうから派遣をしております数につきましては、昭和四十年から四十四年の九月末日までの状況について申し上げます。国連等の機関に百二十二、その他の国際機関に三十、外国政府に三百四十四、外国研究機関等に百五十五というふうなことでございまして、総計が六百五十一人。この内訳は、出張、休職、退職、すでに行きましてやめた、それから休職になっていながら途中から採用になったというような混合のケース、いろいろございます。それを今度派遣ということでお願いいたしたいというようなことでこの法律を出したような次第でございます。
○受田委員 外国からいま日本へ来ておるような立場の方々、これはやはりその国と何かの形で提携しておる国でございますから、向こうの処遇とこっちの処遇でバランスがとられてきておると思うのです。それがある程度研究ができておらないような政府ではしようがない。こちらは非常に優遇しておるのに向こうは冷遇しておる、こういうような資料を一応——これはあとから御説明でもいいからしていただきたい。つまり、これはこの委員会をはずれて、質疑の時間とは別に、担当者を私のほうに説明によこしてください。こちらは非常に優遇してあげているのに、向こうのほうは非常に冷遇しているというような国があると私は思う。そういう国におる在外公館の公務員、外交官がまた大いに活動して、その国との親善の意味ではバランスをとるようにしなければいかぬ。私はこういう一方の問題があると思うので、そうした公務員の交換ということもきっとやっていると思うので、そういう問題をあとから御説明していただきたい。
○佐藤(達)政府委員 お答えしましょう。 向こうからこっちに来ているというのは、今度の法案で扱っている立場とはちょっと違うわけで、こっちが協力を受ける立場でないものですから、これは協力のために押し出そうというもので、日本のほうが協力を受ける義理は大体ない、そこが根本的に違うわけです。ただ私の知っている範囲では、この法案の対象になっている、外国ではありませんけれども、沖繩ですね。沖繩の政府職員が、これは毎年日本の各政府機関に配属されて、これは研修を主としておりますけれども、来ている。これはみな臨時任用の形でそれぞれの役所の職員として給与をもらってやっているわけであります。そういう面はあるが、いま御注文になりましたようなことは、おそらく種もないだろうという気がいたしますので、あらかじめここで御了承を願っておきたいと思います。
○受田委員 こちらが協力している国と、それからまた逆に、向こうからこっちに研究に来る、いろいろな制度その他を勉強したいという意味で派遣されて来る、こういうような形のものがあると思うのです。日本にそういう意味で来ている国がないということであれば別ですが、それぞれの国から角度を変えて日本へ政府職員として何かの研究に来ているというものが皆無とは私は思わないわけで、これはちょっと検討して、外国から何かの目的で公務員が日本へ派遣されている国がない、日本にはそんなのがないということであれば、ないという結論でけっこうです。
○佐藤(達)政府委員 ちょっとここで簡単にお引き受けできないから、事情だけ申し上げさしていただきたいと思います。 研修とかなんとかいうことになりますと、私がいま非常に例が違うという前提で沖繩の場合を申し上げましたが、それに対応するものは、わがほうの制度として、大学の先生方が研究のためによその国の大学に行って研究している方がある、行政職員でも行っている人がある。しかしこれは全然この法の扱う対象と対応はしない問題であります。そのほうの問題といまお示しの問題は対応しますけれども、今度のこの問題とは応対しないということを御了承願いたい。
○受田委員 そうした対応は別として、外国の政府職員、公務員が日本に来ている場合、たとえば研究のために日本に来ている大学の先生の場合も一つの例ですね。日本としてどのくらい優遇しているのか。その住宅等まで含めて、やはりこれは外交上の儀礼というものがあると思うのです。それをひとつ知らしていただきたい。 それからもう一つ災害補償法の質問ですが、これは一つだけお尋ねします。 学校の先生が、出勤の時間の途中あるいは退庁の時間の途中で事故にあって死亡したとか、傷害を受けたとかいう場合に、これがこの法律の適用からはずれるのかどうかという問題ですが、事実学校教師の場合は、もう出勤のときから、子供たちの通学の状況がりっぱにいっているかどうかを十分監視しながら行かなければならぬ。それから午後は、家庭訪問をやるのに次から次と訪問をしていく。そのときに午後五時以後の訪問は勤務時間からはずれるのか、もう少しだというので六時過ぎになって家庭訪問の途中で交通事故で死亡したということがちょいちょい起こっているが、これは超過勤務と見るか、勤務時間として見るか、時間外として見るかといういろいろな争点があると思うのでございますが、この法律はできるだけ、そうした公務の性格があるならば、勤務時間にとらわれなくいくというようなゆとりを持つようにしなければならぬと思うのです。そうしないと安心して公務に従事することができない。子供の家庭訪問は、本人が学校長から命令を受けたのではないから、それはもうかってにやったんだから公務外だと判断すれば、もうすべておしまいになってくる。教師としての責任を果たすことはできなくなると思います。長官もそうした教育を愛する過去をお持ちだし、そういう意味で、この法律の精神を、そうして真に本人自身が勤務しようという意思で勤務した場合は、これは当然公務とみなしてしかるべきだと私は思うのですが、その精神論をひとつここでお尋ねし、それを規定の中にどう生かすかという問題は別にまた御答弁を願いたいと思います。
○山中国務大臣 教職員の場合の通勤途上、すなわち公務につくため、あるいは公務を終えて帰宅——公務があったためにうちを出たわけですから、またうちに帰るまでの常識上の時間帯というものは、平日の正規の勤務と認められるもの並びに休日——日曜日、祭日等も含めて、公的な勤務としての明瞭な根拠があって出勤途上その他において事故にあわれたもの、これは当然対象になると考えます。ただ超過勤務であるかどうかという問題は、別途いま教特法の別の問題として——今国会では結局話がつかなかったようでありますけれども、しかしやはりこの問題は、大体法的な見解においては、最高裁の判決がないにいたしましても、超勤手当的なものに対して国はいずれ措置をせざるを得ないような背景も進行中であったように見られます。したがって、超勤手当の問題とは別にいたしまして、そのように学校の先生方の特殊な勤務についても、それが公的なものに基づいた行動の途中であったというものであれば、当然対象になるべきものと考えます。
○受田委員 非常に寛大な考え方をお持ちです。そういたしてしかるべきだと思います。 この問題はまた別途質疑応答をさせていただく時間があると思いますので、私、恩給法の残余の質問を一言、二言お尋ねいたします。 この前傷病恩給についての質問を中断したのでございますが、今度増加非公死に対する措置がされておるのですけれども、増加恩給の高い項症の方々も、また増加恩給の低い項症の方々も、一律に死亡後の年金額というものが同率である。増加非公死の場合約十二万円という一律になっておるのでございます。一項症にしても五十万円をこえる年金額をもらっておる。これは恩給局次長でけっこうですが、奥さんがその御主人のために非常な苦労をして介護された、そのために生涯をささげてきた奥さんが御主人に死なれて、もうほかの職場を求めることもできないような立場で、女中さんになったり家政婦さんになったりして余生を送っていくという立場になってしまうのです。そういう非常に症度の高い方の増加非公死の金額については、十分差を認めていいんじゃないかと思うのですが、こういう御処置は直されませんですか。
○中嶋説明員 先生の御質問の御趣旨のあるところは従来から承っておるところでございまして、重項症の方たちがなくなられるまでは相当多額の増加恩給を受けておられる。なくなられますと、遺族の受ける扶助料は、増加恩給を除いた普通恩給の半分にいまの率をかけておるという形になりまして、従来で申しますと昭和十三年来でございますが、やはり恩給の本来の姿は、普通恩給の額に比例いたしましてその半額を遺族に給するというたてまえでおりまして、ずっとそれできたわけでございますが、ただいま先生の御指摘のように、生存中は非常にたくさんの恩給をもらっておった奥さんが、一躍非常に小額の恩給に変わってしまうという心情を顧慮いたしまして、いわゆる普通恩給の半分に若干の倍率をかけましてある程度扶助料を増額するという措置を講じて現在にまいっておるのでございまして、いずれにいたしましても、恩給法のたてまえである、本人の受ける普通恩給に比例して扶助料を給するというたてまえをくずすことは、いまのところ考えられないところでございます。
○受田委員 これは現実の問題として、増加恩給に対する部分が全然配慮されない結果になってくるのですね。そこで非常に症度の高い御主人を長期にわたって、何十年も守り、介護の重責を果たした奥さんが、御主人が死なれた後、がくっとその部分が削られてくるということはあまりにも痛ましい。症度の低い方の場合、奥さんが他に職場を求めながら自活の道を開かれておられた。しかし症度の高い人の奥さんは御主人のために青春を犠牲にして今日まで来た。そうしてささえ来たった一本の柱がこの世を去っていかれた。あとに新しい道を求める道もない。女中や家政婦になる、こういう悲惨な生活になっていく。それを同じ扶助料で、それからの生涯を十二万円程度の扶助料で、月二万円くらいでほうり出すということはあまりにも痛ましい。症度の高い御主人に対する何らかの特別措置というものを——その奥さんの人生は全く悲惨な人生であったが、御主人一本でささえてこられた、国家のためにそういう苦労をされた御主人を守ってこられた、その奥さんに対する何らかの措置を、増加非公死の増額措置をある程度されたこの機会に、多年私が主張しておる問題です、配慮をしていただく道はないか。 長官お聞きとりいただけたとおりでございますが、これは増加非公死の措置は、増加恩給部分のほうが一律に処理されてくるという問題にもぶつかってくるのです。私は実際箱根療養所などで、女中さんになっていく名誉ある傷痍軍人の奥さんを何人も承っておるのですね。この問題はひとつ検討する道はないか、検討するように運んでいただきたい。
○山中国務大臣 心情において全く同感であります。しかしながら同じなくなられた方でも、たとえば先般NHKの「現代の映像」でございましたか、戦艦陸奥の引き揚げが開始されることに伴って、その後遺児を育てて土木業に従事しておられる東北の奥さまが主人公として登場しておられましたけれども、まだどうしても信じられない。あるいはひょっと帰ってくるかもしれないという気持ちに年じゅう取りつかれておるということを言われました。これは何らそういう介護その他の拘束も受けずになくなられたわけですけれども、しかし戦争に夫をささげた未亡人の心情としては、せめて生きておってくれただけでもありがたいという気持ちも反面にはありましょうし、その介護を、せめて残余の命長かれかし、できればともにこの世を去りたいというようなつらい思いをしながらも、反面は生きてくれてよかったということもあるいは存在するかと思います。でありますので、私としても、その介護に苦労されて青春を全く無にし、しかもその介護のために収入の道を閉ざされた人々、これが御主人を失ったために増加恩給をもらっていた分がごっそりと普通恩給のみの基礎による計算に落ちてしまうということは、心情としてはよくわかります。しかし、夫をいつの時点にどのような失い方をしたかという、それぞれの人々の一人一人の未亡人の立場に立てば、遺族の立場に立って、いずれがほんとうの幸福であったのか、不幸においてもどれがどれだけ不幸の差があったのか、たいへんむずかしいことだと思います。冷酷とは決して受け取らないようにしていただきたいと思いますが、それらについては、やはり恩給法の定めるところに従う以外いまのところむずかしいのではなかろうかという気持ちがいたすのでございます。
○受田委員 もう一問だけやっておいて、あとに回していただきたいのですが、いま長官御指摘のとおり、なくなられた英霊の場合、公務扶助料は確かに低いです。長期勤務の生存軍人に対して十二万の保障額はこの法律で認められております。それに対して、なくなられた方は、生存軍人の二倍程度、死をもたらされたという意味において公務扶助料を少なくとも二十四万程度一月二万程度にしてほしいというこの要望は、私自身納得いたしつつ、まだそれでも少ないと私たちは思っている。国家の公務に従事されて生命を失った方が十六万そこそこという問題は、生存軍人長期勤務者最低が十二万保障で、それからだんだん上にいっておる。一番下が十二万に保障されておる。それに生命を失った方が十六万という問題、これは長官もお気持ちの上では同感だと思います。公務扶助料の増額に戦闘公務八割分、普通公務二割分、四六・一割、この倍率問題はどこかでまだひとつ根本的に考え直す問題がひそんでおると私は思うのですが、いまの生存軍人十二万の最低保障額と公務扶助料十六万のこの差のわずかであることに対する御見解をひとつ承りたいのです。
○中嶋説明員 この普通恩給と公務扶助料との額全般の結果だけを比較していただくと先生のおっしゃるとおりだと思いますが、御承知のようにこの十二万円というのは、長期在職者であって、つまり相当年限勤務したにもかかわらず恩給金額が月一万円にも足りないような人たちについては、少なくとも月一万円ぐらいは差し上げるのが適当であるという考えからこの制度は出てきたのでありまして、公務扶助料受給者の人たちにつきましては、直ちに、この最低がそこであるべしという観念とは結びつかないと思います。ただ実際問題としては、今回の御審議願っております法律案におきましても、倍率の是正という、法律で公務扶助料の年額の改善には一だんと努力したつもりでございますが、将来の問題といたしましては、必ずしもこの最低保障の額と比較する立場でなくて、別の観点から公務扶助料の年額の改善には努力してまいりたい、かように考えております。
○受田委員 たいへん申しわけありませんが、大出さんに御了解願って、あともう二十分ばかり、本会議あとへ質問を延ばさせてもらいたい。私の質問はちょうど三十分で終わりますので、本会議協力の意味でここで質問を一応中断さしてもらいます。あそこまで通われる時間に四、五分は要るだろうと思いますから。
○天野委員長 本会議散会後委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時五十五分休憩 ————◇————— 午後三時八分開議
○伊能委員長代理 委員長所用のためおくれますので、委員長が出席されるまで、私が委員長の職務を行ないます。 休憩前に引き続き会議を開きます。 国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案及び国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案の両案を議題として、質疑を続行いたします。受田新吉君。
○受田委員 本会議前の質問に引き続きまして、本法案に関連してお尋ねする事項があります。これは、恩給法改正に関連する問題が残っているので、以下数点お尋ねしたいことがあるわけでございます。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕 今度の法改正におきまして、傷病恩給受給者の場合、職務関連罹傷病者の問題の処理、すなわち非公務取り扱いを是正する問題について、政府は一体どういうお考えを持っておられたのか、この問題の処理ができていないのでございますが、いわゆる内地発病、恩給法で特例扶助料に相当する職務関連罹傷病者対策に関する問題は、恩給審議会の答申にもはっきりその処遇を規定しておる問題で、今回また取り残されておるのでございますが、この問題の処理をどうなさろうとしているのか、御答弁を願いたい。
○大屋敷説明員 ただいまの問題は御指摘のとおり、恩給審議会の答申を受けまして、是正すべき項目に入っておるわけでございますが、御承知のように、恩給審議会の答申は二十六項目の多数の問題をかかえておりますので、政府といたしましてはおおむね三年計画でやる、こういうことになっております。したがいまして、先日も長官からお話がございましたように、来年度におきましてはこの問題にケリをつけたいと考えております。
