内閣委員会 第11号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/04/07
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案及び許可、認可等の整理に関する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
○大出委員 この許認可事務の整理に関する法律にからみまして、腸チフス、パラチフスの予防接種の廃止の問題が入っておるわけであります。これはまず行管に承りたいのですが、どういう趣旨で廃止をされるということになったわけでございますか。
○岡内政府委員 この腸チフス、パラチフスの予防接種を廃止する趣旨でございますが、まず第一点は、この流行が非常に激減しておるということでございます。それから第二点は、その激減した理由は、環境衛生思想というものが非常に発達してまいりまして、設備も施設も整ってきたということで流行が著しく減じておるということでございます。 それから、これは専門的なことでございますので、厚生省にございます伝染病予防調査会でございますが、ここでも慎重に審議検討をいたしまして、もう定期の強制的な予防接種は廃止してもよろしい、患者が発生したときに臨時に接種をすれば、それで十分に措置できるというような結論が出まして、それで廃止することになったということでございます。なお、専門的なことにわたりますので、できれば厚生省のほうからお答えをしていただくことにいたしたいと思います。
○大出委員 そうすると、手続的には対象疾病の中には入れておくわけですね。そうして定期的な義務づけというところを直す。こういう趣旨でしょうね。厚生省の方からお答えください。
○松下説明員 御指摘のとおりでございます。
○大出委員 この予防接種法は何年にできたのですか。
○松下説明員 昭和二十三年制定でございます。
○大出委員 当時の罹病率その他の推移を少し御説明おきいただきたい。
○後藤説明員 お答えいたします。 予防接種法の制定された時点の推計でございますけれども、昭和二十年で五万七千九百三十三名の患者がございました。これは腸チフスでございます。パラチフスは一万五十九名。昭和二十一年、翌年になりますと、四万四千六百五十八名、パラチフスが九千百五十四名。翌年の二十二年は腸チフスが一万七千八百九名、パラチフスが四千七百二十八名。こういう状況で、予防接種法の制定時、その中に腸チフス、パラチフスを入れるという関係になったと思うのですが、当時の県別発生数などは、ほとんど全県にわたって発生したわけでございます。
○大出委員 昭和四十二年、三年、四年、このところの数字をいただきたいのです。
○後藤説明員 その後患者が減っておりますけれども、四十三年では腸チフスが三百九十名、パラチフスが百二名でございます。四十四年、これはまだ公的な数字にはなっておりませんけれども四百十七名の腸チフス、八十一名のパラチフス、これが発生患者数でございます。
○大出委員 四十二年を聞いているんだけれども。
○後藤説明員 四十二年は腸チフスが五百十一名、パラチフスが百三十九名でございます。
○大出委員 いまのところ、四十四年は四百十七と言いましたね。
○後藤説明員 はい。
○大出委員 私もちょっとこの数字を見て何となく気になるのですけれども、環境衛生、公衆衛生という面が進んできた、あるいはそういう思想が普及をされてきた、だから減ってきた、こう言うのですけれども、四十二年を見ると、これは腸チフスは五百十一のわけですね。四十三年は三百九十に減っている。四十四年はまた四百十七にふえているのです。そうすると、多少これはまだ波動している、動いているという感じがする。ここに何か原因がございますか。
○後藤説明員 その原因についてはまだはっきりしておりません。たとえば、私が先ほど申し上げました四百十七名の数字は、確実に公的に発表された数字じゃなくて、私たちの課で集めている数字でございます。ただ少し波動があるじゃないか、二十余名ほど多いじゃないかということでございますけれども、これは全国の患者発生数から見れば、全然その辺の減っている傾向に逆行しているという数字ではないと思います。
○大出委員 これは専門の方にちょっと聞いてみたのですけれども、つまり根本は病原菌がなくなっていないということなんですね。したがって、ある年には急激にふえるという場合もあり得るというのですね。したがって当然その種の動きはあるはずだという言い方なんですね。これは専門家の仲間のうちでも、聞いてみるとやはり意見の違いはある。たとえば、ある年に急激にふえるというふうなことがあり得るという予測が成り立つと言っている人もいるわけですね。その場合に、いまワクチンなんかにしても、これは予防接種率にもよるのだけれども、つくったって使わなければつくらなくなっちゃう。そうすると、急にふえたから、さて急に間に合うかとなれば、簡単にできるとはいっても、数の面からいうとそう簡単なことじゃない。それからもう一つは、接種をして一定の期間がなければやはり効果という問題が出てくる。だから、発生したからさてすぐやって即効的にどうなるかということになると、そこに問題がある、こういう言い方もある。 そこでもう一つ念のために承っておきたいのですけれども、昭和四十二年、四十三年、四十四年、ここの接種率、人員でひとつお話をいただきたい。八千万人くらい受けなければならないところを一千万人くらい受けているのじゃないかと思いますけれども、そこのところをひとつ数字で言っていただきたい。四十四年が減っていますが……。
○後藤説明員 四十一年が、第一期その他全部含めまして一千四百二十七万五千八百九十五名、四十二年が一千二百八十四万二千五百三十三人、四十三年が一千三十五万六千人、四十四年はちょっとまだ詰めておりませんが、約二百万人くらいでございます。
○大出委員 四十三年と四十四年となぜこう違うか御存じですか。四十四年はなぜこういうふうに接種率が急激に減ったかということを御存じですか。
○後藤説明員 実は四十四年の国会に内閣委員会で御審議いただくことに閣議決定をいたしまして、私たちの指導といたしましては、現在国会で審議中であるけれども、事情はこうであるから、その辺を考慮してやっていただきたいというような指導をいたしまして、そのために非常に減ってきております。
○大出委員 これは一千万をこえる接種量があったということなんですね。対象人員というのはおおむね八千万人くらいじゃないですか。そこのところをはっきりしてください。
○後藤説明員 そのとおりでございます。ただ予防接種の理論からいいまして、予防接種は、ある集団がある疾病に対して防疫、予防をしたいという場合は、その地域住民の少なくとも約六割以上くらいの人がやらなければ意味がないわけであります。そういう意味では四千八百万人くらいの人がやらないとその地域を腸パラから守るというのは非常にむずかしい段階でございまして、まさに一対一の予防接種の議論になるわけでございます。そういう意味からも学界のほうで八千万の人に義務を負わせる段階ではないという議論が出ておるわけでございます。なおそのほかに、いろいろな防疫対策あるいは治療医学が進んでいる、そういう段階においては、いまやそういう一〇%そこそこの接種率では、定期として義務づける意味がないというのが学界の意見でございます。