○受田委員 来年度はこの問題に本格的に取り組む、そして処理するという御答弁、この問題に対する一応の熱意を伺っておきます。三年計画の最後へ回されたということでございまして、三年計画は二年でやってもいいわけなんですけれども、この点、来年必ず実行するということでありますので、了承しましょう。 同時に、症状等差調査会の答申に基づく処理について、この最低基準の是正措置、これは外傷による機能障害が除外されていることは指摘申し上げているとおりでございますが、内部疾患の重点処理ということと残されたこの問題に対する最低基準の是正ということ、これは一体どういう形で了承すればよいか、御答弁を願います。
○大屋敷説明員 昨年の法律改正におきまして恩給法の別表を改正いたしまして、いわゆる症状等差を改正したわけでございます。そのときはいわゆる内部疾患に重点を置きまして重度肢体障害を見送りましたが、内部疾患を中心といたしまして是正をいたしたわけでございます。したがいまして、報告書の中でまだ実現されておらない肢体障害関係の問題があるわけでございますが、これらにつきましては他の年金、たとえば労災法だとか国家公務員災害補償法、こういう他の年金制度がございますので、そういうものとの関係を十分考慮いたしまして、今後検討いたしたい、このように考えております。
○受田委員 これは下げるのをやめた、そのかわりあと回しにしたのがあるという御答弁が以前あったわけです。あと回しということと、いまのような他の問題との検討ということとは別だと私は思うのです。ほかの諸政策と検討しながら進めるということとは別だと思うのでございますが、恩給法のたてまえから処理していくべきで、他とのバランスを考えるということになると、終始恩給法は差し繰られる危険がある。一応恩給法のときにも国家保障の原則を確立しながら、その間に他の諸制度をこれへできるだけ接近させるという経過的なやり方をむしろ恩給局としてはおとりになるべきで、他の社会保障との関連を考える前に、基本的な国家保障の原則の確立という点で十分検討すべきものじゃないかと思うのですが、私の意見、お認めになりますか。
○大屋敷説明員 昨年の改正におきまして報告書に盛られておりますすべての問題を取り上げられなかった理由といたしましては、上がるものと下がるもの、これが非常にミックスしておったわけでございます。したがいまして、恩給法としての保障といたしましては上げるものは上げる、ただし、下げるものはこれを下げるというのが既得権の侵害、こういうような観点から一応おおむね上がるべきものと考えられております内部疾患それから重度肢体障害を取り上げたわけでございます。 先生御指摘のように、恩給は他の社会制度部門に関連なしにやってもいいのではないか、こういう御意見でございましたけれども、これは障害の段級といいますか、段階をきめるものでございまして、障害自体を考えますと、やはりほかの年金制度、特に昨年の改正におきまして上げ得られなかった問題につきましては、他の年金制度との関連が非常に多うございますので、一応保留したわけでございます。しかし、これは他の年金制度の関連も考えまして今後十分検討したい、こう考えております。
○受田委員 これは既得権問題にも関係するわけでございまして、すでに得た既得権を侵害しないということ、また既得権の中には期待権も含んでいくというたてまえで、将来一般的に恩給増加がされるときには必ずわれわれもその恩典に浴するであろうという期待を持たれて、従来傷病恩給の受給者は国家の公務に従事した恩典に浴していたわけですね。そういう意味から期待権を侵害されるという意味で引き下げるほうは停止していただいておるわけです。上げるほうだけに協力していただいておる、こういうわけなんです。したがってこの残された外的条件の問題の処理は、当然他とのバランスの問題でなくて、この問題を傷痍軍人の既得権の確保という立場から前進されて決して差しつかえないわけなんで、ちゅうちょなくその問題の処理に当たっていただきたい。副長官、わが意とするところを了とせられるやいなや、御答弁を願いたい。
○湊政府委員 ただいまお話がありましたように、傷病等差の問題については、上がったり下がったりといういろいろ問題のある点を除いて上がる部分について処置をしたわけでございますが、ただいま恩給局のほうから御答弁申し上げましたように、今後私どもとしても、残された問題等々とあわせてひとつ検討してまいりたいと思っております。
○受田委員 こうした具体的な個々の問題は幾つもまだ残っておるのです。たとえば扶養加給の制限の撤廃という問題が一例をつくっているわけなんですが、例の戦傷病者戦没者遺族等援護法の障害年金の扶養家族加給というものには孫が入っている。ところが傷病恩給のほうには孫がはずされておる。また傷病年金の扶養加給の中に戦傷病者の家族が扶養する家族を支給対象とすることがはずされておる。こういう問題等がここに一例として残っておるのですけれども、こうした援護法のほうでは認められてそして傷病恩給のほうでははずされておるという、これは一方は援護政策、一方は国家保障という差があるといえばそれまででございますが、これは何かの形でできるだけバランスをとるという大事な問題が残っているのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。援護法で認めた孫それから款症は傷病恩給のほうは妻だけとなっているが子供を入れる問題、こういう問題等はちょっとした愛情で処理できる問題でございます。御答弁を願いたい。
○大屋敷説明員 恩給法上の遺族の問題でございますが、現在恩給法上は、祖父母、父母、配偶者、子、御指摘のように孫が入っておらないのでございます。これは恩給法が非常に古い制度で、明治の初めにできまして以来、遺族の範囲はそのようになっております。この遺族の問題につきましては、遺族の範囲とともに遺族の順位という非常にむずかしい問題があると思いますが、したがいまして、長い問に一貫してとられてきました制度、そういう遺族の範囲を広げたりその順位をどうしたりするという問題は、今後十分検討するにいたしましても、十分慎重な態度で臨まなければならぬ、こういうように考えております。
○受田委員 厚生省の援護局長さんに御答弁願いたいのですが、この援護法で、私がいま指摘したもの、つまり障害年金の家族加給の対象に孫が、傷病年金の款症者の場合の子供が入っておる。つまり支給対象の中に孫や子供が入っておる。こういう扱い方はどこに精神があったのか、御答弁を願いたいのです。
○武藤政府委員 いま先生の御指摘されたものにつきましては、恩給法と援護法との関係は、おっしゃるとおり若干でこぼこがございます。この問題につきましては恩給局といろいろ調整をとりまして今後解決をいたさなくてはいけない問題だと思いますが、御指摘の点につきましては、やはり手厚く遺族援護をやるという立場で子供の問題について取り扱われておる、かように私どもは承知しております。
○受田委員 総務副長官、恩給局としても、援護法で支給対象にしているのを恩給法で除外することは、私、筋として通らないと思うのです。この問題は、やはりバランスとしては、一方が国家保障という原則であるだけに、むしろよけい考慮すべき問題だと思っているのです。大体そういう方向で検討していただけるのかどうか、副長官から高度の政治発言を希望するということにいたします。
○湊政府委員 先ほどもお話しございましたように、いろいろでこぼこの関係、私も時期少なくして不勉強ではありますけれども、私自身いろいろと気がつく問題点等も多々ございます。それらの問題についても今回の恩給法提案に至る際、それに関連した予算編成等においても私ども筋目をはっきりさしたいという基本線に立って検討してまいったわけでございますので、それら一連のいままでやってまいりました態度を前提にして、私ども十分検討さしていただきたいというふうに思っております。
○受田委員 厚生省せっかくおられるので、恩給法との関連でお尋ねしたいのですが、公務扶助料と遺族年金の差が、今回の増額措置においてもなお最終的に百五十円程度の差が出ている。公務扶助料と遺族年金は全く同質のものとして最低の金額だけは同額に保障してもらいたいと多年要望を続けてきたのですが、公務扶助料と遺族年金の差が、少額ではあってもなお存置されたという理由を御説明願いたいのです。
○武藤政府委員 従来から若干の差がありますのは経過的な理由があるわけでございまして、この点につきましては、私どもとしましては従来から千円単位で端数整理をしているという経緯に基づくもので、やむを得ないというふうに思っております。しかしその差異は年々縮小しておりまして、現行は三百六十一円でございますが、今度の改正では百二十五円ということで、基本的にはでこぼこはほぼ解消しているというふうに考えます。この点は、先ほど申しましたように、千円単位で端数を整理をしてきているのが恩給の公務扶助料と違うわけでございます。この点は御理解いただきたいと思います。
○受田委員 千円単位で端数整理ということになると、昭和三十年の改正時点では、恩給法の公務扶助料と援護法の遺族年金は全く同額であった。これは間違っていたという解釈が成り立つかどうか、御答弁願いたいのです。
○武藤政府委員 三十三年の場合は先生がおっしゃるとおりでございまして、決して間違っていたとは思いません。
○受田委員 昭和三十三年には恩給法の公務扶助料と援護法の遺族年金はそれぞれ三万有余円で全く円単位まで同額であった。その後差をつけてもいいというようなかっこうになって一時拡大し、また縮小してきたわけでございますが、現在において千円単位で整理をする、それで差を認めぬという理由は一体どこにあるのか、私、全く理解に苦しむのでございますが、すきっと同額にしていいじゃありませんか。これは恩給局の立場と援護局の立場は私非常に疑義があるのです。つまり千円を単位に整理しなければならぬから差が出たという援護局長の御答弁にはちょっと私納得できないものがあるのです。これは一緒に合わして、金額をぴしっと一緒にする、千円単位なんという問題は全然抜きにしていいと思うのですが、そのものずばり同額にできませんかどうか。これはちょっと各省超越した発言がほしいんだが、その発言をする資格はどなたがお持ちか、政府側の答弁者を御検討願いたいのです。——この金額をきめるときには各省で連絡会議をしておられると思うのです。恩給局と厚生省との間の連絡会議が必ずあっておると思うのです。そうすると金額を一緒にしようじゃないかという声も必ず出ておる。昭和三十三年は全く円単位まで同額であった。それがなぜ円単位まで同額にできないのか。そういうところは必ず話し合いをしておられるはずなんです。各省がばらばらにしたはずじゃない。御相談されてきめられたと思うのですがね。役所間のなわ張り争いがどこかにまだ残っておるとすればですよ。しかし政府はそういう意思統一をされる機関があるはずなんです。
○大屋敷説明員 ただいまの話でございますが、恩給といたしましては、退職当時の俸給と、それから公務扶助料の場合につきましては一定の倍率、これを用いまして金額を出すわけでございますが、その金額を出す場合に、円までずっと出しておるわけでございます。この考え方が正しいと思っております。
○受田委員 そうすると厚生省も円まできちっと出されて、恩給法できめられた金額をやはり遺族年金でもぴしっと援護法でおきめになっていいと私は思うのです。一体いつごろから千円以下はつけてはならぬというような——昭和三十三年には円がついておったんですからね、いつごろから千円以下はつけられないとなったのか、厚生省の方針の変更された時点がいつであったか、ちょっと私理解に苦しむのですが、何か御説明ができますか。
○武藤政府委員 経過的には三十年において金額が同一であったことがございます。しかしそれ以外は、遺族援護法の関係ではすべて千円単位でやってきた経緯がございます。これが現在でも若干の差があるという結果になっております。
○受田委員 もうこの問題は私触れぬことにいたしましょう。各省とのバランスを十分とれるように省間の検討をしていただきたい。注文をつけておきます。 そこで援護局長さん、この恩給法に関係することでございますし、総務副長官と御一緒でいいのですが、長い間国家のために生命をささげられた方の御遺族、それからそのみたまに対する処遇のあり方として、海外でなくなられた地域に、慰霊碑その他何らかのみたまをまつるおしるしがほしいと、その遺族のみならず国民としても強く願っていると思うんです。私自身は昭和四十一年にモンゴルに旅をいたしまして、そのモンゴルの六千有余の英霊のお墓を、モンゴル赤十字の努力で建てられたのを非常に感謝して、遺族代表と拝みに参ったことがございます。中国大陸、南方諸地域には、幾多のみたまがなおそうした何らかのおしるしを得ないままに御苦労をしておいでなのでありますが、平和が回復して二十五年もたった今日、諸外国では、たとえばフィリピンにおいては、まことにすばらしい米軍の墓地が並んでいる。わが四十七万のみたまたちの眠る場所はちっともない。この大きなアンバランスというものも私たちは忘れることができない。ここにおられる塩谷さんや佐藤さんたちと昨年の秋アメリカを訪問した際にも、この問題も皆さんと御一緒に米首脳部に訴えたことがあるのでございまするが、どうでしょうか、そういうものはもう政治問題ではないのです、人道問題であり人間の精神問題でございまするから、外交交渉と同時に、政府自身の配慮によるところの御努力が実を結ぶ日を何とか早くつくることはできませんか。厚生省並びに総理府からそれぞれ御答弁を願いたいと思います。
○武藤政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、厚生省としましては、昭和二十八年に、まだこれは終戦問もないころでございますが、それぞれ小さな碑を、遺骨収集をやりました際に各地に設置しているわけでございます。しかしその後その碑も手厚く現地の方からされている場合もございますし、行くえがわからなくなった場合もございます。当省としましては、四十二年から計画的に遺骨収集等をいま行なう途中でございます。できますれば、先生の御提案のような海外につきましても、外交ルートを通じましてぜひ考えていきたい、かように実は考えております。たとえば豪州等におきましては、先生御承知のように、カウラ等には先方の国によって現在外務省でつくられました墓地が手厚くまつられている状況でございます。
○受田委員 厚生省の御答弁で、総理府は同様の見解ですか。
○湊政府委員 ただいま厚生省のほうから話がございましたように、私どもも全く同感でございます。厚生省のほうを応援申し上げて、外交ルートを通じてそれぞれ外地の所属の諸国の御理解をいただくように、私どもも一緒に相談しながらやってまいりたいと思っております。
○受田委員 厚生省援護局長さん、もう一つあなたがせっかくおいでになった機会にお願いしておきたいことがある。援護局としていままで非常に御配慮を願って、日本近海に眠る沈船の英霊、その問題は陸奥引き揚げがすでに深田サルベージによって確定的に進行されることになったということで、第一段階の、国民の胸がすっとする問題に発展しておるわけです。この陸奥というのは、私の郷里に悲しみを二十六年間海中に包蔵した歴史があるわけでございますが、この陸奥引き揚げに対する進行状況は、英霊を損壊しない、みたまを、遺体を損壊しないという配慮を徹底的にはかりながらやるというかたいお約束ができておると私は思うのです。これをわれわれは多年要望してきた。くず鉄の処理というよりは、遺体の尊厳を傷つけないというところに重点を置けという私たちの願いをお約束の上でりっぱにとっておられるかどうか、これもひとつはっきりさしていただきたい。 同時に、日本近海の沈船に眠る英霊がたくさんおられる。そのあとに続く沈船引き揚げ、遺体の引き揚げという計画が進められておるかどうか、そこまで御答弁願いたい。非常に短く御答弁願ってけっこうです。
○武藤政府委員 陸奥の問題でございますが、これは三月に大蔵省のほうと深田サルベージとの間で売買契約がきまったようでございますが、この中に遺体の収容につきまして十分尊重するような一項が入っております。それに基づきまして当省と深田サルベージとの間で、先生がいま御指摘になりました趣旨に沿って覚え書きを交換いたしまして、今後五年間で行なわれます引き揚げの問題につきまして、特に遺体の収容につきましては十分尊重した形で行なわれるという方針で現在進んでおります。 それから第二の、日本近海の沈没艦船の問題でございますが、約八百隻ほどの艦船が沈んでおりますが、近海でまだ引き揚げられていないものは四百六十九隻あります。このうち現在水深五十メートル前後にありますものは陸奥一隻でございまして、他はそれよりも深いところに沈んでおりまして、技術的にむずかしい問題ばかりでございます。もちろんこの八百四十のうち、その引き揚げ未済のもの四百六十九を除きまして三百七十一は引き揚げたわけでございますが、そういう状況で陸奥だけが引き揚げ可能なことで残っておる唯一の艦船であります。
○受田委員 援護局長さん、いま一つ、私前々からたびたびお尋ねしておるのですが、傷病者が項症の度に応じて戦傷病者特別援護法によって国鉄無賃乗車証が交付されております。本人に対するこの交付の枚数を、奥さんと御一緒に行動するというときに、御本人に割り当てられた枚数を共用できる制度にすべきだ、あるいは症状の度の重い人にかわって、神に全快を祈りに行くためにその奥さんが代参するとか、一緒に行動できない、そういう人の奥さまに使用を認めていくとか——交付枚数をふやせとは言いません。もらう権利があるものを妻とともに共用できる制度を何とかできないかと要求しておるのですが、これは非常にうるわしい国家の愛情だと思うのです。傷病軍人に奥さんが介添えしながら国鉄の特別の恩典のある乗車証を持って行動できる、こういう道を開くことができないか、特援法の具体的措置としてお尋ねしたい。 なお、将校以上には目症度の人には、手帳はあってもそれに対する恩典がいまないわけでございますが、将校と准士官以下の差別をつけてあるこの問題の処理等とあわせて御答弁を願いたい。それであなたに対するお尋ねを終わらせていただきたいと思います。
○武藤政府委員 現在戦傷病者の方々につきましては、御本人に対します援護ということでこの制度があるわけでございまして、ただ重症の方につきましては介添えの方にも無賃乗車の扱いをしているわけでございます。したがいまして、このたてまえとしてそういうことでございますので、妻の方が単独にあるいは身がわりとして旅行するという場合につきましては、ちょっとただいまのところ困難ではないかと思いますが、せっかくの先生の御提案でございますので、なお今後とも慎重に検討いたしたい、かように考えます。 それから、将校についての問題は、やはりいま申しましたように国家が年金その他の給付いたしております方についての無賃乗車の制度というたてまえになっておりますので、現行法ではそうなっておりますが、あわせてそういう問題も今後の研究課題としたい、このように考えております。
○受田委員 厚生省は非常に前向きで、いままで未処遇の問題等を毎年熱心に取り組んで今回も大幅な改正措置をしておられるわけです。この点、人間を大事にするという立場のお役所としてまことに感謝しておりますが、なお残余の問題について一そう積極的にお取り組みを願いたい。 最後に一つ、これは全体の問題として人事院総裁を含む御答弁を願いたいことがあります。 総裁、国家公務員法第百八条に「意見の申出」として退職年金制度に関する権限が人事院に付与されており、その第百七条に退職年金制度に対する道の具体的な構想がはかられなければならないことが規定されておるのですが、これは人事院がタッチするのにしては、従来ただ一回ほど意見を申し出られただけで、その他は全然沈黙しておられるわけでございますが、この問題についてのみサイレントヒーローたるの地位を総裁はお持ちになっておられるようです。他は実にすばらしいスピーカーをなさっておると思うのだが、これはどうしたことか、その関係を明確にお示し願いたい。
○佐藤(達)政府委員 まことにおっしゃるとおりなんで、この規定によって意見の申し出をしたのは、おそらく御承知でありましょうが、昭和二十八年に膨大なる、まことにりっぱだと私は思うのでありますが、公務員の退職年金に関する法案というのを提案申し上げた。これはそのままの形では実を結ばずに、いまの共済組合の関係に移ってしまったということがあります。その後は、この意見の申し出をやったことがないということも事実であります。ただしかし、たとえば給与問題あるいはきょう御審議いただいておる災害補償問題というようなことに比べますと、恩給なりあるいは共済の制度というものは、何も人事院が第一人者をもって必ず任ずべきことでもない。他に、たとえば恩給局というりっぱなお役所がおありですし、あるいは審議会まで堂々たる審議会が設けられておる。そこへ割り込んでまでわれわれが出ていかなければならぬことかどうかということは、これは冷静な客観情勢として御認識いただけると思います。したがいまして、私どもとしては、何もなまけておったわけではない、この条文のあることは十分心得ております。たびたび伺っておるように、今度の附帯決議にもなっております、たとえば現職の給与に見合うようにすべきではないかということも慎重に検討は続けております。しかし事実はやはりそういう環境からきておる。給与問題あたりとはちょっと違ったまた仕組みになっておるというふうに私は率直に申し上げてよろしいと思います。
○受田委員 そうすると、この規定は人事院としては宿借り程度で、おもやには恩給局が住んでいるから、ちょいとそこへ寄って気がついたら意見を言おう、普通はあまり意見を言わぬでもいいんだという程度のものであると理解していいですね。
○佐藤(達)政府委員 何もしておらぬじゃないかというおしかりを含んでおられると拝聴いたしましたから、弁明を申し上げたのであって、率直に申し上げれば、いままで意見を申し上げなかったというのが事実です。そこまでお答えすればいいのです。
○受田委員 総裁にこの規定の精神がどうあるかをちょっとお聞きしたいのです、これはあなたの御所管の事項でございますので。「退職年金制度」、百七条の第二項に「前項の年金制度は、退職又は死亡の時の条件を考慮して、本人及びその退職又は死亡の当時直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。」とある。「その後における適当な生活の維持」というこのことばは、その後における社会生活において適当ということは、それぞれかつて持っておった地位等もしんしゃくした意味の適当なということを含むかどうか。たとえば元人事院総裁が十年後に古い昔のままで引き上げられない恩給をもらわれて、そのときの現職の人事院総裁の給料に比較してあまりにも低い年金を十年、二十年ぐらい後にもらっておる。そういうときに、かつて人事院総裁であったという、佐藤先生の場合は特に法制局長官以来、もう名門、公務員の父と仰がれる人であるから、そういう先生が哀れなことにはならぬと思いますが、実際情勢がどうなるか。非常に低い年金をもらっておられるとするならば「適当な」ということばにならぬと思うのですが、やはりかつての地位等も含むという「適当な」ことが入るものかどうか、それを含めて御答弁を願いたいのです。
○佐藤(達)政府委員 私の例をお引きになりますと、私としてはそのとおりで、かつての地位においてと申し上げたいのですけれども、しかし冷ややかにこの条文を見ますと、そこまでの趣旨がこの条文に入っておるかどうか。これは急な御質問でございますから直感的にお答え申し上げますけれども、かつての地位にそれほどこれが引きずられた条文であるか、もっと客観的に市民としてのというふうな趣旨ではないかという見方もできます。その中間くらいのところじゃないかという気もいたします。
○受田委員 そうしますと、総裁の御意思の中では、かつての地位を全然抹殺していらっしゃらないのです。そうすると、恩給局次長のこの間の説明によった三要件の中で、職務給的な要素というものは全然考慮してないというけれども、これはやはりそういうものも含める意味に私は解釈すべきだと思うのです。かれこれ議論を積み重ねてもしかたがありませんので、私はここで、せっかく人事院にこの権限があり、そして「その後における適当な生活」ということは、その社会情勢に文化性をある程度織り込みながらいけるという生活の態様であって、決して物価だけで判断すべきものでないという発言が一応総裁のおことばの中にあると私は理解していいと思う。法律の精神そのものは公務員給与を基準とするという解釈でいい、そしてその他の生活水準、物価等は副次的なものであるというこの間附帯決議がついてきておるわけでございますので、総理府総務副長官、この今後のスライド制を実施するにあたって、やはり公務員の給与というもの、すなわち退職時の時点における条件を考慮するという精神からいっても、「その後における適当な生活の維持を図る」という意味をほんとうにまともに受け取ろうとするならば、やはり現職の公務員の給与を基準にして退職者の給与がきまるのが私は本筋だと思うのです。これは副長官も本委員会がそういう附帯決議を超党派でつけた精神を御理解いただいておると思うのですが、公務員給与を基準というこの附帯決議はまことにりっぱな精神だという立場で今後スライド制を——「速かに」という附帯決議がついておるのですが、すみやかにこれをスライド制化していく、あるいは制度化をすみやかにということば、来年あたりからこの制度化を考えていかれるようになるのか、一応経過措置を含んだ積み残しをこのたび処理して、来年の一月から残りの積み残しも処理しようとされる、宣言されておるのですが、制度化は公務員給与を基準としたスライド的なものであるという観点に立ってこれを制度化をはかっていく。そのスライドのあり方には多少の凹凸はあろうけれども、公務員給与を基準にするという意味の制度化という附帯決議の精神をいつごろから生かそうとされるのか。これをお答えいただければ、私は何をか言わんやという意味で質問を終わらしていただきたい。総務副長官の長官にかわる御答弁は一世を風靡するものであってほしいと思います。それで質問を終わらしていただきます。
○湊政府委員 ただいまのお話でありますが、御承知のように、恩給審議会の答申の中において、第一義的な一つのものさしとして、物価の問題が出ており、それとあわせて、かつて公務員であったという点を考慮の上、公務員の給与等も勘案し、同時に生活水準ということなんでございますけれども、端的に申しまして、かりにおっしゃるような意味で制度化をするときに、その中のどれをポイントにしてやったらいいかということについては、諸外国の例等もいろいろ検討さしておるわけでありますが、さしあたり、恩給審議会の答申にポイントを置いて、物価、同時に最近の公務員給与の実態に照らして、これは当然考えていくべきであろうというので、今度の改正に踏み切ったわけでございます。これを全く固定基準的なものに、硬直化したものにしていくことがいいのか悪いのか、そこら辺についてはなお検討の余地もあるだろうと思いますが、附帯決議のお話もございましたし、それらの状況を十分考えながら検討さしていただきたいというふうに思っております。
○受田委員 ちょっとお話がおかしくなっているのですがね。いま私がお尋ねしているのは、これからの問題をどうするかをお尋ねしておるので、過去のことをお尋ねしておるのではないのです。この時点から先のことをいまお尋ねしておるのでございまして、国会の附帯決議の精神を尊重して、また法律の精神を尊重していけば、公務員給与というのが基準である、消費者物価というものは、最近の非常に情勢の変化のあるときなどは、せめて最低消費者物価だけは確保しようという意味のものであるというこの間からの論議で一応解決済みなんです。したがって、いま副長官のおっしゃった、これからの問題は、当委員会の附帯決議の精神を尊重して、いま本会議でも通っておる公務員給与を基準にして、そしてその制度化をはかるという、このわが当委員会の精神を生かすという形でどう進めていくかをいまお尋ねしておるのです。その当委員会の附帯決議の趣旨を生かして制度化、恩給局のほうはどうですか、室長さんのほうはどうですか、いつごろ具体的に作業にかかろうとされておるのか、これをちょっとお伺いいたします。
○大屋敷説明員 その制度化の問題でございますが、これは法令化というような意味に解しますと、先日来長官が言われておりますように、いろいろ他の公的年金制度もございますので、一挙にこれを法令化するという段階にはまだ検討しなければならぬと考えております。しかしながら、この実効性を確保するという意味から、公務員の全部ではございませんが、これも先日申し上げましたように、公務員のおおむね八割程度の改善をことしやっておるわけでございますから、それは一つのルールに乗ったというような形で、今後の増額についても考えていきたい、こういうぐあいに長官もおっしゃっておられます。
○受田委員 委員長、もう私も終わろうと思っておったら話がこじれたようになったんですが、いずれにしても私は質問を終わりますが、国家に有形、無形の奉仕をする公務員は、退職後において、自分たちが退職の時点の給与を基準にして、その後もまた適当な生活ができることを期待して職務に精励しておるわけですから、私企業等にも関与せず、つまりぶざまなかっこうのできない、ほんとうに国民全体の奉仕者らしい非常に質素な生活をして国家に奉仕しておる。したがって退職した先輩が哀れな姿では、これは現職者に希望を失わせる、ノーホープになってしまうという意味で、希望を抱かせる意味にも、先輩が優遇されておる、きわめて優遇されなくてもいい、適当な生活が営める程度に優遇されておるということは、現職者の一つの希望なんですね。また退職者が過去にそういう有形無形の国家への奉仕、私企業に参加しない、私利私欲を捨てて奉仕したことに対する誇りを感じたその後の生活という意味から、退職者もまた希望を持つわけです。現職者と退職者が一貫して国家へ有形無形の奉仕をする、私利私欲を捨てて崇高な一生を終わるということになったときに、どんなに国家の繁栄ができるかおわかりいただけると思うのです。国家繁栄の基礎は、その国民全体の奉仕者が現職から退職時にわたってずっと一貫して清らかな生活、まじめな生活、そして国民に信頼される生活を貫くことにあると思うのです。そういうところを国家が配慮して現職者の優遇をはかるとともに、現職者の給与を基準にした形で退職者を擁護するというこの一貫した国家政策というのは、ほんとうに私は国家の基本の政策だと思うのです。このことを最後に、総務副長官、あなたもほんとうに清らかな人でございますので、清らかなお気持ちでお答え願いたい。きょう長官がおいでぬから、あなたはここでは答弁する最高責任者でいらっしゃる。副大臣として御答弁を願いたい。
○湊政府委員 ただいま熱誠あふれる御質問をいただいて、私自身もかつて公務員であった経験を持つ一人でございますので、当然先ほど申しました恩給法にいうところの基準、それについては三つあるわけで、この三つの取り扱いを具体的にどうするかというのがおっしゃられる制度化の意味であろうと思っております。それを直ちに法令の形で実現するかどうか、こういう点になるとなお検討しなければいかぬ点はあるわけでございます。しかし先ほども附帯決議についてお話がございましたように、公務員の給与そのもの、これも当然考えるべき有力な基準の一つであるというふうに考えておりますし、そういう意味で、ことしの改正法もそういうものをルールに近づけるために相当な前進であったと私どもも思っております。で、先ほど恩給局のほうでもレールに乗ったと理解している、私も全くそういうふうに考えておりますので、今後ひとつ十分そういう趣旨で検討をさしていただきたいというふうに思います。
○受田委員 副長官、この間山中長官は附帯決議にどういう答弁をしたのか、山中長官の答弁はどういう答弁だったですか、どなたか御記憶はないですか。附帯決議の精神を尊重すると言われたかどうか。
○大屋敷説明員 その趣旨を十分尊重する、こういうぐあいに言われております。
○受田委員 それでは副長官、趣旨を尊重するということであれば、公務員給与を基準にしてその他の問題を適当に考慮するという趣旨を尊重すると言われたわけなんですね。だからその点は、本委員会の附帯決議を十分生かしてその制度化をはかってもらいたいという当委員会の決議を十分尊重してこれから進めますということを御答弁いただけば、私はもうすぐ引き下がるのでございますから、最後にもう一度長官が言われたとおりをここで言うていただけば私は終わります。
○湊政府委員 当委員会の決議の御趣旨を十分尊重してひとつ善処したいと思います。
○受田委員 終わります。
○天野委員長 大出俊君。