○大出委員 そうすると、従来どういう地域、どういう人を対象に四十一年の一千四百二十七万五千というぐあいの数字になっておるのですか。
○後藤説明員 これは各県によっていろいろ違います、詳しいデータを持っておりませんが。
○大出委員 それは少し無責任な話で、あなたがいまおっしゃった法律が今日現にあるわけでしょう。六割なければ接種の意味がないとおっしゃる。そうすると、多いところの四十一年の一千四百二十七万五千から見ても、六割なら四千八百万くらいなければならぬ。意味がないことをあなた方は承知してやらしている。だから四十四年の数字も言ってもらったのだけれども、四十四年閣議できめたからといってあなたのほうで指導すればほとんどやらなくなっちゃう。それまではなぜやらしたかということです。そうすると、ことしは四十一年から五年たっているでしょう。この一千四百二十七万五千というのは、あなたの理屈からいえば、六割やらなければ防げないというのだから全く意味がないということになる。全く意味がないものをなぜやらした。そうすると、やらした対象なり地域なり人員なりがどうかということを聞かなければものの判断はできないでしょう。それはわかりませんではすみませんですよ。出してください。
○松下説明員 ちょっと御説明が不足で申しわけございませんが、いま防疫課長が申し上げました五割ないし六割の住民が予防接種を受けないと効果が期待できないと申しましたのは、集団的な住民の防疫といたしまして、その地域、グループの中に伝染病が侵入いたしますのを地域として防止いたしますためには、それくらいの免疫を得ておるということが免疫学的に見て望ましいという趣旨での御説明でございまして、現在の予防接種法のたてまえも、国民に強制するという意味ではそれを期待していることは事実でございます。同時に各個人が予防接種を受けることによりまして個人が免疫を受ける。たとえ腸チフス、パラチフスがその地域に入ってまいりましても、少なくとも予防接種を受けておる者につきましてはそれが防衛されるという効果も同時に持っておる。そういう意味では市民サービスの効果も期待しておるわけでございます。 それでいま申し上げましたように、一千四百万ないし一千万というふうに接種者の数が少なくなっておりますのは、行管のほうからも御説明がありましたように、環境衛生、食品衛生の非常な進歩によりまして患者の数が減ってきておりまして、各市町村では、これは市町村長の義務といたしまして予防接種の準備をし、住民に呼びかけておるのは間違いございませんが、各地区の住民がすでに腸チフス、パラチフスというものに対する恐怖感をほとんど持っておりませんので、そういうことで全般的に接種率が下がっておる。その結果一千万ないし一千四百万という数になっておるという実情でございます。 防疫課長が、どの集団が特に低いかということはわからないと申し上げましたのは、いま申し上げましたように、全般的に国民全体の接種率が平均して下がっておりますという状況でございますので、特定の集団につきまして予防接種の率を調べて、この集団は特に低いという状態ではないという意味で申し上げたわけでございます。 なお、あえて区別して申し上げれば、集団としてとらえられております児童、学童関係については比較的接種率が高くなっておりまして、御承知のように六十歳まで定期の予防接種の対象になっておりますが、一般の社会人になりますと非常に接種率が下がっている、大体そういうような状況でございます。
○大出委員 これは一般的にいって、おとなは一番あぶなくない年齢ですからね。ここにおいでになる皆さんだって、外国にでも行くのでなければめったにやったことのない人たちですけれども、私もやったことのない一人だから……。さて、そこに必要性があってやってきたのですけれども、だからこれは聞いてみると、必ずしも全くやらなくてもいいという意見ばかりじゃないですね。そこらがあるから承ろうと思ったのです。ですからいまの御答弁からすれば、各市町村に呼びかけてやってもらっているというのが実情で、それを閣議でこうきめたから各市町村がやらなくなったというのが四十四年の二百万、こういう数字だと思うのですね。そうでしょう。しかし、これは二百万やっているのですからね。そういう指導をしてもやるというのはどういう地域がやるのですか。
○松下説明員 一応私どもの指導といたしましても、国会で御審議いただいております段階でございまして、しかも予防接種の、特に若年層に対します定期の接種が四月から六月の間になっております。まだ法案が御審議いただいており、一院もまだ通過していない段階での指導でございますために、私どもの指導といたしましても、これは必要ないという強い指導をいたすのはいささかはばかるものがございますので、こういう法律案を出しておる、出しておる趣旨は、審議会でもこういうような御意見があって、一応廃止するという前提での改正であるという程度の指導にとどまっております。したがって、法律的には、各市町村長はやはり実施をするという義務を課せられておりますので、そういう意味で非常にまじめなと申しますか、法律の条文どおりことしまではやるべきであろうという判断をされた市町村では、やはりある程度実施されておる、そういう状況だと存じます。
○大出委員 諸外国でほとんどやっていないと書いてあるのですけれども、この書き方からすると、やっているところもあるように見える。ということは、「諸外国においても腸チフス、パラチフスについて強制接種をしている例はきわめて稀である」こうなっているのですね。きわめてまれであるということはないというわけじゃないということになる。やっているところもあるということになる。どこがあるのですか。あるところをあげてください。
○松下説明員 私どもは不勉強でございまして、世界各国全部の資料を承知いたしませんので、私どもの承知しております限りでは強制しておるところはございませんのですが、全部ないというだけの自信がございませんので、一応資料といたしましては、まれという表現を使っております。実は、予防接種全体につきまして、わが国のようにある程度の罰則を付しまして、住民に接種を受けることを強制しておるという国は、全体的に少ないわけでございまして、種痘を除きましては、世界各国におきまして予防接種を法的に強制しておる国は非常に少ないように承知しております。
○大出委員 じゃあ、あなた方が不勉強で調べていないというなら、これは人の命に関することですからね、そういう反対陳情もあるわけですよ。そうなると、これは一体どうなっているのかというのを調べてみる責任がぼくら審議する側にある。あなたのほうでわかりますか。