○大出委員 災害補償法それ自体の問題また国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案に対する問題等、いろいろ問題がございますが、さらに、これは制度問題でございますから関連をして、最近、人事院総裁がおっしゃったのか給与局長あたりからものを言ったのかわかりませんが、妙なものも含めて幾つかの新聞記事が出ておりますから、そこらのところも含めてひとつ承りたいわけでございます。 法律がございますから、とりあえず災害補償法に関する幾つかの点について承ってまいります。 これは実は数年前に改正案が出ましたときに、私、ずいぶん時間をかけて質問いたしております。特にあのときは職業病ということでの頸肩腕症候群等の問題などもあって、早く認定すべきものである、どうもいうならばお役所仕事流におくれてしまうという例が幾つかありましたから、そこらを含めまして、この法律ができた由来にさかのぼって実はだいぶ論議いたしましたので、きょうは時間もだいぶおそいようでございますから、ずばずば論点だけを申し上げますのでお答えをいただきたいと思うわけであります。 理屈を言うと長くなりますが、大体こんなふうに改正してもらいたいという私どもの考え方がございます。 まず第一条について申し上げますと、業務上の認定という問題がまずあるわけであります。これについては、職場で起きたすべての事故、あるいは仕事が原因で起こったすべての事故、また通勤途上のすべての事故、これを公務災害とする、そして広くその権利を保障する、こういうたてまえが必要である。そして職業病については範囲を拡大していただいて、たとえ医学上の判断があとになって出たという関係になった場合でも、法適用は先に行なうべきである。これは数年前、私があれだけ長い時間かけました頸肩腕症候群等の職業病認定の問題などでも、労災の分野がとかく先になって、国家公務員災害補償法があとになるということでも困るわけです。あれだけ長い論争をして、結果的に、書痙なんかの場合もそうでありますけれども、医学上認定などがおくれるために適用されずにしまう、世論に押されてようやく適用するようになる、これがずっと続いているわけでありますから、その間どうしても不利な状態に置かれっぱなしになる。これではいけない、こう考えるわけでありまして、そこらのところを考える必要があるのではないか。また有害な労働条件によって労働者の健康がそこなわれた場合、労働条件がそうなんですから、これは職業病とみなして補償措置を講ずる必要があろう、こう考えるわけであります。これが第一条に関連する考え方でございます。 それから第四条でございますが、時間がありませんから、後に給与等の人事院勧告をめぐる問題について少し突っ込んでまいるので、こちらのほう時間を省略いたしましてずっと並べて申し上げますから、一指御回答いただきたい。平均給与の算定という問題。これは事故発生の前後に支給されるべき一時金、年度末あるいは夏季、年末手当、これを含めて行なうという方針をおとりいただきたい。六カ月ごとを基準として通常支払われるべき一時金を加えて給付基礎日額を算定すること。これが第四条であります。 第十二条の休業補償、これは稼働日数程度を補償すべきであるから、百分の百とすべきである。 それから第十三条、一級から七級までを年金と一時金の併給ということにしていただいて、八級から十四級までを一時金とする、こういうたてまえをおとりいただきたい。それから補償額は、一級を四千日分の一時金、三百六十五日分の年金を支給すること、以下各級もこれに準じた補償措置をとること、こういう考え方であります。それから、一級から三級の障害については新たに介護給付を設けて、年金の五〇%とする。障害等級が二以上にわたる場合は該当等級の併給給付とすること、したがって、障害等級表については抜本的に改正が必要になる、こういう考え方であります。 第十六条でありますが、現行の遺族の制限を撤廃して、受給資格を生計維持関係に拡大をすること。 第十七条の六、ここで遺族補償は年金と一時金の併給とし、一時金は、最低を平均の三千日分、ただし三千日分が五百万円を下回るときは五百万円とする、こういうように下限をひとつはっきりさせておきたいという考え方がございます。年金は、平均給与の五〇%を基本として、加算額を一人につき一〇%とし、最高限度額を一〇〇%とすること、こういう考え方であります。 それから、先ほどちょっと出たように思いましたが、年金に限らずこの補償の額ということになりますが、これはさっきの恩給との関係も出てまいります、公的年金全体との関係もありますけれども、スライド制を制度として明確にする。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕 いまのスライドというのが十七条の十になると思いますが、十八条、葬祭補償額、これを二十万円とする。 それから二十四条でございます。人事院が行なう不服審査でございますが、ここに労働者側の代表を加える。 その他で、公務傷病で休職の取り扱いを受ける場合がございますが、当該休職期間をどう見るか、つまり退職手当算定期間に加える、こういう立場をとるべきである。 もちろんこれからのことについては当然法改正なり人事院規則の改正という問題が出てまいりますが、きわめて簡単に申し上げますと以上のような点について検討を加える。もちろん一ぺんにこれ全体ができるとは思っておりませんけれども、こういうふうな形での前進をはかるべきではないかという考え方。つまり真の国家公務員災害補償法であるならば、ここで繰り返すと長くなりますが、この国家公務員災害補償法をつくるときのいろいろな法制化に至る過程の——かつて何年か前に私こまかい質問をいたしましたときにお答えいただきましたし、意見もずいぶん申し上げました。これは議事録に長々と載っておりますから繰り返しませんけれども、私がかつてるる申し上げました趣旨からすると、こう考えるべきじゃないか、もちろん経済的な事情なり予算の問題等の制約その他があることもわかりますが、しかしこちらの方向に向かって進めていく必要がある、実はこう思うわけでありまして、労災その他の関係では、ILO条約の批准というような問題を考えながら改正していこうというふうに動いておるわけであります。ほかがすでに通ってしまっておりますので、できる限り時間を節約したいと思ってずらずらと並べたわけであります。一括御答弁をいただきたい、こう思うのです。
○佐藤(達)政府委員 公務員にとって有利な方向でという基本的なお考えでございまして、その点全く私どもの立場と同じだと思っております。まあたくさんおあげになりましたけれども、その二、三についてお答えさせていただきますが、たとえば業務上の認定の立場について職場で云々というおことばがございました。これはたしか運用の基準か何かでわがほうで公表しているものの中で、職場で執務時間中に起こったものは一応公務という前提でやれというような心がまえがちゃんと書いてありますが、その方向でいまやっております。ただ通勤途上の問題は先ほどもちょっと出ましたけれども、これは御承知のように労働省でもいま研究しておりますし、ILOの条約との関係もございますし、これも前向きにいくべきでありましょうが、われわれとしては御承知のようにこれは相当前進のかまえで打ち出しておるということは申し上げてよろしいかと思います。 それから、職業病の問題は世論に押されたとおっしゃいましたけれども、わがほうは十分慎重に検討いたしました結果やったことでございますので、あの意気込みで今後もまいりたい。ただその他の点は、これはもう御承知のとおりに労災関係と何か給付のほうまで均衡をとれというような条文がございまして、労災のほうが公務員の災害のほうに均衡をとれというなら、これは非常にぐあいがいいのですけれども、話がちょっとわれわれからいいますと逆になっているものですから、あまり度はずれて労災を離れて独走するわけにもいかぬし、じわじわと、あれは最低基準だという気持ちでもって具体的にも臨んでおるということを申し上げておきます。 それから、不服審査に労働代表というようなおことばがありましたが、これはいわばわれわれを信用していただいておらぬということになるわけで、これは信頼していただきたい。われわれは中立機関としてあらゆる面から公正に慎重にやっておりますということで一応御了解願います。
○大出委員 私も枝葉に及ぶようなことでここで論議する気は毛頭ないわけでございますが、最後のお答えにはいろいろ例がありましてね。たとえば川島さんが行政管理庁長官のときに例の臨時行政調査会をつくったわけですが、あのときも総評議長をやっておりました太田を入れろといういろいろ議論がありまして、信用の度合いということがすぐにいろいろな面で出てまいります。この不服審査その他、何も人事院関係だけでなくて各般に及んでいるわけでございますが、港湾関係でもたくさんあります。私は、実は労働者側を入れるということが、問題の理解を深めて、妙な争いにならずにものごとがまとまっていく、そういう非常に現実的な方法なんだというふうに最近考えるようになったのです。だからあまりそのところを信用の問題にしてしまわないで、やはり問題を——こちら側の代表が入っているということは、やはりその人は内に向かってものを言うのですから、そうするとどうしてもそれなりの認識をお互い深めることになる。そういう意味で、できることならそういうやり方が今後必要なんじゃないかという気持ちがあって申し上げているのです。決して信用していないいるとかいう観点で申し上げているのじゃないわけでございまして、実は先般もこの委員会で運輸大臣に申し上げたんですけれども、港湾審議会というのがございまして、三部会でやっている。そこで運送部会をやめてしまう。その場合に今度は運輸政策審議会というものをつくる。その中にやはり働く側の代表者を入れるべきだという議論を実はしたのですが、やはりそこのところで似たような論議があるのです。そういう観点で申し上げておきたいということで言っただけでございますから、いまここで論議してもいたし方ないところでございますから、それだけつけ加えさせていただきたいと思います。 それからあと、先ほど妙なものがあると、こう言ったのでございますが、私が総裁に御質問申し上げるのも一ぺんや二回じゃないわけでございますから、なぜ妙なことがあると言ったかという点も質問の中で明らかにしていきたいと思うのであります。順番からいきますと、やはり人事院の勧告という問題が出てくるわけですが、その前に、あとで忘れるといけませんからひとつ申し上げておきますが、二つ出ております法案のあとのほうの問題にさっき触れましたが、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇の問題、国会図書館その他で国会職員の関係の方が何人か外国へということがある。ところがこれが入っていないということでございますから、裁判所はいいそうでございますけれども、そこらをなぜ入れないかということ、できればこれは入れるべきである、こう思いますから、簡単でけっこうでございますが、その理由だけちょっとお話をいただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 申すまでもありませんが、私どもの立場に一般職公務員ということで所管できまっておりますから、われわれとしてはそれを中心に意見書をお出しいたします。しかしその間の進行状況あるいは内容等は、関係のいま御指摘の方面にも知り得る状態において進めたつもりでございます。それ以上のことはわれわれとしては関知する外だと思います。
○大出委員 せめてそのくらいのことは言っておいていただきたいと思って申し上げたので、そう言っておいていただければ附帯決議等の用意もあるようでございますから進んでいくだろうと思いますので……。 最近の新聞に幾つか、人事院の最近の作業状態の中から出てきた問題だと思いますけれども、記事がございます。そこで順番に承ってまいりたいのでございますけれども、佐藤人事院総裁は八月という時点で勧告を出す予定だと言っておられる、こう書いてありますが、勧告の時期についてはやはり八月の中旬、こういうめどでよろしゅうございますか。
○佐藤(達)政府委員 まずその辺で考えております。
○大出委員 ところでこの連休明けから全国の企業、事業所のうち五十人以上のものについて計七千百五十カ所、五十二万人を無作為で選び出し、公務員給与との格差を知るため作業を開始した、こういうことなんですが、一つは四月現在の一般職、特別職給与の支給額、二つ目は地域差関連手当、役職手当、住宅施設状況、それから春の賃上げ状況について実態調査を始める、こういうふうになっておりますけれども、ここらのところをもうちょっと突っ込んで、ことしは一体どんな方針でどの辺を重点としてどのくらいの幅でおやりになるおつもりなのか承りたい。
○佐藤(達)政府委員 私どもは別にあらかじめ次の勧告の重点ということをはっきり意識して調査をやっておるわけではございませんので、調査漏れの事項について勧告の中に盛り込んだという例もございますし、調査をして盛り込まなかったという例もございますので、したがって調査そのものはあまり従来と変わった形には例年ともなっておりません。ただ住宅手当の問題、これは毎年、毎年克明にわれわれやっております、その体制は続けていきたいということと、地域差関係は去年違った形でやりましたけれども、いずれまた例の地域給問題もありますので、そのほうのデータを重ねてつくっておきたいというようなことでございまして、あまり自慢話になるようなことは実はやっておりません。
○大出委員 実はこれは閉会中審査という問題も必要になってくると思いますが、そういうことも含めて承りたいのでありますが、六月十五日くらいまでに調査を終える——一つの目途ですね。そして七月末くらいまでに結果を集計して、さっきのお話の八月ごろに勧告するくらいな予定だというふうに考えてよろしゅうございますか。
○尾崎政府委員 ただいま申されましたようなことでやるわけでございます。
○大出委員 そこで、これはこれからのことになるには違いないわけでありますけれども、まず毎年の勧告で重視されておる労働省の毎月勤労統計がございますね。これは数字があるのですからわかると言えばわかるようなことでございますが、人事院の皆さんの口から承りたいのでありますが、ここらが一体どのくらいになるのかということと、四十四年度の全国消費者物価指数、この上昇傾向が過去四年間の最高というふうに見えるのですけれども、ここらのところ、それからことしの春闘の動きからいたしまして、積み残しというのがよく出てまいりますけれども、これは調査諸表の中でどういうふうに扱って調査されようとお考えになっておるのか。賃金台帳に載ってくるのが相当おくれるとすれば、それなりのことをお手当ていただかぬとまずいという気がするのでありますが、そこらを含めてひとつお答えいただきたいのです。
○尾崎政府委員 現在の統計数字でございますけれども、賃金につきましては労働省の毎月勤労統計がございます。これは現在のところ三月までの数字が出ております。私どもは大体例年四月を基準にしてものを考えておりますけれども、昨年の四月を基準にしましてことしの三月のデータを見ますと、全産業が一一・三%上がっております。その点を全く同じ状態で前年の状態を見ますと、八・三%ということで、この数字から見ますと三・〇%高くなっているということはございます。 それから消費者物価につきましては、やはり四月を基準にしておりますけれども、東京につきましての統計局の消費者物価指数が出ております。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕 これは四月について対前年比八・〇%でございます。これは昨年の場合には五・四%ということで若干高目に出ておるという状況でございます。なお、消費者物価指数につきまして、過去の四年間というお話でございますが、四月−四月につきまして、四月の基準につきまして対前年比を申し上げますれば、いま申し上げましたように、本年の場合には八・〇%、昨年の場合には五・四%、その前の年は五・一%、その前の年は三・〇%という形でございます。 それから調査の中身につきましては例年どおりの調査をしておりまして、やはり四月分として支払われました給与を実地に調査をするということでございます。やはりその場合に給与改定がおくれまして、実際に給与の引き上げが行なわれましても、私どもの調査の中に入ってこないといったようなものが若干ございます。そういう点は例年——最近は例年でございますけれども、調査時点におきまして妥結しておれば、その分も別途調べてくるという形でやっておりまして、その関係も従前どおりの方法で調査しているということになっております。
○大出委員 大体ことしはホテル、レストラン等から始まって金属の一部あるいは出版、印刷関係等がずっと早く出てきまして、合繊、化学関係だとか合化労連等非常におくれた関係が一部ありましたが、新居浜あたりで高圧がまた少し早く出たところもあります。あるいは私鉄の妥結は四月三十日という時点ですね。八千九百五十円が出た。その前の造船は九千五百円が出てしまっておりました。が、鉄はもちろんこれより前でございます。公労協なんか一番しんがりで、中小私鉄もそのあとです。そうなると、そのあとのところが四月というワクの中に入っていれば——いまのお話なら調査時点は四月とおっしゃる。そうすると、四月時点で入っていればとなると、四月時点でずれてまとまっているのもことし幾つもある。日通なんかの場合は国鉄を見なければ出てこない性格のところでございます。そういうふうなものは一体どうなるのか。そこらのところいかがですか。
○尾崎政府委員 ただいま申し上げましたように、調査といたしましてはことしも例年と同じように調査をいたしておりまして、四月分の支払い日に支払ったものをこまかく調査している。しかしその場合にきまっていなくても、給与改定が四月に追い払いされるというようなことがあとにきまりました場合には、調査に入りました時点でそれがわかれば調査してまいりまして、それをいわゆるプラスアルファという形にしておるというのが従前の例でございますので、ことしもそういうことでやっておるわけでございますが、私どもの現在見ておりますところでは、いわゆる三公社五現業の調停関係は数日昨年よりはおくれておりますけれども、全般として昨年とあまり違わないんじゃないかという感じを持っておりますので、調査した結果、その結果が出てくるわけでございますけれども、その内容を見守りたいというふうに考えております。
○大出委員 これはもう長く歴史的にやってきたことですから、お互いにしろうとでない限りは、大体春の各組合の賃上げ、各会社の賃金引き上げ、この数字がずらっと並んできますと、積み残しは積み残しといたしましても、おおむねの見当というのはついちゃうと思うのです。そう狂いはない。あとは、尾崎さんがなかなか長年の歴戦の手腕力量をお持ちですから、多少そこのところつじつまが合うような合わぬようなぐあいにお合わせになるわけでございますから、そこで中位数なんかとってやっておるわけでございますから、まことにうまくできていると思うのです。調査諸表を出せといえば総裁がおこるわけです。調査諸表を出してくれといったらかんかんにおこったことがありますから、きょうは出してくれなんということは言いません。先行きどう言うかわかりませんけれども。そこで新聞を見ますと、実質一二%を上回る——一二%は低過ぎると私は思っているんですけれども、一二%を上回ると書いてあるから、まあいいと思っているのです。ことしは昨年に比べて史上最高の賃上げなんですね。どこをながめても、上げ幅がたいてい二千円を越えちゃっているんですね。そうなると、一二%を上回る、あながちうそではない、なかなかいい勘だと思うのです、この新聞記事をお書きになった記者の方は。これはおそらく尾崎さんのところの周辺をいろいろ聞いたり話している過程で、皆さん専門家でございますから、いまこれだけ民間給与その他上がっちゃってはそのくらいになりますなという勘どころがやはりある。尾崎さん、ことしこういう状態では、人事院勧告も調査をこれからおやりになるんだろうけれども、一二%をまん中にしてどうですかという話になって、まあ言ったことはないとおっしゃるけれども、まあまあその辺いいところじゃないかというような話が出たりいろいろする。したがって、この一二%という数字も出たんだと思うのでありますが、やはりそんな感じですな、ことしは。
○尾崎政府委員 最近新聞記者の方と会っておりませんので、そういうことを別に話したことはございませんが、ことしのいわゆる春季改定、いわゆる春闘の高さというのは、昨年に比べて若干高目の数字が出ております。現に三公社五現業関係の調停段階の数字といたしましても、約一二・五%程度のものが出てきているわけでございますけれども、私どもの関係は実際に調査をいたしましてその結果として計算をするという形になっておりますので、いわゆる機械的な計算として出てくるということでございますので、現在の段階でどういうことになるかということは、全く予測がつかないわけでございますけれども、民間の状況がそのまま反映されるという形にはなっておるわけでございます。
○大出委員 さっきここで調整規定論争がありましたが、恩給法の二条ノ二というのを見ると、「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与」とあって、「物価其ノ他」著しい変動があった場合、こうなっております。しかし、ものの順序がありまして、いま尾崎さんの言うことを聞いておるというと、私が一二%を押えて上回ると書いてあるからと言ったら、尾崎さんのことばの中に、最近の公労協の調停段階における数字をながめてみても一二・五%というのが先に出てきた、人事院は具体的調査をいたしますので、民間のものが大体正直に出てくることになっております、こういうことでございますから、総裁、やはり大体一二%を上回ることになるのでありますか。
○佐藤(達)政府委員 公労協なりその他世間で知り得る状態になっているいままでのデータがそのまま信頼できるならば、七千事業所まで一々こつこつ足で歩いて調べる必要は何もない。これはきわめて簡便なことだと思いますが、そこらはまたわれわれの良心の許さないところで、やはりわれわれはわれわれとして責任の持てるデータをひとつ集めて、それに基づいて的確な勧告をしようというのであります。したがって、新聞の予測もいままで狂ったこともございます。そして記事を書いた記者の人が非常に青くなったという例も知っております。これはほんとうに水ものでございまして、選挙の例もたびたび申し上げましたけれども、開票してみなければわからないという考えでわれわれはおるわけでございます。
○大出委員 最近は総裁もなかなか答弁がじょうずになりましてね、しかし給与局長が前に答えておりますから、その上に立って——一ぺん総裁に言っては悪いから給与局長に聞いたのですが、給与局長の答弁が前提になって、あけてみなければわからぬ、こういうのでありますが、大体見当はこの辺になる。そこで、足で歩いて皆さんは何も苦労する必要はないと言うのですけれども、足で歩いた結果が大体民間給与を反映するということがさっきの尾崎さんの答弁でございました。そうでなければおかしいのですね、とんでもない違ったものが出てきたんじゃ、人事院なんて何だ、やめればいいということになってしまうから。その辺で、ことしの勧告は五月実施ができそうでございますから、さて、かつてない民間資金の上昇ぐあいでございまして、それが尾崎さんの言うとおり大体反映をされるということになりますと、人事院さまさまの年になっていいんじゃないかと思っておるのですけれども、どうかそういう意味でひとつ大いにこれから御努力をいただいて——総裁から妙な答弁を引き出そうという気はありませんから、尾崎さんの答弁でけっこうでございますから、ぜひひとつそういうことでお進めいただきたいと思います。総裁、そこで承りたいのですけれども、この中で一番うしろのほうにちょっと妙なものがついている。 佐藤総裁は五十六歳以上の高齢職員については新たに昇給据え置き措置を勧告内容の一つの柱として盛り込むことを明らかにしている。五十六歳からは隔年、六十歳以上完全ストップというのが片方にあるのです。これは、私は総裁とだいぶ前に色をなして論争したので、ここであらためてその論争をむし返す気はありません。しかし、あらためて具体的にどういうふうになさるかという考え方は、かつて尾崎さんの答弁で一、二回ございましたが、総裁がお話しになっているというようになっておりますから、総裁からひとつこの隔年なりあるいは六十歳以上は完全ストップだという考え方の基礎になるものを、もう一ぺんことしの勧告を対象にということでお答えをいただきたいのです。
○佐藤(達)政府委員 私がたびたび記者の諸君に会って常に言っておりますのは、あの高齢者の問題はどうなりましたかということで、これは昨年報告書の中でうたってあるけれども、一般の第一線のほうの人たちにもよく理解をしてもらうためにということでもあるし、こっちはこっちで十分手がたい勉強をした上で合理的な線を考えなければならないので、次の勧告期になるだろうということは申しております。完全ストップとかなんとかいうことは、そういうことは書いてありますか。
○大出委員 はい。
○佐藤(達)政府委員 それはどこから来たのですか。それは出所不明でございまして、こういうことは言っておりません。
○大出委員 まあいいですよ、総裁。それでいいです。
○佐藤(達)政府委員 ですから、これからまた検討しなければいけませんけれども、りっぱなものをひとつ勧告いたしたいという気持ちでおります。
○大出委員 いま総裁は、完全ストップなんということはないと言うので、まずそれだけは承っておきます。 そこで、出所不明の記事にわたって具体的中身をお答えいただいて、これは出所不明であるかないかをひとつ明らかにしたいのでございますが——よろしゅうございますか、御相談は。さっきのように間違って言っちゃいけませんよ。意見一致しましたか。だいじょうぶですな。じゃあ、これはひとつ出所不明であるかどうかを明らかにしていただきたいのですが、まず一つは、部課長クラスを含めて五十六歳以上六十歳未満の高齢職員の昇給は一年おきとする、これはいかがでございますか。
○佐藤(達)政府委員 そういうところまで私は知りませんです。まだこれは給与局でいろんな案を考えておって、そうしてこの辺を中心にして、あまりひどいことにならないようにしようじゃないかというところまでは存じておりますけれども、私もそれは切り抜いてちゃんと張っております。張っておりますけれども、こういうことになっておるということは給与局長にお尋ねいただいたほうがいいので、私どもがまだ検討している段階に入っておりませんから。
○大出委員 それじゃ、給与局長の手元で幾つかの案があるとおっしゃるその幾つかの案の一つである、こういうことですな。そこまでは間違いありませんな。
○尾崎政府委員 いろんな案を考えております。
○大出委員 いろんな案を考えておる限りはこういう案もあるということでございますか。 二番目にひとつ、六十歳以上は昇給を完全にストップし、給与面では民間の嘱託並みの扱いとする、これはいかがでございますか。総裁、これは聞いておりませんか。
○佐藤(達)政府委員 それも知りませんです。
○大出委員 これも幾つかある案の一つですか。
○尾崎政府委員 いろいろ案を考えております。
○大出委員 次に、なかなかこれは手が込んでいるのですよ。なかなか新聞記者の方のセンスだけで書けるものじゃない。ただし、医療職と用務員は一年おき昇給の適用を五十八歳からにする、こういう案もありますか、いかがですか、局長。
○尾崎政府委員 そういうこともいろいろ考えております。
○大出委員 ようやく三回目の答弁で、いままでいろいろ案を考えておりますと言いましたが、そういうこともいろいろ考えておりますとおっしゃった。さっきもそういう答弁であったはずですな。 もう一つここで伺っておきたいのですが、事務次官、本省の局長、外局の長官など指定職も別扱いとせずこれに準じた措置をとる、こういう案も考えておられますか、局長。
○尾崎政府委員 お尋ねとしてはいろいろ考えております。
○大出委員 これはいずれにしても、そういう案もいろいろ考えておる、こういうことですね。そうすると、これは出所不明ではなくて、出所はやはりそこにある。いろいろな案、いろいろあるからといったって、こう書かれれば世の中は大きな騒ぎになるのだから、あまり気を持たしてはいけませんよ。やはりそういう案も考えておりますくらいのことは、総裁もお答えにならなければいけない。
○佐藤(達)政府委員 用務員の人たちの話と医療職の話は何か別に考えなければいけまいということは、国会で申し上げたか何か知りませんが、それは私自身が考えていることですから、これははっきり申し上げたことはあるということは申し上げますが、それからあとは、まだ私どもの検討の段階まで来ておらぬことのようですな、どうもいまのお話では。
○大出委員 医療職の方は別に扱わなければいかぬということは言ったことがあるわけですから、これは総裁ですから、出所は明らかになったわけです。そのほかはまだ総裁のところまできていないということですから、局長のところにあるということで、出所はいずれも明らかになったということであります。それ以上追及はいたしません。 そこで、こういうことになりますと、これは相当に皆さん方のほうで立論の根拠を明らかにされて、これはよほど用意周到におやりいただきませんと、この記事が出ましてから私のところに、それこそもうたくさんの高齢者の方から、これは一体どういうことになっているんだという御相談がある。私は、やはり生活を控えておられる方々だけに相当深刻になっていると思うんですよ、この記事では。ですからそういう意味で、やはりいつまでもあっためておくのではなくて、毎年勧告で一応出しておられるわけでありますから、したがってここに一つの根拠がある、去年の実は高齢者の官民比較の中でこれだけ違う——総裁の立論の趣旨というものは、公務員の皆さんが御損ですよ、高齢者の方々がいまのままおるということは、全体引きならしてみた場合に全体のベースを押えている、だからそれはよくないんだという立論をされた。私は、これは反論しましたが、しかし、そこらのところをもう少しわかりやすくと言いますか、なるほどというところがあるならばあるように、やはり少し皆さんのほうで国民に向かって、あるいは公務員に向かって、親切にこれはやはりやっていだたきませんと——いまの世の中は、ある意味の対話が必要でございますから、その上でなおかつ職場から、高齢者のほうから、あるいは若い方々をも含めて反論があるのだとすれば、これはかみ合った議論での反論ですから、そこはひとつあらためて爼上に乗せるようにして、人事院のほうの意見が理論的に、ある意味では筋が通る面があったにしても、生活というものとからんでくるという面があれば、これは無理だということも出てきますから、そういう意味で、ぜひひとつ御努力をいただきたいと思って、少しどうも立ち入った質問になり過ぎましたけれども聞いたわけでございますから、そこのところをひとつ御答弁いただきたい。
○佐藤(達)政府委員 これは立ち入ってお尋ねいただいてけっこうなことでございまして、いろいろなお気持ちを伺わせていただきたい、そういう気持ちでおるわけでございます。これは、さっき申しましたように、去年の八月の報告書の中に入れまして、それからもう組合の代表の皆さんが、その辺に非常に関心を集中されて、それ以来実にひんぱんに私のところにも、給与局にも来ておられます。特に私どもも、ひざを突き合わせていつもお話しておるわけで、組合の方々の御要望というものも十分わかっておりますし、またわれわれも、そう冷酷むざんな気持ちで臨んでおるわけでもないのです。それから、たとえばベースアップからもはずされる、そういうものでもないのです。それから先ほど触れましたように、行(二)に対しては、これは適当な特例を設けなければならぬし、年齢等についても、十分慎重に考えなければならぬということは、十分わかっていただいておるはずです。それで向こうの公務員の側の方々、ことに組合の代表の方々の御要望は、私どもとしては十分承りながら仕事に臨んでおるわけであります。しかし、ただいまお話にもちょっとありましたように、どういうわけで何歳だとか、どういうわけでこの業種は特例扱いをするのか、これはやはりわがほうとして、お尋ねを受けた場合には合理的なお答えをしなければなりません。したがって、そういうこともかみ合わせて、なかなか慎重な検討を要しておるということでございます。