○松下説明員 いままで私どもで調べました限りでは、大体世界の先進国といわれる程度の国につきまして予防接種の強制の問題につきまして制度を調べておるわけでございますが、約二十五カ国について調べまして、大体先進国といわれる各国におきましては、腸チフス、パラチフスの一般的な強制をしておるという国はございません。
○大出委員 ちょっと待ってください。中身を言わぬで言われても困るのですけれども、二十五カ国の中にはどんな国が入っているのですか。つまり、先進国でないのも入っているのですか。
○松下説明員 では申し上げます。オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、アイスランド、アイルランド、イタリア、モロッコ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ソ連、アメリカ、ユーゴスラビア、それだけの国でございます。
○大出委員 そうすると、あなたのいま持っているところによると、やっている国はないということですか。
○松下説明員 はい、そのとおりでございます。
○大出委員 そうすると、全体を調べたわけでないからやっているところもあるかもわからぬということを予測して、ここに「きわめて稀である」と書いたというわけですか。やっているところの例はあなた方はお持ちになっていないのですか。
○松下説明員 実は、部内資料のつもりで少し表現が不備であったかと思いますが、正確に申し上げますと、承知しております限りではやっておるところはないということでございます。
○大出委員 ほんとうにやっているところがないのかどうかわかりません、いまの御答弁の限りでは。全部調べたのじゃないとおっしゃっているから、二十五カ国しか調べてないとおっしゃるから、国連加盟国だって二十五やそこらじゃないのですからね。 そこでもう一つ問題は天然痘なんかの予防接種がありますね。いまその種の病気の発生率なり、命に危険があるというような状態になった人というのはあるのですか。
○松下説明員 天然痘につきましては、ここ十カ年くらいは国内では発生を見ておりません。
○大出委員 これはここに書いてある中身が「抗生物質の普及に伴い致命率が大幅に低下した」こうなっているのですね。つまり致命率が低下したからということだけならば、これを見ても致命率が低下したあるいは死んだ人もあるかもしれないと思うのです、こういう書き方だから。そうすると、天然痘みたいに、たとえば発生していなくても、命にかかわることだから、ないのだけれどもとにかくやらしているというものも実際にはあるわけでしょう。そうすると、先ほどのお話しの一千万あるいは一千四百万という方々が接種をしている。ところが件数からすると、先ほどの皆さんの理屈からいえば、件数が非常に少ない。四十二年五百十一であり、四十三年は三百九十、四十四年が四百十七というふうに少ない。少ない上に、全体を法で拘束して強制接種というのはいかがなものかという理屈なんですね。一つもないのに全体を強制するというのはどういうことなんだということだって理屈からいえばある。なぜなら、人の命にかかわることだからそういう理屈になる。そうすると、そこらのところからすると、この種のことはそう簡単に、たとえばここに幾つか書いてありますよ。国会におけるそういう質問も出ているとか、やめたらどうかという質問が出ているとか、あるいは伝染病予防調査会の意見があるとか、あるいはその他、これは関係ないのだけれども、委員長その他の、簡素合理化という行政上の言い方もある、こういう三つが理由になっておる、こういうのですけれども、やはりどっちにするにしても、あとで集団発生をする場合も予測されないわけじゃない。さっきちょっと予測されないようなことをおっしゃったけれども、あなたのほうの内部資料かどうか知らぬけれども、集団発生等の際には臨時予防接種を行なうことができる、法第六条。したがって法第二条第二項の対象疾病からは除外していない、こうなっている。そうでしょう。つまり対象疾病に入れておくわけです。なぜならば集団発生等の場合には臨時に予防接種をやるのだということにしておくのだということでしょう。さっきちょっとやりとりをいたしましたが、集団発出なんということが、ある学者が言うようにある日突如として起こる可能性がある。そういうものがないのだというならば、これも要らない。あなた方はそういう予測をするから集団発出等の場合は残しておくというわけでしょう。そうでしょう。そうなると、そう簡単な理屈で結論づけていいかどうか、人の命に関するものだから相当専門的にかつ慎重でなければならぬと私は思っている。そう考えるべきだと思うのですが、どうですか。
○松下説明員 御指摘のように、種痘につきましては、いまお答えしましたようにここ十数年、十数年と申し上げていいと思いますが、発生を見ておりませんが、それにもかかわらず、定期の予防接種を残すという点でございますが、予防接種を国民に定期的に強制する、しかも罰則を付して強制するという処置をとりますのは、やはりその疾病の伝染の経路であるとか、あるいはほかの方法によります予防手段の可能の程度であるとか、あるいはその疾病に罹患いたしました場合の致命率、後遺症その他の危険性であるとか、そういうことを総合的に勘案いたしまして、残すか残さないか、入れるか入れないかという判断をしなければならないであろうと私ども考えておるわけでございます。そういう意味では、天然痘につきましては、これは先生御承知のように、伝染経路が、まず空気伝染あるいは接触伝染でございまして、この伝染病予防対策の一つの大きな手段になっております感染源対策ということ、あるいは感染経路対策ということが、通常の方法をもってしては不可能でございます。感染経路対策につきましては、検疫によりまして、外国からそういう病毒の侵入を防ぐという措置をとっておるわけでございますが、万一外国からそういう病毒が何らかの形で網の目をくぐって侵入いたしました場合には、それからの伝染を防止するということが非常に困難である。それからもう一つは、かかりました場合に非常に致命率が高い、あるいは後遺症として痘痕その他相当重症の後遺症を残すというような性格のものでございます。それともう一つは、臨時の予防接種を行なうといたしましても、種痘の場合には、腸チフス、パラチフスの接種と違いまして、成人になりましてから初めて種痘の初回接種をいたしますと、非常に強い副作用が起こるという例が相当多いわけでございます。そのために、できるだけ子供のうちに種痘を定期化することによって免疫を得させておきませんと、大きくなってからでは、万々一侵入いたしました場合に、臨時の種痘によって国民の疾病を防衛するということが非常に困難なことになってくる、かつほかの方法による防止も非常に困難であるというような諸般の事情から、種痘につきましては定期の予防接種を存置せざるを得ないというふうに考えておるわけでございまして、この点は、先ほどちょっと申し上げました世界の相当の国において、なお種痘については強制的な接種制度を残しておるわけでございます。 