○大出委員 そうすると、そういう考え方をお持ちだけれども、説得力のある、あるいはだれがながめてもなるほどと思う、そういうやはり検討結果というものは、あわせて出さなければならぬ、したがって総裁のところへ来ているか、来ていないか知りませんけれども、いま、そこまで踏み込んでものを言えない、こういうことなんですね。そう受け取ります。 そこで、もう一つでございますが、かつて、これは四十三年十二月でございますが、四%、八%ということで教職手当の問題が問題になったことがありますが、予算が十六億ばかりで、どうにもこうにもならぬという事態がございました。また該当の先生方のほうも、いろいろ職場で検討をなさっておられるようでございまして、したがって私もあまりここで結論めいたことを申し上げる気持ちはないのでございますけれども、しかし、これまた新聞にある意味の報道が行なわれますと、ここにもやはり問題がいろいろ派生いたします。そこで教員給与の体系を、ある意味では全面的に改定をする、あるいは非常に基本的な問題で改定をする、こういうことに実は理論的に詰めていくとなる。御検討を人事院がなさっているということなんでございますが、とりあえず、これはどういうふうなところから考えておられるのか。別に長い答弁は要りませんけれども、基本となるべき考え方を、まずひとつ御説明いただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 これは十分御承知のとおり、昭和三十九年の報告書で問題を実はわれわれが指摘したわけです。超勤制度がある、しかし片や職務の特殊性に応じて、根本的に考え直す必要があるのではないかということで問題を投げました以上は、われわれとしては、その立場上、その根本問題のほうの追求はずっと続けてきておるので、ぐずぐずしておってどうだというおしかりを受ける筋でもないわけで、制度的に超勤制度というものがあるのですから、おしかりを受ける立場ではございません。しかし、それはそれとして、いま言ったような立場から、基本問題を十分に検討を続けていきたい。しかしその間に、御承知のように、政府案を投げかけたこともあり、今度も、またちょっとした——ちょっとというのは、ある種の動きがあったということも、これは新聞で承知しております。したがって、われわれは常にその検討を進めており、場合によったら、これはやはり人事院の責任において何らかの措置をとらなければならないのじゃないかという気がまえで、これは三十九年以来ずっときており、その延長であって、記事に出ましたのも、別に事あらためて、きょうあすの問題として出たわけではない、三十九年以来の態度であるというふうに御了承願いたいと思います。
○大出委員 ただこれは、そう簡単に総裁済まないことがあるので私は実は取り上げたわけです。と申しますのは、これは静岡教組が提訴をしている経過は御存じだと思いますが、一審、二審、これは教組の言い分が通っているわけですね。最高裁が何がしかの結論を出すことが近い。こういう分析が一面に成り立つ。そうなってくると、このいじり方いかんによっては、これは基準法との関係が当然出てくる。だから、三十六条に基づく時間外労働というもの、三十三条に基づく適用除外云々という問題あるいは部分適用除外というようなことが、かつて途中で出てきたり、あるいは時限立法のような形で三年間というようなことで、ある意味では、ある金をもらったらもとへ戻してというような虫のいい話があっていろいろした。だから、そういう点とからむ。ところが、いまの動きからすると、時間外労働はあくまでも時間外労働なんだということ、かつて中央労働基準審議会の結論等も出て、例の立法というのは、そういうこともあって無理ができなくなったといういきさつもある。そこらのところを、つまり教員の給与というものの側面からお考えになるとすると、いまの基準法との関係ではどうなるのかということが基本的に一つある。そこらを、実は皆さんのほうで検討するのはいいのだけれども、これは、本俸をどう扱うかということも一つありますから、そうすると、そこらのところはどういうふうに考えておられるのかということを実は聞きたいのと、せっかくの御検討というのは、これはことしの人事院勧告の中で扱う気があるのかないのかということ、これは前回一ぺん——私もこれは、陰のものを表に出す気はありませんけれども、人事院がそこまで言おうかなというような気になったように思うのです。そこらのところもあるので、その辺のところを少し聞いておきたいと思って取り上げているわけでございますから、お答えをいただきたい。
○佐藤(達)政府委員 われわれのかまえは、そういうふうなかまえで、常に休まずに勉強を続けているのです。ただ、いま基準法のおことばがありましたが、実は国家公務員法との関係で基準法の問題はないのでありまして、それはまた地方の人たちの問題として、われわれとしてはそこまで出しゃばっていこうという気持ちは持っておりません。
○大出委員 ただ国家公務員のほうの先生をいじるとなると、これはやはりいまの法体系上、地方公務員だって右へならえという影響が多分に出てくる。これはだれが考えても明らかです。だから新聞の取り上げ方も、ここでいじると、国家公務員の先生方のほうのことになる、そうするとよってきたる影響は非常に大きいと書いてある。これは当然ですよ。だから、それは先ほども国会職員のことをちょっと言いましたが、何とかかんとか言ってみても、これは、いずれにしても人事院のものの考え方というものが中心にならざるを得ぬですよ。だからそういう意味で、これはその辺も皆さんが考えずにおやりになるのだとすると相当大きな問題だと思う。そういう意味で聞いているのですから、所管外だと言って言い切れる筋合いかどうか。これは国家公務員の先生方に手をつければ、当然影響があるわけですから、そこのところをどういうふうにするのかということを聞いいる。そうでしょう。もし基準法でいかない、いくべきでないとおっしゃるのなら、これは、もうけっこうでございますよ。じゃ、逆にあなた方の所管の国家公務員の教職員の方々の給与をどういうふうにしようとおっしゃるのか。それを言っていただければ、所管でないとおっしゃる基準法関係の問題は私どものほうで考えますよ。いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 とにかく、あらゆる面を含めてなまやさしい問題でないという気持ちで問題に臨んでいるということでございます。
○大出委員 そうしますとこれは、まだ人事院勧告という場面でものを言う、言わぬということは、明確な判断をお持ちになっていない、こういうことですか。
○佐藤(達)政府委員 ことしの勧告に出そうというようなところまでは決定いたしておりません。先ほど申しましたように、常に検討を続けるということであります。
○大出委員 情勢が、これから短期間でありましても、あるいは相当に動くかもしれない、こういうふうに思いますから、またその時点で少し詳しく承りたいと思いますけれども、また、これが新聞に載りますから、いろいろと与える影響が大きいわけでございますから、そういう意味で質問したわけです。 あと幾つか項目的に承っていきたいのですが、最初に初任給という問題ですが、これは尾崎さん、四十四年度の当時の民間の初任給、四十四年度の確定数字がここにありますが、上場百二十三社、非上場九十五社の平均で高卒男子が二万六千七百二十九円、女子が二万五千八百八十六円、平均で二万六千三百八円という数字がここにある。この趨勢からいって、今日的な初任給の動きというものを考えた場合に、私の知る範囲で考えてみますと、ことしも相当上がっておる。そこらのところをことしは一体どういうふうに基礎的に、差しつかえない範囲でひとつお答えいただきたいのですが、民間の動きをどうながめておられるか。これから調査するとおっしゃられるならそれでいいのですけれども。
○尾崎政府委員 先ほども申し上げました民間の給与調査の中で、初任給も同様な一項目として調査をいたしております。その結果が判明してくるのを待つという状態でございますけれども、現在の段階で入手し得る資料といたしましては、関西の経営者協会とかあるいは東京商工会議所の資料がございますけれども、それによりますと、今度の初任給でございますが、昨年の初任給に対しましてやはり相当上がっておるという状況のように聞いております。
○大出委員 私、心配があって、こういうことを言うのですが、よほどことし初任給を考えていただかぬと、最近どういうものか、公務員になる人が逃げるのですね。これは何も公務員だけじゃないのです。防衛庁だって、防衛大学卒業が四百七十何人しかいないところを、一人四百万もかけて、五十一人もほかへ行ってしまうのですから。現金なんですよ。最近はドライなんですから。また非常に現実的なんですね。私の関係の郵便局なんかでも、横山町の問屋街へ朝配達に出かけていった。日が暮れても帰ってこない。だから寄ってたかって局じゅう総出でさがしに行ったら、問屋さんのところで局の服を着たままで働いている。きみどうしたんだと言ったら、そこに郵便自転車に郵便物を積んで置いてある。配達に行ったらそこの問屋のおやじさんが、おまえ幾らもらっているんだ。幾ら幾らと言ったら、そんな安い月給で働くことはない、おれのところに来い。幾らくれるか。幾ら幾らくれる。それじゃおじさん働こうと、自転車に郵便物を積んだままそこで働いている。びっくりして帰ってこいと言ったら、おれは局に帰る気はない、その自転車に郵便物を積んだまま局へ持って帰ってくれ、こう言うのですね。これは相当いまの世相に合わせてお考えをいただきませんと、私はここに公務員の国民対比の人員だとか、各国別の資料をいろいろ持っておりますが、まん中くらいのところにありますが、しかしここまで来ると、相当そこらのところを配慮していきませんとどうもぐあいが悪いという気がする。だから昨年の数字を私はいまあげたのですけれども、これは一昨年と比べて相当な上がり方、ことしまたそうなるのは目に見えているのですね。だからそこらのところはひとつ重点的に御配慮いただけないかと感じて私は申し上げたのですが、いまの尾崎さんの御答弁はそこに重点を置いて考えてみたいというおことばでございますから、総裁もぜひひとつこれは御検討いただきたいと思います。 それからもう一つ、これは忘れないうちに申し上げておくのですけれども、特に昨年研究職なりあるいは医療職等について相当御検討いただいているのですけれども、ところが医療技術という面で、最近国会でも、御存じのとおりに、昨年診療エックス線技師法など、かつての議員立法であったものを一歩前へ進めて三年課程ができる。そうしてまたことしのこの国会は、衛生検査技師法また右へならえをして通っていく趨勢にある。ここでも旧来の診療エックス線のほうは一種、二種でございますけれども、今回の場合は、衛生検査技師と臨床検査技師に分けてやっていこうという、私どももずいぶん苦労した一人でございますが、そうすると、やはりそういう面で医療技術というものを少し重視していただく必要があるのではないかという気がする。単なる初任給だけではなくて……。そうしませんと、これまたなかなかやはり足りない人員でありますから、これはその関係で地方公務員なんかになりますと、特に問題があるのでありますが、国家公務員の場合、右へならえになりますから、そこらのところを少しお考えいただきたいと思いますけれども、ことしの勧告に対して特段のお考えがないかもしれませんけれども、私は少しお考えいただきたいという立場のものでありますから、もし考えがあればお聞かせおきいただきたい。
○尾崎政府委員 診療放射線技師法が通りまして従来のエックス線技師から診療放射線技師へのより高度な段階ができたということでありまして、ことしからその卒業生が出てくるという関係もありまして、その初任給を何号にするかという点が問題でございましたのですが、この関係につきましてことしの四月から初任給を改正をいたしまして、短大卒でございますから、大学卒マイナス一号ということで特に優遇してこういう初任給にする、こういう改正を先般したばかりであります。したがって今後そういう衛生検査技師の三年制度もできますけれども、そういう計画につきまして、制度の改正につきましては、給与制度としても適応した方向に持っていきたいというように考えております。
○大出委員 これはアフターケアなんですけれども、試験制度がとられるわけですね、特例講習だとかなんとかで。その場合に都道府県知事免許、大臣免許、いろいろありますけれども、資格を取得するということになる。たとえば臨床検査技師あるいは診療エックス線技師法も通っておりますから、一種、二種ありますが、資格をとる、こういうことになると、それなりのことがやはり必要になってくる。だから単なる初任給だけでなくして、そこのところを一体どういうふうにするかという点は一つの課題だとぼくは思っておりますが、医療技術全般についてさっきちょっと申し上げたのですが、特に具体的な話がいま出ましたから申し上げますが、その辺のところもまた場面をかえてあらためて申し上げたいと思いますけれども、これは忘れないうちにと思っていまちょっとつけ加えたわけです。初任給のみならず、今後そういうふうになっていきますから、そこらのところの御配慮をいただいておかなければならぬ、こういう意味でございます。 それであとこれから調査をされるという前提がついておりますので、こまかい中身はこれからずっと申し上げてもいたし方ないから、時間もありませんので、あと具体的な点を幾つか申しまして終わらしていただきます。尾崎さんが御自分で調査をされた幾つかの要望がある。たとえば航空関係ですね。これまた非常に長いのであまりここで一つ一つやっていきますと、これまた相当時間がかかります。したがって、特に私はここで航空、陸運関係あるいは船舶、こういう面で、実は一昨年になりますか、いろいろ尾崎さんにお願いして人事院として御検討いただいた。そのときに、交代制勤務というものを一体どう考えるかという基本的な問題が一つありました。これは人事院の制度の中には、この間私は気象庁の勤務時間の問題に触れて申し上げたのですが、国公法の百八条の五というのもある。人事院規則の一五−一もある。「職員の健康及び福祉を考慮する」という規則上のことばが載っております。職員の健康及び福祉を考える、こういう立場なんですね。そこで、そうなってまいりますと、気象庁のいつか出されておりました勤務体系、勤務時間がどうもあまりひど過ぎるので私がものを言いましたら、これはその後撤回をされたということでありますから、そのあとどういうふうになってきたかまだ見ておりませんが、あのときに私が申し上げたのは、あの案は撤回をした、こういうことでありますが、少しここで注文がありますのは、せっかくこういう人事院規則もございますし、最近一局削減以後三〇・五%という定員削減がございますので、その大きな影響もあって、各職場でいろいろ勤務体系の変更が出ておる。その中に、どうもこの条文、この規則からいくと、職員の健康に支障があると思われそうな勤務体系がぽつぽつ飛び出してきている。そこらのところをやはり人事院という立場で御研究いただいて、そういうしわの寄り方がなるべく起こらないような特に幅の広い御注意が必要ではないかと思っておるのでございます。いま気象庁の具体例を申し上げましたが、これはできれば総裁から一言御答弁いただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 いまおことばの撤回されたという文句がどういう趣旨かよくわかりませんので、これはあとで教えていただくことといたしまして、気象庁のお話はこの間御指摘があったということで、実は相当各地方の実態は調べておったのですけれども、中央のものはまだやってなかったということの盲点を突かれたようなことになって、あわてまして、職員局長がさっそく中央気象台に飛んでいったことがございました。そのくらい熱意をもって臨んでおるわけでございまして、法律、規則に正面から違反するということはないと私ども思いますけれども、しかし精神としては健康云々ということがございますから、その面からなおいまの問題は慎重に取り組んでいかなければなるまいという考えでおります。