それからもう一つ、いま御指摘のございました集団発生があった場合には臨時の予防接種をする予定であるということは、集団発生を予想されるのではないかという御指摘でございますが、もちろん疾病のことでございますから何とも申せませんけれども、私ども担当いたしております立場から申しますと、現在のように環境衛生、食品衛生が非常に完備してきておる、特に腸チフス、パラチフスは、御承知のように口から入るものでございます。したがって、痘瘡等と違いまして、感染経路対策という伝染病予防手段がきわめて有効に働くわけでございまして、先ほど防疫課長から申し上げましたように、現在患者が激減いたしておりますことも、そういった食品衛生の向上、環境衛生の整備ということが大きな力を持っているわけでございまして、腸チフスの集団発生というのは、集団給食のような場合に保菌者が調理をしたというようなごく特異な例を除きましては、水路による感染とか、水道による感染とか、そういったものが比較的多いわけでございまして、したがって、今後こういった疾病が集団的に発生するというおそれは、現状におきましてはきわめて少ないものというふうに考えておる次第でございます。 ただし、いま申し上げましたように、相手がこういう伝染病のことでございます。どういう不測の事態が起こるかわからない。そういう際に、法律から全部落としてしまったために有効な手が打てないということは、防疫の対策といたしまして不備を招くことになりますので、コレラであるとかペストであるとか、そういうような外来伝染病で、ほとんど戦後の一時期の混乱期を除いては入ったことのないような疾病につきましても、臨時の予防接種制度は法律制定の当初から残っているわけでございまして、それと同じような意味におきまして臨時の予防接種制度を残す、そういう趣旨でお考えいただきたいと思います。
○大出委員 横浜市で数年前に市の職員のほとんどが万治病院に入っちゃったという事件が起こったり、そんなことはないと思っているようなものが突然起こったりするんですよ。横浜市の中でほんとうに市の行政ができなくなってしまったような事件がございました。三年前になると思います。だから私は、この種の問題は相当慎重に扱うべきものだろうと思うんですよ。そこで今回の出し方も、国民の命に影響のあること、だから廃止するならそれだけの慎重な審議をして、その上でということにならないと、どうも許認可の中にぽんと入ってきて、気がつかずにそのままなくなってしまったのではやはりぐあいが悪い。ここは通常こういう問題を専門的に論議している委員会じゃございません。こういうものを専門的に論議する委員会である社会労働委員会があるわけです。だからそれなりに、本人が御専門でなくたって、相当勉強もされておられる方々もたくさんおられる。私は、筋道からすると、この法律は許認可事項の整理という角度から出してくるのじゃなくて、国民医療という面、あるいは予防医療という面で慎重な配慮があって、やはり単独法の改正という形で当然出すべきものだ、こう思っているんですよ。だから、この中で一括ひとつ入れるというかっこうのもの、どうもそれでは筋が通らぬという気がするわけでございまして、したがって、それを抜いてもらいたい。やはりこの専門の委員会のほうで十分な手続をもって処理するということのほうがいいと実は思っておるわけです。私のほうの社労の委員からも、この方の意見というものは、これはなくするならなくしてもいいという意見のようですけれども、きのう私のほうに話がありまして、いろいろ話をしたのですよ。やはりそちらのほうに出ていくのが筋であろうという言い方を彼もしていました。この扱いについては、他の党でも修正案を出そうというお考え等もあるようでございますから、そうなると、かえってまた時間がかかる、こういうふうに思います。修正案を御用意になっているとすれば、私のほうも、そうなりますと、これに対する修正云々についての意思統一も党内でしなければなりません。 そこで、あげられている理由の幾つかの中には、強制的に義務づけない、これは先ほど来罰金を科してとおっしゃるけれども、これは法律のたてまえからいけば、確かに八千万が対象者であって、一千万しか接種していないとすると、残り七千万から一人三千円の罰金をとらなければならない。ところが一人もとっていない、そうでしょう。そういう性格の法律なんでしょう。現状やむを得ずそうでしょう。そういうことだから、やめたということになると、ワクチンをつくるといっても、すぐできるといってみても、それはやめたらやめたことになってしまう、対象がないのだから。そうなると、集団的にある年突如——公衆衛生、環境衛生といっても、極端に寒い年にはやたらかぜの罹病率がふえてみたり、べらぼうな暑い夏もあるわけですし、湿度のべらぼうに高い夏もあるわけですから、そういうことになると、どういうときに集団発生が予想されない限りもない。そういうことになると、やめてしまったということになるとすれば、そのときに急にそれでは間に合うかということになると、非常に心もとないという例などもあるわけですよ。そういう意味で、てきれば扱いをひとつ——これはまだすぐ上げるようになっていないわけでありますから、理事会なら理事会でこれを相談をさせていただいて、修正案をお出しになる等の御意見なども聞いてみて、私どものほうもそうなれば社会労働委員会のほうと打ち合わせ等しなければなりませんしするので、扱い方をそんなふうに少し慎重にしていただけないかという気がするのです。でき得るならば、何よりも正規のルートをとって、ひとつ社労のほうにお出しいただくのが筋ではないかという気がするわけでございます。その辺の扱いはこの席で各理事の御意見を承るわけにもまいりませんが、後ほどの理事会等でひとつ取り扱いは御相談をいただきたいという希望を付しまして、皆さんのおっしゃっていることはそれなりにわかりましたので、この辺でこの件については質問を終わらしていただきたい、こう思うのです。
○松下説明員 いろいろと貴重な御示唆をいただきましてありがとうございますが、実は予防接種法全体につきまして——いま私多少罰則を強調いたしましたのは行き過ぎかと存じますが、御指摘のように、法律が制定されてからこの罰則は発動したことは一度もありません。そういう趣旨の法律だと私ども心得ておりますが、なお予防接種法全体につきましては、定期予防接種についてこの改正法をお認めいただきましても、いまの罰則の問題等も含めましていろいろとなお問題は残っておるわけでございます。それで現在厚生大臣の諮問機関でございます伝染病予防調査会というのがございます。この調査会から、腸チフス、パラチフスの廃止につきましてはすでに事前に御意見をいただいておりまして、それに基づいて御提案したわけでございますが、なお予防接種制度全体あるいは広く伝染病予防制度全体につきましてただいま御審議をいただいておりまして、成案を得ました上でさらに全体の改正につきましては御検討をいただくというつもりで進めておるわけであります。ただ本件につきましては、初めに申し上げましたように、いままで市町村がほとんど全部に対して接種の事務を行なっておるわけでございまして、しかも国民が恐怖心を持っておりませんために接種率は非常に低いという状況で、現状といたしましては、まず定期の予防接種として法制化しておることがもうほとんど空文に帰しておる、担当者として少し申し過ぎかもしれませんが、そういうような実情に近いかっこうでございまして、しかも反面、各市町村が全部を一応対象として準備をしなければならないという意味では、市町村の事務量としては衛生関係では相当大きな負担になっております。そういう意味から申しまして、本定期接種制度を廃止いたしますことは、行政事務の簡素化という意味におきましても非常に大きなメリットを持っておりますし、そういう意味で行政管理庁からもすでに三十九年に廃止してはどうかという勧告をいただいておるわけでございます。そういう両方の意味を含めての改正でございますので、予防接種制度全体についてはさらに検討をいたしまして、全面的に御審議をいただきたいという前提で考えておりましたので、こういった許認可事務等の整理、行政簡素化ということを目的といたします法律の中で御審議いただきましても、これは差しつかえないのではないかという考え方で行政管理庁のほうにお願いしておるわけでございます。 なお社会労働委員会の関係につきましては、これは一応たまたまでございますが、昨年やはり同じ名前の法律の中で御審議をお願いしておりましたときに、社会労働委員会でもむしろ先生方のほうから、腸チフス、パラチフスの予防接種については廃止すべきではないかという御質問がございまして、早く提案せよというような御質問がありました際に、現存内閣委員会のほうで、こういう法律の中で廃止すべく御審議をいただいておりますという御説明を申し上げまして御了解をいただいておるような経緯もございますので、やはり国民全体のために、そういう趣旨でございますので、早く廃止したいと私ども考えておりますので、できますならば本委員会におきまして御審議いただいた上で御決定いただければ幸いであろうと思います。
○大出委員 それは筋違いだと私は言うのだ。山本政弘君の質問の中身はよくわかっておりますよ。さっき例に申し上げて言っているように、国民全体のために、国民全体のためにとおっしゃるが、どうもものごとは安上がりのほうに論議のポイントがあるような気がする。いまのあなたの意見も、行政したいへん費用が助かるというような意味のことを言っている。そういう角度で国民医療というものを見るから、看護婦制度一つつかまえたって問題はたくさん出てきている。看護婦の制度の問題一つにしても、准看、今度の保助看法の問題にしても、みなそういう問題が出てくるわけですよ。それは筋通が違いやせぬかという気がするわけでして、しきりに行政制度のほうを強調したって、本来行政制度の問題じゃない。幾ら金がかかったって、やらなければならぬことはやらなければならぬわけですよ。ですから本筋のそちらのほうの委員会に出すべきだ、そう申し上げておる。国民全体のためにといったって、八千万全部やっているわけじゃない。一千万がやっていれば七千万はやってないのだから、強制されていないのです、七千万の人たちは。そうなると一千万の方、旧来やっている人たちの問題ですよ。だから罰金も取っていないわけだから、法律のたてまえからすればこれは一体どうするのだという問題ですよ。三千円を取ったらよろしい。取られたらもっと関心が湧くでしょう、人の命の問題だから。予防接種法があったって、ここにいるだれもやっていないとすれば、皆さん払わなければならぬわけだ。坂村さん、私もやったことないとひとり言を言っているけれども、やったことがなければ三千円払っているか。そういう性格のものでしょう。つまりそういうことを言うことが公衆衛生なり環境衛生なりの関心を持続させることになることだから。筋道は、そっちのほうはどこかにいってしまって、許認可のほうでぽんと廃止される場合には世間一般何もわからぬですよ。予防接種法の改正案がちゃんと出て——問題が一ぱいあって簡単に処理ができるかどうかわからぬ委員会なんだけれども、まだ一本も法案は通っておらぬはずだ、社労のほうは。しかしそういうことで表に出てくると、国民の皆さんはなるほどやめるのか、なぜやめるのか、うちの子供はやっているんだがということになっていくわけであります。それを行政事務簡素化という視点でぽっとここへ出してくる。これは何の論議もひとつ間違えばしないで通ってしまうことになる。委員長も、答申以来行政事務の簡素合理化ということを言っているんだからいいだろうということですっと通ってしまう。そうすると、世間一般からすれば三千円の罰金の義務づけまである法律の中で腸チフス、パラチフスというのはいつの間にか消えていったということになる。そういうものじゃないのじゃないかと私は思っている。環境衛生なり公衆衛生なりがかくのごとく進んできたからこうなんだ。その面が後退すれば逆の面がふえてくるケースだってあり得るわけですから、そのための研究というのは、行き先はどうなるか、あすのことはわからぬわけですから、そういう意味で、先ほど私が申し上げたようにやはりきちっと処理するものはしなければならない。社労なら社労という専門分野で論議を尽くして、山本君の意見のように、この際廃止に賛成するということになればそれでいい、処理はできると思うのです。私の言っているのはそういう趣旨です。これは私の希望でございますけれども、理事会にひとつ——先般一度申し上げたことがございますので、扱いについては社労のほうの関係もございまして、何で一体許認可のほうに出しちゃったんだろうと言っているのだから、社労のほうは山本君などがこういうふうに言っていますけれども、だから早く出せと言っているのは彼らの分野に、専門分野に出せというので、こっちに出てきているものだから、何で一体こっちに入れちゃったんだとぼくに聞いているわけでしょう。解せないわけだ。そこらのところもありますので、したがって、このくらいのことは申し置かぬと、これは一体何で許認可のほうに入ってきてその中の一つで済んでしまったのかということになりますから、やはりやっている人は一千万からずっといたんだから、そうでしょう、現に四十四年のときのような際にも二百万もいるんだから、そうなると国民全体の問題ですから、やめるならやめるでやはり納得してやめるということにならなければおかしな話になりますから、そういう意味で申し上げているわけです。 いまの問題はそういうことにさしていただきたいと思います。お忙しいところ恐縮でございました。 次に、第二次行政機構改革という問題が実はあるわけでありますけれども、その件につきまして長官の御意見をひとつ承りたいのでありますが、三年五%なり一省一局削減なりということをおやりになった。まずその三年五%というのはその後どういうふうに進んでいるのかという点。私ども当時、ここは減らすべきではないのだということを強調をした幾つかのケースもありました。それなりの答弁をいただきました。それからまた減らすべきでないところが減っている、だからこれは数年たてば復活ができるのではないかと予測を持っていたような説明をしている省もありました。そこらのところをあわせ考えまして、一体この三年五%というのはその後どういうふうに、皆さんがごらんになって進んでいるのかという点、ここのところを概括的にまず承っておきたい。 その上に立って、行政改革計画第二次、四十四年七月十一日の閣議決定、こういうのがございますが、この件について少し承りたいのですが、まずもってどういうふうに三年五%はその後進んでいるのかという点を承りたい。