○大出委員 あのときに実は九名でやっておりましたのを七名に減らして、七名で服務表をつくっていく、こういうことで気象台のほうから職員組合の側に案が提案された。その案を実は私あのときに読んでみて、これはどうも所属長の裁量権があるにしても、幾ら何でもひど過ぎるじゃないかと思って、ここで配置を読み上げて実はものを言ったのです。あとで承ってみましたら提案してきたものを撤回をした。せめてそれだけでも役に立ててよかった。それはすぐ飛んでいかれるという空気になったから、あるいはそうされたのかもしれません。気象庁がどういうふうに直接お答えになったか知りませんけれども、あとから私に連絡がありまして、その案は撤回をいたしましたという。何とか少し前進をした案になってまいりましたという職場の方の言い分でございました。いま承って初めてわかったのですが、人事院の御努力もあって、とにかく行かれるということ一つつかまえても、向こうにとっては、その当該庁にとっては大きなことでございます。しかしそういう例がございましたので総裁にいま申し上げたのですが、熱意をもってそういう御配慮をいただいたということでございますので、たいへんありがたいと思っております。ぜひひとつお考えおきいただきたいと思います。 そこで、航空関係で最近いろいろな問題がありまして、事故だ云々だということもございまして、私も気になって前回に引き続き少し調べているのでございますが、勤務形態、これは一種空港、共用空港、管制部、無線通信所、無線標識所、位置通報所等、これは深夜勤も含む交代制がずっとあるわけであります。また準夜勤を含む交代制も第二種空港等にはたくさんある。前者は一六%、後者一二%、こうなっております。その他早出あるいはおそ番、休日出勤という形の交代制、第三種空港は八%となっておりますが、こういうような点について、これは時間をかけないように申し上げれば、職種別にながめてみますと、職種にして相当あるのです。航空局には二十くらいの職種で約二千名くらいおる。ここらのところは、最近の世相といいますか航空関係のことを考えまして、これはやはり御検討いただかなければならぬのじゃないかと思う点がある。局長せっかく自分でYS11でおいでになったりしておられるわけでありますから、そこらも含めて、確たる結論は無理でございましょうから、感触のほどを許す範囲でひとつお述べおきいただければ幸いでございます。
○尾崎政府委員 航空関係職員につきましては、業務の性質が非常に特殊でございますので、私どもとしてもいろいろ注意をしておるわけでございますけれども、航空局ともいろいろ相談をして向こうの要望もいろいろ承っております。航空局でいろいろ申されておりますのは、航空士の関係、これは非常に増員の必要もございますし、民間との関係もたいへんである、こういう関係の御指摘を受けております。それからさらに管制官、通信官等がありまして、そういう関係につきましては、従前から重要な資格をとるという中の研修機構がございますけれども、それにより資格を得た者につきましては調整額を支給するということで、さらに忙しい空港に対しましては特殊勤務手当を手配するという形で対処しておる。また、先ほど御指摘になりましたように交代制をしいておる、特に四直三交代等でやっておりますところには、国際空港関係につきまして夜間特別手当を出すといったようなことも、昨年来実施してきておりますけれども、さらに今後この関係を注意してまいりたいというふうに考えております。
○大出委員 これは陸運関係なんかも、ここで多く言いませんが、私かつてここで総理に質問いたしましたときに例をあげたのですが、やれ部外協力者だとかなんだとか、ずいぶん無理があるんですね。部外協力者というのは、これは相手は業者なんですから本来あるべきじゃないんですね。だから入ってみたらどれが部外協力者かすぐわかるなんていわれておる。私もずいぶん歩いてみましたが、しかしあの表の中に私のいる神奈川だけはずしておりましたがね。ああいうことになってしまうというのはそれだけの原因がある。 ここに自動車の検査業務、この方々の問題がいろいろありますが、これなんかも、行ってみるとこれは少し考えてあげなければいかぬという面がたくさんあるわけであります。これは、そういっていけばどこの職場にも、ということになりかねないのでありますが、特に航空陸運というのはあまりにひど過ぎる、私数年やってきてそう思うわけであります。船舶関係もまだ若干ございますけれども、ここらのところを、せっかくお調べをいただいた機会にもう少し前向きにお進めをいただけるようにぜひお願いしたい、こう思うわけでありまして、きょうは時間の関係等ございますので、事こまかに申し上げたかったのでありますが、省略をいたしますけれども、尾崎さん、これは御存じのところでございますから、ぜひひとつ御検討いただきたい、こう思うわけであります。 あと六月の二十三日なんという日がありますが、内閣委員会を開けと申し上げると、時の政治情勢で、はたしてあっさり開きましょうとおっしゃるかどうかわかりませんけれども、しかし先ほど六月十五日という一つのめどもある、七月というお話もありまして、一つのこれは節でもございますから、それらの時点で皆さんの作業が進んでいく過程に合わせて、当委員会は所管委員会でございますから、何とか開いていただいて、いま申し上げなかったこまかい点等を含めてそのときにまたひとつ御意見をいただきたい、こう思っておるわけであります。 時間がありませんのでこれで終わります。
○天野委員長 東中光雄君。
○東中委員 通勤途上における災害補償の関係についてお聞きしたいのですが、人事院の事務総長の通達昭和二十六年分と、さらに「国家公務員災害補償法の取扱いについて」というのと、あわせて四十三年の三月に出された「通勤途上において職員が受けた公務上の災害の取扱いについて」、この二つの通達があるわけですが、今日の交通事情、道路事情から見て、通勤途上における事故が非常にふえており、災害補償の対策が非常に重要だと思うのですが、御承知のようにこの点については、労働大臣のほうでも私的諮問機関をつくって検討されておるそうでございますが、ひとつこの点についての人事院としての基本的な考え方、方向を明らかにしていただきたい。
○佐藤(達)政府委員 いま御指摘のような現実の諸般の環境からいいまして、これは相当前進的に考えていかなければならないことだろうと、われわれは考えております。それからまた、ILOの条約等もあるということから、問題意識を持っておるわけですが、いまこれもおことばにありましたように、労働省でも真剣に検討されておるということでありますので、われわれも同じような気持ちで検討を進めている。ただ、現在われわれのやっている実際上の措置は、これはある程度民間の場合よりも進んだ形でやっているということも御了承願いたい。
○東中委員 総務長官のほうもその点については、同じような考えでおられるわけですか。
○湊政府委員 同じような気持ちで、人事院といろいろ相談しながらやっていきたいと思っております。
○東中委員 実はいま私の手元に、全国税の東大阪支部というところから要請書が来ているのですが、こういう内容であります。天王寺税務署職員の中森さんという人が、公災法の適用についていま当局といろいろ話し合いをしているようでありますが、この「中森さんは昭和四十二年五月十四日午前八時頃、出勤途上天王寺署の近くの横断歩道を自転車にて通行中自動車にはねられ全治八カ月の重傷を負い、七カ月休まざるを得ませんでした。中森さんは用務員の職務で一日おきに宿直勤務、通常の日は毎日他の職員より早く出勤し、署長室をはじめ署内の清掃に当たるという激務を続けていました。この交通事故は一つには、このような用務員の苛酷な勤務条件から引き起こされたものと考えます。さらに最近の交通事情の悪化は、全職員とも出退勤途上で事故にあう危険に常にさらされています。これをすべて本人の責任のみとするのはあまりにも酷であり、私達が安心して勤務につける状態とはいえません。天王寺税務署及び大阪国税局当局は、何ら具体的理由を開示しないまま「公災法適用は困難である」旨の判断を一方的に下し」ている、こういう趣旨のことを言ってきておるわけですが、しかも、この人は、病気休職扱いのため、賃金カットや昇給延伸の損失を受けています。また後遺症的な障害が出ておるのですけれども、十分な療養もできない、こういう状態になっているということを訴えておるわけであります。これは一例ですけれども、こういうような通勤途上の事故について何らかの改善がなされなければ、これはもうほんとうに気の毒な、どうにもならない事態が起こっておると思いますので、災害補償の運用についてこういう問題をどういうふうにされようとしておるか、お考えをお聞きしたいと思うのです。
○佐藤(達)政府委員 基本的なわれわれの立場は、先ほど申しましたとおりでございます。やはり通勤にもいろいろな形がありまして、通常の場合の通勤の場合もありますし、ある意味で普通と違った形で通勤せざるを得ないような拘束を受けて、たとえば上司の命令があったというような場合もあると思います。そういう関係をわれわれとしてはやはり勘案しながら筋の立つものは公務という方向へ持っていく。単純な普通の通勤の場合まではまだ踏み切っておりません。しかしそれにプラスアルファの条件があれば何とか見てあげられないかという方向まで進んできております。まあ一口には申し上げられません。
○東中委員 昭和四十三年三月十二日「通勤途上において職員の受けた公務上の災害の取扱いについて」という人事院事務総長の通達ですが、これの第二項に「職員が、特別の事情のもとにおける通勤途上において受けた災害については、当分の間、人事院事務総長との協議を経て、公務上の災害としての認定事務を行なうものとする。」こうなっているのですが、いま総裁が言われました普通の場合じゃなくて特別の場合ということなんですが、いま申し上げましたような中森さんの例のように宿直もある。宿直期間中の深夜分だったらこの通達の一項で適用を受けると思うのですが、朝普通より早く出てきてやらなければいかぬというこういう特別な事情というのはどうか。通達の二項で言っている「特別な事情」というのは、大体どの程度のものをお考えになっておるか、お示しをいただきたい。
○島政府委員 ただいま御質問の「通勤途上において職員が受けた公務上の災害の取り扱いについて」という事務総長通達の第二項における「特別な事情」というのはどういう場合かというお尋ねでございますが、これは第一項におきまして、たとえばこの(1)の中で「午後十時から翌日の午前七時三十分までの間に開始する勤務につくことを命ぜられた場合の当該時間内における出勤途上」こういうふうになっておりますが、たとえば朝七時半までに出てこいという場合には一応これになるということでございますが、七時半に出てくるためにはもう少し早く出てこなければならないじゃないかという問題もございます。それからまた帰りの場合におきましても、たとえば朝五時まで勤務した場合という場合における退庁、退勤途上における災害という場合も、かりに五時に勤務が終了いたしましてそれから帰宅したという場合には、かりに一時間通勤時間がかかるとすれば六時までかかるわけでございますが、ところがこれを厳密に解釈いたしますと五時以降の場合は一切かからないということになりますので、それではあまり酷ではなかろうかということで、その辺はいろいろ職員のその間の事情を見まして、ほんとうにまっすぐ出勤したかあるいは途中寄り道なく自宅へ帰ったかというような事情を勘案いたしまして、それはその辺は若干幅を見る必要があるんではなかろうかということで、この「特別な事情」という場合を考えておるわけでございます。
○東中委員 そうすると第一項では、時間はきっちりしているけれども通常の勤務状況ではなくて特別に変わった状況があって一項に準ずるようなもの、こういうふうにいまお聞きしたと思うのですが、先ほど申し上げました私のところに来ている国税の例なんか、一日おきに宿直やって、また早く出ていかなきゃいかぬというふうなのは「特別の事情」の中へ入れて、要するに通常じゃないという意味で「特別の事情」の中に入れていくというような方向で考えていっていいものかどうか、その点いかがでございましょう。
○島政府委員 先ほど先生がお示しになりましたような事例でございますと、現在の私のほうの運用の方針では、それを「公務上」とはいたしておりませんが、しかしだんだん交通事情が非常に悪化して、全般のそういう問題に対する考え方というものが変われば、人事院の考え方も変わることがございますが、現在の扱いでは「公務上」にすることは、この通達ではちょっと無理ではなかろうかというふうに考えております。
○東中委員 そうしますと、二項にいう「特別の事情」というのは一項の解釈の範囲内に入ってしまうようなことだけを言われているということになるんですか。
○島政府委員 この文言からいたしますと、「特別の事情」ということでございますので、相当裁量の幅というものがあるというふうに読めるわけでございますが、先ほども総裁が申し上げたと思いますが、労災との均衡という問題も考えますと、現在私どもの扱っております通達が一般民間事業場の従業員に適用されます労働省の運用から比べますと、若干緩和されておりますので、その辺を十分にらみ合わせませんと、国だけがあまり甘くするということはいかがなものかという問題がございます。ただ、先生のおっしゃるように、そういう場合も十分考えたほうがいいんじゃないかというお話でございますれば、今後の検討事項として考えてみたいというふうに考えております。
○東中委員 「特別の事情」というその規定からいけば、この規定の中へ入れる余地というのは私あると思うんですが、そういう点でひとつぜひ御検討をしていただきたい。検討していただけるということでございますね。よろしゅうございますか。
○島政府委員 人事院のほうに協議がございますれば、十分検討したいと思います。
○東中委員 人事院規則の一六−〇で、第八条ですが、「実施機関は、その所管に属する職員について、公務に基づくと認められる死傷病が発生した場合は、人事院の定めるところにより、その指定する職員に、すみやかに報告をさせなければならない。」これで、実際の現場では公傷であるかどうかということの認定で争いが起こってきたら——連絡するかしないか、報告するかしないかという形で、現場ではいろいろその実施機関と、被災者というか組合側とが話し合いをするということが多いんですけれども、これで認定が報告事項になるかならぬかということで、意見が一致しない場合に、補償法の二十四条で人事院に対して審査の申し立てができる、私は当然そういうふうな解釈になると思うのですが、そういうふうに、それができないものだというふうに思うような状態がずっと続いているように聞いているのです。国家公務員災害補償法の二十四条によって、人事院への審査申し立てができるというふうに私は理解しておるのですが、それでよろしいかどうか。
○島政府委員 現在災害が発生した場合に、それが公務外であるか公務上であるかということについて、必ずしも明確な判断がないという場合には、そのままの形で放置しておいたという場合がございます。したがって、その場合、特に任命権者におきまして、職員に、あなたの災害は公務上でありますからとか、あるいは公務上ではありませんとかいう通知義務は課しておらないわけでございます。したがって、災害補償の審査申し立ての関係で申しますと、特にこの問題については具体的な処分がないということで、いわゆる不服審査法にいう審査請求期間という問題が全然起こらないわけでございます。時効という問題がなく、いつでもそれは審査申し立てができるというような法体系になっているわけでございます。
○東中委員 そうすると、公務かどうかについて実施機関のほうで公務でないというふうに言われた場合に、それに対する不服審査はもちろん申し立てできるけれども、その扱いについて公務とも公務でないともはっきり通知しないという場合、要するに災害を受けた公務員は公務だと思っているのだけれども、その点が実施機関ではっきりしないという場合に、時効の定めなく人事院への審査申し立てができる、こういうことでございますね。
○島政府委員 特に実施機関から別段の指示がなくても、災害を受けた職員が直接人事院に不服の申し立てをすることはできます。
○東中委員 その問題はそれで、次の問題に移らしていただきたいと思うのですが、職業病関係につきまして、労働省は頸腕症候群の職業病について、労働省が出した分では、一般事務労働者全部について、その職種での制限はしていない通達を出していると思うのです。昨年の十月二十九日の分であります。ところが、人事院から出されておる昨年十二月二十四日の通達では、「キーパンチャー等」ということになっておって、「等」の範囲が限定されているように聞いているのですが、「キーパンチャー等」の「等」は、職種を何と何というふうに限定されておるのかどうか。