○河合政府委員 お答え申し上げます。 三年五%計画の実績でございますが、昭和四十三年度、これは従来の凍結定員の削減でございまして、ただし三年五%計画の総数の内数に入っております。ここにおきまして七千四百六十八名を削減いたしております。次に第一年度の昭和四十四年度におきまして五千七百八十八名の削減をいたしております。また昭和四十五年度予算におきましては、五千七百四十五名削減の予算案として国会の御審議をいただいております。
○大出委員 これで三年五%になりますか。三年五%は四十三年からになりますか。四十二年が多少ありましたね。
○河合政府委員 三年五%計画は四十四、五、六年でございまして、四十六年度で最後でございますが、四十三年度におきましては、従来の凍結定員の削減という形でその内数を落としております。
○大出委員 これはなま首を切らぬ限りは、凍結定員を落とす以外にないわけですから、そこで三年目にいわゆる五%計画どおりいかなかった場合——これは各省別に申してもいいのですけれども、各省別に言うと十幾つか言わなければなりませんから、総括的に聞きたいのですけれども、ある省の例からいきますと、もちろんいまの計画でいったのでは三年五%にならない。最終年度にぶっかけて、足らない分を全部落とすということになると事件が起こる。そこらのところをどう考えておりますか。
○河合政府委員 三年五%計画を決定いたしました閣議決定におきまして、この計画によりがたい場合には行政管理庁に協議をするという項が一項ございます。各省庁それぞれいろいろな御事情がございますが、できるだけ三年五%の計画は計画どおり遂行していくべきであると思っておりまして、従来もその方針でまいっておりますが、若干この計画どおりにいっていない面もございます。これが第三年度におきましてどういう処置をいたしますか、その際には、趣旨といたしましては、三年五%の計画どおりに最終年度において残りを落とすという趣旨でいくべきであると思っておりますが、ただし、閣議決定にはそういうよりがたい場合には特別に検討するという条項もございますので、この条項に基づきましてどういう措置をする必要がありますか、その際に検討するということになります。
○大出委員 その際に検討する、こう言っておるのですけれども、幾つかの省、たとえば農林なら農林を見た場合に、多少現状に即して落とすべきものを落とさないで話し合いをしているようなところもある。したがって、それが最後にたまっていって、三年目だからというので落とすということになると、これは私がかつて総理に念を押したことともからんでまいりますから、そういう点が非常に心配なんです。荒木さんがずっとおやりになっているかどうかわからぬにしても、三年目になりますと、方々でいろいろ操作をしていますからたまっている。初年度、二年度で五%落とし切れない、つまり新規採用をある程度認めてしまっている。そうすると、凍結定員を落とすにしても、そのほうをならして計算してみると五%にならない。その場合、三年目に九百九十三名なら三名落ちるのが、千二百、三百になったのでは、これは凍結定員の処理だけではおさまらないということになる。ここらは先般のこの委員会で、あくまでもなま首を切らない原則でいくのだからやむを得ないということを全般的にはおっしゃっておるのですけれども、詰めの段階にいきますと、多少心配になる。職場の実態と合わせて、そこのところを原則と照らし合わせてどういうふうにお考えになっておられるのか。
○荒木国務大臣 極力予定の計画どおりにやりたいと思っております。実際問題としましては、ある程度でこぼこが出てくる可能性なしとしませんけれども、希望としましては、予定どおりにやりたい、こう思っております。
○大出委員 ただしその前提に出血整理はやらないという前提がございますから、そこのところはこの間御答弁をいただいておりますからいいのでありますが、実はそこから先こまかく各省別に入りたいのでありますが、長官の時間の関係があるようでありますから、そこは割愛いたしまして、各省のところで行管に御足労いただいたりしてやっていきたいと思います。 そこで四十四年七月の「行政改革計画(第二次)について」の中身をちょっと洗ってみておりますけれども、この中でいわく行政機構の改革、この重点は一体どこに置いておるのですか、ずらっとここに並べておるのですが。
○荒木国務大臣 許認可その他並べておりますが、特に重点ということはございません。全部が重点である、かように考えております。
○大出委員 それじゃどうも新聞が書くように、当時これを出したときに新聞が機構改革にならぬではないかという書き方をしておりますけれども、そう言われてもいたし方がないことになってしまうような気がするのです。 ここに一つ「共管競合その他類似行政の整理統合」というのがあるのでありますが、これは二つしか項目がない。これは一体どのくらい人が減って、どのくらい整理統合になるとお考えなんですか。
○河合政府委員 共管競合の問題につきましては、この二次計画で取り上げておりますのは、交通関係と観光関係でございまして、交通関係につては総理府にそれに対応する会議を設けまして、これによって各省庁の調整をはかるということでございます。また観光についても、観光関係各省庁の間の調整をはかりますために閣僚協議会を設置するという案になっておりまして、その結果、直接に人がここが何人ということは出てきておりません。
○大出委員 そうすると、これは機構が縮小されるなり予算的に金がかからなくなるとかいうことがなければ、行政機構の改革といっても意味がない。臨時行政調査会がああいうものを出した理由は、行政機構をふやせといって出したのではない。こんなところにまた中央交通安全対策会議なんというものを新しくつくれなんて、そういう意味で出したのではない。整理統合であって、整理をしろ、つまり縮小をさしているわけですよ。許認可の廃止もそうです。そうすると、一つ会議がふえるということにしかならないとすると、ものごとは逆になる。中央で交通安全対策会議といってみたって、総理府でやっておられる何々省にまたがるものというその所管のところに聞いても、さっぱりわからない。みんな、各省に聞いてくれという。そうすると、こんなものを設けたって意味がない。言うなれば、中身がないのです。 観光行政だってそうです。四省みんな関係がある。ところが、この間の長官の答弁で言えば、各省各様にやっているのだから、そこらのところを閣僚協議会を開いてやるのだと言う。そうすると、各省各様にやらしておくということなんです。ちっとも共管あるいは競合あるいは類似行政に対する整理でもなければ統合でもない。閣僚協議会ぐらい開いたって、各省の観光行政について整理統合できますか。ここのところ、どう考えておるか。
○河合政府委員 現在の各省の所管の分配の点から申しまして、閣僚協議会を設けてその間の調整をはかっていただいて、各省所管行政の機能的な一元化をはかるということは適当だという結論になってこういう機構を設けた次第でございまして、整理統合ということばにそのまま当たるかどうかは、これは御疑問の点もよくわかるわけでございますが、そういう措置によって行政運営の能率化、合理化、簡素化をはかることによって所期の目的が達せられるのではないかというふうに考えております。
○大出委員 それでは具体的に聞きましょう。あなたのほうは、観光行政について機能的な統合をはかる、こうおっしゃる。そこで、いま観光行政は、四十五年度予算その他でいけば、厚生、運輸、建設、文部、この四省です。国立公園は厚生省、国民休暇村、国民宿舎、国民温泉の保養地事業、こういうのをやっている。四十五年度にこれにさらに百万円の調査費を計上して、国民休養地五カ所を建設する。事業主体は都道府県、こういう計画が一つあるのですね。それから運輸省は、観光レクリエーション地区、建設省は大規模観光レクリエーション緑地、これを独自計画をしているのですね。文部省がやっているのは、公営ユースホステル、青年の家を所管しているわけです。国立公園、国定公園、都道府県自然公園というところに、国民、青少年の健康増進ということを目的にして遊歩道だとか駐車場だとか宿泊所、宿泊施設というのはみんなかち合ってしまっている。国立公園の中ですよ。何かこれは別途に調査費をつけて、あなたやっているのでしょう。これは機能的に統合するというのはどう統合するのですか、具体的に聞きたいのですけれども。
○河合政府委員 機能的に統合と申しますのは、具体的に各省所管行政を統合して別個の機関を設けるという意味ではございませんで、それぞれの所管行政の運営にあたりましてその間の調整をはかるという意味でございます。
○大出委員 調整なんて言わなくたって、予算がくっついているのだから、かってにやっていきますよ、そんなことを言えば。各省ごとにやらしておくということじゃないのですか。予算がくっついているのを各省はやあやしませんよ。そういうきれいごとで一体行政管理庁の存在が必要なのかどうかということです。そんなことになってくれば、行政管理庁自体を行政整理しなければしょうがない、要らない。九十九里浜、若狭湾、これは運輸省が全国総合開発計画の一環ということで観光レクリエーション地区、これを計画していますね。四十五年度五百四十万円調査費がついている。片一方の建設省が都市公園づくりの一つ、こういうことでほとんど同じ内容。大規模観光レクリエーション緑地、しかもこれは同じ地域です。これは一体機能的にといったって、こんなに金が同じところへ全部ついてしまっている。あなた、そこのところをおわかりですか。
○河合政府委員 具体的な問題につきまして承知しておりません点もございますので、十分に検討させていただきたいと思います。
○大出委員 話にならぬです。これはおわかりにならないとなれば、ここから先あなたに聞いたってわからぬということになるのです。一般旅館だとかホテルの監督指導、こういうふうなもの、それから運輸省の国際観光ホテル整備法に基づく政府登録関係の指定、厚生省が旅館業法によって環境衛生面、さらに中小企業の経営面までタッチしているのですね。どっちを向いたってみんな共管競合ですよ。選挙なんかになってくるとたいへんだ。片方のほうは厚生省から入ってくる、片方は運輸省から入ってくる、片方は建設省、そこの小規模経営まで含めて所管はどっちがとるんだということ。みんなこれは官庁のなわ張りというものとからんでしまっている。そんなものはあなた、閣僚協議会をちょっと開いたくらいで片づきはしない。それをどうするかというならば、行政管理庁が全部青写真をつくって、同じ緑地といっても、国立公園内の宿泊所といっても、それはこっちがやるんだ、これはこっちがやるんだと、ちゃんとあなたのほうで整理統合、機能的に整理して、これでいいのか悪いのかというかっこうのものを、この委員会に出すなら出す。そしていけるのいけないのということも、国民世論というものがあるんだから、そういうところできまっていくということにしなければ一つも前へ進まない。世の中でいろいろやかましく言われるからというので、片方で閣僚協議会をつくっておきます。交通事故対策については、総理府に何か知らぬけれども一つ何とか名前だけくっつけた統合機関みたいなものをつくっておく。あとは各省かってにやっている。事務局に聞いたってさっぱりわからない。この間私は総理府に電話をかけてほんとうに困った。どこに聞いたってわかりはしない。四十一も審議会を持っていて、何がどうなっているのか全然わからない。こういうばかげたことをやっておっては、これはほんとうに行政管理庁なんというものはあるかないかわからぬ。いま承れば、中身がわからぬとおっしゃる。これは四十五年度の予算なんですよ。それじゃ行政管理庁は第二次行政改革の中に麗々と観光行政と交通行政を載せている意味がない。何にも中身がない。これはわずか一例だけれども、何にもなくて閣議決定して、それじゃよほどふしぎなことだと思う。それに四十四年七月十一日閣議決定、中身はさっぱりわからぬで、皆さんそうかなんて言っている。「交通安全に関する行政を総合的に推進するため、総理府に中央交通安全対策会議を設置する。」上のほうは「観光に関する行政を総合的に推進するため、内閣に観光関係閣僚協議会を設ける。」何か知らぬけれどもたいへんなことをやるように見えるのだけれども、何にもやらないということだ。何かもう少し気のきいたことないですか、河合さん。論議するのがばかばかしい。
○河合政府委員 各省庁の所管に属する行政の総合調整は、御承知のように非常に重要な点が多いと思いますが、なかなか各省庁それぞれの所管の立場からも重要な必要性をかかえておる問題もございまして、そういう意味から申しまして、事務的レベルではなくて閣僚協議会あるいは閣僚クラスの会議による調整をはかっていただくのが適当かと思っておりますが、もちろん事務的にも十分連絡をとりまして、閣僚クラスの協議会あるいはこれに類する組織を補佐していくべきだと思っておりますので、その点は各省庁あるいは内閣審議室と十分に連絡をとりまして、御趣旨の線に沿いたいと考えます。