○島政府委員 これは、現在私のほうから出しております方針といたしましては、「キーパンチャー等」の中には、電信、タイプ、せん孔、それから筆耕の職種のほか、速記、計算機の打鍵作業もすべてこれに含んでおります。それからさらに、伝票や紙幣をめくる作業、あるいはホッチキス等を使う作業までこの「等」の中に含ましめております。
○東中委員 そのほか、これは国税関係であるのですが、ボールペンでの複写業務をやっておって頸腕症候群症になったり、あるいはいま言われた、通産省とかであるようですが書類めくり。それからそろばん、書類の符号つけ、これは総理府統計局関係であるようです。それから電話交換手にもそういうのがあると聞いておるのですよ。要するに、この「等」といわれているのは、職種を限定しないで、実際上の症状があればそこに入るというふうにこの通達を理解していいかどうか。
○島政府委員 仰せのとおりでございまして、現在まで私のほうに幾つか出ております事例で、大体こういう職種のものは入るだろうということで、いま申し上げたような職種の例示をしているわけでございますが、これ以外の職種につきましても具体的な事例が出ますれば個別に判断したい、こういうふうに考えております。
○東中委員 そうしますと、「キーパンチャー等の手指作業に基づく疾病に関する公務上の災害の認定基準について」の内容について人事院で一月八日、何か説明書みたいなものを出されたように聞いたんですが、そこでは「人事院規則の一六−〇別表第一第四十五号に明示する職種のほかに、速記または計算機の打鍵業務に従事する職員を含む。」こう限定的に書いてあるのですけれども、いまの御答弁で、それはむしろ例示的なんで、実際にそういう事案が出れば職種が違うからといって適用しないということではない、こういうふうに、いまの御答弁、理解してよろしいかどうか。
○島政府委員 その説明会の際にもたしか申し上げているはずでございますが、ただいま先生のおっしゃったように私どもも考えております。
○東中委員 それと、キーパンチャー等の場合の業務に従事する期間の問題ですけれども、これは「一年以上その業務に継続従事していて、一日当り四万タッチ」云々ということになっておって、一年以上継続勤務ということが何か条件のようにされておる。労働省のほうは数カ月ということになっておりますが、その点はどうなんでしょうか。
○島政府委員 通常の場合でございますと、一年未満の場合は公務以外の原因によるものが一応多いというふうに考えられますので、その認定にあたっては特に慎重を要するということで、一応確かなところで押えたのがこの一年以上ということでございますが、しかしながら私どもは決して一年未満のものについては一切アウトというふうにには考えておりません。現に一年未満でも公務上と認定した例がございますので、具体的にケースごとに判断していきたいというふうに考えております。
○東中委員 労働省の考え方としては、一日とか一週間とか十日はいわゆる相当な期間ではないことは明らかです。しかし、当初は一年以上の期間というふうに考えておったのですけれども、しかしケースによっては数カ月で起こる場合もある、ひどい人は二、三カ月で起こる場合もあり得るわけです。こういうことで数カ月といってるのだと、こう解釈を公表しているようですけれども、人事院の、公務員の場合も、これはケースごとによりますけれども、同じように解釈していいのかどうかを確認しておきたいのです。
○島政府委員 基本的には労働省の考え方とそれほど大差はございません。ただ、この表現がいかにも一年以上というふうに書いてございますので、そういうふうに指導しておりますので、一年未満は一切アウトというふうに理解されますと、私のほうの真意ではございません。現実には一年未満で認定した例も多々ございます。ただ先ほど申しましたように、一年未満の場合、たとえば二、三カ月ならばすべてセーフかといわれますと、それについてはやはり慎重に判断していきたいということでございます。
○東中委員 だからそれは認定の問題になってくるわけで、労働省と大差はない、こうおっしゃったけれども、やっぱり違うところがあるのですが、私あげ足をとるつもりはないのですけれども、同じように考えて、ただその認定は慎重にやらなければいかぬ、これは労働省だって同じことだと思うのですが、やっぱり差異があるというふうにお考えになるのか、差異はないというふうにお考えになっているのか、そこを確めておきたいのです。
○島政府委員 ただいま労働省が一年未満、たとえば二、三カ月でもよいというふうに運用しているというおことばでございますが、私のほうは労働省がそのような考え方のもとに運用指導していることは実は承知しておりませんが、私のほうとしては、先ほど申し上げたような考え方のもとにこれを運用しているわけでございますので、基本的な考え方において労働省もたぶんそのような考え方ではなかろうかということで申し上げているわけでございます。
○東中委員 そうすると、結局一年ということを固定的には考えていない、それより少なくても、事実を見て因果関係が非常にはっきりしているということになればやるということでございますね。
○島政府委員 そのとおりでございます。
○東中委員 じゃ次の問題についてお聞きしたいのですが、公務災害によって休職の扱いを受けている職員というのはどれくらいおりますか。昭和四十三年、四十四年ぐらいでけっこうですが。
○島政府委員 四十三年七月一日現在の統計で申し上げますと、公務傷病で休職になっている人数は三十五名でございます。
○東中委員 この公務傷病で休職になった場合に一般給与法で給与関係では給与の全額を支給することになっておるのですが、実際そういうふうに支給されておるわけでございますね。
○島政府委員 そのとおりでございます。
○東中委員 ところがその退職手当法の七条四項の規定では、退職手当の期間計算になると、公務傷病の場合二分の一の計算しかしないことになっておるのですが、これは公務で病気になり障害を受け、退職金ではえらい差別される。これはずいぶん精神がおかしいと思うのですが、こういう点について総理府のほうでひとつ……。
○栗山政府委員 お答え申し上げます。 公務災害で休職になった方の退職手当についてまるまる出ないのはおかしいではないか、こういう御質問だと承知いたしております。現行の退職手当の制度におきましては、休職、停職等の期間がすべて二分の一に計算するということになっておることは御承知のとおりでございますが、これは退職手当の制度が、引き続いた勤続して仕事をしておるということから出てきまして、勤務をしなかった期間には普通には通算しないという考え方がもとになって、恩給法の例にならってずっときたという沿革があるわけでございますが、しかし、この公務災害の休職期間を半分に計算するということにつきましては、休職の理由をすべて無視しまして一律に二分の一にするといういまの取り扱いの中に入っておるわけでございまして、この点につきましてはどうも実態に沿わない点があるとわれわれ考えておりますので、今後慎重に検討いたしまして、できれば、先生のおっしゃるような方向に検討を重ねていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○東中委員 休職中仕事をしないときは給料を払わないというのは、原則だと思うのです。退職金についても同じような考え方だと思うのですが、ただ、公務傷病の場合は、公務によって傷病を負ったんだから、給与は全額支給する、こうなっておるわけですから、退職金のときにはその考え方が貫かれないというのは非常にバランスがとれていないことになりますので、これは、早急に全期間計算するようにしていただきたいというふうに思うのですが、そういう方向でやっていただけますか。
○湊政府委員 私も、ただいまの応答をお聞きしまして、確かにおっしゃるとおりだろうと実は思います。 スタートと過去の経緯は、ただいま人事局長申し上げたとおりに、働いていない期間の部分は一応計算しないというたてまえからスタートをしてきたんでありますけれども、いまのように、原因が公務災害である、こういうことになりますれば、一般の場合、その人個人の責任に基づいて休んでおられるのとはおのずから中身が違うと私も思いますので、いま人事局長申しましたように、早急に検討させていきたいと思います。
○東中委員 最後に一点お聞きしておきたいのは、実は、ついせんだって、静岡地裁で地公法五十五条の解釈についての判決例が出まして、それによりますと、個々の人事異動の問題について、要するに、団体交渉権の問題でありますが、個々の人事異動の問題についても団体交渉の議題になり得るという判断が結論的に出されております。これは、結局国公法の百八条の五に関しても規定は同じことになると思うのですが、政府は、個々の配転については、人事管理運営事項で団体交渉の議題とはならない、配転の基準については、勤務条件にかかわることなので団体交渉の議題になる、こういうふうに言われてきたと思うのですが、静岡地裁で出た判決の考え方とだいぶ矛盾しておるわけですが、その点についての総理府のお考えをお聞きしたい。
○栗山政府委員 国家公務員法百八条の五の第三項に「国の事務の管理及び運営に関する事項は、交渉の対象とすることができない。」という文句があるわけでございますが、法令の文句の解釈といたしまして、われわれは、従来からずっと、個々の人事の異動、これは管理運営事項の一部をなすということで、交渉の話し合いの対象にはならないということで一貫してきているわけでございます。ただいまお話のございました静岡の点というのは、ちょっと私、まだ存じておりませんであれでございますが、これの百八条の五の三項とどういう関係になりますか、ちょっと具体的に存じませんものですから申し上げかねますが、しかし、基本的態度は先ほど申し上げましたその態度でわれわれ来ているわけでございます。
○東中委員 要するに、静岡地裁の判決といいますのは、ことしの三月十三日宣告のもので、判決文は数日前に最高裁に来たばかりのように聞いていますが、こういうふうにいっているわけです。「人事権の行使に関する事項であっても、それが勤務条件に関する事項と密接に関連する限り、その面においては交渉の対象とすることができるものと解すべきである。」「本件の如く個々の人事異動についても、それが勤務条件に関する事項と関連する限り、その面においては、職員の地位安定の見地から、法令、書面協定あるいは慣行条理等に照らし当局の反省若しくは是正を求める意味において、交渉の対象とすることができるものと解すべきである。」こういう考え方なんですが、これは、私は当然のことじゃなかろうかと思うのです。勤務条件について交渉するので、人事権そのものは、なるほど官側の専権でしょうけれども、それが勤務条件に関係する場合には、その関係する範囲において労使間の交渉対象になる、こう思うのですが、そういう点はいかがお考えですか。
○栗山政府委員 ただいまの判決の内容のお話でございますが、実は、先ほどから申し上げましたように、その内容をはっきり存じておりません。それからもう一つは、ただいまの先生のお話によりますと、何か上のほうの裁判所にまたかかっておるようなお話がいまちょっとあったやに聞きましたのですが、裁判確定はまだいたしておらないものでありますでしょうか。その点もいろいろあるかと存じますけれども、われわれとしましてはもう一ぺんよく、いまお聞かせ願いました判決文を詳しく研究させていただきまして、その上でないとちょっと意見が出せない段階だと御承知おきを願いたいと思います。
○東中委員 そういう点、二つの側面を持っている。人事配置の問題という点では、官側のあるいは使用者側の権限であると同時に、裏から見れば、それは勤務条件に関係する場合が大いにあり得るわけですから、そういう場合は、その範囲において労使間の問題になるという裁判所の考え方、私たちもそうでなければいかぬと思いますので、ひとつ十分検討をしていただきたいと思います。
○栗山政府委員 ただいまの点は、個々の裁判の問題でございますので、具体問題がどうなっておるかということ等も全部研究をさせていただきたいと思っております。
○東中委員 では、終わります。
○天野委員長 両案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○天野委員長 ただいま委員長の手元に、塩谷一夫君外三名より、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案に対する修正案が提出されております。
○天野委員長 提出者より修正案についての趣旨の説明を求めます。塩谷一夫君。
○塩谷委員 ただいま議題となりました国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案に対する自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、四党共同提案にかかる修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してありまするので、朗読は省略させていただき、その要旨を申し上げますると、本法案は、国際協力等の目的で国際機関等へ派遣される一般職の国家公務員の処遇等について統一的な制度を定めようとするものでありますが、国会職員についても一般職と同様の措置を講ずることを適当と考えまして、その附則において国会職員法の一部を改正し、所要の規定を設けようとするものであります。 よろしく御賛成をお願い申し上げます。 —————————————
○天野委員長 これより両案及び国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案に対する塩谷一夫君外三名提出の修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。 国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、塩谷一夫君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決いたしました。 これにて、本案は修正議決すべきものと決しました。 次に、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○天野委員長 この際、塩谷一夫君外三名より、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。塩谷一夫君。
○塩谷委員 ただいま議題となりました、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、四党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について速かに善処するよう要望する。 一 公務災害の予防及び職業病の発生防止に努力し、公務災害の絶滅に努めること。 二 国家公務員の障害補償、遺族補償、休業補償、葬祭補償等について、引き続きその改善に努めること。 三 通勤途上の災害の取扱いについて、検討を加え、その改善を図ること。 四 平均給与額の算定について、期末、勤勉手当の算入につき検討すること。 右決議する。 本附帯決議案の趣旨につきましては、本委員会における質疑を通じまして明らかであると存じまするので、よろしく御賛成をお願いいたします。
○天野委員長 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本案に対しては附帯決議を付することに決しました。 この際、山中総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。山中総務長官。
○山中国務大臣 ただいま全会一致で決定されました附帯決議につきましては、法律の改正等を要する事項等も含まれておるようでございますが、その御趣旨を体しまして、人事院とともに十分検討を加えてまいるつもりでございます。 —————————————
○天野委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なし認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○天野委員長 次回は、明後十三日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十三分散会