○大出委員 これは各省なわ張りがあってそう簡単にいきません、そうお答えになったらいいのですよ。ばらばら行政と言われるけれども、しかたがない、こうおっしゃったほうがいい。閣僚を集めたって、一年しかおやりにならぬ閣僚は、そんなに中身を詳しくおわかりの方々ばかりではない。自分の省の事務当局が、大臣こう言ってくれというのを持ってきて、おれのところはこうだと言うだけで、それでおしまいだ。これは全く意味がないのですよ。きょうは実は各省皆さんおいで願って、この間実は長官のお時間の関係で、御出席願ったけれどもできませんでしたので、実はせめてきょうは、また長官のお時間の関係があるようだから、河合さんに、各省のやっていることを、行管の目から見たら観光行政というものは、建設省はこうやっておる、運輸省はこうやっておる、文部省はこうだ、厚生省はこうなんだとあげていただいて——同じ国立公園だって、中の宿泊所だってみんな隣につくるようなことをやっておる。これはなわ張りが違う。色でもつけておかなければわからぬですよ。そういうことでは困るということをあなたが言ったって、調査費がかって気ままについておる。筑波山ろくがそうですよ。一生懸命片方は水が出るのか出ないのかボーリングをやっておる。片一方を聞いてみれば、その省の出先が行くか行かないかきまっていない。結果的にはほかに行っておる。そういうことをやっていたのではしようがない。だからそこらはこういうふうにしたいというようなことが局長の頭にあっていいと思う。だからきょうは各省おいでにならぬところで、せっかく閣僚協議会を閣議決定されておるのだから、機能的統合という中身はこうなんだということを言っていただきたいと思ってものを言っておるわけです。そうすると、中身はない。大臣、これはこの間大臣がお答えになったのは、各省各様にやっていくのだから一緒にできないということをあなたおっしゃった。だから閣僚を集めて閣僚協議会をつくるとおっしゃった。私は、やはり国民の目から見たらそれでは済まないと思うのですよ。そこらのところは大臣、せっかく審議会もあるのですから、もう少し何かお考えはないですか。私もきのうやきょう調べているのじゃないのです。
○荒木国務大臣 閣僚協議会をつくってもだめじゃないかというお話でございますけれども、各省庁それぞれ所管の事項として観光に関することをやっておる。それを予算の上でも調整する調整機能は行政管理庁もございますけれども、閣僚協議会をつくりまして、そこで一元的に関連のことを出し合って調整をとるということが有効だと考えての構想でございます。いろいろな事情から設置がおくれておりますが、設置されたらばその機能を発揮し得ると思うのでございます。
○大出委員 これは現在具体的なものがない段階でものを言ってもしかたがないということに結論はなりそうでございますが、いま長官の言っておられることからすると、設置がおくれてはいるけれども、考え方としては各閣僚が集まる、観光行政を持っている閣僚が集まる、そして予算のつけ方、調査費のつけ方、あるいは宿泊施設、青少年の施設等をつくるについてもむだがあっては困るから、そこらのところを何とか共管競合の形で二重行政になっていかないようにさいはいをふるいたいという気持ちだ、こういう意味だと思うのです。その気持ちはわかるのです。しかし、そこのところを一歩進めて、具体的にこれこれはこうだと指摘されなければ行管の任務は果たせないんじゃないかと思うのです。国民一般の側から、あるいは新聞というものを通じて、あるいは審議会から答申が何回か出ているわけですから、わかる部面の方はわかっているわけですから、ずいぶんばかな話じゃないかと言っているわけですから、ばかな話と言われているものについて、ばかな話でないように、具体的にここはこういうふうにしなさいということを、皆さんのほうで青写真をつくって各省に同意を求めるというふうにいかなければ、そしてそのことが世の中に明らかになっていかなければ、世論も出てこないし、味方しないし、前に進まない。おのおののなわ張りが先に立ってしまうということになるわけですから、私はそこまで具体的なものをなぜおつくりにならぬかと思うのですが、そういうお気持ちはありませんか。ただ閣僚を集めて相談してもらえばいい、これじゃいかぬと私は思うのです。
○荒木国務大臣 閣僚協議会を、正式にと申しますか閣議決定に基づいてつくりますれば、そこで初めて各省庁の関連事項を持ち寄って調整するという場が出てくる。それなしに行政管理庁が調整機能を発揮すると申しましても、いわば総理の御威光をかさに着て閣僚協議会というものを正式につくって、そこでは具体的にそういう調整機能を発揮するんだということでないと効果がありませんので、その発想に基づいて閣僚協議会を設置するということでございます。早くつくらなければいけませんけれども、ひょんなことで茶々が入りましてつくりかねておりますが、構想はそういうねらいでございまして、大出さんのお示しのとおり、具体的に各省庁の関連、たとえば予算ならば予算課題を持ち出してそこで調整をとることは効果がありそうに思うのでございます。
○大出委員 これはあげ足をとるわけではありませんが、へちゃが入ってというお話ですけれども、四十四年の七月十一日の閣議でおきめになった中身なんですから、私を含めて世間一般の常識で考えれば、四十四年七月といえば標準予算編成の始まりですよ。そうするとせめてこの方針に基づく閣僚協議会が何回か開かれて、事務当局の意見も出てきて、行管の軍配も表に出てきて、今回の調査費のつけ方にしても、四十五年度の予算を見る限り、こんなに入り組んじゃって、妙なことになってまたばらばら行政だといわれるようなことが、少しでも前進しているという姿にはなったはずだと思う。それがどうも——四十五年度の予算というのは年を越してしまっているわけです。にもかかわらずそこには何ら出てこないというかっこうになると、行政改革計画第二次案というのは一体何のためにきめたんだということになる。だから差しつかえなければ、そのへちゃのところをどういうふうなへちゃか言っていただければ、私どもも担当委員会ですから、もう少しものの言いようが出てくるのですが、いかがなものですか。
○荒木国務大臣 そのとおりだと思います。閣僚協議会を正式につくり上げることについ手おくれになっておることを遺憾に存じます。
○大出委員 長官中身をおっしゃらぬのですけれども、皆さんここで御心配のようですからこの辺にしますが、実は第二次案の中身、郵政の公社化の問題一つとりましても、これでは簡単にこう書いてあるけれども、専門屋のいろいろな意見を聞いてみましても、諸外国の例を調べてみましても、これは私のいわば専門の仕事だけれども、そう簡単じゃないのです。郵便事業なんというものはまともに黒字になっている国がない。ウィルソンだって赤字の連続で困っているのです。アメリカだってストライキがなぜ起こるかといえばそこに原因がある。だからこう簡単にお書きになったって、中身はまだ何にも前進していないということになってしまうという心配を、いろいろたくさんありますが、するわけですよ。だからそこらについてもう少し前に出た長官の御答弁を実は賜わりたいと思って取り上げたのですが、長官もどうもうまくいかぬ、行政管理庁がどういうふうに考えてもなかなかということで、総理の御威光を着てと答えられるところあたりを見ると、そういう髀肉の嘆にたえざるところがあるようですが、そこらがわかったということにきょうはさせていただいて、お時間の関係がおありのようですから、あらためた機会にさせていただきたいと思います。
○天野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